予算委員会第四分科会 第2号
- 発言数
- 628 件
- 登壇者
- 58 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/03/05
会議録
○始関主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 昭和五十五年度一般会計予算、昭和五十五年度特別会計予算及び昭和五十五年度政府関係機関予算中通商産業省所管について政府から説明を聴取いたします。佐々木通商産業大臣。
○佐々木国務大臣 昭和五十五年度通商産業省関係予算案等の予算委員会分科会における御審議に先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。 最近のわが国経済を見ますと、堅調な設備投資の増大に加え、個人消費、輸出の増加などから総じて着実な拡大が続いております。しかし、卸売物価が大幅に上昇し、物価の安定を図ることが強く要請されております。 また、不安定な国際石油情勢の中で、石油に過度に依存しているわが国経済は新たな試練を迎えております。このため、短期的には石油の安定供給の確保、中長期的には石油代替エネルギーの開発、導入を推進することが必要であります。 このような状況にあって、物価の安定とエネルギーの安定供給の確保を図りつつ、わが国経済の安定的成長のための基盤整備を図ることが、現下の通商産業行政の最大の課題であると考えております。 これらの課題の達成のために、私は、全力を挙げてまいる所存であります。 昭和五十五年度通商産業省関係予算案及び財政投融資計画の作成に当たりましても、このような基本的方向に沿いまして、エネルギーセキュリティーの確保、国際経済社会への貢献、技術立国への接近、活力ある中小企業の育成、快適な国民生活の実現の五項目に重点を置きつつ、一般会計六千四百六十九億四千二百万円、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計四千百四十一億九千七百万円、電源開発促進対策特別会計千四百二十五億八千三百万円、財政投融資計画五兆四百七十三億円等を計上しております。 以下、この通商産業省関係予算案等の重点事項につきましては、お手元に資料がお配りしてありますが、委員各位のお許しを得まして説明を省略させていただきたいと思います。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○始関主査 この際、お諮りいたします。 ただいま佐々木通商産業大臣から申し出がありました通商産業省関係予算案等の重点事項の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○始関主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○始関主査 以上をもちまして通商産業省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○始関主査 質疑に先立ちまして、分科員各位にお願いを申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は要領よく簡潔にお願い申し上げます。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上原康助君。
○上原分科員 いま主査からもありましたように、限られた時間でのお尋ねでありますので、早速本論に入りたいと思います。 きょうは、いま大胆の御説明にもありましたように、エネルギー問題が大変重要な政策課題といいますか政治課題になっておりまして、なかんずく原子力の平和利用というのは国際的にも大変注目をされて、わが国でもいろいろ賛否両論ありながらも進められてきていることは御案内のとおりです。 そこで、これと密接にかかわっております使用済み核燃料再処理工場の建設問題にしぼってお尋ねをしたいわけです。この第二再処理工場設置の問題とも関連がありますし、同町にわが国の今後の原子力政策と非常に重要なかかわりを持っております去る二月末に終了したといわれるいわゆるINFCE会議の報告といいますか結論、その結果について、要するに国際核燃料サイクル評価をめぐる国際会議の結論というものを政府はどのように御認識をされ、評価されておられるかということ、またこのINFCE会議の内容というものが今後のわが国の原子力政策あるいはいま申し上げた核燃料再処理工場の設置等についてどういう影響を及ぼすとお考えなのか、そのあたりから所見をお伺いしたいと思います。
○佐々木国務大臣 御質問の先日のINFCEの最終総会で採択されました報告書でございますが、これは御承知のように、原子力の平和利用と核拡散防止というものが両立し得るという内容をまとめたものでございまして、言うなればわが国の基本的な立場とおおむね合致した結論になっていると評価しておるのでございます。 INFCEの性格でございますけれども、ここは技術的な検討の場でございまして、したがいまして、その結果は参加国をそのまま拘束するという性質のものではございません。そういうふうに基本的な了解をしてございます。したがいまして、わが国といたしましてはその結論を踏まえまして、今後の二国間交渉あるいは各種国際的な協議等にINFCEの成果の具体化を図るためにこれを活用してまいりたい、そしてわが国の原子力平和利用の推進に努めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○上原分科員 このINFCE会議の最終報告といいますかあるいは結論につきましては、今後いろいろ議論を深めていかなければいけない問題もあると思うのです。確かにいまおっしゃいましたように、原子力の平和利用と核拡散を防止しながらこの原子力利用をやっていくという面では、わが国の従来の基本方針というものがある程度取り入れられたということになっておるかと思うのですが、しかし大臣からも御答弁ありましたように、この多国間協議の結論がそっくり二国間協議といいますかあるいは交渉に採用されるとは限らない、あるいはまた国際的拘束力もない、こういう点からしますと、必ずしもINFCEの結論というものは、わが国の今後の原子力の平和利用をめぐる対米交渉なりそういう面で楽観視できない面も多いのじゃないかという見方もあるわけです。それはこれからの政府の対米交渉なりその他の国際会議における姿勢などを見なければいけないと思うのですが、要するにプルトニウムの国際管理、使用済み核燃料の国際貯蔵という二つの監視システムをアメリカは日本側により具体的に迫ってくるのじゃないかという見方もあるわけです。今度の報告でもそう打ち出されている。あるいは一方においては、第三世界といいますか発展途上国の核不拡散という意味で、第三世界、発展途上国に対しては厳しい規制を加えている。これも第三諸国にとっては非常に不満な点だと思うのですね。こういう意味で、この八月にもジュネーブですかで予定されている核防条約をめぐる国際会議においては、いま指摘をした点が非常に議論の対象になるのじゃないかという見方が一部にあるわけですが、この点についてはどのように政府はお考えなのか、またどう対処していかれようとするのか、御答弁を賜りたいと思います。
○児玉(勝)政府委員 ただいまのポストINFCEの問題でございますが、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、このINFCEの結論を一つの足がかりといたしまして、今後の二国間協定、それから多国間協定というものが論議されていくかと思います。それで、平和利用と核拡散防止という両立てをどういうような手だてで担保していくかということがこれからの具体的な問題になろうかと思います。 そういう意味で、ただいま先生おっしゃいますように、ことしの八月に行われますNPTの会議ということにつきましても、そういうことがまず手始めとして行われるであろうというふうに思います。ただ、それについてどういうふうに考えていくかという問題については、国内におきましても関係省庁でまだ十分な協議をしておりませんので考えておりませんが、基本といたしましては、原子力平和利用が大きく損なわれることのないようにしなければならないと私たちは考えております。
○上原分科員 それで具体的な問題に入っていきたいわけですが、この使用済み核燃料再処理工場、言うところの第二再処理工場をめぐる問題がにわかにクローズアップされてきているわけですが、一昨年ですか、五十三年のたしか二月ごろ再処理工場の民営化の方針が決まって、その後、日本原燃サービス準備社ですか、そういうのが設立され、去る一日に日本原燃サービス株式会社というのが正式に発足をしておる。 そこで、この民営の使用済み核燃料第二再処理工場の建設についての設計といいますか、いろいろな構想というのはすでに明らかにされているようですが、現段階でどの程度の準備が具体的に進められてきているのかということ。また、この建設を推進するに当たって、さっき申し上げたINFCEの結論との関係もありますが、今後どういう手順が踏まれなければいかないのか、手順を経なければいかないのか、このあたりからひとつ御説明をいただきたいと思います。
○児玉(勝)政府委員 再処理工場と申しますのは、いわゆる原子力の開発利用の推進のかなめでございまして、核燃料を非常に効率よく利用するという意味では欠かせないものでございます。このために、わが国といたしましては、昭和六十五年度運転開始を目標に民間による大型商業プラントを建設しようというふうに考えております。 そこで、ただいま先生おっしゃいましたように、電力業界を初めとする関連業界約百社が出資いたしまして、第二再処理工場の建設を行う主体といたしまして日本原燃サービス株式会社が本年の三月一日に設立されております。当面の業務といたしましては、第二再処理工場の設計、立地地点の選定作業等が中心になるわけでございまして、昭和六十五年の運転開始を目指しましてこれからいよいよ事業を始めるという段階でございます。 その第二再処理工場の建設着手までの手続でございますけれども、対外的な問題と対内的な問題と二つあるかと思います。対外的な問題といたしましては、日米原子力協定によれば、米国から輸入いたしました濃縮ウランの再処理をする場合には日米間の共同決定が必要でございます。したがいまして、将来第二再処理工場が完成した後、この工場で米国産の濃縮ウランから生じました使用済み燃料を再処理するときまでにこの共同決定が必要となります。工場完成後、日米共同決定が調わないといった場合には具体的に再処理ができないという問題がございますので、それまでに米側の理解を十分得ておくということが必要でございます。 また対内的な問題といたしましては、立地地点の選定、設計、工事計画の策定等を進めていくことが必要となりますが、これら建設に着手するに当たりましては、一般に工場を建設する場合に必要とされる種々の手続を踏むことに加えまして、原子炉等規制法の規定に従いまして内閣総理大臣の指定、設計及び工事の方法の認可を受けることが必要でございます。
○上原分科員 時間があればいろいろあるのですが、工場建設をしていく場合には、いまおっしゃいましたように確かに日米間の原子力協定があって共同決定が必要だ。これは原子力協定の第八条のC項ですかで明記されておりますね。その場合は日米間の事前承認といいますか事前決定は必要じゃないわけですか。工場を建設をして完成して、その再処理をする段階においてそういう決定を得ればいいのか。やはり建設する前に日米間の話し合いが必要じゃないですか。その点は明らかにしておいてください。
○児玉(勝)政府委員 法律的にはアメリカから輸入いたしました濃縮ウランを再処理するときまでに決めればいいわけでありますけれども、実質的にはその工場をつくる場合にアメリカの濃縮ウランを再処理するという意図がございますので、事前にアメリカと交渉しなければならない、こう考えております。
○上原分科員 それはまたいずれかの議論に残しておきまして、国内的な手続面の問題ですが、設計をつくるあるいは場所の決定といいますか選定、そういうのが当面の重要な課題になろうかと思うのですが、しかしエネルギー庁は「第二再処理工場の建設推進について」というのを五十五年の二月に策定されておりますね。第二再処理工場の建設スケジュールという面から見ますと、昭和五十四年から五十五年の中期にかけて候補地の調査を行う、そして五十五年の六月ごろから五十七年の中ごろまでには用地の取得をやる。再処理工場建設、設立という面でこういうふうに具体的につくってありますね。こういう面からしますと、設計構想はすでにできている、場所の選定、調査という点については具体的に進んでいるとわれわれは見ているのですが、現段階でどういう地域を調査なさって、どこに立地を考えておられるのか、明らかにしていただきたいと思うのです。
○児玉(勝)政府委員 ただいま先生がおっしゃいました資料につきましては、恐らく規制法の改正のときに第二再処理工場ができた場合の構想としてつくられたものであろうかと思います。昨年の六月に国会におきまして原子炉等規制法の改正をしていただきまして、民間の会社においても再処理ができるという道を開いていただきましたので、その後会社の設立等が進み、三月一日に会社が設立されることになったわけでございます。したがいまして、今後会社自身が具体的にいまパンフレットにありますようなスケジュールを再度見直しまして、これから立地の作業に入るという段階でございます。したがいまして、具体的にどこの地点ということはいまのところは調べてございません。それから、再処理準備会というものがございまして、どういうような工場をつくればいいのかという構想は一応立てておりますけれども、具体的に責任のある会社としてどういう設計にするかというのもこれからの問題でございます。
○上原分科員 そういう御答弁ではどうも納得しかねるのです。立地条件といいますか、工場建設の立地条件はどういうことが想定できますか。どういう場所が適当と政府は見ているのか。
○児玉(勝)政府委員 再処理工場の技術的な観点から見ますと、一般的には地質、地形など土地の条件、それから港湾の条件、それから気象の条件、電力、用水というような技術的な面が考えられます。
○上原分科員 これまでに、エネルギー庁でもいいし、どこか特定の場所を具体的に調査をしたという事例はございませんか。
○児玉(勝)政府委員 ございません。
○上原分科員 それは通産省がおやりになったことがないということですか、それとも別の機関ではやったことがありますか。
○児玉(勝)政府委員 通産省でやったことはございません。また、再処理準備会というのがございましたが、そこも調査したというふうには聞いておりません。
○上原分科員 奄美大島の徳之島というところを具体的に調査なさったのじゃないですか。エネルギー庁じゃなくしても、再処理工場を立地をさせたいという目的で調査したことがあるのじゃないですか。その調査報告は通産省にも行っているのじゃないのですか。
○児玉(勝)政府委員 ただいま先生のおっしゃられました徳之島の問題につきましては、日本工業立地センターが株式会社徳之島興業からの委託でやったレポートと聞いておりまして、われわれとしてもそれでもって再処理工場の立地を特に調べたということではございません。
○上原分科員 日本工業立地センターの調査というのはたしか昭和五十年ごろになされているかと思うのですね。その報告書はあるわけでしょう。それを資料として提出してください。
○児玉(勝)政府委員 この徳之島の調査につきましては、これは通産省としては概要を聞いておりますけれども、先ほど申し上げました株式会社徳之島興業と日本工業立地センターとの間の私契約による調査でございますので、われわれとしてそれをどうするかということについてはちょっといま申しかねる次第でございます。
○上原分科員 いま立地については具体的に固まっていないとおっしゃるわけですが、日本工業立地センターというのがすでに五年前に具体的な特定をした地域を調査なさっているわけですね。日本工業立地センターはどこの依頼でそういうことをやったのですか。なぜそういうことが政府として明らかにできないのか。大臣、そういう態度は民主、自主、公開の原則に反するのじゃないですか。それは明らかに通産省にも行っているはずですよ。
○森山(信)政府委員 本件に関しましては先ほど来児玉審議官からお答えしたとおりでございます。いま先生御指摘の徳之島の調査につきましては昭和四十九年度に調査をいたしております。これは株式会社徳之島興業からの委託を受けて立地センターが調べたということでございまして、通産省とは全くかかわりなく調査したものでございますので、いわば私契約ベースの調査でございますから、私どもといたしましては、その私契約に基づく資料を委員会にお出しするというのはちょっと差し控えさしていただきたいということでございます。 さらに、もう一つつけ加えさしていただきますと、第二再処理工場いわゆる民間の再処理工場が認められましたのはつい最近でございまして、四十九年当時私どもは民間の再処理工場という構想は全くなかったわけでございます。現地にある徳之島興業という会社が予備調査的なものをしたという事実は確かに知っておりますけれども、それと私どもの第二再処理工場とは全く関係ないものと御理解を願いたいと思う次第でございます。
○上原分科員 これもまたいずれお尋ねしますが、そうしますと、この徳之島の日本工業立地センターがやった調査報告というのは政府とは無関係である、また政府はそれを採択する意思もない、尊重する意思もない、こういうふうに断言できますか。
○森山(信)政府委員 先ほどお答えいたしましたとおり、私どもとは全くかかわりなくそういうことを調査されたわけでございますので、しかも調査時点が、客観情勢が民間の再処理工場が許されてない段階での調査でございますので、私どもの考え方とは全くかかわりはございません。
○上原分科員 その他の地域については、下調べといいますか、一説には二百カ所を調査したとか、七、八十カ所であるとか、最近に至っては、日本列島の二十カ所ぐらいにしぼって、極秘といいますか、そういうことでやっているのだ、そういう報道もあるのですが、そこいらはどうなんですか。これは地域において混乱を来していることは皆さん御案内のとおりです。政府の構想なり方針というものが非常に秘密主義をとっているがゆえに、また、スリーマイル島の問題を言うまでもなく、日本の原発のいろいろな事故を見て、この問題に対する地域住民の反応というのは敏感なんです。そういう意味では秘密主義ではいけないと思うのです。この際、どこどこを調査し、どういうことを前提にこの第二再処理工場を立地させようとしているのか、明らかにすべき段階じゃないですか。お答えください。
○森山(信)政府委員 先ほどからお答え申し上げております民間の再処理工場は三月一日に設立されたわけでございます。そこで、この立地個所を決めますのは民間の再処理会社が決めるわけでございまして、発足したばかりでございますから、いまから調査をするという段階でございますので、私どもが予断を持ちましてこういうところを調査するということは全くございません。白紙の立場から民間の再処理工場がこれから立地点を検討していくということでございます。
○上原分科員 そうしますと、具体的にいま徳之島は全然該当というかそういう対象に政府の立場ではなっていない。これも疑問がありますが、さらに、さっき立地条件の御回答がちょっとありましたが、最近になって、沖縄の西表島に第二再処理工場が建設されるのじゃないかということが明らかになりまして、地元を含めて大変な問題になっている。これは、政府を含めてなんですが、日本原燃サービスなりその他の会社等が西表を想定しての何らかの現地調査なり、あるいはまたいまの第二再処理工場建設の構想の中にそれらしきものがあるのかないのか、これもぜひ明確にしていただきたい。
○森山(信)政府委員 西表島につきまして、いろいろ現地で報道されたということは私も拝見して承知しておるわけでございますが、先ほどお答え申し上げましたとおり、これから立地地点を探すということでございますので、全く白紙の状態であるということを御理解を賜りたいと思う次第でございます。
○上原分科員 全く白紙ということは対象になっているということですね、裏返せば。
○森山(信)政府委員 全く白紙ということは、日本列島全部を対象にして考えるということでございます。
○上原分科員 木で鼻をくくったような御答弁では納得できませんよ。 それで、これは今年一月の新聞報道ですが、さっきの立地条件の問題とも関連しますが、専門家の間では離島を選択する意思のないことを明らかにした、これは電源会社の首脳の言い分のようですが、その理由として、万が一事故があった場合に住民避難や緊急対策をとる上でも離島は大変不便だ、あるいは建設する場合のいろんな物材等の運搬とかその他の面でも支障を来す面があるのだ、こういう見解もあるのですが、これは合理性がありますか。
○児玉(勝)政府委員 そういう問題については私たちは全然聞いておりませんし、また、そういうことについて具体的にどういう立地、または退避計画とかというものとの関連においてどういう立地を考えるかということについても詰めたことがございませんので、その新聞の御意見は恐らく個人的な御意見として出たのではないかと思っております。
○上原分科員 そうしますと、あなたの頭もそうなんですが、逆に言えば、エネルギー庁、通産省は離島も含めて対象にしているということですね。
○児玉(勝)政府委員 先ほど長官から御答弁いたしましたように、まだ立地の問題については全く白紙でございますので、その点考えておりません。
○上原分科員 それで大臣、たとえば国立、国定公園とか、そういうところの立地というのはどういうふうにお考えなんですか。きょうは環境庁は呼べませんでしたが、そういう地域も自然環境の保護とかいろんな面で考慮しなければいけない点があるのですが、国立、国定公園がその島の大半を占めるとか、そういうところもやっていこうとするのか。
○児玉(勝)政府委員 先ほど来その立地の問題については白紙と申し上げておるわけでございますが、まさにその国定公園、国立公園の問題も含めまして立地の問題についてまだ考慮しておりませんので、具体的な問題が出た上で、その点考えさせていただきたい、こう思っております。
○上原分科員 時間が参りましたのでこれで終えますが、大臣、西表というのは国立、国定公園に島の半分が指定をされていますね。宮古それから八重山、台湾等の豊富な漁場であるということ、さらに沖縄には日本全体の五三%の基地が依然として居座っているというこの現実、そういう面からも、こういった再処理工場の立地に当たっては政府は特段の考慮をすべきである。その点について一言大臣の方から所見を賜って終えたいと思います。
○佐々木国務大臣 私も西表には参ったことがございますので知っているつもりでございますが、いまお話がございましたように、まだ全然これからということで、予定地等は一切聞いておりませんので、それが出てきた時点において検討いたしたいと思います。
○始関主査 これにて上原康助君の質疑は終了いたしました。 次に、村山喜一君。
○村山(喜)分科員 私は、きょうは五点に対する質問を原子力発電の問題を中心にいたしたいと思います。 吹田安全委員長もわざわざおいでをいただいてありがとうございます。 まず第一に、これは通産省にお尋ねをいたしたいのですが、昨年の十月八日に川内原子力発電所一号炉の岩盤検査をやられたわけでありますが、その岩盤検査の結果について御報告をいただきたい。
○児玉(勝)政府委員 川内原子力発電所の岩盤検査につきましては、福岡通産局がこれを担当いたしまして、昨年の八月から五回にわたりまして実施しております。その結果、原子炉建屋の基礎岩盤は大部分が新鮮で堅牢な岩盤によって占められておりまして、破砕帯や風化影響部等の弱層部が認められますが、その分布状態は局部的であるということでございます。これら局部的な弱層部については、安全審査時におきましても当時の調査資料によってすでにその存在が確認されておりまして、それが安全上支障となるものではないとされておりましたが、今回の検査の結果、審査時において把握されていた状態とほぼ同様でございまして、破砕帯の幅等についてはむしろ予想よりも小さくなっているということがわかったわけでございます。このように良好な岩盤のみによって判断したのではなく、破砕帯等の弱層が認められるにいたしましても、それが局所的であるということ、またその弱層部の物性、たとえば支持力につきましても十分地耐力があるということが確認されております。 そういうことで、基礎岩盤全体といたしまして安全上支障ないというふうに判断いたしております。
○村山(喜)分科員 ここの、いま支持力の問題を言われましたが、その試験の結果、コアを取り出して圧縮強度をはかられたわけでしょうが、どれぐらいの強度になっていますか。
○児玉(勝)政府委員 弱層部におきます支持力は一平方メートル当たり七百トンということでございまして、これは、原子炉の常時の荷重といたしましては一平方メートル当たり六十六トンでございますので、十分地耐力があると判断したわけでございます。
○村山(喜)分科員 私はここに図面を持っておりますが、場所によりまして数値がいろいろ出ておるわけです。一番弱い地帯のCLというところは、これは五千トンから一万トンあるだろう、それからCHの方は一万トンを超える地耐力がある、こういうような資料を私は持っているのですが、そのテストをやります場合に、一体何トンまで圧縮強度を測定できる機械が今日あるのですか。
○児玉(勝)政府委員 地耐力の測定の機械は七百トンが限界ということでございます。
○村山(喜)分科員 そういたしますると、これは七百トンが限界だという状況の中で五千トンあるとか一万トンあるとかというのは推定ですね。
○児玉(勝)政府委員 ただいま申し上げましたのは、現場での地耐力テストの機械の能力が七百トンという意味でございまして、恐らくテストピースをどこか試験所へ持っていきましてテストをしたものと思われます。
○村山(喜)分科員 そのテストピースはどういう形で取られたのですか、大きさ。
○児玉(勝)政府委員 ちょっと私不明でございまして、存じておりません。
○村山(喜)分科員 現地でわれわれが調査いたしたところでは、その試験体は五センチと十センチ、それから十センチと二十センチの試験体を取った、こういう説明なんですが、これは、試験体は非常に強固な岩盤のところを取ればそれだけ強いものが出てくることは間違いないわけなんですが、一体どういうところの試験体を取ったのだろうかということはお調べになりましたか。
○児玉(勝)政府委員 岩盤検査におきましては、実際に掘りました場所、それからそのピースのテスト結果というのを全部勘案してやっておりますので、そういう資料は全部整っておるはずでございます。
○村山(喜)分科員 私も、十月八日通産省が調査をされて太鼓判を押された後、現地を見に参りましたが、行って見ると、われわれが予想したように破砕帯というのがございます。これは破砕帯が一つだけだというふうにとらえられましたか。われわれが見ますと、一カ所の破砕帯は大きいのですが、ほかにもたくさんあるように見受けたわけです。しかもそこは、一週間ぐらい掘って検査をした後だったと思うのですが、風化しましてぼろぼろはげる。だから破砕帯の割れ目の当たりのところは、これは〇・五トンぐらいの強度しかないんじゃないだろうか、中には粘土等も入っているわけですから。そういうようないわゆる強度だというふうに見たのでありますが、皆さん方は丈夫なところだけを取り上げて、これで大丈夫だというふうに判断をされたのじゃなかろうか。しかも地震が発生した場合には、圧縮で壊れることはないけれども、非常に割れ目が多いものですから、これは勇断で壊れるのではないだろうか。だから、平面で見るのではなくて断面で見ていかなければならないのではないだろうか。昔、ここは金を採掘をしておりました場所ですから、そのときに発破をかけることができなかった、そういうような地帯でございます。そういうところからどんどん崩れるという状況がありますので、手掘りでずっと昔はやった地域なんです。 それで、今度の工事の設計から見ると、二カ月も短縮をして工事ができ上がったというのは、どんどん崩れるそういう地帯であったのではないか。それは礫岩があり砂岩があって亀裂が細かくなっているから崩れるのだというふうに見れるわけでありますが、それをもう大丈夫だ、設計荷重の十倍ぐらいあるから大丈夫だ、こういうふうに判断をされた。そのピースの取り方等は本当に一体どういうようなものであったのか。われわれは、九電側から説明を聞きましてもあるいは皆さん方の説明を聞いても納得ができない。しかし、もうそこにはコンクリでふたをしてしまっておるわけですから、掘り返して見るわけにはまいりません。 なお、ボーリングコアをしました四〇八というところの三メートル下の方はCM程度の強度の岩盤だ、こういうふうに言われておりますけれども、その上の方を見てみると完全に風化しておりまして、茶色のそういうような様相を呈した鉄分が入っているのだろうと思うのですが、ぼろぼろになっておりました。これは結局弱いから早く風化するのではないだろうか、こういうふうに見たのですが、その下から三メートルのところは非常にかたい岩盤である、こういうようなのが、われわれが見たものと皆さん方が検査をされたものと食い違いがどうも多過ぎる、そういうような気がしてなりませんが、その点について納得のできるだけの資料を示して説明をしていただけるものかどうか。きょう時間がありませんので、後日で結構ですが、そういうようなものをお出しになる用意があるかどうかを承っておきたい。
○児玉(勝)政府委員 ただいまの岩盤検査に関しますいろいろな知見につきましては、できる限り資料を整えまして御説明したいと思います。
○村山(喜)分科員 スリーマイルアイランドの二号炉の事故やあるいは先発発電所の運転経験を川内一号機の設計に当たりましてどの程度生かしているのか、この点については、時間の関係がありますので、項目程度の説明を願いたい。
○児玉(勝)政府委員 TMI事故の教訓を受けまして、川内の一号機には、項目で申し上げますが、次のような要点を改善しております。 第一に、炉心状態確認のための監視装置の設置、それから第二に、事故時における放射線モニター機能の強化、第三に、事故時における一次冷却材等のサンプリング機能の強化、第四に、原子炉圧力異常低によるECCS作動信号回路の追加、第五に、炉心出口温度計の測定範囲の拡大等でございます。また、運転管理上の教訓も十分反映していく所存でございます。 以上でございます。
○村山(喜)分科員 そこで、TMIの事故の反省が教訓として本当に生かされているのだろうか、このことについて若干具体的な例を用いながら尋ねてまいりたいと思います。 われわれがレポートをいろいろなところから読んでみますると、TMIの事故の場合、コンピューターが正確にそれを表示していたのであろうかということについて非常に疑っているのです。それでなければあれほど混乱をした作業員の判断というものが生まれてこなかったのではないか。だから、コンピューターが集積して、それに対する情報を解析して答えを出して表示をする、それがおくれたためにああいうような事故に発展をしたのではないだろうかと思うのでありますが、その点についてはどういうふうに見ていらっしゃるのか。 それから十一月五日の朝日新聞の社説にも出ておりましたが、高浜二号炉の問題ですが、これは温度検出器用のバイパスラインの予備座にステンレス製の栓のかわりに黄銅製の栓を使っていた。そのために百八十トンの一次冷却水のうち八十トン、四四%が漏れた、こういうようなことでございますが、事故時の温度あるいは圧力の変化とか格納容器内の圧力等の動き等についてはデータを発表されたのでしょうか。ということは、このステンレス製の栓のかわりに黄銅製の栓を使ったというだけでそういうような事故が起こったんじゃなくて、取りつけの場所も違っていたのではないかという話がありますが、そこら辺の安全についての解析はどういうふうにされたのでしょうか。その点が第一点であります。
○児玉(勝)政府委員 最初のスリーマイルの場合にコンピューターが十分に活動しなかったのではないか、こういうお話でございますが、どうもいままで聞いたところでは、特に操作の段階でコンピューターを使って判断をしたというふうにはちょっと聞いておりません。ですけれども、先生おっしゃいまのように、オペレーターのミスには三つございまして、一つは義務違反、一つは錯誤、もう一つはいわゆる判断の誤認ということで三つあると思っております。それで、スリーマイルの場合には義務違反とそれから判断ミスというふうに考えております。その判断ミスというのは正しい情報が本当にオペレーターに伝わっていたかどうかという問題がございますので、その段階で、いま先生おっしゃいますように、コンピューターを使いましてより判断しやすい情報として伝えるということが今後考えられるかと思います。 第二番目の高浜発電所におきます温度検出器のプラグの問題でございますけれども、これは黄銅製のものだけで実際に実験いたしましても、数百時間においてその黄銅製のプラグが割れてしまうという、高温、高圧下において黄銅製のものは弱いということは実証されておりますので、ミスを行えば漏水が起こるということは十分言えるかと思います。また場所を変えたというのは、五つプラクを——プラグと申しますか温度検出器の検出するための配管に栓をすべき五つの口があるわけでございますけれども、それの配列を変えたということがございます。それは作業員が勝手に変えてそこに取りつけてしまったというミスはございます。
○村山(喜)分科員 そこで、スリーマイルアイランドの事故が出ました後、資源エネルギー庁では加圧水型の原子力発電所二、三ループの安全解析を三つのケースについて行いましたですね。その中で加圧器の逃がし弁が作動する場合には、百六十四・二以上にならなければ逃がし弁があくようなことはありません、だから第一のケースではプラントは安全に停止をします、そういう解析が出ておりますね。ところが玄海一号の場合には、一次冷却水のポンプ軸のシールの部分が不良で水漏れをして一時間二百リットルが漏れるという状況が判断をされたので、圧力を吾六十気圧に上げた。そうしたら加圧逃がし弁が開いた。そこで、これは通産省の安全解析では、それは逃がし弁の作動圧力までには到達しない、百六十四・二気圧ですから。ところが百六十気圧でその逃がし弁が開いて、そして開きっ放しになっていたんでしょう。そこで元栓を締めたまま運転をした。そしてもう一つ、これは二系列ありますから、もう一つの系列は事故がなかったからということで運転を続行したという説明でございますが、私の手元に参りましたトラブルの内容の説明を聞いてまいりますと、十二月の三日に事故が発生をした。そこで元栓を閉めて故障修理をしたが、どうもうまく故障が直らないので、そこで九七側としては資源エネルギー庁の検査官に、駐在しておるわけですから連絡をした。そしてその了解を得て、もう一つの安全弁は閉じたままだから、その故障を起こしたところの元栓は閉めて逆転をする、そういうような形で継続して運転をされたということがわかったわけでありますが、もう一方の方の部分が、加圧逃がし弁の問題が、これが故障ということになれば加圧器の調整能力は喪失をするわけでありますから、言うならばスリーマイルアイランドのあの大事故につながる、それに類似する事故というものが想定をされるわけですね。 そうすると、安全解析の結果として発表されているものと、またこの九電の玄海一号で発生をしたこのトラブルとの間にはもう一つの要素がなければならない、こういうふうに見るわけです。その場合に、そういうような二つあるんだから一つがトラブルを起こしたってもう一つは安全に作動しているんだから運転を継続してよろしいという判断をするということは、一体TMIの事故というものをどの程度認識をしているんだろうかと疑うんですが、この問題についてはどういうふうに判断をしておいでですか。
○児玉(勝)政府委員 ただいま二つお話があったかと思います。 最初の逃がし弁の解析と玄海一号機の具体的な逃がし弁の作動の問題でございますけれども、解析におきましては、先生おっしゃいましたように百六十四・二気圧で設定ということになっておりますが、逃がし弁には二つございまして、一方の方には実は比例回路、微分回路、積分回路という三つの回路がありまして、それによってスムーズに圧力調整ができるように、いきなりその圧力になってばっと吹くことではなくて、その手前から吹き出すというような装置がついております。そういうことで玄海におきましては百六十気圧で運転しておりましたけれども、給水ポンプのシールの漏水をとめるという意味で二気圧上げましてしばらく運転をいたしました。したがいまして、百五十七気圧から百五十九気圧に上げてやったわけでございますが、その積分値が設定よりも上がりましたので、その逃がし弁が開いたということでございます。 それから次の、開いた後閉まらなくなりまして、元弁を閉め、そしてもう一方の逃がし弁で運転したわけでございますが、これは保安規程によって決めております運転要領によりまして、一方の逃がし弁が故障のときには元弁を締めて一方の逃がし弁を使いながら運転してよろしいと書いてございます。ただ、いつまで運転してよいかということについては、これは安全装置とみなしておりませんでしたので、時間を限っておりませんでしたが、先ほど先生おっしゃいましたようにスリーマイルの教訓もこれあり、当方といたしましてはその運転要領のとおり動かすことには当面同意いたしましたけれども、一方の逃がし弁が修復といいますか復帰不可能ということがわかりましたので、早々停止して両方とも健全な状態で運転するようにということにいたしたわけでございます。したがって、たしか一週間後ぐらいでございましたか、とめさせた次第でございます。
○村山(喜)分科員 だから私は、非常に反省というものが不十分なままに検査官も九電側も運転を続行したような気がしてならないのです。大体、TMIの二号炉の事故の問題については、二次給水系が完全に停止した場合にはポンプの多重性で共倒れ故障の現象というものは生まれないという見方でありましたが、炉心の溶融は不可避状況になってきたということが第一点。それから、ECCSはそういうような状況の中では役に立たないということが立証されたとわれわれは見るわけでありますが、そういうような意味から、もう少し敏感に反応しなければ、高浜二号の問題にしても玄海一号の問題にしても国民を安心させる、そういうことにはならないのではないだろうかという気がいたしますので、苦言を呈しておきたいと思います。 それから最後に、時間がなくなりましたので、吹田安全委員長がわざわざおいででございますから一言だけお尋ねをいたしておきたいと思います。 私も福島第一の一号炉の大改修をやっているノズルとスパージャーの取りつけのところを見に行きました。労働者被曝が最近特に福島の場合には多くなってきていることは御承知のとおりであります。そういう中で公開ヒヤリングが行われましたが、現地から百キロも離れたところで公開ヒヤリングをやる、しかもそこは賛成者だけが集まって、そしてその賛成者も、呼び集めた数も予定をしたものよりも少ないという状態でヒヤリングが行われている。一体、こういう状況を見てやむを得ないというふうにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。その点については何らかの方法をもう少し工夫してみたい、こういうようなお考えがあれば承っておきたいと思います。それだけでございます。
○吹田説明員 安全委員会が主催いたします第二次の公開ヒヤリングは、村山先生が御承知のように通産から出てまいります安全審査書案というのをダブルチェックする際に、私たちが当該原子炉施設の安全性に関しまして住民の意見、疑問を幅広く聴取いたします。そのときには、賛成、反対を問いません。そういう目的で公開ヒヤリングは開催されておるわけでございます。 したがって、私たちはできるだけ民主的にこれまで運営しておりまして、官報等によりましてその開催要領等を公示しておりまして、意見等陳述人及び傍聴人につきましては、賛成、反対にかかわらず公平に選定してまいります。 実際公開ヒヤリングの具体的実施方法につきましては、安全委員会としては以上のような目的に沿うようできるだけ努力してまいりました。しかし、高浜、福島における開催の経験を踏まえまして、地方自治体ともよく相談しつつ今後できるだけ改善を図って、そしてこういう住民の意見をくみ上げる場としてこの公開ヒヤリングを定着させていきたいと考えている次第でございます。
○村山(喜)分科員 これで終わりますが、最後に大臣、アメリカのNRCの特別調査グループ、これは新原子炉のモラトリアムの提起をしているわけでありますが、特に半径三十マイル以内のそういうような災害が起こった場合の避難、そういうようなものが準備されない限り、発電所の新設はもちろんのこと、既設の発電所等についてもそういうような安全の措置を講じない限り動かすべきではないというような趣旨のものを発表しておりますが、大臣は、日本の原子力発電所の問題については、先ほど申し上げましたように安全解析も十分でないようなものも入っておりますが、それに対してどういうふうにお考えになるか、一言お考えだけをお聞かせを願いまして、私の質問を終わりたいと思います。
○佐々木国務大臣 事故時に対する細部の対策と申しますか、それはただいま安全委員会の方でせっかく策定中だということで、結論を待っております。
○始関主査 これにて村山喜一君の質疑は終了いたしました。 これより谷口是巨君の質疑に入るのでありますが、同君の質疑に際し、参考人として石油公団理事佐藤淳一郎君が御出席になっております。 なお、参考人の御意見は分科員からの質疑に対する答弁をもって聴取することといたします。 谷口是巨君。
○谷口分科員 私は、エネルギー問題について伺いたいわけであります。 いまエネルギー源としてやはり石油が一番重大な役目をしているわけでございますが、その石油の問題についても相当厳しい条件が今後予想をされるわけであります。したがいまして、石油にかわるいろいろなものを利用していかなければならないわけでございますが、何といっても現状では石油が一番大きな役割りをしていることはいずれにしても否定はできないわけであります。 ところが、現今の中東の情勢の不安定、これによって醸し出されるいろいろな問題が起こっております。いわゆる石油供給に不安を与えておりますし、またこの石油価格の上昇は、われわれの生活のいわゆる安全度を今日大きく脅やかしてきているわけであります。したがいまして、今後石油産出の能力の全くないと言っていい日本にとって重大な問題でございますが、この石油の備蓄の問題について、先般IEAの会合におきましてわが国は備蓄九十日という目標を立てたわけでございますが、今日のわが石油の備蓄状況はどうなっているか、概況をお尋ねしておきたいと思います。
○森山(信)政府委員 わが国の石油備蓄につきましてのお尋ねでございますので、私からお答え申し上げたいと思います。 ただいま先生御指摘の九十日備蓄はいわゆる民間備蓄でございまして、私どもは備蓄法によりまして九十日備蓄を達成するような努力をしておるところでございます。そのほかに先生御高承の国家備蓄という制度がございまして、現在約五百万キロリッターの国家備蓄があるわけでございますけれども、それは七日分にすぎないわけでございますので、できるだけこれを拡大してまいりたいというのが基本的な姿勢でございます。 そこで第一次的には一千万キロリッター国家備蓄で達成をしたい。それから二次的に二千万キロリッターを計画しておるわけでございますが、ただいま御審議いただいております五十五年度予算案の中に三百万キロリッターまでの国家備蓄の積み上げの計画の予算を御審査いただいておるわけでございますので、それがお認めいただくことになりますと、三千万キロリッターまで国家備蓄を増強したいということで計画を進めさせていただきたいと思う次第でございます。 なお、蛇足でございますが、現在IEA加盟国の平均の備蓄数字は、ことしの一月一日現在で百三十五日分でございます。私どもといたしますと、日本の立場では、現在、十二月末が九十九日分、一月末で九十八日分、これは民間と国家備蓄を合わせた数字でございますので、若干IEAの平均よりも下回っているということでございますので、一層備蓄の徹底化を図りたいという基本姿勢を持っておる次第でございます。
○谷口分科員 現在、民間備蓄が大体九十一・三日ぐらいあると聞いております。それから国家備蓄の方が大体七・二日分、これは要するにタンカーを使いまして洋上で備蓄をしているわけでございますが、これには私どもの郷里の長崎県も一役買っているわけであります。あの橘湾の問題につきましては、私も非常に環境に恵まれていると思います。相当な風が吹きましても、波風がそんなに立つところでもありませんし、現在までもトラブルはほとんどないと思っておりますが、現在までどんなような状況でございますか。
○志賀政府委員 お答え申し上げます。 橘湾につきましては、現在タンカー十隻ということで、先ほど長官がお答え申し上げました約五百万キロリットルの国家備蓄の約半分というものを橘湾の方にお願いしておるわけでございます。この橘湾でタンカー備蓄を行うに際しましては、地元の方々とよくお話し合いをいたしまして、安全面につきましても万全の対策をとった上で発足しております。現在までのところ、全く支障なく順調に地元の方々の御協力も得て進んでおるというふうに了解しております。
○谷口分科員 確かに状況としては恵まれた場所である、私も日本で有数の場所でないかというふうに考えているわけでございますが、現在タンカー一十杯で、十杯が硫黄島周辺ですか、あと十杯が橘湾でございますが、硫黄島の場合には、これは漂泊しておるわけですね。橘湾の場合には錨泊をして、何か事故のおそれがある場合には港外へ出ている、こういう状況を繰り返しているわけですが、これはもともと経済面あるいは事故面からいくと、漂泊と錨泊はどちらが非常にプラスになるのですか。
○志賀政府委員 いま先生からお話ございましたように、硫黄島の周辺海域で残りの十杯が漂泊しておるわけでございますが、私どもといたしましては、これは両方とも現在までのところ順調に進んでおりますけれども、やはりできれば錨泊ということで今後考えていきたいと思っております。
○谷口分科員 錨泊が状況としては非常に最適であるということになるわけだと私も思います。いろいろ地元でも反対の意見もあったし、あるいは賛成の意見もありましたし、こもごもでございましたが、いずれにしても踏み切ったわけでございますから、私たちとしては協力せざるを得ないわけでございまして、できることはやっていきたいと思いますが、これはいろいろ条件を考えてみますと、漁協との取り決めというのは一体期限はどうなっておりましたか。
○志賀政府委員 橘湾にお願いをするに際しまして二年間というお約束で橘湾での錨泊を始めさせていただいているわけでございますが、その二年の期限というのがことしの十二月ということになっております。
○谷口分科員 期限は今年の十二月ということですね。そうすると、銀行の融資の問題からいきましても期限があると思うのですね。この融資の返済期限というのはどうなっておりますか。
○志賀政府委員 銀行の融資の関係の期限は、一応ことしの十月というふうに承知しております。
○谷口分科員 タンカーでありますから、これは常に航行可能な状態に置かれているわけですね。勤務体制もそのとおりに組まれておるようにわれわれも承知しておりますが、これについては船の定期検査がいずれは行われなければなりませんが、これはどうなっておりますか。
○志賀政府委員 船舶につきましては、先生御案内のように大体二年で定期検査をやるという状況でございますが、橘湾のタンカーについて申しますと、これはやや幅がございますけれども、ことしの九月、十月、その辺を中心にした幅でもって検査を受けるという形になろうかと思います。
○谷口分科員 県との話し合いというようなものも当初の一回きりだというふうにわれわれは承知しておるわけですが、こういう状況から見ますとすべてが一回きりで終わる可能性というものが、あるいは理論的にそうならざるを得ないような状況にあると思うのですね。われわれが聞くところによりますと、非常にいい状況であるし、また非常に油の備蓄も大変なので、これは継続していきたいような意向も公団の方にあるんではないかという話が地元の方でいろいろあるわけですが、これはどういうふうになっておりますか。
○佐藤参考人 橘湾の漁業振興対策協議会と石油公団との間の契約は二年間という約束になっておりますし、それから地元の知事さんも一回限りだということを声明されておりますので、われわれといたしましては、やはり橘湾につきましては十二月末をもって一応終了せざるを得ないというふうに考えております。
○谷口分科員 新聞に伝えられるところによりますと、結局継続したいという意向があるやに報じられている面もあるわけですね。いまお聞きいたしますと一回きりで終わりたいということになるわけでございますが、たとえば一回終わった後に改めてもう一度依頼をするとか、そういう考え方はもう全くないと了解をしてよろしいわけですか。
○佐藤参考人 地元の御協力をいただくのに関係者の方々も相当御苦労いただいておりますので、少なくともその方々の御意見を尊重するというのが当面のわれわれの立場であろうかと思います。
○谷口分科員 ということは、あと余り継続はないというように考えていいと思いますが、当面の間とは何か意味があるのですか。
○佐藤参考人 別に意味はございませんが、少なくともこちら側からぜひやってくれとかという言い方はできない筋合いでございまして、あくまでも地元の側の御意向に沿って対処せざるを得ないということでございます。
○谷口分科員 相当な価格の変動というのが起こっているはずでございますね。当初購入したときと現在の価格との間には相当の開きがあると思いますが、およそどれくらいございますか。
○佐藤参考人 五百二十四万キロリットル、これは硫黄島も含めてでございますけれども、両方で五百二十四万キロリットルを公団で買いましたのは八百九億円でございますが、ただいまでは、四万円弱だと仮定すれば約二千億近い数字になりますので、その差額の分だけ価格が上がっているというふうに承知いたしております。
○谷口分科員 相当な価格の開きが出てきたわけですね。両方合わせますと一千億を超える数字が出てくるのじゃないかと思います。これは経費を差し引いたり何かしても相当の金額で結局は民間に払い下げということになるだろうと思います。これは地元にこういう声があって、まことにえげつない話かもしれないが、そういうふうにいろいろな便宜も計らったのだから、予想外に出た利潤というものについては何らかの形で地元のためにプラスになるような配慮はなされないものかという声があることも事実であります。恐らく公式でない場所でいろいろな話が出たことも御承知かもしれませんが、そういうことに対しては何らかの配慮をなさるお気持ちはございますか。
○佐藤参考人 そういう声があることは私も現実に聞いております。ただ、公団の立場から言いますと、高くなりましたけれども、売りましてまた高い油を買わなければならないということでございますので、右から左に移るわけでございまして、手元に残るという仕組みになっておりませんので、公団としては、そういう気持ちは個人的には非常に理解できるわけでございますけれども、現実問題としてそういうことをやるような仕組みになっておりませんので、あしからず御了解いただきたいと思います。
○谷口分科員 一応理解できるわけなんですけれども、要するに高い油をまた買わなければならぬとおっしゃるが、高い油はまた次に高い値段で売るわけでありますから、これは関連性はないわけです。したがって、第一回目のタンカー備蓄によって得た利潤というものは独立したものでなければならない。そうなってくると何らかのものをくれ、どう評価すればいいかわかりませんが、そういう素朴な声もあるわけですね。幸いにして今日まで何らのトラブルも起こらなくて済んだ。これは非常に幸いでありました。しかし、そういうことがあることは事実でありますから、これは返答は求めませんけれども、高い油を買わなければならぬからということは理由にならないということを私は明確にしておきたいと思う。したがって、そういう地元の声については、可能性あるなしは別としても、真剣に耳を傾けていただきたいということを地元にかわって申し上げておきます。 それから次に、いわゆる第一次、第二次という今後の備蓄計画があるわけですね。一千万体制あるいは二千万体制というのがあるわけでございますけれども、この一千万体制についての候補地、現在考慮されているところはどこどこになっておりますか。
○志賀政府委員 先ほどのタンカー備蓄、約五百万キロリットルやっておりますけれども、それは一千万キロリットル体制の陸上備蓄、恒久的な備蓄ができるまでのつなぎということで考えられて位置づけられております。 お尋ねの一千万キロリットル体制への候補地点でございますが、これは四カ地点を一応私どもとしては候補地点として考えております。一つがむつ小川原、それから福井臨港、それから上五島、白島、その四カ地点につきまして候補地点として考えております。このうち、むつにつきましてはすでに着工に入っております。それから、上五島、白島につきましては洋上備蓄でございまして、そういう意味合いから、現在一応フィージビリティースタディーは終わったわけでございますが、さらに補完調査を実施中ということでございます。
○谷口分科員 二千万体制についても若干聞いておりますが、候補地がわかったら候補地だけでもおっしゃってください。
○志賀政府委員 二千万キロリットル体制の候補地でございますが、これは一応フィージビリティースタディーを実施中ということでございまして、四カ地点でございます。申し上げますと、東苫小牧、金沢、馬毛島、屋久島、以上四カ地点でございます。
○谷口分科員 一千万体制の中で四カ所挙がっているわけですが、要するに、洋上備蓄といいますか、現在までに初めての構想として考え方が浮かび上がってきているわけです。いろいろな資料をもらっておりますが、この開発については三菱長崎造船所あたりもかなり貢献をしたと聞いておりますけれども、この問題は長崎県の上五島だけが対象になるのじゃないかと思いますが、ここ一カ所だけですか。
○志賀政府委員 先ほど申し上げました一千万キロリットル体制の四カ地点、このうちの上五島と白島でございます。
○谷口分科員 この問題について、初めてのことでありますから、技術的にも相当むずかしい問題、あるいは今後予期しないいろいろなトラブル——これはもう全く予期しないところにトラブルというのは起こるわけでありますから、こういう面で実際環境の破壊あるいは漁業のいろいろな問題その他において、本当に心配ないものか。心配あるとはおっしゃらないと思いますが、この点は大丈夫ですか。
○志賀政府委員 先生御指摘のように、洋上備蓄というのはわが国として初めての試みでございます。私どもとして、日本は陸上は非常に狭い、これに対して周辺海域は非常に広いということで、スペースの有効利用という面からも洋上備蓄というものを進めてまいりたいと従来から考えてまいりまして、この二カ地点が一応候補地点として挙がってきております。ただ、いずれにいたしましても非常に規模の大きい洋上備蓄を初めてやるということでございますので、安全面につきましては万全の体制を組んでやっていく必要がある。事前によく検討いたしまして、安全面について問題のないということを検討した上で実際の作業に入っていくべきだというふうに思っております。 現在そういう意味合いからフィージビリティースタディーあるいはさらに補完調査を実施中でございますけれども、専門的な調査機関の財団法人日本造船技術センターであるとか日本港湾協会、あるいは海難防止協会、そういった中立的な機関に依頼いたしまして、十分な調査を実施していきたいというふうに思っております。
○谷口分科員 技術的の問題もいろいろあると思いますが、これがもし実用に供されるとすれば、これは一年や二年で悪くなるものじゃありません。相当恒久的なものと考えなければなりませんが、どれぐらいの耐用年数を大体見込まれるのですか。
○志賀政府委員 これはなかなか技術的な問題で、はっきりしたお答えというのはむずかしいわけでございますけれども、こういう国家備蓄としての性格上から申しまして、私どもとしては、たとえば三、四十年とかそういうようなオーダーの耐用というものを期待しております。
○谷口分科員 一たん実用に供したら相当長期間の貯蔵ということが予想されるわけですね。いま、今年度で大体補完調査が終了するということになっておるわけでございますが、補完調査というのはどういうことをいまやっておるのですか。簡単で結構です。
○志賀政府委員 これは候補地点の海底の地質、地形、そういったものの調査、これがまず一つでございます。この辺は長崎県にお願いいたしまして調査をいたしておるということでございます。それから、具体的な構造設計でございますが、この辺についての技術的な検討ということでございます。
○谷口分科員 問題は、結局地元の不安感をどう取り除くかということが一番大きな問題じゃないかと思うのです。要するに、地元の協力がなければ問題にならないわけですから。この補完調査が完了して、そしていよいよ三十年なり四十年なりということを根底に置きながら交渉に入ると思うのですけれども、その場合、地元のいわゆる不安感、あるいは反対が一部ございますが、それに対する説得はどのように具体的にされますか。
○志賀政府委員 この補完調査の結果が出た段階で、その補完調査の結果をさらに私どもとしては検討したいと思っております。その上で、これはいけるということになった段階で、地元の県あるいは市町村にその調査結果を踏まえて十分に御説明を申し上げ、そして安全面での御心配を取り除きながら進めていきたいというふうに考えております。
○谷口分科員 電力業界の場合は、いわゆる地元住民に対しての公開ヒヤリングなんかを実施しているわけなんですが、今度の場合にもそういうことを行う用意があるのかどうか。 それからもう一つ。周辺自治体から要望が出ていると思いますが、いわゆる発電所設置時に行われておる交付金の支給ですね。これは、正式な名前は石油貯蔵施設立地対策等交付金というのですか、このお金が出ておるようでございますが、このヒヤリングの問題と交付金の問題とはどのようにお考えですか。
○志賀政府委員 どういう形で住民の方々に御説明を申し上げるか、あるいはその御意見を伺うか、その辺を含めて、具体的な段階に入った段階で、地元の市町村あるいは都道府県の自治体の方方と御相談をしたいというふうに思っております。 それから交付金の件でございますが、これは、こういった石油の貯蔵施設の立地を地元との融和を図りながら進めていくために五十三年度から設けられた制度でございます。この上五島あるいは白島、そういった洋上備蓄につきましても、それが実脱する場合には当然この交付金の対象になるというふうに思っております。
○谷口分科員 では、ヒヤリングをやることを含めて地元と検討する、相談をするということですね。そう理解してよろしいですね。 それからもう一つ、交付金の問題については、要するにこれは一キロリットルについて八百円ですか、これで大体概算いたしますと、上五島の場合どれくらいの金額になるのですか。
○志賀政府委員 約四十億円ぐらいではないかというふうに思っております。 ただ、いずれにしてもどの程度の備蓄容量にするか、これはそういう調査結果を待ってさらに検討していく必要があろうかと思っております。
○谷口分科員 大体四十億円というふうな概算の基準が出てきているわけですね。この問題について、この四十億というお金は、もし地元が了承するとすれば、どういう形で、どういう時期に出されるものか。大ざっぱで結構ですから、できれば明確にしておいてください。
○志賀政府委員 交付金の使途でございますけれども、使途は、道路であるとかあるいは港湾あるいはいろいろな地元の福祉施設あるいは防災施設等、いろいろな地元のニーズにこたえるような諸施設が一応対象になります。 対象施設はそういうことでございますが、交付先といたしましては、これは関係する都道府県、それからその施設が置かれます市町村、それから周辺の市町村、大ざっぱに申しますと大体こういう形になります。この中で分け合う形になりますけれども、大ざっぱに申しまして、原則としては都道府県が二、それから市町村関係は、その直接設置されている市町村、それから周辺市町村、これがそれぞれ半分ずつということで、二、四、四、大体そういう配分になるのが原則でございます。
○谷口分科員 総論的に言いますと、油の貯蔵ということは日本として当然やらなければならない、民族が生きていくためにはどうしても避けられない問題なんです。しかし、各論から考えますと、何も自分のところへ持ってこなくていいじゃないかというエゴもあるわけであります。 したがいまして、それをどのように調整するかが問題ですが、最後に大臣から、このような問題について、われわれとしてはいろいろないわゆる環境の破壊を防止する、あるいは地元のいろいろな人たちの不安を除去する、万全の対策を講じて、しかる後やるべきだと思いますが、その心構えのほどを伺って、私の質問を終わっておきたいと思います。
○佐々木国務大臣 できる限り地元住民の御理解と協力を得たいということで進めたいと思います。
○谷口分科員 それでは終わります。
○始関主査 これにて谷口是巨君の質疑は終了いたしました。 次に、藤田スミ君。
○藤田(ス)分科員 私は、大阪瓦斯の子会社の問題についてお尋ねをしたいと思います。 今回、ガス代の値上げが申請されているわけでありますけれども、電気、それから公共料金の引き上げ、こういうものが相まって国民生活へ大きな影響を及ぼしていくことは言うまでもありません。しかも、値上げ幅の大きいこのガス代の値上げについて、いま国民の目は政府の査定に厳しく注がれているのではないかと思います。 値上げ問題が出ましたときに、いつも一方で問題になりますのがガス会社の子会社の問題でありますけれども、これは関心がそこに高まっていくのは公益事業としては当然のことではないかと思うわけです。 そこで私はお伺いをしたいわけですが、大阪瓦斯の子会社というのは一体何社あって、そのうち一〇〇%出資の販売子会社はどことどこなのか、お答えを願いたいと思います。
○安田(佳)政府委員 ただいまの御質問のうち、一〇〇%の子会社についてお答えさせていただきたいと存じます。 大阪瓦斯の一〇〇%の子会社は現在十二社ございます。そしてその子会社は、副産物あるいはガス器具の販売など、直接または間接にガス事業と関連する事業を行っているというふうに承知しております。
○藤田(ス)分科員 この一〇〇%出資の子会社のうちで大阪瓦斯の副産物を販売することを目的とした子会社はどことどこなのかということをあわせて聞いているわけです。
○安田(佳)政府委員 ただいま申し上げました十二社のうち、副産物の販売を行っております会社は、コークスその他の副産物の販売、タール製品その他の販売を行っております二社ございます。
○藤田(ス)分科員 会社名を言ってくださいますか。
○安田(佳)政府委員 コークスその他の副産物の販売を行っております近畿コークス販売株式会社、それからタール製品その他の副産物の販売等を行っております関西タール製品株式会社の二社でございます。
○藤田(ス)分科員 この関西タールは、設立の趣旨というのは一体どういうことになっていたのか。それから、あわせてお伺いしますが、関西タールの現在主な扱い製品として一体どういうものがあるのか。簡単で結構ですが、その販売額、主な商品の販売額、あわせてお答え願いたいと思います。
○安田(佳)政府委員 関西タール製品株式会社は、タール製品その他ガス副産物の販売、それから化学工業製品の販売、それから舗装材の販売及び舗装工事の設計施工、それから液化石油ガスの供給販売等を行っております。 その個別の業務ごとの販売量につきましては、ただいま具体的に手元に資料を持っておりません。
○藤田(ス)分科員 私の調査では、関西タールの液化石油ガスの販売は、総扱い高の大体二割に相当するというふうに承知をしておるのですけれども、この関西タールが液化石油ガス、つまりプロパンガスを本格的に扱うようになったのは何年ごろからでしょう。
○安田(佳)政府委員 関西タールは昭和二十二年に設立されたものでございますけれども、LPGの販売を行うようになりましたのは昭和三十五年からであります。
○藤田(ス)分科員 もう一つお伺いしますが、関西タールの役員のうちで大阪瓦斯の役員は何人おられるのか。
○安田(佳)政府委員 ただいま手元に資料があるかどうか調べてから御返事させていただきます。
○藤田(ス)分科員 間違っていたら言ってください。関西タールの役員のうち大阪瓦斯の役員は西山会長、安田社長、副社長が二人、常務取締役、専務取締役、それから取締役と理事の方、八人が参加しておられると思うのです。そういうことですね。
○安田(佳)政府委員 ただいまおっしゃった人数のうち、常務以下につきましては、ちょっと手元に資料がございませんが、専務までは先生御指摘のとおりでございます。
○藤田(ス)分科員 最近私の地元堺市で、大阪瓦斯とプロパン業者とのトラブルから訴訟にまで発展をしているわけです。この公判の中で大阪瓦斯の代表、つまり大阪瓦斯堺支社長が証言をしていることには、大阪瓦斯の堺営業所には関西タールの出向社員が一人だけしかいない。その一人というのは、実は大阪瓦斯の堺支社の開発第二係長をしているというのです。つまり、関西タールの出向社員ということで〇・五人分の仕事をしていると思うのですが、この堺営業所管内で、関西タールのプロパンの得意先というのですか、顧客数は一万戸あるということを言っております。だから、実際には大阪瓦斯の職員が事実上関西タールの仕事をしているのだということをこの公判の中で証言をしているわけです。 通産省は、一体大阪瓦斯の社員がどれくらい関西タールの仕事にタッチしているのかということを把握しておられるのかどうか、お尋ねをいたします。
○安田(佳)政府委員 大阪瓦斯の職員がどの程度関西タールの仕事にタッチしているかという点はつまびらかにいたしておりません。
○藤田(ス)分科員 私は、こうした実態を把握していないということは問題だと思うのですね。ぜひ調査をしていただきたい。 経理上でも人件費というのはガス代の原価に盛り込まれておりますけれども、こうした問題をきちっと把握されないでどうして厳正な査定ということになるのか、大変疑問に感じておりますので、後ほど調査をして御報告をしていただきたいと思います。 関西タールが本格的にプロパンを扱い出したのは昭和三十五年ごろからということですが、四十年ごろにいよいよ本格的になったというふうに承知をしております。すなわち、都市ガスとの間でプロパン業者の紛争が全国的に起こり始め、国会でも請願が盛んになってきた時期になっているわけです。関西タールは、先ほどの御説明にもありますように、昭和二十二年から資本金十五万円ということで出発をいたしましたが、四十二年以降二億円にまでふやされているわけです。関西タールはそういう中で簡易ガス事業では五十三年度には府下の四〇%を占めるに至りましたし、ボンベ売りもあわせて五万二千二十戸と年々増加をしてきたということになっている、私はこういうふうに承知をしているわけです。 一方、大阪府下で、昭和四十六年から五十四年までに都市ガス利用の世帯がどれだけふえてきたかということについては、四十五万戸増加した。これは大阪瓦斯がこういうふうに言っているわけですけれども、そういう中でプロパン業者は四十六年に千九百八十八軒あったのが、五十四年になりますと千六百五軒というふうに減ってしまいました。つまり、この間に五軒に一軒は商売をたたまなければいかぬということになったわけです。 私は、ここで大事なことだと思いますのは、いま関西タールの営業目的の、これは液化石油ガスというのは、いわゆる副産物じゃないわけですね。その副産物でない液化石油ガスを売る目的が、大阪瓦斯の都市ガス転換をスムーズに行うために、大阪瓦斯の営業方針として進めているのだということを——これは私がここで勝手にべらべら言っているわけじゃないのです。大阪瓦斯の代表、先ほど申しました大阪瓦斯の堺支社長が証言をしているわけです。だから、立つ瀬がないのはプロパン業者なんです。一方では都市ガスの需要拡大でどんどん得意先はなくなっていきますし、新たに市場拡大していこうというと、今度はその先に、プロパンを扱う大手、大阪瓦斯の資本を受けた子会社の関西タールが得意先を侵食しているということで、まさに商売のはさみ打ちに遭っているわけです。私は、こういう中で紛争が絶え間なく起こるのだと思いますけれども、おわかりいただけるでしょうか。 こういうふうな実態を通産省は一体どういうふうに考えておられるのか。中小企業分野調整法というのがございますけれども、そういう分野で一体このプロパン業者を保護していただけるのか。政府の方の大阪瓦斯や関西タールへの指導、この問題については特に大臣から御答弁をお願いしたいと思います。
○安田(佳)政府委員 都市ガスとLPガスはともに現在家庭用燃料として広く普及しておりまして、それぞれが重要な役割りを担っていることは先生御承知のとおりでございますが、LPガスも都市ガスも、私どもといたしましては、国民生活に不可欠な重要な家庭用燃料であるという認識を持っております。したがいまして、LPガスの販売業者、そして都市ガス事業、それぞれの特色を生かしながら事業の健全な発展を図るということが私どもの方針でございます。しかし、LPガスまたは都市ガスのいずれを使用するかという点につきましては、これは消費者の自由な選択にゆだねられるものであるというふうに考えるわけでございます。 ただ、LPガスと都市ガスとの相互間におきまして、あるいはLPガスから都市ガスへの転換が行われる等の場合に、両方の業界で紛争が生じるということがございますが、そういうのは問題がございますので、従来から私どもといたしましては、両方の当事者が話し合いによって円満に解決されたいというふうに希望し、また指導してまいったわけでございます。それから、必要に応じまして、私どもといたしましても、話し合いの場をあっせんするなどの措置を講じてまいっております。今後とも、具体的案件がございますと、その具体的な案件に即しまして、円満な解決を図ってまいりたい、かように考えております。
○佐々木国務大臣 お話しのような問題は、先ほど御指摘ございましたようにいろいろ論議もございますようでございまして、通産省といたしましてはいま御答弁ございましたように、やはりできますれば当事者間で円満に話をつける道をあっせんするということ、そういうことが一番問題の解決としては好ましいことではなかろうかというふうに考えております。
○藤田(ス)分科員 円満に解決をつけるということは望ましいことだというのは、私もそのとおりだと思うのですよ。ただ、中小企業分野法の中からも除外されている。しかし、ガス事業法の中を見ると、簡易ガス事業に対してはその適用があるけれども、いわゆるボンベ売りのプロパン業者の問題については触れられていないじゃないですか。だから、こういう問題が両方から起こっているんだということでその対策をお願いしているわけなんです。いまの御答弁では私のお尋ねしていることに全部答えていただいていないというふうに私は思うのですが、どうでしょうか。
○安田(佳)政府委員 LPGの販売をしている面もございますが、片一方の事業者がガス事業者でありますから、そのガス事業者を指導いたしまして円満な解決を図りたいというふうに考えている次第でございます。
○藤田(ス)分科員 LNGへの転換というのは国の政策によっていま進められていると思うのです。その点を十分御承知いただきたいと思います。この問題についてはLPガス協会からもたび重ねて要望が出ております。しかし、現実には各地で絶えず紛争がエスカレートしていっているわけです。私は、これまでも通産省が指導してこられたということについて何にもしておられないとは言っておりません。私が聞いているところでも、昭和五十二年に行政管理庁が都市ガス切りかえに伴う紛争の調停について当時の田中通産大臣に勧告をし、これを受けて資源エネルギー庁の公益事業部長名で通達も出された。しかし、その中身は両者の話し合いの指導、あっせんの場を提供するということと保安引き継ぎ協定を促進するように指導する、その二つだけであったわけです。こうした状態の中で、問題が解決せずにますますこれからLNG転換が進められる中で状態が深刻になっていくんだ。プロパン業者の営業がもう成り立たなくなってきている。これは死活問題なんですよ。現にもう五件に一件もなくなってしまったわけです。町の薪炭屋さんの顔がなくなっていくわけです。死活問題だから私は、国が責任を持ってこの問題に対してより積極的に指導を進めてほしいということをお願いしているわけです。 〔主査退席、片岡主査代理着席〕 次に進みますが、もう一つこの際具体的な問題で大阪瓦斯に御指導をいただきたいのは、大阪瓦斯が発行しておりますこの見積書、私いま持ってきておりますけれども、この見積書と請求書というのを見ますと、ガス管の併用工事のときに、つまり都市ガスが将来そこに引かれてきたら、いまはプロパンだけれども都市ガスを引いたときにその管がそのまま移行して使える、こういうことで工事の誘いがあって、最近ふえているわけです。このガス管工事の請負をしたときに大阪瓦斯は、プロパンは大阪瓦斯の指定店で供給することというふうに書いてあるのですね。 この問題については、すでに大阪のLP協会の方から、大阪瓦斯けしからぬじゃないか、どうしてガス管工事とプロパンの供給とまで一緒にセットしなければいけないのかということで抗議をしておられます。その抗議を受けて大阪瓦斯は非を認めまして、これは悪かったということになったわけです。ところが、相変わらず最近でもその後も、しばしばプロパンの供給先を大阪瓦斯の方で決めてしまう。指定店にやってくれというふうに決めてしまう。それを拒否すると、もうそれではガス管工事もやめましょうかというようなことになってしまうというような問題が起こっているのです。 私は、この問題については、通産省の方からぜひ調査をいただいてしかるべき御指導をお願いしたいと思うのですが、どうでしょうか。
○安田(佳)政府委員 都市ガスが供給される予定の地区にありまして将来の都市ガスを使用したいと希望される消費者の便宜を図るために、都市ガス転換時までの経過措置といたしまして、都市ガスとLPGを兼用に使える配管を行うという例が多いのは御指摘のとおりです。その際、工事を施工いたしました都市ガス事業者が、LPG供給につきまして提携関係にございますLPG業者を推薦することがあることは、そういう話も聞いているところでございます。ただ、都市ガスへの転換時までの保安の維持とか円滑な都市ガスへの転換というような観点から見ますと、将来使用するであろう都市ガスに関係するところがその維持をするということは確かに好ましい面はあろうかと思います。したがいまして、事業者といたしましてそういう勧誘をすることはこれはあり得ることではないだろうかと思います。 しかしながら、ただいま先生からいただきました資料で拝見いたしますと、「指定店にて供給のこと。」とかいうふうに書いてございますが、これが強制であるかどうかはその売買の事情を見なければならないというふうに思いますが、仮に強制するというふうなことがございましたらこれは好ましくない、やめるべきものであろうというふうに思いますので、その点につきましては、十分事情を問い合わせまして、そういう事情がございましたら、そういう強制はやめるように指導いたしたいというふうに考えています。
○藤田(ス)分科員 円滑な転換を進めるために将来そういう点では好ましい面もある、これはむしろ大阪瓦斯の言っていることなんですよ。私は実情を調べていただいて御指導をいただくということですからそれ以上申しませんけれども、これがプロパン業者の怒っているところなんです。消費者にしましたらそんなに心やすいプロパン業者をあちこちで持っているというほどでもありませんから、こういうふうに「供給のこと。」となったらそうですかとすんなりいくわけですけれどもね。しかし、それはプロパンの販売の業者を選ぶ選択の自由という点ではやはりおかしいのではないか。そこに、その町に薪炭屋さんがあって、プロパンを扱うところがあるわけですからね。こういうふうなやり方はぜひやめるように御指導いただきたいと思うのです。 私は、次にお尋ねをいたしますが、最近近畿冷熱株式会社、これも子会社ですね。これは一〇〇%出資の子会社ですね。副産物が目的の子会社であったというふうに私は理解しているんですが、これ違いますか。
○安田(佳)政府委員 副産物の販売等を目的とする子会社でございます。
○藤田(ス)分科員 この近畿冷熱株式会社は、大阪瓦斯の役員が安田社長、中条副社長、土井取締役、青木常任監査役、これだけの役員の方が兼任しておられるわけなんです。この会社が、最近冷熱を利用した冷凍食品に手を出して販売行為をやるようになりました。その水色の紙がそうなんですが、これをごらんいただきましたらわかりますように、ハンバーグからエビからなべ焼きうどんから五日スープからホワイトソースに至るまで、ずいぶんたくさんの種類を扱っているのです。大阪ガスショップのサービスセンターに参りましたら、最近この商品が並んでおりますし、それから大きな冷蔵庫を置いて将来本格的に始まったらわれわれはこれを販売するんだと言っているわけです。最近出されておりますあれを見ましたら、「大阪ガスの近冷ホームサークル会則」ということで、大阪瓦斯の冷凍食品だということになっているのです。私なんか台所を預かっておりますので、大阪瓦斯の商品だと言われたらとても信用したくなってしまうのですよ。これは公益法人という大阪瓦斯の信用をバックにして商売をやっているということにならないのですか。 それから、私の近くにもありますけれども、いまOGロイヤルホスト、これは大阪瓦斯の略語だと思うのですが、大阪瓦斯ロイヤルホストですね。こういうチェーン店が十数社大阪ですでにできているわけです。このロイヤルホストの社長も大阪瓦斯の土非取締役がやっておられるのです。これは先ほど言いました近畿冷熱株式会社が五〇%出資、外食産業の大手のロイヤルが五〇%出資でこういうレストランチェーンをやり始めたのです。こうなりますと、またここも大変繁盛いたしまして、いま大阪のこういうレストランの周辺の喫茶店だとかあるいはレストランの人たちはかんかんになって怒っているのです。ガス代が値上げされるでしょう。おまけにお客さんが二、三割方減ったというのです。どうしてこんなダブルパンチをわれわれが大阪瓦斯から受けなければならないんだということで怒っておられるわけです。 私は、このLNGによって近畿冷熱の扱っている副産物、液体窒素だとか液体酸素だとか、そういうものを販売するということについてとやかく言うわけじゃありませんけれども、ここまで手を広げ出したら切りがないし、それから第一、公益事業大阪瓦斯という社会的な信用をバックにして、武器にして、中小企業いじめをやっているというこうしたやり方を一体どういうふうに考えられるのか、それから現行法では全く歯どめがないのかということをお尋ねしたいと思います。
○安田(佳)政府委員 先ほど答弁で副産品と申しましたが、これは物ではございませんので、通常副産品とは言っておりませんので、関連する事業ということに訂正させていただきます。 いま御指摘の点でございます近畿冷熱は、現在ガス事業に使っておりますLNGがガス化いたしますときに発生いたします冷熱を有効に利用するという観点から設立されたものでございます。したがいまして、主要な業務としましては、この近畿冷熱は液体酸素などをつくりますための冷熱の供給ということと、それからそれと関連いたしまして冷凍食品の製造、販売等を任務といたしておるわけでございます。また、ただいま御指摘のレストランチェーンに対する出資もこれに関連して行っているわけでございますが、こういう事業につきましてはその液化天然ガスの冷熱利用の分野の拡大という観点から見まして意義のあるものだというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、当然のことではございますが、事業の範囲といいますと、やはり会社設立の目的に照らして妥当な範囲で事業活動を行うということが期待されておりますので、その点は十分心得ていただきたいと思っております。
○藤田(ス)分科員 時間がありませんので結論だけ言っておきますが、現在会社法の改正が法務省などでも検討されていると聞いております。私は、公益事業を営む大企業の子会社に対する規制はやはりここで真剣に検討していかなければならないのじゃないかというふうに考えるわけです。さきに述べました大阪瓦斯の子会社というのは、資産、売上高が親会社の一〇%以下だという名目で連結財務諸表の中にも出されていないわけですが、これは私は法的に不備があるのではないか。子会社規制についてはこの際真剣に検討していただきたい。そして全体として国民の納得のできる営業内容にさせるように指導してこそ、料金値上げの問題についても文字どおり厳正な査定と言えるのではないかというふうに考えるわけでございます。 時間がありませんので、質問をやめさせていただきます。ありがとうございました。
○片岡主査代理 これにて藤田スミ君の質疑は終了いたしました。 次に、高橋高望君。
○高橋(高)分科員 先日、予算委員会の補正予算のときに一部お伺いいたしましたことで、引き続いて二、三お伺いしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 きょうは私は二つの観点で、中小企業に対する政策金融のあり方の問題、それから中小企業の資産に対する償却の問題、この二つにしぼってできるだけ大臣の御答弁もお願い申し上げたいと考えております。 中小企業と一口に申しますと、これも本当に対策ということになると、政府としてむずかしい問題をたくさん抱えていらっしゃると思います。また中小企業の経営者並びにそこで働く方々は、ある意味では大企業に働く方とはちょっと違った人生経験をなさる方もございますから、これを一つの枠といいましょうか、法律、政策の中で御していくということについては大変むずかしい問題がございまして、ある意味においては、日本の国に中小企業というものが存在する限り中小企業対策というものは残るだろうと私は思います。ただ、従来の私たちの国の諸施策を見てまいりましたときに、とかく大企業優先論といいましょうか、大企業をまず中心に考える。私はあえて大企業化粧回し論という自分の説をよく場所に行って述べるのですけれども、大企業には、相撲取りの場合にはきれいな化粧回しを締めさせてお客を集める。これによってお客が集まってくれば、そのおこぼれが中小企業、相撲でいえば幕下以下給料のない人たちにそれが普及していく、あまねく行き渡っていくであろうということで、とかく大企業中心にお考えになったことは事実だろうと私は思うのです。ただ、それはそれなりにある時期にはそういう施策も価値のあったことであろうと思います。しかし今日のような経済情勢になってまいり、あるいは国民の意識が変化してまいりますと、ただ単に大企業に働く方と中小企業に働く方、あるいは大企業に対する取り扱い、中小企業に対する取り扱いというものは従来のパターンの繰り返しでは済まなくなってきているのではないかと思います。 特にそうした立場に立ったときに、中小企業に対する政策金融のあり方についてどのような基本姿勢をお持ちなのか、まずこの辺からお伺いをしていきたいと思うのです。
○左近政府委員 この中小企業対策というのは、やはり中小企業が大企業に比較して力が弱いところを補うというのが一つの大きな政策の中心になっておりますが、金融面でもそういう観点からわれわれ考えておりまして、現実に金を借りるという場合に、やはりどうしても大企業の方が有利であるということがございます。また金利が高い、条件が悪いというようなことがございます。したがって、そういうことを是正していくというのが中小企業の政策金融の基本的な考え方だろうと思います。 それを実現する方法といたしましては、一つは、政府系の金融機関が大企業の最優遇の条件というもので貸していくというふうなこと。それからまた、必要があれば、政策的にはさらに低利で特利をも用意するというようなこと。それからまた、民間金融機関をも中小企業に対してなるべく差別させないような指導をやっていく、あるいは信用保証的な点を考えていく、こういうふうなものを通じまして、やはり大企業に条件がどうしても劣りがちな中小企業の金融を改善していくというのがわれわれの基本的な考え方でございます。
○高橋(高)分科員 そういたしますと、いまインフレ抑制策の展開から金利の引き上げがすでに行われ、また今後も行われるやに思われますが、それはそれなりに御努力されたことだろうとは思うのですが、公定歩合の引き上げと連動して中小企業向けの政府系金融機関の金利を今後どんなふうにお考えになられるのか、これは政府系の三機関中心で結構でございますけれども、その辺の御見解を伺っておきたい。
○左近政府委員 中小企業金融公庫、国民金融公庫というふうな純然たる政府系の金融機関につきましては、この貸付金利は民間の長期のプライムレート、つまり長期資金を借りる場合の最優遇金利というものに金利を限定するという趣旨を貫いておりまして、今回もこの民間の長期プライムレートが上がりますので、それに追随する限度では上げますけれども、それ以上には上げないということで持っていきたいというふうに考えております。 それから商工中金につきましては、資金の源泉が主として商工債券でございますので、商工債券がほかの金融債と同じような値上がりをいたします。それに伴って必要最小限度の金利の上げを認めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○高橋(高)分科員 大臣、ちょっとお伺いしたいのですが、いまのお話で政府関係の金融機関についてはプライムレートの枠を越えないようにという御配慮をする、これはわかるのですか、政府関係金融機関の資金コストもいままでのような一律の展開ではちょっと実情とそぐわなくなってきているんじゃないか。たとえば中小企業に対する賞金コストはもう最初から、コストということはおかしいので、運用の姿勢として最初から低く仕切ってこなければいけないのじゃないか、こういうふうに思いますけれども、大田いかがですか。——中小企業庁長官から御答弁ですかね。
○左近政府委員 中小企業金融公庫、国民金融公庫は主として政府の財投資金を原資にいたしておりますので、いわゆる資金運用部資金の金利ということでございまして、その金利が御案内のように、いま郵便貯金の金利が上がりますとその金利が上がってくる。今回は郵便貯金の金利の引き上げが多分三月十日前後に行われることになっておるわけでございますが、上がった後で検討して、今月中にその資金運用部資金の金利が決まるということになりますので、その金利の上げ幅に応じて資金コストが上昇するということになるわけでございます。
○高橋(高)分科員 長官、その基本的な姿勢に私は問題があると申し上げている。というのは、出てくるお金が一律のコストというもので開銀の分についても中小公庫の分についても展開している。こういう一律方式でやれる時期はもう過ぎているのじゃないか。とにかく中小企業をお考えいただいたら、中小企業に対する政府の資金運用部のお金の使い方に何か、優遇とは言いませんけれども、クラス別がもうそろそろ出てくるのじゃないか、またそういうことを考えていただく時期に来ているのじゃないか、私は実はその辺をお伺いしたいわけなんです。
○左近政府委員 ちょっと御説明が足りませんで申しわけございません。実はそれは一般的な資金コストでございますが、従来ともこの中小企業の特に政策的に誘導すべき分野、たとえば技術の改善とか高度化とかあるいは公害対策とか、そういうふうに特に中小企業の近代化なり社会に要請されるような仕事をやる場合の金利というのは特利制度というのがございまして、一般の資金コストよりも低い金利を用意をしておるわけでございます。 それからもう一つ、零細企業につきましては、やはり金利が高いというのはなかなか大変な負担になりますので、これは御案内の俗称マル経資金と申しますが、これにつきましては特に一般会計からもマル経費金の供給先であります国民金融公庫に無利子の貸し付けをいたしまして、それによって金利を引き下げておるということでございまして、現在は先ほど申しましたようにプライムレートが八・二河でございますが、マル経資金については七%という金利を維持していくということでございます。
○高橋(高)分科員 長官、私がお願いしたいのは、要するに中小企業向けの金利というものは全体として特利とかなんとかそういう特別な取り扱いではない。なぜかというと、特利というのは何かのときにはまたなくなってしまうときがありますからな。こういうことではなしに、国として、これは大蔵省の御管轄がずいぶんあるのかとは思いますけれども、中小企業庁として御要求なさるというお気持ちはございませんか。
○左近政府委員 そういう資金コストに制約されて政府糸金融機関の貸出金利がやむなく上昇するというのが現実の姿でございますが、公定歩合が上がるにつれてそういうことをずっと続けていくということになりますと、中小企業に対する金利負担が大きくなろというふうな御指摘だろうと思います。そこで、その資金コストを軽減するためのいろいろなやり方があろうかと思います。たとえば利子補給というようなやり方もございましょうし、あるいは出資というような考え方もございましょうが、これを採用するかどうかということでございます。従来は先ほど申しましたような考え方で過ぎてきたわけでございますが、今後、世界的に高金利時代ということになっておりますので、こういう点についてはわれわれも検討しなければならぬと思っておりますが、いま御指摘のとおり、何分われわれ中小企業庁の一存でもまいりません、これは今後十分検討してまいりたいというふうに考えております。
○高橋(高)分科員 大臣、御答弁は結構なんですが、そういうわけでいわゆる一律の資金コストで何事も図られるということに見直しの時期がきているのじゃないか。これはもう中小企業対策の最高の政治課題だろうと私は思うのです。ですから、関係の方々とのお話し合いのときも、中小企業対策ということを考えるときの一つに通産の立場でぜひ考えてやっていただきたい。特に中小企業の立場でお考えになっていただきたい。ひとつお願いを申し上げておきます。 それから、私に言わせれば実際問題としては、やはり仮に資金コストで逆ざやが生じたときには一般会計からでも出すべきじゃないかとは思うのですけれども、これも税というものの性質からいっていろいろ御意見もあろうかと思いますが、まあ他の業種といいますか、たとえば一次産業に対する国の施策等から言えば、中小企業に対しては余りにもいままで冷たかったというか、行き届かなかった点があるので、まあこの辺はひとつ大げさな言い方をすれば、企業庁長官の御在任中に体を張って一つくらい何か残していただいて、ずっと後々までありがたみを味わわせていただきたい。これもお願い申し上げておきたいのです。 それから細かなことになりますけれども、とりわけ中小企業で担保力のない人ですね、担保力がないというか、実際借りたい人なのかもしれません、そういう人には何か信用保証協会の保証料等を配慮することによって、担保力のない人に対しては常識としては厳しくなりがちなのでけれども、政府関係の金融筋としては温かな配慮をしてほしい、こう思うのですが、この辺については企業庁長官、何かお考えをお持ちですか。
○左近政府委員 担保力が不足で金が借りられないという方、主として小規模企業の方が多いわけでございますが、これについて、従来から二つの面で政策を行っておりまして、一つは先ほど申しましたマル経資金というのは、これは無担保、無保証ということで、経営指導員の指導によって推薦をしてやれば無担保、無保証ということになりますので、これを活用していただくということでございます。 もう一つは、やはり信用保証協会の活用であります。ただ、信用保証協会にも通常の保証と無担保の保証あるいは小口の保証がございまして、それを活用していきたいということでございますが、実は保証の枠が四、五年前に決められたものでございますので、現在では少し小さくなっております。したがって、この枠の拡大ということをいま検討しておりまして、これは近々われわれの方で法案の改正案がまとまると思いますので、今国会にお出しをいたしまして、信用保証の枠の拡大を実現していきたいというふうに考えております。
○高橋(高)分科員 どうぞひとつそういう意味で、行政という面からより温かみのある行政をしてほしいと思うのです。いたずらに金融公庫等も人間がふえるということは望ましいことじゃないと私は思いますけれども、やはり必要な場所には必要な人間は置かなければいかぬわけですから、そういう意味で特に代理貸しのときなんか窓口をもう少しやはり拡充して、これは人員の問題ばかりではなく、仕事の面で拡充していただくことをお願いいたしたい。 私の記憶に間違いがなければ、国民金融公庫はずいぶん支店がおありになるのですが、またそれによってわりあいとその窓口の仕事としては行き届いたことができるのだが、中小企業金融公庫などは余りそういう支店がないように思う。この辺も中小企業の立場に立って、零細企業ももちろんですけれども、窓口の問題についての整備といいましょうか、充実といいましょうか、ここら辺は何か将来計画はお持ちでいらっしゃいますか。
○左近政府委員 国民公庫は御案内のとおりわりあいに全国に支店がございまして、全体で大体百四十ぐらいあるわけでございます。ところが、中小公庫は大体一県一支店ということで、若干例外はございますが、合わせて五十五しかないわけでございます。これにつきましては、なるべく中小企業の方々の御利用に即するようにということで、毎年少しずつではございますが、支店なり出張所の数をふやすことに努力しております。 もう一つは、御指摘のように代理貸しというのを活用いたしまして、一般の市中金融機関で貸し出しが受けられるようにしたい。ことに中小公庫につきましては店舗が御指摘のように少ないわけでございますから、これの活用を図っていくということで、中小企業の方々がどこにおりましてもわりあい簡易に借りられるというふうな指導をしてまいりたいというふうに考えます。
○高橋(高)分科員 ほんのさわりをちょっと伺っただけで、時間の関係があるので次に移らしていただきますけれども、中小企業問題というのは、この間も予算委員会で申し上げたように、口にされるほどなかなか実態は行き届いていないことが多いのでございます。こういう財政下ではありますけれども、どうかひとついろいろ配慮なさっていただいて、温かなお気持ちを示していただきたいとお願い申し上げておきます。 それでは二番目に、中小企業の機械償却について一、二お尋ねしたいと思います。 ずばりお伺いしますけれども、中小企業の機械類の償却年数を短縮するということについて何かお見通しはお持ちですか。
○左近政府委員 中小企業の機械の償却を短縮する制度として特別償却制度というのがございます。これにつきましては幾つかの制度がありまして、一般的にも中小企業者については、合理化機械について特別償却ができるという一般規則がまずベースにありまして、その上に、実は中小企業近代化促進法等々の特別の近代化を進めなければいけないという業種につきましては、より有利な特別償却制度が置かれておりまして、業種によってそのいずれかを選択するということになっております。 それから、最近、五十四年度からでございますが、緊急に構造改善を要する業種ということでございまして、中小企業についてはほとんどの業種が入るわけでございますが、それが機械を取得した場合に、大体一割程度の税額控除を認めるという制度も緊急対策として置かれております。したがいまして、当面やるといたしますればこの税額控除を活用するのが一番いいわけでございますが、中小企業としてはそういういろいろな制度をうまく活用いたしまして、機械の償却の拡充を図るということを準備しておるわけでございます。
○高橋(高)分科員 租税特別措置法の見直しというようなことを国の一つの柱としておやりになられること、これはやむを得ないことと思う。その中で、企業税制に対してのいろいろなお考え方も出てくると思うのですけれども、私は、これは持論としても持っているし、私たちの党の基本でもあるのですが、特に製造業に配慮のない国というのは将来に非常に悔いが残るだろうと思うのですね。気がついたときは、他の国との差はなかなか取り返せませんし、そういった意味でいままでの進め方は、私は必ずしもいいとは思わないのです。たとえば機械償却等についても、いままでですと企業合同したものとか、グループ化したものとか、あるいは協同組合方式をとるとか、こういうふうなことで、数をつくるという考え方、量をつくるという考え方が底流にあると思うのです。ただし、これだけでは今後不十分でございまして、私の考えでは、こういった数をつくることに対する配慮から質をつくる方の配慮に変わっていかなければいけない。そういう意味での償却のあり方ということもお考えいただきたいと思うのですが、この辺についてはどんなものでございましょうか。
○左近政府委員 御指摘まことにごもっともだとわれわれも考えております。ことに製造業が何といいましても国の産業の中核でございますし、製造業分野においては過去数年の傾向を見ましても、たとえば企業数それから従業員数を見ましても、中小企業の分野が非常にふえておるわけでございます。したがって、こういう製造業分野で今後中小企業が活躍する場を大いに準備をしたいということで考えております。 この償却につきましても、現在は中小企業の機械につきまして先ほど申し上げましたような措置がございます。そしてまた、先ほどの税額控除についても製造業についてはほとんど適用できるようになっておりますので、こういうのを活用しながら御趣旨のようなこともやってまいりたいと考えております。将来の問題といたしましてのいまの御指摘は、機械の種類というものを見ながら償却の度合いを考えていくということになろうかと思いますが、われわれとしてもこの点については今後の検討課題ということでやっていきたいというふうに思っております。
○高橋(高)分科員 長官、お言葉に加えて失礼なんですけれども、私が申し上げるのは、機械の新しさとか古さというのを何で考えるのかということなんです。機械の新しさとか古さというのは製造年月日じゃないということですね。機械が新しいとか古いとかいうのは、現在ある機械よりもよりすぐれた機械が出てきたときには、製造年月日が新しくても、もう機械としては本来からいったら老朽化している、こういうふうに考えて、老朽化という言葉が当たるかどうか別ですけれども、そういう意味での仕切りをしなければいけないところに来ているということを申し上げたいわけです。ですから、機械の質とかをお考えになられた上での償却の姿勢というものを今後お考えいただけないかというのが、私のお願いを兼ねたお尋ねなんです。どうかひとつその辺は、私は現場育ちだからこういうことを申し上げるのですけれども、機械の古さ新しさというものは製造年月日じゃないんだということに対しての行政の御理解をいただきたいなと思うのです。これは長官、いかがでございますか。
○左近政府委員 機械の耐用年数を税法でも決めておりますが、その決めるに当たりまして、単に物理的な耐用年数じゃなくて、新機械が出てくる場合を想定して、その陳腐化の程度で耐用年数を決めるということの必要をわれわれも痛感しております。したがいまして、それは時々によって変わってくるものだと思います。これについては、耐用年数を決めてあるものをどう考えるかということでときどき見直すという作業をやっておりますので、そういう点の中で御指摘の点を考慮しながら改善をしていきたいというふうに考えております。
○高橋(高)分科員 時間が大変少ないものですから、表面的なお尋ねだけで時間が来てしまいまして残念でございますけれども、どうかひとつ大臣、私のように現場で育ってきた男の実際の姿というものに対して、何らかの意味で頭に残しておいていただいて、いろいろと政策の上で御展開をしていただくことを重ねてお願い申し上げまして、終わりたいと思います。ありがとうございました。
○片岡主査代理 これにて高橋高望君の質疑は終了いたしました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十四分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○始関主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 通商産業省所管について質疑を続行いたします。井上泉君。
○井上(泉)分科員 わずか半時間でありますので、きわめて簡明に質問をいたし、また簡明に御答弁願いたいと思うのです。 まず通産大臣に、政府・自民党筋では景気が回復をしたというようなことをよく言われるわけですけれども、通産行政を預かっておる大臣としては、果たしてそういうふうな状況にあるのかどうか。この景気の動向を昭和五十五年度にどう把握をして通産行政を進められようとしておるのか、その点をまず第一に承りたい。
○佐々木国務大臣 御承知のように民間の設備投資あるいは個人消費、最近は輸出もそうでございますけれども、いわば海外需要と申しますか、こういう点がわりあいに順調でございますので、長い聞苦しんでまいりました不況はようやく脱却したのじゃないかというふうに感じております。しかし、最近は、御承知のように油の値上がり等に絡みまして、これが国内物価等に甚大な影響を及ぼしつつございますので、物価と一緒に考えますと必ずしも景気回復だとばかり楽観できないのじゃないかというふうに警戒ぎみで見守っております。
○井上(泉)分科員 設備投資がかなりされたといっても、これは大企業だけで、大企業は蓄積したところの余剰資金というものがたくさんあるわけですから、そういういわば金の使い道の形の中でこの設備投資をたくさんされておる。ところが、中小企業等におきましては、これは大臣はそういう渦中におらないから認識がないかもしれぬけれども、本当に中小企業の人たちはお先どうなるだろう、こういう不安の中に設備投資もようしない、そうしてまた、やりたいことがあっても、近代化をしたいと思っても金利はどんどん上がっていく、こういう状況で、経済界の見通しについては一応みんなが非常な不安を持っておるということを前提にして、警戒というだけではなしに、こんな状態だったらむしろ日本の中小企業を中心とした経済界は大変なことじゃないか、こういう認識を大臣に持っていただきたい、私はかように考えるわけですけれども、大臣は緩やかな景気の回復の状態であり、警戒を要する程度であって、まあまあ大丈夫だ、こういう認識でしょうか。
○佐々木国務大臣 お話しのように、公定歩合の引き上げ等がダイレクトに中小企業等弱い方面に影響を与えると大変でございますので、こういう面に対するインパクトをなるべく緩和したいというので、いろいろ金融面その他で交渉したり折衝したりして、緩和策も講じつつあるわけでございます。
○井上(泉)分科員 日本の経済政策の面には対外経済関係も非常にあるわけですが、イランあるいは中国、ソビエトとこういうふうにあるわけですが、日ソの経済関係については協力事業も財界を中心にいろいろ進められておるようですが、このことについては順調にいっておるでしょうか。その辺どうでしょう。
○真野政府委員 現在、ソ連との貿易関係につきましては、通常貿易のほかに御承知のようにシベリア開発プロジェクト等ございますが、現在までのところシベリア開発プロジェクトに関連する事業はきわめて順調にいっております。 シベリア開発プロジェクトの場合には、基本的にわが国からプラント類の機械を出しまして、かわりに兄返りに森林資源等とかあるいは原料炭の輸入を図る問題でありますとか、現在までその見返り輸入の点も含めてきわめて順調に推移しております。
○井上(泉)分科員 新しくソ連との間においてそういうプロジェクトの計画とかあるいは話し合いとかいうものがなされておるでしょうか、いないでしょうか。
○花岡(宗)政府委員 新たな今後の信用供与の問題に関しましては、事態の推移及び西欧諸国の対応を見きわめながら対応してまいりたいと考えておる次第でございます。
○井上(泉)分科員 その対応したいという新たななにには、そういうような話し合いがなされるような雰囲気にあるのかどうかということを私は問うておるのです。それはあるのですか。あるから対応について慎重にやっておると言うのですか、どっちですか。何かその話があるのですか。
○花岡(宗)政府委員 民間ベースでの話し合いはあり得ると考えておりますが、この場合私どもといたしましては、すでに従来から公的な金融を行っておらないアメリカとは事情が異なるということもございますし、西欧諸国においても信用供与を全面的に停止するという動きは見られない。あるいは資源物入に関連した信用供与が日本の場合は多いとか、こういったことも十分考慮に入れる必要があるというふうに考えております。
○井上(泉)分科員 そこで大臣にお尋ねするわけですが、日本とソ連との関係といいますならば、これはお隣の国であるということは言えるわけですけれども、しかし日本とソ連との間には領土問題という、わが国にとってはどうしても解決せねばならない至上課題があるわけです。 ところが一方、ソ連の最近の国情といいますかやり方というものは、アフガニスタンの侵攻を初めとする大国的な支配意識というものがむき出しに出ておる。そして北方領土も返すどころではない、そこを一つの車事基地化して、構築を進めておる。そういういわば、日本にとってもきわめて警戒をすべき要素というものがたくさんある中で、経済は別だという形で日ソの経済関係を、これ以上新しいプロジェクトで多額の投資をするというようなことについては慎重を期すべきだと、こう思うわけですが、その点、大臣、どうですか。
○佐々木国務大臣 最近のアフガン問題から端を発しておるわけでございますけれども、それに対する政府の基本的な対処のあり方に関しましては、すでに御案内のように、総理の劈頭の所信表明で明らかにしたとおりでございまして、私どもといたしましては総理の所信の線に沿いまして種種の問題について鋭意検討を進めてございます。 日ソ経済関係でございますけれども、これは日ソ両国間に果たしている役割りに留意した上で、関係国の対応あるいは事態の推移等を見守りながら慎重に対処したいということで進めております。
○井上(泉)分科員 日ソの問題についてはこれ以上質問することは差し控えておきます。 次に、日本はアメリカを中心に置いた、いわゆる国際関係においてはアメリカをまず第一番に考えておる、そしてアメリカは自由主義陣営の旗頭である、そしてその自由貿易を国の方針としておるのに、最近においては非常に日本に対する貿易上のいろいろな圧力あるいは経済上の圧力がある中で、けさのサンケイ新聞にも大きく報道されておったわけですが、日本の自動車産業を、工場を向こうへ持ってこいという要求があり、それに対して政府も非常に苦慮しておる。私は政府がどうしてそのことで苦慮するのだろう、こう思うわけですが、その苦慮するというのはどういう点を苦慮するのでしょうか。
○栗原政府委員 ただいまお話のございました自動車の対米投資の問題でございますが、御承知のように特に最近におきまして日本の自動車の輸出がかなりの量になっておりまして、アメリカにおきます販売のシェアも二割を超えるというような状態になっております。そのこととアメリカの大型車が売れないということとの間には必ずしも直接の因果関係があるわけではございませんけれども、アメリカの大型車が売れないということから大量のレイオフが出ているというような状況にあることは御承知のとおりでございます。 そういった中におきまして、自動車につきまして輸入制限を求める声でございますとか、ただいまお話しの対米投資を求める声というものがアメリカのいろいろな各界から出ておるわけでございます。私どもといたしましては、この投資の問題につきましては、アメリカの中でも、先般来日いたしましたフレーザーUAW会長のみならず経営者サイドも、あるいは議会の面も、販売業者の面も、それぞれ皆さん対米投資を望むという意味においては大体一つの声になりつつあるという状況にあるというふうに考えておりますし、現時点におきまして対米投資というものが行われるならば、日米関係、特に自動車問題の解決について非常にプラスになり得るんではないかという考え方を持っておるわけでございます。 そういう意味におきまして、アメリカ側の情報も逐一企業サイドに通報いたしておるわけでございますけれども、もちろんこの問題は最終的には投資するかしないかというのは企業の判断の問題でございますので、そういった意味におきまして、現在企業が慎重な検討を行っておるという状況にあるわけでございます。したがいまして、この帰趨というものはもう少し状況を見、あるいはアメリカ側の対応も見なければならないというふうに考えております。
○井上(泉)分科員 それでは、通産省の方では、日本の自動車企業が向こうへ進出することがプラスになるという考えの前提に立って、この自動車業界の推移を見守っておるということですか、要約すれば。簡単に答えてください。
○栗原政府委員 私どもの考えといたしましては、日米の円滑な経済関係を維持するためにプラスになるであろうということは考えております。
○井上(泉)分科員 それはプラスになる面とマイナスの面と検討したことがあるのですか。
○栗原政府委員 対米投資の問題でございますが、マイナスといういま先生の御指摘でございますが、これは対米投資の仕方いかんによりましては、国内の関連産業なりあるいは雇用という面に影響のある場合も考えられます。これは対米投資のやり方の問題でございまして、必ずしも輸出の減につながらないやり方もあり得るとは思いますけれども、場合によってはそういうこともあり得るというふうに考えますので、私ども企業の方とお話しする際には、特に企業判断に当たりましては関連の企業なりあるいは中での雇用の問題にも十分配慮をして判断をしてほしいという要請をいたしておるところでございます。
○井上(泉)分科員 そういうように企業側にそういう話をされるということにつきましても、私はやはり通産省の姿勢というものが——いま日本の自動車産業をそういう状態に持っていって、それによって対米の経済関係がよくなるというプラスの面というものは、これは私はそう大してないと思うのです。プラスの面がないだけでなしに、マイナスの面が多い。そこら辺は、こういう点でプラスになる、だから自動車産業は向こうへ行った方がよろしいということも、これは通産省としてそのことがプラスになるという考えなら、そのプラスの面を具体的に示さなければいけないのではないでしょうか。 きょうはわずかな時間ですから、どういう点がプラスになるかというようなことについては、またそれは時間を必要とするわけでしょうけれども、要は私は、自動車産業というものの持っておる役割りというもの、これは私はトヨタだとか日産とか、あるいはその他の企業が大もうけをしておる、いわゆる企業利益というものもかなり上げておるということも承知をしておるわけですけれども、しかし、日本の輸出産業の中で、いま貿易収支がもうどんどん赤字になっておるでしょう。赤字になっておる中で、いわば自動車輸出によって得られる外貨の価値というものは非常に高まってきておる中で、日本の外貨事情をよくするために自動車産業をそういう形にしていいものかどうか。さらにはまた、アメリカに売れるということは、アメリカに需要があるから売れておるし、アメリカに需要がなければ、これはアメリカ人は買いやせぬです。そして一面は、今度は自動車産業、これは大体造船とか自動車産業とかいうようなものは、もとの企業とその関連の企業というものは、関連の企業がもとの企業の雇用の人員よりもはるかに倍するし、関連の企業の中小企業というものは四苦八苦で経営をしておる状態にある。そういうことを考えたら、どうしてもプラスになるとは思えないわけですけれども、やっぱり通産省としてはプラスになると考えますか。
○栗原政府委員 自動車の問題でございますけれども、当面の問題、長期の問題、両方あり得るわけでございますが、当面の問題といたしましても、やはりこの問題が悪い方向に向かいますと、輸入の制限というような問題にも発展しかねない問題でございますし、また長期的に考えましても、自動車と申しますのは御承知のように国際的な商品でございますし、わが国も世界第一位に近い、アメリカと肩を並べる自動車生産国になってまいったわけでございます。したがって、やはり国際的な企業という形での発展ということを考えていくべき時期に参ってきておるのではないかと思います。そういった中で、いろいろな形での自動車産業の発展ということを考えることが長期的に見て自動車産業の発展にもつながるというような意味合いもございますし、対米投資というものが必ずしもマイナスになるわけではないという考え方を持っておるわけでございます。
○井上(泉)分科員 必ずしもマイナスにならない。必ずしもプラスになるということもないわけだね、あなたのいまの言をもってするなら。そういう点からも、私はやっぱり通産省としては、これは業者の自主的な判断、そしてまたそれによって政府がそういうふうにプラスになる面がありとする、今度はマイナスの面については政策としてこういうことをする、こういうことをするというようなことに、不安を与えないようなことが政府の中になければ、ただ自動車産業を向こうへ持っていくことが日本の全体から見てプラスになるというような形でやられては、これは零細な——それはトヨタも日産も困らぬですよ、大企業の会社は。ところが、その関連の下請関係というものが大変な不安の中に今日置かれておるわけですから、そういうものに対する回答を与えずに、ただ自動車産業をそうやって持っていくことが日本の貿易面においてプラスになることもあり得るというようなあいまいなことで業者をそういう方向に、これは自主性に任すというても、かなり政府サイドで話もされると思うわけですが、そうした態度というものは、これはやっぱりとるべきではないじゃないか、こういうふうに思うわけですけれども、これは私の考え、間違うておるでしょうか。
○栗原政府委員 先ほども申し上げましたとおり、やはり関連企業なり雇用という面での影響ということは、これは考える必要があることはもちろんだと存じます。そういった意味におきまして、私どもも企業に私どもの考え方を申します場合には、当然そういった面の配慮というものもあわせて申しておるわけでございます。 ただ、この投資の問題というのは、やり方によりましてはいろいろな形態が考えられるわけでございまして、それが必ずしも関連産業あるいは雇用に影響を与えないようなやり方もございますし、また若干影響があっても、ほかのやり方でそれをカバーするというやり方もあり得ようと思いますので、そういった面を企業戦略の中でどのように判断をして影響のない形で処理をしていくかというあたりのことにつきましては、企業に対しても十分配慮を要請するということにしておるわけでございます。
○井上(泉)分科員 企業に対して配慮を要請するでなしに、そういうふうなことに対する配慮は政府としても十分考えるということですか。でなければいかぬと思うわけですが、それはそうじゃないですか。企業にそういうことを要請して政府はそのことについてはタッチせぬ、こういうことですか。
○栗原政府委員 投資問題でございますが、これは一般的に申しまして、やはり企業の判断ということで、これは対米に限らず現在行われておるわけでございまして、そういった意味におきましては、まず第一には企業の判断ということに相なろうかと思います。その先の問題について、現実に問題が起きるようなことになれば、それは当然政府としてはその面での措置を講ずることがあろうかというふうに考えております。
○井上(泉)分科員 こういう自動車産業の企業に向こうへ工場を進出してもらいたいというようなアメリカ側の強い要望に対し、新聞の伝えるところによると、日本の企業は反対だ、こういう話をされておるわけですが、こういう問題にどういう政治的な判断をなされて対処されておるのか、まず大臣の見解を承っておきたい。
○佐々木国務大臣 いま担当局長からお話しした意見と私は同様でございますけれども、特に考えられますのは、自動車産業そのものだけじゃなくて、いまの状況のままで自動車の対米輸出が進むならば、あるいはこれが日米両国間の全面的な経済摩擦というふうな問題に発展するおそれがあるという危惧の念を持っておりますので、むしろ向こうで希望が強いわけでございますから、国内の雇用なり下請企業等に影響を与えない、しかも向こうに行っても企業として十分採算がとれる、やれる、そういう自己判断に立つならば、日米両国の経済の将来の円満な発展のためにそれもいいのじゃなかろうか、そうすべきじゃなかろうかというように実は考えております。しかし、それはあくまでも企業自体の判断によることでございまして、最終的には企業自体が決めることだというように考えております。
○井上(泉)分科員 いま各界各層すべての国民が最大の関心を払っているのは、電力料金がどう決まるか、こういうことにあると思うのです。けさ八時半のニュースを聞いておりますと、査定の基本方針を定めて、その基本方針によって家庭用の電力は五五%を四五%程度に抑える、そういうようなことが通産省で検討されておるという報道がなされたわけですが、これは事実でしょうか。
○森山(信)政府委員 ただいまの御指摘につきましては、私もテレビのニュースを拝見しておりまして、ややオーバーな表現をいたしますなとびっくり仰天したわけでございます。私は事務方の責任者でございますので、全くその数字をつかんでいないということでございます。したがいまして、それだけ報道がなされることは、先生が御指摘になりましたように、国民各層の大変な関心が集まっておるということの証左ではないかというふうに私は受けとめたわけでございますけれども、ただいま申し上げましたように、現在作業中でございますので、数字として幾ら幾らにするという方針は全く決定してないということをぜひ御理解賜りたいと思う次第でございます。
○井上(泉)分科員 それでは、NHKの放送にあった、算定の基本に三つか四つか方針を定めてそれに基づいて査定をやっておるというようなことですが、それもないのですか。
○森山(信)政府委員 現在私どもが作業いたしておりますのは、先生御高承のとおり、公聴会が終わり、特別監査と称します各電力会社に対する監査が終わったばかりでございまして、いまその公聴会の結果及び特別監査の結果を踏まえまして作業をしておるという段階でございますので、けさの報道につきましては、私どもとしましてはそういう考え方は持っていない。ただ、報道陣の方々がいろいろ取材される過程におきまして幾つかのことを御理解しておられるのじゃないかなという気はいたしますけれども、少なくとも確固たる方針として私どもが現段階においてこういう方針であるということを決めておる事実は全くございません。
○井上(泉)分科員 NHKがそういう方針になっておるという、ぼくはその査定の基本方針というものについては、そういう一つの方針を定めてそれに照らしてそこで電気料をどういうふうに決めるか、家庭用をどうするかあるいは事業用をどうするか、そういう一つの査定の基準というものはやはり設けるべきであると思うのです。きょうのNHKの放送は関知せざるところ、こういうふうに言われればそれまでですけれども、査定をするにはどういう点を中心に、どういう方法で査定をするのか。ただ自民党で、どうも選挙前だから六〇%と言ってきているけれども、これを四〇%にせよあるいは五〇%にせよというように、つかみ銭を出すような形で値段を決めるようなやり方であっては国民が納得せぬと思う。 そこで、きょうの新聞で見ると、五〇%以下だったらまた来年も値上げせなければいかぬ、こういうように東京電力の社長が言っておるでしょう。われわれも今日の段階において、地方料金というものがそのままでいいとは言っていない。政府委員室の方に、社会党の電気料金についての試算を見ておいてもらいたい、こう言ってお手元に届けたわけですが、これはごらんになってくれたでしょうか、どうでしょう。
○森山(信)政府委員 社会党で幾つかの前提条件を置いてお決めになりました一応の試算につきましては、私どもも拝見いたしております。
○井上(泉)分科員 それを見て、専門家としてあなたは、これはむちゃな話だな、こう思ったのか、それともなるほどこれは合理的だな、こう思ったのか、あなたの印象を聞かしてもらいたい。
○森山(信)政府委員 一つの御意見としてまとまった御意見ではなかろうかという判断をいたしましたけれども、原価構成をそれぞれまた拝見いたしておりますので、幾らか私どもの考え方と違う点もございますけれども、先ほど申し上げましたように、私どもの査定方針は、現在特別監査の結果及び公聴会の意見を踏まえました上で査定を作業中でございますので、一つ一つの原価構成につきましてのコメントは差し控えさしていただきたいと思います。
○井上(泉)分科員 それじゃいまそのことを私は追及はしません。しかしながら、やはり電気料金というものは前段申し上げましたとおり今日の国民の最大の関心事であるし、この料金の決定いかんというものが直接お互いの暮らしの中に響いてくるわけですから、私どもの出した試算というものがとてつもないばかげた試算であるかどうか、これはやはり検討してもらわなければいかぬし、あなたがいま言われる検討しておるという段階において、私はこの社会党の試算について、これはこうだからこうだというように文書をもって回答していただきたいと思うのですが、どうでしょう。その電力料金が決まった段階においてで結構ですから。そうすると、われわれが出したものと政府が決めたものとどこに違いがあるか、われわれの算定の基礎というものはどこに誤りがあるか、私らもこういうことの判断の材料にしたいと思うのです。そういう点で、渡した試算と政府の決定した電力料金との違いというものはどこから出てきたか、こういうことを明らかにしていただきたいと思うのですが、どうでしょう。
○森山(信)政府委員 御指摘のとおり電気料金、ガス料金につきましては国民各層に大変関係の深いものでございますから、私どもといたしますれば、査定を終わりました段階で、何らかの方法で社会党でおつくりになりました試算とこういう点が違っておりますというようなことを明確にするような方策を考えてみたいと思っております。
○井上(泉)分科員 最後に大臣に、電力料金というものは純経済的に決めるというだけではいかないと思うのです、今日の物価事情あるいは電力の持っておる役割り等を考えれば。だから、私は少なくとも巷間伝えられるような大幅な値上げというものについては厳重に抑制すべきだと思うので、そのことについての大臣の見解を承りまして、私は質問を終わります。
○佐々木国務大臣 御承知のように、電気事業法で原価主義でという明確な規定がございますので、私どもとしましては、その法律の示すところに従いまして、もちろん前提条件としては会社側の徹底した経営合理化ということを前提にするわけでございますけれども、原価主義にのっとりまして、厳正公正に査定いたしたいというふうに考えております。
○始関主査 これにて井上泉君の質疑は終了いたしました。 次に、春田重昭君。
○春田分科員 昨年の十二月の十七日から二十日までカラカスでOPECの総会が開かれたのは御存じのとおりでございます。 〔主査退席、片岡主査代理着席〕 この総会では価格の面で統一されないままで終わったわけでございまして、全く不正常な状態で終わったわけですよね。そこで、こういう経過で終わっただけに、近々臨時総会が開かれるのじゃなかろうかといううわさが出ておりますけれども、その辺の情報は通産省としては得ておりますか。
○森山(信)政府委員 御指摘のとおり、昨年十二月にカラカスでOPECの総会があったわけでございますが、その後二月に長期戦略委員会というものが行われたわけでございます。したがって、その長期戦略委員会で討議されましたことを総会に付議したいという意向があるやに私どもは聞いておりますが、具体的にいつどこでやるかという情報はコンファームいたしておりません。確認いたしておりません。
○春田分科員 ああいう形で終わっただけに恐らく臨時総会が開かれると思うのです。そこで当然メーンテーマは石油の供給の面と価格の安定の面じゃなかろうかと思うわけでございますが、もしこの臨時総会が開かれた場合、わが国に対するその影響といいますか、どういう結果になるのか、通産省としてはどう予測しているか、この辺を伺いたいと思います。
○森山(信)政府委員 先ほどお答えいたしましたとおり、臨時総会があるといたしますと、それは長期戦略委員会の討議をオーソライズするという形での臨時総会になるのではないかと思う次第でございます。 そこで、長期戦略委員会でどういうことが討議されたかということを申し上げますと、これは公表されておりませんので、私どもは推測でつかんでおるわけでございますが、一つは石油価格の新しい算定方式、これは御案内のとおり四半期ごとに調整をするという内容が検討された模様でございます。二番目はOPECの開発公社の設立の問題、三番目にOPECの特別基金の開発援助機関への改組の問題、四番目に南北間の関係の強化、五番目にNPC諸国への安定的石油供給の確保、この五つが議題になったのではないかと推測をいたしておるわけでございます。 したがいまして、もし臨時総会ということになりますと、この五つの議題がコンファームされるわけでございますので、短期的な石油価格そのものが決められることはまずないのではないか、そういった石油価格そのものを決める総会はあくまでも通常総会ではないか。通常総会は現在のところ六月にアルジェリアで行われるということが決定いたしておりますので、仮にそれ以前に臨時総会がございましても、具体的な価格の決め方についての討議はまずないのではないかな、こういう予測をしている段階でございます。
○春田分科員 昨年のカラカス総会では、穏健派のサウジ関係が一バレル二十六ドルですか、それから強硬派の方、リビアなんかは三十四ドルになっておるわけですね。これは五月までそのままの形で推移していく、こう見ておるわけですか。
○森山(信)政府委員 まず、ことしの価格の動きでございますけれども、二通りの見方があると思います。二通りの見方と申しますのは、見方について二つのポイントがあるということでございますけれども、一つは、いま先生御指摘の、産油国の政府の公式販売価格の推移がどうなるかという問題と、それからいわゆるスポット物の価格がどうなるか、この二つの見方があると思いますけれども、私どもは、一応産油国政府の公式販売価格は値上げはまず一巡したのではないか、こういう見方をいたしております。これは、一巡したと申しましても、そう長期的にという意味ではございませんで、まあことしの少なくとも上半期はもうこれ以上の値上がりはほとんどないのではないか、こういう見方をいたしております。 ただ、スポット物の動きがこのところ大変軟化の傾向がございますので、そのスポット物がいわゆるGSPをどう引っ張るかというような動きが出てまいりますと、また改めてそこでOPECの考え方が決まってくるのではないかなというような予測もございますので、私どもは、そういう考え方を踏まえまして考えますと、ことしはあまり石油価格についての変動はないのではないか、こういう見通しを持っております。
○春田分科員 ところで、現在の石油製品の量的な面から見た場合、十分確保されているかどうかという問題でございますけれども、備蓄はどれぐらいなのか、それからいわゆる消費量はどれぐらいなのか、一番新しい時点で結構でございますので、対前年と比較しながらお示しいただきたいと思います。
○志賀政府委員 現在の石油の備蓄状況でございますけれども、これは一月末現在におきまして民間備蓄が約九十一日、国家備蓄が約七日分ございますので、合わせまして九十八分というのが備蓄の状況でございます。原油の輸入状況でございますけれども……(春田分科員「それはいいです」と呼ぶ) 石油製品の需給状況でございますけれども、需要の関係で申しますと、本年の暖冬の影響あるいは消費節約の浸透といったような関係がございまして、最近におきまして燃料油全体といたしまして需要はやや落ちついた状況でございます。昨年の上期におきまして、これは販売べースで申しますけれども、前年の同期に対しまして大体一・七%増という状況でございましたけれども、その後落ちついた動きを示しておりまして、昨年の十—十二月、今年度第三・四半期におきまして申しますと、前年水準をやや下回る、こういう落ちついた状況でございます。
○春田分科員 そんなくどくど言わないで、要するに一月時点や二月時点で速報値のわかった時点で昨年と比較して何%落ち込んでいる、どれぐらい備蓄が進んでいる、こう言ってもらったらいいのですよ、時間ないのですから。 在庫量はどうですか。
○志賀政府委員 在庫で申しますと、一月時点におきまして前年水準を約一二%上回っております。一一・七%上回っております。
○春田分科員 次に、石油製品の価格の問題でございますけれども、この辺はどうですか。
○志賀政府委員 価格の点については、原油価格が上昇しておる関係からかなりの上昇を示しております。 まず原油価格で申しますと、輸入価格が一月時点で前年同月に対して約二・六倍の水準でございます。それに対して灯油の関係で申しますと、同じく一月時点で一・九倍、九割増という状況でございます。いま申し上げましたのは卸売物価の関係でございますけれども、小売物価で申しますと、同じく灯油で約八四%アップというような状況でございます。
○春田分科員 いずれにいたしましても備蓄は進んでいる。要するに消費量も落ち込んでいるから、在庫量も相当ふえつつあるわけですね。そういう中で価格面を見た場合、昨年対比で倍近くになっているわけでございますけれども、この点は、いまの局長のお話では、要するに原油が上がったからやむを得ないというお話でございますけれども、そういう受け取り方でいいのかどうか。いわゆる便乗値上げをしていないかどうか。また、かなりの在庫があるわけでございますけれども、売り惜しみでないか、買い占めでないか、こういう点の調査等はなさっているのですか。
○志賀政府委員 ただいま申し上げたように、原油の輸入価格の上昇の割合に対して、卸売物価指数あるいは小売物価指数の動きから判断して、私どもとしては便乗値上げはないというふうに判断しております。 私どもの基本的な考え方としては、石油の供給の安定をまず確保することによって石油価格の高騰を防いでいくということを基本として考えているわけでございまして、そういう意味でいわゆる仕切り価格の引き上げに際しては、私どもとして元売業者から、その原油のFOB価格の上昇の状況であるとか為替レートの状況であるとか、いつから実施するのか、そういった点について厳しく事情を聞いてチェックをしているわけでございます。 仕切り価格についてはそういうことで私どもチェックをしておるわけでございますけれども、その後流通段階に入っていくわけでございます。その点については、モニター制度の活用であるとか自治体の協力であるとかいったことを通じて、異常な便乗値上げ的な動きがあるかどうかをチェックしておりまして、問題がある場合には適切な指導をするという体制をとっておるわけでございます。ただ、全般的に申しますと、先ほど申し上げたようないろいろな指数の動きから申しまて、便乗値上げの動きはないと判断いたしておるわけでございます。
○春田分科員 ということは、法的に発動したことはない、独占禁止法、売り惜しみ買い占めの法律がありますけれども、これを発動したことはない、こういうことですね。
○志賀政府委員 はい。
○春田分科員 それから、末端においてはモニター等で調査して吸い上げて、その推移を見ておるそうでございますけれども、それによっての行政指導なんかは一回もやったことはないのですか。
○志賀政府委員 最近は苦情の件数がかなり減っておりますけれども、モニターから連絡がございまして調べてみますと問題があるというケースがございます。そういう場合には、私ども通産局を通じて指導して価格の引き下げを図る。たとえば店頭売りの価格と配達の価格が同じで、しかも高いという案件もございまして、それについて指導するというようなこと、あるいは昔からのお客さんと新しいお客さんで値段がどうも違っているといったケースについても指導するようにということで、最近そういった指導をいたしました件数としては、ことしに入ってからの件数でございますけれども、具体的に指導いたしました件数は十三件でございます。
○春田分科員 原油価格が上がってきたというのは、一昨年の十二月ぐらいからずっと上がってきて、ことしの一月、二月にかけて大体七回ぐらい上がっているわけでしょう。この間で何回ぐらい行政指導をしたのですか。
○森山(信)政府委員 行政指導の話が出ましたので私から一つだけ申し上げておきますが、私どもの行政指導は、まず原油を買う段階から始まるわけでございます。つまり、原油需給が大変逼迫いたしましたときに、昨年の夏ごろから、いかに調達をするかという問題が起こってまいりました。これはスポット物がたくさんございましたので、お金をたくさん出しさえすればスポット物は大分買えたわけでございますけれども、高いスポット物を幾らでも引っ張ってくるということは石油製品に反映いたしますから、できるだけ安いスポット物を買いなさいという行政指導をまずしたわけでございます。それが原油調達の第一段階での行政指導でございます。 それから第二段階になりますと、しからば原油を幾ら幾らで買ってきたか、どういう油種の原油を幾らで買ってきたかということを全部チェックいたしまして、買ったときの値段を直ちに製品価格に反映することはだめですよ、つまり原油価格が上がって二カ月間は価格に反映させることはいたしませんよ、こういう行政指導をしている。 それから三番目は、先ほど部長からお答え申し上げましたとおり、それでは幾ら幾らに仕切りをするかという段階での行政指導をする。これが原油調達から元売段階までの行政指導であります。 それから具体的に流通段階に入りますと、末端の消費価格につきましてモニター調査というもの、これは全国に七百十五名お願いしてございますけれども、この七百十五名の方々からいただきました情報に基づきまして、具体的にどういうところでどういう販売価格でやっているかということをチェックいたしまして、それについての行政指導をする、こういうような流れで行政指導していることを御理解願いたいと思います。
○春田分科員 それから、いま消費者団体等から、いわゆる政府の標準価格を決めてほしいし発表してほしいという声がありますけれども、これに対してはどう理解しますか。
○志賀政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、私どもといたしましては、石油の安定供給をまず確保するというのを第一に考えております。そういうことを通じまして需給のバランスをとることによりまして、石油の価格をできるだけ安定させていくということを基本にしているわけでございます。 そこで、先ほど長官からお答え申し上げましたように、石油の価格は現在非常にまちまちになってきております。かつ、一方におきまして全体の需給は、私どもの判断といたしまして一応バランスがとれていると考えているわけでございます。これは、ことしの世界の原油の需給バランスという面からいきましても、IEAにおきましても一応需給がとれる形で推移するであろうという判断をしておりますが、そういう面から申しまして、需給状況あるいは原油の価格の問題などから判断いたしまして、現状においては標準価格を設定するような状態ではないのではないかと判断をしているわけでございます。
○春田分科員 要するに量的確保はされているのですよ。ところが、価格面で国民はいま大きな不安を抱いているわけです。かつて第一次石油ショックのとき、四十九年のときには発表したわけでしょう。それと同じような情勢にいまなってきているわけです。そういう面においてはできないことはないと思うのですよ。たとえば灯油価格にしても相当なばらつきがあるわけです。流通形態にもよると思いますけれども、私の地元の大阪で、大体私の調べた実態からいったら、一かん十八リッター、これは配達込みでございますけれども、ガソリンスタンドで売る場合は千四百五十円、それから米穀業者で売る場合は千五百五十円、燃料屋で売る場合は千五百五十円、農協の場合は千三百十円、こういう形で相当なばらつきがあるのです。農協と一番高いところでは二百円近い差があるわけです。確かに流通形態が違いますからやむを得ないと言えばそれまででございますけれども、買う国民にすればわからないわけです。そういう点で、原価を公表して、いわゆる政府の標準価格の発表を待ち望んでいるのですよ。どうでしょうか。
○志賀政府委員 私どもといたしまして原油の供給を確保していくというのを第一に考えているわけでございまして、一方におきまして原油価格が上がってくるわけでございますが、そういった価格の上昇については、これは市場価格に適正に反映させていくことが望ましいというふうに考えているわけでございます。 いま先生御指摘のように、確かにいろいろな複雑な流通過程を通って消費者に灯油が届くわけでございますが、その形態によりましてある程度の価格差が出てくるわけでございます。ただその中で、異常な価格であるという場合には、私どもとしては先ほど申し上げましたように指導をしていくつもりでございますけれども、そういうような現在の石油の情勢から申しますと、標準価格の設定というのは私どもとしてはやるのは適切ではないのではないかという判断をしております。
○春田分科員 大臣にお尋ねしますけれども、これから四月、五月になりましたらいわゆる需要期外になってくるわけですね。昨年の五月ですか、当時の通産大臣でございました江崎さんが、需要期以外の灯油価格の凍結を解除して原油のアップは製品に転嫁してもやむを得ないような発言がございまして、それがずっと今日まで二倍になっている。そういう点で、先ほど資源エネルギー庁の部長の答弁でも、これから需要も落ちついてくるだろうという話もございましたし、この際、佐々木大臣の時期においてもとのさやにおさめる気がないかどうかお伺いします。
○佐々木国務大臣 先ほど来担当の皆さんからるるお話ございましたように、仮にいま標準価格というような価格を決めた場合どうなるかと申しますと、私の一番心配されますのは、いままでと違いまして、メジャー等からの油は余り入ってきません。そういたしますと、仮にメジャーから見てもいいわけでございますけれども、低く抑えた場合には、それじゃああいうところへ油を流すよりは、こっちの国に流した方がうまみがあるぞということになりまして入ってこないおそれがあるのですね。あるいは、抑えてしまいますと、値段が動いている最中でございますから、しょっちゅう標準価格を変えなければいかぬという、消費者にとってはかえって不利といいますか不便といいますか、そういう事態にもなりかねない。 そういうようなことを考えますと、第一次のオイルショックのときには数量そのものがアンバランスだった、需給がアンバランスだというところに非常に危機があったわけでございますので、私はまず、何といっても需給をバランスしておけば、原油の上がった分だけはある程度転嫁されてもやむを得ない。やむを得ないけれども、しかし需給さえバランスとればそれほど大きく上がることはあるまい、これは市場操作の経済の原理でございますからそうなるわけです。そういうことになりますと、いままでお話がありましたように、原油と実際の灯油に一つの例をとりますと、上がる率というものが違います。原油よりも相当低い上がり方でございますし、それをまた流通過程においてさらに不正等があれば困るというので、モニターその他で徹底的に調べて計算しているわけですから、いまの段階としては、まず需給がバランスしているというときにおいては統制的な手段を講じない方がかえって消費者自体にもいいのじゃなかろうかという感じでございます。
○春田分科員 時間がございませんので先に進みます。 きょうは自治省の方がおいでになっておりますけれども、いま地方自治体は、屎尿処理場とか火葬場とかごみ焼却場、また市民病院を持っているところ、県立病院を持っているところは、そういう公的な病院等に非常に石油製品を使っているわけですね。ところが、御存じのとおりこの価格が急騰してきた、高騰してきたということで、予算のやりくりで非常に大変なのですよ。そういう点で、自治省としては、各地方団体に対する対応といいますか予算の配慮というものはされているのかどうか。
○津田説明員 燃料費アップ等を承知しておるわけでございますが、私どもとしましては、五十四年度につきましては効率的使用あるいは節約というようなことで対処していただきたい、かように考えております。五十五年度につきましては、現在五十五年度分の交付税の算定内容等の改善を図っておりまして、その中にも織り込んでまいりたい、かように考えております。
○春田分科員 それから浴場組合からかなりいろいろな陳情とか請願とか来ているわけでございますけれども、この浴場組合というのは当然府県がそういう料金を決めるわけでございますが、この点の手当ては考えておりますか。
○津田説明員 先生御承知のとおり、交付税と申しますのは普通交付税、特別交付税通じまして、義務教育であるとか清掃だとか、基本的な地方団体の事務の行政水準を一定に保つというような機能を持っておりまして、普通交付税におきましてもちろん算定すると同時に、普通交付税で算定しにくい、たとえば冬季分校だとか複式学級だとかそういうような問題は特別交付税で対処するわけでございます。 そういう意味におきまして、各団体におきまして公衆浴場等の関係に対する対策を独自な判断でやっておるわけでございますが、これはやはり個個の団体の政策的な判断でおやりいただくものでございまして、交付税で算定対象にするのはむずかしい、かように存じております。もちろん、御承知のとおり交付税の算定におきましては税収の、県分では二〇%あるいは市町村分では二五%というのを留保財源、自由財源ということで独自財源に充てる分は残しておるわけでございます。
○春田分科員 厚生省の方もお見えになっておりますけれども、時間がないので、私は決算の段階でやらしていただきたいと思います。せっかくおいでいただきましたけれども、次の段階にさせていただきたいと思います。 最後に、大臣にお尋ねします。いま電力料金が大きな論議になっているわけでございますけれども、ガスも同じく値上げ申請されているわけですね。実施日というのは電力とガスは同時決着なのかどうか、簡単に。
○佐々木国務大臣 両方とも四月一日に上げさせせてもらいたいということでございます。
○春田分科員 終わります。
○片岡主査代理 これにて春田重昭君の質疑は終了いたしました。 これより森井忠良君の質疑に入るのでありますが、同君の質疑に際し、参考人として電源開発株式会社副総裁野瀬正儀君が御出席になっております。なお、参考人の御意見は分科員からの質疑に対する答弁をもって聴取することにいたします。 森井忠良君。
○森井分科員 瀬戸内海は言うなれば世界の公園ということで、その景観やあるいはまた海は特別に措置する必要があるということで、御案内のとおり瀬戸内海環境保全特別措置法ができているわけでございます。しかるに、このたび広島県の竹原市周辺で大規模な火力発電所の集中立地が計画をされております。ゆゆしい問題でございまして、現在でもすでに、たとえば松枯れでありますとかそのほか幾つかの環境破壊が出されておりますときに、事もあろうに三カ所に集中して、しかも既設のものも入れますと三百七十万キロワット、これは中国電力が現在の最大発電量が七百七十万キロワットでございますから約五割アップ。とにかく半径六キロ以内の非常に近いところに三百七十万という火力発電所を建設されようとしておるわけでございます。これはもう恐らく世界にも例がないんじゃないか、三百七十万というような大規模なものは。環境の問題と、それからいま申し上げましたように住民に対します健康被害その他非常に大変なものだと思うわけでございます。 まず、どうしてこういった風光明媚な、先ほど申し上げましたように特別な立法をつくらなければならないようなところに通産省は三カ所も集中立地をなさろうとされるのか、お伺いしておきたいと思います。
○佐々木国務大臣 いまお話のございました竹原三号あるいは大崎、竜島、この発電所はそれぞれ将来の需要を満たすためにどうしても必要なものでつくっておるという必要性はおわかりいただけると思います。そこで、なぜ集中立地をしたのかという問題でございますが、これは電力事業者の方で立地の方は決めてくるわけでございまして、私の方から、役所の方から、ここやれ向こうやれというふうに指示したものではございません。そこで、事業者の方ではどういう配慮でやったものかと申請等のあれを見ますと、結局地域的な電力の需給バランスあるいは立地条件、港湾とか用水とかあるいは電力の輸送系統みたいな立地条件あるいは環境保全といったようなものを総合的に判断をいたしまして、この地帯は発電に非常に向いているということで芸南地区を選んだものだと考えます。 そこで、妥当かどうかという問題になりますと、これは御承知のように電源開発調整審議会というのがございまして、各省から構成されておりますし、また大家の方も委員になってございます。そこでいろいろ検討いたしました結果、立地条件あるいは環境保全等もにらみ合わせまして、これでよろしいということで審議決定したのでございます。ただ竜島の一号につきましては、電調審に上程の段階で国としてもまだこれから検討をさらに深めたいということになっておる次第でございます。
○森井分科員 大臣、お言葉を返すようですが、電気事業者が決定をしたことなんで通産省が言い出したことじゃない、あたかもそう聞き取れるわけでございますけれども、一つは電源開発株式会社です。これはもう改めて申し上げるまでもありませんが、政府のコントロールはどんなにでもできる会社でございます。そしてまた中国電力にいたしましても、役所の意向に反してこういった大がかりな発電所をつくるということはこれはあり得ない。私は、そういう点で大臣がそういう御認識をなさっているとすればきわめて問題があると思います。しかも場所が適当だとおっしゃいますが、先ほど申し上げましたように非常に風光明媚なところで、特別に法律をつくってむしろいまの環境を守っていこうという場所におつくりになるわけです。電力が足りるか足りないかという問題につきましては、これは議論のあるところで、省エネ時代でありますから、当然電力の需要につきましてはもう一遍そろばんをはじき直してみなければならぬと思いますが、いずれにしても、三百七十万この地域に集中をするのですよ。それは現在の電発の一、二号機を含めての話ですけれども三百七十万。もしこれが迷惑施設だということになれば、電力がどうしても要るという大臣の論点から申し上げますならば、仮に電力が足りないということになっても、いまですらすでに電源開発株式会社が竹原火力というのを持っていまして、一、二号機で六十万キロワットすでに発電をしているわけです。そして付近はそれに伴いますところの数々の被害が出ている。地元の住民からすれば、これでもういいじゃないか、なぜさらに、申し上げましたように大規模なものを新たにつくっていくのか、ここが問題なんです。私は、どうしても電力が要るとおっしゃるなら、いまあるところへさらに集中立地しないでも、むしろほかの土地を探せばいいじゃないですか。いかがでしょうか。
○佐々木国務大臣 誤解を招いたようでございますが、役所といたしましては、電力会社の申請を受けまして、さっき申しましたように各種の審査条項がございますから、それを審査いたしまして、そしてこの申請は妥当であるという判断を役所の役人のみでやるのではなくて、先ほど申しましたように経験豊かな人あるいは学識経験を持った人たち等から構成される審議会で丹念に審議した結果これは妥当なものだ、こういう判断を下しておりますので、その答申を得まして許可したものだと私は承知しています。したがいまして、役所は責めがないのかという意味では毛頭ございません。許可したのですから役所の責めであることはもちろんでございます。言うに及ばぬことでございまして、許可した責任があることはもちろんでございますけれども、経過はそういう経過で妥当なりと判断して許可したものだということを申し上げているのであります。
○森井分科員 わずか数キロのところに、先ほども申し上げましたように三百七十万キロワットという大がかりな発電が行われるわけであります。私が指摘いたしましたように、これはほとんど世界に例を見ない世界最大規模の発電量になる、そういう指摘をしておるわけでありますが、大臣いかがでしょうか。そうお考えですか。
○佐々木国務大臣 私は福島あるいは福井等の集中した原子力発電地帯は何遍も参りました。お言葉を返すようですけれども、必ずしもそこばかりとは言えないのじゃなかろうかと思います。
○森井分科員 言葉は悪うございましたけれども、火力発電所としては最大規模のものである、こう私は申し上げておるわけです。
○安田(佳)政府委員 大臣の説明を補足させていただきます。 火力発電所といたしましては、いま御指摘の地域が既存が六十万で現在電調審決定済みのものが百二十万キロでございます。先生御指摘の点は将来の分を含めての話だと存じますが、火力発電所だけとってみましても、現在鹿島でございましたでしょうか、そういうところで四百四十万キロワットぐらいの大きな集中立地をしているところがございます。
○森井分科員 将来にわたるとおっしゃいますけれども、これはもうごく最近、たとえば長島にいたしましても一号機の後の二号機、竜島はまだ電調審を通っていませんけれども、一号機七十万、そしてその後また七十万の二号機つくるのでしょう。いずれにしてもこれだけ大きな規模のものです。地元の住民は、とにかくこれを重油に換算をしてみますと何と五百五十五万キロリットル、一日にドラムかんを七万四千本も燃やすんだという脅威を受けているわけです。 いずれにしても、この問題で時間をとるわけにもいきませんけれども、大問題であるという認識を私どももしておりまして、私ども社会党としては現地へ正式な調査団を派遣いたしました。そのときにいろいろ見てまいりまして、そして東京におきまして通産省と話し合いをいたしました。地元の皆さんの協力と納得が大前提だ、こういうように私どもに言明されております。しかし、もうすでにそのしょっぱなになります竹原火力の三号機につきましては、二十八日に八条の申請が出ている。私どもに全く通知がありません。少なくとも申請の出る段階では、党の調査団が行ったわけでありますから、報告をする。結果的には出てきた後で報告がございました。これは一体どうなっているのか。まさにやみ討ちです。 それから二つ目、地元の住民との関係につきましても理解と協力が得られるように全力を尽くしますという形になっております。地元の理解と協力は得られていますか。
○安田(佳)政府委員 まず申請を行ったことに関しましては、私ども電源開発株式会社の方から申請をした日に関係の方に御通知をしたというふうに聞いております。また地元の御意見につきましては、私ども、地元の情勢というものもいろいろな職務をする際の一つのファクターになると考えておりまして、地元関係自治体の意向等十分尊重し、また事業者に対しましては地元住民と話し合いが行われるよう指導しているところでございます。
○森井分科員 二十八日に八条の申請が出されましたね。環境庁と例の留保条項の話し合いが必要でしたね。これはいつ話し合いがついたのですか。
○安田(佳)政府委員 環境庁からは意見をいただいておりますが、その意見に関しての話し合いは、二月二十七日に話し合いがつきました。
○森井分科員 二月二十七日に環境庁と話し合いがついた。そして明くる二十八日に八条の申請がもう出た。ずいぶんうまく話ができているじゃないですか。地元の住民の皆さんの意見よりも、環境庁と話し合いがつけばもうそれでいいんだという形でお出しになったんじゃないのですか。これが一つ。 奇妙なことに、二十八日に申請が出まして、それから二日後の三月一日に地元住民との話し合いが行われておりますね。これはだしぬけでしたから大もめで、明くる朝の五時過ぎまでかかったと私ども聞いております。その理由は、少なくとも話し合いがつかなければ八条の申請はしないというかたい約束があった。これを無視されたという住民の怒りだと聞いています。これはいかがですか。電発からも見えておりますから、どちらからでも答弁をしてください。
○安田(佳)政府委員 当省といたしましては、電源開発株式会社に事情を聴取いたしましたら、先生御指摘のように、三月一日午後六時半ごろから翌二日午前五時半ごろまで話し合いが行われまして、その席上で、今週末までに再度話し合いの場を持つことといたしまして、九日までは四十一条の申請を行わないことにした旨、私どもは聞いております。
○森井分科員 電発の副総裁にお伺いしたいのでありますが、新聞記事によりますと、またこれは新聞記事だけではありません、私も現地の人から確認をいたしましたが、現地の立地事務所長の田村さんという所長さんがいらっしゃいますね。その人が同夜の話し合いにおきまして、現地としては住民との交渉が残っておる、ですから着工申請を延ばすように本社側に要請をしたという発言があるわけでございます。これは事実ですか。
○野瀬参考人 副総裁の野瀬でございます。先生に対してお答え申し上げます。 当社といたしましては、昭和五十三年十月建設の申し入れをいたしまして以来、関係住民に十分御説明を申し上げ、竹原市並びに同議会を初め関係者大部分の御賛同を……(森井分科員「聞いたことに答えてください、そんなことは聞いていませんよ」と呼ぶ)私の方は、二十八日に申請をいたしましたのは予定どおりのスケジュールでございまして、どうしてもわれわれとしては国から受けております石油を節約して石炭火力をやらなくちゃいけないという責任をしょわされておりますので、これに対しては鋭意努力いたしておる次第でございます。
○森井分科員 ちょっと腹の底から怒っているものですから大きな声になって恐縮ですが、あなたの方は冷静に聞いてください。 私が聞いたのは、現地では待ってほしいというのに、本社側が早く申請をしろと言ったという、これは新聞記事にもなっていますし、私も、その話し合いに出席をした数人の人から聞いてもそういうことになっているというふうに説明を受けたわけです。これは間違いないかと聞いているのです。間違いがなければない、あるならあると言ってください。
○野瀬参考人 これは事実ではございません。私の方はそういうことは聞いておりません。
○森井分科員 あなたそこに出席していましたか。
○野瀬参考人 出席はしておりません。
○片岡主査代理 発言を求めてから答えてください。
○野瀬参考人 はい。
○森井分科員 出席をしておらない者がどうしてそう言った覚えはないと言うのですか。現地の田村さんという所長が先ほどの言葉を言ったわけです。私は現地に行った数人の人から聞いたわけですよ、何人も。あなたは現地に行ってないのに何でそんなことが言えるのですか。
○野瀬参考人 絶えず電話でもって現地からの報告は私たち聞いております。
○森井分科員 都合の悪いことを現地が報告するものですか。あなた方いつも雲の上にいて、発電所をつくるときに現地の出先ばかりつつくけれども、ほとんど現地を見てないでしょう。住民と謙虚に話し合ったことが一度でもありますか。ないのです。 ではもう一つお伺いします。話し合いがつくまでは八条申請を出さないという約束があった、これは御存じですか。一言で答えてください。
○野瀬参考人 その話は聞いておりません。
○森井分科員 それでは、四十一条の申請は当面次の話し合いの時期であります九日まで凍結するというふうに約束されております。これは聞いておりますか。
○野瀬参考人 そのとおりでございます。
○森井分科員 そういうことはきちっとしているのですね。これから仮に一切の許可が出たとしても、あなた方これから建設されるわけですから、そんなに住民をだますようなことを言うと、とてもじゃないけれどもできませんよ。あなただけではなしに、今度は中国電力があと二カ所やるのでしょう。私はもうちょっとまじめに答えていただきたいと思う。 再度念を押しますが、話し合いがつくまでは八条の申請をしない、これは聞いていないのですね。もう一度念を押します。もしいないとすれば、もう現地の所長は本当にロボットで住民にうそをついたことになりますから、その点慎重に答えてください。 それから二つ目は、九日までは当面四十一条の工事実施計画の申請は出さないということになっていますね。しかし九日の住民との話し合いで、まだ話し合いが足りないということで次の機会に延びたときには、やはり四十一条の申請はそれまで延ばしますか。延ばすべきだと思いますが、どうですか。
○野瀬参考人 現在、関係住民の皆様の十分な御賛同を得ているものと確信いたしております。今後万一御理解を得られていない方々がおられるならば、最後まで御理解が得られるよう努力を傾注する覚悟でございます。
○森井分科員 その場合は四十一条の申請はどうなさいますか。
○野瀬参考人 私どもは、竹原市当局並びに議会からは、大半の方から御賛同を得たものと確信いたしておりますので、竹原市御当局並びに広島県等の趣旨を体しまして決断いたしたいと存じます。
○森井分科員 大半の市民が賛成をしていると言いますが、これは一番利害関係のある、いま電源開発竹原火力がありますあの忠海地区あるいは大乗地区、そういった方々が一番大切でしょう。大半の方が賛成をしているとはとても思えません。それが一つ。 それから、あなたのところで言えば、一番近い三原の市長が、かつて市議会で私は反対ですということを言っておる。そういった現状認識をどうしますか。
○野瀬参考人 私どもは、竹原市並びに広島県その他御当局から種々のアドバイスを得まして、そうして大勢が賛成であるということでございますれば、私たちは着工に踏み切りたいと思っております。
○森井分科員 そこで時間がありませんから、さっきぼけていましたが、九日まではとにかく凍結されましたね、四十一条申請は。しかし、それ以降については現地に判断を任せますか、住民とこれから九日に話し合いをされるのですから。
○野瀬参考人 ただいま申し上げましたように、九日まで四十一条の認可を申請をとめることは申し上げました。それに従ってこの間にわれわれの方は、少しでも不賛成の方がございましたら、その方々と相談した結果、全体をながめて判断をいたしたいと存じます。
○森井分科員 現地に判断を任せますか、そういう質問をしているのです。
○野瀬参考人 現地だけでなくて、本社からも立地環境部長等がお伺いいたしまして、前回の三月一日にも、現地だけではございませんです、私の方の部長が現地に参って、そして話をしておりますので、そういう態勢で九日の日もやりたいと思っております。
○森井分科員 では、いずれにしても九日の話し合いの結果を待って判断する、こう理解していいですか。
○野瀬参考人 そのとおりでございます。
○森井分科員 この際ちょっとお伺いしますが、電源立地促進対策交付金というのがありますね、いわゆる電源交付金といいますか、電源三法によります交付金であります。通産大臣、これが電調審との関係で今年度いっぱい、三月三十一日という期限がついているのです。これは法的に別に根拠があるわけではないのです。一年でなければならぬということはないのですが、それについていますね。これが、現地と話し合いがどうであろうと、とにかくさっさと、やはり金につられて、住民の意向よりも年度内という形になるわけですけれども、私はむしろ、話し合いが煮詰まっていないのですから、もうちょっと話し合いをさせれば、これは恐らく完全に住民の理解を得られないにしても、いまのようなだしぬけに申請をするという空気からすれば、うんと変わったものができると思うわけです。この点、どうでしょうか。
○安田(佳)政府委員 当省といたしましても、反対されている方々にもできるだけ理解を深めていただくよう一層努力していただきたいというふうに考えます。
○森井分科員 えらい誠意のない話ですが、結局三月いっぱいに認可になるかならないかが、交付金が倍、半分の違いになってくるわけでしょう。しかも、わずかな金のことで住民とのとげとげした空気を一層助長することになるわけです。大臣、これは期限についてはもう少し弾力的に考える必要があるんじゃないでしょうか。
○佐々木国務大臣 私の理解しているところでは、地元のサイドの事情によりまして期限内に着工できないものまで対象にするということになりますと、他の努力した地区とのバランスと申しますか公正が保たれぬという結果にも相なりますので、決めました方針に従って処置する方が一番公正ではなかろうかと考えます。
○森井分科員 時間が余りありませんから、この際自治省にお伺いをしたいわけです。大臣もひとつ参考にしていただきたいのですけれども、この集中立地に当たりまして中国電力株式会社が竜島火力発電所、これはまだ電調審を通過していませんが、したがってまだ海の物とも山の物ともわからないのですけれども、その竜島火力発電所に関連をして一金五千万円なりを竹原市に出しているのです。そして竹原市はこの金を該当地区の水道整備に使った。まさにこれは買収行為です。それから、長島というところにできます大崎火力発電所に関して言えば、これまたでたらめでございまして、町長の諮問機関として公害調査委員会というのを昭和五十一年から持っております。電調審は去年ですから、はるか前からですけれども、大崎町に火電をスムーズに誘致したいためにこの公害調査委員会というのを持っているわけですが、これは数百万円全額、これまた中国電力の支払いなんです。やっては中電に支払いを請求する。飲み食いから視察旅行から自由自在です。まさに買収だと思う。 それから三つ目の問題は、住民と話し合いをするに当たっては、一回で四千円、一人一人お金を配るのです。半日の場合は二千円、それから諸雑費としてその日当の一〇%。こういった一連の動きを町当局、市当局がしているわけですけれども、自治省の見解はどうなのか、お伺いいたします。
○中村説明員 御説明申し上げます。 お尋ねの件につきまして、私ども具体的な実情をつまびらかに承知しているわけではございませんので、一般的なお答えということで御了解いただきたいと思います。企業立地とこれに伴います地元に対する企業からの協力の問題については、私ども一般的に申しまして、企業側が立地を円滑に推進する立場から、地元の地方公共団体等が要望いたします施設なり経費なりについて、社会的に妥当と認められる程度の範囲内で応分の負担をすることはあり得ることではなかろうかと存じております。すべては節度があると申しますか、社会的に妥当であるかということにかかってまいるわけでございます。 お尋ねの件について若干申し上げてみますと、電源立地のような大型の立地については、企業側の立地活動なりこれに対する地元の対応あるいは両者の間の折衝がかなりの期間にわたって行われることでもございますので、そういったその間の実情の推移に配慮しながら、寄付金等の受け入れについてある一定の時点において行うこともあながち否定できない面もあるのではなかろうかと考えるわけでございます。 それから、もう一つの公害調査のための委員会の経費の点でございますが、これは本来公の必要に基づき設置されて、公の必要に基づいて調査を行うわけでございますので、公費をもって負担することが通常でございましょうけれども、ただ、この種の問題については、そうした行政需要の発生と申しますか調査等が必要になりました原因が大きな企業の立地の問題にあるということで、その間に要します経費について応分の負担が企業からなされることも間々あるように存じておるわけでございまして、その辺のところで寄付金をもってその経費に充てるといったことが行われたのではなかろうかと思います。 それから、最後にお尋ねのございました日当の点については、町の方が払っておるのかどうか、私どもその点全く実情を承知しておりませんけれども、これは町がそうしたことを行っておるのか、企業が行っておるのかということによって判断も異なってまいるだろうと思いますので、その辺のところはしかとお答えいたしかねる面があるわけでございます。 ただ、お尋ねの中に、五十年以来大変飲み食い自由といったことがございましたけれども、もしこれが事実であるとすれば、節度ある地方公共団体の立場であるとは言いかねると考えるわけでございますが、実情等についてはなお主務省の方とも連絡をいたしまして、必要があれば事情等を聞いてみたいと思います。
○森井分科員 じゃ、不満でありますが、他の機会に譲ります。
○片岡主査代理 これにて森井忠良君の質疑は終了いたしました。 次に、和田一郎君。
○和田(一郎)分科員 私は、中小企業対策でいろいろお聞きしたいと思っております。 まず、大臣にお願いいたしますけれども、中小企業の倒産防止対策はいま非常に重要な問題でございますが、通産省ではどのような対策を講じているか、御答弁願います。
○佐々木国務大臣 現在の中小企業倒産防止対策としては幾つかございますけれども、主なものを申し上げますと、まず政府系の中小三機関による中小企業倒産対策緊急融資制度、これは御承知だと思いますが、これを実施してございます。二番目は、中小企業信用保険法に基づく倒産関連特別保証の実施。さらに、中小企業倒産防止共済制度の運用によりまして、これを措置してございます。それから、少し細かくなりますけれども、全国の主要な商工会議所に倒産防止特別相談室というものを設けて、相談指導の活用に当たっております。 それから、中小企業に対する資金の確保でございますが、これは政府三機関だけを例に申しますと、去年に比較して二三%の増加を見ております。 それから、中小企業に対する金融的な配慮でございますけれども、先ほどもお話がございましたが、公定歩合の引き上げ等によって中小企業に集中的なしわ寄せがされないように金融当局ときめ細かい配慮をしてございます。 並べてお話しいたしますと、大体以上のようなことでございます。
○和田(一郎)分科員 いまおっしゃいました中での倒産防止共済制度、これはございますけれども、よく見ますと、五十三年から始まったようでございますが、現在までにまだわずか一万九千数百件しか日本の全国で加入していない。これは制度は非常にいいのですけれども加入者が少ないということでございますが、現状を簡単にお知らせください。
○左近政府委員 倒産防止共済制度の現状でございますが、五十三年の四月から発足いたしまして、一月現在——先ほど先生のおっしゃったのは恐らく十二月末現在であろうと思いますが、一月末現在の数字ができております。それでは加入者が二万四百六十九件ということでございます。 それから、この共済の掛金をいたしました後、事故が発生いたしますと、お金を貸し付けるわけでございますが、貸付額が、これも一月末現在でございますが、大体百四億円に上っております。 この利用については、われわれ当初はもっと加入を見込んでおったのですが、残念ながら加入は予想よりは大分下回っておるということでございます。
○和田(一郎)分科員 そこで、利用したい方のことを聞きますと、もっと制度を変えていただければ相当に利用できる、そして一番目の目を見ない中小企業のためにもよくなるということで盛んに言っているわけでございますけれども、その中で二、三例をとりますと、現在の倒産防止共済制度の貸付限度額は掛金の十倍以内ということでございまして、一千二百万円が限度となっております。しかし、これでは少ないという声が非常にある。三十倍ぐらいやってもらいたいという声があるわけですけれども、こういう点の改正はどうでしょうか。
○左近政府委員 御指摘のとおり、本制度は実は世界でも初めての制度で、いろいろ検討の末でございますが、とりあえず発足したわけでございまして、中小企業の方々にもいろいろ御意見がございます。われわれといたしましても、先ほど申しましたように利用も当初予測したよりも少ないという現状も考えまして、とりあえず改正できるところは制度を改めようじゃないか、もちろん長期的に見なければならぬ点もございますが、当面改正できるものは改正しようという態度で、昨年の秋以来検討を続けまして、この改正案を今国会に出させていただこうということで、いま最終的なまとめに入っております。 これについては幾つかの改正点を考えているわけでございます。 いまの御指摘の点でございますが、貸付限度額が千二百万円では少し少な過ぎるではないかという御意見は確かに非常に多いわけでございます。われわれといたしましても、そういう点は確かにごもっともであるということで、この貸付限度額を引き上げたいと考えております。ただ、引き上げについては、共済掛金の倍率を上げるということは、もう少し長期にわたって議論をしてみないと、まだ共済の収支について自信が持てませんので、とりあえずは掛金額をもう少しふやすということで、そして実際の貸付額もふえるということにいたしたいということで、これについてはいま最終的に検討しておりますが、千二百万を相当な額まで引き上げたいということで現在検討中でございます。
○和田(一郎)分科員 改正をいま検討しておられるようでございますけれども、あと一つこういうことがある。現在、掛金の納付方法でございますけれども、これは毎月一定額を納めていくと、好況、不況のときがございますね。そういうときもあるということと、それから現在は大体五年ですね。三年、五年先がなかなか見通せないということなんで、一括納入というような制度はどうなんだろう、そういう点もひとつ考慮してもらいたいという声がずいぶんあります。その点についてはどうでしょう。
○左近政府委員 御指摘のとおり、掛金を納付して、現在の制度ですと五年たちませんと千二百万円が借りられないということになっております。ところが、現在のような時代でございますから、五年も待っておれないというのはまことにごもっともでございます。 そこで、先ほど申しましたように、掛金額をふやすということは、月々の掛金額をふやすことにいたしまして満額になるまで——この満額もいまのような百二十万をもっとふやすつもりでございますが、それが大体三年半くらいで到達できるような掛金額にしようじゃないかということでございまして、だから現在の百二十万円程度ならば、もっと短い期間で、たとえば二年程度の期間で到達できるというようなことにいたしたいと思っております。 それから、一括納付前納という制度につきましては、一括前納したときに直ちにその前納額全体の十倍貸せるという制度は、実は制度の最初、当時は非常に倒産も激しかったわけでございますし、しかも制度が周知されないということで、非常に特例としてやったわけでございますが、共済制度の本来の考え方からいきますと、やはり毎年掛金を積まなければいけないというのが本来の思想でございますので、いまのように掛金額を大きくしまして、なるべく早く満額に達するようにいたしたいということを考えております。 なお、ただ掛金だけを一括前納するという制度は現在もございまして、そしてまた前納していただきますと、やはり金利分も考えながら若干金額を安くするという制度もやっておりますので、そういう点も御利用願えるかと思います。
○和田(一郎)分科員 次に、倒産防止共済制度の貸付利息、これは無利息ということになっておりますけれども、実質的には貸し付けを受けたときに掛金が戻らないということで、金利に相当するものを企業は負担しております。せめて償還時には掛金の半分程度は戻らないのか、こういうことですけれども、これも確かに道理だと思うのですが、その点はどうでしょう。
○左近政府委員 現在の制度は、いま御指摘のとおりお金を借りますといまのような掛金分はいわば権利消滅という形になってしまうわけでございますが、それについてそれはちょっとおかしいじゃないかという御意見もいろいろございます。われわれは考えるわけでございますが、この十分の一をといいますか掛金相当額をいただくというのは、やはり共済金を貸し付けるためにはたまった共済の掛金だけじゃなかなか足りませんので、外部から金を借りてこなければいけないという問題もございます。また、貸し付けをいたしましたときに残念ながら貸し倒れということも考えられます。したがって、そういう経費を賄うためにいただいておるわけでございますが、しかし、これについては、たとえば貸し倒れというのが非常に少なくなるとか、あるいはわれわれも努力をするとかということであれば、必ずその十分の一、つまり掛けた金だけが要るということには限りません。したがって、われわれの経営努力あるいはまた加入者の御努力、つまり貸し倒れしないというような御努力によりますれば、この経費は節減できると思います。したがって、借りた金を完済した人には幾らかそういうことで合理化できた金をお返しできる制度をつくってみようじゃないかということを現在検討中でございます。 ただ、現在は、実は五年間貸し付けるということになっていますが^まだそういう事態が出ておりませんので、いますぐというわけにはいきませんが、そういう貸し付けが始まる時期までにはひとつ計算をいたしまして、そういう余裕が出てくればお金が返ることもできる制度ということも考えてみたいということで検討しております。
○和田(一郎)分科員 いまの質問に対して検討していきたいとおっしゃっておりましたけれども、それは今国会に出そうという改正案の中に入るわけですか。
○左近政府委員 入れていきたいと思っております。
○和田(一郎)分科員 それから、この問題の最後の質問なんですけれども、貸し付けを受けていない人に対するいわゆる優遇措置なんですが、掛金を五年間納付した場合には金利をつけて返すような方法は考えられないだろうかということ、これはどうでしょうか。
○左近政府委員 一つは、掛金を掛けていただいて確かにこれを運用しておりますので、それに対する収入が事業団にはございます。これは先ほど申しました一般の経費に充当しておりますので、われわれといたしましてはその余裕は、先ほどの、借りた人が完済したときに幾らかでもお返しすると申しますか、やはりそちらの方を優先して充てた方がいいのじゃないかというふうに考えております。 それからもう一つ、金利をつけない方がいいと言うとおかしいですけれども、現在の制度としては合理的だと思われますのは、実は金利がつかないということでこれは経費扱いになっておりまして、掛金が経費として落ちるわけでございます。ところが、金利が戻るというような制度にしますと、これはいわば一種の預金みたいなことになりまして税金が、つまり経費として落とせないという税法上の約束があるわけでございます。したがいまして、実際上この税金の控除があるという点のいわばメリットを勘案いたしますと、いまのところ、われわれとしては、加入者の方にそちらの方を御利用願った方が有利じゃないかということもございますので、われわれが合理化した金はむしろ借りた人の、さっきの十分の一の問題の方に充当していったらどうかというふうに考えておるわけでございます。
○和田(一郎)分科員 それでは次に行きまして、大臣にお伺いいたします。 いわゆる省エネルギー、これは中小企業者に対しましても同じことでございますので、中小企業者に対する省エネルギー対策としてどのように大臣としてはやられるか、それをお願いいたします。
○佐々木国務大臣 中小企業者に対する省エネルギー対策でございますけれども、大体三つに分けて御説明申し上げたいと思います。 一つは金融面でございますけれども、中小企業金融公庫あるいは中小企業振興事業団等で省エネルギーの枠を設け、あるいは設備に対する貸付制度等行っております。 五十五年度におきましては、小口の、小さいものにもひとつ援助しようじゃないかということで、国民金融公庫に特別に省エネルギーの枠を設けまして実施中でございます。 それから税制面でございますけれども、これは特別償却措置あるいは固定資産税の軽減措置等ございまして、今年度特に特別償却措置の対象設備の拡充とか、あるいは償却率の縮減あるいは適用期間の延長等行ったところでございます。 その他といたしまして省エネルギーの技術開発に対して補助制度を行っておりまして、これは二分の一から四分の三まで補助金をことしは上げてございます。 その他、省エネルギーに関する診断、指導、研修会、講習会等の開催をいたしまして、できるだけ省エネルギーを進めてもらうよう奨励してございます。
○和田(一郎)分科員 では、あと一問大臣にお願いいたしますけれども、中小企業に対する専門的、広域的指導体制が必要と考えておりますけれども、その方はどうでしょうか。
○佐々木国務大臣 専門的かつ広域的な指導体制というものがだんだん重要性を増してきているということは御指摘のとおりでございます。 まず、専門的な分野といたしましては、申すまでもなしに消費構造が非常に多様化してきた、あるいはサービス経済化が進展してきたといったようなことから、工業デザインとかあるいは経営管理のコンピューター化といったようなことで、中小企業分野におきましても専門的な経営内容に関する指導要請が非常に強まってきたことは御指摘のとおりでございます。 また、広域面におきましては業種特有の問題、たとえば産地問題あるいは地域にまたがる、例で申しますと大規模店舗進出問題等が頻繁に方々で起きておりますけれども、そういう問題を広域的に指導していきたいといったようなこと等がございまして、非常に重要性を増してきたところでございます。昭和五十五年度には広域指導センターの創設を予定いたしておりまして、都道府県の商工会連合会には四十七カ所、大都市等の商工会議所には五十二カ所設置予定で今年度は進めてございます。
○和田(一郎)分科員 そういうことで商工会、商工会議所の指導員は大体経営指導を中心にして行っておりますけれども、いわば工業を営む中小企業に対する技術面での指導、こういうことはどうなんでしょうか。
○左近政府委員 いま大臣も申し上げましたが、今後はやはり単なる経営指導でなくて、工業についても業種ごとのきめ細かい指導が要請されるということがございます。したがって、経営指導員につきましても、先ほどの広域指導センター等に、各地域地域にやはり多い業種がございますから、そういう業種についての専門の人を任命いたしまして指導を行いたいということを考えておるわけでございます。従来まではなかなかその指導体制が整備されなかったということもございまして、余り実績もございませんが、今後の広域指導センターによります指導というものをこういうものに重点を置いてやりたいということを考えております。 他面、技術指導につきましては、都道府県の公設試験研究所でいろいろ指導しておりますが、これも従来は県の職員だけでなかなか手が回らなかったという点もございますので、来年度は技術アドバイザー制度というものを設けまして、そういう公設の試験研究機関に民間の技術の専門家をいわば嘱託としてお願いをいたしまして、そういう方が中小企業の御要望に応じて技術指導するという制度もやりましたので、これと先ほど申し上げました広域指導センターとをリンクさせまして、広域指導センター等でいろいろな要望を聞いて、そこで指導できるものは指導しますが、指導できないものはいまのような技術アドバイザーにまたつないで、より親切な指導をできるようにということを現在考えておるところでございます。
○和田(一郎)分科員 最後の質問になりますけれども、繊維業界のことについて質問していきたいと思います。 これはいろいろな要素がかみ合いまして、繊維産業は好、不況が波のように襲ってまいりますけれども、昨年一年間の繊維業界の倒産件数が一千三百五十七件、負債総額が三千八百十四億、そういうふうにどんどん非常に暗い見通しでございますけれども、これに対していわゆる輸入という問題もございます。外圧ですね。そういうところで、非常に波のある産業でございますが、これはもう全部ほとんど中小企業ですから、大手の商社は別にいたしまして、いわゆる下請で製造しておるものは零細企業に等しいような人たちが多いわけですから、この点については通産省としてもがっちり守ってもらいたいと思うのですが、その辺の実情はどうでしょうか。
○児玉(清)政府委員 いま御指摘いただきました繊維産業全体の動向と輸入との関連でございますが、特に中小企業を中心とした動向でございますが、全体の繊維の景況から申し上げますと、一般的に昨年からことし、特に昨年の後半からでございますが、倒産は件数としては非常に多うございますが、国内と輸出、そういった全体の需要から見ますと相当堅調であった。ただ、国内の需要が堅調になりますと、どうしても輸入がまた多く入ってくるという問題がございます。したがいまして、日本の繊維産業というのは、御存じのように内需と輸出と輸入、三本柱で立たざるを得ないという辛い立場にございます。 したがいまして、いま御指摘のまず輸入から申し上げますと、昨年の輸入は一年間で対前年一二三%という水準でございます。これも上下に分けて至近時点で考えてみますと、昨年の前半が非常に高うございますが、後半に至りましてやや鎮静してまいりまして、そして昨年の十一月以降は対前年同月比で見ますと一〇〇%を割るというふうに鎮静化をいたしてきております。それはとりもなおさず国内の景況も昨年の前半ほどよくなかったということで、手放しで喜ぶわけにはまいりませんけれども、一応そういう趨勢でございます。 それから、これと倒産との関連でございますが、倒産で特に多いのはアパレル関係でございますけれども、アパレルにつきましては、非常に弱小なメーカーが多いということもございます。それから御指摘のような輸入の急増ということもございまして、特に韓国あるいは中国、台湾といった近隣諸国から入ってくるものが多うございます。 したがいまして、こういうものにつきましては、対策としては二つございまして、一つは国内の繊維産業の弱小企業を強化するという構造改善対策、それから、いま御指摘のように輸入品をどうやって秩序ある輸入にキープするかという問題でございます。この両面からいろいろな細かい施策をやっていきたい、このように考えております。
○和田(一郎)分科員 去年の秋物、それから冬物が暖冬でございましてとにかく今回は出なかった。いまのアパレル関係では恐らく三割から四割、秋物は返品があるのじゃないだろうかと言われておりまして、これは大変なことです。輸入の方も、去年の十二月からちょっと下火になってきたとおっしゃっていますけれども、全体としては入超ですよね。これは一つのパターンが固定してしまったような感じであるということでございます。さらに、特にこれが大きく伸びたのは、五十三年から五十四年にかけて伸びたのは、布帛製品ですか、男物の外衣だとか女子物の外衣、これはもう対前年比八四%も男物は伸びている。それから女子物の外衣の場合は六二%も伸びている。驚異的な伸びなんですね。ですから、全体的に円安だからちょっと輸入がとまっているという多少の緩みはあるかもわかりませんけれども、繊維業界全体にしてみればこれは大変な問題でございますので、この辺のところをどう通産省でお考えになるかということ。 もう一つは、近隣三国、いわゆる香港、韓国、台湾ですね、この方は多少減っているようでございますけれども、逆に今度は先進諸国の方では、またこれが入超というよりも非常な勢いをもって輸入している、こういう形でございますので、その辺のところをどういうふうにお考えになるかということです。
○児玉(清)政府委員 大体の布帛製品についての傾向はいま御指摘のような状況でございます。 特に布帛製品がなぜふえるかということでございますが、これは御存じのように相当労働集約的な面がございまして、これは賃金格差からどうしても近隣諸国から入ってくるという面もございます。それから若干最近ECあるいはアメリカといった先進諸国からの輸入がふえているということでございますが、これはいわゆるアパレル関係の高級品志向ということで、もちろん日本の内需物に対しましても新しいアパレル産業がフレッシュな、ファッショナブルなものを供給はいたしておりますけれども、これに対しまして外国のブランド品とかそういうものが最近はふえてきつつございます。 これに対してどういった対策を立てていくかということでございますが、やはり布帛製品でどうしても付加価値の小さいもの、そういったものについて、日本の国内のアパレルメーカーがやはり労働力を駆使してやっていくということでは、なかなかいつまでも続くというわけにまいりません。したがいまして、そういった競争の領域から少しくぐり抜けまして、差別化商品と申しますか、相当高級品志向、あるいは個性的な商品をその産地産地でつくっていくとか、そういった企画を産地ぐるみでやる、あるいは個別の中小企業でやる、そういうものに対しまして重点的な繊維対策の投入をやっていく、あるいは技術的な指導をやっていくというようなことが非常に重要かと考えております。
○和田(一郎)分科員 いろいろおっしゃいましたけれども、結局は、燃料も上がる、これは繊維製品もずいぶん燃料を使いますからね、燃料も上がる。そして金融が非常に引き締まっておりますし、いろいろな面で減量経営も限界に来ている。これ以上減らしたら食っていけないというような状態で、相当神経質になっておりますね。ですから、多少下火になったといえども入超パターンは定着している。そういうところで、この方の問題でもう少し強力な手を打てないかどうか、国内の繊維産業、特に零細企業を守る意味で。それについて、これは大臣にお伺いした方がよさそうですね、どうでしょう、大臣。
○児玉(清)政府委員 私ども日夜その対策に腐心いたしておりますが、やはり両面対策が必要だろうということでございまして、過剰競争要因あるいはお互いに足を引っ張り合う要因をどうやって排除するかということ、それから高級化への志向、前向きの構造改善対策ということ、この両面が必要でございます。そのために、繊維産業、特に中小零細の布帛関係業者、こういうものにつきましてのあれは、ファッション化の内需の動向あるいは輸出品としての動向、そういったものにいかに的確、機敏に適応していくかということが一番大事な点かと思います。そういった点で、個性的な需要あるいは多品種少量生産の傾向にどうやって対応するかということと、エネルギー等コストの上昇は避けられませんのでやはりそれに見合った付加価値の高いものをねらっていくということが一番肝要か、そういった観点からの指導あるいは金融面の助成、こういうことを重点的に今後展開していきたい、このように考えております。
○和田(一郎)分科員 終わります。
○片岡主査代理 これにて和田一郎君の質疑は終了いたしました。 次に、中島武敏君。
○中島(武)分科員 私は、医薬品の製薬メーカーによる返品規制問題についてお尋ねしたいと思っております。 この問題は、すでに七年前ですが、昭和四十八年の五月に衆議院の商工委員会でわが党の神崎議員らが取り上げた問題であります。製薬メーカーは、それまでの商習慣、商慣習を一方的に破って医薬品の返品を認めない、認める場合でもゼロ円とか一円でしか引き取らない、そういう返品処理基準をつくって小売薬局、薬店に一方的に押しつけたわけであります。当然小売薬局、薬店側からは猛烈な反対運動が起きて、武田、中外、三共などのメーカーは白紙撤回せざるを得ませんでした。そういう経緯がある問題であります。 このとき神崎議員らの質問に対して、通産省、厚生省、公正取引委員会はそれぞれ答弁をしておられます。 通産省は、こういうことは当事者間の合意が大切である、話し合った上で決めるべきである、また、ある社などは押し込み販売をしてその直後に返品廃止の方針を決め一カ月もたたないうちに実施したい、そういうやり方には反対であると答弁をしておられます。 厚生省は、メーカーがみずから白紙撤回したが、また繰り返すかもしれない、繰り返すということになれば指導してやめさせると答弁をしておられる。十分監視していきたい、こうも答弁をしておられるのであります。 さらに、公正取引委員会は、一方的な返品拒否は不公正取引に該当する、その事実についてその実態を早速十分調査する、結果によってはしかるべき措置、つまり不公正であれば差しとめる、こういう答弁をしておるわけであります。 そこでお聞きしたいのは、通産省、厚生省、公正取引委員会でその後どのような調査及び指導あるいは措置をとり、現在は業界でこの問題がどうなっていると認識しておられるか、この三点についてお伺いをしたいわけであります。通産省から順次まずお答えをいただきたいと思います。
○神谷政府委員 御指摘のように、医薬品を含めまして私ども取引条件全般についての適正化の問題、これを昭和四十四年、ちょっと古いことでございますが、取引条件適正化委員会というものを設けまして四十四年から業種別に逐次調査を行い、あるいは問題点を勉強いたしまして指針をつくってまいりました。この委員会からの答申を得てきたわけでございます。医薬品につきましても昭和四十七年に答申を受けておるわけでございますが、たまたま医薬品につきましては、この答申の中でもその医薬品としての特殊性といったようなものについていろいろ検討すべき問題がある旨も指摘されておりますし、ただいま先生御指摘のような問題も当時ございました。したがいまして、医薬品を除く他の業種につきましてはこの指針を受けて日本商工会議所におきまして、ここにお願いをいたしまして標準契約書というのを作成して具体的な普及啓蒙を図ってきたところでございますが、医薬品につきましては、先ほどお話し申し上げましたような特殊性にかんがみまして、厚生省とも相談の上、指針というのを直ちにつくる、それを直ちに具体化することには慎重であるべきである、こういうことから慎重な検討を加える、こういうことで厚生省の方にもお勉強願うということで現在に至っておるところでございます。 当時起こりました問題につきましては、この問題について医薬品メーカー側が撤回をし事態は是正されて現在に至っておる、厚生省の方でも種々御勉強いただいておる、このように了解をいたしております。
○山崎政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のように、昭和四十八年商工委員会におきまして医薬品メーカーに上る返品規制問題が取り上げられ、当時問題になりました御指摘の三社、これにつきましては自主的に撤回したというような経緯もございます。その後、私どもはこういうことが二度と起こらないように見守ってまいったわけでございます。そこで、当然のことながら当時の三社問題の後はそれぞれ業界にもその趣旨は徹底したはずでございますが、その後、最近に至るまでそのようなことがありませんでしたので、これはこれなりに業界の内部でも自主的に守られているといいますか、そういう動きであった、かようなことでございます。
○出口説明員 お答えいたします。 公正取引委員会といたしましては、御質問の調査についてでございますけれども、当時製薬会社が押し込み販売を行い、かつ返品基準を設定し不当に返品を拒否しているのではないかとの疑いで審査を開始いたしましたが、製薬会社が基準を白紙撤回いたしまして、またその後、薬局、薬店等から事情を聴取したわけでございますけれども、違反の疑いは消滅したと認められましたので、調査を打ち切りいたしております。 なお、現在の状況でございますけれども、薬品の不当返品問題についての申告なり情報等は来ておりません。
○中島(武)分科員 いまそれぞれからお答えがあり、厚生省の方からは、その後見守って現在に至っているが新たな動きはない、こういう御答弁だったかと思います。 私、実はここに山之内製薬、それから小野薬品工業、田辺製薬の最近の返品処理基準を入手し、持ってきております。委員長のお許しを得て、ちょっとお配りをお許しいただきたいのです。 これをごらんになっていただけば、最近のもので昨年のものですけれども、それぞれ月が記入されております。それで、これを見ていただけばわかるのですけれども、この返品処理基準の内容は、昭和四十八年当時国会で論議された返品処理基準とほぼ同じ内容のものだということがはっきりします。それで、いま申し上げた山之内、小野、東京田辺、三社の返品処理基準というのは、これまであるいは昭和四十八年までは商慣習として有償商品、つまり返品するときにはお金を返す、こういうものとして扱われていたものが、ゼロ円あるいは一円返品にされるということになっておるわけであります。このために、実際には小売店の人たちは返品拒否に遭って非常に苦しんでおられるというのがその実態であります。 ところが、卸を調査してみてわかりましたことは、私が文書を入手しておりません、たとえば三共や中外などについても、山之内と同様頭痛の種であるという返事をしておるわけであります。つまり、山之内、小野、東京田辺以外のところも同様のことをやっているということであります。 しかも今回のやり方というのは、小売店に面接通知をするというやり方ではないのです。そうじゃなくて卸の責任でやらせる、そういうやり方をとっていることが大変特徴であります。このため卸の方は卸の方で、この方針を受け入れない小売店からは文句を言われて、返品を受け取らざるを得ないで板ばさみになって苦しんでいるというところもあるわけであります。 そこで厚生省にお尋ねしたいのですけれども、こういうことは七年前にも大問題になったのですね。そのことがまたここで蒸し返し出てきておるわけであります。これを知らないというのも厚生省としては、率直に言ってずいぶん怠慢な話じゃないかと私は思うのです。それで、こういう従来の商慣習を破る一方的な返品処理基準、これの実施を直ちにやめさせる必要があると思う。そういうふうに厚生省はおやりになるかどうか、この点を伺いたいのであります。
○山崎政府委員 お答えいたします。 先ほどの答弁で、大変申しわけなく言葉が足りませんでした。御指摘の山之内、東京田辺、小野薬品のうち、実は山之内につきましてはつい最近私どもの耳に入りました。その点、ちょっと答弁を訂正させていただきたいと思います。 いまお尋ねの点でございますが、要するに、一方的な返品規制と申しますか、そういうものは、この前、四十八年のときの御答弁でも申し上げましたように、長年の商慣習に支えられた分野でありますということも踏まえますと、一方的なものであるとすればこれはやはり決していいことではないと申しますか、これは要するに、関係当事者、メーカーなり卸なり小売が十分円満に話し合って解決すべき問題であろう、基本的にはさような認識を打っておるわけでございまして、仮に、一方的に、当事者の同意を得られないままにそういうことが行われたとなれば、これは是正措置その他指導方を考えてまいりたい、かように思います。
○中島(武)分科員 これは私もいろいろ調べたのです。調べたのですけれども全く一方的なんですね。話し合いも何もない。こういう一片の紙切れで卸に通知することによって卸の方から小売店にこの扱いがやられる、こういうやり方なんです。これに対して反対が起きてくるのはあたりまえなんです。それで、反対が起きてきた結果、山之内製薬はことしの一月に、小売商店向けの商品については撤回をする、こういう措置をとっているわけなんです。自分で悪いということは相当自覚しながらやっているのですね。しかも厚生省の方は、いまのお話でわかりましたが、山之内のことは幾らか存じておられた、しかし、それ以外のことは知らなかった、こういうわけなんですけれども、中身は私が言ったように非常に一方的にやられておる。 そういう点から言いますと、何をおいてもこの問題について調査をする必要があるのじゃないか。そして、調査をするというだけじゃなくて、やはりこの問題を是正する、やめさせるという措置を厳しくとらないとだめだ。率直に言ってどうも怠慢のそしりを免れないのじゃないか。 こういうことがいろいろやられておるということは業界紙にも出ておるのですから、厚生省の方でも幾らでも入手して、ああこういう事態が生まれているなあということはわかっていいはずのものなんです。ところが、どうもなかなかおわかりじゃないようなので、いま文書をもってお示ししたのですけれども、直ちに調査をすると同時に、すぐ是正する、やめさせる、こういう措置をとってもらいたいと思います。
○山崎政府委員 お答え申し上げます。 直ちに調査はいたしたいと思います。関係者、事情もあるのではないかと思いますが、先生御指摘のようなことがあれば、これは是正なり指導なり考えてまいりたい、かように思います。
○中島(武)分科員 調査した上でいまの指摘のようなことであれば、きちんとやめさせるというようにやりますか。
○山崎政府委員 そのようにいたしたいと思います。
○中島(武)分科員 公正取引委員会にもこの際伺っておきたいと思います。 事態はいま申し上げたとおりなんですけれども、私は、一方的に返品処理基準を設けて、そして従来の商慣習を一方的に破ってしまう、そして返品を許さない、こういうのは独占禁止法が禁止しております不公正な取引、これに該当するのじゃないかと思うのですが、どうですか。
○出口説明員 ただいまいただきました資料を一読したわけでございますけれども、細々といろいろ基準が書いてございまして、これを見ただけで直ちに独禁法で禁止しております不公正な取引方法に該当するかどうか判定しがたい状況でございますので、持ち帰りまして内容を慎重に検討いたしまして、事件の端緒として取り扱いをしたいと思います。
○中島(武)分科員 七年前のときにもこの問題が同じ形で問題になりました。それで、これはもう公正取引委員会の方でも御存じだと思いますけれども、もちろん質問の中で言われたことですからストレートな言い方ではありませんけれども、公正取引委員長は、このとおりであるとするならば不公正な取引に該当するという答弁をしておられるのです。それで、私はこれはもう動かしがたいのじゃないかと思うのです。いま、持ち帰って調べられると言うのですけれども、圧倒的に大きなメーカーという地位を利用して、こういう返品を許さないということをやることこそ不公正な取引きに該当するのじゃないかと私は思うのですが、その点はどうなんですか。
○出口説明員 医薬品は健康上必要な特殊な商品ということもございますし、当該業界におきます商慣習はいかなるものかという点について十分実態調査をいたしませんと、このような基準が独占禁止法で禁止しております不公正な取引方法、一般指定の十の優越的な地位の乱用行為に当たるとすれば当たるのではないかと思いますけれども、果たしてその辺に当たるかどうか、さっき申しましたようにもう少し実態を調査した上でないとはっきり断定はできませんので、それについては、繰り返しになりますけれども、いまいただきました資料について十分慎重に検討した上で今後の調査等に関して検討してまいりたいと思うわけでございます。
○中島(武)分科員 調査はされますね。——私は、調査をして具体的な是正措置をとらなければだめだと思うのです。調査されますね。
○出口説明員 はい、調査いたします。先ほどお断わりいたしましたけれども、前回関係メーカー並びに薬局、さらには系列の問屋等について調査したわけでございますけれども、今回も果たして問題があるかどうかについて調査いたしたいと思います。
○中島(武)分科員 厚生省に伺いたいのですが、今度の問題は私の知る限りでは二回目なんですね。七年前に小売店からの非常に大きな反対運動でこの問題が表面化し、みずから白紙撤回をせざるを得なかったわけです。それから七年たってまたぞろ同じことが持ち上がってきているわけです。それで厚生省あるいは公取の方からいろいろと指導や具体的な措置がとられるということになれば、このときはまた引っ込むかもしれないと思うのですけれども、またこれが出てくるのではないかという気がするのです。七年前のときにも、再びまたこういうことが出てくるかもしれないということが委員会の中でもずいぶんと言われておりましたし、厚生省の方の認識としてもそういう可能性があるということを言っておられるのですが、今度さらにまたこういうことが起きれば三度目になる、そういう三度目が起きないとも限らない問題だと私は思っています。そういう点から言いますと、この問題は非常に重要な問題だ。 そういう点では、先ほど通産省の方からも話がありましたが、標準約款は医薬品を除いておつくりになった、医薬品の問題については標準約款はつくらなかった、こういう御答弁でありました、医薬品の問題は確かに複雑です。容易な問題ではないと思います。思いますけれども、しかし、実際には大きなメーカーがあって、卸があって、そしてあと大多数は小売店なんですね。小売の薬店、薬局なんです。そういう状況のもとでは、この返品規制がやられる、いままでの商習慣が破られるということになりますと、もう青息吐息でやっている人たちというのは、これは中小企業、零細企業という観点から言いましても、大変なところに逢着することは言うまでもないのです。それからまた、扱っているものが普通の商品とは違って医薬品なんですね。この点では人間の命や健康にじかにかかわる大事な商品なんですね。商品ではあるけれども、人間の命や健康にかかわる重大な問題を扱っているのが医薬品を扱うところの特徴であります。 そういう点から言いますと、中小企業という立場から言っても、また人間の生命や健康にかかわる商品を扱っているという点から言いましても、こういう返品の問題について、メーカーも卸も小売も、どういう取引にしていくのかという問題については十分に話し合いをしなければならない。単に話し合いをするというだけではなくて、十分に合意を見て、その上でなければ一方的な返品を許さない、これがまかり通ってはならないと私は思います。 そういう点では、この問題の重要性から言いましても、厚生省あたりはしっかり通達くらい出して、こういうことのないようにすることが再発を防止するために大事じゃないかと思っているのですけれども、厚生省の見解を伺いたいと思います。 〔片岡主査代理退席、阿部(助)主査代理 着席〕
○山崎政府委員 御指摘ごもっともな点も多いと思います。基本的には、医薬品の流通過程で、医薬品の特殊性は当然あるわけでございますが、一般的に返品率が非常に高いと言われていることもまた一つ事実でございます。また、先生御指摘のように、医薬品というのは、仮に売れなくても常に常備していかなければならぬという特徴もありますし、本来生命関連物質でございますから品質の確保は非常に大事なことであるという側面もございます。 そういう意味もありますけれども、一般論としては、たとえば在庫管理をもっとうまくやることによって流通過程におけるロスをできるだけ小さくしていくというか、返品もそのうちに含まれると思いますが、そういうことによって商品コスト全体へのはね返りを抑えていくという姿勢は、一般論としては当然持つべきことであろうと思います。 ただ、この業界内部の問題といたしましても、御指摘のように、メーカー、卸、それから小売の三者が十分な合意を見て、あるべき適正化の方向に向かっていく、十分な合意がなければ、長年の商慣習もあるわけでございますから、決して一朝一夕にうまくいくものでもない、こういう意味では先生の基本的認識と一致するところでございます。 そういうことで、常々業界にもそういう方向で指導はしているわけでございますけれども、そういう面についてなお一層われわれとしても勉強し、検討を重ねてまいりたいと思っております。
○中島(武)分科員 これは中小企業の問題でもあるのです。そういう側面から言って、いまの問題について、いわば中小小売店、中小企業を保護育成するという観点から、通産大臣の見解を最後に聞いて、私の質問を終わりたいと思うのです。
○佐々木国務大臣 今後においても、医薬品の返品規制等の取引条件の適正化につきましては、まずこれを直接所管する厚生省とよく相談をしまして、その判断をまちつつ協力していきたいと思います。
○中島(武)分科員 終わります。
○阿部(助)主査代理 これにて中島武敏君の質疑は終了いたしました。 次に、井上一成君。
○井上(一)分科員 私は、きょうは通産省に同和対策について二、三質問をしていきたいと思います。 もちろん、私がここで、人権を守るその重要性を論ずる必要はないと思います。時間も限られておりますから、通産省が同和対策について基本的にどのような取り組み方をしていらっしゃるか、同時にその取り組みをつくり出すためにも、部落産業というのでしょうか、同和地区の産業育成あるいはそのための実情、実態をどう把握しているか、このことについてまずお伺いをしたいと思います。
○佐々木国務大臣 私からまず前段に関しまして認識をお話し申し上げたいと思います。 同和問題は、ただいま御指摘がございましたように、国民の一部が歴史的、社会的要因によりまして差別を受けている、そして社会的、経済的な地位の向上が不当に妨げられているという問題でございまして、基本的人権にかかわる重大な問題だと認識しております。したがいまして、その早急な解決を図ることが国及び地方公共団体の責務でありますし、同時に国民的課題であるとも考えております。
○左近政府委員 同和地区の産業の実態の把握の点でございますが、われわれといたしましても同和対策法の第六条の精神に基づきまして、中小企業の振興を図ることを重点に考えております。そのためにはまず実態をつかむことが大事だということでございまして、総理府が中心に実施しましたいわゆる五十年調査の結果を基礎資料として活用しながらいろいろ調べておるわけでございますが、われわれの調べたところでは、同和地区の産業というのはやはり伝統的な産業を基礎に置いておる、しかも小規模零細企業が非常に多い、しかもそれが一定地域にいわゆる産地を形成しておるというのが多いというふうなことをわれわれ把握しておるわけでございますが、この実態把握を軸に今後いろいろな政策を展開してまいりたいと考えておるわけでございますが、通産省としても府県を中心にしまして産業振興班調査というものを実施しております。来年度、五十五年度につきましては従来の十五地区を二十六地区というふうなことで予算も倍増いたしまして、この実態把握は今後とも続けてまいりたいと考えておる所存でございます。
○井上(一)分科員 大臣から、国民的課題であり国の当然果たすべき役割りというものは十分認識しているということでございます。これは、措置法なりあるいは答申の中でそのようなことが明確化されたわけです。 それじゃ答申の中にうたわれているような産業対策が現状で十分なされているのかいこういうことなんですね。いま認識についても若干お答えがありましたけれども、本当にそれで十分な認識だと言えるのか。私の方からこんなことを申し上げるのはどうかと思うのですけれども、その実態というのは、一人親方というのでしょうか、家族的労働というのでしょうか、非常に零細なんですね。生きんがために本当に血の出るようなそういう労働を毎日黙々とし続けておる。そういう実態を十分とらえない限り、いわば机上におけるプランでこれを処理あるいは解決できるのだというと見通しを誤ると思うのです。まず、差別を受けたあるいは差別が生み出したそういう部落の生業的——企業なんてないのですよ、生業的事業です。そういうことについての十分な認識をしているかということです。それはどうなのですか。
○左近政府委員 御指摘のとおりでございまして、われわれといたしましても先ほど申しましたような調査によっていろいろ解明に努めております。しかし、御指摘のように、われわれの現在の認識が完全であるということにはならないと思います。今後も十分努力を続けまして認識をいたしたいということでございますが、ことにこれからの対策はやはり小規模零細対策というところに重点があるという点については全く御指摘のとおりだということで、そういう点の認識をさらに一層深めてまいりたいというふうに考えております。
○井上(一)分科員 私は大臣に、同和問題の基本的解決を図る政策のやはり中心的な課題の一つは、同和地区の産業、職業問題を解決していわゆる経済的な基盤を確立させなければいけないということが答申にうたわれているわけなんです、このことを素直に受けとめていただきたい、こう思うのです。 いまその実態について私が指摘をし、そのことを認められたわけですし、大臣、いかがですか。もちろん大臣もそういう実態を聞き及ぶことはあり得るでしょうけれども、実際に触れられたということはないのじゃないだろうか、ぼくはこう思うのです。いかがでございましょうか。
○佐々木国務大臣 私は御承知のように秋田県出身でございまして、同和の実態は見たことございません。
○井上(一)分科員 大臣、秋田県出身だからその実態に触れなくてもいいということはないわけですね。そうでしょう。大臣としては率先してそういう実態に触れられて、その中から、その地区の人々の持っている要求、要望、あるいはいま何に悩んでいるか、あるいはどういうことを将来希望しているか、そういうことに触れられることも問題解決の一番近道じゃないか、こういうふうに私は思うのです。大臣、いかがでしょうか。
○佐々木国務大臣 お説のとおりだと思います。実態を把握するのが大変重要なことだと思いますし、できますれば私も実際に現地に視察に参りましてつぶさに実態を把握したいと思いますけれども、ただいま御承知のように国会開会中でございますし、またエネルギー問題、物価問題あるいは中小企業問題と山積しておりまして、緊急に解決しなければならない問題がありますので、時期を明確にいつ行きますということをお話しできないのは残念でございますけれども、今後検討してみたいと思っております。
○井上(一)分科員 取り組もうとする姿勢については私は了としたいと思うのです、大臣。もちろんこの問題は通産省だけの問題ではない、内閣全体の、行政全体の問題ですから。しかし、同和問題の問題解決の大きな柱である部落の産業というもの、そして経済的な基盤を確立させていくという、先ほど私が答申の一部を申し上げましたけれども、そういう意味からも、できるだけということじゃなく、必ずという、日時についてはここで云々する必要はないと私は思います、もちろん大臣の日程等もありますから。まず必ずそのような実態に触れますという御決意、そういう考えを持っていらっしゃるかどうか。
○佐々木国務大臣 先ほども申しましたように、検討してみたいと思います。
○井上(一)分科員 検討するということは、もちろん行こうとすることを検討することなんですけれども、私はそういう答弁では同和問題についての取り組みは十分でないと思うのです。だから、検討する、あるいは検討しなければいけないという段階の問題じゃないと思うのです。もちろんいろいろな問題、山積する問題解決に御努力をいただいているということは、私も大変敬意を表したいわけです。しかし、人権が侵害され、かつまたその生活基盤がそのために非常に落ち込んでいる、そして何とかそれを引き上げ、支えるのも行政の責務ですから、検討ということよりも、もう一度私は、大臣の予定の許す範囲内で必ずそういう実態に触れるというお答えでなければ、大臣の取り組む姿勢それ自体からこれは論議を重ねなければいけないと思うのです。まず、基本的にそのことから伺って個々の問題に入ります。
○佐々木国務大臣 実態把握の必要性はよくわかっておりますので、事情の許す限り参りたいと思います。
○井上(一)分科員 事情の許す限りということで、まだ私にとっては十分な何でありませんけれども、とりあえず行くという、行くというかそういう実態に触れるという、前向きに取り組むんだというお考えであるというふうに理解してよろしいですね。うなずいていらっしゃるからそのように理解をします。一日も早くそういう実態を把握される機会を持っていただくことを私から強く要望いたしておきます。 そういう観点に立って、それじゃいま通産省がどのような対応をなさっていらっしゃるであろうか。ここに高度化事業の予算書があるわけなんですが、このことで同和問題に非常に貢献をしているというか力を入れています、そんなことには私はならぬと思うのです。これは金のある、あるいはゆとりのある、あるいはこのことに適用のする、そういう人たちは部分的にいらっしゃるかもわからない、しかし大半はこのようなことですべてが満足、満たされるということはあり得ないわけなんです。そういう認識はいかがですか。
○左近政府委員 われわれの方は同和対策としていろんな施策をやっておりますが、高度化事業もその大きな一つでございますが、高度化事業というのはやはり企業が共同して一つの合理化を進めるという点で設定された制度でございます。ただ、その規模を大きくしていくという点につきましては、先ほどから御指摘のように、零細企業というものにつきまして必ずしもこれが完全になじむ制度かどうかというのは御指摘のとおりでございます。したがいまして、この同和高度化事業だけで同和対策が、ことに産業対策が進んでおるというふうなことはわれわれも思っておりません。また、この高度化対策自身につきましてもなるべく小さい企業の方が御利用できるように従来もいろいろ改善を進めてまいりまして、共同工場とかあるいは共同店舗、いわゆるアパート制度というふうな点も苦心をしてまいったわけであります。ただ、これで御指摘のように御要望に完全にマッチしたというようなことは言えないと思います。今後またいろいろ検討いたしまして、高度化事業をなるべく小さい方が御利用していただけるような苦心をいたしまして、制度についての検討を進めてまいりたいというように考えております。
○井上(一)分科員 今後検討したいというお答えです。私はここで、高度化資金だけですべて完璧でない、あるいはこれに対応のし切れる人たちは少ないということで、それじゃどうしていったらいいか、たとえばですけれども、リース方式、自力のない人たちが多いのですから。そういうことも一つの考えられるべき手段だと思うのです。だから、そういうこともまた検討の中に入れていただけるかどうか。あるいはさっきも言ったように、生業的な事業として取り組んでいらっしゃる、そういう中ではやはり貸付資金ということも、それは全くゼロにしていいとは申し上げないのですけれども、ずっと大多数の人がそれに取り組める状態にまだなっていませんから、むしろ経営指導員等の充実と、私の承知している範囲内ではその大半が高度化資金であって数字的には九六・六%、三・四%が経営指導員に対する予算になっておるわけなんです。むしろ逆じゃないか。金を貸すあるいは金を出す、そのことで問題が解決できるという認識は私は少し考え直すべきじゃないか。これが焦げついたりでもしたらどういうふうになさるんだ、そしてこれはごく限られた部落の人たちしか活用していないわけです。同和地区の大半、大多数の人はこの制度の恩恵を受けておらぬ、ごく限られた一部。そして、もしそこで焦げつくような状態があったらどうなるんですか。すべて同和地区のそういう制度資金はそういう形の中で焦げついてしまう、こういう判断、判定をされたらたまったものじゃない。わかりますか。そういう意味で、これからの政策については十分考え直すべきじゃないだろうか、そのためにももっともっと実態を承知しなければいけない、こういうことなんです。 大臣に早い機会にというお答えをいただきました。私はやはり当局もそういう意味でもっと現場へ出て実態をつかんで、さらにそれに合うような政策を編み出すべきじゃないか、こういうふうに思うのです。この点についていかがでしょうか。
○左近政府委員 産業政策、産業対策といたしましても、高度化事業というのは先ほど申しましたようにやはりどうしても政策の限度がございます。したがって、やはり個々のまさにおっしゃるように生業的な事業を営んでおられる方々に親切にいろいろ相談に乗ってあげる、そしてまたいろいろな指導をしてあげるということが一番効果的なものだろうということも考えております。 それで、経営指導員制度を活用しておるわけでございますが、経営指導員制度につきましても、これは全体の制度自身もそうでございますが、われわれも反省がございまして、従来単なる記帳の指導とかそういう一般的な指導がございましたが、もう少し業種に即した指導というようなことで、生業的に営んでおられます業種をどういうふうに持っていけばより何といいますか、その産業が伸びるかというような業種的な指導などもあわせて行いたいというように考えておりますので、その経営指導員の制度等々も十分検討して、もっと末端の方々まで御納得いくような形に持っていきたいというように考えております。
○井上(一)分科員 そこでさらに私はお聞きしたいのですけれども、今後将来ずっとそういうことの取り組みをやっていかなければいけない、これはよくわかるわけですし、私はそうあるべきだと思う。これはきょうやあしたの問題で解決しませんね。いかがですか。
○左近政府委員 実際の指導というようなものに つきましては、やはりある程度時間が指導に当たりましてからもかかるわけでございますし、その指導を行き渡らすについても残念ながら財政上その他の制約もございまして、直ちに急増するというわけにもいきません。そういう点は着実に進めていく。ただし、おっしゃるように実態になるべく即応するという努力は常に忘れてはいけないと いうようにわれわれは考えております。
○井上(一)分科員 そういうことになりましたら、時間的にやはり一定の長期間日時を要するということで、すべての問題が解決可能な状態は来年度ですとか再来年度ですとかあるいは三年先です、こういうようなことは私は言い切れないのではないだろうか、こう思うのですがいかかですか。
○左近政府委員 確かに全国の各地域に産地を形成しておられます皆様方に御満足のいくような施策を徹底させるというのにはある程度の時間がかかろうかと思います。ただわれわれも毎年ひとつそれに即応するような制度の改正というようなものを心がけておりまして、従来から年度を追うごとに制度もだんだん整備をされてまいっております。したがって、この努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
○井上(一)分科員 もちろん私は努力をしてもらわなければいかぬしいままでの努力にはまだ足らぬ面がたくさんあった、あるいは努力はしてもらっているけれども実態にそぐわぬやつもありましたよ。今後はそういうことを十分承知してもらって、実態を承知してもらって補完していってください、こういうことをお願いしているわけなんですね。そのことについてはわかりましたということでしょう。これが一点。 私がここで申し上げたいのは、いわゆる特別措置法というものが制定されて、答申があって、そして立法がつくられて、そしてその立法は時限立法であるということですね。あと二年しかない。そういう中で二年で完全にやれるのですか、やれませんでしょう、素直な意見。こういうことなんですよ。だから長官、これはもう素直な意見を、あなたのほかのサイドから事務当局が書いたそんなものをもらわぬでもよろしい。思ったことを、あなたが感じていることを言わなきゃ、それは中身が濃くならぬし、本当の答弁にならぬし、本当の質疑にならぬ。だからひとつそういう意味では、二年ぐらいでは全部問題が解決しません、いや、できるならできるで私はお答えをしていただきたい、こういうことなんです。
○左近政府委員 中小企業対策の同和対策というのも一つの主要な一環でございます。中小企業対策というのは、われわれは戦後中小企業庁が創設されて以来一貫してやってまいりましたし、今後もまだまだ続けていかなければいけないと思っております。したがって、この同和対策法がどうなるということとは別に、中小企業対策の一環としてこの問題はわれわれは今後もずっと続けていくべきだというように考えておるわけでございます。
○井上(一)分科員 長官、中小企業対策と同和対策とを同位置に位置づけするのですか、あなたは。答弁がちょっと変わったね。軌道修正したね。私は言ったでしょう、メモとかそういうのを読んじゃあなたの本当の本心は言えませんよと。どうなんですか、中小企業対策と同和対策、これを同一視して、同一線に位置づけてあなたは取り組んでいるのですか。
○左近政府委員 やや私の発言が乱れまして申しわけありません。われわれとしては、端的に申しまして現在考えております同和対策としての産業政策というのは今後もずっと続けていくべきだというふうに考えておるということでございます。
○井上(一)分科員 私もそうなんです。本当は私はそんな法律がない世の中を望むのですよ。何も好きこのんでそういう措置法が、特別な立法が必要であるという世の中を私は憎みますよ。だから、差別がないという実態が世の中にできればそんなことは必要ないでしょう。現実に差別があり、あるいは差別から生まれてきたものの実態があるから、差別がつくり出したものを行政がやはりこれはちゃんと解決しなければいかぬ。だから、一列に中小企業という一線でとらえるのは大きな誤りである。そしてなおかつ、同和対策としての生業的事業を持ち上げていくというのでしょうか、健全化していく。これは生きることを保障していくことですよ。そういうことを考えれば、この措置法、現在の二年しかない、この時限ではできないということです。 私は、そうだからといって措置法の問題をここで取り出そうとは思っていないのですよ。そういう質問をしようと思っていないのですよ。私はやはり改めて総合的なそういう差別をなくしていかなければ、これからつくっちゃいけないし、いままでの差別によって起こった現象の問題解決をするために最大の努力をしなければいかぬ、それの一定の目標もつくり出さねばいかぬ、こういうことなんですよ。 そういうことを考えれば、総合的にたとえば日本の憲法で——これは大臣ちょっと聞いておってください。地方自治というものが戦後の憲法で保障されてきたわけですね。そのために地方自治法があるわけなんですね。憲法の主権在民であるという一つの大きな柱の中からの地方自治、それで地方自治法ができた。私は憲法の基本的人権を守るのだというわが国の憲法の精神からすれば、当然すべての行政、すべての分野でそういうものが浸透し切っていかなければならない、あるいは徹底させなければいけないと思うのですよ。大臣、そうでしょう。そういう意味では、人権を擁護する一つの基本的な法律、たとえば人権基本法というようなものでもつくって、すべて人権の侵害されている立場の人を支えていかなければいけないし、補完していかなければいけない、その人たちに対する行政の手だてをしていかなければいけない。そういう意味で、私はこの同和問題一つをとらえても、まだまだ時間もかかるし、そしてまたもっともっと力を入れなければいけないし、法的に十分な整備がされていない、ぼくはこう思うのです。 これは大臣からも長官からも、ひとつその点についてお答えをいただきたいと思うのです。私の考えと全く一緒なら一緒だ、そのことで努力するとか、あるいはそんな考え方には同調できぬというなら、そのようにおっしゃっていただいたらいいと思います。
○左近政府委員 私は御意見に全く同窓いたします。
○佐々木国務大臣 私も同様でございます。
○井上(一)分科員 私の意見に同窓であるということでございますから、ひとつその私が提唱した意見が現実のものになるように最大の努力をお願いをして、私は質問を終えます。
○阿部(助)主査代理 これにて井上一成君の質疑は終了いたしました。 次に、寺前巖君。
○寺前分科員 高度成長の中で砂利の需要というのがずいぶん高まりました。私の住んでいます京都の農村部ですが、万博を中心として新しい京阪神の町づくりの発展の中で、砂利の大きな供給源として京都の市の南部にあります城陽市を中心として使われて、とんでもないひどい状況になっている。初めは川の砂利をとっておったわけですが、これが河床が三メートルぐらい下がってくるために、伏流水が出ないという農村の被害が出てきたわけです。それから堤防そのものが危なくなる。それから橋が危ないという問題にまでなってきて、川の砂利をとることを禁止してしまった。 そうすると、大阪との関係で非常に便利なところでもあるし、今度は山に入っちゃった。山を崩してその中から洗って砂利をとるという、山砂利という姿が出てきたんです。京都の南部の生駒の方では、あそこのいい砂を使うという問題が出てきた。それから大阪の高槻の方では、石を崩して持ち出す。いろんな骨材がそうやって使われたわけですが、京都の南部で出てきた姿というのは、山砂利という姿で出てきたわけなんです。 市が昨年六月に出された「山砂利採取に関する資料」を見ても、こういうことを書いています。「これらの山砂利採取によって緑豊かな自然環境は破壊されるとともに、跡地は、無計画な乱採取によって荒廃化しており、中でも最も危険であり、不安定なヘドロ、廃土の山積地や埋設池が集中するとともに、跡地緑化や防災施設等の治山、治水の対策が放置され、さらに地形の急速な変化に伴って、流域や流出量が大幅に増大している現状となっています。」 私もこの間ちょっと見に行ってきたわけですが、人口七万人余りの市ですけれども、その東部丘陵地の緑はすっかり皮をはがれてしまって、赤茶けた地はだが露出し、自然の荒廃はひどく、山の頂上近くに直径百メートル、深さ五十メートルという大きな洗浄池が幾つもつくられている。ちょっと見ただけでも十七カ所ありました。また、ヘドロで埋め立てされたところもあり、これらの池が決壊して大災害が起こる危険性も感じられる。緑が失われたため、少しの雨でも鉄砲水となって下流に流出し、ふもとの民家が侵されるのではないだろうか。現にそういうときもありました。 それから、跡地に産業廃棄物が投棄されて、そのために廃棄物に含まれた有害汚染物質が地下水へ浸透するのじゃないか。ここの七万余りの人々の飲み水というのは、三割までが琵琶湖から流れてくる天ケ瀬というところで取水するところの水ですが、七割は地下水。その地下水の上にこのような姿が行われてくると、これはまた生活上重大な要素も持ってくるわけです。 しかも、この砂利を外に持ち出していくための交通の問題もまた大変な問題なんです。一日に入ってくる車と出ていく車を合わせると、昨年の十一月十六日調査で一日三千六百五十四台なんです。またそれからの被害もいろいろ出てくるわけです。 私はきょうはそれらの全面にわたってお聞きをしようというわけではないのですが、委員長、ちょっと大臣に写真を見せたいと思います。どんな姿か写真を見ておいてもらった方がよくわかると思います。ここへ置きますので見てください。 写真を見ていただいたらおわかりのとおり、そこらじゅう山が削られてしまっているわけです。通産省としては、このような事態、きわめて危険な事態をも含んでいるというふうに見るわけですが、御存じなのでしょうか。最初にお伺いをしたいと思います。 〔阿部(助)主査代理退席、片岡主査代理 着席〕
○児玉(清)政府委員 いま先生御指摘の点でございますが、城陽市周辺というのは古くから砂利採取の中心的な地点としまして防災上危険な状態があるということの指摘も含めまして、京都府が砂利採取法の権限官庁として、私ども連携をとりながら実態をいろいろお聞きをいたしておりまして、いま写真で拝見いたしまして、またお話で聞きましたような事態が現地においてございまして、これに対する改善策をどうするか、今後の方針をどうするかという点について、京都府も腐心をしておられますし、私どもも京都府と連携をとりながら、いろいろ災害防止の観点から、まずそれが第一だという点でいろいろ相談をいたしております。
○寺前分科員 この状態というのは、いろいろな面で危険な姿を見ることができるわけです。いま防災上もゆゆしき事態だということを局長さんからお話がありましたけれども、この地域には保安林があるわけです。これは土砂流出防備保安林なんです。ところが、土砂流出防備保安林だと言っておきながら、その保安林の周辺がいま写真でお見せしたように、こうやって土を全部とってしまっているのですから、保安林の機能なんというものは事実上崩壊してしまっているという姿になっていると言っても過言でないと思うのです。ですから、そういう意味からいうと、これは農林省の側においても、非常に危険な問題であって、何のための保安林かわからない事態になっているというふうに思うのですが、農林省としては、この事態について御承知であったのだろうかどうか、御説明いただきたいと思います。
○松本説明員 ただいまの先生御指摘の点につきましては、京都府からの報告によりまして、保安林としての機能を考えた場合に、大変好ましくない事例であるということは承知いたしております。 保安林の機能は、御案内のように、周辺部がやはり安定した状態にあることが好ましいわけでございまして、そういう面からいたしますと、早急に、現在京都府で検討しております山砂利対策会議という会議がございますが、これは山砂利の採取に対処しましての防災対策とか環境保全あるいは跡地の有効利用というようなことを措置するための長期的な対策の会議だそうでございますが、それらの会議の結論が三月中には出るというようなこともございまして、それらの結論に基づきまして、早急に、京都府の林務担当部局が他の関連部局と十分協議いたしまして、保安林が適切に機能いたしますように措置を図るように指導してまいりたい、こう考えております。
○寺前分科員 保安林が機能するようにと言ったところで、その周辺全体を崩しちゃっている。ですから、機能を果たさぬようになってしまっているのですよ。周辺が全体として広範囲にわたって、削っただけじゃなくて、今度は地下深く、直径百メートル、五十メートルの深さの、十階建ての建物がずぼっと入る、そんな穴ができ上がっておるのです。そして、そこで洗った水が川に流れ込むんですね。そうすると、ヘドロが流れるものだから、ここらの川は天井川になるんですね。そうすると、川縁にどろがばあっとくっついてしまいますから、これはコンクリートで固めたみたいなものになって、どんどんどんどん積む一方ですよ。河川自身の流れる流量が減ってしまうわけです。この地帯は有名な梅林地帯なんですね。そうすると今度は、この周辺自身がもうどろがへばりついているものですから、地下水が入っていかないという問題になってくる。だから、保安林として土が流れ出てくることをとめる機能どころか、周辺で流してしまっているのですから、それ自身がもう機能を果たさぬようになっている。しかもその保安林自身無断で今度は破壊するという行為も起こっておる。だから、注意しますでは済まぬ段階にもう来てしまっているのですね。これはゆゆしき問題だ。 この業者に対するところの許可権限というのは京都府の知事が持っておる。保安林は国の方でちゃんと責任を持っているわけですけれども、さて従来これに対する許可を与えるときに相談があったのかないのか。あったとしたら、このような事態に進んでいるのにいまだに許しておったということは一体何だったのだろうか、疑問に思いませんか、重ねて聞きたいと思います。
○松本説明員 保安林は、特に京都府の場合は、解除して砂利を採取したというような例がございませんで、積極的に保全しようというような立場をとっていたわけでございますが、違反してこれを採取した業者もありまして、現在のところ保安林の中で七社の違反行為がございます。これに対しましては、中止命令あるいは復旧命令というようなものをかけまして措置しておるわけでございますが、その中で実際に中止をした業者が二件、それから復旧をしておる業者が二件というような状態でございまして、必ずしも満足な結果とはなっておりませんが、告発等のことも今後考慮しながら、早急にこういうことが早く解消できるような措置を考えたいというふうに思っております。
○寺前分科員 京都府の知事の権限に移ってからでも、もう長い日がたってきているわけでしょう。いままでこういうのを相談もなしにどんどん不当なやり方でやらしておったということについて、保安林は形式上解除しなかったか知らないけれども、保安林の機能を失うような仕事が周辺でやられておったら、私は積極的にこれに対して警告を発し、処理をしていかなかったらいけなかった話だと思うのですよ。 現在危険な状態と思われるものが、私の見たところでは築堤式ヘドロ池決壊のおそれが明確に三カ所あります。それから先ほど言いましたように、その産業廃棄物の浸透などのおそれで地下水に影響が見られるというところが、私が直接見てきただけでもやはり一カ所ありました。それから、こういうことをやっておったら、地下の水脈に変化が生まれるということも想像にかたくありません。ところが、昭和五十四年以降も百四十二万五千立米の採取が依然として許されているわけなんです。国土保全の立場から見るならば、このようなままで放置しておったらどういうことになるだろうか、私は心配でかなわないわけですよ。ですから、現行の砂利採取法によってももっと規制できるのだろうと思うから、いままでのような規制のあり方を改善する必要があると思うのだけれども、通産省の見解を聞きたいと思います。
○児玉(清)政府委員 御指摘の点でございますが、従来築堤式につきまして御指摘のように三カ所に問題が生じておりまして、たちどころにそれが災害をもたらす、一概にそう言い切るわけにはまいりませんが、これについては十分な調査もし、警戒もするということで、府の方でもその点は十分関心を持っております。 そういった築堤式というものは、今後はもちろんこれは認められないわけでございまして、従来の掘り下げに転換をいたしておりますけれども、特に問題になりますのは、いままでのリカバーの問題と、それからもう一つは、今後どうやって防災対策をやるかということでございまして、先ほども話に出ましたが、山砂利対策会議、これを活用するということはもちろんでございますけれども、砂利採取法のたてまえ上、県知事、京都府の場合は府知事でございますが、許可をいたします場合に同意をとりつけることになっております。したがいまして、城陽市当局と京都府とが緊密な連携をとる必要がございまして、これにつきましては、遅まきではございますけれども、五十四年度に入りまして以降、砂利採取の同意条件といたしまして業者に対しまして、内容を省略いたしますが、防災等七項目の条件を付しまして、それが約束される場合に初めて城陽市としては同意を出すということに運用上の許可を行っているところでございます。 こう言った府と市の一体的な監視体制あるいは許可に対するところの十分なる調査体制というものを今後十分深めていくということが第一であろうというふうに私どもは考えております。
○寺前分科員 ともかく長年にわたって大変だ大変だと言いながら、事実はこうやって許してきている。現に許可も与えている。いま五十四年度からという市当局の話も出ました。もう一度厳重なチェックをやりたいというお話でしょう。この砂利採取法によっても、二十一条には計画遵守の義務があるし、二十六条にはちゃんと許可取り消しの法的根拠もあるし、緊急停止命令や臨時立ち入り調査などもできるようになっているわけですよ。私は、いま大切なことは、過去にだらだら来たものをこの際に総見直しをきちんと指導する、中途半端なことでまだやっていますということではいけないということをあえて言いたいと思うのです。 それからもう一つは、いろいろ法律の違反で検挙なども行われてきておるわけです。四十六年に城陽産業が砂防法違反で検挙、四十八年に十三業者中六業者が無認可で操業、警察が摘発しても翌日からまた操業、伊藤組を四十八年五月に告発したけれども、足かけ六年間、今日まで一審も出ない、五十年には城陽市が総点検をやって警察の取り締まりを陳情に行く、五十一年に二和産業を森林法で告発、一年間起訴されず、五十四年寺村、二和検挙、業者一人だけ四カ月の懲役が出たが、執行猶予がついて身柄拘束されず、いまも操業。結局いろいろ告発をやる、検挙をやると言うたって、平然としてずうっと今日まで通ってきておるんですよ。 警察庁おりますか。京都府の警察に聞いても、こういうのはもう時間がかかりまして、人手が不足しておりまして、帳簿もなかなか見つかりませんでというようなことで、これは法律上検挙ができて、告発ができていろいろ措置ができるのに、それが進まない、一体どうしてくれるんだというのが偽らざる現地の人々の声なんです。警察庁は今日までのことをどういうふうに考えておられ、今後どうしようと思っておられるのですか。
○佐野説明員 お答え申し上げます。 砂利採取法に限りませんが、一般的に申し上げますれば、各種の行政法規における罰則というものは、その法令に掲げられました目的を達成するための行政施策のいわば最終担保というふうな形で設けられていようかと思います。したがいまして、この種の法令違反につきましては、一般的に申し上げれば、環境保全政策全体の中でどういう位置づけをするか、あるいは技術上の問題等、こういったものを所管省庁とも御相談しなければなりませんし、事柄の性格上第一次的には所管行政庁の行政措置に期待して、法令違反があるからといって直ちに捜査するかしないかということについてはいささか問題もあろうかと思っております。 ただ、御指摘がございましたような城南地域の問題につきましては、府知事側の方ともいろいろ御協議申し上げ、過去五件検挙措置を講じておりまして、一応現段階では公判の段階にまでいっております。したがいまして、警察の訴訟分野の問題としては検挙して送致いたしてございますので、ある意味では一つの山は一応過ぎたという感じはいたしてございます。ただ問題は、その間にも並行的に先生の御指摘がございましたようないろいろな行政措置の問題、代執行の問題とか、そういった問題とやはりうまくペアになっていかないと、いわゆる事実行為の差しとめというふうな問題は警察措置だけでは十分ではないという問題があろうかと思っております。
○寺前分科員 いま警察もおっしゃったように、そのとおりなんですね。警察だけではどうにもいかぬところへ来ている。あるのは何かというたら、不許可でやってはならないということに対しては、警察も前面に出てこれは思い切ってやることができるでしょう。許可業者の問題については、これは指導がきちっと伴わなければいかぬ。指導というのはやはりチェックですよ。許可を与えるか与えないかという決定的問題と関係する。そうすると、計画がどうなっておったのか、その計画に対して本当に実行されているのかどうか、やはりとことんきちんとした指導がやられる必要があるだろう。だから私はあえてもう一度通産省に、この問題について厳重なるチェック体制でもう一度見直すということを本当に決意されるのかどうか、指導されるのかどうか、このことをひとつ聞きたい。 それからもう一つ指摘したいのは、この種の問題は通産省だけではなくして、農水とかいま話もありました警察、防災の角度から言うならば国土庁も一緒になって総合的に、許しておいていいのかどうかという問題が伴うと思うのです。直径百メートル、深さ五十メートルほどの穴を掘っている。その掘り上げた土砂を深さ百二十メートルから百三十メートルの深井戸からくみ上げた水で砂利とヘドロを選別して、そのヘドロを採取跡地の沈でん池に捨てる。こういうやり方が平然として今日までやられてきておるわけです。国土保全という観点から考えても、このような現状を放置することはできないと思うのです。穴を埋めるとか、しかるべき措置をやらなければいかぬと思うのです。そういうことを含めて総合的な検討を各省の間にもやってみる必要があるのではないだろうか。私は、通産省だけの所管では済まぬ問題だろう、原状を回復する問題についてもっと真剣に考えなかったら大変なんじゃないだろうかと思うのですが、この二点についてお聞きしたいと思います。
○児玉(清)政府委員 国土庁の関係はあるいは後ほど御答弁があるかと思いますが、中央省庁の横の連携関係、それから現地の地方自治体との有機的な連携というものは御指摘のとおりでございまして、私どもも、残念ながら事態がここまで進行しておることを踏まえて、現地で果たして実行可能なもので行政指針としてどういうものが一番有効であるかということについて、京都府の方とも十分相談をしております。 京都府の方は、私どもに言われるまでもなく非常に重大な関心を持っておられまして、先生御存じだと思いますが、府の指導によりまして連絡会議を四十八年に設置をいたしまして、その後山砂利対策会議という名称で副知事が二名、城陽の市長さん、京大の教授三名で五十四年の四月に実際の活動を開始いたしております。そこで砂利採取に関する行政指針の樹立、調整、推進というものはいかにあるべきかということを探究いたしております。それから、土地の利用形態あるいは採取の規制を現実にどういうふうにきめ細かにやっていくか。それから、これは規制するだけでは足りませんので、業界の指導を具体的にどういうふうに展開するか。それからもう一つは、周辺環境の保全策。この五つのことを所掌といたしまして、この対策会議はきわめて精力的に活動を開始しておりまして、かたがた行政的な調査として山砂利の採取場の防災対策調査というものを昨年の八月から十一月まで府の方で展開いたしております。 そこで、まず実態をきめ細かに踏まえるということから、洪水流量に関する検討を行っております。それから防災池、堤体の安全性に対する調査とか土質試験等もこの調査の中で実施いたしております。それから、いま御指摘のような洗浄ヘドロに関して、埋立地との関連はどうなっておるかということも調査をいたしておりまして、非常にじみではございますが、そういった対策の前提になる実態の把握調査というものを、それからその上に立って今後の政策、いわゆる防災対策を中心とした砂利政策をどういうふうに京都府内で展開するかということについても鋭意検討いたしておりますが、私どもはこういった実態、京都府の実際の行政方針、そういったものと十分打ち合わせ、連携をとりながら、かたがた私どもの役所だけでカバーし切れない面がございますので、関係省庁とも十分横の連携をとりてやっていきたい、このように考えております。
○寺前分科員 この山砂利採取法の制定がされた四十三年でしたか、当時の熊谷通産政務次官は国会でこういう答弁をしています。 「認可した場合に認可どおりやる、あるいは認可したとおりやらなかったためにそういう損害が生じた、その場合に認可された者がその損害の補償をやれば差しつかえないわけであるが、やれない場合には、やはり認可した者が責任があるのではないか、それをどうするかというお尋ねのようでございますが、そういうことはめったにないと思いますけれども、もしありました場合に当然認可した者に国家的な行政責任があると思いますから、そういう方法をとらざるを得ないと考えております。」ということで、認可制度を持ち出したときに、認可をする以上は何か事態がぐあい悪いことが起こって本人たちがやり切れない場合には国家的にも責任を負わなければならないという答弁が当時されているわけであります。 いま局長さんのお話の中で、京都府自身が基礎的な調査を始めたという問題がありますけれども、単に基礎的な調査だけではなくして、この木津川の採取から始まって、山に上がって、そして山の許可を与えておったらとんでもないことが起こってきて、農業やその他の分野にまで破壊が広がってきているという事態において、現地の京都府においても、国が積極的に総合的な調査にひとつ取り組んでくれぬか、国土庁や建設省や通産省や、そういう皆さん方に、木津川の流域調査について積極的に乗り出していただいて、一緒になって考えてくれぬだろうかという問題を提起しているわけであります。これに対する通産省の見解を聞きたい。
○児玉(清)政府委員 御指摘のとおりでございまして、実は五十四年度に調査費を国土庁の方に要請しかかったのでございますが、計画が十分固まらないままに推移を見まして、今度五十五年度の国土調査費の一部を使わせていただきまして、木津川に関する環境の整備あるいは公共投資がどういった防災面で必要かといったような、基本的な国土保全というものも踏まえましての整備計画の樹立ということで、地元の要請にこたえるべく現在国土庁とも鋭意折衝いたしております。京都府も大変に熱心になっておられますので、われわれ関係官庁といたしましてもこれを全面的にバックアップしたいと考えております。
○寺前分科員 時間が来ましたので、防災にかかわる問題ですから、いまの通産省の見解を支持してやってくれるのかどうか、国土庁のお方にも一言だけお伺いしたいし、大臣に最後に見解を聞かせていただいて終わりたいと思います。
○山地説明員 お答えを申し上げます。 私どもといたしましては、京都府及び関係の省庁と十分連絡をとりながら協議を進めていきたいと思っております。
○佐々木国務大臣 砂利採取法の適正な運用が図られるよう、京都府あるいは各省庁と十分協議いたしまして、防災対策に万全の措置をとりたいと思います。
○寺前分科員 終わります。
○片岡主査代理 これにて寺前巖君の質疑は終了いたしました。 次に、土井たか子君。
○土井分科員 海外技術者研修協会というのがありますが、この所管の省はどこでございますか。
○藤原政府委員 通産省でございます。
○土井分科員 この技術者研修協会の設立趣旨と申しますか、その目的をひとつ聞かせてください。
○藤原政府委員 発展途上国におきますところの経済協力という問題にこたえます一環といたしまして、発展途上国の技術者の資質を向上させる、こういう意味合いから、国として高額な補助金を出しまして、技術援助の一環として人材の養成をするというところに目的がございます。
○土井分科員 いま多額な国費の援助ということを言われましたが、一体それはどれくらいの額でございますか。
○藤原政府委員 必要な費用の四分の三の補助金を出しておるわけでございますが、五十五年度予算としてお願いしておりますものは二十六億四千百六十三万円でございます。五十四年が二十一億二千九百七万七千円となっております。
○土井分科員 大変多額な国からの補助金が、この協会に対して、発展途上国からの研修のために来る研修員に対して出されているという形になるわけですね。 ところで、ちょっと先にこれは通産省にお尋ねをしたいのですが、発展途上国に対する投資行動の指針というのが経済関係四団体から昭和四十八年六月一日付で出ておりますが、御承知ですね。
○藤原政府委員 出ていることは承知しております。
○土井分科員 この投資行動の指針という中身を一応通産省も把握された上で、発展途上国に対しての技術並びに経済援助のあり方というのは、この線に沿うべく努力したいという考え方を通産省としては持っておられますか。
○藤原政府委員 お示しの投資行動の指針につきましては経済団体の方で決めたものでございますが、基本的な姿勢といたしましては、私どももその線に沿ったものでよろしいかと思っております。
○土井分科員 行管の御出席を求めておりますが、いまここの席に御出席でありますか、どうですか。——はい。行管の方で、研修員受け入れについて、受け入れのこの事業の方法に改善を要する点などをいろいろ調査されているはずでありますが、それは事実調査されていますね。
○坂本説明員 先生御案内のように、五十三年度の第四・四半期に国際協力等に関します調査を実施いたしております。それで、その結果につきましては、目下行政監理委員会の方に報告いたしまして、行政監理委員会の方でいま検討していただいております。現在そういう状況でございます。
○土井分科員 いまから申し上げる問題は、すでに二度にわたって参議院の方で社会党の丸谷議員が取り上げられた中身でもあるわけです。ただ、質疑応答の際の御答弁の中では、これからの点は具体的にお答えがなかった点でございますから、ひとつそのことを前置きにさせていただいて……。 私は、行管の方にこの調査をされた関係資料というのを御提出願いたいと申し上げたところが、提出をなかなかしていただけない。これは特定企業が外に出してもらっちゃ困るということで、その約束があるから出せない、こう言われるのですが、いまの研修のために出していらっしゃる多額な国の補助金というのは、特定企業を守らんがために出していらっしゃる補助金じゃなかろうと思うのですね。そうでしょう。この補助金というのが適正に使われているかどうか、補助金をお出しになる国の立場として、この研修協会というものを設立したその趣旨にのっとって運営がスムーズにいっているかどうか、こういうことを国民に対して答えるというふうな意味で調査なさるのが行管の調査の中身でなければならないはずだと思うのですよ。資料要求して、特定の企業から出してもらっちゃ困ると言われているから出せませんと言って安易にお断りになるという姿勢は、まことにもつてのほかの姿勢だと私は思っているのです。よろしゅうございますか。資料を要求するといつでも何のかのとこじつけの理由をお述べになってお出しにならない例が、最近は大臣、激増しているのですが、これは調査なさった調査資料なんですから、お出しいただいて何の弊害もなかろうと私は思うのですが、お出しいただいていない。 私自身がこの調査資料を入手した限りで見てまいりますと、ある特定の企業、これは参議院でも名前が出てしまっているから、私、出します。日本ペイントの場合は、ここでいろいろ研修を受けた後、帰国後ある一定の時期にその会社で働くことを条件に、つまり拘束契約を締結していることが調べの上ではっきりしているわけです。その拘束契約について、行管としては、さらにこの文書ではちゃんと行管としての意見も述べられているのです。いまここで私はその文章は読みませんが、行管としての意見を口頭でひとつ答えてくださいませんか、拘束契約に対する御意見。
○坂本説明員 先ほど申し上げましたように、現在行政監理委員会の方で検討していただいておりますので、行管として現段階において申し上げる状況にはございません。
○土井分科員 いや、それはおかしな御答弁ですよ。ちゃんと調査資料の中に書いていらっしゃるじゃないですか。そしてこの調査資料を検討に供するために提出されているでしょう。この調査資料の中に書いていらっしゃることが、ここで言えないといういわれはないと思いますよ。どういう御意見ですか、ひとつ口頭ではっきりお述べいただきたいと思います。
○坂本説明員 先生御存じかと思いますが、私どもの調査は、私どもの出先でございます管区地方局を動員いたしまして実は調査をさせるわけでございます。それで、例の日本ペイントの話でございますけれども、私どもの方の近畿行政監察局が実は調査をいたしました。その際に、意見、要望として、そういうふうな趣旨の話が実は出てきたわけでございます。それで私ども、監理委員会に私どもの調査結果を報告いたす前に、いろいろ各省庁あるいは各団体に対して、こういう意見があるけれどもどうだろうか、そういうようなことをサウンドすることがあるわけでございますけれども、そういうときに恐らくそういうような資料が何らかの形で漏れたのではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。
○土井分科員 資料が漏れたの漏れぬのと、私そんなこと申し上げているのじゃないでしょう。いま行管としての御意見はいかがですかということをお尋ねしているのですから、どうか質問の内容に対してひとつお答えをお願いいたします。
○坂本説明員 先ほど来申し上げておるわけでございますけれども、調査結果につきまして監理委員会に報告いたしておりまして、まだいま検討の段階でございまして申し上げられない、こういう状況でございます。
○土井分科員 それはほかの省庁が御検討なさるという段階じゃないですか。行管としての御意見を私は承っています。あなたに、政府を右代表して何でも答えてくださいと言っているわけじゃない。行管としてどうですかというお答えをひとつ聞かしてください。ほかの省庁に責任を持つ立場に、あなたないでしょう。ほかで検討している段階ということはよく知っていますよ行管としてどうですか。あなた、行管の立場で答えてください。
○坂本説明員 実は、行政監理委員会と申しますのは行政管理庁の付属機関でございまして、実は行政管理庁長官が経済協力につきまして行政監理委員会に諮問いたしまして、行政監理委員会としての意見を求めておるわけでございます。私どもは、その一つの材料といたしまして監理委員会に実は報告しておる、こういう状況でございます。
○土井分科員 事の経緯を私はお尋ねしているんじゃないのです。もう幾ら言ったって御意見はなかなか言いづらいようでありますから、私はあなたから口頭で答えていただくということで配慮しようと思っておりましたが、時間のかげんもありますよ。こういう押し問答やっていたらとてもたまったものじゃありませんから、私は行管の文書のその部分をここで読みますから、そのとおりですということを答えていただくようにいたしましょう。よろしいか。 この部分は「金属表面処理技術研修を行ってきているが、現地合弁会社では研修員の帰国後の定着率が悪いため、研修員との間で、帰国後二年間は転職しないこと及び二年間内に転職した場合は違約金を徴収することの契約を締結している。」ここからが問題なんです。「これは、研修によっ研修員の身分を不当に拘束することになり、不当なものとなっている。」こう書いてありますね。このような御認識を持っていらっしゃるというふうに私どもは理解しておいてよろしゅうございますか。
○坂本説明員 私どもの方の仕事のやり方といたまして、ある段階においてそういうふうな資料をつくりまして……。
○土井分科員 もうある段階とかなんとか結構ですよ、資料の中でそう述べてあるんだから。その資料を私は読んだので、そのとおりですとおっしゃればいいんです。このとおりでしょう。
○坂本説明員 仰せのとおりでございます。
○土井分科員 行管の立場はそういうことなんですね、いいま仰せのとおりと言われた。まあこれはいろいろ調査結果についてそういう認識を持っていらっしゃる。 そこで通産省、いま行管にお尋ねしたこの例の拘束契約なんですが、拘束契約の結果、いまマレーシアの方で、日本で研修を受けて帰った人が企業側から提訴をされて事件が進行中であることはよく御承知ですね。こういう事例が起こるというふうなことは、先ほど私が最初に申し上げた発展途上国に対する投資行動の指針という、この線にのっとって通産省もいろいろと発展途上国に対する技術援助、経済援助ということをやはり考えていかなければならないということをお考えになっている線からすると矛盾するんじゃありませんか、こういうことが現地で起こるというのは。これはスムーズに事がいきませんよ。 日本でわざわざ研修を受けて帰られた方からしたら、やはりいろいろと企業に対して不信の念があると同時に、もう一つ乗り越えて日本の研修制度そのものに対して、やはり批判的な目で見るということにもなりかねない。つまり経済援助、技術援助ということがこういう点からいくと、こういう事例を見た場合にスムーズにいっているとは思えない、こういうことにならざるを得ないと思います。だからこの一事例は、この指針に沿って考えていった場合に矛盾した状況が展開されている、こう言わざるを得ないと思うのですが、いかがでございますか。
○藤原政府委員 技術研修に関しますところの拘束契約に関連いたします御質問でございますが、拘束契約それ自体につきましては、いろいろとそれぞれの発展途上の国々によります事情があるようでございますが、一般的にいいますと、わが国におきますところの労働慣行等そういうふうな点から考えますと、それは好ましくない問題であろうかと思います。 ただ、それぞれの国におきましていろいろ希望もあるわけでございまして、せっかく日本へ留学といいますか技術研修に出して帰ってきた者に対しての期待というものは、現地企業におきましてはやはりあるわけでございまして、その辺の拘束の程度といいますか、そういうふうなものの当、不当の問題はございますが、いまあらゆる国につきましてそれは全部だめということはやはりやや行き過ぎになろうかという感じもいたします。東芝のケースにつきましては目下係争中でございますので、その実態をいまさらに詰めておるところでございますが、個別のケースにつきましての判断につきましては、いまちょっと発言を控えさせていただきたいと思いますが、そういうふうなことによりまして経済協力自体の雰囲気がまずぐなるということはやはり好ましくないことであろうと思っております。
○土井分科員 そうですね。こういうことを通じて経済協力、技術協力の点がまずくなるということは好ましくない、それは言われるとおりだと思うのです。 そこで、当の海外技術者研修協会の方のこの拘束契約に対する御見解というのはどのようなもだというふうに通産省としてはお考えになっていらっしゃいますか。
○藤原政府委員 海外技術者研修協会におきましては、そういう問題がいろいろ起こったこともございまして、研修事業のあり方といいますか研修契約の取り扱い方針につきまして、なるべくそういう拘束契約というふうなものはないのが望ましいという考え方を示しておるというふうに理解しております。
○土井分科員 なるべくそれがない方が望ましいというのは、そういうあいまいなことじゃないので、具体的にそれに対してある措置を講じられたという経緯があることも通産省としては御承知のとおりなんですよね。もうすでに、これは七六年の七月十四日付で研修協会の田口会長名の文書というのが大体関係会社に対して送付されております。ところが、具体的な事実についていまいろいろ実態を詰めているところだけれども、それについてはさらに具体的に述べることは差し控えたいとおっしゃった例の東芝マレーシア事件、私はこれは略してこういうふうに呼ばせていただきましょう。これが提訴されたのは七九年の三月でございますから、この研修協会の田口会長名で、拘束契約は好ましくないということをきっぱりと各会社に文書送達をされた後に、拘束契約によって研修生として研修を受けた当人に対して、この東芝マレーシアは提訴しているわけですよ。こういう環境をどのようにお考えになりますか。
○藤原政府委員 いまお話ございましたように、研修協会の方から、留意すべき事項を含めまして各研修生の受け入れ会社及びそれを通じて現地会社についてその取り扱い方針を示しておるわけでございますが、東芝のケースにつきましては、契約を結ばれましたのはこの通達の出る前だと思いますが、訴訟になりましたのは通達を出された後であるということはお示しのとおりでございます。
○土井分科員 少なくともこういう通達が出されたということになりますと、それ以前にいかにそういう契約を結んでおりましょうとも、少々遠慮というものがあるのが通常私たちが考える常識的判断でありますよ。ところが、これは現実そうなっていないということになると、七六年に田口文書が出てから後こういう実態が出てきたということになると、現実、田口文書によって現状は改まっていないということもこれはある一面では言えるのじゃないかとすら思うわけであります。いろいろ通産省も御努力なすっているのでしょうけれどもね。実態について通産省はどの程度調査を進められているのか私はよくわかりませんが、いろいろ発展途上国の実態を見た場合に、日系と非白糸の企業別で見た場合に、拘束契約をやっている件数は一体いずれに多いというふうにお考えになりますか。
○藤原政府委員 拘束契約が一番多いのは、それぞれ発展途上国の政府とかそういう公共機関が派遣しております場合には、法律その他によりまして非常に厳重な拘束契約の形になっております。一般民間の場合には必ずしも日系、非日系という差はございませんが、ちょっと数字につきまして協力部長の方から御説明させていただきたいと思います。
○田口説明員 御説明させていただきます。 現在実は通産省でも在外公館等を通じまして鋭意調査をしているところでございますけれども、いま手持ちの資料は海外技術者研修協会が自分で調査をいたしました五十四年十一月現在の資料でございます。全体の対象企業が九百二十二ございます。日本の企業が出資をいたしましたいわゆる白糸の合弁企業につきましては、全体として二百九十八企業が調査対象としてございますけれども、一応いわゆる拘束契約、拘束的な契約を結んでおるというのが百八十二、それからなしと答えておりますのが九十七、不明が十九というようなことでございます。外国の関係の企業は、実は実態的に調査をしていくのはかなりむずかしいというようなことがございますので、いまの段階ではいわゆる純粋の現地企業と日系の企業と比べて、どちらが拘束契約の割合が高いかということを正確に申し上げ得る資料はまだ整っているとは申し上げかねると思います。 それから一点だけ。外国の政府あるいは政府機関で自分の……。
○土井分科員 それはもう政府機関というのは結構です。これは民間ベースの問題ですから。 それで、いまのような頼りない集計結果についての御認識ではこれは困るのですよ。やはり協会の方で拘束契約は好ましくないという基本姿勢をお持ちになり、そのために通達までお出しになり、そういう姿勢で臨まれているという現実があるわけですから、監督省である通産省の方はもっと具体的な実態について調査を真摯な姿勢でやってもらわぬと困るのです。これは調べてみると、非日系企業に比べると日系企業の方に拘束契約をやっている件数がはるかに多いですよ。そして中身を見ていくと、一番多いのは三年という拘束期間でありますが、中には何と十年というのがあります。これはちょっとひど過ぎやしませんか。 いろいろこういう実態を見てまいりますと、特に現地において、いろいろな企業にも企業の立場があるでしょう。それから通産省にこういう問題を言うと、それぞれその国の慣行がございます、こう言われますが、慣行があるのかないのか、そういうことはどういう方法でお調べになっているのか存じませんが、事は日系の企業がどういう姿勢で現地においていろいろと経営をやっていっているかという問題ですよ。それからすると拘束契約という、これは一番最初から質問してみると、それぞれ行管もそうでした、通産省もそのようにお考えになっているということがうかがえる、本来拘束契約というのは好ましくないと。これが非日系の企業と比べた場合に日系にはるかに拘束契約を結んでいる件数が高いというのは、通産省としてどのように認識されますか。
○藤原政府委員 先生のお手元に御調査があるそうでございますが、私どももできれば非日系の現地企業についても調査をしたいと思うわけでございますが、これはやはり現地にいる企業でございますので、法の及ぶ範囲ということもございますし、必ずしも正確なあるいは正直な数値をとることが非常に不可能な面もありますので、その辺はひとつ御了承をいただきたいと思うわけでございます。
○土井分科員 かの地の事情ばかりを念頭に置いてお考えになるというのはいかがかと思うのです。研修をするのは日本で研修をやるのです。そして四分の三の国費というのはどのような意味でこれが出されているのですか。そこのところを考えますと、やはり受け入れ側である日本そしてその研修をする機関である協会、ここで受け入れる際にいろいろ審査をなさると思うのですが、審査の条件の中にこういう問題をどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○藤原政府委員 もちろん受け入れる際に審査をいたしますし、拘束契約のいまお話があったような非常に極端なものについては受け入れないというふうな方針にしたいということになっておるようでございます。
○土井分科員 そういうのは受け入れないという方針にしたいというふうにはっきりお考えになっていらっしゃるのですね。そうすると、具体的にそれを審査の中でひとつ実行していただきたいと思うのです。大臣よろしゅうございますね。大臣、首ばかり振らないでちょっと声に出して言ってください。
○佐々木国務大臣 私も、この問題は参議院でもずいぶん御指摘がございまして、理事会で決定した事項もあるそうでございますから、その線に沿いまして、不当な研修契約についてはできるだけこれを廃止するように受け入れ企業等を指導してまいりたい、こういうふうに考えてございます。
○土井分科員 いま不当なということをおっしゃいましたが、実はそこがくせ者で、不当なものはだめだけれども不当でなければよいという。それじゃ不当という判断は一体だれがどういう立場でやるのか、不当ということをおっしゃると、問題は次から次へと出てまいります。こういうものは企業ベースで考えてもらっちゃ困るのです。やっぱり国が発展途上国に対して経済援助、技術援助という立場を具体的にしようとしているのがこの研修制度の中身なんですからね。そのために四分の三という多額の補助というのをやっているわけですから、この点をひとつ履き違えないようにお願いをしたいと思うのですが、いまのこの東芝マレーシアの事件なんかでは、これは大きくマスコミにもクローズアップされたというふうなこともございまして、ずいぶん現地においてはこういう事件を通じて向こうの人たちの感情というのは日本に対して決してイメージアップにはならないだろうと私は思います。訴訟という形にはなっていないけれども、具体的な事例というのをもっと出していけばいろいろあるだろうと思いますよ。拘束契約を結んで、心を引きつけることができない点をお金で縛りつけようという、そしてその二年間なら二年間、三年間なら三年間、給料の上でもステータスの上でも待遇の上でも一向に改善をするということを考えないで、これが条件で研修させたんだからというふうな企業姿勢が優先するときに、私は不本意ながらこの研修制度というものはあだになるという可能性すらあると思うのです。そうでしょう。 そういうことを考えますと、いまお礼奉公なんというふうな意味を持っているこういう拘束契約という問題が、きょうはわざわざ外務省にも来ていただいているんですが、やっぱり発展途上国に対して経済援助や技術援助を通じて、お互いの国の上で互恵平等という点から考えましても、それからお互いの人権を尊重し合うという外交の基本姿勢からいいましても、いまのこの拘束契約を日本としては見て見ぬふりをするようなかっとうで、当の肝心の研修生の人たちの立場に立って考えないという姿勢をとり続ける限り、好ましくない状況も展開されるだろうと思う。外交面から考えて、一体この拘束契約の果たす役割りというのをどういうふうにお思いになりますか。
○高橋説明員 東南アジア諸国を含めまして開発途上国におきましては、先進諸国に研修員等を派遣します場合に、研修を終えて帰国後は一定期間もとの所属先で勤務するということを義務づけるいわゆる拘束契約が見られるところでございます。これはそれぞれ国によって事情があるように思われます。ただ、やはりこういう契約が原因となりまして、わが国が行っております経済援助、技術協力に支障を来したり、わが国のイメージダウンにつながる、そういうようなことになるというのは好ましくないのではないかというふうに考えております。
○土井分科員 さあ、そういうことが外務省の方からも言われました。 もう時間ですが、再度通産省に申し上げたいのは、研修生受け入れの節の審査の中身ですね、拘束契約を結んでいる場合は好ましくないということで、これは認めないという審査の場合の審査対象の中でははっきりした姿勢を持っていただくように、これは確約できますね。
○藤原政府委員 いまお示しのような御趣旨、すべて拘束契約があるものは全部引き受けないというわけにはやはりいかないだろうと思います。これは国別の事情がいろいろございますし、政府が絡むものもございますし、結局はその国々によりましてその国において当不当を料断ずるということによるほかないと思っております。
○土井分科員 その国々の問題じゃないでしょう。これは企業派遣で来るわけですからね。しかし、こちらとしては研修について費用の大半は政府が補助金を出して賄うということになっているわけですから、そういうことから言うと、結局拘束契約というのは、場合によったら官民一体で発展途上国に対して経済進出する手段と誤解を招く節もありますよ。これはよほどしっかりしてもらわないと困るのです。いまのような御答弁では納得できません。その辺は少しきっぱりと通産省としては姿勢をおとりになったらいかがですか。これは通産大臣、最後にお答えをいただきます。
○佐々木国務大臣 お言葉でございますけれども、私も一月にインドネシアとシンガポールに参りまして現地の工場も見させていただきました。自分の会社で使われている人を出す際に、たとえば日立の人を出す際に日立の工場の人をほかの工場に研修をさすということはできないでしょうし、また日立では、自分の子会社といいますか関係会社から来た者であれば、それだけまたノウハウその他も提供して丹念な研修をし得るのじゃなかろうかと思います。そういう点を考えますと、拘束契約そのこと自体はもちろん日本の内部でも禁じられておりますし、いいことだと思いませんけれども、それであればもう自分の方はやらない、やめましたということが全部になってきますと、これまた研修協会自体も何のためのものかわかりませんし、国々の事情をよく考えて、当不当を見ながらやめるものはやめるという方が本当じゃないだろうかと私は感じられたわけですけれども、はなはだどうも御質問の趣旨に、また御希望に沿えなくてあれですけれども、完全にぴたりとやめてしまえということは——少しそうやってみてもいいのですけれども……(土井分科員「やってみてもいいじゃなくて一回やってください」と呼ぶ)その結果全然意味がないということになりましたのでは、これもまたおかしなことになりますので、しばらく考えさせてみてください。
○土井分科員 大臣、しばらく考えさせてくれとおっしゃいますが、それじゃ私がきょう言った趣旨の方向で鋭意努力をするという約束はしてください。それはよろしいか。
○佐々木国務大臣 土井先生には大変弱いことでありますから前向きに検討します。
○片岡主査代理 これにて土井たか子君の質疑は終了いたしました。 次に、大橋敏雄君。
○大橋分科員 この長期不況の中で、いかに多くの中小企業の方々が行政の手の届かぬその陰で泣いておられるか、通産省の皆さんは御存じないかもしれませんけれども、私は、きょうは福岡県の直方市の鉄工業界の実情を通しまして、その内容から何が何でもこうした業界の救済に乗り出していただきたい。初めに強く要望して質問に入ります。 この直方の鉄工業界は不況のためにばたばたとかなり倒産しました。しかし、まだ二百社ほどの企業が一生懸命生き残っております。そもそも直方の鉄工業界は、筑豊炭鉱の盛んなころその下請として栄えたわけでございますが、御承知のとおりにエネルギーの事情から石炭が閉山になったわけですね。そういうことで、今度は北九州市の新日鉄の方に仕事を求めていくわけでございます。これがまた、それこそ鉄鋼不況になりまして仕事がなくなった。その次に求めたのが佐世保重工なんですよ。そしてこの造船の仕事でやっと息をつないでいたわけでございますが、これがまた構造不況業種ということで大変なことになってきたわけです。私も、昭和五十三年度の審議の際にこの業界の問題を委員会で取り上げました。一生懸命訴えたわけでございますが、そのときに通産省が指定しておりました不況地域の条件には合いませず、どうしても指定されませんでした。それでもその苦境を訴えましたところ、やっと造船の下請をしているという関係から直方市が特定不況地域の指定を受けるわけですけれども、これは自治省関係になったわけですね。五十三年の十一月二十四日に自治省から通達が出るわけでございます。 この「特定不況地域振興総合対策について」という通達の中にこういうのがあります。関係のあるところだけ読みます。「第三 特定不況地域振興総合対策要綱」という中の「イ」ですけれども「不況産業である企業及びその関連企業の経営安定に関すること。」また第四の「行財政上の措置」の中の(二)でですけれども、「中小企業の経営安定対策、雇用安定対策、地域経済の構造改善対策等に係る特別の財政需要について、適切な配慮をすること。」このような通達が出ましたもので、その業界の皆さんは、自分らが造船の仕事をしていたおかげでやっと不況地域の指定を受けた、通達を見れば確かにわれわれを助けてあげようという表現もあるということで、大変な期待をこれにかけるわけでございます。ところが、一年たっても何の音さたもないわけですね。その業界に対して救済の何物もないわけですよ。そういうことで直方の商工会議所は五十四年の十一月の六日に市に要望書を持っていくわけでございますが、まず、その内容を申し上げる前に、通産省また自治省の方来てあれば、こういうふうに期待を持つ業界の方が悪いのかあるいは手の打ち方がまずかったのか、その辺をちょっとお伺いしたいと思うのです。
○左近政府委員 直方の問題につきましては、さきに特定不況地域の法律の指定の件のときにいろいろ実情を調べさせていただきまして、われわれも現地の事情が大変なことはよくわかったわけでございますが、残念ながら法律の要件に合致しないというとこから法律の指定はできませんでした。しかし、全国にそういう地域が幾つもございましたので、われわれの方でまずとりあえず、緊急の金融対策といたしまして経営安定資金制度というのがございます。これは国の信用保険公庫から各地の信用保証協会に無利子で金を貸しまして、その金をまた一般の企業の方にお貸しする、そして国から信用保証協会に金を貸すだけじゃなくて、それと同額県も出すということで、県の制度融資という形で成り立っておるわけでございますが、福岡県でも地域産業対策金融制度というものを設けておりまして、これによって地域の金融上の問題を解決しようということで、大体融資枠として五十四年度は十三億円くらい用意をしておるということで、これは福岡県でございますが、そういうことでございます。 したがいまして、これにつきまして必要があればまたよく県と御相談をして必要な融資を、過去においても実施されておると思いますが、さらに実施をしていきたいと思いますし、さらにこの問題は、やはり直方というふうなまとまった地域で、そういう機械工業その他を将来どうするかということを大変いま議論しておられるわけでございますので、われわれといたしましても、この特定不況地域でなくても、地域対策として県と協力をして今後いろんな手を打ってまいりたいと思っています。残念ながら従来そういう点で手がまだ打ててないということであるとすれば申しわけないことでございますから、今後やりたいと思っております。
○大橋分科員 のどが渇き切ったような状態の業界ですよ。本当にそういう利用できる制度ができたとなれば、当然これは活用します。ないのですよ、現実には。 そこで、通産大臣よく聞いてください。本当にこの業界の皆さんが商工会議所を通じて市に要請書を突きつけたわけですが、その中にこういう言葉がございます。「元来この指定については、造船関連の仕事が多い直方鉄工業界であり、その相つぐ倒産や、事業閉鎖など特定不況業種を援助する目的から指定を受けたことを考えますとき、当然この経緯に対応したところの振興対策が打ち出されるのが至当だと思う次第でございます。」いいですね。そして具体的には四つの要望をしているのですよ。 まず「福岡県信用保証協会付きの融資を受けた鉄工業者に対して、年金利五%の利子補給をお願いします。」二つとして「中小企業倒産防止共済制度の貸付に係わる掛金一〇%消滅分の二分の一を補填すること。」三つ「鉄工団地等の隣接地における公害対策を検討願うこと。」それには(イ)、(ロ)とあります。これは省略します。四は「公共事業の鉄工関連部門は、分離発注をお願いしたい。」以上の四つを具体的に市の方に要望していったわけでございますけれども、市の方の回答はきわめて冷たい内容であるわけですよ。 まず第一の五%の利子補給については、時間の関係で簡単に内容だけ申し上げますが、市の方では「現在の財政状況からみて、このことは不可能と考えられる。」と、きれいにゼロ回答を出したわけです。二つ目の「中小企業倒産防止共済制度の貸付に係る掛金一〇%消滅分の二分の一補填にについて」これはこういうふうに言っているのですよ。結局、自分の市で中小企業に対するいろいろな融資制度を設けているけれども、それよりも中小企業倒産防止共済制度の方がもっと有利な状況にあるじゃないですか、だからそれをさらにいま補てんしてくれなんで言われてみても無理な話ですと、これもけっているわけですね。この一と二の問題ですけれども、一の方はまあまあやむを得ないとしましても、二の方は、これは市ではできないまでも国の方では何とか考えていただきたい問題だ、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○左近政府委員 倒産防止共済制度の運用につきましては、いろいろ御意見がございます。これは一昨年の四月に始まったわけでございますが、何分世界で初めての制度でございますので、いろいろ検討をしておりますが、この掛金を掛けてそれから貸し付けを受けた場合に、掛金を掛けた分については制度の運用のために費用としていただいておるというのが現状でございます。現在のような貸付率、大体一〇%ぐらい貸付額があるわけでございますが、こういう時代ではなかなか経費がかかりますので、すぐにこれを解消するわけにはいかないということでございますが、今回この保険制度を改正いたしまして、将来経営が安定したときには全部をいただかなくて一部をお返しできるような制度を考えようということでいま検討中でございますので、その点を御了承願いたいと思います。
○大橋分科員 ちょっと確認をいたしますが、いま中小企業倒産防止共済制度というのは三ランクあるわけですね。五千円、一万円、二万円ですね。仮にこれを一年掛けると二十四万円、それを五年掛けるわけですね。そうすると百二十万です。その百二十万円の元金に対して、十倍の一千二百万の融資を受けることができるわけですね。ところが返す場合、全額一千二百万返せという現状だと思うのですね。いまの要望している方は、少なくとも自分らの元金の半分くらいは補てんしてくださいよ、こう言っているわけですよ。いまのお話では、その一〇%の分について何らかその業者に返っていく方法をいま検討しているということですね。
○左近政府委員 そういうことでございます。この一〇%分、つまり貸付限度一〇%分をいただくというのは、これは掛け金だけではお貸しする金が調達できないもので、外部から金を借りておるわけです。その外部から借りておる金利もございます。それからまた将来貸し倒れが予想されます。そういう点を考えて一〇%分をいただくことにしておりますけれども、これが貸し倒れが少ない、あるいはもう少し加入者が多くなりまして外部からの金を余り借り入れなくても済むということになりますれば、必ずその一〇%をいただくのではなくて、そのうちの一部はお返しできるような制度をいま検討しておりますので、その点でわれわれの検討の結果をひとつお待ちいただきたいということでございます。
○大橋分科員 大臣、これは非常に期待されているところですから、ぜひ早期に実現してもらいたいですね。どの程度のいわゆる完済手当金になるのか知りませんけれども、これは中小企業の皆さんまことに期待しているところでございますから、大臣の決意もこの際聞いておきたいと思います。
○佐々木国務大臣 できるだけ法案を提出して早期に実現したいと思います。
○大橋分科員 いま早期というところがこまくなったのですけれども、本当に早期にお願いします。 では、その次に移りますが、三番目はまた後で質問することにして、四番目の要請ですけれども「公共事業の鉄工部門の分離発注については、今後も配慮していきたい。」市の回答の中で、まあまあ幾らかこたえたなというのはここだけだったのですよね。この分離発注ということについて、通産省としては促進の方向で指導なさいますか。
○左近政府委員 中小企業庁といたしましては、毎年中小企業に国とか公共団体の契約がなるべくいくようにということで閣議決定もいただいて方針を出しております。その中で、やはり各発注をいたします国の機関に対しまして、極力分離発注をして中小企業の方々にいくようにということをお願いをしておるわけでございます。毎年こういうことを繰り返して強調しておりますが、今後もそういう点を強調いたしまして、分離発注が進行するように国としても努力をしたいというように考えております。
○大橋分科員 大臣、この分離発注ということも非常に重要な事柄だと思うのですが、実際現実に現場に行きますと、たとえばある公共事業の施設を建てる場合、分離発注をします。その建設業者と、また鉄工関係はその鉄工に発注をするとしましても、実際建ち上がってもしも将来その建物に問題があったというようなことが起こったときに、どちらに責任がいくんだというようなことが地元では論議されて、なかなかこの問題も進まないのですよ。そういう点はどういうふうに判断していったらいいでしょうか。
○左近政府委員 確かに、公共事業を実施する側につきましては、その公共事業は限られた金で有効につくらなければいけないというふうな問題もございます。しかし他面、国なり地方公共団体の発注というものが中小企業者にとって非常に大きな支えになるわけでございますので、そういう点はもちろん考えなければいけないけれども、それと分離発注をして中小企業を潤すという両方の条件を満たす範囲で分離発注を極力進めてもらいたいということでわれわれは推進しておるわけでございます。したがいまして、現実問題としてそういう問題が起こりますれば、われわれといたしましても、公共事業でございますとたとえば建設省なり何なりにいろいろ要請もしておりますので、今後もそういう点の態度を取り続けていきたいと考えております。
○大橋分科員 現場に行くといま言ったようにいろいろな問題があるために、それを推進しようとしてもなかなかちゅうちょしてできないのですよ。だから、通産省の行政指導を徹底してもらいたいのですね。大臣からも一言その決意を伺いたいと思います。
○佐々木国務大臣 公共事業部門の発注をなるべく中小企業に回してもらいたいということで、いま長官からお話しございましたように大変重要な問題ですから指導しております。順次増してきてもおりますし、成績もよくなってきておるように私は見受けているのですけれども……(大橋分科員「分離発注の問題ですよ」と呼ぶ)分離発注の方は、いま長官からお話しございましたように、できるだけその希望に沿えるように指導していきたいと思っております。
○大橋分科員 時間もだんだんたってきましたので、次の問題に移らしていただきたいと思います。 先ほどの要望書の三番目なんですけれども「鉄工団地等の隣接地における公害対策を検討願うこと。」これが非常に大きな問題になってきております。これは単なる市の問題ではなくて、全国的に広がっていく共通の問題ではないかと私は思うのですけれども、現在、地域振興整備公団というのがありまして、これが工場団地化を推進しているわけですね。これは住工分離政策の一環ですから結構なことだ、私はこう思っているわけでございますけれども、ここに新しい問題が発生してきているわけです。 一つの具体的な例を申し上げるのですけれども、一口で説明しますと、地域の住民から騒音公害だというようなことで苦情が出まして、そういうことから地域振興整備公団の指導で関係者は多額の経費を投じて工業団地に現在移転しております。ところが、せっかく移ったすぐ横の隣接地に宅地の造成が始まったわけですよ。そこにはもう四十ないし五十戸ほどの分譲住宅が建つんだという話なんですね。もしこれが実現しますと、また同じような問題が発生する。第二次的な公害発生だということで大変不安を抱いているわけですよ。これは具体的な話をしますと、直方の明神池工業団地というところにいまかなりの中小企業が移動して経営をしているわけですが、すぐその隣の土地に五十四年の十一月から造成が始まりまして、ことしの六月完成ということなんですよ。そしていま言ったように四十戸ないし四十五戸が建てられるというのですね。もう大変な不安を抱いております。早くから市の方に、この土地を買収してそういう住宅じゃなくてほかの目的で使ってもらえないかと鉄工団地の業者の皆さんは当然要請したわけです。あるいは工事を一時差しとめしてわれわれのこの悩みを聞いてくれないかということで要請はしたけれども、結局はそういうものはまだ認められないで、あと考えられることは音を遮断する方法、隣にいわゆる緩衝地帯をつくるかどうかという問題にしぼられてきているわけですね。ところが、これは民間同士で幾ら話し合っても話がつく問題ではございません。これはぜひとも大胆の英断で何とか緩衝地帯を設けるような方法を考えてもらいたいと思うのですね。いかがですか。
○高瀬政府委員 この団地の経緯を若干御説明いたしますと、四十一年に直方市の要請によりまして地域振興のためにつくった団地でございます。四十九年までに明神鉄工協同組合ほか十五社が入ったわけですが、その後どういう経緯があったか知りませんが、この団地の周辺が住宅地域に用途変更になっております。その結果住宅がふえて、その工業団地と住宅地の間に問題が出てきたということだと思います。これはあくまでも原則的な議論としましては、土地利用計画なり都市計画なりの住民の間で話し合って調整するというのが原則になっておりますので、われわれも指導はいたしますけれども、やはり住民主体でこの問題を解決していくというのが土地利用の原点でございますので、この辺での指導はしたいと思います。
○大橋分科員 これは直方市だけを見ても、この明神池団地のほかに中泉団地あるいは直方鉄工団地、石橋ホームという団地があるわけですが、もうすでに公害紛争が予想される事態が起きてきているのですね。私はこれをただ民間レベルで解決していけというのは本当に問題だと思うのですよ。これはやはり通産省あるいは建設省、自治省あたりで合同協議をしていただいて、何らかの対策を考えてもらわなければいかぬですね。できれば必ず緩衝地帯を設けるんだという立法措置をやってもらいたいという考えがあるんです。これは大臣、いま鉄工業界の話なんですけれども、郊外の団地に移っていくんですけれども、安心して仕事にかかったところ、すぐ横にまた住宅がどんどん建てられているわけです。そうすると、また同じような問題が起こってくるわけですね。だから、その周りに必ず緩衝地帯、音を遮断する何かの義務を課すべき方法を考えなければならぬのじゃないか。これは私は全国的に広がっていくと思うのですよ。いかがなものですか。
○島田政府委員 いま石炭部長から本件についてお答えいたしましたが、私ども、そういったいろいろな団地と周辺の住宅との関係を考える場合に、地方公共団体の都市計画とかあるいは住宅政策、土地利用政策、こういったものをまず基本に考えざるを得ないと思います。ただ通産省といたしましても、地方公共団体などが大きな工業団地をつくるといったような場合には周辺の地域と融和したような工場立地を進めるという意味で、特に四十八年工場立地法が改正されました前後から、そういった団地の中で緑地とか環境施設というものをなるべく広くとるようにということは指導いたしているわけです。したがいまして、私どもも今後ともそういう指導をさらに強く進めたいと思います。ただ団地によりまして規模が小さいとなかなかその中に緩衝緑地をとりにくいというケースもありますので、現実にはケース・バイ・ケースで考えざるを得ない。基本的には、いま申しましたように土地利用計画というものがきちっとしないとなかなか対処できないという問題がございます。ただ、いま申しましたように、私どもの方としてはできるだけそうい た団地の中の緑地化あるいは環境施設の整備というものを指導していきたいというふうに考えております。
○大橋分科員 これは実際現地に行きますと、そんな簡単なものじゃないですね。本当に悩みになっております。ですから、先ほど申し上げましたまうに、これは新しい問題点として私提起いたしますので、大臣、この問題を必ず関係省庁と協議をしていただきたいのですよ、建設省あるいは自治省と。でないと、必ずこれは将来何か問題が発生してきますよ。工業団地に移った、これは通産省の指導で移った。ところが、後で住宅が建って問題が起こってきた。どっちが悪いんだということになってきますよ。もう時間があと二分しかございませんので……。
○島田政府委員 基本的には、いまも申し上げましたように、そういった問題が起きるのを防ぐためには、やはり都市計画の線引きというものをきちっとしていくというのが基本になるわけでございますので、その辺は建設省の方としてもいろいろお考えになっていることだと思います。私どもの方といたしましては、先ほど申しましたように、いわゆる工業団地をつくる際の指導というのは、今後ともさらに強力に指導したいというふうに考えております。
○大橋分科員 そこで、建設省、自治省あわせてこの問題は将来の新しい問題としてとらえてもらって協議をしていただけますかということを言っているのです。
○島田政府委員 先生からそういう御指摘があったという点は、建設省あるいは自治省にお伝えしたいと思います。
○大橋分科員 時間が来ましたので……。
○片岡主査代理 これにて大橋敏雄君の質疑は終了いたしました。 次に、玉置一弥君。
○玉置分科員 非常に両方から押されていて質問しにくい内容でございますけれども、あえて質問をして、これからの成り行きというものの方向づけをぜひお願いしておきたい、そういうふうに感じたのでございます。 実は、私京都の出身でございまして、京都には西陣、そして丹後と、非常に大きな絹織物の地域を抱えているわけでございます。それとともに、中丹あるいは奥丹、養蚕の地域も抱えている。非常に複雑な心境で質問するわけでございますけれども、しかし、現在の実態というものを認識いたしますならば、やはりどちらかの譲歩というものが必要な時期ではないか、そういうように感じるのでございまして、ぜひとも長期的な観点という面からお考えをいただきたいと思います。 まず一つは、現在輸入生糸の売り渡しというものについて制限措置がとれるという現状でございまして、国内産の生糸と価格差が二千円以上の開きが絶えず出ている。現在の市況が一万四千四百円から六百円ぐらいの間を行ったり来たりしている、そういう状況でございまして、ことしに入ってやや持ち直してきているというふうに言われております。しかし、昨年の九月あるいは十月ぐらい、そのころから輸入生糸に対する売り渡しの停止がなされているわけでございまして、いつごろからどのような要因によってストップされたのか、その辺からお伺いをいたしたいと思います。
○松岡説明員 お答え申し上げます。 五十三年度におきましては一般的に糸価が好調でございまして、ただいま申されました実需者売り渡しでございますとかあるいは事業団からの輸入生糸の一般売り渡しというようなものも行った次第でございますが、五十四年度、昨年、特に六月に糸価が急落をいたしまして、繭糸価格安定法において定めます基準糸価、一キログラム当たり一万四千四百円という水準に接近いたしました。したがいまして、昨年の六月末に輸入生糸の実需者売り渡しを停止いたしますとともに、日本蚕糸事業団によります国産生糸の中間買い入れを開始した次第でございます。その後、一時糸価が九月、十月にかけて回復いたしまして一万四千七百円以上となりまして、この間九月、十月にかけまして約五千五百俵余の輸入生糸の実需者への引き渡しを行ったわけでございますが、以後再び糸価が、ただいま先生おっしゃいましたように、一万四千四百円あるいは五百円、六百円、そういった水準になりました。特に昨年の十二月中旬におきましては、基準糸価割れ、一万四千四百円を割るというような事態も現出したわけでございますが、その後、二月に入りましてやや持ち直してはございますけれども、現在一万四千六百円台で推移している、こういった現況にございます。
○玉置分科員 まず一つお伺いしたいのは、事業団の介入の基準、何によって停止をし、あるいは何によって解除をするのか。そういう基準が非常に明確なものであるのかどうか、その辺が一つ。 それから、五十四年六月に急落をしたということでございますが、それがどういう要因であって、いまなお低迷しているということはなぜなのか。それに対してどういうような処置がとられているのか。その辺についてお伺いしたいと思います。
○松岡説明員 まず最初の点でございます。現在日本蚕糸事業団が輸入生糸を売却するに当たりましては、これは繭糸価格安定法に定めます生糸の価格の中間安定の一環という形で行っているわけでございますが、輸入生糸につきましては、繭糸価格安定法上、基準糸価、これは現在一万四千四百円でございますが、基準糸価を割っているか、あるいは輸入生糸の売り渡しによって基準糸価を割るおそれがあるといった場合には、輸入生糸の売り渡しはできない、こういう規定になっているわけでございます。 そこで、こういった当該輸入生糸の売り渡しによって基準糸価を割るおそれというものをどういうふうに客観的に考えていくか、これは単に恣意的なものではなくて、関係者が十分了知するものとしてどういうふうに客観的に考えていくかということでございまして、今生糸年度につきましては、この価格が一万四千七百円という水準で決まっているようなわけでございます。 これはどういった事態であるかと申しますと、具体的には、現在生糸の市場は大きなところは、御案内のとおり横浜と神戸でございます。横浜及び神戸の市場において現物の取引価格というものが三日間連続して一万四千七百円という水準を下回るというような事態が生じた場合に、実需者売り渡し用輸入生糸の引き渡しを停止する、こういうことに相なっているわけでございます。 それから、お尋ねの第二点でございます。この点につきましては、結局生糸は中間産品でございますから、最終的には絹製品となって市場で売却される、こういうことでございますが、中間産品ではございますけれども、当然に最終需要の動向によって左右される。一般的には最近絹の末端需要が停滞しているのではないか、そういったことが主要原因ではないか。それとともに中間段階でございます絹織物の在庫の問題でございますとかあるいは卸商の信用不安の問題でございますとか、いろいろな複雑な要件が絡み合いますが、いずれにいたしましても基本的には末端需要の低迷という点にあるのではないかというふうに考えておるような次第でございます。 対策につきましては、生糸価格につきましては当然繭糸価格安定法の規定によりまして中間安定を行うということでございますので、当面の措置といたしましては、先ほども申し上げましたように、日本蚕糸事業団によります国産生糸の中間買い入れを行っておりまして、現在まで一万二千六百俵ばかりの国産生糸を市場から隔離して事業団で吸い上げる、そういう措置を講じておるような次第でございます。 さらに、中長期的には需給の改善を図っていく必要があるということでございまして、たとえば輸入調整措置でございますとかあるいは需要の増進であるとか、そういった面にも意を尽くしまして、末端需要の回復に努めてまいりたいというふうに考えておるような次第でございます。 〔片岡主査代理退席、澁谷主査代理着席〕
○玉置分科員 いまの原因の中で末端需要の低迷というのがかなり大きな要素を占めておると思いますけれども、織物業界のみならず繊維全体が非常に低迷をしておりまして、非常に底が深い、そして構造改善を伴うという非常に大きな変化があるわけでございまして、そういう意味からいままでのお話を聞いておりますと、農林省独自でいろいろなことを計画されている、そういうような感じを受けるのですけれども、通産省の方々と協議なさってそれらの回復措置といいますか、そういうことをいままでなさったかどうか、お伺いしたいと思います。
○松岡説明員 お尋ねの点でございますが、たとえば輸入調整措置という問題について申し上げれば、生糸の場合は農林省の所管でございますが、絹製品ということになりますとこれは通産省の所管、こういうことでございます。そういった所管問題はございますけれども、われわれといたしましては種々連絡、話し合いをさせていただいておりますし、それからもう一点、先ほど申し上げました末端需要の増進という措置でございますが、この点につきましても、実は日本蚕糸事業団におきまして生糸の加工品の需要の増進という面について調整措置を講ずることができる、こういうことになっておりまして、生糸の加工品と申しますればほかならぬ絹製品でございますから、もちろん通産省ともこの点については十分御相談申し上げて、形といたしましては日本蚕糸事業団からの助成事業でございますけれども、十分通産省の御意向も承って措置しておるような次第でございます。
○玉置分科員 いままで聞いておりますと、要するに停止をするかしないか、あるいは売り渡しを解除するかどうか、その辺を決められるのが蚕糸事業団と農水省ということになると思うのです。いままで非常に需要が停滞する、あるいは産業構造自体の大きな問題があるということは当然通産省側にも農林省側にもわかっているというふうに思うのですけれども、なぜいままで通産省が協議に加わらなかったのか、あるいはこれから加わる気持ちがあるのか。私としては、加わらなければ市況が低迷したままで回復というものは非常にむずかしいと思うんですよ。非常に基本的な問題が含まれていると思うので、その辺について農林省と通産省それぞれにお伺いしたいと思います。
○松岡説明員 先ほども申し上げましたように、輸入生糸の買い入れ、輸入、あるいは売り渡しということに相なるわけでございますが、これは繭糸価格安定法に定めます生糸価格の中間安定という趣旨のもとに実施しているような次第でございまして、諸般その運用等につきましては通産省御当局からいろいろ御要望という形では承っております。先生おっしゃいました協議というのがどういう性格かち二つとわかりませんけれども、種々御要望という形では承っておりますが、これは本来生糸価格の中間安定、繭糸価格安定法の運用問題、こういうふうにわれわれは理解いたしまして、そういうふうに実行しておるような次第でございます。
○児玉(清)政府委員 ただいま農林省の方からお話しございましたように、生糸の一元輸入問題に絡みまして実需者制度というものが発生したわけでございますが、ここに至りますまでに非常に長い経過がございまして、いろいろな背景がございまして現在のような制度及びその運用に落ちついておるわけでございますけれども、私ども通産省として状況把握からまず申し上げますと、絹織物製造業者の方がいわゆる実需者として現在の生糸一元輸入制度下におけるところの実需者割り当てについて必ずしも満足な気持ちを持っていない、早急に改善をしてもらいたいという強い気持ちを持っておることを前々から聞いておるわけでございます。 この点につきまして私どもも、実需者売り渡し制度ができた趣旨からいたしましてその趣旨が十分に生きるような形での運用がやはり行政的に見ても好ましいのではないかということで、農林省の方にもその都度、私の方は業界の方でもこういう強い要請がありますということでお伝えをしておりまして改善の申し入れをしてきたところでございますけれども、今後におきましてもやはり綿業の実情あるいは御指摘のような趣旨も踏まえまして、私どもとしましても農林省と十分話し合いを行いまして、少しでも事態の改善に役立つような方向でそういった声を反映させていきたい、このように考えております。
○玉置分科員 いまのお話を伺いますと、申し入れという形で通産省の方から農水省の方にお話をされておるということでございますけれども、たとえば、極端な話で、織物業者が全部つぶれてしまった場合養蚕の農家はどうするのかということもやはりあるわけですね。だから片側だけでは手落ちではないか、そういうふうに思うわけで、そういう意味から、要するに需要を安定的に拡大していくということがやはり必要ではないかと思うのです。 そういう意味で、片方だけで、要するに原料を出す側が出したりとめたりということを独断で決めるというのは非常に危険である、そういうふうに思うわけです。現在の業界の状況あるいは市況、そういうものを十分いろいろ協議されて、それで決めていくべきだと思うのです。いままでのいろいろな経過を聞いておりますけれども、非常に対立といいますか、そういう要素がちょっとあるような気が私はするわけです。これから絹織物自体を伸ばしていく、あるいは諸外国との競争という意味から考えても、やり方を変えていかない限りは低落の一途をたどるのではないか、そういう心配があるわけであります。 ぜひとも、この場でとは申しませんけれども、昨日も武藤大臣にぜひお話ししたいということを申し上げたのですけれども、ちょっと時間がなかったものですから、そういう意味で通産大臣と農水大臣とお話をいただいて、これからの本当に片方に寄らないような、それでお互いの利益というものを確保していく方向に持っていかなければいけない。そういう意味で、いま協議という段階でございますけれども、それをもう一歩近寄って、オーソライズされたようなシステムをぜひ組んでいただきたいと思うのでございます。 時間がございませんので、次に移りたいと思います。 現在輸入価格と国産品は二千円以上の価格差があると申し上げましたけれども、これに対していままでどういう指導を養蚕農家に対して行ってきたか、あるいはまた価格差の要因としてどういうふうに突き詰められたか、その辺をお伺いしたいと思います。
○松岡説明員 外国産品とわが国の産品との価格差ということでございますが、最近の輸入発注などの実例によりますと、先生おっしゃいましたように、確かに生糸の場合は千五百円ないし二千円といった値開きが現在ございます。その点でございますけれども、世界的な需給の関係を申しますと、現在生糸のみならず絹製品まで含めて、世界最大の市場である日本に向かって輸入圧力が大変強い。こういった事態の中での現在の価格差、こういうことではなかろうかと思っておるわけでございます。 それでお尋ねの、特に養蚕経営の合理化の問題でございます。 これは当然農林水産省といたしましても、従来から生産性の向上ということをいわば一つの至上命令として諸般の対策、生産合理化対策、たとえば桑園の造成改良でございますとか養蚕経営の省力化、機械化、あるいは稚蚕段階におきます省力、そういった点の施策を進めていく。これは単に国の予算のみならず、日本蚕糸事業団によります助成事業というものも活用してやっておるような次第でございます。 それでは、生産性の向上の成果はあらわれておるか、こういうことでございますが、ごく単純な、たとえば繭一キログラム当たりに使われます労働時間といったような点を見ても、最近時点では一キログラム当たりに二・三時間ばかりというのが最新の数字でございますが、これが十年ほど前、昭和四十年の場合でございますと四・五一時間ということでございますから、十二、三年の間に半減に近くなっておるというふうな実態にあるわけでございます。
○玉置分科員 米価と同じく毎年前年度の価格に対しての積み上げというような価格の決め方を結果的にはされているわけですけれども、現在通産省の方も、これから一番大きな問題としてかかってくるのは、日本の貿易そのものがオイルの値上がりによって非常に赤字方向に向いている、そのためにはこれから貿易拡大をさらに図っていかなければならない。しかし、現在、貿易による経済摩擦が諸外国との間に非常に起きているわけでございまして、諸外国で農産品との抱き合わせであるとか単に輸入をふやしてくれという話が現在非常にたくさん出てきているわけでございますけれども、これからますますそういう方向が強まってくる傾向にあるわけでございます。 こういうことを考えますと、現在ヨーロッパがねらっております精製品、そして中国、韓国あるいは東南アジアの生糸、そういう問題が、日本の特に地場産業として発達してきたそういう産業に対して非常に大きな影響を与えるわけでございます。いままで養蚕農家に対しても単なる所得保障という部分が若干あったと思います。しかし、これからは産業としての農業という見方をしていかなければ、諸外国の農産物には対抗できないと思うわけでございまして、これは織物業界そのものにも言えるわけでございます。 現在、非常に家内工業的な、規模の大きい小さいという非常にばらつきのある業界でございまして、京都の場合には丹後地方に約二万名の方が働いておられますけれども、一つには後継者がないという大きな問題がございます。 それは、市況が非常に低落してきている、そして着物、和装そのものの需要が減退しているというところから値段が上がってこない、そしていろいろなインフレの要素で原価が上がってくる。しかし、食べるためには同じ人数で長時間働かなければならない状態が続いておりまして、調査によると、労働時間が長いからいやだという結果が出ているわけでございます。 こういうことを考えると、養蚕農家、そして織物業界ともに思い切った行政指導を入れて、外国に対抗できるような要素をつくらなければいけないのではないかと思うわけでございます。そのためにも、片側だけではなくて、農水省そして通産省の両方が必ず入っておられるような機関あるいはオーソライズされた会議というものをぜひつくっていただきたいと思うのでございます。 五十一年ですか、農水、通産、大蔵と三省の了解事項とか、その前に閣議での了解ということで、現在の絹業、要するに絹織物業界の経営安定を円滑に進めていこうということで、現在そういうことが守られているはずでございます。しかし、私の方に入ってくる情報によると、先行きの価格が非常に不安定である。 というのは、輸入価格と国産との開きが実際にあるわけでございまして、その使用量によって値段をある程度下げられる。ところが、国産だけでやりますと値段がある程度抑えられてしまう。それが、扱い高の非常に大きいところになりますと何億という大きな金額で効いてくるわけでありまして、そういう意味から、先行きの見通しをぜひ明らかにしてほしいという要望が来ているわけでございます。 もう時間がございませんので、イエスかノーかという言い方よりも、ある程度見通しも加えて御説明をいただきたいと思います。これから通産の方と御相談をいただいて、あるいは事業団と農水省と打ち合わせをいただいて、現在ストップされております売り渡し、それがいつごろから解除できるのか、その辺を最後にお伺いをいたしておきます。
○松岡説明員 御質問の点でございますが、先ほど申し上げましたように、実需者売り渡し用輸入生糸の引き渡しという点につきましては、その停止条件が、神戸と横浜の現物市場が三日間連続して一万四千七百円を下回るという状態が現出されたとき、こういうことでございまして、その解除につきましては、そういった停止条件との対応関係において考えてまいりたい。糸価の動向そのもの、これはわれわれといたしましても毎日その動向について注視いたしておるわけでございますが、結局のところ、基本的な需給の改善を図りながら、当面糸価の動向に十分注意しつつ、先ほど申し上げましたような措置ぶりをいたしたい、こういうふうに考えておるような次第でございます。
○玉置分科員 ぜひなるべく早い機会にお願いをいたしたいと思います。 最後に、佐々木通産大臣に一言ぜひお願いをしておきたいと思います。 先ほど申し上げましたように、片方では、ある程度いままでの戦後の経過から見て価格安定と輸出をやろうということで、安定法で養蚕農家あるいは糸をつくる業者、そういう方々を保護してまいったわけでございますけれども、現在織物業界というものが非常に不況でございまして、そういうためにもぜひ通産側としてそういう業界に対する一だから片方をやめろという話ではなくて、片方だけではやはり傾いてしまうということでございますので、ぜひ何らかの対策を考えていただきたいと思います。個々に見れば非常に小さい規模の方々が多いわけでございまして、ぜひとも救済策というものを考えていただくようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○澁谷主査代理 これにて玉置一弥君の質疑は終了いたしました。 これより野間友一君の質疑に入るのでありますが、同君の質疑に際し、参考人として日本住宅公団理事江里口富久也君が御出席になっております。 なお、参考人の御意見は分科員からの質疑に対する答弁をもって聴取することといたします。 野間友一君。
○野間分科員 時間の制約がありますので、ひとつ簡潔に答弁を願いたいと思います。 まず、ふすま材産業の問題について通産省にお聞をしたいと思うのです。いわゆる和ぶすま、この生産はここ数年来横ばいであります。逆に山田ダンボール、これらのつくる量産ぶすまの生産が増加をしております。これらの点について、通産省はそういう認識でおられると思いますけれども、まず確認を求めたいと思います。
○児玉(清)政府委員 先生御指摘のような点がございまして、両方が併存しているわけでございますが、特に量産ぶすまは最近二割から二五%程度まで伸長してきている、このように承知しています。
○野間分科員 なぜ和ぶすまの生産がこういうふうに横ばいないしは停滞しておるのか、この原因についてどのような認識をしておりますか。
○児玉(清)政府委員 まだ的確に自信のあるあれではございませんが、一応住居のフォーマル化と申しますか画一的な傾向で、大量生産という傾向に住居そのものがなっているという面も相当大きく響いているかとも思われますが、その他、昔のいわゆる手づくりの味に対する評価と申しますか、そういうものについてのやはり世代の交代その他もあろうかと思います。いろいろなそういういま申し上げましたような時代の変化、あるいは実際の供給ルートその他の実際の変化等々が相重なりまして、量産物も相当程度進出しているんじゃないか、このように考えております。
○野間分科員 一部はそうだと思うのです。いろいろさらに詰めて聞きたいのですけれども、時間の関係で私の方から申し上げますと、やはり基本的には景気の冷え込みで、あるいは土地の高騰で、なかなか家が建たないということが一つあろうと思いますね。しかも、いま和ぶすまの場合に、これはすべて米材、アメリカの杉、米杉と言いますけれども、これらを使っておるわけですけれども、これら原木の輸入制限ひいては入手困難、結果として、さらに原木の高騰が挙げられると思います。こういうことも合わさって原料高、しかも製品がはけませんので安く売らなければならぬ。その上に量産ぶすまに押されておるというような現状であろうと思います。一部答弁が重複しますけれども、そういう傾向、実態についてはお認めになりますね。
○児玉(清)政府委員 そういう実態があろうかと思います。
○野間分科員 そこで、公団にお聞きしたいと思いますけれども、簡単にお答えください。 公団の場合に、賃貸住宅のほとんどが量産ぶすまを使っておるわけですね。したがって、これはずっと調査してみますと、昭和四十七年の時期での量産ぶすまの使用割合が四七%ぐらいでした。これは四十九年の商工委員会でも取り上げたことがあるのですけれども、いまでは五八%を超えておる。これは事実だと思いますけれども、この確認を求めたいと思います。
○江里口参考人 お答えします。 和ぶすまについて、公団においては主として分譲住宅に使用しております。(野間分科員「簡単に答えてください」と呼ぶ)昭和五十三年度の実績では、全国平均四二%の使用率でございます。
○野間分科員 五八%でしょう。
○江里口参考人 はい、逆に申し上げました。
○野間分科員 結局、四十七年時点では量産ぶすまが四七%くらいのものが、いまでは五八%と伸びておるわけですね。このことは賃貸住宅が多いということのかかわりもあるわけですけれどもね。 そこで、分譲はともかくとして、賃貸住宅の場合になぜ量産ぶすまを使うのかということですけれども、和ぶすまというのは品位、品性あるいは居住性とか特に吸湿性あるいは補修がきく。大変な利点があり、日本建築に適しておるわけですね。なぜこれが賃貸の場合には量産ぶすまを使っておるのか。建設省はそういう方針を持っておるのかどうか、これが一点だけ簡単にお答え願いたいのと、公団についても同じことについてお答え願いたいと思います。
○井上説明員 建設省の方針といたしましては、公団住宅の設計、特にそれの内装、建具等につきまして、和ぶすまを使えとか量産を使えとかという指導方針を持っておるわけではございません。あくまで価格の問題と性能とそれから供給の安定性を総合的に判断して、公団が自主的によりベターな住宅を建てるべく努力することを期待いたしております。
○江里口参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、和ぶすまは補修性、居住性の面ですぐれております。また量産ぶすまは量産性、品質の安定度、価格の面で現在はすぐれております。したがって、少しでも底廉な家賃で供給しようと努めております賃貸住宅でございますので、量産ぶすまを賃貸住宅では主に使用しております。和ぶすまが底廉化が図られ、安定供給されれば、賃貸住宅にも使用される可能性はございます。
○野間分科員 価格面で一枚について、量産ぶすまは、特に山田ダンボールの場合あるいは住金鉱山の場合、そして和ぶすまと、具体的な金額はどうなっていますか。これは通産省でもどっちでもいいです。
○江里口参考人 お答えいたします。 現在、いろいろ和ぶすまにもございますが、両面の鳥の子で張った場合、私たちの積算は和ぶすまが五千六百二十円、それから量産骨の和ぶすま、これが五千三百九十円、それから一般に言われている山田ダンボールの量産ぶすまは二千九百円でございます。
○野間分科員 五千三百九十円というのはいわゆる住金鉱山の和ぶすまということですね。価格面その他で折り合いがつけば使うことにやぶさかでないという答弁だったと思いますけれども、やはり古来伝統のこういう和ぶすまについてぜひ国あるいは公団が積極的に使うように、ひとつ工夫、努力をしていただきたい、こう思うのです。通産省どうですか。
○児玉(清)政府委員 御指摘のようにわが国古来の建材でもございますし、地場産業として発展してまいりました経緯も踏まえまして、県と協力しまして実情も十分調査した上、指導してまいりたいと考えております。
○野間分科員 JIS化の問題についてはいまどうなっていますか。私どもはいまのところJIS化はするべきではないと思っておりますけれども……。
○児玉(清)政府委員 現状を申し上げますと、ふすまのJIS規格化につきましては、昭和五十二年一月に原案を作成しておりますけれども、和ぶすまの品質に関しますところの試験方法等に問題がございますので、目下当該試験方法等の内容について検討中でございまして、まだ決める段階にはございません。
○野間分科員 通産大臣、事前に連絡しておきましたので御承知だろうと思いますけれども、いまふすまの問題についていろいろお聞きをしたんですけれども、量産ぶすまに押されておるというようなことの中で、これをどう振興していくかということが非常に重大だと思います。よいものをより安く製造あるいは供給ができるように業者も努力をしておるわけですけれども、私たちは通産省サイドでもやはり地場産業、伝統産業を守っていく、そういう立場からこの振興策を具体的に検討する必要があるのじゃないか。特に製造技術をどう新しくしていくのか、あるいは新製品の開発、これは住金鉱山の「いぶき」というふすまのケースがありますが、これは量産化していますね。それから後継者の育成とか原材料の確保あるいは販路の拡大ですね。いろんな面で、もともとふすま材業者というのは零細でありますので、抜本的にこの振興策を示す必要がある。いわゆる知恵とお金を出すのが行政だというふうに思いますけれども、その点についての所見を承りたいと思います。
○佐々木国務大臣 和ぶすまはわが国古来の建材でございますし、また地場産業として発展した経緯もありますので、関係都道府県等と協力いたしまして、お説のように実情をよく調査の上、指導を強化してまいりたいと思っています。
○野間分科員 産地中小企業対策臨時措置法というのがありますね。これは残念ながら、たとえば原材料を外国に依存しておる、そしてなかなか入手困難だという場合にもいまのところは適用できないわけですね。ですからこれが十全だというふうに私たち毛頭考えておりませんけれども、少なくともいま申し上げたようなケースの場合には、この法律の枠をもっと広げまして、これの適用があるように政令の改正を要求したいと思うのです。同時に、建具についても大体同じですから、どうですか、これについての取り組みをやっていただけるのかどうか。
○児玉(清)政府委員 いま先生御指摘のとおりでございまして、現在の政令指定要因はちょっと狭過ぎまして、円高とのリンクがございますので、このような実態もございますので、私どもとしましては、そういったことじゃなくて、たとえば先ほどお話がございました原材料の入手難というようなことまで要件として読めるような方向で拡大して、これを適用できるような方向で努力してみたいと思っております。
○野間分科員 通産大臣、いま局長が答えましたけれども、この方法で早急にぜひひとつ、政令の改正も含めまして施策をお願いしたい。ちょっと御答弁ください。
○佐々木国務大臣 承知いたしました。
○野間分科員 それでは次に、セメントの問題についてお伺いしたいと思うのです。 いわゆる袋物のセメントの取引に関係してのお尋ねなんですが、実は昨年の六月のことですが和歌山で、和歌山市、海南市、橋本市、それから海草郡、那賀郡、伊都郡、この区域を対象にする各セメントメーカーの代理店九社が和歌山セメント卸商協同組合をつくりました。これは共同受注、共同販売が目的でありますが、これ自体中小企業の共同あるいは協業化ですね。これによってみずからの経営を守っていく、これは適切だろうと思います。ただ、幾つか問題がありますので、問題点を指摘して通産省の見解を求めたいと思います。 その一つは、価格の異常な値上げであります。たとえばこの和歌山で卸商組合が結成される前、小売建材店に対する卸価格は、各メーカーの銘柄による価格はばらつきがありました。たとえば小野田に比べて徳山セメント等は一袋当たり二十円、三十円安い。ところが、組合結成と同時に卸売価格を統一して、結成時において一袋四百円であったものが四百八十円に、そして八月には五百四十円、十月には六百円、何といまは一月から実に七百二十円に値上げをしておるわけですね。これは全国の相場からしても異常に高い、こう思いますけれども、この価格の点について、たとえば近隣の大阪等に比べて高いと思います。その認識についてひとつ確認を求めたいと思います。
○児玉(清)政府委員 いま御指摘のような価格の推移でございまして、周辺の同一種類の価格から見まして高いというふうに考えております。
○野間分科員 具体的に言いますと、たとえばことしの一月、これは建設物価にも出ておるわけですけれども、大阪では一袋五百七十円、和歌山では七百二十円、これはこのとおりですね。
○児玉(清)政府委員 私の方では、正確にはまだ実態を把握し切れておりませんけれども、少なくともこの共販の部分の価格は七百二十円というふうに聞いております。
○野間分科員 こういうふうになりますと、もともと卸商協同組合というのは独禁法の適用除外というふうになっていますね。これは大企業の横暴からみずからの経営をどう守っていくかという点で適切なことでありますけれども、しかしこう次から次へと上げて、大阪と一袋当たり百五十円の差がついていく、こういうことは一つの問題ではなかろうか、こう思います。 そこで、仮にメーカーの指導あるいは介入によって組合ができた、あるいは価格操作がやられた。だとすればこれは独占禁止法上の問題になると思いますけれども、公取、いかがですか。
○出口説明員 お答えいたします。 仮にいま御質問のような事態がございますと、セメントメーカーのセメント販売業者に対する再販売価格維持行為ということかと思いますけれども、そういう事実がございました場合には独禁法上問題になるということが言えようかと思います。
○野間分科員 次にお聞きしたいのは、要するに卸売組合の販売価格、卸売価格でなく販売価格の態様。調べてみますと、和歌山の先ほど挙げました対象区域内では建材店の、組合員が約三十業者、非組合員が約三十業者あるわけですけれども、この卸売価格は統一されまして一袋七百二十円、こう言いました。ところが、この組合は直取引、直接取引もやっておるわけですね。一つは大会社、これは竹中組とか大林組とかこういうところ、さらに地元の大手の建設業者、これに直接売っておるわけであります。そこで価格を調べてみますと、大企業には一番安い、五百円台、これは正確な金額は不明ですけれども、地元の大手十社に対しては六百二十円ないし六百三十円。いまですよ。ところが、建材店には七百二十円、こういうことになっておるわけであります。そうしますと、建材店あるいはこれを通して購入する町の建設業者あるいは左官屋さん、ひいては建築を注文する注文主、一番弱い立場に置かれておりまして、しかも高いものを買わされる、これではたまったものではないわけです。しかも、この組合は直接取引、直取引をふやしつつあるというような状況でもあります。 こういったやり方を一体どう思われるのか。これはまさに、こういう販売価格の態様から見ても、特にいま申し上げた町の建設業者に対しては建材店を通じての不当な差別の取引になっているわけですけれども、通産省は通産行政としてどう判断されますか。
○児玉(清)政府委員 不公正取引という観点からとらえますと公取の問題かと思いますが、私ども一般に建材の販売に関する政策という観点から言いまして、特に中小企業に対して著しく高いというようなことになりますと、非常に意図的にそういう形がとられるということは好ましくない、このように考えます。
○野間分科員 次に公取にお聞きしますけれども、建材店は、組合を通して購入するのは価格が高い。いま申し上げた対象区域以内です。そこで他の区域、たとえば他府県とか、あるいは和歌山でも対象区域外、南の方ですけれども、こういうところに注文をしたいということで業者がする。しかし、これについてはメーカーからとめられておる。対象区域でしか買えないのだ、こういって対象区域外の大阪とか南の方の代理店が仕入れを拒否するというケースが生まれておりますけれども、これは独占禁止法上一体どうなるのか、お答え願いたい。
○出口説明員 いま御質問の、ある地域とその隣接地域の同業者が仮に話し合って自分の地域外には販売しないというような協定を結んでいるというような事実がございますれば、独占禁止法上問題になろうかと思います。 なお、いまお話しの件につきましては、いま申し上げたのは一般論ということで、具体的なケースにつきましては事実関係がはっきりしませんと断言できないことを申し添えます。
○野間分科員 本来取引は自由であるべきで、これは許されないと思いますけれども、その他調べてみますと、組合結成前は扱い高に応じまして値引き、バックマージン、こういうものもあったのです。これも一切ストップしておるというような状況です。建材店などは大変困っておる。 これは繰り返しになりますけれども、本当に一番弱い立場の者が集まって組合をつくる、これは大事なことですけれども、しかし実態を見ますと、これによって町の建材店あるいはそこと取引しております実需者、こういうものが大変嘆き、またいろいろな要求を持っておるわけです。ですから、これは公正取引という観点から、公取の問題はともかくとしても、こういう経過を踏まえまして、やはり建材店とかあるいは一般の建設業者あるいは実需者、これらの利益をどうしても守るために何らかの措置が必要でなかろうか。先ほど局長は、価格の三本の形態については好ましくないというふうにお答えになりましたけれども、ぜひひとつこれは、組合とそして建材店、小売業者、こういうところが円満に解決つくように指導をお願いしたい、こう思いますけれども、この点はいかがでしょう。
○児玉(清)政府委員 もともと御指摘の協同組合は和歌山県が認可したものでございますので、今後和歌山県とも十分連絡をとりまして、いまおっしゃいましたような実態のひずみについて実情を把握いたしました上で必要な改善措置をとりたい、このように考えております。
○野間分科員 とにかくこれは実際言って切実な問題なんです。もう七月から先ほど申し上げた実態です。だから一日も早くこの組合との間で建材店は話をつけたいと切実に願っておるわけです。ですから、事前に私もこれらの点について申し上げておったわけですけれども、早急にひとつ指導をしていただきたいと再度確認したいと思いますけれども、局長……。
○児玉(清)政府委員 そのような線で県と連携をとりながら指導してまいりたいと思います。
○野間分科員 同じことについてひとつ大臣。
○佐々木国務大臣 そのように処したいと思います。
○野間分科員 終わります。 〔澁谷主査代理退席、片岡主査代理着席〕
○片岡主査代理 これにて野間友一君の質疑は終了いたしました。 次に、上田卓三君。
○上田(卓)分科員 御存じのように、第一次のオイルショック以来、いわゆる部落産業は国際化の荒波と、そうして大企業の進出によって崩壊の危機に直面しておるわけでございます。それだけじゃなしに、倒産とかあるいは失業者が部落に満ちあふれておるのが現状でありまして、特に部落企業の圧倒的多数は一人親方あるいは家族労働者とともに経営をいたしておるわけでございまして、企業と言うよりもむしろ零細的生業とも言うべき不安定なものでありまして、特に労働条件は実に劣悪な状況にあるわけでございます。部落の人たちは長年にわたりまして伝統的産業でありますところの皮革あるいはなめし、そうして屠畜業、くつ、かばんとか履物など、そういう仕事に従事をしたり、また、本当に人のいやがるような雑業に差別の結果従事させられておるというのが現状であるわけでございます。 同和対策審議会の答申なりあるいは同和対策事業特別措置法にも述べられておりますように、部落の人たちが主要ないわゆる生産関係といいますか、産業から、あるいは生産なり流通過程から排除されてきたことが社会的地位の向上等部落の解放を阻んできた、あるいは拡大再生産してきたといっても過言ではなかろう、私はこういうように考えておるところでございます。 そういう意味で、特に部落産業の振興というものは同和行政の中心課題でなければならぬ、こういうように考えておるわけでございまして、率直に申し上げまして、秋田県出身の通産大臣には部落問題について一体どの程度までおわかりなのか、非常に不安を感じるものでございます。特に通産行政の中での従来の高度化事業等についてはいろいろ問題のあるところでございまして、われわれは非常に疑問を持っておるわけでございます。同対審の答申が言うように、長期的展望のもとに部落産業の振興の総合計画を立てる、各業種ごとの、すそ野の広いきめ細かな対策が必要ではないか。そういう意味で同和産業の振興について通産大臣としては一体どう考えておるのかということが一点。 それから、御存じのように昨年同和対策事業特別措置法が十年の時限立法で切れるということで、三つの付帯条件がつけられて三年間の延長が決まったわけでございまして、もうすでに一年が経過しておる。あと二年というような状況があるわけでございまして、残事業という形だけで済まされるような問題じゃなかろう。特に通産行政についてはそういう状況があるわけでございまして、実際二年間で通産行政としての部落問題が完全に解決する自信があるのかどうか。私はなかろうと思う。だからこそ同特法の総合的改正という問題が付帯条件の中で明らかになっておるところでございますので、そういう点についてこの特別措置法の法改正、特にわれわれは部落問題が完全に解決がつくまで部落解放の基本法の制定が大事だ、これが総合改正の趣旨であろうと思いますので、その二点についてまず大臣から率直にお答えをいただきたい、このように思います。
○佐々木国務大臣 まず初めに私から、同和問題に対してどういう認識を持っているかという点からお話し申し上げたいと思います。 同和問題は、申し上げるまでもなしに国民の一部が歴史的、社会的要因によって差別を受け、社会的、経済的な地位の向上が不当に妨げられているという問題で、いわば基本的人権にかかわる非常に重要な問題だと認識してございます。したがいまして、その早急な解決を図ることが国及び地方公共団体の責務であり、同時に国民的課題だというのが根本認識でございます。 次に、同和地区の産業振興のあり方に対する見解でございますけれども、私は同和地区の産業は伝統的に産地を形成し、かつ生業的な小規模零細企業が多いという実態にあることは承知してございます。このため同和地区の産業振興につきましては、同和対策事業特別措置法に示されておりますとおり、経営の合理化、設備の近代化、技術の向上等を図ることが重要だと考えておりますし、通産省といたしましても、地方団体と協力いたしまして金融とかあるいは指導、組織化対策等、諸般の措置をきめ細かく講じてまいりたいという考えでございます。 最後に、同和対策事業特別措置法の期限があと二年だけれどもどうするのだという御質問でございますが、同和対策特別措置法の内容及び関係施策のあり方等については、これまでも所要の検討を行って同和対策事業の効率的な執行に努めてきたことは御承知のとおりでございますが、さらに現在同和問題の可及的速やかな解決を図るために必要な今後の施策の方向等について、関係各省が協力して鋭意検討を進めているところでございます。
○上田(卓)分科員 この同和問題の解決が二年内にできないということをお認めになりますか。 それと同時に、付帯条件の中に出ておりますところの総合改正というものについて、各省庁とも連絡をとりまして、通産大臣としてこの方向に努力してくれるのかどうか、その点について再度お答えいただきたい。
○佐々木国務大臣 附帯決議の三つの問題は承知してございます。今後とも附帯決議等を尊重いたしまして検討を進めてまいりたいと思います。 二年間の問題は、先ほど申しましたように、いま各省間で鋭意検討中でございます。
○上田(卓)分科員 通産省として、通産行政の中での同和対策はその二年間でできますか、各省のことは別にして。
○左近政府委員 中小企業対策といたしまして現在検討しております。また、同和対策については全国的にも非常に広範にわたる問題でございます。われわれといたしましては、今後相当長期間かかってこの問題を美施すべき問題であると考えておるわけでございます。
○上田(卓)分科員 長期間ということは二年ではなかろうというふうに理解をいたします。 さて、たとえば部落産業の中に食肉産業があるわけでございます。この食肉需要が伸びると大手の食肉資本が急激に進出して、零細な部落の企業者が非常に圧迫されるという現状があるわけでございます。また、屠畜場は容赦なく整理されたり切り捨てられるという状況にありますし、また特にくつとか履物、グローブ、ミット、かばん、袋物、革、そういう皮革製品の製造業も大手資本の急激な独占化と輸入攻勢によって壊滅的状況になっておるわけでございます。兵庫とか大阪、和歌山、奈良、東京、埼玉に集中する千四百のなめし業者も、革の輸入拡大の圧力を受けて経営は非常に苦しい状況にあるわけでございます。 私がこれから問題にします爬虫類の鞣製業界は全国でわずか七十の業者でありまして、従業者は家族合わせても二千人ほどである、こういう状況でございます。しかも輸入攻勢と原皮の確保のむずかしさの中で必死の企業努力を続けておるというのが現状でございます。特に外務省国連局の小西課長は昨年現地視察の中で、日本の皮革業界が偏見と差別の対象となっていることはまことに不幸である、欧米との歴史の差あるいは文化の差に驚く、現状改善は政府の責任、こういうふうにおっしゃっておるわけでございます。きょうは傍聴の方々の中には爬虫類関係の三団体の役員の方々がお見えでございまして、全日本爬虫類皮革業連合会、通称全爬連と言われておるのですが、その方々もたくさんお見えでございます。昨年の二月のNHKのテレビニュース以来、業界の皆さん方は通産なり外務、環境庁の皆さん方と実に三十数回もひざ詰め談判をいたしまして、昨年の十二月二日に一定の合意文書がつくり上げられたわけでございます。業界の方々は、この合意事項を厳重に守り、そして行政に協力しよう、こういう態度になっておるわけでございます。同時に、国においてもこの業界の振興に全力を尽くしていただきたい、こういうことが業界の方々の切なる気持ちであるわけでございます。 そういうことと、特に屠畜あるいは鞣製皮革製品の製造を担うところのそういう方々は、何をいいましても野性動物の保護というものと運命共同体である。毎日の仕事を通じて野性動物の資源状況を一番よく知っている、熟知をされておられるわけでございまして、だからこそ最良の保護とそして過度の国際取引の禁止という、どう言いますか、いわゆるそういうことを目的にしたところの条約でありますところの通称ワシントン条約といわれておるわけでございますが、この条約については趣旨は全面的に賛成であるわけでございます。 そういう意味で、昨年国際人権規約がわが国の国会におきまして批准されたわけでございますが、人間にとっては国際人権規約、また同時に野性動物についてはワシントン条約がこの人権条約だと言っても私は過言ではなかろう、こういうように考えておるわけでございます。 特にいま必要なことは、留保品目はどうだとかあるいは期限はどうするのかという消極的な姿勢ではなくて、やはり野性動物の保護と皮革業界の繁栄を可能にする積極策が私は一番大事ではないか、そのためにやはり増養殖の強力な推進がぜひとも必要ではないか、こういうように考えておるわけでございます。原則的に国際取引の禁止されているところの第一類の動物についても、やはり政府の努力によりましてすべて二類にする努力がやはり必要ではないか、私はこういうように考えておるわけであります。 熱帯の発展途上国におけるところの増養殖事業については、多くの困難さがあることは当然でございまして、たとえばワニの場合、生育に四年から五年かかる、こういうことでございますし、またその間先行的に投入される資金は膨大なものでございまして、零細業者の手に負えるものではないということは明らかであろう、こういうように思っておるわけでございまして、国家資金の投入というものは必然であろう、こういうように思うわけでございます。特にフランスとかイタリアにも劣らぬそういう皮革産業を育て、国際競争力を持つところの製品をつくり上げるということが一番大事じゃないか。わが国のそういう皮革産業というものは非常に伝統的な産業でございまして、そういう欧米に劣るような状況にあるということ自身、日本の政府が皮革産業に対して差別的な態度をとってきたゆえんではないか、こういうようにわれわれは考えざるを得ないわけでございまして、そういう意味で、特に増養殖事業が完全に軌道に乗るまで責任を持って通産行政としてがんばっていただきたい、こういうように思っておりますので、その点につきましてまずお答えをいただきたい、このように思います。
○児玉(清)政府委員 ワシントン条約の実施につきまして、その実際の影響というものが同和関係の中心的な爬虫類産業にできるだけ悪影響をもたらさない、むしろこれをプラスの方向に持っていくということで努力したいという点につきましては先生御指摘のとおりでございまして、私どもとしましても、この産業が原材料を海外に依存しておるわけでございますが、これが安定的な供給産業として栄えるように持っていく必要がございます。そのためにはやはり増殖ということが必要でございますので、今回も政府部内でもこの増殖についての予算ということで、来年度から特にワニ類等につきまして、養殖試験事業を行うためのフィージビリティー調査というものについての補助金を計上したところでございまして、今後関係業界と十分相談いたしまして、中長期的な観点からこういうものを原材料の安定的な供給産業として育つように持っていきたい、このように考えております。
○上田(卓)分科員 増養殖をするということは非常に困難な事業でございますが、しかしいま申し上げたように非常に大切な事業であろう、こういうように思いますので、ぜひともひとつ積極的な援助を差し伸べてもらいたいと思うわけであります。 しかしながら、もしも増養殖が軌道に乗るということになりますと、いわゆる産地からの出荷を大手商社が独占するといったような危惧も業界の中にはあるわけでございまして、その代表がたとえばマグロとかかずのことか、今日ではキャベツにまで手を伸ばして独占しているということは周知のことでありまして、そういう点で全爬連という組織があるわけでございます。これは業界の組織でございますが、こういう人たちが中心になりまして別途そういう業界の方々によるところの出資といいますか、そういうものに加えて国なり地方自治体もそういうことに対して財政的な援助をして、たとえば爬虫類皮革業者の爬虫類の増殖事業団というか、そういうようなものを官民一体となってつくり上げていくということも一つの考え方ではなかろうか、こういうように私は思うわけでございまして、ことしから始まるところのそういう調査活動あるいはさらに試験事業といいますか、あるいは本事業のすべてを一本化して進める、そういう機運が高まってきておるのではなかろうか、こういうように思っておるわけでございます。それが合弁であろうとあるいは単独事業にせよ、いわゆる現地での増殖物の買い付けにせよ、その他事業団を主体に進めたらどうだろうという構想を私は若干持っておるわけでございます。こういう構想について、ひとつ積極的に検討していただきたい、このように思うわけでございますが、その点について大臣からひとつお答えをいただきたい。
○佐々木国務大臣 ただいま上田先生から大変ありがたい御指摘がございまして、その御指摘を含めまして今後具体的な方法をいろいろ検討してまいりたいと存じます。
○上田(卓)分科員 次に、業界の自主規制を効果的に進めるためには、全爬連を権威ある業界団体に育てるということは非常に大事ではないか、こういうように私は思いますので、そういう点で行政のより強力な指導を仰ぎたい、こういうように思っておるところでございます。 通産当局が輸入数量を正確に把握するために、輸入の銀行認証前に輸入業者に通産大臣あての届け出制を実施させるというような、そういう仕組みについて合意されたというように聞いておるわけでございますが、その際大事なことは、全爬連を経由するという仕組みについて通産事務当局は若干難色を示しておるように聞いておるわけでございます。何をいいましても、たとえ数%でありましてもそういうアウトサイダーがあるということは、やはり業界の秩序というものを撹乱するといいますかあるいは乱すことになるのではなかろうか、私はこういうように思っております。アウトサイダーの輸入によって、自主規制はそういう意味ではしり抜けになってしまう。そういうアウトサイダーを置いておくということ自身は、やはりこういう業界の自主的な発展に害を及ぼすものだ、こういうように私は思っておりますので、ひとつそういうことのないようにしてもらいたいというように思いますのと、それからこの全爬連にすべての業者が統一されるようなそういう御指導をいただきたいと思いますので、その点についてお答えをいただきたい、このように思います。
○児玉(清)政府委員 輸入に関しまして、自主規制団体として現在考えておられますような全爬連を十分活用するということについては、非常に有益な方法ではなかろうかというように考えておりますが、実際の輸入に当たりましての届け出制を実際にどうするかという仕組みにつきましては、今後さらに詰めようということで考えております。そういう話し合いを続けていくつもりでございますが、その際にアウトサイダーに対しましてこの全爬連を、仮にそれができましてそれが自主規制の団体でインサイダーを取り仕切る団体であるといった場合に、いきなりアウトサイダーまで全部広げて所掌範囲とするかどうかという点については、私どもとしてはこの自主規制の団体というものを全面的にバックアップしていきたい。したがいまして、できるだけアウトサイダーが出ないように、むしろインサイダーの中に入っていただくように、そういった努力も含めまして今後検討していきたいと考えております。
○上田(卓)分科員 それで結構でございます。 効果的な自主規制にはやはり正確な識別が重要であろうと思うわけであります。原皮あるいは製品の双方を完全に識別できる専門家は業界でも数少ないと言われておるわけでございまして、正確な識別にはやはり業界の協力は絶対不可欠であろうと思っておるわけでございます。識別委員会には全爬連の代表を参加させることはもうすでに合意されておるように聞いておるわけでございますけれども、その他の構成メンバーについても、ワシントン条約の批准対策会議というものがあるようでございますが、やはりここで十分相談をしていただきたい、このように思いますので、そういう点についてお聞かせいただきたいと思います。
○児玉(清)政府委員 輸出入の円滑な実施のためには、いま御指摘のように識別の問題が非常にむずかしい問題として横たわっておるわけでございます。これを今後適確に展開していくためには、いま識別委員会とおっしゃいましたけれども、私どもといたしましても専門の知識を持ちました専門委員会というものを現在考えておりまして、そういった問題処理等の専門委員会を設置することはぜひ必要であろう。当委員会の具体的構成をどうするか、まだはっきりそれを内定する段階ではございませんで、今後検討していく段階でございますが、その人選に当たりましては、いま先生の御質問の趣旨を十分踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
○上田(卓)分科員 時間がございませんので、自主規制の前提になるといいますか、それは、製品について何らかの方法で効果的に輸入を抑制するということだと私は考えておるわけでございまして、なめし業界の輸入自主規制の水準に応じて、最終製品を含めたところの皮革製品の輸入を秩序ある水準に抑えるということは重要なことだと私は思っておるわけでございます。たとえばフランスとかイタリアとか、このワシントン条約については留保されておると聞いておるわけでございます。特にこれらの国は、かつてアフリカ大陸に広大な植民地を持っておったということで、いろいろの関係があるということが一つ。それから野生ものを事実上養殖ものとして輸出しているというようなことも漏れ聞いておるわけでございまして、そういう点で、われわれとしては、自主規制をして輸入を抑えた分が製品として百貨店とか商社を通じて拡大するということになれば、自主規制された部分に見合うものが逆に外国から製品で入ってきたら業界が非常に混乱すると思っておりますので、自主規制というものと製品の抑制というものはタイアップしたものでなければならぬと私は考えておりますので、そういう点についてぜひとも御配慮いただきたいと思いますので、この点について特にお答えいただきたい。
○児玉(清)政府委員 ワシントン条約の精神からいたしましても、無秩序な輸入が行われるということは非常に好ましくないわけでございますし、また日本国内の、先ほどおっしゃいましたような自主規制をとっておるというたてまえからいきましてもこれは好ましいことではない、このようにまず考えるわけでございます。したがいまして、輸入につきましても、これは輸入の自主規制の問題と関連いたすわけでございますが、そういったこととの兼ね合いにおきまして十分実態をその段階まで調査をいたしまして、どの程度の輸入水準でどういった秩序ある輸入が望ましいかということについての結論を出していくべきだと思っております。
○上田(卓)分科員 時間の関係がありますのでさらに進めたいと思います。 新聞でも報道されておりましたように、壱岐の漁民の皆さん方が生きんがためにイルカを捕獲した。それに対してアメリカ人が網を切断したというようなことが報道されておりまして、こういう事件によってヨーロッパとかあるいはアメリカで日本の製品の輸入ボイコットの動きが、そううわさされておるような状況があるわけでございまして、たとえば国会においても超党派の自然保護議員連盟もあるようでございまして、そういう点でわれわれは、そういう先生方とも折衝いたしまして、自然保護というものとそしてそういう業界との共存共栄はどうしたらいいかということで、私自身も関係者の一人として非常に苦慮をいたしておるわけでございまして、特にわが党として、外務とか商工とか環境関係のそういう先生方とぜひとも大臣に近くお会いさせていただいて、そういう諸問題についてさらに煮詰めたいと思っておるところでございます。 ついては、大臣も非常にお忙しいようでございますが、三月の下旬のいい日に、本当に五分でも十分でも結構でございます。何も大阪とか和歌山というところまで行ってもらわなくても、東京都下の近くにそういう業者の方々もおられるわけでございますので、中小企業庁の長官ともども、ひとつ部落問題全般を理解していただくということもありまして、前内閣、第一次内閣のときに各大臣が同和地区を視察されておりますので、ぜひとも通産大臣においてもひとつ視察をしていただきまして、そしてわれわれとの話し合いに応じていただきたい、こういうように思っておるわけでございます。 それから、これから生ずるところのいろいろなむずかしい問題があるわけでございますので、このワシントン条約批准の対策会議で十分そういう問題について解決するようにしていただきたいということを申し上げまして、その二つの点についてお答えいただきましたら、時間が来たようでございますので終わらせていただきたい、このように思います。
○佐々木国務大臣 今月、三月の下旬まででございますか。御承知のように国会がこういう状況でございますし、また通産省はエネルギー問題とか物価問題等、大変緊急の問題ばかりございまして、果たして日程の調整がつくかどうか検討はさせてみたいと思います。もしどうしても時間的な制約で私が参れないときには、あるいは担当官に視察していただいて、その報告を十分聞くといったような方法もとらざるを得ないかとも思いますけれども、御了承いただければありがたいと思います。
○児玉(清)政府委員 いま御指摘ございました第二の点でございますが、ワシントン条約の批准のための対策会議、これを十分活用いたしましてやっていきたい、このように考えております。
○上田(卓)分科員 できる限り大臣なり長官の現地視察を特に要望いたしまして、質問を終わります。どうもありがとうございました。
○片岡主査代理 これにて上田卓三君の質疑は終了いたしました。 次に、中川利三郎君。 〔片岡主査代理退席、阿部(助)主査代理 着席〕
○中川(利)分科員 国際エネルギー機関、IEAでの石油火力の建設が原則的に禁止になったわけでありまして、日本はそれに見習った、こういうことで、わが国は石炭火力を検討するという本格的な大規模な発電が、あなたの選挙区であるところの、そしてまた私の選挙区でもありますこの能代石炭火力発電所だと思いますが、この点はどうですか。
○佐々木国務大臣 能代石炭火力は昭和六十年代の初めから中ごろにかけまして……(中川(利)分科員「この点はどうかと言っているのだ。そうだかそうでないかということだけ」と呼ぶ) 石炭に今後ウエートをかけていかなければならぬということは御指摘のとおりでございます。
○中川(利)分科員 つまりわが国最大規模の石炭火力発電所が能代石炭火力発電所としていま検討の俎上に上りているわけでありますが、大臣は先ごろ、去年の十一月でしたか、ふるさとへ帰りまして記者会見した席上で、秋田湾の開発などに含めまして悔いを後世に残さない、そういう開発をすべきだと思う、こうおっしゃっておりますけれども、能代火力につきましても当然そうしたお気持ちがおありだと思いますが、いかがですか。
○佐々木国務大臣 私は能代火力は大いに推進したい方でございまして、何となれば、必要性自体はよく御承知だと思いますから省きますけれども、これが公害等にどういう影響を及ぼすかという問題が非常に御懸念かと思いますけれども、ただいま持っている技術では、公害防止に対する対策等は十分備え得るという感じを私は持っておりますので、その必要性から見ましてもあるいは公害防止の点から見ましても、私はこれは進めるべきものだというふうに考えております。
○中川(利)分科員 悔いを後世に残さないようにすべきだ、いまもその気持ちに能代火力においても変わりないかということに対して、あなたはどんどん進めるべきだ。なぜならば、公害その他に問題がなくなっているというお話でありますが、そうしますと、この七月に電源開発調整審議会があると聞いておりますが、そこにかける段取りであるわけですね。どうですか。そうだかどうか、その返事だけでよろしい。
○安田(佳)政府委員 会社の計画といたしましては、そういうふうにかけたいという希望を持っております。
○中川(利)分科員 それでは電調審の審議にかけるということのためには、地元の同意だとか県の同意だとかあるいは漁民の同意だとか、いろいろな同意の手続が必要なわけでありますが、その見通しが十分それまでにあるということですね。この点確認したいと思います。
○安田(佳)政府委員 そのときまでに関係の方面の御同意を得たいというふうに考えております。
○中川(利)分科員 それまでに関係方面の同意を得たい、しかしいまだかつて県と一番大事な関係を持っている漁民との間、漁協との間には一度の話し合いも持たれてないですね。もう七月に電調審にかけるなんという状況の中で、こういう事態もあるということは御承知だと思いますが、いまこの問題は地元の能代市だけでなくて秋田県の中でも最大の問題になっているわけですね。石炭火力であります、しかも大規模な百八十万キロワットですからね。そういう点で先ごろも能代で学者、研究者が集まりましてシンポジウムを開いたり、また私の耳にもたくさんのいろんな声が入ってきているわけであります。 たとえば、能代市民の声としては、能代の海や松林、大気が公害で汚染され、取り返しのつかない自然破壊を招くのではないかとか、市民の生活、居住環境にどのような影響が生まれるのかとか、もし建設するにしても、三号機まで連続してやるのではなくて、一号機だけにとどめて、その状況を確かめてからでもいいではないか、こういう意見もございます。また、漁民の皆さんの中には、漁場を奪って生活権を破壊する発電所計画には、いまのようなあり方には賛成できない、こうおっしゃっているのですね。また、市当局は漁民の生活と漁業の振興をどう考えているのか、こういう鋭い批判も出ておるわけであります。 そこで私は、いろいろ考えてみますと、なぜそうなのかということの原因の一半に、先ほど大臣がほとんどそういう問題は解決しておるとおっしゃいましたけれども、脱硫だとか脱硝、あるいはばいじん除去対策ですね、このような大型石炭火力の技術的な未開発からくる、そういう点で十分解明されておらないじゃないかという不安がやはりあると思うのですね。 確かに石炭火力というものは、この二十年来技術がほとんど、石炭よりも石油だというような言い方をしてきておりましたから相当停滞しているやに私は伺っておるわけでありますが、この点は先ほどの大臣の指摘どおりと理解してよろしいですか、大臣。
○佐々木国務大臣 いまお話しのように、石炭火力の立地に当たりまして一番問題になりますのは、SOxに対する対策いかん、あるいはNOxに対する対策いかん、あるいはばいじんに対する対策いかん、この三つが主なものだと思います。 まず、硫黄酸化物の対策といたしましては、現在湿式の排煙脱硫技術が実用化されております。 二番目の、NOxに関しましては、ボイラーでの二段燃焼技術等がすでに広く採用されておりますし、さらに排煙脱硫技術についてはアンモニア接触還元法による脱硝技術が実用化の段階にございます。 最後に、ばいじんの問題でございますけれども、ばいじん対策といたしましては、高性能の電気集じん装置が広く採用されておりますので、公害対策には十分備え得るのではなかろうかというふうに考えております。
○中川(利)分科員 大臣はいまいろいろ挙げましたが、では一つだけちょっと取り出してお聞きします。 私ここに秋田県の影響予測調査を持っておるわけでありますが、その中の、ばい煙処理設備というところに、排煙脱硝装置ということが書いてあります。しかし、今度一号、二号、三号とやるわけでありますが、肝心の一号機には、あなたがいまおっしゃった乾式アンモニア接触還元法というのは採用されておらない。なぜですか。
○佐々木国務大臣 私、東北電力のそれは詳しくは見ておりませんけれども、恐らくは、ボイラーでの二段燃焼技術、いままで採用しておりますし、広く採用されておる技術をそのまま採用しているのじゃなかろうかと思います。
○中川(利)分科員 ここに秋田県の公式のあれがあるわけですよ。この中には、二号機、三号機だけはそういう設備をするけれども、一号機については何ら書いておらない。すなわち、やらないということですよ。説明してください。
○安田(佳)政府委員 NOxにつきましては、環境基準が設けられておりますが、この環境基準に合致するかどうか、そのためにどのような設備を使うかどうかという点を考慮していると思いますが、まだそれを設置するかどうかについては詳細を私ども聞いておりません。
○中川(利)分科員 そういう状態なんですね。あなたは、こういうふうにりっぱにやっているのだ、しかし実際やっておらない。やる計画がないわけですよ、一号機については。一番最初できるやつはね。そのために、県の予測影響調査でも、NOxつまり窒素酸化物の排出濃度は三〇〇ppmということになっていますよ。最終的に環境基準を満たせばよい、そう言うかもしれませんが、技術的に不安定なものを住民に押しつけることになるのではありませんか。 そこで、あなたは技術的にいろいろ解決しているというようなことを言いましたが、ここに通産省からいただいた石炭利用技術全体計画図というものを私持っています。これで見ますと、技術がどの程度まで到達し進歩してきたかということを全部グラフに書いてあるわけです。あなたがおっしゃったいまの排煙処理にしても、湿式で云々ということを先ほどおっしゃいましたが、湿式は水を使ってもうどうにもならないということで、乾式でなければ大規模には採用できないということは学者の定説なわけですね。おたくの資料でも、排煙のためのこの乾式脱硝は昭和五十七年ごろには技術的に何とかなるだろう、乾式脱硫についても五十七年ごろに何とかなるだろう。それから、いま微粉じんの生だきをやっていますけれども、これも能代火力のそれはどうしても流動床燃焼というものでなければならないということは、もう大規模の場合は当然だと言われているわけであります。これができるのは六十年代にかかるということ。みなおたくの推測なんです。その他いろいろ書いてありますが、こういう状況なわけであります。しかも、たとえばあなたの方の予算を見ますと、脱硫を乾式でやる場合の用途のためにどれだけ予算をつけたかというと、昭和五十五年、つまり今年度初めてつけたというから、技術的にいかにこれからのものかということがこの点でも明らかにされていると思うのですね。 そういう点で、そういうものは完備しているんだというようなことは、責任のないものを住民に押しつけることになりかねないような感じもしますので、いま一度大臣から御答弁いただきたいと思います。
○安田(佳)政府委員 硫黄酸化物につきましては現在の湿式の排煙脱硫技術で対処できるというふうに考えておりますが、しかしながら、いろいろと用水その他の問題でなお乾式の方が望ましい点もございますので、そういう面について技術開発を進めているという段階でございます。 なお、ばいじんにつきましても、これは電気集じん等が相当進んでおりますので、これも対処できるというふうに考えております。
○中川(利)分科員 湿式で対処できるということは、十万キロワット、五万キロワットならできるけれども、百八十万キロワット、一基に六十万キロワットですね、こういう大規模なものにはとうてい、ばいじんの問題にしても、脱硝、脱硫にしても、技術的にはまだ未開発だということを皆さんの資料が証明しているんじゃないですかね。しかも、小さいものは確かにそれでいいけれども、このような大規模なものには当てはまらないということはどの学者も指摘しているわけでありますが、それを何よりも証明しているのはだれかといいますと、ここに、電気事業連合会の専務理事の長橋尚さん、この方が石炭対策特別委員会で昭和五十四年四月二十五日、参考人として陳述した陳述書があります。議事録で質問によって答えているのです。つまり、日本のエネルギー関係の最高権威者ですね、しかも直接の当事者ですね、この方がどう言っているかというと、こう言っていらっしゃるのです。去年の四月ですよ。「石炭火力の建設を本格的に進めてまいりますためには、厳しい環境規制への対応が最もむずかしい課題でございまして、根本的には石炭の液化など革新的な新技術の開発にまたなければならないかと存じます。」この方はこうおっしゃっておる。 それからもう一つ。いろいろありますが、簡単にしますから。同じ参考人ですが、「現在の関連公害防除技術レベルによります限りでは、なかなか石油火力並みの排出レベルを近い将来に達成することが困難な状況でございます。」こういう陳述をしているのですね。だからこそということで彼はどう言っているか、そういう問題がありますから、「国におかれましても、エネルギー政策における石炭火力の位置づけを明確にいたされました五で、関連諸法規の見直しとかその弾力的な運用を図っていただきたいと存じております。」何とかそこのところを緩めてくれないか、見直してくれないとこれはやっていかれないんだということを率直に告白しているんじゃないですか。これでもなおかつ皆様方は、ほとんど問題ないという一言で片づけることができるのかどうかということですね、いまの規模の中で。
○安田(佳)政府委員 石炭をたきますと確かにばいじん等が多く発生するような事情がございますので、それらはそれなりの対応をいたしておるところでございますが、液化ができますとなお取り扱いやすくなるというようないろいろな利点がございます。したがいまして、現在の環境に対応できないということでなしに、さらに今後の一層の向上を目指しまして石炭の液化ということも進めてまいらなければならないというふうに考えておるわけでございます。 また、弾力的運用は、これはやはり環境を浄化いたしますとそれなりの費用がかかります。したがいまして、その基準の決め方によって費用に響くという面がございますので、国民の健康等に支障のない範囲での基準の決め方等を要望したのではないかというふうに、これは推測いたすところでございます。
○中川(利)分科員 そうではありませんよ、あなた。あなたはいまのようなやり方でも現在に対応し得ないものではないとおっしゃるわけですね。しかし、先ほど冒頭申し上げましたように、この石炭火力は、この規模のものはわが国で初めての大規模なものです。それを一個所へどんとつくる。まさに未経験の分野なんです。そういう点で、それでやれるんだというようなことで、学者もほとんどそうは言ってないのにやられたら、市民や県民がモルモットにされるというような状況が起こらないとも限らない、私はそれを願わないけれども。 同時に、弾力的に云々ということに対して、それはそういう意味で言ったのじゃないのだというような言い方でありますけれども、この電気事業連合会の専務理事さんは、そのほかにもいろいろなことをおっしゃっております。 「まず、硫黄酸化物対策の面では、湿式の脱硫技術」、いまやっているものですね、「湿式の脱硫技術は一応確立しておりますが、これは多量の水を使いますため排水処理等が必要でございますので、水を必要としない新しい乾式脱硫技術の開発に努力しております。」こういうような言い方ですね。 次に窒素酸化物対策については、「石炭火力では、石油火力に比べ多量の窒素酸化物を排出いたしますので、これに対処できる脱硝触媒の開発を進めているところでございます。」と言っているのですよ。 百八十万キロワットのこういうものがやがて一度にばあっと出てくる。こういう状況の中で、従来のそれで対処できるという根拠は一体何なのか、私は理解できないわけですけれども、もう一度御説明いただきたいと思います。
○安田(佳)政府委員 まず、湿式脱硫装置につきましては、現在六基、百四十五万キロワット相当分が稼働中でございます。その中にはもちろん小さいものもありますが、比較的大きいものもあるというふうに考えます。 それから、ただいまの窒素酸化物が多く出る、あるいは水が必要だということは技術的にあろうかとも存じますが、そういう場合は、環境を満足させるためにそれだけの水を何とか確保して対処し、またNOxが多く出ます場合は、それを現在費用をかけてそれだけ環境を浄化しているという努力をやっておるところでございまして、やはりこれはコスト的に引き合うような形になるかどうかというところが非常に大きな問題点ではなかろうかというふうに存じます。
○中川(利)分科員 だから、コスト的に引き合うかどうかということが会社側にとっては大変必要なことになるわけですね。これだけ大きいものを、技術的にもそういう規模に対応するには、現に皆さんが予算の面であるいは政府自身の資料の中でも十分じゃない状況がはっきりしているにもかかわらずそれをやるということについては、私はやはりまだ納得いたしかねるわけですね。 こういう点についてはたとえば灰捨て場についても同様でありまして、三基で四百二十九万トン、それだけの石炭を消費するわけでありますから、たとえば年間にいたしまして二〇%の灰が出るといたしましても使い残りの灰が八十六万トン出るわけですね。それについてもこの参考人は、どうかいままでの管理型ではなくて安定型、つまりコンクリートで囲って一滴も海へ流しちゃいけないというそういうむずかしいことを言わないで、何というか、海に擁壁をつくっても、仮にその間に水が浸透するとか排水が少しぐらい海にこぼれても差し支えないように、そういう状態にしてくれということをお願いしたい、こういうこともあわせて願っているわけですね。 そういう点から見ても、やはりまだ十分に問題は解明されておらないし、そういう点では、七月の電調審にかけるというけれども、まず、そういう基礎的な条件がそろっておらないじゃないか、こういうことをまず問題にしたいわけであります。たとえば漁業問題について申しましても、先ほども申し上げましたように、まだ公式には一度も話し合っていないというんだ。大臣、あなたは積極的に進めると言う。しかもあなたの支持者もいらっしゃるはずの能代市で、肝心の漁民に対しては一度もまだ話し合っておらないと言う。 せんだって国会の私の部屋へ東北電力の副社長さんがお見えになりました。何を言うかというと、電気料金を値上げをしてくれということの陳情に来たのですけれども、そのとき私は、例の能代の石炭火力の問題が非常に気になっておったものですから、漁民に対する話し合いだとか、特に補償の問題についてはあなたはどういうふうにお考えになっておるのかということを雑談的に話をしたんです。そうしたら、この東北電力の何とか副社長さんは、農民ならば田んぼを耕すということはある、あるいは自分で畑を耕すとか種をまくということはある、しかし漁民の場合は相手が海だから、耕したりとか種をまくわけないじゃないか、自然にあるものをとってくるのに何もそうむずかしく考える必要ないじゃないか、こういう認識なんです。私も唖然としてあいた口がふさがらなかったといいますか、こういう状態であります。 いまの問題も後で大臣から一括してお答えいただきたいと思うのですけれども、水産庁、きょう来ていらっしゃいますか。ちょっとお伺いしたいわけでありますが、これまでも大企業の埋め立てでどんどん漁港が——いままで主として太平洋岸でやったが、とうとうおれのところにも来たのかという感じがするわけでありますが、いままた能代の漁民が漁業権を取られて同じような運命をたどろうとしておるわけであります。だからといって、代替漁場はないわけであります。あるいは温排水利用という問題もあるわけでありますけれども、これも採算的に合ったものは一つもないということを私は聞いているのですね。こういう状態の中で一方的にと言うとおかしいけれども、納得も理解もない状態の中で進められていって、しかもその影響が漁民や海にいっているということになりますと、どういうふうに考えたらいいのか、水産庁から一言お答えいただきたいと思うのです。
○鶴岡説明員 エネルギー開発の重要性というものは私ども十分認識しておるわけでございますけれども、私どもの担当します漁業につきましては、国民たん白の供給源としてきわめて重要なものでございます。電源開発に当たりましては、われわれとしましては地元漁業者の意向を十分調整しまして十分反映していただく、さらにまた、事業実施に伴います漁場埋め立てでありますとか、あるいは温排水の拡散というような影響につきましては十分な調査を行っていただきまして、それに必要な対策を十分講じるというようなことをやってもらうということで、いろいろな調整をやるという立場で臨んだわけでございます。
○中川(利)分科員 それについて大事なのは、いまの漁民の状況に対する配慮なんというものは、先ほどの東北電力の副社長の発言の程度なものでありまして、また県としても一回も話し合っておらないという状況があるわけです。あなたは先ほど来、七月までには全部解決できるんだという見通しを語っておりますけれども、こういう状況は一体何と考えたらいいですか、大臣からひとつお聞きしたいのですが。
○安田(佳)政府委員 先生は地元に説明をしていらっしゃらないという御指摘でございましたが、私どもが秋田県から伺っているところによりますと、秋田県といたしましては、五十三年四月以来行ってまいりました環境調査結果をもとに作成いたしました「能代港整備に係る環境調査と影響予測について」、これを関係の各漁協に対して説明を行っているということでございました。また、東北電力といたしましては、秋田県にお願いいたしまして埋め立て地造成、港湾、火力発電所計画等につきまして、県を通じまして漁協に対して説明をしていただいておるところでございます。
○中川(利)分科員 漁協に対して説明している、公式にはまだ話し合っていないということですね。東北電力の副社長のああいう認識と言い、いまのような地元の話し合いが公式にはなかった、そういうこともあろうかと思いますが、地元の漁協ではこれに反対しているんです。こういう問題がありながら、あなた方は非常に楽観的だ、最後は押し切ればいいというようなことでは私は困ると思うのですよ。 そういうことで、私、大臣に申し上げたいのは、七月の電調審にはぜひともそういう同意なり所要の手続が要るわけでありますが、そういうことにこだわらないで、十分住民に理解させ納得させる、また意見も聞き話し合いもする、そういう状況の中でやったって決して遅くないと思うが、この点について大臣いかがですか。これもあなた答えられないのか。
○安田(佳)政府委員 地元の方々に十分な御理解をいただくということはきわめて重要なことでございます。他方、やはり電気の供給という面から石炭火力の建設を進めることも必要でございます。私どもといたしましては、東北電力が行っております環境影響調査が間もなくでき上がって報告書が作成されるのではないかというふうに考えておりますが、それができました段階で十分に地元に御説明するように指導いたしますとともに、また地元の納得をいただくよう最大限の努力をするよう指導してまいりたいと思っております。
○中川(利)分科員 七月の電調審にそれをやるということはもう既定の事実、先行きの見通しがちゃんとできておるんだな。そういう中で枠にはめて、さあどうだというかっこうにならざるを得ないと私は思うんですね。ただ、私申し上げたいのは、わが党は何でもかんでも絶対反対だと申し上げておるわけじゃないんですよ。むしろ石炭火力というものは見直さなければならないと基本的に考えているんですよ。だからこそ民主的な、原子力発電所で言えば自主、公開、民主、こういう三つの原則がありますが、同じような中で住民のそういう理解が何よりも必要だということ、その観点で申し上げておるんですから誤解しないでくださいね。 ただ大臣は、一番最後のそういう住民の基本にかかわるような問題についてもあなたに答弁を肩がわりさせるというようなことで、私は非常に不満ですけれども、なぜそうなのかということを一つ考えてみますと、政府や財界というのは、これは御承知だと思いますが、石炭をダーティーエネルギーだと言いましたね、ついせんだってまで。石炭を汚いエネルギーだ、石油はきれいなエネルギーだと。ところが今度は手のひらを返して、石炭は何でもないんだ、問題は何もないんだ、技術はみんなできているんだ、こういう言い方ですね。これでは御都合次第だと言われても仕方がないような感じもするわけであります。 ところで、私申し上げたいのは、政府がクリーンエネルギーと言ったそのクリーン度についても——石油についてクリーンエネルギーと言いましたね。その石油そのものも決してクリーンでなかったということですね。だから、当初公害のいろいろな技術が未成熟であったという点もありますけれども、たくさんの公害患者をつくり出して、たくさんの人をその中で殺して、初めてやっと規制の重い腰を上げたというのが歴史的におわかりだと思うんですね。しかもその規制にしても、たとえば一昨年、七八年の七月には二酸化窒素NO2の環境基準を二倍から三倍以上に薄めて実際上は企業を助けてきた。ここに環境庁いらっしゃいませんけれども、環境庁も同罪だと私は思うんですね。絶えずこういう後退をしてきたわけですね。だからその際に、ちょっと笑い話みたいなまことに無責任な話でしたが、全国公害患者の会連絡会の人があの当時の環境庁大気保全局長の山本さんに、なぜそういうふうに薄めたのか根拠を示せと言ったら、山本さんは、私は不勉強であるから根拠を示すことはできません、その説明はできませんよ、そういう答弁をして、その確認書を出しているんですね。新聞なんかにも写真入りで出ておる。こういう状態もあったわけでありますね。つまりこのことは、住民の側からすれば不断の監視や運動があっても、それでもなおかつ後ろ向きにこういう状態が出てきているというのがいままでの態度ですね。ですから、いま国会で問題になっています環境アセスメント法案に対しましても、この国会の提出に一貫してブレーキをかけてきたのはやはり通産省だったと思うんですよ。しかも、もし今度出されたにいたしましても、全くいままでの皆さんのあれを追認するだけのものであったというんですね。 ですから私、最後に一言。 こういう大規模なものに対しては慎重に慎重というか、石炭でもきれいだという技術対策を住民の十分な納得と理解でやることが大事じゃないですか。この点について、私は大臣から基本的な考えを一言伺って質問を終わりにしたいと思います。
○佐々木国務大臣 いまの環境アセスメント法案の問題ですけれども、きのう閣議で官房長官から発言がございまして、これを各党との申し合わせどおり設置しましょう、ただメンバーとか開催の時期等はその後の相談で詰めてまいりましょうというお話でございました。したがいまして、この協議会を中心にしてただいませっかく、環境庁とわが省あるいは環境庁と関連各省がそれぞれ折衝中でございますので、それがまとまってき次第提案になるのではなかろうかと思います。 それから地元住民との問題でございますけれども、申すまでもなしに、住民の皆様の意見を尊重し御理解を求めて、そして協力をお願いするというのが根本的な態度でございまして、その点は誤解のないようにしたいと思います。
○中川(利)分科員 それでは終わります。
○阿部(助)主査代理 これにて中川利三郎君の質疑は終了いたしました。 次に、玉城栄一君。
○玉城分科員 昨日の日本原子力産業会議の第十三回年次大会で有沢会長は、わが国は諸外国から求められれば近い将来ウラン濃縮や再処理のサービスを提供し、各国の脱石油政策に協力すべきであるという趣旨の所信表明を行っておりますが、この発言に対する通産省の見解を承りたいと思います。
○児玉(勝)政府委員 ただいまの有沢会長の発言でございますが、有沢会長のお話の脈絡をたどりますと、ポストINFCEにおいて日本の低開発国における地位が高まるので、それに対してそれ相応の原子力開発の協力をすべきであるという立場に立たれて話されたことであろうと思います。 それで、通産省として東南アジア諸国からの再処理の要請を受けるか受けないかということについては、いまのところ全く考えておりませんし、これはまさにINFCEが終わった後のいろいろな国際情勢の中で今後考えるべきであろうかと思います。そういう意味で、具体的な国際問題もございませんし、またそういうことで国内において十分な検討もしておりませんので、いまのところまだ見解として申し上げるものはございません。
○玉城分科員 東南アジア諸国からそういう申し出があった場合はどのようにお考えになるわけですか。
○児玉(勝)政府委員 全く仮定の問題でございますので、私たちもいま先生にはっきりしたこと申し上げることはいかがかと思いますが、現在明らかになっている問題からいきますと、これは国際的な約束、INFCEの方でいろいろやりました結果から見まして、たとえば二国間協定とかいうことでどういうふうに位置づけられるかということになろうかと思います。そういう意味で、簡単に東南アジアと言いましてもいろいろな国がございますので、どの国からのどのようなアプローチかによってもその対応が変わってまいりますし、また、再処理すべき燃料がどこの国の燃料であるかということからいきましても、いろいろ多国間の問題にも発展いたしますので、一概にどういうような対応をすべきかということについて、一般的な対応の仕方はまだないわけでございます。
○玉城分科員 簡単に言いまして、昨日の有沢会長の所信表明は政府の考えではない、そういうふうに受け取っていいわけですね。
○児玉(勝)政府委員 今後政府がいろいろな対処をする上について、東南アジアに対する使命の一つの果たし方として再処理というのもあるのではないかという御提言であろうと思っておりまして、政府としてはそういうことについては何も見解を持っておりません。
○玉城分科員 それで、この問題に関連をして核燃料の第二再処理工場の建設が大きくクローズアップされてきておるわけです。 そこで、先日皆さんの方から「第二再処理工場の建設推進について」という資料をいただいたわけですが、いろいろ見ていったらページ数がちょっと違っているわけですね。これはどういうことなのかということなんですが、この資料について何か御説明する点はございませんか。
○児玉(勝)政府委員 この資料は実は予算要求の前につくりましたので、その後予算が確定いたしまして、それによって数字が変わっておりますので、その点で変わっておるのではないかと思いますが、私も照合しておりませんのでちょっとよくわかりませんが……。
○玉城分科員 これはいろいろ勘ぐられるような感じになっているわけですね。一枚がむしられているのですね。八ページの次に九ページがあるべきものが十ページになっていたり、こういう何か不完備な資料というか、意図的にむしられたのかどうなのか、この問題はいま関心が深いものですから、はっきりわかるように説明してください。
○熊野説明員 ただいまの点は、先ほど審議官から申し上げましたように古い数字であったものでございますから、古い数字を出して誤解を招いてはいけないというので、資金関係でございますけれども、そこを裂いて渡したものでございます。
○玉城分科員 資金関係はむしって出したわけですか。
○熊野説明員 資金関係につきましては、予算関係その他今後詳しく検討していく段階でありますので、古い数字については改定をする必要もありましたので、そこの部分を除いて先生に御説明した次第でございます。
○玉城分科員 ここでこの問題でやりとりしても、いろいろなことをお聞きしたいのでなにですけれども、この資料のむしられたページの中には、あるいは核燃料の第二再処理工場建設候補地域のものが恐らく書かれていたのではないかと勘ぐられてもやむを得ないようにページ数が違っている、むしられている資料を皆さん持ってきて——むしられた部分は持っていますか。
○熊野説明員 持っています。立地関係については、その段階では全く触れられておりません。長期の資金需給見通しを一応つくったものをそこへ入れておったわけでございますけれども、その点については不確定な点もありますし、なお改定した上で入れた方がいいということで外さしていただいたわけであります。
○玉城分科員 これはまた後で納得のいくような説明をしてください。 それで、ちょっとお伺いをしたいわけですが、この核燃料の再処理工場の立地場所の選定に当たっての考慮すべき条件といいますか、これだけの工場でございますから当然いろいろな条件が考えられるわけですが、その条件とはどういうものであるのかお伺いしたいと思います。
○児玉(勝)政府委員 再処理工場の立地条件といたしまして技術的に考えられますのは、まず地質、地形等の土地の条件、それから港湾の条件、それから気象の条件、それから電力、用水の入手条件というのが考えられます。
○玉城分科員 たとえば、この核燃料は当然原子力発電所に使われるわけですから、そういう原子力発電所の所在地域とこの再処理工場の地域との距離というものはこの条件の中には考えられないのか、その辺はどうでしょうか。
○児玉(勝)政府委員 現在、発電所の立地は全部臨海でございますから海上輸送ということでございますので、距離的な条件というのはいまのところ入れておりません。ただ、港湾の条件というのがあろうかと思います。
○玉城分科員 そこで、民間の会社ももう設立をされているわけですね。この工場がどこにつくられるのかというのは関心の深いところなんです。御存じのとおり、これが沖縄に来るのではないかというようなことが一部言われておりまして、皆さん方の御説明では、候補地についてははっきり白紙だということをずっとおっしゃっておられるわけですね。いまいろいろな、地質の条件だとか地形とか港とか労働条件とか電力とか——距離的には関係ないというような、いろいろな条件があるということなんですが、白紙ということであれば実際にはどことは言えないと思うんですが、皆さんの方とされては、そういう条件に合う地域はおおよそどの辺であるか、どの辺というよりも、大体場所はどこということでなくても粗々の、そういう条件に合うか合わないかという調査は恐らくもう当然されているんではないか、そのように受け取るのが常識的ではないかと思うのですね。 それで、いただいた資料の中に「第二再処理工場の建設スケジュール」という表があるんですが、五十四年から五十五年の前半、ことしの前半までに候補地の調査というスケジュールが載っておるわけです。それから五十五年の後半から五十七年の後半までは用地取得である、こういうふうになっておるわけですが、実際に調査の状況はどうなっておるのですか。
○児玉(勝)政府委員 調査につきましても、先ほど先生おっしゃいましたように、会社ができたばかりでございまして、まさにその当事者たる会社がどういうような考え方でどういうような立地をするかということがこれから始まるわけでございますので、そういう意味で、その調査というのはこれからの問題として待つということで白紙の状態にあるわけでございます。まだ準備室みたいなものがございまして、その会社の設立準備の問題をやっていた期間もございますけれども、その間におきましても具体的にどこどこということで調査が進んだということは開いておりません。
○玉城分科員 ですから、皆さんからいただきました資料のとおりの調査はいましていらっしゃらない、いわゆるずれ込んでいる。ということは、七十年から開始という計画はずれていくということになりますか。
○児玉(勝)政府委員 先生のおっしゃるとおり、この会社の設立がおくれましたので、その分だけ事業計画はおくれておるわけでございます。
○玉城分科員 そこで、私きわめて常識的に疑問に思うのですが、皆さん方としては、この第二再処理工場について全然まだ調査も何もしていらっしゃらなくて、これは当然政府としても予算が伴うわけですが、そういうことで予算要求等もしていらっしゃるわけですか。どこどこということは、調査は当然会社がやるわけでしょうから、そういう粗々の、おっしゃったような気象条件とか地質とかいうものについておおよその検討というものあるいは勉強といいますか、そういうものはしていらっしゃるわけですね
○児玉(勝)政府委員 そういう地域的といいますか、サイトに固有の問題についての調査は一切やっておりません。
○玉城分科員 そこで私の沖縄の方では、御存じのとおり八重山の西表の方ではないかということが言われておりまして、私もこれはよくわかりませんが、ああいう離島は、いろいろな専門家の方方から伺いますと、いろいろな条件からちょっと無理があるんじゃないか。ですから、こういう大きな第二再処理工場を設立する地としてああいう離島はちょっと何か合わないような感じがするのですが、その辺はどうでしょうか。
○児玉(勝)政府委員 私たちといたしましても、面積がどれくらいで、どういう設備が要るかということについては、外国の例もございますので勉強はしておりますが、具体的なサイトにつきまして、いま先生がおっしゃいますように、島がいいのかそれとも地続きのところがいいのかということについて具体的なスタディをしたこともございませんので、何とも申しかねる次第でございます。
○玉城分科員 それでは、第二再処理工場は年間千二百トンの規模ですね。これはやはりそのとおりの規模での建設なんですか。それとも今後のいろいろな状況によってはあるいは変更もあり得るというふうに理解していいのかどうか、お伺いします。
○児玉(勝)政府委員 いまのところ千二百トンということでまいりたいと思っております。先生おっしゃるとおり、いろいろな条件、いろいろな国際的な問題も出てまいりましょうし、国内的な問題もございまして、そういうことで変更することももちろん考えられることではございますが、いまのところはその変更する要因がございませんので、一応千二百トンでいきたい、こう考えております。
○玉城分科員 そこで次の質問があります。大体皆さん方としては、民間の会社ができましたのでそこが一切やるのだということですが、このスケジュールからしましても、やはり実際は皆さん方も見当はつけていらっしゃると思いますけれども、いつごろそういう候補地の調査とかあるいは用地取得というものはされていくのか、一般の国民の皆さん方にわかるのは大体いつごろなのか、その辺をお伺いします。
○児玉(勝)政府委員 これは全く机上の計画といたしまして、約二年ぐらいの間に候補地を見つけたいと考えております。しかし先生御存じのとおり、何といってもこの立地問題は地元の協力と理解がなければできないわけでございますので、そういうようなことで、いつ、どういうような時点におきましてそのサイトが決定するかということは予断を許しませんけれども、全くの机上の予定でございまして、約二年ぐらいを見当として考えております。
○玉城分科員 最後に要望します。この問題では、うわさされていますような八重山の西表というようなところはああいう島でもありますし、きわめて適当な地域でないと私は思うのです。そういうことで県民の側でも非常に不安が高まっているわけです。その点通産省としても、当然会社側とも十分いろいろ調整をされるでしょうから、そういう地域住民の要望というのは最大にくんでいただいて、できるだけ——できるだけでなくして言われている島に設立されないように強く要望しておきます。大臣、その点大丈夫ですか。
○佐々木国務大臣 私も再処理工場はどこがよろしいかということはまだ全然聞いておりませんし、島がだめで陸地はいいという話も聞いておりません。ただ、私は世界のほとんどの再処理工場を見ておりますけれども、少なくともフランス、英国では島でなくて陸上にあるようでございます。
○玉城分科員 次に、石油の備蓄の現状についてお伺いをいたしますが、現在のわが国の石油備蓄体制の現状と今後の計画について、これは政府サイドそれから民間サイド両方あるわけですが、簡単に御説明いただきたいと思います。
○志賀政府委員 備蓄の現状でございますけれども、現在私どもといたしまして、民間の九十日備蓄の達成ということと合わせまして、国家備蓄につきまして五十三年度からまず一千万キロリットル体制、五十四年度におきまして二千万キロリットル体制ということで努力をしているところでございます。さらに、現在国会の方に御審議をお願いしております予算案におきましては、五十五年度におきまして、さらに国家備蓄を三千万キロリットル体制まで持っていくというための調査費をお願いしているところでございます。 民間備蓄につきましては、個々の企業におきましてそれぞれの備蓄の能力の増強ということに努めましているほか、最近では公団も入りまして、現状で申しますと六、七社の企業が参加いたしまして、いわゆる共同備蓄という形で民間備蓄の増強に努めているところでございます。片や国家備蓄につきましては、現在、恒久的な備蓄施設の建設ができるまでのつなぎといたしまして、先生御案内のようにタンカー備蓄というものを実施しておりまして、それが大体五百万キロリットル、約七日分という形で行われております。 いずれにいたしましても、いま申し上げましたように、タンカー備蓄というのはつなぎ的な措置ということでございまして、恒久的な備蓄施設を建設しなければいけないということで、まず一千万キロリットル体制の地点といたしましては、むつ小川原それから福井臨海、上五島、白島という地点につきまして調査を実施しあるいは地元との折衝をやっておる。なお、そのうちむつ小川原につきましてはすでに工事に着工しております。それから二千万キロリットル体制の調査地点といたしまして、最近東苫小牧それから金沢、馬毛島、屋久島といった地点を選定いたしまして、現在調査に入っておるということでございます。 備蓄水準でございますが、現在、国家備蓄の先ほど申し上げました七日分を入れまして、大体九十八日という水準になっております。
○玉城分科員 国家備蓄につきましては、資料もいただきましてよくわかるわけです。問題は民間備蓄なのですけれども、こういう時代でありますから、国の安全保障にもかかわる非常に大事な問題で、民間備蓄について、もちろんそういうものは公表されるというわけではないでしょうけれども、国家備蓄についてこれからどこどこにされますよということはちゃんとしておるわけですが、民間備蓄についてはかいもく見当がつかないわけですね。それはそれでいいのかどうか。やはりこれだけの大事な問題でありますから、全国的に石油備蓄タンクの設立できる地域というものも大体は先ほどの話と同様に条件というものはあるわけですね。そういうアウトライン的なものは通産省としても当然考えていらっしゃると思うのですが、そういうものは全くないのか。民間に任した、それだけでよいのかどうか、その点をお伺いいたします。
○志賀政府委員 民間備蓄につきまして何か国の方針のようなものを持つべきではないかという御指摘でございますが、確かにそういう面というのはあろうかと思いますけれども、ただ現状を申しますと、民間企業が備蓄基地を建設していきます場合に、やはり何よりも基本は地元の御協力が得られるかどうかという点が一つ大事なところでございます。そういう中で地元の御協力が得られるかどうかということをにらみながら、それぞれの企業がその各社のいろいろな事情を勘案いたしまして立地地点を決めていくというのが現状でございますし、そういう実態から申しますと、やはり私どもといたしましては、そういう企業の判断あるいは責任によって建設を進めていくというのが現状から申しますと最も適当ではないかというふうに考えているわけでございます。ただ、いずれにいたしましても民間備蓄、国家備蓄を問わず石油備蓄を進めていく場合に大事なことは安全という問題でございまして、この点につきましては……。
○玉城分科員 時間がありませんので……。私がお伺いしておりますのはそういうことではなくて、これは民間備蓄については民間の会社がやるということだけでは済まされないと思うのですね。やりやすい地域あるいはコストが安くなるとかそういうことで一地域に非常に過重にそういうものがつくられていく可能性が非常に強いわけです。ですから政府としてもある程度の、これだけ国の安全保障にかかわる問題ですから一地域にそういうものが集中しないような、もちろんおっしゃらないのですけれども、そういうことは政府としても考えていらっしゃると思うのですが、そういう意味で私は皆さん方を見ていますと、民間会社のしりをたたいてどんどんやれと隠れみのにしてやっているような感じがする、いろいろな助成措置等もちらつかせながら。これではそういうものをつくりやすい地域は非常に負担が過重になってくるわけですね。その点は十分お考えいただきたいと思います。 時間がございませんので、最後に消防庁の方に伺たいのですが、いらっしゃっていますか。 これは去年の十二月七日、沖特でもちょっと伺ったのですが、石油コンビナートの事故に対する防災計画についてなんです。あのときも指摘いたしたわけですが、また先月も石油タンクの原油の漏れた事故が起きて問題になっているわけです。いつまでこういうことを繰り返しているのか。消防庁は県とか市町村にそういうものはちゃんと責任を負わせてあるのだとおっしゃいますけれども、そういう能力は実際に町村段階ではないわけです。ですから消防庁としてただ県あるいは市町村の責任できちっとやってもらいたいというだけでは、事故が起きたときに対応する能力が実際言うとないわけですから、その辺について消防庁の御見解を承りたいと思います。
○小池説明員 ただいまの御質問でございますが、おっしゃるとおり国といたしましては県を通じまして関係消防機関の指導をするという点が基本でございますが、さらに今回は担当官も現地に派遣しましてそれの究明をし、さらにまた現地の指導というものも十分果たしてまいりたいと思います。もちろん石油タンクの漏れによっての危険性というものはわれわれも十分配慮してやってまいりますけれども、さらに沖縄県に対しましては県の担当官あるいは地方機関の担当官が一層緊密な連携を持ちまして万全を期してまいりたい、そのように思っております。
○玉城分科員 とにかくそういうことを何回おっしゃっても事故が出てくるわけですから、本当にきちっとやってください。といいますのは、大きな事故になりますと大変なことになりますことはよく御存じのとおりでありますから、消防庁とされても、県、市町村あるいは地域と、きちっとした指導体制のもとにそういう防災計画というものをきちっとつくらしていただきたい、このように要望して質問を終わります。
○阿部(助)主査代理 これにて玉城栄一君の質疑は終了いたしました。 次に、瀬崎博義君。
○瀬崎分科員 まず最初に、全国的に生コン戦争と呼ばれている問題について伺いたいと思います。一言で言えば、いろいろな形態はありますけれども、生コンが過剰生産ぎみであることから新規のプラントの建設を抑える、あるいはまた協同組合に結集している生コン業者が組合員外の生コンの操業を抑える手段としてしばしばセメントの供給がストップされる、これが最も特徴的、代表的な事例なんですね。時間が限られますから、私は滋賀県内で起こった具体例を挙げて政府の見解をただしたいと思うのです。 滋賀県も全く同様に、各セメントメーカーとそれから大津、湖東、湖北という三つの生コン協同組合と滋賀県セメント生コン卸商協同組合、この三つががっちり組んで滋賀県の市場を押さえているわけであります。そうした中で、たとえば県内のある建設業者が滋賀県外の生コン業者から生コンを買った、そうしましたら、その売った生コン業者に対して今度はセメントの供給がストップされてくる、あるいは協同組合を脱退した生コンの業者や値段等でどうしても高過ぎると自衛の手段として中小建設業者が協同組合方式で自主生産に踏み切る、そういうプラントに対してセメント供給を妨害する、こういう異常事態が次々発生しているわけなんですね。その妨害の手口も常識では考えられない手段が出てまいりまして、生コンのプラントのセメントローリー車とかあるいはミキサー車の出入り口の周辺に監視のための車を配置して、その中から双眼鏡で見張るとかあるいは無線で連絡をとる、あるいはガードマンをあちこちに配置して車のナンバーを控える。ひどいのになりますと、ヘリコプターを飛ばして生コンの運搬車の行く先を追跡するということまで行ってきたわけなんですね。そしてセメントを運んだ車のナンバーなどから出荷先を突きとめて、そしてその販売店に圧力をかける、あるいは生コンを買った先に圧力をかける、あるいは連絡を受けたセメント会社がみずからセメントの供給をとめてしまう、こういうふうなことになっていくわけなんですね。 公正取引委員会、見えてますね。私どももこういう問題をつぶさに提起をしてあって、一月の下旬に滋賀県に対して一斉に立ち入り検査をされているわけですね。主にどういうところへ立ち入り検査をされたのか、独禁法のどの部分に触れる疑いありということで立ち入り検査に入られたのか、まずそれを伺いたいと思います。
○出口説明員 お答えいたします。 公正取引委員会は去る一月二十四日、独占禁止法違反の疑いで生コン業者関係で立ち入りしたわけでございますけれども、まずどういう違反の疑いかという点について申し上げますと、第一に、滋賀県生コンクリート工業組合らが新増設生コン工場に対しセメント製造業者らをしてセメントを供給しないようにさせているという疑いでございまして、これは独禁法八条一項四号または五号違反の疑いということでございます。 いま一つは、大津生コンクリート協同組合及び滋賀県セメント生コン卸商協同組合、この両組合はそれぞれ共同経済事業をやっておるわけでございますけれども、生コンの購入者に対しまして、両組合以外の者から生コンを購入させないようにしている、そのほか、先ほど先生からお話ございましたように、非組合員である生コンの製造業者に対し、セメント製造業者及び同販売業者をしてセメントの供給を阻止させているという疑いでございます。これは独占禁止法十九条で禁止されております不公正な取引方法に当たる疑いということで立ち入り検査をしたわけでございます。 なお、立ち入り先はどういうところかということでございますけれども、いま申し上げました滋賀県生コンクリート工業組合、大津生コンクリート協同組合、滋賀県セメント生コン卸商協同組合等の団体とそれらの団体の組合員を中心にしまして、合わせて二十数カ所を立ち入り調査いたしております。 以上でございます。
○瀬崎分科員 これは通産省の方に伺いたいのですが、生コン関係についてはいまのような公取の調査が入っておる。実はこれも非常に具体的な事例なんですが、そういうことのいきさつの一環として、昨年の十一月のことなんですが、滋賀県の、仮にTといたしましょう。丁建設会社が三重県の西条生コンと生コンの売費契約を結んだわけですね。この生コンは公共工事に使われるとありまして、発注者である水口町とそれから設計をやりました事務所も品質管理のためにわざわざ三重県の西条生コンを訪れて、そのプラントを調査しているわけなんです。ところがその十一月のある日、その日一日かかって二百五十立米搬入する、こういう打ち合わせのもとに午前八時から西条生コンは水口市民病院の建設現場へ生コンの納入を開始した。そうしましたら、約二時間たった午前十時、西条生コンの社長が丁建設会社に電話をしてきたわけですね。その内容というのは、西条生コンが滋賀県のTという建設会社に生コンを運んでいることが住友セメントにわかってしまった、いまその住友セメントの名古屋支店の石根という課長から西条へのセメント納入を停止する、こういう通告を受けたので、これ以上生コンの搬入はできない、こういう連絡をもらった、そこで、本来ならずっと継続して生コンを入れなくてはいけないのだけれども打ち切らしてもらう、こういうことになったというわけですね。 一方は病院の公共工事です。当然一日二百五十立米入るものと予定して工事が進んでいるのに、三分の一の八十五立米で打ち切られた。打ち切りの原因は、県境を越えて滋賀県に生コンを売ったために住友セメントがセメントを入れてくれなくなった、こういうことなんですね。きちんとした売買契約があって、しかもその日の搬入計画もすでに決まっておる。かつ、生コンを使う現場というのは公共工事なんです。病院という、市民にとってきわめて大切な工事なんですね。それなのに、突如として住友ともあろう会社が、どんな事態になるかわかっておってセメントの供給をとめてしまう。私は、これは暴挙というたぐいになるのではないかと思うのですね。しかも、朝八時から西条生コンが滋賀県の方へ生コンを運び出したら、十時にはちゃんとその事実がセメント会社に連絡が行っているわけですから、これは明らかに監視されているわけですね。 一体、こういうことが自由な取引、公正な取引と言えるのだろうか。この点一遍伺ってみたいと思います。大臣、こういう事実をお聞きになって、どうお思いになりますか。
○児玉(清)政府委員 突然の御指摘でございますので、私どももちろん把握してないわけでございます。具体例をつぶさにあれしておりませんので、一般論としてしか申し上げられませんが、生コンにつきましては、おっしゃいますように、商品特性と申しますか在庫がきかないというところが非常に問題がございまして、供給範囲がせいぜい一時間半径のところであるということでありまして、その中でやるとなりますとどうしてもせいぜい十キロか二十キロ、そういったことで、自分の商権を守らざるを得ないというような特殊事情がございます。そこら辺でほかの商品とちょっと違う点が実はございまして、それで生コン戦争というのは非常に激しいというふうに私は理解しております。 そういった点がございますので、いまおっしゃいましたようなことが、越境して果たして生コンという状態でどのくらいの距離を、どういう人の既存商権の範囲を越えてやったのか一そこら辺がよくわかりませんので余り的確に判断はできませんが、一般論として申し上げれば、やはり取引自由の原則でございますから、それは相対ずくの問題としてやるべき問題だと思います。それから仮にいま御指摘のような、いわゆるセメントを供給している大もとのところがそれについていろいろ干渉めいたことをする、これはまた取引の自由の原則をどこまで侵害しているかということで、恐らく公取の問題だろうと思います。
○瀬崎分科員 それじゃ、そういう関係で公取り話ということになりますね。私は、それはある程度商権を守ろうとする行為は現実にあると思いますよ。だけれども、守る手段として、セメントを買った生コン業者が自分で生コンをつくってどこへ売るか、これは本来自由なはずだと思うのですが、それが、セメントを供給している住友の気に入らぬところに売ったからといって、突如としてセメントをとめてしまう。もしあえて生コンを売るのなら以後取引しないぞという、一種のおどかしにも似た行為が行われる。こうなってきた場合、果たしてこれが自由な取引、公正な取引と言えるのだろうか。公取の方、いかがですか。これは公取は知らぬとは言えないと思うのですね。この事実は私が口頭で聞いたりして言っているのではなくて、きちっとその当事者が文書で公取に事実経過を提出している問題なんですね。いかがでしょうか。
○出口説明員 いま御指摘の点でございますけれども、先ほどお話しいたしましたような違反容疑で現在審査中でございますので、その審査の過程でいまお話しのあったようなケースの事実関係も明らかになろうかと思います。その上で独禁法に違反するというようなことであれば、そういう行為をやめるように排除措置を命ずるということになるわけでございます。
○瀬崎分科員 そうすると、いまの公取の調査の中にはこの住友セメントがセメントの出荷をとめたということも調査対象に入っている、こういうことで理解しておけばいいんですね。
○出口説明員 先ほど申しましたように、審査対象組合といたしましては滋賀県生コンクリート工業組合、大津生コンクリート協同組合等の団体でございまして、先ほど御指摘のありました住友セメントが供給をとめた原因がそれら組合からの申し入れに基づくというようなことであれば、それらの組合の違反ということになろうかと思いますけれども、先ほど来申し上げておりますように、現在審査中でございますので、いま御質問の件が直ちにどうこうということは申し上げかねますので御容赦いただきたいと思います。
○瀬崎分科員 これは大臣にぜひ伺いたいのです。 独禁法に違反するかしないか、これはいま公取が調査中だからいずれ結論が出ると思いますね。しかし、こういうセメントというのは、二十一社しかつくっていない、独占企業なんですね。ここの動き一つによって中小企業は生かされもすれば殺されもする運命にあるわけです。だから、そういう中では、独禁法違反であるかないかの結論を待つまでもなく、やはり行き過ぎた自由取引妨害はそれなりに通産省などの行政指導で是正をされなければならないと思うのです。いかにこの住友セメントのセメント出荷ストップが強力な圧力になったかというのは、次に御紹介します覚書でよくわかるのです。その住友セメントの供給を受けて生コンをつくっておりました西条生コンが滋賀県の建設会社に入れておった。ところが、それがばれて、越境してはならぬという意味で住友セメントがセメントをとめちゃった。したがって西条生コンも、契約はあるけれども、これ以上滋賀県の建設業者に生コンを売れないようになりましたということで、朝八時から入れかけて十時にとめてしまって、建設現場は中途半端な状態のまま放置される、こういうことが起こったんですね。 その起こった翌日に当の西条生コンは、契約関係にありましたTという滋賀県の建設会社に契約解除要請の覚書を出しているわけです。その中でこう書いています。「住友セメントよりセメントの納入を中止されることになり、営業的に麻痺される結果となり、本日をもって契約を解除されたくお願い申し上げます。」まさに死活を握られているわけですね。まあ、いろいろ商権を守るとか乱売を防ぐという、それはいいと思いますが、それはやはり、こういう法治国家であり自由経済原則のもとでは話し合いが中心だと思うのですね。こういう、実力に訴えてでもというのは、私は行き過ぎだと思う。こういうことについては、やはりきちっと住友に対してそれなりの行政指導があってしかるべきだと思うのですが、大臣いかがでしょう。
○佐々木国務大臣 私は、行政指導と申しましても、事実そういう現場を見ているわけでもございませんので、一般的な態度といいますか、しかないわけでございますが、やはりそういう問題は話し合いで進めるということ、あるいは法律違反等を起こさぬようにすること等を心がけるように、話し合いのあっせんをするなりという手段がとり得る一番いい方法じゃなかろうかと思います。
○瀬崎分科員 実は、その点では通産省の担当課長を初め課の方では一定の努力はしてくれているんですね。残念ながらこれが十分功を奏していない。この点で非常に残念だと思うのです。 これはいま申し上げました例とは別の例なんですが、滋賀県の中小の建設業者が、どうしても生コンの単価が折り合わないというので、先ほど申し上げました協同組合をつくって、自主生コンプラントの操業を始めたわけなんです。最初の段階は、これに何とかセメントの供給をとめてつぶそうとしたのですね。何とか助けてほしいという要望がありましたので、通産省へも私も照会もしました。結局、滋賀県で現にセメントを製造しているのは大阪セメント、住友セメントの二社なんです。これは非常に近いところにあるのです。通産省の行政指導で両セメント会社の大阪支店長がそれぞれ問題の坂浅工業会と話し合う場が持たれた。この積極的努力は私は高く評価しているのです。ここで大阪セメントは支店長が、セメント供給の意思を持っている、ただ代理店の説得に時間がかかるから努力はする、こういうことだったから、まだはっきりした結論は出ていないけれども、その前向きの努力は私は評価しているわけです。 一方、住友セメントです。問題のあるところはいつまでも問題があるのですね。ここは、自社は、私のところは売りません、しかし他社が販売されることには干渉しません、こういう逃げ口上を使うわけですね。私どもは言ったわけですよ。一見独禁法に触れないで逃げているように見えるけれども、二十一社しかないセメント会社の全部が同じことを言ったらどうなるか、結局どこからもセメントが入らないことになるじゃないか、全量住友から供給せよと言われてもそれは無理だけれども、滋賀県でセメントをつくっていることだし、一部はうちが担いましょうくらいの話はあってしかるべきじゃないか。いろいろ説得したのですが、支店長としてはがんとして聞かないのです。結局最後に、通産省のごあっせんの行政指導でもあればそのときはまた考え直したい、こういうことなんですね。だからやはりここは、私はきちっと一遍通産省に行政指導を入れてほしいと思うのです。いかがでしょう。これは私は立ち会ってきました。
○児玉(清)政府委員 先ほど大臣御答弁申し上げましたように、話し合いをするようにということは一番基本的な前提でやっておりますし、現段階も、話し合いをしろと言ってこちらがこういう方向でやりなさいと言うのは矛盾した話になりますので、自主的な話し合いに水を差すということにならないように、そのタイミングもありますので、こちらも節度のある行政指導ということでやっております。したがいまして、若干時間はかかるのですが、いま御指摘の坂浅の問題につきましては確かに事態は前よりも一歩改善されているといいますか、少なくともお互い話し合うような段階に来た、これは非常に大きな進歩だろうと思っております。したがいまして私どもは、業界の指導としては、そういう話し合いをベースにするということと独禁法の違反にはいやしくもならぬようにしなさいということを根幹にしているわけであります。そうは言いましても、余り通産省の管轄下で取引をさせるというような形のことは不可能でございますから、これはその双方の言い分が十分尽くされまして、そしてそれについて、どうしてもこの点について相手方の言い分はのめない、もうひとつあっせんしてくれという第二段階があれば、その段階に応じて必要な指導はしたいと思っております。
○瀬崎分科員 実は、こういういろいろ問題が起こってくる根源の一つに、いわゆる通産省がいま進めつつある構造改善事業がしょっちゅう引き合いに出てくるのですね。つまり、一方で構造改善をして過剰な設備を減らそうとしているじゃないか、そのときに新しい設備にセメントを供給するは矛盾だ、こういうことを言われます。私は、もちろんここでその構造改善の是否を論じようとは全く思わないのです。ただ、次の三点にだけは留意しなかったら構造改善なんというのは必ず挫折する、つまり、現在進められつつある構造改善に三つの問題点があるということを私は指摘したいのです。 一つは、生コンの需要者というのはほとんど一〇〇%が建設業者なんですね。それも大体地方の生コンプラントと取引しているのは中小の建設業者が圧倒的に多いのですよ。したがって、この中小企業はまた経営が苦しいわけでしょう。こっちを全く無視して生コン業者の立場ばかりで都合のいい絵をかいてみたって、これは必ず行き詰まる。このことが一点です。 二つ目は、生コン業者の中にも、中小とは言いながら中小の中の大手とまたごく小さいのとあるわけですね。その比較的大きい規模の業者は、ほとんど建設業者と兼業かあるいはまたセメントの販売特約店を兼業しているというのが多いわけなんです。したがって、生コン部門が少々縮小されても別の本業の方では食っていけるという状態にあるのですが、一方規模の小さい生コン専業はもうそれしか生きる道がないんですね。これを機械的に同列に扱って問題を解決しようとしても無理がくる。 三点目は、なぜ構造改善をやらなければいかぬようなプラントの過剰状態が起こったか。これは政府の責任に属するのだけれども、高度成長時代どんどん高速道路や新幹線をつくりたものですから、見込み生産も含めてセメントを売るためにセメント会社自身が資本を出してまでプラントをふやしたわけなんですよ。いまこれのとがめがきているわけですね。したがって、その過剰を解決しようとするときに、事実上中小同士と言いましょうか生コン業者同士で、片方は買い上げなさい、片方はスクラップにしなさいというだけではおさまり切らぬ。やはり一番もうけてきたのはセメント会社なんですから、セメント会社も参加さして、あなた方も分相応の負担と責任を持ちなさいよという形になる必要があるのではないか、こう思うのですね。 以上、私の指摘した三点について、通産省はどううふうにお考えになりますか答弁いただきたい。
○児玉(清)政府委員 いま三点御指摘いただいたわけでございますが、その中のまず第一点について申し上げますと、建設業者もユーザーであるので建設業者の意見もということでありますが、これは関連業者の意見も十分聞くというシステムに体制上なっております。これは計画づくりの段階で中央、地方ともにそうなっております。 それから第二番目の生コンの経営形態でございますが、これもいまおっしゃいましたように、いろいろな形態がございます。したがいまして余り画一的なことは言えませんが、少なくとも経営のあるべき規模と申しますか生産方式については一つの合理的なパターンを決めておる、これはいろいろな学識経験者の意見等も入れてやっております。 それから三番目の過剰設備を廃棄するに至ったことについての問題ですが、過去、過剰が出るというつもりはだれも予測もしなかったということで、これも経済変動の需給関係のひずみからきた、御指摘のとおりだと思います。
○瀬崎分科員 大体否定はされていないわけでありますから、こういう私どもの心配を十分くんで慎重な配慮のもとにやっていただきたいことを要望しておきたいと思うのです。 時間がほとんどないのでありますが、新聞の拡張販売の行き過ぎ問題について一言触れておきたいと思います。これもすでに公正取引委員会の方にはいろいろな資料とともに当事者が出向いて質問をしているわけですね。 一つは無代紙の行き過ぎなんですが、朝日新聞の場合ですと、すでに読者台帳をコンピューター化しておって、販売店とそれから新聞社と直結しているわけです。これを見ましても、ずっと月別に購読状況が載っているのですが、Sという印があるのです。これがいわゆるサービスで、大体三分の一以上Sが入っていますね。ひどいのになりますと一年まるまるSというのもあるし、どうしてそうなのかわかりませんが、三カ月ごととか六カ月ごとにまたS、Sが出てくるというふうな無代紙状況があります。それから毎日とか読売なんかの購読申込書を見ましても、最低でも大体三カ月はサ、サ。つまりサービスになるのですね。ひどいのになりますと六カ月サービスもある。こういう無代紙が結局は新聞販売店の経営を圧迫し、かつまたそこの労働者を世間の常識では考えられない非常にひどい労働条件に追い込むということになっている。 いま一つ言われているのは拡材、拡張用の資材の問題で、いろいろと公取の方の手入れや行政指導もあるものですから、だんだん姿を変えまして、ある新聞社が何というか子会社みたいな商事会社をつくっておいて、その商事会社が新聞販売店に見本のカタログを送る、この中から何かいい景品を選んでください、その景品に対して今度は新聞社が何がしか補助するというふうな仕組みをとっておるというふうな場合も例として出されているわけですね。 こういう問題について公取が調査に入っているのか入っていないのか、調査されているとすれば、法律のどの部分に触れるものとして調査されているのか、簡単に伺いたいと思います。
○加藤説明員 お答えいたします。 お尋ねのような事実がございますれば、景品表示法の第三条に違反することになるわけでございますが、新聞業のように公正競争規約が設定されている業界にありましては、そういった違反行為が行われた場合には、まず会員が行った場合にはその運営機関である公正取引協議会が問題の解決に当たるように従来から指導してきております。たとえば滋賀県の大津地区の無代紙に関しましても、当該地区の協議会から処理結果について報告等を求めてきております。しかしながら、協議会の報告の内容と当委員会に寄せられている情報の内容とに一部食い違う面もございますので、現在これにつきまして事情聴取を行っているところでございます。
○瀬崎分科員 大臣に最後にちょっと要望しておきたいのですが、確かに一大企業が下請企業とかあるいは中小企業に対して不当な取引や圧迫をしている場合には、公取に提訴して独禁法違反あるいはいまの不当景品表示法違反等で摘発してもらうという方法も一つあるのですが、同時に、通産省中心に政府各省庁にいろいろ窓口があって、それなりの改善の行政指導もやられているわけですね。先ほど例の出たセメントであれば通産省の窯業建材課へ言うていけば、法違反とか違反でないは別にして少しでも弱者が救済されるように、あるいは石油製品が出回らないと言えば、エネ庁の石油部へ行けば大なり小なり出回るような努力がされる、あるいはスーパーが進出して小売店が困ると言えば、通産の商政課ですかそういうところへ行けば一定の行政指導が行われる、あるいは建設業で元請が下請を圧迫しているというような場合には、建設省の建設業課へ言うていけば不払い代金が払ってもらえるようにしてくれる。 ところが、新聞の販売店もやはり零細企業であるわけですね。新聞というのは確かに特殊な商品だと思います。反面、報道の自由は厳重に守られなければならないし政府の不当な干渉があってはならないと思うけれども、同時にこれは商品であることに間違いないのですね。大きい新聞社と力の弱い販売店との間には、いまもちょっと例を挙げたようないろいろな不当な事例がどうしても起こってくるわけですね。その場合、公取以外苦情の持っていき場所がない。ここに一つ困った点があるのですね。通産省の一般的任務として中小企業の振興及び指導というのがありますし、中小企業庁は中小企業に関する相談に乗るというのも任務としてちゃんと法律に掲げられているわけでしょう。ですから、これはまず通産省になると思うのです。新聞販売店の場合もいきなり公取へ行くのじゃなしに、どこかの課で緩い行政指導で事態を改善する、こういうことくらいは考えていただいてもしかるべきじゃないかと思いますので、大臣の所見を伺って終わりたいと思います。
○佐々木国務大臣 全く新しいケースでございますので検討してみたいと思います。
○阿部(助)主査代理 これにて瀬崎博義君の質疑は終了いたしました。 次回は、明六日午前十時より開会し、農林水産省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後八時三十五分散会