地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 73 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/02/14
会議録
○塩谷委員長 これより会議を開きます。 内閣提出に係る地方交付税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安藤巖君。
○安藤委員 私は議題となっております法律案について、お尋ねをするわけでございますが、その前に、自治省の地方自治体に対する態度ですね、大臣の基本的な態度についてお尋ねしたいと思います。 ごあいさつはいただきましたけれども、所信表明演説というものをまだやっていただいていない。ごあいさつだけしか伺ってないものですから、一遍その辺のところをお伺いしたいと思うのですが、これは申し上げるまでもなく、地方自治の進展を図るためには国と自治体との信頼関係、これをちゃんと確立して、お互いに協力し合っていくということが基本だと思うのですけれども、そういうことに触れて大臣として、地方自治の発展のためにどういうようなことをやっていこうと考えておられるのか、まずお聞きしたいと思います。
○後藤田国務大臣 おっしゃるように、国と地方団体が協力をしながら国民の要請にこたえていくという基本の考え方でなければならぬことは、これは当然でございます。といいますのは、今日の日本の統治機構、これ全体を考えますれば、国と地方、これがそれぞれ機能と責任を分担し合ってやっているわけですから、国の支配下に地方団体があるわけではありません。これはお互いに協力をしながら仕事をやらなければならぬ、私はこういう基本的な考え方に立っているわけでございますが、その観点に立って今日の地方自治というものを考えました場合に、やはりすべての政策の面でやり方の面で、地方の自主性といいますか、地方が創意工夫をこらして住民に直結した行政、これは地方団体の手でやっていくということができるような仕組みをもう少し考えなきゃいかぬのではないかな、基本的に私はそう思っております。ならば、一体何が問題かといえば、やはり基本は、それを可能ならしめるような仕事の分担、これは見直さなければいけませんけれども、その見直しの上に立っても、それが可能になるような財源の分配といいますか、もう少し一般財源を融通する。大変むずかしい仕事だと思いまするけれども、そういう線に向かって地方自治行政に携わっているお互いは努力をしていかなければなるまい、かように考えているわけでございます。
○安藤委員 いまいろいろ基本的な問題について御答弁をいただきましたので、そのことと関連して後でお尋ねをしたいと思いますが、もうちょっと入り込んで大臣の御答弁をいただきたいのですが、私がここにいま持っておりますのは、全国知事会と地方行財政基本問題研究会が昨年の十一月三十日に「地方行財政に関する今後の措置についての報告」というのをまとめまして、なかなかもっともな御意見が集約をされておるのですが、全部やるわけにいきませんから一つだけ注意を喚起しておきたいと思うのですが、こういう提言があるのですね。「地方自治に関する法令、あるいは、地方公共団体の行財政に関する諸法令の立案に当たっては、その企画立案過程から地方公共団体の意見が反映するような手続制度を確立すること」というのが一つあるのです。これはなかなかもっともな意見だと思うのですが、こういうようなものに対して、いまおっしゃったこと以外にどういうようにこのような要請におこたえになっていこうとしておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○後藤田国務大臣 ただいまお読みになった内容も私、承知しておりますし、同時にまた、地方制度調査会等からも同じような御趣旨の御意見が出ておるということも私自身承知をいたしております。つまり、地方団体に関連のある法令等を制定する際には、何といいますか、地方団体の意見がそれに反映するようにその仕組みをつくれ、こういうことでございますが、それにつきましては、地方制度調査会等の御意見もいろいろ御意見があったようですが、集約せられた議論は、やはりその際地方団体から意見を述べる機会を法令上与えろ、こういうことでございましょう。それらについては、一方で私どもの努力が不十分なのかもしれませんし、自治省という役所があるわけでございます。そこで地方団体の側から見れば、自治省はあくまでも中央の官庁だ、もう少し自分たちの意見をなまに反映させるようにしろ、こういうことであろうと思いますが、こういった点を踏まえながら自治省としては、やはり地方自治の推進という立場に立ちまして、先ほどお答えしたような趣旨でもう少し努力せねばならぬことはよくわかっております。今日、自治省というものが地方団体の意見を受けとめてやっておるわけでございます。しかし他方、地方制度調査会等の御意見もございますので、これらについては私は将来の検討の課題であろう、かように考えておるわけでございます。
○安藤委員 きょうの質疑の本筋は、いまお尋ねしているようなところにはございませんので、この関係についてはこれでやめますけれども、一層の御検討を御要望申し上げておきます。 そこで、議題となっております法律案の問題につきまして、前回の一昨日の委員会での自治省当局の答弁は、昭和五十四年度の補正予算によって増額をされました同年度の地方交付税の額から百九十五億円を除いた六千百九十七億円、これは昭和五十五年度に繰り越す、これが法律案の内容なんですが、これがいかにもうまくおさめたことになるというような趣旨のものであったように私は聞いておったのですが、私は決してそのようには思ってないということで、地方自治体の利益を考えるという点からすると決してそのようにはなっていないのじゃないかというふうに思っておるわけです。 ところでちょっとお尋ねしたいのですが、この増額分のうちの千九百十八億円、これは五十三年度の自然増による精算分だと思うのですが、これはこの法律案と関係なしに昭和五十五年度の当初予算に計上して処理されてしかるべきものじゃないのか、そういうふうな性質のものではないかというふうに思うのですが、それをこの法律案に盛り込んで、国税三税の増収分の三二%の四千四百七十四億円ですかあれと含めて、そして五十五年度に繰り延べるというような法律案の中に組み入れられたのはどういう御趣旨なのか、お尋ねしたいのです。
○土屋政府委員 ただいまお尋ねのございました千九百十八億の関係でございますが、五十三年度の精算額というのは、お話しのございましたように五十五年度の地方交付税に加算されるのが通例でございます。といって、五十四年度ではいけないというわけではございませんが、通例はそういうことになっておるわけでございます。ただ、今回は大蔵省から、一般会計の五十三年度の剰余金が五十四年度の補正予算に計上されるということになりますために、地方交付税の五十三年度の精算額も一括して処理をしたい。あわせて、地方交付税の五十三年度精算額というのはもうすでに確定しているんだ、そうなっている以上は、機会があれば交付税を特別会計に繰り入れて、その会計の一時借入金利子負担の軽減を図ることも望ましいということで、要請があったわけでございます。そういうことを踏まえまして私どももいろいろ検討したわけでございますが、五十四年度に補正計上いたしましてもこれを五十五年度へ繰り越すということができますならば、これは精算額を五十五年度に計上することと実質上は全く同じでございますから、特に大蔵省がそういった形で進められることについて問題はないと私どもとして判断をして、そういった方向に進んだという経緯でございます。
○安藤委員 ところで、地方交付税というのは、これは釈迦に説法で私はそのことを特に強調するというわけではないのですが、本改正案の審議に当たってはどうしてもこれは触れなければなりませんし、一昨日の委員会でもほかの委員の方がお触れになったわけですが、当該年度の地方交付税は当該年度に交付するというのが、これはもうたてまえになっているんですね。このたてまえからいたしますと、五十四年度に増額になった地方交付税の額は当然、これは五十四年度に地方自治体に対して交付すべきものであるわけなんですね。そういたしますと、この一部改正案というのは、このたてまえを崩すことになるんじゃないかと思うのですが、そういうことになりますか。
○土屋政府委員 いわゆる地方財政の年度間調整ということにつきましては、原則的には地方団体が行うというのがたてまえだと思います。しかしながら、現在のように地方財政が毎年度巨額の借り入れをしておりまして膨大な累積がございます。それも、ものによりましては、個々の地方団体ではなくて交付税特別会計で一括して借り入れをしておるといったようなものもあるわけでございますから、そういった状態のもとにおきましては、私どもとしては、すでに策定をされた地方財政計画に従ってずっと今日まで運営してきたその年度末に至って補正予算に伴って地方交付税の増加が生じた、こういった場合には、全体的な財政対策の中で地方財政の健全化に資する方向で今回のような措置をとることが適切である。その際にも、いろいろな方法をるる考えて、その結果、地方財政にとって一番適切ではないかという判断に基づいてこのような措置をとるということにいたしたわけでございます。
○安藤委員 そうしますと、いろいろ検討された結果、その検討された中身については一部は一昨日の当委員会における財政局長の答弁によって伺っておりますけれども、健全化の方向ということで臨時に一時的にそのたてまえを崩すことになったんだ、趣旨は健全化の方向だ、こういうようなことなんですね。種々検討されたようですが、本当に地方自治体の財政の健全化というようなことであればいろいろお伺いしたのですが、健全化をあくまでも貫くということで、いろいろ優秀な人材もおられるわけですから、ほかにもっといい考えはなかったのか、ほかにこの前おっしゃったような以外にはどうしてもなかったのか、そういうことまで検討されなかったのかという点はどうなんですか。
○土屋政府委員 先般もいろいろとお答えをしたわけでございますが、こういった補正に伴って年度末に生じた増分をどういうふうに使うのが地方財政の健全化のために資するかということで、若干繰り返しにはなるわけでございますけれども、年度末に地方団体に配りまして適切なものに使うかどうかという観点に立って検討した場合は、年度末においてはすでに追加財政需要というのが余り考えられない、給与については、ベースアップ等につきましては大体いままでの追加財政需要として準備したもので済むということと、税収についても、思ったよりも自然増収が出てきそうであるから、全般として五十四年度の地方財政には余り支障がない、そういった観点が一つございましたのと、それといまから適切に配るということになりますと、これを全般的に洗い直しまして、単位費用その他も改定をいたしまして再算定をするということにも相なるわけでございまして、年度末の事務としては大変でございますが、事務のことはさておきましても、そういうことになりますと、五十四年度中に税収が非常に伸びておりますために、再算定をした結果、税収の伸びたところはすでに配った普通交付税がぐっと減ってくるということで、かなりそういうところが出てくるという見込みでございますので、大変混乱を起こすということが一点ございます。 そういったこと等も考えましたことと、五十四年度にそういうことで使ってしまいます場合には、言うならば五十五年度、今回財政対策として組んだものがそれだけ減るわけでございますから、結局五十五年度の財源不足額がそれだけふえるということになるわけでございます。今回の場合は御承知のように、繰り越しをして積算をした交付税がなお足りずに借り入れまでしておるという状況でございますから、やはりこの際は、同じ五十四年度使った分だけ赤字がふえるということでは五十五年度の財政運営上問題がある、こういった考え方が一つございました。 そのほかに、交付税特別会計の借入金の減額に充てたらどうだという考え方もございます。それも、五十四年度で借り入れることになっております二兆二千八百億円というものを返すかどうかということが一つございますが、この場合は、もちろん地方の方もそれだけ借り入れが減る、しかし同時に、国が法律上負担することになってすでにされております実質増加額の二分の一の額もなくなりますから、法律改正その他の必要が出てくるわけであります。そういったことをやるのもどうであろうかということ。それから、すでに過年度分の交付税特別会計の借り入れの繰り上げ返還をするということになりますと、御承知のように、いまも申し上げましたが、純増加額の二分の一は返還する際に国庫で負担するということになっております。そうしますと、膨大な額を国の方としてはまた新たに予算措置をするということも実際上出てくるわけでございます。なかなかこの段階においては容易でないわけでございます。また、それじゃそういうことでなくて、地方が負担分だけでも返すということになりますと、今度は先ほど申したと同じように五十五年度の赤字額がそれだけふえてくる。またそちらの方で財源対策債をふやすか特別会計からの借り入れをふやすかといった問題が生じてくるということがございます。 それからもう一点は、財源対策債の減額を行う面から考え、あるいは財源対策債でなくとも過去の地方債の借り入れもございますから、そういった地方債の償還という点から考えました場合に、五十四年度のいわば財源対策債として借り入れることにしております一兆六千四百億、これの減額に充てるかどうかということがございますが、すでに五十四年度分というのは大多数許可をしておるわけでございまして、地方団体でまだ発行してないところもあるかとは思いますが、なかなかその点は事務的に問題がございます。それから、それじゃ過去の財源対策債を含めて地方債の繰り上げ償還を行うかということになりますと、すでに地方債もかなり公社債市場に出回っておる状況でございますから、この時期に短期間に大量の公債を繰り上げ償還するということになりますと、これまた公社債市場を非常に混乱に陥れるわけでございます。ひいては地方債の信用というものも失われるということになる可能性もございまして、将来の借り入れ条件等にも影響いたしますので、どうもうまくいかない。 もう一つ、その他にないかと言われますれば、やはり配ることは配って、将来の借金の返済のために減債基金等に積んでおいたらどうであろうか、こういうこともあるわけでございます。これはこの前申し上げませんでした。しかしそういったことも確かに可能でございます。ただ、それを返すために積み上げておくというだけのために今度は、五十五年度の財源がそれだけ足りなくなってくるわけでございますから、それをまた新たに財源対策債を発行しろとかあるいは特別会計で借りるとかという議論のもとに、いずれにしても借り入れなければならないということになりますと、積んだ分だけ借り上げて、またその分の利子等の問題も出てくるということになるわけでございまして、どう考えてもなかなかいい方法がない。五十四年度にどうしても使わなければならない絶対的なものがないならば、やはり中期的に考えましても非常に苦しい財政の中では、五十五年度にこれを送りまして、それをやったかわりに財源対策債が減らせるということになれば、これはまさに地方財政の健全化に資するものであろうという考えでございます。 大変くどく申し上げましたが、いろいろな方法があったのではないかということでございましたので、一通り私どもがあれこれ考えてみたことを申し上げた次第でございます。
○安藤委員 そこで、そういうような検討を自治省としてはおやりになったようなんですが、この法律案をつくって五十五年度に繰り越すという点については、大蔵省の方から何らかの指示なりあるいは示唆というようなものでもあったのですか、あるいは自治省の方から積極的に大蔵省の方に対して、相談なさったのかどうかわかりませんが、どうしたらいいかというお伺いを立てるとか、そういうようなこともなさったのでしょうか。
○土屋政府委員 そういったことはないわけでございまして、今回の国の補正予算は大蔵省が、一兆九千九十億円の自然増というものを国債減額を行うといったことなどのために補正予算を編成するということにされたわけでございまして、その国税の自然増中三税の三二%というものが地方交付税として四千四百七十四億円、これはどうしても計上する必要が出てきたということでございます。こういった事態に対処いたしまして自治省としては、補正増額をされる地方交付税の処理について、るるいま申し上げましたような角度から検討いたしました結果、地方財政の健全化のために繰り越して五十五年度に加算することが最も適切な方法だというふうに判断をしたわけでございます。したがって端的に申し上げますならば、補正予算計上というのは、地方交付税法上当然補正予算を組まれる限り措置をしなければならないということになるわけでございまして、特に大蔵省が指示したとか自治省が要請したとかいうことではございません。また、補正された交付税そのものをどう取り扱うかということにつきましては、自治省が地方財政にとって最も適切な方法として判断をいたしました結果に従って決定をした、こういう経緯でございます。
○安藤委員 大蔵省との関係についてはあくまでも自治省が自主独立でおやりになったという御答弁でございますが、たとえば先ほどおっしゃったように、昭和五十三年度の精算分の確定した分、これは千九百十八億円ですね、この分については、先ほどちょっとお話しになったところによると、利子負担分が減る、それだけ助かる、これはあれですか、交付税特会からの借り入れ、資金運用部ですか、あそこからの借り入れの利子が少しでも助かるというようなこともあってという話をおっしゃったでしょう。だからそれとあわせて、四千四百七十四億円ですか、それはやっぱり繰り越すということによってもそういう関係での利子が助かるというようなことはあるんじゃないんですか。そういう点については大蔵省は何も言うてなかったのですか。
○土屋政府委員 先ほど申し上げましたように、千九百十八億円分については、五十五年度へ持っていってもそれはいいわけでございますけれども、大蔵省としては五十四年度に一兆九千億余りの補正をする必要を生じたという判断のもとに補正を組まれる、そうなってまいりますと、すでにもう五十三年度分で額が確定をしておるものはあわせて計上をするのが事務処理としても当然であろうという判断に立たれた。その際に私どもとしては、一体そういうことになれば不都合があるのかどうかと考えますと、千九百十八億分については繰り越すことによって何ら実体的には変わらない、こういう判断をしたわけでございまして、一般会計が利子負担をする分が安くなるというのは、そういうこともあるのでという大蔵省の要請の中にも入っておったことでございまして、私どもとしてはどういうふうに使うかというそこの最後のところの判断でございます。 四千四百億余りの分につきましても、これは補正に組まれなければ、黙っておれば、通例に従うと五十六年度であるいは出てくるということはあり得ることかもしれません。しかし、膨大な赤字国債を少しでも税が伸びたときに振りかえようということで大蔵省で補正をされたという結果、当然この法律制度上交付税が出てくるわけでございますから、それをどう使うかというときに、先ほどるる申し上げましたような、何が地方団体に一番いいかという観点に立って私どもは検討して、繰り越すことがよろしいという判断に立ったわけでございます。
○安藤委員 ちょっとくどいようですが、千九百十八億円については、先ほどのお話で言葉じりをとらえるわけじゃないのですが、利子の関係で大蔵省の方からの要請もあったというふうにおっしゃったわけですよ。じゃ、やっぱり五十五年度のこの中に繰り入れるという点について、大蔵省の方から要請なるものがあった。ということであるならば、四千四百七十四億円の分についても、やはり同じような趣旨で大蔵省の方から要請というものはなかったのですか。
○土屋政府委員 五十三年度分をどうするかということは、いろいろ選択の余地があったわけでありますが、五十四年度の補正予算は、いまも申し上げましたとおり、赤字国債等と税金とを振りかえようということで国の予算として出てきたものですから、当然それは交付税として出てくるという結果になっておるわけでございます。したがって、私どもがそこで判断をできることは、では、地方へ配られてくるものを五十四年度で使うかどうするか、そこの判断の問題でございまして、そこはもう大蔵省の問題ではなくてむしろ私どもの立場でどっちがいいかということで判断をしたということでございまして、結果が今回のような措置をとらしてもらうということにしたわけでございます。
○安藤委員 そこで、こういうふうに増加分を五十五年度に繰り入れるという点について、地方自治体の方の意向をお聞きになったのかどうか。最初に大臣にもお尋ねしたのですが、あるいは手続などをきちっと制度化してほしいという要望だったのですが、地方自治体の意見が反映されるようにという要望が出ておるのですが、この問題について地方自治体の意向をお聞きになったかどうか、そして、お聞きになったとすればそれはどういうような意向であったか。いかがですか。
○土屋政府委員 るる申し上げましたように私どもとしては、今回の補正で増加になりました交付税額は五十五年に繰り越して使うことが、財源対策債の減額にもつながるし最も健全化に資するということで判断をいたしました。それは私どもだけではなくて、率直に申し上げましてやっぱり地方団体の意向というのも私どもとしては気になることでございますので、六団体等にも説明を申し上げまして私どもの趣旨を理解をしていただいて、そういったことも踏まえましてこれがよろしいという判断に立って措置をしたわけでございます。
○安藤委員 地方自治体としては、地方交付税の額が非常に少ないので三二%を四〇%に引き上げてほしい、こういう要望は毎年のように繰り返されておるということは御承知のとおり。それから、基準財政需要額なるものが実態と相当大きな乖離を持って低く抑えられているという点についても非常に強い不満がある。大きな借金を抱えてひいひい言っているわけなんですよ。そういう地方自治体が、せっかくふえた五十四年度の地方交付税の額を五十四年度に使わなくたって結構ですというふうに、そう簡単にオーケーを言うたかどうか、私は非常に疑問だと思うのですよね。いまおっしゃったところによると、とにかく聞いたは聞いた。とにかく地方自治体の意向というものは大きな関心を持たなければならぬことだとおっしゃったでしょう。関心を持たなければならぬことだけれども、聞かなかったのですか、いまのお顔からすると。そういう関心を持たなければならぬことだけれども、聞いたはお聞きになったのですね。聞いたは聞いたけれども、結局五十五年度の繰り越しでよろしいということだったというお話ですね。だから、そこのところがどうもよくわからぬのですが、どうも私は、いまいろいろな理由をお述べになりましたけれども、結局は自治省ベース、幾分かはあるいは相当強く大蔵省サイドの意向というものが働いて、自治体の利益というのは二の次、三の次というところへ置いて、そして五十五年度に繰り越すということをお考えになったのではないかという気がしてしようがないのです。いろいろ技術的な混乱等々というようなことをおっしゃったですね。あるいは幾つかの事例をお挙げになりました。私も一応そういう点についてもなるほどなるほどとお聞きしておったのですが、とにかくそういうようなことも含めてもなおかつ地方自治体に対して、これだけふえたんだから配分する、これはどういうふうに処理するかは任せる。地方自治体の自主独立、自主的な立場が必要だ、自主性が必要だ、創意工夫をこらした自治体の活動が自治体の前進にとって大切だということは先ほど大臣がおっしゃったとおりなんで、そういうような方向で地方自治体に配分する、こういうようなことはお考えになったことはないのですか。
○土屋政府委員 私どもも最初に申し上げましたように、これは地方団体と国とは信頼関係にも立っておりますし、地方団体がいろいろ運営されることについては信頼をしておるわけでございます。そういった意味で地方団体に配るということも、それは当然考えられる案であるわけでございますけれども、先ほど申し上げたようないろいろなことがあるのと、それからもう一つは、現在の地方財政の状況が膨大な赤字を抱え、毎年毎年巨額の借り入れをしておるということでございまして、しかもそれは起債のかっこうで個々の地方団体が借り入れる例もあれば、もとのところで一括して交付税特別会計で巨額の金を借りておるといった状況でございます。そういった状況にある中で、五十四年度の地方財政計画というのは一応過不足のない形で組まれて、それが年度末近くまでずっと運用されてきた。そこにどうも新たな財政需要でどうしても配らなければならぬというものもないような感じでございますから、ただいま申し上げましたような財政状況のもとでは、先々考えてみましても、それは配ろうという方法もあろうけれども、いまのような形で五十五年度等の財政もあわせ考えて処置することがいいというふうに判断したわけでございまして、そういったことについて私どもも六団体等の意見を聞いた。もちろん地方団体においては先ほど御指摘がございましたように、地方交付税率を引き上げるべきだといった強い意向がありましたし、私どもも長期にわたって国の財政当局とはいろいろとやり合ってきたわけでございますが、なかなか容易にいかなかったという結果こうなった。そうなった中で、いずれが一番いい方法であるかということを説明もし、また御意見も聞いて、そして納得をいただいた形である、こういうことを申し上げたわけでございます。
○安藤委員 地方自治体のためになるというようなことをおっしゃっておるのですが、六団体の意向を聞いたというのですが、たとえば具体的に大阪府の意向を聞いたのか、愛知県の意向を聞いたのか、東京都の意向を聞いたのか、そういうような聞き方はなさらなかったのですか。あるいは、そうだとすればどういうところから意見を聞いたか、どういうような協議会とかなんとかということで地方自治体の意向を聞いたか、その点はどうなんですか。それは私どもの方も調べてみればすぐわかるのですからね。
○土屋政府委員 私どもが三千幾らの団体の意向を全部、これはもちろん物理的に聞くわけにはまいりません。そういった意味ではまさに知事会、市長会なりあるいは議長会といった各団体の会であり、かつ、いろいろな委員会等を設けて常にそういったことを検討される委員会があるわけでございます。そういったところで検討された結果、それぞれの御意見を持っておられます。そういう方々と話をしてわれわれの意見も理解をしていただいたわけでございまして、それはやはり全般的に地方団体の意向を聞いたと私どもは思っておるわけでございます。もちろん事実上の問題として、いろいろ地方から上京される方もございます。そういったときには、地方はことしの暮れはどうですかというような話からいろいろな話が出るわけでございます。私どもとしてはいろいろなそういった全般的な様子から判断をして、これについて特別な異論はないという判断に立ったわけでございます。
○安藤委員 だから私は最初に大臣にちゃんとお尋ねして、勘どころのところはちゃんとお聞きしているのですよ。ところがいまお話を伺うと、大体の様子としては地方自治体は五十五年度繰り延べにどうも異存はなさそうであるということを自治省として主観的に判断をされた、こういうことにしかいまの答弁はなってないですよ。年度末に来たときにどうとか、年末に来たときにどうとか、景気はどうですかというような話の中から適当に自治省がそんたくをしたという程度のことであって、具体的に地方自治体が五十五年度に繰り越し結構でございますと明確な意思表示をしたということはないとしか思えないですね。あったらあなたもいますぱっとおっしゃるはずだと思うのですよ。全然それをおっしゃっていない。どうも感じからするとそうだとしか思えないという答弁にいま終始されておったじゃないですか。だから全く聞いてないのでしょう。 そこで結局、地方自治体にとって五十五年度にこれを繰り延べるということがどういうメリットがあるというふうに見ておられるのですか。どういうメリットがあるのですか。自治省としてもどういうメリットがあるか。それはいままでおっしゃったようなことも大抵入っているのだろうと思うのですが、具体的にどういうメリットがあるのですか、五十四年度に配賦しないで五十五年度に繰り延べることによって。
○土屋政府委員 五十四年度に配賦をした場合の問題点というのはいろいろ申し上げましたが、その支障というものも考えましたことと、それを五十四年度に配りますと、五十五年度の財政計画等をつくります際にきわめて財源不足の状況でございました。もし今回の繰り越す予定の分がないといたしますと、その分だけ赤字額もふえますし、またそれに対応する借り入れ等がふえるわけでございます。その際に私どもとしては、できるだけ財源対策債を減らしたいという強い気持ちを持っておりまして、繰り越すことによってある程度交付税が確保ができますから、その結果財源対策債は減らせるというわけでございまして、仮にそれを五十四年度に使って六千億余りというものが足りないという形のままにどういった穴埋めをするかということになりますと、今回八千九百五十億の特会借り入れとか一兆三百億の財対借り入れというものが、場合によってはさらに財源対策債をふやすといったようなこと等にもなってくるわけでございまして、それはそのまま後々の借り入れになるわけでございますし、そこらの実態論として、それはまさに目先に使うよりも全体として見ればその方がメリットであるというふうに判断をしたわけでございます。
○安藤委員 財源対策債を昭和五十五年度において減らすというメリットがあるのだというお話、それは私もわかるのです。ところがもう一つ、交付税特会からの借り入れ、国の方が二分の一負担するやつですね、これも五十五年度で減ることになりますか、繰り入れることによって。
○土屋政府委員 結局六千百九十七億というものを何で埋めるかということは、結果的にはそういった実態が起こらなかったわけでございますけれども、そこの穴埋めということになりますと、特別会計の借り入れというものは国の場合としては二分の一将来負担をするというようなことがあるという点から見れば、国もかなり大幅な赤字公債を発行しておるのであるから、地方財政においても、これは財源対策債を発行すべきであるというかなり強い意見もあったわけでございますから、そこらがどうなったかわかりませんが、私どもとしては、交付税特会の方が借り入れが少ない形になるように繰り越しをしたという結果において、その財源対策債の減額ということを強く主張ができたわけでございまして、その点で六千百億も減らせたということは、将来にとって私どもとしては非常に健全化に資することになったというふうに考えております。
○安藤委員 財源対策債のことはわかると言うのです。私は交付税特会からの借り入れも、その分については減ることになるのじゃないかと思うのですが、そうじゃないのですか。この計画表を見ますと、昭和五十四年度で特別会計からの借入金が二兆二千八百億円、それが今度八千九百五十億円というふうに五十五年度なるという数字があるのですね。だからそういうことからすると、交付税特会からの借り入れも繰り入れることによって減額をされるという計算になっているのじゃないですか。
○土屋政府委員 全体として財政上の赤字額が減ってまいりますから、補てん措置というものも総体として減ってくる。そういった意味で二兆二千八百億が、一兆二百五十億へ落ちたといった意味では全体の財源幅が減りますから、おっしゃるように資することができたと思っております。ただ、それを繰り越したために、いまの八千九百五十億という借り入れをすることになっておりますが、そこらへどう影響したかということは、実際そのとき、暮れの時点において繰り越さないのだとなったときには、財源対策債をふやすべきだとかどうとかという議論が出てまいりますから、そこは結論的にどうなったかはちょっと私どもとしても想定して申し上げるわけにまいりませんので、強く主張したことは、とにかく財源対策債は減らしたい。そういった意味では、交付税特会の借り入れは少なくなるという形になるわけでございますから、そういうことであれば、財源対策債の方を減らしてくれということで主張ができたということでございます。これは非常にメリットだと私どもとしては思っております。
○安藤委員 財源対策債の方のことは何度も言っておりますようにわかるのですが、交付税特会からの借り入れに対しても、ストレートにこのうちの金額がこれだけこういうふうに特会からの借入分として減りますということにはならぬと思うのですが、いまおっしゃったように、一つの財源対策としてなるという意味においては、交付税特会からの借り入れも減るというようなことになっていくのじゃないかと思うのです。先ほど私が言いましたような数字もあるわけなんです。そうなりますと、これは一般会計から特会へ繰り入れる、その特会から借り入れの二分の一は国が負担するのですが、それが減るということになれば、結局は国の方からの二分の一の負担分も減るということにつながっていくのじゃないかと思うのです、地方自治体の特会からの借り入れが減るのですから。借り入れの二分の一を国が負担するのですから、その借り入れが減れば国の負担も減る、こういうことを大蔵省の方が考えておって、そういうことを自治省に対しておっしゃって、自治省の方が財源対策債の方へというようなことを強く要請をなさったといまおっしゃったのです。それもわかりますけれども、この辺のところの大蔵省サイドの国の負担を軽減させようというねらいが、この法律案の増加分の繰り入れの中に入っているのじゃないかとしか私は思えないのですよ。 そこで結局、この交付税特会からの借り入れそのものは本来、需要額と収入額との差、欠損、マイナス分、これを交付税で負担する、穴埋めするというのが趣旨になっているわけですが、その足らぬ分を結局は特会からの借り入れということで、言葉は悪いですけれどもごまかして、そして地方自治体に対して借金を押しつける、こういうようなやつなんですよ、もともと特会からの借り入れというのは。その特会からの借り入れに対する国の負担分を、昭和五十四年度の交付税の増額分という、地方自治体にとっては貴重な一般財源から少しでも足し前にしよう、こういうようなねらいがこれにあるのじゃないかとしか思えないのです。だからその辺のところは、いや、大蔵省の方からそんなことを言われた覚えはない、相談したこともない、指示もないとおっしゃっるのですが、先ほど財源対策債の方へ振り向けるのだということを強く要請をしたとおっしゃるところから見ると、そういうところで大蔵省にのんでもらったのだというみたいですけれども、もう一つのねらいは、先ほどから念を押して私が聞いておりますように、やはり交付税特会からの借り入れも減るのだということになれば、国の負担がそれだけ軽くなる、それが一つのねらいとしてあるのだということをどうしても私は言っておきたいのです。いまお尋ねしても、いや、そんなことはないとおっしゃるに違いないですから、私はこれは主張として言っておきます。こういう点はあるのです。これは私どもは見逃しませんよということを申し上げておきたいのです。 そこで、時間がありませんからあれですが、基準財政需要額というものが非常に低く抑えられているということに対して、地方自治体の方から不満があるということは前から言われておるし、先ほども私は申し上げたのですが、その関係についてちょっと具体的な議論をする関係で名古屋市の事例を挙げると、名古屋市は種地としては甲の九ですね、大都市の一つです。中核都市ですね。だから、そういう関係の政令指定都市を含めて大都市に共通する問題ではないかと思いますのでお尋ねをするわけですが、いまここにあるのは「名古屋市の財政 昭和五十四年十一月」で、趣旨が書いてあるのです。税財政制度の改善の方向をもきちっと出すという趣旨でまとめたものだというのです。「基準財政需要額と実際の財政需要とのかい離状況」、これは昭和五十三年度なんですが、幾つか棒グラフとして出してあるのです。 名古屋市の場合、全部は申し上げませんけれども、たとえば都市計画費は全体として二百二十七億円使っているのです。ところが、基準財政需要額の中に算入されているのは八十五億にすぎない。百四十二億も乖離があるんですよ。それから、これは後で具体的に問題にしますが、教育費は全体で四百三十八億円が実際の財政需要だったんですが、基準財政需要額に算入されておるのは二百八十三億、差し引き百五十五億も乖離。民生費へいきますと、全体が二百九十八億で乖離が百八十五億、こういうような大きな乖離の状態にあるのです。 なぜこうなっているのかということでいろいろ調べてみたのです。これは先ほど言いました教育費の中の関係でお話しするんですが、教育費の中に児童経費、学級経費、学校経費というのがあります。この児童経費は、一学校八百十人を基準の施設として基準財政需要額算定の基準にしておられることは私が言わぬでもいいのですが、経常経費のうちの児童経費、そのうちの光熱水費、この関係についてお尋ねしたいのです。なぜ光熱水費を取り上げたかというと、これは学校経費あるいは学級経費とそれぞれのところへまたがっていなくて、児童経費のところにだけあるのです。だから計算がしやすいということでもって取り上げておるわけなんですけれども、こういう実態であるわけです。いま私がここに持っておるのは、自治省財政局交付税課、財政課が編集をした「地方交付税制度解説」五十四年度版の一部です。 いま申し上げました光熱水費は百五十八万円ですね。これを小学校の場合八百十人で割りますと、一人当たり千九百五十一円です。ところが、実際に五十四年度に名古屋市がかけた費用はどれだけかというと、これは昭和五十四年度のもちろんまだいまの時点では名古屋市の予算として組まれたものですが、名古屋市全体の児童数は昭和五十四年五月一日現在、これは文部省と同じ数字なんですが、二十万三千二百十五人、予算は十八億八千四百四十九万四千円、一人当たり九千二百七十三円となるわけですね。そうしますと、自治省が出した基準財政需要額は先ほど言いましたように千九百五十一円、実際に名古屋市が使っておるのは一人当たり九千二百七十三円、まさにこれは四・七五倍なんですよ。何割増しじゃないのです。こういうような乖離の実態があるということなんです。 いま小学校の例で申し上げたのですが、中学校の場合は、六百七十五人が基準の生徒数です。そして自治省が基準財政需要額として出されておるのが百七十五万円なんです。それは一人当たり二千五百九十三円ですね。ところが名古屋市の方の実際にかかっておる費用は一人当たり一万六百六十一円、二千五百九十三円の四・一一倍です。こんなに違うのです。だからこそ先ほど言いましたように、教育費で基準財政需要額の中に算入されていない金額が非常に大きなものになっておるという結果となって出てきておるのです。先ほどから私が、基準財政需要額が低く抑えられておるので地方自治体から不満が出ているのだというときに、財政局長はそんなことないみたいな顔をして聞いておられたけれども、実態はこうなんです。だから、こういう問題をきちっと把握してもらわなければならぬと思うのです。こういう点についていま私、挙げたのですが、一体どういうふうにしてこれを是正していこうと考えておられるのか。どうなんでしょうか、もうこのままでいいと思っておられるのですか。
○花岡(圭)政府委員 先ほど名古屋市の例を挙げて基準財政需要額と実態との乖離があるということでございますが、小中学校の光熱水費につきましては、私どもも年々改善に努めてきたわけでございます。先ほど御指摘ございましたように五十四年度、小学校の場合には百五十八万円という単位費用になっておりますが、五十一年度百万円から順次上げてまいったわけでございます。中学校の場合にも、五十一年度百万円でございましたが、現在百七十五万円。来年度の交付税の単位費用の改正におきましてもできるだけ努力するつもりでございます。ただ、交付税の基準財政需要額と申しますのは御承知のように、あるべき財政需要額というものを算定しておりますので、各地方団体におきます実績とは乖離をすることはあり得ることだろうと思います。しかし平均的に見ますと、全国的にはおおむね妥当な数字となっていると私どもいま考えておるわけでございますが、御指摘のように地方団体によりましては、あるいは特定の項目につきましてはいろいろと実態とのばらつきはあることは承知いたしております。 ただ、先ほど御指摘のように非常に大きな乖離があるということでございます。この点につきましては、どういう事情でそのようになっておるのか、私どもも実態を調べてみないとよくわかりませんけれども、私どもといたしましては、単位費用の改正に当たりましては、機会あるごとに地方団体の実態を調査いたしまして、実態との乖離のないように措置してまいっておるつもりでございますが、先ほど御指摘の点につきましては、どういう特殊事情があるのかという点は十分調べてまいりたいと思います。
○安藤委員 できるだけ実態に合わせようといろいろ努力をしておられるようでございますけれども、具体的な数字を挙げましたような非常に大きな乖離があるわけです。それは名古屋市なら名古屋市あるいは特定の都市の特殊事情が相当絡まっておるので云々というのがいろいろな弁解の中に出てくるのですけれども、いま私が申しましたようなことからすると、これはそういう大都市の平均的な実態がそうじゃないかということを一遍考えていただいて……(「大都市だけじゃない」と呼ぶ者あり)だろうと思うのですね。周辺都市もあるしいろいろあると思うのですよ。だから、そういう平均的な問題だというふうにとらえていただいて、やはり実態をきちっと把握していただく。単位費用の計算からもう一遍やり直す。それから段階補正とか態容補正、いろいろ補正があります。その補正の係数についてもきちっと抜本的な検討をどうしてもしていただきたいと思うのですよ。そういうようなことで再検討していただけますかどうか、もう一遍答えてください。
○花岡(圭)政府委員 そういう点につきましては、私ども十分検討いたしたいと思います。ただ私ども、全体としてどういうふうな姿になっているかというふうなことにつきましては、たとえば五十二年度の基準財政需要額と一般財源の決算額とを比較してみる、人口十万団体を抽出して計算したことがございますけれども、やはり基準財政需要額、それから交付税に算定されておりませんような経費をもとにして使います需要でございますが、たとえば税の二五%相当分とか目的税あるいは特別交付税というふうなものを基準財政需要額に合算いたしましたものと決算額とはほぼ合致するわけでございますので、どういうふうな点のばらつきがあるのか、そういった内部での大きな乖離があるという点につきましては十分調査して、直すべきところについては是正してまいりたい、このように考えております。
○安藤委員 時間が来ましたので、最後に大臣にお答えいただきたいのですが、こういう実態なんですね。先ほど私が名古屋市の実態を申し上げて四・何倍と言ったときは、ううんとうなずいておられたのですが、こういう実態だということになると結局、交付税というのは基準財政需要額と収入額、その不足額を埋めるというたてまえですが、基準財政需要額をぐっと抑えておけば地方交付税は少なくて済むのですよ。だから三二%でいいじゃないかということでちっとも四〇%に上げようとしない。だから、地方自治体の健全な発展に対して自治省が低く抑え込むことによって、国の責任逃がれの一つの大きな口実というか基盤にしているとしか思えないのです。だからその辺については、先ほども大臣は、地方自治体の自主性と創意性が大事だ、しかも財源をしっかりと充実させることが大切だということを冒頭におっしゃったのですよ。だからこの問題なんです。どういうふうにしてこれを是正していかれるのか、最後に大臣にお答えいただいて、私の質問を終わります。
○後藤田国務大臣 私もいま名古屋市の学校の光熱費をお伺いしていまして、いまどき一体、実際の必要経費とこちらではじいた基準財政需要額とで四倍ないし五倍の開きがあるなんというのは、私いま初めて聞いたのです。確かに昔はいろいろなふぐあいがありました。しかしながら最近は、ほとんど実態をつかんで、そして全国的な平均も見て、同時に明くる年の決算状況も調べまして、大体とんとんにいっているという認識を私自身は持っておったわけでございます。ただ、いまお話しのような名古屋あるいは大都市等にはまたそれぞれの特殊な事情もありましょうから、そこらはよく踏まえまして、全国的にさらによくそういう実態も調査して、できる限りは、やはり一般財源を強化しなければならぬことは当然のことでございますから、そういう方向に向かって努力をしていきたい、かように考えます。
○安藤委員 終わります。
○塩谷委員長 部谷孝之君。
○部谷委員 ただいま議題となっております地方交付税法の一部改正法の一部改正法案に関しまして質問をいたします。 現在わが国の財政は、国、地方を通じまして、特例公債を含むきわめて巨額な公債あるいは借入金に依存する著しい不均衡な状態にあると思いますが、このような財政運用を続けてまいりますと、今後の経済社会の新しい要請に的確にこたえていくことができないのではないか、困難になる、このように思うわけであります。政府は先般、新経済社会七カ年計画を策定されまして、これを公にしておられるわけでございますが、自治大臣といたしまして、昭和六十年までの地方財政の展望、これをどのように考えておられるのか、まずお尋ねをしたいと思います。
○後藤田国務大臣 今日、国、地方を通じまして非常な巨額の財政収支のアンバランス、これが生じておることは御承知のとおりでございます。そこで私どもとしては、国も地方もともに財政再建ということが最大の課題であると思います。先般の国会の御決議等を見ましてもそのことを強く述べられておるので、私どもとしては財政再建ということを最大の課題にいたしております。 そこでまず一つは、私が考えておるのは、何といってもその際には経費の節減合理化、これが第一であろうと思います。それから二番目は、やはり今日の日本経済の上に占めておる国の経済、地方の経済の重要な役割り、このことを考えまして、そこで国、地方の経済を通じての国民経済への貢献がどうなるかということ、これを考えなければならぬ。そういった上に立ってやはり一番肝心なことは、今日国民の皆さんの御協力を求める前に、自然増収といいますか、経済基盤をしっかりさせるということ、これは私は三番目の課題ではなかろうかな、かように考えて、こういった意味合いで財政の運営をしなければならぬなと思っておるのですが、さてそれでは、昭和六十年までの展望を考えた場合にどうなるかということになりますと、これまた御承知のとおりの今日置かれておる状況から見て、実際私は容易ならざる課題であろう、かように考えておるわけでございます。 そこで、そういった状況でございますから、昭和六十年度の地方財政の姿についても、これは経済七カ年計画等によって国が一応の財政収支試算を出しておりますから、これを私どもも一応ベースに置きながら、五十五年度の地方財政の実態、この予算が出るわけですから、それと結んでみて各年度どうなるかといったような地方財政の収支試算、これを出さなければならないし、いま鋭意作業をしておりまして、大体二月中にはお出しできると思いますけれども、いずれにせよこれは、六十年度までの日本経済の状況、それを基盤にした国家財政の姿、地方財政の姿、なかなか容易ならざる課題であるなというのが私自身の率直ないまの考え方でございます。
○部谷委員 それでは続いてお尋ねしますが、交付税特別会計の借入金、この純地方負担分、この総額というものは五十四年ベースで一体幾らになっておりますか、お尋ねします。
○土屋政府委員 交付税特別会計の借入金残高は、ただいまおっしゃいました五十四年度末でございますと七兆一千六百億余りでございまして、そのうち、地方の負担になるべきものが三兆六千九百億余りということになっております。さらに今回、五十五年度で八千九百五十億円借りるということになりますと、若干返す分もございますから、五十五年度末もついでに申し上げますと七兆七千億程度になる見込みでございまして、地方の負担分が四兆六百億程度になる見込みでございます。
○部谷委員 いま五十四年ベースで大体三兆六千九百億。ですが、いまお話がありましたように、さらに五十五年度に八千九百五十億、これを特会に借り入れておりまして、その二分の一を国が負担しておるわけでありますから、申すまでもなく残りの約四千五百億、これが純地方負担に加わることはいま御説明をいただいたところであります。そういうふうにさらに五十五年度も上積みがされるわけでございますが、ここで地方団体における地方債の残高、これはどのようになっておるのでございましょうか。
○土屋政府委員 地方債の年度末現債高について申し上げますと、普通会計債で五十四年度末で約二十六兆円、五十五年度末では、これは見込みでございますが、二十九兆円程度になるというふうにいま考えております。そのほか、普通会計でないいわゆる企業会計等他会計がございます。その分が五十四年度末で十五兆円、五十五年度末で約十七兆円というふうに推計をされております。したがいまして、普通会計とその他会計を合わせた総額で申し上げますと、五十四年度末で約四十一兆円、五十五年度で、全くの推計でございますが、四十六兆円程度になるものというふうに考えております。
○部谷委員 それで、六十年度の見込みというものはいま立てておられるのかどうか、立てておられるとすればどれくらいになっておりますか。
○土屋政府委員 率直に申し上げまして、六十年度どうなるかということになりますと、その間にどういった財政需要があり、それに対応してどういった財源があって、その場合にどれだけの地方債が必要かということをある程度仮定的に一定の前提を置いて計算いたしませんと出てこないわけでございます。先ほど大臣からお答え申し上げましたとおり、ある一定の前提を置いて経済審議会あたりの諸指標とか大蔵省で出しております諸試算等をもとにしまして地方財政の収支試算を出します場合は、そういった前提のもとではこうだということを申し上げられると思いますが、いましばらくお待ちを願いたいと思うのであります。
○部谷委員 五十四年の地方財政収支試算、これによりますと、六十年度の公債費を六兆四千億と見込んでおるわけでございますが、こうした数字の根拠が先ほど申しましたような地方債の残高が出てこぬとこの数字が出てこないと思うのですけれども、その辺の関連はどのようになっておるのか、御答弁いただきたいと思います。
○土屋政府委員 結果的には結局、ただいま申し上げましたように、今後の推移というものをどういうふうに前提を置いていくかということでございまして、昨年つくりましたときは、新経済七カ年計画の暫定試算というものをもとにして計算をいたしまして、その場合の全般的な投資的経費の伸びとかどうとかというものが、現実の私どもが見込んでおる五十五年度よりも非常に高かったということもございまして、現実には五十五年度は数字が非常に変わってくるだろうと思っておるわけでございまして、そういった意味で、どういった形になるかということは全く一定の推定のもとでなければ出てまいりませんので、その点はただいまなかなか申し上げにくいということでございます。
○部谷委員 いまいろいろと地方財政の借金の体質につきまして、いろいろな数字を挙げながらその浮き彫りを示していただいたわけでございますが、この借金財政、借金体質のことについては後でまた触れたいと思いますが、ちょっと最初に触れました新経済七カ年計画、これにおきまして政府は一般消費税をまず意図されて、その一部を地方消費税として地方団体の自主財源とする方針を立てられましたが、御承知のような事情の中でこれを訂正と申しましょうか、経済審議会におきましても新経済社会七カ年計画のフォローアップ報告という中でその修正をされておる。それによりますと、「いかなる方法によって所要の財源を確保していくかについて、国民の理解と協力を得つつ、政府においてさらに検討を進める必要がある。」こういうふうに述べられている。方針が転換されておると思うのでございます。そういたしますと、地方消費税の導入が不可能となったいま、地方財政の危機を打開していくために新しい財源をどのように検討しておられるのか、あるいはまたどういう形で財源を確保していこうとしておられるのか、これはひとつ大臣の方から御答弁をいただきたいと思います。
○後藤田国務大臣 まず私は、地方財政の再建を図るためには、第一番目にやらなければならぬのはやはり行政の簡素効率化、これが第一だと思います。そして既存の経費の見直し、それをやることによって歳出の節減合理化を図る。二番目は、非課税等の特別措置、これの見直しをやる。同時に、それらを含めた税負担の公平と税収確保、これが私は二番目にやらなければならぬ仕事ではなかろうかな、かように考えるわけでございます。それでやはり私どもとしては、歳入歳出全般にわたっての見直しをやらなければいかぬのではないか、かように考えておるわけでございます。そこで、こういった問題については税制調査会なりあるいは地方制度調査会、こういったようなところからいろいろな御提言もございますので、それらを含めて私は今後の検討課題だろう、かように考えておるわけでございますが、あえて私自身の見解を申し上げますならば、いまやるべきことは、やはり私は骨身に徹する水ぶくれの解消だ、これが一番肝心だ、やるだけのことをやって、その上で税制なんかについては全般の見直し、検討に入るべきであろう、かように考えております。
○部谷委員 そうした七カ年計画のフォローアップの中で方針を転換され、その中で国もそれではという方針が出ていない。国民のそうした理解と協力を得ながら模索していきたいという御方針のようでございましたが、地方財政においても同じようなことが言えるのではないか。それから、言わば増税ということに関しましては、きわめて厳しい前途がわれわれの前に立ちはだかっておる、そういう中でまず水ぶくれを解消し、いわゆる行政改革によってそうした増税の前の段階をまずやっていきたい、こういうふうな御答弁をいただいたわけであります。増税はそのように簡単にできないと思いますが……。 そこで、今回増額されました地方交付税を翌年に繰り越す措置をとろうとする理由あるいは経緯、こういうものにつきまして、十二日あるいはさっきからの政府の御答弁を聞いておりますと、大体私は以下申し上げる四つに集約されるのではないかと思います。 その一つは、追加需要といたしまして地方公務員の給与の改定やあるいは台風二十号による災害に伴う需要があるけれども、これらについてはすでに措置済みである。これが一番目。それから二つ目には、基準財政需要額と収入額を全体にわたって再算定することは、期間的にもまた事務処理上非常に無理がある、だから五十五年度に延ばしたい。第三番目は、再算定の際にたとえば交付団体が不交付団体になって返還するようなケースも起こってまいっていろいろと混乱するおそれがある、こういうことが三つ目。それから四つ目には、五十五年度の財源対策債あるいは交付税特会の借り入れ、こういうものを減らすという形で地方財政の健全化を図りたい、大体このような四つに集約される形での御答弁があったと思います。 国の計画からいたしますれば給与、災害はすでに措置済みであるという、そういう状態についてはもちろん了承をいたしますが、そのほかに地方団体において本当に需要がないのかどうか。また、いま申し上げました二と三の点、つまり事務処理の期間が短か過ぎるとかあるいは交付税の返還という事態、こういうものを回避する方法というものを真剣にお考えになったのかどうか、その点ひとつお尋ねしてみたいと思います。
○土屋政府委員 大体ただいまお示しのようなことを考えて今回の措置をとったわけでございますが、そのほかにと言われれば、技術的にはいろいろなことも考えたわけでございますけれども、もう一つちょっと私が申し上げたかったことは、マクロとしては大体大きな追加財政需要はないにいたしましても、個々の団体ごとにはいろいろ財政需要があるということはこれはあり得るわけでございます、事情はそれぞれ違うわけでございますから。そういったことがどうなるかなということ等も検討したわけでございますが、この辺については先般、税務当局からも五十四年度四千ないし五千億の自然増もあるというような話もございます。地方税もかなり伸びておるという点もございますので、そこらを全般的に考えれば十分対処できるのではないかということで、その点も特に問題ならないのではないかと思ったわけでございまして、それ以外に、たとえば配った場合に単位費用の改定はする、しかし新しく五十四年度中の税、基準財政収入額というものを考慮外に置いてすでに配った普通交付税などの返還といった問題が起こらないようにする方法はないかということについては、これは具体的な問題としてとてもやはり無理であろうと思いまして、話題としては出ておりますけれども、実際問題としてはそれはもうむずかしい。特にそういうことをしました場合は、それではそこで見なかった基準収入というものは五十五年度でこれはまた大きく見なければならぬわけでございます。そうなると、またそちらの方でいろいろな変動を生ずることになってまいります。なかなか円滑にいかないということで、いろいろな中でこれがベターであろうということで踏み切ったわけでございます。
○部谷委員 重ねてのお尋ねになるわけですが、さきに地方債を中心として地方のいろいろな財政がきわめて厳しい、こういう状態につきましては数字を示してもらってその実態も十分浮き彫りにされたわけでございますが、本来、交付税の趣旨幌からいたしまして、皆さんがおっしゃっておりますように、年度内に交付すべき性格のものであることは申すまでもないところでございます。そのためにわざわざこうして改正法が出される、こういうことでございます。このたびのそうした増分というものは、地方自治体の借金体質、先ほども申しましたいろいろな赤字体質があるわけでございますから、この際これらを改善するために交付税を翌年に繰り越すというそういう措置をしないで、現在直ちにこうした改善を行う、起債の繰り上げ償還とかあるいは減債基金の積み立て、そういった財源対策のために増収分を交付すべきであると思うのですが、この点ひとつ重ねて御答弁をいただきたいと思います。
○土屋政府委員 ただいまおっしゃいましたような方法も当然考えられることでございまして、過去の地方債の繰り上げ償還、あるいは配って減債基金に充てるということも確かに一方法でございます。それについては前にも申し上げましたとおり、過去の地方債を償還するということになりますと、かなり公社債市場で流通しておるものをこの年度末で急速に多量に償還をするということになりますと、これは非常に公社債市場が混乱いたしますし、地方債自身の信用の問題にもかかわってくるということもございまして、なかなかこれはやりにくい。そしてまた、基金として積むことも当然考えられることでございますけれども、その二つの場合ともそれをいたしました場合は、当然のこととしてそれに対応する分だけの五十五年度の財政対策として何らかの金をつくらなければならない。それは当然に財源対策債の増発、あるいはうまくいっても特会借り入れといったような問題になるわけでございまして、結局、一方で積み立ててもその分だけまた新しく金を借りるという形になるわけでございまして、その点一体そこらをどういうふうに考えたらいいのか、特にそういうことをしても余りメリットがないのではないかといったような考えがございまして、今回のような措置がよかろうというふうに私どもとしては判断をしたわけでございます。
○部谷委員 このたびの措置というものが、国のベースの年度間の調整であることは申すまでもないのですが、るる申しましたように、こうした交付税の趣旨からいたしまして、地方の自主性にゆだねなければならない。しかもこれだけの借金財政で呻吟しておるのでありますから、地方は恐らく基金にこれを使うということが十分予想されるわけでございまして、同時にまた、基金にすることによって、単純な使い方でなしにその果実を生んでいくというそういう運用の中から、私はもっと効果的な使い方がされるのではないか、このように思うわけでありまして、これはひとつ地方の年度間調整に任せるべきであって、そういうことを考えてみますと、自治省は地方団体を信用していらっしゃらないのではないか、そんな気さえするわけでございますが、この点をどのようにお考えでしょうか。
○土屋政府委員 私どもとしては、地方自治体を信用していないというわけでは決してございませんで、先ほどから申し上げておりますような非常に大幅な赤字財政の中で毎年毎年巨額の借り入れをしておる、しかも個々の地方団体が地方債を借り入れるもののほかに、本来もとのところで交付税特別会計で大きな借り入れをしておる、そういった状況のもとでございますから、私どもとして国の立場で全般的な財政の健全化へ資するというときに、一括してそこで処理をするということはあり得るだろうという判断でございまして、地方団体をもちろん信用して配るということはできるわけでございますが、るる申し上げたようないろいろな支障がございます。それともう一つ、基金を組みます場合は、基金積み立てのために配賦をしました場合でも、結果的にはその分だけ五十五年度で別途借り入れるということになるわけでございます。そういったことになりますと、地方債市場の混乱を招きながら繰り上げ償還するよりは、今後高金利が予想される新規債をふやすということではなくてむしろそちらがふえないようにするということは、決しておかしなやり方ではないのではないかと思いまして、今度のような措置をとったわけでございます。
○部谷委員 もうこれで質問を終わりますが、このたびの措置は、要するに五十五年度の交付税の確保が最大の目的ではなかったのか。先ほどちょっとお話がありましたように、本来ならば五十四年度の決算額にこれを出してまいりますと、これは五十六年度にこの四千四百億というものは繰り延べられるかっこうになるのです。だから、今度の措置でむしろ五十六年のものを先食いする、こういう形になるということも私は理屈の上では成り立つと思うわけであります。そういうふうないろいろなことを考えてみますと、今度の五十五年度の交付税の確保というところへ焦点を合わせて、そうして交付税の制度上からいくならば五十四年に使わなければならぬ、同時にまた、いわば決算額に出していけば五十六年度に使われる、そういうものを五十五年度に集中して持ってまいって、そして財政対策にセットして措置をされた、私はそのような気がしてならないわけでございます。 こうしたことは考えてみますと、交付税率の引き上げにつきましても、これは先般、五%の交付税アップを大蔵に要求したというふうに大臣も御答弁になっておられましたけれども、大蔵省の方からちょっと拒否されれば、いわば言葉は悪いのですけれども腰砕けになってしまう。また、交付税の特会の借入金につきましても、これは二分の一が国庫負担になるわけでありますから、どうも大蔵省の抵抗が強くて折衝がなかなかむずかしい。こういうふうな事情の中で総額の確保というものが非常にむずかしい、そういうので、安易に五十五年度の交付税対策としてこのたびの増分の繰り越しをやった、こういうのが実は本音ではないか、こういうふうに私は思うのでございまして、いわば大蔵省のペースに引き込まれた今度の措置というものは私は大変遺憾だと思うわけであります。こうした点につきまして、ひとつ最後に大臣の方から御答弁をいただきたいと思います。
○後藤田国務大臣 いま御質問のような御疑念をお持ちかもしれませんが、私どもとしましては、安易に五十五年度の計画をつくったわけでもありませんし、ましてや大蔵省のぺースに引き込まれたわけでもございません。やはり自治団体の立場に立って何が一番いいのかということを基本に考えたつもりでございます。いろいろ御批判は当然あると思います。 といいますのは、実はこの問題はおっしゃるように、確かに補正予算を組めば三二%分は当然五十四年度に配賦すべきものであることは間違いございません。ただ、この問題をめぐって、同時にまた五十五年度の財政計画を立てるに際して、一体どういう考え方でいったらいいのかということを財政当局から私、説明を聞きました。その説明を聞きましたときに、いま問題になっておる補正予算を組むのに伴っての交付税をどう考えていくか、私はいろいろ話を聞きまして、たてまえはやはり五十四年度に配るのがあたりまえじゃないのか、それを繰り延べて五十五年度に計算するという理由は一体どこにあるのだ、説明を聞かしてもらいたいというようなことで私自身説明を聞きました。私は最後に、要はこれは地方団体の立場に立って、平たい言葉で言えばそろばん勘定は地方に有利になるということだなというだめ押しをいたしました。それは、確かに話を聞いてみれば、どうも私自身も、どうやらこの方の処置が地方団体にとってはベターであろうということを私自身が判断をしたわけでございます。その際同時に、この五十五年度の交付税の処置、つまり、財政収支のアンバランスがありますから、その財源を補てんするに際しては、これまた平たい言葉で言えばそろばん勘定になるわけですけれども、起債はうんと減らせろ、そして同じ穴埋めをするんなら借り入れにしなさい、というのは二分の一は国の方から補てんがきくわけですから、そういったことで、あれこれ私どもとしても、財政当局には十分に私の意見も聞いてもらってその上での処置をしたつもりでございまするので、その点はひとつぜひ御理解を賜りたい、かように考えるわけでございます。
○塩谷委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○塩谷委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。小川省吾君。
○小川(省)委員 私は、日本社会党を代表して、地方交付税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論をいたします。 昭和五十四年度の補正予算により、国税三税の三二%の伸びの総額が六千三百九十二億円増加することになりました。このうち、ごく一部の百九十五億円を昭和五十四年度に交付し、残余の大部分六千百九十七億円を昭和五十五年度に交付をしようという改正案であります。 地方財政は御承知のように、積年の借金財政を余儀なくされているわけでございまして、これを借入金の返済に充てるのならばわかるわけでありますが、大半を五十五年度に繰り入れるということは納得できません。五十五年度の財源不足額二兆五百五十億円というのも、これを繰り入れるため低く見積もったものではないのでしょうか。財源不足額というのは、六千百九十七億円を繰り入れるならばもっと少なくなるのではないかというふうに思います。八千九百五十億円の特別会計の借り入れももっと少なくなるのではないかというふうに思っています。いずれにしても、財源の年度間調整ということもありますけれども、単年度で決めていく原則ということからして、これを五十四年度に繰り入れて、赤字財政に悩んできた地方財政にせめても一服の頓服を盛って、むしろ地方財政への一抹のゆとりをつくらせる必要があったのではないかというふうに思います。 以上、現下の地方財政の実情を勘案をした上に立って、本法律案については賛意を表しがたい旨を申し述べて、討論といたします。(拍手)
○塩谷委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となっております地方交付税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。 その第一は、当初予算における税収の過小見積もりは、意図的とまでは言わないまでも、財源隠しの疑惑を抱かせるものであります。 今回の補正予算一兆九千九十億円に伴う地方交付税の追加額は六千三百九十二億円となっております。五十四年度の経済が政府の見通しに近い数値で推移したことから見ましても、二兆円もの税の増収を生じたことは、当初における税収見込みを過小に低く見積もったと言わざるを得ないものであります。 これは、昭和五十四年度の地方財政計画よりも地方交付税で六千三百九十二億円、地方税で約四千億円も上回ることとなり、あたかも昭和五十四年度の地方財政が好転したかのような錯覚を地方自治体に与えるものであります。 もとより、正確な税収見積もりは、適確な財源配分や財政運営を行うために不可欠な要件でありますが、それとともに、今日の財政危機の状況下において、財政再建に対する国民の理解、協力を得るためにも、財政の正確な実態を知らせることは当然であります。 次に、五十四年度分の交付税を五十五年度に繰り延べることについてであります。 今回の補正で生ずる交付税の六千三百九十二億円のうち、その大半である六千百九十七億円を五十五年度に繰り延べる措置をとっておりますが、このような繰り延べ措置は、当該年度の地方交付税は当該年度に交付するという交付税制度のたてまえに反するものであります。 また、今回の措置は、今年度はできるだけ抑え、来年度の地方財源不足をできるだけ少なくしたいという考えが優先したものとしか考えられません。五十四年度の地方財政は、四兆一千億円もの財源不足を生じており、このために、交付税特別会計の借金と地方債の増発という措置を行ってまいりました。来年度に繰り延べる前に、五十四年度の地方の財政需要の見直しを行うとともに、できるだけ借金を少なくすべきであります。 次に、国、地方を通ずる行財政の抜本改革についてであります。 第十七次地方制度調査会より、新しい社会経済情勢に即応した今後の地方行財政制度のあり方についての答申が出され、五カ月余を経過しておりますが、今日、改革の方途も示されず、また、改革のための調査会の答申の趣旨に沿った機構すらできておりません。答申では、国と地方公共団体との関係に係る改善事項については内閣に強力な推進体制を整備することを要求しておりますが、これについても何ら手が打たれておりません。 またこれと同時に、地方の時代と言われる八〇年代を切り開くためにも、国、地方間の改革を進めるに当たり、地方の意見を取り入れた改革が重要であります。この際、こうした観点から、国、地方間の改革を進めることを強く要求するものであります。 以上をもって、私の反対討論といたします。(拍手)
○塩谷委員長 三谷秀治君。
○三谷委員 私は、地方交付税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、日本共産党・革新共同を代表しまして、この政府案に反対の討論を行います。 そもそも、五十四年度補正予算によって自然増収を見ることになりました国税三税の三二%分は、地方交付税として地方自治体の固有の財源となるものでありまして、五十四年度分として地方自治体に配分すべき性質のものであります。 しかるに、自治省は、これを五十四年度の財源として措置せず、その理由として、交付税特別会計の借入金に対する返済並びに地方債振りかえ分への充当とも困難であり、また新たな行政需要も立てられないとして、増収分となる四千四百七十四億円を五十五年度の財源として措置しようとしておるのであります。 この措置は、次の二つの理由によりまして私たちは認めることができません。 第一は、予算の年度性の問題であります。現在の国及び地方の財務制度が単年度主義をとっている以上、補正による増加財源は当面、その当該年度において歳出予算化されるべきものであります。この立場から、増加することになりました地方交付税四千四百七十四億円は、五十四年度において自治体に配分すべきものであり、国が恣意的な年度間調整を行うべきものではありません。 第二に、自治省は、年度末における措置は技術的に困難であるとしておりますが、私たちが五十四年度の地方交付税法一部改正の審議に当たりましてすでに明らかにしましたように、政府は五十四年度においても基準財政需要額を圧縮した結果、地方自治体の実際の財政需要とは著しく乖離したものとなっております。この乖離を是正するためにも、需要額を実態に近づけることが必要であり、またそれは十分可能であります。これをやれないとする態度は全く了解のできないところであります。 重ねて年度内に財政危機に苦しむ地方自治体に配分することを強く要求して、反対討論を終わります。(拍手)
○塩谷委員長 部谷孝之君。
○部谷委員 ただいま議題となっております地方交付税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に対しまして、民社党・国民連合を代表いたしまして、反対の立場から討論いたします。 まず第一に、交付税制度から見まして、当該年度に交付すべきものであって、年度間の財源調整は地方団体の自主性に任せることが交付税本来の趣旨に沿うものである。 第二番目に、財政再建の立場から、借金体質の改善のために増加分を配分すべきである。 第三に、五十五年度財源不足額は五十五年度において、たとえば交付税率を引き上げるなど抜本的な対策をすべきであって、安易に五十四年度の交付税を繰り越して五十五年度の財源対策に資すべきではない。 以上、本案に対する反対の討論といたします。(拍手)
○塩谷委員長 田島衞君。
○田島委員 ただいま議題となっております地方交付税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について、新自由クラブを代表し、賛成の立場から討論を行います。 本案の内容は申すまでもなく、補正予算により増額された五十四年度分の地方交付税の額六千三百九十二億円について、当然措置されるべき普通交付税の調整戻し分として百九十五億円を五十四年度内に交付し、その残り分六千百九十七億円は五十四年度に交付しないで翌年度に繰り越し、五十五年度分の地方交付税の総額に加算して交付することができるようにしようとするものであります。 そこで、わが党においても慎重に検討しましたが、問題の本質は、むしろ本案の是非というよりは、当初予算編成のあり方と、本案のもととなるところの地方交付税法の一部を改正する法律そのものの中にあると考えざるを得ません。 すなわち、本来、会計年度独立の原則からしても、かつまた、窮状の中にある地方財政の現状に対する認識からしても、五十四年度当初予算編成時における歳入財源の中心である税収等の調定捕捉がより適切になされておれば、今次補正により生じたところの交付税の増額分は、すでに本年度内においてより有効に交付され、活用されておったであろうと思量されるのであります。 また、地方交付税法の一部を改正する法律そのものの存在が、本案の提案を促す原因であると言わざるを得ないからであります。 一方、本案そのものの当否を考えてみるに、よって来る経緯の是非はともかく、現実に年度末を一カ月半後にする今日、本改正案によるところの交付税交付の効果については、強いて本案に強く反対するほどの理由はないと考えます。 したがって、結論として、当初予算編成時における歳入財源、特に税収等の調定計上の姿勢に問題がある点の指摘と、地方交付税法の一部を改正する法律そのものの再検討こそがぜひ必要であることを強調して、消極的ながら本案に賛成するものであります。 終わります。(拍手)
○塩谷委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○塩谷委員長 これより採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○塩谷委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 この際、お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○塩谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時十七分散会