石炭対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 132 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/03/07
会議録
○岡田委員長 これより会議を開きます。 石炭対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中六助君。
○田中(六)委員 せんだっての質問に引き続いて、今回は労働大臣初め皆さん御苦労さんでございます。 産炭地、特に私は筑豊地帯の出身でございますが、筑豊地帯は福岡県の中にあるのですけれども、人口が約六十七万前後でございまして、ちょうど島根県とか鳥取県とか、そういうところの人口と等しいのじゃないかと思います。二十数年前から閉山に次ぐ閉山、スクラップ・アンド・ビルドというような名のもとにやってきておりまして、そのつめ跡が二十数年たっても非常に深く、強く、住民に悪い影響を残しておるわけでございます。 それで、住民の人たちが産炭地振興、産炭地離職者対策、いつも産炭地、産炭地と言いますので、そうじゃないじゃないか、三井三池はございますけれども、筑豊地帯には坑口というのがほとんどいまはないのです。それで、その対策はどうかといいますと、まず具体的に申しますと、たとえば田川郡に一市九カ町村あるのですが、そこの四つか五つの町村は二・八軒に一軒生活保護者がいるというような事態を見ましても、いかに深刻な問題であるかということがわかるわけであります。したがって、何となく、昔の土地柄、風土というものはよかったのですが、非常に後遺症を残しておりまして、これは恥ずかしい話でございますが、私の出身の赤池町というところは全国一非行少年が発生したりしておりますし、また有名なのは川崎町にすり部落という大きな部落があったりしておるわけでございますが、これは単に笑い事では済まされませず、非常に深刻な問題を投げ与えておるわけでございます。日産が苅田という町に参りまして、そこから子会社を誘致するということに非常に希望を持って、私ども日産の誘致を福岡県下にしたわけでございますが、それが子会社の人たちがいろいろ途中まで話が進んでも後はどうにもならないというような現実で、土屋製作所というのが一つ田川に参りましておるわけでございます。 その他いろいろございますけれども、この炭鉱——つまり石炭六法という法律が温存しているために非常に助かっておるわけです。その中でも炭鉱離職者緊急就労事業、それから産炭地域開発就労事業というような二つの柱がこれらの筑豊地帯で大きな産業にかわるものになっておるわけでございますが、ただ、住民並びに関係者が不安に思っておるのは、これらの事業の基盤となっておる法律がもうそろそろ期限切れに、早ければ来年度、数カ年にまたがって六法が消えていくわけでございますが、非常に不安に思っております。産炭地域開発就労事業と炭鉱離職者緊急就労事業、この二つの事業が根拠を置く法律、これを今後どういうふうにしていかれるかということをちょっとお聞きしたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 いま田中先生から御指摘ございましたように、この炭鉱関係諸立法が五十六年の末から五十七年の三月にかけましていずれも期限が切れる、こういうような情勢があるわけでございます。そういう中で、旧産炭地のこういう諸事業に関連しておられる方々、あるいは離職者の方々、あるいはまた当該市町村の方々、いろいろ私どもの方にも心配をしておいでになるわけでございます。少なくとも炭鉱離職者臨時措置法を抱えております私ども労働省といたしましては、この法律が言うならば現在のわが国全体の雇用対策の原点と申しますか出発点になったものでもございますし、またこれによって炭鉱離職者の就職促進問題に大きく寄与しておる、こういうようなものであるわけでございまして、きわめて重要なものだと思っておるわけでございます。しかし、今後石炭の対策が一ころの合理化、解雇、これに対してどうしていくか、こういうようなところから、逐次エネルギーの見直しというようなことで、代替エネルギーの開発というようなことで石炭が見直され始め、いわゆる二千万トン体制、そういったものの実現へ向けてのウエートがかかりつつある、こういうような事情の中で石炭の新しい離職者というものは急速に減少をしてきておるわけでございます。そういう意味で、こういう新しく離職をしてくる人のための対策の立法、こういう観点につきましては、今後の離職者の発生見込み状況、あるいはまた石炭の他の法律の動向等をにらみながら対処してまいりたい、こう考えておるわけでございます。 ただ、緊就事業とか開就事業とか、こういったものはいずれも現在法律に根拠のない予算措置で実施されておるものではございますが、これらがいろいろ産炭地における離職者の貴重ないわば就労の場になっておる、また今後における産炭地の雇用情勢が急速に改善する見通しに必ずしもないというような事情、あるいはまた産炭地の企業の誘致状況等々を勘案しながら、現状においてはこれを直ちに打ち切れるような情勢ではない、こう考えておるわけでございまして、そういったようなことで、そういう御心配になって来ておられる方々にも御説明を申し上げておる、こんなような事情でございます。
○田中(六)委員 いま炭鉱離職者緊急就労事業、これは緊就と言っておりますが、それは法律に依存しておりまして、あと開就と特開はしてないわけですね、予算は。だから、そこを区別をしておかぬと、また間違うのじゃないかと思いますね。 それから、この予算の現実でございますが、つまり特別開発就労事業じゃなくて、産炭地域開発就労事業とそれから炭鉱離職者緊急就労事業、つまり緊就、そういうものの五十五年度の予算はどういうふうになっておりますか。
○伊藤説明員 御質問の産炭地域開発就労事業、開就及び緊就と言われますものの予算について御説明申し上げたいと思います。 いま先生は、緊就事業につきましては法律ではないかということをおっしゃったわけでございますが、三十九年の法律改正によりまして、それ以降につきましては両方とも予算措置ということになっておるわけでございます。(田中(六)委員「そうすると、特開についてはどうなっている」と呼ぶ)特開についても一応予算措置でございます。 それを前提といたしまして、五十五年度につきましても両事業を実施するということで、現在国会の方で御審議いただいております五十五年度の予算案について御説明申し上げたいと思いますが、まず炭鉱離職者緊急就労事業、いわゆる緊就でございますが、事業規模二千五百人、事業費単価を九千四百二十円ということで積算いたしております。予算額のトータルが六十一億一千七百万円ということに相なっております。また産炭地域開発就労事業、開就と言っておりますが、これにつきましては事業規模三千二百人、事業費単価一万三千四百円、予算総額で九十三億九千三百万円、こういうことで現在予算案の御審議をお願いしておるところでございます。
○田中(六)委員 開発就労の方がかなり高い単価ですね。それから緊就は九千四百二十円。補助率は開発就労が三分の二だったね。それから緊就が五分の四。そうすると、緊就を開発就労並みの賃金にしてくれと一それから補助率は逆に緊就の方が多いわけか。だからそこを何とか調整してくれという意見で、私どもよく陳情を受けるのですが、その点についてはどうですか。
○伊藤説明員 二つの事業が石炭関係であるわけでございますけれども、まず緊就事業、これは三十四年から行われている事業でございますが、主として炭鉱離職者の吸収を目的とする事業でございます。ということで、いわゆる吸収率が八五%ということで非常に高い吸収率になっておるわけでございます。 一方、産炭地域開就の方につきましては、荒廃した産炭地域の広域的な再開発に寄与するということを目的といたしておりまして、比較的規模が大きい、こういう開発効果の高い事業というものを開就の方で選定しておりまして、いわゆる吸収率につきましても、これは七〇%ということに相なっておるわけでございます。事業費単価につきましても、そういう事業の趣旨及び目的等を踏まえまして、それぞれの内容に即応するように決められておる、こういうことになっておるわけでございます。 このようなことでございますので、いわゆる緊就事業の方は、来年度予算で九千四百二十円でお願いしているわけでございますが、事業内容から見て、必ずしも低くないのではないかというふうに考えておるわけでございます。また緊就につきましては、前年に比較いたしまして八%のアップ、昨年が八千七百二十円でございまして、八%アップをいたしまして九千四百二十円でお願いしているということでございまして、年々引き上げにできるだけ努力をしているところでございます。 一方、その補助率でございますが、緊就事業につきましては五分の四ということで、非常に高いものになっております。これは三十四年にこの事業が始まりましたときに、産炭地域の経済的、財政的疲弊を考慮して、特に高率に定められたということでございます。一方の産炭地域開就事業につきましても三分の二ということで、他の国の補助事業に比べますと高率になっているということもございます。ということもございまして、産炭地域開就事業を緊就並みに引き上げるというのは、先生の御要望でもございますが、非常にむずかしいのではないか、こういうように考えておる次第でございます。
○田中(六)委員 私どもも、いつまでも国の負担で旧産炭地の穴埋めをすることは、民生上も、いま言ったように非常に心が荒れていくし、ただでもらえるというようなことになる傾向もあって、子弟の教育上は必ずしもよくない。したがって、みずから働いて、額に汗を流してやっていくということをするためにも、いつまでもこういう事態ではどうかということを考えるし、国全体から見て、一部の地方で——地方の時代とは言いながら、全くこれは、どっちかというと自立する、建設するという方向ではないと思っております。 したがって、将来の展望でございますが、私の質問もちょっと矛盾しているわけですが、いま筑豊地帯の人が非常に不安に思っておるのは、いまの法案、あるいはこういう開就、特開あるいは緊就、そういうものがいつだめになるかという不安。しかし、その不安もさることながら、将来の展望として、自立していくということから見ると、こういう法律がいつまでもいつまでもあって、ある程度の保護をすることはどうかとも考えられます。したがって、将来の展望と申しますか、そういうことについて、労働省で何か考えがあるならば示してもらいたいんですけれどもね。
○藤波国務大臣 昨年の十一月に労働大臣に就任をいたしまして、いろいろな労働行政の分野にわたって勉強させていただいておりますが、その中の非常に重要な従来の施策として、炭鉱離職者問題があるということを勉強させていただいております。 これは、いま失対部長が御答弁申し上げましたように、現在行っております一連の失業対策あるいは雇用対策の原点とも称すべき炭鉱地域には、ずっと長い問にわたっていろんな問題があって今日に至っているということを痛感をしてきておるところでございますが、きょう先生からの御質問で、いろいろとその地域の方々の生活の状態などにつきまして、あるいは特に青少年の非行問題等が頻発しているというようなことにつきましてお伺いをいたしまして、この地域の傷の深さということを、いましみじみと痛感をいたしておるところでございます。御指摘がございましたように、いろんな事業につきましては、問題のあります限り、それを解決をしていくために事業の延長をしていくということは、やはり基本的に大事なことであるというふうに考えて、今後も取り組んでまいりたいと思うわけでございます。 しかし、いま御指摘がございましたように、基本的にどうするのかということにつきましては、従来も産炭地域の振興に当たりまして、臨時的、応急的な失業対策として取り組んできたという一面が多分にございます。しかし、石炭産業にかわる産業基盤の育成、地域の開発、振興によりまして、長期的な雇用の確保、経済の浮揚を図っていくことが基本であるというふうに考えておるわけでございます。政府といたしましては、産炭地域振興計画に基づきまして、石炭企業にかわる中核企業を誘致育成をして、工業の振興のための基盤整備に努めてきたところであり、労働省といたしましても、その一環として両事業等において、工場敷地の造成でありますとか、あるいは産業道路の整備などにも重点を置くなど、それぞれの地域の特性に応じた産業の振興に努めてきているところでございます。 しかし、御指摘のように産炭地の経済的な浮揚は必ずしもはかばかしく進んでいないというふうに伺っておるわけでございますが、今後一層関係各省と緊密な連携を図りまして、産炭地域がただ傷跡をいやしているというだけではなくて、基本的にその地域が発展をしていくということに対して各省庁力を合わせて努力をしていくようにしなければいけない、基本的にはそのように考えておるところでございます。
○田中(六)委員 いま大臣から、短期的には緊就、開就の両事業を中心にやっていき、長期的にはひとつ企業誘致とか、いろんな面で対処していきたいと述べておりましたが、私は、そういう大臣の意向がまさしく的を射ておると思いますし、今後とも短期的、長期的、非常にむずかしい操作だと思いますけれども、その点を配慮して、炭鉱関係の離職者対策あるいは開発対策に善処していただくことをお願いいたしまして、終わります。
○岡田委員長 これにて田中六助君の質疑は終了いたしました。 続いて、細谷治嘉君。
○細谷(治)委員 きょうは二月十三日ですか、労働大臣の所信表明について若干質問をしてみたいと思います。 労働大臣の所信表明の中に「さらに、離職者対策につきましては、現下の雇用情勢が回復基調にあるとはいえ、今後予断を許さない状況にありますので、石炭鉱業の合理化によりやむなく炭鉱を離職された方々に対しましては、炭鉱離職者臨時措置法に基づく各般の就職援護措置を活用し、かつ、今日までの離職者対策の経験を生かしつつ、早期に安定した職場に再就職できるよう努力してまいる所存であります。」こう述べておるわけです。 正直言いまして、これは現在のことを言っているのか、将来のことを言っているのか、ちょっとわかりかねるのですよ。少し言葉じりをとらえて大変恐縮でございますけれども、「合理化によりやむなく炭鉱を離職された方々」といいますと、これは過去のようでありますけれども、全般としては、どうも将来のことを言って、現状を踏まえておらないんじゃないか、こういうふうに読めるわけです。まずそこに力点が置かれているんじゃないか、こう思うのですが、その辺いかがですか。
○加藤(孝)政府委員 その点につきましては、過去において合理化解雇をされた方々、それからまた今後解雇される方々につきまして、現在及び将来にわたってそういう努力をしていきたい、こういうことで申し上げておるところでございます。
○細谷(治)委員 大臣、そういうことですか。
○藤波国務大臣 いま失対部長から御説明申し上げたとおりでございます。現在、将来にわたってそのつもりで取り組んでまいりたいと思います。
○細谷(治)委員 そこで、労働大臣が述べました「現下の雇用情勢が回復基調にあるとはいえ、」ということ、この「回復基調にある」というマクロ的な認識については私もこれを否定いたしません。そこで、果たして産炭地を中心にそういう雇用情勢が回復基調にあるのかないのか、こういうことについて少しお尋ねしてみたいと思うのです。 労働省の調べによりますと、就業者数は五十五年一月、五千三百三十三万人で、前年同期と比べますと〇・七%ふえております。完全失業者を見てみますと百十三万人でございまして、前年同期と比べますと一一%減っております。昨年の一月は百二十七万人でございまして、〇・八%完全失業者はふえておりましたけれども、今度は一割ちょっと減っております。有効求人倍率を見ますと、〇・六四であったものが五十五年一月は〇・八〇でありますから、これも回復基調にあると数字は示しております。企業倒産を見てまいりますと、五十五年の一月は千百八十八件でございまして、一年前の五十四年一月は千二十三件でございますから、前年同期と比べますと一六・一%ふえておるわけですね。 こういうことから言って、私は確かに雇用情勢という限りにおいてはこの「回復基調にある」ということは言えると思うのですけれども、企業倒産等を見てまいりますと、かなり不安がみなぎっておる、こう見なければならぬと思うのですが、その点いかがでしょうか。
○藤波国務大臣 まさに御指摘のように「回復基調にある」ということにつきましては、一般的には数字としては言えると思うのでございます。しかし、新しい八〇年代への雇用、失業情勢のいろいろな動きを検討してみますると、たとえば一般的には雇用情勢は非常に改善しているとは言いながら、中高年齢者につきましては非常に厳しい情勢で、決して改善しているとか好転しているという形ではありませんし、また産業構造もいろいろな変化が進められてまいりますので、その中でむしろ、いろいろ最近論議を呼んでおります第三次産業などがふえているという傾向にあるけれども、第一次産業は減少し、第二次産業も横ばいであるというようなのも、やはり一つの今日の事態の傾向と申し上げなければなりませんし、また地域によりましてこれは全くいろいろでございまして、特に先ほど田中委員の御質問にもお答えをいたしましたように、産炭地域などの非常に深い傷跡を負ったところでなかなか新しい基幹産業を振興していくということにもならないといったようなことも地域としての特徴として当然挙げられるわけでございまして、一般的に雇用情勢が改善してきていると、こう申し上げましても、それは基調の話であって、部分部分では非常に多くの問題を抱えている、こう申し上げていいと思うのであります。特に、回復してきております中でも、昨年からことしへかけまして企業倒産という例は御指摘のようにむしろふえてきておりまして、理由はいろいろございますけれども、なかなか本当に大地の底から経済情勢が暖まってきているというような感じではなくて、ちょっと何かはかるべからざる要因にぶつかると、もうそれが企業倒産に結びついていくというような、非常に脆弱な基盤の上で企業経営が行われているという、最近の企業倒産の例などから見ましても痛感をいたしておるわけでございます。それにさらに石油の情勢などが、価格は昨年から二倍にもなり、またそれがどのように、玉転がしのようにどこにどういうふうに影響を与えていくのか、四十八年のときの例などもよく調べながら対策を講じていかなければならぬとは思っておりますけれども、またこれで六、七年たてば、また新しい取り組みようが必要でありますし、また新しいどういうふうな影響を与えるかというようなことについても、前回とはまた違った様相が出てくることも心配をしなければなりませんし、そういう意味ではなかなかやはり先行き非常に不安な情勢であるというふうにむしろ申し上げて、いろいろな従来の施策をさらに充実強化して、雇用を重視した経済の運営に持っていくように政府全体として取り組んでいく必要がある、このように痛感をいたしておるところでございます。
○細谷(治)委員 大体私の申し上げたことについて大臣も同じような見方をしておるようでありますが、そこでそういう前提に立って、特に産炭地と言われております九州なり北海道、この辺についての雇用状態について労働省の資料に基づきまして少しお聞きしたいと思うのです。 労働省の資料によりますと、地域別の有効求人倍率、これは五十四年でありますけれども暦年でありますけれども全国は〇・六九ということでありますが、北海道は〇・四六、九州は〇・四一、沖繩は特にひどくて〇・二〇、こういう数字を示しております。一方、年齢別にはどういうことになっておるかといいますと、全体としては〇・八二という高い求人倍率、これは十月現在でございますけれども示しておりますけれども、ところが五十五歳以上のいわゆる中高年齢者の範疇の人の求人倍率というのは〇・一七、こういうことであります。十五歳なり二十四歳というのが一・四〇、全体として〇・八二でありますけれども、中高年齢者、四十五歳から五十四歳が〇・六〇、五十五歳以上に至りますと〇・一七ということでありますから大体平均の五分の一、ですからこの数字は平均を見ておってもどうにもならない、こういう感じを強くいたします。さらに年齢別の完全失業者数を見てまいりますと、五十五歳以下は完全失業者が全体としては〇・五六%減っておるのでありますけれども、五十五歳以上は四・三%ふえていっております。したがって、雇用情勢は回復基調にあるといいますけれども、この点に関する限りは中高年齢者の雇用情勢は悪化しておる、こういうことが労働省の資料からも明らかでございます。 こういう数字はおたくの方から出たのですが、私がその数字から理解しておることは間違っておるかどうか、お答えいただきたいと思います。
○野見山説明員 お答えいたします。 年齢別に見まして、若年層に比べて中高年齢層の雇用状況が悪いという基調についてはまだ続いておりますが、経年別、以前に比べますと、五十三年等に比べますと、たとえば高齢者の求人倍率につきましては〇・一から〇・一七に若干の改善を見ておる、あるいは完全失業者につきましては依然として高い数字にございますけれども、求人倍率等につきまして見ますると、年齢別には中高年齢層は厳しいことは変わりありませんが、五十二年、五十三年に比べると若干ながら改善しているのではなかろうかというふうに考えております。
○細谷(治)委員 いずれにいたしましても、五十五歳以上は完全失業者の数がふえていっているんですよ。全体としては完全失業者が減る傾向に現在ありますけれども、残念なことには五十五歳以上はふえていっている、これがおたくの統計が示しているわけです。 そこで、もうちょっとひとつ地域を限定いたしまして、産炭地と言われる北海道なり空知の辺なりあるいは筑豊、田川、飯塚、直方あるいは大牟田地区、全部について調べていらっしゃらぬと思いますけれども、安定所単位でも結構でございますから、そこの有効求人倍率を示していただきたい、こう思います。
○野見山説明員 お答えいたします。 五十五年一月の常用の有効求人倍率でございますが、たとえば田川につきましては〇・一九倍、飯塚につきましては〇・二三倍、直方につきましては〇・三五倍、大牟田〇・三〇倍、ちなみに全国平均を申し上げますと〇・七五倍でございます。
○細谷(治)委員 いまは地域別の有効求人倍率を全体として見たわけでありますけれども、それではいま言ったような年齢別の有効求人倍率はどうなっておりますか。
○野見山説明員 ただいま申し上げましたのは全年齢でございますが、五十五歳以上だけに限ってまいりますと、田川につきましては、昨年十月の調査では〇・一八倍、飯塚につきましては〇・一七倍、直方〇・一二倍、大牟田〇・〇五倍というのが昨年十月の状況でございます。
○細谷(治)委員 いまお述べになった地域的な有効求人倍率あるいはその地域の年齢別の有効求人倍率を見ますと、たとえば筑豊なり大牟田が所属しておる福岡県、これは〇・三四ですね。〇・三四でございますけれども、筑豊は〇・二四、大牟田は〇・三〇。年齢別に見ますと、福岡県は五十五歳以上が〇・一四、ところが筑豊が〇・二八、これは余り変わっておりませんよ。大牟田地区は〇・〇五です。私は数字おかしいんじゃないかと思うのですよ。私の住んでおりました大牟田地区が〇・〇五だということは、地元の安定所から私は数字を聞いておりますから、ほぼこの辺のオーダーだということを知っておったのですが、筑豊がいま聞きまして〇・一六あるいは田川が〇・一八と県平均より上回っておるというのは少しおかしいんじゃないか、おたくの数字にけちつけるわけじゃありませんけれども、どうも常識的に考えて実態からしておかしいんじゃないか、こう思います。 そこで、いま北海道の空知なりあの辺にも深刻な問題があるようでありますから、その辺の数字を述べていらっしゃいませんけれども、いまお持ちにならぬとするならば、年齢別のものも含めまして、北海道の産炭地の有効求人倍率、そして筑豊の数字は常識的に実情から言うとおかしいと思うので、統計というのは、どうもこれ以上ごまかすに都合のいいものもないわけなんで、ひとつもう一度調べて、資料をこの委員会に御提出をいただきたいと思いますが、よろしいですか。
○野見山説明員 北海道につきまして、さらに数字を集めまして御提出申し上げます。
○加藤(孝)政府委員 筑豊の高齢者の求人倍率が大牟田に比べて若干高いではないか、おかしいではないか、こういう御指摘でございましたけれども、雇用情勢の厳しさはまさに大牟田地域にまさるとも劣らない状況にあるわけでございますが、産炭地開発事業と一般特開事業、こういったものが常用求人の形で出ておるわけでございます。したがいまして、そういう意味で見かけよりは、そういう求人数が一般求人として入っておりますので、統計的には高目に出ておる、こういう関係でございます。
○細谷(治)委員 ということは、法律の趣旨からいきますと、緊就とか開就というものはある意味では暫定的なもの、その暫定的なものが二十何年、三十年近く続いておるわけですけれども、そういうもののために見かけは有効求人倍率が福岡県平均よりもよくなっているんだ、これも大変な問題を一つ内在しておりますね。大臣、そういうふうに理解していただかなければいかぬと思うのですが、いかがですか。
○藤波国務大臣 実態を考えてみる場合によく数字を使うわけでありますけれども、その数字で考えるのではなくて、常に実態そのものを見てとらえていかないと間違うということの一つの例としていまこの問題があるような感じがいたします。そういう意味では、緊急、臨時的に取り組んできたことが恒常的な形のものの数字の根拠になっているということについては、私も若干問題があるような気がいたしますけれども、求人という形で事業を進めてきておるという一面も確かにあるわけでございますから、間違っているというふうにも思いません。その数字によって物を判断したら間違うという意味においては、私も先生の御指摘に同感でございます。
○細谷(治)委員 この数字を間違ったと私は言っているのじゃないのです。しかし、実態について的を射てないということだけは言えると思うのです。その辺は労働行政を推進する労働省としてはじっくりとひとつ頭に入れておいていただきたい、こう思います。 そこで、そういう数字があるものですから、たとえば福岡県内では、失対部長は御承知と思うのですけれども、緊就はきちんと手帳で行っておりますからいいのですが、特開なりあるいは開就についての枠の奪い合いが市町村ごとに起こっているということを御承知ですか。やはりどうしても吸収させたいということで枠の奪い合いが起こっておって、県の労働部等が話をつけてやっておりますけれども、枠が足らないことは間違いない。開就、特開、こういう事実を御承知ですか、お尋ねいたします。
○伊藤説明員 先生御指摘の制度事業、いわゆる一般失対事業それから緊就でございます炭鉱離職者の緊急就労事業につきましては、ああいう手帳なり適格者、いわゆる背番号というような形で決まっておりまして、それについては一応の従来からの流れがある。開就事業とか特開事業につきましては、先ほど田中先生の御質問のときに若干予算の御説明をさしていただいたわけでございますが、一応われわれは予算なり事業計画を執行する全体の取りまとめをやっておるわけでございますが、一応地元、いわゆる地方自治体が事業主体になっております。そういう形で地元の方からの事業計画なり吸収計画なりというところで御相談申し上げて、いろいろ御要望なり事業内容の調整をしながら現在まで事業をやっておるわけでございますが、先生御指摘ありましたようなことにつきましてはなかなかあれなんでございますけれども、一応地元の方で御調整をいただいて、そういうものについては労働省としては特に問題はないのではないかというふうに理解しておるわけでございます。
○細谷(治)委員 ないのではないかという認識が十分じゃないんですよ。あなた、熊本県に在勤したこともあるでしょう。すぐ隣ですから福岡県のことも御承知と思うのですよ。あなたがそう言うから、言わぬと思ったけれども実態を言わなければいかぬ。たとえば大牟田に甘木山というところがありましてハイツがございます。事業団がつくったわけですね。そのハイツというのは山のてっぺんで非常に景色のいいところでありますけれども、残念なことには自動車が入らない。そこで自動車が上がっていく道をつくらなければいかぬ。それまでは一メートルばかりの山道でちょっとでも雨が降れば滑ってハイツに行けない、こういう実態であったわけですが、ハイツに行く道を開就なり特開でやろうといった場合に県内の枠の調整でずいぶん苦労したという実態があるわけですよ。これ以上、言えません。これ以上言えませんけれども、ずいぶんその枠で苦労したということ、そうして苦労をして結果としてはりっぱな道ができまして、昔一メートルばかりの山道が自動車が二車線のきちんとした道路ができ上がりました。そして国道まで取りつけました。ですから、それはいいんですけれども、このことは今日、統計の数字よりもっと厳しい実態があるということから言って枠が小さいのじゃないかという気がいたします。いかがですか。
○伊藤説明員 私の説明が非常にまずうございまして、いま先生に御指摘されたとおりでございますけれども、事業計画の関係で先生御指摘ございましたように、甘木山大牟田ハイツの関連の工事というのは、御要望ございましてその段階でいろいろ調整をしたわけでございますが、現在、その関連の工事が終了したというようなことで、若干その辺の調整があるように聞いておることは事実でございます。
○細谷(治)委員 いま奪い合いが起こってないから、過去のことだから私は言っているわけだ。あなたの前の企画課長に私も陳情申し上げたことがあるし、その枠のあれでずいぶん問題が起こったんだ。そういうことも一つの厳しい雇用情勢の中で特開なり開就の枠に絡んで実在するということを御認識いただきたい。 私は、せんだっていただきました労働省の「労働問題のしおり」こういうものをちょっと目を通しました。その六十二ページに「合理化炭鉱離職者再就職実績及び五十四年度計画」こういうのがございます。これを拝見いたしましても、どの年をとりましても、実績も計画も、求職者数と期末求職者の数では、期末求職者の数というのは残っていっているのですね。ということは、雇用情勢が一〇〇%うまくいっていない。裏返して言いますと、暫定的でありますけれども、二十何年続いておるこの辺の労働省の対応が不十分である、こういうふうにこの数字も示しているのじゃないかと思いますけれども、そう理解しませんか。
○加藤(孝)政府委員 どの年にも期末求職者数が出ておることは事実でございますが、これは、就職あっせんを進めていきます中で残念ながら一〇〇%就職し得ない、あるいはまた年度中途で退職してこられた方も年度末までに完全には就職させ得ていない、さらには前年度からの繰り越し求職者についても次年度において完全に就職させ得ていない、こういう実情があることは事実でございます。
○細谷(治)委員 そこで、先ほどもお話がございましたけれども、五十五年度の予算にあらわれておる事業規模といわゆる吸収人員、こういうものを見てみますと、緊就が前年度より百人減りまして二千五百人、五十年、五年前には三千人であったものが毎年毎年百人ずつ減っていっておるのですね。これは機械的に減らしていっているわけですよ。開就はどうかといいますと、これはもうこの事業が始まって以来三千二百人、びた一文減ってもおらぬしふえてもおらない。これまたきわめて機械的であります。特開はどうかといいますと、これも事業が始まって以来五千人というのが連綿として続いておるわけですよ。そして一般失対の方は七万六千九百人でありまして、五十年と比べますと四万四千人減っていっておる。実態が減っていくのはいいのですけれども、緊就等は毎年毎年百人ずつ減っていく、特開と開就の方はずっと何年も同じ数字だというのは、雇用情勢が膠着しておる。しかし、実態は潜在失業者があるということは、先ほど認めたとおりでありまして、これは問題があると思うのです。そして残念ながら、実情から言いますと、やはり枠が小さいのではないかと言わざるを得ない、こう思うのですが、いかがですか。
○加藤(孝)政府委員 緊就事業につきましては、先生御承知のように、炭鉱離職者であって、そして一定の要件のある人について事業をやっておるということでございまして、筑豊地域につきまして、その後における緊就事業というものは就労者が固定をされておるわけでございます。したがいまして、現在おられる就労者につきましての対策、こういうことでございますので、この事業が始まりましたのが昭和三十四年でございます。それからすでに二十一年たっております。そういう経過の中で逐次高齢化されてリタイアされる方もある、こういうような実情を踏まえながら年々百名減らしてきておる、こういうことでございます。 一方、産炭地域開就事業につきましては、これが開始されましたのが昭和四十四年でございまして、十年ちょっとの経過の中におきまして、これも炭鉱関連離職者、こういうことでやっておるわけでございますが、まだそういういわばリタイア的な形のものが出てきていない、こういうような中で、その辺の実情を踏まえながらその枠を維持しておる、こういうことでございます。 また、特開事業につきましては、一応五千人規模ということで運用する中で、その運用そのものについて何とかそれでやっておりますというような状況でございます。 また、失対事業につきましては、年々四、五千名の方がやはりリタイアしていかれる、こういうような実情の中で枠を減らしてきておる、こういうような事情でございます。
○細谷(治)委員 いま枠の問題について議論しましたので、この機会にちょっとお尋ねしておきたいのでありますけれども、鉱害復旧事業なりあるいはボタ山防災事業としてどの程度の雇用を生んでおるのか、これをちょっと説明いただきたいと思うのですが、通産省じゃないかな。
○高瀬政府委員 お答えいたします。 五十二年度のその年から逆算をいたしますと約八千三百人程度ではなかろうかと思います。これは非常にラフな計算でございます。直接効果として八千三百人程度ではないか。それにリパーカッションがあるわけでございますが、それは計算をしておりません。
○細谷(治)委員 ボタ山は。
○高瀬政府委員 補助金で約十四億の工事でございますので、そう大きい数字ではないと思います。
○細谷(治)委員 いま石炭部長から、筑豊関係の地区別指標といたしまして約八千三百人ぐらいの雇用をつくり出しておる、こういうお話でした。私がいただいた資料も家屋と農地に限って調査された資料で、それが八千二百七十人、こういうふうに推定されております。ですから、部長が答えた数字とほぼ変わっておりませんが、いま筑豊の実態をよく御存じの中西委員から実態はもっと多いのではないかという御忠告がございました。これはいま申し上げたように、家屋と農地に限ってのもので、ほかに事業があるとすればその辺のものもあるわけでしょう。その辺、そういう意見もありますので、さらにひとつ精査をしていただきたい、こう思います。さらに、ボタ山については、筑豊地区については防災上あるいは環境整備上大変重要な課題になっておりますから、これに真剣な取り組みをお願いいたしておきたい、こう思います。 そこで、次に、この開就なり緊就なり特開の事業内容をちょっと拝見いたしますと、緊就の場合には、五十三年度で事業数が二百二十、そのうち道路が百三十五、土地整備が四十一。開就の場合には、事業数が百七十二、道路が九十七、土地整備が四十。それから、特開の場合には、事業数が百四十二、そのうち道路が六十二、土地が五十一。さらには、一般失対をとりますと、二千三百六十三のうち乙事業に属する道路が八百二十件。いずれにいたしましても、道路と土地整備に圧倒的なウエートがあるわけですよ。これはどういうことが原因なんでしょうか。失対部長、お答えいただきます。
○加藤(孝)政府委員 こういう失業対策として実施しております就労事業につきましては、いわゆる無技能単純労働者、こういう形での就労を進めておるわけでございます。そういう中で、先ほどお話が出ましたようなボタ山処理事業であるというような高度に危険の伴う作業につきましては、これはどうしても無技能単純労働者を多数使用してという事業になかなかなじみにくいわけでございます。そういう中で、これらの無技能労働者でも多数就労の場が確保できて、しかも、かつ産炭地の今後の開発あるいは発展に寄与し得る事業、こういうことで採択をして、また地元の市町村などの要望も強いものということになってまいりますと、そういう道路あるいは土地整備の関係がふえてくる、こんなようなことになっておるわけでございます。
○細谷(治)委員 的確な答弁ではないわけでございますけれども、道路と言っても、恐らく土方かあるいは簡易舗装ですよ。簡易舗装をやる場合には、資材のアスファルト等は、恐らく資材費では足りませんから、単費を出してアスファルトを買って、そして道路の簡易舗装をやる、あるいは土方で土を盛っていく、こういうことだと思う。それから土地整備も、山を崩す、ブルドーザーでやれば早いかもしらぬけれども、そこまでいかなくても、ともかく事業をやって消化しようという形で、恐らく土方でしょう。 言葉をかえて言いますと、一般失対の場合には資材費が二分の一でありまして、やはり単価として安過ぎる。それから緊就は八割の補助でありますけれども、私が現実に経験したところでは、資材を買いますとだめなんですよ。私は、経験として緊就というのは労働力、こういうふうに思っております。そして国庫補助の対象にならない、下水道の直径の小さい管の方を単費で役所で買って、それを支給して緊就でやりますから、それを突っ込み計算しますと、八割の補助でございますけれども、実際の事業は五割くらいの補助にしか当たらぬ、こういうふうな経験を持っております。 そういうことで、大臣も御承知と思うのですけれども、ことしの二月五日にこの問題で悩んでおります全国石炭鉱業関係町村議会の議長会がありました。労働省からもどなたかおいでだと思うのですが、毎年のように同じような文章で陳情書が出ておりますが、それをちょっと読んでみますと、「炭鉱離職者緊急就労、産炭地域開発就労及び特定地域開発就労など各種就労事業の補助事業単価を引き上げるとともに補助対象範囲の拡大を図ること。」ほとんど十年一日のごとく、私の知っている範囲で二十年間同じような文章がこの総会の決議になっております。 私がその席に行きまして何と言ったかというと、十年一日のごとく同じ文章でやっておくと、どうもやっぱり新味がなくて、恐らく労働省も、また同じかということになるかもしれませんがと言いましたら、それほど深刻なんだ、十年たっても二十年たっても忘れられないような重荷を負うているんだ、こういう声が返ってきました。私もそうだろうと思うんです。そういう点で、ほとんど同じような文章で陳情が続けられておる、その背景には大変な深刻さがあるということをひとつ御理解いただきたい。 そして、いま申し上げた実例で言ったように、単価が低い。補助率がどんなに上がっても、単価が低ければ、その事業をやるために単独費を出さなければいかぬですから、結果としては補助率は五分の四であっても二分の一にすぎない、こういうことになるわけであります。その辺で、五十五年度の予算内容を見てみましても、先ほど企画課長が答えておりましたが、八%機械的に伸びていっております。これでは十分じゃなくて、もっとやはり事業費単価というものについては、実態に即するように対応すべきじゃないか、こう思います。しかも、石炭というのがエネルギーの一つの柱になろうとする今日の段階においてはそう思っておりますが、大臣、いかがですか。
○藤波国務大臣 十年一日のように同じ陳情書を出していただかなければならない情勢の厳しさというものを、先ほど来御意見をお伺いいたしておりまして、身にしみて感じておったところでございます。ごく短期間に思い切った手が何か打てて、情勢がぐんと好転するようなことになれば一番いいんですけれども、なかなかそういうことにはならないわけでありますから、置かれた情勢の中でできる限りの努力を従来もしてきた、労働省から言えばそういうことになるわけでありますけれども、物価や資材費などもどんどんと上がって今日に来ておるというようなことなど考えてみますと、機械的に一律に、とにかく前々年よりも前年、前年よりもことし、とにかく何%か適当な率で上げていけばいいというような、機械的な考え方では解決できないというふうに思うわけでありまして、最善の努力をしてきておるところでございますけれども、今後とも先生御指摘のところを十分念頭に置きまして、補助率のアップ等につきまして、あるいは単価の問題等につきまして真剣に取り組ませていただきたい、このように考えておるところでございます。
○細谷(治)委員 これに関連いたしまして、事業費の単価を上げてほしい、補助率を上げてほしい、超過負担が起こらないようにしてほしいというのが産炭地の血の叫びなんですよ。 そこで自治省に、これに関連してお伺いしたいのでありますけれども、産炭地の財政事情が悪いことは御承知のとおりであります。ところで、財政事情については、いろいろ御配慮いただいておりますけれども、具体的に二点だけお尋ねいたします。 一つは、石炭が出てきますと鉱産税というものが入ります。ところがいまの産炭地では、鉱産税なんというのはもう入らない、そういう市町村がある。入ってきておる鉱産税も、現に炭が出ているところも、その鉱産税の基準財政収入額を目いっぱい見るという方向になってまいりますと、さなきだに財政力は枯渇していってしまう、こういうことであります。そういうことを考えて、自治省としては鉱産税については基準財政収入額に、税収の七五%というのが基準でありますけれども、それにさらに一定のファクター、アルファというものを掛けた、そのアルファというのが〇・六とか〇・七、こういうことでありますけれども、そういうアルファを産炭地の財政実情からいってとったわけでありますけれども、産炭地の財政はよくなったというふうな感じかもしれません、あるいは世間で言われるような後ろ向きだ、こういうことかもしれませんけれども、だんだんアルファをゼロにしてしまおう、こういう動きがあるやに承っておるのです。現に動いております。おととし私どもが産炭地に行きますと、このアルファを三年ぐらいでゼロにしてしまうのだという動きで、大変な交付税の減が起こりましたという痛烈な陳情をいただきました。この点について自治省としてどう対応するのか。 それから、今度は収入の方じゃありませんで需要額の方で、産炭地については産炭地補正というものをとっていただくことになりました。需要額として年間おおよそ六十億円程度のものが入ってきたと思うのですが、これが自治省令という一つの省令によりまして、五十五年は〇・七だ、五十六年は〇・三だ、そうして五十七年はゼロだ、こういうふうに、ここにもまた省令の中にアルファというのが入っておるのですよ。そのアルファを減らしていって、そうして産炭地補正というものをゼロにしてしまう、こういう動きが自治省内にあります。去年は若干配慮をしていただいたわけだ。この二点について五十五年度はどうするのか。実態は一つもよくなっていないわけですから、明確な御答弁をいただきたい。もしここではっきりした答弁を出さなければ、これは今度主管委員会でやらざるを得ないのですが、基本的な自治省の考え方を、まだ法律は審議しておりませんけれども、お聞かせいただきたい。
○花岡(圭)政府委員 まず最初の鉱産税の問題でございますが、交付税としましては本来は需要を的確に算定し、収入につきましても基準税額を一〇〇%とるというのがたてまえであろうかと思いますが、おっしゃいますように、産炭地の財政事情が悪いということで四十六年度にこの補正率を設けまして、〇・六というふうな算入率にしたわけでございます。五十一年度に産炭地補正ができました絡みもございまして、御指摘のように、五十二年度にはこの算入率を〇・七五に引き上げたわけでございます。しかし、産炭地の財政事情というものが御指摘のように好転いたしておりません。そういうふうなことから私どもも、今後特段の事情がない限りこの補正率につきましては〇・七五に据え置くという考え方でございます。 それから、二番目の産炭地補正の問題でございますが、これは、五十一年度に創設いたしました際には、産炭地域振興特別措置法でございますか、これとの絡みがございますので、その期間中こういう補正をしようという考え方から、特にこれができまして五十四年度から逓減をさせていく、〇・七、〇・五、〇・三というふうな形でなくしていくという考え方でございましたけれども、やはり産炭地の財政事情というものがなかなか好転しない。こういった財政措置により、あるいは各地方団体の御努力によりまして若干はよくなったとは見られますけれども、他の市町村と比べましてその基盤は非常に脆弱であるということから、この五十四年度の補正減というものは〇・九にとどめたわけでございます。これにつきましても、先ほど来申し上げますような事情がございますものですから、五十六年度に法律が失効しますまでの間〇・九ということを変える考えはございません。
○細谷(治)委員 二番目の問題については法律が存する限りは変える意思はない。 第一の問題については、収入の評価については特段の事情の変化がない限り——それは何ですか、特段の事情の変化がない限り、続けるというのですか。特段の事情というのが気がかりですから明確にしておいてください。
○花岡(圭)政府委員 産炭地におきます市町村の財政事情が特に好転しない限りということでございます。
○細谷(治)委員 それは産炭地域振興臨時措置法とは関係ないわけだな、前者は。
○花岡(圭)政府委員 鉱産税の方につきましてはそのとおりでございます。
○細谷(治)委員 はい、わかりました。 五十六年の産炭地域の振興法のある限りは、もうあの省令についてはストップする、こういうことでありますから、後で労働大臣なりあるいは石炭部長に一いま大変な問題になっているのはいわゆる石炭六法をどうするかというのが大きな課題になっておりますから、そこにだんだんだんだん問題が収斂してきておりますから、あなたの姿勢というのは、法律が存在する限りはあの省令はストップだ、よろしいですね。 次に、ちょっとお尋ねしておきたい点は、労働の問題でありますけれども、問題になつておりました北炭の清水沢が閉山ということになったようであります。そうしますと、冒頭大臣の所信表明で、現在の問題か未来の問題かという質問をしたわけですけれども、ここから離職者が出てまいります。その離職者が炭鉱のいままでの経験を生かして北炭のほかの方で全部嫁働してもらえればいいわけですけれども、一応そこで退職金をもらって行くというのですから、全部が全部吸収されるということはないと思うのです。そうなった場合に、まさしく先の問題かと言ったところが援護措置も含めましてここへ出てきます。これについては十全を期する決意なのかどうか。さらに昨年北海道に参りました際に、赤平炭鉱あたりでも深刻な問題が起こっておるようでありまして、こういう一連の問題についてどう臨時措置法を活用していくのか、この辺ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○高瀬政府委員 このたび北炭清水沢におきまして閉山問題が出てまいりました。新たに離職者が発生をする、こういう事態になったわけでございます。会社のそういう提案が出されまして、いろいろ関係組合とも交渉が重ねられてきておりましたけれども、先日それについて妥結をしたということでございまして、結果としては、坑内夫の方々については他の山への再就職、こういうような道がおおむね確保されるようでございますが、特に坑外夫の方を中心といたしまして約三百名の方が新しい再就職の道で、特に今後所管機関としてもこれに対して努力をしなければならぬ形勢になってきておるわけでございます。そういう観点から、これまでの経験をひとつフルに生かしまして対応していきたいと思っておりまして、早々に北海道庁ともいま連携をとっておりまして、現地の職業相談を開始し、そしていわゆる手帳の発給というようなことを通じ今後きめ細かな就職促進を図ると同時に、また移転が必要な方のための住宅の確保というようなこと等についても万全を期していきたい。具体的には地元の道庁あるいは援護協会といろいろ現在打ち合わせをいたしておる、こういう段階でございます。
○細谷(治)委員 この問題はごく最近の問題でありまして、十分な対応をするということでありますから、通産省なり労働省の対応を注視しつつ、また折を見て詳しく御質問をいたしたいと思います。 次に、時間も十分ございませんから、一般失対、これは産炭地にとっても大変重要な雇用の場になっております。ところが私どもの耳に、五年目ごとにこの失対制度についての調査をする調査研究会が恐らく新年度に入りますと発足するんじゃないかと思いますが、この失対制度調査研究会の成り行きについて、一部にはこれは失対は打ち切りなんだということで現場ではかなりの大きな不安がみなぎっていることは間違いございません。それで、この研究会を発足させるのか、その研究会に何を期待するのか。さらには、仄聞するところによりますと、もう失対のやる事業場所がないんだ、だから事業計画というものを今後は県や市町村の直接の場じゃなくて、公益法人等まで範囲を広げた事業計画をやる、そういうこともうわさをされております。こういう点について労働省の率直な御意見もひとつ伺って、そして現場にそういう不安が起こらないように、過剰の不安が起こらないように、現に不安があるわけですから、そういうことにひとつ対応していただきたい、こう思います。 と同時に、この失対賃金というのも、この予算があした決まりますと、大体予算の成立がいつということはわかります。それに関連いたしまして、この五十五年度の失対賃金というものの格づけというものが行われると思うのでありますが、私の調べたところでは、乙賃金というのが八段階の五種類、一段階ごとに五種類ありますから、言ってみると四十種類あるということですね。甲賃金の方が八段階の三種類、二十四あるわけです。そうしますと、合わせて六十四種類あるわけですよ。労働省はかねてからこういうものをだんだん圧縮いたしまして、一本化の方向へ努力をしておるようでありますけれども、この段階についてもいろいろ問題があり、議論の存するところでありますが、こういうものについてどういうふうに対応していくのか、ひとつ基本的にお尋ねしておきたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 まず失対制度の検討の問題でございますが、緊急失対法によりまして、最低五年以内に制度の検討をすることになっておるわけでございます。前回昭和五十年に制度の再検討が行われまして、就労者が高齢化しつつあることにかんがみまして、事業を甲、乙事業に分けまして、特に高齢者の方には甲事業というような形で、いわば運営をそういう高齢者の現状に合ったふうに直すというようなことをやったわけでございます。 来年五十五年度、その五年目に当たりますので、それで四月の下旬ないし五月の初めあたりから研究会を発足していただきまして、そこで労働省としては今後の失業対策事業のあり方につきましていろいろ御検討をいただきたい、こういうことでお願いをいたす予定にしておるわけでございます。 その際、労働省としては、労働省としての意見を具体的に示して、これでよろしいかということではなく、そういう御検討をいただきました結果を踏まえまして、労働省としての今後の失対事業のあり方について方針を決めていきたい、こういうことで臨んでおるわけでございます。その際、労働省としては、昭和四十六年に国会での附帯決議を衆参両院からいただいております。そういった附帯決議を踏まえまして方針を決めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 また、新年度の五十五年度の事業は、したがいまして、検討前のあれでございまして、従来どおりの方針で五十五年度の事業運営はいたしておく考え方でございますが、ただ、事業そのものがだんだん率直に言いまして枯渇をしてきておるという現状はあるわけでございます。しかし、就労者としても本当に役に立つ仕事をしたい、あるいはまた事業としてもできるだけ社会的にも効果のある仕事をしたい、こういう考え方で、これは制度検討とは関係なく、来年度の事業の選択の場所としまして、単に国や県の個所だけではなくて、公益法人的な病院、たとえば赤十字の病院であるとか、そういったようなところの道路とか通路とか、そういったようなことでも作業個所を広げまして、そして地域にも、地域一般の皆さんにもお役に立つ、それから就労者もまたいわば働きがいのあるといいますか、そういうような形で事業の選択個所を広げていこう、こういうことで計画を進めることとしておる、こういうことでございます。 また、賃金の格づけの問題についてお話がございました。この点につきましては、現在失業対策事業賃金審議会に五十五年度の賃金を具体的にどう地域別、応能別に展開していくのか、いま御検討いただいておる最中でございます。 ただ、先生おっしゃいましたように、労働省としてもできるだけ賃金の地域格差といったようなものにつきまして逐次縮める、それから賃金表も大変たくさんございましたものを逐次縮小の方向での努力をしておるわけでございまして、そういう失対就労者類似の労働者の全国的な賃金分布というようなものも頭に置きながら、逐次縮小への努力を実情に合わせながら図ってまいりたい、こういうことで労働省の考え方を持っておりまして、そんな点についてもいま御検討を願っておる段階でございます。
○細谷(治)委員 時間がありませんから、いまの調査研究会に対して労働省としてはその研究会を支配するつもりはない、フリーハンドで検討していただくということでございますけれども、労働省の考えと全く違ったようなものが出てはまた困るし、それを支配して研究会を隠れみのにしてもらっては困るわけですから、やはり十分な意思の疎通を図りながら研究を進めていただかなければいかぬと思うのですが、私はずばり申し上げまして、一年すれば年とっていくことは間違いないわけですから、そういう現実というものを見ながら対応していかなければいかぬけれども、先ほど来申し上げているような、こういう雇用の深刻な実勢からいって、これはやはり世間で言われるような打ち切りとかいう形ではなくて、存続をしていく、こういう基本的態度で労働省はこの研究会にその基本的態度を述べて、それがやはり研究会の研究に反映してもらわなければならぬと思うのですが、時間がありませんから、イエスかノーか、これにお答えいただきたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 この研究を進めますについては、当然現地の調査あるいは就労者団体の皆さんの意見、事業主体の意見というものも伺いながら、かつ失対事業について造詣の深い先生方に御検討いただくわけでございますので、それで生活をしておる就労者の方々が直ちに就労の場を失うというようなむごい、そんな結論が出されるというふうには思っておりません。そんなことで、十分その先生方を信頼しながら、その上で労働省としての方針を決めていきたい、こういうことでございます。
○細谷(治)委員 最後に、まとめて大臣にお尋ねしたいと思うのです。 いままでも若干質問いたしましたように、深刻なものがございます。しかし、その深刻なものを、労働省としては可能な限り対応をしてきたということは認めます。けれども、今日まで二十一年とかいうことでありますけれども、一向事態がよくなっていない。ここに私は問題があると思うのですよ。暫定的というのは法律的な暫定的ですから、当分の間とか暫定というのは別に期限を切っているわけじゃありませんけれども、やはり二十年間続いたということについては問題がある。それはどういうことかといいますと、緊就とか特開とか開就というものはやらなければいけませんけれども、それぞれやはり市町村の計画に基づいてやっていっております。ずばり申し上げまして、その市町村との問の連携、そして筑豊なら筑豊というものを将来どういうものにしていくのか。基幹産業を中心とした筑豊にしていくのか、あるいは大学文化都市としてつくっていくのか。そういう産炭地に対する国家的なビジョンと、それから市町村をつなぐ広域的なものについては県がやり、そして県と県との間をつないで、そういう産炭地が浮揚できるような条件というものを整えていくためには、国家プロジェクトというのが必要だろうと思うのですよ。これが欠けておるところに、十年一日のごとく、文句を言われながら一生懸命やってきたけれども、一向前進しないという根本的な点があると思うのですが、この点について、大臣はどういうふうにお考えになっているか。そうだとするならば、これについて積極的にどういうふうに労働省としてリーダーシップをとっていくのか、これが第一点であります。 それから第二点は、今度の予算の修正に関連いたしまして、地方雇用開発委員会というものを全国に十カ所程度設けるということで、予算の手直しが行われるということが決まりました。私は大変結構だと思うのです。地方の雇用をどう開発していくのか、どう創造していくのか。これは大変結構だと思うのです。ただ、その結論が出た場合に、その答申というものを現実にどう開発していくか、受けざらは一体どうするのか、労働省としてはどうお考えになっているのか。この二点をひとつ大臣にお聞きいたしたいと思います。
○藤波国務大臣 きょうの御質疑を通じまして、非常に私ども心配しております、いわゆる産炭地域のいろいろな実情等につきまして、さらにいろいろ浮かび上がらせていただきまして、私ども認識をさらに新たにいたしておるところでございます。どのようにしてこういった地域の雇用を安定をさせ、そして地域住民の方々に長期的に落ちついた気持ちで生活をしていただくことができるのか、これは非常に頭の痛い問題でございます。 先ほど田中委員にも御答弁申し上げましたように、短期的にとにかく現状をたとえどれだけでも救済をしていくというような意味でいろいろな事業を進めてきておるということと、それから長期的にその地域をどのような方向にもっていこうとするのかということと、両方の取り組みようがやはり必要であると思うのです。短期的なことだけをどれだけ継続的に続けておりましても、それは一つの非常にいい方向に向かっているとは必ずしも言えない場合もありますし、ですから、やはり長期のビジョンを立てて進んでいくこと、これはもう全国どこでも言えることでありまして、きのうも予算委員会の分科会で沖繩御出身の国会議員の方々からいろいろ御質疑がございましたことについても、やはり同じ思いをしたのでありますけれども、特に産炭地域の実情をいろいろお伺いいたしましても、非常に傷の深い思いで、今日まで長期間来ているということを考えるわけでございます。 どう持っていくかということは、勝手に国の方、政府の方で決めるということは、これまたよろしくないので、あくまでも市町村、県の皆様方が地元でどのようにお考えになるかということと十分連携していくということでなければいけないと思うわけでありますが、地域、地元でいろいろなビジョンをお立てになりましたら、政府としてはそれをしっかりと受けとめて、できる限りお手伝いをしていく、あるいは連携して進んでいくという基本的な姿勢が大事であると思います。 それからもう一つは、どうもきれいごとばかり申し上げて、言葉に過ぎてはいかぬということは自戒をいたしますが、こういうような地域の再建とか振興策というのは、やはり各省庁がばらばらであってはいかぬということをつくづくと思うわけであります。通産省も、あるいは場合によったら国土庁も、もちろん労働省は雇用という面でといったようなことで、先生御指摘のありました、たとえば文教都市としていくのかということであれば、これは文部省も積極的に仲間に入らなければいかぬという意味で、これはやはり地元の御意向を中心にいたしまして、地元と政府が十分な連絡をとる、そしてさらに各省庁が十分連絡をとる、それが実質的に積み上がれば、結果としては一つの国家のプロジェクトにもなる、こういうことにもなろうかと思います。そういった基本姿勢を持って今後とも積極的に取り組ませていただきたい。特に、何といっても雇用の安定というのは一番大事なことでありますから、そういう意味では、労働省は従来よりもさらに積極的にそういう姿勢を展開していくようにいたしたいと思いますが、今後ともぜひいろいろ御造詣の深い御指導をいただきますようにお願いをいたしたいと思います。 地方雇用開発委員会につきましては、昨年から出発をさせておりまして、その地域地域のいろいろな産業の実態なり、あるいはどのような産業が今後伸びていくのかといったようなことの動態の調査なり、そしてそれにどう対処していったらいいのかというようなことをいろいろ対策を立てるための御相談をいただくという意味で、地方雇用開発委員会の活動が出発しておるところでございますが、いま申し上げたような意味も含めまして、これはできる限りたくさんの個所で調査検討を進めていくことができればと、私どもそんなふうに考えてはきておったわけであります。当面は非常に不況の地域、不況産業をたくさん抱えた地域ということで、五カ所、五県出発をしてきております。五十五年度、私どもが考えておりました、さらに二県を追加をしていくことは、最近の産業の動向をながめてみまして、やはり第三次産業がどのように伸びていくかというようなことを中心にして少し突っ込んで検討したいと考えましたので、これは大都会を持った地域ということで二県考えてきておったわけでございますが、いろいろ与野党間のお話し合いの中で、修正の形で、この雇用開発委員会の設置個所を県数をふやすというような方向でお話が進められたことにつきましては私ども伺っておりまして、その御趣旨に沿うように労働省としても誠意を持って検討を進め、適切に対応していきたい。ただ、ふえた個所がどこへいくかというようなことにつきましては、まだずっと継続した話で今日に至っておりますので、今後誠意を持って御趣旨を生かすように対応していきたい、このように考えておりますことだけを申し上げておきたいと思います。
○細谷(治)委員 終わります。
○岡田委員長 これにて細谷治嘉君の質問は終了いたしました。 次に、鍛治清君。
○鍛治委員 時間をいただいて質問申し上げますが、最初に二点だけお断りをいたしておきたいと思います。 質問の内容がどうしても通産関係とのダブリ、その他の関係とのダブリが、関連性が出てまいりますので、多少労働省所管と外れる向きもあるかもわかりませんが、内閣の一体性と統一性という見地から御質問を申し上げるものでございますので、そのところはごしんしゃくいただきまして御答弁をいただきますようにお願いいたしておきます。 それから二番目には、先ほどからお二人質問なさいましたので、質問の用意いたしましたものがダブる点が出てまいりますが、なるべくダブる点を避けながら質問は申し上げますけれども、どうしても質問の必要のあるところはいたしますので、それはむしろ地元でそれだけ真剣に解決を望む声が強いのだというふうに御理解をいただいて御答弁をお願いをいたしたいと思います。 最初に、大臣にお尋ねをしたいのでありますが、近年、資源エネルギーの見直しが世界的にも進行いたしておりまして、石炭産業の重要性が一層高まっておるということは御承知のとおりであると思いますが、特に資源に乏しいわが国にとりましては、石炭というのはたった一つと言っていいほどの貴重なエネルギー源である、こう思います。乏しい資源の中でわが国にとりまして貴重な財産であるというものは、私はやはり開発をし、守らなければならない、そういう意味で食糧とともにこの石炭というものは、もし万が一の場合のことも考えながら徹底的に自給率というものを高める必要があるだろう、さらにはこれらの産業に従事する方を守るという意味からも、そういった必要があろう、こういうふうに思うわけでございまして、わが国としては、いろいろな施策をやり切った上で海外のいろいろな資源なりいろいろなものを輸入をして活用する、こういう基本姿勢が一番大切ではないかと私は思うわけでございますが、こういった基本姿勢につきまして、考え方について大臣にお考えを伺いたいと思います。
○藤波国務大臣 いよいよこれから時期としては春闘の最盛期に入っていくわけでありますが、労使間のいろいろな課題が掲げられてこれから話し合いが進められていく、特にそういう時期でもありますので、なおさらのこと申し上げるわけでありますが、どのようにして日本の経済をうまく持っていくかということでいろいろ考えてみまするが、やはり今日の当面する最大の問題は物価である、物価をどのように抑制していくかということが非常に大事な課題、きょうも閣議で物価に関する物価抑制の総合的な政策を求めようという方向で経済企画庁長官からも話があり、私からもぜひ早期にまとめてもらいたいというような発言をして、各省庁が作業に入っているところでございますが、それらの物価抑制などをどうしても思い切ってやっていかなければいかぬという今日の情勢を考えてみましても、非常に大きな原因はエネルギーを全部海外に依存しているということからくる要因が非常に大きい。昨年からことしへかけまして石油が二倍にもはね上がっていく、その中で石油自身もそうですし、どうしても関連物資が高騰していくというようなことで、昨今もう本当に頭が痛い毎日を繰り返しておるわけであります。そんなことを考えてみましても、別に物を安くするためにエネルギーの、代替エネルギーをという意味ではなくて、長期に見て日本の経済というものを安定的な立場に置く、そして日本の国が今後も成長し、繁栄し、非常に落ちついた気持ちで国の営みを進めていくことができる、その中で一人一人の国民生活もしっかり守れるということを考えていこうと思いますと、どうしても持っている石炭の見直しをやって、そしてひいてはそういう新しいエネルギー源をどんどんと開拓をしていくというようなことと取り組んでまいりませんと、国の将来にわたるいろいろなビジョンを立てようと思いましてもどうしても足元がぐらついてしまう、そういう感じがするわけでございまして、過去閉山に次ぐ閉山ということで今日まで炭鉱がまいりまして、先ほど来の御質疑にもありましたように、その後遺症がなお残って非常に暗い状態で今日に推移してきておりますけれども、何とかひとつ政府全体として新しいエネルギーのあり方ということを考えて、特に石炭対策に取り組んでいく必要がある、私どもの立場から基本的にそのように考えておるところでございます。
○鍛治委員 ただいま御答弁がありましたそういう基本姿勢を踏まえて先日大臣の所信表明があった、こう思いますが、この中で大臣は、「石炭鉱業の経営の安定を図るとともに、石炭鉱業における保安の確保と労働、生活環境の整備等により、炭鉱労働者の就業の安全と雇用の安定、福祉の向上を図ることが必要であると考えております。」こういうふうに述べておられるわけでございますが、労働省が担当すべき分野において具体的にはどのような施策を講じ、真剣に取り組んでおられるのか、お尋ねをいたします。
○加藤(孝)政府委員 雇用の安定の点につきましては、先ほどからございますように、炭鉱離職者臨時措置法というような形の中で、仮に離職者が出ればそういう形での援護の措置を講ずる、こういうことでございますが、基本的にはまず石炭鉱業そのものが今後継続するいろいろな基盤として、そこにおける一番問題はやはり保安の問題でございます。 私どもこの石炭問題を考えます場合に、地域によりましては労働力不足という問題も逆に出てきております。ある意味では、今後維持し発展していかなければならぬ事情にある石炭において、労働者が集まらないという問題がだんだん出つつあるわけでございます。そういう意味では、やはり過去のいろいろ大きな事故というものがあって、労働者がなかなか石炭へ進んでいく気になれないという問題、それからさらには過去におけるそういう離職問題の発生という中での、やはり安定した雇用の場でないではないか、こういうイメージの払拭というような問題もあるわけでございます。そういう意味で、そういうイメージを払拭するための対策を講じて、必要な労働力の確保ができるような面への配慮というものが並行してありませんと、今後のエネルギー問題を支える一つの柱としての石炭鉱業の維持ができないのではないか。またそういう観点で、たとえば石炭労働者の雇用の促進を図る観点からも、雇用促進事業団の住宅の建設というような形での配慮あるいはまた雇用促進融資というようなものでの配慮ということで対策を進めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○鍛治委員 若干抽象的な御答弁ではございますが、雇用の安定というのは、先ほど大臣からも一番大切な問題であるというお答えがございました。またいまの御答弁の中にもありましたように、炭鉱では労働力というものが大変不足ぎみであるということの現実は確かにあると思います。その中でさらに考えなければならないことは、石炭というものの見直しが行われて、これは石炭業界にとっては大変いい方向で流れができてきているとは思いますけれども、そういう現状の労働力がなかなか確保しにくいというような中から、今後の生産体制の見通しとしましては、この二千万トン体制ということが六次の石炭政策の中で言われておりますし、「長期エネルギー需給暫定見通し」の中でも六十年、六十五年にも二千万トン体制ということが言われているわけでありますが、二千万トン生産というものが現実に近い将来、これは先日の通産省、通産大臣等に対する質疑の中でも御答弁ございましたけれども、わりと早い機会に、早ければここ二、三年のうちに、需要の増高と相まって国内炭の二千万トンの確保ということは、原料炭、一般炭とも合わせましてできるであろうという見通しが現在できてきておるというのが既定の事実と化しつつあるようであります。こういう中で労働力というものが、果たして二千万トン体制に実際に——貯炭もなくなって二千万トンを現実に生産するという時期が、これは早く来てほしいわけですが、来たといたしまして、昭和五十年から一千八百万トン台の生産というものが続いておる中で、非常に企業は厳しく合理化を迫られ、いろいろな対策を講じておる中で、果たしていまの状況のままで二千万トン生産というものが実際に行われるようになったときに、労働力また雇用の面、いろいろな点でこれは確保できるのであろうか。またいまの体制で実際できるのであろうかということが大変心配になるわけでありますが、こういった点の労働省当局の御認識と見通し等についてちょっとお伺いをいたしたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、特に現在石炭を採掘しております事業所におきまして、声としてだんだんそういう石炭労働力の確保問題が出つつあるわけでございます。ただ、現状で申しますと、まだ需要量に対して労働力は確保されておる。場合によっては求人数よりも労働者数が多いというような現状ではございますが、しかし、だんだんその辺のところが厳しくなりつつあるという情勢でございます。今後、そういう意味におきまして一層、先ほど申し上げましたような労働力確保面から申し上げますれば、石炭産業のそういうイメージをアップしていくということ、またもちろんそれを裏づけます保安の確保あるいは雇用の安定ということがなきゃならぬ。さらにはまた、石炭労働者の労働条件の向上あるいは生活環境の整備というものを図っていかなきゃならぬという観点で考えておるところでございます。 いま申し上げましたように、現状におきましては、数字を見ますと、求人、求職の関係では一応充足をされてきておるというふうに考えておりますけれども、しかし、今後そういう情勢を踏まえまして、炭鉱離職者が再就職する場合にできるだけそういう前職の経験を生かして炭鉱へ就職されるような勧奨もやっていかなければならぬだろう。あるいは雇用促進事業団を通じての雇用促進住宅の設置、融資制度の活用等々生活環境の整備というものを進めていかないと、御心配のような労働力の確保問題等において、二千万トン体制の維持確保がむずかしくなるのではないか。そういう観点から環境整備にも取り組んでいかなければならぬ事情にある、こんなふうに認識をしております。
○鍛治委員 ちょっと具体性がないような感じであるわけでございますが、この件については、保安その他については通産関係も大いに関係してまいりますので、石炭部長来ていらっしゃいますし、いまと同じ内容について通産当局のお考えをお伺いいたしたいと思います。
○福原説明員 保安の面からお答えいたします。 炭鉱の運営に当たりましては、私どもまず保安を第一義に考えまして、保安があって生産があるという考えが基本でございます。それにつきまして私どもといたしましては、鉱山保安技術の推進あるいはボタ山災害の防止工事あるいは保安センターの事業の育成あるいは鉱山保安確保事業に対しましての補助金等々を年々交付しておるわけでございますが、特に、最近問題になっておりますのは、炭鉱の深部化に伴いまして、これに絡まる保安問題ということであろうかと思います。炭鉱の採掘現場が深部化いたしますにつれまして、ガスの湧出量が増大するあるいは盤圧が非常に強くなってくるというようなことがあろうかと思います。加えて問題になりますのは、労働環境といたしまして、中の温度が非常に高くなるということであろうかと思います。現在、一番高いところで三池の三池炭鉱の三十一度というところが最高でございますが、これも冷房装置、扇風機等増強いたしまして、ようやく三十一度を維持しているというところでございます。この深部化に伴います高温化の問題につきましては、私ども従来から通気の改善あるいは冷房機の設置等々の指導を進めてまいっておるわけでございますが、今後とも必要な指導、監督の強化を進めてまいりたいと思っております。 若干、具体的に申し上げますと、冷房機の設置につきましては、鉱山保安確保事業費の補助金といたしまして、保安専用機器のうちの冷房装置といたしまして夕張、幌内、三池、高島、池島、これらの諸炭鉱に補助金を交付しておるわけでございます。そのほか保安技術の調査委託のうちの高温対策といたしまして、石炭技術研究所に高能率ボウリング機器開発と、高温水の急速抜水と申しますか、その技術開発による熱源の除去の研究を現在委託しておるところでございます。それから通気設備の改善によりまして、これは主として扇風機の能力増強、これによりまして風量を増加させて坑内を少しでも涼しくさせるということでございますが、これは近代化融資といたしまして保安関係、五十四年度二十二億円の予算をとってございますが、そのうち通気設備につきましても、排水設備あるいはガス誘導施設と並びまして融資の対象として促進方を図っておるわけでございます。
○高瀬政府委員 先生御指摘のとおり、二千万トン体制の生産力を維持する最大のポイントの一つは、労働力の確保だとわれわれは考えております。そのためには、やはり現在問題になっております需給の均衡をまず図るということを第一にしなければいかぬだろう。それから第二には、経営の改善を進めていかなければならない。第三点が保安の確保。この三つが組み合わさった形で長期安定のビジョンが描かれることによりまして、労働力の確保ができるだろうというふうに考えておりまして、私どもといたしましては、需給の均衡については一、二年では展望が出てきた。それから経営の改善につきましては、主として炭価アップ政策と財政の補てんでやっていこう。それから保安につきましては、先ほど参事官の方から答弁があった内容で進めていくということで、総合的な形でビジョンをつくるということが最大の決め手というふうに考えております。
○鍛治委員 いまいろいろお答えいただきました。先ほどの御答弁の中で、炭鉱に人が集まらないという点で、もう一面から心配されるのは、働いておる方々の高齢化、特に若い方がなかなか来られないという実情があるようですが、それは先ほど答弁のありました、いま保安の問題やらいろいろございましたが、そういったいろいろなことが年とった方も含めて、特に若い人に対しても同じ理由でやはり集まりにくいのか、そこらあたりをもう一度ちょっと御答弁をいただきたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 北海道等の炭鉱の事業主の方からも、労働力確保問題でいろいろ労働省も協力してくれ、たとえばそういう若い人を特に集めたいんだということで伺っておるわけでございます。そのために道庁などでは、そういう炭鉱への就職奨励金というようなものも出しておられると伺っておるわけでございます。ただ、私ども率直に申し上げて恐縮でございますが、そういう事業主の方々に対しまして、学校の先生が自分の教え子たちに就職をお世話するときに、本当に石炭へぜひ行きなさい、そう言って責任をもって言えるような炭鉱にならなければ、やはり先生方がそういう教え子をその職場へ推薦をして、そして事故に遭うとか、あるいは就労して間もなく離職せなければならぬというような事態になるというようなことであっては、それは先生方も胸を張って勧められないでしょう、そういう意味でぜひそういうようなイメージをなくし、石炭を先生方が教え子に対して勧められるような、そういう事業になるような面で総合的に取り組んでいく、その面がないと、ただ若い人たちに石炭へ行きなさい、行きなさいと言うだけではやはり無理があるので、その辺のところをよく踏まえて、経営面でもいろいろ努力をしていただくと同時に、そういった面でわが方も、そういうものの進んでいく中でいろいろなお手伝いを進めていきましょう、こういうふうに申しておるような状況でございまして、そういう意味で若い人が希望を持って石炭へ行くという、そういう方が多数おられるという状況に必ずしもない、そういうところが今後の大きな問題であろうかと思っておるところでございます。
○鍛治委員 教育の方の問題のお答えが出ましたが、藤波大臣は、労働問題もさることながら文教関係は大変エキスパートとして伺っておりますし、私も常任委員会は文教に籍を置いておりますし、いま答弁のありましたことは、私自身を含めてひとつ大臣にもそこらあたりの御努力はお願いしたいと思います。 さらに、いろいろとお答えがありましたが、やはり何といっても事故があるということが大変問題であろうと思いますが、確かに企業の努力もあったと思いますし、関係当局の大変な御努力があったと思います。毎年災害率もぐっと減ってきておるわけで、そういう限りにおいては私は大変いい傾向にあるとは思いますけれども、しかし、その中で毎年やはり少なからず亡くなる方もおられます。 〔委員長退席、細谷(治)委員長代理着席〕 けがをなさる方もやはりあるわけでございまして、代替エネルギーの中で石炭が浮揚する中で一番大切な問題であろうと思います。特に通産当局も含めてこの保安関係というものは幾らやってもやり過ぎるということはないと思いますし、今後ともさらに強力にこの対策等を進めていただきたいということを御要望申し上げまして、次の問題に移らしていただきます。 次は、旧産炭地域の問題で、前のお二人の質問の中でも議論されておりました炭鉱離職者対策の問題でございます。これは私ども地元がそういう地域を抱えておりますので重大な問題だということでとらえられておるわけでありますが、それに関連して一番大切なこととして言われておるのが、いわゆる石炭関係六法の期限切れに伴う延長問題です。その中で、特に炭鉱離職者臨時措置法はたしか五十七年の三月三十一日に期限切れになると思いますが、これは労働省の所管のものであろうと思います。この措置法についての延長、これはぜひ大幅に旧産炭地域の実情を御認識をいただいて延長の方向でやっていただきたいと思うのでありますが、この点についてお尋ねいたします。
○加藤(孝)政府委員 石炭鉱業につきましては、最近におきましては合理化離職者というのは急速に減少をしてきておるわけでございます。反面そういう中で、石炭鉱業審議会の第六次答申に見られますように、石炭政策が従来の合理化対策を推進するという方向から国内資源の有効活用を図るための国内炭二千万トン体制を維持する、こういう方向に重点が変わっておる状況にあるわけでございますが、この炭鉱離職者臨時措置法の廃止期限がこうした中で五十七年の三月末にやってくるわけでございます。この問題につきましては、こういう急速に減ってきております離職者の発生が今後一体どういう見通しになっていくのか、さらにまた、他の石炭関係諸法律の動向がどうなっていくのか、そういったこと等十分ひとつ配慮しながら対処してまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○鍛治委員 これはひとつ法の大幅延長について必ず実現できるように御努力をお願いいたしたいと思います。 ところで来年度は、先ほどもちょっと問題になっておりました一般失対事業の見直しということの年である、こういうことになっておるわけでありますが、この一般失対事業がどうなるかということが緊就、開就等の制度事業にも大変影響があるんだというふうに私ども地元では認識をしているわけであります。その中で打ち切りという問題は、先ほど細谷先生の質疑の中で、そういうことがないという私ども確認をしたい御答弁ございましたのでありますが、この見直しの中で打ち切りというものは絶対やらないのかどうか、この点の再度のお答えを願いたいことと、さらにもう一つは、仮に存続されたとしても、やっぱり高齢化していることは事実でありますから、この高齢者に対する打ち切りといいますか、首切り、言いかえれば定年制をしくというふうなことがあるんではないか。そういうことがあると、また制度事業の中にもそういうことが導入されてくるのではないか、こういう心配も非常にあるわけでございますが、この二点についてお答えをいただきたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、今度の制度検討は緊急失業対策法に基づきます制度検討でございます。したがいまして、法律的に義務づけられておりますのは、この緊急失対法に基づきます事業だけでございまして、他の制度事業についての見直しは制度的に検討対象になるというわけのものではないわけでございます。しかし、いろいろ御心配をいただいておるわけでございますが、これは先ほど申し上げましたように、労働省としては研究会に対しまして特に具体案を示してお諮りをするわけではないわけでございますが、研究会におきまして、就労者の意見を伺ったり、現地の視察もしていたださましたり、あるいはまた事業主体等の意見も伺う等々の中で、失対事業に造詣の深い諸先生方に結論を出していただく、こういうものでございまして、労働省もその結論を尊重し、かつ昭和四十六年にございました衆参両院の附帯決議というものも尊重しながら方針を決めていきたい、こういうことであるわけでございまして、そういう制度検討の結果、直ちに失対就労者の生活が激変するというようなことになるようなものではない、こう考えておるところでございます。 なお、高齢者の方の問題につきまして、これは当然そういう高齢者だからということで、本人の意思を無視して直ちにそういう生活のかかっておられる状態に対して厳しい対応を迫るというようなことには恐らくならないであろうというふうに考えております。
○鍛治委員 この件もひとつ地元の皆さんの要望を受け取っていただいて、御努力をお願いいたしたいと思います。 さらに、現在緊就、開就の両事業とも新規採用の道というのがいま当然閉ざされているわけでございまして、吸収事業じゃなく給付事業という形になっておるわけでありますが、しかし、いま旧産炭地域というものは、御承知だと思いますけれども、中高年齢層で失業をして、さらに滞留しておる方々というのが、全国的にも多くなっているようでありますけれども、その中で特に多くなってきているというふうに私たち認識をしておるわけです。 さらには、私の地元であります田川市の場合に例をとってみましても、一般失対、特開、緊就、開就、この四事業に就労しておる方々は合わせて約三千二百名ぐらいございます。その中で、これは人口の割合からいきますと五%ぐらいではありますけれども、そのほかにやはり失業者というものが千二百名ぐらいはいる。さらには生活保護世帯も千世帯くらいございまして、やはりまだ働けない方々が大変におられるわけです。さらに有効求人倍率、これもちょっと私も詳しく調べてはこなかったのですが、記憶では全国平均が〇・八五ぐらいだったと思うのですけれども、その中で田川の方は〇・三ぐらい、要するに三分の一くらいの低さになっているわけでありまして、要するに大変働く場所がないということが痛烈な悩みになっておるわけです。さらには企業誘致も思うように進んできてないというような状況もございまして、現在失対等含めたこの四事業が基幹産業みたいになっている。 〔細谷(治)委員長代理退席、委員長着席〕 要するに、失対というような失業者救済、炭鉱離職者の救済という意味を越えて、いわばこれが基幹産業のような形になって定着をいたしておりますし、そういう中でこれが存続がされませんと死ねと言うに等しい状態になってくる。しかし、いま新規に吸収してまいりませんと、緊就、開就ともだんだん自然減というものがあると思いますし、また途中で事情によってリタイアされる方もあると思いますので、だんだん減っていくばかりだ。これは当然のことでありますが、そういう旧産炭地域の実情というものをさらに深く御認識をいただいて、新しく定員をどうこうということは別といたしまして、−大体中高年齢の方に限って新規に自然減していくものができましたならば、その分に限っては新しくそういう失業者を吸収していくというような形がとれないものかというふうに思うわけでございますが、この点についてお答えをいただきたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 緊就事業あるいは産炭地域開就事業につきましては、これは炭鉱離職者であって一定の要件のある方、あるいは炭鉱関連離職者であって一定の要件のある方についてやっておるわけのものでございます。したがいまして、緊就については新しくこれを吸収するということは考えておりませんし、また開就事業についても、そういう関連離職者というものもおおむねなくなってきておる、こんなふうなことで見ておるわけでございます。 御指摘の特開事業につきまして、いま自然減程度の補充はというようなお話でございます。ただ、一般論あるいは原則論で申し上げますと、失業者をこういう事業で吸収していく方式につきましては、率直に申しましていろいろ滞留あるいはこういう政策が再就職になかなかつながらないという問題もございまして、そういう意味でこの特開事業につきましても、ただ単に中高年失業者が多数滞留しておるということだけで実施をするものではなくて、今後におけるこれら地域の開発の可能性、あるいは先ほどいろいろそういう地域の財政事情についてのお話もございましたけれども、そういう事業主体の実施能力といったようなものも考慮しながら、慎重に対処していかなければならぬ事情に一般的にあるわけでございます。 筑豊地域の問題につきまして、先ほどいろいろ御指摘ございますように、たくさん失業者が滞留しておられる、あるいはまた中高法の援護措置を終了しても就職が困難な方も多数おられる、こういうような状況も承知をしておりますので、そういう事情も十分考慮しながら、また関係の県市町村ともよく相談をしながらその辺は対処していきたい、こういうふうに考えております。
○鍛治委員 炭鉱離職者の方々の再就職ということについては、これをひとつ促進はしていただきたいのでありますけれども、企業も誘致しようということで地元も大変努力はしておるし、県も国も恐らく努力をしていただいておるわけでありますけれども、なかなか思うようにいかない。その一つには、やはり職業訓練的なものもレベルアップしてきちっと身につけなければいけないのじゃないかというようなことも考えられるわけであります。これは地元からいつも強く要望が出てきております広域の職業紹介、職業訓練それから雇用奨励金等の各種雇用援護措置の拡充、こういったものが大変必要になってくると思いますが、この点について御答弁をいただきたいということと、さらに職業訓練的なものはもっと充実した形で重点的にやっていただけないものかというふうにも思うわけでありますが、この点についてお伺いをいたします。
○加藤(孝)政府委員 御指摘のように、なかなか産炭地での工場誘致等がはかばかしく進んでいない、そういう中でこういう失業者の滞留問題も出てきておるわけでございます。そういう意味で、まさに御指摘のように、そういう広域的な職業紹介をさらに一層進めていく必要がございますし、あるいはまた職業訓練というものが一体となっておりませんとどうしても就職がむずかしいという中でございますので、そういう広域職業紹介を進めていくことからもやはりこの職業訓練の一層の充実を図ってまいらなければならぬ、こういうふうに考えておるところでございます。
○鍛治委員 最後に、大臣にお答えをいただきたいのですが、いろいろお尋ねをいたしてまいりましたけれども、限られた時間でございますし、旧産炭地域にとりましてはまだまだたくさん切実な問題があるわけでございます。前お二人の御質問の御答弁の中で、大臣は非常に身にしみて実情の認識も新たにいたしましたという、大変前向きなお答えをいただいているわけでございますが、事実旧産炭地域の市町村の中では、石炭関係六法による国からの補助金、まあ県も関連してでございますが、そういった予算が当初予算を組みますときに五〇%を超えるというような市町村もございまして、これが切られるとか前進がとまるということになりますと大変なことになる。特に予算措置の中で緊就、開就等もやられておるわけでございますけれども、こういった六法関係、それからそういった予算措置等があるために、生活保護世帯が全国で最高を占めておると言われるような市町村にありましても、非常にそれらの措置が働く職場を与え、生きがいを与え、活力を与えておる、こういう根源にもなっております。こういつたことをさらに御認識をいただいた上で、こういう問題に本当に前向きに、むしろどんどん積極的に対処をしていただきたいし、先ほどのやりとりでありましたようなビジョンの問題も含めて、むしろ国の方から積極的に呼びかけながら、その浮揚を図るという形をおとりいただきたいと思うわけでございますが、そういったことを含めて、大臣の御決意のほどをお伺いして質問を終わらしていただきたいと思います。
○藤波国務大臣 いろいろな角度から御質疑をちょうだいをいたしまして、その中で旧産炭地域の非常にお気の毒な実情でありますとか、あるいはまた新たに国内炭の二千万トン体制をどうやって整えていくのか、そこでどのようにして雇用を確保する、労働力を確保するかといったような問題につきましてもいろいろ浮かび上がらせていただきまして、非常に勉強させていただいたわけでございます。もちろん、いま進められております法律なり制度なりというものが、その法律や制度を構えた趣旨が、なおもうその不安は全く解消されたというような状態にならない限り、やはり引き続いて対策を講じていく必要があるということは、先ほど来の御質疑等からも十分私どもも考えさせていただかなければいかぬ、こういうふうに思っておるところでございます。 同時に、地域のビジョンを確立をし、そしてその地域と国が直結をして、さらにいろいろな対策を講じていく。そしてお話の中にもありましたように、いろいろな制度を活用して、おられる方々がだんだんと高齢化しているというような実情等を考えてみましても、実態というのは、やはりこの数は少なくなるようでいて、しかし、その感じは非常に暗くなるということを感ずるわけでございます。そういった非常に暗い感じの漂う旧産炭地域の問題につきまして、今後ともひとつ真剣に取り組んでいくようにいたしたい、そして各省庁とも十分連絡をとって、いろいろな対策を講じていくようにいたしたい、このように考えておる次第でございます。
○鍛治委員 大変ありがとうございました。
○岡田委員長 これにて鍛治清君の質疑は終了いたしました。 次に、小渕正義君。
○小渕(正)委員 二月十三日の石炭特別委員会において労働大臣の所信表明が行われたわけであります。それに対して、問題をしぼって御質問したいと思うわけでありますが、その前に、石炭対策についての労働省関係となりますと、どうしても焦点が、ほぼ共通的なものがございますので、若干質疑の関係での重複の面があるかと思いますが、その点ひとつお許しいただきたいと思うのであります。 特に労働大臣の所信表明の中で、石炭産業の重要性が一層高まり、そうして石炭産業の経営の安定を図るためのということで、いろいろと述べられているわけであります。そういう中で石炭政策を推進していくためには、まず石炭産業の経営の安定を図る、保安の確保と労働、生活環境の整備を図る、次に炭鉱労働者の就業の安全と雇用の安定、福祉の向上を図る、私はこのことが石炭政策の中で一番留意されていなければならない問題だと思うのであります。そういう関係から、特に国内炭の安定のために雇用問題及び労働条件関係を中心にして御質問したいと思うのであります。 先ほどから炭鉱労働者の雇用対策について幾人の方も触れられたと思いますが、要するに、炭鉱労働者は御承知のように平均年齢四十二歳、非常に高齢化しつつあります。そして定年退職者も年間約九百三十七名、大体四%程度がずっと出てきているというふうに聞いているわけであります。したがって、このまま推移すれば、炭鉱の技術者は毎年少なくなってくるわけでありまして、この点に対しては、労働省としてはどのような実態を把握されているかということであります。 それからあと一つは、御承知のように炭鉱の技術というものは機械化も相当進み、高度な技術を要するものでありまして、根本的にはやはり経験による技術の向上ということが必要でありますし、保安の確保もまた、そういった点と不離一体の関係だと思うのであります。したがって、少なくとも定年者をカバーし得る新規採用を行わなければならないわけでありますが、労働力確保、保安確保に大きな障害が現状の中では出てくるんじゃないか。要するに、現状は生産調整のあおりで減員体制がしかれているのが各企業ではないかと思うわけでありまして、そういった点で、先ほどから雇用の需給のバランスがとれていると言っておられるわけでありますが、これからも永続的に炭鉱を維持していこうというからには、そういった新規採用を永続的に行いながら、絶えずそういう炭鉱労働者の技術の質の向上、確保ということがなければならないと思うわけでありまして、そういう点で考えますと、残念でありますが、いまそういうことを企業がしょうとしてもし得ないような条件に置かれているのではないか。だから、ただ需給のバランスがとれておるということでなしに、やはりそういう長い将来性を見ながら、これからも石炭産業を維持していくために、そういった角度から新規採用をしながら、そういう中で要員を確保していく。逐次老齢化していく中において、質を維持し向上するためには、どうしてもそういうことは欠かすことのできない問題ではないかと思うわけであります。それはわかりつつも、いまの炭鉱経営、石炭産業の経営の基盤の中ではそれがなし得ないような状況に置かれているのじゃないか。私は問題はここに一つあると思うのです。労働省としてはこういった問題をどのようにお考えなのか、この点をまずお伺いしたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 まず、労働力の雇用の状況についてのお話でございます。先ほど、現状においては何とか労働力の確保はできておる、こういうふうに申し上げたわけでございますが、この点について若干数字を申し上げてみますと、五十二年におきまして、当初雇用見込みで七百四十八人を全国的に予定しておりましたところ、実績としては千八十八人の雇用になった。五十三年におきまして、当初雇用見込みを八百七十人ばかりを予定しておりましたところ、結果としては実績として九百三十人の雇用ができた。五十四年につきましては、いまのところ雇用見込み数が五百九十人ということでございますが、現在その点について、特に集まらないということでの事情は伺っていない、こういうことで、数字的に申し上げますとそんなことでございます。 また、特に若い人の雇用の関係のお話が出たわけでございますが、この点について、幾らか現状においてはよくなってきておりますといいますか、若返りが少しずつは出てきておりまして、たとえば昭和五十年度におきましては、十九歳以下の方が新規採用者の一割程度であった。それが五十三年度におきましては十九歳以下の方が一八%雇用し得ている。それからまた逆に、四十歳以上の中高齢者といいますか、五十年度においては四十歳以上の方の新規採用が一五%でございましたけれども、五十二年度には七%程度になってきておる。要するに若い人を採り、高齢者を雇うという形が徐々になくなってきておると申しますか、改善されてきておるというような事情にはございます。そんなような現状でございます。
○小渕(正)委員 いまの数字からお伺いしますと、求人といいますか、企業が必要とする要員は一応確保されている、しかも、数字的には若い層が少しずつ増加してきておる、こういうふうに全体言われておるわけであります。そういった点では、現業で働いている人たちの切実な声としては、それが生にそのままどうしても——若い人は来ないし、またいまは雇うにしても減量経営の中で雇えないという一つの悩みの中で、いま私が問題提起をしたようなことを言ったわけであります。そういった点では、数字的なものをお伺いいたしますと余りそう開きはないような感じがいたします。 ただ一つ、これは後の問題でまた申し上げようと思いますが、先ほど申しますように、特にわが国の石炭生産技術というものは、実は世界でもトップレベルの位置にあるわけでありまして、五十三年度の月平均一人当たりの能率といいますか、そういうものを見てもわが国が最高でありまして、月に七十五トンですか。そういう意味では、ほかの諸国と比べてかなり生産性が高いような状況が上がっておるわけでありますし、日本の炭鉱というのは、かなり地下にありながら、しかも、諸外国と比べると非常に不利な条件の中で、これだけの大きな生産性を上げておるということは、そういう意味では企業としてはかなりの努力をされ、またそれだけに熟練労働者が、かなり優秀な人たちがおられるという一つの証明だと思うわけであります。 そういう意味で、先ほどからも触れられておりましたが、石炭産業というものを本当に国として位置づけるならば、企業のよしあしとか企業の状況によって雇用するのじゃなしに、計画的に国として、そういう質の高い労働力の確保という意味で、技術レベルをずっと維持するという意味での指導というものをやはり行う必要があるのじゃないかと思います。この点ちょっと意見になりましたが、先ほどの数字のお答えをいただきましたので、そういうふうに申し上げておきたいと思います。 次に、これも同じくそういった雇用安定の確保の問題と切り離せないわけでありますが、先ほどから質問の中でのお答えとして、学校の先生が炭鉱に思い切って行きなさいとどんどん胸を張って推薦できるような状況にしなければいかぬということを言われた。確かにそうであります。そういう意味で、石炭産業の位置づけというものを社会的に大きくしていかなければいかぬと思うわけでありますが、その場合の一番ポイントは、やはり一つは労働条件がどういう状況に置かれているかということですね。これは全産業的に見てどこに、どういう条件に置かれているかということが一つ。それとあと一つは、安全だ、危なくないんだ、炭鉱というと何か危ないというのではなしに、本当に炭鉱というのは心配要らないんだというような、そういったイメージを社会的に植えていく、そういう意味での労働災害の絶滅といいますか、坑内保安のより強化、確保ということになると思います。この二つがより確保されなければ、条件を備えないと、やはり学校の先生が石炭産業はいいぞというわけにはいかぬのじゃないか。 そういう点で考えてみました場合に、現在のわが国の炭鉱労働者の労働条件の位置づけを見てみますと、千七百万トン程度の状況の中で企業は非常に苦しい状況を強いられておるわけでありますので、そのために、それのしわ寄せがどうしてもすべて労働条件に来る。したがって、福利厚生その他いろいろな面においても、そういう意味でより合理化されていきつつあるし、そういった点での労働条件の確保というのはますます困難になってくるというふうに言えるのじゃないかと思います。したがって、この点に対しまして、現在政府としては、先ほどから、一つは炭価アップの政策の中で経営の安定を図っていくというようなことを言われておりましたが、国としてどうしても石炭産業というものが必要だということをはっきり位置づけるならば、やはり国自身がそういう労働条件の確保に対しても、向上に対しても思い切った政策をとらないことには、ただお互いの口の先だけでどうだこうだと言ってみたところで私は真の解決にならぬと思います。本当に社会的に石炭産業にいろいろな若い人たちが希望して行こうかというような雰囲気を醸成するということは、一つはやはり労働条件がより確保されなければならないと思います。そういう意味で、労働省としてはこの問題をこれからどういうように進められようとしているかをお尋ねしたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 御指摘ございましたように、そういう経営の安定あるいは保安の確保また労働条件の確保、こういうものが確保されていきませんと、石炭産業そのものが継続し得ない。また、したがってエネルギー確保もできない、こういうことになるわけでございます。そういう意味で、石炭産業がまさに労働者が喜んで行き、喜んで働ける、そういうような職場にならなきゃならぬ。労働省サイドからの観点からいきますと、やはりそういうところが一番ポイントになるところだろうと思うわけでございます。そういう意味で、一つには通産省等が中心になられまして、われわれの方もそれに対して協力する形において石炭産業の経営の面での安定が図り得るような措置がとられていきますよう、政府が一体となって今後乗り出していかなきゃならぬ、こう思うわけでございます。 われわれも労働対策の面で、先ほどから申し上げておりますように、労働条件の面あるいは保安の面で、他の産業等に比べてより高い水準で維持されるように、いろいろな面での協力あるいは労使の交渉で決まるものにつきましても側面的にいろいろ御協力していくというような配慮が今後必要になってこようかと思うわけでございます。
○小渕(正)委員 お言葉としては十分りっぱな御返事をいただくわけであります。したがって、それが具体的にどのような形としてあらわされるかということですね。またいよいよ春の賃上げの時期になってきましたけれども、去年だって炭鉱労働者の賃金は三%ちょっと、四%いかなかったと思いますね。世間水準から大きく下がった状況の中で、もちろん下を見れば切りがありませんし上を見ても切りがないということがありましょうが、やはりある程度そういう炭鉱労働者の労働条件の基準といいますか水準といいますか、そういうものを、労働省は労働省なりにどこにめどを置いて比較するか、このことをきちっと持っておかぬことには、いろいろな諸対策を進める上においても一貫性がなくなってくるのじゃないかと私は思うのです。そういう意味で、炭鉱労働者の労働条件、特に賃金問題の比較、と言ったら悪いですが、世間水準という中においてどのあたりを位置づけとして見ておくか、その中において適切な手を打つかということにならぬと、ただ評論的なお言葉はいただいても、具体的にはそれが生かされないのじゃないかと思うわけでありまして、いま一番必要なもの、しかも一番欲しいもの、欲しいというと悪いですが、そういうものが私は一番大事だと思います。そういう意味で、労働省としてそれなりの考え方がありますならばひとつお尋ねをいたします。
○藤波国務大臣 今後どのようにして国内炭二千万トン生産体制をつくっていくかというのは、日本政府にとっての非常に大事な政策課題であるというふうに思います。そんな中で、先ほど来御指摘がございましたように、いま石炭産業が企業としてやっていけるのかということになると非常に不安定で、しかも、輸入の石炭等との比較もこれあり、なかなか厳しい状態の中でがんばっているということは言えると思うのです。そんな中でのことでありますから、今後労働力の確保についてどう手を打っていくかということにつきましてはいろいろな角度から検討し、かつ対策を講じていかなきゃいかぬと思います。通産省としてもいろいろ検討を進めていくことになろうと思いますが、労働省といたしましても、先ほど来御答弁申し上げてきておりますように、特に労働環境の安全性というものを確保するとか、あるいは特に雇用促進事業団などのいろいろな仕組みを活用して、住宅の問題であるとか福祉の問題等についてできるだけのことをするとか、若い人などから見て魅力のある職場ということにいくには、まだまだ相当がんばっていかなければいかぬと思います。それでなくとも、不安のない職場というところまでは最低限段取りをしていくのでなければ、先ほど来御指摘をいただいておりますように、非常に質の高い労働力を確保するということはなかなかむずかしい。しかも、これは今後の国内炭二千万トン生産体制の非常に大事なキーポイントであるというふうなことを考えまして、積極的に今後対策を講じていくようにいたしたい、こう思っているところでございます。 ただ、労働条件、特に賃金問題を中心にいたしまして、どういうふうな水準にあり、そのことをどう考えるかということにつきましては、最低賃金はかくかくしかじかであり、これ以上のものは日本の労働者として確保してもらいたいという構えはとってはおりますけれども、具体的にどういう水準に持っていくべきであるかということにつきましては、あくまでも労使の話し合いのもとにそれぞれの企業の中で決めていくことでございますので、そのことについて労働省から所見を申し上げることは差し控えさせていただきたい、こう思うのであります。 繰り返しますけれども、今後の国内生産体制を維持、強化していこうと思いますと、経営者にもがんばってもらわなければいかぬというふうに思いますし、そういう意味では労使がお互いに産業の置かれておる今日の位置というものを十分お考えいただいて、ひとつ良識を持って労使の話し合いが進められるように心から御期待を申し上げておるところでございます。
○小渕(正)委員 賃金問題については、これは労使自決が原則ですから、労使の話し合いの中で決められるべきという性格のものであることは論をまたないところであります。ただ、問題は、労使話し合うにしても、経営者が世間水準並みに何とかしょうとしても、そういうことができ得ないような経営基盤の中に置かれているところに問題があるわけですからね。そういう点で私はお尋ねをしたわけです。 したがって、ひとつそういう意味で、より経営基盤の強化、安定といいますか、そういう中でせめて世間並みの労働条件は確保できるような、そういう意味での労働省としての指導、助言、助成、やはりこういうもの——これはもちろん通産省との大きなかかわり合いがございますけれども、そのことがもっとしっかりそこのところを持っておっていただかぬことには、最後は労使の話し合いで決めるんだということで逃げられてしまっては、それは実際に雇用安定のため努力します、何だかんだと政府がきれいな答弁されても、結果的にはそれは何もなかったことになるわけですから、そこらあたりぜひこれからの取り組みの中でひとつ十分腹に据えておっていただきたい、かように思うわけであります。 それと、先ほどの御質問の中にも出ておりましたけれども、坑内保安対策、それからより働きやすい条件、環境の整備ということでいろいろ政府としても、通産省でございましたか、いろいろな手を打っておるということ等が報告されておりましたが、確かにそういうことでは、前向きにいろいろと取り組んでおられることについては、私どもとしては非常に評価するわけでありますが、より働きやすい職場環境を整備するための、要するに、職場の近代化といいますか、そういうものとか、住宅環境とか生活環境の整備という面でいろいろとやろうとして——いろいろありますが、そういう場合に、どうしても最終的には企業がそれを負担する。ただ、政府が長期低利の金を貸せるとかいうことで、結果的には企業が全部それをやはり最後は負担せねばいかぬような状況でのやり方では、そういういい制度がもしあったとしても、企業としては負担能力その他を考えれば、そういうものに対してちょっと手を出し切れないという問題が一つあるのじゃないかと思います。したがって、そういった点では、これも先ほどの話に戻りますけれども、政府として石炭産業に対する国の政策の位置づけをどこに置いておるかということがはっきり決まれば、それなりにまた違った角度からのこういう問題に対する対処方も出てこようかと思います。 そういう点で、たとえば先ほどから雇用促進事業団あたりでの炭鉱住宅のいろいろ新しいつくり方なんか言われておりましたが、私の知る長崎県の範囲においては、そういったことでやられるところまでまだ至っておりません。したがって、まだまだ炭鉱労働者のそういった生活基盤の環境の整備といいますか、改善という点については、どうしても企業との関係だけになっておるわけでありますので、そういう点ではひとつ政府が雇用促進事業団等を活用してアパートでもどんどんつくってやって、そこでいまの古い住宅から切りかえて入居させるとか、そういう思い切った手を打たないことには、私は生活環境の整備ということも、これもまた単なる絵にかいたもちに終わってしまうのじゃないかと思いますが、そこらあたりの施策について関係者の皆さんの御決意をお伺いしたいわけですが、これはどなたになりますか。
○加藤(孝)政府委員 いろいろ今後の石炭労働者の諸問題について御指摘いただいておりまして、十分そういう御意見、姿勢を踏まえて、私どもも具体的な取り組みをさらに強めていかなければならぬ、こう思うわけでございます。 いま御指摘ございました雇用促進住宅につきましても、これは再就職のための雇用促進住宅というたてまえのものでございまして、ずばり雇用促進住宅を産炭地そのものにつくるというあれではなくて、産炭地離職者が新たに住居を移転されて就職をされるという場面についてのものでございます。そういう意味であれでございますが、ただ、まさに住宅そのものを、これは当然労働者の確保の絡み等で用意をしなければならぬという場合に、雇用促進融資という形で住宅建設のための融資制度を持っておるわけでございます。こういったものについても、最終的には企業じゃないかということでございますが、企業がつくりやすいあるいは利用しやすい形に制度についても検討していくというような形の中でひとつ研究をさせていただきたい、こう思うわけでございます。
○小渕(正)委員 私も先ほどのお話を承っておりまして、雇用促進事業団を活用しても、そういう実際の炭鉱の現地での生活環境の利用にはならぬじゃないかという気がしておったものですからちょっとお伺いしたのですけれども、やはりそういうことでした。したがって、私は一つの例として出したのですけれどもね。そういう住宅対策一つをとってみましても、要するに、より企業が利用しやすいような、そういうものの条件をより緩やかにして、企業を通じてやらせるという手もあるでしょう。しかし、私はいまの石炭産業の置かれておる経営基盤の弱体の中では、ただそういう制度だけでは無理じゃないかという気がするものですから、やはりこの際思い切って、たとえば日本住宅公団あたりと十分話し合いされながら、そういうものが何らかの施策として、生活環境整備のための住宅対策等が石炭産業のそういうところで生かされないか。少なくともそういうものまで思い切って考え方を変えてやるようにならぬと、石炭産業安定のためどうだこうだと言われておっても、それは本当の意味での解決策にならぬのじゃないか。実はこういう考えがあるものですから、そういう意味で意見を含めて申し上げたわけでありますから、そういう意味での前向きな御見解を承りたいと思います。
○高瀬政府委員 お答えいたします。 炭鉱の住宅につきましては、計画を立てまして順次毎年やっております。ある炭鉱では持ち家住宅制度を活用しまして進めていくというスタイルもございます。それからもう一つは、厚生年金と近代化資金、これは合理化事業団から出る資金でございますが、それで合併施行でやる方式でいま進めております。それからもう一つは、建設省さんの予算になりますが、不良住宅を改良する不良住宅改良事業というのがございまして、そういういろいろなものを組み合わせて、かつ各社ごとに計画を立てましてそれを順次進めているというのが実情でございます。
○加藤(孝)政府委員 先ほど移転就職者用住宅で、産炭地そのものにつくるのがむずかしいような趣旨のことを申し上げましたけれども、その産炭地におきまして新しく移転就職者という形で人を採る、こういう場合には、その産炭地におきましても雇用促進住宅が建てられるものでございますので、そういったものにつきましてはできるだけ今後配慮していくという姿勢でいきたいと存じます。
○小渕(正)委員 次に移りたいと思います。 あと一つの問題は、現在わが国の一つの大きな労働行政の施策の目標となっているのが定年制の問題と労働時間短縮だと思うのですね。そういう点で現在の炭鉱の就業時間制を見ました場合に、残念ですが、労働時間短縮といいますか、週休二日制を採用というところはとてもない、そういうところへまだ来ているとは考えられないような状況だと思います。しかし、これだって、先ほど言う魅力ある一つの産業といいますか、働き場をつくるという意味では、この時間短縮はやはり切っても切れない問題だと思うわけですね。そういう意味で、こういう地下産業の特殊性がありますから、どうしても一般的な時間短縮とはまた趣を異にするかもしれませんけれども、しかし、それなりに時間短縮、週休二日制というものを導入していくということは、やはり考えておかなければいかぬ問題だと思うわけであります。そういう意味で、石炭産業の中における週休二日制導入についての労働省の御見解を承りたい。
○岡部説明員 炭鉱を含めまして鉱業におきます労働時間の実態を見てまいりまするというと、毎勤統計調査によりまして月間の総労働時間を見てまいりますと、全産業で百七十五・二時間でございますが、鉱業につきましては百八十七・八時間と、かなり長い実態の様子が見てとれるわけでございます。先生御指摘の、たとえば週休二日制の状況はどうであるかということを見てまいりますと、何らかの形の週休二日制、これは月一回とか二回とかというものを含めまして、採用しておりますのが、規模三十人以上で調査をいたしますと全産業で七二・三%に及ぶのでございますが、鉱業におきましては五二・二%にすぎないということで、建設業等と並びまして週休二日制の促進がおくれているという実態でございます。特に完全週休二日制はどうなっておるかということを見ますと、全産業では二四%普及いたしておりますが、鉱業ではゼロというふうな状況でございます。したがいまして、その内訳も月一回の週休二日が一番多うございまして、もっぱらそういったまだ週休二日の端緒にあるというふうな状況でございます。ただ、所定労働時間制度を見ますと、これは四十八時間未満のものが七八・五%でございまして、これは全産業計で八三・八%でございますので、所定労働時間だけ見ますと他産業並みの短縮が図られているようでございますが、残業の部分を見ますと、これが若干長いという実態でございます。労働省におきましては、残業規制の施策ということで、たとえば基準法三十六条の三六協定締結に際しましてその届け出についてのチェックで残業規制をいたしますとともに、年休の消化率を上げていく、あるいはまた週休二日制あるいは夏季一斉休暇制の促進と、総合的な施策で、鉱業につきましても、もとより労働時間の短縮ということについてさらに進めてまいりたいというように考えております。
○小渕(正)委員 統計的な数字はもう十分理解いたしておりますが、要するに石炭産業は二十四時勤務体制なんですね。だからそういう意味で、やりようによっては週休二日制の導入もまたとれないことはないわけです。したがって、そういう問題とあわせて、一つは、これは労働条件との比較の問題にもなりますが、本来は何時間働いてどうかというのが普通の比較ですからね。たとえば石炭の現在の労働条件の賃金水準が幾らであって、しかし実際の働いている時間から見たら世間並みからどうだというようなこういう問題のあれもありますから、でき得ればそういう形での実質的な労働条件の向上がもっと図られるためには、こういう就業時間をもっと短くしていく、そういう週休二日制を少しでも導入するような方向を早く採用する、それだけでも私は非常に実質的な労働条件の向上につながると思いますので、そういう意味で、そういう角度からもひとつとらえていただいて、労働行政上指導していただきたいということをお願いしておきたいと思います。 最後になりましたが、これは私、まだ勉強不足でありまするので、多くはあれでありますが、ただ一部私にこういう問題の提起がありましたのでちょっとお尋ねいたします。緊急失業対策事業としていろいろ産炭地関係でやられているんだと思いますが、やはりこれに炭鉱離職者援護対策費ですか、それぞれそういう予算が計上されていろいろやられると思いますが、もうかなり長くなる。−もう少し実態はどうなのかということをもう一度見直してみる時期に来ているんではないか、こういうふうな意見も実は私いろいろな関係者から伺ったことがあるわけでありますが、ここらあたりについては労働省としてはどのようにお考えになっておられますか。
○加藤(孝)政府委員 先ほどからお答え申し上げておりまするように、石炭関係諸法が五十六年の暮れから五十七年の三月末にかけて一応期限が切れる、こういう事情があるわけでございます。そういう中で、今後石炭関係の離職者対策諸事業についてやはりいろんな角度からの御意見等も出ておるわけでございます。いずれにいたしましても、そういう期限の切れる問題との絡みで、やはりいろんな角度からこの時点において検討はされなければならぬ、こう思っておるわけでございますが、申し上げておりますように、こういう事業について現在の就労者の状態、それからまたこれらの地域の雇用の現状等々考えますと、現状においてこの事業が打ち切り得る、そんな情勢にはない、こう考えておるわけでございます。
○小渕(正)委員 その問題また改めて、私なりに一つの見解をいま持ち合わせておりませんから、またそういう機会のときに申し上げることにいたしまして、これで質問を終わります。
○岡田委員長 これにて小渕正義君の質疑は終了いたしました。 次に、三浦久君。
○三浦(久)委員 御質問をいたしたいと思います。私はきょうは運輸委員会、また予算委員会の分科会等がありまして、同僚議員の質疑を拝聴しておりませんでしたので、多々重複する点があると思いますけれども、それはひとつ御勘弁いただきたいというふうに思います。 最近、産炭地の後始末は終わったんだ、こういうような議論をときどき耳にいたします。私は田川という産炭地を選挙区に持っておりますので、田川にはちょいちょい参るわけであります。そうすると、こういう議論というのはいわゆる実情を知らない議論だなということを大変痛感するわけですね。というのは、まだまだたとえば鉱害の問題にしてもはかばかしく進展していないという問題があります。失業問題もそうです。また炭住の改良も遅々として進まない。教育の荒廃もあります。産業の疲弊ということも余り変わっていないというような状況ですね。もちろんもう産炭地域振興臨時措置法ができてから十八年たって、いろいろな施策をやっているんですけれども、しかし、もう何ら対策は要しないというような現状ではないというふうに私は思っております。政府自身もそのことは認められておるのですね。最近出ました五十二年十一月十二日の「産炭地域振興計画」ですけれども、この基本計画並びに実施計画がありますが、その中でも筑豊の内陸部においてはなおその疲弊は解消されるに至っていない、こういうふうに述べられておる。その解消のために引き続き設備を講ずる必要がある、こういうふうに指摘をしておるわけであります。特に田川地区は全国的にももう御承知のとおり有数な失業地帯でございますね。五十四年の三月段階で失業率は一〇・八であります。これは全国平均が二・六でありますから四倍強というような、そういう失業地帯であります。ですから、その深刻さというのは想像を絶するものがあるわけでありますけれども、労働省としてこういう田川の実情をどういうふうに把握されているのか。もう失業問題は解決したんだというふうにお考えにはなっていらっしやらないだろうと思いますけれども、どういうふうに現状を把握していらっしゃるのか、まずお尋ねを申し上げたいと思うのであります。
○藤波国務大臣 今朝来当委員会におきます各委員の御質疑もいろいろ伺いまして、またお答えもしてきたところでございますが、産炭地域の抱えております後遺症といいますか、当初もっと短い期間に立ち直っていくというつもりでみんな取り組んできたところが、なかなか思うように進まない、はかばかしくないという現状にございます。施策といたしましては、短期的緊急の課題として取り組んできたのが、だんだん時間がたってきているわけでありますけれども、そういった施策として講じてきた内容と、長期的にビジョンを掲げて少し長い目で地域の振興を図るというようなことで手を打っていかなければならぬ問題と両方あると思うのです。それでなければ本当の立ち直りにはならぬわけでございますが、なかなか思うように、長期的にいろいろな手を打っていくということについても、いままでのところそう気のきいたようなことになっていない、引き続き地域の失業率は非常に高く、かつその地域で今後生活をしていくことについて、あるいは学窓を育ってくる若い人々が地域に根づいていくということについての将来への不安といったものがなお消えていない、そういった状態にありますことを私どもといたしましても非常に心配をいたしておるわけでございます。 今後とも、いま申し上げてきたような意味で、そういった情勢の中で短期的に取り組んでいかなければならぬ問題、長期的に地元の市町村、県と政府が十分連絡をとり合いながら対策を講じていかなければいかぬ問題−いずれにいたしましても、あらゆるきめの細かい施策を講じて、いまの状態から一日も早くもっと前進をしていくように努力をしていかなければならない、このように考えておるところでございます。
○三浦(久)委員 私がいま申し上げました産炭地域振興の実施計画、これは筑豊地区のところがございますけれども、その筑豊地区のところで、失業問題について、炭鉱離職者のうちでも中高年失業者の再就職について特に配慮することを求めておると思います。「雇用機会の造出及び職業の転換」という項目が一番最後にありますけれども、ここでは「産炭地域振興施策の進展により、雇用機会が増大するまでの措置として、必要な間雇用機会の増大を図るための事業の実施に努める。」こういうことがございますね。これは労働省も参加しておつくりになったものですから、当然この方針には御異議がないわけでございますね。
○加藤(孝)政府委員 そういう地域の実情からして、必要な間実施をしていかなければならぬ、こういう基本的な認識でございます。
○三浦(久)委員 ここにあります「雇用機会の増大を図るための事業」というのは、これは通産省並びに労働省としては緊就、開就を指すのだというふうに承ってよろしいわけですね。
○加藤(孝)政府委員 そういうことでございます。
○三浦(久)委員 そういたしますと、いま緊就、開就の打ち切り問題を心配している声が大変あるのですけれども、こういう政府の方針というものからいって、緊就、開就というのは今後も必要な限り存続をする、こういうふうに承ってよろしいわけでございましょうか。
○加藤(孝)政府委員 その点につきましては、先ほどからいろいろ御質疑もまたあったところでございますが、確かに石炭関係六法と言われるものが五十六年の末から五十七年の三月末にかけて一応期限が切れる、こういうような情勢の中で、あるいは切られるのではないかというようないろいろ御心配が出てきておる、こんなような事情にあろうかと思うわけでございますが、先ほどおっしゃいますように、必要な限りはこれはやっていかなければならぬ、こういう基本認識の中で、現在の就労者の生活の実情あるいは産炭地における雇用情勢というようなものを考えますときに、これが打ち切り得るような情勢にはない、こういうふうにわれわれの方は考えておる、こういうことでございます。
○三浦(久)委員 少し田川の問題についてお尋ねいたしたいと思いますけれども、田川地区は特に失業情勢が厳しいということは御承知だと思いますが、五十四年度で求職者が五千百九十四名、求人が八百九十一名ですから、有効求人倍率は〇・一七なんですね。そしてその中でも特に中高年がひどいのです。求職が二千三百二、求人が百四十九ですから、有効求人倍率は〇・〇六というような極端に悪い状況にあるわけであります。私は、こういう中高年の失業者に仕事を与えるために、中高法二十二条に基づく公共事業に係る失業者吸収率制度、これをもっと活用すべきじゃないかというふうに考えておるわけでありますけれども、全国的な活用状況と田川地区におけるこの失業者吸収率制度の活用の状況を御報告いただきたいというふうに思います。
○伊藤説明員 ただいまの御質問について、まず田川地区の公共事業の失業者吸収率制度の実績について御報告いたしたいと思います。 田川地区は、御承知のとおり中高年法に基づく特定地域に指定されておりまして、失業者の吸収率、これは無技能者でございますが、四〇%の適用があるということでございます。 その実績でございますが、これは最新の数字ということで五十四年の四月から十二月までの数字でございますが、いわゆる吸収率制度によりまして吸収人員が通知されましたものが延べで百八十八万人余ということになっておるわけでございます。(三浦(久)委員「それは全国でしょう」と呼ぶ)田川でございます。延べで百八十八万……
○三浦(久)委員 ちょっと待ってください。それは全然違うでしょう。
○伊藤説明員 失礼しました。全国でございました。どうも間違えました。先ほど申し上げましたのは全国の状況でございます。全国の状況で申し上げますと、百八十八万三千六百七十一人、そのうち安定所で紹介いたしましたものが百万三千六百九十五人ということでございます。 それから田川職安管内でございますが、延べで二万四千七百六十九人、それから安定所紹介によりますものが八千二百六十一人、こういう状態でございます。
○三浦(久)委員 これは延べで言っているからえらい多い数字になっておりますけれども、田川の場合は五十四年の四月から十二月まで百九名なんですね。延べで八千二百六十一名。そうすると、百九名が七十六日しか働いていない、吸収されていないということなんですね。ですから、これは私は大変低い数字じゃないかというふうに思っているのですよ。ですから、こういう吸収率制度というものは余りうんと活用されているというふうには言えない状況にあると思うのですけれども、その原因、理由、こういうものをちょっと御報告していただけませんか。
○伊藤説明員 数字は確かに申し上げたとおりでございますけれども、現実に田川地区、田川職安の方でこれを適用、把握しておるわけでございますけれども、現実に安定所の方に求職に来られる方で公共事業を希望される方がほとんどおられない。それから通知が来ましてもそういうことで未充足の状態。現時点におきましてもほとんど公共事業への就労の希望者がおられないというような実情でございます。
○三浦(久)委員 そうおっしゃいますけれども、そうすると、あれだけいる失業者はどうしているのか。たとえば緊就も入れない、一般失対も新しくは入れない、開就も入れない、特開も中高年の措置を受け終わってもまだ全然特開にも入れない。もういっぱいおるわけですよ。しかし、公共事業にも行かない。そうすると、何かもう雇用問題は解決したみたいな、そんな感じですね。 私、職安にちょっと聞いてみたのですよ。そうしましたら、五十四年度で中高年の求職者、先ほど言いましたように二千三百二人、求人が百四十九名、そして就職したのは百二十二名なんですね。そうしますと、求人が百四十九で就職が百二十二ですから八二%、これは就職しているのですよ。ですから、中高年の場合には、たとえば職業安定所へ行きますよ。まあ気に食わない仕事もありましょう。遠いからいやだとか、時間が長いからいやだとか、賃金が低いからいやだとか、それは合わない場合もたくさんありましょう。しかし、この中高年に限っては彼ら自身も、もう自分たちはそんなにいい職業にはつけないのだ。だからということで、職業選択の幅が狭いということを自覚していますから、求人百四十九、求職二千三百二でしょう。求人百四十九、就職百二十二ですから、八二%が就職しておるのですよ。ですから、私は、やはりもっとこういう公共事業、これをもっともっと活用して、そしてただ黙ってのんべんと来るのを待っているというのじゃなく、もっとPRもし、機会を与えてやれば、中高年の人々というのはもっともっと私は就職する機会が与えられるのじゃないかというふうに思っているのですけれども、その辺いかがお考えでしょうか。
○伊藤説明員 田川の実情は先生の方がよく御承知だと思うのでございますけれども、ああいう地域におきまして、公共事業につきましてわれわれとしてはできるだけそういう職場を確保したいというところで努力しているところでございます。そういうことで、先ほどちょっと申し上げたのでございますが、公共事業もああいう地域では非常に貴重な就労機会であるということで、安定所も公共事業が来た場合には完全にそれを把握するような体制をとる、そういうことで努力をして求人を確保しているわけでございます。 そういう中でも、やはり求職者の方では、いろいろ本人の希望なりいろいろ条件もあると思うのでございますが、ただいまのところでは、そういう求職者の方はほとんどいらっしゃらないということで末充足で困っておる、いま求職者の方には紹介に一生懸命努めるように努力をしているところでございます。
○三浦(久)委員 どうも現状把握がちょっと違うみたいなんですけれど、たとえば中高法が制定されたのは昭和四十六年でしょう。その当時よりも現在の方が失業情勢がより深刻になっているというのは、これはもう歴然とした事実じゃありませんか。たとえば、これは全国的なものですが、当時の有効求人倍率は、労働省の出している職業安定業務統計というものによれば、これは一・一二ですよ。失業者数は六十四万ですよ。失業率 丁二%です。ところが現在どうかといえば、有効求人倍率は全国的で〇・七一でしょう。ずっと下がる。失業者数は六十四万から百十七万にふえているのですよ。失業率は一・二%から二・一%になっているのですよ。ですから、その当時と比べて現在の方が二倍の深刻さになっているということ。田川だけが例外であるというようなことはないので、田川の方がより一層こういう全国的なものの縮図になっているということは、これはもうちょっと否定できない事実じゃないかと私は思うのです。 総理府の統計局の「就業構造基本調査報告」というのがありますね。これによりますと、「高度成長期においてさえも中高年層の就業はかなり難しい面があったが、今回不況は更にこうした年代の求職者を著しく増加させており、特に高年齢層の増加が著しい。」こういうふうに述べているわけですね。私はこれが実態だというふうに思うのですよ。 ですから、私はまた後で申し上げますけれども、やはり公共事業の失業者吸収率制度というものをもっと活用するためのもっといい方法がないのか。公共事業はいっぱいやっているわけでしょう。もっといい方法はないのかということをお尋ねしたいのですけれどもね。もしか窓口にだれも来ていないというのであれば、来させるためにどうするのかとか、そういう何か具体的な、本当に失業者の身になって、この失業者に職を与える、こういう何かいい方法はないのですかね、ちょっとお尋ねしたいのですけれども。
○加藤(孝)政府委員 先ほど課長から申し上げておりますのは、公共事業での希望者が少ないということを申し上げたわけでございまして、決して田川の雇用失業情勢が全国に比べてよくなっておるとか、そういうことで申し上げたわけではないわけでございます。ただ、公共事業そのものにつきましては、やはりたとえば高齢者でございますれば、なかなか公共事業のそういう体力的に不向きである、あるいはまた公共事業も御存じのように次第に機械化といいますか、いろいろ高度のそういう技術等も要するようになってきております。そういうようなこと等もございまして、公共事業に対していろいろ就労希望者が少ない、こういうような事情もあるわけでございますが、無技能者につきましても、たとえば現在の失業対策事業等からそういうところへ行くということは、これはもちろん希望すれば当然そういう形で吸収をしていかねばならぬわけでございますけれども、なかなか体力、希望というようなことで、実数的にはそれほど多くない。こういうことでございまして、決して公共事業への希望者が少ないことが即そういう情勢がよくなっておる、こういうこととは違いますの、その辺は若干御理解いただきたいと思います。
○三浦(久)委員 失業者が求職に来ないということで何か失業者にみんな責任をおっかぶせていっているような、そんな感じがしますけれども、私は労働省自身の努力もそういばったものじゃないのじゃないかというふうに思っているのですよ。 たとえば、ここに法律がありますね、中高年の。これができたのが四十六年五月二十五日でしょう。そしてこの二十二条によりますと、公共事業の定義がありますね。その定義の中に、括弧していろいろずっと書いてあって「(政令で定めるものに限る。)」と、こうありますね、公共事業の主体として。この政令でそういう法人を決めたのはいつですか。
○伊藤説明員 一番最初に政令が決まりましたのが五十一年九月でございます。
○三浦(久)委員 四十六年の五月に中高法ができて、そして失業者吸収率を定める告示は、これは案外早かった、四十七年の五月です。そうでしょう。これは比較的早いですね。一年。一年というとずいぶん長いけれども、しかし、一年たってから失業者吸収率は四〇%だと決めた。ところがじゃどういう事業主体が吸収しなければならないのかということを決めたのは五十一年でしょう。九月というと、これはもう五年以上たってからですよ。これはやはり余り熱心にやっているということは言えないんじゃないか、私はそう思うのです。 それから、産炭地域振興公団というのがあるのです。いまは違います。いまは地域振興整備公団と言っていますけれども、この整備公団は産炭地域の振興を目的としておるのですね。たくさん事業をやっていますよ。工業団地の造成をいっぱいやっていますね、ここに資料がありますけれども。一々言いませんけれども。このお金はみんな石特から出ていますでしょう。産炭地振興費用の半分以上、この振興公団が持っていっているわけですよ。それじゃこの振興公団がこういう中高年の失業者をどの程度吸収したと思いますか。
○伊藤説明員 先ほどの、まず第一点の政令の指定が遅いではないかというおしかりなんでございますけれども、吸収率自体、国、地方公共団体はもともとかかっておりまして、それについては法律から一年ほどおくれておりますけれども、その時点からかかっておる。五十一年に決めましたものは、どう言いますか、特殊法人と申しますか、いわゆる公共法人の方を決めた、その点で若干おくれたというふうに御理解いただきたいと思うわけでございます。 それから、そういう振興事業団であるとか、そういう関係の事業団が事業をたくさんやっているではないか、そこでどれだけ吸収しているのだということでございますが、まことに申しわけございませんが、各事業団というような形でいわゆる吸収率の実績というのが上がっていないわけでございます。把握してないということでございます。 ただ一言、それの関連でございますが、極端に言いますと、ボタ山処理であるとか、そういう関係の処理といいますのは非常に危険な業務が多いということもございますし、また最近そういう公共事業というのは機械化されておるということで、吸収率のかかっております無技能労働者といういわゆる吸収されるべき人員というのは、昔の公共事業に比べまして非常に少なくなっている。機械で行われているということが非常に多うございまして、事業量の金額に比較しますと、実際の無技能労働者の吸収率のかかるのが少ないというのが実態でございます。
○三浦(久)委員 そういうことがわかっていながらこういう法律を決めているのですよ。何も機械化はいま始まったわけじゃないのです。そういうことはわかっている。困難がありますよ、公共事業に吸収するということは。しかし、失業者をほっておけないから、そういう困難を乗り越えてもやりなさいというので、こういう法律ができているわけであって、ただ困難性だけを強調するというのは余りよくないことだと私は思う。 特に、この地域振興整備公団、これはたとえば五十年度から九州でどのぐらい事業をやっているかといいますと、六十五団地、二百二十二億四千三百万円やっているのですよ。それからこれは全国的に言えばもう三百八十三億円やっているのです。これだけの産炭地域を振興するための整備公団ですよ。これが自分が請け負わしている業者に失業者吸収率制度、これを通達でやりなさいと言ったのはいつだと思いますか。五十三年の十二月十二日なんですね。ここに通達あります。そうすると、もうこのころは事業量が落ちてきております。田川でも、位登団地、三坑団地、秋里団地、東町団地、これはみんな整備公団がやっているのですよ。これはもう全然入れないのですね。この整備公団の通達によりますと、「この制度は五十三年十二月二十日以降に開始する事業に適用されること」となっている。だから、中途でやっているものはもうだめなんですね。ですから、五十三年十二月二十日以後に着工する事業についてだけだと、こう言っているわけですね。 そうすると、いま白鳥団地というのがありますけれども、これは四十六年の二月に着工しているわけだから、これにひっかからない。ところが四十九年の十一月に事業が中断しています。四十九年の十一月に中断したまんまです。これは再開されるでしょう。再開された場合には、この通達によれば、失業者吸収率制度は適用されないということになっちゃうんですね。私は、こんなものはやはり労働省もぴしっと、他の公団のことですけれども、一応所管官庁として、もっと現実に即した吸収率制度の活用を指導すべきではないかというふうに考えているのです。それにいままで田川でも団地がどんどんできておりますけれども、ほとんどみんな終わっちゃっているのです。ですから、五十三年の十二月以降に着工するなんというものはまずほとんどない、もう全部終わっちゃっているという状況ですね。 ですから、せっかく産炭地振興のためにできた整備公団でしょう。これだけ膨大な量の事業をやっておきながら、そこで一人も吸収してないんですよ。それで私も整備公団に聞いてみた。そしたら通達を出しました。出しましたけれども、さてそれがどういうふうに実施されたかどうかということは、全く調査もしていなければ、把握もしていない。だから労働省と一緒ですね。これじゃやはり本当に全国有数の田川地区、ここから失業者を何ぼでも緩和してやろうというそういう温かみのある態度かどうかというふうに、ちょっと私は疑問に思うのです。大変失礼ですけれどもね。その点ひとつお答えいただきたいと思います。
○伊藤説明員 公社、公団の関係でその吸収率を守れという通達が出たのは五十三年ではないか、非常におくれているではないかということなんでございますが、実は政令ができましたのは、先ほどお答え申しましたように五十一年でございますが、公社、公団に吸収率が適用されましたのは、実は五十三年、政令改正をいたしまして、そのときに吸収率をいわゆる法律上適用した。そういうことで、五十三年に各事業団について通達が出たんだということでございます。 ただ、それ以前から、当然われわれ労働行政といたしましては、公社、公団等の事業につきましては、それは安定所等で把握して、それに対するいわゆる求職者の就労促進に努めるという行政指導をやってきたところでございますし、五十三年以降につきましては、法律に基づく吸収率制度として努力をしてきたつもりでございます。
○三浦(久)委員 いずれにしても、幾ら理屈を並べ立てても、中高法ができたのは四十六年ですよ。そして整備公団が通達を出したのは五十三年だという事実は動かないんですね。これでいいのかということですね。 そういう意味で、私は、何も労働省の責任を追及するという立場で質問しているんじゃなくて、やはりもう少し細かく目を光らして失業者の吸収のために努力してほしいということを要望いたしたいと思うのであります。 それから次に、特開事業についてちょっとお尋ねしたいのですけれども、この特開事業は、現在田川では千三百五十六名が働いております。中高の措置を受け終わった人でこの特開に働けない人は千名ぐらいおるんじゃないか、職安の発表でも七百名ぐらいになっている。私は、いま申し上げましたような田川の失業の状態から見て、この特開の枠ですね、少なくとも措置を終わった人は全部この特開に就労できるような予算措置、枠の拡大ということをお願い申し上げたいと思うのですが、いかがでございましょう。
○加藤(孝)政府委員 この特開事業につきましては、中高措置を終わりましてなお就職できない、そして誠実かつ熱心な求職活動を続けておられる方こういうような方々につきまして、かつ、こういう人たちが滞留しているということだけではなくて、その地域における今後の開発の見通し、あるいはまた事業主体市町村等の実施の可能性というようなものの中で実施をしておるわけでございます。そういう意味で、田川につきまして非常に大きな規模で特開事業が行われておるわけでございますが、今後これについて拡大していくということにつきましては、事業吸収方式の持ついろいろな問題点、それからまた事業主体の実施の可能性、今後の開発の可能性というようなことも配慮しながらやっていかなければならぬ問題でございます。そういう意味で、地元の福岡県あるいは田川の市町村というものと十分打ち合わせをしながらやっていかなければならぬ問題だと考えております。
○三浦(久)委員 最後に一点だけお尋ねしたいのですが、特開、開就は十カ月予算になっておりますね。これを年間を通じて働けるようにしてくれという要求というものは非常に強いのですね。でないと、十カ月であとの二カ月は失業保険で暮らす、こういうような不安定な状況です。私は特開、開就、いろいろ哲学があるようでありますけれども、ぜひ通年、いわゆる年間を通じて働けるようなものに直していただきたいと思うのですが、この点いかがでございましょう。
○加藤(孝)政府委員 特定地域開発事業は、そういう地域開発と就労対策の二つの目的を持ってやっておる。また産炭地域開発就労事業につきましては、産炭地の再開発と炭鉱関連産業失業者に対する就業機会の造出、これを目的として実施をしておるわけでございまして、失業対策事業のように、ただ失業者の就労機会の提供のみを目的としてやっておるという事業ではないわけでございます。こういうような事業の性格からいたしまして、特開、開就事業によりまして一定の就労日数というものを当然に完全に年間を通じて保証するというものではなく、また地域開発を前提とした事業計画によって実施をする、こういうようなことで、その事業内容によって施行日数をおっしゃるように十カ月、こういうことで決めておるわけでございます。その辺についていろいろ御意見のあることは承知しておりますが、そういう考え方でこれらについては十カ月ということにしておる。実際に就労できなかった場合には、あとは保険で生活の維持を図る、こういう運用をしておるわけでございます。
○三浦(久)委員 開発事業の量によって決まると言うけれども、毎年毎年十カ月なんでしょう。私が聞いたところによると、通年はできない、こう言うのですね。なぜならば、失対事業との関係があるとかいろいろなことをおっしゃっておるわけですけれども、いずれにしても十カ月にこだわらなければならないという理由はないと思うのですね。通年がだめなら、じゃあ十一カ月はどうか、こういうことだって一応議論になるでしょう。そうすると、やはり失業者の苦しみを幾分でも緩和してやるという立場から、十カ月じゃなくてじゃあ十一カ月にしようとか、そういうようなことは考えられないでしょうか。
○加藤(孝)政府委員 この辺は現地における開発事業量とか、あるいは実施し得る市町村の財政状況とか、あるいはまた国全体の財政状況とか、そういったものもいろいろ絡んだ中でのものでございまして、そういう意味でこの十カ月をなかなか簡単に動かすことはできない、こういうものでございます。
○三浦(久)委員 私は他の委員会の質問が控えておりますのでやめますけれども、少なくとも皆さん方がおつくりになりました「雇用対策基本計画」、これには「高年齢者の雇用対策を一層強化し、関連する社会的諸制度の再検討を進めながら高年齢労働者の雇用の安定を図っていくことが基本的に重要である。」こういうふうになっているのですね。ですから、まずこの雇用対策基本計画に基づいて、やはり失業者を吸収するために、ひとつ万全の対策を立てていただくことを要望して、私の質問を終わらしていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○岡田委員長 これにて三浦久君の質疑は終了いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会します。 午後一時三十五分散会