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91回国会衆議院1980/02/13

大蔵委員会 第5号

発言数
108
登壇者
15
会派数
2
開催日
1980/02/13

会議録

増岡博之自由民主党・自由国民会議

○増岡委員長 これより会議を開きます。  関税定率法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府より提案理由の説明を求めます。竹下大蔵大臣。     —————————————  関税定率法等の一部を改正する法律案     〔本号(その二)に掲載〕     —————————————

竹下登自由民主党・自由国民会議大蔵大臣

○竹下国務大臣 ただいま議題となりました関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  この法律案は、東京ラウンド交渉の終結、その他最近における内外の経済情勢の推移等に対応するため、関税率及び関税制度について所要の改正を行おうとするものであります。  以下、この法律案につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一は、東京ラウンド交渉に関連する改正であります。  まず、東京ラウンド交渉において作成されました関税評価協定、補助金・相殺措置協定及びダンピング防止協定の実施を確保するため、これらの協定の内容に沿って、関税の課税価格、相殺関税及び不当廉売関税に関する規定の整備等を行うことといたしております。  また、同交渉において合意された関税率の引き下げについてジュネーブ議定書が作成されておりますが、わが国の場合、実行税率が基準税率を下回っているためにこの議定書だけでは当面関税率引き下げの効果が生じない多くの品目があることにかんがみ、開放的な国際貿易体制の確立等に資する見地から、同交渉におけるわが国の関税譲許品目の一部について、現行実行税率からの段階的引き下げの措置を講ずることといたしております。  第二は、特恵関税制度の改正であります。  わが国がすでに多くの開発途上国に対し特恵関税を供与していることは御承知のとおりであります。  先般、特恵関税供与の要請がありました中国につきましては、特恵関税制度適用の法定要件を満たしており、これまでの事例等に徴してもこれを供与することとするのが適当であると考えられますが、これに伴う国内産業及び既受益国への影響を緩和するため、所要の調整措置を講ずることといたしております。  また、後発開発途上国からの要請にこたえ、これらの諸国を原産地とする物品に対する特恵関税率を原則として無税とすること等を内容とする特恵関税特別措置を新設することといたしております。  第三は、その他の関税率等の改正であります。  まず、昭和五十五年三月三十一日に適用期限の到来する原重油等九百六十二品目の暫定関税率につきましては、国内産業の実情等に応じ、マグネシウムの塊等五品目について所要の調整を行うほか、適用期限を一年間延長することとし、また、暫定関税率表につきまして、その簡明化を図るため、所要の改正を行うこととしております。なお、特恵関税率につきましても、バナナ等三品目につき引き下げを行うことといたしております。  また、各種の減免税還付制度につきましては、昭和五十五年三月三十一日に適用期限が到来するものにつきその期限を延長するほか、製造用原料品の減免税対象に一部追加を行うことといたしております。  このほか、輸入禁制品に係る不服申し立て手続等の規定の整備を図るため、所要の改正を行うことといたしております。  以上、関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を申し述べました。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

増岡博之自由民主党・自由国民会議

○増岡委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。

増岡博之自由民主党・自由国民会議

○増岡委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。

沢田広日本社会党

○沢田委員 今回、関税の問題について、一般的な問題でありますが、それぞれお伺いをしてただしてまいりたいと思います。  そもそも、この東京ラウンドの条約なり議定書関係は、外務委員会との関係もあります。ですから、大蔵委員会で関税のこの率をとらえるということは、言うならば、日本の産業なり、あるいは日本のそれぞれの国民生活にどういう影響を与えていくのかということが主要な問題になるだろうと思います。短絡的に言えば、関税率はなるべく高くて、そして日本の産業が全部守られる、保護される、これは一方的な見方でありますけれども、相手の国が何も文句を言わないならば、それで十分である。一番高くして、必要なものはまあ入れるとしても、いわゆる競争品目は入れない方がいい、これは常識的な見解だと思うのであります。  ところが、やはりこういうふうに今日、世界が小さくなってといいますか、また、開放経済という方向になってまいりますると、やはり国民生活を維持しながら、関税率というものをどういうふうな適当な位置に定めて、しかも外国からエコノミックアニマルというような非難を受けないようにするかということの観点というものも必要になってくるだろうと思うのであります。  そういうような立場に立って、今回の提案は、いま言われた説明は、東京ラウンドの結果だと言っておりますけれども、もっと国民生活に対する、あるいは産業的な物の見方と二つあると思うのでありますが、どういう立場でこの問題をとらえて提案をしているのか、これをひとつまず先にお伺いをしておきたいと思います。  これは、いわゆる今回の法律の大前提の問題でありますので、予告はなかったかと思いますけれども、大蔵大臣、お答えをいただきたいと思います。

竹下登自由民主党・自由国民会議大蔵大臣

○竹下国務大臣 いまの御意見を交えた御質問の中にもございましたように、基本的には貿易に依存することの大きいわが国の利益に合致するものでありまして、東京ラウンド交渉の成果を誠実に実施することはわが国にとって重要なことであるという考え方に立っておるわけであります。しかしながら、わが国の産業、なかんずく農業あるいは中小企業等に対する過度の影響防止ということがまた当然のこととして配意されなければならないことも御指摘のとおりであると思います。  したがいまして、この東京ラウンドの合意をまとめるに当たりまして、わが国産業、農業、中小企業に対して過度の影響を与えないよう種々の配慮を加えた例といたしまして、たとえば関税引き下げについては、例外品目の選定及び引き下げ幅の決定等に当たって可能な限りこれらの点を配慮したつもりであります。また、関税引き下げ品目につきまして言えば、その引き下げ後税率は原則として八年後の水準を示すものでありまして、初年度から一挙に実施されるというものではございません。したがって、わが国のそうした産業に対しての過度の影響を与えることは避けられておるというふうに理解をいたしております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 経済企画庁の方にもおいでをいただいておりますから、この際あわせてそれと関連して聞くのですが、当面の問題としてとらえてみれば、これは品目別に見ますと、それぞれいろいろあると思うのでありますが、経済企画庁が七カ年計画というものを立てました。特に第一次産業に関係して、第二次産業も同じでありますけれども、経済企画庁の計算によれば七カ年後における第一次産業で百五十万の農漁民人口が減ってくる、しかも第二次産業も減ってくる、それらはすべて第三次産業に包含をされる。これが七カ年計画の将来図であります。この関税率というものを設ける以上、日本の産業、言うならば第一次産業あるいは第二次産業を含めて振興をしていくということが主体的な目標でなければならないだろうと思うのであります。そうすると、いま言われた大蔵大臣の主張と経済企画庁が考えている七カ年計画の日本の将来図とは相当の開きがあるというか、雲泥の差があるというふうに考えられます。  ですから、その点、たとえば食糧の自給率一つをとらえてみましても、将来の農漁民の人口を、第一次産業を五百万程度にまで百五十万人も減らしてしまって、そうして食糧の自給率は七割なりあるいは八割というものは確保できるのかどうか、あるいはまた、第二次産業も現在より減らしてしまって、そしてこういう関税率によってそれが維持できるのかどうか、こういう疑問に対しては、経済企画庁としてはこの整合性をどう考えているのか、あるいはそういう点についてはどう配慮して考えているのか、お答えをいただきたいと思うのです。

西谷浩明経済企画庁総合計画局計画官

○西谷説明員 御説明申し上げます。  私ども、経済計画の方の附属表として作成いた、しております産業構造の姿あるいは就業構造の姿でございますが、これは本文の理解を助けるための附属表として計算いたしたものでございます。  産業構造につきまして申し上げますと、経済計画は、前提といたします内外の諸条件を織り込みまして経済モデルから算出したものでございます。また、就業構造につきましては、その産業構造をもとにいたしまして就業係数を出し算出したものでございます。したがいまして、個々につきましては、関税率をどのように取り扱っているかというような形では算出してないような状況にございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 続いて一言聞いておきますが、そうすると、いわゆる貿易というものは関係なしに考えている、こういうことですか。

真木祐造経済企画庁総合計画局計画官

○真木説明員 御承知のように、昨年八月に閣議決定されました新経済計画には五本の大きな柱がございまして、その一つとして国際協調というのが挙がっておるわけでございます。中でも重要なものの一つが東京ラウンドの成果の確実な実施による自由貿易体制の維持発展ということでございまして、さらに具体的な例を挙げますと、関税率引き下げとその早期実施の努力、各種協定類の具体化あるいは検査手続、輸入手続の改善、簡素化等を重要な政策に挙げているわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 そうしますと、この配付されました資料の五カ年計画で減らしていく率というものは、それとの調整を図ったもう以前に七カ年計画はつくった、こういうことですか。

真木祐造経済企画庁総合計画局計画官

○真木説明員 この経済計画の参考資料といたしまして将来の日本経済のフレームの姿の計算をしておりますが、これは中期多部門モデルというマクロモデルを使用しているわけでございまして、個別の品目ごとの計算をしているわけではございません。  ただ、マクロ的に輸入を考えます場合に、東京ラウンドの成果の実施による輸入拡大効果ということを十分考慮に入れて計算を行っているわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 そうすると、農業の方は、関税率をこう引き下げてくれば太刀打ちはできない。第二次産業の方も、こういうふうに引き下げていけばいやおうなしに低下をする。そして日本は第三次産業に依存しなければやっていけない国になる、こういうことが計算の結果として出てきた。しかも人口増五百万もすべて第三次産業に含めて五千八百万、大体そういう想定を下して七カ年計画を立てているのであります。そういう形と理解せざるを得ないのでありますが、異論があったら答えてください。

西谷浩明経済企画庁総合計画局計画官

○西谷説明員 御説明申し上げます。  産業構造でございますが、私ども、一次、二次、三次産業と分けました場合、産業の生産額といたしましては、一次産業、二次産業、三次産業ともに伸びていく、このように考えております。ただ、労働力、就業者ということになってまいりますと、特に二次産業あたりは非常に生産性向上努力というものが払われるであろう。したがって、労働力の分配ということになればやや姿が変わってくるのではないか。二次産業で申しますれば、いわゆる知識集約型の組み立て産業のようなものに比較的雇用の重点が移りますでありましょうし、また、今後国民の非常に期待するところの多い、需要の多い第三次産業におきまして多くの人間が雇用されるのではないか、このような考え方のもとで就業構造等の試算を行ったということでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 大蔵大臣、いま答弁されているような結果です。いまの答弁では、今回の改正案を、東京ラウンドの結果を踏まえて七カ年計画を立てたがごときことを言っているわけですが、この五年間に分割する法案ができたのは最近なのでありますから、それを入れたというのはうそな答え。ある程度の想定はしたかもしれませんが、それが具体的に産業にどう影響を及ぼすかということを考えたのは最近だと思うのですね。ですから、その辺は中に含めてあるということについては、若干これは私の意見とも違うでしょうし、事実上は含まれてないと私は解釈するんです。ですから、この関税率を引き下げるということは、一つの法律だけでありますけれども、いま言ったように、日本の産業全体にどういう産業構造の転換が起きてくるか、ある程度のビジョンをつくっていかなければ、この実効性というものは、将来性というものはないんじゃないか。また、こうあらねばならないという姿を出さなければ——関税率によって喜ぶ人がいる、悲しむ人がいる、それはある程度の力関係で決まっていってしまう、こういうことで果たしていいんだろうか、こういう疑問については、言うならば七カ年計画を一応見直していただきたい、こういうふうな気持ちも込めてお答えをいただきたいと思うのです。

竹下登自由民主党・自由国民会議大蔵大臣

○竹下国務大臣 新経済七カ年計画でございますが、これは昨年の八月のものでありますけれども、これが作業が進められて、そうして小委員会案が出たのはおととしの十二月だったか、たしか五十四年度予算編成の最中にこの作業が行われておりましたことを、たまたま私はそのときは予算委員長として承知いたしておりましたが、広範な角度からいろいろなものが勘案されておったとそのときにも思っておりました。したがいまして、具体的にはそれぞれ、たとえば五十五年度予算編成に当たっては一つの企画委員会でありますとかのフォローアップ作業が行われて、間もなく閣議にも報告があるそうでございますが、それらを基礎として予算編成がなされたごとく、ある種のフォローアップというものは必要であると私も思うのでございます。ただ、現段階におきまして原油の値上がりとかいろいろな狂いがございましたけれども、いま新経済社会七カ年計画を改定するという方向にはない。フォローアップをしながらそれに整合性を持った予算編成等をやっておるというのが実態でございます。  しかし、いわゆる関税の問題については、大きくはこの計画が策定された場合に、方向としてはある種の整合性はあったではなかろうか。これは正確に、整合性がこの点においてありますと言うだけの自信が私にはございませんけれども、大筋においては整合性というものを念頭に置いて作成されたものであると思っております。したがって、ある種の大きな狂いが生じた場合は、いろいろなところへどういう影響がありますか、ある意味におけるフォローアップというものは必要ではなかろうかというふうに考えておる次第であります。

沢田広日本社会党

○沢田委員 じゃ、続いてで恐縮ですが、三千五百もある品目を、私の質問も一時間、それぞれが合わせてみましても、——一つの品物についてもそれぞれの産業にそれぞれ影響を与えるわけですね。審議日程上、これは政府としても相当無理があるとは思いませんか。とにかくわれわれにこれだけの書類を、三千五百品目を当たらなくてもいいや、おまえたちはこれを認めればいいんだ、こういう姿勢にしか受け取れないのでありますけれども、もう少し中身的に見るならば、それがどういう業界に影響を与えるのか、それからどういうメリットをここから引き出すのか、それからデメリットとしてはどういうふうになるのか、そういうものを少なくともそれぞれの品目別に出してもらっていいんじゃないかという気がするのでありますが、その点はどのようにお考えですか。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 この東京ラウンド交渉は、御承知のように七年間にわたる非常に長い交渉でございまして、その間基本方針を策定いたしまして、この基本方針につきましてそれぞれの商品が十分妥当し得るような引き下げができるかどうかということを十分にそれぞれの関係省と私ども相談し、それを持って各国との交渉に臨んだわけでございまして、その点につきましては、私ども一品一品につきましても十分な検討を行ってやった次第でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 それは、検討をしたことは否定するんじゃないんです。われわれに、国民にそのことを明示するべき必要性があるのではないか。なぜこれが二〇%になり、なぜこれが一二%になり、なぜこれが六%になったかを少なくとも明確にする必要性があるのではないかという質問なんですよ。それをわずか——わずかという言葉が適切かどうか、これから三カ月かかってやるかどうか、五月十八日までかかってやるかどうかわかりませんけれども、三千五百もの品目を一々われわれに当たらせると仮定をするならば、少なくとも一年ぐらいかからなければ、これはとてもじゃないが全部審議終了するというわけにいかないだろうと思う、現実問題として。あなた方だって恐らくこれを全部当たってみて、それだけの日数を必要とするだろうと思うんです。それをわずか一時間ぐらいの質問の中でするということは、少なくとも白紙の委任状を取りつけるという姿勢じゃないですか。もう少し中身を、さもなければ、これについてはこうだという経緯ぐらいは提出するのがあたりまえじゃないでしょうか。どうですか。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 今回の東京ラウンド関税交渉に当たりましては、東京ラウンドの最初の東京宣言というのがございまして、これに基づきまして基本的な精神を決め、各国と関税交渉の基本原則というものを幾つかつくっておるわけでございます。そうしたものに基づきまして厳密に各一品一品当たりまして、この案をつくるのに当たりましては関係のいろいろの業界の意見を聞き、しかも関税率審議会、これは各界の代表を広く網羅している、民間の人を集めている審議会でございますが、ここにも諮りまして、そういう関係業界との調整というのも十分図っておりまして、それぞれの品目につきましてそれぞれの関係者は十分承知している内容でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 いみじくもそれぞれの関係者は承知している、知らないのは国会議員なり国民ばかりである、こういうことをお答えになられたわけであります。  そこで、関税率算定に当たっての根拠をひとつ示していただきたい。関税率算定に当たってどの品目に何%適用するというのはどういう客観的な資料に基づいて、どういう査定に基づいてつくっていったのか、これも全部言ってもらいたいのですが、後でこれは委員長、できたら資料を、各品目ごとにその算出根拠を出してもらいたいと思います。これはお願いをしたい。それで一応概括的にお答えをいただきたい。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 この関税率の引き下げにつきましては、東京宣言に基本的な精神が書いてありますが、それに基づきまして基本原則というのが幾つかございます。  この基本原則は、今回は工業品、農産物の双方を対象とするということが第一点。それから、この関税につきましては、できる限り一般的に適用されるような適当な方式を採用して交渉する、こういうことになっています。  それで、この考え方というのは、鉱工業品分野におきましては主要国の間でいわゆるフォーミュラ、一つの方程式をつくっております。この方程式の考え方は、高い関税率のものについてはできるだけ大幅に引き下げるといういわゆるハーモニゼーション方式という考えをとっておりまして、大体の目標を全体を加重平均いたしまして約四〇%引き下げる、こういうことでやっております。これはスイスの代表が提案されましたいわゆるスイス・フォーミュラというのをつくっておりまして、引き下げ後の関税をZといたしますと、Aという一つのパラメーターを置きまして、現行の関税率をXといたしますと、AプラスX分のAX、こういうものが引き下げ後の税率になる、こういう方式を決めております。そして、この方式でできないものにつきましては、それぞれの品目につきましてそれぞれの国の事情がございますので、各国それぞれ交渉する、こういうことにして、基本はいま言ったスイス・フォーミュラによっておりますが、それで適用できないものについては個別に交渉する、こういうのが鉱工業品に対する関税引き下げの方程式でございます。これが原則でございます。  それから農業については特殊事情がありますので、個別にそれぞれ自分のところはこういうものを引き下げてほしいというのを相手国にぶつけますいわゆるリクエスト方式、リクエストしまして、これに対して各国がこたえるといういわゆるリクエストオファー方式というものをとっております。  それから、発展途上国に対しましては特別に優先的な分野として取り扱うということでやっております。もちろん外交交渉でございますので、交渉は相互主義に基づいてやる。ただし、発展途上国については相互主義を適用しない、これが原則でございまして、この原則のもとに一品一品当たって決めたということが基本でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 ちっともわからないですね。いまあなたは自分ではわかっているだろうけれども、いまの説明で、それぞれの産業は了解していると言うが、たとえば電気器具なら電気器具を上げて九・五%に決めました、それで、いまの説明で国民が了解すると思いますか。九・五%はどこから出てきたのかという説明になっていると思っていますか、あなたの答えが。どうですか。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 鉱工業製品につきましては、いま申し上げましたように、平均四〇%の引き下げということを目標にいたしまして、それで適用できるかどうか、各品目について交渉した結果、いま委員御指摘のその品目につきましては、そういう数字に決まったということでございます。もちろんこれにつきましては、私ども細かいデータは持っております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 いまデータは持っていると言ったんですね、持っていると答えたわけですね。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 もちろんそのデータは膨大なものでございまして、いまここで御説明できる程度のもの、あるいは先生御満足されるようなものは、みんな私ども各省それぞれが持っているというわけで、ここにいま持参したという意味ではございません。

沢田広日本社会党

○沢田委員 それでは、結果的には、言うならば中身がわからないでこれを認めろということでしょう。九・五と出てきた根拠、一二%として出てきた根拠、それは客観的にいろいろの情勢を見て判断したのですと言うのなら、これは何もないということです。それはあなた方が客観的に判断しただけであって、国民に客観的に判断できる材料をちっとも与えていないでしょう。これは現実問題の議論ですよ。いまわれわれに、この一二なり六なりを決めたという客観的な材料を与えていると思っていますか。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 一品一品につきまして御質問をいただきますならば、いま持ってないものもございますので、また、いずれそれにつきましては、あるものは御説明いたしますし、いま手持ちにないものにつきましては、後ほどそれにつきまして御説明いたします。

沢田広日本社会党

○沢田委員 それでは後で、この合計ページ数四百二十ページありますね、大体品目で三千五百、必要に応じて私の方に提出していただくなり説明していただくということはお約束できるわけですね。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 数字を、税率を書いただけでこの分厚いものになっておりますので、これを資料として全部提出するということはなかなかむずかしいと思いますが、委員、もしどの品目についてどういう考えでやったかというふうな個別の御質問がございますれば、私どもこれにつきまして準備いたしましてお答えするということにいたしたいと思います。

沢田広日本社会党

○沢田委員 それも不適当じゃないですか。これはいま私一人の質問です。四百二十ページ全部挙げたら、それじゃ出してくれるということですね、と理解していいですね。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 それぞれの品目につきまして、それぞれ改正の根拠というのは、私どもはもちろん持っているわけでございますが、それをどういう資料にして出すかということによりましては非常に膨大なものになりますので、その点につきまして、どの程度のものにするか、またあれしたいと思いますが……。

沢田広日本社会党

○沢田委員 これは私がトップなんです。皆さんが審議をするわけです。膨大になるとかならないとかいうことは言いわけにならないですよ。じゃ、最小限度に考えたと仮定をしても、私が四百二十ページに及ぶものを全部出してくれと言ったならば、私個人には少なくとも説明に来るということは言えるのですね、あるいは資料を出すということは言えるのですね。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 もちろん、品目につきまして説明の御要求がございますれば、私どもはそれにつきまして御説明するつもりでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 では、それで確認されましたから、これは後でまた一週間ぐらいかかってひとつ聞いていきたいと思っております。  時間の関係がありますから次に行かしていただきますが、保護関税は相当いろいろと食品の関係とかあるいはその他、こういうふうな税率を決めておりますが、保護関税は、さっき述べました将来の日本の産業構造をつくっていく上に、この税率で果たして役に立っていくのかどうか。西ドイツは、御承知でもありましょうが、雨風に耐えて、風雨に耐えてという形で、とにかく対処しました。日本は、言うならばひ弱な、かぜを引かないように、かぜを引かないようにという厚着で育てる方式をとっております。果たしてどちらが日本の将来の国民にとってプラスになるのかということの判断については、大蔵大臣はどう考えておられますか。

竹下登自由民主党・自由国民会議大蔵大臣

○竹下国務大臣 私も最近感じますのは、日本経済というものも、暖かい丹前を着せながら育ったとは必ずしも考えておりません。  振り返ってみますと、一九四〇年代後半というものは、これは確かにGHQの間接統治下にありました。しかし、五〇年代からはそれなりの順調な経済運営をしてきましたが、そのときはまだいわゆる国際関係のもろもろの協定等に加入していない状況でございましたので、それなりのぬくぬくとした環境の中で自立経済体制をつくっていった。しかし、六〇年代になりますと、まさに高度経済成長で繁栄の一途をたどって、このときには国際的にも対応できる訓練ができたのじゃないか。さらに七〇年代に入りまして、一九七一年におきますところのドルの交換性禁止からいたしまして、それからは、いま沢田委員おっしゃいました、ドイツと同じように厳しい雨風に耐えながら今日まで育ってきたのではないか、私はこういう認識を持っております。特に、七〇年代以降そういう感じがいたしております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 後でまた同僚議員から御質問があると思いますが、農業の問題につきましても、結局日本の食糧の自給率が低いということは、逆に言うならば、それに耐える力が弱まっていった結果、後手後手になって少なくなったのではないか。これからも同じように保護をしていくことが、かえって農業の自立体制というものを弱める結果にならないかどうか。これは目的は一つだと思うのです。保護をしながら食糧の自給率を上げていこうという考えの人ももちろんおります。しかし、同時に、今度はそれに耐え得る力をつけて、自立能力をつけさせるという道もあると思うのです。いま日本がとっている方法としては、保護的になっていって、肉なら肉を抑制をしたり、あるいはいろいろなものを関税をかけて保護していこうという気持ちはわかります。人情としてもわかります。あるいは、それに当たっている国民の人たちに対しても、気持ちはわかります。しかし、それが将来の日本のためになるのかどうかということになると、果たしてそれが本当に日本の農業を再建させる道につながるのかどうか、私はこれはきわめて疑問がある点だと思うのであります。  そういうことで、農林省からも来ていただいておりますが、今日までこうやってきたこの関税の体制から、農産物の自給率がどんどん低下をしていく、米は過剰米を抱えているというかっこうです。農政は本当にNO政です、何もやっていないじゃないですか。これだけ関税率を下げたら、あるいはゼロにした場合の日本の農業はどうあるべきかということは立案してあるのですかどうか、それを一応農林省からお伺いをしたいと思うのです。

赤保谷明正農林水産省経済局国際部貿易関税課長

○赤保谷説明員 お答えをいたします。  ただいまの御質問、輸入制限とか関税とか、そういうものを課さなくても外圧に耐え得るような農業を育成していくべきではないか、そういうことをしないと日本の農業はつぶれてしまうぞ、こういう御指摘だろうと思います。私も、そういう点につきましてはまことに同感でございます。  ただ、日本の農業の現状を見てまいりますと、これは日本だけではありませんけれども、土地条件だとか、お天気、自然条件だとか、そういう制約を非常に受けやすいという特質を持っておりまして、特に日本は耕地面積非常に狭うございまして、経営規模も非常に少のうございます。そういう農業の実態に即したような助成措置もいまの農業の現状からすればこれはやむを得ない、そういう実態でございます。ただ、農業も産業でございますので、能率といいますか、そういう視点から生産対策を進めていかなければならないというのは当然のことでございまして、生産対策あるいは流通対策、そういうものについていま鋭意努めておる。ただ、そのねらっているところは、先生のおっしゃるように、外圧に耐え得るようなそういう農業をつくっていかなければならないということで、農林省でもいろいろな部局、そういうねらいでいろいろな施策をやっておるわけでございます。そうは言いましても、現実の問題として非常に零細規模の農業であるという問題もございますので、そういう実態も踏まえながら貿易制度、関税制度についても検討している、いままでもやってきました、そういう状況でございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 じゃ、たとえばこれから関税率を、だんだんいろいろな問題が起きてきて、もっと下げていかなくちゃならぬという場合の対策というものは、具体的にはどういう形のものができているのですか。

赤保谷明正農林水産省経済局国際部貿易関税課長

○赤保谷説明員 諸外国から関税を下げてくれという要望は、東京ラウンドを終わりましても特に低開発国あたりからは相変わらずあるわけでございます。そういうときにどういう体制を整えるかということでございますが、これは先ほど申し上げましたように、抽象的で申しわけございませんけれども、生産対策、流通対策、万般進めておりまして、そういう農業の現状とも調和のとれたような形で、国内で現実に農業で食べている方々は多いわけでございますから、そういう農業の実態とも調整のとれたような形でそういう引き下げ要望について対処をしてきている、今後もそういうことでまいるということに考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 答弁になってないですよ。  ですから、いろいろ外国からはそういう要望がある。だから、万一下がった場合の条件において農業というものがどう自立できるかということを研究しているのですか。あるいはどういうふうにしたらいいかと、ただ現状のままを是認するのではなくて、どう改革していったらいいか。じゃ、この部分ではできる、この部分はだめだ、そういう分類くらいはできているのですか。

赤保谷明正農林水産省経済局国際部貿易関税課長

○赤保谷説明員 そういう具体的な分類とかいう話ではございませんけれども、農林省を挙げて従来から生産対策、それぞれ生産性の向上を図らなくちゃいかぬということでやってきておりまして、ビジョンとかいうのは農政審議会あたりで御議論はいただいておりますけれども、従来から行ってきました農業政策というものは、言ってみれば農業の体質を強化する、外圧という言葉がいいか悪いかわかりませんけれども、そういう対外的な競争力もつけるという考え方でやっていることには間違いございませんので、抽象的で申しわけございませんけれども、それぞれの担当の部局、原局原課ではそういう考え方で進めてきておるということでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 これは農林委員会じゃないから細かい細部に入りませんが、たとえば豚を例にとりましても、六頭生まれたとする。年に二回だとして十二頭だ。八万円ということだったら九十六万円である。それにえさ代その他を引いて、電気代を引いたらば、採算が成り立たない。そういうたとえば具体的な問題に対してどう対応しようとしているのですか。現実にはそういうことですよ。現実はそういう状態ですよ。その現実の状態に対して対抗できるような条件にはどういうふうにしたらいいとあなたは思っているのですか。

赤保谷明正農林水産省経済局国際部貿易関税課長

○赤保谷説明員 食肉鶏卵課長が参っておりますので、担当課長の方から答弁させていただきます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 これは農林委員会じゃないから、ここで勘弁はしておいてやるけれども、とにかく、そういうことで、ではこれはこうしなければならぬ、これはこういう方向に持っていかなくちゃならぬと、それをやはり指導していくのが、あなた方、申しわけないけれども、給料をもらっているゆえんじゃないのかしら。そういうことから考えて、それに指導を与えないで、農家自体にだけ任しておくということでは、いま言った条件はちっとも前進しませんよ。  日本は、とにかく、米だけは八俵もとれるようにまで技術は改革したんじゃないですか、昔は二俵ぐらいしかとれない状態が。そういう状態からそれまで技術改革をやって進んできている力を持っている。それが酪農には通用しません、何には通用しませんということは、私はないと思うのですよ。なぜそういう努力をしないのかということを、実はこれは大蔵大臣、所管庁は違うけれども、関税を出した手前もあるのだから、ちゃんとこの点も農林省を監督して、どういうふうな態度でこれから臨んでもらえるのか、ひとつお答えをいただきたいと思う。

竹下登自由民主党・自由国民会議大蔵大臣

○竹下国務大臣 まさに私の所管ではございませんが、そうしてまたもう一つ、大蔵省が農林省を監督する立場にはございませんけれども、(沢田委員「出しているのだから」と呼ぶ)国務大臣の一人といたしまして、特にこの関税を出した担当大臣として、日本農政のあり方について、いささか私見にわたるかと思います。  確かに食糧問題というものは、セキュリティーの一つであるという物の考え方が一方に存在しております。それと同時に、やはり国際競争力をつけるべきだという考え方、これが併存しておるところに問題があると思います。そして、なかんずくこれが貿易という問題になりますと、いわゆる開発途上国からの、関税を引き下げて自分のところの農作物を買ってくれ、こういう圧かという表現が適当でありますか、要請が強いことも事実であります。したがって、私も農林委員会に所属しておったこともかつてはございますが、農林水産省にありましては、牛肉は牛肉としての一つの将来の、二十一世紀の人口構造を踏まえて、世界の牛肉の事情がどうなるかとか、あるいはお米の事情はどうなるかとか、そういう——生鮮食糧品の問題だけはちょっと別におきますれども、そういうプランは絶えず農政審議会等で審議されて、それがやはり政府の政策立案過程において大きな参考となっておるところであるというふうに思っております。  ただ、委員御指摘のとおり、日本の工業生産にいたしましても、かつて国際競争力をつけるための体制金融とかいうようなことまで考えた時代がありました。しかし、それらはすでに必要がないようになった。それと同じように、やはり、土地狭隘にして人口が多いという特殊条件は別として、私は、そういう雨風に耐えていくところの体質をつくるための努力を、いま農政の一面の姿としておやりいただいておるというふうに信じておるところであります。

沢田広日本社会党

○沢田委員 これは答弁はいただかなくて結構ですが、大蔵大臣がどう信じようと信じまいと、農林省はそういう体制になってないことは、これは事実ですね。だから、大蔵大臣は信じているとするならば、それはえらい間違いを起こすということだと思う。この問題ももう少し詰めていきたいと思いますが、あとは同僚の議員が農林問題についてはさらに質問させていただくと思いますので、私はまたそれにお譲りをしてこの辺でとめますけれども、大蔵大臣が信じただけで農民は救われるものではないのであります。問題は具体的な手だてをどう立てるかということが問題なんでありまして、その点は要望をいたしておきたいと思います。  続いて、これは違った問題に入りますけれども、これは今日的な問題、特に電子レンジと電動モーターがダンピングであるという指定を受けたようであります。この問題については、現在、今度の関税率の引き下げその他によって、どういうふうに考えておられるのか。これが通ればそれは解除されると考えておるのか、あるいはこれはそうでなくともダンピングと指定を受けたものはやむを得ないのだ、こういうふうになるものなのかどちらか、お答えいただきたいと思います。

内村俊一通商産業省通商政策局国際経済部通商関税課長

○内村説明員 お答え申し上げます。  電子レンジ及び電動モーターにつきましては、御承知のとおり、先生御指摘のとおり、輸出面で問題がございますが、関税の引き下げとこの問題は特に特別直接には関係ございません。  関税の引き下げについて御説明いたしますと、電子レンジにつきましては、現在、基準税率が一〇%でございますけれども、これは実行は四%でございますが、一〇%から三%に引き下げるというオファーをしております。それから、電動モーターにつきましては、これは種類によって違いますけれども、基準ベースで七・五を四・九に下げる、あるいは一〇%を五・八に下げるということで、かなり大幅な引き下げをやっております。現在問題になっておりますダンピング問題等につきましては直接関連はないかとも思いますけれども、やはりこういう引き下げを進めることによりましてアメリカにおける対日の空気も若干は好転するのじゃないかという感じはいたします。

沢田広日本社会党

○沢田委員 東京ラウンドの中に一項目として、その国の経済に著しく影響を与える場合は、という項目が抽象的にあるわけですね。これがなぜアメリカでは電動モーターをダンピングとし、あるいは電子レンジをダンピングにしたのかということの中身は、結果的にはアメリカの電子レンジ業界あるいは電動モーター業界というものに著しく影響を与えたと判断をしたからではないでしょうか。その点はどうですか。

内村俊一通商産業省通商政策局国際経済部通商関税課長

○内村説明員 お答え申し上げます。  損害があり、かつダンピングを行っておる——タンピングの事実があり、かつ、アメリカの産業に実質的な損害を与えているという場合にはダンピング調査をやってよろしい。これが国際的な約束でございます。アメリカもそういう条件に従って開始したものと思われますが、もちろんこの点につきましては、政府、民間含めまして、日本側ではそういうことはないという主張をしておりますけれども、若干、見解の相違でございますが、アメリカ側としてはそういう考えで調査を開始したと考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 ついでに、テレビにまで関税をかけているというのはどういう意味ですか。これは後で四百ページ全部にわたって聞くつもりですが、テレビなどという輸出はんらんと言われているくらいのものに、なぜこの関税四%をかけているのか。ちょっとその理由だけ簡単にお答えいただきたい。

内村俊一通商産業省通商政策局国際経済部通商関税課長

○内村説明員 先ほど大蔵省の関税局長より御説明がありましたように、この関税の引き下げは一定のフォーミュラに従って行われておりますけれども、特別なものにつきましてはそれ以上に切り下げ、あるいはそれ以下しか切り下げないというように若干のバラエティーがございます。テレビにつきまして申し上げますと、現在、基準税率、協定上約束しております税率が一五%でございますけれども、これを四%にまで引き下げる約束をいたしております。したがいまして、一般のものに比べますと非常に大きな切り下げ幅になっております。ちなみに、アメリカは現在五%でございまして、五%を変えないと言っておるということになっております。ヨーロッパは七から四・九に下げるということでございまして、いずれも日本よりは高い税率になっておるわけでございます。そういうことで、かなり引き下げはしたというふうに考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 実は八項目用意したのですが、時間がなくなってきそうなので、大変申しわけないのですが、次に行かしてもらいます。  次に、物品税との関係なのでありますが、物品税も一兆円以上の収入があるわけですから、大蔵省としてはよだれが出そうな財源だろうと思うのであります。しかし、中身を見ますると、関税の場合には、関税定率法第四条の規定の中には、一応、物品税を課さないもので関税を見る、こういうことになっておるようでありますけれども、いずれにしても、消費者にとってみれば、関税率が下がって物品税が同じようなものであると仮定すれば、関税率が下がった分だけ下がるかといえば、現実にはなかなかそうはいってない現状にあるわけです。  そこで、また物品税を——これはこれだけで大変な中身になりますから簡単に申し上げますと、見直す必要性があるのじゃないか。たとえば、電気スタンドは四千八百円から物品税をかけられて、カーテンはゼロだ、こういうような矛盾もあるわけですね。中身を見ていったならば、昔は希少価値があったかもしれぬけれども、今日は日常生活の必需品になってしまっている。少なくとも奢侈的なものでもなければ希少価値的なものでもない、あるいは財政負担能力に影響するものでもない、そういう品目がたくさんあるわけです。しかも居住用住宅の構造の改革によって新たなものも生まれているわけですね。そういうものの転換をしなければならない時期に来ているのではないか、こういうように思いますが、これは大蔵大臣でなければ答えられないのではないかと思いますが、担当者でもどちらでも結構です。見直す意思があるかどうか、そういう矛盾はどう解決するのか、お答えをいただきたいと思います。

福田幸弘大蔵大臣官房審議官

○福田政府委員 間接税の中の物品税の今後のあり方という御質問であろうかと思います。  間接税が今後税制の体系の中でどうあるべきかということをまず考えるべきであろうと思うのですが、現行の間接税が、いま御指摘のように、個別物品税の体系をとっておるというのは、一つの問題点があろうかと思います。酒、たばこ、これは特殊な物品でございますし、従量税等の自動車関係諸税、それから揮発油税、これは特別の課税として各国とも考えておりますけれども、あとの物品をどう課税するかは、現在のように個別の物品を選んでいくやり方、もしくは一般的な商品に課税するか、この選択の問題であろうと思うのです。国境にまたがって入ってきました際に、そこで関税が課せられます。その際には国際的な観点が重視されますので、保護関税という観点が、むしろそれを下げることによって、いま関税率の審議ですから、そういうことで対処されたわけですが、その国内の物品をまた輸出するという立場にございますので、関税率を下げるということが国内に影響を与えると同時に、その業界とすれば、また輸出のプラスの面があります。そういうことを考えながら、国際的課税がされる。しかし、入ってきたものはそこで国境の課税が行われた後で国内の税としてはCIFプラス関税というところでコストになりまして、国内物品と同じ立場で課税対象になってきます。  そのときにその国でどういう課税の仕方をするかということは、やはり国際的観点が必要であろうと思うのです。と申しますのは、日本の物品が外国へ行きますと、国際的な調整を経ました関税で課税されると同時に、その国でどういう課税をされるかという問題も絡みますので、御指摘の物品税のいまの仕組みが奢侈品もしくは比較的高価な便益品、趣味娯楽品というようなことで選んでおりますけれども、いろいろ消費態様が変わってくる。そのときに新たなものを取り込めるかどうか、それからまた、一般化した場合に外せるかという仕組み上非常に問題がある。これをどういう課税としてやるのが間接税のあり方としていいかということは、今後の税体系論の中で十分に検討していきたい、こう思っております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 では、検討というのは、いま言ったような矛盾があることは一応承知している、こういうことでいいですか。電気スタンドは四千八百円から取ったり、カーテンにはかからなかったりという矛盾は認める、こういうことですか。

福田幸弘大蔵大臣官房審議官

○福田政府委員 いまの個別物品税の課税のやり方は、それなりの意味があろうと思うのです。いまのような担税力の高いものを選んで課税するわけですから、そのやり方は正しいと思うのですが、実際のテクニックとしてそれがうまく運用されるかという問題があります。いまの電気スタンドの例なんかをとりますと、免税点の問題がございますので、課税物品というのは非常に少ないわけでございます。ですから、高価な便益品、家具什器の中で相当高い部分に課税しておるということは、それなりの意味があると思います。ですから、矛盾があると申されましても、いまの物品税体系は、個別物品税としてはそれなりの一つの仕組みなんですけれども、やはり生活態様は変わり、物品の生産がいろいろ多様化していくときに、どうそれに追いついていくかということ、今後それに調整が十分できるかということを検討すべきであって、その問題点があるということをどう解決し得るかという問題にかかっておる、こう考えます。直ちにいま欠陥があるとは申し上げられないと思います。

沢田広日本社会党

○沢田委員 時間の関係があるので、残された問題点をお伺いしておきますが、実は証券の方で、過ぐる国会で私も質問をいたしましたが、ヂーゼルの問題では報告銘柄と指定をいたしました。報告銘柄というのは、不当な株の買い占めがあったり、それからそれらによって著しく経済の状況を傷つけたり、あるいは正常な商行為というものを著しく阻害する、そういうことがあってはならないということで、大同の問題とあわせて——その場合は間に合わなかったけれども、ヂーゼルは報告銘柄にしたわけですね。  そこで、今度これは事実の関係を伺いたいのでありますが、結果的には二千六百五十万株を買われたのですね。それを日産なり興銀なり、あるいは野村証券なり大和銀行なり、あるいはその他のもので、大体これをどういうふうに皆さんはお考えになっているかわからぬが、聞くところによると、相当な金で買われたそうであります。そのときの買われた価格はどういう算出根拠によったものなのかということが一つ。  それから、報告銘柄をやったということは、言うならば、そういうことをやればいわゆる株取引上損害を受けますよ、あるいは、懲罰ではありませんけれどもペナルティーを付しますよというのが、この報告銘柄にしたという一つの根拠であると思うのであります。  以上二点、最初にお答えをいただきたいと思います。

吉本宏大蔵省証券局長

○吉本(宏)政府委員 ヂーゼル機器の問題でございますが、この株式につきましては、昭和五十二年の五月以来かなりの株式の買い集めが行われまして、先生御承知のように、東証では五十三年の十月に特別報告銘柄制度を新たにつくりまして、適用第一号ということでこのヂーゼル機器に対して適用をいたしたわけであります。  その後、五十四年の四月に笹川氏から東証の理事長に対しまして、大株主の立場を利用して発行会社の関係者に有利な条件で買い取りを求めるということはいたしませんという一札を入れまして、その結果、東証では特別報告銘柄の指定を解除した、こういう経緯がございます。  そこで、最近関係者が集まりまして、いま御指摘になりましたように、この株式の処置について話し合いが行われまして、結果として、大株主上位二十社を中心にしてこの株の買い取りが行われる、このように聞いております。  その価格につきましては、私どもの聞いております限りでは、引き取り価格が千四百五円ということでございまして、これは、時価が現在千四百五十円でございますので、その三%引きということに相なっているわけでございます。  私どもとしては、これだけの大量の株式が固定された形で動きがとれない状態にあるということは、これは株式市場にとって余り好ましいことではない、こういうふうに考えますので、このような解決に至ったことはやむを得ないのではないか、このように考えております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 いま言われた中で、これは八百六十円台から買い占めが行われていたわけですね。それをいま千四百五十円の三%引きということでは、もうけさせたということになるんじゃないですか。だから、これは野村証券が買ってきたんだと思うのですが、あるいはそれなりの関連会社が買ってきたわけですから、現在持っているものを買っていった時点の加重平均をしなければ、少なくとも千四百五円という数字は間違いじゃないですか、不当な価格じゃないですか。八百円見当の時代に買ったものもある、千円になったときに買ったものもある、ところが、いま千四百五十円になったからそれの三%引きだなんというのでは、特別報告銘柄にしたゆえんのものは何もないじゃないですか。しかも、あなたは言われなかったけれども、五十四年末の利息までつけて買っているそうじゃないですか。利息をつけるといったらペナルティーにならないでしょう。これはどういう根拠ですか。

吉本宏大蔵省証券局長

○吉本(宏)政府委員 私ども役所の立場といたしましては、この価格が適正かどうかという評価は差し控えたい、このように考えております。  ただ、計算としては、やはり買い入れ価格を基準にいたしまして、これにいま御指摘のように若干の利回りを算入して計算をした、このように聞いております。

沢田広日本社会党

○沢田委員 だから、これはもう一回計算をし直してもらって——それはそれでいいですよ。もしあなたの方がそれであったらいいですよ。だから、野村証券に買った時点における価格で何株そのときに買ったというものがあるでしょうから、それを出させて、そして、それが具体的に平均価格は幾らになったんだ——しかも合計しますと、これで六十九億の利息を払っているのですね、それで合計三百九十三億が結局支払われたことになるわけです。じゃ、もとの人は果たして幾らの元金でこれだけになったのか。この点が、やはりこれは報告銘柄の第一号であればであるほど、全然ペナルティーが科せられない、それによって不当な利益を受けるということになったら、正常な株取引の状態を失することになるのじゃないでしょうか。それは少なくとも証券行政として望ましい姿ではないということだけは言えるのじゃないかと思うのです。あなたはその価格のことについては関係ないということを言われたけれども、いみじくも千四百五十円の現状株価から、これだって不当な、不当なという言葉は訂正しますけれども、あるいはいわゆる価格保持をやっている価格であるのかもわからない、この後どう下がるかわからないのですね。だから、そういうことになれば、やはり報告銘柄にしたということは、その人に不当な損害を与えないにしても、少なくともその状況からある一種のペナルティーをつけるということが報告銘柄にしたゆえんだと思うのですね。同時に、利息を払うなんというのは、これはどう考えても報告銘柄にしたゆえんの理由にはならないだろうと思う。あえてもう一回お答えをいただきたいと思う。

吉本宏大蔵省証券局長

○吉本(宏)政府委員 この特別報告銘柄制度でございますけれども、先ほど御説明いたしましたように、これは特定者または特定グループが特定の銘柄の株券を相当数買い集め、その後有利な価格で発行会社の関係者等に肩がわりさせる事例を考えておるわけでございます。  ここで言うヂーゼル機器の場合は、特に発行会社に対して買い取りを求めたということではございませんで、関係者が集まって、関係者と申しますのは主要株主でございますので、かなり経済的な感覚のすぐれた方が集まって話し合いをした結果決めたわけでございます。そういった意味で、役所の立場で、この価格が不当に高いとか安いとか、こういうことは申し上げかねる、こういうことでございます。

沢田広日本社会党

○沢田委員 時間が来たようでありますが、少なくとも調査することだけはできるでしょう。高いとか安いとかという議論じゃない。言うならば、買った時点においての価格が幾ら、何株であったか、とにかく二千六百五十万株ですからね、とにかく第一株主になったわけですから、買った時点の価格というものがいつの時点でどうなっていたか、これは野村証券から報告を求めるなら求めることはできるのでしょう。時間の関係がありますから、そういうことで求めてください。  そして、これは委員長としても、報告銘柄というものをこういうふうな形で権威のないものにしてしまったら、今後何を報告銘柄にしてみたって意味をなくなしてしまうし、結果は形骸化してしまうことになるのですよ。それで、あえて私はここできよう取り上げて、こういう取引の段階が迫っているときだと思いますので、警告を発しながら、そういうことを行なわさないようにやるのが証券行政としてのあり方ではないか。あなたもぐるじゃないかと疑われる材料ですよ。感覚のすぐれたなんてのは、ロッキードじゃないけれども、ああいう人が感覚がすぐれたと言うなら話は別だけれども、この中身を、どういうふうにしてこういうふうに構成されたかということを考えれば、それは推して知るべきなものがあると思うのです。これはぜひひとつ、時間がなくなったのでもう一回質問したいのですけれども、特にいま言ったことは要望しておいて、出さなければ出さないでいいですよ、ぼくの方でまた考えますけれども、だけど、出してくれる方があなたのためだろうと思うのであえて申し上げて、ひとつ出していただくことを期待して、私の質問を終わりたいと思います。

増岡博之自由民主党・自由国民会議

○増岡委員長 島田琢郎君。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 私の質問の項目は非常にたくさんありますから、私もできるだけ簡潔に質問をしてまいりますので、答弁側としても国民にわかりやすく、しかも簡潔にお答えをいただきたい、こう思いますが、ただいま提案をされております関税定率法、七年がかりでこの交渉が行われ、先ごろジュネーブ議定書で仮調印までいったわけでありますが、いよいよことしから本番に入る、これを前にして、私ども、農林水産委員会ではずいぶんこの議論をしてまいりました。そういう中から、なお本番を前にしていささか問題の点を明らかにしておく必要がある、こういうふうに考えているわけであります。  まず第一に、東京ラウンド交渉全体でどのような約束がなされたのか、その結果わが国にとってどのようなメリットが生まれたのか、この点をお尋ねしたい、こう思います。

竹下登自由民主党・自由国民会議大蔵大臣

○竹下国務大臣 まず、私から最初の基本的な問題にだけ島田委員にお答えをいたします。  東京ラウンド交渉は関税引き下げと非関税措置の軽減、撤廃等の両分野にわたって行われたものであります。すなわち、関税面におきましては、東京ラウンド交渉の結果、わが国の主要輸出品であります機械類を含む鉱工業品関税が主要国で約三三%引き下げられるという成果を達成しております。また、非関税面におきましても、ダンピング防止協定、補助金・相殺措置協定、関税評価協定等数多くの協定類が作成されまして、今後の貿易を律するルールが整備をされたというふうに基本的には理解をいたしております。  したがって、わが国が受けるメリットというのは、先ほどもお答えいたしたところでございますが、世界貿易の拡大と一層の自由化が達成されまして、長期にわたる開放貿易体制の基礎が強化されたものと考えております。特に各種非関税措置の軽減、撤廃について多くの協定が作成されたことによりまして、これらの協定の誠実な実施、運用を通じて、ともすれば各国に台頭しがちでございますところの保護貿易主義に歯どめをかけて、まさに開放的貿易体制の維持発展に大きく貢献することが期待されております。  このように、東京ラウンド交渉の成果は、貿易立国という言葉は若干適当でないかと思いますが、貿易に依存するところの大きいわが国にとっては利益をもたらすものであるというふうに考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 いまの大臣の東京ラウンドの評価については、対外的な面における評価が多い。私は、一面、国内的な問題というものがあるわけですから、両側面からの評価というものがなくては正しいメリット論ではない、こういうふうに思うのです。  そこで、東京ラウンド交渉に際しまして、国内産業、特に、きょうは時間の関係で限定して農業問題にさせていただきますが、この際農林水産業に配慮するよう私どもは強く要望してまいりましたが、この点についてはどのように取り扱ったのか、この際、明らかにしてほしいと思います。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 先ほどもちょっと御答弁いたしましたが、農産物につきましては、各国ともいろいろ特殊な事情を抱えているわけでございまして、鉱工業製品のように原則全部を下げるというものに対しまして、農産物交渉はむしろ各国がそれぞれ相手国に対して関心を持っているものに対してリクエストする、要求する、これに対して、それぞれの国がそれぞれの国内情勢を考えましてこれに対して回答を行う、こういうイニシアルオファー方式ということでやったわけでございます。  先ほども御説明ありましたように、わが国の農業が抱えるいろいろな問題がございまして、そういう点十分な配慮をいたしまして、農産物の品目約八百五十品目ありますが、この中で譲許を行ったものは二百品目にとどめる、こういうふうにいたしております。主要の穀物あるいは酪農品、それから豆とか近海魚、それから非常にコストの高い原料を使っている農業生産品等につきましては、いま申し上げた要求に対しまして、これは譲許を行わないというふうにいたしております。いま申しました譲許を行った二百品目につきましても、現に譲許税率よりさらに実行上も下げて暫定税率を張っているようなものもございますが、それ以下に下げないで、譲許したものにつきましても、現在行われている実行税率にとどめるとか、そういうふうな配慮を十分行っているわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 そういう配慮にもかかわらず、いみじくも時を同じくして国内の農業というのは大変な事態を迎えた、こういう点の認識は、政府当局としてはしっかりお持ちでしょうね。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 相手国からリクエストがありました品目につきましては、私ども農林水産省と十分協議し、先ほど御答弁ありましたように、農林水産省ではそれぞれ担当するところがそのそれぞれの分野等の状況を十分に考えてその回答を出し、断るものは断る、譲許するものは譲許する、こういうふうにした次第でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 大臣、私は国内の農業が大変な事態を迎えた、こういうふうに申し上げました。たとえば、例として挙げるまでもなく、オレンジなんかは大変な事態にいま直面しておる、引き続いて豚肉は現在国内における非常事態を迎える、加えて水田の三次にわたる減反政策等、このように数え上げてまいりますと、国内の農業というのは、ちょうどこの東京ラウンドが始まるのと時を同じくして国内的な大問題を抱える、こういう事態になったわけであります。  貿易立国というお話がありましたけれども、対外的な貿易体制はこれで整ったという評価が、それは大臣の立場ではできるのでありましょうけれども、しかし、一面、国内的に問題を引き起こすというようなことになれば、これは貿易体制が整った国の日本だというふうな評価にはならない、こう私は思うのです。また、先ほど厚着薄着論というのがありました。大臣から、どてらを着せている日本の農業、こういう表現があったわけでありますけれども、沢田委員からこれまた指摘がされておりますけれども、私どもも何もいつまでもどてらを着てぬくぬくとしているということを好むものではない。しかしながら、どてらを脱いだらかぜを引いちゃうといったような状態の中で脱がされてしまったら、これは大変なことになってしまう。そういう環境が整っていない。どてらを脱いだらかぜを引くというような環境の中にいままだ日本の農業は置かれている。こういうことを考えますと、日本の農政の貧困といいますか、農業政策に非常に試行錯誤があって、いまひとつ定まっていない、そういう状態にある中ですぐに薄着に持っていくといったようなせっかちなやり方でいくとしたら、これは取り返しがつかない。その脱がす方法がいまの関税の問題として取り上げられている一つの側面であると考えられるわけでありますが、一つの意見としては、いつまでもどてらを着せておくよりは、かぜを引いても思い切ってここで脱がして、ショック療法みたいなもので日本の農業を自立できる強固なものにする方がいいという意見ももちろんあることを私は否定しません。そこで大蔵大臣は、そうしたショック療法をとる方がいいと思うのか、それとも保健、つまり保健衛生の保健でありますが、保健の立場をとっていかなければ、当面、日本の農業は守れないというふうにお考えになっているのか、そのいずれでありましょうか。

竹下登自由民主党・自由国民会議大蔵大臣

○竹下国務大臣 私も、ごく近いところで申しますと、今年度の農林水産省予算の編成に当たりましての基本的な考え方として、いわゆるショック療法というようなものをしましたら、かぜを引くぐらいじゃなくして、肺炎になって死んでしまうと言うと少しオーバーでございますが、そういう感じも受けました。しかし、日本人というものは、あの一九五〇年代、そして六〇年代、なかんずく七〇年代になって国際通貨が変動相場制に移行しつつも、あの中で工業力においては勤勉さと労使の協調の中に十分国際競争力をつけてきた、そういう力はあると思うのです。しかし、一方、農林行政そのものから考えてみますと、何としても単位当たりの耕作面積というものは少ない。もちろん耕作面積のみでなく、酪農の面積にいたしましても、あるいは畜産の面積にしても少ない、そこに特殊性がありますが、私がかねて主張いたしておりますのは、やはりいまこそ地球上に四十億の人類がおると言われますが、二十一世紀になったら六十億になる。六十億になった場合のわが国のみならず世界の食糧事情というものを考えた中において、わが国の食糧政策の持つ安全保障等の立場からすれば、これはぬくぬくとは申しませんが、やはり保護すべきは保護すべきものである。しかし、それが、貿易立国という言葉は少しオーバーかもしれませんが、貿易というものに非常にウエートのかかっておるわが国としては、対外的に、日本の農業を保護することが相手側に大変な刺激を与えないような、そこに許容限度というものがあって、それは日本の国のみならず、どこの国にも農業問題というのはやはり問題があると思うのであります。そこで、いわゆるリクエストいたしまして、それらの話し合いの中で決まったものでありますだけに、日本の農業あるいは中小企業に対するそれなりの配慮というものはなされておる。私は、基本的には、直ちにショック療法をして肺炎にすべきものではないというふうに考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 そこで、ちょうどこの東京ラウンドの交渉が始まった時点というのは、日本にとっては貿易収支というのが非常に黒字で好調に推移していた。そこに各国からの一つのねらいどころもあった、こう考えられるわけでありますが、今日はこれまた一転してさま変わりの状態である、こういうふうに見られるわけでありますが、現在の貿易収支の状態というのはどうなっていますか。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 委員御指摘のように、五十三年と五十四年では貿易収支は確かにさま変わりいたしているわけでございます。五十四年は暦年しかございませんので、五十三年も暦年で申し上げますと、これは通関ベースでございますが、五十二年の通関ベースによる輸出超過は百八十二億ドルでございました。これが五十四年には七十六億ドルの輸入超過になっているわけでございます。ただ、これは主たる原因が石油、原粗油の価格の非常な高騰というところが非常に大きな原因になっている。対米、対ECに対しましては、これは依然として大きな出超になっております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 そこで、さっき東京ラウンドでどんな話題が出たのか、約束があったのかという点についてお尋ねをしたのでありますが、私どもが承知をいたしておりますのは、八〇年からの実施の条件として、五十四年の貿易の経常収支というのが七十五億ドル以上になれば一つの目安として可能の状態が生まれるだろう、こういうふうに私どもは理解をしてまいりました。いま局長から御答弁のように、いまやさま変わり、七十六億ドルの赤字である、こういう状態になっているわけでありますから、私は、関税の引き下げについてはすでに二度にわたって前倒しやあるいは引き下げをやっているわけでありますから、そういうことを考えれば、これは何も急いでやることはないなという感じを持っていますが、いかがです。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 これは七年越しの交渉の結果、国際的約束でございまして、この誠実な履行が開放的な貿易体制をつくり、それが結果として、貿易依存度の高い、貿易立国である日本に対して多大のメリットをもたらすということは、先ほど大臣が御答弁されたとおりでございます。  ただ、それともう一つは、いまの五十四年の輸入超過というものが石油価格の著しい高騰に基づくものが大きな要因であるという点も考慮し、しかも対EC、対米に対しまして依然として大きな黒字を計上しているということを考えますと、やはり国際的約束はこれを忠実に履行するのがわが国にとっても大きなメリットでなかろうか、こういうように考えているわけです。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 今回提案されているのは、八年という一つの期限、具体的には五年で一つ区切りをつけていくというわけでありますが、私は何も八年後も全然やらぬ、こう言っているのじゃない。先ほどちょっと申し上げましたように、国内的には、農業問題一つとってみても、いま米の減反を初めとして大変な状況を抱え込んでいる。その状況が最悪の状態にいま入っていると私は見る。そういうときに、それは国際的な信用という問題にかかわることはわかるんだけれども、何も、やらないと言っているんじゃないんだから、その辺のところをもう少し緩やかに、たとえば二、三年様子を見てというふうなことは理解されるんじゃありませんか。すでにいま二回にわたって前倒しもやっているわけでありますから、そういう点でもう少し用心をした方がいいんではないかというのが私の意見だ、こう申し上げているのですが、いかがです。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 一つは、いま申し上げましたように、鉱工業製品についての貿易状況を見ますと、わが国は依然として大きな黒字でございます。たとえば、最近自動車の輸出あるいは鉄鋼、IC等の輸出が非常にふえたということで日米間でまたいろいろ問題になっているような状況で、工業製品について見ますと、まだまだ日本の輸出力は非常に強い、こういう状態でございます。そういう意味から、やはり工業製品につきましては原則として一括引き下げを、多少の例外を除いて全面的な引き下げを行う。しかし、農業に対しましては、これも先ほど御答弁いたしましたように、非常に慎重な配慮をして、関税引き下げによって農業にいろいろ問題の起こることのないように慎重に配慮しながらやったわけでございます。そうした状況にあるということが一つでございます。  それからもう一つは、八年間にわたって八分の一ずつ下げていくというのも、これもガットの交渉、東京ラウンドの交渉の場における国際的約束でございます。その引き下げのステージングも、これも約束、こういうことになっているわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 私は、貿易収支の問題でかなり諸外国からねらわれたというか、そういう状況の中で出発をしていたという状況を考えるならば、そのことには十分こたえているばかりか、いまや赤字であります。こういう点では諸外国の理解を得ることは可能だという前提に立っていまお話をしたわけでありますが、まあ次に進みます。  関税引き下げという問題は、確かに対外摩擦を解消していきますけれども、その反面、国内的には輸入摩擦を強めるという結果になる。その端的な例が今度計画の中に載っておる豚肉の問題でありますが、今回豚肉を取り上げたという理由は、もう御説明申し上げるまでもない大変な事態であるからであります。そういう点を考えますと、少し質問の条項をはしょってまいりますが、今回のこの豚肉に関しては、ことしから関税率一〇%であったものを半分の五%にするのだ、こういうふうに言っているわけでありますが、五十四年の豚肉の状況というのは、御承知でしょうけれども、実は生産が例年に比べて一〇%ほど伸びました。そしてまた、こんなに国内生産が伸びているにもかかわらず輸入が三〇%も伸びました。そうすると、国内でだぶつくのはあたりまえであります。しかも、消費の伸びが思うに任せないという実態にもある。恐らく十三万トンを超える国内の滞貨、こういうことになる。そのために、生産者の側では調整保管年内に三十万頭、ただいまも三十万頭、合わせて六十万頭を目標にして生産調整が行われている。しかも、輸入されました豚肉というのは、これまた事業団で凍結されている。これが非常事態でないと言うのなら何が非常事態かと私は聞きたいのでありますけれども、こういう状態の中にあって一〇%を五%に下げるといったような話がいま出てくるというのは、それこそ農業の立場をわきまえていないと言っても言い過ぎでないというふうに私は思うのです。だから、いままでくどくどと言ってきたのでありますが、こういう時期に、いかにもタイミングも悪いし、また、国内の生産農家に及ぼす影響というものは心理的にもはかり知れないものがあるということを考えますと、こういう問題一つ、いま豚肉の問題を取り上げてみましたが、貿易収支の問題等もあわせて、国際信義の上から何だかんだやらなければならぬとおっしゃっているけれども、この辺のところはもう少し配慮が加えられてしかるべきではないか、こういうふうに思っているのですが、私のこういう判断は誤りですか。

竹下登自由民主党・自由国民会議大蔵大臣

○竹下国務大臣 そもそもこの議論が行われるようになりました最初の問題は、いわゆる開放体制というものによって、自由貿易というものは、およそ地球上に生存する人類が安価にして良質なものをどこからでも持ってきてそれを使用することができるという基本精神から出発したわけのものであろうと思うわけであります。したがって、このタイミングの問題をいま島田委員主張なすっておりますが、私も確かにタイミングの問題といたしましては、与える感情としては、いま農業が大変じゃないか、あるいはまるっきり産油国に対して富が移転して国際収支は全くさま変わりになっているんじゃないか、そういう背景があるということは私も政治家としては理解できるのであります。したがって、そういう国際収支の問題につきましては、総合的に考えてみますと、まだ先進国に対しては出超が続いておる。これが時によって貿易摩擦が起こってはならぬなあという心配をしながらもそういう状態にありますし、いかに富が移転したとはいえ、輸入するドルそのものには輸入ユーザンス等において不自由しない。日本にはそれだけの信頼は、いわゆる国際的な信用はあるんじゃないか。結論は、それは国内問題として政策の上で措置していかなければならぬ問題であろう。それはどんな国でも第一次産品につきましてはそれぞれ保護的な物の考え方がありますだけに、力がついた日本でありますだけに、なおのこと国内問題で処理していくという政治のあり方としての基本をわきまえていくことによって、こういう環境に対する理解も農家の方々に対しても得ていく努力をしなければならぬというふうに考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 そこで、いま豚肉の生産農家に限らず、東京ラウンドの行方というのは非常に神経質に見詰めているというのが実態だろうと思う。  たまたま豚肉の問題を私は話題にのせました。この際、農林省の立場からも、経営に取り組んでおる養豚農家、あるいはあわせて牛肉、オレンジの問題だってこれは深刻でありますから、こういう点についても明快に大丈夫だという指針を与えるということも必要だと思う。いかがですか。

京谷昭夫農林水産省畜産局食肉鶏卵課長

○京谷説明員 ただいま豚肉の問題について先生から御指摘があったわけでございますが、豚肉の市況が昨年の九月以降悪化をしておるということは御指摘のとおりでございます。そのような事態に対処いたしまして、御承知のとおり、昨年の十月以降生産者団体等と協議をしながら生産の計画化、それから消費の拡大、さらに余剰生産物の市場隔離といったような対策を講じてきておりまして、さらに本年一月に入りましてから畜産物価格安定法を発動いたしまして、生産者団体による調整保管、三月まで三十万頭という目標で調整保管を現在進めておる状況でございます。  一応国内市況を振り返ってみますと、十月の平均価格で、東京の市場価格でございますが、キロ当たり五百四十三円というところをボトムにしまして、本年一月調整保管に入った時点の結果では五百八十五円というレベルまで回復をしておるわけでございます。  そういった状況下で、この関税を今回の法案で定率部分を漸次切り下げていくということを予定しておるわけでございますけれども、御案内のとおり、豚肉につきましては暫定措置法に基づきまして、定率関税とあわせまして差額関税制度が置かれておるわけでございます。私ども、わが国における養豚経営の生産性が近年急速に向上をしておるという実情を考えますと、この差額関税制度を十分活用いたしまして、御案内のとおり、これは畜産物価格安定法に基づいて毎年度定められる安定価格水準とリンクをして差額関税を徴収するという制度でございますが、これが維持されていきまするならば、十分国内の養豚経営が今回のMTN交渉結果に基づく定率部分の引き下げに対応できる、あるいはまた今後政策的努力によりまして、養豚経営の安定のための諸般の対策を講ずることによりまして、養豚経営の将来について十分な展望を持ち得るという考え方で今回の関税問題には対処していきたいというふうに考えておるわけであります。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 いま豚の関税の仕組みについて心配ないというふうなお話があったのでありますが、実態的にもう少し正確に私は把握をする必要があると思うのです。たとえば、最近の豚肉の市場価格についてお触れになっていますが、ここ半年以上にわたって買い入れの肉の質の点がかなり厳しくなっておりまして、従来ですと中物で売っておったというものでも、最近はなかなか肉の質に対していろいろな注文がついてまいりまして、自分では中で売れると思っても必ずしも市場ではそのとおりいかなくて並みに落とされてしまう。いま並みの価格は四百円台です。こういうのが生産者の段階における実態なんですね。  しかも、豚肉の関税については差額関税というのがあって、それを残していくから大丈夫だ、だから、五%に下げたっていいのだという説明でありますけれども、改めて説明するまでもありませんけれども、いま基準輸入価格は六百六十八円で、それ以下で入ってきた豚肉については、その差額分は関税として取られるという仕組みであります。しかしながら、基準輸入価格を上回って入ってきたものについては現行一〇%、今度新たに五%となれば、五%で済むということになる。具体的なことを言えば、たとえば五百円で豚肉が入ってきたとすると、六百六十八円との差額百六十八円は関税として取られるということになる。ところが、仮に七百円のものが入ってきたとすると、現行の税率でも一〇%ですから、七十円で済むということになる。そこのところが豚肉の輸入関税におきます一つのみそというのか、悪く言えば欠陥みたいなものもあるわけですな。ですから、こういう点が悪用される心配が私はないとは言えないのではないかと思う。  たとえば、どうせ税金で取られるなら安い方を選んだ方がいい、税金を払うのが少ない方がいい、そうなりますと、単体で入ってこないで部分肉で入ってきて、国内の豚肉そのものを直接圧迫するような形での輸入が行われるとしたら、税金が安いそういうものが多く出回ってくる。それは国内の豚肉生産をストレートに圧迫することになりはしないか。こういう疑問が、私はこの豚の関税制度の中でもあるのであります。この点について、時間がないからこれを余りやり合うことはできないのでありますけれども、こういう疑問点を私は持っている。簡単に言うとどうですか、私のこういう判断には誤りがあるのでしょうか。

京谷昭夫農林水産省畜産局食肉鶏卵課長

○京谷説明員 ただいま先生から、現在の差額関税制度についてのいろいろな問題点の御指摘があったわけでございます。私ども、そういった問題点を十分考えながら、今後適切な運営を図っていくことはもちろんでありますけれども、あわせまして、この差額関税制度とリンクをしております畜産物価格安定制度の運用につきましても十分配慮をし、また、引き下げられました定率関税のもとで価格あるいは品質面において輸入豚肉に対処できるような、国内の養豚経営が確立されるような施策に十分努めてまいりたいと考える次第でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 私の結論から言えば、こういう状態に置かれている豚肉なんかは何も八分の一ずつ正確にやらなくたって、繰り返すようでありますけれども、しばらく据え置いておいたらいかがですか。関税局長、これはどうです。だめですか。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 先ほどお答えいたしましたように、この引き下げのステージングも一つの国際約束になっております。いま農林省からお答えいたしましたような措置をとりつつ、国際約束を誠実に履行していくことが肝要かと思っております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 約束、約束とおっしゃるのでちょっと気になるのだが、たとえば、東京ラウンドでは牛肉、オレンジの枠の拡大を約束している。誠実に果たすとすれば、この先えらい心配ができるのです。牛肉、オレンジともに自由化がずいぶん迫られました。この点については、毅然としてこれをはねのけていくという考えで進もうとされていますか。この辺、この機会にはっきりとお聞かせをいただいておきたいと思います。

京谷昭夫農林水産省畜産局食肉鶏卵課長

○京谷説明員 ただいま牛肉とオレンジの自由化問題についての御質問がございましたが、牛肉につきましては、御承知のとおり交渉の過程で自由化が折衝の課題になったことは事実でございます。  私どもの基本的な対応といたしましては、わが国の肉用牛経営の歴史がまだ浅い中で、今後需要が増加する牛肉の供給体制というものを国内でできるだけ円滑に確立をしていくという観点から、自由化は排除いたしまして、将来の需給見込みのもとに、将来の輸入拡大の見通しについて共通の認識を持ったということで、牛肉問題については合意を見ております。この考え方につきましては、私どもとして今後とも堅持してまいりたいと考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 八二年のところで見直しをするという約束になっているようでありますが、量的にも国内の状態を圧迫するようなことはしないのだ、こういう約束はできますか。

京谷昭夫農林水産省畜産局食肉鶏卵課長

○京谷説明員 輸入総量として、今回の交渉の中で合意した輸入枠といたしましては、御案内のとおり、一九八二年度で十二万五千トンの輸入があるであろうという共通の認識を持ったわけでございますが、この数量自体については、先生が御指摘のような国内生産を圧迫するというようなことはないと考えておりますし、また、その後の問題につきましても、その時点におきます国内需給の見通しを十分踏まえまして対処していくつもりでございます。

畑中孝晴農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○畑中説明員 いま牛肉のお答えを申し上げましたけれども、オレンジにつきましても、MTNの一環として行われました日米の農産物の交渉におきまして大変強い自由化の要請がアメリカ側からあったということは、先生御承知のとおりでございます。  ただ、私どもといたしましては、柑橘類が果樹全体の約半分以上という非常に大事な品目でございますし、また、いま温州ミカンの過剰問題などいろいろ非常にむずかしい問題を抱えております。そういう事情を米側に説明をいたしまして、とにかく自由化はできない、ただ、段階的にオレンジの枠を拡大する、それも全体をただ伸ばすということではなくて、柑橘類の出回りが非常に少ない六月から八月という、季節枠と申しておりますが、その一番少ない時期のものを中心にして広げるというようなことで合意したところでございます。  今後、一九八二年末ごろにまた協議をすることになりますけれども、そういう場合にも、国内の柑橘の状態を十分考えて、国内に影響のないような形で努力をしていきたいと考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 ところで、暫定法の改正に当たって、バナナ、ワインという特恵関税を引き下げることとしておりますね。これに関連する、つまり国内的な果物としてはリンゴなんかが非常に影響を受けるだろう。それからワインについては国内のブドウに影響をもたらすということでありますが、今度の改正に当たって、こういう点で十分な配慮が必要だと思うのですが、大丈夫ですか。

畑中孝晴農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○畑中説明員 バナナでございますけれども、最初四〇%、五〇%という、これも季節関税ということをとっておりまして、前倒しで特恵関税四五に高い方にいたしまして、今回三五%というのを御審議いただいているわけでございますが、御承知のように、バナナは一時百万トンを超える輸入量がございました。しかし、その後年々輸入量も減っておりまして、現在は八十万トンくらいのところ、毎年やや減少傾向にあるというかっこうでございます。  一方、リンゴの方もそれほど生産量がふえるわけでは。こざいませんけれども、価格は非常に堅調でございまして、バナナはそれに比べて価格が非常に低落をしておりますけれども、そういう関係から見ましても、この程度の引き下げであれば、国内のリンゴを初め果実に大きな影響はないというふうに私ども判断をいたしまして、今回お願いをいたしているわけでございます。  それから、いまのワインのお尋ねでございますが、これは私どもの省だけではなくて、国税庁とも関係があるわけでございますが、われわれも原料ブドウというものを所管いたしております立場から、大蔵省とも十分協議をいたしまして、原料ブドウの取引に支障のないように、今回バルクワインの関税の引き下げ等も行われるようになっておりますが、十分ワイナリー側とそれから生産者側が協議をし、いま必ずしもその取引が契約栽培というような形で行われてないというようなところもございますので、なるべくそういう特約的な取引ができるように、いろいろな面でわれわれも入って指導しながらいけば、現在の税率程度の引き下げであれば大きな影響はないというふうに考えておる次第でございます。  今後とも国産の果樹、ブドウとか、リンゴ、そういったものの国内的な振興対策についても十分予算をつけ、努力をしてまいりたいというふうに考えております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 ここで聞いてみて、それは心配でありますなんて当局は言うわけはないんだ。それはそうなんですよ。そんなようなことを答えるなら、あなたは出世できない、首になってしまうわけだから、これは聞く方もやぼだけれども、しかし、ここは確かめておかなくては……。しかも議事録に載っているのだから、何年たってもあなたの言ったのは責任が生ずるわけですから、本当にしっかりやってもらいたいのです。必ずしもあなたのような楽観的な認識に私は立っていないのです。ですから、いまいろいろ具体的にお聞きをしたいとも思っておりますが、きょうは農林水産委員会ではないから、そこのところはまた別な機会にひとつやらしてもらうことにして、私は、あなたのおっしゃっていることについて信頼をしながら、もしも影響が出るというようなことになったら大変な話だから、それはそれなりの歯どめの措置もあるようだけれども、しかし、それは補完の措置であって、やはり法の志向するところはそうじゃないわけだから、そこのところは、国内的なそういう農業の問題についてしっかりとひとつ取り組んでもらう、こういうことを私は改めて注文をつけておきたいと思うのです。よろしいですね。  そこで、次の点でありますが、実は脂肪酸素系洗剤の製造用の砂糖というのが、これも一つ免税対象として載っておりますね。私は不勉強で実はわからなかったので、いろいろ勉強させてもらいました。聞くところによると、これは無公害石けんの製造用だそうであります。その限りにおいて言えば、琵琶湖の問題など、国内的にもこういう洗剤公害というのはいま非常に深刻な問題として取り上げられ、住民運動としても大変大きな話題として提起されている点でございます。したがって、この点について、この種の製造について私はとやかく申し上げるということではございませんで、ただ砂糖を使っているんだという点について大変私も認識不足でありますし、あるいは初めてお聞きになる人もたくさんいるのではないかと思います。関税局長にうんちくを傾けて話をしてくれと言えば、無理な話かもしれない、これは通産省の話だから、そこは無理かもしれないが、あなたの知っている範囲でこの問題についてお答えがいただければ、農林省の食品流通局から砂糖類課長の馬場さんも来ていますから、あわせてこの問題にお答えをいただきたいと思っております。  一つは、この砂糖というのの量が一体どれくらいあるのか、当面どれくらいを見込んで推移していくのか、将来にわたってこの点について見通しはどのようになるのか。  それから最後に、国内の砂糖生産者に悪影響を及ぼす、いわゆる砂糖の一つの流れに悪影響を及ぼす。そういう仕組みにこういう無税のものが、どんな量かわからないが入ってくるということは——いまの砂糖というのは、御承知のとおり、国内法ではかなり厳しく規制がなされている。この貿易の問題だって、従来から砂糖に対してはかなり強い貿易の保護措置が加えられている。こういうことを考えますと、ちょびっとでも穴があくなんてことになれば、制度上に問題が出てくるというふうに思うので、以上申し上げた点について、おわかりの範囲で結構でありますが、お答えをいただきたい、こう思います。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 最初に私の方から、改正の趣旨について簡単に御説明したいと思います。  関税暫定措置法で、特定製造用砂糖につきましては一部減免税の対象になっております。これはなぜかと申しますと、そもそも砂糖関税をかけて砂糖を保護する意味は、国内の甘味資源保護という目的でございまして、現在問題になっているものは工業用原材料でございます。しかも、いま委員から御指摘がありましたように、国民生活上重要な物資ということでございます。  なお、これは全く新たにこの制度ができたというものじゃございませんで、現に同種の蔗糖脂肪酸エステルに使われる砂糖につきましては、すでに免税の対象になっておるわけでございます。私、専門家でありませんが、蔗糖脂肪酸エステルというのは、砂糖にヤシ油を加えてグリセリンを触媒として反応させてできたもので、これは菓子や薬品、洗剤等に使われるものだと聞いておりますが、これと、この反応が十分になされていない形のものが、現在御提案しております脂肪酸系のものでございます。したがいまして、現に免税の対象になっているものと、性状、使途等が類似しているものということでつけ加えたわけでございます。  なお、砂糖の関係につきましては、農林省の方からお答えいたします。

馬場久萬男農林水産省食品流通局砂糖類課長

○馬場説明員 私の方から砂糖の関係、お答えいたしますが、いま先生の方からお話もありましたように、今回の砂糖を原料といたします脂肪酸系の洗剤でございますが、これは燐分を含まないということで、最近の環境問題等に対応したすぐれた特性を持つということで、今回いわば社会的な要請に沿った形で生産が行われるということでございます。先生もお触れになりましたように、いままでわが国にはこういうものはなかったわけでございまして、新しい技術導入を図りまして、これからつくっていこう。その意味では、従来からの砂糖の需要分野とは競合するものじゃないというふうに考えております。  また、これを製造する量でございますが、当面考えられておりますのは、五十五年の使用見込みで三百六十トンくらいというような数字を聞いておりまして、わが国の砂糖全体の消費量が約三百万トンでございますので、量的にもほとんど問題はないのじゃないかというふうに考えるわけでございます。もちろん、今後洗剤の需要等、これは私の所管でございませんが、この種の無公害といいますか、燐分を含まない洗剤の需要というのはふえるというふうには思われますが、当面は、いま言いましたような非常な少量のものであるということ、それから、先ほど関税局長からもお話がありましたように、他の同種の物品についても、工業用原料ということで関税が免税されている実績もあるということで、私の方としては、当面、砂糖の需給全体に影響を及ぼすものでないというふうに判断しているわけでございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 それでは、次に特恵関税のことについてお尋ねしますが、現在特恵を供与するに際しては、どういう基準によって対象国を指定しているのか。また、今回導入する特恵特別措置の対象となる後発開発途上国——舌をかむような言葉でありますが、俗に言うLLDCでありますが、どのような基準で決められるのか。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 現在特恵供与に対しましての基準でございますが、これは、経済が発展途上にある国であって、しかもこれが国際連合貿易開発会議、すなわちUNCTADの加盟国であるということ、そして、特恵関税という便益を受けることを希望するという国が基本的に対象になるわけでございますが、さらに、その中から特恵という便益を与えることが適当と認められる国を政令で指定する、こういうことになっておるわけでございます。なお、これは適当であるかどうか政令で指定する場合に、相手国が日本に差別をしていないとか、あるいは特恵に必要な証明書をはっきり出せるような国であるかどうかということを判断しながら政令で指定しているわけでございます。現在指定されている国は、百十六カ国、二十九地域を数えております。  それから第二の、今回新設を御提案しております後発開発途上国の指定基準でございますが、これはいまの特恵と違いまして、通常の特恵の場合には、発展途上にある国というのは、自分の国が発展途上にあるということを宣言した国はそれに該当するというふうな自己選択の基準によっておりますが、今回の後発発展途上国につきましては、この基準が国連総会で決められておりまして、この国連総会で決められた基準に適合する国であるということでございます。この国連で決められているLLDCの基準は、一人当たりのGDP、国内総生産でございますが、これが百二十五ドル以下、それから国内総生産に占める製造業の割合が一〇%以下である、十五歳以上の文盲率が八〇%以上という国、この三つの条件に該当する国が後発発展途上国である。これは国連で決められておりまして、現在この基準に達している国が三十カ国ございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 そこで、今回中国に対して特恵を供与する、こういう提案でありますが、そうすると、中国はいま御説明のありましたそういう基準に合致している、こういうふうになるわけですね。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 中国は、経済発展途上にある国であってUNCTAD加盟国である、こういう条件に合致するか、それから希望しているかどうか、この三つでございますが、UNCTAD加盟国であることは間違いございませんが、従来中国が自国を発展途上国である、こういう宣言をしたことはございませんが、一昨年の十一月北京で開催されました日中貿易混合委員会におきまして、中国側から、中国は発展途上国である、したがって日本から特恵関税の供与を希望する、こういう表明がございました。  なお、これは自己選択の原則でございますが、この中国の統計ははっきりわかりませんが、一部の推計によりますと、大体七六年で、一人当たり国民所得は三百四十米ドルくらいではなかろうか、これはちょうどタイ国よりやや低く、インドネシアより高いくらいの国民所得である、こういうふうに私どもは承知いたしております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 いま特恵国と言われております国の中でも、やがては日本をしのぐような、そういう力を持った国になるということもありますね。これは特定な国というふうに申し上げるのではありませんが、そういう場合については、これは聞くところによると、申し出制みたいなものだから、その国が自分からやめますと言い出さないと、なかなか外すということにならないことになっているというふうに聞いております。そうだとすると、これを外すというときにはなかなか大変でしょうし、また特恵国の中にはかなりの農業国もあるわけで、こういうところで生産された農畜産物というのが、もしもかなり割り安にわが国に入ってきたときには、これもまた国内的にかなりダメージを受けるというような心配もありますが、こういう点の歯どめ措置というのはきちんとできておるわけですか。

米山武政大蔵省関税局長

○米山政府委員 いま御説明いたしましたように、確かに、発展途上国であるかどうかというのは自己選択の原則、こういうことになっております。また、最近のように、発展途上国であると自分では言っておるけれども、最近非常に工業生産もふえ、国民所得もふえて、輸出競争力もふえているいわゆる中進国、NICSと言われている国等がありまして、こういうものに対して、自己選択の原則の適用のまま依然としてこれに与えることは問題ではなかろうかということは、関係の国でいま問題になっているわけでございます。  ただ、この特恵供与というのは、国連の第二経済開発計画、これは十年の期間で決められておりますが、この計画に沿って特恵を供与する、こういうことになっておりまして、わが国の特恵供与も、昭和四十六年の八月から五十六年三月三十一日まで、来年の三月三十一日まで、こういうことで十カ年間与える、こういうことになっております。それで、この十カ年の計画が終わる段階で、この特恵供与をどうするかということは基本的に議論される。その際、いまのようなNICSをどうするか、卒業問題と私ども言っておりますが、これをどうするかということは基本的に議論されることになろうかと思っております。  それから農業の問題でございますが、特恵供与に当たりましても、工業産品は原則として特恵を与える、こういうことになっておるのでありますが、農業産品につきましては問題のないものについて与える、こういうふうに非常に制限をしておりまして、問題のないもの、わが国の農業に対して大きな影響を与えないということを配慮して特恵品目、を定めている次第でございます。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 ところで、外務省は、後発開発途上国に対するこういう特例措置に対して、国際的な立場、外務省でありますから外交上の立場というのが非常に重要になるわけでありますので、特にそういう立場に立って、今後日本の国際的な支援といいますか、そういうものが一体どういうふうに評価されていくのか。一面では、もうすでにわが国より先に先進国あるいは東欧諸国におきましてもこういう手当てをしているわけだから、何もいまさら胸を張ってわが国がといったたぐいのものではないけれども、しかし、中身についてはかなり思い切って対応するというようなことを大蔵省自身としても自画自賛の評価をしているようでありますが、この点についての御見解は、外務省いかがですか。

羽澄光彦外務省経済局次長

○羽澄政府委員 南北問題の解決に関しましては、国際社会におきまして、後発開発途上国に対しては特に考慮を払うべきであるというふうになっておりまして、UNCTAD等の場におきましてもこの点につきましては合意が成立しております。わが国といたしましては、これまでも南北問題の解決のために種々努力を重ねてまいっておりまして、後発開発途上国につきましても、資金協力面で特段の配慮を加えております。今般、後発開発途上国の自助努力による開発の重要性にかんがみまして、これら諸国の輸出を促進するための措置の一環といたしまして、わが国の特恵制度に特別措置を導入するということは非常に有益であると考えております。同様の措置につきましては、すでに欧州共同体等導入した国もございます。  わが国といたしましても、昨年のマニラで開かれました第五回UNCTADにおきまして大平総理がその検討方を表明いたしまして、各国から高い評価を受けた経緯がございます。今般御審議によりまして同措置の導入が御決定いただければ、必ずやわが国も国際社会の一員としての責任を全うしているものとして、後発開発途上国のみならず世界各国から高い評価を受けるものと確信いたしております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 まあ教科書を読んだような話で、ぼくは時間があればここのところはもっと言いたかったのでありますが、マニラ会議にしたって、それはもうあそこに行くときにはこういうふうに決めましたよぐらいの前向きの姿勢がないと、いつだって後手後手だ、こういうことになるのであります。自画自賛はきょうはそのまま認めておきますけれども。  さて、大蔵大臣、以上で私の持ち時間いっぱいの質問を終わるのでありますが、先ほどいみじくも国内の産業、とりわけ第一次産業の保護についての御見解を承りました。そういう方向でおやりいただくということはいいと私は評価をいたしますが、ただ、私は大変気になって先ほど聞いておりましたのは、今度の東京ラウンド、それを受けての受けざらとしての法案の整備、こういう点をお考えになる前に、私は国内的にもあわせてこれがやはり評価されるようなそういうものでないといけないわけで、そういう点について私は今度の東京ラウンド、もうすでにいまさら申し上げたってもとに戻るような話ではないわけですから、先ほども大分局長とやり合いましたけれども、国際信義云々でこれはなかなか厚い壁がある。こういう点ももちろん問題として残っているのですけれども、こういう大事な問題に取り組むということは、それなりにやはり国内的に七、三ぐらいの構えで目をみはっていきませんと、外交的な、国際的なことだけでおやりになるということになりますとそれは片手落ちで、やぶにらみみたいな話になる。この点について私はいささか苦情を申し上げて、御見解があればそれを承って私の質問を終わりたいと思います。

竹下登自由民主党・自由国民会議大蔵大臣

○竹下国務大臣 ずっとお話を承っておりまして、基本的に今日わが国がわが国だけのわがままをと申しましょうか、表現は適切でないかもしれませんが、許されない国際社会の中にあって十分その力を果たしていかなければならぬ。そうして貿易というものは元来自由貿易というものがいいことであって、そして開放体制がつくられるという形においてこのたびの東京ラウンドのもろもろの交渉が長い期間がかかりましたが、終わった。しかしながら、お互い政治家としてやはり一番大事なことは、それによって影響を受ける農業、中小企業、そうした国内問題に対しては絶えず配慮を払っていかなければならぬ。それはやはりお互いが国民の代表として選挙で選ばれて出ておるものだけに、そうしたある種の調和というものは絶えず考えていなければならぬ課題であろうと思っております。

島田琢郎日本社会党

○島田委員 終わります。

増岡博之自由民主党・自由国民会議

○増岡委員長 次回は、来る十五日金曜日午後四時理事会、午後四時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後八時十五分散会

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