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91回国会衆議院1980/03/12

大蔵委員会 第12号

発言数
98
登壇者
8
会派数
5
開催日
1980/03/12

会議録

増岡博之自由民主党・自由国民会議

○増岡委員長 これより会議を開きます。  所得税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  ただいまより両案について参考人から意見を聴取することにいたします。  本日御出席をいただきました参考人は、税制調査会会長小倉武一君、上智大学経済学部助教授岩田規久男君、谷山税制研究所主任研究員大山明雄君の各位であります。  この際、参考人各位に一言申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。  本委員会におきましては、目下所得税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の両案を審査いたしておりますが、両案につきまして、参考人各位それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願い申し上げます。  なお、御意見は十分程度にお取りまとめをいただき、その後、委員からの質疑にお答え願うことにいたしたいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、まず最初に小倉参考人からお願い申し上げます。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 大変貴重な時間を私の五十五年度の税制改正につきましての所見を述べるためにお与え願いまして、大変恐縮に存じます。  この五十五年度の税制改正につきましての考え方は、もうすでに御承知と思いますが、昨年十二月の税制調査会の昭和五十五年度の税制改正に関する答申、この中で明らかになっておるのであります。これに尽きるわけでございますので、これから申し上げることもそれを出るものでもございませんので、もうすでに篤と御承知のことであって、いまさらとお感じになるかと思いますが、私の立場といたしましてはどうもそういうことを申し上げる以外にはありませんので、しばらくひとつ御寛容の気持ちでお聞き取り願いたいと思います。  この五十五年度の税制改正につきましての基本的な考え方でありますが、一方において国民生活の充実あるいは向上、これに必要な歳入を安定的に確保するということが必要でありますとともに、他方、財政の経済に対する対応力の回復を図るというために、どうしても財政の再建を図る必要があるというのが一番大きな税制面から見ても課題でありますので、歳出、歳入の両面を通じて幅広い角度から検討を行うことが不可欠である、こういう考え方でございます。  こういう見地に立ちまして、税制調査会では、公共のサービスの充実に必要な歳入の確保を安定的に図る、こういう観点から、いわゆる中期税制、もう大分年数がたっておりますが、五十二年に行いました中期税制のあり方についての答申におきまして、国民の理解を求める努力を一方において重ねつつ一般消費税を実施すべきである旨の答申を行ったところであります。ところが、その後の状況を見ますと、この税金につきましてはどうやら一般の理解を得るに至っていないように見受けられたのであります。  そこで、五十五年度の税制改正についての答申におきましては、この一般消費税による財政の再建ということでなくて、それによらない財政再建の手だてを講ずるというようなことにいたしまして、さような趣旨の提言をしたわけであります。  したがいまして税制調査会といたしましては、五十五年度の予算編成に当たりましては、むしろ歳出の抑制、歳出の規模の抑制ということによってまず対処をしなければならぬだろう。無論歳出の規模の抑制ということ自体は税制調査会そのものの審議事項でもございませんが、歳入の面で重要な役割りを果たす税制ということを担当する側面から、歳出規模の抑制ということについて特段の要請をする必要がある、こういうことでございます。  他方、歳入面におきましては、本格的な増税措置を見送るというのはやはりやむを得ないのではないかということにいたしまして、増税のための検討ということは五十六年度以降の課題とするということにいたしたわけであります。したがいまして、五十五年度におきましては、従来にも増して税負担の公平を図るということを柱にいたしまして特別措置の大幅な整理合理化というのを図るほか、退職給与引当金の見直しといったような点で増収措置を傍ら講ずる、増収措置を最小限度のものにするということにいたしたのであります。それが大体の考え方の骨子であります。  次に、五十五年度の改正の中心をなします租税特別措置について若干敷衍して申し上げます。  まず、企業関係の特別措置でございますが、従来はこれの整理ということでありますれば、まず整理期限の来たもの、これを取り上げてそれを廃止をするか、それの縮減あるいは改善を図る、こういうことだったわけでありますが、今回は適用期限が到来したかしないかというようなことにかかわりなく全面的に洗い直しを行う、そしてその上廃止をする、あるいは圧縮をする、削減をする、こういったふうな方針で租税特別措置の合理化を図っていくということにいたしたのであります。  租税特別措置のかような整理につきましては、この数年来税制調査会でも提言をし、また政府におかれましてもさような趣旨で努力をされてきたわけであります。したがいまして、最近五年間におきまして、今度の税制改正、五十五年度の税制改正案と含めますと、御承知のとおり、社会保険診療報酬課税の特例あるいは利子配当所得の総合課税への移行、こういった主要な特例措置について見直しが図られるということのほか、その他の項目につきましても、おしなべて八割以上の項目につきまして適正化の措置が講ぜられたわけであります。  そこで、今回の措置を含めましてこれまでの措置を積み重ねますと、租税特別措置に関する限りおおよそいわゆる不公平税制ということの整理というのは、大方それで片がついたと申しますと少し言い過ぎでございますが、一段落は少なくともついたというふうに言えると思うのであります。無論たくさん特別措置が残っておりますが、これらは御案内のとおり中小企業あるいは農林漁業あるいは小口零細預金の取り扱い等々でございまして、企業課税、企業優遇税制というふうに批判されてきたもの、こういうものについては整理合理化が今回の措置を含めまして一段落をしたというふうにおおむね言ってよろしいというようなことであります。  もっとも、一般に不公平税制と言われるものの中には、租税特別措置に関するものばかりでなくて、たとえば法人税の仕組みに関しまして配当の取り扱い方等々についていろいろ問題がございます。これを目して不公平税制と批判される方もございますわけですが、これは観念の整理は別にいたしまして、この問題については法人税のあり方の問題として検討を要する、また検討したいというのが税制調査会の考え方であります。  次は、利子配当所得の総合課税でございます。  御案内のとおり、利子配当所得の課税の特例につきましては、土地税制のあり方とともに税制調査会では特別の部会を設けまして調査、審議を続けてきたのでありますが、これは今年度末で期限が到来するということでもありますので、所要の経過措置を講じまして、その上で総合課税に移行する、こういうことにいたしたわけであります。総合課税に移行するというのは年来の方針、税調における意見のみならず世の中一般もそれに移行すべきである、こういうふうに言われておったかと思いますが、そういう措置を明確にして総合課税に移行することにいたしたわけであります。  もっとも、この総合課税に移行するテクニカルな手段といたしまして、どうしても本人の確認あるいは名寄せ、こういったいろいろな問題がございますので、これをどのようにして確保していくかということが最もそのむずかしい問題であったわけであります。それを、これもおよそすでに御案内かと思いますが、グリーンカードのシステムというのを導入いたしまして、総合課税への移行が可能なような仕組みをつくろうということを提言をした次第であります。  無論ずいぶん前から、この総合課税に移行するには結局は納税者番号というのが必要ではないかということもありまして、総合課税への移行ということと同時に、納税者番号につきましても税制調査会でも調査あるいは審議をいたしたわけであります。一般論として抽象論として申しますれば、これが一番完璧な制度であるということになるわけでありますでしょうが、税制調査会では納税者番号をこの際採用するということについてはいかがなものであろうか、なかなか一般にそれが容認される、やむを得ないというふうに言っていただくにはまだ時期尚早であろう、といっていつまでも一般にそれが受け入れられないから総合課税には移行できないんだ、こういうふうにもいかないというわけで、グリーンカードの制度というものを導入して総合課税に移行するということにいたした次第であります。  納税者番号とグリーンカードのシステムとどこが違うかということは、もうすでにあるいは政府の方から御説明があったかと思いまするし、また細目にわたりますので、ここでは省略をいたしたいと思います。  なお、この移行に当たりましては、グリーンカード制度につきましても若干の準備期間が要る、とにかく何千万という多数のものになりますので、また新しく制度を導入しますので準備が要りますので、三年間ぐらいは準備の期間として必要ではなかろうか、こういうように存じておるのであります。一つだけ申し上げますと、納税者番号と違いますのは、納税者番号であれば国民一人一人否応を言わず番号によって税務署に登録するということになるわけでありますが、グリーンカードシステムは、本人の自由意思によって登録する、強制ではないということが一番違うのではないかというふうに存じております。  次は、土地税制でございますが、これも先ほど申し上げました利子配当の特別部会と同じくその部会で審議を続けてまいりました。  この土地税制につきましては、一方において、特に三大都市圏、特に首都圏が一番問題かもしれませんが、そこにおける宅地の供給の円滑化を図る、供給促進を図るという趣旨で土地税制を緩和すべしという意見が一方にある。世の中にあったと同時に、税制調査会の中でも、そういう意見があったわけであります。しかし、他方において、土地の供給促進ということで考えてみましても、今日のような財政事情のもとで土地税制について大幅な緩和を図るということは、まず考え方としてさていかがなものであるか、土地譲渡についての所得税の大幅な軽減を図るということは、どうも感覚的に適当ではないという意見が無論非常に多い。また、必ずしもそれによって土地の供給の増大を期することができないのではないかという若干の疑念も開陳された次第であります。  そういったようないろいろな意見を踏まえまして、税制調査会としましては、現在の土地税制の基本的な考え方は大きく変更しないというような考え方に立ちながら、三大都市圏での宅地供給の円滑化という必要性を認めて、それに必要な程度の若干の手直しはやむを得ないというような趣旨の提言を行った次第であります。  五十五年度の税制改正の基本的な考え方と重要な項目については、以上のとおりであります。  ところが、いろいろ御議論のありますように、財政再建の道というのは緒についたごとく、他方、しかしまた、はなはだ再建の道は遠いというようなことでありますので、今後においても財政再建、立て直しを図るために税制調査会にも一層の努力が要請されておるのではないかという感じがいたすのであります。高度成長が続いた時代にいわば国家あるいは公共のサービスが非常にふえまして、そのサービスの中には、大部分なかなかこれを削減するというわけにいかないものが多く、むしろさらに公共のサービスを拡大すべし、特に福祉関係のものを拡大すべしという意見も他方においてあるわけであります。しかし、なかなかそういう要請に容易にこたえ得るようなふうに歳入を上げていくということはもはや非常に困難になってきた、こういう時代でございますので、今後においての税制調査会の討議も、恐らく財政再建に寄与するように歳入、歳出両面にわたりながら、特に税制面でどうあるべきかということを幅広い角度から検討してまいる必要があるのではないかというようにひそかに考えております。  ところで、この昭和五十五年度の予算の編成に当たりましては、幸いにして歳出の伸びというのが従来と比べれば最低限の伸びのところでおさめることができたというようなこともありますが、他方、増収というようなこともありまして、いろいろ御不便をおかけしながら最小限度に必要な経費を賄うというようなこともでき、また国債の発行高も前年に比べると、比べ方いかんにもよりますが、削減ができるというようなことになったのでありますが、五十六年度以降を考えますと、五十五年度よりはどうもより困難な事情もあるやに思われるのであります。  そこで、税制調査会でも、いろいろ過去の経緯もございますので、従来の検討の方向を踏まえ、また、いろいろな経緯を考慮しながら、財政再建に資するように今後の討議を進めてまいりたい、かように存じております。  以上、五十五年度税制改正に関連しまして、その概要と今後の税制調査会で対処すべき心構えといったようなものを申し述べた次第でございます。

増岡博之自由民主党・自由国民会議

○増岡委員長 次に、岩田参考人にお願いいたします。

岩田規久男上智大学経済学部助教授

○岩田参考人 私は土地税制についてのみ意見を求められておりますので、それに限ってお話し申し上げます。  今回土地譲渡所得税が若干緩和されるということに対しての私の一般的な考え方を述べさせていただきますが、まず最初に、土地投機ということについて、恐らく皆さんと私とで若干考え方が違っているのじゃないかと思いますので、述べさせていただきたいと思います。  よく最近の地価の上昇というものは土地投機によるものではなくて需要に対して要するに供給が少ないからであるとか、現在は仮需要が少なくて実需要が多いとか言われているのですが、こういう場合に用いられている土地投機といった概念がどういう意味を持つのかということをちょっとお話ししておきたいと思います。  土地という一つの生産要素あるいは資源、これがとにかく有効に利用されているか、あるいは所得の分配上好ましくない結果が生じているのではないかということを考える場合には、土地の投機というものを安く買ってもっぱら高く売るということにだけ限って考えることに私非常に疑問を持っております。と申しますのは、投機にはいろいろな形態がありまして、一つは、いま言った安く買って高く売るという一つのそういう形態ですけれども、そのほかにも、たとえば現在使用している人の投機というのが考えられます。  たとえば、都市あるいは近郊の農家が余り土地を有効に利用せずに遊休地として持っているとか、あるいは低度利用として持っているという場合にも、それは一つには地価の上昇を予想してその面での値上がり益から利益を得たいということで土地を持っている。この場合に、やはりさっき申しました安く売って高く売るという人と同じように値上がり益を目指しているという意味で、これもやはり現在使用している人の投機と考えるべきであります。というのは、それによって遊休地とか低度利用という、土地の有効利用が妨げられるという現象が生じているからであります。同じようなことは、都心で、周りはもう高層住宅化しているというようなところで低層の住宅を持っている、あるいはそういう形で小売業などを営んでいるというようなことも、同じように一つの値上がり益を期待しているという面があると思われますので、それもやはり一つの投機と考えるべきであると思います。  そういう観点からしますと、結局長期譲渡所得と短期譲渡所得というふうに現在分けている分け方自体に一つの問題があるであろう。私のような考え方ですと、長期譲渡所得として、一般に短期譲渡所得よりもかなり優遇するということの理論的根拠が薄れてくるわけであります。  私がそういうふうに土地投機というものを普通に考えているよりも非常に広く考えるのは、やはり広い意味でいま申しました土地投機ということを考えるのは、それによってやはり土地の有効利用上非常に好ましくない現象が生じてくる。土地が有効に利用されないとか、あるいはその結果スプロールが生じるとか、またスプロールが生じた後に後追いの公共投資を行っていくと非常に効率が悪くなる、あるいは分配上も非常に好ましくない結果が生じてくる。その分配上好ましくないというのは、一般に社会資本を整備していく場合に公的な資金が投入されるわけですが、それがすべて地価の上昇としてはね返り、地主の利益になる。というのは、一般の所得税納税者あるいはそのほかの税の納税者から、公共投資が行われたところの地主に対して所得税を移転していることにほかならないわけで、分配上も非常に好ましくない現象であると私考えます。したがって、そういう土地の値上がりに基づく利益を吸収するということが、私が考える税制上の原則であります。つまり、土地というものは、有効に利用している場合には問題はないけれども、もっぱらそれを値上がりの方で持つということを全体としてなくしていく、そういう体制づくりが望ましいという観点です。要するに、原則としては何人も土地の値上がりからは利益を得ないような体制をつくるべきである。  その場合に、一番オーソドックスな政策はやはり土地の譲渡所得税だというふうに考えられます。ところが、土地の譲渡所得税は、今回の税調の答申にもありますように、土地の供給を阻害するというふうによく言われております。この場合の土地の供給というのは、要するに農地あるいは林地が宅地に変わることを言っているわけで、要するに、この供給は土地の転用ということで、転用を阻害するのだということであろうかと思いますが、そういう効果があるかどうかということを少し簡単に述べてみたいと思います。  この土地の譲渡所得税が強化された場合には、いわゆる都市近郊の農家が土地を売らなくなると一般に言われている効果でありまして、これを普通、凍結効果と呼んでおります。この凍結効果というのは、要するに、売ると税金を取られるから売らないのだ、売らなければ、要するに税金を免れるからどんどん先へ延ばしていくと言われている効果でありますが、土地譲渡所得税というのは効果としては税金の中でも非常に複雑な税であります。いま言った、売ると税金を取られるから売らないという、これは土地を売らなければ納税をしないで済むという意味で、納税を延期する一つの利益があるわけであります。ところが、この納税の延期の利益がいつでもプラスかというと、マイナスの要因が実はありまして、土地譲渡所得税のもとでは、納税を延期していくとそれだけ将来地価が上がるというふうに考えられている場合には、いま税金を払うよりも将来税金を払う分がふえますので、その面が逆に納税延期上の損失として発生いたしますので、納税延期上の純利益というものがプラス・マイナスいずれに動くかということは、地価上昇率がどのくらいかということに依存して決まりますが、一般には地価上昇率が高いほど、納税を延ばすとむしろ税金をよけいに払わなければならなくなるという効果が非常に強く働くために、地価上昇率が高いと予想されるような土地については売却促進の効果がむしろ出てくるはずであります。  そのほかにも、土地の譲渡所得税というのは、経済学の言葉でいわゆる資産効果というのが働くのでありますが、これは税調の論議の中でも出たようでありますが、要するに、税金がかかると土地の資産としての価値が減少する、そういう効果が働くわけでありまして、譲渡所得税を強化すると土地を持っていることの資産としての価値が減少するために、やはり売却を促進する効果が出るわけであります。このように考えると、一般に考えられているように譲渡所得税を強化するとむしろ土地を売らなくなるという効果は、かなり怪しいものになってくるわけであります。  ところが、一つ重要な条件がありまして、現行の所得税法のもとでは、相続に当たっては譲渡所得の分、ちょうど土地の値上がり分がこれに対して課税対象になっていない。つまり、相続の場合には相続税だけ払えばいいので、その父親なら父親が昔取得した価格と現在の地価との差である要するに値上がり益分、これに対しては相続した人が課税を免れるという面がありますので、先ほどから申します納税延期に伴う損失が相続の場合に全くゼロになってしまうために、むしろ納税延期の利益が今度は非常に大きくなってしまう。このために、譲渡所得税は、相続までなるべくなら売らないでおこうという、そういう効果が働いてしまう。この面が、いわゆる一般に、譲渡所得税をかけると農民がなかなか土地を売らなくなるということの理由であります。したがって、相続に当たっても、経済学者の中には、やはり譲渡所得というよりもこの場合はキャピタルゲインですが、キャピタルゲインが実現したと考えて相続に当たっても何らかの形の措置をしないと、譲渡所得税を強化することは、相続財産としてなるべくなら相続まで売り延ばすという効果が発生しやすいわけであります。そういう相続の面での配慮を一つしなければ、土地譲渡所得税は問題が生じやすいということがあります。  私が現在考えているのは、やはり相続に当たっての調整を考えるとともに、要するに、値上がり益というのは土地を有効利用したり分配上非常にまずいのだという観点からは、土地の供給を促進していくためには、むしろ譲渡所得税を年々引き上げていき、それと同時に保有税を強化して納税延期の利益をなくしていくという政策をとることが一番望ましいというふうに思われます。  そういう面では、出ております改正案に関しては、私は原則的に土地の値上がりから何人も利益を受けないというシステムが必要であると考えておりますので、土地譲渡所得税を緩和する方向というものはむしろ反対でありまして、今回の提案というものはかなり妥協の産物のような気がいたします。そして、現在のわれわれの土地問題、住宅問題ということの重大さから見ると、非常に小手先の感じがいたしております。  最後に、私の一般的な考えをもう一度確認しておきたいと思うのですが、第一に、基本的に何人も土地の値上がりからは利益を受けないような体制をつくるべきである。したがって、デベロッパーなども、何年か土地を寝かせておいて値上がりから利益を得るのではなくて、土地に対して投資をして宅地造成をして、その付加価値から利益を得るという体制をしくべきであると思います。  それから第二番目に、一般的な考え方としまして、税制を強化する。保有税にしろ譲渡所得税にしろ、私は基本的には強化する方向に向かうべきだと思いますが、そうであっても、一方で都市計画であるとか、日本の農業全体を一体どうするとかいったような展望がなくいたずらに税制を強化すると、たとえば東京都あるいは首都圏などはもっぱら過密化を促進するだけであると思われますので、C農地の宅地並み課税に関してもそういう慎重な計画面での配慮をぜひ望みたいと思います。たとえば、職住近接を図らないで同心円状のまま都市を拡大していく、そういう形で、C農地にどんどん宅地化していって人口を張りつけていくといったようなことで、交通はどうなるのか、都心の昼間の人口の過密と、夜間の人口が非常に少なくなる、それによって社会資本が非常に有効に利用されなくなるといった問題をどうするのか、あるいは水の問題をどうするのか、そういうことで防災は大丈夫なのか、日本の全体の農業の問題はどうなるかといったようなビジョンをきちんとして、それとともに税制を強化して土地を有効利用していくということをしでいかなければならないと考えておりますので、余りそういう計画なしに税制をいじくり回すといいますか、そういうことには私非常に危惧を感じております。  それから、これは基本的な考え方じゃないのですが、ついでにちょっと気のついたことを申し上げておきます。  現在の取得価額の算定の仕方ということについてちょっと申し上げておきたいと思いますが、現在の算定の仕方は、農家のような場合に、昔ながら非常に土地の取得価額がよくわからないという場合には、売った価格の五%を取得価額としているようであります。こういうやり方は、すでに取得価額を非常に底上げしているわけで、実際の取得価額がたとえば十万円とかそんな非常に少なかったのに、実際には五百万円とかそういう値でもって取得価額を算定することによって、そういう譲渡所得税の方式というものは土地譲渡所得者に非常な利益をわれわれの税制はすでに与えているわけであります。昨日ちょっと計算いたしましたところによりますと、たとえば一億円の譲渡益があった場合には、現行の税制と実際の取得価額で計算した場合との差では、現在大体二百十万円前後の利益を譲渡所得者は現行の取得価額の算定方式からすでに得ているということを申し上げたいと思います。  以上であります。

増岡博之自由民主党・自由国民会議

○増岡委員長 次に、大山参考人にお願いします。

大山明雄谷山税制研究所主任研究員

○大山参考人 大山でございます。  まず、五十五年度税制改正の総論的な特徴点について私の考えを申し上げたいと思うのですが、五十五年度の税制改正は、行われなかったことに大きな問題があったのではないかと思うわけでございます。  行われなかった第一の問題点は、五十五年度中実施ということがいわば既定方針であった一般消費税が見送られたということでございます。それが第一の特徴かと思います。それから二番目の問題は、所得税減税が三年間見送られたという問題、これが第二の特徴でございます。それから第三の特徴は、総合課税が期限切れにもかかわらず、また引き延ばされたということ。それから四番目が、法人税率の引き上げが、これは中止といいますか見送られたということ。この四つが、五十五年税制改正の行われなかった、まあ行われたとしてもいろいろ問題があると思いますが、行われなかったことに大きな問題があるのではないかと思うわけでございます。  その問題の中で、私は所得税減税を五十五年度において実行すべきであるという前提に立ちまして、少し考え方を述べさしていただきたいと思うわけでございます。  まず一つ御提案と申しますか、こういうことはできないだろうかということを第一に申し上げたい。  それはどういうことかといいますと、所得税法の第一条かあるいは第二条の定義のところにこういう文言は入れられないだろうか、所得税は最低生活費に課税してはならないという文言を入れる、これは憲法二十五条とのつながりでもあるかと思いますが、いわば宣言的な規定として入れるべきではないか。そうしておいて、今度は施行令になりますかあるいは法律になりますか、いろいろむずかしいかと思うのですが、いわゆる現在の基礎控除、配偶者控除、扶養控除、これを生活費控除と法律の用語にするということでございますね。基礎控除、配偶者控除、扶養控除、このいわゆる現在人的控除と言われているものを生活費控除と法律の文言ではっきり規定してしまう。そうしておいて、その額は、一つの例といたしまして、生活保護法における生活保護費を下回ってはならない、このように入れるべきではなかろうかと思うわけでございます。  これはどういうことかといいますと、現在、課税最低限という言葉が使われておりまして、所得税の課税最低限は二百一万五千円であるとか言われているわけでございますね。ところが、この課税最低限というのはきわめてあいまいでございまして、どうも税制の民主化という、いわゆる財政の問題を国民が考える場合、非常にあいまいなことになっておるわけで、つまりこの場合の課税最低限というのは給与所得者で四人世帯の問題でありまして、これは事業所得者には全く当てはまらない問題でございます。それがあたかもいわゆる所得税の納税義務者であれば二百一万五千円までが課税最低限だ、そのように勘違いされていることは、税制を考える場合、国民にとって非常に不幸なことだと思うわけです。  そこで、問題をすっきりさせるために、私が最初申し上げましたように、生活費控除といたしまして基礎控除、配偶者控除、扶養控除、この三つだけにしぼる。現在の課税最低限を形成しておりますような給与所得の場合、まず給与所得控除がございます。それから生命保険料控除、社会保険料控除がございます。そういうものは全部別にいたしまして、基礎控除、配偶者控除、扶養控除だけにする。それの積み重ねに限定しておく。では、その金額は現時点でいかほどが妥当であるかといいますと、せめて生活保護費の金額にしたらいかがか。それで十分であるとは決して私は思ってないわけですが、今度の五十五年度の予算案で見ますと、一級地、東京などでございますが、四人の標準家族で百四十九万円が生活保護費でございます。ところが、現在の、これは五十五年度は改正になりませんから、二十九万円の四倍でございますから、これは百十六万円ですね。一体これはどういうふうに考えたらいいのか。生活保護費よりも三十三万円も下回る。これが現在の所得税法で許されていてよろしいのかどうか。憲法二十五条の問題、それからいろいろな点で先ほど問題も出ましたが、負担公平ということからいってそういうことが許されてよろしいかということは、私は疑問なわけでございます。  誤解のないように申し上げておきますが、現在給与所得者の場合、四人で二百一万五千円だから、おまえの言うとおり百四十九万になるとこの分課税になる、重税になるのか、これは決してそういうことではなくて、別にいわゆる勤労控除という問題で考えるべきだと思うわけでございます。  それで、ひとつ四十八年度の数字と五十五年度の数字で比較してみたい。  まず第一は、生活保護費の問題でございますが、四十八年度に、これは一級地でございますが、生活保護費は六十万七千円だった。そのときの、いわゆる私が言う生活費控除の合計額は七十二万五千円でございまして、生活費控除を一〇〇といたしますと、生活保護費は八四でございます。ところが、現在は、生活費控除を一〇〇といたしますと生活保護費は一二八、逆転しているわけでございますね。現在の二十九万円という基礎控除になりましたのは昭和五十二年度でございまして、五十二年から五十三年、五十四年、五十五年と見ますと、生活保護費は五十三年度で逆転しております。ということは、生活保護費の算定にいろいろ問題があるかと思いますが、一つの目安といたしますと、当然、現在の基礎控除等は引き上げられなければならない。きのうの国会の論議の中で、所得税減税の余地がないという政府の御回答があったようでございますが、私は、無責任かもわかりませんが、余地があろうとなかろうと生活費に税金をかけてはならぬ、この原則をやはりもう一度再確認しなければ、そこをおろそかにしておいて不公平税制云々ということは当たらないのではないか、そう考えるわけでございます。  それで、生活保護費の比較だけではちょっと不十分なんで、もう一つは、現在いわゆる所得税減税ができない原因の一つは、いろいろあるわけですが、不公平税制が是正されてないということが決定的なわけですが、ことし改正になりました給与所得控除の問題。昭和四十九年度に改正になりました給与所得控除のために二十九万円のいわゆる基礎控除等が据え置かれている、侵食されている、食い荒らされている。もし四十九年度の改正がないといたしますと、いろいろな計算の方法がありますが、私の一つの試算では、四人で百五十万くらいの生活費控除が可能になる。これはどういうことかといいますと、四十八年度——四十八年度というのは四十九年度にいわゆる青天井が撤廃される以前でございますが、これは大蔵省主税局の租税収入予算の説明書の中の各税の見積もりから取り出した数字でございますが、四十八年度におきましては、給与所得控除が給与総額に占める割合というのは二五・七%でございます。それから、基礎控除、配偶者控除、扶養控除の合計額が二六・五%、ほぼ半々だったわけでございます。ところが五十五年度になりますと、給与総額に占める給与所得控除の割合が三一・九%、生活費控除額が二〇・四%、このように率が変化してきているわけでございます。  そこで、四十八年度のもう一つの比率を出しますと、給与所得控除と生活費控除を合計したものを一〇〇といたしましてそれぞれの割合を出しますと、四十八年度では給与所得控除が四九、生活費控除が五一、大体半々でございます。ところが、五十五年度では、先ほど申し上げましたように、給与所得控除が六一、生活費控除が三九、大体六対四になっておるわけでございます。この数字を四十八年度の四九対五一というふうに引き直しまして計算いたしますと、現在よりも三割程度アップできる。そうしますと、現在の百十六万という控除が大体百五十万から百六十万くらいになるだろう、そういうように計算いたします。ここでこの数字から私が申し上げたいことは、やはり所得税減税というのは当然なす義務があるのではなかろうか。それが財源を理由としてなされないということは、いわば職務怠慢ではなかろうか、私はそのように考えているわけであります。  しからば、これだけの減税の財源ということになるわけだと思いますが、これは一つは、私が先ほどお話ししたように、総合課税を六十年一月一日から実施すべきだろう。やはり源泉徴収税率を、一つの考え方とすれば、所得税の最高税率である七五%にして即時還付する、これは技術上いろいろ問題があると思いますが、それに満たない人には還付する、そういうようなことも技術的には可能かと思います。  それからもう一つは、法人税の税率を引き上げる。これは私、先ほど中止と申し上げましたが、十二月一日現在の大蔵省の考え方では、法人税は世界各国に比べて水準が低いから、これは引き上げる。二%か三%引き上げて三千億程度の税収を予定していたはずでございます。ところが、これがいつの間にか中止になった。経団連が日本の法人税というのは世界最高の水準をいっている、そういう数字を何かお話しになるのですが、税制調査会の答申も若干引き上げる余地があると言っているわけで、そこいらあたりのギャップはどこにあるのかということも考えてみなければいけないことではなかろうか。  いろいろ申し上げたいことはあるわけなんですが、きょうの各新聞を見ましても、物価上昇ということで公共料金の値上げ等いろいろな問題で苦しい、そういうことを踏まえても、いままでの数字でおわかりいただけたように、当然、所得税減税はなすべきである、そのように私は考えておるわけでございます。

増岡博之自由民主党・自由国民会議

○増岡委員長 以上で参考人からの御意見の開陳一は一応終わりました。     —————————————

増岡博之自由民主党・自由国民会議

○増岡委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。沢田広君。

沢田広日本社会党

○沢田委員 お三方に対しましては、御多用の中、大変貴重な御意見を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。  最初に、岩田先生や大山先生の方からお話になられた見解について税制調査会長としてはどう考えているのか。私の質問したいと思う点もそれぞれお二人から述べておられますので、ひとつ会長からこれらの問題についてどう考えておられるのか、この際御意見がありましたらお述べいただきたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 お二人の参考人の方は土地税制と所得税の減税のことについてお話しになったわけであります。  土地税制につきましては、御承知のように、宅地の供給のためこれを緩和するという主張が一方においてあって、それに対して税制によってそういう緩和を図るということはなかなか所期の目的を達成しがたいのではないかという両意見が世の中にも存在しましたし、税制調査会にあったことは先ほど申し上げたとおりであります。したがって、税制調査会としましては、これまでの土地税制の、要するに土地譲渡についての重課の制度は基本的仕組みとしては残していく、その上で宅地供給に、特に都市圏の地帯におきましての優良な宅地あるいは高層建築等々のために必要な限り例外的に緩和していく、こういうことであるわけであります。無論世の中一般には、あるいは税制調査会の中にも宅地供給のために税制の緩和ということはとるべきでないし、また、それは大した効果がないんだという意見があることは承知しておったわけであります。  次の、所得税の軽減についてでありますが、所得税につきまして最低生活の保障という意味から所得税を軽減するという思想、考え方というのもある面においてはうなずけないこともございませんけれども、お話の中にもございましたように、今日、財政再建をどうしていくか、どのようにして歳出を削っていくか、また、必要な税源をどういうように調達していくかということが焦眉の急である中に、諸外国と比べてもそうですが、また日本の過去と比べましても、今日の所得税はそう重税であるというわけでもございませんので、これの大幅な緩和ということはいたしかねるという考え方で、一般的な所得税の軽減ないし低所得者層あるいは生活最低限の確保という観点からの減税ということはいたさない結果になったわけです。特に生活最低限の保障という観点から詳細に検討したということではございません。初めから、もうこの際、大きく所得税の緩和ということはできにくいということが、いわば一つの与えられた前提であったというように御了解願った方があるいはよいかとも思います。

沢田広日本社会党

○沢田委員 大体一時間に及ぶお話の中をまとめていただいたわけですから、答えが不十分であることはやむを得ないと思いますが、ただ、土地の譲渡所得税についてこういう効果がある、だから、これは改めた方がいいのではないかという岩田先生のお話もありました。その点はお答えがなかったようでありますが、土地税制の問題は、もうやむなく周りの条件で、意見もあったけれども、こうなっちゃった、何かingのような答弁で、会長として責任を持って報告をしたという感が少ないのでありますが、その点はどうお考えになっておられるか、お伺いいたしたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 重ねて申し上げますけれども、土地税制については、むしろ譲渡所得をある程度緩和する、主として保有税をむしろ強化していくということの方が、土地の供給といいますか転用といいますか、その辺に便宜になるということは考えられないことはございませんし、そういう主張はうなずける点があるわけです。しかし、軽減するということは税金がまかることですから、これは受け取られやすいのですが、他方、では保有税の強化ということがどの程度可能であるか、これまた、はなはだむずかしい問題であります。世の中によく未利用地とか休閑地について重課するとおっしゃいますけれども、一体、未利用地とか休閑地とは何であるかというと、これはどうも世の中の一般の人は農林用地をおっしゃっているらしいのです。ところが、そういう産業に従事している立場から見れば、われわれの土地が未利用地であるとか、あるいは粗放利用地だというふうに定義づけられて、それは重税を課すんだということは、これはなかなか了承を得られにくいということもありますし、無論、都市の特別の地帯、市街化区域の中でさらに利用区分をちゃんとした上で、そこで住宅地並みの課税をするというような非常に限定的なものとして考える以外にはない。この保有税の強化による土地の供給といいますか、転用の促進については、さような考え方をいたしておるわけです。

沢田広日本社会党

○沢田委員 では、もう一つだけお伺いしておきますが、いわゆる物価調整減税とも言われておりますし、生活向上減税とも言われておりますが、これらの点についてはうなずく点もある、しかし、これはもうできない条件であった。できない条件であったという意味はどういうことなのか、お聞かせいただきたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 御承知のとおりでございまして、もう大変な赤字国債を出さなければならないという状況のもとで、金額なり項目にもよって一概には申せませんでしょうけれども、所得税の相当の減税ということはとても考えにくいという状況であった、また今日もそうであろうということはお察しいただける、こう存じます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 では、もう一言ですが、それがやはり一つの不公正を招いていく、アンバランスを招いていくことになるということにはお気づきになりませんか。そのことはやむを得ない、こういうことですか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 所得税の範囲内について不公正ということは私は余りないのじゃないかと思いますが、所得税ということを離れまして税負担一般につきまして、どういう税をどういうふうに組み合わせたら国民全体の負担の公正感を確保するに適当か、こういう問題になると思います。したがいまして、すぐに物価調整減税を、あるいは類似のものをしなければ非常に不公正になるのだというふうには即断できない、こう思います。

沢田広日本社会党

○沢田委員 以上、会長からお答えをいただきましたが、今度それに対して岩田参考人から、いまの会長の話についてどうお考えになっておられるか、お答えいただきたいと思います。

岩田規久男上智大学経済学部助教授

○岩田参考人 会長が土地譲渡所得税に関しては私は余り触れなかったような気がするのですが、保有税の強化に関して遊休の土地を考える場合には、農地であるとか、そういうことがもっぱら念頭にあるのではないかということでありますが、農地でも、きちんと農業をやっている、あるいは営農意欲があって今後ももっと拡大してやっていきたいといったような農地に関して、あるいは国全体、地域全体から見て農地として残すべきである、これは日本の農業をどうするかと、先ほど申し上げましたことにも関するのですが、そのようなビジョンのもとに営農意欲のある農家を保護していく。そのためには、私は宅地並み課税はむしろすべきでない、つまり、それは宅地ではなくて、相変わらず農地として認めていき、農地並み課税とすべきであるというふうに考えております。しかし、もっぱら値上がり益から利益を得るために最終的には土地を売ってしまって農業をやめてしまうというようなことがある。そういうようなことをやはり防がなければいけない。  つまり、これを緑地として供給しているのだから、何も農地としては十分使ってないけれども緑地として供給しているというならば、これがその地域全体から見て緑地として望ましいならば、私はむしろ緑地として保全するというのが、地域、地方自治体の義務であると思います。そのためには、むしろ補助金でも出して緑地として整備するとか、あるいは子供たちが遊べるような施設をつくっていくというように、むしろ積極的にすべきであると考えます。消極的な意味で農地が緑地として使われるというようなことに関しては、私は好ましくないと思います。しかし、そういうことをせずに、もっぱら緑地であるとか、農業をこれでもやっているのだというような名前のもとに、最終的には実は値上がり益から利益を得るのだというのでは困るわけで、その困るところをチェックするのがやはり譲渡所得税であろうというふうに思っております。  ただ、重ねて私申し上げたいのは、全体のその地域での緑地であるとか農地であるとか、割合をどうしていくのか、日本の全体の農業をどうしていくのかということなしに、いたずらにC農地を宅地並み課税をしていく、つまりC農地を宅地並み課税とするということは、C農地を宅地と考えるということでありますが、そういうことでいたずらに譲渡所得税をどんどんかけていって、どんどん農地を宅地にただ変えていけばいいのだというような物理的な考え方は、この辺で改めなければいけないと思います。初めに土地の利用計画があって、そこを農地とするというならば、その農地を宅地に転用していくのには、むしろ相当規制をかけていかなければならない。現在の市場機構の価格機構のもとでは、ここは農地として望ましいのか、宅地として望ましいのかということは、とてもできかねるものであります。したがって、それは何らかの形で計画というものを導入していかざるを得ない。その場合に、たとえば農地として適当であるというならば、そこはやはり宅地への転用というのはかなり規制していかなければいけない。その場合には、農地は宅地として転用することはできなくなって、そこを営農意欲のある農家がやって農業を維持していく、あるいは農家が農地として他人に貸していくわけでありますから、その場合には必ず農業地代に見合った土地の価格がついてきますので、いまのような農地が高くなって農業として拡大できないというようなことは、その場合には起こらなくなります。いまの農地は将来宅地になることを予想して価格がついているわけでありますから、しかし、それを土地計画をきちんとしていき、農地なら農地としてずっと使うのだということをはっきりすれば、必ずそれは農業地代に見合った地価がついてくるはずでありますので、そういう面からそこの農地が上がって農家が譲渡所得税が強化されると非常に譲渡所得税が高くなって困るということはむしろ起こらなくなる。つまり農地の価格の上昇率そのものが低くなるわけであります。  以上でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 じゃ大山参考人からも会長の意見に対して一言。

大山明雄谷山税制研究所主任研究員

○大山参考人 現在の所得税が世界各国に比べても、それから過去の日本の歴史に比べても重くないという、私はどうもそうは思わないわけでございます。  たとえば、先ほどの話の続きになりますが、事業所得者の場合は二十九万円の基礎控除きりないわけでございますから、仮に独身の人が御商売をやって百万円の所得を得たといたします。そうしますと、それから引かれるのは原則的には二十九万円の基礎控除だけでございます。あとの残りには社会保険とか生命保険がございますが、それを除いて全額課税されてしまうわけです。そういう点を考えますと、これが重くないということは私は同意しかねるわけでございます。  それから土地税制の問題でございますが、私は二つ問題点があるかと思います。  一つは、土地税制だけじゃなくて租税特別措置と呼ばれるものが存在する理由ということをもう一度再確認しなければならない。これは税制調査会でも再三論議されたことでございますが、ほかの政策をたくさん比べてみて、その中で税制の誘導によるのが一番よろしいという場合にのみ租税特別措置は許されるのだ、負担公平が崩れてもやむを得ないのだ、そういう議論が現在も生きているはずだと私は思うわけであります。ところが、土地税制の場合は、ただそこだけにしぼりまして、先ほど岩田参考人がおっしゃったように、全体的な土地政策、農業政策、住宅政策、そういうものを抜きにして税制だけがひとり歩きしている、こういうことはいけないと私は思うわけでございます。  それから相続の問題が出ましたけれども、これはこの委員会には直接関係がございませんが、私は現在は柏の周辺に住んでおりますが、新興住宅地でございますが、きのうも農家の人が来て、相続すると一億円も税金がかかっちゃう。そういうことがございますので、私は、相続税の控除の中に、金額だけではなくて、居住に必要な一定の土地、建物は一定の面積を控除する、こういうことを配慮しなければいけないのじゃないか、そういうように考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 会長が言われた中に、この土地税制の問題は三大都市圏に限定したい、限定した、こういうふうに言われたわけでありますが、これがどうして全国的に同じ法律で適用するようになったのか、その経緯はどうお考えになっておられるのか。これは三大都市圏だけ限定して適用したい、こういうふうにおっしゃったと思いますが、いかがですか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 私、申し上げましたのは、法律の枠として明文上限定するという趣旨ではございませんで、こういう土地、宅地の供給という点から緩和するというねらいとして三大都市圏を頭に置く、あるいは特にその中でも首都圏を頭に置いてどういう緩和措置を例外的に講じたらよろしいかというような考え方を申し上げたわけであります。

沢田広日本社会党

○沢田委員 そうすると、法律案文そのものとしては特定地域に限定をして適用するということの方が望ましいというのが税調の意見だ、こういうふうに理解してよろしいですか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 趣旨を申し上げたので、法律上それを限定するというのはいかがかと思います。たとえば、譲渡所得につきまして、四分の三という重課税率、これを緩和するというような措置も前提にあっての話でございまして、これを特に三大都市圏にだけ明文上限定する、ほかは従来どおりであるということは、その所得税の地域的なむしろ不公正を招くということになるのではないか、こう思います。

沢田広日本社会党

○沢田委員 では二、三まとめてお答えをいただきますが、現在の土地公示価格というものは全国的にきわめてばらつきがあります。三大都市圏に限定するということであれば、これはそれなりの一つの意味があっただろうと思うのでありますが、たとえばこれは四千万円とかというふうに金額を固定をするということは、土地の価格がこれだけの非常にアンバランスがあるといいますか、ピンからキリまで、こういう状況の中においては、その中身というものが非常に整合性を欠く、こういうことになるのじゃないかと思います。  それからもう一つ、土地の保有している目的には、いま岩田参考人もややそれに似たことでありますが言われましたが、生活の必需品としての土地、事業用に使われている土地、投機を目的として使われている土地、それから資産として保有していく土地、そういう目的が、それぞれの国民の各階層にはそれぞれ持つものにはあるだろうと思うのであります。あるいは文化的にといいますか、セカンドハウス的に持つものもこれ以外にあると思います。こういうものが同一の条件で果たして課税されていくことがいいのかどうか、その点も若干お聞かせをいただきたいと思います。  それから、こういう税制をやる前に、やはり土地施設整備、都市環境の整備というものが優先されなければならないのではないか。税制が先走って、環境もまだ十分できてないところへどんどんこういう税制が先行することは、かえって住民の不満あるいは不快感、こういうものをより増加をさせるだけであって、都市環境が整備した、言うならニュータウン計画みたいなもののように、交通の問題、下水道の問題、公園の問題あるいは上水道の問題、こういうようなものも含めてやはり都市環境の整備が先行した地域にこういう税制が適用される、こういうことがあって初めて整合性が得られるのではないか、こういうふうに思います。  都市計画法は、昭和四十五年のつくったときには、十年以内に都市計画税を取るためには都市環境の整備を行います、こういうふうに法律では規定をしたわけですね。しかるに、今日は下水道も二十何%、十何%のような進捗率であります。それはそれぞれの都市によって若干の差はありますが、上水道も、道路整備も、都市環境も、市街化区域内の進捗率はきわめて低率である。そういう悪条件の中へ、市街化区域内だけをとらえてみても、もしこのような税制が適用されることによって、より一層のスプロール化やあるいは環境の悪さというものを招いていくのではないか、こういうふうに考えますが、以上の点について、これは時間の関係もありましたから、若干税法の先走りをやめさせる方が正しいのではないか。かえって建設省にしりをたたいて、言うならば都市環境、道路だけを優先するのじゃなくて、都市環境整備というものを、河川の改修なりあるいはいま言った下水道の整備なりあるいは都市施設というものを、もっとよい環境整備をやった上で、その中での税法というものを考えるのが至当ではないか。これは会長と岩田参考人からお聞かせをいただきたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 最初の御質問は公示価格との関係のお話でございましたけれども、公示価格は無論ある役割りを果たしておると思いますが、お話しのとおり、立地なりその土地の形質によって非常に違うことは申すまでもございません。したがいまして、たとえば譲渡の場合にもそれが一つの参考にはなるかと思いますが、譲渡になりますと、またそれと違ったいろいろな個人的、具体的な事情がその中に入ってくるということでございまするので、譲渡所得自体は非常に個別的なものになることはやむを得ないことだろう、こう存じております。また、土地の所有の目的について、税率といいますか税額あるいは控除、こういうようなことを考えたらどうかという御意見のようでございましたけれども、土地の保有につきましてはそういうことが考えられなくはないと思います。また、固定資産税は地方税で、市町村である程度のこともできるということになっておるようでありますが、保有税については考えられましょうけれども、譲渡所得について、土地の利用目的によって税率なりあるいは税額なり云々ということを考慮することははなはだむずかしいし、そういう考え方を取り入れることはどういうものだろうかという感じがいたします。  それから、都市環境の整備というふうにおっしゃいましたけれども、多少表現は違いますが、税制でもって土地の供給といいますか宅地の供給の円滑化を図るというのは考え方が逆転しておりまして、具体的な政策でもって宅地の供給を円滑化する、あるいは促進するという制度的な措置があって、その上に加えて税制でこういうことをすれば行政がより円滑にいく、そういうようなときに初めて土地税制についての例外措置を講ずべきではないかというのは、税制調査会でも基本的にはさような考え方をいたしておる次第であります。今度の特別措置をごらんになっていただきますと、個々の緩和措置の例外規定の中には、多少個別にそういう趣旨が盛られているという気がいたしております。

岩田規久男上智大学経済学部助教授

○岩田参考人 第一点の土地の所有の目的には生活用、事業用、投機的な目的、資産目的等いろいろあるのではないかということでありますが、私の考えから言えば、資産目的と投機目的は区別ができないというふうに思います。つまり、資産としての価値があるのは、やはりこのインフレの世の中で、値上がっていく土地に資産価値があるわけで、値上がり益を期待する限り私は投機と考えておりますので、結局、生活用、事業用、投機用ということになるかと思います。  そういう面に当たって、いろいろ目的が違うのだから、それに相応した税金を課すべきではないかという考えに関して、私は全面的に賛成でございます。私が譲渡所得税を強化しろとか、保有税を基本的に強化する、現在も強化する方向にあるだろうということを言いましたけれども、言葉が足りないわけでありまして、生活の居住用として持っている土地、それは何平米ぐらいか現在わかりませんが、そういうものに対して、ある程度の土地を居住用として持っているならば課税はかなり軽減するとか、場合によっては免税にしてもいいといったように、面積に関してコンセンサスが得られると思います。あるいは農家が農業用地として最低どのぐらい持っている、そういう面に関しては免税措置がやはり考えられるべきであろうと思います。そういう意味で、私は、結局土地が有効に利用されさえしていればいいのであって、居住用として持っている場合には有効に利用されているし、あるいは農家が農業をきちんとやっている、生産性を上げているという場合に、そういう最低の面積というものがあるわけでありますので、それに関していたずらに譲渡所得税や保有税を強化すべきではないというふうに考えております。  ですから、先ほど大山参考人からありました、相続の際に農家が税金をごっそり取られてしまうというような問題も、相続の際にもやはり農業用地なら農業用地としてどのぐらい必要である、生活用として自分で居住している場合にはどのぐらいの面積が最低必要である、そういういわゆるシビルミニマム的なコンセンサスを得られると思いますので、そういう面に関しては必ずしも税を強化すべきでない。ただ、それ以上の分に関しては、基本的にシビルミニマムあるいは農業なら農業をやっていく上で必要な面、そういうものを超えて、みずから値上がりで利益を得ているような分に関しては、課税を強化する。したがって、そういう生活の面を考えて、きめ細かにやっていかなければならないと考えております。  それからもう一つ、都市環境整備が先であって、税制が先行するとかえってよくないのではないかというお考えに対しても、大体私賛成でありますが、ただ若干違うところがあるようにも考えます。税制が先行していく場合に、結局、問題は、たとえば公共部門が土地を先行取得していくというシステムがないとすると、あるいは都市計画やそうしたものがきちんとしていないと、結局売られた土地が勝手ほうだいに宅地化していってしまうということによってスプロール化する。あるいは建ってしまったので後から下水道を整備するとか、生活道路も整備されていないのにどんどん建ってしまうというようなところに関して、後からたとえば歩道をつくっていくということになりますと、実際は全然歩道がつくれないというようなことがありますので、きちんと先に、われわれが一体生活環境としてどのぐらいの水準を目指すのかということに関するコンセンサスをまずつくって、その意味で計画を地域地域でつくっていき、そうして生活環境あるいは都市環境に対する考え方がコンセンサスを得て、かつ計画が地域ごとにでき上がってきて、そうした中で同時に税制を活用するというシステムがとられるべきであろうと思います。  結局、一方が先で一方が後というよりも、実際に実行するときには、ほとんど同時にやっていくということが必要かと思います。というのは、計画ができたり、人々の生活環境に対する町づくりというものに対するコンセンサスが得られても、結局税制が同時に伴わないと、実行の段階で、計画はあるけれども財源がない。一定の生活用とか、そういうものを超えた分に関しては土地譲渡所得税を強化していくという場合には、それによって財源が入ってきます。財源も資金調達ができるので、計画のための財源もできてくるし、土地を利用しないでいたずらにただ持っているというようなことも防げて計画が実行できるし、あるいは公共部門が先行取得していくのにも、いたずらに土地をただ値上がりを期待して持っている人は、やはり税金を納めなければならない。ただ、利用しない場合には、もっぱら税金だけを払うというのでは利益がないので、譲渡所得税が強化されると、むしろ土地を売って税金を納めるというようなことによって、同時に公共部門の先行取得の体制がきちんと整えば、公共部門が公共用地をどんどん拡大していく、それによって現在のように歩道もないようなところへ自動車が堂々と通っていって、そして歩道をつくろうとすると、情けない貧弱な歩道をやっとつくるというようなことも防げるわけでありますし、子供たちの公園であるとか、そういったものも整備できますし、そういう面で都市環境に対する計画をどうしていくか、それをどういうふうにそれでは税制で援助していくかということを同時に今後われわれ考えていかなければならない、その面では、そういうものをもっとじっくり考えていくということが必要でありますので、いたずらにここでそういう都市環境や考え方できちんとビジョンもないままに、計画もないままに、また計画を担保する手段もないままに、ただ税制がひとり歩きするということについては、私も非常に危惧を感じております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 会長にお伺いしますが、現在総世帯は三千百二十七万世帯というふうに言われております。それから現在の住宅は三千五百七十万戸と言われております。また空き家は二百六十九万戸ある、こういっているのであります。この数字から見ると、世帯よりも住宅の方が多いのであります。空き家も、これは全国でありますが、二百六十九万戸もあいている。こういう状況に対してお調べになっただろうと思うのですが、いま必要とするその住宅供給というのは何なのであるのか、だれが求めているのか、その点ひとつお答えいただきたい。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 お話しのように、一時と比べますと住宅の戸数というのは充実されておりまして、家が全然ないという家庭の数はだんだんと減ってきているように思います。しかも、それでもなおなかなか、場所によりけりでしょうけれども、密集地域に職場を持っておるというような方は住居、あるいは家がなかなか入手できないという状態はやはり相当存在しておるのじゃなかろうかと思います。また、これは家族構成の変化ということがございますが、御承知のとおりある程度家族がふえていく、最初入居したときよりは家族がふえていくということもございましょうし、あるいは生活程度が上がっていくということもございまして、家の買いかえをするというような必要性もございまして、第三次五カ年計画でありますか、この住宅政策もまだ必要であるという段階であるように承知しております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 これは建設省の住宅の政策ですか、近く出したのでは、老朽が一二%、設備が不足をしているのが一一・四%、庭がないというのが七・七%、こういうふうに出ているのです。いまあなたの言われているような要望というのは、どこから出してきた要望なんですか。何をもとにした要望なんですか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 いまお示しのような数字的根拠があって申し上げているわけではございません。達観してと言うと失礼でございますけれども、お話のありましたような数字からも、やはりよりよき家、あるいは家の買いかえを必要としているというようなことも言える点があるのではないかというふうに思います。

沢田広日本社会党

○沢田委員 一つの法律をつくるのですから、やはり政策目的というかあるいは対象目的というようなものは、どういう地域にどの程度の必要性があり、どういう地域にどの程度の要請があって、その要請にこたえるために資金的にはどう、土地についてはどう、そういう対策がつくられなければならぬのだろうと思うのですね。いまの会長の答弁では、全く暗やみの牛みたいなもので、どこかへぶつかるだろうということだけなのであって、全然目的意識がない。そういう法律というのはないのじゃないかと思うのでありますが、ただ何となしに買いかえがあるだろう、確かに家は年間百五十万戸できております。この五年間だけで七百六十万戸できておりますが、そのうちの持ち家と分譲では大体百万戸です。五十万戸は確かに借家であり、給与住宅であることは間違いありません。  ですから、借りている人が土地が欲しいという要望があるならば、それはそれなりの一つの要素であると思いますよ。しかし、いまあなたの言ったように、買いかえだとか家族がふえるからとか——いま減っていっているのですよ。どこの家に行ったって、大きな家はじいさん、ばあさんしかいなくて、核家族が進んでいって、片方は小さな家に、2DKぐらいなところにひしめいているわけです。そういうのが今日の現状でしょう。そういうところで、それではどういう人にどういう住宅を与えようとするのかという目的意識、そういうものがなくて、ただ何となしに税金をまけてやればいい。それじゃ、これでもうかるのはだれかということ、不動産業者は全国で十七万六千五百八十八人、この程度しかいないのです。そういう人たちだけの、業者のための税制であるとすれば、これはまた何をかいわんやということになると思う。これは私から見るときわめて遺憾な提案であるというふうに言わざるを得ないのでありますが、その点一言だけお答えいただきます。もし岩田参考人も御意見があったら、その点お聞かせいただきたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 家族がふえると申しましたのは、日本人の平均家族の員数がふえるということを申し上げたのでは毛頭ございません。個人個人の家のサイクルにおいて家族員がふえていくということは当然あり得ることで、今後ともそれはある。夫婦二人のときと家族が四人、五人になるときとでは、家の大きさも相当変わってくるというようなことを頭に置いて申し上げたわけであります。  それから、住宅について、土地もくっついているわけでありますけれども、数はお話しのようにまあまあ以前と比べればだんだんと充足されてきておる。しかし、数と同時に今度は質ということがだんだん重要になってまいってきているわけでありますので、質をよりよくしていくということになりますと、それがやはり新しく住宅の需要の増となるというわけでございます。その辺の住宅政策をどう考えておるのか、どういう住居を考えておるのかという具体的な検討は建設省の仕事でございますけれども、私どももそういう政策が進行しておるということでありますれば、できるだけ税制の基本を損なわない限り何分の協力をするような改正をしてもよろしいのではないかという趣旨でありまして、建設業者とか不動産業者というようなことを頭に置いた措置ではございません。

岩田規久男上智大学経済学部助教授

○岩田参考人 現在空き家率が増大していて、世帯よりも住宅が多くなっているというので、一部に住宅難時代とかあるいは住宅不足時代は終わったかのごとき意見があるようでありますが、私は結局その空き家率が多いというのは、先ほど老朽化率が一二%であるとか、設備不足が一一・四%、そういったことからであると思います。よくいわれるいわゆる高くて狭くて遠いという、そんなところにたくさん団地をつくったり何かしても、結局それは空き家になるだけでありまして、それが最近公団などの住宅が全然埋まらないというようなことの一つの原因であろうと思いますし、あるいは木賃アパートなどで戦後ずいぶん雨後のタケノコのようにできたものが実際にはだんだんと老朽化していっている。したがって、都心近くにあるそういう木賃アパートもだんだん物理的に住めなくなっている、そういうことが空き家の原因であろうかと私も考えております。  また、よく住宅は現在すでに質の時代に入ったというのも、私非常に欺瞞的であろうかと思います。確かに一部の金持ちといいますか優遇されている人たちは質を求めているかもしれませんが、多くの人たちは、質どころではなくて、やはり非常に高くて狭くて遠い、たとえば通勤時間二時間もかかる、しかもそれが猛烈なラッシュで、非常に混雑している。それだけでも大変なエネルギーを消耗してしまうようなそういう状態に置かれた中で、余りにもひどい環境の住宅が空き家になっているということであろうかと思います。  このことは、結局、よく土地の供給をふやすんだ、税制調査会のパンフレットにも書いてありますが、土地の供給をふやす目的で税を緩和するんだ、この基本的な考え方におかしなところがあるんだと思います。つまり、地主が土地を売ったからといって土地が供給されているんだという考え方に基本的な間違いがある。ただ、農地から宅地に転用してそこに住宅が建てばそれでもって住宅地が供給されたというような考え方をいままでわれわれはずっととってきている、政策当局もとってきているということに問題があろうかと思います。  つまり、住宅というものは、同時に通勤手段がきちんとあって、かつ生活道路もきちんとあって、主婦などは、買い物をしたりするのにも交通の混雑で、その中で身を危険にさらすようなことがなくて、あるいは下水道等も整備され、公園もあり広場もあるというような、同時にそういうものがあってこそ土地が供給されたというべきでありまして、単に、いままで農地であってまともな道路もない、昔ながらの農道に毛の生えたようなところに自動車が通る、あるいはバスを通らすというようなことだけで土地が供給されたというような考え方に基本的な問題があろうかと思います。  したがって、今度のような緩和をして土地が供給された、たとえば金額の面で、土地譲渡所得税がこんなになったんだから土地が供給されたんだというようなことを考えますと、あけてみると、都心から非常に遠くて交通の手段もないようなところの地主が土地を売って、そして、いま現在非常に高いから二時間もかかるようなところヘサラリーマンがその地主から高い値段で土地を買ったということにすぎない。そのような税制を緩和しても、効果はあいまいですが、出てきた結果というのは恐らくいま言ったような非常に遠いところの地主が土地を売って少々もうける、税金上もちょっともうける、しかし、そこを買った人たちはその後通勤難に苦しむということにすぎない。そういうような小手先の政策をずっとわれわれ続けていって一体いいのかという段階に住宅問題、土地問題が来ているというふうに私は考えます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 時間が限られておりますので、あと三つばかりでありますが、全体的に言って、お答えいただきたいと思います。  一つは、いま妻の相続の問題が法務委員会の方でというか、政府の方でも妻の二分の一の相続ということで改正が進められているようであります。これに対応して税制の方においても当然考慮していかなければならないものがあるだろうと思います。その点について、時間の関係がありますから簡単にひとつお答えをいただきたい。これは税調の会長にお願いします。  それから、資産の再評価問題が、常に、今日まで再三言われてきているわけであります。いままでにも戦後二十六年なり何かにはやってきたこともあるわけですが、昭和三十年を標準として一〇〇として、三〇〇〇という指数が出ておりますね。ですから、これを三年なり四カ年計画ぐらいで、最小限度の妥協としても少なくとも資産の再評価をしていくということが必要な段階に来ておるのではないか、こういうふうに思います。  この点も、大蔵省から出ている数字で見てまいりますと、簡単ですから申し上げてみますと、土地の保有は全産業全体で二十四兆四千四百二十二億であります。営業外収益、これは簡単でありますから言っておくのですが、十兆円あります。営業純益は五兆一千六百四十七億であります。これも関係するから言っておくのでありますが、これに関係する従業員は二千七百十六万人。それで、払われた給与というものは大体五十八兆円であります。平均しますと、一人当たり大体二百万円であります。ところが役員は実質三十四万人おりまして、これに大体十兆円支払われております。資産に対する税と同じに法人に対する課税というものはまだまだ可能である、こういうことを示していることもありますし、一般管理費も大体八十七兆円で一五%を超えているわけであります。こういうようなものを見ますと、まだその内部に入って、時間の関係がありますから後でまた別の機会に質問いたしますが、従業員と役員の給与の平均を比べると、一方は三千万に近い、片っ方は二百万ぐらいしかない、この格差についても、今度五%で一千万円を超えてということにしましたけれども、もっと厳しくする必要があるのではないかということが一つ言えます。  それから、学校法人その他の関係で、事業外活動、いわゆる学校法人は課税対象団体でありません。医療法人の場合は別でありますが、学校法人の場合あるいはその他のときには課税対象外であります。その事業外活動については、少なくとも課税対象になるべきではないか、こういうふうにも考えますが、その点の見解。  最後に、申しわけありません、時間が来ましたから。医療の請求の不信感はまだまだ失われず残っております。払拭されておりません。この間も私ちょっと列車に乗りましたら、お隣のところに四人ばかりお医者さんが乗っておりまして、私が国会議員だとは知らなかったようでありますから、いろいろな話を聞きました。どうせやるならぶったくらなくちゃうそだという式のことの話でありまして、領収証よこせなんて言ったら、要らない、金はもらわなくてもいい、サンプラが一カ月に幾回ぐらいあればずいぶんもうかるんだがというようなことと不正請求、こういうようなことが盛んに話として話題に提供されておりました。これは、列車の中で言っていたことは本音だろうと思うのであります。そういうことでありますから、領収証問題、不正請求、それからダミー会社、こういうようなものについて税調でももう少ししっかりした態度で対応していくことが必要なんじゃないか、こういうふうに感じますので、この点は、話の内容は本当なんです、録音まではとってこられませんでしたが、非常におもしろい貴重な意見でしたから、いずれ機会を改めてまた申し述べて御意見を伺わせていただきたいと思います。  では、若干多かったかと思いますけれども、お答えをいただきたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 ずいぶんいろいろとお尋ね、あるいは御意見を賜ったわけでありますが、まず相続税につきましては、民法の改正があります節には同時に相続税についても、現在の妻の三分の一が二分の一になれば二分の一については税を課さないという趣旨で、税制調査会はさような意思を統一して政府に申し上げておる次第でありますので、御了承願いたいと思います。  それから資産再評価税、これはときどき問題になりますけれども、税制調査会ではまだ本格的な討議をいたしておりません。  それから法人税につきましては、これもずっと税制調査会では議論をしておりますし、また先ほどの中期税制の答申では一種のペンディングの問題ということになっております。本年早々法人税のあり方につきましては討議を重ね、できれば年内にひとつ方針を打ち出したい、結論を出したい、かように存じております。  その他、公益法人については、収益事業といいますか、営利事業まがいのことがあっていかがわしいようなことがあることは私どもも承知しておりますけれども、これは逃げ口上ではなくて、税制以前の問題、要するに収益事業というものを公益法人にどの程度認め、それをどう監督するかという公益法人の所管庁における行政の方針があると思います、あるいは制度の問題があるかと思いますが、しかし、収益事業については、税の徴収上、国税庁で近年いろいろ御苦労願っておるように聞いております。  医療の問題最後にお話しになりましたけれども、これは……。

沢田広日本社会党

○沢田委員 以上で、時間ですから終わります。どうもありがとうございました。

増岡博之自由民主党・自由国民会議

○増岡委員長 宮地正介君。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 参考人の皆様方には大変にお忙しい中を当委員会にお越しいただきまして、敬意を表する次第でございます。  初めに、小倉参考人にお伺いをしたいわけでございますが、先ほどお話の中で、特に五十五年度の税制改正については本格的な増税措置は見送った、しかしながら、増税については五十六年度以降の課題としたい、こういうようなお話があったわけでございますが、私は特に、政府税制調査会が五十二年十月のいわゆる中期答申及び昭和五十四年度の税制改正に関する答申で一般消費税の導入を積極的に進言をされてきたわけであります。しかし、御存じのとおり、一般消費税の導入については、昨年の総選挙の結果にも明らかなように、国民はノーという回答をしたわけでございます。税調も、こうした「国民の十分な理解を得るに至っていないと考えられるところから、昭和五十五年度においては、同税によらない財政再建の手だてを講ずることとする。」このように申しておりまして、一般消費税の五十五年度の導入を断念したわけでありますが、この点について若干お伺いをしたいわけでございます。  まず第一番目に、この税調の答申では一般消費税の導入を昭和五十五年度においては断念した。しかし、先ほどのお話のように、五十六年度以降においては増税ということにおいて一つの大きな課題である、こう述べられました。この国会においての政府の、五十六年度以降の一般消費税の問題については、まだ含みのある発言が総理初めといたしまして出ているわけでございます。税調会長としては、五十六年度以降この問題についてはどういうふうに見解を持っているのか、伺っておきたいと思います

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 一般消費税につきましては、お尋ねの中にございましたように、五十五年度ではそれによらないで別なやり方でもって税制のやり方を考える。まず支出の削減、そしてやむを得ざる最小限度の増税ということで対処をしようじゃないか。五十六年度以降については五十五年度のようなことではなかなか対処をしにくい、一般的な増税があるいは必要であろう、その際は従来の検討の経緯なりあるいはいろいろの御意見のあるところを参酌して今後検討してまいりたい、こういう考え方であります。  したがいまして、別に一般消費税を取るとか取らぬとかいうことは五十六年以降は申しておりません。また、その後あの答申を出して以来、先ほどの相続税の改正を主とすることを議題としました税調が一回ありましただけで、再来年度ですか、五十六年度以降の税制のあり方についてはまだ検討いたしておりませんので、一般消費税についてどう考えるのかということについての税調の感じといいますか、気分というか、あるいは考え方というふうなものはまだ申し上げる段階ではございませんです。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 国民は総選挙で一般消費税導入についてはノーという拒絶の明確な選択をしたわけでございまして、もしも五十六年度以降にこの一般消費税の導入が不可能であるということであれば、当然税調は中期答申の改正作業に踏み込んでいくべきではないか、こういうふうに思うわけでございますが、当初は財政再建の柱にこの一般消費税の導入という問題が含まれていたわけです。これがだめだということであれば、当然中期答申における改正作業、一般消費税を断念した改正作業、こうしたものについても取り組んでいく、こういう用意があるかどうか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 五十六年度の税制改正ということにとどまらないで、五十六年度以降の税制のあり方について政府税調では検討するつもりがあるのかないのか、あるいはせざるを得ないのではないかというお尋ねのようでございました。これはまだしかとそういうことについて政府の方の考え方も聞いておりませんし、また税調の中でもそういうことについて議論はしておりませんが、恐らく一般消費税をどうするということも含めまして、少し長期的な財政再建の道を頭に置きながら、税制のあり方もどうするかというようなことを検討しなくちゃならぬのじゃなかろうか、これは私の個人的観察といいますか、そういう感じがいたします。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 それでは、来年度以降のいわゆる大型増税の地ならしとして特に法人税の問題について税調内に専門小委員会を設けた、こういう話があるわけですね。これはいまの一般消費税にかわる新しい何らかの大型増税の地ならしとしてこのような委員会設置が行われた、こう理解してよろしいのですか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 一般消費税のかわりに法人税ということを頭に置いてそういう特別の小委員会を置いたということではございません。法人税の問題については先ほどもお尋ねがございましたけれども、その増税ということの可能性、あるいは増税ということによって日本の経済に与える影響、あるいは法人税の仕組みにつきましては、いろいろ複雑過ぎてなかなかわかりにくい点があるということもありますので、ひとつ法人税の基礎的なところから掘り下げて早目に検討しておこうということでございまして、これが一般消費税にかわり得るものであるということを前提にした小委員会ではございません。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 今回の五十五年度の税制改正の中で、いわゆる退職給与引当金の改正が行われました。これが法人税率に換算をしますと、あたかも大企業においては一・一%から一・五%の法人税の引き上げに相当する、こうした何か論議のすりかえ的な話が聞こえてくるわけです。当然退職給与引当金の洗い直し、見直しというのは、これは租税特別措置法の改正の中の当然やるべき一つの筋のものであって、そうした法人税の税率の引き上げとの絡み合いの中から論議していくということは、またそうしたことが言われることは、大変筋違いではないか、こう私は思うわけでございますが、今回の五十五年度の税制改正の中で、退職給与引当金と法人税率の引き上げ問題というものの相関関係が論議されたのですか。この辺の経過について御説明いただきたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 法人税と退職給与引当金との関係のお尋ねでございますが、これは別にそう絡めて税制調査会で審議したわけではありません。それぞれ審議を続けてきました。特に今度の場合は、退職給与引当金につきましては、これは特別措置ではございませんが、従来いわゆる企業優遇の税制の一つであるという御批判もあったところでございます。しかし、これは従来企業の経理の準則の方から来ている措置でありまして、税制上特別にそういう措置を講じたのではないということであって、それを是正するという考え方はとらなかったわけでありますが、実際の退職の実態と退職給与の積立金が創設されたときの実態等と比べますというと、ここで積み立てのための引当金について今度改正しようとしているように是正した方がよくはないか、それが結果的にと申しますか、同時に法人の税率については加重されるということになる次第でありまして、それがあるから法人税の税率アップはやめたのだとか、やめるという直接的な関係でもって処理したというわけではございません。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 その関係はない、こう理解してよろしいですか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 関係はないというふうにお考えいただいてよろしいと思います。  と申しますものは、法人税の基本税率をどうするかということは、なお今後検討を重ねるということであります。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 五十六年度以降については、法人税と真っ向から、真正面から積極的に取り組んでいく、こういうことでこうした専門委員会もできたのである、こう理解したいと思うわけでございます。  そこで、先ほど来から物価調整減税についてもお話が出ていたわけでございますが、これについては財政再建という厳しい折から、五十五年度については考えを持たなかった、こういうお話があったわけでございますが、御存じのように、この五十五年度の予算の中には大変な公共料金の値上げというものが含まれておりまして、五十五年度の消費者物価の見通し六・四も恐らく危ぶまれるのではないか。大変に厳しい状況下にあるわけでございまして、そういう中で私はもちろん所得税の減税というものが現在の厳しい財政再建の中からなかなか財源が捻出できない、そうした状況は十分に理解できます。しかしながら、何らかの形で、こうした国民生活に物価高あるいは家計に大きな圧迫になっている状況下の中、比較的弱い立場といいますか、厳しい生活環境に置かれている方々についての何らかのそうした所得税上の減税措置というものを考えるべきではないか、こういう気持ちを持っているわけでございます。  そういう中で、たとえば一つの問題といたしまして、御存じのように、いま電気料金、ガス料金の値上げ問題が通産省で査定中でございます。昨日、中間報告が出されたようでありますが、大変な大幅の値上げの中間報告であります。そういう中で、一つは今回の社公民三党と政府との予算修正の中でも大きな問題となりまして、そうした電気料金の引き上げの中で何とか国民生活に圧迫にならない形のものの一つとして、その救済策といいますか、そういう面の税的な面として、一つは電気料金、この電気料金にまつわる電気税、これについては現在市町村税としての電気税が現行二千四百円までは免税となっております。これをできるだけ四千円に免税点を引き上げる、こういうところまで合意ができておりまして、約百五十億円という予算の修正の額も検討が合意されたわけであります。現在どの程度でこの電気料金の上げ幅が圧縮されるか、国民の監視の中でありますが、こうした問題についても積極的に税調として五十五年度税制改正の中で論議をされたのか。こうした問題についてはどういうように検討されたのか。また、今回のこうした合意については、税調会長としてはどういう見解を持っておるのか、伺っておきたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 電気税のことでありますが、お話のように電気の料金が大幅に上がるということで、これについてどうするかという問題が緊急の問題としてあるわけであります。従来の経緯はあるいは御承知かと思いますが、電気税については基本的に二通りの意見がありまして、これはむしろ撤廃すべきじゃないかという意見もありますし、しかし、他方、市町村から言いますと、的確ないい財源であるからこれはそのまま維持していきたい、こういうのもありまして、なかなか両方の意見を統一することはむずかしいというのがこれまでの状況でありますが、今回の電気料金の値上げによって受ける影響についてできるだけ税制面でも緩和したいという趣旨は、いまの国会での御意見もありますし、あるいは税調の中でもそういう意見がありまして、免税点の引き上げについて税調でも論議がある。ただ、その引き上げが決まったときでないとなかなか処理しにくいというのが自治省の立場でもありますので、そういったいろいろの意見を踏まえて、電気料金の決定のときに免税点の引き上げ方について善処を願うということで自治省の方にお願いをしてございます。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 前向きに当然取り組んでいただきたい、こう思うわけでございます。  さらに電源開発促進税、今回千キロワット時当たり百八十五円から三百円と大幅に引き上げることになっている。本来、石油の代替エネルギーの開発、こうした重要性についてはわれわれも十分理解できるわけでございますが、これは即消費者の値上がりにもつながっていくわけでございます。今回こうした多くの公共料金の値上げが五十五年度予算の中に含まれている、そうした状況下においてこの大幅な値上がり、これは税調としてどういうような論議の中でこれだけのものが引き上げられるようになってきたのか、その経過を少し御説明いただきたいと思うのです。特に電源開発促進税というのは、四十九年度に創設をされたわけでございますが、この創設当初は税調に諮らなかったのですね。そして政府の方からいきなりこう出された。今回大幅に引き上げられる。税調のその辺の、創設当初からの政府に対する違和感が当然あっていいと思うのですけれども、いきなり今回こんな大幅になっても、どうも答申の中で認めておる。この辺の国民生活への配慮、この点についてはどういうように検討されたのか、御説明をいただきたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 電源開発促進税の大幅引き上げにつきましては、願わくは一般財政で代替エネルギーの開発をするということが望ましいということは、私どももそう考えておるわけでありますが、何しろこういうふうな財政事情でございますので、一般財源からそれを賄うということはなかなか困難である。そこで、電源開発の関係の税ということであれば、代替エネルギーの開発に電源も関係するわけでありますので、石油税なり電源開発促進税なりを引き上げを願ってそれによって処置するということはやむを得ないのじゃないか、このようなのが討議の中からおのずから合意が得られたところかと思います。これによって無論需要家一般への若干の御迷惑をおかけするわけですが、こういう次第でありますので、ひとつ御了承を願いたい、こういうわけでありました。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 もっと国民生活への影響を考えて圧縮をして、代替エネルギーの予算については別途一般会計などから検討するとか、そういう措置がとられてもよかったのではないか。いきなりストレートに消費者にぶつけるというのはどうも合点がいかない感じがするわけでありますが、良識の府と言われる税調会長、この辺についてもうちょっと圧縮すべき意見があったのではないかと思うのですが、もう少しその点について伺いたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 電気税については絶えずそういう御議論があるわけですけれども、電源開発の税金につきましては、お話のように、あの創設のときに税調にお諮りがなかったというような経緯があっての上で今回も別段そこについては余り討議しなかったというわけでは毛頭ございません。一般の家計に及ぼす影響というようなことも考慮をすべきでありますし、その点については、これは数字の評価ですから御意見もいろいろあるかと思いますけれども、税率の倍率からいくと相当大幅ですが、家計に及ぼす影響は非常にわずかであるということでありますので、特に税調の中では異論はございませんでした。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 さらに実質的な所得減税の問題として、現在お年寄りの皆さんが、老年者の年金、この特別控除の対象年齢が現行六十五歳になっているわけですね。これはやはり六十歳くらいに引き下げるべきだと思うのですが、この点についての検討はどうされたのでしょうか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 税調としては、私の記憶では特に検討されたということを承知しておりません。当初六十五歳にするときにはいろいろ検討されたのは無論でございます。その際、年金制度であるとかその他いろいろの関係を考慮してさような現行の制度になっておるわけでありまして、したがって税金の関係だけが切り離されて特別の措置を講ずるということはいまのところはちょっとむずかしいのじゃないかという気はいたしておりますが、この点、税調として特に検討した結果今日でもそれでいいんだという結論を得ているわけではありません。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 時間がありませんから、私の方から少し御説明しておきますが、年金受給者に対する課税は、現在、年齢が六十五歳以上の場合は老年者年金特別控除として七十八万円までが適用されているわけです。これで計算しますと、たとえば六十五歳以上の方が、単身の場合、特別控除七十八万円、給与所得控除五十万円、基礎控除二十九万円で百五十七万円、夫婦の場合はさらに配偶者控除の二十九万円が加わりますから百八十六万円、そうした方々が、今度は六十五歳未満の方になりますと、この特別控除がなくなるわけですから、単身では給与所得控除の五十万と基礎控除の二十九万で七十九万円、夫婦の場合には配偶者控除の二十九万が入りますから百八万円、大変な開きがあるわけです。ましてやいま経済のインフレ、物価高、こういう中でこういうお年寄りの皆さん、年金受給者にとってはこれは大変な実質的な所得の目減りにもなっておるわけです。そういう面でこの六十歳に引き下げる問題についても今後目を落とさないで積極的に論議をしていただいて、これからわが国も老人人口がふえるわけでございますから、その点の配慮も私は強く要求をしておきたいと思いますので、後ほど答弁のときで結構ですから、その辺の御決意などをちょっとお伺いしておきたいと思います。  また、再三この問題についても言われておりますが、最近御婦人のパートタイムの労働者が非常にふえておるわけです。これは御存じのように、たとえば総理府の統計局の資料に基づきましても週に一時間から三時間。そうした女子労働者を調べてみますと、五十年は五百十六万人、五十一年五百八万人、五十二年五百二十三万人、五十三年五百四十五万人、五十四年五百七十九万人と、特にこの五十三、五十四と三十四万人の増です。  また労働白書五十三年度を見ましても、そうした女子労働者の中で、特に一般労働者の場合には約三十四万四千人減少している、ところが、パートタイムの女子労働者の場合は四十一万七千人が増加して、プラス・マイナス七万三千人の女子労働者がふえている、こうした状況なんですね。そういう中で、特に奥様の収入面を見ましても、妻の収入というのが昭和四十五年当時は一カ月平均約五千四十九円だった。ところが、五十三年になりますと、二万一千四百四十三円と約四・二倍にふえてきているわけです。これはやはり家計が苦しくなってくるために、御主人の所得が実質的にだんだん物価高などによって目減りしてくる、家計を守るために、みずからの生活防衛のために奥様が働きに出る、こういった状況が年々いま非常にふえているわけです。そういう点で、特に今回の社公民三党の五十五年度の予算の修正問題のときにもこの問題は大きく論議されたわけですが、やはりこの所得税の給与所得控除の最低保障額を現行の五十万から少なくとも二十万くらい、七十万くらいにアップする、やはりこうした配慮を税調としても当然前向きに検討してしかるべきだ、こう私は思うわけでございますが、この点についてはどういうように検討されたのか、また、今後どう積極的に検討されようとするか、御決意を伺っておきたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 パートタイマーの収入についての税制上の措置につきましては、御意見のほどわからないこともありませんけれども、全体のバランスといいますか、共かせぎの場合とか、あるいはかせぎがない場合と比較して考慮しなければなりませんけれども、いずれにしましても、私のいま聞くところによりますと、すでに国会で御討議になって、大蔵大臣ですかもお答えになっておるというようなことでもありますし、例年国会での討議については、重要事項といいますか、特に制度の改正面にわたることにつきましては税制調査会に逐一御報告になって、それを審議の重要な参考にするということになっておりますので、そういうことでひとつ御了承を願いたい、こういうように思います。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 最後に岩田参考人に一問だけ伺っておきたいと思います。  先ほどから論議を呼んでおりましたが、土地問題、特に土地供給の促進については、先生もおっしゃっておりましたが、税制改正が一つの有効な手段であることは私たちも十分に認めるものでございますが、何分にも先ほどから先生のおっしゃるとおり、農業あるいは公共事業あるいは社会的公正の確保、こうした複合的な要素が十分やはりこれは含まれてくると思います。したがって、われわれもこうした大蔵委員会に籍を置いて、税制問題というものと土地問題、宅地供給、こうした問題についていろいろと考えているわけでございますが、特にこの土地問題と税制との有効性の問題といいますか、あるいは税制を含んだ土地総合政策、こういうものがどのような形で検討されていったらよいのか、大変にむずかしい問題でございますが、先生の所見をお伺いして終わりにしたいと思います。

岩田規久男上智大学経済学部助教授

○岩田参考人 土地問題に関して税制がどういうふうに有効であるかということでありますが、先ほどから私申し上げていますように、税制というものをうまく活用するというのは土地問題を解決するための必要条件であると思います。しかし、必要条件であるけれども、それは決して十分条件ではないから、必要条件だけが、税制としてそれだけが先走ると、むしろかえって土地の利用に関して、あるいは公正の問題に関して混乱を招くであろうというのが私の考えであります。したがって、現在税制だけが、私の考えではそれが非常に小手先な感じで若干税をまけてやるとか、そういうようなことでそれだけがひとり歩きしているということに大変懸念を持っておりますので、土地をどういうように利用していくかということと、それに伴って、それを資金調達するのに税制をどう活用するか、あるいは公共部門等が土地を取得していく上でも税制をどう活用していくかといったことを同時に考えていく、そういう政策をぜひ皆さんにも同時に考えていただきたいというのが私の考えであります。

宮地正介公明党・国民会議

○宮地委員 終わります。どうもありがとうございました。

増岡博之自由民主党・自由国民会議

○増岡委員長 正森成二君。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 小倉参考人にまず伺いたいと思います。  今度の税調の答申では、一般消費税を実施すべきである旨の提言を五十四年度の税制改正に関する答申で行ったが、「国民の十分な理解を得るに至っていないと考えられるところから、昭和五十五年度においては、同税によらない財政再建の手だてを講ずることとする。」こうなっております。どの点が国民の理解を得るに至らなかったというように現在では認識しておられますか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 その点は、国民一般の理解を得られなかったという一般の表現をしておりますので、恐らく——恐らくというよりは事実ですね、国民各層によって非常に難点とするところ、あるいは困るといいますか、反対であるという理由とするところは違うんだろうと思います。しかし、最も共通項をとりますと、従前の言葉で言えば、大衆課税である、あるいは貧乏人にも金持ちにも一様にかかってくる税金というのは税金として好ましくない、こういうのが恐らく共通かと思いますが、そのほか、これはいろいろ職業あるいは階層その他によって違ってくるだろうと思います。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 そこで、去年の税調の答申を読ましていただきますと、こういうぐあいに書いてあるのです。「中期答申に示されているとおり、現在の財政収支の不均衡の規模からみて、税負担の公平確保や歳出の節減合理化への努力のみによって問題の解決を期待することができないことは明らかである。したがって、一方でこのような努力を重ねることを前提として一般消費税を導入せざるを得ない。」そのすぐ後に「財政収支の不均衡の是正を図るために必要とされる増収額からみて、結局のところ、所得税及び個人住民税について一般的な負担の引上げを求めるか、あるいは、一般消費税を導入するかの選択の問題となると考えられるが」云々、こう書いてあるわけです。そうしますと、前年度税調では、一般消費税かそれとも所得税もしくは個人住民税についての一般的な引き上げかというエントベーダーオーダーしか考えられなかったということになるわけで、多くの国民が不公平税制の是正ということで、企業について不公平な税制をもっと改めるべきであると言っておりましたのに、それについては全く触れておられないということになっておるわけですが、こういう考え方はいまでも維持されておるわけですか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 最後のところでお話しになりました一般消費税か所得税かという点でありますが、大幅な増税ということであればそういうことであろうということなんですけれども、これは税調の認識でありまして、税調の中でも——中では余りなかったと思いますけれども、そういうことのほかに、不公平税制といいますか、そういったものを大幅に整理すれば何とかやれるじゃないかとか、あるいは企業課税でいけそうじゃないかとか、こういう意見があることは、お話しのとおりというよりは、あるいはこれからお話しになるか知りませんが、確かに一般消費税か所得税かという、そういうエントベーダーオーダーではないという意見があるわけです。しかし、税調としましては、むろん企業課税についての適正化を図っていく、また不公平税制あるいは租税特別措置はできるだけ合理化していく、こういうことは捨てたんじゃなくて、それは考える、しかし、なおかつ一般消費税か所得税ということになるのではなかろうかということであります。  しかし、もうすでにその点については税調としては結論を出しておりまして、所得税というのはやはり無理じゃないか、所得税の重税、要するに所得税を大きく変えまして、そういうことはいまの累進構造をそう大きくいじるわけにはまいらない。そうすればおしなべて所得者から大なり小なり税金をプラスしてお願いしなければならぬということになりまして、これはなかなか容易ではないということで、どちらかといいますと、一般消費税という結論であったのがいまで言えば一昨年の答申の結論であります。しかし、その後様子が変わりまして、あのころ言われた一般消費税というものは来年度は見送られたということでありますので、それを受けて今後どうするかというのがこれからの問題、こういうふうに理解しております。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 いまのお話でお考えのほどは大体わかったのですが、今年度として出された税調の答申、去年の十二月にお出しになったものを見てみますと、こう書いてあるのです。「これまで、財政再建の緊急性については、おおむね各方面の理解を得たところであると認められるが、今後、当調査会としては、従来の検討の方向及びその後の経緯を踏まえつつ、財政再建の進め方及びその中における税制のあり方についてさらに検討を続けることとする。」こうなっております。そうしますと、日本語の解釈としては「その後の経緯を踏まえつつ」という言葉が入っておりますが、基本は「従来の検討の方向」、こうなっております。「従来の検討の方向」ということになれば、いまの参考人のお話によりますと、所得税か一般消費税か、そして所得税は大体もうむずかしいということになれば、従来の方向と言えばあと残るところは一般消費税だ、だから、従来の一般消費税の方向を考えながらこれまでの経緯にかんがみて若干の変化をつけよう、これが現在でも税調の考え方であるというように読み取れる内容になっているのです。そういうおつもりで税調会長としては答申をおつくりになったわけですか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 ちょっと失礼でございますが、文章の解釈になりますと、人によって違うということになるのはやむを得ないのですが、税調で最後にそういう文章で大方意見が何かまとまりました節にも、人によりましては、なお一般消費税という考え方は生きているのだ、あるいは、いやもう死んだのだといろいろ解釈がございまして、私の立場としては、どちらだということをはっきり申し上げにくいわけです。ただ、今後の検討の視野の中には、固有名詞としての一般消費税はあるいはないだろうと思いますけれども、普通名詞としての消費税というのはやはり検討の視野の中に入ってくるというように個人としては理解しております。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 一応そういうことですからそう承っておきますが、先ほど小倉参考人のお説によりますと、大山参考人から御発言のあったことに関連いたしまして、所得税減税といいますか、あるいは生活費を考慮するといいますか、そういう問題については、財政再建をどうするかということで非常に厳しい状況で税源が焦眉の急だったので、考えなかった、また、諸外国と比べても税負担が軽いということで減税しかねるという御答弁だったように思います。  諸外国と比べて所得税の税負担が軽い、特に低所得者についてですが、それはどういう比較に基づいておっしゃっておられるのでしょうか。概略でよろしいから、お答え願いたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 これは主税局から税制調査会に提示された資料にも載っておりまして、非常にまた御批判があるかと思いますけれども、マクロ的に国民所得の中で税負担がどうなっているか、また就業人口の中で税負担をする人の割合がどういうふうになっているか、あるいは課税最低限が所得によってどういう違いになっておるかといったことを頭に置いて申し上げたわけであります。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 課税最低限というのが非常に国際比較で大きなウエートを占めるわけですが、比較する場合に、ある国の課税最低限と日本の課税最低限をとりまして、それをそのときどきの為替レートで比較するという方法を大蔵省などはとっておったことがあるのです。そうしますと、御承知のように、為替レートは、現在は二百四十七円とか八円を割るかどうかというふうにいわれておりますが、かつては百七十円台までいったときもございますし、非常に変動しやすいわけです。ですから、これで比べたのでは課税最低限の正しい比較にならないわけであります。  そこで、もう一つの考え方としては、生計費指数を使って、これで課税最低限を見ていく方法をとるべきだという学者もございます。たとえば、財界の団体である日経連でも数字を出しているわけですが、その日経連の労働経済特別委員会が五十三年十二月に出しました賃金労働時間の国際比較の中で、主要国の生計費指数を推計しているわけです。これで各国の課税最低限というのを見てみますと、わが国の場合、給与所得は御承知のように二百一万五千円であります。アメリカはどうかというと、この生計費指数でいきますと、三百五十四万一千円になります。西ドイツは二百二十二万四千円になります。イギリスは二百五万九千円、フランスは三百万九千円になります。逆に日本の方が、ある意味では低所得者に対して課税が厳しいということも場合によっては言えるのです。ですから、こういう問題についても税調は、何も私はこの計算だけが正しいと言うているのではございませんけれども、御考慮をされて、所得税の軽減といいますか、適当な負担割合というものをお考えいただくことも必要じゃないか、こう思うのですが、いかがですか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 方々から有力な資料の提供がございますれば、それをいただきまして税調の場で検討することはやぶさかでございません。生計費指数については詳しくは存じませんが、国と国との間の生計費を比較するということは、課税最低限の比較も結局同じことでありますが、国によっては内容が非常に違う、また物価の関係が物によってある国は高い、ある国は安いということもありまして、その消費量が違うということもありまして、正確にといいますか、ある程度概念をこういうように比較するということは非常にむずかしいように聞いております。さらにその上に先ほどお話しの為替相場の変動ということがあります。そういうことを十分考慮して生計費指数の国際的な比較というのがございますれば、そういうものも当然参考になるものだと思います。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 大山参考人に伺いたいと思います。  先ほど参考人の仰せになったところは、言ってみましたら、所得税の中で給与所得控除と生活費控除というものを大まかにいえばお分けになって、その中で最近では四十八年に比べて給与所得控除の侵食ともいうべきような状況が起こって、生活費控除の割合が非常に下げられている、言ってみればこういう御主張であったと思います。そこで時間が余りございませんが、時間の許す限りで、給与所得控除の矛盾ともいうべきものの幾つかを、指標を挙げて説明していただければありがたいと思います。

大山明雄谷山税制研究所主任研究員

○大山参考人 給与所得控除の性格についてはいろいろ税調でも議論があったわけでございます。まず、端的に申し上げましてこういうことだと思います。先ほども論議になりましたが、生活費が基礎控除が二十九万円でございます。ところが、職業経費の概算控除とかいろいろ問題が言われている給与所得控除が最低で五十万円でございます。これは一体どういうふうに考えたらいいのか。給与所得控除はいろいろな問題がございますが、職業経費が五十万で最低生活費が二十五万、これはどうしても私は理解できないわけでございます。ですから、全く職業経費をゼロということではもちろんないわけでございますが、やはりそういうことをはっきり認識しておかなければならないということが第一点でございます。  それから第二点は、こういう議論がなお活発になってきているわけですね。給与所得控除そのものを私は全面的に否定はいたしませんが、昭和二十八年まで日本の税法にございました勤労所得控除という名称に変えて、給与所得だけでなくて事業所得者すべてを含めたいわゆる勤労所得に拡大すべきであるという考え方を私は持っておるわけです。つまり、事業所得者の必要経費は青天井だ、無限である、まさにそのとおりでございます。場合によってはそれは赤字ということもあり得るわけです。ところが、それと給与所得控除を同じ次元で議論することは全く理論的におかしいことでございまして、やはりこれは区分して考えなければならないと思うわけでございます。そういうことからいきますと、二十九万円という基礎控除を、金額は別といたしまして、もっと大幅に引き上げて、そういたしまして給与所得控除を勤労所得控除と名を変えて事業所得者全員に、事業所得者まで全部拡大いたしまして全体的なバランスを考えて再構築すべきである、私はそういう考え方を持っておるわけでございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 時間がございませんので、小倉参考人にもう一つ伺いたいと思います。  手元に毎日新聞の十月五日付がございますが、この一面に「ひと」ということで小倉参考人の談話が載っているわけです。これはちょうど中間税制答申をなさった翌日ですが、一般消費税を導入しなければならぬというのが出た後の談話として、こう言っておられるのですね。「直接税に依存していると、所得の低い人は税金を払わなくてすむことになる。しかし、税金はすべての人が負担すべきだと思う。税金を払いたくない人は、福祉水準をより高くという要求を引っ込めてもらいたい」。新聞に出ていることですからどうかわかりませんが、こう書いてあるわけです。これは善意に解釈すれば、直接税だけでは所得の低い人は税負担しなくなるから、間接税あるいは一般消費税というものを入れればこれは万人が払うものになるから、税金はやはり払うことになるのだ、国に物を言うときには税金を払ってから物を言うということが責任を感じることになるのではないかという御発想ではなかろうかと解釈するのですが、しかし、これはとりようによっては税を払わざる者国政について発言権なしと言わんばかりの思想で、たとえば身体障害者などで、収入を得たくても十分な収入が得られないとか、あるいは若いころには精出して働いて一生懸命税金を納め、ある場合には兵役に服して血税と言ったら悪いですけれども、みずからの血をもって国のために尽くした、そういう人が年をとって収入がなくなった場合に、それに対して福祉を考えるというのは国の責務なのですね。そういう人に対して税金を納めないなら福祉を言う資格がないというような考えは、もっと突っ込めば税金を払わない者は有権者として投票権がないという考えにつながっていくのですね。そういうようにもとられかねない。ですから、この発言の真意について、現在でもそう思っておられるのかどうか、伺いたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 大分前のことでありますが、そういうようなことを読んでいただきますと若干思い出したわけでございます。  お話しのように、一般消費税のことが頭の中にあった上での話だということと、もう一つは、そのことはちょっと誤解を受けるから、国会の答弁じゃないから取り消すということも別に必要はないかとも思いますけれども、個別の問題として論じておるというふうに理解されると、これは非常に困るわけです。お話しのように、身体障害者でもって税金を納めたいけれども納められぬという人があって、その人がより高い福祉水準を求めるということは当然であり、国政に参加することも当然であるということで、一般論としまして、地方税に限らず国税もできるだけたくさんの方が納税していただく、そうしてまた、国政にも積極的に参加していただくということが望ましいということでありまして、今日の状況、先生方の方がお詳しいですけれども、税金をある程度納めている人も国政については選挙権は行使されるのでしょうけれども、国政のあり方についての監視をするというか、そういう機能がどうも薄いというような気もいたしておりまして、何といいますか、別に外国語を使う必要はありませんけれども、タックスペイヤーの意識というものを日本でももう少し強めていただくということが、やはり納税意識にも通ずるのではないかというような考え方もありまして、ああいう発言になったかと思います。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 終わります。

増岡博之自由民主党・自由国民会議

○増岡委員長 玉置一弥君。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 まず小倉参考人にお聞きをいたしたいと思いますけれども、昨年十二月の税調の答申にございましたように、五十五年度税の負担の公平化を図っていきたいという一項があったわけでございます。現在租税特別措置法という法律の中に八十二項目にわたるいろいろな保護がなされておりまして、今回それを十項目ばかり減らしていく、それと五十数件については手直しを行うということで今回なされたわけでございます。本来、本当の公平化というものは、租税特別措置法というもの自体がない、それが本当に一番機会均等ということに当たりまして、本当の公平化が図られるのではないか、そういうふうに考えるわけでございまして、本来であればこの法律に「当分の間」というふうに明記されておりまして、それに対して長年同じような内容でいままで法案が継続されて採用されている。それと政治の動きそのものが非常に変わってきている。いろいろな要素があるわけでございまして、まず公平さを保つために租税特別措置法そのもの自体を全廃すればどういう影響が出るのかというところからお伺いいたしたいと思うのです。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 私ども——私どもと言うと失礼といいますか、ちょっと困りますが、私、個人的にはどうも租税特別措置を全部丸めて一遍にやめてしまうというようなことを考えたらどうかというふうなことも全く考えなかったわけじゃありませんが、これははなはだ宙に浮いた話となりまして、というのは、相手がある話になるわけであります。相手があるというと語弊がありますが、たとえば大蔵省だけ、主税局だけでどうするというわけにはいかないわけですね。一々各省の同意を求めなければ措置ができない。各省はまたそれぞれの関係の経済界、産業界、その他の団体等の意向を全く無視してどうこうするわけにもいかないということで、一挙に半分にするとか、あるいは全廃するというわけには、これはどうしてもまいりません。そしてまた、中には社会福祉と広い意味の要するに中小企業なり、あるいは農業なり漁業なりとか、あるいは零細貯蓄者とか、そういったようなものの優遇といいますか特別措置も大分踏まえておるわけでございます。  そこで、それらをどうするかということになりますと、これは基本的にやめるということが、あるいは縮減するということすら困難であるという問題もございまして、お話しのように、仮定としての御質問でしょうが、全廃した場合にどう影響するかということは、主税局としてはノーでしょうが、私ども税制調査会としましても実は考えたことがございません。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 一つは、中小企業の保護でありますとか、あるいは現在の農業振興、あるいは現在、先ほども話題になっておりましたように、宅地の供給でありますとか、いろいろな要素があると思うのです。  まず一つ伺いたいのは、やはり政治の背景というものを受けていろいろな措置がとられているというふうに思うのですけれども、実際、現在の政治情勢から見て、現在の内容でほぼ妥当かどうか。いままである程度政治の動きに沿った動きをしてきたか、その辺の御意見としてお伺いしたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 租税特別措置を達観してみますというと、お話しのように、その時代、その時代の要請に即応してまいってきておる。したがいまして、財源にゆとりがあり、あるいは産業政策について個別にこういうふうな点について税制上税を軽減するなり、あるいは免除するなりということが必要であるというような場合には、特別措置がふえる。ところが、ここ数年来のようになかなか財源のゆとりもない、むしろ整理すべきであるというのが世論でもあるというような時代になりますというと、整理がどちらかというと若干しやすくなる。おのずからまた整理の項目なり、あるいは廃止の項目もふえるということで、時代を反映しておるということは確かにあるかと思います。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 岩田参考人に同様の内容でお聞きをしたいと思います。

岩田規久男上智大学経済学部助教授

○岩田参考人 質問の御趣旨が……。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 現在の特別措置法そのものが政治情勢に合ってきているかどうか、要するに、国民の要望とか、そういうものも入れてですね。

岩田規久男上智大学経済学部助教授

○岩田参考人 私は、土地税制だけで一応入っているのですが、もっと一般的にということでしょうか。——私は、税制の一番の原理というのは、やはり公正あるいは分配、それを基本としていかなければならないというふうに考えております。ですから、いろいろな特別措置をする場合にも、それによって長期的には分配の公平が図れるという場合にのみ現在の分配の公平を侵すことが若干許されるかと思うのでございますが、しかし、長期的にやはり税制の命というのは公平にあるというふうに思いますので、それを侵すような特別措置というようなものをどんどん撤廃していく、そして分配の公平を侵さないでも現在の特別措置法であるようなものの多くの中には、その税制から見て全然効果が実はない、ただ、分配の公平を侵すのみのものはずいぶんあろうかと思います。一つは、利子の分離課税であるとか、あるいは株式の譲渡課税は全く非課税になっているといったような問題、それをただ貯蓄を増大するのだという理由でなされているようでありますが、それは実際そういう効果がほとんどなくて、ただ分配上、資産所得者のみ優遇するという結果に終わっている。そうでなくても日本の貯蓄率はすでに十分に高い、そのような特別措置がなくても高いという状況がずっと続いてきたにもかかわらず、分配の公平という税の基本理念といいますか、基本をずいぶん侵してきたというふうに私は考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 きのうの新聞ですか、法人税について税調会長としての談話が載っていたのですけれども、法人税のアップについて小委員会をつくって検討していきたいというお話がございました。現在、先ほどの公平さという面から見まして、引当金あるいは準備金等いろいろな措置があるわけでございますけれども、そういういままでの実際の運用面からいろいろお話を聞いてみますと、やはり特に専門的な経理屋さんがおられないところ、そういう事業所につきましてはまだまだわかってないから、要するにそういう恩恵を受けられない、そういうのもありまして、そして昔からやっていて実績がないために計上できない、そういう面もあるわけでございます。だから、税率アップという話がありまして、われわれ野党としても要求していたこともあるのでございますけれども、それよりもまず、やはり準備金、引当金という内容についての見直し、そういうものが先行して行われるべきではないかと思うのでございます。その辺について御意見をお伺いしたいと思います。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 検討の段取り、順序と申しますか、あるいはさらには改正の順序にもなるかと思いますが、そこの点はどういうふうになりますか、私どもとしては、今回は、法人税につきましては法人税の仕組みそのものから基本税率にまで、あるいは二重課税についての排除についての必要性なりその程度なりということまでいろいろ検討してまいりたいと思います。その上で、もし段取りが何から先にすることがよろしいということであれば、あるいは段取りをつけてやるということになるでしょうし、あるいは全部一挙に措置するということの方が法人税のあり方としてよりすっきりするということであれば、そういうことにもなるかと思いますので、いまどういうふうな実施の段取りをするかということは、まだやれる段階には至っておりません。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 すべて財政難というところからいろいろな問題が出てきていると思いますけれども、われわれの試算によりますと、欧米の法人税に比べて大体二%から三%日本の方が低いという試算も得ているのですけれども、日経連の資料によりますと、実質的にはほぼ同等であるというふうなデータを出していただいているのですが、その辺についてのお考えはいかがでしょうか。

小倉武一税制調査会会長

○小倉参考人 お話しの民間団体から出ておる法人税に関する資料は経団連かと思いますが、これは間違っているというふうには申されませんけれども、要するに、基本税率の問題というよりは特別措置的な問題、あるいは地方税の取り扱い方とかといったものがどうも絡んでいるようでありまして、特別の制限税率を突破した超過した税率でもって措置するというようなことは、地方税についてはあり得ることで、どうもアメリカについてもそういうことがあり得る。そこで高くなっているところをアメリカでとり、日本ではもっとさらに高くなっているところをとるというような、とり方によってどちらが高い、どちらが安いということが論じられるぐらいに接近しているわけですね。二、三%という話がありましたが、果たして二、三%かどうかはここで申し上げられませんけれども、その程度でありますから、例外的な措置がどうそこに積み増されるか、あるいは日本のような特別措置が外国では一体どうなっているかということを加味すると、はなはだ国際比較がむずかしい。そこで、むしろもとへ返って基本税率で法人税と事業税を足したもので比較するということが簡明直截で、その方がどうもいいのではないかという私個人としての感触は得ております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 岩田参考人にお聞きをしたいと思うのです。  土地が投機に使われて金もうけの手段になるということが私としても非常に憤慨なんですけれども、いろいろな条件を見てみますと、長期譲渡所得という分け方で時期を固定されているという問題がいまあると思うのです。それと、どうしても資金的に銀行融資を活用する、これは個人の住宅ローンでも同じなんですけれども、そういう意味では、仕事の性質上転勤がある、そして数年後には売らなければいけない、そういう条件をいろいろ考えていきますと、ごく資金的な面からの値上がりというのもあるわけでございまして、その間に今度逆に付加価値といいますか、その土地自体に、更地で買ったときには農地からの転用で道路もなかった。そこに道路がついて、あるいは上下水道がついて、あるいは電気が通って、そういう条件が重なってきますと、非常に付加価値として評価が上がる、そういう内容もあるわけでございます。  ひとつここでお聞きしたいのは、現在の土地税制、評価ということで、どういう条件にしろ一本で評価をしている。周りに比べてどうだとか、いろんな条件があると思うのですけれども、ところが、本人の意思で上げたくなくても上がっていく場合があるわけですね。たとえば百坪買って、そのうち道路とかそういうところにいろいろ取られた。残りが六十坪だということになれば、当然〇・六で割った数字上がるわけですから、そういう状態を考えますと、いわゆる投機として買った場合に上げた金額と、付加価値として当然有効面積が少なくなった分だけかぶってくる、そういう条件が変わってくると思うのですけれども、現在の土地税制でいきますと、そういう変化、要するに付加価値としてふえた分、逆に土地が狭められた分といいますか、その辺の税制措置というのが考えられていないのですけれども、それについてどういう方法を考えればいいのか。また現在の税制でいいのかどうか、その辺についてお伺いしたいと思います。

岩田規久男上智大学経済学部助教授

○岩田参考人 御質問の趣旨、私十分理解したかどうかちょっとわからないのですけれども、土地の値上がり要素にはいろいろな原因があるわけですが、一番最初おっしゃった居住用としているのを転勤などで売らなければならないというような場合に、たとえば譲渡所得税がごっそりかかったら、後で転勤した先あるいはそういうところで前と同じような生活水準が維持できないんじゃないかというようなこともあろうかと思います。そういう場合に、私、一律に土地譲渡所得を評価すると言っているわけではなくて、いわば買いかえという措置を特別にとりあえずつくって、そして一定の、われわれがこのぐらいの面積については生活水準というものに関して税が侵食しないというようなきめ細かい措置がとられるかと思います。  それから、これは道路などの拡張をお考えでしょうか、都市計画か何かで減歩をするということでしょうか。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 たとえば百坪ありましてね、百坪というのは小さいですけれども、本当は千坪とか、そういうので都市計画で取られますね、その分が全部上乗せされる。あるいは水道がついたり、そういうことなんですけれども。

岩田規久男上智大学経済学部助教授

○岩田参考人 基本的に、私は、自分が努力してない形で付加価値が増大した分に関しては公共に返還するということが必要であろうと思います。ただ、区画整理等でそれが非常に必要であるという場合に、それに地主が応ずるという場合に、それは環境がよくなるということ。それはその地主だけでなくて、環境をよくしたいというのはそのほかの人たちも利益を受けるから、それによってそこがいわば公共の利益と言われますが、そういうことによって地主が協力してくれるわけであります。そのような場合に、上がったものを課税を強化していくという必要は毛頭ないと思います。要するに、どのような土地がそのようにして有効に利用されているということがあれば問題はないわけでありますので、残った土地が上がったからといって課税が強化されるというようなことは必要はなかろうというふうに思っております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 それでは、最後に大山参考人にお伺いいたしたいと思います。  現在、財政難ということで非常に言われておりまして、六十年以降新しい国債の償還というものも始まる。そして、前回の総選挙のときに一般消費税を打ち出した自民党が敗北をした、そういう状態があるわけでございます。しかし、われわれ大蔵委員として国の財政再建というものも図っていかなければならないというのは事実だと思うのです。  まず国民の理解を得られるような方法で財政再建を図るためにはどういうふうにすればいいのか、もし御意見がございましたら参考にお願いしたいと思います。

大山明雄谷山税制研究所主任研究員

○大山参考人 私、一昨年だと記憶しておるのですけれども、そのときも参考人として出席いたしまして、こういう提案を申し上げたのです。  これから財政再建をする場合に、一つの前提としては租税特別措置、いわゆる不公平税制を是正するとよく言われるわけなんですが、不公平税制を是正するといった場合の特別措置とは何かということなんです。やはりはっきり国民的な合意を得なければいけない。たとえば、退職給与引当金は私どもは前から租税特別措置であるというふうに主張してまいったわけですが、今回、会計理論をかりた形で引当金を縮小したわけですが、あれは私は実質的にわれわれの主張を認めたものというふうに理解しているわけですね。そのように、一つ一つのことをはっきりしていかなければいけないということ。特別措置ということを全体的に合意を得るということが一つ。  それから二番目には、やはり原因者負担の原則ということをはっきりさせる。つまり、現在のいわゆる赤字財政になった原因は何なのかということをはっきりさせて、それがはっきりしたらその人たちに負担をしてもらう。その二つが必要じゃないか、そう考えております。

玉置一弥民社党・国民連合

○玉置委員 じゃ終わります。ありがとうございました。

増岡博之自由民主党・自由国民会議

○増岡委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人各位には、御多用中のところ御出席の上、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼申し上げます。  この際、休憩いたします。     午後一時九分休憩      ————◇—————    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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