逓信委員会 第11号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1980/05/14
会議録
○小林委員長 これより会議を開きます。 国際電信電話株式会社法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、本日、国際電信電話株式会社から参考人として御出席を願い、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 「異議なしと呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ―――――――――――――
○小林委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吹田愰君。
○吹田委員 けさの新聞を見ますと、一斉にKDD事件につきましての捜査は終結したかのような報道がなされておるのでありますが、これにつきましては事実でありましょうか、どうでありますか、ひとつ御答弁を願います。
○中平政府委員 けさの新聞にそのような記事が出ましたことにつきまして私ども承知しておる次第でございます。必ずしも私どもの方から出した資料ではございませんが、捜査の実態から申し上げますと、新しい事実の新しい着手はない、こういう意味では捜査はおおむね終結である、こういうふうに御理解賜りたいと思います。
○吹田委員 そこで、五月七日の当委員会におきまして、警察庁の方からは、事件が終結した際は当委員会に報告する、こういうことも言われておるわけであります。したがいまして、その後の経過及びその内容について、どの程度のことになっておるのか、まずお示しを願いたいと思うのであります。
○中平政府委員 当委員会で私どもの主管課長がその趣旨の発言をしたようでございますが、私どもの真意は、これだけいま国会でも十分に御論議をいただきましたし、また、国民一般からも内容についてかなりの疑惑を持たれ、捜査の行方についていろいろと多大の関心が寄せられた事件でございますので、私どもといたしましては、国会における御論議の過程でできるだけ国政に御協力を申し上げ、私どもの捜査の内容を今後の捜査に支障がない限りでお話を申し上げる、そういう趣旨で発言をしたものというふうに私どもは理解をしておるわけでございまして、そういう趣旨を踏まえまして、ただいまのお尋ねでございますので、ただいままでの捜査の概要、それからかねてから問題になっておりました一応KDDの交際費と目される、私どもが解明の対象といたしました三年半にわたる五十八億一千余万円の内容につきまして、御報告を申し上げてみたいと思います。 お尋ねの事件は、御案内のように昨年の十月一日及び二日、海外の出張から帰国いたしました前社長室長の佐藤陽一ほか二名が、海外で購入して持ち帰った多額の装身具類を無申告もしくは過少申告で通関しようとして東京税関の成田支署で摘発をされたことが発端となったわけでございまして、その後、東京税関ではその後の調査に基づきましてその事実を東京地方検察庁に告発をし、さらに東京地方検察庁と私ども警視庁とが協議を遂げた結果、警視庁が第一次的にこの事件の処理をしてまいる、こういうことに決まったわけでございます。 その後、警視庁としては鋭意捜査を遂げた結果、十二月四日に関税法違反の事実によりましてKDD本社等関係先二十三カ所の捜索を実施をいたし、本格的な捜査の体制に入ったわけでございます。 その後、押収資料の分析検討、こういうものを通じまして、本年の二月二十四月前社長室長の佐藤陽一を業務上横領並びに関税法違反によりまして逮捕いたしまして、引き続き、起訴勾留中の佐藤を含む元郵政省電気通信監理官の松井清武ら四名を贈収賄事件の被疑者として逮捕いたしたものでございます。 さらに、その後捜査は進展いたしまして、本年の四月五日元社長の板野學を業務上横領によりまして逮捕いたしまして、同人は四月二十六日に起訴されたわけでございますが、その後佐藤とともに四月三十日に一応釈放になり、したがいまして、この捜査で重要なかぎを握っておった人物がそういう次第になったわけでございますので、捜査としてはおおむね終結の方向に向かってまいったわけであります。 その後、警視庁といたしましては鋭意補充捜査、その後の関連捜査等を遂げてまいったわけでございますが、それらを含めまして、先ほど御答弁申し上げましたようにもはや新しい事件の着手はない、こういう意味で捜査はおおむね終結である、こういうふうに御理解を賜りたいと思うわけでございます。 この間に要しました捜査の日数は、昨年の十月一日から数えまして二百二十一日、本格的な捜査を開始いたしました昨年の十二月四日から数えて百五十七日に及んでおるわけでございますが、この間約一万五千人の捜査員を動員をいたしております。 なお、これまでに事情聴取の対象になりました延べ人員はKDDの関係者約六百名、その他の関係者約七百名、合計千三百名にわたる関係者からの事情聴取を終えておる次第でございます。 次に、本件捜査におきましていわゆるKDD疑惑にかかる金の流れ、物の流れの追及を警視庁としては鋭意してまいったわけでございますが、その検討の対象といたしましたのは、昭和五十一年の四月から五十四年の九月までの三年半に及ぶいわゆるKDDの税務上の交際費五十八億円余、一応これが解明の対象になったわけでございます。この中から世上いわゆる政官界工作と認められる金が流れ出ておるわけでございます。私どもの捜査は、KDDの関係者からの事情聴取並びに押収した資料に基づきましてまずその事態を解明をし、その実態の解明の中に贈収賄等の容疑事実に触れるものはないか、あるいは業務上横領に触れるものはないかという観点からやったわけでございまして、結果的に申し上げますと、ただいままでに私どもが捜査の対象に上した以外には、特に贈収賄とかあるいは別途の犯罪の容疑として立件送致し、あるいは新たに着手するものは現在までのところ見当たらない、こういうことでございます。 さて、この解明の対象といたしました三年半に及びます五十八億円余のKDDの交際費等の使途内容で政官界等、正確に申し上げると政界でございますが、政界に流れたと思われる額は、ただいま申し上げましたようにKDDの関係者あるいは押収書類から判明した次第では、この三年半で約一億二千万の金が流れておる、こういうふうに一応私ども承知しておるわけでございます。 KDDの交際費をKDDの資料に基づいて申し上げますと、いわゆる狭い意味の交際費、役員等の接待、慶弔費、これがこの三カ年、五十一年の四月から五十四年の九月までの間に四億七千六百万の金が一応使われておるわけでございますが、この中で政界に流れたと思われる額は約四千五百万でございます。これはせんべつとかあるいは陣中見舞いだとかあるいは祝儀だとか、そういうふうな名目で政界に流れておる次第でございます。 それから、広告宣伝費という費目がございますが、これが一億九千百万円ございます。これの使途につきましては、特に疑惑の対象になるもの、政界等に流れたものはございませんでした。 それから、旅費交通費、これが九億五千七百万ございますが、これにつきましても、そういうふうな特に犯罪の容疑の対象になる事実はなかった、こういうことでございます。 それから、雑費というものがございます。雑費というのは飲食費とか部外者の贈答品代だとか、各種の寄付だとか会費だとか、こういうのが使途でございますが、これが三カ年半の間に四十一億九千万の額に上っておるわけでございます。この中からいわゆる政界に流れたというふうに私どもが一応認めました額は七千五百万でございます。 さらに、その内訳は、商品券につきましては三カ年半に約三千八百万くらい出ておるわけでございますが、この中で政界の方々に渡されたと思われます商品券は約一千万でございます。それから、各種の品物が贈答に使われておるわけでございますが、この額が約一千万でございます。それからいわゆるパーティー券でございます。何とかを励ます会だとかいう形のパーティー券でございますが、これが五千五百万円。合計いたしまして、先ほど申し上げましたように一億二千万の金が流れておる、こういうことでございます。 そうして流れた政治家の数でございますが、数につきましては約百九十人の政治家の方に一応渡っておる、こういうことでございます。 なお、繰り返しになりますが、これはあくまでもKDDの関係者からの供述、それから私どもが押収した資料、こういうものに基づきました一応ただいま申し上げた内容でございまして、これを受け取られたと思われる方々からの事情聴取等はいたしておらない次第でございます。なぜしてないかということになりますと、先ほど申し上げましたように、金とかあるいは物を渡された趣旨等におきまして特に贈収賄としての容疑を持って私どもが捜査を遂げ、あるいは立件送致するようなものは現在までのところ特に見当たらない、こういうことでございます。 以上が現在までの捜査の大筋でございます。
○吹田委員 大変長期にわたって御苦労であったことを感謝いたしますが、いまお話がありましたことからいたしますと、百九十人に及んで政界に関係があり、こういうことでありますが、いずれにしましても非常に残念なことであったと私は思うわけです。これだけの大きな金額が動いたということにもかかわらず、一般社会から見れば大山鳴動である、小物だけだ、こういうそしりは免れないと思う。 そういったことから、過般の委員会では何か指揮権発動が云々というような言葉があったと思うのでありますが、私は、そういったことは現在の大平内閣において絶対ない、かように考えておりますが、この点につきまして再度お尋ねをしておきたいと思うのであります。
○中平政府委員 警察は、証拠に基づきまして厳正な捜査を遂げるわけでございます。したがいまして、本件につきましても、そういう意味で全力を挙げて解明に努めてまいった次第でございまして、ただいま御発言のありましたようなことはいささかもございません。
○吹田委員 私が信じておるとおりでありまして、その点につきましてはまことに心強い限りでありますし、今後も警察御当局におかれましては、国民の、正しい者の味方としてがんばっていただく、こういうことについてひとつさらに心を励ましていただきたいことを要望いたしまして、警察当局に対する質問を終わりたいと思います。 次に、事件の原因についてでありますが、私は新聞記事その他から見まして、KDDの旧社長室の佐藤らが、警察の取り調べに対しまして次のようなことを言っておるわけであります。KDDは独占企業なので、他企業と競争することに心を砕く必要がなく、唯一の監督官庁である郵政省に取り入り、癒着することが仕事のような雰囲気であったと言っておるということでありますが、これは裏を返せば、郵政省に取り入らなければ仕事ができ得なかったということになるのではないか、この点はどうであろうかというふうに思うわけであります。 このたびの事件は、一口に申しまして、板野という男が尋常の人間ではなかった、それに加えて適正な利潤の解釈、いわゆる適正利潤というのが非常に問題なんでありますが、適正利潤の解釈というものを間違えて、郵政関係者との癒着を強め、そして力を持ち、さらに政界の協力とバックを得て、歯どめのきかない独裁ぶりを許したことが原因ではないかというふうに私は言っておるのでありますが、これに対しまして大西郵政大臣はどのようにお考えになりますか、お尋ねしておきたいと思います。
○大西国務大臣 KDDの社長室長がどういうふうに言うておるか存じませんけれども、もしいま御指摘のような考えで会社の運営について関係をしておったとすれば、それはまことに遺憾な考え方であると思います。今回の事件に関連をいたしまして、直接監督の任にある郵政省の職員が逮捕また起訴もされました、こういうことは、もちろん公正を期すべき立場にある者として大変遺憾に存じております。また、いま御指摘の佐藤に限らず、KDDの元社長が業務上横領等の容疑で逮捕、起訴されるというふうな事態を招いたわけでありまして、これはいずれもまことに遺憾にたえないことだと考えております。 この原因等につきましては、事業の運営に当たってはその経営責任者の経営姿勢というものが大変肝要な問題であって、そうして特に公益事業を営むKDDでございますから、このことは強く要請をされるところだと思います。同時に、一方、国民に対しまして責任を負っておる監督官庁として、全体の奉仕者たるにふさわしく、職務の公正厳正な執行の徹底を図っていくということも、もとよりきわめて重要なことだと思います。 そういう観点に立ちまして、今後再びこういう問題の起こらないように、われわれとしても心してまいりたいと存じております。
○吹田委員 きょうは、KDDの責任者の社長がいらっしゃいませんが、常務がいらっしゃいます。KDDの方でどういうふうにお考えになるか、代表してひとつ心境をお述べいただきたいと思います。
○古橋参考人 お答え申し上げます。 今回の不祥事件の原因につきましてはいろいろ社内でも検討しておりますけれども、まず第一に、先ほど大臣もおっしゃいましたように、経営を預かる最高の方の経営倫理あるいは経営姿勢に問題があったということがまず第一でございます。それから第二番目に、そのような独走、専横を許すような組織になっておったということで、組織の面にも欠陥があったというふうにわれわれは反省いたしております。
○吹田委員 ただいまいみじくもお話がございましたように、前社長であります板野さんの独走あるいはその組織、こういった問題があったことを認められたわけでありますが、こういったことをお認めになるからには、私は全役員が責任があると思う。六月には総会があるそうでありますが、この際ひとつ、新人事を図るという意味で、出直す意味で現役員は全部退くべきではないか、このように私は思いますが、責任者は一体どういうふうに思われますか。これにつきましてひとつはっきりしてもらいたいと思うのであります。 さらに、今回はこの事件の内容が会計に及んでおるわけですから、監査役、これは大変な責任があると私は思うのです。監査役のことにつきましてもひとつあわせて御説明いただきたいのですが。
○古橋参考人 お答え申し上げます。 先生がおっしゃいますように、われわれは社長室の独走につきまして情報を持ち得ないという立場にあったと思いますけれども、会社の経営者としては、そのような事態を引き起こしたことにつきまして重大な責任を感じております。私ども責任につきましては、社長もこの席で何らかの形でとるようにいたしたいということを言明しておりますので、そのようなことについても心得ております。 以上でございます。
○吹田委員 それでは、責任の問題につきましては十分御配意されるような空気でありますから、それ以上の深追いをいたすことはやめますが、ただ、せんだっての社長のお答えの中で明確を欠いておる点があると思うのでありますが、板野に対する、これだけ大きな事件を起こした責任者でありますから、これに対しまして退職金の問題が当委員会でまだ不明確であったと思うのですね。大体どのように考えておられるのか、重役会議で御協議されておるとすれば、ひとつお漏らし願いたいと思うわけであります。 あるいはまた、旧社長室長の佐藤らが起訴されておりますが、これらの身分は現在どのようになっておるのか。せんだってのお話では、何か特別休職である、さらに百分の六十五を支給しておるのだというような話がありましたが、まことに穏やかな話でありますが、一体どういう根拠を持ってそういうことになっておるのか、その点もひとつお示しを願いたいと思うのであります。
○木村参考人 お答え申し上げます。 板野前社長の退職金についてのお尋ねでございますが、その件につきましては、六月末の株主総会までを目途に、私どもとしては、法律的な関係を踏まえまして、社会通念に基づき、社内外の方々に納得していただけるような形で解決を図りたいと目下慎重に検討している次第でございます。 それから佐藤前室長に関する御質問でございますが、本件につきましては、当社の就業規則というものがございまして、これはこの事件の起こるずっと前から有効とされておったものでございまして、それによりますと、刑事事件に基づいて起訴された場合は特別休職とされることがあるという規定がございまして、大体このような場合に休職処分にいたすというのは、官庁等においても行われている一般的なやり方であると思う次第でございまして、その規定に従いまして休職にいたしたわけでございます。その際、百分の六十というこれは本俸と暫定手当だけでございまして、佐藤室長の場合には、その社長室長という役職に伴う役職手当その他がございますが、このようなものは一切含まれませんので、純粋に本俸と暫定手当だけの六〇%でございまして、本人及び家族を含む最低の生活費を賄い得るかどうかという程度の額に相なるわけでございます。 それから、今後の措置につきましては、板野前社長、佐藤前室長ともに横領という容疑になっております。この事実は、会社の財産に対しまする侵害でございますので、その事実が明確となった時点において、当然賠償請求をいたしたいと存じております。そこで、まだ私どもは本人とも接触を済ましてはおりませんが、仮に起訴された事項につきまして、最終判決の確定を待つまでもなく、本人たちがその事実を認めた場合においては、直ちに賠償要求を行う予定でありますので、そういった意味合いで現在本人たちの事情聴取を開始いたそうとしておる段階でございます。
○吹田委員 私は、まことに穏やかな話で、理解がしにくいのですけれども、先ほどの御答弁では、六月の株主総会において幹部である方々、役員が何らかの責任をとる、あるいは辞任される方もあるでしょう、そういったことにまで発展しておるにもかかわりませず、職員としては最も高い地位におります佐藤らが今日特別休職というような形で、ここに百分の六十五ですか、支給されておるということは、非常に私は遺憾に思うわけですね。就業規則にどのようなことが決められてあっても、あなた方は、少なくともこの佐藤に対して、自主的に退任しなさい、そのぐらいのことがなぜ言えないのか、私は不可解でならないのでありますが、首を切るとけつまくるというような問題があるのですか。
○木村参考人 お答え申し上げます。 ただいま先生の御指摘になりましたような事実は全くございません。私どもといたしましては、あくまでも法律それから社会通念というものに基づきまして、皆様に納得いただける、同時に社内におきましても納得し得る措置をとりたいと考えておる次第でございます。
○吹田委員 それでは、時間もだんだん迫ってまいりますから、法改正に伴う問題の方に移りたいと思うのでありますが、現時点においてなぜこのKDD法の一部改正をやらなければならないのか、その理由をまず一つ伺いたいのです。そこから聞きたい。
○寺島政府委員 今回の事件にかんがみまして、郵政省といたしましては、こういった事件の再発防止並びに改善という観点から、制度という面におきまして改善を行う点はないかということ、また、あるといたしますならば、それを早急に行うことが国民の信頼を回復する観点からも緊急な課題であるというふうに考えておる次第でございまして、さらに御案内のとおり昨年末の閣議におきまして、行政改革に絡みまして、KDDに対する監督のあり方につきましても見直しを行い、所要の法律改正を行うべきであるということが決定をされておるわけでございます。それで、この趣旨を受けまして、郵政省といたしましては、急ぎ具体案を検討いたしました結果が、ただいま御審議をいただいておりますようなKDD法の一部改正という内容でございます。
○吹田委員 提案理由の説明につきましては、この法律案は、KDDの運営の適正化を図るために所要の改正を行おう、こうなっておるわけですね。もっともこの事件がきっかけではありますが、そういった答弁でありますが、それでは、現在のKDD法では適正な運営ができないので改正に踏み切ったというふうに解釈してよろしいのかどうかですね。言葉を変えれば、現法律に問題があったので、KDDに適正な運営をすべく指導ができ得なかったのだというふうな解釈にもなりますが、いかがでありますか。
○寺島政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、今回の事件の再発防止という観点から、現行の法律で決められております監督規定に検討を加える点はないかという観点から検討したわけでございますが、特にいわゆる財務、会計面につきまして運営の適正を図る必要があるのではないかということで、その点を中心にいたしまして検討いたしました結果をただいま御提案申し上げている次第でございまして、その内容につきましては、簡単に申し上げますと、改正点の第一点は、現行法におきましては「会社は、毎営業年度の事業計画を定め、郵政大臣の認可を受けなければならない。」というふうにされておるわけでありますけれども、法律上、この事業計画のほかに資金計画及び収支予算につきましてもこれを郵政大臣の認可に係らしめるということにいたしまして、財務面におきます監督というものを強化してまいりたいというふうに考えておるわけであります。 第二点といたしまして、現行法では、決算に係るものといたしましては、利益金の処分だけが大臣認可になっておるわけでございますが、そのほかに、毎営業年度の貸借対照表、損益計算書及び営業報告書の提出というものを法律上義務づけまして、会社の営業活動の結果というもの、そしてその内容というものを財務関係資料を通じて明らかに把握していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 第三点は、会社の会計につきまして、御案内のとおり現在株式会社でございますので、商法等の規定によりまして、会社の機関でございます監査役の監査のほかに、外部監査として会計監査人の監査を受けなければならないということになっておるわけでございますけれども、これに加えまして、新たに会計の執行に関しまして会計検査院が検査を行うことができるようにいたしまして、この会計の運営につきまして一層の適正を期する、こういうことをねらいといたしまして、今回御提案を申し上げておるわけでございます。 なお、一言つけ加えさせていただきますならば、大臣からもしばしばお答え申し上げておりますように、こういった法律改正だけ、いわゆる制度面の整備だけですべてが終わり、あるいは全部できるというふうに考えているわけではございませんで、やはりそれを運用する人と申しますか、とりわけ私ども監督の任にあります者が姿勢を正し、綱紀粛正についての徹底を図りまして、厳正な立場で、かつ国民の立場に立った公正な立場で監督に当たることが当然要請をされる、またそうでなければならないと考えておるわけでございます。
○吹田委員 ただいま法改正の内容にお触れになったのですが、私はそういうことを言っておるのではないのでありまして、あなた方が、法改正をしなければまた事故が起きるのだという前提でこういうきつい内容を示されておると思うのでありますが、第十三回の国会におきまして、これは昭和二十七年ですけれども、当時の電気通信委員会における政府説明からいたしますと、次のように言っておるわけです。国際電電事業を民営とする理由は「今日の国際情勢にかんがみますると、対外的には列国間の通信電波の獲得及び通信網の擴張の熾烈な競争に伍して、」とあるわけですね。こういった基本的な当時の考え方というものが基礎になりまして民営ということで踏み切っておるわけですね。そういった情勢というもの、熾烈な競争という問題が今日もまだ続いているのかどうかということが一つ。 それから、民営でなければならぬという前提ではあるけれども、あなた方の方では、本年の三月にこの法改正について内閣に提出されるに当たって、郵政省は次のような見解を述べておるのです。その一つは、経営の自主性と機動性を確立し、民間としての活力を十分に生かす、これが第一であります。第二は、国際通信の需要はなお増大し、かつ高度化、多様化するものと見込まれる、これに十分対処するにはやはり株式会社が適当である、こういったことで民営論というものが三月に強く打ち出されているのです。再確認されているわけですね。そういったことにもかかわらず、今回の改正法ということになりますと、これは非常に監督権の強化につながるわけでありますが、私はこの点がどうであるのか。 言葉を返しますと、そもそもこの電気通信事業なるものは、こういう独占企業的な姿は基本的には国営であるべきではないか。しかしそれは別としまして、民間でやるとすれば、やはりこれだけ強い監督権というものが、現在でもありますが、さらにこの上乗せをするということについてはいかがであろうか、それはまさに官僚統制の強いものをこの機会に一挙にさらに上乗せする、こういうことにはつながらないのであろうか、この問題が過ぎて、歴史的に、あの時点で非常に官僚統制が強まったというようなことになりはしないであろうかどうであろうか、こういうことをいま考えるわけであります。 特にKDDにおいては、これだけの強まる規制を受けて、それでもKDDとしては現時点ではやむを得ないというお気持ちなのかどうであろうか、この辺はひとつ率直にKDDの気持ちも聞かせてもらっておかなければならぬと思うのでありますが、まずひとつ郵政省の方に、民営論と、これだけの監督強化という問題、官僚統制に移行しようとしておる問題との整合性について伺いたいのであります。
○寺島政府委員 先生のお話がございましたように、昭和二十八年に商法上の株式会社としてKDDを発足させたわけでございますが、その当時の趣旨と申しますのは、ただいまお話があったとおりだと思うわけでございます。その株式会社として発足をさせた、そしてそういう運営形態をとることが望ましいという当時の政策判断そのものは、今日においても私は変わっておらないと思うわけでございまして、そういう意味で、今回の改正案を提出申し上げるに当たりましても、会社の基本的な経営形態であります株式会社形態、これに変更を加えるということは考えておらないわけでございます。 ところで、ただいま御提案申し上げております改正案の内容は、主として財務、会計面に対しまして国の監督を現行法よりもう一歩突っ込んだ形にすることが、今回のいわゆるKDD事件にかんがみまして、その再発防止という観点から国民的にも要請をされておるところである、また閣議決定の趣旨もあるということで、そういう改定案をお願いをしたわけでございまして、そのことによりまして株式会社といたしましたその趣旨に反する、あるいはその趣旨を減殺するようなものではないというふうに私どもは確信をしておるところでございます。 なお、法律が御可決いただきますならば、その運用に当たりましては、そういった株式会社として設立されましたKDD法の趣旨というものをよく踏まえて、それは十分念頭に置きながら監督に当たるべきものであろう、こう考えております。
○古橋参考人 お答え申し上げます。 私どもといたしましては、当社創立以来、わが国の国際通信を今日のレベルにまで発展させることができました原動力は、株式会社として自主的、機動的な経営に当たったという結果であるとかたく信じているところでございます。このことにつきましては、外国の通信事業者からもお認めいただいている事実でございます。 また、将来のことを考えてみましても、国際電気通信サービスはますます多様化、高度化などが必至でございますので、経営の自主性、機動性は従来にも増して求めていかなければならないということを思っております。したがいまして、私どもは現行の法体系が望ましいというふうに考えておりますけれども、一面、先ほど先生が御指摘なさいましたように、大変世間に御迷惑をおかけしたような不祥事を引き起こしましたので、今回の法改正は、その不祥事の反省といたしまして提出されたものということも十分承知しているところでございますが、そういう意味でやむを得ないのではないかなというふうに考えております。 法の強化はやむを得ないと思いますけれども、しかし、先ほど監理官が申されましたように、法の運営に当たりましては、企業経営の効率性、機動性、弾力性等を十分お考えいただけるものというふうに思っておる次第でございます。
○吹田委員 ただいま郵政の方から御答弁になりましたが、会計の問題だ、経理の問題だということでありますから、その方でちょっと実務的に伺いますが、KDDは民間会社であって、自由濶達な経営が望まれるわけでありますが、今回の改正案は、事業計画のほかに、いま監理官が申されましたようなことを郵政大臣の認可を受けなければならぬということなんですけれども、こういった収支予算、資金計画の内容はどの程度のものを予定しておるのか。程度の問題でありますが、その具体的な書類はどういうものを考えておるのか、こういったことについても、あるいは省令が考えられておるとすればひとつお示しを願いたいわけであります。 あるいは、その事業計画、収支予算及び資金計画は、将来に対する需要予測に立脚するものでありまして、実務上は計画どおりに実施できない場合もあると思うのであります。したがいまして、収支予算の執行に当たっては当然ある程度の幅が認められるべきではないかと考えられますが、この点についてどうであろうか。この事業計画とかあるいは収支予算の変更というようなことについての認可対象となるものは、その幅を超える程度の変更を指すものと理解しておるのでありますが、認可対象となる変更基準はどの程度のものであるかをひとつ示してもらいたいと思うのであります。 なお、当初予算以上の高収益を上げた場合には、どの程度の増収が生じた場合に変更の認可申請をしなければならないのか、こういった問題につきましてもひとつ触れていただければ大変幸せだと思います。
○寺島政府委員 ただいま御指摘のございました点は私どもも大変重要な点である、かように考えておるわけでございますが、結論的に申し上げますと、たとえば収支予算というものをどういう様式でどういう内容を盛り込んで、そしてそれが変更の対象となるものはどの程度のものにするのかという点につきましては、現在まだ成案を得るに至っておりません。ただ、現在特別な法律によりまして株式会社として設立されておりますものが九法律十一社ございますが、このうち収支予算について認可の対象となっておらないのは日本硫安輸出株式会社とKDDの二社でございます。そのほかの会社につきましては、すべて現行法におきまして収支予算につきましても認可対象となっております。こういったいろいろな株式会社におきまして、それぞれの監督官庁がどういう様式でどういう内容で、あるいはどういう変更基準でこれを制定し運用しておるかということも十分に私ども参考にいたしまして、先生ただいま御指摘のございましたような御趣旨を念頭に置きながら適正な定め方をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○吹田委員 御説明はよく理解できるような気はいたします。しかし、今回の監督権の充実強化ということが非常に私は気になるわけです。いままでは監督権が弱かったということが事件発生の原因であるというような解釈からこういった法改正に踏み切られるということですが、再び郵政省とKDDあるいは政界との癒着の問題、弊害、こういうものが絶対にないということは言い切れないと思うのでありますが、こういうことが絶対にないように、これを改正するとすればそういう面について特に留意しなければならぬと思うわけであります。そういった意味で私は指摘しておるわけであります。 また、今回のこのKDD法の改正につきましては当委員会でもいろいろと意見が出ておりますが、その審議過程におきまして、本案について一部の政党からは、この案に修正を加えてさらにまだ強化すべきであるという意見があるかのように承っておりますが、私は、ただいま指摘したように、このKDD法の改正については事柄が非常に重大である、しかも将来、官僚統制のきわめてきつい問題として、当初の、いわゆる昭和二十七年に発足した当時の精神、それが少しずつゆがんでくる、こういう心配もあるものですから、性急に結論を出すべきではないのではないか、慎重にやるべきではないかという考え方を持っておるのでありますが、その点はいかがでありましょうか。これは大臣に伺った方がいいのじゃないかと思うのであります。
○大西国務大臣 今回のKDD法の改正、これは従来の郵政省の現行法における監督のあり方等も反省をいたしまして、そして同時に、株式会社としての機動性、自主性は当然発揮をしてもらわなければならないわけでありますが、一方におきましてそういう監督のあり方について反省をいたしました結果、KDDは株式会社とは申せ公益性の強い独占事業を営んでおるわけでありますから、これについては国民的な立場で制約をしていくということも国民の大方の要望であろうと思います。でありますから、そういう点を調和させつつ、なお国民のそういうお考えを法案の中に生かしてこの改正案を御審議をいただいておるわけでございますが、それに対していまの修正といったような問題が仮に起こるといたしますならば、もしそういう案があれば私たちは虚心にこれに対処いたしたいと存じておりますが、もとよりそういう問題につきましては当委員会におかれまして慎重に対処していただくことを私どもとしても希望するわけでございます。
○吹田委員 それでは、次に料金の決定の問題に入ります。 料金決定の問題は総括原価主義ということになっておりますが、その中で最も大きな問題は、適正利潤というものの解釈が大変なわけで、今回の事件もここに問題があり、板野さんというものはそこに大きな過ちを犯した、これが一つの基本であります。 昭和五十四年度の決算状況についての御説明は過般あったわけでありますが、そういった内容から見ますと、昨年の十二月には米国、カナダ、ハワイ、オーストラリア、アジア等の十六対地について国際電話料金が値下げされております。番号電話で八%から二五%、国際テレックスについては一七%というかなり大幅な料金値下げが実施されておるわけでありますが、この料金値下げによる影響が現時点でどの程度あるかということなんですけれども、せんだってからの新聞等によりますと、その後かなり収益を上げている、いわゆるああいういろいろの問題がありましたけれども三月決算の税引き後の利益が百七十六億に達しておるということが五月六日に明らかになっておるわけですね。これに対して郵政省は、さらに第二次の値下げをやったらどうかということを言っておるように伺ったのでありますが、こういった値下げ問題に対して具体的にどのように考えておられるのか、その内容を現時点で漏らしていただけるものであればひとつお答え願いたいと思うのであります。
○寺島政府委員 御指摘ございましたように、昨年十二月一日からいわゆる環太平洋地域に対しまして国際通話並びにテレックスの料金の値下げを実施したわけでございますが、この認可をいたしましたときに、私どもといたしましてはKDDに対しまして、引き続き今後の経営状況あるいは五十四年度の決算状況等を見ながら料金の引き下げについてさらに検討し、報告をするように、文書でこれを指示してございます。これに対しましてKDDからも、そのようにいたしますという報告を得ておるところでございます。今日におきまして五十四年度の決算の状況というものも、数字的に固まった、幾らであるという報告はまだ受けておりませんが、ほぼその概要をつかみ得る段階に来ておると思うわけでございますので、そういうことを背景といたしまして、私どもは遠くない時期に引き下げの認可申請案がKDDから提出されるものだ、こういうふうに考えておるわけでございまして、それが提出されましたならば慎重にこれを審査をいたしまして、認可すべきものは認可してまいりたい、そういう形で引き下げをさらに進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○吹田委員 それでは、最後の質問に入ります。 人事の天下りの問題でありますが、大西郵政大臣は三月二十六日の参議院の予算委員会で、郵政省の出身がKDDに下るということについては、お互いが理解し合う上でいい点もあり、天下りがあるからといって郵政の姿勢が正しくないとは言えないと言われております。まことに物わかりのいいパパぶりを発揮しておられるわけであります。大臣は党人派の政治家として私どもは非常に尊敬しておるわけでありますが、今日このことにつきましての御心境をひとつもう一度当委員会で伺っておきたいわけであります。
○大西国務大臣 お答え申し上げます。 特殊法人の役員の選考に当たりましては政府の方針というのがございまして、これはしばしば当委員会でも申し上げておりますが、五十二年の十二月の閣議決定というのがございまして、その後再確認等もされておるわけでありますが、これによりますと、社の内外を問わず広く各界の有識者の中から適任者が登用されるよう今後とも配慮をしてまいりたい、そういうことでありまして、御指摘の点につきましては、過般の参議院の予算委員会におきまして、天下り人事が今回のKDD事件を招いたのではないかという御質問に対しまして、関係特殊法人に郵政省からの転出者があったとしても、監督する郵政職員に公務員として厳正な職務を執行する姿勢が貫かれるならば、そのこと自体によって癒着が生ずるということはないというようなことを申し上げようとしたわけでございます。しかし、十分その際意を尽くし得なかった点もあると思うのでありまして、当委員会における他の委員さんに対するお答えにおきましても、そういうことを申し上げたわけでございますが、その点はひとつ御了承を賜りたいと存じます。
○吹田委員 ただいまの大臣の言葉は、いわゆる天下り是認論であります。あるいは推進論とまではいかないにしましても是認論であります。このような考え方というものは、官僚をますます思い上がらせることになるのではないか。率直に申しますが、本当に額に汗して毎日こつこつと働いておる民間人の目にこういったものがどのように映るであろうかというようなことを考えるわけであります。特に、その天下りの実態というものが白書で出されておりますが、そういった中から見ますと、高級官僚の高齢化後のきわめて優雅な生活保障というものがなされておるわけであります。たとえば給与体系でも各省の次官、局長級の延長線、こういうふうな優雅な措置がとられておるわけでありまして、無縁なと言われる納税者にとっては、金権政治というものに劣らない怒りというか、いら立ちというか、そういったものを持っておるに違いないと私は思うのであります。どうか大西大臣におかれましては、何といっても党人派の大臣でありますから、この際、大胆にこういった問題につきましてはひとつ是正してもらいますようにお願いをするわけであります。この事件は、ひたすら台風一過を待って、それからまた国民から批判を受けるというようなことのないようにしなければならないわけでありまして、私は特にこの点を要望しておくわけであります。 そこで、KDDに対しまして最後にお尋ねいたします。KDDとされましては天下り人事を受け入れる側でありますが、これをどういうふうに受けとめておられるか、ひとつ伺いたいと思います。
○古橋参考人 大変重要な問題でございますけれども、ただいまあいにく社長は太平洋の関係のケーブル首脳会議に出席しておりまして、本席に出席できないわけでございますので、社長の考えをそんたくしながら意見を申し述べたいと思います。 当社は二十八年発足して以来すでに二十七年たっておりまして、会社になってから採用いたしました職員も現在では中堅幹部として活躍しておりますし、やがて当社の経営を担っていくようになるものと大いに期待しているわけでございます。ただ会社といたしましては、いかなる場合にもあるいは拒絶反応的に天下りを拒否するというようなことではなくて、その方の識見、能力などが会社にとって必要であるという場合がございましたらお迎えいたしたいというのが社長のお考えだと思っております。
○吹田委員 時間が参りましたから以上で終わります。ありがとうございました。
○小林委員長 次に、鳥居一雄君。
○鳥居委員 捜査当局から捜査の経過、概要について報告がありました。事情聴取千三百人、KDD関係者六百人、その他関係者七百人、こう示されたわけでありますけれども、その他関係者の七百人というのは、どういう範囲でしょうか。
○漆間説明員 KDDの捜査に関連をしまして事情聴取しました方々というのは、先ほど申し上げましたように全部で千三百人あるわけでありますが、KDD関係者以外でも、金の使途に関しましてその費消先その他の方々があるわけでありますから、そういう方々から事情を聞いたわけであります。
○鳥居委員 けさの新聞報道によると、政治家の事情聴取が行われたとありますけれども、その事実はあったのでしょうか。
○中平政府委員 けさの一部の新聞にそういう報道がされておったことは私どもは承知をいたしておる次第でございます。しかしながら、特定の方から事情を聞いたかどうかということにつきましては、こういう席での御答弁はひとつ差し控えさせていただきたいと思います。
○鳥居委員 この七百人の中に政治家がいたかいなかったか、この点についてはどうでしょうか。
○中平政府委員 繰り返しになりますが、特定の人の問題につきましては答弁を差し控えますが、しかし警視庁としてはやるべき捜査はやっておる、こういうことでひとつ御理解いただきたいと思います。
○鳥居委員 いいえ、けさの新聞は別として、七百人の中に政治家はいたのかいなかったのか。
○中平政府委員 繰り返しになりますが、当然警視庁としては捜査として事情を聞くべき人からは聞いておるわけでございます。それは非常に広い範囲にわたっておりまして、恐らくただいま御指摘になった人たちも入っておる、私はこういうふうに理解をいたしております。
○鳥居委員 そうすると、七百人の中に郵政省関係者幾人、政治家幾人、これを答えていただけませんか。
○中平政府委員 ただいま捜査二課長からも答えましたようにKDD関係以外はいろいろ広く、たとえばデパートの関係者だとか物の流れ等、あるいは郵政省の方々とか、そういうふうに広く事情を聞いておるわけでございまして、どういうところが何人ということはちょっと私どもも正確な記憶はございません。それで、ただいまの政治家の問題につきましても、これは聞くべき場合には当然警視庁としては聞いておる、そういうことでございます。
○鳥居委員 そうすると、もう一回伺いますけれども、聞くべき人から聞いた、それで政治家がその中にいた、こう受けとめてよろしいですか。
○中平政府委員 政界の方も一応入っておる、こういうふうに御理解いただきたい。
○鳥居委員 複数でしょうか、単数でしょうか。
○中平政府委員 人を特定できるような形ではこの種の問題については答弁を差し控えたい、こういう趣旨でございます。何となれば、事情を仮に聞いていたとしても、これはあくまでも参考として事情を聞いておるわけでございますから、特定の人がどうかということはこういう機会に申し上げることはいかがかと存じまして、そういう趣旨で先ほど来答弁をしたような次第でございます。
○鳥居委員 郵政官僚の過剰接待が報道されてまいりましたけれども、刑事責任を免れた理由というのはどういうことでしょうか。
○漆間説明員 郵政省関係の職員につきまして、さきに刑事訴追のありました二人につきましてはすでに御答弁を申し上げておるとおりでありますけれども、それ以外にも当委員会においてもいろいろ御論議があり、またその他の委員会でも御論議があった方もおられることは警視庁はよく承知をした上で捜査を進めたわけでありますけれども、これまでの報告を受けている限りでは、証拠上、さきに刑事訴追を受けました二人以外に刑事責任を問うべき具体的な事実があったと認定するに足る人物はいないというような報告を受けております。
○鳥居委員 そうすると、もう一回聞きますが、不起訴なんですか、起訴猶予なんですか、どういう処分なんですか。
○漆間説明員 御承知のように警察は第一次的な捜査機関でありますので、起訴権を持っておるわけではございません。したがいまして、刑事責任を問うべき事実があると考えればこれは立件送致をするわけでありまして、そのような手続をとってないということでございます。
○鳥居委員 法務省、来ていますか。いまの質問に答えていただけませんか。
○根來説明員 この件につきましては、警視庁から事件の送致を受けて検察庁が処理するという立場でございますので、警視庁から送致がない限り検察庁としては何らの処分をいたさないということでございます。
○鳥居委員 大臣に伺いますが、捜査の経過報告があったわけですけれども、所感をまず伺いたいと思います。
○大西国務大臣 捜査の報告といいましても、いま概略のことが報告をここでされたわけですが、それを私も聞いておるだけでございまして、それ以上何も私の方から申し上げることはありませんが、捜査は厳正に行われておるものと存じております。
○鳥居委員 過剰接待の事実関係、これはいわゆる道義的責任の枠の中で、刑事責任の対象にはならない、こう考えられる場合に、今度は行政処分という形で行政上の責任が伴うわけですけれども、その点については大臣はどういうふうに考えますか。
○大西国務大臣 郵政職員の接待につきまして通知は何も受けてはおりません。おりませんが、国家公務員としてふさわしくない行為がありました場合には事実に即して厳正な措置を講ずるということは、これは一般的に当然のことであると思います。
○鳥居委員 捜査当局に伺いたいのですが、政治家に対するさまざまな内容がいま概略述べられました。そして、それによりますと、政官界への贈答品、特に政界に対しては四千五百万、内訳は商品券が三千八百万、品物あるいはパーティー券、合計一億二千万ということでありました。政治家合わせて百九十人。これは品物あるいは商品券、パーティー券別にどんな内訳になっているのでしょうか。
○中平政府委員 先ほどの繰り返しになるわけでございますが、この三年半の間に一億二千万の金品がKDD側関係の調査によれば一応政界に流れておりまして、その内訳は、ただいま商品券を何か三千五百万とおっしゃったのですが、先ほど申し上げましたように商品券は一千万でございます。それから物品が一千万でございます。それからパーティー券が五千五百万で、合計七千五百万。それからいわゆる接待、慶弔費等、これは金でございますが、これが四千五百万、合計が一億二千万、こういうことでございます。
○鳥居委員 それぞれ幾人かというふうに伺っているのですけれども、それは出ませんか。
○中平政府委員 これは先ほど話の前提として申し上げましたように、これだけの問題であり、多くの関心も集まっておったわけでございますし、国会でも御論議をいただいた趣旨にかんがみまして、その大筋をひとつ御報告を申し上げる、そのことによって全体的に御理解いただく、そういう趣旨で申し上げた次第でございまして、細目的に個々的にまだ申し上げる用意は私どもとしてはいたしておりません。
○鳥居委員 今後の捜査なんですけれども、終結のようにも言われ、終息宣言のような形の報道もなされる。しかし、今後どういうふうに進めていくのか、状況と見通しについて伺いたいと思います。
○中平政府委員 この事件は、御案内のように昨年の十月以来相当長期にわたって警視庁としてはその全容の解明に努めてまいりまして、その間に一応KDDの社長以下の業務上横領あるいは郵政省関係の贈収賄等々の事実が判明した次第でございまして、かねてから問題にされておりました政界の問題につきましてもただいま申し上げましたような状況でございまして、特にただいまのところ私どもの方で刑事責任を問擬するに足りるような資料、あるいは事情の聴取等は行われなかった、こういうことでございまして、繰り返しになりますが、捜査はおおむね終結でございまして、いまのところ新しく着手すべき事件はない、こういうふうに大筋は終わっているわけでございます。しかしながら、この種の問題につきましてなお具体的な情報が出てまいりますれば、私どもといたしましては、今後ともそういう事実に基づきまして厳正な捜査を行ってまいる、こういうつもりでございます。
○鳥居委員 厳正な捜査を期待したいと思います。 それで、今回の一連の事件、疑惑の一つになったものに料金の決定の仕組み、まさに料金問題が大変大きな問題であった。高料金制を安定させる、またそれに伴う高収益を固定化しよう、明らかにそうした意図が私どもにはくみ取れたわけであります。それで、料金決定の仕組みが妥当であったのか、この高料金の現状について、実態をまず取り上げながら順次郵政、KDDから伺っていきたいと思うのです。 KDDの営業品目の中に大きなものとして、国際電話――電報もありますが、テレックス、専用線、こうしたものが挙げられるのですが、ここで専用線の現在の制度、これを取り上げてみたいと思うのです。 専用線は競争がないように、国内においてはKDDの独占という形でありますが、対地国があり、そして従来フィフティー・フィフティーで専用線の料金を支払うという形の中で、KDDの支払い分が非常に高い。五〇対五〇の、相手国に対して五〇支払い、KDDに対して五〇支払うというのが原則で出発した専用線の料金が、現状においては大変なひずみが出ているわけです。ですから、競争に伴いまして、国内の利用者は安い通信業者の方へどんどん逃げていかざるを得ない。現状においては、香港にどんどんセンターを移して逃げていってしまっている。こういう現状について郵政はどういうふうに考えているのでしょうか。
○寺島政府委員 専用線の問題、これは国際料金の中の大変重要な一つの分野であるという認識は、当然ながら持っておるわけでございます。したがいまして、この専用線料金のあり方につきましてもずっと検討を重ねておったわけでございますけれども、先生御案内のとおり、昨年の十月に一〇%の引き下げを行いまして、なお先ほどもお答え申し上げましたように、十二月に電話、テレックスの料金を引き下げました際に、引き続き料金の引き下げを検討するよう指示しておるわけでございますが、その中で、専用線を除外するというふうなことは一切言っておるわけではございませんので、現在専用線の料金も含めまして検討がなされているもの、こういうふうに考えておるわけでございます。 なお、香港のこの料金の問題につきましては、KDDの方からお答えがあろうかと思いますので、それで御了承願いたいと思います。
○鳥居委員 どんな事情になっているかということをまずつかむところから評価しなければならないと思うのです。五〇対五〇であるはずのものが、電話のいわゆる格差、九ドルに対して三千二百四十円であったその当時、それをさらに上回るものがあるのです。東京-サンフランシスコに専用回線を一回線持ちますと一体どんな事情になっているのか、これを調べてみました。それで、KDDの音声級回線のV3、これを使いますと、ITTへの支払いが四千八百七十五ドル、月額です。それに対しましてKDDに対しての支払いが三百九十九万六千円、つまりフィフティー・フィフティーどころか、一〇〇対三四二という数字が出てくるのです。もっとひどいのがハワイ。東京―ハワイの間では、これが一〇〇対五一〇です。こんなばかげた話がありますか。専用線の料金は二分の一ずつ両端末で払うのです。一〇〇対五一〇というこういう実態です。これはどういうわけでしょうか。
○高仲参考人 日米の専用線料金につきまして著しい格差が生じてきた由来というお尋ねであろうかと思います。 日米間の専用回線料金につきましては、昭和四十六年ころまでは大体均衡がとれておりましたが、その後、日米それぞれ数回の料金値下げを行いました。ところが、アメリカ側の値下げの回数1票大きいので、格差が生じたわけでございます。日本側につきましては、昭和四十二年、四十六年、五十四年の三回にわたりまして、累積で三三ないし三八%の値下げを行いました。一方米国側におきましては、今日まで累積で五七ないし六八%の大幅な値下げを実施いたしたわけでございます。しかも、この間におきまして通貨のレートが著しく変わって、さらにその格差が大きくなってきたというのが実情でございますが、先ほど監理官が申しましたように、ただいま私どもといたしましてはこうした点も含めて目下鋭意検討いたしておりまして、まとまり次第なるべく速やかに料金につきましての認可の申請を行いたいと考えておる次第でございます。
○鳥居委員 これはとんでもないことなんです。フィフティー・フィフティーであるはずのものが五一〇対一〇〇になっているというところからどういう現象が起こっているかといいますと、日本はもう通信の片田舎になっちゃっているのです。日本に通信センターを置かない。みんなケーブル・アンド・ワイヤレスの――日本のKDDの通信回線はなるべく短く使って、それで安いところへどんどん移していこう、こういう形です。ですから、香港のケーブル・アンド・ワイヤレスのそちらの方に移って、香港をベースにして北米回線あるいは日本――日本の間は東京-香港だけを持てばいい、そういう形です。 具体的に一例を挙げます。サンフランシスコ、香港、ロンドン、これを東京を中心にして結んだ場合、一カ月に通信回線料として幾ら払うか。今度は逆に、香港をベースにして香港-東京、香港-サンフランシスコ、香港-ロンドン、こういうふうにネットワークを張った場合、一カ月の通信回線料は幾らになるか、これをトータルしてみました。この計算の時点で年間五千万の開きが出てくるのです。ですから、具体的なそういう形で利用者は海外へどんどん流れているわけです。こんな通信政策が一体ありますか。IATA加盟の航空会社はみんな香港です。日本の国策会社である日本航空でさえも、香港を中心にして逃げていっちゃっている。こういう通信政策で一体いいのでしょうか。どうですか、郵政省。
○寺島政府委員 御指摘のように、香港を中心といたします回線を設定いたしました場合に、東京と申しますか、日本を中心とした場合よりも有利になる場合ということにつきましては承知をいたしております。その結果、従来東京を中心といたしておりましたものが香港中心に移っていくというケースもあるということも承知をいたしておるわけでございますが、その点、御指摘のように確かに考えなければいけない問題の一つだと思うわけでございまして、専用線の料金を検討いたします場合の一つの点ではあろうかと思うわけでございますけれども、同時に、そのことが、いわゆるコストとの見合いにおきまして、安くするという意味での過当競争になるということもまたやはりこれは考えておかなければならない一つの点であろうかと思うわけでございますので、やはり総体といたしまして、合理的な経営のもとにおきますコストというものと料金というものとを、それをどう反映させていくかという観点から考えていきたいと思うわけでございますが、いずれにいたしましても、通信政策としてわれわれが取り組まなければならない大変大事な点の御指摘をいただいたと考えておるわけでございます。
○鳥居委員 KDDに伺いますが、日本航空でさえも逃げ出してしまった。追いやってしまったと言えますか、これをもう一度引き戻そう、そういう努力をされる考えはあるのでしょうか。
○高仲参考人 私どもといたしましては、そうした傾向が生じるということは望ましいことであるとは思っておりませんので、先生御指摘のことを十分頭に置いて、ただいま国際電気通信の料金について鋭意検討を進めておるところでございます。
○鳥居委員 これはやはりKDDと監督の責任のある郵政省との間で、これまで密室において認可申請に対していわゆる認可をしていくこういう長い年月の中でこういうひずみが出てきてしまったものだ、私はこう受けとめるのです。 先ほどの答弁の中で、一〇%の値下げをした、こういう説明がありました。これだって値下げじゃありませんよ。値下げじゃないです、実態において。従来、専用線の支払いの方式には利用者側に一つの知恵があったのです。どういう知恵か。KDDに直接払いしないで、相手国の通信業者を通じてKDDに払ってもらう、こういういわば一括払い込み方式という、郵政省ではそう呼んでいるでしょう。この方式をとりますと、ITTとKDDとの間に一ドル三百六円、一ドル三百八円という取り決めがあるのです。実際問題は、送金の場合の一ドルは二百四十円で済むのです。その間の開きというのが、いわゆるその分だけ安い形で処理ができたのです、決済が。つまり専用線の対地国側に送金をすることによりまして、対地国のITTなりを通じてKDDへの支払い決済をすることによって、実際の料金よりも二割五分安い料金で決済が済んでいた。これが長年のしきたりで来ているわけです。この事実を郵政省は御存じですか。
○寺島政府委員 御指摘のように、専用線は、KDDが契約をいたします場合に、日本とどこかの外国との間に線が敷かれるわけでございます。したがいまして、相手方が外国にあるわけでございます。その場合に、KDDと契約をいたしました料金を日本側で円で払うか、あるいは外国側でドルならドルで支払うか、どちらで払ってもいいという制度をとってきておったわけでございますけれども、その場合に、外国で仮にドルで払います場合に、そのときのドルの対円レートで支払いをいたしますならば損得というものは起こらないわけでございますけれども、御指摘のように、換算レートを二百七十六円五銭という形でそれ以後動かしておらなかったという事実がございますので、ドル建てで払います場合に、ユーザーにとりまして有利になるという事態があったということは昨年承知をいたしまして、これはやはり経済の実勢ということに対しまして問題があろうかと思うわけでございますので、この点の改善方を指導してきたわけでございます。その結果、昨年十月に料金の値下げをいたしましたのを機会に、KDDにおきましてもこの是正に踏み切りまして、現在では、すべて原則として円建てで支払いを受けるという形にしておりますので、この点は改善をされておるもの、こういうふうに考えております。
○鳥居委員 回線料金について二色の料金があったわけですよ。同じ品物で二つの値段、いわば二重価格ですね。円払いと相手国決済にする、送金をしてこういうルートでやる。こんなへんてこな話はありませんで、問題は、その事実を郵政省が知っていたか知っていなかったかという点なんですよ。イエスかノーかで答えていただけば結構です。
○寺島政府委員 ユーザーの方の利便を考えますならば、外国側での支払いという方法をも認めることそれ自体に問題があるとは私は考えませんけれども、その支払いに当たりまして、やはり経済の実勢、実勢レートに合わした形での支払いがなさるべきものだ、こういうふうに考えておるわけでございまして、それが実態に合わない場合にはやはり問題があろうかということで是正に努めてきたわけでございまして、郵政省といたしましては、そういうやり方をしておったということを、たしか昨年の春ごろだと思いますけれども、これを承知をいたしまして、是正方に努力をしてきたわけでございます。 なお、先ほどお話がございましたが、このこと自体については、ドルで支払うということの制度の問題というよりも、そのやり方の問題であった、こういうふうに考えておるわけでございます。
○鳥居委員 それでは、結局二重価格がまかり通っていたということをよく承知なさっていたと、私の方は受けとめたいと思うのです。 それで、二重に値段がついているのじゃ不公平だということで、二割五分からの開きがある、この開きをなくして一本化するために一〇%下げるから、従来二割五分得をしていた分は泣いてくれよ、これが一〇%の値下げの実態じゃないですか、どうなんです。 〔委員長退席、武部委員長代理着席〕
○寺島政府委員 ただいまお答え申し上げましたように、昨年そういう実態を私ども承知をしたわけでございますけれども、昨年の十月に専用線の引き下げを実施いたしましたのは、先生御案内のとおり、一昨年からこのKDDの料金、専用線のみならず、すべてにわたりまして検討方を指導してまいったわけでございまして、その一つの結果として十月に一〇%の値下げの実施ということになったと理解をしておるわけでございまして、またユーザーの側におきましても、すべてのユーザーがドル建てで支払っておるとは思わないわけでございまして、値下げの利便と申しますか、そういうものはやはり十分あるものと考えておるわけでございます。 なお、つけ加えますならば、先ほどお答え申し上げましたように、なお専用線の問題につきましても引き続き検討を重ねておるわけでございます。
○鳥居委員 すべて密室主義なんですよ。料金の申請時にどんな料金申請をしたのか、まずこの利害の当事者が全然わからない。受理をした、どんな検討がされているかわからない。そして認可をした段階で、初めてどおんとやってくるわけですね。そういうところに郵政省とKDDとの癒着があったのじゃないか、こういう厳しい指摘が今回の教訓じゃないですか。まさに専用線料金の二重料金制にしても、そうしたものが生み出したものだと私は思うのです。ですから、問題は、密室主義をどのようにして公開していくのか。今後、国民的合意をどのようにつくろうとされるのか、こういう重大な命題を背負い込んでいらっしゃると私は思うのです。 大臣に伺いたいと思うのですが、今後たとえば郵政審議会にかけるようにしよう、しかし郵政審議会だって密室じゃありませんか。傍聴を希望しても傍聴できない、どんな経緯があるのか調べようと思っても、郵政審議会の中は公開しません。今後のこうした許認可、特に料金のさまざまな問題につきましては絶対に公開を原則にしていくべきだ、それから第三者機関が論議できるような広場をつくるべきだ、こういうふうに思うのです。今回の一連の事件の教訓として大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
○大西国務大臣 現在、国際電信電話料金問題につきましては、従来にも増しまして利用者の関心が高まっておるところでございます。当委員会におきましても、先生あるいは他の委員からもいろいろと御指摘のあったところでございます。郵政省といたしましても、そういう点を踏まえまして、特に重要なものにつきましては、いま郵政審議会も密室じゃないかというお話もございますけれども、そういったような会議等にかけて、公正な料金認定といいますか、そういうものの道を開くことについてわれわれは検討を進めておるところでございます。
○寺島政府委員 ただいまの大臣のお答えを若干補足させていただきます。 ただいま大臣からお答えございましたように、料金決定の認可に当たります過程といたしまして、郵政審議会等の意見を聞くことを現在検討いたしておるわけでございます。しかしながら、郵政審議会も密室ではないかという御意見でございますけれども、郵政審議会を公開にするかどうかということにつきましては、これは郵政審議会自身の御判断になることでございまして、私どもの方としてとやかく申すことではないというふうに考えます。それと同時に、従来の経緯からいたしましても、審議会御自身として、この問題について、審議会の中だけの意見ではなくて、さらに各界各層の方の御意見を聞く必要があるとお考えのときには、そういうやり方もとってきておられたというふうに承知をしておるわけでございまして、そういう意味では、私どもは広く意見を聞きながら、この問題について郵政審議会に諮りながら、より適正な認可に当たってまいりたいということで現在検討しておるわけでございます。それから、いま一点の先生のお尋ねは、料金決定に当たりまして物差しと申しますか、そういった基準というものを持っておるのか、あるいはどういうふうに考えておるのかという御趣旨であろうかと思うわけでございますけれども、この点につきましては、先生御案内のとおり、通信料金と申しますものは、その企業体の全体として能率的あるいは合理的な経営のもとにおきますコストを賄うということで従来対処をしてきたわけでございます。これは、たとえばCCITTの勧告等におきましても、提供する企業の全体から得られる収入というものは、その機関が負担するすべての費用ということで例を挙げておりまして、運用費、投下資本費、税金それから設備の減価償却費、研究開発費あるいは必要があるときの自己投下資本、こういったものをコストとして算入をするというふうな勧告もなされておるわけでありますが、いずれにいたしましても、きちっと数式的なもので出ておるというふうにはまいっておらないと私は思います。しかしながら、先般来当委員会におきまして適正利潤についての御指摘もございます。そういうものも含めまして、この料金の問題というのは通信政策にかかわります非常に重要な問題である、こういうふうに考えておるわけでございます。幸い電気通信政策局の設置ということも国会でお認めをいただきましたので、新しい局におきまして取り組むべき大きな問題の一つであろう、こういうふうに考えて努力をいたしてまいりたいと思いますので、御理解いただきたいと存じます。 〔武部委員長代理退席、委員長着席〕
○鳥居委員 五〇対五〇であるべきはずのものが一〇〇対五一〇、こんなひどいバランスの欠き方である事実をいま指摘しましたけれども、専用線の料金の全面改定を必要とすると思うのです。これは値下げを前提としてですね。 電話が二五%下がったのです。片手落ちです。テレックスを含めて電話料金の二五%、これだって私に言わせれば目の子勘定だと言わざるを得ないのです。百六十億円減収の分の値下げをした。それじゃ、なぜ百六十億円でなければならないのか。千五百億の電信電話収入があるのですから、それじゃ今回は三百億円分の幅広い値下げをしていこう、何かそこに基準が必要なんです。二五%の料金のカットをやろうとしたのですか、それとも百六十億円と半端な数字を出したのですか。大体この程度やれば納得はするだろう、そういう目の子勘定ですか、その辺の指導はどうなんですか。
○寺島政府委員 昨年十二月に実施をいたしました料金値下げにつきましては、私どもといたしましては、KDDから出されました認可申請案を検討いたしまして、これを当時点におきまして妥当であるというふうに認めて認可をしたわけでございますが、ただ先ほども申し上げましたように、これで終わりというふうに考えておるわけではございませんで、KDDの推算で昨年の値下げは年間に平年度で百六十億円の減収というふうに予想されておるわけでございますけれども、その後の動きあるいは五十四年度の決算状況等も考えながら、さらに引き下げについて検討するよう指示をしておるところでございまして、その答えというものが遠からず出てくるものだ、そう考えておるわけでございます。
○鳥居委員 適正な料金、合理的な料金というのは適正利潤と裏表の問題なんです。認可に当たって何も物差し、基準を持たないで、これで適当だろう、いいだろうというわけにいかないのですから、郵政として早くその基準を明確に持つべきです。KDDの中に経営問題委員会をお持ちになる、これは当然のことです。もうかるだけもうけて一〇%の配当、それから待遇の方も一応指導の枠がある、そういう中で社内留保のしようがないほど増収増収だったわけでしょう。ですから私は料金の上に明確に反映させる、その反映させるに当たっては、適正利潤というのを明確にお持ちになる。こういう議論があるのです。電信電話諮問委員会の中で、公益法人としては原価補償主義で料金を決めるべきである。それから適正利潤については総資本利益率で五ないし七%、こうありますけれども、公社とKDDは置かれた立場が違うのです。外部負債がないKDDが、公社並みに総資本利益率で五ないし七%の枠の中にあるからほぼ適当だなどという議論は通らないわけです。自己資本利益率でいくべきです。この点についてはどういうふうにお考えですか。
○寺島政府委員 適正利潤の問題につきましては、KDDにおきましてもいろいろ検討がなされておると承知をしておりますし、なお精力的に検討してもらう必要があると考えております。郵政省におきましても、この問題は大変大事な問題として取り組んでおるわけでございますけれども、現在までのところ、それで一定の結論を得るというところにはまだ至っておらないわけでございますけれども、今後の問題といたしまして十分に取り組んでまいりたい、かように考えておるわけでございます。 なお、一つの例として、電電公社におきまして、総裁の私的諮問委員会で公共的必要余剰という名でこの問題につきましての一つの試案が示されておりますことは先生御案内のとおりと思うわけでございますけれども、これがどの物差しが適当であるかということにつきましては、なおいろいろ御意見もあろうと思うわけでございまして、こういう点を含めまして検討を進めてまいりたいと思いますが、一定の幅を持たないようなきちっとしたものができるかどうかということになりますと、これは問題があろうかと思うわけでございますけれども、いずれにいたしましても料金という問題あるいは経営という問題を考えるに当たりまして、一つの大事な点として検討を進めてまいりたいと思っております。
○鳥居委員 大臣に伺います。 公益法人の料金決定は原価補償主義によって行われるのが通例であり、諮問委員会でもそれを答申の中で明確にしているわけですから、専用料金の改定に当たっては、KDDの料金もこの原則にのっとってやるべきだ、私はこう思うわけですが、大臣のお考えを……。
○大西国務大臣 適正利潤といいますか、そういうものを念頭に置き、適正な料金の基準、そういったことにつきましては、いま監理官からお答えをいたしましたように前向きに検討中でございます。でございますから、先生の御意見等をも十分その参考の資料ともいたしまして、この検討を進めたいと思います。
○鳥居委員 この問題は非常に大事な問題なんです。この委員会でも適正利潤のあり方について議論いたしましたときに、KDD側はこういうふうに答弁しているのです。KDDの利益九十億円、当時なんですが、KDDの利益九十億円は、総資本千五百億円から見ると総資本利益率六・七から八%であり、電信電話諮問委員会で答申した公社の望ましい利益率六ないし六・五%と大体一致しており、過大じゃない――これはすりかえなんです。この諮問委員会で言っている総資本利益率というのは、独立採算と原価補償主義の原則に基づいて合理的料金で公社が経営される場合には、公社に認める適正な公共的必要余剰、これを算定するための利益を言っているわけです。ですから、公社の抱えた莫大な外部負債も償えるような利益を認めているわけです。KDDの場合には、創立以来高収益を続けてきましたし、内部留保というのも非常に厚くて、無借金の優良企業なわけですから、総資本利益率が公社の利益率とほぼ等しい、それがKDDの利益にそのまま当てはまるというのは大きな間違いだ、こういうふうに言っているのです。どうなんです。――チンプンカンプンですか、だめですか。それじゃ、ひとつ十分検討していただきたい。 それで、専用線の対地国アメリカ・サンフランシスコと東京、こう仮定します。サンフランシスコの方の料金は一本なんですよ。四千八百何がしドルか。日本の方は料金が三通りに分かれているのですよ。これはますます複雑奇怪千万なんです。速度別と称してV1、V2、V3となっているわけです。対地国のアメリカの方は、同じ通信回線をそんな区別なんかしていません。料金は一本なんです。これはきわめて奇異なんです。速度別のV1、V2、V3なんてやっているのは先進国の中で日本ぐらいのものです。私は、この速度別、結構だと思うのです、昭和五十二年の段階でそういう方式をおとりになったんですから。しかし、新しい品目として帯域使用、アメリカ側が対応しているのと同じような品目、いわばV品目といいますか、V1、V2、V3と名づけているのですから、国内回線のD1規格に相当するV規格を新しい商品として提供されるお考えはありませんか。
○寺島政府委員 お話しございましたように、五十三年四月から速度別三段階に分けた料金体系に改めたわけでございますけれども、そのことにつきましていろいろと御批判なり御指摘があることは私どもも承知をしておるわけでございます。この問題につきましてはただいま先生から貴重な御指摘をもいただきましたので、これは通信政策にもかかわります一つの大きな問題と理解をしておりますので、先生のただいまのお話を念頭に置きながら、今後われわれが取り組むべき通信政策の中で真に国民の期待にこたえ得る通信政策の樹立ということに努めてまいりたいというふうにいま考えておるわけでございます。
○鳥居委員 速度別の制度を取り入れたということが大失敗だったと私は見ているんです。速度別は効用価値があるんだから、利用の仕方が非常にうまい利用の仕方をしているんだから、うまい利用の仕方に応じて値段を高くしていこうという考え方です。ですから、それをもとに戻せという議論は無理かもしれませんので、従来あった品目を新商品として新たにお加えになったらどうですかというのが私の提案なんです。 それで、CCITT勧告によりますと、回線の品質規格が明確になっているんです。M一〇二〇という規格に合っていさえすれば商品として国際市場で通用するわけです。たとえ高速モデムを使い、KDDが九千六百bpsで提供するんだから、あるいは四千八百bpsで提供するんだからとは言っても、その理由は利用者側に押しつけるだけでありまして納得できる話じゃないんです。自動等化器をおつけになってそれに設備の費用がかかる、こんなことも説明されております。しかし、よくよく考えてもらいたいのです。諸外国では、CCITT勧告のM一〇二〇の規格の中にあれば通信回線としてりっぱなものとして使っているわけです。KDDがおやりになっているのは、この規格に合っているか合っていないかという検査を何回も何回もおやりになるかもしれません、検査料はかかるかもしれませんけれども、アメリカ側で一本の料金であるのに日本側で三本に分かれているということ自体おかしいじゃないですか。この点についてKDDのお考え方を聞こうじゃありませんか。
○高仲参考人 V1、V2、V3につきまして料金の差を設けましたのは、先生のおっしゃいます効用価値という要素ももちろん考えたわけでございますが、また現実に設備費、維持費等にかかる掛かりというものも考えたわけでございます。しかしながら非常に批判の声が多いということも聞いておりますので、これらの点についてまた改めて検討をしなければならないのではないかと考えておりますが、現実に私ども考えておりますのは、効用価値プラスコストの問題、二方面から考えまして、現段階におきましては速度別の料金格差があってしかるべきではないかと考えておる次第でございます。
○鳥居委員 国際加入電話の従来の音声級回線をファクシミリで使いたい、こう言いますと、KDDは、専用線をお使いください、こう言うわけです。一日五分か十分使いたいという利用者が、専用線の料金というのは一カ月に六千分から九千分使う料金をもとにして計算しておりますよ。専用線を押しつけられる結果なんです。 これに対しまして、昭和五十一年当時からファクシミリあるいはデータ伝送の需要が非常に高まっています。公衆網を使うわけです。欧州内ではすでに始まっていますし、私が聞くところによると欧米の間でも始まっていると聞いているのです。KDDもこれに対応して五十一年の七月ごろ、間もなくやりますというチラシをまきました。五十二年三月発行の資料によりますと、それにも間もなくと出ているのです。それから三年たってもいまだ音さたがないのです。一体どういうわけだろうかと思って調べてみた。そうしましたら、間もなくビーナスをやるので、ビーナスのお客さんが食われてしまうからとかということがどうやら本音のようなのです。これはどうなのでしょうか。社内の食い合いを一つの要素としてやはり抑えてしまいますか。電話の高度利用というのはやはり国民的要求じゃありませんか。お答え願いたい。
○木村参考人 お答え申し上げます。 ただいま御指摘の国際電話交換網利用によるデータ、ファクシミリ等の伝送につきましては、国際電話交換網の構成あるいは伝送特性と国際電話交換網をデータ伝送等に使用する際の問題、及び使用対地でございます米国、台湾、韓国等の諸国においてこのような取り扱いが認められておりませんでした等の理由から、当社といたしましてこれまで慎重に検討を重ねてきたところでございます。 一方、欧州諸国では、現在電話網利用によるデータ伝送が通話とみなして行われており、また米国におきましても最近、国際電話交換網経由によるデータ伝送が認められ、近くその取り扱いを開始する方向にございます。こうした事情を踏まえまして、kDDといたしましても、国際電話交換網の開放というものにつきましては前向きの方向で検討を進め、諸外国とも交渉を進めている段階でございまして、成案を得次第、郵政御当局に対しまして認可の申請をいたしたい、かように存じておる次第でございます。
○鳥居委員 専用線料金が非常に高いという悪名高い営業内容で、新生KDDを自任するならば、ひとつ全面的な改正ができるような検討を要求したいと思うのです。 いまKDDの国際回線というのはケーブル、衛星回線とありますけれども、衛星回線七対ケーブル回線三、こういう比率でお持ちになっているわけです。衛星回線に負うところが非常に大きい。それで、技術革新が料金の上に反映されて当然だというのが社会通念ですよ。もちろん人件費も計算されるべきです。しかしコストが技術革新によってどんどん下がっているのですから、料金の上に反映させる、その料金の要素の中にある、こういうふうにならないものでしょうか。 ちなみに取り上げますと、一号衛星打ち上げの当時、一号衛星は寿命が二年半、回線が二百四十回線でしたから、年一回線当たりのコストといいますと三万二千五百ドルだった。最近の四号衛星、その後これを見てみますと、年一回線当たりのコストが九百七十二ドルです。もう三十分の一に軽減されているわけです。これをもとにして大体東京-サンフランシスコ間というのはどのくらいのコストがかかっているのか調べてみた。KDDに対しましては月三百七十万払っています。ですから三百七十万と比較する数字なんです。地上回線は公社の回線を使いますから、東京-茨城間百五十キロとして、公社への支払いをKDDがおやりになるのが月二十二万円、衛星部分が五百七十ドルですから、片道、月十四万相当です。そうすると、わずか三十六万です。これがコストですよ。三十六万に対して利用者側から受ける専用料金というのは三百七十万。十倍です。これは極端な例示かもしれませんけれども、技術革新の成果を料金の上に反映させていく考えが一体あるのかないのか、郵政とKDDに伺いたいと思う。
○寺島政府委員 KDDの適正かつ合理的な経営のもとにおきますコストを賄う料金でなければならないということはそのとおりだと思うわけでございまして、ただいま御指摘の技術革新によりましてコストが下がってくる分野等につきましては、それはやはり総体のコストの低下ということになるわけでございますから、総体コストの中でそういったことも十分に織り込みながら、全体として適正な料金というものに持っていくという指導につきましては、郵政省としても今後とも努めてまいりたいと考えております。
○高仲参考人 一般論といたしまして、技術革新に基づくコストの低減は料金にはね返すべきであるということはまさに仰せのとおりでございます。先ほど先生はサンフランシスコ、日米間の回線について申されましたけれども、私たまたま手元に日米間回線の関係は持っておらないのでございますが、たとえばインド洋衛星経由の対欧州通信の場合の電話一回線のコストという形で見ました場合に、一回線のコストは、昭和五十二年度一応三千四百万円と見込まれておりますが、その中に占めます衛星支払い費というのは二百十四万一千円、六%を占めておるわけでございます。この部分につきましては、先生仰せのとおり確かに年を追うごとに減っておるのは事実でございます。しかしながら反面、私ども内部では局所費と申しておりますが、人件費、各種経費等、これはある程度CPIにスライドしながらコストアップの要因をつくっております。現業関係経費また管理費についても同様のことが言えますし、先生がおっしゃいました公社支払い費の関係につきましても、長い目で見ました場合には上がる傾向にございます。したがいまして、衛星支払い部分については確かに減少はございますし、それは反映すべきであるということは仰せのとおりでございますが、先ほど監理官が申されましたように、各般のコストすべてを考えてこれは対処すべきものではなかろうかと考えております。一般理論としては先生仰せのとおりであると考えております。
○鳥居委員 ひとつ電話の大幅な第二次値下げ、またアンバランスが是正できるような大幅な専用料金の見直し、これを要求いたしまして、質問を終わりたいと思います。 ――――◇―――――
○小林委員長 次に、郵便法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。 提案理由の説明を求めます。大西郵政大臣。
○大西国務大臣 郵便法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主な内容を御説明申し上げます。 この法律案は、最近における社会経済情勢の動向及び郵便事業の運営の現状にかんがみまして、郵便事業の運営に要する財源の確保を図るため、第一種郵便物及び第二種郵便物の料金の改定を行うほか、第一種郵便物等の料金の決定について臨時の特例を設けるとともに、利用者に対するサービスの改善を図る等のため、郵便法その他の関係法律について所要の改正を行おうとするものであります。 まず、郵便法の一部改正の内容について申し上げます。 第一は、郵便料金の改定についてであります。 郵便事業財政は、石油危機に端を発した人件費や諸物価の高騰により、昭和四十九年度以来大幅な赤字に転じ、昭和五十一年一月の料金改定によりまして好転いたしましたものの、昭和五十三年度からは再び収入不足を生ずることとなり、昭和五十四年度末における収入不足の累計は、昭和五十年度の料金改定時と同程度になるものと見込まれております。このまま推移すれば収支の差はますます拡大し、事業財政の状況は悪化の一途をたどることとなります。 こうした中で、昨年十月郵政審議会に対し、郵便事業財政を改善する方策について諮問いたしましたところ、同審議会から、昭和五十五年度から三年間は新たな赤字が生ずることを防ぐとともに、累積赤字についてもできるだけこれを解消していく措置をとることが必要であるとして、この際郵便料金の改定を行うことはやむを得ないものと判断するとの答申がなされました。 今回の料金改定案は、この答申に示された料金を骨子とするものでありまして、第一種郵便物の封書につきましては、定形二十五グラムまで五十円を六十円に、定形外五十グラムまで百円を百二十円に改め、また、第二種郵便物の通常はがきにつきましては、二十円を四十円に改めることを主な内容といたしております。 なお、第一種郵便物のうち、郵便書簡につきましては五十円に据え置くこととし、第二種郵便物の通常はがきにつきましては、昭和五十五年度中は三十円とすることといたしております。 第二は、第一種郵便物等の料金の決定についての特例についてであります。 郵便の料金決定方法のあり方につきましては、かねて郵政審議会等から「現行の料金決定方法については、弾力的に対処できる方向での改善が必要である」との趣旨の御提言をいただいていたところでありますが、その後慎重に検討いたしてまいりました結果、郵便事業財政の現状にかんがみ、郵便事業に係る累積欠損金が解消されるまでの間、一定の範囲及び条件のもとで、第一種郵便物及び第二種郵便物の料金は、郵政大臣が郵政審議会に諮問した上、省令で定めることができるものとする等の規定を設けることといたしたいとするものであります。 第三は、利用者に対するサービスの改善を図るため、新たに郵便切手について手数料を徴してこれを他の郵便切手等と交換することができることとすること、新たに図画等を印刷した郵便はがきを発行し、一般の郵便はがきの料金額によらない額で売りさばくことができることとすること、速達小包として差し出すことができる郵便物の大きさ及び重量の制限を緩和することについての改正を行うことといたしております。 以上のほか、郵便に関する料金を滞納した場合の延滞金、延滞利率についての規定を設けること等の内容を織り込んでおります。 次に、お年玉つき郵便葉書及び寄附金つき郵便葉書等の発売並びに寄附金の処理に関する法律の一部改正の内容について申し上げます。 まず、お年玉につきましては、利用者に対するサービスの改善を図るため、お年玉として贈る金品の単価の最高限度額を現行三万円から五万円に引き上げることとするとともに、お年玉として贈る金品は、簡易郵便局においても引きかえをすることができることといたしております。 また、寄付金につきましては、その配分を受けることができる団体に、文化財の保護を行う団体及び青少年の健全な育成のための社会教育を行う団体を加えることといたしております。 最後に、印紙をもつてする歳入金納付に関する法律の一部改正の内容について申し上げます。 これは、郵便法の一部改正の中で郵便切手の交換を行うことといたしておりますので、これに合わせまして、同様の趣旨から収入印紙につきましても、他の収入印紙との交換ができるようにしようとするものであります。 なお、この法律の施行期日は、昭和五十五年十月一日といたしております。ただし、第一種郵便物等の料金の決定の特例につきましては、昭和五十六年四月一日から施行することといたしております。 以上、この法律案の提案理由及び主な内容につきまして御説明申し上げましたが、今後とも郵便の送達速度の安定を図ることにより、国民各位の期待にこたえるよう懸命の努力を傾ける所存でございます。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げる次第でございます。
○小林委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 次回は、明十五日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十七分散会