農林水産委員会 第16号
- 発言数
- 3 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1980/04/08
会議録
○内海委員長 これより会議を開きます。 芳賀貢君他十名提出、国が行う民有林野の分収造林に関する特別措置法案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。芳賀貢君。 ————————————— 国が行う民有林野の分収造林に関する特別措置法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○芳賀議員 ただいま議題となりました国が行う民有林野の分収造林に関する特別措置法案につきまして、提出者を代表して、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 わが国の森林面積は、二千五百万ヘクタールで国土のおよそ六八%を占めているとはいえ、国民一人当たりでは、〇・二ヘクタールと世界平均の一・二ヘクタールの六分の一にすぎません。 すなわち、森林の果たす役割りは、国土の保全、水資源の涵養、自然環境の保全・形成、国民の保健休養などの公益的機能を確保し、木材その他の林産物を持続的に供給する等、国民生活の安定と福祉の向上を図る上できわめて重要なものがあります。 今日、わが国の森林及び林業は厳しい環境に置かれ、かつてない危機に遭遇しております。 まず、木材需給の動向については、年間一億立方メートルを超える国内需要に対し、国産材の供給率は三一%に低下し、不足の六九%を外材に依存する状況であり、しかも、世界の総輸出量の三〇%を輸入する日本は世界第一位の輸入国であると同時に資源不足国でもあります。 かかる状況の中で、森林面積の三分の二を占める民有林は、外材主導型の需給体制と構造不況による木材価格の低落により、その林業生産活動は大幅に後退しております。 民有林における造林の動向については、昭和三十六年度の造林面積三十三万八千ヘクタールをピークに年々減少をたどり、五十三年度の造林面積は前年度より六%減少し、三十六年度に比べて四三%の水準に落ち込んだのであります。 なかんずく、拡大造林の落ち込みは著しく、三百万ヘクタールを超えると推定される里山中心の薪炭林が未使用のまま放置されている現状は、森林の有効利用の面からもゆゆしき事態というべきであります。 このような、民有林の経営危機を招いた原因については、林業労働力の不足、造林コストの上昇、木材価格の低落、採算性の悪化、資金的制約等の要因が複合して、林業者の経営意欲を減退させ、林業生産活動は全般的に停滞するに至ったのであります。 かかる状態を黙過するならば、林業の衰退、森林の放置によって、ついには国土の荒廃という重大な事態さえも懸念されるのであります。 急峻な地形、狭小な国土、過密な人口を有するわが国にとって、国土を保全し、水資源を確保し、国民の保健休養のため、公益的機能を発揮する森林資源を増大し、適切に維持管理することは、国家百年の大計からもきわめて重要であります。 そのためには、造林等の林業生産活動を国の責任で助長し、活力のある豊かな森林を計画的に造成していかなければならないのであります。 民有林野の造林については、国の補助造林制度や融資制度による助成の措置がとられておりますが、政府の樹立した諸計画に対して、その造成率はきわめて低く、年々この傾向を強めてきている実情であります。 かねて、わが国林業の危機を打開し、一層の振興を図るため、わが党は、昭和四十五年第六十三回国会以来、第七十一回国会、第八十四回国会と三たびにわたり、国が行う民有林野の分収造林に関する特別措置法案を提出し、審議を願ってまいったところであります。 また、特に、第六十五回国会の農林水産委員会において林業振興に関する決議が全会一致をもって議決せられ、決議の第一項に「国が行う民有林野の分収造林に関する制度的措置を検討し、その実現に努めること。」と明示されているのであります。 これに対し、何らの積極的な施策を講ぜず、今日の危機を招いた政府の責任は重大であります。 この際、わが国林業の現状に対処し、国土保全、水資源確保、自然環境の保全など森林の公益的機能を確保し、林業生産力の増大と林業従事者の所得の向上を期し、森林資源の充実を図るため、民有林野に対する国営分収造林制度を創設し、国有林野事業の組織、技術及び資金を活用して、十五年間に、七十五万ヘクタールの造林を目標に、国営分収造林を実施するため、この法律案を提出した次第であります。 以下、この法案の主要な内容について御説明申し上げます。 第一は、国営分収造林計画に関する規定であります。 農林水産大臣は、森林法第四条に規定する全国森林計画に即して、昭和五十五年度以降十五年間に実施すべき国営分収造林計画を定めなければならないこととし、この計画において国営分収造林契約に基づく造林の目標及び造林の事業量を定めるものとし、なお農林水産大臣はこの計画を公表しなければならないこととしております。 第二は、造林実施地域に関する規定であります。 農林水産大臣は、関係都道府県知事の申請に基づき、中央森林審議会の意見を聞いて、自然的経済的社会的制約によって造林が十分に行われておらず、かつ、速やかに造林を行うことが必要であると認められる地域を造林実施地域として指定することとし、さらに、知事がこの申請を行うときは、あらかじめ都道府県森林審議会及び関係市町村長の意見を聞かなければならないこととしております。 第三は、国営分収造林契約の締結についての規定であります。 国営分収造林契約とは、国が民有林野につき地上権の設定を受けて造林を行い、その造林による収益を、所有者と分収する条件で締結する契約をいうものであります。 まず、農林水産大臣は、造林実施地域内の民有林の所有者が国営分収造林契約を締結したい旨の申し出をした場合、その民有林野が政令で定める一定の理由と、一定の要件を満たすときは、当該所有者を相手方として国営分収造林契約を締結することができることとしております。この場合、小面積の所有者が数人で共同して申し出をした場合においても、国営分収造林契約を締結できる要件を定めております。 第四は、国営分収造林契約の内容等の規定であります。 国営分収造林の収益を国及び造林地の所有者が分収する場合の分収割合は、それぞれ十分の五を標準とすることとしております。 第五は、国営分収造林契約に係る造林事業に関する費用の繰り入れについてであります。 政府は、国営分収造林契約に係る造林事業に要する費用に相当する金額を、毎会計年度、予算の範囲内において、一般会計から国有林野事業特別会計の国有林野事業勘定に繰り入れるものとしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。(拍手)
○内海委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 この際、暫時休憩いたします。 午前十時四十五分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕 ————◇—————