文教委員会 第10号
- 発言数
- 314 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1980/04/09
会議録
○谷川委員長 これより会議を開きます。 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浦野烋興君。
○浦野委員 私は、本委員会におきまして初めて質問の体験をいたすわけでございます。したがいまして、いささか緊張もいたしております。要領を得ない質問もあろうかと思いますが、よろしく御説明のほどをお願いしたいと思います。 さて私は、多くの人々が考え、思っておられると同じように、きょうこのときほど教育というものが大変なときはない、このように思っているわけであります。 わが国は国土が狭い、そして目に見ることのできる資源、いわゆる石油であるとか鉄であるとか、こうした物的資源がきわめて少ないわけでございます。そうしたわが国が、あの明治維新から、あるいはあの敗戦の廃墟の中からまさに不死鳥のごとく立ち上がることができた。これは私たちの先人、先輩が教育というものに力を入れてきた、子弟の教育を大切にしてきたからだ、このように思うわけでございます。わが国自体がどの国よりもきっと教育に力を注いできたと思うわけでございます。すなわち、私たちは目に見ることはできないけれども、いわゆる民度の高さ、教育レベルの平均的高さというすばらしい資源を持ち得るに至ったと思うわけでございます。石油ショック以来わが国はきわめて厳しい環境の中に置かれているわけでありますが、こうした困難を克服するためにはいわゆる教育による豊かな人間性に基づくところのりっぱな人格形成を図る、このことがこの難関を克服していく大道であろうと思うわけであります。 そうした中におきまして、このたび長年の懸案でありました四十人学級の実現を初めといたしまして、小中高の特殊学級定数改善計画の予算化がなされました。いまここに審議に付されようといたしておるわけでございますが、この問題については、すでに本国会に入りましてから本委員会におきましても、また予算委員会でもたびたび取り上げられているところでございます。したがいまして、大筋はすでに明らかにされた感もあろうかと思いますが、きょうは正式な法案審議ということでございますので、改めて質問をさせていただきたい、このように思うわけでございます。 まず最初に私が質問を申し上げたいのは、この改善計画の全体像、これがどのようなものであるか、このことについて概略御説明をいただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 お答えをいたします。 このたびのいわゆる第五次教職員定数改善計画と申しますか、これは多年の懸案でありました四十人学級の実現をこれによって図ることができましたこと、さらに複式学級それから特殊学級編制基準の改善、それから小学校におきます専科担当教員の充足、中学校の免許外担当教員の解消、教頭とか養護教員とかあるいは学校の栄養職員の充実、事務職員の充実、それから特殊教育諸学校の改善等々の内容を盛っておるわけでございまして、通常言われております四十人学級の着手をすることと同時に、いま申し上げましたものがいよいよ実施をいたそうとするわけでございます。これを昭和五十五年、ことしから始めまして昭和六十六年まで十二年間の計画で実施をしようとするものでございます。 詳しいことは政府委員の方からお答えをいたしますが、教職員のこの十二年間におきます必要な人員は、四十人学級の実現のための約四万三千、それから教職員の定数等の改善のために必要な三万八千五百等々を入れますと、合計八万一千六百七十四人という計画になってまいるわけでございます。また、それに従いましての学級のための教室等の問題もございますが、こういう全体としての計面で始めていこう、こういうことでございます。 詳しくは局長の方から答弁をさしていただきます。
○諸澤政府委員 いま大臣から概略の全体計画を御説明申し上げたわけでございますけれども、これを十二年間で実施するといたしますとどれぐらい人件費、施設費がかかるかということでございますが、十二年間で改善されます教員増が八万一千六百七十四人でございますが、これは五十五年度、つまり計画の初年度では、このうちの約二千七百名程度の増員、こういうことになるわけでありまして、十二年間に逐次増員しますその十二年間のこのために要する人件費の総額というものは、給与費でございますから単価を幾らに考えるかということもございますが、昭和五十五年度の先生の平均単価で計算いたしますと約二兆二千百億という金額になるわけでございます。そうして今度は四十人学級を実施するためにはそれ相応の教室の増を図らなければならないわけですが、その必要となります教室の数を八千三百六十くらい見込んでおるわけでございまして、この教室を建設しますに必要な経費というのは、これも五十五年度の予算単価で計算いたしますと約千六百六十億円、こういうことになるわけでございまして、以上の人件費、施設費のうち、人件費で申しますと、ちょうど半分が国庫負担になりますから一兆一千五十億円が国庫の負担、それから施設費の方は人口急増地帯等は国庫負担率が高くなりますので、千六百六十億円のうち国庫負担金が九百七十億円、大体こういうような予算規模になるわけでございます。
○浦野委員 ただいま局長の御説明によりますと、まさに大変な経費がかかる、このように思うわけでございます。いまわが国は、国も地方自治体も財政事情がきわめて厳しいわけでございます。したがいまして、本年度の予算もきわめて厳しい中で取り組まれたわけでございまして、この状況の中でこれだけの予算をかけましてこの改善計画を進める意義につきまして、大臣からひとつお答えを承りたいと存じます。
○谷垣国務大臣 確かにことしの財政も大変厳しい状況でございますし、またこれからも当分厳しい状況が続くという予想がされるわけでございますけれども、教育の問題自体は少し長期のものを考えてやっていかなければならぬ性格を持っておるわけでございます。したがいまして、四十人学級の実現と申しますのは、財政の状況と同時に教育本来のある程度の長期の見通しを持っていかなければならぬということ、四十五人学級の経過を経て四十九年の当委員会等におきます御決議等の精神を踏まえて考えてみますと、やはりどうしても教育の大きな流れの中で五十五年度からはこれを実施してまいりたい、こういう考え方が強かったわけでございます。幸いに皆さん方の御協力もございまして実現を見ることは大変ありがたいと思っております。 四十人学級そのものの実現の意味合いと申しますのは、これは申すまでもございませんが、初等中等教育の場合におきます重要な課題は生徒児童の一人一人の能力と適性、これに応じた教育をやっていくということ、それから基礎と基本をしっかり身につけさせて人間性の豊かな活力に満ちたそういう教育を積んで健全な国民の育成を目指すわけでございますので、やはり生徒児童と教師との関係を密接なものにしていく必要があると思います。それが当委員会におきましてもそういう点についての御決議をいただいておるゆえんであったと思うわけでございまして、そういうことでこの四十人学級が実現いたしますことは大変大きな意味がある、ことに財政の非常に困難な中でこういう踏み切りができましたことは、私たちも大いに責任も感じていかなければならない、こういうふうに思っておるところでございます。
○浦野委員 ただいま大臣に御説明いただきましたこの意義というものは、私もこれを了とするわけでございますが、先ほどの経費の問題につきまして、地方自治体に対する手当てが果たしてこれで十分行われているかということを気にするわけであります。 教職員の人件費は県が負担するということでありましょうが、教室、学校または敷地、こういうようなものは市町村が確保していかなければならないわけでございます。今日、急増都市の問題がございまして、子供がふえている中で、さらにまたこの四十人学級ということで市町村は追いかけられていくわけでございます。したがいまして、市町村の負担というのは大変なことである、このことを私も、私の地元でもよく耳にしてきたところでございます。この点につきまして本計画を策定された上でどのような配慮がなされておるのか、四十人学級を実施していく上でどのような工夫をしておられるのか、この点についてのお答えをいただきたいと思います。
○諸澤政府委員 おっしゃるように、この四十人学級を実施するにつきましては、現在の中央地方を通じてのかなり厳しい財政事情をある程度しんしゃくしながら円滑に実施するという配慮をしなければならないと思うわけでございます。そういうことからしますと、四十人学級を実施するにしても、これを小中全学年を通じて一挙に実施するというようなことは非常に困難でございます。 そこで、かつての五十人から四十五人にしたときの例など考えますと、ことしは四十九人、次の年は四十八人というようなやり方もないわけではないのですけれども、これをやりますと個々の学校について見ると、そのために次の年度にまた子供の学級がえをしなければならぬというような問題もございますし、また経費の点からいいましてももう少し時間をかけた方が妥当であるということで、今回は小学校の一年から逐次学年進行でやっていこう、ことしは一年生、次の年は一、二年という方式をとったわけでございます。 さらに、いまの財政事情に加えまして全国的な児童生徒の数の増減の傾向というものも考慮に入れなければならぬ。というのはまだ児童生徒の急増期にございまして、小中全部をとりますと昭和五十七年度がピークになるわけでございまして、小学校だけとりますと五十六年度、中学校は六十一年度がピークということでこれからふえるわけでございますから、その点を配慮する。そうすると、小学校について考えますと昭和五十五、五十六、五十七の三年度は全国的に見てまたふえますので、子供がふえた分に対応する先生だけでも毎年九千人ふやさなければならぬという事情にございまして、そのことは、そのふえた子供に対応する施設についても各市町村は相当財政力を割かなければならぬということでございますので、五十五年度から五十七年度までの三年間は、この四十人学級を実施するにしましても比較的そういう負担の少ない、つまり五十五年度からすでに子供の数が減り出すような市町村についてまず実施しようということで考えたわけでございまして、それらの市町村について五十五年度の一年生から実施をして、そしてその他のまだ子供のふえ続ける市町村については、現在のめどとしては減少がはっきりする五十八年度から始めるようにしたらどうかというのがいまの腹づもりでございます。そういうような計画で、中学校もそれに合わせてその後実施をするということをいまの段階では考えておるわけでございます。
○浦野委員 概略理解をすることができたわけでありますけれども、何にいたしましてもこれは十二年間という長期にわたる計画でございます。その間の社会の変動というようなことも考えられると思いますが、ともかく文部省といたしまして市町村の財政負担をでき得る限り軽減する対策といいますか、努力をしていただくことを重ねてお願いを申し上げておきたいと思います。 なお、若干つけ加えさしていただきますが、これまた私が多く耳にしてきたところでございます。たとえば学校を新設する場合に、近い将来に必ず校舎を増設しなければならないということが見込まれているのにかかわらず、その辺の財政事情、その当時の事情等にもよるかと思いますが、場当たり的なと言っては語弊があるかもしれませんが、当面の必要な予算措置しか認められない。したがって、二、三年後に生徒数がふえるので、むねを一棟増設しなければならないというときに、問題はこの敷地の問題になるわけでありますが、地価が高くなってくる、あるいはその当時は買えた土地がいまや開発されてうちが建って拡幅することが困難だというようなこと、こうした問題が地域において起こっているわけであります。特に私の住んでおります豊田市というところは、自然増、社会増も加えて非常に人口の増が激しいわけでございます。そうした面で、最初につくるときにもうちょっと余裕のある予算措置がとられたらよかったのではないかというようなことを不満として耳にするわけでございまして、こうした面も文部省といたしまして現状をよく調査していただいて、ひとつ効率的な方策というものを立てていただきたい、このように思うわけでございます。 さて、この四十人学級を実施するのは教育をしっかりやるためだと先ほど大臣も言われ、またこの法案の提案理由としても述べられているところでございますけれども、ただ物理的にこれを四十五人から四十人に下げただけではだめであります。これは申し上げるまでもないことでございまして、要は子供たちを教える先生の質を向上し、この先生にしっかり子供の教育をやっていただかなければ本当の教育の向上、将来を担う子供たちの教育、人間形成は期待できないわけでございまして、その教員の資質向上につきまして文部省はどのような努力をこれまでされておられるのか、この点についてひとつ御説明をお願いしたいと思います。
○谷垣国務大臣 いま浦野先生が御指摘になりました四十人学級の実現をいたします場合の教師の持っておる、分担いたしております重要性というのは非常に大きいと私は思います。教育は、四十人学級ではなくても結局教師に人を得ることいかんが一番大切な問題であろうと思いますが、四十人学級をお願いして実現いたそうといたしまするゆえんのものも、児童と教師との関係が密接になって、そして一人一人の能力を引き出すというところにこの眼目があるべきだと私は思いますので、御指摘のごとく教員の質を向上してりっぱな人を得るということは一番大きな問題だと思います。これはいままでもやってまいりましたけれども、今後ともこういう四十人学級の開始に際しましては特に考えなければならぬと考えております。いままでもいろいろとやってまいりましたけれども、この際、心改めてその点について新しい教員の方々の研修のやり方をまたやっていく。あるいはまた新規になられた方以外の方々もそういうことをやっていく。基本的には教員を養成いたしまするそういうシステムの中にいろいろな問題を考えていかなければならぬということで、兵庫県あるいは新潟県等におきます教員の養成大学を新しいシステムで開始しようといたしておりますのもそういうことでございますが、特にこれからはこの教員の質の向上というものについて私たちも力を注いでいかなければならぬ、こういうふうに考えておるところでございます。
○浦野委員 局長にお尋ねいたしますが、新卒で学校に配属されて先生として仕事を始められる先生方に対しまして、あるいは現場に携わっておられる先生に何か定期的に一定期間新たに講習を行うとか、そういうようなシステムはとられておるわけでございますか。
○諸澤政府委員 教員という仕事の特殊性としまして、教壇に立った最初の日から自分一人の創意工夫、努力によって受け持ちの子供の授業を担当する。そういう意味では、教職についての知識なり技術なりというものを学校を出た段階で相当身につけていることが一番望ましいわけでございますが、わが国の現在の教員養成制度で言いますと、開放制の養成制度と言われるこの制度では、実際には教員の免許状を取る人と採用する人との間では数倍の開きがあるというような実態でございまして、そのことは、たとえば本来学校で相当やってきてほしい教育実習についても、その期間等にかなりの制約があるという事実がございまして、これらの点について大学側でもずいぶん努力はしていただいているわけですが、なお現場へ入った場合に必ずしも十分な人ばかりではない。そこで採用の当初に当たって、そうした点についてのより一層の配慮をした研修をしなければならぬということがあるわけでございまして、そういう意味で数年前から文部省は各県に助成金を出しまして、初任者採用の人の研修というものを実施していただいているわけでございます。 この具体的な中身としては、一応期間を二十日間、そのうちの十日は授業研修といいまして、先輩の先生の授業実施の状況を直接その先輩の指導を受けながら見習って自分も勉強するという、言ってみれば実習的要素の強い研修であり、後の十日は主として教育の内容なり方法等に関する座学の研修をしてもらう、こういう計画でございますが、ただ冒頭に申しましたように教員の職務遂行というものは単独で実施するということでございますから、それぞれの学校に教員の若干の余裕がございますから、研修の期間、そのほかの先生にかわっていただくというようなことをやるわけですが、これにも限度がございますので、二十日間詰めて連続してやるというようなことはしない。大体四、五、六、七ぐらいの間に断続的に二、三日ずつやっていただくというような方法で、県によりましては秋に一部繰り入れてやっているようなところもございますけれども、とにかくそうした研修を実施することによって、まず教員のスタートから資質を向上していただくという意欲を持っていただく、こういうシステムでございます。
○浦野委員 教員の資質向上の手法といたしまして、すぐれた人材を確保する法律、人確法が先年制定されておりますけれども、この法律によってどのような効果があらわれているか、この点ひとつ御見解をお伺いしたいと思います。
○諸澤政府委員 人材確保法の実施によりまして、三度にわたって給与の改善をしたわけでございますが、その結果といたしましてごく大ざっぱに申しますと、この計画がスタートした四十七年度に比べまして、校長、教頭、教諭等の給与水準が約三〇%ぐらい引き上げられたというふうに見ておるわけでございます。 そこで、そういう人材確保法の実施によってどれだけ具体的に効果が上がったかということでございますが、これは率直に申しまして、その後四十九年のオイルショック等もありまして、一般の経済状況あるいは公の財政事情等も変わってまいりましたから、そこでそれらの影響というものと相交わり合っておるわけで総合して考えなければいけませんけれども、結果として今日の状況を見ますと、たとえば国立大学にはいろいろの学部がございますが、その中でも教育学部、つまり教員を養成する課程の志望者の増加率が四十七年当時に比べますと他の学部に比べましてきわめて高い。それから教員養成課程の志願者の倍率というものも、たとえば昭和四十六年度が四・一倍であったものが五十三年度が六・三倍というふうに非常にふえておる。それからその学校を出た先生の卵の方が公立学校の先生に志願してくる、その志願率でございますが、これが小学校の教員でも四十六年当時は一・七倍であったのが五十三年度は三・五倍。それから中高等学校の教員について言えば、四十六年当時が五倍程度であったのが五十三年度には約十倍になっているというようなことは、先ほど申しましたようにいろいろな事情が絡み合っておるかもしれませんけれども、やはり結果としては数ある志願者の中から資質のすぐれた教員を採用し得るという状況になってきておるわけでございます。 また、たとえば現在小学校などを見ますと、半分以上は女の先生になっているという事情に対して、従来の傾向は年々女の先生の数がふえてきておったわけですが、最近の傾向は、教員養成学部の小学校コースでも男の教員志望者がふえてきておるということは、小学校の教育現場の将来のあり方を考えましても、やはりある程度の男女の比率を保つということは学校運営上必要だというふうに望まれているわけでございますから、そういう点から言いましても、現在の教員の養成なりあるいは採用なりの状況は人確法の実施と相まって非常にいい状況になりつつあるということが言えようかと思います。
○浦野委員 人確法がかなりの効果を上げているという御説明をいまいただいたわけであります。 次にお尋ねいたしますのは、教員の資格取得についてでございますけれども、たとえば小中学校の先生になるためにはどのような方法があるか、どのような資格を取らなければならないか、簡単にひとつお答えいただきたいと思います。
○佐野政府委員 小中学校の教員になるためにはそれぞれの学校の教員免許状を取得しなければならないわけでございますが、これらの免許状は大学卒あるいは短大卒というような一定の基礎資格を持っていて、かつ文部大臣が認定をした大学あるいは短期大学の課程におきまして、教育職員免許法が定めておりますところによって必要な教科及び教職に関する専門科目の単位を修得をいたしますと免許状の授与資格を得ることができます。それによりまして、免許状授与権者である都道府県教育委員会から免許状の授与を受けるというのが基本の形でございます。
○浦野委員 短大二年間あるいは大学四年間ということで小学校、中学校の先生になれるその資格が取れるわけでございます。私は一つの問題提起として御見解をお伺いしたいわけでありますが、私も実は会社員の経験があります。一般の会社員とこの先生と比較してみますと、先ほど局長も御説明の中に若干触れられているわけでございますが、会社員というのは会社へ入る。私もさっぱり仕事がわからなかったわけでありますが、やはり身近に先輩がおり上司がおる、そしてそこでしかられ指導され、見習いながら仕事を覚える。三年間ほどは新卒者は全く平等に扱われ、責任がない。会社の方もまだ能力を認めてくれない。したがって、まだ責任も軽いというようなことがあるわけであります。 しかし一方、学校の先生になりますと、大学を出ると直ちにクラスを受け持たされて一人前に仕事をされるわけです。親からいたしましても非常にりっぱな先生であってほしいと大きな期待を持たれるわけであります。しかし、二年間、四年間で資格を取った先生が一人前にやれるかというと、先ほどこの点局長も触れられたわけでありますけれども、御本人の先生自体大変な御苦労をされるのじゃないか。もっと勉強していたらよかったとか、あるいはもっと長い教育実習経験をしていたらよかった、このようなことをきっと思われるのではないかと私は思うわけであります。現在の組織が二年あるいは四年で資格が取れるということになっておりますけれども、大臣、この点の御見解をひとつお伺いしたいと思います。
○谷垣国務大臣 いま浦野先生おっしゃいました点は、私は一つの問題点であると実は思っておりますが、戦後の教員養成がいわゆる開放制ということで、教員の養成をどっちかと言いますと専門にいたします教員養成大学と、それから一般大学を経てきた方々、それがそれぞれ特色を持って教師としてやっていただくという方針をとってきておるわけでございます。私はこの開放制と申しますか、こういう方針はやはりそれ相当の評価をしていくべきことだと思います。 ただ、いま御指摘になりましたような点、いわゆる短期大学二年でそういう資格ができるということ、いまむしろ教員養成をいたします場合でも四年制よりももう一年ぐらい延ばしてやっていく必要があるんじゃないかという議論も出ておる等の事情もよく私も聞いておるわけでございまして、確かに一つの問題点であるとは思います。しかし、これはいますぐにそういう基礎的な問題にどう手を入れるかということはいろいろ問題がございますから、文部省といたしましては、先ほど来説明をいたしておりますような研修の機会を十分につくっていくというようなことでまずやっていくべきではないか、こういう考え方でおるわけでございまして、御指摘のような問題点は一つの問題意識として持ちつつ、いまのような研修その他の実際のあれをやってまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○浦野委員 私の質問は今後検討されるべき一つの大きな問題ではなかろうかとも思います。 先生の質の向上は教育の根幹で一つの大きなもとであると思いますけれども、やはり家庭教育も大事でありましょうし、社会の浄化、こうしたことも教育にとって大切なことであろうと思います。しかしながら、ともかくいま私が質問いたしておりますのは先生の質の問題でございます。ひとつ文部省の特段の御配慮をお願いしたいと思います。 ところで、この学級編制基準の改善は今回で第五次になる、このように承っているところでありますが、わが国の一学級四十人は先進国と比較いたしましてどんな状況になっているか、簡単にひとつお答えをいただきたいと思います。
○諸澤政府委員 先進国といいますと、たとえばアメリカ、イギリス、フランス、西独、ソビエトというようなところがあるわけでございますが、全般的に見ましてそれぞれの国で、アメリカならば州の規則で決めているところもございますし、イギリスのように慣習としてそうなっておるところもあるわけであります。そういう意味では必ずしも明確な基準とばかりは言えないかと思うのですけれども、大体のスタンダードとしておるところは三十人から四十人というところでありまして、日本のように四十五人としている国はないように思うわけでございます。
○浦野委員 私の手元にある資料等を見ますと、わが国よりも先進国の方が比較的一クラスの生徒数というのは少ない、このように思うわけでございますが、文部省といたしまして今回のこの四十人というのが適当な数字であるかどうか、あるいはもっとでき得れば先進国と同じように少なくすべきなのか、そうした方が教育というものはもっと身近なものとしてめんどうを見られるのか、この辺の御見解はいかがでございましょうか。
○諸澤政府委員 これはこの計画を策定して以来常に議論のあったところなんでございますけれども、端的に申しまして、たとえば国立大学の教育学部の先生などがいろいろ実験的に学級編制を変えて授業をやらせてみると、確かに四十五人、五十人よりは四十人の方がいいというような結論もございますし、また現場の先生の意識調査をしても、もう少し学級の人数を減らしてもらった方が教育効果が上がるというような点に一番関心が集まっているとか、こういうことからいいますと、四十五人をもっと下げた方がいいということは明らかなんですが、しからば何人が最も適当かという議論になりますと、これはしっかりした科学的な検証のできるような課題ではございませんので、われわれとしましては、現在の日本の実情、財政状況等を考えますと四十人でいくというのが最も妥当な線ではなかろうか、こういうふうに考えている次第でございます。
○浦野委員 個別教育と集団教育といいますか、そうした二つの目的の兼ね合いをどこに求めるかということであろうかと思いますが、現場の先生等の御要望はもう若干少なくしてほしいという御希望のように私も承っております。したがいまして、なるべく早い時期に、現場の先生というのはそうした面では最も身近に感じておられるわけであろうと思いますので、好ましい学級編制になることを望むものであります。したがいまして、そのための努力は私たち自身もまた措しんではならない、先頭に立って文部省はがんばっていただきたいと思うわけであります。 もうすでに私に与えられた時間は参りました。 最後に、大臣から決意を披瀝していただきたいのでありますが、この財政事情の厳しい中で画期的とも言える改善計画を踏み出そうとしているわけであります。しかしながら、先ほど申し上げましたように、公立の学校を設置し、運営していくのは地方の自治体であるわけであります。この計画が円滑に実施されるためには自治体に対して十分な配慮がなされなければならないし、また子供を教える立場におられる先生の資質向上を図っていかなければならないと思います。そうした面でひとつ大臣から改めて御決意を伺いたいと思います。
○谷垣国務大臣 御指摘のとおり、四十人学級というものを国の財政も地方の財政も非常に厳しい状況の中で出発をいたしますということは、私は教育の面から見まして非常に大きな意味があると確信をいたしております。しかし、そのためには国の財政もそうでありますが、それぞれの担当をいたしておられる地方の自治体の協力と御努力が期待されるわけでございますが、ことに財政面につきましては重荷があるだろうと思います。現実に地方自治体の方々は、そういう御意見を申し述べておられる方も多いわけでございます。したがいまして、大変に長期にわたったような計画になりましての御非難もございますけれども、やはり人口増加あるいはその施設等ができておるところというようなことをある程度考えて、いわゆる学年進行の方策をとったところでございますので、十分に地方の自治体の皆さん方に御協力をいただき、推進をしていただける、そういう御努力をこれからも期待をいたしたいと思っております。 それから、御指摘がございましたように、もう一つ大切な問題と申しますか、教育の基本であります教員の皆さん方の質の向上と言ったら語弊があるかもしれませんが、先生方にいい人を得るということが何と申しましても非常に大切だと思います。これは先ほど御指摘がありましたような点を考えて研修の機会をふやしていく、あるいはもっと言いますれば教員の養成をいたしますやり方そのものにもう少し改善を加えていく、すでに出発をいたしておりますいろんな教員大学のあり方を拡充していくというような問題を含めまして努力をしていかなければならないと考えておるところであります。
○浦野委員 ありがとうございました。質問を終わります。
○谷川委員長 船田元君。
○船田委員 浦野委員に引き続きまして、いま議題となっております標準法の改正案、これについて質問を続けたいと思います。 まず質問に先立ちまして、私のような新米の者にこういう質問の機会を与えていただいた文教委員会の諸先輩方、きょうはちょっと野党の方が多いわけでございますけれども、先輩方に感謝の気持ちを申し上げますとともに、今後の皆様の御指導、御鞭撻をどうぞよろしくお願いいたします。 今回の学級編制及び教職員定数改善計画、特に小学校や中学校における四十人学級の実現ということが大変大きく取り上げられておりまして、浦野委員からもいろいろ質問のあったところでございます。私はまずこの問題につきまして、やや違った角度から質問をしたいと思います。 大臣は、去る二月十三日でしたか、当委員会での所信表明の中におきまして、四十人学級のことについて触れられました。その実現によって一人一人の児童生徒により行き届いたきめ細かな教育指導ができる、そういうふうに四十人学級の実現の意義というものを述べられていたと思います。確かに、学級の規模がどんどん小さくなっていく、そうすると教師におきましても、その学級の中にいる一人一人の子供をより長く、そしてより丹念に見詰めていくことができるし、また子供の側におきましても、やはり教師に接する機会というのが非常に多くなる、大変結構なことであると思います。ところが、大臣がこの前述べられたようなことは、特に四十人学級の意義というものについて、どうも学級イコール学習のための集団、そういう立場のみから考えられておるような気がしてならないわけなのです。 私は、日ごろから、学校というものはただ単に教えられる教科を学習するだけの機関ということだけではなくて、たとえばその学級活動、四十人なら四十人、四十五人なら四十五人という学級全体での子供たちの活動、そういう集団生活を営むことによって人間全体の発達を目指す。もう少し具体的に言いますと、集団の中での自分の役割りというものを認識したり、あるいは自主的な生活態度、公民としての資質を育てる、そういうところにも何か一つの教育の柱があるのじゃないか、そう考えております。つまり、学級というのはただ単に学習のための集団であるばかりでなくて、同時に生活のための集団でもある、そういうふうに考えておるわけです。学級を生活集団として見た場合に、四十人あるいは三十五人というように将来学級の規模がどんどん小さくなっていきますと、今度は生活のための集団として果たしてうまく機能するかどうか。学級活動を通じまして子供たちに公民の資質を育てる、そういうようなことが規模が小さくなるためにかえってむずかしくなるのじゃないかということを私は大変心配しておるわけですが、生活集団として学級を見た場合の四十人学級あるいはもっと規模を小さくする、そういうことの意義はどうなのかということについて御見解を伺いたいと思います。
○谷垣国務大臣 これは先ほど浦野議員に対しまして政府委員の方からもお答えをいたしておる問題と重複する点があろうかと思いますが、いま船田議員の御指摘がございましたような面から問題を見ることは確かに私は重要だと思います。船田先生も実際に学園の経営に入っておられてそういう点をお感じになっておるのだと思います。 一学級の適正規模はどのくらいが適当かということは、先ほど局長からも申し述べておりますように、経験的なものとかあるいは実際そこで担当しておられた先生方がどういうような感じ方を持っておられるかというようなこと、どれだけがどれだけ正しいかというようなことはなかなか言いにくい点、実証しにくい点があると思いますが、やはり四十五人ということでは多過ぎる、疲れが大きいというような点は共通しておられるところだと思います。したがいまして、実証的に三十五人くらいのところが問題の把握をしたり、過労に陥ることのないような数ではないかというような問題が出てきておるわけでございますが、これは学級の問題とは若干違いまして、すでに四十五人学級の段階でも、全国平均いたしますと小学校では三十五人程度のものにはなっておったと思います。今度四十人学級ということをいたしますと、全国平均になりますけれども、その数はもう少しまた減ってくる可能性は生じてくるわけでございます。 それから、もう一つの社会集団と申しますか、生活集団としての学級数の問題でありますが、数が少なくなればなるほど適切であるかということについては確かに私は問題があると思います。数が少ないからいいかということは、これはまだ十分に検討ができていない問題だと思います。ただ、児童が一つの家庭を離れまして集団的なあるいは社会的な生活でまず一番大きく影響いたしますのは、自分のクラスということになると思いますので、余り膨大なクラスではだめだということは当然だと思いますけれども、少ないほどいいとも必ずしも言えない問題があると思います。この点は各国の状況やその他も考え、かつ経験を積み重ねた上で議論のできる点ではないか、こういうふうに私は思います。少なくなればなるほどいいという議論はある限界があるだろう、これは私もそのように考えますが、具体的な数字は何かということはもう少しそれぞれの御研究やあるいは経験を積んでいただくことが必要なのではないか、こういうふうに考えておるところであります。
○船田委員 私が申し上げましたように、学級というものを学習集団だけで見るわけではなくて、やはり生活集団としての吟味も忘れないでいただきたい、そういうことを要望しておきたいと思います。 それから、確かに四十人学級の実現というのは教育関係者の長年の懸案でありました。大変大きな事業であるということは言うまでもないわけですが、私にはどうも四十人学級の実現の方が大変目立ち過ぎてしまって、この改善計画のもう一方の柱である小学校、中学校、そして高校の教職員定数の改善、そちらの方がちょっと隠れてしまっているような感じがして大変残念に思っております。 そこで、これから私はもう一方の柱である教職員定数の改善の問題、それからさらには高等学校の問題を中心に質問を進めていきたい、そのように考えております。 まず、今回の改善計画では小中学校の教職員定数を全体としてどのように改善しているか。先ほど浦野議員の質問に対する答弁の中にございましたように、総数としては十二年間で三万八千人、約四万人ほどの教員増を図る予定ということでございますが、細かく質問をしていきたいと思います。 まず最初に、たとえば教諭等につきましては具体的にどういう定数の改善を行おうとしているのか。特にこの標準法の要旨を見てみますと、第七条というのは表がありまして技術的に大変わかりにくいのでありますので、ひとつわかりやすく御説明を願いたいと思います。
○諸澤政府委員 いま御指摘の標準法ですけれども、これによる教員の配置の考え方というものを法律に即して簡単に申し上げますと、まず六条で、七条から九条までに定めるところによって教員の数を決めなさい、こう言っているわけですね。そこで、その七条というのが校長、教頭、教諭、助教諭、講師という一くくりでございまして、そこで校長というのは、小規模学校は別として一人置く。それから教頭以下を一くくりにしておるわけですね。いわば直接教育活動に当たる職員という意味で。そしてその法律の立て方は、その学校が何学級編制であるかということを基本に置いて、たとえばこれで言いますと、小学校の四学級編制であれば、その四学級の四に一・五を掛けた教員を置きなさい、こう言っているわけですから六人ということになるわけですね。そういうふうに計算した教育活動を担当する者と、それから八条が養護教諭、養護助教諭、それから八条の二が栄養職員、九条が事務職員。八条、八条の二、九条はそれぞれの職員の配置の仕方を今度の法律によって改善しようというわけです。 まず、御指摘の七条関係の教頭以下の教員の数でございますが、これが一学級当たりの教員の配置率ということになるわけです。この点をちょっと御説明申し上げますと、確かに日本は一学級の生徒児童の構成数は欧米諸国に比べると一番多いのですけれども、今度は逆に一学級当たりの教員配置率ということからしますと、ここにありますようにかなりの比率にいっているので、これは統計的に見ましても欧米の国と遜色ないところをいっているというふうに思うわけでございます。 そこで、今回この教員の配置ではどういうことを考えたかといいますと、従来十八学級以上の学校に一名ずつ配置しておった教頭の配置率を後ほどまた御質問があれば詳しくお答えしますけれども、もっと小規模の学校にも一名ずつ置けるようにしたというのが一つと、それから小学校では音楽、図工、体育、家庭といったような教科はやはり実際の問題として専門の先生が要るということで、これは専科教員と言っているわけですが、その専科教員を小規模学校も含めて最低一人は確保できるように改善をした。 それから中学校について言いますと、中学校の教科は九教科ございまして、御承知のようにそれぞれ免許状を持たないとできない。ですから、どんな小さい学校でも九人の先生がおれば最低それぞれ専門の教科が担任できるというかっこうになるわけです。一、二学級の中学校はちょっと無理としても、それ以上の学校では校長さんを含めると最低九人の教員が確保できるようにした。これを免許外教科担当教員の解消、要するに専門でない人がやらなくても済むように定数配置をしようというこの改善が一つ。以上が小中学校を通じての全体的な改善です。 さらに、特殊な場合として、小中学校でも寄宿舎を置く学校がございますから、そういう学校の舎監の数をふやす。もう一つは、同和地区等特殊な地域について一般の地区よりも教育活動が困難であるという意味で教員を加配しておりますが、この加配教員の数をふやす。さらに、先ほど大臣からお話もございましたけれども、上越あるいは兵庫の教育大学のように主として現職の教員を長期間にわたって研修させる大学等が発足するという時期に当たりまして、そういう長期研修を可能にするために長期研修の期間代替教員を置く、この代替教員の定数をふやすといったようなことが大体今回の小中を通じての定数配置の改善です。
○船田委員 特に今回の改正案の第七条の二項に関係すると思いますが、新たに校長の数と教頭の数が、たとえば小中学校校長標準定数、小中学校教頭標準定数ということで一般の教諭とは区別して規定されております。この規定を設けた理由は一体どこにあるのか。 それと、校長はともかく教頭については小規模な隣接校においては現在でも併任されている、こういう例もありますし、大規模校においては教頭というのを複数配置している、そういう例もあると思うのですが、この規定を設けることによって特に教頭配置の現状を変えていくことになるのかどうかということについてお伺いしたいと思います。
○諸澤政府委員 この点は、先ほども申し上げましたように、今度の改善で小学校は九学級以上、中学校は六学級以上の学校には全部専任の教頭が一名ずつ置ける程度の増員をしたということもございましたので、法律上の規定にもその趣旨を示したのが七条二項でございます。 そこで、この七条二項で、たとえば小学校で言えば六学級から八学級までの学校の四分の三とたしか書いてあるわけですね。それでは四分の三置かなければいけないのかどうかということになるわけですが、これはあくまでも配置の目安でございますから、御指摘のように、きわめて大規模の学校では複数制の場合もありましょうし、あるいは小規模の場合は置かないということもある。各都道府県ではやはりそれぞれの学校の実情に応じてやっておられるわけですから、それを今回のこの規定によって改めさせようという趣旨ではないわけでございます。
○船田委員 次に、養護教諭と事務職員というのがございます。これについてはどのような定数の改善を行おうとしているのか。それからこの改善計画が完成した場合に、養護教諭、事務職員の配置率、これは一体どの程度になるのか。特に全校配置になるかどうかということについて御答弁願いたいと思います。
○諸澤政府委員 これは御承知のように、従来は全学校の四分の三、七五%の学校に置くということにしてあったわけですけれども、今度は学級規模に応じまして、四学級以上の学校には全部、それから三学級の小中学校については四校に三校の割合、四分の三ですね、こういう基準で実施をするわけです。 なぜそういう改善をしたかということなんですが、これは完全配置とすれば一番よろしいわけですが、率直に言いまして全体の財政上の制約があることも事実でございますし、四十九年の附帯決議もきわめて小規模の学校は除きと書いてあるわけでございます。そういうことも考えながらやりました。 そういうふうに考えますと、一学級、二学級の学校はきわめて数は少ないのです。それと三、四学級あるいはそれ以上の学校でも小学校と中学校が隣接しておる場合があるのですね。第何条でしたか、今度の法律の規定で、そういう隣接をしている場合にはこれを一校とみなすということにいたしておりますので、そういう隣接校の場合は両校にそれぞれ置かなくても実質的に完全配置と同じ効果が上がるだろう。それから、一学級、二学級の学校というものを考えますと、非常に子供の数が少ないのですね。十数人というような学校があるわけです。これも置ければなおいいかもしれませんけれども、そういう学校については、ほかの学校との兼務なり巡回なりということで考えていただく。 それから、いまの制度でもそうですけれども、無医村とか無医地区、離島などで一つの行政区画にはなっていないけれども、そこにお医者さんがいないというようなところには養護教諭を一名優先的に配置するというような規定もありますので、それらを総合的に考えますと、一〇〇%とは言いませんけれども実質的には九十数%の配置率になるであろうというふうに考えておるわけであります。この点につきましては、具体的定員の配置等につきまして各県となおよく御相談をしながら、できるだけカバーできるように努力をしてまいりたい、かように思っておるわけでございます。
○船田委員 確かに昭和四十九年の当委員会における標準法改正のときに附帯決議がありまして、第三項にちゃんと書かれておりますし、それから小規模の一学級、二学級の学校で養護教諭が配置されていないということによって、たとえば事故が発生してもとっさの処置がおくれてしまう、それによってその事故を大変大きくしてしまうというような実際上の心配もございますので、このことにつきましては今後とも十分に御検討願いたいと思います。 次に、学校栄養職員についてお尋ねいたしますが、今回の改善計画ではどのような定数の改善になるのでしょうか、お伺いいたします。
○諸澤政府委員 今回の改善では、学校単独給食の場合は、給食をする子供の数が七百人以上の学校には一名、それから七百人未満の学校につきましては四校に一名、簡単に言いますと、そういうことでございます。 さらに、共同調理場につきましては、従来は五千人まで一人というのを三千人にしたのです。それも対象の子供の数を減らしたということでございまして、全体的に見ますと、従来の実績から比べてかなりの数の改善になっておる、こういうふうに思うわけでございます。
○船田委員 いまの御説明によりますと、特に七百人以上の大きな学校では大体一人配置される。ところが、七百人未満、六百九十九人以下の学校では四校に一人とかいうような配置となりまして、これは実際考えてみますと、一人の栄養職員が幾つかの学校を巡回して献立をつくるというような大変ハードな仕事をこなしていかなければならない。そうなると、そういった学校栄養職員に対しては非常に高い能力が要求されるわけですね。そうした場合の学校栄養職員の資格あるいは学校栄養職員の養成についてはどういう方策がなされておるかということで御質問したいと思います。
○諸澤政府委員 いま御指摘のように、七百人未満だと四校に一名というのはちょっとハードではないかという御意見、これは確かに一つの見方であると思いますが、これをちょっと御説明させていただきますと、栄養職員の配置というのは、実は四十九年度の第四次改善のときに初めて法律の対象にしたのですね。そのときにはきわめて数も少なかったし、県によって配置がアンバランスだったわけです。それをそのときの改善でいまのような基準にして一応配置したという経過で、言ってみれば急速に配置してきたという実態がございますので、今回も御指摘のような問題がございますけれども、われわれとしては現時点として最善の努力をしてきた、こういうふうに御理解いただきたいと思うわけです。 それで栄養士の資格の問題ですけれども、これはいまの学校給食法の規定にも、学校栄養職員というのは給食についての理解を持つ人で、栄養士の資格を持つ人だ、こういうふうに規定してございますから、栄養士でなければいけないわけで、栄養士というのは、いまの制度では、厚生大臣の指定する栄養士の養成機関を出た者というのが第一義的な資格なんですね。それは具体的に言いますと、ほとんどの女子短大の家政科などはそういうのに該当するわけでございまして、ここを卒業して栄養士の資格を持つ人というのは毎年相当の数に上るわけでございます。そして、実際に栄養士にならないけれども、その資格を取っておこうというような方もおられるわけですから、そういう意味では職員の採用に困難を来すことはないわけですけれども、ただ問題はそういう資格を取って学校を出た若いお嬢さんがそれですぐ学校栄養士として十分機能するかと言えば、そこはやはり問題だと思いますので、その点については、都道府県でも国でも栄養士のための講習会をやったり、全国大会を開いたり、あるいはいろいろな指導資料をつくったりというような努力をいたしておるわけでございまして、その点は今後とも引き続きやりまして、せっかく置いた栄養士が十分にその職能を発揮できるように配慮するという努力が必要だろうと思います。
○船田委員 これまでは小中学校の教職員定数の具体的な内容改善につきまして伺ってきました。これらはいわば教職員の量的な充実である、そのように考えております。 しかし、先ほどの浦野委員の質問の中にもありましたように、教育の内容の質を高めていくためには、教師一人に対して子供が何人というような、ただ単なる量の問題だけではなくて、やはり教師一人一人の資質の向上ということも同時に行われなければならないと思います。言葉は悪いですけれども、仏像つくって魂入れずというような言葉もございますけれども、そういう状態では大変に困るわけであります。 そこで、先ほどの御答弁では、教員の資質向上のためにさまざまな研修をやろう、あるいは実際にやっているということで大変結構なことだと思います。ただ、現職の教員の研修ということになりますと、今度はその学校の方に穴があいてしまう。実に厄介な問題であります。今回の定数改善計画では教員の長期研修を穴埋めする措置がされている、そういうふうに承知しておりますが、大体どういうような措置なのでしょうか。
○諸澤政府委員 教員の長期研修のための措置というのは、今度は二千四百名の増員を考えておるわけでございます。そこで、当面まずまとまってそういう長期研修をやる大学としては、上越と兵庫の教育大学があるわけでございまして、兵庫は五十五年度から、それから上越は五十七年度から——五十八年度でしたか、ということで、二年の修士コースへ入って二年間研修をしていただくということになるわけですが、それぞれの大学ともその一学年の定数を三百名と予定しているわけです。予定しているわけですが、一応のめどとして、三百名のうち三分の二の二百名を現職教員で採用するということでございますから、そうしますと、それぞれの大学四百名、計八百名の長期研修生が両大学が学年進行で完成した場合には派遣されるという計算になりますので、いま申しました二千四百名のうち八百名はそういった長期研修に使われる。そのほかに、国立の大学の学部とか専攻科に一年程度の長期研修で行く方というのも現在も相当あるわけです。特に理科教育とか産業教育などではあるわけですけれども、これは今後も拡充してまいりたいし、また、率直に言いますと、大学によって必ずしもそういう人をうまく受け入れるような状況になってないというところもありますから、大学にそういう受け入れについての体制を考えていただくというような努力をしながら、いま申しましたようなことで長期研修の充実を図っていく、かように考えております。
○船田委員 次に、高校の問題について二、三伺いたいと思います。 私ごとで大変恐縮なんですが、私が高校を卒業してからまだ八年でありまして、恐らくこの委員の中でも高校を出てからの期間が一番短いというわけでありまして、高校教育につきましては大変身近に感じておるわけであります。 それはさておきましても、現在高校への進学率は九〇%を優に超える。もうほとんどの子供が学ぶ機関、それが高校教育でありまして、高校教育の重要性というのはいまさら私が申し上げるまでもないと思います。しかし、現状というのは、世上いろいろと議論されておりますように、高校教育には多くの課題が山積みされている。たとえば、先日私の地元の新聞に出ておったのですが、栃木県教育委員会の調査によりますと、高校生の中途退学者というのがここ二、三年非常にふえ続けている。県下でも年間大体五百人以上に上る。言うなれば、小規模高校一校分の人数に達するんだというような報告がございました。そしてそういった退学者の原因というものには、もちろん親の転勤とかあるいは経済的な事情、やむを得ない事情というものもありますけれども、それと同時に、たとえば勉強についていけない、それから学業への関心が薄れてしまういわゆる怠学とか素行不良で退学をしていく者が全体の過半数を占めているのだという報告がありました。今回の高校における教職員定数の改善計画が、高校で多発するこのような怠学なり非行、こういう問題を防止するほどの力を持ってほしいのだということを願っている一人でありますけれども、まず今回の高校の教職員定数の改善計画、この全体像について簡単に御説明を願います。
○諸澤政府委員 全体としては一万二百三十八人の増員を計画しておるわけですが、ただこの場合高等学校は、先ほど申しましたように昭和六十一年度まで中学校の子供がどんどんふえ続けるので、六十四年度以降に高等学校の生徒がいまよりも百万くらいふえるだろうという予想なのです。そうしますと、それに対応するために必要とする教員増が約四万あるということであり、またそれを収容するための施設設備の問題等もありますので、そういった点に対する地方財政への配慮も考えまして、いま申しましたように今回の改善としては約一万程度といたしたわけでございます。 その中身としましては、新学習指導要領の実施に伴ういわゆる習熟度別学級編成を行うために増員をする場合の増員とか通信教育の担当教員の充実とか養護教諭の配置基準の改善といったものが主な中身になるわけでございます。
○船田委員 ただ残念なのは、今回の計画の中で特に全日制普通科における四十人学級の実現を見送ってしまったことではないかと考えておりますけれども、四十人学級を高校の段階で見送った理由についてもう一度詳しくお願いいたします。
○諸澤政府委員 いま申しましたような今後の高校の予想というものからしまして、たとえばいまの標準法でも、おっしゃるように普通課程は四十五人が標準であるわけですが、やむを得ない事情がある場合はこの限りでないという規定がございまして、東京や大阪などはすでに本年度から四十七人にしておるという実態でございますので、高校の四十人学級というものは単に教員をふやす問題だけにとどまらず施設設備、校地にまで関連する問題でございますので、そういうことを考えますと、高校生がまだまだふえていく現時点において四十人にすることはかなりむずかしい課題である、こういうふうに考えて今回はこれを延期したわけでございます。 なお、第三次、四次の改善におきましても多少ずれますけれども、まず小中の四十五人をやって、それから高等学校の一部四十人ということを考えた経緯もございますので、過去の実績等も考えましで今回は小中にとどめたわけでございます。
○船田委員 確かに財政困難の時代でもありますし、これから高校の生徒が百万人ふえるということで大変むずかしい状況の中ではありますけれども、何とか財源というものを捻出して早く実現していただきたい、そのように考えております。 それと先ほどの局長の御説明によりますと、今回初めて習熟度別学級編成のための定数措置が講ぜられたと伺いましたけれども、この編成は現在のところどのくらいの学校で行われているのか。さらにはその学校ではどういう教科をされているかということについて簡単に御説明を願います。
○諸澤政府委員 これは五十三年度では大体公立高校の一五%くらいがやっている実績だったのですが、五十四年度は二五%になっているのです。これは各県に照会した結果ですが、いまの時点では五十五年度にはもっとふえるだろうという見通しでございます。 ただ、これをやるについてはいろいろと配慮しなければならない点がたくさんございますから、そういう配慮をしてやっていただくということが必要であります。そしてまたやる教科ですが、いま各県の状況を見ますと、大体英語と数学がほとんど大部分という実態でございます。
○船田委員 実は私の出た県立の高校でも、私が在学していた当時から習熟度別学級編成というのをやっておりまして、英語と数学ということですが、私のところもやはり英語と数学の二教科でした。英語と数学の時間には、いままでの既成の四クラス、この枠を取り払ってしまいまして、成績のよい順からA、B、C、Dと新しい四つのクラスの再編成をした。それぞれのクラスでは一体どういう授業をやったか、その詳しいことはわかりませんけれども、確かに言えることは、定期テストの結果が出るたびに、各クラスの一割から二割くらいの成績の上がった者は上のクラスに昇進する、成績の悪かった者は下のクラスに落ちる、そういう入れかえをしょっちゅうやっておりました。たとえばAというのは一番いいわけですが、AからBに移ってしまったという生徒は、中には何くそということで次回は奮起するということもありましたし、また一番下のDのクラスからCのクラスに上がった、そういう場合には次回はCからBをねらうというようなことで学習の意欲が大変それによって上がってくるということも確かにあると思います。しかし一部では、たとえばおれはCだけれどもおまえはAだ、おれとおまえとは頭の構造が違うのだというように悲観をしてしまったり、それからあいつは万年Dのクラスにしかいないから立つ瀬がない、人生灰色だなというような批判と申しますか、陰口がよく出るというようなことを私も経験いたしました。 こういった実際の経験からしますと、確かに学習意欲を上げるためには習熟度別学級編成というのは大変効果があると思いますが、また反面では生徒の間に妙な差別感を生み出しはしないかというような心配を私はしておるわけです。そのことに対する配慮をどういうふうに考えておられるか、御答弁願いたいと思います。
○諸澤政府委員 これは実際やっている高校などについてお話を伺いますと、たとえばある高校などでは、まず学校内で教官同士の意思統一というものをはっきりやって、これはやはり反対の方がおられてはうまくないので、学校としてやろうという構えをつくる。そして父兄の理解を得る文章等をつくって、今度こういうふうに英語と数学をやろうと思うが、その趣旨はこういうことですという理解を得る。そして次に子供に対しても、学校はこういう趣旨でやるのだ、だから君らの希望を述べなさい、希望どおりにはいかぬかもしれないけれども、しかしそれをしんしゃくしながらグループをつくるというようなことをやる。それからグループを分けた場合のそれぞれの教材をどういうふうにするかというようなことについてもかなり慎重な配慮をし、差別感を持たせないようにするというようなことをやり、それからいまおっしゃったように一定の時期にグループの入れかえをして固定化を防ぐというようないろいろな配慮をしながらやらないと、いまおっしゃるような点があるわけで、そういう意味で、いまやっております学校についていろいろ聞きますと、できない子なども、むしろそういうふうにやってもらった方が力がついてよかったという報告が多いというふうに聞いております。 文部省は、ことしから全国約五十校の高等学校にこの習熟度別学級編成の研究指定校をお願いしまして、これはまだちょっとその成果は報告が出ておりませんけれども、こういうものをもとにしながらいろいろな実施の条件というものを探り出して、これを今後ほかの高校に提供することによってこれを円滑に実施できるようにひとつ努力をしていきたい、かように思うわけです。
○船田委員 ひとつ生徒の気持ちというもの、あるいは父兄の意向というものを十分に勘案して慎重に実行してもらえるように御指導をお願いしたいと思います。 それともう一つ、今回の習熟度別学級編成のための定数措置をしたことによって、どこの学校でもこれを強制することになるのかどうか、これについて御説明願いたいと思います。
○諸澤政府委員 これは全体で約六千名そのための増員をするということでございますから、各県にその内訳が割り当てられるわけですが、やり方としては全部の学校にこれを強制するということではなしに、それぞれの学校の判断において、自分の学校ではこれをやってみようという場合にその定数をつけるというようなシステムで第一義的には学校の判断にまつ、こういうことで運営してまいるわけでございます。
○船田委員 時間も参りましたので、最後の質問にしたいと思います。 これまで問題にしてきました高校における教職員定数の標準改正、もちろん公立高校だけが対象であって、私立高校にまで及ぶものではないということは言うまでもありません。私立学校におきましては、それぞれの建学の精神あるいは校風というものを生かした独特の教育を行っているわけであります。しかし、たとえば私立の高校が教育の質の向上のために教師をふやしたい、そう思ったときには、現在のところ財政的な事情でなかなかそれが許されないというのが現状ではないかと思います。 現在私立高校というのは、学校数にして全体の二四%、それから生徒数にしますと全体の二八%を占め、高校教育の一端を担う大きな柱となっているということについては否定できないと思います。高校教育全体の充実を目指すならば、公立高校の教職員をふやすということだけではやはり片手落ちであって、当然私立高校においても教職員がふやせるように何らかの十分な助成の措置というものを今後とも講じていただきたい、そのように考えております。 そこで最後に、私立高校も含めました私学全体に対する国の助成について今後の方針なりビジョンがございましたら御説明願いたいと思います。
○谷垣国務大臣 御指摘のとおり、ことに高校教育の場におきましても、私立高校の担当していただいておるシェアは相当に大きいわけでございます。政府の方は、私立学校振興助成法の精神にのっとりまして従来私立学校に対します助成をいたしてまいりました。先般御審議を願いました五十五年度のこれからの予算の中におきましても、私立大学等の経常費の補助金、これは前年度予算に比べまして約二百五十億円の増加になっております。一〇・六%の増加で二千六百五億円を五十五年度は計上することができました。それから私立高校の経常費助成の補助金でございますが、これは前年に比べまして一六・七%の増加が可能であったわけでございまして、およそ百億円増加をいたしまして七百億円が私立高校に対しまする経常費に対する助成ということに相なっておるわけでございます。今後とも助成法の精神にのっとりましてやってまいりたい、かように考えております。助成法の方が五〇%以内というようなことになっているわけでございますので、そこらのことを十分考えながら進めてまいりたい、かように考えておるところであります。
○船田委員 どうもありがとうございました。以上で質問を終わります。
○谷川委員長 午後一時に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四分休憩 ————◇————— 午後一時五分開議
○谷川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案について質疑を続行いたします。中西績介君。
○中西委員 本法案は、私たち国民がいままで主張し、また期待をした教育環境を早急に整備する法案としては十二年間というきわめて長期にわたるために、希望したものとは相当かけ離れた中身になっております。繰り返しにはなりますけれども、確認の意味を含んで本法案の提案までの経緯について質問をいたしたいと存じます。 まず第一に、一九七四年に改正いたしました現行法に対する本院並びに参議院における附帯決議は十数項目あるわけでありますけれども、何が主要なものであって何を中心にして決議がなされておったかという点について文部省当局はどのように理解をしているのか、この点お答えいただきたいと思います。
○諸澤政府委員 この附帯決議の中身は衆参で若干違うわけでございますが、主な点を申し上げますならば、まず四十五人学級の標準を四十人に下げるというのが一つの大きな事項であり、あとは教員の配置率あるいは養護、事務、栄養士といった配置率をできるだけというか、たとえば養護、事務を原則として全校配置という教員の配置の改善というのが大きなねらいのように考えるわけでございます。さらに最後に、衆議院の場合は五年計画という慣行をやめて、いま言ったようなことをできるだけ早くやるべきである、こういうことをつけ加えたというのが主な中身だと思います。
○中西委員 私の認識とも変わらないと思うのですけれども、特にこの時期におきまして、学級編制に当たって基本的な標準計画、いわゆる四十五人学級を四十人に実現できなかった、こういう点が見送られたという時点での決議を中心にしてこれを盛られたものと私は思います。しかも、一番最後に、いま局長が言われましたように、五年計画案であるけれども可能な限り早く実現するように法律改正を行うべきだという内容になっておるわけであります。 そこで、本法案の場合に、その間に五年間でそういう法律改正なりがなされた部分があるかどうか、この点についてどうでしょう。
○諸澤政府委員 四十九年度から発足した五カ年計画というものは、率直に申しまして私の記憶では三年次、四年次あたりは財政事情等もあって、むしろ最後の五十三年度に一部繰り延べるというような事情もございましたので、新たに法案を改正して内容を拡充するというようなことは事実上考えることもできなかったし、またやらなかったわけでございます。
○中西委員 ですから、この附帯決議なるものについては何ら生かされた点はない、こう私は理解をするわけです。この点は、議事録を見ましても、当時においても相当論議いたしております。しかしながら、そういう計画が具体化しなかったという点については大変残念でありますだけでなしに、この五十三年度第四次案が完結する当時むしろこれを逆手にとって、「標準法を五年計画に即して五年ごとに改正する慣行を改め、」ということで五年以内ということを指しておるにもかかわらず、逆にこれを崩して引き延ばすという体制になっているのではないかということを感ずるわけであります。特に、第五次計画を発足すべきであるにもかかわらず、七九年の実施が見送られていったという八十四国会における状況というのは、そういう問題が質問の中からだんだん明らかになってきておったわけですね。そういうことからしますと、文部省、政府当局に、このような決議に対して果たしてまともに受けとめる体制があるかどうか、私は疑うわけでありますけれども、この点はどうなんですか。
○諸澤政府委員 附帯決議は当時の与野党全員の一致による決議でございますから、私どもとしては、この趣旨は念頭に十分置かなければならないと考え、かつ、その趣旨を十分理解しておるつもりであります。しかし、現実に行政を進めるには財政問題その他もございますから、結果としては御意思に沿えなかったということになっておるわけでございます。
○中西委員 そのように努力をすべきだということと同時に、こういう委員会なり議会における決議が軽視されるということになりますと、これから以降私たちがここでいかに真剣にいまの行政のあり方、政策のあり方を論議いたしましても、これは架空の論議になるわけです。大変失礼な言い方でありますけれども、文部省なり何なりは、議会軽視、無視をするという体制がその中にあるのではないかと私は感ずるわけです。この点はどうなんでしょうか。
○谷垣国務大臣 先ほどおっしゃいましたように、附帯決議の重要性は、文部省の諸君だけではなく政府全体十分によくわかっておると私は考えております。四十九年の標準法改正の際の附帯決議も、そういう意味におきまして、文部省としてはその趣旨を十分に生かさなきゃならぬということは考えておったと私は思います。私ごとになりますが、私も大臣になりまして、実はそういう趣旨の話を事務当局から一番先に聞いたようなわけでございまして、文部当局が決議の問題について過小評価したりということは、私が大臣になりまして以来の経験から申しましては全然思いもよらないところでございまして、その実現をいたすために誠心誠意努力をしてまいった、こういうふうに考えております。
○中西委員 大臣は、いまこれを誠心誠意遵守するという方向を打ち出しましたけれども、いずれにいたしましても、前回の委員会の中でこれが質問されてその中で初めて明らかにされるという状況を勘案いたしますとまことに遺憾であります。この点は、これから後の審議の内容等については十分守っていただかなければならないと思います。 そこで、そういう中から小委員会が設置されましたけれども、その趣旨は、計画案が出てこないということがわかったためにつくられたわけですね。この点は、そのように文部省は理解をしておりますか。
○諸澤政府委員 五十三年の通常国会で五十三年度の予算を審議される過程で、定数改善の問題は五十三年度で終わって、すぐその次をやるのかどうかという議論がございまして、いや、われわれとしては五十三年度一年をかけて調査研究をした上で次の計画を立てたいと考えております、こういうようなことから、国会の方におかれましては特に文教委員会でいろいろ御論議があって、そういうことであれば国会においても小委員会を設けてこの問題を検討しようではないか、こういうふうな御意向であったように聞いております。
○中西委員 結果的にはこの計画が見送られるということで、何とかして五十四年度から具体的なものができればということで早急に小委員会を発足させたはずですね。一定の期間をかけまして小委員長報告が提出されましたけれども、その点について私はお聞きをしたいと思います。 その中身については局長も十分承知しておると思いますけれども、まず第一項目に附帯決議を再確認するという文言があるわけであります。附帯決議というのは私が冒頭に申し上げました四十九年の附帯決議になるわけでありますけれども、四十五人を四十人、養護あるいは事務を全校配置する等を中心にする附帯決議の再確認であるということについては十分理解をいただいておったと思うのですが、どうでしょう。
○諸澤政府委員 そのように理解をしております。
○中西委員 さらに二項目を見ますと、「全国の実態調査の結果を検討の上、年次計画により改善を図る。」この当時のことを振り返ってみますと、実態調査が六月ごろにできるのじゃないかとかいろいろ言われましたけれども、各県からの報告がおくれたとかコンピューターに打ち込む内容等についていろいろ問題があったとかを理由にしましておくれてしまって、私たちは最終的にその報告を聞いておりません。従来から言いますならば報告書なるものが出されておりますけれども、今回の場合には報告書が出されていない。その理由は何でしょうか。
○諸澤政府委員 実態調査というのは、その調査の目的、内容によってこれを一般に公開する。たとえば文部統計に言うところの学校実態調査というのは、初めから全国的に学校なり教員の実態を調査してその結果を報告することを目的に調査するわけでございますが、今回のこの調査は、そもそも新しい年次計画のために必要なもろもろの要素を全国の学校から集めてそれをコンピューターに打ち込んで、今度はその中からたとえばいまの九年計画をやるためにはどういう経費が要るか、どれだけの人が要るかいうことをはじき出すためにやったわけでございますから、調査結果の概括的な報告ということは初めから考えていなかったわけでございます。 ただ、その小委員会におかれましても、私も記憶いたしておりますけれども、たびたび調査の結果を早く見せてほしいというような御要望がありまして、最終的には差し上げるにしてもごく概括的な報告になりますよというようなことを申し上げているうちに、十二月でしたかの末に小委員会の結論が出されたということでございまして、結果としてはその後になりましたけれども、われわれは計画を作成する過程で、今後の全国的な児童生徒の増減の傾向であるとか、児童生徒の減少市町村はどことどこであるかとか、あるいは四十人学級を実施するためにはどのぐらいの人数とどのぐらいの学校施設を必要とするかというような、この計画を策定するに直接必要な要素について取りまとめたものは、計画作成の段階で公にできるものはしてきたというような結果になっておるわけでございます。
○中西委員 先ほどから申し上げるように、この案については私たちも相当関心を持ち、また重要視をいたしましたし、そういう中で論議を重ねてきたわけであります。この分についての調査結果については、それを示すという約束をしておるにもかかわらず、これが全然われわれの手には入っていない、こういう状況があるわけでありますから、この点は私は大変遺憾に思います。ですから、少なくともこれから以降大変重要な——五年なり九年なり、今度は十二年になっていますけれども、こういうような計画を練るに当たって、この内容をわれわれが熟知するためには、そういうものがやはり一つの資料になって、私たちも同時点でどれだけの予算が要るかということも含めて論議をしなければならぬわけですから、そういう資料についてはやはり詳細に知らせるべきだと思いますけれども、この点はどうでしょう。
○諸澤政府委員 できるだけそういう資料をも添えて公表したわけでございますが、御指摘のような点について、われわれ十分な御連絡がなかったやに御指摘を受けましたが、これからの御審議の過程においても、そういう点で公表して差し支えないものは別にそれを抑えるという意図はさらさらございませんので、御要望がございましたならば、われわれ差し支えないものはお見せするようにいたしますので御了解いただきたいと思います。
○中西委員 私たちが要望するよりも、これだけ予算が必要なんだからという基礎資料的なものとして当然あるべき姿というのはむしろ提示をすべきだと私は思うのです。ですから、その点だけはやはりこれから以降当局も十分留意をしてやるべきだと思います。 この点はひとつ委員長の方からも、当局に対して、そういう措置については今後秘密だとかなんとかいうことでうまくそこを言い逃れするのではなくて処理をするように申し伝えてほしいと思います。
○谷垣国務大臣 御趣旨のところは実現するように十分考えてまいりたいと思います。
○谷川委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。木島喜兵衞君。
○木島委員 いま中西さんが、今回の計画そのものはその調査をもとにしてできたものである、だからこの審議をするにはその資料を審議の過程で必要なものを出すというのではなくて、当然あらかじめ出すべきではないのかということで、それを委員長に要請したのに、大臣がそれに応じますということになれば、審議をするのに前提である資料なんだから、それが出ないというのは審議ができないということになってしまうのだ。こっちはそこまで行くつもりはなかったけれども、大臣がそう答えてしまったからそうなってしまったのだ。
○谷垣国務大臣 そういうふうにお受け取りをいただいたら大変恐縮でございますし、私の趣旨とは違っておるのでございまして、先ほど一般論としてお話がございました必要な資料をとにかくこれから出すようにしろ、その精神にのっとってやります、こういうことを申し上げておるわけであります。この審議について、それがなければ審議ができないという、そういう意味で私は受け取ったわけではございません。
○木島委員 意地悪質問しているのではないのよ。ただ局長は、いま大臣がおっしゃったように、差し支えないものはこの審議には出すと言ったのです。いまあなたおっしゃった。それではいかぬでしょう。だけど、差し支えある資料というのは何か私はお聞きしたいのですが、こんな資料に差し支えがあるか、ないか。確かに大蔵省に出すときに、予算を取るときに、損か得かなんというのはあったよ。ここまで来ればそれはないはずよ。 しかし、いずれにしても筋を戻しますと、要求すればその都度出すというのは、そうでしょう。中西さんの質問で局長が答えている。それではいけません。全部出しなさいよ。それでなければ審議は土俵が一つにならぬじゃないの。それをもとにしての法案で、それを審議するのなら土俵を一つにしようよという意味で中西さんが言ったのに、大臣がそう言ったのだから、大臣が答弁し直したものは、さっきの局長の答弁で終わっている、あなたがわざわざ立たなくたって。立ったものだからそうなったのですよ。意地悪じゃないの。審議の筋道。そこで、中西さんは委員長に求めたのです。そうしたら大臣立っちゃった。委員長に求めたのに大臣立っちゃったから、こうなったんです。
○中西委員 いずれにいたしましても、いま私はこれにひっかかって時間を延引するつもりはありません。ただ、いま同僚の木島委員の方から言われましたように、これらの問題については、本来ならばわれわれにそういうものがすべて示されて、そしてわれわれはそれを根っこにして論議をし、その中身についてこれは正当なものであるかどうかということを十分検討できる科学的な資料を出す必要があるのですよ。ただ出てくるのはこういう一冊のものだけでしょう。これだけではどうすることもできないのですよ。一々、あれするときにはこれをと言えば持ってくる。違えばまた言わなくてはならぬ。このようなやり方では私は大変問題があると思うのです。ですから、この点については、何としてもこれから内容的なものを示せるようにしていくことを望みます。委員長、その点について……。
○谷川委員長 それでは速記をとめてください。 〔速記中止〕
○谷川委員長 速記を起こしてください。 委員長から申し上げます。 中西委員の御要求のありました資料につきましては、文部省として、明後日の委員会までにでき得る限りの資料を取りそろえてこの委員会に提出していただきたいと存じます。それをもとにいたしまして、中西委員には、まことに恐縮でございますが、きょうこれからの質疑を進めていただきたいと思います。中西君。
○中西委員 資料はそのようにして提出を求めるようにします。 そこで、いままでの実態を見てみますと、私が今回の場合特に指摘をしたいと思いますのは、このようにしてわれわれに資料も示さないし、そして五十四年度はそのまま、御存じのように養護、事務それぞれ六百人予算措置をするだけで済ましたわけですね。こういう状況になっておることは、具体的に附帯決議なり、あるいはわれわれが要求しておる内容についてどういうように実現するかということについての意思がほとんどなかったんじゃないかというような気がしてならぬわけですね。その点が非常に弱かったと思うのです。 たとえば、私たちが七月時点でいただいたこの資料を見てみますと、いろいろずっと示されておりますけれども、この中身は、児童が減少したときだけに学級定数を五名切り下げるとか、こういう措置がされておるだけですね。ですから、本来四十名なら四十名学級を実現するという、こういう目的意識なりがあるんじゃないのですね。たまたまそのときに生首が飛ぶとか、生徒の減少によって教員が余るのでいたし方なしにやりましょうというような態度が非常に多いわけです。この経過をずっと見させてもらうと。今回の場合も、減少する年に向けてやはり同じように措置をしていくという傾向があらわに出て、その顕著なものが一番人員の要らない時期ということになってまいります。新たに採用することは必要でないという時期になれば、十二年間に引き延ばすことが一番有利だということになるわけなんです。このようにすべてが文部省のやり方というのは、四十名なりあるいは三十五名なり三十名という学級をつくることが教育上どうだこうだというふうにいろいろ言っていますよ。大臣の所信表明の中なんかに言っているけれども、実際的にそれを処理する場合にはどうかということになるとずいぶん問題があるわけです。 さらにまた、もう一つつけ加えて言いますと、この中身の平均値のとり方なんかを見てみましても、わが国の場合には先進諸外国に比べてちっとも見劣りしないし、むしろ多く教員を措置している、こういうとらえ方で発表しておるわけですね。こういう点等を考えてまいりますと、私は、文部省が政府部内の他の大蔵省にいたしましても自治省にいたしましても、そういうところを説得をしたり、あるいは国民にこういう点についての説得をする気がないんじゃないかと思うし、大変弱い、こう感じるわけですね。この点どうでしょう。
○諸澤政府委員 先生のお話だと、四十人学級を実施するのは財政的に人の減ったときにやるだけの話であって、教育的な配慮が全然ないじゃないかというようにも聞こえるのですけれども、私は決してそうではないと思うのですね。やはりこれは非常に教育的に大切なことではありますけれども、同時にまた、これだけの仕事を全国的に実施するということは非常に大きな財政負担の問題ですから、その財政当局の意向というものも十分そんたくしなければいかぬ。そういう意味で、われわれと財政当局あるいは自治省等の説得というのはずいぶんやったわけでありまして、結果的には十二年というふうなことになっておりますけれども、私は、現実の行政の運営の仕方としてこういうふうな結論になりましたのは現時点としてはやむを得ないものじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。
○中西委員 私は、具体的ないままでの経過、その中身をずっとつぶさに検討すればするほどそういう点が強く出てくるということを言っているわけです。したいあるいはしなくてはならないという目的意識なりがもう少し前面に出るならば、このあれを見ますと、一九五八年ですから昭和三十三年に内藤前文相が政府委員として国会答弁をされている中でも、もうすでに四十人学級は当然だ、またあるべき姿だということを言っていますよ。ということになってまいりますと、それからすでにもう四分の一世紀を経過しておるわけですから、それになぜできなかったかということを考えますと、即私は弱かったということ以外にはないのではないかというふうに考えるのです。 そこで、もう一つ例を挙げますならば、昨年本案をつくるに当たって文部、大蔵両大臣——今度は大臣になるのですけれども、十二月二十九日に、確認している事項がありますね。その確認している事項を見ますと、さらにそのことを感ずるわけであります。内容的に見てみますと、たとえば最初は九年であったものを十二年に延ばす。その中に「財政再建期間中一特例公債から脱却するまでの期間一は、教職員の改善増は極力抑制する。」こういうことがちゃんと入っておって、「自然増が見込まれる昭和五十七年度までの間は、厳しく抑制する。」こういう言葉まで入っておるわけですね。ということになると、これは十二年間たって再建ができなかったらこのことは実施できぬということを前提にしたことになっているのですよ。最初に、十二年間かけてもできぬというような中身になっているのだ。このことはどう理解したらよろしいですか。
○谷垣国務大臣 これは確認事項の一番先に書いてありますことが主体でありまして、「昭和五十五年度から「第五次学級編制及び教職員定数改善計画」を発足させることとするが、次の点を確認する。」こうなっておりまして、四十人学級はいたします、ここがこの確認の一番大切なところだと思うのです。それで、「次の点を」ということになって(一)、(二)、(三)、(四)と書いてあるわけでございます。ですから確かに「財政再建期間中(特例公債から脱却するまでの期間)」云々ということがございますが、これは先ほど来の議論の中にもこちらからのお話の中にも出ておりますが、学童数の自然増がございます。したがって、当然この四十人学級あるいは定数改善の問題以外の自然増の先生方の増員というものが非常に多い時期があるわけでございます。そういうこと等のあれも考えながら、この四十人学級その他のものをこういうふうにやるのだという意味でこういう表現になっておる。これは財政的な立場からかなり向こうの立場の意見が出ておることは事実でございます。それは否定すべくもありませんけれども、ここの問題点は、五十五年度から発足をいたしますということが私は一番ポイントだと思います。したがいまして、あとはいろいろな問題が出てくると思います。特例公債がいつまでの期間かと、ここでうたっているものをそのとおり考えてみると、「財政再建期間中」ということでございますから、その間もやらぬわけじゃないのです。やるのです。発足をするということはすでに五十五年度からいたします。こう言っておるわけでございます。ですから、そこらは即いまおっしゃるようにそれほどの支障になるものではないというふうに私は考えております。
○中西委員 ちょっとわかったようなわからぬような感じがするのですが、これに「昭和五十五年度から「第五次学級編制及び教職員定数改善計画」を発足させることとするが、」とあるわけですよ。発足はさせるけれども、「次の点を確認する。」こうなっていますからね。だから、その発足することはわかりますよ。なぜかなら、本年度も予算にちゃんと組んで出てきているから発足することはわかるのだけれども、しかしそれには制限があるじゃないかとぼくは言っているのです。だから、もしここにあるように脱却ができなかったとかなんとかということになったときには、制限されてしまってあとは延期されますよ、こういうことになるわけです。十二年間でやってしまいますとここには書いてない。私が言っているのはそこなんです。後には制限条項がちゃんとつけられているから、そのことを私は言っているわけなんです。それはどうですか。
○谷垣国務大臣 私は、それほど実は心配はしていないのです。五十五年度からやる。それから(一)は確かに十二年ということで、これははっきり数字は入っております。 二番目はおよそ八万人、こうなっておるわけであります。ですから、その間に、年々の問題でことに財政が非常に苦しいときは余り考えないでくれよ、これは自然増そのものが根底にあるからという言い方は確かにしております。しかし、ここで一番大切なことは、先ほどから繰り返して言いますように、五十五年度からそれをやる、ここだと、私自身はそう考えておるわけです。つまり、これはやるのかやらぬのかという議論の結果です。その結果よしやろうということで、後で条件は若干ついておりますが、それでなければやれないというようなところのこれはぎりぎりの勝負でございますから、これで十分にそう心配なく進んでいくものだ。もちろん毎年毎年予算編成のときに具体的な問題としては議論をいたしますけれども、大きな数字はこれで確立したと私自身は考えております。
○中西委員 大臣の言を信頼はいたしますけれども、しかし一般的に見た場合には、私たちが文章を書く。たとえば確認書を書きますね。私たちはそういう確認書を何回か手交した経験を持っているだけに、後につくそういう文章については、必ず制限条項としてそういうものがついてくるわけですよ。あるいは促進をさせるための促進剤になるのか、あるいは制限をそこで加えるのか、そういう何かのものになっているから、私はこれをまともに読めばそうなるんではないかということを危惧するわけなんですね。しかし、そうでないということですから、そうなると、この後の方は余り要らなかったということになるわけなんですね。(谷垣国務大臣「いやそこまでは言っていない」と呼ぶ)いや、それがあるから私は心配するわけなんです。要らぬというのなら、ああそうですがと素直に理解するけれども、いやそれが要るんだということになるから……。どうなんですか、そこは。
○谷垣国務大臣 先生方もそれぞれいろんな厳しい場面においてメモを出したりあるいは確認をされたりする経験がおありになるから、よけいこういう御心配をなさっておるということも私もわからぬではございませんし、これはこれとして尊重すべきであるということもそのとおりであると思います。しかし、財政当局といろいろやりとりをいたしますときに、こういうものはこういう文章にするしないの問題はいろいろありますけれども、間々あるものでございます。そして予算全体のあれが動いていくということがあるものでございまして、私はいままでの経験その他から見まして、これがこの十二年間で四十人学級を進めていくのにそれほど大きな支障になるというふうには考えておりません。いままでの経験から言いましてそういうふうに考えていないわけであります。
○中西委員 これが障害にならないということをいま大臣は言われますから、その点で信頼はいたしましょう。 それにいたしましても、これを見ますと、もともと教育条件整備ということを考えてみますと、財政再建がすべてになっているわけですね。このことからいきますと、財政再建ということがすべてになって、それから判断されていっている、こういう見方が私は成り立つと思うのです。これは文部行政としては大変な誤りではないか。先ほど局長の方からも言われましたように、財政的に大変厳しいときだからとか、いろいろそういう討論をいたしましたけれども、国の発展の原動力は、あくまで国民すべて、特に子供をどう育てていくかということ、教育を振興させるということが大変重要な課題になってくると思うのです。これがやはり中心に座らなければならぬ、こういうことは絶えず皆さん言っているのですよ。口を開けばみんな教育が大事だ、だからやらなければならぬということを言うけれども、逆にこのように財政再建という財政面からすべてを規制してローラーしていく、こういう考え方がこの中には流れている。大変な矛盾だと私は思うのですね。ですから、財政が教育を規制するということになりますと、これは大変問題があると思うのです。こういう点についてどれだけ文部大臣が抵抗し、もう少し文部行政の基本というものを打ち抜くことができなかったのか、こういうことを私は強く感じるのです。ですから、この点はただ財政だけでなくて、ほかにも教育条件整備に対してチェックなり何かそういう政治的なものが働いたのではないか、表現としてはこういうものになったけれども、ほかに真意があるのじゃないかというようなことを私は感じるのですけれども、この点はどうですか。
○谷垣国務大臣 政府一体でございまして、政府の意見が統一いたしましたときは政府は一体としてあるわけですが、当然財政の面で担当しております大蔵省とそれぞれの行政を担当しております各省、私たちの方で言えば文教行政を担当しておる者との間には、最終の結論を出しますまでにいろいろな議論があるのは当然のことだと思います。 繰り返して申し上げる必要は毛頭ございませんが、非常に厳しい財政の状況で、財政が破綻するかどうかという時期での予算編成であったわけでありまして、端的に申しまして、過程から申しますと、財政当局は最初のころは四十人学級制度は真っ平御免だ、いまの財政状況ではとてものめない、長期の問題としてのめない、こういう意見を強く持っておったことも否定はできない事実であります。しかし、それはそれとして、教育の立場、文教行政の持っておる立場等をよく話をいたしまして、その結果としてこういう結論が出てきておるわけであります。つまり、文教行政の立場からする四十人学級は出発をさせる、これが私は確認事項の一番の眼目であろうと思います。いろいろそのほかの条件が、こういう期間であるとか人間であるとかついておりますが、全体の十二年というのは長い短いという議論も確かに私たちもいたしましたけれども、結論的には、これで四十人学級というものが、今日の財政再建の非常に苦しいときに、たとえばほかの分野では行政整理をしなければいかぬ、定数の削減をしなければならぬという状況のときに、いわばこういう将来財政的にも定数的にも膨大になっていく案件が出発をいたしましたということで政府としての統一した意思ができ上がりましたことは、これはこれなりに評価をしていいし、それだけ文教行政の者は責任を強く感じておる、こういうことであろうと私は思っております。 もちろんこれは長い期間の問題でもございますし、財政は毎年毎年の予算という折衝の時期があるわけでございますから、今後とも私たちは努力をしなければならぬことも事実でありますが、文教委員会の皆様方からもいろいろ御意見を賜りましたようなことが大筋におきまして実現をしてまいる可能性というものは、これによってここで出発することができた、こういうふうに私は考えておるわけであります。
○中西委員 ほかに理由はないと言い、そして十二年といえども四十人に達成をするのでということを言っています。しかし、四十名を達成するためには、五十名から四十五名に第二次計画のときになったわけでありますけれども、それから三次、四次と重ね、そしてこれから十二年間、実質的には十三年間ということになると、大変長い間かかっていくということなんですね。その間、さっきから聞いていると全部財政的財政的ということだけですよ。ほかに理由はない。ほかにあるのじゃないかと聞けば、ないと言う。そうすると財政的な面だけだ、こういうことになるわけでしょう。そういうことになってまいりますと長い期間、約二十五年から三十年近くもかけてしかこれは達成できない。それは財政的な面ということになれば、さっきから私が申し上げるように、この四十人なりあるいは三十五人なりという教育条件整備という目的意識的なものは非常に薄らいだ中でしか考えてないのじゃないか。こう私がとらえるのはあたりまえじゃないでしょうか、大臣。
○谷垣国務大臣 二十五年−三十年という意味がわからないのですが、どういう意味なんでしょうか。
○中西委員 第二次計画案が出てから以降、そしてこれからさらに十二年間かかるわけです。第二次、第三次、第四次とかけて、そしてこの第四次が切れてから十三年があってこれを仕上げるというわけですよ。ですから、それを総合計いたしますと非常に長期にわたる期間である、こういうことを言っているわけです。
○谷垣国務大臣 二十五年−三十年の意味はわかりました。その問題は別といたしまして——別とするわけにいかぬかもしれませんが、四十五人を四十人にするということは、いままでの文教行政の流れから見まして今日の時点でやらなければならない。それはよしんば期間がどういうふうになるということを抜きにいたしまして、やらなければならぬことだと私は思います。したがって、これを今日の財政の苦しいときにやるということの意味は、これをやれるかやれないかということで非常に違いが出てくる問題でございまして、私はそれはそれなりの重要な意味があることだと思います。振り返ってみてそれが何年かかるかという問題を抜きにして。というのは、四十人学級というものは出発させなければいかぬですから、そういうふうに私は思います。
○中西委員 私が言っているのは、本来ならば五十三年の第四次案が完結する時期にこれはされなくてはならなかったということなんですよ。それが延ばされ、そして今度は資料ができないから待ってくれと言い、そしてずっと延ばしてきて、出てきたものは九年になり十二年になるというこのことが私は文部行政の中で——それはできないよりできた方がいいですよ。だれだってそのことを何もみんな否定はしませんよ。しかも、昭和三十三年に文部省は四十人ということを一つの希望として出していますよ。だのに依然としてこういう経過を踏んでおるというところに問題があるわけですから、そのことを私は指摘をしているわけです。このことでいま論議するといよいよ時間がなくなってしまうのでやめますけれども、いずれにしても、そういう点での主体的な行政、あるべき姿勢というものをもう少し確立してもらわぬと、条件整備なら条件整備はもう死にもの狂いでやるのだということにならぬと、なかなかそういうものの実現は困難ではないか。財政といえばもう一歩下がってしまう、こういうことになるのではないかということを大変懸念するからです。こういうことの意味ですから、その点を御理解いただければと思います。わからないというのはしようがありません。ここで論議したってしようがありません。 そこで、あとたくさん聞きたいことがございますけれども、時間が大変迫りましたので簡単にお聞きしますので、簡潔にお答えいただきたいと思います。 まず第一は、この法律案、そしていま計画案なるものを見せていただきましたが、いろいろ問題がございます。先ほど問題になりました文部、大蔵両大臣との間における第四項には「弾力的に決定する。」ということになっています。そのためかどうか知りませんけれども、第五次の計画案を見ましてもいろいろ問題がありますので、その前に一つだけお聞きしたいと思いますが、第四次のこの五カ年計画の実施状況、そして五十四年度の改善措置状況、そういう点についてお答えください。
○諸澤政府委員 第四次の五カ年計画は、自然増等を除きますと改善増としては二万七千七百七十八名、こういう増員になっております。それに引き続きまして五十四年度では、先ほど小委員会の報告においてお触れになりましたけれども、あの趣旨を踏まえまして改善増としては三千二百五十四、その中に養護、事務をそれぞれ六百、つまり千二百を含む、こういう内容になっております。
○中西委員 その際にむしろ計画と相反するような状況というのは、さっきのあれはどこの例でしたか、出てまいりましたね。そういうことは許したのですか。たとえば一学級定数を四十五名学級というのにそれよりもさらに増加をして、このことは認めたのですか。
○諸澤政府委員 そういう四十五名を超えることを認めるなどということはございません。むしろ山梨県で一年生だけ四十人でやりたいというような話はございました。
○中西委員 先ほどどこかの府県名を挙げて、超過した学級があるということまで報告があったようですけれども……。
○諸澤政府委員 それは小中ではなくて高等学校の例でございますね。高等学校は御承知のように法律の立て方が違って四十五名だけれども、やむを得ない事情がある場合はこの限りでないという規定がございまして、現実に東京と大阪では四十五名ではおさまり切らぬというので、ことしから四十七名にアッパーを上げたということがございますが、これはそれぞれの地方団体において、その判断で実施に踏み切ったということでございます。
○中西委員 それは小中学校にはないのですね。
○諸澤政府委員 小中にはございません。
○中西委員 実際にそういうのがあったとしますと、高等学校の場合にはいま言われたような理由がつけられるにしましても、いずれにしてもこのことが許されるということになればいろいろ将来的に問題が出てくるわけです。それが先ほどから言う四十人学級に向けて地ならしをしていくというその基本的な姿勢なりがまた揺らぐ大きな原因にもなるから、私はそこを聞いているのですけれども、この点は小中学校にはない。高等学校には一府県だけですか。一府ですか。
○諸澤政府委員 東京と大阪です。
○中西委員 そこで、第五次改善計画については十二カ年の分については、私たちもこれのようにしていただきましたね。ところが、これは年次別の具体的な計画案というものはないですね。どうですか。
○諸澤政府委員 年次別にどのくらいやっていくかということは、第四次の計画もそのとおりなんですけれども、毎年度政令で定めるということになっておりますから、あらかじめ十二年間の全体像をきちっと決めるということはしてないわけですけれども、ただ具体的にもう少し申しますならば、四十人学級についてはそれならどういうめどを持っているかということにつきましては、これは持っておるわけでございまして、つまり五十五年度からやります小学校については、五十四年度から比べて五、六、七と子供の数がすでに減少期に入っておる市町村の小学校で、しかも教室の施設を新たに建てなくても余裕のある学校を手をつけようということですから、そういう学校は五十五年度から六十年度までかけて学年進行でやる。そしてそのほかの小学校は一応のめどとしては五十八年度から六年でやろう、中学校はその後へ持ってこよう、こういうのがわれわれの計画といいますか、めどであるわけです。 それから、そのほかの改善計画、養護とか事務とか、これは原則的に言えば三万八千人の増員の十二分の一ぐらいずつ毎年均等にやっていくというのが一つの形と思いますけれども、先ほどもお話がございましたように最初の三年は自然増に対応する分だけでも毎年九千名ほどふえますから、そこで実際はその十二分の一のさらに七〇%ぐらいになっていますか、その程度を初年度の増としたわけで、その程度の傾斜はかけますけれども、大体できるだけ各年度均等な数字で十二年間配分していくように努力をしたい、こういうふうに思っております。
○中西委員 ですから、この問題はやはり各都道府県がそういう将来計画なり何なりを立てなくちゃならぬ。しかも、いまの案でいくならば、長い十二年間ということになれば、一定の政令なり何なりでそれを出していかなくちゃならぬのではないかと思うのですけれども、この点は早急に一定の方向性ぐらいはやはり出す必要があると思いますね。この点をぜひ実現をさしてください。 そこで、もう一度もとに返るようでありますけれども、いま文部省では理想的な学級編制をする場合の生徒の数は大体何名としているのですか。どのように考えているのですか。
○諸澤政府委員 先ほど来も御質問がございましたように、何名が教育的に最もよろしいかというようなことを科学的に検証するすべはないわけでございますが、われわれのこれまでのいろいろな経験やら学者の報告等を聞きますと、やはり四十名とするのが妥当ではないか、こういうふうに考えましたので、今回の案を策定したわけでございます。
○中西委員 そうしますと、四十名が妥当というのは——私が聞いたのは理想的にはどうかということを聞いたので、先ほどあなたが答えていたのは、財政的なそういう他の条件を考えた場合にこの四十名が妥当ではないかという答弁であったと思うのですが、そう理解してよろしいですか。
○諸澤政府委員 私のような事務を担当する者といたしましては、もちろん財政のことも念頭に置かなければならないわけでありますが、そういうことも考えた上、なおかつ教育的に見ても四十名くらいが妥当なところというふうに考えております。
○中西委員 これは私たちからすると、いろいろ専門家の意見等を聞きますと、さらにそれを三十名程度にということが普通一般に言われている内容であるということを大臣を初めとして事務当局の皆さんには御理解をしておいていただかないと、その妥当が今度は将来的にまた生き延びてしまうから、その点はひとつぜひ切りかえていただきたいということの要望を申し上げておきます。 そこで、今度の案でこうした措置をしてまいりますといろいろ多くの問題が出てくるわけでありますけれども、特に私は四十一人以上いる過密市町村、こういうところは非常に長い間他との差がつけられたまま進行していくわけですね。ですから、そのことを考え合わせてまいりますと、少なくとも実施方法などの研究をやることによってむしろ過密地域から先行させるべきではないか、そのことが私は大変重要だと思うのですが、このことが一つと、あわせてもしそのことが無理だということであるならば、その地域に教員の配置増をいたしまして教育条件の整備を早急に図っていくという措置、去年参考人に来ていただいていろいろ意見を聞いたときに、千葉市の教育長あたりからそういう要求が非常に強く出されたわけですね。こういう点については考えなかったのか、その二点。
○諸澤政府委員 過密の方が学級編制が密になっているというのは事実でございますが、その実態として、たとえば四十一人以上の小学校の全学級数というのは二六%ぐらいあったかと思うのですが、その大半が過密地帯に集まっているということですから、おっしゃるように過密のところからやっていくということになりますと、これは教員増だけの問題でなく、直ちに校舎の増築の問題、ひいては校地の問題ということにもなりかねないわけでございますので、これは実態調査にかんがみても無理だというふうな結論に達したわけでございます。 そこで、先生がおっしゃるように、そういう地区はそれじゃせめて教員の増配を図ったらどうだという問題で、確かに小委員会のときにも、千葉の教育長ですか、そうおっしゃったので、その意図はわかりませんけれども、四十人学級にするよりもすぐ教員を増員した方が現実的にやりやすいということもあったかと思うのですけれども、ただ、いまの教員配置の考え方は、もう御承知のように学級数に応じて配置をするというたてまえでありますから、これを学級の人数が多ければ教員をまた増配するのだということは、ちょっといままでの考え方ではとってないところでございますので、それよりもやはり計画的に四十人学級へ向かってその努力をし、その過程で逐次増をしていくという考え方をとったわけでございます。
○中西委員 法律で学級数に対して云々ということになりますけれども、これを見ましても、他にいろんな教職員定数の改善というものがありましていろいろ措置されているわけでしょう。ですから、こういう措置をとりさえすれば増員はできるわけでありますから、法律を特別云々という、学級数に対してどうだということにはならぬと思うのですね。その論議でこれを統一するということにはならぬと思うのです。ですから、なぜそういう措置がされなかったかが問題だと私は言っているわけですね。少なくともそれに対応する差があるわけですから、差をどうして埋めるかという、こういう考え方がやはり行政的には出てこなくちゃならぬのじゃないかと思うのですね。この点は全然考えなかったのかどうか。
○諸澤政府委員 学級数にかかわりなしに教員を増配しておるというのは、たとえばごく局地的な問題として同和地区の加配とか、あるいは寄宿舎の教員であるとかというのはございますけれども、一般的な形での教員の増配というのは、たとえば免許外教科担当教員とか、あるいは小学校の専科教員とかいうのは、基本はやはり何学級の学校には一人とか、何学級の学校には一・何人とかというふうなそういう率でやっておるわけですから、いま先生のおっしゃったような形での学級規模による増配ということは、やっぱりいまの考え方にはなじまないというふうに思ってこれは取り上げなかったわけでございます。
○中西委員 五十四年度の場合には、法律のあれでなくて予算措置の面で、たとえば事務職員だとか養護教員の場合は六百、六百を配置していったわけですね。こういうことだってやれるし、あるいはここにある専科教員の場合、そういう特定の地域におきまして専科教員を増員するとか、こういう措置はできるはずなんですね。それはできませんか。
○諸澤政府委員 専科教員の増員、それはおっしゃるように五十四年度は養護、事務等六百名ずつ予算の措置でやったという経緯はございますけれども、今回はすでに計画を法律で発足させるというその時期でございますから、その計画とは別にまた予算措置で増員をするということは事実上私は不可能だと思います。
○中西委員 だから、専科教員をたくさん採ってそこに優先配置をするという方式は、今度逆にすればいいのだよ。専科教員の方をたくさん採っておいて、今度は過疎地域に遅く配置をし過密地域に早く配置するという方式をとりさえすれば何でもないのです。これは技術的にできるわけですから、何だかんだと言うそういう逃げ方は私はけしからぬと思うのです。
○諸澤政府委員 失礼ですけれども、先生のお話だとどんどん予算を取ってどんどんふやせということのようにもとれるのですけれども、やっぱりそうはいかないので、さんざん大蔵省と折衝して結局専科教員などもやりました。これは率直に申しますけれども、一般教員の増というのは、結局三万八千人というのは当初要求の六〇%弱になっているのですね。だから、どこをふやすかというのは非常にむずかしくて頭を痛めたところでございますから、専科教員などは確かに当初要求どおりにはいっていないという事実はございますが、また財政財政と言うとしかられますけれども、しかし実際問題としてこれを無視して定員増を考えるわけにはいきませんので、結果としては専科教員などもそう多く採れてない、それで結局六、七、八学級編制くらいのところに改善を図る、こういうことになっているわけでございます。
○中西委員 言葉じりをとって言うなら私も言わなくちゃならないようになるから、そういう言い方はやめましょう。 そこで、いま言うように問題になる差をなくすという視点をどのように具体的に具現化するかということをどのように考えておるのか、そこをはっきりしてください。
○諸澤政府委員 確かに教育条件としては過密のところが一学級の編制が多くなっているわけですけれども、それはちょっと言い方は適当でないかもしれませんけれども、今日すでにずっとそういう状況になってきておるわけで、できればそれも含めて一緒に改善のスタートを切りたいわけですけれども、諸般の情勢からしてどうしてもそれができないということでありますから、まずやれるところからやって、可及的速やかにいまの過密地帯も計画の中にのせていくというふうな考え方を私どもは終始とってきておるわけでございまして、経過的に過密地帯も同じように何か条件の緩和を考えろということは事実上非常にむずかしい課題でございますので、これはとらなかったわけでございます。
○中西委員 それで、問題はそういうように地域差が出ておる、これをどう埋めるかという基本的なものがそこに欠けておると私は思うのです。文部行政としては、やはりできるだけそういう差を——法律というものがなければできないとかいろいろ枠があるわけですから、その中でやるとするならば、可能性を見出してやはりそれに近づけるという努力が必要だろうと思うのです。そうしないと、過密地域は反対だと言うと、それを説得する材料は何もないのです。やはりそういうものを配置をしながら、できるだけそういうところのコンセンサスを得て、この四十人学級に向けて実施をしていく。さっきから私が言うように、目的意識があればそういう方向での発想というのが出てくるのだけれども、そういうものがなければ、やっぱりそこは反対だからとか、それに乗せられてしまって論議は後退した論議にしかならない、こういうことに私はなっていくだろうと思います。ですから、やはりそこら辺をもう少し前向きに物をとらえていただいて、この四十人学級というのはあなたが言われるようにいま当面の最大の目標であるなら、それを実現するためにはそういういろんな手だてが必要なんですから、過密地域における人たちの行政上のコンセンサスも必要なんですから、そういう手だてがやっぱり必要なんだと私は思います。これはいま論議してもなかなか納得できぬでしょうからもう一度さらに深めていきたいと思います。いずれにしても、そういう視点、物の考え方、発想をそういう方向に当ててやってほしいということなんですよ。その点ぜひこれからの皆さんの発想を少しでも変えていただくようにお願いをしたいと思うのです。 そこで、先ほどから私ずっと申し上げてまいりましたけれども、最終的にはいろいろありますが、この期間は、今度はまたもとに返りますけれども、大臣と大蔵大臣がやられた中で「計画期間の各年度の教職員の改善規模は、経済情勢、財政状況等を勘案し、弾力的に決定する。」というふうになっています。「各年度の」となっておりますけれども、しかしこれは可能な限りできるだけさっきから出ている財政的な面なりが許す条件が出てくれば短縮をすべきだという考え方を持つわけであります。そして特にいま差がありますだけにこれをどう補っていくかということから考えましても大変重要ではないかと思いますが、この点について大臣は短縮をする考えか、そういう問題等についてどのようにいま考えておられるか。
○谷垣国務大臣 私は率直に申しまして、文部行政をやっておりますからできるだけ早くこういうものが実現することはもう当然のことと望んでおるわけでございますが、率直に言いまして、それじゃ今度は十二年を早くやれという、そういう発言をこの一、二年の間にやりますことは必ずしも結果としてよくないと実は考えております。 ただ先般来、予算のいろいろな議論がありましたときに、四党の皆さんから自民党の方にいろいろ御意見がございまして、そして三年後にこの問題について検討するという合意ができたからどうだということを私たちも承っております。当然でございますので、三年たちました時点の周辺のいろいろな状況を勘案しての議論をしなければならぬと思っておりますが、いま五十五年度が出発するかどうかというときに、いまの御質問のようなことをあからさまに申し上げるのは、私はむしろ避けておいた方がいいんではないかという感じを実は持っておるわけでございます。
○中西委員 そうしますと、いま大臣のお言葉の中に出てまいりましたので触れますけれども、三党合意による、そういう中身があるので当然それを受けて三年なり後にはこれをやはり見直すという、こういう姿勢はあるということに理解してよろしいですか。
○谷垣国務大臣 私たちもそういう申し合わせの事実を承知をいたしておりますので、三年後におきまして周辺の状況等をよく勘案しまして検討せなければならぬと思っております。
○中西委員 それでは、あと小学校の専科教員の配置なり、あるいは中学校の免許外教科についてでありますが、もう時間がありませんからいろいろお聞きすることはできませんが、五十五年度はこの面についての配置はゼロになっております。これを見ますと、教頭が四百五十名本年度配置されるようになっていますね。いままで私この委員会に所属するようになってからいろいろ論議をしました中で、この専科教員の配置なりあるいは中学校の免許外教科等につきましては大変重要視しなくてはならぬと思いますけれども、なぜ優先してこれを配置しなかったのか。これは同じ予算からいたしますならばちっとも変わりはないわけだし、教頭の場合には額から言いますとむしろ高くなる。予算面から言うと高くなると思うのですけれども、この点どうでしょう。
○諸澤政府委員 これは結局いまの二千七百という数の制限がございますから、その中で何をとるかということでございまして、私どもとしては比較的計画人数の多い一般教員と、それから養護、事務、学校栄養職員、養護訓練、こういう形でこれをとったわけでございまして、来年度以降はさらにきめ細かく考えてまいりたいと思いますが、初年度としてはこういうところで発足をしたい、かように思うわけでございます。
○中西委員 ちょっと私わかりませんけれども、ことしからなぜ措置をしなかったのか。教頭の方は四百五十名やっているわけですね。ところが、このように重要視されている部分が見落とされているところに問題があるわけですから、その理由をもうちょっと明確にしてもらわぬと困るのですね。
○諸澤政府委員 ですから、これをやるとすれば各種目について全部少しずつやるかということになるわけでございますけれども、そうはしなかったということでございます。
○中西委員 重点的に全部に配置をせよと私は言っているわけではない。重点的にやってもよろしいけれども、いま一番必要だというところにやってほしいと言っているのですよ。その意味で、私はいま言う専科教員にいたしましても免許外教科にいたしましても、いままで物すごく問題になって出てきたわけですから、いままで教頭を置いてくれといった論議はここではないのですよ。ここでの論議を私ずっと聞いてきましたけれども、教頭を必置してくれなんとかいうことはありませんでした。あったのは、やはりこういう問題が非常に大切だからやってほしいということをみんな言われてきたわけですから、それを無視したのはなぜでしょう、こう言っているわけです。
○諸澤政府委員 これは無視したわけでは決してないのですけれども、いま申しましたように総数に枠があるわけでございますから、初年度としてはこういう分類でやったということであり、来年度以降そういう点につきましてはさらにきめ細かく検討してまいりたい、かように思います。
○中西委員 言葉じりをとるわけじゃありませんけれども、そうするときめ細かく今度やってないということですよ、これは本当に。この点は、いままでのここでの討論なり、委員会におきましては、各現地なりいろいろなところで皆さんそういう要望なり何なりを十分聞いてきておるわけですから、これは私はいまだって変えることが可能だと思いますから、この点は大臣どうでしょうか。やはりそういう希望の多い、しかも定数上、枠の中での操作ですから、いまからだってこれは私はできると思いますけれども、この点どうですか。
○谷垣国務大臣 今年度の計画もすでに実際上発足しておりますから、今年度は無理だと私は思います。
○中西委員 いまの答弁はちょっと遺憾ですね。これはあなた、全部まだ衆議院も通ってない中で、これがもう確定をしたような物の言い方だけれども、これは大変誤りだと思いますよ。
○谷垣国務大臣 ちょっとそれは言い過ぎた言い方で、新年度がきのう八日から大体始まっているわけでございますので、そういう諸準備等の問題がありまして、各地域それぞれの心構えもありましょうし、またいたしておりますが、そういうことを申し上げたわけでございまして、まだ法律そのものが通ってないわけでございますから、それはおっしゃったとおり少し言い過ぎた言い方になると思います。
○中西委員 五月一日の調査によってすべてが決まるということを私たちは絶えず答弁の中では聞いていますけれども、そうなりますと、すでにこの四百五十人は何々県には何名教頭で配置をするから、そのようにして各県教委では発令をしているのですか。
○諸澤政府委員 これはまたちょっと言いわけめきますけれども、私どもは四月一日までに法律をお決めいただくことを非常に願っておったわけですけれども、実際問題としてそうはならない。しかし、これは事柄の性質として新年度からやりませんと、いまの四十人学級の問題一つとってみましても途中からやるわけにいかないという事情がございますので、一応法律が四月一日から動き出すということを前提にして事務を進めさせていただいておったという経緯がございますので、これはひとつぜひ御了承をいただきたいと思うわけです。 それから、先ほどの免許外の問題ですが、これは確かにここでもいろいろ御論議がございまして、できるだけ早くやらなければいけない課題でございますが、いま申しましたように、各県にある程度の人数を配分しまして、その範囲で各県がそれぞれの種類に応じた教員を採用するということになりますと、余り少ない数で、専科教員は三名とか教頭は何名とかいうのでは、これは実際問題として困るわけですね。ですから、どこかへウエートをかけてやらざるを得ないということで、きめが細かくないという御指摘をいただきました点は重々承知いたしますが、ひとつその点は来年度以降の検討課題にさせていただきたいと思います。
○中西委員 局長、私が言っているのは、二名とか三名とか細切れにしてやれと言っているわけじゃないということは先ほども申し上げたとおりで、重点的にやってもよろしいです。しかし、それはいま一番困っているところに配置をすべきではないかということを申し上げたわけで、それがいま言う専科教員なりあるいは免許外担当教員が——この免許外担当教員なんというものは、私本委員会に所属してから毎年言われていることなんです。ですから、そういうことから考え合わせていきますと、やはりそういうものこそ先行すべきではなかったんですかと、こう言っているわけですから、それが逆転して、何も要求のなかった、またあるいはそういう論議のなかった教頭を先行して出したのはなぜですかと言うけれども、その答弁は全くないのです。ですから、そこが私は問題だと指摘をしているわけですから、そのようにもう少し整理をして理解をしていただくようにお願いをしておきます。これをいま討論する気持ちはありませんけれども、この点ひとつ十分今後留意をしていただくように大臣ひとつ……。
○谷垣国務大臣 いまいろいろ重要な御意見を承りましたので、今後私たちのやっていきます場合の十分参考にさせていただきたいと思います。
○中西委員 特に計画案なり何なりが含まれた法案ですから、それが通る前にすでに配置をするわけですから、その場合にはすでにそれはもう済まされておる、その後追いの論議を私はしているわけです。それであるだけに、われわれの意見なり何なりを十分しんしゃくしたものが入っておらないと、これを私たちは通すわけにいかなくなってくるのですよ。そういうことになると思いますよ。ですから、そういう点は重々注意をしていただきたいと思います。 それから、高等学校の問題についてお聞きをいたします。 今回の場合、教職員定数の算定方法の基礎が生徒数から学級数になっていますね。これはもう長い間私たちも希望したところでありますけれども、これに切りかえた理由と利点があればお知らせください。
○諸澤政府委員 この前の四次の、高等学校は三次ですか、改善のときもこの問題があって、たしか定時制の課程と、全日制についても六学級ですか、一学年二学級、六学級編制までのところは実員でなくて収容定員で教員を算定する。その趣旨は、先生も十分御承知のように、生徒数でやりますとせっかく学級数が相当あってもそれ相応の教員が配置できない、こういう実態が生じたためでございますが、その後様子を見ますと、たとえば公立高等学校の全国の全日制課程の総定員は約百万なんですね。ところが、実際には一万ぐらい、約一%欠員があるのです。これはいまの二個学級編制の全日制に限らず、相当大きなところでもそういう実態が出てきたということになりますと、これはやっぱり全面的に高等学校の定員配置というものを学級単位で考えた方がより実態に即するじゃないか。しかも、従来のやり方ですと、普通科と農業、工業のように一学年の学級定数の限度が四十五名と四十名というように違うところは、教員の算定についていたずらに補正などをしまして非常に法律的にも厄介になっているということがございますので、そういうことを総合的に考えて今回はむしろすっきりした形で学級単位という考え方を取り入れたわけでございます。
○中西委員 次に、習熟度別学級編成の問題について一、二お聞きをします。 これは各県教委に配置をしまして、任せられた教委が配分をするということになりますね。そうしますと、そのときに、いま文部省なりでいろいろ言われている教育課程の改善あるいは指導要領の解説などをずっと読んでみますと、先ほどもちょっと出ておりましたけれども、進学率の拡大によっていろいろ多くの問題が出ています、生徒が多様化したということもありまして。その場合にどう低学力を引き上げるかという問題等がいま大きな問題になっていますね。これはもう御承知のとおりだと思います。 そこで、この問題について、各県教委に対して、あるいは各学校の主体性に任せる、こういうことを先ほどもちょっと言われておりましたけれども、その場合に、先ほどもちょっと心配されておりました差別的なあるいは選別的なというか、あるいは進学のためのというようなことにならないようにすべきだと思いますが、この点はどうでしょう。
○諸澤政府委員 これは先ほどもちょっと申し上げましたけれども、現在実施しているところについて個々に大体の状況などを報告していただきまして私もいろいろ検討いたしましたけれども、実態としては先ほど申したように英語とか数学が主でございますが、それは必ずしも普通課程だけではないのですね。職業コースなんかでもやっぱりそういうことを取り入れているところがございますから、そういう意味ではむしろ進学のためにエリートを教育するというよりは、おくれている人をどうして追いつかせるかという配慮が大分なされていると思いますし、また、その成果に関する報告などを見ましても、そういうところで、おくれている子供がそういうグループに入ってよくわかってよかったというような報告がありますというようなことも聞いておりますので、これはそういう趣旨で今後とも現場においてもいろいろ改善工夫をしていただくということでやっていきたい、かように思うわけでございます。
○中西委員 そのときには、やはり全国的にそういうアンバラが出たりいろいろ問題のあるような学級編成をしたりということにならないような指導通知か何かは出されますか。
○諸澤政府委員 いまの段階では、たしか指導要領の総則に、こういう場合に習熟の度合いに応じてグループ分けすることなどを考慮するということが入っておりまして、指導要領の総則の解説書というのを出しておりますが、それにこの取り扱いについてもう少し注意をするようにという中身の文章が入っておるわけでございます。 そこで、現段階としてはその程度でやっていただいて、様子を見て、先ほども申しましたようにこの問題については研究指定校を五十校ほどお願いしておりますから、それらの実績などをまた各県に資料として流すという際に、おっしゃるような点をさらに留意してもらうように通知したい、かように考えているわけです。
○中西委員 それでは、いま言われた通知なりを出される際には、進学あるいはエリート育成ということにそれをするんではなくて、おくれている生徒の学力を引き上げるとか、あるいはそういう緻密な指導ができる体制にするためにということで教員を加配をするという、こういうことで理解をしてよろしいですね。 そこで、最後になりますけれども、問題は、いま言われました配置をする場合に、全日制の場合九学級から十七学級までが一人、十八学級から二十九学級までが二人、三十学級から以上が三人ということになっています。こうなってまいりますと、わりあい大規模なところが有利になるし、普通高校などにおきましてはわりあいに学級数が多くなりますから有利になるわけですね。ところが、このような機械的な配置をいたしますと、いま問題になっています職業高校の場合、クラス数なり何なりが少ないということもありますし、小規模校がございますので、むしろ教育困難な学校というのはこういうところにさらに多いわけですね。そこにはこういう面での数が少なくなるという、こういう結果になろうかと思います。したがって、このような機械的な配置は改めるべきではないかと思いますけれども、この点どうでしょう。これはまだ配置だとかなんとかが決まっているわけではないのですから、ぜひこの点を配慮していただきたい。
○諸澤政府委員 高等学校の方はちょっと小中学校とは考え方が違いまして、これは交付税積算の基礎、財政計画の基礎でございますから、そこで何らかの積算をしなければならぬという意味で、学校規模に応じてこういう数を出して積み上げたわけでございます。これに応じて各府県の数は決まるわけですが、それを県がどこの学校にどういうふうに使うかということは県の判断でやっていただくことにしまして、必ずしもこういうふうな基準でやっていただくということを私どもは期待しているわけではございませんから、それはずいぶん運用の余地があると思います。
○中西委員 ちょっと最後のところをもう一遍……。
○諸澤政府委員 いまおっしゃったように、県が今度は具体的に学校へやる場合に、一番端的に言えば、習熟度をうちはやらないというところだってあるわけですから、そこにはこれは配らない。配る場合にも、あそこの学校は十八学級だから二人にするという、そういう機械的なことでなしに、実態に応じてそれはやるように指導いたします、こういうことでございます。
○中西委員 それじゃ、やはり実態を十分把握をした上で配置ができるようにという指導をしてください。 最後になりましたが、教員の週休二日制、これはどうなっておるか、どのように検討されておるのか。ずいぶんいま問題になっておりますから、この点だけお聞かせいただきたい。
○諸澤政府委員 これは昨年の夏の人事院の勧告がありました。その中で四週五休と言われるものを提案してきたわけですけれども、ただあの中で、教育や研修等の部門でそういう原則によりがたい場合には、夏、冬、その他休みのとりやすい時期にまとめて休むことも考慮するでしたか、何かそういう文章が入っているのですね。一体小中学校の現場で四週五休がやれるかどうかということについては、過去二年半にわたって試みをやってくれというような依頼通知もしたわけでございますが、結果としては公立小中学校についてはそういう試みもやったところがないという実態でございますので、それならば一体どうするかということで、実はこの点については教育長協議会などにも教員の服務の問題とも関連してひとつ検討してくださいということをお願いしておるという実態でございますので、まだ文部省としては結論を出していないというのが現状でございます。
○中西委員 時間がありませんでしたので十分ではありませんでしたが、いまの週休二日制の問題等につきましても、これは私たちがかつて現場におるときに研修日というのを実施をしたことがあります。全教員を六日間に配置をしまして一日研修をとる、こういうことをやった経験がありますけれども、これは大変成功したわけですね。いまここでいろいろ論議されている研修だとかなんとかいう問題等につきましても、これはその地域における郷土史と歴史の流れとを一体的にどうするかという、その地域における全歴史の教師が集まれる日をつくる。そうすることによってできるし、地学についてもそうだし、地理についてもそうです。あるいはその他のあれでもそういう経験を私はしたことがあるのです。そのときに問題は何もなかったのです。ですから、そういうことを考え合わせてまいりますと、このいま論議されている週休二日制などというものはやろうと思えばできるわけですから、ぜひ早急に手がけてほしいと思います。そしていま定数とのかかわりはないようでありますが、できれば定数とのかかわりも十分含んで将来的なものを検討していただくように最後にお願いを申し上げたいと思います。 終わります。
○谷川委員長 高橋繁君。
○高橋(繁)委員 私は、いま提案されております公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案について質問いたします。 今度の計画は大変長期にわたる計画であるという特徴を持っておると思うのですね。したがって、慎重にしなければなりませんし、あるいは見通しも立てなくてはなりませんし、あるいは十二年という長い間には国民的なニーズも変わってくるだろうし、いろいろなことを考えてこの法律案について確認をしていきたい、こういう考えのもとに、日本の教育を前進させる意味から質問をしてまいりたいと思います。 わが党の委員長が、十二年計画を九年計画にしろということを本会議でたしか質問をいたしました。そういうこともあったが、この計画が十二年になった。これはいままでも質問をされておりますが、明らかに文部大臣と大蔵大臣の確認事項が基本になってこういうことになってきた、こういうふうに私は理解をいたします。 そこで、確認事項の中に、先ほどもいろいろ論議をされましたが、「計画期間は十二年とする。」とあります。しかも、九年計画では十二万人、今度の計画では八万人、四万人の減になっておるわけでありますが、この人数の点においてどこに一体一番しわ寄せが来たのか、その辺からまず確認をしておきたいと思います。
○諸澤政府委員 十二万の当初の計画に対しまして八万一千となったわけですが、このうち四十人学級の要求は結局十二年になることによって児童生徒の自然減の分だけ増員を抑えられますから、結果としては総数は減っておりますけれども、要求と同じことになるわけです。ただ期間が長くなるだけです。そのほかの教員の増の要求がどうなったかということになるわけですが、これは結局七万一千八百、約七万二千の当初計画に対して三万八千五百ということになったわけですから、五五%ぐらいということになるわけでございます。
○高橋(繁)委員 その内訳はちょっと私の調べたところによりますと、一番現場で日の当たらない複式学級、特殊学級並びに特殊学校、ここに約五割以上のしわ寄せが来ていると思いますが、これは何か理由があったのですか。
○諸澤政府委員 これは大変言いわけめくようになりますけれども、要するに私どもの希望としては、この特殊学校、特殊学級の学級規模の改善というのを飛躍的に改善したいということで当初の要求をつくったわけでございますね。しかし、実際にはとてもそこまで折衝の過程でいかなかったということで、結果としては従来の年次計画のたびに改善してきた程度の改善しかできなかったということで、そうしますと人数的にはおっしゃるように当初の要求に比べて三分の一ぐらいになった、率直に申し上げましてこういうことでございます。
○高橋(繁)委員 特に複式学級、特殊学級の改善で、先ほどもありましたように附帯決議では完全解消を決議しておるという観点から、あるいは特殊学校の養護学校が義務化になって発足をした、そうしたところにしわ寄せが来ているということはどうしても私は解せないのですけれども、特に複式学級が現在一年生が十二名、これを要求では八名だったのが十名になった、あるいは二年生以上は二十名を十二名に要求して十八名になった。そういうことによってこれがもし完全に履行された場合に複式学級はまだどれくらい残りますか。
○諸澤政府委員 いま資料を調べておりますから、ちょっと……
○高橋(繁)委員 そこで、やはり複式学級といっても人数によってかなり小さな学校もあります。最低限度というものをやはり決めるべきではないか。というのは、複式学校全校に配置するという決議になっておりますし、当然配置するのが一番いいのですけれども、あるいは一番小さな学校は二人、三人という学校もあるかもしれません。そういうように、その学校についてはまた適切な対策を立てることにして、最低基準というのを決めて、ここまでは全部全校配置するというものを決めるべきだと思いますが、いかがですか。——趣旨がわかりませんか。 趣旨は、最低限というものがあるでしょう。子供の複式学級のたとえば現在一年生が十二名以下の学校もありますし、五名ぐらいの学校もあるでしょう。これは二年生あるいは二年、三年合わせても十八名に達しない、もっと少ない、七、八名の学校もあるかもしれません。そういう最低限度というものを決めて、ここまでは複式学級を完全に解消したいというその限度というのは考えませんか。
○諸澤政府委員 ちょっとおっしゃる趣旨が理解できない点もあるのですけれども、たとえばいま小学校、中学校の全国の実態を見ますと、一学級の小学校とか一学級の中学校というのがあるのですね。それはまさに先生がおっしゃるように、いまのたてまえでは二個学年以上の複式は認めないわけですから、一学級の学校というのは本当はないはずなんですね。それは一年から三年くらいまで一緒にいるかどうか、実態としてそうせざるを得ないということだと思いますが、そういう学校を別とすれば、いまのやり方は一年生を含む複式、つまり一、二年の複式というのは最高十二名だ、だからこれがもし十四名いれば一年生と二年生と別々の学級にする、こういうことになるわけですね。それから三、四年の場合は最高が二十名ですから、二十名以上いれば三年と四年を分けるというのがいまのリミットで、これを三、四年の場合は十八名にし、それから一、二年の場合は十名にしたというのが今度の改善でございます。
○高橋(繁)委員 そこで、特に特殊学級についてはボーダーライン層というのがあるわけです。義務教育になっても、遠くて遠隔地へ行かれないとか、そういうことで特殊学級がそういう子供を預っておるという場合がありますと、一学級の定員というものはこの前も申し上げたように特殊学校並みにいかないと大変であるということを考えたときに、この辺の配慮もしなくてはいけないと思うのですが、いかがですか。
○諸澤政府委員 特殊学級も今度の改善で最高を十二名から二名少なくして十人にしたわけですね。これは要求としてはたしか八名だったわけですから、もう少し少ない方がいいのかもしれませんけれども、現在の状況では十名です。これはもう一つ、運用の問題がたしかあるのですね。せっかく十名まで入れられるのだからというので、特殊学級に入れるよりは普通学級で教育した方がいいような子供も入れて十名までしてしまうというような場合もないわけではない。それは聞きますけれども、そういう運用はしてはいけませんよ、最高十名というのはやはりそういう教育の対象になるような子供が十名おればそこまでは一つのクラスでいいですよという趣旨ですから、それはそういうことで今後もやっていくようにしたいと思うわけでございます。
○高橋(繁)委員 そこで第三項にありますが、大蔵大臣、文部大臣の確認事項で先ほども問題になりました「財政再建期間中」というのは「特例公債から脱却するまでの期間」ですが、この「財政再建期間中」というのは、一応政府が出しております昭和五十九年とみなしてよろしいですか。そういう確認事項ですか。
○谷垣国務大臣 そういうふうに考えております。
○高橋(繁)委員 大平内閣の大臣として、この財政再建ということが昭和五十九年度までに赤字国債から脱却するという確信はお持ちですか。
○谷垣国務大臣 文部大臣の方から申し上げてはいかがかと思いますが、ぜひそういうふうにしたい、かように考えております。
○高橋(繁)委員 厳しい財政の中での十二年計画であります。先ほども大臣はいろいろおっしゃっておりましたが、この厳しい財政の中でこの十二年計画というものが先ほどの大臣の発言にもありましたように比較的楽観的に十二年間の目標を達成することができるじゃないかという考えをお持ちのようであります。大変厳しい中で途中で挫折するかもしれない、こういう考えもあろうかと思いますが、どちらでありますか。
○谷垣国務大臣 私はこういうふうに思います。 今年度は財政再建の初年度ということで大平内閣が打ち出してきておるわけでございますが、まずことしが出発点ですから、厳しい決心をしなければならぬときでございました。したがいまして、この四十人学級等の問題につきましては、財政当局としては非常に消極的な態度であったことは私はやむを得ないことであったと思います。しかし、それにもかかわらずいろいろ議論をいたしまして、とにかくことし出発させようという決心をしましたことは、これはこれなりに文教行政の中における四十人学級の意味を理解したもの、私はそう思っておるわけでございます。 そこで、財政のことでもございますから、先ほどお話しございましたように、今後五十九年までに特例公債発行の脱却ができる、そういうふうになるかならないかということについては、まだこれから前途かなりいろいろな問題があるだろうということは予測もするわけでございますけれども、とにかく出発のこの一番むずかしいときに、しかもこういう計画を認めたという事実そのものは財政当局の腹の中にもこの問題は大切なことだという認識があったというふうに私は思っております。それですから、財政の状況等から見て決してそんなに安穏な状況でないことはよくわかりますけれども一これを計画期間中に達成することについては、もちろん楽観をするなんという甘い環境ではございませんけれども、努力すべきものであるし、また十分に可能であるという気持ちを私としては持っておるわけでございます。
○高橋(繁)委員 いろいろ言われております財政の再建については、昭和六十年度までには三十兆円になるだろうとか、あるいは公債の発行残高が六十年になれば百八十六兆円になるとか、またその時点から返済をしなければならない利払いに追われて自転車操業的な財政になるかもしれないとか、いろいろ心配をしておる方もありますし、なかなかむずかしい問題であろうと思うのです。その間にあって国債がもう増発できない、あるいは増税もできない、歳出はふえてくる、しかしながら歳出を削る以外にないという見通しもあるわけです。あるいは新経済社会七カ年計画の中には国民生活の質を高めるために社会保障や教育あるいは雇用安定、物価安定等いろいろ九項目にわたってありますが、そうした国内的な負担あるいは国際情勢の変化ということもあって、いわゆる国際的な負担も大変多くなってくる。こういう中で、いま大臣がおっしゃったようによほどの決意がないとこの十二年計画は挫折をする、このように私は思うわけですが、あと十二年間ありますけれども、この段階で文部省としての決意をはっきりしておいていただきたい、こう思います。
○谷垣国務大臣 私は、文教行政、文教政策というものはある程度の期間、長期間の問題を踏まえてやっていくべきものだと思っております。財政の状況が非常に厳しいこと、また将来いろいろなことが国の内外を通じまして起きてくる可能性のあることも予測はいたしますけれども、文教行政といたしましてはこの計画を推進していく必要がある、こういうふうにかたく考えておりますので、政府全体として、財政当局も含めましてまさにその決心をしておるわけでございます。これの実現に努力をするのは当然のことだと考えております。
○高橋(繁)委員 たしか参議院だったと思いますが、予算委員会のときに大蔵大臣は、今回の法律案、いわゆる四十人学級の実現に向かって、これは財政との芸術作品である、こうおっしゃった。これはどのように理解されておりますか。
○谷垣国務大臣 大蔵大臣も実は文教行政には素人ではないわけでございまして、党内におきましても文教の問題はむしろ詳しい方であると前から思っております。しかし、それは一つも言っておられませんので、むずかしい財政問題の責任者としていろいろの問題を苦労されて、この問題についても私と折衝をされたわけでございます。そういうところが財政とのむずかしさ、それから文教行政の持っておる意味等々のことが大蔵大臣の頭の中で昇華して芸術的だと言われたのではないか、こう思っておりますが、まさにいろいろ財政の面から見ますと否定をしたくなるような問題であったかと思いますけれども、政府全体としてこの中で出発いたしました以上、これを計画どおり実現をいたさなければならないという意味が十分含まれておるものと私は解釈をいたしております。
○高橋(繁)委員 芸術とは一体何かということになりますが、それは字引で引けば、ある決まった材料、様式によって美を表現する人間の活動とその産物、文学あるいは絵画、彫刻、音楽等である、こう言っておるわけです。大蔵大臣の言い方は、そんな簡単に文部省の言うようにいきませんよ、財政によって左右されていくんだよ、そのときそのときの財源あるいは当年度の財政によって変わっていくんだよという意味に聞こえるわけですが、そういうふうには感じ取っておりませんですか。
○谷垣国務大臣 芸術は見る人によっていろいろ評価の変わる問題であろうかと思います。しかし、そこに一つの調和と一つの芸術的な感動を与えるというのが芸術であろうと思います。人によって話は変わると思いますが、この問題は毎年の予算編成のときに当然問題が起きてきましょうけれども、それはそれなりの約束をしたものとして、芸術的作品だからこれはだめだというわけのものではないと思います。
○高橋(繁)委員 九カ年計画のときには文部省から九カ年計画の教員増について一応の案が出ました。ところが、十二年計画については年次的なものが出ないということは、この両大臣の確認事項によってこうなったのか、私はそういうふうに理解しますが、いかがですか。
○谷垣国務大臣 予算のいまの編成は毎年毎年の予算編成という形をとっておるわけでございます。したがいまして、長期間にわたりましてのいわゆる計画なるものは、本来予算編成の原則、いま政府がとっております原則から申しますと、長期間にわたりますものは、実を言うと計画という表現ではないわけのものでございます。したがいまして、いろいろな道路にしましても河川にしましても計画と申しておりますけれども、これは見通しというと表現がちょっと弱くなりますけれども、毎年毎年の年次の予算計画の中に繰り込まれて初めて裏づけのできるという性格のものであると思います。いま言われております計画は皆そういうことであろうと思います。したがいまして、この問題につきましても十二年間の計画、毎年度の計画をそのまま認めるということは、いまの予算編成の状況から見ますとむしろできないわけでございます。私たちはもちろん十二年間にわたります一つの見通し、計画というものを持っておりますが、これは予算当局との関係では計画とはちょっと言いにくいかもしれません。私たち自体の見通し、これは見通しではあるけれども、当然財政当局も、文部当局がこういう考え方を持っておるということは了承しておる。了承というか、そのとおり毎年やりますとはなかなか言いませんけれども、大きな計画全体としてのこういう概念で言っているのだなということはわかっている、そういうものであると私は思います。
○高橋(繁)委員 そうしますと、この確認事項に「特例公債から脱却するまでの期間」昭和五十九年までは「教職員の改善増は極力抑制する。」ということになっているわけです。したがって、実際のおのおの教職員の改善増はそれ以降に大量的になるのか、あるいは平均的にずっといくのか、その辺どう考えますか。
○諸澤政府委員 これはいま大臣が申しましたように、あらかじめ幾らというふうに現時点で明確な数字を持っているわけではございません。五十五年度の改善増の中身を大ざっぱに申しますと、四十人学級に約五百名、その他の増に二千二百名という形でございます。そして約五百名というのはことしスタートする小学校一年生の分ですから、今後三年間は一、二、三と大体同じ規模でいくと考えてよろしいかと思います、学級数はそう変わるわけではございませんから。そのほかの二千二百名に相当する分をどういうふうに考えるかということでございますが、これは三万八千人に対する二千二百という数でございますから十二分の一にはなっていないわけですけれども、いまの財政状況を考えてちょうど五十五、五十六、五十七の三年間は、このほかに児童生徒の増に伴う増が毎年約九千人ほど要るわけでございますので、それとのバランスを考えますと、今後三年くらいはいま申し上げたような数字でいくようになるであろうという見通しで、したがって五十八年度以降はまたいまの見直しということもございますので検討してまいりたい、こういうふうに思っているわけでございます。
○高橋(繁)委員 それがいまの文部省の案では、平均的に五十七年度までは大体本年度並みでいくだろう、こういうお話です。五十八年度以降は大体自然増がなくなってくるのでそれにならった改善増というものができていくだろうということですが、ここにこのようにたががはめられているのですよ。幾ら文部省が言っても、大蔵大臣がだめだ、再建期間中はここにあるじゃないか、こう言われればそれに押し流されてしまうという気配がなきにしもあらずなのです。その辺の心配はありませんかというのです。大臣、どうですか。
○谷垣国務大臣 御心配をいただいて大変恐縮でございますが、これは先ほども申し上げましたように、五十五年度からとにかく四十人学級を発足させるのだということを認めるか認めないかというところに問題の焦点が実はあったわけであります。それは認めよう、五十五年度から出発させましょうということを決めたわけでございます。それに対しまして財政当局の方で心配しているようなことを少し書いておるわけですが、しかしそれも全体で十二年間にやりましょうや、しかしおよそ八万ぐらいのところでいきましょうということも決まっておるわけです、十二年の問題はその後の状況で三年後の見直しの問題がございますけれども。こういう状況でございますから、確かに三項、四項において少し財政的な見地から見た文言が入っておることは事実でございますけれども、私はこれで十二年、人数から見ておよそ八万、実際は八万一千何百ということになるわけでございますけれども、その計画ができることは、途中における若干の問題はいま言われたようにあるだろうと思います。しかし、それは財政当局と文教を、担当しております文部省とが話し合いをして、あるいは自治省等も入って議論をいたしまして、大きな目標でやる、いわゆる計画をおよそ八万一千ぐらいのところでまとめて十二年間でやるということは達成できる、させなければならぬと思いまして、それがこの確認だと思っております。
○高橋(繁)委員 そういう平均的なあるいは年次計画的なものがないと、先ほども御意見が出ておりましたように、一番困るのは地方の都道府県教育委員会、これが後からまた質問いたしますけれども、毎年度政令で定めるということになっておるわけで、年々によってずいぶん人数が違ってくるということになりますと大変混乱を来すということがありますので、三年間は大体この基準でいくだろう、五十八年以降についてはまだはっきりわからないわけですが、そういうことを心配するがゆえに申し上げたので、その辺をくみ取っていただいて、年次計画的なものが三年後見直しという段階でなされてもいいと思いますし、なされなければならない、こう考えます。 それから、いろいろ問題が出ました四十人学級についていろいろ論議もされておりますが、三年後の見直しについて、これも四党間で一応三年後見直す、各般の状況を勘案して適切に対処しようということでありますが、文部大臣としまして、この三年後の見直しということについて、三年後の人口の動態あるいは財政の事情、国民の要求あるいは文教委員会の決議あるいは論議というものを考慮して前進的に前向きの姿勢で三年後に見直されるというのか、あるいは十二年計画をどのようにやっていこうかということは単なる数字の転がしで見直すというのか、その辺のお考えをただしておきたいと思います。
○谷垣国務大臣 いまの問題は四党、自民党が社会党、公明党、民社党の三党に提案をいたしまして御了解を得ておるということを党の方から私たちも承知をいたしております。おおむね三年後にその後の計画について検討する、こういうことになっておるということも承知しておるわけであります。いまの時点におきまして非常に変化の激しいことが予想される三年後の状況を私がいまここで議論いたしますことは、大して益のないことだろうと実は思います。ただ、文部行政に携わっておる者といたしましては、文教行政が円滑にいくことを望んでおることはもう当然のことでございますが、これはやはりそのときの状況というものをその時点において文部行政の上からも考えて判定をすべきものだというふうに思います。
○高橋(繁)委員 私は、やはり年限を短縮すべきであるという観点に最初から立っておりますので、そういう観点でひとつ見直しをされるよう切望しておきます。 そこで、法律は十二年計画でありますが、諸般の情勢によって政令でこれを早く実現するということはできますか、局長。
○諸澤政府委員 法律の趣旨からしますと、附則に昭和六十六年三月三十一日までにそれを実現するんだというふうになっていますから、これを早めるということはできないだろうと思います。
○高橋(繁)委員 いや、何も昭和六十六年と法律に決めてあるから政令でできないのじゃなくて、諸般の情勢から見て、財政的にも教室増が案外楽に進んだ、人口の動態も、あの人口問題研究所のものをとっておりますが、新聞では出生率はだんだん低くなっておる。人口問題研究所の掲げた数字よりももっと減るかもしれないですよ。そういうことを考えたときに、政令で毎年度人員を定めていくわけですから、事情によっては人員をふやして早くそれを実現するということはできるだろうと思うのです。何も早くやっちゃいけないという根拠はない。いかがですか。
○諸澤政府委員 これは法律論でしょうけれども、やはり法律の期待しているのは昭和六十六年三月三十一日までに逐次政令を改正してやっていきなさいということですから、おっしゃるようにまあ三年なり五年なり早めようとするなら、やはりそこのところを法律を直してやるというのが筋だろうと思います。
○高橋(繁)委員 人数の配置については政令で定めていく、だから、予定では五千名だったけれども、ことしは財政の関係で七千名できるといえば、そこである程度できるんじゃないですか。それは全然できませんか。
○谷垣国務大臣 政令の場合は、ここで期待しておりますのは毎年度におきますものだと思いますが、結果的にそれが早く進んでしまうかどうかという問題も出てくるかと思いますが、政治的に申しますと、やはり三年後の今後検討いたしますそういうことを控えて、それじゃ法律改正も含めてどういうふうにするかというような問題がその時点で起きてくる可能性は十分あるだろうと私は思いますけれども、それは三年後のいろんな検討の結果をまっていくべきことではないかというふうに思います。
○高橋(繁)委員 それから、四十人が一番適正な規模であるかどうかということも論議をされました。ところが、ここで定説をはっきりするということはなかなかむずかしいというお話もありました。 そこで現在では、計画の立案に当たって、国公立の大学の研究とかあるいは教員の意識調査あるいは文教委員会での論議、それらを勘案して四十人が適当であろうということで判断をされたというふうに私理解したのですが、この四十人学級について、今後さらに研究調査を進めていく必要があるのではないか。あるいは実験的な、実証的な研究をするための実験校というのも考えられるでしょう。実験校はなかなかむずかしいというようなお話もありましたが、そういうような実証的な研究を経たある程度の文部省としてのものがないと、財政当局との折衝の折に腰砕けになってしまうというおそれもなきにしもあらずだ。したがって、今後三十人がいい、あるいは三十五人もいいという意見もあります。それよりも、ぜひ教員をふやしてほしいという現場の声もあります。専科教員をふやせといういろんな意見があります。そういう現場の声を聞きながら、文部省として今後はっきりした研究調査をして、これに対する確固たる理論を構築すべきだと思いますが、いかがですか。
○諸澤政府委員 この問題は、たとえば人工的に一つの学校で三十人学級と四十人学級をつくってみて実験をするというようなことは考えておりませんけれども、おっしゃるように四十人学級の教育効果がどうであるかということをさらに意識を深めて検討していくという場は、いまでもいろいろな教科の教育課程を研究していこうといった研究指定校がございますから、今後はそういう研究指定校を活用して、そしていまおっしゃるような観点からの教育効果の測定といいますか、そういう点を検討してまいりたいというふうに思うわけでございます。
○高橋(繁)委員 検討していずれの一学級におけるクラスの人員が適正であるかという、まあ結論まで出ないかもしれませんが、ある程度の基準というものは得るおつもりですか。
○諸澤政府委員 これは従来の報告などを見ましても、そう明快な回答というのは恐らく簡単には出ないと思いますけれども、現実の問題としてすでに四十人あるいはそれにごく近い学級編制というのがあるわけでございますから、そういうものの教育効果というものをいろんな面から積極的に検討してもらうというような作業をやるようにいたしたいと思うわけでございます。
○高橋(繁)委員 子供の数は四十人になりました。もう一方、教員の質の向上という面で実際には先生方の技術あるいは質というものが向上しなければなりませんが、私は、教員養成大学において教育実習をもう少し時間を延ばして、実際もっと子供と接触する時間をふやすことが大事であろうと思うのです。現場の学校に大学生が行くことは現場も大変迷惑するという声もありますけれども、そうでなくて子供を知るという、教え方とか技術じゃなくて、そういう面で触れ合う時間というものをとるために教育実習をもう少しふやす、先生が実際的な技術を身につけるために、質を高めるために、そういうお考えはありませんか。
○佐野政府委員 教育実習が、御指摘のように学生に教職についての啓発的な経験を与えて、教職に対する意欲あるいは使命感を喚起する、そして児童生徒に対する理解を深めて、教員としての必要な専門的知識、技術を修得させる上で非常に大事な意義を持っているものであるということは、私どももそのように考えております。現在、小学校で四単位、約四週間、中学校で二単位、約二週間である教育実習の期間を延ばす、単位数をふやすということにつきましては、そういった教育実習を充実させるという観点からは望ましいということで、かねて教養審からの建議等で指摘をされているところでございます。 ただ、国立の教員養成大学学部の場合はともかくといたしまして、開放制のもとで国公立あるいは私立の一般大学が教員養成を広く分担をしているわけでございますが、ここにおける教育実習の状況について見ますと、やはり教育実習の履修者が非常に多数に上って受け入れ校の確保がむずかしいとか、あるいは教育実習の単位を増加させるとそれぞれの学部の専門教育の科目の単位に影響が出るとか、そういったいろいろな問題がございまして、にわかに単位をふやす、期間を延ばすという対応ができにくいところがあるわけでございます。現在私どもは五十三年九月の教養審の報告の趣旨に沿いまして、現行制度のもとにおいてできる限り教育実習の内容を充実させようということで、教育実習地域連絡協議会等を設けて各地で御検討をいただいているわけでございますが、五十四年の九月から制度改正を含む教育実習の改善方策についてさらに突っ込んだ教育職員養成審議会の御検討をお願いしているところでございます。審議会での御審議の状況を十分に伺いながらさらに対応を考えてまいりたいと思いますけれども、現在の時点では、いま申しましたようなことで、当面現行制度のもとにおける教育実習のできる限りの充実に努めてまいりたいと思っているわけでございます。
○高橋(繁)委員 では、次に進みます。 次の附則につきまして、昭和五十五年度の政令は法律が通ってからということになっております。先ほどもお話がありましたが、五十五年度についての改善増は、文部省が示した二千二百五十名、学級編制が五百六人、大体この数字で間違いありませんか。
○諸澤政府委員 大体この程度でございます。
○高橋(繁)委員 この数字で本年度の教員の採用なり転任なりはスムーズにいっておりますか。
○諸澤政府委員 教員の採用の方は、先ほど申し上げましたように四月早々からやっていただきますので、あらかじめ県に連絡してありますから円滑に進行すると思っております。
○高橋(繁)委員 実際は予算の編成が終了し、国会を通過した段階で毎年の政令が定められる、こういうことですね。そういうことになりますと、昭和五十七年度までは先ほど話がありましたように、本年度は合計二千七百五十六名ですが、この案で三年間はほぼ間違いなくいくという確信はおありですか。
○諸澤政府委員 大蔵省もおりますから余り確信がありますと言うのもちょっとぐあいが悪いのですけれども、私はその程度のことで大体いきたいというふうに思って最善の努力をします。
○高橋(繁)委員 いけばいいのですよ。いままでの第四次までにわたる改善増はほぼ五年計画がしっかりできて、大体の増員もわかってきた。今度はわからないわけですね、大蔵大臣の財政のたががはまっていますから。ところが、先ほど申し上げましたように、一番困るのは都道府県教育委員会です。この基準でいきますよと文部省はことしも恐らく説明するでしょうし、都道府県は国の予算が大体できた段階で予算を組まなければならない。来年度の計画も立てなければならないということになると、もう本年度に本当は政令で定めるくらいのものができないと地方教育委員会はきわめて混乱をするというふうに考えます。その辺の混乱は、五十七年度まではそんなにないと思うのです、いま局長が言ったような体制ですから。五十八年以降に私は問題が出てくる、こう考えますが、ありませんか。
○諸澤政府委員 その点は本年度はちょっと特例的になっているわけですけれども、来年以後のことを考えますと、では五十六年度は何人増員するかということは、従来の例でいけば八月末までに文部省としての予算要求を大蔵省へ出しますから、その段階で計画としての人数は明らかになる。そして暮れの実際の予算折衝で具体的に決まるということになりますから、そこで夏の段階で、来年はこのくらいの要求であれば実際に決まるのはどのくらいかという幅はありますけれども、県には一応認識ができるわけでございますね。それを受けて県の採用試験の方も大体夏から秋にかけてやって、実際には二月以降に採用者を決定しますから、やり方としては、過去の何次かの計画も大体そういうやり方でやってきておりますので、できるだけスムーズにやるように計らってまいりたいと思いますし、またいまのようなやり方でそういうふうにできるのではないかというふうに認識しているわけでございます。
○高橋(繁)委員 そうすると、本年度は多少混乱したのですか。
○諸澤政府委員 私は混乱したとも思いませんけれども、ただ本年度は全体計画をまず決めて、その全体計画をどう動かすかということでいろいろ議論があるというようなこと、それともう一つは、法律が決まらないということは本年度だけの問題でございますから、そういう意味では、法律が決まって動き出す来年度以降とでは若干事情が違うのではないかというふうに思うわけでございます。
○高橋(繁)委員 三年間は大体この基準でいくでしょうと私は理解をします。三年後の見直しの時点でこの政令の問題は恐らく問題になってくると思いますので、またその時点に譲りたいと思います。 次は、人口急増都市の問題です。全国百八十三市町村がその協議会に加盟されておる。用地や校舎、体育館、プールをつくるために、国庫補助金を除きまして一兆一千百七十四億円の金がかかる。四十人学級をつくるにしても地方負担が約六千八百十億円とかなりの額に上るわけですが、こうした人口急増都市は、財政的な理由からこの四十人学級について一応反対をしておるわけですね。そこで、こういう人口急増地帯において十二年間で四十人学級を実現していくという段階で、施設をつくる、教室をつくるために財政上対応できない市が出てこないとも限らない。そういうような場合にどういうようにこれに対応いたしますか。そういうことはないと考えておりますか。
○三角政府委員 先ほど来の御説明にもございましたように、四十人学級の実施は五十五年度から六十六年度までの十二年計画ということで、当初の実施方法としては、五十五年から五十七年までの三年間は、児童生徒が減少する市町村で、かつ教室の増を要しない学校について実施していくということを考えておるわけでございます。したがいまして、急増市町村においてこの期間は四十人学級実施のための施設整備は必要がないというように取り進めたい、こういうことでございます。 そこで、五十八年度以降の問題でございますが、五十八年度以降については児童の自然減というものが一方において見込まれておりまして、この時期に学年進行で実施するというふうに考えておるわけでございますので、ただいまのわれわれの持っております試算では、この人口急増市町村においてその時期に必要と思われます施設の整備量は、これは全体計算でございますけれども、それほどは多くないというふうに見込んでおります。したがいまして、これまでいたしております人口急増市町村に対しますいろいろな施策の手法あるいは予算の措置、それの中へ取り込んで対応していけるというふうに見ておるわけでございます。
○高橋(繁)委員 心配ないということですね。それでよろしいですか。 それから同じ附則の中で、複式学級、特殊学級の学級編制並びに義務教育諸学校の学級編制については云々とあって、その学級編制につきましては昭和六十六年三月三十一日までの間は、今後における児童生徒の数の推移等を考慮しつつ新しい標準に漸次近づけることを旨として、都道府県等の実態に応じて都道府県の教育委員会がその基準を定める、こうありますね。都道府県教育委員会がこの基準を定めた場合に政令との問題は別にここでちぐはぐは起きませんか。
○諸澤政府委員 これは都道府県教育委員会が全く独自の見解で、たとえば五十七年度に全部やってしまうと言われてもやはり困るわけでございまして、政令で定めるその年度の増加教員の枠がございますから、その枠を各県に配分したその範囲内で考えていただく、こういうことでやっていただきたいと思っているわけでございます。
○高橋(繁)委員 都道府県教育委員会が先取りしてぜひ実現したいという場合にはその要望にこたえられるのか、それは限度が決まっているからだめだ、こういうことですか。
○諸澤政府委員 これはたとえば複式学級が県によっては大分数が多かったり、それに対する改善の需要が非常に強い、あるいは県の考え方として特殊学級を整備したいというようなことで、県によって取り組み方が多少ずつ違うと思いますから、それらをお聞きしながら配分の枠の中で考えるということにいたしたいと思います。つまりある程度県の実態に応じて配分するということは考えられると思いますけれども、予算の枠というものがございますからそれには限度があると考えております。
○高橋(繁)委員 そういう積極的な都道府県教育委員会があった場合には、やはりこの法律のもとで制約を受けるということになりますね。
○諸澤政府委員 ある程度の制約は受けざるを得ないと思います。
○高橋(繁)委員 これも今後の問題になろうかと思います。 そこで、もう一つ確認しておきたいことは、昭和五十五年度の教員定数が前年度定数を下回ることとなる県について、最低保障定数九八・五%の措置は今後どのようになりますか。そのまま続いて実行されていきますか。
○諸澤政府委員 最低保障というのは、教員の定数がいかに減少することになっても前年度定数の九八・五%までは保障しようという趣旨で、過去十年以上もやってきておるわけです。その対象県の数は逐次減ってまいりまして、本年度は秋田と鹿児島の二県になったわけでございます。来年度どうなりますか、これもあっても恐らくその二県程度ではないかと思いますが、これは予算の問題ですからいまからそれを必ずやりますとは申し上げられませんけれども、従来の経緯を踏まえて十分検討したい、こういうふうに考えるわけでございます。
○高橋(繁)委員 検討したいということは、このまま認めていくということでよろしいですか。
○諸澤政府委員 そういう方向で検討したいということです。
○高橋(繁)委員 あと若干細かい点で簡単に質問します。 専科教員の問題です。どこかの委員会で局長が現在一万三千百十七名の専科教員がいる、こうおっしゃっておりますが、これは本当の専科教員ですか。
○諸澤政府委員 私が申し上げました一万三千百十七名は五十二年の文部省の教員統計調査の結果を御報告したわけです。この中身は、音楽、図画工作、家庭、体育等がありまして、この調査時点においてもっぱらそれらの教科のみをそれぞれ担任している数がこれだけありますという意味ですが、要するに専科教員として定数配置をしております数とこれが全く合うかというと必ずしもそうではないわけです。学校の構成によって、この先生はもっぱら音楽をやっていただこう、あるいは体育をやっていただこうというような方が結果として専科教員になっている場合がありますから、定数配置の専科教員とこの数とは必ずしも合致しないということでございます。
○高橋(繁)委員 やはり担任外という職員ですね。
○諸澤政府委員 一般的に言えば担任外でございますが、そうでなくて、たとえば自分のクラスの主な教科を担任して、そのほか音楽を広く担任しているというようなクラス担任の場合もありますから、全部クラス担任外だとは言えないかと思います。しかし、一般的に言えば、もっぱらその教科を担任するような方はクラス担任を外してあるという実態があろうかと思います。
○高橋(繁)委員 この計画にあります専科教員というのは、そういう音楽とか体育とか、いわゆる専科の免許状を持った、あるいは特別にそれを研修した、あるいはそれが得意な先生である、こういうことですか。
○諸澤政府委員 結果はそうだと思います。いまの免許制度では、中学校の音楽、図工、体育の免許状を持っている人は、当分の間、小学校の免許状を持たなくても小学校でその教科を教えられるという特例がございますから、そういう方はまさに先生のおっしゃるような方だと思います。
○高橋(繁)委員 そうしますと、この学校では音楽の先生が欲しいという要望が一応ありますね。そういうものと専科教員の配置にちぐはぐなことは起こりませんか。
○諸澤政府委員 今度の計画前の専科教員の定数配置の状況を見ますと、小学校の六、七、八学級のところを除いては最低一名の専科教員の定員配置が行われておるわけでございます。今回は、いまの六、七、八学級のところにもそれぞれ一名ずつ配置するようにいたしました。したがって、全学校を通じて定数上は一名の専科教員を置ける余裕がある、こういうことになるわけでございます。
○高橋(繁)委員 ですから、それらの学校の要望とこの専科教員の配置というものは必ずしも合致しない点が出てくると思うのです。単なる担任外の先生の数も入って一万三千百十七名。小学校数は大体全国で二万四千八百二十六校ですか、ありますね。そうしますと、その専科教員は、受け持たれた先生を含めて現在一万三千。五十二年のものですから若干ふえていると思いますが、この専科教員の配置は非常に歓迎するわけですが、六、七、八学級の学校のみに配置されて大きな学校には配置されない、今後依然として四十人学級が実現されてこの教員の改善増がなされても、大きな学校については何ら教員の数はふえないというのが現状でしょう。
○諸澤政府委員 今回は専科教員としての加配はいま申しましたように六、七、八学級の学校だけに限りますけれども、現在すでに専科教員として配置しておりますのは、たとえば十八学級であれば二・一人、三十六学級であれば三・九人というような定数の積算はしてあるわけでございます。ただ、実際の運用が先ほど申しましたように、もっぱら音楽なり図工のみを教える先生の数というのはさっき申し上げた程度、こういうことになるわけでございます。
○高橋(繁)委員 養護教諭と事務職員の配置でありますけれども、隣接をしておる学校について一名配置するということになると、その養護教諭の籍は中学校になるのか小学校になるのか、あるいは児童生徒数が多い学校になるのか、どっちになりますか。
○諸澤政府委員 養護教諭は小中ともに免許状は一本でございますから、一般的に言えばどちらに配属してもよろしいわけであります。それをどちらに配属するかというのは、任命権者であるところの県の教育委員会の判断にまっていきたいと思うわけでございます。
○高橋(繁)委員 この養護教諭を全校配置してほしいという声はかなり前々からあります。養護教諭の仕事は昔とかなり違ってきておるという現実面もあります。保健衛生の面からも非常にけがも多くなったとか、あるいは職員の先生方の事務的なことも大変多くなってきた、そういう点で養護教諭の仕事というものは五年前、十年前と数段の開きがある。そういうことで全校配置、あるいは隣接校は一人といっても、小学校と中学校が隣接している場合に一名の配置ということは、きわめて養護教諭一人にとってはやりにくい面が実際あろうかと思うのですね。それは生徒数からいけば人数が少ない、学級数が少ないからいいようなものですけれども、いや、私は小学校に籍があるからこちらにしょっちゅういるんです、中学校へは一週間に一回か二回しか行きませんよ、こう言われてもやむを得ないし、そこら辺の問題が非常にありますので、できれば全校配置あるいは小学校が近い場合——これはまあそういう学校はないかもしれませんが、小中別々の学校が隣接している学校については今後考えるべきであると考えますが、いかがでございますか。
○諸澤政府委員 養護教諭の仕事の内容というのは、御承知のように小中を通じて同じようなことでございますから、そこで実際に二校併任というような場合には、教育委員会においてその服務のあり方等について何曜日と何曜日はどっちへ行きなさいという細かい服務命令を出して、服務が一方に偏らないように配慮するというような注意が必要でございますし、またそういうことは今後細かく指導して、先生おっしゃるようなことにならぬようにひとつできるだけやっていきたい、かように思います。
○高橋(繁)委員 これも十二年計画の中で養護教諭が五千百二十二名ですか、一番最後になるのは十二年目になるわけですけれども、こういう改善増、特に現場の要求の声の多いものについてはなるべく早く改善をして配置する、児童生徒の特に人命の尊重からいっても早くしなければならない、こう私は思いますが、その辺の弾力性というものはお持ちになりませんか。
○諸澤政府委員 先ほどもその専科教員についての御指摘がございまして、端的に言えば、どういうものについてもできるだけ早く充実することが望ましいわけでございますが、予算の決められた枠の中で、いま申されたような養護教諭等につきましてはできるだけ早く充実していきたい。ことしも四百五十名やっておるわけでございますが、引き続きそういう観点でやってまいりたいと思います。
○高橋(繁)委員 そこで、養護教諭がだんだんたくさんふえてきます。そうしますと、教育委員会に専任の指導主事というのがおる県といない県とがある。これは現場の養護教諭に聞きましても、研修もしたいし、ぜひ欲しいと言う。したがって、そういうような専任の指導主事の配置ということは文部省としては考えておりませんか。そういう指導はしませんか。
○諸澤政府委員 現在指導主事の配置というのは、そもそも指導主事は原則的には都道府県教育委員会の職員になりますから、どういう内容を担当する指導主事を置くかということは第一義的には県の教育委員会の判断によるわけでございまして、私実態を詳細に承知いたしておりませんけれども、養護教諭に対する指導主事というのは、置いているとしても恐らくごく限られた県だけだろうと思います。そういうせっかくの御提案でございますから、今後よく調べて、また必要があれば指導するようにいたしたいと思います。
○高橋(繁)委員 それから特殊学校における寮母、これは前に私質問したことがありますが、「寮母は、寄宿舎における児童、生徒又は幼児の養育に従事する。」こういうふうに学校教育法七十三条の三にあります。この寮母の資格については、文部省としては何ら規定がないように思いますが、実際ありませんね。
○諸澤政府委員 現在はございません。
○高橋(繁)委員 厚生省の児童福祉施設最低基準、これは省令だと思いますけれども、この中に「寮母の資格」として、一は「厚生大臣の指定する児童福祉施設の職員を養成する学校その他の養成施設を卒業した者」二は「保母の資格を有する者」三番目は「学校教育法の規定による高等学校を卒業した者若しくは通常の課程による十二年の学校教育を修了した者又は文部大臣がこれと同等以上の資格を有すると認定した者であって、二年以上児童福祉事業に従事した者」という規定がされておる。学校教育法に基づく特殊学校の寮に勤務している寮母は、いわゆる「寄宿舎における児童、生徒又は幼児の養育に従事する。」という観点からいっても、私は寮母の資格というものはきちっと規定をすべきだと思いますが、いかがですか。
○諸澤政府委員 御承知のように養護学校等の寄宿舎においては別に舎監というのがおるわけでございますね。それで寮母さんは、子供が起きてから寝るまでの炊事とか食事の世話とか場合によっては洗たくとか、いろいろとめんどうを見てあげるという仕事でございます。 そこで、実際問題としては、これまでもっぱらその人がそういう仕事を献身的にやってくださる方かどうかという観点でお願いしていたと思うのです。ただ、寮母の待遇等を見ますと、先ほどもお話がございましたように、これは教育公務員特例法の対象になって、言ってみれば教育専門職だという見地からの身分取り扱いあるいは俸給の扱いというものもあるわけでございますので、そういう意味から御指摘のように資格を考えるべきではないか、あるいは考えた方がよくないかという御提案だと思いますので、これはそれなりの一つの御提案だと思いますけれども、いま申しましたような仕事の実態と、それから舎監等の仕事の割り振りをどういうふうに考えるかということも念頭に置きながらひとつ検討させていただく課題ではないかと思うわけでございます。
○高橋(繁)委員 そうした児童の社会福祉施設にはきちっとされたものがありますし、特殊学校という教育をする学校でありますゆえに、寮母の養育の中には教育も入るでしょうし、きちっとした資格というものがあってしかるべきであると私は思います。この前も質問しましたが、この点については篤と研究されて資格をひとつお願いをしたいと思います。 それから高等学校の習熟度別学級編成について本年度六千六百人ですか、これは文部省がそういう習熟度別学級編成の誘導をしようというお考えであるのかどうか。
○諸澤政府委員 これはおととしの高等学校の学習指導要領の改正に際しまして、その総則の中にいろいろな留意点の一つとして、教科によっては生徒の教科に対する習熟の度合い等に応じてグループを編成して教育することなども考慮するというふうに入れましたから、教育活動基準の中にそういう着眼点を示したという意味で文部省がこれを必要に応じて取り入れることを進めておる、こういうふうに理解していただいていいかと思います。
○高橋(繁)委員 そうした習熟度別学級編成について、文部省としては、一応従来の経過から見てこれを全部の学校というのはちょっと問題があろうかと思いますが、希望する学校もあるので将来広げていきたいというお考えでありますか。
○諸澤政府委員 そういうふうに考えておるわけでございます。
○高橋(繁)委員 これについていろいろと欠点もあるし、またいい点もあることは先ほどから指摘されたとおりです。問題は学級編成の基準あるいは編成の仕方をどうするかということに大変問題があろうかと思いますので、その辺の基準については、先ほども実験学校を指定して研究の過程で考えたい、このようにお話ししておりましたが、そういったもので将来基準になるようなものは一応案として考える予定でありますか。
○諸澤政府委員 どういう方法でやるかというようなことを基準的に考えておるわけではないのですけれども、基本的にはいまおっしゃったように、この習熟度別というのは、あくまでも学級編成を固定的にしないということです。成績あるいは学習内容の習熟の度合いに応じて弾力的にグループがえが随時できるようにする、そして同じ学年の同じ課程の子供については究極の教育目標は同じところに置くのであって、初めから到達目標に差をつけるようなことはしないということは再々われわれも申し上げているところであって、そういう目標あるいは基準を念頭に置きながら具体的に個々の学校についてはいろいろ工夫をしてやっていただくというやり方でいこうと思っておるわけでございます。
○高橋(繁)委員 そうすると、生徒の選択の自由というのもある程度お考えの上ですね。
○諸澤政府委員 選択の自由という意味でございますが、先ほども申しましたように、これをやる場合に、学校としては父兄や個々の生徒にその趣旨を十分理解させて、君はどっちのグループに入りたいかというようなことも現実にはやっている学校が多いようでございまして、その際必ず希望どおりにするぞというわけにはいかぬかもしれぬ、あるいはこっちのがいいという教育者側の判断もあると思いますけれども、しかしプロセスとしてはそういう段取りをとって子供に理解を持たせることは必要だろうと思います。
○高橋(繁)委員 先ほどちょっと聞きそびれたのですが、研究指定校は全国で何校で、結論は一年で一応中間報告的なものは出すのかどうか。
○諸澤政府委員 これは各県一校という予定でやっておるのですけれども、現在たしか五十校ぐらいだったと思います。そして一応研究期間は二年としておりますので、五十四、五十五両年度を通じて実施した結果を研究成果として報告してもらおう、こういうふうに考えておるわけでございます。
○高橋(繁)委員 そうすると、一応中間的なものは発表できますね。——そこで習熟度別学級編成を採用する学校にはそういった加配が認められる、しない学校については、先ほど問題が出たかもしれませんが、教員の配置についてどういうふうにお考えですか。
○諸澤政府委員 習熟度別を実施する場合に教員を増置するという趣旨は、要するに四十五人の学級が三クラスある場合に、習熟度の度合いに応じて英語とか数学をやる場合には四つくらいのグループに分けて実施するのが従来の実績なんです。そういうことをしますと、どうしても英語とか数学については教師の授業時数がふえますから、そこで教員を加配しようということですから、これをやらないところについては加配することは考えていないわけでございます。
○高橋(繁)委員 また出された資料について指摘をする時間もありますので最後に伺いますが、この十二年計画も、大蔵大臣と文部大臣の確認事項、いわゆる財政に左右されるということです。全然左右されないということはないと思うのです。左右される面が大変出てくる。例が少し違うかもしれませんが、幼稚園は学校教育法に基づく学校である。それが十カ年計画もなかなかできなかったということは、厚生省の保育園にしてやられたと言ってもいいと私は思うのです。本当に教育をするそういうものが、そうした面で実際にはかばかしく文部省の思ったとおりいかない。これも一つは財政によって左右されたと言っても私はいいと思うのです。特に十二年計画実施に当たりまして確認事項がありますが、財政に屈服するという言い方がいいかどうかは別問題にしまして、ここで論議をしても十二年後にはほとんどいらっしゃらない方が多いかと思いますが、非常に長い間の年限でありますゆえに、どうかひとつ文部省は腰を据えて積極的にこれを実現する、三年後の見直しについても前向きの姿勢で取り組むように強く要望しておきます。 最後に、大臣のお考えだけ聞いて終わりたいと思います。
○谷垣国務大臣 四十人学級等の計画を十二年の間に達成するという問題につきましては、財政当局等の問題も含めまして、これはぜひとも実現するように進めてまいりたいと思っております。十二年というと大変長い期間でございますので、私もその衝におらぬことは確実でありますが、これは後任のそれぞれの大臣もそのことは遵守してやってまいるように言い伝えていくべきものだと考えております。 それからなお、四党の申し合わせ等もございますので、およそ三年たちました時期におきましては、今後の問題を含めまして、その時点で検討をしてまいりたい、かように考えております。
○高橋(繁)委員 以上で終わります。
○谷川委員長 山原健二郎君。
○山原委員 この四十人学級の問題で、五十五年度から発足をするということで、ことしは一体どうなるのかということなんですが、前から示されております五十五年度の教職員の増がたしか五百四名だったと思いますが、この内外教育を見ますと、二六%上回るということで市町村数が二百十八、それから学級数が五百五十六というふうに出ておりますけれども、大体こんなものでしょうか。
○諸澤政府委員 いまのところ最終的な報告が入っておりませんけれども若干上回るのではないか、要するにこちらで考えておる条件に合う学校が若干上回るのではないかというふうに考えております。
○山原委員 もうすでに各県に対して教員数を配置しておるといいますか、法案が通っておりませんけれども、そういう配置が大体なされているのじゃないかと思いますが、まだわかりませんか。これ見ますと二百十八市町村というのですが、たとえば二百十八市町村の名前などはわれわれに示してくれるでしょうか。
○諸澤政府委員 町村の名前はわかっておりますから、後ほどそれでは……。
○山原委員 これは各委員ともまだ、私もまだもらっておりませんが、できましたら御配付いただきたいのです。 それでこの実施状況ですが、テレビでしたかラジオで聞きますと、これを見ますと、東京都が十三市町村の学級が百十六というふうに出ております。しかし、財政事情もあるのでしょうが、しばらくその配置ができないというようなテレビ放送があったのですが、そういうところもあるのでしょうか。大体どういう情勢が把握されておりますか。
○諸澤政府委員 全国的な状況を見ますと、東京都と大阪市、それから北九州、これにほとんど集中するのでございますね。したがって、その他のところは比較的数が少のうございますから実施しやすいと思うのですけれども、やはり東京都が一番多いという関係があって、多少そこのところが調整に手間取ったところがあるのではないかというふうに思うわけでございます。
○山原委員 この二百十八という数字が市町村ですが、たとえば私の県は市町村二つとなっております。指定学級数が二つとなっておりますが、各県ともずっと出ておりますけれども、この数字は三年間動かないのですね。この前文部大臣から人口減少の対象になる市町村は一千市町村というふうな御答弁があったのですが、その中の今回適用されるものが二百十八市町村ということで、たとえば来年度一年生が二年生になる、そこへ入ってくる一年生がまた四十人学級でいく、こうなっていきますね。そうしますと、この二百十八という数字は三年間動かない数字なのか、あるいはもっと拡大することになるのか、その辺ちょっと伺いたいのです。
○諸澤政府委員 この二百十八という市町村は、昭和五十四年の五月一日を起点にして五十五年、五十六年、五十七年と三カ年、それぞれの五月一日現在の子供の数が前年度に比較して減る見込みの市町村ということですから、これは動かないわけでございます。
○山原委員 そうしますと、結局五十五、五十六、五十七年というこの三カ年は二百十八市町村で行われる。全国三千の市町村がありますから、そのうちの二百十八ということなんですね。それから実際に四十一人以上の学級が小学校でたしか八万七千という数字がございますし、中学校は六万六千というような数字ですから、確かに発足をしたと言えるとしましても、本当にこの三年間で二百十八市町村、パーセントで言いましたら小学校で四十分の一というようなところ、こういう実態なんですね。そういう点で相当財政の重みというものがここへ集中しておるという感じがするわけです。これは一つの問題だと思うのですね。まさに確かに発足をしたんだけれども、それは国民の要求も激しいし、落ちこぼれとか非行をなくすために四十人学級をつくれという国民的な、また国会の決議もあるということでとにかく発足はしたんだけれども、実態としては余りにも惨めな実態ではないかということです。実は私ことしは二百十八で発足して、来年はもっとふえて、再来年はこの数がもっとふえるというふうに感じておったのですが、これは動かないということになりますと、三年間というのは本当に教室の増もなければ、人件費はある程度伸びるわけですが、四十人学級の発足の三年間としては余りにも惨めな状態ではないかというふうに感じますが、この点どんなお考えですか。
○諸澤政府委員 おっしゃるように確かに全体の学校に比べますと数が少ないわけでございまして、それを先生御指摘のように少し惨めだというふうにお考えかと思いますが、私はやはり現在この計画を五十五年度に発足させたというところにきわめて意味があると思うので、その段階で、たびたび申しますけれども、五十五、六、七の三カ年はまだまだ子供がふえて急増期に当たるわけでございますので、発足としてはそういうところを除外せざるを得なかったわけでございますから、その数は少のうございますけれども、ここで五百余の学級が四十人学級として新しく制度的に発足したというところに意味があるのではないかというふうに理解しておるわけでございます。
○山原委員 その次に、今度は発足をしまして三年間はそういう状態で、いよいよ五十八年度から生徒の減に入っていく段階から学年進行でいくということですが、それで十二年ですね。いままでの定数改善の経過を見ますと、歴史的な経過から言いますならば、第一次定数改善が昭和三十四年から三十八年、このときに超過密学級五十五名というようなものを五十名にするということがなされたわけですね。それから第二次定数改善が三十九年から四十三年、このときに五十人から四十五人に五カ年でやったんです。これも五カ年計画ですね。それから第三次五カ年計画、第四次五カ年計画、ここでは複式の変更とか教員配置を改善するとかいうことがなされてきたわけです。こういう戦後の日本の教職員定数改善は一次、二次、三次、四次というふうに五カ年計画で来ているわけですね。しかも、いつも財政が豊かであったわけではありません。実に財政はその都度厳しい状況のもとで、とにかく第二次のときには確かに生徒数の減少がありましたからやりやすかったことはやりやすかったかもしれませんが、しかし五カ年で五十名を四十五名にしているわけですね。 さて、それからずっと来まして四十五名になりましてから十一年経過したんです。そして四十五名に出発したときから比べますと実に十六年かかっているのですね。この第二次計画のときにすでに四十人論争が行われているのです。これは局長も覚えておられると思います。このときに、いまも話に出ました学級の適正規模については検討しなければならぬということを荒木文部大臣がすでに言っているわけですね。これは十六年前のことです。そしてこれを受けまして四十九年の定数改善の法案審議に当たりまして附帯決議がつけられました。その附帯決議は、先ほども御質問がありましたように五年間の計画中に次の計画を立てるという附帯決議です。それから昨年度一年空白を置きました。そして今年度から発足する、こういう経過ですね。この流れから見まして、いままで歴代の文部大臣がやってきました定数改善というのは五カ年計画でやっています。今度は十二年というふうになってくるわけでございまして、これは余りにも長いという声が出てくるのは当然のことです。 私は、文部省自体がこれを正当化する——国会のやりとりですから文部省がこれはけしからぬなんということは言えないと思いますけれども、本当にこれを正当化する必要はないと思うのです。第一、文部省自体が概算要求のときには九年間でやっているわけですから、その九年間の案の中にはかなり積極的な中身がありますから、それが予算折衝の過程で十二年間に延びたということについては、私は本当にいままでの定数改善の法改正の流れからいってもむしろ改悪じゃないか、改善というよりも改悪につながってきたのじゃないかという感じがしておるわけでございますが、これについて文部省はどういう感慨を持っておられるか、伺いたいのです。
○谷垣国務大臣 過去においていろいろな努力もあり、またその環境もありまして出てきたわけでございます。問題は、要するに四十人学級というものが五十五年度から発足するのかしないのか、もう一年待って、あるいはもう二年待って五年計画ができるのかどうか、そういう問題も含まれておりつつ予算折衝をするわけでございます。私は、従来からの国会におきます決議その他の状況から考えまして、まず五十五年度から発足すべきである、こういうふうに思って努力をさせていただきました。十二年という年限は、見ようによりますと長いという御意見も出てくることだと思います。しかし、なぜ十二年という年限をとらざるを得ないかということ、これもまたあるわけでございます。それはもうすでに議論がされておりますが、国の今日のようなどうにもならない財政状況というもの、これを何とか立て直さなければならぬという要望が片一方ございますし、また市町村の状況を見ましても、人口増の進んでおります地帯は新しい施策をいたしますことに財政的に非常に困難な状況も訴えてきておる、こういう状況であったわけでございます。 そういう状況でございますので、私は確かに文部省といたしまして当初の財政当局との予算折衝におきまして九年の計画をもって折衝いたしましたけれども、その結果として政府全体の決定をいたしました段階は十二年というところにぎりぎり落ちついたわけでございます。いろいろな見解はあろうと思いますが、私はやはり五十五年度から出発をするということが従来からの文教委員会におきます御決議等から考えてみても大切なことだ、こういうふうに考えてこういう結果になったわけでございます。
○山原委員 教育といえども国の財政を抜きにして勝手なことを言うことはできないことは当然でございます。幾ら教育が大事だからといって、全く国の財政を無視してやるということはできませんけれども、しかし本当を言ったら、私どもの子供のときは、日本は貧乏な国だというふうに言われてきました。また、本当に豊かな国だというようなことは余り聞かずに育った記憶があるのです。それから戦後になりまして初めてGNPが世界第二位になったとか言われますけれども、しかし財政危機、財政困難ということはいつも聞かされるわけですね。教育の問題に携わっておりましても、教育予算の問題について、いつも日本の財政はこういう厳しい状態だということがまとわりついてくるわけです。だからいままでの定数改善のときだって、財政状態が豊かだったからできたということはありません。 私は後で示しますけれども、あの戦後の焼け野原の中で六・三制を確立したときのすさまじい教育論議というものを考えてみましたときに、あのときは本当に国の予算の中には中学校の教員の給与費が組まれておるだけで、設備なんかゼロだったわけですね。その中で、あの学校が焼かれておる中で教育復興が行われた。国会などの審議の経過を見ましても、涙を流しながら教育論争が行われているわけです。あの惨めな、あのすさまじい荒廃の中で、しかもそこで六・三制を確立していくという日本の教育者あるいは日本の国民の迫力。しかも、あのときは文部省も必死になったわけですから、文部省の局長が委員会で泣いて訴えるわけですから、これだけの迫力といいますか、これだけの教育立国の気魄といいますか、そういうものが問題を解決してきている原動力です。そんなことを考えますとちょっとのんびりし過ぎておると私は思いますよ。そういう日本の子供のいまの非行問題も、いつでもどこでも言われる体が弱った問題とか、ゆとりの問題とか、親たちも本当にたまらない受験地獄とか、こういうときに日本の教育を本当にどうするかという点では、文部省ももう一度初心に返って、この改善に立ち向かう気魄というものをもう一回取り戻す必要がある。本当に私はそのことを訴えたいのです。 そこで委員長、御了解いただきまして、私はこの間の予算委員会でも配った資料ですが、これはもう皆さん御承知だと思いますけれども、質問の資料として配らせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○谷川委員長 はい。
○山原委員 財政問題ならば財政論議が行われなければならぬと私は思います。たとえば十二年間に教育予算がどういうふうになるか、あるいは生徒の増減はどういうふうに動いていくか、あるいはそれに伴う教職員の定数はどのように変化していくか。十二年間にわたる財政論議が行われたかというと行われていないんですね。昨年の十二月になりまして予算折衝の中で初めて十二年という案が出てきましたから、教育をめぐる財政論争というのは恐らく行われていないと思う。ここに今度の最大の欠陥があると私は思っています。その意味で、この資料を見ていただきますと、これは文部省からいただいた資料が中心ですから、私がつくったものはございません。 そこで、資料2のところの一番左、これが生徒の増減に伴う教職員の自然増減であります。それで見ますと、昭和五十七年までは先生の数はふえていきます。五十八年からどんどんどんどん減り始めるんですね。六十四年、六十五年、六十六年になりますと、この三年間の計数は文部省の方の推計を三つに割ったものですから変動は多少あると思いますが、恐らくもっと減るんじゃなかろうか。たとえば昭和六十四年度になりますと、小中学校の教職員の定数減は実に一万一千四百七十二名という数字になってくるのです。 そこで、文部省が十二年間に四十人学級でふやす教職員の増はその右側にございますが、多少これは変化があると思いますけれども、予算委員会で文部省から出していただきました十二年間の数字です。この数字が四万三千百四十二名。そのほかにいわゆる一般的な教職員定数改善がございますが、この数は、途中は年次計画がございませんのでわかりませんが、トータルは三万八千五百三十二名となります。この二つ合わせて十二年間八万一千と言われておるわけなんですね。ところが、八万一千ではありますけれども、実はこの一番左側にあります三万という教職員の減がございます。そうしますと、結局教職員の増減は五万何がしというプラスが出てくるわけですね。これがその十二年間にふやされるものなんです。 そして一方では、教室の増を十二年間のものを文部省から出していただきました。これが合わせまして十二年間に八千三百六十教室。金額にしますと、一教室二千万円としまして約千六百億円ですね。ところが、一番上の資料1の「最近三年間の教職員の増員数」を見ますと、五十二年度が一万五千七百六十二、五十三年が一万七千六百四十八、五十四年が一万六千三百三十というふうに、生徒の自然増に伴って教職員はずっとふえてきている。これだけの財政支出が現在行われている。ところが、五十八年、五十九年、六十年となってきますと、先生の数は減ります。この間も申し上げましたように、新しく入ってくる先生は恐らく給料が安いでしょう。やめていかれる先生は給料が高い方です。そして年次別に割ってみますと、もう六十、六十一、六十二、六十三、六十四、六十五、六十六年あたりになってきますとほとんど差し引きゼロ、こういう事態が起こるんじゃないか。しかも、ことしだけでも施設増に二千二百億を使っておりますから、十二年間に八千三百六十教室、千六百億円、現在の一年分を十二年間で解消する。こうなってきますと、まさに大蔵大臣が言う芸術ですわね。大蔵省にとってみれば、財政支出は全く微々たるものになってくる。教育予算の面から見るならば、それをとことんまでダウンするという結果になるんじゃないか。この辺を分析をされているでしょうか。私の言うことが間違いでしょうか。伺っておきたいのです。
○諸澤政府委員 おっしゃるように、十二年間のトータルを見ますと実質の増は五万程度になるわけでございますが、過去の例を見ましても、先ほど先生から御指摘がありましたように、第二次五カ年計画、この時期に四十五人にしたわけですけれども、このときもやっぱり子供の数の減に伴って教員の減というのが七万八千あったのですね。そして四十五人学級にするために、四十五人学級の方は二万七千ですけれども、その他の増を合わせて六万一千の増で、七万八千の減に対して結局五カ年間で一万六千二百七十七の教員減の中で四十五人学級を実現したということでございますから、やはりこういう計画は児童生徒の減という傾向を念頭に置きながらやってきたというのが実績ではなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。
○山原委員 幾つか伺いますけれども、私はこれを見まして、本当に教育予算の観点から見ましても、十二年という計画を動かさない、法律で決めて、そして八万一千という規模でやるならば、四十人じゃなくて三十五人とか三十人の目標を立てないと矛盾が出てくる。たとえば教員の需給関係はどうなるでしょうか。教員の改善増を見ましても三万八千五百三十二ですが、大体このうちの大半が五十五、五十六、五十七年に集中すると思います。そうしますと、五十八年度あたりから採用するといいますか、新しく入られる先生の数というのは、本当に平均しますと大体年間千何ぼという数字になってしまいまして、いま教育学部だけでも卒業する生徒が二万八千人おるわけですからね。そのほか教員になる方はたくさんおいでになるわけですが、その需給関係なんかうまくいくのでしょうかね。そんなふうなことをかなり綿密に検討されての上だったら私はわかりますけれども、そんなことは検討されておるでしょうか。
○諸澤政府委員 いま小中合わせまして校長、教員の総数はたしか七十四、五万じゃないかと思います。それで、御指摘のように確かに一方で自然減がございますけれども、総トータルにおいて十二年間に五万の定数増があるという要素が一つございますね。それからいま申しましたその七十何万のうち毎年どれだけ自然退職して交代率があるかという退職率の問題ですが、これは実績としてたしか三%ぐらい見ているわけですね。そうしますと、これが二万以上あるわけでございます。 そこで、それをどういうふうに割り振っていくかということでそれを考えました場合に、やはり自然増のあるときには余り改善増を多くとらない。そして五十八年以降自然減の実態にある程度適応しながらやっていくということによって、急激に教員の採用を減らしたりとめたりという事態が起こらないように今後改善工夫をしていこうというのが私どもの考え方でございます。
○山原委員 全国調査をやられたわけですから、それに基づきまして、そういう点についても計算がされておると思うのです。この点では去年やられました調査というものをあらゆる面で文部省としては活用しておると思いますが、そういう点での分析はかなり綿密にできているのでしょうか。
○諸澤政府委員 できるだけそういう点も考慮しながら計画は立てたつもりでございます。
○山原委員 いま申しましたように、財政問題と無関係にいろいろなことを申し上げることはできませんが、確かに文部省から提示されました数字を見ましても、教室増にしてもあるいは教員の増にしましても、この十二年間案でいきますと、それほど大蔵省の困るような案ではない。私は、その点では、予算折衝の過程で文部省が九年案を出されて、そしてそれが十二年になったということの中に、そこのところの、確かに予算折衝の最終段階でございますからそういうこともあり得るかもしれませんが、ここに一つの落とし穴があるのではないか、もっとこのときに分析をしておれば、もっと早く四十人学級を実現し得たのではないかという感じがするわけです。その点は指摘をしておきたいと思います。 それから、これと関連しまして、これも先ほどから出ております大蔵大臣と文部大臣の確認事項でございますけれども、これはもう重ねて申し上げることはいたしませんが、とにかくこの中には、計画期間は十二年、それから改善の規模は、要するに増員も含めて八万人程度とする。その次に、「財政再建期間中(特例公債から脱却するまでの期間)は、教職員の改善増は極力抑制する。特に児童生徒数の増加に伴う教職員の自然増が見込まれる昭和五十七年度までの間は、厳しく抑制する。」こういうふうになっております。そうすると、この特例公債から脱却するまでの期間というのは、先ほども質問がありましたけれども、大蔵省の試算によれば五十九年ということになっておりますが、こんなことはできぬことはもうだれも——大蔵委員会におけるやりとりを見ましても全く試算ですから、そうしますと、この特例公債から脱却する期間が続いていく間は、これはいわゆる「教職員の改善増は極力抑制する。」部類の中に組み込まれるわけですが、その辺はどんなふうな判断をしてこの確約をされたのか、伺います。
○谷垣国務大臣 先ほど来高橋委員その他にお答えをいたした点と重複をする点があろうかと思いますが、これはそのときの状況あるいは今後予算を折衝いたしますときの状況によって変わってくることだとは思いますが、この三項も「財政再建期間中は、教職員の改善増は極力抑制する。特に児童生徒数の増加に伴う教職員の自然増が見込まれる昭和五十七年度までの間は、厳しく抑制する。」逆に読みますと、昭和五十七年度まで、つまり五十五年から三年間の状況よりももっと厳しくやるとは、この記事は書いてないわけですね。いま言っておりますように、三年間はむしろ人口の減少地帯のところで、先ほど来お話がありますように三年間やっていこう、五十八年からひとつ本格的な人口のふえているところもやっていこう、こちらはそういうふうに考えて御説明しておるわけでございます。この三項の読み方はいろいろあると思いますが、したがいまして、ここ三年の状況よりもより厳しい状況というものは、この文言に関する限りは出てこないのじゃないかと私は思うのです。しかし、そういうことよりもそのときの財政状況その他がどのように厳しくなってきているかどうかという問題の方が現実的には大きな影響を与えると思います。また、教員の関係から見ましてどういうふうにしていくのかということの方が大きな影響を与えることと思います。 再度繰り返しますように、ここの確認事項の文字で書けてないかもしれませんが、昭和五十五年度からこの四十人計画その他を発足させることとするという、これは書いてないのですが、ここに書いてあるのは、「こととするが、」と書いてある「が、」の方以下が大変どうも強く印象されるようでありますが、実際の交渉は実は五十五年度から発足するのかしないのか、五十五年度予算についてはノーと答えるのか、いやいやどうしてもやれといっておるのか、ここのところが実際はネックであったわけでございます。過去のことを言っても、それは一つのことになるわけでございまして、私といたしましては、この約束をしておりますように、十二年の間にこれをやっていくということに努力をさせていただきたい、またそういうふうにいたす、こういうことでございます。
○山原委員 特例公債から脱却するのが五十九年というふうに試算では出ていますけれども、それはわからぬわけですね。むしろ大変な国債残高が出てまいりまして第二次財政危機が到来するのではないかというような財政論議も行われておる今日でございますから、そういう意味では、これは大変な事態を迎えると思うのですね。そのときに、さて五十五年、五十六年、五十七年と三年たちまして五十八年度から発足をする、三年加えまして十二年になるわけですが、その五十八年度から小学校一年生から学年進行でやるというお考えですね。それはそういうことですか。学年進行でやられるということですか。
○諸澤政府委員 これは最前も申しましたように、いまわれわれがはっきりしておることは、減少市町村について五十五年度の一年生から発足するということだけでございまして、次はいつやるかということは確定をしているわけではございませんけれども、一つのめどとして、次には五十八年度から残りの市町村について小学校一年からやりたいというふうな考え方を持っておるということでございます。
○山原委員 やりたいという希望ですね。だから、やりたいから、一年からやるから九年になるから、三年の最初の踏み台を入れまして十二年という計算ですが、これといわゆる財政再建との期間の問題はもうすっぱりと切り離して、文部大臣としては五十八年度から小学校一年生からやれるんだというふうに、希望だということですが、確信を持っておられるかどうか、これは伺っておかないと、十二年たって、必ずしも十二年に学年進行でいかないで、途中がぎくしゃくしながら、最後のところは、とどのつまりは十二年目にいくんだということなのか、その点はどうなんですか。
○谷垣国務大臣 これはここで書いておりますように、三年間の後、五十八年度からやっていく、こういう私はつもりでございます。
○山原委員 それで五十八年度から仮にやるとしますと、これから全国調査が、先ほども資料要求がありましたけれども、どういうふうになるかということですけれども、たとえば先ほどの資料を見ましても、大体区切りをつけまして、六十年とか六十三年とか六十四年とかいう点を考えますと、どんなふうになっておるんだろうという感じがするのです。これは前にも申し上げましたが、たとえば過疎地域、過密地域に一体どういうふうに変化が出てくるかということは、この前の全国調査をコンピューターに入れて調べているんでしょうか。たとえば過疎地域においてはもう問題がなくなってくる、あるいは四十人学級にできるような状況が生徒減のために出てきた、ところが過密地域においてはこれだけのところができない問題が残るとか、そのためには財政措置がどれだけ要るかとかいうような計算はされているんでしょうか。
○諸澤政府委員 全体的な見通しになるわけでございますけれども、いま申しましたような十二年計画でやった場合に、全国的に四十人学級実現に必要な教員数は四万三千人でございますが、そのうち急増地区だけで約二万四千人くらいの増になるであろう。それから一番問題になりますのはその場合の施設の問題でございますけれども、全体としては四十人学級実現のために八千三百六十学級、さっき先生お話しのとおりでございますが、そのうち人口急増地帯で四千四百九十七というようなことでございますので、これを十二年でやるといたしますと、運営としてはこれが適切に実施できる見通しであるというふうに考えておるわけでございます。
○山原委員 これを見ましても、いまおっしゃったように、教室増八千三百六十の大体半分が過密地の問題として残ってきますね。そうしますと、この十二年間たっておりますうちに、十二年という法律の枠組みというものは、過疎地帯に対してはもう教室を建てなくとも生徒減のために大体四十人学級ができるというところも出てくると思うのです。たとえばある一つの県を考えますと、四十人学級は教員の配置さえすればほとんどできる、一校や二校団地ができるとかいうようなことで残るところがあるかもしれませんが、そういう状態になるだろう。それから過密のところにおいては問題が非常に集中して残ってくる。結局考えてみると、この十二年案というのは、一番早く解決をしなければならぬ過密地域が十二年の後の方まで残されてくる。それから過疎地帯の方では教員の配置さえできれば四十人学級はできるんだけれども、これも逆に十二年間という法律の枠組みの中でやり切らない。先ほども御答弁がありましたように、たとえば県独自でここはやりたいとか、あるいは市町村におきまして、うちの方はもう大体できる可能性が出てきたんだから四十人学級に踏み切るよといった場合にも、その教員の配置に対しては国はもちろん補助はしませんし、そういうことをしてもらっては困るというお話ですね。それは制約があるんだということになりますと、十二年の中でできる地域も出てくるし、それから非常に困難な地域も出てくるが、過密のところは後へ回され、過疎のところはできるんだけれども十二年の法律の枠が足を引っ張るということになるんじゃないかという心配を私はしているんですが、これは全くの杞憂にすぎないんでしょうか。
○諸澤政府委員 確かにおっしゃるように、個々の市町村、学校の例をとりますと、ある市町村のうちほとんど全部の学校は、ある時期から四十人にしても教員さえもらえばやれます、しかしある一校だけは、そうはいきませんというような学校があったり、あるいは特定の学校は一年おくれになります、ことしの例で言えば、ことしからはできないけれども来年ならばその余裕が出てやれますというところも調べたらあると思います。 それにどう対応するかということなんですけれども、私どもはそういう場合に、できるところから、いつからでもいいから始めるという考え方はとれないんじゃないか。これは一つの制度の仕組みとして全国的にやるわけでありますから、スタートの時点はあるところで過疎過密と差ができるところに問題があるという御指摘があるんですけれども、やはり決めたらそこでやっていただく、そういうふうにしないと実際問題として毎年度ばらばらにスタートするということは、こういう制度の運営としてはちょっと適切でなかろうというふうに判断しているわけです。
○山原委員 そこで教室増にしましても、これは管理局長おいでになりますけれども、それほど重荷になるようなものではないと私は思うのですね。過疎の方は、いまお話があったように教員の配置さえできれば四十人学級はもう踏み切れる、六十年あたりからほとんど踏み切れるんじゃないかと私は思います。その資料なんかも私どもではできませんから、文部省が検討しておるならば——たとえば私の県の高知県なんかは幾つも残らぬと思うのですよ。六十六年まで待たなくたって、もう六十年から六十二、三年になれば四十人学級に踏み込む態勢になるのじゃないかと思うのですね。それから過密の方にしましても、それほど目が飛び出るような財政支出は必要じゃなくなっているというならば、十二年を短縮するということは当然のことになってくるのじゃないか。 それからもう一つは、もし十二年というものにどうしても固執するんだったら四十人という数字じゃいかぬですね。三十人から三十五人という目標を設定したときに初めてこの問題の解決が早くいくんじゃないか、私はそういうふうに思っておりますが、その辺は私どもは全国調査の結果を持っておりませんし、またコンピューターに入れる資料もないし、そういうことになりますと私どものこの疑問に対して文部省がこたえることのできるような資料が出るんでしょうか。おまえの言うことは全く迂遠なことを言っているというふうなことになってしまうのか、それともわりあいあたりまえのことを言っている、やろうとすればできるんだというような資料が出るのかどうか、その点ちょっと伺います。
○諸澤政府委員 全体的な見通しになりますけれども、先生御指摘のものを小学校と中学校に分けて考えました場合、一応われわれの計画としては、一つのめどとして小学校は残りは五十八年度からやる、あと中学校をいつからどういうふうにやるかということですが、これはまだ大分先のことですから具体的な案というふうには考えておらないわけです。ただ、いまお話がありましたけれども、中学校の生徒がピークになるのが六十一年なんでございますね。一部の人口減少市町村はそれより早く減るであろうということであれば、いま先生が御指摘のような点は、たったいまこれはやるというのではありませんけれども、中学も小学校と同じような考え方で人口減少市町村を少し先に、それで六十一年にピークに達する過密地帯の中学校はやはりその後でないと、子供の増に伴う教室増と四十人学級の増と重なりますから、やはりその後でないと実際の問題としてはそう先生がおっしゃるように簡単にはいかぬのじゃかなろうかというふうに考えているわけでございます。
○山原委員 小学校の場合が解決していけば、本当を言えば財政の面から見ますと、いまのこの生徒の自然増の続いてきた中の苦しさというものに比べまして、たとえば教室増にしても教職員の増にしても相当やりやすくなることは事実ですね。たとえば中学校は何も三年かからなくても、小学校の方はほぼ解決していく段階を迎えますと、中学校の場合、一挙にやれるということだって私はできないことはないと思うのです。その辺は、文部省がそれを手前に短縮してやるというようなことはいま言えないと思いますけれども、しかし財政問題あるいは教育予算の問題からしますとそれは不可能なことではないと私は思う。今日の厳しい生徒増の中での苦しさですね。たとえば施設だってことし二千何百億というものを使っておるわけです。それに比べたらこの数字だけを見ても十二年間で八千何ぼで、しかも過密が四千何ぼですから、こんなものはやろうと思えば一挙にやれるのです。そういうことを腹に入れて、十二年間などという気の遠くなるような期間に四十人学級を実現するというのではなくて、もっと手前でやれるんだということを文部省も決意してもらいたいし、場合によってはそういうことについて特別に検討することを国会側だってやっていいのではないかという感じまで持っているのですが、この点について改めて伺っておきます。
○諸澤政府委員 中学校と小学校を比較しますと、小学校は六年、中学校は三年であり、中学校はもっと一遍にやれるのではないかという御指摘なのですが、ただ実態は、小学校の場合は全学級数の二六%が四十一人以上の学級なのですから、たしか八万何ぼくらいなのです。ところが、中学校の場合は御承知のように五一%ですから、数にしましても七万幾らなのです。ということは、相対的に見た場合は、四十人以上の解消すべき学校の数は中学校の方がずっと多いわけです。しかも、集中率が過密地帯に集まっているということになりますと、これは短期間に集中的に単年度でやるとかいうようなことは非常にむずかしいのではないかというようなこともありますので、ひとつ御認識をいただきたいと思うわけであります。
○山原委員 これ以上言っても、法律を出しておる手前皆さんもそう簡単には私の言うことを納得しないと思いますけれども、本当にこれは実際に考えないと、国会議員も大半おられぬような十二年先のこと、いま三歳の子供がやっと恩恵を受けるようなことでは、これは教育政策とは言えぬと思います。提案理由の説明の中にも文部大臣はいいことをいっぱい言っているのです。いいことを言っておいて十二年だ。いま学校に通っている子供が一切恩恵を受けないということではぐあいが悪いというふうに思います。これ以上申し上げませんが、私は、この十二年間案というものは必ず破綻をするだろう、必ず手直しをしなければならぬ、そういうふうに考えておりまして、これは国民の運動がこれから起こると思いますから、それに対して文部省もしっかりこたえる体制をとってもらいたいと思います。 それから、先ほどどなたかの質問に対して初中局長は、適正な学級の規模は大体幾らだと言ったら、財政問題を抜きにしても四十人だというふうにおっしゃいましたが、それは間違いありませんか。文部省のいまの見解として、適正な規模としては四十人というふうにお考えでしょうか。
○諸澤政府委員 私どもは現段階で考えますのはやはり四十人が妥当ではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。
○山原委員 そうしますと、四十人以下の学校というのは小学校でいま言ったように七五%、中学校で五〇%という数字をあなたがおっしゃったので、それは適正規模でないところで皆日本の子供は大体勉強しておるのかということになりますね。そうすると、場合によったらまた学校統合をやらなければいかぬのかということになってまいりますので、財政問題なども考えまして、初中局長がいまの日本の文部省としては四十人とおっしゃる気持ちはわかりますけれども、四十人は適正な規模ではないということは国際的な通念だと思っています。たとえば、これはこの前にちょっと披瀝しましたが、正確に読み上げておいた方がいいというふうに思います。これはいつも使われることですけれども、WCOTPの総会におきまして、ウィルヘルム・イーバートという会長が言っているのですが、「私達は、詰め込みが学習過程を無力にしたりあるいは抹殺するような状況に寛容であってはならない。すべての教員が経験から知っているように、四十名の群と、二十名の集団の間には雲泥の差がある。この相違はゆきとどいた教育と、名前も認定できないほど多数に対する教育、参加することにだけ意義を認める教育の相違である。群(四十人)の中でまわりの子どもに話しかける子どもは授業を妨げ懲罰を受けるが、適切な大きさの集団(二十人)の中でまわりに話しかける子どもは相互に影響し合い、はげまされる。私達は都市であろうと町であろうと村であろうと、あらゆる状況の中で最善の学級の条件をそなえるために努力しなければならない。そういうことをあまりしないことは私達の無関心を暗黙に認めることであろう。」これは全米教育協会あるいは日本の教育団体も入っておりますし、全国の管理者の教職員団体も入っておるというような、世界で一番大きな団体の総会における冒頭あいさつなのです。これは単に個人の発言というよりも、世界の趨勢、世界の教育者のねらいというものは四十人が適正であるなどというねらいではないことの一つの証明でもあると思うのです。 文部大臣にお伺いいたしますけれども、私も四十人ということが日本の文部省の最終目標であってはならないと思っているわけです。ただいろいろな要素が重なっておるから、当面の目標を四十人にしておるかもしれませんが、なし得るならば、この四十名は三十名あるいは三十五名という目標を持って、日本の文部行政は進むべきであると思うのですが、この点について文部大臣の見解を伺いたいのであります。
○谷垣国務大臣 私は四十五人学級制度がとられておるときでも、実際どれくらいになっているのだと聞きますと、平均の数字になるのでしょうけれども、小学校で三十三名程度、それから中学校で三十六、七名、それは地域によって違うのは当然でありますが、平均すると実際はそういうことになっているというふうな話を聞かされておったわけでございます。いま議論になっておりますのは、いわゆる定数の議論なのか実際のクラスの数としてのことなのか、私もちょっと混同して聞いておってはっきりしない点があるのですけれども、実際どれだけの数がクラスとして適切かということはいろいろと議論もあるだろうし、先ほどお読みになりましたどこかの会長さんが言われたからといって、すぐにそれが正しいというふうには答えが出ないのではないか。やはりそれはそれとしてもう少し検討を加えていかなければならないのではないかと思っております。 文部省といたしましては、いま目の前に四十五人から四十人に切りかえを発足させようとしておりますし、そしていままでずっと御議論がありますように、いろいろな問題があるわけでございます。まずこれをやっていくということ、まだ足が先に進んでおりませんときに、さらにその山の向こうに何があって、どういうりっぱな山があるかというような話をいたしますことはまだちょっと早いのではないかというふうに私は思います。いまはとにかく適切に四十人学級を実現していく。先ほど来先生は、十二年は非常に長いとか、あるいは財政状況の心配をされたり、いろいろしておられます。先生のおっしゃっていることにもそれぞれ一つの論拠があると私も思うわけでございますが、いまそういう段階に立っておるときに、適正なものは何であるかという次の山のことまでまだ申し上げる時期ではない、もう少し実際の動きができてから対応してもらいたい、かように私は考えております。
○山原委員 複雑な答弁をされておるのですけれども、ちょっと答えにくいからそういうふうに言われておると思うのです。実は五十名を四十五名にするときに、すでに当時の文部大臣は四十名をねらっているのですよ。適正な学級規模について一はもう検討しなければならぬ、四十五名でとどまっていないのですね。しかも、国会の論議というのは、四十名学級の問題がもう十六年前に猛烈な論議になっているのです。教育というのはそれくらいの展望を持って進むわけですから、文部大臣が大蔵大臣であれば、財政事情で四十人をねらっているときにそこから先のことはいま言えないと言うのです。それも五年計画か六年計画あたりで四十人学級をねらっておるならまだわかりますけれども、十二年も先になってくると、やはり四十人学級じゃなくて、さらにもっと改善された適正な規模が、たとえば三十五名ということになれば三十五名をねらっていくというような答弁が文部大臣らしい答弁ですよね。それを私は求めておるのです。 いま文部大臣が、いや三十五名がいいとか四十名がいいとかいうことは言えないと思いますけれども、しかし世界の趨勢はどうかと言えば、たとえばこの間余り時間がなくて言えなかったのですが、これはNHKの取材班のあれですけれども、西ドイツは二十名前後、イギリスが三十人前後、ソビエトが二十五名、イランが三十人から四十人、アメリカが二十人から三十人、スウェーデン二十人から三十人というふうに世界の国々はなりつつあるわけでございますから、そういう点から考えましても四十人に固執する必要はないと私は思うのです。 それからもう一つ、平均すれば三十五とかなんとか、これはまさにいままで文部省が言ってきたところの俗論ですよ。過疎地と過密地とがあって、平均したらこれくらいになりますから上等でございますいうのは、教育を知らない者の言うことで、まさに文部省らしからぬ発言ですから、そんなことで満足してもらっては困るのです。そういう意味で人数が減れば減るほどいいというような単純な考えは持っておりません。しかし、日本の文部省としては世界の趨勢もながめながら、あるいは十二年たてば世界の趨勢はさらに二十人台に入るんではないかと言われておるときに、いつまでも四十名に固執して、これを一つの哲学であるかのごとき言い方をするのは誤りではないかと私は思います。その点について御意見を伺いたい。 それからまた、国会の附帯決議は何かといいますと、四十名ではないのです。四十名以下にということが書いてあるわけですから、そういう点は理解されておると思いますので、再度御答弁をいただきたいのです。
○谷垣国務大臣 御経験の深い先生からいろいろ御意見を承りましたことは十分私も勉強させていただきたいと思いますが、いま私がやらなければなりませんことは、四十人学級を確実に実現をしていく。先ほどからおしかりを受けておりますように、一体これは財政当局に押し切られたんじゃないかという確認書までいろいろ言われておるわけでございますが、まずそれをやっていく、こういうことでございますので、十分御意見のほどは頭に入れておりますが、御了承願いたい、かように思います。
○山原委員 なかなか後へ引かない答弁でございますから、そのことはその辺できょうはおいておきますが、もう一つの高等学校の問題ですね。 今度の十二年案に高等学校の問題がないのは、これはまた一つの大きな欠陥です。四十五名という学級数ですね、これをもろにかぶっておるのは高等学校ですから、そしてそこで一番問題が起こっているわけですね。その一番問題の起こっている過密のところはもちろんですが、それは先ほど言いましたからおきますけれども、高等学校の場合は、これは現場も知っておられると思います。だから、一番深刻な事態を迎えて一番早く解決しなければならぬ高等学校がなぜ十二年済んだその先にまで引き延ばされたのか、これはどうしてもわからないところです。一番切実な問題をなぜ積極的に食らいついていかなかったのか、この点を伺います。
○諸澤政府委員 先ほども申し上げましたけれども、わが国の高等学校の今後の展望というものを考えました場合に、現在の時点における高校生の数と、昭和六十四年ピークに達しますときの時点では、百万以上も高校生の数がふえる。進学率は現在九四でございますが、文部省でとりました各県の見込みを集計しますと、六十一、二年ころには九六弱ぐらいにはなるだろうというような見込みでございますとすると、高等学校の生徒自体が百万もふえるということがいわば確実視されるわけでありますが、それに対応して、しかもその子供の進学する高等学校の配置というのは、やはり過密地帯にややもすると集中するという傾向がある。この事態に対応して、たびたび申しますけれども、東京や大阪などは現実にどこに高等学校をつくるかという、まず用地の獲得から始まって、具体的にどういう高等学校をつくるかというのが非常に困難な課題になり、結果として、ことしから東京、大阪などは一学級の最高収容人員を四十七名にしておる。また、これは文部省でもいろいろ関係者を集めて高等学校のあり方等研究いたしておりますけれども、たとえば千葉県などはいろいろな地域に高等学校を適正配置することができないので、高等学校の団地をつくって一カ所に三校ぐらいの高校をつくろうというような計画もやっているわけですね。 これは高等学校の設置が非常にむずかしくなっているという事情でありますが、そういうことを考えました場合に、率直に言って、いま高等学校の四十人学級と言っても、これは現実には非常なトラブルがあってなかなかできないんじゃないか、そういうことからして、小中が四十人にする際に高等学校の普通課程なども四十人にすることは望ましいことではありますけれども、これはこの十二年計画の期間中には、現在の時点では考えることはむずかしいという判断から外したという経緯があるわけでございます。
○山原委員 一番肝心の問題が外れておるわけですね。地方自治体も用地の取得、それから校舎の建築など大変な事態を迎えておることはよくわかります。それに対する財政措置とかいうことの手抜かりも、またこれは国政の批判されなければならぬところだと思うのです。それからまた、これは自治体の責任と言うよりも、結局高度経済成長の時代から人口の密集地帯ができる、いわば過密過大学級というのは、これはもう日本の本当の特徴なんですね。そういうものがつくり出されたところにも問題があるわけでございまして、そういったことが——だから教育というものはいろいろな意味で先々の展望を持って進められなければならないということだと私は思っておるわけです。もう行き詰まってしまって、さてと言ったところで、それはもう実際上困難な事態が発生するわけですから、そういう点の教育の長期にわたる展望というものは常に考えておかなければならないものではないでしょうか。 それからもう一つは、これと付随しまして先ほどからも出ておりました習熟度別学級編成のための教員の加配の問題がございますが、これについて全国各都道府県一ヵ所の研究校をつくるという話が先ほど出てまいりました。これはどんな目的で、どんな内容でやられるものか、簡単に伺いたいと思います。
○諸澤政府委員 これは各県の教育委員会を通じまして、習熟度別学級編成による教育を自分のところでやってみたい、あるいはすでにやっておって、そのやり方についていろいろ工夫改善をしたいという意欲のあります学級を選んでいただいて、そこに研究を委嘱して、二年間を通じてその教育方法、内容等の成果を提出していただいて他の学校の参考にしたい、こういうことで始めた仕事でございます。
○山原委員 この研究校の指定というのは、各県の教育委員会に任すことになるわけですか。
○諸澤政府委員 個々の学校というのは文部省でわかりませんから、各県の教育委員会の推薦を待ってお願いするというやり方をしております。
○山原委員 今度の習熟度別学級編成のための教員の加配は、大体何名ぐらいを考えておられますか。
○諸澤政府委員 積算としましては、十二年間に六千百十六名ということになっております。
○山原委員 ことしはどれくらいお考えになっていますか。
○諸澤政府委員 高等学校の場合は、たびたび申し上げますように小中と違って地方財政計画の積算基礎でございますから、一万名のうちの六百名を五十五年度の改善増として考えておりますので、その中でいま考えているということでございます。
○山原委員 その六百名の中に習熟度別学級編成の加配教員が入っているというわけですね。(諸澤政府委員「はい」と呼ぶ)その加配教員につきましては、たとえばそれぞれの学校あるいは任命権者である県などの自主的な教育課程や編成などに任すというふうに考えてよろしいでしょうか。
○諸澤政府委員 おっしゃるように、それをやりたいという学校に県の教育委員会の判断で加配していただこうと思っているわけでございます。
○山原委員 先ほど局長は、おくれの出た子供たちに対する学校の対応の数が多いとちょっと言っておりましたね。それもその中に入るわけですね。そういうものを含めて、さまざまな形態はあるでしょうけれども、学校で計画されておることに対して配置をするというふうに考えてよろしいのですか。
○諸澤政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○山原委員 もう一つの問題は、私は財政問題を申し上げて大変恐縮しておるわけですけれども、四十人学級という当面の文部省が掲げておる目標、また国会でも全会一致で意思統一した目標、また国民の間から出ておりますところの目標、これは当面四十人学級の実現だと思います。そこに十二年間かかる、あるいは早期に実現せよという違いがあると思いますが、こういう問題をやるのには、やはり相当の決意が要ると私は思っておるわけです。 それで、最初に申し上げましたように、私は、戦後の教育の荒廃の中で教育復興が行われましたときのことをいま思い起こします。私の県などは、戦前は旧制の中学校というのは六つくらいしかありませんでした。それがあの困難な時期に、昭和二十二年、二十三年、二十四年の段階に、たしか一挙に高等学校を二十四校設立をしたわけです。もちろん校舎も不十分でありますし、これは当時の各県の状況を見ましても、たとえば馬小屋を使ったような状態まで出てきたわけですね。馬小屋とも言われるような施設まで使ったということまであるんです。しかし、それでもとにかく荒廃した教育を何とか復興する——これはこの本に書いてありますので。馬小屋とも言われるようなというのは、えらい差しさわりのある方も……。(笑声)そういう状態ですね。それからまた、他の国の例なども考えまして行われたわけです。こういうことを考えますと、本当に、最初に言いましたように、戦後の教育に対する情熱といいますか、そういうものを振りしぼって問題の解決に乗り出していただきたい。 それから、私はこの五年間でできるという確信を持っているんです。確かに財政的には凝縮された困難性というものも出てまいりますけれども、文部省の考えられた九年案を五年間でやるといたしましても、決して不可能なことではないという数字を私ははじき出しております。たとえば人件費にしましても、小中学校で最終年度の国庫の負担を見ますと二千五百億、毎年度の額にしますと五百億という数字なんです。校舎建築にしましても、さほど驚くようなものではない。というのは、たとえばいま防衛予算の問題をわれわれも相当検討する必要があると思うんです。今度五十五年度の防衛予算が二兆二千三百二億なんですけれども、これは六・五%の伸び率で千三百五十七億ですね。五カ年計画で総額十数兆という数字が考えられております。 それからもう一つは、これは教育の問題とも関係してきますけれども、GNP〇・九%を一%にすると、これは昭和五十二年度で百九十一兆ですから一兆九千百五十億となります。五十三年度が二百九兆ですから二兆、それから五十四年が二百二十六兆円ですから二兆二千六百五十億という数字が出てまいるんです。しかも、一%問題というのは、これは本当にいま論議の焦点になっておりますから相当な金額が出てくるわけですね。 それから、飛行機の問題を見ましても、新たにP3C、これは六十二年度までに四十五機ということですから、百億で四千五百億、F15が六十二年までに百機で、八十四億ですから八千四百億、合計しまして一兆二千九百億という数字になってまいります。それを五年間で割りますと二千五百八十億ですか、こういったことを考えてみますと、国民の世論というのは、いまの防衛費についてはいろいろ意見がありますけれども、これ以上ふやすことについては相当批判的な数が圧倒的なんですね。 そんな点から考えますと、一方は堂々とGNP一%という数字が出てきておる状態の中で、われわれは、未来への使者と総理大臣が呼びましたこの子供の教育の問題について、十一年間続いた四十五名学級を四十名にするというこの目標に向かって——十二年間なんですよ。防衛費の予算はほとんど五カ年計画です。日本の諸計画の中で十二年という長期にわたる計画はないと私は思います。何かあるかもしれませんけれども、私の調べたところでは十二年という計画はまずありません。そういうことを考えますと、できない相談ではないということを強調したいと思うのです。この点について本当にやろうとするならばできないことじゃないんだということを私は考えておるわけでございますが、この点は文部大臣はどんなお考えでしょうか。
○谷垣国務大臣 先ほど来お答えを実はいたしておるつもりでございますが、政府といたしまして十二年の計画を立てて、それを実現するということにことしから出発をしていくというところに全力を尽くしてまいりたいと考えておるわけであります。 もちろん、先ほど来お話がありますように、およそ三年後にその後におきます問題を検討するという一つの約束と申しますか、そういう点を党の方から言われておりますから、その時期になりまして検討をいたさなければならないと考えておりますが、いまの十二年の計画でとにかく四十人学級を完成さしていきたい、こういうふうに私は考えております。
○山原委員 三年後の問題もあると思います。三年後というのは、いま発足して二百十八市町村から動かねわけでありますからね。三年後の五十八年度からどういうふうに発足していくかということは、当然この計画が立てられるべきでしょうし、それから同時に、文部大臣と大蔵大臣のこの約束から見ましても、これは毎年度政令で決めるという、しかもそのときには財政状況を勘案して弾力的に操作をするという約束ですから、毎年毎年これは検討していかなければならぬ課題だと思うのですね。そういう点では当然真剣な御討議をお願いしなければなりません。しかし、私どもの計算では、十分に意を尽くしませんでしたけれども、十二年間かからなくてもやれるのだという気持ちと同時に、十二年間というこの法律で決められる枠というものがかえってできるところを待たす、そして過密のところは十二年いっぱい待たされる可能性がある、そういうことには絶対にしないようにということですね。私は質問の最後に当たりましてこの点を強調しておきたいと思いますが、この点の大部大臣の御決意も伺っておきたいのです。
○谷垣国務大臣 いま御指摘のように、財政の状況等も今後どういうふうに変化するかわからないといういろいろな意見があるわけでございますし、教育の問題といたしましては重要な問題をとにかくかなり多く持っておるわけであります。四十人学級の実現は、その一番大きな問題の一つかもしれません。 そういう状況でございますので、教育全体につきまして常にその改善の方策というものは私たちは考えていかなければならぬ、そういう責任を強く感じております。財政状況等の問題がどういうふうに動いていきますか、これも未確定な要素の多い問題でございます。そういう周辺の状況をよく考えて私たちの文教行政としての責任を果たしていかなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでありまして、先生の御意見も十分にひとつ頭に入れて考えてまいる必要があると思います。
○山原委員 終わります。
○谷川委員長 次回は、明後十一日、午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十五分散会