物価問題等に関する特別委員会 第11号
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- 65 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1980/04/17
会議録
○井上委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岸田文武君。
○岸田委員 きょうは、物価問題一般という点と、それから石油需給の問題、この二つの点についてお尋ねさしていただきたいと思っております。 まず最初に、物価一般の問題についてでございますが、もういまさら申し上げるまでもなく、いま国民の関心というものがこれから一体物価がどうなるのだろうかという点に非常に強く注がれておる、これは選挙区へ帰るたびにしみじみとそういうことを思い知らされているような気がいたします。一般消費者の方々はこれからわれわれの生活はどうなるのだろうか、また、企業者の方々も自分の経営が一体これからどうなるのだ、こういった意味で非常に物価の動向について心配もしておられる、不安も持っておられる。そういう中で、少しでもやはり正しい理解をお願いをする、また正しい判断を持っていただく、こういうことはやはりわれわれの務めではないか、こう思っておる次第でございます。 以上のような見地に立って、御懇篤なる御説明をぜひお願い申し上げたいということをまずもってお願い申し上げます。 御質問のまず第一点は卸売物価の動向についてでございます。長官、かねがね、これからの物価問題にとって四月−六月というのは非常に大きな山場であるということを繰り返し言っておられるように聞いております。確かに、従来の卸売物価の動きを見てみましても、対前年同月比は、一月一九・三%、二月二一・四%、三月二二・八%、不気味に上がっておる。 こういう情勢の中で、まずお尋ねしたいのは、四月をどう見通しておられるかという点でございます。特に電気、ガスの値上げがあった、こういう要因の中で、いまの段階で断定的なことをおっしゃることはできにくいかと思いますが、見通しとして四月をどう御判断になっておられるか、まずお尋ねをさせていただきます。
○正示国務大臣 御指摘のような動向をたどっておりまして、四月についても相当の高い上昇率になるというふうに見通せるわけでございますが、なお、一番大事なのは円レートの動向だと思っております。 こういう点につきまして、政府委員から若干詳しく御説明をさせます。
○藤井(直)政府委員 ことしに入りましてからの卸売物価の動きにつきましては、原油を初めといたしまして、一段と海外原材料が値上がりしたということのほかに、円安がございますので、一月以来毎月二%台の上昇を続けております。 そこで、五十五年三月の前年同月比というのは、いま、二二・八%ということになっておるわけでございますけれども、こういう情勢の中で四月がどうなるかというお尋ねでございますが、四月につきましては、電力、ガスの料金の改定がございますので、それが直接卸売物価を押し上げる度合いは約一・一%ということになっております。したがいまして、従来に比べますと、それが乗ってくるということでございますし、それから、石油製品につきまして第八次の値上げが打ち出されております。これがどの程度浸透するかという問題はございますが、そういうようなもののほかに、従来からの卸売物価の原材料段階からの波及が出てくると思われますので、四月の上昇率につきましては、具体的に何%ということを申し上げるのは非常にむずかしいわけでございますが、かなり高いものになるのではないかというふうに思っております。いまその点につきましては大臣がちょっとお触れになりましたけれども、円レートがどうなるかということとロイターがどうなるかということの二つの要因がまた絡んでまいりますが、ロイターにつきましては二月の中旬にピークを打って、いま弱含みの状況にありますのと、円レートが一時の円安から是正される過程にあるというようなことでございます。その辺を少し注視しなければならないなと思っております。
○岸田委員 電力、ガスの値上がりということが大きな影響を与えて、四月の瞬間風速で相当高くなる。これは私はわかるような気がするのですが、私自身、これは勘で申し上げることはいかがかと思いながら、四月に上がるべき材料をかなり上げてしまって、五月、六月はむしろ落ち着くというような受けとめ方ができるのではないかという気がいたしますが、そういう感じについてどうお感じでございましょうか、ちょっとお教えいただきたいと思います。
○藤井(直)政府委員 ただいま申し上げましたように、四月の卸売物価を押し上げる要因の非常に大きなものは電気、ガス料金の直接的な影響でございます。これが終わります五月以降につきましては、それらの間接的な波及がどうあらわれるかということを注視する必要があると思いますが、先ほど申し上げましたように、海外商品市況の動きやら円レートの動き等も考えますと、石油事情等について特別の変化がない限り、五月以降は上昇率が鈍化していくという点につきましては、先生のおっしゃったとおりではないかと思っております。
○岸田委員 続いて、消費者物価の問題に移らせていただきます。 一般の方々は、卸売物価が対前年比二〇%あるいはそれ以上の値上がりをしておる、大変なことだ、卸売物価がそういう値上がりをすると、やがては消費者物価もそれに近い値上がりになって、われわれの生活を脅かすのではないかという素朴な受けとめ方をしているのじゃないかという気がいたします。その点については企画庁の方は、そういうことはないのだということを言っておられますが、そういうことはないのだという点を、もう一度一般の国民にわかりやすくこの席で改めて御説明願いたいという気がするわけでございます。
○正示国務大臣 いま御指摘のように、大きな傾向といたしまして、やはり卸売物価の上昇が非常に高いのでございますけれども、いわゆる素原材料の分と中間品、それから消費財の分というふうに分けて考えますと、われわれとしては、消費者物価の方は比較的モデレートな動きという点について考え方を変えておりません。野菜も比較的落ちついてきております。まだまだ高い水準にありますが、そんなようなことから私どもは、年度がわりで電気、ガス等の影響が相当出てまいりますから、相当の消費者物価の値上がりということは避けられないと思いますが、しかし、いまのような点も考えまして、この間の総合物価対策でやりましたような適切なる総需要の管理、また生産性向上による吸収努力、各個別品目に対する厳重な監視と適切なる対策を講じていけば、何とか大きな暴騰は避けていけるのではないか、こういうふうに考えておりますが、なお詳しくは政府委員から申し上げます。
○藤井(直)政府委員 卸売物価の中で加工段階別に見ますと、素原材料が七三・七%ということで非常に上がっております。これは輸入品価格の上昇を反映したものでございます。しかし、だんだんその段階を追ってまいりますと、その値上がり率が低くなっておりまして、中間品、製品原材料で見ますと、二三・八%でございます。そして資本財、消費財等の完成品で見ますと、六・〇%ということでございまして、加工段階を追うに従って上昇率が低くなっておりますが、この理由は一つには原材料費のウエートが加工されるに応じて下がっていくということから出てくる当然の結果でもあるわけでございますが、さらにそれに加えまして、昨年来の企業の価格形成に当たりまして、生産性向上、省エネルギー努力が反映しているということがかなり大きく影響しているのではないか。さらには賃金の決定がモデレートに行われたということもあるかと思います。 さらに需給関係につきましては、政府なり日銀の早目の対策で、マネーサプライが非常に安定していたというようなこと、さらには前回の石油危機のときの経験から、企業の価格形成の仕方も、それから消費者の買い急ぎということについての消費者の態度も非常に冷静であったということがあったのではないかと思います。そこで、卸売物価の完成品の価格上昇が比較的低かったということが、消費者物価の商品の方にも影響しておりまして、消費者物価の商品は三月末で、東京ですが、前年比五・四%ということでございます。そのほかに消費者物価にはサービスがございますが、これは賃金の関係でやはり落ちついていたというようないろいろな要因があって、現在の卸売物価全体の上昇に対して消費者物価がそれほど上がっていないということが出てきているのではないかと思っております。
○岸田委員 いずれにせよ、石油の値上がりというものが大きな引き金になり、輸入原材料が上がって、それが物価の上昇を促している。この事情は単に日本だけではなくて、世界の先進国共通の課題でございますし、また大きな問題になっておる、こういうふうに理解をしておるわけでございます。今回の石油騒動が起こる前と比べて、先進諸国の物価上昇が一体どういう変化を示したか、あらまし御報告をいただきたいと思います。
○藤井(直)政府委員 第一次石油危機前を基準とする価格の動向でございますが、第一次石油危機の際には、各国とも非常に物価の上昇を見たわけですが、その中で日本の場合非常に高かったわけでございます。そこで、その率を申し上げますと、四十九年の時期におきましては、四十七年に対しまして日本の卸売物価は五二・二%上昇しております。その結果でございますが、その上昇率の度合いは、日本がイタリア、イギリスよりは低い、しかし西ドイツ、アメリカ、フランスよりも高いということになっておったわけでございます。ただ、その後五十年以降になりますと、日本の景気が、需給が非常に緩和してまいりましたのと、円高が進んだ関係からその関係が是正されまして、五十年を基準にいたしますと、先ほど申し上げました西ドイツ、アメリカ、フランスよりも高いという状況から、日本の卸売物価は西ドイツを上回っておりますが、アメリカ、フランスよりは低いということになっておりまして、ここ一二、四年の物価情勢は、日本の場合はほかの国に比べてかなり安定ぎみに推移してきているということが言えるかと思います。 それから同時に、消費者物価について申し上げますと、消費者物価は、四十九年のときに日本は一番高くなっておりまして、卸売物価よりは消費者物価の方が高いという状況があったわけでございます。その後、五十年以降の卸売物価の落ちつきの影響等も出てまいりましたし、円高等も出てまいりましたので、現在の段階で見ますと、五十年に比べますと、日本の場合は西ドイツに次ぐ状況が消費者物価についても出てきております。 そういうことでございますので、第一次石油危機のときの日本経済においては、需給が逼迫するというようなことを含めて、非常に物価を押し上げる要因が確かに多かったわけでございますが、その時期を脱した後は、物価の情勢は非常に好転をしてきたということではないかと思います。
○岸田委員 いまのお答えの中でもう少し確かめておきたい気がいたしますのは、当初おっしゃいました四十七対四十九、日本が大変上がったということ、しかしそれ以後は大変よくがんばってきた、その成果もあってほかの国と比べて値上がりの度合いが非常に低いということを言われたように思います。前におっしゃいました四十七対四十九、それから後でおっしゃった五十年以降、あわせて一体どうなっているのか。この辺、日本は大変早く上がった、ほかの国は後からじりじり上がった、しかし、日本は早く上がったなりにその後一生懸命がんばってきた、総合点ではどうなのか、もしお調べになっておられたら、こういう点をお教えいただきたいと思います。
○藤井(直)政府委員 卸売物価で申し上げますと、五十四年の第四・四半期で見まして、四十七年に対して日本は七五・三%でございます。他の国を申し上げますと、西ドイツが四六・八%、フランスが一〇二・〇%、アメリカが一〇七・五%、イタリアが二四四・四%、イギリスが二六二・九%でございまして、西ドイツの四六・八%に次ぐ上昇ということになります。 それから、消費者物価について見ますと、やはり五十四年の第四・四半期で見まして、日本の場合は一〇二・二%でございます。他の国を申し上げますと、西ドイツが四二、三%、アメリカが八一・七%、フランスが一〇五・七%、イギリスが一七七・二%、イタリアが一九〇・一%でございます。
○岸田委員 第四・四半期以降の最近の動きも含めて考えてみますと、第一次石油ショックのときには、本当に大きな影響を与えた物価問題についても、その後の関係者の努力によって、世界的に見ればかなりよく努力しているということがおおむねの評価として言えるのではないかという気がしております。 ちょっとそれに関連して、通産省にお尋ねをしておきたい。 先般、アメリカ、イギリスの物価上昇の姿について少し具体的な状況がわかったら調べてもらえないかということをお願いしておきましたが、その結果がどんな答えでも出たのでしょうか、もしおわかりでしたらお教えいただきたいと思います。もしお答えいただく場合に、日本と比べてどういう点に特色があるのかという点について、あわせてお触れいただければ大変ありがたいと思います。
○神谷政府委員 アメリカとイギリスについて若干のデータを関係機関を通じて収集いたしまして、−種々比較いたしております。ただ、分類あるいはカバレージその他異なるところがございますので、比較技術的に余り正確なことは申し上げられませんが、大勢はある程度うかがい知れるというふうに考えております。 御承知のようにまずアメリカでございますが、CPIに相当するものが昨年の三月から二けた台の上昇率になっておりまして、本年二月、比較的新しい数字でございますが一四・一%というのが前年同月比になっており、イギリスでもやはり同様の傾向でございますが、本年一月の数字が前年同月比一八・四%ということになっておるわけであります。 これに対して日本の場合、申すまでもなく従来三ないし五%という数字で来ておりましたが、二月、全国で八%、あるいは三月の東京都区部が七・二%と若干高くなってきておりますが、アメリカ、イギリスと比較いたしますと、消費者物価に関する限り、現在においてもなお安定的に推移しておるということは言えると思います。 中身につきまして概括申し上げますと、この三国の比較で共通しておりますことは、上昇率が高い部門はガソリンあるいは灯油その他暖房用等の石油製品、それから日本は米英ほどではございませんが、石炭等の関連しておる光熱費あるいは輸送関係費——輸送関係費と申しますより自動車関係費と申し上げた方がよろしいかもしれませんが、これが三国共通して上がっております。 異なる点で目立つのは、アメリカ、イギリス、特にアメリカの急激な金利の上昇に伴いまして住宅ローンが上がっておるということから、住宅費が米英等では急騰しておりますが、日本の住居費は安定をしております。それから、日本は野菜を中心といたしました季節商品が他の品目を圧倒して高くなっておりますが、アメリカ、イギリス等は相対的に安定をしておるというのが大きな姿でございます。 特に、産油国でございますイギリスと日本とは、先ほど申し上げましたような比較の技術上の制約はございますが、幾つかを拾ってみますと、光熱費に関しますと、英国の一月は一八・九%、産油国であるにもかかわらず前年同月に比べてかなり高い伸びでございます。日本は全国の二月をとるか東京都区部の三月をとるかで異なっておりますが、全国の二月をとりますれば二五・六とイギリスよりやや高い。これは石油の依存度が高いわけでございます。産油国ではございませんから当然でございますが、東京都区部の三月でとりますと一七・三%という数字になっております。 逆に工業製品でございます家庭用耐久財、被服費といったものについて見ますと、家庭用耐久財では、英国は一七・七%の前年同月比アップに対して、日本は一・三%にとどまっておる。これが二月の全国でございます。被服費が一一・九%と約一二%イギリスが上がっておるのに対しまして、日本が六・二%と比較的安定をしておるという状況にございますとか、ホームメードインフレが日本では進んでいないということを反映いたしておりまして、その他サービス関係をとりましても、英国が二二・二%に対して日本が七・〇%という形になっており、大宗して申し上げられますことは、先ほど物価局長からお答えいたしましたように、工業関係製品に関しては、当然のことながら日本は安定をしておる、日本のベストではなくてワースト一位は、どうしても季節商品が上がっておる、こういうような状況でございます。
○岸田委員 いまのお話を伺っておりまして、日本がこの前の石油ショックのときの大きな貴重な経験を背景にして、今回はかなり一生懸命努力して、それもある意味では、本当に国民全体力を合わせて努力をしているというのが実態なんじゃないかな、私はそういう感じがしてなりません。一つには企業者の方々が企業で働く方と協力して生産性の向上に一生懸命努力をしておられること、それから、消費者の方々が前回の貴重な経験をもとに今回は非常に冷静に、しかも的確に行動をしておられること、さらにまた、政府の方も通貨供給その他景気の動向について的確な手を打っておること、それらのことがあわせて今日のような姿をもたらしておるのではないかという感じがいたすわけでございます。この辺のところにつきまして長官の方から一言御意見、御感想をお漏らしいただければ幸いだと思います。
○正示国務大臣 ただいま岸田委員が御指摘のような点が、第一次石油ショックのときからのわれわれ民族としての一種の英知といいますか、学び取った貴重な体験からくる教訓だと思います。そういうことが本当によく生かされまして、企業においても生産性の向上に努力、これは労使を問わず今度の春闘等でもそういう大きな一線はかたく守られておる、私はこういうふうに思うわけでございます。 それから、いまお話しのような、一般消費者のきわめて賢明、冷静な対処というふうなことがあったと思います。そしてまた、これにこたえるように政府を挙げて、各省庁こぞってそうした消費者の行動あるいは経営者と労働者との懸命な対処に報いるような施策を展開しておる、こういうふうな点については私は全く岸田委員と同意見でございます。
○岸田委員 ある意味では、第一次石油ショックの貴重な経験というのは、日本だけではなくて世界各国とも貴重な経験を経たはずであるにかかわらず、日本はかなり努力をしてその成果があらわれておる。他方で、アメリカなりイギリスは、同じ経験をしたにもかかわらず大きな物価上昇に見舞われておる。一体どこが違っているのだろうか。特に、アメリカの経済を例にとって、その違いというものをお示しをいただきたい。 私がそういうことを申し上げるのは、実は外から見ておりまして、アメリカの経済がどうなるのかということについて大変心配をしておるわけでございます。プライムレートが二〇%を超えるというような、普通のいままでの常識では考えられないような事態、これが一体いつまで続くものであろうか、しかもそういうような姿が、結果的には為替レートの変動であるとか、金利水準の問題を通じて日本経済にもさまざまな影響を及ぼしてきておる。私は、その辺のところは企画庁としてお考えの点があるのじゃないかと思いますので、ぜひひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○小谷説明員 まずアメリカの経済の最近の動向等を申し上げますと、五十三年に経済の実質成長率が四・四%であったわけでございますけれども、五十四年に入りまして年平均で二・三%へとダウンをしてまいりまして、最近は景気が頭打ち状態になっておると見ております。特にここに参りまして、鉱工業生産あるいは小売売り上げを見ましても、ことしに入りましてマイナスになっております。二月、鉱工業生産指数で見ますとマイナス〇・二%、三月、マイナス〇・八%、あるいは小売売り上げを見ましても、前月比で二月、マイナス一・六%、三月一・三%ということで低下してきておりますし、それから失業率を見ましても六%台に上がってきております。 それから貿易収支を見ましても、石油輸入額の増大等から赤字幅が拡大してまいりまして、そのようなことで、最近のアメリカの経済は非常に弱くなってきておるというのが現状でございます。
○岸田委員 何か見ておりますと、アメリカの場合には将来ともある程度インフレが続いていくというような、ある意味では幻想かもしれないようなものを追いかけながら経済が回転をしておる、そういうことが世界経済にもいろいろな影響を及ぼしておるというような感じがしてなりませんし、またそれが一体いつまで続くのかというようなことをよく考えておきませんと日本の経済の運営にも非常に大きな影響を与えるのではないかという私なりの心配をしておりますことを御理解を賜りたいと思っております。 次の問題に移らせていただきます。 先ほど私申し上げましたことの中で、いま日本の物価政策がそれなりにがんばって努力をしておる背景の一つとして、日本が不況の大変苦しい経営の中で何とか合理化投資をがんばってやってきた、それで今日ある程度の成果を上げておるという面があるのではないか、ほかの国と比べてそういったことを示すような指標がもし手元におありでございましたら御披露いただきたいと思います。
○正示国務大臣 先ほど政府委員が答えましたように、アメリカと日本との相違ですが、やはり労働の生産性それからいまお触れになった企業の合理化努力、この二つが非常な違いだと私は思うのです。 具体的な若干の材料をもって御説明をいたしますが、この間のカーター大統領のインフレ対策にいたしましても、生産性を上回るような賃上げというふうなことについてのしっかりした指針がどうも欠けておるような感じがいたします。いわゆるガイドラインというふうなものがありますけれども、これは物価、インフレ率に対応して賃上げが行われるというふうなことになりますと、それに対して政府は発注を控えるというふうなことでこれに若干の制約を加えるようなことが定例のようになっております。この点、日本あるいは西ドイツ等は、生産性を上回るような賃上げはみずから墓穴を掘るものであるというふうなことを前回の教訓からはっきり学び取ってやっておるということ、それから企業も生産性を向上するためには常に設備を合理化して能率を上げていかなければならぬ、こういう点が非常に違っておることは御指摘のとおりだろうと考えております。
○岸田委員 そのことに関連をしてもう一つお考えを聞かせていただきたいと思いますのは、経済がこういう状況でございます、そういう中で何とか過熱を防止するために早目早目に景気調整の手を打っていく、私はそれは一つの適切な考え方だと思いながら、他方で、いま申し上げましたように、今日の物価安定を支えている大きな要因として合理化投資がある。この合理化投資を冷ましたりするようなことがあってはやはり将来に禍根を残すことになりはしないか、その辺のかじ取りの考え方、大変微妙な問題でございますが、ひとつお答えをいただきたいと思うわけでございます。
○正示国務大臣 これは大変大事な点だと思うのであります。 われわれ、四月、五月あたりを物価の非常な正念場とか一種の非常事態としてとらえて、先般の総合物価対策は、一方、日本銀行の公定歩合も史上最高のところまで引き上げるとか、公共事業について思い切った抑制措置を講ずるとか、その後一般経費についても、財政的な理由ではございますけれども抑制的にやっていくとか、これは非常に適切なる総需要管理政策の具体的なあらわれでございますが、しかしそのために金利が非常に上がっております。これが企業の経営にどういうふうに影響していくか十分注意をしなければならぬ点であろうと思うのです。幸いなことに、いまのところきわめて堅調な景気の足取りをわれわれははっきりいろいろな指標から認められるわけでございます。しかし、いま御指摘のような省エネルギーあるいは脱石油の面からいいましても、絶えず必要な設備投資を行って設備の近代化を図っていかなければならぬ、合理化を図っていかなければならぬ、こういう点もございますし、また中小企業、零細企業に対しましてはいろいろな面から経営について十分配慮していかなければならぬことも御指摘のとおりだと思います。われわれは、先ほど申し上げたような円レートの問題、また外国の金利の動向その他を考慮しつつ、物価について一応の見通しをつけられる段階を早く招来することによって、景気面についても適時適切なる施策を展開していくことを忘れないようにしなければならぬ、こういう考え方を持っておるわけでございます。
○岸田委員 私ども、物価にかかわり合いを持っておる者の一人として、とかくやはり上がるものが次から次へと目についてならないわけですが、一方で下がるものもあるわけでございましょう。先ほどのお話の中でもちょっと触れておられましたが、野菜の問題、本来ならばこれは農林水産省の方からお答えいただくのが筋かと思いますが、このことのために来ていただくのもいかがかと思いますので、企画庁のお立場からごらんになって、最近の野菜の価格の動向、どうなっておるのか、また、どういうふうな見通しを持っておられるのか、ここをひとつお聞かせいただきたいと思います。
○藤井(直)政府委員 二月の時点で昨年に比べて野菜の値段がほぼ倍という状況であったわけでございますが、その当時農林水産省を中心といたしまして野菜緊急対策を講じたわけでございます。そういうこともありまして三月にやや値下がりをしたということですが、しかし三月の水準は昨年に比べて六五%、まだ依然として高いわけです。そこで、その後の情勢につきまして、農林水産省の方で産地の調査等いたしまして四月八日に発表したところによりますと、いまの野菜価格については三つのことが言えるのではないか。 一つは、すでに平常のベースになっているものがある。それはキュウリとかトマト、ホウレンソウ、レタス等でございます。それから、なお下がってきてはいるけれども去年に比べると高いというものが、キャベツ、ネギ、大根、ピーマン等でございます。ただ、これについては、四月の後半になれば前年並みに落ちつくであろうということを申しております。それから昨年来一貫して安値できておるものとしては、バレイショ、タマネギ等がございます。そういうようなことで三つに分けて考えられるのではないかということでございますが、いずれにいたしましても、第二番目のグループにつきましても四月の後半には平常になるということでございますから、現段階で見ますと野菜の高値というのは大体収束する見通しが立ったということで農林水産省も発表されたわけですが、こういう情勢を見ますと、四月におきましては野菜の値段は三月の低下以上のものがあるだろうと私ども考えております。
○岸田委員 私、いただきました資料を見ておりまして感じたことでございますが、CPIにおけるウエートがたしか電気、ガスが二八四、それから野菜が二八〇、ほぼ同じウエートを占めておる。先般電気、ガスの値上がりについて苦労をお互いにしたわけでございますが、あのときのことと比較してみますと、同じウエートを持っておる野菜が一年間に気のつかない間に倍に上がっておった。中には五倍も上がった、七倍も上がったというものも含まれておる。そういうことはやはり本当にお互いに考えていかなければならない問題だったのだなということを、いまさらのように振り返って感ずるわけでございます。それだけに、この野菜がこれから安定の方向へ向かっていく、かなり消費者物価の安定に貢献をしてくれるだろうということは、明るい期待を持たせるような気がいたすわけでございます。 以上、あれこれお尋ねをさせていただきましたが、ここで改めて長官にお答えをいただきたい、あるいはこれに関連をして政府委員の方々から補足をしていただきたいと思いますのは、やはり国民として一番大きな関心の的である今年の消費者物価六・四%、この範囲内におさめよう、こういうことが本当に可能なのかどうか。一部の人は、公共料金の値上げラッシュでもうすでにパンクしたのだというようなことを方々でおっしゃっておられる方がある中で、私は私なりに数字を見ておりますと、まだある程度の余力が残されており、その余力の範囲内でうまくおさめられるかどうか、これがこれからの努力にかかっているような面がたくさんあるのじゃないか、そんな気がするわけでございます。この辺のところをひとつ長官あるいは政府委員の方からお答えをいただきたいと思います。
○正示国務大臣 若干数字的なことは後でまた政府委員が補足してくれると思いますが、私の見るところでは、いま岸田委員が御指摘になったように、やはり五十四年度末と五十五年度の初めとで大きく変わってくるのは生鮮食料品の季節的な関係が五十四年度末には大きく事態を変えておった、それが、いま申し上げたように、また御指摘のようにいろいろ御努力と協力によって急場をしのいでいくことができた。これが漸次やはり鎮静あるいは正常化の傾向をたどっていくわけでございます。そこへ懸案であった電気、ガスの料金改定が行われました。もちろんこれはわれわれとしては心を緩めるわけにはまいりません。しかし、今度の春闘の状況等を見ましても、国民挙げてやはりインフレを避けて安定した物価の見通しのもとに経営なり生活設計なりを立てていく以外にこの時期に対処する道はないのだというふうな御認識が国民各界、各層にずっと行き渡っておる、これは何よりありがたいことだと思っております。ついては、そういう国民の皆様の一層の協力を得てわれわれとしては今後もますます、各省庁挙げまして先般の総合的な物価対策をひとつ忠実に励行して成果を上げていきたいと考えますが、あるいは数字的なことでさらに御質問があれば政府委員からお答えを申し上げます。
○藤井(直)政府委員 五十五年の三月末の数字が東京で七・二%ということでございますが、これが五十五年度にかけてどういう形で動いていくかということが問題になりますので、いま大臣のお話がありましたように、現在の時点で見ますと、かなり季節商品が押し上げている面が強いということがまず第一に言えるかと思います。これは、先ほどから申し上げておりますように、是正の過程に入っていくだろうと思われます。そういうことでございますが、一方、電気料金の引き上げが現実に出てまいりますから、それがまた物価を押し上げる要因になるということでございます。その辺を含めまして見ますと、五十五年度の前半はそういう電気料金のほかに卸売物価の波及の問題もございますので、前年同月比というのは高い水準でいくかと思いますが、後半になりまして、ただいまの総合対策等を強力に推進いたしまして、ともかく卸売物価からの波及を最小限にとどめるという努力をいたします。そういう効果等も考え、かつまた、年度末等におきます生鮮食料品の対前年同月比等も考えまして、下期には鈍化していくのではないか、そういう意味で前半が高くて後半が安定していくというプロセスをたどるのではないかというふうに思っております。そういうことによりまして、五十五年度の六・四%という見通しの実現が可能ではないかというふうに考えておるわけであります。
○岸田委員 それでは、少し石油の問題についてお尋ねをさしていただくことにしたいと思います。 今日の物価の問題あるいは将来の物価の問題を考えてみましても、やはり石油がどうなるかということが一つの大きなかぎであることは間違いのないことでございます。ちょうどそういう折であるだけに、つい先日発表されました石油供給計画、これの考え方をこの際少しただしておきたいと思うわけでございます。 まず事務局の方から、今回の石油供給計画の基本的な考え方を整理して御披露いただきたいと思います。
○志賀政府委員 お答え申し上げます。 今月の十四日に石油審議会を開きまして、五十五年度から五十九年度にかけましての石油供給計画を御承認いただき、決定をしたわけでございます。 今回の供給計画を策定するに際しまして、私どもが考慮いたしました基本的なポイントを申し上げますと、まず第一は、先生御案内のように、一九八〇年の石油輸入量の上限が五百四十万バレル・パー・デー、それから一九八五年の石油輸入の目標量が六百三十万バレル・パー・デーということが一応IEAの閣僚会議によって決められているわけでございます。それとの整合性を図ることが必要であるということが第一点でございます。 それから第二点目でございますけれども、これはことしの一月に、七%の石油の消費節約をやろう、こういうことを政府として決めておるわけでございます。これをどうやって織り込んでいくかということが第二点でございます。 それから第三点でございますけれども、これは消費者対策あるいは物価対策という面から重要な品種でございます灯油あるいは軽油あるいはA重油といったようないわゆる中間留分の供給量を、そういった制約の中でどういうふうにして確保し安定的な供給を図るかというのが第三点。 それから第四点でございますけれども、電力の安定的な供給のために必要なC重油をどうやって確保していくかという点が第四点でございます。 それから第五点でございますけれども、これは今後の日本におきます石油の安定的な供給のために必要な備蓄の増強、これは民間備蓄がことしの三月末におきまして約八十八日程度でございますが、この八十八日程度の民間備蓄をさらに増強して、私どもとしては九十日備蓄にまで持っていきたいというふうに思っておるわけでございますけれども、そういった点を織り込むということ、この五つの点にポイントを置きまして、供給計画を作成したわけでございます。
○岸田委員 いまの御説明に関連をして、数点ただしておきたいと思います。 まず、供給量といいますか、原油輸入量の面でございます。すでにIEA等で一つの目標が定められておる。五十五年度は前年横ばいである。私はこのことはやっぱり二つの面から確かめておかなくちゃならないと思います。一つは、本当にその範囲内でおさめられるかという問題と、逆にそれだけ本当に確保できるのだろうかという面、この辺のところのお考えをひとつ聞かしていただきたいと思います。
○志賀政府委員 この供給計画を策定するに際しまして、原油のほかに、あるいは石油製品として入ってくるもの、あるいはLPGといったようなものまで含めまして、石油の輸入が原油換算でどうなるかということを私ども想定をしたわけでございますけれども、その数字は一応三億一千六百万キロリットル、バレル・パー・デーに直しまして五百四十四万バレル・パー・デーという数字を私どもは考えておるわけでございます。この五百四十四万バレル・パー・デーと申しますのは、これは五十五年度、年度ベースの数字でございます。 それから五十九年度の同じく石油全体の輸入量が三億六千万キロリットル弱で、バレル・パー・デーに直しまして大体六百二十万バレル・パー・デーという数字を私どもは念頭に置いておるわけでございます。 IEAにおきまして決められておりますのは、五十五年の五百四十、それから六十年の六百三十というこの二点が決められておるわけでございますけれども、いま申し上げました、私どもがこの供給計画を策定するに際しまして念頭に置きました石油全体の輸入量三億一千六百万キロリットルと三億六千万キロリットル弱という数字は、大体この五百四十万バレル・パー・デーと六百三十万バレル・パー・デーを結んだ線上にほぼ乗っておるという形になっております。 そこで、五十五年度の石油全体の輸入量が先ほど申し上げましたように五百四十四万バレル・パー・デー、それに対しまして暦年の五十五年のいわゆるシーリング、これが五百四十万バレル・パー・デー、若干はみ出しておるわけでございますけれども、これは年度と暦年との差ということで暦年に直しますと五百四十万バレル・パー・デーにぴたりおさまるということで計画を組んでおります。 それをどうやって担保していくかということでございますけれども、これは従来の供給計画は上下二つに分けて計画をつくっておったわけでございますけれども、今回の計画におきましては、四半期別に計画をつくっております。かつ、私どもといたしましては、この輸入計画の提出を、四半期ごとに提出してもらうということにするために省令の改正も用意しておりまして、そういうことによって、この国際的な約束でございます五百四十万バレル・パー・デーの実施を担保していこうということで考えておるわけでございます。 片や、先生御指摘のそれだけ確保できるかという問題でございますけれども、ことしの原油の世界的な需給状況につきましては、これはIEAの見通しであるとか、あるいはアメリカの政府筋の見通しであるとか、あるいはメジャーの見通しであるとか、いろいろございます。それで、ことしの原油の需給バランスというのは、これはいろいろなファクターによりまして楽観は許さないわけでございますけれども、総じて申しますと、まあ需給のバランスはとれるというのが一般的な見通しでございます。 ちなみに最近のスポット価格の動向を見ますと、アラビアン・ライトで申しまして、昨年の暮れはかなり上がったわけでございますけれども、最近では三十五ドル前後で推移しておる。先週のアラビアン・ライトのスポット価格は三十五ドルを切っておるようでございまして、現状から申しますと、世界の原油の需給というのは、いろいろなファクターがございますけれども、なお安定をしておるというのが現状でございます。
○岸田委員 石油の問題に関連していろいろお尋ねしたいことがたくさんあるのですが、もう時間が迫ってまいりました。一つだけ国民生活に関連の深いテーマとして、灯油の問題を最後の質問としてお尋ねをさせていただきたいと思います。 今回の供給計画を見ておりまして感ずることは、それぞれの需要部門の配分の中でできるだけ節約をしていこうということで、詰めて詰めて何とか輸入量横ばいという範囲内でおさめていこう、こういう苦心をしておられるように見受けられる中で、一つは電力がある程度伸びている、電力用のC重油が伸びていること、もう一つは灯油を七%アップで組んでおられる、この点が実は多少気がかりな問題になるわけでございます。この灯油につきましても恐らく二つの面から問題が出てくるような気がいたします。一つは、ほかの部門が対前年でほとんど伸び率を抑えていくような中で灯油だけ七%ふやしていること、何か家庭も一生懸命節約するというような考え方でみんなを引っ張っていく、そういう考え方があったのではないかなと思わせられる面があり、同時に、私は逆に感ずるのですが、ほかの面で伸び率をぐっと抑え込んでいったことが本当にできるのだろうか。ほかのところで今度は計画が守れないで結果としては灯油の方へ食い込んでくる、そんなこともあり得るのではないか。この辺のところを、もう時間が限られておりますからわれわれの身近な灯油の問題について簡潔にお答えいただければと思います。
○志賀政府委員 ただいま先生御指摘のように、灯油につきましてはほかの油種に比べて七%アップということで高い伸びを見込んだわけでございます。ただ灯油につきましては、昨年度の下期の需要は非常に暖冬の影響もありまして減ったわけでありますけれども、灯油の性質から申しまして気温の変動によって非常に大きく影響されます。したがいまして、私どもが計画を組みます場合に、今度の冬、需要期も暖冬であるというようなことで想定をするわけにもまいらないということで、一応通常の需要期を想定して組んだわけでございます。 ただ同時に、もう一つ二千万キロリットル、七%節約ということをカウントした、考慮したわけでございますけれども、その際に、そういう灯油の特殊性から申しまして、灯油につきましては若干供給面で余裕を持たしております。そのために七%というやや高い伸びになっておるわけでありますけれども、ただ私どもとしては一応供給の安定性を図るという意味でこういう計画を組んだわけでございますけれども、国民の皆様方の御努力によって七%節約が完全に実施されて、さらにその七%増という需要の伸びを下回って節約が進むということを私どもとしては期待をしておるということでございます。ほかの油種につきましてもかなり厳しく見ておるわけでございますけれども、これは省エネルギー法の運用などを通しまして、あるいは七%節約に盛り込まれているいろろいろな対策の浸透によりまして達成していきたいというふうに思っております。
○岸田委員 終わります。
○井上委員長 金子みつ君。
○金子(み)委員 きょうは物価一般ということでございますが、私は一般問題と食肉の問題について少しお尋ねをしたいと思います。 初めに食肉の問題から質問させていただきます。 政府は五十五年度の畜産物支持価格というのを最近決定されたと承知しております。そのときに価格安定率の中心となるいわゆる中心価格と申しますか、その中心価格が値上げされているわけですね。たとえば牛肉の場合は二・九%、豚肉の場合は一・二%の値上げがされたわけですけれども、この値上げのされ方が正当なものであったかどうかという疑問を持つわけです。そのことについてお尋ねがしたいのです。なぜかと申しますれば、この価格の決定は本来需要供給に見合った算定をするんだ、需給実勢方式と呼ばれているようですけれども、それで算定することになっているということを承知しているんですけれども、果たして今回の値上げの決定がその方式にかなう内容であったかどうかということの疑問でございます。たとえば豚肉の場合、豚肉は鳥肉や牛肉などと同じようにここ二、三年間生産が大変に伸びまして、そのことは構造的生産過剰だと言われるくらいの問題で毎年毎年でき過ぎて困っているわけですね。そういうわけで、生産者はでき過ぎるために価格帯の低いところで低迷するので大変に困って、消費と価格のバランスが崩れていきますから生産者自身が自発的と申しますか自主的と申しますか、生産調整のようなことをやって減産対策をやっているという実態もあるというふうに聞いているわけです。それなのになぜ値上げしなければならないかということなんですね。ここに一つの不合理な値上げの仕方があるんじゃないか。果たして正当に上げたのかどうかということがあるんですが、それはいかがでございましょう。
○京谷説明員 ただいま先生から御指摘ございましたように、昭和五十五年度の指定食肉、牛肉と豚肉でございますが、これにつきまして畜産物価格安定法に基づきまして安定価格を定めたわけでございます。その価格決定に当たりまして、御指摘のとおり豚肉につきましては中心価格を一・二%、牛肉につきましては中心価格を二・九%上げまして、これをベースにいたしまして、御承知のとおり一定の幅で上下に開いた安定上位価格及び安定基準価格を定めたわけでございます。 豚肉について申し上げますと、ただいま申し上げました中心価格の引き上げ率が一・二%でございますが、最近におきます価格変動の状況を勘案しまして、この中心価格から上位価格及び基準価格への開きを若干拡大いたしまして安定帯価格を決めたわけでございますが、その結果決定をいたしました安定上位価格については、従来のレベルに比べまして三・九%の引き上げ、それから下支え価格となります安定基準価格につきましては、従来のベースに比べて二・二%の引き下げを行っておるわけでございます。特に豚肉につきまして、昨年の九月以降、供給過剰の状態が出てきまして、それに対応しまして、御指摘ございましたように、生産者団体によります自主的な生産調整活動が始められ、また短期的な対策といたしまして、過剰生産物を市場から隔離をするための、いわゆる調整保管事業等が現在継続実施されておるところでございます。その中で、御指摘のあった価格決定をいたしましたことについては、御承知のとおり、この指定食肉の安定価格を決める需給実勢方式という考え方は、最近数カ年におきます基準期間における市場価格を基本にいたしまして、一定期間におきます生産費の変動状況を勘案して、従来成立をしておりました実勢市場価格を修正していくという考え方で、従来から価格決定をしております。このやり方が需給実勢方式と呼ばれておるわけでございます。 最近の生産費の変動状況を申し上げますと、豚の場合と牛の場合で基本的に生産性の向上のテンポに若干差がございます。豚の方が比較的生産コストの低減と申しますか、生産性の向上テンポが急でございます。牛の場合には非常に緩やかでございますけれども、生産性向上が進んでおりますものの、土地条件の制約とか牛の生理的な制約もございまして、生産性向上テンポが若干遅うございます。そういった差はございますけれども、生産費の算定に当たりまして十分そういった生産性の向上というものを織り込みまして、今回の価格決定に当たっても勘案をしたわけでございます。 ただ、生産費の変動の中で最近特徴的な問題といたしまして、実は五十二年、五十三年にわたりまして非常に安定的に推移をしてきておりました飼料価格が、御承知のとおり、昨年の七月と本年の一月、この二回にわたりまして価格の引き上げが行われたわけでございます。飼料穀物の供給につきましては、御承知のとおり、海外からの輸入に頼っておるわけでございますが、海外におきます現地相場が強含みに推移している。さらにまた円安がその後進行いたしまして、わが国の飼料購入価格というものが非常に高騰してきておる。そういう情勢を反映いたしまして、ただいま申し上げましたように、最近、二回にわたりまして価格引き上げがございまして、そういった事情も実は今回の価格決定に織り込んだわけでございます。 こういうプロセスを経まして、先ほど先生から御指摘がございましたような若干の中心価格の引き上げが行われたわけでございまして、これは御案内のとおり、卸売価格のディメンションでこの価格水準が決められておりますので、私どもといたしましては、これが小売価格に悪い影響を与えないように十分また配慮をしてまいりたい。したがいまして、今回の価格決定につきましては当面する諸般の状況を踏まえた上でやむを得ぬものではなかろうか、このような理解をしておるわけでございます。
○金子(み)委員 豚肉のほかに牛肉があるわけです。牛肉の場合は豚肉とはまた全然逆なんです。生産が間に合わない。豚肉の方は余っておる。牛肉の方は需要に追いつかない。ことに和牛は少ないし、輸入は一応限度があるしというようなことで、大変に少ない。そこで大変に牛肉の価格が引き上げられて、日本の牛肉は世界一高いと有名なんですね。世界一高い牛肉を日本の国民は食べさせられておる、こういうことになるわけでございます。 そこで、これは東京の主婦連の調査ですけれども、その調査によりますと、消費者たちは牛肉をもっと食べたいというのです。もっと安ければ食べたいというのが八八%ある。だけれども高くて食べられないのだ。だから日本の人たちは牛肉離れをしているというふうに言われている、それが一つなんです。 〔委員長退席、松浦委員長代理着席〕 そしていま一つの問題は、なぜ高いかという問題です。またあとの話で出てきますけれども、日本の牛肉はただ高いだけでなくて、一般消費者が五五%以上、過半数が欲しいと思っているいわゆる赤身の肉がないのです。みんなりっぱな霜降りばかりなのです。赤身の肉が欲しいと思っているのに、それがない。輸入肉というのは値段は安いし赤肉でございますね。ですから輸入肉がもっと欲しいというふうに思うのに、輸入肉はどこでも買えるという状態にないわけですね。調べた結果によりますと、輸入肉の指定店というものは全食肉小売店の一〇%しかないそうですね。ですから、十軒に一軒しか買うことができない。これは消費者の需要なんかちっとも満たされていない。需要にこたえていないと言えると思うのですが、どこでも買える状態ではないという問題があるわけです。ですから、ここで問題だと考えられることは、消費者の需要に見合ったような形に少しでも近づけていこうというふうに政府側が考えていくとするならば、一つの問題はいまの輸入肉をもっとふやすという問題、そして輸入肉をふやすことによって、牛肉の価格のバランスを保っていくことができるのではないかというふうに思うことが一つです。それからいま一つの問題は、霜降りばかりつくることをやめたらどうだということなのです。無理にそこばかり育成することはないじゃないか。(「賛成だ」と呼ぶ者あり)賛成しましょうね。私は霜降りなんかとても買えないから買っていません。この霜降り肉をつくるということを何か促進しておられるような感じがするわけなんです。それは買う人があるからつくるのだ、こういう言い方があるのです。つくらなくたっていい。おいしい肉には違いないのですけれども、これをつくるためには、先ほど御説明がありましたように、日本の家畜の飼料は九〇%以上輸入ですね。霜降りをつくるために九三%もいわゆる高価な濃厚飼料というのですか配合飼料というのですか、を買い入れて、それをえさにして脂肪の多い太ったやわらかい霜降り肉をつくっているのだ。これはなぜつくるかと言ったら高く売れるからなのです。生産コストが高くなるけれども高く売れるからつくるということなので、だれが高い肉を買っていくかと言えば、これは一般消費者じゃなくて、いわゆる一定の、特定の人たちですね。たとえば業務用、料亭ですとか、あるいは商売用、そういうようなところでしか買われていないのに、一般の消費者が欲しいと思っている赤肉を育成しないで霜降りばかり育成する、この二つの問題がここではあると思うのですけれども、この二つについてお答えいただけないでしょうか。
○京谷説明員 牛肉の問題につきまして二点お話があったわけでございます。国内の価格水準なりあるいは国内の生産体制についていろいろ問題のあるところは、私どももそれなりに認識をしておるわけでございます。 第一のお話のございました輸入のオペレーションによって国内の牛肉の価格水準の適正化を図れないかということにつきましては、御承知のとおり、現在、先ほど申し上げました畜産物価格安定法に基づきます価格安定制度とリンクした形で牛肉の輸入操作が行われておるわけでございます。その輸入された牛肉の大部分は御承知のとおり、この価格安定制度とリンクした形で畜産振興事業団を通じて国内に流通されておるわけでございますが、これがより適切かつ円滑な形で国内の流通に出ていくように、私どもも従来からいろいろな手だてを講じておりまするし、今後とも御指摘の方向に沿いましてより適正化を図っていきたいと考えておるわけでございます。 ただ、この輸入量の操作につきましては、第一には、やはり国内の価格安定制度と矛盾するような形で数量を無原則に増加するということには一定の制約があります。 それから海外の輸出事情でございますが、時期時期によりましてかなりこの牛肉の輸出余力には変動がございます。最近の状況を申し上げますと、わが国に対する主要な輸出国でございますオーストラリアあるいはアメリカの需給状況を見ますと、国内の資源が若干縮小サイクルに入っておりまして、それに伴って生産量が当分減少する動きが出てきております。そういった状況を考えまと、海外からの輸入量を急速に拡大するということは、やはりそういった面からも一定の制約があるのではなかろうか、こういう判断をしております。 いずれにいたしましても、国内の価格水準の適正化を図る、そのために輸入のオペレーションを適正にしていくということについては私どももかねがね努力をしておるところでございますので、ただいま申し上げました状況を踏まえながら、今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えるわけでございます。 〔松浦委員長代理退席、委員長着席〕 それから、牛肉に対する需要内容につきましては、先生御指摘のございましたように、最近におきまして、いわゆる脂肪の入りました牛肉に比べまして赤身の肉に対する消費者の需要が強くなってきておるということは承知をしております。先生のお話のございました、過般、主婦連が行いました調査におきましても、牛肉の内容につきまして赤身肉に対する嗜好度というものが過半数を占めておる状況でございます。したがいまして、私ども、そういった需要状況を踏まえて、国内の牛肉生産に当たりましても、この赤身因の生産をできるだけふやしていくという方向で、たとえば放牧適性の高い牛の飼育を奨励をするとか、そういう形で極力低コストかつ赤身の牛肉生産に力を置いた生産振興方策も進めつつあります。 ただ、主婦連の調査にも出ておりますけれども、同時に伝統的なわが国の牛肉に対する嗜好を見ますと、霜降りと申しますか、一定の脂肪を含んだ牛肉がそれなりの風味、おいしさというものを持っておりまして、それに長年にわたって私どもの嗜好もなれ親しんできたということもあって、主婦連の調査で見ましても、四〇%強程度やはりこの霜降り肉に対する嗜好というものが残存しておる、あるというふうに承知をしておるわけでございます。 したがいまして、私どもそういった需要の実情というものを踏まえ、また生産者サイドにおいても、そういった需要があることを前提にいたしまして、伝統的な脂肪分を持った牛肉の生産に対する意欲というものもそれなりに実はあるわけでございまして、これもまた状況に応じまして、できるだけ低コストでそういった牛肉の生産ができるような体制づくりを生産対策として進めておるわけでございます。 ただ、牛肉の生産対策につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、牛の再生産サイクルというのは非常に長期間かかります。それからまた、経営規模の拡大をする場合にも、土地の制約とか、あるいは一年に雌牛から一頭しか子牛が生まれないというふうな資源的な制約もございまして、短期の間に生産の体制を改善をしていくということには非常に限界がございます。そういった限界を克服するために、私どもとしてもできるだけの努力をしてまいるつもりでございますが、いずれにいたしましても、国内の生産コストをできるだけ低減させる。その中で、先生から御指摘ございましたように、消費者の嗜好に合った品質の牛肉を生産するような誘導をしていくということが私どもの牛肉生産についての基本的な考え方であるということについては、私どもも十分理解をし、今後必要な努力をさらに進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○金子(み)委員 もう一つ問題をお尋ねをしたいのです。 それは価格が高くなるということの理由として考えられる点なんですが、流通の問題と、それから食肉の価格の関連のことなんです。日本の流通機構というのは大変に複雑多様でございまして、あるときは怪奇だと思われるくらいのこともあると言われているぐらい、日本のお家芸なんだそうですが、大変に複雑な組織になっている。しかし、食肉の卸売市場を通して取引される肉は、そういった流通機構を通ってくるわけですけれども、流通機構を通ってきた食肉は三二・七%しかないそうですね。それで、残りのあとの六七・三%になるわけですか、その肉は実はいわゆる卸売市場を通らないで非公開に取引した市場外流通、こういうものなんだというふうに承知しているわけなんです。ですから、三分の一と三分の二という関係になるわけですね。三分の一は正規のルートを通ってくる。三分の二は正規のルートを通っていない取引をやっている肉なんだ、こういうことなんですけれども、そうすると、この正規のルートを通ってない扱い方、やり方というのは、どっちかと申しますと、いわゆる流通の段階で幾つも手を通ってこないから、その分だけのいわゆる流通の手数料というものは加わっていない。それから業者の人たちは、産地から直接取引ができたり、あるいは産地で加工ができたりということで、安く手に入るわけですね。したがって、これを安く売られているはずだと理解するのです。しかし、安く売られているかどうかということ、言葉をかえて言えば、安く仕入れることができるけれども、それが消費者のために反映されて、消費者にもメリットがあっているだろうかということについては、非公開だからわからないというんですね。これも大変に問題だと思うんですね。わからないということも非常に大きな問題だと思います。 そこで、私がお尋ねしたいのは、問題になっているのは、それがそのままになっていて、放置されていて、わずか三分の一だけの正規のルートを通ってくるその価格でもって国の定める価格が決められてしまうというところに、何か割り切れないものがあるわけですよ。三分の二は多分安く売られているに違いない。しかし、正規のルートを通っていないから、国は価格を決めるときにはそれは相手にしていない。そして、しかもそれは放置されたままでいるということになりますと、何かそれこそ需給の実態に正しく反映しないでつくられてきているのじゃないだろうかというふうに思われるのです。この点は、どういうふうにお考えでございますか。
○京谷説明員 食肉の流通問題に関連をいたしまして、卸売市場を経由する流通と市場外流通についての御指摘があったわけでございます。御指摘のとおり、食肉の流通量に占めます卸売市場のシェアというものは、牛肉につきましては三二・六%程度になっておろうと思います。それから、豚肉についてはさらに小さくなっておりまして、一七%弱というふうなレベルになっております。 御承知のとおり食肉、牛あるいは豚の商品特性というものは、青果物等に比べまして比較的貯蔵性がございます。それからまた、年間を通じまして、多少の季節変動はございますけれども、周年出荷が行われるという性格がございます。さらにまた、他の商品と異なりまして、生きた状態、いわゆる生体から枝肉、さらに脱骨をいたしまして部分肉、さらに部分肉から末端の消費に結びついた精肉というような形で、非常に形態変化、流通の過程で商品形態を変える商品でございます。そういった特徴を持っておりまして、御指摘のとおり、卸売市場を経由する流通形態と市場を通さない形態が併存しておることは事実でございまして、私ども、この市場を経由した流通とその他の形態のいずれが正規のものであって、いずれが正規のものではないというふうな認識は実は持っておりません。 最近の市場外流通の中で、御承知のとおり部分肉のいわば流通取引形態というものがだんだん支配的になってきております。現在の食肉卸売市場で取引をされますいわゆる食肉は、枝肉の状態での卸売取引なわけでございます。それを大消費地に近い卸売市場でそういう取引をするということではなくて、産地で部分肉まで製造しまして、その部分肉を消費地にいわば相対の取引形態で持ち込む、そういう形態が、先ほど申し上げました商品特性に基づいて最近増加をしてきておるわけでございます。 そこで、私ども、この卸売市場とそれから市場外取引の中心をなしております部分肉取引の価格形成なり物流の改善を図るために、卸売市場の整備とあわせまして、部分肉取引の適正化を図るために、多少テストケースではございますけれども、部分肉の流通を図るためのセンターを現在整備しております。手始めに、首都圏における部分肉取引の改善を図るという意味で、実は食肉流通センターという組織をつくりまして、現在川崎市の埋立地に土地を求めまして、そこで従来個別の相対取引で行われております部分肉取引を、そういったセンターに集めまして、そこで取引されていく部分肉の価格を公表していくというふうな仕組みを考えまして、現在その施設整備を進め、その整備を待って、来年の四月に、この部分肉センターの活動を進めたいというふうに、現在準備を進めておるわけでございます。そういったことで、市場外流通につきましても、その価格形成の適正化なりあるいは物流の改善のために、一定の努力をしておるわけでございます。 さらに、第二の御指摘で、現在の安定帯価格を決めております基本に、東京と大阪の食肉卸売市場におきます枝肉卸売価格というものを基礎資料といたしまして決めておることは御指摘のとおりでございます。ただ、このやり方が、果たして全体の需給状況を反映しているかどうかということでございますが、現在の市場外取引の価格形成の目安といたしまして、私どもが価格決定の際に使っております東京なり大阪の市場価格が、全国の市場外取引の価格決定に当たっての非常に大きな目安になっておるという実態も事実でございます。したがいまして、この全国的な需給事情を反映した価格形成の場といたしまして、東京あるいは大阪というような代表的な卸売市場の価格を使っていく、安定価格を定める際に、そういった代表性を持った卸売市場価格を使っていくということは、私どもとしても、現状においては十分全体の需給事情を反映し得るものではなかろうか、こういう認識を持っております。 ただ、未来永劫にそうであるかということになりますと、流通の実態というものはいろいろ変わっていくと思いますので、今後、これからの流通の形態の変化、あるいは価格の形成の状況というものを十分見きわめて、その上でより適切な基礎資料をもとに、安定価格水準を決めるような仕組みというものを、私どもとしても検討していかなければならないというふうには考えておるわけでございます。
○金子(み)委員 ぜひそのようにしていただきたいと思います。消費者の需要に見合うような形で決めていっていただきたい。 そこで、最後に一つだけですけれども、いま価格を引き上げた理由についての御説明がいろいろあったわけでございますが、私は、いまの御説明を伺っていて、納得できる線と納得できない線とがあるように思われるわけです。たとえば絶対的なものというふうに考えられるかと思うのは、輸入飼料の値上げ、こういうものがある。これはよくわかるわけでございます。そのほかの点については、もう少し努力していただきたいと思われることがあるのですけれども、そうしますと、今回は無理に値上げしなくてもよかったんじゃないだろうか、少なくとも据え置きにするべきではなかったかと思うわけです。 その理由として、たとえば牛乳も同じですね。乳牛の飼料がやはりこれと同じように、輸入の濃厚飼料を、高いお金を使って食べさしていますね。そういうようなことで、牛乳の問題についても大変問題があったわけですね。今回も、加工原料乳の保証価格を据え置くかどうかという問題もありました。それから不足払いの原料を減らすかどうかという問題もございましたね。しかし、それをどちらもやらないで据え置いちゃったわけですよ。牛乳の場合に据え置いたわけですね。だから同じ発想でこちらも据え置くべきではなかったかというふうに私は思うのですが、牛乳の場合に据え置いた理由が、大変特別な政治的な配慮が払われたというふうに私どもは聞いているんですが、それと同じことでこちらの肉の値段を上げたのも、特別な政治的なあるいは政策的な配慮が加えられたためにしたのではないかなと勘ぐられる節がないでもないわけですね。そこら辺は非常に不明朗なんですね、きちっと御答弁いただけますでしょうか。簡単にお願いいたします。
○京谷説明員 ただいま指定食肉の価格決定の結果につきまして、不足払いの対象になります加工原料乳についての保証基準価格との対比でのお話があったわけでございます。これらはいずれにつきましても従来から確立されております算定方式に基づきまして私ども算定をいたしまして、その結果をそれぞれ畜産振興審議会の関係者の皆さん方の御意見をお伺いをして、これが妥当であろう、こういう判断を得まして最終決定を見たものでございまして、御指摘のような判断というものが特に入っておるというふうに私ども考えておりません。それぞれ一定の需給事情あるいはそれぞれの経営条件、異なった局面があるわけでございますが、そういった状況を踏まえながらそれぞれの算定方式に従いまして算定をした結果を関係機関の御了解を得てそのまま決定をいたしました。そういう経過であることをひとつ御理解をいただきたいと思います。
○金子(み)委員 経企庁にお尋ねしたいと思います。 先ほど来お話も出ておりますように、この四月から公共料金の値上げが軒並みに出てまいりましたね。すでに実施されたものもあるし、これから実施されるものもあるということで大変に国民は生活の不安を感じているわけでございます。 そこで、いろいろなところで、これがみんな値上げになったらどうなるだろうという不安と心配とがあるものですから積算してみているわけですね。それで消費者団体が積算いたしましたのが御承知のように年間十九万五千円くらいな余分な支出になるという積算を出したわけでございます。政府は四万九千六百九十円ですかの支出になるだろうというふうに出しておられるわけなんですけれども、大変に違いがあるわけですね、この二つの間に。一対四くらいの違いがあるわけですから、ちょっと違いがあり過ぎるというふうに思うわけです。そこでその違いがあり過ぎる理由ですね。政府は細かい内容を明示していらっしゃらない、公表していらっしゃらないわけですね。ですからよけいわからないのですが、最近新聞で部分的に報道されておりますね。政府はこういうことをしたとか政府はこういうことを考えてないとかいうふうな部分的な報道がありますのをちょくちょく拾い集める程度でございまして、きちっとしたものが示されておりませんのでよけい何となく、こんなに開きがあるのはおかしいじゃないかというふうに考えるわけなんです。その辺を時間も余りありませんから簡単に、いわゆる消費者団体が試算しましたのと政府が試算されましたのとの違いですね。その点だけでも御説明いただければよくわかると思いますのでお願いします。
○藤井(直)政府委員 まず、全体として私どもが伺っております生協の試算、十九万五千円というふうに伺っておりまして、私どもがお出ししておりますのは四万九千六百九十円でございます。そこで十四万五千四百円の差がございます。 まず、一番大きいものは、この中で保険料というふうになっております年金等の掛金関係ですね。これが五万八千五百円という数字が生協の試算に入っております。これにつきましては、私どもの物価という範疇にこういう年金の掛金等は入らないというふうに従来から解釈しております。といいますのは、あれは家計の場合も、家計支出というよりは可処分所得の段階でもう減らされているものである、したがってこれは物価の中で従来から取り扱っていないわけでございます。いわば一種の税金とかそういうものと同じような扱いになっておりますので、そこのところがまず違います。 そこで、残りの点では、個々の項目についての違いを申し上げておかないといけないと思いますが、私どもがお出ししておりますときに、四万九千六百九十円の中で予算関連が一万七千九百二十円、これに対して生協の試算では八万七千九百十円ということで、そこで約七万円の違いがございます。大きく言いましてそれがまず一つあります。それから、予算関連以外のところで生協の試算は四万八千六百六十円、こちらの方が三万一千七百七十円ということで、一万六千九百円の違いがございます。 それぞれについての大きな違いのものだけ申し上げますと、予算関連につきまして七万円違ううちで、国立学校の授業料で約三万五千八百九十円違っております。それから健保改正の負担分としての違いが二万五千五百円ございます。その二万五千五百円の違いというのは、生協の試算が三万一千二百九十円、これに対して当庁試算が五千八百円ということでございますので、予算関連で大きく違いますのは国立学校授業料と健保の分であるというふうに思います。 それから、その他のところで先ほど一万六千九百円違うと申し上げましたときに、大きな違いはガス料金が一万三千円違います。それから電気料金が二千四百円違っております。そういうことで、いま申し上げました個別項目は四つ申し上げたわけですけれども、ここに大きな違いがございます。 そこで、なぜ違うかということでございますが、私どものこの試算は、家計への影響と言うときに、平均的なものでなければ計算はなかなかむずかしい。たとえば国立学校の場合ですと、国立学校に行っておられる家計だけで見ますとまさに三万六千円かかるのですが、そういたしますと、そうでない家計もあるわけでございますので、そこだけ議論していてもいけない。やはり全体の家計について見たときにどうなるかという計算の方が妥当ではないかということでございまして、そこで国立学校授業料は私どもの計算は百十円でございます。百十円と申しますのは、増収額全体を出しまして、それを世帯の数で割ったわけです。そこで大きく違っております。それから健保の改正のところは二万五千五百円の違いがありますが、これについては当庁は、保険料収入の増加を被保険者一人当たりで割っておるわけでございます。保険料といいますか負担額の増加を被保険者一人当たりで割っております。それに対して生協の御試算の方は、独自に計算された生計費調査から出されておりますのでどうも突き合わせがむずかしいのですが、保険対象でない負担も含まれているのではないかと思われますが、この突き合わせば私どもなかなか困難で、いまにわかにこれこれの理由でということを申し上げにくいのでございますが、一応計算の根拠としては、私どもは全体の健保改正による負担額を被保険者で割ったということでございます。それからもう一つ、電気料金の場合は、これは生協の方は東電の電灯の値上げ率をとっておりますが、私どもは十社平均の電灯の値上げ率をとりましたので、査定の結果下がっておりますので、それが低い方の数字でいっている。それからガス料金についても生協の御試算は東京瓦斯の値上げ率をとっておられますが、当庁は地方のガスも加えて平均でとっておりますので違うということでございまして、それぞれ違いがございますが、非常に大きいものは国立学校授業料と健保とガスというふうになっております。 それから、最初に申し上げました保険料は公共料金の扱いをしておりませんので、これはここでいう公共料金改定による家計への影響というときに除外して考える必要があろうということで計算したものでございます。
○金子(み)委員 理屈はよくわかりましたけれども、そうだとすると、一般的にはそういうふうに理解してないわけですよ。今回の公共料金の値上げが家計に及ぼす影響はどれくらいあるのだという言い方で見ていますので、この分は物価ではない、税金に近いものだなどということはあるとしましても、それが当然家計に影響することには変わりはないわけですよ、税金であろうと生活費であろうと何であろうと。ですから、もしそうだとすれば、もう少しきちっと分類して誤解のないような出し方をしていただかないと、おかしいじゃないか、おかしいじゃないかということになります。政府はごまかしているのじゃないかというような言い方すらしないこともないのです。ですから、そういうところはきちっとしていただきたいので、健康保険料だとか年金の掛金は物価ではないのだというふうな言い方は、一般家庭としてはちょっと受けとめにくいわけです、物価そのものではないかもしれないけれども家計に対する影響としては同じなのだから。そうすると、税金に近いようなものであるかもしれないけれども、家計の問題としては同じに見ていかなければいけない。それ全体をくるめて考えていただきたいわけなので、大変に専門的にきちんと整理されて試算されたことだということもわかりますけれども、それは庶民には通じないわけです。ですから、そこら辺は改めていただきたい、改めるというか、きちっとどこかでわかるような方策をとっていただきたいと考えます。 それからいま一つの問題は、最近二通りの考え方が出ているみたいなのですが、それは卸売物価指数の物すごいはね上がりに対して消費者物価指数は余り上がっていないというような現象があるものですから、物価はおおむね安定しているのじゃないかというふうに何となく落ちついた考え方を出している向きもありますし、そうかと思うと、卸売物価指数が二月、三月引き続いて二〇%超えておりますね。ですから、そういうことになると、これは四月はどうなるだろう、五月はどうなるだろう、そういうことに非常に不安があります。過去二カ月続いて二〇%ずつ上がっているとすれば、この先二けたが続くに違いないというふうに想像できますので、そうだといたしますと、消費者物価指数に影響のないことはないと思うのです。そろそろ消費者物価に影響が見え始めてきていると考えられる向きもあるわけでございますからその辺が大変心配なので、総理大臣もあるいは経企庁長官も、この五月、六月が正念場だ、参議院選挙が終わればもっと落ちつくだろうと言われておるようですけれども、一方では、経済学者と申しますか専門家の人たちは、そんなことはない、七月から九月にかけて一〇%を超えるのではないか、二けたになるのじゃないかというふうな見方をしておられる方たちもあるわけです。 そこで、これは非常に大変な問題だと思うのですけれども、政府は消費者物価指数を年率六・四%に絶対に抑えていくのだとおっしゃっていらっしゃるのですが、絶対六・四%に抑え切れる見込みですね。そして、そのためには何をどのようになさろうとしていらっしゃるのかということなのです。それを簡単におっしゃっていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○藤井(直)政府委員 まず実態の問題でございますが、卸売物価について決して安心しているわけじゃございませんで、ただ、全体がたとえば二二・八%上がっているというときに、末端の完成品はそれほど上がっておらない、六%であるということを私どもは申し上げているわけでございまして、それ自身、素原材料の値上がりの影響がこれからも完成品の方に出てくるであろうという心配はもちろん持っております。現に消費者物価の中でも石油製品、灯油とかプロパンガス、ガソリン、それから板材とかそういうようなものについては、すでに消費者物価の上昇になってあらわれてきておりますが、さらにこれからそういう範囲が少し広がっていく懸念は持っております。そういうことでございますので、卸売物価についての五十四年度までの動きから出てきました末端への波及についての状況につきましては、出たものもあるし、これから出るものもあるという感じでございますが、そこに電気料金の値上げ等が加わってまいりますからこれは容易な事態ではないということでございますので、総合物価対策も三月十九日に実施することにいたしたわけでございます。 そこで、その際の考え方といたしましては、一つは、需要面の管理でございますし、一つは個別物資対策でございます。従来、昨年からもこの物価上昇の過程で値上げが大幅に起こらないようにということで、特に仮需の防止を中心にいたしました対策は金融面でとってきたわけであります。しかし、こういう事態でございますと、そういう仮需以上にある程度の需要の抑制もする必要があろうということで、公共事業についての留保、それから上期における執行率の引き下げというようなことを考えておりますし、また金融面では公定歩合の引き上げと、それからマネーサプライの引き続くコントロールをやっていこうということにいたしておりまして、それがマクロ的な需要管理の面の対策でございます。こういう需要管理を行うことによりまして価格の値上げがなかなか通りにくいような環境をつくっていきたいということがまず第一点でございます。 それからもう一つの問題は、個別の価格について極力生産性の向上で吸収してもらう、価格への転嫁は最小限にしてもらうということがその次にございますので、これは個別の物資についての需給や価格の動きを詳細に見てまいりまして、必要に応じて手を打っていくということと同時に、また地方団体もわずらわせまして、生活関連物資等についての価格の監視をしていくということをやっておるわけでございます。また関係の業界に対しまして文書でそういう点についての要請をいたしますと同時に、業界団体に対しても大臣が直接お会いになって要請をするというようなことをやっておりますので、そういう努力を通じてこの四月から始まるしばらくの間におきまして海外から参ります要因についての国内への波及を最小限にしたいということでございますので、こういう対策をとることによりましてことしの政府見通しの達成に努力をしていくということでやっている状況でございます。
○金子(み)委員 いま対策の内容を説明してくださったのでわかりましたが、私なんかは、素人考えなんですけれども、この際公共料金の値上げを少し抑えたらどうか、最も端的にわかりやすくて、そして効果があると考えるのです。ですから、上げ幅を縮めさせるとか、あるいは上げる時期をおくらせるとか延期するあるいは凍結する、いろいろな方法があると思うのですけれども、そういうことを考えられないかというのです。そういうことになれば、先般国鉄料金の値上げの問題で私どもはそれを引き延ばすことを政府に申し入れしましたけれども、これは直接の物価ではないというようなことでにべもなく断られてしまって、国鉄の運賃は予定どおり上がるというようなことになったようでございますが、ここら辺が庶民の感覚といたしましては、政府は本当に庶民の生活を考えてくれているのだろうか、どこまで本気で考えているのだろうかということが考えられるわけです。というのはなぜかと申しますと、公共料金というのは政府が決定するわけです。ですから、政府が本当にこれは少し延ばそうとか、国民が大変だから少し時期を延ばそうとか、今回は凍結して見合わせようというふうに本気で考えてくだされば、抑えられないことはないと思うのです。すべてがすべてできるかどうかは別といたしましても、ものによってはできないことはないと思いますのですが、そういうことを一つも考えてくだすっていないというのは大変に残念だと思うのです。ですから、そのこともぜひ考えていただきたいということと、それから前回どなたかの御質問のときにも御返事があったのですが、この際国民生活関連二法、これの発動はぜひやる必要があるのじゃないか。と申しますのは、大臣はそのときに、そのときの情勢とはいまは違う、異なっているとおっしゃったのですけれども、形態は違うかもしれませんけれども内容的には同じ形になりつつあるというふうに私は考えるわけです。これはそのときになったのでは間に合わないので、予防的対策としてやっていただく必要があるのじゃないかと思うのですが、この二つ、時間がございませんので一緒にお尋ねいたしますが、ぜひお答えいただきたいと思います。
○正示国務大臣 まず公共料金、特に国鉄の運賃の引き上げにつきまして、先般来いろいろ御論議をいただいたのも、ひとえに物価問題に対する御配慮であったことは私も十分わかるわけでございます。ただ、国鉄の再建につきましては、金子委員も御承知のように三本の柱を打ち立てまして、先般の運賃値上げにつきましては最小限度に必要なものとして、これも四月一日からというふうな考えもあったのですが、それはどうも困るというので、四月二十日というふうなことで大分折衝いたしましてそういうことになっておりましたので、その後三党の予算修正のときに学生の割引率等についても若干改定を加えるというふうなところまでいろいろお考えをいただいたものですから、これは何ともさらに延ばすということは無理であろうという判断で、結局運輸大臣が所要の手続をして実行された、こういうふうに御理解を賜りたいと思っております。私どもといたしましても、物価問題が大変厳しい折からでございますから、公共料金の一つ一つにつきまして内容は厳しく査定をいたしまして、また時期的にも調節をとってやっておるわけでございますので、その点は考え方としては金子委員と全く同じような考え方をしておるということを御理解いただきたいと思います。 生活二法につきましては、やはり先ほど別の委員の方との応答でございましたような、石油等の需要、供給の関係が、長期的に若干供給が需要を上回るような情勢になっておりますので、やはり石油需給適正化法というふうなものをこの際発動する必要はない。そういうことであれば、やはり個々の製品等につきましても競争原理で最も能率のいい、また最も一消費者の需要に適合するような、そういう市場原理、競争原理というものの発動をやはりフルに活用するということが、私どもとしては非常に必要なことではないか。しかし国際情勢がいろいろ不透明な点もございます。流動的な点もございますので、そういう需給関係に基本的に変動がくるような場合は、やはり与えられたこの法律というものは大変大事な法律でございますから、われわれとしてはそういう事態に対しては、そういう法律の力をかりなければならぬという心組みで常に見ておる、こういうことでございまして、目下のところはいま申し上げたような考え方で生産性向上によるコストの吸収ということを基本に置きまして、卸売価格から消費者価格への波及というようなものも最小限度に食いとめるような施策が一番大事ではないか、こういう考え方で物価政策を推進さしていただいておるような次第でございます。
○金子(み)委員 大臣、お読みになって御存じかと思いますけれども、ちょっとお耳を拝借です。 朝日新聞の「天声人語」に出ていた言葉です。「公共料金の凍結、あるいは実施の延期は、インフレという難病に対する麻薬にすぎない、という説がある。痛みを一時、忘れることができたとしても、副作用や後遺症をともなう。たしかにそういう面はある。」こういう言い方があるのですね。「しかし」と続くのです。「しかしこうもいえるだろう。公共料金の集中的値上げ攻勢は、ガスが充満した建物の中で火をつけるようなものだ、と。ガスが充満しているかどうか、慎重のうえにも慎重な心配りがないと、公共料金値上げが火つけ役になって、インフレという爆発を起こしかねない。」このとおりだと思うのですね。お読みになったと思います。ですから私は、政策としては機を逸しないようにやっていただきたいということを強く要望いたしまして、質問を終わります。
○井上委員長 次に、武部文君。
○武部委員 私は非常に時間が短いですから、焦点をしぼってお伺いをいたしたいと思います。 何回か物価の見通し、現状について企画庁長官といろいろやりとりをしてきたわけですが、家計にずっしりこたえる電気、ガスがいよいよ四月一日から値上げが実施されてきたわけです。長官は、物価の山場は四月から六月ごろだということを多くの場を通じてしばしばお述べになっておるようでありますし、私もそう思いますが、この間のある新聞の世論調査によりますと、いま国民の一番の関心は物価、公共料金、これは六五%、いままで私ども最高見ておったのは五〇%ちょっと超したような数字があったのを見ておりますが、すでに六十数%の人がこの物価と公共料金というものに非常に大きな関心を持っておるということがうかがえるわけであります。 そこで、この六・四の見通しはいろいろあなた方とやりとりしたわけで、私どもは実現不可能だ、現実にそれは至難のわざだということを何回か言いましたが、あなたの方は六・四に抑え込む努力もするし自信もあるというようなお話でございました。いよいよ三月の物価の数字があらわれてまいりましたが、その結果五十四年度の物価上昇は、政府の見通し四・七を若干超しても四・七台というようなことに落ちつくようですが、問題は三月です。二月が七六、三月がたしか八に近いものになってくる。そうすると、あなたとげた論争をやったわけだが、現実にげたは三・二という数字になるというふうに私は理解をいたしますが、三・二ということを経企庁はお認めになるか。この三・二という数字は、いままでの何年かのげた論争の中で一・五で大変論争したことがあるのです。一・五というようなげたがずれ込むということは大きいぞということをやったのだが、それよりも二倍以上になっているのですね。あなたとこの予算委員会でやったときに、いやそのげたの中の一・二は野菜だ、だから四月になれば下がるのだからそれを差し引かなければならぬ——ここに議事録を持ってきておりますが、あなたはそういうことをおっしゃった。しかし、それなら現実に四月になって野菜が暴落したかというと、そういう傾向はない。それは同僚松浦委員が言ったように、作付面積の問題があるのですよ。だから、何か値上げの犯人が季節商品に転嫁をされておるのじゃないかということをわれわれがいつも言うのは、ここにあるわけです。したがって、このげたが三・二、六・四の文字どおり半分がげたになっておる。こういうことになってくると、まず四月一日から三・二%のげたをはいたままで二の五十五年度が始まるわけですが、いまのげたの問題と野菜の問題、そういう点から見て経企庁は六・四についてもう一回この場でひとつ見解を述べていただきたい。
○藤井(直)政府委員 五十五年三月の数字につきまして、まだ全国出ておりませんのではっきり言えないわけでございますが、東京と同じように前月比〇・五%という想定を置きますと、げたに相当いたします数字はいまおっしゃった三・二%になるわけでございます。ただ、この点についてはいつも申し上げておりますような野菜価格の問題等がありますが、私どもとして季節商品を除いたげたを計算いたしてみますと、季節商品分が一・二%になりますので、それを差し引いた二・〇%というのが季節商品を除く総合のげたということになると思っております。 そこで、野菜の価格の問題でございますが、この三月末の東京の水準は、昨年に比べて六五%高いところにありますので、三月に多少下がりましたけれども、依然として高水準にあるというふうに思っております。これが四月に入ってどうなるかということでございますが、これは実際に市場の卸売価格等を見ますと、やはりかなり値下がりが出てきております。そういう実際の価格と同時に、農林水産省の方で産地等について調査をした結果を四月八日に発表いたしておりますが、相当部分の野菜について前年水準程度になってきたということを言っておりますのと、それから、いま現在まだ前年水準より高いものについても、最近の生育を見ると、四月の後半には前年並みになるのではないかというようなことを、調査の結果まとめて発表したわけですが、そういう意味で、高値についての収束ということを言ってもよい時期に来たのではないかというふうに言っておりますので、最近の卸売市場の価格の動き等とも考え合わせますと、四月にはかなりその是正が行われるであろうというふうに私どもは考えております。したがいまして、作付面積等いろいろ問題がございますが、そういう高値是正ということについての見通しは立ってきているということが一つでございます。 それから、作付面積全体について見ますと、昨年もそうでございますが、ここ二、三年米作の方の関係からかなり転作をいたしてきておりますが、相当部分が野菜にいっているという面もございまして、作付面積を含めまして、作柄全体も考えますと、供給については相当増加するという見込みも長期的にはあるわけでございますので、天候が通常の状況であれば、野菜についての需給関係から来る価格というものは相当安定した状況をこれからたどるのではないかというふうに見ております。
○武部委員 問題は、そのげたの中に占める野菜が四月になれば下がるから、そう心配は要らぬということのようですが、私はそうは思わない。そういう期待を持たれることは結構ですが、少し甘いじゃないだろうかということを考えるわけです。これはいずれ時間が解決することですから、この問題はそれだけにしておきましょう。 そこで、この六・四%の問題の中で、げたの三・二を引いていくと、あと半分しか残らぬ。そこで、先ほど申し上げるように、電力とガスの大手がやってきた。これがどのくらいな影響をもたらすか。実は、これがあなた方と私どもとの間で数字が違うのですよ。やはりこれをちょっとやっておかないと、認識が違うとこれから困るので……。先ほど話がございました公共料金の家計に与える影響、この経済企画庁のプリント、これは四万九千六百九十円の、先ほど金子委員とのやりとりの文書でありますが、内容が全部ここに羅列してありますが、一つ一つこれをやるわけにいきませんから、私はこの中の二つ三つを抽出してお話ししていきたいと思います。 査定をされた五〇・八という電力料金の値上がり、これが与える影響は、電気にして〇・七%、ガスにして〇・三%、二つの与える直接影響は合計一%だということをお述べになっておるわけです。ここに大きな新聞記事がございますが、電気、ガス年四万円の負担増、これは経済企画庁の試算によって四万円増。こういう四万円強増という新聞記事が出ておって、それは経済企画庁の試算による、こういうことになっておるわけです。あなたの方の四万九千六百九十円の内訳を見ると、電気料金二万四百円、ガス料金八千五百円、こうなっておりますね。あなた方と私どものこのやりとりの中で、直接効果は間接効果とほぼ同じ数字である、これは議事録の中にはっきり出ておるわけです。なかなか算出はむずかしいけれども、波及効果は電力とガスは大変大きい、したがって、産業連関表から見ても、大体直間の比率は同じくらいなものだというふうに答弁があったことを私は理解しておりますし、この電気、ガスの四万円増というのはほぼそういう見方をとっておりまして、報道されておるところを見ましても、電気、ガスで大体直接、間接二%物価を押し上げる、こういうことになっておるわけです。 そこで、電力は御承知のように大変な波及効果を持っておる。ガスも同様に持っておるけれども、ガスは電気と異なって、波及効果はわりあい少ないということは直感的に言えるわけです。私は長官にお尋ねしたいのですが、この間あなたとやりとりしたときに、電気の方の波及効果は確かにお認めになったが、ガスの波及効果については絶対にないということを、あなたは語気を強めて私に反論されたのですよ。私はよく覚えておるが、ガスは波及効果はないということは間違いだ、私はこう思うのですが、この際、ひとつはっきりしておきたいのです。
○正示国務大臣 電灯とガスは消費者物価に〇・七と〇・三でストレートに響いてくる、こういうことで、それ以外に、卸売を通じての間接的な波及を見る場合、武部委員と私とのやりとりは、産業連関表等で見ると、武部委員は、電気についてはそのストレートな消費者物価への影響と同じくらいのものがあるという計算があるよ、こう言われたから、そういう計算はあるけれども、そのとおりになったら大変ですよ、だから、それはもう生産性向上の努力で吸収してもらわなければならぬから、それはプラスアルファとしてもわれわれはせいぜい、日本経済新聞の推測では〇・二ぐらいがせいぜいのところじゃないかと思っていま努力してもらっておるのですよと、こういうことを申し上げて、それじゃ、ガスの方はどうですかという御質問でしたから、ガスはそういうふうな効果はあげつらうに足るようなものはありませんよ、こういうことを申し上げたわけです。産業連関表との関係ですから、これは専門的になりますから、物価局長が補足をして説明をいたします。
○藤井(直)政府委員 産業連関表からくる計算が方々で出されておりますが、それは直接的影響とほぼ同じものが出るということでございますので、それについては従来、計算上はそうなるということを申し上げておりますが、この産業連関表といいますのは、いつも申しますが、すべての企業が、電気料金が上がったときにそのコストを一斉にそのときに、しかも瞬時に転嫁をする、一〇〇%転嫁をするという前提で計算をいたしますものですから、現実の経済とは全く違ったものになってしまう。現実の経済でございますと、各企業とももちろん省エネルギーの努力をいたしますし合理化努力もいたしますし、需給関係を見て価格を決めるということから、需給に対して非常に敏感でございますし、それから、それまでのタイムラグもございますし、そういう価格が実際に決まっていくプロセスというのはいろいろ複雑でございますので、ある日突然一気に上げたものが全部及んでいくということを一というのは、その数字をとるのは非常に困難ですということでございまして、こういうことについての計算はむずかしい点がございますので、私どもとしては産業連関表というのは一つの方途にすぎないというふうに考えているわけでございまして、そういうことにつきましては、価格対策等によりましてその波及の度合いを極力低めていくということが十分考えられるのではないかというふうに思っております。 それからガスについては、産業連関表でいきますと、電気がほぼ同じということは、二倍ということになりますが、ガスについては、産業連関表でいきましても一割足らずではないかと思われます。そういう数字が出ております。したがいまして、電気とガスでは大きくその波及の度合いについて計算上違った数字が出てきております。
○武部委員 短い時間に数字のやりとりをするというのはなかなかむずかしいことですから、これはまた後で時間をかけてやることにいたしたいと思います。 いずれにしても、瞬時にはわからぬかもしれぬけれども、じわじわとその波及効果は出てくるのです。これは間違いない。たとえば電気が上がってくると、クリーニング、美容室、理容業、これあたりは間違いなく電気とガスを使っているのです。それから外食産業、外食産業というのはウエートが非常に大きいでしょう。電気の一九一に比べますと七二七というのは大きいでしょう。外食産業は、もうすでに一〇%くらいの値上げの風評がずっと出ておりますが、少なくとも、いま日本のサラリーマンにとって外食というものは欠くことのできないものでしょう。そうすると、仮に五百円の昼飯を食べておった、一割上がった、五十円、二十五日間出た、千二百五十円、そうなってくると年に一万五千円ふえるのです。そういうかっこうのものを考えていかなければならぬ。ですから、ガスが上がった、外食産業というのはほとんどガスを使ってやっておるのです。そういうことは物価の中でちゃんと考えておかなければならぬ。波及効果というのはそういうものだと私は思うのです。先ほど金子委員も十九万幾らという——きょうの新聞ですね。その中には、確かにおっしゃるように厚生年金の額が非常に大きい、それから健康保険料の額も大きいし、なかなかあなたの四万九千六百九十円と——片方は二十万、片一方は五万と言うのだからてんで話にならない。国民側から見ればどっちかが間違っておるというふうに見ると思うのです。十九万、これは大きいな、すぐ、高いなという危機感に目がいくと思うのです。あなたの方は五万円と言う。五万円の根拠は何だろう。この数字の中身は新聞に発表されていないのです。そうすると、五万円と二十万円ということは一体どういうことだろうか。本当に経済企画庁が国民の生活を考えてこの数字を出しているのだろうか、こういうふうに疑問に思うのです。 時間の関係で、私はここでもう一つ言います。 さっきの百十円の授業料のことですが、なるほどこれだって、全国の世帯で割ると一月に十円です。年間百十円なんだから十円、一体この金額はどこから出たのだろうと思って調べてみると、国立大学に入っていく一年生、この国立大学の一年生というのは八万人です。ところが、大学というのは公立が一万人おって、ほかに私立が三十二、三万人おるのです。そのほかに短大が十八万人おるから、合計六十万人一年生が入る。ところが、あなたの方の百十円の計算の根拠は、八万人の国立大学の一年生を基準にして出した金額なのです。そうすると、大学の一年生については、さっきお話があったように、月に三千円の値上げですね。だから、三万六千円ですよ。六十万人の大学生は紛れもなくそれだけ上がっていく。高校の授業料はどうでしょうか。高校の授業料は月八百円上がるのです。公立の一年生が百十万人、私立が四十五万人、合計百五十五万人おる。これはこの中に全然入っていないのです。そういう計算で月に十円と言ってもこれはぴんときません。あなたの方のこれが全く取るに足らぬものとは私は言いません。一つの計算の根拠にはなるでしょう、公共料金の直接与える影響を出してくるわけですから。そういうことは考えられるけれども、現実に一年生の高校生を持ち、大学に一人、二人おったとしますか、そうすると月に三千八百円。高校と大学の二人の子供を持った人は月に三千八百円負担がふえる。大学に行くと二年、三年、四年までいつの間にか上がるようになっている。一年生だけではないのです。そういうことを見たときに、やはりこの数字は説得力がないなというふうに私は思うのです。あとで具体的なことを言いますから、その根拠をひとつ申し上げておきましょう。 それからたばこ、ここに七千二百円という数字が出ていますね。確かに、私も調べてみました。たばこの現在の喫煙者は二千八百四十万人が男で六百四十万人が女、合計実に三千四百八十万人たばこを吸っておる。そうすると、この値上げによって専売公社は約二千五百億円の増収になる。こういう計算が出ております。この喫煙者の数で割りますと、確かに一人が年に七千円ぐらいですね。七千円ぐらい支出がふえるから、ここでは七千二百円になっておるから、ちょうどこの辺はよく合うのです。ところが消費者団体から見ると、いま一番吸われておるのはマイルドセブンですね。百五十円から百八十円、三十円上がる。そうすると、これを一カ月に直すと九百円、年間一万八百円という数字がでてきますね。そういうふうに、たとえば一個吸っておる家庭ではこうなるというような試算というものはできないだろうか、それでもこれは余り差がありませんね。一万八百円と七千二百円だから、そう大きな差はないが、ここにも差が出てくる。それから電気、ガスがそういう形で出てくる。こういうことを考えてくると、この四万九千六百九十円というものはどうも余り説得力がない数字だというふうに思われるわけで、百十円の根拠というものはそういうところにある。これはお認めになりますか。
○藤井(直)政府委員 国立学校授業料に関しましては、百十円という数字が出ておりますが、これは増収額を世帯数で割ったものでございます。そこで、この一世帯当たりどう出すかということについては、たとえばたばこの場合ですと、では喫煙している世帯について出すのか。喫煙者のいない世帯はゼロになりますので、そういう対象となっている世帯だけを選んでやるということになってきますと、これは作業が非常に困難でございますので、われわれとしては全家庭、平均で議論をしていくことがいいのではないかということで計算をいたしておるわけでございます。したがって、たばこの場合も今回の増収額を全世帯の数で割っている。ただ、この場合いまおっしゃったように、生協の場合の計算は一日三十円という負担増を計算して月九百円、年間で一万八百円とされておるわけですが、そういうようなことで、どのたばこを何本吸うかというような形でやっていくやり方もあるでしょうけれども、どうも全体の平均を出すというときには非常にそれはむずかしいことになってしまうのではないかというふうに思われます。 それから電気のようなものになりますと、非常に一般的でございますので、これは私どもの数字と生協で計算された数字との間にはそれほど差がないわけでございますが、物によってどうしてもそういう違いが出てくるわけでございます。それは私どもとして個別の家庭の事情を考慮したものということで出すことは非常に困難でございますので、やむを得ず平均で処理をさせていただいているということでございますので、その点につきましては生協の試算との間にかなり差があるわけでございます。 それから、学校の方でございますが、公立学校の授業料は、今回の私どもの国の予算の関係では出てまいっておりませんので、今後、各地方団体の判断によりまして行われております公立学校授業料の値上げ、これは四月一日からやっているわけでございますが、それが明確になりました段階で家計への影響等については計算をいたしたいと思っております。それから私立につきましては、これは本来私立学校がみずからの判断で決めるべきものでございますので、公共料金という扱いをとっておりません。そういうことでございますので、これもここには計上をいたしておりませんが、これも公立学校と同様に四月の時点で明確になりますまで、それが消費者物価にどの程度の影響を及ぼしているかということについては、その時点で十分検討いたしたいと思っております。
○武部委員 電気、ガスの負担増が非常に大きい。あなたの方は二万八千九百円ということを言われて、具体的な内容も新聞社に発表されておるようですが、大体間違いなく電気、ガスの負担増というものは平均的な、百九十キロワットアワーなり七十立方メートルのガス、そういうものが四人の標準世帯の一カ月の使用量だというふうに見られておるわけでして、その中から出てくる今回の値上げによる負担増は、電気もガスも両方、大体千七百円近いものが家計の負担増になる。したがって、電気とガス両方で三千四百円から五百円近い負担増になってくるということが標準的に出てくるわけです。確かにこれは大手三社の平均ですが、二百五十余りの中小ガスのうち百五十ぐらいはもうすでに上がってしまっておる。それも平均四十何%ガス代が上がっておるわけですから、大体似たり寄ったりというかっこうになります。 私どもが主張するのは、余りにも直接効果だけを経済企画庁長官を初めとして企画庁が明らかにして、そのもたらす具体的な波及効果というものに目をつぶっておりはしないか、それを余り表に出したくないような空気が見えはしないか、これは邪推ならばひとつ反論していただいて結構ですが、たとえば、消費者米価を上げたときに、一食百グラム一円しかならぬ、こういうことをおっしゃいました。新幹線の食堂車に行ってごらんになればわかるように、また、どこのレストランへ行ったって、ライスで五円なんというはしたはついていないのですよ。これはみんな十円単位で上がるのですね。ですから、一食百グラム一円だといったって、それが現実にライスの値上げの中に占めるときには十円単位で上がっていくのですよ。ですから私は、このガス代が上がってから、ある町のガスを使っておるところの食堂へよく行きますから、見ておったら、四月になったら、そこに書いてあった値段表がもう全部外してあるのですよ。そろそろまた書きかえだなんて思って見ておるんだが、四月に入ったらすぐ外してしまう。そこは外食ですが、恐らくすぐ単価が上がってくるだろう。極端に言えばそういうふうに一円が十円にはね上がってくる、そういうものなんですね、単位がそうなっておるのですから。こういうことを考えると、波及効果というものを相当重視して見なければならぬ。 生協のきょう発表された十九万円が私は間違いなく正しいとは思っておりませんよ。この中には、確かに平均的に見てちょっと疑問に思えるような数字も出ておりますが、それにしても、各党が長官とやりとりされたのは、あなたの方の金額よりはるかに高い、みんな十万円を超しておるのです。十二、三万円から十四、五万円までが各党の、公共料金の値上げによって物価の上昇をもたらす一年間の支出増だ、家計の負担がそれだけふえるんだという数字を述べていますね。これは予算委員会で各党の代表がみんな述べていますが、企画庁長官の見解と相当な開きがあるのですね。こういうことは一体どこから出てくるのか、これはやはり私は明らかにする必要があると思うのです。 たとえば、標準世帯、夫婦に子供二人の世帯で、高校生の子供を一人持ち、大学の子供を一人持っておった、主人はいつも外食をしておる、そして国鉄で通勤をしておる、たばこも一日吸う、そういうような家庭に、標準的に見てどういう影響がこの値上げによって家計にもたらされてくるだろうかというようなことを試みにでもやはり経済企画庁としてはやってみる必要がある。私どももやりたいと思っておりますが、そういう中で、公共料金というものの値上げが国民にどんな影響を与えておるかということはよくわかってくると思うのです。それから、そういう中で、一つ一つの公共料金の値上げの延期だとか凍結だとかあるいは査定だとか、そういうことを考えてもらわないと、さっきの大学の授業料じゃありませんが、月に十円じゃこれは子供を持った家庭では何を言っておるかということになるのですよ。一つの計算方法かもしれませんけれども、それは余りにもかけ離れた計算方法じゃないだろうか、こういうふうに思うのです。ですから、こういう点についてもっと国民の実感に触れるような、そういうものを試みにでも企画庁としてはやはりわれわれに示してもらいたいし、われわれもそういうものについて試算をしてあなた方とここでやりとりしてみたい。そうでなければ、六・四だ六・五だと言ったって国民にはぴんときませんよ。私は、そのことが一番大切だということを長い間この国会で論議をしてきたけれども、すれ違ってなかなかいい結論にならない。しかし、そのことを抜きにしては物価論議というものは余り実りがないものだというふうに私は見ておるわけですから、この点についてそういうお気持があるかどうか、ひとつお聞きしたいのです。
○正示国務大臣 われわれのやっております消費者物価指数のとり方と家計負担というものとは、これはもうおのずから違ってくるから、その両方について常に実情を把握しておく必要があるという武部委員の御主張は、私は正しい、そのとおりだと思います。われわれもそういう点をよく知悉していくように努力をしておるわけでございますし、今後も一層努力をしたいと思っております。 ただ、いま武部委員の御議論をずっと拝聴しておりまして考えますことは、とにかくある程度の値上げがあると、それに対して、一円になれば十円、十円上がれば百円というふうに上げていくのが普通じゃないかというお考えには、私はどうも同調できません。それがいわゆる便乗的な考え方でございますから、私どもは、外食産業その他に対しまして、ぎりぎりのコスト計算をして、それをひとつ生産性向上、能率向上で吸収してくださいよ、こういうようにお願いをしておる最中なんです。そのときに、若干米価、麦価、ガス、電灯というふうなものが上がったら、それはもうすぐ定価表へ出していくという考え方ですと、これはもうインフレになってしまいますので、それを何とか吸収してくださいというふうにお願いをしておる立場なものですから、武部委員といろいろお話をしたときにも、そういう考え方ではインフレを抑えることはできないんじゃありませんでしょうかと、確かに申し上げたことを私はよく記憶をいたしておるわけでございます。 そこで、これからも消費者物価の細かい、コンマ幾つというところまで、私は、厘毛の末に至るまできちっとこの際コスト吸収という努力をやってもらわないとインフレを抑えることはできませんよというふうに申し上げて、電力、ガスの料金査定のときも、何でこんなに細かいことを言うのだろうと考えられるほど厳しく申し上げておるわけでございますし、いまも、いろいろ値上げの動きがございますと、主務官庁に対しまして、それを安易にオーケーはできないぞ、もっと抑制できないか、こういうことをやかましくお願いをしておるわけでございます。そこで、お考えも十分わかりますから、われわれとしては、これから消費者物価の上がり方について決して油断はできない。もう機会あらば上げようとする。しかしありがたいことには、武部委員もすでに御承知のように、最終的には、消費者の、何といいましょうか、こういう動きに対する非常に厳しい対処の態度というものがはっきり出ております。私はやはり、そうした大衆の、消費者の売り手に対するきつい態度というものをわれわれはバックアップいたしまして、どこまでも厳しい競争原理によって、できる限り能率の向上、生産性の向上で吸収していくという、この日本のいまわれわれがとっておる市場経済原理、競争原理というものを働かしていくことが結局物価の安定につながっていくんだ、こういう信念でやらせていただいておることだけははっきりと申し上げておきたいと思います。
○武部委員 私は、公共料金の値上げが便乗値上げの引き金になる、そういう心理状態を起こすんだということを申し上げておるのであって、あなたがおっしゃったことは私どもの方からも言いたいくらいで、そういう意味で公共料金というものが非常に大きな意味を持っておるんだということを申し上げたのであります。 それで、きょうも時間の関係でこれ以上のことを言いませんが、いずれ改めて、いま申し上げたような具体的な問題を通して、いまの公共料金値上げの具体的な影響が家計にどうあらわれておるのか、そういうことを標準世帯を例にとって正確な数字というものを、やはりお互いがここで意見を一致しないと、五万円と言い、二十万円と言い、十五万円と言い、これは新聞を見ておる国民から見れば何のことだろうかと、詳細がないだけによくわからないと思うのです。ですから、こういう点についてはいずれ改めて当委員会でやりたいと思います。 もう時間が参りましたから、私は最後にひとつ長官の考え方を聞いておきたいと思うのです。私はかねがね地価政策の問題について非常に関心を持ってきておるわけです。遅まきながら、何かこの間の二けたの土地騰貴の結果が出てきたというようなことから、政府も急遽地価政策の国土庁の案が出て、これにクレームがついたというようなことが報道されておるわけですが、確かにこの土地の値段は異常であります。私のところのような田舎でも大変値上がりいたしまして、とてつもない値段になっているわけです。 かつて私がどこかで言ったのですが、この日本の物価の上昇のケースを調べてみるとこういうケースがある。たとえば公共料金であるはがき、これはいまから百年前、明治十二、三年ごろは一銭であります。いま二十円でありますからちょうど二千倍ですね。今度これが三十円になり四十円になるというから三千倍か四千倍、これは公共料金です。それから、ビールはいま二百十五円が二百四十円に値上がりするわけですが、百年前は大びん一本十六銭。そうすると千五百倍ぐらいですね。そういうふうな倍率でこの百年間のうちに上がってきた。土地はどうでしょうか。土地は日本で最高の価格であったのが銀座五丁目の一坪二十円というのが当時の値段であります。一番高い価格でまた取引されたのもこの銀座五丁目、一坪千七百四十五万円という数字が出て私はびっくりしたわけです。そうすると千七百四十五万円というのは百年前に比べて九十万倍ですよ。ところが、これでびっくりしておったら、銀座の隣の西新橋でこの間一坪二千五百万円で売買されましたね。これはビルですよ。そうすると、これは百年前に比べて百二十五万倍です。公共料金はたとえばはがきをとってみても二千倍から三千倍、嗜好料であるビールは千三百から千五百倍、土地は百二十五万倍というとてつもない値上がりをしておるのですね。これは百年間という長い間の数字ですから、もうちょっと短くとれば、この間の資料で昭和九年、ちょうど戦争の始まる直前と昭和五十四年、去年の差が出ておりましたが、これを見ても東京都の倍率は大きいのです。五千倍ぐらい上がっておるのですね。そんなことを考えるとこの地価政策というものはとても野放しにしておってはいかぬ。同僚委員がこの委員会で東京の二十三区の中に坪七十万円の土地はないということを何年か前に言いました。何年か前にそうここで発言があったのですよ。地価と物価というものは直接関係はないかもしれませんが、しかし日本のインフレの中で、私はこの土地政策というものが日本のインフレを大きく揺るがしておることは間違いないと思うのですよ。この地価政策というものは一体あなたはどういうふうにお考えになっておるだろうか。野放しにしておいて、このようなことで事足れりとは思っておられないとは思うけれども、現実に野放しなんですよ。これをひとつお聞きして、私はいま言ったような具体的な資料を持っておりますからまた改めて論議いたしますが、物価の大臣と言われるあなたとしてこの地価政策をどのようにお考えになっておるか、これを最後にひとつ聞いて終わりたいと思います。
○正示国務大臣 御指摘のように、あれはいわゆる公示価格でございますけれども、大変な騰貴をしておりますので、この公示価格が報告せられました閣議の席で、私どもは大変な憂慮にたえない。いま武部委員おっしゃったように、地価というものと一般の物価というものとは非常に違ったものではあるけれども、しかしインフレマインドといいますか、そういう心理的な面ではこれは非常に悪い影響を与えるじゃないか。したがって、この土地問題について緊急に政府として対策を講ずる必要があるということで、実は関係閣僚の懇談会を設けておるのでございますが、しかしこの問題はなかなか簡単に名案はあるわけはございません。ただ、先ほど来金子委員にも私がお答えしたように、需要と供給の関係からいって、土地というものについて、特に宅地についてははっきりと需要と供給はアンバランスなんですね。だから、その点を抜きにしては対策を考えられないから、何としてもこの土地については宅地としての供給をふやす方法はどうすればいいのか、ここに主眼を置いてやっていかなければならないのじゃないか。国会で議員立法で国土利用計画法という法律をおつくりいただいて、これでばさっと取引について網をかぶせるということはできるわけでございますけれども、それでは問題は解決しないんじゃないか。やはり若い方々の本当に切なる願いのマイホームを何とかしてつくっていくという、これは生涯かけての願いでございますから、それにこたえるような宅地の供給を確保するような施策というものが絶対必要じゃないか、このような考え方からいまいろいろ相談をいたしております。これは非常にむずかしい問題でございますが、政府は近く農住組合法案等も出すというようなことも言っておりますので、また国会の方のお知恵も拝借いたしまして、われわれとしては少なくとも若干の前進といいましょうか、宅地供給をふやすような方式を講ずると同時に、全体の地価の高騰に対して適切にこれを抑制するような政策というものは非常にむずかしいといってもこれはあきらめてはいけない、何とかしてひとつそういう方向に前進しなければいけない、こんなような考え方でただいま政府部内で相談をいたしておる次第でございます。
○武部委員 この問題は後日に譲りたいと思います。 時間が来ましたから、私はこれで終わります。
○井上委員長 次回は、来る二十二日午前十時理事会、午前十時十五分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十七分散会