内閣委員会 第12号
- 発言数
- 114 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1980/04/18
会議録
○木野委員長 これより会議を開きます。 農林水産省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中路雅弘君。
○中路委員 限られた時間ですので、短く御質問しますが、最初に、農林水産省設置法の一部改正案について二、三点御質問したいと思います。 法案は、神戸と横浜にある生糸検査所を昭和五十五年九月をもって農林規格検査所へ吸収統合することになっていますが、私も先日、横浜の生糸検査所へ行きまして御案内いただき、大体業務内容につきましては概要を御説明いただきました。最初に、生糸検査所の業務量がこの十年ほどどういうように変化してきたのか、一言お尋ねしたいと思います。
○二瓶政府委員 検査所の業務量がこの十年ほどどう変化してきておるかということでございますが、検査数量でもって申し上げたいと思います。 四十三年十五万三千俵、四十四年十六万五千俵、四十五年十四万九千俵、四十六年十三万七千俵、四十七年十三万二千俵、四十八年十一万三千俵、四十九年十五万四千俵、五十年十万六千俵、五十一年八万二千俵、五十二年八万四千俵、五十三年五万五千俵、五十四年五万四千俵、以上でございます。
○中路委員 この十年間に約三分の一に、いまの御報告ですと減っておるわけですが、もう一つ、現在の国内の生糸生産量と、特にその検査体制がどうなっているのかということについてお尋ねしたいと思います。
○二瓶政府委員 生糸の生産量につきましては、四十三年三十四万六千俵でございます。それが五十三年、五十四年ともに二十六万六千俵、こういう数値に相なっております。 そこで、こういう生産数量に対しまして検査の体制はどうなっておるかというお尋ねでございますけれども、検査の体制につきましては、実は三種類ございます。一つは、横浜及び神戸の国営生糸検査所の検査という国営検査でございます。それからもう一種類は、指定検査所の検査ということで、県立なりあるいは財団法人などでやっております指定検査所の検査、大体合計七カ所ほどございますが、そういうもの。それから第三番目には、生糸製糸工場みずからが行う自主検査という、この三つの種類によって検査が行われておるということでございます。
○中路委員 いまのお話の三番目の、工場単位で行っている自主検査ですね、これのメーカーとそれから工場単位の数を教えていただきたいことと、それから、中小零細製糸工場等の検査はどういう形で行われているのですか。
○二瓶政府委員 先ほど第三点に申し上げました民間自主検査でございますが、これにつきましては、現在、四企業十三工場が自主検査の指定工場に相なっております。五十四年では二万八千俵強の検査をいたしておる、こういう状況でございます。 こういう自主検査の工場以外のところはどういう検査をしておるかということになりますと、先ほど第一段に申し上げました横浜なり神戸の国営生糸検査所、これに持ち込みまして検査を受けるというものもございますし、それから、第二番目に申し上げました指定検査所の検査を受けておるというところもございます。
○中路委員 私も半日ばかり横浜の生糸検査所で現場を御案内していただいたのですが、素人ですけれども、御説明も聞きまして、いまの生糸検査所の技術水準も、非常に国際的にも評価をされている、高い水準にありますし、量は減っていますけれども、現実にここで検査も行われているわけですし、さらに、さっきの自主検査ということで工場でやっている検査もありますけれども、やはりどこかセンター的なといいますか、そういう機関がないと検査も公平にならないという点も、品質管理の点でも問題があるかと思いますし、あるいは研修その他の、そういう自主管理の工場の技術水準を一定に置く意味での研修等も必要だと思いますし、お話を聞きますと、今後ブラジルを初め発展途上国の研修ということもあるそうですから、私は、これだけ量が減るわけですから、縮小については妥当だと考えますけれども、やはり国の検査の機能は維持していかなくちゃならないということを、現地を案内していただきまして痛感をしたわけです。 今度のこの改正で農林規格検査所へ吸引統合されるわけですが、この生糸検査所のいわばセンター的な役割りといいますか、これは今後もやはり維持していかなければいけないというふうに考えます。この点についてひとつお考えをお聞きしておきたいと思います。
○二瓶政府委員 今回生糸検査所を農林規格検査所に吸収統合することにいたしておるわけでございますけれども、これは、生糸検査数量等が先ほど御説明申し上げましたように減少しているということからいたしまして、独立の機関として設けておく必要性に乏しいということによるものでございます。ただ、検査所はこういうことで吸収統合することにいたしておりますけれども、国営検査そのものにつきましては、ただいま先生からもお話がございましたように、まさに世界に冠たる技術水準を持っておるわけでございます。その他、自主検査なり指定検査所の検査に対する指導というような面も非常に重要でございまして、そういうこともございますので、農林規格検査所に吸収統合後におきましてもやはり生糸検査の中核的な役割りというものは保持していく、確保していくということで考えておるわけでございます。
○中路委員 もう一点、この生糸検査の業務量の減少にかんがみて、当然生糸検査に関する組織の合理化が必要になってくるわけですが、生糸検査所が五十五年の十月に農林規格検査所へ吸収統合されるということになりますと、今後、そこで働いておられる職員の皆さんの処遇の問題、配置転換等が問題になると思いますが、現在横浜と神戸にそれぞれ何名おられて、今後の組織の改編に伴う職員の皆さんの処遇の問題、配置転換を含めて、具体的にどのような計画なのか、お尋ねしたいと思います。
○二瓶政府委員 まず横浜と神戸の生糸検査所の定員を申し上げますと、五十四年度末、横浜が二百七十九人、神戸が二百五十四人、合計で五百三十三人ということでございます。 それから、この生糸検査所は今度農林規格検査所に統合整理されるわけでございますが、それに伴いまして、逐次人員の縮減というものを計画いたしておるわけでございます。ただ、先生御案内のとおり、この生糸検査所の職員につきましては、男女別に見ますと、五十対五十という比率でございます。一般の行政機関なり検査所に比べまして、女性のウエートが非常に高いわけでございます。年齢構成も非常に高い。男女合わせて四十三・八二歳という平均年齢に昨年の十二月末現在で相なっております。 したがいまして、今後縮減を考えます際に、当然勧奨退職というものもございますけれども、相当の部分は配置転換というものを主体に考えていかざるを得ないと思うわけでございます。ただ、ただいま申し上げましたように、高年齢層が多いとか、女性比率が高いということもございますので、配置転換等に当たりましては、内部研修の強化なり、あるいは当事者はもちろんのこと、受け入れ側の理解と協力を深めて、円滑に進めていきたい、処遇等につきましても現在よりも悪くなるというようなことがないように十分配慮していきたいと思っております。
○中路委員 いまのお話のように、私も現場へ行ってみまして、特にここにお勤めの方の大部分が中高齢者で、かつ半数が女子職員だという現状ですから、この処遇、特に配置転換の問題については大変むずかしい問題も多いかと思います。それだけに、本人や当該の組合との十分な合意がやはり必要だろうと思いますし、本人の希望も十分調査していただいて、この問題が労使の間で十分合意の上でやられるようにひとつ要請したいと思うのです。今度のこれは、国家機関の統廃合のいわば第一歩となる問題ですから、一つのモデルケースになるわけですから、一方的な強制配転というようなことが起きないように十分な配慮をしてやっていただきたいと考えるわけです。 この問題の最後に、この点についてはひとつ大臣からもお話をいただきたいと思います。
○武藤国務大臣 私ども、行政改革というものはやはり現状を踏まえて、財政状態が大変窮迫いたしてきておりますし、また国民からも、行政の効率的な運用を図れという声が強いわけでございますので、そういう意味においては今後とも行政改革は進めていかなければならないと思っております。 しかしながら、いま御指摘のように、行政改革を進めるに当たっては、単純に首切りをするとか、あるいは本人の意思を無視して配置転換を強行するとか、そういうようなことがあっては、かえって行政改革も円滑に進まないわけでございますので、そういう点については十分配慮しながら、この生糸検査所の問題についても対処していきたいと考えております。
○中路委員 もう一つ、野菜の需給、価格の問題についてお尋ねします。 ことしは冬野菜が大変高騰しまして、また品不足、特に数年来こんなに長くまたそれが続いたことはなかったわけです。先日、三月一日だったですか、大臣が三浦市の畑の視察に来られまして、御存じのように、昨年の二十号台風で、特に塩害でキャベツや大根の被害が非常に大きかったところですけれども、報道によりますと、大臣は、四月から出回る春野菜を一部三月から早く出荷するということの要請もされたというふうにお聞きしているわけです。 政府の方が緊急対策として、こうした春野菜の繰り上げ出荷の奨励や、また台湾などからの白菜、キャベツ、アメリカからのレタスなどの輸入促進という緊急対策を進めてこられたわけですが、こういう対策というのは大体毎年繰り返されてきているわけです。ある新聞の報道では、これは消費者のためというより、春闘対策として、何とか年度末の月だけは物価を抑えようとするものだということを書いた新聞もあります。いずれにしても、効果の点から見ましても、場当たり的な対策にすぎないのじゃないか。私は、もう少し抜本的な対策が充実強化されなければいけないと考えます。 最初に、今度の異常な野菜の高値の直接的な原因はどういうところにあったわけですか。
○武藤国務大臣 いま御指摘がございましたが、マスコミの皆さんはいろいろ勝手なことをお書きになりますけれども、それは、野菜がどういう形でできてくるかをよく御存じなくてお書きになっているのではなかろうかと私は思っているわけでございます。野菜というのは、たとえば種をまいて、すぐ、一月や二月ででき上がるなんてことはないわけでございまして、そういう点では、私どもは、場当たり的ではなくて、それぞれ努力をしてやってきたつもりでございます。 そこで、その原因でございますけれども、その大半の原因は、いま御指摘のように、昨年の十月に二回も台風がやってきたということ、しかもその台風が野菜の主産地のほとんどを襲撃したということ、またそれに関連しまして、十月ほとんどの日にちが雨であった、そのために病虫害が発生した、これがやはり一番大きな原因であったと私どもは判断いたしております。
○中路委員 直接的な原因は、いま大臣がおっしゃったように、一つは去年の台風あるいは長雨の影響ですね。野菜の成長のおくれと病害が広がってきたという問題もあります。また、数年来、この期間は野菜が非常に安値だったわけですね。だから、三浦でもそうですが、せっかく育てた野菜をトラクターでつぶさなければならないというような中で、逆に作付を一、二割減らしたということが重なった品不足とか、こういったいろいろな要因があったと思います。 しかし、長期的に見れば、野菜対策というのは、先ほど緊急対策でやられたこういう問題だけでは、根本的な解決はできないだろうと思うのです。現に、大臣が野菜の出荷要請に行かれました三浦市の地元の人たちの声を後で若干聞いてみますと、高いときだけ、高騰のときだけ来られるというのではなくて、暴落で困っているときも一遍見に来てほしいという声もありますし、特にもう少し計画的な生産といいますか計画的な出荷、むずかしいですけれども、こういったことができるような対策が行政の方で必要であろうという意見も出ています。 現に、これは関係者に少しお聞きしておきたいのですが、その後の三月十一日に三浦市で五十五年度の春キャベツ出荷検討会というのが行われまして、主な生産地である神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県の各県の農協や経済連の代表の方、そして農林水産省関東農政局、東海農政局、こういった行政の担当者も出席されたわけですが、報道によりますと、この会議では、今度は春キャベツがだぶついて五月ごろには暴落の問題が起きるんじゃないかということで、その対策にむしろ論議が集中したと言われております。 春キャベツで見ますと、東京の中央卸売市場で千トンを超えるのではないか、一日大体五百五十トンから六百トンが暴落を食いとめるラインだと言われておりますけれども、こういうことも話し合われて、出荷の調整を図る必要があるけれども産地の情報が正確に把握できないというような困難な問題も出されたということを聞いております。 この三月十一日の会議でほぼこうした報道のような論議、いわゆる暴落対策がすぐ三月の段階で論議になったと言われておりますが、もしこの会議の問題をおわかりの方がありましたら、ほぼこうしたことが論議になったのかどうか、お聞きしたいと思います。
○森実政府委員 お答え申し上げます。 四月から六月に出荷されます春キャベツの問題でございますが、全体の概況を申し上げますと、作付面積はほぼ前年並みでございます。出荷予定量は前年をわずかに下回る九七%程度と見ております。価格の予想でございますが、現在予想されております出荷量を前提として議論いたしますと、なお百円から百十円ぐらいの価格でありますキャベツの価格は、大体中下旬には七十円ぐらい、五月には六十円から五十円ぐらいと予想しております。これは政府が決めております価格支持の前提になっておりますこの時期の趨勢値価格が四十八円でございますから、これを下回るような事態にはならないというふうに見ております。 全体の姿といたしましては、先ほど大臣からも申し上げましたように四月−六月期に出荷されます春野菜、キャベツ等につきましては、いわゆる端境期対策として出荷の繰り上げ特例措置を講じたわけでございます。つまりこのことによりまして、四月以降の出荷が漸次繰り上げられて、出荷期間の幅が広くなったという形になっておりまして、御指摘のような暴落の心配はそういった点からもまず少ないのではないだろうかと思っております。 しかし、一部に御指摘のような懸念もあることは否定いたしません。そのような意味で、今後県、出荷団体とも十分に協議いたしまして、所要の調整は措置してまいりたいと思っております。
○中路委員 野菜については、これまでもこうした値段の暴騰だとかあるいは暴落を繰り返してきて、そのたびに野菜生産農家の人たち、あるいは今度は消費者をもいろいろ苦しめてきたわけです。そういう意味で、もっと野菜生産農家が安心して野菜づくりができる価格保障の充実がさらに必要だと思いますし、根本的には生産や流通面での対策もさらに検討しなければいけないと思いますが、きょうは限られておりますので、特に大臣の行かれた後現地で要望の強かった、もう少し作付段階での行政指導も強めてほしいとか、あるいは出荷に対する正確な情報把握をして出荷をコントロールできるような機構、制度、そうしたものの検討が必要じゃないかという意見が出ているわけですけれども、この問題について特に重要な野菜、主要な野菜であるキャベツや大根などについて、農林水産省としての今後の具体的な新しい施策、対策、そういったものがあれば御報告願いたいと思います。
○武藤国務大臣 従来野菜供給安定基金の関係でいろいろやってきたわけでございますけれども、今回反省をいたしまして、新しく五十五年度から計画をいたしております重要野菜需給調整特別事業、これは最初は、生産者が先ほどの話で野菜ができ過ぎて大変お困りになった場合もありますから、そういう点で計画的な生産を進めていこう、それと、特に市場の状況を見ながら出荷調整などもある程度考えていきたい、こういうことで対策を考えたのでございます。 しかし一方、今回のように非常に野菜が高騰する場合消費者にとって大変困るわけでございますので、この制度をより拡充をいたしまして、作付のときにある程度多目に作付をしていただく、それで幸いにも生産が順調であり、そして消費よりも生産、出荷の方がより多くなるというような場合はその野菜を正直またつぶさなければなりませんけれども、そういうつぶす場合においても、何らかの形でその農家の損する部分について補てんができるような仕組みを考えていこうということになれば農家も安心できますし、より多目につくってさえいけば、もし万が一足りないような場合にも円滑に出荷ができるわけで、これは消費者にもプラスになるわけでございますから、そういう制度にしていこうということでいま検討を進めておるわけでございます。
○中路委員 野菜全体に、大産地一辺倒という点では私たち意見がありますけれども、全国的にもう少し都市周辺の小産地もカバーできるような対策等ありますけれども、この問題はきょうは一応論議を広げないで、主としてキャベツやタマネギ等を生産している大臣が視察に行かれたところを対象にしての話ですけれども、いまお話しになりました五十五年度から考えられております需給調整事業ですか、これは対象の野菜はどの品目なのか、どのくらいの予算が組まれているのか、大臣がいまお話しになったのをもう少し具体的にお話しいただきたいと思うのです。
○森実政府委員 予算を概数で申し上げますと、本年度の基金造成の補助額は十四億円でございます。これに対して農業団体、農業者が同額を負担いたしますから、総体としては二十八億円でございます。これを二カ年間にわたって造成を続けますので、最終的な姿としては大体五十六億円の規模を予定しております。 それからなお、対象野菜といたしましては、需給の変動が大きく生産者にとっても消費者にとっても影響の大きいものということで、白菜、キャベツ、大根、タマネギを当面対象に考えております。
○中路委員 せっかくやられる事業ですから、生産農家の御意見も聞きながら、この需給、生産が安定できるような方向へ運用もしていただきたいということを重ねてお願いしておきたいのです。 もう一、二点時間の範囲でお尋ねしたいのですが、いままで重要な野菜について野菜価格の補てん事業として指定野菜、特定野菜というそれぞれ制度がありましたけれども、この指定野菜、特定野菜がそれぞれ現状どうなっているのか、さらに指定品目について拡大をされる意向があるのかどうか、そして生産者の負担もできるだけ軽減をしていく必要がありますし、品目の拡大だけではなくて、指定野菜についての数量、率をふやして、もっとカバーできないかどうかという要請もあるわけですが、こうした点について具体的な施策、お考えがあればお話をいただきたいと思います。
○森実政府委員 指定野菜の価格安定制度並びに県の独自の立場でやってございます特定野菜の価格安定制度につきましては、年々充実を図っております。本年度も指定野菜については一計画数量を約三十万トン、カバー率を上げることといたしております。こういった事業の実施に当たりましては、やはり先ほども御指摘ございましたように、計画的な生産、出荷を確保するという視点に立って配分を考えていきたいと思っております。 なお、現在系統団体を中心にいたしました計画出荷のシェアは低い、全国でも四割強という数字でございますので、今後ともこれら価格補てん制度のカバー率の増大ということには、特に留意してまいる必要があると私ども思っております。 なお、価格の保証水準あるいはカバー率等の問題でございますが、年々保証基準額の前提になります趨勢値価格も上げてきておりますし、また保証基準額の比率も上げてきておりましたし、また国のてん補率も上げてきたわけでございます。物によっては、実は十割補てんという形に近い状況まで出てきております。 ただ、率直に申し上げましてこういった状況が、今日の状況で、多少野菜の需給の基調を過剰にする一つの誘因になったということも否定できない点がございます。そういった意味で、諸般の見直しが要ると考えておりまして、少なくとも最近数年間の市場価格が趨勢値価格を大きく下回っているようなものについては、生産費等の動向も考えながら、趨勢値価格についてはある程度調整するという手段を本年度の予算において講じております。
○中路委員 現在指定野菜について国、県あるいは生産者と、負担の率があります。この機会にお聞きしておきたいのですが、指定野菜それから特定野菜について、それぞれの負担率をお話し願いたいのですが。
○森実政府委員 まず指定野菜について申し上げます。 指定野菜につきましては、国が七〇%、県が一五%、団体が一五%という割合になっておりますが、特別交付金につきましては、国が七五、県が一二・五、団体が一二・五とさらにかさ上げをしております。これに対しまして、特定野菜の価格安定対策事業は、それぞれ県が独自の立場でその県の重要野菜について実施されておるもので、これについては、国が三分の一、県が三分の一、団体が三分の一ということになっております。
○中路委員 特定野菜ですか、新聞の報道ですと、今度また何品目か対象をふやされたというお話も聞いているのですが、対象品目は幾らになりますか。
○森実政府委員 指定野菜については、すでに品目自体は一巡しておりまして、今年度追加いたしますのはソラマメとブロッコリーでございます。
○中路委員 あと一、二点お聞きしておきます。 指定消費地域の問題なんですが、従来、大都市の中央卸売市場に出荷させることに相当力が偏って、あるときには過剰入荷と他の地域の不足ということを生み出しているという事態もあったところもあるわけですが、その点では、できるだけ全国各県に指定消費地域の都市を拡大をしていく必要があるのではないかと考えているわけです。この点で、これまでの推移といいますか、指定消費地域の都市と、今後この問題で一層地域を拡大する必要があると思うのですが、この点について具体的な施策がありましたらお答え願いたいと思います。
○森実政府委員 指定消費地域につきましては、現在三十一地域、百二十九都市を指定しております。五十五年度では、石巻、いわき、浜松、諏訪の四都市を追加しております。指定消費地域の拡大を図ることは、私ども基本としては今後考えていかなければならないと思いますが、それぞれの地域の受け入れ条件と申しますか、市場の整備等の状況も見きわめねばなりませんし、また、価格形成の地域的動向も十分見きわめる必要があると思っておりますが、基本的にはただいま申し上げたような姿勢で取り組んでまいりたいと思っております。
○中路委員 いまの点でちょっと一点御質問を落としたのですが、いまの消費指定地域の人口が、全国の人口の大体どのくらいの比率になるのか、そこの野菜の入荷が全体のどのくらいのパーセントになっているのか、おわかりになりますか。
○森実政府委員 現在指定しておりますのは、通常人口二十万以上の都市でございますが、この地域の人口は、総人口に対して大体五五%くらいのカバー率になります。なお、出荷量といたしましては、これらの地域の市場はやはり集散性を持っておりますので、七割強の比率になっております。
○中路委員 きょうは緊急上程しようという話で、午前中に終わろうということですから、時間を守っていきたいと思いますので、最後にもう一点だけ大臣に重ねてお願いしておきたいのです。 ことしのように高騰が非常に長く続くことになりますと、二月あたり、これが物価の上昇の一つの要因にもなっていましたし、消費者にとっては大きな社会問題にもなってきた問題なんです。その点では今回のこういう事態も反省材料にして、今後とも野菜の価格をできるだけ安定させていく。消費者にとっても生産者にとっても重要なことですし、そしてもっと、新しい野菜が安定して供給できるということも非常に大事だと思います。いま、幾つかの施策についてはお聞をしましたが、今後ともこうした野菜生産について、一層対策を充実させていただきたいと思いますが、最後にまとめる形で大臣からもう一言お伺いして、質問を終わりたいと思います。
○武藤国務大臣 御承知いただいておりますように、野菜というのは非常に自然に影響されるわけでありまして、最近はあれだけ高かった野菜が、もう一時の半値以下になってきておるような状況でございます。こういう自然現象によって大変左右される、影響度が非常に高いものでございますので、価格を安定することは非常に困難であるということを痛感いたしております。しかし、いま御指摘のとおりで、つくる側、生産者は安心して野菜をつくっていただかなければなりませんし、また消費者にとりましては、できるだけ安い価格で野菜が手に入ることが望ましいわけでございますので、この間のうちのいろいろの点を反省いたしまして、今後とも極力野菜の価格の安定に努力してまいりたいと思っております。
○中路委員 では終わります。
○木野委員長 次に、吉田之久君。
○吉田委員 明治以来戦前まで、わが国の輸出の大黒柱的な存在であった生糸の輸出、それがわが国の近代化の礎でもあったと思うのです。しかし、時代の移り変わりと申しますか、戦後急速に輸出が衰えまして、特に昭和五十年以降は生糸の輸出がほとんどゼロであるという現状にあるわけであります。われわれも感慨無量でありますが、こういう変化の中で、もはや生糸の国営検査というものはその使命を終わったのではないか、したがって、今度のこの法律の改正案も、そういう点ではまことに当を得たものだと思うわけでございます。今後、民間の自主検査に大いに切りかえていかれる方針のようでありますけれども、その点で、もういっそすべてを民間に任せるところまで踏み切っていいのではないかと思うわけでございますが、その辺の考え方はいかがですか。
○二瓶政府委員 すべてを民間自主検査に任せてはどうかというお尋ねでございます。 製糸業につきましては、大手五社、片倉、グンゼとかああいう大手五社を除きますと、きわめて零細な工場によって占められておるわけでございます。したがいまして、これらの零細な中小工場につきましては、施設なり人材等の面で検査能力を欠いております。したがいまして、すべてをというようなことでこういう中小零細な工場にも自主検査を行わせるというようにいたした場合には、指導なり監督ということを仮に行うといたしましても、その自主検査の検査結果、これが果たして需要者サイドから十分信頼されるものを確保できるかどうかという点に疑念がございますし、また、そういう零細工場にすべて検査設備なりあるいは検査人員なり、こういうものを抱えさせるということはやはり検査コストが高くなるわけでございます。したがいまして、経営を圧迫するということにもなりかねないというふうにも考えられるわけでございます。 民間自主検査というものにつきましてはさらに拡大をしていくという方向で考えてはおりますけれども、現時点で考えますと、将来におきましても、大体三十数工場、全体から見ればやはり半分ぐらいが自主検査で行われるというのが、最大限に拡大するということでやりましても、その辺が限度ではなかろうか、かように考えております。
○吉田委員 そうしますと、国営検査の方は、今後だんだん縮小はされていきますけれども、やはり半永久的に幾らかの部分で残るという見解でございますか。
○二瓶政府委員 国営検査の方につきましては、これはやはり検査の水準といいますか、そういうものにつきましては長年の実績もございまして高く評価をされており、また現に生糸流通の中で定着しておるというふうに考えております。 さらに、ただいま申し上げましたような自主検査というのを行います際にも、こういう自主検査工場の指導、監督というような面、あるいは検査をいたします際に、検査規格というものは同じにいたしましても、やはりその辺の研修なり何なりというようなものは国の検査部門でやっていく必要があるというふうにも考えるわけでございます。 したがいまして、たとえ小規模でありましても、やはり生糸検査の中核として国みずから検査を行う体制は、これは検査所というものはなくなりましても、国営検査そのものはやはり維持していく、堅持していくということが必要であるというふうに考えるわけでございます。
○吉田委員 いずれにしても、だんだん縮小され、そしてまた、どちらかと言えば存在価値の薄れた仕事、職場になっていくと思わざるを得ません。そうなりますと、それに応じて職員の数をどのように減らしていくかという問題もきわめて重要でございます。承りますと、非常に女性の多い職場のようでございますけれども、その辺でなかなかに配置転換等でも苦労される点が多いと思うのです。特に業務量の減少に比例しながらその辺の配置転換を円満に進めていくためにいろいろ御苦労いただいていると思いますけれども、当面の考え方を若干お聞かせいただきたいと思います。
○二瓶政府委員 今後の定員の縮減をどう考えておるかという点でございますけれども、将来におきます生糸検査所の業務量、それから業務能率の見通し、それから職員の実情等を考えまして計画的に縮減を図っていくという考え方のもとに、五十四年度の定員が五百三十三人というのでございますけれども、これを六十三年度当初までに百九十人程度までに減らしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 この定員縮減につきましては、退職の促進ともう一つは配置転換ということによって実施していくことになるわけでございます。退職者の方は大体百十人程度になるのではないかと思いますので、配置転換の方がどうしても主体になって進めざるを得ないというふうに考えられます。その際に、ただいま先生からもお話がございましたように、この生糸検査所につきましては、女性の比率が非常に高い。男子との割合はフィフティー・フィフティーの比率になっておりますし、中高年齢層の方がまた非常に高い。平均年齢四十四歳というようなことでもございます。それから検査所以外業務経験が全くないという方も相当多いわけでございます。 そういう特殊事情がございますので、やはり配置転換というものを主体に考えていかざるを得ないわけでございますけれども、その際も、転換先の処遇というようなこと、こういうものも十分納得をしていただかなくちゃなりませんし、やはり別な分野に回るわけでございますからそういう研修等も必要でございます。また、転換先、受け入れ先の方の理解と協力も得なくちゃならぬというようなこと等いろいろあるわけでございますが、こういう面につきまして、十分納得をいただきまして円滑な実施を図っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○吉田委員 年齢的にも余り若くない方々の層が中心になっているようでございますけれども、率直に申しまして、その人たちがやはりいままでの仕事に非常に愛着を感じて、できればそれで自分の仕事のすべてを終わりたいという考えなのか、あるいはこの際新しい職場、ふさわしい職場であるならばできるだけそちらへ移っていきたいというようなかなり意欲的な傾向があるかどうか、その辺を一言お教えいただきたい。
○二瓶政府委員 まだ十分詰めた形で各職員の方に意向調査等をやっておらないわけでございますが、いろいろ得ました感触で申し上げますと、率直に申しましてやはり二色ございます。とにかく生糸検査所に入りましてずっと検査一筋にやってきたのだから私はどうしても残りたい、別な部門へいまさらそう移りたくないという方と、また、そういう方向で国の方も縮減計画というものを一応立てて、そういう線で協力してくれというのであれば、なるべく早くもう別な職場に移った方がいいという非常に前向きに考える方と、やはりそこは、ざっくばらんに申し上げますと大きく分ければ確かに二通りございます。
○吉田委員 まずやはりそれぞれの人たちの対応の仕方に対してうまく呼吸の合ったような、そういう配置転換をうまくリードしていかれるべきだと思います。どうしてもこれだけという人はできるだけそういう仕事をさせながら、しかし、どうしても仕事がないようであるならばお引き取りをスムーズにいただくように、あるいは意欲を持っている女性に対してはできるだけ早くそういう対策を講じ、指導をなさいまして、そして張り切って新しい職場で意欲を燃やすという適切な措置がなされることを特に希望いたしておきます。 それから、農林規格検査所の問題でございますけれども、これは消費者保護対策上きわめて有意義なものだと思うのですけれども、JAS制度そのものがどこまで普及しているかという点につきましては、まだまだ十分でないような気がするわけでございます。JAS制度の運用の現状、あるいはJASをつけるべき品目の拡大、こういう点につきまして現在どうお考えでございますか。
○森実政府委員 お答え申し上げます。 現在のまず普及状況でございますが、五十五年で四百三規格を制定しておりまして、大部分の農林物資に及んでおります。また一般消費者の認識度も、今日の時点では、大体アンケート調査をやりますと九割をはるかに超えている状況でございます。 次に、それぞれの品目の中での普及率を申し上げますと、大体は六割を超えている状況でございますが、やはり品目によってはかなりでこぼこがございまして、即席めん、しょうゆとかドレッシングとか油脂とかショートニングとかジュース等では八割、九割、物によっては一〇〇%という普及率でございますが、中小企業の多い品目では、たとえばつけものとか削りぶし、そういったものにつきましてはなお一〇%台の普及率という状況でございます。 私どもといたしましては、やはり消費者に対する啓蒙活動の強化という問題、それからもう一つは、今日の社会的需要を頭に置きまして規格内容を改善する、たとえば等級別規格をつくるという問題、さらに運用の改善また技術指導の強化等を通じて今後とも品目の拡大、受検率の拡大に努めてまいりたいと思っております。
○吉田委員 それから今度の法改正によりまして、依頼による検査の対象を輸入農林水産物に限らず、国内での生産物全体に広げることとされているようでございますけれども、特に企業からの依頼分析とか消費者の苦情に対する業務、そういう点で十分な対応をとろうとなさっているのかどうか、お聞きいたしておきたいと思います。
○森実政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のように中小企業が多い食品企業では、品質管理についての技術水準が低い分野もあるわけでございます。自力では品質チェックがなかなかできないし検査もできない、こういった点で検査を依頼する企業はかなりございます。また、一般消費者あるいは消費者団体から、やはり農林規格検査所に対しまして、全般にわたって品質に関しての問い合わせとか検査依頼が多く寄せられている実情でございます。 私ども、一つは中小企業対策という観点、それからもう一つは消費者保護という観点から、ただいま御指摘のように、いまのJAS制度だけでは十分追いつかない面もあると考えますので、今後農林規格検査所の持っております検査技術を十分活用いたしまして、ただいま御指摘にもありましたように、従来のように輸入されたものにだけ限定しないで、依頼検査を活用することを、一方において実施しております品質管理のための向上対策等の指導事業とあわせて、今後強化してまいりたいと思っております。
○吉田委員 法案関係の質問は以上にとどめまして、この際、農政一般につきましてちょっと御質問いたしたいと思います。 八〇年代の農政ビジョンという問題がいま農民にとりましては最大の関心事であると思います。しかし、長期的な展望に立って農業再建を進めるに当たって、まずなすべきは国民経済における農業の位置づけを明確にすることだと思うのです。同時に、大蔵や通産等の縦割り行政が、農政推進の中でかなりいろいろと支障を来している点も認めざるを得ません。もう少し政府が一体となって農政そのものの再建の道筋を示さなければならないときが来ている、こう思うわけでございます。 特に農政審議会におきましては、新たな農産物長期需給見通しが論議されておりますけれども、財政的な裏づけのない計画は実効性を欠くわけでありまして、農民が特に心配しておりますのもその辺のところでございます。したがって、農業振興長期財政計画というものが策定されなければならないと思います。とかく財政的に裏づけのない農政、あるいは十分大蔵省を説得し得る具体的な長期展望を欠く農政であるという批判もなしといたしませんけれども、この点につきまして大臣はいかがお考えでございますか。
○武藤国務大臣 いま私ども農政審議会に御議論いただいておりまして、ことしの夏ないし秋には長期ビジョンをつくっていかなければならないわけでございます。 それについては、当然将来の相当の財政負担も伴うことはおっしゃるとおりでございます。ただ、日本の財政計画というのは、一応中期財政計画も立てておりますけれども、その都度改定もせざるを得ないということでございますし、また、それはおおよその計画でございます。また、私どもが今度農業生産あるいは消費全般にわたっての長期需給見通しを立てるのも、これはあくまでも指標でございまして、その指標に基づいて年々政策はつくっていかなければならないと考えております。政策そのものが十年間なら十年間フィットしてしまうわけではないのでありまして、長期的な一つの目標を定め、それにできるだけ近づけるような政策をその年その年やっていくことになろうと思うのでございます。 そういう面におきましては財政も同じことでございまして、長期的な一つの財政計画を立てていただく場合には、当然そういう私どもの政策の長期のビジョンに対してのある程度裏づけ的な考え方は持っていただかなければならぬと思いますけれども、具体的な数字は、やはり政策を実行する上においてのそのときそのときの年次の予算、こういうことになるわけでございまして、私どもは従来も、いま縦割り行政でなかなかうまくいかない面もあるのではないかということでございますが、少なくとも私どもの農業政策を進めていく上において予算面で支障があったということは考えていないわけでございます。これからも農業政策を着実に実行していく上においての必要な予算措置だけは必ず確保していく、こういうことでやってまいりたいと思っております。
○吉田委員 いま大臣はそうおっしゃいますけれども、それほど自信に満ちた進め方がなされているとは、われわれの側からはちょっと思われにくい点が多々ございます。 特にたとえば水田利用の再編対策にいたしましても、昭和六十年代には八十万ヘクタールの減反が見込まれておるようでありますけれども、これは日本農業の構造的な大変革を迫られる問題であると思います。しかし、政府の対応は長期的な展望を欠いていると言わざるを得ない点がございまして、条件整備が思うように進んでいない実情ではないか。 特に財政事情が悪化いたしまして、たとえば転作奨励金の交付額等につきましても見直しを求める意見が財政当局にあると聞いております。こういうぐらつきと申しますか、長期への展望の欠如、確信に満ちたビジョンというところまではいっておりませんので、この辺が農民の生産意欲の減退に拍車をかけてきているのではないかという気がするわけでございます。この点いかがですか。
○武藤国務大臣 農民が不安を持っておられるのは、財政的な裏づけがあるのかどうか、こういうことで不安を持っておられるよりは、将来の長期の需給見通しに立ってこれから農業生産を進めていく上にそれは間違いないであろうか、こういう不安の方が多いのではないかと私は判断をいたしておるわけでございます。 それからもう一つ、いま八十万ヘクタールというお話でございますが、これもまだ最終的に固まったわけではございませんので、私ども農政審議会で御議論いただきながら、一体将来の米の消費はどのくらいになるであろうか、たとえば、いま国民一人当たりの米の消費量が年間八十一・六キログラムぐらいでございますが、これが昭和六十五年には大体六十二、三キログラムになるとした場合には、八十万ヘクタールの米の生産の調整をしなければいけない、こういうことでございますので、これは消費がそこまで落ちるのかどうかということもいま議論をしている最中でございまして、まだその八十万ヘクタールが固定したわけではございません。しかし、相当これからとも水田利用再編対策を進めていかなければならないことだけは間違いない方向でございます。 そこで、水田利用再編対策を進めていく上には転作奨励金というものがある。そうすると、転作奨励金が今後ともより多くなっていくということにおいては、いわゆる転作をしないでそのまま置いておけば財政的には負担が少なくて済むのではないかということが財政審議会あたりで御議論があったということから、いま御指摘のような御心配があると思うのでございますが、私どもは、五十六年度からまた第二期の水田利用再編対策を進めていく計画をつくらなければなりません。これは今年中にはつくらなければならないわけでございますけれども、そういう面において私は、必ずしも財政審議会で御議論があったようないわゆる単純休耕というような形はとるべきでないと実は考えておるわけでございます。 それはなぜかといえば、かつてそういうことをやりましたときに、それは土地も荒れてしまいましたし、また農民の気持ちも、やはり生産意欲を持つところに農民の存在意義があるわけでございまして、それが物をつくれないということにおいては、農民も非常に好ましくない気持ちをお持ちになったのではないか、私はこう思っておるわけでございまして、そういうことは繰り返していきたくない。 そこで私どもは、水田利用再編対策というものは、あくまでも米の消費も拡大をしていかなければならない、それで米の生産もある程度維持できるようにできるだけ努力をしなければならないけれども、どうしても食生活の変化によって米の消費が減退していく分についてはやむを得ないので、ひとつその分についてはより日本の国民が必要としておる食糧をつくっていただく方向に転作をしていただきたい、こういうことで転作奨励をやっているわけでございまして、これは将来の日本の食糧の自給度を高めていくという点からいって、転作を定着していくことが必要であろう。転作を定着していくためには、やはり転作奨励金というものはそれ相応に出していかなければならない。 特に米をやめてほかの物をつくっていただくわけでございますから、米の収益性と相対的に考えて落ちない程度に、やはり米のかわりのほかの物をつくろうという意欲を持っていただく程度には、奨励金というものは今後とも出していかなければならないのでございまして、そういう考え方で対処していき、それはどんなことがあっても、財政当局を説得してでも私どもは確保しなければならない、こう考えておるわけでございます。
○吉田委員 大臣のおっしゃるとおりだと思います。私どもも、休耕奨励というものが農民に与えた精神的な打撃は非常に大きかったと思うのです。しかし、一方におきまして、確かな米の消費と生産の予測というものは大変つかみにくいことではありますけれども、しかしいずれにしても、米が余っているということだけは確かでありますから、したがって、おっしゃるとおりどう転作を進めていくかということにすべて重点を注がざるを得ないと思うのです。 ところが、それならばその進め方でありますけれども、たとえば具体的に新潟などの場合非常に水位の高い湿田地帯がございます。こういうところで畑作への転換を進めてみたって、なかなか物理的にむずかしいわけでございますね。こういう地域の事情に即した減反面積の配分というのをやはりグローバルに考えていかないと、ただ画一的に北から南まで同じような減反の進め方というものは、私は非常に事務的で、おざなり的で、これもほとんどの農民の気持ちをつかんでの対応にならないと思うのですね。こういう地域事情を考え、あるいはまた、そういう地域を本当に転作させていく場合には基盤整備をどう進めるか、この辺がきちんと決まってこないと、やはり空念仏に終わるのじゃないかと思うのです。
○武藤国務大臣 もちろん、水田を御利用なさっておって、今度畑作にしようと思えば、当然基盤整備を進めていかなければならないわけでございまして、そういう点においては、従来ともに地域の農業生産振興総合対策事業というようなものをやってまいりましたし、また、基盤整備の一環としては排水対策もやってきておるわけでございます。それで、水田の汎用化を考えていかなければならないということは当然で、進めておりますが、しかし、そういうことをやってもなおかつどうしてももう米しかできないところもあるだろうと私は思うのでございます。 現在までの水田利用再編対策でも画一的にはやってきてないわけでございまして、ただ、それではこの県は米の主産地でございますから全く米の生産調整はしていただく必要はございませんというわけにはなかなかまいりませんので、その辺は画一的ではございませんが、また全国的にある程度ずつはやはり御協力を願っておるわけでございます。 今後の問題といたしましては、いま御答弁申し上げましたように、農政審議会で御議論いただいておりまして、ことしの夏から秋にかけまして私どもは長期の需給見通しを立てたいと思っておるわけでございます。そこである程度の数字が出てまいりましたときには、それは全国の、国全体の六十五年の一つの見通しでございますけれども、たまたまいま北海道研究会というのをやっておりまして、これは北海道が今後食糧基地として日本全体の食糧確保の中で果たすべき役割りはどの程度であるべきなのかということをやっていただいております。 この間も北海道知事ともよく話をいたしましたけれども、それではそういう中で北海道ではどのくらい何を負担するかということをぜひひとつ研究したい、そしてそれをある程度北海道が引き受けることになったら、今度は北海道のどの地区ではどの程度やろうかということを北海道内部で私ども研究したい、こうおっしゃっておられました。 大変望ましいことでございまして、たとえば国全体のものができたときに、今度は農政局単位ぐらいである程度のビジョンを、それに合わせたものをまたつくっていく、それから今度は地域農政推進事業ということで、地域でそれぞれ農民の皆様方で自分たちはその地域の中で何をつくろうかということを検討していただくことをいま私ども進めております。そういうものが総合的にこうなってまいりますと、農民の気持ちと私ども国の考え方というものが一致する点が出てくるのではなかろうか。 こういうことで、それぞれビジョンでございまして、長期的な一つの目標でございますけれども、そういう目標が国全体の立場で、あるいはブロック的な立場で、あるいは各農民の気持ちの上において調整をされていくということは望ましいことでございますので、そういう方向で私は将来考えていきたい、こう思っておるわけでございます。
○吉田委員 次に、私どもの考え方では、いずれにしても、この米をおっしゃるとおり急に一挙に減らすわけにはなかなかまいりませんが、米の活用という点で飼料米、えさ米と申しますか、その方の研究開発に政府はさらに積極的に取り組まれていいのではないか。しかし、このことはかなり財政的な負担も必要だと思います。あるいは、収量あるいは技術問題等についてもいろいろと取り組んでいかれなければならないと思うのです。現時点において、この飼料米への転換という点で何かお考え方はございますか。
○武藤国務大臣 飼料米につきましては、私どもの農事試験場でも研究をいたしておりますし、各地方の農政局でも、北陸と九州で私ども研究をいたしております。また、県によっては県の農事試験場でやっていただいているところもございます。あるいは民間でもやっていただいております。もちろんそういうことで研究はしておりますけれども、正直申し上げまして、いま日本の飼料穀物、外国から入っておるものはトン三万円でございます。トン三万円前後で入っているものと匹敵するものが、飼料米というものをつくって果たしてできるのであろうかというのが一つの問題点でございます。 〔委員長退席、逢沢委員長代理着席〕 もう一つは、飼料米といっても米でございまして、主食である米とどうその辺が識別ができるのか。ヨーロッパでは主食は主食、これは飼料というふうにうまく分けてやっておられるところもあるようでございます。イタリアあたりではそういうことをやっておるようでございますけれども、果たしてその辺の識別問題をどうしていくのかという問題も、これからまだまだ議論していかなければならない問題でございますので、できるだけコストの安いものをつくれるような研究は今後とも続けていきたいと思っておりますが、まだまだその実用化には——私ども決してそれを否定するわけではございませんけれども、いま申し上げましたように、実際の実情として、えさ米を実用化してどんどんつくっていただくという点においては、まだまだ検討しなければならない問題が多々あるということでございまして、前向きに取り組む気持ちは私ども決してやぶさかではございませんが、実用化するには相当むずかしいのではないかという気持ちを持っておることも事実でございますので、非常にその点は苦慮しながらいまやっておるということでございます。
○吉田委員 かなり大臣も悩んでおられるような感じですけれども、しかし、こういう事態になってまいりますと、われわれもある程度割り切って、やはりこれも時代の変化でございまして、ヨーロッパ等においてなされているいろいろな手法というもののよりよきものを取り入れながら、観念の転換も行って、国民も協力すると思いますし、さらに積極的に取り組まれることが必要な時期に来ているのではないか。この点の研究の進め方について、また後日いろいろ御報告もいただきたいと思うのでございますが、その辺、ただ悩んでいるだけでは、問題は解決しないと思うわけであります。 いま一つは過剰米の輸出問題でありますけれども、このことにつきましては、政府も緊急避難措置というような考え方でやっておられるようでありますし、われわれも大いに同意いたしておりますけれども、しかし、アメリカ等の抵抗も非常に大きいように聞いております。四月十二日にこの問題についての日米間の協議が決着いたしまして、わが国の過剰米輸出は四年間で百六十万トンにすることで合意した。そういたしますと、今後四年間で五百三十万トンの過剰米を処理しなければならないという計画が大きく変更を余儀なくされてきたというふうに見るわけでございます。この点について、過剰米の処理を今後どういうふうに具体的になさっていくか、現時点のお考え方を聞きたいと思います。
○武藤国務大臣 数字については食糧庁長官から後ほどお答えをさしていただくといたしまして、考え方としては、今度のアメリカとの過剰米の処理問題につきまして、私どもは確かに二百万トンという希望をいたしましたので、そういう点では、百六十万トンになったということは何か下がったような感じではございますけれども、しかし、最初私どもが過剰米処理計画を立てましたときには、輸出は大体一年二十万トンぐらいという考え方を持っておったわけでございまして、それがやってみますと、五十四年度において二十万トンと予定しておったものが、御要望が強くて九十一、二万トンにまでなってしまった、こういうことでございますので、私どもとしては大きく過剰米処理計画が狂ったとは考えておりません。 しかし、二百万トンという数字が百六十万トンになったということにおいてはあれでございますけれども、この二百万トンというものも今度のアメリカとの交渉において初めて私ども打ち出した計画でございまして、そういう点では、五十四年度から発足いたしましたときと比べれば、私どもこれによってそう大きな変更を余儀なくされているとは考えていないわけでございます。 詳しい数字につきましては、食糧庁長官からお答えさせていただきます。
○松本(作)政府委員 過剰米処理の全体につきましては、当初四百八十万トンを見込んでおりましたが、その後百七十万トンほど増加いたしまして、六百五十万トンという全体の考え方でございますが、五十四年度で処理したものもございますので、今後のものといたしましては五百三十万トンを考えておるわけでございます。この五百三十万トンのうち百二十万トンを加工用にいたしまして、残り二百五十万トンはえさ用、それから百六十万トンを先ほどお話がございましたように輸出に回すということで処理をしたいと考えておるわけでございます。
○吉田委員 次に、米の備蓄の問題でありますけれども、適正な在庫量を二百万トン、二カ月分となさっている基本的な理由はどこにあるのか。 それからいま一つは、古米、古々米はだんだん味が落ちてまいりますけれども、もみのままで備蓄する方法はないだろうか。この辺の財政的、技術的な検討はいかがでありますか。
○松本(作)政府委員 米の備蓄量につきましては、私ども、不作が二カ年間続いた場合でも食糧の供給に不安がない状態ということを想定いたしまして、おおむね二百万トンというものを備蓄目標にいたしておるわけでございます。 この備蓄のやり方につきまして、もみの貯蔵の方がよいのではないかという御意見もあるわけでございますが、最近におきましては、貯蔵技術が発達いたしましたために、玄米による低温貯蔵によっても十分品質が保たれるということがございますし、特にもみ貯蔵の場合には倉庫のスペースが倍近く必要になるということで、コストが非常にかかるということもございますし、また、もみずりをどの流通の段階でやるのかというような問題も出てまいりますので、私どもとしては、この貯蔵につきましては、従来の玄米の低温貯蔵ということで対応してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○吉田委員 最後に、農住組合法案についてちょっと伺っておきたいと思うのです。 これは四月の十八日に閣議決定なさったようでございますね。国土庁の原案では、当初営農地区については宅地並み課税の検討外に置くように位置づけられたと聞いておりますけれども、今度の政府案ではそれが消えているように承っております。このことで、農民の間では本法案が宅地並み課税の先兵になるのではないかというような懸念の向きがすでに流れております。この点についてはどうなっておりますか。
○渡邊(五)政府委員 お答えいたします。 宅地並み課税自体は、これは地方税法上のことでございまして、今回国土庁から提案されました農住組合法案につきましては、三大圏に限りまして、特に地価上昇の激しい面におきます宅地供給の現実的な対応策として、農住組合という形で農業面と都市的な利用面との調整を図るということで御提案になりまして、これからの都市的な利用と農業的利用につきましての線引き制度の立場からも、現実的には農林水産省といたしましてもこれには基本的に同意いたしております。 宅地並み課税自体の問題は、農林水産省としては、先般の改正の問題が起きました際にも、基本的にはやはり都市的利用に転換すべき地域というふうに考えておりますが、これはまた改正の時点まで検討をいたすという立場で今日おるわけでございます。
○吉田委員 最後に一言だけ。市街化区域の中で、いろいろ農地の問題そして宅地並み課税の問題も長い論議の種になっておりますけれども、やはり新しい都市は多分に緑を抱えておってよろしい。特に、たとえば地震とかいろいろな有事の場合が想定されます。全部がコンクリートで埋まってしまった町であっていいのだろうか。むしろそういう意味では、水田に使うか畑作に使うか、いろいろな使用方法はあると思うのですけれども、たまたま残っておる都市のど真ん中の農地をむげにつぶしていいのだろうかどうだろうか。単に都市計画とか非常に偏った問題ではなしに、長期的な日本の都市のあるべき一つの理想として、あるいは今後想定されるいろいろな出来事の際の町の機能として、その辺は、農林大臣としていろいろお考えがあっていいと思うのですけれども、いかがですか。それを承りまして、私の質問を終わります。
○武藤国務大臣 いまでも一定規模以上のところはある程度認められておるわけでございまして、特に今度農住組合法ができ上がりますと、これはやはり一部は住宅その他のいわゆる都市化の土地に使うけれども、残りは農業をやってよろしいということが認められるわけでございますから、この農住組合法ができますと、市街化区域においてもある一定の農地というものが認められる、それが認知されるわけでございます。 私どもは、従来よりもそういう点においては——宅地並み課税は五十七年度以降いろいろ検討されるということになっておりますが、何かその辺のところが今度の法律ではどうもはっきりしていないようなので私ももう少し詰めるべきであろうと思うのでございますが、考え方としては、あの農住組合法を読んでおりますと、一部は当然宅地にするけれども、一部は農業をやってよろしいということになる。そういうことを認めると、やはり将来においては宅地並み課税も、農業をやっていいということならば農地の課税でいいのではないかということに理論的にはなり得るのではないか。あの法律を読みながら私はそう感じましたけれども、その辺は私の方ではなくて国土庁でやっておられることでございますから、これは私があの法律を読ませていただいた結果、感じた意見である、こういうことで御理解をいだたきたいと思います。 いまのお話について私の所見をとおっしゃられれば、そういうことであると申し上げるわけでございます。
○吉田委員 終わります。
○逢沢委員長代理 次に、鈴切康雄君。
○鈴切委員 農林水産省設置法の一部改正の質問の最後のバッターになったわけでありますが、初めに大臣の見解をお伺いしておきたい問題があります。 それは、三月二十八日の閣議で政府は行政改革の一環として三十五ブロック機関の統廃合を決め、ほとんどの省庁が五十五年度末をめどとして具体的な地名を挙げられましたけれども、農林水産省だけが整理する具体的な地名を確定できないままに、昭和五十九年度までに一局統廃合というような後退した内容が一部伝えられております。 その後、自民党内におきまして営林局の統合問題に異論が出されたとかいうような問題もあり、農林水産省は行政改革に非常に消極的ではないか、こういうような国民の批判が一部ございます。大臣は行政改革に取り組む姿勢は決してそういうお気持ちではないと思いますが、そういう国民の批判に対して、ぜひこの際、行政改革に取り組まれる大臣の決意、所感をお伺い申し上げます。
○武藤国務大臣 私は実は行政改革論者でございまして、国の行政も地方の行政も、行政というものはできる限り効率化すべきであり、また、できれば簡素化すべきである、そして合理的な行政がなされなければ国民の理解を得られない、こういうことで、行政改革には強い姿勢で臨むべきだという考え方を持っております。今度の生糸検査所につきましても、そういうことで私どもが率先してやらせていただいたわけでございますし、また特殊法人の場合も、私どもは少なくとも他省庁より先行して作業を進めさせていただいておったわけでございます。 いま、今度の地方支分部局、いわゆるブロック機関の問題につきましてはそれと全く違うのじゃないかという御指摘でございますが、これは農林水産省が非常に誤解を受けておると私は思っておるわけでございます。 私どもの方は、地方支分部局に関する限りは、営林局の統廃合をすでに五十三年度から実施しておるわけでございまして、他省庁は全くそういうことをやっていなかったわけでございます。農林水産省としては国有林野改善のための特別措置法までつくっていただきまして、その法律に基づいて、人員の整理を含めて営林局の統廃合、それから営林署、事業所の廃止、こういうものもいまどんどん進めておるわけでございます。しかも五十三年度に法律をつくって、本格的には昨年度、五十四年度から始めたわけでございまして、始めた途端に何かまた別の形が出てくるというようなことでは、正直言って、改善計画、いわゆる合理化計画を進めていくには、組合の諸君、職員ともよく話し合って進めていかなければならないわけでございまして、その職員から、何だ、この間せっかくそういうことで話し合って進めたものをまた別のものが出てくるのかということで不信感を買ってしまったのでは、現在進めておる合理化計画さえ進まなくなる、こういう判断を私はいたしまして、われわれはほかの省庁とは違ってすでに五十三年度に法律をつくっていただいて、それに基づいて行政改革を進めておるのだからこれはぜひ別にしてくれ、こういうことを私は申し上げてきたわけでございます。 最終の閣議までそういうことで私は言ってきたわけでございますが、なかなかそうはいかない、やはりほかの省庁との関係もあるので、おまえの方はそういうことをやってくれているからいますぐにとは言わないけれども、行政改革の最終年度の五十九年度までにおいてはひとつぜひ考えてほしい、こういうことでありましたので、私どもの方としては、そういうことであるならばひとつ考えてみましょう、こういうことになったという経緯でございます。どうも世間からは、この問題に関する限りは何か私どもが後退をしておるのじゃないかと言われるきらいはございますけれども、決してそうではなくて、逆に、私どもが先に進んでおったことをぜひ御理解をいただきたい、こういうふうに御認識をいただきたいわけでございます。 〔逢沢委員長代理退席、委員長着席〕
○鈴切委員 今回の法案の中身についてちょっと触れたいわけであります。 生糸検査所を農林規格検査所に吸収するということで法案が提出されたわけでありますが、五十二年七月二十七日の行政監理委員会の「検査検定業務等の合理化方策についての答申」の中で、生糸検査制度の「合理化方策」について「国営検査制度の見直し、任意検査制度への移行など、抜本的な制度改正を図るべきである」として、当面は「検査組織の縮小」「自主検査の推進」等を指摘しております。それはどこまでも当面であります。今回の措置は当面縮小というふうに思われるわけでありますけれども、抜本的な制度改正についてはどのようにお考えになっておりましょうか。
○二瓶政府委員 五十二年の行政監理委員会の答申におきまして、ただいま先生からお話のございました国営検査制度の見直しあるいは任意検査制度への移行というような抜本的な制度改正を図るべきだということがございます。 これに対しまして、まず国営検査制度の見直しの関係でございますが、今回この設置法の改正を御審議いただいておるわけでございますけれども、これにつきましては民間自主検査の推進を極力図っていくということで、生糸検査制度そのものの合理化を前提としながら、なおかつ明治二十九年以来設置されてきました生糸査検所を整理する、農林規格検に吸収統合する、こういう抜本的な制度改正を行うということにいたしておるわけでございます。したがいまして、これは五十二年の行政監理委員会答申にこたえたものである、かように考えておるわけでございます。 それから任意検査への移行という問題でございますが、これにつきましては、先生御案内のとおり生糸というのは天然繊維でございます。したがいまして、品質格差も非常に大きいわけでございます。単価も非常に高い。一キログラム一万五千円程度のものでございます。お米の方は六十キロで一万七千五百円ということでございまして、相当単価が高い品物でございます。 それから、ちょっと見ただけでは簡単に品質等の識別ができないということでございまして、識別できないままで推移いたしますと、織物になったりあるいは染め加工をやった後になってその欠点が初めてわかるということでは大きなロスが出るわけでございます。そういうことで、この生糸の検査というものにつきましては、任意検査という形に移行するというのはやはり問題ではないかというふうに現在のところ考えておるわけでございます。
○鈴切委員 生糸の検査業務というものは、必要とされていた当時とはいま現在はずいぶん違う状況になってきている。すなわち、それは輸出するための検査業務が、現在は輸入に非常に頼っているという状況の中にあって、現在生糸の生産地で県立ですでに四カ所の検査所、あるいは大手業者等によりますところの独自の検査システム、こういうものを備えているわけであります。 そこで、生糸の品質が落ちるからこれはなかなか任意にはできないんだとおっしゃっても、市場の競争原理というものはかなり働いてくるだろう、だから悪い生糸を出すということであれば、これはなかなか市場の競争にはついていかれないという問題もあるので、やはり抜本改正というのは少なくとも民間に移行していく、任意な方向に進んでいくという形にならなければ、本来の行政監理委員会が指摘した内容にいかないんじゃないか、こういうふうにいま私の私見を加えて申し上げたわけでございますが、これに御答弁願いますと時間がなくなってしまいますので、次の問題に移ります。 きょう私が申し上げたいのは、実は昨年の四月一日、小笠原諸島振興特別措置法が改正され施行されました。小笠原村の発展というのは第一次産業であるところの農業、水産業の発展なくしてはとうてい考えられないわけでありますが、それを中心にして、それに関連する問題等を含めながら質問に移りたいと思っております。 初めに質問を申し上げるのは、小笠原は何といっても農業、水産業が一つの大きな産業に位置づけされているわけでありますが、農業の敵である、現地では非常に恐れられているアフリカマイマイの撲滅というのが非常に大きな悩みの種になっているわけであります。現在、東京都から防除剤が年間二箱現物支給されておりますけれども、実際使用する量は、二十箱以上が必要であると言われております。 私が問題にしたいのは、このアフリカマイマイが小笠原諸島全島に汚染をしているということであります。なかんずく国有地が七割、民有地が三割という状態でありますから、三割の民有地に対するアフリカマイマイの防除を主体としてわずかの予算でこれを撲滅するということはほとんど不可能な状態です。国有林あるいは国有地にはびこるこのアフリカマイマイの撲滅なくして、民有地のアフリカマイマイの撲滅はとうていあり得ないわけであります。国有地だけにアフリカマイマイがいるというなら話は別ですけれども、作物植えつけ等のところに、雨でも降ろうものなら黒いじゅうたんのような状態で押し寄せてくる。こういう状態の中にあって、アフリカマイマイの防除に対する国庫補助はどのようになされているのか。また、これは国の責任で防除しなければ小笠原振興法の中におけるところの問題の一つの解決にはなり得ないだろう、こう私は思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
○桝原説明員 ただいま御指摘のアフリカマイマイの防除につきましては、確かに、現在応急策としてのメタアルデヒドの薬剤散布にとどまっておるわけでありますが、抜本策につきましては、やはり同じような問題といたしまして沖繩とか奄美とか同緯度の県があろうかと思います。これにつきましては、今後関係各省庁と一層検討してまいりたいと思いますが、当面の六十二・五八ヘクタールの畑地に対します薬剤散布につきましては、五十三、五十四、五十五年度を通じまして予算額においては三倍、二倍とそれぞれ累増いたしておりますので、御了解を賜りたいと思います。
○鈴切委員 いま三倍、二倍とかなんとかいう数字でありますが、具体的にアフリカマイマイの予算としてはどのくらい組んであるのでしょうか。
○桝原説明員 五十三年度が百三万円、五十四年度が二百八十万円、五十五年度、今度お認めいただきましたのが四百七十九万円と相なっております。
○鈴切委員 農林大臣、いまお聞きになったと思いますけれども、アフリカマイマイが小笠原諸島全島に汚染をしているわけです。なかんずく七割からなる国有地にすでにアフリカマイマイが汚染をして、そして雨が降るとそれが全部農地に押し寄せてきている。これに対していま予算は幾らかといいましたら、五十三年度が百三万円、五十四年度が二百八十万円、五十五年度が四百七十九万円。この予算でそれじゃアフリカマイマイがどれだけ実際に撲滅できるのでしょうか。 もしこのまま放置しておくとするならば、この小笠原のアフリカマイマイの撲滅はとうていできませんし、また、これから振興をもとにして、小笠原への定住を促進しようということは、そういう考え方からはとてもできない。それに対して大臣はどうお考えでしょうか。これについては当然農林大臣の方とそれから国有地という問題との絡みがあるわけでしょうけれども、この予算ではどうにもならぬじゃないでしょうかね。
○武藤国務大臣 たしか小笠原諸島につきましては、農業関係を含めて国土庁でまとめて予算を取っていただいておるものですから、私どもが直接どうも所管をしていないんではないかと思うのでございますが、いまの御指摘でございますので、私どもとしてもよく検討して、国土庁に私どもから必要に応じて要請をしていきたいと考えております。
○鈴切委員 確かに、小笠原諸島の問題については国土庁が一括してやっているということでございますけれども、実際にこの第一次産業である農業あるいは水産業を振興しなければならないという立場にありながら、農林省はこれを国土庁に任したからいいというのではなくして、私が指摘した以上は、これは問題点としてこれから前向きに検討していただけましょうか。
○武藤国務大臣 いま申し上げましたように、予算的には国土庁でございますのでそう申し上げたわけでございまして、私どもとしては、いかなる場所であろうとも、農業、水産業あるいは林業が発展をするようなことで考えていかなければなりませんので、よく事情を調査いたしまして、国土庁に必要に応じて要請をしていきたい、こういうことを申し上げたわけでございます。
○鈴切委員 それから、農業の振興のために、限定出荷の枠を外すためにも、ミカンコミバエの農作物に及ぼす影響というのは非常に大きいわけです。現在一〇〇%国庫補助でありますけれども、さらに事業の枠を広げて、早期根絶をしなければならないだろうと思っております。実はその問題につきましては、奄美群島においてはすでに当該事業を農林水産省所管として取り上げて、この問題をかなり効果的に絶滅を図ったという、そういう例もありますが、この小笠原諸島もやはりミカンコミバエの問題についてはかなり問題があるわけでありますが、この駆除の進捗状況というのはどういう状態でしょうか。
○桝原説明員 ミカンコミバエにつきましては、五十五年度一億六千二百万の予算をもちまして、大体毎年度一億数千万の予算と相なっておりますが、御案内のとおり着々と成果を上げておりまして、五十六年度ゼロ確認申請を目途に絶滅を期しておりますが、現段階におきましては、豊島列島につきましてはほとんど根絶できたと予想されますが、母島、父島につきましては、特に父島につきましては、現在まだ期待どおりの効果は上がっておりませんけれども、引き続き絶滅に向かって努力いたしたいと考えております。
○鈴切委員 水産業の振興について、漁港の整備ということは大変重要な問題でございます。小笠原の母島の沖港は漁業振興のためにも外防波堤建設が必要欠くべからざる問題になっております。特に二百海里時代を迎えて、遠洋漁業の最南端基地としても、台風時の緊急避難港としてもどうしても必要であるわけでありますが、昨年、ことしと調査費を計上しておられますけれども、いままでの調査結果はどういうふうになっていましょうか。
○桝原説明員 母島の沖港につきましては、御案内のとおりおおむね昭和五十六年度末を目途にいたしまして、現計画の施設完了をほぼ全面的に完了したいという計画で着々と進めておるわけでありますが、ただ御指摘の外防につきましては、四十九年度から五十三年度までに基本計画調査九千五百万円を計上いたしまして実施しておるわけであります。特に五十五年度につきましては調査費約二千八百万円をもちまして、引き続き環境面その他を含めまして、抜本的な補完調査を実施し、事業のめどをつけたいと考えておるところであります。
○鈴切委員 この沖港の問題については外防波堤をつくった場合には大型船がなかなか入れないじゃないか、そういう声も実は一部にはあります。ありますけれども、私は、母島としては外防波堤というものは絶対必要であろう、こういうふうに思っているわけであります。なかんずく外防波堤ができたからといって、必ずしも大型船が接岸するというふうな状況には実はないわけでありまして、そう考えてきたときに、振興期間内に外防波堤の工事着工ができるかどうか、その点についてはいかがでしょうか。
○桝原説明員 御案内のとおり、小笠原振興予算全体といたしましても、約二十五、六億円前後でございますので、こういった外防のような膨大な事業費の予算化が、果たして御指摘の期間内に着手できるかどうかは、いまのところ確信を持った御答弁は困難と考えておるところであります。
○鈴切委員 やはり水産業を振興していくという意味においては、若年漁業従事者の不足というものがこの漁業の振興に一つの大きな壁になっているわけでありますが、若年労働力の不足の原因はどのようなものであるというふうに考えているか。私は、若年漁業従事者の定住は一にかかって住宅事情にあろうかというふうに思っておりますけれども、その点について、何か小笠原について前向きな検討がされているかどうか。そして若年従事者の確保という問題についてどのように今後お考えになっているか、お聞きいたします。
○桝原説明員 確かに公営住宅につきましては、現在でもすでに不足ぎみであるということは御指摘のとおりでございますが、ただ漁業従事者をとってみましても、若年労働者は二割前後と相なっておりますが、今後そういった小笠原振興の意味を含めまして、住宅の建設につきましては実情を勘案し、慎重に検討してまいりたいと考えております。
○鈴切委員 慎重に検討するということは、やらないということですか。前向きにやるというのですか。その点についてはどうでしょう。
○桝原説明員 これは何しろ第一義的には東京都からの要請を得なければできない問題でございますので、東京都ともよく相談をいたしたいと考えております。
○鈴切委員 母島の電話についてお伺いいたしますけれども、母島については増設をするという方向で具体的に検討が進められているというふうに聞いておりますが、用地の確保あるいは局舎建設等を含めて、現在の進捗状況はどういうふうになっておりましょうか。また、何回線を予定されている状態でしょうか。また、開通のめどはいつごろでしょう。
○桝原説明員 直接には郵政省の御担当でございますが、私どもが承っておりますところによりますと、母島におきます電話増設のためには、現在あります父島、母島の三回線の無線方式の回線容量の拡大と用地取得、局舎建設、御指摘のとおりでございますが、現在実現に向かって鋭意努力しているところであるというのが、郵政省の現在の見解のようでございます。
○鈴切委員 郵政省から聞く場合、国土庁がやはり全部その所管として詳しく聞いておかなければいけないわけです。もう少し内容的には充実したそういう御答弁がいただけるものかと思っていたんですが、国土庁は所管が変わりますと、なかなかそういう点について前向きな答弁が出ないようであります。 昨年、私現地を視察してきたわけでありますけれども、アオウミガメを実は養殖しているわけであります。これは都の水産センターの蓄養池でありますが、大変狭い。それで産卵、ふ化も極限状態であり、政府は東京都水産センターの試験研究施設の整備拡充については、小笠原諸島の特性を考慮しつつ検討してまいりたいというふうに言われておりますけれども、その後どのように検討され、どういうふうな結果が出ましたか。
○桝原説明員 御指摘のアオウミガメにつきましては、小笠原振興はもとより、御案内のとおりワシントン条約批准の問題もございまして、現在ございます現在地の百十五棟二百五十平米を屏風谷地区に二百二十棟九百平米ということで、約四倍の規模で拡大すべく五十五年度予算に約三千万円を計上したわけでありますが、五月から工事に着工の予定と相なっております。
○鈴切委員 保健所の出張所についてであります。都が調査設計を行っているというところでありますが、国として助成措置を検討したい、このように政府の方としての考え方がございます。都の調査結果の内容を報告を受けられて、どういうふうにこれが進んでおるか、保健所の問題についてお伺いいたします。
○桝原説明員 保健所につきましては、小笠原医療の確保の観点から五十五年度事業費一億一千二百万で、工事費といたしましては二億二千万でございますが、医師一名、保健婦一名等、職員約七名を配置する予定でございまして、五月中旬建設発注の予定と相なっております。
○鈴切委員 これは海上保安庁の方にお聞きする問題かと思いますが、小笠原母島の沖港入り口には岩礁の大きいのが二カ所もあります。現在は灯台もないところから、しけのときには明るいときに入港をしなければならない。また、様子を大変に熟知している地元漁民の中においても過去海難の事故が非常に起きているわけであります。まして実情を知らないところの船は往々にして事故に遭ったりしているのが現状でありますが、地元では、航路標識があれば事故を防ぐこともできるし、安心して運航ができるという悲願にも似た強い要望があるわけでありますが、航路標識設置の具体的計画についてはどのようになっておりましょうか。
○藤野説明員 母島の沖港の状況は御指摘のとおりでございまして、海上保安庁といたしましては、同港に適切な航路標識を設置することを検討してまいりました。その結果、昭和五十五年度、今年度でございますが、指向灯、これは陸岸からの灯火によって安全な航路を示す航路標識でございますけれども、これを設置するよう計画しております。御了解いただきたいと思います。
○鈴切委員 時間が余りありませんのではしょっていろいろ聞きたいと思いますが、昨年の十月ごろからことしの一月ごろまで台湾のサンゴ漁船が日本の領海侵犯と操業をしているという報道がなされておりますけれども、五十二年度から現在に至るまでのサンゴの漁船領海侵犯の延べ回数、そして隻数はどのぐらいになっておりましょうか。また、いわゆる盗掘したサンゴの量はどれぐらいになっておるか。あるいは取り締まりで検挙された台湾のサンゴ漁船というのは何隻に及んでいましようか。
○野呂説明員 台湾サンゴ漁船によりますわが国領海侵犯の状況でございますが、まず地域について申し上げますと、昭和五十二年には沖繩県の石垣周辺に限られておりました。それが昭和五十三年の五月ごろから宮古、八重山列島方面にまで見受けられるようになりまして、さらに同年の十月ごろからは沖繩本島周辺海域及び鹿児島県の奄美大島周辺海域まで侵犯が行われるようになりました。さらに、その後も次第に侵犯海域が拡大してまいりまして、昨年、昭和五十四年の五月からは九州南岸の大隅群島それから西岸の男女群島、こういう方面で侵犯が行われ、さらに五十四年八月には一部が高知沖、それから九月には日本海の隠岐周辺にまで見られるようになりまして、先生御指摘のように、昨年の十月からは小笠原周辺海域で侵犯操業が行われるようになりました。多い日には約五十隻前後の侵犯漁船が操業しておる、こういうような状態でございました。 こういうような侵犯の状況にかんがみまして、海上保安庁といたしましては、巡視船艇による取り締まりを実施いたしてまいりましたが、特に昭和五十四年十二月から今年の一月にかけまして、非常に多数の侵犯が行われておりました九州西岸の男女群島周辺海域及び小笠原周辺海域で集中取り締まりを実施いたしました。その結果、その後一月末からはほとんど侵犯が見られないようになっておりましたが、つい最近になりまして、三月の下旬から九州の西岸海域それから今週になりましてから小笠原周辺海域で約十五隻程度の台湾漁船の侵犯が見られるようになりました。 小笠原につきましては現在も巡視船艇による取り締まりを実施しておりまして、一昨十六日も一隻嫁島南東の海域で巡視船が検挙いたしております。 次に、侵犯操業の延べ隻数の状況でございますが、沖繩県の周辺海域におきましては、五十三年から五十四年が非常にたくさん見られておりまして、約四百七十隻ぐらいの侵犯が見られております。 それから鹿児島県の奄美大島周辺海域、これにつきましても五十三年から五十四年にかけまして約百六十件ぐらいの侵犯が見られております。 それから大隅群島周辺海域につきましては、五十四年から今年にかけまして九百六十件程度の侵犯操業が認められております。さらに長崎県の男女群島周辺につきましても五十四年から五十五年にかけまして約三百件、それから東京都の小笠原周辺海域におきましては五十四年から特に五十五年、ことしが多くなっておりますが、約三百八十件の侵犯が認められております。 これに対しまして、私どもは取り締まりを実施いたしまして、このうち五十五隻を現在までに検挙しております。小笠原海域につきましては、このうち六隻、二十七名の検挙となっております。 押収いたしましたサンゴの量でございますが、全体といたしましては二百五十六キロになっております。このうち小笠原海域で押収したのは五十四キロ、こういうような状況でございます。
○鈴切委員 かなりサンゴの盗掘が行われておるわけでありますが、今後漁民の操業安全及び領海侵犯に対してどのような措置で水産庁としては臨まれるお考えでしょうか。
○米澤政府委員 サンゴの採掘はいずれも領海の内部で行われるものでございまして、領海の外ではほとんど、日本の周辺では急深になるということもございまして行われておりません。そこで領海侵犯を防ぐということが一番肝心な点でございます。この点につきましては、海上保安庁そのほかとの関係官庁と相談をいたしまして、取り締まりを厳重にいたすということで対処いたしたいと思っております。
○鈴切委員 問題は変わりますけれども、零細漁業者と遊漁者との紛争事件はここ数年間特に目立ってきておるわけでありますが、これに対して水産庁としてはどのような実態を掌握されていましょうか。
○米澤政府委員 最近所得が上がったとかあるいはレクリエーションが国民の間で非常に盛んになるということで、遊漁は非常に盛んになってまいりました。それと同時に、既存の漁業者との間に各地でいろいろな紛争を起こすという傾向が最近出てまいりました。 紛争にはいろいろな形がございまして、遊漁者が漁場の中に進出をしてきて漁業者の操業と競合するというような例も、特定の地域で発生をいたしております。それから、まきえを使用するということで、漁場を汚すとか、あるいは先ほど申し上げましたように釣り漁業者と競合するというような問題が出ております。また、これは別な観点でございますけれども、一部の遊漁者の中には非常に悪質な人もおりまして、漁業者が直接被害を受ける。アワビをとる、せっかく養殖をいたしておりますサザエをとるというようなこともございます。また、今度は逆に、漁業者の方が遊漁者から料金をいろいろな名目で取り上げようというようなことで、いろいろ紛争を起こすというような事例も発生をいたしております。
○鈴切委員 確かに、遊漁者が大量のまきえをして漁場にまかれるために、海底に沈でん物がたまってしまうとか、あるいは非常に釣り人が多く、操業に支障を来すとか、あるいは漁港等で漁船の出入りに非常に問題が起こっているわけであります。 これは、一つの具体の例でありますけれども、実は伊豆七島の中の神津島、あるいは式根島、新島本村、若郷の漁業組合というのは、銭洲島付近の海域で操業して、全水揚げ量の約八割をこの海域に依存をしているという状態であります。 ところが、伊豆七島の一部漁協では、魚の資源の確保のために、オキアミとかあるいは夜釣りとかということについて禁止をしながら資源の確保を申し合わせをしているという中にあって、実は、この遊漁者の問題がかなり大きな問題として浮かび上がってきているわけであります。いまもお話がありましたとおり、そのまま放置をしていくということになりますと、大きな問題としてトラブルが残るわけでございますが、聞くところによりますと、そういう問題を解決するために水産庁としては遊漁対策検討会なるものを設置したというふうに聞いておりますけれども、設立の目的というものはどういう目的であるか、また、それに対しての紛争の処理ができるかどうかという見通しはどうなっているのか、その点についてお伺いをいたします。
○米澤政府委員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、近年、遊漁人口が非常に増加をしまして、それに伴いまして各種各様の遊漁が盛んになりまして、水産行政の中で遊漁問題を正面から取り上げていかなければならないという事態になってまいりましたので、新しい遊漁のあり方をどうすべきかということについて、遊漁者の代表、漁業者の代表、それに学識経験者というものを集めて検討をするというのが、遊漁対策検討会の目的でございまして、これまでに何度か会合を開いてまいりました。 まだ結論を得るところには至っておりませんけれども、全体の遊漁対策検討会の大体の傾向としては、紛争の内容が非常に多様であり、地方によって非常に異なるということでございますので、あくまで各都道府県ごとに設置した漁場利用調整協議会というようなもので異なった利益の調整を図っていくということが必要ではなかろうかというような意見が強うございますけれども、どういう形で検討をすることが最も有効であるかということについては、引き続き御検討を願っているところでございます。
○鈴切委員 最後に一言大臣にお伺いしたいわけでありますけれども、この遊漁と零細漁業者の兼ね合いの問題というものは、これはやはり水産庁あるいは所管の農林水産省で真剣に取り組まなければ、各所にトラブルが起きている状態だと思います。零細漁業を守るという立場に立ってこの問題を解決をしていかないと、確かに釣り人がふえてきたということに対しては、私は一つの方向性ではあろうかと思いますけれども、生活をそれに頼っている漁業者の立場に立つのが本来農林水産省の立場ではないかと思いますので、その点について大臣のお考え方をお聞きしたいと思います。 それからもう一つは、先ほど申し上げましたように、アフリカマイマイの問題であります。 百万円だの三百万円だの四百万円で小笠原諸島のこのアフリカマイマイの撲滅ということはとうてい考えられないわけでありまして、なかんずく都から支給されているのはわずかに二箱、これはかなり高い薬でありますので、二十箱も買って、そして農民が負担をするということは非常に大変でありますから、その点についても大臣としては、これは国土庁がまとめてやっているから国土庁にぜひお願いをするんだというお話でありましたけれども、しかしこれは、小笠原が農業で立っていかなければならないという立地条件である以上は、これは相当に関心を持ってやっていただかなければならない問題だと思いますので、その点をお伺いいたしまして、質問を終わります。
○武藤国務大臣 第一点の、先ほど申し上げました小笠原のアフリカマイマイの問題でございますが、先ほどもお答えをいたしましたけれども、これは国土庁の所管でございますので、私どもが予算をどうということはできませんけれども、しかし、少なくとも小笠原で農業に従事をしておられる方々のためには、私ども十分意を尽くしていかなければなりませんので、そういう意味において、よく調査をいたしまして、国土庁ともよく協議をいたしまして、必要な予算についてはできるだけ確保するように、私から強く国土庁の方に要請をしたい、こういうことを申し上げておるわけでございます。 第二点の、いまの遊漁者と漁業者との関係でございますけれども、やはり水産業の振興という点からいけば、水産業あるいは漁業というものは、魚をとることによって生計を立てている方が漁業者でございます。私ども、やはり漁業者の立場を考えていかなければならないわけでございまして、遊漁者も、それは、レジャーがだんだん発達をしてまいりましたし、生活水準も上がってまいりましたので、それを否定するものではございませんけれども、少なくとも生計を立てておる漁業者、漁業によって生計を立てている方々がそれによって非常な迷惑をこうむるというようなことはないようにしていかなければならぬことは当然でございますので、そういう観点で、より遊漁者の方にも理解を深めて、そういう遊漁をしていただくような方向に努力をしてまいりたいと思います。
○鈴切委員 以上をもって質問を終わります。
○木野委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○木野委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 農林水産省設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○木野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 この際、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。武藤農林水産大臣。
○武藤国務大臣 ただいま農林水産省設置法の一部を改正する法律案につきまして御可決をいただきまして、まことにありがとうございました。 私といたしましても、本委員会における審議の内容を十分尊重いたしまして、今後とも農林水産省に与えられた任務の遂行に全力を尽くす所存でございます。(拍手)
○木野委員長 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○木野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○木野委員長 次回は、来る二十二日火曜日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十分散会