文教委員会 第5号
- 発言数
- 177 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1980/03/07
会議録
○谷川委員長 これより会議を開きます。 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。池田克也君。
○池田(克)委員 冒頭、きのう三月六日に報ぜられました早稲田大学商学部の入試問題の漏洩事件と申しましょうか、そうした状況につきまして二、三お尋ねをしたいと思います。 この問題は、二月二十四日の試験の直後に、大学本部に学生から問題の用紙が持ち込まれた、こう伝えられているわけでありますが、文部省は、この事実をいつごろ承知しておられたのか。また、昨日の報道によれば、大学当局と接触をして事態をつかんでいらっしゃる、こういうふうに報ぜられているわけでありますが、現在までわかった経過あるいは対応した措置等について報告をしていただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 いずれ詳しくは担当局長の方から答えさせていただきますが、最初に私の方から申し上げておきたいと思います。 昨日、大学の教務部長が文部省の方に参られまして担当課長に会われまして、報告を聞きました。それによりますと、先月二十四日の商学部の試験の当日、済んでからではなくて試験の当日、数名の学生が試験問題のコピーを持参して確認を求めに来た。これを見ましたところ、まさに同じ内容であったので、教務部長と商学部の教務主任等が中心となりましてその対策を講じてきた。その学生やあるいはその学生に解答の作成を依頼しました塾の教師などから事情を聞いて調査をいたしました結果、昨日の報告の段階では、商学部の入学試験のうちに、英語と国語及び社会のうちの日本史と世界史、それから地理Bの合計三教科五科目の問題が事前に外部に漏れたという事実を確認せざるを得なかった、こういうことでございまして、早稲田大学では、三月四日の商学部の教授会で調査委員会を設けて、大学の本部と協力のもとに徹底的な解明を図りたい、こういうことでございます。 文部省といたしましては、今後大学におきます調査の進展に応じて報告があるものと考えておりますが、当面、大学がみずから事実の解明をして適切な措置をとることを期待しまして、これを見守ってまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○池田(克)委員 いま経過について大臣から御説明があったわけでございますが、経過の説明だけでなしに、文部行政の最高責任者というお立場で、この事件をどう考えていらっしゃるのか。 ちょうど折からの入試の真っ最中でもございますし、学生に与える心理的影響というのははかり知れないものがある。合格した人でも何か釈然としない。また不合格となった人たちにとっても、不正によって仮に何人かの人が合格となっているとするならば、ボーダーラインにいた人たちなどは、これはわかりませんけれども、大変不満が残ると思うのです。 私学の問題は、昨今国としても大変巨額な予算をつけてその助成振興を図っているわけでございますし、過去にも慶応、中央等でこうした事件もあった、またかと、こういうふうに思わざるを得ないわけでして、今後こういう事態を食いとめるために、この事件に対するいまの時点での大臣の御所見をぜひこの際承りたいと思うわけでございます。
○谷垣国務大臣 事が入学試験の問題でございますので、大変に残念なことに存じております。再びこういうことのないように、また、今度の問題に対してどういうような措置をするかという問題も含めまして、これは非常に心理的な影響を単に受験生だけでなく与えていることもございますので、大変残念なことと存じて、そしてとにかく当面一体何が真相なんだということをまず急いでいく必要があるのではないか、こういうふうに存じております。
○池田(克)委員 若干細かい話になりますので大学局長からお伺いしたいと思うのですが、入試問題の保管という問題であります。一般論としてこれは当然印刷という作業があり、前もってつくられた問題がどこかに保管されているということになるわけでございまして、これがたとえば盗まれるとか、あるいは何らかの方法で漏れるということは大変大きな社会的な問題となるわけでございまして、伝えられるところによりますと、大学の印刷所の保管あるいはその前後の経過等々と伝えられているわけでありますが、私たちが常識的に見て、この印刷所に保管をすることが果たして適当だったのかどうか。国立大学における事例等もあるわけで、こうした問題の保管体制というものについてはどんなふうに指導されてきたのか、その点についてお尋ねをしたいと思います。
○佐野政府委員 試験問題の作成、印刷、保管、これらについては、もちろん文部省が申し上げるまでもなく、それぞれの大学において最も慎重な配慮を払われ、単に外部に委託をしてそれを済ますということではなくて、そういう場合においても、大学側の教職員が必ずそれに関与し慎重な配慮をしているというのが一般でございます。 今回の場合でも、もちろん早稲田大学におけるそうした一応の体制に抜かりはなかったとわれわれも考えておりますけれども、そういったことを通じてもなおこのような事態がなぜ起こったのか、そういった点について大学の十分なる調査を待ちたいと思っております。 これまで私の方は、特に各大学に対して入試問題の保管等についての具体的な指示等はいたしたことはございません。それはそうした指示をするまでもなく、事の性質上大学側は十分な配慮をしていたものと考えております。
○池田(克)委員 いまの御答弁で保管等について指示をしたことがない、こうおっしゃっているわけでありますが、今後そうした保管の問題等についても何らかの指示をするなりして国民の不安――受験生及びその父兄、大変多くの人たちが関心を持っている事件でございます。そうした保管等についての何らかの措置を講ぜられるお考えはないかどうか、お伺いをしたいと思います。
○佐野政府委員 共通一次試験の実施とも関連をいたしまして、国立大学の場合には入試問題の保管についても注意を兼ねて十分なる要請をしておるわけでございますが、今回のこともございますので、今後各地で行います入試の説明会等の席等の機会をつかまえまして各大学の一層慎重な対応をお願いしてまいりたいと思います。
○池田(克)委員 もう一点。この問題の調査の進展の中で、とても大学だけでは片づかない、一部伝えられるところによりますと警察の手をかりなければならない、こんなようなことも伝えられているわけでありますが、大学当局はどのように考えていると文部省は承知されているのか、また、大臣からお話がありましたように、事態を究明して真相をつかんでいくことが何よりも先決であると私も思いますが、そうした過程において警察等にそうした処置をゆだねる、これが適当であるかどうかは私自分での評価はいまは持ちませんけれども、警察等の手をかりるかどうかの問題についてお伺いをしたいと思います。
○佐野政府委員 これは大学当局の御判断によるわけでございますが、きのうの時点で大学当局は、司直の手をかりても事柄は徹底的に明らかにしたいというようにお考えになっております。
○池田(克)委員 早稲田の問題と離れますが、山梨の医科大学とか他の国立大学等でも入試に関するミスがあった、こういうふうに報道されているわけでございますが、現在文部省が承知をされている大学のそうした入試に関するトラブルは大小ございましょう。印刷のミスとか問題の本質的な間違いとかあるわけですが、総じて幾つの大学でそうした事例がことしの春の入試であったのか、わかっている範囲でお答えいただきたいと思います。
○佐野政府委員 現在各大学での二次試験の結果についての報告を取りまとめ中でございますので、最終的な今回の第二次試験における入試問題のミス等についての集計は終わっておりません。新聞に報道されておりますように、幾つかの大学でミスがございました。その多くはいわば印刷のミスのようなものが多くて、大体試験の途中でその訂正が行われている例が多いわけでございますが、中にはいま御指摘の山梨医科大学の場合のように、問題自身に不適切なものがあってそれを採点から除外せざるを得ないというようなものがあるわけでございます。これも毎年大学側の慎重な配慮を要請しているところでございます。また、大学側もそうした試験問題の作成あるいは点検についての体制についてはいろいろと学内で検討されているわけでございますが、いずれにしても、こうしたミスがなお起こっていくことはまことに申しわけないことでございますから、さらに大学側に対して厳正な対応を求めてまいりたいと思います。
○池田(克)委員 新聞に報ぜられているところだけで結構なんですが、国立大学関係でどことどことどこがあったのか、お聞かせいただきたいと思います。
○佐野政府委員 ただいまここに資料がございません。事が事でございますので、不正確な発言をするとまことに申しわけないことになりますので、お許しをいただきたいと思います。
○池田(克)委員 私この問題を考えてみますのに、入試が乱れている、あえて私はそう申し上げたいと思うのです。これはいろいろな事情があると思うのですけれども、本当に現在の社会状況の中では入試は青年の――青年と言うよりはむしろ少年も含めた本当に真剣な研さんあるいは準備、そうしたものの一番大きな山となっているわけでございまして、その段階で青年に対する不信感とかあるいは挫折感とか、そうした気持ちを持たせること自体大問題であると私は思うのです。ぜひこの際そうした問題を根絶するべく、さまざまの施策を重ねて社会の期待にこたえるような、そうした対応を敏速にしていただきたいと思っているわけであります。特に早稲田の入試に関しては、こうした不正の資料を手にして、それによって有利になった学生が万が一合格というようなことにならないように、そうした対応、これは私はなかなかむずかしいのじゃないかと見ておるわけでありますが、ぜひそれを強く要望をしたいところでございまして、重ねて今回の事件に対し、あるいは国立大学の入試のそうした――いま大学局長からは資料の提出は差し控えられました。事柄が事柄ですから、私はここでその数や内容をあえて詰めませんけれども、ぜひある時期で、どうしたことがあったのかということを私の方に資料として提出をしていただきたいと思いますし、そのことによってより一層しっかりした教育の体制ができるように望みます。 これで締めくくりですが、いままで聞いていらして、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○谷垣国務大臣 御指摘のございましたとおり、今日の入試の状況から考えまして、入学試験の問題そのものは厳正に公平に行われていかなければならない非常に大きなそういう性格を持っておると思います。したがいまして、今回のことは非常に残念な結果であったと思います。再びこういうことが起こらないようにできる限りの努力をやってまいらなければならないと考えております。 また、先ほど若干の返事を留保さしていただきました。これは手元に資料が現在のところございませんことと、事の性格上正確を期す必要があるというおもんぱかりからのことでございますので、できました資料は御連絡をいたしたい、かように考えております。
○池田(克)委員 以上で入試関係の問題を終えまして、別の問題に移りたいと思います。 専修学校の問題についてお尋ねをしたいと思います。 大臣は、所信表明の中でも生涯教育について述べておられますし、専修学校の存在というものは今後次第に重みを持ってくるのじゃないか。わが党におきましても、文教の基本的な政策の中で専修学校というものを重視して、今後これを振興していきたい、こんなふうに考えているわけでございますが、概括的に専修学校についてどういう位置づけをなさっていらっしゃるか、また将来像をお考えになっていらっしゃるか、まず大臣から専修学校についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○谷垣国務大臣 御存じのように五十一年から専修学校の制度というものを出発させました。従来からの経緯はもちろんございますが、いわば新しい制度でございまして、私たちは、これによりまして、何と申しますか、教育が具体的な技術でありますとかそういうものに対しまして的確に希望者に対して与えられるという面で新しい一つの期待を持っておるわけでございます。そしてまた教育の多様性と申しますか、そういう意味から申しましても、これは将来ともに重要な役割りを保っていくもの、こういうふうに実は期待をいたしておるわけでございます。新しい制度でございますから、これからいろいろとこれの健全な発展をいたしますために考えていかなければならぬと思いますが、そういう期待を持っておるわけでございます。
○池田(克)委員 だんだん話が細かくなってくるのですが、専修学校の数です。これはすでに発表されておりますので、私も一応は承知しておりますが、専修学校の数が今日目覚ましくふえてきている、こんなふうに理解をしているわけでございますが、その状況と、なぜそういうふうになってきたのか、その辺について、局長の方からでも結構でございますが、お答えいただきたいと思います。
○三角政府委員 専修学校の数は、五十四年五月一日現在でございますが、全体で二千三百八十五校ということでございます。内訳を申し上げますと、そのうち私立が圧倒的に多うございまして二千五十九、公立が百三十二、国立が百九十四ということになっております。なお、ついでに申し上げますと、全体の在籍生徒数が四十一万人強でございます。
○池田(克)委員 昭和五十一年に八百九十三ですかであったことを思いますと、ほんのわずかの期間に三倍近い数になっているわけでございます。これには各種学校からの専修学校への移行ということが考えられるわけでございますが、そうなりますと、今度各種学校の方は、言うならば時代から取り残されたみたいな、専修学校でなければならないようなことになっていくと思うのですが、その間の事情、つまり各種学校はこれに相対してずっと影が薄くなってきているのかどうか、各種学校の増減の方はどんなものでしょうか。
○三角政府委員 各種学校の方は、専修学校の制度発足の直前の年の数で申し上げますと、五十年度には学校数が七千九百五十六校であったわけでございます。これが五十四年度には五千五百三校ということでございますので、約二千四百五十校ばかり減っておるというのが調査の上の数字でございます。これに対しまして専修学校は、先ほど申し上げましたように二千三百八十五校ということでございますから、数字の上で若干見合っておるのでございますが、全部がただいま池田委員がおっしゃいましたように移行したというのが非常に多いかと思います。
○池田(克)委員 今度は大学への進学率なのです。高校を出てすぐ専修学校に行ったかどうか。これはすぐ行った数から見ますとそんな大きなことにはなっていないようです。浪人をしたりする中で考え直して専修学校というのもあるでしょうし、大学の進学率がこのところ頭打ちである。一方それに比べて専修学校の進学率の方が伸びている。これは短絡的にすぐにつながるものじゃないと思うのですが、しかし一部の報道によれば、学生さんの志向というものが就職難なども背景として、より現実的な対応をなさって専修学校の方へ移ってこられたというふうな見方をする報道もあります。これは文部省としてお答えしにくい部分かもしれませんので、総じての印象としてでも結構だと思いますが、こうした大学の進学率の低下もしくは鈍化と専修学校の伸びとの間に何らかの関係があるのじゃないか、私はそういう感じを持っているのですが、その辺についてお伺いしたいと思います。
○三角政府委員 専修学校に入る生徒の数なり率なりというものは、大学を志向して大学に入る高校卒業生の数と密接な相関関係がどの程度あるかということはちょっと申し上げにくい事柄かと存じますが、数字の上から申し上げますと、専修学校の数が各種学校から転換してここ数年来急速にふえたということからくるのでございますけれども、高校卒業者が専修学校の専門課程に入った数で申し上げますと、昭和五十一年の三月の時点では約三万六千五百名でございます。それから五十二年になりますと九万七千二百名、五十三年の三月になりますと十一万三千九百名ということで、高校卒業者数の各年度の総数に対する比率で見ますと、五十一年度が二・八%、五十二年度が六・九%、それから五十三年度の数字は八・二%というようなことで、専修学校に入る方々がふえているということは事実でございます。それが若干大学へ行く方の伸びなり比率構成に影響があるかとは存じますが、それがどの程度どういうぐあいにということは、ちょっとつまびらかにできにくい事柄であると思います。
○谷川委員長 委員長から申し上げますが、答弁者は少し大きな声で御答弁を願いたいと思います。
○池田(克)委員 私も学生さんの志向についてはそれぞれの方の自由意思だと思いますから、これはつかみにくいことと思うのです。しかし、何らかの方法で追いかけることができないものだろうか。今後の大学というものを考えるときに一体どういう方向を望んでおられるのか。 実は私先般、大臣も御存じですが、予算委員会の一般質問で大学生の就職の問題を取り上げたことがございます。問題は、私の問題意職は一貫していまして、いわゆる一般教育というものを求める、大学レベルの教養を求めるということも片方にありながら、片方でやはり就職というものを意識し、大学へ行った方が就職がいい、あるいは何らかの資格を持つ現実的な専修学校を選んだ方が就職がより有利じゃないか、この三十数%に伸びていった高校卒業後何らかの教育機関に身を置こうとする青年の心理の中で、かなりの部分そうした職業との関係性というものを私は感ずるわけなのです。これを考えていくときに、今後の大学の設置やあるいはその教科の内容、そうしたものと専修学校へ進学を志し、それを満足と見ているかそうじゃないと見ているかわかりませんが、この相関関係というのは何らかデータを持って追いかけて、そしてそれを私どもも含めまして明らかにして議論をしていくことは、一人の青年が生涯どういう道筋をたどるかということを考える場合にも役に立つのじゃなかろうか、私はこう思っているわけなのですが、そういう調査を相関して考えてみるということはどんなものでしょうか。
○佐野政府委員 いわゆる後期の高等教育の整備計画を立てるに当たって、大学設置審議会の関係分科会がむしろ問題として意識をし、それをつかまえたいと苦慮をしたのがいま先生の御指摘の点でございます。明らかに高等学校新卒者の大学、短大への進学志願の状況は、五十一年から逐年若干ではございますが低下をしてきております。それに対して専修学校への子供の進学志願率は上昇しております。その間にどれだけの相関があるのかということは、先生御指摘のように必ずしもにわかには申せません。しかし、最近の高等教育への進学志願率の停滞傾向が、経済的な要因であるとか、あるいは高等学校卒と大学卒との間の生涯所得の格差の縮小の問題であるとか、あるいは雇用機会の問題であるとか、いろいろなことが総合されてそういう状況になっていることはうかがわれるわけでございますけれども、正直なところ、関係の分科会での御審議でも、そこのところはなおしばらく経過を見る必要があるということにとどまったわけであります。しかし後期の計画は、少なくともそういった前期の傾向というものがあることを前提とした上で、前期の計画を引き続き維持をして、大学の規模についてはより抑制的な対応で臨もうとしているわけでございます。ただ、そういう方向で臨む場合に、やはりこれからの高等教育への進学の動向の変化というものを常に見て、もし必要があれば計画の数値に補正を加える必要があるということも指摘をされておりますので、このことはやはり後期の計画的な整備を進めていく。今度は行政の側でそういうフォローアップをどうしてもしていかなければならない。いわば責任を負っていることでもございますから、具体的にどのような形で、これからの進学の動向なりあるいはそれと専修学校へ生徒が志向する事柄との相関というものがあるのか、検討を要すると思いますが、われわれはその点は十分問題意識として持っておりますし、何らかの対応をしてできるだけ明らかにしてまいりたいとは思っているわけでございます。
○池田(克)委員 認識はかなり共通していると、私いまのお話を伺いまして思いました。率直に申しまして、専修学校の振興策は少し遅きに失したのではないかというくらいに私は思うのです。大学の存在は非常に重要なものだと思いますが、果たしてどのくらいの国民、どのくらいの同じ年齢階層の若い人たちが大学へ行くことがいいのか。これはアメリカの例もあり、またヨーロッパの例もあり、国によってさまざまだと思います。これについて一つの線を引くことはむずかしいと思うのです。しかし、高等教育の整備計画等を見ましても、十八歳人口の推移というものを見て、それになるべく対応して学生を受け入れられるようなこうした配慮も見られるわけでございますので、大学がいかにあるべきかということよりも、むしろその年代の青年が何を望んでいるかということを的確につかんだ上の施策でないと、私は長い目で見てむだなと申しましょうか、国民の側から見ますとむだな出費というか、そうしたものを負担して――私も先般指摘しましたけれども、大学を出てから職業訓練校にまた入り直して、それがだめだというのではないのですけれども、一部の人に聞いてみますと、大学は出たけれども結局自分としてどうしたらいいのかというかなりの迷いと申しましょうか、職業的な意識というものがはっきり育ってない。こういう点を考えてみますと、いま大学局長からお話があった点をもっと深めていただいて、何らかの結論といっては何ですけれども、こうした事象というものを参考にした施策を望みたいと思っておるわけでございます。このことは御答弁いただかないで先に進んでいきたいと思います。 この専修学校の振興対策がいろいろと進められ、私も去年の七月に出されました「専修学校教育の振興のための当面の措置について」こういう調査研究協力者会議の報告を手にしたわけでございますが、いろいろとここに当面の措置がございますが、これを全部続み上げていただくわけにいきませんが、これについてかいつまんだ文部省としてのこれからの対応の考え方、優先順位と申しましょうか、ことし奨学金の問題も始まったわけですから、来年、再来年と逐年どのようにお考えになっていらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思うのです。
○三角政府委員 足かけ三年かけまして専修学校教育に関する調査研究協力者会議に非常に御努力いただきまして、ただいま池田委員御指摘の報告をまとめていただいたわけでございます。 その中の施策、当面の措置として結論的にまとめていただいたことが何項目かございますが、まず第一が、専修学校の教育内容、指導方法等の充実向上、これを図っていく必要がある。第二は、専修学校教員の指導力の向上を図っていく必要があるということでございます。第三は、専修学校生徒の修学上の諸条件等の整備を図っていく必要があるということでございます。第四が、専修学校の経営の健全性の向上、第五点が、専修学校が他の種類の教育機関と柔軟な連携を図っていくことが望ましい。第六番目に、専修学校制度について社会一般の理解を促進していくことが必要である。最後に、それらの事柄に関連いたしまして、国と地方公共団体がどういう役割りを果たしていくべきかというようなことについておまとめをいただいておるわけでございます。
○池田(克)委員 その項目は私も承知しているのですが、奨学金が一番最初に出ておるわけでございますが、その優先順位についてもお聞かせいただきたいと思います。
○三角政府委員 やはりいま池田委員御指摘になりましたように、奨学金の問題が非常に大きな事柄として取り上げられておったわけでございます。そういうことで今回の報告のいわば一つの目玉と言ってもよろしいものでございますが、これは所管は隣におられます大学局長でございますが、これをやはり優先順位の一番に取り上げまして今回の予算でお願いをしておりますが、日本育英会によります奨学金貸与制度の創設を図ったということがございます。 それから、先ほど申し上げました教員の資質の向上ということがございまして、これは五十三年度に初めて一般会計の予算で専修学校に対する措置をしたのが初めてでございますが、専修学校の教員の研修事業費の補助を始めましたが、これにつきまして若干でございますが、さらに拡充を図ってまいります。 それから、新たに専修学校の、先ほど教育内容の充実向上ということがございましたが、これに関連いたしまして、専修学校におきます教育についてのいろいろな意味での研究開発を奨励しようということで、それに対する補助を新たに盛り込んだ形で明年度の予算をお願いしておるわけでございます。 それから、従来からの施策を充実するということも必要でございますが、私学振興財団の貸付事業につきまして貸付枠の拡大を図った次第でございます。 それからもう一つは、税制上の優遇措置といたしまして、年々少しずつ優遇措置を拡大してまいっておりますが、明年度につきましては、専修学校において直接教育の用に供する電気及びガスに対する税を非課税としていただく。 それから、一定の専修学校につきましては、これに対するいわゆる指定寄付金、これの対象範囲の拡大を図るというようなことをいたした次第でございます。 でございますから、この報告を受けまして、大切なことにつきましては一応の手当てを始めるということにいたしたわけでございます。 将来につきましては、これらの手当てにつきまして、できますればさらに必要に応じて内容の充実を図ってまいりたいと考えておる次第でございます。
○池田(克)委員 概略わかりました。奨学金の問題ですけれども、ことし二億の予算が計上されておるわけでございます。この二億という金額をどういう根拠ではじいていらっしゃるのか。また、専修学校の学生の経費というものがどの程度かかっているのか。それによって二億等の奨学金というものも計算されたのではないかと思うのですけれども、概要を聞かしていただきたいと思います。
○佐野政府委員 この点は、まず高等課程と専門課程を対象とすることによりまして、貸与月額については、高等課程については高等学校の一般貸与と同額とする、専門課程については短期大学の一般課程と同額とするということをまず前提といたしました。 それからその次に貸与人員でございますが、これは初年度のことでございますので、いろいろと検討をしたわけでございますが、最終的には対象となる生徒の数の一%、これを貸与人員としてとらえたわけでございます。それが千名、高等課程が二百人、専門課程が八百人、これを基礎として今年度の専修学校生徒に対する奨学金の予算をお願いしているわけでございます。
○池田(克)委員 経済的理由で修学困難なという事情ですが、これは大学、短大等と比べまして、そういう状況の人が、数の問題も必要かと思いますが、専修学校の方がより厳しい人たちが多いのでしょうか、あるいはそう大きな違いはないと見ていいのでしょうか。
○佐野政府委員 昭和五十四年度に専修学校生徒に関する調査、これはサンプリングで実施をしたわけでございます。これで見てまいりますと、高等課程について申しますと、学費、生活費を合計いたしますと四十八万九千円、この時点での高等学校の場合には同じ数字が三十五万六百円ということになっております。ただ、専門課程の方へまいりますと、その学費、生活費を合計した額が、これは、平均でございますけれども七十二万七千円、これに対して短期大学は八十二万四千九百円ということになっておりますので、高等課程の方は高等学校よりも学生生活費の額は高い。これに対して専門課程の方は短大の方がやや高い。そのような状況でございます。
○池田(克)委員 前もってお話ししなかったのですが、これはどういうふうに考えたらいいのですか。つまり高校の人たちより専修学校の方が高い。それから短大となりますと短大の方が高い。専修学校といわゆる短大、高校と、いままでどちらかというと、古い伝統のある制度と比べてこの段階で入れかわってきているのですね。すぐにお答えをいただけないかもしれませんが、大ざっぱでも結構ですが、どういうふうに理解したらいいのでしょうか。
○三角政府委員 どうも細かいことはちょっとまだわかっておらないのでございますが、先ほども申しましたように、専修学校のほとんどが先ほども申しましたように私立でございますし、それから一つには技術、技能を中心とする実学教育でございますので、材料費とかそういったものについては一般教育よりは若干お金がかかるというケースがあり得るかと思います。ただ、それもそれでは短大と専門課程とどうなるのかということになりますと、そこまでの分析がちょっとまだできかねておるのが事実でございます。
○池田(克)委員 私、素人考えですけれども、逆になってしかるべきじゃないかなと思うのですよ。つまり、いわゆる普通高校に行かないで、中学を出て高校の年代を専修学校で直接的な技術を身につけながら過ごしていこうという人たちは、ある面では実社会にすぐ出ていくという状況ですね。 それから、短大じゃなくて、専修学校を選んだ方々につきましては、ある意味ではそうした特殊な技術を高校レベルを卒業してから後につけていく。ですから、逆になってしかるべき数字じゃないかな。これは制度が発足してまだ日も新しいですし、この問題だけを取り上げて云々できないのですが、私はそういう感想を持っているということをこの際申し上げて、このことについての答弁はいただかなくても結構でございます。 二番目に、互助共済災害補償制度というものを検討していきたいと報告は述べているわけでございます。これは具体的な進め方をいま始めていらっしゃるのでしょうか。
○三角政府委員 この提案を受けまして以来、全国の専修学校、各種学校の連合会がございますが、そこでいま検討を進めておられると承知いたしております。
○池田(克)委員 三番目に、国家検定それから国家資格、ここは私大変興味を持っていることなんです。「国家資格・検定制度における受験資格等について、大学、短期大学等の他の教育機関に対する取扱い等を考慮しつつ改善が図られるよう検討することが望まれる。また、国家資格・検定制度等のない分野にあっては、生徒の学習意欲の一層の向上に資する等の観点から関係団体による自主的な検定制度を設けることについて検討することも考えられよう。」と抽象的に書かれているのです。でも、大事なことだな――つまり高校を出て資格を取りたいという人たちは事実多いですね。しかし「大学、短期大学等の他の教育機関に対する取扱い等を考慮しつつ改善が図られる」というのはよくわからないのです。これはどういう具体的な内容か、何か例を示して教えていただきたいのです。
○三角政府委員 現在いろいろな意味での資格制度あるいは検定制度、国家試験制度というのがあるわけで、たとえば理容でも美容でもそうでございますし、あるいは建築関係もそうでございますし、その他そういう技術というよりはむしろ計算とか簿記とか、そういった面でもいろいろあるかと思います。これは必ずしも私どもいわゆる教育行政に直結はしておりませんで、それぞれの事柄を所管する各省が必要な基準等を設けまして試験等を行っているわけでございます。その試験の受験資格については、専修学校の実態をよく見ていただきまして、そして実態の上から適当ではないかというふうなものについては、できるだけその他の教育機関がいま持っております程度まで優遇していただきたい、そういうのがここで述べられておりますことの趣旨でございまして、私ども文部省もそういう意味でできるだけバックアップしなければなりませんけれども、それぞれの専修学校ないしは専修学校の団体の方からもそういう意味での働きかけというか、あるいは御自身で実力も涵養していただきながら、そういう方向に持っていくことが好ましい、そういう意味の提言でございます。
○池田(克)委員 たとえばほかの学校を出たら、その卒業資格が即そうした検定合格、こういう連動性がある、こういうことを意味するのでしょうか。専修学校もそれくらいの配慮をしてほしい、こういうことなんでしょうか。
○三角政府委員 事柄によりまして扱いが異っておるケースが間々ございますので、そういうものについて、いま委員御指摘のように同じような取り扱いにしてほしい、こういうことでございます。
○池田(克)委員 この検定制度、国家試験、いま資格時代だなんて言われまして多種多様な資格があるわけで、それがいい、悪いということはいろいろあると思うのですけれども、しかし社会の多様化の中で一つの資格を取って社会へ出ていきたいという人は多いわけです。そういう状況の中で、この点についてはなるべく積極的な推進をするべきだ。そして特に高校レベルの、高校卒の年代――中学を出てから専修学校に入って、その卒業段階で何らかの資格というものを持てるように、これは非常に大きな意味を持つのじゃないか。いまお話があった部分は、いわゆる専修学校はいま三種類ございますけれども、ともにそういうことが考えられているのでしょうか。
○三角政府委員 非常にいろいろな制度がございまして、制度ごとに仕組みが異なっておるわけでございますが、高卒相当のものについては高卒と同じように、それから短大相当のものについては短大と同じように持っていきたいということでございます。
○池田(克)委員 私は、その同じというのじゃ物足りないのです。要するに、高校卒業段階で一つの資格が得られる。普通高校よりも専修学校の方がそうした点ではよりプラスだという形の中で――まあそうすると誘導していくように見えます。見えますけれども、私の問題意識の中には、青年期の過ごし方として一般的な教養を身につけることは、私は非常に大事だと思います。正直言って、人によったら勉強はきらいだという人もいるのです。ところが、いま父兄の意向なんか見ていますと、おれは勉強はきらいだ、中学を出て仕事につける――これはまたいろいろ諸般の事情があって、後また別の問題でお話をしたいと思うのですけれども、高校くらい出てなかったらもうだめだ。ついこの間も木島先生も高校卒は生存権だとなかなか味なことをおっしゃって、私も同感だなと思ったのですが、いま生存していくという一つのぎりぎりの段階で、親の側からすれば高校まで出さないともうだめだというふうな意識を持っているというのが多いと思うのです。そういう意味で、高等専門学校というものに若干の有利な分野というものを与えてやって、そしてその子は勉強はきらいだけれどもこういうことが好きなんだという形の中で、二年間あるいは三年間、あるいは場合によっては一年間かもしれませんが、そういう分野で力をつけて社会へ出ていくということがあってもいいのじゃないか。 今日、私立高校の一部などでは、勉強のきらいな子供もオール1の子供も何とかして入らなければならない。学校の先生も困っちゃっているのですね。意欲がないのです。それが非行に走っているというふうな一部の声を聞くときに、この専修学校というものがあって、そこを出ればこういう資格があるし、こういうふうにして非常にいい、幸せなという言葉が適当かどうか知りませんけれども、親の側から見ても子供の側から見てもよかった、こう蓄えるようなコースというものがこの部分にあるのじゃないか。こっちに力を入れて振興していくということがいまの教育全体を整えていく上に非常に大きな意味を持つのじゃないかというふうに実は私は思っているわけです。ですから、いま管理局長のおっしゃるように同等というのじゃなくて、もう一歩でも半歩でもこれにいい立場を与えてあげるような方向づけというものはないのだろうか。これは私の意見なんですけれども、それについていまの感想なり状況の対応なりがあったら聞かしていただきたいのです。
○三角政府委員 池田委員のおっしゃっております意味はよくわかるつもりでございます。 専修学校というのは、先ほども申し上げましたが、もともと技術、技能中心の実学を志向して実力を養成するという色合いの強い教育機関でございます。したがいまして、たとえば工業の関係でございましてもいろいろございまして、物によりましては専修学校での学習そのもので資格が与えられるものもありますけれども、やはり一定の検定試験というものを通らないと資格に結びつけることが適当でない、そういう分野も多うございます。たとえば看護婦とかそういう分野のものもございます。工業で申しますと、たとえば二級の建築士とか測量士、測量士補――まあ測量士補というようなものは、履修をすればその後実務経験二年で測量士になるというような制度もあるわけでございます。あとは自動車整備士、航空整備士、電気主任技術者、電気工事士、無線通信士、無線技術士等々ございます。ですから、これを所管します各省がその資格についての実力をどの程度の基準で審査をする必要があるか、その事柄の内容によりましては非常に社会的に悪い影響があってはいけないということから厳しい試験をやる場合もあろうかと思います。 そういうことでございますので、いまここで一々のことについては私どもは申し上げられる立場にございませんが、専修学校の内容の充実とも関連いたしまして、それからおっしゃいますように専修学校は普通の学校と違いまして特定の事柄についてそれをきわめていく、そういうものが多いわけでございますから、普通の学校では得られないような特典が専修学校の場合にはあるということもあってもしかるべきだとも思いますので、これは事柄ないしはその内容、分野それぞれに応じまして前から専修学校の団体もいろいろと努力してきておる事柄でございますので、私ども文部省側といたしましても当該団体にできるだけの協力はしてまいりたいというふうに考える次第でございます。
○池田(克)委員 いま私が申し上げたのは私の主張でもあり、教育をどうよくしていこうかというある部分の持論みたいなものなんで、お聞き取りいただくことで結構だと思うのです。 私は、高校を卒業した段階で一つの職業についての意識を芽生えさせるべきじゃないか、正直そう思っているのです。中にはそうじゃない人もいるわけですけれども、大学の状況なんかを見てみますと、高校卒業の段階で一つの資格を持つ、ぎりぎりそれで社会へ出ても大丈夫だという、これがまさに後期中等教育じゃなかろうか。一つの完結をここでしてあげる、社会へ出ていけるようにしてあげる。そしてその上でなお、ある部分のうんのうをきわめたいとか、さらに一般教養をつけたいとかいう方は大学へ進むことはいいと私は思うのです。今日、高校の終了時点で親も子もこれで社会へ安心して出せる、これで大丈夫だという状況になってないんじゃなかろうか。制度上はそういうふうに規定はしてないと思うのです。現実に大学へ行く方はかれこれ四割弱であって、六割の人は社会へ出ているじゃないか。統計の数字の上ではそうなんですけれども、私はそのことと社会の実感との間には若干ずれがあるんじゃないか。できれば大学へ、その方が社会に出てというような気持ちは皆さん持っていらっしゃると思うのです。これは種類によって違うと思うのです。 そういう意味で専修学校と資格、さらにもう一歩進んで、この五番目に「他の教育機関との連携」ということがうたわれているのです。これは非常に重要なことで、できるならば一般普通高校と専修学校との間の単位の互換みたいなことがあって、そして普通高校の中でも何らかのそうした選択的なことによっての授業、簿記を習いたいとか語学のそうした会話をするとか、専修学校の持っている多面的な、しかも実際的な部分を互換させていって、たとえば夜そういう一つの専修学校へ通ったというようなことが仮にあっても、それをお互いに認め合って、高校卒業段階で何らかの社会へ出る自信を持たせることが望ましいんじゃないか、私はこのように思っているわけなんですが、そのことと、あえて押しつけるつもりはありませんが、五番目の「他の教育機関との連携」、「専修学校教育と他の教育機関における教育との柔軟な連携を図るための方策について、専修学校教育の特色や独自性を損わないよう留意しつつ、今後更に検討する必要がある。」これはまた大変抽象的なことなんですけれども、私はそういう考え方を持っているわけなんです。これはどういう意図でこういう文章になっているのか、私の考えをまた照合されてどうお考えか、お聞かせいただきたいと思うのです。
○三角政府委員 これはいま池田委員お読み上げいただきましたように、今後の検討課題ということで問題提起をしているということでございますが、現在でも、たとえば高等学校の段階におきましては、専修学校と高等学校の技能教育上の連携の制度がございまして、若干の学校ではございますが、そういうことをしているところもあるわけでございます。今後そういった連携をより柔軟にしていく方向で検討を続けることが望ましいということなのでございます。
○池田(克)委員 ひとつ重大な検討課題としていただきたいのです。 同じ項目の六番目の社会の理解の問題なのですが、「専修学校の卒業生が企業等において実力相応の処遇がなされるよう企業等に専修学校に関する適切な情報を提供するなど、専修学校に対する社会の理解を深める必要がある。」こういうふうにうたわれているわけでございます。私は、これはそのとおりだと思いますし、まだ専修学校というものについての社会全般の理解は十分だとは思いません。この問題で公務員ということがうたわれてないのですが、公務員は今日青年の志向も強く、また現実的にさまざまな職種もあり、公務員についても、自治省あるいは人事院等にもこうした問題の連携をおとりになることがあってもいいのではないか、そう思うのです。
○三角政府委員 公務員につきましては、すでにかなり前、各種学校の段階からだと思いますが、内容によりまして、たとえば高卒が入学資格で二年の課程で各種学校の基準を満たして教育を行っているところを出ました寿については、短大卒と初任給から同じ給与の格づけをしていくというようなことをすでに人事院の方で先行してやっていただいております。ここでは「企業等」とはしておりますけれども、主として民間におきましても、専修学校の卒業生についての処遇について実力相応に考えてほしいということを言っておるのでございます。
○池田(克)委員 ぜひそうお願いしたいところでございます。 最後になりますが、一つは図書館の設置の問題です。図書館といっても規模も修業年限もございますので、他と同じようにというふうにはいかないと思うのです。むしろ専修学校の分野に関する資料センターみたいなものになるのではないかと思います。今日図書館問題もいろいろ論じられておりますけれども、総合的なものがあると同時に、たとえば細かい洋裁なら洋裁の資料あるいは自動車整備なら自動車整備の資料というふうな分野別の資料というものもあってしかるべきだし、都会と地方とでは違うと思いますが、一般の国民の利用する場合でも、大きな図書館で検索に手間取ったりするよりは、そうしたはっきりした専修学校のここへ行けばこういう資料があるというような形も社会に専修学校をPRしていく上には大きな意味を持つのではなかろうか。今日図書館問題は、専修学校整備には除外されているように私は理解しているのですけれども、図書館とあえて言えないまでも、そうした専門的な資料をより深めていくための施策、必要ならばそれを補助していく。資料というものは簡単になくなるものではございませんし、蓄積されて残っていくものです。日本の教育の中で専修学校という方向を大事にしていくという先ほどの大臣のお考えから見て、資料センターなども今後考えられていくべきではないか、こう思っているのですが、いかがでしょうか。
○三角政府委員 専修学校はいまおっしゃいましたように、特に当該専門に関する図書、資料、これを整備することは望ましいことでございますし、専修学校設置基準におきましても、これは必置の施設とはいたしておりませんが、「なるべく図書室、保健室、教員研究室等を備えるものとする。」こういうぐあいに言っておりまして、図書室などをつくる場合に、建物の関係の資金を要する場合には私学振興財団からの融資の対象にいたしておるわけでございます。ただ、専修学校はかなり柔軟にそして自由なあり方でやっていただくというこれまた一つの特色をもたらすものでもございますので、図書室について余り厳格な基準的な扱いはいたしにくい、そういったような事情がございますので、補助ということにつきましても、ただいまここで当面これを取り上げるという方向で申し上げることはできかねるわけでございます。
○池田(克)委員 専修学校の問題についていろいろお伺いをいたしました。私は、先ほど一つの例として勉強ぎらいな子供がなどという話をしましたけれども、専修学校の名誉のためにも、専修学校というのは勉強ぎらいな子の行くところだ、こういうふうに私は考えているわけではないのです。人にはそれぞれの特色があり、いまの普通高校の教育とか、いまの一つの流れとかになかなかなじめない、しかしながら別の面で大変な能力を持っていらっしゃる方もいる、私はこういう意味で申し上げたわけでございます。大臣、聞いていらして、私は高校というものについて私なりの認識を持ち、みんなが大学へどんどん行く、大学も最後の就職段階で苦しむ、企業がなかなか受け入れない、それで大学を出てから職業訓練を受ける、こういう状況は好ましくないと思いますので、その辺で職業意識を持たせることが必要だ、これは私の一つの考え方ですが、最後の締めくくりとして御意見を伺いたいと思います。
○谷垣国務大臣 いま先生のおっしゃっておる問題点を私もお聞きしておりまして、よく同感のできるところだと思います。とにかく専門的な技術関係あるいは職業的な立場からの技術の吸収を非常に要望されている事態が片一方にあるわけでございますし、ことに若い諸君の一年というものは非常に重要でございますから、必ずしも時間をかけて大学へ行けばいいという形だけでなくて、世の中の評価も変わっていかなければならぬ。頭の悪い人が行くなどということではなくて、専門的な技術をもっと身につけて世の中に出て行く、あるいはまた世の中に出た諸君が具体的な技術なり専門的知識が欲しい、そういうものに対しまする熱情を持って入ってくる、そういうところが専修学校に私たちが期待しているところであろうと思います。したがいまして、先ほど来お話がございましたような資格等の問題その他につきましても、現在の専修学校がどのように伸びていくか、あるいはそこに学んだ諸君がそれだけの実力を実際持ち得るか等々の問題を含めながら、伸びていくように私たちは配慮していく必要があると思っております。先ほどからその意味で非常に同感を持ちながら聞かしていただきました。
○池田(克)委員 次の問題として、私立高校の助成の問題について残されたわずかな時間ですが、お伺いしたいと思います。 私が取り上げたいのは、実は東京における私立高校という限られた部分についてであります。本来本委員会では全国的な規模の問題が望ましいのでしょうけれども、東京は首都という状況の中で、東京の持っている考え方というのをこの際取り上げ、また文部当局にもその対応について考えていただきたい、こう思っているわけでございます。 最初に、中学ではなくて東京の高校の問題でございます。私立が東京の場合圧倒的に多い、こういう事情でございますが、数の面で、人口百万当たりの私学の数、これは前もって申し上げていなかったので、そういう数の出し方がいいかどうかわかりませんが、全国平均と比べて東京の私学は非常に多い。逆に公立校が少ない。公立校の数をお伺いしてもいいと思います。最初に公立校の数から伺いましょう。東京の公立校の数、また人口百万当たり全国平均ではどのくらいになっているかということから伺いましょう。
○三角政府委員 ちょっと手元に学校の数の資料がございませんのですが、生徒数の資料がございますので、御質問の御趣旨に照らしてちょっと申し上げますと、五十四年五月一日現在でございますが、東京の高校の生徒の総数が四十六万一千九百九十四人、この中で私立高校に通っている生徒数が二十五万八千八十五人でございまして、比率を申し上げますと、私立の比率が五五・九%、こういう数字でございます。
○池田(克)委員 時間がありませんので、たとえば兵庫県を例にしますと、人口五百七万、それで公立高校は百六十七校あるわけです。したがって、公立高校の数というのはかなり比率が高い。百六十七校の公立に対して私立は四十七校。兵庫県も大きな都会を抱えている地域でございますが、公立の率が七八%という状況になっているわけなんですが、東京はその倍の一千百六十四万という人口を持っていて、公立校は百九十三校、私立が何と二百五十校、こういう状態ですね。私の方で調べてみたのですが、人口百万当たりにいたしますと、大体全国平均で公立校は三十三・七校、このくらいの数になっているようでございまして、自治省等は百七十万の人口に対して数が幾つというふうに基準を持っていらっしゃるようですが、もし文部省の方で公立高校のたとえば新設の要求に対する基準、そうしたものが目安としてあればお聞かせいただきたいのです。
○三角政府委員 公立高校につきまして、いま池田委員のおっしゃいましたような意味での特段の基準はないというふうに私は理解いたしております。これは初中局の所管事項ではございますが……。
○池田(克)委員 基準がない――公式的にはそうなんでしょうけれども、やはり新設するということが現実にあるわけですから、当然その新設の是非をめぐって何らかの検討の基準はあると思うのですね。自治省でも、何でもそうした――国民の税金を使って公立高校を欲しいという要望があり、つくるつくらないというそうした状況の中で年次計画を立てて公立高校をつくっているわけです。ですから、そういう点から見まして、私前もって申し上げなかったので御答弁いただけなかったのですが、私の調べたところによりますと、全国的に見まして、東京、大阪、愛知、埼玉、千葉、神奈川等、東京の首都圏と関西の近畿圏というところの各県は、おしなべて公立高校が大変に少ないような状況になっているわけなんですね。 私が先ほど申し上げたように、東京の財政というものが大変厳しい状況に今日なってまいりました。これはいろいろな事情があるわけで指摘されているところですが、しかしともかく日本の首都として東京の機能が麻痺するようなことがあれば、国全体に及ぼす影響というものははかり知れないと私は思うのですね。そういう意味で、卑近な例で恐縮ですけれども、東京はたとえば外国の要人も多い、あるいは中央官庁や、大臣を前にして恐縮ですけれども、各閣僚等の身辺の警護、率直に言って警視庁は東京都の予算で運営している。あるケースによればそれだけでも百八十億金がかかっている。その反面、東京はまたいいこともあるじゃないか、人が来てお金を落としていくではないか、こういう議論もあるのですが、財政が厳しい、もう破産寸前だ、大変多くの人員整理もしながら財政再建に必死で取り組んでいる状況から考えますと、この私立高校と公立高校という問題がどうしても出てきてしまうというのが実情なんですね。 しかも、これは質問としてお伺いしたいのですが、今日私立高校と公立高校との間の特色と申しましょうか、教育内容――歴史は違うと思いますが、国民から見た場合の違いですね。私はどうしてもあの私立が、こういう建学精神で、こういう制服で、こういうことを教えてくれるからいいんだ、私も私立で学びましたけれども、そういう部分が過去にあったと思うのです。しかし、いまや受験の一つの過程の中で、受験の指導をどの程度やってくれるかとか、むしろそうした私学の過去にあった建学の精神というものは本来あるのですが、偏差値で、あなたのお子さん、このくらいならここへ入れますよ、こうしたことが言われ、どちらかというと平準化されてきた。公立、私立間の一つの内容的な特色やそうしたものが失われて、ともに平準化されている。私はこんなふうな感じを持っているのです。これは初中局長の方が本当は適当なのかもしれませんが、管理局長、いかがですか。
○三角政府委員 いろいろな意味で平準化と申しますか、ほかの人と同じでないとやはり安心ができないというような、そんな感覚がかなり濃厚にありますので、そっちの方角からは平準化ということはおっしゃるとおりじゃないかと思いますが、その中にありましても、私学と申しましてもたくさんございますのでいろいろではありますが、やはり学校によりましては、宗教教育に重点を置いておるとか、あるいは体育、スポーツ等に非常に力を入れるとか、あるいは先ほどの専修学校にもありましたが、どちらかというとああいう意味合いでの実力養成というようなことに力を入れるとか、あるいは従来からの建学精神に基づきまして、一種の人間教育といいますか、そちらに非常に重点を置いてやりましたり、あるいは芸術、演劇活動といったようなものに重点を置くとか、公立に比較いたしますとその辺のところは柔軟に一つの特色を打ち出していこうという姿勢は、やはり私学の方に濃厚にあるのではないかというふうに考えております。
○池田(克)委員 その私学の特色は、私はあえて否定しないのです。しかし、現実に見ますと、公立高校は少ないし、公立へ行けないお子さんを抱えた父兄にとってはもう選択の余地がないのですね。しからば、さっきの専修学校なんか、そういう意味でも宣揚していきたいと思っているのですけれども、父兄の側から見ますと、ともかく高校へ行かないと近所じゅうみっともなくてしょうがないみたいなそういう部分があるのです。それで選択の余地がないし、公立の収容人員というのは、東京の場合二十万人です。私立が二十六万人です。そういう先ほどお話しした生存権にもつながりかねないような状況の中で、選択ができない中で私学へ行っている。しかも、私立高校の初年度の納入金、一年間を見ますと、東京は五十四万円なんですね。これは東京都の方の試算でございますから、もし何かデータがあれば照合してみたいと思うのですけれども、ほぼ間違いはないと思うのですね。これは入学金とかその他を入れた初年度一年生の全部です。同じように地方の私立高校の場合は全国平均は三十五万円なんですね。これはかなり大きな開きで、正直言って六割くらいの違いが出てきているわけです。東京はその分だけ商売も順調で父兄の収入も多いかというと必ずしもそうではない。たとえば住居費なんかとってみても、東京の住居費は、それ以外の方々がお聞きになると本当にあっと驚くほどの高い住居費を払っている。そういう生活が現実です。ですから、そういう住宅のローンとか住居費とかを払いながら、五十四万四千円というのが東京の平均的な高校の初年度の入学に必要なお金になるわけですね。これは神奈川でも似たようなことで四十九万一千円、新潟で二十四万。こんな状態でして、埼玉四十四万、千葉で三十万。東京の隣の川一つ隔てる千葉で三十万。千葉がずいぶん安い。人口が流出していくというふうなことにもなるのです。 こういうふうな状況を見てみますと、大変重い負担というのを父兄が背負っている。都立の高校をたくさんつくりなさいというお話は、さまざまな形の運動として今日存在し、私たちもその方々からの御意見を承っているわけなんですけれども、こういう選べない、しかも高いという実情というものが施策の上に反映されてない。ちなみに、国の私立高校に対する助成の状況というものをお聞かせいただきたいのです。全国一律の率でなされているんじゃないかと私は承知しているのですが、そのとおりでしょうか。
○三角政府委員 高校に対します経常費の補助金のやり方でございますが、これは高校以下幼稚園まで同じ仕組みでいたしてございますが、それぞれの都道府県がどの程度の助成をするか、これを生徒一人当たりに置きかえましてランクをABCと分けまして、その助成額の多寡のランクに応じまして国から県に対しまして交付いたします補助金の単価を三段階に設けまして、そして生徒数に応じて計算をいたしまして交付をいたしております。
○池田(克)委員 時間がございませんので、生徒数というものがあり、それに対してランクは確かにABCに分かれています。しかし、分かれても俗に足切りというそういう制度が今日――自治省の方からも私いろいろ詰めたんですけれども、かなり矛盾を持っている。たとえば九万円補助した場合には次の下のランクになり、十万円から上になると上のランクになる。たとえば六万円以下だったら一銭ももらえないというふうに補助の額に段階ができていて、そしてその段階に到達しなければだめ、超えればもらえる、こういう形になっていて、この間、地方財政としては実情に即さない部分がたくさんある。きょうは時間の関係で、予算の分科会等もありまして自治省の方においでいただけなかったのですけれども、私はこの点もぜひ指摘をしておきたいと思っているのです。生徒数掛ける都道府県の補助、それに対する一定率の国の補助、こういう状況は、一見非常に公平のように見えるのですけれども、実はそうばかりとも言えない。公立、私立がそれぞれ平均的に存在している状況であるならばそれでいいのです。むしろ財政の側からいけばそれでいいのですけれども、父兄の負担ということを考えていった場合に、選択できない中で高校に子供を送っている父兄の負担というものは莫大なものだと思うのです。 ちなみに、東京に全国平均のように人口百万に対して三三・七校だとすれば、東京の公立高校というのは三百七十校なければならない勘定になってくるわけですね。それだけあれば父兄としては、相当の収容力でもありますし、公立高校の授業料というものは安い。そうした点でずいぶんと生活も楽になってくる。そういう点からいきますと、百七十七校不足しているということになるのです。そういう高校の偏在している事情のゆえに、かなり余分な出費というものを東京都民が負っている。仮にあと百七十七校東京に高校があったとしますと、収容力約十八万ということになりまして、それが私立高校との学費の差を見ますと三百十一億という巨額な出費を都民全体が私学に投じている。いや義務教育じゃないんだからそれをお選びになるのは父兄の選択ですと、こういうふうに言う御意見も中にはありますが、いまやそういう段階が過ぎて、高校全入が叫ばれ、選べないという事態の中では、この公立私立の偏在状況というものを勘案して財政的な措置をなさるべきじゃないか、こんなふうに私思っておりますのですが、いまの私の状況説明や主張をお聞きになってどうお考えになりましょうか。
○三角政府委員 おっしゃいますように、私立と公立のシェアというのは都道府県によっていろいろでございまして、まさに東京は先ほど申し上げましたように五五・九でございますから、私立の比率が一番高いわけでございます。ほかに、たとえば三割以上私立が占めているところは、神奈川、静岡、愛知、京都、大阪それから福岡でございます。それから、私立の比率が一五%以下のところは、岩手、秋田、新潟、長野、滋賀、和歌山島根、徳島、沖縄というような状況で、都道府県によってそれだけ相違がございますわけで、全体の私学の比率は二八・二%です。そういうことで、必ずしも一律ではないわけでございます。学費につきましても、先ほど池田委員がおっしゃいました数値で、私どもも同じ数値を持っておるわけでございます。 そういうことでございますが、ただいままで私どもがやってまいりました私立高等学校等に対する補助は、やはり私学振興助成法の目的、趣旨に沿って進めさせていただいておるわけでございまして、そういうことで、あの法律ができたときにいろいろと御審議がございまして、そして一つのやり方というものを設定しまして、それをずっと継承して内容の充実を続けてきたわけでございます。 そういうことで、これは本来都道府県がその所管の区域内の高等学校に対します助成をおやりいただく。国がそれに対して協力していくために、国が直接学校に出すのではなくて都道府県に補助するという仕組みが基本でございます。そうして都道府県が必要とする財源措置につきましては、御承知のように地方交付税の基準財政需要額に積算していただく。この積算の仕方は、補助金の方もそれから地方交付税の方も、私どもとしては従来とも生徒数に見合った形でやってきておりますので、したがいまして、東京都の額が高いということはまた一つの問題ではございますが、私学のシェアが非常に高いという点については、やはり生徒数に見合った形でやっております関係で、そういう意味で各都道府県の間の均衡と申しますかバランスをとってやってきたということなのでございます。
○池田(克)委員 きょうは状況を指摘し、ぜひこれはそうした意味で検討していただきたい、そういうふうに申し上げるにとどめたいと思います。そのほかに東京へ流入してきている千葉、埼玉、神奈川等、隣県の生徒さんも七万五千人いる。また、東京から他府県にいらっしゃっている方も二万五千人、差し引き五万人くらいで、東京は大変大きな意味の特殊事情です。そういう意味で負担をしている。こういう問題も財政措置の上から何らかの配慮を今後していただきたい。これはいろいろな形で東京の持っている特殊な事情のゆえに負担がかかっている。これは今後国会でも議論をしていただきたい。首都における特別な事情に対するそうしたあり方についての国民の皆さんの合意を得なければならないと思っている問題でございますので、きょうはそういう問題を指摘さしていただくにとどめたいと思います。 最後に、いままでお聞きいただいて大変むずかしい問題かと思います。しかし事情は事情で、このような事態になってきていることは、これまた事実でございます。父兄の側からしますと、何でこれだけ多額な教育費を投じなければならぬか、その内容がいいかというと必ずしもそうとばかりは言い切れない。なぜ公立学校がもっとないのか、これは父兄の側から言えば大変不満の多いところです。地方自治体からいっても、財政の状況というものは御承知のとおりそう大きな転換は望めない。なかなかむずかしい問題ですが、今後の検討課題として御研究いただくようなお考えはないかどうか、大虚から一言お伺いをしたいと思います。
○谷垣国務大臣 どうも先ほどから御指摘を受けている問題を考えておるのですが、なかなかむずかしい問題だと思います。事実はもうそのとおりで私学が非常に多いということであろうと思います。これは東京都というもの、あるいはまたそのほかの大都市の問題もありましょうけれども、それの地方財政全体の中で一体どういうふうに考えていくかという問題かもしれません。私たちの方だけでどうということはなかなかやりにくい案件で、先ほどお話がありましたように、これは生徒数に応じてという形でいっております関係もございまして、御指摘になった事実を踏まえながらもう少し検討させていただかないと、いまここですぐに結論を出すというわけにはなかなかいかない問題であろう、かように考えております。
○池田(克)委員 ですから、結論はいいのです。そういう事情を御承知いただきましたので、これはぜひ検討していただきたいのです。何も東京の例だけ言っているのじゃないのです。これは愛知でも静岡でもかなり幅広い地域でこういう実情がありまして、ぜひ検討する方向でお願いしたい。 きょうはほかにも国立大学の付属学校の入試の問題もお伺いしたいと思いまして、わざわざおいでいただきましたが、時間の関係でまた別の機会にさせていただきたいと思います。 最後に、いまの検討の問題につきまして、大臣から一言そうするという方向をお伺いしたいと思います。
○谷垣国務大臣 十分に問題意識を持たせていただきたいと考えます。
○池田(克)委員 終わります。 ――――◇―――――
○谷川委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 文教行政の基本施策に関する件について、日本私学振興財団常務理事早田肇君を本日参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 午後一時に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時五分休憩 ――――◇――――― 午後一時四分開議
○谷川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 文教行政の基本施策に関する件について質疑を続行いたします。中西績介君。
○中西委員 国士館大学の問題につきまして、従前から何回か、衆議院におきましてもあるいは参議院におきましても質問を申し上げ、問題解決に向けて要請をしてまいったところであります。特に私の場合には、一昨年の十月十八日に参考人を要請いたしまして、いろいろ指摘をしてまいりましたし、さらにまた参議院におきましても計五回にわたっての質問をいたしたところであります。ところが、現状を見ましても事態は一向に進展しておらないのではないかと、この中身をつぶさに検討いたしますと、指摘できると思います。 そこで、一昨年の文教委員会における指摘の中で、当時砂田文部大臣の答弁の中にもありますように、「教育、研究の運営について理事者側の立場のみが優先をして、教授会を中心とする教学側の意向が無視されるようなことがあってはなりません。残念な、遺憾な事態の大学はまさにこういうところに問題の端を発しておる」、こういう答弁をしています。さらに「きわめて強い姿勢で臨む決心をしておりますから、たとえば」云々というように、公的機関としてはあるまじき大学だという指摘をしております。また、参議院の場合に、最終的なものは昨年の五月八日にありますけれども、大臣の答弁を見ると大変な発言をなさっています。「実は、私もいま詳細に承ってびっくりしたんですが、こういう学校が日本にあるのかと思って、私も驚いているわけですが、」云々と言って、「私学の運営は理事会が根本だから、理事会が健全な運営を」すべきだという指摘を内藤前大臣もされています。それから以降、内容的には同じような答弁が次々となされておるわけであります。しかし、先ほどから申し上げますように一向に進展しておらないということになると、これは大変なことであります。しかも、文部省の側から六項目、細かく言えば八項目にわたって改善の指示を出され、その一部のみしかまだ手がけておらないというのが実態ではないかと思います。したがって、まず第一に、その中の暴力問題についてお伺いをいたします。 五十四年十一月二十一日、そして二十三日と、連続して事件が起こっています。もう中身については詳しく指摘は申しません。これに見受けられますように、特に国士館の場合には暴力問題が依然として絶えておらないというところに学校の体質がそのままあらわれています。これは何回か指摘したところでありますが、この点についてどのようになっておるのか、お答えいただきたいと思います。
○佐野政府委員 御指摘のとおり、五十四年中に、合気道部におけるクラブ活動中の暴行事件等を初めといたしまして四件の無力事件が学内で発生いたしております。大学はこれに対して、それぞれ事実を調査した上で加害学生に対して無期停学を含む処分を行って指導を徹底する措置をとっております。それにかかわったクラブの解散あるいはクラブの活動停止等の措置もとられているわけでございますが、確かに問題は、一つ一つの事案が起こったときに、それに対して大学側が直ちに調査をし、措置をするということは的確に行われてきておりますけれども、なおそういう事案が幾つか続いて起こってきている、そのことが問題であると私たちも考えております。大学に対して、学生に対する指導の体制をさらに整えるように、それらの事件の都度私どもからも指導をしているところでございます。
○中西委員 そこで、いま指摘がありましたように暴力問題、その事案その事案に対してはある程度の措置はされておりましても、このように連続して起こるその原因がどこら辺にあるのかというのが問われなくてはならぬと思うのですね。 そこで問題は、この種暴力問題に対する学生部の対策なりあるいは処置、その中心になるべき学生部の改革案が出されたと私は聞いています。期日は三月二十日ごろだと言われておりますが、どんな内容で、しかもこれは学内でどのように周知徹底されておるのか、さらにまた、内容的にどういう中身かについて明らかにしていただきたいと思います。
○佐野政府委員 御指摘の学生部の改革案と言われるものにつきましては、私どもが大学側に対していわゆる大学の運営についてとられている改善措置等について聴取をいたしております際に、その改善措置をとっている経過の報告の一つとして私どもが承知をしたものでございます。これは本来、対策委員会の暴力対策の提案に対する理事会側の対案として、理事の方から対策委員会の委員長に手渡されたものと承知をしておるわけでございます。 その内容は、一つは、学生部の職務、組織等を決めた学生部規程の案と、それから学生相談室の規程案、さらに学生団体の設立、集会の開催の手続等について定めた学生の団体、集会及び掲示等に関する規程案、さらに学生の会に対する規程案がその内容をなしているものと承知をしておりますが、詳細については私どもは承知をしておりません。 これらが単内で周知されているかどうかという点がいまお尋ねでございますが、文部省が承知をしているところでは、先ほど申しましたように、理事から対策委員会の委員長に理事側の対案として手渡されたものということを承知しているだけでございます。
○中西委員 そうしますと、これは文部省には出されておらないのですか。
○佐野政府委員 いわゆる正式な手続をもって大学から提出をされたというものではございません。先ほど申しましたように、その後の事態の進展等について聴取をしている過程で、大学側からこういうものを対策委員会の方に渡したということで、いわば経過報告として伺っているだけでございます。
○中西委員 私が聞いたところでは、いま言うように、理事会から直接対策委員会に出されるその内容としては、いま言われたような中身でありますけれども、特に問題点は、教学部門とは完全にこれが切り離されて、部長あるいは次長については理事会が選任をして、そのまま総長が委嘱をする、こういう体制ではないか。こういうことになりますと、あくまでも任命制であって、本来からあるべき大学における教授会の議を経てこれらが決定をされる、こういう中身にはなってないと考えるわけです。この点、どうでしょうか。
○佐野政府委員 御指摘のとおり、問題点という言葉は必ずしも適切ではないかとも思いますが、理事会側の対案では、学生部長は教員の中から理事会が選んで総長が委嘱をするということになっております。これに対して対策委員会側の案では、学生部長は教授会が選んで学長が委嘱をするということになっております。そこのところに両者の考え方の違いがはっきり出ている。ここがいわば問題となるところであろうかと思います。 学生部長の選び方を最終的にどのようにするかということは、これは大学の方針によるところではございますけれども、従来から私どもは、大学における教学側の意見というものが十分尊重された形で理事会が大学の運営をしていくようにしてほしいということは、基本的な姿勢としてお願いをしているところでございますし、そういった点も踏まえて、大学の中で十分全学的な合意が得られるような検討が重ねられてほしいと考えております。
○中西委員 私がなぜこのことをいま一番最初に取り上げたかということなんですけれども、この点は学生部がむしろ暴力問題を中心的に取り上げ、そしてこのことがまた学内の運営の中で大変中心的な機構にならなくてはならないにもかかわらず、されておらない。しかも、教学とは切り離されてしまっておる、こういう実態にあるということが一つ問題なんです。そこで、いま局長が言われました対策委員会が提起をされたということになっておるようでありますけれども、私がこれを挙げたのはそこにも一つ理由があるわけであります。 対策委員会というのは学内諸問題対策委員会だろうと思いますけれども、これは御存じのように、学校側の理事者側の依頼で五十三年八月二十三日に設置をされまして、第一次の対策試案というものがこのときにつくられたわけですね。そして十月二十七日には各学部教授会、職員関係の部長間の諮問を経まして、さらに十一月二十七日には第一次の案を決定をして理事会に提出をしたという経緯があります。ところが、その後このことがどうなっておるのか。しかも、それは寄付行為の改正だとか学則の改正、総長、学長、理事長選出規程、さらにまた暴力問題等を含めて、この学内における基幹になるべき各種問題について提起をしたわけであります。しかも、これは理事者側から要請されてつくり上げたにもかかわらず、これがそのまま放置されておるという実態にあるわけです。したがって、この学生部の規則なるものが対策委員会の審議決定が何もなしにただ提示をされたということだけであって、いまこれが横行または一人歩きをしているという状況になっておるのではないかと私は思うのです。そういう意味でこのことを提起をしたわけでありますけれども、果たして対策委員会での審議決定をしておるかどうか、この点はどうですか。
○佐野政府委員 御指摘のように、学内諸問題対策委員会というのは、一昨年に文部省の方からいわゆる六項目の改善要望をいたしたのに対応して、もちろん学部教授会の正常化等、事柄としてすぐ進められることについては大半はその努力をする一方で、諸規程の整備その他学内の運営の体制を整えるためには全学的な検討を必要とするというところから設けられたものでございます。この対策委員会における検討が重ねられて、一昨年の夏に理事会に対して案が提出をされているわけでございます。 これについて私どもが大学当局から説明を受けておりますところによりますと、理事者の方は昨年の初めから学内役員会、これは理事のほかに評議員を若干加えて設けたものでございますが、学内役員会を設けまして、毎週一回のペースで審議を行ってきている。現在まで二十回を超える審議を重ねて一通りの検討は終わった段階であると聞いております。 ただ、この対策委員会の案にあるいろいろな事項というのは相互に関連をいたしますし、また先生御指摘のように、寄付行為の改定その他に及ぶ基本にかかわる事柄が多いわけでございますので、その取り扱いを含めまして、現在理事会としての考え方を改めて整理をいたしますために再度検討に取りかかっている、そういう段階と聞いております。
○中西委員 二十回にわたる検討を終えておるということでありますけれども、昨年の十月十五日に大臣あてに国士館大学の皆さんから出された陳情書あるいは上申書の中身を見ましても、さらにまた、それ以前の学内におけるこの諸問題対策委員会の総会におきましても、期日的には公約をしておきながら全くそれが無視され、そして何回となく折衝をするけれども、これに対しての回答なり、あるいは正式なものは何もあってないわけですね。この点はどうですか。
○佐野政府委員 対策委員会の方の案の内容というものは、きわめて詳細かつ具体的なものとして提案をされております。その中には、現在の大学の理事者側としては何とも対応に苦慮をする事柄もあるようでございます。その点は理事者の方もそういう感想を率直に述べているわけでございますが、しかしその中でも、たとえば事務機構の問題等につきましては、ことしの二月から事務系の管理職による会議を設けて、対策委員会の案に即して学内各方面の意見を取り入れながら具体案を取りまとめる作業が進んでおります。事務組織の面での前進はかなり具体的に姿として出てきているというように私は考えているわけでございます。確かに理事会の方は、対策委員会の方に対して、全体についての理事会の考え方を具体的にまだ明らかにする段階にはなっていない。これは御指摘のとおりでございます。
○中西委員 これはすでに一昨年にこのように問題提起がされまして、少なくとも昨年の一月あるいは少なくとも二月には正式にこれに対して回答する、こういうことになっておるわけですね。そしてすでに一年を経過しておりながらまだこれがなされておらないというこのことをまず第一に私たちは認識をしておく必要があろうと思うのですね。 それとあわせまして、先ほど私が申し上げましたこの学生部の規則等につきましては、対策委員会で審議、決定を経ておるのかどうか、そしてこれが実際に実行に移されておるのかどうか、この点の回答が来ておりますか、お答えいただきたいと思います。
○佐野政府委員 大学側の対案は、先ほど申しましたように理事の方から対策委員長に手渡されていると大学側の方は申しておりますけれども、その件が対策委員会の方で受けとめられて議論をされているということは、私の方は聞いておりません。
○中西委員 なぜ対策委員会で議論されておらないかというと、対策委員会にはこれが出されてないのです。ここに問題があるわけなんですね。私が冒頭にそれを申し上げずにまいりましたのは、そこなんです。結局、規則、規程はまだ非公開のままになっておる。その一般の経過の中で、文部省にはそのことは出されている、ここが問題なんですね。そしてこれがすでにもう一人歩きみたいにして学内では動いておるというこういう事態が問題じゃないか、こう私は指摘をしているわけなんです。この点については、いま対策委員会に出されたということの確認はどこでなされましたか。
○佐野政府委員 事情聴取の際に大学側の理事が対策委員長に渡したということを言っている以上に、私どもはその事実を確認はいたしておりません。
○中西委員 ですから、ここの理事会の場合、経営者の場合には、このように文部省には一方的に、そのことを対策委員会なりに提起をしてあるということを言っておるけれども、学内ではそれは全然不問に付され、また非公開のままになっておるという実態にある。ですから、こういうことになってまいりますと、この対策委員会にも諮られていない。そしてこれが具体的には一人歩きをしているということになりますと、理事会は全く対策委員会を無視した、そしてまた独断専行しておるということがこの中から私は推定できると思うのですが、この点はどうなんでしょう。
○佐野政府委員 御指摘のように、学内諸問題対策委員会が生まれた経緯というのが、学内の体制を整えるために全学的な意思の統一を図るための一つの手段として、まずこの委員会で事柄を検討しようというところにあったわけでございます。当然道行きとしては、対策委員会の案を理事会の方で受けとめる、あるいはそれを各教授会が検討をする、そしてもちろん対策委員会の案がすべて最善であるということは言えないであろうと思いますから、それを土台にして十分学内でのその後の検討が進んでいく、その過程を通じて学内の意思の統一が図られていくということが望ましいと思うわけでございます。この大学の場合には、一昨年の段階では教授会自体が正常に機能しないというところに非常に問題があったわけでございますが、幸いにして教授会における学部長の選出なり教授会の運営というのはいまは正常に行われていると私どもは考えております。そういう基礎もあるわけでございますから、当初の対策委員会設置の趣旨に従って事柄が前進をするということを私どもは大学側にお願いをしているわけでございます。
○中西委員 ですから、この理事会のあり方というのはまさにこの対策委員会無視だという言葉を私は使い、独断専行だということを申し上げたのは、このようにして文部省にはそういうようにいろいろなことは報告するけれども、実質的には学内においては非常に重要な案件についてもなおかつ放棄して、そのまま経過をしておる。ですから、私は先ほど申し上げましたように、この対策委員会そのものの成り立ちとその経過については、私はこのように、先ほど申し上げたように確認をしておるのですけれども、文部省としてはどのように確認をしているのですか。
○佐野政府委員 これは先ほど来申し上げておりますように、文部省の改善要望に対応して大学側が大学の体制を整えるための一つの事柄の進め方を考えた場合に、これが最善の方法であると判断をしてこういう学内諸問題対策委員会というものの設置を行ったわけであります。そういう趣旨を考えて、できるものから具体化に着手をするように私どもは非常に強く期待をしているわけでございます。
○中西委員 いまお答えにあったように、期待はしておるけれども、一年間以上放棄をされているということになれば、たとえ文部省には二十回なら二十回のそういう会合を開いて検討したと言うけれども、その具体的事実は学内では何も出ていないということになれば、これは学内での認識は、そのまま放棄をされているということにつながりはしないのですか。その見解はどうでしょう。
○佐野政府委員 そこのところは大変お答えがしにくいと思うのです。理事会の方ではこれを受けとめて検討をしている。そういう検討を理事会の方で加えなければならないようなかなり思い切った改革案を対策委員会の案は持っておりますから、それについて理事会の方で時間をかけて検討をせざるを得ないという対応はわかるわけであります。そのことは決して対策委員会の提案が無視されているということではない。先ほど申しましたように、事務機構の点では具体的な検討が進められているというようなこともあるわけでございます。ただ、いずれにしても、学内における理事会側、教学側との協議による事柄の検討というものがもう少し促進できないかという感じは私どもも持っております。
○中西委員 無視されていないという、そういう見解が大変誤りだということを私は指摘したいと思うのです。 なぜかならば、第一次決定に対する大学当局の第一回意思表明が、先ほども申し上げましたように昨年の二月上旬には――それが一月の初旬であり、それが延ばされ二月になり、そしてそれが次々に引き延ばされていって、会うことすらもしないという状況になっておるということは、一般的な常識から言うならば、中間の報告だってできるはずです。そういうものが全然なされておらないというところに、無視しておるんだという判断を私はしておるのです。ところが、文部省にしてみれば、回答は調べてみると何回となく検討しておるから無視しておるんじゃない、こういう見解に立っておるところに、この国士館問題についてのいろいろな解決をおくらせる大きな原因があるのではないかと私は思うのですが、その点どうですか。
○佐野政府委員 無視をしているということはないと私は思います。ただ、理事会側が非常に対応に苦慮をしていることは間違いございません。
○中西委員 もうちょっと素直にしないと、そういう言葉でやられると、私たち単純ですから、判断に大変苦しむわけなんですね。ですから、本当にだれでもが聞いて判断のできるような言葉遣いでこれから答弁願いたいと思うのです。 そこで、この理事会の対策無視、なぜこのようにこの対策委員会を無視するのかということを私は考えてみますと、これは四十八年当時に、ちょうどこの事件が起こった条件と同じような問題がありまして、近代化委員会が設置をされております。そして、そこでの案がつくられたけれども、実質的には全くなし崩し的に現在まで来ているわけです。そしてまた五十三年に、学校側からの依頼によってこの対策委員会なるものが設置をされて、全学挙げての論議の中でこれができ上がったものなんです。また同じようなことが引き延ばしされておるという実態があるだけに、先ほど言った学内における現状と過去の過程とを考え合わせてみますと、これはもう引き延ばし以外にはないと私は考えるわけです。 これまで言っても、なおかつ文部省は、この点について引き延ばし、いや無視じゃないとお答えになるのか。とするなら、文部省が改善を求めた六項目の実施状況を見ても、一番肝心なところだけはやっていませんよ。細かく言えば八項目あるんだけれども、そのうちの四項目はやっていないわけですから、先ほど申し上げた学内における学則の改正という一番大事なこと、あるいは寄付行為の改正問題あるいは総長、学長、理事長選出の問題等を含めて、さらにまた暴力問題を含めて全然なされていないということになれば、やっていないに等しいんじゃないですか。そうなれば、先ほど私が申し上げたように文部省も含めて無視されておるという実態にあるのではないかと思うけれども、この点どうですか。
○佐野政府委員 改善を要望した六項目の中で大学側で対応できる事柄、学部教授会の正常化なりあるいは教職員の人事についての是正なりあるいは入学者選抜の公正化、そういったものについては確かに大学による前進が見られておりますけれども、いま先生御指摘の学内諸規程の整備の問題その他いわゆる学内諸問題対策委員会で検討をして案を定め、全学的な対応をさらに進めていくべき事柄について思うような前進がないということについてはわれわれも大変に遺憾に考えておりまして、何とか前進を図るように大学にいままでも努力を要請してはおりますけれども、今後とも大学に対して、せっかく対策委員会を設けている趣旨を十分に考えて積極的に事柄を進めるように要請をしてまいりたいと考えております。
○中西委員 いままでの経違からいたしまして、国士館大学の中で、理事者側で、このような文部省なりから改善を求めておる内容についても、さらにまた多くの問題があるわけでありますけれども、これを改善をする意思が本当にあるのですか。この五十四年の十月十五日付の文部省への上申書を読ませてもらうと、肝心なところは全然やられていないということになれば、実質的に理事会の機能そのものがまさにないのではないかというように私は感じるのですけれども、その点どうでしょうか。
○佐野政府委員 御指摘のとおり、この問題を進めていく場合にこの大学の理事会をより強化をする必要があるということは私も痛感をいたします。すでに大学では、五名の理事のうちの二名の非常勤理事を専任に切りかえるというような形で理事会の強化を図ってはおりますけれども、より理事会の機能というものを確立をする、そういう方向での努力が行われることによって、ただいま御指摘の対策委員会の提案等についての対応もより具体的に進められるようになるのではないかと思うのです。対策委員会の提案については、理事会の側では、そのままでは対応できないと考えているものが非常に多い。そのこと自体はそれでいいわけですけれども、それに対してそれでは次にどうするかということをもっと積極的に考えていかないと事柄が前に進まない、そのように思うわけでございます。
○中西委員 いままでの経緯からいたしましても、まさに文部省のこのような六項目の要請に対しても、ほとんどと言っていいほど措置をしていない。さらにまた、国会でもこのように相当長い間論議をし、本来ならば私立学校の内容等について私たちが一々くちばしをはさむべきではないのですけれども、余りにも前近代的ないわゆる学校法人として、公的な機関として果たしてこれが認められるだろうかという内容になっておるだけにここで問題視しておるわけですから、こういう点を考えますと、まさに論議してきたことに対しましてもきわめて軽視をしておる、むしろ挑発的ではないかと私は考えます。 そういうことを考え合わせてまいりますと、この理事会そのものがまさに機能できないという状況になっておる。それはなぜかというと、私はこう思います。前回のこの衆議院における、あるいは参議院における参考人の発言の中に、いろいろ多くの人から聞かれて言っておる中に、そもそもこの国士館大学という社会的、公的な機関を私塾的といいますか、そういう私的所有物と考えているところに大きな原因があるのではないかと。なぜこういう言葉が出てくるかといいますと、これはおやじから受け継いだ自分のもので、これを子々孫々伝えたいというその執着に根本の根を発しておりますので、その考えが改まらない限りこれは次々に続くことと思いますというようにこの参考人は発言をされておるわけです。ですから、まさに学校法人としての性格を持ち合わせずに、理事会そのものの機能というのは私的な物の考え方の中で運営されている、ここに私は最大の原因があると思いますけれども、この点、文部省はどのように理解をしているのですか。
○三角政府委員 中西委員の御引用になりましたような主観的にどういうぐあいにお考えになっておるかというような点はよくわからない面がございますが、一般論といたしまして、学校法人でございますから理事会がございまして、そこに理事及び理事長がおって、そして全体の組織の問題について検討をし、そこが最終的な責任を負うということでございますし、私学でございますから、自主性とともに公共性というものを十分に認識して事柄につきましての判断をしていただきたいということでございます。 国士館の理事会でございますが、従来理事会が十分に機能していないではないかということで、ただいまおっしゃいましたいわゆる上申についてもそういう点が述べられていることは承知しております。現在理事会は、理事五名のうち二名が非常勤でありましたものをそれぞれ常勤理事に置きかえて、五名常勤ということで理密会体制を整えるという方向で物を考えようとしているという面があらわれておるというふうに見ておるわけでございます。
○中西委員 ちょっともう一度お答えいただけませんか。私が申し上げましたのは、参考人が言っておる言葉を聞きますと、特に理事長そして学長であり総長である。一人が占めておるわけですが、おやじから受け継いだ自分のもので、これを子々孫々伝えたいというその執着に根本の根を発しておりますので、その考えが改まらない限りこれは次々に続くだろう、そこに国士館大学という社会的公的な機関を私塾的というか私的所有物と考えておるという、こういう認識が二人の参考人から陳述されておるわけですね。そういうことを考え合わせていきますと、本当にこの理事会がいま言う学校法人としての公的な機関としての役割りを果たし得る、そういう性格を持っておるかどうかということを聞いておるわけです。
○三角政府委員 学校は個人の所有物ではないということは申すまでもないことでございます。ただ、本件ケースについて特に申し上げるわけでもございませんが、やはり学校を運営する方が、その学校に非常に愛着を持ってあたかも自分の非常に大切なものであるかのごとくに学校運営に一生懸命になっていく、そしてそういうよさというものを代々伝えていきたいという感情を持つということは、私学の場合にはあるわけでございます。ただ、それが果たしていい方向に働くか、あるいは中西委員がお考えになっていると思われますような非常にマイナスの面に働いていくかは、それぞれの個々の事象について当たっていかなければならない。それで、国士館の場合については先ほど来いろいろ問題が指摘されておりますが、それぞれ原因がそういうところにあるかどうかということは、これは認識の問題であろうかと思います。
○中西委員 いままでに私は時間を約三十五分かけていろいろ論議をしてきて問題点をずっと指摘してきましたよ。いま局長が答えられるような言い方をしますと、国士館大学というところはどうなっておるのかということをもう一度私聞かなくちゃならなくなってくるのです。時間がないからそれはできませんけれども、それじゃもう一つ聞きます。 最近国士館におきましては、本年に入りまして二月十六日、土曜日だと言われておりますけれども、ある理事が右翼的人物、これは再建同志会副会長と言われる中村誠という人がおるのです。これがその理事を脅迫して大学に出勤できない状態に置いておると聞いています。その原因は何なのかということをいろいろ聞いてみますと、いまの柴田体制と意見を異にするということで、このように出勤もできないようにいろいろ脅迫を加えている。これは今回だけではありません。前回も、何回となく中村誠という者は出てきています。これに見受けられるように、どちらがどちらか知りませんけれども、まさにお家騒動みたいになっておるということはもう否めない事実なんです。 こういうことを十分文部省は認識しておるという理解に立って私はいままで聞いておったのですけれども、この点について全然関心を示しておらないようですから、他人事みたいに考えておるようですから、あえてこれを出したわけであります。 さらにまた、元総長宅の遺産相続の訴訟がいろいろ問題になっておる。この総長宅というのは大学の施設として文部省に登録されておるにもかかわらず、これが今度は遺産相続で問題になるとはどういうことなんですか。少なくとも教育基本法、私立学校法に基づいて私的な所有というのはあってはならないことになっておるのに、こういうことがすでに起きておる。こういうことをずっとあげつらうとたくさん問題が出てくるわけです。ですから、こういう点からいたしましても、先ほど申し上げましたように、社会的公的な機関でなくて、学校法人としての資格を喪失をするような状況になっているんじゃないかということを言っておるわけですよ。すでに皆さんはこういうことを知っているはずなんです。こういう点どうですか。
○三角政府委員 ただいま御指摘の国士館におきまして、現在一理事が二月の中旬以降欠勤しているということは聞いております。その具体的状況については私ども必ずしも一々の部面について存じておりませんが、しかし御指摘のように脅迫のようなことが事実であるとすれば、私もこれは教育にかかわる事柄として、そういった脅迫といったようなことが起こるのはまさに自己矛盾であり、非常に遺憾なことであると思っておる次第でございます。やはりこれは事実関係について学校自身が本来は十分調査して必要な措置をとるべき事柄であると存じます。 それから関連いたしまして、ただいま学校の私物化ということの一つの例として遺産相続の問題を御指摘になったわけでございますが、これにつきましては、文部省に登録とかなんとかいうことではないわけでございます。これは前の総長の柴田徳次郎氏が住んでいた当時は館宅と称していたようでございますが、これの相続をめぐって訴訟が提起されていることは聞いておるわけでございます。この総長宅は大学構内に建てられてはおりますが、これは法律上は個人の所有物になっておりまして、学校法人の財産とはなっておらないのでございます。ただ、前の総長のときには、生存中には学生をそこへ呼んできていろいろ講話をしたりというような意味で、あるいは教育上のいわば公的な意味で使われたということはあったようございますが、財産は、これは私有財産になっておるようでございます。また、この建物が建てられている土地は、学校法人が借りている土地の一部をさらに転貸を受けて、そういう家を建てたというふうな事実関係でございます。
○中西委員 この元総長宅については、そういう措置であればまた別ですが、いずれにしましてもこのような状況にあるということはおわかりいただいたと思うのですね。 そこで後にたくさん残っていますね。たとえば総長の学位問題、したがってこれが盗作であったということはもうはっきりしているわけですから、総長のこの学位問題が解決しない、だから今度は教授としての解任を決議しておるけれども、これがまだ解決してない。そして、さらに今度はそれが退陣要求にまで発展をしておるという状況です。 そこで、一言だけ私学振興財団にお聞きしたいと思いますけれども、この大学の収支決算なりいろいろ問題がたくさんありますね。これはもうすでに指摘されましたように、国会対策費で云々だとかいろいろな問題がたくさん出てまいりました。もうここで申し上げる時間がありませんから申し上げません。この点についてどのように判断をし、そしてそのことによってこれから以後どう対処されるのか、この点お答えいただきたい。
○早田参考人 御指摘のように、いろいろ国士館大学につきましては問題もございまして、特に財団といたしましては、巨額の補助金を支出するということで、その金が非常に安易に目的外に使用されるということがあってはいけませんので、常々その辺は気をつけておるわけでございますが、五十三年度につきましては御指摘のようなことがございまして、五十三年度の補助金につきましては、振興助成法の五条五号によりまして「管理運営が適正を欠く場合」に該当すると認めまして二五%の減額をいたしまして六億四千二百五十八万五千円の補助金ということにいたしたわけでございます。五十四年分の補助金につきましては、これからの交付の問題でございますが、通常十二月に概算交付をいたし、三月に最終的な交付をいたしておるわけでございますが、十二月の第一次の概算交付の際には留保いたしております。なお、今後本年分の経常補助金についてどのようにするかというようなことについては、私どももいろいろ検討をいたしておりまして、文部省とも十分御相談、御協議の上決定いたしたい、かように考えておるわけでございます。
○中西委員 十二月に留保しておるということは、問題があるから留保したわけですね。しかも、いままで私が申し上げましたように多くの問題が、まだここでは指摘できませんけれども、あるわけでありますから、そういう点での留保だと思います。そうすると、三月の段階で最終決定をするということになりますけれども、いまこうして国費がこのような学校で、十分活用されるのでなしに、どういう方向へ向けて使用されていくのかということが不明確なままにやられることになりますと、大変なことです。これは参議院でもずいぶん皆さんから追及されたところです。 そこで、私が聞いておるところでは、こういう助成金なり補助金を支給されずとも国士館大学としては従来どおりにやっていくという大変な決意をしておるのではないかといういろいろな風評が流れてきていますが、この点、文部省は把握されておりますか。
○三角政府委員 そういう風評については、私どもは聞いておりません。
○中西委員 私学振興財団はどうでしょう。
○早田参考人 聞いておりません。
○中西委員 私がいま申し上げたのは、この国士館大学におきましては、理事者側がまさに私的な感覚ですべて取り仕切っていくという、こういう体制でありますだけに、文部省なりの改善事項六項目、これを入れるよりも、むしろ排除して従来どおりにやった方がいいという認識に立っておるのではないかということを大変私は危惧するのです。そこまでもうすでに来ておると私は認識しています。そういうことになってまいりますと、大臣どうでしょう。先ほど私が冒頭に申し上げました参議院における前内藤文部大臣、さらに前々砂田文部大臣の答弁にもありましたように、これはもう大変なことだということを言っておるわけですね。これではもう学校として成り立たないし、日本にこういう学校があるだろうかということを初めて聞きましたと言っているわけですけれども、しかも、先ほど申し上げるように、二年間以上にわたって文部省が指導してきておるにもかかわらず、改善がほとんど基本的なところにおいてなされないということは、いま私が申し上げるようなことを含めて決意をしておるんじゃないかということを私は強く感じるわけです。ということになりますと、この国士館に対して、国会軽視それから文部省の指導に対する拒否、こういうことを含めて大臣はどうお考えになりますか。
○谷垣国務大臣 内藤前大臣が前の国会でお答えをいたしておることは、議事録を拝見いたしまして承知をいたしております。まさに内藤前大臣が雷っておられるように、運営の中心が理事会であるから理事会がしっかりしなければいかぬじゃないかということを言っておられるわけでございますが、それは私もそのとおりだと思います。しかし、先ほどの御議論はそこから先へ進んでおるようでございますが、ただ、私お聞きいたしておりまして、参考人の方ですか何かから御発言がございました。私的所有物と考えておって相続財産のような形で、これをほかにどうこうするわけにいかないという式の御発言がございまして、そしてそれをどう思っているかというお話でございますが、私たちはそういうふうには感じておらないわけであります。そこまで文部大臣の方で感じるということは、私はいたしておりません。ただ、大学の運営が、私たちの方でいろいろと指導をいたしまして何点かにわたって指摘いたしましたことが、その後進捗の度合いが非常におくれておるということに対しましては非常に残念に存じます。このことにつきましては、今後ともにそれを指導していく必要がある、かように考えております。 それから、委員が最後にお触れになりまして、大学はもうすでに文部省の方から、国からの補助金がどうこうということを断念しているんじゃないかという意味の御発言がございましたけれども、これは先ほど私たちの方から局長がお答えいたしましたように、そういううわさがあるということもまだ承知をしておりませんしいたしますので、その点につきましては何ともお答えができないことだと考えます。
○中西委員 大臣、私たちのところにはそういううわさがすでに入ってきています。うわさはうわさとして聞き置いていただきたいと思うのですけれども、少しでも助成金なりを受けようという側ですから、直接それが一々皆さんにもう助成金は要りませんよなんということを報告したり、あるいは発言をしたりということはとうていあり得ることじゃないですね。なぜかならば、昨年の場合に、この一番最初に私が指摘をいたしました学生規則などにつきましても、ちょうど時期的には助成金が出るか出ないか、その時期にこれを出して一定の前進があったと認定して私はやらせたのじゃないかと思うように、符合を一にしてそういうものが全く対策委員会には出されずに、文部省だけには経過措置として出されておるのですね。しかも、今度それは何かといったら、ちょうどいま言う助成金を決定する時期にそれがまさに出された、こういうことがあるわけなのですよ。ですから、必ずしも全面的に拒否するとか、そういうことじゃないのですよ。しかし、いまの段階では一番肝心の、先ほどから何回か申し上げる寄付行為の改正だとか学則の改正、こういう一番大事なところになるともうかなわないというのが実態で、そうなれば一々文部省の指導なりあるいは助成、こういうことにつながっていくのではないかと思うのです。いままではごまかしごまかしして助成されてきたわけです。五十三年度でも六億数千万円にわたってしてきたわけです。こういうことを考えていきますと、まさにこのあり方としては、いま大変な状況になっておる。先ほどからの皆さんの認識というのは大変甘いと思うのです。ですから、少なくとも先ほど申し上げました基本法あるいは学教法、私学法、こういうものに基づいて、このような状況にある一しかも、先ほども申し上げた右翼的な中村某なる者は、前回も暴力をふるおうとして中に入った人を突き飛ばしてけがをさせるという状況だって学内にあるわけですから、それがまだこうしてやっておるという事実があるわけですから、そういうことになってまいりますと、学校の中で普通の発言、正常な発言はできないというのが理事会の実態ではないですか。そういうことを考え合わせてまいりますと、いま言うように、この三つの法に関係して、私は少なくとももう理事会そのものを解散をさすべきではないか、文部省としての強制的な執行をすべきではないかと考えるわけでありますが、この点どうでしょうか。
○三角政府委員 これは私学でございますから、基本的には御自分で考えていただかなければどうにもならないことでございます。特に理事会という学校法人の基本を形づくる組織の問題でございますので、御提言ではございますけれども、私どもとしてはきわめて慎重に対応していかなければならないというふうに考えるわけでございます。でございますから、先ほど来御説明申し上げておりますように、個々の事態について必要なものは促進をしていかなければならない。お互いに相手同士でにらみ合っていることでございますから時間のかかる部面もあろうかと思いますが、それを極力促進をしていくというのが私学に対する取り組みのあり方ではないかというふうに考えるものでございます。
○中西委員 福岡歯科大学などについても一定の措置をとったわけですね。これはまた財政的な問題もめちゃくちゃだったということは事実ですけれども、長い期間における学校内の暴力問題からすべてかかわり合ってまいっておりますだけに、その指導をしておる側からすればその措置が私はとれると思うのですが、どうでしょう。
○三角政府委員 ほかの大学の例をお出しになったわけでございますが、態様がいろいろあるわけでございます。福岡歯科大学の場合にはかなり破廉恥な事柄が関連してあったわけで、その事柄について告発され、逮捕されるという事態に至っておるわけです。本学の場合も、これは委員御存じと思いますが、東京地検に対して数件の事柄について告発が行われておることは事実でございますが、その件についてはなお現在事柄がまだ決着をしておらない、そういうことも一方においてあるわけでございます。そういう意味で、私はいろいろ具体のケースが違うということも申し上げたのでございますが、前に申し上げましたように、極力一つの組織としてきちんとした運営に持っていきますような指導を続けていくということにいたしたいのでございます。
○中西委員 組織になってないわけです。だから問題だと私は言っているわけです。組織になっておればこういう問題は起こらないですよ。しかも、総長であり理事長であって学長が総長でしょう。しかも、本人が学位を工作して出させて学位論文を通させる。しかも、それを自分の学校で通さす。そういうことをやっている。これは金銭的な破廉恥の問題より以上に、学校という、大学という中における問題としては、私はこれほど大きな破廉恥行為はないと思うのです。さらにまた国会対策費、その内容等についてもまだ不明確な面がたくさんありますように、この点はそれに値するものと私は断ぜざるを得ないのです。この点どうですか。
○三角政府委員 現段階では、まだ理事会に対しまして、理事会そのものについてこれを解散と申しますか、そういうことを文部大臣の立場で勧告なりあるいは要求なりをするということは、法律的に考えてみましてもそこまではなかなかいたせない、そういう認識でおるわけでございます。個々具体のケースについて、いろいろおっしゃいました点について困った面が多いということは、これは私どもも承知している部面が非常に多いわけでございますけれども、その一つの解決の方法として学校法人の理事会そのものについてどうこうせいということは、現段階ではまだいろいろ不明確なことと申しますか決着がついてないこともございますし、無理でございます。
○中西委員 大臣、最後に聞きたいと思いますけれども、この問題についていままで論議してまいりましたが、いま言うように総長問題、学位問題にいたしましても、さらにいろいろな学内における会計問題、さらにまた言われておりますように理事そのものが出席できないようにしむけて学校に出てないということになりますと、私は理事会というのは成立しないと思うのですよ。専任の理事が三名中一名は出席しない。一名はこのような人ですよ。そうすると、大体半数に近い人が理事としての機能を果たし得なくなっているのに、どうして理事会が成立するのですか。どうでしょう、大臣。
○谷垣国務大臣 理事会の現状についていろいろお話を聞いておるわけでございますが、大変遺憾なことだと思います。ただ、果たして文部省がその段階で私立大学の運営の基本であるところの理事会そのものに対してどうしろということが言えるかどうかという判定になりますと、私は慎重でなければならない、こういうふうに考えます。
○中西委員 慎重でなくて、認識の点で甘さがあるわけですね。先ほどから何回か答弁がありましたけれども、全部私たちの認識との間においては大きな開きがあるところに問題がある。この点をぜひ私は改めるべきだと思います。 最後に、先ほどから来ていただいております私学振興財団の方にお伺いしますが、こういうような状況ですから、いま留保されている問題についてはどうなさいますか。
○早田参考人 財団で十分検討いたしますが、同時に文部省と十分御協議の上処理いたしたいと考えております。
○中西委員 そこで問題になるわけです。先ほどの文部省の認識が甘ければまた国費が乱費されるところにだって平気で交付するということになるのです。ですから私は、文部省はそういうところを十分認識した上でどうするかということをしないと大変な誤りを犯すのではないか、こう思うわけです。ですから最後に、その点を十分踏まえて検討していただきたいと思いますが、文部大臣。
○谷垣国務大臣 繰り返しお答えをいたしておりますように、先生の御意見は十分拝聴いたしました。
○中西委員 大変慎重過ぎて論議にならないのですけれども、いずれにいたしましても、この問題は、いま申し上げましたように多くの問題を残しておりますし、さらにこれから後私学問題を論議する際、特に助成金交付の問題をめぐってこれから多くの問題があると私は思います。この点は、ただ単にこの国士館問題だけじゃありません。国士館問題を取り上げるというその意味は、私学全体におけるそういう問題を含めて公的な機関としてどうあるべきかということを追及しなければならぬということを踏まえての問題点でありますから、この点十分御理解をいただきたいと思います。 それから、時間がたってしまうのですが、次に、学校法人でない私立の幼稚園の問題と振興計画につきましてお聞かせを願いたいと思います。 いま幼稚園の問題については大変重要な時期に差しかかっております。特に振興計画なり何なりは見直しをする時期に来ておるのではないかと私は思います。そこで、いろいろお聞きしたいわけでありますけれども、第一に、法律に定める学校というのは基本法六条あるいは学教法二条、そして私学法の二条、三条に規定づけられておるわけでありますけれども、学校法人でなくてはならないということが規定づけられておるわけですね。なぜこのように学校法人に限って設置者としておるのか、この点についてお答えください。
○三角政府委員 法律に定めます学校は、国立、公立はもとよりでございますが、私立学校といえども公の性質を有しておるという前提に立ちまして、したがいまして、私立学校の設置主体の永続性でありますとか安定性あるいは学校経営の公共性といったものを確保するために、原則として私立学校の場合は学校法人、国及び地方公共団体がそれに加わる、その三者が法律に定める学校の原則的な設置主体である、こういうことでございます。
○中西委員 いまお答えになりましたように、私立の幼稚園であろうとやはり学校法人でなくてはならないというその意味は、公的なものであるし、そしてまた公共性を持つということでありましたけれども、ところが学校教育法百二条では、私立の幼稚園の場合には「当分の間、学校法人によって設置されることを要しない。」という文言がありますね。これはなぜ特定をされたのか、こ の点についてお答え願いたい。
○三角政府委員 いま御指摘のような規定があるわけでございます。これは学校教育法制定当時、旧幼稚園令によりまして、私立の幼稚園につきましては一般の私人が設置できるということにされておったわけでございまして、現実にも私人によって設置された幼稚園が当時非常に多かったわけでございます。そしてそういう学校法人以外のものによって設置されている私立の幼稚園が非常に重要な社会的貢献もしておったということでございますので、そういった当時の状況にかんがみまして、いわば不確定期限の経過措置としてそういう規定が設けられたというふうに解しております。
○中西委員 ところが、これが特定されましてからすでに三十年を経過するようになってまいりました。この間におきましては質的にも相当向上いたしましたし、数の上でもある程度これが満たされるという状況になってまいりました。そこで、いまわれわれの先輩である前内藤文部大臣も含めまして、あくまでもこれは経過措置であって現在ではもはや効力がないのではないか、こういう意見すらも出ておるわけですね。この点についての見解はどうでしょう。
○三角政府委員 現在でも、昭和五十四年のデータでございますが、学校法人立の園が四千四百七十五園、全体が八千六百二十九園でございますので、学校法人立以外のものが四千園以上あるわけでございます。比率にして四八・一%、これらがまた数だけでございませんで、先ほどもちょっと申し上げましたが、社会的に非常に貢献してそれなりの役割りを果たしていただいておるわけでございますので、私どもとしては、これは不確定期限の経過措置でございますが、この経過措置を見直すということは考えておらないのでございます。
○中西委員 そうしますと、先ほどお答えいただきました第一の教育基本法あるいは学教法、私立学校法、これに基づく学校の設置者とのかかわりはどのように理解をしたらよろしいのですか。
○三角政府委員 本来的な原則としては、学校法人によって設置されることが望ましいということは本則に規定してありますことからいってもそれが基本でございますが、ただ、現実を考えまして先ほどのような御答弁をしたわけでございます。
○中西委員 そうなりますと、その後、昭和四十六年八月に出されております幼稚園の教育振興計画要綱の中では、法人に限る、こういうものが入っていますね。さらにまた私学振興助成法、これは五十一年四月一日からの施行になりますけれども、附則の二条五項に議員立法として制定されて、これは少なくとも法人化を志向するものではないかと私は思いますけれども、なぜこのようなことが制定されたのか、この点について御答弁いただきたいと存じます。
○三角政府委員 指導といたしましても、幼稚園を新しくつくります場合には学校法人によって設置されるという学校教育法本則の規定にのっとった取り扱いが望ましいわけでございますし、それから全体から申しましても、先ほど申し上げましたように学校法人であることが望ましいということでございます。ただ、個人立のものが学校法人化するといったような場合には、園地、園舎等の財産の帰属など、設置者にとって右から左へというふうに解決がつけにくい問題が種々あったわけでございます。 そういった状況をも背景といたしまして、御指摘の議員提出法案であります私立学校振興助成法が五十年に成立しまして、学校法人立以外の幼稚園についても経常費の補助が行われるということになったわけでございますが、その場合に、やはり個々の幼稚園の経営の安定性、永続性等も考慮いたしまして、なるべく学校法人化ができるだけ円滑に行われるような措置を講じていくんだ、そういうことを前提としていま御指摘の附則二条五項というものが設けられたのでございます。
○中西委員 あくまでもやはり法人化を目指すということが中心に座ってこの附則二条五項は設けられた、このように理解してよろしいですか。
○三角政府委員 法人となるように措置するものとするというような文言であったかと思いますが、法人になるようにひとつ努力をしていただくということでございます。
○中西委員 「しなければならない。」じゃないですか。
○三角政府委員 「措置しなければならない。」でございます。
○中西委員 どうもそこら辺があいまいですけれども、私は、やはり法人化を志向するという方向のみが制定された、このように先輩諸氏の皆さんからお聞きしたところです。 それとあわせまして、これに引き続いて五十一年十二月二十四日に学法化促進のために幼稚園を設置する学校法人の認可基準等についてという通知が管理局長あるいは初中局長名で出されていますね。これは法人としての基準緩和措置をとっておるわけでありますけれども、これはなぜ措置されたのか。
○三角政府委員 いま御指摘のありましたような私学振興助成法の規定によりまして助成を受ける法人立の場合は、やはり法人化に努めてほしい、努めなければならないということでございますので、五年以内に学校法人によって設置されるよう措置しなければならないということになっておるわけでございます。 そういった状況に伴いまして、文部省としては円滑にこの学校法人化ができますように、既設の個人立等の幼稚園等の要望もございましたので、それをも勘案いたしまして、いま御指摘のような通知を行ったわけでございます。そうしてこれによりまして、たとえば一定限度の範囲内で園舎とか園地についての借用を認める、従来は園地、園舎等は自己所有でなければいけないというようなことであったわけでございますが、そういうふうな緩和をいたしまして、それと同時に、公私立幼稚園の連絡協議会というのを設けまして、これは私立幼稚園のそばに公立幼稚園ができたりいたしますと、経営上なかなか困難な状況がもたらされるという例がございますので、そういったような不安がありますとまた学校法人化というものを促進できませんので、そういったようなこともあわせて配慮することなどを各都道府県に対して指導したわけでございます。
○中西委員 そうしますと、やはり幼稚園というのは私立の幼稚園から学校法人化しなくてはならないということが原則としてある、それに引き続いていろんな措置がなされてきた、こういうふうに私は理解をいたします。 そこで、学法化の進展状況がここ数年年次別にどうなっておるのか、その中で特にまた補助されておる園数と、そしてそれがどのように学法化されてきておるのか等を含めまして明らかにしてください。
○三角政府委員 昭和五十年と五十四年のデータで比較して申し上げますと、学校法人立以外の園数が五百三十三園減っております。学校法人立は、そのかわりにと申しますか、逆に千三百六十四園ふえております。そして個人立等の幼稚園から学校法人化の状況でございますが、五十年から五十三年までの四年間に四百四十二園が個人立、宗教法人立ないしはその他の法人、財団、社団等の設立になるものから学校法人立になっております。四百四十二園という状況でございます。 それから、ただいまの補助を受けた関係でございますが、学校法人立以外の幼稚園で都道府県の経常費補助金の交付を受けた幼稚園は、年々の数字がございますが、五十三年度を申しますと千五百十四園であります。五十二年度が千三百二十九園、五十一年度が千九十五園でございます。そのうち、いわゆる学校法人化されたものは五十二年七月末までに六十二園、それ以降五十三年七月末までに百三十一園、それ以降五十四年末までに百二十三園というふうな状況で、若干でございますが、着実に学校法人化は進められてきておるというふうに見ております。
○中西委員 そこで、着実に進展しておるという言い方なんですけれども、学校法人化措置状況報告書というのがございますね。これは毎年とっていますか。そして内容はどうなっていますか。
○三角政府委員 国庫補助金の算定の基礎になりました学校法人立以外の幼稚園の学校法人化の状況につきまして、私どもは補助金の交付要綱に基づきまして都道府県知事から報告を毎年していただくことにしておりまして、それは当該補助の交付の年度の翌年度の七月末日までにやっていただくということにいたしております。それで、各都道府県はこの要綱に従いまして学校法人化の状況について報告をしていただいております。 この報告に基づきます学校法人認可手続の遂行状況でありますが、めでたく学校法人となったものもございますし、それから認可申請書を提出中というのもございますし、それから所轄庁に認可申請書提出を前提としてのいろいろな具体的な指導を受けにきているというような段階とか、そういうような段階別に調査をしてもらうわけでございます。 それからもう一つは、学校法人化のための資産の充実状況でありますが、先ほど申しましたような借用部分についてこれを自己所有に取得した状況がどうなっておるかとか、そういったことを初めとしての項目を立ててございます。 それから、学校法人化のための方策についてまだ検討を必要とするというようなケースにつきましては、その検討の状況がどうなっておるかというようなこと、その他の項目も加えまして、それから最後にはまだいろいろな事情で何の措置もできなかったというような欄もございますが、そういったような部類分けをいたしまして、学校法人化への努力がどこまで進捗しているか、実地に行われているかということを私どもとして把握をできるようにということにしております。
○中西委員 その際、いま言われました学校法人化のための資産の状況、充実状況などについて細かく本格的にこれは聴取していますか。そしてそれを検討して、内容的には将来法人化されるであろうという予測などがこの報告の中身から察知できるようにちゃんと把握しておりますか。もしあるなら、その状況等について数値によってあらわすことができますか。
○三角政府委員 いま申し上げましたような部類分けで、たとえば資産の充実状況で申しますと、園地を取得した、あるいは園舎を取得した、それから自己財産、園長さんの個人財産を園の特別会計――経常費補助を受けますと園の経費は……(中西委員「そうじゃなくて……」と呼ぶ)そういう分類があるわけでございます。その分類ごとに都道府県知事がどういうところまで確認したかということをとっておるわけでございますから、私どもとしては全体的な把握はそれでできるというふうに思っております。
○中西委員 私が言っているのは、傾向として法人化に向けてこれが集約できるような資料になっているかどうかということです。そしてまた文部省は、そのように掌握をしているかどうかということを聞きたかったわけですが、時間がありませんから聞きません。 いずれにしても、そういう状況ですから中身が本当に把握されているかどうかというのは、私は大変疑問に思っておるのです。なぜかと言いますと、これは一、二例を申し上げますと、法人化に対して反対の動きが率直にあるということなんですね。これを見ますと、この資料がある反面、たとえば「学校法人以外の設置者に対する経常費補助金について(要望)」というのがあります。その前に「経常費助成費補助金の基本的事項について」といって五十二年二月一日付で出されているのを見ると、中に大変なことが書かれてある。それを受けて今度は前に申し上げた「設置者に対する経常費補助金について(要望)」というのが十二月十四日に各都道府県知事あてに出されています。それを見ると、こういうのは書かぬでもよろしいということをみんな書いてある。だからいま言われたような法人化へ向けての動向というのが途中でチェックされて落とされていく。むしろしないでいいような方向に持っていかれているのではないかということを一番懸念しておるわけです。しかも、法人化にせずともよろしいようなことが次々に出てくるでしょう。たとえば私学振興財団の融資についても法人化とは無関係に融資されますね。あるいは私立幼稚園などに対する相続税の非課税の問題についても、これは大きな法人化に対するブレーキになっているはずですよ。ですから、こういうことをずっとあげつらっていきますと、たくさんそういう問題があるわけでございます。 そこで、私はお聞きしますが、現在運営費補助は経常費五〇%目標に向けてされておると思うのですけれども、五十四年度の予算は幾らで何%に達したのか、そして将来五十七年三月三十一日には大体五〇%目標に対してどのようになっていくのか、この点ちょっと明らかにしてください。
○三角政府委員 五十四年度の幼稚園に対します経常費補助のうち学校法人立以外の分の積算は五十四億四千万円、五十五年度の予算案といたしましては五十七億六千六百万円を計上してあるわけでございます。それで、比率でございますが、これは国庫補助金は五十四年度は五・八%、五十五年度は六・四%でございますが、地方交付税措置を合わせまして県は補助いたしますので、その分を合わせますと五十四年度は二〇・五、五十五年度は見込みでございますが二〇・九ということで、これは高校以下全体の平均より幼稚園の方が後から追っかけました関係でまだ少し低くなっているのが現実でございます。
○中西委員 五十七年は一応どういう方向で、大体このペースで伸びていくとどれくらいになるでしょうか。
○三角政府委員 これは予算でございますので、なんでございますが、われわれとしては特に年次計画的な目標は立てておらないわけで、年々厳しい情勢の中で非常に努力して増額を図ってきたので、今後も同じように最善の努力をしていくべき事柄であるというふうに思っておるわけでございます。
○中西委員 そうしますと、五十七年になりますと五年を経過することになりますね。したがって、この時期になりますと、学校法人化されなかった場合には助成金は打ち切りになると思いますが、そのように認識してよろしいですか。
○三角政府委員 現行制度でございますと、ある園が補助を受けました年度から数えて五年たっても法人化の措置が行われなかった場合には、その翌年からは経常費の補助は交付されないということでございまして、五十七年度とかなんとかということではございません。
○中西委員 いや、一番初めから始まったところは五十七年になるでしょう。
○三角政府委員 一番最初から受けたとすれば、おっしゃるとおりでございます。
○中西委員 それで、いま言われたように地方の自治体のものまで含みますと、五十五年度で二〇・九%、約二一%近くなってくる。違いますか。
○三角政府委員 失礼いたしました。ちょっと訂正させていただきます。先ほど申し上げましたパーセンテージは、ちょっと私目が悪いものでございますから、交付税のところのパーセンテージだけ申し上げました。それと国庫補助金と両方数値は申し上げてあるのでございますが、足した合計で申し上げないとちょっと御理解が誤るといけませんので、合計で申しますと、五十四年は二六・三%、五十五年が二七・三%、そういうことに相なります。
○中西委員 将来的には、五十七年ごろになってまいりますと、大体いまの伸びからいたしますと三〇%近くなってくる。五〇%目標には達しなくても、少なくともこういうことになってくるわけですね。そうなりますと、これから先就園児の減少傾向が顕著になってきているということは、時間がございませんから、いまここで計数は申し上げませんが、いままで論議してきたことからいたしますと、法人化に向けての措置がされておらなければ打ち切るということになれば、いま言うように三〇%近くの助成金なし、そして園児はどんどん減少するということになってまいりますと、そういう園は倒産あるいは廃園ということになりかねない。財政的にもすべてそういうようになってくる傾向がありますね。この点についてはこのような認識でよろしいですか。
○三角政府委員 先ほど申し上げましたように、学校法人化をいたしますと、その学校法人になりまして経営状況が悪くなりますと、これは解散ということになりまして、当該財産は公的な部面へ寄付されると申しますか所属するということになってしまいます。個人立の場合でございますと、そういうことが起こりますと、これは個人財産でございますから、園の経営は縮小するなり中止するなりということでございますが、財産はもともと個人のものでございますから、財産の帰属の問題というのは起こらないわけでございます。 ただ、そういうことが起こらないように、先ほど申し上げましたように公私の連絡協議会というようなもので、公立と私立の間の定員調整でございますとか、配置計画でございますとか、そういうものを十分にやっていただくということが必要なわけでございます。
○中西委員 そこで私は、冒頭に申し上げましたように、そういう時期になっておるだけに、振興計画を総合的に見直す時期に来ておるのではないかということを提起したいと思うのです。と申しますのは、特に法人化の場合にはいま言われましたようにおくれる原因が幾つかありますよね。第一やらないようにいろいろ指導している部分があるわけですから、それを実施しない、こういうこともあるでしょうし、さらにいま申されたように、今度はもし法人化した場合には、解散ということになれば、これは私有財産でなくなっているわけですから、そこで大変だということだってあるでしょう。いろいろあるでしょう。 それともう一つは、いま言われましたように適正配置基準というものが解決されない限り、法人化はむしろ大変困難になってくるわけですね。というのは、この適正配置基準で、いままでは乱立してどんどんつくっていったわけですが、公私の場合、協議会を設けておるけれども、いままでの状況というのは十分果たし得ていない。これは将来幼児が減少する場合にはどうするのか、こういうことが一つ問題になるでしょう。 さらにまた、それに伴って一般の父母の場合には負担の軽い公立化を要求することが非常に多くなってくるわけなんです。この計画からしますと、それに対応して公立をたくさんつくろうということになっているわけですが、今度はそれと私立との関係、学校法人との関係が全部問題になってそこに出てきますね。それと先ほど申し上げました百二条の見直しがそことの関連でまた出てくる、こういうもろもろの問題をどうするかということが大変重要です。ですから、まず第一に、地域自治体における財政計画、そしてそこにおける公私の関係をどうしていくのかという問題を中心に据え、私立の場合に統合でもして将来的に法人化するのか、そして公的な性格を持たせるのかどうか、こういうところあたりをこれから十分討議していかなければならないと思うのですけれども、この点は大臣どうですか。この振興計画等について総合的な見直しをする意思がおありかどうか。
○谷垣国務大臣 いま御指摘になりましたそこまでの問題、まだ実は私考えていなくて、五十七年度までに四歳児、五歳児の希望者を全員収容するというところに重点を置いて考えておりましたが、先ほど来お話を聞いておりまして、これはまた保育所の問題も実際あるのですね。そういうものを含めまして、何か考え方を決めていかなければならぬだろうという感じを持っております。
○中西委員 計画というのは大体十年経過をすれば一定の総反省をして、後半には総反省をしながら、それが切れる時期には大体新しい計画というのが次にでき上がってくる、それが長期かあるいは中期かは別にいたしましても。ところが、五十七年ということになりますと、もう来年には一定の結論的なものを出さないと、その次にはもう実施できないわけなんですよ。これは定数法の問題だってそうでしょう。文部省は一年間サボっておったという実態があるわけですから、こういうことであってはならぬわけです。ですから、少なくとも短期間にこの点について方向性と、このように計画を見直しますということを提起していただきたいと私は思うのですが、その点どうでしょうか。
○谷垣国務大臣 十分にひとつ研究させていただきます。
○谷川委員長 関連して木島君。
○木島委員 いよいよ五年たちますよね。法人化に措置しなければならない。ところが、さっき御指摘のように法人化をせねばならぬ。それは公教育だから当然だ。だけれども、それを進める努力がされないままに、かえって逆にブレーキすらある。なぜなら、これは先ほど中西さんが言われたとおり議員立法ですよね。議員立法というのは五年間猶予を置くけれども、憲法八十九条の規定からするならば、本来はしてはいけないのです。けれども、それをあえて五年間というものを実情に即してやった。やったけれども、しかし五年間やるから、そのかわり措置せねばならぬと決めたのですよ。だから、元来それができなかったら返させるべきだと私は思うのです。今日補助金というのは、この国会では最大の問題の一つであります。措置しなければならぬのに、措置する努力を果たしてどれだけやってきたか。そして文部省はブレーキすらかけているのではないのか。たとえばあの法律が通った直後の経常費助成費、補助金の基本的事項というのは、文部省、大蔵省、内閣法制局、衆参両院の法制局でもって、たとえば違法だけれども返せというのは過酷であるという、そういう文書が流れておる。とすれば、過酷なら、もらった方が得じゃないか。だから法人化に努力しない。完全にブレーキです。原理とすれば法人化しなければならぬ。そのアクセルを踏まなければならない。だのに一方ではブレーキをかけている。議員立法なんだから、こういうものを出すなら、議員に相談くらいはあったっていいじゃないですか。それはもちろん法律をつくれば法律は今度は行政府のものだからおれは勝手だということはあるかもしれない。しかし一方、こういうことでブレーキをかける。そういう措置をなしながら今日になってきておることが問題なんだ。それは今日までその補助金によって父母負担も軽減されたでしょう。園もよくなったでしょう。そして保母さんたちは一生懸命やっているかもしれませんけれども、補助金をもらって法人化されなくてもいいんだ、そういうことでもってもしも補助を受けたとするならば、この理事者は非教育的行為と言わなければならぬ。私はそこが一番問題だと思うのです。そういう文部省の態度が一番問題なんじゃないですか。
○三角政府委員 学校法人立以外の幼稚園で都道府県の補助金の交付を受けておりますものは、五十三年度の時点で三五%でございます。それから学校法人の場合は九九・七%が受けております。これは都道府県の事業でございますから、都道府県があらかじめある特定の個人立の幼稚園なり宗教法人立の幼稚園が学法化の努力をする気持ちがあるかないか、そこを調べまして、そして都道府県が補助の対象にしておるのでございます。国はその都道府県の措置に協力するために都道府県に補助をしておる、こういう仕組みになっておるわけでございまして、ただいま御指摘の憲法云々でございますが、これはやはり私学振興助成法に基づきまして必要な学校法人に対しますいろいろな意味の保障措置に準じた措置が、これは議員立法としてお決めいただいておるわけでございまして、そしてその末尾に五年云々で措置しなければならない、こう言っておるわけです。ですから、いまおっしゃいましたように、やはり特に幼児の教育などをつかさどるその責任者の方々でございますから、極力学校法人化の努力をしていただくということは当然でございますが、これはやはり法人化というものには、先ほど来申し上げましたようないろいろな条件整備の必要がございますので、それが間に合わないという場合は現実には起こり得るだろうというふうには思っております。 そういった場合に返すか返さないかということでございますが、これは経常費でございますので、特に教育の充実に充てるための経常費でございまして、そのすべての経費は教育を行っていただきました保母さんなりあるいは教育の対象でございました園児なりのところへ究極行き着いているものでございまして、設置者の手元に残っておるというものではございませんので、いろいろな事情で首尾よくいきません場合も、これは法理上も実際上もこれを返還をさせるということは適当ではないというふうに考えておりまして、これはすでに昨年、一昨年も同趣旨の御答弁をさせていただいておるわけでございます。
○木島委員 関連ですからこれで終わりますが、先ほど言いましたように、補助金を受けても法人にならなくても、これは返還させるのは過酷だという皆さんの方針がある。ですから、そうなればもはや補助金をもらったってやらなくたっていいんだ、返さなくたっていいんだ、とすれば法人にならなくたってもらえるんだという気持ちが蔓延するのは当然だ。いまあなたは努力とおっしゃったけれども、あなたはどんな努力をしたか。調査書なんてごらんなさいな。たとえば「学校法人化への園内の検討会を行っているか。」「学校法人化のための外部での研究会等に参加したかどうか。」こんなのが努力の中に入っているのですよ。それを私はブレーキだと言っているのです。逆に言うならば、良心的な経営者は、法人化はできないと思うから苦しくても補助金をもらっておらないのです。そこに不公平が出てくるじゃないですか。教育という場において良心的な者が苦しんでおる。もしそうでなければ幸せでありますけれども、返さなくたっていいんだということを前提にして補助金をもらっておる、とすれば、それは非教育的行為になる。そこが問題なんじゃないか。いまさら返せと言うんじゃありません。そういう措置をやっているところに問題があるのです。法人化せねばならない。これは原則です。なのにブレーキをかけている。そして補助金を乱用している。そこに問題があるのじゃないですか。そこのところの見解を聞きたいのです。
○三角政府委員 個人立の幼稚園を経営している当事者の方々が一種の御主張と申しますか、それをいろいろな形でおっしゃることはあるかと存じますが、その内容については、私は余り詳しく承知しておりませんけれども、これは自由だと思いますが、私どもとしては、幼児の教育をやる責任者でございますから、やはりまず正直であるということが基本前提だと思います。最初から不正直だという前提で補助事業の執行はいたしたくないのでございます。
○中西委員 時間を経過しまして大変恐縮でありますけれども、幼稚園の問題については、いま大臣が言いましたように保育園とあわせまして大変重要な問題でありますから、早急に措置をしていただきたいと思います。 済みませんけれども、一言だけ。先般共通一次試験の問題でミスが出て、しかもその訂正が一カ月もおくれたという事実が出ましたね。この点は、大変危惧いたしておる点がもう出始めたのではないかと思うわけです。と申しますのは、こういうものをつくりますと必ずそこが官僚化しまして、いろいろ指摘をしましてもそれを改めようとしない、そういう傾向が出てくるわけです。そのまず端緒にこれがなるのではないかと私は大変危惧するものです。この点について文部省は、センターに対して十分なる指導と、この問題点については指摘をしていただきたいと思います。 以上であります。
○佐野政府委員 私の方は正解にミスがあったこと自体がまことに申しわけないと思っておりますが、そのこと以上に試験の実施後相当の期間を経過し、しかも試験の終了後外部から指摘を受けながら十分な対応が行われなかったというのは言語道断のことと考えております。このことについては、私から直接入試センターの所長に強く今後の厳正な対応を求めて御注意を申し上げてあります。
○中西委員 終わります。 ――――◇―――――
○谷川委員長 これより内閣提出、国立学校設置法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。 まず、提案理由の説明を聴取いたします。文部大臣。
○谷垣国務大臣 このたび政府から提出しました国立学校設置法の一部を改正する等の法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、昭和五十五年度における国立大学の学部及び大学院の設置、短期大学部の新設及び廃止、国立養護教諭養成所設置法の廃止等について規定しているものであります。 まず第一は、学部の設置についてであります。 これは、新潟大学に法文学部を改組して人文学部、法学部及び経済学部を、金沢大学及び岡山大学に各法文学部を改組して文学部、法学部及び経済学部をそれぞれ設置し、これら地方における国立大学の教育研究体制の整備を図るものであります。 第二は、大学院の設置についてであります。 これまで大学院を置いていなかった浜松医科大学及び宮崎医科大学に医学の博士課程の大学院を新たに設置し、両大学における教育研究の水準を高めるとともに、研究能力のある人材の養成に資することとするものであります。 第三は、短期大学部の新設等についてであります。 これは、北海道大学に医療技術短期大学部を新たに併設し、近年における医学の進歩と医療技術の高度化、専門化に即応して看護婦の養成及び資質の向上に資することとするとともに、福島大学経済短期大学部については、昭和五十三年度において既設の経済学部の中へ発展的に転換を行い、以来、学生の募集を停止してきておりますので、このたびこれを廃止することとするものであります。 なお、北海道大学医療技術短期大学部は、本年十月に設置し、昭和五十六年四月から学生を入学させることとしております。 第四は、国立養護教諭養成所設置法を廃止することであります。 国立養護教諭養成所は、義務教育諸学校の養護教諭の増員計画に対処するため修業年限三年の養成施設として、昭和四十年度から昭和四十四年度までの間に九大学に付置してきたものでありますが、その後、養護教諭の職務の重要性にかんがみ、逐次大学の四年制の課程へ発展的に転換を進めてきたところであります。 このような転換措置によりすでに七養成所を廃止してまいりましたが、残る弘前大学及び岡山大学の両養成所についても、昭和五十三年度において付置大学に養護教諭養成課程を設置すると同時に学生募集を停止してきておりますので、このたびこれを廃止するものでありますが、これにより九養成所すべてが廃止となりますので、国立養護教諭養成所設置法を廃止することとしたものであります。 以上のほか、昭和四十八年度以後に設置された医科大学等に係る職員の定員を改めるとともに、この法律施行に伴う所要の経過措置を講ずることといたしております。 以上がこの法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。
○谷川委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時五十七分散会 ――――◇―――――