農林水産委員会 第11号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1980/03/25
会議録
○内海委員長 これより会議を開きます。 農業災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。角屋堅次郎君。
○角屋委員 農業災害補償法の一部改正につきまして、党の同僚委員からそれぞれ先週質問がなされ、さらに他の党の同僚委員からも熱心な議論が行われてまいりましたが、いよいよきょうは取りまとめの段階に参っておりますので、重要な項目について率直に大臣にお伺いをいたしてまいりたいと存じております。 きょうは、農林水産大臣自身、内閣委員会の提案理由の説明も私の質問の途中であるようでありますが、これは必要なことでありますし、その間、直接党内の農災関係の改正の衝に当たられた近藤政務次官もおいででありますから、了承いたすことにいたします。 そこで、まず第一は、今回の改正に関連する問題でございまするけれども、御案内のとおり、農業災害補償法は、戦後昭和二十二年十二月に公布をされたものでございまして、自来三十数年経過をしているわけでございます。戦前は、昭和四年の段階で家畜保険法ができ、昭和十四年の段階で農業保険法ができたのを、戦後は、農地法の問題あるいは農業団体の再編成問題と農業災害補償法を三つの柱として戦後農政がスタートしたと申しても過言でないわけでございます。自来三十数年の間に、当初農作物共済、蚕繭共済、家畜共済でスタートしておりました農業災害補償制度も、昭和四十七年には御案内のとおり果樹の共済事業が制度化される、さらに昭和五十三年には畑作物共済事業、園芸施設共済事業が制度化される、いわば農業災害補償制度についても、スタートは別として、農業の主要な部分についておおむね包含をした農業災害補償制度が、ある意味ではでき上がったと申すことができると思います。しかしながら、まだ、野菜共済の問題であるとかあるいはホップであるとか茶であるとかたばこであるとかいうふうな新種の共済の希望ももちろんございますし、また同時に、こういう段階に来れば、六つの共済事業の内容をさらに実態に即してどう改善をしていくかという問題、あるいは先ほど申したような新規の共済事業を制度化していく問題、あるいは共済事業全体として組織論問題制度論問題というふうな問題について総合的に検討していく問題、こういうのがこれからの農業災害補償制度に課せられた宿題というふうに申すことができようかと考えております。 きょうは、そういう基本的な問題について触れる時間的ゆとりはございませんが、そういった前提の認識の上に立って考えました場合に、今回いわゆる果樹、畜産、蚕繭、この三つの共済の改正点を中心に農業災害補償法の一部改正を出されたわけでございますが、今回の改正は農業共済事業全体の展望との関係でどういう見地から提案をされたものであるかという点を、武藤農林水産大臣からお答えを願いたいと思います。
○武藤国務大臣 先生からいままでの経緯につきまして大変詳しく御説明がございました。私どもは、そういう経緯の中におきましてこの制度の充実を図ってきた、そう考えておるわけでございます。 もちろん、先生御指摘のように、今後もなお検討を続けなければならない問題はまだ多々あろうかと思いますが、とりあえず、今回の改正につきましては、特に、いまも御指摘ございましたが、果樹共済に重点を置いたわけでございます。それは、果樹共済においては保険収支が悪化する一方で、加入していただく方がまだまだ少ない、こういうことでございまして、これを少しでも改善をしていきたいと思いまして、果樹共済制度を果樹農業及び果樹栽培農家の実態に即応させるとともに、制度全体を果樹栽培農家に少しでも魅力あるものにすることによって、加入を促進し、果樹共済事業の安定的な発展を図ろうと考えたわけでございます。 また、蚕繭共済制度につきましては、関係者が長年御要望でございました収繭量建て制を採用することなど、補償の充実を図っておるところであります。 また、家畜共済につきましては、従来国会でもいろいろ御議論をいただきましたので、共済掛金国庫負担割合の改善を図ったような次第でございます。 細かい点につきましては、経済局長の方から答弁をさせていただきます。
○松浦(昭)政府委員 今回の改正の立案の見地につきましては、ただいま大臣から御答弁があったとおりでございますが、やや具体的に申しますと、果樹共済につきましては、事故除外制の拡大、無事故割引制等料率の割引制度の導入によりまして、技術水準の高い果樹栽培農家の加入を容易にすることが第一点でございますし、また、果実の単位当たり価額設定の細分化、半相殺方式の導入、全相殺方式における支払い開始損害割合の引き下げ、災害収入共済方式の試験実施等によりまして、制度全体として、ただいま大臣申されましたような果樹栽培農家に魅力あるものにしようというのがねらいでございます。 また、蚕繭共済につきましては、収繭量建て制の採用のほか、共済金支払い開始損害割合の引き下げ、共済事故の拡大等によりまして、近年の養蚕経営の規模拡大、養蚕技術の向上等による被害発生態様の変化に対応しまして、十分な補償を図ろうとするものでございます。 家畜共済については、大臣から御答弁になったとおりでございます。
○角屋委員 いま、今回の改正の問題について武藤大臣並びに担当の局長からお答えがあったわけでございますが、今回の果樹、蚕繭、畜産の改正の問題は、従来当委員会で附帯決議等で注文をつけてまいりました問題もございますし、特に畜産の国庫負担の引き上げ問題は、当委員会の附帯決議を尊重して大変苦労して実現をされた点でありまして、そういう点についてはその努力を評価しなければならぬと思いますが、御案内のとおり、今回の改正の前に、関係の団体等から農業災害補償法の改正問題についていろいろな要請がなされたわけであります。全国農業共済協会であるとか、あるいは全国農業協同組合連合会であるとか、あるいは日本園芸農業協同組合連合会であるとか、あるいは全国養蚕農業協同組合連合会であるとかいうふうな形で、それぞれの関係団体から制度改正に対するいろいろな要望が出されてまいって、私もその点については十分承知しておるわけであります。ただ、こういった要望の中で、若干の取り扱い上の問題は別として、今回の改正でおおむね受け入れた点は説明を省いていただいて、出された意見の中で今回取り上げることができなかった問題、それに対して今後どうしていくのかという点について、この機会にお答えを願いたいと思います。
○武藤国務大臣 確かに、いろいろ御要望いただいたものでまだ取り入れなかった問題があることは事実でございまして、今後とも十分検討を続けて、取り上げられるものはできるだけ取り上げるように努力をしてまいりたいと考えております。 これも詳細については局長から答弁をさせていただきます。
○松浦(昭)政府委員 先生もおっしゃいましたように、今次改正に当たりましては、農業共済団体そのほかの団体から種々な意見が出されまして、その大半は私ども取り入れたつもりでございます。また、なかなか取り入れられなかった問題につきましても、たとえば収入共済のように、これは保険技術上の問題あるいは農災法のたてまえの問題からなかなか全面的には取り入れられなかったものでございますが、いわゆる災害収入方式といったような形で変形をいたしまして取り入れたものもございます。 ただ、基本的になかなか取り入れられなかった問題につきましては、幾つかございますが、そのうち主なものを申し上げますと、一つは、果樹共済の事業責任分担の問題でございます。この問題は、共済団体等から農作物共済と同様にしてほしいというお話がございまして、いろいろ検討いたしたのでございますが、果樹共済につきましては、本格実施をいたしましてからまだ日が浅うございまして、組合等の単位におきましての保険設計に必要な資料が整備されていないということもございまして、果たして農作物共済の方式によりまして組合が十分に責任を分担し切れるかどうかという疑念もございましたので、この点につきましては今回見送った次第でございます。 しかしながら、今後どうするのかという先生のお尋ねでございますけれども、ほかのいろいろな共済と横並びで見なければならない問題もございますので、さような検討の中で、この責任分担方式につきましては、今後さらに検討を進めたい。また、県単位の保険設計のもとで可能な組合につきましては、とりあえず歩合再保の方式で二割の責任保有の道を開くということをいたした次第でございます。 いま一つ、非常に強い要望がございましたのは、ホップを畑作共済の政令指定の作物としてほしい、それから茶、たばこ、牛の生産事故の共済制度化を早急に実現してほしいという御意見が出されておりました。 ホップにつきましては、これまでの調査結果を整理いたしまして、保険技術上の問題を詰めた上で、できれば昭和五十六年度から畑作共済の対象とするようにいたすことを目途に、目下検討を進めているところでございます。 また、たばこにつきましては、昨年五月、たばこ耕作組合中央会の総会におきまして、たばこ災害に関する補償制度は現行のたばこ専売法による災害補償制度を充実していくという方向で決議がなされた由でございまして、農林水産省としては目下調査を中止しております。 茶や牛の生産事故の共済制度化につきましては、鋭意検討を進めまして、できるだけ早期に結論を出すように努めてまいりたいと考えております。
○角屋委員 関係団体から出された意見のうちで今次改正に取り入れなかったものの重要なものについては、大臣並びに担当局長からいま御答弁がございましたが、その中で、果樹共済の事業責任分担の問題については、全体としての横並び問題として今後検討するという御趣旨でございます。 新種共済の導入の問題については、与党の自由民主党の農林部会の農業災害補償制度小委員会における「農業災害補償制度の改善に関する検討結果」というのが昨年の十一月二十九日に、これは当初、近藤さんが担当でございましたが、最終的には山崎さんが小委員長ということで取りまとめられた形になっておりますけれども、そこで、いま御答弁のホップについては、これは昭和五十六年度実施を目途に実施するという方針を与党でも決めておられる。それから茶についても、できるだけ昭和五十六年度中に制度化を図れるように努める必要がある、こういうことでいまのような御答弁になったかと考えております。たばこ問題は、関係団体の御意向もありまして、いま御答弁のような趣旨になりましたけれども、特にホップ、茶等について、総合的な農政推進のために共済制度の中に取り入れられることが保険需要としても強く要請されており、また、これが必要であるという問題については、ホップはもちろん、茶その他を含めて早急に検討を進め、実現されるように希望しておきたいと思います。 そこで、今回の改正の一番焦点になります果樹共済の問題に入りたいと思いますが、ただいまも局長から御答弁のように、果樹共済の改正点については、事細かにいろいろな制度の改善をやろうとしておるわけであります。これは果樹制度本格実施以来の最近までの状況、もちろん災害が頻発をしたということもございましょうけれども、加入が伸び悩んでおる、それから保険収支が非常に悪化の状態にある。したがって、日本の成長産業の一つと言われる果樹の共済事業について、今後安定的にいくためにいかに制度の改正をやるべきかということについて真剣な検討が行われる。これについては、局長のいわば内部で、農災制度に関する検討会というものが岡安さんを座長にいたしまして十二名のメンバーで部内でも検討が行われる、その検討結果も出てくるというふうなものも踏まえながら、あるいはまた関係団体の要望等も踏まえながら、同時に本委員会における従来の審議の経過並びに附帯決議等の注文も踏まえて、今回の改正を出されたものと理解をいたしております。収穫共済の内部の改正問題にしろ、あるいは樹体共済の一部改正問題にいたしましても、これは同僚委員から熱心に議論が展開されてまいりました。これらの問題については、さらに私自身も、たとえば共済掛金率の割引制度の導入問題で、無事故の割引あるいは防災施設の割引を実施する。特に無事故割引については、従来から制度としてございます無事戻し制度との関連はどうかといったような問題も当然議論をなされてまいりましたし、議論しなければならない問題でございますが、持ち時間の関係で、許せば後ほど若干入りたいと考えております。 特に今回の果樹の共済の改正で、制度論としても議論をしておかなければならぬ問題は、災害収入共済方式の問題でございます。愛媛等を中心に収入共済方式の導入、愛媛等ではみずからも試験実施をして強く望んでまいったのを、検討会その他の議論も踏まえて、災害PQ方式で実施しようということにいたしたわけでございます。これは、収入方式そのものは本来農業災害補償制度になじまない点もある、その他保険技術上の問題等も含めて災害PQ方式をとったものと理解をいたしております。 そこで、四つの点にしぼってお伺いをいたしたいと思います。 一つは、災害収入共済方式を実験実施する以上は、これを実施したいと手を挙げる県が相当出てくる必要がある。せっかく実施をする以上は、恥をかかないように、そして今後これを実施していく場合の保険設計上の十分なデータが得られるようにということを考えることは当然でございまして、一体、災害収入共済方式を実験する場合に、どの樹種についてどれぐらいの県が実施するという方向にあるのか、あるいはそういうふうに見込んでおるのかという点が第一点であります。 それから、言うまでもなく、災害収入方式は完全共販地域、これは果樹農業の場合は大体二割程度と考えられますけれども、これは完全共販地域に限られるわけでありまして、果樹栽培農家全体の災害補償制度を考えるという場合に、災害収入共済方式を取り入れて今度本格化する場合に、これだけで果樹農家全体をカバーするわけにいかないわけであります。その辺のところをどう考えられるか。 それから、収入の減少という問題と災害による収穫量の減少という場合のコレレーション、相関係数の問題が理論的にもある程度の判断がなされなければ、災害PQ方式の導入ということにならぬわけであります。これらの点について、収入の減少と収穫量の減少との相関係数についてはどういうふうに考えておられるかという点が第三点であります。 それから、私はこの機会に希望として申し上げておきたいのは、関係団体からは収入共済方式の導入が強く望まれた。しかし、いろいろの検討の結果、災害PQ方式を導入することに相なるわけでありますけれども、実験実施の過程では災害収入共済方式を実施するのに関連をして、もし収入方式を実施する場合にはどうなるかという比較検討についても資料を整備することが必要であろうと考えます。これらについて、農林水産省としてこれから実施していく場合にその用意があるかどうかという点についてもお答えを願いたいと思います。
○武藤国務大臣 私の方からは、いまの災害収入共済方式を完全共販地域に限っておる、こういうことについて今後どう考えるかという点についてのみお答えをさせていただきまして、あとの三つの問題につきましては、局長の方から答弁をさせていただきたいと思います。 災害収入共済方式は、農家ごとの収穫量、また生産額、こういうものを的確に把握をしなければならないということから、共同出荷率の高い地域に今度限定をして実験的に実施することにいたしたわけでございますけれども、確かに御指摘のような点もございます。これはあくまで実験的に実施するわけでございますから、その実験をやる中において、いま御指摘のような点も十分私ども踏まえて検討をさせていただきたい、こう考えておるわけでございます。
○松浦(昭)政府委員 残りの三点につきまして御答弁をさせていただきます。 まず、災害PQも、実験とはいいながら、やる以上はしっかりやるようにというお話でございますが、災害収入共済につきましては、県連合会を通じまして、とりあえず組合等の実施希望の有無につきまして三月十五日現在で調査をいたしております。その結果は、温州ミカン五県、ナツミカン及びナシが各二県、指定柑橘、リンゴ、ブドウ、桃、クリ及びビワが各一県でございまして、延べ十五県、五十三組合等におきましてその希望を持っております。今後改正制度が十分普及した段階でこの県数がどうなるかということはまだ未知数でございますけれども、私どもといたしましては、その実施につきましては、地域の自主性の判断にゆだねまして、できるだけ割り当てなどはせずに、希望に沿ってこの実験実施を図ってまいりたいと考えております。 次に、収入の減少と収穫量の減少との相関関係はどうかという御質問でございますが、確かに、マクロ的に見ますると、温州ミカンの例をとって申しますれば、全国の生産量と価格との関係はマイナス〇・九というかなり高い逆相関関係があるということは事実でございます。ただ、全国の生産量と全国の生産者の総収入額の相関関係をとりますと、これはマイナス〇・五でございまして、必ずしも明確な逆相関関係があるということは申せないのじゃないかと考えております。 また、保険を考える場合には当然足切りを前提にいたしますので、個別の農家につきまして、三割以下の足切りで生産量と収入額との減少関係を見ますると、この場合には、場合によっては個々の農家の段階では高い正の相関関係が出るのじゃないかということも考えられます。したがいまして、生産量と価格との相関関係だけがきわめて高い逆相関を持っているということで、これのみから収入共済の保険設計をするということはなかなかむずかしいということが考えられましたので、私どもといたしましては、被害のあった農家について収入の減を見るという災害収入方式をとったのでございます。 さらに、大数の法則という観点から申しますと、先生も十分御案内のように、最近におきましては必ずしも果樹生産は自由な価格の変動に任しているわけではございませんで、摘果あるいは生産調整、あるいはジュースの段階における出荷量の調整保管、その他いろいろな制度的な面を通じまして、価格の安定を行っておりますので、価格の動向というものが必ずしも大数法則に合致した一定の確率をもって、ある収入の減あるいは収入の増高が起こるということはなかなか言えないのじゃないかということから、実は災害収入方式を試験的に実施するということを考えたわけでございます。 最後に、災害収入共済の方式におきましては、この制度上初めての試みでございますので、基準生産金額の設定方法、あるいは生産金額の把握方法、損害の認定方法、被害率の変動とその要因分析等々、種々の問題につきまして当然試験実施期間中も検討しなければならないと考えております。したがいまして、生産金額が基準生産金額の一定割合以上減少した場合における収穫量及び価格の変動の生産金額の減少額に及ぼす影響等についても、十分把握していきたいというふうに考えておりまして、その資料は実験期間中十分とっていくつもりでございます。その資料の中から、御要望されておられますような収入共済方式の問題点の解明にも役立つような資料が得られるというふうに私ども考えている次第でございます。
○角屋委員 いまお答えがございましたが、いずれにしても、災害収入共済方式というのは、農業災害補償制度そのものから見ても、収入方式との関連では新たな問題の提起というふうにも考えられる部分を含んでいるわけでございまして、実施する以上は積極的に手を挙げる関係県の協力も得なければならぬし、実施をする以上は、先ほど申しましたように、収入と収穫とのコレレーションの問題についても、理論的に災害PQの場合、あるいはまたPQでない収入共済の場合の関連等についても、今後具体的にどう取り組むかという関連のデータを十分整備するというふうに努力をしてもらいたいと考えております。 そこで、今回の果樹共済については、加入率が収穫共済二六・四%、樹体共済七・七%の現状から見て、局長答弁でも、これを今回の改正を通じて五〇%程度に持っていきたい、こういうふうに答弁されておるわけであります。われわれもそういうふうになってもらいたいというふうに思いますけれども、そこで、たとえばそういうことのために生産出荷団体等に取りまとめの協力を求めながら集団加入を奨励する。その奨励の措置については来年の予算の問題でありますが、そういうことについても議論がなされてまいりましたし、共済事故についても、暴風雨のみならず今回ひょう害のみによる共済事故を取り入れる。さらにわれわれの希望とすれば、病虫害以外の災害を共済事故とする方法についても、準備ができ次第これを導入していくということについて希望しておるわけでありますが、これらの問題はそういうことで実施されるものと理解していいか、御答弁願います。
○松浦(昭)政府委員 ただいまおっしゃられましたとおりでございまして、まず出荷団体等を通ずる奨励金につきましては、五十六年度の予算でぜひ実現していきたい。その場合の要件等につきましても、先般御答弁を申し上げたとおりでございます。 また、事故除外方式につきましては、今回はひょう害の方式を取り入れたいというふうに考えておりますが、さらに加えまして、病虫害除外の方式も、病虫害を分割できる尺度ができましたならば、できるだけ早く実施をいたしたいという気持ちでございまして、先生がお尋ねのとおりでございます。
○角屋委員 次は、大臣答弁との関連もありますので、政務次官あるいは担当局長のところで答えられる範囲内のところから質問を進めます。 家畜共済の掛金の国庫負担割合の問題については、今回馬を牛並みの二分の一、それから肉豚について三分の一を五分の二、こういうふうに引き上げたのは、本委員会の強い要請に基づいて、なかなか財政再建の厳しい中で従来の国庫負担の割合を引き上げるというのは大変な苦労もあったと思いますけれども、これを引き上げられたことはその労を多としたいと思いますが、小川委員がここにおられますけれども、小川委員を初め他の委員からもございましたように、議論として大家畜、中小家畜議論も質疑の中ではお聞きしましたけれども、やはり畜産もいわば成長産業として伸ばしていかなければならぬことは事実でありまして、牛、特に馬、それから豚の関係というのを食べる側から考えてまいりますと、牛、馬が二分の一ならば、なるべく早い機会に肉豚についても二分の一にする努力というのがなされてしかるべきだというふうに私も思いますので、これは直ちにというわけにはなかなか諸般の情勢上まいらぬかもわかりませんけれども、早い機会にそういうふうなことが実現するように努力してもらいたい、こう思いますが、この点は政務次官の方からお答えを願いたいと思います。
○近藤(鉄)政府委員 家畜共済につきまして、掛金の国庫負担につきましては今回改善を提案したばかりでございますし、現段階で将来これをさらにどう改めるかについてはなかなか申し上げられない状況でございますが、今後とも、畜産政策の動向及び加入の状況等を見ながら、十分検討してまいりたいと思います。 先日、小川委員の御質問に対しましてもお答えいたしたわけでございますけれども、今回の掛金率の改正だけでこれをさらに二分の一にいたしますと三億六千万ばかりかかると申し上げました。これはあくまでも現段階の加入を前提にしての話でございまして、これを全部広げてまいりますと、これはベースもございますから、プラスアルファだけでなしに全体として……(角屋委員「要するに早くやるということだけ答えてもらえばいい」と呼ぶ)相当な財政負担にもなりますので、その点も十分御理解賜りたいと思います。
○角屋委員 畜産の関係の問題いま畜産物価格の時期でございますので、基本的な考え方を、大臣後ほど参りましたら大臣からお伺いするということにいたしますし、関連をして、家畜診療所の整備、家畜共済の診療点数の改定、獣医師の待遇改善問題ということで政府にお考えを聞くわけですが、これは私の持ち時間の関係もありますので、少しく質問をさしていただきます。 申し上げるまでもなく、家畜診療所の整備の問題については、昨年から五カ年計画で整備を始められるとか、あるいは従来も整備強化についてはいろいろ努力をされてきたわけですが、五十三年度の制度改正を契機に一層こういう点については十分な努力をぜひ願いたいというふうに思いますし、ことしは家畜共済の診療点数の問題については、秋以降来年度予算と関連をして折衝を始められ、来年の四月一日に大臣告示で新年度の診療点数を示すということになろうと思いますが、こういった診療点数の改定問題さらにこういうことと関連をいたしまして、家畜診療所の獣医師の待遇改善はもちろんでございますけれども、農業共済団体家畜診療所と他の診療施設との関係の調整という問題が運営上当然起こってまいるわけでありまして、これらの点について簡潔にひとつお答えを願っておきたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 まず、家畜診療所の整備でございますが、最近における家畜診療技術の進歩に対応いたしまして、家畜診療所の検査機能の充実を図ることは申すまでもないことでございます。このため、昭和五十四年度から五カ年計画で基幹的な診療所につきまして設備強化を行うことといたしまして、昭和五十五年度予算におきましても一千四十六万九千円の予算要求をお願い申し上げている次第でございます。 また、第二に先生が御指摘の、診療点数の改定でございますが、直ちに共済金支払い額に影響することとなるために、従来から共済掛金標準率の改定に合わせて実施をすることにいたしております。この診療点数の改正に際しましては、同様の職種の人件費に相当するいわゆる診療技術料が賄えることとなるということが基本であると私ども考えておりまして、先生御指摘の、次期改定時期でございます昭和五十六年度には、前回の改定、これは五十三年でございましたが、その後の人件費及び診療用器具機械等の診療直接費の動向を反映するように診療点数の改正を行いたいというふうに考えております。 最後に、獣医師の待遇の改善につきましては、もちろん基本的には適正な診療点数を設定するということが基本でございますけれども、さらに加えまして、家畜共済特定損害防止事業及び家畜共済地域対策事業におきます獣医師の雇い入れ日当につきましては、毎年引き上げを図っておるところでございまして、五十五年度も八千百五十円を八千四百五十円ということに考えております。いずれにいたしましても、家畜共済におきます診療所の充実あるいは獣医師の方々の待遇改善ということはきわめて重要でございますので、今後とも家畜診療の円滑化が図られますよう十分に留意してまいりたいというふうに考えております。
○角屋委員 次は、施設園芸の問題に入りたいと思いますが、これはむしろ大臣出席のもとにと考えておりましたけれども、質問は始めます。 御案内のとおり、国際的な原油の値上げ、あるいは将来の見通しはどうかということと関連をして、国内的にも省エネルギー問題あるいは代替エネルギーの開発ということが大きく叫ばれる時代に入っておるわけであります。農業全体についてそういう視野から見直すことはもちろん当然のことでございますけれども、特に施設園芸の場合は周年やっていく立場で、冬の場合の油問題というのは避けて通れない問題になる。しかもそういう場合に、従来油を使ってまいりましたのをできるだけ節減するのにはどうするかということになりますと、太陽のエネルギーから、風力から、地熱から、あるいは施設そのものについても油を使わないような工夫から、いろいろなことをやってまいらなければならぬということになるわけでありまして、そういう面における省エネルギー対策、特に施設園芸における省エネルギー対策を当面どう進めるつもりであるか、あるいはそういうことと関連をして、農業生産の中における施設園芸を今後どう位置づけていくか。私は、ここまで進んでまいりました施設園芸を逆戻りさせるということは、国民生活全体から見てもできないことだろうというふうに思います。そういう点で、施設園芸が、野菜の周年供給あるいは価格の安定等含めて、国民生活に欠くことのできない位置、ポジションを占めてきておるという点を重視しながら、省エネルギー対策について総合的に進めていく努力をやっていかなければならぬ。現在、関係者にいろいろお聞きしますと、省エネルギー対策のための研究開発などは、試験場であるとか大学であるとか、あるいは栽培農家の個人的な非常に熱心な研究努力というようなことでばらばらに行われておる傾向がございます。これを長期展望に立てば、やはり農林省や科学技術庁や通産省等ともタイアップしながら、総合的な研究開発、それに基づく施設あるいはいろいろなものの導入の場合は、新しい分野からの助成その他の問題を考えていくということが必要な段階に来ておると思います。 これらの点について、技術的な問題は局長から、全体的な問題は政務次官からお答えを願っておきたいと思います。
○近藤(鉄)政府委員 先生御指摘ございましたように、施設園芸が野菜の供給の年間を通じての安定、また価格対策に非常に効果があったことは私たち認めるわけであります。したがいまして、当面はこういう状況でございますので、そういう施設関係に必要な石油等の確保については、農林水産省としても今後いろいろ努力をしてまいりたい、こういうふうに思います。 さらに、将来展望にわたって考えますと、いま先生御指摘ございましたように、省エネルギー化につきましては、いまも農林水産技術会議の局長が来ておりますけれども、技術的な問題についてもっと詰めて、何とかこの問題については実績を上げてまいりたい、こう思っております。ただ、超長期的展望に立ってまいりますと、もともと農林水産業というのは、太陽エネルギーを受けとめてそれをいかに使うかということが原点でございますから、石油で何かするということを将来にわたってどこまで続けられるか、補充的な方法として石油とかそういったいわゆる化石エネルギーに依存することは大事でありますけれども、長期的に見てできるだけ自然のエネルギーを、いま先生御指摘ございましたように太陽エネルギーとか地熱とかそういったものを漏れなく利用する形で、思い切った技術改革をしていく必要があるのじゃないかというふうに考えております。 なお、詳細につきましては局長より答弁いたさせます。
○森実政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のように、今日の国民の食生活に占める役割りから申しましても、農業生産の役割りから申しましても、施設園芸の果たしている役割りは非常に大きいと思います。従来八%くらいの年率で大体伸びてまいりましたが、今後はある程度消費の伸び悩みがありまして二、三%の伸び率に転じていくのではないか。しかし、やはり農業生産の非常な役割りあるいは国民生活での役割りを考えますと、これに必要なエネルギーの供給の確保と生産の合理化という問題には努めていかなければならないと思っております。 具体的には、当面の問題といたしましては、まず第一に、厳冬期を避けました作型の選定とか暖房機の点検整備などの技術指導を徹底する。第二に、既存施設につきましても、二重カーテンの利用とか平温管理施設の導入によって二割ないし三割の節約が可能なめどがついておりますので、制度金融を積極的に活用いたしましてこれを普及させたい。第三に、次の課題といたしましては、何と申しましてもエネルギー転換等の問題があるわけでございまして、太陽熱の地中蓄熱とか、もみがらの利用とか、あるいは地熱の利用といったようなことを頭に置きましたモデル団地の設置事業を現在進めておりますが、これを進め、次の段階においてこれを普及していくということを重点に置いて考えていきたいと思っております。
○川嶋政府委員 技術開発の点についてお答えいたします。 代替エネルギーの技術開発を初め、省エネルギーにつきましては、大変重要な問題でございますので、農林水産省といたしましても従来いろいろと研究をしてきたわけでございますが、何分にも先生御指摘のような太陽熱、地熱、風力、廃棄物、廃熱等、従来の集約的なエネルギーの利用じゃございませんで、いろいろ散らばっているエネルギーをきめ細かく利用していくということでございますので、国の研究ばかりではなく、都道府県、大学あるいは生産者等いろいろと各方面で研究を進めているわけでございます。 国の試験研究といたしましては、四十九年から五年間施設園芸の効率化そのものにつきまして研究をいたしました。それから五十三年からは自然エネルギー、いろいろな面についての代替エネルギーの研究を現在進めてございます。これにつきましては国はもちろん、各方面の協力をいただいておりますけれども、さらに各方面で研究しているものを総括的に推進をしていかなくちゃいけないということは御指摘のとおりでございますので、去る二月に、こういった方面につきまして関係の方々数百人にお集まりいただきまして、農林水産省が後援をいたしまして総括的な討議をいたしました。目下、総括的な調査を進めております。これを踏まえまして、六月ごろには関係者が技術的な面につきまして統一的なこれからの進め方について検討したいというように思っております。
○角屋委員 園芸施設共済についてさらに一、二点お伺いをしておきたいと思いますが、一つは、これは本格実施の法案の議論のときにもしたことでございますけれども、園芸施設共済内の農作物の取り扱い問題、これは付帯的に農作物も取り扱うという形で来ておりますけれども、将来展望の問題としてはこれでは不十分であって、やはりこれの取り扱いの問題は検討を進めながら改善措置を講じていくことが当然必要であるというふうに考えております。その点どうかということと、園芸施設共済の再保険方式というものについて問題はいろいろ指摘されておるわけでございまして、これも改正するための検討を開始していく必要がある。特に、去年あたりの災害の状況からまいりますと、園芸施設共済の異常事故の問題については国がめんどうを見ることになるわけですけれども、園芸施設共済の異常事故というのは本来は、法律的に言えば、農業災害補償法第百二十条の二十三第一項第二号に基づいて、施行規則では第三十三条の二十四に基づいて、実際に昭和五十四年二月二十八日に農林水産省告示第三百六十八号で具体的な内容が出されておるわけであります。たとえば暴風雨の場合に、最大瞬間風速六十一・二メートル毎秒、こういうことになっておりまして、昨年のような台風十六号、台風二十号というような災害の中で、たまたま高知県で一カ所該当というようなことでありまして、国がこういう異常事故についてめんどうを見ると言っておりましても、去年のようなああいう相当な災害の場合も、レアケースしか該当しないというのでは、実態に合わないと思うのであります。これらの問題についても、もう少し常識的な点まで改善をし、これは省令に基づいて大臣告示でやることでございますから、農林水産省の方では、まだ発足間もないのでもう少し状況を見てからなどという声が一部にあるようでありますけれども、改めるべき点については、やはり前向きに検討して改めていくということでやってもらいたい、こう思います。
○松浦(昭)政府委員 ただいま御指摘の園芸施設共済の三点の問題でございますが、まず第一点の施設内の農作物の扱いでございます。 施設内の農作物は、御案内のようにきわめてその種類も多様でございまして、価格、料率、損害評価と、いろいろ独自の共済制度として仕組むにはなかなかむずかしい問題があったことは事実でございます。しかしながら、本格実施に当たりましては、試験実施のときに比べ格段の充実を図ってきたつもりでございます。施設内の農作物につきましては、前は施設の価格の二五%ということで頭を打って決めておったわけでございますが、それも、作物の実態に即した形で補償内容を考えてまいりましたし、損害評価も分割してやれるように考えたわけでございます。このようなことで、本格実施に当たりましてはかなり改善を加えたつもりでございます。なお、今後、この施設内の農作物の取り扱いをどうするかということにつきましては、適確な補償内容にするという観点に立ちまして、引き続き調査を行っておりますので、その調査を踏まえまして今後の対処の方針を考えてみたいというふうに考えております。 第二点の再保険方式の問題でございますが、確かにこの再保険方式は、非常に特殊な再保険の方式を持っておるわけでございます。また、先生御指摘のように、台風の被害等によりましてかなりの被害が生じまして、一部の共済団体におきましては相当額の不足金を抱えているということも事実でございます。まだ、制度発足後間もないので、これだけで直ちに責任分担方式が不適当であるというように判断することは早いと思いますが、先ほどから何回か繰り返して御答弁申し上げておりますように、共済団体、国の責任分担方式につきましては再検討したいというふうに考えておりますので、その再検討の一環としてこの問題にも取り組んでみたいというように考えておる次第でございます。 最後に、異常事故の問題でございますが、異常事故につきましては、全国的にこれを分散しなければならぬということから、災害によりまして広範に及ぶような被害につきましては、一定基準の地震、風害あるいは風雪害につきまして、かなり厳しい条件ではございますが、異常被害というものを設定いたしまして、その事故は、掛金は全部国に上がってきて、責任は全部国が持つという方式にいたしておるわけでございます。このような、国が全額負担をするという形の共済金の支払いの体系でございますがゆえに、かなり限定した事故にいたしておるわけでございますが、この問題につきましても、今後の災害の発生の態様等を十分に見きわめまして、その対応を検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○角屋委員 大臣が出席をされましたので、大臣にお伺いをいたしたいと思います。 一つは、今月末に決定をされます畜産物の価格決定の問題は、さらに本委員会でもまた議論をすることになっておりまして、従来からも本委員会で熱心な議論が展開されてまいりました。大詰めでもありますし、家畜共済の改正問題も提案されているこの時期でありますので、この点について、大臣として生産農民の要請にこたえる、納得のいく価格の引き上げの回答を出してもらいたいというふうに考えますが、今日時点における基本的な考え方というものをお伺いしたいと思います。 さらにあわせてこの家畜共済あるいは農作物共済、あるいは園芸施設共済、新たなものが加わりまして、農業災害補償制度としては六つ勢ぞろい、任意共済は別にありますけれども……。そこで、農作物共済のポジションいかんということがやはり問題であります。ややもしますと、農作物共済について、最近の水田利用再編対策、減反問題と関連をして、農作物共済の価値判断を従来のポジションから軽く見ていこうという傾向も必ずしもなくはありません。しかし、言うまでもなく、わが国農業の中における米の地位というのは大変重要なポジションを占めておることは間違いないわけでありますし、農業災害補償制度の中でも農作物共済というのは、たとえば加入を考えてまいりましても強制加入ということはございますけれども、昭和五十三年度の際の全国の総組合四百四十万戸のうちで水稲に入っておる引き受け戸数というのは三百八十万戸あるわけでございますし、また昭和五十三年度末の連合会の通算の剰余金の合計を見てまいりますと、七百七十億程度でございますが、そのうちの約半分が農作物共済の剰余三百八十億で占めておるわけでありまして、他の半分の大部分は任意共済の建物共済が主軸ということで、やはり共済組合とそれから連合会のこの六つの柱の農業災害補償制度の全体の中で、農作物共済というものが共済運営上占めている位置というものは、歴史的にも長いし、また今日でもしっかりした土台の上に成り立っておるしということが基本でありまして、もちろん改善すべき点があれば改善をしていくということは当然考えていかなければなりませんけれども、やはり農作物共済がメーンをなしておるということを抜きにした議論というものは絶対に起こしてはいけないと思います。こういう問題について大臣の基本認識もお伺いしておきたいと考えております。
○武藤国務大臣 第一点は、今月中に決めなければならないことになっております畜産物価格の問題でございます。 先生御承知のとおり、法律に基づきまして生産条件あるいは需給の状態などを勘案しながら、しかし再生産を旨として、こう書いてあるわけでございます。いま御指摘がございましたように、農業者の生産意欲を阻害するようなことがあってはならないということは当然でございますけれども、一方、物によりましては需給状況が非常に緩やかになっておるものもあるわけでございまして、その辺がどこでどう落ちつけるかということがこれからの問題であろうと思いますが、いずれにいたしましても、いま畜産振興審議会においても各部会を設置していただきまして、御議論をいただいておるところでございまして、その御意見なども十分踏まえながら、何とかその法律の趣旨に基づいた適正な価格が決定できるように努力をしてまいりたいと思っております。 第二点は、農作物共済についての認識いかん、こういうことでございますけれども、これは歴史的に見ても、何としても農作物共済が農業共済制度の基本的なと申しますか、根幹的な役割りを果たしていることは、現在においても変わりはないと私は思っておるわけでありまして、そういう点については今後も認識を十分深めながら、稲転の問題、いろいろ出てくる問題はあろうと思いますけれども、そういう認識のもとに対処してまいりたいと考えておるわけでございます。
○角屋委員 時間があと五分ということになりましたので、まとめた形でお伺いをいたしまして、大臣から基本的な考え方、担当局長から補足の説明ということで結びにしていただきたいと思います。 一つは、先週来の議論でも出ておりましたし、私が冒頭にも申し上げましたように、わが国における農業災害補償制度は、国際的に見ても制度としては遜色がないというよりも、むしろ先行的な条件も相当すぐれた点もあるというふうに考えておりますが、ただ、わが国農業の実態に即して農業災害補償制度を今後どう前進をさせていくかという立場から見れば、冒頭にも申し上げましたように、いわゆる制度論としての加入の問題、あるいは支払い開始損害割合の問題、特に先ほども冒頭のときの答弁にもありましたように責任分担方式の問題、こういう問題をやはり総合的にもう一回彼此勘案をしてどうすべきかということを検討してもらいたい。その考え方で、なるほどそういうふうにしたらどうかという問題については、われわれもそれを取り上げていきたいというふうに思います。 それから、組織論の問題についてこの機会にお伺いをしておきたいわけですが、御案内のとおり、この連合会の下の共済事業をやる組織のところは、従来は農業共済組合が戦後スタート以来やってまいりましたのに加えて、昭和三十二年の段階で市町村への移譲による特例が認められる。それに基づいてスタートをいたしまして、そしてそういうことに基づいて、現実にいまの段階になりますと、昭和五十三年の段階では市町村営が千百七十七、市町村の区域を超える農業共済組合の分が二百二十三、上記以外の組合の分が九百四十一ということで、市町村営千百七十七に対して、農業共済組合の広域合併あるいは市町村単位のところが千百六十四と、フィフティー・フィフティーの段階に来ておるわけであります。しかも、県別に見ますと、市町村営の多い県、組合数のうちの七〇%以上が市町村公営であるというところが、群馬、神奈川、福井、長野、愛知、滋賀、京都、兵庫、和歌山、岡山、大分、こういう関係県でありますし、反面、組合営の多い県として、組合等数の九〇%以上が組合である県を見ますと、北海道、秋田、山形、福島、埼玉、千葉、山梨、石川、奈良、香川、愛媛、佐賀、宮崎と、要するに、第一線の段階の農業共済組合等というところは市町村で大半を占めておるような県と、農業共済組合で大半を占めておる県、その中間にあるところという形に組織論的にはなっておるわけであります。 そういう形の中で、この市町村営あるいは農業共済組合としての共済の運営、これは長短があるわけでございますけれども、この長短について、やはり組織論としてこの機会に彼此検討しながら、よき点は伸ばし悪き点は是正をするということでなければ、たくさん共済事業がふえる中における第一線の共済事業というのは円滑に推進されないという段階を迎えておると思います。 それで、共済組合については合併をやっていく、それから市町村の公営については一部事務組合等を推進するという形でやろうとしておりますが、それだけの問題じゃない。組織論の基本としてどう考えていくかということも含めながら、これからの共済事業の運営を考えていく段階に来ていると思います。たとえば、農業共済組合の場合は、この道わが職業と考えて在職年数も長いけれども、市町村の方は腰かけ的に数年程度で転々としてかわっていくという事態もあるし、いろいろな問題があるわけでありまして、そういう組織論としての問題を考えながら、これからの第一線の共済事業の運営をどう考えていくのかという点についてもお答えを願っておきたいと思います。 時間が参りましたので、組織論の質問で終わらせていただきます。
○武藤国務大臣 共済事業の種類がいろいろ出そろったところでございまして、何とか横並びでひとつ統一をしたらどうかという御指摘が……(角屋委員「統一でない」と呼ぶ)まあ統一というか横並びで同じようにしろと、こういうようなことでございますが、なかなか歴史的に、これは先ほど来御議論いただいておりますようにそれぞれ年月も違うわけでございますので、なかなかいま同じような条件にすぐそろえるということは、正直大変むずかしい問題もあろうかと思うのでございますが、たとえば、私どもとしては、責任分担方式などについてはできるだけ早く横並びでいった方がいいのではないかと考えておるわけでございまして、できるだけ、そういう点では今後十分前向きで検討を進めてまいりたいと思っております。 それから、いま一つは、その組織論として市町村営でやっているもの、組合でやっているもの、いろいろあるではないか、これは地域の実情でそれぞれそういう形で出てきたと思いますけれども、私どもといたしましては、できる限りやはり組合が中心でやっていただくのが今後望ましい姿ではなかろうかと思っておりまして、できるだけ市町村のものにつきましてはその組合の広域化を図っていきながら、その中で市町村でやっていただいているものをなるべく吸収ができれば大変いいのではないか、こういう考え方に立っておるわけでございます。
○松浦(昭)政府委員 補足して若干御説明を申し上げますが、まず第一点の、共済事業の種類がいろいろ出そろったのでこれを総合的に検討してみたらどうかという御指摘でございますが、この点につきましては、もう大臣が御答弁申し上げたとおりでございます。特に責任分担の問題につきましては、国、それから連合会、組合等との間をどう責任を持たせるかということにつきましては、できるだけ早くひとつ総合的に検討いたしまして、類似点あるいは相違点いろいろあろうと思いますが、そこを検討いたしまして、適切な責任分担方式を確立したいというふうに考えております。 それから、市町村に移譲した組合と、それから組合の運営をどう組織論として考えていくかということでございますが、これはただいま大臣から御答弁申し上げましたとおり、われわれとしてもやはり組合で運営するということが最も適切な運営の方法であるというふうに考えておるわけでございます。特に市町村に移譲いたしましたところは、規模が零細であるとかあるいは都市化したところとか、まあ特殊な例がいろいろございますけれども、やはり先生御指摘のようにそのような条件が悪いということの上に立ちまして、やはり職員が勤続年数三年未満というような状態でくるくるかわる、あるいは本当に事業を効率的にやろうあるいは意欲的にやろうという積極性がなかなか見られないといったようないろいろな問題がございます。 そこで、一つは、私どもといたしましては、やはり新規採用の人に対する研修あるいは中堅職員の養成等を通じまして、市町村の職員にもやはり共済の使命感というものを持ってもらうということが必要ではないかというふうに考えまして、今後このような研修事業には力を入れてまいりたいというふうに考えますと同時に、やはり市町村営でございましても、将来の面で組合の中に取り込めるものがあればそれはできるだけ取り込んでいくという考え方で、特に広域合併をいたしてまいります際には、その中に市町村営のものがありました際にはそれを取り込んで大きな組合にしていくという考え方、あるいは一部事務組合をつくりまして、市町村同士の間で事業の内容としては拡充し、また規模を拡大していくといったようなことを通じまして、市町村営の状況でいろいろな不備な点がある面を是正していくということを考えておりまして、基本的には先ほど大臣から御答弁申し上げたとおりの方針でいきたいというふうに考えておる次第でございます。
○角屋委員 以上で終わります。 ありがとうございました。
○内海委員長 神田厚君。
○神田委員 農業災害補償法の一部を改正する法律案につきまして御質問を申し上げます。 最初に、果樹共済制度の問題につきまして御質問申し上げますが、御案内のように、この果樹共済加入率が非常に低いということが一つの大きな問題点でありまして、今回の本制度の改正に当たりまして、加入を促進する、もっと多くの人に加入をしていただくことが大変大きな大前提になっているわけでありますが、そういう意味におきましては、今度の改正において加入促進という面につきましてはどういうことが主に配慮されているのか、あるいはこの改正によりまして全体の制度の運営を適正にしていくためにはどの程度の加入率を見込んでおられるか、その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。
○武藤国務大臣 今回の改正に当たりましては、先ほども御答弁を申し上げましたけれども、わりあいに加入の少ない果樹農家に積極的に入っていただくようにしていきたいということを特に中心として改正を考えたわけでございますが、果樹農家の危険感が高い特定の危険のみを共済事故とすることができるよう、共済事故の選択制の拡大を考えておるのが第一点でございます。それから第二点は、果実の単位当たりの価額を実態に近づけるため、実態に即して一層きめ細かく設定をする。第三番目は、共済掛金率を農家の被害発生の実態に近づけるため料金割引制度を導入する。第四番目が、全相殺方式については支払い開始損害割合を三割から二割に引き下げる。それから樹体共済については、規模の大きな農家についても損害が生じた場合に共済金が支払われる機会が多くなるように共済金支払い方式を改める。それから、これは実験的なものでございますが、六番目に、災害により収穫量が減少した農家について収入額の減少額に応じて共済金を支払う災害収入共済方式を取り入れる。 次に、もう一点の御質問は、今回の改正におきましてそれではどれだけ加入増加が見込まれるかということでございますけれども、私どもといたしましては、長期的には結果樹面積の少なくとも過半数の加入が得られることが望ましいと考えておりまして、できるだけそれを目標にして加入推進に努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○神田委員 加入の問題は、その中で特に集団加入をどういうふうに促進をしていくかというのが、果樹共済の加入促進のポイントだというふうに言われているわけでありますが、集団加入の促進というのはなかなかむずかしい面をたくさん持っているわけであります。具体的にどういう形でこれを促進していくのか、そしてまた、全体の加入の中で集団加入というのはどの程度を見込んでおられるのか、その辺はどうでございますか。
○松浦(昭)政府委員 集団加入によりまして加入率を高めまして、果樹共済事業の経営の効率化、安定化を図ることが重要なことは先生御指摘のとおりでございます。私ども考えておりますのは、果樹共済と密接な関係がございます出荷団体、これを取りまとめに当たる集団ということで考えまして、そこで加入の推進を図っていただいてはいかがかという考え方を持っております。 具体的に申しますと、これは昭和五十六年度の予算編成で検討しなければならぬ課題でございますが、その場合の措置といたしまして、たとえば一定数のあるいは一定割合以上の加入を取りまとめた出荷団体に対しまして奨励金を交付するという形で、集団的な加入を進めてまいるということを考えたいと思っております。この奨励措置を講ずることによってどの程度まで加入が見込めるかということは、むずかしい問題でございまして、数字的にこれをはっきり申し上げることは現在の段階ではなかなかむずかしいわけでございますが、従来から農業共済団体と果樹団体とはかなり協力関係のできている地域もございますので、そういう地域を中核にしまして、その周辺地域についてもやはり協力体制の整備を進めていくというようなことで進めてまいりたいというふうに考えております。そのほか、先ほどから大臣、御答弁申し上げましたようないろいろな加入促進の対策を講ずることによりまして、最終的には半数程度の農家の加入を得たいというのが私どもの気持ちでございます。
○神田委員 また、もう一点は、共済掛金率の問題で、農家の負担を軽減さしていくという点からは、国の負担割合を増していかなければならないという考え方があるわけでありますが、こういう問題につきましてはどういうふうにお考えでございますか。
○松浦(昭)政府委員 国庫負担の関係につきましては、今回も家畜共済につきましては一部国庫負担の引き上げを図ったわけでございますが、果樹共済について申し上げますと、現在は一律五割の国庫負担になっておるわけでございます。これは農作あるいは蚕繭あるいは畑作共済に比べまして若干率が劣っておるわけでございますが、やはり国庫負担というものを考えます場合には、それぞれの共済制度の中におきますところの国庫負担のあり方というものを基本的に考えてまいらなければならないわけでございまして、その一つのメルクマールは何かと申しますと、やはりその制度が当然加入の制度をとっているか、あるいは任意加入の制度をとっているかということが一つの違いになろうかと思います。強制加入につきましては、農作物共済あるいは蚕繭共済といったようなものがございまして、やはり農家負担の平準化を図るということが一つの大きな国庫負担の意義ということになっておりますので、この面から負担割合に差をつけるという制度をとっておりますが、任意加入の場合には、むしろそのようなことよりも、一律的な国庫負担をして、それでいろいろな工夫をこらし、そこの中で魅力ある共済ということで加入を促進していくという体制をとっておるわけでございます。 それからまた、国庫負担の水準でございますけれども、これも、その作物の政策的な重要性であるとか、あるいは被害の態様あるいは収益性といったような点が一つのメルクマールになるというふうに考えられます。果樹共済につきまして従来五割の国庫負担ということにいたしておりますが、これはやはり果樹経営農家というのは、一般的に他の作物に比較いたしまして収益性が高いということも考えまして、一律五割ということにいたしておりまして、確かに国庫負担の問題というのは非常に重要な問題でございますが、果樹につきましては、相当に従来までも考え抜きまして、一律五割ということでかなりの高率の国庫負担をつけているというふうに考えている次第でございます。
○神田委員 共済掛金が非常に問題になってまいりまして、農家負担を軽減していくという意味からは、どうしても将来やはり国庫負担の増加を求めていかなければならない、こういう傾向にあるというふうに考えておりまして、そういう点で考えていただければというふうに要望しておく次第でございます。 次に、共済事故の選択制の拡大ということで、今回特定被害についてひょう害が一つの共済対象ということになりました。この考え方はいろいろあるかと思うのでありますが、これらの問題につきましても、あるいは凍霜害、干寒害、こういう問題につきましても、特定被害の共済の対象にしてほしいという要望が非常に強いわけでありますが、これらの問題につきましてはどんなふうにお考えでございますか。
○松浦(昭)政府委員 この御要望につきましては、私どももいろいろと研究をしてみたわけでございますが、ひょう害、それから従来ございました暴風雨、これにつきましては特定危険ということで分割した形で被害を把握できるということから、われわれとしては実施に踏み切る方向になったわけでございます。特に凍霜害と干寒害でございますけれども、これは果樹共済におきましては、その対象とする作物が何分にも永年作物であるという特殊性を持っておるわけでございまして、したがいまして、ある被害が起こりました場合に、その被害が果実そのものに及ぶということはもちろんのこと、樹体に被害が起こりまして、その樹体に被害が起こった結果、収穫量に影響が起こるという連続的ないわば危険というものがあるということがこの果樹共済の特殊性でございます。したがいまして、先ほど申しましたようなひょう害とかあるいは暴風雨の害の場合には、これは果実そのものの被害というものを分割して評価ができるという特殊性がございますので、これを特定危険ということにいたしたわけでございますが、先ほど先生御指摘の凍霜害あるいは干寒害につきましては、これはやはり着果以前の樹体の被害というものが将来の果実に及ぼす被害ということで、その分が分割して評価することがきわめて技術的に困難でございますので、技術的な困難が解消されません限り、なかなか共済事故の選択制ということにはなじみにくい、そういう被害ではないかと考えておりまして、今後とも研究課題といたすということはこの間から申し上げているとおりでございますが、これはなかなかむずかしい分割の問題があるということを御了承いただきたいと思うのでございます。
○神田委員 さらに、これは病虫害による減収等の事故除外について、この事故除外方式を早く実現してくれというふうに大変要望が強いわけでありますが、これらの問題につきましては、この事故除外方式の早期実現についてはどういうふうなお考えをお持ちでありますか。
○松浦(昭)政府委員 この分野につきましては、胸を張って御答弁ができる分野でございまして、病虫害の事故除外方式につきましては、特に技術の高い農家がこれを除外して掛金率の安い共済に入りたいという気持ちを持っておることは、私どもよく承知しております。病虫害による果実の損害を除外して損害評価ができれば、この事故除外方式は成り立つわけでございまして、これは病虫害の分割減収推定尺度というものが整備できればできるわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、昭和五十一度から主産地に委託いたしまして尺度の作成のための調査を実施しておりますので、この尺度をできるだけ早く整備いたしまして実施に移りたいと考えております。
○神田委員 次に、この制度の一つの特徴は、共済掛金率の割引制度を導入したことでございますが、これは本来無事戻し等でやるべきだというふうな考え方もあるわけでありまして、割引制度を導入したことによりまして両方の考え方がこの制度の中に入ってしまっているわけでありますが、将来的にはどちらを主体とした形でこれを進めていくのか、その辺のところはどういうふうにお考えでございますか。
○松浦(昭)政府委員 今回無事故割引制度を導入したわけでございますが、これは、果樹につきましては御案内のように連年の災害でございまして、そのために各連合会に剰余金がほとんどない、組合にも剰余金がないという状態でございまして、いわゆる無事戻しができないという状態にございました。このために、料率をできるだけ実態に近づけていくというためには、無事戻しの方式がとれなかったために無事故の割引制度という料率の調整方式をとったわけでございます。 ただ、この両制度を考えてみますと、無事戻し制度の方でございますが、これはいわば料率水準の事後調整という形で、被害の発生の態様に応じまして事後的に剰余金を分けていくというかっこうで料率の調整をしていくという考え方でございますが、一方の料率の割引制度というのは、いわば料率の個別化という、事前調整と申しますか、そういう形で対応していくということでございまして、両者はおのおの目的も異なり、また性格も異なっているということから——必ずしも両立し得ないという制度ではないと考えるわけでございます。しかしながら、この間から御答弁申し上げておりますように、この無事故の場合におけるいわゆる料率を通じての調整でございますところの無事故割引制度につきましては、これは一挙に大幅の料率調整をやるということは、農家の段階で受け入れにつきましていろいろ問題も起ころうかという感じがいたしますので、この点につきましては十分慎重に行っていきたいと考えておりますと同時に、また、現実に、組合等につきましては、果樹につきましてもなお連合会に剰余金があるところもございます。それからまた、将来剰余金が生ずるということも考えられますので、その際におきましては、組合等の意向も十分尊重いたしまして、その意見も聞いた上で、両方の制度をいかに組み合わせるかということを考えてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○神田委員 次に、果樹共済における事業の責任分担の拡大がされているわけでありますが、本来この果樹共済にかかわる連合会等が、事業不足金あるいは組合に対する支払い不能、こういう状況がありまして、必ずしもその引き受け団体が、組合等が健全な財政的な状況でない、こういうふうに聞いているわけでありますが、現状として、全体的な中でこれらの組合等の財務的な問題、こういうものはどういうふうになっておりますか。
○松浦(昭)政府委員 昭和四十八年度引き受けから昭和五十二年度の引き受けの五カ年間の組合等の実収支実績を見てみますと、収入共済におきましては、果樹ごとの引き受け延べ千百五組合等のうちで、収支相当の組合数が二百九十二、それから剰余のある組合等数が四百八十八、剰余金額は全部で七千三百万円、赤字の組合数が三百二十五、不足額一億九千百億円となっております。また、樹体共済では、樹種ごとの引き受け延べ二百六十八組合等のうちで、収支相当の組合数が二十一、剰余のある組合等数は二百三、剰余額が二千万円、赤字の組合等数が四十四、不足額五百万円となっております。 なお、同期間における組合等の削減の状況を見てみますると、収穫共済では総支払い共済金のうちで、組合等の責任部分、これは一割でございますが、約三十九億円でございますけれども、このうち約二十四億円が削減の対象になったと判断しております。また、樹体共済では、総支払い共済金のうちで組合等の責任部分が約一億円でありますが、そのうち六千二百万円が削減をしたと考えております。
○神田委員 そうしますと、これはかなりの組合が非常に削減したりあるいは支払い不能だったりするような状況になっているわけですね。したがいまして、そういう状況であるにもかかわらず、今度手持ち責任を一割から二割に拡大するという方針を打ち出してきていることは、組合等に対しましてなお一層困難な状況をつくっていくのではないかと思われるわけでありますが、その辺はどういうふうに解決していくのか。
○松浦(昭)政府委員 確かに先生御指摘のように、末端の組合等におきましては削減をせざるを得ないというような状態に立ち至っておりまして、現状のもとにおきましてはなかなかその手持ち責任をふやせないという状態が事実であると私ども判定いたしております。したがいまして、もちろん今後われわれといたしましては事業責任分担も考えてまいらなければならないということは先ほどから申し上げているとおりでございますし、また同時に、組合の加入そのものを促進いたしまして、安全なまた安定した経営の状態をつくっていくということに努力をいたしたいと思っておりますが、なお現行制度のもとにおきましても、一割の歩合責任の状態を二割まで拡大する道を開いたということにいたしたわけでございますが、これは多くの組合を見ますると、客観的には、先ほど先生御指摘のような不足金の状態でございますけれども、しかしながら、やはり広域組合等につきましてはかなり健全な事業を行っているところもございまして、被害率も比較的低い組合もございます。かような組合につきましては、運営の意欲を増進させるということから、組合の手持ち責任を多くするということが必要であろうかと考えておりまして、さような観点から、このような健全な組合、保険収支が安定し、かつ被害率が低いという組合、特に広域合併組合といったものをねらいまして、このような手持ち責任の拡大を図ってまいりたいと考えている次第でございます。
○神田委員 これはきちんとうまく制度が動くためには、先ほどの局長の答弁のように、広域合併なりあるいは組合の体質の強化なりということが不可欠の条件になってくるわけでありますから、それらの行政指導等もあわせてやっていかなければならない大事な問題になるわけです。ですから、その辺のところはひとつよろしく指導していただきたい、こういうふうに考えます。 さて、農業災害の今度の改正は、五十三年四月に農業災害補償法及び農業共済基金法の一部を改正する法律案というのをわれわれ審議をしまして、これを通したわけでありますが、そのときに多くの附帯決議が付されておりました。その附帯決議の大体のものが今度の改正の中の精神として取り入れられ、あるいは具体的な条項として入っているわけでありますが、ただ、そのときの附帯決議の第一項の問題、畑作物の共済対象作物の問題につきましては、どうもまだ全部が受け入れられていないような状況があるわけであります。「特に、現在調査中の露地野菜、茶、ホップ、たばこ、イ草等の農作物については本制度の早期適用を図るとともに飼料作物、そば、なたね及び果菜類等の転作裏作奨励作物についても調査対象とする」というようなことでの附帯決議を付しているわけでありますが、この点に関しましては、現在どういうふうに調査をされておるか、あるいはそれらについての考え方、これをちょっとお聞かせいただきたい。
○松浦(昭)政府委員 畑作共済の対象作物を拡大してほしいという御要望は非常に強いものがございますし、また、先般の衆議院の附帯決議におきましてもこの点が強く強調されておりますところは、私どもも十分承知いたしておる次第でございます。 この御趣旨に沿いまして、私どもといたしましては、まず、地域特産物につきましては、茶、ホップにつきまして昭和五十一年度から試験調査を実施しております。それからイグサとたばこにつきましては、被害状況の調査をそれぞれ主産地につきまして行っております。ただ、たばこにつきましては、先ほどちょっと触れましたけれども、全国たばこ耕作組合中央会がたばこ専売法による災害補償制度を樹立するということを決議しておりますので、農林水産省といたしましては五十五年度以降一応この調査を中止しております。 なお、露地野菜でございますが、露地野菜につきましては、キャベツ、レタス、白菜につきまして五十二年から、スイカにつきましては五十四年から、保険設計に必要なデータを収集するための調査を主産県におきまして実施いたしております。また、昭和五十五年からは土物類につきましてもこれを追加する予定でございます。 さらに、その他作物につきましては、飼料作物、牧草、青刈りのトウモロコシ、なたね、ソバ、落花生及びカンショにつきまして、昭和五十三年度から保険需要等の調査を主産県において着手したところでございます。 このように、各作目につきまして、各段階に応じましていろいろな調査を実施し始めておるわけでございますが、先ほども御答弁いたしましたように、ホップにつきましては、五十六年度から畑作共済の対象とすることを目途に鋭意検討をいたして、最終段階の詰めを行っておりますし、茶につきましても、早急に問題点の整理をして、できるだけ早期に結論を出したいというふうに考えておる次第でございます。
○神田委員 続いて、もう一方の柱であります蚕繭共済につきまして二、三、御質問申し上げます。 蚕繭共済の問題につきましても、この改正でかなり進んだ面がありますが、ここで問題になりますのは、基準収繭量の定め方をどういうふうにするのかという問題と、また、共済金額の算定に使用する繭価についての運用上の改善という問題が出されておりますが、この点をどういうふうにするのか、この二点をひとつ。
○松浦(昭)政府委員 まず、基準収繭量から御答弁申し上げますが、基準収繭量は、御案内のように、今回箱建て制を改めまして収繭量建てに改めましたことから申しまして、今回の改正がうまくいくかどうかということも、この基準収繭量が適正に設定できるかどうかということにかかっていると言っても過言ではないわけでございまして、まことに時宜を得た御指摘であるというふうに思います そこで、基準収繭量の設定についてどう考えているかということでございますが、なるべく実態に近づけた、農家の収繭量の実態を反映した基準収繭量を設定しなければならぬわけでございまして、このために、まず、末端の農家段階でございますが、共済目的の種類ごと及び農家ごとに、前年産の基準収繭量、申告された基準収繭量、それから組合等が調査した収雨量等を参酌いたしまして、基準収繭量を設定したいというふうに考えております。 ただ、この場合に、全国的な調整をやらざるを得ませんので、組合等につきましては、単位当たり収繭量の平均値が知事の通知しました単位当たり収繭量に合致するように、所要の範囲内におさまるように、組合等で調整をしていただくということになります。それから、都道府県知事は、農林大臣から共済目的の種類ごとに通知された単位当たり収繭量に一致するように、農林統計の市町村別の収繭量を基礎に、共済目的の種類ごと及び組合等ごとに配分して県段階の調整をやって組合に通知していただくということにいたしております。それから、農林水産大臣は、農林水産統計に基づきまして、同じように県単位の収繭量を設定しましてこれを通知する。このような二段階でうまく調整をいたしまして、しかも、末端の段階で実態に即応したような基準収繭量を定めていきたいというふうに考えておりますが、特に私どもとしましては、農協等の協力も得まして、農家ごとの過去の出荷量に関する資料を十分活用しまして、正しい収繭量を設定したいというふうに考えておる次第でございます。 それから、繭価の問題でございますが、従来の単位当たり共済金額の算定は、過去の実勢繭価、これは協定繭価でございますけれども、その五年のうちの三年平均の価格を基礎にいたしまして、これが前年の最低繭価を下回る場合には最低繭価を基礎とするということでやってまいりました。ところが、最近の繭価は年々上昇いたしておりまして、五中三の平均価格でとりましては、繭価の上昇になかなか対応できないというのが実態でございます。このような点から農家の御不満もあろうかというふうに考えております。そのために、近年は実際上前年の最低繭価を採用するということが常態になってしまっておるわけでございますけれども、なおこれでも低いという状態でございます。 したがいまして、今次改正を機会に、共済金額につきましてもできるだけ実勢繭価が反映できるように共済金額が設定できるように、工夫検討をこらしてみたいというふうに考えている次第でございます。
○神田委員 時間が来ましたので、最後に大臣にお伺いします。 これは例年要望されているのですが、共済団体職員の待遇の改善の問題さらには損害評価員等の手当の問題で、もう少し何とかしてくれという話がございます。これから農業災害補償法は制度としてかなり改正もされ、また、これらの実効を期すためには、それらに携わる人の問題を考えていかなければなりません。そういう面で、ひとつこれらの要望についてどういうふうにお考えでございますか。
○武藤国務大臣 こういう仕事に携わっていただける方々に十分その仕事に没頭していただけるように、待遇をよくしていかなければならないことは当然だと私は考えております。 従来もそういう点で改善をしてきたと私は承知をいたしておりますが、五十四年の十月以降につきましては一号俸たしか上げたはずでございますけれども、今度の五十五年度予算におきましても、社会保険料というものをぜひひとつ国で持つように、こういうことでいまの予算要求の中に入っておるわけでございます。来月予算が通ればそれが実行できる、こういうことになろうと思いますし、また、農業共済組合、また市町村の損害評価員でございますけれども、これにつきましても一〇%の引き上げを要求しておるわけでございまして、これも予算が通ればそれが実現する、こういうことになるわけでございます。いずれにしても、今後とも、先ほど申し上げましたように、できるだけこういう点においては改善をしていかなければならない、今後もその努力をしていきたい、こう考えておるわけでございます。
○神田委員 終わります。
○内海委員長 稲富稜人君。
○稲富委員 私は、実は大臣に御質問したいと思いますけれども、便宜上事務的な問題その他に対して答弁なさる場合は政府委員でも結構でありますから、大臣のかわりで答弁するつもりでひとつ御答弁を願いたい、かように考えます。 最初に私がお尋ねいたしますことは、果樹共済に対しまして、果樹栽培農家の加入がなかなかふえないということが現状であります。まず、その原因がどこにあるということを政府としてはお考えになっておるか、その点承りたいと思うのでございます。
○松浦(昭)政府委員 果樹共済につきましては、残念ながら現在の加入率が二六%程度、樹体共済については七・七%程度でございまして、先生御指摘のように、十分な加入が確保できていない状態でございます。 この原因につきましては、一つは果樹共済が発足いたしましてなお日が浅いということもございまして、果樹共済のメリットなりあるいはその仕組みなりが農家に必ずしも十分に理解されていないという点にもあろうかと思いますけれども、一方におきまして、果樹共済の仕組み、内容が果樹農家の保険の需要と申しますかそれに即応していないという点があろうかと思います。さような点を是正いたしますために、今回果樹共済の改正をお願いしているという次第でございます。
○稲富委員 年限がまだ短いからということは理由にならない。これを実施してもう七年か八年になるでしょう。努力が足らなかった、こういう点が私は事実だと思うのですよ。そういうことから今回は新しく取り組んで、農民が魅力を持つような果樹共済にしたいというのが大体本意じゃないか、私はかように考えておるわけでございます。 それで、その計画の一端として今回新しく集団加入の問題を考えられておるということでございますが、これに対する内容を、どういう計画であるか、この際承りたいと思うのでございます。
○松浦(昭)政府委員 果樹共済の加入率を高めますために、一つの大きな目玉といたしまして、私どもも集団加入の奨励をしたいというふうに考えております。これは、従来から共済団体と非常に密接な関係がございます果樹の生産出荷団体でございますが、特にその中の出荷団体にお願いをいたしまして、集団加入を取りまとめていただくということをやっていただきたいというふうに考えております。これにつきましてはやはり予算措置が必要であると考えておりまして、具体的には五十五年度ではなくて五十六年度予算でその内容を決めたいというふうに考えておりますが、この場合の措置として、たとえば一定数及び一定割合以上の加入の取りまとめを行われました出荷団体等に対しまして奨励金を交付するというような方法によりまして、これを具体化するということを考えている次第でございます。
○稲富委員 それで、集団加入で非常に問題になりますのは、その基準をどこに持っていくかということなんです。自分が住んでいる町村と別な町村で栽培している。はなはだしいのは他県に栽培しているというような実態があるのです。こういう基準をどこに持っていくかということが非常に大きな問題である。 さらに、ただいまお話のありましたように、出荷団体との関係を持っていくんだ、これは当然だと思うのです。しかし、出荷団体との関係を持つために、果樹共済が任意共済であるにもかかわらずいかにも強制されたような、強制加入のような弊害が生ずるおそれがまたありゃせぬかということも考えるので、この出荷団体の協力を得る上においては、その点の配慮というものはやはり相当やらなければいけないのじゃないか。いわゆる地域に対する基準の問題、強制加入であるという考えを持たないような方法、こういうことに対しても必要があるのじゃないかと思うのでございますが、これに対してどうお考えになっていますか。
○松浦(昭)政府委員 確かに、加入の奨励をいたします場合に、出荷団体を利用いたしました際には、それが場合によっては強制的な要素を持つということは懸念されるところでございまして、ある意味ではこれがもろ刃のやいばになるということは私ども十分に考えております。したがいまして、出荷団体を使いまして加入の奨励をいたします際にも、あくまでも農家の自主的な意思というものは尊重していくべきであるということでございまして、その点は私どもも十分に留意をいたしまして指導してまいりたいというふうに考える次第でございます。 なお、ただいま先生遠隔地にある引き受けのことにお触れになりましたが、確かに九州等におきましては出作入り作の関係がございまして、極端な場合は他県で栽培をしているという農家もあることはよく私ども承知しております。これは先生も元連合会長をなすっておられましたので一番よく御存じだと思いますけれども、共済の加入は御案内のように属人主義をとっておりまして、他の組合等の区域で栽培している場合にも、農家が住所を有している区域の組合に加入するということになっております。一般的には遠隔地で栽培しているものにつきましては引き受けの除外をしているわけでございますけれども、しかし、遠隔地でも組合等の区域内で相当数の農家が集団的に栽培をしているといったような場合には、ケース、ケースに応じまして私どもとしてもできるだけ引き受けるように指導してまいりたいというふうに考えております。
○稲富委員 私、時間がありませんので、できるだけ簡略に質問をしながら、いろいろ聞きたいことはありますけれども余り重複しないようにして先に進んでいきたいと思いますが、ただいま申しましたような問題は、将来運営上非常に重大な問題でございますから、十分その点を考えながらこの実施に際してはやっていただきたいということを、私はその実務に関係しておったという関係で、具体的な問題について希望を申し上げるわけでございます。 さらに、次にお尋ねいたしますことは、現在柑橘モザイク病というものが苗木に発生をいたしております。この問題を放任いたしておりますと、ひいてはミカンの発展に非常な影響を来すという問題を生ずるわけでございます。このモザイク病に対するいわゆるウイルス菌の存在、こういう問題はミカンに病気を起こし、ひいては果樹共済に影響を来す、こういう問題も起こってくると思いますので、当然、私は未然にこれを防ぐということを考える必要がある、かように考えるわけでございますが、これに対してはどういうような考え方を持っていらっしゃるか、その点を承りたいと思うのでございます。
○二瓶政府委員 柑橘モザイク病の防除対策の関係でございますが、この病気につきましては、本年の二月に調査を全国的に行いました。全国で約三十二万本ほど導入されておるということでございます。そこで、これの防除対策といたしまして昨日付をもちまして局長の指導通達を発出をいたしております。 この内容といたしましては、ウイルス検定を行うまで宮本早生温州の苗木を移動しないこと、それからウイルス検定によりまして保毒が確認された場合には、苗木の焼却なり土壌の廃棄等適切な措置をとること、それから第三点として、今後採穂樹等のウイルス検定等を行いまして無毒苗木の生産に努めること、それから第四点といたしまして、関係府県におきまして関係者が協力して指導に当たる体制を整備することというようなことを中身として、一応指導通達を出したわけでございます。 なお、ウイルス検定に必要な抗血清、これにつきましては、試験研究機関におきまして開発が進められておりまして、すでにその一部は関係府県に配付されておるわけでございます。ただ、今後行政的にこういう検定というものを推進する必要がさらにあろうかと思いますので、この抗血清の作製を全国段階で一括して行うための事業を五十五年度から開始をしたいということで、所要の施設整備等の助成措置も講ずるようにいたしておるわけでございます。
○稲富委員 実はこの問題は非常にうるさい問題でございまして、苗木にそのウイルスが発生しておる、外見にはわからない、これはやはり試験しなくちゃいけない。これを一本一本試験するというてもむずかしいと思う。これをどう具体的にするか。しかも、この問題はいま発生したのじゃなくして、一番もとは和歌山県に発生した。それが知らず知らずのうちに全国的に蔓延している。これは焼却処分しなければいけないという問題、さらに、これは土壌伝染するということも御承知だと思う。そうすると、土壌まで焼却しなければいけないという問題が起こってくる。これを放任いたしておきますと、ミカンにモザイク病が発生して、できたミカンというものが共済の対象になるという問題になってくるわけなんです。それで、これはもう今日すぐ当たらなければいけない、焼却しなければいけない、こういう具体的な問題を控えているわけです。しかも、表面にあらわれない。種苗を持っておるものはどう処理するかという問題になるわけです。全体を焼却処分にするのか、あるいは何十万本とあるものを一本一本ウイルスの検査をすることができるのであるか、一本一本できないとするならば全部まとめて焼却するのか、こういう具体的な問題をやらなければ、将来、これがミカンの生産に非常な支障を来すという大きな問題を起こすわけなので、これを未然に防除するためには、今日からこのモザイク病に対する対策というものを具体的にしかも積極的にやる必要があると私は思うのです。 であるがゆえに、この問題は非常に急を要する問題であるから、ただ一つの書類によって、これはどうすべきであるとか、こういうようなことを通達するような問題ではない。もっと実態というものを深く検討しながら、対策の遺憾なきを期するようなことが必要であると思います。 これに対して具体的にどういう計画をなさるつもりであるか、また、これがどういうような状態であるか、みんな心配しておりますように、これが発生したる苗木というものは、本当にウイルスが発生しているかどうかわかるのかわからぬのであるか、本当にこれは土壌伝染でどんどん伝わっていくのであるか、こういうことに対する研究はおたくの方でもできていると思いますが、こういうことに対する調査をされた結果を承りたい、こう考えます。
○二瓶政府委員 ただいま先生からお話がございましたように、この柑橘モザイク病の防策対策というのは、非常に重要な問題であると私どもの方も認識しております。 ただ問題は、この柑橘モザイク病はウイルスによって発生するわけでございますが、これは目で見てもなかなかわからぬという非常に厄介なものでございますし、さらに、これはいずれ木が植わりまして大きくなりましてからトラミカンが出る。ところが、これも気象条件その他によって保毒の度合いが少なければ出ない場合もあるとかいう非常に厄介なものでございます。 そういう意味で、私たちの方も、昨日とりあえず、一応全国的な調査をやりました結果を踏まえて指導通達を出したわけでございますが、指導通達を出しただけで事足りるという意識は持っておりません。ただ、試験研究の面等でさらにまた詰めるべき問題もございますので、そういう研究機関の方との連携も深めながら行政対応をしていきたい。決して、通達を出したからそれで十分という意識は持っておりません。今後も前向きに取り組んでいきたい、こう思っております。
○稲富委員 この問題は、ひとつ大臣に十分考えていただきたい。 これは以前、和歌山県に発生しておったのです。それを放任しておったために、それを拠点にして全国に広まっておるという状態にあるのです。これをこのまま放任しておったならば、日本の柑橘類に及ぼすところが非常に大きいと思いますので、やはりこれは一つの大きな問題として今後取り扱っていくように、これは大臣としても、ひとつこの問題に対しては十分前向きに検討するということで、積極的な姿勢でやっていただきたい、こう考えますが、大臣いかがでございましょうか。
○武藤国務大臣 いま局長からも答弁申し上げましたように、通達だけにこだわらないで今後検討するということでございますが、そういうことで、せっかくミカンを一生懸命おつくりいただいている方が、知らないうちに自分の買っておった木がだめになっておって、トラミカンなどというようなものが出てきて困るということのないように、もちろん共済で助かるとはいうものの、やはり未然に防ぐ方が大切だと思いますので、私としてもできるだけ前向きに検討させていただきたいと思います。
○稲富委員 ついでに園芸施設共済に対してお尋ねいたしたいと思います。 今日の状態では連合会の不足金がだんだん累増するというような状態でございます。園芸施設共済に対する連合会の責任分担というものをこのままにいたしておきますと、これは私が苦い経験を持っておりますが、かつて福岡県で生じたなたねの不足金のような重大な問題を来しやしないか。現にこの問題に対しては非常に憂慮されておる県もあります。こういうような状態で、園芸施設共済に対する連合会の分担金の問題、余り国が少ないではないかと思いますが、これに対してはどういうふうな考え方を持っていらっしゃるか。かつて私が苦い経験をしたことのないようなことをひとつ今日から考えていただきたい。こういうことを私は特に考えながら、これに対する国の考えを承りたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 園芸共済につきましては、きわめて特異な責任分担方式をとっておりまして、特に異常災害につきましては国が全部持つというかっこうで仕組んでおるわけでございますが、にもかかわらず、一部の農業共済団体におきまして不足金が相当生ずるという状態が見込まれております。単年度だけでは、この不足金の状態から推察いたしまして、長期に見た場合の保険収支がどうなるかということはまだ判断できかねる状態であるとは思いますけれども、先ほどから御答弁申し上げておりますように、事業責任の分担方式につきましては再検討いたすつもりでございますので、その一環といたしまして、この問題も含めまして、先生がおっしゃられましたように、確かになたねのようになっては大変でございますから、そのような過去の経験も生かしつつ、これを検討してみたいというふうに考える次第でございます。
○稲富委員 この問題はかつて私は非常に苦い経験がありまして、何年も悩みましたので、その轍をまた連合会に踏ませないようにすることが必要であると思いますので、もうすでにそういうような兆しが見えておりますから、今日からそういうことの対策を考えながら、各連合会がその重圧に耐え得るような方策をいまから立てておいていただきたい、こういうことを特に希望として申し上げたい、かように私は考えております。 次に、職員の問題でございますが、農業共済の現場を支えている一万数千人の職員がおります。この人たちが農業共済を支えていると言っても過言ではございません。この職員の待遇の改善はしばしば論ぜられております。この委員会でも質問されております。ところが、これに対する先般からの政府の答弁を承っておりますと、昭和五十五年度予算においては職員の社会保険料を国が一部負担するという計画的な新規予算を計上しようとしている、こういうことを申されております。それは政府がそういう努力をされておることは私も認めますけれども、聞くところによると、その中身は農林年金の掛金と労災保険料の二分の一であるということでございます。それで、私がここでお尋ねしたいと思いますことは、一つは、従来から農業共済職員に対する国の負担率は全額負担と考えております。残りの二分の一についてはどうしようとする予定であるか、これをひとつ承っておきたい。
○松浦(昭)政府委員 確かに、労災保険料及び農林年金掛金の二分の一の国庫負担を五十五年度予算で御要求申し上げておるわけでございますが、ただいま先生もおっしゃっていただきましたように、実はこのような社会保険料の一部でも負担するということにつきましては、ほかの団体の並びその他から考えまして、容易ならざることであったことは事実でございます。しかしながら、この場合に農業共済団体も事業者の立場に立つということもございますので、そのような意味で一応二分の一の国庫負担ということになったわけでございます。これを今後全額国庫負担にするかどうかということにつきましては、やっと二分の一というところまで到達したところでございますので、いまこの段階でこれをさらに全額まで持っていくということにつきまして明確な御答弁をするのは、いまやったばかりでございますので非常にむずかしいところでございますが、今後共済団体の事業運営につきましては、先ほど大臣からも御答弁がございましたように、第一線で働く方々につきましてはできるだけのことをしたいというお気持ちを表明されましたので、そのような事務費国庫負担の全体の問題の中で、今後とも検討いたしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○稲富委員 この問題については特に考えていただきたい。 さらに、社会保険料の中には農林年金掛金や労災保険料のほか、健康保険料、それから雇用保険料も含まれておる、こういうふうに考えております。この残りの健康保険料と雇用保険料については、なぜ今回の予算でお考えにならなかったのか、この点をひとつ伺っておきたい、かように考えます。
○松浦(昭)政府委員 これは全く予算要求におきますところの横並びの問題でございまして、実は農業委員会につきまして見られていたこの分が見られていなかったということから、せめて農業委員会並みということでここまで持ってきたということでございます。したがいまして、これは共済団体特有の問題ではなくて、全体の制度の横並びということで御理解をいただきたいと思います。
○稲富委員 この問題もまた十分検討されて、共済職員が安心してその業務に挺身することのできるような対策を講ずることは、国としても当然やらなくてはいけないと思いますので、この問題に対して特段の今後の努力をお願い申し上げたい、かように考えます。 次にお尋ねしたいことは、これは基本的な問題でございますから、大臣にお尋ねしたいと思いますが、御承知のとおり、農業共済の事業というものは非常にむずかしい仕事でございます。しかも、農家の経営上に非常に必要な問題でございます。ところが、今日はこの農業共済の事業というものを市町村に移譲をしております。これはかつて農業共済というものが非常に困難な時代に苦し紛れにやったことなんですよ。ところが、今日では、これは私の統計が間違っておるかわかりませんが、市町村に移譲されておるものが千百六十一、それから組合が千八十一ですか、市町村移譲の方が多いのですよ。こういうような状態で果たして共済事業というものができるかどうか。しかも、この共済事業というものはすでに非常に複雑多岐にわたっているのです。しかも、今後だんだん各種多岐にわたる共済事業が行われるときに、市町村職員が自分の仕事を持ちながらやれるというような状態ではないと思う。しかも、現在の共済事業に携わるためには十年かからなければ一人前にならないと言われるのですよ。それほど共済事業というのは複雑多岐なんです。それを町村職員というのは二年か二年半ぐらいでもう次の仕事にかわっていくのです。こういうようなことでこの事業を託することができるのであるか。さらに、この衝に当たる市町村長は、はなはだ失礼だけれども、共済事業がどういうものか十分御存じない市町村長さんもおられる、こういう方に移譲をしておくことが適当であるかどうかという問題。それに対してどういうような考え方を、このままでいいのであるか、将来どうすればいいと考えておられるか、この点は共済制度の運用に対する基本的な問題でございますから、これに対して特に大臣のお考え方を承りたいと思うのでございます。
○武藤国務大臣 先ほどもちょっとお答えをいたしましたが、いま御指摘のように、やはり市町村の職員では、すぐかわっていってしまったり、気持ちの上においても組合の職員とは全く違うだろうと私は思います。そういう点において、組織的にはやはり組合でやっていただくということが望ましいと私は考えております。ただ、だんだん都市近郊の農村あたりにおいては組合でやるというのが大変むずかしくなってきたというようなことがあって、どちらかというと安易に市町村に移譲しておったのではないかと思うのでございますが、これからは、都道府県知事の認可に当たりましても、極力そういうような安易な形で市町村に移譲するようなことのないようにひとつ指導してまいりたいと思いますし、また一方において、組合の広域化を図っていって、その中でそういう市町村に移譲しておったようなものもできるだけ吸収するように努力をしていかなければならない、こう考えておるわけでございます。
○稲富委員 大臣、この町村移譲をやりましたのは、都市近郊がやりづらいからやったのじゃございませんですよ。いまからずいぶん前農業共済の不要論というのが起こりました。かつて農林省に多久島事件が生じまして、その後農業共済なんか廃止しろという問題があって農業共済の運営が困ったのです。現に私はその時分に農業共済の県の会長をしておりましたから、一番苦い経験を持っております。その苦し紛れに町村移譲というのが行われたのです。ところが、今日は農業共済事業というものがもうすでに正常に戻っております。こういう時期に、困った時代にあった町村移譲をこのまま不問にしておくということに間違いがあるのじゃないかと私は思う。これは速やかに、町村移譲ではなくして組合自体がこれを運営するんだ、こういうような方向に持っていくことが私は最も必要である、かように考えます。 そうしますと、今日町村が少なければ、当然これはやはり組合の合併、統合という問題も起こってくると思います。そうすればやはり、農協の統合、合併をやったように、できれば政府としては合併助成法でもつくって、そうして、これに対しては積極的な取り組み方をしながら、その町村移譲をやめて組合がこれを運営する。しかも、小さい組合は統合する。これに対しては、政府みずからが組合助成法でもつくって積極的な合併、統合対策をやる、こういうことが今後の組合運営に非常に必要ではないか、こう考えます。これは非常に基本的な重大な問題でございますので、この点に対しては特に私は国としての考え方を承りたい、こう考えます。
○武藤国務大臣 できる限り、先ほど申し上げましたように、組合で運営していただくのが私は望ましいと思っておりまして、ひとつできるだけ行政指導をいたしまして、いまお話しのように、組合を統合するなり合併していただくなり、そういうようなことも含めて、とにかく組合でもって運営ができるような方向に極力努力をしてまいりたいと考えております。
○稲富委員 実際現在困っている問題でございますから、いまから努力するのじゃなくて、そういう方針を立てて指導する。 それから、共済事業というのは非常にむずかしい問題ですよね。恐らく共済事業のことは私たちも——私も実際共済に携わりましたけれども、余り詳しいことはわからないのですよ。実際携わっておる者がわからないほど共済事業というのはむずかしい。これがためにはやはり職員を十分ひとつ研修して、そうして職員の研修機関でも設けながらこの研修をやる、そしてその指導に当たる。こうすることによって、農民が安心して共済事業に加わると私は思う。今日果樹共済というものがなかなか伸びないということも、何もこれは日にちが足らないからという局長の話じゃなくして、そういうような指導が足らなかったと私は思う。共済を理解してもらうということが足らなかったと私は思う。こういうことは、やはり職員が農業共済のあり方、農業共済に入ればこれほど農民を助けるんだ、こういうような的確なる説明、またこれに対する農民の理解があってこそ農業共済というものは進んでいくのであって、決していいかげんにやっていけばいいという意味ではないのですよ。それだから、私は、農業共済に対しての行き方はどうだと、いかにも市町村が市町村の一隅で共済の課を設けてそこでやっておるというようなことでは、共済というものがそれほど重要な問題そして取り組んでおるということが農民に感じられないのですよ。これは政府に責任がある。かつて農業共済が非常に問題になったのは、大体政府も農業共済を軽んじているのですよ。建物共済というものは、かつて農業共済に建物共済を認可しながら、その後農協にまた認可したでしょう。相手は同じ農民ですよ。農業共済に建物共済を認可しておきながらまた農協に認可した。同じ農村において二つの団体が対立した結果は政府に責任がある。 それで、政府がこの農業共済の重大性を考えるならば、もっと積極的に取り組んで、そうして農業共済のあり方というものを農民に理解せしめて、農民が喜んで農業共済に加入し、その農業共済の恩恵を受け得るようにすることが、農業共済を実施する理由であると私は思う。そういう点から、これに対してはいまから何とかしよう、なるたけそういう方向に持っていこうじゃなくして、農業共済のあり方はこうあるべきである。そして農業共済はこういうことをすべきである、こういうことを私はもっと自信を持ってやらなくちゃいけないと私は思う。そういう点から、この問題は非常に基本的な問題であるから、もうこのあたりでひとつ農業共済のあり方というものを政府は本当に腹を決めてやっていただきたいと思うのですよ。 そういう点から、農業共済に真剣に取り組むと同時に、これに対するこの職員の研修等も行う、こういうことに対してもっと積極的に取り組んでいただきたいということを特に私は申し上げたいと思うのでございますが、これに対する考え方を承りたい。
○武藤国務大臣 私は、表現がどうもはっきりしていないということかもしれませんが、いま先生のお気持ちと全く同じでございまして、とにかく農業共済というものが、本当に農民が理解をし、そして、農民の気持ちでお互い万が一のときには共済によって助かるという気持ちを持たなきゃならないわけでございますし、そういう点においては、自分たちと何か縁の遠い市町村の職員でそういう事務が行われるよりは、やはり自分たちの組合の職員によって事務が行われていくということは、私は大変大切なことだと思っておりますので、そういう点においては強力に進めてまいりたいと考えておるわけでございます。ただ、その土地その土地のいろいろ実情もあると思いますので、私ども、なかなか強制的にはいかないかと思うのでございますけれども、できるだけそういう方向で進めてまいりたいと思っております。 それから、同時に、そういうことに関連いたしまして、共済の仕組みが本当にややこしいわけでございまして、私もいろいろ勉強しておって、本当になかなかむずかしいという感じを持っております。農民の方も本当にこれはわかりにくいだろう、こういう感じを持っておりまして、これは基本的には共済の制度の仕組みそのものももう少しわかりやすい仕組みに何か考えられないか、これも検討していかなければならない問題だろうと私は思いますが、いずれにいたしましても、それに携わっていただく職員が、幾らややこしい仕組みであってもそれが十分わかって、農民の皆様方に十分理解をしてそれを活用していただけるような方向にいかないことには、加入の促進にもつながらないわけでございますから、そういう面において、いままでも相当職員の研修をやってきたようでございますけれども、今後一層職員の研修については私ども十分ひとつ考えて、本当に職員に喜んで研修を受けてもらえるようなことも考えていかなければいかぬ、私はこう考えておるわけでございます。
○稲富委員 この問題は余りくどくなりますから申し上げませんけれども、いままで市町村に移譲しておって、もうおまえやめておいてくれ、こう簡単にもいかぬだろうと思いますから、そこはひとつ滑らかに、やはり組合が将来運営することが非常に上策であるというような立場に立って、そういう方向に行政的な指導をやっていただく、こういうことでひとつ特に配慮していただきたいということを、私はこの機会に強く申し上げたい、かように考えております。 さらにまた、いま言いますように、これが統合助成に対してはどういう考えを持っていらっしゃいますか。できるならば、農協助成法でやったようなそういう法的にもやるという考え方で進んでいかれれば、おのずからこの問題も、推進することに必要ではないかと私は思いますが、これに対してどういう考えを持っていらっしゃいますか。
○武藤国務大臣 これは農協の方のようにいわゆる税制上の恩典があるわけではございませんので、この間議決いただきました農協の合併法のようなものは要らないのではないかと私は考えております。そして、私どもはいろいろの制度で行政的に、先ほどもおっしゃいましたように、統合あるいは合併、これは強力に進めていくことは可能である、こう考えておるわけでございまして、そういう方向で対処してまいりたいと思っております。
○稲富委員 それでは最後に一問お尋ねします。 まず第一にお伺いしますが、海にできるノリ、あれは魚じゃないでしょう。ところがノリは、海につくっているのは農民がつくっている、半農半漁です。これを漁業共済でやるということなんですね。それで、私の言うことは、基本の問題を議論するのじゃございません。ただ、ノリを養殖している者が半農半漁であるがために、この問題は漁業災害補償法によりてやられております。ところが、漁業災害補償法と農業災害補償法と比較いたしますと、共済掛金に対する国庫の補助率についても、農業共済の場合とそれからこの漁業共済の場合は非常に違うのですよ。それでこれをどうするかという問題なんです。漁業共済が農業共済並みの対策をやればこれでいいと思いますが、漁業共済の場合はその点に非常に差があるわけなんです。そういう点から、これは農業共済ではないということは私は知っております。知っておるけれども、その並みにする必要があるのじゃないかということを、私はこれは水産庁に対してこの機会に特にお尋ねしたいというのはそこなんです。私は何も、ノリは漁じゃないから、海産物だけれども、これをやれというのじゃございません。できないならば、漁業共済としながらも農業共済並みの取り扱い方をすることが妥当である、こういうことを私は申し上げたいと思うわけです。
○渡邊説明員 お答え申し上げます。 漁業共済につきます掛金の国庫補助の問題でございますが、一般的に言いまして農業と大変違う点がございます。それは一つの漁業種類の中でも大変経営規模に大きな開きがあるということがございまして、たとえば漁業の漁獲共済について言いますれば、最も零細な採貝採草業等につきましては、掛金の補助率も六五%というふうに設定しておりますが、比較的規模の大きい五十トンあるいは百トンクラスになりますと、漁業の所得金額も非常に大きくなるというようなこともございまして、補助率を三〇%にするというようなことで、かなり大きな格差をつけておることは事実でございますが、実績的に見ました平均の補助率で見ますと、漁獲共済で四三%あるいは養殖共済でも四三%を超すというようなことになっておるのが実情でございます。 これにつきまして、農業共済との比較におきまして、農業共済並みにこれを引き上げるべきではないかという御意見、それなりに私どもわかりますが、漁業におきましては、先ほど申しましたように、大きな企業的な経営までも幅広く分布しているというようなこともございまして、平均で申しますと、先ほど申しましたような四〇%台で、農業に比べますとやや低いような状況になっておりますが、採貝採草業だけで申しますと、あるいは二十トン未満の比較的経営規模の平均的なもので見ますと五四%、あるいは養殖共済につきましてもノリ、カキ等について申しますと五三%近くになるというようなことで、さほど大きな開きはないのではないかというふうに考えております。 しかし、いずれにしましても、御指摘の点はそれなりの御意見でございますので、今後私ども、機会があるごとにこの点につきましては努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○稲富委員 それじゃこれに対してはひとつ抜本的な改正をやっていただくように、これは私、水産庁に特に漁業共済としてお考えいただきたいと希望を述べまして、時間が来ましたので、私の質問を終わります。
○内海委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○内海委員長 この際、本案に対し、中川利三郎君から修正案が提出されております。 修正案について提出者から趣旨の説明を求めます。中川利三郎君。 —————————————
○中川(利)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題となっております農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由について御説明申し上げます。 政府の改正案は、果樹共済について、共済掛金の割引や全相殺方式のてん補の改善を行い、また、このほかにも農家の実態を反映させている面を持っており、蚕繭、家畜共済についての改善、充実を含め、全体としては前向きのものとして評価できるものであります。しかし、果樹共済では、農家や共済団体から最も要望の強い樹園地ごと引き受け方式は実施されておりません。また、新たに導入される半相殺方式では、実質的にてん補を引き下げる内容になっており、無事故農家への掛金割引も、その分を組合内で被害の多い農家への割増しに転嫁するなど、実のある改善になっていません。こうしたことは、果樹共済の改善と言いながら、必要な国の財政援助を何ら強化することなく、赤字対策中心の制度いじりで当面をしのごうとする姿勢が反映していると言わなければなりません。 わが党の修正案は、主に果樹共済について、樹園地ごと引き受けを実施し、国の掛金負担割合を高め、共済金の支払いをふやすなど、真の制度充実を図り、農家の期待にこたえようとするものであります。 次に、その主な内容を説明します。 まず、果樹共済について、第一に、改正案の半相殺方式における支払い開始損害割合を三割から二割に改めることであります。第二に、樹園地ごとの引き受け方式を実施し、共済金額は一園地ごとに基準収穫金額の七割の範囲内とし、共済金は損害割合三割から支払うものとしております。第三に、掛金の国庫負担割合を五割から六割に引き上げ、畑作、蚕繭、農作物共済の水準に合わせるものであります。この点は、水田利用再編対策によって国の掛金負担が水稲共済で軽減されていることを考えれば、水稲以外の共済への国の負担強化は当然のことであります。また、超異常災害部分は、農家掛金に算入せず、全額国庫負担とするものです。第四に、掛金の無事故割引については、組合任せにせず、無事故農家は自動的に割り引かれることとし、そのため全国的に掛金率をあらかじめ割引分を見込んで設定するものとします。 次に、家畜共済については、掛金国庫負担割合を、種豚、肉豚を含めてすべて二分の一とするものであります。 最後に、共済団体の損害評価事務費の国庫負担を明文化し、実態に即した補助がなされるようにするものであります。 なお、本修正案による平年度国庫負担増は、一定の仮定のもとで約五十億円程度が見込まれております。 以上の修正項目は、いずれも同僚委員の質問の中で提起された問題であり、委員各位の御賛同をお願いして、提案理由の説明を終わります。 以上。
○内海委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。 この際、本修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見があればお述べをいただきたいと存じます。武藤農林水産大臣。
○武藤国務大臣 ただいま御提案のありました修正案につきましては、政府としては反対であります。 —————————————
○内海委員長 修正案に対して別段御発言もないようでありますので、原案並びに修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、これより農業災害補償法の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず、中川利三郎君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○内海委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○内海委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○内海委員長 この際、本案に対し、片岡清一君外五名から、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同、民社党・国民連合及び社会民主連合の共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。角屋堅次郎君。
○角屋委員 私は、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同、民社党・国民連合及び社会民主連合を代表して、農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案について、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 農業災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は本制度が災害対策の重要な柱として、農業経営の安定と農業生産力の維持向上に果たす役割の重要性にかんがみ、左記事項について十分検討を加え、制度の一層の前進と健全な運営が図られるよう万全の措置を講ずべきである。 記 一 果樹共済については、今回の制度改善を機会に、技術水準の高い果樹栽培農家の積極的な参加と生産出荷団体との協力等により、加入促進の実をあげるよう努めるとともに災害収入共済の実験実施に万全を期すること。 二 果樹栽培農家の危険意識の高い特定被害については、暴風雨、ひよう害以外のものについても特定して実施する可能性について十分調査検討を加えるとともに病虫害の事故除外方式の早期実施に努めること。 三 果樹共済に係る連合会等の不足金の累増、園芸施設共済及び畑作物共済の最近の被害実態等にかんがみ、これら共済事業の責任分担のあり方について十分検討を加えること。 四 蚕繭共済における単位当たり共済金額の最高限度額は、実勢繭価に近づけるよう算定方式を検討し、補償の充実に努めること。 五 畑作物共済については、事業の定着化に努めるとともに、実情に即した運営の改善を図ること。 また、補償の充実を図る観点から、被害発生も少なく比較的安定している対象作物の足切り水準の引下げにつき、十分検討すること。 六 現在調査中のホップ、茶等の畑作物については、地域特産物の生産振興等に資するようその準備の整ったものからできるだけ早期に制度化に努めること。 七 家畜診療所の整備対策を促進するとともに、さらに実情に即した診療点数の改定、獣医師の待遇改善を図ること。 八 制度の円滑な実施に資するため、共済団体の合併等組織整備の強化を図るとともに制度内容の多様化に対処し、共済制度の普及及び共済団体職員等の研修について、さらに一層の充実を図ること。 九 共済団体の職員の待遇改善、損害評価員等の手当については、なお一層の改善に努めること。 右決議する。 以上の附帯決議の内容につきましては、委員会の審議を通じ、委員各位の十分御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○内海委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議に対し別に発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○内海委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議について政府から所信を求めます。武藤農林水産大臣。
○武藤国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努めてまいりたいと存じます。 —————————————
○内海委員長 なお、本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○内海委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十分散会 ————◇—————