逓信委員会 第1号
- 発言数
- 234 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1980/03/05
会議録
○小林委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 逓信行政に関する事項 郵政事業に関する事項 郵政監察に関する事項 電気通信に関する事項 電波監理及び放送に関する事項以上の各事項について、本会期中、その実情を調査し、対策を樹立するため、関係各方面からの説明聴取及び資料要求等の方法により国政調査を行うこととし、議長にその承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○小林委員長 逓信行政に関する件について調査を行います。 まず、郵政大臣の所信表明を聴取いたします。郵政大臣大西正男君。
○大西国務大臣 逓信委員会の皆様には、平素から郵政省所管業務の適切な運営につきまして、格別の御尽力をいただき、ここに厚くお礼申し上げます。 この機会に、所管業務の当面する諸問題につきまして、所信の一端を申し上げ、皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。 まず初めに、このたびの国際電信電話株式会社をめぐる事態は、きわめて遺憾であります、このような事態を招来いたしましたことは、基本的には、同社の経営姿勢にかかわる問題であり、経営刷新が強く要請されるところでありますが、他方、監督する立場にあるものとして、監督規制のあり方を含め、今後とも信頼の回復のために適切に対処いたしてまいりたいと存じます。 また、今日、行政改革と綱紀の粛正が国民から強く求められているところであります。 当省といたしましても、昨年末閣議決定されました行政改革計画の方針に沿い、行政の簡素化、効率化及び事業の合理的運営を図るため、適切な措置を講じてまいる所存でございます。 また、綱紀の粛正につきましては、従来から機会あるごとに注意を喚起し、国民全体の奉仕者としての自覚を促しているところでありますが、行政の信頼を確保するよう、今後とも一層努力してまいる所存であります。 以下、各分野について申し上げます。 最初に、郵便事業について申し上げます。 わが国の郵便事業は、いまや年間百四十億通を超える郵便物を取り扱うまでに発展し、国民の基本的通信手段として、今後とも重要な役割りを果たしていくものと考えます。現在、郵便業務運行はおおむね順調でありまして、今期年末年始におきましても、年賀郵便物の配達など所期の運行を確保することができました。 さて、郵便事業が直面いたしております事業財政改善の問題につきましては、昨年十二月の郵政審議会答申に示されました料金改定案を骨子として、本年十月一日から封書五十円を六十円に、はがき二十円を三十円に、また、昭和五十六年四月一日から、はがきは四十円にする等の料金改定を行うとともに、第一種郵便物等の料金の決定につきましても、臨時の特例を設ける等を内容とする関係法律の改正案を今国会に提出いたしたところでございます。利用者の方々にこのような負担をおかけすることは、公共事業経営の責任者として、きわめて心苦しいところでありますが、郵便事業の今日的責務とともに、今後の事業財政を考慮し、やむを得ないものとしてとった措置でございます。今後、特に事業運営の合理化に努めますとともに、安定した業務運行の確保に全力を傾注し、国民の信頼を得てまいる所存でございますので、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 次に、為替貯金事業について申し上げます。 郵便貯金は、国営の貯蓄機関として、百余年にわたり国民の皆様に簡易で確実な貯蓄手段として広く利用されており、五十兆円を超える現在高となっております。 為替貯金事業といたしましては、今後とも国民の皆様の金融サービスについての多様化する御要望におこたえできるよう、その制度の改善に努めますとともに、業務の近代化を推進し、国民の皆様の健全な資産形成と経済の発展に寄与してまいる所存であります。 このような観点から、その施策の一端といたしまして、預金者貸付制度の貸付期間の延長措置を講ずる予定であります。 また、今後における利用者サービスの拡充の基盤ともなるべき業務のオンライン化につきましては、昭和五十三年八月の取り扱い開始から、逐次取り扱い地域の拡大に努め、昭和五十八年度末までに、その全国網が完成するよう、現在鋭意取り運んでいるところであります。 次に、簡易保険事業について申し上げます。 簡易保険事業は、おおむね順調に運営されており、現在、保有契約件数五千二百万件、保有契約高四十五兆円を超え、また、これまで積み立てられました資金総額は、間もなく十三兆円に達する見込みであります。 近年、生命保険は国民の間に広く普及し、国民生活において果たすその役割りは、従来にも増して重要なものとなっております。 簡易保険事業におきましては、国営事業としての信用と責任を強く認識するとともに、常に長期的な視野において時代の要請に的確に対応するよう、制度の改善について積極的に取り組み、国民の期待と信頼にこたえてまいりたいと考えております。 特に、高齢化社会の到来に当たり、国民の安定した老後生活の確保に資するため、郵便年金制度を改善して、時代の要請に合致した新種の個人年金を創設することが必要であると考え、昨年来、関係の向きと鋭意折衝してまいっているところでありますが、今後とも早期にその実現を図るよう努力してまいる所在でありますので、格段の御理解と御協力をお願い申し上げます。 ところで、申し上げるまでもなく、郵政事業は三十一万余という多くの職員を擁し、人手に依存する度合いのきわめて高い事業であります。したがいまして、業務の円滑な運営を図る上で、明るく活力に満ちた職場をつくることが必要であり、今後ともそのための積極的な努力を傾けてまいる所在であります。 さらに、労使関係につきましても、労使間における信頼関係の樹立を基礎に、安定した労使関係の確立に努めてまいりたいと考えております。 また、郵政犯罪の防止につきましては、省を挙げて努力してまいったところでありますが、今後とも、防犯管理体制の整備充実に努め、事業の信用確保を期する所存でございます。 次に、電気通信行政について申し上げます。 日本電信電話公社におきましては、その発足以来の課題ともいうべき加入電話の積滞解消と全国ダイヤル自動化が、一部地域を除き達成されたところでありますが、今後とも、事業に寄せられた国民の期待に十分にこたえていくよう、日本電信電話公社を指導監督してまいる所存であります。 また、国際電気通信関係についてでありますが、国際化の進展に伴い、国際通信の需要も目覚ましく増大しておりますので、これらの諸情勢に対応できる施策を講じてまいりたいと考えております。 さらに、データ通信につきましては、将来性豊かな新しい形態の電気通信でありますので、その健全な発展を図るよう、一層の努力を傾注してまいる所存であります。 ここで、今国会に提出しております郵政省設置法の一部を改正する法律案にかかわる電気通信政策局の設置について申し上げます。 これは、近年の電気通信分野における著しく複雑化した行政需要に一層的確に対処し、組織面の充実を図ることによって、国内のみならず諸外国に対しましても、電気通信行政に関する責任と権限を明確にするため、電気通信監理官制度を廃止し、新たに電気通信政策局を設置しようとするものであります。よろしく御支援のほどをお願い申し上げます。 次に、電波・放送行政について申し上げます。 今日、電波の利用は、わが国の社会経済活動のあらゆる方面に及んでおり、今後ともさらに増大する傾向にあります。 このような情勢にかんがみ、多様化し、高度化する国民の情報需要の動向と電波に関する国際的動向とに即応し、適時適切な電波行政を推進してまいる所存であります。 まず、宇宙通信の開発とその実用化につきましては、一昨年から、実験用の通信衛星及び放送衛星を利用して、各種の実験を進めているところであり、また、昨年からは、衛星の実用化を強力に推進しているところであります。実用の通信衛星は、昭和五十七年度に打ち上げることとし、すでに開発に着手しているところでありますが、実用の放送衛星は、昭和五十八年度に打ち上げる必要があると考えております。 なお、過般、当委員会におきまして御審議いただき、成立いたしました通信・放送衛星機構法に基づきまして、同機構が昨年八月に設立されましたことを改めて御報告申し上げます。 また、放送につきましては、放送事業者に対し、放送番組の向上を図るよう強く期待をいたしますとともに、テレビジョン放送の難視聴地域の解消につきましても、今後とも積極的に取り組んでまいる所存であります。 このたび、日本放送協会から、経営の現状及び今後の見通しにかんがみ、受信料月額の改定を含む昭和五十五年度収支予算等を提出してまいりましたので、これを慎重に検討いたしました結果、受信料額の改定は、日本放送協会の財政基盤の安定を図るため、やむを得ないものと判断し、昭和五十五年度収支予算等はおおむね適当との意見を付して、今国会に提出する予定であります。 なお、受信料徴収の実態等を考慮して、関係法律の改正案を今国会に提出すべく現在準備を進めておるところであります。 さらに、放送大学学園につきましては、多年、郵政省といたしましても、文部省と相携えてその実現に努力してまいりましたが、今国会におきましても、その実現を期すべく、先般関係法律案を提出いたしましたので、よろしくお願い申し上げます。 以上、所管業務の当面の諸問題につきまして所信の一端を申し上げましたが、この裏づけともなります昭和五十五年度予算案につきまして概略を御説明いたします。 まず、一般会計でありますが、歳出予定額は二百三十七億円で、この歳出予定額には、通信衛星及び放送衛星の実験を初めとする宇宙の開発と利用の推進に必要な経費のほか、データ通信の高度化施策等情報通信の開発、放送行政や国際協力の推進、電波資源の開発と利用秩序の維持など、通信技術の著しい向上と複雑化する行政需要に即応した施策の推進に必要な経費を計上いたしております。 次に、郵政事業特別会計でありますが、歳入歳出とも予定額は三兆五千七百三十七億円で、この歳入予定額の中には、本年十月一日から実施を予定し、御審議をお願いいたしております郵便料金の改定に伴う増収見込額八百三十二億円を計上しておりますが、年度末においては、なお二千四百五十七億円の財源不足になるものと見込まれますので、このための所要の措置として、業務運営費財源のための借入金を計上いたしております。 歳出予定額におきましては、重要施策としております安定した郵便業務運行を確保するために必要な経費を初め、郵便貯金、簡易保険の増強と利用者サービスの向上に必要な経費、職場環境の改善等の促進に必要な経費、郵便局舎等の改善のために必要な建設費、その他所要の人件費などを計上いたしております。 次に、日本電信電話公社の予算案についてでありますが、事業収入につきましては三兆八千六百六十八億円、事業支出につきましては三兆五千九百二十四億円を予定いたしております。また、建設投資の額につきましては一兆七千百億円といたしております。 これにより一般加入電話百三十五万加入の増設、加入区域の拡大等の計画を実施していくことといたしております。これら建設投資及び電信電話債券の償還等に必要な資金は二兆二千四百二十三億円となりますが、その調達につきましては、内部資金で一兆四千四百六十五億円、加入者引き受け電信電話債券、設備料等による外部資金で七千九百五十八億円を予定いたしております。 なお、外部資金のうち、財政投融資は五百億円を予定いたしております。 以上、種々申し述べましたが、郵政省所管業務の円滑な運営のため委員各位の御支援、御協力を切にお願い申し上げる次第でございます。
○小林委員長 これにて郵政大臣の所信表明は終わりました。 次に、日本電信電話公社事業概況について説明を求めます。秋草日本電信電話公社総裁。
○秋草説明員 電信電話事業につきましては、平素格別の御配慮、御支援を賜りまして、まことにありがたく厚く御礼申し上げます。 ただいまから日本電信電話公社の最近の事業概況につきまして御説明申し上げます。 まず、昭和五十四年度の予算におきましては、事業収入三兆六千六百六十四億円と見込んでおりますが、十二月末までの収入実績は二兆八千三百七億円でありまして、これは予定収入に対しまして二・七%の増収で順調に推移しております。 公社といたしましては、今後とも収入の確保に努める所存であります。 建設工事計画の進捗状況につきまして申し上げますと、工事費総額は前年度からの繰越額を加えまして一兆七千八百四十四億円であります。これに対して十二月末における契約額は一兆五千六百九十五億円でありまして、年間予定の八七・九%程度の進捗となっております。 公社は、発足以来、加入電話の積滞解消、全国自動即時化を二大目標として掲げ、電信電話サービスの向上に努めてまいりました結果、五十三年度までにこれらの目標をほぼ達成することができました。こうしたことから、電信電話事業はサービスの量的拡大の時代から利用者の多種多様な要望にこたえるサービスの質的充実の時代を迎えるようになったと考えております。 このような状況を踏まえ、電気通信の一層の発展を図り、今後ともさらに電信電話サービスの改善に努め、安定した社会、充実した国民生活に資するとともに、公社の社会的使命を自覚し、国民の信頼にこたえてまいりたいと考えております。 次に、昭和五十五年度予算案につきまして御説明申し上げます。 昭和五十五年度予算案につきましては、政府の予算編成方針に沿いつつ、加入電話の需給均衡状態を維持するとともに、電信電話サービスについてさらに改善することを基本として編成いたしました。 まず、事業収支計画でございますが、収入は総額三兆八千六百六十八億円で、その主な内訳は、電信収入六百十七億円、電話収入三兆四千六百四十六億円、専用収入二千三百九十三億円等であり、昭和五十四年度予算に対し二千四億円の増加となっております。 また、支出は総額三兆五千九百二十四億円で、その主な内訳は、人件費一兆二千二百五十億円、物件費五千五百三億円、業務委託費一千百九十七億円、利子四千百六十一億円、減価償却費一兆一千四百四十七億円等であり、昭和五十四年度予算に対し二千二百二十四億円の増加となっております。 以上の結果、収支差額は二千七百四十四億円となります。 建設計画につきましては、投資規模一兆七千百億円をもって、加入電話の需給均衡状態を維持するための設備を増強するとともに、電気通信網の維持改善に特に配意することとして、次の主要工程を計画いたしております。 まず、一般加入電話の増設につきましては、最近における需要の動向を勘案して百三十五万加入を計画いたしております。また、公衆電話につきましては、終日利用可能な公衆電話を中心に七万個を計画いたしております。 基礎工程につきましては、電話局における設備の行き詰まり状況を考慮して分局開始を行うなど、合計二百七十七局の新電話局建設を行うことといたしております。設備の維持改良につきましては、旧形電話交換機から新形交換機への更改、老朽ケーブル類の取りかえなど、既設加入電話のサービス改善のため積極的に実施することといたしております。 また、データ通信施設につきましては、需要の動向等を考慮して、工事費九百八十億円をもってデータ通信設備三十二システム、データ通信回線二万二千回線等を計画いたしております。 さらに、非常災害時における通信の確保を図るため、引き続き防災計画を推進するほか、農山漁村等における電話サービス改善のため加入区域を拡大するとともに、既設地域集団電話の一般加入電話への変更については、二十万加入を計画いたしております。 以上の建設計画及び債務償還等に要する資金二兆二千四百二十三億円につきましては、内部資金により一兆四千四百六十五億円、加入者債券により二千六百六十六億円、設備料により一千四百八十二億円を調達するほか、財政投融資により五百億円、特別債、借入金により三千三百十億円を予定いたしております。 以上をもちまして、最近の公社事業の概況説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○小林委員長 これにて電信電話公社事業概況の説明は終わりました。 —————————————
○小林委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りをいたします。 本件調査のため、本日、国際電信電話株式会社取締役社長増田元一君を参考人として御出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○小林委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します一畑英次郎君。
○畑委員 ただいま郵政大臣の所信表明の中にもうたわれておったわけでございますが、近く郵便事業の料金改定の問題が提起されるわけでございますが、いわゆる国民感情としましては、最近の値上げラッシュの中にございましては、この問題に対しましてかなり神経をとがらさざるを得ない、こういう現況ではあるまいかというように考えております。そういう中にございまして、大臣も言われておりましたように、合理化というものがこの前提に当然なくてはならぬというように考えるわけでございまして、うたわれております合理化に対する大臣の具体的な考え方、これらの点につきまして、最初にお答えを賜りたいと考えるわけでございます。
○大西国務大臣 先生御指摘のように、また、私の所信の中でも申し上げましたように、料金の改定、値上げでございますが、これは責任者として大変心苦しい心境でございます。 ただ、五十一年に改定をいたしました。当時、石油ショックによりまして非常な苦境に陥ったわけでございますが、五十一年の改定でようやく小康を得た、こういう状況でありましたけれども、その後、経済の変化に伴いまして、私ども御指摘の事業の合理化については、この間いろいろと努力をしてまいったところでございます。しかしながら、それにもかかわりませず、郵便事業というものは、人件費等が事業の運営について非常に大きな分野を占めておるのでございますので、そういった関係から、これは日本だけではございませんが、世界各国とも、郵便事業の運用につきましては苦慮といいますか、しておるところでありまして、日本も例外ではないわけでございます。 そういうようなことで、今回この改定をお願いをするわけでございますが、それにつきましては、先生も御指摘のように、今後とも事業の合理化といった面につきましては十分配意をしていかなければならぬところと考えております。 この合理化の具体的な問題等につきましては、事務当局が参っておりますから、そちらの方から御説明をさせたいと思います。
○畑委員 それは結構です。 事務段階で、いま大臣もおっしゃっておられましたように、いろいろ具体的な検討がなされておるというように承知をいたしておるわけでありますが、特に大臣のお立場におきまして、私は合理化の内容の中でやはり民間委託の問題、なおまたサービスの限界といいますか、あるいは当を得ておりませんかもしれませんけれども、サービスの健全性といいますか、こういうものが検討されて、従来以上に前向きに問題を考えるべきではなかろうかというように思います。この辺につきまして、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○大西国務大臣 これは先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもその線に沿って努力をいたしたいと考えております。
○畑委員 それでは次の問題に入らせていただきますが、昨年末のいわゆる予算編成期に当たりまして、国民各界各層から非常な期待を寄せられておりました新種の個人任意年金でございますか、この問題につきまして新聞の投書欄等を大変にぎわしておったわけでございますか、残念ながら日の目を見るに至らなかったという姿に今日相なっております。この機会に、この新種の年金の創設の趣旨といいますか、これを明確にしていただきたいというふうに考えますので、当局のお答えをまずお願い申し上げます。
○大西国務大臣 お答えをいたします。 新種年金創設の趣旨でございますが、御承知のようにわが国は急速かつ確実といいますか、高齢化社会に入りつつあるわけでありまして、この到来に備えまして、国としての対応策の一環として、郵便年金制度を改善をして、時代の要請に合致をした新種の個人年金をつくることによりまして国民の安定した老後生活の確保に資しよう、そういう趣旨のものでございます。 そのためには、新種年金はある程度の物価上昇にも対応できるよう、年金額が年々増額する仕組みを持つ終身年金と、それから老後の一定期間の需要に応ずる定期年金、このようにいたしておるわけでございます。 さらにこれを実質的に支え、魅力のある年金とするために、資金運用制度の改善を図る、こういうことにしておるわけでございます。
○畑委員 私ども、当然この任意年金の実現に大きな期待を今日寄せておるわけでございますが、この問題をめぐりまして、残念ながら一部に反対があることも事実でございます。そういう中で一部、これは誤解ではなかろうかというように私は考えるわけでございますが、今日の行政改革の問題等々の関連の中で、あるいはこういった事業を新たに起こしました場合におきましては、定員あるいは機構の拡充、こういうことがなされるんではなかろうかという考え方から、今日、国民的課題である行革の推進に相反するのではなかろうかというような一部誤解もあるのではなかろうかというように考えておりますが、この辺お確かめをしておきたいというように考えるわけでございます。 なおまた、ただいま大臣からもお話がございましたけれども、いわゆる従来の年金の欠陥でございました目減りといいますか、あるいはまた物価上昇に弱いといいますか、これらに対しまして資金運用の利回りの問題、これが一つの大きな今回の特色であったというように考えておるわけでございます。私ども承知をいたしております範囲では、このいわゆる資金運用利回りが当初八・八九というように言われておったわけでございますが、その後いろいろ論議の中で七・二あるいは七・三といったようなダウンをせざるを得なかった、あるいはまた年金額の増加率といいますか、これが六・八から五・二に下げざるを得なかったというような経緯があるわけでございまして、あるいは数字が間違いであるかもしれませんけれども……。 いずれにしましても、最初出されました姿よりもそういった率が下がるということにつきまして、逆に申し上げれば、実際に実行に入った場合に、郵政当局とされましては、さような面に対する自信にいささか欠けるところがあるのではなかろうかという危惧の念を持たれる向きもあるのではなかろうかというように考えます。この辺につきまして見解をお伺いしたいと思います。
○浅尾(宏)政府委員 お答えいたします。 まず第一点の、新種個人年金を始めますと定員なり機構なりがふえるのではないか、そのことは行政簡素化の方向に反するのではないか、こういう反論があるが、その点について郵政当局はどう考えるのかという御質問だと思うわけでございますが、まずこの点につきましては、定員あるいは機構、これは現在の定員、現在の機構で実施をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。一応私たち、発足いたしますと当初の年度で約七万件から十万件ぐらいの契約ができればいいかな、こんな目標を立てておりますけれども、この七万あるいは十万という件数は、一年間に簡易生命保険四百五十万件契約をいたしておりますそういう数字から申しましても、十分現在の人と機構の中でわれわれは実施し得る、こういうことでございますので、決してこの行政簡素化の方向には相反しない、このように私たちは考えておるわけでございます。 それから第二番目の運用の問題でございますが、もちろん目減りをしないように、お預かりをいたしましたこの資金は十分有利に運用をして、年々逓増していきます年金額を確保していかなければならぬ、先生おっしゃるとおりでございます。 そこで、当初われわれ八・八九%という利回りを一応お話を申し上げましたが、との数字は、簡保資金の運用のあり方といたしまして一応の仮定を立てまして、株式等に一〇%、国債等に一〇%あるいは金融債に二〇%、残りを財投協力というようなことで、過去十年間やったならば八・八九%に回ったであろう、こういうことを申したわけでございまして、今後これが発足をいたしまして新しい商品を皆さん方にお売りするという段階になりますと、この八・八九ということで皆さん方にお約束できるかということになればそうまいらないのではないだろうか、こう思いますが、一応この八・八九%というのは過去のそういう実績といいますか、数字を置き直して計算いたしましたらこういうことに相なるだろう、こういうことでございまして、いまこの八・八九でありますと年金逓増率が六・八%ぐらいは逓増できるだろう、こういうことを私たち申したわけでございます。 そこで、それが七・二ないし七・三%にダウンすると、逓増率も五・二%に下がるので魅力がなくなるのではないかというお話でございましたけれども、この点につきましては、われわれが計算をいたしまして出した数字ではございません。何と申しましても運用のあり方が問題でございますので、現在の運用の範囲を拡大いたしまして、お預かりした資金が有利に運用できるように努力をしてまいらなければならぬ、かように考えておるわけでございます。
○畑委員 任意年金の問題が非常に国民から期待をされる姿の中で、私ども一つの考え方としましては、残念ながら関係各省庁において時間的な、物理的な面での余裕がなかった、こういうことも一つの大きな原因ではなかろうかというように考えております。 そういう中で、政府・与党の中でいろいろ論議をされた中で、いわゆる五者案でございますか、そういうものが出され、なおまた大蔵、郵政、官房長官等の話し合いもなされたやに承知をいたしておりますが、その後いわば事務段階で、大蔵省、郵政省間における煮詰め、作業の進展がなされつつあるというように考えておりますが、この辺の現状につきまして御回答を願いたいと思います。
○浅尾(宏)政府委員 いま先生御指摘の五者案を基本にいたしまして郵政省といたしましての修正案をつくって、それを現在事務的に関係の省庁と折衝をしておるわけでございます。その案を出しましたのは二月の中旬でございます。現在のところ大蔵、関係省庁からはそれに対する具体的な返答というのはまだ参っておりませんが、一応四月中をめどに鋭意話を進めていこう、こういうことでやっておる状況でございます。
○畑委員 私の杞憂であれば結構ですが、大蔵省当局におかれましては、先ほど申し上げました五者案あるいは関係大臣の方々の合意事項といいますか、そういうものに対しましての認識といいますか、あるいは拘束力といいますか、これに非常に欠ける点があるのではなかろうかというようなうわさも耳にするわけでございますし、なおまたいわゆる従来から言われておりますとおり、民業圧迫論あるいは政策減税の是非、民間金融市場への影響あるいは株式運用についての安全性等への疑問というようなことが大体大きな問題点ではなかろうかというように考えておるわけでございますが、この辺につきまして一々具体的なことをお伺いする時間もございませんので、問題は、ただいま申し上げましたような項目につきまして、従来の最初の話し合いのスタートから今日この段階におきましては、いささか郵政省サイドにおきまして国民の期待をする立場から前進があり得ておるかどうか、この辺につきまして簡単にお答えを願いたいと思います。
○大西国務大臣 これは昨年予算編成期の経過を申し上げますと、最終的にはお話のように五十五年度実現を見送らざるを得なかったわけでありますが、この間に、折衝の中で関係者が合意をした点が二点あると私は理解をしております。その一つは、先ほども申し上げましたように、急速にやってくる高齢化社会に対応して、国民の老後の生活の安定確保に資するために郵政省の考えておる新種の個人任意年金を創設をするということ、それから、そうするためには魅力あるものとしなければなりませんから、その魅力あるものとするために資金運用の対象範囲を拡大する、こういう基本的な点については合意が成立をしておる、こう考えております。しかし、遺憾ながらその対象拡大についての具体的な問題について、これは非常に重要でございますが、この点についてあの時期には合意を見るに至らなかった、そのために五十五年度実施を見送らざるを得なかったということでありますが、さらにこのことにつきまして三大臣が合意に達しておりますのは、その合意に達しなかった部分について今後とも調整をして成案を得る、こういうことに合意をしておるわけでございます。したがって、それだけの進展はそこで方向づけられておるわけでございますから、私どもとしてはこの点に対して全力を尽くして早期実現を期していきたい、こういう覚悟でおるわけでございます。
○畑委員 数年前、あのいわゆる庶民金融といいますか、今日の「ゆうゆうローン」でございますか、郵便貯金預金者貸し付け、この制度の今日の姿を見ましても、これと全く性格が同じものではございませんけれども、国民の立場から立ちました場合には、「ゆうゆうローン」以上に大きな期待をこの任意年金に寄せておると申し上げても過言ではないというように思うわけでございます。「ゆうゆうローン」につきましても、最初はかなり大蔵当局におかれましても事務段階で強い抵抗があったやに承知をいたしておるわけでございますが、私はこの機会にぜひとも郵政大臣におかれましては——ただいまお話がございましたようにあれほど基本的な合意が見られておる、残念ながら私は率直に申し上げれば、事務段階での作業は期待したようなテンポで進捗を見ていないのではなかろうかというように私なりに受けとめておるわけでございまして、どうかこの問題につきましては大臣を初め関係のお立場におきまして「ゆうゆうローン」の先例もあるわけでございますので、ぜひともひとつ引き続き御努力を賜りたいがということをお願い申し上げておきます。 そこで、ただいま申し上げました「ゆうゆうローン」でございますが、この問題につきましてもそれなりの実績が示されておると思いますが、これにつきましての今日までの実績、簡単で結構でございます。なおまた、今回貸付期限が半年から一年に延ばされたわけでございますが、今後における改善策、これはいわゆる「ゆうゆうローン」はスタートする時点におきましても附帯決議がございまして、それを尊重しながら当然やっていくべきであろうというように考えております。ただいま申し上げましたような意味合いでの改善策等ございましたらお示しを願いたいと思います。
○河野政府委員 お答えいたします。 最初に「ゆうゆうローン」の現状でございますが、郵便貯金預金者貸し付け、「ゆうゆうローン」の利用状況につきましては、制度の普及と相まちまして年々きわめて順調な増加を続けているところでございます。五十三年度におきましては貸付件数が四百九十九万件でございまして、貸付金額が四千六百十二億円という大きな額になっているところでございます。 なお、二つ目の問題といたしまして、今後の方向づけと申しますかどういうように改善していくかということでございます。この制度は、先ほど先生のお話ございましたとおり、日常生活におきます利用者の不時の出費などに充てる、また生活上の必要を満たすために、その預金を担保といたしまして貸し付けを行い、貯金を継続できるように、途中でおろさなくてもいいようにという制度でございます。これはお示しございましたとおり、昭和四十八年一月に発足したものでございます。この「ゆうゆうローン」制度の改善につきましてかねてから配意いたしているところでございまして、年々その貸付限度額につきましても増額いたしてまいっております。制度発足当初十万円でありましたものをその後逐次引き上げまして、昨年六月から七十万円に引き上げて現在に至っているところでございます。また先ほど先生お話のありましたとおり、貸付期間につきましても六カ月ではいささか短いということからいたしまして、利用者の便宜を図るべく一年間に延長する、同時に、またこの返済につきましては、現在事務的でございますけれども、二回に分けて返済できるようにということを検討しているところでございます。今後ともこの制度の利用につきまして改善を重ねてまいりたいというように考えております。
○畑委員 「ゆうゆうローン」につきましてはただいまそれなりの実績のお知らせがあったわけでございますが、いずれにしましても、私は、先ほどの任意年金の問題あるいは「ゆうゆうローン」の問題こういった問題のスタートの時点における取り組み、そういうことを考えますと、この機会に申し上げておきたいことは、こういうような内容、なおまた国民特に庶民階層から大変な期待を持たれておりますケースであるわけでございますから、私は非常に惜しいと思いますのは、いわゆる平素におきます各郵便局と地域の皆さんとのかかわり合いといいますか、そういうものがいささか乏しい。そういう中におきましてのせっかくこういうような年金等がスタートを見ましても、なかなか強い世論の盛り上がりといいますか、そういうもののテンポが遅いといいますか、こういううらみがあるのではなかろうかというように考えます。さような意味合いにおきまして、これは一つの要望でございますが、その辺につきまして今後におきます御留意を賜りたいがというように考えております。 そこで、いまの貯金関係でございますが、最近の行政改革、特に五十四年十二月の閣議決定の中に地方貯金局の問題が具体的に一つの例としましてうたわれております。そういう中で、昭和五十三年からでございましたか、いわゆる郵便貯金のオンライン計画の推進ということが今日行われておるわけでございますが、これにつきましての現況、なおまたただいま申し上げました行政改革とのかかわり合いといいますか、この辺につきましてお示しを願いたいがと思います。
○河野政府委員 お答え申し上げます。 オンライン計画の概要、進捗状況でございますが、このオンライン計画は、近年におきます経済社会の進展に即応いたしまして、多様化する国民のニーズにこたえまして、サービスの向上を図るとともに、事務処理の効率化及び近代的経営管理を図る必要性から、昭和五十三年の八月に神奈川県下の一部の郵便局からオンラインによる業務の取り扱いを開始いたしたところでございます。 このオンライン化は、東京、大阪等全国九カ所の地方貯金局に計算センターを置きまして、そこに大型電子計算機を設置いたしまして、約二万の郵便局の窓口端末機をデータ通信回線で接続いたしまして、貯金口座の受け払い計算等オンライン処理を主とする事務の総合的な機械処理を行うものでございます。現在神奈川県及び埼玉県の全局と東京都、栃木県、大阪府及び愛知県の一部の局、合わせまして約二千七百局におきましてオンラインによる業務の取り扱いを行っております。さらに、引き続き順次この対象地域を拡大いたしまして、おおむね昭和五十八年度末までには全国網を完成させる予定でございます。 また、この取り扱い対象業務につきましても、当初の通常郵便貯金、定額定期貯金、預金者貸し付け等の業務に引き続きまして、順次拡大を図っておるところでございまして、昭和六十年度までには為替振替等の送金決済業務、積立郵便貯金等、為替貯金業務のほぼ全面にわたりましてオンライン化いたしたいというように予定いたしているところでございます。 それから、いま一つの、そのオンライン化に関連いたします組織とのかかわり合いでございますけれども、ただいま申し上げましたとおりオンライン化は昭和六十年度完成を目途といたしたものでございます。現在の段階で取り扱い業務の種類及び業務の量、これの将来動向等につきまして、なお確定できない要素が多々あるわけでございまして、現在の段階で具体的に正確に申し上げることは困難でございますけれども、この地方貯金局につきまして、要員面につきましてはほぼ二〇%程度の節減が可能、これは行政改革の合理化という面には沿うものではないかというように考えておるところでございます。 また、組織機構につきましてただいまお話ございましたけれども、先ほど申し上げましたオンライン化の進展に伴います業務処理の変化等に対応いたしまして、さらにまた先生お示しの、昨年末に閣議決定されました五十五年度以降の行政改革計画の趣旨にのっとりまして、現在そのあり方について慎重に検討いたしておりますとともに、関係省庁とも協議いたしている段階でございます。
○畑委員 私はオンライン化といいますか、これと最近の行政改革との絡み合いといいますものが、早合点という言葉が当たるかどうかわかりませんけれども、その辺が実際の現場におきましては問題を醸し出しやすい一つのケースではなかろうかというようにも考えております。さような意味合いで、私はやはりオンライン化はあくまでもサービスの向上につながるということを第一義的に考えて事を処していくべきではなかろうかというように考えますし、なおまた行政改革はそれなりの質の違った角度からの対応というようなものも必要ではないかというように考えておりますので、この辺もひとつ御検討賜りたいがというように考えるわけでございます。 最後に、先ほど来くどいようでございますけれども、新種の任意個人年金につきましては、特に各地方におきましては非常に大きな期待の声が、今日におきましても聞かれておるような現況にございます。そういう中にありまして、残念ながら、たとえば農協さんあるいは全漁連といったようなお立場の団体におかれましても反対の御意向を示されておるというような今日の姿でございますが、この任意年金につきましては非常に期待が大きいだけに、この内容あるいは国民の受けますサービス、メリット、こういうものにつきまして、私はもう少し積極的なPR、啓蒙というものをお願いしたいがというように考えております。当然賛成を願える団体あるいはお立場の方におかれましても、今日残念ながら誤解あるいはまた理解の乏しさをもちまして反対のお立場に立っておられるケースが多いというように考えております。これは「ゆうゆうローン」を上回る国民の期待であるというような立場に立っておりますので、この辺につきまして、重ねて大臣を初め関係の皆様方の熱心なお取り組みをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○小林委員長 これで畑英次郎君の質問は終わりました。 次に、森中守義君。
○森中委員 少し当面の重要なことについて大臣にお伺いいたしますが、けさの朝日新聞で、財界の調査機関と言われるところから提言が行われたのをごらんになりましたか。
○大西国務大臣 まだ拝見をしておりません。
○森中委員 これは、いま八〇年代と言われる非常に大事な時期において、雇用促進をさまざまなことで対応していきたいという非常に重要な提言なんです。 ちょっとこれ、私が読んでもいいのですが、せっかくの機会ですから、短いものなのでひとつごらんになってください。一面トップです。——お含みいただいたようですが、ここでにわかにこのことを中心にして深い議論というふうにも考えておりませんが、少なくともこの年代における雇用社会の一般的な動向を指し示したものだ、こういう意味で、私は非常に興味深くこれを見ている。ですから、いま定年制の問題であるとかあるいは週休二日制の問題であるとか、そういうことが具体的に政府の政策として、あるいはまた郵政省のこれからの方針として逐次議論が深まっていくと思うのですが、これをお読みになって、細かな詰めた議論じゃなくても、少なくとも八〇年代はこういう方向に行くべきものだなという一般的な感じを私は持っている。大臣、どうお考えか。
○大西国務大臣 そのことはいま卒然として拝見したわけでございますけれども、定年制の問題ではそれは六十五歳ということを言っておるようでありますし、週休二日制を別として、その六十五歳という点をとらえて物を論ずるのはいろいろ議論があろうかと現状では思うわけでございますが、いずれにいたしましても、政府といたしましても、定年制の問題と週休二日制の問題については、いま鋭意前向きの姿勢で検討を進めておるところでございまして、ことに週休二日制等の問題につきましては、これはもう時代の趨勢であるということの考えに立って、具体的にはいろいろ問題がございますので、そういう前向きの姿勢の中で問題を煮詰めていこうという姿勢でいま検討をしておるところでございます。また定年制の問題につきましても、同じような観点に立って検討を進めておるところでございます。
○森中委員 私も、今日の分類されている一次産業、二次産業、三次産業、どれがより重要なのかということになりますと各部門ごとにその重要性があるわけですから、いまここで直ちに二次産業がすべての中心であるとは言い切れない面もあるでありましょうが、しかし、一般的に雇用社会という角度から物を見る場合には、やはり八〇年代の雇用社会というのはこういう方向に行くべきものだな、こう思うのです。ですから、そのことを大臣も否定されませんからそれでよろしいのですが、いよいよ具体的にこれから労使間の問題等で、あるいは政府の施策を展開される中で、議論を深める段階の中で、こういうものは非常に貴重な提言ですから、こういう方向が民間の機関で指し示されたわけですから、ぜひこういうものを大いに検討していただきたい、こう思うのですが、どうでございますか。
○大西国務大臣 お話しのように、いま第二次産業中心にそのことを考えられておるようでございますけれども、そのことももちろんこれからクローズアップされる問題だと思いますが、八〇年代はよく言われるように不透明な時代でございまして、また不確実な時代でもあるわけでありますけれども、しかし、われわれの国民生活というものの向上と、そうして完全雇用に向かって努力をしなければならぬことは当然のことでございますので、いろいろの視野と問題点を十分に検討しながら、そういった理想に向かって邁進をしなければならぬというふうに私も思っておるわけでございます。
○森中委員 それでは、そういう問題をしょっぱなに提起しましたから、同じ関連としてお尋ねいたしますが、先ほどの所信表明の中で労使問題にお触れになった。ここで私少し整理しておいていただきたいのは、よく郵政省が対外的に財政上の問題の見解をお述べになる際に、人件費九〇%と、こう言われる。これはいろいろ中身があるはずなんですね。中身を指し示さないで、一口に九〇%、こう言われる。響きとしまして、たとえば労働組合が春の賃上げをやる、そういうことで無体に強引に賃金の上昇に追い詰めているから、それでもっと軽く済むべきものが九〇%も出さざるを得ないんだ、こう一般的にやはり受け取りがちなんです。私どもも、選挙区あたりでいろいろ懇談なんかします際によく聞かれるのです。ですから、その九〇%というのは、私の理解では、たとえば日本逓送がある、ここへの委託運送法か、それに基づく諸経費の支払いであるとか、あるいは年末年始の繁忙期における臨時職員といいましょうか、あるいはアルバイトといいましょうか、こういう人のものも合算をして九〇%、それを完全に差し引けば七八%ぐらいになるというように私は試算をしている。ですから、そこのところを込みにして九〇%ですと言えば、いつになるかわかりませんが、郵便法審議の際なども、この辺が非常に大きな論点になるのですね。ですから、労使問題の入り口ですけれども、人件費九〇%というものはもう少し仕分けをつけるなり、だれでもがそうかと得心のいけるようなそういう数字にこの際は整理して言われる方がいいのではないか、こう思うのですが、どうでしょうか。
○大西国務大臣 私並びに郵政省は、九〇%と言っているときは、人件費等ということを言っておるわけであります。人件費等という表現をしておるわけでございます。ですから、おっしゃいますように郵政省の職員である方々の人件費だけではなくて、いま御指摘のありましたように、臨時の人たちその他を含めて「等」として九〇%と言っているわけでございます。そのとおりでございます。でございますから、郵政省職員としての方々の人件費ということになれば七〇%台と私も理解をしております。先生のおっしゃったよりももっと低いかもわからぬ。正確なところはいま事務当局からお答えをさせます。
○森中委員 大臣、お言葉を返すようで恐縮ですが「等」ということになりますと、やはり紛らわしい。数字ですからね、これにはこうだというのが必要じゃないでしょうか。「等」というのは、多少理解のある者とか関係者においては、こういうものも算入されているのだなという理解がつきますわね。しかし一般社会ではなかなか「等」とは一体何なんだ、人件費等ということになると、その中の九〇%なのか、八五%なのか、そういうような議論も起きてきましょうし、やはり紛らわしいんじゃないですか。数字はそのくらい正確にした方がいいと思いますよ。
○大西国務大臣 私どもがそれを申す趣旨は、つまり郵便事業には人手がかかるということを申し上げたいわけでございます。ですから、臨時にしろ、いずれにしろ、そういう人の手を使わなければ郵便の事業が推進できないということを申し上げたいのでございまして、単に機械化の努力をしてもそれには限度があるということを申し上げたい、そのためにそういうことを申し上げておるわけでございます。
○森中委員 それは概念論としてはよくわかりますが、しかし、人件費ということで限定をした経費を率に換算して発表するわけですから、なるほど、言われるように郵便事業、郵政事業は労働集約型の産業ですから、電通のように機械集約産業とはこれは違いますよ。それはよく理解できる。しかし、数字として九〇%と、こう出しますと、ほお、ずいぶん大変なものだな、そんなに金がかかるから二、三年ごとには郵便料金を上げるのかい、ここにすぐ連動してくるのです。そういうことですよ。ですからもう少し、数字というものはそれなりの意味合いと性格を持つわけですから、「等」というように紛らわしい表現でなくて、正確に、直用の人件費が幾らです、間接人件費が幾らです、こういう仕分けの仕方ならまだ理解できますよ。ですから、これからそういうものを言われる際の表現というものは紛らわしくないように、少なくとも世間のいろいろな指弾や批判を受けないようなそういうあらわし方の方がよりベターじゃないでしょうか。ですから、念のために数字を、経理局長、ぜひきちんと示しておいてもらいたい。
○守住政府委員 数字の関係を御説明申し上げます。 現在審議中でございますから五十五年度予算案で申し上げますと、いわゆる郵政事業の中での郵便事業の人件費でございますが、七〇・五%でございます。それから、物件費のうちでの人件費的経費とこう申し上げておりますけれども、これが一七・七%でございます。そういたしまして、それの合算で人件費的経費ということで、予算上の人件費と人件費的経費を合わせますと八八・二%、こういうふうに相なります。もちろん、先生御指摘の、たとえば集配運送費の中の、いろいろございますので、一番最大の代表例の日本郵便逓送というようなものについても、その人件費の構成率というものも調べてみたわけでございますが、その日逓の場合は八七・六%というふうに相なっております。
○森中委員 大臣、いまの守住経理局長の仕分けでよくわかりましたが、こういう内容を言われると得心するのです。しかし、込みにして九〇%ということになるとこれは大変だなと、それはよく各政党の中の政調段階等の議論の中にもこういうのが出てきますよ。何だ九〇%も使っているのかというような、そういうよけいな議論が時には意図的にも用いられるというような場合がありますから、ここはひとつこれから、いまお示しになった、正確に言えば直接費というのは七〇・五%でしょうね、こういう仕分けをしてやっていただくようにお約束できますか。
○大西国務大臣 それはもう当然そういうふうにさせていただいて結構なことでございます。何も私ども隠すつもりで言っているわけでございませんで、先ほど申し上げましたように、委託をしておる分につきましても、それから臨時の人たちにつきましても、いずれにしても人によって郵便事業が行われるその比率というものを総合すれば九〇%になる、こういうことを言いたいだけのことでございまして、その内容を隠すつもりは全然ございませんので、いま局長から申しましたように、仕分けをしてこれから申し上げたいと思います。
○森中委員 それで、労働集約型産業という意味で、恐らく労使関係の問題等も特に所信表明の中にお示しになったものと思います。たしか昨年の十月二十八日ですか、これを転機にして郵政省の労使関係というのは非常に好転の兆しが見えている。大変結構なことだと思う。それで、労働集約型産業の中における労使の基本的なあり方といいましょうか、その辺をもう少し——特に大臣は特定地方における地方労働委員会の公益委員も長年お勤めになった経験をお持ちのようですからずいぶん豊富な経験をお持ちだ。ちょっとその辺をお聞かせ願っておきたい。
○大西国務大臣 先ほど来のお話がございますように、九〇%とか七〇%は別としまして郵便事業の運営のためにはその職員の方々の御労苦の上にこの事業が運営をされるわけでございまして、そういった点におきましては、いわゆる労使の関係が正常であるということが基本的な前提条件だと思います。そうでなければ正常な事業の運営もなされないわけでございまして、そのために国民の皆さんに御迷惑をかけることもあるわけでございますから、そういう点から考えまして、国民の皆さんに御迷惑をかけないようにする責任は労使双方にあると私は思います。でございますから、私は就任以来、労使の関係については職員の方々にもそれを求めたいと思うのですけれども、しかし、それはそれとして、私ども責任者の方が、管理をつかさどっておる方が誠意をもって労使関係には臨むべきだということを、全国の三局長会議などの際にも特に私はそういうことを申しておるわけでございます。でございますから、そういう基本的な姿勢でもってこの問題に今後とも臨んでいきたい、こう考えております。
○森中委員 大臣、これはそれなりに、土壌といいますか環境というものが成熟することが必要だと思う。私もずっとこういうのを見てまいっておりまして、ことほどさように、いま大臣の言われたようなことは過去における大臣もずっと言ってこられましたよ。ところが、環境が成熟しなかったのかどうか、それはいろいろ背景はあったようですが、いま私は、確かにそういう意味では環境は成熟をしてきたと言っていいように思っているのです。たとえば一昨年の暮れと昨年の正月、これはもう当時社会の大変な批判を受けたように、元日に届くべき郵便物が届かなかった、こういう恐らく郵便史上先例のないような出来事であったと思う。これもそもそもやはり労使間のもつれですわね、その根源をただしていけば。それが、去年の暮れとことしになればまさに百八十度転回といいましょうか、つまり、十月二十八日の労使間の話し合いがいわば環境成熟期を迎えた、こういうように見ていいと思う。ですから、一昨年の暮れと昨年の正月、去年の暮れとことしの正月というものを比べてみると一番歴然とすると思うのですね。 もちろん先ほど経理局長の言われた人件費の率の問題等、そういうように紛糾すれば用意しなくていい金まで用意せざるを得ない。ただ、これは財政再建には必ずしも有益な効果をもたらさないということになると思う。一体一昨年の状態がいいのかことしの状態がいいかというと、これはもうだれだって理解できることですから、いま言われたようなことを、単なるかけ声ということでなくて、環境成熟期に入ったという見方をする限り、具体的にぜひ踏み込んでいただきたい。確かにここで言われておるように、信頼関係、これは相互の信頼ですよ、同時に、安定した、固定した状態が必要だ、こう言われるわけですが、この信頼と安定、固定化ということを不動のものにするために、いま少し何か具体的な方法をお考えになりませんか。
○大西国務大臣 私としては、そういう基本的な姿勢でもってこの問題に臨むという私の気持ちは御理解をいただいたのではないかと思うのでございますが、具体的にとおっしゃいますと、お示しをいただければ私の方でまたお答えできることについてはお答えをしたいと思います。
○森中委員 これは少し意見にもなりますが、電電公社の秋草総裁いらっしゃいますね。電通を初め、ほかのこういう近代性の強い産業、企業になりますと、たとえば中期計画とか長期計画というのがよく策定される、一定の方向を指し示しているわけです。労使間というものはそういう方向に結集されていくべきものだ。ところが、郵便事業というものはもう百年前から存在をする。しかも、非常に社会的に信頼性の高い事業として今日に至っているわけです。ところが、さて郵便事業が将来こういう近代社会における近代産業の一つとしてどういうかっこうで推移していくのか、非常にむずかしい選択だと思う。一口に逓信関係と言いますけれども、その中における郵便というのは、もう宇宙産業の時代に入ったとか、いろいろ進歩の時代に郵便だけは依然として労働集約じゃないかということになると、それだけに長期計画がつくれない、こういう現状じゃないですか。しかし、だからといってこれでいいというわけにはいかない。やはり事業の長期計画をつくる、少なくとも中期的な五年ものぐらいは用意すべきでしょうね。そういうことを計画し推進していくということになると、労使間というのは言うまでもなく強烈な安定度を持っていく必要があるであろう、私はこう思うのです。 ですから、くどいようですが、その環境の成熟期を迎えたということを大臣の方で認知されておるならば、一歩踏み込んでやってもらいたい。具体的なものがあれば言ってくれ、こうおっしゃるのですが、私もこれは別に知恵があるわけじゃありません。いま考えられるものは、よくトップ会談という言葉が流行しますが、大臣と相手側の頂点に立つ者、つまり双方の責任者が特定の機関を設定して、話し合いの中身がどうであるのか、むずかしい協議事項であるとか、あるいは話し合いの事項というものを定める必要も何もないと思うのですよ。要するに双方のトップレベルにおけるそういう定例、定期的な会談等が実施に移されるのも一法じゃなかろうか、これが私の提言。 それからいま一つは、戦後経営協会なんというのがずいぶん強くありました。その後幾つも法律の変遷をしているわけですから、にわかに経営協会なんということを言っても始末に負えるものではないかもわかりませんが、たとえば郵便事業の長期のビジョンを持つとか、保険、貯金の長期計画を持つというような場合、重要な政策を展開しようというような場合には、やはり相手方に対して何も権限があるとかないとか、そういうむずかしい議論をしているとこういうものは進みませんから、事前に話し合い、詰めて言うなら事前協議といいましょうか、そういう事前協議制というものが不文律の中にトップ会談等でそういう話し合いが行われる必要があるんじゃなかろうか、こういう二つぐらいのことを考える。トップ会談と事前協議制。むずかしい法律に基づいたものという解釈をされるとこれはにっちもさっちもいきませんから、あくまでも大臣の裁量ということになるでしょうね。こういうのが信頼度を高める、安定度を高めていくということに通ずるものと私は思えるのですが、こういうことをお考えになる余地はありませんか。
○大西国務大臣 お答えいたします。 この問題は掘り下げればなかなか重要な問題のようにも思います。西ドイツ等でもある程度そういうことが行われておるやにも聞いておりますけれども、そういう制度として考えるということになりますとまたなかなか重要な問題として、必ずしも直ちにそれが実現に移されるということはいまこの時点で申し上げることはむずかしいと思いますが、また経営参加のような形になっても、これはいまの体制の中ではなかなかそういうことは実現しがたいことではないか。そのことによって労使間に本来存在をしておる双方の分野というものが混迷に陥ることも、ある場合にはなきにしもあらずと思います。 でありますから、そういった意味においての話し合いといったものは、いま申し上げますように、私ども直ちにそういうことを実現しようということには、いろいろの面から検討してみなければならぬと思います。しかし、先生がいまおっしゃいましたように、そういうことではなしに、気軽に双方が会う機会をつくったらどうか、こういうことであるならば、すでにそういう機会を私としては持ちまして、いつでございましたか、ことしに入りまして全逓あるいは全郵政、それぞれトップ並びに幹部の方々と、私を中心に郵政省の幹部とも会合を持ってお話し合いをしたこともあるわけでございます。ですから、そういう形のものをいま定時にやるとかなんとかいうことは考えておりませんけれども、適当な時期に、一回ではなくて、これからもやっていくことには私自身は別にやぶさかではない、こう思っておるわけでございます。
○森中委員 これはすでにそういうのを何回か試みにやってみたというお話であるし、しかも検討しよう、これからもひとつ考えてみようということのようですからもうこれ以上申しませんが、ただ、何か法律の根拠を求めるとかこれを制度化するとか、そういうようにむずかしく考えると、これはそう簡単にできるものじゃないでしょうね。ですから、私は不文律という言葉を用いたり大臣の裁量の範囲という言葉を用いているわけですが、いま言われるようなことを、もうとにかくやれることからやってみよう、しかもそのことは決して社会に背を向けるようなことでもないだろうし、むしろ労使間の正常化ということの一里塚になるならば、これはやはり継続すべきだ、お考えになるべきだ、こう思うのです。ぜひひとつ、これはいまのお言葉で結構ですが、重ねてもう一回、自分の裁量の範囲内でやってみるというようなお答えをいただいておきましょうか。
○大西国務大臣 労使関係も結局人間関係だと私は思います。でございますから、そういう人間関係を深めることによって相互の信頼関係といいますか、これを高めるということに資することができるなら、お互いに立場がありますから意見の違うこともあるだろうし、それからあることをめぐって対立することもあるだろうけれども、その根底にお互い人間としての信頼関係がなければならぬというのが私の基本的な考え方です。でございますから、そういう趣旨におきまして、気軽にお会いすることについては何らやぶさかではない、こういうことでございます。
○森中委員 国際の社長見えましたかな。
○小林委員長 見えております。
○森中委員 ごあいさつありませんか、初めてだから。
○小林委員長 いま森中委員よりの要望でありますが、国際電信電話株式会社取締役社長増田元一君、新任早々でもあり、この委員会で何か所信を表明することがあればこれを許します。増田君。
○増田参考人 一言ごあいさつを申し上げます。 私は、去る二月二十日、臨時株主総会におきまして社長に選任され、郵政大臣の御認可のもとに社長に就任いたしました増田でございます。 はなはだ微力でございますが、会社の再建のために最善の努力を尽くしたいと思っておりますので、よろしく御指導を賜りたいと思います。 まず、このたび会社が大きな不祥事を起こしまして世間をお騒がせいたしましたことを心からおわび申し上げます。私は社長になりまして、私に与えられました仕事は会社を再建することでございます。私は会社を今後運営するに当たりまして、まず第一に、今後二度とこういうような不祥事を起こさないようにしなければならない、起こさないということと、KDDが国民から負託されております大きな責任がございます。事業を通じまして公共の福祉を増進する、そのために独占権も付与されておる、こういう立場がございますが、こういう会社に与えられております責任を果たす、こういう二つの点に重点といいますか、二つのことを実現するように最大のかたい決意を持って当たるつもりでございます。これにつきまして、私は、昔KDDがそうでありましたように、きれいで明るく開かれた会社に生まれかわりたい、こういうふうに念願しております。 そのためにどうすべきかということにつきましては、会長以下全役員、その他会社の方々との議論を通じまして今後決めていき、そして実行していくつもりでございますが、私がいま考えておりますことは、一つは、今回の事件に見られますように、一部の人が独走できる、あるいは勝手なことができる、これは、どこか組織とかあるいは組織を動かす制度、手続に問題があったのではないか、こういうふうに考えまして、組織、制度、手続、こういうものにつきまして見直しをいたしたいと考えております。そして株式会社でございますので、経営責任を分担しておられる方々の意思が会社意思の決定に少なくともできるだけ反映できるような形に持っていくべきではないか、こういうように考えております。 それから、そういう社内の組織、制度を整備いたしました段階におきまして適正な人事を行いたい。従来も適正な人事が行われていたと思います。しかし、人事というのは非常にむずかしい問題でございまして、できるかどうかわかりませんが、適正な人事を行いませんと社内が暗くなる。そういう点から、会社の中を明るくするためにもう一度人事を見直したい、こういうふうに考えております。 それからもう一つは、今回の事件を通じましていろいろ御批判をいただきました経費の使用につきましては、今後極力質実を旨といたしまして、特に公私混淆することのないように厳に注意してやっていくつもりでございます。 それからもう一つ、こういう非常に公共性の高い事業でございますので、できる限り各界の有識者の御意見をいただきまして、たとえば委員会のようなものをつくりまして、その御意見をよく承りまして事業運営の指針にいたしたい、こういうふうに考えております。 貴重な時間を拝借いたしまして、いろいろ意見を述べさせていただきましたが、要は実行でございまして、大変むずかしい仕事であると思っております。微力でございますので、今後ともKDD再建のために一層の御指導、御尽力をお願いいたしたいと思います。 簡単でございますが、一言ごあいさつにかえさせていただきます。
○森中委員 昨今、この事件が発生しまして、この機会に国際電信電話株式会社法の改正をしよう、つまり第三者による決算権を見直そうとかあるいは郵政省の監督権を強化しようとか、こういうさまざまな意見が台頭しているわけですが、この国会に法案提出の用意ができておりますか。
○大西国務大臣 いま増田新社長から所信の表明がありましたが、私もそれをいま聞いておったわけでございますけれども、その所信、抱負に対して、私非常に御期待を申し上げておるわけでございます。もちろん、KDDの内部においての経営の刷新ということが一番に重要なことだと思いますけれども、従来の郵政省の法に基づく監督のあり方等も見直した上で、今度のこの国会にKDD法の改正法案を提出するために鋭意準備を進めておるところでございます。提案の暁になりましたら十分御審議をいただきたい、このように考えております。
○森中委員 会期は五月十八日までですから、時期を失わないように大急ぎでひとつ詰め作業をやっていただきたい。 そこで、いま新社長のお話の中に、しきりに見直しという言葉をさまざまな要素を持ってお話しになった。大臣も、郵政省の監督のあり方、これを見直さなければいけない、こういうお話があったわけですが、事件の内容の個々的なものは別としまして、二十八年でしたか会社が設立されて、その後議員立法などで持ち株の放出等が行われていますね。こういう沿革をたどってみて、古い書類を私引っ張り出してみましたよ。当時の佐藤榮作電気通信大臣が法案の提案理由の説明の中で、監督の条項にかなり触れております。つまり監督上必要な命令、これを郵政大臣は持つんだというようなことが言われて衆議院は原案どおり通った、参議院へ行きまして監督上必要な命令ということが「公共の福祉を確保するため」に必要な命令、こういうふうに変わっておりますね。しかし当時の会議録を見たりいろんな沿革上の記録を見ましても、監督上必要な命令、それが参議院において「公共の福祉を確保するため」の必要な命令とこう変わってはいるけれども、要するに国際競争力に対応していかねばならぬ、そのために自主性、機動性を尊重するとは言っているけれども、郵政省の監督権を薄めていいということはどこも言っていない。ですから、今回のこの事件は、無論世間で指弾をされる、いま司直の手によって裁かれている、郵政省が調査をされるという一連の経緯の中から考えた場合に、事前に事件を防止する手立てが全くなかったとは言い切れない、私はあったと思う。端的に言えば、郵政省の監督が及んでいなかった、放漫であった、こういうことにもなるような気がするのです。それは三十年でしたか、議員立法によって持ち株が出された。郵政省の共済組合が一一%すぐ握ってしまった。あれからずっと何とはなしにこういう土壌がつくられてくるような状況に置かれておったんじゃなかろうか、こういうように思うのです。 ですから、見直しということは当然反省がなければならぬだろう。一体その反省とは何なのだ。いま新しい法律の改正によって監督強化をやろう、こういうお話ですからそれはそれで大いに結構。しかし現行法のもとででも事件の防止はできたよ。これをいま実は私は強調したいのですよ。大臣、非常に大事なことですよ。一体歴代の電気通信監理官何をしておったんだ、こういうことになるんじゃないでしょうか。 多少法律的に根拠を求めるならば郵政省設置法四条第二十二項の二、これに概念規定であるにしても国際電信電話株式会社を監督するという監督条項が法律の根拠としてある。国際電信電話株式会社法の中にもそれはある。九条、十二条、十五条、あるのですよ。それを寺島監理官が参議院の大木質問に答えて、決算は認可事項ではございません、こう言っている。これもちょっと人を食った答弁。それは十一条だけれども、十二条を見てごらんなさい。事業計画というのがあるじゃないの。前年度の決算は、利益金の処分を認可する、こうなっている。利益金の処分とは株主への利益配当などを指すんでしょうね。しかしそれが全部ではないわけだから、さらに剰余金が次年度の事業計画にのっかっていかなければ事業運営ができない。その事業計画は出すようになっているわけですよ。だからこれは両またにかけたものとして見ていけば、十二分に事業計画、すなわち十一条の利益金処分の認可だけじゃない、事業計画の認可のところで当然その問題はとらえていかねばならぬ。そのとらえ方がどうであったかですね。 いま私の手元に五十四年度の事業計画書というのがある。これは一体何なのか。恐らくこれだけじゃないでしょう。たくさん資料を求めておりますか。しかしこの中では、もちろん事業計画の具体的な内容は何かというのは法律上は定めていない。それはありません。ないけれども、立法段階における当時からの法律解釈としては、設備計画であろうと財政計画であろうと資金計画であろうと、こういうように指し示されてそれがいつの間にか定着をしている。非常に薄いものですよ。これが事業計画。これだけで電気通信監理官の方では結構ですと言ってきたんですか。事業計画に必要な資金計画などは具体的に見ているんですか。わずか十ページですよ、これは。これが事業計画。こういう大規模な会社の提出する事業計画がこれでいいのかどうなのか。こういうところが事件の発生を見逃してきたということになるんじゃないかと私は思う。だから、そういう意味では、監督権があってないというようなこういう解釈は成り立ちません。さっき申し上げたように、設置法の四条、株式会社法の九条十二条、十五条、改善命令権もあるんですよ。事業の報告についてある意味では強制権を発動できる。一回だってやったことないじゃないの。 それと、事件の発生から今日に至るまで相当の時間の経過がある。ああいう事件が何かあるなとか、どうもこれはまともでないなというそういう感じすらも持たなかったんですか、郵政省は。それはあくまでも人の見る感じの問題だから、それを余り事荒立てるのもどうかと思いますが、あの新聞等で言われるさまざまな問題が目に見えなかったことはないでしょう。そういう場合には会長なり社長なりに一言ぐらい大臣から、ちょっとおかしくないか、何やってんだいぐらいのことは言われる機会、その内容などはあったのじゃなかろうかなというように推測をするわけです。 要するに私は、これから法律の改正によって監督権を強化されるということは当然なこととは思いますが、在来法の中にもそのことは当然未然に事件を予防する権限があった、その権限が巧妙に発動されていなかった。そういう意味で、事件の当事者を当然これはもう責めなければなりませんが、監督の立場にある郵政省もその責任の一端がないとは言えない、こう思うのですが、どうでしょう。
○寺島政府委員 大変厳しい御指摘をいただいたわけでございますが、お話ございましたように、私ども従来KDDの監督に当たりまして、御指摘のとおり国際電信電話株式会社法に基づきまして監督を行ってきたわけでございますが、この法律の制定の趣旨と申しますか、お話ございましたように、民間の活力、創意性、そういったものを最大限に生かしていくということで、株式会社組織をとるということが一つの政策として当時決定されたと理解をしておるわけでございますが、同時に、国際公衆通信業務という大変に公益性の高い事業をしかも独占的に行う会社でございますから、それに対しまして国の一定のコントロールが必要であるということもまた当然でございます。ただ、その両面をどういうふうに調和させていくかということが問題であろうかと思うわけでございますが、その一つの形として出されておりましたのが現行のKDD法のいわゆる監督規定である、こういうふうに考えておるわけでございまして、その趣旨を踏まえながら従来監督に当たってきたわけでございます。 それで、ただいま御指摘のございましたように、たとえば事業計画というものは認可の対象になっております。したがいまして当然見ておりますけれども、事業計画を認可するに当たりましては収支計画並びに資金計画というものもあわせて見ておりまして、そういったものを総合いたしまして認可の対象とし、認可に当たってきたわけでございます。また、利益金の処分というもの、決算に関しましては、利益金の処分が法文上は認可の対象になっておるわけでございますけれども、利益金が出てまいります根拠と申しますのは決算にあるわけでございますから、決算について法律は触れておりませんけれども、その利益金の出てまいります根拠としての決算、バランスシートでありますとかあるいは損益計算書といったようなものに対しまして私ども目を通しておったことは事実でございます。 ただ、それではなぜ今回のような事件を未然に予知できなかったのかという御指摘でございますが、確かに、それ以上細かいところまで突っ込んで、たとえばある面に特にスポットを当てて見るということはしておらなかったことは事実でございまして、私どもはそういう反省も含めまして、大臣の御指示を受けまして現在法改正の作業に取り組んでおるわけでございます。 この法改正というものができましたならば、その趣旨に沿ってやることはもちろんでございますけれども、同時に法律全体の趣旨というものを踏まえまして、眼光紙背に徹するといいますか、そういった引き締めた気持ちでもって今後この監督に当たってまいりたい、現在かように考えておる次第でございます。
○森中委員 そんなことは何遍繰り返しても一緒ですよ。大臣、さっき私が申し上げたように事業計画、これはまことにお粗末ですよ。いわばこれは作文、数字のつじつまを合わしているだけだから。これを事業計画でございますと出してきて、いま寺島君が言うように、はい結構だというんじゃ、どんな悪いことでもできる。ですから、さっき申し上げたように郵政共済組合というのが一一%近いシェアをとった。そのときに三名の人が天下っていったわけだから、問題の土壌はその辺に生まれた、こういう実は見方もしていいのじゃなかろうか。つまり、悪く言えば同族意識というのか、ああいう先輩がやっているんだから間違いなかろうとか、中には今度はおれがあそこに行くんだという役人がいたかもしれない。そういうようなことが公正な監督権の行使というのを怠ってきた、そのことが未然に事件の防止をできなかった、実はこういうつながり方になってくるのじゃないのかというように見るわけです。だから郵政省もその責任なしとは言えない、こういう言い方をしておるわけです。 ですから、結局具体的にさっき申し上げたように設置法上の監督条項がある、株式会社法上の監督条項がある。何か事件が発生をして会社の代表が二人報告に来た、その報告が余り適当でない、得心できぬから十五条を発動して公式に報告を求めるよというようなことを言ったとか言わぬということが新聞記事にはちょっと出ておる。本来ならば、そういうことば監督の立場にある者としてやるべきじゃなかったんでしょうか。しかもその監督権の乱用とか、そういうことにはなりませんよ。あくまでも業務の正常な遂行が原則でなければならぬし、幾らそういう監督がやられても、国際競争力を強めるとか失わしめるとか、あるいは会社の自主性を失わしめるということにはならないと思う。どうですか。私は、そういう意味では電気通信監理官室の処置というものはどうしても得心できない。ことにこの事件が発生をして、あるいはその前、何とはなしにおかしいな、物を持ってくる、金を持ってくる、いろいろな動きが郵政省の中で目にとまらなかったはずはないのじゃないかなというように想像をするんですよ。そういうことは全然感じられなかったんだろうか。これもあわせてひとつもう一回、在来の監督の立場というものはよかったか悪かったかというものをもう少し正確にしてほしいと思います。
○寺島政府委員 先ほどもお答え申し上げましたが、今後眼光紙背に徹するような気持ち、そういう心構えで監督に当たりたいということを申し上げた次第でございます。先ほども申し上げましたように、過去も現行法にのっとりまして監督をいたしておったわけでございますけれども、いま振り返ってみますと、そのときに、私どものあるいは私の反省といたしまして、KDD自体の業務そのものは世界の非常に技術進歩の激しい分野におきまして多年順調なサービスを提供することができておった、かつまた会社の業務そのものも健全に経営されてきたというふうな認識がございまして、あるいはそういうことが監督に当たる者としての心の緩みと申しますか、そういうものを招いた点があったのではなかったかということは、私、監督の責任にある者といたしまして反省をしておるところでございまして、そういうことを含めまして、現在法改正を含め検討をしておるところでございます。
○大西国務大臣 いま監理官からお答えをしたような当時の実情であったということでございます。当時のことは私も実はつまびらかにはいたしておりませんので、実情に関してお答えをいたしかねるわけでございますけれども、とにもかくにもこういう忌まわしい事件が発生をしたことは事実なんであります。でありますから、二度と再びこういう事件が起こってはなりませんので、将来に向かってこういった問題が発生をしないように、KDDの内部における経営陣の姿勢あるいは経営態度ということについては十分気をつけていただくとともに、そのことが再び制度的にも発生をしないような仕組みを考えていくということでKDD法の改正ということについていま準備を進めておる、こういうことでございます。
○森中委員 もう一つ私が申し上げた中で答弁漏れがありますのは、事業計画というのはただこれだけのものなのかということが一つ。いま一つは、これは時期的に大体三月の中旬までぐらいに提出をされるんですね。いつごろ認可しているのですか。当然年度末いっぱいにしないと新年度できないわけだから、そういう時間的な問題。それと、不祥な事件が全然郵政省の目にとまらなかったのか、はだに感じなかったのか。眼光紙背に徹するなんというずいぶん古めかしい話をなさっているけれども、神ならぬ身の知るよしもなしという言葉もある。全然わからなかったのか、全然それを感じなかったのかどうなのか、その辺はどうなんですか。
○寺島政府委員 事業計画のお話でございますが、先生いまお手元にございます事業計画、認可の対象として最終的にまとまりました事業計画というのはそういう厚いものではございませんけれども、事業計画を認可するに当たりましては、事務当局といたしましていろいろな出されましたことにつきましてはこれはどういうことか、あるいはこれはどういう内容であるかということのヒヤリングは十分に行いまして、その結果が一つの文章としてまとまりましたのがただいま先生お手元の事業計画、こういうふうに考えるわけでございまして、現に来年度、五十五年度の事業計画につきましても現在そういう形でヒヤリングを急ぎやっておる、かような段階でございます。
○森中委員 増田社長、いままで国際に長年おいでになったわけですね。それで、その問題の社長室と称するもの、たとえば人事権の乱用、こういうことを中心にいろいろあったようです。そういうものを当時どういうように感じておいでになりましたか。つまり、こういうことですよ。せんだって副社長二人やめましたね。やめた二人のうち、一人は一〇〇%国際出資の何とか設備会社の常勤顧問になった、いま一人の人は九五%くらい国際出資の会社に常勤の理事長で行っている、こういうことのようですね。こういう人たちも考えようではどういうつもりかなと、まだぬくもりが冷めぬどころじゃありませんね。現にその佐藤何某というのは留置場にある。また近いうちにだれか行くのじゃないかというようなこういうざわめきのある中で、少なくとも社長室の専横に対して、ごく少数の人だと言われるそういう人たちへの直言、こういう物を言えるような、ただしていくような空気というのか環境といいますか、全然なかったのですか。社内のことは私どもよくわかりませんが、長くおいでになって、しばらく横においでになったようですけれども、そういうことをどう見ていらっしゃるか、ひとつお答えいただきたい。
○増田参考人 社長室が人事面で強大な権力を握りましたのは、新聞によりますと、私が五十二年六月、会社を退職いたしました後でございます。その後の新しい社長室の行った人事につきましては、私はもう社外におりましたので、空気とかそういうことはよく存じません。 それから、いま後でお話が出ましたお二人のことでございますけれども、これもたしか昨年の十二月に発令されたように伺っておりますが、経緯等につきましては詳しくは存じておりません。 以上でございます。
○森中委員 どうもそういう動きからすると、一体事件に対して国際電電というのはどういう認識を持っているのかわからないんですよ。お二人とも全然責任がなかったとは言えませんね。事件が決着を見て相当期間経過した後であるとするならば、これは百歩譲ってそうかということになるのでしょうが、まだ現に進行中、何が何なのかわからない。けさの新聞等でも、新しくまた相当の金額が隠されておったとかどうだとか出ているでしょう。こういうやさきに、社長を補佐する立場にあった副社長二人がさっささっさとどこかの系列の会社に入り込むなんということは考えられますか。それはもうすでに発令された後のことだとは言いながら、一〇〇%あるいは九〇%出資の会社ですから、これは間接的か直接的かわかりませんが、やはりあなたの指揮のもとにあるんでしょう。その辺のことなどがやはり私どもとしては釈然としない。一体国際電電に何の反省があるのかというようなことが、私は一つの大きな問題だと思うのですね。 それからいま一つは、新聞等によれば、佐藤並びに板野、この二人が横領の疑いがある、こう言われておる。金額等が正確に特定された場合どういう措置をとりますか。いま社内には告発せい、こういう意見もあるように聞いておりますけれども、どうなさるおつもりですか。
○増田参考人 これは仮定の話でございますが、もし横領で起訴されました場合には、会社で損害額を確定いたしまして損害賠償請求を起こす考えでございます。
○森中委員 それから大臣、先ほど法律改正の内容を私ちょっとお尋ねしませんでしたが、主要な項目というのは何ですか。たとえば会計検査院の検査の対象にするとか、あるいは監督権の強化というのはどういうことなのか。 それと、昨年の暮れでしたか、私の方の党から数項目にわたる、飛鳥田委員長名でたしか大臣にも要望書を出しておったと思うのです。それは、いま申し上げた会計検査院の検査対象とする、それから大臣の監督権の強化、監査制度、経営委員会の設置、利用者委員会の設置、第三者監査制度の設置、こういう幾つかの項目を並べたものをお出し申しておったと思うのです。大体改正しようという中身の大要はどういうものか、もうおわかりでしょうから、ちょっとお示し願っておきたいと思います。
○大西国務大臣 まだ鋭意準備中でございますので、最終的なことをここで申し上げることは差し控えたいと思いますが、いま御指摘のありましたように、会計検査院の検査の対象に経理をするような方向で考えよう、それからまた予算決算、収支といいますか、そういうものも郵政大臣の認可の対象にしようといったような方向で詰めを行っておるところでございます。
○寺島政府委員 大臣のお答えを補足さしていただきます。 ただいま大臣からお答え申し上げましたように、今回の事柄にかんがみまして、監督面、特に財務と申しますか、そういった面に重点を置きまして検討をいたしておるわけでございまして、その一つが会計検査の対象にするという点でございます。それからいま一つが、収支予算というものをやはり認可対象にした方がいいのではないかということで検討いたしております。 もう一つ、決算をどうするのかという問題があるわけでございますが、決算につきましては、株式会社であることの兼ね合いと申しますと商法とのかかわりでございますが、あるいは他のこういったいろいろないわゆる特別な使命を持っております会社等に対しまする過去の立法例等をも参考にしながら現在検討しておるわけでございますが、そういったいろいろな例から申し上げますならば、決算につきましては認可制をとっておるところはないようでございまして、決算の提出義務と申しますか、そういったものを課しておるところが多いようでございますので、そういったいろいろな条件、状況というものを考えながら現在関係方面と折衝を重ねておる、そして詰めを急いでおる、かような段階でございます。
○森中委員 最後の決算のあたりはもうちょっとはっきりした方がいいんじゃないですか。つまり、株式会社法が提出されて、当時の佐藤電気通信大臣の説明によれば、当時の記録がそっちにもあると思うのですが、この国際電信電話株式会社というのは商法に基づく商事会社である、こう言っているわけです。けれども、その公益性、その国際性、こういうものからいって国の監督と保護を与えねばならぬから通例の商法に基づく商事会社としては扱えない、こう言い切っているわけですよ。こういうところはほかにも例があるでしょう。各政府機関のもとにおける類似した特殊会社というのはたくさんありますね。その辺では決算は当然監督権を持つ主管大臣の検査の対象になっておりますよ。そういうのは知りませんか。知らなければ教えてあげてもいい。もうちょっとはっきりしておかなければいかぬ。
○寺島政府委員 お話ございましたように、KDDは株式会社として設立されておりますので、商法その他の関係法令がすべてかかることは御指摘のとおりでございます。 ただ、たとえば取締役の選任あるいは解任ということは商法上は株主総会の議決事項でございますが、KDD法におきまして、さらにその上に大臣認可ということをかけてございまして、単に株主総会の決定のみでは効力を発揮しないで、それにさらに大臣認可というものがあって初めて効力を発する、こういう意味では株式会社としての規律のほかに、さらに監督がかかっておるということにつきましてはお話のとおりだと思うわけでございます。 そこで、決算につきましても、御案内のように、株式会社でございますので、監査役あるいは公認会計士の監査も当然にいたしておるわけでございまして、さらに決算の承認というのは株主総会事項でございます。そういったこと等の法的なかかわり等も含めまして、このKDD法の改正に当たりましてどういう形で国の監督というものとの決算のかかわりを求めるかということにつきまして、既存の各立法あるいはただいま申し上げました商法のかかわり等を考えながら現在検討いたしておるというのが現状でございます。
○森中委員 検討しておるというのは、そうしたいというように理解すべきだな。決算も当然認可事項にする、そう理解してもいいのでしょう。
○寺島政府委員 ただいま申し上げましたように、検討いたしておるわけでございますが、既存の立法例その他を考えますと、決算そのものを認可の事項にするということについては少しく問題があるように考えておるわけでございまして、現在、そういう意味では予算と異なりまして決算を認可対象にするという方針をはっきり決めておるというところには至っておらないわけでございますが、いずれにいたしましても、今回の財務面を中心といたしますKDD法の改正という全体の趣旨を踏まえて適切な改正案を検討してまいりたい、こういうことで現在作業中でございます。
○森中委員 大臣、お聞きのとおりです。その意思は大体どこにあるかわかりますが、さっきから申し上げますように、こういう特殊法人等につきましては、やはり先例としましてそういうのがあるのですよ。それで、法制局あたりの見解もありましょうが、事柄が事柄、いきさつがいきさつですから、予算がそうであるならば締めくくりとしての決算も大臣の認可にする、こういう措置がとれるようにぜひ法律改正の中ではやってほしい、こう思います。いかがでしょう。
○大西国務大臣 私も法律は専門家の一人ではありますけれども、いろいろ分野がありますから、詳しいのと詳しくないのとございますからあれでございますけれども、この分野につきましては、いま監理官からお答えをいたしましたようにいろいろと検討しておるところでございまして、他の法律との整合性とかいろいろ問題があろうかと思います。そういうものも十分に煮詰めました上で最終案をつくりたい、こういうことでありますが、先生がいまおっしゃいましたことは一つの参考として十分に承っておきたいと思います。
○森中委員 増田社長、こういうのをごらんになっておりましょうかね。財団法人日本新聞協会電気通信委員会の委員長原口喜八という人から、五十五年一月十六日付で古池前社長あてに料金引き下げの要望が出ておる。この中で専用線料金の再引き下げと、こういう。つまり、二四%下げられたのに専用回線はそこまでいっていないからもうちょっと下げろ、こういうことのようですが、検討されていますか。
○増田参考人 料金問題につきましては全体として検討しておりますから、いま先生御指摘の件もその一部として入っておると思います。
○森中委員 全体の料金についていま値下げの作業をやっていらっしゃる、その中に専用料金も入っているという意味ですか。その時期はいつごろになるのですか。
○寺島政府委員 KDDの料金につきましては、御案内のとおり一昨年来いろいろの御議論がございまして、郵政省といたしましても値下げの料金改定の検討方をずっと強く求めてきた次第でございますが、その結果、御案内のとおり、昨年十二月一日から対米二五%を初めといたします電話並びにテレックスの料金についての値下げを実施したわけでございます。その以前の十月一日に専用料金につきまして一〇%の値下げを実施してございます。ただ、昨年の十二月に私どもが認可をいたしまして実施をいたしました料金改定は全世界を対象としたわけではございませんで、いわゆる環太平洋地域をやったわけでございます。したがいまして、そういう意味で残された問題もございます。こういう点は、この値下げの影響というものがどう出てくるのか。一つは、五十四年度のKDDの決算等もある程度把握をすることも必要であろうかと考えておりまして、そういったいろいろな条件を考え合わせて、さらに料金の改定方について検討するよう、昨年の認可のときにすでにKDDに対してそういう指示を与えておるわけでございまして、それに対しましてKDDからも、その趣旨のとおりいたしますという返事をもらっておりますので、現在鋭意そういった状況を含めましてKDDが検討いたしておる、その答えをできるだけ早く私どもも見て措置をいたしたい、かように考えておりますが、その中で、それではただいま御指摘の専用線等の一部がどうなるかということにつきましてはまだそこまで細かく分解をいたしておりませんけれども、いずれにいたしましても、料金全体につきまして再検討をKDDにおいても進めておるという段階でございます。ただ、繰り返すようでございますが、若干その後の情勢等も見なければならない点もございますので、いま少し時間がかかるかと考えております。
○森中委員 この件で、最後になりましたが、十二月七日の日に衆議院の決算委員会で井上一成という社会党の議員の質問に対しまして官房長が、幹部百十人を対象に国際電電からもらい物があったかどうかという調査をする、その結果を決算委員会に報告いたしますという答弁をしている。その結果はどうであったのか、その報告は出されたかどうか。これは決算委員会のことであるけれども、郵政省の幹部百十人を調査の対象にして事情聴取をいたしますという約束が行われておるわけです。やりましたか。やった結果はどうであったか。
○小山政府委員 御指摘の点につきましては、すでに調査をいたしまして決算委員会に報告してございます。その結果につきましては、具体的な数字でございますが、その後の衆議院の決算委員会の際に報告を申し上げておりますと同時に、当委員会の委員長の方に一応の報告も添えて出してございます。 重ねて申し上げますと、その結果、一昨年七月以降におきまして、KDDの関係者との会食が十六回行われております。贈答といたしましては、中元、歳暮の時期が一昨年七月から三回あるわけでございます。その時期に、二十二名または二十三名程度の者が中元、歳暮の贈答品をいただいております。そのほか、七名に対して海外出張のみやげが贈られている。このことにつきましては、すでに委員長あて御報告もしております。
○森中委員 それじゃ、国際の関係を終わります。 放送法の改正が何かもくろまれているようですが、どうなりましたか。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 日本放送協会が五十五年度の予算を郵政大臣に提出をしてまいりました。郵政大臣が意見を付して、内閣を経由して国会に御提出申し上げるということになっておるわけでございますが、実はNHKの予算といたしまして、受信料の値上げをいたしたいという状況になっております。ところが、事業計画等を精細に調査をいたしましたところ、相当数の未払い者がおるという状況でございまして、受信料を払っていないという方がおられるということは、この受信料制度の上から申しまして不公平ではないかという観点に立ちまして、NHKの努力だけではなくて、郵政省といたしましても、この受信料制度にかかわる放送法の改正を現在準備中でございます。
○森中委員 これは放送法が二十五年に制定されたもので、早くも三十年たっているわけですが、放送界というのは法制定の時代と大変な変動を来しておりますから、いま局長が言われる三十二条の協会の料金項目だけやるのじゃ、これはだめですよ。これは私の見解ですけれども、いまの放送法の中には何もかもぶち込んである。これはもう少し体系を整備して、具体的に言えば、むしろ放送基本法がいいでしょうね。ほかに日本放送協会法、それと民間放送法でもいいし、三つくらいに分類して、これこそ法律の見直しをやる必要がある。 特に私はその中で申し上げておきたいと思いますのは、確かに放送法の第二章で放送協会をとらえておりますが、これは条文としてはかなりある。片や民間放送についてはどうなっているか。わずか五十一条から五十三条まで。これで今日の民間放送を律することができるのかどうなのか。法体系の中に、かなりその辺の混乱があるんじゃないですか。しかも、日本放送協会は「公共の福祉」というような文言があって、これがよく公共放送と言われる根拠でもありましょうが、民間放送は一体何なのか、五十一条から五十三条までの間に定義が与えられていないですよ。これが一般的に商業放送と言われている。商業放送なんという法律上の定義はない。あるのは、放送の対価として広告を取ってもいい、こういう程度のものですから、まさにそういう意味では、日本放送協会並びに一般放送事業の定義が、片や与えられているが、片や与えられていない、こういう不備な点が非常に多いんですね。ですから、受信料に関して、三十二条の法律改正ということではなくて、放送法全体をもうそろそろ見直す時期に来ているんじゃないか、体系整備の時代じゃなかろうか、こう思うのです。 これはまあ憲法に触れるような表現の自由問題等もあってうるさい問題でありますが、この際思い切って放送法改正のための検討機関あたりを早急につくって、各界各方面の識者の意見も集約をして、法律改正の準備でもしたらどうですか。これは、局長というより、むしろ大臣でしょうね。どうお考えになりますか。
○大西国務大臣 放送法の抜本的な改正ということは、いろいろそういう声も各方面にあるやにも承っておるところであります。でありますから、抜本的改正ということは、いずれそれを考えなければならぬ時期が現実に来るのではないかと考えておりますけれども、そういった抜本的な改正の検討に当たりましては、先生がいまお示しになりましたようなお考え方というものは、貴重な参考にいたすべき問題だというふうに私も考えるわけでございます。 ただ、今度のNHKの問題につきましては、料金改定が現状においてやむを得ないものであると考えまして国会の審議を仰ぐわけでございますが、同時に、これに加えて、緊急性の高い問題として、NHKの料金不払い等による不公平の問題等がいま問題になっておるわけでございますから、これを緊急性の高い問題として取り上げて、その点に関して三十二条を改正をいたしたい、こういうことでいま準備を進めておるということでございます。
○森中委員 もう時間がほとんどなくなりましたから、もう少しいろいろお聞きしたいんですけれども、これに関連してもう一つ、電波法がありますね。特に無線局の免許の問題。これは、いまの免許条項からいきますと、全く現実にそぐわないですよ。よく民間放送のチャンネル申請なんかの場合、ときどき長野方式と言われてみたりいろいろして、実際の法基準とは実に距離のあるものになっておるわけですね。ですから、省令あるいは通達、これは電波法の七条にくっついてあるようですけれども、むしろこれは根拠法の電波法の中に、免許基準というものを正確にうたい上げられておかないと大変なことになるのではないか、こういうように私は思う。これもいまの放送法と同じように、電波法も抜本的な見直しの時期に来ている、こう思うのですが、これについてはどういうふうにお考えになりますか。
○平野政府委員 電波法の改正の問題でございますけれども……(森中委員「簡単に結論だけ、時間がないから」と呼ぶ)電波法、放送局開設の根本基準でございますとか、無線設備規則、一般放送事業者に対する根本基準等に基づきまして審査をしておるわけでございますけれども、ただいま先生が申されるような意味における、たとえば放送法と一般無線局との区別がどうあるべきであるかとか、多分先生がお考えになっているであろう、たとえば知事に一本化調整をお願いをしておる法的な基準がどこにあるかとかというような問題につきましては、郵政省といたしましては電波の公平、能率的な利用を確保するために、申請者間の調整ということがどうしても必要になる場合があるわけでございます。ある地域で申請が出てまいりましたが周波数が一波しかないというような場合には調整をする必要があるだろう、その調整をする場合には、やはりその地域における公共的な、非常に公平な方に調整をお願いすることがあり得るということでございまして、そういった意味から知事に調整をお願いすることがあるわけでございます。なおかつ、その結果一本化が成りましたときには郵政大臣の諮問機関でございます電波監理審議会にお諮りをして第三者の意見をお尋ねをするという現在の制度があるわけでございますが、今後電波法、放送法の全面改正ということになりました場合には、先生のお言葉を体しながら十分に検討してまいりたい、こういうふうに考える次第でございます。
○森中委員 これはもう時間がないので余り深みに入りませんが、余り先の長い話じゃだめですよ。もう現実的に差し迫っているわけだから、放送法も電波法も。だからその時期が来れば意見を参考にしておこうという、それでもいいのはいいですが、かなり日限としては緊急性の高いものだ、こういうふうに理解していただきませんと、ただ思いついたから言っているという質問じゃないわけです。非常に現実的に処理を急ぐ、こう私は思いますから、そのおつもりで受けとめていただきたい。 それから、時間がありませんので先を急ぎますが、せんだっての世界無線会議の中で非常に特徴的な問題が出た。しかも、その符節を合わせるように今回の「あやめ」は失敗をしたというような問題と兼ね合わせると、八四年以降にこの問題をもう一回やろうということのようですね、その無線会議では。その際に、少なくとも在来の海洋分割の時代から宇宙分割の時代に入った、しかも赤道直下の各国においてはいままでの第一地帯を外して第四地帯に独立をしたい、こういう意見等が出ているようですね。上げられる静止衛星は赤道上、その直下には幾つかの国がある。その領空権というのか領有権というのか、主権の問題を非常に主張してきたということになりますと、一体「あやめ」は失敗して、BS、CSはいつこれが成功するのか、この辺の問題が非常に重要になってくるわけでもありますし、しかもそういう途上国との間の関係を日本はどうしていこうとするのか、そういう宇宙空間の分割時代に入ったこれからの宇宙政策をいつ日本ではきちんとしたものとして策定をされるのか、その辺をちょっと聞かしておいてもらいたい。
○平野政府委員 ただいま御指摘のように国際電気通信連合の主催によります世界無線通信主管庁会議ワーク79というのが昨年あったわけでございます。それでその中におきまして、発展途上国からの非常に強い要請が幾つかございました。そしてその中の一つといたしまして、現在世界を三つの領域に分けまして、第一、第二、第三地域という領域に分けまして周波数帯分配表等をいたしておりますが、それをたとえばアフリカをヨーロッパ地域から切り離して、現在第一地域でございますけれども切り離して、そしていわば第四地域というような地域を設定したらどうかという要請があったわけでございます。これは周波数の実際に使っている事情も一違うし、あるいは技術的な進歩の度合いも違う、また経済的な面も違う、そういったことから、切り離したらどうかという話がございました。それに対しましては、このワーク79の中では結論が出ませんで今後の検討にまつ。ITUの中のCCIRという常設機関がございますけれども、そこで検討いたしまして、先生おっしゃったような時期に開かれるCCIRの総会でもって結論を導き出そう、こういうことになっております。(森中委員「だから、その前に日本の態度を決めなければいかぬわけだ」と呼ぶ)はい。そのためには日本の態度を決める必要があるわけでございまして、そういった意味で私どもといたしましては、この周波数というのは先進国のためのものでもないし発展途上国のためのものでもないわけでございますが、発展途上国の意見も十分に徴しながら日本の態度を今後決定していきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○森中委員 これが最後のお尋ねになりますが、秋草総裁、一月三十日の記者会見で、例の資材開放問題で、七月あるいは八月にも具体案をまとめたいんだ、こういう話をなさっていますね。ところが情勢が、昨今の新聞の報道等ではかなり緊迫をしている。何か大平総理も、四賢人と言われる日米経済グループを呼ばれた。その中で、自動車等は後回しにしても二国間の通信機材についてはできるだけ早く決着をつけた方がいい。総理もその気になった。しかも連休中には訪米をされる、アメリカ大統領選挙が近づいてくるというこういう差し迫った二国間の日程の中で、一体どういうふうなことをまとめ上げていこうとされるのか。非常に中身が重要なものですから、たとえば仕様書の交換をどうするこうするというそこまではお尋ねいたしませんけれども、少なくとも日限的に迫られているということだけは事実のようですね。それで相互主義ということの意味は、完全に合意に達しなければ先に進まないものなのか、場合によってはおととしのようにまた一あらし来るのかというその辺が気になるのですが、少なくともこの委員会で何回もこのことは論議をされたようですし、繰り返して強調するまでもございませんけれども、いわばわが国の立場がいささかも損なわれないようにやっていただきたいと思うし、表に出るのはこれは外務省と郵政省ですね。大臣、大体いま申し上げたような経緯を踏まえて東京ラウンドの問題、どういうふうに決着をつけようとお考えなんですか。
○大西国務大臣 この二月の下旬に第四回の事務レベルでの話し合いが行われたようでございまして、郵政省からも担当官が出ておったわけでございます。いま帰ってまいりましたから、至急にその会合における問題を取りまとめて、その取りまとめたものを報告に基づいて早急に検討したい、方向等についても検討したいと思っておるところでございます。
○森中委員 郵政大臣の決意ですよ。一歩も譲らぬ、その辺がはっきりしなければ、事務レベルでやらしたってこれは限界がありますよ。やはりそれは外交ルートに乗る前に、郵政大臣としてはどういう決意で臨むのだということをおっしゃらなければだめじゃないですか。
○大西国務大臣 そこで、いまの報告を得て検討したいと思っておりますが、御承知のように日米相互主義といいますか、これに基づく合意ができておるわけでございますから、その合意の線にのっとって、わが国の立場をその枠内において合理的な納得のいく線に持っていきたい、こう考えておるところでございます。
○森中委員 こういうことですね。確かに去年の六月に牛場・ストラウス合意事項というのができた。あれによれば相互主義となっているわけだから、わが方の主張がどこまで押せるのか。要するにプラスあればマイナスもあるでしょう、二国間のことですから。わが方はわが方の主張が通らなければ引っ込まない、安易な妥協はしないというふうに理解すべきなのか、事務レベルで詰めたものでこの辺でよかろうということであればおりるというのか、どうなんですかその辺は。その辺がはっきりしない。
○大西国務大臣 安易な妥協をしようとはもちろん考えておらないところでございまして、合理的な納得のいく方向で解決をしたい。合理的な納得のいく方向とは何かと言えば、いまの報告等も踏まえまして具体的に考えていきたい、こう思っておるところでございます。
○森中委員 これで終わりますが、また機会もありましょうから、秋草総裁、もう少しお尋ねしたかったのですが、時間がありませんから。
○小林委員長 次に、竹内勝彦君。
○竹内(勝)委員 私は、ちょっと社長の都合もあって、若干時間をいただきまして参考人に質問をさせていただきます。 社長はこれだけ混乱あるいはいろいろと疑惑、大変な中において、新任の社長として新しい出発をしていく、その決意のほどというものは評価しなければならないと思いますが、それならばそれだけの国民にわかるような、どういうような面で今回のKDD事件に関して解明していくのか、その考え方を最初にお伺いしたいと思います。
○増田参考人 お答え申し上げます。 私が社長に選ばれましたのは、新しい会社を再建せよ、こういうことであると理解いたしております。そういう立場から、私は、今後の会社がどうして再生していくか、そういうところに重点を置いて取り組んでいきたい、こういうふうに考えております。
○竹内(勝)委員 古池会長から継承し、経営刷新委員会として今回のこの一連の疑惑事件に取り組んでおる。社長が就任してからのその経過を、簡単でいいですから、どこまで進んでおりますか。
○増田参考人 お答え申し上げます。 大変申しわけないのでございますが、去る二月二十日に着任いたしましてから本日まで二週間ほど経過いたしておりますが、いろんなことがございましてまだ刷新委員会の報告を聞く時間がございませんので、どの程度まで細かく解明されておるかという御質問につきましては、細かいことはよく存じません。私いままで伺っておりますところでは、組織の問題を検討した、それから料金の問題を検討した、それから考査室の新設を図った、こういう報告を聞いておりますが、それ以上のことはまだ細かく聞く時間がないのでございます。どの程度まで解明できておるかという御質問に対しまして、はなはだ申しわけないのでございますが、お答えできないのが現状でございます。
○竹内(勝)委員 それじゃこちらから具体的な問題を聞いていきましょう。 わかっていることで、たとえば経営刷新委員会が去る二月二十六日に明らかにしたところによりますと、商品券の問題一つをとっても、総額約五千万円からのものが購入されており、そしてそれがどういうように渡っていったのか、こういったものは明らかではございませんが、社内保留分としてそのうちの約二千万円の商品券があった。ところがその中で、明らかに当時のものと違った、つまりどこのデパート等におきましても一連の番号が打たれていますね、それが当時のものと違った、事件が発覚した後に新たに購入された形のものが出てきておる。こういったことが明らかにされていますけれども、それが、二千万円のうち百四十万円のものがそういった形で出てきた。これはどういうことなんですか。
○増田参考人 私自身はわかりませんので、関係した方に聞いて、それから御返事させていただきたいと思います。
○竹内(勝)委員 社長は二週間でと言いますが、この大事な段階においてそういったものを社長自身がわからぬで、決意を持ってやっていこう、こういった形で受けたからには、それだけのものをやはり社長としてつかんで、そして本日におきましてもそういった形で答弁に立たれる、これは当然だと思うのですよ。もしそれがわからなかったならば、後でもいいですけれども、早速聞いてもらわなければなりません。 その辺は、明らかに他のところからその金額だけ合わせて返されていたということは、これは事実なんですね。
○増田参考人 お答え申し上げます。 商品券につきましては全部押収されておるそうでございまして、私が先ほど申しました関係者に聞いても現状ではわからない、こういう状況になっておるそうでございます。
○竹内(勝)委員 あなたは、このように混乱したKDDに新たな社長としてなっていったからには、具体的に、たとえばどういう問題に私は今後取り組むんだ——これはこちらから申し上げますが、たとえば陣中見舞いあるいは密輸の問題等に関連して、政治家やあるいは官僚への献金、贈答品の問題等々、あるいはまた旧社長室自体の乱脈経営、にせ領収書等が出てきておる、こういった問題が云々され、あるいは背任横領、こういったことが言われておるこういうときに、これらの問題に具体的にどういうことに取り組んでいく決意なのですか、これを答えてください。
○増田参考人 ただいま会社が置かれております現状を申し上げますと、逮捕の容疑は横領でございますので、会社といたしましては、まず第一に損害額を確定しなければならぬ。この作業が第一でございます。 それから、いま御指摘になりました点につきましては、現在司直の手が入っておりますので、私といたしましては、司直の手によって解明されるのではないか、こういうふうに考えておりまして、会社といたしましては、とりあえず、これは起訴されるという前提になりますけれども、横領で起訴されました場合、会社として直ちにいろいろな法的手段をとらなければいかぬ、そういうことで、いま手いっぱいで検討しておる最中でございます。
○竹内(勝)委員 あなた自身の努力はどうするのですか。
○増田参考人 先ほど申しましたように、先生がおっしゃったことにつきましては司直の手で解明されるものと期待いたしておる次第でございます。
○竹内(勝)委員 二度とこういう政官界との癒着をしてはならない、あなたの社長時代にこういったものはもう絶対に断ち切らなければならないと思いますが、どうですか。
○増田参考人 全くそのように考えております。
○竹内(勝)委員 そこで、多くの利益が出てきておるわけでございますので、それを利益隠し、あるいはまた政官界工作に使うのではなくして、料金を安くするとか、国民にもっとサービスをよくしていくとか、こういった何らかの国民への還元を考えていますか。
○増田参考人 そういう方向で考えております。
○竹内(勝)委員 終わります。
○小林委員長 この際、午後二時二十分まで休憩いたします。 午後一時三十三分休憩 ————◇————— 午後二時二十三分開議
○小林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。竹内勝彦君。
○竹内(勝)委員 KDD問題に関して、私は最初に大臣に若干伺っておきたい点がございます。 あなたの先輩の大臣の何人かの人たちがいろいろな形で、陣中見舞いだとかあるいは商品券だとか、あるいはまた高価な贈答品をもらったとか、あるいはまた関係会社から高級な家具その他を購入してもらったとか、そういうようないろいろな疑惑、そういう中にあって、また、いろいろとあのKDDが多くの利益を上げておりながら、わが党の同僚委員も料金を値下げすべきだという質問も本委員会においてしたわけでございますけれども、そういう発言問題があの多くの乱脈の形になっていったときに期せずして一致していくというような、こういう多くの交際費が使われて、そして、いろいろと報道にあるとおりその疑惑が出てきておる。こういうときに、現職の大臣として、今後この問題に対して国民が納得できるような処置をどうとるつもりなのか、まずその辺からお伺いしたいと思います。
○大西国務大臣 KDDの今回の問題は、本当に不祥事件と言われるほどでございまして、まことに遺憾な事件でございます。したがいまして、今後再びこのような事件が発生をしてはならぬことでございますので、再発の防止ということに対してまず真っ先に重点を置いていかなくちゃならぬ問題だと考えておるわけでございます。 御承知のように新しい首脳陣も決定をしたわけでございまして、新首脳陣もKDDのあり方について、どうしても再びこのような状態が起こってはならぬというかたい決意を持っておられるようでございますので、その経営陣の経営の刷新ということにまず大きく御期待をしておるわけであります。 と同時に、郵政省の監督などの点につきましてもこれを洗い直しまして、将来に対して、制度の上からもそういった問題が起こらないような何らかの保障をつくっておきたい、こういうことからKDD法の改正ということについていま鋭意準備を進めておるところでございます。そういった措置と相まって、今後、郵政省としては、再発防止のための監督については十分にその職責を果たしてまいりたい、このように考えております。
○竹内(勝)委員 警察庁に来ていただいておりますが、東京税関が告発した昨年十月の密輸についての現行犯、KDD関係のこの二人に関して、あるいはまた法人としてのKDDについても、書類送検という形で取り行われたわけでございますけれども、この事情を最初に説明してください。
○漆間説明員 ただいまの御質問の件につきましては、御承知のように佐藤KDD前社長室長を警視庁では逮捕をいたしておりますので、その逮捕事実の中にこの関税法違反の事実も含まれております。それとの兼ね合いで、残りました二人につきましても関係の書類を送致したということでございます。
○竹内(勝)委員 KDDに関しては関税法百十七条、これを適用し書類送検をした、こうなっておりますが、この中で、私は憂える点でありますが、さきに亡くなられた保田参与に関して、どういう理由で保田氏が自殺までしなければならなかったのか、その原因をどのようにとらえているか、まずお伺いしたいのと同時に、今後の捜査への影響はどうなるのか。また、警察庁自身の何らかの影響があったならば保田氏を自殺へ追いやったということにはならなかったのではないか、こういった面も私は考えるわけですけれども、その辺、これは非常に重要な問題です、一人の生命が失われていくという。こういう大きな事件のときにいつもこういった形で犠牲が出ていく、これは警察庁としての態度としましてもやはり相当考えたものにしていかなければならない、それを感ずるわけでございますので、その辺の影響並びに原因、そして今後への対策、これをお伺いしたいと思います。
○漆間説明員 KDD事件の捜査の過程で保田参与が自殺されたことはまことに残念に思っておりますが、その原因が何であるかということにつきましては、必ずしもはっきりしたことを申し上げるわけにはいかないと思います。御指摘のように、あのような過程で保田参与の周辺にはさまざまな心理的な重圧がかかっていたというふうに考えられますので、それらが複合的に原因してあのような結果になったというように私どもは考えております。 そのような中で、警察といたしましても、ただいま御質問の中にもありましたように、この種の事件には往々にしてこのようなケースが起こりがちでもありますし、事実この事件でもその前にすでに山口さんという方も亡くなられておりますので、警視庁としては十分にそういう自殺防止という観点から取り調べの時間なり方法なり場所なりについて尽くせるだけのことは尽くしたというふうに聞いております。しかしながら、残念ながら結果としてこのようなことになりまして、私どもとしてもまことに残念に思っております。警察としましても、これまでもこの種の事故防止については努力をしてきたところでありますけれども、今後とも最大限の努力を尽くしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 それから、捜査に影響があるのではないかというお話ですが、これは影響がないということは言えないと思います。影響はあると思います。しかし、警視庁はそのような影響を克服して、このKDD疑惑と言われるものの全貌を解明すべく現在努力中でありますので、私どもとしてもその結果に大いに期待をしておるところでございます。
○竹内(勝)委員 それでは、佐藤前社長室長がいま逮捕されておる、そしてまたこの二人に対しての書類送検、いろいろな件の中で、保田氏に対するものと現在行われているものと、どういうような配慮を払ったのですか。もちろん大きな支障になってしまってはなりません。そういう面で、もうちょっと具体的に説明してください。
○漆間説明員 保田参与につきましては、昨年の十二月二十日に第一回目の接触をいたしておるわけでありますが、これは実は同参与が自殺を図ったとかあるいは図るおそれがあるというような情報を耳にいたしまして、警視庁ではむしろその種のことを防止するために、同人の気持ちをほぐすために接触をしたというのが実情でありまして、事情聴取の第一回目に数えられておりますけれども、内容的にはそういうことでございました。その段階で同人の気持ちを落ちつけるべく大分努力をいたしまして、その後接触を避けておりましたが、実は一月の暮れごろから、むしろ御本人の方から警視庁の方に電話をかけてくるような状態になってまいりましたので、これであれば十分に心理的にも事情聴取の状態に耐え得るのではないかということで、取り調べの時間、場所、方法などを考えながら取り調べを行ったというふうに聞いております。したがいまして、警視庁としては、任意取り調べという形の中でとり得る最大限の配慮をしたというふうに私どもは考えております。
○竹内(勝)委員 保田氏の遺書が幾つもあったようです。どんな内容でどのような参考になったか、同時に、ある遺書には政治家や官僚の名前が多く書かれておったということも伺っておりますが、実際はどうなんですか。
○漆間説明員 保田氏の遺書と言われるものにつきましては、御本人が自殺の現場において身につけておられたものと、それから自宅において発見されたものと、それから弁護士に預けておかれたものというような種類があるように聞いております。そのうち弁護士に預けておられるというものにつきましては、弁護士さんに対してその内容の提出を求めておるところでございますけれども、それらの遺書にどのような内容があったかという事柄につきましては、私どもこの場で申し上げるわけにはいきませんので、御了承願いたいと思います。
○竹内(勝)委員 その遺書に関しては、どんな参考になったのですか。
○漆間説明員 内容とのかかわりがございますので、はっきり申し上げるわけにいきませんのは残念でございますが、一つは、この保田参与が自殺された現場における状況解明の資料として参考にいたしました。二つ目には、今後の捜査の手がかりとして内容的に参考になるものがあるかどうかという観点から検討しつつ捜査を進めておるというところでございます。
○竹内(勝)委員 贈り物なりあるいは献金なり、あるいはパーティー券の問題、いろいろなものがございました。そういうものへの参考はどうですか。
○漆間説明員 先ほど申し上げましたように、保田さんの残された遺書というものにつきましては、自宅で発見されたものと現場で発見されたものと、それから弁護士さんが保管されておられるものと三種類あるわけでございまして、その弁護士さんが保管されたものにつきましては、実は私どももその内容を承知いたしておらないわけであります。警察的に拝見し得たものにつきましては、先ほど言いましたように、事柄の性質上内容について言及することを避けたいと思いますけれども、御質問のような趣旨の事柄については書いてあったというような報告は受けておりません。
○竹内(勝)委員 佐藤元社長室長を逮捕した理由を述べてください。
○漆間説明員 佐藤KDD前社長室長を逮捕いたしましたのは、すでに新聞等にも発表してございますが、一つは業務上横領の容疑、もう一つは告発事実である関税法違反の容疑、この二つの容疑で逮捕いたしました。
○竹内(勝)委員 逮捕した結果、その後の捜査の状況はどのような経過になったのか、そしてどのように今後進んでいくのか、どうとらえておるか、それを説明してください。
○漆間説明員 逮捕事実がいま申し上げましたように業務上横領あるいは関税法違反の容疑でございますので、当面はその容疑の固めに全力を集中している段階でございます。しかしながら、御承知のように、いわゆるKDD疑惑と称されるものにつきましてはさまざまな内容があることは警察当局も十分承知をいたして、その上で捜査を進めておりますので、今後捜査の進展の中でそのような事柄がやがては解明されてくるのじゃないかというふうに期待をいたしております。
○竹内(勝)委員 贈答先に関して何らかの明らかになったものがございますか。
○漆間説明員 ただいま申し上げましたように、そういう疑惑の一部となされておる事柄につきましては、いわゆるKDDに関する金の流れあるいは物の流れを解明する作業の一部として私どもは実は考えております。そういう事柄の一部としてやがては解明されることになると存じますけれども、現在その作業がどのような段階に達しておるか、あるいはその結果どのような内容が解明されたかというような事柄につきましては、捜査進展の現時点では差し控えたいと存じます。
○竹内(勝)委員 警視庁の防犯部において、KDDの経理部から海外事務所への資金の流れの裏づけ、こういう関係帳簿類を押収した、そしてその資金の流れにかなりの不透明な個所が出てきている、経理部と元社長室との関係に問題点がある、たとえば多くのお金がいろいろと接待あるいはまた物品の購入、こういった形で持ち出されたものが、実際はそういうものが半分くらいで、あとはにせの領収書といった形で現金として持ち帰ったのではないか、それも一回にたとえば十万ドルというような莫大な事実が出てきておるやに伺っておりますけれども、こうなってくると、この場合外為法違反その他の問題で何らかの状況というものを十分考えていかなければならない、こういった形になると思いますが、どんな感触を得ていますか。
○漆間説明員 これはまさに捜査の具体的な内容にかかわりますので、具体的な内容について答弁をすることは差し控えさしていただきたいと存じます。
○竹内(勝)委員 この海外渉外費という形で——板野さんが社長になって、そしてちょうどこの問題が出てきた、あの交際費等が膨大に使われていった、そういう流れと一致して、この渉外費というものが、いままで普通に使われておったものが、一回に十万ドルというのですが、そういうものが幾つも出てきておるというような形でふえておる、こういったものは事実でございますか。
○漆間説明員 このKDD疑惑に関する報道の中には、実はさまざまな報道がなされているわけであります。私ども、現実に捜査にかかわり合っている者の立場からその報道の内容をながめますと、捜査の内容と全く異なるもの、あるいは警視庁がいまだ把握していない事柄について警視庁が把握したとして書かれている事柄、あるいは推測で書かれている事柄等、実はさまざまな事柄があるやに見受けられます。したがいまして、新聞等で報道しております事柄の一つ一つについて、それが事実であるとかないとか、あるいはそれと捜査との絡みといったことについて答弁することは、ひとつ差し控えさしていただきたいと存じます。
○竹内(勝)委員 そんな答弁じゃしようがないですよね。やはりこういった形で進めてきており、なおかつここにおいて重要な人たちを逮捕している、また今後これがどう発展していくか、いろいろと重要な問題でございます。 そこで、たとえばにせの領収書、こういったもので操作して、帳簿に残らない裏金としてこれを日本に持ち帰っている、こうなってくれば、これがもし判明してきたならば、これはもう外為法違反になるのじゃないですか。その辺はどうなのですか。
○漆間説明員 御承知のように、捜査というのは、具体的な事柄を積み重ねていきまして、その具体的な事実に即して判断すべき事柄でございますので、その判明すればといったような仮定の問題についてお答えすることはいかがかと存じますので、差し控えたいと存じます。
○竹内(勝)委員 じゃ、次へ移りましょう。 あと私どもが考えられるのは、板野前社長の問題でございます。今後の動向、これが注目されます。そこで、保田参与のこと、それから佐藤前室長が逮捕されたことにかんがみ、板野前社長の今後の容疑がどういうふうになっていくのか、それはわかりませんが、逮捕の問題であるとか、その辺のところが考えられるのかどうか、あるいはもう佐藤前室長で全貌というものがはっきりしてくるのか、その辺をどうとらえておりますか。
○漆間説明員 先ほども申し上げましたように、KDD疑惑を解明するということは、単に佐藤前室長を逮捕することだけではなくて、同社にかかわる金の流れ、物の流れの中に不正があるかどうかということが、警視庁が当面の目標としている最大の目標でございます。したがいまして、その金の流れ、その物の流れの中で、刑事責任をとるべき事実が出てくるかどうかということが今後の課題であるかと存じますけれども、それと板野前社長がどうかかわるかということは今後の捜査の進展によるわけでございます。現時点においては、申し上げることは差し控えたいと存じます。
○竹内(勝)委員 そこで、捜査の最大のポイントでございますが、これは板野前社長を含めて、料金値下げの問題や保身の問題、あるいは政官界工作、そういったものでの、その動機ですね、それがポイントにあります。したがってこれは、大臣あるいは官僚、こういったものが、その職務権限という面から考えて——私は前委員会におきましても、この料金値下げの問題と、その政界工作に使われたという交際費等の膨大なものが出てきておる、その辺が非常に一致してきておる、こういう面からいきますと、今後の捜査の面において、果たして保身であったのかあるいは料金値下げのための政官界工作、あるいはこれが職務権限という問題に出てくると、おのずとその点が重要なポイントになってきますね。その辺を、今後の捜査でどのように明らかになっていくととらえておるか、それを説明してください。
○漆間説明員 たびたび申し上げるようでございますけれども、捜査が今後どのようになるかという見通しにつきましては、言及することを差し控えさしていただきたいわけでございます。 ただ、申し上げられますことは、ただいま御質問のございましたような点がいわゆるKDD疑惑の重要な部分をなすということは、警視庁でも十分に承知をいたしておりまして、それを踏まえて捜査を進めておりますので、私どもとしてはその結果に期待をいたしておるところでございます。
○竹内(勝)委員 その職務権限という問題に関して、これは参考になりますか、いままでの捜査において。
○漆間説明員 それは具体的な事実の集まった段階で判断すべき事柄だと存じます。現時点では何とも申し上げられません。
○竹内(勝)委員 だから、大変な交際費等がふえてきた、あるいは関係会社から何か物を買ってやった、あるいは物を贈った、こういったものが明るみに出てきたものと料金値下げとの関連、これを最初はかなり積極的に当時の大臣は発言しておりました。ところがその後、ある一時期において、この料金値下げに関してはばたりと後退発言になっていった。これは御承知のとおりです。それが参考になるかどうか、これを聞いているのです。
○漆間説明員 私どもも、そのような事実について報道されていることについてはよく承知をいたしておりまして、関心を持っております。
○竹内(勝)委員 それでは大臣にお伺いしますが、ひとつこの問題、二度とこういうKDD事件を起こさないためにも、会計検査院の検査の対象となるとか、あるいは予算決算の国会での審議に頼るだけ、そういうものではなくして、今後どういう形で——先ほどKDD法という形でいろいろ位置づけていく、こういったものが答弁にありましたが、具体的にどういうような形で持っていこうと考えておるか、その点を明らかにしてください。
○大西国務大臣 KDD法の改正の内容ですか。——いま鋭意準備中でございますので、まだここで確定的なことを御報告する段階に至っておりませんが、方向といたしましては、一つには郵政大臣の監督の強化、たとえば収支予算を認可事項に加えるとか、あるいはまたKDDの経理を会計検査院の検査対象にするとか、そういったような方向で考えておるところでございます。
○竹内(勝)委員 この前予算委員会におきましても問題になりましたが、郵政省として、たとえばパーティー券の問題であるとか商品券その他、どういうふうになっておるのか、その中で何らかの関与があったのではないか、さきの委員会におきましてもそういう質問がございました。その問題に関してどう郵政省として対処しているのか、これは重要な問題でございますので、その点一点だけお伺いしておきたいと思います。
○小山政府委員 第一点のパーティー券のことでございますが、これはきわめて具体的な話として取り上げまして私どもで調査いたしましたが、郵政省として国会議員の方々からパーティー券の紹介、あっせんを頼まれたことはないという調査結果が出ております。したがいまして、関係機関に対して紹介、あっせんをしたような事実はいまの調査では出ておりません。 それから、第二点のKDDとの関連に関しましての接待、贈答、こういったものに関しましては、十一月に省内に点検委員会を設けましてこれの調査をいたしたところであります。これは方法といたしましては各人の申告による調査、申告に従いましてさらに面接調査ということをやったのでございますけれども、現在のところ、世間一般に言われております社会通念上の贈答あるいは接待以上のものは出ていないというのが現状でございます。
○竹内(勝)委員 資料要求をしておきたいと思いますが、郵政省から毎年いろいろ海外出張をしていると思いますが、いつ、だれだれが、何の目的で、どこへ出張したか、ここ三年間の分をお出しいただきたいと思います。いかがでしょうか。これは官房長でいいですか。
○小山政府委員 職員がどんな用命で外国に出張したかということはいわゆる内部の資料でございますし、最近国際会議等も非常に頻繁でありますために、三年間の海外出張者となりますと相当な数に上っておりますことをまず御理解いただきたいと存ずるわけでございます。なお、どんな範囲で、どんな形で御提出するかということにつきましては、先生にいろいろお伺いいたしまして対処したいと存じます。
○竹内(勝)委員 それじゃ、次の問題に移ります。 今後の問題として、放送法の改正を国会提出云云と言われている中で、どういうように考えておるか、これを最初にお伺いしたいと思います。
○平野政府委員 お答え申し上げます。 この国会に放送法の一部改正という形で御提案をしたいということでただいま鋭意努力中でございます。
○竹内(勝)委員 そこで、本日の報道にもあるのでございますが、千葉地裁が成田空港管制塔侵入事件公判の証拠としてNHKのニュースのビデオテープを採用したのにNHKが抗議したこと、これはけしからぬとかどうとかと与党の中でいろいろ論議をしたのではないか、こう考えられますが、こういうことで、たとえば公共放送というものがイコール何らかの形で時の政府なりあるいは権力を握っておるところに国営放送並み、こういうように思われてはこれは大変なことでございますね。その辺の位置づけでございますけれども、報道の自由、公共性とが非常に重要な問題があるわけでございますので、これは今後の裁判の問題、いろいろまた取り上げられていくと考えるわけでございますけれども、こういうことでもしも放送法改正というものに何らかのプレッシャーがかかっていくとなると、これはちょっと重要な問題になってくると思うのです。その辺は憂えるようなことはないのかどうか、その辺をとりあえずお伺いしたいと思います。
○平野政府委員 放送法の改正に直接関係があるとは考えておりません。
○竹内(勝)委員 それでは、公共放送というものは一体どういうものなのか、これをもう一度ここではっきりしておいていただきたい。今後NHKの値上げ問題、いろいろの問題で十分な審議をしていかなければならない問題です。それが何らかの形で影響されていく。たとえばこういう問題でビデオテープ、これはNHKだけではございません、他の民放におきましてもそういったものが証拠品として採用されていく、こういうような形になっていったのでは、今後、報道そのものが目的であるはずのテレビニュースが刑事訴訟の証拠に採用されたことで取材上の制約を招くおそれがあったり、あるいは安全公正な取材、報道の自由、こういったものを損なう、こういう形になってはなりません。幾らNHKが受信料を一様の形で国民からいただいてやっておるという形であるからといって、じゃ、それを国民がどのように使ってもいいのだ、こういうようには私はならないと思うのです。その辺が重要な問題になりますので、公共放送というものの位置づけ、これをもう一度明確にしておいてください。
○平野政府委員 日本放送協会は、先生御承知のように「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」放送法の第七条に示されておるわけでございまして、このように放送法によりまして直接設立をいたされました公共放送機関でございますので、言論報道機関としての政治的中立性を確保するために、役員人事あるいは財務、業務等いずれの分野におきましても、政府から可能な限り独立をした地位を放送法上与えられた特殊法人であるというふうに考えております。
○竹内(勝)委員 それじゃ、この千葉地裁の今回の件ですね、NHKニュースあるいは民放のものも証拠として持っておる、こういう形でこういうものを採用していったという問題に郵政省としてどう見解を持ってますか。
○大西国務大臣 千葉地裁の証拠採用の問題は、これは独立機関である裁判所の行為でございますから、この問題について私どもがとやかく申し上げることは差し控えたいと思います。
○竹内(勝)委員 これは報道の自由あるいは取材権の自由あるいは公正安全な取材、そういった面から考えて、大臣、あなた自身こういった問題をどう考えていますか。
○大西国務大臣 一般的な問題としては、私は報道の自由という問題とこの問題とは次元の違う問題ではないかというふうに感じております。
○竹内(勝)委員 それではこの問題はまた論議をしていきたいと思いますが、余り時間がありませんので、次の問題に移ります。 今回、一連の郵便料金の値上げ、こういう問題で先ほど大臣の表明もございましたけれども、封書及びはがき、それから第三種郵便物、この問題で結構でございますので、値上げの根拠をまず示してください。 〔委員長退席、武部委員長代理着席〕
○大西国務大臣 郵便料値上げの根拠というお話でございますが、郵便事業財政は昭和四十八年のいわゆる石油危機に端を発しました異常な経済情勢の中で、多額の赤字を抱えたわけでございます。これに対しまして、五十一年の一月にようやく料金の改定をしたわけでありますが、これによりましても十分な解消をするには至りませんで、五十四年度におきまして約五百億円の収入不足が予定をされておりまして、五十四年度つまり本年度末における累積赤字は二千四百億円を超えるものと見込まれております。これは石油ショック当時の累積赤字に匹敵をしておるわけでありますが、郵政省としましても従来から事業運営の合理化を図ってまいったところでございますけれども、郵便事業は何分にも人件費的経費、人件費的と申しますのは、直接の人件費は約七〇・五%ぐらいでございまして、これにアルバイトその他のもの一七・七%を加えまして約九〇%、支出の中で約九〇%を占める労働集約性の高い事業でございますために、合理化と申しましてもそれにはおのずから限界がございます。この事業は、本来的に賃金コストの上昇に弱い体質を持っておるわけでございます。もとより事業運営の効率化とか合理化に努めまして経費の増大を抑制すべきことは当然のことだと思うのでございますが、賃金は依然として上昇しておるのでありまして、経費が増大していく傾向は避け得ないことでございます。このまま推移をいたしますと五十五年度、来年度以降も収支の格差はますます拡大をいたしまして、累積赤字は増大の一途をたどるものと言わざるを得ません。 こうした中で、昨年の十月、郵政審議会に対して郵便事業財政を改善する方策につきまして諮問をいたしたわけでありますが、同年の十二月、封書六十円、はがき四十円を骨子として五十五年の七月から料金改定を行うことはやむを得ない、こういう答申を得たわけでございます。 郵政省といたしましては、この答申の趣旨を尊重いたしますとともに、物価や国民生活への影響といったことも配慮の中に入れまして、答申に示されておる七月ではなくて、これを十月に延期をしたいと考えております。そして、そのほか郵便書簡、ミニレターというのがございますが、この料金は五十円に据え置く、そしてまたはがきの料金も六カ月間は答申の四十円ではなくて三十円とすることにいたしまして、所要の料金改定を行って、そして窮迫をしております現在の事業財政の立て直しを図ることにしておるわけでございます。
○竹内(勝)委員 いま合理化努力ということで御説明がございましたが、大臣これは御存じですか。 機械化とか人員節減効果、こういったものでどういうふうに出てきているかといいますと、むしろ定員はふえてますね。そして定員一人当たりの郵便物数は、四十九年度以降はほぼ横ばいで減った年さえあるわけですよ。したがって、定員一人当たりの扱う量というものは変わってないのです。合理化にはなっていないのですね。そこへきて、今後はがきが、とりあえずは三十円でございますけれども、あと六カ月たつと四十円、倍になっていくわけですね。こういう面から見ても、いままでこれが封書離れで、むしろ安くしかも書きやすくということではがきの方に相当な比重がありますですね。それがここで一挙に倍になっていく。いままでは、はがきの料金というのは大体封書の料金の半額以下に抑えられていました。これが今後四十円になったときには、封書料金の七割近いものがはがき料金になるわけですね。そうすると、いまこれだけ電話等のこういう通信が発達しており、そういう中ではがき離れというふうになってきては、せっかくの財政という面から考えてみても、この根拠ではかえって余りいい結果にはならないのではないか、こういうように考えるのですけれども、郵政省としてのお考えはどうですか。
○江上政府委員 第一番目の御指摘の職員の能率の件でございますが、昭和四十五年を基準にとりました場合には、五十五年度まで一人当たりの処理量というものは一五%程度上がっております。なお、四十年を基準にいたしました場合には二七%程度上がっておりますので、各種の合理化とともに職員にもそれなりの協力をしてもらっているというふうに存じているわけでございます。 なお、はがきの料金についてでございますが、先生御案内のとおり、一通当たりの手間というものは、はがきでございましてもあるいはまた手紙でございましても、さほどに変わるものではございません。なお、世界的に見まして、はがきが手紙の半分以下の料金であるというのはないわけでございますので、そこらにつきましてぜひひとつ御理解を賜りたいというふうに思っているわけでございます。
○竹内(勝)委員 第三種郵便料金を現行からどの程度まで値上げしよう、こう考えておりますか。
○江上政府委員 第三種いろいろございますが、毎月三回以上発行する新聞紙につきましては、現行五十グラムまで十五円のものを三十五円、五十グラムを超えますものにつきましては、五十グラムごとに従来二円増でありましたものを五円増にいたしたいと思っております。 なお、その他のものでございますが、現在五十グラムまで二十五円のものを、改正によりまして五十グラムまで四十五円、その後五十グラムを超えますものにつきましては、従来五十グラムごとに四円増でございましたものを五円増にいたしたいというふうに存じております。 なおその他、心身障害者団体の発行する定期刊行物がございますが、これにつきましては、毎月三回以上発行する新聞紙につきましては、従来五十グラムまで六円でございましたものを十円にいたしたいというふうに存じております。
○竹内(勝)委員 いまの御説明の中で、一挙に十五円から三十五円、これはきわめて大幅ですね。二三〇%強。第三種郵便物の中には非常に公共性を有する専門新聞等が含まれておる。これが企業PRを主体にしたものであるとかダイレクトメール、こういったもの等と混同視しては、これはちょっと……。政治、経済、文化その他公共的な事項を報道するもので、これはほとんどが郵送に頼っていますね。しかも地域別の区分あるいは局内持ち込みと、郵政業務を代行しているという形もございますよね。そういったものがこれだけの値上げでは、これは打撃は相当多いと思うのですよ。このようなものは、そういった当事者の意見というものをよく聞いた上で再考しなければならない、こう考えますが、見解いかがですか。
○江上政府委員 第三種郵便物の料金につきましては、先生御案内のように従来から低料金に設定をされておりまして、このことは郵便事業財政悪化の一つの原因になっていることも事実でございます。そのために生じます赤字が結局第一種郵便物等他の郵便物の料金にしわ寄せをさせられているという実情もございます。このような事情から、昨年十二月の郵政審議会の答申におきまして、第三種郵便物の料金のあり方につきまして「第三種郵便物全体としては、少なくともそれを取り扱う直接の経費を償うことを目安として料金を設定すべきである。」という考え方が示されたところでございます。省といたしましては、現下の事業財政にかんがみまして、郵政審議会の御意見に沿いまして、第三種郵便物の料金を適正な水準に改めたいというふうに考えておりますので、何分御了承をちょうだいをいたしたいというふうに存じます。
○竹内(勝)委員 ちょっとこれは了承できないものでございますけれども、時間でございますので、もう一点だけ御質問させていただいて終わりたいと思います。 年賀状に関して、これは需要は年々ふえておる、そして郵政省としては大きな収入源ですよね。しかし、これは本来の通信というものとちょっと違うのですよ。これはやはり儀礼的なものも含めて、そのときの心というものをあらわした、正月に年賀状をお互いに交換するという一つの違った面があるのですよね。これを同じような形で財政の上から値上げということで考えておったのでは、これはちょっと趣旨が違うのではないかと思います。そこで、年賀状だけは据え置くとか、あるいはこれだけどんどんふえてきておるのですからむしろ値下げするとか、そういうぐらいのユニークな考えを持っていいのじゃないか、こう思いますが、その御答弁をお願いして、終わりたいと思います。
○江上政府委員 ただいま国会に審議をお願いをしております郵便法等の一部を改正する法律案につきましては、はがきにつきまして新しい料金を三十円というふうにお願いをいたしております。年賀状につきましても、これが御審議をいただきまして御承認をちょうだいいたしました後におきましては、同じ料金にいたしたいというふうに考えております。
○竹内(勝)委員 いまの意見を参考にするのかどうか、ただお願いしたいじゃなくて。ちょっとそれだけ答えてください。それでなければ終われない。
○江上政府委員 第一種、第二種郵便物につきましては、法律で決められておる料金でございますので、現在一応政府の案といたしましては確定をいたしまして、国会に御審議をお願いをいたしております。第三種以下につきましては、これは現在省令で定められることになっておりますので、別途郵政審議会に諮問をいたしまして新しい料金を定めるということになろうかと存じますが、いずれにいたしましても、各先生方の御意見、御指導もちょうだいいたしながら諮問をさせていただくということになろうかと存じますけれども、現在の段階では、郵政省といたしましては、先ほど申し上げましたような線で決定をさせていただきたいというふうに存じております。
○竹内(勝)委員 終わります。
○武部委員長代理 次に、則武真一君。
○則武委員 私は、いま大きな問題になっておりますKDD事件について質問をさせていただきたいというふうに思います。 御案内のように、この事件は貴金属密輸事件に端を発して、いまや与党や一部野党議員、さらに高級官僚を巻き込む一大事件に発展をしておるというふうに伝えられております。国民はこのような金権腐敗政治に対して大変な怒りを持って国会を注目しているわけであります。 今回の不正事件にKDDの首脳が巨額の交際費の一部分を私物化していたということが明るみに出てきましたけれども、この事件は、単にこういった業務上の横領というようなものじゃないというふうに思います。社命で、しかも半ば公然と、しかも継続的に密輸が行われていた。しかもその密輸の結果は、政界や官界にそれがばらまかれていた、多額の商品券が政治家や郵政官僚に贈られていた、こういうことが明らかになりつつあるわけであります。こういう常識外れの金品がばらまかれたことに対して、一体だれだれの政治家にそれが渡ったのか、どういう官僚にばらまかれたのか、その真相は一体どうなのか、ここのところが一番いま国民の関心であろうかというふうに思います。そういう点で、この事件を起こしたKDDに対して監督官庁という立場にある郵政省の責任はきわめて重大だと私は思うのであります。朝の大臣の所信表明にもありましたけれども、郵政大臣は、このKDD事件に対して、監督官庁としての責任をどう受けとめておられるのか、まずこの点の基本姿勢を明確にしていただきたい、こういうふうに思います。
○大西国務大臣 たびたび申し上げておりますが、このような事件が起こりましたことはまことに遺憾にたえないところでございます。でございますので、再びこういう事件が起こってはなりません。 そういう意味におきまして、まず第一には、何と申しましてもこれは経営者の経営姿勢にその大きな原因があると思います。でございますから、KDDの内部において経営者の姿勢を正していただきたい。幸いにいたしまして、御承知のように最近首脳陣がかわりましたので、この首脳陣がKDDの立て直しに対して非常な熱意と覚悟を持っておられると私は存じております。この新首脳に対して大きな期待をかけておるわけでございます。 一方におきましては、KDDがそういうきわめて公益性の高い国際電気通信事業を行っておるわけでございますから、そういう意味において、株式会社でありながら郵政大臣に監督権が与えられておるわけでございます。その監督権のあり方を洗い直し、見直した上で、新たに郵政大臣の監督につきましてもさらに現行以上のものを考えるべきではないか、そしてまた、KDDの経理につきましても会計検査院の検査対象にすべきではないだろうかということで、こういった方向でKDD法の改正の準備作業をいま鋭意進めておるところでございます。 〔武部委員長代理退席、委員長着席〕 そういうふうな措置と相まって、将来こういった問題が起こらないように、さらに監督等につきまして鋭意実効をあらわしていくように努めてまいりたいと思っております。
○則武委員 それじゃ当然、大臣としてこの事件の内容についていろいろと聞いておられるということですね。つまり、どういう事件であったかということが明らかにならないと、打つ手も出てこないだろうと思うのです。たとえばKDDが経営刷新委員会というのを設けて週に一回会合を開いておる。これはちゃんと文書で郵政省に報告をしておるというふうに伺っておりますけれども、この毎週一回のKDDの刷新委員会の報告、詳細を郵政大臣はちゃんと聴取されていらっしゃいますか。
○大西国務大臣 これまでも大筋については報告を聞いてきております。
○則武委員 聞いていらっしゃるなら、どういう事件だったのか。私は冒頭で、単なる業務上横領というふうなものや密輸じゃないというふうに、この事件の性質といいますか、いろいろ内容について申し上げたのですが、大臣はこの事件はどういう性質の事件だとお考えですか。
○大西国務大臣 お答えをいたします。 御承知のように、私どもは捜査機関ではもちろんございませんが、KDDの立て直しに必要な限度においてこの問題の把握を当然すべきであると思いますが、そのことは、捜査機関が目的とするところと監督機関である行政機関たる私どもにおいて目的とすべきところとは、おのずから相違があろうかと思います。 そういう観点に立って、私としては、これは要するに経営者の経営姿勢の問題であるということがまず大きな原因だと考えております。そこで、そういう経営者が非常に乱脈な経理を行ったということが今日のいわゆるKDDをめぐる問題を発生した原因だと考えております。ですから、それを直していくということが私どもに課せられた問題であるというふうに考えておりまして、そのことについては、もうすでに新陣容についても、新しい首脳につきましても交代が実現できたわけでございます。その新首脳のもとにおいて内部における組織とか、あるいは監査の態様とか、いろいろそういうことを考えておるようでございますから、それを実現をしていただきたい、こう思っておるところでございます。 事件の内容についてはいま司直の手で解明をされておりますから、私どもそれを見守っておる、こういうことでございます。
○則武委員 結局、大臣のおっしゃるのは、この事件の真相の解明は司直がやっておるからよく知らぬ、しかし、経営姿勢を正したり監督を強化するというような対策は決まったというようにとれるのですけれども、事件の真相を解明しないで対策が決まるのですか。そこら辺をちょっとお聞きしたい。
○大西国務大臣 いまも申し上げましたように、事件そのものの解明ということは捜査機関がやっておられることでございます。これは犯罪の解明でございますから、その目的とされるところは、私どもの考えているKDD立て直しの目的とするところとはおのずから相違があろうかと思います。そこまでわれわれが入っていくことは能力上もできないし、また許されないことだと思います。そのことよりも、KDDの立て直しは一日も早くしなければなりませんから、KDDがこういうふうな事件を起こしたその内容というものについて、われわれがつかみ得る限度において、原因は先ほど申し上げたところにあると考えますので、その原因に立脚をして立て直しを早くやりたい、こう考えておるところであります。
○則武委員 どうもちょっとかみ合わないのです。私は、刑事事件として警察がこれを調べられるということとイコールとは思わないけれども、事件の全貌なり事件の問題点なり特徴をしっかりつかまれないならば、いかにあなたがきょうの所信表明で「監督規制のあり方を含め、今後とも適切に対処する」というふうにおっしゃっても、事実そのものが不明確な状態で、とりあえず手を打つという意味ならわかりますけれども、本格的な対策はやはり立たないだろうというふうに思うのです。 そういう意味で、私は、監督官庁として自分の監督するKDDが起こした事件の内容をつかまれることは司直の捜査に支障があるというふうな性質のものでもさらさらないし、私は、もっと的確におつかみいただいて、郵政省なりにつかんでいる事件の全貌を国民と国会の前に明らかにすべきだ、こういうように思うのですけれども、再度お伺いしておきます。
○大西国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、KDD自身にいたしましても私どもにいたしましても、捜査機関のような権力は持っておりません。したがいまして、それにはおのずから能力がございます。能力の及ぶ範囲内においては極力原因の把握に努めてまいったところでございますけれども、それ以上のことは捜査機関の御努力にまつ以外にはございません。そこで、私どもとしては、その能力の及ぶ範囲において、そしてまたKDDの立て直しという目的の範囲において必要なものが把握ができれば、それに立って立て直しを図るということは可能であると考えております。そうしてそのことは、要するに経営者の経営姿勢にあったということでありまして、経営者がしっかりしておればこんなことは起こらなかった問題だと思うのでございます。
○則武委員 堂々めぐりですから次へ移ります。 具体的な問題を一、二お聞きしたいと思いますが、電気通信監理官室というのがありますね。この電気通信監理官室の職務権限というのは、国際電電株式会社法に基づく監督として、KDDの定款や事業計画、利益金の処分、役員の選任及び解任等々たくさんの許認可権を持っているというふうに伺っております。また、公衆電気通信法に基づく監督として、国際公衆電話通信業務に関する協定の締結などの許認可権をも持っているというふうに聞いております。つまり電監室というのは、KDDを監督するという上で非常に強大な職務権限を有するというふうに思うわけであります。 そこで、一体どれぐらいこの電監室の関係でKDDに対して、KDD法や公衆電気通信法、有線法等で許認可をやっていらっしゃるか。ざっとでよろしいが、事件との関連で五十一年度、五十二年度、五十三年度、五十四年度はいま二月末ぐらいまででいいのですが、各年度ごとにどれぐらいの許認可をKDDに対して郵政省は出していらっしゃるのか、ここのところをちょっと数字をまず挙げてみてください。
○寺島政府委員 ただいまお話しのように、郵政省が許認可権を持っておりますのは、具体的な法律に基づきまして権能が与えられているわけでございます。 そこで、ただいま御質問のございました件数でございますが、五十一年度から年度別に申し上げますと、五十一年度におきましては、いわゆるKDD法によりますものが四件、公衆電気通信法によりますものが八十三件、有線電気通信法によりますものが一件、計八十八件でございます。五十二年度におきましては、KDD法によりますものが七件、公衆電気通信法によりますものが九十五件、合計百二件でございます。五十三年度におきましては、KDD法によりますものが七件、公衆電気通信法によりますものが八十五件、計九十二件でございます。五十四年度におきましては、ただいま年度途中でございますが、二月末までの数字といたしまして、KDD法によりますものが四件、公衆法によりますものが四十九件、有線法によりますものが一件、計五十四件、以上でございます。
○則武委員 そうすると、こういう許認可の仕事というのはどうなんですか。中身を少しお聞きをしたいのですが、KDDの定款とか事業計画、利益金の処分等は企画係でやっておられる。それからまた、国際通信回線の設定や提供条件及び料金改定等は会社係、それから特定通信回線と公衆通信回線の相互接続等はデータ通信係というふうにいろいろな係に分かれておるようでありますけれども、そのほか電監室の技術係とか有線係というふうなところもKDDに関係しているのではないかというふうに思いますが、そういったいま私が五つほど係を申し上げましたけれども、その係のKDDの許認可についてちょっとさらにお聞かせいただきたいというふうに思います。
○寺島政府委員 御案内のとおり、電気通信監理官室と申しますのは、電気通信監理官というものが二人そういう職が置かれておりまして、その下に電気通信参事官というのが五人おりまして、これはほかの局なんかの場合のように、どの課ではどういう仕事を扱うという形にはなっておらないわけでございまして、そのときの仕事の状況によりまして多少動くことはございます。 そういうことを前提にいたしまして、ただいまお尋ねのそれぞれの係別に先ほど申し上げました数字を割り振るとどうなるかというお尋ねかと存じますので、お答え申し上げますと、五十一年度におきましては、企画におきまして四件、会社係におきまして八十件、データ係におきまして三件、有線係におきまして一件、計八十八件でございます。五十二年度におきましては、企画係が担当いたしましたものが七件、会社係で八十四件、データで八件、技術で三件、計百二件でございます。五十三年度におきましては、企画で七件、会社係で七十六件、データ通信係で九件、計九十二件でございます。五十四年度におきましては、企画係で四件、会社係で三十八件、データ通信係で十一件、有線係で一件、計五十四件、以上のとおりでございます。
○則武委員 そうしますと、電波監理局の方にちょっと関連してお聞きしたいのですが、電波法に基づくKDD関係の無線局の許認可件数は何件ありますか。
○平野政府委員 お答え申します。 KDDに対します無線局の許認可件数でございますが、免許、再免許並びに周波数等の変更の許可でございます。五十一年は二十五件、昭和五十二年は二十三件、昭和五十三年は三十三件、五十四年は二月末までに一件、合計八十二件でございます。
○則武委員 数字を大体聞かしていただいたのですけれども、これをずっと足しますと、大変な許認可の数だというふうに思うのです。全部足すと、電監室関係で三百三十六件、電波監理局で八十二件ということですから、これを合わせると四百十八件ということになりますね。毎日一件ずつ出るというふうな性質のものじゃないと思いますけれども、三百六十五日で割っても一日に一件ないし二件以上のテンポでおたくの方ではKDDの許認可の判こを押していらっしゃる、こういうふうな実態だと思うのですが、これは大変なつながりだ。毎日KDDの方が郵政省に来ない日はないというような関係だろうと思うのですが、一体、このKDDの許認可という仕事は、事前審査とか事前の打合会議とか、そういうことがやられていますか。
○寺島政府委員 認可に当たりましてどういうやり方をしておるかというお話でございますが、認可と申しましても、先ほどお答えいたしましたように相当の件数がございます。したがって、その中には、その中身の軽重と申しますか、いろいろ性質の異なるものがございます。したがいまして一概にはお答えいたしかねる次第でございますけれども、通常の場合に、認可がいきなり出てくるというケースもないわけではございませんけれども、事前に一種のネゴシエーションと申しますか、事前の打ち合わせがあって調整が行われて出てくるというケースもございます。
○則武委員 KDDと郵政省の審査をめぐる打合会議や審査のための会議は、郵政省の中で行われるのですか。昼ですか、夜ですか。
○寺島政府委員 もちろん私どもの事務室で行われております。ただ、昼か夜かというお尋ねでございますが、できるだけ昼間で済ませたいと考えておりますが、夜間に至る場合もしばしばあるかと思います。
○則武委員 昨年の十一月に、郵政省は小山官房長を委員長とする綱紀点検委員会というものをおつくりになったというふうに伺っております。十一月十二日から十二月二十日の間に、KDDから贈答を受けた者やKDDから飲食のもてなしを受けた者などを明らかにするため関係者から聞き取り調査を行った、こういうふうに伺っておるのです。官房長が委員長ですから御本人にお聞きした方がいいと思いますが、聞き取り調査を行った対象の部局名と、その部局のどんな役職がそこへ出てきたかを、一部始終じゃなくていいですけれども、ざっと明らかにしていただきたいというふうに思います。
○小山政府委員 電気通信監理官室の係長以上、電波監理局の課長以上、官房の課長補佐以上でございますが、なお、官房には組織上資材部、建築部、首席監察官室というのがございますが、これは直接KDDに関係ございませんので、これは除いてあります。
○則武委員 そこで、そういう方を調べようということは、あらかじめそういう方が常々もう衆目の見るところKDDからいろいろ贈り物をもらっていらっしゃるということが周知の事実だからそういうところを選ばれたのですか、全郵政省の職員を調査してそういう結果が出たのですか。
○小山政府委員 職務上KDDと接触があるのではないかということを推定いたしまして選んだわけでございます。
○則武委員 そうすると、ぴたりと接触があったと、こういうことですか。
○小山政府委員 職務上の接触は当然それぞれの職務権限の中であると推定したのでございますから、接触はあります。
○則武委員 そうすると、今度は中身をお聞きしなければならなくなるのですが、その前にちょっと一つ確認しておきます。 この郵政省の中での聞き取り調査を中心にした綱紀点検委員会の聞き取り調査というのは、先ほど大臣、調査は司直がやるんだというふうにおっしゃっていらっしゃったけれども、郵政省なりにちゃんとやっていらっしゃるのですね。これは基本的には終了したのですか、どうですか。——ちょっと大臣に。
○大西国務大臣 この点検委員会というのは私が就任してからできたものでございます。そこで、郵政省内部において調べられることについては調べよということで始めたわけでございます。内容についてはいま官房長から御報告をいたしましたが、一応終了いたしておるところでございます。
○則武委員 それでは調査がほぼ終了されておる、一応終了というふうにお伺いしましたが、そこで調査の内容をお聞きしたいと思います。 KDDから中元とかお歳暮とか海外出張のおみやげとかを贈られた人の延べ人数は一体どれぐらいになるのか。それからついでに、その贈り物の値段は、一件当たりどれぐらいのものが一番高くて、どれぐらいのものが一番安いのか、数が多いからそういう一つの見当でいいと思いますが。また、たとえばどういう物なのか。ウイスキーだとか高級舶来のワイシャツだとか、いろいろあるのではないかと思いますが、そういうことについてひとつ明確にしていただきたいと思います。
○小山政府委員 五十三年七月以降調査時まででは、贈り物を受け取った者は六十八名おります。また海外出張のみやげというのが七名おります。 内容でございますが、値段をということでございますが、これはなかなか明確になりませんが、内容は洋酒、かん詰め、ワイシャツ、それからコーヒーセットというのがございます。 以上でございます。
○則武委員 そうすると、六十八人と七人ですから七十五人の人が中元、歳暮、海外出張のおみやげ等を受け取っていらっしゃったということであります。しかし洋酒といいましてもピンからキリまであるわけでありますが、値段はわからないということでありますが、ぜひよくもつと調べていただきたいと思います。 もう一つお聞きしますが、それでは飲食のもてなしを受けた人はどれぐらいいらっしゃったのか、それから飲食のもてなしを受けた場所は、まあそれはいろいろあるかもしれませんが、どういう料理屋だったのか、そこで受けたもてなしの飲食はどの程度の水準のものであったのか。関連して、この一部の報道でも載っておりましたから聞いておきますが、そういう飲食のもてなしにはいわゆる歌舞音曲がくっつくようなそういう性質のものなのかどうか、そこも含めてひとつお答えをいただきたいと思います。
○小山政府委員 最初に、先ほどの贈り物を受けた者と申しますのは、延べ六十八人でございますことを申し添えておきます。 なお、KDDとの会合でいたしましたのは、合計同期間で六十一名となっております。場所はレストラン、会館、一部料亭等がございますが、具体的な名前につきましては御容赦願いたいと存じます。
○則武委員 官房長じゃなくて大臣の方からお伺いします。 大臣はえりを正してばっちり対策を立てると言いながら、どういう料亭で一杯呼ばれたかは言えないというようなお答えではとうてい納得できません。これはみんな国民がいま聞いておるわけですから、ぜひひとつ赤坂の〇〇という料亭であったとか、そういうことも具体的に明らかにしていただきたい。それから、どういう程度の酒食の内容か、歌舞音曲がついたかつかぬかというかなり具体的な質問を私はしているんですから、大臣の方から、いまの足らぬ点も含めて責任ある御答弁をお願いいたします。
○大西国務大臣 これも私の聞いておる範囲におきましては、いわゆる世間に言う過度にわたる飲食をしておるというものではない、こういうふうに聞いております。要するに贈答等にしましても、それからいまの会食等にしましても、いわゆる社会通念上、社会的な儀礼といいますか、そういうことで考えられる範囲のものであったというふうに聞いておるわけでありますので、これを一一、場所とかだれだとかいったようなことを申し上げることはお許しを願いたいと思います。と申しますのは、そのことによって何か問題があるように憶測を生むようなことになりますと、それらの人に対する名誉にも関することでございますので、この際、そのことはお許しをいただきたいと思います。
○則武委員 許すわけにはまいりません。過度のものではない、社会的な儀礼的なものだといまおっしゃるけれども、先ほどからお聞きしたように年間四百件を超える許認可の判こを押していらっしゃる監督官庁が、日常的に料理屋で、過度なものであるかないかは別として、KDDの接待を受けているというようなことは、これは断じて承認することはできません。そういう意味で、本当にえりを正すならば内容をやはり明らかにされるべきじゃないか。当然のことだと思うのですね。重ねてひとつ大臣の御答弁をお願いします。
○大西国務大臣 こちらからも重ねてお許しを願いたいと思います。
○則武委員 そういうことでは、とうてい午前中の大臣の所信表明の監督官庁として反省をしておるということにはなっていない。私はやはり言葉だけの空手形じゃないかという懸念がしてならないわけであります。 そこで、郵政省では「綱紀の粛正について」という通達を昨年十一月十六日に出していらっしゃいますけれども、その中で「最近、郵政省所管の特殊法人の業務運営に関連し、著しく国民の疑惑を招来するに至っていることは誠に遺憾である。職員は国民全体の奉仕者としての自覚のもと、厳正な規律を保持し、もって職務執行の公正を期さねばならないことは当然のことであり、このような疑惑を招くことがあってはならないところである。」こういうふうに述べていらっしゃるのですね。そうして、そこでは次の四点について注意をしなさいみたいなことになって、その一つに「管理、監督の地位にある者は率先、自らの姿勢を正すとともに、部下職員の規律の保持、綱紀の維持に平素から意を用い適切な措置を講ずること。」こういうふうに郵政省の通達「綱紀粛正について」は述べておるわけであります。 このKDDの不正事件について、監督官庁である郵政省がこういう通達を出し、えりを正そうと言っておるのに、どこで一杯飲んだかも言えないというふうな、どういう中身の接待を受けたか言えない、これはやはり重大だと思うのですよ。ひとつなぜ御容赦を願いたいというふうに大臣がおっしゃるのか、その御容赦を願いたいということによって事態がどうなるのか、ここのところをもう一回ひとつお答えいただきたいと思います。
○大西国務大臣 いまお示しになりましたその通達は、従来社会通念上儀礼的な社交に属するものだとして許されておった程度のものであっても、これからはそういうことではいけない、今後はそういった従来の通念上は許されると考えられるようなものについても自粛をしなさいという趣旨でございます。同時に、そのことは関係のKDDその他へもそういうふうな通達をいたしまして、そっちの方もそんなことをしないようにしてもらいたいということを出したわけでございます。それはそういう趣旨でございます。 それから、その内容をどうしてここで言えないかということでございますが、社会通念上その時期においては許されておったようなことについて、ここでそういったことについての人名その他についてお話を申し上げますことは、その人については何か問題があったのではないかというふうな憶測が生まれるおそれがありますので、そのことはお許しをいただきたい、こう申しておるのであります。
○則武委員 問題があるように見られるのじゃなくて、大問題があるわけですよ。許認可権を行使する、年間四百件もKDDに対して判こを押す役人が、贈り物はもらうわ、料理屋へ行くわ、そしてその中身は言えない、それは常識的な儀礼的な範囲だ、こんなばかな話はないと思うのですよ。大問題だと私は思う。 そこで、それじゃ法務省にちょっとお伺いいたしますけれども、中元とかお歳暮などが、社交的儀礼としての贈り物が職務に関してなされた場合には、刑法上の収賄罪として罰せられた判例があるんじゃないかと思うのですけれども、いかがでしょう。
○根來説明員 初めにお断りしなければならないわけでございますけれども、いままでの御議論を聞いておりますと、具体的な飲食とかあるいは物品の贈答ということが問題になっておるわけでございますが、私がここでいろいろ判例を御紹介いたしますと、ただいま問題になっておる事件がすなわち賄賂だというふうな判断をされると私の真意に沿いませんので、その辺お断りいたすわけでございますが、お説のように、名目は中元、歳暮、せんべつあるいは病気見舞い、あるいは海外の出張の際のせんべつというものでありましても、それが職務の対価になる場合は賄賂罪が成立するという判例はございます。
○則武委員 なかなか用意周到な答弁をいただいたのですが、私ここへ戦前戦後の特徴的な判例を持っておりますから、ちょっと読んでみます。 東京都の某区役所の教育課の学務係長が小学校建設促進に尽力したお礼として、同建設促進委員長から五千円の記念品料名のもとに、しかも区議会副議長室において公然と上司を介して受領した事例について、これを賄賂と断じた最高裁昭和三十年六月二十二日判決。大分県某町において、助役、収入役が、就任に当たり町議会の承認を得たことに対する謝礼の趣旨で、議員全員を別府温泉に招待し、帰路、みやげ代として、助役、収入役連名で、各議員にそれぞれ一万円ずつを贈与した事案につき、これが福岡高等裁判所で有罪というふうになっておるようであります。 戦前の判例は、国家公務員、当時は官吏でしょうが、もっと厳しく、社交的贈与と賄賂という点については、中元、歳暮など社交的儀礼としての贈り物と賄賂との限界をどのように理解すべきであろうかという判例の態度として、判例の多くは、贈り物が職務に関してなされる限り、すべて賄賂となるのであって、社交的儀礼としての贈り物という問題は提起される余地がないと、大審院判例等がたくさん出ておるわけであります。 だから、常識程度だとか儀礼的だとか、おつき合いとかいうふうな言葉でどんどんエスカレートして、もらうのがあたりまえみたいになっておるようでありますけれども、私はやはり戦前戦後の公務員に対するこういった判例を見ましても、全体の奉仕者である公務員が、その額の大小にかかわらず職務権限に関連して相手から酒食の供応を受けたり、盆暮れのつけ届けを受けるということは問題なんだということが法律上もはっきりしているのじゃないか、こういうふうに思うのです。 重ねてひとつ法務省の方にお聞きしますけれども、これだけ許認可権がたくさんあり、そしてそこの許認可の係長とか課長以上が一斉にこういうふうにもらったり酒食の供応を受けているということについて、これが贈収賄にならないのかどうか。私はなると思うのですけれども、お聞きしたいと思います。
○根來説明員 いつも同じようなことを申し上げて恐縮でございますけれども、具体的案件について私どもいろいろ判断を申し上げることは差し控えたい、こういうふうに思います。
○則武委員 それじゃひとつ事実をお聞きしたいと思うのですが、私が調査をしたところによりますと、五十四年七月七日ごろというふうに申し上げておきたいと思いますが、三越デパートの商品券、券面の金額は一万円、四枚、合計四万円の商品券が郵政省のある電気通信監理官に中元として贈られておる、こういう調査を私はしております。私はこれはやはり明らかに、四万円の商品券をKDDが電気通信監理官に届けるということは賄賂ではないかというふうに思うのです。法務省は判断を避けましたから、警察庁の方へ。こういう電気通信監理官の場合はどうなのかということをお聞きします。
○漆間説明員 基本的には法務省の立場と私どもの立場と、事この事柄に関しては同じでございますので、具体的なケースについての判断を申し述べることは差し控えたいと思います。
○則武委員 それでは警察庁に重ねてお聞きしますけれども、いまの事実を警察庁は調査をされていますか。
○漆間説明員 御承知のように警察庁自身は捜査する機関ではございませんので、仮にあれすれば警視庁はということだと思いますが、このような具体的な事柄にしぼってはお答えしかねますけれども、一般的に言えば、先ほど来申し上げておりますように、KDD疑惑の解明に当たるということについて警視庁が考えている内容というのは、この事柄にかかわりのある金の流れと物の流れを解明するということで実は捜査に当たっているわけでございます。その流れを解明する過程の中で、いやしくも刑事責任を問うべき事柄が出てくれば、その事柄の態様に応じて厳正に対処するというのが警察の基本的なスタンスでございます。そのことで御了解していただきたい。
○則武委員 つまり、郵政省のKDDに対する許認可権を持った課長なり係長以上の方々が、こういう状態で相当広範に業務上の接触を通じて金品の受け取りがあるということについていま論議をしておるわけですが、こういう事実は警察庁としては目をつぶるのですか、それともそういうことも含めて、官界に対するKDDの贈り物商法がどういうふうに手を伸ばしていたかということを贈収賄の事件として調査をなさるのですか。その点を明確にしていただきたいと思います。
○漆間説明員 先ほども金の流れ、物の流れを解明すると申し上げているわけでございますから、そのような事実が存在するとすれば、その流れの中の一つとして私は当然把握できるものと考えております。
○則武委員 もう一つ重ねてお聞きしますが、私がさっき調査をした一つの事実を提供しましたが、電気通信監理官は実務的にはKDDに対する監督権限の最高責任者だろうと思います。そういうところへお盆に四万円の商品券を贈るということは調査の対象になりますか、なりませんか。
○漆間説明員 ですから、そういう具体的な事柄について捜査をするかしないかということについては、御遠慮したいということを再三申し上げているわけでございます。
○則武委員 調査をしておるかしていないかは言えない、そういうことですか。——私は、そういうことを一つ一つ調査をしていかないとKDDと官界のつながりは解明できない、とうてい常識的なレベルとかつき合いの範囲だとかいうふうな言葉で看過できない重大な事件だろうと思います。特に郵政省の中には綱紀点検委員会が設けられて、百十人の方々が贈り物を受けたあるいは飲食のもてなしを受けた、こういうことが明らかになってきたわけでありまして、こういった問題を含めて、郵政省の内部調査でももう贈り物をもらったということが出ているんですから、警察庁に対してもお願いをいたしますが、早急にこういった問題を刑事事件として追及をされるべきじゃなかろうか、こういうふうに私は思うわけであります。特に重ねて申し上げますが、どうも社会的儀礼の範囲というような美名をこの際徹底的に返上していただいて、本当に綱紀を粛正していただかなければ、KDDの事件から正しい意味で教訓を学ぶということはできないというふうに私は思うわけであります。特にKDDの許認可権が四百十八件というような非常に膨大な許認可権で郵政省とつながっている。ここにやはりKDDと郵政省のつながりというものがあるわけです。一つ一つの贈り物の単価とか、あれが常識的ということには決してならない、判例に照らしても賄賂であるということはもうずいぶん明らかになっておるわけでありますから、そういう点でぜひとも徹底的な調査をお願いいたしたいというふうに私は思います。 特にきょうは逓信委員会が久々に開かれて、われわれ共産党は一貫して、この事件の真相を握っているKDDの前社長の板野さんを初め佐藤社長室長、さらに自殺をなさいましたけれども保田参与の三人を証人として国会に呼んでほしいということをお願いしてきたわけであります。今日、この証人喚問が自民党が反対なさるということでいまだに実現をしていないということは私は非常に残念でなりません。そういう点で、ぜひともひとつ事件の真相解明を本当にこの国会が国民に責任を持ってやるためにも、引き続いて委員長に板野前社長等の証人喚問をぜひお願いをいたしたい。このことを最後にお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
○小林委員長 御提案の件は、後日、理事会において御相談いたしたいと思います。 次回は、明六日午前十時から委員会を開会することにいたしたいと思います。 本日は、これにて散会いたします。 午後四時八分散会