予算委員会 第19号
- 発言数
- 174 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1980/03/07
会議録
○田村委員長 これより会議を開きます。 この際、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が三名欠員となっております。この際、補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 それでは、 二見 伸明君 寺前 巖君 小沢 貞孝君 を理事に指名いたします。 ――――◇―――――
○田村委員長 これより、昭和五十五年度一般会計予算、昭和五十五年度特別会計予算及び昭和五十五年度政府関係機関予算、以上三件を一括して議題といたします。 この際、各分科会主査より、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。 第一分科会主査藤尾正行君。
○藤尾委員 第一分科会における審査の経過を御報告申し上げます。 本分科会の審査の対象は、昭和五十五年度総予算中皇室、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府のうち、経済企画庁及び国土庁を除く分、法務省及び他の分科会の所管以外の事項でありまして、去る三月四日から本日まで四日間慎重に審査を行いました。 質疑者は延べ六十三名、質疑時間は約三十三時間に及びましたが、分科員各位の御協力により円滑に審査が行われました。 質疑の内容はきわめて広範多岐にわたりますので、その詳細については会議録に譲ることとし、ここでは簡単に質疑事項の主なものを報告することにいたします。 まず、総理府本府等の関係では、国家公務員の人材確保、国務大臣の主要ポストへの民間人登用、特殊法人の天下り、渡り鳥の規制、ソ連軍強制抑留者の処遇改善に関し、抑留者の法的地位、捕虜の強制労働に関する国際法違反、賠償労働のソ連の意図、請求権放棄と求償権等、同和対策としては、実態調査、附帯決議の尊重、未申請市町村の解消、地区内行政の公平、差別図書の規制等、北方領土四島帰還者への交付金支給、婦人差別撤廃条約の批准、便乗値上げの監視、 警察庁関係では、金沢殺人事件に係る警察官の労働組合に対する過剰介入問題、 北海道開発庁関係では、米の減反、公共事業の補助負担率の引き下げ等、 行政管理庁では、プライバシー保護に関し、国勢調査、各省庁統計、官庁の電算化普及、情報公開法との関係等、国家公務員定員削減計画と国立病院、療養所の医療整備等、 環境庁関係では、多摩川、北生駒国定公園等の自然環境保全、志布志湾、新関西国際空港、千葉市内の東関東自動車道、多摩川沿いの外郭環状道路等の環境アセスメント、竹原火力発電所集中立地による大気汚染、琵琶湖、手賀沼、大村湾等閉鎖性水域の富栄養化防止、環境保護条例と国庫助成、千里ニュータウンの交通公害の解消、富士自然動物公園建設による地下水汚染と防護さくの耐震性、大阪国際空港の周辺整備、対馬のカドミウム患者の早期認定、温泉の用途別地域指定、国庫補助制度の復活等、 科学技術庁関係では、代替エネルギーの確保、原子力発電所の立地、安全性の確保、 国会関係では、死文化法令等の整理、予算修正能力、調査機能充実、図書館におけるオンラインサービス等、 防衛庁関係では、ソ連の核脅威と核防衛論、米国の対日防衛力強化要請と大来外相の訪米、自衛隊定員の充足率、防衛計画達成見込みと見直し、GNP比防衛費とNATO方式、米韓合同演習への参加、新田原日米共同訓練の住民とのトラブル、近畿以西へのナイキ、ホークの配備、横浜根岸住宅、山王ホテル、米人プレスセンター、読谷飛行場、ラサ島射爆場等返還問題、岩国基地移設、宇都宮、入間の騒音対策、横須賀市米軍施設のごみ処理、那覇空軍基地ミサイル爆撃事故の原因の究明、駐留軍従事者の雇用安定等、 会計検査院では、公共事業未使用分の不正処理、検査院の照会質問と回答の処理等、 裁判所関係では、受刑者の栄養、健康管理、職業訓練、登記サービスの整備、国際人権規約の批准に伴う国籍法の男女差別撤廃、刑事被告人の人権保護、在日韓国人の各種制限の解決、沖繩無国籍児童の帰化、北海道旧土人保護法の名称の変更、東本願寺紛争と捜査、地代家賃統制令と建設省統制額、石川死刑囚の再審、平沢死刑囚の恩赦、小佐野被告、KDD事件の案件 等の質疑が行われました。 以上をもって御報告を申し上げます。
○田村委員長 次に、第二分科会主査村山達雄君。
○村山(達)委員 第二分科会の審査の経過について御報告いたします。 本分科会の審査の対象は、昭和五十五年度総予算中外務省、大蔵省及び文部省所管のものでありまして、三月四日から本日までの四日間にわたり、慎重かつ真剣な審査が行われました。 質疑者は延べ六十三名、質疑時間は約三十二時間に及びましたが、分科員各位の御協力により円滑に審議を進めることができました。 質疑の内容はきわめて広範多岐にわたっておりますので、その詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは簡単に質疑事項の主なものを御報告いたします。 最初に、外務省関係については、国際情勢に対する取り組み方、北方領土問題と日ソ共同宣言、ソ連のアフガニスタン侵入に伴う対ソ経済制裁、オリンピック・モスクワ大会への参加問題、国際人権規約の批准に伴う国内措置、金大中氏事件の取り扱い、ベトナム難民救済措置、園田特使の中東訪問に対する評価、パレスチナ解放機構のアラファト議長の招聘問題等について質疑が行われました。 また、大蔵省関係では、国債の発行価格の維持と国債の消化対策、オイルマネーの流入とその影響、金取引の実態と取り締まり、中小企業金融三公庫の貸付枠の拡大、サラ金対策、医療法人の相続税に対する非課税措置、法人企業の使途不明金についての調査のあり方、厚生年金等に対する課税措置の撤廃、豪雪地域に対する雑損控除の税制緩和、結核医療の公費負担制度の健康保険への優先措置、同和対策事業の推進、筑波研究学園都市への移転跡地の利用問題、万国博跡地の公園化のための予算措置、旧東京拘置所跡地における極東裁判遺跡の保存のあり方等について活発な質疑が行われました。 最後に、文部省関係については、英才教育に対する考え方、六・三・三・四制の見直し、医学教育のあり方、児童生徒の自殺の原因と非行化の防止対策、大学共通一次試験の現状と今後の課題、奨学金制度の拡充、人口急増地域の義務教育施設の整備充実、過疎地域における学校の統廃合と教職員の配置問題、定時制高校の全日制高校化、養護教育に対する教職員の確保と軽度身障者の取り扱い、同和地区への教員の加配問題、就学援助制度の支出基準の見直し、幼稚園と保育所の一元化、学校事務職員の育児休業の法制化、児童演劇に対する助成、文化財保護のための専門職員の増員と補助金対策等多くの点について熱心に質疑が行われました。 以上、御報告申し上げます。
○田村委員長 次に、第三分科会主査橋本龍太郎君。
○橋本(龍)委員 第三分科会における審査の経過について御報告いたします。 本分科会の審査の対象は、昭和五十五年度総予算中厚生省、労働省及び自治省所管の事項でありまして、去る三月四日から本日まで、四日間にわたり慎重かつ真剣な審査が行われました。 質疑者は延べ六十一名、質疑時間は約三十一時間に及びましたが、分科員各位の御協力により円滑に審査を進めることができました。 質疑の内容はきわめて広範多岐にわたっておりますので、その詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項の主なるものを御報告いたします。 まず、厚生省関係では、医薬分業の推進、人口急増地域の医療体制の拡充強化、救急医療対策、医療情報システムの開発、国立病院・療養所の医療業務従事者の増員と看護婦の労働条件の改善、厚生年金保険法による老齢年金の受給資格年齢に関する訓示規定、在日外国人に対する国民年金の適用、生活保護制度の改善、健保組合の新設認可中止、老人保健医療制度の確立、児童扶養手当制度の改善、国際障害者年の行動計画、国立身体障害者リハビリテーションセンターの拡充、精神薄弱者対策、難聴者対策、交通機関における身障者用施設の設置、成人病予防対策の強化、腎臓病の予防治療対策、難病対策、スモン患者の救済、毒ガス障害者対策、原爆被爆者援護地域の拡大、製薬工場の設置と公害防止、食品への過酸化水素使用、食品添加物の変異原性試験、病死牛の肉の販売、公衆浴場確保対策、同和対策事業の推進等の諸問題について質疑が行われました。 次に、労働省関係では、中高年齢者の雇用対策、高年齢者雇用率制度の運用、シルバー人材センターの拡充、有給教育訓練休暇奨励給付金予算の消化、身体障害者の雇用促進と職業訓練のあり方、出かせぎ労働者対策、失業対策事業の見直しと賃金の引き上げ、総合職業訓練校の短大昇格、パートタイム女子労働者の労働条件の改善、育児休業制度の普及、金融機関の時間外労働に対する割り増し賃金、労働安全衛生に対する監督指導の強化、振動病対策、雇用保険給付の個別延長給付、労災保険への特別加入の適用範囲の拡大、同和地区住民の就職の機会均等、同和地区の労働実態調査、破産法適用企業における労働関係法の適用等の諸問題について質疑が行われました。 最後に、自治省関係では、公職選挙における戸別訪問の自由化と在宅投票制度の運用、地方事務官制度、基地廃止後の基地交付金の激減緩和措置と基地交付金対象資産の拡大、水道の高料金に対する特別交付税、過疎地域対策、北海道開発に伴う自治体の財政負担の軽減、豪雪対策、保健所の廃止と市町村保健センターの設置、同和対策事業の推進と自治体の個人給付窓口事務、消防力強化のための大規模防災センターの設置、消防団員の処遇改善等の諸問題について質疑が行われました。 以上、御報告申し上げます。
○田村委員長 次に、第四分科会主査始関伊平君。
○始関委員 第四分科会の審査の経過について御報告申し上げます。 本分科会の審査対象は、昭和五十五年度総予算中経済企画庁、農林水産省及び通商産業省所管のものでありまして、三月四日から本日までの四日間にわたり、慎重かつ真剣な審査が行われました。 質疑者は延べ六十四名、質疑時間は三十二時間余に及びましたが、分科員各位の御協力により円滑に審議を進めることができました。 質疑の内容はきわめて広範多岐にわたっておりますので、その詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは簡単に質疑事項の主なるものを御報告いたします。 まず、経済企画庁関係についてでありますが、インフレ問題について、特に各種公共料金の引き上げ見通しと物価及び家計への影響、電気・ガス料金の査定方針、五十五年度消費者物価上昇率の算定根拠とその達成見通し、インフレの基準、物価抑制と景気政策のあり方について、さらに新経済社会七カ年計画の見直し等について質疑がありました。 次に、農林水産省所管について申し上げます。 農業全般の問題としては、農産物の自給率などの農産物の長期需給見通し、農地法の改正準備状況、農産物の輸入制限と農協活動のあり方、穀物の備蓄構想と対米輸入計画等について、米作関係については、水田利用再編対策の実情と生産調整の進め方、やみ米販売の取り締まり、米飯給食の推進、飼料米の生産奨励等、農業生産力向上のための農地開発事業、広域農業開発事業等の農業生産基盤整備の拡充、果樹園芸については、野菜価格の安定対策、野菜指定産地、ミカンの過剰対策、絹製品の輸入増加と養蚕業の安定対策等、畜産については養豚業の経営安定対策、肉用牛の生産振興等、林業については、営林署等の統廃合計画、国有林野内の治山事業、マツクイムシの防除対策等、漁業については、二百海里時代に伴う安全操業対策、栽培漁業の促進、サケ・マスの増殖計画、養殖生産の振興、水産物の不公正取引、日ソサケ・マス漁業交渉の見通し等について、さらに、農産物検査官制度のあり方、農業者年金の拡充、農業機械等による事故の救済措置、農林漁業におけるエネルギー対策等について質疑がありました。 最後に、通商産業省所管について申し上げます。 まず、日米経済問題に係る自動車の対米投資のあり方、シベリア開発プロジェクト等の日ソ経済協力の見通し、海外技術者研修制度の改善、環境アセスメント法案の取り扱い等、中小企業関係については、中小企業金融の改善、倒産防止対策、絹織物業の振興等の伝統的地場産業の育成、生コンの不公正取引、建材取引の適正化、大型スーパーの進出規制、医薬品取引の適正化、同和関連産業の振興対策等、資源エネルギー関係については、原子力発電の安全対策、使用済み核燃料の第二処理工場建設の準備状況、石油備蓄計画の現状と見通し、水力火力発電の立地計画、代替エネルギーの開発計画、石油、ガス関連施設等の安全及び環境対策等について質疑が行われました。 以上、御報告申し上げます。
○田村委員長 次に、第五分科会主査藤田義光君。
○藤田(義)委員 第五分科会における審査の御報告をいたします。 本分科会の審査対象は、国土庁、運輸省、郵政省及び建設省の所管についてであります。 建設省及び国土庁の所管のうち、道路関係につきましては、高速道路での駐車場の増設、料金徴収方法の改善、インターチェンジ設置の促進、着工路線の完成見通し、一般国道の拡幅、延伸等の改良改築の促進やバイパスの建設、市街地の交通混雑の緩和、鉄道との立体交差、首都外郭環状線の建設、地方道の整備等について質疑が行われました。 河川、利水関係につきましては、水資源確保のためのダム建設及びそれに伴う補償問題、中小河川改修の促進、堤防工事、塩水遡上対策、河川敷の転用、下水道事業の整備促進等について質疑が行われました。 地域開発関係につきましては、秋田湾、むつ小川原の開発計画の問題点、沖繩の振興施策、関西学術研究都市構想の推進、横浜市の港北ニュータウン計画の見通し、本四連絡架橋の進捗状況及び同橋の歩道、自転車道の併設等について、そのほか、高層マンション建設に伴う周辺の諸問題、出かせぎ建設労務者対策、同和対策事業の推進、大規模公園建設の促進、自然遊歩道の整備、都市公園施設への防災器具の収納、首都圏等における地震対策の促進、大型サイロの倒壊事故、建築設計報酬のあり方、明日香保存のあり方等について質疑が行われました。 次に、運輸省の所管では、鉄道関係につきまして、赤字要因である地方交通線の存廃とバスへの転換の問題、大阪外環状線及び首都圏での通勤新線の建設促進、総合交通体系を配慮したターミナル駅の改築、在来線の複線電化の促進、貨物取扱駅の統廃合、その他大都市圏の地下鉄網の整備、私鉄の運送力の増強等について質疑が行われました。 航空関係につきましては、関西新国際空港建設に伴う環境、工法等の諸問題、成田空港への燃料輸送、国内航空運賃の値上げ、空港周辺の環境保全、騒音対策、地方空港の整備、離島便の増強等について質疑が行われました。 自動車関係では、都心のバス事業の優先運行、車検制度の見直し、中小トラック業者の認可運賃の改善、タクシー労働者の労働条件の改善、地方バス事業への補助等について質疑が行われ、その他失業漁船員に対する船員保険の適用、港湾堤防の手抜き工事、豪雪地帯の交通対策、中央・四国新幹線整備計画等について質疑が行われました。 最後に、郵政省所管では、切手発行施策のあり方、速達配達地域の拡大、同一行政区域内における市外局番の統一、電話料金の夜間割引等について質疑が行われました。 以上、きめ細かい生活に密着した諸問題につき、四日間、三十五時間余り、七十名の質疑者による真剣な審査を行いました。詳細は会議録に譲り、以上御報告申し上げます。
○田村委員長 以上をもちまして分科会主査の報告は終了いたしました。 ―――――――――――――
○田村委員長 次に、去る一月三十一日の多賀谷君の保留分の質疑を行います。多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 保留いたしました質問を行いたいと思います。 外務大臣に御答弁願いたいと思いますが、日米安保条約の極東の範囲に関する政府の解釈は、一九六〇年の統一見解のとおりであるかどうか、また、極東の周辺に関する政府の考え方も従来と変わっていないかどうか、これを御答弁願いたい。
○大来国務大臣 お答えいたします。 極東の範囲に関する政府の解釈は、昭和三十五年、一九六〇年の政府統一見解のとおりでございます。 極東の周辺地域という概念については、極東の範囲に関する昭和三十五年の政府統一見解は、極東の区域に対して武力攻撃が行われ、あるいは、この区域の安定が周辺地域に起こった事態のため脅威されるような場合に、米国がこれに対処するためとることある行動の範囲は、必ずしも極東の区域に局限されるわけではないということを述べておるわけでございます。このような周辺地域がどこかということは、極東の区域に対する攻撃または脅威の性質いかんにかかる次第でございます。このような政府の考え方は現在も変わっておりません。
○多賀谷委員 しからばペルシャ湾は極東の周辺地域に入りますかどうか。
○大来国務大臣 ペルシャ湾における事態が極東の平和及び安全に対して脅威となるようなことは考えられないわけでございまして、その意味において、ペルシャ湾は極東の周辺地域となることはないと考えております。
○多賀谷委員 では、一月二十七日から三日間開かれましたイスラム諸国緊急外相会議の決議、この決議は、ソ連のアフガニスタンの軍事介入を非難するとともに、あるいは「米国のイランに対する外部圧力に関する決議」あるいはまた「イスラム諸国に対する外国の圧力に関する決議」「パレスチナに関する決議」等が行われたわけでありますが、ことにこの「イスラム諸国に対する外国の圧力に関する決議」の中に、われわれが注目をしなければならない問題は、超大国、これはソビエトだけではないので、スーパーパワーズという複数を使っております。「超大国が、イスラム諸国に対し、各種の形態の圧力を行使し、武力行使の威嚇を行い、国内問題に干渉し並びに超大国間で激化する闘争と関連する超大国の利益及び戦略計画を守るためにイスラム諸国の領土内に軍事基地を建設していることに対し、深刻な懸念を表明し、また西側諸国の画策に注意を喚起する」、こういうように言っておるわけであります。 これはすなわち、ソビエトに対する脅威の非難をするとともに、西側、ことにアメリカに対する介入を排除したいという気持ちがあらわれておるわけであります。このことは、先般園田特使がペルシャ湾岸五カ国の訪問に際しても、報道陣が国内に伝えてきておるその内容にもそういうようになっております。まさに中東はわが国の石油エネルギー源としてはいわば生命線でもあるべきところであります。そこで、もしアメリカ側の軍事戦略に日本が加担をする、こういう事態になりますと、これは中東諸国から非難の的になる、あるいは石油の確保が困難になる、そういう事態が十分予想されるわけであります。 そこで総理は、この中東の外交政策についてどういうようにお考えであるのか、これを明確に御答弁願いたいと思います。
○大平内閣総理大臣 わが国といたしましては、対中東外交を進めるに当たりまして、国際政治経済に占める中近東諸国の重要性、わが国とこれら諸国の間に存在する相互依存の関係及び石油安定供給の必要性など、十分考慮しなければならないことであると考えております。 このような見地から、わが国といたしましては、これら諸国の工業化を含む国づくりや人づくりのための経済、技術協力を推進いたしますとともに、人的、文化的交流等を通じまして相互理解を増進することにより、これら諸国との友好関係の強化を積極的に進めてまいる所存でございます。こういう方針にのっとりまして、活発に積極的な外交を展開してまいりたいと考えております。
○多賀谷委員 現在、アフガニスタンの中立化の問題が提起をされておりますが、これについては総理はどういうようにお考えであるか。
○大平内閣総理大臣 中立化政策をとるかどうかということは、もとより第一義的にはアフガニスタンの問題でございますけれども、こういった構想がアフガニスタンを初め周辺諸国並びに関係諸国の理解を得まして、中近東諸国における平和と安定がもたらされるということでございますならば、われわれもそれに理解を持ち、協力していきたいと考えております。
○多賀谷委員 園田特使のイラン訪問の突然の中止はどういう理由であるのか。
○大平内閣総理大臣 これはかねがね日本とイランとの間で連絡をいたしておりましたことでございまして、イラン側の国内的な政治日程との関係から、この際は取りやめた方が適当であろうと考えたにすぎませんで、他意はございません。
○多賀谷委員 それは断られたのですか。日本が判断したのですか。
○大平内閣総理大臣 両方で打ち合わせまして、この際はタイムリーでなかろうと判断したわけです。
○多賀谷委員 これら中東外交につきましては、今後まさに日本の運命にも影響する重要な問題であります。でありますから、これは今後あらゆる委員会を通じて党として質問を展開していきたい、かように思います。 時間もありませんから、これで質問を終わります。(拍手)
○田村委員長 これにて多賀谷君の質疑は終了いたしました。 これより締めくくり総括質疑を行います。大出俊君。
○大出委員 最初に、私どもいわゆる社公民三党で五十五年度予算の修正案の提起をいたしまして、自民党国対委員長さんあるいは政審関係の方々との間で詰めてまいりましたが、御存じのとおりに当面の結論が出たわけでありまして、これは組み替えということでございませんので、かつまた、政党間の話し合いということでございますから、記録に残りません。したがいまして、ここで総理に確認をお願いをし、かつ、その執行の尊重をお願いをいたしまして明らかにいたしておきたいと存じます。そういう意味で御質問を申し上げる次第でございます。 社公民三党国対委員長と自民党国対委員長との間におきまして、三月三日に昭和五十五年度予算に対する修正を次のごとく合意し、調印をいたしました。中身を読ませていただきます。 昭和五十五年度予算に対する社会党・公明党・民社党共同修正要求への回答 一、福祉予算(二四八億)(平年七〇〇億) (一)老齢福祉年金については、今後、社会労働委員会の審議を経て国会の結論が得られ (一、〇〇〇円) れば、その支給月額を八月から二二、五〇〇円に引き上げる用意がある。その場合、老齢福祉年金以外の福祉年金、五年年金並びに福祉年金に連動する児童扶養手当等の引上げについても、右に準ずるものとする。 (二)特定疾患治療研究の対象疾患の拡大については、専門家の意見を聴いて、検討する。 (三)老人ホーム入所者の費用徴収については、今後の実施状況を見極めながら、引き続き費用負担の適正化に配慮する。 二、 雇用対策 (一)地方雇用開発委員会については、今後、地域の実情を踏まえ、増設に応ずる用意がある。 (二)中高年齢者雇用開発給付金の期間指定の基準の緩和については、関係審議会に諮り、指定期間の延長に努める。 (三)高年齢者労働能力活用事業補助については、今後の実施状況を見極めながら、円滑な事業運営が図られるよう配慮する。 三、物価関連施策の推進(五〇〇億) 今後の物価動向に細心の注意を払い事態の進展に即応して適切な対策を講ずる。 四、国鉄運賃(三三億) 国鉄の通学定期運賃割引率については、現在、運輸審議会に諮問中であるので、その審議を通じ、原案の割引率三パーセント引下げを一・五パーセント引下げに改める用意がある。 五、電気・ガス料金の値上げ抑制 電気・ガス料金については、極力抑制する。 なお、電気料金の改訂が行われる場合には、低所得層の負担増に配意して電気税の免税点(現行月額二、四〇〇円)を見直す必要があると考えているので、今後料金改訂の状況をみながら対処するつもりである。 六、四十人学級など教職員定数改善計画 概ね三年後に、各般の状況を勘案し、その後の計画につき検討する。 七、中小企業信用保険公庫出資の増額 中小企業信用保険公庫出資については、同公庫の保険金支払の状況等を勘案し、必要に応じ所要の追加を行うことを検討する。 八、行政経費の縮減(三〇〇億) 今後の執行状況等を見極めつつ、行政経費の縮減を図ることとする。 九、金融機関の週休二日制 金融機関の週休二日制については、関係委員会において引き続き検討する。 十、環境アセスメント法案 環境アセスメント法案については、政府において関係閣僚協議会を設置し、法案提出の調整にあたるよう要請する。 十一、行・財政改革 行・財政改革は、国民の世論で、現下の最重要課題の一つである。今回の御提案は、行政の簡素化・効率化を一層推進すべきであるとの立場に立つものであり、基本的方向については概ね見解を同じくするところである。 今後とも行政改革の実施に当っては、社会・公明・民社三党の御協力をお願いしたい。 なお、補助金等の整理・合理化についてサマーレヴューを行うこととする。 右合意する 昭和五十五年三月三日 自由民主党・自 由国民会議国会 金丸 信 対策委員長 日本社会党国会 田邊 誠 対策委員長 公明党・国民会 議国会対策委員 大久保直彦 長 民社党・国民連 合国会対策委員 永末 英一 長 署名をいたしまして、以上が合意の内容であります。 これを記録にとどめていただきまして、総理に承りたいのでありますが、総理はこの五十五年度予算修正に関する合意を御確認いただけるかどうか、まず承ります。
○大平内閣総理大臣 三党と自由民主党との間でそのような合意がございましたことは、自民党から報告を受けて承知をいたしております。
○大出委員 それでは重ねて承りますが、総理は五十五年度予算の執行の責任者でございますから、この合意内容を確実に執行なさるかどうか。執行なさると思うのでありますが、御確認を願いたいと思います。
○大平内閣総理大臣 五十五年度予算の執行に当たりましては、合意の内容を十分尊重してまいる所存であります。
○大出委員 念のためにつけ加えて申し上げますが、三年前にこの委員会で、国会における予算の修正権をめぐりまして長い議論が行われました。憲法七十三条の五項というところにございますが、この七十三条は「内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。」こういう項でございますが、この五、「豫算を作成して國會に提出すること。」これがいわゆる編成権、提案権と言われているものであります。憲法八十六条、「内閣は、毎會計年度の豫算を作成し、國會に提出して、その審議を受け議決を經なければならない。」これが議会中心主義などと言われている国会の審議権、議決権。したがって、当然審議権、議決権には修正権を伴う、こういうことになるわけでありまして、以上の関連において国会は最終かつ完全な予算の修正権を持っておると考えている、これが私どもの考えであります。 この点、今回の社公民三党と自民党の五十五年度予算修正の合意にもかかわらず、これを組み替えず実質修正に終わらせるということは私ども納得いたしかねる点でありまして、この点をこの際強調しておきたいと存じます。総理のお考えを承りたいと存じます。
○大平内閣総理大臣 御意見として承っておきます。
○大出委員 御確認をいただきまして、最後の点は、なおすれ違いをいたしておりますけれども、私どもの立場を強調させていただきます。 そこで、総括の質問、次に入らせていただきます。 昨日からけさほどの新聞の報ずるところによりますと、ロッキード事件をめぐりまして、ロサンゼルスの空港においてクラッター氏から小佐野賢治なる人が二十万ドル受け取った。これはもちろん検察側の陳述でございますが、こういう問題で法廷では激しいやりとりが行われているわけでありますが、この件に関しまして、新聞に特定の議員の方の写真が載ったりいたしているわけでありますけれども、法務省等から承りますというと、ここに冒陳に対する補充訂正書というものがございます。 小佐野賢治に対する議院証言法違反事件冒頭陳述補充・訂正書要旨 第九 小佐野がロッキード社の児玉に対する支払金員の一部である二〇万ドルを受領した経緯とその状況 一 小佐野は、かねてK・ハマダなる者がネパダ州ラスベガス所在のサンズホテルに負っていた一二〇万ドルの債務につき、その支払を保証していたことから、右ホテルに対し昭和四八年一月一五日ころ五〇万ドル、同四月二八日ころ二五万ドル、同年七月一日ころ二五万ドルを各支払い、残額は二〇万ドルとなっていた。 三 小佐野が昭和四八年一一月三日ロスアンゼルス空港でクラッターから二〇万ドルを受額した状況など 3 小佐野は、同空港到着後、クラッターから二〇万ドル入りのアタッシュケースとその鍵を受取り、その場でアタッシュケースを開披して二〇万ドルを確認した上、右アタッシュケースを持って同室を出た。その後小佐野は同行者と共に、同日午後五時ロスアンゼルス発のウエスタン航空六便に搭乗し、同日午後五時四八分ころ、ラスベガスに到着した。小佐野は、そのころ右二〇万ドルをサンズホテルに対する前記(第九、一)の残債務二〇万ドルの支払にあてた。 これが冒陳の補充訂正書の要旨でございます。このことが実は昨日からけさの新聞あるいはニュースになって流れているわけでありますけれども、この経緯について、法務当局から総理は恐らく報告をお受けになっておられるのだと思うのでありますが、まずもって総理の御見解を承りたいのであります。
○大平内閣総理大臣 いまお述べになりましたような事項については、あらましは法務当局から報告を受けました。
○大出委員 それで、総理が報告をお受けになっているとすると、ロッキード事件解明に協力をする、こういう政府の立場が今日まで続いているわけでありまして、責任継承の原則もございます。ということになると、明らかにするところは総理にこれは明らかにしていただかなければいけない。議会側もこの議院証言法違反事件というのは証人喚問の結果でございますから、そういう意味で二、三承っておきたいのでありますが、小佐野という人が百二十万ドルの債務の保証をしていた。その当事者はK・ハマダという人である。このK・ハマダという方はどういう方でございますか。
○前田(宏)政府委員 昨日裁判所の法廷におきまして、ただいま大出委員の御指摘のようないわゆる冒頭陳述書の補充訂正が行われたことはそのとおりでございますが、その内容は、いま委員が御指摘の、また御引用のような形になっておるわけでございまして、改めて申すまでもないかと思いますけれども、「K・ハマダなる者が」という表示になっておるわけでございます。Kというのはローマ字でございますし、ハマダというのはかたかなで表示されておりますが、そういう表示でございまして、それ以上の記載はないわけでございます。
○大出委員 つまり、K・ハマダというのはK・ハマダだ、こう言うわけですね。 次に承りますが、この百二十万ドルの債務につき、その支払いを保証していた小佐野氏が、右ホテルに対して昭和四十八年一月十五日ごろ五十万ドル、四月二十八日二十五万ドル、七月十二日二十五万ドルを各支払い、こう書いてありますが、この冒陳補充訂正書の意味するものは、小佐野という人が三回に分けて金を払った、こういうことになるのでありますけれども、つまり五十万ドル、二十五万ドル、さらに二十五万ドル、小佐野という主語で「各支払い、」こうなっておりますので、これは小佐野という人が払った、こういうことになるんですが、いかがでございますか。皆さんの側でお書きになったものでございますから。
○前田(宏)政府委員 お尋ねの御趣旨をあるいは取り違えているかもしれませんが、支払ったということを記載しておりますので、支払ったということを表示しているわけでございます。
○大出委員 重ねて承りますが、そうすると、小佐野という人が保証人であり、かつ、この負っていた債務を払った、最後に残額が二十万ドル残った。さて、この二十万ドルをロスに着いてクラッター氏からアタッシュケースに入ったものをもらった、今日までの経過からすれば、児玉譽士夫なる人にいくものを小佐野氏がもらうことになった、小佐野氏の骨折りがそこにあって、こういうことなんでありますが、この二十万ドルをもらって「同行者と共に、」こう書いてありますが、つまりこの二十万ドルも払った。裁判上問題になっております二十万ドルの出はここだった、こういうふうに書いているわけでございますが、そのとおり受け取ってよろしゅうございますか。
○前田(宏)政府委員 お答えする前に、念のためかと思いますけれども申し上げておきますが、いわゆる冒頭陳述書、きのうの補充訂正も同じことでございますけれども、検察官側としてそういう事実を今後立証していくという表明でございますので、その点をまずお含みいただきたいわけでございますが、その前提で、検察官側の今後の立証する事実としてはそういうふうな事実を立証していく、こういうことを述べた、こういうふうに御理解いただきたいわけであります。
○大出委員 つまり、今後これを立証していくそのための事実を述べた。つまり検察側はこれが事実であると確認をしている、こういうことであります。 伝えられるところによりますと、アメリカの司法当局に依頼をして、いかなる手続かは別として依頼をして、つまりK・ハマダなる人、そして最後の二十万ドルをクラッター氏のこのアタッシュケースに入っているものを小佐野氏が支払った、このことが確認できたというふうに伝えられておりますけれども、それもそのとおりでございますか。
○前田(宏)政府委員 先ほども申し上げましたように、検察官側としては、ここにきのう述べましたようなこういう事実を今後証拠によって立証していくという趣旨を述べたわけでございます。
○大出委員 ということになりますと、この百二十万ドルというのはK・ハマダという人の債務であって、全額小佐野氏が払ってしまったことになる。そして最後の二十万ドルはクラッター氏からもらったアタッシュケースに入っていた二十万ドル、こういうことになるのですが、確認いただけますか。
○前田(宏)政府委員 検察官側の立証事実としてはそういうことでございますが、念のためにつけ加えますけれども、これに対して被告人側あるいは弁護人側がどう対応していくかということもございますし、そのような立証活動を今後という言葉が適当かどうかわかりませんけれども、そういう過程を経てどのように裁判所に認定されていくかということは別問題といいますか、今後の問題でございます。
○大出委員 そこで、もう一点承っておきますが、これまたいままでの経緯からいたしますと、小佐野という人の側の弁護団ということになりますか、こちらの方の側から、実はロスへ行き、かつラスベガスに行ったのはホテルを買う商談に行ったのである。商談に行ったんだということを立証するために、サンズホテルの、つまりこの損益勘定、損益計算書、こういうふうな勘定費目を証拠として逆に小佐野氏の側が出した。この計算書の中にサンズホテルのカジノの未払い、個人の未払いという形で百二十万ドルという債務が載っていた。そこで検察側は、つまり小佐野なる人の側から出た資料なんですけれども、これをアメリカ側に依頼をして調べてもらった。その結果が先ほどお答えになっていることにつながって、この訂正書ができている、こういう経緯なんですが、そのとおり確認してよろしゅうございますか。
○前田(宏)政府委員 捜査の中身の問題でございますので詳しくは避けたいと思いますけれども、おおむね委員仰せのように御理解いただいても差し支えないと思います。
○大出委員 そこで、一つだけ、「同行者」とありますが、旧来の物の本あるいは新聞にも出たことがございますが、このときの小佐野さんの同行者の中に、広域暴力団に指定されている団体の幹部の方が一緒だったなんということが書いてありましたが、ここで同行者というのは非常に気になるのですけれども、この同行者というのはどういう方でございますか。
○前田(宏)政府委員 冒頭陳述書の中にそういう記載といいますか表現があることは事実でございますが、先ほど来申しておりますように、この冒頭陳述書の記載は、公判で検察官側が立証していく事実ということの表示でございますので、その内容につきましては公判の問題というふうに御了承いただきたいわけでございます。
○大出委員 これは新聞は特定の方の名を挙げたりいたしておりますけれども、裁判ということになっておりますから、片っ方側が争わなければK・ハマダのままで終わっちゃう可能性もあるのが裁判でございます。そういう意味で私はよけいなことを申し上げていないのでありますけれども、しかし、やはり一つの政治問題という見方はもちろんできます。なぜならば、ロッキード事件に直接関連はございませんけれども、別な意味では絡むことになるからであります。つまり、二十万ドルの出の部分ということであります。 そういう意味で、これはやはり総理の立場で、一体これは、新聞にもこんなに出ておりますが、どういうことなんだという御調査なり、あるいはこういう結果なんだということを明らかにする責任があろうと私は思うのでありますけれども、総理のその意味におけるお考えをちょっと承っておきたいのですが、いかがでございますか。
○大平内閣総理大臣 いま法務省の方とのやりとりを通じてあなたが明らかにされましたように、公判における証拠に関連いたしまして一人の名前が浮かんでおるということでございまして、これを踏まえた上で私がどうするかということをいまとっさに判断ができないわけでございまして、もう少し事態が明らかにならぬと何とも申し上げようがございません。
○大出委員 もう少し事態が明らかになるのを待ちたい、こういうお考えだというわけですか、はっきり言っていただきたい。
○大平内閣総理大臣 そう考えるよりほかにいまのところ分別がございません。
○大出委員 私は事の事実経過を承っておきたい、こういうふうに思って承ったのでありますが、もう少し時間が欲しい、こういうことのようでありますから、きょうの夕刊にも、総理の、総裁という立場でいえば属する党の方々の意思決定に向けての記事が載っておりますが、御存じだろうと思っておるわけでありますが、これらのこともやはり総理の御判断がなければ簡単にいかない筋合いだろうと思うのでありますが、そこらの関連では総理は何かお考えはないのでございますか。
○大平内閣総理大臣 与えられておる事実が、事態の進行が公判に関連してのことでございまして、それはいまあなたがお聞き取りいただいたとおりのことのようでございます。私もそのように伺っておるわけでございます。その場合に、それを踏まえてどうするかということでございますので、先ほど申しましたようににわかにちょっと判断がつきかねますので、もう少し判断の材料がないとどうにも分別が出てこないわけでございます。
○大出委員 私の時間の関係もございますので、事実経過をただしたという点に私の方もきょうはとどめておきたい、こういうふうに思います。 次に、先般私が質問いたしました浦項製鉄所に絡みまして回答をいただきました。 委員長、お許しをいただいてちょっとこれを配りたいのですが、よろしゅうございますか。
○田村委員長 どうぞ。
○大出委員 これは政府側の回答でございますから、特別なものじゃないのでありますけれども、五十部くらいしかないかもしれません。足らなければ、御入用の向きはひとつ政府の方からとっていただきたいと思うのであります。 そこで私は、この回答はいただきましたが、なおかつこれは全くもって不可解千万だと実は思っているわけであります。不可解千万だという意味はこれから申し上げたいと思うのでありますけれども、こういうことであれば、日韓両国の経済的なプロジェクトを受注する、いかなる高額の金額も上乗せをして、適当に金は幾らでもつくれるという結果にならざるを得ない、こういうことになるからであります。 そこで、通産省に承りたいのでありますが、御説明によりますと、この契約書やインボイスあるいはEDというふうなものは金に関するからとってあるということを三菱商事が言った。スペック等は金の流れに関係がないのですでに手元にない、こう言った。そういうことなのかどうかという点が一つ。 時間を節約いたしましてもう一問承りますが、契約の仕方は、コスト・プラス・フィーというのがある。コスト・プラス・フィー、つまり利益であります、手数料であります、そういうふうに分けて契約をするという契約の仕方が一つある。それからランプサムという契約の仕方がある。サムは合計でございますが、ランプサムという契約の仕方は、トータルをぶつけて一括契約をする。 それで、浦項の場合にはランプサム方式をとった。利益というのは契約書の中に出てこない。個別品目の中にばらまかれて入っている。こういうことだというのでありますが、そういうことでございますか。
○栗原政府委員 最初の点でございますが、私どもが三菱商事から聞いておるところでは、EDとインボイスというものは、お話のようなこともございますが、やはり継続的な案件ということもございましてとってあったというふうな報告を受けております。 それから、ただいまのプラント輸出契約の形態の問題でございますが、大まかに申しまして二つの形態があるということでございまして、一つはランプサム契約と言われておりますけれども、これは一括請負契約という種類の契約でございまして、プロジェクトに要します一切の費用を総額で決めて請け負うという形でございます。 それからもう一つの方式は、コスト・プラス・フィーと申しますか、そういった形の契約でございまして、これは実費と報酬を加算した契約になっておりまして、一応発注者が実費に相当する部分、機器代金やいろいろな代金については一括して費用を支払いますけれども、たとえばエンジニアリングフィーといったようなものは別建てで支払う、大別してこういった二つの契約の方式があるということでございます。
○大出委員 そこで、お手元に差し上げましたのが回答でございます。 私、通産省からいただきましたが、天井走行用クレーンというのが一番最初にあります。これは簡単に申し上げますが、要するにキャパシティーの相違ということなんでありまして、インボイスがあったからインボイスを調べてみたらキャパシティーの相違である。これはちょうどソウル地下鉄の一番最初の私の質問にお答えになった、協力基金のお出しになった書類とほとんど同じ方式でありまして、ソウル地下鉄というものは幅が広い、背が高い、キャパシティーが違う、三段切りかえ式ヒーターになっているからこれも違う、寒いところだからドアの開閉の装置もこれまた違うというような形、また電圧が違う、だからトランスが違う、こういう形でこれこれふえたんだというお答えを実は最初いただいた。ところが、調べてみたらそれが全部でたらめでございましたのであんなことになってしまったわけであります。しまいにはみんな誤りであったことを認めてしまったわけであります。したがって、この第一のは調査に時間がかかりますから横に置いておくことにいたします。 一番わかりやすい第二番目、ページ二でありますが、「高アルミナ質耐火レンガ」というのがございます。「三菱商事が発注先メーカーに問い合せたところ当該メーカーに関係資料が残っていたことから、単価が高くなった理由が」わかった。「それによると、当時の事情として当初計画では高アルミナ質レンガ七十七トンを使用する予定であったところ、」七十七トンの高アルミナ質れんがを使うことになっていた。「設計段階での韓国側との打合せにより二十三トンに減らし、」二十三トンに減らしたんだけれども、輸出申告書の金額は七十七トンの金額を書いたままであったというわけです。だから、輸出申告の七十七トンの高アルミナ質耐火れんがは行っていない。実際には二十三トンの高アルミナ質耐火れんがしか行ってない。三分の一以下しか行ってない。だから、金額が三分の二以上高くなってしまう。あたりまえ。つまり申告のとおりに品物が行ってない。そこで、ここに「その替りに粘土質耐火レンガ」、これは安いのです、「粘土質耐火レンガを当初九十一トン使用するところ百六十二トンに増した。」こう言っている。「しかしながら、金額はそれぞれのレンガの契約時の金額のままで、」だから輸出申告書はそのままにした。「一方、重量は設計変更後の重量で通関した」、だから、耐火れんがの単価が四倍にも高くなったという説明なんです。これは全くむちゃくちゃであります。納得のしようがない。これじゃどんなことでもできる。よしんば粘土質耐火れんがに入れかえたとしても合わないはず。しかも、問題は、明らかに関税法違反になる。 ちょっと大蔵省の関税局長さんに承りたいのでありますが、虚偽の輸出申告をした場合――輸出申告書は先般の委員会で、私、全部提示してお見せしました。虚偽の申告をした場合にはどういうことになるか。関税法の六十七条の二などというのがありますし、七十条もある。百十三条の二には罰則があるはずでありますが、どうなっておりますか。虚偽の申告。いかがでございます。
○米山政府委員 お答えいたします。 委員御指摘のように、関税法の六十七条に基づきまして輸出する際には申告書を出すわけでございますが、その申告書が偽った申告書であり、あるいはその添付資料等偽った書類を提出した者は、関税法の百十三条の二の規定によりまして、「一年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」こういうふうな規定になっております。
○大出委員 こんなことをしたのじゃ三菱さんは一年以下の懲役じゃないですか。虚偽の申告。明確に虚偽。七十七トン、輸出申告書には何と書いてあるかというと、二十三トンとしか書いてない。申告書に二十三トンとしか書いてなくて金額の方は七十七トンの金額を書いている。明確に虚偽。 さらにもう一点、百六十二トンの安い粘土質を入れたというのだけれども、それなら百六十二トンのED、輸出申告書に伴う部品の品目番号がなければならぬ。ところが、私の手元には、これが熱延工場なんです、鉄を熱で延ばす、熱延工場の、この間お見せしたように、輸出申告書、つまりED、部品のカードは全部そろっている。総合計の金額も熱延工場一工場建てる金額とぴったり合っている。一つも抜けたものがない。それを全部調べてみても、百六十二トンという粘土質の耐火れんがのEDは全くない。こういうばかなことがあっていいはずはない。通産省はあっさり私に百六十二トンの粘土質のれんがを入れたと言うのだけれども、EDはない。 通産省に承りたいのですが、ここのところは一体三菱の間とどうなっているのですか。
○栗原政府委員 お答えいたします。 百六十二トンという数字のEDはございませんが、私どもが報告を受けているところによりますと、別途五百七十トンというやや数字の大きいEDがございまして、その内数として百六十二トンが入っているという報告を聞いております。
○大出委員 あなた方の報告には、お手元にあるとおりちゃんと百六十二トンにふやしたと書いてあります。別のEDを持ってきちゃだめですよ。全然話にならぬじゃないですか。しかも輸出申告書は出ているのでしょう。七十七トンの高アルミナ質で金額がちゃんと載っているじゃないですか。ところが、二十三トンしか送ってないじゃないですか。百六十二トンのEDはないじゃないですか。 これは大臣に申し上げたいのだが、通産大臣、調査をし直して、改めて御報告ください。 それから、大蔵大臣に承りたいのですが、一体通関手続というものはかくのごとくいいかげんなものですか。しかも、法律に基づいて、関税法に基づいて一年以下の懲役まであるじゃないですか。罰金と併用まであるじゃないですか。どうなっているのですか。これは納得のしようがない。
○栗原政府委員 ただいまの百六十二トンのEDの関連につきましては、別途調査しまして御報告さしていただきます。
○米山政府委員 輸出の検査に当たりましては、六十七条の規定によりまして、輸出しようとする者は、品名、数量、価格を出すわけでございます。ただ、今度の場合は標準外決済でございまして、この場合には関係省の証明書が要ることになっております。これには数字、その価格、数量等が出ておるわけでございます。私どもは、そういう場合には、この承認書の数量、価格等を輸出申告書と照らし合わせまして、これで一致した場合には出すということにしておりまして、今回の場合も恐らくそういうことで検査をしていると私どもは理解しております。
○大出委員 それじゃ全く申告書と違った別な検査をやったことになる。そういう関係書類を全部出せと言ったら、お出しできないという-だそうです。私は直接聞いたのじゃないから。それじゃまるっきり幾ら乗っけたってわからぬじゃないですか。 しかも、米山さん、あなたそういうことを言うけれども、通産省からの説明によれば、トータルが合っていればいいのだから適当に乗っけたという説明だという。最初よけい乗っけ過ぎたらしまいにはゼロになった、こういう場合だってあると言った。それが申告書と全部違っているのにどんどんどんどん行っちゃったのじゃ、申告書が許可になって品物が行ったことになれば銀行から金が三菱に入るのですよ。そんならば幾らだって上乗せできるじゃないですか。ED、申告書を見ていきますと、べらぼうに高い金額のものは上乗せが比較的少ない。少なくても金額が大きくなっている。比較的価格の小さいものはよけい乗っかっている。全くいいかげんじゃないですか。 それで、契約書を出せ、インボイスを出せ、EDを出せ、そこで契約書、設計料、利益、技術料、加工料、こういうものを出せ。一切お出しができない。ソウル地下鉄も最初はそうだからしようがないといえばしようがないけれども、これじゃ余りといえばでたらめじゃないですか。幾ら乗っかっていたってこれはどうしようもない。いまのおっしゃっている別に書類があるというならば、もう一遍承りますが、あわせてお出しください。いかがでございます。
○栗原政府委員 私ども現物を確認しているわけではございませんので、五百七十トンからのEDが別途あるという報告は聞いております。その関係については別途調査して御報告させていただきます。
○大出委員 現物を見てないでそんなことをおっしゃったのじゃ話にも何もならないじゃないですか。それで回答には百六十二トンと書いてある。これはあなた方が印刷しているのでしょう。それじゃこれもまたでたらめじゃないですか。そういうインチキはいけませんよ。 それから、おわかりにならぬのだから、もう一点指摘しておきますが、それ以外の問題についてもここに書いておいでになる。この一番最後の「別紙」という表がございます。ここに山形鋼というのがある。鋼材です。一九七二年にこれは出ていっています。この山形鋼はトン当たりおおむね二十七万円で韓国の浦項に行っているのです。ここに出している表は、同じ年度の通関統計の国別表の中の一番高いところと一番低いところをとった、真ん中が平均だ、こう言う。山形鋼だけははみ出していますとこう言う。これは違った資料ですよ、この計算は。なぜか。山形鋼が浦項に売られたときと同じ年度の国別表統計を見るならば、山形鋼は浦項に行ったものが最高にならなければいけないですよ。トン当たり二十七万が最高でしょう。それが最高が十三万四千円でしょう。そうでしょう。だからこれは別なEDじゃないですか。これは現物をあなた方は確認したのですか。いかがでございます。
○大永政府委員 ただいま御指摘になりました山形鋼の価格でございますが、先生御指摘のように輸出申告書の単価は二十七万円でございます。それからその年におきます国別の最高は十三万四千円でございます。ただ、これは国の全体の平均でございますので、その一件一件につきましての最高という意味ではございません。 したがいまして、この浦項の場合には、浦項に参りましたそのものの案件が二十七万円ということでございまして、韓国平均では、現在手持ちの資料がございませんが、もっと小さくなっている、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○大出委員 だから問題じゃないですか。韓国全体でトン当たり十三万四千円で売っているものを、何で浦項だけ十三万四千円で売らないで二十七万円で売ったのですか。十三万四千円というのは最高でしょう。その最高の場合よりも高いものを何で浦項だけ売ったのですか。
○大永政府委員 いま最高の十三万四千円というふうに御指摘いただきましたのは、その国に売りました山形鋼の平均が十三万四千円ということでございまして、その中には、個別に見ますと安いものもあれば高いものもある。特に鉄鋼の場合でございますと、プラントの部品で耐熱性等の要求されるもの、たとえばバルブに類するようなものにつきましては値段が非常に高いわけでございます。したがいまして、国別の平均の最高は十三万四千円でありますが、個々に調べてみますと、これはもっと高いものも安いものもある、こういうことでございます。
○大出委員 私が浦項のEDを全部集めて国別比較をやっていくのに三カ月以上かかっているのですよ。これをお出しになったのは十日足らずです。八日くらいですよ。あなたのところでできるはずないでしょう。懸命にやって三カ月かかります、しかも多人数で。こんなものは七日か八日でポカりと出てくるはずがない。三菱が出したんじゃないの、この資料は。どうなんですか。
○大永政府委員 私どもの手元には国別の通関統計しかございませんので、一件一件の単価は洗ってないわけでございます。
○大出委員 それじゃこれは話にならない。三菱が出したのでしょう、あなたのところで洗えないというのだから。そうでしょう。いけませんよ、それは。全くソウル地下鉄の最初みたいなことだ。 改めてそこも調べてくださいよ。これは、いいでしょう。大臣、おいでになりますな。もう一遍お調べください。さっきの高アルミナもあるんだから。時間がないから早く答えてください。
○大永政府委員 これは私どものところには輸出申告書の一件一件がございませんので、通産省としては調べることはむずかしいと思っております。
○大出委員 調べることがむずかしい、これはずいぶん無責任な話ですが、時間がございませんから……。 先ほど来申し上げておりますように、一番最初に三菱さんが言ったという中身を私が承ると、最初よけいに乗せ過ぎたらゼロになることがあるとか、あるいは最初が少なければよけい乗せることもあるとか、トータルで合えばいいとか、三菱さんはそう言っているというのです。そして、それじゃ利益は幾らで、設計料、技術料、加工費というのは幾らで、書類は金銭に関するものはあるというのだから、契約金額は幾らで、要するに三菱さんがつくっているんじゃないのだから、三菱さんが買って送るんだから、これを出してくれなければ困るじゃないか、わからぬじゃないか。そうしたら皆さんの方に三菱さんはこれは出さぬという、だからわからないという。監督官庁としてそんな無責任なことはないでしょう。何でそこまでお調べにならないのですか。利益は幾らで、設計料は幾らで、技術料は幾らで、加工賃は幾らだ、これはあなた方の方で調べなければわかりはせぬじゃないですか。いかがですか。
○栗原政府委員 個別の取引、プロジェクトにつきましての利益の問題でございますが、あるいはその細目の加工費等でございますが、こういったものはやはり企業にとりましても一番の機密に属する事項だろうかと思います。また、私どもといたしましても、こういった事項について調査する権限というものもないわけでございまして、そういった意味におきまして、調査することは困難であるというふうに考えております。
○大出委員 あなたは先ほど高アルミナ質耐火れんがその他は調べるというふうにお答えになっているから、これは調べていただくとして、あなたの方がどうしても困難だと言うなら困難でないようにしなければならぬ。これもまたソウル地下鉄式になってまいりましたが、資料をまた提出をしてさらに調査をお願いすることにいたします、時間の関係もございますから。 そこで次に、私は前回の質問のときに、小野田修二さんという方がお書きになった「商社の陰謀」という書籍がございます、この中に百万ドルの金を中村長芳さんが大統領専用ヘリで韓国に運ばせた、こういうくだりがあることを指摘いたしました。日商岩井の塩田淑人さんが説明をした。当時の反対商社であります。 そこで、これも調べてみましたが、こういう問題がございます。このうちの五十万ドルというのは、韓国嶺南大学に寄付の形をとっていると言われます。韓国の嶺南大学、最近韓国の新聞に嶺南大学に関する記事がいろいろ載っております。どういう大学かといいますと、学生数が一万二千人、日本で言えば日本大学式の非常に大きな、私立の最大の大学であります。朴大統領が政界引退後教育に余生をささげたいということで設立をされたというふうに韓国の新聞には書いてあります。この大学は、また別なものによりますと、当時の大統領への献金のマネーランドリーあるいはクリーニングの機能を果たしていたなどとも書いてあります。韓国の報道機関もいろいろ伝えておりますが、ここに五十万ドルの寄付を七一年の初めにおやりになった。ちょうど大統領選挙の前であります。これは大変確実な情報でございますが、そのほか五十万ドルを献金された。藤野さんは、ここで産業勲章をおもらいになっている、こういうわけであります。 したがいまして、これは寄付を正式にするとすれば、これは大蔵大臣に聞かなければいかぬでしょうけれども、正式な寄付ならば、それなりの記録が日本側になければならぬ。いかがでございますか。
○加藤(隆)政府委員 外為管理法の二十七条の許可を要します。
○大出委員 これは一遍お調べいただけませんか。いかがでございますか。
○加藤(隆)政府委員 調べてみますが、大変むずかしいと思います。
○大出委員 調べてみるというお答えでございますから、大変むずかしいという断りがつきましたが、お調べくださるそうでございますから……。 そこで、実は韓国との間に幾つもプロジェクトができまして、いろんな物の本にその間のいろんな出来事が書かれております。私はここに一つの文書を持っておるわけであります。この文書、題して「日韓経済協力関係に於ける問題点」という文書であります。これが新聞に報ぜられた部分がございました。ところが途端にいろんなことになってまいりましたが、新聞も報じておりますし、ここまで参りますと明らかにせざるを得ないわけであります。そこでこれをお配りをいただきたいのでありますが、委員長の許可をいただきたいのです。
○田村委員長 どうぞ。
○大出委員 これは私は法務省の方にもあらかじめ申し上げておきましたが、お調べをいただきたい。中身は非常に重要、重大なことが書かれています。私も皆さんが御存じのとおり、長らくこの種の問題を調べてきておりますので、このそれぞれに記載されております事実の問題につきましては高い信憑性を感じています。そしてまた、私はこの件について、この種の資料が入ってまいりますについて、時あたかも、この一番最後に書いてありますように、一九七八年十一月二十四日という日付になっておるのでありますが、つまり昭和五十三年の十一月ということであります。この時期はどういう時期かといいますと、ちょうど総理大平さんが幹事長でおいでになって、福田さんが総理でございます。総裁の公選も云々されている時期であります。この時期はもう一つ、同じ五十三年十一月の一日、同じ月の一日でありますけれども、アメリカにおけるフレーザー委員会の最終報告が行われました。これは一九七八年十一月二十四日でございますが、フレーザー委員会の最終報告は同じ一九七八年十一月の一日であります。皆さんも新聞でごらんのとおりに、フレーザー報告の最終報告は浦項製鉄所に関する疑惑も指摘しております。金の流れであります。詳しくはソウル地下鉄につきましても報告がございます。このソウル地下鉄に関する報告が例の二百五十万ドルの金の行方で、チェース・マンハッタン銀行から、外換銀行から、ほかの銀行を幾つか回ったりいろいろいたしまして、金成坤なる人の要請に基づく金が払われた、そのルートを克明に実はフレーザー委員会が述べていた時期であります。同じ月であります。 それで、この文書が私の手元に参りますに当たって、当時総裁公選その他をめぐって、片一方の側の方々、もちろん官僚の方々です。大蔵省のさる高官の机のところで、その高官がお持ちになっておった、そこからもらってきたという資料、そういう注釈がついております。内容は投資二課あたりの方でないとわからない、確かにわかりません。そういう内容であります。漏れ承るところによると、大蔵省の皆さんは、大蔵省の用せんには違いないが、どっかのトップ屋みたいな方が持っていって書いたんだろうなんていうようなことをおっしゃっている方があるそうでありますが、読み上げます。 日韓経済協力関係に於ける問題点 昨今、日韓経済協力関係について、種々と問題の発生があるが、当大蔵省としては、関係各省庁と協議の上、マスコミ、国会関係者に対して以下の対応をするものとして本日、関係各省庁及び関係大臣に上申し、一方で民間関係企業に対してもしかるべき処理をとるものとしたい。 一、1一九六八年十月三十日付実効の第三期市外電話拡張事業について、政府協力日本輸出入銀行分二億七千五百万円実効分の本邦韓国企業からの全国銀行協会からの国民会議への政治献金である旨の回答がなされた。 本経済協力は日本輸出入銀行から韓国外換銀行へ一度協力資金を日本興業銀行、三菱銀行から入金されたものであるが、翌年の二月十日、東京銀行本店へ逆送金され、一億五千万円が国民協会へ献金され、一部の五千万円が政府高官K、N、F、N頭文字しか書いてありません。どなたかわかりません。 の四氏の名口座に振替入金されている。 2本経済協力については、日本電信電話公社、松下その他の五社の総合プロジェクトで、すでに松下の事情聴取は終えているものの、献金の逆流については韓国政府及び民間企業の独自の判断でなされたもので、本邦企業及び政府は一切介入していない。 さらに、この件と関連して、一九七三年七月二十日実効の漢江流域洪水予警報施設事業にも同様な逆流政治献金が発覚しているので、現在調査中である。上記二件の国内関連法律は、時効うんぬんは別として、外国為替管理法、公職選挙法及び各個人代議士に於ては脱税の疑いがあり、国税庁、自治省にただちに調査依頼を行っている。 二、一九六八年十二月二十八日実効の昭陽江ダム建設事業については、四十六億八千六百万円のうち、やはり日本建設業協会、日本土木工業会を通じて三億円が十数名の自民党 ここで消えておりますが、 十数名の自民党代議士、国民会議に逆献金されている。 本案件については、一九七〇年二月四日実効の二十六億九千九百万円のプロジェクトについても同様な逆献金の要旨が韓国から未確認ながら入っており、同案件関連の一九七四年十二月二十六日付一〇〇一-一〇〇二-の農業総合開発事業(百九十四億四千万円)大清多目的ダム(百十八億八千万円)にも波及する可能性があり、早急に建設省、農林省に調整を指示すると同時に、プロジェクト担当幹事行である富士、第一、住友の担当者に事情報告書の提出を命じた。 三、一九七一年七月十六日実効分、総合製鉄事業(第七年度合意分)二十八億八千万円、一九七二年五月一日実効分(第八年度合意分)百七億四千九百万円、一九七三年一月十六日実効分(第九年度合意分)十億八千六百万円の準賠償の件で、一九七四年五月二十二日実効の浦項製鉄所拡張事業一次、二次(百七十二億八千八百万円、二億二千五百万円)について、先日、国会に於いて社会党、公明党の横路、黒柳両先生より、疑惑の指摘がなされたが、本省で調査した結果、本件も同様、日本鉄鋼連盟、日本鋼管、新日本製鉄、三菱重工、川崎製鉄の名で自民党代議士七名及び 大変これは恐縮でございますが、 各政治団体へ五百~二千五百万円の政治献金がなされており、まったく本省としての処理が極めてむずかしくなり、昨日、日本鉄鋼連盟会長及び鉄鋼五社の社長を通産大臣のところへ招集し、疑惑の整理、問題解決の依頼ととりまとめを要請した。 同プロジェクトに関係する商社、金融機関は、第一、三菱、富士、住友、三井と大手商社五社で、特に三井物産と三菱商事の動きについては、極めて不可解な点が多く、今後の追求が必要であり、通産省貿易局長、本省国際金融局・銀行局に対し厳重調査を指示した。 四、地下鉄二号線の計画案件について、予算委員会で種々と諸先生から質問、追求がなされているが、事実関係は上記三案件プロジェクトと同様逆献金の実態が細部に追求されているだけである。事実関係については、新聞報道されているとおりであるが、具体的には窓口となった商社、メーカー間で、当初、政府ベースで決定した協力金額をドル、円、ウォンで換算していく過程で、為替差益を計上するようにして、その差益分を車輛の見積価格に上積みして、差額分を逆献金していたもので、本件については、消してありますが、個人名は避けました。ブラックジャーナリストがここに書いてありますが、その人の名前も聞いております。 現在、東京地検及び警視庁の方で調査中である。これは捜査ではございません。 本案件にまつわる本邦政治家への逆献金は二億六千五百万円で、うち三井銀行分が一億一千五百万円で、これらがスイス銀行及びFNCBニューヨーク支店口座へ振替入金されている。 以上が韓国との経済協力にまつわる問題点であるが、別紙の韓国企業名、本邦経済協力案件、プロジェクト企業及び使途、不明リストにしたがって^今後厳重注意していくものとするが、関係各省庁の協力及び民間企業の協力をまって、経済協力の本来の姿勢にもどすべく努力する事が第一である。 尚、国会及び地検、警視庁の調査協力依頼については現時点で外交付属文書と国家機密との関連で協力はしていない。 国会に於いては、一部の野党議員によって、国政調査権をたてに、すでに民間企業への書類提出の動きがあるが、関係各省庁の協力のもとにごく一部の資料提出にさせている。 一方、日韓大陸ダナ開発についても、石油連盟と外換銀行との間にこの種の疑惑がすでにあるとの指摘が一部民族系石油会社から情報として入っているが、この件についても、通産省、エネルギー庁、石油開発公団を通じて調査中である。 こういうことでございますが、私は実は長らく手がけておりましただけに、この中身に数字的誤りのないものがたくさんありますし、かつ、もう一つ申し上げますが、わが党の横路孝弘議員の名前が出てきまして、黒柳さんの名前が出まして申しわけないのでありますが、私は横路君にただしてみた。国会で指摘されている、質問しているとなっているが、雷っていない。彼は質問をしていない、浦項について。しからば資料要求をしたかというようなことも承りましたが、記憶がない。文書を読んでもらいましたら気がついて、資料要求のファイルを調べに彼は帰りましたが、いや実はあったというわけです。資料要求をいたしておりました。つまり、したがって疑惑の指摘もいたしております。つまり、ここに書いてあるとおりであります。ところが、私も知らない、横路君本人が忘れかかっている資料要求なるものがどうしてこの文書に出てくるか。私も知らない、横路君も忘れかかっていた。文書を読んで横路君がファイルを見に行って、いや実はこういうわけで、安宅君の韓国進出企業一覧その他いろいろ調べて、当時大変大きな興味を持って資料要求をいろいろやった。こういう疑惑がある、こういう疑惑があるということでやった。確かにそういう意味で、国会を通じて指摘をいたしています。公明党さんの方につきましては、御無礼なことは何も申し上げておりませんけれども、そういう事実もございます。 したがいまして、先ほど冒頭に申し上げましたようにこの問題は、私のところに流れてくる経緯の中で、当時の党内の争いもございましたんでしょうが、そういうことも前例としてはございますが、片側の方々がおまとめになったもののようだというお話も実は伝えられまして、さる高官のお手元にあったものである、材料は投資二課でなければわからない、実はこういうことまで付してのお話であり、ただ残念ながら、この筆跡でございますが、これがまだ明らかにされておりません。時間が大変かかりましょう。そういう意味でこういうものが、かって海部メモを私取り上げて、大分おしかりもいただいたこともありますけれども、この間来私が追及をいたして、質問をいたしておりますものとも絡みまして、これはお調べをいただかなければならぬ、私はこういうふうに考えておりますので、その点を指摘をして、たとえば真実でないとした場合、だれかほかで書いた者があったとした場合でも、海部メモじゃありませんが、こういうものが幾つかのルートで流れているというのをいつまでも放任することはよくないと実は私は思っておりますから、そういう意味を含めて、私は形よりも内容に大きな問題を持っておりますので、そういう意味で政府関係機関の御調査を願いたいと思っておるのですが、総理、いかがでございましょう。
○松下政府委員 御指摘の書類につきましては、私一昨年の十一月当時も官房長をいたしておりましたけれども、この書類は見たことがございません。昨日新聞報道がございましたので、経済協力担当部局に、この書類を作成したことがあるかどうかということを問い合わせたのでございますけれども、いずれもこの書類を作成したことはないというふうに返事をいたしております。 したがいまして、この書類の内容につきまして私どもにはわからないのでございますけれども、仰せのようにいろいろと記載事項も多うございますので、私どもといたしましては、これが大蔵省職員で書かれたものとは思いませんけれども、なお真実を調査をいたしたいと思っております。
○大出委員 総括質問の最後の段階に来ておりますので、私の方も、率直にさっき冒頭に申し上げましたように疑惑は解明をしたい、これだけのことが書かれておりますのでお調べいただきたい、こういうふうに考えておりますので、そう申し上げておきます。 時間がなくなりましたが、KDDの木村さん、古橋さんに御回答いただきましたので、重ねてお出かけいただきまして恐縮でございます。簡単に承ります。 まず一つは、専用線の値上げ問題がございます。簡単に申しますが、申請が五十二年の六月二十三日であります。KDDが国際専用線料金を七月から三〇%ないし六〇%値上げの申請をした。一月十七日、電気通信ユーザー協議会ができ上がりまして、反対運動に立ち上がった。十一月二十五日に郵政省が料金値上げを認可する。一〇%から二〇%上げの認可であります。五十三年に入って、一月二十五日、行政不服審査法に基づく異議の申し立てがユーザーから猛然と起こりました。そうしたら三月十三日に板野前社長名で、そんなことを言うと、つまり、新料金の値上げに反対するのならば通話の許可を取り消す、契約を解除するというような趣旨の内容の内容証明を各ユーザーにぶつけました。五十三年四月一日から新料金が実施をされまして、異議の申し立ては却下されました。五十四年の六月二十九日に申し立てば却下されています。 ところが、五十四年の十月一日、一〇%値下げしました。約二年間の値上げでございました。一説には、KDDが専用線の独占をたくらんだという物の考え方、外国の会社の日本に入ることを防ごうとして値上げをやっておこうとした、二説ございますが、二年間でなぜこれを引き下げたか、問題がございます。つまり、この背景に政治が絡んでいなければこういう器用なことはできない。つまり、この時期に実は大変な交際費なりあるいは贈答品なりいろいろなことが行われた一つの中心だと私は考えますが、木村さんが担当ではないかと思うのですが、その辺はどうお考えでございましょう。
○木村参考人 お答え申し上げます。 ただいま先生が御指摘になりました事実は、おおむねそのとおりだったと思います。 なお、これに政治が絡んでおったかという御質問でございますが、このことについては何とも申し上げかねます。
○大出委員 そこで、大臣に承りたいのでありますが、郵政省の皆さんの職務権限、これはKDDという会社は、郵政省から認可をいただかなければ何もできない会社であります。問題の五十三年だけで九十三件くらい皆さんは認可をされている。認可の中身というのはいろいろなものがございます。これはもうすでに私はここで取り上げましたから多くを申し上げませんが、絡んでいる法律は、国際電信電話株式会社法、公衆電気通信法、これによって定められておりまして、年度事業計画から料金改定、利益金の処分、配当金の決定、幹部の人事承認、さらに通信回路、海底ケーブルの設置、多岐にわたりますが、すべて郵政省の認可がなければできません。 この職務権限に私は非常に大きな関心を持っておりますが、そういう意味で警察当局に承りたいのでありますけれども、警察当局は郵政省の幹部の方々から、いま私の挙げた、前回も一遍別な指摘をいたしましたが、この種の動きをめぐる背景、事情聴取をなさるのが私は当然だと思っておりますが、事情聴取をなさいましたか。かつ、そこで職務権限というのは非常に大きなウエートを占めると思うのですが、いかなる関心をお持ちでございますか。
○中平政府委員 KDDをめぐる疑惑につきましては、御案内のように去る二月二十四日にKDDの前社長室長の佐藤氏を逮捕いたしまして、現在鋭意取り調べ中でございます。それと同時に、押収した帳簿等から克明に、ただいま先生の御指摘のありましたところも含めましていろいろと捜査を遂げている、そういう段階でございます。
○大出委員 私の申し上げたところも含めてということでございますから、御回答いただいたことになると思います。 時間もございませんから郵政大臣に承りたいのでありますが、いま私が指摘したさきの公衆法の改正、KDDの料金滞納に関する措置、その後の値上げ、いま通信回線の話をいたしましたが、ここら非常に重要でございまして、そういう意味で、郵政省がうんと言わなければ、特にこれは大臣から政務次官から電波監理局長から官房長から、そして電気通信監理官お二人の方は官房に入っているのです。電気通信監理官室の五人の参事官の方もそうでありますが、そこらのところを、定款なり事業計画なり利益処分なりみんな絡んでいるわけでありますけれども、大臣は一体この動きをいまになってどう御判断になっているのですか、かつ、職務権限があるとお考えでございますか。
○大西国務大臣 お答えいたします。 郵政省が認可いたしております事項につきましては、それを担当しておる職員は職務権限があると思います。
○大出委員 分掌規程云々を申し上げるつもりはありませんが、大変大ざっぱな質問で恐縮でございますが、あるとお答えであり、私の申し述べたことも含めてという先ほど警察側の御答弁がございましたから、時間もございますからこの点は次に移らしていただきます。 KDDの木村さんのところで、この間私が商品券の問題を取り上げましたら、その後新聞によりますと、どうも五千万円という数字が実は出てきているのでありますが、この五千万円というのは本当でございますか、刷新委員会の調査によればと、こうなっているのですが。それで、百六十万と百四十万、これは使ったのと新しくだれかが買って返したのと二通りあった、こういうわけでありますが、そこらのところがこの間の答弁とちょっと違いますので、気になりますからお答えいただきたい。 それから、この際ついでに申し上げますが、もう二点。一つは、ここにお出しになっていただいたこの回答は、商品券と両方ございますが、商品券は細かく言っている暇がありません。この前半と後半に分かれた片方しか出していないように思いますが、省略しますが、備前焼のつぼ、これはその後の新聞報道によりますと、ストレートで小佐野さんのところへ買ったときに持っていったのだから、藤原啓さん、雄さんのやつはつまり横領の中に入るなどというふうに書いてあります。固定資産として登録されているものについて調査しましたが、該当する品物はありませんでした、きちっとないと言い切っておいて、簿外品の中にはあるいはあるかもしらぬといまは言います。装身具類五千万円のはいきなり、これらの品物があるとすれば簿外品、答えが違う、この辺はなぜか。 それから最後に警察当局にひとつ承っておきたいのでありますが、ロンドンの所長の小関康雄さんという方、この間指摘したように事務所経費というものが多額に流れている、また多額な接待費を持っていっている、裏金ができている。これは警察当局にあわせて承りたいのですけれども、三つの裏金の口座、ここにどうも三百万ドルなどという話が最近新聞に載るのでありますが、私がこの間申し上げたのは二億どまり、一億二千万と言われ、一億と言われるがと、こう言ったのですが、三百万ドルとなりますとこれは大変な金額でございます。七億だなんということになりますからね。そんなことはあり得るのかどうかという点を含めまして、小関康雄さんという人から事情聴取をどうしてもすべきであると私は思うのですが、前回は帰ってこないというのですけれども、帰国要請をさらに出さなければいかぬでしょう。おやりになっているのか、あるいは帰ってきたというのでお聞きになったのか、これだけ答えてください。 以上です。
○古橋参考人 お答え申し上げます。 初めに申されました一部報道に出ておりました総額五千万円についての件でございますけれども、刷新委員会筋というふうに新聞に出ておりますが、私ども調査いたしましたのはデパート等、その時点ではまだ三越、伊勢丹程度から返ってきたものでございまして、とてもここまで多額な調査はいたしておりません。それから、ある程度保田参与が金を残したとも言っておりますけれども、その件につきましても確認いたしておりません。 それから、その後の先日資料を差し上げましたつぼの件でございますけれども、あるいはと思いまして固定資産関係のものを一品調査いたしたのでございますけれども、固定資産にはございませんでした。それで簿外品、現在貯蔵品として管理しておりますけれども、簿外品の中にあるのではないかということで調査をしたいと思ったのでございますけれども、現品は全部押収されておりますのでできなかったわけでございます。 それで、先日御指摘ございました押収品目録による調査がございますのですが、この件につきましては、現在の調査に差しさわりがありますので、押収品目録の内容については話をしないようにという御示唆を承っておりますので、遠慮させていただきたいわけでございます。同様に装身具類につきましても、簿外品及び押収品目録でございますので、残念ながら確認できない状態でございます。 以上でございます。
○大出委員 どうもお忙しいところを済みませんでした。ありがとうございました。
○中平政府委員 小関氏につきましては、引き続いてKDDも要請いたしまして、私の方でも一応事情を聞かせていただきたい、こういうふうに思っております。 それから、ただいま何か三百万ドルとかいうふうなお話がございましたが、これは現在捜査中でございますので、詳しく申し上げられないわけでございますが、大変簡単に申し上げますと、この種の事件ではいろいろな情報が乱れ飛ぶわけでございます。したがいまして三百万ドルというのは、私どもの調べた範囲では、現在まで把握している範囲では、どうもそういう事実はないようである、そういうふうに考えております。
○大出委員 終わります。
○田村委員長 これにて大出君の質疑は終了いたしました。 次に、二見伸明君。
○二見委員 本論に入ります前に、一月三十一日の矢野委員のいわゆる空出張等不正経理についての政府の統一見解を要求したわけでありますが、この政府の統一見解を、もう大分日にちもたっておりますのでまとまっていることと思いますので、明らかにしていただきたいと思います。 さらに、同じく一月三十一日に矢野委員が行政管理庁に、行政改革にかかわる各省庁特殊法人の実態調査を行管が昨年の秋におやりになりました。その実態調査の結果を提出するようにという矢野委員の要求があったわけでありますけれども、この点についてはどうなっているのか、冒頭にその二点をお尋ねしたいと思います。 〔委員長退席、村田委員長代理着席〕
○伊東国務大臣 お答え申し上げます。 いま御質問のありました、予算委員会におきまして矢野議員から、いわゆる空出張等に関連しまして、虚偽公文書作成罪が成立するのではないか、また、このような問題について職員は告発義務があるのではないかとの御質問がございました。この御質問につきまして、法務省、総理府など関係省庁と協議をいたしまして見解を取りまとめましたので、御報告を申し上げます。 まず、虚偽公文書作成罪の問題につきましては、御指摘のいわゆる空出張等の不正経理に随伴して、公務員がその職務に関し虚偽の内容の公文書を作成しこれを行使した場合には、虚偽公文書作成同行使罪が成立し得ると考えられます。また、公務員の告発義務の問題につきましては、刑事訴訟法第二百三十九条はその第二項において「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と定めておりますので、右の要件を満たす場合には、原則として公務員には告発義務が課せられていると言えます。 政府としましては、官公庁等における空出張等予算の不正経理の根絶を図ることとし、すでに昨年十一月二十六日に各省庁間でこのための具体的な申し合わせを行い、これを実施しているところでありますが、今後ともその徹底を図り、国民の信頼の回復に努めてまいる所存でございます。 以上でございます。
○宇野国務大臣 あのとき矢野委員にもお答え申し上げましたが、報告書としてまとめたものではないので、鋭意整理して当委員会に提出しますとお約束いたしまして、本日事務当局に問い合わせましたところ、あと二週間でお出しいたしますということでございます。
○二見委員 私は、本日は、先ほど大出委員が冒頭に質問されましたいわゆる二十万ドルの授受についての問題と、円対策、財政再建、住宅問題等について政府の見解を承りたいわけでありますけれども、日銀総裁が所用がおありだそうでございますので、最初に円対策の方から御意見を承りたいと思います。日銀総裁は明日ヨーロッパへ出発されるそうでございまして、大変お忙しいところありがとうございました。日本経済は大変な一つの局面に立たされているわけでありますけれども、どうか率直な忌憚のない御意見をお述べいただきたいと思います。 初めにお尋ねいたしますけれども、三月二日の円防衛対策の結果、円は多少盛り返して二百四十七円あるいは二百四十八円程度になっております。日銀はこの防衛対策の効果をどのように評価されているのか、それをまずお尋ねいたします。 さらに、きょうは二百四十八円ぐらいになっているようでありますけれども、二百四十七円あるいは二百四十八円という水準は、私はまだ安いという判断をしているわけでありますけれども、日銀総裁としては適正と考えているのか、それともまだ安いという判断を持っているのか、その二つをあわせてお尋ねしたいと思います。
○前川参考人 今回の円安対策は、円安の状況がどうも行き過ぎておる、市場心理がそちらの方に振れ過ぎておる、経済の基調にそれほど大きな変化がなかったにもかかわらず、二月中に約四%も円が安くなるということは、経済的な理由からはなかなか説明できない、心理的に円安の方に振れ過ぎているというふうにわれわれは判断したわけでございます。この判断は、同時にアメリカ側も日本に協力して声明も出し、介入を強化したわけでございまするが、アメリカもそういうふうな判断をしておるわけでございます。そういうことで日米協力いたしまして、並びにドイツ、スイスの中央銀行とも緊密な連絡をとって強い介入を市場に対して月曜から行っておるわけでございます。それまで毎日円安に振れているというような状態がそこから変わってまいりまして、円も二百四十七円ぐらいに水曜日までにはなってきたわけでございます。 この効果につきましては、私どもの強い態度がそれなりに評価され、市場心理も次第に落ちつきを取り戻しつつあるというふうに判断しております。本日はまた二百四十八円に振れましたわけでございますが、これは昨日海外においてドルが一斉に一段高になりまして、円ばかりではございません、ドイツマルクあるいはスイスフランに対しても非常に強くなったわけでございます。いろいろな理由があると思いますが、その反映で円も四十八円になりましたけれども、必ずしもここでまた円が弱くなってきたというふうには私ども判断しておりません。 それから第二の御質問の、いまの水準をどう評価しておるかということでございます。為替の水準に対する評価は、私ども、その為替の市場に対する介入をいたしておりまする立場から、水準が適正であるかどうかということにつきまして申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。ただ、二月のように一カ月の間に十七円も円安になる、しかもそれを正当づける理由がないというようなことは明らかに物価あるいは経済面にも大きな影響がございまするので、これはぜひ防止していかなければならないということから、ああいう措置をとったわけでございます。私ども、いまの市場心理がまだ不安定でございますし、それから為替というのは円と相手の通貨がございまするので、その相対関係がどういうふうに動きまするか、そのときどきの状況について判断してまいらなければいけないところでございまして、いまの水準がまだ円安に過ぎるかどうかという点につきましては、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○二見委員 五十三年の十二月には円は一ドル百九十五円でありました。そのときにはドイツマルクは一ドル一・八二マルク、スイスフランは一ドル一・六二フランであったわけであります。その後ことしの二月までの約十三、四カ月間の推移を見てまいりますと、もちろんドイツマルクやスイスフランも上がったり下がったりの波はあるけれども、ずっと下がりっ放しでしかもその下落が急激だというのは日本の円だけであります。 一方、アメリカや西ドイツや日本の経済状況を考えますと、経常収支、貿易収支、これは程度の差こそあれ赤字であります。しかもOECDの七九年十二月の見通しによりますと、実質GNPで日本は四・七五という予想をしている、西ドイツは二・二五%と予想しているのに比べて、八〇年のアメリカの経済はマイナス一・二五%になるだろう、OECDはそういう予想をしております。アメリカの経済は決してよくない、むしろ日本やドイツよりもよくない。インフレも日本とは比べものにならないくらいにひどい。にもかかわらずドルが強いというのはどこに原因があるのか、なぜ日本の円が大幅に下落したのか、そこら辺については日銀はどのような御見解をお持ちでしょうか。
○前川参考人 為替相場は確かにそのときのその国の物価あるいは国際収支の影響というものを受けるわけでございます。アメリカの国際収支につきましては、最近における改善状況、赤字の縮小的な傾向というのは、ほかの国に比べますとややきわ立っておるわけでございます。日本、ドイツは、日本は御承知のような大きな赤字でございます。ドイツもいままで国際収支は非常に強かったわけでございますが、ここへ来てやはり赤字になってまいりました。石油価格の上昇ということが一番大きな原因であろうというふうに思います。 しかし為替は、そういうことのほかにやはり政治的な面の影響も受けるわけでございます。特に最近のドルの強い状況と申しますのは、いろいろ言われておりまするが、その一つは、アメリカがああいうふうに金利を非常に上げてきているということが一つでございます。もう一つは、アフガニスタン問題その他イラン問題も含みますけれども、中近東にああいうふうな政治的に不安な状態が起きてきている、そういうことがございますると、資金がヨーロッパからアメリカの方へ移動する傾向が強まってきておるようでございます。ことに最近はそういう動きが一段と強くなりまして、ドイツマルクがここ数日間かなり弱くなっておる。ドイツの当局のドイツマルク買い支えが非常な多額に上っておるわけでございます。 そういうふうにいろいろの事情がございますので一概に言えないわけでございますが、最近のドル高というのは、いま申し上げましたようなことのほかに、市場心理がやはりそちらの方に強く振れているということがあると思います。御指摘がございましたように、どこの国もファンダメンタルズは余りよくない。よくないにかかわらず円だけがああいうふうに弱くなったということは市場心理が行き過ぎているというふうにわれわれが判断したのと同じように、そういうふうな市場心理の行き過ぎというのはドルについてもある程度あるというふうに考えております。
○二見委員 現在、円が弱くなっている原因は経済的な要件だけではなくて、たとえばアフガンに対するソ連の侵攻、ペルシャ湾の状況、中東問題、そうした緊迫した国際情勢がアメリカのドルを実力以上に心理的に強くさせているというふうに、いまの日銀総裁の御答弁を理解したわけであります。 もう一つは金利差の問題がございました。金利差の問題について伺いますけれども、金利については三月四日現在、日本が七・二五でございますが、アメリカは十三%、イギリスは一七、西ドイツは七・〇、フランス九・五、イタリア一五・〇、カナダ一四、ベルギー十三・五、デンマーク十三・〇、オランダ九・五、ノルウェー九・〇、スウェーデン一〇・〇、西ドイツを除きまして日本を取り巻く先進諸国は日本とは比べものにならないくらい高い金利で、しかもアメリカの金利は十三%、プライムレートではもう一七を超えていると言われているくらい大変な高金利の時代に入っているわけでありますけれども、そうなりますと、わが国も先進諸国の金利差に合わせる、金利差を縮めるためにも公定歩合の再引き上げということは考えられてくる問題でございましょうか。
○前川参考人 欧米諸国の金利水準が非常に高くなって、もう皆ほとんど、ドイツを除いて二けたになっておるというのは御指摘のとおりでございます。なぜそういうふうに二けたの金利水準にしているかということの一つの理由は、それぞれの国の物価、ことに消費者物価の上昇がそれぞれ二けたの上昇になっておるわけでございます。欧米諸国にはそういうふうな物価の上昇と金利の高さを比べますいわゆる実質金利の考え方というのがかなり一般化しておりまするために、消費者物価がそういうふうに二けたの上昇を示すようなときには金利もそういうふうな二けたにするという考え方が比較的一般的であるというふうに思っております。 ドイツと日本がまだ一けたであるということの一つの理由でございまするが、消費者物価がまだそこまでいってないということが一つの背景にあるだろうというふうに思います。 この金利差があるいは円を弱くしておるのではないかという面の御質問がございました。確かに金利差というものは、資本取引あるいは資本の移動ということに大きな影響があることは御指摘のとおりでございますが、しかし金利差だけではございませんで、先行きの相場観というものが資本の移動にはいつも大きな要素があるというふうに考えております。 〔村田委員長代理退席、委員長着席〕 現に、それではアメリカの金利が高いために日本からの資金の流出が現実に起きているかということでございまするが、現在までのところそれほど目立った動きは起きておりません。そういう意味から、資本の流出を防止するために金利を上げなければならないという環境には、いまのところまだ来ておらないというふうに判断しております。 これから公定歩合を上げるかどうかという点につきましては、公定歩合につきましては、私ども、それぞれそのときどきの情勢に応じた機動的な運営を図ってまいるという考え方はいまでも変わっておりません。全く情勢次第ということでございまして、公定歩合については先日上げたばかりでございまして、いまのところは全然再度の引き上げを考えておりません。
○二見委員 それでは重ねてお尋ねいたしますけれども、私は、円安を背景とした物価騰勢には歯どめをかけなければならないというふうに認識をいたしております。角度を変えてちょっとお尋ねをするわけでありますが、これは経済企画庁とも関係がございますので御両者からお答えいただきたいわけでありますが、二月十五日の私の質問に対しまして、私は景気と物価の兼ね合いで質問をしたわけでありますけれども、そのとき総理大臣は、当面物価を重視した運営を心がけなければならないという御答弁をされました。 それで日銀総裁と経企庁長官に、五十五年度の景気、特に五十五年度の上半期の景気についてどういう認識を持っておられるかお尋ねしたいわけでありますが、五十五年度の上半期に限ってみますと、まだかなり上昇基調という認識をされておるのでしょうか、そろそろ上昇基調からかげりが出てきたというような認識をされるのでしょうか。上半期の段階です。どちらからでも結構です。
○正示国務大臣 お答えを申し上げます。 景気の基調は相当底がたいものがあるという感じを持っております。しかしながら、この点については、ただいまも日本銀行総裁からもお話があったように、これからの推移については物価、これを非常に大事な問題として何としても物価を安定させること、これは卸売物価は海外要因で相当上がっておりますけれども、いままでのところ関係各層の御協力によって消費者物価が――季節的な野菜価格等は若干これは例外的なものでありますが、しかし、これを除きましても卸売物価の消費者物価への波及というものに相当警戒を要する。そこへもってきて御案内のようないろいろの公共料金問題がございますので、これらに対してぜひとも景気の、景気というよりは経済の安定的な成長を阻害させないような総合的な対策をやりたい。けさ閣議で御了解をいただきまして、これは今月の半ばくらいまでに各省庁でお打ち合わせをして、総合的な物価対策の強化について具体的に取り組みたいと考えております。
○前川参考人 景気につきましては、私ども、今年度中にある程度のスローダウンが来ることは不可避である、産油国に対してあれだけ大きな所得の移転がございまするので、景気の後退というのは不可避であろうというふうに思っておりました。ただ、その時期は少しずつ先へずれているという感じがしております。年度の半ばという御質問でございますので、半ばと申しますと九月末でございますので、ちょっとそこまではなかなか読めないわけでございまするけれども、まあ暦年の半ばぐらいまでは、いまのところは設備投資あるいは消費等かなり底がたい状態にあるというふうに判断しております。 ただ、これも物価次第でございまして、もし物価が非常に上がるということでございますると、いまのような設備投資意欲、こういう企業マインドというものも急速に冷えるであろうというふうに思います。消費につきましても、もし消費者物価が急速に上がるということでございますると、これは第一次の石油ショックのときにも経験したことでございまするけれども、消費意欲、消費者マインドというものは非常に急速に冷えてくるものであろうというふうに思います。 そういう点から、この物価の状況につきましては、まだ油の価格の問題もございますしいろいろ不安定な要素もございまするので何とも申し上げられませんが、私どもはそういう見地から申しましても、物価の上昇の抑制ということは是が非でも実現しなければいけないというふうに考えております。
○二見委員 先ほど日銀総裁は、公定歩合の引き上げについて当面は考えていないとお話しございました。これは考えているという御答弁を求める方が無理な話だと私も承知しております。 重ねてその点についてお尋ねしますけれども、これからも円安傾向がもし続く、あるいは二百四十七、八円でそれ以上高くなれないというような状態が続くといたしますと、原油の値上がりを別にいたしましても、これは必然的に卸売物価に波及をしてまいりまして、そのこと自体がインフレへの一つの引き金になってくると思うのです。そうすると、公定歩合を再度引き上げるということは一般論として円安を食いとめるためには効果的な手段なのかどうか。それとも公定歩合を引き上げるということは、円安には直接関係はないけれども国内の物価を鎮静させるためには効果があるのかどうか。あるいは両方に、円安に歯どめをかけ物価にも歯どめをかけるためにも公定歩合の引き上げというのは効果があるのかどうか。三つありますね。三つのうち大体どこら辺のことになるでしょうか。
○前川参考人 あくまで一般論でお答えいたしますが、一般論から申しますると、為替が円安に振れるということは基本的には物価が原因であるというふうに私どもは考えておるわけです。もし物価が安定した状態であるということは、要するにファンダメンタルズがいいということであります。そういう事態のもとにおいては円安にはならないで済むだろうというふうに考えておるわけでございます。 したがいまして、私どもは、為替の問題につきましては、今度の措置のように市場心理が極端に一方に振れているというときに市場心理を是正するためにいろいろの手段もとりますが、その為替の円安のために公定歩合を考えるということよりも、やはり物価の安定あるいは上昇の抑制ということでいままで私どもは考えてきたわけでございます。昨年来金融の引き締め政策もとってまいりましたし、公定歩合についても累次すでに四回の引き上げを行ってきたわけでございまするが、すべてその考え方の基本は物価の上昇を極力圧縮する、抑制するということを主眼に考えてきておるわけでございます。今後も金融政策のねらいというものをそういうところに置いていく考え方には変わりはございません。 それでは、いまのような物価情勢のもとにおいてあるいはその為替の状態のもとにおいて公定歩合をどうするかということにつきましては、毎々同じことを申し上げて恐縮でございまするけれども、そのときの情勢次第で考えていくよりほかないというふうに思っておりますが、現在のところは私どもは公定歩合をここで上げなければならないというふうには考えておりません。
○二見委員 大変くどくなって申しわけございませんけれども、一般論としてお尋ねいたしますが、先ほど上半期の景気はどうかというお尋ねをしたところ、九月までは見通すのはちょっとむずかしいけれども、かなり景気は底がたい動きをしているという総裁の御答弁がありましたし、経企庁長官もやはり景気は依然として底がたい動きをしておるという御答弁がありました。 それでは、ここで一般論としてお尋ねしますけれども、私は物価問題というのは深刻に取り組まなければならないと思います。政府も物価総合対策を打ち立てるという方針をけさの閣議で決められたそうでありますけれども、その中には、金利政策を無視した物価対策というのは考えられません。それで経企庁長官にお尋ねしますが、あなたがお考えになっておる物価総合対策の中には、金利政策というのは頭の中に入っておりましょうか。また一般論としてお尋ねいたしますけれども、当面の景気の状況を考えれば、公定歩合を引き上げても景気に深刻な影響は出ないという御判断でしょうか。それとも、いま公定歩合を引き上げては景気は一気に下降線をたどるというふうに御判断なさるのでしょうか。いかがでしょうか。同じ質問を総裁の方にもいたしたいと思います。お願いします。
○正示国務大臣 物価対策は、財政金融政策それから個別物資の需給関係を確保していく、各般にわたるわけでございます。私の方では、各省庁はもとより日本銀行また公正取引委員会の責任者にも物価担当官ということでお集まりをいただいて、そのときの物価情勢をつぶさに検討いたしまして総合的な対策の案をつくるわけでございます。そのことをきょうは閣議で、これからいよいよそういうことをやらしていただきますから、各省庁の担当大臣の方々に御協力いただきたい、こういう趣旨でけさお願いしたわけでございます。 しかし、経済企画庁はそういうことをやるにいたしましても、財政金融はそれぞれりっぱな担当大臣あるいは総裁が責任を持っておやりになることでございますから、私からここでとやかくの判断はいたしませんが、とにかくいま物価は非常に重要なときであるので、われわれは総力を挙げてこの物価というものの安定のために、特にいま大事な公共料金等もだんだんと決定せられるような状況であるので、それの波及について万全の対策を講じていきたい。こんなようなことできょうは、その打ち合わせをこれから十分事務的に詰めてまいりましょう、こういうことをお願いした次第でございます。
○前川参考人 金融政策はいろいろの施策がございます。金利政策のほかに量的な規制ということもございますし、それから準備率、先般上げましたけれども、そういうことによって全体の金融機関のコストを上げていくということも一つの方法でございます。そういういろいろの施策を昨年来私どもはそのときどきの状況に応じて使い分けてまいったつもりでおります。 今後も、金融政策を考えてまいります場合には、金利政策ばかりでなしに、量的な規制あるいはそれ以外の預金準備率を使う方法、そういうものをあわせてそのときどきの状況に応じて最も適切だと思われる方法をとってまいりたいと思っておるわけでございます。 公定歩合の問題につきましても、先般二月十八日から引き上げたわけでございますが、昨年来の引き上げはもうこれで四回にわたっておりまして、その累積的な効果というものはかなりの程度のものがもうすでにあるように私どもは考えております。そういう意味で、金利政策あるいは量的な引き締め政策、それぞれの政策の目的に応じました施策を実施いたしまして、情勢の推移に対応してまいりたいということでございます。
○二見委員 簡単にお願いしたいのですけれども、一般論として、いまここで公定歩合を再引き上げした場合に、物価問題じゃなくて景気に大きな影響が出るかどうかということで私は御意見を承りたいわけであります。その点について、もし差し支えなければお答えいただきたい。いかがでございましょうか。
○前川参考人 金融政策は経済政策の一つで、全体の景気にも当然影響が出るものと思っております。そういう意味で、景気には全く無関係であるというふうには私どもは考えておりません。
○二見委員 総裁、どうもお忙しいところありがとうございました。 いずれにいたしましても、物価問題というのは非常に重大な局面にあることだけは事実でございます。この問題を解決しなければ円安の傾向には歯どめがかけられないだろうと思います。実はこれは日本の景気全体との関係も出てまいりますので、非常に慎重を期さなければならないと思いますけれども、物価問題、特に卸売物価が過熱し、それが消費者物価に連動することを防ぐために、五十五年度予算において公共事業の執行を若干おくらせるというようなお考えはあるのかどうか。もしそうした場合に、それが五十五年度の景気にどのような影響が出てくるのか、御意見を承りたいと思います。
○竹下国務大臣 物価対策の観点から公共事業の執行をどうするつもりか、あるいは気持ちの中では後倒し等のこともお考えになってのお尋ねではないか、こういうふうに思いますが、五十五年度の公共事業等の実施に当たっても、そのときどきの経済情勢に応じた機動的、弾力的な運営を行ってまいる所存でありますが、何分にも今後約一カ月後の来年度予算の問題でございますので、その執行の仕方をどうするかというような問題は、なお今後の経済情勢の推移を見きわめた上で考えるのが適当であると思いますので、御指摘の点は貴重な御意見として承っておく、こういう答弁でお許しいただきたいと思います。
○二見委員 それでは、けさの各紙で報道されました二十万ドル授受についてお尋ねしたいと思います。大出委員がかなり質問されておりますので、また、しかもこれは公判中の事件でもございますので、私も事実関係の確認にとどめたいと思いますが、お尋ねしたいと思います。 実は小佐野公判の最大の焦点は、ロサンゼルスの空港におきまして二十万ドルの授受があったかどうかということであります。検察側はあったと言い、小佐野側はなかったと言い全面否定をしてまいりました。そのためにクラッターの日記が出されたり、ゴルフへ行ったとか行かないとか、そうしたことが公判で争われてきたわけであります。今回、昨日の公判に出されましたいわゆる冒頭陳述の補充訂正は二十万ドルの使途を明らかにしたもので、クラッター、小佐野間で二十万ドルの授受があったことを検察側としては明らかにしたものだというふうに理解してよろしいのかどうか、法務省の御見解をお尋ねします。
○前田(宏)政府委員 先ほどもお答えしたところでございますが、昨日のいわゆる冒頭陳述書の補充訂正書によって検察官側が述べましたところは、こういう事実について今度検察官側として立証していきたいということを従来の冒頭陳述書に加えて追加したと申しますか、そういう形で述べたということでございますので、そういう事実は検察官側の主張というふうに御理解を賜りたいわけでございます。
○二見委員 この補充訂正書の中に「小佐野は、そのころ右二〇万ドルをサンズホテルに対する前記(第九、一)の残債務二〇万ドルの支払にあてた。」とありますけれども、この「そのころ」というのは昭和四十八年十一月三日午後五時四十八分以降、かなり近い時日だというふうに理解してよろしゅうございますか。
○前田(宏)政府委員 そういう趣旨でございます。
○二見委員 さらにもう一点確認をいたします。この中に「その後小佐野は同行者と共に、同日午後五時ロスアンゼルス発の」云々とありますけれども、この「同行者」というのは単数でございましょうか、複数でございましょうか。
○前田(宏)政府委員 その点はこれまでの公判の経過の中におきましても、むしろ弁護人側の立証ではなかったかと思いますけれども、複数ということが出ておったように思います。
○二見委員 さらにもう一点確認をいたします。 K・ハマダが一体だれかということが大出委員から質問がありました。これは、K・ハマダはK・ハマダであるという法務省の御答弁でございましたけれども、それではこのK・ハマダという人は、ロッキード事件とは深いかかわり合いがある人なんでしょうか、ない人なんでしょうか。
○前田(宏)政府委員 適切なお答えになるかどうかと思いますが、K・ハマダという方は昨日の冒頭陳述書の補充訂正書で初めて出てきた名前である、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○二見委員 いや、初めて出てきたのは私もわかるんだよ。ロッキード事件に関係のある人なのか、ない人なのかということなんです。
○前田(宏)政府委員 きのうの冒頭陳述書に書かれておる限度においては、間接的と申しますか、関係があるといえばあるのかもしれませんけれども、それ以前には関係のあるというようなことで出てきた名前ではない、こういうことを申したわけでございます。
○二見委員 それではもう一点お尋ねしますけれども、今回の補充訂正の裏づけとなる資料は、日米司法共助協定の成果と考えてよろしいのでしょうか。
○前田(宏)政府委員 先ほどもお尋ねがありまして若干触れたところでございますが、この事件の公判の過程で出てまいりました証拠についてわが方の検察官がいろいろ分析、検討を加えたということと、それに基づきましてアメリカ側に協力を求めまして、アメリカの司法省の関係の方に協力していただいたということで事実が明らかになってきたという経過でございますので、そういう意味では、この前のいわゆる司法取り決めの結果であるというふうに御理解いただいて差し支えないと思います。
○二見委員 日米司法共助協定に基づいて裏づけの捜査が行われてまいりまして、そして二十万ドルどこへ行ったのだろう、こういろいろと使い道を捜していたところ、たまたまK・ハマダという名前が出てきたというだけのことなんでしょうか。 さらにもう一点お尋ねしますけれども、これは航空機の委員会で大分議論がありましたけれども、FBIがこの件について捜査をしているという新聞のニュースもありまして、当時大分これが議論になったわけであります。当時の伊藤刑事局長は、その事実は知らないと答弁をしてまいりましたけれども、実際に日米司法共助協定に基づいてFBIというのは捜査をしていたのでしょうか、していなかったのでしょうか。
○前田(宏)政府委員 お尋ねの前提の前刑事局長がどういうお答えをしたかということをちょっとつぶさに承知しておらないわけでございますが、お尋ね自体についてお答えいたしますと、先ほど申しましたように、アメリカの司法省の係官が協力してくれたということでございますけれども、私の承知しておりますところでは、いわゆるFBIの部門ではなくて、その他の部門の係官が協力してくれた、かように承知しております。
○二見委員 これは公判中の問題でございますので、事実の確認にとどめたいと思います。 次に、先ほど冒頭に大出委員から自社公民四党の合意メモについて大平総理大臣の答弁をいただいたわけでありますけれども、この件に関連してさらに二、三政府にお尋ねをしたいと思います。 私たちは、今回の予算修正に関しては、予算の中身を修正するのだから書きかえに応ずるのがあたりまえであるという要求をしてまいりました。しかし、政府はいまに至っても書きかえに応じようという姿勢は示しておりません。書きかえに応じない理由を明らかにしていただきたいと思います。
○竹下国務大臣 政府といたしましては、現に御審議をいただいております五十五年度予算が最善のものと考え御提案したところでございますので、各党の御理解をいただけるよう念願をいたしております。しかしながら、社会党、公明党、民社党の三党から修正要求がありまして、これに対し自由民主党としての回答を三党に文書で示した経緯について政府としても承知をいたしております。このような経緯を踏まえ、政府としても自民党の回答内容について、そしてこれは四党でサインされたものでございますが、今後誠意を持って検討を進め、適切に対処したいと考えており、財源措置を含め予算上の措置についてはその段階で対処してまいることといたしたい、このように考えております。
○二見委員 大蔵大臣、そうおっしゃいますけれども、実質的には予算書の内容というのは修正されているのではないのでしょうか。中身と形式が違う。形式は確かに当初お出しになったものと同じでありますけれども、実際には中身が違う。中身が違う以上、中身と形式の違うものを議決するというのは法律的には問題があるのではないか。これは補正予算で措置するとか予備費を充当するというようなことでは済まないのではないか。あくまでもこれは書きかえるのが筋ではないかと思いますけれども、重ねて大蔵大臣の御見解を承りたいと思います。
○竹下国務大臣 政府といたしましては、三党からの修正要求に対し自民党が文書をもって回答し合意された経過、その合意された回答内容について今後誠意を持って検討を進め、適切に対処してまいりたいと考えております。 そこで合意された内容につきましては、今後関係委員会における審議結果等を踏まえ、必要に応じ適切に対処してまいる所存でありまして、法的には問題でないと考えております。
○二見委員 私は、政府がどうしても書きかえに応じない、これは二つあるかなと思っているのです。 一つは、議事日程の都合で、書きかえていたんでは暫定予算を組まなければならない、だから書きかえたくないんだという、そういう議事日程上の都合で書きかえに応じない、そうも解釈できる。 もう一つは、ここで書きかえるということは、三年前に当委員会で、わが党の矢野書記長と当時総理大臣であった福田さんとの間で修正権問題、修正権が国会にあるとかないとか、いろいろなむずかしい議論がありました。政府としては、いかなる形であれここで書きかえるということは、編成権と修正権にかかわる、国会の修正は好ましくない、本質的には、予算というのは国会なんかに一行たりとも、一字一句たりとも修正させるものかという、そうした財政当局のかなり強い意思が働いているのかとも思うわけでありますけれども、いかがですか。
○竹下国務大臣 政府としては、今回合意された回答につきましては、今後予算の執行段階で誠意を持って検討を進め、適切に対処したいと考えており、予算上の措置につきましては、その段階で適切に対処してまいりたいと考えております。 したがって、いま御指摘の議事日程の都合でございますとか、国会修正権の問題を念頭に置いておるものではありません。
○二見委員 議事日程とか国会の修正権の問題を念頭に置いていないんだ、そういろいろおっしゃいますけれども、私はそうは思えないのです。事実、五十二年には書きかえの修正をしているのです。五十二年と五十五年とで大きな変化があったわけじゃないのです。五十二年に書きかえができて、五十五年にできないというばかな話はない。この問題は、本質的には総理大臣が書きかえたくないという政治的な判断というか、法律とかなんとかということではなくて、書きかえるのはどんなことがあっても好ましくないという総理大臣の政治判断が、予算書の書き直しをさせない一番大きな原因といいますか元凶だというふうに私は判断をいたしております。 それで、さらに二、三お尋ねいたしますけれども、今回、自民党と社公民三党の間で合意された予算の修正の規模はおよそ千四百十四億円程度であります。ところが、大蔵省の中ではそうではない、予算の修正額は二百四十八億円程度だという御意見もあるようでありますけれども、この点はいかがですか。
○竹下国務大臣 今回合意を見た内容は、金額にして千四百十四億円程度になるものと承っております。 今回の合意事項の執行につきましては、今後誠意を持って検討を進め、それぞれ実情に即し、必要に応じて適切に対処することとしておりまして、その段階で予算上の措置について適切に対応してまいりたいと考えております。
○二見委員 それは、今回の合意事項の執行については今後誠意を持って対処してもらわなければ困るし、適切に対処してもらわなければ困るわけであります。 それでは、もう一点大蔵大臣の御見解をただしておきたいと思いますけれども、いわゆる自民党と社公民三党の間で、物価対策費五百億円が合意されたわけであります。この五百億円というのは、物価を抑制するため中身を伴った実効のある措置、実効のある使い方をしなければならないとわれわれも考えておりますし、また現実に予算を執行する責任者である政府にそれを要求したいわけでありますけれども、政府はこの点についてはどういうふうにお考えですか。
○竹下国務大臣 物価の抑制は、国民生活の安定を図るための重点課題として今後とも真剣に取り組んでいかなければならないと考えております。物価対策として五十五年度予算においても種々配慮したところでございますが、今回の経緯にかんがみ、さらに物価対策に万全を期するため、今後の物価動向に細心の注意を払い、必要に応じ適時適切に対処してまいりたいと考えております。 したがって、物価関連施策の推進のための五百億円につきましては、四党の御意見を踏まえ、今後の事態の進展に即応し、その効果的な使途が検討されるものと考えておりまして、中身を伴った実効ある措置を講ずるものであると理解しております。
○二見委員 もう一度これは確認いたしますけれども、この修正問題のときには、自民党と社公民三党の政調会長、政審会長がいろいろと協議したわけであります。この五百億円の物価対策についても、自民党、社公民四党の政調、政審会長の協議、意見というものを十二分に尊重するというふうに理解してよろしゅうございますか。
○竹下国務大臣 そのとおり御理解いただいて結構であります。
○二見委員 繰り返すようでありますけれども、私は、今回の予算修正をめぐる、あくまでも書きかえに応じないという大平総理大臣の姿勢には強い不満を持っております。これは、やはり立法府としての大きな検討課題だろうと思うし、これからもさらに論議を詰めていかなければならない問題であるというふうに私たちは理解をいたしております。 それでは、次に質問を進めたいと思います。 私はインフレの問題と絡んで、土地住宅問題について二、三お尋ねをしたいわけでありますけれども、最初に、これからの物価問題を考えた場合に、地価高騰に歯どめをかけるということは非常に重要な政治課題だというふうに認識をいたしております。国土庁が最近発表いたしました最近の地価動向によりますと、地価は、昨年一年間に全国平均で九・〇%、中でも住宅地価格は一一・五%、圏域別で言いますと、東京圏は一六・四%、大阪圏は一二・九%、名古屋圏十三・六%と、狂乱地価と騒がれた四十八年以来六年ぶりに二けた台の値上がりになっている。しかも、実際にはもっと高値で取引されている。公示価格よりも実勢の価格はもっと高いというのが実際でございます。 そこで、これは国土庁に伺えばよろしいのでしょうか、それとも建設大臣なのでしょうか。こうした地価高騰の状態をいまどのように認識されておるか、地価高騰はいま非常に危険な状態にあるという御認識なのか、もうここら辺で頭打ちというように御認識なのか、それを承りたいと思います。
○園田国務大臣 お答えをいたします。 御指摘のとおり、若干強含みで住宅地を中心に三大都市圏で土地価格が動いておることは否定をいたしません。ただ、民間等で発表せられたものと国土庁が、政府が調べましたものとで非常に大きな差があることも御指摘のとおりだと思いますが、では、なぜそんな違った変動率が出ているのかということでございますが、私どもがこうした民間調査を調べてみますと、現地においてそれぞれの不動産業者の店頭において聞き込み調査をおやりになる、通称呼び値ということで呼んでおりますけれども、こうしたことが民間調査の基準になっておりますし、私どもの場合には、土地鑑定委員会が買い手にも偏らない、それから売り手にも偏らないという標準的な立場に立って、不動産鑑定士等の鑑定標準を求めまして地価公示を出しておるわけでございます。その辺が、いま申し上げましたように、私どもの発表と民間の発表とに大きな差異がある原因でございます。 同時に、じゃ実際の価格が公示どおり行われておるかということになりますと、やはりこれは当事者の特殊な動機と申しますか、個別の事情等によって、経済価値を超えた取引が行われておるということを率直に認めなければならないと思います。しかし、土地価格を抑制していくという立場からいたしますと、一時期には都庁だけにしかなかったものを、このごろ区役所から区の出張所まで私どもの台帳公示をして、売り手、買い手の一つの基準価格を頭の中に描いてもらう場合に、実はなるたけ広い範囲の方に御利用いただこうということでいまの公示制度をとっておりますので、どうかひとつこれを国民の皆さん方にも大いに御活用いただきたいと思いますし、国土庁としては、総合的にもろもろの政策を加味しながら、この地価の抑制と同時に、公示価格に近いところへ誘導していく努力を今後とも重ねてまいりたい、かように考えております。
○二見委員 国土庁は、五十四年度に要注意の地域を二百三十七地域ピックアップいたしまして、四半期ごとに土地取引の動向だとか土地利用の動向、地価の動向について分析、予測をしてまいりました。その結果に基づいて規制区域、いわゆる十二条で地価凍結の対象に最もなりやすい地域二十四地域について、五十五年度には特別詳細調査をしようとしております。 それで伺いたいわけでありますけれども、この特別詳細調査をしようとすることは、それだけ地価の先行きがかなり警戒を要するという御判断のもとに二十四地域をピックアップして特別詳細調査をしようとされているのかどうか、その点はいかがでしょうか。
○山岡政府委員 最近の地価の情勢は先ほど長官からお答えしたとおりでございますけれども、その原因といたしまして、現在のところ規制区域制度発動の要件でございます投機的な土地取引というものが行われておる徴候はないと私ども思っております。しかしながら、そういうような地価の動向から見まして、今後さらに監視を一層強化する必要があるというふうには考えておるわけでございます。このような判断に立ちまして、問題となるような蓋然性が、今後においても必要だということが生じました場合にいつでも発動できるようにしたいということでございまして、現在二十四地域につきまして具体的なイメージがあるわけではございません、予算上の準備をしておくというのが現在の立場でございます。
○二見委員 すると、二百三十七地域では、地価の高騰というのは実需と供給のアンバランスからきた地価高騰なんでしょうか、それともいわゆる仮需要も若干見受けられる段階になっているのでしょうか。その点いかがですか。
○山岡政府委員 私ども、地価の値上がりの要因につきまして、大きく分けますと三つのパターンがあるというように考えております。 一つは、たとえば住宅地の周りに新しく地下鉄の駅ができるというようなことによります増でございまして、効用増と申しております。最近の値上がりの中にはそういうものが相当含まれております。 それからもう一つのパターンは、投機的な土地取引によるものでございます。これは先行きの値上がりを見込んであらかじめ買っておくというものでございまして、四十七、八年当時の取引がまさにそういうことでございました。その結果、日本全土で全部の地目につきまして三〇%を超す値上がりがあったわけでございます。私どもは現在のところそういうふうなものはないというふうに見ております。 最近の値上がりのパターンの中で原因のもう一つは、やはり需要と供給のギャップでございます。私どもは、その需要と供給のギャップがいまのところ一番大きな地価値上がりの要因であろうというふうに見ておるわけでございます。
○二見委員 五十五年度に調査しようとしている特別詳細調査地域、これは現在はともかく、放置しておくと仮需要が発生するおそれが大きいと判断される地域でしょうか。そして、その二十四地域というのは主として三大都市圏というふうに理解してよろしゅうございますか。
○山岡政府委員 先ほどお答え申しましたとおり、現在のところ二十四地域あるというふうに思っておるわけではないわけでございます。今後の投機の可能性があるかないかという点でございますが、昭和四十七、八年当時と変わりまして、現在投機抑制のために打っております対策は、大きく申し上げて三つほどございます。 一つは、国土利用計画法の制定によります届け出制度による地価のチェックでございます。もう一つは、たとえば短期重課等によります税制による抑制効果でございます。もう一つは、不要不急の土地に対する融資を抑制するということから来る抑制効果でございます。これら三つの対策は非常に有効に作動しておりますので、現在のところ投機は起こっていない、今後も起こる可能性は少ないと見ておるわけでございますが、先生のお話のとおり、最近の地価の状況等から見ますと、将来二十四地域はどういうところかなという場合には、大都市圏、その後方が多くなるだろうということは推察されるわけでございます。
○二見委員 住宅問題、土地問題というのは非常に大きな問題でございますけれども、一つは地価の問題があります。私はこの後、許された時間内でさらにこの問題を詰めたいわけでありますけれども、話の筋から若干飛びまして、住宅公団の総裁がお見えになっておられるようでございますので、私は住宅問題についてお尋ねをしたいと思います。 最初に、住宅公団から御説明をいただきたいわけでありますけれども、住宅公団が団地をつくる、つくったけれどもつくりっ放しで全然使用されていないという団地が全国で幾つかあるようでありますけれども、その団地名と戸数、完成年月をおっしゃっていただきたいと思います。
○澤田参考人 住宅公団は、御承知のように、各地で土地区画整理事業の方式を用いまして新市街地の造成をいたしております。その際に公団は、施行地面積のおおむね四割程度を先買いいたしまして、そして造成にかかるわけでありますが、これに対応する最終的な公団の取得地、これはもう当然有効に住宅を建てる、それからもう一つは、造成された公団の土地を分譲いたすわけでございます。これは、長くそういうものが未利用であってはいけませんので、分譲契約におきまして三年以内に住宅を建てるということを条件にいたしております。したがいまして、公団の地区で公団の所有及び公団からの分譲宅地につきましては、長い間放置されているということはございません。 ただ、われわれも絶えずそれを見まして早い宅地化に注意をしておるのでありますが、どうしても地区内の民有地というのがございます。個人所有地でありまして、公団の分譲宅地のようにそれに制限を加えるわけにもまいりませんので、これが場合によってはおくれがちになる、こういう状況でございますので、これについてはよく調査をいたしておるような次第でございます。
○二見委員 いや、総裁はどうも私の質問を取り違えたようでありますけれども、私は、完成後供用、要するに使われていない団地について御報告を求めたわけであります。かつて予算委員会あるいは建設委員会等では、団地はつくった、募集はしたけれども応募者が少なくて入居者が少ないということは大分問題になりました。私がここで言うのは、そうじゃない。団地はつくったんだけれどもつくりっ放しで、全然入居者の募集をしていない団地が全国に幾つかあるでしょう。それをお出しいただきたいのです。
○澤田参考人 御質問を少し取り違えまして、団地の造成ということでございましたのでニュータウンの方をお答えいたしましたが、団地をつくりましてそこに住宅を建てた、建てたがいろいろな障害で全然募集できないでおるというのが約四団地、五千戸ほどございます。 これは、その理由を申し上げますと、下水道ができない、あるいはダムがそれに伴ってできないというようなことのために、家は完成したが入居の募集ができない、こういうものでございます。
○二見委員 私の方が調べたところによりますと、五十四年十二月末現在でありますが、団地名と所在地と戸数と完成年月を申し上げます。 朝日ヶ丘団地、千葉県千葉市、戸数千四百七十六戸、完成年月五十一年四月。塩浜四丁目団地、同じく千葉県市川市、戸数二千五百六十三、完成年月五十三年十二月。青梅河辺、現在はエステート河辺に名称変更していると思いますけれども、これは東京都青梅市、八十四戸、五十三年十二月に完成。百草団地、東京都日野市、六十戸、五十年十二月完成。札幌菊水三条団地、北海道札幌市であります。戸数は二百三十六戸、完成年月は五十四年七月。もみじ台団地、北海道札幌市、百七十戸、完成年月は五十四年七月。春日部小渕、埼玉県春日部市、戸数は二百戸、五十二年十月。野火止団地、埼玉県新座市、百三十戸、五十四年四月。西遊馬団地、埼玉県大宮市、二百七十戸、五十二年十二月。吉川駅前団地、埼玉県吉川町、百六十戸、五十四年六月。南花台団地、大阪府河内長野市、千二百十四戸、これは五十二年十二月にできております。八田北町団地、やはり大阪府堺市、三百三十五戸、五十四年七月。中川原団地、これは京都府宇治市であります。百七十戸、五十三年十一月。岩岡団地、兵庫県神戸市、戸数二百二、五十四年二月。桔梗ヶ丘団地、三重県名張市、百七十四戸、五十一年七月。保津川団地、京都府亀岡市、七百四十戸、五十三年八月。吉塚団地、福岡県福岡市、四十八戸、五十四年十月。合計十七団地、八千二百三十二戸は、すでに建設されているにもかかわらず、入居者はゼロのはずであります。御確認いただきます。
○澤田参考人 先ほどは四団地につきましてその留保いたしておる原因について申し上げたわけでありますが、そのほかに、ただいま御指摘の団地は、すべてその他の理由によりまして保守管理をいたしておるものでございます。
○二見委員 私は、京都の宇治の中川原団地というのを調べました。これは昭和五十年十二月に用地買収をいたしまして、五十一年八月に着工し、五十二年十月に完成いたしました。完成後二年四カ月たった現在でも、全く募集せず、ほったらかしであります。近所では幽霊屋敷と言われています。現在住宅公団が団地サービス株式会社に委託して保守管理させているけれども、内部備品等の盗難が起きているではないか。 十七団地はそれはいろいろ、いやこういうわけだ、ああいうわけだというそれなりの御意見もおありでしょうけれども、八千二百三十二戸の住宅をつくっておきながら空き家にしておくというのは、これはどういうわけですか。千葉県の朝日ヶ丘団地千四百七十六戸は五十一年四月ですよ。もう四年たっている。四年も空き家です。家というのは空き家にしておいたらどうなるかおわかりですか。三月も空き家にしておいたら大変なことになってしまう。四年間も空き家にしておいたら一体どうなるのです、これは。
○澤田参考人 公団のいわゆる未入居住宅及び保守管理住宅、五十二年度末にはこれがピークで合わせまして四万戸を少し超えたわけでございます。これは国会でもいろいろと御指摘があった問題で、公団としても非常に重大問題と考えまして、それから二年余、鋭意これらの解消に努力いたしまして、現在、未入居と保守管理両方を合わせまして三万戸を割っております。ここまで来ましたのであります。 御指摘のように、これはほうっておけば傷むものであります。それでそれぞれの団地の原因を一つ一つ究明いたしまして、その解消に引き続き全力を挙げておるところでございまして、徐々に改善に向かうものと考えておる次第でございます。
○二見委員 つくったけれども一人も入居させられない。つくる前にわからなかったのですか、そんなことは。これは自分の金でつくるのならば、つくりました、入りません、そんなことは一向に関係ないです。個人の財産で、個人のお金でやるのならば、つくりました、いろいろな事情があって、たとえば排水がうまくいかないとか道路が引っ張れないとか、後から原因がわかったために、つくっちゃったはいいけれども入れないや、これは自分の事前調査が悪いからということになってしまう。しかし、これはいやしくも住宅公団がおやりになったわけです。つくりましたけれどもいろいろな条件がありまして入居者を募集するわけにいきませんでは済む問題じゃありませんよ。
○澤田参考人 ただいま特に御指摘なのは千葉の朝日ヶ丘かと存じますが、冒頭申しました四団地というのはいずれも流域下水道、都市水道等の障害のために現在まだ停滞しておるものでございまして、それぞれ地方団体と鋭意協議を進めまして、大体めどが立ちつつあります。来年度中ぐらいにはそのめどもはっきりすると存じます。何せ大規模な下水道をつくらないといけないものでございます。それでは住宅をつくるときにそれと並行してやらなかったのはどうかという御疑問が当然起こるわけであります。これは御指摘のとおりでございまして、その両者を並行して考えるべきが当然でありまして、それが並行して伴わなかったという点については深く反省を要するところでございますが、現在はその起こりました事態につきまして真剣に地方団体と交渉を重ねて打開に努めておる次第でございます。
○二見委員 要するにそういう弁解にはつき合い切れないのです。下水道ができませんでした、何ができませんでした。つくる前からはっきりしておくのじゃないか、そんなことは。これは、結局はこの費用だって、もとをただせば国民のお金でしょう。自分のポケットマネーじゃないんでしょう。ポケットマネーでやったんなら自分の責任かもしれないけれども、そうじゃないでしょう。反省しております、それだけでは済む問題ではないと私は思う。建設大臣、この問題は一体どうするのですか。
○渡辺国務大臣 お答え申し上げます。 御指摘の問題は非常に重要な問題でございまして、後ほど具体的なことは政府委員に説明させたいと思いますけれども、私どもはまず、いま総裁の説明いたしましたような未入居住宅の解決ということが重要課題であると思いまして、現地の調査もいたしました。したがいまして、まず第一番に狭いという問題、いわゆる質の向上という問題がございますので、たとえば二戸を二月にするとか庭つきにするとか、いろいろな方法を講じまして、また従来の役所仕事というものが十分な成果を上げていないのではないかということで、PRその他につきましても十分住宅公団を指導いたしまして、その未入居住宅の解決に全力を挙げてまいりました。 ただ残念ながら、最近の非常なさま変わりもございまして、すでに着工しておるような問題もありましたために、それらの未入居住宅の解決をいたしましてもなお未入居住宅が残っておることも現実でございますが、その詳細はいずれ御説明をさせますけれども、そういうことで未入居住宅の解決に全力を挙げてやっておるつもりでございます。 したがいまして、その後におきまする住宅公団の建設につきましては慎重を期しまして、建設の場所においても、また建設規模におきましても、これは少なくとも三LDKあるいは三DK、そういう需要に見合ったような住宅をつくるということで万全を期しておるわけでございますが、なおそれが全部解決をしておらないという問題と、なおいろいろ説明があったようでございますけれども、入居する条件がまだ整っていないために募集に入っていないものも事実あると思います。そういう意味で、私どもも、これは重大な問題でございますから、真剣にこれに取り組むように指導をいたしておるつもりでございますので、その点御理解をいただきたいと思います。
○二見委員 私は、でき上がったけれども入居させるわけにはいかない団地が十七団地、八千二百三十二戸あるという指摘をしたわけであります。私は、こういう事態が生じるのは建設を決める以前に問題があったのだと思います。 私はもう一つ別のことで指摘したいのですけれども、いま、つくったけれども入居は全くしていないというのが十七団地あると申しましたが、もう一つは、これよりは多少は程度はいい。つくった。つくったんだけれども全部募集して入れると需給関係から好ましくないから半分だけ、一棟だけ開放して入居を認めるとか、二棟だけ入れるというケースがある。私はひどいものだけ読み上げますから確認してください。 千葉県NT船橋団地、これは船橋にあります。戸数は千百十一戸、しかし現実に入っているのは五百四十五戸、四九・一%しか入居しておりません。というのは、需給関係からそれ以外は入居させられないのです。これは需要との見合いで一部しか供給を、入居を許すことができないという団地です。それから澄川という団地があります、北海道の札幌です。戸数は三百九十四戸、現実に入居が許されているのは百三十九戸、三五・三%であります。北広島団地、これは北海道の北広島町、戸数は五百六十、入居が許されているのが二百九、三七・三%。花川中央団地、これは北海道石狩町、戸数は五百二十、入居を許されているのは百四十六、二八・一%。函館赤川通団地、これは函館市です。百四十戸で現在入居を許されているのは六十一戸です。四三・六%。それから大阪の泉北鴨谷台、これは大阪の堺市にあります。六百五十九戸、入居戸数は三百三十、五〇・一%であります。それから玉串第二団地というのでしょうか、東大阪市です。これは戸数は五百二十七戸ありますけれども、入居戸数は七十七、一四・六%しか入居が許されておりません。陽和台団地、これは大阪府茨木市です。戸数は七百八十二、入居戸数は三百二で、三八・六%が入居がオーケーであります。千代田団地、これは大阪府の河内長野市です。二百四十二の戸数のうち入居がオーケーになったのが八十一、三三・五%。花園鷹司団地、京都府京都市です。五百四十戸で入居を許されているのが二百六十一、四八・三%です。芦屋浜団地、これは兵庫県芦屋市、千四百九十三戸の戸数でありながら入っているのが三百二十九、二二・一%です。それから志染団地、これは兵庫県三木市であります。四百六十四戸で百八十四戸入っております。三九・七%。びわ湖美空団地、滋賀県大津市です。戸数は千戸、入居戸数は五百一、五〇・一%です。高陽団地、広島県広島市、二百二十四戸で入居戸数は八十七、三八・八%。豊田保見、愛知県の豊田市、二千十五の戸数で四百二、二〇%が入居を許されております。それから国分団地、愛知県稲沢市、戸数は四百八十四戸、入居戸数は五十九、一二・二%。四箇田団地、福岡県福岡市、二千七十戸で入居戸数は九百四、四三・七%。千早団地、福岡市、四百三十戸で百八十九、四四・〇%。十郎川団地、福岡市、百十戸で入居は十六、一四・五%。梅の木団地、福岡県水巻町、千百十八戸で五百二十二、四六・七%。日の里団地、福岡県宗像町、二千五十三戸で千七百八十一ですから八六・八%。これはかなり入っております。鴨池ニュータウン、鹿児島県鹿児島市、五百三十六戸で二百五十九、四八・三%。 主に五〇%以下の悪いところだけを拾って申し上げたわけであります。 かつて問題になったのは、広く応募はしたけれども、遠くて狭くて高いからいやだというので希望者がないために自動的に空き家になってしまったということで、決算委員会や予算委員会あるいは建設委員会で問題になりました。いま私が申し上げたのはそうでなくて、最初から全部募集したってだめだから、また周りとのいろいろな需要関係もあるから、大体この程度ならば満杯になるだろうというので、つくりはしたけれども実際の開放は、たとえばことしは一棟だけ、三十戸だけと切り売りで開放してきたというか供用してきたのが、いま申し上げた幾つかの団地であります。つくったけれども全く募集もしない団地がある。つくったけれども、一遍に募集してもだめだから、小出しに募集しているところがある。これはただ単に便が悪いとか、あるいは下水道の整備ができているとかできていないとか、地元との折り合いがつかないとか、そんなことだけで済ませられる問題とは私は思いません。重ねて住宅公団総裁の御見解を承りたいと思います。
○澤田参考人 ただいま御指摘になりました団地の数字は、年が明けてからの数字は違った数字が出ておりますが、十二月現在では御指摘のとおりでございます。 それで、先ほどはいろいろな障害があって募集をしないという団地について御指摘があったわけでございますが、これは募集をしたがそれだけ入ってこないというもので、その評判の悪いのはまさに狭くて遠くて高いということが原因になっておると思います。これは重大問題であるという御指摘は全く同感でございます。 それで、住宅公団は、先ほど大臣もお答え申し上げましたような対策を立てて、必死にこの解消に努力をいたしておるのでございます。新しくつくるものは需要に合わないようなものはつくらない、それからすでにつくってしまったものは極力需要が合うように直す、それから交通を整えるとか、その他の公共事業関係あるいは公益関係の整備を行うというようなことをして、とにかくここ二、三年努力の結果、四万戸が二万九千戸ほどになったというのが現状でございます。これで私ども決して満足もしませんし、事の重大性を認識しないということではございません。今後も公団を挙げて、政府の御指導も得て必死にこの解消に努力してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○二見委員 公団にもう一点お尋ねいたします。 先ほど私が質問しなかったにもかかわらず、総裁の方で先に気を回されて御答弁がありましたけれども、その問題を重ねて御質問いたします。 いわゆる土地区画整理事業を行った後の民有地の問題です。これは法的な措置はなかなかむずかしいと思いますけれども、やはり放置しておける問題だとは思いません。幾つかの実例について私は申し上げますし、さらに全体的な数字がもし公団におありでしたら発表していただきたいのですけれども、たとえば常盤平という団地がありますが、これはちょっと調査時点が古いので、あるいはいまではもう数字が変わっているかもしれませんけれども、これは昭和三十一年度から三十七年度にかけて百六十九ヘクタールの土地区画整理をしたわけであります。その結果、公団は五十八・七ヘクタール所有いたしました。そして工事費に見合って土地を提供した地主に土地をお返しになりました。それが七十二・一ヘクタールであります。公団が地主から土地を提供してもらい、土地区画整理事業を行って、公団が保有した五十八・七ヘクタールに関しては、一〇〇%住宅が建てられております。しかし、工事費に見合って地主に返還をした七十二・一ヘクタールは、そのうち三十六・三ヘクタール、五〇%が住宅になっただけで、残りの三十六ヘクタール、半分はいまだに宅地として利用されておりません。 また、新所沢というところ、これは埼玉県の所沢市ではないかと思いますけれども、ここでは八十ヘクタールの土地区画整理事業を行って、その結果公団は三十七・七ヘクタールを保有しました。この三十七・七ヘクタールは、一〇〇%公団は建物を建てました。一方、民有地として地主に返されたのは二十三・九ヘクタールでありますけれども、そのうち現実に建物が建てられたのは一四・七ヘクタールであります。残り九ヘクタールはまだ宅地として供給はされておりません。 それから、愛知県春日井市の高蔵寺地区というところは、昭和四十年度から六十年度にかけて事業が行われるわけで、総面積は約七百二ヘクタールと言われておりますが、公団の保有地は、これは戸数なのですけれども、一万四千八百戸が計画戸数でありまして、現在すでに一万九百戸建設されております。それから民有地の方は、建物の数でこの土地をはかりますと五千八百の戸数が建てられるわけでありますけれども、現在はまだ半分以下の二千六百しか建設はされておりません。残り三千二百戸分は、事業継続中のものもあるのでしょうけれども、宅地として供給はされておりません。 それから大阪府富田林市の金剛地区では、これは四十四年度に完成しているのでありますけれども、事業面積は二百十六ヘクタール、そのうち公団が保有したのは百二十四ヘクタールであり、公団は一〇〇%建物を建てております。地主に返された三十一・六ヘクタールのうち、建物が建てられたのは九・六ヘクタールであって、残り二十二ヘクタールはまだ宅地に供給されておりません。 これは地主に返された民有地でありますから法的にどうのこうのとは言えないけれども、しかし、そういう形で、いままで山林であったところが優良な宅地になった、それを地主がどう処分しようと自由といえば自由であるけれども、それをじっと値上がりを待って抱きかかえているというのは決して好ましいものだとは思いません。しかも中には、その宅地の七十坪ぐらいの区画に野菜をつくって、宅地並み課税を免れているなんという例もある。わが党は、宅地並み課税に対しては原則として反対であります。反対ではあるけれども、土地区画整理事業でもって宅地化されたところを、家を建てないで野菜をつくって税金を逃れるというのは、私はこれは法的にはともかく道義的には好ましくないと思います。そうしたことについての総裁の御見解を承りたい。 あわせて、いま私は、時間もありませんので総理大臣に最終的な御答弁をお願いするわけでありますけれども、もう一度繰り返します。 つくったけれども全然入居者がない、というより募集をしないという団地があるということ。そして、つくったけれども一遍に募集をするといろいろとまずいことがあるから、年次計画みたいに、ことしは一棟、来年は一棟と細切れで募集をしていく団地が現実に存在するということ、それから、土地区画整理事業で区画整理したけれども、今度は民有地が宅地化されない、供給されない、この三つの事実について、最終的には総理大臣の御見解、御感想を承りたいと思いますけれども、その前に総裁に民有地の問題について御意見を伺います。
○澤田参考人 土地区画整理事業で施行いたしました団地の民有地の部分についての先ほどの御指摘、四団地について御指摘がありましたが、その後の調査によりますと、公団も、せっかくつくったところの民有地が未利用で残っておるのは非常に好ましくありませんし、団地の熟成のためにも悪影響がありますので、関心は持っておりまして調べたのであります。 常盤平、これは四十七年に調べましたら、民有地の約五〇%は宅地化いたしております。それから八、九年たっておるわけでありますから、ごく最近は調べておりませんけれども、かなり家は建ってきておるのではないかと推測いたしております。 それから北所沢につきましても、四十七年に調査したのでありますが、この時点では六二%の民有地が宅地化されております。これも最近は実は調べてないのでありますが、これも八、九年たっておりますから、かなり進んでいるのではないか。なお調べてみたいと思っております。 高蔵寺の場合も、この一月で公団が七四%程度でございまして、民有地は四五%程度、これはまだ造成進行中の団地でございますので、この点はやむを得ないと考えるのであります。 大阪の金剛地区、これは四十四年に完了したところで、五十年六月に調べたのですが、そのときは、公団の方は一〇〇%使っておりますが、民有地の方は三〇・四%にとどまっております。しかし、これもその後五年ほどたっておりますので、もう少し進んでおるのではないか。ごく最近のことはさらに調べてみたいと考えております。 いずれにいたしましても、民有地が住宅土地としての活用の進行がややおくれがちであるという点は遺憾なことでありますので、公団はその団地の中心部面を開発し皆さんが家を建てやすくするとともに、絶えず、土地の所有者については土地の利用方法等の御相談も受けてあるいは地方団体のいろいろな説得等もお願いして、早急に貴重な宅地が住宅として利用されるように進めてまいりたいと努力をいたしておる次第でございます。
○渡辺国務大臣 総理がお答えになります前に、私、概要だけ申し上げたいと思います。 第一点、ただいま総裁から申し上げましたように、現実の問題といたしましては、四割を先買いをいたしまして区画整理をやっておるわけでございます。そういう関係で先生の御指摘のような問題は残っておりますけれども、この問題は私ども非常に重要な問題と考えておりますので、今後はさらに抜本策を講じたいと思っております。現在のところ私どもといたしましては、そのような地域でできましたいわゆる宅地を譲り受けまして住宅をつくる場合は、こういう場合に限りましては、土地の問題まで含めまして住宅金融公庫の融資を行うとか、あるいはまた、そういう土地を分譲いたします場合には優良宅地という条件に適合するものといたしまして税法上の恩典を与えるというような措置を講じまして、極力そういう問題が早く解決をする方向で努力はいたしておりますけれども、この点は私どもも今後ともひとつ十分努力をいたしてまいりたいと思います。 それから、未入居住宅のことにつきましては先ほど申し上げましたとおりでございますが、さらにこの問題につきましては努力をいたすつもりでございますし、建設省の中におきましても次官を中心といたしまして委員会をつくりまして抜本的な措置を講じておりますし、すでに現在は、現実に住宅公団が建築いたしますることにつきましても、戸数あるいは条件等につきまして需要に見合った公団住宅の建設を図るという考え方を持っております。特に今回、宅開公団と住宅公団の統合も打ち出しておりますので、これは昭和五十六年の十月には発足したいと思っておりまして、根本的にそれらの問題につきましてもメスを入れまして御心配をかけないようにやってまいりたいと思います。 いずれにいたしましても、最近の住宅事情、非常にさま変わりが行われまして、すでに二百七十万戸は余っておるという現状でございますので、やはり住宅については質の向上ということにつきまして全力を挙げてまいりたいと思います。現在のところ、総裁を中心といたしまして非常に真剣に取り組んでおると思いますので、私どもも指導監督はしてまいりますが、今後ともひとつ御督励をちょうだいしたいと思います。
○大平内閣総理大臣 二見委員から住宅公団の事業の実態につきまして、その不当なところ、その不経済なところを御指摘いただきましたことを多とします。政府といたしましては、まず住宅公団を督励し、監督官庁でございまする建設省が真剣にかつ大胆に、従来のやり口にとらわれないで事態の改善のために最善の努力をいたすつもりでございます。
○二見委員 終わります。(拍手)
○田村委員長 これにて二見君の質疑は終了いたしました。 次回は、明八日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時三十九分散会