石炭対策特別委員会 第2号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1980/02/13
会議録
○岡田委員長 これより会議を開きます。 石炭対策に関する件について調査を進めます。 石炭対策の基本施策について、佐々木通商産業大臣及び藤波労働大臣より、それぞれ発言の申し出がありますので、これを許します。通商産業大臣佐々木義武君。
○佐々木国務大臣 通商産業行政を担当しております佐々木でございます。 第九十一国会における衆議院石炭対策特別委員会の御審議に先立ち、石炭政策につきまして私の所信の一端を申し述べさせていただきます。 御承知のように、政府は、昭和五十年七月の石炭鉱業審議会の答申を受け、目下、第六次石炭政策を推進しているところであります。この間、国際エネルギー情勢は、OPECの相次ぐ原油価格引き上げ、米、イラン関係の緊張など、緊迫化の様相を呈してきております。 こうした状況の中で、昨年六月の東京サミットにおいて、石炭の利用等の拡大について、合意が行われるなど、世界的に石炭の見直しがいよいよ本格的になってまいりました。 わが国は、石油への依存度が最も高い国の一つであり、石油依存からの脱却が急がれております。 私は、昭和五十五年度を「代替エネルギー元年」と位置づけ力強い政策展開を図ってまいりたいと考えております。 政府といたしましても、このような総合エネルギー政策の一環として石炭の利用促進を目指して引き続き石炭政策を推進してまいります。 具体的には、貴重な国産資源である国内炭の生産を長期的に維持するよう努めてまいることといたします。このため、石炭火力の建設の促進、セメント等の一般産業における石炭への燃料転換の推進等需要の確保に努めるとともに、各般にわたる助成措置の実施により、石炭鉱業の経営の安定を図りつつ、生産体制の改善を一層図ってまいる所存であります。 その際、保安の確保は不可欠の前提条件であり、今後とも保安確保対策を一層充実する所存であります。 また、今後の石炭需要の拡大に応じて、国内炭の利用とあわせ、長期的に海外炭の開発、輸入を計画的に拡大していくため、探鉱資金の融資制度等の拡充を図ることとしております。 さらに今後の石炭利用を拡大させる決め手は技術研究開発であることから、当面の石炭、石油混合燃料などの開発とともに、石炭のガス化、液化技術等石炭利用技術開発につき、国際協力も図りつつ、積極的に推進してまいる所存であります。 なお、鉱害対策及び産炭地域振興対策につきましても、従来から国土の保全及び民生の安定並びに産炭地域における鉱工業の計画的発展等を目的として実施されてきたものでありますが、今後とも、引き続き所要の措置を講じてまいる所存であります。 これら施策の実施につきましては、昭和五十四年度に引き続き、昭和五十五年度の石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計、電源開発促進対策特別会計の予算案において所要の財政措置を講じております。 衆議院石炭対策特別委員会の方々におかれましては、かかる方針を御理解の上、今後とも石炭対策に御支援、御協力をいただきますようお願い申し上げまして、私の所信表明といたします。(拍手)
○岡田委員長 次に、労働大臣藤波孝生君。
○藤波国務大臣 第九十一回国会における衆議院石炭対策特別委員会の御審議に先立ち、石炭鉱業における当面の労働問題につきまして、一言所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を得たいと思います。 わが国経済の今後の安定的な発展と国民生活の向上を図っていくためには、エネルギーの安定供給を確保することが不可欠の前提要件でありますが、近年、資源、エネルギーをめぐる諸問題が国際的にも一段と厳しさを増しつつある中で、石炭産業の重要性が一層高まってきております。 現在、政府におきましては、昭和五十年七月の石炭鉱業審議会の答申に基づく第六次石炭政策を推進しているところでありますが、これを円滑に推進するためには、石炭鉱業の経営の安定を図るとともに、石炭鉱業における保安の確保と労働、生活環境の整備等により、炭鉱労働者の就業の安全と雇用の安定、福祉の向上を図ることが必要であると考えております。 このため、労働省といたしましては、通商産業省と十分連携して炭鉱災害の防止に努めるとともに、じん肺等に関する健康診断の徹底、労災保険制度の改善整備とその適正な運用等を通じて労働者の保護に努めてまいります。 また、労働、生活環境の改善につきましては雇用促進事業団の融資制度を活用しつつ、労働者住宅や福祉施設の整備拡充等について援助してまいる所存であります。 さらに、離職者対策につきましては、現下の雇用情勢が回復基調にあるとはいえ、今後予断を許さない状況にありますので、石炭鉱業の合理化によりやむなく炭鉱を離職された方々に対しましては、炭鉱離職者臨時措置法に基づく各般の就職援護措置を活用し、かつ、今日までの離職者対策の経験を生かしつつ、早期に安定した職場に再就職できるよう努力してまいる所存であります。 以上、石炭鉱業における当面の労働問題について、所信の一端を申し上げました。 今後とも委員各位の御意見を十分拝聴いたしまして、行政の推進に努めてまいりたいと思いますので、格別の御指導、御援助をいただきますようお願い申し上げます。(拍手)
○岡田委員長 次に、昭和五十五年度通商産業省所管石炭関係予算の概要について、政府から説明を聴取いたします。資源エネルギー庁高瀬石炭部長。
○高瀬政府委員 お手元にお配りしてあります資料に基づいて御説明申し上げます。 昭和五十五年度石炭対策予算予定額は、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計の石炭勘定に千三百八億円余が計上されております。なおこのほかに、同特別会計の石油及び石油代替エネルギー勘定及び電源開発促進対策特別会計の電源多様化勘定に石炭関連予算予定額として三百五十二億円余が計上されております。 まず、資料三に即しまして、石炭勘定から御説明申し上げます。 昭和五十五年度石炭勘定においても、前年度に引き続き、昭和五十年七月の石炭鉱業審議会の答申の趣旨に即し、かつ、現下の石炭をめぐる諸環境を踏まえて、石炭需要の確保、石炭鉱業生産体制改善、石炭鉱業保安確保等の諸施策を実施するとともに、鉱害復旧、産炭地域振興、炭鉱離職者援護等の施策を引き続き推進することとしております。 昭和五十五年度の石炭勘定の予算予定額は、歳入、歳出いずれも千三百八億円余であり、前年度当初予算額に比べて約十五億円、一%強の増となっております。しかし、前年度予算額のうち、石炭技術振興費補助金のうちの利用技術関係費、海外炭開発関係費等が石油及び石油代替エネルギー勘定へ、低カロリーガス化技術開発委託費及び産炭地石炭火力発電所建設費補助金が電源多様化勘定へそれぞれ移行することとなっておりますので、これらの合計額約四十五億円を考慮しますと、五十五年度は、実質約六十一億円の増、対前年度比五%弱の実質伸び率となります。 まず、歳入につきましては、原重油関税収入千五百六十九億円のうち、千分の八百一に相当する千二百五十七億円を石炭勘定に組み入れることとし、これに前年度剰余金受け入れ等五十二億円余を加えたものでございます。 次に、歳出の主要内容について、石炭鉱業合理化安定対策、鉱害対策、産炭地域振興対策及び炭鉱離職者対策の四本柱に沿って御説明申し上げます。 第一に、石炭鉱業合理化安定対策につきましては、国内炭二千万トン体制の維持を目指して各般の施策を引き続き推進していくこととしております。特に、保安も含めた生産面から二千万トン体制を支えていくため、石炭鉱業生産体制改善、石炭鉱業保安確保等の施策に特段の意を用いたつもりでございます。 初めに、炭鉱整理促進費でございます。いわゆる閉山交付金及び離職金の原資でございますが、五十五年度は北炭夕張炭鉱株式会社清水沢炭鉱の閉山が予定されておりますので、一般交付金二十億円を初め約二十五億円を計上しております。 次に、石炭鉱業生産体制改善対策費でございます。 まず、将来の炭量の維持、拡大に資するため、引き続き国内炭開発可能性調査と、炭鉱周辺石炭資源開発調査を実施することとしております。 また、石炭鉱山における坑内骨格構造の整備拡充は、保安を確保しつつ長期安定出炭を図っていく上できわめて重要であります。坑内骨格構造整備拡充事業費補助金につきましては、深部化に伴う工事単価の増高を考慮し、前年度に引き続き補助金の限度額のアップを図るとともに、所要工事量に対応し、約百四億円の予算を計上しております。 また、生産技術の開発も生産体制の改善には不可欠でありますので、石炭技術振興費補助金として約四億円を計上いたしております。 次に、石炭鉱業合理化事業団出資金でございますが、本年十月一日に新エネルギー総合開発機構が設立されますと、以後は同機構に対して出資されることとなります。これは、同事業団が石炭企業に対して行う近代化のための設備資金融資、経営改善のための運転資金融資等の原資に充てるものでございますが、近代化設備のための資金貸付規模を約百五十三億円及び経営改善資金の貸付残高規模を二百六十五億円に拡大するなど、石炭企業の資金調達の円滑化に万遺漏なきを期するつもりでございます。 次に、石炭鉱業経理改善対策費でございます。本件項目には、石炭企業の累積債務の財政による肩がわり措置等約百八十二億円を計上しております。 次に、石炭需要確保対策費でございます。本対策としては、現下の原料炭の過剰貯炭の払い出しを促進するため、原料炭貯炭対策販売促進交付金を二十億円余新規に計上する等、合計七十八億円の予算を計上しております。 次に、石炭鉱業保安確保対策費でございます。石炭対策上、保安の確保を最重点項目の一つとして、昭和五十五年度は、深部化に伴う保安工事単価の増高にかんがみ、また、急傾斜炭鉱における保安工事の推進の観点から、充てん工事、仕繰り拡大工事等に対する補助金の限度額アップを図るなど、鉱山保安確保事業費補助金を約七十一億円に増額することを中心に、保安確保対策費として約八十九億円を計上いたしております。 次に、石炭鉱業合理化事業団補給金につきましては、約十二億円を計上いたしております。 第二に、鉱害対策費でございます。 昭和四十七年度に策定された鉱害復旧長期計画に基づき、年々着実に鉱害復旧がなされてきておりますが、現在なおかなりの鉱害が残存しており、その計画的復旧が重要な課題となっております。 このため、昭和五十五年度の鉱害対策費として四百九十七億円を計上しておりますが、これは前年度予算額に比べ約四十一億円の増となっております。 このうち、鉱害復旧事業資金補助金は、前年に比べ約三十八億円増の四百三十八億円を計上し、これによる復旧事業規模を五百九十三億円に引き上げ、残存鉱害の早期処理を目指し、最大の努力を払うこととしております。 なお、石炭鉱害事業団出資金でございますが、鉱害賠償資金等の貸付規模を約四十九億円とし、自己資金等の増加を勘案し、これに必要な原資として三億円出資することとしております。 第三に、産炭地域振興対策費でございます。 昭和五十二年十一月に改定された産炭地域振興実施計画の推進を図るため、昭和五十五年度は約七十一億円の予算を計上し、一層の推進を図ることとしております。 産炭地域振興臨時交付金は、石炭鉱業の閉山による財政的疲弊の著しい産炭地域六条市町村に対し、交付金を交付するものでございますが、昭和五十五年度においても、炭住改良事業に対する調整額についての限度額の引き上げを図り、生活環境の円滑化に資することとしております。 次に、地域振興整備公団出資金でございますが、近時大型団地造成も増加してきていることも考慮し、工業団地造成事業等の円滑化のため、十億五千万円計上いたしております。 第四に、炭鉱離職者援護対策費及び産炭地域開発雇用対策費でございます。これらは労働省の所管でございますので、後ほど労働省から説明していただきたいと思います。 最後に、資料五に即しまして、石油及び石油代替エネルギー勘定並びに電源多様化勘定で計上いたしております石炭関連予算予定額三百五十二億円余につきまして御説明申し上げます。 第一は、供給確保策としての海外炭探鉱開発の促進でございます。海外炭の開発輸入を促進するため、従来石炭鉱業合理化事業団が行っていた海外炭開発助成を五十五年十月一日からは新エネルギー総合開発機構が行うこととし、探鉱資金融資に係る融資対象者の拡大、融資比率の引き上げ、償還期間の延長等を初めとして、格段の制度の拡充を図ることとしております。このため、同機構が行う海外炭開発助成業務に対する出資または補助としては約四十三億円を計上しております。 第二は、石炭の利用拡大を図るための導入促進対策でございます。セメント等の一般産業における石炭転換及びコールセンターの建設に必要な資金を日本開発銀行が低利で融資する設備転換等促進融資事業がございます。初年度の開銀融資枠として百二十五億円を予定しておりますが、その原資に充てるため特別会計より約三十八億円を、財投より約八十七億円をそれぞれ貸し付けることとしております。 また、石炭火力発電所建設費補助を初めとして、石炭火力の推進を図るための諸経費に充てるため約八十六億円を計上しております。 第三は、利用技術の開発促進対策でございます。石油代替エネルギーとしての石炭の利用拡大を図るためには、利用技術の開発が不可欠でございます。このため、短期のうちに実用化が可能な技術開発として石炭石油混合燃料、流動床燃焼技術等の開発を図るため、五十五年度約二十八億円を計上するとともに、長期的な技術開発として各種の石炭液化、ガス化に取り組むため、同じく約百五十六億円を計上することにより、利用技術開発に積極的に取り組むことといたしております。 以上で御説明を終わらせていただきます。
○岡田委員長 次に、昭和五十五年度労働省所管石炭関係予算の概要について、政府から説明を聴取いたします。労働省加藤失業対策部長。
○加藤(孝)政府委員 お手元にお配りしてございます昭和五十五年度予算案の労働省所管分につきまして御説明申し上げます。 昭和五十五年度石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計石炭勘定予算案における労働省所管分の合計額は、資料の一番下の欄に掲げてございます百八十二億円余でございます。前年度当初予算額に比べまして、金額で九億円余、率にいたしまして五・三%の増額となっております。 労働省といたしましては、この予算によりまして、五十五年度においても、炭鉱離職者の方々に対しまして就職促進手当の支給を初めとする各般の援護業務あるいは職業訓練等を実施し、その再就職の促進を図りますほか、炭鉱離職者緊急就労対策事業及び産炭地域開発就労事業の実施などの離職者就労対策を引き続き推進していきたいと考えております。 次に、予算額の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 まず、炭鉱離職者援護対策費でございますが、八十八億四千八百万円を計上いたしておりまして、前年度に比べまして二億二千万円を増額いたしております。 この中には、第一に、炭鉱離職者援護対策事務費がございます。 これは炭鉱離職者に対しまして、就職促進指導官によります職業相談、職業紹介等を実施するために要する経費でございまして五億八千四百万円を計上しております。 第二は、炭鉱離職者緊急就労対策事業費補助金でございます。 これは、緊急就労対策事業を実施しております地方公共団体に対しまして、その事業費の一部を補助するものでございます。 緊急就労対策事業につきましては、産炭地域での現下の雇用、失業情勢、事業就労者の生活の実態等にかんがみまして、五十五年度におきましても引き続き実施すべく六十一億一千七百万円を計上したものでありまして、前年度に対しまして二億二千八百万円の増額を図っております。その内訳は、対象人員二千五百人、事業費単価は前年度に比べまして八%アップの九千四百二十円となっております。 第三は、炭鉱離職者援護事業費補助金でございます。 これは、広域求職活動費、雇用奨励金等雇用促進事業団が炭鉱離職者に対して行います援護事業に要する経費を補助するものでございまして、六億六千九百万円を計上しており、雇用奨励金の支給額の引き上げを図るなど、制度の充実に努めることとしております。 第四は、炭鉱離職者職業訓練費補助金でございます。 これは、炭鉱離職者に対しまして職業訓練を実施する都道府県に対して訓練に要する経費を補助するものでございまして、一億六千三百万円を計上しております。 第五は、炭鉱離職者就職促進手当の経費でございます。 これは、炭鉱離職者に対しまして、生活の安定を図り、求職活動を容易にするために支給するものでございまして、手当の最高日額は、前年度比七・五%アップの三千五百八十円に増額することとしており、十三億一千四百万円を計上しております。 なお、これらの炭鉱離職者援護対策費のうち対前年比で減になっております事項は、支給対象人員の減少見込みによるものでございます。 次に、産炭地域開発雇用対策費でありますが、九十三億九千四百万円を計上しております。前年度に比べまして七億百万円の増額となっております。このうち、産炭地域開発就労事業費補助金については、対象人員三千二百人、事業費単価は、前年度に比べまして八・一%アップの一万三千四百円を予定しております。 簡単でございますが、以上が労働省関係の予算案の概要であります。
○岡田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十三分散会