大蔵委員会 第25号
- 発言数
- 193 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/04/23
会議録
○増岡委員長 これより会議を開きます。 電源開発促進税法の一部を改正する法律案及び電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 すなわち、ただいま議題となっております両案について、本日参考人として税制調査会会長代理木下和夫君、電気事業連合会副会長正親見一君、主婦連合会事務局長清水鳩子君の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○増岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○増岡委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山田芳治君。
○山田(芳)委員 大蔵大臣、大変お忙しいので御苦労さんでございますが、きわめて重要な法律案でございますので、若干時間をいただきまして基本的な問題をまず質問をいたしたいと存じます。 わが国のエネルギー政策というのは、大変わが国のエネルギーに対する体質が脆弱性を持っている状況であることは御承知のとおりであるわけですが、その対応が大変おくれておる。また、政府の果たす役割りがきわめて少なかったというのが従来からのエネルギー政策でなかったかと思うわけです。第一次エネルギーの石油依存率というのは七〇%を超えている。石油に大変依存をしている。先進諸国家の状況を見ても、これは五〇%前後ということに比べても大幅に上回っているわけでありますし、しかも対外に対する依存率というのは九九・七%、こういうことであります。そしてそのうち七五%というものが政治的にきわめて不安定な中東に依存をしている、こういう状態であるわけであります。そして、こういう脆弱性のもとにおいて政府の果たす役割りというのが、どうも私的な企業のエネルギーの対応策に補助的な役割りを果たしてきたのではないかというふうに思います。このような状況から言うならば、私はもっと政府がエネルギーに対する対策の主導的な役割りを担わなければならないというふうに思うわけでありますが、具体的に申し上げてみると、たとえば電力をとってみると、非常に安い石油というものに依存をして、その石油を利用した臨海型の大規模火力発電というものを主力に置いて、従来の石炭などにおける中小規模の発電というものを整理統合をしていったという経過があります。また技術開発においても、原子力に例を見るように、自主開発ではなくて外国からの輸入に全面的に依存をしてきた。政府は単に動燃事業団を通じて補助的な役割りを果たしているにすぎない。そこでは交付金なり補助金というものを交付していた、こういう形になっているんですね。そこにわが国のエネルギー対策のきわめて弱い部分があるのではないか。 これをドイツの例に見ますと、石油による火力発電というのは全電力供給量の一〇%程度であるということを考えると、いかにわが国が石油依存、そしてそれも私企業依存、こういうことになって、いわゆる中小規模の発電というものを、西ドイツにおいては温存をしてきておりますが、わが国はほとんど整理をしてしまった、こういうことになっておるわけですね。これは確かに高度経済成長政策を推進していく上においては海外からの安い石油と、そしてそこで臨海型の火力発電を中心としたところのエネルギー対策というのがきわめて有効な役割りを果たしたであろうと思うのですが、現在のような状況になってくると、これが逆に弱みになって出てきたというのが今日の状況であるというふうに思います。と申しますのは、何といいましても私的企業に依存すればコスト面が先に出ます。採算の問題が先に出るので、国民生活に安定したエネルギーを供給するという部分がどうしても第二義的に考えられがちになるというところに問題があるというふうに思うわけであります。そういう意味で、最近の原発事故の多発とか、あるいは自主技術の開発のコストというものを出さなかったところにその原因があると思うわけであります。今回新しいエネルギーのための代替エネルギーの機構を設けたりあるいはこの税を創設していくという形で取り組んでいこうという姿勢は評価はしますけれども、いろいろ問題点がある。そういう点について以下質問をいたしたい、このように考えるわけであります。 さてそこで、まず第一点として、電源開発促進法という法律があるのですね。そしてそこでは第十三条に電源開発株式会社というものを設けて、そこで全面的に電源開発をやるんだという発想が戦後行われました。私は電源開発が多様化していかなければならないし分権化をしていかなければならないと思いますけれども、さてそれじゃ電源開発促進法というものの今日的な意味というものは一体どんなところにあるだろうか。もうすっかり忘れられてしまったのじゃないか。電源開発促進法は水力発電というものを中心にして置かれたというふうに考えるが、水力発電は現在のエネルギー対策においてはきわめて低い地位に追いやられている。そういう中で電源開発株式会社なんというものも果たして一体どういう電源開発に対する役割りを果たすのか。せっかく機構をつくって政府も相当額出資をしておる、そういう中で今日的な意味の電源開発促進法というものは一体どういうふうになっておるのかということをまずお伺いをしたいと思うわけであります。
○安田(佳)政府委員 電源開発促進法は昭和二十七年に制定されたわけでありますが、制定されました当時は現在の九電力体制を内容とする電力再編成が行われた時期でございましたけれども、恒常的な電力不足が依然として解消されないというような時期でございました。したがいまして、当時大規模な電源開発の必要性が痛感されていたわけでございまして、それに対処するものとして制定されたものだというふうに聞いております。 ところで、それでは今日一体電源開発がもう十分であろうかということを考えてみますと、最近調べました長期の電力の需給状況あるいは施設の設置状況等を見ますと、電源開発調整審議会で決定された電源しか開発されないというようなときにおきましては、一部の地域におきましては五十七、八年ごろから電力不足の状態に達するというような危惧が持たれておるわけでございます。電気は、御承知のように、もう国民生活及び産業活動の非常に基本的な要素でございますので、先ほど先生もおっしゃいましたように、これを安定的に供給する、その供給義務を果たしていくためにはどうしても電源の開発を推進する必要があると思います。そういった意味におきまして、たとえば水力につきましてもこれをさらに開発する必要がございますし、その他新しい代替エネルギーによる発電、さらには原子力発電、ローカルエネルギーの発電等々を一層進めていかなければならないと思います。そういった意味におきまして電源開発促進法は今日なおその必要性は非常に強いものと思われますし、それを果たしていく上におきまして電源開発株式会社の役割りというものもきわめて重要であると考えております。 〔委員長退席、稲村(利)委員長代理着席〕
○山田(芳)委員 電源開発促進法というものに基づいてできた電源開発株式会社は、いまお話にありましたように、水力発電を重点にしているわけですが、現在はまずほとんど行っていないというふうに思います。しかし、電源開発促進法の第十三条を読みますと、この電源開発株式会社は原子力もやれるのですね。これを一体やっているかと言ったら何もやっていないわけですね。それから石炭のことを盛んにやっているのですが、一体それはこの法律の中のどこを根拠にしてやっているのでしょうか、ちょっとお知らせをいただきたい。第十三条には石炭のことなんか一つも書いていないのですよね。ところが、後で予算を申し上げますけれども、石炭がほとんどであったり送電線の建設が主であったり、そういう点が主なんでありますが、電源開発がいまきわめて重要だといった割りにはそういう措置がされていない、そのように思うのですが、その点一体いかがでしょうか。
○安田(佳)政府委員 電源開発株式会社は従来水力等を、非常に多くの地点の開発を行ってきたわけでございます。 そこで、ただいま先生御指摘の石炭火力でございますが、これは現実に海外炭利用の電源など非常にたくさん、松島、竹原、松浦等の電源を現在開発中でございますが、この根拠規定といたしましては、電源開発促進法第十三条の二項の三号に「電力の地域的な需給を調整する等のため特に必要な、火力、原子力又は」云々とございますが、その「火力」の中に石炭火力が入っているわけでございます。 それからなお原子力の開発につきましては、これは現在商業的な炉につきましてはまだ行っておりません。しかし、昭和三十五年七月の電源開発促進法改正によりまして原子力開発を明記したわけでございますが、これにつきましては現在までいろいろな炉型につきまして調査検討を実施いたしましたほか、動燃のATR原型炉開発に対しまして協力を行う等の、商業段階に至ります前の段階におきますいろいろな事業を行っているところでございます。
○山田(芳)委員 余りこれに時間を費やしたくないのですが、電源開発促進対策特別会計のいわゆる多様化勘定から電源開発へ昭和五十五年の交付金、委託費を見ますと百二十一億五千四百万。非常に少ないわけでありますが、その中にはサンシャイン計画とかあるいは大規模深部地熱環境保全実証調査等、われわれの言うソフトエネルギーの面があるわけでありまして、その点は結構であるわけですが、どうも全体として、いまもお話のあったように原子力をわざわざ入れたにもかかわらず何にもしてない。われわれは原子力については、基本的な態度として、研究は大いにやりなさい、しかし実用化については後でも触れますが、問題があるという立場をとっておりますけれども、せっかくこういう電源開発株式会社という機構があって、政府が出資が七八%という状態。授権資本は一千億ですが、現在七百六億のうち七八%が政府であとは九電力会社、こういうきわめて公的な、公共性の高い会社が一方でありながら、これをどういうふうに位置づけるかということの検討がされたのかされなかったのか。新しいエネルギー機構というものがいま法律案としてかかっておるわけでありますけれども、そういうことを考える前に、電源開発株式会社の機構を直して政府出資だけにして、先ほど私が申し上げた政府の関与というか、政府主導のエネルギー対策の機構にするというような論議があったかなかったか。そういう点は一体どうなのか。電源開発株式会社をいま言ったようなきわめて低い立場に置いておくということは、私は行政機構の改革等を含めて非常にむだな話ではないかというふうに感ずるものでありますから、この点についてお答えをいただきたい。先ほど申しましたように七八%政府出資、しかもあとは、二十数%は九電力会社の出資でありますから、その出資分を政府が買い取って、政府のいわゆる外郭機構としてエネルギーの対策に当たらせるという発想はあり得なかったかという点をお伺いをいたしたいと思います。 〔稲村(利)委員長代理退席、委員長着席〕
○古田政府委員 電源開発株式会社の業務につきましては、先ほど御説明させていただきましたように、国のエネルギー政策の基本的な方向に沿いながら九電力体制を補完し、機動的、能率的に、かつ積極的に電源開発を推進するということで、事業の形態としましては独立採算制をベースとしました株式会社形態をとっているわけでございます。他方、私どもが現在検討しております新エネルギーの積極的な開発促進のための新機構につきましては、これは基礎的な技術研究から商業的、企業的な段階に至る間の実用試験あるいはパイロットプラントの建設といった部分につきまして担当させていきたいと考えているわけでございまして、そういうことで考えますと、株式会社形態による電源開発株式会社の活用といったことについてもおのずから限界が出てくるのではないかというふうな感じがしているわけでございます。 実用化を前提としました大型プラント開発に必要な各方面からの人材、技術の結集、大型技術開発に必須の試行錯誤的な研究開発の実施にはある程度のリスクはどうしても伴うわけでございます。あるいは外国政府との海外研究協力の円滑な実施等につきまして、できるだけこれを円滑に推進することがどうしても必要になってくるわけでございます。また、電発の本来の目的でございます電気供給の増加、安定供給の確保でございますが、それと直接関連を有しないプロジェクトにつきましても、新エネルギー、代替エネルギーの開発は進める必要があるわけでございまして、電発の業務としてこういう大型プロジェクト開発を行うことは、電源開発促進法との関係からしましても若干問題があるのではないかと考えておるわけでございます。 そういうことでございまして、私どもとしましては、今回新しい機構を設立させていただいて、そこでみずからの責任で一貫して国が責任を持った形で実用に即した開発を行わせることとしたいというふうに思っているわけでございます。なお、これとの関連におきまして、これまで電発に蓄積されました知識、経験といったものは新機構に十分活用してまいりたいと考えておるわけでございます。
○山田(芳)委員 私は、さっき申しましたように、株式会社制度を直したらよろしい、それは九電力会社の出資分を政府で見たらいいのでありますから、そういうことも検討さるべきではなかったのかということを注意だけ申し上げておきます。もう忘れ去っているような立場になったのでは、せっかくつくったものがむだであるし、政府出資を七百億からしているのですから、その点をひとつ十分検討してほしいということだけ私は申し上げておきたいと思います。 次に、大蔵大臣に伺います。 今回の電源開発振興のための税、これをやる前に、石油及び電気関係の税は、現在、航空機燃料税、石油ガス税、揮発油税、地方道路税、軽油引取税、それから、関税として原重油関税及び石油税があるわけですが、そのうちの七六%が道路財源の目的税に使われているのですね。新しい税を起こす前に、代替エネルギーのために使っていくために道路目的財源であるこれらの石油及び電気関係税を一般財源化をしていくことが検討されるべきではなかったか。なぜならば、この道路の目的財源は、確かに道路整備というのはいままではアンタッチャブルで、触れてはならない聖域のような考え方であったわけでありますが、もうそういう時代ではなくて、道路を整備すればそこで自動車が走る、自動車が走ればガソリンを食うというような悪循環をすることよりも、非常なエネルギーの節約という面、多様化の問題が今日的な課題になっている限り、新しい電源開発促進税をつくる前に、現行の七六%も占める道路財源についてまず一般財源化をする。もちろん道路は必要でありますから、必要な予算は計上するとしても、道路財源を一般財源化して、省エネルギーの面から見てもこういったソフトエネルギーや電源の多様化に対する対策の財源とすべきであるということについて、大蔵大臣としてはどういうふうにお考えになりますか。
○正示国務大臣 確かに、山田委員御指摘のように論理的には一つの点でございまして、私どもの税制調査会等でもそういう御議論があったわけでございます。ただ、山田さんは実際の御体験もおありでしょうが、ある程度整備はされましたけれども、道路需要はまだ地方には強いのでございまして、経済企画庁でやっております新経済社会七カ年計画でも二百四十兆円の公共投資を予定しておりますが、地方の道府県とか市町村の方に聞きますと、何といっても圧倒的に道路が足りない、これをやってくれというのが一番多いということが一つあります。しかし、今日のような財政事情でございますから、なまやさしいことではできません。ただ、この際、長期にわたって脱石油の代替エネルギーを開発するということは国民総意をもって御支援、御推進をいただかなければならない問題でございますので、いま申し上げたような需要が非常に強い道路を削って——削るというのは語弊があるかもしれませんが、それをエネルギー開発に回すことについては、これまた一つの大きな問題点として慎重に考えなければならぬのじゃなかろうか。電源開発促進特別税を設けさせていただいたのもそういう配慮が一つ入っていることを御了解いただきたいと思います。
○山田(芳)委員 確かに税制調査会の答申の内容を読んでおりますと、道路の現行の状況の中でということは書いてあります。しかし、アンタッチャブルじゃないか、聖域じゃないかというような概念がいまなおあるとするなら、それは改めるように、これをできるのは大蔵省しかないのです。必要な生活道路はわれわれも決して不必要だなどとは申しません。道路はきわめて重要であるというのは大臣の意見と一緒でありますが、こういう税を起こす以前に一般財源化して、必要な道路にもつける、あるいはこういった電源の多様化の方面にも使う、これは遅きに失していると私は思っております。また、大量輸送機関等の公共交通にやることによって、省エネルギーはいまの政府の一つの政策ですし、国民的な一つの政策だと思うのですね、それにも寄与できるのじゃないか。生活道路は、通過交通をどんどん促進するという意味ではなしに、ガソリンをそこで大量に消費するという意味ではなしに必要だけれども、この際は大きな道路はなるべく遠慮して省エネの方に協力をしていかなければ、いまの日本の財政状況——いま話のあった税制調査会でも一般財源から入れろということについては現在の財政事情から非常に困難であるということを書いてありますね。それはそのとおりだと思う。しかし、この道路財源はやはりそのことを一遍検討してやったかどうか、また今後検討するかどうかという点についてもう一遍答えていただきたいと思います。
○高橋(元)政府委員 揮発油税の一般財源化という問題につきましては、税制調査会でことしだけではなくてたしか一昨々年だと思いますがいろいろ審議が行われたわけでございます。その際に、先ほど大蔵大臣からお答えがありました観点も確かに一つの視点でございますけれども、現在エネルギーに係ります諸税の中で揮発油税は確かにウエートが非常に大きいわけでございますが、その課税標準になっております揮発油は得率で申しますと一二%くらいでございまして、全石油の中で揮発油の占める割合は比較的少ない。現在のエネルギー諸税は九税目ございますけれども、石油製品にかけておるのがその大宗でございます。軽油にいたしましてもLPGにいたしましてもジェット燃料にいたしましても、それらの得率を全部足しましても二割程度でございますから、そういう石油製品課税を直にすべての石油対策ないし代替エネルギー対策に持っていくということが受益者負担の観点というところからも一つの問題があるのではなかろうかというような御議論もございました。ただし、ただいまお示しのありましたいろいろな御見解は、確かに今後長い目で見ましてエネルギー課税のあり方なり、それを原資といたしますところの財政の支出のあり方につきましての重要な御意見でございますから、もう一度、国会の終わりました後、税制調査会にも御報告をいたしますし、また長期的にも勉強をしていきたいと考えております。
○山田(芳)委員 ぜひこれは検討していただかないと、新しい税を国民の負担にかけるわけですから、それはやはり既存の税その他についても全面的に検討した上で新しい税というものを考えていくべきが道筋であろう、こういうふうに思います。 次に、現在のいま申し上げた石油及び電気税の問題について若干質問をいたしたいと思うのですが、地方税に電気税というのがございますね。料金の五%、免税点がこの間上がりまして三千六百円でありますが、これは料金に五%というのを掛けるのですが、今度の電源開発促進税は電力会社に対して、販売電力量に対して三百円・千キロワットアワーというふうに従量税になっている。従価税と従量税というふうに物税に対してはそれぞれ間接税の体系はありますが、同じ電気の消費に対して、片一方が従価税で片一方は従量税である、これは一体どういうことですか。
○高橋(元)政府委員 御審議をお願いいたしております税法の改正案、それから関係の二特別会計の改正案、こういうものを織り込んで考えさせていただきますと、電源開発促進税の充てます目的といいますものは、発電所の立地促進と石油代替エネルギー対策、電源多様化対策ということであろうと存じます。そういうことが受益と負担というような関係で一般電気事業者の電力の安定供給というものを容易ならしめる、そういう受益関係がございますので、これは一般電気事業者に対して電源開発促進税の増税をもってその負担をお願いいたす、こういう筋道でございます。 一方で、地方税であります電気税は、これは申し上げるまでもなく主として家庭用また産業用の電気でございますけれども、電力の消費を基準として課税いたしますところの消費税でございます。消費の背後にあります担税力というものを使用する電気料金というものを課税標準にすることによって推定をいたすというようなことでございますから、課税の趣旨からいたしますと、一方は一般電気事業者が将来電源立地対策なり電源多様化対策というものを通じて受ける便益に着目して一般電気事業者に課しておるということでございまして、そうなりますと、大口、小口、家庭用、業務用といったようなことで差等があります電気料金を課税標準とするというような構成をとることは、大変言葉が悪くて恐縮でございますが、なじまないということではなかろうかというふうに考えまして、電源開発促進税につきましては販売電気量に応じて課税をいたすという構成をとらしていただいておるわけでございます。
○山田(芳)委員 その言う意味はよくわかるのですが、これはやはりそうは言うものの、電力会社にかければ電力料金は総合原価によって計算をされ、公租公課は全部電気料金にはね返って、今回においては約一・四三%、四十円強程度が電力料金にはね返されるということは当然のことですね。ですから、物価問題としては、われわれとしてはこれは非常に問題があると考えておりますが、地方税の方は一般家庭の消費電気料金に対する五%ということでありますが、総合原価主義であるから、大口の電力を使用する大工場等はいま電力料金は逓減をしているわけですね。これは確かにコストが少ないのだからそれを逓減するのが当然だという、これまた非常にコスト的な立場を言えばそうですけれども、物価の問題から言い、あるいは低いところの層に安くしていくというのだったならば、大口のところはむしろ逓増していくというような料金というものが政策的に必要ではないか。たとえば水道の場合なんかもそうです。大口の使用の水道料金が安い、ところが水道の水資源の開発に大変金がかかるというふうになってきますと、水をうんと使うほど料金を多く払うということの方が必要なのではないか。それと同じように、電力についてもこのように大変厳しい状況になってまいりますと、大口に使う方に逓増をさせていくという料金体系がとられるべきではないか。もしそれがとられないんだとするなら、私は、せめて税の面で、多量に使うところに、これは地方税の電気料金の問題ですが、累進税率をある程度して、下の方は免税点ということもさることでありますが、逓減をさせるという税体系ということをとるということはできないのか。料金を逓増させるか、あるいは累進税率を考えるかという、物価政策ということについては一体どういうふうにお考えになるか、そういうことはどだい無理な話なのか、そういう考え方というのはあり得るのか、一遍答えてもらいたいと思います。
○高橋(元)政府委員 電気料金の設定の方法なり地方税の課税のやり方につきましてはまたそれぞれの役所からお答えいただくことだと思いますが、現在消費税体系は分類差等課税という考え方をとっておりまして、御案内のように酒税でございますとか物品税でございますとか、それからかつての入場税というようなものになりますと、高額の商品または高級な商品に対しましては高い税率ということで、消費の性質、態様に応じた差別的課税というものを行っておるわけでございます。そういう考え方から電気に対する課税、これは電源開発促進税を個々の需要家にコストとしてどう配分するかということとはまたちょっと離れる問題だと思いますけれども、電気に対する課税を消費税として分類差等課税の原則を当てはめていいかということになろうと思いますけれども、電力消費というのは、家計消費に占めます割合はたしか私の承知しておりますところでは二%だと思います。電気をたくさん使われる方がほかの消費を削ってやっておられるかどうか、消費支出全体を示す指標としてはそのごく一部ではないのかなという感じもいたしまして、御提案のような電気の消費量を大きく、いわば一種の累進のような考え方で消費課税をするということになりますと、やはり電気の消費というものは比較的小さくて、かつ普遍的であるという点から問題があるのではなかろうかという感じがいたしますが、なおよく勉強はしてみたいと思います。
○安田(佳)政府委員 先生の前段の御質問の電気料金でございますが、電気料金は電気事業法に基づきまして原価に基づいて定められるということになっております。 そこで、まず第一点といたしまして、大口の電力需要家に適用されます料金は電灯料金等に比べまして割り安になっておるところでございますが、これにつきましては送配電設備の流通設備が比較的少なくて済むとか、あるいは送電線路が短いために電気の損失量が比較的少ないとか、あるいは電気使用量当たりの検針とか集金費などのいわゆる需要家費が比較的少ないことなどの理由によりまして原価が安くなっておるという理由に基づくものでございます。 それから、次のポイントでございますたくさん消費した人に対する逓増制をとるべきではないかという御質問に対しましては、現在の料金制度は、電灯料金につきましては百二十キロワットアワーと二百キロワットアワーを節目といたします三段階料金制度が適用されておりまして、たくさん使う家庭は高い料金が適用されるということになっております。また、産業用需要につきましては、これは特別料金制度という逓増料金制度が導入されているところでございます。最近行われました料金改定におきましても、いま先生御指摘のように、たくさん使う人についてはやはり省エネルギーの観点も含め、原価主義の観点を含め、やはり高い料金を適用すべきではないかという観点がございましたので、そういう観点から家庭用の逓増率あるいは産業用の逓増率につきましても若干ではございますが、逓増率を高めたというふうにいたしたところでございます。
○山田(芳)委員 大蔵大臣、経企庁長官、物価問題の担当責任大臣ですが、私がいま申し上げましたように、やはり大口の工場等は割り安なんです。いまお話しのように、先般の料金の値上げのときには若干配慮したようなことを言っていますけれども、基本的な考え方は変わっていない。だから、電力料金でどうしてもできないなら、何らかの形で、税の分で、物価対策として大口の使用には、軽度で結構ですけれども、累進をする、そうでないものは軽減をするというような政策は考えられないのかどうかということをもう一遍ひとつ、物価対策の立場から税制度というものに誘導の政策的判断があってしかるべきだと思うのですが、どうですか。
○正示国務大臣 物価問題は非常に重要でございますから、いろいろな点についてきめ細かな配慮をすべきではないかという御指摘については、御趣旨はごもっともでございますが、先ほど主税局長なり公益事業部長が申しましたような点でできる限りのことをしておる。今度の電気会社あるいはガス会社の料金改定に当たりまして、電灯と電力、これを分けまして上げ幅を相当考慮しておるわけでございまして、電灯については二二・三〇%か、それから電力の方は二〇・六七%というふうに、物価対策からいってもCPIに直接影響する電灯については申請に対する抑制率を非常にきつくしているのはそのためである。将来の問題として検討すべきことかもしれませんが、今回のこの電源開発促進税については、先ほど主税局長が申しましたような点でございますが、将来の問題としてはいろいろまた考えていきたいと考えております。
○山田(芳)委員 私が申し上げたのは地方税の部分について申し上げたのですから、税制調査会の主管大臣としての大蔵大臣に聞いたので、またこれは別途お話をします。 次に、大臣も食事をされるということで私も配慮しますが、ひとつこれは重要な問題ですから、大蔵大臣として聞いておいてもらいたいと思うのです。 今度の電源開発促進税は電源多様化勘定と電源立地勘定の二つに分けられる。電源立地勘定は従来のままの方式で交付をされるということで、三百九十二億という予算になっておるわけであります。 さて、そこで問題は、一点だけひとつ主計局次長さんにお伺いしたいのですが、今回は従来のものはそのままということですけれども、後で私、触れますが、いろいろ問題があるのです。ことしはことしでこういう予算で決まっていくということであればやむを得ないけれども、電源多様化勘定と電源立地勘定というものの予算は、将来にわたってはいままでのものはいままで、いわゆる三百円中八十五円と二百十五円、その分け方でいくのかいかないのかという点だけひとつ聞いておきたい。それを前提としてひとつ質問します。
○西垣政府委員 お答え申し上げます。 電発税として歳入が上げられたものを多様化勘定と立地勘定にどう分けるかということにつきましては、予算総則で定めるということになっておりまして、五十五年度におきましては、従来どおり一キロワットアワー当たり八銭五厘でございますか、それで今度増税になりました部分が多様化勘定にいく、こういうことになっております。 ただ、これは先ほども申し上げましたように、予算総則で定めることになっておりまして、その年ごとに定めていくという仕組みでございます。私どもといたしましては、恐らく現在の分け方で今後もいくようになるのではないかなというふうに一応考えております。しかし、その年その年で判断すべき問題だと思います。
○山田(芳)委員 電源立地促進対策費ですが、これは非常に問題があると私は思うのです。所在市町村に対して発電施設の種類に応じて交付額が決められるわけですが、キロワット当たりの単価が原子力の場合四百五十円に対して係数七というのを掛けます。 具体的に言います。大飯町というのが福井県にあります。これは関西電力の大飯発電所というのがあるわけでありますが、ここでは一号機、二号機があるわけでして、百十七万五千キロワットの加圧水圧式の軽水炉型の発電原発が二基あるわけであります。通産省にお伺いをいたしますが、この場合、この二基目が運転を開始をいたしますと、大飯町に対する電源立地促進対策交付金はどのくらいになりますか。これは運転開始までと、今度規則を変えられて五年後までも交付されるのですが、総額どのくらい交付されますか、ちょっとお答えいただきたい。
○安田(佳)政府委員 大飯町に交付されます電源立地対策交付金につきましては従来いろいろと制度の変更もございました。したがいまして、その計算式でやりますといろいろな数字が出てくるところでございますが、現実にそれを適用いたしました交付金の額といたしましては、大飯町の二基分に係る交付金といたしましてはおおむね十七億円程度でございます。
○山田(芳)委員 十七億程度が二基というかっこうになるわけですね。
○安田(佳)政府委員 二基で十七億円ということになります。ただ、ちょっと注釈を加えさせていただきますならば、単価にいろいろとありました特例措置、倍額特例等の数字を掛けまして紙の上で計算いたしますと、もっと高い数字が出てまいりますが、いろいろな発電所の建設費による頭打ちとかあるいは当該市町村の財政状況による頭打ち制度がございまして、二基で十七億円ということになります。
○山田(芳)委員 大臣に聞いていただきたいのは、昭和五十四年は決算が出てないので、五十三年をとりますと、この電源立地勘定になるところの予算が、いま主計局次長からお話があったようにそのまま移る、こうするわけですから、今後もそうなるのでしょうが、たとえば昭和五十三年、これは決算には出ておりますから、それを調べますと、予算が三百五十九億あるのです。ところが使ったものが百三十八億なんです。三百五十九億の予算に交付済み額が百三十八億、余ったのが二百二十一億、倍以上余っているわけです。これは繰り越される。今度の予算を見ていただきましても、五十五年の場合も電源開発促進税から入るのは先ほど申しました三百九十二億、ところが前年度剰余金として二百七億見ている。しかし決算をすれば、これは二百七億なんというものじゃない、もっと多いと私は思うのです。 なぜ、こんな状態になっているんですか。これは後でも触れますけれども、この大飯町というのはわずか六千くらいの町村なんです。基準財政需要額が——基準財政需要額というのは専門用語なんですが、要するに、その町村が平均的な仕事をすればこれだけ要りますよという年間の総経費がはじき出される、交付税法によってはじき出した額が六億五千五百万。ここでもこういう交付金でない税金だけでも二億六千八百万ばかり入るところですが、そういうところへ大変な金を出している。しかもそれが使い切れないから二百二十一億も余っている。次の年へ持ち越す、こういうことになっているんですね。まず、二百二十一億も五十三年度で余った理由をひとつお伺いしたいと思います。
○西垣政府委員 ちょっと一般論として私どもの考え方を御説明さしていただきます。 電源立地対策につきまして過去大きな剰余金を生じていることは御指摘のとおり事実でございます。ただ、これは地元調整等の問題がいろいろむずかしいために、年度当初に予定いたしました電源立地がおくれまして交付金の支出が予算を下回ったということによるものでございます。電源立地の促進につきましては、安全対策や環境対策などいろいろの角度からの努力が必要だと思いますが、立地対策交付金制度も、地元住民の福祉向上に必要な公共用の施設を整備いたしまして、側面的に地元の理解と協力を得ようという趣旨のものでございまして、立地促進上大切な役割りを持っているというふうに思っております。したがいまして、私どもといたしましても、今後電源立地が円滑に進捗いたしまして、剰余金もそれに伴って解消していくということを期待したいというふうに考えているところでございます。
○安田(佳)政府委員 電源立地は現在のところ……(山田(芳)委員「いや、どうして余ったかだけちょっとお答えいただきたい」と呼ぶ)これはただいま大蔵省の方から御説明ありましたが、発足当時におきましては制度自体がまだ十分周知徹底してなかったということもございますが、最近におきましては、やはり環境保全問題あるいは安全問題等につきまして地元調整に多大の時間を要している、そのために電源立地が計画どおり進捗しなかったということでございます。また一方、自治体側の要因といたしましても、整備計画の作成が若干おくれているとかあるいは事業の執行が若干おくれがちであったというような点が挙げられるかと存じます。
○山田(芳)委員 そうおっしゃるけれども、そうじゃないでしょう。だって八十五円なら八十五円で税が決まっているのですから、電源立地があろうとなかろうとその範囲内でやるわけですよ。そうでしょう。入ってくるのは決まっているのですよ、八十五円で。それに出ていくものがついていくという形でしよう。いまのように電源の立地がなかったから余ったんですじゃないのですよ、これは。そうでしょう。だって税で入ってくる額は決まっている、だから予算で当初あるわけですね。それからそれを見て計画を立てて上へ上げてくる、こういうことですよ。だって税の額は決まっているのですから、その当該年度で入ってくる額はちゃんと予算で決まっているのですからね。
○正示国務大臣 山田委員も実際のやり方にお詳しいわけでございますが、私もその辺は余り知りませんので、後から政府委員が答えますが、大体の考え方は、電気の安定供給の確保に資するため、発電施設を設置しようとする地域の住民の福祉向上に必要な公共用の施設を整備して側面的に地元の理解と協力を得ようとする趣旨のものであって、この場合、交付金の具体的制度は、発電施設完成後の固定資産税収入を前倒し的に交付するという、それと同様な効果をねらって措置しておる、これが地方財政制度との関連も十分調整をしてやっておる。そのやり方についてはいま山田委員が言われましたが、具体的にどういうやり方か、ちょっと政府委員がまた申し上げます。
○山田(芳)委員 いや、もうよくわかっているのですよ。調整してくれるなら結構ですよ。私はこれからそれの話をしようと思ったのですよ。要するに、基準財政収入に一部入れてくれれば私は何にも言わないのだけれども、これは交付税の基準財政収入に入らない、まるまるもらえる金なんですよ。何で基準財政収入に、私は全部入れろと言いません、それはいやがられているところですから、ある程度金を出してやる。ただ、われわれ抵抗を感ずるのは、安全だ安全だとおっしゃるなら、そんな札びらで面を張るような金を出さないで、安全なら堂々と立地したらよろしいのですよ。しかし、そうじゃない。やはり安全だという点にも不安がある、なかなか住民もうんと言わないから、もうそれはいま言いましたように、十七億なんというような金、いま言ったように、町の規模としては大体六億ぐらいで済むものを、何年間にわたって十七億も出すというようなことになれば、もうやるべき公共事業もなくなってしまうのですよ。そういうようなときに、一般財源にこれもするというか、この税金は国民全部、われわれを含めて払っているのですから、もう少しほかへ均てんするというようなやり方をやらないと、地方財政の放蕩息子をこしらえるような——これは確かに投資的経費に使うわけですから、放蕩息子なんと言うとしかられますけれども、他の団体とのアンバランスが非常に激しい。こういう点があるので、一部こういうものは基準財政収入に入れるべきではないか。 たとえば競馬、競輪、競艇、こういうものも、売上高の一定の割合を吸収して公営企業金融公庫にほうり込んで、地方団体に貸す地方債の利子を低くしているのですね。いま政府資金との差は一%、一馬身、こう言われておるように、一%差まで競輪や競馬、競艇の収益金を入れているのですよ。 そういうふうに、これはいま言ったように、税で取ったものの総額というものはあらかじめ決まっているので、それに向けて一体どういう計画をつくるかというところがなかなかつくれないから、使ったものが予算の半分以下、半分以上のものが余って次に繰り越す。恐らく五十四年だって同じような状況だと私は思うのですね。立地がおくれているわけでしょう。立地がおくれているなら、計画に基づいて交付するのじゃないんですよ。計画に基づいて交付するのなら、おくれているならその金は先に送ればいいわけですよ。そしてその年度の税金を取ればいいのですよ。そうじゃなくて八十五円ともう決まっているんですから、黙っていても入ってくるわけですよ。だからこんなに余っているんですよ。こういう状態でしょう。 だから、こんなのは、基準財政需要額をはるかに上回るところの交付金、いわゆる札びらで顔をはたくようなやり方をやらないで、もう少し地方で、いま大臣言われた調整もされているとおっしゃるなら、どういうように調整されているか、ひとつお答えをいただきたい。
○井下説明員 お答え申し上げます。 電源立地交付金につきましては、先ほど来大蔵省の方からもいろいろ答弁ございますように、電源立地が地元の産業経済の発展なりあるいは住民福祉の向上なりに直接結びつかない点も間々あるということで、これにかわりまして、安全対策なりあるいは公共施設なりの整備を通じまして地元にいわばメリットを与える、それによって電源立地を促進しよう、そういうものでございます。したがって、御質問ではございますが、これを基準財政収入額に算入いたしまして、これを均てん化してしまうということにつきましては、この交付金の趣旨にそぐわない点がどうもあるのではなかろうか、こういう感じがいたします。 もちろん自治省としましては、この交付金の使い勝手が悪いような点がございますならば、これは関係各省にも申し入れを行いまして、各地方団体の使いやすいような形にしてまいるよう努力してまいりたい、こういうふうに思います。
○山田(芳)委員 ちょっと、調整を行っているというお話は、何も調整は行っていませんね。特別交付税もこういうところへちゃんと出していると思うのですよ。調整なんか何もしていませんね。その点だけちょっと伺いたい。
○井下説明員 特別交付税の調整はしておりません。ただ、特別交付税は……
○山田(芳)委員 いや、よろしい。私、大臣が調整されるとおっしゃるから、それなら結構です、調整をぜひしていただきたいということだけ……。もう時間ありませんので、もう十五分までですから、あと相当問題があるので、これはもう、ようわかっておることを質問していますし、答えられる方もわかっていて答えておられるのですから、わかるんだが、やはりこれは少し検討したらどうか。 私はもう一つ言いたいのは、そういう余った金があるならソフトエネルギーの方にでもちょっと使ってほしいということを主計局次長さんにお願いしておくことにとめます。あとはひとつまた別の機会にやります。こういうような国も地方も非常に財政が厳しいときに、このような使い方の金があるということは、どう見ても、公平の原則に立って考えると納得ができないという点だけをひとつ指摘しておきます。 次に、時間がありませんから質問をいたしますが、この目的税が八百二十七億のうち、原子力関係に四百五十一億と、半分以上支出されることになっていますね。だから、代替エネルギーというものの中に原子力が入っているということは、これは政府も認められているわけですが、私どもは、原子力というものが決して代替的なエネルギーになれないのじゃないかという立場猛立っております。 なぜならば、原子力というものは大体電力にしかならない。一九八五年を目標にした政府の長期エネルギー需給暫定見通しというのは毎年改定されて、現在では原子力は三千万キロワットということで、六・七%というシェアしかないわけですね。これはまあ政府の見通しですけれども、私どもは、いま言った立地の困難さから言うと、四ないし五%ぐらいしかシェアとしては占めないのではないか、こういうふうに思うわけですね。そういう点、この新しい法律によって、今後は閣議を経て明確なエネルギーの需給見通しをつくらなければならないというふうに言われておりますが、私どもの考えでは二十二基で千三百八十万キロワットでありますが、果たして八五年に三千万キロワットになるというふうに現在考えておられるかどうか、その点をひとつお伺いをしたい。
○安田(佳)政府委員 昭和六十年に三千万キロワットを目標といたしておりますが、ただいまの進捗状況等を勘案いたしますと、若干その時期がおくれまして、およそ二千八百万キロワット程度というのが六十年度末の原子力発電所の見通しでございます。
○山田(芳)委員 こういうふうに現在出されているところの需給見通しすらも下回るというのが原子力発電の状況であります。私たちは、現在、エネルギーの原子力への依存というものをそれほど強く求めていくというところに非常に問題があるという立場をとっております。これはどの委員会においてもわが党としては発言をしておりますが、省略します。 コストの問題ですね。原子力発電は、現在でも火力発電所その他の面に比べてコストが安いとまだ主張をされておられるようでありますが、そのとおりでしょうか、その理由をちょっと言っていただきたいと思います。
○安田(佳)政府委員 原子力発電の発電原価につきましては、発電所の建設時期とか発電規模等によりましてそれぞれ異なりますので、一概に論ずることはできないと思いますが、仮に標準的な地点に標準的な発電所を建設することを想定いたしまして、そして五十五年一月時点で試算いたしますならば、五十四年度運転開始の発電所の場合におきましては、稼働率七〇%というふうに想定いたしますと、発電コストは石油火力の半分程度になると考えるわけでございます。稼働率につきましては、五十四年度で原子力発電所の稼働率は五四・六%となっておりますが、この程度の稼働率でございましたならば、石油火力の稼働率七〇%と想定いたしまして、それに比較して十分経済性を有しているというふうに考えております。
○山田(芳)委員 その場合、ウランの価格は一ポンド当たりどのくらいと見ておられますか。
○安田(佳)政府委員 ウランの価格につきましては、現在の発電に使っておりますのがおおむね十ドル程度でございますので、その数字を使ったというふうに思います。
○山田(芳)委員 一ポンド四十ないし五十ドルぐらいにいま上がっているのと違いますか。
○安田(佳)政府委員 ウランの価格につきましては、ここ二、三年でございますが、四十二、三ドルという数字でございまして、最近においてもおおむね四十ドル前後というようなところであろうかとも思います。
○山田(芳)委員 それで、私どもの調べたところによりますと、原子炉の稼働率は、現在全部平均してみて五四%程度というお話でありますが、設備の利用率を言いますと、確かに一年ないし三年は五六・六だけれども、三年ないし五年になると四一%、五ないし七年になると三八・九、七ないし九年になると二六・七%と設備の利用率が落ちてくる。だから、耐用年数をいま三十年というふうにはじいておりますが、これはとてもそんなにはもたない。 しかも、利用率は当初七〇%というふうに言っておったのでありますが、いまのお話によると五四%程度で計算をされておられるようでありますが、私どもは、まず三〇%ぐらいとしか見られないというふうに思うのであります。最近の状況その他を見て、私がいま言ったように、年数を経るごとに設備の利用率というものが非常に落ちてきている、こういう実態になっているわけでありますが、この点はどうお考えになりますか。
○安田(佳)政府委員 原子炉の稼働率につきましては、それぞれの個別具体的な炉によっていろいろ違いがございますし、そのときにおけるいろいろなトラブルの状況によってまた率が違うわけでございます。 しかし、一般的に申しまして、必ずしも経過年数がたちますと稼働率が落ちるとも言えないというふうに考えるわけでございます。 と申しますのは、たとえて申しますと、玄海一号などにつきましては、建設以来四年半程度を経ているわけでございますが、累積いたしました設備利用率は八〇%ぐらいございます。また、ほかに一、二の例を挙げますと、島根発電所、これは六年ぐらい経過しているわけでございますが、七四%弱でございます。また東海一号、これなどは十三年以上、十四年近くになっておりますが、累積しました設備利用率は七〇・六%、同様に敦賀は十年たっておりますが、六九・二%というように、比較的長年月たちましたものにつきましても、良好な稼働を示しておるところもございます。 一方、比較的新しいものでございましても稼働の低いところがございますが、こういう点につきましては、細心の注意を払いまして、今後さらに稼働率の向上に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○山田(芳)委員 ウランも石油も現在の状態ではメジャーに大体押さえられているわけですから、石油が上がれば当然ウランも上がってくる。しかも、いまお話がありましたように、いいところだけ挙げればそうでありますけれども、大変稼働率が当初言われたような状態でないという点で、私たちは、決してコストは安い、こういうふうに言えないというふうに考えておりますが、先ほどせっかくお話があったのですから、一遍現在の、標準的なものとおっしゃいましたから、それでコストをはじき出していただく資料をぜひひとつ御提供をいただいて、検討させていただきたいと思います。よろしゅうございますか。
○安田(佳)政府委員 まずコストでございますが……(山田(芳)委員「いや、資料で結構ですから、後で」と呼ぶ) 非常に簡単にまとめました数字につきましては、提出させていただきたいと存じます。 また、先ほど答弁した数字の中で、ちょっと欄を取り違えましたので、恐縮でございますが、数字を訂正させていただきます。 玄海発電所につきましては七三・五%、そして島根につきましては六九・六%、東海につきましては六四・八%、敦賀については六三・〇%というふうに、大変恐縮でございますが、訂正させて いただきます。
○山田(芳)委員 いずれにしても、当初言われた利用率七〇%というのを下回っていることは間違いないわけで、それはそれとして私ども十分検討したいと思いますので、そのコストをお示しをいただきたい。 ただ問題は、これはアメリカの下院の政府活動委員会の第二十三報告書その他にもありますように、そのコストの中には廃棄物の処理とか、あるいはそれが何年で耐用年数が済むか知りませんが、使った後の炉というものを一体どうするかということが現在全然見当がついていない。そういうもののコストというものは恐らく入っていない、またそれは計算は恐らくできないと思うのですね。だから、そういう点は含めないコストだろうと思うのですね。その点はどうですか。
○安田(佳)政府委員 ただいま御指摘の廃炉の処分費はいま私が申し上げました試算には含んでおりませんが、各種の試算例によりますと、廃炉処分費は建設コストの数%程度ということでございますので、それほど大きな影響はないのではないかというふうに思っております。
○山田(芳)委員 いずれにいたしましても、三ないし五%、こうおっしゃるのであろうと思いますけれども、これもどうするかという問題等を含めて非常に大きな問題になる。それから、使用済みの核燃料の処理の問題等についてもいまだにはっきりしていない、こういうことであろうと思います。ですから、こういう面を含めるとコストが大変高くつくというのは、先ほど申し上げましたように、アメリカその他の報告書を読んでも明確であります。そういう点をひとつ十分われわれも検討いたしたいので、資料をお出しをいただきたいということをお願いをいたしておきたいと思います。 それから次に、もう時間が終わりましたので簡単に触れますが、高速増殖炉、FBR、これに今度の電源多様化勘定から三百九十七億という金を出している。大変な金であります。これは現在はアメリカは先行きが立たないということでやめている。フランスが若干これを研究をするという段階でありますが、わが国だけは世界に先駆けてこのFBRについては大変な力の入れようだという状況であるわけでありますが、その状況、理由をひとつ説明をいただきたいと思います。
○高岡政府委員 高速増殖炉につきましては、申し上げるまでもないと思いますけれども、これは発電をしながら新しい燃料を増殖をするという性格のものでございまして、エネルギー事情に非常に厳しいわが国にとりましては、しかもウランがないという国にとりましては非常に持ってこいといいますか、きわめて有望、望ましい炉型でございます。したがいまして、原子力の開発を始めました当初からこれの開発に原子力研究所その他動員いたしまして鋭意努力をしてまいったところでございます。 いま先生御指摘のように、海外の状況が多少ばらばらでございますが、ざっと申し上げますと、いまおっしゃいましたように、フランスにおきましては非常に積極的に進めておりまして、すでに二十五万キロの発電所を建設しております。原型炉、これは実用炉のひな形でございますけれども、そういうものを運転をいたしております。昭和四十八年に完成をしておるわけでございます。それに加えまして百二十万キロ、これは日本で動いております最新鋭の原子力発電所の規模に相当するものでございますけれども、スーパーフェニックスと称しておりますが、実証炉、実用段階の第一号炉でございますけれども、これを建設中でございます。それから、イギリスにおきましても二十五万キロの原型炉がすでに運転をいたしておりまして、次の実証炉の検討を進めておるという状況でございます。それから西ドイツにおきましても三十万キロの発電所を持っております原型炉が建設が進んでおります。昭和四十八年に着工いたしまして五十九年に完成の予定ということになっております。 いま御指摘のございました米国でございますが、これは御承知かと思いますけれども、三十八万キロの原子力発電所を持っております原型炉を計画しておったわけでございます。ところが、カーター政権が発足いたしまして、御承知のように、カーター政権といたしましては、原子力の開発も大事であるけれども、一方、核の不拡散ということがきわめて重要な問題であるという観点から、たまたまアメリカのエネルギー事情が日本でありますとかフランスでありますとかあるいはその他のヨーロッパ諸国に比べてそれほど厳しくないという事情もございまして、一時中断ということになっております。でございますけれども、私どもが耳にしますところによりますと、米国におきます高速増殖炉の研究開発費というのは年間四百二十億円程度の金額が支出されておるというふうに聞いております。 一例でございますけれども、原型炉の計画を中断しておると言っておりますけれども、かなりの規模といいますか、年間にいたしまして二百億前後のお金が中断しておると称しております原型炉の主要なコンポーネントの製作というかっこうで支出をされておるという実績がございます。したがいまして、中断しておりますアメリカにいたしましても、事情の変更があって再開することになりますと、そう西欧諸国におくれをとることなく再開できる、そういう状況にあるというふうに判断しておるわけでございます。 最初に申し上げましたけれども、わが国におきましてはウランの事情、それからエネルギーの事情からいたしましてこれの開発に力を入れておるわけでございまして、すでに大洗に実験炉、小規模のものでございますが完成をいたしておりまして、順調に運転をいたしております。これに基づきまして、設計を進めてまいっております原型炉の建設を福井県のサイトを予定して進めたい。それの財源として御審議中の電源開発特会の多様化勘定の資金を充てたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○山田(芳)委員 いろいろこの点は問題がありますが、時間の関係で次にいきますが、使用済み燃料の再処理問題ですね。いままでイギリスやフランスに委託をしてきたわけですが、日本も千五百トンの処理能力を持つ民営工場をつくろうということで奄美の徳之島あるいは西表島などが候補地に挙がっておるわけですが、これの経費、工場の建設費が恐らく六、七千億かかるのじゃないか、こう言われておるわけです。日本原燃サービス株式会社というのを資本金百億でこの三月一日に発足したわけでありますが、こういう問題も当然コストの中に入るべきものだというふうに思うのですが、この際、民営再処理工場の問題について話せることについて、いま政府側から、どこへ立地をするか、どのくらい建設費がかかるのか、その見通しはどうなるか、それはコストの中に含まれているのかという点について、お伺いをしたいと思います。
○安田(佳)政府委員 原子力の開発、利用の促進のためにはいま御指摘のような再処理事業の確立がどうしても必要でございます。そのためにわが国といたしましては昭和六十五年度を運転開始目標にいたしまして、民間によります商業プラントでございます第二次再処理工場の建設を行うことといたしております。 〔委員長退席、綿貫委員長代理着席〕 これは電力業界その他関連業界約百社の出資によりまして第二次再処理工場の建設、運転の主体となります日本原燃サービス株式会社というものを三月一日に設立したところでございます。その立地地点に関しましては、現時点では全くの白紙でございまして、今後同社が自然環境なりあるいは社会環境、地元の意向というものに十分配慮をしながら立地地点を選定していくこととなろうかと考えるわけでございます。 再処理費用がコストに入るかどうかということでございますが、再処理をいたしますと、またそこで一つの新しい燃料が得られるわけでございます。したがいまして、現時点では、一般的に概論的に申しますと、再処理費用はコストの中に算入いたさないというふうにいたしております。 建設費につきましては、現時点で算定いたしますと六千億程度はかかるのではないだろうかというふうに見ております。
○山田(芳)委員 時間を大体十五分も超過をさせていただいたわけですが、いまお話がるるありましたように、原子力の問題というのは大変な金がかかりますね。しかも、はっきり申し上げると、これが全部電気料金にはね返ってまいります。どうなるか、これは自信があるとおっしゃるのですが、そう簡単にうまくいっていない、そういう状況の中でこの八百二十七億の電源多様化勘定、電源開発促進税、もちろん一般会計からも入るわけでありますが、その大部分がいま申しましたように原子力に重点的に置かれているということは非常に問題があると私どもは思うのです。 逆にソフトエネルギーというものについては、やっと今回この多様化勘定で地熱とか太陽とかその他代替エネルギーの促進等について予算もついたわけであります。しかし、地熱とか太陽エネルギーの利用というものはどうしても大規模にはなかなかなりにくい、地域的なエネルギーの対策だ、こういうふうに思われますけれども、やはりこういうものを積み重ねておいてエネルギーの対策を分権的にやっていくということでないと、原子力ばかりに頼っているのが代替エネルギーだという考え方をとってみても、先ほど八五年の見通しでも六・七%程度しかないわけですから、本当に代替エネルギーになり得るかどうかということになると非常に疑問がある。またウランの限界についても、私どもの計算では七億キロワットアワーの四十年分くらいしかないのではないか、決してそんなあり余っているものではない、こういうふうに考えております。したがって、私たちはこの多様化勘定、新しいエネルギー機構を置いて多様化をしていこうということは結構だと思いますけれども、このような原子力に重点を置くことよりももっとソフトエネルギーの面に重点を置くべきではないかと思うのでありますが、最後に大臣の御意見を伺って私の質問を終わりたいと思います。
○正示国務大臣 中座をいたしまして失礼をしました。 いま山田委員が御指摘の代替エネルギーの開発、これは大問題でございまして、一九八〇年こそは脱石油、代替エネルギー開発への本当の第一歩にしなければいかぬ、こう考えております。つきましては、社会党さんの立場からも原子力発電については相当慎重な御発言、よくわかります。しかし、われわれとしてはもう差し迫った必要もございますし、一方安全性の問題については、スリーマイルアイランドの問題も、だんだんと事態を究明していきますと、十分これに対応するだけのやり方もあるんじゃないか、こういう考え方から、原子力発電を推進するについては粘り強く山田委員を初めとする社会党の皆様にもお願いをいたしまして御協力を願わなければならぬ。この間電気料金の査定をいたしましても、山田さんや私の所属する関西電力が一番安いんですよ。何といってもあそこは原子力が多いのです。それで私は痛切に感じたのです。北海道は石炭が多いですからね。ほかの方はもう軒並みに代替エネルギーについてはこれからという感じがいたすのです。しかし、そんなことを言っても安全性が一番大事ですから、これはゆるがせにできません。何としても安全性についていま日本国民の持っておる信頼を傷つけないような配慮については、これは政府を挙げて、通産省はもとより、科学技術庁もとより、全力を尽くしていかなければならぬと思います。そして安全性を確保し、一般地元住民の信頼を回復して、やはり原子力にも頼っていかなければなりませんし、と同時に、いま御指摘のソフトエネルギー、これも日本固有のいろいろの恵まれた点もございますから推進をしていかなければならぬ。こういう考え方から、特別会計にも両方においてやると同時に、一般会計でも将来の問題を展望しながらエネルギー対策は一層推進していく、こういうふうな多角的な考え方で進んでおりますので、いまの御意見については十分御参考にさせていただきますが、一層原子力開発についても私どもとしてはこれから十分注意をして、また努力の足りなかったところは努力を加えてやっていきたいと思いますから、よろしく御支援、御協力をいただきたいということをお答え申し上げたいと思います。
○山田(芳)委員 時間が参りましたのでやめます。
○綿貫委員長代理 佐藤君。
○佐藤(観)委員 きょうは三時からの参考人の時間もあるものですから、大変はしょりまして若干質問させていただきたいと思います。 まず、いま新聞を開きますとイランの問題、この問題が一番大きな問題になっておりますし、対日原油がきのうから船積みが停止をされたという問題もございます。あしたですか、大臣が帰ってきて、詳しくは外務委員会で審議をすることになっておりますけれども、国民的には一体イランと——もちろん経済ベースの話も一面ありますから、私も何も高い原油をそのまま買えと言っているわけではないのでありますけれども、片方では人質解放の問題の一つの手段に向こうは見るのではないかということも考えていかないと、約二、二%日本の原油をイランに依存をしていた現状から考えまして、長期的に物事も見なければいかぬだろうということも考えますと、一体今度のイランの対日原油輸出停止という問題について——確かに価格で折り合わなかったというのは経済ベースとしては当然だと思うのであります。ただ、イランが言うように、スポット買いの価格から見ますとまあまあではないかということも片方では言えるということを見ますと、いま政治の最大の課題の一つは正示経済企画庁長官が扱っていらっしゃる物価問題でありますから、その意味では何も高いものを買ってくる必要は決してないわけでありますから、そのことも理解しないわけではありませんけれども、かなり国際的にもこの人質解放の問題、つまり政治的な理由というふうにイラン側が見ることについて、長期的に果たして日本とイランとの関係はどうなるだろうかということもやはり国民的な関心を持たざるを得ない問題だと思うのであります。 そこで、きょうはちょっと外務省にも来ていただいたのでございますが、一体今度のイランによる船積み停止問題というのは、確かに各商社が交渉して、アラビアンライトよりも九ドルもバレル当たり高いというようなものでありますから、それはなかなか大変だということはわかりますが、片面では、これは新聞の報道でありますから正しいかどうかわかりませんが、四月の二十二日の読売新聞では、伊東官房長官が広い意味ではアメリカに対する同調行動の一つであると語ったということを報じておりますし、またけさの新聞でも、イラン側はこの人質解放問題の圧力の一つというふうに向こうは受け取っているやに報道しているわけであります。外務省はこの問題について、いや、これはいわば通産省がやる全く経済ベースの話なんだというお考えなのか。また、少なくもわれわれはそう思っていても、相手のあることでありますので、この問題がいろいろな形で波及してくると思うのです。その点についてはどういうふうにお考えになっているのか、外務省の御意見をお伺いいたしたいと思います。
○正示国務大臣 ただいま御質問の点は、昨朝、総合エネルギー対策推進閣僚会議を開きまして、外務大臣はヨーロッパへ出張中でございましたが、総理を初め関係各大臣全部集まりまして、いま御指摘の点についてはいろいろと取りざたされているがどうなんだということで、政府の統一見解をまとめましたので、まずそれを御報告申し上げます。 すでにいま御指摘にもありましたように、イランは二月に二ドル五十セント上げたばかりなんです。それからまた今度二ドル五十セント上げる。しかも三十五ドルという、DD取引の原油価格としてはほかに例がないのです。一番高いのはアルジェリアとリビアでございまして、一応買っておるのですが、三十四ドルで比較的量は少ない。御指摘のように、日本に対する石油供給国としてはサウジアラビア、インドネシア、それに次いでイランが大きなシェアを占めておりまして、イランの原油価格の日本に対する影響はきわめて重大である。物価問題からいってもこれは大変重要であるという認識のもとに、本当に純粋な経済ベースとして、とてもそのお値段ではちょうだいできません。これは日本の国内でも物価対策としてわれわれやっておることなんです。売り手の言うとおり上げたらインフレにならざるを得ないのですね。だから、買い手は合理性のないものは拒否する。かずのこの例等を見てもはっきりしております。そこで、そういう経済原則でいま交渉しておる最中でございますから、この点は総理を初めとして関係閣僚一致して認識をいたしておりますので、いろいろ取りざたございますけれども、イランの方におかれてもその点は十分御理解をいただきたい。現にC重油については買っていいじゃないかということを向こうからも言っておられる。 それから、いろいろ政治的な問題が出てきますので申し上げますが、たとえば、イランがアメリカから食糧や医薬品が買えないということで早速ソ連とどうだこうだということを報道されておりますが、これもまだ確認されてないようです。これは後で外務省からお聞きくださったらいいと思います。イランの革命評議会では何かそんなようなことを、革命評議会の中にはいろいろあるようですから、そういうふうなこともあったでしょうが、私どもとしてはどこまでもイランが中庸な、穏健な路線を歩まれて、ここまでいろいろ犠牲を払ってせっかく新しい国としてスタートされたのですから、これからも平和的に商売を御一緒にやっていけるような国になっていただきたい。それにはアメリカが要求しておる人道上最小限度の要求は何としても聞いて、日本もヨーロッパも一緒になってイランに早くそういうことをやっていただきたい。そしてイラン原油の問題については、申し上げたように純粋に経済的な問題として今後も粘り強く交渉いたしたい、かように考えておることをまずもって申し上げ、なんでしたら外務省から情報について補足的に御説明を申し上げます。
○羽澄政府委員 お答えいたします。 いま大臣の方からきわめて詳細な答えがございましたので、特につけ加えることはございませんが、外務省といたしましても、この問題は全く経済的な問題であって、アメリカの言っております経済措置とは別個の問題であるとかたく考えております。そして、この点につきましては、イランがどう考えているかというようなことは、外国の政府でもございますし、いまきわめてデリケートな時期でもございますので、そんたくすることは差し控えたいと思いますけれども、そもそもこの交渉はアメリカによる対イラン経済措置の前からあった話でございまして、そういった経緯を見ましても経済制裁とは異なる純然たる経済上の問題であるということが言えるのではなかろうかと思います。
○佐藤(観)委員 いろいろ聞きたいこともありますけれども、若干微妙な段階でもありますし、国益の問題もございますから、この問題についてはそれ以上触れないことにした方がいいと思いますので、外務省結構でございます。 それで通産省にお伺いしますが、これからどういう推移をたどるのであろうかということはなかなかわからないことです。しかし、はっきりしているのは、日本が買わなくなる、それからイギリスが買わなくなるというような状況の中で、かなりイランの石油が余っていくだろう。この分は生産を縮小していくのか、あるいはその分だけどこかの国が買っていくのか、といってもECも恐らく同調するでありましょうからなかなかそうもいかぬだろうということになりますと、この分だけ余るのか。国内的にもかなりいろいろな問題があるようですけれども、生産を縮小するということになると、いま需給関係はそう逼迫している時期じゃないとはいうものの、これだけの分が市場に出てこないということになると、六月にまたOPECの総会等が予定されていることから、この問題は中長期的に見て逆にスポット価格を引き上げてしまうことにならないだろうかということが当然心配されるわけでありますが、その点はどういうふうに見ていらっしゃいますか。
○古田政府委員 イランとの価格交渉の過程におきましてイラン側が船積みを一時停止していることは先生御指摘のとおりでございます。しかしながら、現在のわが国の石油情勢を御説明させていただきますと、本年三月末現在で民間備蓄が八十八日分ございます。それから国家備蓄が七日分ございまして、両方合わせますと九十五日分程度ございまして、船積みの停止がある程度の期間続いたとしましても対応は十分可能だと考えております。九十五日分の備蓄の若干を食いつぶすとしましても五、六カ月程度の対応は量的に十分可能であると考えているわけでございます。 また、現下の国際石油市場につきましては需給は比較的緩和ぎみでございますので、交渉が新展開を見せるまでの間にイラン原油の代替原油を見出すことも不可能ではないと思っております。 さらに、イラン原油につきましては、先生御指摘の中にもありましたように、何らかの形で世界市場に出てくるということになりますと、世界の需給関係につきましてはそう大きな影響はないのではないかと考えておるわけでございます。そういうことで、私どもとしましても事態を慎重に見守りながら粘り強くイラン側との交渉を続けて、相互に納得のいく決着に到達したいと希望しているわけでございます。
○佐藤(観)委員 次に、いま山田委員からも若干指摘があったわけでありますけれども、電源開発促進税で取って今度は電源多様化勘定を新たに設けるということでありますけれども、私たちも前から代替エネルギーの開発については大変関心を持ち、またいろいろな場で政府のおくれに対して指摘をしてきたところでありますので、その意味では遅まきながら乗り出してきたということだと思うのであります。ただ、問題は、電源といいますか新エネルギーといいますか、こういったものの開発にどういうお金を使うべきかということはいろいろ議論があるところだと思うのですね。確かに、全部を一般会計で賄うことについてはおのずと財政上の限度もありますし、その意味ではそれ自体むずかしい点もあろうかと思いますけれども、問題は、先ほどの山田委員の質問に対して受益者負担だということが言われているわけですね。確かにこれは、私も覚えているのでありますが、自動車重量税をやったときに受益者負担というのは一体どういうことかということをさんざん議論したことがあるわけであります。あのときも議論になったのは、確かに自動車重量税の場合、第一次的な受益者というのは道路の上を走っている運送業者あるいはわれわれもマイカーでどこかへ旅行すれば、いわばそういった自動車に乗ってその道路を走る人、これは第一次的な受益者であろう。しかし、実際に運送業者が運んでいるものというのはみんな国民生活に関係が深いわけでありますから、その意味ではその受益というのは第二次的には国民全般にいくのじゃないだろうか、もちろん度合いが違いますけれども。そういう議論をいろいろしたことがあって、受益者負担を目的税にするのはおかしいのではないかという議論もあのときずいぶんした覚えがあるわけであります。今度の電源開発促進税の場合に、一般電気事業者である電力会社九社が電源立地がしやすくなるという意味では、確かに第一次的な受益者であると思います。しかし、先ほどから議論になっているように、これを実際電力業者が負担をしているのかというと、負担の面から考えますと、これは形上は電力会社が負担をするというものの、実態的には電力を使用する国民全般、事業をやっていらっしゃる方ということになって、しかも認可料金でありますから、ほとんど原価ということを追求していくわけでありますから、余分な金をどこか削ってこの電発税を払うという形態ではないわけですね。そうなってきますと、これはあまねく国民全般に、電気を使っていないところはほとんどないわけでありますから、国民が普遍的にいわば益を得るということになってくるわけですね。そうしますと、こういったたぐいのものを一つの目的税的な固定的な財源で行うということは、税の立場からいって一体どういう意味づけになるのだろうかということについて疑問を持つわけであります。現実の制度の中で一つの特別会計なり目的税を一しかもこの場合には直結しているわけでありますから、一般財源に入れないわけでありますから、財源の安定的確保という意味においては確かにそれなりの効果というのは現実政治の中において認めないわけではありませんけれども、確かに形式的には第一次的に電気事業者、電力会社が受益するというものの、実はこれはほとんどあまねく国民全般に返っていくものである、それを一つの目的税で行うという思想はどういうことなのだろうかということについてちょっと疑問があるわけであります。その点について、あとは公共事業等の問題に関連をしてもう少しお伺いしますけれども、まず基本的な受益者負担、これが第一次的に電力会社が受益者という意味ではなくて、もっと広い意味で国民全体が益を得るならば、それは一般財源というのが原則ではないだろうか、そのために税金を全部納めるわけでありますから、単に電力会社だけでこれはとまる受益ではないのではないか。そういう関係からいくならば、税本来からいくならば、会計のあり方としてこれは一般財源というのがまず大原則になるのではないか、この点についてはどういう議論がされたのか、お伺いしたいと思います。
○高橋(元)政府委員 電源の多様化と申しますか石油に代替するエネルギーの非常に長い時限での開発ということ全体を含めますと、五十五年度の予算で約二千九百億円ぐらいの財源措置が必要となって、そういう歳出をいたしておるわけでございます。ただいま御審議を願っております電源多様化勘定ないし石油及び石油代替エネルギー勘定に属する代替エネルギー対策というものは、大体はここ十年ぐらいの間に実用化に供されるということをめどに特別会計で特定財源をもって経理いたすということで、財政法の十三条に基づいて整理をいたしておるわけであります。ですから、いまお話のございましたように、非常に広い意味で国民全般に関連する、したがってそれは一般財源をもって賄うのが本則であるということからいたしますと、まず二千九百億全体の話ということであろうかと思うわけであります。先ほどもお答え申し上げておりましたように、受益者負担になじむと申しますのは、一般電気事業者が電力供給の安定ないしは円滑を期し得るというところにその対等関係を求めておるわけでございますから、一般電気事業者が円滑に電気を供給し得るということは、電力需要家のために供給いたしておるわけでございます、したがいまして電力の需要家にそのコストをどう配分するか、これは電力料金政策の問題ではございますけれども、究極的には一キロワット当たり三十銭という新しい電源開発促進税がすべての需要家に配分されて、そこから御負担を願うということになるのはお示しのとおりだと思います。しかしながら、将来、二十一世紀と申しますか、それにかけて、たとえば核融合、太陽熱発電とか石炭液化でございますとか、そういう将来長い目で見たエネルギーの多様化につきましては、一般財源をもって経理するものはするといたしまして、当面一般電気事業者が、石油が間もなく供給の天井をつくであろう、こう一般的に言われておりますそういう状況の中で、ここ十年ぐらいの間に電力供給を安定的に行い得るために必要な代替エネルギーをどうやって調達するか、そのために実用化できる施設というものがどれくらいあるか、石炭の火力はどうするか、水力発電をどうするか、原子力発電をどうするか、そういった間近な問題につきましては、まさに、たびたび繰り返しておりますように、受益者負担によって賄っていただくということが十分理由のあることだと思いますし、一般財源の現状をお考えいただきますときには、やはりこれもお話の中にありましたように、財源を安定的に供給して、そういう重要な施策を継続的に進展を図っていくという意味も持ち得るかと思うわけであります。
○佐藤(観)委員 港湾、漁港、空港整備事業費というものがありますね。たとえば空港を例にとった場合は、確かにここで航空機燃料税を取って、及び一般財源も入れて一つの会計をつくって空港整備事業というものを行う。その場合には、第一次的には航空会社が飛行場をつくってもらうことによって大変利益を得るわけですね。しかし、一面ではそれに乗る人もまた利益を得るわけでありますから、その意味での受益者であるけれども、航空会社の場合には、IATAの話とかなんかによりまして航空運賃自体を少し安くしたりなんかすることによってまだ幾らかでも航空会社自体が事実上負担になる可能性というものは残っているわけですね。ですから、その意味ではこの空港整備事業の場合には第一次的な受益者である航空会社自体がそれなりの負担をしていますよということは少し言えると思うのです。ところが、今度の電源開発促進税の場合には、それが認可料金ゆえに余分なところというのはほとんどないに等しいわけでありますから、事実上それは国民全般が負担をしていくということになるわけで、その意味では、確かに実用化できる範囲のものとは言うものの、どうもたとえば空港特会、空港整備事業なんかをとった場合に比べれば、受益者の範囲と申しますか、要するに第一次的な受益者、第二次的々受益者と私は言っておるのでありますけれども、その面でこれは国民に、直ちに第二次的な受益者に近いのではないかということになりますと、そのあたりで、私はこれはひとつ本来ならば、それゆえの税金でありますから、第一次的には一般財源でやるというのが筋ではないだろうか。それだけでやれと言っているわけではないのでありますが、そういう気がしてならないのであります。 大変時間がないので、もう一点だけお伺いしますが、予算の中で、一般会計の予算にエネルギー対策費が組まれておりますけれども、たとえば原子力平和利用研究促進費千五百七十八億、新エネルギー技術関係経費で七十億、省エネルギー技術関係経費で三十億というふうにいろいろ組まれておりますけれども、これらの一般会計で組んでいる費用とそれから電源多様化勘定に上ってくる費用というのは、どういうものが一般会計にいき、そしてどういうものは電源開発促進税を財源にしながら電源多様化勘定で処理をするのか、その仕分けの基準はどういうことになっているのですか。
○高橋(元)政府委員 先ほどお話のございました空港整備特別会計というのは、アナロジーで申しますと、たとえば一元的なエネルギー特別会計というのを仮につくったといたしますと、一元的なエネルギー特別会計の中の、先ほどの私のお答えの言葉を使わせていただけば、十年以内に実用化できる、そういうものをプロモートするための歳出というものはこの特定財源ないし目的税で賄われる、その余のものが一般財源で賄われておる、こういう構成になっておるのだろうと思います。そういう意味では、佐藤委員からお話のありましたような、たとえて申しますと、二十一世紀のものは一般財源、近間なものは受益者負担の目的税ないし石油税という構成は貫かれているように思うわけでございます。したがって、主計局からお答えいたすわけでございますが、一般会計に残っておりますたとえば原子炉の安全でございますとか、原子力研究所がやっております核融合の将来に向けての研究でございますとか、そういうことはやはり当面実用化に供せられるということではございませんので、したがって電気需要家ないし石油の消費者の負担に帰せしめるというわけにいかないという意味で一般財源をもって経理いたす、こういう頭であろうと思いますが、具体的には主計局からお答えいたします。
○西垣政府委員 主税局長からお答えしたところでございますが、受益の関係がはっきりしているもの、具体に申しますと計画的かつ実効的な推進を図ることが必要な石油代替エネルギーの開発導入の促進に係る対策経費でございまして、かつ、その対策費を受益者負担によって特定のものに求めることが適切なものという限定をいたしまして、それは特別会計に計上する。先ほども例が出ましたけれども、技術開発の中できわめて基礎的、汎用的なもの、あるいはその果実があらわれるのが二十一世紀以後になるようなもの、こういったものを現在の受益者に負担させるのはいかがかというようなことで、それは一般会計で負担する、そういうふうに仕分けをいたしております。
○佐藤(観)委員 実はまだ原子力の開発の問題等についても若干質問しようと思ったのですが、きょうは時間がなくなってしまったので、大変科学技術庁の方に申しわけないのですが、また機会を改めて質問させていただくことにし、またごみの焼却場を利用しての発電の問題、この問題についても若干お伺いしようと思ったのですが、きょうは大変時間がなくなってしまったものですから、また改めてお伺いすることにいたしまして、私の質問を終わります。
○綿貫委員長代理 宮地正介君。
○宮地委員 きょうは大蔵大臣代理兼経済企画庁長官でございますので、最初にこの電源開発促進税法と物価との関係について伺います。 今回の電発税の引き上げで千キロワット当たり八十五円が三百円という引き上げでございまして、これが国民の平均世帯の四人家族では四十円程度の負担だとか、あるいは今回の電気料金の値上げの上に上乗せとして電灯料の場合一・一%、産業用と合わせましても一・四%の上乗せ、こういうことで、数字を見ておりますと、国民生活への影響が何か小さいような感じを与えるようでございますけれども、特に最近の国鉄運賃あるいはたばこの値上げなど相次ぐ公共料金の値上げ、そうした状態を考えてみますと、現在の五十五年度政府消費者物価見通し六・四が非常に厳しい現状にあるわけでございまして、いわゆる経済の専門機関においても九%台あるいは二けたになるのではないかという厳しい予測も出始めております。まさにそれに追い打ちをかけますように原油の高騰、何をとっても五十五年度の経済運営の一番の重要な課題は、いかに物価を安定させるか、国民生活を守るか、こういうことが最重点志向であろうと思います。 〔綿貫委員長代理退席、委員長着席〕 そうしたような経済環境の中で、再びこうした電源開発促進税の引き上げがそうした消費者物価の高騰の中で苦しんでいる国民に経済心理的にも、また経済的にも大変大きな影響を与えるもの、このように私は考えているわけでございます。 初めに、その点についてこの法案審議に当たりまして大臣の所見を伺っておきたいと思います。
○正示国務大臣 宮地委員の御指摘のように、物価問題はきわめて重大であり、しかも政府の見通しが果たして達成できるかどうか、きわめて大事な問題として国会の中で常に論議されておるわけでございます。したがいまして、今回の電源開発促進税の増税ということについては十分考慮したか、そういう点についてどうなんだと御疑問も提出されたわけで、ごもっともでございます。ただ、一九八〇年がスタートいたしますに当たり、たまたま起こったイランの政変、これが今日の物価問題の起爆点になったわけでございます。そこで、これを何とかして脱却していかなければならぬ。すなわち、省エネルギーから脱石油、さらに代替エネルギーの開発、これがわれわれのこれから行く選択の余地のない一つの方向でございますので、これに対する財源措置も最小限度としてどうしても必要である、こういうふうに最終的には判断を固めたわけでございまして、いま御指摘のような消費者物価あるいは卸売物価を通じての間接的な影響等々については、もう極力それを最小限度に食いとめるべく関係者一同努力をすることにいたしまして、これだけの最小限度の予算措置、財源措置というものを認めていただくことによって、日本のこれからの経済の、また国民生活の向上への方向づけについてお認めをいただきたい、御理解をいただきたい、こういう考え方で出しておることを最初に申し上げておきます。
○宮地委員 引き上げの額も三倍強の引き上げに今回なっております。もちろん、今後の日本のエネルギーの需給関係を見たときに、代替エネルギーあるいは新開発エネルギーというものの必要性は十分理解できます。しかしながら、現在の国民生活を取り巻く経済環境、そういう中でやはりこうした引き上げがさらに国民の生活実感に大きな圧迫になってはならない。追い打ちをかけるような形でこのような引き上げをしていくということは大変国民生活にとっては厳しい。特に電気、ガス料金の大幅値上げに対しては、いま国民の多くの中に必死にもがく声があるわけでございます。それにさらに電灯料にしても一・一%の上乗せということは、これは大変心理的な圧迫になるのではないか。こういう点について、きょうは大蔵大臣兼経企庁長官でございますから、もう一度率直な見解を伺っておきたいと思います。
○正示国務大臣 御指摘のとおり、これは決して私どもとしては今日の物価問題からいって軽々しく考えてはおりません。ただ、先ほど申し上げたような趣旨で最小限度の財源措置は必要であり、また、財政再建元年とも言われておるときに、このエネルギー対策に対して思い切った措置を講ずるにはこのぐらいのことはやむを得ないという判断でいたしました。つきましては、国民の皆様にも、電力、ガスあるいはその他の消費者物価というものがもう本当に切実な問題として受けとめられまして、そしてこの危機を乗り切ることによって日本は新しい将来に向かって新しいエネルギーの上にわれわれの行く手を定めていくのだ、こういう非常な自覚を持っていただく大事な時期だと思います。容易なことではございません。しかし、本当にこの重大な時局を乗り切っていくことが私どもにとっては新しい歴史をつくっていく上にも必要なことでございますので、決してなまやさしいことではございませんが、いま申し上げたような趣旨を御理解を賜りまして、国会の各党においても御協力を願って、国民の総意に基づいて、インフレを克服しながら新しいエネルギーを確保していくための一つの大きな苦難の時代である、こういう認識のもとに進んでいく以外にないのじゃなかろうか、かように考えておる次第でございます。
○宮地委員 そこで、私は、この電源開発促進税法につきまして、やはり率直な国民の立場から何点かの疑問について少しお伺いをしていきたいと思うのです。 まず第一点といたしまして、この電源開発促進税法あるいは電源開発促進対策特別会計法が四十九年度に創設をされたときに、まず非常に不見識だと思うことは、当時新税の創設のときに税制調査会にこれが諮られずに、そうした国民的合意を得ずに強行突破されたという事実、また、特別会計の設置につきましても財政の基本原則でございますところの総予算主義を軽視して財政制度審議会に諮問せずに当時強行さした。わが党はそういうような全くの政府の横暴に対しまして反対の立場をとったわけでございます。さらには、今回の電気料金値上げのときにおきましても、電灯料金のナショナルミニマムというのは、公聴会などでも大体百五十キロワットアワー、二十アンペア。ところが百二十キロワットに抑えられておる。免税点が、そういうことで、結果的に今回三千六百円まで引き上げられましたが、まだ国民のナショナルミニマムにまで到達してない。そういう経緯の中でこの電源開発促進税法が今日を迎えたわけでございます。さらに、そういう中で今回石油税法との財源ドッキングによりまして代替エネルギーの財源確保ということが多様化勘定の中でつくられてきております。 そこで、私は主税局長に伺っておきたいのですが、この税調の答申の中でも明らかにしておりますが、石油税については、やはり原油価格の上昇あるいは円安、こういった面で相当な税収が見込まれるところから、税率は現行のまま五十五年度は据え置いたという感じの税調の答申が出ているわけでございます。しかし、この石油税のいわゆる自然増収分、これについても、もう主税局長御存じのように、昨年におきましても当初の見通しよりも相当な額が出たわけでございます。数字につきましては、五十四年度当初約千七百八十億を見込んだのに対しまして補正で約二千八百六十億ということで、五十四年度で約一千八十億円の自然増収があったわけでございまして、そういう中で今回石油税の税収四千百億円を大蔵省としては五十五年度見込んでおりますけれども、輸入数量あるいは最近のバレル当たりの価格あるいは対円ドルレート、こういうものを比べてみますと、恐らく五十五年度においても相当な自然増収が見込まれるのではないか、こう予想されるわけでございますが、この点については、積算の根拠、またどの程度自然増収を見込めるとお考えになるか、現段階でわかる範囲でいいですが、御答弁いただきたいと思います。
○高橋(元)政府委員 五十五年度四千百億円の税収見積もりを計上いたしております。その積算の内訳でございますが、原油の輸入量は、一日当たり五百四十万バレルというような国際的な目安もございますので、それに即しまして二億八千万キロリッター、若干端数がございますが、そういう積算をいたしております。それから輸入原油の価格でございますが、これはなかなかむずかしくてエネルギー庁といろいろ御相談をしておったわけでございますけれども、昨年の十二月時点の公式販売価格の動き、大体二割ぐらい上がっておったかと思いますが、そういう動き等明らかとなっております情勢を織り込みましてバレル当たり二十九ドルぐらいということで入れました。それからレートは、これは税収見積もりなり予算全体について言えることですが、税収見積もり作業開始直前一カ月、具体的に申しますと、昨年の十月の中旬から十一月の中旬の平均レートということで一ドル当たり二百三十七円ということで計算いたしました。最近のドル相場の動き、それから原油価格の動き、これがどうなるか私どもにはちょっと見通しがつかないわけでございますけれども、輸入量につきましては二億八千万キロリッター程度がそうふえるとは思いません。これから先、経済の推移によって、あるいは石油の価格が私ども見ておりますような二十九ドルよりも上がってまいることがあればその分の増収にはなろうかと思いますが、いまここで公にお答えするほど確信はございません。
○宮地委員 いま主税局長がおっしゃったように、輸入数量が約二億八千万キロリッター、これが一応横ばいであったとして、バレル当たり二十九ドル、これはことしはもう無理で、三十ドルを超えて三十二ドルくらいにきておるのが現状でございます。また、対ドルレートにしても、大体二百四十五円から二百五十円、二百四十円代がいま常識のレートできておる。大体そういうことで計算をしますと、相当な自然増収が、石油税においても四千百億どころか五千億台を超えるだろう、こういうことは常識としてわれわれは気づくわけでございます。そうしたものを今回の代替エネルギー対策の中でもっとシビアに判断をしていくべきではないか。その中で今回は一般会計の中に繰り入れまして、石油関係としては一般会計から二千五百二十億を四千百億の中から引っ張り出してきたわけです。しかし、これは場合によってはもっと拡大をして、逆に促進税の引き上げを圧縮する、こういうことも処方せんとして考えられたのではないか。税調の言うように、電源開発促進税の引き上げの方はそちらでやりなさい、石油税の引き上げの方は自然増収が見込まれるけれども、それは引き上げをしないので、食いとめた分でそういう配慮がされたのだ、こういうことになりますと、国民はなかなか納得しない。石油代替エネルギー対策に、お札に色があるわけではないのだし、そういう点について主税局長はどういう見解をお持ちですか。
○高橋(元)政府委員 石油税の歳入見積もりを内輪にしておいたのではないかという御趣旨のお尋ねかと思いますが、私ども先ほどもお答えいたしましたように、非常に見通しのむずかしい石油の価格なり円レートなりにつきましては、当時担当のお役所とも十分相談をいたしまして、適正な見積もりをいたしたつもりでございます。その後の情勢変化を織り込んで、自然増収が出てまいった場合に、石油の代替エネルギー勘定で使わずに電源多様化勘定の方に入れたらどうだというのが次のお話だと思いますが、先ほどからお答えいたしておりますように、一次エネルギーとしての石油代替エネルギーの開発促進技術に関する経理は石炭及び石油特別会計でやります、電源の多様化のための電源税を使いますその経理は電源開発促進特別会計でやります、こういう立て方をいたしまして、石油税をもって電源多様化勘定の財源を賄うという構成を使っておりませんのですが、もう一つ根底にさかのぼって申し上げますと、五十五年度でこそ石油代替エネルギー勘定の代替エネルギー対策は三百四十九億という経理になっております。それから電源多様化勘定は八百二十七億で出すことになっておりますが、これまた通産省と御協議をしたことでございますけれども、恐らく一九九〇年までの長期にわたります代替エネルギーの促進のために必要な経費を推定いたしますと、電源多様化勘定では一兆四千五百億ぐらい必要である。それから石油代替エネルギー勘定でも一兆四千五百億ぐらい必要である。したがって、合わせて二兆九千億が今後国民の生活なり経済を支えていくために必要でございます。それを、申し上げておりますような受益者負担の観念によって長期にわたって調達を国民にお願いするという立場から税率の設定をいたしたわけでございますから、今後の電気の供給量というものを十一年間にわたって推定をいたしますと、いま御提案申し上げておりますように、二十一銭五厘一キロワットアワー当たり増税をお願いして三十銭にしてちょうどとんとんに相なるわけでございます。石油代替勘定の方でも、今後たとえば石炭液化というようなプロジェクト、海外炭の開発というようなプロジェクト、ことしはまだ出だしでございますけれども、今後飛躍的にふえてまいるかと思いますし、石油の価格が上がれば上がるほどその必要度も上がっていくわけでございますから、したがって、いずれも長期的に見通して両勘定の区分経理なり、電源開発促進税の税率設定なりにつきまして検討した結果提案申し上げている次第であることを御了承いただきたいと思います。
○宮地委員 私が言いたいのは、石油税の三・五%というのはCIFプラス関税掛ける三・五ですから、企業から取るのです。税調の中に、いわゆる自然増収の見込みを予測して「税率をある程度引き上げることが必要と考えるが、昭和五十五年度においては、原油価格の上昇等により相当な石油税収が見込まれるところから税率は現行のまま据え置く」、こうなっているわけです。ということは、今回三百四十九億円の石油代替エネルギー対策費が、いわゆる石油税の四千百億から二千五百二十億一般会計から出てきた、その中から三百四十九億を代替のエネルギー対策にした。しかし自然増収も今後見込まれるでしょう。恐らく四千百億より多くなるでしょう。しかし、この電源開発促進税の方は一応電力会社から支払うようにしますけれども、現実にはこれは消費者に転嫁され、これは国民大衆の血税なんです。どちらか二者択一をするということで、むしろ弱い方に、取りやすいところから取るという発想がどうしてもこの中に見えてくる。ましてや三百四十九億円についても、今後の自然増収を考えていくならば、さらにこれは十分に検討に値するわけです。いま主税局長おっしゃったように、電源多様化勘定では八百二十七億、要するに、電源開発促進税の部分と石油税の部分の石油代替エネルギー対策を合わせた予算というのは約一千百七十六億です。大体二倍強が電源開発促進税からの財源になっているわけです。この点について、自然増収がある程度見込めるのであれば、こういう厳しい物価の高騰あるいは国民生活で物価の面からも大きな圧迫を受けるのは何といっても低所得層、あるいはお年寄りといった弱い立場の人たちです。電気はお構いなく皆さんお使いになるわけです。ですから、そういう面では、石油税が自然増収があるならば、そちらからの財源確保をもっと重点的に石油代替エネルギー対策に考えるべきではなかったか、こういうことをまず主張しておきたいと思います。 さらに私は非常に疑問に思いますことは、今回の電源開発促進対策特別会計の中で、先ほどもお話が出ておりましたが、大蔵省から資料をいただいておりますが、特に四十九年度以降余剰金あるいは不用額が年々非常に拡大してきているわけです。国民感情から言いますと、お金がだぶついているのになぜおれたちに引き上げを迫ってくるのか、こういう素朴な感情というものを国民は持つと思うのです。 そこで、具体的にこの余剰金の年度別推移あるいは不用額の年度別推移についてまず報告をいただきたいと思います。
○西垣政府委員 電源開発促進対策特別会計の各年度に発生いたしまして翌々年度の歳入に繰り入れられます剰余金は、四十九年度以降次のようになっております。 御指摘のように、最近非常にふえてきておりまして、四十九年度が二十六億円、五十年度が四十三億円、五十一年度が百五十五億円、五十二年度が百九十五億円、五十三年度が二百七億円でございます。
○宮地委員 いまお話しになったこの額は、いわゆる財政法六条の純剰余金ですね。確認しておきたいと思います。
○西垣政府委員 そのとおりでございます。
○宮地委員 すなわち五十三年度で約二百六億円の純剰余金が出て、これがいわゆる公債財源に使われている、こういうことですね。
○西垣政府委員 この特別会計は借入金がございませんので、国債整理基金への繰り入れということではなくて、翌々年度の歳入に再計上されてこの会計で使うという仕組みになっております。
○宮地委員 そうしますと、この電源開発促進対策特別会計法の十条で資金運用部資金に回った金じゃないのですか。
○西垣政府委員 そのとおりでございます。
○宮地委員 財政法六条というのは、いまお話ししましたようなそうした公債財源に一応回される。そうしますと、逆に今度は財政法第四十一条のいわゆる剰余金は四十九年度以降どうなりますか。
○角谷説明員 お答え申し上げます。 財政法四十一条の剰余金といいますのは、先ほどの財政法六条の純剰余金を含めまして、それ以外に翌年度への繰り越し歳出予算として控除する額とか前年度までの剰余金の使用残、そういったものをすべて含めた概念でございますが、これについて申し上げますと、四十九年度は百二億円、五十年度は二百八十六億円、五十一年度は四百十七億円、五十二年度は五百四十一億円、五十三年度は四捨五入いたしまして六百十四億円になります。
○宮地委員 いずれにしても、たとえばいまお話しのように、五十三年度の決算ベースで剰余金は差し引き約六百十四億円ですね。これだけの剰余金が出ていながら、なぜここでいま引き上げをしなければならないのか、その点についての理由づけを言ってください。
○西垣政府委員 お答え申し上げます。 これは先ほどもお答え申し上げたところでございますが、電源立地対策につきまして従来から大きな剰余金を生じていることは事実でございますが、これは地元との電源立地調整等の問題がございまして、年度当初に予定しておりました電源立地がおくれまして、交付金の支出が予算を下回ったという事情によるものでございます。この解決のためには電源立地の促進を図るということが必要でございますが、安全対策、環境対策などいろいろな角度からの努力とともに、やはりこの立地対策交付金制度も、地元住民の福祉向上に必要な公共用施設を整備するということで側面的に地元の理解と協力を得るための制度でございまして、予算の計上としては準備せざるを得ないという性質のものでございます。私どもといたしましては、今後電源立地が円滑に推進されましてこういった剰余金が生まれないようになることを期待しているところでございます。
○宮地委員 この電源立地が非常に難である、だからこれだけの剰余金が出た、これだけが私は理由じゃないと思うのです。現実にいわゆる特定財源としてのお金が各自治体に流れて、実際に取り扱いの指導的立場は通産省がやっておる。実際、たとえば電源立地促進対策交付金なんかにつきましても、五十三年度においては百三十二億出ておりますけれども、その中心は道路の施設、二百三十四件で約四十三億五千万、あるいはスポーツ・レクリエーション施設、これは四十五件で十四億六千万、あるいは教育文化施設八十件二十八億二千万、こうした道路から港湾から通信、スポーツ、環境、教育文化、医療、社会福祉、消防、こういう交付金を実際に担当するのは各都道府県の商工課になっているのですね。これは事務的には通産省の関係ですから、商工課といえば商工課ですけれども、商工課が文教施設をつくったり道路の施設を計画させたり、あるいは福祉、医療、こういう問題まで取り組んでいく。これは実際問題として、地方の自治体の中で各部局との間にいろいろな摩擦も出ているという話も聞いておる。何で道路のことをおまえら商工課がやらなければならぬのか、何で学校の文教施設を商工課がやらなければならぬのか。そうしたシステムの上においても、いま非常に効率の悪いシステムになっておる。これはぜひ改善していかなければ、ただ大義名分で立地難だ、立地難だと言えば、何でも、ああそうですか、剰余金も不使用額も出ても構わない、そんなものじゃない。やはりそうした財政の効率的運用をするためのシステムというものの改善もやっていくべきではないか。 現状、いま私がお話ししたことについて、まず通産省からさらに詳しく報告をしていただきたい。
○安田(佳)政府委員 電源立地対策交付金によります整備事業の範囲につきましては、これは先生御承知のように、発電用施設周辺地域整備法四条、それから施行令の第五条に定めるところによりまして、御指摘のようなところにやっているわけでございます。ただいま先生数字をおっしゃっていただいたわけでありますが、実績を見ていただきましても、たとえば道路などは三三%でございますし、教育文化など二一%ぐらいの実績を上げているところでございます。 内容の改善につきましては、私どもいろいろと五十二年にも改善をしてきているわけでございますが、これらの公共用施設を整備するに当たりましては、法律の四条の規定に基づきまして都道府県知事が整備計画を作成することといたしております。その際、関係所管部局の意向を踏まえて実施いたしておるところでございまして、関係市町村の公共用施設に関する整備状況及び要望等につきましては十分勘案しているものと私どもは承知しておるわけでございます。 いかに実施するかという点につきまして、これは地方公共団体といたしましては、その能力は十分にあるのではないかというふうに考えておるところでございます。
○宮地委員 能力は十分にあるのではないかと考えておりますということですが、改善する意思はありますか。
○安田(佳)政府委員 それぞれの地方公共団体におきまして、どのようにやりたいという御要望がございましたら、その御要望につきましては十分考えてまいりたいと思っております。
○宮地委員 主計局、大蔵省としてはいかがでしょうか。
○西垣政府委員 私どもといたしましては、執務体制の問題よりは、立地のおくれということの方に原因があるのではないかというふうに思っておりますけれども、もし執務体制の方に問題があるとすれば当然改善しなければならない、かように考えております。
○宮地委員 さらに原子力発電の安全対策に対するところの安全等対策費、その中に、たとえば柱として原子力発電安全対策等委託費、これは民間の調査機関に委託をして原子力発電の安全対策に相当なお金を突っ込んでいるわけですね。五十三年度の実績でも約百二十八億、さらに原子力発電安全対策等補助金、これが五十三年度でも約三十三億、これはいわゆる原子力発電所の耐震性の実証試験に必要な経費として三十三億の補助、あるいは施設の必要な経費としての補助が約三億、約三十六億、あるいは原子力発電安全対策等交付金として五億六千万程度やはり出ております。こうしたいわゆる民間調査機関への委託について、われわれ国民から見ると非常にわかりにくい。これについては、会計検査院も決算別に当然チェックをしていると思いますが、その辺の状況を報告いただきたい。
○白川会計検査院説明員 お答えいたします。 電源立地促進対策交付金にかかる事業では百十カ所検査したわけでございます。また、先ほど御質問の原子力発電安全等対策費関係では十六カ所実地に検査いたしております。検査に当たりましては、これらの委託費等が法令、予算、契約、交付要綱等に基づいて適正に経理されているかどうかを調査したわけでございます。その結果としましては、特に不当であるというふうな指摘をした事態はございませんでした。
○宮地委員 いずれにいたしましても、大臣もいまいろいろ聞いておわかりいただくと思うのですが、一つは石油税の自然増収が相当見込まれるという事態がいま発生しているということ。それから、電源開発促進税が今回改正されまして、いわゆる立地勘定と電源多様化勘定に分かれる。そういう中で、特にいままでの、四十九年から電源立地を中心としてきた勘定が、余剰金なり不使用額が相当あるわけです。たとえば昭和五十三年度においては不使用額が百七十五億円出ているわけですね。それに対しては、電源立地がむずかしかった、こういうふうにいま一応言い逃がれをしているわけですが、実際問題、電源開発促進対策特別会計法第十条の規定に基づいて資金運用部にいっておるわけですね。資金運用部にいけば、これは財投に使われたり、公債の引き戻しに使ったり、いろいろな形に使われていく。しかし、これは国民の血税でやっているわけです。今回この改正によって一挙に千キロワット当たり三百円、そのうち、一キロワットアワーにすれば二十一・五銭、これは今度は電源多様化勘定にいきます。代替エネルギー対策に今度は使います。こちらについては、私たちも、今後の八〇年代の重要なエネルギーの需給関係、これには相当な財源も必要でしょうから、ある程度前向きに理解する。ところが、電源立地の方は、昨年百九十一億の歳出の中ですでに不用額が百七十五億。さらにそういう中で、百七十五億の不用額が出ていながら、今回、いままでの、前年度の剰余金の受け入れが二百七億円、そして今回の電源開発促進税の引き上げによって、電源立地勘定三百九十二億円、合わせて五百九十九億円ですね。その中で、五百九十九億円のうち、先ほど、いろいろシステムの上にも問題があるのではないかということを、これは改善してほしいという私の提言を含んで話したわけですが、その面についても五十五年度は四百十四億なんですね。またこれは五十五年度は相当な不使用額が出るだろう、だれの目にもこう思われるのです。そうした中でこの引き上げをしていくということは、国民のニーズにこたえた道ではないのではないか。どうもお金は余ってしまう。しかし、またさらに引き上げで、われわれは非常に厳しい思いをしなければならぬ、こうした非常な疑問を国民は持たざるを得ないと思うのです。これは、生活実感上も率直に言って間違いないと思うのです。こうした不合理性について大臣どのようにお考えでしょうか。
○正示国務大臣 先ほどからるる委員の御質問、それに対する関係者の答弁を伺っておりました。実は、これから参考人にいろいろお聞きいただくんだと思うのですが、日本の電力のこれからの需給見通しを見ますと、五十七年度ぐらいまでは何とかしのげるのですが、後は大変なピンチなんですね。今度の電力料金の査定に当たりましても、そういう点も十分考慮しなければいかぬということを聞いた。いま御指摘のように、いままでの立地勘定で金が余っているというのは本当に心配の種なんです。これが予定どおり、原子力にいたしましても石炭にいたしましてもあるいはLNGにいたしましても、開発がどんどん進んでいけばそういうことはなかったわけでございますが、主として原子力について予定よりずいぶんおくれておるわけでございます。そこで、これから努力をして、何とかこれをリカバーしなければいかぬわけでございます。それをやらなければ、本当に将来の電力の需給関係というものは憂慮すべき事態になっております。したがって、御指摘の点については、国会として政府当局に対してきわめて適切なる御鞭撻でございますから、われわれも心して、これからさらに一層の努力を傾けることによって、電力の中長期の需給の安定を確保すべく努力していかなければならない。そして、そういう意味からも代替エネルギーの開発については一層の努力を払わなければならぬ。こういう事態を、いま短時間でございましたけれども、宮地委員が御指摘になりまして、政府の関係者がそれに対して、今日の実情についてありのままを申し上げたわけでありますが、私はそれを拝聴しておりながら、中長期の電力需給の対策についてはもう本当に寒々したものを感じ、何とかして国会の御協力もいただいて、これから必要な電源開発を、また久様化を進めていかなければならぬ、そういう信念を一層固めた次第でございます。
○西垣政府委員 先ほどの御答弁で一つ間違いがございましたので、訂正させていただきます。 先ほど剰余金は財政法六条の剰余金だと申し上げたのですが、そうではございませんで、財政法四十五条で各特別会計につきましては財政法と異なる規定を置くことができるとされておりまして、これに基づきまして、この特別会計法につきましては次のような規定が置かれているわけです。「この会計において、毎会計年度の歳入歳出の決算上剰余金を生じたときは、これを翌年度の歳入に繰り入れるものとする。」こういう性質のものでございますので、訂正させていただきます。 それからもう一つ、五十五年度の予算計上も四百十四億、甘いのではないかという御趣旨だったと思いますが、私ども査定しておりまして甘いというふうに思っておりませんので、御説明申し上げます。 電源立地交付金予算につきましては、毎年度電気事業者から届けられます施設計画に盛られました個別地点の積み上げをベースにして算出しております。五十五年度の場合には、総計百十六カ所、四千四百九万キロワットの施設計画につきまして、原子力、火力、水力ごとの単価を適用しまして所要額を算出しているものでございます。したがいまして、施設計画を地元の協力を得て予定どおり実施することを目的として交付金制度を設けている以上は、この予算計上はぜひとも必要なものと考えております。 それから、先ほど、非常に多額な剰余金で、これはよそに使えるのではないかというような御趣旨だったかと思いますが、実はこの剰余金の中には、先ほど申し上げましたように、前年度の不用額で当年度に新たに歳入として計上しなくちゃならないもの、それから、前年度から歳出権を伴いまして繰り越されてきた、財源としては当然準備しておかなくちゃならないもの、それから、前年度の不用となるもので翌々年度の歳入に充てるもの、そういったものが含まれているわけでございまして、たまたま支出が進まなかったためにだぶついていたというものでございまして、要らなくなってしまうという金ではないわけでございます。これだけ追加説明させていただきます。
○宮地委員 おたくの大蔵省から出た資料に基づいても、先ほどお話ししましたように、不用額は、五十三年度は百七十五億、五十二年度は百六十億七千万、五十一年度は百四億六千万、五十年度は三十三億。不用額にしても三十三億から百七十五億、大変な額に上がって、歳出予算現額に対する歳出額の割合から見れば、五十三年度なんか二九%。これは大蔵省大いに反省してもらいたい。そういう反省する謙虚な姿勢がなければこうした問題の解決もない。言いわけばかり言うのが大蔵省じゃないですから、大蔵省は日本の国家財政を動かす重要な責任ある立場なんですから、反省すべき点は反省し、改善すべき点は改善していく、こうした謙虚な姿勢がなければ、だれが見たって、百七十五億の不用額があって、二九%しか歳出額の割合がない、何をやっているのだと怒られますよ。電力会社の金じゃないですよ。国民の血税を財政運用しているのだという意識があったら——私はそうした気持ちが必要だと思うのです。次長、もう一度。
○西垣政府委員 御指摘のように、反省すべきものは反省し、改善すべきものは改善するという姿勢でいきたいと思っております。 なお、不用額というのは本当にむだになってしまったものではございませんで、これはよく御理解のところだと思いますが、翌年度に歳出を繰り越しましてもなおかつ電源立地がおくれているために支出ができないというものが不用になりまして、その剰余金がまた改めて歳入として計上され、それからおくれたものも新しく歳出権を付与されてまた次の次の年というような形で出てくるものでございますので、その点は御理解をいただきたいと思います。
○宮地委員 さらに、そういうような論議の中の最大の問題点は特定財源制度といいますか、特定財源であるというところに大きな無理とひずみが出てきているのではないか。先ほどから同僚の委員からもお話がございましたが、今後の日本の国家的事業であるエネルギー対策については、やはり思い切った一般会計からの導入も考えていくべきではないか。たまたま財政が非常に厳しいということで大蔵省が知恵をしぼってつくり出した一つの処方せんにすぎないのではないか。国家的見地の大事業をやるためにはやはり一般会計を導入した形の対策も必要ではないか。私は、最後に一般会計導入論に対する大臣の見解を伺っておきたいと思います。 もう一点、先ほど来ちょっと話が出ておりましたが、いわゆる電源多様化勘定と電源立地勘定の配分の問題です。これについては、五十五年度は電源立地勘定がいままでどおり八・五銭、電源多様化勘定が二十一・五銭、五十六年度以降については、配分区分は予算総則によって毎年度検討して決めていきたいということでございます。この点については、電源立地勘定がある程度既得権化するのではないかという心配が一つあります。剰余金なり不使用額が現実として出ている以上、むしろ電源多様化勘定の方に繰り入れていく、配分率を変えていく、こうした弾力的運用も検討すべきではないか。こういう点については、大蔵省としてどのように考えているかお答えをいただきたいと思います。
○正示国務大臣 エネルギー対策について一般財源でやるべきではないかという御意見。原則論としては、目的税等設けて限定的にやっていくということは財政の原則から言うと確かに特別の制度であると申し上げておきたいと私は思うのです。ただ、いま財政を再建するという財政非常の事態でございまして、ほかの方は徹底的に財政を洗い直す、こういう事態であることは宮地委員もよく御承知のとおりなんです。そこで、エネルギー対策のような中長期的な政策については安定した財源を確保しておくことがまた一方では必要なんですね。そして長期のエネルギーの需給見通し、特に脱石油代替エネルギーという将来に向かっての大きな展望を持ちながら、それに備えた財源措置を講じていくためには一体いかなる制度が適当であるか、こういう判断から今度制度が充実されたものと私は判断をいたしております。それについて、そんなことを言うな、いま国は非常時だから何もかもその辺の金をみんな寄せ集めて使えばいいのだ、こういうふうにやると、将来の日本の新しいエネルギーシステムを考え、そういう基盤の上に日本経済を再建していくという点から言うと、これは若干目先の必要性に迫られたいわばニアサイテッドという非難も出てくるのではなかろうか。そこで、先ほど来主計局次長からも御説明をいたしましたように、決して不用額を出すことは好ましいことじゃありません。みんなその年度年度に予定したことが、地元の御協力をいただいて立地もできる、スムーズに歳出がされる、これは一番望ましいことでございますが、実は宮地委員も御承知のように、そうはまいらないところに今日の悩みがあるわけでございますので、これらについてはこれから各政党の非常な御協力をいただかなければならぬと私は痛切に感じておるわけでございます。 なお、立地勘定、多様化勘定、これの区分につきましては、専門的に政府委員から御答弁を申し上げます。
○西垣政府委員 五十五年度におきましては、予算総則で三百分の八十五を立地勘定、三百分の二百十五を電源多様化勘定にしておるのを来年度以降どうするのだ、こういうことでございますが、これは予算総則で定められるという仕組みになっておりますので、来年度まで、状況もよく勉強いたしまして慎重に検討してまいりたい。ただ電源開発のために立地対策というのはきわめて大事な問題でございますので、その辺も十分な配慮をする必要があるだろう、かようには思っておりますが、慎重に検討したいと思っております。
○宮地委員 終わります。 —————————————
○増岡委員長 ただいま参考人として税制調査会会長代理木下和夫君、電気事業連合会副会長正親見一君、主婦連合会事務局長清水鳩子君の各位に御出席をいただいております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。 電源開発促進税法の一部を改正する法律案及び電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案の両案につきまして、参考人各位それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただくようお願い申し上げます。 なお、議事の順序について申し上げますが、まず各参考人から一人十分程度ずつ御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。 それでは、まず木下参考人にお願いいたします。
○木下参考人 木下でございます。 電源開発促進税法の一部を改正する法律案及び電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案について意見を述べよとの御要請でありますが、本日は、税制調査会会長代理として参考人を命ぜられましたので、もっぱら税制に関する側面の問題について所見を申し上げたいと存じます。 この問題に関しましては、昨年十二月、税制調査会の昭和五十五年度の税制改正に関する答申におきまして、エネルギー税制についての考え方が明らかにされているところでありますので、この答申に即して申し上げることにいたします。 まず、税制調査会がエネルギー税制について審議をいたしました経緯についてであります。すなわち、わが国はエネルギーの約七割五分を石油に依存しており、しかもそのほぼ一〇〇%近いものを輸入に頼っております。このような状況に加えて、エネルギーの中心を占めます石油をめぐる世界情勢は最近特に不安定化しておりまして、石油は将来世界的に不足するという見方が急速に強まってきております。このため、今後石油に代替するエネルギーの開発及び導入を総合的かつ長期計画的に推進していくということがきわめて重要な課題であることは異論のないところであろうと思います。このような観点から、石油代替エネルギー対策を計画的に実施し、この対策のために所要の財源を中長期にわたりまして安定的に確保するためには税制としてどのように対処していくべきかという問題について検討を行った次第でござ います。 さて、代替エネルギー対策の財源確保の方策といたしましては、まず代替エネルギー対策の緊要性にかんがみまして、一般財源を優先的にこれに充当すべきではないかという御意見がございました。これにつきましては、今後代替エネルギー対策を進めるに当たりましては、中長期的に巨額の資金を安定的に確保していくことが必要であり、また、現下の厳しい財政事情を考慮いたしますと、このように長期的に必要な資金のすべてを一般財源で賄うことはとうてい困難であるということ、さらに、代替エネルギーの開発利用はエネルギーの安定供給を可能にすることを通じて一般電気事業者、ひいては電気の消費者や石油の消費者にも受益関係を生ずるものであるということ等の理由から、この対策のための財源を受益者負担的な目的税ないし特定財源の形で電気及び石油に求めるということは十分理由のあることと考えたわけでございます。 次に、現在道路特定財源とされております揮発油税や地方道路税等につきましてその使途を見直して一般財源化し、代替エネルギー対策等にも充てるべきではないかという御意見もございました。これに対しましては、現行揮発油税等の個別石油製品課税は全石油製品のうちの一部だけに対する課税であるのに対して、代替エネルギー対策による受益は一般電気事業者や石油の消費者全体に及ぶということ、また、道路整備の現状から揮発油税等の道路特定財源を必要とすること等をあわせて考慮いたしますれば、これらの税の使途の見直しについては慎重であるべきであるとする意見がございましたため、この問題、すなわち道路特定財源の問題につきましては、今後さらに検討を続けることといたしたわけでございます。 以上の諸点を総合勘案いたしまして、代替エネルギー対策の財源措置といたしましては電気及び石油に負担を求めることが適当であるとしたのであります。その場合、その負担を求める方法としてこの際新税を創設することにつきましては、現在電気及び石油に対して、国及び地方を通じすでに九税目が課されていることを考慮いたしますれば、税制をいたずらに複雑にすることになることから、既存税目のうち電源開発促進税及び石油税の活用を図ることが適当であるという結論に達したわけでございます。 その結果、具体的には電源開発促進税及び石油税につきまして次のように措置することが適当であるということとされました。 すなわち、まず電源開発促進税につきましては、昭和五十五年度においてその税収の使途を拡大いたしまして電気関係の代替エネルギー対策を含めることとした上、税率を千キロワット時当たり現行八十五円から三百円に引き上げること、また石油税につきましては、その税収の使途を拡大いたしまして石油代替エネルギー対策を含めることとする。なお、税率につきましては、ある程度引き上げることも必要ではないかと考えたのでありますが、昭和五十五年度におきましては、原油の輸入価格の上昇や円レートの変動等によって相当の石油税収が予想されますところから、税率は現行の三・五%のまま据え置くこととする旨答申をいたしたわけでございます。 以上が昭和五十五年度の税制改正におけるエネルギー税制に関する税制調査会の審議の経過と内容とでございます。 本委員会で審議いただいております電源開発促進税法の一部を改正する法律案及び電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案に含まれておりますところの税制上の措置は、先ほどから申し上げております税制調査会の答申に沿ったものでありまして、安定的な財源を確保して、代替エネルギー対策を総合的かつ長期計画的に行う上で適切な措置であると考える次第でございます。
○増岡委員長 次に、正親参考人にお願いいたします。
○正親参考人 電気事業連合会の副会長の正親でございます。本日は、石油代替エネルギーの財源及びこの経理に関する法案審議に当たりまして、私どもにせっかくの機会を与えていただきまして、意見の陳述をさせていただくことを大変ありがたく存じております。 まず冒頭に、昨今のイラン情勢が混迷を深めている国際的なこのエネルギー事情を考えまするとき、わが国の国内的エネルギー事情からいたしまして、ただいま御審議賜っております新しいエネルギーに対する増税につきましてはまことに時機を得たものとして、まず私ども業界といたしましては賛意を表し、早急に御審議いただくことをお願いしたい、かように考えております。以下、その理由と私どものお願いしたい一部を申し上げたいと存じます。 御高承のとおり、わが国は従来経済成長の目標に合わせましてこれに必要なエネルギーを調達してまいったのでございますが、今日ではむしろ逆でございまして、エネルギーの確保の目標に沿った方策に沿ってわが国経済の成長を考えてこれを決めなければならぬという時代に入ったと申し上げても過言でないと私どもは存じております。すなわち、経済安定成長の根幹はエネルギーでございますとともに、その大宗をなす電力はわが国の産業の発展または国民の福祉のためにも必要不可欠のものと存じております。特に、資源に乏しいわが国は今日のこの厳しい国際社会情勢を踏まえまして今日的な重要な、重大な課題として脱石油を早期に図らなければならぬ。いわゆる代替エネルギー開発というものをできるだけ早く定着させると申しますか、これを軌道に乗せることこそが国民的な重要な課題と考えております。 申すまでもなく、そのためには、新しいエネルギーといたしましては、私どもは原子力を中軸といたしまして石炭を第二の柱とし、さらにLNG、水力などなどから、きわめてローカル的とはいいましても地熱の調査開発等を初め、さらにまた将来の新しいエネルギーといたしましての太陽熱の利用などなどに至るまで、当面の開発と長期的な実用化を目指した研究に対しまして、電気事業者はもちろんこれはみずからの責任といたしますと同時に、その多様化につきまして全力を傾注しておる次第でございます。 特に一方、この発電所の立地等に関しましては、おかげさまで政府関係御当局の絶大なる御支援と御協力を初め、地域の住民の皆様方の格別の御理解をちょうだいしながら、たとえば立地の問題あるいは環境の問題、技術の問題、防災の問題などなど、幾多の困難を抱えながらとにもかくにも今日まで供給の安定を確保してまいっておる次第でございます。しかしながら、これは必ずしも予定どおり円滑に進んでいないという事実として私どもも悩んでいるのが実情でございます。なかんずく特にこれに必要欠くべからざるいわゆる財政と申しますか、資金はまた悩みの最大の種でございます。 すなわち、政府の昭和五十四年の総合エネルギー調査会需給部会によりますと、昭和六十五年度の総需要が約九千億キロワットアワー、これは現在の約一・七倍、またそのときの最大電力が一億八千万キロワットと、現在の一・九倍、それを賄う電源開発が一億一千万キロワットとされております。この開発並びにこれに関係する投資は、エネルギー総合推進委員会の試算によりますと、約六十兆円に及ぶきわめて膨大な資金が必要となっております。これはひとりわれわれ電力会社だけの問題でなく、エネルギー業界全体の問題、さらにこれはエネルギー業界だけでなく、わが国産業界全体の問題といたしまして取り上げられております。その財源確保やこの捻出方策につきまして産業界といたしましていろいろと協議し、関係方面にも陳情してまいりました。 せっかくの機会ですから、ざっくばらんに申しますと、私どもは、基本的には、このエネルギー問題は国の経済上の最大の課題であるから、どうか政府の予算において一般財源の中から最優先に充当願いたいということの意見も出ました。また一部の方からは、現在徴収しているところのエネルギー関係の諸税、これを代替エネルギーあるいは新エネルギーに一部振り向ける方法はなかろうかという意見もございました。あるいはまた、この際エネルギー債の発行をして、産業界としては責任を持ってこれを売って、それをこの財源にしようというふうな御意見もございました。 参考までに現在の石油、電力関係のいわゆるエネルギー関係の税金は、五十四年度は二兆八千億、そのうちエネルギー関係に使われておりますのがその一三%でございます。五十五年度におきましては、自然増と新税を含めますと予算では三兆三千億にも及んでおる由でございます。そのほか各面にわたり産業界として協議しておりましたところ、通産、大蔵御当局等へも御相談や陳情もいたしましたが、私どもも、申すまでもなくこの国の財政難は十二分に承知しておるところであり、いずれも至難の問題であり、きわめて苦悩の極にありまして、真剣に考えてもなかなかいい案がないというときに、折から通産御当局がこの緊急性、その重要性、さらにこの長期性を御認識賜りまして、幸いにして今回の代替新エネルギー税の御提案がございました。関係方面の大方の合意が得られたとのことに接しまして、業界としては一応安堵をしており、喜んでおる次第でございます。 聞くところによりますと、既存の電源開発促進税一キロワット当たり八銭五厘にさらに二十一銭五厘の上乗せをいたしまして、合計三十銭を電気事業者が納税義務者として政府に納め、これを特別会計として新エネルギーのために助成しようということでございまして、私どもはその責任と中身の重要性を十分に秘めまして、ぜひお役に立ちながら国民的な重要課題として官民挙げて新エネルギーの開拓に専念し、その責任を果たしたい、かように存じております。何とぞこの法案を早急に御審議くだされまして成立していただきたい。これを期待してやみません。 なお、この際お願いがございます。関係御当局に対して大変失礼であり、また民間としておこがましいようでございまするが、このたび一部改正の御提案をされておりますこの電源開発促進税法は、原子力、火力、水力、それぞれの発電所の立地を円滑にし、電気の安定供給の確保に資するために、発電所の周辺地域における住民の福祉向上に必要な公共施設の整備事業を推進することが目的で、その財源として昭和四十九年六月に制定されたものでございます。すなわち、国は、発電所周辺地域の地方公共団体に対し、整備計画に基づくところの事業にかかわる経費に充てるため、電気事業者を納税義務者とする電源開発促進税を創設して、特別会計として交付金を支払うことになっております。これを実際運用面から見ますると、立地の地域はそれぞれ異なるニーズと要望を持っております。たとえば交付の条件の弾力的な運用をいただきたいのが私の希望でございまして、これは現地からそれぞれ別々の要望が出ておることでございます。この意味で、この制度発足以来、関係自治体あるいはわれわれ事業者も運用につきましてはその都度関係の御当局にお願いし、たとえばすでに交付金の単価アップとか助成裏使用の拡大等いろいろ御配慮いただいておりましたが、なお、この際それぞれの地域の実態に即して住民福祉の向上に資するためにこの資金の運用について再度御検討をお願いしたいと申し上げる次第でございます。 また、電源多様化のために確保されるところの財源は、先ほど申しましたように、国民各位に御負担いただく電気料金の中から千キロワット当たり二百十五円という税率でわれわれ電気事業者がその納税義務者となっておるわけでございまするが、われわれ納税義務者としての責務、また、国民からいわば税をお預かりしておるという考え方から、総合エネルギー調査会の考え方から申し上げまするならば、財源の使用に当たって、情勢の変化に応じてぜひ弾力的な運用を願い、最も効率的かつ効果のある活用を切望してやみません。 また、総合エネルギー調査会の需給部会の中間報告によりますと、昭和六十五年度の輸入石油依存度を五〇%に引き下げるための前提条件として、民間の最大の努力と理解のもとに政府の代替エネルギー開発政策の重点的かつ計画的遂行を図るように要請されております。 このような観点からもさらにお願い申し上げたいことは、財源の使途、すなわち立地促進と新エネルギーの研究開発の項目についておのおのそれぞれでございまするが、これは原子力から石炭、LNG、地熱、太陽エネルギーあるいはソーラーハウスに至るまで、たくさんのものがございますが、これをすべてただ総花的に配分するということなく、新エネルギーの実用化を目途に、経済性はもちろん、これの時期等をも十分勘案し、たとえば短期的なもの、中期的、長期的なものに選別し、それぞれに最優先順位をつけ、きめ細かく取り組んでいただき、この予算の配分を願いたい。 さらに申し上げたいことは、大変むずかしいことと存じておりまするが、予算の執行についてでありまするが、単年度予算に伴い、そのために消化第一主義の弊に陥ることのないよう、あるいはまた適正な活用に努めていただきたい。すなわち、従来の予算の慣行にとらわれずに、この新しい税金は、納税者にこたえる意味からも、民間の活力を初め、その意見、あるいは立地関係については地元の意向をより十分に取り入れていただきまして、機動的、弾力的な運用による新しいモデルをつくるつもりでぜひ御努力を願いたいということを、失礼でございますが、お願いしたいと思います。 なお、この際、あわせて一言申し上げまするが、このエネルギー税に伴いまして総合開発機構を設けられるということも聞いておりまするが、この運用につきましてもぜひ効率的な運用をお願いしたいということを申し添えます。 くどいようで申しわけございませんが、予算の配分は単なる均平主義ではなく、あくまでも重点主義で施行願いたいということ、予算の執行は原子力の研究開発、石炭の資源の開発、太陽エネルギー等新エネルギーに至るまでいずれも長期的なプロジェクトでございますので、従来の単年度予算の弊にとらわれないように、あえて慣行を打破していただきたいということが私どもの念願でございます。また、これが国民の皆様にこたえるべき方法かとも存じております。 大変勝手なことを申しましたが、以上をもちまして私のお願いを兼ねての陳述を終わらしていただきます。ありがとうございました。
○増岡委員長 次に、清水参考人にお願いいたします。
○清水参考人 いま御紹介いただきました主婦連の事務局の清水でございます。 実はここへ参りますときに私ども主婦連合会の役員会が開かれておりまして、最近の物価の問題が期せずして皆様からたくさん出たわけです。クリーニングのワイシャツが百八十円が二百円になった、それから外食のカツどんが五十円上がった、お豆腐の七十円が八十円になったというふうなこと、それから灯油が十八リットル百五十円も上がったというふうなことで、それぞれの値上げの幅というものを見れば大したことはないと言われるかもしれませんけれども、いまの私たちが置かれております状況は、一つ一つの金額は大したことないのですけれども、集中豪雨的にもうすべての値上げが私たちの暮らしを脅かしております。そういう中でこの電源開発促進税の八銭五厘を三十銭に引き上げるということについて私も皆様の御意見をちょっと聞いてまいりました。ところが、残念なことにこういう税金があることを多くの方が御存じないわけでございます。ここが私は非常に大きな問題だと思うのです。わずか三十銭になるのだからと言われるかもしれません。一カ月当たりの標準家庭の負担が約四十円、もっと消費者はむだなお金を使っているじゃないかというふうにおっしゃるかもしれませんけれども、やはりこの八銭五厘が三十銭に一挙に約四倍弱に値上がりするということが国民に十分理解されずに、国民の意見も必ずしも十分に聞かれない中で決められるということについて、私はまず第一点問題を提起したいと思います。 それから、この内容を私も不勉強でございまして、あわてていろんな資料をひっくり返していままでの消費者運動の電気料金値上げ反対の資料などの中から拾ってみたのでございますけれども、この八銭五厘というものの背景と申しますか数字の根拠が非常にわかりにくうございます。大体の項目については挙げてございますけれども、それではそれがどういう状況で使われて、先ほど参ります前にそこで伺っておりましたら、今年度の積み越しですか、前年度の積み残しもかなりございますようで、なぜ一体それだけのお金が余ったのか、それから三十銭に上げるについてはその根拠は何なのかということが非常にあいまいだと思います。これは目的税といってはっきり目的があってその目的に準じて徴収する税金でございますから、所得税などの普通税と違って、その性格から見て、やはりその使途、徴収の根拠について国民にきちっと知らせることがまず必要ではないかと思います。なぜ八銭五厘が三十銭になったのか、それからいままで八銭五厘でどういう不都合があったのか、どういう理由で積み残しが生じたのか、それからいままでの税と今度の税の改正とはどういうふうに中身が変わっているのかということについて、ただ漠然とした数字ではなくて立法の根拠に照らして国民にきちっと知らせる前提が非常に欠けていたと思います。そういう意味で、この税の改正は、金額だけの問題ではなくて、やはり税を徴収するといういま国民が関心を最大に寄せております大衆税の性格からいっても、これはまず問題ではないかというふうに思います。 電源多様化歳入の八百二十七億円と電源立地の歳入の五百九十九億と合計した千四百億近い金額、これがこんなに国民の知らない中である日突然上がるのであるか、しかもその中身については、国民にはほとんど料金を支払う段階ではわからないということはぜひ改善していただかなければいけないと思います。私が米価審議会の委員に出ておりまして、先般の消費者米価の値上げのときに、わずか千百億の消費者米価の負担について膨大な資料請求を委員がいたしまして、そして三日近い時間をかけて審議をしたわけでございます。その消費者米価の千百億よりもはるかに大きいこの千四百億というお金が国民の議論のない中で決められることについては、私はその税金の必要性はわかるのですが、取り方としてはまだ時期尚早だし、拡大には問題があるというふうに思いまして、きょうの役員会の意見でも皆さんは反対してほしいということでございました。 それから、最後に先生方にぜひお願いしたいのでございますけれども、私がいま申し上げたように、この内容について非常にわかりにくいし、それから税調の委員会その他の情報が必ずしも国民に広く伝わってまいりませんし、目的税とはいいながら電気料金という形で私たちが支払うわけでございますから、いま私が疑問に思いました幾つかの点について大蔵省なり通産省なりの正確な資料を取り寄せていただいて、そして国民の代表であられる先生方を通して国民に知らせていただく手続をぜひとっていただきたい。その手続が不十分な間は、私ども消費者とすれば、これを電気料金の中で負担するわけにはまいらないのでございます。 以上で私の発言を終わります。
○増岡委員長 以上で参考人からの意見の開陳は一応終わりました。 —————————————
○増岡委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。
○沢田委員 それぞれの参考人の皆さん方、公私お忙しい中われわれのためにおいでいただきまして、心から厚くお礼申し上げます。 順は不同でございますけれども、若干質問をさしていただき、またいままで述べられなかった点についての御意見を拝聴してまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 最初に電気事業連合会副会長の正親さんにお伺いをしてまいりたいと思いますが、いま正親さんのお話をお伺いいたしてまいりまして、おいでになっておられる立場は電源開発株式会社、公益法人でありますが、九電力それぞれの電力、発電関係を含めて御意見を聞かされたと解釈してよろしゅうございますか。——では、いままでの質問にも若干ありましたけれども、現在までそれぞれ毎期大体収益率で九五%程度を企業は昭和四十五年ごろから続けてこられたわけでありますが、今日までの代替エネルギーに対する各企業投資、それから代替エネルギーに対する研究開発、こういうものについてはどのようにお進めになってこられたのか。これは概括的で結構でございますが、ひとつお聞かせいただきたいと思います。 〔委員長退席、稲村一利一委員長代理着席〕
○正親参考人 お答えいたします。 私どもは十電力体制のもとで電源開発を進めておりまするが、過去の開発投資、研究投資はちょっとデータをいま持っておりませんが、電源開発を含めまして、十電力の五十五年から五十九年の五年間の設備投資額が約二十五兆と想定しております。その内訳を申しますと、火力、原子力等の発電設備が約十一兆円、送電、変電、配電等が八兆円、原子力その他が六兆円となっております。 なお研究費等につきましては、五十四年度の実績で見ますると、電源開発会社を含めまして十社の研究費総額が五百二十億円であり、このうち原子力その他の代替エネルギー開発に関する研究費は二百三十億円でございます。なお電気料収入に対する研究支出額は約〇・六%程度になっております。 以上でございます。
○沢田委員 代替エネルギーが必要になったということを、電力関係の企業としてお気づきになった時期はいつごろでしょうか。
○正親参考人 お答えいたします。 日本のエネルギーの主体が、先ほど来お話がありましたように、石油が中心で、このおかげで日本の経済成長、これが世界的に発展したわけでございますが、燃料を持たない日本の国といたしましてはいつまでも石油だけに頼るわけにいかぬということで、十五年ほど前からまず原子力の導入をしなければいかぬ、これが日本の新しい代替エネルギーのトップバッターでございます。それに引き続きまして、原子力発電が安定するのには相当長期間かかるという考え方から、そこで新しいLNGの導入を考えてまいりました。その後引き続き世界的なエネルギーの逼迫事情に即しまして、実は石炭については、環境問題その他で非常に問題が多いので一時中止し、あるいは石炭をやめまして、これをLNGあるいは水力等に切りかえてまいったわけでありますが、昨今の国際情勢、御承知のようにエネルギー、ことに油は国際的な代表的政治商品でございますので、この変動が非常に厳しいというので、三年ほど前に私が石炭審議会あるいは石油審議会の委員としまして、石炭を輸入して石炭火力をぜひ開発しなければいかぬということを当時の委員長である日経新聞の会長さんに個人的に申し上げた。そうしたら、電力が本当にやってくれるなら非常にいいことだということで、そこで初めて石炭問題懇談会というのも正式に日本の代替エネルギーの第二の大きな柱を、先ほど申しましたように、石炭に置こうということで今日に至っておる次第でございます。もちろん国内のいろいろなエネルギー、これについても、先ほど申しましたように、大変ローカル的で量は少のうございますが、地熱発電についてもあるいは小水力も見直すべきではなかろうかという反省のもとで、最近とみに国全体の将来、特に私どもの時代にはまだ油は金なら買える時代でございますが、子孫は将来一体どうしてエネルギーで食っていくのかを考えますると、できるだけ輸入するけれども、やはりみずからの力で国内のエネルギーなりあるいは原子力をぜひ確立いたしまして、将来の子孫のためにも新エネルギーをぜひ早く開発していきたいというのが今日までの経過でございます。 以上でございます。
○沢田委員 もう一つですが、代替開発研究をやっている現状は、電源開発株式会社、それから九電力のうちのどこというふうに概括的でいいですが、何カ所くらいどういうふうにやっているのですか。
○正親参考人 お答えいたします。 十電力体制の中での研究は各社、十社がそれぞれ研究機関を持っていますほかに、御承知かと思いますが、電力中央研究所というのがございまして、この研究費用は電気料金の中の千分の二程度と思いますが、これを共通的な研究費用に充てて電力中央研究所が各社共通のものをやることに相なっておりまして、今回もまた料金の改定をお願いいたしましてお認めいただきました結果、この方の収入も自然にふえてまいります。したがって、これをさらに効率化したいというので、電力中央研究所を中心といたしまして従来の経営のやり方も見直さなければいかぬ、さらに重点的にやることも変えなければいかぬということで、きわめて最近理事長以下を更迭いたしまして、政府のこの新しい機構に対応する民間の受けざらとしてこれをさらに充実してまいって御期待に沿いたい、かように考えております。 以上でございます。
○沢田委員 お一人だけでは申しわけありませんが、もう一問だけお聞かせいただきます。 実は結論的に言うと、十五年も前からお気づきになっておられた割りには、それぞれの研究機関の整備充実というものはきわめて弱い、薄弱である、脆弱と言った方がいいのかもしれませんが、そういう状況にあるというふうに思われるのであります。もし十五年前から考えておられたのならば、もう少しこの利益も充当して、今日では、値上げをしないでもその体制なり実験段階なりあるいは実用化段階なりそういう段階に当然踏み込んでいなければならなかった、経営者の思想の転換というものが伴わなかったのではないかという気がするのであります。これはそうですともお答えしにくいでしょうけれども、後でちょっと……。その点は少し甘過ぎた、高度成長というものに対して甘え過ぎたという結果が今日に来したのではないか。 電源開発株式会社の、香川県の三豊郡というところへ私が電話をかけて若干聞いたのであります。これは太陽熱の発電所の研究なんですけれども、現在十三人、五十三年の九月から始まってまだ基礎工事の段階だというのです。職員は十三人しかいないで、電話をかけたときには、いま一人しかいないというのですね。どこへ行ってしまっているのかなと思うのでありますが、それで五十六年にはでき上がるのではないかというふうに言っておりました。十五年前に気づかれたのならば、この点どういうふうに——これは電源開発株式会社の方の担当ではないのでしょうけれども、体制としてひとつ見解をお聞かせいただきたい。 それからもう一つ、石炭ガス化研究開発所といういわき市の事業所があります。ここへもまた私は問い合わせをしたわけであります。そうしましたら、ここには七人しかいないのですが、どうですか、こう言ったら、石炭にもいろいろ種類があります、私の方もそう思っております、ただ黒いから、固まっているから石炭だというわけにはいかない、それぞれ含有物は違うのでありますから。どうですかと言ったら、八〇年代にはとてもじゃないが実用化なんという段階にはいかないだろう、とりあえず二千五百軒ぐらい、七千立方ぐらいを目標にいまやっているので、将来十年たって三十五万軒ぐらいを供給できるようにしたいと思っているのだというようなこと。じゃ見通しはどうですと言ったら、まあ八〇年代にはとてもむずかしいでしょうというような状況なので、十五年前に気がついた割りにはずいぶんテンポが遅いという気がするのでありますが、いかがでありましょうか。
○正親参考人 十五年前にとらわれて恐縮ですが、私どもは日本のエネルギーの中軸は原子力でなければならぬということで、原子力から始めたわけであります。それで、その後いわゆる多様化、国内的な多様化あるいは国外的な多様化というものの中から、ただいま先生から御質問のありました、たとえば太陽熱の利用というものをきわめて最近になってこれを利用しようじゃないか、しかし、これは先ほど来の話にありましたように、日本の狭い国土の中では非常に金もかかるし、効率的にやるのには相当長時間を要します。したがいまして、先ほどもお願い申し上げましたように、こういう太陽エネルギーの利用につきましては長期を要しますので、長い目でこれを見て、現在まだ基礎研究程度だと御了解いただきたい。実用化の段階ではきわめて微々たるものでございまして、しかし、われわれとしましては将来の子孫のためにぜひとも太陽の光、熱を利用した発電を実現したいという願望を持っております。 それから第二の御質問の石炭のガス化、液化の問題、これもよく存じております。 先ほど申しましたように、石炭を今後の日本のエネルギーの第二の大きな柱としてこれは進めていかなければいかぬ、さような意味から、世界的な埋蔵量もよく調査しておりまして、今後これを実施したいと思っております。 ただ、これを行う場合に、石炭を生だきするのかあるいは液化するのか、ガス化するのか、あるいはまた生だきするにしましても、この輸送が非常な問題であります。ことに外国の山から水場まで運ぶ方法、あるいはそれを船で日本へ運んでくる方法、さらにまた、日本へ持ってきましてから港をつくって、いわゆるコールセンターをつくらなければいかぬ、石炭発電所から出る灰をどう処理するか、どこへ埋め立てるか、これはいずれも国の計画、あるいは建設省にお願いするかもしれませんが、大きなプロジェクトとして大変な問題がある。したがって、生だきの場合の課題、それからガス化、液化の問題、これも国のエネルギーとしては非常に大事でございますが、実は私ども電力業界といたしましては、たとえば液化、ガス化には非常に金がかかる、時間もかかります。同時に、これは非常に高級な燃料でございまして、非常に値が高くなる。むしろこれはガソリンだとかその他の燃料にお使いになるのが主たるものでございまして、液化、ガス化の質の悪いと申しますか、安いものができればこれを電源のエネルギーに使いたい、これがわれわれの方の現在の基本的な考え方でございまして、開発が十五年前にこれに気がついたわけではございません。石炭を一度やめまして、それから再び石炭をアピールして、今日これから積極的にやろうというのが現在の姿勢でございます。 以上でございます。
○沢田委員 これは税制調査会の方にお伺いするのですが、これだけ値上げをされるならば——昔は電力は国営であったわけなんです。言うならばこれはいわゆる独占企業でありまして、他の企業と競争の原理というものは含まれないのであります。ですから、会社がどうであるにせよ、日本の全家庭といいますか全国民がひとしく——ひとしくというか、若干アンバランスがありますが、利用しなければならない必然性のあるものです。言うならば、そういう意味においてはやはり国が管理をしていくというのが正しい姿勢ではないのか。 御承知でしょうが、これがなぜ九電力に分かれたかと言えば、マッカーサーの命令で分かれたのでありまして、時の労働運動のやり方をマッカーサーが気に食わなかったということで、これを九会社に分割したわけです。ですから、本来こういうエネルギーの時代を迎えたときに、やはりもとに戻って国営になって、国営として管理をしていくというのが妥当ではないかというふうに思いますが、これは正親さんと税制調査会の会長代理の方から、税金をここで上げるなんというみみっちい考え方ではなしに、やはり全部国営で今度は管理していくという方向は考えられなかったのかどうか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○正親参考人 現在の九電力体制のいきさつ、先生から、マッカーサーの命令でというお話がございましたが、戦争中は御承知の配電統制令によりまして日本発送電株式会社が発電所をつくり、それから配電につきましては民間の電力会社がいわゆる配電会社として各地区でこれを民間に配電するという、発電と配電が分かれておりました。 そこで、御説明のとおり、独占企業というものが二つ分かれていていいかどうかということをわれわれ民間でも相談しました。直接お客様に電気をサービスをするというサービスを持たずに発電をしておるのはやはりサービスとかけ離れる、発電は幾らかかってもいい、あとはおまえが買ってくれればいいじゃないかというこの体制、いわゆる統制の体制はよくないということがわれわれ民間でも協議されました。 そこで、なぜ九電力になったかといういきさつがございますが、これもマッカーサーの命令だけではございません。われわれ民間、政府、一緒になって委員会をつくってやりまして、最もお客様にサービスし、しかも原価主義で——原価を割ってやることはできない、原価主義でやるのには幾つでやればいいかということを非常に真剣に検討しました。その結論だけをここで申し上げますと、日本には、たとえば北海道経済圏、東北経済圏、関東経済圏、東海経済圏、近畿経済圏、中国経済圏、四国経済圏、九州経済圏、それと北陸経済圏というこれだけの大きな経済圏に分けられる。この経済圏にサービスするために、この経済圏単位に一つずつ電力会社を置いて、発電から配電、いわゆるお客様に渡すまで一貫してサービスするのが最もよろしい、しかも、これを民営でやった方がサービスがよろしいということで現在の九電力体制ができ上がっておるわけでございます。したがいまして、大変おこがましゅうございますが、世界のどこの国の電力会社に比較いたしましても、日本はあらゆる面でサービスが最もよくできておるのではないかというふうに私ども自負しておる次第でございまして、決して国営がいい、あるいは——もちろん国営とも比較しておりますが、そういうふうな経過でできたということをお答え申し上げます。
○木下参考人 電力の国営化の問題をめぐりまして税と関連をして答えろというお話でございます。私は、税と直結する問題ではないと思います。それは、御質問の中にございましたように、先ほどのお言葉を思い出しますと、何かみみっちい増税政策をとって問題を解決するよりも、一挙に国営化して問題を解決した方がいいというお考えかと存じます。ただ、私自身、税制調査会の席上におきまして電力の国営問題を議論した経験もございませんので、これからは私個人の考え方を述べさしていただきます。 電力は、九電力の体制をとりましたのは戦後のことでございますが、これはあくまで公益事業として政府あるいは国の厳重な監督、指導のもとに営まれている企業であり、かつ、それは民間の企業として、地域独占ではございますけれども、その中に競争の要因も残っておると私は思います。したがいまして、九電力のそれぞれが互いにサービスの点で競争する。サービスと申しますのは、安定的に良質の電力を切断されることなく常時供給するということにほかならないと思いますが、そのための競争は現在でも行われておると私は思います。 ただ、つい最近、各国の経済の成果につきまして比較した外国の論文が雑誌に出ておりましたので、それを思い出してつけ加えさしていただきますと、現在のところ、経済の成果から申しますと、先進国の中ではわが国と西ドイツがいわば最も高い実績を上げ、物価の上昇も比較的低位にとどまっておる、しかも成長率も相対的に高い。その場合に、それぞれの事業体が国営化されておる程度を先進諸国について比較したものがございましたが、この場合、わが国と西独は、相対的に比較いたしまして、国営、公営という形の事業が少なくて、民間の事業のいわば競争能力というものを重視して経済を営んでおる。そこに非常な長所があるんだ。やみくもに国営化すればすべての問題がうまくいくわけではないということは先生十分御存じだと思いますけれども、この問題につきましては、私見をつけ加えさしていただければ、いま電力を国営化することの長短を比較いたしました場合、短所の方が大きくて、現在の状況の方が望ましいのではないかと私自身は考えております。
○沢田委員 主婦連合会の局長さんに、主婦の立場からいろいろお伺いいたします。もしおわかりだったら、またひとつ御意見を述べていただきたいのです。 いま、電力料金のかけ方というものは、キロワットに応じてかけているという形になっております。また、産業用の電力料金についてもそれとは別な立て方でかけているわけでありますが、その点、一般の庶民の生活用の電力と産業用の電力料金、こういうものについて何かお気づきの点があったらひとつお聞かせいただきたいと思います。
○清水参考人 私ども、かねがね電気料金の値上げの審議に参加する中で申し上げておりますのは、一般家庭の負担が大き過ぎて、大口需要者の割引率が大きいということです。そして、その大口割引に対して私たちを説得できる材料というものがどうもひとつ明確でないということでございます。ちょっと先ほど私申し落としたのですけかども、今度の電源開発促進税も一応キロワットアワー当たりで、いわゆる電気を大変必要とする人であっても、それからささやかに電気を使います生活保護世帯とか、それから年金生活者とか、それから福祉施設というものも一律に同じようにキロワット当たり三十銭という税の負担ということで、やはり料金の算定と一緒に大きな問題があろというふうに思います。それで、増税の負担ということにつきましては、これを申し上げると増税を認めることになりますので非常に言いにくいのですけれども、仮定いたしましたときに、応分負担という税金の原則に照らして取るのが電源開発税については一番合理的であるというふうに私は思います。一律に取ることは、一見合理的であるようですけれども、非常に非合理的であるというふうに思いますので、この問題が一つあるように思います。
○沢田委員 いまの点で正親さんはどういうふうにお考えになっておられますか。
○正親参考人 常に料金改定の都度御質問になり、問題になるものでございますが、御承知のように、電気事業は独占企業である、しかも公平という原則のもとで原価主義でやるべきであるということが基本でございまして、いわゆる産業用の電力と一般の生活家庭用の電力とにおのずから原価に差がございます。 簡単に例を申しますと、産業用の大口は高圧とか特別高圧とかいうふうなもので高い電圧で受けております。一般の家庭に電気を届けますのには、超高圧から高圧に落とし、それから普通高圧にし、それから低圧、あるいは動力ですと二百ボルト、電灯ですと百ボルトというふうに、配電線を使って戸別の玄関までお送りしておるということで、それぞれ原価が違うのがその差でございます。 昔は、よけい使うほど安かったのですが、最近は、石油その他の値段が上がってまいりますと、たくさんお使いになる方ほどよけいいただかなければならぬということでございまして、今回の料金改定でも、産業用といわゆる民生用との料金単価の差が非常に縮まってまいりました。しかし、これはいずれも原価主義に基づいてやっておりますので、たとえば福祉料金は安くしたらどうかという御意見も十分わかりますけれども、気持ちはございますけれども、電気事業という産業が特定の福祉施設に補助をするということは筋違いだと私ども基本的に考えております。むしろそれは国にその面をめんどう見ていただきまして、私どもの電気代につきましては皆様に公平に御負担いただきたい、かように考えております。
○沢田委員 縮まったと言われましたけれども、現在のところでいくと、東京で言いますが、一段のものが十四円十五銭、二段が十八円七十銭、三段が二十一円三十銭、それが今度高圧関係に参りますと、一般で十二円六十五銭、特一で十二円二十五銭、特二で十一円八十五銭というふうな差があるわけでありますが、これはなぜ同じにならないのでしょうか。当然同じにしていくべきではないかという気がいたしますけれども、いかがでしょうか。
○正親参考人 電気料金の仕組みが、いわゆる一般の家庭で申しますと、いわゆるアンペア制、設備に対する基本料金と、それから御使用量に見合うキロワットアワーの料金、この二つになっております。したがいまして、現在のエネルギー事情、高価格エネルギー事情ではよけい使えば使うほど高いという逓増料金の中で、どこで区切るかということをいろいろな実績にかんがみまして、先生がおっしゃるように段階を設けたわけでございます。たとえば十アンペアの方と二十アンペアの契約または三十アンペアの契約、それぞれ基本料金、いわゆる設備に対する料金、もっと簡単にわかりやすく申しますと、たとえば夏は冷房その他で非常なピークがかかる、非常に負荷率が悪い、需要率が悪い。したがいまして、われわれの方は電気を常に供給するために最大電力に合わせた発電設備を持たなければいかぬわけです。これは、たとえば冷房の時期になりますと、これをフル運転いたしましてピークに合わせる、これに見合うものがいわゆる基本料金でございまして、それが夏過ぎますとずっと発電所の稼働率が落ちてまいります。これは時期あるいは時間帯というのがいま問題になっておりますが、こういうものを将来考えていきたいというので、やはり本当の原価のもとでいわゆる基本料金とキロワットアワー料金に分けて、しかもそれを産業用と一般民生というものの中でそれぞれの原価をはじきながら政府の御認可をいただいてやっておるのが現在の状況でございます。 以上でございます。
○沢田委員 次に木下さんにお伺いしますが、この税をわれわれ余り望ましい税ではない、反対だと思っておりますが、もしこれをかけていくとして、税制調査会ではさっきは六十兆円かかります、こう言っておりました。六十兆円取るとなったら、とてもじゃないが、いまの三百円では賄い切れないことは明らかですね。たとえば昭和六十五年の需要を考えてみても、どのくらいあなたは上げるつもりなのか。税制調査会の方では今回はちょっぴり提案しているようですが、最後は国民から幾らしぼり取ったら満足するのか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○木下参考人 昭和五十五年度におきまして千キロワット時当たり三百円というふうに引き上げることを答申いたしました背後の理由と申しますのは、電源多様化対策の推進に資するところの財源規模、これは昭和五十五年度の財源規模でございますが、それから電力需要量の見通し、これも昭和五十五年度の需要量の見通し等から計算をいたしまして、事務当局から示唆がございました結果が三百円ということでございまして、私どもはさらに長期の問題ということを念頭に置いて五十五年度の税制改正の答申をまとめたわけではございません。恐らく仰せのとおり、今後、年によりましてはこの税収を全部使わないことがあろうかと思いますし、また年によりましては全く不足するという状況があると思います。いま仰せの金額が年々平均して必要となるとは考えておりません。どうしてもこの資金が不足を告げるというような場合には、恐らく税率の引き上げも考えられるんではないかと私自身は考えておりますけれども、しかし、これは御指摘の税制調査会の五十五年度に関する答申を作成いたします段階では全く考慮の外に置いておったということを申し上げたいと思います。 〔稲村(利)委員長代理退席、委員長着席〕
○沢田委員 長期エネルギーの需給暫定見通しというのがありまして、先ほど言われたのが六十兆円ということ。これを十年にしても六兆円なんですね。そうすると、千四百億くらい。そうすると不足を十年間と見て考えてみても、当然一兆円ぐらいの財源が必要である、こういうことになるわけなんですが、全然先の見通しなしに、事務当局が上げた方がいいだんべから上げんべ、こういうことですか、税制調査会は。
○木下参考人 昭和五十五年度につきましては、電源開発促進税のみを取り上げますと、千二百十九億ということになります。これは御承知のとおり、電源立地勘定のほかに電源多様化勘定を設けましたために増収を考えたわけでございますから、その結果、五十五年度は千二百十九億円ということになります。他方、石油税の方は四千百億をめどとしております。したがいまして、とりあえず私どもが検討の対象にいたしましたのは昭和五十五年度でありまして、そのほかに先生御指摘の総額として昭和六十年、六十五年度でございますか、における金額というものの中には、この電源開発促進税を原資とするところの費用あるいは石油税の中で代替エネルギー対策に向ける費用ばかりでなく、一般会計から基礎研究その他というもののために支出が行われますので、そういうものを総合いたしました金額がいま仰せの総計であろうかと思います。私どもが論点をしぼりましたのは少なくとも五十五年度において電源開発促進税、それを電源多様化勘定に向けることに伴うところの増収分について検討をしたというのが実態でございます。
○沢田委員 では正親さんにお伺いしますが、いま言われた六十兆円のは設備投資も含めて言われた金額だと思います。たとえば研究だけを分離して、まず研究して物ができる、それが果たして実用化して商品としてなり得るかどうか、これまでにはまたプロセスがあるだろうと思うのです。いま言われた千二百でも千三百でもいいですが、この程度の金がこのまま続くと仮定して、いままで散在している研究機関は、十分これで昭和六十年なり六十五年の需給見通し、目標に達せられるわけですか。これは間に合う金額ですか、間に合わない金額ですか。
○正親参考人 長期的な問題で、大変具体的にむずかしいのですが、先ほど来お話のありましたのは、エネルギー総合推進委員会のいわゆる試算でございます。したがいまして、この六十兆円を税金で全部賄うという意味ではございません。電気事業者自体が負担する金額、いわゆる電源開発その他研究資金も入れますと大体五十七兆二千億ということになるわけでございまして、その内訳を申しますと、原子力が七兆五千、石油開発に五兆、それからLNG、LPGとか都市ガス、新エネルギーには七兆四千億、そのほか省エネルギーのために二兆五千億を使う、合計百二兆というものを一応試算しておるわけで、一応これを目途に、われわれとしましても企業内の研究施設なりあるいは地元のサイトの電源立地に投資する費用をこの程度と考えておるということでございまして、決して全部税金という意味ではございません。われわれみずからがやるのにこの税金でいろいろと御援助いただくということに了解しております。
○沢田委員 非常に抽象的なお答えなんですが、この不足分は会社で出しましょう、会社が節約したりいろんなもので出しましょうと、それでこの税金をあともらって足し前にしてやっていきます、わかりやすく言うとそういう意味のことを述べられたようでありますが、それで私のいま言おうとしておるのは、六十兆円の中は設備投資の分と研究分野と分かれているでしょう。研究分野は試作品が研究してできるという段階と、それが今度は実用化する段階のプロセスがあるでしょう。それから同時に、それが商品化される段階があるでしょう。こういう段階の間における費用は、あなた方の方としてはどの程度に見込んでおられるのか。そして、税としてこれがどの割合で賄っていけるのか。これ以上はもう必要ない、あとは会社の経費で出しますから、今回限りで、これはずっと続けていくだけですということなのか、将来うんとふくらがるのか、われわれは非常に不安なんですよ。そうでしょう。これからどんどんこれがふくらがって三千円になり三万円になりと、ふくらんでいくのかもわからぬ。どうなるのだろうと国民が心配です。だから、それは専門であられるあなたの方から、いやこの程度で済みますよ、国民にはそれ以上迷惑はかけません、あとは電気代の中の収益で、節約で賄っていきます、こういうことなのですか。いや、それはどんどんふくらんでいくのです、こういうことなのか。六十兆と聞くとお驚いちゃう、心臓麻痺起こしそうです。ですから、そういう意味においてひとつその辺の限界をお聞かせいただきたい、こういうことです。
○正親参考人 将来のことで、見解を言えと言っても、私には自信がございません。国際経済の中でエネルギーのいろいろな変動がございます。特に、昨年度もその例を見ますと、私どもが一年間のエネルギーの需要想定いたしましても、一月、二月、三月でどんどんと変わってまいります。したがいまして、エネルギーの長期需要見通しというのは一応のめどでございまして、それに対してわれわれはできるだけ早く新しいエネルギーを開発するために全力を注ぎたい。これに対して政府が代替エネルギー税をもって補てんしていただく。これは電力会社だけがやるのではなくて、たとえば液化の問題にしましてもその他各民間メーカーその他の研究機関にこれを委託するわけでありますし、電力会社で全部やるのではございません。電力会社はきわめてその一部でございます。したがって、政府のやられる機構、それから政府の研究機関、一般のメーカー、これらも総合してやるのでございまして、現在私がもうこれ以上金はかからぬということは申し上げられませんし、また自信もございません。先ほど申しましたように、総合エネルギー推進委員会で現時点の価格で一応の想定をつけて、大体この程度だという見通しでございます。
○沢田委員 では、税制の方でお伺いしますが、いま言ったことについて、これはちっとも回答になっていないのです。われわれ、先ほども清水さんが言われたように、国民としてはこれがどれだけふくらまるのだろうか、これはやはり一定の限界というか、この程度でおさまるでしょうという見通しがなくて、これがどんどん上がっていって、これはとにかく生活の上に重要なものですから、電気がない、仕方がない、電気がない、仕方がないとだんだんふくらんでいく危険性がある。それでは困ってしまう。だから、ここに、現在、五十二年度の実績がたとえば一般水力は千八百十万キロワットが六十年度には二千二百万キロワットにします、六十五年度は二千六百万キロワットにします、こういうふうになっております。それから、原子力は八百万キロワットを三千万キロワットにします、さらに六十五年度には五千三百万キロワットにします。それから、国内の石炭を、これは余り上がっておりませんが、千九百七十二万トンから、六十年度は二千万トン、六十五年度も二千万トン、こういうふうに据え置きで考えておられるようであります。LNGについては、現在八百三十九万トンを二千九百万トン、さらに今度は六十五年度は四千五百万トンにする、こういうふうに一応試算がされておりますね。この試算が出ておるのですから、変化は出ておるわけですね。そうすると、その電源開発というものに要する総経費は、実用化の段階までに至る費用はどことどこが負担をして、これは何を負担するのか、その点だけ明らかにして、税制の方では今度の負担分は何に使われるのかということだけは、何となしに電源開発、代替エネルギーに使うんだ、しかし、これは限りがありませんということではちょっとわれわれ不安を感ぜざるを得ないのでありますが、税制調査会としても、一定の条件の中ではこうなります、こういうことだけは言えるのではないかと思いますが、ここに需給暫定計画があるのですから、この計画に基づくと電源開発に要する国民に負担を求めるものはこの程度ですと言うことは可能ではありませんか、見当がつかないのですか。
○木下参考人 私どもが税調の審議をいたします折に通産当局から示されたものが代替エネルギー対策の中身でございまして、それに関する電源多様化勘定の今後の十年間におけるおよその金額は提示されております。それは六十五年までに一兆四千五百億の資金が要る。これは中身はもうすでに先生方御存じだと思いますけれども、代替エネルギー資源開発の促進、産業設備転換の促進、原子力開発利用の推進、ソーラーシステム普及促進、代替エネルギー技術開発推進等、合計いたしまして一兆四千五百億という金額が示されております。 私どもは技術的な知識はございませんので、これをそのまま受け取りまして、先ほども申し上げましたように昭和五十五年度の電源開発促進税、合計いたしまして千二百十九億のうち八百二十七億が新設されます電源多様化勘定に入るわけでございますが、この八百二十七億が五十五年度でございまして、これに若干の積み増しが、これは税率を上げなくても、今後電力料金の上昇等々を想定いたします場合には、これは十年かかればこの一兆四千五百億の多様化のための資金というのは捻出できるだろうというところで今回の税率を決定をいたした基礎にしたわけでございます。
○沢田委員 それでは時間が迫りましたが、あと正親さん、この開発を税金を取って国はいろいろな研究所へ配付してほしい、こういうのがあなたの考え方のようでしたね、国がどうするかは別問題として。あなたとしては、結果的にはこの八百二十七億か千二百十九億か、どっちでも、大体一千億程度のもの、それは各研究所、同じ研究をいろいろなところで競争してやらせる、こういう形の中へ配付をする、こういうことになるわけですか。
○正親参考人 これは私が決めるのでなくて、政府がお決め願って、どこへどういうふうに重点的に研究委託するか、あるいはすでに民間で研究が進んでおるのがありますから、それにさらに助成して促進するというものもあろうかと思いまして、そのために政府で考えておられますところのいわゆる新しい機構、これが政府の窓口になって、そこでその下に政府の機関なりあるいは民間のすでにやっておる機関を助成していくというふうに相なるのだと思っております。
○沢田委員 それではもうちょっと、あと一分ぐらいですが、そうすると、あなたの方の意見は差しはさまない。いまあなたの意見を実は聞きたかったわけで、決定権はもちろん政府の金ですから政府が持つことは私も承知をしております。ただ、この電気事業の連合会としてはどういうあり方を期待しているのかということをお聞かせをいただきたかったわけです。
○正親参考人 お答えいたします。 これは先ほど私の陳述の中で申しましたように、原子力あるいは核燃料サイクルという非常に急ぐ問題と、それから太陽エネルギーというふうな非常に長時間を要する問題あるいはまたソーラーハウスというふうに非常に小さい——小さいといいますか、これまた全体からいくと金の余り要らない、また、急がなくてもいいというふうな長期的な問題とか、いろいろな種類のものがございます。また、地熱発電なんかはまだこれから深部の調査をしませんとどれだけあるかわからぬという懐妊期間の非常に長い問題がございますので、私どもといたしましては、これを——いろいろな研究項目がたくさんございます。これに対してただまんべんなく研究委託することは政府にやめていただいて、それの中の短期的に要るもの、中期的に要るもの、きわめて長期的に要るものに分けて、重点を政府で、あるいは民間の意向も十分に聞いていただいて、あるいは電力だけではなくてメーカーの意見も聞いて、どれから重点的に早くやるか、どれは長期的に継続的にやるかということを決めて実施していただきたいというのがわれわれの念願でございます。
○沢田委員 では最後に、大変お忙しい中だと思いますけれども、参考のために現在までやっている研究の会社、それから何をやっているか、それの一覧表は連合会ではお持ちになっておりませんか。これは時間がないですから、イエスかノーかで結構です。
○正親参考人 まだ整備しておりません。
○沢田委員 全然わからないわけですか。
○正親参考人 全然ではなくて、わかっているところもありますが、たとえば電力中央研究所とか、各電力とか、東芝、日立とか、あるいは石炭については三井とかいうところから、それぞれまたその下にお願いしておる。そのほか政府の研究機関そのものもやっておりまして、一覧表を出せと言っても、実は連合会では一覧表はつくっておりません。
○沢田委員 では、わかっておるだけは出せますか。どういうものをどこで何をやっているかということは……。
○正親参考人 むしろ通産省御当局の方がお詳しいと思います。私どもだけの研究とそれ以外のものがございます。たとえば石炭の液化とか、そういうものは直接いたしておりません。
○沢田委員 いやいや、あなたの関係しているものだけについて出していただけるかどうかということだけを聞いているわけで、通産省から聞くことはまた別に政府へ質問しますから。
○正親参考人 どの程度のものがわかりますか……。
○沢田委員 どこで何をだれがやっているか、こういうことです。
○正親参考人 ということは、結局、たとえば電力中央研究所というのが集約しておりまして、そこにまた機構としてそれぞれの専門の部門を調査しまして、そこへ委託しているというものもございますので、余り細かいことは私どもまだやっておりません。
○沢田委員 わかりました。 最後に清水さん、いままでの討論を聞いて、庶民の代表というか庶民の立場に立って、どのようにお感じになって、なるほどなと思って賛成できそうですか。それとも、これはとんでもないことだからこれは無理だとお考えになっているか、最後にお答えいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○清水参考人 発言の機会を与えてくだすってありがとうございます。いま伺っておりますと、本当にこれはもしこの新税がこのまま通るということになったら、もうそれこそ国民から総反発を食うだろうと思います。と申しますのは、電源開発立地の問題につきましても、私たちがかねがね問題にしておりますのは、どういう公社、公団にどういう歯どめをかけてお金を出してきたのか、それから補助金や交付金についても、一体最後までだれが責任を持ってチェックしてきたか、これはいままでかなり多くの問題になっているところでございました。しかも、新たにそれより大きな税金がここに生まれるわけでございます。それについて、いまのようなお答えではとても私たちとしては、たとえそれが五十銭であろうと三十銭であろうと十銭であろうと、黙って、はい、それでは、と言って払うわけにはまいらないというふうに思います。
○沢田委員 以上で終わります。どうもありがとうございました。
○増岡委員長 宮地正介君。
○宮地委員 参考人の皆さんには大変お忙しい中、御苦労さまでございます。 初めに、今回の電源開発促進税の問題について、特にエネルギー対策という一つの目的税としていわゆる税金を一般の国民、庶民からさらに引き上げて取る、こういうことでございますが、先ほど来から、参考人の中で木下参考人は、一般財源がすべてでは無理であるという言い方をしております。木下参考人には、一般財源といわゆる目的税、それでは併用論についてはどういうお考えを持っておるか。 また正親参考人には、あなたの方は一般財源を最優先でエネルギー対策は財源確保すべきではないか、こういう御意見でございますが、その点についてもう少し詳しく。さらに正親参考人は、新たにエネルギー債の発行といった問題についても業界内で相当意見があったということを御説明ございましたが、その点の内容をもう少し御説明いただければありがたい。 また、清水主婦連事務局長さん、消費者のサイドから大変御苦労さまでございます。先ほど経済企画庁長官並びに大蔵大臣代理の正示さんが来ましたので、確かに今回の引き上げが一世帯四人家族で月平均四十円ぐらいの負担、あるいは電灯料にさらに一・一%のいわゆる電源開発促進税が上乗せされるということは、最近の相次ぐ公共料金の集中豪雨的な値上げ、あるいは昭和五十五年度の消費者物価政府見通し六・四、どうも大変むずかしいだろう、専門機関でも恐らく九%ないし二けたにいくんではないか、こうした懸念したデータを発表しているところもあるわけでございまして、国民、消費者の皆さんには大変に大きな家計への圧迫につながっていくものであるから、これは十分考えるべきである、こうした質問を私は大臣にしたところでございますが、その点について消費者代表の清水さんから御意見を伺っておきたい。まず、御三人の方によろしくお願いをしたいと思います。
○木下参考人 一般に税を徴収いたします場合に、目的税とか受益者負担金等を税の主要な項目とすることは避ける方が望ましいと思います。国民一般に利益を与えますところの政府のさまざまな施策の財源は、やはり国民一般が負担するところの税で調達をする、しかも、それは使い方につきましては、歳出において検討をするというのが本来のあり方であることは申すまでもございません。しかし、国あるいは地方公共団体が公共サービスとして国民あるいは住民に提供いたしますサービスの態様によりましては、いわゆる応能原則にこだわることなく、受益者負担とかあるいは原因者負担という考え方を租税に導入いたしました方が、むしろ負担の公平あるいは資源配分の適正という見地から合理的であるという場合もあるわけでございます。 それは言いかえれば、特定の公共サービスの提供に関連して特定の利益を受ける、または外部不経済をもたらすような、いわばさまざまな害悪をもたらすような行動は公害その他、これは典型でございますが、そういう原因者に対して、原因をつくり出した者に対して特定の負担を加えるという考え方は、これは妥当であり、またこれが十分意味がある場合もあるわけでございます。こういう意見は御承知のとおり、最近では道路や空港等の社会資本の整備財源の調達問題や公害問題を背景にして出てきておりますし、いわば原則の例外ではございますけれども、かえってそういう形の税を導入した方がいいという場合があることは御納得いただけると思うわけでございます。 それでは、今回の代替エネルギー対策の財源をそういう特定財源ないしは目的税に求める理由ということにつきまして、いま申し上げました受益とそれから原因者というものがどのように特定できるかという話になるわけでございますが、まず代替エネルギー対策のうち、第一に石油に負担を求めるという部分がございますけれども、この部分につきましては、まず石油の消費者は個人であろうと法人であろうとを問わず、将来においては代替エネルギーが完成し、これを利用することができるようになったならば、それを消費するいわば利益を受けるわけでございます。また、当面、石油から代替エネルギーに転換できない石油の消費者にとりましては、他の燃料が確保され、転換が図られることによって、石油の需給緩和を通じて石油の安定供給を受けられるというメリットがあると思います。 さらに申し上げれば、今後石油の需給の不均衡が拡大いたしまして、恐らく石油価格は引き続いて上昇すると考えられますが、代替エネルギー対策が成功すればこれをある程度緩和することが期待できるわけでありますし、他方、原因者負担という観点から見ますと、石油の消費者は有限な石油を消費していることから、将来の石油不足に対処するための代替エネルギー対策の必要性を生み出す原因をつくったというふうに考えれば、原因者負担の原理というのもこれに適用できると考えます。 次に、代替エネルギー対策の第二の問題は、電気に負担を求める部分についてでございますが、電気の供給者であるところの一般電気事業者、ひいては消費者がこれを受益するということは間違いないところでございまして、先ほどいろいろな御意見がございましたが、消費者という場合に、一般庶民だけが消費者であるかのごとく思われるのは間違いでございまして、電気を利用する工場その他の企業もこれを負担するということになるわけでございまして、庶民だけではございません。すなわち、一般電気事業者が電気の安定供給を引き続いて引き受けていくためには、今後とも需要量に応じた供給源を確保する必要があるわけで、この場合、将来石油の供給に限度がある点を考えますと、石油火力以外の発電方法についても開発をしていただかなければなりません。代替エネルギー対策のうち、たとえば原子力発電、たとえば水力発電あるいは地熱発電等の電力固有の対策は、こういう意味で一般電気供給事業者が、ひいては電気の消費者も受益するものであるというふうに私は理解をしておるわけでございます。 そこで、一般財源の問題ということになりますが、ただいま申し上げましたように、目的税ないしは特定財源という形で問題を把握いたします限りにおいては、一般財源と併用するということは論理のいわば一種の統一性というのを欠くわけでございまして、目的税や特定財源でいくならそれ一本でいくべきであるというのが原理だと思います。他の見地から、もちろん御意見はさまざまでございましょうから、これは受益とかあるいは原因者負担というのは要らないのだということを非常に強くお考えの方は一般財源でいくべきだという御議論が出てきましょうが、その場合には一般財源で貫徹すべきでありまして、目的税という発想は出てこない。言いかえればどちらかでありまして、両方という議論は私はなかなか通りにくいと思います。ただ、今日においては、現実におきましては基礎研究部門というものにつきましては、これは広く一般の利益に合致するという見地から一般財源を投入しておるという考え方になるのではないかと思います。ただ、これはもう百も御承知のとおり、現在非常に厳しい財政状況にあることは言うをまたないわけでございまして、一般財源が非常に枯渇をしておる、とうていこれを、いわば現実問題として一般財源でこの巨額の資金を安定的に長期的に賄うということは不可能でございますので、やむを得ず私どもはこういう形の目的税方式というものを考えたというのが実情でございます。
○正親参考人 お答えいたします。 たびたび申しておりますように、エネルギー不足が間近に迫っておる、世界的にエネルギー高価格時代になり、ことに日本のような資源のない国は代替エネルギーを早くやらなければいかぬということで、先ほど申しましたように、これは電力業界の問題じゃない、エネルギー業界だけじゃなくて、産業界、国全体、国民全体の問題として何とかこれを促進しなければいかぬということで、たとえば経済団体連合会の中で各産業が集まりまして、この財源をどうしようかということを一年、二年いろいろ検討してまいりました。あそこにエネルギー委員会がありまして、その委員長のもとでもいろいろやった。あるいは財投に対するいろいろな意見も皆がざっくばらんに話しました。 そこで、私どもとしましては、通産御当局にも、こういういろいろな意見が出ておる、何か方法はないか、大蔵省に対しても、先ほどちょっと申しましたが、エネルギー国債を出したらどうかという意見もある、これはどうだということを一々聞きました。政府も必要なことはよくわかる、しかし、財源がない、たとえばエネルギー債を出したって売れないんじゃないか、国債でさえこんなだからそれはちょっと無理だという正論もいただきました。しかし、そのときのわれわれの熱意としては、売れなければおれが売ってやるというくらいの、これは土光さんがおっしゃったのですが、それくらい産業界が責任を持ってやろうじゃないかという意見があったということを申し上げまして、その後、大蔵省、通産省両方と、双方でお互いにざっくばらんに意見の交換をして、国民的課題だからお互いに胸襟を開いてやろうじゃないかということで話をしました結果、現時点ではもう財源がなくてどうしようもない、あるいは先ほど言ったように、エネルギーの税金が全部道路へいっているじゃないか、もうあれ以上道路は要らぬと言う人もありました。一割でいいからエネルギーにもらえないだろうか。しかし、現在の法律、現在の政府の予算の組み方ではとても無理だ、そんなことを待っていたら間に合わぬ。 そこで、通産省ともよく話し合いまして、この際ひとつ目的税、いわゆる受益者負担ということでお願いをして、そのかわり、これをできるだけ有効に、できるだけ効率的に使いたいということで、今回の法案について、われわれとしても、せっかくここまで結論が合意されたから、ぜひこれを早く実施していただきたいということを申し上げておるのでございまして、先ほど申しましたのは、途中で出たいろいろな意見を御参考に申し上げて、民間といたしましても、産業界の問題として今日まで真剣にこれに取り組んできたということを申し上げた次第でございます。 以上でございます。
○清水参考人 先ほども申し上げましたのですけれども、今度の三十銭という税金の引き上げによりまして電気料金が一・四三%ですか上乗せになるということでございます。今度の電気料金の値上げにつきましては、やはり物価に与える影響が一番大きい料金でございますので、コンマ一つについて、私たち自分で言うのもおかしいのですけれども、実に涙ぐましい努力とデータを積み重ねまして、全国各地でコンマ以下の数字をどうするかという運動を展開してきたわけでございます。そういう中でやはり一・四三%というものが新たに私たちの負担増になるということは、全国の電気料金値上げ反対に闘ってきた消費者としては本当に残念でなりません。できることでしたら、もう一回その審議をやり直していただきたいというぐらいの強い気持ちを持っております。 そして、政府の物価見通しというものも非常に危ないときに来ておりますので、私たちは料金の値上げをただ感情的に反対するだけでなくて、ここ数年来私たちの運動というのは、具体的なデータを積み重ねて相手をできるだけ説得していこう、そして反論されたら、またその反論にこたえるだけのデータをつくって反対をしてきておりますので、政府がこの六・四というものを公約なさった以上は、ぜひそれを貫徹することが国民に対する責任だと思うのです。そういう中で一・何%という上乗せというものは、そう軽々しく見過ごしてはいけないのではないかと私は思います。 私たちもがんばりますけれども、ぜひ先生方にも、物価の抑制と便乗値上げの監視について御努力いただきたいと、この席をかりて大変おこがましいのですけれども、お願いしたいと思います。
○宮地委員 木下参考人に伺いたいのですが、この電源開発促進税の特に電源立地勘定の実際の決算の状況あるいは歳入、歳出の状況を見てまいりますと、余剰金あるいは不用額が年々拡大をしているわけでございます。ひもつきのものもあるということでございますが、現実にたとえば五十三年度を見てまいりますと、電源立地促進対策交付金の不用額は何と百七十五億三千二百万と、まさに歳出予算現額に対する支出済み歳出額の割合は二九%という大変低い率になっているわけでございます。 いわゆるこうした問題と逆にこの引き上げという問題は、国民感情から見て非常に厳しい感情を持たざるを得ない、このように思うわけでございますが、こうした問題については税調でどのような論議が行われたのか、この点についてまず木下参考人に伺いたいと思います。
○木下参考人 ただいま御指摘の点につきましては、税制調査会の議論で正面から取り上げて議論したことはございません。ただ、私は会長代理をしております関係上、その間の事情はすでに情報を得ておったわけでございますが、恐らく剰余金が出ておるということは予算よりも交付金の支出が少なかったということでございまして、これは立地の行き悩みといったような問題から、予算に計上いたしました金額に交付金が及ばなかったというのが実態であろうと思います。予算を編成いたしますときは九つの電力会社がそれぞれ施設計画をつくってそれによって立地の予定を出すわけでございます。それを推し進めるために交付金を渡すということが前提となるわけでございますから、幸いにして電源立地が今後順調に進んでいけば、この剰余金は恐らくなくなっていくのだろうというのが私の感じでございます。したがって、いま御指摘のように、過去に立地がなかなか進まず話がまとまらないということによって剰余金が出ておるからといって、この立地対策の予算を、今度は電源立地勘定でございますが、この予算を削減して、そしてこれを新しく設けられる電源多様化勘定に充てるということは、私は予算のあり方としては望ましくないというふうに考えております。
○宮地委員 消費者の代表である清水さんは、この点についてはどういうふうにお感じになりますか。
○清水参考人 私、本当に素人でございますので、間違っているかもしれませんけれども、やはり税を払った私たちの立場からすれば、そういう縦割りの税の使い方というよりも、やはり総体的に税金がどうあることが一番納税者にとってプラスなのかというふうな発想を持っていただくような、むしろそういう意味の弾力性というものが欲しいというふうに思います。
○宮地委員 それから木下参考人に伺いますが、この石油税については、税調の報告によりますと、「その使途を拡大して代替エネルギー対策を含めることとし、税率をある程度引き上げることが必要と考えるが、昭和五十五年度においては、原油価格の上昇等により相当な石油税収が見込まれるところから税率は現行のまま据え置くこととする。」ということになっておるわけでございますが、これは今回のこうしたOPECの値上げあるいは円安傾向、こういうことを参酌しての判断のように見えるわけですね。今回四千百億という税収を政府は見込んでいるわけです。しかし、これは、先ほど主税局長からいろいろ聞きますと、たとえば現在の原油価格は一バレル二十九ドル、あるいは円レートは二百三十九円、現在の実勢から見ると大変かけ離れておりまして、恐らく、私たちは、このままいくと、五十五年度の石油税の税収見積もりはさらに自然増収がふえるであろう、あなた方の意見と全く同感のものを持っているわけです。今回その四千百億の税収の中から実際に一般会計を通じまして約二千五百二十億がいわゆる石油の代替エネルギー対策の特別会計、こういうことで石油及び石油代替エネルギー勘定にこれが組み込まれてきているわけですね。そうすると、国民の目から見たとき、この石油税の引き上げも税調の中ではやろうという動きは相当強くあったのか、あるいはこれは税収見積もり、自然増収がある程度あるというその前提の中でそれを食いとめた。そういうような立場に立ちますと、今回この改正によりまして特に石油代替エネルギー対策としてこの石油及び石油代替エネルギー勘定から三百四十九億円今度は充当することになっておるわけですが、この点については、電源開発促進税で今回は八百二十七億、電源多様化勘定すべて石油代替エネルギー対策に振り向ける、その相関関係の中で、電源開発促進税、これはあえて千キロワットアワーで三百円まで持っていかないでもうちょっと圧縮してもよかったのじゃないか。先ほどの消費者の代表の方から、その三十銭の根拠がどうもわからない、こういう御意見もありましたが、この点についての八銭五厘から三十銭に引き上げるこの積算の根拠といいますか、数値については当然これはある程度大蔵省主税局を中心にしていろいろ財源対策の中で検討したと思うのですが、その点の石油税との絡みにおいてはどういう論議をされたのか、伺っておきたいと思います。
○木下参考人 先ほども申し上げましたように、電源多様化勘定につきましては昭和六十五年会計年度までに一兆四千五百億の資金が必要であるということは、通産当局のさまざまの開発促進項目に要する財源の積み重ねで私どもは理解をしたわけでございますし、五十五年度は第一年目として八百二十七億を新設される電源多様化勘定の財源として電発税の引き上げによって賄う。他方、石油代替エネルギー勘定につきまして、御指摘のように石油税の収入見込みが四千百億ということになっておりますが、そのうち、二つに分かれまして、御承知のとおり一つは石油対策、二つ目は石油代替エネルギー対策に区分できまして、その後者の資金として三百四十九億という資金を確保する必要があるわけでございます。したがいまして、代替エネルギー対策と申しますのは、これも御承知のとおり、石油代替エネルギー対策プラスの電源多様化勘定における対策と、合計しなければなりません。合計をいたしました場合にこれは六十五年までに一体どのぐらいの資金が必要であるかという見通しは、私どもは約二兆九千億の資金が必要であるという計算からいまのような数字を割り出したわけでございます。 それから第二の問題は、非常に簡略化して申し上げれば、石油税を活用して電源多様化対策の財源に向けられなかったかという御趣旨だと思いますが、電源多様化対策の方は、電気の安定供給を確保することを通じて一般電気事業者ひいては電気の消費者に受益関係が認められるので、電源開発促進税を目的税として構成してそれに財源を求めるという考え方をとったわけでございますが、その他の一般的な石油代替エネルギー対策、すなわち今回石油税を原資といたしまして石油代替エネルギー対策を講ずるわけでございますが、これは石油の需給や価格の安定を通じまして石油の消費者に受益関係が認められますので、これは石油税収入をもってこれに充てるのが妥当であるというふうに私どもは判断をいたしまして、したがってそのような答申をしたわけでございます。そういう意味から申しますと、電源多様化勘定の財源、別の言葉で言えば電源多様化のための対策費というもののすべてを直接的に受益関係のない石油の消費者に求めるということは適当ではないという判断をとったわけでございます。
○宮地委員 限られた時間が参りましたので、最後に電気事業連合会の正親副会長さんにお伺いしておきたいのですが、いわゆるこの電源立地勘定、特に五十五年度は五百九十九億円の中に立地対策交付金が四百十四億組まれておりますけれども、こうした電源立地の勘定は、四十九年創設以来非常に立地難ということで、先ほどお話をしましたように、剰余金や不使用額が非常にふえてきておる。今回新たに別勘定の電源多様化勘定ができ、一キロワットアワー当たり二十一銭五厘が電源多様化勘定に回る。本年度は八百二十七億。八銭五厘の一キロワットアワーの相当分が電源立地勘定、これが、前年度の剰余金を受け入れますと約五百九十九億。 特に、この配分の問題をちょっとお伺いしたいのですけれども、一応大蔵省としては、これは予算総則の規定に応じて毎年度検討していく、この電源立地勘定が既得権化して、八・五でこのままいってほしいのか、あるいは、実際いま立地難でいろいろ余剰金や不使用額が出るので、この八・五が率が引き下げられて、電源多様化勘定の方にこの財源が向けられてもある程度業界としては納得する、理解を持っているのか。先ほど税調の参考人の木下さんから、あくまでもいままでどおりの方がいいのではないかというニュアンスの話を伺いましたが、電事連の方としては、この点についてはどういう御意見を持っているか、伺っておきたいと思います。
○正親参考人 お答え申し上げます。 先ほど来、電源立地の遅延による剰余金という話をたびたび伺っております。私ども電気事業者としましては、何といたしましてもこの電源立地を計画どおりに実施したいと長期計画のもとにやっておりまして、国の目途にできるだけ近づけたいということで最大の努力を、これは経営の根幹といたしておるのでありますが、御高承のとおりなかなか問題が多うございまして、必ずしもそのとおりいっておりません。 〔委員長退席、綿貫委員長代理着席〕 しかもその進み方が、毎年平均的にいくのじゃなくて、集中的にふえるときと、昨年は電調審を通りましたのは原子力が多かったが、ことしは原子力はゼロだ、そのかわりに火力があるというふうに、内容が非常に変わってまいります。したがって、私どもといたしましては、剰余金の出ないぐらいどんどん開発しませんと、この五、六年後に迫った逼迫を解消できないというふうに心配しておりまするので、改めて政府当局にも、われわれが電源立地がおくれている一つの理由、たとえば、これは自分の努力もございまするけれども、御認可いただくまでの手続、法律が三十三ある、政省令が六十六ある、県、市町村系のいろいろな手続、これだけで一年も二年もかかっておるので、こういうものをぜひ簡素化して早くさせてもらいたいというふうなことをお願いしております。 そのほか電源立地につきましては、通産御当局にも特に御配慮をいただきまして、両政務次官が東と西に担当を分けていただきまして、お役所としても政務次官みずから現地に出向きまして、いろいろの問題点の解決と説得に当たっておりまして、私どもは、この剰余金の出ることを、まことに残念であり、申しわけないと思っております。 第二の御質問の多様化税との関係でありますが、私どもは、電源立地勘定は電源の地元対策に要する費用に充てるものでございまして、電源多様化勘定は石油代替電源の開発推進に要する費用に充てるものであり、両者は全く異質のもの、かように考えておりますので、そういうぐあいにお取り扱い願いたいと存じております。
○宮地委員 時間が参りましたので、終わります。参考人の皆さん、ありがとうございました。
○綿貫委員長代理 正森成二君。
○正森委員 それでは、私から伺わせていただきます。同僚委員の質問と若干重複する点があるかもしれませんが、なるべく重複を避けて伺いたいと思います。 他の委員も質問をされましたが、昨年十二月の税調の答申でも「現在、道路特定財源とされている揮発油税等について、その使途を見直し、代替エネルギー対策等にも充てるべきではないかとの意見があり」云々ということが書いてありまして、しかし、道路整備状況等を考慮すると、この問題については、今後さらに検討することとする、こういうぐあいになっておるようであります。 そこで、資料を見てみますと、大体わが国のエネルギー関係の諸税というのは、各参考人も言われたように、非常に複雑なんですね。そのうちエネルギー関係の諸税の税収総額は、五十四年度の予算から見ますと、大体二兆八千億円を超えていることは御承知のとおりです。今年度は、先ほど正親さんですか、三兆三千億円というように言われました。そのうち、普通税といいますか、目的を特定しない電気、ガス税の税収というのは大体二千五、六百億円にすぎません。したがって、目的税としての残りの税収額が二兆五千八百億円ほどであります。そのうち道路財源が二兆一千五百五十八億円で、目的税中の約八四%を占め、エネルギー対策は、先ほどもおっしゃいましたように、わずか三千七百億円であるということになっておるのですね。 これはやはり非常にアンバランスで、特に、景気浮揚のために道路をつくってそこに税金をかけていくという時代とは違ってきているんじゃないか、だからIEAでも、この点を見直しなさいということを一度ならず勧告しているんじゃないかというように思われるわけですが、そういう点について、参考人の木下さんに御意見を伺いたいと思います。
○木下参考人 御指摘の点につきましては、税制調査会の審議の過程におきまして、現在道路財源とされている、具体的に申しますれば揮発油税等でございますが、これについて、その使途を見直して、国家的に必要な代替エネルギー対策に充てるべきではないかという御意見は確かに強くございました。 ところが、これに対しまして、また他方では道路整備の現状から見て、当面、道路特定財源は依然として必要だと、これは特に自治体関係者から非常に強い意見が出まして、こういう税の使途の見直しについては慎重であってほしいということでございました。 現在の揮発油税等の個別石油製品課税というのは全石油製品のうち一部に対する課税であるのに対しまして、代替エネルギー対策による受益は石油の消費者全体に及ぶという見地からも、やはりこの税調の審議の途中は強い意見が出されたわけでございます。私自身の考え方をつけ加えて申し上げますと、たとえばイギリスなどでは従来は特定財源を道路に使った長い歴史を持っておりますが、道路の整備状況が、御承知のとおりイギリスは一〇〇%舗装ができ上がったというような状況になりますと同時に、特定財源は一般財源に切りかえが行われました。この辺の事情をお考えいただきますと、やはり将来は税制調査会の席上で道路特定財源を一般財源化することをさらに検討してまいりたいと思っておりますが、今回の問題、あるいは現実におきましては両論非常に強うございまして、結局道路整備五カ年計画の進行中でもございますので、ここ数年の後の一つの重要な検討課題ということになっておるわけでございます。
○正森委員 きょうは木下参考人は税制調査会の会長代理という肩書きですから、どうしても税制調査会の多数意見を代弁しなければならないということで御苦心のほどはわかりますけれども、大阪大学名誉教授としての木下さんは、これは「石油政策」の昨年の十二月五日号に「政策目的に沿って石油税制の見直しを」という論文を書いておられるのですね。これは非常に傾聴すべき御意見だというように私は思っております。あなたの御論文ですから、引用するのは実物を前に置いて失礼でございますが、念のために引用いたしますと、やはり「石油税制の根本的見直しを」ということで、あなた二つほど挙げておられます。ちょっと読ましていただきますと、 まず第一に、一日で自動車が数台しか通らないような過疎地の道路まで舗装する必要があるかどうかという議論もある。国道や県道はともかく、市町村道の整備財源としても使われており、こういう意見はかなり強い。 すなわち、どこまで道路を整備すればよいかという問題で、この点は当然見直されなければならない。 第二は、国鉄再建に、この道路財源を使えという議論がある。自動車道の整備——貨物の自動車輸送の増加——国鉄貨物の減少という因果関係を踏えたもので、流産した「陸上特会」に代わる「総合交通体系」政策の財源としようという運輸行政上からの意見である。 いずれにしても、道路特定財源としての石油関係諸税をこのままの形でいつまでも続けるのは妥当ではないと思う。 こういうぐあいにお述べになりまして、 すなわち、道路整備のためという目的、景気対策のための公共投資の必要性という目的、それに新たに、代替エネルギー対策はじめエネルギー対策の目的、これらの諸目的の間の優先順位に即して、石油関係諸税制を根元から見直す 一番いい時期に来ていると考える。これが少なくとも大阪大学名誉教授としてのあなたの御意見であります。私は、これを遠い将来の御意見としておっしゃったのではないというところを注目したいのですね。つまり、石油関係諸税制を根元から見直す一番いい時期に来ている。つまり現在まさに勇断を持ってやるべきだというのがあなたの御意見なんですね。私は、これはただにあなたの御意見であるだけでなしに、多くの国民の意見であり、それを踏まえているからこそ、IEAも、いつまで日本はエネルギーが非常にピンチなのに道路、道路ということで道路にばかり投資しているんだ、こうなるのですね。十年間に石油関係諸税で道路に投資されたのが、約十三兆円。それに対してエネルギー関係の開発には約一兆円足らずというように言われているのですね。だから、やはりそろそろ見直して国家百年の大計とまでは言わないけれども、十年の大計を立てた方がいいんじゃないですか。
○木下参考人 つまらぬ論文がお目にとまりまして恐縮でございますが、その論文の趣旨にいまつけ加えたり変更したりすることは全くございません。 ただ、それは税調の席上では私の意見はなかなか——そこで積極的に主張するというまでにはやはり道路財源を要求される方の御意向が非常に強いということだけを申し上げて、御返事にかえます。
○正森委員 なかなかお立場むずかしいと思いますので、そのお答えで次に進ませていただきます。 それでは正親さんに伺いますが、われわれが承知しているところによりますと、電源多様化勘定はいろいろな目的に使われますが、たとえば、水力を開発しようということで初期の建設コストが割り高であるために採算ベースに乗りにくい中小水力発電の開発を進めるために、出力規模に応じて建設費の五ないし一五%の新規補助を行う。大体これで十六億円くらい、そのほか全国の水力資源の開発を図るために、二千五百地点を対象に第五次包蔵水力調査を実施する、これに若干のお金を使うということのようであります。大いにやっていただかなければなりませんが、私が非常に興味を持って見ましたのは、長期エネルギー需給暫定見通しを見ますと、五十二年の実績で水力がエネルギー構造に占める比率は四・八%なんですね。ところが、一生懸命こういうぐあいに代替エネルギーを開発しているにもかかわらず、六十五年度はどうなるかというと、逆に四・六%に比率が落ちるのですね。これは一体どういうわけだろうか。 さらにもう一つ伺いたいのは、設備利用率ですね。昭和四十五年度をとってみますと、水力は五五・三%だった。ところが、今度の電力料金値上げにあなた方がお出しになった設備利用率は、水力について四五・七%というように約一〇%低下しているのですね。これでは私たちが代替エネルギーの開発ということで力を入れようと思っても電力会社は本当に本気になっておるのだろうかというような危惧を抱かざるを得ないわけですね。この点についてどうお考えになりますか。
○正親参考人 お答え申し上げます。 わが国の水力利用ということは、いわゆる国産のエネルギーとして大変大事だと思っております。従来私どもは水力地点の選定に当たって特に経済性を重視いたしますと同時に、その規模の利益というものを勘案しながら有利な地点を調査し、それを実施してまいりました。現在残っております地点もかなりございまするが、特にいま先生から御指摘の中小水力、これに対しましてはもう一回見直さなければいかぬ。資料が古い。要するに、いままで資料がございますが、いわゆる経済性の面からと速効性の面から見直さなければいかぬというので、この調査のために二千五百億を出すということと思いまするが、私もそのとおり調査しなければいかぬと思っております。ことに中小の水力というのは非常にコストが高い。私は東京電力の役員として出向しておるものでございまするが、私も技術屋でございまして、東京電力で発電所を所管する担当常務をいたしましたが、その当時、いわゆる電力のコストを下げるために最も経済的に水力発電を運転するにはどうすればいいかということをいろいろ調査いたしました。その結果、小水力のうちでいわゆる自動化できるもの、人件費が問題でございまして、一カ所で人を配置せずに自動化できるものはどれだけあるかということを調べまして、自動化できないもの、しかも人をどうしても置かなければいかぬもの、これはひとつ廃止しよう、思い切って廃止してあるいは大水力につくり直すとか、その地点全体の水利全体を見直してやろうというふうなことで、これは経済性の面から小水力の位置づけというものを今後改めてやる必要がある。 よく地方で小水力をおれでやるからおれが自分の電気は使いたい、私は結構だと思います。また買いなさい、買います。がしかし、戦後、ちょっく古くなりますが、電力がなかったときに、たとえば農業協同組合さんが農業電化の電気がない、ひとつ協同組合で自分で発電所を持とうじゃないかということでおやりになりました。私はそのときに、なかなかそれは採算とれませんよということを申し上げましたが、時の勢いでどんどんおやりになりました。政府は助成金を出しました。でき上がりまして一年たたぬうちに、これはかなわぬ、こんなに費用がかかっちゃかなわぬから電力会社これを買えという政府からの要望がございまして、私ども買いました。したがいまして、小水力の立地につきましては、本当にもう一回経済性の面から再調査をしまして、国の埋蔵資源というものを有効に使わなければならぬという意味からも、ぜひこれは先ほど申しました子孫のためにも、ただやたら掘ればいいというものじゃない、最も効率的なものはこれだけあるぞ、これをひとつ将来に残しておいてもいいと私は思うのです。私どもの時代は、たとえば油でもその他でもできるだけ買って、これをいまわれわれは使って、子孫のためにはむしろ国内のエネルギーを備蓄しておく。小水力も有効なところがあれば調査をしておいて、すぐに掘らずに、ここだけ掘れば将来出るぞというくらいの資料をつくっておく必要がある。地熱についても私は同様だと思います。あればすぐ掘るのどうのじゃなくて、それだけわかればこれだけ資源があるということを子孫のために残しておいて、いざとなったら、これが私は一番金がかからない安い備蓄だと思うのです。そういう意味から、こういう国内資源を徹底的に調査し直して、日本のエネルギーはどれだけあるか。あるいは石油を掘ってもいい。まあ最近は掘っておりますが、これも極端に言いますと、もし油が出ればふたをしておけ、これが本当に一番安い備蓄だ、これぐらい考えております。したがいまして、私どもの現在の時代と将来の子孫のエネルギーというものを考えた場合に、国内資源というものをもう一回徹底的に調査し直して、長期的な問題ですから、これには幾ら金をかけてもいいと思います。そういう意味合いから、ぜひこの調査をやり直した方がいい、かように存じております。 それから、第二の質問の設備利用率の問題。これは水力だけのお話がございましたが、これも揚水と自流式の水力とございます。それから原子力につきましても、御承知のとおり稼働率が非常に低い、火力につきましても低い。これを原子力と火力と水力を総合しまして、片方は深夜に使うとか、片方は昼間のピークに使うというふうに、総合して最も効率的、経済的にやっておりますので、その時点において、その年によって需要に応じてかなり稼働率は変わってまいりますが、これは高いほどいいと思います。これには今後最大の努力をいたしまするが、料金改定の申請の率と違うじゃないかという御質問は、私ちょっと細かいのを覚えてなくてお答えできませんが、各社によって、水力地点の多い、たとえば東北とか北陸というところと、東京、関西というところとおのずからそれぞれ利用率が違うと思いまするが、これは今後はやはり国内資源につきましての稼働率をできるだけ上げる。原子力も上げなければいかぬ。それには今後どうすればいいかということに真剣に取り組みまして、いわゆるピークよりも今度はキロワットアワーの方が本当にエネルギー上大事なものですから、そういう方面にはせっかく努力いたしたいと思いますので、その都度また御意見をちょうだいしたいと思っております。 以上でございます。
○正森委員 時間が参りましたので、清水参考人にもう一問伺って終わらせていただきたいと思います。 さきに同僚委員も質問されましたが、資源エネルギー庁の資料によりますと、この電源開発促進税の税率引き上げが行われた場合には、料金切りかえ日以降その増額分を料金に上乗せするわけですから、結局最終的な負担者は消費者になる。それはキロワットアワー当たり大体二十一銭、平均一・四三%の加算だ、これはさきに同僚委員がおっしゃったとおりであります。だから、結局料金の値上げにつながるわけですね。 私、ここに一月二十日の読売新聞の読者の投書欄を持ってまいりました。そこで、二十七歳の家庭の主婦がこう言うておられるのですね。 一歳と三歳の子供、主人と私の四人家族。電気料九百十三円、都市ガス料二千四百十円、水道料は二か月分で千二百二十円、下水道料千百二十円——電話はなく、食事部屋からはテレビをなくし、コタツもない。ふろは毎日入るが、一カ月に十日くらいは前日の残り湯につぎ足し、あとは洗たくと掃除に利用、最後のすすぎ水は翌日使用する。このよべにして算出されたのが先の料金表です。 もう節約も限度、お役人や議員先生方も、値上げなどという言葉は、こんな節約を実行してから吐いてもらいたい。 これが投書に載った主婦の声であります。私は、こういう投書を真剣に考えてこそやはり政党や政治家としての責任を果たせると思うわけですね。 清水さんは、事務局長としてそういう主婦の声を代表しておられると思うのですが、こういう投書を踏まえて、今回の諸物価の値上がり、特に電気料の値上がりについての御意見をお聞かせいただければ幸せだと思います。
○清水参考人 いまの具体的な数字の中で、ささやかなサラリーマン世帯の生活の実態が非常によくわかりまして、だからこそ、私の方も値上げに対しては一生懸命厳しい注文をつけていかなければいけないと思うのです。 特に、電気料金でもガス料金でも国鉄でもそうでございますけれども、やはり安易に上げるのですね。それはいろんな理由がそこにはあります。で、上げますけれども、それではそれだけ利益が上がるかというと、みんな消費者は買い控え、使い控えをしてしまって、結果的には値上げは次の赤字を生んでいるというのが、これは過去の例を見ても明らかなわけです。 それで、きょうも役員会でその話をした方がございました。七千円のガス代を払っていたけれども、余り上げ幅が大きいので今月はもうすごく節約した、そうしたら、本来でしたら一万円近い料金になるのに、七千円割ったというのですね。私は、上げてもますます需給計画が狂ってくると思うのです。そういう意味でも、消費者というのはもう受け入れられる限界を超えておりますから、安易な値上げというものは次の電気事業の赤字を生む原因になるというふうに御理解いただく方がいい。それは公団だって上げれば空き家が出てくるし、国鉄でも上げれば上げるほどお客が減るというのはもうますますはっきりしてきている事実でございます。
○正森委員 終わります。
○綿貫委員長代理 竹本孫一君。
○竹本委員 参考人のお三人の方には、きょうは大変御苦労さまでございます。 御質問を申し上げる前に、私ども民社党の考え方をちょっと申し上げます。 電源開発促進税につきましては、物価がどんどん上がっておる、インフレの心配の非常に深刻な時期、そして電力料金が五〇・八三%ですか上がった、その後にまた追い打ちをかけて一・四%かけるということは、インフレ対策からいっても、先ほど来お話しの庶民の生活を守るという立場からいっても、われわれは賛成できない。したがって、少なくとも千キロリッターについて三百円でいかないで二百円にするとか、あるいは時期は少なくともインフレの一番心配のある五月、六月を避けて半年ずらすべきだという考え方であります。さらに、特別会計につきましては、先ほど来御議論のあるように、一般会計からも金が出せるような窓を少なくともあけておくべきである、目的税は安定するように見えるけれども、固定化するためにかえって窮屈になる、これがわれわれの基本的考え方であります。 そうした立場に立って二、三お伺いをするわけですが、まず、清水参考人に伺います。 先ほど集中豪雨的にという表現を使われまして、大変うまい表現だと思ったのですが、要するに、家庭の主婦あるいは庶民の立場——庶民だけではないというお話もありましたが、いずれにいたしましても、物価の値上がりがここは一%、ここは〇・三%、ここは〇・七%というようなことで政府は常に説明するのですけれども、受ける方から言えばまとまったところで負担がふえるわけなんですから、集中豪雨的な値上げというものは消費者にとっては大変である、お説のとおりだと思うのですね。そこで、清水さんにお伺いしたいのは、先ほど来お話がありましたように、これは目的税なんです。目的税というのは、新しい代替エネルギーをつくりますよ、その費用が必要ですからこちらで五%税金をかけますよとか言うて、税金の率を決めてかけるわけですね。したがって、将来、後で申しますけれども、電源の発電量ががたっと落ちるといったような場合、あるいはまた代替エネルギーの財源がもう少したくさん要るといったような場合には、いまの一・四%の上に、目的税なるがゆえに、さらに増税をしなければならぬし、増税をすることが必要であり、可能である、そういう考え方で、追い打ちの上にもう一遍追い打ちがあるということを御存じでありますか。
○清水参考人 そういう性格を持っているというふうに思います。それで、これはちょっと外れるかもしれませんけれども、目的税であるということ、イコールそのまま電気料金に上乗せしていいということが、いまの料金制度の中で果たしてあり得るのかどうかというのも私は一つ疑問なんですね。電気会社が代行して政府に払いますね。しかし、それだからと言って、それをそのまま料金に転嫁していいものであるかどうか。私は、目的税というものと、その料金体系というのははっきり違うんじゃないかというふうに思います。これは、御専門の先生方がおられたら後で教えていただきたいのですけれども、いままでの料金算定をやってきた中では、電気会社が払っても一向差し支えないのだし、必ずしもそのままそっくり消費者が払わなければいけないという筋はないんじゃないかというふうに思ってきょうは参りました。 それから、上乗せの問題ですけれども、目的税と言っても、エネルギーの問題は国内だけで処理ができない問題がかなり多いわけでございますね。海外的な要因で、あるときは石炭になり、石炭はだめだと言って石油になり、今度石油はどうも思わしくないから原子力でありということで、私たち国民は、国のエネルギー政策の展望がどうもつかめない。海外的な要因に振り回されることがあるのは、日本は資源を持たない国で仕方がないかもしれないと思いますけれども、それであったら、目的税で縛るということがいいのかどうかというふうに思うのです。目的税であっても、海外的な要因ですとか、非常な緊急事態のときに一般財源から目的を果たすために財政が投入できるような道というものは開いておけないのかどうか、開いておいていただきたいと思います。
○竹本委員 大変ありがとうございました。専門家でない清水さんの方が、税制調査会よりも、目的税については少し的確なところをおっしゃったような感じがいたします。 そこで、時間がありませんから話を進めます。 今度は正親参考人にちょっと伺いたいのですが、代替エネルギーで、昭和六十年あるいは六十五年ごろにはどのくらいのものを期待されておるかということだけ、結論だけをひとつお伺いしたい。 もう一つお伺いしたいのですが、御承知のように、私どもは原子力発電というものに対して反対という立場をとっておりません。もちろん安全性につきましては非常に厳しい態度をとっております。四月十二日号の朝日新聞のビジネスウィークリー、これを読みますと、「ビジネスブリーフ」というところに「アフター・スリーマイルアイランド」、スリーマイルアイランドのその後というところで、こういうショッキングな記事が出ているのです。それは、十二人の特別委員会の委員長、そしてダートマスカレッジのプレジデントをしているジョン・G・ケミニーという人がこういうふうに言っているのですね。一つのシリアスな原子力発電の事件が起ったけれども、これはアバウト・ワンス・ア・ディケイド、アメリカにおいては平均十年に一回は起こると考えなければならぬ。後の方にもエブリ・テン・イヤーズと書いてありますが、とにかく十年に一回ずつは起こるんだ、そのことについて非常にはっきり言っています。私は中身はよくわかりませんけれども、新聞記事で簡単ですから。われわれのリコメンデーションズをうまく取り入れて解決をすれば一応話は別だけれども、そうでない限りは、いまのアメリカの原子力発電計画は大体三年間でだめになってしまうだろうというようなことも言っておる。いずれにいたしましても、大体十年に一回はこうしたシリアスアクシデントが起こると考えなければならぬ、こう書いている。しかもそれは十二人のメンバーで、詳しく言うと切りがありませんが、いろいろなことを言っておるわけです。そういう重大な事件が、あるいはそういう重大な意見の発表があったということを御存じであるか。 また、それと関連いたしまして、スリーマイルアイランドの問題以来、原子力に対しては、賛成する人も、反対する人はなおさら心配しているのでございますが、原子力の安全について、時間もありませんからきわめて簡単に、どういう取り組みをしておられるか、結論だけを伺いたい。簡単で結構です。
○正親参考人 お答え申し上げます。 代替エネルギー開発に取り組んでおる現状と将来の見通しというふうに承りましたが、電気事業における代替エネルギー開発の現状は、先ほど申しました昨年十二月の電気事業審議会の需給部会の中間報告、そのとおりでございますが、原子力、LNG等を中心としておりまして、電力量について言いますと、昭和六十五年において原子力、LNG、石炭の比率をそれぞれ三〇%、二〇%、一〇%まで高めたい、これによりまして、五十四年度で五〇%を占める石油の火力を六十五年度には二〇%に低下させたい、かような方向でございます。 数字的に、もっと細かく、また後ほど資料でお答えしても結構でございます。 それから、原子力の安全の問題、大変皆様に御心配いただき、先生方からもいろいろ御示唆をいただいておりまして、スリーマイル事故以来、電気事業はもちろん、政府の科学技術庁、通産省を初めといたしまして、防災対策その他についても改めてこれを見直すという、いわゆる他山の石として、こういうことのないようにしたいということでいろいろと検討してまいりました。ことに日本の原子力は二重チェックをいたしておるので、われわれは、安全についてはさらに安全をということであらゆる方策を政府と検討しております。 〔綿貫委員長代理退席、委員長着席〕 そこで、たとえば、もっとわかりやすく申しますと、日本の原子力はアメリカのそれよりもはるかに技術が進歩し、安全対策はかなり進んでおる、かように信頼しております。そこで、現在私ども考えておりますことは、もっと御信頼を得るためにはどうすればいいかということで、いわゆるP型とB型と二つございますが、これの標準型をつくりたい。いわゆる標準型ということになりますと同じものができますから、新しくつくるときも御理解願いやすいし、同時に維持管理、部品の標準型をするということで、現在御当局の方に委員会をつくりまして、近くそれぞれの標準型ができ上がりますと、ぜひこの標準型によってわれわれが運転をしていきたいということ。それから事故と故障に対する反省、これは先ほど申しましたように、十数年の歴史がございまして、その間にたくさんの故障、たくさんの事故がございます。これは、メーカーにも、われわれ電力会社にも統計がございまして、私どもとしましては、事故と故障をこの際分けて、これは停止しなければならぬか、これは事故につながるかということで、もう一回過去の実績から見直して、それで、さらに安全面についてどういう面に注意しなければならぬかということを今後進めたい。現在これを集めまして、近くコンピューターに入れまして、自動的にどの発電所にはどういう問題があり得るかというふうなことをもっときめ細かくこれから調査いたしまして、この内容につきましては、従来のように、ただ一部の故障があっても、事故につながるといかぬと言って長時間これをとめておるということにつきましても反省いたしまして、こういうものが事故なんだ、こういうものは確かに故障だというふうなことを皆さんにわかりやすくして、御信頼をいただける資料をこれから早急に整備したい、かように考えておりますので、今後ともせっかくの御理解と御支援を賜りたいと思います。 以上でございます。
○竹本委員 安全の問題については念には念を入れてひとつ御努力を願いたいと思います。 木下先生にいまの目的税の問題についていろいろ質問申し上げたいのですけれども、時間の関係がございますからまとめて申し上げますから、後でまとめて返事をしていただきたい。 一つは、日本の財政が非常に厳しくなってきた。御承知のように、もう財政の危機あるいは日本財政のサラ金化、いろいろと批判がありますけれども、私は、この日本の財政の再建ということは並み大低ではない、非常に日本の財政の危機を心配しておる一人であります。 特に公債につきましては、いまから五十九年度までに国債発行を赤字国債についてはゼロに持っていくんだと言ってみても、言うているだけで裏づけはほとんどないですね、御承知のように。あるいは増税が五兆八千五百億必要だろうと言ってみても、これまた足し算しただけで、去年は消費税でひっくり返ったというようなふうで、どこでどうなるのかさっぱりわからない。それから将来は一般会計からそれこそ繰り入れをして、定率のほかに予算繰り入れをやって、そこで借りかえのほかに国債の償還をやろうというのですけれども、計算してみると二十八兆円ぐらいになりますね。一般会計からそんな繰り入れができる余裕がどこで出てくるかというふうなことを考えますと、これまたさっぱり見通しがない。非常に言葉が悪いのですけれども、日本の財政は、正確に言えばいま破綻してしまっている。現在完了ですよ。破綻していますよ。見通しはいろいろ言うけれども、希望的なことを言っているだけで裏づけは一つもない。去年の一般消費税が失敗しただけじゃない。これからも増税というのはなかなかむずかしい。そういう点から考えて、財政はきわめて窮屈になるということを大前提にしなければいかぬと思うのですね。 そこで、そういう大前提があるならば、そういう窮迫した財政、このときに特別会計をつくったり目的税をつくって、これはおれの分野だ、これはおれのがんばるところだと言って、きめ細かくとりでをつくるということは、それこそ財政全体の機動的な弾力的な運営というものを妨げる。本来特別会計なんというものはふやさぬ方がいいという議論は前から財政学に、先生御承知のように、あります。しかし、いまのように財政が一番困ったときに、これはおれのなわ張りだ、これはなんとかだと言って、目的税だ、特別会計をふやすことが窮迫した財政事情の中で妥当であるかどうか、これがお伺いしたい第一点。 それから第二点は、目的税なるがゆえにほかのものは入れないんだ、一般会計からの繰り入れば大体やらぬのだ、こういうようなお話だけれども、そんならお伺いいたしますが、これは私は恐るべき二つの前提があると思うのですね。 一つは、開発された発電量に対して税金をかけるわけでしょう。発電量は大体いままでの常識のように年々五%ふえていくんだということが前提になっておると思うのだけれども、その五%の保証は一体だれがやるのかということが一つ。 それからもう一つは、この電源開発は八百二十七億円。先ほどお話がありましたが、一カ月に直せば大体八十億円ぐらいになりますが、もうすでに五月は目の前に来ている。逆立ちしたって五月一日に間に合いませんよ。この税法は四月中には通して五月一日から実行できる、議会は大蔵省の出した案には無条件降伏で必ず通すんだという前提は一体だれが立てたかという問題です。そこで裏から言いますと、具体的に言いますが、八十億円の穴があいたものを何でどうして埋めるのですか。代替エネルギーの開発というものはここに書いてあるように非常に重要なんだ。その重要な開発計画を支える柱がたった一本の目的税だ。その目的税が通らなかったときに、その目的税が減収になったとき、一体どうするのですか。その穴埋めはどうするという前提でこの税をつくられておるか、考えられておるかということがお伺いしたい第二点。 それから今度はいまの問題と関連しますが、発電量が問題ですけれども、油の供給ということは——いまや油は政治的な戦略商品になっておる。したがいまして、イスラエルがいつひっくり返るかわからないし、油がいつとまってしまうかわからない。それだけで済めばいいけれども、それがまだ広がるかもしれない。そういうような意味からいいますと、一つは、けさの新聞でしたか、財界の一部でも、もう社会経済の新七カ年計画は、一般消費税の問題も含めて全部やめてしまえと。とてもいまは七カ年の計画どころか来年の計画が立たないときだ。そういうときに七カ年計画を立ててみて、それがスムーズにいくという前提で税収も何も皆はじいてみたってナンセンスだ、そういうふうに私は思うし、特に油に関しては、七カ年計画は一応別にしましても、電力がこれからスムーズにいままでのような常識で五%ずつ消費量なり発電量なりがふえていくということは私には考えられない。第一に、いま申しましたように、イスラエルその他の戦略的な手法でどういうことになってくるか、これはだれにもわからない。だれにもわからないものに対して、一番大事な代替エネルギーを賄う唯一の支えの柱に目的税をする、そんな冒険があるかということですね。そういう点についてひとつ先生のお考えを承りたいと思うのです。
○木下参考人 問題は三つに分かれておると思いますが、第一の特別会計を設置するというのは、原則として財政運営に、これを乱立させることが望ましくないことは御指摘のとおりでございます。よくよく必要な場合にのみ限って設けるということではなかろうかと思います。しかし、現実の問題は、それでは一般会計でこれを賄うだけのいわば財源があるかということになりますと、先ほどから御指摘のように、増税の余地はない、大幅な国債に頼っておるという現状。何かの妙手があれば別でございますけれども、普通の方法でこれを解決することはできない。一般会計から繰り入れろというのは、先生先ほど御指摘でございますけれども、それは一般会計の拡張につながります。ほかの財源で、ほかの歳出を削るものがあればよろしゅうございますけれども、これは一般会計の拡張でございます。が、その上積みは借入金、言いかえれば国債の発行の増額によらざるを得ない。そうすると、こういう財源をいわば国債の増発によって賄うという選択になると思います。それで、特別会計を設置するというのはよくよくのことではあるけれども、仕方がない。しかも特別会計を設置し、その基礎にありますのは、私は最初は一般会計でいけないものかと思ったわけでございますけれども、これがとうていできない相談であれば、特別会計を設置して、そこにいわば受益とあるいは原因者というものの存在がはっきり認められますので、そこで目的税の構想に踏み切ったわけでございます。 なお申し上げますれば、電源開発促進税の方は明確な純粋な意味の目的税でございますし、石油税の方は、これは特定財源と言った方が正しいかと思います。 そこで第二番目は、今後発電量がふえていくという保証がないというお話でございますが、この電源開発促進税はむしろ販売量に基礎を置いて課税をするという形になっておりまして、必ずしも発電量ということではなかろうかと思いますが、販売量がこれからふえていくという、五%の上昇というのを見越しておるが、それはなかなかできない相談だと言われました。これは石油事情、現在はとにかく石油に相当頼っておりますし、電力会社によっていわば原燃料の種類の構成はまちまちでございますけれども、全体から申しますと、いわば石油に依存しておる割合が高いわけでございますから、石油の状況がどうなるかについて、これは恐らく見通しを立てることは非常にむずかしい。現在の状況のもとで見通しできる限りの正確な資料をもとにして進行する以外に方法はない。これ以外にとるべき方法があったら、これはむしろ別途に検討しなければなりませんが、私は現在のところは現状の与えられた情報のもとにやる以外に方法はないかというふうに思っております。 それから、資金が足りない場合という問題でございますが、これは私見でございますけれども、特別会計に借入規定を設けるということは将来あってもいいんではないか。(竹本委員「今回どうしますか、五月は」と呼ぶ)五月について私は正確な見通しを持ちません。これからこの一年、五十五年度について借り入れの必要があるとはいまのところは考えません。しかし、将来、これは先ほども申し上げましたが、年々同額ずつあるいは一定の割合でふやしていくような使い方であるのかどうか、これははっきりいたしません。ある年には非常に巨額になり、ある年にはそれより低くなるというような可能性があろうと思います。したがって、余り歳出に向けないで済むというときには残りが生じるわけでございましょうし、足りないときにはこれを借り入れをせざるを得ないという状況があると思います。これは年々固定的に積み上げていくということは現実にはなかなかあり得ないだろう、相当変動があるだろうと思っております。不足を告げたときには借り入れの規定を設けるということもやむを得ないと思います。 それから第三番目の産計懇が、新聞記事だけしか見ておりませんけれども、経済計画及びその他の関連する計画はもう御破算にした方がいいということについて、私個人の意見はそれは余り気が早過ぎるというふうに思います。もちろんこの経済計画に基づいてつくりました財政収支試算は単なる見通しでございまして、これはいわば長期の予算をあそこで提示したわけでも何でもございません。おおよその見通しでございまして、これはあくまで経済計画に準拠しておるということでございますから、その状況の変化というものが私には想定できませんし、どのようになるかということについてもはっきりしためどを立てることができませんが、これはむしろ私は専門家にゆだねるしか方法はないと考えます。もっと進んで言えば、それならおまえは狂った場合に一体どうするかということをおっしゃいますが、私はどうしたらいいかわかりません。言いかえれば、それこそいわばそのときに与えられた状況の変化に応じて施策を講ずる以外になかろう、これは石油問題全体についてそう言えるのではなかろうかと思います。ただ、いま私どもの電源開発促進税の案をつくります場合に、通産省から提供されましたさまざまの資料というものの上に立って議論をしておるという制約があるということははっきり申し上げられると思います。 以上でございます。
○竹本委員 時間がありませんので、いまお説を承りましてちょっと誤解がありはしないかと思いますから、それも一つ申し上げます。 私は、特別会計をつくってもよろしい、しかしながら目的税一本に支えられるということでははなはだ危ないから、一般財源あるいは一般会計からも必要に応じては繰り入れるという道をなぜ開いておかないのか、これは大蔵省が言うべきことであって、先生の方からおれの方はただ税のことだけだったと言われればそれまでなんですよ。しかしながら、考え方として一般会計から窓を広げて場合によっては補給する方法を考えておくことの方が、こちらの代替エネルギーの研究が大事な問題であれはあるだけ——特に先生はいま、ある程度密接な関係がありますから販売量と生産量を分けて言われましたけれども、イランから油が入らなくなった、そういうようなことによって発電量が制約を受けますね。そういうことになると減収になります。その減収があるような時期が実は代替エネルギーを一番急いで開発をしなければならぬときなんですね。一番金が要るときには一番危なくなるのですよ。そういう意味からいって、いざという場合には、全部一般会計でやれと言っているのではないのですよ、一般会計からも補給するという道を開け、目的税というよりも特定財源にしろ、特定財源にすることはぼくは反対ではないのです。しかしながら、プラスアルファがあるということの方が安全保障としての——先ほどから中長期の安定的なというお話がいろいろありましたけれども、安定的な財源の確保ということから言えば今度の目的税は安定的な財源を得るということにおいては確かに一つの役割りがあるし、意味があると思うのです。しかし、安定的ということは、一方から言えば固定的なんです。いざという場合間に合わないという場合にはどうにもならぬ。いまも申し上げましたけれども、一カ月この法案がおくれれば実際問題として八十億円穴があくでしょう。そのときは借りておけばいいとか、そのときは代替エネルギーの開発はちょっとやめておけばいいじゃないか、そんな無責任な提案は、これは大蔵省に言うべきことですけれども、ありませんから、本当にこれが必要なものならば、普通にいけば確かにいまの与えられた資料においてわれわれは良心的に考える以外にありませんけれども、もし狂った場合にはどうするかということについての手当てを考えるということくらいはあってしかるべきではないか、私はそう思うのです。その点だけ一つ念のためにお伺いしておきたいと思います。 あと、いろいろ誤解もちょっとあったようですけれども、私が言うのは一番大事な点は、一般会計のほかに特別会計をつくるということは原則的にも余り賛成でないんだけれども、これに特別会計をつくることは賛成する、しかしながら、財源の裏づけがむしろ不安定になる条件の方が多いではないかということで、それをカバーする方法も手当てを考えておけ、これだけ言っておるわけです。その点についてお伺いして終わりにします。
○木下参考人 私、理屈だけ申し上げてまことに恐縮でございますが、一般会計と特別会計の問題は、特別会計を設ける以上はそこへ一般会計から繰り入れるというのは原則としておかしいと思います。それなら最初から一般会計でやるということでなければならないはず……(竹本委員「国鉄はどうします」と呼ぶ)いや、それはきわめて特殊の例外でございましょう。したがいまして、発想の順序といたしましては、一般会計、財源からいいますといわば一般税収でやるというのが最初の考え方であろうと思います。しかし、現実、わが国の一般会計の状況を考えますとそれはできない相談だというところから考えまして、もう一つは、受益と負担との関係から考えまして目的税として構成したわけでございますから、これは特定財源ないしは目的税として構想する以上は特別会計で処理するのが財政のやり方としては正しいのではないか。 そこで、これは八十億の問題にぶつかってまいりますけれども、私自身は石油の専門家ではありませんので大きな声では申しませんけれども、イランの石油ストップは何とかしてカバーができると私は思います。これで直ちに八十億の穴があくというのは私はさほど心配はいたしておりません。これは水かけ論でございまして、私がこう言ったからそのとおりになるとか、先生の仰せのとおりになるとかいうような問題じゃございませんけれども、私はその辺は先生ほど心配はいたしておりません。ただ、現在の時点で一般会計から繰り入れができる余地をつくっておけとおっしゃることは、これは現在の段階ではその必要はないというふうに私は感じております。
○竹本委員 時間がありませんから、いまの問題で先生のお考えもわかりますけれども、特別会計は必ず特別会計だけで賄えという原則は現に行われていない。国鉄だって何だってどれだけ補給しているかわからぬ。そういう点から考えて、特別会計をつくったら全部特別会計で賄うというなら、国鉄をまずやってもらいたい、食管だってやってもらいたい、健保だってやってもらいたい、三K赤字は皆そうですよ。そういうような意味でそういう例があるのですから、この大事な代替エネルギーをぼくらはむしろ前向きな議論をしているのですよ、大事な議論だから考えたらどうか。 それから受益者負担の問題につきましても、電気の場合と国鉄の場合——国鉄の場合こそもっと本当の受益者でしょう、乗った人が受益者なんだから。それを一般会計から補助しているじゃないか。電気の場合は、これこそ全国民が、テレビを見ない人はいないんだから、みんな関係がある。そういう意味から言えば、一般会計で賄えというまた話もありましたけれども、そういうことだって考え得るのですから、私が言うのは足らざるところは一般会計からも補うことのできる道を開け、これだけのことでございますから、時間がありませんので、以上で終わります。失礼いたしました。
○増岡委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位には、御多用中のところ御出席の上、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。 次回は、明二十四日木曜日午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十九分散会