農林水産委員会 第25号
- 発言数
- 240 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/05/08
会議録
○内海委員長 これより会議を開きます。 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、農林規格検査所等の設置に関し承認を求めるの件の両案件を議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。武藤農林水産大臣。
○武藤国務大臣 まず、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 この法律案は、厚生年金保険における年金額の引き上げに伴い、国家公務員共済組合制度その他の共済組合制度に準じて、年金の算定の基礎となる定額部分の額の引き上げ等を行うことにより、給付水準の引き上げを行おうとするものであります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、年金の算定の基礎となる定額部分の額の引き上げであります。これは、通算退職年金の額の算定方式により算定することとされる退職年金等の額のうちの定額部分の額を引き上げようとするものであります。 第二は、退職年金等に係る最低保障額の引き上げであります。これは、昭和三十九年改正後の農林漁業団体職員共済組合法、いわゆる新法に基づく退職年金、遺族年金等に係る最低保障額を昭和五十五年六月分から引き上げようとするものであります。 以上が、この法律案の提案理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、農林規格検査所等の設置に関し承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明申し上げます。 政府におきましては、現下の重要課題である行政改革の一環として、横浜及び神戸に設置されている生糸検査所を整理し、その業務を農林規格検査所に吸収することとし、農林水産省設置法の一部を改正する法律案を別途提案しております。 農林規格検査所は、日本農林規格による格づけの表示を付された農林物資の検査等を行う機関として、農林物資に関する消費者保護対策等の実施に重要な役割りを果たしておりますが、生糸検査所の吸収統合に伴い、その配置の適正化等を図ることとしております。 この案件は、横浜生糸検査所及び神戸生糸検査所の整理等との関連において、東京農林規格検査所横浜支所及び静岡農林規格検査所名古屋支所を本所に、静岡農林規格検査所を支所に変更することについて、国会の御承認を求めようとするものであります。 何とぞ、慎重に御審議の上、御承認くださいますようお願いを申し上げます。
○内海委員長 引き続き、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案の補足説明を聴取いたします。塚田審議官。
○塚田政府委員 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。 この法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。 第一は、年金の算定の基礎となる定額部分の額の引き上げであります。これは、通算退職年金の額の算定方式により算定することとされる退職年金等の額のうちの定額部分の額を三十九万六千円から四十九万二千円に引き上げようとするものであります。なお、現行の額は、厚生年金保険の物価スライド措置を参酌して改定を行ういわゆる物価スライド政令により三十九万六千円から四十七万七千九百七十二円に引き上げられておりますので、実際には、四十七万七千九百七十二円から四十九万二千円への引き上げとなります。 第二は、昭和三十九年改正後の農林漁業団体職員共済組合法、いわゆる新法に基づく退職年金等に係る最低保障額の引き上げであります。これは、退職年金、障害年金及び遺族年金の最低保障額を昭和五十五年六月分から引き上げようとするものであり、たとえば、退職年金については、五十五万二千円から六十八万四千円に引き上げることといたしております。なお、現行の最低保障額につきましては、いわゆる物価スライド政令により、それぞれ、その額が引き上げられており、たとえば、退職年金の最低保障額については、六十三万三千九百七十二円となっておりますので、実際には六十三万三千九百七十二円から六十八万四千円への引き上げとなります。 以上のほか、所要の規定の整備を図ることといたしております。 以上であります。
○内海委員長 以上で両案件の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○内海委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柴田健治君。
○柴田(健)委員 まず、ただいま提案された承認案件、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、農林規格検査所等の設置に関し承認を求めるの件の提案説明を受けたわけですが、そもそもこれの案件として提案された、要するに、生糸検査所と農林規格検査所をそれぞれ吸収統合というか吸収合併をして、新しく再出発をするというのですが、 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 どうもこれは今回の各省にわたる行政改革論から端を発したのかどうか、まず聞きたいのであります。
○近藤(鉄)政府委員 先生御指摘のとおり、現在行政各般についての改善措置を講ぜられて、内閣としてそれを実行したわけでありますが、その関連の中での措置と考えていただいて結構でございます。
○柴田(健)委員 われわれのところにいただく資料というのはもう少し親切味があってほしい気がします。どことどこが合併いたします、それで承認を求めます、こういう程度ではなかなか理解できないわけでありまして、そういう簡単にできるものならいままでにやっておかなければならぬだろう、こう思うわけです。たとえば、生糸検査所の二カ所、職員が何名おります、勤務年数は平均何年であります、所長の位は幾らであります、こういうぐらいに親切な資料というものが出ないのか、余りにも紋切り型で、官僚型というのはこういうことだと私は思うのです。これでは日本の養蚕農家も不安を持つのはあたりまえだと思うのです。もう少し親切なものが欲しい。こういう点で、たとえば農林規格検査所には現在何人おります、それが合併していままでの事業分量はこうであります、こういうものを具体的にもっときめの細かい説明を願いたいと思います。
○近藤(鉄)政府委員 先生御指摘の具体的な数字につきましては、事務局の方から御説明をいたさせますが、先生御懸念のように、このことによって従来の生糸検査の具体的な内容に対していささかの変更をもたらすものでもございませんし、また、国の行政のあり方として、生糸検査の重要性についてむしろこれから軽視をしていく、こういうことではございませんので、実質的な内容については何ら変更を生ぜしめないで、しかし行政のあり方として、従来生糸だけであったものを農林規格検査全体の中でこれを位置づけていこう、こういうことでございます。
○二瓶政府委員 生糸検査所の定員の関係でございますが、五十四年度が横浜と神戸合わせまして五百三十三名でございます。横浜と神戸の内訳でございますが、横浜が二百七十九名、神戸が二百五十四名という内訳になっております。それで五十五年度におきましては六十一人の定員の縮減を考えておりますので、四百七十二名という定員になります。これの横浜と神戸の配分につきましては、まだ決定をいたしておりません。 以上のような状況に相なっております。
○森実政府委員 農林規格検査所の定数及びその配置状況について概況を申し上げますと、五十四年度末は三百八名でございます。五十五年度末におきましては、これを三百四十人に増員するということにしております。主要な増員を図りますのは、東京が八名、横浜が五名、神戸が五名、各本所、支所を合わせて三十二名ということになるわけでございます。 なお、これに関連しまして、横浜は従来支所でございましたが、生糸検査所等を統合いたします関係もありまして、本所とするということにしております。また、別に静岡と名古屋の関係でございますが、従来静岡は本所、名古屋が支所という関係でございましたが、現在の工場の配置状況その他から考えまして、また消費人口の増大等から考えまして、静岡を支所とし、名古屋を本所と格上げすることが、業務の運営の円滑化に資すると判断して、その点についてお願いしているわけでございます。しかしながら、現実の静岡の検査所の業務については何ら変更するものではございません。
○柴田(健)委員 園芸局長の答弁で、六十一名結果的には減すということでしょう。それはあと配転でいくのか完全に首を切るのか、どうするのかね。
○二瓶政府委員 五十五年度におきまして六十一人の定員の削減を考えておりますが、この六十一人の内訳は十五名がいわゆる退職でございます。あとは、その他はいわゆる配置転換ということに相なります。
○柴田(健)委員 われわれから考えると、生糸の検査所というのは昔は日本の生糸を輸出するために責任を持って輸出していく。いまは輸入の方ですね。余り輸入がふえるものだから、日本の養蚕農家がいまは飛ばっちりを受けて混乱を起こし苦労しているわけです。生糸検査所はいまの人員を減して輸入をうんと減すという方向でこういう行政改革を出したのか、その点の見解を聞いておきたい。
○二瓶政府委員 まず、生糸検査所の農林規格検査所への吸収整理並びに定員の今後の縮減というものが、輸入を減していくということと関係があるかというお尋ねでございますが、この生糸検査所の組織なりあるいは定員の縮減といいますものは、輸入を減らすということとは直に関係はございません。従来わが国の生糸は輸出をしておったわけでございますが、四十九年度をもって輸出が終わりまして、五十年度からは生糸の姿での輸出はなくなったわけでございます。したがいまして、生糸検査所は国内に流通いたします生糸の検査、これをやっておったわけでございますが、これにいたしましてもその検査の数量が減ってきておる、そういう業務数量の減というものがございますので、独立した機関で置くのはどうかということで吸収整理をするとともに、今後も業務量の減というものが見込まれますので、それに見合った形で、必要な人員は当然確保するわけでございますが、定員は減らしていくということでございます。一方輸入の方は、現在相当二国間取り決め等もやっておりますが、ふえております。現に事業団の在庫が現在時点でも九万俵を超えておる、その大部分は輸入の数量であるということでございます。したがいまして、この検査所の組織の問題とは別に、輸入数量の大幅縮減という問題につきましては、二国間取り決め等におきまして精力的に大幅に縮減する方向で、今後とも粘り強く最大限の努力を政府としてやっていきたいというふうに考えております。
○柴田(健)委員 生糸の輸入についての、生糸というのと撚糸というのとの線引き、何回よりまでを生糸にして何回よりまでを撚糸にして、どういう形でその点の見分けは検査所でやっているのか、税関の段階でやっておるのか。もっと具体的に品目別に、何回よりまでは何ぼ、こういうことで、数字的に輸入の数量を明確に説明を願いたい。
○二瓶政府委員 生糸と絹糸との線引きをどうやっておるかというお尋ねでございます。 生糸の方は太さによりまして二十一中とか十四中とかいろいろございますけれども、そういうデニールの太さは違いますがそういう生糸をより糸にして、複数の生糸でより糸にしたもの、これがいわゆる絹糸になるわけです。絹糸の方でもこれは甘よりと称しましてごくわずかの生糸をよったものから、それからかたよりということで相当多くの生糸をよったもの等、絹糸にはいろいろございます。生糸と絹糸ではそういうところで線を引いておりまして、これの具体的な確認は税関の方ではっきりやっております。
○柴田(健)委員 生糸の検査、農林規格についてはこの枠組みが農林規格の方に吸収されていくのなら、これからは所管が違うのですか。今度の生糸検査というのは農林省の中で所管が違うのですか。
○二瓶政府委員 生糸検査所が農林規格検査所に吸収整理するということで、いろいろ国会の御審議を煩わしておるわけでございますけれども、農林規格検査所に生糸検査部門が吸収されましても、生糸検査ということに関する行政的な所管といいますものは、農林水産省の中におきましては農蚕園芸局が所管をするということでございます。
○柴田(健)委員 それなら、結果的には仕事の内容も変わらないし検査方式も変わらないし、ただ行政改革論で追い詰められて、こういう筋の通らない、糸は筋が通っておるのだけれども皆さん方のやることは筋が通っていない、そういう解釈をしてもいいわけですね。結果的にはあくまでも合理化で追い詰められたというのじゃないですか。無理にこんなことをしなくても従前どおりやっておったらいいんじゃないですか。ただ何人か減すためにこういうことをやった。いままでの検査所は男子が何名、女子が何名という細かい説明をいただかないものだから、配置転換やその他で、たとえば静岡から神戸へ家庭の主婦や何か転勤できないからもうやめる、そういうむごいやり方をしておるんじゃないのですか。われわれの言葉ではむごいことをするというわけです。そういうことで、人員削減、首切りをやっておるんではないかという気がするのですが、そういう不安や心配を与えない人員削減になっておるのかどうか、その点ひとつ説明願いたい。
○二瓶政府委員 生糸検査所を農林規格検査所に吸収したゆえんのものでございますが、先ほども申し上げましたように、生糸検査所におきます検査数量、これが大幅に減ってきております。五十四年におきましては五万四千俵というような数字まで減ってまいっております。それに対しまして検査所の定員の方はそう簡単には減らないわけでございます。しかし、今後先行きをながめましても、検査数量は自主検査の推進等もございますので減るという見通しにございます。したがいまして、現下の行政改革というものが非常に大きな政策の柱になっておりますので、そういう面も踏まえまして、この際、独立の機関として生糸検査所というものを存置することはいかがかということで、農林規格検査所に吸収整理をすることにしたわけでございます。ただ、この生糸の検査そのものといいますのは、何といいましても、生糸の流通なりあるいは価格形成の面で非常に重要な役割りを果たしておりますので、農林規格検査所に吸収された後におきましても、国営検査といいますのは、数量は少なくともわが国の生糸検査の中核として存置をしていく。それから、よその民間の検査機関なり等に対する指導、監督ということもここが中核になってやるべきであるということで考えておるわけでございます。 なお、五百三十三名、五十四年の定員がございます。 男女別にどうなっておるかということでございますが、答弁を落としまして恐縮でございます。五十四年の十二月末で男女別の比率といたしましては五〇対五〇というふうに御理解いただいて結構でございます。 なお、平均年齢は、男女込みで平均四十四歳というようになっております。
○柴田(健)委員 六十一名の退職せられる方の平均年齢は何ぼだったですか。
○二瓶政府委員 五十五年度におきまして六十一人の定員の縮減を考えておりますが、これに対する内訳が、先ほど申し上げましたように退職の関係が十五名、その他は配置転換というふうに考えておるわけです。この十五名の退職者につきましては、いわゆる勧奨退職年齢でございまして、四等級以上の者は五十八歳というのがいま肩たたきの勧奨退職の物差しになっております。 それから、それ以下の方につきましては六十歳ということでございますので、そういう物差しに照らしまして、大体勧奨に応じていただける方ということで十五名を考えたわけでございます。あと残りの方につきましては、配置転換でございますので、若い人もあろうかと思いますしそうでない方もあろうかと思います。これは受け入れのところとの話等もございますので、また今後進める分野もございますので、いまのところ何歳であるかということはちょっと明確に申し上げかねるわけでございます。
○柴田(健)委員 勧奨退職の適用ということになると従前どおりプラスアルファをつけるわけですね。それが第一点と、話し合いは完全についたのかどうか、そしてこの承認案件の期日があるわけですが、これはいつ実施されるのか、その人の問題についてはいつ退職させるのか、この点を御説明願いたい。
○二瓶政府委員 まず第一点は、この退職者はいわゆる勧奨退職だという話ですから、普通の退職金のほかに勧奨退職ですからプラスアルファの退職金がつくねというお尋ねでございますが、それはそのとおりでございます。 それから、いつ退職させるのかということにつきましては、むしろこれは前年度で退職したそのことを見届けて定員として落としたということで、すでに退職をいたしております。 それから、残りの配置転換の方につきましては、これはやはり本人の意向、適性もございますし、また受け入れ先の方の希望等もございます。そういうことで、話し合いの上でよく納得をいただいて配置転換をしていただくという措置をとっておりますし、とるつもりでございます。
○柴田(健)委員 われわれは、ことしのこの国会でも、通産省の矢野次官の発言を契機というよりか、いままで日本の蚕糸業の振興は、生産農民の立場からいっても、織物業者の立場からいっても、もう少し日本の政府が節度ある価格政策と輸入政策をとってくれたらこうまで不安は起きないだろう、こういう声が強いわけでありますが、たまたま矢野発言で国会で、本委員会でも決議をしたわけですが、何としてもこの輸入というものがふえていく。輸入した方が織物業者にとっては得だというわけですけれども、しかし、糸から織物全体の絹製品の輸入を見た場合には膨大な数量が入っているわけですね。生糸ということになれば特定の国が何カ国かある。しかし、織物として入ってくる数量というものは膨大な数量なんです。それは農林省の立場からいうと、日本の養蚕農家を育成、保護して振興を図っていく任務を農林省は持っているわけですから、今日のこの日本政府全体の通産省を窓口にした輸入というものに対して農林省はどういう見解を持っておるのか、まず次官から聞きたいのです。
○近藤(鉄)政府委員 農林水産省は、当然でございますけれども、養蚕農家の保護、将来に向かっての経営の発展、安定を考えているわけでございますし、そのためには、単に生糸段階の輸入を抑制するだけではなしに、その生糸を買ってくれるのが絹織物業者であり、最終的には最終のいわゆる需要者、消費者でございますから、その段階で外国産の絹織物製品が入ってきて国内の生糸マーケットを狭めていくということについては反対をしているわけであります。ただ、先生御案内のように、絹織物製品の輸入につきましては、国際的な関係の中で考えなければならない問題でありますので、通産当局には強く要望をし続けているわけでございますが、ある程度の限界と申しますか、通商政策の中でのいろいろな考慮もありますので、その点については強く要望しておりますけれども、なかなか思うような措置を現在講ぜられていないというのが現状でございます。
○柴田(健)委員 糸だけを規制してみたところで、織物になった製品をどんどん輸入されたのでは国内が混乱を起こすだけであって、もう糸から織物、絹製品と言われるものは全部ある程度規制すべきではなかろうか。一方では自由化品目にする、片一方では半製品は統制品目にして規制をしていく、この二本立てが一つの災いを起こしておるのではないかとわれわれは思うのです。だから、一元化するのなら、糸なり絹製品に至るまで全部一元化すべきじゃないか、こういう考えを持っておる。たとえば畜産物においてもそうですよ。畜産物においても、生体牛は自由ですよ、肉の方は規制しますよ。生体牛を入れて、それは素牛にするとか研究牛にするとか、いろいろ入れるときには名目をつけて入れるけれども、何カ月かしたら屠殺場へ回していく、それが肉にかわってくる。だから、生体牛は自由化するけれども肉は規制をするという、それと同じようなことがいま生糸についても言えるのではないか。思い切って両方とも規制をしないと、国内の織物業者なり養蚕農家が両方困るのではないか、こういうことが言えると思うのですが、次官、その点はどうですか。
○近藤(鉄)政府委員 先生の御指摘のとおりだと私は思います。ただ、国際的な取り決めの問題が一つございます。同時に、生糸段階では品目の種類が限定されておりますから、比較的一元輸入してたとえば事業団なら事業団で買っておくということが可能でございますが、糸からさらに絹織物製品までまいりますと、釈迦に説法でございますが、品種が非常に多様でございますから、なかなか生糸段階での量的な規制のような形でいかなくなってまいります。いろいろなものがたくさんございますから、それをどういう品目をどこでどうだということになってまいりますと、行政技術的にもなかなかむずかしい問題がございます。国際的な関係をさておいても、技術的な問題としてなかなかむずかしい点があるのじゃないか。それで通産省としても苦慮しておるのじゃないかと思いますが、しかし、そういう問題はそういう問題としながら、先生たびたび御指摘のような形で、最終商品の段階で入ってこられたのでは、結局国内の生糸生産者は困るわけでございますので、何とかある程度これを規制していくような形の措置を、外国との話し合いもございますし、また技術的な問題もございますが、両方の問題を少しでも解決をして改善をしてまいりたい、かように考えておるわけであります。
○柴田(健)委員 どうも次官は、わかったようなわからぬような答弁だから、われわれつかみどころがないのですね。どっちが頭やらしっぽやらわからぬシャクトリムシみたいなことを言うんだから、ちょっとわれわれも理解できないところがあるのですね。 もう一つ聞きたいのは、たとえばブラジルの養蚕を振興させた、技術指導なりすべて援助したのは日本の技術陣だと思うのですね。そして、ブラジルは年間九回も繭がとれる。そういうところと、日本の養蚕農家は年間とれたところで四回どり、大体平均三回どり。九回もとれるブラジルと三回か四回しかとれない日本では、これは初めから勝負は決まってくるわけですね。ブラジル政府と日本の政府がどういう取り組みでそうした農業技術の協定を結んでいるのか。ブラジルでできる繭は日本政府が責任を持って買うてやるという申し合わせがあると言われているのですが、日本の国内の養蚕農家は振興しなければならぬけれども、そういう二国間協定というものがあって、申し合わせがあって、もうブラジルの繭を優先的に買わざるを得ないということになっておるのかどうか、その点ひとつ御答弁願いたい。
○二瓶政府委員 国際協力の関係でございますが、養蚕分野につきましても、国際協力の観点から技術協力というような要請がたくさんの国から日本に舞い込んでおります。ただ、この技術協力に当たりましては、原則といたしまして技術協力の結果できました繭、生糸、これはその国の消費に向ける、したがって、輸出に向ける、特に日本になど向けるというようなことがないということをむしろ確認をして、その上で技術指導をやるというのが現在のやり方でございます。したがいまして、お尋ねのブラジルにつきましては技術指導というものを国サイドでは行っておりません。 ただ、ブラジルはわが国の移民の方々がおられまして、それらの方で養蚕の経験を持った方等相当おられまして、非常に養蚕をやっておられまして、できました生糸につきましては日本にも輸出されておることは事実でございます。
○柴田(健)委員 何としても、いまの韓国であろうとトルコであろうとブラジルであろうと、輸入をもっと計画的にしないと、在庫品がふえて毎年毎年紛争を起こすような要因をつくっていくことになりはしないか。これはわれわれの心配の種なんで、いま在庫品が九万俵もある、そしてことしまた近々入ってくる、そうするとまた在庫品がふえる。いま絹製品というのは価格の面から見てもいろいろ格差があるわけですけれども、着物にする絹製品というのはべらぼうに高いわけです。そういう高いものが、これからインフレになるかデフレになるか、いまはあいまいな日本の経済の姿なんですが、どちらになっても節約時代に入ってくるだろうという気がする。節約時代に入ってくるのに一番先節約をすることを考えるのは何かというと、まず遊びです。二番目は着るものだ。食べるものは、倹約したって人間は生きていかなければならないのだから食べるものは倹約できないけれども、この二つは節約の対象になってくる。だれが考えてもそうです。海外旅行で遊ぼうかと思っても、不景気だからちょっと旅行を見合わせよう、一年ほどしんぼうしよう、着るものもまあ一年ぐらいしんぼうしようじゃないか、こうなってくると、国内の消費拡大をどんなに図ったところで、購買力が下がってきた場合にはどうなるか。そういう国内の消費の動きを見て輸入も考えなければならぬだろうし、それを国内の養蚕農家だけを痛めつけて輸入は手放しというのでは、ますます混乱、矛盾、そして対立ということになってきて、それはもうりっぱな行政とは言えないと思うのですね。 そういうことを考えたときに、輸入を農林省の権限で、通産省に任せずに、生産と流通、消費、一貫性は農林省が持つんだ、そうしないとコントロールできぬではないか、生糸に関する限りは通産省からはもう切り離して、それこそ行政の一元化、輸入の一元化でなしに行政の一元化という方向で今後行政改革をすべきじゃないか、機構改革すべきじゃないか。ただ出先の検査所と農林規格、これはJASマークの関係でして生糸の検査になると別なんだ、それをくっつけて、行政管理庁長官がやかましく言うから仕方がない、農林省もと、こういうことになる。そういう木に竹を接ぐようなやり方でなしに、基本から、生産から流通、消費に至るまで、輸入に至るまで農林省が全部握る、こういうことをしてこそ初めてすっきりした行政改革ではないだろうか、こう思うのですが、次官、どうですか、その点。
○近藤(鉄)政府委員 まさにおっしゃいますように、生糸、絹織物、これはワンセットでございますから、この行政も一つで統一的にしなければならないという御指摘は当然であると思うわけでございますし、私たちもよく理解できるわけであります。ただ、これは現実問題といたしまして、歴史的な経過はさておきましても、やはり織物製品となりますと通産省の職掌の中に入るわけでございますし、生糸の生産は養蚕農家がやっておるわけでありますから、私たちがこれまで見させていただいているわけであります。そういうことで、どうも最初と最後が分かれておるということについてのいろいろな御指摘については十分わかりますが、結局そういう御指摘を踏まえまして、私どもといたしましては、通産省当局と常時連絡をとりながら、お互いに協力し合いまた理解し合って、養蚕農家もまた絹織物業者も、そして最終的には絹織物の消費者も、三位一体として御満足のいただけるようなそういう行政を志向しているつもりでございますので、先生御指摘のように、絹物については通産省から離して農林省で統一的に行政を行えということは現実論としてはなかなかむずかしいのじゃないかというふうに私どもは考えております。
○柴田(健)委員 近藤次官は若いなかなか熱血の政治家だから、思い切って発言されるだろうと期待しているのだけれども、なかなか古い殻から出られないという弱さがあるのだなということがしみじみわかる。日本の立法府の権限というか、そういうものがどうもあいまいになってくる。われわれの力も至らぬところがあるかもしれないけれども、政権をとっている政党の責任は重大だと私は思う。農林省全体から見て、悪いところだけ農林省は握っているのじゃないかという気がする。これは次官、よう聞いてもらわなければいかぬのですけれども、たとえば水の問題一つ取り上げても、建設省と農林省の関係を見ても、農林省が本当のもとを持つ。山を持つ。水資源の一番の確保しなければならぬ任務を持った農林省でしょう。水をつくり出している。つくり出した農林省はそこから先何も権限がないのだ。水利権というものは建設省が握ってしまっている。一つの河川改修をするにしても、ダム一つつくるにしても建設省と協議をしなければならない。農林省が防災ダムを一つつくるにしても、建設省のごきげん伺いをして、最低三年は協議をしなければ合意点が見出せないという。なぜ一貫したそういう行政の改革をしないのか。ただ機構いじりだけで、人を減すだけで、そういうやり方がいまの農林省の姿なんですよ。今度の検査所の吸収統合でもそういう形になっているわけです。もう少し、農林省の権限拡大と言ったら他省に対して失礼になるかもしれないけれども、農林省は農林省の筋を通した思い切った行政機構の一元化というものを考えるべきではないか。肝心なところだけ建設省にとられて、それで山の一番の水資源の肝心なところは農林省が一生懸命やっている、そういう矛盾がいまの機構の中にあるじゃないか。それを直す努力を大臣なり次官がしなければならぬ。何のために閣僚会議があり、何のために次官会議があるのか。われわれは平素からそういう一つの不満を持っておるわけですね。これは一つの例ですよ。至るところそういうのがある。それは、えさの問題にしてもそうだし、農機具の問題にしてもそうだし、いろいろな問題でみんな通産省に握られて、農林省はただ助言をする、指導する。行政的な権限というものは一つも拡大されていない。権限を持つばかりが能じゃないけれども、もう少し考えるべきではないか、こう思うのです。この検査所はたまたま突破口で、農林省が追い詰められるというのは、今度は食糧事務所が出てくると思うのです。食糧事務所の検査、ただ収納検査だけの段階で論議をして、バラ検査にするか、また抽出検査をするか、何をするにせよ、いろいろな形で、ことしの予算委員会で農林大臣は検査員を今度は減らします、検査所も統合します、こう言うのです。きょうのこの承認案件という、ごく簡単な問題じゃない。これがどんどん窓口を広げていく突破口にさせられておる。これはいずれ次は、食糧事務所検査所の次はどこに行くんだ、農政局に来るだろう。農政そのもの全体の方向づけが明確にならないのに、機構だけはあっちにひっつけこっちにひっつけ削減するというやり方は一貫性がないじゃないか、こういう気がするわけです。 食糧庁が来ておると思うのですが、食糧事務所の統廃合がいま順次行われておる。これから人員整理も入ってくるだろう。今度食管法、この国会では改正の提案をしないということで見送られたので、いずれ次の通常国会に出てくるのではないか。その時点に食糧事務所の統廃合、そして人員削減というものを皆さん方の立場で考えて、やる。消費者や農民や国民的な立場でとらえてないやり方だ。もっと国民的な立場で、食糧政策というものは何としても国民の合意を得なければならぬ、それが基本になって政策として打ち出さなければならぬし、またその政策が生かされていくのだろう、こう思うわけです。食糧庁の見解をまず聞きたいのです。
○小野(重)政府委員 現在、食管制度運営につきましていろいろ問題がございますが、その制度運営全般の改善について検討を進めているところではございます。 その一つといたしまして、食糧管理業務の改善につきまして検討を進めております。検討の方向といたしましては、検査業務につきましては、バラ検査、抽出検査等を進める、あるいはコンピューターを導入して一般の業務運営の合理化を図るということなど、既存業務の合理化を進めますとともに、一方では販売業者に対する指導の強化とか、あるいは米の消費拡大対策等拡充すべきところは拡充するということで、そういう方針のもとに計画的に食糧事務所の組織、定員の合理化を進めるという考えのもとに、現在検討を進めているところでございます。
○柴田(健)委員 食糧というものは、食糧庁は何と何とを含めて食糧という位置づけをしておるのか、どういう定義であるか。
○小野(重)政府委員 食糧管理法に言う主要食糧でございますが、これは米、麦及びその加工品、こういうことでございます。
○柴田(健)委員 食糧管理法だけのたてまえの食糧ということでいま取り組んでおる、またそういう考え方でいままでやってきた。ところが、われわれはそうは考えてないのですね。食糧というものは、何も食糧管理法の位置づけの品目だけじゃなしに、もっと幅を広げてこの食糧というものをとらえて、それをもう生産から流通、消費に至るまで供給体制を確立していく・そこに食糧の自給力の強化ということをわれわれは考えておるわけで、ただ食管法の上に位置づけをしておる米と麦とみそ類の問題だけではない。全体の食糧というものをもっととらえて食糧政策を考えなければならぬだろう。そういう中で検査のあり方をどうするかということを今後考えるべきじゃないか。 それで、収納検査だけが検査ではないんだ、流通検査までするのが本当の検査だ、われわれはそう思っておる。いまやっておる検査方式というものは、これはもう一部分的の検査だ。たとえば収納検査が十月から始まる、九月から始まる、それは早場米のところもあるだろう。けれども、米だけを考えても九月、十月で収納検査したものが、消費者の口に入るのには少なくとも三カ月、四カ月、半年、一年、そういう期間がかかっておるわけですね。九月に収納された米をすぐ消費者にその月に供給するのはごくわずかであり、まれである。何カ月先でなければ消費者の口に入らないということ。その間の保管の状況、倉庫の実態、いろいろな面から考えて、品質が変化をする、たとえば病害虫の駆除で薬の効き過ぎ、米の質が変わる、変色する、いろいろな形で変化を起こしてくる。動物、植物というものは変化をするのがあたりまえであって、その変化することをどう科学的に抑えていくかというので、それはもう倉庫の建て方もいろいろ研究しなければならぬだろう。ところが、日本のいまの倉庫の実態から見ると、新しい倉庫というのはごくわずかである。八割近くはもう大体戦前から戦後に建った倉庫が多い。それを一部手直しをしておるところがあるわけですけれども、大体昔の倉庫が多いわけですね。近代倉庫というのはごくわずか。いまの倉庫の保管場所の実態から言うたら、品質が変わるのがあたりまえである。そういう現状の保管状況から見て、ただ収納段階での検査が終わったら、もうそれで消費者に対する責任は終わったんだ、国民に対する責任は終わったんだという考え方の検査方式というものは、近代国家としては私は少しおくれておるのではないか、こういう気がする。これからの検査方式を見直していく、そういう見直しの中で、現在の食糧事務所のあり方、人員の定数というものを考えるべきではないか。そういう新しい発想で検査方式を変えないと、国民からは信頼されぬだろう、特に消費者からは信頼されぬだろう、生産農民からも信頼されぬだろう。国民から信頼されないような検査方式をいつまでも続けていくということはよくないのではないか、われわれはこういう考え方を持ってお尋ねをしておるわけですよ。そういう心構えで、依然としたいままでの考え方に立って食糧事務所のあり方を検討するというのは、批判も起きるし、矛盾も起きるし、抵抗も起きるだろう、こう思うのです。この点の見解を聞いておきたい。
○小野(重)政府委員 普通農産物検査官という場合の検査というのは、農産物検査法に基づく、いま先生のおっしゃいます収納検査でございますが、この検査を担当するのが検査官ということでございます。ただ、これは御案内のように、いまの農産物の検査というのは収穫時の約三カ月検査をするわけでございますが、その同じ検査官もその時期以外はいろんな仕事をしておるわけでございます。いろいろございますが、たとえば倉庫の見回り等もいろいろあります。私、先ほど販売業者の指導を強化する、こう申し上げましたが、たとえば精米段階の品質表示の問題これはまだ不十分でございまして、これを強化するように現在指導しておりますが、その場合でも具体的に販売業者をいろいろ調査、指導する、こういうのも検査官の仕事でございます。検査官の検査時期以外の仕事でございまして、そういう仕事は強化していくというようなことで、おっしゃるような趣旨で検査官の活用ということを進めていきたい、かように存じておるわけでございます。
○柴田(健)委員 承認案件に関連していろいろお尋ねなり見解を聞いたのですが、いずれ農林省全体の機構改革なり合理化問題が順次出てくるだろう。その都度、農林省の方ももっと国民に相談をするという姿勢、ただ独善的に進めるというのでなくして、十分前向きというか、みんなが納得するような姿勢でひとつ相談してもらいたい、こう思うわけですね。いずれこういう問題は論議しなければならぬ問題だと思っておるわけです。 次に、時間の関係で、農林漁業団体職員共済組合法の一部を改正する法案について提案説明をいただいたのですが、現在加入人員四十六万五千八百七十五人という組合員数ですが、当分この員数は変化を起こしてない。これから農政のあり方の中で生産法人組織が順次でき、それが法人組織なら組合員というものが出てくる。こういう団体共済年金制度に加入を進めるという方向で生産法人を奨励していくのか。特に農村には社会保障制度が少ない。そういうことを考えたときには、ただ団体の職員というのでなしに、法人のそういう労働者、農業の生産法人ですから、生産法人のそうした組織人は加入ができるのかどうか、奨励するのかどうか、この点をまず聞いておきたいのですが、そういう点まで組合員の加入運動というか、やっておるのかどうか、これをあわせて聞きたいのです。
○塚田政府委員 お答えいたします。 御指摘のように、農林年金の財政の安定化のためには、加入者ができるだけ多いということが一つの大きな要件でございます。それで、法律の定めるところによります団体等につきましては加入しているわけでございますが、御指摘の生産法人につきましては、生産法人において常時給料をもらっている者につきましては強制適用ということになっております。そこで、私どもは格別、加入推進運動というものを特に御指摘のようにやっておるわけでございませんけれども、そういう実態を踏まえて、それから年金財政の立場も踏まえて、今後その問題については検討していきたい、このように考えております。
○柴田(健)委員 いつもいつも附帯決議で、もう二十年以上の戦争だと、こうわれわれは言うているのですが、国庫補助率を二〇%にしよう。私学年金と同じにせられて——私学の方は制度的の見解から言うと、教育というものは、ただ国だけの問題ではない、地方公共団体も責任があるんだ、全国民的な問題だと、だから都道府県が私学年金には助成をしているわけですね。これは自治省もやむを得ないということで、あれだけは認めている。農林年金の方は、これは農林省の責任だと思うのだけれども、農業という産業は国民的な問題ではない、これは一部の部分的な産業だ、こういう解釈で、地方公共団体の方は農林年金の団体には助成をしない。私学年金の方には、教育というのは私学であろうと公立であろうと、人間そのものは生涯教育だ、大人も子供も全部教育の恩恵を受ける、教育は国民的な問題だということで、都道府県が出している。農林年金の方は補助金がない。国の国庫補助率は私学年金も農林年金も一八%、同じだ。それで近年やむを得ない措置として、農林省が農業団体へ、中央会へ補助金を出して、ささやかにそれを補完をしておる、そういう実態なんですね。この国庫補助率を、いまの憲法の精神から言うたらもう少し不均衡是正をしなければならぬ。われわれはそういう考え方に立って、憲法の精神に反する行為じゃないか、なぜこんな不公平なことをするのか、こういう気持ちで、もう二十年余り言い続けてきたわけです。特に新法が実施されてから、この問題が常に重要な課題だ。われわれが言いかけて、もう大臣が何人かわったか知らない。それは一年に二回もかわるときですから、田植えをするときの大臣と取り入れをするときの大臣がかわる。またことしもかわるんじゃないかと思うのですが、まあ大臣が何人かわるが知らないけれども、この制度というものを余り差別をしてはならない。なぜ二〇%にならないのか、もう二%。計算したって、せいぜい十四、五億だと思う。十四億か十五億の金があれば大体いいんじゃないか。それが農林省はなぜ力を出してやらないのか。大蔵省の壁をなぜ破ってやらないのか。これは熱意の問題だと思う。どこに隘路があって力がないのか。どちらが力が弱いのか強いのか。力関係の論議をしては失礼なんだけれども、正直に言うて力関係だと私は思う。農林省が本気でやればこれは解決する問題だと思うのです。一、二年じゃ解決しないけれども、大体、石の上にも三年という言葉があるし、十年一昔という言葉もある。もう二十年を越したのだから二昔も過ぎたのですね。それでも解決できないというのは、実際はだれの責任なんですか。おめおめこの法案を出してきた農林省の姿勢、大臣なり次官というものの力を私はそれこそ疑うわけです。まことに申しわけない、そういう気持ちが農林省にあってほしい。全然それがない。壁の厚さ、力のなさ、努力の足りなさ、もっと具体的にこの点について説明願いたい。正直に言うて、もうわれわれも堪忍袋の緒が切れた。この農林団体の法案については、改正案が出るたびにわれわれは心の底から怒りを持つし、残念だと思うのです。もっと具体的に説明願わないと、われわれは理解できない。ひとつ説明願いたいのです。
○塚田政府委員 お答えいたします。 ただいま御指摘のように、農林年金の補助率につきましては、毎年の国会の審議、附帯決議におきまして、その二〇%以上の引き上げについて強い御要望があることは、私どもも十分承知しております。農林年金につきましての国庫補助率は御指摘のように一八%でございます。そこで、私ども毎年大臣折衝まで上げて努力しているわけでございますけれども、正直なところ力及ばずそのようになっておるわけでございます。他方、財源調整費ということで一・八二%相当をいただいておりますし、合計いたしますと一九・八二になるわけでございますが、そのほかにいろいろ知恵をしぼりまして、ただいま御指摘の相互扶助事業について二億七千万円程度を要求しているところでございます。 農林年金は農林漁業団体の役職員のための年金でございまして、発足の当初から、農林漁業を支えるものは単に農林省あるいはその他関係行政機関ばかりでございませんで、農林漁業団体役職員の方々の大きな支えがなければ農政も農業の振興も図れないという角度から設置されて、制度としては厚生年金よりも有利な仕組みになっているわけでございます。そういう意味で、私どもといたしましても、これに対する財政的な支援というものにつきましては、農林省といたしまして全力を挙げなければならない立場にあることは御指摘のとおりでございます。しかしながら、先ほど申しましたようなわけで、現在までのところ実現を見ないわけでございますけれども、私ども事務当局といたしましても、今後ともいろいろ知恵をしぼりながら、財政支援の拡充については大いに努力していきたい、このように考えております。
○柴田(健)委員 努力が足らない、まことに申しわけないじゃ済まぬ、正直に言うて。ことしの予算折衝で、これは大臣折衝まで上がりましたか。
○塚田政府委員 本年についても、大臣折衝まで上げて折衝いたしました。
○柴田(健)委員 それなら大臣の力がない、次官の力がないということでしょう。どうも大臣折衝まで形式的には持ち込むけれども、みんな玄関口でおりてしまう。最後まで粘るということは一回もない。そういう形式的なごまかし折衝じゃ本当はだめですよ。大臣折衝まで持っていったんだけれども、戸口だけのぞいて、それは君だめよと言われたらすっと引っ込む。大臣折衝まで持ち込んだのだけれども、だめでしたと言う。それはごまかしですよ。何を犠牲にしても、これだけは二十年戦争だから解決する、ほかは犠牲にしてもやるのだ、そのくらいの気魄がないと解決しないと私は思うのです。 それから、五十六年度の予算折衝でこれは絶対解決するという確約をもらいたいのですよ。きょうは午後五時から大臣がお見えになって答弁されると思いますけれども、私はトップバッターで、次官にひとつ確約をしてもらいたい。大臣には日野議員が質問しますが、絶対五十六年度で解決する、それをきょう確約したら、もう審議をやめてすぐ通しますよ。絶対確約してもらいたい。何年も何年も同じことを言うていても、さいの河原じゃないけれども、積んじゃ壊し、積んじゃ壊しで何にもやらない。これでは意味がないのです。何としても五十六年度に解決します、そのくらいの答えを具体的にしてもらいたい。次官どうですか。
○近藤(鉄)政府委員 先生の御指摘は全くごもっともだと思いますが、御案内のとおりのような財政の現状の中でいわゆる補助率をアップする、変更するということは、単にこの問題だけではなしに、農林省もいろいろな問題がございますし、また各省を通じていろいろな問題がございます。これは決して泣き言を言うつもりじゃございませんが、非常に厳しいということも御理解賜りたいと思うのであります。したがいまして、五十五年度予算の折衝におきましても、これは何も形だけじゃなしに、大臣も私どもも最後まで財政当局にがんばり、大臣折衝に持ち込んだわけでありますが、横並びの問題がございますので、この一八%というのを変えるわけにいかない。そこで、財源調整費という形で従来どおり一・八二%相当額を確保して、実質は二〇%近くに持っていった、こういうことが現状であります。 先生から私学共済との比較の御議論がございましたけれども、これは御案内のように、いわゆる地方自治体は公立学校を抱えておりますので、比較的そういうことに対してのルートができておって、それとの横並びで私学の方にもいささかの助成をしているわけでございますが、結局、なかなか一律にできなければ、いま申しました財源調整費なり、その他少し知恵を出して、別枠で実質的に二〇%の国庫補助率を達成する。これも決して一八%の率から後退するのじゃなしに、それはそれとして突っ込みながら、同時に実質的な手厚い措置についても、知恵をしぼり、力も出して、これまでもやってまいりましたし、これからもぜひやってまいりたい、かように考えております。
○柴田(健)委員 次官、そんな説明はもう何遍聞いたかわからぬですよ。われわれはもう耳にたこができるほど聞いておるのです。そのものずばり私はお尋ねをしておるのです。ここまで来たらもう簡単なものですよ。五十六年度で解決するかしないかということだけお答え願えばいいのであって、もうごちゃごちゃ要らない。どんな困難があろうとも五十六年度で解決するとね。われわれは無理を言うておるのじゃないのです。当然のことでしょう。不公平があってはならない。これだけは解決しなければならぬ。 それなら、この団体に入っておる職員の皆さんは給料がずば抜けていいですか。だんだんよくなってきて、昔から言えば大分よくなったけれども、まだ低いのです。それは年金額を見てもわかるわけです。数字を申し上げませんけれども、低いのですよ。だから、せめてこれを何としても高くしてやる、引き上げてやる、それを誘導する。それは農林省の責任で補助率をもう二%上げたらいいじゃないか。国民健康保険の財政調整金みたいなことを考えてくれては困るのですよ、あれは医療制度、こっちは年金なんだから。だから、年金は年金として位置づけをして取り扱いを考えてくれなければいかぬわけですから、次官、簡単でいいです、五十六年は解決する、その答えをひとつ頼みます。
○近藤(鉄)政府委員 御指摘の趣旨は私ども十分理解をしているつもりでございますし、大臣を中心といたしまして五十六年度予算に何とか実現を図るように全力を挙げて努力をいたしますということはここで申し上げておきます。
○柴田(健)委員 やや、やわらかい言葉で——とにかくいずれ午後五時以降大臣が出てきますから、次官、午前中にこういう質問が出て答えを出さなければなりませんと大臣と相談をして、日野議員が質問しますから、大臣からはっきりお願いしておきたいと思います。 次に、この年金の運用の方法なんですが、年金の方で保養センターだとか保養所を十一カ所ほどつくっておる。十一カ所あるのか、十二カ所あるのか知らぬが、赤字が出ておるのが何カ所、黒字が出ておるのが何カ所、具体的にちょっと説明願いたい。
○塚田政府委員 お答えいたします。 具体的にどこの場所につきまして財政状況がどうかという、ただいま資料を持ち合わせておりませんが、一般的に申しまして、遠隔地にあるところについては赤字でございます。都会に近いところが黒字というような傾向になっております。
○柴田(健)委員 遠隔地であろうとなかろうと、そんなことは答弁にならぬと私は思うんですね。ここは国会ですから、座談会やそこらで言うのとは違うのですから、もう少し具体的に説明してください。
○塚田政府委員 ただいま申し上げられますのは、具体的に申しますと九州の阿蘇、別府と北海道については赤字でございます。
○柴田(健)委員 これは農林年金、各年金の団体でもそうですが、この運用を図る、それから加入者の便宜を図る、健康を守ってやる、趣旨としてはいいのですが、場所の選定を誤ったり、宣伝なり運営なり、ぼくはやはりこういう赤字が出る施設を見ると、そこのセンターの管理者のサービス精神いかんだと思うんですね。どんな赤字が出ておっても、人がかわったら成績の上がる施設が出てきておるわけですね。ほかの年金の場所を見ても、いろいろ事業をやっておるのを見ても、やはり人だと思うのです。人の問題を十分考えて運用させていかないと、組合員の金でそういう施設をつくって、組合員の利益を守っていくというのが、経済効率というか効果が出てこないということは、それはやはり無責任だと言わざるを得ない。そこの監督、助言というものは農林省にあるわけですから、そういうところに年に何回か行って指導すべきじゃないかという気がするわけですが、何回ぐらい農林省はそういう施設を調査研究し、指導し、助言をしておるのか。
○塚田政府委員 お答えいたします。 私どもの農林年金の宿泊施設につきましては、他の公的な共済施設も同様でございますけれども、人件費を中心とした経営コストの上昇等がありまして、経営的に採算が悪化しているものが少なくない状況にございます。そこで、こういうようなところは、やはりほかの方の、公的施設ばかりではございませんが、そういうものと競争にありますので、御指摘のように、これをうまくやっていくというには、要は人である。管理していく、特に責任者の人に依存するところがかなり大きいというふうにも思っております。しかし、私どもの宿泊施設は、組合員四十数万の皆さん方にとって大事な施設でございますし、それが低廉に有効に使用していただくということがきわめて重要でございますので、従来から指導しているところでございます。監督官庁として今後とも指導してまいる所存でございますけれども、ただいま御指摘の、年何回ぐらい役所から行っているかという御質問でございますが、年に一、二回という程度でございます。
○柴田(健)委員 この積立金の運用状況で、四千九百三十二億四千六百万円の中で、投資不動産というのは何カ所で二十七億五千八百万あるのか。何カ所と面積——これは土地と建物だと思うが、建物なら何平米、土地も何平米か。坪でもよろしい。
○三井説明員 先生お尋ねのとおり、不動産についても運用が許されているところでございますが、細部につきましては実はただいますぐお答えできるものがございません。ただ、運用につきまして、年金といたしましては比較的不動産取得につきまして効率のいいものを心がけるということには従来から努力をいたしておりまして、その面につきまして、農協が最近御承知のとおり不動産運用につきまして御指摘のある点もございますけれども、年金につきましては全体の取り組みとしては比較的堅実な運営を行っておるというふうに考えておるところでございます。
○柴田(健)委員 資料がないのかね。預貯金はわかるが、投資有価証券の内訳、証券投資信託——要するに投資有価証券三千七百十億五千万、証券投資信託八十三億八千六百万、信託が三百六十九億三千九百万、団体貸し付け九十八億六千三百万、投資不動産二十七億五千八百万、他の経理貸付金六百二十九億四千九百万、計四千九百三十二億四千六百万の全体の内訳の明細が欲しいのですよ。もっときめ細かい説明が欲しいのですよ。いま具体的に二つを言ったのです。投資不動産、それから建物と土地と聞いたのですが、その他の内訳が聞きたいのですよ。他の経理貸付金六百二十九億四千九百万をどういう経理のところに貸し付けをしているのか。
○三井説明員 他の経理の貸し付けといたしましては、組合員の福祉を図るための還元貸し付けが主体でございまして、住宅関係の貸し付けが非常に大きなウエートを持っているところでございます。
○柴田(健)委員 それだけか。組合課長、全部言わなければだめじゃないか。たとえば貸し付けは何万件あります、一件当たり何百万貸しています、こう言わなければ説明にならないじゃないか。住宅資金であります、そんな子供みたいな説明をするなよ。
○三井説明員 ただいま申し上げました福祉事業につきましては、住宅資金の貸し付けということでございますけれども、具体的な貸付条件といたしましては、たとえば貸付限度額につきましては、新築の場合に現在四百万円、増改築は百万円等、いろいろ細かく分かれているところでございます。また、その償還につきましては五十カ月、百カ月など区分をいたしまして、三百カ月までいたしているところでございますし、貸付利回りは五・八%ということでございます。住宅につきましては、従来比較的加入者の要望が強いこともございまして、かなりの額につきましての貸し付けを行っているところでございます。
○柴田(健)委員 それだけですか。積立金運用状況の中身を全部説明願いたい、こう言ったのです。
○三井説明員 お答え申し上げます。 住宅資金の貸し付け以外には、育英資金の貸し付け、災害資金の貸し付け等があるわけでございます。ただ、全体の貸付量の中で見ますと、住宅貸し付け以外のものは非常にウエートが低いわけでございます。細かい点につきましては、この住宅貸し付け以外につきましては割愛させていただきます。 なお、先ほどお尋ねがございました他経理貸し付け以外につきまして、資金の運用種類で申し上げますと、五十四年度時点につきましての数字で申し上げますと、全体は先ほど先生からお尋ねがございましたものと私どもの数字も大体同様でございまして、約五千六百億でございます。この中におきまして一番大きなものは、有価証券の運用でございます。この中身といたしましては、金融債、政府保証債、社債、貸付信託等がございます。なお、運用利回りにつきましては、有価証券全般では七・六九%となっております。そのほか金銭信託、団体貸し付け、他経理貸し付けなどがあるわけでございます。他経理貸し付けにつきましても、平均的な運用利回りでは五・五二%の利回りによりまして運用を行っているところでございます。
○柴田(健)委員 われわれは、年金については余り多くは言わずに法案を採決してあげなければならぬだろうと思うのだけれども、農林省ももう少し親切が欲しいですな。次官、そう思いませんか。資料でも、無理に一々尋ねなくても、一目瞭然、目を通したらすぐわかるぐらいなものをこれからは出してもらいたいと思うのですが、次官、この点はどうですか。
○近藤(鉄)政府委員 これから年金財政、いろいろ収支やりくり大変でございますし、そういう意味では、先生御指摘のように、資産の運用をどうしているかということについても、農林水産省といたしましてはこれまで十分に見てまいったつもりでございますが、なお御指摘の資料につきましては今後詳細に提出させていただきたいと思います。
○柴田(健)委員 年金受給権者は七万七千九百三十一名ということなんですが、この中で障害者は千七百九十三人ですね。障害年金、この障害者の種類は主にどんなものがありますか。
○三井説明員 お答え申し上げます。 障害年金につきましては、障害の程度によりまして区分が行われておりまして、一級、二級、三級など、いろいろ細部にわたりましてその障害の程度に応じました区分で給付の内容を定めているところでございます。
○柴田(健)委員 次に、われわれはこの法案について毎回毎回附帯決議をつけておるのですが、どうもこの附帯決議が十分守られないというのでわれわれにとっては不満なんです。今度新しく附帯決議の中で二つ新しいものを入れたい。それは、農業協同組合が相互扶助ということでこの年金制度の普及、そして理解を求めるための組織の強化、年金制度の拡充を図っていく、そういう指導を農林省がもっとやったらどうかという気持ちで今度附帯決議に入れたい。もう一つは受給者の組織化をする、もう少し年金制度に対するあり方、運営というものについて、受給者の立場で意見が集約できるような組織づくりをする、そういうものにも農林省はひとつ力を入れたらどうか、こういうことで附帯決議の中に入れたいと思う。まとまるかまとまらないか、いま、附帯決議案でありますから各党の意見を聞かなければなりませんけれども、この二つについてひとつ見解を聞いておきたい、こう思う。
○塚田政府委員 二点についてお答えいたします。 第一点の相互扶助事業につきましては、かねてから全国農協中央会等農協系統組織の強い要望がありまして、私どもはそれを予算化して今日に至っているわけでございます。この趣旨は、間接的に年金財政に寄与しているところでございまして、私ども、年金財政の将来のためにもこの事業は非常に有効である、このように考えております。したがいまして、今後とも全中等系統組織と御相談しまして、五十六年度予算においても十分前向きに検討してまいりたい、このように考えております。 第二点の受給者の問題でございますが、現に年金の受給者は四十五の都道府県において連絡協調機関を設けております。その事務局は東京の農林年金会館に置かれてあります。私ども、将来を展望しますと、年金受給者の方々はどんどんふえてくるわけでございますので、そうした方々の組織というものは今後とも拡大、拡充していくのではないかと考えております。そしてまた、同時に、そうした方々が農林年金制度の改善についていろいろ御意見なり御要望を持つというのも当然だというふうに考えております。したがいまして、今後この方々の御意見なり御意向、御要望をどのように吸収していくかということが行政にとっても一つの課題であろうかと考えておりますので、第二点のことにつきましても、そうした要望の受けとめ方について検討をしてまいりたい、私どもこのように考えております。
○柴田(健)委員 日本の年金に関する法律、こういう法律は、受給者、もらう方が法律を読んですぐわかるような法律にするのがぼくは本当だと思う。ところが、日本の、恩給法を含めてですが、どの法律も受給者には正直言うてようわからぬ。もっとわかりやすい法律をつくったらどうかというのが長い間の私の考え方なんですよ。特に共済法については、新法、旧法入り組んでおる。田舎で言うと、どれが農道やら、林道やらわからぬようになっている。一般の者から言えば、道路に間違いないんだけれども、中身を調べると、これは林道であります、農道でありますと分けられる。それが地方道であろうと、県道であろうと、林道だろうと、農道だろうと、道路法でぴしっと位置づけをすればこれは一番簡単だと思う。それと同じように、新法で旧法でと、こう言う。それで条文を読んでみると、受給者には理解できないような、あっちを引っ張り出し、こっちを引っ張り出して読まなければわからないような法律、こういう法律が受給者に対して親切かどうかを考えたときには、この法律そのものが不親切だ。だから、受給者のだれにでもわかるような法律にすべきじゃないか。年金法はだれのためにつくっているのか、受給者のためでしょう。何も権力者のためや大蔵省のためにあるわけじゃないんだから、受給者のためにある制度なら、受給者が理解できるようなわかりやすい法律に直すべきじゃないか、こういう気がする。年金のわかる専門家が各県に何人おるか言うたら、一人か二人でしょうなんというぐらいのもので、ちょっとわからない。 それから、いまわれわれが附帯決議の中で、第八項目に入れたいのは、受給者の組織をつくって、もっと法律の中身、年金の運営について、われわれはもらっているんだ、しかし、運営についてはどうだという意見が述べられるような組織をつくりたいというのも、受給者にはわからぬような法律をつくるからこんなことになる、こういうことなんですが、この点について、いまの法律はまことに受給者にわかりやすいと次官は思われるか、わかりにくいと思われますか、どちらか、ひとつ見解を聞いて、直す意思があるのかないのかお尋ねしたいのです。
○近藤(鉄)政府委員 御指摘のとおり、私もいろいろ法律を読んでみてなかなかむずかしい法律で、こうして先生方に御質問されても大変なわけでございます。ただ、これは釈迦に説法でございますが、いろいろ経緯のあったことでございますので、旧法対象者と新法対象者といろいろ賦課制度その他あってなかなか簡単にいかない面がございますし、同時に、まさに先生御指摘の、法律はあくまでも受給者のことを思っての法律でございますが、受給者に対してのきめの細かい措置を講ずるとなると、これまた法律の条文がだんだん複雑になってまいる面もございます。したがいまして、法律は法律としてやはり正確を期さなければなりませんので、若干むずかしい文言になる場合もやむを得ないかもしれませんが、しかし、法律はさておいて、実際の制度がどういうふうになっていて、どういうふうに運営がされて、どういうふうに受給者にとってプラスかということについての改正につきましては、従来もやってこなかったわけではございませんが、もう少し簡単な文章で説明して、よく御理解いただけるような努力は今後積極的にしていかなければならない、かように考えております。
○柴田(健)委員 これは次官、ここ一年以内にどうせいというのではなかなかむずかしい、あなたが言われるようにいままで歴史がある。そういう歴史論や経過論はどうであれ、すべて法律というものは近代的に直していくべきだ。依然として明治十八年の太政官布告のときのような考え方で法律をつくるという姿勢自体がおかしいのであって、悪いものはどんどん直していく、それが新しい一つの政治の方向であろう、立法府の任務でもある、私はそう思うわけです。われわれは、もう何としても直して受給者にわかりやすいような法律にすべきだ、こういう考え方をずっと持ってきておるわけです。われわれが意見を申し上げたら、これを国民の声として受けとめて、農林省の方も取り組んでもらいたい。依然として経過論や歴史論を言うのだったら、正直言って次官も大臣も要らぬわね。そんなに古典的なことばかり言うなら何も要らぬわけですから、それはだれやら申したように、政務次官というものは盲腸くらいなものだ、こう言われる。あってもなくてもどうでもいいんだ、こう言われるから、われわれはそういう判断でなしに、本当に力のある政務次官になってもらいたい。大臣でなくとも、次官でも、おれはこういう考えを持って直す、そういう力があってほしい、こう思うわけですね。あなたのいま言うのは、依然として盲腸的な役割りで、あってもなくてもいいようなそういう答弁では、正直言って答弁にならない。簡単なものだ。直すか直さないか、直すとすればこの一、二年のうちに直しますと目標も示して、きょう言うたらあした直せというわけじゃない。そんな無理を言うわけではないのですから、いままでもそういうことで言うてきたのですから、もうぼちぼちこの法律の見直し、手直しをする、こういうことをしないと、加入者、受給者にとっても不親切だと私は思う。そういう点でぜひ直してもらいたい、こういうことをお願いして、時間が参りましたからやめます。 またいずれ改めていろいろな角度から農政について——人の問題も農政のうちだから、重要な任務を持っていますからね。これからの日本の農政の方向づけ、農政の大転換をしなければならぬ、そういう立場で、先般も国会決議をしたのは、国内の食糧の自給率を高めるためのこれからの方策をわれわれはみんなして見出していかなければならない、そのためには思い切って論戦をしなければならぬと思うのです。避けて通れない、思い切って論戦するんだ、これはもう何党であれ、日本の食糧問題はいま避けて通ることのできない重要な政治問題になっておりますから、思い切って論戦しなければならぬ。どんな方向を出しても、人の使い方が悪かったらそれはもう成果が上がらないわけですから、やはり人に対する取り扱いというものは考えなければならぬ。それは社会保障という枠組みの中で、年金もそうだし、移譲問題もそうだし、それら全体の中でこれからの農政というものは論じなければならぬ、こう思っております。 きょうは時間が来ましたから、この辺で終わりたいと思います。終わります。
○山崎(平)委員長代理 この際、午後二時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時十九分休憩 ————◇————— 午後二時四十分開議
○内海委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。和田一郎君。
○和田(一郎)委員 農林共済の質問に先立ちまして、砂糖の問題でちょっと質問をいたします。 まずお聞きいたしますけれども、砂糖の自給率は現在どのくらいになっているか、それをお願いいたします。
○森実政府委員 お答え申し上げます。 現在の自給率は二三%強でございます。
○和田(一郎)委員 砂糖の自給率二三%強というのは非常に低い自給率でございますけれども、どのような方策を今後持っていかれるか。これを向上させるような方向に持っていくのかどうか、基本的なところをひとつお願いいたします。
○森実政府委員 現在農林省が立てております六十年度の長期見通しでは、全体の需要量が三百八十五万トン、これに対して国内産糖は百六万四千トン、ちなみに現在は六十九万九千トンという数字になっておりますが、そこまで引き上げることによって自給率を二八%程度まで引き上げてまいりたいと思っております。
○和田(一郎)委員 四十九年ですか、暴騰の相場がありまして、砂糖の方の関係は大変な騒動が起きたわけでございますけれども、ことしの二月十四日にはロンドン相場が二百八十七ポンドと最高にいった、そしてそれからわずか一カ月後の三月中旬には二百ポンドを割ってしまったということで、この一カ月急落の場面が出ておりますけれども、このような非常に騰落の激しい商品、これで二八%の自給率という目標でございますけれども、その辺の関連はどうなんでしょうか。安定させるべき自給率は大体どの辺なのかということ、それからこのような急騰、急落というような相場に対しての考え方をまずお聞きしたいと思います。
○森実政府委員 まず国際相場の問題なりこれについての見方を簡単に申し上げます。 実は昨日のロンドン相場はまた再び暴騰いたしまして、二百八十ポンドを超えております。一年の間に大体三倍に近い金額に暴騰した。過去の例を見ますと、やはり五年ないし十年のサイクルで非常に暴騰し、その後急落して混乱を惹起する時期があるということは事実でございます。私どもとしては、現在の価格安定制度の基本はそういった意味合いからも堅持すべきものだろうと思っております。つまり、下限価格を設けまして、それ以下の国際価格で輸入される場合においては国として差益を徴収する、それでその積み立てたものを安定資金として保有しておりまして、現在も約四百億に近いものを保有しておりますが、上限価格を突破した場合にこれを取り崩して、できるだけ国内市場における砂糖の価格の変動幅を国際価格より少なくしていくという努力、この仕組みというものはやはり今後とも堅持すべきものだろうと思います。 そこで、国内産糖の増産の問題でございます。確かに自給率は二三%でございますが、戦前の人口、消費量を考えますと、大体その程度は国内で自給できる数字まで、今日沖繩、北海道、鹿児島の三道県で来ているわけでございます。私はそれなりにかなりの成果なり増産を上げてきたと思っております。今後はいままでのように急速な拡大を図ることは困難であろうとは思いますが、生産振興施策、価格安定施策の基本を堅持しつつ、やはり着実に増産をして、安定的な国内供給を確保していくということが必要だろうと思っております。
○和田(一郎)委員 今度は具体的になりますけれども、いわゆるてん菜糖またはサトウキビ、これの生産振興対策、これはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○森実政府委員 お答え申し上げます。 現在、生産振興施策、ビートとサトウキビではそれぞれ内容が違いますが、まず基本的な問題は、土地改良の計画的な推進だろうと思っております。現実に北海道におきましても、沖繩、鹿児島におきましても、土地改良事業実施地区とそれ以外の地区では反収と投下労働力にかなりの差があることは重視していかなければならないと思っております。 第二の問題は、やはり種苗対策でございます。ビートにつきましては、優良種苗の普及、高糖分品種の普及という問題に努めていきたいと思っております。またサトウキビにつきましても、安定的な高糖度の増収品種の導入ということに努めてまいりたいと思っております。 それから三番目は、やはり収穫労働力の省力化という問題でございます。そういう意味においては、やはり機械化のための生産団地の育成事業や、現在実施しておりますビートの地域農業生産総合振興対策によるビート主産地域の機械化という問題を進めていく必要があると思います。 それから、さらにもう一つの問題としましては、普及上の努力でございまして、この件につきましては、本委員会でも前々から御指摘があったわけでございますが、本年からいよいよ、昨年並びに本年にかけまして優良展示圃の設置等の事業を実施する体制が整備されまして、そういった形で広く農民各位の技術水準を上げていくための努力、展示活動を強化してまいりたいと思っているわけでございます。
○和田(一郎)委員 次に、いわゆる砂糖特例法の施行後精糖業界の経営状況はどうなったかということでございますが、体質改善というものが課されておりましたけれどもその後どうなったかということと、それから雇用の現況、これをお答え願いたいと思います。
○森実政府委員 お答え申し上げます。 まず経営状況でございます。先ほど御指摘ございましたように、四十九年から五十年にかけての暴騰後の暴落、その過程で膨大な累積赤字が発生いたしまして、ここにございます数字で申しますと、五十二年九月期には上場十一社のベースで九百四十二億の累積赤字がございました。これが五十四年の九月期、最近時の決算では三百三十三億円まで減少しております。この六百九億円の繰越損失の減少額のうち、資産処分等の企業努力による特別利益が三百三十億、それから減増資が二十億ございます。経常利益が二百五十九億という内容になっております。 第二に、体質改善の状況でございます。先ほども申し上げましたように、それぞれ精糖企業は、膨大な不動産、株券等の資産処分を行って、含み資産を吐き出すという形でまず荷を軽くするという努力をやったわけでございますし、また一、二の企業では新鋭工場に委託生産で集中するという方策もとられたわけでございますが、やはり業界全体としての過剰設備の処理についてはなかなか成果を上げていない。何と申しましても装置産業でございまして、一企業一工場の会社が主力でございます。そういった意味では、雇用問題も一方においてあるし、他方、設備の廃棄ということがいまのままの姿ではなかなか生産性の向上につながらないという点で、なお七十万トンを超える過剰設備を持っているという状況でございます。 次に、雇用状況を申し上げます。これは精糖工業会加盟二十二社ベースではじいた数字でございますが、五十三年の三月から五十四年の九月までに約三百四十名の減少になっております。七千五百四十人の常雇い、臨時雇い、下請全体の数が七千二百一人という数に減少しているわけでございます。ただ、これは設備廃棄に伴ういわば職員の解雇という形ではございませんで、一つは経営の多角化等による配置転換、新規採用の停止による新規減耗等によるものでございます。
○和田(一郎)委員 業界の方も、過剰設備の構造改善については遺憾ながら見るべき成果にまだ至っていない、こういうようなことを言っておりますが、この方はどうなんですか、今後の見通しについては。
○森実政府委員 昨日私どものところに、精糖工業会から構造改善の考え方なりプログラムについて説明があったわけでございます。従来と違いまして、約七十七万トンという過剰設備を現に保有しているということを明確にしてまいってきております。そして、これをおおむね五年後を目途に地域別に目標を設定して削減するという方針を示しております。さらに、設備削減の具体的手法といたしましては、精糖企業の中には商社系列企業でグループ化しているものもある、それ以外の独立したものもあるということなので、商社系列企業につきましてはグループごとに、他の企業については横の提携を通じまして、企業の合併、統合による生産集約、しかる上での過剰設備の地域別の解消、それからもう一つは、業務提携による委託生産とかブランドの統一等を予定しているようでございますが、業務提携の推進による一層の合理化、それによる設備削減ということをうたっております。私どもとしては、この計画はなお不徹底のところはあるけれども、従来に比べて親会社も積極的に乗り出して積極的に段取りを決めて設備改善に取り組むという姿勢を示しておりまして、それなりに評価できる点があるのではなかろうかと存じているわけでございます。今後、精糖工業会傘下各社の参集を得まして、集団としてまた個別的に、こういった生産集約による設備改善については私どもも本気で取り組んでいかなければならないと思っております。
○和田(一郎)委員 次に、異性化糖との関連における今後の糖業界の見通しについてお願いいたします。
○森実政府委員 御指摘のように、アメリカ、日本が中心でございますが、異性化糖の技術の発展に伴いまして、清涼飲料水等の液状消費になじむ業界においては急速に現在伸びつつあるわけでございます。そういった意味で、私どももコンスターチのタリフクォータの割り当て等に当たっても、そういった状況を過渡的に考慮しつつある、またせざるを得ない状況にあるわけでございます。私どもの見方といたしましては、具体的には異性化糖は粉状化できるかどうかということが一つのポイントだろうと思いますが、これについては困難であり、一方、熱に弱いという点では一つ制約があるだろうと思います。貯蔵、保管施設等の制約もあると思います。さらに、今日の状況で異性化糖が急速にクローズアップされた理由は、昨年以来の砂糖の国際市況の高騰に伴って、トウモロコシを原料にした糖が砂糖に比べてより有利な市場条件にあるという状況があるのではないかと思うわけでございます。 なお、穀物、砂糖の国際価格がどういう対比関係でこれから落ちついてくるか、それから、技術開発がどうなるかを十分見通していかなければならないとは思いますが、長期的に見ますと、砂糖あるいはブドウ糖も含めまして、今日の日本人の甘味資源の消費量は、一人当たりはもう頭打ちの傾向にあると見ざるを得ない。期待できるとしてもたかだか人口増程度であるという状況。それから、技術的な進歩の過程で、清涼飲料水等を中心にいたしまして異性化糖は商品としての適性なり優位性をも持っているということを考えますと、やはり砂糖の消費自体はトータルとしては伸び悩む状況にあるのではないかと思います。私どもといたしましては、そういう点もとらえまして、今後、砂糖と異性化糖、さらには水あめ、ブドウ糖等を含めました全体としての甘味資源の需給見通しを、市場の鎮静化と申しますか、落ちついた状況を踏まえながら、十分見通して、さらに総合的な需要見通しをつくっていく必要があるのではないだろうかということで、検討を始めたいと思っているわけでございます。
○和田(一郎)委員 この質問は通告していなかったのですけれども、砂糖は余り取り過ぎると体によくないという議論があるわけですね。それから化学甘味料もどうかという議論がいろいろございますけれども、農林省の立場ではどうお答えになるかわかりませんが、一応それに対する局長のお考えをまず聞いておきたいと思います。
○森実政府委員 本委員会で大臣等からもお答え申し上げておりますように、今日の日本人の栄養水準は、でん粉その他の炭水化物とたん白質、脂肪のバランスはとれているし非常に良好な状態である。また同時に、カロリー自体も日本人の体位、体質を考えれば一つの限度に来ているという認識を私ども持っているわけでございます。 具象的に日本人と西欧人との食物の摂取の差を見てみますと、一番大きな差は獣脂つまり動物性のファットと糖分だろうと思うわけでございます。今日の栄養学的な視点あるいは医学的な視点から見ましても、動物性の脂肪を大量に摂取すること、糖分を大量に摂取することは、かなり問題があるだろうと思います。かたがたトータルのカロリーの摂取量としても、かなりの安定した数字に達しておる。そういう意味から見ますと、全体として糖の消費は、先ほども申し上げたように一人当たりではふえると見るべきではないし、それを積極的に推進すべきものでもない、あるがままに事実を、むしろそれは比較的好ましい静止状態として受けとめて考える方がいいのではなかろうかと思っておるわけでございます。
○和田(一郎)委員 そうしますと、これからどんどん増産するようなものでもない。まあ自給率は別でございますけれども……。そうすると、いわゆる消費者行政としての価格の問題、一般消費者が受ける値段はどうお考えですか。
○森実政府委員 これはいろいろなむずかしい問題があるだろうと思います。一つは、先生もいま御指摘ございましたように、価格効果によって消費を拡大することができるかどうか、またそのことが全体としてわが国の農政なり農産物の販路に役立つかどうかという問題があるだろうと思います。それからもう一つは、砂糖の現実の負担は、他の商品に比べて、国際的に割り高か割り安であるかという問題とは別に、非常に割り高で高負担を伴う商品として現象しているかどうかという問題があるだろうと思います。三番目は、国際価格との関係において日本の砂糖が割り高ではないかという問題があるだろうと思います。 いずれも明快に結論の出る問題ではございませんが、先ほども申し上げましたように、一つは、国際的な糖価はかなり乱高下する本質を持っている、したがって、上下限の仕組みをつくってその枠内にまず抑える、つまり変動幅を少なくする制度は今後とも必要なのではなかろうかと判断しているわけでございます。それからもう一つは、国内産糖の増産、つまり自給率の向上を図っていく過程において、増産できれば幾ら高くてもいいというわけにはいかないので、むしろ、現在の生産分も含めて生産性向上の努力をまさに御指摘のようにやっていく、そういう形で、政府の買い入れ価格の水準を、農民の所得を実質的に害することなしにできるだけ抑制できる、場合によっては引き下げていけるという状況をつくり出していくことが第二の課題であろうと思っております。さらに、これ以外に消費税の問題等の税負担の問題があると思いますが、これは消費者の問題であると同時にユーザーの問題でございますが、なかなかむずかしい財政事情で簡単な話ではございませんが、ユーザーの立場、消費者の立場を考えて、砂糖消費税の問題についても、実は私ども昨年も税制改正を要求して認められなかったわけでございますが、こういった問題は今日的状況のもとでは前向きに取り組む必要があるのではないかと思っておるわけでございます。
○和田(一郎)委員 それでは、砂糖の質問はこれで終わります。 次に、農林年金の方に移りますが、まず最初は、定年の年齢についてお聞きいたします。 農林年金の受給者資格年齢の引き上げが行われました。これに即応したところの農協の定年年齢の延長、雇用条件の改善については、特に経済局長の通達がことしの三月十七日ですか、出ておりますね。これを見ましても、非常に長文な改善の通達でございますけれども、雇用等につきましての改善に努めるべきではないかどうかという、これについての現状、ちょっとお聞きしたいと思います。
○塚田政府委員 お答えいたします。 定年年齢の延長の必要性についてはお説のとおりでございまして、御案内のように、近年農林漁業団体においても定年年齢が延長される方向にありますが、加えて、昨年末農林年金制度の改正によりまして、支給開始年齢の引き上げの措置が講じられたこともありまして、定年年齢の引き上げの要請がさらに強まってくるものと私ども予想しております。 このため、農林水産省といたしましても、農業協同組合における雇用関係の見直し、改善の一環といたしまして、定年年齢の延長について、ただいまお話がありましたように、三月十七日に指導したところでございます。これは都道府県知事あてでございまして、定年年齢の延長と雇用関係の見直しの必要性を特に強調したものでございます。 私どもといたしましても、今後とも、労働行政との連携のもとに、農協の経営基盤の充実、給与体系の改善等所要の条件整備を図ることと相まちまして、指導の充実になお一層努めてまいりたい、このように考えております。
○和田(一郎)委員 次は、農林漁業団体における定年年齢の動向についてお伺いいたしますが、これは団体の種別または農協の単協、連合会等の段階別にお答え願いたいと思います。
○塚田政府委員 お答えします。 農林漁業団体における男子の定年年齢の実態でございますが、これは昭和五十四年八月現在について申しますと、団体種別にまず見てみますと、漁協が五十八・六歳、土地改良、農業共済が五十八・三歳、森林組合が五十七・七歳、総合農協が五十七・一歳等となっております。また、これは男子でございますけれども、農協の系統段階別について見ますと、全国連が五十七・七歳、県連が五十七・二歳、単協が五十七・六歳ということになっておりまして、段階別に特に大きな差はないように考えております。 なお、農林漁業団体の定年年齢の動向につきましては、昭和四十九年八月現在におきましては、定年年齢五十六歳以上と定めている団体は全体の五八・三%でありましたが、五十四年、昨年でございますけれども、八月現在においては六六・二%となっておりまして、この数字を見ますと、定年年齢は漸次延長されてきているというふうに考えております。
○和田(一郎)委員 公務員の定年が六十歳ということが論議されておる現在、いまの審議官の御答弁を聞きまして、まだまだという感がいたしますけれども、政務次官にお聞きいたしますが、これをどういうふうにお考えになりますか。
○近藤(鉄)政府委員 まさに定年の延長はこれからの社会の趨勢でございますし、農林水産業各団体もその例外ではないと思うわけであります。ただ、御案内のように、いろいろその経営基盤、労務管理の問題がございますので、定年延長に伴ってそういう労務管理等の面における体制づくりも必要なわけでございますので、そういうものと相まちながら定年制の延長がなされて、貴重な経験を持った団体職員の方々がより長い期間農林水産業のためにお働きになられるような方向に、政府としても、いわば誘導申し上げますといいますか、御協力する、そういうことではないかと考えております。
○和田(一郎)委員 続いて政務次官に聞きますけれども、定年年齢の引き上げを図るに当たっては、その前提として各団体の経営基盤の整備が大事だと思うのですけれども、それはどうなんですか。
○近藤(鉄)政府委員 農林水産各団体、いっときは非常に経営的にも困難な状況の団体があったと思いますけれども、最近いろいろ改善をそれぞれの段階でされていると思いますが、これに対しても、今後いろいろな形で御協力をし、また、場合によっては御指導も申し上げるということではないかと考えております。
○和田(一郎)委員 次の質問に移りますけれども、農林年金法案に対する制度審の答申では、支給開始年齢の引き上げの経過措置を短縮すべきである、こういうことを言っています。社会保障制度審議会の答申では、「経過年数を短縮することは、厚生年金との均衡からも当然というべきである。」こういうふうに出ておりますけれども、これについてはどのような見解を持っていらっしゃるか。
○塚田政府委員 先般の法改正によります支給開始年齢の引き上げ措置につきましては、法案審議の際にも御説明申し上げましたとおり、定年制等の雇用の動向を考慮しまして、生活設計の面でも急激な変化が生じないようにするなどの観点から、相当の経過期間、一歳の引き上げにつきまして三年間を設けて実施するということにしているわけでございます。 〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕 そこで、先ほど御指摘の制度審の答申では、これを短縮したらどうかということでございますけれども、私ども農林水産省といたしましては、支給開始年齢の引き上げ自体がついこの間やられたばかりでございまして、まだ定着しているわけではございません。それからまた、定年年齢は農林漁業団体にあっても漸次引き上げられてきておりますけれども、先ほど御説明しましたとおり、経営条件いかんによってかなりまだ差異がありまして、早期に引き上げるのが困難な団体がございます。そういう事情がありますので、農林水産省としては慎重な配慮、検討を要するというふうに考えておりまして、機会を見てそういうような主張をしておるわけでございますが、私ども現時点では経過期間の短縮ということは考えておりません。
○和田(一郎)委員 全国農協中央会では、当面定年を延長しない農協では、再雇用または勤務延長により雇用期間を延長することを唱えておりますけれども、これは定年制の改善の面から考えれば非常に後退ではないかと思うのですが、これに対しての御見解はどうでしょうか。
○塚田政府委員 御指摘のように、農林漁業団体におきましても定年年齢の引き上げの要請が高まる傾向にありまして、そこで全中におきましても、こうした事情を受けて定年年齢につきまして部内に研究会を設けております。その研究結果によりますと、六十歳を目標とし、具体的には段階的な措置を講じながら延長していくことが望ましい、そういうような基本的な考え方を明らかにしているわけでございます。これは、定年延長を図るためには、農協の経営基盤の充実、給与体系の見直しなどの関連する各般の条件整備を図る必要があるとの考え方に立って、これら整備状況に応じまして漸次定年延長を図ることを提唱しているわけでございます。 他方、御指摘のように、全中はこの検討結果におきまして再雇用等の考え方も示していることは事実でございます。これは、以上申し上げましたようないろいろな条件整備が早急に行われがたい農協においても、定年延長への要請を考慮しまして、経過的な段階での措置として、定年年齢に到達した者について、一たん退職後再び雇用するいわゆる再雇用制度、あるいは定年年齢に達した者であっても、その者の経験、技能等に応じて引き続き雇用する勤務延長等により雇用期間を延長し、定年延長への地ならしを図るということが適切ではないか、私ども全中にただしましたところ、こういう考え方であるというふうに聞いております。 で、私どもの考えでございますけれども、定年年齢の延長については、先ほど申しましたとおり、各般の条件整備が必要であると考えておりますので、系統団体において実行可能な方法によって逐次所要の改善を図っていく考え方については、これ自体は評価すべきものと考えております。なかなかむずかしい団体もありますので、一挙にはいかないという事情も私どもはわかりますが、再雇用それから勤務延長だけですべて終わりということではいかがか、こういうふうに考えておりまして、やはり私どもは定年自体を延長するというようなことで指導は強めてまいりたい、このように考えております。
○和田(一郎)委員 次は、厚生年金——いまの国会の状況はちょっと私はわかりませんけれども、厚生年金の方の委員会の方の状況はわかりませんが、今国会においては寡婦加算の大幅引き上げが出ておりました。ところが、農林年金にはこれは出ておりませんけれども、この理由はどうでしょう。寡婦加算の大幅引き上げについて。
○塚田政府委員 お答えいたします。 寡婦加算につきまして今回の法案に載っていないではないかということでございますが、私ども、今回の法案提出に至る過程で、この問題と四十歳未満の子のない妻に対する問題について各省間でいろいろ議論を重ねてきたわけでございますが、他方、国家公務員共済組合審議会の御議論では、その答申におきましては、このような大幅な寡婦加算をやるということについては多くの問題を含んでいるのではないか、特に、このようになると遺族年金そのもののあり方をあわせて検討する必要があるのではないか、こういうふうな御指摘をいただきまして、また他方、その答申では、そのような角度からなるべく速やかに成案を得ることとされたい、こういうようなことも言われております。そこで、そういう事情がありまして、私ども、今回寡婦加算問題につきましてはこの改正法案において見送ることとしたところでございますが、遺族年金全体の総合的な見直しを行う中で検討をしてまいりたい、このように考えております。
○和田(一郎)委員 政務次官にお聞きしますけれども、この問題、どうなんですか。せっかく厚生年金では大幅引き上げしている。いままで準じてきたような面もずいぶんありますから、どうして今回は農林年金にはこれを入れなかったのか。そのかわりに四十歳未満の方も入れてない、子のない妻の方の失権措置も入れてないとおっしゃるかもわかりませんが、これはこれとして、その点はどうなんですか。
○近藤(鉄)政府委員 これは御案内のようにいろいろ議論を呼ぶ問題でございまして、実質的には年金需要に対して制度としてどういう適用をするか、こういうことだと思うわけでありますので、厚生年金の場合に、御指摘のとおり四十歳以下で子供のない寡婦については支給しない、こういうことで、そういう方々はまだ所得をお生みになるチャンスがあるじゃないかというようなことで、そこを抑えて、そのかわり、まさに子供のおありになる寡婦の方とか、もう年齢を過ぎた方とか、そういった方々については大幅に遺族年金を引き上げる、これも一つの組み合わせの仕方だと思うわけでございますが、これに対しては、いろいろな各方面で議論のあるところでございますので、一応私どもといたしましては、もうちょっと検討を待って、この問題について適切な処置をいたしたい、こういう考えでございます。
○和田(一郎)委員 その検討というのは、共済年金グループでの検討のことをおっしゃっていると思うのですけれども、それはどういうふうなことでやっていこうという、具体的なことを教えてください。
○塚田政府委員 ただいま政務次官から申し上げました検討についてでございますが、まず、御指摘のように、共済年金を所管する各省庁において検討するわけでございますけれども、検討の項目といたしまして大きなものを申し上げますと、遺族の範囲、その要件、それから、加算を含みます遺族年金の水準に関する事項、遺族年金と本人年金との併給調整に関する事項、こうした幾つかの基本的な事項につきまして、私どもは、共済関係各省庁でまず調整をとっていきたい。それから他方、関係の審議会等の御意見も拝聴していきたい。しかしながら、私ども、何はともあれなるべく早くこの成案を得たいということで検討を急ぎたい、このように考えております。
○和田(一郎)委員 次に移りまして、今回の法案では、年金額のうち定額部分の引き上げを行うこととしておりますけれども、毎年政令スライドで上げてきた。そして今回は本措置として法改正で行おうとした。この二つあるのですけれども、この理由はどういうことですか。
○塚田政府委員 お答えします。 いわゆる通算年金方式によります年金額算定の場合には、御案内のように、定額部分とそれから報酬比例部分とを合算して年金を支給するということになっているわけでございます。この趣旨は、在職時の給与水準の格差がそのまま年金給付の水準に反映することをできるだけ補正をしまして、給与水準が低位であった者にも一定の水準の年金給付を保障しよう、そういう考え方に基づくものであります。厚生年金が採用している方式に準ずるものでありまして、従来の報酬比例のみによりますいわゆる共済方式というのがございますが、そういうものといずれか有利な方を選択できる措置としまして、四十九年の法改正により導入されたものでございます。このような経緯がございますので、定額部分については従来から厚生年金のそれを採用するということとされております。今回は厚生年金が五年に一度の財政再計算期にありますため、例年の物価スライドによらず、これは政令でやっておるわけでございますが、そういう意味では経過的な措置でございますけれども、そういう例年の物価スライドにはよらないで、給与水準について全般の見直しを行う中での措置として引き上げを行うこととしているわけでございます。このため、農林年金も各共済年金ともどもこれに準じて、法制措置により定額部分の引き上げを行った、こういうわけでございます。
○和田(一郎)委員 どうもわからないのですけれども、いわゆる報酬比例部分は毎年法で改正をして、定額部分は例年政令で改正するという二元的な運用となっておりますけれども、これを統一的な方式に改めるということはできないのですか。
○塚田政府委員 御質問の趣旨は、なかなかむずかしい問題ではございますけれども、私ども、農林年金の年金額の改定は、各共済年金と共通の方式で行われているということで、報酬比例部分については、国家公務員の給与が改定されるのに対応しまして法制措置により改定するとともに、定額部分については、先ほど申し上げましたように厚生年金制度に準拠していることから、通常は物価スライド方式をとって対処しているわけでございます。これらはそれぞれの制度のこれまでの沿革なりその置かれた条件等により定めるものでありますが、これらの仕組みを改定していくということについては、いろいろ経緯を踏まえますと慎重な検討が必要だと考えております。 しかし、共済年金制度がこういうように二元化しているという御指摘について私ども考えてみますと、それなりの御指摘になる理由もあるかと思いますし、五十五年度につきましては、実は各制度を通ずる基本的な制度のあり方等について、学識経験者による研究会を設けて検討を進めようとしているわけでございますが、お尋ねのそういう方式の改定問題でございますけれども、年金制度の仕組みの中で基本的な部分でありますが、このあり方については、こうした研究会でも検討が行われることがあるというふうに考えております。
○和田(一郎)委員 次に、最低保障額適用者の新旧別動向及びそれぞれの受給者全体に対する割合、これはどうなっていますか。
○塚田政府委員 お答えします。 最低保障適用者は、昭和四十八年度末現在におきまして、年金受給者四万七百六十三人のうち一万四千九百八十六人でありまして、三六・八%に相当いたしますが、五十三年度末現在におきましては、七万七千九百三十一人のうち一万五千三百四十三人でございまして、一九・七%となっております。したがいまして、最低保障者の割合は大幅に減少してきております。このうち特に数の多い新法適用受給者について見ますと、四十八年度末現在で、新法年金受給権者三万八千七百六十五人のうち最低保障適用者は一万四千二百十二人でございまして、三六・八%でありましたものが、五十三年度現在では新法年金受給者七万六千百十六人のうち最低保障適用者は一万三千八百九十一人でございまして、一八・三%となっております。これは年金の新規受給者につきまして、給与水準の上昇、組合員期間の延びなどにより、最低保障の対象となるような年金水準の低い者が減少したということによるものと考えられます。また、旧法年金受給者につきましては、四十八年度末現在、旧法年金受給者千九百九十八名のうち最低保障適用者は七百七十四人でございまして三八・七%でありましたものが、五十三年度末現在で、旧法年金受給者千八百十五人のうち最低保障適用者は千四百五十二人で、八〇%になっております。これは旧法の絶対最低保障額の水準の引き上げによります給付の改善によるところが大きく働いているものと考えております。
○和田(一郎)委員 政務次官にお尋ねします。 最低保障額の引き上げについて、新法と旧法で差がございますけれども、これは理由は一体どういうことですか。
○近藤(鉄)政府委員 これは、御案内のように、旧法の場合にはいわゆる従来の恩給制度にのっとった人たちでございますし、また新法は、現在の年金制度でございますから、その年金制度におきましていわゆる給付事由の生じた時点で年金額の算定が行われる、こういうことでございます。したがって、御年配の方は、六十五歳以上の方につきましては、さきのことでございますからある程度最低保障額は似ておったわけでございますが、最近ずっと給与が上がってきておりますから、したがって、新法適用者の方は当然現時点に基づいて計算されている最低保障額に乗ってくるわけでございますから、そういう経緯がございまして、新法対象者と旧法対象者については最低保障額の差がある。これはどうも制度の仕組み上やむを得ないことではないか、かように考えております。
○和田(一郎)委員 これはまた政務次官にお願いしますが、この最低保障額の新旧格差の解消は図るべきじゃないかと思うのですけれども、これはどうなんですか。
○近藤(鉄)政府委員 御指摘の趣旨は私も十分にわかるわけでございますが、最初申しましたように、いわゆる旧法適用者は従来の恩給の形での制度でございますし、新法の方は現在の制度でございますので、いろいろその恩給なり年金受給に至るまでの御負担の点についても差もございますので、いろいろな負担の公平とかいろいろな考慮から考えてまいりますと、お気持ちはわかりますが、この差を是正することにもいろいろ難点があるというふうに私は考えております。
○和田(一郎)委員 いろいろ事務的な問題だからむずかしいとおっしゃるのか、それとも現実にそれでも食っていけるのだからそれでいい、こういうことなのか、これはどっちなんですか。
○近藤(鉄)政府委員 これは技術的な問題も片方でございますし、片方では、先ほど申しましたような恩給受給、年金受給に至るまでの御負担の問題もございますから、そういう点も一律に取り扱うことがむずかしい点になっているのではないか、かように考えております。
○和田(一郎)委員 しかし、恩給それ自体が、近年はいわゆる社会保障的な性格を強めている、こう言われているわけですね。ですから、絶対最低保障額についても、この観点からは改善を図るべきだと私は思うのですけれども、これについてはどうなんでしょう。これはあくまでも前の負担がこうだからという事務手続上のことで固執されるのか。また、物価はどんどん同じく上がっていくのですから、旧法の方のところの物価が安いというわけではないのですから、その点についてはどうなんでしょう。
○塚田政府委員 お答えします。 農林年金の最低保障額は、新法年金者に適用する新法最低保障額と旧法の年金者に適用する絶対最低保障額とがございまして、新法最低保障額は、四十九年度以降、原則として毎年その算定の基礎となっている定額部分を物価上昇率にスライドして引き上げてきておることは先ほど申し上げたとおりでございます。絶対最低保障額につきましても、恩給の最低保障額の水準の引き上げに準じて毎年その額の引き上げを行ってきたところでございまして、先生ただいま御指摘のように、これら最低保障額については、私どもは今後とも国民生活水準その他の事情の変動等を勘案しつつ引き上げていくべきもの、また詰めていくべきものと考えております。
○和田(一郎)委員 政務次官のお考えはどうでしょう、先ほどはだめだというお考えだったのですが。
○近藤(鉄)政府委員 これは、旧法対象者と新法対象者の最低保障額における格差を一挙に是正することは、これまでの経緯もあってなかなかむずかしい、こういうことを申し上げたわけでございますが、いま審議官がお答えいたしましたように、しかし片方で、物価の上昇や生活水準の一般的な向上の問題もございますし、それは横に見ながら、旧法対象者といえども最低保障額を上げることについてはもちろん努力させていただきたいということでございますが、ただ、その格差をなくすということはなかなかむずかしいのじゃないか、こういうことでございます。
○和田(一郎)委員 次に行きまして、今回の厚生年金の法改正措置の主要事項及びこれと農林年金法改正との関連、これはどうなっていますか。
○塚田政府委員 お答えいたします。 今回の厚生年金の法改正における主要事項でございますけれども、第一は、既裁定年金者の給付水準の引き上げでございます。これは定額部分とそれから報酬比例部分から成っております。第二は、遺族年金等の最低保障額の引き上げでございます。第三点は、寡婦加算額の大幅な引き上げ、これは二倍から二・五倍になっております。第四は、遺族年金を受ける者が、同時に他の制度の退職年金等を受けることとなるような場合には、寡婦加算を支給しないということでございます。第五は、四十歳未満の子のない妻について遺族年金を支給しないということでございます。 そこで農林年金との関係でございますが、農林年金等各共済年金制度においてもこの措置に準ずる改正を検討しまして、既裁定年金者に対する年金給付水準の引き上げ、定額部分それから最低保障額の引き上げにつきましては今回法改正でお願いしているわけでございます。他方、寡婦加算額の大幅引き上げ、寡婦加算についての併給調整及び四十歳未満の妻に対する遺族年金を支給しないなどの扱いにつきましては、遺族年金のあり方について総合的に検討を加えることが必要であるとの答申がありますので、今回は見送ることにしたわけでございます。
○和田(一郎)委員 それにつきまして、厚生年金の年金額の算定方式と農林年金の算定方式とは差があるのですが、どのような差があるのかということ。それから、農林年金の方が不利じゃないか、こう思うのですけれども、具体的なことはどうでしょう。
○塚田政府委員 お答えします。 厚生年金と農林年金との算定方式の比較でございますけれども、まず第一は、年金額の算定の基礎となる給与につきましては、厚生年金が全加入期間の平均をとっておりますのに対しまして、農林年金は退職前一年間の平均給与をとっております。これは農林年金の方がはるかに有利でございます。第二は、年金の支給開始年齢につきましては、厚生年金は六十歳でございますが、農林年金は昨年末の改正において六十歳への引き上げが行われましたけれども、一歳上げるごとに三年、全期間で二十年の経過期間を置いております関係上、これも農林年金の方が手厚い給付がされる仕組みになっております。 他面、農林年金と厚生年金とほかの面を比べてみますと、寡婦加給や扶養加給がないということ、在職支給がないことなど農林年金にとって不利な面がありますけれども、これらはそれぞれ制度全体の置かれた条件や沿革によるものでありまして、全体を総合的に判断しますと、モデル計算など結果もいろいろあるわけでございますけれども、農林年金の方が共済年金グループの一環として厚生年金よりは有利な制度となっていると私どもは考えております。
○和田(一郎)委員 それでは、いわゆる通算退職年金方式が新法年金方式のみに適用される、この理由はどういうことですか。
○塚田政府委員 いわゆる通算退職年金は、厚生年金に準じまして定額部分と報酬比例部分とをあわせ持つ年金額の算定方式でございます。この方式は、昭和四十八年当時、厚生年金において定額部分の大幅な増額を中心とします給付水準の引き上げが行われました際、これにより共済年金で給付水準の低い者についてはその年金額が厚生年金の給付よりも下回ってしまうというような事態が見られる状況になりましたために、これを是正する方策として、共済年金においても厚生年金に準ずる方式として新たに導入されたわけでございます。そういうわけで、この措置は、従来方式に比べまして給与水準の低い者について相当の給付改善となるため、先ほども御指摘ありましたが、いわゆる旧法年金者に比べてより高い掛金負担を行っている新法の年金者に限って適用されているというものでございます。
○和田(一郎)委員 もう時間がございませんので、残りの質問は夜、大臣のいらっしゃったときにやりますが、あと三分ばかりありますから、政務次官に、先ほど砂糖の問題でちょっと議論しておりました。いろいろ特例法等もございます。それから、いまのところ朝から晩まで各業界の陳情が続いているような実情なんですけれども、いわゆる砂糖特例法の運用が消費者に対する問題としてどういうふうにはね返ってくるか、私はこれを思っているのですけれども、政務次官のお考えはどうでしょうか。
○近藤(鉄)政府委員 先ほど食品流通局長も答弁いたしましたように、砂糖の最大の問題は国際価格の激変でございますので、やはり国際的な価格の激変というものをできるだけ調整しながら、ある程度の幅の安定した価格で砂糖を国内の消費者に供給できる仕組み、これはどうしても必要である、かように考えております。 一方、これも御指摘ございましたのですが、そのためにも、国内で砂糖が供給できる自給の割合、自給力を涵養していく必要がある。そういう意味で、国内の砂糖生産者の経営の安定、生活の保障、向上、こういったことにも相当措置を講じていく必要がある。それから同時に、やはり国内的な価格と国際的な価格で相当差があって、そして需要者がいろいろお困りになるようなことも困る。その辺の問題を勘案しながら適切に措置をしていかなければならないのではないか、かように考えているわけでございます。
○和田(一郎)委員 終わります。
○片岡委員長代理 津川武一君。
○津川委員 後刻の大臣の出席する質問で、障害年金の中で精神障害者が実際どのくらい受給されているかお尋ねしてみたいと思うのです。というのは、きのう精神障害者の家族会の全国連合会の大会がありまして、障害年金の対象に精神障害者がほとんど適用されてないのじゃないか、無視されているのじゃないか。したがって、大臣がおいでになるまでにもしそういうことがわかったら、大臣から話してもらいますので、調べておいていただきたいと思います。なければないでまた返事していただければと思います。 そこで、定年制の問題から入ってみたいと思います。 この間、共産党の下田京子参議院議員が、四月二十四日の参議院の農林水産委員会で、山形県東田川郡新余目農協で四十五歳定年を理由にして三人の女子職員が四月末日をもって退職を迫られておる問題を取り上げたことは御承知のとおりでございます。 この農協は、最近五千万円もかけてコンピューターを購入したが、そのコンピューターはほとんど動いておりませんし、組合長は自分の給料を二〇%も手盛り引き上げしようとしているなどの事実がある。一方、こういう中で経営改善を大きな理由として三人に退職を強要したのであります。これに対して、大臣は、タイムリミットがかかっている事例であり、通達の線に沿うよう強く指導すると答弁して、うまくいかないようであれば労働大臣とも協議する、こうなっております。 皆さんの、先ほどの前委員も問題にしましたことしの三月十七日の農林水産省経済局長の知事あての通達によりますと、「男女別定年制等については、これを定めた就業規則、労働協約は無効である旨の裁判例が相ついで出されていることもあり、雇用関係の適正を欠くものとしてその是正を図る必要があるので、その指導に当たっている都道府県婦人少年室等関係部局との密接な連携のもとに指導を進められたい。」こうなっております。この質問があった後、この状態が、三人の職員がどうなったのか、政府がどのように指導しておるのか、この点を、農林省でもいいし、労働省でもいいし、どちらでもいい、わかっておる方からお知らせ願いたいと思います。
○塚田政府委員 お答えいたします。 四月二十四日の参議院農林水産委員会におきまして、先生御指摘のような御質問が下田議員からありましたことは、私どもも十分承知しておりまして、大臣も事務当局に対しまして所要の調査、指導を指示されておるところでございます。 そこで、農林水産省におきましては、これは個別農協のことではございますけれども、早速、四月二十四日の翌日、二十五日に、山形県の担当部局、これは私どもの相手は農水部でございますけれども、農水部に対しまして新余目農協についての実情の把握と所要の指導を行うように連絡を行ったところでございます。これによりまして、四月二十八日山形県では新余目農協長を山形県庁に招きまして、定年年齢の男女別格差の問題の改善かたがた当面する個別的な事案を含めまして指導を行ったわけでございますが、そういう県の要請、指導に対しまして、農協長からは応諾を得るに至りませんで、この旨私どもの方の本省に報告があった次第でございます。このため、その同じ日に労働省に対しまして、この旨連絡かたがた労働省側からも重ねて指導を行うように求めるとともに、私ども経済局といたしましては、一昨日でございますか、六日の日に本省の担当官を現地に派遣しまして、現在所要の事態の把握と事態の改善方の指導を行うよういたしているところでございます。
○津川委員 農水省から連絡を受けて労働省はどんなことをしてくださいましたでしょうか。
○佐藤説明員 私どもでは、すでに五十三年度からこの農協に対しまして、山形の婦人少年室を通じまして、集団指導あるいは個別指導等を行ってきているところでございます。また先般は、いま御指摘ございましたように、下田京子委員からも御依頼があり、また農林省からも御連絡がございましたので、山形県の婦人少年室の方には重ねて指導方を指示いたしたわけでございます。これを受けまして、山形県の室では、この御質問いただきました四月二十四日以降、四月中には二度、五月に入りましてまた二度にわたりましてこの指導に行っているわけでございます。現段階では、この農協におきましては、制度の変更は当分の間は困難である、しかし、四月末で退職予定となっております三人の方と退職条件については話し合いを継続しておるというふうに室の方には御返事をいただいております。また、この話し合いがつきますまではこの三人の方は退職させないというようなことを言っておられるということでございますので、私どもといたしましても、こういう状態を踏まえまして、今後ともこの制度の解消に向けましてさらに精力的に指導を続けてまいりたいと考えているところでございます。 〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕
○津川委員 係官を農水省では派遣してくれて、それはよかったと思います。早速県の農水部長も乗り出した、これもよかったと思いますし、労働省も出て行った、これもよかったと思う。だが、この組合長聞かない。この状態をほうっておくのか、ほうっておいていいのかという問題なんです。というのは、この新余目の隣に鶴岡というところがございます。鶴岡では、女子職員の四十五歳定年制による解雇は不当として、山形地裁鶴岡支部で訴訟を起こした。そうしたら、農協の解雇は取り消されている。この場合女子三人ははっきり解雇なんです。臨時雇いなんです、雇われているといっても身分はもう違ってしまっている。隣の鶴岡農協でこういう状態が起きている。したがって、周りからいっても新余目はひどいと言う。もう民事提訴が間違いないわけです。せざるを得ないんです。そうなってくると、原告のこの三人はどういうことになるのでしょうね。臨時雇いやっていて仕事できるか、その間の苦労どうするかということ。仮処分を申請してやがては本訴訟をやらなければならぬ。その精神的な負担。地位を保全すると臨時雇いとして仕事するかもわからぬ。訴訟の費用、弁護士のやりくり、これがこの三人の運命なんです。大きな行政組織を持っておる監督官庁の農水省やこの問題の担任の労働省で、ここまで仮処分、本訴訟にさせて、この三人をなれたこともない苦労をさせるのかどうかという点、これでいいのかという点、農水省、労働省に重ねて答弁願って、最後には次官にも方針を聞かせていただかなければならないと思いますが、いかがでございますか。
○塚田政府委員 お答えいたします。 ただいまの先生の御意見、三人についての問題につきましては、私どももこういう取り扱いについてはなかなか問題を含むところであるというふうに考えておりますが、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたけれども、山形県庁を通じての指導、さらには直接担当官を現地に派遣して実態の把握なり指導を行ってきておりますし、担当官がきょうの夕方帰ってくる予定でございます。そこで、その報告も聞きまして、今後の対処ぶりをさらに検討したいと考えてございます。 そこで、問題は、個別的には雇用契約の内容にかかわることでございますが、そういう意味で、農林水産省として指導を行うということにもおのずから限界のあることもありますけれども、事態の改善のために労働省との提携のもとにさらに努力してまいりたい、このように考えます。
○佐藤説明員 ただいま申し上げましたように、私ども従来から重ねての指導をいたしておりまして、農協の方では経営基盤との関係ということを非常に言っておるわけでございますが、私どもといたしましても、いま農林省の方からもお答えございましたように、いま強制力を持った指導というのはなかなかむずかしい状況ではございますけれども、いま先生から御指摘ございましたように、裁判例等でも、これはもう裁判に持っていけばまず負けるものだということはかなり一般的な考え方になってきておるわけでございまして、この鶴岡の裁判例等についても十分お話をしているところでございますので、今後もそうしたいろいろな周囲の状況その他も含めまして、さらに組合の方には指導を強めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○近藤(鉄)政府委員 ただいま両担当の審議官、課長から話があったわけでございますけれども、これは先生御案内のように、最終的には労働契約の問題でございますから労使双方で決めることでございまして、それに対しまして、農協を指導する立場にございます農林水産省としても、強制力をもってこういうことをこうしようというふうにはなかなか言えない立場にございます。しかし、定年制の延長、さらに男女の扱いの差の解消、こういうことは、さきの経済局長通達で見ますように、積極的に指導している線でございますから、これまでも県を通じてできるだけ話をしてまいっておりますが、審議官の話もございましたように、派遣いたしました担当官の帰りを待って、さらにいろいろ善後措置を講じてまいりたい。こういう問題でございますから、裁判とかなんとかという問題はあっても、何とか話し合いで、結局最後は関係者が円満に働きができるような雰囲気をつくることが大事だと思いますので、その点いろいろまた指導について知恵をしぼってまいりたい、かように考えております。
○津川委員 私は一般論を聞いているのじゃないのです。裁判になると、この三人は権利が保障されることは、皆さんの通達の内容からいっても、隣の鶴岡の四十五歳の女子職員の勝利していることでも明らかなんです。そこで、法律違反、憲法違反の行為をやっておるものを行政が民事訴訟にさせなければならないのかということ。私たち民間の中にはさただという話がある。裁判をやることをさただと言う。これは経費から苦痛から時間から大変だからさただと言っている。明らかに法律違反の行為を当事者に任せておくのか。それとも行政が強力な指導をして地位を保全してあげるのか。あげるということまで両省の立場で言えないのかどうか、この点一つ。 もう一つ、今度行かれた松田さんという係官は農水省が出した。これは指導として非常に適切だったし、この問題を解決する誠意を私もくみ取るわけですが、問題はどなたと会っているかなんです。この松田さんが会っていろいろな事情を聞いてきた人は労働組合の書記長なんです。この人は経営者と同じ考え方なんです。労働組合の書記長でありながら四十五歳の定年を進めてきた人なんです。委員長はそうではないんです。ここらのところに、指導の中にも、問題を解決する点についても相当問題があると私は思いますが、もう一回本当の正しい主張をしている人たちから事情聴取のし直しをしなければならぬと思っております。 この二点を答えていただきます。
○近藤(鉄)政府委員 派遣した係官が現地の農協でだれに会ったかについては、私もまだ報告を聞いておりませんのでわかりませんが、当然組合長、理事者側、それから労働組合の幹部の方、恐らくそれ以外の組合員の方、また問題があった三人の方にも直接会っているのではないかと思います。報告を聞いてまた検討いたしますが、先ほど申しましたが、これは強制的にどうこうできる性質の問題ではございませんので、あくまでも当事者間で十分に話し合いをして、特に農協の組合長なりそういった関係は、よしんば三人の方を元へ戻すにしても円満な形で戻ってこないと組合の運営自身いろいろ問題を残すのではないかと思いますので、その点あくまでも理詰めで話し合って説得していくことではないか、かように考えておりますので、なお今後もその努力を続けてみたい、かように考えております。
○津川委員 松田さんが帰ってきて報告を聞いていただければ、もし労働組合の書記長を中心にして調査したのだったら全くでたらめな調査になるんです。組合長中心の調査でなければならないので、そういう点聴取していただいて、私の話によってもう一回調査をなさる、いいですね。
○塚田政府委員 お答えいたします。 私どもが派遣いたしましたのは松田でございませんで和田という農協課の課長補佐でございます。私ども出します際に、極力公平な角度からいろいろな人に会ってくるように、こういうように申し伝えてございます。ただ確認はとれておりませんが、何はともあれきょう戻ってまいりますので、帰りました後、先生のお説も念頭に置きまして、十分事情聴取をしたいと思います。
○津川委員 次に、労働省ですが、皆さんが「若年定年制、結婚退職制等改善年次計画」、労働省婦人少年局、五十二年六月、ここでは五十三、五十四年度において「女子の定年年齢が四十歳未満のもの」、「五十五、五十六年度においては、男女別定年制のうち、女子の定年年齢が五十五歳未満のものの解消を図る。」こう言っているわけです。四十歳と五十五歳——十五歳ある。四十五歳は五十五歳未満だからいいとおっしゃるかもわかりませんが、いま一番問題なのは、五十五歳よりか四十二、三、四十五歳の方が問題が大きいのだ。十五歳というものを分けて、四十、四十五、五十五歳というふうにやらないで、四十五歳を五十五歳以下にひっくるめた意図、いま四十五歳以下に指導の重点を向けることが必要だと思うのですが、ここらの見解を伺わしていただきます。
○佐藤説明員 私どもの定年制の計画は、先生御存じのとおり五カ年計画になっておりまして、第一年度目が実態把握、二年目と三年目がいま御指摘のように四十歳まで、その後の二年が五十五歳というふうになっているわけでございます。 私どもで対象となります方たちを二つのグループに分けましたのは、一つは、まずどんな定年制でも非常にけしからぬということはあるわけでございますが、特に若年のものについては緊急性が高い、問題が大きいということで二つに分けましたのと、それぞれのものについて二年ずつかけておりますのは、やはり一年ではなかなかその指導が浸透いたしませんので、一年目には集団指導をし、二年目にはきめ細かい個別指導をすることによって効果を上げたいということでございます。 そこで、五十五歳までのところを分けるのにどうして四十のところで分けたかという御指摘だろうと思うのですが、これは四十にした方がいいのか四十五にした方がいいのかというところはなかなか議論の分かれるところかと存じますが、第一回目のところで一応四十までに設定いたしましたのは、いろいろな実態も踏まえ、また審議会の先生方の御意見なども伺いまして、妊娠、出産、結婚退職制というのは私どもとしてはまずぜひなくさなければならない。それから、第一年度、第二年度目には考え方の浸透も図るということも含めまして、作業がなかなかたくさんあるものでございますから、まず非常にむずかしい四十までをやって、それから二年かけて五十五歳までにしようという考え方で分けたわけでございまして、決して四十五歳は四十歳よりも緊急性が少ないというような考え方で四十歳としたのではございません。
○津川委員 そう説明されると私も何と話していいかわかりませんが、事態はそう甘くないのです。山形県農協で四十歳女子定年は西川町、舟形町、新庄市、天童市、長崎、五つある。ところが四十一、四十二、四十三、四十四というのはないのです。年齢を区切るようにうまいことできているのです。四十五になるとあるのです。四十、四十五、五十、これが人間の数を扱ってきた心理なんです。四十五になってくると、米沢市、南陽市、川西町、飯豊町、河北町、大石田町、温海町、問題の新余目、戸沢村、鮭川村、大豊、藤島町、羽黒町、遊佐町、八幡町、酒田、酒田市に二つ、四十五に集中しているのです。まだある。朝日町、東根市、村山市、白鷹町、寒河江市。四十六はないんです。四十七はたった一つ、朝日村。四十八は三つ、長井市、小田島、尾花沢市。そして五十へいってわんさとある。四十五というのはわんさとある。そこで四十まで、これはいいですよ。四十五から五十五までというところの指導が実態を見ていないんだな。 そこで、いま挙げたこういう若年の女子職員を定年退職させることに対する全体の指導方針が一つ。あなたたち労働省が出した五十五というのではない、これは四十五ということが、お調べになってごらんなさい。どこでもこうです。やはりそこにひとつ指導を集中しなければならぬと思います。この二つの点、これは山形県全体の指導方針、農水省と労働省に。四十五というものをやはり特別に考えなければならぬという点については、労働省から見解があったら聞かせていただきます。
○塚田政府委員 お答えいたします。 ただいま先生が挙げられました町々それぞれにつきましての実情については、私正直なところ存じておりませんけれども、そうした若年定年制には問題がありますので、段階的にこれが改善されていくように今後ともさらに指導を強めてまいりたい、このように考えております。
○佐藤説明員 先生御指摘のように、五歳刻みで四十、四十五、五十、五十五というふうになっているところが多いということは確かでございます。いま御指摘ありましたように、山形県につきましては四十五歳というのもかなりあるということもございますが、私どもとしては、計画の中身といたしましては、今年度と来年度中に五十五歳未満は一切なくしたいということで努力をいたしておりますので、当然そういう四十五歳のものにつきましても非常に緊急度の高いものとしていま室が非常に力を入れているわけでございますので、さらに今後精力的にやってまいりたいというふうに考えております。
○津川委員 そこで、おたくの局で庁議になるようにひとつ四十五歳というものを考えてほしいと思います。 次は、定年延長と待遇改善の問題でございます。昨年の年金支給開始年齢の引き上げ措置により、空白期間を生じさせないために定年延長はどうしても必要であるということになって、その指導をしていると思うのです。延長について重要なことは、賃金など労働条件が改悪されてはならないということでございます。そこで、私はこの委員会の中で、定年延長をするのはよろしいが、労働条件を悪くしたり賃金を不利にするようなことがあってはならないということを質問しましたら、塚田さんが答えてくれたのです。農林水産省としては、いま先生の言われました雇用の確保と、それから給与なりの待遇の維持向上ということを両立させるべく努力しております、いろいろなことで定年延長があったときにカットされる、そういうカットがないように努力していかなければならない、こう申してくださったわけであります。私は本当によかったと思いますが、この考え方はいまでも変わってないのでございましょうか、お尋ねいたします。
○塚田政府委員 お答えいたします。 御案内のように、昨年末の国会審議におきまして、支給開始年齢が五十五から六十、経過期間が二十年間ございますけれども、その後六十歳になる。しかし現実の定年は六十には及んでいない、そのギャップがあることは御指摘のとおりでございます。ギャップを埋めるのに、雇用の確保と、それから労働条件の改善、これが両立すれば一番望ましい姿であると思いますけれども、これがまた一番むずかしい。個々の企業なり団体にとってみましてもまたむずかしい問題であろうということも承知しておりますけれども、願わくば、そういう二つのことが両立できる条件を生み出せれば一番いいと私は現在でも考えております。 〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕
○津川委員 いま審議官の答弁、望ましいようなかっこうにするのはかなりめんどうだ。そこで、農水省の基本方針として延長はする、そして必要な待遇改善をする、待遇改善で不利な状況に追い込まない、この二つの方針は、めんどうかどうかは別として、堅持なさるつもりかどうか。
○近藤(鉄)政府委員 先生、こういうことだと思うのであります。 定年延長はまさに望ましいし、いま年金の給付開始時期の繰り上げとの関連もございますから、その間の空白期間を生じさせない。しかし、同時にまた、そうして定年延長することによって、農林水産団体の場合は特にそうでございますけれども、長い間いろんな経験をされた職員の方がその経験を、さらに延長してその団体のために、地域の農林水産業の振興のために活用していただけるということは非常にプラスだと思うわけであります。 同時に、これは前にもお話ししたのでございますけれども、組合全体の経営の問題がございます。収支の問題もあれば、片方で若い意欲的な職員の方々が、年配の方々が同じポストにずっといらっしゃることによって積極的に自分の能力を発揮できないというような面もございます。これは何も農林水産関係団体だけではなしに、あらゆる組織にそういう問題が起こるわけでございますから、そういう問題を総合的に考えて、定年延長がもたらすプラスの面と、そしてまた、定年延長が持ついろんな面の人事の停滞とかなんとかというマイナスの点をいかにうまく抑えながら、組織としての活力を十分に発揮できる体制をつくるかということが、最大の課題だと思いますので、そういう方向で、実は農林水産省としても、個別にいろいろ御指導できることは御指導をしてまいりたい、こういうことでございます。
○津川委員 次官、あなたの話を聞いていると、経営者の立場なんです。私も経営者の一人、職員が五百人超している。その待遇改善のためには経営者が獅子奮迅の努力をしなければならない。そこで、経営を安楽に維持する形で労働者の待遇改善にブレーキをかけるようなことがあってはいけないのです。そういう精神、そういう指導方針を政府に貫いてもらわなければならないんだな。 そこで、第一義的に問題になってくるのは、労働者の待遇改善と労働者の権利を守るという点、これを第一義的にして、それでもだめならこれはできません、経営維持するとすれば。それはわかりますよ。しかし、あなたの方は経営維持の方が先なんだ。ここいらはもう一回お考え直し願えないでしょうか。
○近藤(鉄)政府委員 先生の御指摘はよくわかるので、私がお話しいたしましたのも、まさに経営者といいますか、経営側の考え方に徹しているということでございませんので、十分そういうことを踏まえた上で、しかし、組織全体として、まさに経営者もまた職員の方も含めて、総合的にいろんな能力や活力を発揮できて安定的な雇用条件が担保できるようなことが必要ではないかということを申し上げているわけでございます。経営合理化ですべて割り切ってしまうという気持ちでは全くないので、その点は御理解賜りたいと思います。
○津川委員 皆さんがことし三月十七日に出した、先ほどの通達の最後に、「おって、全国農業協同組合中央会においても「高令化社会における農協労務管理のあり方」について、分析、検討を行い、別冊のとおりとりまとめ、本年三月十九日の理事会で了承のうえ都道府県農業協同組合中央・会あて送付しているので執務上の参考とされたい。」参考にされたいと言っているのです。問題はこれなんです。この中で何が書かれてあるかという問題なんです。「定年延長問題を含めてこれにともなう人事管理、賃金・退職金制度のあり方を内容とする」ものとして出しているのは、賃金体系は、定年制があったら職能給の比重を高める、年齢に応じた生計費と職務遂行能力の上昇度合いを参考に一定の年齢に達した以後の賃金カーブ、いままでどおりさせるなという。退職金制度を修正する。特に定年が延長された期間についての退職金は原則として増加しない。これが中央会の方針。 農水省が通達の中で出したのは、参考としなさいと言っておるのだけれども、これが通用しているのですよ。そうすると、私はひがんで言っているわけじゃないんだ、農林省の指導方針はどこにあるか。もう一遍この通達を、労働者の基本的な権利を守って——企業には条件があるからむちゃくちゃな待遇改善はできません、それは私も承知している。しかし、全力を挙げて直すべきだという指導方針にすべきだと思うのです。重ねてひとつ、皆さんの通達の中で、これは後で大臣にも聞かなければならぬ大事な問題なんです。
○近藤(鉄)政府委員 経済局長通達でその問題に触れましたのは、農協中央会から全国の各団体にそういう書類が流れているわけでありますから、それを各県の農政担当部長もしくは担当者が参考にするというか、そういうものが流れておることを知っておいてもらいたい。ですから、そこで言っていることが全部そのとおりだからそのとおりやれという意味じゃないので、まさにそういう文書がずっと配付されておりますよということを参考までに申しておる、こういうことと御理解いただきたいと思うわけであります。
○津川委員 政府は農協に対してかなり影響力を持っているし、農協中央会は単協に対して影響力を持っている。農協のこれが出たのはことしの二月十九日、皆さんがこれを参考にしなさいといって出したのは三月十七日。静岡県農協人事対策専門委員会、これがまさに三月二十一日、得たりとばかり出したのですね、「定年延長対策試案」というものを。この中で何と言っているかというと、定年は最終的には六十歳、これはいいな。二番目、五十一歳から従来よりも昇給率を減少させる、これはこれですよ。三つ目、五十五歳に達した事業年度末における基本給を以降の退職給与金計算の基礎額とする。五十五歳で昇給を凍結しなさいというのです。四番目、五十一歳以降五十五歳に達するまでは肩たたきをやって退職を希望するようにしなさい、これが四つ目。五つ目、年功序列賃金体系についてはこれを見直しなさい、職務・職能給体系に順次改めるものとする。 農協が二月十九日に出して、皆さんが三月十七日に通牒を出して、農協を参考にしなさい、三月二十一日に静岡県でこういう形のものが出てきたのですね。こうなると、これはどうされます。この状態は、全面的に定年延長と同時に労働者から基本的な権利を奪うという性格のものになっておるわけです。農水省と、労働省、両方から見解を聞かせていただきます。
○塚田政府委員 お答えいたします。 三月十七日の経済局長通達につきまして、その参考に先生御指摘の案文が載っていることは確かでございます。しかし、私どもは通達の主文において定年延長の必要性を強く強調しております。 それから、あれを参考に載せましたのは、先生の御指摘の部分があるからではございませんで、私ども長い間指導してきましたある意味では腰の重かった全中でさえ、定年制延長については非常に望ましいことであるということをその書類の中で書いてある、それに着目して出したつもりでございまして、その他の条件の、特に望ましくないと指摘された条件について着目して出したわけでございませんので、ひとつその辺は何とぞ御理解をいただきますようにお願いしたい、このように思います。
○若林説明員 定年延長の促進につきましては、雇用政策上の最重要課題ということで、当面六十年に六十歳定年を一般化することを目標といたしまして積極的に取り組んでいるわけでございます。 定年延長の問題は、基本的には労使の自主的な話し合いによって決定さるべき問題でございまして、私ども定年延長の指導に当たりましては、労使の自主性を損なうことのないようにということで指示をいたしているわけでございますが、定年延長に伴う賃金その他の労働条件の取り扱いにつきましては、関係労使の自主的な話し合いによって決定をしていただくべきものと考えております。 いま先生が御指摘になりました賃金、退職金の問題、あるいは人事管理の問題、いろいろ定年延長の問題で阻害要因につきまして調査をいたしますと、やはり賃金、退職金、人事管理、この三本が阻害要因になっているわけでございまして、この点についての見直しというものが定年延長に当たって必要とされる場合が多いわけでございますけれども、私ども、あくまでも基本的に労使の自主的な話し合いによって進めていただく、相互理解を進めていただくという考えに立っておりますが、五十二年の十二月に賃金制度研究会、これは賃金制度問題の専門家でございますけれども、これが「定年延長とこれからの賃金制度」という報告を出しているわけでございます。ここにおきましては、定年延長を阻害している年功的自動昇給というものを四十五ないし五十歳程度以上の年齢層については緩和ないし停止いたしまして、このような年齢層については仕事や能力に能じて昇給するシステムに改善する、なお、そういう賃金カーブを旧定年年齢前の四十五歳ないし五十歳程度から修正する場合には、この層は生計費がピークを示す年齢でございますので、その層については賃金水準をできるだけ改善しておくこと、退職金制度につきましては、現状では退職金額が勤続年数に応じて累進的に増加するような仕組みのものが多いわけでございますけれども、このことが定年延長の阻害要因の一つとなっていると考えられておりますので、定年延長を円滑に進めるという観点からは、一定勤続年数以降は退職金額が累増的に増加するような方式は改善すること、こういうような考え方を報告の中で提言しているところでございます。
○津川委員 そこで、農水省の通達の中にも、いまの話にも、労使よく話しなさいと言っている。静岡県のこの中で、話し合いなんぞというのはしてもいいがそれは問題にしなくてもよろしいと、一方的なんです。こういう指導が現実に行われている。話し合いをさせなければならぬ。ところが、話し合いをさせないでやってしまっているのがこういう実態なんです。いまの新余目についても、話し合いが決裂するとやってしまう。話し合いで決めてない。労使の対等の話し合いをどうしても育成していかなければならぬのが今度の問題の根本的な問題になってくるわけです。これが一つ。この点で農水省、どう考えるか。 最後に、この通達の中で、中央会がこの指針を出している、これを参考にしなさい、これは削除していただかなければなりません。これをバックに、政府の通達をバックに農協の理事者側が強くなってきましたが、この二点を伺いまして、時間が来ましたので終わります。
○塚田政府委員 まず、静岡県農協中央会に事情を早速聞きましたところ、定年延長についての社会的な要請が高まっていること、農林年金の支給開始年齢が引き上げられたこと等の事情に基づきまして、県中央会に人事問題等を審議する農協人事対策委員会を設け、定年延長問題等について検討を重ね、このたびその試案を取りまとめる運びとなったとのことでございます。 〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕 そこで、この人事委員会の性格でございますけれども、一つの諮問機関でございまして、そこでいま答申を得たわけですが、県中央会はこれを受けて、五月十二日の理事会においてこの答申の取り扱いを検討、協議する、こういうことになっているそうでございます。なお、この答申あるいはこれについて県中央会理事会が示す見解などを受けて、個別の農協、同連合会がいかなる対応をするかは、これを実施するそれぞれの農協、同連合会の自主的決定にゆだねるべき性格のものであると私ども考えますし、個々の農協等における定年制度の扱いの段階では労働組合等の意見を聞くこととしているので——これは労働基準法第九十条にございます。この場において、私どもお尋ねのような向きについて労働組合との話し合いが行われるものと考えております。 それから、第二点の御質問につきましては、先ほども御答弁申し上げましたけれども、あくまであれは参考にすぎないのでございまして、全中の報告に書いてあります定年延長を意識して私ども出したものでございますので、ぜひ御理解をいただきますようにお願いしたいと思います。
○津川委員 終わりますが、理解できないので、後で大臣に対してその点をまた明確にしたいと思います。
○内海委員長 神田厚君。
○神田委員 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして御質問を申し上げます。 まず最初に、さきに昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、これが出されまして、今回またこういうふうな形で出されている。農林年金制度の改正を二度にわたって行うという形にしておりますけれども、その理由は一体どういうことなんでございますか。
○塚田政府委員 お答え申し上げます。 昭和五十五年度の農林年金法改正を、御指摘のように二つに分けて今国会に提出するわけでございますが、その理由は次のとおりでございます。 第一は、昭和五十五年度の農林年金法の改正事項のうちに、恩給法の一部改正法案と関連しまして改正すべき旧法年金者等に係る事項につきましては、あらかじめ検討が十分政府部内で行われております。また、所定の手続、社会保障制度審議会の諮問、答申も早目に完了いたしましたので、三月十四日に閣議決定を行いまして、同月二十五日に今国会に提出したわけでございます。 次に、他方、厚生年金法の一部改正法案と関連して改正すべき新法の年金者に係る事項でございますが、中でも特に遺族年金の取り扱いに関する事項につきましては、共済年金制度上慎重な検討を要する問題を含んでおりまして、検討に時日を要する状況にありました。そこで、関係各省間で慎重に検討、調整を行いまして、この結果を待って第二次の改正法案として四月十八日に閣議決定を行い、国会に提出したわけでございます。その結果、遺族年金関係部分は結果として今回見送ることとなったわけでございます。 私どもも同一国会で法案の数はできるだけ少なくすべきであるというふうに考えておりまして、今回二法案に分けて提出いたしましたのは、ただいま申し上げましたような経緯によりますやむを得ない措置でありましたので、ぜひ御理解いただきたい、このように思います。
○神田委員 先日成立した法案におきましては、寡婦加算額の大幅な引き上げ、これが行われたわけでありますが、今回の改正ではこの問題については見送っておりますけれども、その理由はどういうことなんでありましょうか。さらに、今後この寡婦加算額の取り扱いについてはどういうふうなお考えをお持ちでありますか。
○塚田政府委員 お答えいたします。 子のない四十歳未満の妻に対します遺族年金上の取り扱いにつきまして、厚生年金では、今回の改正法案で遺族年金の支給を行わない、いわゆる失権でございますが、こととしております。農林年金についても他の共済年金を所管する各省ともどもこの取り扱いについて検討してきましたが、国家公務員共済についての審議会がございます、国家公務員共済組合審議会でございますけれども、そこから、四十歳未満の子のない妻に遺族年金を支給しないこととし、寡婦についての加算を大幅に引き上げることについては多くの問題を含んでいるので、遺族年金のあり方ともあわせ十分検討の上、なるべく速やかに成案を得ることとされたいという答申が行われております。このため、共済年金所管の各省ともども、新法適用者に対します寡婦加算の引き上げ問題につきましては、ただいま御審議を願っているこの改正法案では見送ることとしたところでございます。 そこで、いま御指摘の、それでは遺族年金のこの問題についていつごろ結論を得るのかということでございますが、私どもとしては、遺族年金全体の総合的な見直しを行わなければなりませんけれども、できるだけ速やかに結論を得るように努力してまいりたい、このように考えております。
○神田委員 農林年金の今回の年金額の引き上げは、物価上昇などを考えますと低いというのが大体一般の常識、計算になっておりますね。四・八%、政府のこの物価上昇に比べまして、年金全体の引き上げというのははるかにそれに及ばないというふうな状況になっておりますけれども、その辺はどういうふうにお考えでございますか。
○塚田政府委員 お答えします。 今回の農林年金定額部分の引き上げによります定額部分の増加率は対前年比で二・九%でございます。物価水準の上昇率四・八%に比較しますと幾分低い水準にございまして、御指摘の点はまさに事実でございます。これは定額部分を含みます年金の算定方式が厚生年金における給付算定方式に準じて定められているという事情によりますもので、今回の措置についても厚生年金における扱いが反映されているものでございます。公的年金におきます給付水準の改定のあり方をめぐる問題として、今後この問題はこのような事実を見ますと考えていく必要があるのではないかと私ども考えております。なお、年金給付の改定につきましては、たとえば報酬比例部分は公務員給与の上昇率に準じて改定を行っているので、この場合にも年により物価水準の上昇率を下回る場合が生じております。こうしたあり方について年金制度共通の基本問題として検討が必要でありますが、共済年金制度を通ずる問題については、実は五十五年度中に各省庁において共通の検討の場を設けようということになりまして、研究会を設置することにしております。この場においてもこうした問題について検討が行われるということがあるものと私どもは考えております。
○神田委員 また、今回の法案でその額を改定する通年方式、これが新法年金者のみに適用されまして、定額年金者の多い旧法年金者に適用されない、この理由は一体どういうことなんでございますか。
○塚田政府委員 お答えいたします。 いわゆる通算退職年金方式は、厚生年金に準じて定額部分と報酬比例部分とをあわせ持つ年金額の算定方式でございます。この方式は、実は昭和四十八年当時、厚生年金におきまして定額部分の大幅な増額を中心とします給付水準の引き上げが行われまして、これにより共済年金で給与水準の低い者については、その年金額が厚生年金の給付に比べて下回るような者が見られる、そういうような状況になりましたために、これを是正するための方策として、共済年金におきましても厚生年金に準ずる方式として新たに導入されたものでございます。この措置は、従来の方式に比べまして、給与水準の低い者につきまして相当の給付改善となるため、いわゆる旧法の年金者に比べてより高い掛金負担を行っている新法年金者、たとえば旧法年金者ですと千分の七十八程度の掛金負担でございますが、新法年金者は千分の九十六でございます。このように、より高い掛金負担を行っている新法年金者に限って適用されているという事情がございます。
○神田委員 また、これは常に問題になっておりますが、最低保障額について、せめて最低保障額は新旧の区別を廃止して一本化してほしいという要望が非常に強く出ておりますけれども、この辺につきましてはどういうふうにお考えでございますか。
○塚田政府委員 そのような御要望がかねてからあることは私どもよく承知しております。 そこで、この問題につきましてはいろいろ経緯がございますので、それを申し上げますと、新法、旧法の格差の是正については、共済年金制度共通の原則として、年金額の算定はその給付事由が生じた時点によるべきものとされておりまして、その意味で、旧法年金に対し制度的に新法水準を保障することは、非常にむずかしいのではないかと考えております。また、農林年金は、御案内のように共済グループに入っておりますことかち、農林年金のみ有利な取り扱いを図るということはむずかしいことでございまして、恩給、他の共済制度の旧法との均衡上の問題が生ずるわけでございます。特にその給付は、財源を全額国庫負担している恩給制度——恩給の受給者は五十三年度末で二百五十万人おりますけれども、そうした恩給受給者の扱いを考慮しますと、この格差の解消ということはきわめてむずかしい問題であると考えております。しかし、新旧格差の問題で要請の強いいわゆる絶対最低保障額の改善という問題につきましては、五十五年度におきましても引き続いてその引き上げに努めましたし、そのほか、旧法適用者の遺族年金についての寡婦加算、今回二倍から二・五倍になっておりますが、これの大幅な引き上げを行ったところでございます。今後ともこうした絶対最低保障額等の水準の引き上げなどを図ることによりまして、私どもとしては、旧法年金者の給付水準の改善に努めてまいりたい、このように考えております。
○神田委員 先ほどちょっとお話がありました遺族年金の問題でございますが、遺族年金の給付率全体をもっと引き上げてほしいという要望をずっとしておるわけでありますが、この辺はいかがでございますか。
○塚田政府委員 確かに遺族年金につきましては、寡婦加算を中心に私ども改善を図ってきておりまして、その結果、遺族年金の給付率そのものを上げるべきではないかという議論も出ていることは承知しているところでございます。 そこで、遺族年金について、従来から、恩給制度に準じて最低保障額を毎年引き上げるとともに、遺族年金は遺族たる寡婦の年齢や子供の有無等によりまして保障の度合いも変わってくるものですから、そういうような側面があるということを考慮して、私どもとしては一律に支給率の引き上げを行ってきてはいないわけでございます。特に配慮を要すると考えられる子のある寡婦、それから老齢の方、六十歳以上でございますが、そういう老齢の寡婦について寡婦加算制度の改善を行って、それによって遺族年金全体の改善に対処してきたということでございます。 このような考え方のもとに、今回の法改正に当たりましては、まず、旧法の年金受給者の場合には、恩給制度の改正に準じまして寡婦加算額の大幅な引き上げを行うとともに最低保障額の引き上げを図ったわけでございます。他面、新法の年金受給者につきましては、今回、厚生年金法の改正に準じまして、先ほど申し上げましたように寡婦加算の引き上げ等を検討してきたところでございます。この扱いにつきましては、四十歳未満の子のない妻に対しましては遺族年金を支給しないこととする措置の扱い等とあわせて、遺族年金全体について総合的な見直しが必要であるという答申が国家公務員共済組合審議会で行われたこともありまして、今回は寡婦加算の引き上げは見送るということにしているわけでございます。 そこで、支給率本体の引き上げはどうかということだけに着目いたしますと、私ども従来の考え方をとっていくのはやむを得ないと考えておりますけれども、従来最低保障額なり寡婦加算額の引き上げなどにより対処してきている実情は実情として、寡婦加算の引き上げがこれほど大幅なもの、二倍とか二・五倍になるという場合には、寡婦とそれ以外との扱いのバランスにも配慮することが必要となってくるのではないかと考えるわけでございます。この面から、遺族年金全体として、この水準、要件等について、今後共済関係の関係省庁ともども、関係の審議会の御意見なども拝聴しつつ検討を進め、なるべく速やかに結論を得たい、こうした大幅な寡婦加算を契機にして、私どもとしてもなお必要な検討は進めなければならない情勢にある、このように考えております。
○神田委員 これはちょっと質問通告をしてありませんでしたが、厚生年金で加給年金額が遺族年金の寡婦加算額と同じように大幅に引き上げられているけれども、共済年金全体ではこの改善が見送られているという問題もあるわけでありますが、これはどういうふうなことでございますか。
○塚田政府委員 加給年金につきましては、厚生年金では御指摘のような事情になっているわけでございますが、私ども農林年金では、他の共済グループの年金ともども今後の検討事項ということにされているわけでございます。
○神田委員 それでは、農林年金全体の問題につきまして御質問申し上げますが、農林年金財政の現状、将来の見通し、財政基盤が非常に弱いということが従来から指摘をされてきていたようなこともございますけれども、これらの問題につきましてどんな考え方をお持ちになっておりますか。
○塚田政府委員 御説明申し上げます。 農林年金の総給付額は近年著しく増大しておりまして、人口の老齢化、加入組合員に対する年金受給者比率の増大等が進展しておりまして、今後さらに給付額は急速な増大を続けるものと私どもは考えております。このため、今後年金財政収支の改善に積極的に努めていく必要があるわけでございますが、昨年の支給開始年齢の引き上げ措置もこの一環として行われたものでございます。また掛金負担の面でも、前回の財源率計算期、これは昭和四十九年度基準に一部後世代の負担に後送りされていること、全体の二二・五%後送りされておるわけですが、こういうようなこと、それから、現行と同等の給付水準を維持するものとしても、将来掛金の大幅な引き上げをせざるを得なくなるということが予想されるわけでございます。したがいまして、世代間の公平を保つ見地からも、五十四年度末を基準として行います次期財政再計算期、それから、五十五年度に検討し、五十六年度当初に掛金等の改定を行うわけでございますが、そうした時期に年金財政についていろいろな角度からこれからは十分検討していく必要がある、このように考えております。
○神田委員 次期の再計算期、これには財源率の大幅増が予想されるわけでございますけれども、これに対しましてはどういうふうな方針をお持ちでございますか。
○塚田政府委員 先ほど申し上げましたように、財政再計算期が間もなく来るわけでございますが、農林年金の次期財政再計算は、五十六年度に再計算結果に基づく所要の措置をとらなければならないことになっております。そういう事情にございますが、農林省として、この時期を迎えて、掛金率を含む年金財政のあり方について、現在も鋭意検討を進めているところでございます。農林年金の財政収支状況、成熟率等が近年急速に悪化していることなどにかんがみまして、掛金率の引き上げは残念ながら免れがたいものと考えております。他面、国庫補助率につきましては、他の年金諸制度との均衡もありますので、農林年金のみで引き上げ措置の実現を図ることはむずかしい事情にありますけれども、私どもは、助成の充実ということにつきましては、いろいろ知恵もしぼりながら、今後とも全力を挙げて努力してまいる所存でございます。
○神田委員 国庫補助の引き上げはずっと要求をしているところでありますが、ただいま審議官の方からは、そういうふうな農林省の姿勢を聞きましたけれども、次官、せっかくおいででございますから、政務次官としまして、財政再計算期における国庫補助の引き上げの要求、五十六年度の予算要求に対しまして、これを明確にお持ちになりますかどうか、いかがでございますか。
○近藤(鉄)政府委員 ただいま審議官からも御説明いたしましたように、全体としてこの年金自体の老齢化といいますか、成熟化が進む段階の中で財政再計算期を迎えているわけでございますが、国庫補助率のアップにつきましては、毎年予算のときに私どもは財政当局に強く要望してまいりましたし、この五十五年度予算につきましても、大臣折衝まで上げて努力をしてまいったわけでございます。しかし、御案内のような国家の財政の現状の中で、補助率アップに準ずるような問題につきましては財政当局は非常に抵抗をしてまいっております。これは、単にこの年金問題だけでなしに、あらゆる問題について財政当局はそういうことを言っておりますので、毎年強い要望をしてまいったわけでありますが、なかなか実現を見ない。したがって、率としての実現ができない場合には、別途の措置として、御案内のように財源調整費としてこれはある程度カバーしてまいっているわけでございます。したがって、今度の五十六年度の予算要求におきまして果たして国庫補助率のアップが実現できるかどうかにつきましては、これは私どもは決して楽観的見通しを持っていないわけでございますが、まさに御指摘の財政再計算期でございますので、いろいろな要素を十分に考慮しながら、財政当局に強く補助率アップについては求めてまいりたい、率自体のアップができなければ何か実質的な措置をさらに講じていかなければならないのじゃないか、かように考えておるわけでございます。
○神田委員 次に、厚生年金につきまして支給開始年齢を六十五歳に引き上げる動きがあるわけでありますが、共済年金については再引き上げは行わない、こういうふうに考えてよろしいでありましょうか。
○塚田政府委員 わが国の年金制度は、御案内のように、今後高齢化社会に移行していきますとともに、雇用の動向、それから年金財政問題等総合的に考慮しますと、制度のあり方について真剣に検討していく必要があるということは事実でございます。このような認識に立って、先般共済年金については支給開始年齢を五十五歳から六十歳へ、一歳について三年、経過期間二十年、そういうことで段階的に引き上げを行ったというところでございます。 そこで、この件につきましては、厚生年金では一時六十歳から六十五歳へ引き上げの動きがありましたけれども、今回の法改正ではこの引き上げに着手することは見送られているわけでございます。共済年金につきましては、さきの改正により六十歳に引き上げたけれども、それは長過ぎるのでもう少し縮めたらどうかという御意見があることは私ども十分承知しております。 そこで、私どもの態度でございますが、私どもは、共済年金が職域年金的な性格をあわせ持っていることや、職員の生活設計の面、雇用の面等を考慮していきますと、当面この六十歳の年金支給開始年齢を定着させていく、昨年上げたばかりでございまして、それを定着させていくことが実態に即したものと考えております。そういうわけでございますので、現時点で私ども、この農林年金の支給開始年齢を六十歳から六十五歳へ持っていくということは全く考えておりません。
○神田委員 政務次官はどうでございますか。
○近藤(鉄)政府委員 ただいま審議官も答弁したわけでございますが、六十歳に昨年引き上げたばかりでございますし、さしあたって当面これの制度的な定着について鋭意努力をしてまいりたい、かように考えているわけであります。これをさらに六十五歳まで上げることにつきましては、いわゆる他の年金との問題もございますし、また、五十五歳から六十歳に上げるに当たっても、きょうもこの委員会でいろいろ御議論ございました定年制の問題から、それに伴って労務管理の問題、組織全体、経営全体の問題、社会全体のこれに対する考え方、いろいろな問題を総合的に考えていかなければなりませんので、ただいま審議官が話をしたとおりに、さしあたってこの六十歳を定着させて、このもとで、農林年金の全体としてのバランス、収支の改善等を図るということに意を注いでまいりたい、かように考えております。
○神田委員 最後に、附帯決議等でもちょっと検討されておるようでありますが、本制度の改善、整備につきまして、年金受給者の意向が制度の運営に反映できるような具体的な実施の状況というものはございますか。どういうふうなお考えをお持ちでございますか。
○塚田政府委員 お答えいたします。 確かに年金受給者は年々増大しておりまして、現在約七万人という多数に上っております。そういうわけで、年金受給者側といたしましては、年金額の増額なり情報の提供の要請等を主な活動内容といたします連絡協調機関として、連盟組織が四十五都道府県にもうすでにでき上がっております。また、その全国組織であります農林年金受給者連盟が四十五年にできておりまして、その事務局は東京の年金会館に置かれているわけでございます。この組織を通じまして、農林年金当局を初めとしまして、関係各方面に制度改善等についての意見表明を行っているわけでございます。私どもも、これだけの多数の年金受給者でございますから、こうした組織を通じまして意見を聴取するということで現にやっているわけでございますが、また、農林年金でも、年金組織に対しまして広報活動やその他について協力を行っているところでございます。五十三年度からは、都道府県農林年金連絡協議会との連携のもとに、各県ごとに数名の相談員を郡単位に委嘱しまして、これによって年金受給者の相談に応じ、あるいは意向の反映等が行われる制度を確立しているという状況にございます。私ども、年金受給者の声を聞くということが年金制度改善のために重要でございますので、どういう形でそれをスムーズにやっていくかということについて、農林年金とも相談いたしまして、指導に努めてまいりたいと考えております。
○神田委員 終わります。
○内海委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後四時五十一分休憩 ————◇————— 午後六時三分開議
○内海委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。日野市朗君。
○日野委員 どうも大臣御苦労さまでございます。きょう、非常にそっちこっちで御活躍で、お疲れになったと思います。委員各位も余り出ておりませんけれども、よくこの時間に——精励恪勤というのはこういうことを言うのだろうと思います。それというのも、実は私たち、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案、これは早く議了をして早く上げて、発効の期限もそんなに先のことではありませんから、早くみんなに喜んでもらいたい、こういう思いがありまして、われわれ精励恪勤をやっておるわけでありますが、どうもきょうの国会の状況を見ますと、本法案と非常に密接な関係を持っている厚生年金法ですね、あれがどうやら雲行きがおかしくなってまいりました。あれが通らないでこればかり通ったってしょうがあるまいというような感じも実はするのでございますが、農林省当局いかがでございましょうか。
○武藤国務大臣 厚生年金とのある程度の関連でこの法律の改正をお願いをいたしておるわけでございます。ところが、肝心の厚生年金法案がおかしくなっているときに審議をするのはいかがかということでございますが、しかし、私は、厚生年金法案は厚生年金法案といたしまして、やはりこの共済年金法案は、これを改善することによってそれだけ職員の皆様方には喜んでいただけることになるわけでございますので、ぜひひとつそういう点で、早く御審議をいただき、一日も早く成立することを願っておるわけでございます。
○日野委員 厚生年金法と本法案とは、これは別個でございますけれども、本法案の改正案が出たその下敷きとでも申しますか、これは何といっても厚生年金法でございますね。これと農林年金とが別々のことをやり始めたのでは、これは政府の年金行政上、整合性という点から言うと非常にこれはかっこうがつかなくなってくる。しかも、とやかく言われている特に農林年金法案でございますから、支給率がどうだ、給付額がどうだと、これはいろいろ問題になっております。それが先走りしてしまうということになると、これもまた変なことになりはしないのでしょうか。どうでしょう。
○武藤国務大臣 厚生年金法案がどうなるかというのは、確かに、何か私ども聞いておると、いまの国会では微妙だということでございますが、必ずしもしかしまだ確定的に全く厚生年金法案が通らなくなったということでもないと思うわけでございまして、厚生年金は厚生年金法案として厚生省は努力をし、またそれぞれ関係の議員の方々も御努力をなさっておられると私は推察をいたすわけでございまして、それとの関連でこちらがおかしくなるということには、いま現時点でどうなるとは、私はなかなか考えられないわけでございます。
○日野委員 仄聞するところによりますと、どうも厚生年金法案についてはいろいろな議員の方がなるほど御活躍のようでございますな、大臣おっしゃるとおり。特に医系議員という方が大分御活躍になっているらしい。私は医系議員というものは何なのかよくわからないのですが、御存じだったらお知らせいただきたいのですが、私たちこの法案を、実はきのうきょう出てきた法案ですよね、言っては悪いですが。それを何とかして通そうということで努力しているのは、特に自民党さんの方でセットだと称している健保法については、金丸信さんを初めとする各党の国対委員長さんたちがちゃんとサインをした一札を私たち見せられて、さあおまえたちも出先で各種年金についてはしっかりやってもらいたいと、こういうことで、いままでこうやって皆さん精励恪勤でいるわけですね。どうもそこいらの関係がよくわかりませんので、一体この健保法をめぐってその議員さんたちがどのような御活躍をしておられるのか、そして、われわれがこの法律案を通してみて、厚生年金がどこかに置き去りにされたなんということになるのかならないのか、見通しはいかがでしょうか。
○武藤国務大臣 私は、実は現在農林水産大臣という立場でございまして、確かに自民党の議員ではございますけれども、自民党の国会対策の動きも存じておりませんし、きょう一日私は参議院の農水に引っ張られておりましたので、議院運営委員会の理事間での動きも私は承知をいたしておりませんので、どうも的確にお答えができないわけでございます。私といたしましては、先ほど申し上げましたように、要は、せっかく皆様方が御審議いただけるわけでございますので、この法律が一日も早く成立をいたしますことが、農林漁業のそれぞれの団体で働いておる職員の皆様方に喜んでいただけることになると思っておりまして、ぜひ御審議をお願いを申し上げたい、こう考えておるわけでございます。
○日野委員 これもまた仄聞するところでございますけれども、きょうわれわれが精励恪勤の上にもまた精励恪勤を重ねて、本法律案がこの委員会で通ったにしても、何かすぐに日の目を見るわけではなくて、どこかに凍結されておかれるらしいですね。これは議長預かりとかいうことで議長さんが凍結をする。どうも議長室にはよほど性能のいい冷蔵庫があるらしい。私たち一生懸命そういう努力をしながら、一部の議員たちが、どんなにその人たちが票をあるところからもらっているか知りませんけれども、まさにそこの横車によって、健保法案ばかりじゃなくて厚生年金まで人質にとる。最近はどうも人質がはやり過ぎて困ると思うのですが、人質にとってしまう。それとの関連でこの法律案も凍結をされてしまうということになると、審議にあずかっているわれわれもばかばかしい話です。まことにばかばかしい話でありますし、それによって、まさにこの法律案の成立を夜に日に希望している農林関係の団体の職員の方々の心情を思いやると、私はとてもいても立ってもいられないような感じがします。この事態を打開する方法を、大臣は、農林水産大臣として一つの庁の大臣であると同時に、やはり自民党の国会議員、しかも有力な国会議員さんでいらっしゃる。しかも、この農林水産委員会にも非常に有力な自民党の国会議員さんたちがきら星のごとくいらっしゃる。ひとつこの打開策を早急に検討して、自民党のおえら方に物を言っていただけませんか。いかがでしょう。
○武藤国務大臣 いろいろあると思いますけれども、まだどこかにぶら下げられるままになる、いわゆる凍結をされるとも決まったわけではないわけでございましょうから、私どもとしては可能性を信じて努力をしていくということでなければいけないと思っておるわけでございまして、私もできる限りの努力をさせていただきますけれども、ぜひひとつ御審議の方はよろしくお願い申し上げたいと思うわけでございます。
○日野委員 これ以上になるといやみになっては困りますから、注文はこれくらいにして、本法律案の質疑に入りたいと思いますけれども、われわれのこの努力が本当に空振りにならないように。これは私ちくりちくりと言いましたが、本当に真摯な思いを込めて前段の部分をいろいろ大臣にも物を申したわけでございますし、自民党の委員の方々、委員長さんにも、物を申したその真意はひとつおくみ取りいただいて、御努力をいただきたいというふうに思うところでございます。 この農林年金の問題というのは、わが国の社会保障の中で非常に大きな役割りを占めている。ただ、最近非常に財政事情が悪くなったというようなこと、社会の高齢化が進んできたというようなことから、厚生年金の支給年齢の引き上げというようなことがずっと論議をされてまいりました。この点については私は本当は非常に残念に思っているわけであります。六十五歳まで支給年齢を引き上げていくというようなことは、ある意味でいままで努力をして掛金を掛けてきたそういう方々にとっては非常に不意打ち的なことでありまして、既得権という観点からも非常にこれは問題とせざるを得ないのだろうというふうに思うわけでございます。幸いにして今度のこの改正からは六十五歳というのは引き下げられておりますけれども、厚生年金が支給年齢がずっと引き上げられるというようなことになりますと、それに関連する諸年金についてもこういった問題がまたぞろ出てきやしないかということを、私は非常に危惧するわけでございます。この農林年金についての農林省当局の今後の態度、どのような態度で対処していかれるおつもりであるか、まずその点お聞かせを願いたい、こういうふうに思うわけであります。
○武藤国務大臣 厚生年金の給付年齢の引き上げの問題でございますが、これとの関連で私どもの方の年金の給付年齢の引き上げ、これは実は昨年の暮れでございましたか御審議いただきましたときに、六十歳に引き上げを経過的にやらせていただきたいというお願いをいたしましたときにも申し上げたのでございますけれども、いわゆる高齢化社会でこれからは非常に受給者がふえてくるということは紛れもない事実でございますし、また、そうなってまいりますと、いまのままでは年金財政がより悪化いたしまして、それこそ年金が支給できないという事態も発生してくるおそれがあるわけでございます。そういう意味合いから、決して好ましいことではないのでございますが、ひとつ年金の給付年齢の引き上げをお願いしたい。しかし、それと呼応して私どもとしてはできるだけ定年の延長も努力をいたして、そういう方向に参ります、こういうことを申し上げたわけでございますが、いま現時点においてもその考え方は変わっていないわけでございまして、できるだけ定年の延長と給付年齢の引き上げというものは関連させていきたい、こう考えておるわけでございます。
○日野委員 これはできるだけではなくて、必ず定年の延長をきちんと連動させていきませんと、その間に出てくるギャップというものは非常に深刻な問題になってこようかというふうに思うわけであります。 それで、農林年金に加入している各団体、これについてはそういう定年を延長していくというきちんとした指導がなされていくことも、やはり必須のことではなかろうかというふうに思うわけでございます。これは、最終的には各団体のいろいろな自主的な努力、これが必要になってくるわけでありますが、一応将来を予想して、また年金の現在の財政状況を見ますと、定年の延長と支給開始年齢の引き上げというのはうまくいくのかなという心配を持つのでございますが、この定年延長の指導についての御努力はどのようにやっておられるか、その概略をお聞かせいただきたいと思うのです。
○武藤国務大臣 先日経済局長名でもって通達を出しまして、定年の延長についてはぜひそういう方向で努力をするように私どもいたしたわけでございます。今後ともその方向に向かって実現をするようにより一層行政指導してまいりたい、こう考えております。
○日野委員 行政指導をするということでございますが、これは具体的に何かいままで打たれた手というものはございましたか。
○松浦(昭)政府委員 ただいま大臣からも御答弁を申し上げましたように、本年の三月十七日に農林水産省の経済局長名をもちまして通達をいたしまして、目下団体の中で、特に中央の農協中央会が中心になりまして、さらに下部の団体にその指導を徹底しているという状況でございます。
○日野委員 農協の中央会からは、定年制等に関する農林水産省経済局長通達というものが出されていることは承知しているのであります。確かに農協関係が組合員の数からいっても圧倒的に多くの部分を占めていることはよくわかるのですが、そのほかの団体についてはいかがでしょう。そしていかなる指導が予定されているのか。
○松浦(昭)政府委員 経済局長名の通達は都道府県知事に出しておりますので、知事を通じまして当然関係団体に徹底していくということを予定しておりますし、また、先生御指摘のように、農業協同組合は、何と申しましても地域地域におきますところの団体の中心でございまして、その水準というものがほかの団体にも当然影響を及ぼしていくというふうに想定されますので、今後とも私ども、その成果というものを見ながら必要に応じまた指導してまいりたいというふうに考えております。
○日野委員 農林年金を見まして私たちすぐにぴんとくることは、この年金の対象になっている各農林漁業団体、その職員の労働条件といいますか、これが必ずしもよくない、こういうことですね。もちろん給与の面も含めて決して上の方へ行っているとは見て思えないわけでございますね。これはいろいろの沿革もございましょう。特に農協なんかの場合は、非常に奉仕的な観点から給与の面で余り多くを職員の方々も要求をしないというような沿革なんかもあったと思うのですが、こういう給与が低いということから、掛金率が他の年金に比べてかなり高目に推移をしているのではなかろうかなというような感じを、実は私、感想としては持たざるを得ないところなんですが、ここらについてどうでしょう、農林省の御感想としては。
○松浦(昭)政府委員 まず農協職員の給与の水準でございますが、確かに、先生おっしゃいますように、農協等の職員の給与水準が低いという見方もあろうかと思いますけれども、しかしながら、やはり協同組合の生い立ちということもございますが、一つは農協の置かれている最も中核となります単協の段階におきましては、やはり地方にこれがあるということに大きな差が出てくるんじゃないかというふうに考えるわけでございます。またそのほか、学歴、年齢その他のいろいろな諸要件が加わりまして、その給与水準が決まってくるというふうに考えるわけでございます。 ただ、最も単協の段階に近い団体というものをとってみますると、それはやはり地方公共団体、その中でも町村であると考えられるわけでございますが、かつては非常に低い水準でその差がございました町村との関係におきましても、五十五年の一月の水準をとってみますると、町村の職員と農協職員の差が給与水準で約三%というところまで縮まってきております。最近の状態はさらにこれが詰まってきているという状態になってきているというふうに思います。 それから、他面、掛金率が高いではないかという御指摘でございますけれども、御案内のように、この農林年金の掛金の水準は、掛金率にいたしまして千分の九十八でございまして、これは他の共済に比べまして決して高い掛金率になっておらないわけでございますし、また、過去ほぼ十年にわたりましておおむね同水準にこれを据え置いてきたこと、あるいは他の共済年金等につきまして相次いで掛金率が引き上げられていることから見まして、現行の農林年金の掛金率が必ずしも非常に高い率になっているというふうには現行の状態では言えないと思う次第でございます。
○日野委員 掛金率が高いかどうかということになりますと、私としては、相対的に見た場合かなり他よりも高いのではないかなというような感想は実は禁じ得ないのであります。では、給付水準ですね、これも他の年金との対比の問題になってまいりますが、これも劣っているような感じが実はするわけでありますが、この点についてはいかがでしょうか。
○松浦(昭)政府委員 恐らく先生が、農林年金の給付水準につきましてほかの年金に比べて見劣りがするのではないかとおっしゃられますのは、やはり受給者全体の平均額でごらんになっておられる場合を指しておられるのじゃないかと思います。と申しますのは、やはり年金の給付のもとになりますところの給与水準が他の年金受給者に比べまして必ずしも高くはないというようなことと、それから、農林年金の場合にはわりあい期間が短いというようなこともございまして、受給者全体の平均額で見ますると必ずしも高くないと言わざるを得ないと思います。しかしながら、五十三年度の新規受給者のみにつきましてこれを比較してみますると、他の年金との格差がかなり改善されておりまして、確かに国家公務員共済とかあるいは私学共済よりは見劣りがするという状態でございますが、厚生年金よりは高い状態であるということでございます。制度の仕組みそのものは他の共済制度とほとんど同じようにつくっておるわけでございますけれども、やはり先ほど申しましたような組合員の年金加入の年数あるいはその給与の水準といったようなものが低いために、給付水準が低く見えるというのが実態であろうというふうに思います。
○日野委員 これは平均をとって、やっぱり平均あたりで見て私はそういう感じを持つわけでありますが、これはできるだけ他の年金に近いものにしていくという努力がこれからも必要になってくるのだろうというふうに私、思います。 それにしても、今度のこの法改正の一つの部分、定額部分を厚生年金に準じて引き上げることになるわけでありますが、これは改定額を見ますと二・九%だ、大体その程度の引き上げになっているわけでありますが、これは決してこの農林年金だけの問題ではないので、農林年金だけについて論じるのもいかがかと思うのですけれども、これからの年金についての考え方、そういった観点から見ますと、少なくとも物価の上昇率、これに合わせたくらいは上げるのが本当じゃなかろうかなというふうに思うわけです。だんだん物価の値上がりの方が先に行ってしまって、それに年金がうまくくっついていかないというようなことになるのじゃないかという感想も持たざるを得ないわけでございます。この点について、農水省側はどういう希望、どういう見通しを持っておられるのか、伺いたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 今回の農林年金の定額部分の引き上げにつきましては、その増加率が前年度対比二・九%程度であるということは御指摘のとおりでございまして、また一方で物価の水準の上昇率が四・八%でございますので、確かに、これを比較いたしますと、今回の引き上げの率が低い数字になるということは否めない事実であるというふうに考えます。これは、先生もただいま御指摘のように、定額部分を含みますところの年金の算定方式がいわゆる通算年金方式をとっておるわけでございますが、これが厚生年金におきまして、その給付算定方式に準じて定めるということから、このようなことになっているわけでございます。これはどうしても、やはり公的年金における給付水準全体の改定問題として考えていかなければいかぬというふうに考えるわけでございまして、やはり今後、年金制度共通の基本問題といたしまして検討が必要であろうというふうに考えます。 共済年金制度を通じます問題につきましては、五十五年度に各省庁におきまして共済の共通の検討の場ということで研究会を設けることにいたしておりますので、この場におきましてこの問題につきましては十分検討してみたいというふうに考えます。 なお、年金給付の改定につきましては、たとえば報酬比例部分につきましては国家公務員の給与の上昇率に準じて改定を行っておりますので、この場合にも、年によりまして物価水準の上昇率との間でやはり対比をしていかなければならぬという問題も出てくるというふうに思っております。
○日野委員 各年金担当の省庁間での研究会を設けられるという趣旨、私はそれは結構なことだと思うのです。ばらばらでいってはいかぬわけですから、研究する一つの場を設ける、そして研究し合うということは必要だと思いますが、その場で果たして農水省として物価上昇を基本としてそれに見合ったものにしていくんだというようなきちんとした方針をお持ちでございますか。これからそういう方針でいく、そういう方針で検討の場に臨むというふうに伺ってよろしゅうございますか。
○松浦(昭)政府委員 農林年金につきましては、従来まではやはり国家公務員の給与の上昇率というものに連動させるということが基本になって考えられてまいりましたので、国家公務員の給与の上昇率と物価の上昇率、いずれを基本にして考えていくかということは、一つの大きなテーマであろうと思います。必ずしも国家公務員の給与の上昇率が物価指数の上昇率よりも低かったということだけではないわけでございまして、これは年によりまして公務員の給与の上昇率の方が高かったこともございます。また、その方が多かったと私は記憶しておるわけでございます。したがいまして、今後物価上昇率をとるかあるいは国家公務員の給与上昇率をとるかということは、基本的にこの研究会におきまして根本にさかのぼりましていろいろと議論してみたいというふうに考えておるわけでございますけれども、いまのところ、先生がおっしゃいますように物価指数の上昇率だけをとって今後の農水省の方針を決めていくということで割り切っているわけではございません。
○日野委員 この農林年金制度は、制度ができた当時からのいろいろな沿革がございまして、私としては、これはできるだけ物価の上昇にきちんと見合っていくような方向で検討をお願いをしたいというふうに考えているところでございますので、ここではその点を強く要望を申し上げておきたい、そういうふうに思うところでございます。 年金のいろいろな財政上の諸問題というのは、これはもうかなり各方面から論じられているわけでございますが、この農林年金の財政の現状、この点については、やはり他の年金同様非常に厳しいものがあろうかと思うわけであります。現在の財政の状況、この点については、単に厳しい厳しいとだけ言って済むわけではございませんので、財政の状況は各方面からいろいろ検討を加えられている、掛金の問題、給付についてのいろいろな問題も検討されているのですが、ここでやはり抜本的な問題は何か、財政の問題を抜本的に改善していく、そういうことになりますと、これは国庫補助率の引き上げということは当然論議の対象にならざるを得ない。そうして、この点については、いままで私がずっと国会の法案審議の際の附帯決議なんかを見てみますと、いつもこの点については、国庫補助率の引き上げというようなことが論点になっているようでありますが、この点について農林水産省としてはどのように考えておられるのか、ぜひとも伺いたいと思うのです。実はこの問題につきましては、午前中柴田委員から政務次官に対する質問がありまして、私がここから見ていた範囲では、政務次官はまなじりを決して国庫補助率の引き上げについては努力をするというふうに答弁をされたように見受けているわけでありますが、ひとつここらについての覚悟のほどを大臣にお伺いをしたいと思うのです。
○武藤国務大臣 この間も御答弁をいたしましたように、今度の五十五年度予算の編成に当たりましても、この問題については最後まで、大臣折衝の段階まで上げましてやったわけでございますが、結果的には横並びという形で、どうもうまくいかなかったわけでございます。今後、特に五十六年度に財政再計算しなければいけないことになっておりますし、何とかこの事態においていい方向が打ち出せるならば大変いいのではなかろうかと思って、国庫補助率の引き上げについては大いにがんばって努力をし、ぜひ実現をしたいと考えておるわけでございます。 ただ、問題は、またその横並びという議論でやられてしまうおそれが相当強いと私は思うのでございます。そういう点でこの間も申し上げましたけれども、何か一工夫しないことにはこれはなかなかむずかしいのではなかろうか。われわれの農林水産省でやっております農林漁業団体の職員の年金については、ほかの年金とはこういう点において性格が違うとか、こういう点においてまだ非常に不十分であるから、これは国庫補助率をやはり引き上げてカバーしてやらなければいけないとか、いろいろその辺のしっかりした理論構成が必要ではなかろうかと私は思っておるわけでございまして、何とかひとついい工夫をこらして実現に努力をしたい、こう考えておるわけでございます。
○日野委員 この年金の成熟率を見ますと、成熟率では私学共済や厚生年金の次ぐらいで低いわけですが、しかし、成熟度というのがきわめて早く進行しつつあるのだというようなことの指摘もなされております。また、積立倍率なんかで見ると、積立金の余命年数は約十年ぐらいだろうというふうに言われて、厚生年金よりも低いということになっているわけですね。しかし、一方、それに入っている組合員の給与水準とかそういった点を見ますと、財政の改善ということで組合の内部だけで何とか解決しようという努力もどうもうまくいきそうにもない。そういった点で、農林年金というのは非常に特殊性を持っているというふうに私は思うので、この点については、一工夫ということを言っておられるわけでありますが、確かに一工夫も二工夫も必要であろうと思いますが、何よりも大切なのは、大蔵省あたりと折衝をされる方の気魄であろうと私、思うのです。これは単に大臣とか次官とかそれから局長さん方ばかりでなくて、関係する者みんなが強い気魄を持って大蔵省に迫っていかなければいけないというふうに私は思うのですが、そこいらについて覚悟のほどを、それは工夫が必要だというような評論家的な言い方ではなくて、もっと強い態度の表明を私としては伺いたい、このように思うのですが、いかがでしょうか。
○武藤国務大臣 私は、大臣になる前から、予算編成のときは大蔵省といろいろのものをやってきた経験がわりあい長くあるわけでございますけれども、予算編成で大蔵省とやり合いますときは、やはり感情的ではこれはなかなかうまくいかないわけでございまして、理論的に大蔵省の役人を負かせるだけのものを持ってやらないことには、特にいまも申し上げました横並びでやられる可能性があるわけでございますから、その辺の理論構成が非常に必要だ、こういうことを申し上げておるわけでございまして、これはもうことしの概算要求のときから、八月から始まるわけでございますから、そういう理論構成をぜひそれまでに考え出して、財政が幾ら苦しい中にあってもこういう問題については改善をしていく、こういう考え方で、従来以上に努力をさせていただく、こういう気持ちでおるわけでございます。
○日野委員 これは組合員の方からすれば、この国庫補助率の引き上げにかなりの期待を寄せざるを得ない現状だと思うのですね。これは、掛金率、さっき私は少し高いのじゃないかという指摘もしましたけれども、この掛金の点から言いますと、組合員の負担能力から見ると、もはや限界に来ているのじゃないかというふうにも思うのですね。この点についてはいかがでしょうか。
○松浦(昭)政府委員 ただいまの農林年金の掛金率は、先年も御案内のように、五十一年度から千分の九十八ということでやってまいっておるわけでございますが、この掛金率は五十三年度までは確かに公的年金制度の中でかなり高い方の水準にあったわけでございます。しかしながら、五十四年度に至りまして国共済、地方公務員共済、私学共済の掛金率がいずれも引き上げられておりますし、現在の掛金率といたしましてはむしろ低い方の部類になっておるわけでございます。また、厚生年金の方も千分の百九というようなことで見込んでもおります。また、非常に高いところでは、これは高過ぎて比較にならないとおっしゃられるかもしれませんけれども、国鉄の千分の百二十四といったようなものもあるわけでございます。やはりこのような掛金率は相対的なものでありますし、また同時に今回財政の点から見ましていわゆる財源率の再計算ということをやらなければならぬわけでございますが、掛金率の大幅な引き上げを避けるためには、従来まで修正積立方式によりまして後世代への負担ということもやってまいったわけでございます。このようなことで、もしもさらに後世代に大きく負担を送るというようなことになりますと、現在の世代と後世代との公平を欠くというような負担の問題も起こってまいります。さようなことから、やはりこの点につきましては、将来掛金率の再計算をいたします場合には、相当慎重に考えてまいらなければならないと思います。さような意味で、私どもといたしましては、ただいま大臣からも御答弁がございましたように、できるだけ掛金の負担というものを少なくするために、国庫負担等につきましても一工夫も二工夫も加えていかなければならないということは当然のことでございます。しかしながら、この状態、つまり現在の掛金率を、今後の財政再計算におきましてある程度まで引き上げざるを得ないという気持ちもいたします。また、そのような点で、できるだけの工夫はいたしながらも、掛金の後代負担といったようなことも考えて、その点におきましては、総合的な観点からやはり掛金率の決定というものをいたしていかなければならないというふうに考えている次第でございます。
○日野委員 時間が余りなくなってまいりましたので、今度は最低保障額の点について若干伺いたいのです。 旧法の年金適用者について、五十五年の四月と六月、いわゆる二段ばねの引き上げが図られているわけでございますけれども、今度の改正では、新法による引き上げが五十五年の六月からというような改正案でございますが、旧法適用になる方々について、年齢区分であるとか組合員期間区分であるとか、こういったものがありまして、新法の適用者と旧法の適用者との間での差異、これがどうしても目につくわけですが、ここいらの新旧の区分、これを何とか埋めていく、さらにはこれを廃止していくというような方向での努力ができないものでしょうか。
○松浦(昭)政府委員 退職年金の最低保障額につきましては、旧法の適用者と新法の適用者というものが分かれておりますが、これはやはり共済年金制度の共通の原則といたしまして、年金額の算定というものはその給付の事由の生じた時点によるということになっております。これが原則になっておるわけでございます。特に旧法の適用者につきましては、やはり恩給制度に準じてその水準が設定されるということがございまして、これを一挙に直すということは非常にむずかしい問題であるというふうに言わざるを得ないと思います。そこで、私どもといたしましては、新法の最低保障額と旧法の絶対最低保障額との間の差をできるだけ縮めるという努力をいたしてまいりまして、その結果につきましては、先生も御承知のようにかなり縮まってきておると思います。特にその中でも、この農林年金につきまして最も問題になりますところの遺族年金につきましては、特に高齢の方あるいはお子さんのおられるような寡婦の方、こういう方を中心にいたしまして、できるだけその差を縮めるということでやってまいりまして、その結果は、最近の状態ではかなり縮まっているというふうに考えますが、この差につきましては、今後ともできるだけ縮めていく努力はしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○日野委員 問題は、最低保障額でありますから、新旧の区分というものをまるっきりなくすることは非常にむずかしいのでありましょうけれども、せめて最低保障額について新旧の区分を廃止するという要望が非常に強いのではなかろうかというふうに思いますが、この点をいかがごらんになっておられますか。
○松浦(昭)政府委員 やはり最低保障額につきましても、先ほど申し上げましたように、その給付が、財源を全額国庫負担しておりますところの恩給制度、これによって影響を受けます旧法の絶対最低保障額、それから新法の最低保障額との間で、給付の生じた時点というものが違うておりますので、そのためにこれを完全に合わせるということはできないというふうに考えられますが、具体的、実際的にその差をできるだけ縮めるということで従来からも考えてきておるわけでございまして、その結果は数字においてもあらわれておると思います。今後ともそのような努力を続けてまいるということでございます。
○日野委員 厚生年金の法案の方では、寡婦加算についての引き上げとか、四十歳未満の子なし妻に対する遺族年金の失権措置というようなものが予定されているようなんですが、この農林年金にはそれは入っていない。ここいらはどうなりますか。これは整合性の問題として伺っておきたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 ただいま先生御指摘のように、子のない四十歳未満の妻、いわゆる子なし若妻と言われておられる方々でございますが、この方々に対しまして、厚生年金では、今回の改正法案におきまして遺族年金の支給を行わない、つまり失権という制度で措置をするということになっているわけでございます。農林年金におきましても、他の共済年金を所管する各省ともども、この扱いにつきましてどのようにするかということで検討してまいったわけでございますが、国家公務員共済につきまして、去る三月二十五日に国家公務員共済組合審議会におきまして、四十歳未満の子のない妻に遺族年金を支給しないこととし、寡婦についての加算を大幅に引き上げるということについては多くの問題を含んでいるので、遺族年金のあり方ともあわせ十分検討の上、なるべく速やかに成案を得ることとされたいという旨の答申がなされたわけでございます。われわれの制度も共済制度の一環でございますので、私どもは、当然この答申を尊重いたしまして、やはり今後の改正を考えなければいかぬというふうに考えておりまして、このために、共済年金の所管省の各省ともども、新法適用者に対しますところの寡婦加算の引き上げ問題につきましては、ただいまの御審議願っております改正法案の中にも入れておりませんし、また、遺族年金の全体の総合的な見直しを行う中で、ただいまの御答申も十分に頭に入れまして、今後検討していきたいというふうに考える次第でございます。
○日野委員 寡婦加算の引き上げ等の問題、これは旧法では引き上げだ、新法では引き上げないんだというようなことで、いかにもアンバランスな感じがあるわけですね。それから、寡婦加算引き上げとか併給調整なんかについて、それぞれの共済年金でばらばらになっちゃったのでは、これもまことにかっこうのつかない事態になると思うのですが、これらの具体的な問題についての検討方法、これについてお聞かせをいただきたいと思うのです。
○松浦(昭)政府委員 ただいまも申し上げましたように、子なし若妻の問題を中心にいたしまして、実は厚生年金と諸共済との間で若干考え方が違う状態が出てまいりまして、今回の改正法案の中に入れていないという状態から、ただいま先生も御指摘のように、厚生年金との間でやや不整合が生じているということは事実でございます。私どもといたしましては、そのような結果、特に寡婦加算を中心にいたしまして、新法適用者につきましていつまでも不利が生ずるということはいけないというふうに考えておりますので、まだ検討の方向をここではっきりお示しするわけにはまいりませんけれども、できるだけ早く検討の結果を出しまして、早い機会にまた改正法案をお願いするということにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○日野委員 この問題については、社会保障制度審議会の答申の中にもありますように、本来給付率の引き上げによって対処すべき事柄であろうというふうに思うのですが、この答申が言うように、そういう本来の姿に引き直して、そして寡婦なんかに対する社会保障的な処置の万全を期してもらいたい、こういうふうに私、考えるのですが、いかがでしょうか。
○松浦(昭)政府委員 確かに、寡婦加算の適用ということになりますと、やはりお子さんのない非常に年をとられた方、あるいはお子さんの多い寡婦の方といったような方以外の方にも、遺族年金につきましていろいろな手当てをしていかなければならぬという問題も起こってまいりまして、そのバランスをいろいろ考えていかなければならぬということは御指摘のとおりでございます。 そこで、私どもといたしましては、今後この遺族年金のあり方につきまして、できるだけ早急に結論を出さなければならないと考えておるわけでございますけれども、その場合、遺族年金制度の改善につきましては、やはり今後の考え方といたしまして、その水準あるいは要件ということにつきまして、より深めた検討をしていかなければならぬというふうに考えておりまして、共済関係の各省ともども、この点につきましては十分考えまして、今後の方針を打ち出したいというふうに考えておる次第でございます。
○日野委員 時間が参りましたので、これで終わりたいと思います。 外国からお帰りでお疲れのところ、どうも御苦労さまでありました。
○内海委員長 次回は、明九日金曜日午前九時三十分理事会、午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時五十四分散会 ————◇—————