大蔵委員会 第8号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1980/02/20
会議録
○増岡委員長 これより会議を開きます。 関税定率法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂口力君。
○坂口委員 再度の質問で恐縮でございますが、早目に終わりたいと思います。 昨年末、外為法の改正がされまして、今回またここに関税法改正案が審議をされているわけでございますが、これはまだどうなるかわかりませんけれども、多分間もなく成立するであろうと予想されます。そういたしますと、この外為法、そして関税法等が改正になりまして、日本を取り巻く内外の経済環境というのはかなり変化をするのではないかというふうに思われます。特に貿易におきましては、少なくともそのハードルは低くなるわけでございますから、一面におきまして自由貿易がさらに促進されるという反面、また、ときには、日本にとりましても非常に厳しい状況に置かれるときもあるのではないかと予想をするわけでございます。いいときはいいわけでございますが、しかし、日本の経済も決していいときばかりではないと思いますし、そのことを考えますと、これだけハードルが低くなりますだけに、やはり何らかの安全弁というものは考えておく必要があるのではないだろうか、こういうふうに私思うわけでございます。特に波を受けやすい中小企業、あるいはまた企業の大きい小さいは別にいたしまして、その生産をしております内容や取り扱っております内容、あるいはまた第一次産業等々、その内容によってずいぶんこれは違うと思いますけれども、非常に弱い体質のところの財政基盤の充実ということが非常に重要になろうかと思います。しかし、これも口で言うのは簡単でございますけれども、なかなか一朝一夕に財政基盤の充実ということもむずかしゅうございますし、また自己資本の充実と申しましても、これもまた一朝一夕で成ることではございません。こういった状況下にございますが、そうした安全弁を平素の政策の中に取り入れておくという意味で今後の検討課題も含めてお答えをいただけばいいと思いますが、そうした考え方の中でどのように今後お考えになっていくか、まずお聞きをしたいと思います。
○竹下国務大臣 石油情勢を初めとしまして、国際経済情勢がきわめて不安定かつ流動的であります中で、わが国が世界経済に大きな影響を与える国の一つであるという立場に立って、世界経済の調和ある発展のために積極的に貢献していかなければならないということはおっしゃるまでもないことでございます。 そうした観点から、まず世界貿易の拡大のために、いま御指摘のありましたように、東京ラウンドの交渉、それから外為法の改正でございます。それから経済協力の拡大、こういう三つのことが市場開放を中心とした諸般の対外経済政策を実施してきた柱ではなかったかというふうに思うわけでございます。 御指摘のように、今後とも日本経済の一層の開放体制化に対応しまして、わが国の産業構造も、当然、付加価値を高めながら雇用機会の確保とか、国際分業の進展に役立つものへと転換していかなければならないことは言うまでもないことでございます。したがって、基本的には企業の自主的行動ということを通じて推進されるべきものでございますけれども、政府としても産業構造の高度化を促進するとともに、急激な転換に伴う摩擦でございますとか、特に雇用、中小企業、地域経済への影響、これを減ずるような適切な努力はたゆまなくしていかなければならないことであると思います。わが国経済は、すぐれた対応力と今日までのたゆみない自助努力でそのバイタリティーを内外に示してきたところでございます。政府としては、今後ともわが国民間経済のこうした潜在的活力が十分発揮されるよう、インフレなき安定成長に向かって一層適切な財政金融政策の運営に努力してまいる、こういう基本的スタンスに基づきまして、ただいま御指摘のありましたような中小企業あるいは農林水産業あるいは地域的に集中したもろもろの産業等につきましては、東京ラウンドにおいても十分考慮されておる問題でありますが、さらに国内の産業政策としてこれには対応しつつ、国内に不安なきような形の中で一層国際経済社会に果たす役割りを進めていきたい、このように基本的には考えております。
○坂口委員 いま努力目標なるものをお示しになりましたし、また民間の活力というものを信じるというお話もあったわけでございますが、民間の力を信じることも結構でございますし、また目標を持つことも結構でございますが、しかし、それを信じるだけで果たしていいか。政策としてそうした考え方を導入しておく必要はないか、少なくとも用意をしておく必要はないか、こういうことを思うわけでございますが、事務当局の方から、もしつけ加えることがありましたら、ひとつつけ加えてください。
○松尾説明員 国内産業、とりわけ中小企業についていろいろと問題が生じた場合に、どういう対策を現在考えており、また用意をしておるかという点でございますが、まず中小企業の競争力の強化一般につきましては、従来から近代化施策の一環として政府系の中小企業金融機関の融資でございますとか、あるいは租税特別措置を中心とする税制上の措置でございますとか、また、都道府県を通じる経営に対する指導体制というようなもので対処してきておるわけでございます。 しかし、特にある業種について問題が出てきた場合についての対策といたしましては、昭和三十八年にできました中小企業近代化促進法という法律がございまして、これに基づいて現在でも五十七の業種が政令で指定されておりますが、必要な場合ができますと、政令で追加指定をすることによりましていろんな合理化面の対策を講ずるという用意がございますので、これを活用していくことができると思います。 また、特定の地域について産地をなしている中小企業について問題が出てくる場合を考えますと、この場合には、昨年成立いたしました産地中小企業対策臨時措置法という法律がございますが、これで問題になった産地を指定することによりまして、税制上、金融上、信用補完面などの対策を集中的に講ずるということができますので、これらの措置を機動的に活用することによりまして対処してまいりたいというふうに考えております。
○坂口委員 トータルで見れば、日本は国際経済の中で優位性を保ち続けられるであろうという、そういう安心感というものがお互いにあると思うわけです。また、事実優位性を保っていけるのではないかと私も考える一人でありますが、しかし、それはトータルの話でありまして、部分、部分で見ましたときには、非常に厳しい波も受けざるを得ないときがあるのではないか。そのことを考えますと、昨年の外為法の改正、そして今回の関税法の改正案、この二つが通過しました後と前と、やはりそこに何らかの考えをめぐらしておく必要はないだろうか、こういうことでございまして、以前からいろいろございましょうけれども、新しい時点に立って考えなくてもいいであろうかということを申し上げたわけであります。また、これはここでなかなか詰まらない問題だと思いますので、ひとつ機会があればお聞かせをいただければ結構でございます。 それからもう一つは、物価に対してどうかということがございます。一般的に申しますならば、この関税法の成立によりまして、日本の方も引き下げる、あるいはまた、アメリカやECの方も下げるということになれば、より安いものがより多く入ってくるということは当然考えられるわけでございますけれども、しかし、これもプラスの面だけを考えていていいのであろうか。ときには、その逆の波が来ることはないだろうか。私はそんな心配をする一人でございます。たとえば、繊維なら繊維を例にとりますと、韓国やその他の国々から非常に安い製品が日本の中に入ってくる、そして日本の生産はそれによって大きな影響を受けて、ある一定の期間を通じてではありますけれども、だんだんとその業界は縮小の傾向に向かわざるを得ないというようなことは、間々ありがちなことでございます。そういたしますと、日本のシェアが非常に小さくなっておりますようなときに、初めは安かったのだけれども、しかし、何かの条件で外国から入ってくるものが非常に高くつく。日本の国内で生産をしておればそんなに大きな波は受けなくてもよかったのだけれども、外国にそうしてシェアをとられたがために非常に大きな波を受けるというようなことも、これはあり得る話だと思うわけでございます。そういった面で、今回のこの法改正に絡んで新しい事態を想定をした検討というのはしておく必要はないであろうか、こんな気もするわけでございますが、それに対して経企庁の方、どうですか。
○勝村説明員 お答え申し上げます。 当庁といたしましては、今回の関税率交渉の結果と申しますものは、適正な国際分業のもとで、先生もおっしゃいましたように、国内産業の高度化並びに全般的な物価の安定に寄与するものというふうに考えております。 それから、これは担当省庁の方から御説明がいろいろあったかと思いますけれども、繊維品その他特定の品目につきましては、今回の関税率引き下げの例外品目とされておりますこと、それから引き下げが八年間という比較的長期にわたる緩やかなものであること等から、特定の産業に急激なインパクトが加わるというような事態は恐らく生じないであろうというふうに判断しております。 ただ、先生が御指摘になりましたような、将来物価面で逆の結果が生じるおそれがあるのではないか。これは仮に考えますと、国内の供給が相対的に縮小いたしまして、その品目に対します国際的な供給が何らかの意味で阻害されて価格が上昇する、あるいは何らかの意味の寡占的な価格が押しつけられる、そういう可能性が全くないとは申せませんが、これは個々のそういう事情が可能性としてどれだけありますか、その辺を個別に検討いたしまして、あくまでも国民経済的な見地から、必要ならば関係省庁と協議をいたしまして必要な措置を将来検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
○坂口委員 それじゃひとつ検討をしておいていただきたいと思います。 この後、具体的な問題を一、二お聞きをしたいと思いますが、昨年の十一月末から十二月の初めにかけまして、各党から成りますところの日本リビア友好使節団の一人としましてリビアを訪問させていただきました。リビアとの問題の話をひとつお聞きしたいと思います。 このリビアは、御承知のように人口わずか二百九十七万という国でございますが、面積は日本の五倍を有する、しかもその九割は砂漠であるというような特殊な環境下の国でございますけれども、向こうに参りましていろいろ向こうの話を聞きました中で、日本からリビアに輸出をされておりますものの中で非常に自動車が多いということであります。現在では大体六割が日本車だということでございます。ところが、自動車は非常にたくさん日本から入っているわけでございますが、故障をいたしましてもそれを直す工場が非常に乏しい、あるいはまた、直そうと思いましても部分品がないということで、買うのは買ったのだけれどもというので困っている人たちが非常に多いわけであります。これはリビアに限らず中近東共通の問題であるのかもしれません。地元の人たちは、日本は悪くなればまた新しい車を買わすためにわざと部分品を輸出してこないのではないか、そういう疑惑も実は持っているわけでございます。日本から同じに行きました自動車業界の人たちは、決してそんなことはないと説明をいたしておりましたけれども、少なくとも向こうの人たちはそういう考え方を持っている。事実、悪くなりますと、大体直りますまでに二カ月ぐらいを要するそうでありまして、道路の両側に駐車した車がいっぱいになっている、そういう状況にも遭遇したわけでございます。これから日本が、これはリビアだけに限りませんけれども、多くの国々にそうした輸出をしてまいりますときに、やはりそうしたアフターケアも含めてまいりませんと、経済摩擦というようなものの原因の一つにもなるのではないかというような気がいたしまして、ぜひひとつ日本に帰ったらその辺のところをきちっとしてもらいたいという切なるリビアの国の人たちの言葉もございまして、きょうこの機会に取り上げた次第でございます。現在までどういった指導等がなされているのか、あるいは現在どれだけ輸出等がされているのか、あるいはまたリビアから日本に今度は輸入すべきものとしてどういったものがあるのか、その辺も、もしもわかりましたら、あわせてひとつ御回答をいただきたいと思います。
○横山説明員 お答えいたします。 リビアにつきましては、先生御指摘のとおり、相当多数の日本の自動車が輸出をされておるのでございますが、リビアという国の特殊な経済体制の結果かと存じますが、輸入は国の公団を通じて一手に行われておるのだそうでございます。リビアへ入りましてから以降の部品の供給、それから整備、それも一切その公団が行うという体制になっておるそうでございます。日本の各メーカーはその公団の要求に応じて部品の供給なり修理工、主として指導員だそうでございますが、指導員の派遣を行っておるというのが現状でございまして、現に指導員は主なメーカーそれぞれ二名とか三名を現地に派遣をしておる。さらにまた、その現地の修理工は必要に応じて、これは公団の要請等に応じてということだそうでございますが、日本へ招聘をいたしまして日本で教育をする、こういうことをやっておるようでございます。しかし、いかんせんそういう経済体制でございますので、それ以上越えまして日本のメーカーが直接修理工場を持ちますとか、部品の販売店を持ちますとかいうことができない、あるいは許されていないと言った方がいいのかもしれませんけれども、そういう状況にございますので、日本のメーカーといたしましても、車のアフターサービスは自動車輸出に不可欠のこととは考えておりますけれども、思うようなアフターサービスができないというのが現状だ、かように報告を受けております。
○坂口委員 一面、そういった面があると思いますが、ただ公団の人も非常に部品が少ないと言うわけでございます。日本のメーカーの方は必要な分は送ってあると申しますが、向こうの人たちは必要なほど来てないと申します。その辺がどこで行き違いがあるのかよくわかりません。しかし、少なくとも部品の種類や数が非常に少ないために向こうに迷惑をかけるということがないように、もう一度チェックをしていただきたいと思います。 それから、向こうの人たち、関係大臣等にもお会いをしましたけれども、向こうの大臣等が申しますのは、日本は物は売るけれども、なかなか技術提供といったようなところに対しては手を施してくれにくいということを主張するわけでございます。向こうの言い分が全部が全部そのまま正しいとは私は思いません。しかし、そうしたふうに向こうに映っていることだけは事実でございます。したがいまして、技術の面等におきましても、日本国内での技術者の養成等にも積極的に取り組んでもらいたいと思います。日本の向こうにお見えになります企業の方々にお聞きをいたしますと、これは裏の話でございましょうが、十人送って国内に帰って、その技術を生かして働くのは大体二割だ、中には働かない人もいるし、兵隊にとられていってしまうのもいるしということで、非常に効率が悪いのだという話も聞きました。向こうの側にもいろいろの問題があるのであろうと私もそれは思います。しかし、そうしたことを差し引きましても、なおかつ、やはり車を売ります側の責任として果たすべきことは果たしてほしいと思いますので、ひとつその点御指導の方をよろしくお願いいたします。 それから最後に、もう一つ陶器類のことにつきましてお尋ねをしておきたいと思います。 日本も非常にたくさんの陶磁器の生産がございますし、愛知県の瀬戸を初めといたしまして非常にたくさんの産地があるわけでございます。これは国内だけではなくて、諸外国に多く輸出をされておる物品の一つではないか。これが円高や円安、その他世界経済の波にさらされまして、非常に大きな影響を受けることが多いわけでございます。こうした製品はこれからさらに大きな影響を受けるであろうと予想されます。今回のこの改正で、日本の方も陶器は大体四・六%ですか、最終には四・二%まで引き下げられるということでございますが、アメリカやECは一体これに対してどれだけ引き下げることになりますか、その辺のところをひとつお聞かせいただきたいと思います。
○米山政府委員 いま御質問ありましたように、陶磁器はわが国の輸出力の比較的強いものでございまして、五十三年について見ますと、輸入が十三億円に対しまして輸出は三百四十億円、こういうことになっております。ただ、これは中小企業の占める比重が非常に多い、大体九〇%を超えている、こういうふうに聞いておりますので、その点十分な配慮が要る、こういうふうに私どもは考え、今回の交渉に臨んだわけでございます。 わが国のカット率はいま委員御指摘のように、譲許税率が七・五に対しまして、最終四・二まで、カット率は四四%になっております。なお、すでに実行税率が譲許の二割カットをいたしまして六%となっておりますので、この実行税率からのカット率は約三〇%、こういうことになっているわけでございます。 これに対しまして、わが国のこれは大きな輸出産品でありまして、外国、特にアメリカ、ECに対する輸出が非常に多うございまして、これの関税が非常に高いと、この輸出に影響するということで、わが方もいま申しましたように比較的大幅な引き下げを行いましたが、アメリカ、ECに対しましても強くこの関税の引き下げを要求いたしました。その結果といたしまして、アメリカについて見ますと、これは金額によって二つに分かれますが、食卓用の陶磁器、その他家庭用の陶磁器で三十八ドル以下のものにつきましては、現在二三・五%でございますが、これが最終一一・五%まで、これはアメリカは五一%下げております。なお、それより高いもの、三十八ドル超のものにつきましては、現在一一・四%でございますが、これを六一%カットいたしまして四・五%まで…き下げられておるわけでございます。 なおECについて見ましても、現在家庭用の陶磁器は七・五%でございますが、これを三二%引き下げまして五・一%、こういうふうになっておりまして、わが国の引き下げも相当大幅でございますが、米、EC等もこれとほぼ同様に大幅な引き下げを行っておる、こういう結果になっております。
○坂口委員 米国やECの引き下げ、たとえば米国の食卓用の三十八ドル以下の分は五一%の引き下げというお話でございましたが、こうした引き下げは八年間の最終の値でございますか。
○米山政府委員 日本も、EC、米国も全部八年後の最終譲許税率でございます。
○坂口委員 大体日本の場合に、たとえば食卓用等を見ましても、日本の場合には食卓用だけではないと思いますが、その中でも食卓用がほとんどだと思いますけれども、大体四・二ぐらいのところまで全部引き下げられていくわけであります。三十八ドル以下の安いところではありますけれども、この食卓用というのは、どちらかと申しますと三十八ドル以下の安い部分に非常に多いわけですね。その辺のところが、五一%下がるとはいいますものの、アメリカにおきましてもまだ一一・五%というふうに、日本のことを思いますと、これまた非常に高いわけです。この辺のところ、ややアンバランスという気がいたします。これは今後の交渉等の中で指摘をしなければならない点になると思いますが、どうでしょう。
○米山政府委員 今回の交渉は、この間も御説明いたしたと思いますが、全体の鉱工業製品の加重平均した結果が大体四〇%というのを目標にいたしまして、現在高く関税率が張ってあるものにつきましては、その標準のものよりさらに大きくディーパーカットを行う、こういうことになっておりまして、アメリカはそれに従いまして、先ほど申しましたように五一%、こういうふうな大きな引き下げを行ったわけでございます。先ほど申しましたように、アメリカに対する日本の陶磁器の輸出力は非常に強うございまして、先ほどの五十三年度の三百四十億円の中で対米は約七割を超えている、こういうふうな状況でございまして、今回の大幅な引き下げというのは日本の輸出者にとりましては相当のメリットになる、こういうふうに考えて交渉を行ったわけでございます。
○坂口委員 おっしゃることの意味はわかります。ただ、陶磁器業界と申しますのは、これも大きさによっては若干違うと思いますが、しかし、中小企業が非常に多いという面がございますし、またその内容を見ますと、非常な薄利に甘んじて仕事を続けておるというところが非常に多いわけでございます。電力料金等がこれからどうなるかわかりませんが、昨年の一月からのガス料金の値上げ等によりまして非常に大きな打撃を実は受けているわけでございまして、損をしながら輸出をしているというところも非常に多いわけでございます。そういうふうな業界でありますだけに、確かにパーセントで見ますとこれでかなり大きく低下はするわけでございますが、これは八年先のことでございますし、大きな額ではございますが、日本の現状、そして八年後のパーセントと比較をいたしますと、そこには四・二と一一・五というこれだけの開きがあるわけでございますので、こうした点、これからも長い交渉が続けられると思いますが、今後の交渉の中で毅然たる態度をとるべきところはとっていただきたい、こういうふうにお願いを申し上げておきたいと思います。 大体以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○増岡委員長 伊藤茂君。
○伊藤(茂)委員 引き続いて質問をいたします。夜分の委員会ですから質問もなるべく簡単にいたしますから、御答弁の方もできるだけ簡潔にお願いをしたいと思います。 七年がけの東京ラウンド交渉の結論になったわけでありますが、七グループの作業が行われて結論を見たということでございますけれども、外務委員会に出されましたそれぞれのコードを見ますと、一、二抜けているものがあります。 一つは、これは外務省の方に先に伺っていきたいと思いますが、たとえば大変むずかしい問題の一つであったセーフガードの問題、ガット十九条関連になるわけでありますけれども、今回残されております。この選択的適用の問題、それからECとの関係、非常にむずかしい問題だという事情はわかりますが、現時点でどうなったのか。また、今回提出が残されておりますが、どういう見通しや扱いになるのか。それからもう一本は、不正商品に関する協定も同じになっておりますが、それらの扱いがどうなっているのか、簡潔に伺いたいと思います。 あわせまして、いままでにもほかの委員から質問がございましたが、政府調達、日米間の関係の今後の詰め、大体どういう姿勢で臨まれるのか、あわせてその三点をお願いいたします。
○池田説明員 お答え申し上げます。 まず第一点はセーフガードでございますが、この問題は交渉の当初から避けて通れない問題である、かような認識がございまして、交渉の一分野として指定され、セーフガードグループの中でもんでまいりました。論点は、先生御指摘のとおり、いわゆるセーフガードの選択的適用の問題でございます。この問題をめぐりまして一部の諸国は、やはり貿易の自由化を、広い意味での自由化でございますが、進める以上、これから先はセーフガードの発動の必要性が増すのではないか。ついては、これまでのガットの慣行に従っていると、これはなかなか発動しにくい。それに加えまして、国内の損害に影響のない国まで巻き込むというのはおかしいではないか。かような論点を挙げまして選択的適用の必要性を強調しました。これに対しまして、一部の諸国、主としましては途上国でございますが、これらの諸国はやはりガットの伝統的な慣行のままでいい、この慣行を変えますときは乱用の危険があるし、それに比較的規模の小さい国に対する弱い者いじめの傾向も出てくる、こういう話でございまして、結局どうしようかということで、それではたとえば国際的な委員会を設けて、そこの事前の承認を得れば選択的に適用できる、こういうメカニズムはどうであろうかというような案も考えたのでございます。しかしながら、これに対しましては、原則的に困るという立場と、それから輸入国が自分の判断でできないと困るという立場とがございまして、結局調整がつきませんでした。 昨年の夏ごろになりまして、やはりこれは重要な問題であるから引き続き討議しよう、検討を続けることにしよう。しかし、同時に、東京ラウンドの包括的な合意そのものはそれはそれで締めくくる。そして、もう一つ、これまでガットが積み上げてきました慣行は新しいルールができるまでは維持する、かような形で了解がつきまして、昨年の十一月のガットの総会におきまして新しく委員会を設け、討議、交渉を続ける、そしてことしの六月に進捗状況につき報告する、かような手続になっております。 それから次に、不正商品の問題でございますが、これはガットの中に六条、二十条という二つの規定がございます。商標権その他のものを不正に使用した商品、これについては取り締まってもよろしいという趣旨の規定がございます。しかし、この問題は、セーフガードの問題と異なりまして、交渉の比較的最後の段階で出てまいりました。そこで、考え方としましては、消費者保護の観点も見まして一こういう不正な商品についての取り締まりの国際協力を強める、これはこれで考え方は結構なんじゃないかという大方の意見がございましたが、しかし、それではどういう形で協調を図るかという具体的な細目までおりて考えてみますと、各国それぞれの法制と申しますのは、歴史的、社会的な背景を背中にしょっております。そこで、具体的な取り締まりの方法、手続等についてはかなり差がある。これは、やはり簡単に共通分母は見出せないなということになりまして、これも継続審議というかっこうになっております。しかし、セーフガードの場合とは異なりまして、ガットの総会での特段の決定その他はございません。それから、セーフガード、不正商品、両方ともこれまでのところガットの会議は開かれておりません。 それから、三番目に政府調達でございます。これに関しましては、先生御案内のとおり、昨年の六月に牛場・ストラウスの共同発表というものが発出されまして、これに基づきましてことしいっぱい日米間で話し合いを続けて妥結点を探求していこう、かようなことになったわけでございます。これに従いまして、昨年の七月、九月、十一月、この三回事務レベルの話し合いをやっております。 この会合には、私どものほか電電公社の関係者、また、全部ではございませんでしたが、通産省、郵政省の関係者、こういう連合軍を、言葉はちょっと適切を欠くかもしれませんが、各省網羅いたしました代表団を編成いたしまして、アメリカ側と話をいたしております。 主なるこれまでの話の内容は、要するに、米国の電気通信事業体の実態というものはどういうことになっておるのか、この実態解明をやっております。そして、実はまだ実態解明につきましてさらに掘り下げたいという点もございますので、恐らく今月末ないしは来月わりと早い段階で第四回の会合を持つことになると思います。 今後のスケジュールといたしましては、昨年六月に設けられました話し合いの枠組みと手順に沿いまして話し合いを続け、日米双方にとって納得のいく合理的な解決を見出すよう努める、かような方針で対処いたしております。そして、このような話し合いに臨むに当たりましては、いま申し上げましたように、関係者を網羅してみんなで知恵を出し合って、わが国一丸としてアメリカと話し合いをする、かような所存で対処いたしております。
○伊藤(茂)委員 御説明を伺いましたが、不正商品の問題など技術的な問題はありますけれども、セーフガードの問題でも、今後の政府調達の日米間の交渉でも、非常に大切な問題ですから、十分検討されて交渉を進められるようにお願いしたいと思います。 次に、関税局長に二つお伺いしたいのですが、一つは定率法に関する問題、もう一つは暫定法に関する問題ですが、関税定率法と関係する協定と法文を読み合わせてみましたが、一つお伺いしたいのは、関税評価協定、これは協定書の第十五条の4の「特殊の関係」という部分ですが、御承知のように(a)から(h)まで八項目書かれております。法律の方を読んでみますと、第四条の二項の四になるわけですが、これは政令事項になっている。大体こういう項目を同じように政令に盛り込むということになるのだろうと思いますけれども、その政令を協定とあわせてどういう方向でつくられるのか。 それから、ちょっと疑問に思いましたが、こういう特殊関係が認定をされて、一般とは違う扱いにするということになると、その八項目の中身を見ますと、おのずからこの課税価格が下がるというレスの部分が出るという結果をもたらすということだろうと思います。さらに推測をいたしますと、大商社あるいは全世界に大きな代理店を持っている独占的な資本、コングロマリットの問題を言われておりますが、それらの方が有利になるというふうな現象が発生するのではないだろうかと思いますが、その辺どうお考えになるかということが一つです。 それからもう一つは、暫定法の中の各種の減免税の還付制度の問題の延長についてでありますけれども、私は一般論として、これから当委員会でも議論される租税特別措置、それから税の不公平是正というのは大きな社会問題になっているわけでありますが、関税の面でもやはり同じような視点でこれは厳しく取り扱わなければならないということではないだろうかと思います。 たとえば、この暫定法八条の低硫黄燃料油製造用原油等の減税、いわゆる脱硫減税というものをさらに一年間延長するというふうなことになっているわけでありますが、五十三年度の減税額は幾らだったでしょうか。また、五十四年度の推定額はほぼ幾らぐらいになりますでしょうか。 それから、これについての石油連盟の陳情とか、それから皆さん方の方でこの取り扱いについて若干解説されているものとかを読ませていただきましたが、そういう文面からいきますと、この二、三年来大蔵省あるいは大蔵省関税局としては、この制度はすでにほぼ当初の目的を達したというふうな判断で、廃止の方向にというふうにお考えになってきたという意味で解説なども受け取るわけであります。 ですから、租税特別措置法と同じように、これらの問題は、むしろ効果、それからその期限などを判定をしてきれいにするという方がいいのではないだろうか、今年提案されておりますが、今後どういう経営状態になったら外すのか。何かいつまでも既得権のような、利権を守るような形で延長するということであってはならないと思いますが、たとえばということで、脱硫減税の適用期間の延長の問題についてはどういうお考えですか。 その二つを御説明ください。
○米山政府委員 まず最初の評価条約及び今回の定率法の一部改正に基づく評価の関係でございますが、御指摘のように、今回御提案申し上げております改正法案では、特殊関係のところには「売手と買手とがその行う事業に関し相互に事業の取締役その他の役員となっていることその他政令で定める」云々と、こう書いてあるわけでございます。これは条約は八項目でございますか、詳しく書いてあるのにかかわらず、ここが一つしか書いてないということでございます。 私どもは、この条文は特殊関係の代表的なものを例示いたしまして、政令で定める場合には、この協定に盛り込められた全部を入れる、こういうことで定率法の改正と条約との整合性を保つ、こういうつもりでおります。これが第一点でございます。 第二点の減免税制度でございますが、今回三月末に適用期限が参ります各種の減免税制度につきまして、租税特別措置法等いろいろ廃止されている、こういうことで、私どももこういうものにつきましては今回も厳しく見直しを行いまして、幾つか廃止あるいは縮小ということを行っているわけでございますが、特に、御指摘の低硫黄燃料油の製造用原油減免制度につきましてお答えいたしたいと思います。 これは最近の硫黄酸化物による環境汚染の事例が、条件が相当改善されている、こういう事実、また、公害に対しては汚染者負担の原則、いわゆるPPPの原則、こういうものがございまして、できるだけこれはなくなしていくという方向で取り組んできておりまして、この委員会におきましても毎年それは問題になってきているわけでございます。五十二年度以降この問題につきましては縮小を行うということでやってきております。すでに五十二年度、五十三年度にはこの減税額を減らすという方向をとっております。五十四年度におきましては、対象の原油につきまして硫黄含有割合を引き上げるということによって対象の圧縮を図る、こういうことをしております。 なお、今回この制度につきましては、五十五年度におきましてもこの対象原油の硫黄含有分の引き上げを行うっもりでおります。現在、一・三%超のものに対して減税を行うということにしておりますが、私どもはこれを一・六%程度に上げる、こういうつもりでおります。これによりまして大体これに使われる原油で減税の対象になるのは五〇%以下に減る、こういうふうに考えております。 なお、御質問の減税額でございますが、五十三年度は百一億五千二百万円でございます。五十四年度はまだ出ておりませんが、五十四年度の見込みでございますが、これは約九十三億円程度だろうと思っております。なお、五十五年度につきましては八十二億円程度を見込んでおります。 なお、これを廃止するめど、あるいはこれに対してどういうふうに縮小していくか、こういうふうな御質問でございますが、五十五年度、いま申し上げましたような対象原油の圧縮を図ります。なお、この状況を見まして、今後も方向といたしましては圧縮の方向でやっていきたいと思います。最近のように原油で高硫黄のものが非常に多く入ってきますので、これを直ちに全廃するということはなかなかむずかしい状況でございます。経営状況も最近の原油高で非常に悪くなっているというふうな状況もございますので、直ちに廃止するということは考えておりませんが、いま申しましたようなできるだけ圧縮する方向でやっていきたい、こういうふうに考えております。
○伊藤(茂)委員 関税局長、最初の質問の、政令に同じように盛り込んでいくということは当然としてわかりますけれども、さっき申し上げました、課税価格が違ってくる、レスが生ずる、それのもたらす現象というものをどうお考えになりますか。
○米山政府委員 お答えを落としまして申しわけありません。いまの制度にかわりまして新評価制度を採用いたしますと——特殊関係としていままで一番多く評価の対象になっていましたのは、いま御指摘のような総代理店等を中心とする独占的な代理店でございます。それが今回の改正でいきますと、この協定に盛られているような条件に該当しない代理店というものは、今度は代理店値引きがあっても加算できない、こういうことになりまして、そういう面では御指摘のように有利になると思います。 これは対象が非常に多いので、私どももこれについていろいろ問題にいたしました。今回の評価の問題でこのソールエージェントを今度の特殊関係と見るか見ないか、これは非常に大きな問題、最後までもめた点でございまして、この間も御指摘がありましたように、条約に最後に書く必要がないような条文まで入ったというのは、そこを最後の妥協として確認しておくという意味で入ったわけでございますが、そういう意味で有利になるということは申すまでもございません。しかし、今度の評価条約の基本的な目標が、各国の恣意的な運用をできるだけ排除する、そして非常にはっきりさせる、こういう目的でこの評価増というのをできるだけ少なくし、加算項目をできるだけ限定をする、こういう基本方針でございまして、その基本方針に沿った結果でございます。
○伊藤(茂)委員 私は二つ気がつきましたのは、両方を通じてやはり関税政策の社会的公正ということが、税と同じように非常に大切なことではないだろうか。何か大きいものはいいことだというようなことで得をするといっていいことではまずいし、それから租税特別措置でもずいぶん大きな社会的関心になっている、関税の方では前と同じようなことが行われるということではぐあいが悪いので、御説明は聞きましたが、私の感じでは、もう十年間続いてきたわけですから、ここで一遍区切りをつけて、評価を改めてやるというぐらいが適切なのではないだろうか。石油業界も大変かもしれませんけれども、有能な日本の業界ですから、それらを乗り越えて、きちんとしたいい体質をつくっていけるのじゃないかというふうに思います。そういう気持ちから申し上げましたので、そういう気持ちを体して今後の対応をお願いしたいと思います。 次の話題に移りますが、関税政策あるいは通商政策と消費者の立場という問題です。いままで各委員の皆さんの御質問の中で、生産者を含め、第一次産業、農民についての切実な要望のお話もございました。それから消費者の角度から、これが利益を生むような運用が必要ではないかという議論がございました。一見、二律背反的な感じにも受け取れると思いますけれども、私はそうではないんだろうと思うのです。また、そうでない、二律背反でないような調和ある努力をどうするのかということを行政は考えていくべきではないだろうかというふうな気がいたします。確かに、生産者の立場を守らなければならないということもわかります。しかし、そこにとどまっていては仕方がないということだろうと思います。私は、そういう面で、この両面の調和ある改善ということのかぎは、生産者に対する保護が保護に立ちどまっているということではなくて、その中で積極的に生産性を上げる、近代化をする、そういう努力をしていくことではないだろうか。工業の面では世界トップクラスの先進的な技術を開発するようになったわけでありますが、構造は違うけれども、第一次産業の面でも、そういう方向が、有能なわが日本の国民の努力で進められないことではないだろうというふうに私は思います。 問題は、そういう方向に行政がどういういい役割りを果たしていくのか。そういう面で言いますと、生産構造、産業構造の問題もありますし、それから流通機構の改善というふうな問題もあるだろうと思います。そういう面での国内の努力が非常に大切であるということを考えるわけでありまして、そういう観点から二、三具体的な御質問をさしていただきたいと思うのです。 一つは、これは関税局長の方にです。 最近、魚市場なんかに行って卸売の方とか小売の方といろいろな話をしますと、要するに、マグロでも瞬間冷凍で零下四十度に冷やして何年間も置いておける。味も下がらない。こういう中で、倉庫に入っている中で頻々と所有者がかわり、悪く言えば転がしというのですか、そういう意味での価格操作と見られるような現象もずいぶん多いという話も現場の方から聞くわけであります。 それから、保税倉庫の関係なんかでも、これは大蔵省関税局の影響の及ぶエリアでありますから、御案内のように二年間は入れられるということになっているわけでありますけれども、保税倉庫の段階でも、その所有者の伝票がしょっちゅう変わるという現象も聞くわけであります。 私、よく存じませんが、冷凍倉庫その他、そういうものについては、流通近代化という意味でいろいろな意味の政府の援助もなされているのではないかと思います。また、保税倉庫は、もちろん監督の行き届く範囲であります。そういたしますと、政府が何らかの援助をしている、あるいは政府の監督が行き及ぶエリアにある、そういう場所の中で大商社の価格操作が行われているということも考えられるのじゃないかという気がするわけでありまして、まず関税局でできる範囲の努力とすれば、在庫状況などを瞬間的にではなくて、一カ月に一週間とか、プロセスも含めた調査を一遍おやりになって、そこから出てくる問題点を、白書とまではいかなくても何かまとめた資料をつくって、そういうものを、大蔵省だけではありませんから、通産省、経企庁その他、農水省もあるでしょう。いろいろなところの行政サイドから、消費者を守る、あるいは流通機構もより近代化していくという立場からの御努力がなし得るのではないだろうかという気がいたしますが、いかがでしょう。
○米山政府委員 保税地域に置かれている商品が値上げを待ってそこにいつまでもいるとか、あるいは中で転がされてだんだん高くなっていく、こういうふうな問題、この面につきまして、私ども直接的にこれについて関税面から打つ手はございませんが、ただ、いま委員御指摘のように、保税地域にある貨物につきましては、私ども、この保税地域の機能を最高にするという意味で一応その指導監督を行っているわけでございます。現在でも毎月報告をとりまして、非常に保税倉庫、保税地域の機能が落ちるような場合には、輸入許可済みの貨物につきましては、早期の引き取り、あるいは内国貨物が保税地域に入ってくるような場合には、その搬入の規制とか、こういうことを指導しているわけでございます。 この前オイルショックのときに、非常に保税地域で値上がりを待って保税地域がいっぱいであったというときに、こういう指導をしたことがございます。現在でも、その後毎月、輸入貨物及び国内の貨物につきましても、保税地域にあります状況については把握しております。現在も相当高い数字になっておりますが、これはそういった値上がりを待つという以外の事情もいろいろあるようでございます。 なお、これについては、その報告だけでなくて、いろいろもう少し実態的な調査をしたらどうかという御指摘でございますが、これはたまたま私どもも同様に考えまして、先ごろ各税関に通達を出しまして、この二月いっぱいに特に生鮮食品、肉、魚、それから木材等につきまして、この船積みから保税倉庫、保税地域に入りまして、保税地域から搬入されるまでの状態につきまして、その取引の内容、期間というようなものにつきまして報告を行うように、いま特別の調査を行っているわけでございます。
○伊藤(茂)委員 調査を行っているということですが、話を聞きますと、そろそろまとまるころかなと思って次に聞こうかと思ったのですが、二月いっぱいということですから、御要望も含めて申し上げましたが、そういう方向でいいまとめをして、それがいろいろ活用されるように、どっちにしても政府が補助金で援助をしている倉庫あるいは関税局の影響の及ぶエリアの中で価格操作が行われて、所有者がくるくるかわって値上がりしているというふうな現象が指摘されるということは、行政から見ても非常に望ましくないことだと思いますから、結論が出ましたら、ぜひそういう努力をしていただきたいと思います。 それから、流通生産機構に関係をして農水省、水産庁に伺いたいのですが、一つは、牛肉の問題があります。これも国会でも関係委員会でずいぶん議論をされてきたことでございます。いろんな意味で社会問題にもなっているということですが、いずれにしても、輸入牛肉の値段が非常に安い、それから事業団の方でキロ三百円から六百円ですか、調整金を上乗せする。それでも安いということのようであります。そういう中で、これは当然なことですけれども、一般会計の肉牛対策費五十四年度百六十八億円、その三倍近い四百五十億ぐらいが五十三年度で調整金として出ている。また、その使い道その他を聞きますと、これは、関係者の方はそうでないと言われるかもしれませんが、何か明朗なあるいは公開されたものではなくて、その配分に利権、政治介入なんてことを書いている週刊誌もありますけれども、そんなことはないと思いますが、そんなみたいなことも言われているという状態があるわけであります。 私は、さっき生産者とそれから消費者との調和ある改革ということを申し上げましたけれども、それはこういう現象にとどまっているのではなくて、日本の肉牛の生産性あるいは生産構造、これらがやはり三年なら三年やるうちにはずっと向上した、近代化したというふうなことをぜひともやらなければならない。その面で、現実に一体どういう効果、努力があったのかということを感ずるわけであります。これは農水省の方に経過の詳しい御説明を伺う趣旨ではありません。 要するに、こういう制度でいままでやってきて、それから、私も社会主義インターなど国際会議に出て、オーストラリアとかニュージーランドとかいう代表と話をすると、そういうこともずいぶん言われるわけでありまして、ここでお伺いしたいのは、どれだけ努力をしたのかという、経過の説明よりも、現実に、こういう効果が発生しました、それから幾らお金をどう使ったかではなくて、こういう方向に進んでいますとか、何かメルクマールみたいなものがあるのかないのか、その一点だけお伺いしたい。 それから、同じ御商売ですからついでに水産庁の方に伺いますが、かずのこ騒動もずいぶん大きな問題になって、三菱商事とか北商とか道漁連とか、いろいろなことが報道されているわけでありますけれども、それらが悪だということがずいぶん言われております。私もそのことだろうと思いますけれども、行政の方でどう対応なさったのかということで、何か新聞などのスクラップをずっと見てみましたら、十二月の下旬になって、三菱商事とか大洋とか大手十社を招いて警告をした。ところが、商社の方では、原価を割って損しては売れませんと言った。言った方がどういうつもりで言ったのか、言われた方はどの程度気にしたのか。言われた方も、そんな言葉ですから余り気にしていないというようなことではないだろうかと、新聞報道だけで読んだ感じですが、そういうことも行政の面でもっと日常的確な努力をすべきではないだろうか、その二つ、経過の説明は結構ですから、簡単にお答えください。
○京谷説明員 牛肉の生産についてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり、現在畜産振興事業団が輸入牛肉の相当部分を取り扱っておりまして、それによって獲得されました差益金が牛肉の国内生産あるいは国内流通のための施策の財源として使用されておるわけでございます。一般会計の諸事業とあわせまして、諸般の施策が進められておるわけでございますが、国内の肉牛の生産の経営合理化、土地の制約とかあるいは資源的な制約もございまして、非常に緩慢なテンポでしか進んでおりませんが、ここ数年、大体年率七、八%程度のテンポで経営規模の拡大が進んでおります。これに伴いまして、生産性の向上も漸次進んでおりまして、私どもが畜産物価格安定法に基づきまして毎年決めております牛肉の安定帯価格水準も、そういった合理化の進展を織り込みながら、五十二年から五十四年度にわたりましてこれを据え置く、これにまた、そういった据え置かれた安定帯価格のもとで肉牛生産農家が合理化の努力をしながら対応していく、そういう体制をつくりつつあるわけでございます。いろいろまた、合理化のテンポをさらにアップしていくとか、そのことを通じて供給価格を引き下げるというための努力を今後とも一般会計の事業、あるいはまた、畜産振興事業団の輸入牛肉操作に伴う益金の活用によってこれからも積極的に進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○伊藤(茂)委員 大臣に一言お願いしたいと思うのですが、関税政策、それからいろんな貿易、これらが生産者にも消費者にもあるいは国際的にも大変な影響を総合的に及ぼしていくという今日の時代になったわけですが、そういうことを考えますと、さっきも申し上げたのですが、生産者、消費者二律背反的位置づけということではない、総合的な、しかも年次をかけた努力の方向というようなことが非常に大事になってくるのではないか。関税を扱っているのは大蔵省ですけれども、それぞれ金融政策その他の関連もありますし、ほかの省庁でもやることがありますし、何かそれらを含め、国民から大きな批判が起きないような、総合的な努力を政府として考えるとか、関税という狭い枠ではなくて、必要なことも今日の物価問題、流通過程あるいは輸出入の中には出ているんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○竹下国務大臣 確かに、この関税率というものは、一般的にあるべき産業政策に沿って輸入品と関連する国内産業を保護するということが目的で設定されておることを基本としておるわけでありますが、一方、東京ラウンド交渉の目的というのは、これは東京宣言にもございますように、関税、非関税の軽減、撤廃によって世界貿易の拡大と一層の自由化を達成し、諸国民の生活水準向上をさせることにある、言ってみれば生産者を保護する立場と、しょせん国民、裏返しで言えば全部消費者でございますから、その消費者を対象にした精神と、両方が込み合った中に今度の改正が行われたと思うのであります。したがって、私は、国際経済社会がこれだけ激動する状況になったときに、一関税だけで、国際経済社会の中で大変に影響を及ぼす国になった日本経済が、それだけで生かされるものでもないともとより思います。それには、当然のこととして財政金融政策というもの、これが適時適切な効果を発動するように行われなければなりませんし、一方、国内産業においては、大企業と中小企業とか、あるいは工業と農業とか、そういうような調和も図っていかなければならぬ、まさに総合的運営の中にこれからの経済運営がなされなければならないということはお説のとおりであると思うのであります。 したがいまして、私どもは、こういう事態になればなるほど、いわゆる民間産業の企業努力−それだけの活力のある日本民族であると信じますがゆえに、そういうものに期待をしながら、しかも、摩擦とか利害相反するとか、そういうものに対してやはり政治がある種の調和を図っていかなければならぬという方向で対応していくのが、これからの産業政策、財政金融政策全般を通じての基本的なあるべき姿ではなかろうか、このように考えております。
○伊藤(茂)委員 もう時間がございませんから、通産省にお越しいただきましたが一つだけお伺いいたしまして、終わりにしたいと思います。 それは、中国との特恵の問題でございますが、このこと自体は、一月ですか、関税局長などが行かれたレポートなどを読ましてもらいまして、いろいろ御苦労なさった経過も読ましていただきましたが、一つ感じますのは、昨年来の日中経済関係というものをずっと報道などを見ておりまして、やはり離れることのできないお隣の非常に大きな、しかも大事な国ですから、日本の進んだ工業力、技術という立場で、効果のある、しかも長もちのする関係が必要ではないだろうかという気がいたします。ところが、昨年の春の事態は、御承知のとおりに中国側の方も支払い能力について非常に甘い気持ちを持たれて、大変大規模な契約をなさった。日本の方からもわっと押しかけて、十億のマーケットがそこにあるということで非常にムード的に……。それで二十億ドルもの見直しが行われて非常に大きな問題になった。その後、中国側でも日本側の方でも冷静になって対応しているということがありますけれども、まだいろいろな問題があると思うんですね。大平さんが正月に行かれたときの、記者団なんかの帰ってきたときの報道なんかを読みましても、たとえば日本は良質な石油が欲しい、中国は石炭が千年分ありますとか、それから今回の日本からの借款にしても、七つのプロジェクトですか、まとまったわけですけれども、中国側の方は、これは第一回ですねということを非常に強調されている。やはり今後長期にというようなことを期待をされているというようなことだと思います。そういたしますと、去年の春のようなことはないと思いますけれども、また、あの当時、アメリカから、日本の中でも、中国のカントリーリスクあるいは中国の十カ年計画の見通しその他について、民間ではいろいろな分析などの論文も発表されました。私ども読んでみましたが、何か行政サイドでも、そういう展望のある努力をなさるべきじゃないだろうか。それがお隣の国との関係においては特段に大事になっている。その心構えを一問だけ、いらしていて済みませんが、通産省の方にお願いしたい。 それからついでで、これで発言を終わりますから、関税局長に最後に、これは要望なのですが、これは組合との関係です。組合の方も御承知のとおりな状況になっております。何か六〇年代十年間を通じてと言うとオーバーかもしれませんが、非常に不正常な摩擦、それからさまざまのトラブル、それから民主的であるかないかとかいろいろなことが行われてきたという経緯があったと思います。何か最近、聞いてみますと、新局長、フレッシュ発言とかフレッシュ局長とかいうようなうわさもあるようでありますけれども、まあ新しい時代、八〇年代に入るわけでありますから、この際、やはり信頼のある、民主的な方向への正常化といいますか、その方向への何か一歩を踏み出していくというふうなことが必要ではないだろうか。私も、関係者のいろいろな要望なども聞いてみまして、これはもっともだろうという点ももちろんあります。それが、双方のメンツとあつれきになって、実現しないとますます悪くなるのじゃないか。個別のことは、また法案が終わりました後、局長にもひとつ要望したいと思いますけれども、そういう方向への決意を持ってこの際当たられることが大切ではないだろうか、これは要望です。
○林説明員 中国とわが国との経済関係というものを進めていくに当たりましては、私どもとしてもいろいろな調査あるいは分析ということを行っていく必要があるというふうに認識しておりますし、また、その努力は行っているつもりでございます。特に信用の供与というようなことを行うときには、支払い能力が中国に十分あるのかどうかということは、マクロ面、ミクロ面双方、十分検討をして進めていく必要があるということで、私どもとしても、先回の円借款あるいはその他輸銀の開発ローンというようなものの供与に当たりましても、そういう点は十分検討していく所存でございます。 それから、昨年のわが国からのプラント輸出に関しまして、双方いろいろ混乱があったということは御指摘のとおりでございますが、中国側の方もこの支払い能力については非常に慎重でございまして、ある意味では、昨年の混乱と申しますか、向こうの方で契約の留保ということになりました大きな原因というのは、中国側の方でも、その支払い能力というものが十分あるのかどうかということを見きわめた結果であるというふうにも考えられますので、中国側の方としてもその点には十分配慮しているというふうに私ども了解しております。
○伊藤(茂)委員 終わります。
○増岡委員長 堀昌雄君。
○堀委員 関税定率法二十一条の一項三号に関する問題について、今回関税定率法が改正をされてこれまでありました輸入映画等審議会というものにかえて新たに関税等不服審査会というものを設ける法律の改正が盛り込まれておるわけであります。私、実はちょうどいまから八年前の昭和四十七年の三月十日に当委員会において当時の国家公安委員長でございました中村寅太さんと水田大蔵大臣に御出席をいただいて実はこの関税定率法の問題について論議をいたしました。なぜこれを論議したかといいますと、ちょうどその年札幌オリンピックが開かれておりまして、その札幌オリンピックに参っておりました外国選手が日本に輸入をされておるところの「プレイボーイ」誌というものを購入して見たところが、そこでは女性の体の一部分がいずれも黒く塗りつぶされていて、日本は大変おかしなことをする国だな、こういう議論が外人選手の間で出たということが新聞報道にありまして、それを受けて私もなるほどそういってみれば大変不自然な処理がされておるなというふうに感じたものでありますから、取り上げることにいたしたわけでございます。 これは、まず関税局長の方にお伺いをしておきたいのであります。このときの会議録は、私がこの問題を質問いたしますので、すでに皆さんももう一遍ごらんをいただいておると思うのですが、当時、大蔵大臣も国家公安委員長も私の問題提起の範囲についてはわかるというお話でございまして、それについて私が、それでは一体いつまでに処理をしていただけますかというふうにお尋ねをいたしましたら、これはもちろん大蔵省や国家公安委員会、警察庁だけではなくて、法務省も御関係があろうかと思いますので、そういう関連の向きを含めて御検討をいただきたいということをお願いいたしましたときに、中村公安委員長は、いま予算もあるので四月いっぱいのうちに何らかの結論を出すようにしたい、実はこういうお答えをいただいておるわけであります。しかし、その後どうも両大臣の御答弁のようには物事は一向に進んでおらないというふうに承知をいたしておりますが、関税局としては、この両大臣の答弁を受けてその後どういう措置をとられ、今日はどうなっておるのか。両大臣の当大蔵委員会における法律審議の中で答えられた答弁が実は何ら行政上に反映していないとするならば、これは当委員会の権威において私どもは行政当局に反省を求めたい、こういう気持ちでございますので、まず、八年も前の大変古いことでありますが、ちょっとその当時の経過を御報告をいただき、新たな観点からきょうはこの問題の論議をさせていただこうと思いますので、関税局長の答弁を求めます。
○米山政府委員 当時のこの委員会における議論、私もちょうどこの席におりましてお聞きしております。そのときに委員が二つの本を示されまして、これがそのものである、これが修正したものである、この程度のものは現在の社会情勢から見てどうであろうか、こういうふうな御質問が中心だったと思いますが、それに対しまして両大臣が常識的に見るとこれはちょっときついかなというふうなお答えで、それで期限を切られましてこれを見直す、こういうお約束をしたと思っております。そのお答えに基づきまして私どももいろいろ案をつくりまして警察庁とも相談したわけでございますが、いろいろの事情もございまして、まだ現段階ではいまのものを全面的に見直すのは時期尚早ではなかろうかということで、部分的にいろいろ手直しを一部しておりますが、御指摘の趣旨を全面的に見直したということにはなっておりません。
○堀委員 実は関税局から資料をいただいて見せていただいたんですが、ともかく性毛が見える、ほんのかすかにでも見えるものは全部消してある。これほど消す必要があるのかと思うくらい徹底して消してあるのです、現状は依然として。そこで、実はこの問題に関して先般十月の十九日に東京地方裁判所で岡田裁判長、永山裁判官が三一書房の竹村代表取締役と映画監督の大島渚さんに関するわいせつ文書の頒布、要するに刑法百七十五条に関する裁判について、下級裁判所ではありますけれども、「主文 被告人両名はいずれも無罪。」という判決が一応出ておりますね。そしてこれは実は東京高裁にいま検事側から控訴されておるという案件でありますから、私は何もこの裁判の中身に立ち入る気は毛頭ないのでありますが、この判決文を読んでおりまして、私がこの前言っておることと共通の認識が裁判官の中にもあるという点が非常に興味深い問題でございますので、少し時間がかかりますが、非常に興味のある判決文の部分だけをちょっと申し上げておきたいと思うのであります。 判決文は「刑法一七五条にいう「わいせつの文書、図画」の意義について」「(一)最高裁判所は刑法一七五条にいう「わいせつ」の意義につき、文書及び図画に関して「徒らに性欲を興奮又は刺戟せしめ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」と定義している。」これが最高裁の定義のようでありますね。私、実はこれ読んでみますと、この裁判官いろいろなことを後でおっしゃるのですけれども、この最高裁がやっているこれは大変幅広く理解ができる条件が書いてありまして、裁判のそういう判決のときの基準というものは行政的な処理をするための一つの基準ともなることでありますから、余り幅の広い形で判示をされますと、もう行政の問題としては大変どうもやりにくいという問題が起きかねぬなと——ですから、そのことについては恐らく今度この案件が高裁で争われ、やがてそういう角度からは最高裁まで行くんだろうと思います、まだ数年かかるでしょうけれどもね。最高裁がこの問題についてもう一遍、かつて判示をされた時期のこういう概念がそのままだということになると、これは率直に言いますと、私がきょうここでいろいろと議論をしてみても行政当局としてなかなかむずかしい問題もあろうか、こういう気持ちはあります。気持ちはありますが、しかし、この判決の中で言っておられることで、一つは、社会通念というものを一つの物差しとしてそれは判断をすべきだろう、だから、この裁判官は、私がいま読み上げた最高裁のこの判示についてはこれを認めるという前提に立って、しかし、社会通念というものはこう動いてきておるから、今日の状態ではこの案件については無罪だ、こういう判断を示されておるのでありますがね。その中で特に私はこういうふうなことが出ておるところを非常に関心を持ってちょっと読んだのでありますけれども、要するに「性表現写真、絵画の出版物と認められる弁護人提出証拠」、これは何かわかりませんけれども、「のうち、性的場面を示す写真においては、男女の性器部分をことさら強調する角度から撮影したうえで局部付近をぬりつぶす等の方法で消除したと認められるもの」があるということをちょっと前段で書いておいて、その次に後段の方に「外国からの輸入雑誌五冊が含まれているが、その内容に徴し、関税当局も原則として右のようなぼかし、ぬりつぶし等消除の措置を講ずればこの程度の写真の輸入を認めているものと推認される。そして、かかる消除方法をほどこした類いの写真は、その消除の仕方、程度により一概にはいえないけれども、」「かえって、消除された性器周辺部分への関心を誘うことにより、その露骨さ、煽情性の程度はより大きく想像力を刺戟し、性的感情を喚起する度が強い場合も多いと認められる。」実はこういうふうに述べておるのでありますね。 これはもう私が前回も申しておりますけれども、私はポルノを推奨しようなどとはいささかも考えていないのであります。ですから、要するに、性行為にわたる写真だとか、そういう形のものを何とかしろということは全然言っていないのでありますが、写真として女性のヌード写真がある、この女性のヌード写真が、あるときには、それはヌードですから、性毛がついているのは当然なんでありますね。そのついておるのが当然なところを、そこだけ黒く消すというのが、いま大蔵省関税局のやっておるやり方なんです。そうすると、この黒くちょっと塗ってあることによって、あれっと、そこへ非常に注意がいくわけですよ。だから、私はその問題を八年前に指摘をして、それは水田大蔵大臣が当時おっしゃったのですけれども、その作品の意図に基づいて判断すべきではないのかとおっしゃったことは、私は大変示唆に富む御答弁だと思っておるのですね。要するに、写真を見れば、その写真が何を目的としておるかというのは、おおむね社会通念として判断できる物差しがある。その社会通念として判断できるものについてまで、これはまずいという判断が社会通念でされるものまでも、私はそのまま出しなさいということを言う気はない。 裏返して言えば、これらの写真の中には、性器そのものがはっきり見えるような写真もあるわけですよ。そんなものは消したらよろしい。ただ消し方は、ちょっとそこへ丸く消すというやつはやめてほしいですね。丸くとか四角くとか消すのはやめて、皆さんの方の消したやつの中に、何というか削って消したようなのがありますね。白く、何でやったのかわからないけれども、幅広くさっとなっている。このぐらいなら、周囲の色との間にそんなに差もないしするから、いわゆる映画に言うぼかしというのですかね、それに類したことで、そんなにそこへ注意が集中するとは思わないけれども、真っ黒なやつで丸くとか四角くとかやるあのやり方は、私はどうも、この岡田裁判官が言っておられることに私は全く同感なんですね。 ですから、これらの問題について、ひとつ各大臣の方で御答弁をいただきたいわけでありますが、もし事前に事務当局等が意見を述べる必要があるのならば、先に事務当局が意見を述べて、その後でおのおのの大臣の御意見をまず伺いたいと思うのであります。
○米山政府委員 現在、御指摘のように、その部分だけ丸くあるいは四角く墨で塗りつぶすのが大部分でございます。もう一つ、削っているのは、紙やすりで削っているわけですが、非常にコストがかかるということで……、なお、これは税関がやっているわけではございません。そうしないと税関を通さないということで輸入業者がやっているわけでございますが、コストがかかるということでございます。両大臣お見えでございますから、私から細かくお答えするのはあれでございますが、現状そうなっております。
○竹下国務大臣 私も質問通告をいただきましてから、ちょうど思い出しました。水田大蔵大臣、中村国家公安委員長、私は内閣官房長官でありました。そして閣議の後で、きのうはこういう質問があったということを聞いたことを思い出しました。 それで読んでみますと、確かに、当時の答弁書にも、時代による変化というものもある、時代による変化とはどういうものであろうかと思って、きょう勉強してさましたら、堀さんの話にもあっておりましたが、杉山寧先生、絵かきさんで、これは明治四十二年、石本正さん、これは私と郷里が一緒でございまして大正九年、それから昭和の代表的、毛をかくといいますか、陰毛のついておるのでは加山又造さん、これは昭和でございます。この辺が代表作家だな、これらは、それなりにぼかしもされなければ、張られもしない。 それで、なぜ今度は写真かなと思って見ますと、大体著名なヌード写真家を調べてみますと、大正生まれの人は、秋山庄太郎さんが大正九年で、大竹省二さんが大正九年、中村正也さんが大正十五年、ベストエイトの中で、あとは全部昭和、特に昭和二ケタの篠山さん、昭和十五年、こういう人が、いわゆる写真というものが芸術の世界で認められるようになったということからすると、やはり時代による変化というものがあるなという感じがいたしました。確かに写真というものは芸術でないという議論がなされた時代もあるわけでありまして、したがって、こういうすでに芸術の世界へ入った、時代による変化からすれば、私はいまのような考え方に立って、ある種の検討というものはせざるを得ぬだろうなと思います。 ただ、また別の意味において考えてみますと、やはり人間がちゃんと着物を着て歩いておりますのは、まあ堀先生、お医者さんでございますから、それは気候の関係もありますけれども、やはり元来露出すべきでないということからちゃんと着て歩いているんじゃないかというようなことをまじめに考えて、これは私の分野ではなかなか判断できないが、貴重な意見として承りながら、経験、年齢ともに私より上な後藤田さんとよく相談してと、こういうような考えを持ちましたことを率直に申し上げまして、お答えにいたします。
○後藤田国務大臣 まず最初に、四十七年のときに先生御質問なさって、中村さんと水田さんがお答えをしておるのですね。そして、できるだけ早く見直しをやると、こういうことになっておるにかかわりませず、今日まで何らの手を触れてない。これはおわび申し上げます。実は、私はその当時、長官でございました。その意味からもまことに申しわけなく思っておるわけでございます。 しかし、実際は、当時両省庁の間で真剣に検討はしたのです。ところが、やはり当時の社会情勢といいますか、まだ時期が早いのじゃなかろうかといったような、これは事務方の意見で、そのままになったのです。しかし、そのままになってから、これは長いですね。ところが、御案内のように、こういうものはやはり社会通念ですから、時代の変化とともに、流されてはいけませんけれども、やはり変わるべき筋合いのものだと思います。 そういうようなことで、きょうここへお呼び出しを受けましたので、いろいろな資料を持ってこさせまして、また見ました。そうしますと、おっしゃるように、真っ黒けに三角で消したり丸で消したりと、かえって醜悪なものがございます。それからまた、ぼかしてあるものも、必ずしもこれでええのかなというのもございます。それからまた、いかがわしい目的で、といって取り締まりを受けちゃかなわぬということで、本当に薄い、パンティーというのですかな、あれでやっているのもあります。いろいろございます。しかし、私は先生の御質問を読みまして、先生のようなお考えでやるということであるならば、私は異論ございません。当然そういうようにすべきであろう、かように考えます。 ただ、警察とか、税関も同じですけれども、何しろやはり一般社会の風潮もありますし、しかも、これは言論の自由との関連がありますから、なかなか取り締まりなんかに当たって非常に慎重なんです。同時にまた、基準を一たん決めますと、これは変えるのも大変憶病なものでございます。しかし、そこらいろいろなことを踏まえながら、私どもとしては、先ほどお読みになった最高裁の例の判断の基準がありますね、しかし、あれはまことに大ざっぱなことでして、あれをどのように具体的に運用するかということになると大変むずかしいのです。したがいまして、私は、今回のこの御質問を契機に両省庁でもう一遍検討いたしまして、そして今日の健全な社会通念、また常識的な判断に立った基準、これを検討し直したいと思いますから、それで御理解を願いたいと思います。
○堀委員 大変適切な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 いま、実は水田大蔵大臣も中村国家公安委員長も故人になっておられましたが、幸いにして当時の官房長官であった竹下さんが大蔵大臣、当時の警察庁長官でございました後藤田さんが国家公安委員長ということで、いずれもこの経緯を御記憶があったようでありまして、八年の歳月が流れておるわけでありますし、私も必ずしも短兵急に問題の処理をしようとは考えておりませんが、ただ、いまの現状はちょっとひど過ぎるということだけは何としても公の場ではっきり申し上げておかなければならない。ですから、ひとつ、いま自治大臣の御答弁にございましたように、両省庁で十分協議をしていただいて、私は今度この輸入映画等審議会が関税等不服審査会ということになるようで、ここには十五人の学識経験の皆さんもいらっしゃるようでありますから、そういう方たちの意見等も十分ひとつ参酌しながら、さっきの費用がかかる話は別の話でして、削るところが少なくなれば費用も減るわけですから、要するに、そっちが現状のままでは費用が大変だろうと思いますけれども、ひとつそういうことで、きょうは大変前向きの御答弁をいただきましたので、いまのこの案件に関する問題はそういうことでひとつ善処方をお願いしておきたいと思います。 それでは自治大臣、結構でございます。ありがとうございました。 そこで、実はこの問題を契機にしてじゃありませんが、今度は法律が変わることになったわけでありますけれども、これまで輸入映画等審議会でどういうふうな形で異議の申し立てがあったのか、古いところは結構ですから、昭和五十年ぐらいからここへの異議申し立ての経過等をちょっと御説明をいただきたいと思うのであります。
○米山政府委員 御承知のように、この二十一条一項三号物品に該当すると税関長が判断いたしますと、それに対して当人に、これに相当するという通知を出すわけでございます。 この通知は、五十四年に三万百六十件、五十三年が一万四千五百三十六件ございます。 これに対しまして輸入者が異議がある場合には、これを税関長に、私ども異議の申し出と言っておりますが、異議の申し出をいたします。この異議の申し出の件数は、いまの五十四年三万百六十件に対しまして二十六件でございます。それから、五十三年の一万四千五百三十六件に対しまして三十五件でございます。 この異議の申し出があった場合には、税関長は、先ほどお話しありました輸入映画等審議会に諮問いたしまして、税関長は該当すると思いますが、どうでしょうか、こういうことで、かけます。かけて、そこで、該当すると思うとか、該当しないと思うとか、こういう答申をいただくわけでございますが、いまの五十四年の二十六件の異議の申し出に対しまして、これは該当しないと思う、こういうふうな答申をいただいたのは七件でございます。それから、五十三年の三十五件の諮問に対しまして十一件の該当しないという答申をいただいております。諮問したものについて約三割が該当しないというお答えをいただいております。
○堀委員 今度はホンリュー事件最高裁判決に伴って法律改正が行われるわけで、これまではこれは輸入映画等審議会でありますけれども、今度は関税等不服審査会にかかるわけですね。 結局、私がちょっとここでこの問題に触れておりますのは、要するに、これまでの関税の判断がやはり部分的にはこの輸入映画等審議会で、まあ提訴があるのかないのかは別として、あった分については三分の一ぐらいは、やはり関税の判断が相当でないという結論が出ているわけですね。だから、私は、先ほど、これからの具体的な問題の基準を検討するときに、このような学識経験者の皆さんが参加をされたところを含めて、ただもう皆さんいわゆるお役人ベースだけで主観的に物を考えて処理するというのでは、私は、なかなか、お役人というのは物事に対してきわめて保守性がございまして、もう一つ心配なんでありますので、その点はひとつぜひ考えてほしいということが一つと、もう一つ、私は、きょう竹下大蔵大臣大変勉強してきていただいて、非常に大きな示唆を含んだ発言をしていただいたのは、やはり年代によってこういうものに対する物の見方が変わるということですね。 そうすると、いまここで輸入映画等審議会のメンバーになっていらっしゃる方は、どちらかというと年齢が少し高いような感じが実はいたします。もちろん昭和二けたの方もあるいはいらっしゃるのかもしれませんが、まあ私がちょっと承知をしている範囲だと、どうも、やはりかなり年齢の高い方の方が多いように思うので、ここはひとつ大臣、今度のいろいろなものの基準を皆さんが御検討をいただくときには、昭和二けたといいますか、こういう若い方、これが将来の日本に対して責任を負う立場の方たちでもありますから、それも十分ひとつ配慮の中に入れてこの問題の処理をお願いをしたい、こんなふうに考えますが、大蔵大臣いかがでございましょうか。
○竹下国務大臣 いま見ますと、私の知っている人もたくさんいらっしゃいます。大体、十五人でございますか、それで四名が昭和二けた、十一名がまあわれわれクラス、こういうことでございまして、まあ古い人もまた必要でございますけれども、六十以上の人は五名でございまして、いま、とっさに見た途端では、比較的バランスがとれておると思うのですが、こういう時代の推移に応じて変遷していくものについては、そういう配慮は当然だと思います。国会のバランスも、いま、明治が八十人、大正が二百六十人、そのあと昭和というふうになっておりまして、だんだん社会的バランスがとれつつあるようでございます。
○堀委員 いまや、昭和一けたといいましても、もう五十歳でございますから、決して昭和生まれの方が若いという段階じゃございませんが、いま私の申し上げました問題を含めてひとつ十分御検討いただきたい。 それから、関税等不服審査会の審査については、異議申し立てがあってから一カ月でしたかな。関税法第九十条「前条第一項に規定する処分について異議申立てをした場合における当該処分についての審査請求に関する行政不服審査法第十四条第一項本文の期間は、当該異議申立てについての決定があったことを知った日の翌日から起算して一月以内とする。」というようなことで、行政不服審査法の方では三カ月となっておるようですけれども、関税法は一カ月みたいになっておるのです。大変スピーディーで結構なんですが、いま自治大臣も前向きにお約束をしていただきました件については、大体いつごろをめどに作業を終わるか、ちょっと作業の終わるめどを伺っておきたいと思うのです。
○米山政府委員 輸入映画等審議会は、この法律が成立いたしますとなくなってしまうわけでございまして、新たに関税等不服審査会にかかるわけでございます。それはこの法律が通ってからつくるわけでございます。もちろん、さしあたりはちょうど人数も同じでございますので、いまの輸入映画等審議会のメンバーをそのまま不服審査会の輸入映画等審査部会というふうなものにして、実質的に同じものを吸収いたしますが、やはり新しい組織でございますので、その手続等がございます。私ども、できるだけ早く第一回のやつを開こうと思っておりますが、やはり四月に入ってからでないとつくれない、こういうこともございますので、その点も勘案しまして、できるだけ早くかけたい、こういうふうに考えております。
○堀委員 この国会は五月十八日が会期の終わりでありますから、次の国会でもう一遍話を聞くというのではなくて、この国会会期中にこの問題についての経過を当委員会に報告をいただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
○竹下国務大臣 そのように取り計らいます。
○堀委員 それでは、時間があと五、六分しかないのですけれども、国際金融局長に入っていただいて、最近の通貨の状態が、いろいろと手が打たれつつあるのでありますが、どうももう一つすっきりしない。本日も円続落二百四十六円、こういうことのようであります。公定歩合も引き上げられたのでありますが、どうやらこの公定歩合、アメリカが一%引き上げた後で引き上げたというようなこともあって、これはどうも余り効果が出ていない。経常収支の方は依然としてどうも赤字基調だということになりますと、やはり通貨の問題というのは、余り円が安くなると、これまた国際摩擦を起こす方向で一つは動いてくる、一つはどうも国内の物価高にはね返るということで、円安必ずしも余り歓迎されないという現状だと思うのであります。しかし、個人的な見解としては、今年中にはこのような状態からもう少し円高になるというふうな見通しを私なりには持っておるのであります。円高になるといっても、この前のようなことにはなりませんけれども、いまの様子は少し円過小評価だ、こういう気持ちで見ておるのでありますが、国金局長、これについてひとつ。
○加藤(隆)政府委員 最初に、こういう問題につきまして通貨当局が発言いたしますというのは、いつも問題になりますので、その点は御容赦いただきたいと思いますが、まあ先生のお見通しのようになるんではないかというふうに思います。これはなかなか言いづらい問題でございまして……。
○竹下国務大臣 加藤局長から全く素直なお話がありまして、確かにきょう見ますと、昨十九日の海外市場は、米国における短期金利の上昇、すなわちプライムレートが一五・二五%から一五一七五%とやはり〇・五%上がっておるのです。今後の米国における金融引き締めに対するボルカー連銀議長発言というのがありまして、ドルは主要通貨に対しては堅調に推移して、円もニューヨーク市場では二百四十五円六十五銭をつけた。ところが、二十日、きょうの東京市場では、これを受けて二百四十五円九十銭で寄りついた後、サウジアラビアのハリド国王が死んだといううわさを背景として円安ぎみに推移して、結局いま御指摘のとおり二百四十六円四十五銭ということで終了したわけです。 それで、これもまた、いま貿易摩擦のことをおっしゃったそれとまさにうらはらのことになるのですが、本日この水準では輸出予約が適度にまた出ているのだそうです。そうなりますと、大きく円安に動くような状況ではないというのが一般的な見方である。基本的には、御案内のように、貿易収支にしても一月でマイナス一、それから経常収支では三角の一一というふうな、これが大きく影響しておる問題でありますけれども、これはまさにいま国金局長申しましたように、実際に為替相場の見通しを私なり国金局長が述べますと大変な影響があるということで、一切差し控えさせていただいておるわけでございますけれども、やはり公定歩合の引き上げ、アメリカより五日ほどおくれたとはいえ、それの物価抑制への効果が確実に出てくれば、また円相場の安定にも資していくではないかというふうな期待感でございます。と同時に、堀委員の御指摘のような気持ちを国金局長と同じように私も抱いておるという答弁でがまんしていただきたいと思います。
○堀委員 私がきょうこの時点でなぜこれを取り上げたかといいますと、要するに、日本の国会は、われわれは、このいまの状態というものは円過小評価であると考えておる、政府も過小評価であると考えておる、これがいまの状態にプラスに働くものだという私なりの確信を持っておるわけであります。ですから、このような過小評価はいつまでも続かぬぞということをこの場ではっきり申し上げ、政府も自信を持って対応されることによって、国際的な摩擦を軽減しながら国内の物価安定に資するということになることを期待して実はきょうここでちょっと発言をいたしましたので、先ほどの答弁で結構でございます。私は、過小評価である、やがて円は反転する、反転したからといって百円台にいくなどということを考えてはおりませんけれども、少なくとも現在の状態は適正な状態でないということを皆さん方も確認していただきましたから、それで結構でございます。 質問を終わります。
○増岡委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 次回は、来る二十二日金曜日午後五時三十分理事会、午後六時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後八時三十分散会