地方行政委員会 第5号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1980/02/21
会議録
○塩谷委員長 これより会議を開きます。 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川省吾君。
○小川(省)委員 大臣の時間の関係もありますから質問をいたしますけれども、先日、大臣の所信表明演説を謹んでお聞きをいたしたわけであります。以下、所信表明について若干の質問をいたしたいと思います。 まず、昭和五十五年度の財源不足額二兆五百五十億円についてであります。 この二兆五百五十億円という財源不足額が大体確定をしたのが昨年暮れの十二月二十一日でしたか、大蔵大臣と自治大臣との話し合いの中で確定をされたようであります。どこでどう操作をされたのか、計算をされたのかわかりませんけれども、一応二兆五百五十億円という数字が確定をいたしたわけであります。この二兆五百五十億円という数字は、地方財政収支試算で言われた三兆七千九百億円を大幅に下回る額なんでありますが、この原因は、自然増収による地方税の伸びが一六・五%にもなったというふうなこと、あるいは五十四年度補正による交付税の伸びにより財源不足分を減らしたということは、一応私は理解ができるわけなんでありますけれども、十二月のその時期において、五十四年度の補正に伴う交付税の六千三百何億というような増を五十五年度に繰り入れるなんということは、決まっておらなかったというふうに私は思うのでありますが、少しそういう点ではおかしいと思うのでありますけれども、二兆五百五十億円の財源不足がどこでどうして決まったのかという点についてお伺いをいたしたいと思うわけであります。
○土屋政府委員 若干計数の関係がございますので、私からお答えさしていただきたいと存じます。 御承知のとおり、毎年地方財政計画を策定いたしますときは、国の予算編成作業と並行しながら、翌年度の地方財政収支の見通しを行うわけでございますが、作業に当たりましては、収支の見通しの作成上必要な国の予算編成にかかるいろいろな情報、各省のいろいろな要求、そういったもの等を十分把握した上で、経済動向とか地方団体の過去の決算状況、いろいろな面を勘案いたしまして、歳入の見込み額あるいは歳出の所要額を積算しておるわけでございます。 今回も同じような作業をかなり前から進めてきておったわけでございますが、その結果、現行の税制その他の制度を前提といたしました場合に、約二兆七千百億円の財源不足が見込まれたわけでございます。しかしながら一方では、五十五年度においては国税、地方税の税制改正が行われるということで、地方税と地方交付税の増収がかなり見込まれましたことと、もう一つは、ただいまお話がございましたけれども、五十四年度の国の補正予算に伴う五十四年度分の地方交付税の増加額を五十五年度の地方交付税に繰り越し加算することが、いろいろ議論した末に予定することができたということのために、差し引き財源不足額は二兆五百五十億円ということになったわけでございまして、いろいろな作業の過程で、私どもといたしましても、国が補正予算を組むといった動向等も十分把握しておりまして、その際に、今後の地方財政のあり方等もめぐって議論をいたしました末に、五十四年度分の地方交付税の増加は五十五年度へ繰り越すということを大体頭に置いて編成をいたしたわけでございます。 また同時に、そういったことを国の予算案が決まる前に決めておきませんと、地方財政としての的確な実行を期するということがなかなか期待できないというようなこともございましたので、毎年のことでございますが、予算編成前にかなりそういった詰めを行い、見通しを立ててやっておるわけでございまして、御指摘がございましたけれども、二兆七千百億円からいま申し上げた二つの点で差し引き計算をいたしますと、二兆五百五十億円、こういった結果に相なったわけでございます。
○小川(省)委員 一応了解をできるのですが、どうも額の決定というのが何か密室で作業をやっておるようで、私ども素人にはどうも理解をしにくい、こういう点があるのですが、抽象的でいいのですけれども、大体どういうような計算をしてそういう数字が出てくるわけですか。
○土屋政府委員 率直に申し上げまして、たとえば給与関係の経費になりますと、明年度のベースアップ等が一体どういう動向になるか。これはどういう動向になるにしてもそれは措置しなければなりませんが、こういった中で、国と合わせてどの程度財源措置を最初にしておくかといったようなこと等の議論から始まりまして、たとえば国の場合、投資的経費についてはほとんど横ばいで組む、公共事業関係は横ばいで組むという場合に、私どもとしては地方の実態から見まして、単独事業等はそういった低い伸びでは困る、現実に見合ったある程度の伸びが必要であるといったようなこと等を議論しながら、ずっと積み上げていくわけでございます。そしてまた、各種の行政経費についても、関係省庁が要求をしておるものをそれなりに全部拾い集めまして、そういったものを現実には大体、大蔵省の予算内示前に出しておりますシーリングと申しますか、そういった枠内でどういうことになるのかということ等を検討して、かなり歳出は積み上げて計算をいたします。 歳入は歳入で、税収の見込みがどうなるか、あるいは地方交付税が現行法を前提としました場合は法定額で幾らになるか、また起債については、実際の投資的経費の伸びによって、財源対策債以外ではどういうかっこうになるのかといったようなこと等を積み上げて、そこで差額を出してくるわけでございまして、私どもとしてはかなり時間をかけて作業をしてきておるつもりでございます。
○小川(省)委員 五十四年度の後半から税の自然増収がずっと続いておるわけでありますが、五十五年度についていろいろな見方もあるわけであります。私はかなりの増収が続いていくんではないかというふうに思っていますが、その点についていかがですか。
○石原政府委員 五十五年度の税収につきましては、五十五年度の経済の推移によって大きく影響が出てくるわけでありますが、私ども五十四年度の国税、地方税の実績、それから五十五年度の経済の見通し、それらを総合勘案いたしまして、一六・五%の伸びを見込んでいるわけでございまして、この伸びは十分確保できる、このように考えております。
○小川(省)委員 大蔵省見えていますか。——昭和五十五年度法人税の増徴が言われておったわけでありますが、最終的には改正をしないということになったのであります。私は何としても法人税の増収を見込むべきであったというふうに思っていますが、なぜ法人税は改正をされなかったのですか。
○内海説明員 お答え申し上げます。 法人税の引き上げを見送りました理由は、大きく分けて三つございます。第一には、御存じのように、経済の好調に支えられまして、五十四年度に比べましてきわめて大幅な自然増収がもたらされたという点でございます。それから第二点は、歳出の思い切った整理合理化を行うということを方針として歳出予算を組んだということ。それから第三番目に、歳入面におきましては租税特別措置の大幅な整理合理化を実施することといたしまして、またそのほか、高額の給与所得者に対して新たな負担増を求めるというために給与所得控除の引き下げを行わせていただきました。さらには、退職給与引当金の繰入率の累積限度の引き下げということを行いまして、これによりまして必要な財源が確保できたということでございまして、これが法人税の引き上げを今回見送らせていただいた理由でございます。
○小川(省)委員 理由は、理屈づけはいろいろつくのだろうというふうに思っていますが、最も大きな理由は、いわば財界の圧力でこれが取りやめになった、こういうふうに私どもは見ておるわけですが、そういう点はございませんか。
○内海説明員 お答え申し上げます。 法人税の引き上げを見送りました理由は、先ほどお答え申し上げましたとおりでございまして、これがどこかの方向からの圧力というようなことはございません。ちなみに、退職給与引当金の改正によりまして実際の法人の負担増は、法人税率の引き上げに換算いたしますと一・一%に相当する負担増が行われております。これを企業形態別に見ますと、中小企業については〇・四八%の法人税率の引き上げに相当し、大法人については一・五%の法人税率の引き上げに相当するわけでございます。
○小川(省)委員 新広域市町村圏計画について若干お伺いをいたしたいと思います。 地域で計画をつくって自治省に上げてくるんだというふうに思いますが、この場合、自治省はどの程度の指導をなさるわけですか。その計画そのものについての指導というものは具体的にはどうなさるのですか。
○砂子田政府委員 広域市町村圏の計画につきましては、圏域の中の全体の議会の同意を得るなりしまして、なるべくなら広域行政機構の中でそういう計画をおつくりいただくことになっておるわけでありますが、そういうものが県民全体に利用される、そういうことを前提にしながら、全体の効用が発揮される方向で指導しているところであります。
○小川(省)委員 広域計画の中で中核になる都市が、いろいろ何とかセンターなどという集会用の建物を盛んにつくった時期があったわけですね。いま一応一段落しているんだと思いますが、つくったけれども、それが広域全体では使われないで、その中核の都市だけのものとして使われる、こういうようなことになってしまって、また別な都市で何とかセンターなどを計画するといういわゆるむだな事例がたくさんあるようですが、私はこういうのはやはり自治省の指導というものが誤りなんではないかというふうに思っていますけれども、いかがですか。
○砂子田政府委員 広域市町村圏の計画につきましては、ただいま申し上げましたように、広域市町村圏に入っております関係の市町村の中で共同して計画をつくっているわけでして、そういうものが広域施設として県民全体の役に立つようになっているわけであります。ただ、それがただいま先生からお話がございましたように、中心市にあるという関係から、どうも中心市の施設だということで使用されるということは、外部的に見て否めない事実であろうかとも存じます。ただ、こういう計画に従いましてつくる施設というのは、あくまでも圏域全体の市町村の自主的な運営に任せるというのが、この計画をつくるときのたてまえでございまして、そういう意味から申しますと、施設全体の効用が発揮できるということのためには、やはりそこに該当しております関係市町村内でいろいろ協議しながらお使いになる以外に手がないわけであります。 そういうことで、いまお話がありましたように、中には、そういうような全体としての施設利用というのがなかなかうまくいかなくて、それぞれの市町村でまたつくりかえるということもあるようですが、一体どこまで自治省がそういう自主的につくった計画についてつくるなとかつくれとかいう話をするかということは、大変むずかしい話でございまして、なるべくなら圏域全体の中で、みんながやはりそういう施設が必要だということで広域施設をおつくりになっているわけですから、その中で協議をしながら全体的に利用される方向へ持っていくのが望ましい、そういう話の仕方としての指導をいたしておるわけであります。
○小川(省)委員 施設ですから、ないよりもある方が結構なんですけれども、私はこういうような広域市町村圏のいろいろな計画を見ておって、大変むだな支出が多いというふうに見ておりますので、自治省が指導する際には、ぜひひとつきめ細かく指導をして、そういうむだな支出が広域圏に起こらないように当たってほしいと思っております。 私はコミュニティーに対するきめ細かい指導等が特に要請をされているのだろうというふうに思いますけれども、コミュニティーに対する具体的な指導はどのように行っているわけですか。
○砂子田政府委員 コミュニティーというのは、広域市町村圏とちょっと角度が違いまして、一般的にはその地域に関係する住民の人々の連帯感をもとにしながら、信頼をもとに全体的に運用していくというのが、コミュニティーと申しますか近隣地域社会と申しますか、そういうものの指導の仕方であります。従来自治省といたしましては、モデルコミュニティーをつくって以来、施設に関与するということをなるべく避けておりまして、小学校区の中でそういうコミュニティーができていくという一つの住民の方々の結集でありますとか、そういうことに実は力を入れておるのでありまして、施設自身というのは、みんなそこにいる人たちが自分たちに必要な施設、あるいはバレーボールでも構いませんしコミュニティーの人々の集会所でも構いませんが、その周辺の人々がどうしても必要だということについてお力をかしていくということにいたしておりまして、こういうものはなるべく連帯感にあふれた住民の方々のアイデアと申しますか考え方というものを基礎にしながら、そういう自主的な運営をなされあるいは自主的な施設をつくっていくという方向で指導をいたしておるわけであります。
○小川(省)委員 私は自治省の広域市町村圏に対する指導よりも、コミュニティーに対する指導の方が大変効果が上がっているのだと思っております。もちろん次元の違う問題でありますけれども、ぜひひとつコミュニティー等についてはきめ細かな指導を今後ともお願いをいたしたいと思っております。 さて、昨年九月の第十七次の地方制度調査会の答申があります。この中に「答申事項の推進体制の整備」という項が強くうたわれております。「この際、内閣に強力な推進体制を整備し、地方公共団体との意見調整を図りつつ、その速やかな実現を図るよう強く要請するものである。」というふうにうたわれておりますけれども、これに基づいてどのような具体的な推進体制の整備を図っておるわけでありますか。
○久世政府委員 お答え申し上げます。 第十七次地方制度調査会が昨年、答申事項の中に、強力な推進体制につきまして強く答申をいたしましたことは、ただいま小川委員からの御質疑のとおりでございますが、私どもといたしましてはその後、関係機関とも協議をしてまいりました。しかしながら、第二次大平内閣におきまして当面、国、地方を通ずる行政改革が非常に大きな問題になりましたので、この行政改革につきましては、自治大臣も含めた行政改革閣僚懇談会におきまして当面の問題として措置している次第でございます。
○小川(省)委員 そうすると、推進体制の整備というのは、行政改革についての閣僚懇談会がそれを受けて当たっているのだという理解でよろしいわけですか。
○久世政府委員 当面の行政改革の問題につきましては、行政改革閣僚懇談会におきまして対処している次第でございます。
○小川(省)委員 国と地方公共団体との間の事務の再配分の問題もかなり強く言われておるわけでありますが、これに対してどう取り組んでいくのかという問題であります。私は具体的な国と地方公共団体における事務の再配分の問題、こういうものこそ、自治省の中に何らかのプロジェクトチームなりをつくって取り組んでいくべきだと思いますけれども、この点についてはいかがですか。
○砂子田政府委員 おっしゃられるとおり行政事務の再配分の問題は、従来からいろいろ言われておりまして、各種の調査会なりあるいは地方制度調査会でもそうでありますが、国と地方との行政事務の再配分をすべきだ、住民の身近な事務はなるべく府県なり市町村に落として仕事をさせるべきだということが言われております。私たちもそ のとおりだと思っておりますが、もともとこういう仕事自身は私たち行政局の本来の仕事でございまして、プロジェクトチームをつくるまでもなく、省全体の中でもやらなければいけませんが、まず私たちのところで一応こなして、それを省全体の中で議論していくというたてまえをとっておりますので、それで十分であろうかというふうに考えております。
○小川(省)委員 そうすると現在、各都道府県でかなり事務の再配分といいますか、市町村に対する事務の移管等をやっておるわけでありますが、こういうものについて自治省行政局としてはかなり細かな指導も具体的にやっておられるわけですか。
○砂子田政府委員 市町村への事務の移譲の問題につきましても、私たちの方で積極的に取り組んでいるわけでありまして、この間におきましていろいろ各省の間で事務移譲に関して問題が起こりますならば、私たちの方もそういう問題を取り上げながら、各省に積極的に話し合いをしていくという態度をとっておるわけであります。
○小川(省)委員 生活環境の変容に対応した消防の体制の充実については、常に注意を払っていただいているところでありまして、消防団の充実について意を用いられているのは大変ありがたいと思いますが、最近、消防団の充足がなかなか思うようにいっていないような地区がふえておるようであります。理由は、社会の変化とともにいろいろあるようでありますが、その原因の一つは、旧態以前たる若い者にまるきり魅力のないような消防団の征服にあるわけであります。 服制の基準については、細かい規制があることも承知をいたしておるわけでありますが、いまの若者の心をつかむような服装、それも突拍子もないようなものではなくて、若い者の気持ちをつかむような服装に改めていくことも、消防団員の確保の一つの道であるというふうに思っています。私は何回か質問で取り上げてまいってきたわけでありまして、消防団員の声もかなり上がっていると思いますけれども、服制を変えることについて一考を払っていただきたいというふうに重ねて強く要請をいたしますが、消防庁長官いかがですか。
○近藤(隆)政府委員 昨年のいまごろだったかと思いますが、先生から消防団の服制を時代に合うように改善しろという御指摘をいただきまして、それに対しまして私、検討するのにやぶさかでないというふうに御答弁申し上げたと記憶いたしております。 昨年の八月でございますか、消防庁内に服制研究会というのを設けました。と申しますのは、こういったものにつきましてはできるだけ各方面の方々の御意見を聞く方がいいのではないかという判断のもとに、日本消防協会、全国消防長会等とも話し合いまして、こういった一つの研究会を設けたわけでございます。昨年の夏以来数回にわたって検討を重ねておりまして、現在、男の方の服制につきましては幾つかの案にまとまっております。婦人消防団の方は、いろいろむずかしい問題がございまして、現在なお鋭意検討をいたしております。御承知のように、ことしは消防百年という記念すべき年でもございますので、ぜひ年内には新しい服制基準をつくりたいということで鋭意努力いたします。
○小川(省)委員 私がかねがね申し上げておいたことが具体化をしてまいっておるようでありますので、大変安心をいたしました。ただ、婦人の消防の服装でありますが、これは言うに及ばず、本当に何といいますか余り芳しくありません。そういう意味で、ぜひひとつ婦人の消防の服装についても検討をされるように要請をいたしておきたいと思っています。 さて、話は違いますけれども、行政の最末端機構にといいますか、呼び名はいろいろあるだろうと思うのですが、区長という職があります。いわば役所の末端に近いようないろいろめんどうな事務がそこのところへ寄ってくるわけで、大変多忙な職務であります。実際にはボランティアといいますか、地域で選出される人が区長になるわけでありますから、役所の人間ではありません。しかし、この人のところに役所の事務がかなり寄っていることも事実であります。私は本来の区長職の重要性はよく認識をしているつもりでありますが、当然役所でやるべきようなことまで請け負わせているような事例もよく耳にするわけであります。しかも区長手当というのは微々たるものであります。この区長手当というものは、交付税の中ではどんな形でどう手当てをしておるわけですか。
○土屋政府委員 ただいまお示しの区長そのものの位置づけということが問題になるわけでございます。そういった点については行政当局からあるいは話があろうかと思いますけれども、私どもとしてはこの区長そのものが、地域住民の自主的な組織の中での一種の取りまとめ役としての機能を持つものであるというふうに理解しておりますし、いろいろとその各地方団体との関連はあるわけでございますけれども、性格的にはそういった機能を持つものであるというふうに考えられるわけでございます。そういった点から見れば、地方公共団体の行政事務に対して必要な財源を措置するということにしております普通交付税の対象経費としては、どうもなじまないものであると考えられますことから、現段階において特段の措置は講じていない次第でございます。
○小川(省)委員 交付税のもとでは講じられていないようですが、末端における業務がかなり寄っているわけですね。私は区長職などというものも役所の職員の一つではないかというふうな気さえするわけであります。こういう点についてはひとつ十分に検討をして、いわゆる区長が本来の業務ができるようにぜひひとつ考慮してもらいたい、こう思っておるわけであります。 そこで、区長制度そのものについて、自治省の公式見解を一応伺っておきたいのです。
○砂子田政府委員 いま小川先生がおっしゃっている区長というのは、言うならば町内会あるいは自治会、そういうところの取りまとめの役をやっている人のことであろうと存じますが、本来こういう町内会でありますとか自治会というのは、戦後のいろいろな問題がございまして、これを法律的な位置づけをしないことにいままで来ておるわけであります。そういう意味で、現在あります町内会とか自治会というのは御案内のとおり、そこに住みます住民の自主的な組織だという形で進んでまいっておるわけです。そこに取りまとめ役といいますか、そういうような自治会の活動、町内会の活動というのがあるわけですから、そういうものを取りまとめるというので住民の中から代表者が出て、そういう人を区長だと、いまおっしゃられるのはそういうような区長さんであろうと思うわけです。そういう意味から申しますと、地方自治法上にはこの区長さんの位置づけというのはないわけであります。 そこで、いろいろなことで区長さんに市町村自身の事務をお願いをしているというのは私は現実にあろうと思います。私も現実に市の助役をしておりましたときに、町内会なり自治会の区長さんにお集まりを願って、市の広報をお配り願ったりいろいろなそういうことをしておりましたから、現実に市としてはいろいろなお手伝いをいただいているというのは実態としてはございます。ただ、全体的にどういう活動をこの区がなすっているのか、あるいは町内会なり自治会というのはどういうことをいまやっておられるのかという実態の調査は、そういう戦後からのいろいろな流れの中でしていないわけであります。今後こういう調査もしていかなければならぬと思っておりますが、そういう意味で区長さんというのは言うならば、その組織のボランティアと申しますか、その地域におきます住民の方々の自主的な活動をしておる取りまとめ役だというのが、どうもこの位置づけであろうかと思います。そういう点につきまして、市町村がいろいろな仕事のお手伝いを願っておるということのために、市町村自身が予算で報償費を払ったりそういうことをして、その労に報いておるというのが実態であろうと思います。
○小川(省)委員 法律的に位置づけをされてもあるいは迷惑なのかもしれません。しかし、実際に役所のやる事務が区長さんのところに行っている面があることも事実でありますから、いままで調査らしい調査もやったことがないというふうに言われておりますが、ぜひこれは一回全国的にサンプリングを出して調査をされて、これがボランティアで地域の自主的な組織で結構なんでありますから、それがスムーズにいくように、しかも役所の事務がそこへ偏るようなことのないように、こういう点をついてはっきりとさせるための調査をぜひひとつお願いをいたしておきたいというふうに思っています。 警察に若干伺いたいわけですが、所信表明の中に、暴力団が一段と潜在化をし知能化をしているというふうに言われておるわけでありますが、現在の暴力団の実態といいますか実情といいますか、あるいは暴力団が具体的にどのような業務にかんでやっているのか、そういう実情についてひとつ御報告をお願いいたしたいと思うのであります。
○中平政府委員 お答えします。 昭和五十四年末現在の全国の警察で把握しておりまする暴力団の団体の数あるいは構成員数は、二千五百十七団体、十万六千七百人ということになっているわけでございます。申し上げますと、昭和三十八年ごろが暴力団のピークでございまして、この当時は五千二百十六団体、約十八万五千人あったわけでございますが、今日は、団体の数では半分、構成員の数では四割減、こういうことになりまして、その面の成果は上げてまいっている、こういうふうに考えているわけでございます。 しかしながら、この暴力団の取り締まりに伴いまして、だんだんに小規模の暴力団が大きな暴力団にくっついてまいる、そういう傾向が出てまいりまして、現在、全国で最大の勢力を持っております暴力団は例の山口組でございますが、山口組は現在、この十万六千七百人のうち、全体の一割に近い一万人を超える勢力を持っている、こういう状態になっておりまして、暴力団の一種の寡占化といいますかそういう傾向が一応出てまいっておる、こういう状況になっているわけでございます。
○小川(省)委員 暴力団は警察の努力によって減少をしていることは評価をするわけですが、暴力団が正常な社会の中にはびこってくることのないように特段に、大変だと思いますが、ひとつ御努力をお願いいたしておきたいと思っています。 それから、昭和五十五年度の地方財政計画の規模は、四十一兆六千億であります。伸び率が七・三%、政府予算の伸びの一〇・三%よりも落ち込んでいるわけですね。政府の予算案よりも九千億円少なくなっておるわけであります。政府が宣伝をしている地方の時代という看板はどこへ行ったのかと思うわけでありますが、なぜ地方財政の規模をこのように圧縮せざるを得なかったのか、地方の時代はどうなったのか、こういうことについてお伺いをいたしたいと思います。
○土屋政府委員 昭和五十五年度の地方財政計画の策定に当たりましては、健全化への一歩を進めるといった意味で、私どもとしては、歳出全般にわたって抑制基調に立って作成をいたしたわけでございまして、その結果、いまお示しのございましたように四十一兆六千四百二十六億ということで、七・三%の伸びということに相なっております。 これは非常に低い伸び率になっておるわけでございまして、その結果、国の四十二兆五千八百八十八億で一〇・三%の伸びに比べますと、規模においても伸びにおいても下回っておるということは事実でございます。しかしながら、これは主として国の予算においての特徴という点から出ておるわけでございまして、御承知のように国の予算においては、国債費が対前年度比三〇・二%伸びておる、また地方交付税交付金が対前年度比二三・八%伸びておるということで、この二つがきわめて高い伸びを示しておりますために、比較の意味では、国の予算からこの二つの要素を除いて、また、地方財政計画においてはこの公債費を除いた一般歳出の伸び率で比較をしてみる必要があろうかと思いますが、その比較でいたしますと、一般歳出の伸びは、国が五・一%、地方財政計画は六・六%ということでございまして、決して全般的な意味で地方だけが国よりもぐっと低まったということではないわけでございます。 一例で申し上げますと、経費全般については国と同じ基調に立っていろいろと節減合理化を図ったわけでございますけれども、たとえば公共事業等におきましては、国はほとんど横ばいということでございますが、地方単独事業等につきましては、住民生活に身近な社会資本の計画的な整備を進める必要があるということで、七・五%の伸びを見ておるといったようなことでございまして、地方財政計画ではまた国と違った立場で、いろいろとその実態に応じた工夫もしておるつもりでございます。そういったこと等から、全般的な規模においてはそうでございますが、中身において見ていただきますと、地方財政が特に国よりも悪くしたというのではなくて、地方財政は実はそれなりの工夫をしてきたというつもりでおるわけでございます。
○小川(省)委員 今回、事業所税について若干引き上げを図っておるようでありますが、私が年来主張をいたしてまいりましたのは、三十万以下の都市であっても県庁の所在地というのは、都市的な形態もとっておるのだし、何としても事業所税が徴収できるようにしてもらいたい、こういう主張を実はずっと一貫してやってまいったわけでありますが、今回の改正でも、県庁所在地ということで事業所税が取れるようにはなっていないようでありますが、どうして人口三十万以下であっても県庁所在地を入れるような改正ができないのか、その辺について伺いたいと思います。
○石原政府委員 事業所税は先生も御承知のように、昭和五十年度にいわゆる大都市税制としてスタートしたわけでありますが、その後、人口三十万以上の都市におきましても、人口の集中に伴いまして各種の都市施設の整備の必要性が非常に高いということで、課税団体に追加されたわけであります。しかし、その範囲を拡大したときの税制調査会における論議におきましても、そもそもこの税が、いわゆる大都市税制と申しましょうか、人口が非常に大きな都市における特殊財政需要に対応して特別の課税権を認めるというこういう性格の税でありますので、これをもっと人口の少ない他の団体にまで広げることについては慎重であるべきだ、こういうふうな御意見もあったわけであります。私どもその後における都市の財政の実態なども引き続き見ておるわけでありますけれども、現段階におきまして、この課税団体の範囲をすべての県庁所在都市にまで拡大するということにつきましては、この税の性格からいたしまして、また税制調査会における論議などからいたしましても、なお慎重であるべきだ、こういう判断に立ちまして、今回は課税団体の拡大は行わなかった次第でございます。
○小川(省)委員 税制調査会も、地方税に関する事務局は税務局のはずでありますから、次回の改正の際には、県庁所在地は当然含まれるぐらいの改正をやるべきだ、私はこう思っておりますので、ぜひひとつ頭の底に置いておいていただきたい、このようにお願いをいたしたいと思います。 地方財政計画を見ますと、歳出の項の中に三千五百二十二億の国庫補助負担金を伴わないものが計上をされております。これはいわゆる不時の災害や、あるいはまた、ベースアップが二%組んであるわけでありますから、二%を超えるベースアップ分に対応して使えるようにそういう金が組んであるんだというふうに思っていますが、三千五百二十二億ということになりますと、本予算に二%組み込んであって、実際には具体的に何%分ぐらいのベースアップに対応できるような額が確保をされておるのか、この辺について伺いたいと思います。
○土屋政府委員 昭和五十五年度中にいわゆるベースアップがどういうことになるのかわからないわけでございますが、とりあえず私どもとしては、予想される給与改定につきましては、ただいまもお話のございましたように、財政計画において給与改善費といたしまして、給与関係経費の中に二%相当額を計上いたしております。さらにこのほかに、この給与改善に必要な経費がただいま申し上げたものを上回るということも想定されますので、そのために、年度途中における予見しがたい財政需要に備えまして、一般行政費の中に三千五百億円を計上しておるわけでございまして、この三千五百億円は、このうち五百億円程度は通常の場合、災害等に備えて留保しておく必要もあろうと思いますから、三千億ぐらいはこれに使えるものと思っておりますが、合わせますとこの分が三・五%ぐらいになろうかと思っております。
○小川(省)委員 そうすると、給与費の中に二%組んであるから、三千億が約三・五%とすれば、五・五%ぐらいのベアにはたえられる額が確保をしてある、こういう理解でよろしいわけでありますか。
○土屋政府委員 そのとおりでございます。
○小川(省)委員 それから使用料、手数料の項で実は一五・一%ふやしてあるわけです。これは恐らく高校授業料を四千八百円から五千六百円にということでこの増が見込んであるのだと思いますが、使用料、手数料一五・一%のアップ分の内訳といいますか、これはいま言ったような授業料のみですか、どうですか。
○土屋政府委員 ただいまの御質問に答える前に私、先ほどの質問でちょっと足りなかった点がございますが、三千億円程度はそういうことで追加財政需要に向けられるという可能性を示しておるわけでございまして、何に使うかということは、いろいろな事態に応じて使うわけでございますが、給与費であるということではないということは御理解賜りたいと存じます。 それから、いまの使用料、手数料を一五・一%アップしておるわけでございますが、その増加の内訳は、一つは高校の授業料の増が二百三十一億ございます。これは実は一五・一%のうちの三・九%押し上げておる材料になっておるわけでございます。ただ、その三・九%のうちも、実は五十五年度の改定分は〇・八%ぐらいでございまして、その三・一%に当たる大部分は、五十三年度に改定をいたしました分の年次進行のためにふえてきた部分でございます。それからもう一点は、幼稚園の保育料の増が一五・一%のうち〇・三%に相当しておるわけでございまして、その他のものが一一%ぐらい、これが全体としてのこのアップの内訳になっておるわけでございますが、これはもう最近の地方団体の決算状況等の実績を勘案して計上をいたしたわけでございます。
○小川(省)委員 わかりました。 それから起債の充当率を今回九五%から七五%ということで、二〇%落としているわけですが、この点について、自治体における建設事業に伴う一般財源の持ち出しが増大をして、経常経費の圧迫というようなおそれはないのかどうか、この点について伺います。
○土屋政府委員 今回の地方財政計画をつくるに当たりまして、いろいろと財源対策を考えたわけでございますが、全般といたしまして、地方税収がかなり伸びたということもございまして、私どもとしてはこの際、健全化への一歩を進めるということで、いわゆるこの財源対策債を六千百億円減額をいたしたわけでございます。その結果、九五%の起債の充当率がおおむね七五%ということで減ったわけでございますが、本来そこは地方交付税等で見る、一般財源で見るというものを、金がないためにその財源対策債で振りかえて、そのために充当率をアップしておったわけでございますから、減っていったのは当然の形でございまして、どっちかといえば一般財源が充実されたので、私どもとしてはいい方へ向かったと思っておりますが、いままで九五%の充当があったために、ある程度それになれてまいりますと、なかなかそこのところがちょっとつらくなったといったような意見もあるわけでございますけれども、全体として財源措置としては十分できておるというふうに理解をしていただきたいと存じます。
○小川(省)委員 終わります。
○塩谷委員長 亀井静香君。
○亀井(静)委員 自由民主党・自由国民会議を代表いたしまして、自治大臣、国家公安委員長の所信表明に対しましてお尋ねをいたしたいと思います。 まず、わが国の財政は御承知のように、昭和五十年以降、国、地方とも財政収支のアンバランスを来しておりまして、御承知のように巨額の公債に依存して非常に不健全な状態になっておると思います。国家財政の収支のアンバランスがいまもっぱら問題になっておりますけれども、私はむしろ財政規模が多様で自律性の少ない地方財政収支のアンバランスの方が大きな問題ではないか、このように考えるわけであります。五十年度以降もっぱら、交付税特別会計の借り入れと地方債の増発でどうにかつじつまを合わしてまいったわけでありまして、御承知のように五十五年度末では、交付税特別会計の借り入れも八兆円に達して、財源対策債も七兆四千億、こういう膨大な額になっておるわけでありますが、こういう状況では、大臣の言われるいわゆる地方の時代の実現もとうてい不可能ではないかというように危惧をするわけであります。 これの打開のためには、どうしても地方行財政改革が必要であろうというふうに思うわけでありますが、これについては御承知のように昨年の十二月、行政監理委員会が行政改革に関する提言を行っておりますが、その中でも、行財政改革の必要性と緊急性というのは国よりもむしろ地方公共団体の方が高いというような指摘をいたしておるわけであります。国家公務員については、非現業、五現業を通じて昭和四十二年の水準、これは約九十万人でございますが、これにいまも大体抑えられておりまして、自衛官や三公社、公団、事業団等の政府関係機関職員を加えても国の関係の公務員は二百十四万人でありまして、この間地方公務員は、二百三十二万から三百七万人と七十五万人も急増をいたしておるわけであります。これは警察官と消防関係あるいは教員を除きましても、一般職員だけで二十九万の増になっておるわけであります。また給与水準も、国家公務員、民間に比べてきわめて高いということが全国一般的な状況になっておるわけであります。 大臣は、定年制の実施についてこのたび勇断をふるわれるということを聞いておるのでありますが、あわせて、各自治体の定員の上限を決める法律を制定されるおつもりはないかどうか。また、給与水準の適正化について、たとえば特別交付税の配分等における権限等をいま以上に十分に行使されまして、思い切った処置をとられる必要があるんではないか、このように思うわけであります。 また次に、行政効率を高めるための行政事務の再配分を私はこの際、積極的に行うべきだろうと考えるわけでありますが、この点についての基本的なお考えを御説明願いたいと思います。もうすでに広島県におきましては、県の分担する事務のうち、これを市町村に相当大幅に事務移譲をいたしております。しかしながら御承知のように、法令上市町村に移譲できない事務もございますので、現在の県段階で独自で進めておるこの行政事務の再配分のみではきわめて不十分ではないかというように考えるわけであります。 さらに突き詰めていきますと、現在の都道府県の枠組みは明治以来変わっておらぬわけでありまして、御承知のように交通事情含めまして大きく変貌している現在、現在の実態に合った制度に改めるべきじゃないか。このためには、府県の合併あるいは道州制の採用というようなこともこの際、前向きに検討すべき時期に来ておるんじゃないかと思うわけでありますが、このことについての御所見をお願いいたしたいというように思います。 次に、国の補助金の整理合理化についてでございますけれども、御承知のように国家財政の三分の一を占めると言われております補助金の八〇%は、地方公共団体を通じて配分をされておるわけであります。五十五年度の地方財政計画では約十兆円になっておりますが、その整理合理化をこの際思い切ってやる必要があるんではないかというふうに思います。既存の法律に基づく補助金についてもこの際メスを入れて、その整理合理化を図っていただきたい。特に地方公共団体の職員の人件費補助は、地方一般財源の強化を図ることによって交付税に切りかえる等の思い切った処置を行って対処をされる必要があるんではないか、このように考えるわけであります。 またすでに述べましたように、地方財政は現在借金財政とも言っていいような状況でございます。五十五年度の地方財政対策については、非常に厳しい財政環境のもとで、財源不足の大幅な減少とそれを完全に補てんをした御努力とその手腕というのは非常に高く評価するわけでありますけれども、しかしながら末端の地方自治体につきましては、どうも借金体質になれてしまったというような状況がございまして、どうも厳しい認識がないんじゃないかというように思うわけでありますが、この状況をどのように打破していかれるおつもりであるか、この点につきましてまずお伺いをいたしたいと思います。
○後藤田国務大臣 ただいま先生から、今日地方自治体が抱えている全般的な問題についての御質疑でございまして、多方面にわたっておりますが、まず現在のこの給与の問題についてのお話がございました。 御承知のように、自治省としてはしばしば、地方団体の給与が国と比べて高過ぎるということで、地方団体にお考え直しを願いたいということで指導をしてまいったのでございますが、今日なお七%余りラスパイレス指数が高くなっておることは事実でございます。これは給与の改定率の調整であるとか、昇給期間の延伸であるとか、あるいはいわゆるわたりの廃止、こういったようなことでできるだけひとつ必要な是正をしてもらいたい、こういうことでやっておりますが、本来給与には御承知のように、国家公務員との均衡原則がございますから、それに従って地方自治体もだんだん改善措置を講じていただいております。ただ、御質問の中にありました特別交付税等でそういった団体に厳しい処置をとれという御意見、わからぬではありません。しかしながら私どもとしては、今日のいわゆる財政状態の厳しさを地方団体に訴えながら、地方団体の自主的な御判断でやっていただくのが私は妥当な方法ではなかろうか。ただ、いわゆるやみ給与等については、これは私は別段制裁という意味ではありませんけれども、これについては、そういうやみ給与をなさるだけの余裕があるならば、ひとつ特別交付税で自治省としても考えざるを得ない、こういうことでやっておるわけでございますが、基本的には自治体自身の良識にまって、こういった均衡原則を破っておるというようなことについては十分お考えを願いたい、かように考えます。 それから二番目の定員上限を決めたらどうだ、これは一つの御提言だと思いますけれども、実際は三千三百ばかりの団体がございまして、それぞれの自然的なまた経済的な諸条件が違うわけですし、同時にまた、そういった状況に応じての住民のニーズというものも団体ごとに違いますし、そのニーズに応じた地方団体の長の施策のあり方、これもまた違うわけでございまして、そこで自治省としましても、そういった職員の定数を決定するために三千三百余りの団体すべてに適合するような指標を決めるということは、これは検討課題ではあるかもしれませんが、実際問題は大変むずかしい問題である。そこで私どもとしましては、地方団体が自然的なあるいは社会経済的な条件を考慮しながら、自分に似た類似団体の職員数というものとマクロ的に比較をして、そして適正な定員管理をなさる、それについても自治省としては御援助申し上げるといったようなことで、今日までのところ指導助言をしておる。実際問題としては、有力な御提言ではございますけれども、なかなか厄介なんだということを御理解を願いたいと思います。 それからその次の国と地方及び都道府県と市町村間の行政事務再配分、これは御説のようにまず、国と地方団体との間でやはり住民に身近な関係のある事務については、これは基本的に私は地方団体の事務にすべきだ、こう思います。今日その点が必ずしも私はうまくいっているとは思いません。ことに補助金行政等を通じて要らざる地方自治団体に対する過度の関与が行われておる、これは私は是正すべきだと思いまするので、今回、幸い行財政の改革の問題を政府全体として取り組んでおりますから、そういう基本的な立場で私はこの行財政改革には臨んでまいりたい。また、同じようなことが私は県と市町村との間にあると思います。自分のところにぐあいの悪い仕事だけは市町村に押しつける、ちょうど国がぐあいの悪い仕事だけは地方に押しつけるといったような傾向がなきにしもあらずである、こう思いまするので、これらについては私としては、そういうことのないように行政改革に当たっては十分配慮してまいりたい、かように考えます。 それから、行政区画の問題で町村合併をまず促進したらどうだ、こういうことでございますが、これはかねがね町村合併促進法等で累次にわたって合併をしてきたわけですが、今日は市町村の合併の特例に関する法律によってやっておるのですが、これは基本の精神が、自主的に合併しようとする際にその障害を除去しようというような立場でやっておるわけでございまするので、私としては地方の自主性を尊重してこれから先は考えていきたい、かように思います。 それから、道州制の問題は、昔からあるのですけれども、なかなか言うべくして私はむずかしい問題であろう、かように考えておるわけでございます。 その次は、補助金の整理をしっかりやれ、こういうことでございましたが、これまた仰せのとおりでございます。私はしかし別段、補助金というのは性悪説に立っておりません。国の施策を促進するためにはこれは必要な制度でございます。ただ、補助金というのはどうしてもマンネリ化しますし既得権化しますし、ともかくもう目的を達成しているにかかわらずまだ廃止もしない、あるいはまた、縦割りの細かな零細補助金で効率の上げ得ないものもあるといったようなことでございますし、同時に、それらを通じての許しがたいのは、地方公共団体に対する過度の中央政府の行政介入であろうと思います。こういうような観点から、補助金についてはその観点に立っての整理合理化あるいはメニュー化あるいは統合、そして同時に、場合によれば事務を廃止する、事務の残るものについてはこれはできる限り一般財源に振りかえる、こういうような方向で、これも政府が取り組んでおりまするので、その基本的考え方で臨んでいきたい、かように思います。 それから、地方の借金財政の問題ですが、これは御説のように国、地方を通じての課題でございますし、これはなかなか厄介な問題でございますが、これはまさに財政再建の問題でございまするので、私どもとしましては、基本的には一つはやはり何といっても、経済の安定的な成長を確保するような経済政策、それによる自然増収、これは私は第一であろうと思います。それからもう一点は、国、地方を通ずる行財政の簡素効率化、このことをやらなければなるまい。それから第三番目は、財政基盤の確立のために地方としては、あらゆる機会をとらえて一般財源の充実強化、こういう点で、今日のこの地方団体の財政の窮乏を打開するというために、これは息の長い努力をしなければならぬのではないか。こういった観点で、地方制度調査会及びその他の審議会等からもいろいろ御答申、御意見等承っておりますので、それらを腹におさめながら今後対処してまいりたい、かように考えます。 なお、細かい点につきましては、それぞれの局長から答弁不足のところはお答えをいたしたいと存じまするので、御了承を賜りたいと思います。
○亀井(静)委員 ひとつ厳しい態度を自治体に対しても堅持されると同時に、たとえば交付税率のアップの問題等国としてやれる努力をさらにお願いをいたしたいと思います。 時間のあれもございますので、さらに次にお伺いしたいと思いますが、所信表明の中にも、新広域市町村圏計画の策定を現在進めておられるようでありますけれども、これについてはバランスのとれた総合的な地域づくりをぜひひとつお願いしたい。 それについてちょっと具体的にお願いしたいのは、従来、三十年代、四十年代に農林省や通産省の指導のもとに、低開発地域工業開発促進法とか新産都市建設促進法とか農村地域工業導入促進法とかいろいろ法律もつくられまして、取り組まれたわけでありますけれども、この際もう一度、この地方の小都市への工場の再配置を自治省のリードでひとつ見直して、積極的にお進めをいただけぬものかどうかという点でございます。この点についてお願いします。
○久世政府委員 お答えいたします。 ただいま御指摘のありましたように、地方の時代にふさわしい地域社会づくりというものを進めますためには、何よりも雇用の場というものを確保するということが非常に重要な問題でございます。この点は三全総でも強く指摘をしておるところでございますが、また、私どもが現在指導を進めております新広域市町村圏計画におきましても、従来の方針を大幅に広げまして、雇用の場というようなものも一つの大きなかなめにしている次第でございます。 ただいまいろいろ御指摘がございましたが、地方における雇用の場というものを確保するためには、やはり中小都市に対する工場の再配置等は非常に重要な問題でございます。しかしこれにつきましても、ただいま御指摘がございましたが、たとえば通産省の工業再配置促進法でございますとか、あるいは農林省の農村地域工業導入促進法でございますとか、こういうものにいろいろと優遇措置が定められているわけでございまして、私ども自治省といたしましては、何よりも地方団体の立場に立ってこの中小都市に対して工場再配置が促進されるよう関係省庁と協議いたしますとともに、また、地方団体に対しましてもいろいろと指導してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○亀井(静)委員 次に、消防関係についてお尋ねいたします。 消防団は御承知のように、ただ単に消防署の補完的な役割りを果たすというようなことじゃなくて、特に農村社会における共同と連帯の重要なかなめの役割りを果たしておるというように思うわけであります。そういう意味で、地の塩のようなきわめて重要な役割りを地域社会で果たしておると思います。ところが、これについての教養訓練は、年に一回の出初め式でポンプ操作をやる程度のことでありまして、ほとんどいろいろな意味の教養訓練等はなされておらぬわけであります。これについて、ほとんどの方が有職者でございますから、長期間学校に入ってというようなことは無理ではございますけれども、三日でも四日でも短期の集合教養訓練を御計画をされる必要があるんじゃないかというふうに私は思うわけでありますが、これについて現在どういうように考えておられるか、御説明を願いたい。ぜひひとつ取り組んでいただきたい。
○近藤(隆)政府委員 消防団の任務の重要性につきましては、まさに先生御指摘のとおりだと思います。その消防団の資質を高めるためには、何をおいても教育訓練に力を入れなければならないわけでございまして、現在の状況を申しますと、各都道府県及び指定市には消防学校というのがございます。そしてそこで消防団員及びリーダーの指導を、大体いま四日程度でございますか行っております。五十三年の実績を申しますと、一万六千人がこれに参加しております。さらに、高度の消防団のリーダーの養成ということで、消防大学校というのが消防庁の付属機関としてございますが、そこで教育をしております。これは五十三年度実績で三十六名でございます。さらに、消防庁から日本消防協会に委託いたしまして、消防団の中堅幹部の養成ということを毎年行っておるわけでございますが、それに参加しておるものが昭和五十三年度実績で二千四百三十二名ということになっております。 消防団員全体で御承知のように百十万人ございます中のこの程度の数字でございますので、必ずしも十分であるとは申しません。今後とも拡充していかなければならないと思いますが、さらに世の中がどんどん進んでまいりますので、それに対応できるようにその教育訓練の内容も充実していく必要が一方あると思います。御指摘のように今後とも努力してまいりたいと思います。
○亀井(静)委員 ぜひひとつ拡充強化をお願いをいたしたいと思います。 次に、警察関係についてのお尋ねをいたしたいと思います。 警察関係につきましての国家公安委員長の所信表明につきましては、まことにちょっと失礼な言い方なんでございますけれども、委員長が長官時代に非常に剛直をもって、信念をもって巨悪と対決しておられたそのときの気概がどうも感じられぬわけであります。長官は在職中は本当に私どもも近寄りがたいような威厳に満ちた方であられたわけでありますが、いまはにこにこしておられて、どうも私ども気持ちが悪くてしようがないわけでありますが、ちょっと話が妙なことになりましたけれども、ぜひ治安の責めを、もちろん果たす覚悟でおられると思うのでありますけれども、今度の所信表明においてはどうもそれが入っておらぬように思うわけであります。 特に現在国民は、中央、地方を問わず、政財官界の腐敗に対して大変な憤りを持っておるわけであります。また、ソ連を中心とする共産主義諸国のわが国に対する諜報活動、あるいは国内の革命勢力の動きに対して、きわめて強い不安感を抱いておると言ってもいいと思うわけでありますが、国民はやはり治安当局の努力に当面まつという以外にはないわけでありまして、そういう意味で、この潜在的な巨悪に立ち向かうそういう気構えをもって今後警察行政の運営に当たっていただきたいと、釈迦に説法かもしれませんけれども、そのように思うわけであります。 まず第一点は、現在御承知のように、上は元総理大臣から下は食糧事務所の吏員に至るまで、何かもらわにゃ損々というような形でそでの下を取っておることが横行しておるわけでありますけれども、そういう中で、現在の治安の一端を担う警察の捜査体制が果たしてこれで十分かどうかと、大変危惧するものであります。人員とか予算等の面においての飛躍的な強化こそがいま国民の待ち望んでおることであろうというふうに私は思うわけであります。本年度の予算も決まったわけでありますけれども、この問題につきましてまず、国家公安委員長から所見をいただきたいと思います。
○後藤田国務大臣 にこにこしておる、こういうことでございましたが、これは選挙の厳しい試練を経た結果、人間的な成長をしたつもりでございます。気持ちの中はちっとも変わっておりません。 ただ、御説の政官界の腐敗、これに対する厳しい世論の批判、こういうような点についてはおっしゃるとおり、やはり警察としては全力を挙げてそういった取り締まりに当たらなければならぬ、かように考えます。同時にまた、いまお挙げになったスパイの事件ですか、あるいは極右、極左の事件、こういうものについてもしっかりやれ、こういうことでございますが、私どもはこういったものについては、いわゆるイデオロギーについてはこれはもう自由でございますから、私どもとしては何ら関与するところではございません。問題は、現行法秩序を乱すおそれがあるか、しかもそれを事実犯しておるのかという、刑罰法令に照らして厳正な取り締まりをやっていくように警察を指導してまいりたい、かように考えます。 また、捜査体制について、少し弱いのじゃないか、こういうことでございますが、これはもう亀井先生が一番よく知っておられるので、私どもよりは一層熟知せられておると思いますが、私は確かに知能犯捜査の面についての捜査力は、もう少し教育訓練を徹底もし、また必要な予算もつけ、そして国民の期待に沿うことができるような体制を整備充実する必要性は感じております。しかしながら一般的に言えば私は、今日の警察は相当高いレベルの治安の維持力は持っておる、かように考えます。 同時にまた、私ども昔から申しておったのですが、いまでも私の考えは変わりませんが、権力機関というものは絶えずもろ刃のやいばであるということでございます。このことを忘れた場合には、長い観点に立った治安維持は不可能である。ことにまた、最近一部からは、警察手ぬるいじゃないかということをよく言われるいわゆる大衆の集団事犯、いわば警備実施の事件でございますが、これについては、現場でその場で警察が力によって処理することはわけがありません。これはすぐできます、やれば。しかし私はそうは思わない。やはりこういうものについては、長い治安の観点に立ってどうすれば一番いいのかという柔軟な警備体制でなければならない。したがって、誤解を生むといけませんけれども、平たく言えば、警察の基本は何かと言えばがまんすることだ、しんぼうすることだ、それによって長い立場に立っての治安維持を全うするのが警察の基本である、私はさように考えておりまするので、在任中だけはそういうつもりで警察にはお願いをしたい、かように考えております。
○亀井(静)委員 警察官もがまんしてやれということなんですが、まさにそうだとは思うのでありますが、がまんにも限度がございますので、やはり政治において解決すべき問題、あるいは警察庁において一線の警察官が仕事をやりやすいような環境づくり等に十分努める必要があろうというふうに思うわけであります。 さらにお尋ねをいたしますが、現在、KDDの捜査に対して大変に警視庁を中心に御苦労をされておられるわけでありますけれども、これについて、すでに捜査に着手をされまして相当な月日も経過をいたしておるわけであります。私どもこの内容については、新聞を通じてしかわかりませんので、とやかく申し上げるあれじゃないかもしれませんが、どうもいままでの状況では、言われておりますKDDと政治家等との関係が、単なる政治献金の受け渡しとかあるいは儀礼的な贈答品のやりとりという範囲を超えておるという実態があるのじゃないかというふうに思うわけであります。要は今後、捜査当局がこれを犯罪として立証し得るかどうかということにかかっておるのじゃないかというような感じを持つわけでございますが、率直に申し上げまして現在、これについて政治家との関係で犯罪として立証する自信がおありなのかどうかということについて一点お尋ねをしたい。何か非常に妙な質問でございますけれども、お答えを願いたいと思います。
○中平政府委員 お答えします。 現在、KDDをめぐるいわゆる疑惑につきましては、警視庁としましては約九十名ぐらいの捜査の体制を組みまして、すでに四百人以上の関係者からの事情の聴取も終わっておりますし、それから約一万点に近い押収品もございますが、その押収品を克明に分析をいたしまして、それぞれの行為が刑罰法令に触れるかどうかという観点からの吟味を積み重ねておるわけでございます。 この事件につきましては、二人の方が亡くなったという事情もありまして、私ども大変お気の毒にも存じておりますし、また、捜査の手順としては大変いろいろな影響も若干出てまいっておる、こういうことになっておる次第でございますが、しかしその壁を乗り越えて現在、国民の皆さん方から大変強い疑惑が寄せられておるだけに、その期待にこたえたいという努力を全力を挙げてしておることにつきましては、御了解を願いたいと思います。 ただ、捜査というものは水ものでございまして、非常に立証のできるところあるいは立証のできないところ、あるいは、事実があっても刑罰法令に触れないところもあるわけでございまして、ただいま御指摘のところは、亀井先生よく御案内のように、非常にむずかしいところでございます。したがいまして私どもは、そういう決意で全力を挙げて臨んでおる、その辺でひとつ御理解を願いまして、私ども全力を挙げてやってまいりたいと思いますから、よろしくお願いしたいと思います。
○亀井(静)委員 ひとつ全力を挙げて警察の威信を示していただきたい、このように思います。 次に、鉄建公団、大蔵省職員に対して背任、贈収賄容疑での告発が昨年の十月の三十日に東京地検に対して出されておるわけでありますが、これについて大蔵省は、この一連の事案について内部処分をされたというふうに聞いておるのでありますが、処分理由だけで結構でございますので、どういう事実について処分されたかということだけひとつ簡単に御説明を願いたいと思います。また、すでに検察庁からの事情聴取なり取り調べを大蔵省の関係職員が受けておるかどうかということについても、あわせてお答えを願いたいと思います。
○小粥説明員 お答えいたします。 大蔵省職員が、鉄建公団のいわゆる不正経理から捻出いたしました資金によりまして、接待を受けていたという指摘が行われまして、私ども内部で調査をいたしました。公団、検査院とも連絡をとって調査をいたしましたが、その結果、個々の会食につきましては社会常識を著しく逸脱するようなものはないと考えておりますけれども、全体としては残念ながら明らかに行き過ぎと判断せざるを得ませんで、昨年の十月二十九日に処分をいたしたわけでございます。 お尋ねの処分理由でございますが、全体として予算担当官庁としてかかる会食に応じたことが行き過ぎであったと判断をいたしましたが、特に私どもの強い処分理由といたしましたのは、むしろ今回の問題に関しまして大蔵省全体の綱紀保持の姿勢が厳しく問われたということを強く考慮いたしまして、職員の指導監督に当たる立場にございます幹部職員の責任を特に厳しく追及をいたしました。 その結果、国家公務員法上の懲戒処分でございます戒告処分二名、それから矯正処分でございます訓告処分四名、同じく厳重注意三名、計九名の処分を実施いたしたわけでございます。
○亀井(静)委員 ちょっとお答えの中で私が確認をしたかった点が落ちておるのですが、事実としては五十三年四月から五十四年四月までの間、いわゆる空出張によって捻出した金額三百二十万円の供応を受けたということと、表のいわゆる会議費名目による支出で二百万円相当の供応を受けたということになっておるようですが、間違いございませんか。
○小粥説明員 ただいまの御指摘でほぼ間違いございません。後段につきましては、いわゆる正規の会議費からの金額は、公団からの連絡によりますと約二百四十万円程度、こういうふうに聞いております。
○亀井(静)委員 いまのあれを聞いておりましても、行き過ぎであるとかというようなその行為自体についての基本的な反省がどうも私はないように思うわけであります。この鉄建公団の例をとりましても、公団の職員が予算をつけてもらいたいという一心で、予算の支出をごまかして金を浮かして大蔵省の役人を接待しているということなんでありますけれども、これはどうも言い方があれですけれども、私は江戸時代のお代官と村の代表の庄屋さんとのやりとりを見るような気がしてしようがないわけであります。 それはさておきまして、大蔵省は予算編成をするに当たって、予算項目とは違った支出が行われておるということをある程度承知の上で、予算編成をしておるのじゃないかというように私は推論せざるを得ないわけであります。なぜかと申しますと、公団の場合にいたしましても、公団総裁の一年間の交際費は三百万しかないわけであります。一部何か事務費を流用するようなことも考えられぬことはないようでありますけれども、一応三百万ということになっておるわけであります。そういう中で、表裏合わせまして五百二十万ですか、というような金が大蔵省の接待にだけ使われておるというようなことについて、予算担当の現に供応を受けておる職員がわからぬはずはないと私は思うのであります。 具体的なあれは時間がないのであれでございますけれども、私はやはり役所にも交際費が要ると思うのであります。大蔵省の局長や課長さん方は接待を受ける方ですから、交際費は要らぬかもしれませんけれども、他の省庁の局長さんや課長さんは当然、交際費が要ると私は思うのであります。ところが御承知のように、これはついておらぬわけであります。民間会社では税制上も交際費がちゃんと認知をされておるわけでありまして、こういう状況でありますと、役所の方が民間の人と交際する場合には、すべて民間にたかりなさいということを言っておるのと同じだと私は思うわけであります。会議費についてもまた同様なことが言えるわけでありまして、今後の予算というのは、この編成については十分考えなければいかぬのじゃないか。各省庁の必要な予算はちゃんとつける。肩をもんだりあるいは接待をしたり、そんなことをしなくてもちゃんとつけてもらえるということをしておれば、こういうごまかしを各省庁もだんだんやらなくなるわけでありますし、これを放置しておきますと、ごまかしがだんだんとエスカレートして、御承知のようにやみ給与の支給という、全く役所ぐるみの非常に破廉恥なことをやるような状況にも落ち込んでおるわけであります。私はそういう意味で、このたびの各官庁の不正経理というのは厳しく糾弾をされるべきだと思うわけでありますし、公務員の倫理感がここまで落ちたかということについて大変な憤慨を覚えるものでありますけれども、あわせて、この原因はやはり大蔵省が長年にわたってつくってきたのじゃないかということも否定をできないと思うわけであります。 それで大蔵省に対してひとつお尋ねいたしたいのは、今回の不祥事案を反省して、五十五年度予算編成に当たってどのようにこれが生かされたかということをお尋ねいたしたいと思います。
○公文説明員 不正経理に関連しまして、予算措置が不十分ではないか、その点どう考えておるかという御指摘であろうかと思います。 基本的には私どもは、行政事務を執行する上に必要な経費については措置していくという考え方に立っておるわけでございますし、私ども担当者としては、そのことを毎年の予算編成の過程で検討しながら、予算編成を進めてきているわけでございます。もちろん、交際費とか事務費の系統につきましては、これは国民の税金を財源としておるということもありますし、それから厳しい財源事情のもとでございますから、そういう意味で、予算措置としてあるいは十分でないという点はあるかもしれませんけれども、しかし基本的には、仕事の上で必要な経費は予算措置をしていくという考え方に立っておるわけでございますし、今後ともその点に努めていきたいと思うわけでございます。 ただ、昨今問題になりました不正経理問題というのは、私どもは予算措置の問題と申しますよりはむしろ予算執行の問題ではないかと思うわけでございまして、予算が足りないということがあることによって不正経理が許されるという性格のものではないと思っております。やはりでき上がりました予算の中でやりくりをしながら、しかもそれを法令の規定に従って適正に執行していくということが、基本的なポイントではないかと思います。たとえば財政法三十三条には、予算の流用につきまして、これは大蔵大臣の承認を原則としておりますけれども、流用について規定が認められておるわけでございますし、まあ少ない、十分でない予算でありますけれども、その中で適正な執行ということを念頭に置きながら、今後進めていくということが基本ではないかと考えておるわけでございます。
○亀井(静)委員 いまの大蔵省の御答弁は、どうも執行に問題があるので、編成時点においては問題がないというようなニュアンスの御答弁でございますけれども、そういうようなこ理屈をこねた形式論理に終始したことでいままで経過してきたので、こういう問題が趣きたというふうに私は認識をしておるわけです。やはり今後実態に合った予算を組んでいくということを来年度からぜひやっていただきたい、このように強くお願いをいたしたいと思います。 次に、法務省に対してちょっとお尋ねしたいのでありますが、どうも十月三十日に告発を受理された後は、私の調査では捜査らしい捜査はされた気配がないわけであります。贈賄側については、自分のためではなくて役所のためにやむなくやったというような点もあるわけでありますけれども、収賄側の大蔵省側については、これらの事由は考えにくいというように私は思うわけであります。職務権限の問題等を判断いたしましても、これは一応、公務員間の贈収賄が成立することはほぼ間違いない事案でありますので、一応これについてきちんとした処理をやっていただきたい。たとえその結果法務省や検察の予算が削られることがあっても、そういうことを恐れぬでひとつきっちりとやっていただきたい、このようにお願いをするわけでございますけれども、現在の処理状況と今後の御方針をお聞かせ願いたいと思います。
○河上説明員 担当の課長でございませんので詳しくは申し上げられませんが、当然告訴があるわけでございますから、適正な捜査をして十分国民に御納得をいただく処理をするものと思っております。
○亀井(静)委員 次に、警察庁の方にお尋ねをいたしたいと思いますが、できれば国家公安委員長から御答弁願いたいと思います。 御承知のように、日教組がことしもまた四月に全国統一ストを計画をしておるわけでございますけれども、これは全く違法なストライキだということは事前にわかっておることでございます。従来、これについて検挙が非常にむずかしいという困難性があるにもかかわらず、警察当局は大変な努力をして検挙活動もやってまいったわけでございますけれども、しかしどうも一罰百戒的な傾向も若干あるんじゃないかという気もするわけであります。このたびの日教組の統一ストに対しては、警察の総力を挙げて、他の仕事は少々手を抜いても、ひとつ一網打尽に検挙をしていただきたい。それについて現在、どういう準備をやっておられるか、準備態勢が万全かどうか、国民は大変にこれを心配しておりますので、この点について御答弁を願いたいと思います。
○後藤田国務大臣 御承知のように、名古屋の中郵事件の最高裁の判決以来、警察の扱い方も変わってきたと思います。日教組の人が、参加者は別といたしまして、あおり、そそのかしというのが罰条に触れることは明らかでございますので、警察としてはそういう点について厳正な処理をしたい、かように考えます。
○鈴木(貞)政府委員 お答えします。 基本方針はいま国家公安委員長からお答えしたとおりでございますが、事務当局のわれわれといたしましては、今回の春闘をめぐりましての日教組の統一スト等を含む方針、これはまだ固まってないようでございます。いまの段階で、過日の全国戦術会議等では、午前中一時間二波のストを打つというようなことでの一応の方針を決めておるというふうに漏れ聞いておるわけでございますが、いずれにいたしましても、地公法によりましてこれら一切のストライキは禁止されておるわけでございますので、そういう意味を含めまして警察は、この刑事罰に当たる違法行為についてはこれを看過しない、こういう観点から、全国的にこの面の動向について重大な関心を持ちまして備えるということでございます。
○亀井(静)委員 次に、レポ船で検挙された被疑者が現在、検察庁段階でどういう状況になっておるか、これについてちょっと法務省の方から御説明願いたい。
○河上説明員 この件につきましては、一月三十日に釈放いたしまして、引き続き捜査を継続しているわけでございます。したがって、いま詳細を差し控えさせていただきたいと思いますが、御質問ですのであえて申し上げますと、要は、他の漁民を出し抜いてそして密漁して金もうけしている、これがこの事件の本質でございます。そういう観点に立ちますと、まず、捜査を尽くさなければならぬ余罪というものがあるわけでございまして、それが残念ながら、二十日間の勾留期間に捜査を完了できなかった、したがって、事件の全容を解明しない限り適正な捜査処理ができないということで、現在、担当の検察庁におきまして鋭意余罪の解明に努めている、そういう段階でございます。
○亀井(静)委員 確かに現在、機密保護法というようなそういう法律のないわが国におきましては、形式的には密漁だということが本質だという形になるかもしれませんけれどもやはりこの事案の重要性というのは御承知のように、いまの北海道では、ソ連の手先になってスパイをやる者が漁ができ、それをやらない者は勝手にソ連が決めた領海に入ったと称されて拿捕される、そういうような状態が続いておるわけでありますので、やはり本質としては、彼らは日本の国益を重大に損なっておるというように考えるべきだろうと思うのであります。そうしますと、検疫法とか関税法違反の容疑で警察は検挙したわけでありますけれども、一応この事実について起訴をして、それで身柄をつないでおく、そうしておいてあわせて余罪の捜査もやっていくというのが私は筋であろうと思うわけであります。検察庁が起訴できる関税法違反あるいは検疫法違反についても、これは明々白々な証拠があるわけでありますから、起訴しないで処分保留で釈放するというような姿勢はきわめて問題があろうかと私は思うわけです。この点についてひとつもう一度御説明願いたい。
○河上説明員 確かに御指摘のような考え方もあろうかと思いますが、御指摘のように確かに現在、機密保護法のようなものはございませんで、問題は結局、本人がやった行為は関税法違反、検疫法違反、この二つでいわゆる送検、検察庁に送られてきたわけでございまして、関税法については御承知のとおり、告発がない限り公訴は提起できません。検疫法は、いわば日本の固有の領土である北方四島に行って帰ってきた、こういったような問題もございまして、法律上はもちろん検疫法違反が成立するわけでございますが、当時検疫を必要とするような状況が何もなければいわば形式犯というような形になるものですから、ちゃんとした適正な処理をするためには、本来はほかの方で本人たちがうまいことをやっている、その分を全部えぐり出した上で処理をしないというと、起訴はしたがいいがそちらの方ができないということになってしまいますと、いわば形式的な起訴だけに終わってしまいますので、ともかく余罪の捜査を尽くそう、こういうことでございます。
○亀井(静)委員 これについてはぜひひとつ前向きな形で、ただ単なる形式的な法律判断に偏らない捜査を遂げて、ぜひ早急に起訴をしていただきたい、このように思います。 この関係につきまして、ちょっと国家公安委員長が御退席をなさっておられるので、私の方でこの場でお尋ねするのはどうかと思うのでありますけれども、宮永事件あるいはレポ船の事件等一連の最近の事案で明らかになりましたのは、ソ連を中心とする共産主義諸国のわが国に対する諜報活動というのが非常に激化しておるにもかかわらず、わが国の法制というものはきわめて不備であるということが明白になっておるわけであります。これについて法務省、警察庁等治安維持の任に当たる官庁の場において、いろいろと法制面の不備を今後どう立法措置等で補うべきかという研究等が当然されてしかるべきでもあろうと私は思うわけでありますけれども、そういうことにつきまして今後、法務省としてはどういうように考えておられるかということをひとつお聞きしたい。特に機密保護法の制定については、大平総理が国会の答弁において、若干消極的な答弁をしておられるわけでありますけれども、この点につきましては総理としても、断定的に機密保護法を絶対に将来にわたってもつくらぬというようなことも言っておられるわけじゃございませんので、ぜひひとつ法務省当局においてもこの問題等について研究をして、前向きに取り組んでいただきたいというように思います。 それの観点で一つ問題になると思いますのは、御承知のように、真の国家機密が通報された場合には検挙はできない。検挙ができるにいたしましても、わが国の憲法のもとではこれを起訴できないという状況になっておるわけであります。御承知のように憲法八十二条で、政治的な犯罪については裁判の公開が義務づけられておりますので、そうなってまいりますと、今度の宮永事件にいたしましても、真に国益を損なうような情報についてだけ通報されておった場合には、宮永については残念ながらお構いなしということにならざるを得ぬわけでありますけれども、そういう意味で、現在のわが国の憲法がいかにわが国の安全を守るという面においてきわめて不備な憲法であるか、また間違った憲法であるかということを証明しておるわけであります。そういう場合には、現在の憲法のこの条項が決定的に邪魔になるのかならないのか、この点についての御判断をひとつ御説明願いたいと思います。
○河上説明員 確かにおっしゃいますように、憲法八十二条の裁判の公開の原則というのがございまして、こういうことが憲法上規定のないようなよその国では確かに、真に国家機密が問題となるような事件で、それを公開することなく裁判をしているというような実情にあるわけでございます。しかしわが国の場合は、それは違うわけであります。ただ、秘密であることを立証するのは、何も直接証拠によることはないわけでありまして、間接証拠あるいは伝聞証拠によっても立証することは可能なわけでありまして、現在、最高裁の判例によりますれば、国家機密というのは非公知であること、それから秘匿を要することという、形式秘であるとともに実質秘であることを要すると言っておりますが、これはその点を証明すれば検察側としては立証を尽くすことになるわけでございまして、従来もそういう形で、証人あるいは間接的な証拠を挙げまして、問題となる国家機密が真に非公知のものであり、秘匿を要するものであるということを立証してきたわけでございまして、今後ともその方向で立証を尽くすことは可能でありますし、これは憲法の枠内で十分やっていける、こういうふうに考えております。
○亀井(静)委員 さっきもちょっとお尋ねしたのですが、このたびの諜報活動をめぐる事案で浮かび上がってきたわけでありますけれども、しかし、これはいまに始まったことじゃないのでありまして、現在のわが国の法制というのは、治安を維持する観点から見ればきわめて不備な点が多々出てきておると思うわけであります。警職法は警察庁のあれでありますけれども、警職法にいたしましてもあるいは刑事訴訟法にいたしましても、こういう手続法、権限法等について、果たして現在のわが国の実態に合っておるかどうかということを常時研究をされて、もし改正なり新しい立法措置が必要な場合はそういうことを進めていくというようなことを、法務省として責任を持ってやっていただく必要があるんじゃないかというように私は思うわけでありますけれども、現にそういうことを法務省の中において常時やっておられるのかどうか、またその中で現在、機密保護法の制定というようなことを含めましての法制の整備についてどういう点を考えておられるか。刑法の例の改正については現在いろいろ御努力はなされておるわけでありますけれども、ちょっとこの点についてお伺いいたしたい。
○河上説明員 私も現場におりまして、確かに捜査する立場からまいりますと、現在の刑事訴訟法というのはアメリカ法の影響を強く受けて、実体法、これはドイツ法、大陸法系なものでございますから、そこに非常な乖離がございまして、いろいろな意味で捜査する立場にとっては支障が多いわけでございます。もちろん法務省の中では、刑事訴訟法全般につきましてあるいは国家機密につきまして、各国法制との対比、それから現在の実体法との対比といった中でもって検討を進め、少なくとも法案として提出し得るのはどの程度まで提出し得るかといった限界を探るという形での検討は続けてきております。ただ何分にも、刑事訴訟法といったようなものは、基本的な根幹となる法律でございますので、なかなか安易にそれを外に出すといった性質のものではございませんので、まだ内部での検討にとどまっている、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○塩谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十一分散会