農林水産委員会 第14号
- 発言数
- 294 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/04/01
会議録
○内海委員長 これより会議を開きます。 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川国彦君。
○小川(国)委員 私は、農林漁業団体職員共済組合の年金改定の問題について、農林省あるいは大蔵省に対しまして、年金改正のあり方、その方向につきまして、質問をいたしてまいりたいと思います。 この農林漁業団体職員の共済組合の年金につきましては、わが国の年金制度全体の中から見ますと、改善についてかなり努力はされてきている、こういうふうに理解されますが、しかし、日本の国の年金制度全体のいろいろな格差、矛盾、アンバランス、そういうものから見ると、まだまだ改善されなければならない多くの問題点を抱えている、こういうふうに思うわけであります。したがいまして、以下、数点にわたって当局の御見解を承っていきたい、こういうふうに思います。 一番最初に、わが国の年金制度の中できわめて不遇な状況に置かれているというのは、全般的に遺族年金の問題でございまして、夫が何らか不慮の事故で死亡した場合、あるいは病死した場合にしましても、その妻の取得する年金額は二分の一という状況に置かれております。外国では六割あるいは七割というふうに、あるいはまた全額に近いものもございますし、いずれにしても妻の地位というものが、いまいろいろ法的に引き上げられ、保護されているという形が出てきているわけでございます。 そういう中で、最近、厚生年金の中においてはかなり改善が行われてきているわけですが、この農林年金の場合には依然として取り残されている、こういう状況を感ずるわけでございますが、今後どういうふうにこの改善に取り組むお考えがあるか、まずこの点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 確かに、先生おっしゃられますように、特に夫を亡くされた方あるいはそのほかの一家の主柱を亡くされた方の遺族年金につきましては、できるだけこれを改善し充実していくということが必要であることは当然のことと存じております。また、諸外国におきましても、その支給率がかなり高い国があることも事実でございます。 この遺族年金につきましては、さような観点から、従来から恩給制度に準じまして、絶対最低保障額、この分野を毎年引き上げるということによりまして対処してまいったわけでございますが、さらに、遺族年金を受けられる方の内容と申しますか、対象者と申しますか、そういうことを考えてみますると、やはりその中でも特に寡婦の方々、その中でも寡婦の年齢、特にお年寄りの方、さらに、子供さんがおられるかおられないかといったようなことによりまして、保障の度合い等、必要性もいろいろと異なるということも考慮いたしまして、一律に支給率を引き上げるということよりも、むしろ配慮を要する老齢の寡婦の方、あるいはお子さんのおられる方につきまして、できるだけ手厚い寡婦加算といったような形でこれに対処していくということで考えてまいったわけでございます。 今回のお願いを申し上げております法律案につきましても、昭和五十五年度におきましては、絶対最低保障額を昨年度に準じまして、四月から三・八%、六月に至りますと八%強まで引き上げるということを考えておりますし、特に、給付改善の要請が強い先ほど申しましたようなお年寄りの寡婦の方あるいはお子さんをお持ちの方につきましては、旧法適用者の寡婦加算額につきまして、二倍から二倍半という引き上げを行いまして、これは八月から実施をいたしますが、このような方針で対処してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○小川(国)委員 全体を厚生年金並みに持っていける、こういう見通しはいかがでございますか。
○松浦(昭)政府委員 厚生年金との比較において農林年金をどのように持っていくか。特に遺族年金についてはどうかということですが、本来、厚生年金との関係では、一われわれの農林年金は、若干その制度の仕組み、立て方が異なっておりますし、それからまた、新旧の関係におきましても、旧法のもとにおける対象者につきましてこれをいかに扱うかということは、おのずから厚生年金との差が出てまいります。しかしながら、将来ともこの格差につきましてはできるだけこれの是正に努めていくということで考えてまいりたいというふうに思っている次第でございます。
○小川(国)委員 この問題は、さらに同僚議員の質問に譲りたいと思います。 次に、年金の課税問題について伺いたいと思うのでございます。 現在、六十五歳未満の場合には一独身で八十三万一千円、夫婦で百十三万六千円、六十五歳以上ですと、独身で百八十二万二千円、夫婦で二百十九万四千円、それから配偶者が七十歳以上の場合は二百二十九万六千円まで課税されないということになっております。ところが農林年金の場合に、退職年金の受給者が四万三千九百二人のうち三三・七%に当たる一万四千七百七十二人の方が課税対象となっているわけであります。これは年金は税法上では給与所得とみなされるために、他の給与所得がある人たちが大部分を占めるかとも思われますが、この年金受給者が課税をされている実態というものはどうなっておりましょうか。
○内海説明員 お答え申し上げます。 農業年金を受けておられる方の課税、非課税についての統計は現在作成しておりません。
○小川(国)委員 一応現実には私が申し上げたように三三・七%という方が対象になっているわけでございますが、その実態について、これは大蔵省としても、いまこうした退職年金に課税することが妥当なのかどうかという議論が起こっているやさきでございますから、この実態についてはぜひ御調査を願いたいというふうに思いますが、いかがでございますか。
○内海説明員 ただいま御指摘の点につきましては、国税庁の方でどの程度できるかよく調べてみたいと思います。ただ、御存じのように、限られた手間で税務行政をやっておるものですから、どういった原因で、たとえば他の所得がどのくらいあってどういうことでということのためにどの程度の実態が調査できるか、農林省ともよく御相談してみたいと思います。
○小川(国)委員 でき得ればこれをぜひ御検討願って、どういうような態様で年金生活者が課税対象になっているか、この実態をひとつ御調査願える範囲で資料として提出願えたらと思います。
○内海説明員 関係省とよく相談してみますが、どういうタイミングでできるかはちょっといまお約束はしかねるかと思います。
○小川(国)委員 その資料がございませんとさらに突っ込んだ議論ができないわけなんで、これは今後、タイミングの問題はともかくとして、この年金受給者が課税対象になっているという実態は当事者にとってやはり深刻な問題として受けとめられておりますので、この点を、農林省と大蔵省と協議の上でも結構でございますから、ぜひお取り組みをいただきたい、こういうふうに思います。 それからもう一つ、その態様がわからないと質問をさらに進めるという点で問題があるのですが、年金を受けている方で課税対象になっているというのは、恐らく他の所得があるためではないかというふうに思うのですが、その年金を合算所得から除いてやるという考え方は持てないものかどうか。特に老後の就労の中で得る賃金というものはきわめて低いものだというふうに思うわけですが、そこへもってきて年金まで課税対象になるというのは、年金受給者にとってはやはり耐えられないような精神的な苦痛を感ずる面もあると思うのですが、これを分離するという考え方は持てないものかどうか。
○内海説明員 お答え申し上げます。 ただいま年金の課税がどうなっているかということはもう御存じのとおりでございまして、たとえば母子年金とか障害者年金とか遺族年金というようなまことに忍ぶべからざるものにつきましては非課税とされておりますが、それ以外の公的年金につきましては税制上次のような特別な配慮がございます。 第一には、掛金の方で所得控除をしております。所得控除というのは本来収入を得るのに必要な経費を控除するわけですが、公的年金に関しましての掛金については老後に備えるものまで控除しているわけでございます。それを控除した上で、今度年金が払われます段階におきましては給与所得控除の対象としております。これも御存じのとおり、給与所得控除というのは、本来、勤労者が勤務に関して必要な経費を概算的に控除するというものなのでございますが、年金に関しては本来は勤務はないのに概算的に給与所得控除を控除しているという特別な配慮をしております。 さらにこれに加えまして、特定の要件のもとに年額七十八万円の特別な控除をしているということでございまして、その結果、先ほどお示しのように、一般の夫婦の給与所得者の課税最低限というのは百十三万円なんですが、年金の老齢者夫婦世帯の場合には二百十九万円、さらに扶養者である配偶者が老人控除対象配偶者の場合には二百二十九万というふうに、一般の給与所得者の夫婦に比べまして二倍以上の水準になっているわけでございます。 そういう点特別な配慮がなされておりまして、先ほどもお示しのように、やはり多くの場合には他の所得がある場合に課税されるわけでございまして、これは所得税というのは、どのくらい所得があるかということに担税力を見出して課税させていただくというのが一般の考え方でございまして、これを異なることにするとやはり不公平なことになりますので、先ほど申し上げましたような特別な配慮があるということをよく御理解いただきたいと思うわけでございます。
○小川(国)委員 これはいずれにしても何か出口入口論というのがございまして、欧米でも所得でもって控除したものについては年金で取る、日本の場合には所得で控除しているから年金で取る、こういう考え方があるようですが、この点はかなり基本的な問題で、今後議論を要する問題だと思いますのでその程度にして、私は、現実に起こっている年金と源泉徴収限度額の矛盾している点の是正を求めたいというふうに思うわけなんです。 と申しますのは、いま御答弁にありましたように、課税限度額では六十五歳未満の独身者においても八十三万一千円と、不十分であるけれども増額されてきているわけです。ところが、大蔵省の源泉徴収限度額というのは四十八年ごろから六十五歳未満で六十万円、六十五歳以上になりますと九十万円のままとなっているわけです。そうすると、六十五歳未満の人で六十万円以上非課税の独身八十三万一千円の者も、夫婦で百十三万六千円までの年金受給者も、いずれも非課税であるにもかかわらず源泉徴収の申告をしなければならない、こういうことになっているわけです。六十五歳以上の人でも同じように九十万円以上、独身で百八十二万二千円、夫婦で二百十九万四千円までの年金受給者はやはり源泉徴収の報告をしなければならない。これは大変不合理で、この事務量は各共済組合の大変な負担になっているという実態があるわけです。ですから、私どもは国で定めた大蔵省の源泉徴収限度額は課税限度額に合わされて行われるべきじゃないかというふうに思うのですが、源泉徴収限度額を実態に合った金額まで引き上げるということをお考えになれないかどうか。
○内海説明員 お答え申し上げます。 ただいま源泉徴収の不要の限度と課税最低限の関係について御質問がございました。 まず、第一点でございますが、仮に他の所得がない場合には扶養控除等申告書を出していただければ、先ほどお示しの課税最低限、たとえば独身者の場合には八十三万一千円、あるいは夫婦者の場合には百十三万六千円というような課税最低限に従いまして、先ほどお示しの六十万とか九十万とかを超えましても源泉徴収をしないということにしているわけでございます。 それから第二に、ほかに主な給与等を受けておられる場合には、これは扶養控除等申告書が出てこない場合が多いわけですが、こういうときにはほかに収入があるわけですから、源泉徴収を六十万なり九十万を越えた場合にはさせていただく、こういう考え方なんでございます。 ただいまお示しのような非常に手間がかかるという点につきましては、私どもも関係省からお話を伺いまして、今回、五十六年から思い切って扶養控除等申告書の様式等を簡素化することにいたしまして対処することとしておりますので、御理解いただきたいと思うわけでございます。
○小川(国)委員 これは当然、課税限度額が独身で八十三万一千円、それから夫婦で百十三万六千円ということになれば、そこまでは課税にならないわけですから、そうすれば、源泉徴収票はそこまでのものは提出しなくてもよろしい、こういうふうな措置はできないのでございましょうか。私は、これはむだなような気がするわけですね。現実には所得がそこまでいっていないわけでございますから。
○内海説明員 ただいま御提案になりましたようなことがむずかしい理由は二つございます。 一つは、御存じのように、課税最低限は、扶養者がいるとかいないとか、配偶者がいるとかいないとか個別事情によって変わってまいります。したがって、扶養控除等申告書が出てまいりませんと、当然のこととして課税最低限を定めることができないというのが第一点でございます。 第二点は、その方が他に所得があるかどうかも源泉徴収義務者である支払い者はわからない、こういうことでございます。
○小川(国)委員 そうしますと、大蔵省の方は源泉徴収票をよりどころ、根拠ということに定めておるわけでございますか。
○内海説明員 そのとおりでございます。
○小川(国)委員 そうすると、現在の限度額の六十万とか九十万というのもおかしいことになるのじゃないですか。
○内海説明員 お答え申し上げます。 ただいまの六十万、九十万というのはどういう趣旨で定められているかと申しますと、全くほかに給与のないような人で、六十万、九十万ぐらいまでは、この程度の限度までならば非課税にしても、そう申告等の別の手間をおかけすることはないであろうという点に線を引きまして設けているわけでございます。したがって、仮にそこの場合に源泉徴収をされない場合でも、ほかに給与がありますれば、これは当然申告をして後で納めていただくことになるわけでございます。
○小川(国)委員 どうもちょっと現実と矛盾しているように思うのですね。六十五歳未満で六十万、六十五歳以上で九十万という線を定めているなら、当然その場合でも源泉徴収票は必要なはずなんで、その場合には要らなくて、そして課税限度額の八十三万一千円のところになると源泉徴収票が要るというのは、どうもその辺がちょっと矛盾しているように思うのでございますが。
○内海説明員 お答え申し上げます。 御指摘の問題は、大変技術的な問題を含んでおりますので、御理解願いにくい面があるいはあろうかと思いますが、まず、所得税の課税最低限は、その人の家族の状況、ただいま扶養控除等申告書にあらわされておりますようなそういう状況で初めてその人の課税最低限は決まるわけでございます。ただいま源泉徴収不要限度六十万、九十万というのは、そういうものとは別に一応その線を定めまして、余り手数がかかっても何だから、扶養控除等申告書が出ない場合には、とりあえず六十万、九十万までは扶養控除等申告書がなくても源泉徴収をしないという線を決めているわけでございまして、いわばこれは手続の簡素化という観点からぎりぎりの線で定めているわけでございます。これを課税最低限と一致させるというお話につきましては、先ほど申し上げたように、扶養控除等申告書の提出がなければ課税最低限というのは決まらないものですから、そういった問題から扶養控除等申告書の提出をお願いしているわけでございまして、それが大変手間がかかるという御指摘はもっともでございますので、関係省とも御相談いたしまして、これはその形を大変簡素化いたしまして、事務的に受給者の方もそれから支払い者の方もそう手間がかからないような改正を行いましたので、今後、御指摘の問題は実質的にはかなり解決するのではないかと思っておるわけでございます。
○小川(国)委員 この点はもう少し私どもの方も検討を加えてみたいと思います。 それから次に、定年制の延長の問題でございますけれども、五十四年の附帯決議の三項では、退職年金の支給開始年齢の引き上げ措置に対応する加入団体の定年制の延長に適切な指導を行うようというふうに求めております。加入団体の定年制は現在どうなっているかといいますと、五十五歳定年の方が三分の一、五十六歳から五十九歳で定年の方が三分の一、六十歳以上が三分の一ということになっております。そうしますと、年金の支給が六十歳以上ということになってまいりますと、三分の二の方々が年金支給前に職を失うという事態になるわけでありまして、そうした加入団体の三分の二まで及ぶ定年制の現状というものを今後どう改善指導していくか、この点についてのお考えをひとつ……。
○松浦(昭)政府委員 先般お願いいたしました農林年金の改正におきまして、支給開始年齢の引き上げが内容となりまして改正が実現いたしたわけでございますが、その際の附帯決議は先生おっしゃられるとおりでございますし、また同時に、近年農林漁業団体における定年年齢そのものもだんだん延長されるという方向にございまして、かてて加えて、今回の制度改正によりまして、支給開始年齢の引き上げの措置がとられたわけでございます。したがいまして、今後定年の引き上げの要請というものは、農林漁業団体の関係でも相当強まってまいるというふうに考えておる次第でございます。 そこで、これに対しましてどのように対処するかということは、われわれの非常に重要な課題であり、また附帯決議におこたえするという意味でもあるというふうに考える次第でございます。そこで、農林水産省といたしましては、雇用関係の見直し、改善の一環といたしまして、定年の延長ということについて適切に指導していくということで、実は三月の十七日でございますが、都道府県知事あてに農林水産省の経済局長名をもちまして通達を出しておりまして、特に農林漁業団体につきましては、これらの定年の延長につきまして適切な指導をわれわれもやるから、ひとつ団体の方も十分考えてほしいということで、基本的な考え方を通達いたしている次第でございます。今後とも、当然これは労働行政とも関連がございますので、その連携のもとに、農林漁業団体の経営基盤の充実、給与体系の改善といった諸点も含めまして、その条件の整備を図っていくということで、とにかくまず通達を出し、それに基づく指導をきめ細かに今後ともやっていきたいというふうに考えている次第でございます。 なお、ちなみに、全国農業協同組合中央会におきましても、昨年来、高齢化社会における農協労務管理のあり方ということで分析、検討を行っておりまして、二月十九日付だったと思いますが、理事会で了承の上、都道府県の農協中央会あてに結果を送付しておりまして、この中でもやはり定年の延長という問題につきまして取り組んでいく姿勢を示している次第でございます。
○小川(国)委員 次に、年金法の新法と旧法の格差の問題があるのですが、特に、旧法の皆さんは依然として谷間に取り残された状態であるのです。これは厚生年金から農林年金に移行した際、不足財源があった、これが補てんされないまま初期債務という形で今日まで残っているという実態があるそうですが、これはお幾らぐらい残っているわけですか。
○松浦(昭)政府委員 先生のお尋ねは、いわゆる不足財源のお話だと思いますけれども、昭和五十三年度末で計算いたしまして、初期債務を含めました不足責任準備金の額が一兆八千億でございます。この不足責任準備金は、先生おっしゃられますように、将来の年金を給付するために積み立てておくべき額でございまして、その責任準備額を計算いたしまして、これから期末の保有財産を差し引いた額が一兆八千億残っておるという状態でございます。 この不足責任準備金はいろいろな理由によって生じておりまして、一つは、ただいま先生お話しの初期過去勤務債務ということから生じた、いわゆる厚生年金から引き継いだときの積立不足もございますが、そのほかに、毎年既裁定年金の改定等給付水準を引き上げておりますし、それからまた、掛金率の算定上ベースアップをいたしておりまして、これは新規の年金受給者の給付額にも影響が及んでくるという状態でございまして、このような意味での積立不足、さらには、修正積立方式と申しまして、後世代に実は将来の給付のもとになる掛金の負担を譲っているというような原因、いろいろと積み重なりまして一兆八千億の数字になっているという状態でございます。
○小川(国)委員 その中で、具体的には、旧法の最低保障額を受けるべき人が、今回の改正の中で新法の方々はほとんど厚生年金並みになるわけでございますが、旧法の年金受給者は依然として残されている。これは恩給などの場合は国が全額見ているし、私学共済の場合なども私立学校振興会の利差益が入るとか都道府県の助成があるとかして改善されているわけですが、農林年金の旧法の方々だけは、厚生年金から農林年金に移行したときに取り残された人たちというのは、依然としてそのまま救済されないでいるわけです。これは恩給との関連があるとかあるいは公務員共済との関係があると言われておりますが、そうではなくて、これは、要は財政負担能力の問題として、少なくもこの差別だけはなくすようなことを農林年金の中で努力されるべきじゃないか、こういうふうに私は思いますが、この新法、旧法の格差是正を早急に行うべきだと思いますが、この点はいかがです。
○松浦(昭)政府委員 お尋ねの点が二つございまして、一つは、先ほどの初期債務について一体これをどう処理していくかというお尋ねと、それから初期債務が発生するもとになりましたいわゆる新旧の格差の問題、これをどういうふうに是正していくかという問題と、二つあろうかと思います。 まず、後者の方から申し上げますと、確かに、新法と旧法の格差の是正につきましては、いわゆる共済年金制度全体共通の問題でございまして、なかなか厄介な問題であるわけでございますが、やはり基本的には、給付事由が生じた時点によって給付の内容が決まるということが原則でございまして、その意味では、旧法年金者に対しまして制度的に新法水準と全く同じに合わせるということはなかなか困難であると考えます。 また、農林年金はやはり共済グループの一員でございまして、農林年金だけが有利な状態を受けるということはなかなかむずかしゅうございますし、特に他の年金、特に恩給との関係で、もしもこれを新法の状態と同じように合わせるということになりますと、恩給受給権者は五十二年度末で二百五十八万人という非常に大ぜいの方がおられますので、そういうことを考慮いたしますと、農林のグループだけでもってこれを処理するわけにいかないということから、その財政負担その他の問題でいろいろ困難な問題が生ずるということになろうかと思います。しかしながら、やはり新旧の格差の是正という問題は非常に重要な問題でございますし、先般の御審議願いました法案の際にも同じような御質問がございまして、何とかこの是正には努めていきたいということでございまして、五十五年度につきましては、御案内のように、一つは、絶対最低保障額につきまして、ここが一番問題でございますから、この点につきまして、六月の時点では約八%強五十四年よりは引き上がるということになりますし、また、寡婦加算額の二倍から二・五倍の引き上げというようなことを旧法適用者の遺族年金について行いまして、できるだけその格差の是正に努めていくという方向で対処してまいっておる次第でございます。 それからなお一初期債務につきましてこれを一体どのように扱うかということでございますが、確かに、国共済等におきましては、初期債務につきましては国で見たというような経緯もございますけれども、しかしながら、農林年金は、その制度の発足の当初におきまして、一つの約束事でございますが、これはやはり組合と組合員の間で負担をしていくということになっておりまして、特に国共済等の恩給から出てまいりました制度につきましては、これはやはり恩給という一つの基本的な国が全額持つという制度から発生しておるものですから、そこでやはり初期債務についてこれを国庫負担で賄ってしまうという制度にはなかなかなりがたいと考えている次第でございます。
○小川(国)委員 時間が参りましたので、これで終わります。
○内海委員長 野坂浩賢君。
○野坂委員 いま同僚委員から農林年金について若干の質疑がございましたが、重複を避けて、時間がありませんから、私は、この農林年金法に対して単純に素朴に疑問と思われる点、矛盾点だと感じられる点、こういう点について指摘をし、明らかにしていきたい、こう思います。 私が知っておる範囲で、過去この農林年金法は、新法も旧法も合わせて一本化をして提案をされてまいりました。今回は二本で提案をされるというように承知をしておりますが、昨年の国会で既裁定年金の三・六%の引き上げと、支給開始年齢との問題が非常に論争を呼んだことは、御案内のとおりであります。したがって、通りやすいものから出すという方法に変えられてこのような方法で提案をされた、こういうふうに思います。そうであれば一歩前進ではなかろうかと思うのですけれども、これからは通りやすいものから、与野党で問題がないものから提案をするという考え方に農林省としては変えられたかどうか、その点をまず聞いておきたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 今回の農林年金の改正は二回に分けて行われることになっておりまして、今後もう一度農林年金につきましての法案を御審議願わなければならない状態でございますが、基本的に考えまして、今回の通常国会には、これは前国会からの引き継ぎではございましたけれども、冒頭にまず一回御審議をお願いし、今回また御審議をお願いし、さらにまたもう一回あるということで、一国会の中で三回も農林年金が御審議願うということはちょっと異常な状態でございまして、本来でございますれば、われわれといたしましては、できるだけ一本化した形でもって御提案をし、御審議を願うということが普通ではないかと考えておった次第でございます。 しかしながら、今回の事情につきまして御説明を申し上げますと、何分にも厚生年金の部分につきましてかなり大幅な改正が論議をされておりまして、特にその中でも、厚生年金につきましては年金の支給開始年齢を引き上げるという大問題がございまして、そこの中で、これは他の委員会でも非常に御議論があったところと承知しておりますが、なかなか厚生年金の大幅な問題を解決するには時間が取られるのじゃないかということを考えまして、そのために農林年金の部分につきまして、特に厚生年金とかかわりのある部分につきましては、別の法案にいたすということで、今回の御提案を二回に分けていたしたという経緯でございます。 その結果といたしましては、農林年金につきまして、次に御提出申し上げる問題点はさほどなくなりまして、改正点といたしましては、多分通算年金方式によりますところのいわゆる定額部分の改正の部分と、それから新法の最低保障額の改正という問題に限定されるのじゃないかというふうに考えておるわけでございますが、しかしながら、何分にも基本的に大きな御議論のあった厚生年金の問題が影響いたしまして、今回のような形になったわけでございます。 したがいまして、今回の改正以降の問題としてこれをどう取り扱うかということでございますが、やはりそのときにおける事態を見ながらケース・バイ・ケースで対処いたしてまいりたいというふうに考える次第でございます。
○野坂委員 農林年金は一般の社会保障の問題とは若干性格を異にして、農業者年金でも農林年金でも政策年金だ、こういうふうに位置づけられておることは局長御案内のとおりです。 いまのお話を要約しますと、旧法は恩給志向である、新法は厚生年金絡みである、こういう意味合いをお持ちのようであります。私が申し上げておりますのは、政策年金だということを踏まえて、これからの提案については、通りやすいものは早く出して、通りにくいものについては別個協議をする、こういう場をこれからつくっていくという意味ですね。ケース・バイ・ケースというのはそういう意味ですね。
○松浦(昭)政府委員 今後必ず一本でお出しをするかどうかについては、やはりその時点において判断をしなければなりませんので、必ずしも通りやすいものから出すということをここでお約束するわけにはまいらないと思いますが、そのときの時点時点でよく判断をいたしまして、今後の法案の提出の仕方は考えてまいりたいということを申し上げた次第でございます。
○野坂委員 今回提出をされました法律には、先ほどお話が若干ありましたが、寡婦加算は子供一人、二人の場合、二倍ないし二・五倍、こういうふうに改正をされております。まことに結構なことで歓迎されるところでありますが、新法の適用者も同じような措置をとられるだろうと思いますが、そのとおりですか。
○松浦(昭)政府委員 新法の適用者につきましては、実は目下検討いたしているところでございます。と申しますのは、この改正のもとになりました厚生年金の分野におきまして、いわゆる俗称子なし若妻と言われておりますが、その問題が非常に大きな問題として取り上げられまして、寡婦加算のあり方につきましてはいかにするかということが大分御議論になったというふうに聞いております。そして今回、恐らく厚生年金の方は、先ほど申し上げました子なしの若妻の方につきましては、これは失権というかっこうで対処されるのじゃないかということでわれわれは伺っておるわけでございます。 そのような厚生年金の方の対処ぶりがございましたので、実は今後これをどうするかということで、国家公務員共済組合制度審議会におきまして遺族年金のあり方の検討をなすっていただいたわけでございますが、どうもいろいろな問題を含めまして、この問題は今次法案においては、と申しますのは、次にお出しいたします法案につきましては見送ることがいいのではないかということでございまして、したがいまして、これは別途早急に検討の上成案を得なければならぬということで御答申が行われたわけでございます。 したがいまして、四月中旬以降に国会に提出を予定しております農林年金等の改正法案におきましては、寡婦加算の引き上げを行わないということになる可能性が強いというふうに考えられまして、これから先で検討いたしたいというふうに考えている次第でございます。
○野坂委員 そういたしますと、旧法の場合は二倍ないし二・五倍になりますが、新法の適用者は一年間据え置く、検討する、やるかやらぬかわからない、こういうことになれば、それの問題については、これは不均衡、不均等ということになりませんか。これが第一点。 それから、いま局長がお話しになりましたいわゆる子供のない四十歳以下の若妻、これについては遺族年金を出さない、こういう提案を厚生年金法の一部改正ではされております。これは非常に問題であるわけでありますが、社会保障制度審議会あるいは国家公務員の共済組合の審議会、これらからの答申は、なるべく早く成案を得て出せ、いままでないこと、遺族についてはなるべく引き下げるという。四十歳以下であればまだ働けるのだから年金なんかやらぬ。しかし、精神的な打撃ですね。いままであったものを取り下げるということは、いまの社会保障制度のあり方、年金制度のあり方についてむしろ逆行するものだ、こういうことさえ言い得ると思うのであります。そういう意味で審議会の答申も、十分検討しなければならぬ、こういうことを書いてあるわけですから、この二点、四十歳以下の若妻の問題と、そして不均衡、不均等となるという、この二倍ないし二倍半の寡婦加算問題、これはやっぱり新法に適用する、いわゆる農林年金の独自性としても考えなければならぬ。あなたは責任者としてどうお考えですか。
○松浦(昭)政府委員 まず、第一点につきましてでございますが、確かに、今回旧法につきましては遺族年金の寡婦加算が二倍ないし二倍半になる、しかしながら新法については今回の改正では見送るということになります可能性が非常に強いために、その間の格差ができることは事実でございます。しかしながら、できるだけ早くこの点につきましては検討を終えて措置をとるようにという御趣旨で審議会の御審議もあったというふうに考えておりますので、私どもといたしましては、ただいま先生一年とおっしゃられましたけれども、時期はここでもって明確にはできませんが、できるだけ速やかに各省との連絡も十分とりまして、その上でこの問題を解決して法案を御提案いたしたいというふうに考えております。これが第一点でございます。 第二点は、いわゆる子なしの若妻の方、四十歳未満のお子さんのない若妻の方にどう対処するかということでございますが、この点につきましては、確かに先生のおっしゃられましたような御議論がございまして、今回共済制度の関係ではこれを見送るということになったわけでございますけれども、しかしながら、この問題につきましては、一方で社会保障制度審議会の中には、あるいは遺族年金そのものの支給率を上げてはどうかというような御議論もあったやに聞いておりまして、さような点も含めまして広範な検討を行いまして、ただいま申し上げましたように、できるだけ早く成案を得て、この問題も含め、全体として遺族年金問題をどう扱うか、特に寡婦加算をどう扱うかということにつきまして、新法適用者の問題を解決いたしまして、御提案をいたしたいというふうに考えている次第でございます。
○野坂委員 それでは確認をしておきますが、寡婦加算等の問題については格差のないようにいたします、格差のないようにする、こういうふうにお考えですね、いまの言を確認すると。それが一点。 それから、四十歳以下の問題に絡んで、「将来の遺族年金のあり方とあわせ十分検討の上速やかに成案を得ることとされたい」という審議会の答申を受けて、これについては、農林年金の責任者として、近藤さんでも局長でもどちらでも結構なんですが、いままであったものから逆行をしない、制度を悪くしない、こういうふうに考えておると私は思いますが、そのとおり農林省としてはお考えであろうな、その点を確認します。
○松浦(昭)政府委員 もとより、この新法適用者についての寡婦加算の対処の仕方でございますが、基本的にはやはり厚生年金等との横並びを十分見なければならないということがございますので、先生おっしゃられるようなことをそのままということにはなかなかまいらないかと思いますが、とにかく旧法適用者との間のバランスは確保するということで、私どもこの点については慎重に検討を進めていきたいというふうに考えておる次第でございます。また、もちろん、今回の胆法適用者につきましても、御案内のように併給調整の問題がございましたから、そのような点はなお検討しなければならぬと思いますけれども、少なくとも新法適用者については、そのような調整問題は別といたしまして、基本的に改善の方向で物を考えていくということで対処したいと思っております。
○野坂委員 今国会で公務員の定年法、あるいは民間で、いまも同僚議員からお話がありましたように定年制の六十歳問題がこの春闘がらみで大きく表面に出てまいりました。ところが、その定年制の延長が民間にも公務員にも及ぶとして、ただ給与の問題に一抹の問題を投げかけておる。これは、民間の産業の場合に、五十五歳まではいわゆるベースアップなり定期昇給というものが考えられておるけれども、五十五歳以降下がるところがある、あるいは同じような横ばいでやる、こういう方式をとるところを間々見受けるわけであります。 そこで、農林年金はいま退職時の一年間の平均給与が退職年金の基準にされておるわけであります。考え方によりまして、退職時一年の平均給与、三年の平均給与あるいは全期間の平均給与、いずれでもとりやすいものをとれ、そういう方式、図式をとっておるわけでありますけれども、最近はほとんど退職時一年間、最近三年間といっても、五十五歳をピークにする可能性と危険性というものがいまある。その場合にはやはり最高時のものをとってやらなければ年金としての意味がないではないか、こういうふうに私は必配をするわけであります。それらの点については、年金側としてはまた担当の農林省としては十分に配慮をしていかなければ、一番いいもの、条件のいいものをとってやる、こういう意味で一年、三年、全期間とあるわけですから、それについての変更はあり得るものと考えるべきだというふうに私は提言いたしますが、その点についてはどうお考えですか。
○松浦(昭)政府委員 確かに、先生おっしゃいますように、五十五歳あたりを限度といたしまして、その給与の支給の仕方が、いわゆる稲穂型と申しますかそういう形になるという可能性が農業団体につきましてもあるというふうに私どもも考えておるわけでございます。その場合に、退職一年前の給与というものをとっていくということから、稲穂型で下がったときの給与水準を前提にして年金が支給される場合には受給者にとって不利を招くではないかという御議論が、確かに出てくるものというふうに私どもも考えております。もとより、五十五歳で稲穂型になるということは、五十五歳以上になりますと子供さんも大きくなるというようないろいろなことから、そういう給与の体系というものをとらざるを得ないという実態もあろうかと思いますが、その際に、受給者の年金権というものをできるだけ不利にしないようにするということは、今後とも考えてまいらなければならぬ問題であるというふうに考えるわけでございます。 〔委員長退席、片岡委員長代理着席〕 ただ、先生ただいまおっしゃいましたように、現在の制度のもとにおきましては、退職前の一年間、三年間、全期間という三つの方式を選択できることになっておりまして、それによって最も有利な状態で年金額を計算するということができるわけでございますが、そのようなことによって当面はしのげる分野もかなりあろうかと思います。しかしながら、もしも稲穂型がかなり定着をいたしました場合に、その際における年金の受給権者に不利が生じないかどうかということにつきましては、なお今後とも検討すべき課題であるというふうに考えておりますので、そのような稲穂型の給与の定着の状態を十分見きわめまして、今後の検討課題としてこの問題は対処さしていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○野坂委員 いまのお話は、いまの動向では見定めることはできないが、ある程度の定着をすれば、組合員が損をしないといいますか、取れるべきものが取れないで終わるということのないように措置をする、こういうことでございますね。もう二十分しかありませんから、簡単にやってください。
○松浦(昭)政府委員 そのような賃金体系が定着した時点でその実態をよく見きわめて、今後の検討課題として考えてまいりたいということを申し上げた次第でございます。
○野坂委員 検討するということは、善処するというふうに考えてよろしゅうございますか。
○松浦(昭)政府委員 その事態を見定めて、善処すべき点があれば善処しなければならぬということで考えておる次第でございます。
○野坂委員 わかりました。 この調査室の方から資料をいただいておりますが、退職年金は、地方公務員が五十四年三月末で年額百五十六万四千円、端数は切り捨てますが、国家公務員が百四十五万五千円、厚生年金が九十九万二千円、私学共済が百十七万八千円、農林年金が九十五万九千円、こういうことになっております。報酬月額も最低でありまして十四万七千三百三十円、こういうことになっておるわけであります。どこよりも年金額も安い、報酬月額も安い、こういうことになっておるわけであります。 それで、私がお尋ねをしたいのは、農林年金の成熟度でありますが、残念ながら時間がなくて勉強してこなかったのですけれども、「われわれの農林年金」というパンフレットをもらっています。これの二十七ページに「農林年金は、他の制度と比較して成熟の度合いがあまり高くない割には、他の財政指標から判断すると財政が逼迫しつつある。」云々、こういうふうに書いてございます。それから、三月の二十七日の日本農業新聞を見ますと、「吉田農林年金理事長に聞く」というので、「赤信号の農林年金財政」というところがあります。これを読んでみますと「農林年金が他の年金と比べ弱いところは、成熟のピッチが早いことだ。」と書いてあります。これをよく計算してみればよかったわけでありますが、片一方は成熟度が他の年金と比べて大したことがない、これは非常に早いと書いてありまして、どっちだということであります。農林省は専門家でありますから、どういうふうに把握をされておりますか。
○松浦(昭)政府委員 農林年金の成熟度でございますが、五十三年度では成熟率が一〇・九でございます。言葉をかえて申しますと、九人で一人の受給者に給付を行っておるという状態であるということが言えるわけでありますが、これが十年後になりますと、成熟率が二九・一になりまして、三・四人で一人の受給者が出てくるということでございます。さらに二十年後は、成熟率は三九・四ということでございまして、二・五人の組合員で一人の受給者を養うということになっておるわけでございます。これは数字が細かくなりますので申し上げませんが、現在の事態としては、成熟率はほかの年金と比べましてうんと高いという状態ではございませんけれども、その成熟度の状態では、かなり急速に成熟率が悪化するという状態であることは事実でございます。
○野坂委員 五十五年の三月三十一日、いわゆる五十四年度の末を再計算の基準といたしておりますね。この再計算がきのうの段階で集約をされて、これから再計算が始まるわけでありますが、いまの農林年金の掛金は千分の九十八であります。この掛金の限度はどの程度だとお考えになりますか。私が先ほど言ったのは、標準報酬等を含めて生活をしていかなければならぬという意味で、確認の意味で申し上げておるわけでありますから、この千分の九十八というものは、どの程度が限度額だとお考えですか。
○松浦(昭)政府委員 ただいまの農林年金の掛金率は千分の九十八でございますが、これから財政の再計算をやってまいります過程におきまして、この組合員の負担を引き上げざるを得ないというふうに考えられるわけでございます。ただその場合に、限度として九十八というのがどうかということでございますけれども、確かに過去の状態では、公的年金の中でもこの農林年金は国鉄共済に次ぎまして非常に高い掛金率であったということはございますが、その後におきまして、国共済、地共済、私学、いずれも掛金率の引き上げが行われておりまして、そのようなことを考えてまいりますと、給付の内容の改善等を見定めた上で考えてみますると、現在の状態では必ずしも高い水準にはないということでございます。また、厚生年金の方も千分の百九という状態が予想されておりまして、そのような意味では、現在のこの九十八という水準は、ほかの制度と比べまして必ずしも高い状態にあるということは言えないと思います。 また、第二に、給付の内容との比較ということで考えてみましても、かつて給付の引き上げが行われ、改善が行われました期間におきまして、約十年の間この掛金は千分の九十から九十八の間で推移をしておりまして、その意味では、この千分の九十八という水準は、給付の内容に比較いたしますとこれまた非常に安い掛金率になっているということが言えると思います。さらに加えまして、その間に組合員の給与も上昇しているという事情もございます。 またさらに、角度を変えて申し上げますと、世界の情勢をいろいろと見てまいりますと、この負担の限度というものは、単に掛金率だけでなくて、その他のいろいろな社会保障の経費、租税に対する負担といったようなものも全部合わせて考えなければいかぬということでございまして、それらを彼此総合して考えてまいりますと、千分の九十八が限度であるというふうには私どもは考えておらない次第であります。
○野坂委員 私の質問よりも長い答弁ですので、時間があと十分程度しかありませんので、結論だけお話しいただきたいと思うのです。税金その他についてはもちろん勘案しなければならぬでしょうけれども、掛金としていまの状況から、社会保険料なり健康保険料なり諸物価高騰の折ということを十分御認識でありますから……。 私が聞いておるのは、厚生大臣も予算委員会のときには、いまの所得の状況から見れば、この程度が限度ですということを明確に言っておるわけです。だから、私は、農林省としては農林年金の掛金の限度額は、いまの状況から考えて千分のどの程度までが限度なのか、それを考えておるのかということを言っておるわけです。
○松浦(昭)政府委員 簡単に御答弁申し上げますが、千分の九十八が限度であるかどうか、あるいはどの水準が限度であるかということでございますが、これはなかなか一概には申せないと思います。現在、特に国鉄などは百二十四という非常に高い掛金もとっておるわけでございますし、また、厚生年金も今回百九という水準まで引き上げるというふうに言われておりますので、さような点彼此考えますと、少なくとも千分の百九というふうに聞いておりますので、現在の千分の九十八という水準が限度であるとは言えないというふうに考えておる次第でございます。
○野坂委員 国鉄の例を出されたのですが、国鉄は年金財政はパンクしておるのです。農林年金はいわゆる掛金収入が五十五年度九百十六億円ありますね。五十四年度が八百五十八億円なのです。給付金は五十四年度が六百三十九億で、五十五年度は七百六十六億、こういうことになっているわけです。だからやれるのです。そういう意味で、厚生年金は千分の十三上げております。それ以内であろうということはもちろん当然でありますが、限度額としてはそれ以内であろう。それと、あなた方が五十五歳の支給開始年齢を六十歳にした。これは千分の十五の掛金に匹敵するのです。そうでしょう、逆算をすれば。それらを考えれば、またそう上げないで済むのではないかというふうに——研究と研さんと重大な関心を持つと言っておる農林省は、その程度以下であろうということは当然だと私は考えるのですが、いわゆる政治家として政務次官はどういうお考えですか。
○近藤(鉄)政府委員 野坂先生の御指摘はよくわかりますが、局長からもいろいろ話をしておりますように、少なくとも率で申し上げますと、農林年金は現段階で低い方になっておるわけでありますが、これからいわゆる年金の成熟度の問題もございます。また、国庫からどれだけ取り入れるかということ、これもいろいろ年金を横並びで議論しなければなりませんので、そういうことを考えてまいりますし、同時に、いまお話がございましたように、支給開始年齢を幾つにするかということ、こういったものの絡みで、現在の千分の九十八はやはり若干将来にわたって上げなければならないような場合もあると思いますが、その点は、お話のような趣旨を十分に踏まえまして、できるだけ慎重に検討してまいりたいと思います。 〔片岡委員長代理退席、委員長着席〕
○野坂委員 わかりました。私、もう時間がないから……。 いまは五十一年度から完全積立方式を修正積立方式に直しましたね。修正率は七七・五ですね。この率はどの程度まで下げるお考えがありますか。計算をしてみて、成熟度、掛金の状態、そういうところから、いわゆる所要財源率、通称必要財源率を踏まえて、この修正率はどこまで下げることができるか、私はこういうことを聞いておるわけです。
○松浦(昭)政府委員 何分にも修正率の問題は、いわゆる後代負担というものが当然伴うものでございまして、現在の組合員がどの程度まで掛金を納めることができるか、また納めるべきか、また将来にどれだけ負担をかけていくかということを、非常に慎重に検討しなければならぬ問題であると思っております。御案内のように、この再計算の問題は現在進行途上の問題でございまして、研究会で十分に御議論を練っていただいておりますので、私はこの段階で修正率を上げるべきか下げるべきかという議論は差し控えさせていただきたいというふうに思います。その点では、私どももちろんその研究会の結果を踏まえまして、掛金率を決定してまいるわけでございますから、その際には、ただいま申しましたように、現在の負担と将来の方々の負担というものを彼此十分考えまして処置をいたしたいということを申し上げておきたいと思います。 それから、先ほどのお話でちょっと補足させていただきたいわけでございますが、先ほど、支給開始年齢の引き上げで一五%の掛金率の減になるということをおっしゃったわけでございますが、実は、一方で退職一時金を廃止して通算退職年金を設定いたしたわけでございます。したがいまして、通常、通算退職年金を計算いたします場合には、退職一時金の中で一部控除をいたしまして、それを留保して使っておったわけでございますけれども、今回からは退職一時金が廃止になっておりますので、通算退職年金の中に掛金として含まなければならぬということがございます。したがいまして、私どもの考えでは、この数理的保険料率の増減関係は、結果的には、私どもまだ定かではございませんが、数%の引き下げという程度で考えていただきたいというふうに思うわけでございます。
○野坂委員 局長さん、あなたはいま、成熟度については、現在と十年後は二九・一%、二十年後は三九・四%、二人半で一人なんですよという、そういう警告を発されました。そういう見通しが 一方ではある。ちゃんと計算をしておる。しかも、四十六万五千という固定をしたそういう農林年金の展望だ。ところが、それでは掛金が一体どうなって、修正率はどうなるかということも、当然、再計算をすれば四年間で千分の十五なんです。いいですか。五十四年度末の計算ですれば、所要財源率は千分の二十上がるだろうという、そういう見通しなんです。そういうことも計算をして、ちゃんとこの成熟度とあわせて検討しなければなりませんよ。片一方は、大変だ大変だと言いながら、掛金や修正率はわからぬ、こんなばかげたことでは議論になりませんよ、本当は。 それから、申し上げておきますが、支給開始年齢は一五%でありません。一五%というのは千分の百五十を言うのです。千分の十五と言うのです。いいですか。その辺のことはきちんとしておいてもらわぬと誤解を招きますよ。もっと勉強してもらわなければいけませんな。 そういうふうな点から考えて、私たちは、修正率、掛金の限度というものはこの成熟度とあわせて検討しなければならぬ。所要財源率は千分の二十程度上がるだろう。千分比で、そういうことがまず考えられる。だから、この修正率は問題ですということを言っておるんですけれども、あなたはどうしてもお答えにならない。時間が来た。 そこで、不足財源は現在は一兆八千億あるとおっしゃった。そうですね。だから、問題は、同僚議員が言ったのは、過去勤務債務というものは、この整理資源率で見れば六一・三一あるということですね、今度上がるわけですから。だから、厚生年金から脱皮した昭和三十四年、いわゆる初期債務だけはどこの負担の分野であるか、こういうことを聞いておるわけです。率に直して千分の十四・六だ。もう時間がありませんから申し上げますが、それはやはり国が考えていかなければならぬものなんです、この性格は。それが一つと、この不足財源が一兆八千億あるから、農林省は大蔵省に対して、ことし、去年、国庫補助率は、この不足財源で健全財政とは言えないという認定の上に立って、二〇%と調整費率三%を要求をした、こういうことでしょう、こういうことですね。それについて大蔵省に屈服をしたのは、農林省は大蔵省を理論的に説得ができたのかどうなのか、その点はどうですか。
○松浦(昭)政府委員 まとめてお答えを申し上げます。 まず、第一点の千分の十五の問題でございますが、確かに支給開始年齢の引き上げによりまして千分の十五が引き下げられるということでございますけれども、先ほど退職一時金の話がございました、その点がございますので、これは数パーミルであるということはおわかりいただいたと思います。(野坂委員「わかりました。それだけ聞けばいいんです。あとの通算のことはわかっております」と呼ぶ)したがいまして、総財源率で見ますると、やはりこれは二〇パーミルぐらいの引き上げになっているわけでございまして、国庫負担その他いろいろと考えまして、修正率その他も現状どおりで置きますと、どうしても一〇パーミルを超え二〇パーミルまでいかない程度の掛金の増ということが計算されるわけでございます。 もちろん、これは今後十分に財政再計算の過程で検討してまいりますけれども、私どもの試算から申しますと、現状ではそのような状態でございます。 なお、初期債務の話でございますが、初期債務につきましては、その性格上どうしてもこれはなかなか国庫負担で処理のできないという問題があるということは、先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。 最後に、国庫負担の増の問題でございますが、現在の給付に対する一八%という国庫負担を何とか引き上げたいということで、先般の五十五年度予算の審議の過程におきましても、私ども大臣折衝まで持ち上げてやったわけでございますが、これはやはり他の年金制度とのバランス関係ということが一番大きな理由でございまして、さような点で、昨年同様の財調の補助は確保いたしましたけれども、これを引き上げるのは残念ながらできなかったという経緯でございます。
○野坂委員 大蔵省はおられますか。——時間が参りましたので、私はもうこれ以上質問することはできませんが、いま農林省側が申し上げておりますように、この国庫補助率二〇%、調整費三%問題については、ここの向こうにいらっしゃいます自由民主党を含めて満場一致八年間この農林年金について決議をいたしております。また、農林省もそれを受けて大蔵省に要求しております。不足財源はいまこの審議の中で明らかになったとおりであります。しかも、掛金についても、最近は他の年金は皆引き上がりましたけれども、厳しい状況にあるということは御認識いただいたと思います。農林年金の健全財政のためにいま農林省が要求しておるそれらの補助については十分検討すべきだ、検討されるべきだ、こういうふうに考えております。 ちなみに、他の年金との振り合いから見て調整費を〇・〇五%引き上げた。一・七七を一・八二に二年間した、こういうことでありましょうけれども、国家公務員なり公共企業体は一五%が一六%、一%引き上げられておるという他の振り合いから見ても、われわれの年金については多くの問題がある、こういうふうに指摘しないわけにはまいりません。その点について十分御検討いただけるかどうか、この点が一点。 それから、農林省の諸君に申し上げておきますが、去年も若干の問題点を残して、掛金についても支給開始と同じように下がってきた。その差額は、上限と下限の諸君に対して大きな影響があったということは事実です。法律にもありますように、いわゆる不利益なことをしてはならぬ。利益になってもいいけれども、不利益なことはしてはならぬということが法律の原則であります。だから健康保険料なんかは下がらないわけでありますが、実施期間と同じように、この年金の掛金というものが遡及されておるところは問題があろうと思いますので、それらの点についてぜひ御検討いただくと同時に、今度の掛金問題についても十分配慮し、遺族年金なり四十歳以下の若妻問題についても十分慎重に検討されるように要望して、大蔵省の答弁を聞いて私の質問を終わります。
○安原説明員 ただいま農林省の方から御説明がございましたとおりでございまして、公的年金に対する国庫負担につきましては、それぞれの年金制度の給付内容とか、被保険者グループの費用負担能力等の事情を総合勘案いたしまして、バランスのとれた形で設定いたしておるところでございます。現在厚生年金、御承知のとおり二〇%、農林共済一八、国共済が一五%という形になっております。こういったバランスのとれた形で設定されておりますので、これを変更することは困難であると考えております。農林共済の財政事情につきまして、ただいま種々議論がございました。こういう事情も踏まえまして、農林年金につきましては財源調整費を設けて、国庫負担を別途定率補助のほかに定額補助の形で行っているところでございます。 今後国庫負担のあり方を検討するかという御質問でございますが、御承知のとおり、現在高齢化社会に備えて全体の公的年金制度をどういうぐあいに持っていくか、各方面で広範な議論が行われておるところでございます。今後こういう年金制度全体についての基本方向が定まった時点におきまして、年金に対する国庫負担のあり方というものも基本的な検討を加えていく必要があろうかと考えております。その一環として、将来検討課題となるということはあり得ようかと思いますが、バランスを崩した形で単独に国庫補助の率をいじることは困難であるということを申し上げたいと存じます。
○野坂委員 不満でありますが、時間がありませんので、これで私の質問を終わります。
○内海委員長 和田一郎君。
○和田(一郎)委員 それじゃ質問いたしますけれども、相当重複もあると思いますし、それから特に改正点について重点的に質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。 まず第一番目に、農林年金では、年金額の改定について他の共済と同様に法律でもって、国家公務員給与の上昇率に合わせた改定が行われております。これに対して、いままでの質問がございましたとおり、厚生年金では、賃金の上昇分については五年ごとに行われる財政再計算期に見直しを行う方式をとり、次の再計算の五年の間は、物価の上昇率については昭和四十八年以来自動スライド方式によって年金額の改定を行っております。両者の場合の違い、これは受給者に対しての優劣はどうか、まずそこら辺からお伺いしたいと思います。物価のスライド方式と公務員の給料の上昇分に合わせた改定のやり方と、どうかということでございます。
○松浦(昭)政府委員 農林年金におきましては、年金法の一条の二の規定によりまして「この法律による年金たる給付の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」という規定がございまして、人事院の給与に係る政府への勧告に準拠いたしまして、公務員の平均給与改善率を基礎にいたしまして、毎年法律で改定を行ってきている次第でございます。したがいまして、これはいわば事実上の自動スライド制と同じような形になっているというふうに言えると思います。 今後一体これをどうするかということでございますが、共済年金制度の共通の問題として、このような形で毎年法律で公務員の給与に準じてこれを改定するかどうかというようなことも、研究会の討議の事項の一つとなろうかと思いますが、ただいま先生のお尋ねがございました、毎年の状態をとってみますると、必ずしも物価のスライドそのものの方が給与水準の改定よりも常に有利というわけではないわけでありまして、これはその年その年によって違います。したがいまして、これはいずれがいいかということは、今後の研究課題でございますが、少なくとも現在の体系で、公務員の給与水準に準拠する方法によって特に不利益は出ていないというふうに考えている次第でございます。
○和田(一郎)委員 その点についていまお答えがございましたけれども、厚生年金のやり方、これも一つの理由があるかと思うのですけれども、とにかくどういう変動が起きるかわからない、そのたびに一年間待たなければならないという方法ではなくて、やはり自動スライド式の方法も検討しなければならないと思っておりますし、また、附帯決議でもそのことはいつも言われておるわけでございますが、その点についてはどうなんでしょうか。検討されているかどうかという点です。
○松浦(昭)政府委員 自動スライド制については、御指摘のように附帯決議で当委員会の御意見をお出しになっておられますわけでございまして、私どもも当然この点につきましては検討いたしたわけでございます。特に各省間で構成されております連絡会議がございますので、ここに諮りまして検討を行った経緯がございます。 この結果でございますが、年金額改定の統一的な基準及び方式を求めるためには、各制度の性格、目的等について総体的な検討が必要であるが、これらは学識経験者等による検討の場で審議をした方がいいのじゃないかということでございまして、そのような結論に達しましたことを、社会保障制度審議会にも実は御報告をしている次第でございます。したがいまして、今後の課題ということでこれは検討いたしたいと思っておるわけでございますが、今回、昭和五十五年度に、共済年金制度共通の問題につきまして、学識経験者による研究会の設置を予定しておりますので、その場に諮りまして、この問題も含めていろいろと検討していただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○和田(一郎)委員 これは去年もこの例があったわけでございまして、支給開始年齢が一緒になりましたおかげで相当アップ分がおくれた。大体一年くらいおくれたでしょう、去年十二月に可決されて。そうしますと、さかのぼっては出ますけれども、そのときそのときの生活に役に立たないということもございますものですから、これは一年ごとにやるのだからいいだろうということじゃなくて、いま検討するとおっしゃいましたけれども、政府としてのお考えはどうなんでしょうか、やはりこの方がいいかどうかという問題については。審議会の意見ではなくて、事務当局としてはどうなんでしょうか。
○松浦(昭)政府委員 事務当局としていろいろと検討を行いました結果は、先ほど申しましたように、各制度間の性格あるいは目的等にいろいろと違いがございますので、総体的な検討が必要である、したがいまして、やはり学識経験者の御意見を十分聞いた上で措置をいたしたいということでございまして、それ以上にわれわれの意見は出ていないわけでございます。
○和田(一郎)委員 それじゃ次に、今回の改正案では、絶対最低保障額の新旧格差が是正されるようになっております。しかし、旧法年金者が主として受ける絶対最低保障額は、新法の年金最低保障額と違って、年齢区分だとか組合員の期間区分等があり、大きく見れば、格差は依然として残っております。附帯決議でも、この点については取り上げております。ですから、政府の見解としては、今後の方針として、この点については一体どう思うかということです。
○松浦(昭)政府委員 旧法の適用者に対する絶対最低保障額でございますが、確かに新法と違いまして、区分等もございまして、まだ低い水準にあるということは事実でございます。しかし、これは先般の御審議で是正をいたしていただきましたように、この区分等はかなり簡素化いたしまして、すっきりした形になっているということは御承知のとおりでございます。 しかし、なお格差の是正があるわけでございますが、これはやはり基本的に共済年金制度の共通の問題として、年金額はやはり給付事由が生じた時点によって決まってくるという原則がございまして、特に、恩給との関連もございます共済年金の各制度につきましては、最低保障額を、新法、旧法の状態を完全に合わすような状態に実現することはきわめて困難な問題だというふうに考えているわけでございます。 しかしながら、やはりその中におきましても、絶対最低保障額を改善していくということにつきましては、これは当然の方向ということで考えているわけでございまして、過去数次にわたるさような改定もいたしてまいりましたし、また、今回は、四月−六月含めますると、絶対最低保障額の水準は、前年に比べまして約八%強のアップをいたしているわけでございまして、さらに、遺族年金のような旧法の絶対最低保障額の適用の最も多い方でございますが、この方につきましては、特に寡婦加算額の二倍から二・五倍の大幅引き上げということを今回取り入れておりまして、これによりましてかなり私どもとしては実態として改善になっているというふうに考えておりますけれども、なお今後とも、この問題については取り組んでまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○和田(一郎)委員 特に、この農林年金の場合は最低保障額の適用者が多いというふうに聞いておりますけれども、具体的な人数それから他の制度との違い等、できればお示し願いたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 旧法適用者につきましての状態であろうと思いますが、遺族年金につきましては、旧法年金者をまず申し上げますと、退職年金の関係は百七十九名、障害年金が二百一名、遺族年金が千四百三十五人でございます。遺族年金の方が最も多いという状態でございますが、この中で絶対最低保障額の適用がございますのもやはり遺族年金が一番多いはずでございまして、私の記憶ではたしか千四百三十五人のうちで千百人以上が絶対最低保障額の適用を受けているというふうに記憶している次第でございます。
○和田(一郎)委員 それでは、今後この点についての是正ですね。先ほど検討するとおっしゃいましたけれども、どういう具体的なことでやっていらっしゃるかということ、こういう問題は農林年金だけの問題ではないと思うのです。
○松浦(昭)政府委員 これは共済年金共通の問題でもございますので、先ほど申しました共済の基本的な問題を検討する研究会におきましても十分に検討していただきたいというふうに考えておりますが、やはり基本的には、先ほども申し上げましたような、絶対最低保障額をどういうふうな水準で決めていくか、この問題が一つあろうと思いますし、いま一つは、先ほどから御議論の寡婦加算の問題でございまして、これを将来どのような形に持っていくかというようなことにつきましても、今後の検討課題になるというふうに考えておる次第でございます。
○和田(一郎)委員 それでは、いまお答えが出ました寡婦加算のことについて質問をいたしますが、寡婦加算額の引き上げにつきましては、今回大幅な改正となっておりますけれども、なぜかことし八月よりと、こうなっておりますが、従来はこれを六月からとするのが例になっておりましたけれども、なぜ二カ月おくれたのか、その理由をひとつおっしゃってください。
○松浦(昭)政府委員 寡婦加算の額の引き上げは、従来はその幅が非常に低うございまして、月額で大体千円、年額で一万二千円程度の引き上げがあったというのが従来の例でございます。したがいまして、このような状態のもとにおきましては、共済年金あるいは厚生年金等につきましても、大体六月から引き上げるという方針でいままでやってきたわけでございますけれども、しかしながら、今回の寡婦加算は何分にも前年度の二倍ないし二・五倍という非常に大幅な引き上げでございますので、予算措置との関連上から五十五年の八月ということにいたしたわけでございます。 なお、現在国会に提出いたしております厚生年金の関係の一部改正におきましても、寡婦加算の額の引き上げは五十五年の八月というふうに聞いております。
○和田(一郎)委員 では、この二カ月分では予算はどの程度になるのですか。
○松浦(昭)政府委員 ただいま手元で計算をいたさなければなりませんので、後で御答弁を申し上げます。
○和田(一郎)委員 では、政務次官にちょっとお尋ねいたしますけれども、予算の関係で二カ月おくれてやった、こういうことについては、政務次官としてはお考えはどうですか。
○近藤(鉄)政府委員 これは理想的には四月なら四月から、または六月なら六月から、早くできればできるほどいいわけでございますけれども、これはこの農林年金の寡婦加算問題に限らず、一般的に年金の額の引き上げの場合には全体予算との絡みでおくれる場合もございますので、それは現実問題としてやむを得ない場合もある、かように考えております。
○和田(一郎)委員 現実の場合やむを得ないというのは、具体的にはどういうことなんですか。
○近藤(鉄)政府委員 率直に言って年金収支の問題もございますし、また、それに対して国家はどの程度の補助が可能かという問題もございますし、それこそ料金の引き上げの可能性の問題もございますから、やはりそういうものとの絡みで、できるだけ早くせっかくの加算でありますから上げたい気持ちはございますけれども、その辺の総合的なバランスの中でやむを得ない場合もあり得る、こういうことでございます。
○和田(一郎)委員 いわゆる予算がないからということだと思うのですけれども、わが国のこの遺族年金の支給率というものは退職年金の大体何割くらいと決まっているようですけれども、わが国ではどのくらいになるのですか。
○松浦(昭)政府委員 遺族年金の支給率は退職年金の五割ということが基本になっております。
○和田(一郎)委員 では、また政務次官にお尋ねいたしますけれども、この点は国際水準から見てどうでしょうか。
○近藤(鉄)政府委員 私も余りつまびらかでございませんが、大体六割とかそのあたりの数字であるというふうに聞いております。
○和田(一郎)委員 この点については特に今後も大いに検討しなければならぬと思っておりますけれども、政務次官としては、農林省として検討していくお考えがあるかどうかということ、その点についてどうお考えになりますか。
○近藤(鉄)政府委員 問題は、寡婦の方がどの程度の所得を配偶者の死後に得られるかということでございますので、率の議論も確かにございますが、局長が説明しておりますように、わが国の場合には加算額を上げて実質的には寡婦の方々の生活を保障しよう、こういうことでございますし、特に有子、子供のある方について考えるとか、それから御年配の方についても考える、こういう形でございますので、私はこれも一つの考え、やり方である、かように考えております。
○和田(一郎)委員 ですから、国際水準から見てどうかということなんですよ。今後国際水準まで引き上げるかどうかという点についてお尋ねしているのです。
○近藤(鉄)政府委員 たとえば五割を六割にするという率の計算ですと、これは全体に大きく影響してまいるわけでございますが、たとえば現行わが方でやっておりますように、寡婦の方で御年配の方に対して加算するとか、それから子供のいらっしゃる方に加算する、こういうことは全体的な率の議論よりも私は現実のニーズに即応していい制度である、かように考えておるわけであります。
○和田(一郎)委員 大体おっしゃることはわかるのですけれども、われわれは、現在五割だから、じゃ国際水準の六割に引き上げる、そういう御答弁を聞きたかったのです。 では、あなたがいまお答えになりました中で、寡婦等についてのこのような一定額の加算式、それではなくて給付率の引き上げ、いろいろなあれがありますね。率でやるべきであるということと、それからまた支給額でやるべきであるという意見があるようでございますけれども、この点についてはどうなんでしょうか。
○近藤(鉄)政府委員 いまお話ししましたように、すべてこれ寡婦の方に対して、年金財政、収支の問題がございますから、いろいろお話をいたしましたような厳しい状況の中で、その一定の金額を寡婦の方にお払いするとすれば、その配分の仕方を考えた場合に、私はやはり加算額で、実際子供がおありになって現実にいろいろな問題がおありになる方に加算しておあげする、また御年配の方に加算しておあげするということの方が、全体を一律に上げるよりも適切じゃないか。一定の支払いできる金額の枠の中で考えれば、私はその方が適切じゃないか、かように考えるわけであります。
○和田(一郎)委員 こうなってまいりますと、将来幾らもらえるかということはわからないわけですよね。そのときそのときの予算ですから、どれだけの加算の支給がされるかわからない。それよりも、大体一定の率を決めておいて、それがだんだんと、いわゆる給付率の引き上げというような形の方が、たとえば物価にスライドするとかいろいろございますから、もらう方もわかりいいのじゃないかと思うのですけれども、その点についてはどうなんでしょうか。
○松浦(昭)政府委員 ただいま近藤政務次官からお答えをいたしましたように、最もニーズに即した形で、いわゆる寡婦加算という形で額でやってまいったのが従来のやり方でございますが、この点につきましては、余りにもまた寡婦加算の対象外になられる遺族年金の方々とのバランスの問題ということも将来起ころうかということも考えられます。したがいまして、社会保障制度審議会の御議論の中にも、大幅な寡婦加算をするくらいなら支給率を上げてはどうかというような御意見もあったやに伺っておるわけでございまして、これはやはり一つの検討の課題ではないかというふうに考えておりまして、もちろん今回の改正は、ただいま政務次官お話しになりましたような考え方でやったわけでございますけれども、将来の問題としては、さらに研究会等でこのような問題、基本的な問題として詰めていく必要があるのではないかというように考えておる次第でございます。
○和田(一郎)委員 それでは次に行きます。 やはり寡婦加算でございますけれども、改正案の中では、寡婦加算額の支給を受ける人が同時に退職年金を受ける場合は加算を停止すとなっておりますけれども、その理由はどういうことでしょうか。
○松浦(昭)政府委員 今国会で御審議を願っております制度改正でございますが、これは旧法適用者につきまして遺族年金の寡婦加算を大幅に引き上げたということでございますけれども、その場合に、この支給を受けられますところの受給者の寡婦が他の公的年金から老齢年金あるいは退職年金を併給されるという場合には、遺族年金額についてやはり寡婦加算額の全部あるいは一部を支給を停止して、それでほかの方との均衡をとる必要があるということから、この併給調整措置をとるということにいたした次第でございます。
○和田(一郎)委員 その遺族年金の額が政令で定める額に満たない場合は加算の停止をしない、こういうふうなことがございますね。この政令というのは大体どの程度の額のことをおっしゃるのですか。
○松浦(昭)政府委員 法律非常にわかりにくく書いてございますので、簡単に申し上げますと、併給調整を行った場合にもある程度の最低保障額までは保障するという考え方を基礎にいたしておるわけでございまして、平たく申しますと、遺族年金本体の額と寡婦加算の額との合計額が別に定める額、これは政令で定めますが、その額を超える分についてだけ支給停止をするということでございまして、この額はこれから政令で定めるわけでございますが、大体当面五十一万円見当というふうに考えておる次第でございます。
○和田(一郎)委員 その五十一万円のいわゆる基礎になるものはどういうことになるのですか。
○松浦(昭)政府委員 これは大体新法の最低保障額を頭に置いて考えておる次第でございます。
○和田(一郎)委員 やはり政令についてまたお尋ねいたしますけれども、今度は、遺族年金額に寡婦加算額を加えた額が政令で定める額を超える場合は、政令で定める額から遺族年金の額を控除した額をもって寡婦加算額とする、こうなっていますが、この方の政令はどうなりますか。
○松浦(昭)政府委員 非常に法律わかりにくく書いておりますので、政令が二つ別の額のようにお受け取りになるかもしれませんが、これは同じ額でございます。
○和田(一郎)委員 じゃ、これはその五十一万円と同じだということですか。 次に移りまして、掛金または給付額の算定基礎の標準給与について、各制度との比較、これは非常に農林年金は低いようでございますけれども、例を出してずっとおっしゃってくれませんか。
○松浦(昭)政府委員 一番この農林年金の中で主体になる対象者は農協の職員であろうと思いますので、農協の職員がどの程度であるかということを比較して申し上げてみたいと思います。 その場合に、比較対象になるところはやはり町村の職員ということが一番対象としやすいであろうというふうに考えますが、この場合、賞与を含めました平均給与月額で申しますと、町村の役場の場合には、五十三年の一月現在で二十万一千円、これに対しまして農協の場合には、もちろんこれは単位組合の段階でございますが、平均でこれが十八万九千円でございますので、大体一割か一割五分くらい低いというふうに考えられると思います。ただ、農協職員における給与は近年民間企業よりも高い伸び率を示しておりますので、この給与水準については漸次改善を見ているというふうに考えられるわけでございます。
○和田(一郎)委員 ついでに給付額の算定基礎の標準給与、これは各制度との比較をちょっとおっしゃってくれませんか。これは平均報酬月額と退職年金額が両方ございますけれども。
○松浦(昭)政府委員 大変恐縮でございますが、五十三年末の数字で申し上げてみたいと思います。 組合員総平均の給与月額でございますが、農林年金が十四万七千円、私学共済十七万六千円、国共済が十七万三千円、地共済が十八万六千円、厚生年金が十六万四千円でございます。
○和田(一郎)委員 退職年金額わかりませんか。
○松浦(昭)政府委員 同時点で申し上げますと、まずこれは既裁定年金の平均額で申し上げます。 農林年金が九十六万円、私学共済が百二十三万八千円、国共済が百四十五万六千円、地共済が百五十六万五千円、厚生年金が九十九万二千円でございます。
○和田(一郎)委員 私学共済は百二十三万八千円、これは間違いございませんか。
○松浦(昭)政府委員 五十三年末現在ではそのような額と聞いております。百二十三万八千円でございます。
○和田(一郎)委員 それでは、次の質問は午後からにさしていただきまして、一たん終わります。
○内海委員長 この際、午後一時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 ————◇————— 午後一時三十一分開議
○内海委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。和田一郎君。
○和田(一郎)委員 それでは、大臣が見えましたので、大臣に御質問いたします。 午前中の質疑の中で、いわゆる給与額の算定基礎の標準給与の違い、これはずっと局長の方から御答弁がございまして、もともとの給料が安いということであります。それから、平均の給与の額も、町村の職員と農協の職員の差が挙げられまして、町村の場合は二十万一千円、農協の場合は十八万九千円というふうな差があるということでございました。 しかしながら、低額年金の解消を図らなければならぬ、また、老後保障を充実させる意味においても、給与の待遇の改善は当然だと思っております。さらにまた、農協等農林漁業団体の置かれている立場から見ましても非常に厳しい情勢がございます。そういう中で、この給与等の待遇改善については大臣としてどのような御処置をおとりになりますか。
○武藤国務大臣 私ども、農協の職員の方々が、その農村地域におきまして、農家がより農業にいそしんでいただけるようにするために大変大切な責任を持った仕事をしていただいていると思っております。そういう面で、できる限り喜んで仕事に没頭していただけるような形で労働条件があることが望ましいことは当然でございまして、いま御指摘のございましたように、できるだけ町村の職員と比べても遜色のない待遇になることが望ましいと思いますけれども、しかし、これは使用者側といいますか経営者側と申しますか、農協の中において労使関係があるわけでありまして、そこで決められていくわけでございますので、私どもは望ましいということは申し上げられますけれども、それではそういう方向で——それぞれ農協において経営状態もいろいろあろうかと思いますので、私どもの方で強制をするわけにはまいりませんけれども、できる限り健全な経営基盤をつくっていただき、そして円滑な労使関係のもとに、より仕事に精励をしていただけるような条件になることを私どもは強く望んでおるわけでございます。
○和田(一郎)委員 昨年のこの法改正で、年金の支給開始年齢の引き上げが行われましたから、そういうこととも関連いたしまして、いずれにしてもそれぞれの経営そのものの安定が必要だと思っております。しかし、大臣いまおっしゃいましたように、これはそれぞれの雇用がございますから、こちらが思っているようにいかないと思いますが、支給開始年齢が引き上げになったということ、非常に低額年金であるということ、その点から、今後どのような指導をされるかということなんです。
○松浦(昭)政府委員 午前中も御答弁申し上げた次第でございますが、先般の法律改正におきまして支給開始年齢を引き上げたということもございました。また、農協の中あるいはその他の農林漁業団体の内部におきまして、定年が次第に延長されていくという傾向もあるわけでございます。さような事態を踏まえまして、今後やはりいかなる形で定年を延長していくかということは、団体を指導する上においても非常に重要であるというふうに考えまして、先般の法律の改正を機会に、三月十七日でございますが、局長通達をもちまして、今後定年の延長に関しましても、その他の給与の見直し等含めまして、十分に今後考えて団体として対応していくようにという指導通達を流した次第でございます。これをきっかけにしまして、具体的に労働省の当局とも十分に打ち合わせをしながら、今後団体の指導に遺憾なきを期してまいりたいというように考えている次第でございます。
○和田(一郎)委員 社会保障制度審議会が、今回もまた、年金支給開始年齢の引き上げの経過措置が長きに失するのじゃないか、昨年の本審議会の答申でも述べたところであるけれども、国家公務員の六十歳定年制が近く定められることにかんがみ、これにあわせて経過年数を短縮することは、厚生年金との均衡からも当然というべきであるというような答えも出しておりますけれども、これはもう昨年の暮れ開始年齢の引き上げの経過措置が決まってしまいましたが、農林大臣の所感をお聞きいたします。
○武藤国務大臣 これはいわゆる官民格差の解消という考え方から、審議会の中でそういう意見が出たと私は承知をいたしておるわけでございますが、前の国会の議論のときにも申し上げておりますように、官民格差の問題は官民格差の問題といたしまして、私どもといたしましては、いまの支給開始年齢の引き上げについては、やはり急激なことをやりましたらなかなか御理解がいただけないわけでございますので、私どもやはり理解を得られる中でやっていくということになれば、どうしても相当の経過期間を考えていかなければならない、こういう形で、この間の法律改正をやったわけでございまして、審議会、これは厚生省関係の審議会でございますが、そういうところで議論がなされていることは承知はいたしておりますけれども、これはいまここで五歳引き上げることについても相当議論があったわけでございますので、なかなかそう簡単にはいかないのじゃないかと私どもは考えておるわけでございます。
○和田(一郎)委員 簡単にはいかないという御答弁の裏には、それじゃそれに近づけようというお考えがあるように思うのですが、これはそうですか。
○武藤国務大臣 私どもとしては非常に困難であるというふうに感じております。
○和田(一郎)委員 次に、農林年金の財政について質問をいたします。 これはどの団体でもこの健全化については非常に悩みがあるようでございますが、特に農林年金の財政は非常に厳しいと言われておりますけれども、現状を御説明願います。
○松浦(昭)政府委員 農林年金の財政状態でございますが、他の年金と比較いたしまして、現在直ちに非常に悪いという状態ではないわけでございますが、先ほども御説明いたしましたように、現在十人の組合員が一人の受給者を養っているという状態でございますけれども、二十年後になりますと、これが二・五人になるということで、急速に成熟率も変わってまいるわけでございます。また、受給者が増大するだけではなくて、一方でまた年金の財政、つまり収入の面の掛金と支出の面の給付というものがだんだんその差が縮まり、さらに将来におきましては掛金収入を上回った給付を行わなければならぬといったような事態も起こってまいるわけでございまして、もちろん一方で資産の運用等に努めておるわけでございますが、将来につきましては、やはり楽観を許さない状況になっていくというふうに考えておる次第でございます。
○和田(一郎)委員 成熟度について各制度との比較をしてみたいと思うのですが、厚生年金、国家公務員共済等ずっと成熟度について御説明を願います。
○松浦(昭)政府委員 では成熟率について申し上げますと、昭和五十二年度の実績で申し上げますれば、厚生年金が六・一%、共済組合が一六・七%、農林年金が一〇・二%、私学共済二・四%、国共済が一九・八%でございます。さらに将来の見通しをお尋ねになればまた御答弁いたします。
○和田(一郎)委員 いまおっしゃったのは、これは五十二年度末ですよね。現在もまた五十四年から五十五年にかけて再計算の時期に来ておりますけれども、その辺で大体どの程度になっておるかという問題でございますが、おっしゃっていただきたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 ただいまのお尋ねは成熟度であると思いますけれども、五十三年度の私どもの農林年金につきましては一〇・九という状態でございます。これが五十四年度はまだ計算しておりません。将来の状態を測定いたしますと、六十五年度つまり十年後は二九・一%、二十年後の昭和七十年度には三九・四%になるというふうに推定をいたしております。
○和田(一郎)委員 三九・四%は七十年度ですか。
○松浦(昭)政府委員 七十五年度でございます。
○和田(一郎)委員 そういう点から考えますと、ほかの制度から見ますと非常に厳しい情勢が伺えるように思うのですけれども、この点については大臣どうですか。
○武藤国務大臣 私の手元にある資料では、七十五年度は厚生年金が二〇・八%、共済組合が三八・六%、そのうち農林年金がいまお答えをいたしました三九・四、私学共済が一四・三、国共済が四〇・〇となっておりまして、これは成熟度は急速に高まっていくという感じでございまして、それに伴って健全な運営がなされるように、今後いろいろと検討していかなければならない点は多々ある、こう感じております。
○和田(一郎)委員 次に、積立倍率で見ますと、非常にまたこれも厳しい数字だと思いますけれども、これもうちょっと説明してください。
○松浦(昭)政府委員 積立倍率、つまり積立金を給付金の総額で割った状態でございますが、昭和五十二年度で見ますると、農林年金が九・四四九、主なものを申し上げますと国民年金が一・九五六、厚生年金九・七四三、国共済が五・九七六、地共済が七・二〇二、公共企業体共済が二・九八一、私学が一四・九二四でございます。
○和田(一郎)委員 そうなってまいりますと、他の制度に比べて成熟度が比較的低いにもかかわらず財政状態が悪いということになっておりますけれども、これは社会保障制度審議会からも、農林年金は、その構造から見て財政基盤に問題があり、将来の財政について確たる見通しを立ててこれに応ずる計画を策定することが必要である、このような指摘を受けておると聞いておりますが、そういう点については確たる見通し、そういうことではどうでしょうか。
○松浦(昭)政府委員 確かに、農林年金に関しましては、現在の財政収支状態というのは必ずしも良好な状態にあるわけではなく、また、将来成熟度が急速に高まってまいりますと、これが収支にさらに影響を及ぼしてくるということは事実でございます。 ただ申し上げておきたいと思いますことは、何分にも農林年金の場合には、修正率その他を掛けたということもございますけれども、とにかく長い間掛金率を据え置いてきた、あるいは上げてもその率を非常に少なくしてきたという状態がございました。一方で、給付内容につきましては年々改正をいたしてまいりましたので、現在の状態では収支の内容が他と比べて必ずしも良好ではないという結論になっておるのじゃないかというふうに考えられますが、将来は、さような状態も踏まえ、また成熟度の進行等も十分に考えまして、今後の財政収支の均衡のために努力していかなければならないというふうに考える次第でございます。
○和田(一郎)委員 そういうことで、昭和五十五年度の予算編成でも国庫補助についての補助率の積み上げを図ったそうでございますけれども、補助率の引き上げは認められなかった、こうなっておるわけでございますが、その点について今後大臣の御所見はどうでしょうか。
○武藤国務大臣 ことしと申しますか、五十五年度の予算編成に当たりましても、私どもは最後の大臣折衝の段階まで持ち上げまして努力をしたわけでございますが、残念ながら他の年金との兼ね合いもございまして引き上げができなかったわけでございますが、いま御指摘もございましたように、将来の財政状態を考えますとなかなかむずかしい状況でもございます。掛金率の引き上げも将来は考えなければならないかと思いますが、あわせて国庫補助率の問題につきましても、今後より一層努力をして、その改善に努めていかなければならないと思っております。ただ、ことしの予算折衝でも感じましたけれども、この年金だけの国庫補助率の引き上げということが非常にむずかしいという感じを持ちましたので、その辺を十分踏まえながら、他の年金の財政状態も決していいわけではないと思いますので、その辺よく理解を深めるようにしながら、何とか補助率の引き上げが将来可能であるように努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○和田(一郎)委員 大体大臣が答えられてしまいましたけれども、五十五年においての財政の再計算が行われます。その結果相当大幅の不足財源が出ると予測されておるようでありますけれども、これは大体わかるのですか。
○松浦(昭)政府委員 財政の再計算は、目下財政研究会の先生方にも御委嘱いたしましていろいろと計算をしていただいておるところでございまして、私どもといたしましては、現在の段階では全くの試算、推計しかできないわけでございますが、いまわれわれの手元にある数字等を勘案しながら考えてみますと、最終的にいかになるかはちょっと確言は申し上げられませんけれども、掛金率につきまして、従来の方式を踏襲いたしまして考えましても、千分の十よりはなお多くなる、千分の二十まではいかないと思いますけれども、その程度の掛金の引き上げが必要になるというふうに考えられる次第でございます。
○和田(一郎)委員 掛金率の上昇につながらないような歯どめとして、やはり国の補助率の引き上げがどうしても必要だと思いますので、その点についてあと一回大臣の御答弁をいただいて質問を終わります。
○武藤国務大臣 先ほどもお答えをいたしましたように、掛金率の引き上げも大変御負担を願うわけでございますから、私ども極力低いのがいいのでございますけれども、やはり年金の将来の財政状態の健全化ということから考えれば、加入者の皆さんの掛金率も引き上げていただかなければならないだろう。しかし、ただそれだけで、それじゃ国の方は全くめんどうを見ませんじゃなかなかそう簡単に話がいくわけでもございませんので、ことしの予算折衝を踏まえて考えても、相当強い姿勢で国庫補助率の引き上げについて努力しなければならないというふうに私は考えておるわけでございます。
○和田(一郎)委員 終わります。
○内海委員長 馬場昇君。
○馬場委員 私は、まず大臣に、昨年の国会で共済年金の五法案が国会を通過するに当たりまして、大臣も御承知のとおりに、国家公務員、公共企業体職員の共済組合関係法を審議しておりました大蔵委員会で、その理事会で合意事項がございます。この理事会の合意事項に大蔵省当局も賛意を示した、こういうことがございまして、これが共済年金関係の五法案を通過する基礎になったわけでございますが、本委員会におきましても、わが党の芳賀委員が、大蔵省の主計局次長をこの委員会に呼びまして、ここでそのことについて質問をいたしました。それに関連いたしまして農林大臣にも質問いたしまして、確約された事項が幾つかあるわけでございますが、私は、その中の二、三の点について、その事後処理がどうなっているのかということを中心にまず質問いたしたいと思います。 まず、第一点の問題ですけれども、御承知のとおりに支給開始年齢が六十歳に引き上がったわけでございますが、これにかかわりまして、年金支給の引き上げに関係いたしまして、退職年齢をこれにドッキングさせる、退職してから年金をもらうまで間を置かない、こういう問題が取り上げられたわけでございます。そこで、本委員会でもわが党の芳賀委員の質問に対しまして、大蔵省の主計局次長は、支給年齢を六十歳に引き上げるに当たっては段階的に退職年齢等も引き上げていくように行政指導に努める、こういうような答弁を行われまして、このことが大蔵委員会における各党の理事の合意、大蔵省も合意した事項だ、そういうような答弁をしたわけでございます。 そのことに関しまして、農林大臣は、覚えておられると思うのですけれども、農業団体、漁業団体などにおきましても当然定年の延長はやっていくべきであるということをはっきり答弁なさっております。これにかかわりまして事務当局の方も、実は私どもといたしましても定年年齢を段階的に引き上げていくような方向で指導していきたい、こういうような答弁をなさいまして、はっきり言いますと、一言で言いますと、年金支給年齢と退職年齢、そこに間隔があってはならぬ、そのように関係団体を指導する、こういうような答弁があっておるわけでございますが、もう約一年たっておるわけです。この間団体をどのように指導されまして、団体はどういうような約束をし、実行しようとしておるのか、この内容についてまず聞いておきたいと思うのです。
○武藤国務大臣 これは今回共済年金関係との関連で公務員の定年制の問題も出てきているわけでございまして、私どもの方といたしましても、経済局長名で各都道府県知事あてに、農協関係の定年制をめぐる雇用関係の改善について通達を出しているわけでございまして、その中で、「昨年末、農林漁業団体職員共済組合制度の改正により、支給開始年令が経過期間を設けつつ段階的に引き上げられることとされたこともあり、定年年令の引き上げについての要請がさらに強まることが予想されるので、雇用関係の見直し・改善の一環として、定年年令の延長についても適切な指導を行うこととされたい。」こういう形でやっておりまして、そして、それを受けまして今度は農協の中央会においても、「高齢化社会における農協労務管理のあり方」という形で分析検討を行いまして、ことしの二月十九日の理事会で了承の上、都道府県の農協中央会あてに文書を出しておりまして、その中において、給与体系の見直しかたがた六十歳を目標として定年年齢の延長を図っていくことが望ましい、こういう文書を出しておるわけでございまして、そういう指導をいたしておるわけでございます。
○馬場委員 いま二点の指導の内容がお話があったのですけれども、大臣、国家公務員とか地方公務員とか、実際この国会に実は六十歳定年の法律が出るわけですよ。そしてさらに、民間等はもうほとんど六十歳定年の動きが出ておるわけですね。実は去年の国会の約束を踏まえて考えますならば、いまここで局長名で都道府県知事に通達を出した、全中の方でもそういうことを理事会で決めて各県の下部団体に文書を出しておる。これは文書を出しっ放しで、実はもうこの段階できょうここで私どもに答弁されるときには、こういうような指導をして、六十歳定年、六十歳まで退職年齢を引き上げるということが徹底をいたしましたということを言われるのが、この前の国会の約束じゃないかと私は思うのですよ。というのは、片一方五共済があって、その人たちがみんな、さっき言ったように大蔵委員会で理事会で話し合いをして、大蔵省も了承して、その線に沿って、もう公務員なんかというのは定年制は六十を出しておるわけだから、決定をして、ところがここではいま通達を出したばかりですということでは、やはり手ぬるい。これはちゃんと農林省が、あるいは全中と話し、あるいは都道府県知事とも話し、みんなで集まって、六十にいたします、ドッキングをさせますという結論は出しておくべきだと思うのです。その辺について非常に手ぬるい、ほかに比べても手ぬるい、国会の答弁に余り沿うてもいない、そう思うのですが、どうですか。
○武藤国務大臣 国家公務員の定年制であるとか地方公務員の定年制の場合は、これは法律に基づきましてやるわけでございます。しかし、その法律もまだ国会で成立しなければ実行しないわけでございまして、なかなか先生方の方は決してこれに賛成されていないと私ども聞いておるわけでございまして、この国会で果たしてこれが通るのかどうか、私はよくわからないのでございますけれども、そういう点からいけば、私どもの方は法律事項ではございませんが、通達を出して、とにかく極力そういう方向で努力をしていただきたい、こういうことで行政指導を、決して通達を出しただけではございませんので、その後引き続いて行政指導を続けているわけでございますので、私は、下手をすれば私どもの方の方が、これは結果的にはわかりません、将来わかりませんけれども、案外こちらの方が早く浸透していく場合もあり得るのではないか、こう考えておるわけでございます。
○馬場委員 無責任なことですよ、いま大臣言われたのは。定年制法案に賛成、反対というようなことを私は聞いているのじゃないですよ。問題は、六十歳、いわゆる年金支給年齢と退職年齢をドッキングさせる、そういうための努力をどうしたかということを私は聞いているのですよ。ところが、あなたの方は努力してないじゃないですか。通達を一遍出しているだけじゃないですか。地方公務員と国家公務員の法律が成立するか成立せぬかということを聞いているのじゃないですよ。サボっておって内容を詰めていない。原案もできていない。そのことがあたかもいいように、早いかもしれぬて、それは大体無責任じゃないですか。 そこで、私は聞きたいのですが、ちゃんとそのときもあなた方こういう答弁をしているのですよ。経済局の内部で、ちゃんと団体を集めてもらう、団体あるいは学識経験者ということも出ています。そうして労働組合、集まってそのようなことを相談をします、そしてドッキングについて必ずそういうことの方向で集めてやると言っているのです。これはやっておられますか、どうですか。
○松浦(昭)政府委員 支給開始を引き上げる法律の通ります前後におきまして、関係者全部集めまして、こういう状態になるということを前提にいたしましていろいろとお話も申し上げ、御相談もいたしたわけでございます。その後におきまして、やはりきちんとこれは局長通達でしっかりと都道府県も指導しなければということで、通達も流しまして一労働省当局ともいろいろとお話をしながら、今後さらにこの点を末端で浸透を図っていくという体制をとったわけでございます。特に私ども申し上げたいと思いますのは、やはり実際に定年制の延長をやりますのは農業団体そのものでございまして、私どもが法律で強制するわけにはまいらないわけでございますし、また経営基盤の問題もあり、いろいろと考えてもらわなければならない点があるわけでございます。しかし、その中で私どもとしては、支給開始年齢を引き上げた、そういう法律の制定があったわけでございますから、それに合わせながら、ひとつ民間団体としての農業協同組合その他の農業団体も、ぜひ定年を適正に変えていくということを考えてくれということで指導いたしているという状態であるわけでございます。
○馬場委員 私は、大臣と同じような答弁をあなたから聞こうとは思わないのです。いまあなたに聞いたのは、あなたはこの前の、去年これが通ります国会で、経済局の内部に団体、学識経験者、労組で一つの場を設けて検討いたしたいという具体的な方向を出しているのです。これをやったかどうかということです。
○松浦(昭)政府委員 一月の中旬だったかと記憶いたしておりますが、そのような方々をお集めいたしまして研究会を開きまして、お話をいたしてございます。ただ、これは内部の研究会でございますから、対外的にはきちんと通達をしなければいかぬと思いまして通達をいたしたという次第でございます。
○馬場委員 では、大臣に聞きますけれども、あなた方の通達、県知事等を通じて地方の団体あるいはあなた方が直接全中にドッキングするようにという通達を向こうは守ると思われますか、あるいは守るというような約束がいままでの話し合いでできていますか、どうですか。
○武藤国務大臣 これはいま局長の答弁の中にもございましたように、最後は農業団体がやるわけでございまして、先ほど申し上げるように、私ども強制はできないわけでございますけれども、従来からの経緯からいたしまして、私どもが強く行政的に指導していくならば決してそれが守られないものではない、こう私は判断をいたしておるわけでございます。
○馬場委員 いまの大臣の答弁は前向きで理解できるのですが、農林年金は団体なものですから、政府が直接関係しておるのではないからというので、実はこれを通すときわれわれも大分心配して、ここでも議論があったわけですね。直接政府がやるのだったら、ドッキングを約束しますと言ったらすぐできますけれども、団体がやるのですから、なかなかその辺はワンクッションある。しかしながら、これを通す条件として、ドッキングは守りましょうというような確認になっているのですから、非常にむずかしい問題だけれどもがんばってくれということで、がんばるという約束ができた。ところが、私はきょうぐらいの答弁では、このような通達を出しました、こういう話し合いをいたしました、そして少なくとも具体的な定年制なんかも片一方六十というのが出ているような状況で、こういう手順で実は六十までいくというような話がもうつきましたというようなことぐらいは答弁を聞きたいと思っておったのですけれども、まだそれができていないようです。そのできていないのをつべこべ言ったってしようがありませんが、大臣にお願いしておきたいのですけれども、少なくとも他の共済と一緒に上がった共済ですが、団体とはいえどもいま強い指導をしたら従ってくれるものと思うというような御答弁もありましたから、ぜひ団体とも話し合われて、この退職年齢と支給年齢の間に期間がないように原則は団体の方と確認をし合いたい、いましておられるならば結構ですが、し合いたい、すべきだ、そうしたいと考えておられるかどうかを聞いておきたいのです。
○武藤国務大臣 昨年の暮れにこれはこの国会で御議論いただいたわけでございまして、きょうちょうど四月でございますから、まだ時間的にも十分な経過を経ていないので、御不満な点もあろうかと思いますが、私どもは支給開始年齢も相当経過期間を置いておるわけでございますから、実質的に支給開始年齢が引き上げになるときまでには少なくとも定年の延長も実現をする、こういう方向に今後ともなお一層努力をしていくのは当然でございまして、そういうことで、極力加入組合員の皆様方に御迷惑のかからないようなことはしていかなければならぬと思っておるわけでございます。
○馬場委員 そのとき一つだけ配慮していただきたいのは、いま加入組合員に迷惑がかからないようにという大臣の答弁があったわけですが、定年を延ばす場合に、ややもしますと五十五歳くらいで給与を頭打ちにしたりして上げないとか、あるいは逆に下がるとか、そういうことがあってはならないと思いますけれども、そういう可能性がなきにしもあらず。そういたしますと、退職一年時でもって年金計算しますから、退職年齢を引き上げた、そのことは年金もよくなるというのが常識ですから、退職年齢を引き上げてその給与体系をいじったことによって年金の額が下がった、そういうことは加入者に迷惑をかけるわけですから、そういうことがないようにぜひ注意をしていただきたいということをお願いしておきたいのですが、いかがでございますか。
○武藤国務大臣 これはこれから公務員の定年制の問題の中でも相当議論がなされることではなかろうかと思っております。定年制の延長にあわせて給与は一体どうなるのかということで、給与体系の問題はこれからいろいろ議論がなされることと思いますが、その辺の横並びのことも一つは考えていかなければならないだろうと思います。もう一つつらいのは、国なりあるいは地方公務員の場合は、何といっても国家財政なり地方財政でめんどうを見られるわけでございますけれども、この農林漁業のそれぞれの組合の職員の年金というものは、その年金の財政という問題においては全部国がめんどうを見るわけではないわけでございまして、その辺、今度は支給を受けられる方とまた新しく加入される人とのいろいろな問題というのもこれは絡み合わせて考えていかなければならない問題でございますので、給与もそのまま上がっていき、結果的にやめたときには非常に高い給料で、だから年金はより多くもらえるということになれば大変望ましい姿ではあると思いますけれども、いま申し上げたようないろいろの関連がございますので、私どもとしては一概になかなかそういう方向に行くとは言えないと思います。 しかし、給与体系の見直しをどういう形でしていくかというのは、当然農業団体においても定年制の延長にあわせておやりをいただかなければならぬと思いますので、そういう点は、今後公務員の給与体系がどういうことになっていくかということの横並びも見ながら、私ども指導してまいりたいと思っております。
○馬場委員 少なくとも年金が悪くならないような指導はしてもらいたいということを申し上げておきたいと思うのです。 もう一つ、これは大臣さらに耳の痛い話をいたしますが、先ほどからも同僚委員が大分質問をしておるのですけれども、国庫補助率の引き上げの問題でございます。 これはさっきわが野坂同僚委員も質問したのですけれども、国会でこの年金の法律がかかるたびに附帯決議がついておりますね。これはもう何年でしょうか。一六から一八に上がったのが四十八年でございますが、その後から多分ずっとついたのじゃないかと思うのです。二〇%に引き上げろというような附帯決議がもう数年ついておるわけでございます。そしてまた、事実この附帯決議に従いまして、前の渡辺農林大臣も、その前の中川農林大臣も、蛮勇をふるってか知恵をしぼってというぐあいにして、二〇%はぜひとるということでもって確かに大蔵要求もなさいまして、大分一生懸命やられたわけでございますね。そしてこの前の国会で現在の農林大臣も、十二月七日でございましたけれども、実は私そのときもこの場におりましたし、また議事録も読み直してみたら、ものすごい決意を表明なさっております。いまここで二〇%にするとは申し上げられませんけれどもできる限りの努力をします、こういう答弁があってみたり、一生懸命努力をやりますという答弁があってみたり、全力をふるって確保に努力する、これ以上の言葉のないぐらい、大臣、ここでわが党の芳賀委員の質問に答えられておるわけでございます。そこで、五十五年度の補助率は残念ながら二〇%になっていないんですよ。これだけこの国会でお約束なさったのですけれども、それが実現しなかったのですが、この間のいきさつについて、余り時間がありませんけれども、大臣の答弁を願いたいのです。
○武藤国務大臣 実現しなかったことは大変残念に思っております。ただ、先ほどもお答えをいたしておりますように、私といたしましては最後の大臣折衝の段階まで持ち上げまして、最後大蔵大臣と私との折衝のときにおいてもこの問題は持ち出しておるわけでございまして、何とかひとつ理解をしてくれということでやったのでございますが、先ほどもお答えをいたしましたように、どうも他の年金との横並びという形になってしまいまして、残念ながら実現を見なかったわけでございます。そして、それの引きかえというわけではございませんが、五十四年度と同じような形で財源調整費でしんぼうしてくれ、こういう形で一・八二がそのまま五十四年度と同じように加えられて、それで結末になったということでございまして、今後のこの問題の取り組み方としては、農林年金だけでといってもなかなかむずかしい問題がありまして、横並びでより充実したものにしていくような形で国庫補助率をどうするかという問題を、これからとも真剣に取り組んでいかないと、特に来年は財政再計算時期にも入っておりますし、掛金率は、先ほど来お答えをいたしておりますように掛金率もある程度引き上げていただかなければならない情勢でございますので、そういうときには国庫補助率も何とか少しずつでも引き上げられるような努力もしていかなければならない、こう思っておるわけでございます。
○馬場委員 私はさらに言いますけれども、大臣には責任があるのではないかというぐあいに思います。実は十二月七日にわが党の芳賀委員が、前の渡辺大臣あるいは中川大臣、こういう人は本当に体を張ってやると言ったという話から、さらに本委員会は逆転委員会である、だから二〇%に修正もできる、そういうことで二〇%実現を大臣に迫りました。そのとき大臣はこう言っておられるのですね。全力を挙げて努力いたしますので、ひとつお任せください。お任せくださいというのは、これは実現するということですね。二〇%に修正するぞ、ここで修正していいんだぞ、いや、そういうことは私にお任せくださいということは二〇%実現するというような答弁になっているのです。ところが、いま言われましたように、実は実現していない。国会で答弁なさったのを実現しないときには、実はああ言ったけれどもこうこうだったと言って、何らかの国会に対するお話なんかというのはあってしかるべきではないかと思うし、任せてくれと言ってできなかったのですから、国会の答弁の重みといいますか、行政府と立法府の関係といいますか、私はこの答弁にかかわって、去年できなかったということに対する大臣の事後処理というのはやはり不十分でなかったか、こういうぐあいに思います。これについてちょっと大臣の感想を聞いておきたいのです。そうしなければ、やりますとか任せろと言われておいて、できなければこの委員会で質問したって何にもならぬわけですから、大臣の見解を聞いておきたいのです。
○武藤国務大臣 これは先ほどから申し上げておりますように、私としては努力をしたつもりでございますけれども、横並びの意見などが出てまいりまして実現しなかったわけでございます。その点は大変遺憾に存じておると申し上げておるわけでございまして、私としては決して努力をしなかったわけではございませんし、今後ともまた努力をしていきたいと思っておるわけでございまして、なかなかことしの財政状態の中で、努力はしたけれども結果的には刀折れ矢尽きた、こういうことでございますので、おしかりはおしかりとして甘受をいたしますが、私としては決して努力をしなかったわけではございませんので、それだけは申し上げておくわけでございます。
○馬場委員 おしかりをおしかりとして受けていただくということを私は言っているのではなく、努力をしなかったということも言っているのではないのです。しかし、こういう答弁をなさっておったら、努力したら、努力したればこそこうやったのだけれどもこうでしたということで、何らかの事後処置というものをしなければ、そしてそこでみんなに了解を得なければ、答弁しっ放し、実現しなかったらそのままということでは、委員会審議というものをやってもしようがないのじゃないかと思うので、事後処置が十分じゃなかったのではないかということをいま言っているわけでございますが、ここでそういうことは感じられて答弁なさっていると思うわけでありますけれども、時間がありませんから次に進みますが、いまの話を聞いておりますと、五十六年度はではどうですかということを言いたいわけだ。そうすると、また大臣は、一生懸命やりますという御答弁になると思うのですが、先ほどから聞いておりますと、横並び、横並びという言葉が実は出てきております。実は横並びといいましても、その共済にはその共済の特徴があるわけでございまして、よそが一五のときに農林は一八、こうやってあるわけですし、やはりその辺、農林年金自体の問題として、また、特殊な問題として何としてもという十分な理論構成をなさって、横並びだからできないのだじゃなしに、いや農林年金はこうだから必要だという理論構成もし、力も蓄えてことしもやってもらいたいということと、もう一つは、ほかの年金を聞いてみますと、一五とあるのを二八あるいは一七、一八、そして二〇まで計画的に持っていくんだという何か約束ができているということも実は去年の段階で話し合われた。厚生年金を二〇%、それに持っていくのですよ、そういう展望の中であの法律が通ったということも実は私は聞いているわけです。だから、ぜひことしの段階で二〇%をとってもらうということを大いにやってもらうということと、最悪の場合でも、こうして二〇%はしたいんだという独自な計画というものはお持ちいただきたい、こういうことについて、大臣、いかがですか。
○武藤国務大臣 何かそういううわさがあったということでございますが、私どもは、ほかのところで二〇%まで持っていくんだというようなことで財政当局とも話し合って、ある程度の了解のもとにそういう方向に進んでいるとは実は聞いていないわけでございます。 それはそれといたしまして、私どもとしては従来から、国庫補助率の引き上げについては全力をふるってやります、こういうことを申し上げている以上、五十六年度に当たりましては、特に財政再計算の時期にも当たっておりますので、私としてはいままで以上に努力をしなければいけない。ただ、先ほど横並びというのは、そんなことは別じゃないかという御指摘でございますけれども、今度の、最後まで大臣折衝までやってなかなかむずかしかったのはそういうところに一つの大きなネックがあったことだけは事実でございますので、いま御指摘もございましたので、今度はひとつ理論武装をして、どういう形で理論武装をするかはこれから研究をさしていただいて、できるだけ何か独自の考え方で行けるようなものをつくり得れば大変やりいいわけでございますから、お時間をいただいて、五十六年度に向かって努力をさせていただきたいということだけをきょうは申し上げておくわけでございます。
○馬場委員 大臣はほかの共済のことを知らぬとおっしゃいましたけれども、局長は知っておるのじゃないかと思うのですよ。というのは、ぼくはここでわざと言わないのは、ほかは一五%でしょう。それから二〇%に持っていって、五%の差があるわけですから、うちは一八ですから、だからなかなか言いにくいのです。たとえば一歳ごとに上がるたびに一%ずつ上げるとか、そういうようなかっこうで、実はさっき当初に言いました、大蔵委員会の理事の合意事項の中でそういうことが話し合われ、それについては大蔵省も了解を示しておる。それで、大蔵省はそのことについては各関係のところに説明をするという約束までできておるということを聞いておるのですが、ここでもう時間がなくなりましたので、事実それはあなたは聞いておらぬと言ったら、去年うそを言ったのですよ。あなたはそこで頭を横に振っておられるようですけれども、じゃ聞きます。いまのことについて、どうですか。
○松浦(昭)政府委員 そのようなお話し合いがあったということは、私ども財政当局からもどこからも聞いておりません。
○馬場委員 合意メモというのがあるのですよ。あなた見られましたか。
○松浦(昭)政府委員 はなはだ残念ながら、見ておりません。
○馬場委員 六項目ぐらいの合意メモがあるんですよ、大蔵理事会の。それに対しては、そのことについてそういうことをあなたたちは言うからと思って、去年のこの委員会に大蔵省の主計局次長を呼んで質問をしてあるのですよ。その辺についてはここで知らぬと言ったら、大蔵省も連絡しなかったのが悪いのかもしれませんし、あなたたちが一番悪いとは言いませんが、そういうことですから、調べておいてください。そこで、この点については大臣も一生懸命がんばっておられるのはわかるのです。だから、ぜひひとつ五十六年度において二〇%になるようにがんばっていただきたいと思うのです。 そこで、実は財政の再計算期になっているわけでございますけれども、ここでいろいろ聞きたかったのですけれども、同僚議員も申し上げておりますが、やはり掛金率を百分の九十八、ぜひ上げないようにということもお願いしておきたいし、特に二〇%というのも、この中での解決というのもことしやってもらえれば一番いいのですから、ことしそれを計算するわけですから、その中で二〇%問題というのも実現してもらいたいし、ここで伝えられております厚生年金の六十五歳というのが、これはことし出ませんでしたけれども、そういうことにならないようにということをぜひ考えていただきたいと思うわけでございますし、附帯決議で毎たびつくのですけれども、やはり年金の毎年毎年こういう改正法を出すんじゃなしに、自動改定スライド制というもの等もぜひ十分検討していただきたいということで、これは計算期に当たりまして希望だけ申し上げておきたいと思います。 そこで、問題は、きょう団体職員の給与の実態等も聞きたかったのです。さっき同僚議員も聞かれまして、よくないということでございましたから、年金を議論するに当たり、給与が悪ければ年金も悪いということですから、その給与もぜひ改善されるように努力していただきたいということを申し上げておきたいと思うのです。 そこで、問題は、団体職員のあり方なんですけれども、ここで一つだけ農協等のあり方について大臣にお聞きしておきたいと思うのです。大臣、こういう言葉はしょっちゅう使いますからお聞きになっておると思うのですけれども、ほかの団体も関連するのでしょうけれども、農協栄えて農民滅ぶというような言葉がございますね。これは大臣御承知と思いますが、このことはやはり農民のための農協というのが最近そうなっていなくて、極端な言い方をしますと、大商社みたいになってみたり、あるいは銀行みたいになってみたり、生命保険会社みたいになってみたり、あるいは役所の出先機関みたいになってみたり、そういうことがいま言ったような表現で出ておるんじゃないかと思うのです。それから、たとえば農協が一党一派の下請機関みたいになってしまったりというようなことも見たり聞いたりするのです。そこで、農協のあり方というのをやはり真の農協のあり方になるようにぜひ指導をしていただきたい。そして、農民の信頼だけじゃなしに国民の信頼を受けるようにという指導をしていただきたいということを最後にお願いを申し上げて、これに対する大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○武藤国務大臣 私は、今度畜産物価格の問題で農業団体からたくさん御要請をいただいたわけでございますが、そのときほとんどの政党の方と御一緒にお越しになりましたので、いま御指摘のように一党一派に偏した形では農業団体はない、もっと自民党の方が多いかと思っておったら、案外自民党よりも野党の方が多いくらいでございまして、そういう点において私は農業団体に対して不偏不党の団体であると実は認識をしたわけでございます。 いずれにいたしましても、それはともかくといたしまして、農業団体なり漁業団体が、ああいう北海道漁連の問題であるとか、あるいは全共連の問題であるとか、正直いろいろのまことに残念な事件が起きておることを見ますと、本当に農業団体はもう少ししっかりしてもらいたい。法律にもしっかり書いてあるわけでございまして、農民あるいは漁民に奉仕をするという目的で農業団体はあってしかるべきでありますので、そういう点において、私は強く、この間うちいろいろ全共連の問題に関連いたしまして、農業団体に対して、これは中央の農業団体でございますけれども、ひとつしっかりやっていただかなければ困るではないかということを申し上げておるわけでございまして、今後ともそういう気持ちで強く指導してまいりたいと考えております。
○馬場委員 最後になって、時間がなくなって変なことを言われたのですが、いいところもあると思う。しかし、たとえばはっきり申し上げますと、私の熊本県なんかは、農協栄えて農民滅ぶという状態ですよ。一党一派ですよ。そういうところもあるわけですから、まだまだ綿密に御存じない。よく実態を調べられて、そして農協法に目的が書いてありますから、それに従いまして指導していただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
○内海委員長 中川利三郎君。
○中川(利)委員 農林年金問題に入る前に、大臣並びに経済局長にお聞きしたいのですけれども、二月二十日の農水委員会で、私は全共連の問題、いま大臣もお話ございましたが、これに触れまして、特にその核心である不稼働不動産、この実態として具体例を蓼科高原の問題にしぼってお聞きしたわけでありますが、その際、私が聞いたことと経済局長の答弁とは重大な食い違いがあるように見えますので、ちょっと読みますが、その際私が手を挙げて、ナンバー二の資料を示した、それからの質問です。「ナンバー二を拝見いたしますと、文書問題に関する理事会調査結果というものですが、これにも非常に遠慮しがちにこう書いてあるんですね。「将来の開発見通しについては、地形・環境等からみて、別荘用地としての開発には制約が多く、また保養施設としても上下水道等多くの規制から見て開発が困難な土地である。近隣業者としては、法規制・立地条件等を勘案すれば、観光開発のための土地としては手におえるものではなく、最近の時価も取得価額よりもかなり低いものであり、現在の時点では評価額の認定は困難であるとの意見もあった。」こう書いてある。こう書いてあることに間違いありませんか。」とあなたに聞きましたね。この確認を迫りました。ところが、あなたは、それは理事会の決定を経ていない文書だ。ですから、私は当然、その発言を取り消しなさいということを申し上げましたね。しかし、あなたは取り消さなかったね。そこでお聞きするのでありますが、理事会調査結果というものが理事会の決定を経ていないということはどういうことですか。
○松浦(昭)政府委員 確かに、二月二十日の御質問におきまして、全共連の文書問題に関する理事会の調査結果にお触れになってお尋ねがございまして、これに対しましてこの文書が理事会の決定を経てないという旨御回答をいたしたことは事実でございます。この点につきましては、いわゆる別冊六の資料のところをお話しになりました。それから別冊二に移られてお話しなすったわけですが、私、御質問についての理解が行き届きませんで、確かに十分な理解のないまま御答弁申し上げましたところでございます。資料の二、文書問題に関する理事会の調査結果につきましても、確かにお触れになってお尋ねがあったということでございまして、この点は確かに資料二につきましては理事会の調査結果そのものでございます。したがいまして、この点につきましては答弁を訂正させていただきたいというふうに思います。
○中川(利)委員 あなたの理解が行き届かなかった、こういうことでありますが、私は前段ナンバー六の問題とこの正式の調査結果を示して、二つで最後の段で締めたのは、つまりそれを正式な文書で締めているのです。それを理解が行き届かなかったということ、重大な国会答弁でそれは私は許されるものではないだろうと思うのですね。その結果、私の追及する質問の論点が大きく食い違わざるを得なかったということですね。むしろ理解していながらあなたは何らかの意図の中でそれをお隠しになったのじゃないだろうか、こういう疑念さえも私は持つのであります。 そこで、私、それではもう一つお聞きするわけでありますが、あなたは私の提起したいま読みました問題、調査結果の中身について、それは正式のものじゃなくて、本当のものは別にあるということをおっしゃった。そしてそれにつけ加えまして、実態の問題に入りましてこう言っているのです、その場所は全体の三〇%程度は建設可能地であると聞いておるということを。それだけではありません。「飲料水についてのお尋ねもございましたけれども、飲料水については県地域開発公団と契約して供給される状態になっておりまして、そのような点も最終の理事会の決定の際には明確にされておる次第でございます。」こうおっしゃっています。あなたがいまお認めになった正式の文書ですよ。それはどこに書いてありますか、何月何日付のどういう文書で書いてありますか。
○松浦(昭)政府委員 まず、お答えをいたしたいわけでございますが、確かに御質問に対する私の理解が行き届かなくて申しわけないことをいたしたと思うわけでございますが、私、決して意図的に御答弁申し上げたつもりはございません。そのときまさに自分ではそのように誤解をいたしましてさような答弁を申し上げて、まことに申しわけなかったと思います。 なお、飲料水その他の問題につきましては、理事会の討議の際にそういう話が出ていたということを聞きましたので、そこでそういう御答弁を申し上げたわけでございますが、実は全共連におきましても現在の事態におきまして全く新しい執行部ができまして、人心一新ということで活動を始めておりまして、特に私ども農林水産省といたしましても、先生御指摘の運用不動産につきましては、その稼働化に努めるようにということで、新執行部に非常に強く要求もいたしましたし、また、大臣にも新執行部に会っていただきまして、ぜひこれはきちんとしてもらいたいというお話をいたしまして、さようなことで新執行部が調査につきましても新たにやってみるということを言っております。それで、さような事態を踏まえまして、私どもとしましては、できる限り速やかに新執行部が事態を十分調査した上で、私どもに速やかにこの稼働化の問題について回答してくるということを期待している次第でございまして、今後はさようなことで対処をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○中川(利)委員 経済局長、私はそんなことを聞いているのじゃないのですよ。あなたが飲料水問題その他についてお答えになったのは、私の前段のこういう質問に対してお答えになっておるのですよ。「ただいま先生がおっしゃいました調査の部分につきましては、これは途中経過をあらわしている文書でございまして、最終的に理事会が決定した文書はまた別にございます。」とあなたが言うたから、私は、この文書はどういう文書なのか、この文書の性質を改めてお話しせよ、こう言った。それに対してあなたは、「飲料水についてのお尋ねもありましたけれども、」云々、こういう答弁をしておる。そのことが「最終の理事会の決定の際には明確にされておる次第でございます。」こう言っている。そこで私が幾ら見ても、そういう理事会決定文書はない。だから、これは何月何日付のどういう文書にこういうことが書いてあるのか、こう聞いているのです。
○松浦(昭)政府委員 私がそのときにお答えいたしましたのは、資料のナンバー六についてそういう御質問があったと、先ほどから申し上げておりますように勘違いをいたしておりまして、そのためにそのような御答弁をいたしたわけでございますが、さらに理事会の決定に至る経過の中で飲料水の問題もいろいろと議論されていたということを私ども聞いておりましたので、さようなふうに受けとめて御答弁をいたした次第でございますが、理事会の決定文書そのものには飲料水問題は載っていないことは事実でございます。
○中川(利)委員 そうしますと、国会答弁としてうその答弁であったということですね。改めてここに念を押します。確認します。
○松浦(昭)政府委員 うその答弁を申し上げたつもりではございませんけれども、そのときにかなり勘違いをして答弁をしたことは事実でございます。
○中川(利)委員 いよいよおかしい。あなたはナンバー六と勘違いしたとおっしゃる。基本的にはナンバー六の内容と最終的にこの理事会調査結果のこれとはそんなに違わないですよ、大事なところは。それをわざわざナンバー六と仕分けして、ナンバー二を帳消しにしてなくしてしまう。 私、大臣にお聞きしたいのでありますが、私はこれは非常に問題だと思って、あの当時、だから取り消しなさいということまで私は発言している。後で問題になりますよということさえも発言しているのですね。それを、あなたはいまになってみますと勘違いだなんて言うけれども、それだけ言われて、なおかつどこまでもあれで強引に押し通したということですね。ですから、これは私から言わせますならば、つまりナンバー二が理事会決定を経ていないといううそ、それからそのことの欺瞞、ごまかしですね、神聖な国会の場を汚したというものだと私は考えざるを得ないわけでありますが、農林水産省全体の問題でもあり、責任ある大臣からこういう問題についての責任の所在を明らかにしておいていただきたいと思います。
○武藤国務大臣 先生のをいまお聞きをいたしておりまして、お怒りもよく理解できますけれども、私は松浦局長というのは大変正直な男であると信じておるわけでございまして、まさか承知の上でうそ偽りを言うようなことのできる男ではないと思っておるわけでございまして、その辺は本当に勘違いをしておって、それが原因で大変御迷惑をおかけしたことではないかと思いますので、ひとつそういうことでお許しをいただきたいと思うわけでございます。
○中川(利)委員 それで、大臣からいまそういう発言はありましたけれども、今後厳重に注意していただきたいと思うのです。同時に、蓼科問題をどう調査し、どう理事会が決めようと、私は私なりに判断し、独自に調査もしたわけでありますし、何もかももともとそれはいいかげんだということを言っておるのではないですよ。ただ、全共連自身が自分でこういう調査をして、その調査の疑念について私はただしたわけでありますが、しかし、全共連そのものがちゃんと資料をいろいろ出したことはりっぱだと私は思うのですよ。その点は高く評価するわけでありますが、同時に、監督官庁である農林省のいまのようなあれは非常に失格だと私は思っているわけであります。 それにつけ加えて一つお聞きしたいことは、あの際私は農林大臣にお聞きしたわけでありますが、天下りの問題です。あなたは「私どもといたしましては、行政改革の一環としても、できる限り関係団体への天下りは慎むようにという一つの方針を持っておりますし、そういう点について慎重に対処」したいということをお答えになりましたね。 ところで、ここに「協同組合通信」というものがあります。これは農業協同組合関係の専門誌というか、これの昭和五十五年三月七日発行、これを見ますと、何を書いてあるかというと、「全中総会開催さる 一〇議案を原案どおり可決 役員補欠選任は投票で採決」こういう見出しがついている。中を見ますと「八号議案については長崎県中松本英徳会長、山形県小室貢村山市農協長、愛知県大口政義西春日井農協長らから「理事候補者中沢三郎氏」について「全共連問題の責任をとって同会の系統組織役員は全員辞任しているのに、学経役員は辞任してすぐ全中役員になるのは筋が通らぬのではないか」との反対意見が出され、結局投票による採決を行ない、投票総数丁五八、賛成九一、反対六七と、僅か二四票の差で原案どおり可決、」云々と書いてあって、「また会場でも予想外に反対票の出たことに多くの人が驚きの表情をみせていた。なお全中が役員選任を投票で行なったのは初めてである。」こういうニュースが出ております。 同時に、この「協同組合通信」の三月五日号を拝見いたしますと、「役員選任で労組が申入れ」「全共連退任役員の全中常勤役員就任について」の申し入れを全中労の委員長が行ったという記事でありまして、「(一)役員推薦会議の審議を待たず、具体的な候補者名があがっていることは、役員選出を民主的に行なうという点で極めて問題である(二)いわゆる全共連怪文書事件について、農協組織に対しその責任をとり辞任した役員が、農協組織の指導機関である全中役員に就任することは、組織運営上の責任のとり方として極めて問題であり、納得しがたい(三)国会等で官僚の天下り問題が取り上げられ社会的批判があるなかで、農林水産省出身者を全中役員に就任させることは、全中の使命からして納得しがたい。」こういうことでわざわざ申し入れしているのですね。 そうすると、あのとき大臣は、慎重にやらなければいかぬ。ぼくはまあ何年も前にやめた人だから天下りといったって相当コケは生えているということはわかりますけれども、それにしても、全員やめたのに対して、しかも全中のところへ行ったということですね。これは後ろに農林省のさしがねがなければそういうことはできないということは、私は証拠は持っていませんけれども、その真偽はともかくとして、その筋の方々はそのように見るのは当然だと思うのです。こういうあり方について、大臣、あなたはどう思いますか。
○武藤国務大臣 私、ちょっといまの議事録を拝見いたしておりまして、このときにはこう申し上げているわけですね。「私どもといたしましては、行政改革の一環としても、できる限り関係団体への天下りは慎むようにという一つの方針を持っておりますし、そういう点については慎重に対処してまいりたいと思います。」こう答えたことは確かでございます。ただ、引き続きまして、「ただ、逆に今度は全共連内部において、向こう側でひとつぜひ人をという場合もこれはあり得るかもしれませんので、一概には言えないと思いますけれども、私どもの方から押しつけて天下りをするというようなことはないようにしていきたいと考えております。」こういうことも実は私はお答えをいたしておるわけでございまして、私どもといたしましても、今後ともこの考え方は貫いていきたいと思っております。 いま具体的に全中のお話でございますけれども、先生御指摘のように、もう相当前に農林省をやめた方でございまして、もし私の方からいま御指摘あったように何か裏でこちらが示唆をしてやらせたというならばこれは天下りでございますが、私の今日までの承知しておる限りでは、そういうことは全くなかったと承知いたしておるわけでございまして、これは全中の役員の補充に当たってたまたま全共連におった人を役員の候補者として選び、まあいろいろ選挙まで行われたということでございますから、いま御指摘のように、それに対して反対の方もあったかと思いますけれども、正規の手続を踏んで行われたわけでございますので、私どもとしては、それはそれでそういうことになったのか、こう受けとめておるわけでございまして、決して農林省がさしがねをしたとか示唆をしたとかいうようなことで決められたことではないということだけははっきり御理解をいただきたいと思うわけでございますので、ここで申し上げるわけでございます。
○中川(利)委員 農林省がさしがねしたということは、そういうことでなければ考えられない。私は人から聞いたことであって、私自身がそう思っているということはまた別であります。ただ、全員がみんな責任をとっておやめになって、この農林省の天下りだけが責任とるどころか全国の農協の全くの指導の中枢、ここへおいでになっていることは好ましくないものだと私は思うのです。これについて大臣の所見だけはお伺いしておきたいと思うのです。
○武藤国務大臣 そういう誤解を生むような形での人事というのは、私も正直言って決して好ましいものではないと思いますけれども、しかし、それはそれなりに全中の方で十分そういう誤解のないような形でお選びになったのではないかと私は実は善意に考えておるわけでございます。いずれにしても、私自身が真意のほどはよくわかりませんので、その程度しか申し上げられませんけれども、そういう全共連の方を持っていかれたということはよほどよくお考えの上で、しかしその人物がいいからということでお決めになったのではないか、私はこういうふうに実は善意に解釈いたしておるわけでございます。
○中川(利)委員 時間の関係がありますから農林年金の方に進ましていただきます。 先ほど来国庫補助率引き上げについていろいろ御論議があったわけでありますが、先ほどの大臣の答弁を拝聴いたしますと、ことしの予算でも大臣折衝を相当やった。しかし、私の記憶によれば、これは大臣折衝事項みたいなかっこうで去年もその前も大臣折衝をやっているのです。農林大臣というのはそう軽いものじゃないと私は思っているのですけれども、それでいつも横並び云々ということでやられておるわけです。しかし、そういうことで時間がたてばたつほど、結局は掛金負担にしわ寄せせざるを得ないわけであります。現に昨年の支給開始年齢の引き上げで、約六十億円というものが組合員の新たな負担に転嫁されたといいますか、言い方は適切でないかもしれませんが、国庫補助は引き上げない、掛金率の引き上げだけでやることになれば、二年連続して組合員負担を強行するものだ、こういうことにならざるを得ないわけでありまして、そういうことになると思うのです。こういうことで、いつも同じところで同じような答弁の繰り返しで、いろいろな言い回し、一生懸命やるとか一心不乱にやるとか、さっき同僚議員から話がありましたけれども、せめて来年度は石にかじりついてもやるんだ、こういう決意がなければ、全く国庫補助は八年も据え置きして、おまけにインフレの目減り、積立金、五年間で千三百四十億の目減りをしているわけです。運用収入を差し引いても三十八億円の目減りがあるわけでありまして、こういう状況がどうしても国庫負担の率を一八から二〇、引き上げない限り解決しない問題だ。でなければ、その分はまるまる組合員である掛金を掛ける人にしわ寄せされていくということです。ましてや来年そういう財政再計算のときでありますから、そうではなくても皆さん方は掛金率を引き上げるだろうと思うのです。そういう片手落ちなバランスのとれないやり方ということについて、毎年同じ返事の繰り返しで済むかということです。したがって、言葉のあやで私は納得するわけではありませんけれども、お聞きしたいことは、やはり石にかじりついてもというか、どんなことがあってもやるんだ、こういう気構えでおやりになっているのか、そこら辺が一つの問題だろうと思いますし、同時に、年金財政を掛金者だけに課することはできないんだということ、この点どう考えていらっしゃるのか、この二つをきっちり御答弁いただきたいと思うのです。
○武藤国務大臣 先ほど来お答えをいたしておりますように、五十五年度中に財政再計算をやりまして、五十六年度からそれに基づいて見直しをしなければならないことになっておりますので、この機会に掛金率の問題も国庫補助率の問題もひっくるめてひとつ十分検討していきたいと思っております。 ただ、ことしも、五十五年度予算編成に当たりましても、先ほど申し上げたように努力をしたわけでございますが、できなかったのには、正直横並び的な議論が非常にネックになったことも実は事実でございます。御承知のように、私学共済と農林年金は一八%でございますが、国家公務員の共済と地方公務員の共済は国庫補助率は一五%でございまして、なかなかそういう点ではこちらの方がいいわけでございまして、結果的に非常にむずかしくなりまして、二〇%の要求が実現しなかった。そして、昨年、五十四年度と同じように一八%のままで、それに財源調整費が一・八二%ついた、こういう形になったわけでございます。五十六年度は、財政再計算を踏まえてやるわけでございますから、いま申し上げたようにひとつできるだけ努力をして何とかやりたい。特にいま御指摘のように、ただ掛金率を上げるというだけでなくて、掛金率を上げていただかなければならない以上国庫補助率についても何とか見直しをしたい、こういう気持ちで努力をしたい。ただ、先ほどもお答えをしておるように、それには相当これから理論武装をしていかないと、そう容易なことで上げられるものではないということを、私はこの間の予算折衝で痛切に感じましたので、その辺のところは、いま理論武装をして、どういう形でいくかをぜひ詰めていきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○中川(利)委員 そうすると、前段の、何としても五十六年度には実現できるように最重点事項としてがんばる、そして年金財政の危機を掛金者だけに課するということはしないんだ、この二つについて大臣からきっちりひとつ簡単でいいですからお答えをいただけますか。
○武藤国務大臣 先ほどの話で、私が任せろと言うと、また馬場さんじゃないですけれどもおしかりをいただきますので、私はこれから慎重に発言をしなければならないと思っているわけでございますが、努力は本当にいたします。理論武装もできるだけひとつ何か考えてやっていきたいと思いますが、何分いまの窮屈な財政状態の中で、いろいろと相手のあることでもございますので、いま私がここで絶対間違いございませんとまでは申し上げられませんけれども、極力努力をすることだけははっきりお約束をさせていただきます。
○中川(利)委員 同時に、遺族年金、障害年金の業務上受給者の問題についてお聞きするのでありますが、業務上受給者、これは本来企業主が負担するものでありまして、それを現在は年金財政から出しているわけでありますね。これは私は重大な問題だと思うのですね。受給者の数と年金額を見ますと、たとえば障害年金では九十八名、九千二百五十五万何ぼですか、いずれ遺族年金と両方合わせて四億以上の金が出ているわけでありますね。これは企業負担にすればそれだけ財政が免れる、それがまた当然だと思うのですが、この点についてはいかがですか。
○松浦(昭)政府委員 確かに業務上の障害を受けられた方につきまして、現在は年金の方から給付を行っているということは事実でございますが、きわめて微細な金額でございますので、従来年金の方で支払っているという状況でございます。
○中川(利)委員 金目が少ないからそのままにしておるということは、筋が違うと私は思うのですね。金目の大きい小さいにかかわらず、こういうものをきちっとするのが、そういう趣旨を生かすたてまえとしては当然じゃないですか。この点どうですか。
○松浦(昭)政府委員 確かに金の多寡でこの支給の理論というものをどう考えるかということを判断するのは適当ではないという御意見であろうと思います。私どもとしましては、午前中からお答えいたしておりますように、共済年金の横並びの問題全般につきまして、いろいろと研究会で検討してみたいと思っておりますので、その研究の一環としてこの問題も検討させていただきたいというふうに思います。
○中川(利)委員 ちゃんとそうしなければだめですね。同時に、遺族年金の問題でお聞きするわけでありますが、先ほど同僚議員の質問に対しまして、政務次官ですか、これは午前中かな、和田さんの質問ですね、加算額でめんどうを見るんだ、局長はニーズに応じて枠の拡大等を検討したい、こういう意味の御答弁がありましたね。私は、加算額でめんどうを見る、確かに増額要求のかわりに加算額でやるというやり方も一つの方法だと思うのですけれども、しかし、それでやってもなお適用除外者が三分の一いらっしゃるということですね。この点についてはどういう御見解でああいう御答弁になっておるのか私は非常に理解に苦しむわけであります。同時に、答申もこれは六割も可能だということを取り上げているわけでありますが、その点についていま一回お聞きしておきたいと思うのです。
○松浦(昭)政府委員 遺族年金の支給率につきましては、確かに従来まで恩給制度に準じまして最低保障額を引き上げると同時に、やはり特にニーズに応じてということを政務次官は御答弁なさいましたけれども、遺族たる寡婦の方の中でも特にお気の毒な方、高齢者の方であるとかあるいはお子さんがおありになるというような方につきまして、やはりその保障の度合に応じましてその必要性を考えて、一律支給ということでなくて、いわば寡婦加算という額の付加によりましてこれを充実していくという方向をとってきたことは事実でございます。先生もおっしゃいますように、確かにこれも一つの考え方ということで従来までこれをやってまいったわけでございますが、また今回の改正案におきましても、最低保障額の引き上げ、これは八%ぐらいまでいっておりますし、さらに旧法年金者につきましては寡婦加算という形で二倍から二倍半の増額を行うという形でやってまいったわけでございます。 しかし、一方におきまして、やはり先生御指摘のように、このような形での寡婦加算の仕方によりますと、支給を受けられない方々と申しますか、この寡婦加算の受給を受けない方が三五%ぐらいに達しておるということも事実でございますし、また、余りにもこの寡婦加算のやり方、つまり額による調整をやっておりますと、これが大幅な場合にはその適用を受ける方と受けない方との間の差が大きくなるという問題もあろうかと思います。 したがいまして、私どもといたしましては、社会保障制度審議会におきましても、今回の子なしの若妻の方々の問題に関連いたしまして、やはり支給率の引き上げという問題も考えてはどうだろうかという御意見も出たやに聞いておりますので、今後の研究会の課題ということで、各省ともどもこの問題につきましては検討いたしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○中川(利)委員 つまり、加算額でめんどうを見るというのが一般的な先ほどの御答弁であったようでありますが、内容的に言えば、そういう新たな検討を要するんだ、こういうことですね。これはひとつ確認しておきたいと思うのです。 それで、私は、時間の関係もありますから急ぎますが、先ほどの厚生年金法の改正で四十歳未満子供なし、これは遺族年金も受けられなくなる、そういう改悪につながるやり方になりますね。これは厚生年金法の改悪でありますから、直接農林年金とは結びつかないと思うのですけれども、しかし、厚生年金というのは年金の大宗をなすものですから、そういう横並びという言葉も先ほどからありましたけれども、これはやはり重大な問題だと私は思うのです。ことしの七月からですか、やるのでありますから、いまのところはそういう考えはないかもわかりませんが、将来的に言っても、この点は一応押さえていく必要があると思うのです。そういう点について、農林当局の御見解だけをお伺いしておきたいと思うのです。
○松浦(昭)政府委員 確かに、子のない四十歳未満の妻の方、つまり子なし若妻と言われておりますけれども、この方々の取り扱いにつきまして、今回の厚生年金におきましては、遺族年金の支給を行わない、つまり失権という形でもって取り扱われているということは承知をいたしております。 農林年金においてはこれをどうするかということにつきましては、他の共済年金の所管省ともいろいろ相談をいたしまして検討してきたわけでございますが、去る三月二十五日の国家公務員の共済制度審議会におきまして、子なしの若妻の方に遺族年金を支給しないとし、かつ、寡婦についての加算を大幅に引き上げることについては多くの問題を含んでいるという御指摘がございまして、「遺族年金のあり方ともあわせ十分検討の上、なるべく速やかに成案をうることとされたい。」ということでございますので、私どもは、この御答申の趣旨を十分に踏まえまして、内部でさらに検討もいたし、今回の次に出します改正には、この問題は検討課題でございますので触れることはできませんが、その後の法案の提出の時点におきまして、できるだけ早くこの問題についての見解をまとめ、その状態での対処をいたしたいというふうに考えている次第でございます。
○中川(利)委員 それでは、最後に、定年制の延長の問題でお聞きいたします。 定年制の引き上げの問題でありますが、昨年法改正しまして、退職年金等の支給開始年齢が五十五歳から六十歳に強行されたわけでありますが、そのために、現在各団体の実施している平均五十五歳定年、これに五年間の空白が生ずることになるわけでありまして、大臣も積極的にそのすき間を埋めるための指導をする、こういうことでありまして、先ほどの御答弁の中にも、何か通達を出したというようなお話も聞いたわけでありますが、何といっても実態調査が一番大事だ、あらゆる施策を立案するためにも、そうした地についた実態調査が必要だろうと私は思うのですけれども、この点は農林省はおやりになっているのですか。
○松浦(昭)政府委員 何分にも私ども、支給開始年齢の引き上げに伴いまして、これに対する通達を出したばかりでございまして、これから労働省とも十分に協議をし検討しながら、今後指導に当たってまいりたいということを考えておる次第でございますが、先生御指摘のように、その実態が刻々移り変わっていく状態を把握しなければいけないということは当然のことでございまして、私どもも、団体を指導し、またその人たちと十分話し合いをする過程の中で、この実態を調査し、それに応じまして、また指導をすべきところは指導を加えていくようにしたいというように考えております。
○中川(利)委員 私もいま手元に五十五年三月十七日の通達を持っておるわけですが、この通達に、確かに「雇用関係の見直し・改善の一環として、定年年令の延長について」適切な措置をとれと書いてある。ところが、私はこの通達を見て非常に不思議に思ったのですよ。それは「給与体系の改善」云々ということが書いてあるのですね。政府の通達はこういうものかと——ぼくは初めてこういう通達を見たのですが、この一番末尾の方に、「おって、全国農業協同組合中央会においても「高令化社会における農協労務管理のあり方」について、分析、検討を行」っている、だからこれを「執務上の参考とされたい。」と、政府が一民間団体のそのまとめを参考にせよと言っている。この点が私は、いままで通達としてこんな通達があるものかと疑問に思いました点が一つです。 それから二番目には、参考にせよと皆さんがおっしゃった全国農協中央会の「高齢化社会における農協労務管理のあり方」、これを拝見してみました。そうしたら、まあ余り言いたくないのですけれども、賃金については人件費の増大傾向を強めることにならないよう職能給の比重を高めなさいとか、一定の年齢に達した以後の賃金カーブがなだらかになるように修正しなさいとか、退職金については従来の制度のままでは著しく増大するので、退職金制度を修正するとか、人事管理制度を充実し、年功人事の是正、職能資格制度の導入を図れとか、言っちゃ悪いけれども、これは経営者の論理ですね。あなたの方はいつから経営者の論理を参考にするようになったのですか。同じように、同日付で「第二百九十回中央執行委員会決定事項別冊」といって、これは全農協労連が同じような問題提起をしている。あなた方は、両方問題提起をしていらっしゃるのに、しかも、いかにももっともらしくこういう通達を出しましたよと言うけれども、中身を見ればこういうことでしょう。だから、経営者の姿勢で、これで政府通達ということが言えるのかということですね。この点非常に不満です。これはどういうことですか、大臣、お答えいただきたい。
○松浦(昭)政府委員 確かに、農林省の経済局長の通達におきまして、中央会についての部分を引用したことは事実でございますが、基本的には、ここは単に執務上の参考ということで申し上げただけでございまして、やはり定年制の延長につきましても、あるいは給与体系の改善等の整備につきましても、知事に対しまして、農林水産省としての考え方というのを基本的に述べている次第でございます。 なお、この中央会の分析、検討の結果につきましては、先生御指摘のような問題もございますが、また一方におきまして、定年制のあり方その他についてもかなり前向きに対処するようにということで内部で検討しておるわけでございまして、さような意味で、執務上の参考ということでこれを引用したにすぎない次第でございます。
○中川(利)委員 その定年差別の実態その他についてまだいろいろ申し上げたいことがありますが、いま、質疑時間がちょうど終了したという通知がありましたので、残念でありますが、この次に譲らせていただきたいと思います。 これで終わります。
○内海委員長 近藤豊君。
○近藤(豊)委員 農林年金制度が長期的に安定して運用せられるべきことも論をまたないわけでして、そのためには、加入者の見通しということがかなり問題になると思うのです。加入者の増減が激しい場合には、安定的な運用ということについては相当の工夫が要りますが、この点についての見通しをまずお聞かせいただきたい。
○松浦(昭)政府委員 農林年金制度に加入しておられます組合員の数でございますが、発足当初は二十九万五千人程度でございましたけれども、現在大体四十六万人ぐらいになっておられまして、この数は最近数年間ほぼ固定化、横ばいの状態でございます。 将来につきましての見通しでございますが、やはり農協等の事業の状況を考えてみますと、このような組合員の数はそれほど変わらない状態で推移するのではないか、少なくとも、大幅な増大があるといったようなことはちょっと予測できないという状態でございます。
○近藤(豊)委員 四十六万人のレベルが変わらないであろうということは、これから実は農民、農家の数が減っていくであろうということが予想されているわけですけれども、その場合でもこういう関係団体の職員の数が減らない、あるいは、いろいろな面でのコンピューターの導入とかいうことで事業も合理化されていくであろうということが予想されるわけですが、そうすると、そうした趨勢にもかかわらず職員の数は減らないというふうに見ておられるわけですか。
○松浦(昭)政府委員 確かに、農業全般の状態を見てみますると、この組合員の数が減少するのではないかというような、そういう予想をお考えになるかもしれませんけれども、やはり農協の果たしておる役割り、あるいはその他の団体の役割りというのは、農業の状態が現状のような状態におきましてもなおかつ必要でございますし、また、われわれは、この委員会で大臣が何度も御答弁なすっておられますように、わが国の農業を今後ともさらに農政審議会の御答申を得ながら一定の方向に持っていこうということを考えておりまして、その中における農業団体の役割り、あるいは林業、漁業団体の役割りというのは非常に大きなものがございますので、さような意味で、私どもといたしましては、大幅な増加ということは考えられませんけれども、このような組合員の数というのはさほど変わらないのじゃないかというふうに申し上げたわけでございます。
○近藤(豊)委員 私は、実は長期的な形では職員の数は減るであろう、あるいはそう急激な減り方はしなくても、ある程度減っていく傾向があるのではないかという気がいたします。しかし、これはまた別の機会に譲るといたします。 次に、そういう長期的な見通し、つまり四十六万人ということでこれから制度が運用されていく、その場合に、この年金制度の収支の見通し、これは年末までに見直しがされて、そして掛金率の変更がされるという話になっておりますけれども、収支の見通し、特に積み立てたお金の運用の目標利子というようなものについては、今後どういうふうに考えておられるのか、承りたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 まず、農林年金の収支でございますが、これは何回も御答弁申し上げておりますように、最近の人口の老齢化現象、あるいは加入組合員に対する年金の受給者比率、つまり成熟率が今後かなり急速な状態で悪化していくという状態を考えてみますると、必ずしもその収支の状況というものは楽観を許さないという状況であると考えておる次第でございます。 そこで、何と申しましても、今後年金財政の改善に積極的に取り組んでいかなければならないということもございまして、先般支給開始年齢の引き上げもお願いをいたしたわけでございますが、先生おっしゃいますように、今回財政の再計算をいたしまして、五十六年から新しい掛金率を適用してまいるわけでございます。その際には、当然、先ほど大臣からも御答弁ございましたような国庫負担の問題もございますが、また、後世代に一体どの程度まで負担を送っていくかという問題も非常に重要な問題でございまして、これらの問題も十分慎重に検討しながら、今後の掛金率の設定というものに私ども当たっていかなければいかぬというふうに考えておる次第でございます。 なお財産運用の点でございますけれども、この点も非常に重要でございまして、現在五十四年度末で見込みますと、積立金の運用額が大体五千六百四十三億ございます。その運用につきましては、ほとんどが有価証券で運用しているわけでございますけれども、できるだけこの運用の利回りを上げまして、現在七・四%ぐらいの利回りで上げておりますが、できるだけこの利回りが高い利回りで運用されるように私どもも指導してまいりたいと思いますし、また、年金当局にもそのようなことを指導してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○近藤(豊)委員 この配付された資料の中に積立金の運用状況の表がありますが、どうもまだ余り詳しくないので初歩的な質問かと思いますが、他経理貸付金と書いてある、約六百三十億弱のお金がありますが、これの主なたとえばアイテムなど二、三紹介していただきたいと思います。
○三井説明員 お答え申し上げます。 他経理貸付金とございますのは、いわゆる還元運用のような形で行われますところの組合員に対する貸付金でございます。
○近藤(豊)委員 金銭信託の方についても同様説明してください。
○松浦(昭)政府委員 ただいま先生の御質問がございました他経理の貸し付けは、これは組合員に対しての住宅の貸し付けとかあるいは奨学資金の貸し付けとかそういうものでありまして、有価証券はまた別にございまして、その一定の運用の規制の中でこれは認めておる次第でございます。
○近藤(豊)委員 その有価証券じゃなくて、金銭信託の五十三年度の残として二十九億ですか出ている。こういうのはどういうやり方をして運用しているわけですか。
○松浦(昭)政府委員 金銭信託は五十三年度の実績で三十四億四千万、五十四年度の見込みでは十九億八千万の金銭信託をさせております。
○近藤(豊)委員 この運用益がいま七・四%ということでしたね。この平均七・四%を標準にしていまやっておられるわけですが、これから御承知のように大変に高金利な時代であって、そしてこの高金利がそう簡単におさまる見通しもない。そうしたときにいろいろな有価証券などでも、たとえば国の国債でも八%であるというようなことから、七・四ではとても低いのじゃないかという気がするわけです。もちろん安全を旨としてこれは運用される必要があるわけですけれども、また、まだこの辺の運用力というのは、こういう時代になってきますと相当上をねらっていくべきだと思うのですが、この点についての見解いかがですか。
○松浦(昭)政府委員 実は、五十四年度の運用利回りの実績を七・四%と申し上げたわけでございまして、私ども、年金当局が設定いたしております目標と申しますか基準と申しますか、これは五・五%でございます。それを七・四の状態で運用しておるということでございます。 確かに、この高金利時代に入りまして、運用の利回りにつきましてもできるだけ高率に運用することが必要であるというふうに考えますが、その場合には、やはり一方におきまして、運用する資産というものが組合員の貴重な資産でございまして、これをやはり安全に運用するという面も必要かというふうに考えますし、それと高利回りとのバランスをどうとっていくかということが一つのポイントであろうと思います。それから、先ほど私組合員に対する貸し付けということも申し上げましたけれども、この運用資産というものは、そのもとはやはり組合員が零細な資金を拠出したものでございまして、さような意味でも組合員にある程度まで還元するということも必要である。その場合には、やはり高金利と申しますか、高い金利でこれを貸すわけにいかぬというようなこともございまして、それやこれやバランスをとりながら、利回りを適切な水準で運用してもらうというのがわれわれの基本でございます。 ただ、その場合、私どもとしましては、やはり余り有利性だけをねらって安全性がないということは問題であるということは考えておりまして、政府としましてもある程度までの資産運用の規制はいたしておりますが、たとえば厚生年金等がきわめて制限的な運用しか認められていないということに比べますと、この農林年金はかなり自由濶達な運用ができるという状態にはしてあるわけであります。
○近藤(豊)委員 五十四年度の実績での七・四%ということですが、それはわかりました。ところが五十五年度については、恐らく予算をつくる段階でもう少し上のパーセンテージを考えておられるのではないかと思いますけれども、その点が一つと、それから他経理貸付金の方での還元貸し付け、その場合は特に住宅などは何%での貸し付けになっておりますか。
○松浦(昭)政府委員 まず、五十五年度予算でどうであったかということでございますが、ちょっといま手元に資料がございませんのでお許しをいただきたいわけでございますが、余り五十四年と変わったような状態で五十五年を想定はしていなかったというふうに記憶をいたしております。もちろんこれは実績は何も予算で縛られないわけでございますから、この高金利時代を迎えて適切なかつ安全な運用をできるだけしてもらいたいというふうに考えております。 なお、住宅貸し付けでございますが、五・八%で貸しております。
○近藤(豊)委員 この運用に関連いたしましてかなりの金額、恐らく約二割強だと思うのですけれども、それは国債とか地方債とかあるいは政府保証債とか、そういうわりあいと長期の債券に投じておられると思うのです。そうした場合、現在市中銀行がかなり大きな国債の損失をこうむって問題になっておるわけですけれども、当然組合員からその点についての不安とかあるいは不満とかが出てくるのではないかと思いますが、この点について、現況とそれから対処の仕方についてお伺いしたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 現在の農林年金の国債保有状況でございますが、シェアは五・六%でございます。確かに国債は現在かなり値下がりもしておりますので、先生御指摘のような問題が出てくるやに見受けられますが、農林年金制度は、先ほども私申し上げましたように余り画一的な運用はいたしておりませんで、たとえて申しますと、資金運用部に必ず預託をしろというようなことは私ども言うてはおりません。したがいまして、農林年金自体の当局のかなり自主的な判断によりましてこれを運用することを許容いたしておるわけでございます。したがいまして、国債を取得するかどうかということはすべて当局の運用によるところでございますが、たとえば新規発行債ではなくて既発行債を臨機に有利に取得するということでございますれば、当然利回りがよいときにこれを取得するということもございますので、その辺のところは、私ども当局を信頼いたしまして、適切な運用をしてもらいたいというふうに考えておる次第でございます。
○近藤(豊)委員 この問題に関連するのですけれども、各地の農協がやはり同様にたくさんの国債を抱えております。そういう国債を抱えていることによる損が現時点で相当の金額に達していると思うのですけれども、その辺についての実情は掌握しておられますか。
○松浦(昭)政府委員 確かに、信連あるいは農協等におきまして貸出金の伸び悩みに対応いたすということから、余裕金がふえてまいりますと、どうしても余裕金運用の一環として国債を買い入れているという実態はあると思います。私どももこれはある程度まで把握をいたしております。特にその原因といたしましては、有価証券市場で信連、農協は既発行債の買い入れを行っているわけでございまして、特に国債を取得する理由としましては、有価証券の中ではやはり国債が取得しやすいということもございますし、また、発行価格に対する利回りが低いということがございましても、やはり発行価格より低い時価で取得すると結果として利回りがいいというようなこともございまして、そういう点で国債の取得を自主的な判断に基づきましてやっているケースがかなりあるというふうに把握しております。
○近藤(豊)委員 これはある試算なんですけれども、単協が抱え込んでいる国債の値下がり、目減りによる損失が恐らく百二十億ぐらいに達するだろうという試算があるわけです。これはあくまでも試算ですけれども。これはやはり非常にゆゆしい問題であって、農協によっては大変な議論を巻き起こしている。そして仮にそれを売却いたしますと損が出ますから、その損をほかの事業の益金でカバーをしようというようなことまでしている農協があるわけなんです。その場合にこの損失の引き当てのための基金は有税の金をもって充てなければならない。ところが、これはある意味では、いま局長が各農協の自主的な決定によって国債を買わしているので決して国債を押しつけているのじゃないとおっしゃるのですけれども、やはり自主的だとは言っても、いわばこれは国に協力して国債を買っているという面が非常にあるわけなので、こういうような事態になって国債の価格が混乱をし、そして、もうきのうなども中期債の方でも相当値崩れがあるとか、いま国債についてはいろいろな話題に事欠かないのですけれども、この損失についてはある程度国が考えてやる必要があるのじゃないかと思うのです。この点について、農林省と大蔵省と双方から御意見を承りたい。
○松浦(昭)政府委員 まず、私どもの考えを御答弁申し上げますが、確かに五十四年度におきましては国債価格が下落しておりまして、これに伴う国債の差損、金額は、私、先生のおっしゃられる金額初めて承ったわけでございますが、確かに差損が出ているということは事実であろうと思います。 これはどうして出るかと申しますと、私どもは二つあろうかと思うわけでございますが、一つは、簿価と時価のいずれか低い方で評価する方式、つまり低価法でございますが、この方式によりますところの評価損が出てくるということが一つあろうと思います。それから第二は、簿価よりも低い価格で売却した場合の売却損、この二つが考えられるわけでございますが、本来的に申しまして、国債は償還期限まで持ち続けていただきますれば額面価額で償還される性格を持っておりますので、この面から見て、現段階で差損が生ずるということを判断いたしますのはちょっと早計ではないかという議論もあろうかと思います。 ただ、私ども、まず評価損の問題でございますけれども、評価損につきましては、これは先生十分御承知のことであろうと思いますけれども、今回通達改正をいたしまして、従来の低価法による指導を改めまして低価法または原価法、とにかく取得原価によるものもこれは選択的に自主的に選べるということにいたしたわけでございまして、たしか信連でも十信連ぐらいはこの方法によるかと聞いておりまして、この面で評価損が出てくるということは防げるのじゃないかというふうに考えます。 また、売却損についてでございますけれども、一般的にはやはり国債の取得が余裕金運用としてその利息収入を目的とするというふうに考えておりますので、特別の事情のない限り売却損を出してまで売却することはないのだろうというふうに考えるわけでございますが、やはりこれは財政当局の国債全般につきましての価格水準をどう維持するかという大きな問題とも絡んでおりますので、むしろこの方面につきましては財政当局の方からお答えをいただきたいというふうに思うわけでございます。
○内海説明員 お答え申し上げます。 ただいまの御質問は、あるいは税制当局に対する御質問としては国債が値下がりしているという状況に備えてあるいは準備金とか引当金というようなものを認めたらどうかという御質問かと拝察いたしますが、御存じのように現在の国債の価格は非常に低落しておりますけれども、これがいつまでも続くものではないわけで、有価証券の価格は、もう申すまでもなく上がることも下がることもあるわけでございます。こういったものにつきまして準備金というようなものを認めることは、やはりこれは政策税制とは言いながら一種の利益留保のための特別措置を認めるごとになります。これも申すまでもないことですが、国会の議論を踏まえまして、いわゆる政策税制みたいなものはできるだけ削減していくということで、たとえば価格変動準備金というようなのもいずれなくすような方向での改正を行っているわけでございますし、そういったことで、政策目的が仮にそういうものがあったとしても、私どもとしてはむしろ損が出ないように最後まで持っていただくというのが、これは資産運用としても政策としてはその方をむしろやっていただきたいことでございますし、価格の低落に備えて租税の特別措置の新設ということは御容赦願いたいと思っているわけでございます。
○近藤(豊)委員 いま御両人とも、これは最後まで持っていれば損が出ないんだ、八%なり何なり利子が出るのだからいいんだというお話なんですけれども、これは組合員の側からしてみたら、なかなかそんな悠長なことは考えられない。それにいま局長は、いずれ国債の価格は持ち直すんだというようなことを言っておられましたが、だれもそんなことを考えていま国債を見ている人はいないので、これだけ国債がたくさん発行されて、それで消化不良を起こして、国全体がもう国債についてはこれ以上吸収できないような状態になってきているときに、そう楽観的な見通しを立てることは誤りだと思うのです。したがって、特に農協のようにたくさんの組合員を擁している組織がそうした立場にあるとき、これはやはり損失引当金等は、有税ではなくて免税にするというような措置を考えるべきではないか。重ねてその点について意見を聞きたいわけですが、特に農林大臣の御意見もこの点については伺いたいと思います。
○内海説明員 一般的に、有価証券というのは上がることもあれば下がることもあるわけでございまして、こういったものについて引当金、準備金というものを特に設けるということは、新たなる租税特別措置の新設になります。現在、こういった財政状況、それから租税の不公平に対する世論の高まりを前にいたしまして、新しい租税特別措置を新設する余裕はないという事情を御賢察いただきたいと思います。
○武藤国務大臣 いま国会の中での議論は、どちらかといえば、税制改正は租税特別措置法の関係は極力整理しろという方向にあるわけでございまして、いまの御指摘は反対の方向へもう一回税制を考えろということでございますので、これは正直なかなかむずかしい問題ではなかろうかと思うわけでございます。
○近藤(豊)委員 いずれにせよ、この国債の問題というのは、発行の量の抑制と同時に、プライシングについてもっともっと自由にしていかなければいかぬ。もう、国民が国債を出していれば国債費というものは高くつくんだということをやはり知る方向に、国が勇気を持って進めていくべきことだと思うのです。したがって、自由なプライシングができるようになれば、それはそれでまたみんなの自主的な判断がきくようになると思いますけれども、その自主的な判断がきくには自由な価格のメカニズムが動くようにすること、そして、それが動かないような状態にある場合には、ある時点では救済措置を考える必要があるのではないかという気がいたします。しかし、これはいま国債の制度全体を問う問題ですから、恐らく別の機会に別の場でということになると思いますので、この辺でやめます。 こうして農林年金制度が改正をされて、できるだけ永続的な形で運用されていくようにという方向に努力がされるわけですが、その場合にも、先ほど馬場議員から発言がありましたように、農協は農民あっての農協であり、組合員あっての農協組織なんですから、あくまでも組合員のために働く農協であるということを確保していく必要があると思うのです。もともと農協の職員は、御苦労なことに夜遅くまで働かなければいけないような場面があるかと思うのですが、そういう不規則な労働条件等も十分認識した上で、ぜひそういう方向で指導を今後もしていっていただきたいと思います。ひとつよろしく。 この点について大臣から一言。
○武藤国務大臣 御指摘のとおりで、これから私ども、日本の農業を農民の理解のもとにより発展をさせていきたい、そして、ややもすれば希望をなくしがちな農民にひとつ希望を持っていただけるような農政を展開していきたい、こう思っておるわけでございますが、その間にあって農業団体、農協には相当お力添えを得なければならぬ点があるわけでございまして、その農協の職員の労働条件なりあるいは待遇なりがより改善をしていくということは当然望ましいことでございますので、私どもはそういう方向に今後とも努力を続け、農協を指導してまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○近藤(豊)委員 終わります。
○内海委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○内海委員長 この際、理事会における協議により、私の手元で起草いたしました本案に対する修正案を提出いたします。 ————————————— 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員 共済組合からの年金の額の改定に関する法律 等の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○内海委員長 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨を御説明申し上げます。 修正案はお手元に配付いたしましたとおりでございます。 その案文の朗読は省略して、以下修正の趣旨を簡単に申し上げます。 修正案の主な内容は、この法律の施行期日中、原案において「昭和五十五年四月一日」となっているものを「公布の日」に改めるとともに、これに伴い、掛金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の改定に関する規定については、昭和五十五年四月一日に遡及して適用することなどを内容とするものであります。 以上が修正の趣旨及び内容であります。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。 —————————————
○内海委員長 修正案に対して別段御発言もないようでありますので、原案並びに修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、これより昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず、委員長提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○内海委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○内海委員長 起立総員。よって本案は修正議決すべきものと決しました。 なお、本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○内海委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。馬場昇君。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○内海委員長 速記を始めてください。 馬場昇君。
○馬場委員 私は、きょうは、国有林ではなしに、民有林に働く林業労働者のことにつきまして御質問申し上げたいと思います。 まず、大臣がおりませんので政務次官にお尋ねするわけでございますが、民間に働く林業労働者の使命と地位の向上についての農林水産大臣の認識と使命についてまずお伺いしたいと思います。 御承知のとおりに、林業基本法の第一条にも示してありますけれども、林業の担い手としての林業労働者は、森林資源の確保や国土保全など国民経済に重要な使命を果たしておる。これは、林業基本法の第一条の目的のところに書いてあります。さらに、国民経済の成長発展と社会生活の進歩向上に即応して林業労働者の地位の向上を図る、こういうことが目的に書いてあるわけでございます。この趣旨に十分沿って林業労働者に対する施策をとっておられると思うのですけれども、まず、民間に働く林業労働者の使命、地位向上の点につきまして、政務次官からお考えを聞いておきたいと思います。
○近藤(鉄)政府委員 馬場先生から御指摘がございましたように、林業が果たしております役割りというのは、国土の保全、水資源の保全、環境の空気の浄化、非常に多角的な効果を持っておるわけであります。同時に、日本の国土三十七万平方キロメートルと言いますけれども、そのうちの七割がいわば山間地、森林地帯、林業地帯と考えていいわけでありますので、この国土の七割を、いま御指摘ございましたような角度から、いかに有効適切に活用するかということが、これからの日本の社会の大きな意味で命運を決すると言っても決して過言ではないわけであります。したがいまして、私たちといたしましては、単に国有林ばかりではなしに、民有林におきましても、これがますます発展し、活気ある森林が国土のすみずみまで広がるような条件をつくってまいりたいと思っておるわけでありますが、とりわけ、何といってもそういうことができるかできないかは人でございますから、したがって、実際問題として、都市部、平たん部の生活環境、労働環境と違って、山間部でありますし、森林地帯の生活環境また労働環境、必ずしもいいとは言えない、むしろ厳しい面もございますが、そういう中でりっぱにお仕事をしていただき、そして安定した所得を得られるためのいろいろな条件整備については、全力を上げてこれまでも取り組んでまいりましたし、またこれからも取り組んでまいりたいと思っておるわけであります。
○馬場委員 この民間の山に働く労働者は、いま政務次官も言われましたように、物すごい重要な使命を持っておるわけでございますし、法の指し示すところ、この重要な使命を持っております労働者の地位の向上を農林水産省の施策としてやらなければならぬということになっているわけですけれども、残念ながら、今日の民有林に働く林業労働者の実態は、一言で言いますと、もう危機に瀕しておると言って私は言い過ぎではないと思うのです。そういうことについていまから具体的に御質問いたしますけれども、まず事務局にお尋ねいたします。 民有林に働いております林業労働者の最近五年間の数の推移はどうなっているかということを簡単に教えていただきたい。
○須藤政府委員 お答えいたします。 最近五カ年間におきます林業就業者の推移は、総理府の労働力調査報告によって見ますと、昭和四十九年が二十一万人、昭和五十年が二十二万人、五十一年が二十二万人、五十二年が二十三万人、五十三年が二十万人という数字でございます。
○馬場委員 次に、いま報告ございました、この林業労働者の年齢構成の推移はどうなっておるか。国勢調査は五年ごとですから、四十年、四十五年、五十年、この年齢の構成比がどうなっているかということをお聞きしたい。
○須藤政府委員 昭和四十五年には、三十歳未満の者が一二%、三十歳以上五十歳未満の者が五九%、五十歳以上の者が二九%でございました。昭和五十年には、三十歳未満の者が八%、三十歳以上五十歳未満の者が五五%、五十歳以上の者が三七%となっております。
○馬場委員 もう一つ数字をお聞きしたいのですけれども、最近五年間の中学校卒業者、高等学校卒業者で民間林業に就職した数はどうなっておりますか。
○須藤政府委員 新規学卒者の林業への就業状況でございますが、文部省の学校基本調査によって見ますと、昭和四十九年三月が七百六人、昭和五十年三月が五百七十七人、昭和五十一年三月が五百六十三人、以後調査の方法が変わっておりまして、第一次産業系統となっておりまして、林業について明らかになっておりませんけれども、昭和五十二年以降はほぼ五百人前後で推移しているというふうに見られております。
○馬場委員 政務次官、いま数字を長官が発表したのでお聞きになったと思うのですが、実は民間林業に働く労働者の数は、昭和四十年ごろは三十万人ぐらいいたのです。四十三年が二十七万人です。いろいろずっと数字を言われましたけれども、五十四年度は二十万人、ずっと労働者の数は減っております。それからもう一つ、年齢構成をいま言われましたが、私の調査したところによりますと、これは長官の数字と同じと思うのですが、国勢調査によりまして四十年には十五歳から十九歳は三・二%でした。ところが五十年にはこれが〇・八%に減っている。ここのところをよく注意して聞いていただきたいのですが、二十歳から三十歳までが四十年には五〇・七%おりました。五十年にはこれが二五・九%に減っているのです。それから四十歳から五十九歳、壮年ですか、これが昭和四十年には三六%でしたが、五十年には五九・八%、約六〇%になっているのです。六十歳以上が四十年には九・二%だったのが、五十年には一三・五%になっている。年齢構成が十年たつごとに青年がいなくなり、壮年がいなくなり、ずっと老年の方に、これでいいますと四十歳から五十九歳までが五十年度に約六〇%、だんだん若年の労働者が入ってこない、おる労働者がだんだん年をとっていっておる。いま働いておる人たちは約五十から六十、そこのところが大部分を占めておるという状況になってしまっております。それから、いま最後にお聞きしましたときにお答えがあったのですけれども、実は中学校、高校を昭和四十一年に百四十二万五千名卒業しているのです。百四十二万五千名のうちで民間林業に入ったのは千六百七名です。四十五年には百八万名卒業しているのに九百八十一名です。五十年度には六十八万四千名卒業しておるのに五百七十七名。この数字というのは、実はほとんど民間の山に若い労働者が入ってきていないということを言っても過言じゃないと思う。 そういうことから言いますと、だんだん民間林業に働く労働者が減っておる、年齢がずっと五十、六十のところにピークが来ておる、そして新しい者はほとんど入っていない、これが民間林業に働く労働者の実態にいまなっておるわけでございます。 そういうことを言いますと、いまの民間林業で働く労働者の実態等から見ますと、山はある、山はあるけれども人はいない、それがいま民間林業の実態じゃないか。ここに私は日本の林業の危機というのを見るわけでございます。この点について政務次官はどう認識されているのかということについて意見を聞いておきたいと思うのです。
○近藤(鉄)政府委員 御指摘ございましたように、もう最近は五百人の水準でしか新規労働力が民間林業に投入されていないということは大変大きな問題でございまして、先ほど申しましたように三十七万平方キロメートルの国土の七割が山間森林地帯と言っていいわけでありますから、それに対して五百人というのは、私はいかにも少ない数字だというふうに思わざるを得ないわけであります。ただ、農業におきましてもそうでございますけれども、いわゆる技術の革新が進んでおりますから、したがって従来どおりの労働力を必要としなくても、一人当たりの生産性が高まってきて、ある程度の少ない労働力でも相当程度の仕事がこなせる、こういう問題があると思いますが、それにしても私は五百人という数字は厳しい数字だと思うわけであります。 私は常に思っているわけでありますが、いわゆる林業というものは、先ほど御指摘ございましたように、単に森林保全、木をつくるだけではなしに、山間地帯の国土の保全から環境の保全、空気の浄化、そして水資源の確保、いろいろな多角的な機能を持っているわけでありますので、この林業の収入が最終的に、木を植えて、木が育って木材の代金だけですべてをカバーするというのはいささか十分じゃないと思うわけであります。単に木材の価値だけがすべてじゃないのであって、それ以外に多角的な社会的、国土的効用を持っているわけでありますから、そういうものに対する代価というものをある程度社会的に負担する、そしてそれにプラスして木材を売ったときの値段があって総合的な収入が……(馬場委員「私はそんなことを聞いているのじゃないです」と呼ぶ)ですから、そういう形の施策を実は林野庁もやってまいったつもりでございますが、いま反省いたしまして必ずしも十分じゃないということが、御指摘ございましたような林業労働者の新規参入がどうも十分じゃないということにあらわれておるのじゃないかということで、いささか反省をしているわけであります。
○馬場委員 いま政務次官の答弁を聞いていますと、この深刻な実態というのを民間林業において危機としてとらえるのかとらえないのか。それについて最近技術も発展したから人は少なくてもいいとか、全体木材だけで収入がうんとかすんとか言っておられますけれども、実際たとえば九万三千人から中学を卒業する中で百三人しか林業に従事しないとか、高等学校を五十九万人も卒業したのに四百七十三人しか就職しない、そういう産業がいまの日本にありますか。ないと思うのですよ。私はここでいろいろ言われるけれども、こういう状態は林業の危機だということを認識されないから、次の施策が出てこないと思うのです。さっき言いましたように、山はあるけれども人がいない、そこから日本の林業の危機が来る、危機だ、そういうぐあいに認識しておられるかどうか、そのことを聞いているのです。どうですか。
○近藤(鉄)政府委員 御指摘がございました状況については、私たちは非常に深刻な現状である、かように認識をしております。ただ、さっきもちょっと申しましたように、林業労働者の収入というものをいわゆる木材としての所得収入でカバーするということではどうも十分所得が確保できないから、むしろそれにプラスして、社会的ないろいろな役割りを果たしているわけですから、その分の効用というものも所得換算をして、それを社会的にある程度補うかっこうにすれば林業労働者の収入を上げることも可能だし、そういう施策をもっともっとすべきであったのじゃないかという反省を実は先ほどの答弁で申し上げた次第であります。
○馬場委員 かみ合わないのですけれども、山で働く労働者の数の問題をいま言っているわけです。 そこで、さらに進めて内容の問題について申し上げてみたいと思うのです。 実は全国山林労働組合協議会というのがございますけれども、そこの人たちが実態調査を最近いたしました。これは林業労働者の雇用の実態について調査が行われております。そこで、数は余り多くないようですけれども、大体特徴的なことがあらわれております。見てみますと、雇用契約がはっきりわかっておるかということを労働者にお尋ねしたのです。山で働いておる労働者の人で雇用契約というのが余りはっきりわかってないと答えた人が五〇%。雇用期間が明確になっておりますかどうかということを尋ねましたところ、雇用期間は明確になっていない、はっきりしていないと答えた人が六〇%おるのですよ。賃金はきちんとしておりますかということにつきましては、きちんとしていないと答えた人がやはり三〇%おります。それから、一日の労働時間というのはきちんと決めてありますか、こういうことにつきましては、決めてないというのが三〇%。休日休暇というのははっきりしておりますか、はっきりしていないというのが八〇%。雇用保険は掛けておりますか、掛けていないというのが五〇%。健康保険はどうか、掛けていないが八〇%ですよ。就業規則もないといったのが七〇%です。こういうのが雇用の実態なんです。そして働く人を見ますと、大体一年に二百日以上くらい山で皆働いております。しかし、そういう人たちも同じ事業主で働いたのが二十日だとか三十日だとか四十日だとか。とにかく百五十日以上同じ雇用主で働いたという人は三〇%しかいない。そしてあっちこっち事業主をかえて働いておる。こういうのが実は民間林業労働者の実態になっておるわけでございます。 こういうことを見てみますと、法律で定められておるあらゆる基準なんかというのは全然守られておりません。あるいはいろいろ行政通達なんか出ておりますけれども、これも全然守られていない。こういうことを見ますと、林業労働者というのは近代労働者としての保護を全然受けていないと言っても言い過ぎではない。こういうところにだれが働きに行きますか。中学校、高校を出た人がだれが働きに来ますか。やはりそういうところに働きに来手がおらないということもあると思うのです。 その前に、これは長官にお聞きしたいのですけれども、いま私が言いましたような民間林業労働者の雇用の実態というのをどう把握しておられるのかということを長官にお尋ねいたしたいと思うのです。
○須藤政府委員 林業労働者の雇用の実態にかかわります基本的な事項、たとえば林業従事者数でございますとか、地位別の構成、年齢別構成等につきましては、先ほど来お話ししてございます総理府の国勢調査、労働力調査等によって把握しております。また、林業労働に関します個別的事項、いまお話のございました、たとえば賃金、社会保険の加入状況につきましては、労働省の林業労働者職種別賃金調査、労災保険、雇用保険、健康保険等のそれぞれの事業の年報等によりまして把握いたしておりますが、たとえばいまお話のございました雇用契約の締結がどうなっているかというようなものは、実は昭和五十一年度から私どもで実施いたしております林業労務改善促進事業というものがございますが、これにおきまして雇用契約の明確化を指導してきておりますけれども、林野庁が実施いたしました、五十二年の十月でございますが、若年林業労働者定着条件調査という調査によりますと、文書によりますものが五一%、口頭によりますものが二七%、特に一定してないものが二二%というふうになっております。また、雇用期間につきましては、明示しておるかどうかという調査ではございませんけれども、森林組合統計によりますと、五十二年度末におきます作業班員の就労日数が、九十日未満のものが二九%、九十日から百四十九日までのものが二三%、それから百五十日以上が四八%ということに相なっております。そのほか、賃金につきましては、五十四年度の木材伐出手の平均賃金は六千七百六円、それから造林手の平均賃金は五千七百二十六円というふうになっております。それから一日の労働時間及び休日休暇等につきましては、その就労が天候、気象等の自然条件の影響を著しく受けているということもございますが、労働時間、休日休暇に関しましては労働基準法の適用除外となっておりますけれども、林野庁が行いました、これは五十年十一月でございますが、林業労働者就労形態近代化調査によりますと、実労働時間五時間以下が二%、それから六時間から七時間が六〇%、八時間が三七%、九時間以上が一%というような状況に相なっております。 それから、先ほど出てまいりました若年林業労働者定着条件調査によりますと、常用労働者に対します週休日につきましては二八%、それから有給休暇につきましては一七%の林業事業体が制度化をしておるという状況下でございます。 それから、雇用保険……
○馬場委員 そんな小さいことを聞いていないのです。それはいいです。 あなたが言うのを聞いていると——林業の責任者というのは林野庁でしょう。ところが先ほどからずっと聞いてみておかしく思うのは、たとえば民間林業に勤めておる就業者数をどうだと聞いたら、総理府の労働力調査によりますと。それから年齢構成はどうなっているのだと聞きますと、国勢調査によりますと。中卒、高卒の就職状況はどうだ、学校基本調査によりますと。山の、林業の責任者林野庁が自分で調べたというのはないじゃないですか。そして、いまいろいろの数字を挙げられましたけれども、これは全体に調べたのではなしに、若年労働者云々とか。若年のそこだけやったって何にもならないわけですよ、それは。そういうことでもって、とにかくみずからがそういう実態調査をなさっていないじゃないですか。調査がなくして対策というのはあり得ないわけです。私は、何で調査しないか、怠慢もはなはだしいと思うのです。 そこで、いろいろ弁解を聞きたくないですが、ここで長官と政務次官に聞きたいのですけれども、いまはっきり言いましたように、ほとんどあらゆる基準とか通達とか、守られていないというのが実態なんですよ。そして、近代労働者とは言えないという実態なんですよ。それに反論があるんだったら、調べなければ反論できないと思うのです。私はそう思うのです。そこで、できれば林野庁で責任を持ってこの雇用の実態を把握するという調査をしてもらいたい。これは来年度の予算にでも調査費を組んで、抜本的に雇用の実態調査というのをやる。それで実態が明らかにならなければ、何も対策もできないと思うのです。そういう点について、これはもう長官でも政務次官でも結構ですが、ぜひ民有林に働いておる労働者の雇用の実態調査を、林野庁が責任を持って、山の責任者として、予算を来年度でも組んで調査をしてもらいたい。どうですか。
○須藤政府委員 ただいま御指摘ございましたように、労働省あるいは総理府あるいは農林水産省の調査、それぞれございますが、なおこれで今後の政策推進上どうしても必要だという調査はぜひとも林野庁で実施していきたいというように考えております。
○馬場委員 いま何か条件をつけられたようですが、私が尋ねておりますのは、やっぱり雇用の実態調査、先ほど幾つか私も例示をいたしました、そういうことを内容として雇用の実態調査というのをぜひ林野庁が来年度予算に組んで実施をしなさい、こういうことですが、これはどうですか。
○須藤政府委員 調査するという意思を私申し上げたわけでございますが、この調査の仕方、いろいろございまして、いまここでどのような調査の仕方をするかというのは検討いたしておりませんので、検討いたしまして趣旨に沿うように進めてまいりたいと思っております。
○馬場委員 ぜひ本当に、もう近代労働者とは言えないような状態ですから、いま長官が調査をするとおっしゃいました。内容は十分検討されて、本当に把握できるような調査をしていただきたいということを申し上げておきたいと思うのです。 次に、もう一つ、調査をなさいますと実態が明らかになると思うのですが、先ほどから言っておりますのに関連するのですけれども、やっぱり林業労働者というのはなり手がないですね。なり手のない理由、何でなり手がないと考えておられるのか、長官、お答えいただきたい。
○須藤政府委員 先ほど来政務次官からもお答えがございましたけれども、一般的には零細な事業体が多い産業でございまして、非常に弱体であるということでございますが、労働の場が山間僻地に存在いたしまして、生活環境条件が悪い、あるいは就労が季節的であり間断的であるということでございまして、林業が、その労働条件が他の産業に比較いたしまして相対的に魅力が薄いと申しますか、そういう状況下に行われておるためであるというふうに考えておるわけでございます一
○馬場委員 実はあなた方が書かれました「林業労務改善推進員の手引き」、林野庁森林組合課編、こういう本がここにあるのですけれども、これにあなた方の考え方がぴしゃっと出ておりますね。なり手がないという理由は「林業が、他産業に比べ魅力に乏しいことの結果である」、こう書いてございます。そして他産業に比べて劣っておる点は「(1)就業期間が通年的でなく、短期間断的である」、「(2)各種社会保険制度等の適用が立ち遅れている」「(3)労働災害の発生率が高い」、こういうようなことがこの中に書いてありますし、いまこれと同じようなことを長官も答弁されたわけでございますが、実はなり手がないというのはあなた方もわかっておられるわけです。この本にも書いてあるわけですし、いまも答弁されたわけです。 そうすると、どのような対策を立てればなり手があるのか。労働者のなり手がない。そこで、山はあっても人間がいない、働き手がいない、山の危機だ、なり手がない理由はこうだ、そこを改善すればなり手があるわけです。 だから、いま言いましたように、雇用関係を明確化する、そういうことをはっきりさせる、就業の安定化をしていく、社会保険制度等にきちっと加入をさせる、災害の防止対策をきちっととらせる、こういうようなことをはっきりさせたら、空気もいいし、環境もいいところだから、魅力ある職場になれば若い者はどんどん来ると思うのですよ。そのために、人が来るように、いま私はいろいろなことを言ったのですが、これは長官でも政務次官でも結構ですから、どのような対策が必要か、そのことについてのお考えを聞いておきたい。
○須藤政府委員 これはまことにあたりまえの話でございますが、まず、林業を産業として魅力あるものにするために、林業振興策をさらに強化していくということが一番基本であろうかと思います。それから、就労の場、いわゆる山村を住みよいものにするための生活環境条件の整備を行うということが第二点だと思います。第三点は、いまお話がございました林業従事者の就労条件の改善を総合的に行っていくということがどうしても必要だというふうに考えております。 このために、従来から、造林、林道、林業構造改善事業等、林業の振興のための施策を進めておるわけでございますが、今回五十五年度には、林業村落振興緊急対策事業等、山村生活環境整備のための施策を進めようとしております。また、五十一年から実施いたしております林業労務改善促進事業、それから林業退職金制度の推進等、就労条件の改善のための施策を強力に進めてきておるわけでございます。さらには、新たに林業構造改善事業を五十五年度から実施しようといたしておりますが、これらにつきましても、山村の活性化のための諸条件の整備を進めていくという方向で進めていきたいというふうに考えておりまして、山村におきます林業を中心としたいろいろな事業をさらに強力に進めていくということが一番大事ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○馬場委員 いろいろな事業、構造改善事業その他やっておられるというのはわかるのですけれども、そしていろいろな予算もあるわけですが、それがたとえば公民館に化けたり、その他いろいろ——それも必要ですよ。しかし、基本になるのは働く人ですから、私はやはり雇用を明確化するということが基本だと思うのです。そういう意味でこういうことは考えられないですか。 〔委員長退席、津島委員長代理着席〕 たとえば昭和五十一年十月一日に施行されました建設労働者の雇用の改善等に関する法律というのがございますね。そういうことで、民間林業に働く人たちの雇用を明確化するためには、法的措置を何かとらなければ明確化はできないのじゃないか、実態を見てみますとそう思うのです。そういう法的措置をとってでも民間林業労働者の雇用の状況を改善するということは必要じゃないかと私は思うのですが、これに対する御見解はどうですか。
○近藤(鉄)政府委員 馬場先生の御指摘は一々ごもっともでございます。ただ、民間林業従事者の所得を向上安定させる、そして新規加入者をふやすということは、いま長官もるる申しましたように、全体としての林業労働者の労働条件の整備向上、山村の生活、労働環境の向上改善、これが必要でございますし、率直に言いまして、いまの林業経営は大多数が零細化しておりますから、非常に収入が不安定であるし、生産した木材の価格も、国際的ないろいろな影響もあって非常に長期にかかりますし、これまた不安定である。こういう状況の中で、零細林業経営者にとっても、自分たちが使っている従業員でありますから、できるだけいい条件で雇用したいという気持ちがあっても、それを取り巻く環境がなかなか思うに任せない、こういうことだと思うわけであります。ですから、そういう民間林業の実態の向上というものがまず大事でございますし……(馬場委員「そういうことは質問していないのです」と呼ぶ)ですから、そういうことを十分考えて……(馬場委員「たとえば雇用に限って法的措置をとる必要があるのじゃないかということを言っているのです。それについて答えてもらいたい」と呼ぶ)ですから、そういう具体的な問題について一つ一つ改善することにまず取り組むべきであって、いま御指摘がございました形の立法措置でこれが改善されるものとは必ずしも私たちはいま考えていない、こういうことでございます。
○馬場委員 今日までもう長く山というのはあるし、働いておる労働者はおるわけだし、だんだん条件が悪くなっていっておるというので、他の産業に比べて労働条件、雇用条件がよくないからということははっきりしておるし、さっきあなたも認められたわけですよ。そうしたら、労働条件を改善するという方策をとらなければならぬ。周囲のことばかり言って、労働条件そのものについてははっきり言っておられない。だから、もうこの段階に来れば何か法的に、さっき私が言いましたように、建設労働者の雇用の改善等に関する法律というのが昭和五十一年に出ているようですが、民間林業労働者の雇用の改善に関する法律というのをつくって雇用条件をはっきりすべきじゃないか、私はこういうように思うのです。 これは長官の方に聞きますが、事務当局としてはそういう検討をなさる気持ちがありますかどうか。
○須藤政府委員 ただいま政務次官から答弁がございましたように、私どもといたしましては、いま先生が御指摘になりましたように雇用をしっかりさせるということがぜひ必要だと考えております。そこで、五十一年度から林業労務改善促進事業というのをやっておりますが、この中で、事業の目的としまして雇用関係の近代化、就労の安定化、長期化、そのほか社会保険制度への加入促進、労働安全衛生の確保、つまり労務管理の改善というようなことも強力に進めることになっておるわけでございますが、実は、五十一年から実施はいたしておりますものの、まだまだこれは徹底がなされていない。よくやっておる地域もございますけれども、全般的に見ましてもっとこれを拡充強化をして実態をきちっとしていくことが先ではないかと考えておるわけです。特に、御承知のとおり、林業労働の場合には農家労働との兼業ということが非常に多いわけでございますし、また一人親方でやっておられる方も非常に多いということで、非常に雇用関係といいますかはっきりしない面もございますから、むしろいま私が申し上げましたような、せっかくこういう事業がございますから、こういうものをさらに拡充強化をしながら実態をはっきりさせていくことが立法化する前提になるのではないかと私ども考えておるわけでございます。 〔津島委員長代理退席、委員長着席〕
○馬場委員 労働省の方に聞きたいのですが、こういう雇用関係を改善するというために、私はいまそういう立法が必要ではないかというふうなことを言ったのですけれども、労働省はどう考えられますか。
○菊田説明員 林業労働の問題につきましては林野庁長官の方からお答えのとおりで、労働省で考えております点は、やはり規模の零細性の問題、それから作業の季節性の問題、それから農家等の兼業労働力への依存の問題、こういうことからいって、さらに地域が全国的に散在をする、そういう問題から、この点で集合したような形で事業としてまとまりが建設業のような形にはまいりませんので、いまのところは林業の中でそういう整備を進めていっていただきたい、そういうふうに考えております。
○馬場委員 林野庁長官の答弁を聞きますと、何かスローガンは言っておられる、訓示は言っておられる、が、具体策はないという感じがいたします。そういうことだからこそ今日のような状態になってしまっておるわけですけれども、それではもう一つ、この特別立法措置の問題、法的措置の問題は検討していただきたいということで検討課題にしてもらいたいと思います。これは検討はなさいますか、長官、するかせぬかだけ答えてください。
○須藤政府委員 検討はいたします。
○馬場委員 次に、もう一つ具体的なことをお聞きしたいのですけれども、一つは、いまと関連しますが、やはり安定した仕事というのがないわけです。さっき言ったように渡り歩きというようなことがあるわけです。ですから、安定した仕事場、安定した就業の場づくりというのをこれまた具体的にやらなければいけないと私は思うのです。そういうためには、一つは、森林法に基づきまして地域森林計画というのをつくりますね。その地域森林計画をつくるときに、それに民間林業労働者の雇用計画というのをセットにして、車の両輪のごとく行政を施して、そして雇用関係というものをきちんとさせる。それに、できればそこのところに、森林計画というのは法的に規定されておるわけですから、その中に雇用計画も入れる、車の両輪にする、こうして安定させる、こういう方法はお考えになりませんか。
○須藤政府委員 実は、森林計画制度といいますのは、森林それ自体を対象といたしまして、その保続培養あるいは森林生産力の増強を図ることを目的とする制度でございまして、その一環として地域森林計画というものを県知事が立てておるわけでございますが、これは地域の特性に応じました森林施業上の一般的な指針あるいは規範等を明らかにするものでございまして、直接施業計画とは違うわけでございますから、雇用に関する事項がこの制度にはそぐわないということでございます。しかしながら、雇用計画といいますか、そういう見通しがどうしても必要であるということは私どもも痛感いたしておりまして、そこで、従来から地区ごとに必要な林業労働力の需給の見通しを立てて、計画的に就労が可能となるように事業主等を指導するという、先ほど出てまいりました林業労務改善促進事業を実施しておりますが、さらに五十五年度からは新たに実施する予定の林業振興地域整備計画制度、これを発足させたいと思っております。これは地域ごとにいま申し上げました森林施業のあり方を定めることと相まちまして、林業労働力の担い手の育成に関する事項も定めることにいたしておりまして、どちらかといいますと、森林計画のほかに個別の森林施業計画というものがございます、ああいうものがいま六〇%ぐらいのカバー率でございますが、地域ごとに森林施業計画の集積ができて、その地域の実際の施業計画が集大成される、その中で労務計画というものも当然立てていくべきだというふうに考えております。
○馬場委員 何かいまの民間林業では、森林所有者の胸先三寸でどうにでも雇用状態とか労働条件がなっているということです。これは調べるとおっしゃいましたが、ぜひ調べてもらいたいのです。森林計画は、いま言われたようなことを知っておりますけれども、法律を改正してでもそういうものに雇用計画というのを両輪のようにするということなども検討してもらいたいと思うのです。 もう一つ、先ほどもちょっと言ったのですけれども、これはやはりやってもらいたいと思うのですが、短期間で事業主を渡り歩いておりますね。そのことが雇用条件を物すごく改悪しておるわけですし、社会保障制度も改悪につながっておるわけでございます。そこで、何回でも議論されているのですけれども、地域において事業主、所有者が共同で事務組合でもつくって、その事務組合で雇用をする、そうして事業主のところに労働者を配分していく。そして事務組合が雇用者になりますと、雇用も長期化するし、安定するし、労働条件もよくなる、こういうことはぜひ考えていただきたいと思うのですが、これはどうですか。
○須藤政府委員 いまのとよく似ておりますのは森林組合の作業班でございますね。そこで、いま御指摘ございましたのは、たとえば素材生産業者とかそういう人たちが一定の地域に限って組合的なものをつくって一括して雇用するという形はどうかというお話でございますが、従来から、先ほど来出ております林業労務改善促進事業の中でも、具体的にその組合をつくれということはございませんけれども、精神としてはやはり雇用の長期化ということをねらっておるわけでございますから、何かそういうやり方を工夫をしてみたいというふうに考えております。
○馬場委員 これは労働省の方にもお尋ねしたいのですけれども、いま林野庁長官が答弁になりましたが、雇用問題から言って、そういう事業主が事務組合でもつくってそこで雇用する、それが非常によくなるわけで、それは検討したいというお話ですけれども、労働省はこれについてどうお考えですか。
○菊田説明員 その点につきましては、通常の、労働者を登録してそしてお世話をする、そういう形ではなくて、いまのような形で林務行政の中で進められることについて御援助申し上げる、そういうことはできるのではないかと考えます。
○馬場委員 とにかく、これは政務次官にも長官にも申し上げておきたいのですが、時間が余りございませんけれども、やはり何としても、実態はわかっているわけですから、だんだん高年齢者になっておる、後は入ってこない、雇用条件は非常に悪い、本当に人の上から日本の林業は危機になる。いま幾つかのことを申し上げましたけれども、山を守る、これは農林省の責任です。りっぱな山づくり、そしてそこに働く労働者の雇用条件その他の労働条件の改善をぜひ真剣に取り上げていただきたい、こういうぐあいに思います。 そこで、次に、私は振動病関係について一、二点質問を申し上げておきたいと思うのです。この振動病については、後日また本委員会でもあるいは社会労働委員会でも質問しようと思いますけれども、この振動病の中で二点質問したいのです。 第一点は、昨年の五月八日のこの農林水産委員会で実は私が質問をいたしました。それは振動病で認定されまして全休治療を行っておる認定患者が、推定すると十万人ぐらいおるんじゃないかと言われます。そうすると、さっき言いましたように、二十万の労働者の中で半分ぐらいは振動病の疑いということになるわけですけれども、このことは別といたしまして、その全休治療を行っておる認定患者に医師から軽労働をしながら治療を継続してよろしいというような診断が出た場合についての休業補償の問題についてでございます。これはこの前も質問いたしたのですけれども、軽労働をしながら治療ということになるわけでございますが、実は山間地域には軽労働の場がないわけですね。週二回とか三回とか通院をするような人を雇う事業主もいないのです。そういたしますと、通院を放棄してまた山に戻って働くか、あるいは通院しなければならないのに通院をやめてどこかで働くか、こういう立場にならざるを得ないのが現実です。 それからいま一つは、たとえば全休治療をやっておりますと、一日八千円なら八千円の休業補償がもらえますと、月に相当額の補償がもらえるわけですけれども、たとえば通院をするということになりますと、補償というのが今度はずっと——一カ月に四日通院すれば四日分しか補償をもらえないということになるわけでございまして、結局そういうことで生活が困ってしまう、これが現状になっているわけです。 そういうことについてこの前ここで質問いたしましたら、前の渡辺農林大臣は、そういうことはかわいそうだ、労働省とよく相談してみる、そしてわが方でも振動障害対策推進関係省庁連絡会議というのがある、そういうところでも議論してみる、何らかの対策を講ずるという答弁があっておるのです。この軽労働で治療するという人に対する休業補償、渡辺大臣からそういう答弁があっておるのですが、これについて現在どうなりましたか。
○須藤政府委員 そのお話につきましては、三省庁の幹事、課長レベルでそういう議論はしておりますが、まだ結論は出ていないというふうに私報告を受けております。
○馬場委員 ここでせっかく質問をしまして、渡辺農林大臣は対策を講ずると言っておられる。ところが、もう一年たって今日まで講じられていない。こういうことでははなはだ問題でございます。 そこで、たとえばこれにつきましては労災給付を原則としながら、軽労働収入というのは払い戻しをして、やはり全休と同じように労災でいきましょう、そうして軽労働して入った収入は、それに返して相殺しましょう、こういう原則を確立した方がいいんじゃないかということを申し上げたのですが、これについて労働省はどうお考えになるのかということを聞いておきたいと思うし、これは長官、いま対策はできていないようでございますが、そこはいま言いません。林野庁でできることは、やはり軽労働があればいいわけですよ、いま言われたように。だから、あなた方はいまさっきから林業構造改善事業その他たくさんの事業を行っていると言っておられますが、こういう軽労働の人にあなた方が仕事のメニューを与えてやれば、この問題は解決するわけですよ。そうしたら、軽労働をしながら治療もできるし、それで全快をしていく、こういうことになる。いま軽労働の場がないからこそ、また重症患者に戻ったり、そして生活に困ったりという実態だものですから、軽労働のメニューという、仕事場をあなた方の指導の責任において与えるべきじゃないか、これについては、長官、どうですか。
○須藤政府委員 実は五十五年度から実施いたします新しい林業構造改善事業におきまして、いま話題になっております林業の担い手を確保するための定住化促進メニューを組んでおるわけでございます。この中で、やはり地域の実情に応じまして、いま申し上げました担い手対策の一環として、軽労働の従事下の者の就労の確保にも資するようなメニューの選択等についても都道府県を指導してまいりたいというふうに考えております。
○馬場委員 ぜひこれはお願いしておきたいと思うのです。 そこで、もう時間も来たわけでございますけれども、最後に一点申し上げたいのです。これは国有林の下請、立木販売、そこに従事する労働者に対してこういう言葉が最近使われておりますね。下請であるいは立木販売で国有林の仕事をしているわけですから、そういうところから振動病のたれ流しをしておる、こういうような実態です。これについて、林野庁はそういう下請を契約する場合、あるいは立木販売する場合、振動機械の使用ということについてはきちっと契約の中に入れておるはずでございます。これは守られておるのか守られていないのか、これについてどうお考えになっておりますか。
○須藤政府委員 請負の場合でございますが、この請負契約条項に、関係法令等に定める事項を遵守しなければならないという旨を明記してございます。これにつきましては、昨年の八月からいわゆるチェーンソーの使用計画というものをとりまして、そして、それらをチェックしながら、実際に守られておるかどうかということの指導を強めておるところでございます。また、立木販売につきましては、直接請負契約とは違っておりまして、所有権の移転等が自由に行われますので、これはなかなか直接指導というわけにはまいりませんけれども、ただ、一般的に立木を買われた方々に対しましてはこういう指導はやっておるわけでございますが、いま申し上げました請負事業体のような報告書を提出させるというようなことはやっておりません。
○馬場委員 きょうは長官の答弁を聞いていまして、何か労働者に対する愛情というのも余りないし、机上の答弁、計画の答弁というような感じがしてしょうがないわけですが、実際立木販売とか下請でやられた場合、きちんと振動機械の使用状況というのは事実守られていると思いますか、守られていないと思いますか。労働省、どうですか。
○原説明員 所管ではないのでございますが、振動障害を防止するための予防対策、特に振動機械の使用に関しての規制等については鋭意努力をしてやっておるわけですが、山間の、しかも行政の浸透しにくいところで作業が行われている関係から、なかなか遵守の状況がよくなっていないのが実情でございます。
○馬場委員 長官、労働省もそう言っているのですよ、守られていない。 私どももこの間、熊本の矢部営林署の内大臣事業所というところに調査に行きました。契約書を見せてもらったら、ぴしゃっと書いてあるのですが、実際守られていないのです。労働省の人にもよく聞くのですけれども、労働省の人は、いま言われました山間僻地、監督官も足らない、どうしてもつかみようがないということを言っておられるのですが、あなたの方は、たとえば下請には監督官、林野庁の職員がおるわけですから、そういう人たちに契約が守られているかどうかということを監督させる任務を与える。そうして、そのことを法的措置をとるのか、行政的措置をとるのか、いい方をやってもらいたいのです。そして、あなた方の監督官が労働省と連絡をとって、うまく守られるようにする。労働省は山間僻地までみんな監督官を派遣することはできませんよ。また、あなた方は、下請に監督官がおるわけだから、その人を行政指導、法的措置をとりながらでも監督に使って労働省とうまくやる、こういう方法を考えて、やはりこれはきちんと守らせなければいかぬと思うのです。これはどうですか。そういう検討をしますか、長官。
○須藤政府委員 先ほどの答弁、大変不十分でございましたが、実は昨年の八月からやっております作業計画書及び進行状況、実は作業計画書は請負事業体が作成をいたしまして、労働基準監督署に提出していただくということになっておりまして、そういうことで現地の営林署と労働基準監督署と十分連携をとりながら、せっかく昨年の八月から始まったことでございますので、まだ十分定着しているとは申し上げられませんけれども、十分定着していくように指導を進めていきたいと考えております。
○馬場委員 具体的に言いますと、労働省の方では監督が十分できていないと言っているのです。私は、あなた方の方の監督官にお願いして、両方でうまく連絡をとりながらきちんと守られるように指導してくださいと言っておるわけですから、それについて最後にお答えいただきたいと思います。
○須藤政府委員 したがいまして、労働基準監督署と十分連携をとりながら、労働基準監督署の方からこういうことをやってほしいというお話があれば、その時点でやってまいりたい、こう考えております。
○馬場委員 労働者の体を守るというとき、監督署から言われなくてはではなくて、あなた方が山行政の責任者でしょう、だからあなた方の方から、おれの方から加勢でもするよということで、向こうから話ではなしに、積極的に話し合ってやってほしいと思うのですが、何かあなたの答弁はきょうは消極的でしょうがないのです。話があればではなしに、積極的にあなた方からでも話を持ちかける、こういう気持ちでやってもらいたいと思うのですが、どうですか。
○須藤政府委員 労働基準監督署と十分連携をとりながらやってまいりたいと思います。
○馬場委員 時間が来ましたので、これで終わります。
○内海委員長 次回は、明二日水曜日午前十時理事会、午後一時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十四分散会 ————◇—————