農林水産委員会 第1号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1979/12/21
会議録
○内海委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 すなわち 一、農林水産業の振興に関する事項 二、農林水産物に関する事項 三、農林水産業団体に関する事項 四、農林水産金融に関する事項 五、農林漁業災害補償制度に関する事項 以上の各事項について、衆議院規則第九十四条により、議長に対し、国政調査の承認を要求することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○内海委員長 この際、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産業の振興に関する件について、本日、日本中央競馬会理事長武田誠三君及び日本中央競馬会副理事長増田久君の両君に参考人として出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○内海委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 この際、米穀の政府売り渡し価格及び麦の標準売り渡し価格の改定について、政府から説明を聴取いたします。松本食糧庁長官。
○松本(作)政府委員 お手元にお配りいたしました資料に基づきまして、米及び麦の政府売り渡し価格の改定の経過について御説明を申し上げます。 お手元の資料にございますが、まず、十二月十七日に農林大臣から米価審議会に諮問をいたしました。 諮問の内容は、政府の米穀の売り渡し価格及び麦の標準売り渡し価格について、これを改定する必要があるので御意見を求めたいということでございますが、その改定の趣旨につきましては、この諮問の次の三ページに「諮問についての説明」というのがございます。ここに書いてございますように、食糧管理に関する財政負担が問題になっておりますが、この食糧管理特別会計の中では、特に米の売買逆ざやが財政負担の相当部分を占めるというような実情があるわけでございますが、最近におきましては、特に食糧証券の金利の上昇なり、転作に伴います国内麦の買い入れ増加なり、または国際価格の上昇等によります輸入麦の買い入れ価格の上昇というような、新たな食糧管理特別会計の損失要因が増大をいたしてきております。こういうふうな最近の状況は、五十五年度につきましても同様に継続するものと考えられるわけでございます。さらに、水田利用再編対策につきましても計画を増加いたしましたので、これに伴います奨励金等の食糧管理に関連する予算が増大いたしておるわけでございます。 このような状況に対応いたしまして、一方におきましては、転作の促進を図りますとともに、食糧管理特別会計自体におきましても、検査業務の合理化等によりまして、できる限り経費の節減に努めなければならないと考えておるわけでございますが、その節減効果にはおのずから限界がございます。特に麦につきましては、最近の輸入麦の価格が上昇いたしましたために、輸入麦と国内麦を合わせました収支につきましても赤字になっておりますほか、この売り渡し価格が三年余にわたって据え置かれました結果、米価との関係、いわゆる対米価比が相当下がってきておりまして、この米価とのバランスのとれた価格関係という点でも問題が出てきております。 一方におきまして、最近の物価動向から考えまして、家計支出に値上げの及ぼす影響ということにつきましては、十分配慮しなければならないというふうに考えておるわけでございまして、なるべく家計や消費者物価に影響のない範囲で改定をする必要があるというふうに考えたわけでございます。 五ページにございますように、そのような考え方に基づきまして、「米穀の政府売渡価格につきましては、米の生産、流通、消費に及ぼす影響に配慮しつつ、売買逆ざやの一部を是正するとの考え方に立って、これを改定してはどうかということで」、具体的な試算といたしましては、平均三・二%の引き上げを諮問いたしました。 それからまた、麦につきましては、「麦の標準売渡価格につきましては、輸入麦及び国内麦のコストを総合的に勘案しつつ、米価との関係に配慮のうえ、これを改定してはどうかということで」、平均で一四・一%の引き上げを諮問いたした次第でございます。 この米と麦の諮問の内容につきましては、別に米穀の売り渡し価格の改定内容と麦の売り渡し価格の算定の説明がございますが、これはいま申しました三・二及び一四・一%が積算されますそれぞれの考え方でございますので、ごらんいただきたいと思います。 また、このことによります、いわゆる家計及び消費者物価に及ぼす影響につきましても、縦長の表がございますが、米につきましては、全世帯一カ月当たりで百六十六円、消費支出額の〇・〇八%程度、勤労者世帯につきましては一カ月当たり百六十円、消費支出額の〇・〇七%程度でございます。また、麦製品につきましては、全世帯一カ月当たり九十円、消費支出額の〇・〇四%程度、勤労者世帯一カ月当たりで九十二円、消費支出額の〇・〇四%程度というふうに考えられますし、また、消費者物価に及ぼします影響は、米につきましては、合計いたしまして〇・一一%程度、それから麦につきましては、全体で〇・〇六%程度ということでございまして、家計に及ぼす影響及び消費者物価に及ぼす影響につきましても、この程度の上げ幅の場合には、比較的影響が少なくて済むのではないかというような配慮をしたわけでございます。 この答申に対しまして、米価審議会におきましては、十七、十八、十九日と三日間にわたりまして御熱心な審議をいただきまして、その結果、十九日に答申をいただいたわけでございます。 お手元にございます答申の内容に書いてございますように、共通認識といたしましては、やはり米過剰下での引き上げは経済原則や消費者の心理に反するとか、また米の消費拡大が緊要な課題であるとか、または現在の食管の直面しておる厳しい財政事情ということが十分理解できるとか、また売買逆ざやの解消には慎重を要するとか、麦の対米価比については適切な配慮を払う必要があるというような共通の認識を前提にいたしまして、意見が三つに分かれたわけでございます。 一つは、反対であるという意見であります。もう一つは、(2)に書いてございますように、財政負担全体としての確保のための引き上げはやむを得ないが、むしろ麦をさらに上げて米の上げ幅を少なくするという改定ができないかどうかという意見であります。それから、三番目の意見が、政府の試算は、いろいろ考えてみて、この際やむを得ないという賛成案でございます。 2に書いてございますように、政府としては、(3)の意見が有力であったわけでございますが、(1)の意見、(2)の意見があって、できれば政府試算に何らかの配慮を期待する空気があったというようなこれらの審議経過に配慮しながら、米麦の売り渡し価格について慎重、適正に決定されたいという答申を得たわけでございます。 そこで、この答申に関連いたしまして審議経過の報告がございまして、これもお手元にお配りしてございます。 政府といたしましては、このような答申をいただきまして、昨日、その内容につきまして検討いたしまして、関係各省とも相談をいたしたわけでございますが、現在の情勢からいたしまして、政府の諮問案どおりで決定することがやむを得ないのではないかという判断をいたしまして、そのように決定をいたした次第でございます。 その決定をいたしました内容がお手元にお配りしてございます「米麦の政府売渡価格の改定方針」でございますが、改めて申し上げますと、米穀の政府売り渡し価格の改定につきましては、引き上げ幅を一−二等玄米について平均三・二%ということでございまして、その結果、一−五類一−二等平均の六十キログラム当たりの価格が、現行の一万五千三百九十一円から五百円引き上げられまして一万五千八百九十一円に相なります。 また、銘柄間格差につきましては、これは現行どおりの格差で改定をいたさないということでございまして、ここに書いてございますように、現在の格差どおりでございます。また、一−二等間の等級間格差につきましても、従来どおり三百二十円といたしたわけでございます。 また、標準価格米につきましては、一−二類を除く一−二等米ということで十キログラム当たり百十円引き上げまして、三千百二十五円が改定後三千二百三十五円。 徳用上米、徳用米につきましても、それぞれ百十円ずつ引き上げておるわけでございます。 麦につきましては、次のページにございますように、平均で一四・一%の引き上げでございますが、麦の銘柄間格差の是正ということも考え、また、麦管理改善対策の円滑な実施ということも考えまして、改定の内容は、次の一覧表にございますように、国内産小麦につきましては一一・五%、外国産小麦につきましては一四・二%、これはアメリカ物であります。またカナダ物の外国産小麦につきましては一三・八%。国内産大麦につきましては一一・四%、外国産大麦のオーストラリア物につきまして一七・三%、裸麦につきまして九%ということで、それぞれ引き上げたわけでございますが、このように引き上げ幅が違ってまいりましたのは、この前の麦価の改定以降市場価格の品質格差が変わってきておりますので、その市場価格の趨勢に応じましてこのような引き上げ幅の変化が出たわけでございます。 この改定の時期は、米、麦とも昭和五十五年二月一日からにしたいというふうに考えておる次第でございます。 その細かい内容等が後にありますが、説明を省略いたします。 以上で、今回の米麦価の政府売り渡し価格改定の経過を御報告申し上げた次第でございます。 —————————————
○内海委員長 次に、日ソ、ソ日漁業交渉に関する経過報告について、政府から説明を聴取いたします。佐野水産庁海洋漁業部長。
○佐野説明員 十二月の十五日に妥結いたしました日ソの漁業交渉につきまして御説明を申し上げます。 十二月の十五日に決着がつきましたのは、一つは、わが国の漁船がソ連の二百海里水域で操業をすることを規定しております日ソ暫定協定の有効期間を一九八〇年末まで延長する議定書、及びわが国の二百海里水域におけるソ連の漁船の操業条件等を定めるいわゆるソ日協定の有効期間を一九八〇年末まで延長する議定書、及びこの一九八〇年末まで延長されました日ソ、ソ日の協定によりまして、それぞれ相手国の漁船の操業条件を定める書簡を交換することにいたしておりますが、そのいわゆる当局間書簡、以上につきまして、十二月の十五日に一切の交渉が終了したわけでございます。 それで、まず、日ソ、ソ日の協定を延長いたします議定書につきましては、これは全く昨年と同様、有効期間を単純に一年延長するというだけの議定書でございます。 それから、それに基づきまして当局間書簡で定められる日ソ、ソ日双方の漁獲量その他の操業条件につきましては、一九七九年と対比いたしまして若干の変更がございますので、以下それを御説明いたします。 まず、総漁獲量につきましては、わが国の漁船がソ連水域で漁獲する総漁獲量七十五万トンで、これは一九七九年と同様でございます。わが国の二百海里内で操業するソ連漁船に与えられる総漁獲量六十五万トン、これも一九七九年と全く同様でございます。 魚種別の内訳について見ますと、ソ連水域でわが国の漁船に与えられる漁獲量のうち注目すべき点は、スケトウダラの漁獲量が一九七九年の三十万トンから一万トン減、二十九万トンと相なっております。この一万トンの減少は、カレイ、メヌケ、マダラ、この三つの魚種の漁獲量を合計一万トンふやすことによって、総枠としては一九七九年と同じということにいたしております。それで、カレイ、メヌケ、マダラ、この三つの魚種はそれぞれスケトウダラを漁獲しております底びき漁船の漁獲対象になっております魚種でございますので、これを見返りに一万トン増量することによって、スケトウダラのクォータの一万トン減少によって生ずる底びき漁船の被害が代替され得るものであると考えております。 次に、わが国二百海里水域におきますソ連漁船に与えられるクォータ、これにつきましては、一九七九年に四十五万トンでございましたマイワシとサバのクォータを五十万トンにふやし、その分は逆にスケトウダラ及びイトヒキダラについてソ連側に与える漁獲クォータを合計五万トン減少させることによりまして、総枠六十五万トンということにいたしております。 次に、漁獲量以外の操業水域、操業期間あるいは漁具、漁法等の、そういうクォータ以外の操業条件でございますが、ソ連水域における日本漁船の操業条件につきましては一切一九七九年のとおりでございます。それから、わが国の水域におきますソ連漁船の操業条件につきましては一カ所だけ変更をしたところがございます。といいますのは、一九七九年におきましては棒受け網によってサンマの漁獲が認められておりましたが、一九八〇年につきましては棒受け網のほかにまき網によってサンマを漁獲することを認めるということにいたしております。その一点が変わっただけでございまして、操業水域、操業期間、いずれも一九七九年のとおりということに相なっております。 以上が今回の交渉の結末でございますが、交渉の過程におきます主なる争点を申し上げますと、まず、議定書につきましては、延長の期間及び延長の方法の問題がございます。 まず、延長の期間につきましては、わが方といたしましては、単年度ぽっきりではなくて複数年にまたがる延長をすることを主張したのでありますが、ソ連側が、最高会議幹部会令の暫定的性格を理由として、また国連海洋法会議が未決着であるということを理由にして、複数年にまたがる延長を拒みました。次に、延長期間が仮に一年としても、その先自動更新規定を入れるべしというわが国の主張が次の段階で行われたわけでございますが、これもソ連側は同様の理由を挙げて拒みました。結局、昨年と同様単年ぽっきりの延長で決着をつけざるを得なかった次第でございます。 それから、当局間書簡に盛り込まれます操業条件の中で日ソ間で最大の争点になりましたのは、わが国の水域におけるマイワシ及びサバのクォータ、ソ連の水域におけるわが国漁船に対するスケトウダラのクォータということであります。この点につきましては、ソ連側は、ソ連の科学者のスケトウダラの資源状態が悪化しているということを主張の根拠といたしまして、ソ連は自国水域におけるスケトウダラの漁獲量を削減せざるを得ないのであるから、日本にもスケトウダラの漁獲量の削減をつき合ってもらわなければならない、日本のスケトウダラの漁獲量を一九七九年の水準に近い水準で維持しようとするならば、ソ連はさらに漁獲量の削減をしなければいけなくなるので、その分は日本でイワシとサバのクォータをふやしてもらって、そちらヘソ連の漁船を回さざるを得ないのである、そういう主張をいたしまして、当初、ソ連水域における日本漁船のスケトウダラのクォータを二十万トンに削減し、一方わが国の水域におけるソ連漁船に与えられるマイワシ、サバのクォータを五十五万トンに増量することを要求してまいりましたが、わが方といたしましては、スケトウダラの資源状態についてのソ連の科学者の見解に反論するとともに、わが国の水域におけるイワシ、サバの資源状態についても、ソ連側主張のような楽観的な考え方をわが方としてはとり得ない事態であるということを強く主張いたしまして、結果として、先ほど申し上げたような数字で決着を見たわけでございます。 次に、もう一つの争点といたしまして、ソ連は、わが国の二百海里水域内での操業水域の拡大及び操業規制の緩和について、相当広範な要求を提出してまいりました。わが方といたしましては、沿岸漁業との競合を回避するために、一九七九年に認めた以上の水準を譲歩するわけにはいかないということで、これをことごとく拒絶いたしました。結局、ソ連も最後に断念をして要求を撤回するということで決着を見た次第でございます。 以上で、簡単でございますが、交渉の経過及び結末についての御報告を終わらせていただきます。
○内海委員長 以上で、説明は終わりました。 —————————————
○内海委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柴田健治君。
○柴田(健)委員 先ほど食糧庁の長官から、三日間にわたる米審の会議の経過を含めて、今回の消費者米価、麦価の経過の御報告をいただいたわけでありますが、それに関連して御質問を申し上げたいと思いますので、お答えを願いたいと思います。 われわれ、国民の立場そして生産農民の立場から、今度の三・二%の消費者米価引き上げについて、感情論というか、感情から申し上げるとどうも割り切れないという気持ちが強いわけでありまして、米の消費拡大を思い切ってしなければならぬときになぜ上げなければならないのかという問題、これが一つ。 それからもう一つは、公共料金の値上げは国民生活を破壊をするという立場からとらえて、なぜ農林省が先端を切ってこの公共料金の値上げの火ぶたを切らなければならないのか、その点について責任をどう感じておられるのかという点、まず二つの点をお尋ねをしたい、こう思います。
○近藤(鉄)政府委員 お答えいたします。 柴田先生から御指摘のとおり、いま米の過剰の現状でございますし、何とか米の消費の拡大をお願いしていかなければならない状況が片一方にございます。また、同時に、石油の値上がり等から今年度の物価の値上がりも非常に心配される折からでありますので、公共料金の値上げ等についても政府としても慎重にならざるを得ない、こういう中で、なぜ米麦の値段を上げたか、こういう御指摘はまことに私たちも考える点でございますが、しかし、御案内のように、この食管会計も、いわゆる転作で国内麦の生産がふえたり、また国際的な関係で輸入麦の値段がふえてまいったり、さらには、最近の金利の上昇等から一千億にも及ぶ新たな支出の増が計上されるような状況でございます。 そういう状況の中で、やはりある程度、大変これは国民の皆さんに御苦労をおかけするわけでございますけれども、ある程度はその分について幾らかでも御負担をお願いいたして、何とか食管制度を維持してまいらなければならない、こういうような考慮もございまして、これはいま食糧庁長官からもいろいろお話しをしたわけでありますけれども、米価審議会の席上でもいろいろな委員の先生から御批判もあったわけでございますけれども、最終的には、この程度の米麦の値上げは決して好ましくはないけれどもやむを得ないじゃないか、こういう御意見が強かった。こういうことも勘案いたして今回の値上げを決めさせていただいた、こういう現状でございます。
○柴田(健)委員 いまの答弁を聞いておりますと、農民に減反を明年度からプラスアルファ十四万四千ヘクタール、その分について一千億ほど経費が要る、その一千億ほどの経費をつくり出すために消費者米価を上げざるを得ないというような、そういう考えがあるやに聞きますが、これはもうはなはだもってわれわれは理解しがたい。 御承知のように、昭和四十四年から三カ年古々米の整理をして、当時一兆円近くの金を使ったわけですね。もう二度と米を余らしてこういうことはいたしませんという政府の強い答弁があった。それが、またぞろ古々米がふえてくるような米の消費政策をとってきている。この無責任なやり方を、一方では消費者にかぶってもらう、一方では生産者に減反ということで押しつけている。これは政治になっていないという気がするんです。責任を一つも感じてない。初めてなら、まあ経験がなかったと、こういうことになるが、過去に一回、三カ年で古々米の処理に御苦労された。もう二度とこういう苦い経験はいたしませんよと、こう言いながらもまだ米の消費政策を誤って古々米をふやすようなことをしている。そして、この期に及んで公共料金の値上げのトップを切ってまで。そして消費者はどういう気持ちを持っておるかというと、農民が悪いんだ、こういう言い方ですね。消費者と農民とのみぞを深めるようなやり方をする。まことにもってのほかだという気持ちをわれわれは持っておるわけです。 こういう無責任なやり方は、何も農林省の偉い人にやってもらわなくても素人でもやれるようなものです。政治も行政もない、国民不在の政治だと言わざるを得ない。末端では、われわれは皆さんがやることの非難を全部受けるわけです。あんたら農林委員会をしておって何だ、農民には減反を押しつけておいて、公共料金のトップを切って消費者米価を上げて、皆農民に責任を転嫁するようなことをやる、余りにもひきょうじゃないか、こう言ってわれわれはしかられるわけです。皆さんは痛くもかゆくもない。こっちの罪をこっちへ持っていき、こっちの罪をこっちへ持っていく。右左を操作すればいいんだという。そういう安易な考え方で今後も続ける限りは、ますます農民不在の農政であり、思いつき農政であり、場当たり政治であるということを言われる。もうこの辺で断ち切る方法を考えたらどうか。 今度の米審三日間の指摘事項を読んでみても、明らかに皆さんの責任をあれしてある。もう長年、米の消費拡大をしなさいよと、こう言っておる。いままで消費拡大をやったと言われるが、どういうことをやられたのか、ここで具体的にその成果を明らかにしてもらいたい、こう思うのです。
○近藤(鉄)政府委員 ちょっと私、言葉足らずだったと思うわけでありますけれども、また来年度の水田再編対策において従来の計画を上増しをしてお願いをする点、これは現在のいろいろな補助金の制度、奨励金の制度をそのままやったとして大体七百六十億から八百億ぐらいの追加の予算が必要になってくるわけでございますが、実は、今度の米麦の値上げで約一千百四十億というふうに私たち計算しておりますけれども、直接そちらに向けるというよりも、いまお話し申しましたように、すでに現在の体制の中で、米の売却が減ったり、国内麦の買い入れがふえたり、また、外麦の値段が上がったり、金利が上がったり、そういう新たな水田再編対策ではなしに現在のことだけですでに一千億を超える食管の負担の増が予想される、こういうことでございますので、今回、米麦の値上げをお願いするのは、そういう現在もうすでに起こりつつあるものに対する手当てでございまして、新しい水田利用の上乗せ分については、実は別途財政当局と話をして考えないとならないような現状であることを、ちょっと御理解いただきたいわけであります。 そこで、ともかくこういうふうにいろいろなことが間違って計画が外れてまいったのは、先生御指摘もございますように、最近どうも米の消費が伸びない、これに対して政府は一体何をやってまいったんだ、こういうお話でございますけれども、これは、近年食糧庁を中心として非常にやってまいりまして、何といっても一般的な米の消費に対するPR活動が大事でございますので、農林省、食糧庁が直接やってもございますが、同時に、生産者団体もやっておりますし、また消費者団体にもお願いしておる。また、県市町村を通じてもいろいろPR活動を積極的に行っておりますし、また、米の消費を伸ばしていただくためには、何といってもおいしい米を食べていただく、米はおいしいんだということを大ぜいの消費者の皆さんに御理解いただかなければいかぬ、そういうことで、御案内のように、近年良質米についてもいろいろ奨励の措置を講じてまいっております。 また、いろいろな形で米を加工利用していただく、これも大事でございますので、これについても、研究に対して金を出したり、また、酒米等にも積極的に米を使っていただくことも政府はお願いしているわけでございますが、長い意味で国民の食生活の根幹をつくっていくのは何といっても学校給食の場ではないか、こういうことで、学校給食において米を使っていただくことについては最近特に力を入れております。 御案内のように、ことしから学校給食用の米につきましては六割も値引きをする。特に新しく始めていただく学校については七割でございますから、これは、従来この種の措置についておよそ考えられないぐらいの抜本的な措置をことしからとらせていただいている、こういうことでございます。 そんなことで、学校給食については、具体的に数字を挙げて申し上げれば、これは学校数でございますけれども、五十一年が三六%、五十四年の五月には七八%にも実施校がふえておる、こういうことでございますし、学校給食の米の消費も、五十一年度は一万二千トンであったものが、五十四年度は五万二千トンを超える、こういうふうに大変顕著な消費拡大の実績が上がっているわけでございますが、何せ全体としてはまだまだ消費の拡大よりもむしろ消費の減退が趨勢的な傾向でございますので、この傾向を何とか変えていきたい、こういうことで、これからも私たちとしてはいろいろな措置を講じさせていただきたい、かように考えておる次第でございます。
○柴田(健)委員 消費拡大をもう少し具体的にと思ったのですが、依然として同じことを繰り返して御答弁している。半年前に答弁された。その前も同じこと。人がかわっただけです。次官がかわっただけ。何にも変わってない。 ちょっと長官に聞きたいのですが、古々米の処理について、工業米トン十一万五千七百二十二円、輸出米トン五万一千五百九十七円、飼料用二万二千九百円という大体基準がある。まあそれから上か下か多少変化があるかわかりませんが、ことし何万トン処理をして、生産者から買った価格と差し引いて、今年度損失は幾らか。ちょっと数字を言ってください。
○松本(作)政府委員 古米の処理につきましては、今年はいままでのところは主として輸出米についてやっておりまして、輸出米につきましては、現在まで契約が成立いたましたのが六十二万トンほどございます。計画が二十万トンほどでございましたので、このための増加は非常に大きいわけでございますが、全体としては、今年度輸出が百万トン近いものが契約できるようにと思って、いま努力をいたしておるところでございます。したがいまして、今年度はえさ用等につきましては当初予定よりも少ない数量になろうかと思いますが、その処理によります金額がどの程度になるかということは、いま経過中で具体的に計算しておりませんでしたが、推計はできますので、いま直ちに推計させていただきたいと思います。
○柴田(健)委員 今年度よしんば推定百万トン輸出米に送り出したとしても、いま六十二万トン。生産農民からトン三十万ですね。五万そこそこで売るわけですから、トン二十五万以上の損失です。百万トン処理すると二千五百億。あなたらの無責任で、備蓄用は百万トンや二百万トンは常に持っておらなければなりませんが、これだけ在庫をふやしていくような米の消費政策をとって、そしてトン二十五万円も損をして売る。そして百万トンを売ったら二千五百億です。三・二%消費者米価を上げて、両方上げたら千百四十億。こんな矛盾したことをあなたらはどう考えているのでしょうか。米の消費拡大をもっとうんとやったら、こんな矛盾は起きないはずです。ただ食ってくれないんだとか。食ってくれないんじゃなくして、食わせないような政治をしているんじゃないですか。これは農林省だけでできる仕事じゃない。一つ学校給食を取り上げてみても、これは文部省の関係、政府全体の責任でやらなければならぬ。それで、食管に赤字が出たら、消費者を泣かせるか生産者を泣かせる、この二つのパターンです。どう考えたって、こんなばかな米の消費政策というものはあり得ない。あなたらは不感症の政治家になっておるんじゃないか。矛盾を一つも感じないというのはもう不感症です。不感症の政治家はもう要らぬということを国民は言うんじゃないですか、正直言って。もう少し感じてもらわなければならない。痛いか、かゆいか、暑いか、寒いかぐらいのことは感じられるか知らないけれども、政治そのものの感覚が全然なってない。こういう点の考え方はどうですか。これはもう次官よりか長官だ。長官の責任だ。簡潔に説明してください。
○松本(作)政府委員 現在の米の過剰が食糧管理制度の一番の病根であるというふうに考えておりまして、これについて農林省を挙げて取り組んでおるわけでございます。そのために、一方におきましては、従来の需給計画が甘かったという御指摘の中で、生産調整の計画を改定いたしまして、農民の方にも御協力をいただいて生産調整を計画的に進めていくということにいたしておりますほか、米の消費面につきましては、先ほど来御指摘のありますように、これを何とか増大することが需給均衡の大きな道でございますので、この点につきましても、次官から先ほどお答えしましたような努力をしておるわけでございますが、ただ、全体としての米の消費につきましては、国民の食生活の形態が変わってきておりますので、この大きな流れの中で、どうしても傾向的には減退する傾向があるということはどうも否定できないのではないだろうかというふうに考えておりまして、現在立てております六十五年の長期目標におきましても、米の消費の数量は一千万トンを割るのではないかということが、従来の傾向からどうしても見通されるわけでございますので、ある程度そのような需要の変化に対応した形での農業の再編成というものはやはり必要なのではないだろうかというふうに思っておるわけでございます。しかし、そのことは必ずしも消費の拡大について手をこまねいておるというつもりは全くございませんで、先ほど次官からもお答えいたしましたように、本質的にはやはり消費者に好まれるような米をどうやって供給するか、そのことは量的にも質的にもないしは価格の面でも言えるかと思うわけでございまして、今後消費の維持をするためにあらゆる面で努力をする必要があるのではないかと考えております。 品質的な面につきましては、生産者の方々の御協力を得まして良質米の比率が年々非常に高まってきておりますので、そのことがやはりある程度需要の減退を食いとめておるのではないかと考えられるわけでございますし、政府の操作におきましても、昨年度からは新米の供給比率を非常に高めております。そのような結果、政府の売り渡し米につきましては、五十四米穀年度は前年度に比べまして売り渡し量が若干ふえておるというような実績も出ておりますので、私どもは、何とか全体的な消費拡大運動の中で、米の需要をこれ以上減退させないような努力を具体的に進めていきたいと考えておるわけでございます。
○柴田(健)委員 予算編成の前で、もうあすは大蔵原案が出るというときに、毎年いままで幾らか米の消費拡大について予算をとるが、農林省だけではやれる範囲がある。国全体、政府全体でやらなければならぬ問題だ。たとえば、いまイランとアメリカとの紛争が起きている。イランから日本の商社が要らぬという油を買うたということでおしかりをこうむったら、もう外務大臣や総理大臣はあわを食うておる。そのくらいのことで何で一国の総理があわを食わなければならぬのだろうかという気がするのですね。もっと米の消費拡大に、これだけ膨大な損失を起こすようなやり方をして、生産者を苦しめ消費者を苦しめるようなやり方をしておるのだったら、総理大臣みずから米の消費拡大にこうあるべきだということをもっと明確にすべきだと私は思う。それをやらないところにごまかしがあると思うのです。やるやると言いながら何もしない、これは無責任だと思う。 それで、もっと米の消費拡大をやる方法は、われわれ社会党は常に言うてきた。日本酒にはアルコールを入れるのはやめなさいよ。学校給食は直ちに完全に米食に切りかえなさいよ。栄養士の教育についても、パンと牛乳というのを基軸としたそういう栄養士の養成をやめて、米を基軸にした栄養士の養成に切りかえなさいよ。そして、あらゆる給食施設を持っておる企業であろうと官公庁であろうと、全部米に切りかえなさいよ。こういうことで、一つ一つ問題を提起して要望してきたつもりなんですよ。それを、ささやかにちょびちょびやっておるだけで、実際本気でやっておるとは思えない。 大蔵省来ておると思うのですが——来ておるでしょう。ちょっと聞きたいのですが、昭和十八年に酒税法を変えて日本酒にアルコールを添加することをした。それは米の不足の時分だ。戦争末期で米が不足した時分にアルコール添加を許した。いま米が余っておるのだから、もとに戻したらいいじゃないかというのがわれわれの考え方ですね。いまもう日本酒じゃない、われわれが見ておると日本洋酒なんですね。アルコールがほとんどだ。今度の大臣は酒屋さんだからよう知っておると思うので、大臣が来たら言おうと思うのだが、おいでにならぬから……。 なぜ大蔵省は、これだけ農林省が米が余って困っておる、それを助けてやろうとしないのか、理解してやろうとしないのか。そして大蔵省は、食管の赤字が出たら責めてくる、いじめてくる。これは農林省だけの問題じゃない。国全体の問題として米の消費拡大をやらなければならぬのに、なぜ大蔵省はそういう理解を示さないのかという、そういう立場で御質問申し上げたい。 アルコールをたとえば酒米にするために、われわれの知っておる範囲内で申し上げるが、米十俵千六百キロ、玄米千六百キロを千キロに、白米に落とすわけだ。その千キロに百度のアルコール二百八十リッターも入れて、そして二十度前後の酒を三千百五十本、一・八リッター一升びんに三千百五十本とって、そして二級酒の標準十五度に落とす。水を二割入れて、二回水を入れるわけですが、そして四千本にする。米十俵から四千本の酒をいまとって消費者に出す。米一俵で四百本、米一升で十本の酒をとっておる。考えてみると中身はほとんどアルコールです。アルコール添加。こんなばかなことをして米の消費拡大になると思うたら間違いだと思う。農林省はその点はよう勉強しておられると思うのだ。アルコール添加を一%下げたらどれだけ米の消費が伸びるか、二%下げたらどれだけ米の消費が伸びるか、食糧庁長官は勉強しておるはずだ。大蔵省と食糧庁長官、両方から答弁願いたい。 これをなぜやめさせないのか。一遍に直させるというのは無理かもしれない。けれども年次計画で、ことしは一%です、二%です、そのくらいのことができないはずはないと私は思う。答弁願います。米一升で十本とるばかがどこにある。
○小泉説明員 お答え申し上げます。 最近の年度で申し上げますと、酒造年度というのがございまして、五十三年度の酒造年度中の清酒の製造の実績をごらんいただきますと、市販酒の換算で百五十四万キロリットル、八百五十三万石をつくっております。それに使います原料のお米は約五十七万トンということでございます。 御指摘のように、仮にアルコールの添加をやめまして全部米でつくるということにいたしますと、一応推計いたしますと約九十九万トン。したがいまして四十二万トンの米を追加するという計算に相なるわけでございます。 しかしながら、御存じのようにアルコールにかえて米の使用量を増加させるという場合には、やはりお酒の原価が非常に高くなる、原価高になるということが一つございます。それから、長い間消費者の方々は現在のようなお酒をずっとお飲みになっていらっしゃるということで、やはり消費者の嗜好にマッチした品質のものが果たして全部米でつくって得られるかという問題も一つございますかと思います。さらに、技術的にあるいは設備の上でかなり、やはり清酒のメーカーは中小企業が大部分でございます。したがいまして、純米の清酒をつくる技術というものも非常にむずかしい点がございます。そういったことになれておりませんので、そういった技術面あるいは設備の面でもかなり新しいものを追加していかなければいかぬということで、対応できるかどうかというような問題がございます。 御指摘のように、実は現在アルコールにかえて米を使って清酒をつくることについては、制度上は何ら制約がないわけでございます。これは個々の製造者の方々の自主的な判断によってできることになっておりますけれども、どういう酒をつくってどういうふうに売るかは、商品設計とか製品価格の政策といいますか、やはり経営の基本に触れる問題でございますので、これを急激に変化させていくことはなかなかむずかしい問題ではないかと心得ておるわけでございます。 なお、清酒のアルコールの使用数量は毎年減少いたしております。たとえて申しますと、白米一トン当たりの一〇〇%アルコールの使用量をごらんいただきますと、昭和四十年を一〇〇といたしますと現在は八八程度まで落ち込んでおるということで、品質面の努力は酒造業界ではかなり続けておるという現状でございます。
○松本(作)政府委員 ただいま国税庁の方からお答えがありましたように、酒米がアルコールなしで使えるということになりますと、相当程度の数量増加が出てくるわけでございますが、そのような方向に向かいますために、私どもとしては、できるだけアルコール添加を実態に即して漸減していただくというお願いを国税庁の方にいたしております。その結果、ただいま国税庁から御説明がございましたように、アルコール添加の割合は年々減少いたしております。それにかわりましてできるだけ安い米を供給するという立場もありまして、政府米の数量を増加いたしております。五十年ごろまでは自主流通米だけでやっておりましたものを、五十一年度から政府米を売ることにいたしてまいりました。五十三年の実績が約四万トンでございますが、五十四年は十一万トンの政府米を売るという計画をいたしまして、これに応じてアルコール添加を減少していただくようにということで、国税庁とお話し合いをしておるところでございます。
○柴田(健)委員 学校給食二十五万トン、酒は約四十四、五万トンふやす。それは一遍にいかなくても、半々でいけば三十万トンくらいはすぐ消費拡大になる。そういう考え方でもう長い間皆さんに要求し続けてきたわけですね。学校給食への値引きという思い切ったことをやられておる。そこまで値引きをしなくても、酒米にもある程度値引きしてやる。いま酒米に出しておるのは上等米、酒米ということでいい米、一俵一万八千円前後でいっておるわけです。それを四千円くらい値引きして一万四千円くらいにしてやってもいいじゃないか。それで酒米に米の消費を拡大してもらう。そういう手は農林省と大蔵省で話をつけられるわけです。先ほど大蔵省の答弁を聞いてみると、施設がどうだとか嗜好品だから国民がどうだとか言うておりますが、純米酒の方がいま伸びておるのでしょう。だから、日本洋酒ではなくて完全に日本酒にしてしまうということになれば、これは米だけでやれる。 それからもう一つは、アルコールを米を原料にしてつくったらどうか。要するに、えさにトン二万三千円で卸すくらいに卸してやってアルコールをとれば、安いアルコールをつくれるわけですから、どうしても酒にアルコールを添加しなければならぬのなら、米からとったアルコールを使う。そのくらいの考え方に立ったらどうなんです。輸出米程度で払い下げをしたものでアルコールをとったら、計算してみてそう高くつかないと私は思う。そんなべらぼうに高くつくとは思えない。どうしても酒にアルコールを添加しなければならぬのなら、米でアルコールをとって、そのアルコールを酒に入れる。そうすれば、両方で米が消費される。公式論ばかり言わずに、そのくらいな知恵を使ってもらいたい。そこまで踏み切って米の消費拡大を本気でやる。それは大蔵省だけでやれない、農林省だけでもやれない、政府全体で腹をくくってもらわなければ困る。アルコール専売でも民営に移管するなんて大蔵省、通産省はいいかげんなことばかり言う。あくまで国営でやって、あらゆる穀物からアルコールをとる。そのくらいな熱意で、エネルギー問題が資源問題として重要な時を迎えておるのだから、発想の転換をしてもらいたいと思うわけです。 それから、酢でも、米酢は四割になっている。全部米酢にしたらどうか。なぜあんな化学酢を許可するのか。とめちゃう。強い意思でやる。もう米を食うのでなしに飲むことも考える。牛乳は飲むのだったけれども、これから食うことも考えるということで消費拡大をやる。米も食べるのでなしに飲む、そういう方向で研究開発してもらう。 それからもう一つ、炊飯器の改良に農林省は新年度の予算で助成金を組んだらどうだ。硬質米、軟質米がある。農林水産省は生産者だけにりっぱないい品質の米をつくりなさいと言う。どんなに品質のいい米をつくって出したところで、消費者の口に入る時分においしいかといったらもうだめだ。だから、炊飯器の改良に研究開発助成金を出したらどうなんですか。岡山県は電機メーカーに頼んで、硬質米と軟質米の炊飯器の改良を研究してくれと要請しておるわけです。都道府県が要請できて農林省ができないというばかなことはない。炊飯器の改良研究に助成ができるかできないか、それをひとつ御答弁を願いたい。
○松本(作)政府委員 炊飯器につきましては、現在、各炊飯器メーカー、電機メーカーにおきましていろいろ工夫をされておりまして、最近では特に火かげんをある程度自動的に操作するというような形で、従来のかま炊きに近いような火かげんをするような工夫をいろいろとやっておるようでございます。したがいまして、私どもといたしましては、このような民間の企業活動による努力がすでに行われておりますので、直接国から助成するということもいかがかと思いますが、このような民間企業の努力が消費拡大につながるように、私どもとしても十分に連絡をとり合っていく必要があるのではないかと考えております。
○柴田(健)委員 酢の方もあわせて答弁を願いたかったのですが、後で結構です。 もう一つは、握り飯運動を起こしたらどうか。あらゆる大会に握り飯を使ってもらう。梅干しでも入れて完全に握り飯をやってもらう。全国民が一日一個握り飯をよけい食うてくれさえすれば、米の在庫はそうふえるわけはない。握り飯運動を起こす。どうですか、もう運動会だろうと全国大会であろうと、武道館で大会をやるのには全部握り飯を食うてもらう。そこまでやる。行管の宇野長官が行政整理だ何だと、恐れをなしているより、もう少し米の消費拡大に人を回す。ただ通達文書くらいではだめだ。陣頭指揮をやる。そこまでやらないと米の消費は伸びない。日本人なら握り飯を食うてくれ、日本人なら米を食うてくれという呼びかけができないはずはないと私は思う。あなたらは日本人の意識がなくなったんじゃないか。日本人なら米を食うてくれという呼びかけ運動をやったらどうだ。あなたらは民族意識がないんじゃないかな、正直に言うて。その点を考えて、握り飯運動をどういう方法でやるか、それについてちょっとは予算措置をしたらどうかという気がするわけです。 それから、米の販売業者の問題は何回言うても一つも改善しない。いつでもどこでも消費者が手に入るような米の販売、流通、それを改革しろと言うのに、やっております、やっておりますで、一つも下の方には変化は起きない。どこでやっておるんだろうか。一々われわれが具体的にこうしなさい、ああしなさいと言ったって、やる意思は全然ない。あなたら日本人じゃないと言うんだ。どうですか、日本人という意識がありますか。次官、答弁願います。そして、いままでのを御答弁願います。
○近藤(鉄)政府委員 私も、日本人も日本人でございまして、特に米作地帯の代表でございますから、お米は大好きでございます。私もかつて三年ばかりワシントンにおったのですけれども、一日といえども米の御飯を欠かしたことがないぐらい米が好きでございますから、先生の御提案の握り飯運動は個人的に大賛成でございます。 ただ、これはあくまでも、いまのような社会的環境の中では、最終的には消費者の皆さんにお決めいただかなければならない問題でございますので、国として強制的にそういう運動を起こして、それを国民の皆さんに無理にお願いするわけになかなかいかない面がございます。実はやはり米に対するいろいろな偏見が戦後いつの間にかできてしまって、最近、どうしても米を食うと高血圧とか太るとかいろいろなことを言われますが、考えてみますと、戦前の日本人は主として米ばかり食っておったのです。しかし、みんなすらっとしておったわけです。最近の日本人は私を含めて少し太りぎみなんですが、実は米のせいではないので、ほかの要因があって太ってきている。ですから、そういう点につきましても、食糧庁がお医者さんや栄養の専門家の方々、そういった方々に御相談しながら、米に対する偏見を正していって、正しい認識のもとに、自発的に米を大ぜいの方々にこれまで以上に食べていただけるような社会的な環境、ムードをつくっていきたいということでございます。 食糧事務所を通じてもう少しいろいろなことができないかというお話もございましたので、この点につきましては長官から説明させていただきます。
○松本(作)政府委員 ただいま次官から御説明がありましたが、いわゆる握り飯運動のような形で国民運動として進めたらどうかという点につきましては、現在、市町村を中心といたします米の消費拡大運動を三百町村以上のところにお願いをいたしておりますが、そのような町村を今後拡充をいたしまして、その中でやはり地域ぐるみの米の消費拡大運動という形で取り上げていただいたらどうかと考えております。現在までのところでも、たとえば地域で工場導入をしたような場合、その工場における米食の供給をしていくとか、ないしは農繁期に握り飯を婦人部の方々が炊いて農家に渡して米の消費を拡大するとかいうようなことが、それぞれにおいて努力をされ始めておりますので、先生から御指摘がありましたように、日本人としての国民運動ということで、私ども、そういうふうな地域における米の消費拡大運動の中でぜひ取り上げていくように、今後進めていきたいというふうに考えます。 それから、食糧事務所等の職員の消費拡大に対する活用というような点につきましては、直接消費拡大ということだけではなくて、むしろ消費地における流通面の適正化を進めていくということを今後充実していかなければならないと考えておりまして、特に小売段階における品質表示の明確化というようなことにつきまして、具体的に表示の内容を明確化しますとともに、食糧事務所の職員等をこのような面についての調査、指導にも充実活用してまいりたいというふうに考えております。 なお、先ほどお話がございました食酢につきましては、工業用原料ということでトン当たり十一万ほどで一般の工業用原料と同じような形で取り扱っております。 それから、先ほど御質問がありました古米処理の損失をどう見込んでおるのかという点でございますが、ただいま先生からもお話がありましたように、全体としての金額は大きくなるわけでございますが、一応会計処理上は通常の経費と古米処理の経費というふうに分けて計算をいたしておりますので、古米処理の経費だけからいたしますと、五十四年度でおおよそ千八百億ぐらいの金額になろうかと思いますが、いずれにいたしましても相当膨大な金額になるということは変わりございません。
○柴田(健)委員 長官、米の消費拡大を本気でやってもらわなければ困るとわれわれは思うのです。真剣にわれわれはお願いしておるのですよ。あなたらは一つも受けとめてくれない。私は何回となく米の消費拡大の問題では申し上げている。握り飯運動でも、国鉄、運輸省と農林省は話をして、主要な駅では全部握り飯を売ってもらう。新幹線の中でも何でも握り飯を売ってもらう。運輸省と話をつけて、それを農業団体にやらしたらいいじゃないか。そういうことは一つもしていない。米の消費拡大では何をしているのか、そういう気がする。 それから、学校給食でもそうでしょう。たとえば私の町に小学校、中学校がある。何もよその方から米を運んでこなくても、食糧事務所の所長権限で、あなたの方の学校では地元の米を使いなさい、隣の倉庫に入っておるよ、そういうことでやればいい。民族的な立場からいけば、自分のところの親がつくった米をわれわれはその場で食べられるのだ、こういう子供に与える教育の問題からいうても非常に印象がいい。岡山県の方へ青森の方から持ってこなくても、原則として学校給食は地元の米を食わせる、そのくらいのことはできないはずがない、できるのです。それもやろうとしない。よその方から持ってきて、おいしくないのをまぜてやるからだめなんです。 そういうことで、米の消費拡大にどういう方法で知恵を使うか。あなたらは民族意識がない。不感症だし、知識があって知恵がない。始末が悪い、正直言うて。もっと知恵を使わないと米の消費拡大は伸びない。痛烈に皆さんを批判しておきますよ。もう少しまじめにやってもらいたい。 それから、学校給食で地元の米を使わせることができるのかできないのか、運輸省と話をして農業団体に握り飯運動をやらせるかどうか、五十五年度からそういう方向でやるかどうか、ひとつ見解を聞きたいのです。
○松本(作)政府委員 学校給食につきましては、生産地帯におきましては、現在でもできるだけ地元のおいしい米を食べていただくという考え方で進めておるわけでございますが、消費地等につきましては、どうしてもなるべくおいしい米を供給するというふうな立場で考えていきたいと思います。ただ、実際の給食業者の立地と学校の場所が離れておるような場合には若干問題があるようでございますが、考え方といたしまして、ただいま先生からお話がありましたように、なるべく地元でつくったおいしい米を食べさせるということにつきまして、さらに一層徹底させていきたいというふうに考えます。 それから、握り飯運動につきましては、先ほど申しましたように、地域地域の事情に即してやる必要があると思いますので、その地域運動の中におきまして、鉄道売り場その他必要な売り場における供給、ないしは地元職場とのつながりによる給食の増大というようなこともぜひ織り込んでいくように、今後とも指導してまいりたいと考えます。
○柴田(健)委員 時間がもうなくなったから、いずれ成果を見ます。米消費問題については、われわれは下で調べてきますから、あなたたちがここで何ぼ答弁したって、やっておるかどうかは現象として出てこなければならぬ。この言葉だけでは信用できない。もういままでも何回となく申し上げたのだけれども、やる意思がない。今度はやられるような悲壮感を持って答弁いただいた、こう理解します。 時間がございませんが、ちょっとお尋ねしておきたいのですが、五十三年度の会計検査の結果が新聞に出ている。税金のむだ遣い百三十六億。五十三年度と年度を決められておる。その百三十六億の中で、農林水産省が一番額が多い。三つ出ておるのですな。農林水産省の水田利用再編成の補助金の不合理な交付金、これが二億五百九十九万円。これは膨大ですよ。その次は、農林水産省が不要な飼料用の大麦を輸入して保管して、これが六十六億円。その他で、合計七十九億二千五百万。百三十六億で七十九億、約八十億、六〇%以上が農林水産省。こんな指摘を受けなければならぬほど農水省はずさんであったのかどうか。けさ飼料について説明をいただいた。ところが、肝心かなめな会計検査院の発表が間違っておるのか、われわれに説明するのが間違っておるのか、それはわからないけれども、こういうことを新聞に出されて、国全体で五十三年度で百三十六億円の税金のむだ遣いをしておる中で、農水省が一番多いじゃないか。農水省は何をしておるのだ。農民には食管の赤字が出るからと言って減反を押しつけて、消費者には赤字が出るから消費者米価を上げる。国民に与える印象として、農林水産省のイメージダウンというのは大きいと私は思う。この点を具体的に説明を願いたい。
○犬伏政府委員 飼料用の大麦の備蓄について、本年の八月に会計検査院から、その政府備蓄に関する指摘がございました。その内容は、政府が所有をしておる過剰米がたくさんある、その過剰米が存する間はそれでもって大麦の備蓄にかえたらいいのではないか、そういうことによりまして財政負担の軽減を図ることが適当であるという指摘でございました。 飼料の備蓄につきましては、御案内のとおり、畜産危機の経験にかんがみまして、外国からの輸入に頼らざるを得ない飼料穀物を国内で備蓄をするということで、昭和五十年度から始めておるわけでございます。その備蓄の計画は、配合飼料の年間の所要量を千九百万トンと当時見まして、そのうち飼料穀物を原料として使う割合が六割でございます。その六割の数量が千百四十万トンございまして、その一月分といたしまして九十五万トンを計画的に備蓄するということにあったわけでございます。九十五万トンのうち五十万トンにつきましては、トウモロコシ、コウリャンで民間において備蓄をしていただく、残り四十五万トンにつきまして、政府におきまして備蓄を行うということで進めてまいっておるところでございます。昭和五十三年度末におきまして、この四十五万トンに対しまして三十七万三千トンまで備蓄をいたしまして、五十四年度におきましては三万トン、五十五年度においては四万七千トンをさらに積み増しするということで、五十五年度末に四十五万トンというふうにする計画であったのでございます。 会計検査院の指摘のございました時点におきまして、農林水産省といたしましては、さきの通常国会で食管特別会計法の改正が行われ、過剰米の処理計画が明らかになったということで、その中に飼料用に向ける計画も含まれておるということから、この大麦の積み増しを今後行うかどうかの検討を行っておったのでございます。その検討のさなかに会計検査院からの指摘がございまして、そうした指摘も考え合わせまして、五十四年度の積み増しを予定しておりました三万トンはこれを中止するということにいたしたわけでございます。さらに、当面そういう新規積み増しを中止いたしますとともに、今後すでに備蓄をいたしておりますものにつきましての更新が必要になった場合には、更新でその補充は行わないということを方針として決めております。 指摘がございました金額は、五十四年度の積み増しの分と、それから五十五年度、これはまだ予算に計上しておらないものでございますが、その積み増しのための経費、更新を行う場合にその更新のために必要な購入料、保管料、それらを合わせまして指摘の金額になるわけでございます。 このような指摘が五十三年度の会計検査に関連して行われたわけでございますが、五十四年度及び五十五年度の計画として、五十三年度の検査におきましてもすでにそういう計画があったということで指摘を受けたというふうに考えておるのでございますが、他の指摘と違って、まだそれだけのものを実行したわけではなくて、それを取りやめたことによりましてそれだけの国費が節約できたという指摘であったわけでございます。
○柴田(健)委員 その他建物だとか水田利用のことはいずれ後で説明願うとして、時間がございませんが、五十三年度分としてああいうことを新聞に会計検査院が発表すると、そういう中身のことが国民にはわからない。いま局長が答弁されたが、五十四年度、五十五年度——五十五年度はまだ予算の計上もしてない。これからはこういう方法でやったらいかがですかという意見だろうと思うのです。意見を税金のむだ遣いということで一山何ぼでやられたら、国民の気持ちに与える影響というものは——そういう五十五年度までの、こういう方法で将来考えたらどうですかということまで含めることは、そういう意見は国民にはわからない。もっと会計検査院にちゃんと明確にしてもらわないと、われわれが飛ばっちりを食うわけですから。それを何もしないで、御質問申し上げるとそういう答えが出てくるだけであって、われわれよりか会計検査院にはっきりさせた、こんなあいまいな態度をとるから、会計検査院は一山何ぼでどんどこ新聞用に発表せられて、いかにも会計検査院が権威があるように言う。こんなやり方だったら会計検査院に権威がないじゃないか。いずれ会計検査院を呼んで聞きたいと思うが、きょうは時間がないから……。そんな無責任な会計検査院は理解できない、私はこう思うのです。 それから、食糧庁長官に最後に聞きたいのですが、汚染米が相当在庫品として残っておる、そういう報告があるわけです。それはいろいろな汚染米があるでしょう。カドミウムの汚染米もあるでしょう。なぜそういう汚染米まで政府が抱かなければならないのか、なぜそういう地域に米をつくらせるのか、ちょっと聞きたいのですよ。
○松本(作)政府委員 汚染米につきましては、地域を限定いたしまして、その地域で生産される米というものを、できるだけ土壌改良等によって改良工事はしておるわけでございますが、まだそれが明確でないような段階におきましては、これを買い取らざるを得ないものと考えておりまして、買い取っておりますけれども、その処理につきましては工業用ののりに使っておりまして、これは現在他の原材料との相対関係もございまして、むしろ需要が供給以上になっておるというような実態でもございまして、大きな数量でもございませんけれども、この処理については処理ができなくて困っておるというような状況にはなっておらないわけでございます。
○柴田(健)委員 おかしげな答弁だね。何も工業用ののりをつくるために、そんな三十万円で買ったやつを三分の一で払い下げをするような、赤字が出るようなことを平気でやっているのかね。汚染米を工業用に回すのだから、損をしてそういう工業用ののりを保護しなければならぬのかね。 それから、汚染米の地域は、もうこれだけ減反、良質米ができるところまで減反政策させておるのだから、汚染米地域は原則としては一切一ppm以上は全部だめだ、そういうところは土壌検査の結果、改良したってなかなか直りゃしないのですから、全部減反させる。そういうことをしないと、あなたのいま答弁を聞いておると、汚染米は工業米にしておりますから大丈夫ですと言う。そんな、みすみす食管会計が赤字になるようなことを覚悟で、汚染地域に米をつくらせておるということになるじゃないですか。のり業者を保護するためにそういうことをやらせておる、そういうことになるんじゃないですか。時間がないからもうよろしい。あなたの答弁聞いておるとも……。
○松本(作)政府委員 済みません、いまの説明が十分でございませんでしたので。買っている部分についてどうかというふうにお聞きしましたので申し上げたわけでございますが、先生のお話しのように、一ppm以上のものは買っておりません。買っておりますのは〇・四ppm以上で一ppm未満のものでございますが、これは消費者の感情を考えて、直接消費に回さないでのり用に回しているということでございまして、原則的な考え方はただいま先生から御指摘のありましたような考え方で処理しておるつもりでございます。
○柴田(健)委員 以上で終わります。
○内海委員長 武田一夫君。
○武田委員 政務次官に最初ちょっとお尋ねします。 今回の値上げの件ですが、私は隣の宮城県ですから米どころです。大変おいしい米の地域です。山形と同じように消費拡大も進んでいるところです。今回の米の消費状況ですが、これは非常に進んでない。毎年大体二%ぐらいずつ減っているわけです。そういう状況で値上げをするとなると、これは常識論から言いますと、経済常識を打ち破ったやり方だということで、消費者の皆さん方の不満の最たるものだ。米が余っているのになぜ値上げするのだ、その値上げした分を今度どこに回すのだ、われわれの非常に疑問とするところはそういう点だというのは、これはお聞きになっていると思うのですが、そういう点に対して、政務次官、率直にどういうふうにお考えになり、消費者に対してはこのような状態でこうなんだというふうに理解をしていただけるような説明をまずしていただきたいな、こう思うのでございます。
○近藤(鉄)政府委員 今回の米麦の値段の改定、上昇につきましては、実はいろいろ理由がございますが、特に第一に、何といってもいわゆる食管会計をめぐる財政事情として、いま御案内の財政再建という雰囲気の中で非常に厳しいわけでございますので、何とかひとつ、言い方は悪いのでありますけれども、三Kの一つとこの食管会計は世上言われておりますので、この食管の財政負担について何とか節減、合理化ができないか、こういう点が一つございます。 それの関連の中で、先ほどちょっと申し上げたわけでありますけれども、その食管会計が最近また赤字の要因がふえてきた。それは一般的な金利の上昇とか国内麦の買い入れがふえたり、また輸入麦の買い入れ価格の上昇がある、こういった点がございまして、同時にまた、農林省の予算全体としていろいろ必要な経費がふえているわけでございますが、特に水田利用再編対策でこれも八百億にもなるような予算が増額されなければならない、こういう状況でございます。 したがいまして、こういういろいろな農林予算の全体の増要因もございますが、それはさておいて、少なくともこの食管会計の赤字を現在よりもふやさないという程度のことは、これは大変厳しい状況でございますが、消費者の方々にお願いをして、それぐらいのことはひとつ御負担をお願いいたしたい。積極的な食管会計の赤字を減らしていくということよりも、少なくとも現行以上にふやさない程度のことはお願いできないか。これは大変御苦労をおかけして農家の方々に米をつくっていただいているわけでありますから、そういう意味では、農家の方々の御苦労を薄く消費者の方々に分かち合っていただくということも、これは何とか御理解できないか、こういう気持ちなわけでございます。 ですから、ここで米麦の値上げでふえた分をどこに使うかというお話でございますけれども、いまそういう形で食管会計の赤字をこれ以上ふやさぬということに使わせていただいて、それ以外のいろいろな経費につきましては、いまの厳しい財政状況でございますけれども、これから予算の編成に入るわけでありますが、財政当局と農林省としては話を進めてまいりたい、こういうことでございます。
○武田委員 そうしますと、これは去年なんかもそうですが、消費者米価を上げなければ、要するに、これを財源として農水の予算をふやす、農林省関係の予算として十分にとれない。反面から言うと、とるためには消費者米価はこれからもどんどん上げていくのはやむを得ないのだということにもとれるわけですね。ということは、農業政策が非常に不手際なためにいろいろと米が余ってくる状況の中で赤字がどんどん出てくる、その分はいつも、それは毎年とならなくても周期的に必ず消費者にやってもらいたいということになれば、消費者にとってはえらい迷惑だと思うのです。この点はどうなんですか。こういうようなケースが固定してさましたら、去年もそう、今年もそうだ。だから、予算編成の前にこのような米審を開きましたね。それで、大臣も、八〇年代への新しい農政展開の予算が仕組めない、その財源確保のために値上げをさせてほしいとはっきり言っておるわけですから、これは消費者にとっては非常な迷惑でもあるし、そういうことが続くとすれば、いま一生懸命消費を拡大しようとして努力している政府の行動を何だか疑わざるを得なくなるのじゃないか。消費者だって高くなれば米から離れますよ。この点をどういうふうにお考えになって、どういうふうにしなければならぬかということは、こんな安易に走ることをしない、そういう姿勢といいますか態度が欲しかったと私は思うのです。その点どうですか。
○近藤(鉄)政府委員 先生の御指摘はよくわかるわけでございますが、先ほど申しましたように、食管会計の赤字をこれ以上ふやしてまいりますと、食管制度全体が問われてまいるし、そのことは、生産者の農家の方々に対してだけじゃなしに、やはり安定した価格でお米の供給を受けていらっしゃる消費者の方々の御迷惑にもなる、そういう意味で、赤字をふやさないということが原則であります。同時に、若干、農政費にも回して全体の農林予算の編成をしやすくするという配慮も一部あったわけでございます。 ただ、これは繰り返して申しますが、こういうことを続けていくと今後ますます消費者米価を上げることになるじゃないか、片っ方で消費拡大と矛盾するじゃないか、こういうお話でございます。御指摘の点は確かにございますが、しかし、今回のような程度の値上げは、一食当たりに換算いたしますと、必ずしも国民の皆さんの御負担にお願いできない程度のものではない、その範囲内だと私たちは考えておりますし、いわゆる世上言われております三Kの赤字の解消も、ある程度の受益者負担的な考え方もとっていただかないと、なかなか財政的な問題の解決にならない、こういうことで、先ほど申しましたある程度の受益者負担を考慮しての措置である、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○武田委員 これは要するに、もう一つは逆ざやの解消につながるわけです、五年間という。いまの調子でいくと、五年間は不可能だということは大臣も認めているわけですが、いずれにしても、当初の、五年間で逆ざやを解消するという中での一つの路線が一層鮮明に強烈になってきているわけです。ですから、今回も一二・三%から八・七%に縮小されたのですか、そうしますと、こういうことが最終的に目的が達成されたときに、果たして食管のメリットはどうなんだということを、生産者にも消費者にもわかるような説明がはっきりとなされていないわけですね。それを簡潔にお話しいただきたいし、食管制度は一体どうなるんだという心配もしているわけですから、この点……。 それからもう一つは、それでなくともやみ米の横行というのが騒がれているわけです。摘発されたとかいうケースはなかったにせよ、昨年なんかも非常に騒がれまして、今回こういうふうな形になると、小売店から買うよりも直接生産農家に行って買った方が安くなる、そういう事態は必ず出てくるはずです。今回の値上げによって、恐らくその方が安いのじゃないかと思います。そうしたら、こういうものを取り締まるということに相当神経も必要になるし、そういうことが野放しに行われることになったらえらいことだと思うのです。この点に対しての政府の対策というか、そういうものはどうなっているんですか、その点をお聞きしたいと思います。
○松本(作)政府委員 売り渡し価格を引き上げますと、今回の場合には、末端逆ざやはすでに解消されておりますので、お話のように、小売店の販売価格が生産者の価格よりも高くなるという事情があることは事実でございます。ただ、やみの発生というような大量の物として考えます場合には、消費者に直接生産者が売り渡すというよりも、生産者が小売店に売り渡すということは考えられるかと思います。したがいまして、小売店として生産者から買う生産者価格よりも卸から買う価格の方が高くなるようなことでございますと、御指摘のような点が非常に心配されてくるわけでございますが、現在、三類の価格で考えてみますと、改定前におきましては、売買逆ざやが約二千二百円ほどございまして、そのうち小売段階での逆ざやが千六百円ほどあったわけでございます。今度改定をいたしまして、約五百円値上げをいたしますけれども、まだ小売が卸から買うよりも生産者から買う方が有利であるという状況とは大分差がございますので、私ども、この引き上げによりまして大口なやみが発生するような誘因は出てこないものと考えておるわけでございます。 しかし、こういうふうなやみが発生するかどうかということは、むしろ需給状況が非常に緩和しておるという状況のもとでその心配が強まるわけでございますので、第一義的にはやはり需給均衡をなるべく早く達成をいたしたい。したがいまして、お願いをいたしております来年度の生産調整にいたしましても、目標を変えて単年度均衡を達成するように努力したいわけでございます。 それとともに、流通面での適正化ということについては、今後力を入れていかなければならぬと考えております。その際、現在の食管法の規定によりましては、実態上無理なような規定もいろいろございますので、これら流通面についての食管法の規定について、実態に合ったような改正も必要になるのではないか。守りやすいような、守れるような食管法の規定のもとで、適正に食管法を守ってもらうというようなことにして、やみの発生を抑制していくようにしなければならないと考えております。
○武田委員 その次、先ほど政務次官が、余り上がったわけではない、一食一円十銭ですか、パーセントは〇・一二%とか細かい数字が出ております。これに限ってみれば、ほとんど上がらないということはこの数字の上から出てきますが、しかしながら、いままでのケースを見てみますと、その波及効果というのは意外に大きいということは否定できないと思うわけです。主食ですし、しかも、公共料金の最たるものが政府主導型で上がっていくことになると、それでなくとも、いまからわかっているだけでも、来年のこれから上がる公共料金というのはメジロ押しです。そういうものの勢いを大きくする誘因になっていくことは間違いないと思います。それが結局は消費者の生活に非常に大きな打撃を与える。ですから、経企庁もこの値上げ幅の問題については相当抵抗したように聞いているし、物価の安定ということを考えたときに、経済の成長よりはその方に、今後の政府の方針として、重点的な柱として臨んでいくんだ、こういうふうに言っているわけですが、そういうふうなことを言っている先にこういうものが米を中心として上がっていくということは、私はこわいと思うのです。いまそういうときになぜ先走りをして上げなければならないかということは、時期の問題もありますし、また、そういう雰囲気というものを無視した、これは心理的に消費者に相当大きい影響を与える。結局は、消費者に言わせれば、農政の過ちがおれたちに飛ばっちりが来るんだ、消費拡大なんてとんでもない、協力できるかというような反発を生み出す、農家の人にとってみれば、何かわれわれが悪者になっているような感じがする。そこに両者の協力、理解なんていうものはとても持たれないというような雰囲気が出てきた。そうしたならば、これは今後一生懸命消費拡大をする、後で消費拡大も聞きますけれども、そのために大変なお金を費やしているということは、もうむだになってくるんじゃないかと私は心配するのです。そういう点の配慮というのが果たして十分に検討された上でのこうした値上げであったものか、疑問を持たざるを得ないのですが、その点どうですか。
○近藤(鉄)政府委員 先ほどもちょっとお話ししたわけでございますけれども、これは消費者の皆さんの個々の家計に対する影響を考えれば、御指摘もございましたように、全体の消費者物価指数に対する影響が〇・一一とか二とか、こういうことでございます。麦については〇・〇六とかいうようなことを計算いたしたわけでございますが、確かに、余っているときに何だ、こういう数字の問題よりも、お気持ちの上でなかなか納得できないことは私たちも十分わかっているわけであります。ただ、繰り返しになって恐縮でございますけれども、いわゆる三K赤字というものの原因もたくさんございます。国鉄にしても何にしても、制度自体の運営のやり方について真剣に考えなければならない問題もたくさんございますが、しかし、同時に、ある程度は受益者負担といいますか、応益分担といいますか、そういうこともお考えいただかないと、なかなかこの赤字の解消ということは現実問題として実行不可能である。こういうことで、あえてこういう場をおかりして申し上げたいわけでありますけれども、やはり日本において農業、特に主食であります稲作農業は非常に大事なことでございますから、農家の方々も非常に苦労していらっしゃる。それに対して、一般消費者の方々もある程度の負担を分かち合っていただいて、生産農家の方々と消費者の方々がお互いにある意味では理解し合い協力し合って、食管制度を守り、日本の農業、稲作農業を守っていくというふうな御理解を何とかしていただきたい、こういうことで、いろいろ各方面にお話を申し上げた次第であります。
○武田委員 私は、それでは御理解いただけないと思うのですよ。 それはさておきまして、それじゃ、この米の値上げに従って便乗値上げというのは厳重に監視するということは、経企庁長官も農水大臣も表明しているのですが、これは間違いなく効果ある対策、体制というのをお持ちだと思うわけですが、これは大丈夫ですか。
○松本(作)政府委員 米が主食でありますために、この値上げが物価全体に波及するのじゃないかという御心配は、私どもも十分に持っておるつもりでございます。したがいまして、便乗値上げにつきましては、関連した食料品等について十分に行っていかなければならないと考えておるわけでございますが、米だけの世界について考えますと、現在自主流通米の需給関係が非常に緩和しておりますので、米総体としての値上がりは政府の売り渡し価格の値上がりよりも上がることはないのではないか、むしろそれを下回るのではないかと考えておるわけでございます。
○武田委員 これは最近の朝日新聞に出ていましたもので、一つの例としまして、食糧庁が米麦の値段の引き上げが台所へどういう影響を与えるか発表した中で、「パンヘの影響」ということで、「「食パンの小売価格は一斤当たり十円程度の値上がりになる」と説明しながら、数時間後には「約四円が正しい」と訂正した。」こういうことが出ています。ずっとこれを読んでいったら、要するに、メーカーや小売店からコストアップ分などの意思表示が全然ないのに、食糧庁が先走ったのかどうか内容がわからないが、プラス六円というものを先取りした値段で出していたのだ、こんなことでは、いかに「厳重に便乗値上げ」云々なんて言ったって、足元から崩れていくのじゃないか、そういう記事です。この内容はどういうことなんですか。もしこれが事実とすれば、とんでもないことです。これに対する説明をしてもらいたいと私は思うのです。中には、パン業界から来年の参議院選挙に、食糧庁もらったのか、親分が出るんじゃないか、こう言う人がいるんですからね。これは問題だと思うんですよ。パン業界というのは大変なバックがありますからね。こういうようなことが新聞に出ているということ自体非常に奇異な感じを与える。ここにも「奇妙な試算」と三段見出しで出ていますけれども、これはどういうことなんですか。
○松本(作)政府委員 私どもといたしましては、正式には、この米麦価の値上げが物価に及ぼす影響というものは、直接的、間接的影響を含めてこれだけであるということを、先ほどお手元にお配りいたしました資料によって説明したわけでございますが、別に報道機関から、小麦のをパンについて見たらどのようなことになるのか試算をしてみてくれという話がありましたときに、その発表の過程で必ずしも明確でなかったということがそのような誤解を生んだということになろうかと思っておるわけでございますが、私どもといたしましては、直接粉から上がってくる分としては四円程度であろうというふうに考えて説明をしておりまして、それ以外の要素は一般の物価の値上がりその他で推計をしたということでございまして、私どもは、正式にそういうものを認める意味で発表したわけでもございませんし、その数字全体が私どもの試算として、報道機関から依頼されたときに説明をしたというふうに聞いております。
○武田委員 そうすると、もし四円以上の値上げがあった場合は、これは便乗値上げと考えて手を打たなくてはならないとか、そういうようなものは持ち合わせているわけですか、長官。
○松本(作)政府委員 私ども、この麦の政府売り渡し価格の改定に伴って関連部門でどのような価格を考えておるかということは、一切聞いておりませんので、いまの時点でどれがいいとか悪いとかいうことは判断材料は持っておりません。
○武田委員 そういうふうなときは、うかつにこういうようなことを試算とか予想とかと言うものではないと思うのです。これは影響力が大きいのです。その点は注意して言ってもらいたいですね。 時間もないので、最後に消費拡大についてですが、消費拡大対策には百二十八億ですか使って、政務次官も御存じのとおり四本の柱がありますね。要するに、米飯給食の推進百十二億ちょっと、米の加工食品の開発・普及二億七千九百万、米食の普及啓蒙活動十二億ちょっと、良質米の安定供給、この四本の柱で、そのほかに古米部門の施策をやっているようです。しかし、さっぱり効果がないというふうに率直に言ってわれわれは受け取るわけです、毎年下がっているわけですから。しかも、政府がいま検討されているような六十五年度ですかの需給見通しの中を見ますと、将来、米は九百三十万とか一千万トンくらい、ますます減っていく。言うなれば、これはどこまで下がるぬかるみぞというような感じでして、消費拡大をずっと進めていくのだけれども相変わらず落ちていくということになるならば、これはどういうことなんだ、われわれ一般の人間にとってはさっぱりわからぬというのが率直に言っての意見です。私は、いろいろ聞きましたところでは、消極的な消費拡大というものを一生懸命やっているような感じがするわけです。本来ならばもっと落ちるのを落ちないようにするのが拡大だ、これでは消極的だ。落ちていたのも少し上げていくというような方向には全然取り組む姿勢はないわけですから、弱気な消費拡大と言わざるを得ない。そういう点について、政務次官、どうお考えですか。
○近藤(鉄)政府委員 御指摘のとおり、政府も、いろいろ生産者団体から消費者団体、そして市町村、また米の加工業者、さらに学校と、いろいろな関係の皆さんにお話をしながら、消費の拡大に努力をしてまいったわけでありますが、残念ながら、これまで見るべきものがないじゃないか、むしろ下がる勢いをいささかそいだ程度じゃないかという御指摘でございますけれども、私は、やはり率直に申しまして、戦後から現在まで、本当に米のない時代から農家の方に御苦労をおかけして米の生産に努めてまいりまして、米がある程度できてきた段階で、今度は日本人の食生活が、いわゆる洋風化といいますか、従来のものから、それこそバター、チーズ、肉、いろんなものが入って、さらに野菜についても従来よりもいろんなものが食生活をにぎわしておりますので、そういう意味で、日本人の食生活が最近急激にいわば欧米化した、それが米の消費を抑えてきた、こういうふうに考えていいと思うわけでありますが、ただ、最近少しずつ様相が変わってまいったというふうに、私、実は思っているわけであります。 それは、極端な肉食とかそういったものが必ずしも人間の健康によくない、こういうような認識も最近一部ではございますが出ておりますので、たとえば、むしろ米食の方が人間の健康にいい、また美容にもいい。アメリカなんかでは米を女性が美容食としているという話もございます。ですから、そういう従来の急激な洋風化で米の消費がいわば侵食されてまいった段階から、もう一回米を健康の面でもまた美容の面ですら見直そう、こういうこともございますので、若干これは楽観的過ぎるかもしれませんが、これから私たちの努力いかんでは、昔みたいなことはなくても、米の消費の拡大の機会が出てきたのじゃないか、こういうふうに考えて、従来やってまいりましたいろんな施策について、さらにこれから一段と意を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○武田委員 それで、学校給食のことについて一点聞きます。 データを見ますと、大体伸びているようには見ています。依然として極端に悪いところがある。残念ながら私の宮城県も全国平均から比べると悪い、全国平均は七〇%くらいで五四%ですから。そういうのがあるし、かと思うと一〇〇%以上のところもあるということで、どういうところでそうしたアンバランスなところがあるのか、今後どういうふうなところに手を打っていけば、学校給食が一層推進されまして米飯の普及というのが一層進むかという問題ですね。この問題を文部省に聞きたいと思います。
○坂元説明員 五十一年度から米飯給食を導入いたしまして、五十六年度中に何とか全国の学校給食実施校で週二回の米飯給食を実施していただこうということで、現在計画的に米飯給食の普及を図っておるわけでございまして、幸いに、全国的な数字から見ますと、年々米飯給食の実施校はふえております。 しかしながら、いま先生が御指摘のとおり、都道府県によりましてかなりのアンバランスがございますし、同じ都道府県内でも地域によってかなりのアンバランスがございます。全国的な傾向を申し上げますと、大体政令都市等大都市を中心にいたしまして米飯給食の進捗率が悪いということが言えようかと思います。大都市は、御承知のとおりに、自校炊飯でやる場合に、設備を設置するための施設を拡張しようとしても、たまたま土地が狭隘であるということでなかなか不可能である。あるいは自校炊飯でやる場合には労働の強化になるというような点もございまして、どうしても委託炊飯方式でやらざるを得ない、そういう条件がございます。そこで、私ども委託炊飯方式でぜひ米飯給食を進めていただきたいということで関係者にお願いしておるわけですけれども、たまたま調理員の方々が定数をふやすということを前提にして自校炊飯に固執しておられるということもあって、調理員の関係者の反対でなかなか委託炊飯方式が進まないというのが実情でございます。そこで、私ども、そういうところの各大都市の教育長を初め関係者を直接お呼びいたしまして、恐縮な言葉でございますが、ひざ詰め談判で米飯給食の推進をしていただきたいということをお願いしておりますし、それから、調理員の関係者にも機会あるごとに、米飯給食の意義を御理解いただいて、ぜひとも委託炊飯方式で御協力いただきたいということをお願いいたしております。幸いに、そういう地域も、徐々にではございますけれども米飯給食をやろうという動きが出ておりますので、今後とも、いま申し上げましたような関係者に理解を求めるために、強い態度で臨んでまいりたいというふうに考えております。
○武田委員 強い態度で臨みながら、やはり要望を聞いていただかないとだめなわけですから、たとえば調理師の問題云々ということは、相当検討しながら強い態度での交渉というのが必要だと思うのです。それはひとつお願いとしておきまして、最後に、さっき政務次官からアメリカの方の話が出ました。確かにアメリカでは日本食ブームが非常に起こっているのだそうですね。米を食う人がふえてきた。その背景はどういうところにあると思いますか。
○近藤(鉄)政府委員 日本食ブーム全体の背景というのは、私もたびたびアメリカに参って生活しておった経験がございますが、やはりアメリカ社会全体が、ヨーロッパ的なものから東洋的なもの、特に戦後は大ぜいのアメリカ人が、たとえば駐留軍として日本におったし、旅行で来た、こういうことから、日本のいろんなもの、生活方式から芸術から、それこそ歌舞伎から、生け花から、お茶から、入っていると思うのでありますけれども、特に日本食に対するアメリカ人の関心がふえてきたのは、先ほどもちょっと申しましたように、栄養的にも、たとえば一定の満足感を得るために、いわゆる米を中心にした日本食と、バター、チーズ、肉食というものとどっちがカロリーが少ないかといったら、やはり日本食の方がカロリーが少ないということで、アメリカみたいに過剰カロリーで悩んでいる社会にとって、一つの同じ満腹感のためには日本食の方がいい、こういう判断もあり得るでしょうし、また、同じカロリーをとるにも、それを油を中心にしてとるのと、日本食のようなでん粉質を中心としてとるのと、どっちがいいかというと、やはり油からとる方が肥満型になる、こういうことだから、同じカロリーをとるにも日本的な食生活でとった方が肥満型を防げる、こういういろんな考慮があって、それといま申しました社会全体の日本に対する関心、たとえばすき焼きブームみたいなものと乗っかって、現在アメリカ社会における日本食がだんだんいろんな面で侵透して、各地の日本料理レストランが繁盛しておる、こういうかっこうになっているのではないかと思うわけであります。
○武田委員 聞くところによりますと、その背景には、いま言ったように栄養と食事の関心が高まっているのは事実です。日本でもそうですね。いまは逆になっているわけです。一つには、アメリカの上院栄養問題調査委員会とかいうものを通して、医者、専門家等の意見を集大成したいわゆる「米国の食事目標」とかという勧告レポートというものがその大きなきっかけになっているということが報道されているわけですね。やはりこれは一つの国家的な事業としまして、そうしたものが多くの国民の目に入っているんだと思うんです。 ところが、日本はその点が非常にまだまだ弱いと思います。テレビにしても、チラシにしても、いろいろな宣伝をしますが、単発的であるし、断片的であるし、そのつながりがない。私は米祭りなどもいろいろ見ていますが、非常に断片的でありまして、単なるお祭りです。線香花火ですね。これではならないと私は思うのです。同じ金をかけるならば、そうした効果ある消費拡大のための、もっと国家的な取り組みというものが弱いと私は思います。言うならば、消費拡大に対する金の使い方は相当のところでむだなところがある。対策室長さんもいますが、七人でことし発足したらしいのですが、えらく苦労しているようです。よく相談に乗ってあげまして、もっと全体的な国家的な観点からの消費拡大について、もう一度再点検をして、一層効果あるような方向で、国民の税金が生きるようにしていただきたい、こういうふうに思うのです。政務次官の決意を聞いて終わりにしたいと思います。
○近藤(鉄)政府委員 これまでもるる御説明いたしましたように、政府といたしましても、特に農林水産省、食糧庁は一生懸命米の消費拡大について努力をしてきたつもりでございますけれども、御指摘がございましたように、必ずしも十分でなかったと私も認めざるを得ない面もあります。たとえば、米の宣伝にすごく太ったお相撲さんが出てきて米を食べるみたいなかっこうですと、最近のように太型よりやせた方がいいような社会では、かえって米を食べると太るんだということになりかねませんから、むしろスマートな女性が米を食べるみたいな形のコマーシャルも大事かもしれませんし、いろいろ考えなければならないと思うわけであります。 実は、柴田先生からも御指摘がございましたし、武田先生からもお話があったわけでありますが、いまの食管会計のいろいろな問題、そして転作とかその他に対して国が使っているお金の大きさ、そういうことを考えますと、これまでもやってきたと言いながら、もっともっと本当に真剣に、まさに今度こそ取り組まなければならないという感じを、今度の政府の米麦売り渡し価格値上げについても、改めて私は感じておりますので、従来やってまいりましたことをもう一回再点検いたしまして、本当に実効の上がるような米の消費拡大に努力をしてまいりますし、同時に、コマーシャルとか何かもございますが、やはり消費者はあくまでも自分たちの選好でお決めになるわけでありますから、先ほどもちょっと申しました、ともかく皆さんで、農業を守り稲作農業を守っていただくための御負担を、広く消費者の方々にわずかであってもお願いするわけでありますから、そういう消費者の方々に御負担をおかけすることにこたえて、稲作農家の方々がそれこそおいしい、いい米をつくって、消費者の皆さんの嗜好にも合う、こういう努力も農家の方々にお願いしなければならない。そういういろいろな面を含めまして、大臣もこの問題については非常に真剣に取り組んでおりますし、ひとつ省を挙げて積極的に取り組んでまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○武田委員 終わります。
○内海委員長 この際、午後一時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時四十四分休憩 ————◇————— 午後一時三十三分開議
○内海委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中川利三郎君。
○中川(利)委員 養豚生産農家の深刻な危機状態については、前回この委員会でわが党の中林さんもお聞きしたり、あるいは参議院あるいは政府申し入れなどいろいろやっておりますが、その後どのように対応したかということについて農林当局からは公式には私たち承知しておらないわけであります。したがって、この機会に、いろいろなことは聞いておりますけれども、いまの対応状況についてひとつ御説明をいただければありがたいと思います。
○犬伏政府委員 豚肉の卸売価格は本年の九月以降、安定基準価格を下回る水準で推移をしてまいっております。このためにこれまで前回の委員会でも申し上げたところでございますが、計画生産の推進、消費拡大対策の推進、さらに自主調整保管の実施を行ってきたところでございます。これらの対策によりまして、豚肉の卸売価格は漸次回復の方向をたどっておるのでございますけれども、そのテンポはなお緩慢な状況にありますので、今回いま申し上げましたような対策の継続実施にあわせて畜産物価格安定法に基づく豚肉の調整保管を実施することといたしたものでございます。 畜産物価格安定法に基づく調整保管の実施細目につきましては、今後事業実施主体その他の関係者と協議をしていくこととなりますが、その概要について申しますと、まず事業実施主体としては全国農業協同組合連合会、全国畜産農業協同組合連合会、全国開拓農業協同組合連合会、この三者を予定いたしております。それから事業実施期間でございますが、調整保管を始めます期間は五十五年の一月から三月の三カ月間を予定いたしております。この調整保管による買い入れ保管頭数はおおむね三十万頭を予定いたしておりまして、買い入れの場所は卸売市場及びその他の指定場所を予定いたしております。なお、保管の経費につきましては、畜産物価格安定法に基づく畜産事業団からの助成を予定いたしております。この今回の畜安法に基づく調整保管と、これまで実施してきました諸対策等を行うことによりまして、卸売価格は早期に回復することを期待しておるものでございます。
○中川(利)委員 いま初めて公式に法に基づく豚肉の調整保管の政府の考え方をお聞きしたわけであります。それはそれなりに、やらないより前進している部分だとは思いますけれども、畜安法に基づく調整保管よりも、この最初の一つの段階としてこれをやるのだということだと理解をしたわけであります。何といってもこれには事業団が直接介入しないわけであります。また安定上位価格で買い入れする、こういう状態から見るならば、私は一歩前進であったにいたしましても、まだいろいろ問題が残るだろうと思うのです。たとえば来年一月からえさ代の大幅な値上げも伝えられているわけでありますので、その程度のことで果たしていいのかどうか、これをやって、もっと模様をながめて、いよいよ事業団が乗り出すかどうかということを決定する、そういう過渡的なものとしての理解でよろしいかどうか、この点についてお聞きしたいと思うのです。
○犬伏政府委員 畜産物価格安定法に基づきます措置といたしましては、今回発動をいたしました調整保管と畜産振興事業団による買い入れとがございます。これまで先ほど申し上げましたような諸対策の実施状況及び価格の動向を見きわめつつ畜安法に基づく措置について検討をしてまいりまして、今回畜安法に基づく調整保管を実施することとしたものでございます。 畜安法に基づく買い入れにつきましては、従来から実施してきております諸対策、これも継続実施をするわけでございますが、それとあわせ今回行います調整保管により価格回復が期待されると思っておりますので当面その必要はないと考えておりますが、どのような状況になれば具体的にこれを発動するかということにつきましては、今後の諸対策の効果、価格及び需給の動向を見きわめつつ検討をしてまいりたいと考えております。
○中川(利)委員 私は今回の養豚危機の問題につきまして、自殺者が出ないのが一つの救いだ、暴動みたいなものが起こらないのが救いだ、むしろそう考えていたわけでありまして、もっと早く何らかの手を打つべきであった。しかし、政府はいつも模様をながめるということです。今回一月から三月についての手だてはやるようでありますけれども、あの養豚農家の実態からするならば、やはり事業団が買い上げするという本格的な状況に踏み込むべきではないか、こういうことについて、いつも模様ながめ、模様ながめで推移して手おくれにならないように強くそれを望みたいと思うわけであります。 時間の関係で次に進みますが、転作条件の整備に関連いたしまして、とりわけ奨励金についてお聞きするのでありますが、農林省が概算要求で出しました転作奨励金は、転作目標面積を四十六万六千ヘクタールとして、それを前提にして計算して出した予算ですね。しかし、実際は五十三万五千ヘクタールにふやされているわけでありますから、当然この五十三万五千ヘクタールに見合ったそういう転作奨励金が必要になるかと思うのですね。ですから、私お聞きしたいことは、この積み上げ分の要求を当然農林水産省は出し直したと思うのですが、これをやったのかどうかということですね。この点お聞きしたいと思います。
○二瓶政府委員 五十五年度の転作奨励金の予算の関係でございますが、八月末に概算要求をいたしました。この際は四十六万六千ヘクタールベースでございまして、二千六百七十七億ということの概算要求でございます。これに対しまして過般五十三万五千ヘクタールということで十四万四千ヘクタール積み増しをいたしております。したがいまして、これに要する所要額というのが相当大きくなるわけでございますが、この面につきましては、大蔵省の方にもこの増額ということにつきまして要求もいたし、現在折衝をいたしておる、こういう状況でございます。
○中川(利)委員 私の計算というか、当初皆さんが要求した四十六万六千ヘクタール分に見合うものは二千七百十八億でありますが、五十三万五千ヘクタールに単純に比例してみますと三千百十九億、そのくらいの金が必要になると思うのですね。いまその積み上げ分について大蔵省に要求しているんだ、要求しているとするならば幾らで要求しているのか、具体的にお示しいただければありがたいと思います。
○二瓶政府委員 五十三万五千ヘクタールに見合います奨励金の所要額といいますものは大体三千億程度というふうになろうかと思っております。この面につきましては財政当局とも折衝中でございますが、いずれあすから大蔵内示がございますので、それを踏まえまして大蔵省と精力的に詰めまして最終的に決定をいたしたいというふうに考えております。
○中川(利)委員 何か自信がなさそうなんだね。私先ほど試算してみましたら三千百十九億かかるということになっているのですね。あなたは大体三千億程度で済むじゃないかというような言い方でありますが、奨励金というのは御承知のとおり面積当たりで計算して出すものでありますので、そういう状態でありますと予算が奨励金の目標面積よりも少ないということにならざるを得ないわけでありますね。結果的には奨励金の多い特定作物だとか永年作物、こういうものよりも単純休耕の方へ持っていかざるを得ない状況ですね。こういうことにならざるを得ないような感じがするわけであります。 そういうことでありますと、これまで大臣がしばしば言明してまいりましたように、何回も奨励金の問題について念を押されたんですね。この前申し入れのときもそうでしたが、大臣は政治生命をかけてもこの奨励金はちゃんと同じ水準で、同じ仕組みでやるんだ、こうおっしゃっているわけであります。この点について、いまの二瓶さんのお答えでは何か非常に自信のない、しかもこの三千億を取れるかどうかでさえも確かにならないような感じがするわけでありまして、この点について次官、どうですか。
○近藤(鉄)政府委員 大変むずかしいことを農家の方々にお願いするわけでございます。御案内のとおり、三年計画を三年目に変更いたしまして十四万四千ヘクタール上乗せするわけでありますから、これは本来ですと、だんだん転作の限界費が高いところをお願いするようなことにならざるを得ない面もあるわけでございます。御案内のような財政状況でございますから、そこまではともかくとして、少なくともこの前からお願いをしてまいった水準の奨励金については、財政当局も大変厳しい状況ではございますけれども、ぜひひとつ要求をして確保するようにいたしたい、こういうふうに私どもは考えております。
○中川(利)委員 次官のお話でも、この前の四十六万六千ヘクタールに見合う分を取れれば、つまり二千七百何がしを取れれば相当な成果みたいに聞こえたのですけれども、そういうことでありますと大臣のせっかくの言明とも異なりますし、結果として休耕に、つまり奨励金の少ない部分にしわ寄せしていく。だから当初の趣旨と全くかけ離れた方へ持っていかざるを得ないように考えるわけであります。そういう点で、この点については不退転の決意であくまでもストレートに要求していかないと私は大きい政治責任にかかわる問題だと思うわけでありまして、この点もう一回お答えをいただきたいと思います。
○近藤(鉄)政府委員 ちょっと言葉が足りなかったかもしれませんが、私が申し上げましたのは、従来の水準でいこう、こういうことでございますから、当初の三十九万一千ヘクタールの見合いの奨励金じゃなしに、その上積み分については従来どおりの要求をする、こういうことでございますから、従来の枠の中でやりくりするということではございませんので、その点は御理解賜りたいと思います。
○中川(利)委員 同じようなことでありますが、条件整備の問題で、具体的にたとえば水田利用再編対策そのものについてお伺いしたいと思うのです。 これも同じように四十六万六千ヘクタール時点で要求した金額がここにある三千九百五十六億何がしということになっておるわけですね。これもどのように増額要求をしているのかどうかということです。いま十四万何がしふえたわけでありますから、特にこの点については、農民が安心して転作できるためには条件整備だということは政府はかねがね言ってきているわけでありまして、やはり転作のためにもこの点は欠かせないわけでありますが、この経緯もあわせていまの予算要求の問題点についてひとつはっきりした御回答をいただければありがたいと思います。
○二瓶政府委員 転作条件の整備関係の予算でございますけれども、農業者の方が安心して転作に取り組んでいただくためには、何と言いましてもこの転作条件の整備というのが不可欠でございます。したがいまして、ただいまもお話ございましたように、八月末の概算要求時点において三千九十五億という関連事業予算を要求いたしております。そこで、その後十一月の末に十四万四千ヘクタール上積みした五十三万五千ヘクタールに転作等目標面積を五十五年度改定をいたしたわけでございます。 その後、この関連事業予算を追加要求をしておるかというお尋ねでございますが、この概算要求時点におきましても、五十五年度はいずれ相当の改定をせざるを得ないのではないかということを十分頭に置きましてこの要求をいたしておりますので、その後新たな要求をさらにこれにつけ加えてやっておりません。したがいまして、私どもといたしましては、厳しい財政下ではございますけれども、当初要求をいたしておりますこの関連事業の予算の確保という面に最大限の努力を払いたい、こう思っております。
○中川(利)委員 いまの四十六万六千ヘクタールに見合って要求した予算額を確保するために最大の努力をするということでありますが、今回の大幅な上積みそのものが三年間固定するということを農民に約束して、その約束を破ってぜひともお願いする、こういう状態の中で行われるわけでありますね。ですから、農民に対して一層積極的な転作の誘導策が別途新たにとられることが何よりの前提であると私は考えるわけであります。ところが、そういうことじゃなくて、これでは非常に後ろ向きみたいな感じがするわけでありますが、そうであれば文字どおり米減らしにつながる以外の何ものでもないし、二瓶さんはこの四十六万時点で請求した三千何がしの金額にしても、将来的なそういうものは織り込んであるのだという言い方でありますが、どうも政府の姿勢は、言うことと予算面でのあれとを見ますと非常にかけ離れていると感ぜざるを得ないわけでありまして、そういうことでああいう大きい転作を押しつけながらこういう予算上少ない状態ではどういう言い開きをしても立たないと私は思うのですが、次官どうですか。
○近藤(鉄)政府委員 農蚕園芸局長からもお答えいたしましたように、いろいろ概算要求を大蔵省に持ち込む段階で、来年度の相当大幅な水田再編計画を考えてのことでございますので、一応私たちの考えでは、この水準で予算が獲得できれば農家の方々に御協力をお願いして目標の達成が何とかできるのじゃないか、こういうことで要求をしているわけでございます。
○中川(利)委員 そういうことだからますます問題が大きくなるだろうと思うのですね。非常に残念だと思うのです。 なぜかと言いますと、実は防衛費について「防衛次官語る」という新聞の記事がありますが、GNP比〇・九%、これはどうしても確保するというので「異例の政治折衝も」ということで大きく新聞で取り上げられているんですね。これなんか見ますと、なぜそうなのかということを防衛庁の見解として新聞の書いていることを見ますと、「防衛予算についても米国の要望を無視するのは対米外交の大きな阻害要因となる」このことを原因に挙げているわけですね。アメリカにぐあいが悪いからどうしても〇・九%とらなければならない。こういうことなのに、農民に対しては約束を破って大幅減反を押しつけて、その分、必要当然の予算増加分すらもとることができない。それも一つの大望というか願望にしかすぎないような状態になっていることは何としてもがまんならないことだと私は思うのです。防衛庁でさえもアメリカのためにこれくらいやるのですから、日本の農民のために農林水産当局は断固たる決意で当たるくらいでなければならないと私は思うのです。先ほど来の御答弁のようなことではどうにもならないということですね。 この点を申し上げて、後で一括して御返事いただきたいと思うのですが、そういう中で自分の地元の問題を言うのは大変恐縮でありますが、秋田県の農協中央会なんかでも、この条件整備の三千何がしの中に、たとえば無利子の経営転換資金の問題が出ているんですね。あるいは排水対策特別事業の強化なんかについて大変な期待を持っているわけでありますが、これらの中身や実現の見通しについて一体どうなのかということ、これは秋田県だけに限らないわけでありますが、あなた方は、こういう少ない予算の中でこういう農民が非常に待ち焦がれている問題についてはどうお考えになるかということをお聞きしたいと思うのです。
○二瓶政府委員 転作条件の整備事業の一環といたしまして、五十五年度におきまして農業改良資金の中に経営転換推進資金というものを新規に要求をいたしております。資金枠といたしまして一応百六十億円ということでございますが、これにつきましては大蔵省の方ともいろいろ打ち合わせといいますか折衝をやっております。本格的にはあすの内示以降になりますけれども、私たちといたしましては、非常に厳しい財政事情下にあることは事実でございますけれども、この五十五年度の転作条件の整備の一つの目玉として経営転換推進資金という無利子の金を考えておりますので、これは何とか実現をしたいということで最大限の努力をするつもりでございます。
○近藤(鉄)政府委員 先ほどもちょっとお話し申し上げたわけでありますが、一応五十四年度と五十五年度につきましては、条件整備の資金としては、たとえば排水対策特別事業として今年度二百三十億を来年度二百八十七億にふやしてございますし、また基幹排水対策特別事業、これは今年度百億円を来年度は百五十七億円といった形で、個別いろいろ内容はございますけれども、一応額はふやしてございます。また採択基準も、従来たとえば二百ヘクタール以上だったものを二十ヘクタールに下げるとか、そういう小規模のものも対象にできるような措置を講じております。 そういうことで、ただいま中川先生から御指摘のありましたようなことにつきましても、いろいろのきめの細かい対策を来年度は考えさせていただいておりますので、できるだけ御要望に沿うようなことにいたしたい、かように考えております。
○中川(利)委員 まだ言いたいのですが、時間ですからこれでおしまいにします。
○内海委員長 近藤豊君。
○近藤(豊)委員 きょう本会議に上程されました日ソ、ソ日の漁業協定に関連して何点か質問を申し上げたいと思います。 もともと日本とソ連の関係というものは大変いろいろな面で対立をするわけですけれども、漁業関係についてはソ連が日本に対して特に力を背景として横暴であるということを国民一般が感じておると思うわけであります。 その中で魚の割り当て量の推移を見てみますと、日本が一番ソ連の水域でとりたいのはスケトウダラであり、またソ連が日本の水域でとりたいのはマイワシとサバであるわけですけれども、この日ソ交渉における割り当ての推移を見てみますと、逐年日本のスケトウの割り当ては急速に減少いたしております。このスケトウダラは私たちにとってかまぼことかあるいはちくわとか、庶民の食生活に欠くことのできない日本の産物の原料となるものでありまして、私の郷里もその産地の一つですけれども、このスケトウダラの漁獲割り当て量がぐんぐん減少しておる。ことしの来年度のための交渉においても、一万トンであるけれども、すでに減少しておる。これはやはり国民として大変関心を持たざるを得ないところであるわけです。そしてソ連側が欲しがっておりますマイワシとサバについては逆に少しずつ上がってきておる。われわれが欲しいスケトウダラについて減少するなら、ソ連側もとりたくて仕方がないマイワシやサバについてなぜ減少させないのか、これは国民の非常に単純な発想からくる意見であると思います。この点について、こういうようなスケトウが減少し、かつマイワシとサバがふえる。ソ連によく、われわれ日本にきついような結果にならざるを得ないその辺の背景がきょう午前中の委員会での水産庁の方の説明では十分納得ができませんので、改めてその辺を敷衍をしていただきたいと思います。これがまず第一点です。
○佐野説明員 お答えいたします。 私どもといたしましては、スケトウダラの資源状態が悪化しておるというソ連側の主張は決して認めておるわけではございません。それで政府間交渉に先立って行われました日ソ漁業委員会におきましても、スケトウダラの資源状態についてわが方の科学者から活発なプレゼンテーションを行いまして、ソ連側の主張に対しては十分反論をいたしております。 それから一方イワシ、サバにつきまして、ソ連側としては大変楽観的な見通しを持っておりますが、それにつきましても、日本側といたしましては決してソ連側の言うように楽観し得る状態ではないということは、これまた日ソ漁業委員会の席上、科学的な見解を開陳をして反駁をしてまいったところでございます。そういう意味では、スケトウダラにつきましてもイワシ、サバにつきましても、私どもといたしましては資源論争としては十分ソ連とやり合って、決しておくれをとっておるつもりはございません。 しからば、なぜこういうことになるかということでございますが、ソ連側の主張は、簡単に申し上げますと以下のようなことでございます。ソ連側としては、ソ連側の科学者の見解に従ってスケトウダラの資源状態は悪いという認識のもとで、ソ連の自国の二百海里水域内におけるスケトウダラの漁獲量を減らしておる、そのときに日本にだけ従来どおりのスケトウダラの漁獲量を認めるわけにはいかない、どうしても日本が従来どおりのスケトウダラの漁獲量を認めろというのであれば、ソ連としては自国の二百海里水域内におけるスケトウダラの漁獲量を減らすことによって生ずる遊休能力を日本の水域におけるイワシ、サバの漁獲に振り向けざるを得ない、したがって、スケトウダラを従来どおりの水準でとりたいのなら、日本水域におけるイワシ、サバの割り当てをふやしてもらいたいというのがソ連側の主張の骨子でございます。 しかしながら、日本側といたしましては、そもそもソ連の二百海里水域内におけるソ連の漁獲量についての統計の提供を受けておらない現状で、ソ連側のそういう一方的主張を納得するわけにはまいりませんので、ソ連側のそういう主張は絶対に認められないということで繰り返し論争を続けてまいったわけでございます。 しかしながら、最後の段階になりましてどうしても日ソ双方平行線をたどっておるという状態で、交渉が妥結しないまま現行の日ソ、ソ日協定が失効してしまうという事態は私どもとしても何としても避けなければならないというふうに判断いたしまして、最後の段階で、午前中御説明をいたしましたような譲歩をいたした次第であります。 それで、ソ連側がなぜ決裂をかけてまでそういう要求を貫き得るというふうに判断しているか、ソ連側にそういう判断をさせたのは何か日本側の交渉のやり方に拙劣な点はなかったのかということで、私どももずいぶん自分たちの交渉のやり方を吟味してまいったわけでございます。私どもがいま感じておりますのは、強気で押せば最後はソ連が要求をとれるというふうにソ連側に判断をさせている一番大きな要因は、わが国のイワシ、サバの主たる部分が非食用に向けられておって、日本にとってそんなに経済的価値の高い魚ではないはずだというふうにソ連が判断をしておる、そこがどうもどん詰まりのところでソ連が強気の態度を堅持してくるゆえんではないかというふうに考えております。
○近藤(豊)委員 そうしますと、日本が折れざるを得なかった最大の原因は時間的な要因にあるのだ、つまり時間切れで協定が切れちゃったら、より困るのは日本の方だ、それでやむを得ず押し切られたかっこうになった、こういうふうに、一応それが一番大事なポイントだということですね。——わかりました。 そこで関連なのですが、スケトウダラを日本は欲しい、それ以外の魚については要らないと言ってはなんですが、さほどの重要性があるとは私は思っておりませんけれども、もしスケトウダラが欲しくてとれないならばその他の水域、たとえばアラスカ海域だとかあるいはアルゼンチンの水域だとか、その他の世界の水域でスケトウダラをとる可能性あるいはその可能性の追求というような点では、いま水産庁ではどのように掌握をしておられますか。
○佐野説明員 日本といたしましては、単にソ連二百海里水域だけではなくて広くグローバルにスケトウダラの資源を求めておるわけでありまして、現在外国の二百海里水域の中でわが国がスケトウダラの漁獲量の主たる部分を占めておりますのはベーリング海でございます。それで私どもといたしましとは、そのほかにアラスカ湾、アリューシャン水域にも若干ずつクォータをもらっております。私どもといたしましては、スケトウダラの漁獲量を確保するためには、何と申しましても対米折衝が一番肝要であるというふうに考えておりまして、私どもといたしましては、スケトウダラの問題についてはアメリカに重点を置いて努力をいたしております。 それで、私どもの努力の具体的な成果といたしまして、従来アメリカ側の科学者に知られておりませんでした大陸棚外縁部のスケトウダラのストックを日本の科学者が発見をいたしまして、これを昨年の日米加漁業委員会において、アメリカ側の科学者、カナダの科学者も含めた国際的に認知された資源として確認をされまして、それでことしからアメリカ側は、ベーリング海の漁業管理計画の中で日本の科学者の発見したスケトウダラのストックを入れて、許容漁獲量を約十万トンふやすという漁業管理計画になっております。それで、国別配分はこれから行われるわけでございますのでまだ断定的には申し上げられませんが、私どもとしてはその成果が十分はね返ってくるものと期待を持って見守っておるところでございます。
○近藤(豊)委員 この日ソ協定の漁獲の割り当てに関連するわけですけれども、いま共同事業というものが行われておる。この共同事業については去年は六件か七件行われたはずなんですが、四つのポイントがあって、そのポイントの中の大事なことは、実は協定の漁獲に影響を与えないとかあるいは業者の採算に余りマイナスを負わせないとか、いろんなことがあるわけですが、どうもこの共同事業というのはソ連側の意のままになる日本の業者を育てることを向こうがねらっているのではないか。結果的にはこの共同事業とサケ・マスの方の漁業協力とあわせて、ソ連はできるだけ早く日本の漁業技術をマスターしてしまいたいのだ。つまりノーハウはできるだけ早くちょうだいしてしまいたい。ノーハウをちょうだいしたら、後はソ連の水域からもどこからも日本を追い出して、自分たちのとった魚を日本に高く売りたいのだということにどうも最終的なねらいがあるのではないかと思うわけです。 そうした場合に、共同事業ということで日本の業者がおれもおれもとソ連側に申し入れをしているような状況がやや見えるわけですが、これははなはだ日ソの漁業交渉にとってはマイナスにこそなれプラスにはならない。そこで、この窓口をとにかく一本化するなり、あるいはこのやり方についてもう少し別のアプローチを考えるなり、改善の必要がまだ非常にあるのではないかと思うのですが、この点についての見解をひとつ披瀝していただきたい。
○佐野説明員 お答えいたします。 私どもといたしましては、日ソ漁業共同事業は昭和五十三年から話の始まったことでございますが、この事業につきまして四つの基本方針をもって対処いたしております。一つは、先ほど先生のお話がございました政府間協定による漁業実績の維持に悪影響を及ぼさない。第二番目に、各国二百海里水域の設定等によって影響を受けている漁業者の経営の改善に役立つような内容であること。三番目は、共同事業の内容が公正で、日本側に不当な負担を課するものでない。四番目は、関係漁業者間において十分な意見調整が行われていること。こういう四つの条件を掲げてございます。 具体的に申し上げますと、たとえば日ソ間の政府間協定によって操業を認められております沿海州の第七海区というのがございますが、ここで日本の漁船が相当のイカのクォータをもらって漁獲をしております。そのすぐ北方の隣接する水域で共同事業によってイカをとろうというような話がございました。それで、こういうことをやられますと、政府間協定によるクォータをとるために第七水域に出漁しておる日本の漁船から見ると、その手前で先どりしてしまう。こういうのは先ほど申し上げました第一項に抵触するというので、絶対許可できないということで抑えております。ですから、そういう面で、具体的にまず政府間協定に基づく操業に悪影響を及ぼすようなものについてこれを絶対認めないという方針は従来から堅持されていると考えております。 ところが、問題の点は、先ほど先生御指摘のように関係業者間で一種の過当競争めいたものが起こる。しかもその中で、日本国内の業界内のコンセンサスの得られていないような事業についてソ連側が先走ってライセンスを発行してしまう。そういう事態が起こることによって国内の関係業者の間で無用の摩擦が起こる。それがいろいろな意味でソ連側に乗ずる機会を与える。こういうことは、確かに従来の共同事業の経過をながめてみまして遺憾な点がなかったとは申せないと思います。 それで、実は本年七月渡辺前大臣が訪ソされてカメンツェフ漁業大臣と会談をされた際、この問題について、ソ連側と共同事業の枠組みについて両国政府間で原則的な合意を達成しておくべきものではないかということを、いまのような事情を踏まえて渡辺大臣の方から提起いたしました。それに対してソ連側は、これは民間ベースの話であるので政府間合意ということにはなじまないのだが、渡辺大臣の言われる問題の所在というのもよくわかるので、今後はソ連側が先にライセンスを出してしまうというようなことはやらないようにしましょう、まず日本のライセンスを先にもらってきて、日本のライセンスをもらっている者を相手に話をつけるということにしたいということをカメンツェフ大臣は申しました。それで、これによって問題が完全に解決するかどうかということは疑問なしといたしませんが、確かにカメンツェフ大臣の言ったことだけでもきちんとやってくれれば、現状に比べて大変なインプルーブメントであると思いまして、私どもとしてはそういうソ連側の意向を歓迎しておることは事実でございます。 そういう経過を踏まえまして、私どもといたしましては、国内の方の話を後回しにして先にソ連側に駆け込んで、ソ連側と話を決めてきて国内で事後の了解をとるという、そういう話の進め方をする人には絶対にライセンスは出さないということにする方針でおります。これだけでも従来に比べれば相当弊害は除去できると思いますが、それだけで完全であるかどうかということについてはさらによく検討をしてみたいと思っております。
○近藤(豊)委員 現在伝え聞くところによりますと、三十社以上がこの共同事業を希望してソ連側に何らかのアプローチをしておるということですけれども、水産庁では、来年度についてはどのぐらいの共同事業が行われるか、あるいは何社ぐらいの業者に許可証の発給をいま考えておるわけですか。
○佐野説明員 実は先ほど申し上げました関係漁業者間の調整のついておる者というのが共同事業をやらせるための一つの前提条件としてございまして、それで関係業者間のコンセンサスが得られておるかどうかということを確認する手続として、従来大日本水産会のスクリーニングを経て、それから特に北海道関係業者にかかわる事業につきましては、大日本水産会のスクリーニングを通す前に、北海道水産会の中に関係団体で組織されております協議会がございまして、そこのスクリーニングを経てそれから大水へ上がってきた、そういう手順を踏んで関係業者間のコンセンサスが得られておるかどうかということを確認をした上で、それがしからば果たして行政上どうかという判断をして決めていくというプラクティスができておりまして、私どもとしてはこの仕組みは今後とも継続をしてまいりたいというふうに思っておりますので、いまの段階で何件ぐらい認めるかということについては、そういう事情がどういうふうに取り進められていくかということについて私どもとしてもいま全く判断の材料を持っておりませんのでちょっとお答えいたしかねますが、御了承いただきたいと思います。
○近藤(豊)委員 次にサケ・マスの方の関連ですが、このサケ・マスの協力事業が、漁獲高が全然変わらないにもかかわらず日本側の協力する金額がふえている。来年度はますますふえるのではないかということが言われておりますけれども、サケ・マスの漁獲高が四万二千五百トンであるにもかかわらず、こちら側から出す協力金が、ソ連側の経費が多くなるからどんどんふえるんだということではまるで間尺に合わない話なので、この辺を今後はどういうふうに日本側としては考えていかれるつもりなのか、ますます要求に応じてさらに高い金を出すつもりなのか、あるいは国内のサケ・マスの帰ってくる率がよくなってきたから場合によってはもっと強い態度で拒絶をしていくのか、その辺はどういうふうに考えておられますか。
○佐野説明員 実は一九七八年の場合と七九年の場合とで、先生御指摘のとおり金額が大幅にふえておりますが、これは実は金額を算定する前提になります物の考え方が七八年の場合と七九年の場合とで根本的に異なっておるわけでございます。と申しますのは、七八年の場合には、制度的にはこの金は入漁料ではございませんけれども、金額の算定の方式につきましてはやや入漁料めいた、要するに漁獲量を金目に換算してそれの何%というふうな、そういうアプローチで金額を合意したわけでございます。ところが、本年の漁業交渉の場合にはそういう入漁料めいたアプローチで金額を合意するのではなくて、ソ連漁業省がサケ・マスの再生産のために支出している経費、これはソ連側の説明によりますと、一九七八年において四千七百万ルーブルに達するというふうに説明をいたしておりますが、このソ連漁業省がサケ・マスの再生産のために支出した経費を日ソ双方の漁獲量に比例して案分する、そういう考え方で金額を決めたいということがソ連側の基本的な発想法でございまして、それで四千七百万ルーブルをわが国の漁獲量四万二千トン、それからソ連の漁獲量がソ連側の計画で十二万トンというふうに計画されておるそうでありますが、これの合計を分母として、それ分の四万二千トンということで掛けると、その当時のルーブルの公定レートで計算をいたしまして三十九億ぐらいになるわけでございますが、そこから先はやや理屈抜きに値切って三十二億五千万という数字になったわけでございます。だからそういう意味では、来年の交渉がどうなるかということを私はいまの段階で予言する能力はありませんが、このソ連側の数字をつくる前提になります物の考え方が変わらない限りは、ソ連漁業省のサケ・マス再生産のための支出というのが激増しない限りはそう大きな変化が起こるはずがないということになるはずであります。ただ、ソ連は一九七八年と七九年との場合、数字を計算する前提になる物の考え方をがらりと変えてまいりましたので、来年の交渉の場合、またがらりと変えないという保証はございませんけれども、こういう枠組みの中ではそうひどいことは起こらないはずであります。 それからもう一つ、ソ連側の新しい算定方式というのは、私どもの見るところではどうも国連海洋法会議の統合草案の遡河性魚種の条項を念頭に置いた算定方式であるように見受けられるわけでございまして、もしそうであるとすれば、そういいかげんには変えられないはずのものではないかと思っておりますが、それ以上のことはちょっと何とも……。
○近藤(豊)委員 最後に、漁業の操業に関する日ソ間の協定があります。この損害補償の協定の運営のために東京に委員会が設けられ、かつモスクワにも委員会が設けられております。 私が知り得たところでは、この委員会にかけられた損害補償の件が、日本側から延べ千三百九十一件、賠償請求金額にして七億七百万円。ところが、これが一件も解決を見ていない。ソ連側からの要求はきわめて微々たるものであります。同様のことが韓国との間にもあり、日本と韓国の間では一応の解決が行われておる。アメリカとソ連の間でもある程度の解決が行われておる。しかし、日本とソ連のこの補償問題はいっかな解決しない。そればかりか、昨年までに、つまり今年度までにこの委員会の運営のために使われた金額がすでに五億円を超えておる。ことしもまた一億近い予算が恐らく要求されているはずですが、そうすると、補償の要求金額が七億ちょっとであって、実際にこの委員会の運営経費に使われている金がもう六億を超す。こんな状態は大変なむだ遣いでありまして、そんならちも明かないことに金を使うなら、むしろその金をもう漁業者に補償してやったらどうだという声すら上がってくるわけで、これはやはり一つの行政の合理化の中でも問題として上がってくるはずのものであります。行管に確かめてみたところ、行管ではまだこの点について掌握しておりませんけれども、これは今後どういうふうに処理していくか、むしろ大変金額がもうかさんでしまったので遅きに失するわけですけれども、農林省、この点についていかがお考えか、ひとつぜひ聞かしていただきたい。
○佐野説明員 従来この日ソ漁業損害賠償処理委員会が一件の決着も見ていないということは、残念ながら先生御指摘のとおりでございます。それからそのために昭和五十四年度までに五億五千五百万の金を使ったではないか、これも予算額の合計としてはそのとおりでございます。決算の数字は、五十四年度はまだでございますが、五十三年度までで二億八千七百万ということになっております。 それで、今後の本件の処理についての考え方でございますが、実はこの問題も、七月渡辺前大臣が訪ソされた際、カメンツェフ漁業大臣との間で話し合いが行われたテーマの一つでございます。そのときソ連側がなかなか本件の解決が進まない理由として挙げましたのは、日本側の請求案件のうちの相当の部分は加害船不特定である。どうもソ連の船ではあるらしいのだけれども、何号であるかというのがよくわからない。それで加害船不特定の場合、ソ連が日本に対して金を払わなければいけない場合、その責任者である加害船の関係者に対してソ連邦政府としては求償せざるを得ないので、それができないやつについてはうまくいかないのであるという話がカメンツェフ大臣からございました。そういう問題を議論した結果、両大臣の間で次のような合意が達成されたわけであります。 すなわち、すでに請求が受理されております案件のうち、加害船の判明している案件につきましては、従来どおり一件ごとに審査をする。ただ、加害船不特定のケースについては、一括審査によって加害船不特定のままでも金が払えるようにしようではないか。それから今後の損害賠償請求は加害船が特定したものにしてくれ、そういう合意が達成されたわけであります。 それで、これはまだ原則的な合意でありまして、この両大臣間の合意に基づいて具体的にいかに事務を処理するかという問題につきましては東京委員会で現に鋭意協議中でございますが、この両大臣間の合意に従って双方が誠実に努力すれば、加害船不特定の案件がいっぱいあるということによって生ずる難点は乗り越えられるのではないかという期待が持てるわけでございまして、私どもとしてはその方向で鋭意努力してまいりたいという所存でおります。
○近藤(豊)委員 終了いたします。
○内海委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○内海委員長 速記を始めてください。 ————◇—————
○内海委員長 ただいま付託になりました内閣提出、参議院送付、昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。武藤農林水産大臣。 ————————————— 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○武藤国務大臣 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 この法律案は、恩給制度、国家公務員共済組合制度その他の共済組合制度に準じて、既裁定年金の額の引き上げ、最低保障額の引き上げ等により、給付水準の引き上げを行うとともに、農林漁業団体職員共済組合制度の現状にかんがみ、退職年金等の支給開始年齢の引き上げ、高額所得者に対する退職年金の支給制限、退職一時金制度の廃止等の措置を講じようとするものであります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 改正の第一点は、既裁定年金の額の引き上げであります。これは、退職年金等の年金額の算定の基礎となった平均標準給与を、昭和五十四年四月分以後、昨年度の国家公務員の給与の上昇率を基準として引き上げることにより年金額の引き上げを行おうとするものであります。 改正の第二点は、退職年金等についてのいわゆる絶対最低保障額の引き上げであります。これは、恩給制度の改善に準じ、退職年金、遺族年金等に係る絶対最低保障額を引き上げようとするものであります。 改正の第三点は、遺族年金についての寡婦加算の額の引き上げであります。これは、六十歳以上の寡婦または子がいる寡婦の遺族年金に加算されるいわゆる寡婦加算の額を引き上げようとするものであります。 改正の第四点は、退職年金等についての支給開始年齢の引き上げであります。これは、年金受給者の高齢化等に対応する共済組合の将来にわたる年金財政の健全性の確保を図ること等の見地から、退職年金等の支給開始年齢を現行の五十五歳から六十歳に引き上げようとするものであります。 なお、支給開始年齢の引き上げにつきましては、組合員の老後の生活設計等も考慮し、段階的に引き上げていくという経過措置を講ずることといたしております。 改正の第五点は、高額所得を有する退職年金受給者に対する年金の一部の支給を停止することであります。 改正の第六点は、減額退職年金制度の改正であります。これは、減額退職年金の受給を選択できる場合を、原則として退職年金の支給開始年齢の五歳前からに限定するとともに、減額率についても、保険数理に適合するものに改めようとするものであります。 なお、これらについても、所要の経過措置を設けることといたしております。 改正の第七点は、退職一時金の廃止等であります。これは、通算年金制度がすでに樹立されておりますことから、この際、退職一時金等を廃止することとし、別途、六十歳を超えても年金受給権を有しない者につきましては、厚生年金の脱退手当金と同様の制度を設けようとするものであります。 以上のほか、掛金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の月額の下限及び上限の引き上げ等、所要の改正を行うことといたしております。 なお、この法律案は、第九十回国会におきまして、この委員会で提案され、衆議院で退職年金等の支給開始年齢の引き上げ及び減額退職年金制度の改正の実施期日について、「昭和五十五年一月一日」を「昭和五十五年七月一日」に改める等の修正が行われた上、参議院に送付され、同院において継続審査となり、本日可決の上送付されたものであります。 以上が、この法律案の提案理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○内海委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○内海委員長 本案について質疑の申し出がありませんので、討論に入ります。 別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○内海委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 なお、本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○内海委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川国彦君。
○小川(国)委員 日本発馬機、中央競馬会一体の綱紀粛正を求められるような日本発馬機の不正事件の問題については、私ども当委員会において重大な問題としてなお徹底追及をしたい、こういうふうに考えておりますが、残念ながらきょうの質問の時間は全体の委員を含めて一時間というきわわめて制約された中で、私も三十分程度というこですから、本来ならば中央競馬会の理事長ないしは畜産局長から今日までの中間経過についての報告を求めてその上でこの質疑に入るのが妥当かと思いますが、三十分という時間では、その経過の説明を求めておりますと時間切れになってしまう、こういうおそれがありますので、本日時点までの取り組みの経過報告については、農林省それから中央競馬会にそれぞれ中間報告書を求めたいと思いますが、この点について委員長からひとつ当事者にその点をお尋ねいただきたいと思います。
○増田参考人 お答え申し上げます。 中間報告を後ほど提出いたします。
○小川(国)委員 その期限は、開会中と申しましても本議会は明日までで実質的審議を終わるということになっておりますので、明日までにお願いしたいと思いますが……。
○増田参考人 その線でやるように努力いたします。
○小川(国)委員 農林次官がおいでになりますが、農林省の方はそのように取り計らい願いたいと思いますが……。
○近藤(鉄)政府委員 いまお話ございましたように、提出させていただきたいと思います。
○小川(国)委員 それでは全体の経過報告につきましては、その報告書をもってさらに今後において審議を進めたいというふうに考えますが、今日までの問題点の中で特徴的な問題点にしぼってひとつ質疑をしたいと思います。 ひとつ簡潔に御答弁を願いたいと思いますが、最初に、昭和五十四年十二月末日で中央競馬会が日本発馬機に貸し付けております二億二千万円の返済期限が来ておりますが、これについては本年じゅうに返済のめどがあるのか、あるいは延期の措置をとるのか、延期の措置をとるとすればいつまで延期の措置をとるのか、その辺をひとつ御答弁願いたい。
○増田参考人 この事件が起きましてから発馬機に対しまして競馬会の支払いは一切とめております。したがいまして、発馬機会社は現在手持ちしております二億五千万円ほどの金で年を越さなければならないというのが実態でございます。それに対しまして、現在の経費でかかるもの、あるいは国税庁に税金で納めなければならないもの、それから銀行の期限が年末までに来るもの、そういうもの一切を合わせまして二億一千万でございます。したがいまして、期限の来ております競馬会の二億二千万円の協力金を残しましてもぎりぎり四千万円しか残らない。したがって、われわれがこれを年末までに耳をそろえてくれと言いましても、現在貸してくれる銀行もないような状態でございますから、実際問題としてこれを延ばしてやらざるを得ないというのが実態でございます。しかし、これはいつまでかということにつきましては、当面この再建策をどうするかということをいま鋭意検討中でございますので、それとあわせて検討をしたいと思っている次第でございます。
○小川(国)委員 そうしますと、当面十二月に二億六千万しか資金がない、二億二千万の返済をさせると四千万しか残らない、ですから年内の返済は不能ということでございますね。
○増田参考人 おっしゃるとおりでございます。
○小川(国)委員 そうしますと、いずれにしても越年せざるを得ないわけですが、その返済のめどはいつに置いておられるのですか。
○増田参考人 先ほど申し上げましたとおり、発馬機会社をどのように再建するかという方策の一環としてこの問題に対処したいと思っておりますので、それをいつまで延ばすかということはその際の一環の問題として検討している段階でございます。
○小川(国)委員 本来なら競馬会の一部門として行っておればこういうような——倒産状況ともうはっきり言えるわけですね。返済貸付金を取り戻してしまったら倒産してしまう会社、そういうずさんな会社に中央競馬会が余裕金をもって出資して、そしてこういう事態に立ち至らしめた。これはひとり発馬機の不正事件の問題だけではなくて、そういうずさんな子会社を勝手につくって勝手な運営をさせてこういう事態に立ち至らしめた中央競馬会の責任も大きいというふうに私は思うわけです。 そこで、先般競馬会の責任を私は発馬機の補修機材の使用報告書、伝票問題についてただしました。これに対して理事長は、この伝票については「事実関係その他を十分明らかにいたしました上で、それに応じた処置はせざるを得ないものであろう、もう当然であるというふうに考えております。」こういうふうに述べております。この伝票を複写のものを三部つくった。本来ならば、中央競馬会が出先の競争員に全部部品を使用したという事実をサインさせたわけですから、一部は競馬会が取り、二部が発馬機に行くなら常識的にわかるのですが、それが三部とも取引先の相手に行ってしまって、チェックした競馬会には一部も残らなかった。それは昭和五十年から行われているわけですが、五十年からの経理担当の理事、経理部長、契約課長、これらの者に対する取り調べ、それから責任の所在は明確になさったですか。
○武田参考人 それぞれの担当理事、担当部長、担当課長あるいは関係者につきましては、それぞれの責任の関連を十分に明確にいたしまして、適当な時期に厳正に処置をいたしたいというように考えております。
○小川(国)委員 私の調査によりますと、昭和五十年から五十一年十一月一日までの経理担当の理事は來正秀雄という方ですが、この人はすでに日本競馬施設株式会社の社長ということで、現在はそちらの社長になっております。それからまたさらに、その次の斎藤吉郎経理担当理事は現在常務理事で残っておる。それから同じく理事で塩田清隆理事も残っておる。しかし、この來正秀雄理事の場合には早くも子会社に出向して社長になっておる。こういう人の処遇はどういうふうになりますか。
○武田参考人 來正君につきましては、いま先生のお話のような関係にございまして、競馬会の役職員という形で私どもの方から処置をするというわけにはまいりません。したがいまして、これは道義的な責任としてどういうふうに処置をしてもらうかということを慎重に考えなければならないと思っておりますが、何らかの形でその辺については明らかにいたしたいというように思っております。
○小川(国)委員 次に、五十年九月十六日から五十三年九月十六日まで経理部長を務めておられた財部武彦氏、現在総合企画室長、それから当時、四十九年から五十年までの契約課長であった和泉義隆氏、現在管財課長ということで現職にありますが、これらの人は五千万であった部品代が一躍一億五千万になり翌年は二億八千万になる、こういうときの重大な過失責任を持つ担当の部課長でありますが、こういう方についての取り調べ、それから責任は現在までの調査で明確になっておりますか。
○武田参考人 現在の段階で明確であるかどうかという明確さの問題でありますが、その当時担当の業務として関係しておった職員でございますから責任があることは当然でございますが、現在部品関係につきましてどのような関係にあったかということをさかのぼりまして調査をいたしております。したがいまして、その辺のことも十分に明らかになりました上で、それぞれの責任を明らかにいたしたいというように考えております。
○小川(国)委員 これはある意味では重大な犯罪であり、あるいはまた犯罪の加担をしたといっても過言ではない状況にあるわけです。ということは、中央競馬会に対して重大な損害を与えた、しかも中央競馬会というのは全額出資の会社でありますから、いわばその会社の支出というものは国費の支出と同様に考えなければならない。その国費の支出に当たって、毎年度予算額の三割以上を占めてきている部品代の伝票一切、目を通さずに請求書だけで金を出してきた。しかも五年間も偽造されてきたことをだれもチェックしにこなかった。私、來正理事なり、あるいはまた当時の和泉契約課長にただしましたら、チェック体制は五十年の一月一日から実施するということを決めたというのです。チェック体制というものを決めておきながら、これを放置した業務責任というものは、中央競馬会の業務規則あるいは就業規則に照らして重大な職務上の責任がある、こういうふうに思いますが、その辺の職務責任については、いつまで調査をされて、いつまでに結論を出すのか、どういう機関でその調査をなすっているか、これをひとつ明確にしていただきたい。
○武田参考人 いつまでにどうこうという期限を決めておるわけではございません。この関連の事件の内容が明らかになった時点において、その辺の責任につきまして明確にいたしたいというように考えておるわけであります。と申しましても、別に遅延をするとか、故意に引き延ばすというつもりではございませんので、できるだけ早い時期にその関係については明らかにするのが当然のことであろうというように思っております。
○小川(国)委員 きわめてずうずうしい考え方です、理事長は。これだけの八億四千万からの発馬機の使途不明事件、それからそれに関連して年間三億円に上る部品の支払い、それを盲判で偽造されて五年間も黙認してきた中央競馬会の管理体制というものはずさんのきわみであります。現在まで行われてきておるのですから、武田理事長自身もこの責任をとるべき立場にあると私は思うのです。しかも、そういう実態を調査して結論を出すべき期日を明確にしないというのは、きわめて公務員に準ずる立場にある理事長として不誠意だ、無責任だというふうに思いますが、もう一度その時期を明確にするお考えはございませんか。
○武田参考人 何月何日までにと言われましても、それは私からいま責任をもってお答えするわけにはまいりません。できるだけ早い時期にその内容を明らかにするということをお約束する以外には、この段階では申し上げかねるわけであります。
○小川(国)委員 これはもうきわめて重大な無責任なあり方であって、あなたは農林次官までやって米価審議会の会長も現にやっておられる。農林省のOBとして非常に枢要な地位についている方です。そういう方がこういう無責任な体制でいるから末端がこういうふうになってくるわけで、不正事件に関連した綱紀の怠慢については時期を明確にさすべきだと思いますが、農林次官、いかがですか。
○近藤(鉄)政府委員 今回の事件につきましては、中央競馬会は大変大きな金を扱っておるわけでございますし、また事業の性格上、これは公正を期さなければならない仕事なわけでありますが、その出資会社において、いまいろいろ御心配を賜ったような事件が起きましたことについては、農林省としても大変遺憾に思っておるわけでございます。したがいまして、この事態の厳正な究明を急がなければならない、かように考えたわけでございますが、ただいま理事長からお話があったように、いろいろ内部の調査等に時間もかかることと思いますので、できるだけ早く処置するようにわが省としても改めて中央競馬会に申し入れる、こういうことにさせていただきたいと思います。
○小川(国)委員 非常に農林省も歯切れが悪いと思うのです。こういう不正事件に関連する一連の調査というものについては、即刻事態を明確にして競馬会の責任を明らかにすべきなんです。まあ次官で無理なら畜産局長、このめどについて農林省として明確な時期を明示する、こういうお考えはございませんか。
○犬伏政府委員 責任を明らかにするためには、事実関係をやはり明確にする必要がございます。私ども承知しておるところでは、競馬会におきましてそのような事実関係、責任の所在をただいま懸命に精査をしておるというふうに承知をしております。したがいまして、やはりその関係が明らかになる時点でなければ公正なまた厳正な処分にならないというふうに存じますので、時期について同月何日ということをここで申し上げて競馬会に指示することは適当ではないというふうに考えます。
○小川(国)委員 次官も局長もそんな姿勢では中央競馬会の監督はできませんですよ。こういうことのめどというものを期限的に一カ月でやるとか、半月内でやるとか、そういう目標についての姿勢、いま三方おられますけれども、そこでめどについての結論は出ませんか。そういういいかげんなことで委員長、これの審議は進められぬですよ。
○近藤(鉄)政府委員 御趣旨はよくわかります。ただ、いつというといろいろ調査等に時間もかかると思いますので、先ほど申しましたように、改めて農林水産省から中央競馬会の方にできるだけ早く処理するように申し込む、こういうふうにさせていただきたいと思います。
○小川(国)委員 こういう無責任な態度ではちょっと審議できないと思うのですが、その時期をいま明確にさせるということは委員長の指示でできませんですか。
○近藤(鉄)政府委員 いま中央競馬会の理事長と諮ったわけでございますが、一応一月いっぱいくらいのめどにさせていただきたい、こういうことでございます。
○小川(国)委員 全くだらしがないきわみで、本来ならこういうことでは審議できないわけですが、これだけの事件を引き起こしておって内部の管理体制の調査の報告も一月いっぱいかかる、そういう監督官庁の姿勢がやはりこういう事件に響いていると私は思いますよ。こういう点は厳しく反省してもらいたいと思います。 次に、貸付金制度の問題ですが、百四十五億に上る膨大な貸付金、これもチェックの制度がきわめてあいまいであったということで、大阪の株式会社宏和に対する貸付金十億円がすでに五年間も焦げついたままでいる。これに対して武田理事長は、全額を回収するという考え方で措置をしている、こう言っておりますが、株式会社宏和の方は、これに対して異議申し立てをして現在調停に持ち込まれている、こういうわけであります。これは中央競馬会は金があり余っているのでこういうずさんな貸し付けをするわけで、この問題については全額を回収すると理事長は言っておりますが、私が同社の責任者に事情をただしましたところ、全額返す考えはない、いままでの金利もあるし、不動産の保有税もあるし、人件費もあるし、十億宏和が出して、十億競馬会が出した、しかし二十億出して経費が六億くらいかかっているから、したがって全額返す考えはもちろんない、それから返す時期も一遍に返すことはできない、年賦で返したい、こういう言い方でやってきているのですが、この貸し付けについて回収のめどはあるのかどうか。
○増田参考人 貸し付けにつきましては土地を担保に取っております。したがって、これを処分すれば元本の確保は十分できるほど担保は確保してあります。
○小川(国)委員 担保は取っているからということでありますけれども、この貸し付け自体がだらしない貸し付けだというふうに思うのです。私はこの契約書を逐一検討してみましたけれども、この貸し付けの契約書には、株式会社宏和の話によると、千坪の土地を買収する、それに十億ずつ出資する、七千坪のものをつくるということなんですが、従来皆さん建物を担保に取るというたてまえをとってきたのに、七千坪の場外馬券売り場をつくるという契約内容はこの契約書の中に一項目も出てこないのですよ。建物をいつまでにつくるという契約書がないのです。だからこの金はいつまで引き延ばされても取りようがないわけです。契約書の中に建物に対する契約、覚書、何か宏和との間に交わしたものがありますか。
○増田参考人 先生お持ちの契約書以外には何らございません。
○小川(国)委員 そうすると、この中からは場外馬券売り場をいつまでにつくる、どういうふうにつくるという契約書がないのですから、本当に条件なしにただ金を貸した。銀行でも市中の金融機関でもこんなだらしのない金の貸し方はないと思うのですね。不動産屋さんに金を貸しているようなものですよ。土地を買うのに金を貸しただけの話で、上物をいつまでにどうつくってそれにどう設定するのかという契約もなしに金を出している。こういうずさんな金の貸し方については、監督官庁として農林省いかがですか。
○犬伏政府委員 この協力金の支出に当たりましては、予算に計上して認可をいたしておりますので、農林省としてもその執行が適正に行われるよう指導する立場にございます。いまお話しのような協力金の支出につきましては担保を十分に取り、また建物についてはいつまでということではないけれども、早くこれができることを当然期待して競馬会は行ったものというふうに考えておりまして、いまの時点で考えますともう少しチェックの仕方もあったかというふうに存じますけれども、当時といたしましてはそういうことを当然予定されておるという認識で認可をしたものというふうに考えております。
○小川(国)委員 警察庁の漆間捜査第二課長がおいでになっているようですからお尋ねしたいと思いますが、この事件は単に日本発馬機の事件ということではなくて、中央競馬会も一体の中で行われた事件というふうに私ども理解できるわけです。これは単に小山あるいは菅沼という個人の犯罪ではなくて、これら両人はもとよりですが、日本発馬機の内部にもこの不正に加担してきた、その事実を知っていたという方が五年にわたって存在するという事実もございますし、それからただいま私が質問の中で申し上げましたように、この五年間にわたってこれらの不正請求を黙認してきたという中央競馬会の管理者側の責任問題あるいは犯罪性の疑いもあるわけであります。発馬機からの情報によりますと、小山は現に銀座の高級クラブとか新橋の料亭で相当な接待、ごちそうを行ってきている。そういう中でこういうずさんな公金処理が行われてきたということについては、これは単なる経済事件ではなくて、あるいはまた個人の事件ではなくて、贈収賄を含めた犯罪性の疑いがきわめて濃厚であるわけです。この点について、警察庁として捜査の秘密も当然あると思いますが、現段階においてこの点の捜査状況についてひとつ御報告願えたら御答弁をお願いしたい。
○漆間説明員 お答え申し上げます。 お尋ねの事件につきましては、本年の十一月二十八日に日本発馬機の代表取締役から警視庁に対しまして同社の専務取締役と常務取締役各一名の計二名を被告訴人とする商法四百八十六条違反、つまり特別背任罪の違反の容疑で告訴がございまして、現在警視庁はこれを受理をいたしまして容疑事実の解明に積極的に取り組んでいるところでございます。 今後この事案がどのように発展するかにつきましては捜査の発展の状況いかんによることでございますので、今後の見通しを申し述べることは差し控えたいと思いますけれども、私どもといたしましては、この告発を契機として、この事件に対して国民の解明に寄せる期待が高いことは十分に承知をいたしておりますので、それを踏まえた上で厳正な捜査を進めたいというふうに考えております。
○小川(国)委員 もう一つ、具体的でなくて結構なのでございますが、警察庁の方としては、もちろん日本発馬機の関係者からの事情聴取もあったと思いますが、中央競馬会に関する事情聴取、取り調べについては現在進められているかどうか、その点をひとつ御答弁願えたらお伺いいたします。
○漆間説明員 お答えします。 現在までのところ、中央競馬会の関係で事情聴取はいたしておりません。
○小川(国)委員 時間が限られておりますので、会計検査院がお見えになっていると思いますが、これまで十年間に三件という指摘があったということを私ども承知しておりますが、この発馬機への貸し付け問題、それから宏和への貸し付け問題、これについては御調査をなすったことがあるかどうか、それから今後これに対して会計検査院として適正を期する意味からこれの検査を行うお考えがあるかどうか。
○中北会計検査院説明員 お答え申し上げます。 日本発馬機の株を出資しました五十二年度あるいは協力金を支出しました四十九−五十二年度の検査の際調査検討いたしましたが、その時点では特に不当として指摘する事項はございませんでした。それから建設協力金につきましても一応当該年度の支出の際その当否について検討いたしましたが、その時点では特に指摘するような事項はございませんでした。 なお、今後の検査方針でありますが、このような事態が明確となりました現在におきましては、本院といたしましても今後十分な検査体制を整えまして十分な検査を施行いたしたい所存でございます。どうも簡単ですが……。
○小川(国)委員 本件に対して取り組むというお考えは明確にできますか。
○中北会計検査院説明員 明確に取り組んでいきたいと思います。
○小川(国)委員 それから行政監察局がおいでになっておりますが、行政管理庁としてこの問題に取り組むお考えは……。
○能勢説明員 お答え申し上げます。 現在百十一の特殊法人がございますが、現在行政監察の対象法人とされておりますのは公社、公庫、公団、事業団といわれる四十八法人に限られておりまして、この競馬会については対象法人とされていないわけでございます。しかしながら、各般の行政事務の実施状況を監察いたしまして勧告を行うという行政監察局の立場からいたしまして、今後残余の特殊法人につきましてもその対象法人とするように検討している段階でございます。 以上でございます。
○小川(国)委員 最後に一点だけ警察庁に伺いますが、私はこの問題に鋭意取り組んでいろいろ調査をしてきた中で、日本発馬機と中央競馬会というものは一体の業務関連の中で行ってきた、こういうふうに理解をしているわけでございます。したがって、現段階ではその事情聴取あるいは問題の調査に取り組まれていないようでございますが、今後においてこれに取り組むお考えがあるかどうか、それを最後に伺いたいと思います。
○漆間説明員 お答え申し上げます。 先ほども申し上げましたように、警視庁で現在告訴を受理いたしましてそれについての捜査を進めている段階でございます。今後の捜査の発展状況はその後の捜査の推移いかんによりますので、現段階でそのような見通しを述べることにつきましては差し控えさしていただきたいと思います。
○内海委員長 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 特殊法人日本中央競馬会の出資による日本発馬機株式会社の不正事件について、武田参考人、増田参考人並びに農林水産当局に質問をいたします。 本件については、去る十二月六日当委員会で第一回の集中審議をしたわけですが、今年最後の委員会ということにもなりますので、私から若干の質問をしておきたい、かように思うわけでございます。 まず武田参考人に伺いますが、中央競馬会から日本発馬機に貸し付けたいわゆる三億七千万円中、昨年一億五千万円が返済されたわけですから、二億二千万円は返済期が十二月末ということで、これについては若干の延納もやむを得ないという考えのようでございますが、所有の発馬機などを担保にしているということで政府からも答弁をいただいておりますけれども、この発馬機の担保はどのくらいの評価額で担保にしてありますか。簡潔で結構ですからお答えください。
○武田参考人 発馬機の価格をどの程度に評価するかというのは、これが一般的に使われるものではございませんので大変にむずかしいところでございますけれども、いまの四八型の発馬機を開発いたしましたときの鑑定評価等からいたしますと、現在私どもが押さえております発馬機の総価格としては八億程度というように考えております。
○瀬野委員 そこで、この協力金を貸し付けするときには、政府も予算を決める段階で十分説明を受けておられると思いますが、政府としては説明を受けられましたか。
○犬伏政府委員 日本発馬機株式会社に対する協力金の支出につきましては、四十九年におきまして補正予算の作成の際に、それから五十年度においては当初予算におきまして、それぞれ認可予算の中に含めて承認をいたしております。
○瀬野委員 増田参考人にお伺いします。 この新型の発馬機を購入するということで中央競馬会にこのような協力金の要請をして貸し付けられたわけですけれども、その間、中央競馬会でも貸すとか貸さぬとかでかなり時日が経過し、紛糾した結果、最後は貸すことになったということでございますが、その辺の経緯、私が理解しておるようなことでございますか。時間がないので簡潔に申しましたが、要点を参考までに陳述していただきたい。
○増田参考人 四八式の発馬機を早急に整備しろということを競馬会が強く要請したわけでございますから、内部で貸す貸さないということについての論議は全然ございませんでした。
○瀬野委員 その点が全然お話にならないわけだけれども、ぼくたちが調査した段階では、かなり紛糾して、中央競馬会も貸さないという役員と、まあ貸したがいいだろうということで、かなりいろいろごたごたがあったわけです。それらのことを論議する余裕はございませんけれども、武田参考人は、その点はどういうふうに承知しておられますか。
○武田参考人 いまお話しのようないろいろなトラブルと申しますか、そういったことはなかったように私は報告を受けております。
○瀬野委員 まさにのんきな父さんみたいなもので、これはお話になりませんけれども、農林省も、公開の席で委員が発言しているわけですから、十分調査をして、その辺の姿勢からきちっとしなければならぬと思います。その時点で政府の方は予算の説明を受けて一応妥当なものとして認めたという形になっておりますが、実際にはかなりいろんな問題があって、貸し付けに至るまでの経過があったということであります。その辺から十分検討して、その辺のところで十分監督、指導すればこういった問題は事前に防げたし、また今後もそういったことが起きないであろうということで、十分ひとつ反省をして、今後監督、指導の調査の対象にしていただきたい、かように私はお願いをしておきます。 ついでですけれども、これはうわさだから、ひとつ十分反省をするために申し上げるのですが、私も農林水産委員会に所属することもう十年、理事を長くやってきましたので、いろいろ私のところにも各方面からの電話、手紙等が来ます。かねがね中央競馬会と建設会社との関係で、あってはならぬことでありますけれども、ややもすれば建設会社の社長あるいは役員の中に馬主がいまして、公平ないわゆる入礼を行うと言いながらも、優先的にその馬主がおるところの建設会社に工事が発注されるという傾向があるということで、まじめな建設業者等からいろいろ批判、中傷があるわけでございます。私もいろいろ調査をしておりますけれども、ここで具体的な例を出すことはどうかと思いますが、その辺十分注意をしてもらいたいと思う。私がここで例を挙げて言えとか、どのくらいあるかと言ったって、とても何件中何件ありますということはおっしゃらぬと思いますけれども、そういったことがとかく言われておりますので、ひとつ明朗な発注をしてもらいたいと思うし、政府も反省をして、同時に武田理事長も十分そういったことは注意していただきたいと思うのです。 理事長としては、そのことはお聞きになっていないか。また、今後そういったことがないようにここでひとつ決意を述べてもらいたいと思う。
○武田参考人 私ども毎年相当多数の施設の建設を行っておりますが、それに際しましては、工事規模に応じましてそれぞれのクラスに相応した建設能力を持った会社をそれぞれ基準を持ちまして選定をして、指名競争入札を行っております。したがいまして、いま先生からお話しのような、特に馬主さんのどなたかが役員をやっているところを優先するというようなことをいままでやっておったことは一度もございませんというように確信をいたしておりますと同時に、今後もそういうことが起こることのないようにさらに厳正に措置するように努力をしてまいりたいと考えております。
○瀬野委員 政府の方に伺いますが、中央競馬会の貸付金百四十五億円について、もう時間の関係で全部は申されませんが、たとえば株式会社宏和への十億円の焦げつきがございますね。いずれにしても、こういった問題は農林水産省また大臣の責任、監督の怠慢、かように私は指摘せざるを得ません。この貸付金は、無利子の据え置き期間五年、その後二%の利子で十年間返済という法外な条件でありますが、政府出資の特殊法人でこのような例がほかにあるだろうかと思うのです。最近私ちょっと聞いた例がないが、皆さんどうですか、こういった事件が起きてずいぶん関心を持っておられると思うが、ほかに例がございますか、承知しておられませんか、お答えいただきたい。
○犬伏政府委員 協力金の支出につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、予算の認可に当たりましてこれを認めておるわけでございますが、その際に、その必要性なり規模等について十分妥当であるかどうかのチェックをいたしております。 ただいまのお話の条件でございますが、これは他の特殊法人の例によったものではなくて、民間の取引におきまして、通常ビルを建設する際にテナントから保証金とか協力金という名目で出されておる、その民間の取引事例に徴して妥当であるかどうかということを審査をしてまいっております。民間の事例に比べて競馬会の行っております条件が有利であるという事実はないというふうに考えております。
○瀬野委員 政務次官にお伺いしますが、日本発馬機においては使途不明金がせんだってからの委員会でも論議されましたように八億四千万、さらにエス・イー・エスよりの借入金二億四千万、中央競馬会からの借入残額が二億二千万、これは先ほど申した貸付金、協力金の残りであります。合計四億六千万の負債を持ち、倒産状態に陥っているとも言われておりますが、日本発馬機の乱脈経営と中央競馬会のずさんな経営は一体になっている、かように私は思わざるを得ません。競馬会が発馬機との取引に関して厳正を欠いておるということは明確になっているわけですね。こういったことから、こういったことを二度と繰り返さないためにも、本年最後の委員会に当たって、一応予算は農林水産省としてもこれを見てきたわけですから、こういった問題を容認してきた農林水産省の責任はまことに大きい、かように私は思うわけです。これは中央競馬会とかまた発馬機のみならず、監督官庁である農林水産省は大いに反省しなければならぬ、かように思う。どうですか政務次官、その点見解を承りたい。
○近藤(鉄)政府委員 先ほどもちょっとお話し申し上げましたように、こういう事件が起きましたことに対しましては監督官庁の農林水産省として非常に責任を感じておりますし、お話しいたしましたように、事実関係の究明は一月いっぱいをめどということで早急に中央競馬会としても調査をして結果を出してもらう、こういうふうにいたす考えであります。 ただ、現実に中央競馬会として競馬をやっておりますので、その発馬機は使わざるを得ない状況でございます。したがって、日本発馬機のいまいろいろ御指摘がございました負債関係につきましても、できるだけそれを適切に処理してもらうように中央競馬会にも申しておるわけでございますけれども、いろいろ返済の事情もございますので、いますぐにこれを処理するというような状況では残念ながらない、その点については御理解を賜って、全体としての運営のあり方について今後ひとつ厳正を期すようにわが省としても監督指導いたしますことを御理解いただきたい、こういうことでございます。
○瀬野委員 政務次官にさらにお伺いしますが、政府は競馬会に対して、競馬会が出資している法人の業務運営及び内部管理体制について再点検を行って不正事件防止体制の確立に万全を期するよう通達を出されたわけですが、通達の内容を全部ここでおっしゃる時間もございませんけれども、その中で、どう再点検するのかということと、不正事件防止体制の確立に万全を期すとありますが、どういうふうになさるのか、簡潔で結構ですから具体的に今後の問題としてお答えをいただきたい。
○近藤(鉄)政府委員 御指摘ございましたように、十一月三十日付で畜産局長通達として今後の再発防止対策について指示をしてございますが、たとえば出資先法人の業務及び財務状況についての定期的な点検を行うこと、また出資先法人の自己監査体制を強化すること、さらに出資先法人との公正な取引関係を維持してまいること、さらに出資先法人の役職員の人選、任期、配置等を十分厳正慎重に行う、こういったことを局長通達で示しております。
○瀬野委員 さらに政務次官にお伺いしておきますが、中央競馬会を行政管理庁の行政監督の対象にすべきであるということはせんだってからわれわれ申し上げておるわけですが、せんだっての委員会からもうすでにかなり時間が経過しております。そこで行政監察調査対象法人の範囲を拡大することについては政府としても十分検討するという答弁をいただいているのですけれども、どういうふうにその後検討されたのか。早急にこういったことはひとつ前向きに進めてもらいたい、かように思うのですけれども、この点についてどう検討されてきたか、政務次官からお答えをいただきたい。
○近藤(鉄)政府委員 御指摘の点につきましては、一応行政管理庁が行政監察対象法人として一つのルールをつくってやっておったことだと私解釈をしておりますが、いまこういう事件が出てまいったことでございますので、農林水産省といたしましても、行政管理庁と相談をいたしまして適切に処理できるようにいたしたい、かように考えております。
○瀬野委員 ぜひともそういう方向で積極的に早急に進めていただきたいことを強く要望いたしまして、時間が参りましたので以上で一応質問を終わらせていただきます。
○内海委員長 津川武一君。
○津川委員 私たちは、この委員会で発馬機の不正経理を取り上げて非常によかったと思います。と申しますのは、馬の生産者から、こうしておられない、こうせいという幾つかの注文が出てきております。発馬機の不正というもの、中央競馬会がその被害を受けたということの行動の逆を言うと、やらなかったこと、やるべきであったことに対する要求が出てきたということであります。したがいまして、私は少し角度を変えて馬の生産の立場から若干の質問をしてみたいと思います。 〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 馬券の収入は毎年増加して、すでに五十二年度から一兆円を超えております。純利益も年間五百億円に達しております。特別積立金も五十二年度はたまりにたまって二千二百億円。十二月六日の当委員会で私の追及に武田誠三中央競馬会理事長や犬伏畜産局長は、この特別積立金が余剰利益金であり、固定資産化されると答弁しております。これは設備投資に回してやるということだと思います。このように中央競馬会が設備投資に次ぐ設備投資で高度成長を推し進めている反面、軽種馬生産農家は大変な負債を抱えて困っております。このような現状を農林省としてはどのように認識しておられるのか。また競馬の振興の中に当然国内の軽種馬生産農家の経営を守るという点が含まれていなければならないと思いますが、この点もあわせて見解を伺わしていただきます。 時間がないので同じ趣旨のことをもう一つ話してみます。 生産農家のために日本中央競馬会の予算がどれほど還元されているかという問題。たとえば勝ち馬の生産農家に配分されるという生産者賞、五十一年四億六千万円、五十二年四億六千万円、五十三年四億八千四百万円、五十四年四億九千万円であります。この五十一年から五十四年にかけて中央競馬会の売り上げと利益が物すごく上がっている。百五十四億の不正の貸し出しもやっているのです。それに対して勝ち馬に対するこの賞金は、このとおり何にも動いていない。ここいらがもっともっと報いられておればこんなことはなかったと思います。 また、馬事等助成金のうち軽種馬協会事業費助成金が五十一年千八百万円、五十二年二千九十万円、五十三年二千七百万円、五十四年二千八百万円、こんな状況でございます。これも純益金に比べれば実に微々たる額でございます。 ちなみに、中央競馬会の利息収入だけを挙げてみても、五十一年三十六億六千万円、五十二年四十二億三千万円、五十三年四十三億円、五十四年四十三億八千万円。この利息の収入だけでもこれだけある。これに対して馬の生産者には全く理解もなかったというわけであります。したがって、馬の生産の立場から農林省、中央競馬会から、こういう利益の中で馬の賞、そしてまた馬をやっておる人たちに対する還元の方針があるかないか、聞かしていただきます。
○近藤(鉄)政府委員 津川委員のお話のように、競馬馬の生産農家というのはわが国の競馬界を支えている人たちでございますから、この人たちを大事にしていかなければならないという御指摘はまことにごもっともでございます。 お話のございましたように、勝った馬に対しては賞金を出しておりますし、また日本軽種馬協会につきましても利益の中から寄付をしておるわけでございますが、これは十分じゃないという御指摘もよくわかります。ただ、いろいろほかとの関係もございますので、いま委員のお話にあったことを十分に考えながらこれからも善処させていただきたい、こういうように考えております。
○増田参考人 生産者賞をふやせということにつきましてはいろいろ生産者から要求がございましたけれども、生産者の半分は日本中央競馬会に実は馬を売っていない。しかも、勝ったものに与えるという形になりますと、どうしても大きいところに集中してしまうという結果になるわけでございまして、私は、生産者賞をふやすことが直ちに生産者のためになるとは実は考えられない。それよりもむしろたとえば種馬のいいものを持って、それで安く種つけさせてあげるとか、あるいは市場を整備してあげるとか、家畜保健所を整備するとか、育成施設を整備するとか、そういう基礎的な共同的なものにわれわれが助成してやることの方が本道ではないか。そういうことについては十分受けて立つ用意があるつもりでおります。
○津川委員 要するに馬の生産振興、畜産の振興にやればいい、生産者賞は必ずしもよくないと言っている。しかし、利益がうんと上がっているにしてはおたくの生産者賞はほとんど変わってない。これもやはり公平の立場から上げてやるべきだと思います。 そこで、種馬や市場のことに対してこれからおやりになる、そうはっきり馬の生産者に言うべきだと思うのですが、この点はどうですか。
○増田参考人 大いに前向きでやる方針でございます。
○津川委員 前向きでやる方針は結構です。立てて、この委員会に出していただけますか。
○増田参考人 ちょっと質問の意味、失礼でございますけれども、生産計画を出すということでございましょうか。種馬の整備計画を出すということでございましょうか。
○津川委員 種馬の生産に対する援助、それから馬の市場に対する皆さんの還元、これを具体的に立てる。そういう立てた計画をここにお示し願いたいということです。
○増田参考人 そういうことを生産者団体が具体的に提案をしてまいりますれば、それに応じて私どもは検討する用意があるということを申し上げているわけでございます。
○津川委員 わかりました。 その次に、馬事等助成金のうちの軽種馬協会事業費助成金、五十一年一千八百万、五十二年二千九十万、五十三年二千七百万、五十四年二千八百万、これでいいかという問題。ここにも、これだけもうけているんだから、これは生産者側からの要求でもありますので、この点もう一回具体的に答えていただきます。
○増田参考人 自主的な団体でございますから、それにどれぐらい助成すべきかということになりますといろいろ議論があると思います。ただし、われわれは、いまの二千七百万円程度が現在の段階では適正な水準であると考えております。
○津川委員 しこたまもうけて、しかも不正の貸し出しをやっていて、競馬会事業費助成はこれで適当だ、妥当だと言うところに問題があると思いますが、中央競馬会がそう言うというならば軽種馬協会などとも相談して、もう一度まだ機会があれば増田さんに来てもらって答えていただきたいと思います。 その次は、外国産馬をレースに参加させる率を拡大させる動きが見えております。現在は外国産馬の参加できるレースは全体のレースの一〇%だとも言われておりますが、この率をふやすことは国内生産馬にとっては大きな痛手になるとして生産農家は強い反対の姿勢をとっております。聞くところによると、中央競馬会は、生産農家への予算を還元する額をアップする見返りとして、外国産馬参加レースをふやそうとしている意向であるとのことですが、まさかそうは思いませんが、見解を聞かしていただきます。
○増田参考人 競馬というものはやはり血統のレースでございますから、できるだけ日本国内で生産したもので競走するのが原則であるべきだと思います。そういう意味で、たとえば香港とかシンガポールのような全部外からの馬でやっている競馬というものは本当の競馬ではないというふうに思っております。しかし、同時に競馬というものはスポーツでございますから、スポーツというものはインターナショナルであるべきだと思っております。そういう意味で、スポーツという観点からはもっとオープンマインドを持って当たるべきものではないか。そういう点に、現実の馬の生産状況あるいは日本の馬の現実的な強さ、そういったものを具体的に検討して漸次やっていくべきものであるというふうに考えております。
○津川委員 総論は日本の馬を使う、各論は外国から輸入する、これは中央競馬会としてはまあいい。そこで農林省、日本の馬を守るという立場からこれでいいのか。これに対してどういう態度をとって、どう指導するのか、農林省の見解を聞かしていただきます。
○犬伏政府委員 いま増田副理事長からお答え申し上げましたような両方の観点があるかと思います。わが国の競馬におきましては、わが国の馬の生産の実情を考慮いたしまして、外国産馬が国内産の馬と一緒にレースをするその競走は全体の競走の数の一〇%以内、一〇%程度にとどめておるわけでございます。しかし外国から入れる馬もございます。そうした馬を走らせることがわが国の生産にも刺激を与える、あるいは国内産の馬の能力を上げるというようなことで、強い馬づくりという面も考えなければならない。両者を考えながらやはり国内生産を主に考えて、しかも競馬がりっぱに発展するというような見地で両者を考えながら進めていくということで指導してまいりたいと思います。
○津川委員 一〇%を超してもいいということですか。これが一つ。私は、絶対に日本の馬を守るという立場からはそんなことをさせてはならないと思います。このことも要求しておきます。一〇%を超してもいいと解釈していいのですか、局長。
○犬伏政府委員 一〇%程度にとどめるようにということでございます。
○津川委員 終わります。
○山崎(平)委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十九分散会 ————◇—————