物価問題等に関する特別委員会 第8号
- 発言数
- 245 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/03/06
会議録
○井上委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。粟山明君。
○粟山委員 まず、経済企画庁長官にお伺い申し上げます。 総理府の統計局発表の東京都区部の消費者物価指数が、二月は前年同月比で七・六%に上がっております。これは五十二年二月以来の高騰、こう言われておりますが、全国の指数でも、まだ二月はわかっておりませんが、一月分が六・六%。こうなりますと、相当じりじりと物価が上がっております。これも三月には、あるいは八くらいいくのではないかというような予想もなされておりまして、新聞なんかの表現をかりますと、暴風雨圏が近づいてきているというような表現すら見られるわけでございます。 そこで、実はこの前の商工委員会でも長官にお伺いしてお答えをいただいた記憶が私ございますが、この卸売物価指数と消費者物価指数、これのタイムラグの問題がまずございますが、そのときのお答えでは、タイムラグは前の石油危機のときは非常に短かった、しかし、現在は三カ月から六カ月くらいにもなるのじゃないかというようなことでございました。単にタイムラグだけの問題でございますと、現在卸売物価指数一五から二〇にもなっておりますのがそのまま数カ月後に来るとすれば、これは大変な問題でございますが、そうじゃなくて、そこに消費者物価指数となれば、いろいろな要因からそれが直接に来るのではないというふうにも伺っております。それにつきまして、ただ一般国民には何と言ってもその点がわかりにくい。もう一度重ねてお伺いしたいのでございますが、この前の石油危機のときの卸売物価指数と消費者物価指数との関連、同じような曲線で上がっているのと、現在、今度の状況との違い、その原因といった点についてお伺いしたいと思います。
○正示国務大臣 最近消費者物価も相当上がっておることは御指摘のとおりでございます。ただ、これには特殊な要因がございまして、予算委員会でもたびたび申し上げたのですが、野菜価格、これは季節的な理由とそれから本年特有の自然現象といいますか、災害、長雨、日照不足、こういう原因が非常に特異な理由になりまして、野菜価格が著しく騰貴しておる。このことを十分われわれとしても心得まして、いま政府を挙げまして、特に農林水産大臣が産地、市場というふうに現場にはせ参ぜられまして、何とかこの春野菜の早期出荷とか、あるいは契約栽培中のキャベツとか、そういうものの出荷を促進する、あるいは輸入をやる、いろいろな手を打って野菜価格をノーマルな姿に一日も早く戻したいという努力を重ねておられることは、粟山委員も御承知のとおりだと思うのです。しかし、そういういろいろなことをやりましても、仰せのとおり原油価格あるいは円安、こういうものを理由にする外国からのインフレ、卸売物価騰貴、これの圧力を日に日に強く感じておるわけでございます。 そこで、お尋ねの中にございましたように、単なるタイムラグか、そうではないと私は思います。今度は、インフレを抑圧する諸条件あるいは環境と申しましょうか、それが前回と非常に違って、日本のいまの状況は大変有利になっておる、こういうふうに申し上げられることを私は大変喜びとしておるのであります。これをぜひひとつわれわれとしては堅持して、一層努力を傾けていかなきゃならぬ。 そこで、前回の場合と今回の場合の卸売物価、消費者物価——前は卸売物価と消費者物価は若干の開きがありましたが、ほとんど同じように上がっておる。ただ、賃金も同じように高い引き上げが行われておった。 そういうことを一回個条書きにいたしますと、まず国際商品市況でございますが、前回はたとえば大豆なんか約三倍、小麦が二・七倍というふうに暴騰しておるわけであります。今度はそういうふうなことは見られず、主に原油、それから非鉄金属の一部というようなものが相当上がっておるのでありますが、これも国際情勢に応じて、原油以外はまた若干状況が違ってきておる、こういうことがあると思います。 それから、前回は原油価格の上昇以前からいわゆる二けたインフレが出てきておりまして、さっき申し上げた環境といいますか、素地といいますか、もう点火するとすぐ燃え上がるような情勢になっておった。今回は、原油価格の上昇があるまでは、そういう諸環境が非常に静かに安定しておった、こういうことが基本的に違っておると思います。 賃金上昇も、前回は四十九年、三二・九%。これはちょっと、史上例のないレコードでございます。今回は、五十四年が六%、こういうふうにさま変わりでございます。これは労使双方の大変良識ある妥結に、われわれは心から敬意を表しておるわけでございます。 それから、前回は四十七年から四十八年前半にかけましてのいわゆるマネーサプライが急膨張でございまして、二七・六%、こういうふうにふえておるわけでございます。これに対しまして、今回は一〇ないし一一%、きわめて落ちついた足取りで推移しておる。 それから一般の企業、消費者その他も、きわめて冷静にかつ鋭く、物価に対する関心を持っていただきまして、消費者の方は買い急ぎはしない、また企業、業者の方も、便乗値上げ等は、こういう厳しい監視、調査の環境の中で厳に慎むというふうな——一部には例外もございますけれども、大勢としてはそういう状況にありますことが、私は、今回の卸売物価急騰にかかわらず、消費者物価が比較的落ちついた根本の原因だと考えております。
○粟山委員 いまのお答えで、前回とは大分違うということは、おっしゃるまでもなく六・四%を、これは努力目標も多少あるかとは存じますが、何とか守っていこうという姿勢かとはうかがいます。 そこでいま公共料金、次々に値上げがございますし、ことに大型の公共料金値上げ申請が続いております。この内容につきましては、もうすでに各方面から、いわば論議を尽くされているような状況でございますし、電気、ガス、こういったものについては査定の段階でございますので、ただいまのところこれについて申し上げるのは控えるといたしまして、ただこれから非常に恐れるのは、そういったものからの波及と申しますか、あるいは便乗値上げでございます。 実は、これは私の経験でございますが、選挙区へ帰りますのに、いつも上野八時の特急に乗るわけでございます。家を六時半に出ます。したがいまして、朝飯によく駅弁を食べるのでございますが、ついこの間、先月くらいでございますか、標準的な幕の内弁当がございます。長官は、駅弁なんかはお上がりにならぬかもわかりませんが、これが一カ月ほど前までは五百円だったものが、ついこの間六百円になっておりました。百円、つまり二割の値上げでございます。売り子に聞いてみたんでございますから確たる内容はわかりませんが、何で上がったんだと聞きますと、お米が上がったとか資材が上がった、人件費が上がったようですよというような返事でございまして、こういったものも一種の便乗値上げではないかというような気がしたわけでございます。同時に、その汽車に乗りましてコーヒーがやはり二百円から二百二十円に上がっておりました。これは一割でございます。こういった値上げが次々に出始めている。また、御承知のとおり東京のスーパーの砂糖上白が一キロ一月が二百三十円のものが二百六十円に現在値上がりしております。 こういった状況が次々に続いておりますと、公共料金もさることながら、その波及あるいは便乗値上げが非常に懸念されるわけでございますけれども、これにつきまして経企庁あるいは個々の品目に関する通産省等では具体的な物価抑制の何か措置はお考えになっておられるかどうかお伺いしたいと思います。
○正示国務大臣 消費者米価の値上げにつきましては、予算のときに相当大幅にという御要請もありましたが、私どもはぎりぎりまでお願いをいたしまして、一方では食管制度を維持するということが非常に大事なことでございますので、それのための最小限度の米作転換等の財源、これは財政再建という要請にこたえたわけでございまして、そういうことのぎりぎりのところまで米価の値上げを抑制いたしました。 しかし、これは二月から実施されまして、その実施に際しましていまのお話のような値上げが続々行われるということになりますと、非常にこわい。何といっても米は一番大事な食糧の根幹でございますので、そういうことで外食産業とかあるいはそれぞれの商店の組合、いまの駅弁その他につきましても、農林水産省また経済企画庁も関係の方々にお集まりをいただいて、そういうことにならぬようにひとつお願いしますよ、今度はインフレを防がなければお互いの足元が崩れてしまうんだから、ぎりぎりのところまでがまんしてくれ、こういうお話を申し上げてお願いをしたわけです。 しかし、いま粟山委員御指摘のように値上げが行われておるということでございますから、これについても果たして便乗的な要素があるのかないのか。これは食糧の方は農林水産省でも第一線に監視の目を光らせてくれております。われわれの方からもひとつまた連絡をとって、それらの点についてもやかましく申し上げたいと思っております。 一事が万事でございまして、およそこの物価問題は本当に気を緩めるわけにはいかぬのです。さっきも申し上げましたように、環境をしっかり守っていかないと、堤の一角が崩れた、さあもう自由に値を上げようというようなムードが一番こわいのです。これがすなわちインフレに麻痺するような状態でございますから、そこのところをしっかり堤防を守っていく、それには米価の値上げがございましても、これを吸収していただくように努力していただく、そして値上げは避けてもらう、こういうことを基本としていろいろお願いしたのですが、まあやむを得ない事情でぎりぎりのところ値上げされておるのかどうか。 私は、最後はいつも申し上げるのですが、もうそういう状況がどんどん行われてくればこれは税金でばっさり取るよりしようがない。不当なもうけは税でばっさり取ってしまう。そういうことによってとにかく正直者がばかを見ないようなそういう政策を強力に展開していく以外にない、こういうふうに考えて、関係各方面にいろいろと御協力をお願いしておる次第でございます。
○粟山委員 私がいまお伺いした弁当の問題は単なる一例でございまして、便乗値上げをどういうふうに抑えるかという具体的な点につきまして通産大臣にもお伺いしたいと思うのでございます。 確かにいま一番問題になっております野菜の高騰に対しましては、農林水産省の方で緊急出荷をしたりあるいは緊急輸入をするというような具体的な緊急措置をとっておられる。また一面、これはやはり私のくにの方のスーパーでございますが、何軒かのスーパーがむしろ値上げを抑制しようというような運動を起こしまして、七月まで価格凍結宣言をやっております。食料品を含めて二百数十品目について七月までは一切値上げをしないのだ、こういうような運動も一方で展開されておりまして、先ほど経企庁長官がおっしゃったような、国民の側にも相当冷静な対応、防衛策というものも講じられております。そういう機運があるにつれても、中小企業あるいはスーパーといったようなものに対して何かしらそういう点を奨励するような方策が打ち出せないものかどうか、この点、通産大臣のひとつ見解をお伺いしたいと思います。
○佐々木国務大臣 便乗値上げ問題に関しまして私どもの方は、各物資別に重要な物資を選びまして、省内に主要物資需給価格動向連絡会議というものをつくりまして、業種別、品目別に需給関係あるいは価格動向等調査、監視いたしまして便乗値上げがないように、あるいは急激にある物資が上昇するというような場合にはそれに対する対策を講ずるといったようなことで進めてございます。電力、ガスあるいは油の問題等に関しましては、まあ電力の方は別ですけれども、油の問題に関しましては各通産局あるいは府県あるいは市町村等を中心にいたしまして調査、監視と申しますか、あるいはモニター制度等を通じまして、異常な値上がりを見た場合にはそれに対して対処方法を講ずるというふうなことをしてございます。 最近行いました物価鎮静策と申しますか、これは小棒でございまして、主たる一あなたには一番得意なところだと思いますけれども、スクラップ価格が上昇してきたものですから、それに対処すべく小棒のビレットを十万トンばかり放出いたしまして、急激な上昇を避けるというふうな施策を講じてございます。
○粟山委員 ただいま大臣から小棒のお話が出ましたので、これも関連ございますのでお伺いしたいと思うのでございます。 毎日のように多少ずつ値上げの問題が出ておりますが、ここで、三月四日付で発表されましたのが新日本製鉄の鋼材価格の値上げの問題でございます。これは一会社の値上げでございますから、一つの会社の単なる製品の値上げという問題でそれほど大きくないというようにも思われますが、新聞等では、私どもの地方の新聞でも一面に大きく取り上げております。 そこで、いずれこれは追随して高炉各社が製品値上げも発表になりまして、その段階でまた各方面の論議もなされることと思いますし、またユーザーとのそれからの交渉ということでございますからいまとやかく批評は申し上げられませんが、何といっても平均一〇・七%の値上げは、鉄鋼が産業の米と言われるだけに非常に大きな影響があると存じます。そこで、この価格については通産省としては内容について何かチエックをするのかどうかというのが一点。 もう一つは、物価への影響等についてどうお考えになるか、お伺いしたいと思います。
○大永政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生から御指摘がございましたように、新日鉄から三月四日から需要家と値上げの交渉に入るという連絡があったわけでございます。同社によりますと、値上げの幅はいま先生御指摘になりましたように九千円で、一〇・七%ということでございます。値上げの理由といたしましては、一つは原材料関係につきまして鉄鉱石、石炭、これは豪州等からの買い付けが中心でございますが、これの契約改定がございまして、新年度から価格が上昇するという問題、あるいは製鉄過程で使います重油その他の燃料が昨年来の値上がりで上がってきておるというような問題等々含めまして、トン当たり大体一万一千円程度のコストアップになるが、そのうちの合理化によって吸収できるものをのけまして九千円程度値上げしたいというのが同社の説明でございます。 これに対します通産省の考え方でございますが、先生もただいま御指摘になりましたように、この発表はこれから需要家と価格の交渉に入るということでございまして、実際の価格は自動車でございますとか電機でございますとか、これも相当力のある需要業界とのネゴによってこれからチェックされていく問題でございますので、当省といたしましてはその交渉の成り行きを見守ってまいりたいと基本的に考えておる次第でございます。 それから物価への影響でございますが、一つの試算といたしまして仮に一〇%上がったという一つの前提を置いて計算いたしますと、卸売物価に対して約〇・二八程度の影響を与えるのではないかと当省としては試算をいたしておる次第でございます。
○粟山委員 ただいまのお話では一〇%ほど鋼材が上がると卸売物価に〇・二八でございますか、影響があるというお話でございますが、各新聞一斉にいろいろ論評を加えております。それほど関心の深い問題だろうと私も思うのでございますが、各新聞の論評を見ますと、大体ある程度はやむを得ないだろうというような論調も目立っておりますが、同時にユーザー、需要家の方で、家電等でございますが、これを製品に転嫁せざるを得ない、こういう論調も大分目立っております。これでいきますと玉突き値上げといいますか、順番に値上げが波及していく、こういうおそれがないかどうかということはいかがでございましょう。
○大永政府委員 これは業界によりまして相当違うと思うわけでございます。先ほど申し上げましたように自動車あるいは電機、造船といったところあるいは建築関係といったところが中心でございますが、それぞれの業界におきます収益状況、それから製品の中に占めますコストの割合あるいは今後の合理化の可能性といったことによりまして相当違ってまいりますので、一概にはちょっと申しにくいのではないかと考えます。
○粟山委員 なお、経済雑誌等によりますと、新日鉄五十四年度の決算は史上最高の千八百億の利益になるだろう、しかし今度のいろいろなコストアップによって来年度はこれが吹き飛んでしまう、だから値上げしてほしいのだというようなことも言われておりますが、いまの公共料金、電力料金の値上げのいろいろの論議の過程から言いますと、いささか条件が違うのではないかということも考えられるわけでございますが、その辺につきましては通産大臣、何か御見解、いかがでございましょう。
○大永政府委員 ただいま先生御指摘になりましたように、民間の見通しによりますと五十四年度千八百億程度の経常利益が上がるであろうと言われておる次第でございます。上期も九百億余り上がりましたから、その程度の利益が上がる可能性はかなり高いと思うわけでございますが、これも会社の説明でございますけれども、まず先ほど申し上げましたようなコストアップ要因を計算いたしますと年間で約三千三百億円程度に上ります。現在の価格でまいりますともちろん赤字になってしまうということでございますので、価格改定をしたいということでございます。ただ、五十五年度におきます経常収支の目標値につきましては、五十四年度のいま御指摘になりました千八百億ということではなくて、五十四年度の半分程度の利益は配当確保あるいは投資の継続という見地から言って何とか確保したいという前提のもとに、先ほど申し上げましたような値上げの計算をいたしたようでございます。
○粟山委員 与えられた時間がございませんので最後に、いまの問題は、価格については通産省としては一応チェックをする、しかし介入はしない、こういうことでございましょうか。
○大永政府委員 価格については、先ほど申し上げましたように需要業界との交渉の成り行きを十分よく見守っていきたいというのが通産省の考え方でございます。
○粟山委員 時間が参りましたので、本件につきましてはまた次の機会に譲ることといたしまして、私の質問を終わります。
○井上委員長 この際、野田毅君から関連質疑の申し出がありますのでこれを許します。野田毅君。
○野田委員 時間がありませんので二、三点、ポイントをしぼって御質問をさせていただきたいと思うのです。 電力、ガスの非常に大幅な申請が出てまいりまして、佐々木大臣、正示大臣、えらいときに大臣になられたと同情申し上げる反面、また非常にやりがいのある仕事でございますから、大いにがんばっていただきたいと思うわけですが、この電力、ガスの料金に対する対応の仕方でございますけれども、基本的には三つの観点が大事だろうと思います。 一つは、何といってもエネルギーの長期安定供給といういわば経済の基礎構造、これをおろそかにしてはならない。しかし、同時にまたソフトというかそういう面で言えば、物価政策あるいはまた産業政策、これは雇用にも関連するわけでありますけれども、そういった観点を無視してハードな部分だけで突っ走っていいというものではない。非常にむずかしい対応の仕方が必要でありますから、査定に当たられましては慎重の上にも慎重に対処していただきたいし、同時に先般の参考人の事情聴取のときにも問題になりましたのですが、こういった非常に大事な社会的な責任を負っておられる事業でありますから、政治家や公務員と同じようにみずからを厳しく律していくという経営姿勢も必要でありますから、そういった経営努力についても所管大臣として強く御指導いただきたい、これは御要望であります。 そこで、物価との関連についてはいま粟山委員から、また後ほど工藤委員からもいろいろ御質疑があるでしょうし、また野党の諸君からも御質疑があろうかと思いますので、一点だけ通産大臣にお願いといいますか御要望を申し上げたいのは、産業政策との関連です。特にこの前の参考人の意見聴取で明らかになりましたのは、平均的な値上げの申請率というのは六十数%という話もございます。しかし個別に見てまいりますと、あれは電気亜鉛であったと思うのですが、特に九六%という法外な数字になるようであります。こういった点を無視してまいりますと、最新鋭の合理化投資をやって、企業努力をしてやってきておってもこれはとても立っていくものではないわけでありまして、そういった個別の案件を全体の原則の上で考えろというのは無理にしても、やはり産業政策との観点から何らかの、たとえば昼夜間の料金格差の問題なり、あるいはシフトの問題なり、あるいは特約の問題なり、何らかの個別的な対応によって少なくとも激変緩和といいますか、そういった産業政策との関連というものが必要になってくるだろうと思うのです。この点についてひとつ大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○佐々木国務大臣 電気料金は御承知のように原価主義に基づきましてでき上がっておりまして、また需要者間に不公平があってはいけない、配分を公平にする、こういう二つの原則で成り立っておるのは御承知のとおりでございます。したがいまして、特定の需要家に政策的な配慮から割安な特別料金をやるということは、原則の上から見まして、片方を安くしますとほかのところで高くしなければならぬという不公平が出てきますから、これは許されない、適切でない措置だと思います。しかし、さればといって、いまお話しのような電力多消費産業というものに対してどういう対処をしていくかについては大変むずかしい問題でございます。と同時に、また重大な問題だろうと思います。 そこで、多消費産業といいますのは、大概電力会社の需給に合わせまして電気の使用をコントロールするといった、長い間にそういうやり方になっております。したがって、現在需給調整契約制度という特約制度でございますが、これにほとんど加入してございます。したがいまして、負荷調整の程度に見合った料金をする、この方法で道は開かれておりますので、その方で何とかやっていけるのじゃなかろうかと考えております。
○野田委員 いまの御答弁を聞いて若干安心したわけでございます。非常に慎重な上にも慎重な対処が必要なんですが、気になるのは、このところ数字がちらちら新聞に出過ぎて、これは新聞記者が敏腕過ぎるのか、役所のガードが甘いのかよくわかりませんけれども、もう少し慎重に取り扱っていただきたい。余り早くから数字が出過ぎるということは好ましくないことになろうかと思いますので、この点はひとつ御配慮願いたいと思います。 それからもう一つ要望だけ申し上げておきますが、先般ECの議会の人たちとの定期会議があって、向こうの人たちのいろいろな話を聞いたのですけれども、そのときに問題になったのは、少なくとも日本は自由主義世界の中においてはアメリカに次いで第二位の石油輸入国でありますし、日本はほとんど輸入しておるわけであります。国際的に石油の需給が非常に逼迫しておる中で、日本が国内的な配慮によって一生懸命石油をいろいろ輸入するのは結構ではあるけれども、こういう国際情勢を考えるときには、もっと石油節約のための努力を必要とするのではないか、特にEC諸国から言えば、日本の原子爆弾被爆という原体験はわかるけれども、しかしながら、まだまだ努力が不足しておるのではないか、そういった意味では、私ども従来国内の論議で出ておりました原子力発電の推進という一つの努力は、いわば国内のエネルギーの安定供給といいますか、むしろ国内政策という観点が非常に頭にありまして、そういった国際社会の中における日本の義務である、そういう指摘の仕方というものは比較的薄かったように思います。 そういったことを考えますと、ますます日本の立場から言えば、いろんな困難はあろうと思いますけれども、ひとつ大いに努力をされて、原子力発電の推進のためにわれわれも協力をしてまいりますが、自信を持って、使命感を持って推進をしていっていただきたい。今度の料金の申請に当たっても、原子力発電というものがうまくいきつつあるようなところは比較的アップ率も少ない形になっておるわけでありまして、そういった意味で、特に福島県なんかは東北電力だけではなくて、東電まで、何か全国の三分の一ぐらいの原子力発電の立地になっておるというような福島県人みたいなところは、少なくとも東京都の人間よりもはるかにそういうものに協力しておるわけでありますから、一生懸命協力したものはそれだけのメリットが享受できるのだという、福井県もそうかもしれません。そういったことを思いますと、原子力発電を一生懸命協力しておるような住民なりそういった人がそれなりのメリットを受けられるような、そういったことを、今度の中に入れられるかどうかわかりませんけれども、将来の課題としてぜひ御検討いただきたい。そのことがまた、一方では原子力発電の推進につながるんじゃないか、こういうふうにも思いますので、ひとつ御努力を願いたい。これは御答弁は要りません。 以上申し上げて、時間がありませんので私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○井上委員長 工藤巖君。
○工藤(巖)委員 私は、国民政党である自由民主党の一議員といたしまして、国政は国民とともに歩むものでなければならない。すなわち、国政の現状と問題点を国民に十分理解させながら、同時に国民の意見を国政に反映する、こういうことであって初めて国政が国民のものとなるであろう、国民とともに歩む国政が確立されるだろうと思うのであります。そういう立場に立って御質問申し上げたいと思いますので、国民大衆がよく理解をし、納得できるような御答弁をお願いいたしたいと思うわけであります。 まず通産大臣に御質問申し上げますが、物価の問題、特に公共料金の値上げは国民にとって最も関心の高い問題であろうと思われます。特にこのたびの電力八社が平均六四%を超える大幅な値上げ申請をしておりまして、通産省の査定が注目されております。そこで通産省においては、査定の結果だけではなくて、その考え方や査定の内容などを公表して、国民の理解と納得を得ることが必要だと思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○佐々木国務大臣 料金の査定に当たりまして、通産省といたしましては、まず関係方面の意見をできるだけ聴取いたしまして、そして内部検討を進めていくわけでございますけれども、その過程において査定方針等を公表するということになりますと、これは大変査定自体にも支障を来しますので、その点はむずかしいと思いますが、しかし、一たん認可した後になりますと、これは当然お話しのようにあらゆる面で御理解いただけるように努力するのは当然でございまして、このトレースの発表とかあるいは資料の配付などを通じまして査定の方針あるいは認可の内容、公聴会で出てきた主な意見についてどういうふうな措置をしたかといったようなことを公表するのは当然かと思いまして、そういう趣旨に努めております。
○工藤(巖)委員 査定後においては公表されるということでございまして、それでいいのですが、申請の値上げ幅が非常に大きいだけにこの電力については国民の関心が非常に高い。全国消費者団体連絡会というところで学習資料として詳細な印刷物を私どものところにも配られているわけであります。それには各社別の民間査定といったようなものまでも記載されているといったような状況でございます。 このたびの電力の問題は、産油国の一方的な急激な値上げによって出てくる、それに円安が相乗的に働きまして当然燃料費が上がってくる。また一方、先ほど来お話がありましたように、電力を安定的に供給する責任というものを会社としては持っておるから、電源開発にも投資をしなければならない、適正な資本費というものも必要である、こう思うのであります。そういうことを明らかにいたしまして、この程度の料金アップというものは当然なのだ、必要なのだということを国民の皆さんに理解をさせあるいはまた説得をして納得を得るというためにも、できる限り査定の内容というものをこういうわけでこのように上げるのは当然なんだ、これは当然なこととしてこれを受けとめなければならぬのだというような説得力のある資料を公表する方がいいのではないかと思うのでありますが、いかがでございましょうか。
○佐々木国務大臣 全く同感でございます。
○工藤(巖)委員 次に、経済企画庁長官にお尋ね申し上げます。 去る一月二十四日に閣議決定されました昭和五十五年度の経済見通しでは、消費者物価の年度平均上昇率を六・四%としてございます。これは大変物価を重視したものとして評価できると存じております。しかし、現在の情勢は、卸売物価が前年に比べて一八%以上も上昇しておる。公共料金が相次いで値上げをされている。こういう状況で消費者物価を六・四%に抑えることができるかどうか端的にお伺いいたしたいと思います。
○正示国務大臣 結論を申し上げます。できるというふうに私は手放しで申し上げることはやめますが、必ずできるように努力をしまして、いまは一切をこの六・四%の目標を死守するために全力を尽くす段階である、こういうふうに考えておることをお答え申し上げます。
○工藤(巖)委員 そういう決意を伺いまして、大変心強く存ずるわけでありますが、この経済の見通しですが、これは原油価格が次々に上昇を続けているあるいは円もまた同様に大変不安定で、というよりは円安傾向が高まっている、そのさなかにつくられたものだろうと思うのでございます。それにもかかわらず、消費者物価六・四%達成できるということは、こういったような不安定要素とか公共料金の値上げとか、そういうことも織り込んで策定されたものなのかどうか、念のためにお伺いしたいと思います。
○正示国務大臣 これは昨年の暮れ、予算の編成過程におきまして、まず経済の見通しをつくろう、また経済政策運営の重点事項について関係各閣僚とともに政府の一致した意見をまとめよう、こういうことをやってまいりました。当時から、例のカラカス総会その他この原油の先行き等について大変不透明な要素は多分にございました。また、円レートも、当時も非常な下落状況でございまして、今日もまた新しいそういう事態が展開中でございます。先ほど申し上げたようにあらゆる努力をするというのはまさにそこにあるのでございます。これが一定の見通しができておりますれば、たんたんとしてその目標に向かって進むのだというふうに申し上げられるのですが、大変先行きは不透明でございます。先般日本銀行は公定歩合第四次引き上げを行い、また最近日本銀行、大蔵省で円安対策、緊急対策を決定されたことは工藤委員御承知のとおりでございます。 私どもは、世界の情勢が日本のこの非常な努力にかかわらず、なかなかむずかしい情勢になっておる、この点をまずきわめて重大な問題と受けとめております。したがって、日本だけが国内で努力すれば外部からのインフレ圧力をはね返すことはきわめて簡単だというふうには申し上げられないと思うのでございますが、何としても、国際関係をも、これは外交また経済交渉あるいは貿易その他の折衝、あらゆる面を通じまして、また原油価格、また原油の供給確保、あらゆる面を通じて、国際的にまずこの混迷した、また不透明な状況を打破して、そして日本への影響を極力インフレを抑圧できるように持っていく、そういうあらゆる努力を払うことによって六・四%をぜひとも堅持していきたい、こういうことでございますので、結論的に申し上げれば、そういういろいろの困難、内外の困難な情勢を全部織り込んで、しかもその困難に取り組んで、ぜひともこれを克服しながら進むという決意のもとに六・四%を守っていきたいと考えております。
○工藤(巖)委員 円の相場が最近急激に下落をしてきている。先般、関係諸外国の協力も得て買い支え、やや持ち直したという状況ですが、今後もなおこれが、円の相場が下がっていく傾向が続くのではないかと心配をしているわけであります。原材料とか資源というものを相当海外に依存しているわが国の場合、円安ということはそのまま国内の物価を押し上げるということになるわけでありますが、また、逆な面からいえば、輸出はふえていくだろう、輸出増加による海外摩擦も出てくるだろう、こういう点も心配されるわけでありますが、こうした傾向がどの辺でおさまるのかというお見通しがございましたならば承りたいと思います。
○正示国務大臣 これは円レートの問題は、見通しということは、いまはいわゆる変動相場制でございますので、国際収支その他の要因で決まっていくことでございますので、なかなか見通しを申し上げることはできませんが、しかし、申し上げられることは、何としてもこれを安定させていくという努力を欠かすことはできない。さしずめ先ほど通産大臣からお答えのありました電力料金一つとりましても、円レートをどう見るか、これは大変重要な問題で、私は、日本銀行その他が、また大蔵省を初め金融当局が、あらゆる努力を払って、いま円安に歯どめをかけよう。さらに、できたら、実体的に見ると円は少し下げ過ぎておるのではないか。諸外国の相場がある程度強くなっても、国内の為替相場市場ではどうも円を、輸出の先行きは、いま仰せのように、輸出信用状の出合いから見ると、輸出は相当伸びると思うのだけれども、どうも、ドルを買う力、円を売る力、それに対して日本銀行は盛んに円を買ってドルを売る、それで外貨が減っていくと諸外国からの協調によってそれを持ちこたえる、大変苦しい闘いといいますか、こういうことをやっておることは改めて申し上げるまでもない。 そこで、そういうことをやるのでございますが、基本的にはやはり、ちょっときざな言葉ですが、ファンダメンタルズということをいっておりますが、私はこれはやっぱり本当に日本は円の対外価値も対内価値もしっかり守っていくのだという政策が鮮明に打ち出されておる、またそれを着々実行しておる、こういうことが円の信頼回復の唯一の正しい方法だ、こう確信をいたしますので、いま通産省でせっかく御努力中の電力、ガス等の料金が新しく設定されるあるいは予算が通過をして実行の段階に入る、そういうときにはわれわれはもうあらゆる努力を傾けて総合的な物価対策、これによって円を守るんだ、その対内価値も対外価値も守っていくんだ、こういうことをはっきり指し示す重大な時期でありますから、そういう点に毎日配慮しながら進んでおる、こういうふうなことでございます。
○工藤(巖)委員 次に、石油の需給見通しにつきまして通産大臣にお伺いいたしたいと思います。 まず灯油につきましては、昨年の暮れに国民がかなりの不安を持って、中には指導価格を設定してはどうかという声さえあったのでありますが、しかし政府は賢明にも価格介入を行わないで供給量をふやすという政策をとって対応されたことは評価されてしかるべきものと思っております。ただ、今後とも灯油の量的な確保が保証されていくかどうか、この点について国民が安心できるようなお答えをいただきたいと思うわけであります。 それからまた、経済の安定的な成長を図っていくためにも石油エネルギー源の確保が必要だと思うわけでありますが、こうした石油の需給見通し全般についてお知らせをいただきたいと思います。
○森山(信)政府委員 まず灯油の見通しでございますが、実績を申し上げますと、この需要期の昨年十月から一月の灯油の販売量が千二十五万キロリッターでございまして、前年同期の九三・四%程度でございます。ある程度在庫がたまっておるということでございまして、いま御指摘のとおり量的な確保は完全に行われたというふうに考えておる次第でございます。 ただ問題は、五十五年にどうなるかということでございますけれども、五十五年の石油全体の需給を申し上げますと、私どもはいま大体二億八千万キロリッターくらいで需給のバランスがとれるのではないかというふうに考えております。 ちなみに、国際的には五十五年がこれは一日当たりでございますけれども、供給が大体一日当たり五千百三十万バレル程度ということでございまして、かろうじて需給のバランスがとれるという状態にございますから、わが国に当てはめてまいりましても、いま申し上げましたように、大体五百四十万バレル・パー・デー、年間二億八千万キロリッター、こういうことでバランスがとれるという見通しを立てているわけでございます。 灯油につきましては、御承知のとおり連産品でございますから、大体五十四年と同じ程度の量は確保できるということで、いまの段階では五十五年は大丈夫ではないか、私どもはこういうふうな考え方を持っておるところでございます。
○工藤(巖)委員 いまのお答えによりますと、供給が需要を若干上回っておる、それで間に合うということですが、この需要の算定の中には節減というか節約、これも含まれての数字と理解してよろしゅうございますか。
○森山(信)政府委員 五千百十万バレル、これはいわゆる自由世界の推計でございまして、これは先生御案内のとおり昨年IEAで各国五%の節約を行うという前提ではじいた数字でございますが、わが国の場合は五十五年におきましては七%の節約をいたしたい、いまこういう節約運動をやっておるわけでございまして、それを前提にいたしますと、先ほどお答えいたしましたように、五十五年に二億八千万キロリッター日本に供給を確保しまして七%の節約を行うことによりまして需給のバランスがとれるのではないか、こういう前提を立てておるような次第でございます。
○工藤(巖)委員 時間の関係もございますので、再度経済企画庁にお伺い申し上げたいと思うのですが、第一次石油ショックの場合は一バレルが約二・五ドルから十ドルと四倍になった。しかし上げ幅から言えば大したことではないわけです。それであるのにあのような買いだめ売り惜しみなどのパニックに近い状況が出てきた。物価も、先ほどお話しありましたように賃金も大変大幅な上昇を示した。どうもこれはいわゆるインフレマインドみたいなもの、が大きく働いておったんじゃないかと思うのであります。今回の石油危機は一年間で一バレル約十三ドルから三十ドル近くになって、しかもそれにプレミアム、スポットの価格が入り、さらに円安ということですから、原油価格の値上がりから言うと第一次の石油ショック以上に大幅なものがある。それにもかかわらず、今日まで政府も適切に対応されたと思いますし、また国民が賢明に対処したのだろうと思われます。そしてともかく今日のような状況を続けておりますが、これからが大変重要な時期であろうと思われます。消費者物価六・四%に抑えるためにあらゆる努力をしていかなければならないと大臣もおっしゃっており、また石油についても七%の節約をしていかなければならないということも言われておるわけであります。これができない、不足になるということになりますといろいろな問題が出てくることは申し上げるまでもございません。 そういう意味で、この第二次の石油ショックを乗り越えるためには、政府として消費者に対しても協力をしてもらわなければならない、産業界に対してもいろいろな要請をして協力してもらわなければならないと思うのでありますが、どういう点にそういう協力を求めていくのか、こういう考え方があるならばこれを明らかにしていただきたいと思うわけでございます。
○正示国務大臣 いまお話しのように、前の石油ショックのときと今日を比べますと、これはもう本当に隔世の感というふうな状態でいままでは推移してまいった。しかし、いよいよ電力、鉄鋼、こういうものの値上げが差し迫っております。ある一部のエコノミストは、日本が輸入インフレ、海外インフレを防遏したのはまさにこの堤があるからだ、それがいまやどういうふうに国内への影響に歯どめがかけられるか、大変大事な局面だ、こういうふうに指摘されて、これは国会におかれても政府においても、民間各機関も挙げてこの成り行きに重大な関心を持っておるわけであります。もちろん私は、物価だけが問題ではなくて、大事なエネルギーの安定確保ということも大変大事だということは十分念頭に置きながら、しかしいま申し上げたような物価の重要性ということに国民の皆さんが大変な関心を持っていただいておることに感謝して、より一層の協力を願っております。 そこで、いろいろございますが、私はさっき粟山委員にもお答えしましたように、一番大事なのはこういう節目節目で十分しっかりした環境を整えていく、これに国を挙げて取り組んでいきませんと、アメリカがいま大事な選挙戦の前にインフレ対策が一番大事だ、国際的な問題についてはある程度世論は最高潮に達したけれどもこれからインフレ問題だ、こういうふうに言われておる。また最近のタイの政変なんかも、御承知のように物価問題というふうなことが政変の理由になっておるようです。そういうことを考えますと、私は、政治も経済も挙げてこの際やはりいま御指摘のような点に取り組んでいく体制が必要である、いままで国民の皆さん非常に冷静に、また勤労者の方々挙げて非常によい成績を上げてくれたのでありますが、これを一層強くこれから推進していくことが非常に重要なときだと考えておりますので、この物価対策特別委員会は国会の物価問題の目玉でございます。きょうは非常に熱心に御審議をいただいておりますが、どうかひとつ一層の御支援と御協力をお願いいたします。
○工藤(巖)委員 もう時間になりました。お答えは要りませんけれども、エネルギーの高価格時代が来ている、物価はそれを反映した形である程度高い水準になることはやむを得ないが、それを安定しなければならない、こういう時代であろうと思うのですが、それのためには国民全体がこのことを理解して協力をしていくという態度なり、あるいは一つの新しい連帯感みたいのが必要だと思うのです。政治はそういう面において十分指導性を発揮していかなければならないと思われるのでありますが、そういう意味で、インフレを回避し、国民に理解と協力を求めるためのいろいろな資料というものをできるだけ多く国民に提供していただきたいと思うのです。便乗値上げを防ぎ、あるいは国民のそれぞれの立場に立っての努力。いまある地方で消費者ニュースのようなものを県で出しております。これは大変いいものでありまして、できれば全世帯に配りたいというふうに市町村でも考えているところ、があります。そういうものに対するいろいろな所要のデータ、資料の提供といったようなものをやっていただくならば、こうした物価の安定のためにも、国民生活の安定のためにも大きく役に立つだろうと思いますので、そのことをよろしく御配慮をいただきたいと思います。 時間がございませんので、その他の質問は追っての機会に譲らせていただきます。ありがとうございました。
○井上委員長 午後一時から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午前十一時三十二分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○井上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。金子みつ君。
○金子(み)委員 まず最初に、経企庁の長官に御所感を述べていただきたいと思うことがございます。 それはもう申し上げるまでもないことですけれども、すでに二月に値上げを実行いたしましたお米や麦を初めといたしまして、四月には国公立学校の授業料が値上げになりますし、あるいは国鉄運賃も値上げになります。さらにその先を行けば、私鉄とかタクシー、バスあるいは医療費その他、もういろいろな公共料金が値上がりになっていくということが予定されているわけでございますが、そのときに際して、いま政府の方に申請の出されました電力料金とガス料金の値上げの問題は、そのほかの公共料金の値上げに比べますと、私ども国民の生活に最も密着しているし、だれもがこれを逃れられない非常に重要なものでございますから、この電気料金とガス料金の値上げの問題は、みんなが一番真剣に考えている問題だと思います。それにこの二つのものは、ことに他の公共料金の値上げを押し上げると申しますか、この二つのものの値上げが基本になっているというふうにも考えられますので、今回の申請につきましては、特に十分慎重にお考えになり、政策として扱っていただきたいというふうに考えるわけです。 なぜならば、政府では消費者物価指数を六・四%に抑えると機会あるごとにおっしゃってらっしゃいますけれども、果たして抑えられるかどうかということも大変疑問になっているわけでございます。今日の段階で申し上げますれば、十二月には五・八%、一月には六・六%、二月には東京は七・六%ということでございますから、はるかに六・四%は超えてしまった。季節商品が入っているからだとおっしゃるかもしれませんが、季節商品を除いても五・二%という高い数字になっていますから、これはもう、とても六・四%を守り切れるものではないというふうに思うわけです。しかし、それはそれといたしまして、それは守るという方針でいらっしゃるのだから、何らかの方法で、どんな努力をしてでも守っていただかなければならない、こういうふうに思いますが、そのときに当たって、この電力料金とガス料金の申請の内容が、物すごく膨大な数字として上がってきているのは御承知のとおりでございます。 国民の生活を守って、これを安定させるために物価の監視役を務めていらっしゃいます経企庁長官となさいましては、この問題をどのように取り扱ったらいいか、どうあらしめたらいいかとお考えになっていらっしゃいますか。まずその御所感を伺いたいと思います。
○正示国務大臣 仰せのとおり、いろいろの海外要因からくる卸売物価の値上がり、そしてまた、それの消費者物価への影響というふうなことがあり、さらに公共料金等にも、それぞれの理由で最小限度に抑制はいたしましたが、相当程度の値上げを予算にも見込んでいることは御指摘のとおりでございます。そこへもってきまして、電力、ガスにつきまして——これは、一時は円高で大変原油等が安く入ったころは、差益還元ということをいたしたことも金子委員御承知のとおりでございますが、今度はそれが、もろに原油高、円安というようなものが原因をいたしまして、国民の必需的なエネルギーの確保のための料金の改定ということになっておることは申し上げるまでもございません。しかし、いま申し上げましたような物価の情勢でございますので、この物価及び国民生活への影響というのは、本当にシリアスな問題だ、こういう認識でいま通産当局が一生懸命にあらゆるデータを駆使されまして、原価主義、公平の原則というふうな基本的な原則を踏まえながら、物価、国民生活への影響を最小限度に食いとめるべく努力をしておられるわけでございます。 私どもも、先般も物価安定政策会議でもこの問題を御討議いただき、また国会では常にいろいろの御意見をちょうだいいたしまして、さらにまた通産省でも公聴会等を開かれまして、広く民間の御意見をちょうだいしながら、いま最善の努力をして、そうした両方の要請——しかも物価を一番重要な問題と心得て、最終的な査定案をつくっておるわけでございます。経済企画庁といたしましては、物価に対して、また経済の安定成長について非常な責任を負っておりますので、その両面から見まして、適正妥当な結論を得べく努力を傾ける所存でございます。
○金子(み)委員 また後ほどお尋ねしたいことがありますが、通産省にまずお尋ねさせてください。 いま通産御当局では、申請されてきたそれぞれの申請内容を十分に審議していらっしゃるところだろうと思います。そして、申請者が要求しておりますように、四月一日をめどに実施したいということで、鋭意御努力中だろうとは思うのでございますけれども、もうすでに御承知だと思いますけれども、消費者を初めとしてあらゆる人たちが、あるいはいろいろな機関が、報道機関でも、あるいはその他の団体でも、今度の査定は十分厳しく査定をしてもらいたいということをそれぞれ申しているところでございます。 そこで、通産省も、そんなことを言われなくてもそのつもりでやっておるとおっしゃるかもしれないと思うのでございますけれども、実は、これは五日ですから、昨日の朝日新聞にこういうのが載っていたのですね。「認可幅が五〇%前後なら来春再び値上げ」こういう見出しで、これはどこがこういうことを言っているかと申しますと、東京電力なんですね。東京電力の首脳は、四日の夜に「四月一日に予定されている電気料金の値上げ認可を前にして」−まだ認可が決まらないのですね。まだ査定最中なのに、「認可幅が八電力平均で五〇%前後(申請は平均六四・四二%)に抑え込まれるようなら、来春再値上げに追い込まれるのは」避けられないということを言っておられるわけです。このことは数日前に、これよりもはるかに前ですけれども、やはり新聞に、通産省の腹は大体四〇%台に抑え込もうとしているようであるということが載っておりました。それが事実であるかどうかは存じません。わかりませんけれども、四〇%台だという数字が一度出ました。そこでそのことも取り上げているのかと思いますけれども、早期再値上げの可能性を示唆するのは、まだ、本格的な査定に入ってはいますが、認可が決まっていないのに、こういうことを電力会社が言うということは、私はけしからぬ、大変不遜だと思うのですけれども、「五〇%弱と予想される政府・自民党方針に対する、業界側の強い不満」のあらわれではないかというふうに書かれているわけなんです。ですから先ほど申し上げた四〇%台ぐらいに抑えたいと政府が考えているというそのことは、やはりうそではなかったのだなというふうに私自身は推定することができるわけです。本当にそうなのかどうかということが一つです。 それからいま一つは、東京電力が言っておりますことに対して「通産省首脳は、「今回の料金値上げは算定期間が一年間なのだから、(再値上げするかどうかは)一年後に考えればよい」として、やはり今後の情勢次第で早期再値上げの可能性をほのめかしている。」そういうふうに受け取れるわけでございます。こうなりますと、せっかく今回は各社とも一年間で値上げの幅を計算しておりますのに、いままでとちっとも変わらない。結局、来年の春、もう一遍値上げをするのならば、二年間の分を一遍に、いつも二年分をやっているのと同じようにやることと一つも変わらない。二段ロケット方式なんという言葉があるようですけれども、結局、段階別に上げていって所期の目的を達する、こういう電力会社側の隠れた姿勢があらわれてきているんじゃないかというふうに考えるわけでございます。そうだとすれば、電力会社は、今回どれほど抑え込みをしたといたしましても、そのツケは国民にちゃんとまた回してくるんじゃないかということが考えられますので、これはゆゆしい問題だと思うわけでございます。この点について通産省の御答弁が伺いたいと思います。どうぞよろしく。
○森山(信)政府委員 ただいま金子先生から幾つかの問題が提起されたわけでございますけれども、私どもは現在査定の本格的な作業に入っておる段階でございまして、つい先日、いわゆる特別監査というものが終わったばかりでございます。まだ具体的にどういう査定結果になるかというのはかいもく見当もついてないという段階でございますので、いろいろと取りざたされておりますのは幾つかの推測が入ってそういう取りざたをされたんではないかと思うわけでございます。 それから、原価期間の問題でございますけれども、御指摘のとおり、一年間ということで申請が参っておりますし、私どもも一年間の原価計算期間ということで査定をしているわけでございますけれども、この原価計算期間と料金の期間とはイコールではないことはもう先生御承知のとおりでございまして、公共料金はできるだけ長く据え置くのがふさわしいんではないか、こういう考え方でやっておるわけでございますので、一年間の原価計算期間が終わりましたら直ちに次のセットに入るということを考えておるわけでは毛頭ないわけでございまして、その間、できれば一日でも長く料金が据え置かれることが望ましいというこの基本方針は貫いておるつもりでございます。
○金子(み)委員 私は、それは当然のことだと思うのですよ。電力会社はどういう考えがあるかは別といたしましても、政府側の立場として当然のことだと思います。少しでも長く現状維持にして続けていって、そして国民の生活を守るのが本来の役割りだと思います。ですから、電力会社がどのようなことを申しましても、かりそめにも通産当局がこんなことを発言をなさったとしたんだったら、大変軽率だと言わなければならないと思うのですけれども、こういうことがあったんでしょうか。
○森山(信)政府委員 私といたしましては、そういう事実は全く承知してないわけでございますけれども、幾つかの話があった中で、そういうニュアンスに報道陣の方がとられたことがあるのかもしれないという感じはいたします。基本的な考え方は先ほど申し上げましたとおり、一年たったら直ちに再値上げという考え方で査定をやっているのではなくて、一日も長く査定されたものが継続されるような、そういう考え方で査定をしているわけでございまして、もちろん原価主義という立場がございますので、その原価主義という立場におきまして、そういった考え方を貫いていこう、こういう姿勢でございます。
○金子(み)委員 じゃ確認さしてください。 いまの時点では、一年たったらもう一遍上げるということを前提にして査定をしているんではない、それは当然だと思います。そのとおりだろうと思います。しかし、ここに言っているように、一年後に再値上げするかどうかは考えればよい、こう言っているんですね。ということは、一年後にげたを預けているということになるわけなんです。だから、一年後になったらそういうことになるかもしれないというニュアンスをここでほのめかしているわけなんですけれども、そういうことはいまお話しの考え方とは大分違ってくるわけですよね。この点は非常に不安定なものですし、国民としては大変に不安でございます。いまはそう言っておられるけれども、一年たったら、いや、やはり今回の情勢では上げざるを得ないんだというふうなことになるんじゃないかという不安がございますが、この点は、今回一年でやったものを来年しないとおっしゃいますが、そのときの情勢次第ではわからないんだというお考えはあるんでしょうか、やっぱり。
○森山(信)政府委員 先ほど来申し上げておりますとおり、あくまでも原価主義で算定をいたしまして、その算定をいたします料金は、原価計算期間中に関係のないもの——原価計算期間というのはあくまでも算定の根拠になるわけでございますから、それで算定をいたしました新しい認可料金というものは、一日も長く据え置かれることが望ましいという基本姿勢を持っているわけでございます。 そこで、国民の皆様方が一番関心がおありになると思われる点は、いわゆる燃料費がどうなるかということではないかと思うわけでございます。これは関係の方々もそういう点につきましての大変な関心といいましょうか、不安といいましょうか、そういうものをお持ちになっておられるんじゃないかということでございまして、私どもは国会でも終始お答え申し上げておりますとおり、ことしに関します限り、原油の値段はそう大きな変動はない、こういう見通しでおりますけれども、何せ海外でのことでございますので、いかなる変動があるかもしれない、こういう問題を考えますと、その観点からとらまえるとそういう不安が出てくるということではなかろうかと思うわけでございます。しかしながら、私どもは、繰り返し申し上げておりますとおり、できるだけ長く料金を据え置いてもらいたい、こういう希望は貫こうという気持ちでございますので御了解をいただきたいと思う次第でございます。
○金子(み)委員 事務当局のお考えはよくわかりました。で、大臣にお尋ねします。 来年そういう時点になりました場合に、政治的な配慮ということで大臣はどのようにこれを取り扱われるようにお考えでしょうか。
○佐々木国務大臣 現状は、先ほどお話がございましたように、まだ結論は出ておりませんし、それから、電力側でそういう発表をしたとかいう話も私は承知しておりません。ただ、そういう、仮にあったとすればどうかという御質問に対しましては、ただいまお答えしたとおり私も考えておるのでございます。
○金子(み)委員 それでは次のお尋ねをいたします。 今回の各電力会社の申請の内容の中には、将来のことを見越しているわけでございますから、大変不確定要素が含まれているということは事実でございます。ところが、その不確定要素が非常に多いのと、それに対する見込み高というのが大変に高いということが大変に問題になっております。そこで、水増しがあるんではないだろうかとか、あるいは思惑が入っているんじゃないだろうかというふうに勘ぐらざるを得ないような実態があるわけでございます。 たとえば、幾つかございますが、値上げの中心になっていると思われる燃料費の問題といたしましては、FOBの価格が一バレル当たり、まだ四月から先はわかっていないんですよね、わかっていないんですけれども、それぞれの会社がそれぞれ想定しているわけです。その想定によりますれば、大体低いところで三十四ドル、高いところで三十六ドル、こういうふうに大変に大幅に値上がりするものと思って計算をしておられるという点がございます。 さらに、燃料だけではございませんで、たとえば修繕費の場合などでも非常に大幅に値上げを含んでいらっしゃいます。東北電力の場合には、五十一年に七・二八%だったのを今回四六・九と大変に大幅に値上げしておられる。あるいはまた四国電力が八・〇三を四三・三であるとか、中国が八・一九を二八・九であるとか、あるいは東京が七・三九を一九・三であるとかいうふうに、全部申し上げてもいいですけれども、同じようなことですから申し上げませんが、このように大変大幅な値上げをつくっておられるという問題がございます。 さらに幾つかの例を続けて申し上げますと、核燃料の問題でございます。 申請書の中には、レートベースの項目の中に現在購入して保有してある核燃料費というものがあるわけです。それが計上されていて、さらに今年度一年間で使用する核燃料の費用というのも計上されております。ですから、これを計算してみれば、一体何年分の核燃料を保有しているのかということがわかるわけですね。単純な計算でもできます。これで計算してみますと、一つ一つ申し上げるあれもありませんが、たとえば一番大きいのは、中国電力ですけれども、三十四年間。それから、九州が三十年間。四国は二十三年間。東京と中部が十九年間。東北と北陸は一年間の核燃料費が計上されておりませんので計算ができませんけれども、いま申し上げましたようなぐあいに三十年以上、三十四年間というところもあるのですね。こんなに先まで燃料を保有しておかなければならないか、そのために経費を用意しなければならないかということは、私は非常に疑問だと思います。問題があると思います。せいぜい十年間先の見通しぐらいまで準備しておけばいいのじゃないだろうかということが考えられる。こういうところにも、必要以上に水増しと申しますか思惑と申しますか、使っているということが言えるのじゃないかと考えられます。 あるいは修繕費の場合でもそうでございます。 これもずいぶんありますよ。東北電力が七・二八%から四六・九%に値上がりしたとか、いろいろと大きな数字が上がっています。時間の関係がありますので一つ一つ申し上げませんけれども、とにかく大変大幅に計数をつくっておられるというのは非常に問題だろうと思うのです。 このようなとき、いま一般公共料金が非常に値上がりして、国民は大変苦しい思いをしている。そこへもってきて電力やガスの値上げが大幅にあるということで戦々恐々としているわけで、あの狂乱物価の一歩手前まで来ているといって心配しているようなときに、国民にこんなに大きな値上げをかぶせておきながら、会社の方には余り努力の跡が見られないというのはまことに残念だと私は思うのです。たとえば配当金なんかだって一〇%にしなくたって、このときぐらいは八%ぐらいに抑えるとかあるいは七%ぐらいに下げてもいいのではないだろうか。そういう努力があれば国民も、自分たちも一生懸命がんばって努力しているから皆さんしんぼうしてくださいというならわかりますけれども、自分たちは余りしんぼうしないで国民に大きな負担をかぶせるのは姿勢としてもどうかと思う。このようなことが含まれておりますので、査定をなさるときには十分厳重に厳しい御査定をぜひやっていただかなければ、国民は納得できないと私は思うわけでございます。 そこで、そのうちの一つ、先般北海道と沖繩が一足先に申請いたしまして、そして、査定も終わって認可されましたね。そのとき、北海道の査定のときに、減価償却費につきましては全部定額法で認可していらっしゃるわけです。私どもも、それは正しいと思って評価しているのです。 ところが、申請の中を見ますと、定額法はごくわずかで、今回急に定率法に改めているところがたくさんあるわけでございます。だから、この点もしっかりと見ていただいて、北海道のときに定額法で認可していらっしゃるのなら今回も、あとの八電力会社も同じように定額法で認可なさるべきだと考えますが、通産省、この点についていかがでございましょう。
○森山(信)政府委員 幾つかの問題が提起されましたので、順を追ってお答えしてもよろしいわけでございますが、いまの北海道のケースで申し上げますと、償却方法につきまして、御指摘のとおり北海道電力については定額償却で査定したわけでございます。これは北海道電力が料金計算上もあるいは実質決算上も定額制をとっておりますので、私どもは定額のままで査定をしたわけでございます。 なお、残りの八電力につきまして定率の申請があるではないかということでございますが、これにつきましては現在査定を行っておる最中でございますので、結論を申し上げる段階ではございませんけれども、実質決算で定率の償却を行っておるのが八社共通の事実でございますので、その点を踏まえまして慎重なる検討を行ってまいりたいと考えております。
○安田(佳)政府委員 その他の点について一、二補足させていただきます。 核燃料の貯蔵額が社によって非常にたくさんのものを貯蔵しているという御指摘でございますが、この核燃料の貯蔵量がどのくらいかということは、数量ベースで見るとか金額ベースで見るとかいろいろなやり方があろうかと思います。先生が御指摘になりましたものは多分金額による御推定ではなかろうかと思うわけでございますが、金額によって推定いたします場合に、単純に今年度現存したものあるいは五十五年度に現存するであろう額が、その量に比べて何倍になるかという形で何年分あるかということを推定するのには幾つかの問題点があろうかと思います。 その一つは、原子力発電所は年々発電量が増加いたしております。その増加量がどの程度であるかということは社によっていろいろ違うわけでございますが、六十年度までをとってみますと、平均すると少なくとも一・五倍ぐらいにはなるのではなかろうかと考えられるわけであります。 また、現在原子炉に装荷されております核燃料は実は相当前に手当てされたものでございまして、値段を見ますと非常に安いものが装荷されているわけでございます。したがいまして、現存額として出てまいります金額も、その安い原料に相応した現存額が出てまいりますので、これは相当に安くなっている。これも社によっていろいろ違おうかとも思いますが、幾つかの例について見ますと三倍弱、現在は当時の三倍弱ぐらいになっているのではないだろうかと考えるわけでございます。 それから、いまウラン鉱石について申し上げましたが、ウラン鉱石以外の濃縮等の費用につきましても、昔に比べますと一・五倍になっておるというような点から見ますと、核燃料全体の価格は、現在に比べて、昔に装荷したものは半分ぐらいであろうということが考えられるわけでございます。 そういう点から計算してみますと、平均すると、現在おおむね五年分の核燃料を持っているという計算になるわけでございます。ただ、これは、原子炉を運営いたします場合に年々追加いたさなくてはなりません。その追加する場合に、一部の燃料がなくても炉が動かないわけでございますから、そういう要素も加味いたしますと、あるいは社によっては五年より少ない核燃料しか持っていないという点もあるのではないかと思います。 また、もう一つぜひ申し上げておきたいことは、原油などの場合でございましたら、海外の石油会社が掘って日本の石油会社が備蓄をするということがございました。その備蓄したものを電力が買うということになるわけでございますが、ウランの場合は備蓄する機能はほかのものはだれも持っておりません。だれが備蓄しなければならないかというと、これはやはり需要者であります電力会社がその分の備蓄の役割りを果たさなければならないという点があるのを一つ申し述べさせていただきたいと思います。 さらにもう一点つけ加えさせていただきますならば、核燃料と申しますと、ウランの粗鉱から始まりまして、製錬、それを転換いたしまして、濃縮いたし、さらに再転換、成形加工いたした上、ジルカロイ管を製造して、そして燃料体に組み上げるという工程を経て製造されるものでございますので、実際に炉に装荷される相当前に手当てをする必要があるということもございます。 そういう状況でございますので、単純に現存額をもちまして現在の資産額を割るという形で何年分と想定するのでなしに、そういう現実的な計算をいたしますとおおむね五年ぐらいで、その保有量は決して過大ではないというふうに考えておる次第でございます。
○金子(み)委員 わかりました。そうすると、おおむね五年ぐらいだということは過大ではないということはわかりましたけれども、適量であるということにはどうなりますか。
○安田(佳)政府委員 過大であるという御指摘に答えまして過大と申し上げまして、言葉の使い方が適当でなかったかとも思いますが、電力の安定供給、そのための核燃料の確保という観点からいたしますと、現在の水準は適当であり、かつまだもう少しやることも今後考える必要があるかどうか検討しなければならない状況ではないだろうかというふうに考えております。
○金子(み)委員 わかりました。この問題は一応そういうことにいたしておきます。通産省のおっしゃることを信用して、私はこの問題はこのままにいま一応は保留しておきます。 時間もございませんので、いま一つお尋ねしたいと思っておりますことは、電力料金の問題なんですが、九電力会社、沖繩は別といたしましても、それぞれ大変に格差があるという問題でございます。 そこで、産業用の電力料金の格差が仮にあるといたしましても、これは会社がその電力を利用して利潤を得るということもあるのでしょうから別といたしまして、問題は家庭用の電灯料金でございます。これは私の試案で、御意見を聞かせていただきたいのですけれども、各電力会社は、担当する地域によってずいぶん違ってくるわけですね。たとえば北海道であるとか東北地方であるとかという大変に広大な地域を担当している電力会社は遠方の地域に送電しなければならないという問題があったり、あるいは島をたくさん持っている県とか、そういうところはその分の費用が電気料金の費用としてかさんでくるわけでございます。僻地になればなるほど高い料金を払わなければならないというのはどうも不合理だと思うわけです。 ですから、そこで考えるのは、電気料金は、私企業ではございますけれども公共性が非常に高い産業ですし、しかも独占供給するという特別な性格を持っているわけでございますから、ほかの公共料金とはまたわけが違うわけですね。そこでその点を考慮いたしますと、私は、もっと均一の料金にしてもいいのじゃないだろうか。なぜならば、消費者は選択の自由がございません。東京電力は高いから、東京からの電気を使わないで長野県からの電気を使いましょうとかそういう選択ができないわけです。言葉をかえれば、一方的に押しつけられているというふうに考えてもいいわけです、あなたはこの電力を使いなさいということになるわけですから。そういう立場に置かれている一般国民の立場から言いますと、これは日本じゅうどこに行ったって、この狭い日本の中で電気料金が違うというのはおかしいので、できればこれは均一制にしてもらいたいものだということは前々から考えているわけです。そのことは私も思います。ですから、プール制にするかその他いろいろ方法はあると思いますけれども、これをぜひ考えていただけないかということなんです。 先般参考人の方々においでいただいて御意見をいただきましたときに、エネルギー経済研究所の会長さんの向坂正男参考人の御意見をこのことについて伺いましたところが、家庭用電灯料金を均一制にするということについて審議会の中の料金制度部会においてもこれを議題として取り上げて話し合ったことがあるとおっしゃっていらっしゃいました。そして、現在の規定ではすぐ右から左というふうに結果的にはできないとは思うけれども、しかしこれは考える必要があるものだというふうにそのときも考えられていた、だから将来は問題としてこれは考えなければいけないのじゃないかという御意見をいただいたわけでございます。 こういう御意見も踏まえて、この問題について通産省もそれから経企庁もどのようにお考えになっていらっしゃるか、御意見を伺いたいと思います。
○森山(信)政府委員 ただいま提起されました問題は大変大きな問題ではないかと思う次第でございます。 私どもも地域間の格差があることは好ましくないという気持ちを持っているわけでございまして、できるだけ地域間の格差を縮めていくということをまず政策の方向づけとしてやってみたいと考えているわけでございます。 そこで、いま御指摘になりました家庭用電力についてだけでもやったらどうかという御意見でございますが、御承知のように、現在九電力体制をとっておりますのは、やはりそこに地域間、電力会社間の競争といいましょうか、そういう一応私企業体制のもとにおきます競争関係というメリットを感じて九電力体制というものが運営されておるのじゃないかというふうに私どもは基本的に考えておるわけでございますけれども、ただ単に九電力体制のメリットだけではなくて、逆のデメリットという面もあることも確かに事実でございますので、できるだけそのデメリットを解消するようなかっこうで今後の九電力体制を維持したい。その一環といたしまして、たとえば燃料等につきましてできるだけ共同で購入するような方法も考えてみたらどうかというようなことも提案したり何かしておりまして、現実に、たとえばLNG等につきましては一部の電力会社が共同で買うというようなこともスタートいたしておるわけでございますけれども、ただ、急激に燃料のプール制あるいは家庭用電灯についての均一料金制ということにいくにつきましては幾つかの問題点がございます。 先生御指摘の点は、私どもも十分よく理解できるところでございますので、審議会等で十分議論をしていただきたいと思っておりますし、先ほどおっしゃいました向坂先生の御意見等も拝聴しているわけでございます。そういうことを踏まえながら、御趣旨の方向で、方向と申しますのはできるだけ地域間の格差をなくしていくという方向での努力は続けさせていただきたい、かように考えている次第でございます。
○藤井(直)政府委員 家庭用電灯料金の全国プール制ということでいま御指摘があったわけでございます。 私どもとしても電灯料金についての格差ができるだけ少ないことは望ましいことだと思っておりますが、現在の九電力体制のもとでは電源構成とか需要家の構成に差がありますので、ある程度そこに格差が出てくることはやむを得ないのじゃないかと思っております。 ただ、現実には、家庭用の料金につきましての格差は漸次縮小してきておりまして、そういう意味では先生御指摘のような方向に来ているのではないかと思っております。 また、通産省の方でも広域運営についての努力もされているわけでございますので、そういうような方向での努力によりましてできるだけ格差が少なくなるような方向をとっていくことが必要ではないかと思っております。
○金子(み)委員 いますぐというのは無理だということは私もよくわかります。ですけれども、できるだけ早い機会にそういうことが実現できるように鋭意御努力を願いたい。強く要請いたしておきたいと思います。 時間も参りますので、最後に経企庁長官並びに通産大臣に御意見をいただきまして質問を終わりたいと思います。 繰り返しになりますけれども、今回のこの値上げが大きな原因となって、政府が考えていらっしゃる消費者物価指数六・四%は追い越してしまうんじゃないだろうかというふうな心配があります。果たして抑え切れるかどうかという問題は大変大きな問題だと思うわけでございまして、そのことを考えるときに、今回の電力並びにガスの申請の査定は十分厳しくやっていただきたい。元来、先ほど申し上げたように独占を認められた公益企業である、公益事業であるということを考えますと、そのそれぞれの会社は大変にふところも広いし、改善の余地はまだまだある、余裕を持っているというふうに考えられます。何か会社側は甘えがあるんじゃないかという気もしますし、政府側は甘いんじゃないかという気もしないでもない。ですから、かりそめにもそういうことがないと思いますけれども、あった場合は大変ですが、そのようなことを国民が憶測することのないようにしっかりと厳しい御査定をぜひしていただきたい。値上げ幅はできるだけ狭めていただくということに御努力を願いたいと強く要望したいのですが、この件についての御決意のほどを両大臣から聞かせていただきまして質問を終わりたいと思います。
○佐々木国務大臣 私どもは原価主義で厳正に公正に慎重にということでただいま諸般の事情を配慮しつつ査定に入っている最中でございますので、その結果をお待ち願いたいと思います。
○正示国務大臣 先ほど来、またけさほども申し上げたような心組みを持ちまして、いま御指摘の重要な電力料金、ガス料金の査定については通商産業省から御協議があれば私どもの意見を十分申し上げ、また物価対策閣僚会議、閣議等の席においても政府が一体となっていまの問題の重要性を、また国民の御期待を裏切らないようにわれわれとしては全力を尽くして二つの要請、すなわち安定供給、最小限度の物価への波及、国民生活の安定、この問題に取り組んでいく所存でございます。
○金子(み)委員 終わります。ありがとうございました。
○井上委員長 小野信一君。
○小野委員 最初に具体的な問題から質問いたします。 燃料油の実績と申請数量についてから質問いたします。 東北電力を例にとってお聞きいたしますけれども、今年度、昭和五十四年度の消費量見込みは重油で二百七十六万一千キロリッターです。五十五年度の申請を見ますと、三百六十万六千キロリッターで約三〇%増になっております。ところが販売電力量は五%の伸びで申請になっております。私は、燃料油と販売電力量は相関関係にあると考えます。したがって、販売電力量五%の伸びで燃料油の数量を計算いたしますと、約百九万一千キロリッター水増しになっておるということが考えられます。この百九万一千キロリッターを昭和五十五年度の平均単価一キロリッター七万九百六十二円で計算してみますと、七百七十四億一千九百万円になります。他の会社も東北電力ほどではないにしても同じような傾向が見られます。この数字がもし事実であるとするならば電力販売数量に見合った消費数量で計算するというお考えがあるのかどうか、この数字の事実とともにお答えを願います。
○安田(佳)政府委員 販売する電力量と燃料の消費量の関係は必ずしも直線的に相関するのではございませんで、電源の構成がどういう状況であるかということによって異なってまいります。したがいまして、会社によりましては販売電力量の伸びに比べまして燃料の消費量が多少小さいところも出てまいっております。御指摘の東北電力の販売電力量と燃料消費量との関係でございますが、確かに先生のおっしゃるとおり非常に燃料の消費量が高く出ております。これは非常に奇異に感じられるところでございますが、調べてみますと、これは従来東北電力株式会社が新潟共同火力というところから受電をいたしておりました。この新潟共同火力につきまして、これが五十五年の四月一日付で合併することになっております。したがいまして、従来購入電力でございましたものが自社の火力発電に振りかわったわけでございまして、そういう理由で東北電力の燃料消費量を見ますとこれがふえておるというそういう特殊事情がございまして、その辺十分御説明しておりませんでしたのでおわかりにくい点はあったかと思いますが、調べてみますとそういう事情になっているわけでございます。
○小野委員 そういう事情、理解いたしましたけれども、各会社ともに幾らかのアンバランスがあるようでございますので、これに対するメスを入れていただくことをまず希望しておきます。 次は、事業報酬についてです。これも東北電力を例にとってお伺いいたします。 レートベース一兆二千九百七十一億八千百八万六千円、これに八%を乗じて一千三十七億七千四百四十八万七千円を申請いたしております。御存じのように事業報酬はその算定方式として資本構成五十対五十それに自己資本報酬率を上限と下限、これは規定されておりますけれども、そして定期預金金利の三項目を勘案して報酬率を決定いたします。他人資本報酬率は借入金の平均金利を考慮して行います。この算定方式に現在の東北電力の事業報酬を数字を入れまして計算いたしますと七・七%という数字が出てまいります。八%の事業報酬との差を計算しますと三十八億九千一百万円。各会社ともに八%で事業報酬を計算しておりますけれども、八%になる会社はございません。各会社ともにかなりの事業報酬の過剰が見られますけれども、この計算方式は間違っておるのかどうか、やはり八%でやらなければならないものなのかどうか、御答弁をお願いします。
○安田(佳)政府委員 事業報酬率につきましては、これは料金申請のたびにその都度計算いたすような方法はとっておりません。事業報酬率につきましては、昭和三十五年に料金算定上そういう方式をとることとなったわけでございまして、そのときに自己資本報酬率と他人資本報酬率を合成いたしまして八%とされたわけでございます。そしてこの取り扱いにつきましては、長期的な視点にたちまして電気料金を設定する、そういう観点から短期的な金利変動に応じてすぐ変えるというようなことをせずにそれを据え置いているわけでございます。この点につきましては、昨年三月に電気事業審議会の料金制度部会の中間報告を作成するに当たりましてもいろいろ御審議いただいたわけでございますが、その際におきましても、事業報酬率につきましては金利水準等に構造的な変化が生じない限り安定的なものが望ましいとされたところでございます。 それから、さらに申し上げますならば、最近の金利の上昇傾向というものがございます。そういう点勘案いたしますと、当省といたしましては従来の八%を変更する必要がないんではないだろうかというふうに考えるわけでございます。 なお、現行報酬率の算定は自己資本対他人資本を標準的なものとして五十対五十というふうにして当初計算されたわけでございますが、仮に現実の資本構成比に置きかえたといたしましても、金利水準等を考慮すると現行八%は妥当ではないだろうかというふうに考えておる次第でございます。 なお、その事業報酬率につきまして、過去にさかのぼりましていろいろそういういま先生が計算なさったような理論報酬率の推移をたどってみますと、あるときは八%を下回っていたような時期もございます。しかしある時期、たとえば四十三、四年から五十一、二年ぐらいまでは理論報酬率は八%を相当上回っておるという時期もございます。そのときどきによって変動は多少ございますが、考え方といたしましてはこれは八%のまま生き続けるという長期的安定性を考える方が望ましいというふうに考えておる次第でございます。
○小野委員 要するに、報酬率の決定方式は三十五年に決定されておりますけれども、これはよほどの金利の変化がない限り変更しない、こういう考え方のようですけれども、大臣いかがなものでしょうか。これだけ金利の上下が激しくなれば、それに見合って報酬決定方式に算入して、現実の経済に適応した報酬率に決定すべきだと思いますけれども、いかがなものですか。
○森山(信)政府委員 大臣お答えになります前に私から御説明しておきたいと思いますけれども、いま公益事業部長が御答弁申し上げましたように、事業報酬率は昭和三十五年のレートベース方式を採用して以来、統一してその方式をとってきたわけでございまして、電力会社のように長期的な資本投資を行わなければならぬような企業体につきまして、その時々の金利水準に応じまして報酬率を変更するということは大変支障があるのではないか、こういう考え方が一つございます。したがいまして、金利水準が高いときでも八%に抑えますし、金利水準が若干下回ったときでも一定にすることが長期の資本投資のためにはぜひ必要ではないかということでございまして、今回電力会社が改定料金の申請をしました後に御承知のとおり公定歩合の引き上げがあったわけでございまして、金利等もそれにつれて上がるわけでございますけれども、それは全く私どもは査定の対象にはしない。つまり八%で一定でございますから、現在公定歩合によって金利水準が上がったといたしましてもそれは査定の対象にしない、一貫して八%を継続することが長期の投資上は必要ではないか、こういう考え方を持っておる次第でございます。
○小野委員 次に、大臣の基本的姿勢をお尋ねします。 原油の高騰が電力の燃料費を押し上げる、それは今度は電気料金にはね返る、産業と国民生活に大きな圧迫を加える。もし料金に過度の抑制を加えたとすれば長期安定供給が危なくなる、こう言います。総括原価主義を貫徹しようとすれば、大量に電気を使う産業あるいは国民生活に大きな影響が出てまいる、産業は構造不況に陥って雇用の不安すら生ずる、こう言われております。製品価格にこれを転嫁すればインフレが心配だ。要するに三者三すくみの状態になっております。こういう三者三すくみの状態において、政府がいま何ができるのか、国は何をやるのだろうか、国民は大きな期待を持って見ております。 私は、いま現在のこの三者三すくみを国民の要望にこたえるように解決する、そして将来に対して何かをなさなければならない、今回の電気料金の査定はまことに政治の責任を果たす意味で大きな課題を背負っておると考えます。査定の基本的な姿勢について、大臣の基本的な所見をお伺いしたいと思います。
○佐々木国務大臣 お話のとおりでございまして、何と申しましても、これからの日本を考えていく際に、油に頼っていけないということはもう世界的な常識になっております。どうしても将来の油にかわるエネルギーを見出しまして、それに切りかえていくということが日本に与えられた民族的な使命かと思います。そういたしますと、どうしてもこれは電力会社自体がそういう代替エネルギーの開発をみずからやっていかなければなりません。そういたしますと、どうしてもエネルギー政策がいまの日本の政策としては一番基本的なものだということであれば、やはり電力会社の経営の基盤というものは強化していかぬとその要望にこたえられない、これはまず一つお話にあるとおりであります。 しかしながら、反面さればといって、油が上がればそれにつれて上げなければいかぬかといいますと、お話のように与える影響は物価のみならず、キー産業と申しますか、主として油をよけい使う産業には大変な打撃を与えるわけでございますから、そういう点を一体どう緩和していくかという問題もあろうかと思います。 そこで、まず不十分でありますけれども電力の多消費産業と申しますか、そういう産業に対しましては、これまたいまの法律からいいまして、特別に不公正と申しますか、原価主義でございますから、ある需要家に安くやればほかの需要家がそれをまたかぶるわけでございますから、それはいけないぞという法の規定になっておりますので、ある特定の需要家のみに産業が困るからといって特別な政策的な配慮等を与えるわけにいかない。そういうことで、前々から特約料金という料金がございまして、これは深夜あるいは日曜日等の供給にある程度余裕のあるときに特別な料金というものを設けまして、それにはそういう多消費産業等が参加してございますので、そういう面でできれば配慮していきたいということでございます。 それからもう一つの、生活保護世帯等いわば福祉的な、少しの料金の値上げでも、何らかのほかの手当てが追従しない問は大変苦しむ階層もございますから、制度として特定の需要家に特別な政策的な割り安料金というものはできないにしても、弱者救済という意味で何か激変緩和の対策がとれないかということで、ただいませっかく検討中でございます。
○小野委員 経済企画庁長官にお尋ねいたします。 いま通産大臣は、通産省の持っている性格からして、やはり電気料金の供給安定を第一に考えておるようです。経済企画庁は、庁の持っておる性格からして物価対策、インフレーションの方を最大の解決目標とするのではないかと考えます。したがって、経済企画庁から通産当局に対して、査定についてどのような希望、考え方あるいは要求をお持ちなのか、お聞かせ願います。
○正示国務大臣 まず小野委員に申し上げておきますが、われわれは一体でやっておるので、決して意見はばらばらではないということをまず申し上げておきます。 いま通産大臣やエネルギー庁長官からお答えいたしましたように、ぎりぎりの線でこの大事な電力、ガスという国民必需の物、あるいは産業の血液とも言うべき大事な物でございますから、これの安定供給を確保するということ、これを一つ重大に考えております。しかし同時に物価、これはまた非常な状態であることはけさほどからの御議論でも明らかであり、また小野委員御指摘のとおりでございます。そこで、両方を勘案しながらぎりぎりの線に通産当局と一緒になって努力をするわけでございますが、大事なことは、先ほど来御議論がありましたように、これからのエネルギーを確保し、あるいは価格の安定を図り円レートを安定させるというような大きな政策、これが非常に大事なことである。だから電力料金を適正に決め、ガス料金も適正に決め、それの便乗値上げ等を一切封ずるような環境をつくる、これにわれわれとしてはこれから大いに努力する、それが政府の責任だ。それで前回の石油ショックのときのように、もう物は上がりっ放しだ、賃金もどんどん上げるというようなことでは、これは敗北主義です。インフレにわれわれは降参してしまうことです。そういうことにならぬように、全力を挙げてまずこの大事な公共料金問題を解決すると同時に、それがインフレへの火つけ役にならないように、火が燃え盛らないように環境を整備していくような財政、金融、そしてまた個別産業に対する通産、農林水産、運輸その他各省庁にまたがりますが、それらの対策を総合的に強力に展開していく、こういう物価政策がいまは非常に大事なときであって、これはひとつ国会の物価対策特別委員会も大いにお力をかしていただいて強力に展開したい、かように考えているわけでございます。
○小野委員 電気料金は公共料金でありますけれども、公共料金という立場からお聞きいたします。 本来、この制度は、公共性または公益性を持つ財やサービスを市場メカニズムを通して供給する、そして、資源の有効配分を確保する、こういう目的で公共料金制度はつくられたものだと思います。ところが、自由に市場メカニズムを通して供給いたしますと、不公平が出てまいります。したがって、多かれ少なかれ公共的なコントロールを加える、あるいは公営企業でこれを供給するということが現在の公共料金制度あるいは公営企業制度だろうと思います。しかし、過去何十年、戦後支えてまいりましたこの公共料金を支える諸条件が大きく崩れてきたのではないか、私はそう思います。特に、石油価格の値上げによって電気料金が急激に上昇したこの影響度、LNGの値上げによって行われるガス料金の急激な値上がり、これらは見れば明らかだと思います。要するにコストアップ型の公共料金上昇が支配的になったわけです。ところが、このコストアップをそのまま公共料金に付加するということになりますと、国民経済に与える影響は莫大である。これは先ほど御答弁いただいたとおりでありますし、大臣がおっしゃいましたように、激変緩和をなしにこれを実行するということは政策不在だと国民から批判を受けてもやむを得ないのじゃないか。私は、もちろん、長期的に見ますと、コストアップというものは料金に吸収されるべきものだとは思います。しかし、現在のように、短期間にしかも急激にコストアップが行われた場合に、緩衝政策といいますか、クッションをなくしてこれを実行するということは、やはり大きな疑問を持ちます。したがって、限定しますけれども、短期間に急激なコストアップが行われた場合に、公共料金との関係でこれをどう調整すべきなのか、基本的にどう考えるべきなのか、お尋ねいたします。
○森山(信)政府委員 公共料金についてのお尋ねでございますが、私どもの立場といたしまして、公益事業、特に電力、ガスということで、現在査定の作業を続けておる次第でございます。 そこで、いま御指摘の激変緩和という考え方につきましては、先ほど通産大臣から御答弁申し上げましたとおり、できるだけ激変緩和という考え方を取り入れたいという気持ちは持っておるわけでございます。しかしながら、そこの前提になります料金算定の基礎が、あくまでも原価主義ということと、それから公平の原則というのがございます。いま申し上げた公平の原則に立ちますと、特定の方々に特定の料金を適用するということは、公平の原則から言っていかがなものかという考え方もあるわけでございまして、ただそれがいわゆる原価主義の枠内での基本的な考え方と、いま先生の御指摘になりました現実の問題としての激変緩和対策というものとのバランスの問題になってくるのではないかということでございまして、私どもは、抽象的な言葉でございますけれども、原価主義あるいは公平の原則のたてまえを崩さないという一定の枠内でできるだけの激変緩和の対策を考えていったらどうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○正示国務大臣 私の方からもちょっとつけ加えます。 基本的にいま森山長官の言われたとおり考えておるわけでございます。ただ、先ほど来小野委員が、政府としてやるべきことと、こういうことで非常によい点を指摘されておるわけで、われわれはこれからの原油の取得価格等についても、やはり財政金融政策を強力に展開していけば、これはもう非常に違ってくるわけでございます。そういう点において努力することが、すなわち激変を緩和するゆえんであって、この点は電力会社さんにいろいろ通産から、いま申された原価主義、公平の原則、そういうことでお願いをするわけでございますが、これは一定の時点においてはっきりしたことを根拠にしてお願いするわけで、決して筋を曲げようとは考えておりません。しかし、その筋を通していくために、これを守っていくための先ほども申し上げた環境の整備といいますか、これに全力を尽くすことが政府の責任である、こういう考えを持っております。
○小野委員 次の質問のときに資金面でお聞きいたします。 先日開かれました参考人の意見聴取の際に参加いたしました三人の学者は、ナショナルミニマムあるいは福祉型料金制度の導入には批判的でありました。要するに所得再配分方式で解決すべきであるという意見でありました。もちろん再配分制度が政策的に充実しておりますれば、料金に手を加える繁雑さが省けるわけですからその方が正しいと私は考えますし、厚生経済学の常識から言っても、その方が正当だろうと思います。ただ、現在のように急激な価格上昇に敏感に反映する所得再配分制度がつくられていない以上、われわれは料金でこれを補うという対策を考えなければならない、こう考えます。料金で生活を補償してやらなければならない、これが国の政策ではないかと考えます。したがって、通産当局はこの問題についてどのような見解をお持ちなのか、お聞きいたします。
○森山(信)政府委員 いまの問題、確かに参考人の方々がおっしゃったことも一つの論理だと思いますし、先生の御指摘になったこともまた一つの論理だ、こういうふうに拝聴した次第でございます。 そこで、先ほど私お答え申し上げましたとおり、電気事業法あるいはガス事業法のたてまえから言いまして、原価主義あるいは公平の原則という一つの大きな前提条件がございますので、その枠内でいろいろ考えるというふうに申し上げましたけれども、本来的に申し上げますと、いわゆる所得再配分の問題との関連から言いますと、電気料金の立場だけからこれをとらまえるというとらまえ方は、大変むずかしいのではないか、こういう感じがいたします。国全体の方針といいましょうか、政策といいましょうか、そういったこととの兼ね合いの問題になってくるのじゃないかと思うのでありまして、やはりそこにいわゆる低所得階級の方々に対する手当てという問題、これを料金の問題だけで、つまりナショナルミニマムという考え方を完全に料金の中だけにとらまえて事を律するということになりますと、なかなかむずかしいという問題がございます。さはさりながら、これは電気料金の問題ではなくてほかの問題でございますよと、こういうふうに冷たく言うのもまあどうかなということがございますので、先ほどお答えいたしましたとおり、原価主義の枠内でしかるべき対策が講じられないだろうかという判断から、先生よく御承知の家庭用につきましての三段階料金制度というのをとっておるわけでございまして、そこに第一段階目がいわゆるナショナルミニマム、それから第三段階目が主として中小企業の方々に適用される料金でございますけれども、そうしたことのバランスにおきまして、第一段階目のいわゆるナショナルミニマム的なものにつきましてのある程度の対策を講じられるのではないかな、こういう考え方をとっておるわけでございますけれども、私は、基本的には電気料金とその他の国の政策がバランスがとれてナショナルミニマムという考え方が遂行されてしかるべき問題ではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○小野委員 ナショナルミニマムを維持するために料金ですべてを解決しなさい、こういうことを言っているのじゃなくて、要するに電気料金の値上がりによって所得が目減りする分、それらはやはり通産当局が厚生省の担当の方に申し入れるとか、そういう配慮が当然要求として起こっていいのではないか、こういう考え方でございますので、努力のほどをお願いいたします。 次に、先ほど出てまいりました電力会社の資金投資額あるいは資金調達についてお伺いいたします。 要するに、電気会社の投資というものは利益が保証されれば投資されるし、利益が将来あやふやであれば投資をされない。こういう投資形態というものはわが国では認めてはならないと私は思う。しかし反面、電力の需要は増大しております。したがって、これに見合った供給を図るとすれば莫大な投資が必要である。そして、その資金調達を可能にするためには八%ないし一〇%の株主配当が必要である。増資をしようとすれば社債限度額を拡大しなければならない。こういう循環になるだろうと思う。したがって、それを保証しようとすれば、今度は電気料金の大幅な値上げに返る。やはりここにも同じような三者三すくみの状態が出ておると思う。現在のわが国の電力会社のように、莫大な投資を必要とする公営企業に近い会社の場合に、投資と料金とが直接結ばれるような関係を断ち切る必要があるのではなかろうか、そういう時期に来ているのではないか、私はこう感じられますけれどもいかがなものでしょうか。
○森山(信)政府委員 投資の問題と料金の問題とは必ずしもリンクしているというふうには私どもは考えていないわけでございます。ただ、先ほどもお答え申し上げましたとおり、電力あるいはガス事業につきましての長期安定的な運用という問題を考えますと、やはり中長期の立場に立った当該企業のあり方というものを前提にして考えますと、そのときそのときに応じた料金の問題が出てくるのではないか、そういう意味におきましての関連性はあるのだろうと思います。 それからもう一つ、公益事業という観点から考えました場合に、エネルギーの安定供給という立場はもちろん一番根本でございますけれども、やはり、電力会社の投資という問題が日本の経済に占めます大きなウエートということを考えますと、たとえば景気が非常にスローダウンしたときにおきまして、電力会社の投資を促進することによりまして景気の維持を図り、雇用の促進を図る、そういった面もあろうかという感じを持っておるわけでございます。そういう二面性を持った投資でございますから、やはり中長期の立場からこれを推進するということでございまして、冒頭にお答え申し上げましたとおり、中長期の立場で料金体系というものを考えていく、そのときそのときの投資の額に応じただけの料金ではないというような気持ちを持っていることを、ぜひ御理解いただきたいと思う次第でございます。
○小野委員 たとえば東京電力の資本金を見ますと、昭和三十五年に六百億円、ところが五十四年度には七千三百六十一億円、十二倍強になっております。関西電力は昭和三十五年に三百十五億円、これが今年度四千二百二十三億円、十三倍強であります。各社ともに、これは何らかの形で料金にはね返っておることは間違いありません。私は民間企業の活力を公営企業経営に利用するということは賛成であります。しかし投資と料金を直接連動させまして、クッションの役割りなしにこれにはね返らせるというのには、政策不在と言われるような気がしてならないのです。資金調達についても、公的な投資計画に入れて、財投の中でこれを配慮すべきではないのかと言う学者さえ出てまいっております。現在それらについて検討をしておるのかどうか、あるいは検討する時期に入っておると考えられるのかどうか、お考えを聞きます。
○森山(信)政府委員 同じ財投の立場から考えましても、たとえば電源開発株式会社といまの九電力というのはおのずから差が出てくるだろうと思うわけでございます。そこで、先生もよく御案内のとおりに、開発銀行というものを利用いたしました財投資金の有効活用という観点は、もうすでに九電力にも適用しているわけでございます。 ただ、恐らく御指摘はもう少し財政資金的なものを電力会社に投入したらどうかという御指摘ではなかろうかと思うわけでございますけれども、これにつきましてはやはり九電力体制のあり方という問題と相当大きく関連を持ってまいりますので、いわゆる私企業ベースの企業経営という形態に対して大きな変更を加えるという決断をいたしますと、当然にそういう考え方が出てくるわけでございますが、単に財政資金の投入という観点からだけで九電力体制を律することはちょっとむずかしいかなということでございますので、大前提の議論が、もちろん議論としてはいろいろおありだろうと思いますけれども、私どもは当面は九電力体制がよろしいのではないかという考え方に立っておりますので、そういう考え方に立ちますと、財政資金の投入につきましてはおのずから限界があるのではないだろうか、こういう見解を持っておる次第であります。
○小野委員 次に、減価償却の問題についてお尋ねいたします。 現在の電力会社のような莫大な資産を持つ会社の最大の問題というのは、インフレが持続するということと、技術の進歩、社会の変遷によって設備が陳腐化する、こういうことであります。これに対する対処の仕方が非常に大きな問題になっていくだろう、こう私は考えます。恐らく電力会社も困っておるのではないかと思います。しかし考え方とすれば、真実かつ有効な資産だけが、本来減価償却されるべきものだと思いますけれども、そうではなくて、投資した設備に対しては全部減価償却が行われているだろうと思います。しかもそれが八%の事業報酬に返ってくるというふうになりますと、われわれにとってはやりきれない不満が出てまいります。したがって、この問題について、今回の査定の場合にどのような考え方で対処しておるのか、お聞きいたします。
○安田(佳)政府委員 ただいまの先生の御質問は、一つは減価償却の問題と、それから事業報酬の問題と二つあろうかと思います。 現在投資いたしました資産には、償却資産についてはすべて減価償却を行っておりますが、御指摘のように、資産が陳腐化したというような面もございますし、建設費が非常に高騰したということもございますので、現実の面におきましては、償却いたしております金額が再取得価格にとうてい及ばないというふうな状況になっておるわけでございます。したがいまして、そういう状況を何とか打開いたしませんと、電力会社は増大する需要に対する供給責任を負っておりますし、そのための設備を今後ともつくらなければなりませんし、また更新もしなければならないという状況でございますので、その更新に当たって支障を生ずるおそれがあるわけでございます。そのためにはどうするかということは、先ほど申しました電気事業審議会の料金制度部会でも、いろいろ問題になりまして、その席上では、そういう現実の償却不足に対処するために定率償却法を導入したらどうだろうかというような御意見が出ました。ただし、そのときには留保条件がございまして、現実に国民生活に与える影響が多いということを考えて、段階的に導入しろという答申をいただいたわけでございます。その償却につきましては、そういう各般の意見を参考にいたしながら、現在考えておるわけでございますが、ただ、事業報酬につきましては、これは償却とは全く別に、真実かつ有効な資産に対して、先ほど御説明しましたような趣旨で、八%を掛けるというふうな形になっておるところでございます。
○小野委員 最後にお尋ねいたしますけれども、いま国民が電気料金に最大の関心を持っているのは経済的視点からだけではない、私はこう思います。いま世間を騒がせておる社会的公正の面もかなり関心の的であろうと思います。というのは、公営企業経営が非常に非能率的ではないのか、あるいは経理が不正、乱脈ではないのか、こういう点に国民が目を向けておるからだと私は思います。私は電力会社も必ずしも国民に満幅の信頼を得ている経営をしているとは考えません。たとえば東北電力の女川漁協に出しました補償の問題などはだれもが満足しておる金額ではない、私はこう考えます。したがって、いまやらなければならないのは、国民が合意できる、理解できる電気料金の決定でなければならないと思います。いまいろいろな制度はありますけれども、この制度が十分活用されておらないためにこの不満が出てくるのじゃないのか、あるいは機構的に国民を納得させるような機能を果たす機能になっておらない、こういう二つの面が考えられますけれども、改めてこれらの機構に対する再検討あるいは新しい制度をつくるお考えがないのかどうか、お尋ねいたします。
○森山(信)政府委員 いまの問題は恐らく国民の皆様方にどういう料金体系になっておるのか、あるいはどういう料金の査定をしたのかということをもう少しはっきりさせたらどうかという御提案が含まれておるのではないかという感じがするわけでございます。 そこで、私どもはいわゆる公聴会という制度を持っておるわけでございますけれども、そこでできるだけ多くの階層の方々の御意見を取り入れたいというふうに思っておりますけれども、大方の御不満はその公聴会が言いっ放し、聞きっ放し、こういうような御不満をいただいておるわけでございまして、これにつきましては私どももこれを改善する必要があるのではないかという気持ちを持っておりまして、前回の北海道電力の認可以来できるだけ具体的な査定方針というものを国民の皆様にお示しをしたいという考え方を持っておるわけでございますし、今回特に八電力という、北海道電力の場合は沖繩と二社でございましたけれども、今回は八社でございますが、なお一層御理解をいただくような対策を考えてみたいというふうに考えておりますし、もちろん公益事業としての会社の経営のあり方につきましては公益事業としてのビヘービアを十分確立するような強い期待を私どもも持っておる次第でございます。
○小野委員 大臣、いま種々やりとりいたしましたけれども、やはり電力会社の経営については政府あるいは国として考えてやらなければならない部分がかなりたくさん発生しておるのではないかと私は考えます。たとえば電気会社の投資額とは異なりますけれども、水道公営企業の場合には消火栓の布設は料金の中に付加されません。幹線は付加されません。要するに幹線から各家庭までの小さい線の付加、それらは料金に入りますけれども、その他は公営負担になっております。電気料金を考える場合にあるいは電気経営を考える場合に、料金にはね返させられない当然政府なり国が考えなければならない部分があるのではないか、それを検討する必要があるのではないのか、そういう気がいたしますけれども、それらを調査検討する御意思があるのかどうか、もしもうすでにそれらは検討しておるということであればどのようなものがあるのか、教えていただきたいと思います。
○安田(佳)政府委員 ただいまの御指摘で、国あるいは地方公共団体が持つということになりますと、直ちに税金の方に関係するわけでございます。現在、電気料金は、公益事業ではございますが私営企業でやっております関係上、やはりいま先生が御指摘になったような部分を国の税金でやることにはおのずから限界があるのではないだろうかという考え方が従来ございまして、いままで特に電気料金で従来負担していたものの一部を国の方にお願いするというような形は検討がなされておりません。
○小野委員 最後に、具体的な問題としてまたお聞きいたしますけれども、今回の料金査定に当たって、原油は平均して何ドルとして計算して査定しておるのか。もちろん各社によって異なるにしても、平均何ドルで計算しようとしておるのか、まずお聞きいたします。
○森山(信)政府委員 ことしの二月あるいは三月通関時点での予想される原油のCIF価格は三十ドルをある程度上回るところで落ちつくのではないか、こういう見通しを持っておるわけでございますが、問題はことしは原価計算期間が一年でございますから、この一年間にどう原油の価格が動くかということにつきましては、私どもは二月、三月に通関されるであろう価格がそう大きく年間を通じて変動することはあるまい、こういうような考え方をもって査定に臨みたい、こう思っております。
○小野委員 わかりますけれども、何ドルで今回査定しようとしておるのですか。再度求めます。
○森山(信)政府委員 具体的にいま三十何ドル何セントと申し上げる段階ではございませんけれども、三十ドルをある程度上回るところで推移するだろう、こういうふうに見ておる次第でございます。
○小野委員 三十ドルから三十一ドルの問で査定する、こう考えてよろしゅうございますか。
○森山(信)政府委員 北海道電力の場合はオールジャパンの平均を三十一ドルと査定いたしておりますが、その後幾つかの国が値上げをいたしておりますので、それが具体的にいつどういう形で通関されるかというのを現在はじいておりますので、三十一ドルを下回ることはあるまいというふうに考えております。
○小野委員 三十一ドル以上ということですね。
○森山(信)政府委員 ちょっと言葉が逆になりましたけれども、三十一ドルを上回ると思います。
○小野委員 電力消費量と電力料金との関係になりますけれども、ある資料によりますと、電力消費量が二四・四%の電灯需要が料金では三二・五%を負担させられておる、こういう資料がありますけれども、これは事実なのですか。事実だとすれば、どういう計算によってそうなるものなのか。
○安田(佳)政府委員 ただいまの数字の詳細はちょっとすぐに出てまいりませんが、大体そんな感じであろうと思います。 それで、これは電灯料金と電力料金となぜ差があるかという御趣旨であろうかと思いますが、御承知のように電気は発電所で発電されましてから幾つかのルートを通って需要者のところまで参ります。あるものは非常に高い電圧で受電いたしますとその間における電力の損失が非常に少ないという事情もございます。また、電灯需要でございましたら、何段階かを経まして百ボルトあるいは二百ボルトまで落とすわけでございます。その段階において電圧あるいはさらに配電等の費用がかかってまいりますし、また需要家の費用というものもそれぞれかかってまいります。そういうような点から原価をはじき出しますと、どうしてもやはり電灯料金というものは電力料金よりも高くなるという結果になっております。しかし、それは高くしているのではなくて、原価計算の結果、そういう結果になったということでございますので、御理解いただきたいと思います。
○小野委員 大臣に最後にお願いしておきます。 どういう理論的背景がいろいろありましても、国民は非常に電気料金の大幅値上げに大きな不安を抱いております。国民がやむを得ないと納得するような査定と、その理論的背景を十分説明していただけるように心からお願いして質問を終わります。
○井上委員長 松浦利尚君。
○松浦委員 お二人の質問に補足をして私から質問をさせていただきます。 まず経済企画庁長官にお尋ねをいたしますが、昭和五十五年度の一般会計の自然増収が二兆九千億円、それから公共料金の値上げに伴う増収分が六千四百二十九億円、合わせて三兆五千四百二十九億円が計上をされております。ところが一方、国民の側から見ますと、五十三年度以降減税が全くございません。御承知のように五十三年が三・四%の物価上昇、今年度が四・七に大体落ちつくだろう。来年度の見通しが六・四%。この物価上昇率を計算してまいりますと、一四・五%近く、実は物価調整減税がないままインフレによる生活の実質目減りが起こっておるわけであります。そして一方ではインフレによる自然増収、それから公共料金の値上げの増収分というのが見込まれておるわけですが、こういう状態を見ますと、いまの政府の考え方というのは——この前も予算委員会で時間がなくて余り詰めた議論はできませんでしたが、これから物価委員会が開かれるたびごとに議論をさしてもらいたいということを予約しておきたいと思うのですけれども、これから見通しの立たない海外の石油価格の高騰、こういった海外要因があります。そしてまた、先ほどいろいろと議論がありました円安という問題、いま御承知のように、円を安定させるという意味でそれぞれの諸外国と協力をいたしまして、円の安定化の対策は講じておりますものの、やはり従来から比べれば円安傾向というのはまだ続くような感じがするし、どこで安定をするのかという見通しはまだ立っておりません。それと卸売物価、これまた急激な上昇をしております。こういったことを考えますと、物価調整減税はしない、物価は六・四%に政策的に懸命にやって抑える、こう言われるのですが、実質的に国民の所得というのは、これから予想してみましても、春闘の要求が八%というきわめて穏健な水準の要求になっておりますから、国民の所得上昇というのは見込みが立っておりませんということになると、政府の側は五十五年度で国民に対して、これは言い過ぎかもしれませんけれども、まず物資の使用を節約しなさい。簡単に言えば買うものを控えなさい。そしてまた片一方では、去年の生活レベルではもう対応できないんですよ。この際五十五年度は生活レベルというものを五十四年度に対してダウンさせなさい、こういう生活レベルを引き下げるということを国民に強要しておるというふうに判断をするのでありますが、そういう問題点について長官の考え方を承りたいと思います。
○正示国務大臣 お答えいたします。 この間、松浦委員が予算委員会でこの問題を大蔵大臣あるいは労働大臣といろいろ質疑応答されたのを、私そばで拝聴しておりました。新経済社会七カ年計画で、いわゆる労働分配率なんかはやはり高度成長のときにこそ相当下がっているのですね。しかし、その後安定成長になっていくと相当安定しておる、こういうことでございますので、まずその点を申し上げておくわけでございます。 そこで、いまなるほど物価調整減税を長くやらない、また消費者物価も比較的安定はしておると言っても、来年は六・四%も上がるのじゃないか、物価調整減税はどうだ、こういう御趣旨も含まれての御質問かと思いますが、これは一方で財政再建という、これもインフレ対策に非常に大きなウエートを占めておることは申し上げるまでもございませんし、また、税制については日本は直接税について、これは諸外国に比べて所得税なんかは最低課税限度も相当高くなっておるというふうな諸般の事情がございまして、物価の安定をやるから、物価調整減税の方はなかなかむずかしゅうございますということで御理解をいただいておるんだと思います。 そこで、私どもといたしましても、いま御指摘の点については、まず政府は物価の安定ということに、すなわち、本年度は四・七%、来年度は六・四%、この消費者物価というものをこれはもう死守していく。そういう前提に立ってひとつ労使の交渉で春闘もなだらかな解決をしていただきたい。私は、いままでそういうりっぱな業績を上げられてまいっておりますし、ことしも大勢はそういう方向に向かっておると思いますので、そういう政府の施策によって実質的に国民の生活の安定を図っていくことが、今日のわれわれの政策の眼目でなければならぬ、こういうふうに考えておるわけであります。
○松浦委員 これは長官のところでおつくりになったのですから、ここでお見せする必要もないのですけれども、消費者物価が上がらなかった最大の原因は、賃金コスト要因がマイナスに作用したから、ほかの上昇分を賃金がマイナスすることによって吸収したから四・七、昨年度も下方修正するくらいに落ちついたのですね。これは、ここにおたくが出したトータルですから、そのとおりになっておりますね。ですから、このことは逆に言うと、物価の安定という言葉を言われますけれども、しかし、物価を安定させる大前提としては節約をすること、消費水準を対前年度に比べて落とすことということを、言葉ではきれいに言っておられるけれども、そういうことを言っておられるのじゃないかというふうに思うのですね。まさにそのとおりでしょう。そのことならそのとおり国民にはっきり、六・四を死守するためにそういうふうにしてくださいとお願いをすべきなんです。
○井川政府委員 五十五年度の見通しにおきましては、松浦委員御承知のように、GNPといたしまして名目で九・四%、実質で四・八%というふうな伸びになるということで政府の見通しを発表したわけでございます。その中に民間最終消費支出というものが非常に大きい項目としてあるわけでございます。この民間最終消費支出、これがいま委員がおっしゃいましたような消費の国民全体の傾向を示すものでございますが、五十四年度につきましては前年に対し名目で九・八%の伸びであった。これを実質に直しますと五・五%の伸びと見込まれる。これはあくまで見込みでございます。五十五年度、来年度につきましては、名目におきましては九・七%消費支出の伸びになりますけれども、実質の民間最終消費支出ということになりますと三・七%、したがって実質が落ちるということではございませんで、三・七%の伸びをいたしますけれども、しかしながら五十四年度の五・五に比べればその伸びは落ちる、こういう姿で描かれておるわけでございます。
○松浦委員 いま調整局長が言われたのは六・四というものを前提にしてですね。そうするともう一つ、具体的にこの前数字で長官にも予算のときにもお示しをいたしましたが、課税対象金額が二百四十万の人の支払う税金の増加分、それと六・四のインフレの目減り分、これを単純計算をして比較をいたしますと、今年度は支出がマイナス百円になるわけですよね。雇用者所得の伸びが七・三ですよね。だから単純計算して七・三を課税対象金額二百四十万に掛けた伸びと税金とインフレに伴う目減り分とをプラスしたのを相殺をいたしますと、マイナス百円になるのです、計算してみたら。ですから言葉でそう言われても、実質的に税金その他のことを計算して加味をいたしますと、横ばいかマイナスということになるのです。ですから、調整局長、私はここで議論をするつもりはありません、もう一遍計算してみてください、税金のことも。それで、六・四ということを死守するということは、くどいようですけれども、いま言ったように私たちから見れば、むしろ生活水準をダウンしながらそれほど六・四を維持する。ですから、この六・四の前提が崩れれば、ますます国民の生活というのがしわ寄せを受けるということは、これはもう逆算すればすぐわかることなんですね。 そこで、正示大臣にお尋ねをするのですが、今度の電気料の値上げは、少なくとも申請どおり認めるとすれば直接的に〇・九の影響が出ますね、消費者物価に。そうすると、波及効果として一でございますね、ですから一・九。まあ波及効果も〇・九とした場合には一・八影響がありますね。そうすると六・四から一・八を引きますと、その電力関係の指数だけを引き去った分だけが物価の政策課題ということになりますね。政策目標としてはその分を引いた残りしかないですよね、差が。それ以外に御承知のように〇・八の予算に伴う公共料金の引き上げがありますから、さらにその政策枠というのは縮まってまいりますね。ですから、今度の電力料金というのがいかに来年度の物価に重大な影響を与えるかということは、大臣も常々言っておられることですから、私の言っておることは否定なさらぬと思うのです。そのとおりだと思うのですが、どうですか。
○正示国務大臣 まず、この前予算委員会集中審議で松浦委員がお挙げになって計算いたしたのは大蔵の主税局長でございまして、調整局長は面食らっておると思うのですが、その点を申し上げておきます。 しかし、これは重要な問題ですから、私どもは十分精査をいたしまして、影響については考えていきたいと思います。 なお、いま電力料金の問題をお挙げになって私どもの六・四との関連を御指摘になりましたが、まず松浦委員は申請どおりの値上げが行われた場合と、大変大きな仮定なんでございまして、そういうことにならぬようにというので、本日のこの物価委員会が開かれておるんだろうと思うのです。これはもう通産当局もたびたび申しておるように、厳正に原価主義、公平の原則にのっとるけれども、物価、国民生活に対する重大な影響を考えてやるということでございますから、いまのところ一生懸命査定中でございますので、まあその点は御容認願いたい。 しかし、といっても、どんなにいたしましてもその問題の重要性についての認識は人後に落ちません。それを最も重要と考えまして、あらゆる政策を動員いたしまして六・四の達成に努力する、こういうことを重ねて申し上げます。
○松浦委員 私はそういうことを申し上げておるのじゃないのです。申請どおり上がったらそうなるでしょうというお話をしておるのです。何もそうせいと言っておるわけじゃないのです。だから私が言うことも、あなた答えたわけですけれども、それほど影響が大きいから今度の電力料金の査定については厳しくしなければならぬということですね。そうすると、この四〇%ぎりぎりのところで電力料金が査定されたとしたら、来年度の物価指数に与えるウエートですね、四〇%の場合、この指数は幾らになりますか。
○藤井(直)政府委員 電灯料金の場合には、一〇%上がりました場合の影響は〇・一八%ということになっております。 そこで、いまおっしゃった四〇%ということを仮に前提として計算いたしますれば〇・七二ということになります。
○松浦委員 そうすると、これは直接的な影響が〇・七二ですから波及効果が大体これと同程度もしくはそれ以上ということになりますから、〇・七二とした場合でも一・四四の影響が出るということですね。一出るということは大変なことなんですよね。物価指数で一影響するということは大変なことなんです。ですから、四〇%ぎりぎりであっても来年度の六・四の物価政策に対して一・四の影響を与えるということはきわめて厳しいことになるのですね。四〇%上がっても来年の物価政策というのは非常に厳しいということになるのです。ですから物価担当大臣としては、ずばり言いまして、来年度六・四を維持するためにはどの辺が妥当な数字だ、物価値上げはどの辺だという目標は当然あるべきだと私は思う。それがなければ総合的な物価対策というのはできませんよ。電力は電力、これはこれという対応の仕方ではだめなんです。ですから、全体の六・四の中で占める電力のウエート、このウエートの与える波及効果、そういったものを計算をしていくなら、経済企画庁長官としては、佐々木通産大臣が仮に何と主張しようと、これは六・四を維持するために絶対必要な数字であるということは主張なさるべきだと思うのです。その点はどういうことですか。
○正示国務大臣 私どもはそういうふうには運営をいたさないつもりでございます。十分話し合って、一致協力して、大事な電力、ガスの供給も確保いたしますし、物価、国民生活の安定の要請にも十分こたえるようにそういう解決をしたい。 御指摘のように、しかしそれは非常にむずかしい。また電力、ガスの値上げという問題の深刻な重要性については御指摘のとおりでございますので、これは本当に内閣を挙げまして、また国会の皆様方にも御協力をいただいて最善の解決に持っていきたい、こういう考えにおいては松浦委員と何ら変わらないのであります。
○松浦委員 大臣、言われることよくわかりますけれども、先ほど言いましたように私たちは厳しく受けとめておるのです。国民の側も厳しく受けとめておるのです。ですから大臣としてもやはりある程度、私はここまで毅然としてやりますよということくらいは立場上堅持してもらいませんと、ただ何となく、まあその辺で大丈夫ですよというようなお話だけでは理解ができません。大臣のお気持ちは全くここでは——これはできるかできないかやってみなければわかりませんけれども、主張することは、主張する範囲という枠の中でもそういうことはお示しいただけませんか。
○正示国務大臣 料金をどのくらいにするかということは、通産省と協力してやる査定作業の中に、最終的には物価対策閣僚会議、閣議、また国会の皆様方の御審議、こういうふうなことがこれからかかっておるわけであります。 ただ私ははっきり、先ほど来小野委員にもお答えいたしましたし、そのほかの委員の御質問にもお答えいたしましたが、われわれは電力料金、ガス料金の査定に全力を尽くすとともに、それが決まった、さあ今度はインフレだというふうなことのないような環境をつくり出していく、これが大変大事だと思っています。 先般の公定歩合の引き上げとか円安対策とか、それから、これから予算もだんだん御審議をいただき、今回各党の御協力で修正もいたしましたが、それが成立してそれをどう実行するか、そして個々の物資に対する通産、農林水産等の行政がどういうふうに展開されていくか、そういうことを、総合的な物価対策をやることによって物価に対する、本当に国民と一体となってのインフレに落ち込まないようなあるいはこれを悪性化させないような処理というものが一番大事である、この際幾らにするからということよりもむしろ私はそっちの方に大きな重点を置いて考えていることを重ねてお答え申し上げます。
○松浦委員 正示長官まじめな人ですからお気持ちはよくわかるのですが、それじゃ数字を具体的に申し上げた方がいいと思うのです。電気料金が一〇%上がれば〇・一八指数に影響する。そうすると、四〇%にしますと〇・七二の影響になるわけです。波及効果も同じように〇・七二だと試算をいたしますと一・四四の影響ということになります。予算関連の公共料金の値上げが〇・八影響するというふうにすでに発表になっておりますから、合計をいたしますと二・二四の影響率。ですから、電力料金が四〇%上がったときには来年度の六・四の消費者物価指数の中で二・二四は食べてしまうわけですね。残っておる政策範疇は四・二ということになるのです。この四・二という幅はこの四〇%台が上がれば上がるほど縮まるわけですね。そういうことがいまの情勢としては理解できませんね。把握できませんね。むしろ下げることによって来年度の政策の枠を広げるという努力はあっても、四〇%に上げるということは、言葉ではやりますやりますと言われるけれども政策の範疇ということは非常に厳しくなってきます、与えられる政府の枠が小さくなってくる。ということは、正示長官がいみじくも、だれか新聞記者発表されたのかどうか知りません、四〇%でも来年度の六・四は厳しいんだという記事をちょっとどこかで見たのですが、その発想は正しいのですよ。首をひねっておられるけれども、その発想は正しいのですよ。ですから、そういう意味で私は、今度の査定というのは総原価主義というのも確かにたてまえ上あります。しかしやはりここまで来ればある程度政治的な判断、勇断をもって対処をしなければ来年度の物価というのは相当に重大な影響を与えるんだということは御理解いただけると思いますね。そんなに口でこそきれいに仏様が言うように言われるけれども、しかしそんなにきれいにおさまるものではないんだ、そういう情勢だということをぜひ踏まえていただきたい。
○正示国務大臣 ちょっと答えさせてください。 いま私が四〇%と言ったというふうな新聞報道ということに言及されましたので、一言お断りいたしておきます。 私はいままで一度も何%というふうなことを申し上げたことはございません。しかし、あのときの新聞記事は四〇じゃなくてたしか五〇%を少しでも切り込まないとというふうな、これは経済企画庁にも経済研究会という優秀な記者諸君がおられまして、私はそんなことを言わないにかかわらず何か私の発言の文脈からああいうことを推定されたのでしょうが、これは四〇じゃなくてまさに五〇で議論されておったように私は新聞で拝見をいたしましたので、その事実だけを申し上げておきます。 しかし、四〇であろうが五〇であろうがとにかく私はいまのところ予断をもってこれを申し上げることはできません。ただ、通産当局と私どもが一体になりまして最後まで努力をするということは重ねて申し上げておきます。と同時に、松浦委員御指摘のように、この問題がきわめて重大であるという認識においては、これはもう何回繰り返しても同じことでございますけれども、われわれはこれを重大に受けとめてやっておるということを重ねてお答えしておきます。
○松浦委員 どうもかみ合いませんけれども、五〇%を切るということは、切るのは四〇%台だということなんですね。そういうふうに私は理解させていただきたいと思います。 それで具体的な問題に入りますけれども、実は先ほど同僚委員の御質問に対して長官の方から原油の輸入価格は三十一ドル強だ、CIFベースで三十一ドルを超える、こういうふうに言われたわけですが、私たちが計算をしてみまして、一つわからない点があるんです。それは、この資料をいただきますと、その他の諸経費の中にキロリットル当たり七千七百円とか六千円とか八千四百円とか非常に大きな数字があるわけですね。もちろんその金利もあるでしょう。その金利部分を除いてみたといたしましても非常に多額な経費になりますね。キロリットルという判断で見ますから何かこう思いますけれども、考えてみると一メートル立方に入っておる原油のその他の経費が八千四百円だ、それを運搬するのに八千四百円要るんだ、あるいはそれを備蓄するのに、三カ月備蓄ですから三カ月だけ備蓄する経費ですよ。それがもう出ていくわけですから、備蓄経費と言えば三カ月分。だからそういう分から考えてまいりますと、どうも一キロリットル当たりの六千円とか七千四百円とかというのがちょっと大き過ぎるような気がするんですが、この内訳はもっと具体的にどれが幾らということは教えていただけませんか。
○森山(信)政府委員 まず、原油の価格につきまして先ほど小野先生の御質問に対しましてお答え申し上げたのでございますけれども、北海道電力の場合にはCIFを三十一ドル強で査定をいたしましたので、その後産油国でかなり値上がりがありましたから、そのバランスを考えますとある程度上回るんではないかというふうに申し上げた次第でございまして、三十一ドル強という意味ではないことをぜひ御理解いただきたいと思う次第でございます。 それから、いまおっしゃいました六千円ないし七千円という数字はこれは恐らく企業の方から出された数字ではないかと思うわけでございますけれども、御高承のとおり石油は石油会社が買ってまいりまして電力会社に売るわけでございますから、そういった経費が全部織り込んでおるんではないか、こういうふうに思います。もちろん備蓄費あるいは防災対策費、輸送費等を含めてそれに若干のマージンが加わっているのがおおむねそのような数字になるのではないか、こういうふうに考える次第でございます。
○松浦委員 これは金利を差し引いた残りは報告していただけませんでしょうかね。このキロリットル当たりの諸経費の金利を除いた分というのは、運送、備蓄、防災という三つのものに包含されてくるわけですが、金利分だけがちょっと不明確ですけれども、その金利の分だけを除いた額を出してもらえませんかね。その点は約束していただけますか。
○森山(信)政府委員 これは各社でそれぞれ実態が違うわけでございまして、それを国会という公の場に提出いたしますと取引の実態がもう全部明らかになってしまうわけでございます。したがいまして……(松浦委員「金利だよ」と呼ぶ)金利を詰めてまいりますと全部あからさまになるということがございますので、その点につきましては何とぞ御容赦をいただきたいというふうに思うわけでございます。
○松浦委員 結局国民が非常に不満に思うのは、午前中の与党の方からも御質問がありましたけれども、知っておるのは通産省だけで国民の側は知らされない、高い高いということだけだから、むしろもっと積極的に国民の側に公開をしてそういった疑問点に答えるような努力をなさることが、大臣これからは正しい行き方だと思うのですがね。いまのような態度でこれからも進まれるわけでありますか。その点をひとつお聞かせください。
○佐々木国務大臣 できるだけ公開することに努めていますことは松浦さんもよく御承知のとおりで、ただその中で企業の機密と申しますか契約その他にまつわるようなものあるいは個人のプライベートの問題にまつわるようなもの、たとえばあの重役は何ぼもらっているとかいったようなこととかどうしても会社としては出せない、あるいは土地をあらかじめここを予定していますなんということになりますと、これはどうにもなりません。ですから、発表できるものとできないものがある、その点だけは、これは発表しないということでこっちもまた資料をちょうだいしておりますから、御了承いただきたいと思います。
○松浦委員 わかりました。 それでは出ておる数字からお願いをしたいのですが、電源開発促進対策特別会計ですね、この電源開発促進税の千キロワットアワー当たり三百円、これは発電する電力側が支払うことになっておるのですが、これも最終末端の消費者に転嫁をされることは間違いありません。しかもその金額は相当に大きい。電源立地勘定で三百九十二億円、それから電源多様化勘定で八百二十七億円、非常に多額であります。ですから、皆さん方が国民の前に公開をせずに査定をされて、これが最も正しい行き方ですと言われるなら、公開をされておるこの部分が消費者に転移されないように、価格の積み上げがなされないように、この分だけは凍結をするか、この際思い切って先に延ばすという対応を私は国民の前にすべきだ、これが一番はっきりしておりますから、ほかにはっきりしておる部分がないですから、われわれ議論しようにも。はっきりしておるこの分野だけでも消費者にツケが回らぬようにしていただければ国民はきわめて喜ぶ。これがいやなら先ほど言った資料を公開してもらいたい。資料がないのですから。ですから国民の側は、どっちにしたって払うのは国民のふところからですから、出ていくところで一番はっきりしておるこの部分だけは出さないようにしましょうというのが発想として当然出てきてしかるべきだと思うのですが、大臣どうですか。
○森山(信)政府委員 松浦先生の御指摘でございますけれども、電源開発促進税は、いまおっしゃったように電源立地勘定と電源多様化勘定に繰り入れさせていただきたいと思っておるわけでございまして、この電源多様化勘定と申しますのは、私どもが熱望いたしております代替エネルギーの開発に使わしていただきたいということでございまして、いずれ国会で御審議いただきます総合エネルギー開発機構、これを通じます、あるいはその他を通じます代替エネルギーの開発に充てさせていただきたいと考えておるわけでございます。 いま私どもが電気料金その他で一番苦労いたしておりますのは、石油に依存する度合いが一番大きいということで、できるだけその石油依存率を下げたい、その石油依存率を下げることが将来の電気料金の安定的なことにもつながってくるし、日本のエネルギー事情にも大きな貢献がある、こういう観点からお願いをしておるわけでございまして、その点をぜひ御理解いただきまして、資料を出さなければこれは認めないとおっしゃらずに、何とかお認めいただきますように切望する次第でございます。
○松浦委員 いや、国民の側というのは、やはり出すのは一緒ですから、お金を取られるときには一緒に取られていくわけですから、出すものははっきり出して、こうですこうですと説明を受けた上でなさることが私はいいと思うのですね。ですから、出ているもので言わせれば、これを凍結してもらいたい、これは国会のこれからの議論にまつことですけれども、私はそう思います。 それで最後に、これは長官というよりも大臣にお願いでありますけれども、やはり総原価主義ということに対して、地域独占である電力供給側に、要するに査定してくれるんじゃないか、出しておけば適当に通産省の方で査定をしてくれるよ、そういった非常に甘い姿勢があるような気がしますね。やはり公益事業なんでありますから、そういった意味では国民のニーズに合った理解を得られるような立場を電力九社はとってもらいたい、そういう姿勢をぜひこれから指導していただきたい。 それからもう一つは、この前井上委員長から厳しく指摘がありましたが、そういう事業が兼業、副業みたいなことをやっておるのですね。これは報告書もこの前理事会に出されておりますけれども、そういうものについても厳しく対応していただきたい。そして全員が、すべて私の前の発言者が要望しておると思うのですが、そういう状況であり、きわめて物価も厳しい状況でありますから、厳正に、本当に国民が、ああ確かに政府はよくやった、通産省も本当にここだけはやったぞという、そういう結論が出るようにぜひ対処していただきたいと思います。 最後に通産大臣の御決意を承って、少し延びましたが、私の質問を終わります。
○佐々木国務大臣 お説のとおりやってみたいと思います。
○松浦委員 どうもありがとうございました。
○井上委員長 宮地正介君。
○宮地委員 きょうは国民の大変に注目しております電力、ガス料金の値上げ問題につきまして集中的に経済企画庁長官、通産大臣出席のもとに論議をしているわけでございまして、国民の多くの方々がこの委員会の審議を大変期待をしまた注目をしていると思います。 そこで私は初めに、今回の電力料金、ガス料金の値上がりがいかに国民生活に大きな影響を与え、消費者の家計を圧迫をしているかという観点から少し論議を進めてまいりたいと思うわけでございます。 すでに通産大臣、経済企画庁長官も御存じとは思いますが、本年になりましてからの公共料金の相次ぐ引き上げの状態は、あの昭和四十九年の石油ショック時以来大変な多くの数とまた大幅な料金改定が予想されるところでございます。すでに消団連などの調査によりましても、今回の電気料金平均六四・四%が値上がりになりますと、一世帯平均月約二千六百八十三円、年間にいたしますと三万二千百九十六円の大変な家計の負担になるわけでございますし、ガス料金の平均五二%アップを大手三社だけに限りましても、月額にいたしますと約二千二十一円、年間にいたしますと二万四千二百五十二円、この電気、ガスの料金の大幅値上げが何と月約四千七百円強、年間にいたしますと五万六千四百四十八円というかってない大きな家計負担になるわけでございます。そのほか、御存じのとおりすでに消費者米価、麦価あるいは今後予想されます国鉄運賃、郵便料金、NHKの受信料、たばこなど考えてまいりますと、月額にいたしましても平均一万六千四百二十六円、年間約十九万七千円強という大変な家計の圧迫、負担になるわけでございます。 〔委員長退席、野田委員長代理着席〕 まずきょうは、大臣また政治家としてのお立場の、少なくとも現内閣の経済閣僚の中核を担っているお二人でございます。事務的レベルの御発言は午前中からの論議の中で十分聞かしていただきました。いま国民が期待し注目をしているのは、いかに政治的にこの問題の解決に国民のニーズにこたえるか、こういった問題ではないかと思うわけでございます。この点について両大臣の御見解を初めに伺っておきたいと思います。
○佐々木国務大臣 かねがね申し上げておりますとおり、電気、ガス料金の値上げに際しましては、まず放漫な経営をしておったのでは、これは話になりませんので、企業努力と申しますか、経営の合理化といったようなものを前提にいたしまして、そして法で原価主義というふうに定めておりますから、原価主義の原則でやることは間違いありません。そして、お話しのように、物価あるいは国民生活の影響等十分考慮した上、厳正かつ慎重にこの問題に対処したいと思います。 なお、お話のございましたアップ率がどうかといったような問題に関しましては、ただいませっかく各要素を検討中でございまして、これの積み上げた結果が回答になって出てくるわけでございますから、ただいま申し上げる段階にはなっておりません。
○正示国務大臣 御指摘のように大変重要な電力、ガス料金値上げ問題、このためにきょうは集中的に物特委員会をお開きいただいたわけです。よくその重要性については、宮地委員と同じ認識を持っております。 いま通産大臣からお話しのように、料金の査定自体について原価主義、公平の原則という原則を踏まえながらも物価、国民生活への影響ということを最重点として厳正に査定をしていく、こういうことでございますが、私はその上に物価全体に対する政策の確立が非常に大事である。先般来、宮地委員御承知のように、予算の審議中に公定歩合の引き上げをやる、また円安対策をやる、こういうところに政府のこの問題に対する重要性の認識が実行の段階ではっきり示されておると思っております。やがて電力、ガスの料金が決定される、これからの円の為替レートがどうなっていくか、いろいろと私どもの前にはインフレの波がどんどん押し寄せてくるような情勢をにらみながら総合的に物価対策を皆様の御意見も十分取り入れて確立し、それを実行していきたい、かように考えておる次第でございます。
○宮地委員 通産大臣は原価主義そして公平の原則に基づいて厳正に査定をし料金の値上げを決定したい、これは電気事業法の原則に沿って言えば当然のことであろうと思います。いま国民が注目しておるのは、そうした徹底した原価主義に徹した料金の値上げの査定をするのか、あるいは経企庁長官がおっしゃっているように経済環境を取り巻く厳しいこうした状況の中において政治的査定の配慮が行われ得ることが可能なのかどうなのか、ここが私はポイントであろうと思います。 参考人の学者の多くの方も来て私たちは伺いました。専門的なそうした経済原則にのっとっていくならば、相当大幅な値上げが十分予想されます。しかし現在の生き物である経済というもの、現在の国民生活、現在の置かれた経済環境というものを加味したときには、当然そこには政策的、政治的配慮が行われ得ると国民の多くの方は期待もしていると思います。 通産大臣、許認可権を持っている大臣として、今回の査定の中にそうした政策的、政治的配慮を行う御決意があるのか、その点について伺いたいと思います。
○佐々木国務大臣 私は法の執行者でございますから、法律が改正されぬ間は、やはり法律をつくりました本旨にのっとりまして、先ほど申しましたように、厳正かつ慎重に原価主義という主義を守っていきたいと思います。
○宮地委員 いま、ちまたの国民の声の中には、こういう声もあるわけです。この電気、ガスの料金の認可においては、通産大臣の認可権はあるけれども、やはり自民党の商工部会など、そうした部会調整を通じなくては、こうした決定まではなかなかいかぬ、裏から見ればやはり政治的な政策的な配慮というものが行われ得る余地があるのだ、もしそういうものを全くなくして大臣の言う原価主義、公平の原則に真っ正面から取り組み、それを純粋に履行するとしたら、現在の許認可制度というものの改善、改定というものも必要ではないか、こういった世論も現実に出ているわけでございます。 まず大臣の立場からは原価主義あるいは公平の原則に厳守して対応したい、これは大臣の精いっぱいの答弁であろうと私は思います。しかし、そうした政策的配慮、政治的配慮をここで導入するかどうかということは、大変大きな、電気あるいはガス事業における転換期といいますか、一つの試練のときではないかと私は思います。再度この点についての考えをお伺いしたいと思います。
○佐々木国務大臣 党で料金に対していろいろなアジャストをするのが政治的だという意味なのか、あるいは政策的な配慮というのは純粋な原価主義じゃなくて財政的な金融的なその他の政策的な料金を加味してという意味なのか、おっしゃる意味がよくわかりません。私にわかりませんけれども、私どもといたしましては、役所の立場といたしまして、法の示すとおり厳正な態度でただいま査定中でございますので、その結果をもって進みたいという念願でございます。
○宮地委員 経済企画庁に伺いたいわけでございますが、この「五十五年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」、これによりますと、五十五年度の実質経済成長率は四・八%、卸売物価は九・三%、消費者物価は六・四%という見通しを立てられております。本年度の実績見通しにつきましては、御存じのとおり、実質成長率は六%、卸売物価は一二・一%、消費者物価は四・七%ぐらいになるであろう。今回この五十五年度の最大の試練は、これは何といっても原油の高騰というこの問題が絡んでくるわけでございます。そういう中で、一連の、先ほどから申し上げてきた公共料金の値上がり、特に今回の電力、ガス料金の値上がり、こういったものが、果たして、この経済企画庁のお立てになった政府の経済見通しあるいは消費者物価の見通しに大きなブレーキになるのではないか。その点、大臣として、現段階で、出したばかりに修正するなどということは考えていないと思いますが、この達成には、大変な、並み並みならぬ努力が当然必要であろうと思います。その点についてどういうようにお考えになっているか、所見を伺っておきたいと思います。
○正示国務大臣 まず宮地委員に申し上げておきますが、私ども経済企画庁も、電力、ガスの料金改定につきまして初めから政治的判断というふうなことを考えておるわけじゃありません。どこまでも法律に定めた原価主義と公平の原則の筋を通す、これを最後まで貫くことにおいて通産当局と変わりありませんが、そういうことをやりながらも、先ほど申し上げたような物価、国民生活への重要な影響を考慮して、ぎりぎりのところで決めたい、こういう趣旨であることをまずもって申し上げておきます。 さて、経済見通しの達成困難なことは御指摘のとおりでございますが、私どもは困難にめげず全力を尽くしております。まず五十四年度の四・七%は、もう宮地委員御承知のように最初は四・九ということでやっておったのですが、卸売物価がどんどん上がるじゃないか、そんなものは達成できやせぬよとずいぶん言われたのです。しかし必ず達成いたします。四・七をわれわれは達成をいたします。それから六・四についても、先ほど来ものすごくいろいろと御批判があったわけでございますが、いま宮地委員が御指摘のように、これもいまからもう旗をおろしてしまうということでは本当に何もかも崩れてしまうわけでございますので、われわれとしてはこれを死守する、ぜひ守っていく、そしてまた、春闘その他もそういう前提のもとにいろいろやっていただくことを期待しておることはもう申し上げるまでもないことであると思うのでございます。 そこで一番大きな問題は、公共料金の値上げ、特に電力、ガスの値上げということが非常に大きな問題点であることは、これはもう御指摘を待つまでもなくわれわれも十分心得ております。そこで、筋を通してぎりぎりのところで結論を出したい、こう考えておるわけでございます。そのほかの卸売物価が相当上がっておりますけれども、これはいまごらんのように、五十四年度よりは五十五年度においては卸売物価の方は若干上がり方が少なくなっておるわけでございまして、それらの努力をこれからいたすわけでございます。円レートの状況はいま非常に心配すべき状況でございますが、これまた日本銀行、大蔵省において全力を尽くしておられます。各般の外交的な努力、経済交渉その他を通じまして、また国内における総合的な物価対策というものの展開によって六・四%は必ず達成できるように私どもとしてはあらゆる努力を傾けていきたいと考えておるわけでございます。
○宮地委員 ただ、電力料金の値上がりが大きな引き金になりまして、一つは産業界における設備投資に冷却的な水をぶっかけるような作用になってはならないと思います。五十四年度の実績によりますと、民間企業設備が約一五%伸びているわけでございます。経企庁の見通しで今年度は九・四%の民間企業設備を見込んでおるわけでございます。今回のこうした電力の産業界に与える影響を考えたとき、この企業設備はどういうように理解をしていったらいいのか。達成に向かっての努力は十分わかるわけでございますが、設備投資意欲を冷やす働きにならないか、こういう点を大変心配するわけでございますが、この点についての見解を伺いたいと思います。
○正示国務大臣 御指摘のように、いままでわれわれは、個人消費支出それから民間設備投資、こういうものに大きく支えられて、五十四年度も経済の成長六%という目標は達成できる、来年はその点は低い姿勢で、若干低目に四・八%、こういうふうに見込んでおるわけでございます。ところが最近の情勢は、民間の活力といいますか、企業の各方面の活力は、われわれはいろいろ心配しておりますけれども、まだ相当根強いものがある。基調としては非常に堅調である、こういうふうに報道されておることは宮地委員も御承知であります。 そこで、やはり一番大事なのは物価の安定なんですね。どんどんインフレが進行するということになるとまず個人消費が落ちてしまいます。企業は将来の計画を立てることができなくなってしまいます。そこで、けさほど来ここでいろいろ議論されましたように、原油の供給量についても万全を期する。また、価格の安定については、産油国またIEA等の交渉によって適正なところにおさめるようにあらゆる努力をする。それからまた、消費節約をやっていただく、エネルギーの効率を高めていただく、いろいろなことによりまして、電力、ガスの妥当な料金の値上げがございましても、経済の成長は政府の見通しの四・八というのは達成できるもの。その点において、若干五十四年度と違って、対外的な輸出増進という面が出てまいりますことは、国際摩擦を非常に心配いたしておりますので、これは一国に集中することなく、多方面にわたって適正な輸出の伸展が行われることを全力を尽くして関係当局とともに努力をしていきたいと考えておるわけであります。
○宮地委員 そこで、電力関係から少し具体的にお伺いを進めてまいりたいと思います。 まず、国民の一人として、また多くの国民がなかなかわかりにくい、あるいは納得しがたいという問題に配当一〇%論の問題があります。きょうは大蔵省来ておると思いますので、この電力、ガスの配当一〇%問題について、これは増資をするために一つの必要なめどということで、証券取引所として慣行的に一〇%という一つのラインが引かれているわけでございます。この一〇%配当といわゆる増資との関係について、法的な問題についての御説明をいただきたいと思います。
○山田説明員 配当率と増資の関係につきまして、証券取引法上は、投資家の保護を図る観点からいわゆるディスクロージャー制度というものがとられておりまして、企業が不特定かつ多数を対象にいたしまして増資を行う場合には、あらかじめ大蔵大臣に対して、営業の内容でございますとか経理の状況を有価証券届出書という形で報告しなければならないということになっております。証取法上の増資に関する規定はこのようなディスクロージャー制度に関するものが中心でございまして、ただいま先生が御指摘になりましたような、一定の配当以上でなければ証取法上増資が認められないとか、そういう規定は全くございません。
○宮地委員 すなわち一〇%を圧縮しても増資は可能である、こう理解してよろしいわけですね。
○山田説明員 お答えいたします。 ただいま申し上げましたのはあくまでも証取法上の規定でございまして、現実の問題といたしまして、企業が希望どおりの増資の形態、時期、金額等を発行できるかどうかということはそのときの状況等によろうかと思います。したがって、一概にこの場でできるということを申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、時価発行増資というような場合でございますと、これは、アンダーライターである証券会社が時価で新株式を引き受けるわけでございますから、そのときの市況でございますとか会社の収益の見込み等々を勘案いたしまして、この時点で販売が可能であるというふうに判断いたしますれば当然増資ができることになるわけでございます。その判断の基準といたしまして証券界ではいわゆる自主ルールというような形で一つの基準を設けております。その中には配当率が一〇%というのが一つのめどであるというような規定もございますけれども、いま御議論になっております電力会社でございますとかガス会社のような公益性の高い企業につきましては必ずしも一〇%にこだわる必要はないというような規定になっております。
○宮地委員 そこで、エネルギー庁長官に伺うわけですが、今回の査定に当たりましてこの配当率一〇%が八電力からも申請の中に含まれてきているわけでございますが、北海道電力の認可に当たっては配当率八%という前例もありますし、いまの大蔵省の答弁のように、別に一〇%にこだわる必要もないわけでございます。国民の世論の中の多くにはこの際一〇%を八%以下に圧縮すべきではないか、配当率をそうすべきではないか、こうした声が強いわけですが、この点についてどのような査定事業に取り組んでおられるか、所見を伺っておきたいと思います。
○森山(信)政府委員 配当率につきましていま大蔵省の方から御答弁があったわけでございますけれども、いわゆる公募の場合の御説明がなかったような気がしますが、公募の場合はその一割というルールがもう少しシビアな運営をしておられるのではないかなという感じを私どもは受け取っておるわけでございます。これは一般論でございます。したがいまして、公益性の高いということは、逆に言いますと投資家としての、投資をされる方についても公益性が高いという、つまり安定経営がなされるという期待感があるのではないかという両面があるのではないかという気がいたします。そこで、企業経営の立場からの考え方と、投資をされる方がどういうふうに考えられるかという両面からの考え方で検討しなくてはいかぬということを基本的には考えておるわけでございますけれども、ただ、今回大変大きな上げ率の申請をいたしておりますので、その点に関しましては慎重に査定をする必要があろうか、こういうふうに考えております。
○宮地委員 慎重に査定するということは、一〇%配当率の変更もあり得る、こう理解してよろしいですか。
○森山(信)政府委員 慎重に査定をすると申し上げておりますのは、逆に言いますと、簡単に一言でよろしい、こういうふうに査定をするという意味ではないということでございまして、また、先ほどお答えいたしましたとおり、逆の立場の検討もあわせてする必要があるのではないか、そういう意味で各方面の意見を総合して十分なる検討を加える必要がある、そういう意味で慎重に査定をする必要がある、こういうふうに申し上げた次第でございます。
○宮地委員 事業報酬については八%論を堅持していく、こういうようなお話が先ほど来から明確に出てきたわけでございますが、配当率についてはその点を明確におっしゃらないということは、ある程度圧縮の可能性をわれわれは期待してもよろしい、こう理解してよろしいですか。
○森山(信)政府委員 各方面から配当率について御意見があることは承知いたしております。各方面の御意見と申しますのは、こういう公益性の高い事業については配当率をできるだけ抑えるべきであるという御意見もございますし、逆に安定経営をさせるためには配当率をいたずらに切るべきではないという両方の御意見がございますので、その両方の御意見に耳を傾けながら査定は考えてまいりたい、かように考えている次第でございます。
○宮地委員 その程度で大体われわれとしては前者の方を理解した、こう期待をしたいと思いますが、もちろんこれは資金調達面の問題を全く無視しての話ではございません、当然資金調達力という問題を無視して電力事業というものはあり得ないわけですから。しかし、現在の厳しい国民生活環境、国民経済の環境というものを考えたときには、北海道電力でも八%配当率で許可したわけでございますので、そうした面の事例に沿っても、逆にもしも八電力が一〇%配当で決定したとなると何かそこに不公平感がないか、こういう論議も出てくるわけでございます。そういう点ではぜひ一〇%の八%配当への配慮というものも十分現在の査定作業の中に織り込まれておる、こう理解したいと思います。再度、簡単で結構ですが、それで間違いございませんか。
○森山(信)政府委員 御期待の点は十分頭に入れておきます。
○宮地委員 さらに、先ほど来からも若干出ておりましたが、福祉料金体系の導入について、やはり生活保護世帯など比較的まだまだ社会的に弱いといいますか大変貧しい立場の方々も多いわけでございまして、所得の分配率の公平化という面においてもある意味では料金体系を複雑化するというデメリットもあろうかと思いますが、今回の大幅値上げの申請とともに、やはりこうした生活保護世帯などの方々に対して温かい手を差し伸べるというのも一つのあり方ではないか。むしろ福祉料金体系の導入を積極的にこの際検討すべきではないか、このように思いますが、通産省の見解を伺っておきたいと思います。
○森山(信)政府委員 福祉料金の考え方につきましては二通りの考え方があろうかと思います。一つは、先ほどもお答えしたのでございますけれども、いわゆる原価主義、公平の原則という立場からの考え方と、電気料金の立場を離れた、つまりほかの政策手段による場合と二通りの方法があるのではないかという感じがいたします。 私どもは、本来でございますと、原価主義、公平の原則から言いましてそこにはおのずから限界があるのではないかという気がいたしておりますけれども、たとえば北海道電力の場合には、先生御高承のとおり、一部の料金につきまして年度内は据え置きという措置もとったわけでございまして、これは原価主義、公平の原則の中に当てはまる範囲内でその政策をとらせていただいたわけでございまして、ほかの政策手段の期待を持ちながらも、電気料金の枠内で検討し得ることは検討させていただきたい、こういうふうに考えております。
○宮地委員 特にガス料金の関係につきましても今回新たに基本料金プラス従量制という二部料金体系を導入しているわけでございますが、やはりこの少量の使用者に若干不満の声もあるわけでございます。現行の水道料金などはこうした二部料金体系をとっているわけでございますが、そうした少量使用者に対しての配慮は全く今回は無視して突破をしよう、あるいは考えて何らかの手を打たれる、こういう点についてはどういうふうに検討されたのか伺っておきたいと思います。
○安田(佳)政府委員 ガス料金につきましては、今回の申請に当たりまして、先生いま御指摘になりましたように、二部料金制度を導入する考え方に立ってきておるわけでございます。 二部料金制の説明は省略させていただきまして、少量使用者に一体どういう配慮をしたかという点について説明させていただきますと、この二部料金をとるに当たりましては海外調査その他いろいろやった上、総合エネルギー調査会の都市熱エネルギー部会におきましてさらに慎重な御審議をお願いしたところでございます。その中間報告におきましては、二部料金を導入すべきであるが、その制度を導入するに当たりまして、基本料金の金額につきましては本来需要家原価を回収すべき水準に設定すべきである。しかしながら、そういうふうにいたしますと、少量需要家にとって急激な負担増となるおそれがありますので、そういうことのないような配慮が必要である、そういう報告をいただいたわけでございます。私ども、それでは需要家原価が本来どの程度であろうかということを調査いたしましたら、大手ガス三社で平均いたしますと、大体千二百円程度になるわけでございます。しかしながら、これをそのままやりますと、現在最低料金は六百九十円でございまして、六百九十円から千二百円に急激に負担増となるわけでございますので、そういう点を避けなければならないという観点から、今回の申請では、基本料金は従来の最低料金であります六百九十円として申請がなされているわけでございます。少量需要家につきましては、体系の変更がなかった場合に比較しまして割り安となる場合もございますが、一方体系変更に伴いまして相当ふえるところもございます。しかし、料金体系を変更いたしますと、改定率にある程度のでこぼこが出てまいりますのは、これは好ましくはありませんが、ある程度はやむを得ないものだというふうに考えておるわけでございます。しかし、都市熱エネルギー部会の御指摘もございますし、さらに査定までには一層の検討を加えてみたい、そういうふうに考えておるところでございます。
○宮地委員 特に東京瓦斯の場合は最低使用量が七立方メーター、そして東邦瓦斯が最低使用量八立方メーターというようなことで、若干一立方メーターの格差があった。それを六百九十円という基本料金でワンパッケージとして統一化するということは、やはりその積算の根拠に大変疑問があるんではないか、こういう声も先日の消費者代表の参考人の意見としてあったわけでございます。こうした問題についてはどのようにお考えになっておられるか、伺っておきたいと思います。
○安田(佳)政府委員 まず第一に、会社によりましていろいろと事情の相違がございますので、全部一律でなければならないというふうに考えているわけではございません。いま御指摘の二社の例におきましては、ガスのカロリー数が五千キロカロリーと四千五百キロカロリーと違っておりまして、七立方と八立方の差はそういう点も若干影響していたのではなかろうかというふうに考えております。
○宮地委員 結論的にこの少量使用者、特に今回三大手のガス会社についての基本料金六百九十円プラス従量制というやり方をとったわけで、あなたは改定時にはそうした問題が起きてもやむを得ない、しかし検討はしていく、こういうお話があったわけでございますが、この少量使用者のそうした配慮について前向きに取り組んでいく、このように理解して、よろしいですか。
○安田(佳)政府委員 制度を改正いたします折には、どうしてもある程度の出入りというものは生ずるわけでございます。現在の申請に当たりましても、都市熱エネルギー部会の答申を踏まえて、申請者といたしましては相当苦心した跡がうかがわれるわけでございますが、さらにいい方法があるかないかどうかは検討させていただきたいと思います。 〔野田委員長代理退席、委員長着席〕 しかし、現在の申請も一見したところでは相当いろいろな配慮をしておるという感じを現在持っておるところでございます。
○宮地委員 そこで、現在三大手のガス会社の申請が出ているわけでございますが、ガス会社は、三つの大手は基本的なそうした二部料金体系がここで確立ができてくるわけです。しかし、まだまだ地方都市においては中小のローカルのガス会社があるわけです。私の埼玉県におきましても、大宮、浦和、川口方面は東京瓦斯さんにお世話になっている一部がございます。まだまだ県北、県西地域においては地方の都市ガスを使っているわけでございます。そうした中小の都市ガス関係の会社における料金体系は、旧態依然とした料金体系をとっているわけでございまして、そうした都心の三十キロ圏、お隣は東京瓦斯さん、その近隣の都市は中小の都市ガス、こうした状況があるわけでございますが、そうしたローカルの中小ガス会社の料金体系の間にギャップが生じないか。その点については今後どういうような計画で指導されようと考えておるか、伺っておきたいと思います。
○安田(佳)政府委員 地方ガスにつきましては、これは大手三社と事業規模において相当差がございますが、同時に、それぞれの供給地域におきます需要構造とかあるいは会社の供給構造、経営形態等において著しい格差がございます。そのような格差がございますところに、同じ大手のガス会社に対すると同様の料金体系を直ちに適用するということは、いろいろ困難もございますし、また混乱も予想されますので、改善の進め方につきまして、いま少し時間的な余裕をいただきまして検討をいたしたいというふうに考えておるところであります。
○宮地委員 その中小の地方ガスの会社の現在までにおける値上げ申請の状況、また、すでに多くの会社が認可を受けているとも聞いているわけですが、その認可の実情、そして現在申請中の中小ガス会社がどのくらいあって、どの程度の平均値上げ率で申請が出ているのか、その辺掌握しておりましたら御説明いただきたいと思います。
○安田(佳)政府委員 地方ガス事業者は現在全国で二百四十六社ございます。このうち昨年の十月一日から二月二十九日までに料金改定を申請いたしましたものが百八十九社ございます。その理由は、原料といたしておりますブタン、ナフサその他の値上がりということで、ブタン等につきましては三倍以上くらいに上昇しているというような話でございます。そのうちすでに認可いたしましたものにつきましては九十四社ございます。そして現在申請を行いましてまだ認可まで至っていないガス事業者が九十五社ということに相なっておりまして、その平均の料金改定率は五七%程度ということでございます。
○宮地委員 五七%というのは九十四社の認可をした平均値上げ率と理解してよろしいですか。
○安田(佳)政府委員 五七%と申し上げましたのは、ただいま申請を行っております九十五事業者の平均の申請の値上げ率でございまして、すでに認可済みでございます九十四業者につきましては、平均いたしまして四二%でございます。
○宮地委員 特にローカルの中小ガス関係の会社については、大手三社と比べまして燃料の供給源がやはり二次的、三次的流通段階からの導入も非常に多いと言われております。それだけに大変に経営的な圧迫も大手三社に比べまして強い、こういうことも聞いております。それが即値上げということになりますと、その地域の消費者も大手三社に比べて大変大きな値上げ額になるわけでございまして、同じ都市ガスを使いながら実際にはそうした全国的なばらつきというものができてきてしまうわけでございまして、消費者サイドあるいは中小企業対策、こうした面からも、この調整は大変にむずかしいと思いますが、どうかそういう点についても慎重な、また国民経済を十分考えた中で対応を積極的にしていただきたい、この点について通産大臣の所見を伺っておきたいと思います。
○安田(佳)政府委員 大臣がお答えになる前に、簡単に御説明をさせていただきます。 先生御指摘のように、地方ガスの料金も大変重要な問題でございますので、当省といたしましてはこの認可に当たりましては特に慎重にやるように指示をしているところでございまして、できるだけ厳正にかつ慎重に査定するよう心がけているところでございます。
○佐々木国務大臣 お話しのようにローカルな特色もいろいろありましょうし、そういう点も考慮して慎重に査定するように相談してございます。
○宮地委員 そこで、話をまた電力に戻すわけでございますが、先ほどエネルギー庁長官は、この電力値上げの一番のポイント、大きな要因は何といいましても燃料の値上がりと為替レートの円安傾向、この二つの柱が中心となって大幅値上げになってきたわけでございます。CIF価格で三十一ドル強というお話を先ほどされましたけれども、これは総合的なFOB価格にしますとどの程度になるのですか。
○森山(信)政府委員 三十一ドル強というふうに申し上げたのではなくて、先ほどお答えいたしましたのは、三十ドルをある程度上回る数字であるというふうにお答え申し上げましたところ、重ねて御質問がございまして、北海道電力のときの三十一ドルとどうなるのかということでございましたので、それよりは上になりましょうというふうに申し上げた次第でございます。したがって、三十一ドル強というのはひとつお忘れいただきたいと思うわけでございます。三十ドルをある程度上回る。と申しますのは、現在買ってきております原油が、二月、三月に入ってまいりますのがこれは非常なばらつきがあるわけでございますので、そのばらつきをいま一つ一つチェックしている段階でございますからいま直ちにはっきりとした数字を申し上げる段階ではないということでございます。ただ、この二月に入りまして、たとえばイランでございますとかインドネシア等々がいわゆGSPを値上げしておりまして、イランは二ドル五十セント上げたわけでございますから、それがどういう具体的な影響になってくるかということをいま数値をはじいているということでございますので、恐らく三十一ドル強にはならないのじゃないか、もう少し上になるのじゃないか、こういう考え方を持っておるところでございます。
○宮地委員 それは一バレル当たりの総合FOBの原油価格、こういうふうに理解してよろしいのですか。
○森山(信)政府委員 私が申し上げましたのはCIFの価格でございまして、CIFとFOBの差は現段階におきましては大体一ドル二十六セントないし一ドル三十セント見当ではなかろうかと考えております。
○宮地委員 それからエネルギー庁長官は、この 一年間程度は原油の高騰は余り行われないのではないか、こういうお話を先ほどからしております。ということは、逆に言えば、燃料費については査定時の実勢価格で判断する、こう理解してよろしいですか。
○森山(信)政府委員 私が繰り返しお答え申し上げておりますのは、ことしの一年間に限ってみた場合には、先ほど申し上げたような数字でおおむね推移するのではないか。もちろん若干のでこぼこはあろうと思いますけれども、上昇する部分と安くなる部分と入りまじるのがことしの原油価格の趨勢ではないかと考えております。たとえばGSP、政府の公式販売価格等は若干まだ上がるところもあるかもしれませんけれども、いわゆるスポット物の動きがある程度軟調になってきますので、その関係をバランスいたしますとおおむね大きな変化はなかろう、こういう考え方を持っておりますので、そういう考え方を持っておるところが査定をいたすということになりますと当然そういう考え方で査定をする、こういうことになろうかと思います。
○宮地委員 たとえば東京電力などの場合は、スポットもプレミアも全部含めましてFOBの総合価格で一バレル当たり三十五ドルぐらいと申請は算定しているわけです。これについては高いと判断されますか、それとも実勢から見て妥当と判断されますか。
○森山(信)政府委員 東京電力に限らず、八社平均いたしまして五%ないし一〇%の値上がりが本年中にあるという想定でいまおっしゃったような数字を申請いたしておる次第でございます。 そこで、高いかどうかという判定は、その五%ないし一〇%上がるであろうという想定が果たして妥当であるかどうかの判断にかかってくると思うわけでございますけれども、私どもは、先ほど申し上げましたとおり、ことしは五%、一〇%といった幅の変動はないのではないか、こういう見通しを立てておりますから、高いという価値判断ではなくて、私どもの査定方針は、私どもの原油の見方によって査定をさせていただきたい、かような考え方でございます。
○宮地委員 大体わかってきましたけれども、大体この五%から一〇%の値上がりは予想されないということは、逆に言えば、実勢価格の現在の三十一ドルから二ドルぐらいが妥当の線ではないかとわれわれは理解したいのですが、この点については大きな変動はございますか。
○森山(信)政府委員 いま査定中でございますので的確なお答えはできませんけれども、少なくとも北海道電力を査定した時点の実勢価格が三十一、ドルと、こう見たわけでございまして、その後、先ほど申し上げましたように、大口といたしましてはイラン及びインドネシアが値上げをしたわけでございますが、その部分を会社側が、たとえば八社及びガス会社がどの程度買っておるかというようなことも考えまして査定を加えていく、こういうことになろうかと思います。
○宮地委員 次に私は、今回の値上げが、どうもいろいろマスコミの報道などを見ておりますと、原価計算期間が一年間であるということは、一年後においてやはりOPEC等のそうした値上げの状況が大きく変化した段階においては、来年もまた再度値上げが行われるのではないか、こうした国民の危惧があるわけでございまして、言うなれば、どうも今回政府はある程度は圧縮するけれども、実質二段階方式による値上げをとるのではないか、こういうようにも国民は見ているわけでございますが、この点についてはどのように理解をしたらよろしいでしょうか。
○森山(信)政府委員 けさほども御答弁申し上げたところでございますけれども、原価計算期間と料金の期間とは必ずしも一致するものではないという考え方を持っております。確かに一定の期間を限りまして原価の計算をするわけでございますけれども、それが終わりましたら直ちに次の料金改定をするというものではなくて、できるだけ一日でも長く料金を据え置いてもらいたいというのが公共料金に対する基本の考え方でございますから、私どももこの一年間の原価計算期間が終了したら直ちに料金改定というようなことを考えておるわけはないということを御理解いただきたいと思います。
○宮地委員 たとえば、どうしても私たちが疑問を持つのは、石油ショックのときの電力料金の改定の一つの事例というものがあるわけですね。あのときはたしか昭和四十九年の五月に九電力平均五六・八%上がったわけです。そのときは、油の値段が一挙に四倍になったという燃料費を中心とした値上がりとわれわれ理解したわけであります。しかしながら、間もなく、一年ちょっとですな、五十一年の夏に今度は二三・〇七%の値上がりが行われたわけです。このときは、どうもいろいろ調べ、聞いてみますと、設備投資の費用を中心とした原価主義にのっとった値上がりである、決して私たちは疑うわけではございませんが、どうもこういうものを見ていますと、結果論ではございますが、やはり通産省のとった措置というのは、石油ショックのときもどうも二段階方式による値上げを実行したんではないか、こういうような見方もあるわけなんです。ですから、今回も電力業界は原価計算期間を当初二年間でやってもらいたい、こういうお話があったようですけれども、いろいろの経過の中でこれが一年間に圧縮されたということは、折衷案として、どうも一年後の再値上げというものが当然またクローズアップされてくるんではないか、こういうことがわれわれとして大きな懸念と心配になるわけです。この点について通産省として、エネ庁の長官としてどういうふうに考えておられるか、伺っておきたいと思います。
○森山(信)政府委員 二段階料金制が適用されましたのが前回の五十一年の改定のときでございまして、それ以来二段階という話がちらほらいたしますけれども、私どもは基本的に申し上げますと二段階料金制は厳密な意味での原価主義とはちょっと異なるんではないかという見解を持っておるわけでございます。したがいまして、緊急避難的な場合はともかくといたしまして、原価主義という立場に立ちますと二段階料金制は好ましい制度とは事務的には思っておりません。 そこで、いまお尋ねのこの一年間の原価計算期間が終了したら次に二段階目の、つまり来年五十六年の四月以降また改めて改定を考えておるんじゃないか、そういう意味で二段階を考えておるんじゃないかという御質問に対しましては、全くそれは考えておりませんというお答えをせざるを得ないわけでございます。私が繰り返し申し上げておりますとおり、燃料費、特に原油の値段がこの一年間私は変動はない、こういうふうな見通しを持っておりますので、その見通しどおりになれば二段階料金というものは全くあり得ないわけでございまして、私どもが少しでもこの一年間の原油の値上がりにつきまして不安がございますれば、当然にことしの燃料費の見方についてまた違った意見もあるわけでございますけれども、くどいようでございますが、私どもは変動はない、こういうふうに見ておりますから、その論理に立ちますと、二段階目の料金を考えるわけもないということをぜひとも御理解を賜りたいと思っておる次第でございます。
○宮地委員 いまいみじくも長官は緊急避難的に二段階的な方式を石油ショック時にはとった。私は今回の電力、ガス料金の値上げにおいては、まさにこれは緊急避難的な配慮があっていいのではないか、こう思うのです。この点については大臣の所見を伺っておきたい。 また、経済企画庁長官も、現在の国民経済の置かれた厳しい環境の中において、この電力料金の値上げ問題については、私は緊急避難的という配慮があっていいのではないか、こう思いますけれども、両大臣に少し、決意を含めて、時間も参ったようでございますので、結論的にお話を伺いたいと思います。
○佐々木国務大臣 私の承知している範囲では、電力料金をこの前に値上げして以来四年ぐらいたっておりますし、その間、ことしの三月末までは一切料金値上げはせぬということで、ずいぶん電力会社としてはつらい経理環境に置かれながら、いままで公益的な任務を果たしてきたと思います。 しかるところ、イランの問題が発生以来、不可抗力的に原油が上がってきているものですから、それに対応してやはりどうしても燃料面からやむを得ざる値上げをできますれば早くしていただきたいということで申請してきているわけでございまして、先ほど来申し上げましたように、会社自体の経営の放漫さ等からきたものでありますればまだしもでございますけれども、しかし、外来的な要因が主でございますし、はたまた電力会社としては代替エネルギーの開発という膨大な任務に立ち向かっていこうとしているところでございますので、そういう点を兼ね合わせまして、その使命も果たさんとすれば、どうしてもこの際電力料金をある程度上げてもらわざるを得ないということで申請してきたというふうに承知してございます。そうでございますから、緊急避難というよりは、やはりやむを得ざるものとしてこれを上げてもらいたいということで、一年間の期間で原価計算をいたしまして、そして申請をしたものと考えますので、長官の申しましたように、事情が重大変化をしたとき、言うなれば原油の価格の問題で非常な変化を来したりあるいは開発に対してもっと激しい変化をしたというふうな激変動がありますれば別でございますけれども、そうでない限りは、いまの査定の結果で、できるだけ、一日も長く今度決めます料金でやっていただきたいというのが私どもの念願でございます。
○正示国務大臣 宮地委員にお答えいたしますが、最初やっぱり電力会社は、二年を原価期間として申請するという考えもあったと思うのですよ。そういうとき、宮地委員のような御提言も、あるいは事務的には、好ましいことではないけれども前例があるという意味で、そういう考え方はあったと思うのですが、これは消えたわけですね。一年にして、原価主義、公平の原則で査定してください、こういう態度ですから、私はその御議論は、もう一年原価で申請をしておる今日は適用はできない。したがってわれわれは、先ほどエネルギー庁長官から御説明がありましたように、また来年値上げするという前提ではなくて、この際われわれとしてのできる限りのデータによってぎりぎりのところをひとつ計算いたしまして、また来年値上げすることのないようなことを考えながら査定をいたします、そして、そういう査定によって電力会社の運営がスムーズに行くようにあらゆる努力を傾けて、この原油の確保、またインフレの高進に対する政府の物価対策、そういうものを進めます、こういうことでなければならぬと考えておるわけであります。
○宮地委員 特に日本経済のかじ取りのかなめである経企庁長官でございから、先ほどからお話しございましたように五十五年度の経済運営の最大の眼目は物価の安定ですから、どうかそういう点の配慮をゆめゆめ忘れずに、国民生活防衛の立場に立って厳格にこの問題について奮闘されんことを御要望して終わります。ありがとうございました。
○井上委員長 岩佐恵美君。
○岩佐委員 今回の電気料金の値上げは八社平均六四・四%、それからガスが東京ガスで見た場合に五二・九%と大幅なものになっていて、国民の生活は大変な打撃を受けることになります。とりわけ、先ほどからも問題になっておりますけれども、生活保護世帯やあるいは福祉施設等への影響が非常に深刻であると思います。きょうは厚生省に来ていただいておりますけれども、具体的に厚生省の方で、生活保護家庭あるいは福祉施設で今回の大幅値上げによって一体どのような影響を受けると見ておられるか、そのことをお答えいただきたいと思います。
○岡光説明員 まず生活保護世帯について申し上げますと、五十三年度に被保護世帯の生活実態調査をやっておりますが、これによりますと、一級地のいわゆる標準四人世帯で一カ月当たりの電気料が二千九百四十九円、それから都市ガス料が二千九百九十四円、合わせまして五千九百四十三円となっております。これは、いわゆる生活扶助、教育費であるとか住居費であるとかそういったものを除きました基本的な生活費でございますが、その生活費に対しまして約四%を占めております。 それから社会福祉施設につきましては、これはもう先生御承知のとおり、施設の種類とか設備、それからその置かれております場所によりましてその使用量が非常に区々まちまちでありますが、総体の姿でいわゆる運営費を出しておりますのでその運営費の姿で申し上げますと、五十三年度ベースでございますが、総額約七千二百億に達しております。その中で光熱費は三百億でございまして、この割合は四%になっております。このうち電気料が百二十億で一・六%、都市ガス料が約四十億で〇・六%、合わせまして百六十億の二・二%、こういうのが使用の実情でございます。 現在申請が出されております改定が行われた場合にどんな影響を与えるかということでございますが、いま申し上げましたような電気、ガスの使用実績からかんがみまして、仮にただいま申請どおりの値上げということになったとするならば、まず生活保護世帯につきましては、標準四人世帯ベースで申し上げますが、その影響は三千五百円程度の支出増になりまして、これは五十五年度の生活扶助基準の約三%弱に当たります。それから施設の関係でございますが、成人施設の代表的な施設にいわゆる一番重い手当てのかかる老人を入所さしております特別養護老人ホームというのがございます。これを例に申し上げますと、入所定員八十人規模で電気及び都市ガスを合わせました支出実績、これは全国平均で推計をしておりますが、年額約二百二十万円でございますので、申請どおりの上げ幅であるとするならば、その影響額は約百四十万円と試算されます。それで五十五年度におきます特別養護老人ホーム八十人の場合の運営費の年額が約一億四千万でございますので、これに対しましての割合は約一%、こういうふうな状況になるのではないかというふうに現在のところは把握しています。
○岩佐委員 大変な実態であるということが言えると思いますけれども、厚生省としてこれに対して何か具体的な対策をおとりになっているんでしょうか。
○岡光説明員 生活保護世帯それから施設の入所者についての生活費の改善でございますが、これにつきましては従来から政府の経済見通しをもとにいたしまして、国民の消費動向がどういうふうに変わっていくか、それから物価がどういうふうに変動するか、そういったもろもろのことを総合的に勘案をいたしまして改定を行っているところでございます。したがいまして、個々別々の品目の値上げが要するに総体として反映されているというふうにつかまえておりますので、そういった総合的な把握で一応対応できるのじゃないかというふうな考えておるわけでございますが、そのような考え方に基づきまして五十五年度は八・六%の引き上げを行おうとしております。いまも申し上げましたように、物価動向もそういった総合的な指標の中に入っておるというふうに考えておりますから、公共料金等の引き上げがいろいろありましょうが、こういったものを含めた物価というものを考えておりますので、総体としまして今回の八・六%の改善の中に織り込まれておる。非常に苦しいかもしれませんが、何とか生保世帯なり施設入所者の生活が確保できるのではないかというふうに考えております。 しかしながら、私ども特に電気、ガスに焦点を合わせて考えますときに、まさにこれは日常生活の必需品でございます。それからまた、特に生活保護世帯あるいは施設入所者というのは物価の変動の影響を非常に受けやすうございますので、そういったことを考えますと、できるだけ料金改定の影響が少なくなるようにしかるべき配慮が必要なんじゃないだろうか、そんなふうに考えておりまして、関係省庁ともいまいろいろ御相談をしておるという段階でございます。
○岩佐委員 いま厚生省からも話がありましたように、今回の大幅な値上げというのは生活保護世帯あるいは施設に対して大きな影響を与えるので、いままでの八・六%の中で見るということ自体が大変だということで、通産省あるいは経済企画庁の方にも恐らく行っていると思いますけれども、そういう陳情をしているということを伺っておるわけであります。こうした物価高の事態であればあるほど、今回この八社の電力料金そしてガス料金の値上げについて、従来やってきたことでございますので、特別な配慮をしていただきたい、このことを要望し、両大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○森山(信)政府委員 福祉料金の考え方につきましては、いま厚生省の方からお話がございましたように、国の全体の問題としてとらまえるというとらまえ方がまず一つあるのではないかと思います。しかしながら、やはり電気料金の枠内でできますことは精いっぱいの努力をさしていただきたい、かように考えております。
○岩佐委員 大臣に一言ずつで結構です、結論だけ。
○佐々木国務大臣 先ほどもお話し申し上げましたが、原価主義、公平主義という原則の中でございますので、生活保護世帯その他に対して、これを特別に扱うということは制度上許しませんし適当じゃないと考えますが、しかし、激変緩和というような意味で、全般的な対策が支出その他にかかわるまで何らかの措置を検討してみたい、こう思っております。
○正示国務大臣 先ほど厚生省からお話ししましたように、公共料金の改定その他による物価の高騰をある程度織り込んで予算はつくっておりますけれども、岩佐委員も御承知のように、物価というものはできるだけ安定させるように努力しなければなりません。電気料金、ガス料金はもとよりでございますが、その他の物価政策全体を強力に展開いたしまして、予算で見込みました範囲内におさまるように努力してまいりたいと存じます。
○岩佐委員 次に、ガスの二部料金の問題について伺います。 東京瓦斯の場合でございますが、二部料金制を導入することによって——この間も公聴会で伺ったのですが、全世帯のうちの六五%、三百八十万世帯が、いままでの体系の値上げよりもずっと上がってくる、平均値上げ率よりも高くなるというふうなことが言われました。しかも、五千キロカロリーで五立米から百十五立米と一般家庭が非常に使う使用帯なのですね。そのところが大きな影響を受けるということが一つの問題だと思います。 それからもう一つの問題として、五千カロリーで言えば、六立米から十M米のところ、それから一万一千キロカロリーで言えば三立米から五立米のところのアップ率が異常に高いわけですね。もう御承知だと思いますけれども、たとえば五千キロカロリーで言えば、七立米のところでは七五・一%の値上げ率になります。一万一千キロカロリーで言えば、三立米のところでは七六%というようなアップ率になります。いま申し上げたこれらの世帯、異常に高くなる世帯ですけれども、その世帯数は、全体の五百三十万件のうち三十六万件で、構成比が六・八%だというふうなことでかなり多いのではないかというふうに見られます。しかも、こういう少量利用家庭は、お年寄りとかあるいは母子家庭だとか、あるいは下宿している学生、そういう人たちがすごく影響を受けるというふうに考えられるわけです。先ほども答弁の中でございましたけれども、五十五年一月八日の総合エネルギー調査会都市熱エネルギー部会の中間報告のまとめで、二部料金制の導入について、少量需要者に対して急激な負担にならないように配慮する必要があると指摘しているわけですが、この七〇%前後の値上げというのはかなり大きな値上げですし、急激な負担増ということに当たると思います。このいま申し上げました前者の一般家庭が使うところ、その利用帯が、今回の二部料金制によって非常にアップする、とりわけそういう限られた少量利用者のところにまた大きなしわ寄せがいく。この点について、やはり私は今回の二部料金制導入というのは、根本的に大きな問題を抱えているのではないか、やはり検討されるべきなのではないかというふうに思うわけですけれども、この点いかがでございましょうか。
○安田(佳)政府委員 いま先生が御指摘になりましたように、その使用量によりまして、従来料金と比較しましたときの差額に関して、あるところではプラスができ、あるいは安くなり、あるところでは高くなるというような事情が出てきております。たとえて申しますと、全く使用しない場合は三百五十八円安くなる。ところが一番差額が多いところを見ますと、月間七立米を使うところでございますと、これは東京瓦斯の例でございますが、体系変更がなければ千四十八円になるところが、千二百八円と百六十円高くなるというふうなところもございます。御指摘のように、六立米から十一立米の場合におきましては、東京ガスの平均改定率が五二・九九%でございますが、それを一〇%以上上回る改定率となっております。しかしながら、その使用量には季節変動もございまして、特定の需要家が常に割り高になるというわけでもございません。たとえてみますと、月間使用量が七立米という家庭をとってみますと、これは改定率が七五・一%という最も高い改定率になっているわけでございますが、この七立米の需要家についてサンプル調査でどういうような年間の使用量になっているかというものを調べてみたわけでございますが、そうしますと、この二部料金制を導入することによりまして、割り安となる月もございます。これがおおむね六カ月程度、割り高となる月がおおむね六カ月ということになっておりまして、年間を通してみるとほとんど変動がないということもございます。したがいまして、単にこの料金で平均で何立米であるから何%ということでなしに、月間の使用量に応じましていろいろ割り高の率が出てくるのではなかろうかと思います。 先ほども申し上げたわけでございますが、やはりいまの料金体系にはいろいろ欠陥がございますから、新しいよりすぐれた料金体系に変えたいというふうに考えて、いろいろな学識者の方々にお願いしましてこの体系を検討したわけでございます。その結果こういう制度が最もいいということになったわけでございますが、体系を変えるということになりますと、どうしてもある程度でこぼこができるわけでございますが、このでこぼこは特定の人がいつもそこに張りついているのではない。たまたまそういう使用量のときは割り高になるということでございますので、もちろん百六十円といえども出費として大きなものではございますが、ある程度のでこぼこというものは御容赦いただかなければならないということも御理解いただきたいというふうに思うわけでございます。
○岩佐委員 このことについてはそう議論を続けるということも時間の関係でできませんけれども、ただ、いま言われたのは一つのサンプリング調査であるし、それがすべての利用者に当てはまるということは当然言えないというふうに思います。それから五立米から百十五立米のところは二部料金制にすることによって、従来の料金体系から見れば、やはり負担増になるということは明らかだし、それから五立米から百十五立米のところ、私どもも一般標準家庭だというふうに思いますけれども、そういうところは毎月の使用料は大体変動なしにやはり負担増になっていくわけでございますので、その点を検討されるという含みがあるようでございますので、ぜひ負担が偏らないように検討していっていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。 それから次に、事業報酬の基礎となるレートベースで核燃料の購入額の割合が大変高いわけです。総額核燃料資産が八社平均で一兆二千八百四十七億、これはレートベースの八・一%を占めるわけです。これは事業報酬八%を掛けますと、一千二十七億円と膨大な額になって、これが料金を押し上げる一つの大きな原因になっているわけでございますけれども、この核燃料の購入額が、五十三年度大変一挙にふえているというような事態があるわけです。五十三年度の場合に総額で一兆一千九百六十三億、前年に比べて六千四百六十四億円ふえている。五十一年から五十二年にかけての増額が一千百八十三億円、これから見ると約六倍と異常にふえているというような実態があるわけでございますけれども、これは政府がドル減らし対策として外貨で十億ドル、それから円貨にすると千八百九十億円ということで、全額輸銀の融資ですね。利率は六%だったようですけれども、輸銀の融資をして買うことを奨励したというようなことがあって、五十三年度はかなりこの核燃料の資産をふやすというような実態になっているというふうに私たちは理解をしているわけですが、この点については事実関係としてそういうことなのかどうかお答えをいただきたいと思います。
○安田(佳)政府委員 五十三年度末の燃料保有量の増加のうち、米国からの緊急輸入によるものは、これは日本全体の総額でございますが、二千億円弱ということになっております。
○岩佐委員 約十億ドルになるわけですね。これは十億ドルをドル減らし対策として、しかも、政府が輸銀の融資をして、それで電力会社に核燃料を買わせて、それでそのツケを消費者に回すというようなことというのは非常に大きな問題だというふうに思うのですね。いま装荷中の核燃料と資産、これを比べると三十二倍も核燃料があるという実態であるわけで、この点は厳しく査定をされるべきだというふうに私は考えるわけですけれども、いかがですか。
○安田(佳)政府委員 核燃料につきましては、これは粗鉱から製錬、転換、濃縮、再転換、成形加工、ジルカロイ管製造、燃料体の組み立てというふうに、非常に多くの工程を経て製造されるものでございます。したがいまして、実際に炉に装荷される相当前において手当てをする必要があるわけでございます。 五十三年度に実施いたしました御指摘の緊急輸入は、国際収支の大幅黒字解消を図るという趣旨もございましたが、同時に、原子力発電の安定供給を図るというような観点から必要なこういう核燃料の手当てを、できるだけ長期的かつ確実な形で確保するという観点から実施したものでございます。それによりまして、原子力発電の円滑な推進、そしてひいては電力の安定供給というものが図られるというふうにわれわれは考えているところでございます。 なお、三十二倍という御指摘がございましたが、その三十二倍が現実にどの程度の年数のものであるかということにつきましては、私は、三十二倍という数字よりも、むしろおおむね五年程度というふうに考えていることをつけ加えさせていただきたいと思います。
○岩佐委員 一つは、濃縮ウランというのは世界的に各国で需給体制がだぶつきぎみであるというふうな専門家筋の話があるわけですね。 それからもう一つ、いまの装荷中の核燃料から資産を比較すると確かに三十二倍、年数にすれば五年だ、六年だいう話があるわけですけれども、それはあくまでも全部の原発がフル稼働をし、しかも現在建設中のものが建っていくというようなことを入れて、それで計算されるというふうに思いますので、私どもとしては、やはり三十二倍ということはどう考えても多過ぎるんではないかというふうに思って指摘をしているわけです。 それから、これは公聴会でも指摘をしましたけれども、ことしの二月二十七日の読売新聞によりますと、アメリカからポーツマスの濃縮ウラン工場の建設に参加するよう、あるいは濃縮ウランを買い増すようというような要請が来ていて、総額十億ドルになるという話があるということが言われているわけですけれども、五十三年のドル減らしの十億ドルじゃないですけれども、これ以上私たち国民がこういうことを負担をしていくというのはどうかと思うので、この点について通産省の考え方を伺いたいと思います。
○安田(佳)政府委員 米国エネルギー省の濃縮ウラン関係者が一月中旬に日本に参りましたときに、日本側関係者に対しまして、ごく非公式ではございますが、ポーツマス工場の増設に日本側から投資するアイデアはどうであろうかという打診があったことは事実でございます。しかし、これはあくまでもぼんやりとしたアイデアの提示にとどまるものでございまして、具体的な協力要請とか提案とか、そういったものではございません。したがいまして、一体金額がどのくらいであろうかとか、条件がどういうものであろうかというものには全く触れてないところでございます。
○岩佐委員 いずれにしろ、いまのアメリカと日本の関係を見ると、かなりアメリカに協力的であるというような事態があちこちで見られるわけで、こういう消費者に、利用者に負担がかぶるようなそういうようなことを勝手に電力会社にやらせるというような態度は慎んでいただきたいということを要望として申し上げておきたいと思います。 それから次に、原油の問題燃料費の問題について触れたいと思います。 実は、当委員会で電力各社に対しましまして、あるいはガス各社に対しまして、燃料油、特に油の値段がちっともわからないじゃないか、その価格を出すべきだということで要望して、その資料が出てまいったわけでございます。 最初に出されました資料は、これもちょっと参考のために申し上げておきたいと思うのですが、大体、電気事業連合会というところから八社のものが全部そろって出てきているわけですね。これも、幾ら独禁法適用除外だといっても、ちょっと行き過ぎじゃないかというふうに思います。 それからもう一つ、これをずっと見ていて、FOB価格だとか、あるいは消費単価だとか、そんなものがずらずら書いてあるわけですね。これじゃもうどうしようもないということで、当委員会で検討してもっとちゃんとした数字を出すようにということで、各社から出し直してこういう資料が出てきたわけでございます。そうして、こう見比べてみてわかったのは、大変問題だと思うのは、最初に出してきた資料は、重油換算で、それこそ原油もナフサも、燃料油全部込みでばあんと出してきたわけですね。私たちは、これは原油なのかと思って一生懸命見ていたわけです。これは原油じゃないんですね。それで、次に出てきたものが、原油とかナフサとかいろいろ分けて出てきている。うっかり知らないでいるととんだことになるような資料が、ちょっと括弧して重換と書いてあるんですけれども、気がつかない。特に消費単価のところには重油換算と書いてありますが、FOB価格想定値とか、こういうのが後ろにくっついているものですからなかなかわかりにくいということで、大変問題がある資料でございました。 この資料に基づきまして、先ほど言われた北電の認可、CIFで三十一ドルですね。これと、それから八社各社のいわゆるCIF価格のところまでこれを試算をしてみますと、総額で二千八十八億円の水増しがあるというふうに——水増しといいますか、三十一ドルとの違い、私どもから言えば水増しということになるのですが、これだけあるということが計算上出てくるわけでございます。 それに加えて、たとえばこの資料によると、CIFの三十一ドルに加えて人件費だとか、物価等の上昇とか、あるいは関税、フレート、備蓄、防災、その他——いわゆるさっきから問題になっているその他経費ですね。これが七千七百円から一万一千二百円の幅で各社出してきているわけですね。ですから私が申し上げたのは、CIFの段階で計算すると二千八十八億の違いが、水増しが出てくる。それに加えて、このCIFから電力会社が使う消費価格の間までも、七千七百円から一万一千二百円の幅でもって水増しがあるのじゃないかということが想定をされるわけですね。ここのところは、どうも資料がないので、どれが厳正なものなのかよくわかりませんけれども、ぜひ厳しく査定をしていただきたいというふうに思います。 それから、今回出された資料で、いま申し上げたのは原油だけしか、しかもCIF段階でしか検討ができないわけですけれども、この原油は、重油換算で燃料費の中の二三%しか占めていない、あとの七七%というのは私どもはわからない、そういうような状況になっているわけですので、この燃料の問題については、今後厳しく査定をしていただきたいのと同時に、やはり資料はできるだけまじめなものを出していただきたいし、真実なものを出していただきたいということを意見として申し上げたいと思います。お考えを伺いたいと思います。
○森山(信)政府委員 資料は、できるだけ公開できるものは公開をいたしたいというのが私どもの基本的な立場でございますけれども、いまお話のございました中で、実は一番大きな問題があると思うのです。 と申しますのは、その他経費という中に、いろいろ取引の実態が明らかになる要素が入っておりますので、それを公開いたしますと、先生が御指摘になりましたように、高いところと安いところが会社によって違いますので、標準価格的なものを設定しておれば別でございますが、これは石油を高く買う人はいないと思いますけれども、より安く買いたいという願望をとっております。これは石油会社が競争関係にあるわけでございますから、それと電力会社がしのぎを削ってこの油を買う——実はこの買う買い方というのは、大変熾烈なものだと思っておるわけでございますから、そこを余り明るみに出しますと、価格はむしろおかしなことになりまして、先生が御期待になっているのと逆なことになる危険性があるというので、私どもはお出しするのを差し控えさしていただいているということでございます。 前段に御指摘のございました、通産省は厳しく査定しろということにつきましては、私ども全く同感でございますので、その点については十分目を光らして査定をさしていただきたい、かように考えておる次第でございます。
○岩佐委員 問題は、今回の値上げの主な原因が原油の値上がりにある、そういうことで六四・四%という平均値が出てきているわけですね。だから、じゃ一体そこはどうなのかということで、国民があるいは国会がそこに大きな関心を持って、それで点検をする。これを当然だというふうに思うのですね。ところが、肝心かなめなところになると、それは競争関係がございますからとか、企業秘密でございますということで、いろいろな理由で出てこない。これでは国民が納得できない。それは当然だというふうに思うのですね。しかも同じ資料を出すにしても、わずか一日か二日の間に二回出てきた資料の違いを見ると、電力八社というのは、これはもう大変な会社だというふうに私ども思います。 また、通産省も、厳しく査定をしてくださいと、頼りは通産省だけですから、御信頼申し上げる以外にないわけですけれども、いろいろと灯油等、油の値段などについても、かなり業界の立場に立っておられるときもあるわけで、その点、重ねて要望しておきたいというふうに思います。いかがでしょうか。
○森山(信)政府委員 御指摘のとおり、今回の大幅値上げの最も大きな原因は燃料費の高騰にあるわけでございます。そこで私どもも、原油の見通しにつきまして、一年間の見通しを申し上げるのは、実は大変勇気のあることなんでございますけれども、一年間を見通しまして、ことしは値上がりがないでしょう、こういう見通しを申し上げたわけでございます。ただ、電力会社の申請は、ことしじゅうに五%ないし一〇%値上がりがあるんではないか。それに対しまして、全く違う意見を国会の場で申し上げたわけでございまして、これは私どもは、通産省の立場としては相当思い切ったことを言っておるつもりでございます。 それから、原油の価格というのがすべてに連動するわけでございまして、重油にいたしましても、ナフサにいたしましてもあるいはLNGにいたしましても原油価格に連動するわけでございますから、原油について厳しい考え方をとるということは、当然にそれに連動する価格についての厳しい態度をとることとイコールというふうに御了解いただければ大変幸せだと思います。
○岩佐委員 ちなみに、その他経費のところですけれども、先ほどのCIF、バレル当たり三十一ドル、これキロリットルにして二百四十円のレートで計算すると四万六千七百九十七円になるわけですね。これにその他経費が七千七百円から一万一千二百円。ずっと乗っけていくと、その他経費というのは油の中でかなりのウエートを占めるというふうに思うんですね。ですから、その点についてはぜひ厳しくチェックする必要があるというふうに、重ねて申し上げておきたいと思います。 それから、電力各社が他社から購入している電力の問題について伺いたいと思いますけれども、八社合計で他社購入の電力は、五十三年で四千七百億円、それから五十四年度では五千億円を超すという、非常に大きな額になると思います。 この中で、電源開発から買う量について、ちょっと私の方は資料をいただけないでいるのでよくわかりませんけれども、東京電力の場合には約三割を電源開発から買っているというふうなことが言われているわけですが、この電力各社が購入している電源開発の電力料金、これはどういうような手続で決定されるのか、そのことを御説明いただきたいと思います。
○安田(佳)政府委員 電力会社が購入しております購入電力は、相手方は電源開発株式会社、それから地方公共団体がやっております公営の企業、それから電力会社と他のものとが共同してやっております共同火力等があるわけでございます。その料金等の供給条件につきましては、相互に話し合って決めていくということになるわけでございますが、電源開発株式会社の料金につきましては、これは通商産業大臣の認可ということになっております。
○岩佐委員 その認可は電源開発促進法によるのだと思いますけれども、これを御説明いただきたいと思います。
○安田(佳)政府委員 これは、認可をいたします前に、電源開発調整審議会にお諮りすることになっております。その審議を経ました上で認可をすることになっております。
○岩佐委員 今回の申請で、電力各社は、電源開発の電気料金について値上げされるであろうという想定価格で値上げを申請しているというふうに言っておりますけれども、そのことは事実ですね。
○安田(佳)政府委員 これは予想原価でございますから、五十五年度においてどういうような購入単価になるかということを想定いたしまして、それを原価計算の中に算入しているということになると思います。
○岩佐委員 そうすると、一応認可事項で、審議会にかけなければならないというふうになっているわけですから、この審議会にかけて、もし料金を据え置けとか、あるいは額についてこれは高過ぎるとか、そういう答申が出された場合にはどうするのですか。
○安田(佳)政府委員 これは想定原価でございますから、現在時点における想定価格ということになるわけでございます。
○岩佐委員 いや、実際に審議会にかけて、そして審議会で、これは値上げをしてはいけないとかあるいは値上げ幅を圧縮しろというような答申が出されたときは、通産省はその答申に対してどうされるのですかということを伺っているのです。
○安田(佳)政府委員 申請に入っております価格はあくまでも想定価格でございますので、その想定価格が適当かどうかということで判断されると思います。
○岩佐委員 いや、答申が想定価格より下回るというようなことになった場合には、通産省としてその答申を認めていくということにならざるを得ないのじゃないですか。
○安田(佳)政府委員 ただいまの段階ではそういう仮定の点については考えてないわけでございます。
○岩佐委員 なぜ仮定の段階として考えてないわけですか。
○安田(佳)政府委員 と申しますのは、電源開発株式会社の料金も原価主義の原則に立って算定されるわけであります。したがいまして、原価主義に立って算定されました料金が適切なものであるならそれは当然認可される性格のものであるということでございます。
○岩佐委員 ただ、手続的に一応審議会にかけて、その審議会の意見を尊重するというふうになっているわけですね。だから、その審議会の意見を聞いて、その結果どうするかということを通産省は決めなければいけないわけですよね。それも無視していくということにもならないと思うのですね。だから、その辺は一体どうされるのですかということなんです。
○安田(佳)政府委員 審議会でお認めいただかないようなデータは出さないつもりでございます。
○岩佐委員 そうすると、この審議会は開かれないけれども、すでに何か審議会の了解をもらっているような、そういうことになるわけですね。そうすると、これはちょっと行き過ぎなんじゃないですか。審議会を開いてその意見を聞かなければならないというふうに一応決めてあるわけで、そこのところはずいぶん通産省として行き過ぎの行為だと思うのですけれども、その点はいかがですか。
○安田(佳)政府委員 たびたび申し上げておりますように、この価格と申しますものは想定価格でございます。そして私どもは、電源開発調整審議会にお諮りするものは、そこでお認めいただけるようなものを出すつもりでございます。 また、電源開発調整審議会の御意見というものはいろいろ尊重することは当然でございますが、そういう適切な原価を出すように努力しております。
○岩佐委員 そうすると、この電源開発促進法の二十三条四項自体が、「内閣総理大臣に依頼して審議会の意見を求め、その意見を尊重して、これをしなければならない。」というようなくだりがありますが、審議会に出す前からすでに結論が出ていて、尊重されるであろうというようなことは、ずいぶんおかしなことなんじゃないですか。やはり幾ら想定価格であろうとは言え、認可料金であるものについて、事前に、認可されてないものについては、わずか一年間の原価の問題ですよね、今回一年原価ですから、そこのところは越権的に、と言ったら何でしょうけれども、そういう審議会の結論も得ないで、あるいは審議会の結論は私の意見なんだというようなことでやらないで、きちんと手続は踏むべきだというふうに思うし、また今回のやり方というのはちょっと納得がいかないんじゃないかと思いますけれども……。
○安田(佳)政府委員 たびたび申しておりますが、私どもこの審議会の御意見を尊重しないということを申し上げているわけではないのですが、問題は、一つは料金に算定いたしますものは想定した原価を算定しておるということが一点でございます。それから第二点といたしまして、私どもは審議会の意見を尊重いたしますが、審議会に十分御納得いただけるようなそういう原価主義に基づいた電源開発株式会社の料金をつくりたいというふうに考えておるわけでございます。
○岩佐委員 この点については一応審議会があるのにそれを無視するあるいは手続をないがしろにするというように思えるし、やはりこれは当然審議会の意見を聞いた上でやるべきだと思うし、また電源開発の方にうちの部屋から問い合わせをしてみると、現在のところ値上げをする気はないというような回答があって、電源開発の東京電力に供給しているほとんどが水力であるというようなことから、大幅な値上げがないような感じも受けているわけで、そこのところを先回りして通産省が認めてやるというようなことはさらさら必要ないし、それから電源開発の料金が決まっていないのにそういう審議会を無視してやるということもやはり問題だということを指摘しておきたいと思います。 もう一つ、ちょっと最後にアンペア問題について伺っておきたいと思います。 これは東北電力の民間公聴会で出された話なんだそうですけれども、二人世帯なのに家を新築したら六十アンペア契約をされてしまったということで、このアンペア契約の問題というのは消費者の問で新築や改築したときに大変大きな問題になっていて、生活協同組合でも消費者の立場からアンペアを多くつけるのをよそうじゃないかという運動をして、これだけの電気器具があったらこのぐらいのアンペアでいいんだみたいなそういう教育啓蒙活動を消費者の間でやっているというような実態もあるわけですけれども、これについて民間公聴会では、東北電力の役員がアンペア契約がオーバーぎみでも一年間ぐらいはそのままでがまんしてほしいというふうな回答をしたということです。これは電力会社あるいは工事会社に任されているようですけれども、この点大きな問題だと思いますので、ぜひ改善を検討していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○安田(佳)政府委員 まずアンペアの設定につきましては、いまお話がありましたように、需要家の申し出を受けて設定することになっているわけでございますが、契約電流が必要以上に大きい場合におきましては、これも需要家が申し出れば契約電流を変更することができるということになっております。しかし、実際にどういうアンペアが設定されるかといいますと電気工事店が契約を代行するような例がございまして、過大なアンペアになるというような実例もあるようでございます。 私どもとしましては、おっしゃるように需要家が御自分で判断するというのも一つでございますが、その辺おわかりにならないような点もあろうかとも思います。そういう場合には、できましたら需要家が直接電力会社に接触していただきましてそして電力会社に相談して適当なアンペアをいろいろ相談に乗るというような方法があるのではないだろうかというふうに思うわけでございます。ただし、基準をつくって、こういう場合は何アンペアだということになりますと、同じアイロンなり冷蔵庫なりといいましてもその中にいろいろな相違があるわけでございますし、またその使用形態も違いますので、基準をつくるというわけにはなかなかいかないと思います。したがいまして、消費者団体の方々も、できるだけそういうPRをしていただきますと同時に、わからない点がありましたら電力会社に御相談いただきたい、このように考えております。
○岩佐委員 これで終わりますけれども、電力会社に相談しろと言うよりも、通産省自体ももう少し積極的に、こういう問題があるということで電力会社にもきちんと伝えてもらいたいし、そういうトラブルがうんと起こるようでしたら適切な処置を今後考えていただきたいということを要望申し上げて、終わりたいと思います。
○井上委員長 吉田之久君。
○吉田委員 私がきょう最後の質問になりましたが、先ほどからいろいろ各委員の質問、論議等も聞いておりまして、電気料金の改定あるいはガス料金の改定ということがいかに重要なかつきわめて深刻な問題であるか、政治的に申しましてもきわめて重大な課題の一つになってきたというふうな感を改めて深くするわけでございます。この種の料金、まして国民すべてが使っております公共料金でございますから、国民の側から言えばそれは安いにこしたことはないわけであります。この料金の改定などは、なければない方がいいわけであります。しかし、今日置かれているこういう客観的な条件、特に外部要因による歴然たるコストの押し上げ、こういうことから判断いたしますと、この料金改定をいいかげんな形でお茶を濁して過ごしていった場合には直ちに電力事業あるいはガス事業が破綻に瀕すると思います。そうなってまいりますとまともな送電やガスを送ることはとても期待できない。それはそのまま国民生活あるいは国家そのものを破壊に導く結果になるわけでございます。そういう循環を考えてみますと、きわめて真剣に受けとめて、かつその結論をどこに押しつけるかということが非常に大事だと思います。私はそういう点で先ほどからの論議を聞き、またきょうまでのいろいろな経過を見ておりまして、いまここに大臣がお二人いらっしゃいます、あるいは資源エネルギー庁長官がいらっしゃいますけれども、このお三人の立場というものはそれぞれ微妙にニュアンスが違うと思うのです、立場、使命が違うと思うのです。したがって、もちろん同じ内閣の閣僚ではいらっしゃいますけれども、その立場の違いというものが、その料金決定をめぐるいろいろな判断や思考の中で浮き彫りに出てこないといけないのではないかというふうに思います。たとえば資源エネルギー庁長官の場合には、あなたの主たる任務は、何としても日本のエネルギーを長期にわたって安定供給をどう達成していくかということが最大の使命であると思います。通産大臣の場合には、そういうことをベースにしながら、かつ日本の総合的な産業をどう発展させていくかということをお考えにならなければならない。しかし、同時に、それはさておき、日本の物価の動向あるいは景気というものをどう調整すればいいのだろうか、この辺をまた別の角度からお考えになるのが私は経済企画庁長官のお仕事だと思います。 いろいろ御苦労、御苦心いただいている点はよくわかるのでございますけれども、しかし、そういう点から申しますと、資源エネルギー庁長官の方が想定原価主義をとっている今度のこの改定申請に対して、将来の見通し、たとえば輸入原油の価格の今後の動向あるいは円レートの今後の変化、そういうことについて非常に希望的な観測の側だけに立っていらっしゃるというふうな気がしてならないわけでございまして、その点、私のそういう疑問が単なる危惧であるのかどうか。それから通産大臣の側にいたしましても、あなた自身はもちろん一人の閣僚として物価の動向とか景気のこと、当然お考えにならなければいけませんけれども、やはり経済企画庁長官とは一味違った立場から、いま置かれているエネルギー問題の根幹に触れるこの料金改定というものをどう判断すべきかというふうな角度からの御意見があるはずだと思うわけでございまして、その辺のところをまず通産大臣とエネ庁の長官からお伺いいたしたいと思います。
○森山(信)政府委員 ただいま御指摘の点、端的に申し上げまして、原油の見通しにつきまして私が国会で再三申し上げていることにつきましていろいろ御批判があったのではないかと思います。私どもが、三十ドルをある程度上回るところで価格が一応落ちついて、年間を通じまして変動がないだろう、こういう見通しを持っておりますのは、日本の立場はもちろんでございますけれども、世界の実需状況ということを考えた上での一応の結論であるわけでございまして、先生もよく御承知のとおり、ことしのグローバルベースの見通しを申し上げますと、大体需要が五千百十万バレル、供給が五千百三十万バレルで、おおむね需給が均衡するであろうというような見通しが一つございます。それからさらに備蓄という観点から申し上げますと、現在IEA加盟国の平均備蓄日数が百三十五日ということでございまして、従来に比べますと相当大幅な備蓄が行われているということでございます。 そこでIEAという活動舞台がございまして、昨年末に一九八〇年の需給見通しにつきまして相当いろいろな意見が交換されまして、場合によりましては一九八〇年の各国の輸入上限を引き下げよう、こういうような議論もあったわけでございますが、いま申し上げましたようなことしの世界の需給状況あるいは備蓄状況を勘案いたしまして、ことしにつきましてはIEA加盟国としても特に輸入の上限についてさわる必要はないのではないかという一応の結論が出たわけでございます。したがいまして、これは私どもだけで、つまり日本の立場あるいは通産省の立場だけで、ことしに限って申し上げますと、需給がバランスをとれ、価格も安定するというふうに申し上げておるわけではないわけでございまして、これは一応世界の共通した見解ではなかろうか、私はこういうふうに感じておるわけでございますので、先ほど吉田先生が御指摘になりました希望的観測が入っておるのではないかという御指摘に対しましては、一応私どもがそういうふうに申し上げておるということの背景を申し上げたわけでございます。 それからレートの問題につきましては、全く事務的に申し上げますと、私どもは認可に際しましては、査定前直近の三カ月の平均を適用させていただく、こういうルールがございますので、そういうルールにのっとりまして関係方面と折衝を行わさせていただきたい、かように考えている次第でございます。
○佐々木国務大臣 私の立場と言っては語弊がございますけれども、通産大臣といたしましては、繰り返し申し上げておりますように、日本でいま一番重要なと申しますか、シリアスな問題は、何としても来るべき油の需給関係が逼迫するということは目に見えた問題でございまして、五カ年後等を想定いたしますと、私パリに参りましたときにも、やはり五年後は需給関係はアンバランスになる、十年後はさらにひどくなる、そういう見通しが、ごく最近ではもう少しまた改定されまして、見通しが暗いような感じでございます。そうなってまいりますと、何としても日本の経済を維持し、生活水準を守ろうとすれば、油にかわる代替エネルギーというものを開発していくということが日本の一番大きい使命じゃなかろうかというふうに観念してございます。そうだとすれば、やはりそれを実施する主体というものは、これはあくまでも全部じゃないのですけれども、電力会社であることは間違いございません。電力会社みずからが原子力あるいはLNG、石炭等に切りかえてあるいは新しい代替エネルギーに切りかえていくという努力をしまたみずから危険を冒していくのが電力会社でございますから、これはどうしても電力会社の経営基盤というものを培いたいというふうに考えるのは当然だと思います。そういうのを根底にいたしまして、とは言うもののそれではさっき吉田さんもいみじくも御指摘くださいましたように、通産省はまだ電力を多消費する産業をたくさん持っているじゃないか、そういう調整をどうするんだ、こういうのはもう当然の話でございまして通産省は二つの面を持っておるわけでございます。また国民生活そのものをネグるわけにはもちろんいきませんのでそういう点も考慮しつつ、したがってまた物価の面を考慮すればそう電力会社が要請したからそのままということは許されるわけではないことでございまして、あくまでも原価主義というおきてがございますから原価主義に従いまして、電力会社の経営合理化あるいは企業努力というものを査定しながら原価主義にのっとりましてそして公正、妥当な査定をしていくようにということが私の念願でございまして、また資源エネルギー庁の方にもそういうふうにお願いしてできるだけひとつ厳格に厳正に査定してもらいたいというふうにお願いしてございます。
○吉田委員 原価主義あるいは総合原価主義、そういう立場を貫かなければならない電力会社あるいはガス会社そしてこの料金の決定でございますが、しかし普通一般の料金改定なんかの駆け引きとは違いまして、ここまでいろんな政治的なあるいは社会的な試練を受けてきたこの種の会社において、ただ適当に水増しをしたりサバを読んで申請しようやというふうなことはもはや許されるわけはございませんし、またそんなことが通用するわけではない、・言うならば衆人環視の中でありとあらゆる制度によって検討されながら改定の認可を受けていくわけでございますから、若干立場の違いによって要素の見方も違います。その辺のところをどうクールに判断し科学的に客観的に正当であるかどうかを見きわめていくかということだけしか私は問題は残らないと思うのです。それを無視して、ともかくこの際いろいろと政治的な配慮でお互い参議院選挙も近いことだから今回はこのくらいに押しておこうやというふうな政治的な判断でこの種の料金が決定されるということは、将来のわが国の経済の基盤そのものについても重要な禍根を残すのではないか、あるいはそういうことが非常に惰性になってもくろんだ値上げ申請とかあるいは年中行事的な値上げとかいうふうなことに転がり込んでしまいますとこれは非常な混乱を起こすと私は思うのですね。そういう意味で、本当にこの料金問題の今度の改定というものはいままで以上に深刻な意味に受けとらなければならない、私はそう思うのです。 そこで、やはり一番気になりますのは、いま長官からもお話しございましたけれども、やはり原油のこれからの見通しでございます。それは長官がいろいろまずはこの辺でおさまるだろうというふうにお考えになるのはそれだけの論拠があることは当然でございましょう。しかしそういう背景については伺いましたけれども、しかしそれは神ならぬ長官としてこれは絶対にこれで私は自信がありますと本当に言い切れるかどうかということを言えば、私はやはりそうはいかないと思うのです。現に、北海道の値上げの認可をした後、日ならずしてもうすでに現に相場が変動し始めておるということはこれはだれも否定できないことでございます。それからOPECが総会を三月に提案している動きがございます。たとえばの話でございますけれども、アラブ首長国連邦のオタイバ石油相は、現在の原油価格について妥当で受け入れることのできるものとしながらも、これらの原油価格を長期間にわたって凍結しておくことは不可能だと指摘し、西側経済が適用していけるような漸進的な価格の引き上げが必要だと述べておる、これはやはり一つの有力な動きではあると思います。 こういう現に刻々世界の趨勢がなお高石油時代に突入しようとしている背景の中で、断じてこの一年間CIF価格が三十一ドル以下ではあり得ない、それ以上、幾らとはおっしゃっておりませんけれども一定にお考えのところがあるだろうと思いますけれども、それで断じてこれはもう不動のものである、私はそんな自信は長官といえども出ないと思うのです。そうしたらやはり業界側としては自分たちが経営の責任者でございますから、若干は、多目に見ておればこれは問題でございますけれども、まずまず常識的にこの程度は値上げを想定できるのではないか、こういう申請をしてきた場合、むげに絶対それはあり得ないんだ、これはいかな政府といえども判断できないと思うのですが、その点はいかがでございましょう。
○森山(信)政府委員 行政の姿勢といたしまして、ある一定の行政行為をする際には一つの信念的な考え方をもって行わなくちゃならぬ、そういう決断を要する場合があるのではないかと思います。私が事務方の責任者といたしまして現在考えておりますのは、まさに電気料金、ガス料金の改定に際しましては、今回一番大きな値上がりの要因になっております燃料費をどう見るか、これは私は私なりの行政官としての決断を迫られている時期ではないか、こういうふうに受けとめているわけでございます。 そこで、いま吉田先生のおっしゃいましたように、ことし果たして一定の価格で推移するかあるいは場合によっては上がることもあるんではないか、これは私も内心そういう感じがしないわけでもないわけでございますけれども、ただ上がるかもしれないということでしからば何%上がるかということにつきまして、ある種の基準といいましょうかそういった判断基準を見つけ出すだけの客観性がなかなかないという問題がございますと、先ほどお答え申し上げましたような論理から、私どもといたしますればことしは値上がりはない、これは行政官としての一つの判断の問題ではないかということでございまして、私は私なりにそういう判断に基づいた査定をやっていきたい、こういうふうに考える次第でございます。
○吉田委員 行政官としての長官がいろいろと高度に御検討されて一つの責任ある判断をされる、私はそれはそうあるべきだと思います。しかしいかに責任ある判断をしたからといってすべては時の流れがこれを証明するわけでありまして、あのときに下した判断は間違っておったからおれ責任とると言って一人で責任とって責任の済むはずの問題でもありませんし、またそういうことが本当の責任のとり方にはならない。したがって、この種の問題はだれも本当のところはわからない一つの想定でありますけれども、単なる駆け引きの世界じゃなしに本当に理論の世界で事前の処理もしなければならないし事後の処理もしていかなければならない、私はそれが本当の公共料金のあるべきこれからの一つの詰め方だと思うのですね。したがって、高度な判断で何らかの想定をなさる、しかし一年たってみてそれ以下で済めば結構です。私は、それ以下で済んだ場合には、この前の再還元のように電力会社事情がよかったら料金を少し割引をするなり社会に還元しなさい、ないしは三年半ほとんど値上げをしてこずに耐えてきた電力会社でございますから、彼らもそのような傾向で今後一層努力をして再値上げを食いとめていく、この辺の指導や合意が必要だと思います。同時に、よかれかしと思って判断したけれどもそうはいかなかった、かなり大きな食い違いが出たという場合に、電力会社は私企業でありますけれども、これはまさに国家的な事業を代行しているわけでございますから、政府としてその補てんをしてやるとか何らかの補償対策を講じてやる、その辺のところがはっきりすれば、料金問題というのは論議がもっと緻密にもなりますし、冷静になると思うのですね。その辺につきまして長官か通産大臣、どちらからでも結構でございますから、私の考えは皆様方にとってはいかがなものでございましょうか、お答え願いたい。
○森山(信)政府委員 いまお話しの点は、ある意味では私も肯定できるところがあるわけでございますけれども、一つきわめて大事なことは、私どもが原価主義あるいは公平の原則と言っております前提条件が、あくまでも企業の徹底した経営合理化を前提としての話でございますので、そこに若干の狂いが出たときに企業努力として吸収するというお願いをぜひしてみたいということでございます。もちろん原価構成の中の要素が相当大きく狂ってまいりますればこれはまたそれなりの対応をしなければいかぬと思いますけれども、原価の要素が変わったから直ちにしかるべき方策を、たとえばいま先生お示しの国としての支援あるいはまた料金改定というような問題につながるのではなくて、そこに企業努力等をお願いするという前提条件が一つあるのではないか。それも徹底した合理化は出尽くしてしまったというようなお話もあろうかとも思いますけれども、そこに原価構成要因が変わったときのそれを受けとめるだけの大きな経営努力というものが期待されてしかるべきであるということでございまして、財政的な援助等々の問題はその後の問題ではないかと考えます。ただし、財政援助の問題は、先ほどもちょっと議論が出ておったわけでございますが、いまの九電力体制で財政援助をすることが果たして妥当かどうかについては私は否定的な考え方を持っているということをつけ加えさせていただきたいと思います。
○吉田委員 全く株式会社の形態をとっておる、しかも九つに、それぞれ地域に分かれておる会社に対して、公団、公社並みの補助等を送ることの是非については私たちもいろいろ問題点を感じております。しかし、それじゃ株式会社だから損でも勝手にかぶって走れ、もうけるときはもうければいいじゃないかというような会社でもないことはあなた自身が一番よく御承知なんです。そこにこの問題のむずかしさがあるわけですね。私は、いまの企業努力に期待するというお言葉はもちろん一般論としては了承し、それはそのとおりだと承ります。しかしあなた自身もすでにお漏らしになりましたように、今日他の民間企業もそれぞれ血のにじむような努力をいたしておりますけれども、電力やガスの場合、大会社であってもその中身の努力というものは、経営者から労働者に至るまでそれはもう長期にわたる相当な努力の限りを尽くしておると私は信じております。また今日官公庁もいろいろ努力しているでありましょうけれども一あるいは公団、公社の事業等と比べましたら、国民自身が認めておるようにこの種の会社ははるかに努力をしておる。だからこれを国家の手に戻すべきではない、国家の手に戻すことによって国鉄の二の舞のようになるではないか、こういう国民の合意も今日おおよそできておると私は思うわけであります。それほど彼らは努力をしてまいりました。なおかつ今後も努力するでありましょうけれども、また努力する面もあると思いますけれども、たとえば輸入の原油価格が一ドル違った場合にそれが経営に対してどれほどの影響を与えるかということをこの際お互いに認識しなければならないと私は思うのです。これは釈迦に説法のような話になりますけれども、五十三年実績ぐらいで見ますと、料金の原価に占める人件費の割合は一丁七四%であります。一方燃料費が二六・四八%、これはある社の例でございますけれども、大体似通ったものであります。そんなにばらつきはありません。せいぜい一対二ないし一対三くらいの比率でございます。ところが、今度の申請の内容、これはいろいろ検討されなければなりませんけれども、その内容を見ますと、人件費が七・二九%、そして燃料費が、一つの例として四六・二六%という数字も出ております。この倍率から見ますと、大体六ないし七倍でございますね。そうすると、今度は燃料費の方から見ますと、燃料費の一五%イコール人件費ということになってくるわけなんです。もしも燃料費が見通しより一・五割変わった場合どうなるか。大まかに申しまして三十ドルとしましたら、その一・五割は四・五ドルでございますね。大体五ドル程度食い違った場合には一年間の人件費はゼロにしなければバランスがとれない。何も人件費だけ全部削るわけではありませんけれども、一つの参考として、例としてとらえることができると思うのです。五ドル違えば人件費が全部消えてしまうということは、一ドル違えば二カ月分の人件費がなくなってしまう、それをなくさないとするならばどこで節約すればいいのだろうかという問題にぶつかってくると思うのですね。したがって、非常に微少な価格の誤差くらいはもちろん努力で吸収していかなければならないと思いますけれども、一ドル、二ドルの違いというものはその会社にとってはもはや命運にかかわる問題になってくる。これほど重要な問題であるだけに、私はあなたが概念的に企業努力で吸収できるだけはしてもらいましょう、この種の会社に国家が直接補助を出すことはいかがなものか、それは理論としてはわかりますけれども、実態としてはそうばかり言っておられないところまで来ておるのではないかと思うわけなんです。通産大臣はいかがお考えでございましょうか。
○森山(信)政府委員 いま吉田先生といろいろお話をしておりまして感じたことですが、燃料費の問題につきましての見方が若干食い違っておるのではないか。あるいは私の思い過ごしかもしれませんけれども、見通しが違ったときにどうするかという問題からこの議論は出ているのではないかと思います。先ほど私が答弁申し上げた中で、企業努力が前提であると申し上げたのはもちろん一般論でございます。大幅な燃料費の狂いが出たときの人件費相当分の問題等々は私も理解できないわけじゃないわけでございますけれども、基本になる考え方が、先ほど来申し上げておりますとおり燃料費について私どもはそう大幅な狂いはないという考え方に立っておりますので、それについていまおっしゃるような変動要因というものを加味いたしまして、仮に三ドル違った場合はどう、四ドル違った場合はどうということを前提とした査定ということになりますとやはり問題があるのではないか。燃料費の見方についての抜本的な考え方はこの段階ではなかなかとりにくいのではないかということから私どもはスタートするわけでございますので、その点について私の御説明があるいは御理解いただけないのかもしれませんけれども、私どもは冒頭に申し上げましたとおりやはりそこに一つの行政判断があるのではないか。つまり、幾ら上がるかということを見込んで査定をすれば先生のおっしゃるような急変に対応できるという考え方もございましょうけれども、今回は一年間という原価計算期間にしぼって計算いたしますと、そこに燃料費がどの程度上がるであろうという見込みを持って査定するのはいかがであろうかなという考え方を持っていることが私の出発点でございますから、若干議論がかみ合っていないのではないか、こういう感じがいたします。
○吉田委員 立場からあなたが議論をかみ合わせようとしないだけでありまして、普通の人間の常識から言えばわれわれの方が普通だと思うのだけれども、私はそれ以上あなたの立場を責めるわけでもないし、あなたに反論を言っているわけじゃないのです。ある会社の社長は、一ドル狂えば一カ月飛ぶんです、こう言うのですね。一カ月か二カ月か半カ月か私は知りませんけれども、そんな計算をすることが私の任務ではないけれども、ことほどさようにこれは重要なウエートであるということは恐らくみんな御認識のはずなんです。しかし、この場合にこうしましょう、途中で、三カ月後に料金を変えましょう、そんなことできませんね。だから後の処理の仕方について何かルール化すべき必要があるのではないか。それをしないならば一つの方法はあります。ぐっと抑えておけば、また向こうはいたたまれなくなって来年値上げをする。そのとき、前にはちょっと低く見たから少しその分も見てやろうかとか、いろいろ調整の方法はあるのですよ。しかし、これが物価に及ぶ公共料金であるというところに、なるべくならば一たん決めれば動かしたくないという考えは、会社としても行政の側としても国民としても一緒だろうと私は思うのです。そうすると、その中で、行政上政府はこれからどんな努力をしていかなければならないのだろうかという問題を、形式論理ではなしに、本気で考えていかれないと、私はわが国のエネルギーを守ることはできないと思うのですよ。それは今日まで明敏な判断でいろいろの御指導をいただいております点につきましては深く敬意を表します。しかし、それにもかかわらず与えられた問題というのはなお大きい、深刻な局面に来ておるのではないかと私は考えるわけなんです。 それから同時に、企画庁長官に御質問したいのですけれども、普通の物価料金問題ならばそこでおさまるわけなんですけれども、これはさらに公共料金という性格で、他の物価のいろいろな基準になっていくわけですね。尺度になっていきます。そういう点で、インフレを抑えるべき立場から、国家としてはこれをどうコントロールしていくべきであるかという問題にいま頭を悩ましていらっしゃると思うのです。 それから同時に、これは両大臣にまたがる問題でございますけれども、この料金問題をにらみながら、わが国の省エネルギーというものをどう推進していくべきかという問題をやはり考えないと、ただ形式的な原価主義で、コストを全部販売電力量で割って、そしてこれだと言えば、それは一番単純明快でございますけれども、私はそういうことが本当のこれからの政治的な指導にはならないと思うのです。したがって、たとえば御承知の電力労連という労働組合があります。電気労働者十三万、関連企業を入れて二十万の組織でございますけれども、この電力労連自身がかねてから提言いたしております中に、時間ごとの電気をそれぞれ別個の財とみなして、各時間の限界費用に等しい料率を求めることは理論的に妥当である。電力というのはその都度いろいろと需要が変わってまいります。それに対する設備のつくり方がいろいろと問題になってまいります。したがってそういう点から見れば、各時間ごとにその単価は違うんだという判断をしても決しておかしくない。私は一つの主張だと思うのですね。そういう考え方を大いに国民に合意を求めながら、恐らく今度の季節別料金というものもそういう発想の一歩踏み出してこられた形だろうと思ってわれわれは高く評価いたしておりますけれども、一層その辺を大胆に、国民の合意、納得を求めながら活用していくべきではないか。あるいは段階制の料金制度の導入でございますけれども、私はこれもこんなにわずかの差ではなしに、もっと思い切っていろいろと考えていい時期に来ているのではないか。たとえば月々百二十キロワットアワー以下の需要家が大体三分の一ほどあるそうでございます。これはシビルミニマムの立場から申しましても〇・七六ぐらいにして、そして百二十一キロワットアワーから二百までを大体一として、そして二百一キロワットアワー以上を一・一五ぐらいの料金差にしよう。私は一つの新しい試みであると思いますけれども、電気に限っては、あるいはガスもそうでございますけれども、消費は決して美徳にならない。これは、われわれは国民として人間として、いかにむだなエネルギーを使わないで済ませていくか、節約するかということを考えなければなりません。しかし、やはり人間というのは、手軽にあれば便利でございますし、しかも比較的安ければどんどん使うという習性を持っておるわけです。どんなに概念的にもったいないなと思っても、しかし実感として自分に余りこたえなければやはり使いますよ。ですから、本当に零細な家庭のあるいは子供たちが勉強しておる、あるいは細々と生きておる人たちの家庭の料金というのは思い切って政策的にその部分だけ低くしてもいい。平均的なところを平均に求め、そして多少高くともそんなにその事業として、その生活としてこたえるものではありません、相対的な比重はきわめて低いんです、私たちは使いたいだけ使うのですというような方々に対しては、それは使ってもらって結構だけれども、しかしあなたの方のお使いになる電力は高いのですよ、電気料金は高いのですよ、こういう制度を導入することによって初めて国民を教育し、また省エネルギーというものに一歩ずつ近づいていくことができるのではないか。逆に下げる方はもっと下げるべきでありますし、このシビルミニマムに達しない方々に対してさえ依然として電気税がかかる仕組みになっておるわけでありまして、この辺は免税点の引き上げというものをもっと大胆に手直ししないとおかしい問題が出てくると思うのです。 時間がありませんからかためて申し上げますけれども、国鉄の場合グリーン車というのがあるのですね。あっていいと思うのです。これは料金はほとんど倍近いでしょう。あるいは急いで行く人は特急料金を払って、私鉄もみんなほとんど五割ないし倍額に近い負担をしながらもみずからそれを選んで乗っているわけですね。町でタクシーが走っております。ハイヤーもございます。やはりハイヤーを必要とするときはあるわけなんですね。私は、電力でも原価主義の形式論にこだわらないで、本当に総合的なきちんと原価に見合う料金を各界、各層からいただき、かつそれが独立採算をちゃんと行って、国鉄のような赤字の二の舞をつくっていかない。しかしその中身についてはあくまでも前向きに国家的な課題を果たすべく配慮されなければならない。私は、そういう意味で、厳正で適正で、かつ配慮ある中身の料金改定というものを今度はやってのけられなければならぬのじゃないか。まあいますぐできない部分は今後に向かっていろいろ大いに考えていただきたい。電力会社の社長は立場上、考えてもそれを余り強く主張できない立場にあると思うのです。これは挙げてやはり国の行政の側がその辺をよく配慮しながら指導してやるべき時期に来ているのではないかと思うわけでございますけれども、経済企画庁長官のお考えをお聞かせください。
○森山(信)政府委員 大臣が御答弁申し上げる前に私が、いま吉田先生がいろいろと御提起になりました問題についてお答えをしておきたいと思います。 原価主義の限界の問題につきましてはいろいろと御意見があろうかと思います。そこで原価とは何ぞやという問題等々詰めてまいりますと幾つかの問題点があるわけでありまして、将来の課題といたしまして、いまの原価主義というものをどう考えていくか、原価主義というよりは原価というものをどう考えていくかという考え方は当然研究していかなくちゃならぬ課題だろう、こういうふうに考えております。 それから御指摘の、たとえば夏季料金の問題あるいは逓増料金制の問題は全く同感でございまして、今回夏季料金を相当思い切った形で取り入れさせていただきたいと思いますし、それからいわゆる三段階方式によりますナショナルミニマムの考え方と第三段階目の考え方につきましては、原価主義の枠内ではございますけれども、ある種の政策判断はつけ加える必要があるのではないか。たくさん使った方にはそれだけの応分の負担をしていただくといういわゆる逓増料金制は今回は取り入れてみたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○佐々木国務大臣 一つ長官の方で落としましたけれども、電気税の問題ですが、お話しのように処置いたしたいということでいま検討しております。
○正示国務大臣 大変御専門というか、お詳しいいろいろの御意見が吐露されまして、エネルギー庁長官また佐々木通産大臣からもそれぞれ適切な御回答がありました。森山長官、佐々木大臣のお考えによって、厳正、公平な原価主義と物価の国民生活への影響が最小限度に食いとめられるような努力をしていただく、そして経済企画庁は経済の安定的な成長と物価の安定、この見地から御協力を申し上げるわけでございます。同時に、いま吉田委員が御指摘になりましたように、環境を整備していきまして、皆さんにいま御心配をかけておるわけでございますが、電力、ガスの値上げのショックを最小限度にするように、いきなり財政援助というようなことをいまとやかく申し上げることはできませんけれども、財政政策、たとえば来年度の予算の執行をどうするか、金融政策、すなわち公定歩合の引き上げや円安対策等を、私どもは今度の料金改定という大きな行政行為に対するクッションとしてといいましょうか、余波をできるだけ穏やかにおさめるための努力は最大限度にやっていきたい、かように考えておるわけであります。
○吉田委員 時間がなくなりましたので、ちょっと要望だけ申し上げておきますが、ともかく厳しい中でみんなが精いっぱい、物価をできるだけ押し上げないで、しかも電力やガスをしっかり守って日本の将来の展望をつなぎとめていく、この課題にかからなければならないわけでございます。労働者もあるいは経営者も精いっぱいの努力をするだろうと思います。また、国民も大変負担をなさると思うのでございますけれども、やはり料金の値上げというのは少しでも低い方がいいわけでございますから、政府も低くする努力はさらにどこかにないだろうか。たとえば公租公課が六ないし七%かかっていますね。これは普通はかけるべきであるかもしれませんけれども、こういうときには何かもう少し圧縮する方法はないだろうか。いま電気税につきましては大臣からそういう御決意をいただきましたけれども、電源開発促進税にいたしましても、電気料金を取るときに一緒に上乗せしておけば確かに便利です。また、その金はむだだとは思いません。しかし、それがやはり物価にすべて影響を及ぼすわけでございますから、その辺を何か別途捻出する方法はないだろうか。あるいは電源立地のために企業だけが非常に努力しておると言えば言い過ぎかもしれませんけれども、政府ももっとなすべきことがあると思うのですね。そういう点で、いろいろみんなが努力して本当にクールな結論を導き出しながらこの危機をどう突破していくかということにつきまして一層御留意をいただきたいと思います。 以上、御要望申し上げまして、私の質問を終わります。
○井上委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十三分散会