P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
91回国会衆議院1980/04/22

商工委員会石炭対策特別委員会連合審査会 第3号

発言数
129
登壇者
16
会派数
5
開催日
1980/04/22

会議録

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 これより商工委員会石炭対策特別委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして、私が委員長の職務を行います。  内閣提出、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案の審査を行います。  本日は、七名の参考人から御意見を承ることになっております。  ただいま御出席の参考人を御紹介いたします。電源開発株式会社副総裁野瀬正儀君、日本重化学工業株式会社専務取締役森芳太郎君、日本エネルギー経済研究所理事長生田豊朗君、以上三名の方々の御出席を願っております。  この際、参考人各位にごあいさつを申し上げます。参考人各位には、御多用中のところ、本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。  本日は、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じております。  なお、議事の順序でございますが、最初に御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただき、次に委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。  なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。  それでは、まず野瀬参考人にお願いいたします。

野瀬正儀電源開発株式会社副総裁

○野瀬参考人 ただいま御紹介いただきました電源開発会社の野瀬でございます。  本日は、本委員会の貴重な時間を割いて私どもの意見を聞いていただく機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。また、皆様方には弊社事業につきまして日ごろより種々御高配を賜り、ありがとうございます。この場をおかりしまして厚く御礼を申し上げます。  昨年二月のイラン政変を契機とする国際石油情勢の緊迫化により、代替エネルギーの開発、導入の促進が日本経済の安全保障にかかわる重大な課題となっております中で、今般、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案が審議されておりますことは、まことに時宜を得たものであると存じます。私ども電源開発会社は、エネルギー開発の一端を担う国策会社といたしまして、今日まで技術革新に意を用いながら、石油代替エネルギーを中心とする電源の開発を進めてまいりました。また、国のサンシャイン事業などに対するお手伝いもいたしてまいりましたので、この観点から、私どもの考えをいささか述べさせていただきたいと存じます。  電源開発会社は、御承知のとおり政府出資七二%を得ている国策会社として、今日まで水力開発、国内炭及び輸入炭による石炭火力の開発など、石油代替エネルギーによる電源の開発を会社の事業展開の柱として推進し、国のエネルギー政策の具体化に積極的に取り組み、また、完成した発電所の運用による発生電力を電力各社に卸売りし、電力の安定供給の一端を担っております。  現在、私どもの会社は七百七十五万キロワットの発電設備を保有しておりますが、そのうちの九五%強は水力、石炭火力、地熱の石油代替電源でございます。発電設備のほかは、送電線の建設、運用、海外技術協力事業、新エネルギー開発の事業等を行っております。これらの事業展開に当たりましては、常に革新的技術の採用に心がけてまいっております。  次に、弊社が国のサンシャイン計画の事業を受託実施するに至りました経緯につきましては、四十九年に開始されましたサンシャイン計画がパイロットプラントの設計、建設、運転等を本格的に行う状況になってまいりました段階で、プラント開発を推進する中核体が必要となり、通商産業省から、技術開発にも実績があり国策会社である弊社にその役割りを担うお話がございまして、五十二年度から弊社がサンシャイン計画のプラント開発にかかわる一切の業務の受託をお引き受けすることになりました。以来今日まで、弊社は太陽熱発電、地熱熱水利用発電、石炭のガス化、石炭の液化及び水素製造の各プラント開発を担当してまいってきている次第でございます。また、大規模深部地熱発電所環境保全実証調査についても、サンシャイン計画事業を受託実施しておりました弊社において五十三年度から受託することになりました。サンシャイン計画事業の推進に当たりましては、特にユーザーの立場からの問題点を研究開発段階から反映させていくとともに、人員的にも地元対応からプラント建設まで経験豊富な人材を積極的に投入、さらには社外からの専門技術者の協力等も得てまいった次第で、今日までのところ開発はすこぶる順調に進捗していると考えております。  プラント開発の進捗状況についてでありますが、まず太陽熱発電プラントは、千キロワット二方式のパイロットプラントの建設を香川県仁尾町において事業所を設けて実施しておりまして、現在建設の最盛期に入っております。地熱熱水利用発電は、パイロットプラントの研究を終え、現在は一万キロワット級の大型プラント開発のための設計研究に入っております。石炭高カロリーガス化については、五十四年度から福島県いわき市に事業所を設け、パイロットプラントの建設を行っております。石炭液化プラントとしては、ソルボリシス法、直接液化法、溶剤処理法の三法について研究開発中でございまして、現在、それぞれの開発段階に応じテストプラントの建設、運転実験を実施いたしております。水素製造につきましては、川崎市においてテストプラントを実験運転中でございます。また、五十三年度から受託実施しました大規模深部地熱発電所環境保全調査は、五十三年度から熊本県と大分県にまたがる豊肥地区において各種調査を行い、現在は千五百メートル級ボーリングを四本掘削しておりまして、今後目指すところの三千ないし四千メートルの深さのボーリングによる調査のための諸データを収集しております。  次に、サンシャイン事業以外の技術開発に触れたいと思います。  私どもの会社は、国の石炭政策に協力して揚げ地火力を建設し、国内炭の確実な引き取り手として国内炭二千万トン体制の維持に努めております。さらに近年は松島、竹原三号機、松浦などの大規模輸入炭火力開発計画に早くから着手しており、これら新規運開する火力の燃料はほとんど全量を輸入炭に依存する予定のため、弊社は海外炭確保にも努力を傾けてまいりました。現在、長期安定的確保の観点から、調達ソースの多角化を図るほか、開発輸入への直接参加にも積極的に取り組むとともに、本年一月に設立されました石炭資源開発会社にも電気事業者の一員として参加いたしております。  また、石油代替電源である石炭火力発電所の開発促進には、公害対策技術等の革新的技術の実用化が必要でございますが、弊社は、現在、脱硫、脱硝、脱じん等の公害対策技術のほか、COM——石炭石油混合燃料、褐炭利用等の燃料利用技術及び流動床燃料、石炭ガス化発電等の新発電技術の開発を国からの委託研究を含め、手がけております。特に、COM燃料の開発につきましては、昭和五十一年十月から研究開発を開始し、現在は実用化の実証を行う段階に来ており、昭和五十五年度からは弊社の設備を利用いたしましてCOMの実かん燃焼試験及び石油火力COM転換実証試験を、それぞれ昭和五十六年度及び昭和五十九年度終了を目途に実施いたします。  なお、このほか、石炭の流体化によって産炭国における内陸輸送から、わが国港湾到着後の荷揚げに至る長距離輸送効率を改善するための新しいシステムについても現在研究中であります。  さらに水力の技術開発につきまして、八百メートルないし九百メートル級の超高落差揚水機器、揚水発電所の機器の実用化の目途を得、現在ダム堆砂のパイプラインによるスラリー輸送技術を開発中であり、中小水力発電機器の標準化等も実施する予定でございます。  最後に、新機構との関係でございますが、今般、新エネルギー開発の責任主体として新エネルギー総合開発機構の発足が提案されていることは、新エネルギー開発を加速的に推進する上で有効適切な措置であると考えております。弊社としましては、五十二年度より今日まで三年間の経験を生かして、今後とも新機構と密接な関連を保ち、積極的に協力してまいりたいと考えております。  具体的には、必要に応じ弊社の人材を新機構に派遣し、新機構の円滑な業務推進に大いに協力してまいりたいと存じます。また、弊社は、これまで培ってきました新エネルギー技術開発に関する経験及び電気事業者としてのマネージメント能力を最大限活用するため、新機構を補完できる分野、たとえば地熱開発、石炭利用技術などについて、電源開発会社を大いに活用していただきたいと考えております。また、新機構における技術開発の進展により、実用化段階に達したプロジェクトについては、弊社としましては、代替エネルギー技術開発への積極的参加協力によって蓄積した技術をぜひとも実用化プラントに結びつけたいと考えておりまして、この面でも国策会社であり、電気事業者である弊社が大いにお役に立っていきたいと存じます。  なお、弊社がすでに現地事業所を開設して、現に建設の最盛期にある太陽熱、高カロリーガス化、水素製造の各プラント開発は、五十五年度中は引き続き弊社が直接担当することと伺っておりますが、これら各プロジェクトの新機構への移管が決定されました場合には、円滑な引き継ぎを行うよう努めてまいりたいと存じます。  終わりに、弊社は国のエネルギー政策を実施する立場にある企業として、水力、石炭火力、地熱、原子力等、石油代替電源の開発でお役に立ちたいと考えており、このためにも弊社がこれまで手がけてまいりました石炭利用等固有の技術開発を推進するとともに、新機構が発足した場合には、これと密接な関連を保ちながら、新エネルギーの実用化に協力してまいる所存でありますので、皆様方の御指導、御鞭撻をお願いいたしたいと存じます。どうもありがとうございました。(拍手)

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 次に、森参考人。

森芳太郎日本重化学工業株式会社専務取締役

○森参考人 日本重化学工業の森でございます。  先生方の御尽力によりまして、地熱資源開発促進に関する政策の確立あるいは体制の整備等が整いつつありますが、ただいまから地熱の開発の基本的な問題点につきまして申し上げたいと思います。  まず、前置きとしまして、地熱の特質、日本の地熱賦存量、各国の開発状況のあらましを申し上げます。  地熱エネルギーは、非枯渇エネルギーであること、国産エネルギーであること、それから開発技術はすでに実用段階にありまして、さらに深部開発等の技術開発により、可採エネルギー量の増大、経済性の向上等が期待できること。地熱発電は燃料を使用しない汽力発電でありまして、燃焼による環境問題はございません。排出物の、問題になります熱水は地下還元を行い、排ガス中の硫化水素は、問題があれば既存の技術で脱硫は可能でありまして、他の発電方式に比べまして環境に対するインパクトは小さいとされております。また、高利用率の発電が可能でございまして、経済性もよく、立地点が山間僻地にありまして、熱水の多目的利用等による地域開発が可能となるといったような特質がございます。  また、日本におきます地熱資源の賦存量も、現在開発が行われております深度三キロメートルまでのいわゆる浅部熱水系と言われるところでは、蒸気で約一億三千万キロワット、熱水で約二千万キロワットと言われておりまして、現在技術開発中の深度五キロメートルくらいまでの大深度熱水系では、蒸気で約六千万キロワット、熱水で約六百万キロワット、それからそのほか高温岩体の開発等で約七千万キロワットと称されておりまして、合計資源賦存量としまして二億八千六百万キロワットに達するものであります。これらの賦存量は、本年度から確認の調査が行われるとのことでございます。  ここに、実際の開発に従事する者の一つの私見として申し上げたいと思いますけれども、この賦存量に対して、可採量といたしまして私ども考えておりますのは、浅部熱水系として約三千万キロワット、大深度熱水系の技術開発が完成いたしますと浅部熱水系の出力増加が期待できますが、大深度熱水系だけの開発とこれとあわせまして約三千万キロワット、その他で約一千万キロワットとしまして、大略六、七千万キロワットの可採エネルギー量があるというふうに考えられております。  現在、世界じゅうで約十七の国が開発、または開発を計画中でございます。地熱発電出力は、アメリカの約八十万キロワットを最高に、世界では総出力約二百万キロワットが運転されております。建設中または具体的に計画中のものは二百八十万キロワットに達しております。日本は世界有数の地熱資源国と言われておりながら、現在運転されております地熱発電所は十六万八千キロワットにすぎません。また、企画中のものは約八十万キロワットくらいございますけれども、実際に建設中のものは五万キロワットくらいにすぎません。  このように、地熱の開発は完全に立ちおくれの状態にございますが、この原因につきましては、過去に開発促進のための政策の確立がなかったこと、それから地熱の賦存地域の大部分が国立公園、国定公園にありまして、そういった公園の問題等のせいであるというふうに言われております。今後は、このような緊迫したエネルギー情勢下で、有望な石油代替エネルギーの一つとしまして強力に開発促進を実施すべきであると考えております。  その次に、基本的な問題点の幾つかを申し上げます。  まず立地問題でございますが、地熱資源の約八〇%ぐらいが国立公園と国定公園の中に存在いたしますので、自然保護と景観保全の問題と競合いたします。いま仮に三千万キロワットの地熱発電を行うといたしますと、公園地域内で八〇%でございますので、二千四百万キロワットの地熱発電を行うことになりますが、その利用地域は全公園面積のおよそ一・五%に当たります。この一・五%が許容できるかどうかは、エネルギーと公園との価値判断によりまして決定されるべき問題であると考えます。公園問題との早急の調整をぜひお願いいたしたいと思います。  また、地熱発電の単位出力当たりの利用面積が、火力や原子力に比べまして大き過ぎるとの御意見もございますが、地熱発電は水力と同じく非枯渇エネルギーによるものでありまして、また開発地点でエネルギーを取り出して発電するもので、火力や原子力と形態を全く異にしておりまして、一概に比較することはできないものであります。  それから次に権利の問題がございます。地熱開発に当たりましては、鉱業権に類するような地熱権というものがございません。辛うじて温泉法に抵触するといったようなことのみでございまして、開発企業は、地元の県、市町村あるいは国有地であります場合は林野庁に協力をお願いいたしまして開発を実施しており、絶えず第三者による妨害の危機感を抱いております。開発を保護する法律の制定を強く要望する次第でございます。  その次に、三番目といたしまして開発リスクの問題がございます。地熱の場合、石油や天然ガスと同様に地下から流体を採掘するわけでございまして、リスクが当然ございます。一つの例を挙げますと、たとえば探査費でございますが、これはもちろん一般の市中銀行の融資対象にはなりませんで、自己資金で実施しておりまして、経理上の取り扱いは一応損金で落としてしまうというのがたてまえでございます。また、その探査が終わりましてボーリングを実施いたしましても、地熱のボーリングの成功率といいますのは五〇%から八〇%ぐらいだというふうに言われております。石油の井戸や天然ガスの井戸と比べますと格段に成功率は高いとされておりますけれども、産出物の蒸気や熱水の価格は、石油やガスと比べましてはるかに低うございます。経済的な面でのリスクは、石油やガスと比べまして同程度かまたはむしろ大きい場合がございます。このリスク負担を軽減するには探査を充実しなければなりません。この見地から探査費に十分お金をかける必要がございますし、その資金的な問題もございますので、探鉱準備金制度のようなものやあるいはそれのための減耗控除制度、そういったものの確立をするということ、それからもちろんその探査の助成あるいは実際の開発段階での低金利融資、債務保証制度が強く望まれるところでございます。  四番目に、研究開発の推進でございますけれども、地熱開発の促進、つまり開発期間の短縮、できるだけ早く開発をすること、それから経済性の向上等のために、研究開発を一層推進する必要がございます。ことに地熱の場合には、テストフィールドにおける研究開発のケースが多うございまして、国内のしかるべきところに実地試験場を設置する必要があると考えます。また、地熱技術者を質、量ともに確保するために、研修制度を設ける等の教育機関の強化、充実を図る必要がございます。  次に、五番目でございますが、ボーリングの問題がございます。日本の石油事業はアメリカ等に比べまして非常に微々たるものでございまして、ボーリング業界、掘削業界は米国に比して比較にならないほど弱体でございます。地熱用の掘削機にいたしましても、日本に現有するものは十台に満たないのが現状でございます。昭和六十年度に百万キロワット、六十五年に三百五十万キロワット、七十年には七百万キロワットの開発目標の達成には、掘削機は少なくとも五十台ないし七十台ぐらいは用意しなければならないと考えます。新型の地熱用掘削装置の考案もさることながら、掘削業者の育成と、また掘削機の調達にもリース制度や購入のための融資制度等の方策が必要ではないかと考えております。  次に資金調達でございます。  地熱発電所を建設する場合に、坑井、パイプライン等の地上設備は、発電所が完成して運転を開始しない限り資金調達のための担保にはなり得ないのが実情でございまして、開発期間の六年ないし八年の間は資金調達にデベロッパーは非常に苦しんでいるのが実情でございます。ここに資金調達のための債務保証制度が設けられることは強力な開発促進策になると信じます。  それから、その次に開発の可能性の問題でございます。  開発の目標として示されている昭和六十年までに百万キロワットを達成するというのが一つの最初の目標でございます。現在、日本では十六万八千キロワットの発電所が運転されておりますが、昭和五十六年に北海道の森地熱発電所の五万キロが運開になる予定でございます。ただ、開発をやろうとしている企業の中で、企画されているものは約七、八十万キロワットあるようでございます。そういった公園の問題の早期解決とか、そういう開発企業の決心、それから資金量の解決、そういったものを合わせた上で官民ともに相当な努力をいたしますと、どうやら昭和六十年までに百万キロワットというのは達成可能ではないかというふうに考えられますが、これには申し上げましたとおり相当な努力を必要とすると思われます。しかし、昭和六十五年までの三百五十万キロワット、昭和七十年までの七百万キロワットの目標は、公園問題の調整がつきまして、開発促進政策が充実し、官民一体となって強力に推進すれば十分に達成可能な数字でございます。たとえば、一例を挙げますと葛根田地熱発電所と松川地熱発電所、これは距離にして七キロ半ぐらい離れておりますけれども、この周辺地域だけでも私どもの調査では約六十万キロワットくらいのものがすぐにできるというようなものが可採量としてございます。九州電力さんでも九州の各地で実際に開発を前提にして調査をされておりまして、同様なところがあるようでございますが、このような地域を十カ所以上全国で求めるということは十分に可能なことでございまして、昭和七十年までには七百万キロワットという目標は達成できる数字であると信じます。  最後に新機構についてちょっと申し述べたいと思います。  地熱開発促進のために事業団、公団の新設ということは、昨年来、日本重化学工業、九州電力、電源開発さん、それから三菱金属さん、東北電力さん等の地熱発電に携わっている五社による要望書にも明記してあるところでございますが、事業団、公団の新設ということを強く要望したわけでございますが、今日それにかわるものとして新機構が予定では十月にスタートするということでございます。私どもとしましてはようやく体制が整ってくるという印象を受けております。地熱の開発に当たりまして、地下より取り出される自然のエネルギーをそのまま使うわけでございまして、その開発ということはなかなかしゃくし定規にはいかぬところが多うございまして、最初新機構の担当の皆さん方も御苦労が多いと思いますけれども、一日も早く軌道に乗りましてその効果を発揮していただきたいと思います。また今後ともその開発促進のための内容の充実を期待しておる次第でございます。  以上で終わらしていただきます。(拍手)

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 次に生田参考人。

生田豊朗日本エネルギー経済研究所理事長

○生田参考人 日本エネルギー経済研究所の生田でございます。  私は最初に短期、それから中長期の世界及びわが国のエネルギー情勢の展望についての私の見解を申し上げまして、次いで石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案につきましての私の意見を述べさせていただきたいと思っております。  最初に短期のエネルギー情勢の展望でございますけれども、最近数日間、イランの情勢、特にイランの対日石油供給の停止をめぐりまして情勢がかなり急展開しているわけでございますが、この問題を一時たな上げをいたしまして、そのほかの情勢について考えてまいりますと、少なくとも本年は第二次石油危機の進行過程におきます階段を上ります前の踊り場と申しますか、一段落する時期であるというように考えております。あるいは明年、すなわち一九八一年におきましても同じような中間的な安定の時期が続くというようにも考えられるわけであります。もちろんこういう見通しをいたしますのにつきまして、これは私だけではございませんで、海外の専門家も含めましてほとんどすべての専門家に共通していることでございますけれども、石油の供給面について何らかの新しい事態の展開が起きなければ、そういう中間的な安定の状態になるという条件づきでの見通しを述べるのが最近一般的でございますし、私もそういう条件づきでございます。  イランの情勢につきましては、もうしばらく情勢を分析いたしまして、それに基づきまして適宜いろいろな対策を講じる必要があると思いますし、いますぐどういうこともないと考えておりますけれども、最悪の場合はまた世界の石油の供給量につきまして相当な影響を及ぼす可能性もなきにしもあらずであります。イランに限らず全般的に中東をめぐります政治、軍事情勢が非常に激しく揺れ動いておりますので、これが石油の供給に与える影響もいろいろの点において今後とも予想されるわけでございますが、そういう問題を別にして考えますと、昨年から始まりました第二次石油危機はことし、恐らくは来年も情勢が一段落するということであります。  その主な原因は、産油国の貿易黒字の大幅な増加、いわゆるオイルマネーの蓄積でございますが、それから始まりましてオイルマネーの還流が当分の間なかなかスムーズにいかないと考えられますので、世界経済に与えるマイナスの影響がかなり大きいわけであります。現実に世界経済は景気が下降に向かっているわけでありますし、わが国も早晩その影響を受けることは必至であります。それと同時に、石油価格の急上昇に伴ういわゆる価格効果に基づく石油の需要の停滞、それから各国の石油消費の抑制政策がある程度の効果を上げていること、こういう幾つかの要因が重なりまして、本年の世界の石油消費はかなり落ち込む見通しでございます。もしも産油国の貿易黒字の蓄積が明年もさらに進行するような状態になったと考えますと、その場合は明年も同じような状態になるかと思われます。現実に、現在の世界の石油市場ではかなりの供給過剰があるわけでありまして、先ほど申しましたように今後供給面で何らかの変化があらわれない限りは、多少の供給過剰の傾向が本年、それから明年も続くだろうと考えております。しかし、これはあくまでも一時的なものでございまして、今後世界経済、それから日本経済も当然でございますが、ある程度の、すなわち必要最小限度の経済成長を続けていくということを前提にして考えますと、やはり今後の石油の需給は、長期的な趨勢としてはかなりタイトになってくるということを考えざるを得ないわけでございます。  主な石油の供給国についての展望をごく簡単に申し上げたいと思います。  まずOPECでございますが、昨年は石油危機の進行の中におきまして、各国ともかなりの増産をしたわけでありまして、昨年の平均が三千百万バレル・パー・デー程度の生産をしております。その後多少の減産をしておりますので、現在はやや落ちまして二千九百万バレル・パー・デー程度の生産まで下がっているわけでございますし、今後も少し落ちるかもしれませんけれども、それほど大幅な減産はできないというように私は考えております。しかし、今後それでは逆にどのくらいの増産ができるかということになりますと、増産の可能性も同じく乏しいわけでありまして、各国の政治情勢が絡みまして石油の生産計画が大変不透明でございますので、見通しは非常にむずかしいわけでありますけれども、海外の専門家の意見等も勘案いたしまして、現在のところごく一般的な考え方といたしましては、たとえば一九八〇年代、今後の十年間でございますが、OPECの生産は昨年及びことし程度の生産、すなわち一日当たり三千万バレル程度の生産が続けば上できであるというように考えざるを得ないというのが、ほぼ現在の時点における専門家としての一般的な意見でございます。  私は、多少情勢の変化が今後ともあり得る、これは増産の方向にもあり得るし、減産の方向にもあり得るということでございますので、私の個人の見解といたしましては三千万バレル・パー・デーを軸にいたしまして、その上下に五百万バレル程度の増産あるいは減産の可能性があるということを考えているわけでございます。すなわち、二千五百万バレル・パー・デーないし三千五百万バレル・パー・デー、この辺が今後十年ないし十五年間のOPECの生産の幅と考えていいだろうと思いますが、国別に検討してまいりますと三千五百万のレベルまで達するのはなかなか困難である、ですから上の方向と下の方向とどちらに可能性が大きいかと申しますと、上よりもむしろ下の方向への可能性が大きいというふうに考えざるを得ないと思っております。  次に、世界最大の産油国でありますソ連でございますが、これはもうことしに入りましてから現実に国内の石油生産の停滞傾向があらわれてきております。これはかねがね予測されていたものでございまして、シベリアの石油開発のおくれと、それからヨーロッパに近い地域におきます現在の石油生産の主力をなしております地域でございますが、そこの油田の老朽化、この調整がうまくいっておりませんので、ソ連の石油生産は今後停滞ないし徐々に減少する傾向を続けざるを得ないというように考えておりますし、この傾向は一九八〇年代の後半期以降やや強くなってくると思われます。一昨年アメリカのCIAが発表いたしましたような大幅な石油。不足にソ連が陥るということはないと私は思いますが、しかし、若干の石油不足になることはほぼ間違いないというように考えております。  次に、世界第三の産油国でありますアメリカでございます。アメリカの国内生産は、アメリカ政府の計画といたしましては今後の増産を見込んでいるわけでありますし、増産のためにたとえば価格統制の撤廃を進めようとしているわけでありますけれども、国内の石油の開発、それから商業生産に至りますリードタイム、それから国内の石油関係の各社の現実の石油開発の進展状況その他を考えますと、アメリカの石油の国内生産が増産に転ずるのはかなりおくれるであろうと思われます。恐らく一九八〇年代におきましてはほぼ現状程度か、ふえても微増にとどまる可能性が大きいように考えられます。  その他OPEC以外の大きな油田について検討してまいりますと、まず北海油田でございますが、これは現在順調に増産を続けておりますけれども、この油田の性格から考えまして、一九八〇年代の終わりには恐らく増産がとまり、その後徐々に生産の減少、いわゆる減衰に移ることが予想されます。  メキシコでございます。これは埋蔵量はかなり豊富でございますが、メキシコ政府の生産計画、それから現実の開発の状況から考えまして、余り大幅な増産、たとえば三百万バレル・パー・デーを超えるような生産レベルに早い時期に到達するというように考えるのは楽観的に過ぎると思います。恐らく三百万バレル・パー・デー以下の生産レベルがとりあえずの上限であるというように考えた方が妥当であると考えております。  このように見てまいりますと、これから一九八〇年代、さらに一九九〇年代の前半、私どもが言っておりますいわゆるエネルギーの谷間でございますが、その谷間はかなり深くかつ広い谷間が出てくる可能性があると言わざるを得ないわけでございますので、世界経済の安定成長、もちろん日本経済の安定成長を考えます上には、こういう石油の供給制約が中長期において強くあらわれてくるということを前提にいたしましてエネルギーの需給を考えることが必要であります。その場合に最も必要なことは、申し上げるまでもなく省エネルギー、もう一つは代替エネルギーの供給力の拡大、この二つに尽きるわけでございます。  省エネルギーにつきましては、現在までもかなり省エネルギーが進行しておりますし、わが国の場合はエネルギー危機を迎えます以前から、国際競争力の強化という観点から特に産業部門の省エネルギーが現実に進行していたわけでございます。今後も省エネルギーはある程度進行すると思いますけれども、私は、たとえば今後十年間、昭和六十五年までの省エネルギー率を考えます場合に、総合エネルギー調査会の暫定見通しにおきます一五%という省エネルギー率は、恐らくこれが限界であろうと考えます。この一五%の省エネルギーの達成は可能であると考えますが、これ以上に、たとえば二〇%あるいは三〇%というような省エネルギーを期待するのは無理であろうかと考えるわけであります。  代替エネルギーにつきましては、世界各国とも特に第二次石油危機を迎えましてから、代替エネルギーの開発、利用の拡大に積極的な政策を展開しているわけであります。ただ、代替エネルギーについてひとつ考えなければいけない点といたしまして、それぞれの国の経済事情、それから資源の状況等を総合的に考えました場合に、それぞれの国によって重点を置くべき代替エネルギーが異なってくるということであります。アメリカがある政策をとるあるいはヨーロッパ諸国がある政策をとる、したがって日本もそれと同じ政策をとるということは間違いでありまして、わが国にはわが国に最も適した代替エネルギー政策があるということであります。わが国の場合は、申し上げるまでもなく経済情勢、経済規模あるいは今後の経済成長の必要性等に比較いたしまして資源の状況が極端に悪いわけであります。したがいまして、わが国の場合は、ある一つの代替エネルギーに重点をしぼって、これだけやればエネルギー問題が解決できるというようなものはないわけであります。すなわちわが国の場合は、できることを全部やっていくというかなりどん欲な代替エネルギー政策を展開いたしませんと、とても今後の石油供給の制約の中におきまして日本経済の成長を確保することは不可能であると考えられます。すなわち、可能である代替エネルギーはすべて開発し利用していく、それも最大限に利用していくということが必要でございます。総合エネルギー調査会の暫定見通しはかなり大きな代替エネルギーの供給を見込んでいるわけでございますが、あれがあのとおり実現いたしましても、それで昭和六十五年、つまり十年後のわが国のエネルギーの供給構造は現在のヨーロッパと同じような構造でございます。つまり、あれだけの代替エネルギーの供給増加を見込んで十年後にやっと現在のヨーロッパの水準まで達するわけであります。アメリカはもちろんわが国よりはるかに有利な条件にございますし、現在は申し上げるまでもなくヨーロッパと見比べまして非常に大きくおくれておりますので、恐らく、十年後にわが国があの水準まで到達した時点には、アメリカはもちろんのこと、ヨーロッパはさらにもっとエネルギーの供給の安定性を高めるようなポジションまで行っているということで、完全に後追いの形になっているわけでありますので、なるべく早く、しかも大幅に代替エネルギーの供給を拡大する必要があるわけであります。  そういうことでございますので、わが国におきましてこの代替エネルギーの供給の拡大は経済の安定及び成長のために不可欠の条件でございます。また、石油の確保を図る上におきましても産油国と消費国との対話を開始し、それを続けていくことが石油の確保のために最も必要なことだと私は考えておりますが、産油国との対話を行います場合に、これはただ石油が欲しいから石油を供給してくれという形での対話はもはや不可能であります。産油国との対話をいたします唯一絶対の条件は、石油消費国として最大限の代替エネルギー及び省エネルギーの推進の努力をするということを前提にしまして、強力かつ現実的な省エネルギー及び代替エネルギー計画を持って、それによって石油の消費を抑制するという態度を明らかにしながら産油国に対して対話を求めるということは十分に可能でありますので、代替エネルギーの供給というものは、これはただ量的な面でつじつまを合わせるというだけではございませんで、石油の確保を図るためにも必要な一種の武器であるというように考える必要があると思います。  以上がエネルギー情勢につきましての私の展望でございます。  最後に、この法案につきましての私の意見でございますが、ただいま申し上げましたような考え方に立脚いたしますと、この法案は必要最小限度のものであるというように私は考えます。もっとより強力な政策が盛り込まれた法律が今後必要になってくると考えられますが、当面これは必要最小限度のものでありますし、ぜひとも早くこの法案が国会で御承認を賜りまして実現することを期待する次第でございますし、あえて申しますれば、こういう法案あるいはこの法案をめぐります各種の政策でございますが、これはでき得れば十年前、遅くとも五年前にはすでに実施されていたことが必要だったものと考えます。この五年間のおくれがただいま申しましたようなわが国のエネルギー情勢におきますきわめて不安定な地位をつくり上げてしまったものと思いますので、一刻も早くこの法案が実施されることをお願いする次第でございます。(拍手)

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。     —————————————

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 この際、委員長から参考人にお願いいたします。  委員の質疑は限られた時間内で行いますので、答弁は簡潔、明瞭にお願いいたしたいと存じます。  これより質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。粕谷茂君。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員 初めに、生田参考人にエネルギーの需給の見通しについてお尋ねをしたいと思います。  いまの御説明で大方理解ができたのでございますが、これからのエネルギー対策は、参考人十分御承知のごとく石油の確保ということが第一番目に考えられ、二番目には省エネルギー、そして三番目には石油にかわるべき代替エネルギーの開発、そういうことが日本のエネルギー対策の中心になっていくのではないかというふうに思うわけですが、そこで石油の供給獲得の問題についてお尋ねしていきたいと思います。  いまも御発言の中に触れられておりましたけれども、昨年「長期エネルギー需給暫定見通し」というのを総合エネルギー調査会から報告されておりますが、それによりましても、当面はエネルギーの主役はやはり石油であるというふうに考えられます。そこで問題になってまいりますのはイランの問題。イランは日本全体の約一〇%から多いときで一三%くらい石油を供給してくれていたわけでございます。いまわが国の外相がEC諸国との意見調整のために、その打診に渡欧しております。こういう緊迫した状況でありますし、けさの報道によりますれば価格の問題で対日輸出を一時停止するというようなことが大々的に報道されているわけでございます。そういう非常に微妙なときにお尋ねするのはなかなかむずかしいことではないかと思うのですが、イラン情勢を含めてこれからの世界の石油需給ということも同時にお考えいただき、特にわが国の課題になっておりますメキシコあるいは中国などをポイントにして、石油の供給確保の問題で御意見をお聞かせいただければ大変ありがたいと思います。

生田豊朗日本エネルギー経済研究所理事長

○生田参考人 大体の大きな見通しにつきましては先ほど申し上げたとおりでございますので、ただいま御質問の二、三の点につきましてお答え申し上げたいと思います。  イランの情勢でございますが、これは私も直接イランと接触しているわけではございませんので余り内幕のことは存じませんけれども、今回船積みを停止しておりますが、ほぼ予想されていたことでございますし、今回の船積み停止について余りうろたえると申しますか、あわてる必要はないかと思います。先ほど申しましたようにもう少し事態を十分じっくりと見きわめまして、それに対する対策を前広に講じていくということが必要だと思いますが、もしもこのイランの対日石油供給停止がかなり長期にわたります場合は、先生のおっしゃいましたように約一〇%の石油供給が減るわけでありますから、これは国際エネルギー機関、IEAに対しまして緊急融通の申請をする条件を十分に満たしておりますので、私はいますぐ申請をするということは必要ないかと思いますが、IEA当局に対しまして早目に、この緊急融通が必要になる事態、その要件を満たすことになるかもしれないということで早目の話し合いを始めることが必要ではなかろうかというように思います。  それから現在の問題は価格の問題でございますが、イラン側の判断は、新聞の報道によりますと、わが国がアメリカに同調して経済制裁に加わっているということが船積み停止のイラン側の意向のように報道されておりますが、そういうこともあり得るかと思いますので、やはりアメリカに対しましてイラン原油の肩がわりの供給を、これも早く公式に要請すべきであろうと思います。これは長期的には、たとえばアラスカの原油を日本に輸出すること、あるいは直接輸出がむずかしければ、アラスカの原油のかわりにメキシコあるいはサウジアラビアの原油の対米向けのものを日本にもらうということも考えられるわけでありますけれども、そういういろいろなことも含めまして、あるいはインドネシアからの石油が相当アメリカに輸出されておりますので、これを一時日本に振り向けるとか、総合的にアメリカとの交渉をすることが必要でございます。それから、昨年の石油危機の進行過程でやはりイタリアが緊急融通の申請をしたわけでございますが、それに対するIEAの対応は、緊急融通システムを発動するよりも、むしろメジャーズの在庫を一種の行政指導のような形で放出させてイタリアに向けたわけでございますので、そういうことも可能かと思いますので、それもあわせて検討する必要があろうかと思います。いずれにしましてもイランの問題は、先ほど申しましたように情勢をしばらく見きわめるということと、同時にいま申し上げましたような手を早目に打っていくことが必要だと考えております。  それから、メキシコ、中国等の新しい石油の輸出のソースでございますが、メキシコは、先ほど申しましたようにやや過大に評価され過ぎておりますので、これを現実的なラインで考える必要があろうかと思います。もちろん資源的に豊富な国でありますので、なるべく多くのメキシコ原油を日本に輸入することは、分散化の観点からも望ましいことでございますが、余り大きな期待、メキシコの石油があるのでほかの政策は一切要らないというような余り非現実的なことにならないことが必要だろうと考えております。  中国は、渤海湾それから南方の珠江の河口付近、この石油開発が軌道に乗って商業生産が開始されませんと、現実に輸出をふやすことはかなり困難であろうと考えられます。この開発のリードタイムは、いろいろ説がございますが、私は少なくとも商業生産ベースに達するまでに十年はかかると思いますので、一九八〇年代にはちょっと間に合わないかと思います。しかし、石油の問題は八〇年代以後も続く問題でございますから、なるべくその協力関係を緊密かつ拡大いたしまして、中国からの石油の輸入も将来拡大できるように努力することが必要であろうと考えております。  なお、先ほども申し上げましたけれども、全体を通じまして産油国との対話を早く始める、これに日本がイニシアチブをとっていくということが一番基本であるというふうに考えております。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員 引き続いて生田参考人にまたお尋ねしたいのですが、私の持ち時間が十五分ということで、もう半分以上費やしてしまったものですから、簡略にお答えをいただければ大変ありがたいと思います。先ほどのお話しの省エネルギーは大切なことなのだという御説明はよくわかりました。そこで、長期需給暫定見通しによると、昭和六十年で石油に換算して約八千万トンぐらいになると思いますが、昭和六十五年で約一億二千二百万トンぐらいを省エネで浮かすんだという計画が載っているのですが、果たしてこのとおり目標が達成できるのかどうかという懸念を私は抱くのです。と申しますことは、過去の日本と違って、このごろは都市部においては特にそうでございますが、建築物一つ取り上げましても全部中高層化されているわけですね。そうすると、われわれ国民生活で、油づけだとか電気づけだとか言いますけれども、そういうものの御厄介にならずに暮らしていけない、特にエレベーターなしでは暮らせないじゃないだろうか、そういう状況の中で果たしてこの計画どおり省エネが実行されていくのだろうかという懸念を私抱いておりますので、その辺、素朴な質問でございますが、お話しいただければありがたいと思います。

生田豊朗日本エネルギー経済研究所理事長

○生田参考人 細かく御説明申し上げますとこれでまた数十分かかりますので、ごく簡単に答えさせていただきたいと思います。  私も、昭和六十年で一二%、六十五年で約一五%でございますが、この省エネルギー率を達成するのは一般に考えられているよりはかなりむずかしいと考えております。この理由は先生の御指摘のとおりでございます。ただ、昨今、エネルギー価格の上昇に伴います価格効果がかなり出てきておりますし、それから省エネルギー法の制定それから施行などもございますので、私は、先ほど申しましたように昭和六十五年までで一五%の省エネルギー率というのはぎりぎりで達成できる可能性があるように思います。しかし、ともすればそれよりももっと高い目標、二〇%あるいはそれ以上達成が可能であるから、それでエネルギー問題が相当解決できるのではないかというのは、私は無理だろうと思います。この六十年度一二%、六十五年度一五%というのが精いっぱいのところではなかろうかというように考えております。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員 次に野瀬参考人にちょっとお尋ねをさせていただきたいのですが、油に依存している電源が平均約五七%あると言われているのでございますが、LNG、それから石炭、原子力、水力、地熱など、電源の多様化、これは生田参考人もおっしゃっているようにどれ一つとしてないがしろにできない、最大限利用しなければいけないのだという御指摘がありましたけれども、この推進について事業者としてのお考えがありましたら、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。

野瀬正儀電源開発株式会社副総裁

○野瀬参考人 ただいまお話がございましたように、石油を節約するためにあらゆる代替エネルギーを開発しなくてはいけないということは同感でございますが、特に私の電源開発会社といたしましては、すでに水力、石炭火力、少量ではございますが地熱発電、そういうものをやっております。特に石炭火力につきましては、もうすでに十五年ぐらい前から横浜の磯子、それから兵庫県の高砂、広島県の竹原等においてずっと続けて運転してまいりました。その結果、石炭火力につきましては、いまの九電力よりはさらに一歩技術的に前進しておると存じておりますので、さらに今後環境保全その他に力を入れまして、ぜひとも石炭火力に重点を置いてひとつ石油節約をしていきたい。  さらに、中小水力、そういうものがまだ千八百万キロワットぐらい残っておるということが言われておりまして、今回、政府におきましても第五次水力調査をやっていただけるようになりまして、予算がつくことになりましたが、この第五次の水力調査を徹底的に洗いまして、全国至るところの落ち穂拾い、一千キロあるいは五千キロでも拾いながら、中小水力の開発で補完していきたい、こういうことでさらに石油を節約することを念願としてやっていきたいと思います。  さらにLNGにつきましてもいろいろと問題がございますが、すでにアメリカではLNGは火力発電所でたくことを禁止されております。いまの過渡期現象としてはどうしてもLNGを入れざるを得ないと思いますが、これも石油同様の貴重なるエネルギーでございますので、永久にLNGに頼るということも危険ではないかと私は思いますので、そういう点から石炭火力あるいは中小水力あるいは地熱発電、そういうもので何とかして賄っていきたいということを考えております。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員 先ほど野瀬参考人から御発言がありましたときに、昭和五十二年以降サンシャイン計画のプラント計画の開発ですね、こういうことについて非常な御協力をいただいていることに私たちも感謝を申し上げるわけでございますが、いろいろと隘路があろうと思うのです。そういうことについて、いずれ他の機会にこんなところがネックになっているんだということがありましたらお聞かせをいただきたい、このように思います。時間がありませんで、御答弁は省略させていただきます。  次に、森参考人に地熱開発のことについてお尋ねしたいと思います。  先ほども地熱開発についていろいろと触れておられまして、大方の問題点なども理解できるようになっておりますが、念のためにお尋ねいたしておきますけれども、国立公園だとか国定公園の中のお仕事が多いというようなことでございます。これは環境保全の問題に絡んでくると思うのですけれども、その調整がお願いできればもっと能率が上がるんだという御発言があったのですが、その調整ということは具体的にどういうことを示しているのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。

森芳太郎日本重化学工業株式会社専務取締役

○森参考人 現在のところ、公園地内で新たに開発をやる場合でございますが、非常に制約がございます。それから環境庁に対して御説明を申し上げておるのですけれども、非常に時間がかかります。やはり環境庁のお立場としては自然保護、景観保全という立場をとっておられますので、開発ということは真っ向からぶつかる問題がございますので、これはやむを得ないことだと思いますけれども、しかし、情勢がこの二、三年の間にすっかり変わっております。こういう緊迫した情勢下で、環境庁の方もエネルギーに対しての特別な御理解を示していただけないだろうかという期待があるわけでございます。とてもわれわれ民間人ではそれはなかなかむずかしいことでございます。ぜひ政府の方でも、そういった、いま申し上げました調整の問題でございますが、調整をひとつやっていただきたいということでございます。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員 参考人の方々、大変ありがとうございました。私の質問をこれで終わります。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 次に、後藤茂君。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 参考人の皆さん、大変貴重な御意見を聞かしていただきましてありがとうございました。  まず最初に、生田参考人にお伺いをしたいと思います。  先ほど、省エネルギー率は六十五年度は一五%ぐらいが限度だろう、こういうお話でございましたが、「長期エネルギー需給暫定見通し」では、さらに七十年度一七・一%というように上がっていっているわけです。     〔塩川委員長退席、岡田委員長着席〕 これから十年後一五%、さらにこれが一七%あるいはもう少し次に上がっていくのか横ばいになるのかはっきりいたしませんけれども、七十年度以降の方の見通しをどういうようにお考えになっているかということ。  それから先ほどの御説明の中では、価格の問題についてもう少し詳しく御説明がなかったかと思うのですが、八五年には五十ドルもしくは六十ドルとか、あるいは十年後には九十ドルとかというような意見も出てきているわけです。これは当然また省エネルギーあるいは代替エネルギー開発との関連も価格の問題は大きく作用してまいります。そういう点から考えてみまして、いまの価格の見通しを特に生田さんのところで相当詳しくやっていらっしゃいますので、この二点をお伺いしたい。  それからもう一点、これは私も実は二月にサウジアラビアに行ってまいったのですけれども、最後に御指摘になりました、省エネルギーあるいは代替エネルギーの取り組みの姿勢の強弱によって石油の安定的な確保ができるのだという御指摘は私も全く賛成でございまして、困ったらすぐに特使を派遣するとか、首相親書を出して、そして札束で解決していこうとするこれまでの姿勢というものは、石油外交、経済外交といたしましても根底から改めていかなければならぬと考えるわけです。ただ、そのためにも制度的な面でやはりエネルギーの安定確保に対する外交的あるいは文化的取り組みが大変足りないだろうと私は思うのです。こういった面につきまして簡潔にひとつ御意見を聞かしていただきたいと思います。

生田豊朗日本エネルギー経済研究所理事長

○生田参考人 最初に省エネルギー率でございますが、私は、先ほど今後十年間で申しましたので、それから先のことは申し上げなかったわけでございますが、やはり省エネルギーは今後とも政策的な努力が講ぜられます限りは徐々に上がっていくと思います。ただ、私は、そう急激に上げることがむずかしいということを申し上げたわけでございますので、一五%の省エネルギー率でそのまま横ばいになるとは考えておりませんし、徐々に上げていくことは可能だと思います。  ただ、この省エネルギーにつきましては、いろいろの手段があるわけでございますが、たとえばちょっと注意をするあるいは頭を働かせればエネルギーが節約できる、例の電灯を小まめに消すとかいう種類のものでありますが、まあこれはほとんど一般に行われているわけでありますし、それから、特に産業部門におきます省エネルギー投資におきましても、投資の回収期間の短いものはほとんど行われているわけでございますので、今後は投資の金額もかなり大きく、かつ回収期間の長いような省エネルギー投資をやっていかなければいけないわけであります。これは政府の助成が必要だと思っておりますが、そのほかにもいま先生の御指摘にもありましたような価格との関係がございますので、石油を中心にいたしまして、エネルギー価格が上がりますと、それだけ投資の効率が上がるわけになりますので、その二つの面で今後ともある程度進行するだろうと思います。  それからもう一つは、経済構造とか生活様式の切りかえでございます。これは短期的には、たとえば素材産業の不況というような事態が結果的には省エネルギー効果を生んだというような短期の現象はございますが、長期的には産業構造の転換はそう急激には進みませんので、やはり徐々に産業構造を省エネルギー型に転換していくとか、生活様式にいたしましても同じく省エネルギー型の生活様式に転換していく。これを余りドラスチックにいたしますとショックが起きますので、これも徐々に展開していくということで、時間をかけますと、私は、この省エネルギーはさらに進展することが可能だと考えております。  次に価格、特に石油価格でございますが、私どもの研究所で試算をしたものを昨年の年末に発表したのでございますが、これはOPECが石油の長期戦略としてかねがね言っておりますようなライン、これをもとにしまして、そのとおりは進行しないけれども、ほぼそれに近いようなラインで OPECの石油長期戦略が今後実現されていくというような前提で計算をいたしますと、昭和六十五年の時点におきます石油価格の平均でございますが、これが現在二十七ドルか二十八ドルぐらいでございますが、これが名目価格で八十ドルないし九十ドル、実質価格では四十五ドルないし五十、ドルぐらいになるということであります。これは供給サイドからそういう計算をいたしましたわけでありますが、問題は、果たしてそういう石油の高価格に世界の石油消費国、さらに世界経済が耐えられるかどうかという問題が一つ基本的にございます。わが国をとりましても、石油価格の上昇によりまして貿易収支が急速に悪化をしているわけでございまして、もしもその八十ドルないし九十ドルというような石油価格になったといたしまして、昭和六十五年に政府の見通しのように六百三十万バレル・パー・デーの石油を輸入したといたしますと、わが国の石油輸入のための外貨支払い額が二千億ドルぐらいになるわけでございます。私は、二千億ドルという石油の輸入外貨支払いが日本経済にとって可能であるかどうか、これはいろいろの条件を考えませんと即断できませんけれども、かなりむずかしいのではないかというように考えます。これは日本だけではございませんで、他の石油消費国にも同様でございますので、そちらの方からの一つ歯どめがあるのではないかというように思います。これは、すなわち、世界経済の成長が低下するという形で石油消費が落ち込んでバランスがとれるという一つのシナリオでございますが、それを避けるためにも、また話は戻りますが、省エネルギーと代替エネルギーの供給力をふやさないとその矛盾にぶつかる。これは量の問題だけではなくて、価格面からもそういう問題があるというのが問題点でございます。  それから第三の点でございますが、これは私もアラブ諸国の専門家あるいは政府の当事者と時折意見を交換する機会がございまして、そのときの印象で先ほどの考え方を申し上げたわけでございますけれども、先生にも御同感いただいて大変幸せだと考えております。それで、特にわが国の場合は石油の供給の不安定さが大きいわけでございますから、私はもっと政治的、外交的に産油国との接触を深めることが必要だと考えております。私の聞いたところによりますと、昨年一年間で、フランスのジスカールデスタン大統領はアラブの産油国を十六回訪問しているわけでございます。わが国の場合は、閣僚クラスの園田特使を含めましてもたしか二回くらいだと思いますが、フランスの方がわが国よりも石油の供給のポジションはいいわけでございますので、やはり総理大臣も含めまして大臣クラスあるいは閣僚御自身が、ジスカールデスタン大統領に匹敵する、あるいはそれ以上の回数の産油国の訪問をすることを中心にしまして、産油国とより密接な関係を深めるということが必要だと私は考えております。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 野瀬参考人にお伺いをしたいと思います。  先ほどの御説明の中で、一つは石炭火力の問題、もう一つは小水力の開発の問題について触れられております。特に電発は石炭火力に対しまして大変豊かな経験をこれまで積んでこられて、今日もなおその建設への努力を進められていることに対して私は敬意を表するわけでございますけれども、ただ、私が一つ気にかかってまいりますのは、この「長期エネルギー需給暫定見通し」にいたしましても、海外炭の輸入のウエートというのは高まってまいります。また、IEAの指摘からいたしましても、これから石油火力というものが建設ができないということになりますと、どうしても石炭火力に傾斜をしていかなければならない。その方向はよくわかるのですけれども、この海外炭の確保というのは、ことほどさように簡単ではないと私は思いますし、また下手をすると非常に安い石油、しかも使い安い石油を大変安易に確保してきておったのと同じ過ちを繰り返しはしないかという心配をしております。二十一日の日経に出ておりましたが、豪州石炭開発への電発出資却下のニュースがあります。これはまだ動いているようですから具体的にどうなっているのかよく承知はいたしておりませんけれども、ただ、石油がいわゆる国際石油資本に押さえられておるのと同じように、石炭もメジャーが世界各国の石炭の市場を押さえていこうとしているということになると、私はいわゆるコマーシャルベースでいかない非常にむずかしい問題がたくさん出てくるだろうという心配をいたしております。その心配を克服していきながら、石炭の安定的確保というものを図っていくことの見通しですね。さらに、日本の国内炭というのは限度ぎりぎりの二千万トン、仮に若干努力しても百万トンを超えるか超えぬかという情勢ではないかというように私は思いますので、遠隔地の石炭を開発していかなければならない。そのための開発資金あるいはその輸送コスト、これが大変だろうと思う。それから第三番目の問題といたしましては、何といってもやはり灰捨て場の問題です。こういった点が解決をしていかないと私はこの数字を実現していくことは不可能であろうと思う。この点をひとつお聞かせいただきたい。  それからもう一点は水力の問題です。二十万から三十万キロワット、それが百万キロというようなユニットになってきたのは近々三十年足らずの間だ。それまでは小水力、先ほども参考人の御指摘にありましたように、一千キロでも二千キロでも営々として開発をしてきておる。いまはほとんど見向きもしていない。これからそういった小水力の開発、可能なのは約二千万キロワット前後と言われておりますけれども、これをやるためには、単に税制、財政的な点だけではたいへんむずかしいだろうと思いますので、やはり分散型ローカルエネルギーの開発に対してもっと積極的に取り組んでいくためのネックが一体どこにあり、どういう点を解決をしていけば海外エネルギー資源に頼らない水力資源の開発が可能であるかという点につきましてお伺いをしたいと思います。

野瀬正儀電源開発株式会社副総裁

○野瀬参考人 ただいま二つ御質問がございましたが、第一番の石炭火力につきましては、次第次第に海外炭に傾斜しつつある、それも非常に危険ではないだろうか、こういうお話でございますが、もちろん私たちは国内炭を捨てるわけではなくて、海外炭をたきます火力発電所におきましても、同時に国内炭をそれに入れまして、混炭をしながら二千万トン体制はどうしても維持していきたい、こう考えておる次第でございます。特に九州炭の方は硫黄分が多うございますので、脱硫その他いろいろと問題がございまして、海外炭は硫黄分が非常に少ないものですから、硫黄分を薄めるという意味で海外炭をひとつぜひとも入れていきたい、こう考えております。  それと、昨今遠隔の海外炭を輸入いたしますには、船の運賃が非常に高くなってまいりまして、特に船に使いますバンカーオイルが非常な値上がりをいたしております。このバンカーオイルのために、第二次ショック前にはトン十ドルぐらいで運べたものが、オーストラリアからいまトン十八ドルとか二十ドルぐらいになっておりますので、その点も非常にわれわれとしては計算していかなければいけない。  それからさらに、メジャーが炭鉱を資本によって押さえておる、こういう情勢はまさしくそのとおりでございます。しかし、オーストラリアの場合には、われわれのところでは、二十一日の新聞にございましたように、これはまだ正確ではございません。ただそういう話をしたということだけで、オーストラリアの外資審議会におきまして否決をしたとかいうところまではまだ至っておりませんので、もう少し時間を待って、正確な報告を聞いてから判断いたしたいと存じておりますが、私たちがどうしてこのエクイティーを取得するために努力しておるかと申しますと、オーストラリアあたりの炭鉱会社では、このエクイティーを持っている人に対しては非常な敬意を表するのでございます。日本の株主どころの騒ぎではなくて、非常に敬意を表していただける。しかも、そのエクイティーを持っておる株主の意見に対しては慎重に聞いていただける。したがいまして、オーストラリアの石炭をリーズナブルな価で輸入するためには、どうしてもエクイティーが必要であるということで私たちは努力してまいりましたので、今後ともひとつエクイティーを取ることについては御指導をお願いいたしたいと存じておる次第でございます。  それから、石炭の方はわりあいに分布の程度が世界じゅうに広がっておりまして、それと、油のようにOPECのようなところに集中的に集まっておるものでないものですから、わりあいに値段の上昇が緩やかでございます。したがいまして、われわれの方としては、将来石油を節約していくためには海外炭が大半のエネルギーソースではないかと思いますので、これをできるだけ経済的に入れることを考えていきたいと思っております。もちろん国内炭もこれからひとつできれば、新鉱を開発するという地点もございますれば、われわれとしては大いにそれを助長していくのにやぶさかではございません。  それから次に中小水力につきましては、最近ソフト・エネルギー・パスというような問題もございまして、大いにこの中小水力を伸ばしていきたいという感じを持っておりますが、この中小水力がどうしてだんだんと見向きもされなくなってきたかと申しますと、片一方において石油あるいは原子力、そういう百万キロワットユニットのものが出てまいりまして、しかも需要の増加が非常に旺盛でございますので、どうしても千キロ、二千キロを集めておったのでは間に合わなかった。それと、給与その他が高くなってまいりましたので、水力発電所で勤務するところの運転要員のコストが高くなってまいりました。それで千キロ、二千キロの発電所を捨ててまいった次第でございますが、最近は自動遠隔制御が非常に発達しまして、遠いところから遠隔制御ができますので、その点では運転費が非常に安くなっております。あと、小水力につきましても大きな水力ユニットと同じような設備をつくっておりますので、この設備を合理化して非常に簡単な、故障一歩手前までいっても大丈夫だというような経済的な機械の開発をぜひやっていきたい。そういうことで非常にこれからは技術革新をこの水車、発電機に与えたい。それからトンネルにおいても機械化によって非常に経済的なトンネル掘削技術を進めていきたい。この二つを柱にいたしまして何とか中小水力でもやっていける、しかもこれをローカルの需要に充てていく、こういう点で私は不可能でないと思いますので、これからぜひとも千キロ、二千キロでも拾っていきたいというぐあいに考えております。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 森参考人にお伺いをしたいと思います。  二点ばかりお伺いしたいのですが、先ほどの御説明の中で、地熱と国定あるいは国立公園との価値判断の問題、公園との調整がどうしても必要だというような御意見を聞かせていただきました。私は、一つはこれまでのわが国の地熱に対する位置づけが大変低かったと思うのです。二年ばかり前でしたがアメリカのガイザーを見てまいりましたけれども、あれがいま六十五万キロで、近々百万キロにすると言っておりますし、またフィリピンにおきましても四十万キロの地熱の建設が進んでいるわけですが、それにしても、今年度ふえても二十万キロ程度ということでは大変心もとないわけでございます。ただ、温泉法のことにも触れられましたけれども、開発するのに非常に手間暇が手続的にかかるということも問題点ではないかと思うわけです。五万キロワットユニットぐらいでリードタイムが大体五年から六年ぐらいということ、しかもこれだけは具体的にボーリングをしてつかまなければ、あらゆる点からいって存在しておるだろうということがわかっても、もう一つ確実な熱源を掘り当てていくということは大変むずかしいと思うのです。そのためにはやはり地熱法的なものを、つまり法的な整備というものが必要だろう。先ほど環境庁との関係を言われましたけれども、もちろん環境破壊というものに対しましては慎重にしていかなければならぬし、規制もしていかなければなりませんが、ただ、手続の繁雑さというものから考えていってみますと、そうした法的な裏づけというものがこれから必要になるんじゃないだろうかというように考えますので、この点をひとつお伺いしたい。  それからもう一点は、今度の新機構に地熱センターが吸収されていくわけですけれども、吸収されるのは全部ではなくて半分ばかりだというように聞いているわけです。そのために半分が取り残されていく。こういった問題についていま若干の不安等も出ているやに聞いているわけですけれども、この問題に対しましてどのような見解をお持ちなのか。この二点をお伺いをしたいと思います。

森芳太郎日本重化学工業株式会社専務取締役

○森参考人 最初の手続の手間暇の問題でございます。ことに公園に関することであろうと思いますが、仰せのとおりいままでの地熱の位置づけは非常に低うございまして、本当に国策としてこれを推進しているというような体制が全然できてなかったわけでございます。そういうわけで、いままでの過去の実績から申し上げますと、公園問題につきまして環境庁の御了解を得て許可をいただくまでに約一年半から二年ぐらい要しておったわけでございます。先生のおっしゃるとおり法的の整備ができまして、これらの調整がちゃんととれますともっと早くできるはずでございます。この辺をぜひひとつお願いしたいと思います。そのほかに、ああいう山間のところは国有林、国有地が多うございます。国有林に関するいろいろ規制がございます。これは林野庁の方で書類の手続さえちゃんとすれば非常に速やかに処理していただくようなたてまえをとっていただけますので、現在のところほとんど問題はございません。先生のおっしゃったような法的の裏づけはぜひ必要と考えます。  それからもう一つ、新機構と地熱センターとの問題でございますけれども、私ども聞いておりますのは、債務保証部門が新機構の方へ移行するというのは聞いておりますけれども、その他のことにつきましては全く聞いておりませんので存じません。後どういうふうになるのか私ども全く関与もしておりませんし、知らないわけでございますので、お答えはできないと思います。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 生田参考人にもう一点だけお伺いをしておきたいのですが、供給目標というものが今度の法律によりまして決定をされるのですけれども、恐らくこの基礎データになりますのは昨年八月三十一日に明らかにされました需給暫定見通しであろうと思うのです。この中では先ほど言われました省エネルギー比率あるいは東京サミット等で約束をいたしました石油輸入の上限、下限というのが一応決まっているわけですが、そういたしますと、水力にいたしましても先ほどの地熱にいたしましても、あるいは新エネルギーもこれから実用化していくのには早くたって五年、五年じゃむずかしい、十年ぐらいということになりますと、先ほどのエネルギーの谷間というものを一体どう埋めるかということから、私は原子力に余りにも傾斜し過ぎている面があるように思うのです。六十五年度で原子力五千三百万キロワットということになってまいりますと、これからまだ約三千万前後建設をしていかなければならぬ。先般の女川の問題等を見てまいりましても大変な補償を使っている。この問題については別ですけれども、非常にリードタイムが長い。しかも安全の問題につきましては十分に確保されていないというような問題、それからまた電源立地等の問題にいたしましても、原子力に非常に大きく傾斜したエネルギーの需給暫定見通しというものに対して私は大変危惧の念を持っているわけですけれども、生田参考人にここのところだけ御意見をお伺いしたいのですが、いかがですか。

生田豊朗日本エネルギー経済研究所理事長

○生田参考人 暫定見通しにおきます原子力発電の規模でございますけれども、この見通しはただいま先生も御指摘になりましたように、見通しというよりはむしろこの法案に盛られております供給目標という性格に近いものだというふうに私は理解しております。そういうように理解いたしまして考えますと、私は必ずしも昭和六十五年度で五千三百万キロワット、七十年度で七千八百万キロワットという数字は、原子力に傾斜しているとは考えておりません。現在の時点の状況から出発いたしまして、それではこれが可能であるかどうか考えますと、私は非常に困難であると思います。しかし、これは原子力だけが困難であるということではございませんで、石炭火力あるいはほかの産業におきます石炭利用にいたしましても、それから水力にいたしましても、地熱にいたしましてもすべて同様に困難でございまして、その困難さから考えますと、私は原子力発電の困難さと石炭利用の困難さとは、その困難さにおいてほとんど同じくらいであるというように考えておりますので、その見通しにおきましても特に原子力に問題があるというふうに考えておりませんし、供給目標として考えました場合は、全体のバランスから考えまして、格別に原子力に傾斜し過ぎているというようにも考えておりません。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 参考人の皆さんありがとうございました。終わります。

岡田利春日本社会党

○岡田委員長 次に、木内良明君。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 本日は大変お忙しいところありがとうございます。公明党の木内でございます。  生田参考人にお伺いをさせていただきます。  いろいろと生田先生のお書きになった書物でございますとか文献を拝見しておりまして、きわめて重要な御指摘をいただいた部分についてお聞きをするわけでございますが、ある雑誌の新春対談の中で、生田参考人はこういう御指摘をなさっておられる。これはもうエネルギー問題をいろいろと議論を進める上で、私はきわめて重要なポイントだというふうに思います。基本的な問題でございます。     〔岡田委員長退席、塩川委員長着席〕  まず、日本は国内でエネルギー問題の考え方のスタートラインが間違っているんじゃないかという気がする。つまり、エネルギーはそれ自身が目的でなくて手段なんだ。経済や文明とかを支えたりつくったりする手段にすぎない。だから、エネルギーは確保したが経済が死んでしまったなんていうことになってはならない。さらに加えて、最近はエネルギー問題というのは一体何かといった場合、価値観という言葉を頻繁に使われるわけでありまして、この点の御指摘をされているわけですね。いわばスタートラインをそろえないと議論が分散してかみ合わない。したがって、エネルギー政策は経済政策の中の一部だということも御指摘されているわけですが、私は非常に傾聴に値する御意見だと思うわけですが、このバックグラウンドとなるお考えについてまずお聞かせいただければというふうに思います。

生田豊朗日本エネルギー経済研究所理事長

○生田参考人 ただいま先生から御紹介を賜りましたあのとおりのことを考えているわけでございます。バックグラウンドと申しますよりも、幾つか例を申し上げた方がよろしいかと考えておりますが、エネルギー問題についていろいろ考えます場合に、たとえば代替エネルギーの開発、利用についてそれぞれ難点を持っております。原子力につきましてもまだ残念ながら国民の安全性に対する信頼は不十分でございます。石炭火力あるいは一般の石炭利用につきましても、先ほど来御質問あるいは御答弁にございましたような環境問題、輸送問題等について問題が残っておりますし、地熱についても同様でございますし、いろいろあるわけでございます。そういう問題を考えました場合に、それぞれ難点があるから、ある代替エネルギーの供給を拡大するのはやめた方がいい、あるいはさらにその代替エネルギーの利用そのものをやめた方がいいということを考えました場合に、これはエネルギーの問題だけあるいはエネルギープラス環境問題という問題で考えるわけでございますが、これが果たして経済全般、それから国民生活というものにどういう影響を及ぼすかということまで考えませんと、エネルギー問題だけに限定して議論をするのははなはだ誤っているように考えるわけでございます。したがって、私のかねがね言っておりますのは、石油及び石油代替エネルギーも含めましてその供給量が減るということは、省エネルギー率を一定としました場合には、経済成長率あるいは国民生活の内容、その規模に直接に響くわけでございますので、やはりエネルギー供給について何らかの変更をしようとする場合は、それが国民生活あるいは国民経済に与える影響というものを考えないと、エネルギーはエネルギー、生活は生活というのは間違いであるということでございます。  価値観の問題についても同様でございますけれども、昨年でございますが、私は原子力についてきわめて強い反対をしているある学者と一晩議論をしたことがございます。その結果、議論の行きつく先は、その学者はロビンソン・クルーソーのような生活、つまり国民の一人一人がそれぞれ自給自足をする生活をすればエネルギーの消費量を大幅に減らすことは可能であるし、その方がいいのだということになったわけでございます。私はそういう考え方をとる人がいることを否定もいたしませんし、その方がそういう生き方をすることもそれは結構でございますが、国民全般にそれを適用することはいかがかということで、すなわち国民のそういう価値観についての考え方あるいは判断、これから出発いたしませんと、エネルギーはエネルギーとして考えるのは危険ではなかろうか、かように考えている次第でございます。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 大変内容のある御答弁をいただいて私も恐縮しております。今後の進展の中で重要な手がかりというふうに受けとめていきたいと思います。  次に、エネルギーの需給暫定見通しについての評価ということでお聞きをするわけでございますが、生田先生の理事長をなさっております日本エネルギー経済研究所でこういうふうな見通しを立てておられるのですね。昨年八月の総合エネルギー調査会の需給暫定見通しによると、昭和六十五年度におけるわが国の石油輸入量は三億六千万キロリットル、一次エネルギー供給に占める輸入石油のシェアは五〇%になっている。ところがこの生田参考人の研究所の方の推定では、昭和六十五年度の輸入石油量はケースIで三・七一、ケースIIで三・四〇、一次エネルギー供給に占めるシェアはそれぞれ六〇%、さらには五八%というぐあいに、いま申し上げたエネ調の暫定見通しよりも一〇%ほど高くなっているわけでございます。これにはいろいろな見通しのファクターとなるものが推定されるわけでございます。その辺の内容について御意見を賜りたいと思うのです。

生田豊朗日本エネルギー経済研究所理事長

○生田参考人 個別に細かく御説明申し上げますと時間が必要でございますので、要点だけ申し上げさせていただきたいと思いますが、先ほど後藤先生の御質問のときにもお答え申し上げましたように、総合エネルギー調査会の暫定見通しは、見通しという名前はついておりますが、計画ないし目標という性格のものであると私は考えておりますし、実はかなり頻繁に海外のエネルギー関係の会議に私、出席いたしまして日本の実情について説明をしておりますが、そのときは私はこの暫定見通しをプログラムというふうに説明しているわけでございます。これはフォーキャストというふうに説明しますと外国人に理解させるのがきわめてむずかしいわけでありますので、プログラムというふうに説明して、その方が理解しやすいわけでございますので、国内におきましてもそういう計画ないし目標として考えるのが妥当であると思っております。私どもの研究所でつくりましたのはその計画ではございませんで、現実的に考えました場合の見通しでございます。現実的に考えました場合の見通しは、これも先ほどお答え申し上げましたように、この暫定見通しのラインに到達するのはかなり困難であるというように考えておりますので、それがどこで調整されるかといいますと、一つは基本的には経済成長率が低下するという形で調整されるわけでございます。それから別の点といたしまして、石油の輸入につきましても、暫定見通しは、東京サミットにおきます一九八五年の日本の輸入の上限が同じく一九九〇年でも維持され、その上限いっぱいの輸入が可能だという前提から出発しているわけでございますが、最初に御説明申し上げましたような今後の中長期の世界の石油需給の展望から考えますと、私は六百三十万バレル・パー・デーの石油の確保はかなりむずかしいのではないかというように考えておりますので、そういう点も考えまして石油の輸入も減らしたわけであります。ということでございまして、全体としてエネルギーの供給量が減ってまいりますので、これは先ほどの御質問へのお答えと同じでございますが、経済成長率の低下という形で調整されざるを得ないという考え方でございます。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 先ほど生田参考人の意見の開陳の中でこういう御意見がございました。石油の需給という点で産油国と消費国との対話の必要性を特に具体的に触れられました。たとえばわが国の場合、石油が欲しいからといって、そうした考え方をもとにした対話の姿勢では相手は聞かない、最大限の代替エネルギーの開発なり省エネルギーの努力といった基本姿勢を踏まえてのものでなくてはならない、量的なつじつま合わせだけではこれは進展は望めないというお話をなさっておられました。そうした観点から、参考人、わが国のこうした石油外交をごらんになりまして改善すべき点あるいは基本姿勢として踏まえるべき点、こうした点について御見解を承りたいと思います。

生田豊朗日本エネルギー経済研究所理事長

○生田参考人 私の個人的な感触でございますけれども、先ほど来申し上げましたように産油国に対して、たとえば何事か起きたときにあわてて行って石油の確保について要請するというのは非常に不十分な手段であるというように考えております。これはやはり産油国とコンスタントにおつき合いをしていく、それから産油国側の考え方をよく理解して、産油国に対する協力の仕方もただプラントの建設あるいは輸出をするということだけではございませんで、その工業設備から生産される製品のマーケティングをどうしたらいいか、それに対して協力することができるのかどうか、あるいは経済以外の分野、社会あるいは文化、広範な分野につきましてももっと突っ込んだ協力ができるのではないかということで、つまりおつき合いを深くしていくことが必要であるというように考えておりますし、特に石油の確保につきましては、わが国としてはかくかくの手段によって石油の消費をこれだけ抑制していって、それでもなおこれだけの石油を確保することが必要不可欠であるから協力してもらいたいという形は十分に対話が可能なことであろうと私は思います。  以上のようなことをいたしますには、先ほども申し上げたことでございますが、もっと頻繁に、実際に政策の決定権を持っている方が産油国を訪問し、それで意見の交流を深め、強めることが必要であると考えております。わが国の場合は、閣僚クラスの方が産油国を訪問されますととかく非常に大がかりになるわけでございます。いわゆる大名行列のような形になりまして、そのためにはおみやげを持っていかなければならない、おみやげを持って帰らなければいけないということでございます。こういうことも必要かと思いますが、そのほかに、手ぶらで行って十分に腹を割って話してくる。先ほど申しましたようにジスカールデスタン大統領は十六回、その中には飛行場で十分間立ち話をするというようなこともあるわけであります。そういうもっとはだの触れ合うような接触の仕方、これがぜひとも必要であるというように考えております。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 先ほど来のいろいろな参考人の御意見を聞いておりますと、委員会質疑の閣僚答弁よりもきわめて具体的、率直なお話が承れるわけで、私はこういう機会を頻繁に持たれた方がいいというふうに実感をしたわけであります。大変にありがたいことであります。  さらに、先ほどの意見開陳の内容とも関連のあるテーマでございますけれども、省エネルギーという点でございます。これは量の確保の問題、有効利用の問題、こうした二つの側面があろうかというふうに思います。特に見通しの中では六十年度一二・一%、六十五年度一四・八%、先ほど参考人の方から一五%というお話がございました。七十年度には一七・一%の省エネルギー率ということでございます。これに関連して今後十年間の見通しを先ほどお述べになった際に、恐らく限界としてこれ以上は無理であろう、むしろこれが下方修正されるようなことは大変まずいというニュアンスのお話がございました。この見通しを下回らない実施なり、いわば現実的な見通しを進める場合にどういった点に留意をしていくべきか、この辺について生田参考人の御意見をまたお聞きしたいと思います。

生田豊朗日本エネルギー経済研究所理事長

○生田参考人 まず、わが国のエネルギー消費は六〇%が産業用の消費でございますので、産業用での省エネルギーをさらに進めることが必要だと思います。ただ、この点につきましては、先ほど申し上げましたようにかなり進んでおりますと同時に、できるものは相当やってしまっているわけでございますので、今後企業といたしまして省エネルギー投資についての判断をする場合に、いままでなかったような相当いろいろの条件を考えざるを得ないということになると思います。私は、省エネルギー法も施行されていることでありますので、その省エネルギー法の施行に関連いたしまして、省エネルギー投資に対する税制面それから財政投融資面での政府の援助をより手厚くすることが必要だというように考えております。  残されました交通部門と民生部門につきましては、実は的確な政策手段がなかなかないわけでございますので、いろいろの細かいことを積み重ねていく以外にはないかと思いますが、一つは先ほど申しましたような価格効果がこの両部面ではかなり効いてくるわけであります。交通部門につきましては、自動車から鉄道への輸送の重点の移行ということが言われるわけでありますが、これはわが国の国鉄の現状を考えますと非常にむずかしいことでありまして、私は恐らく国鉄の再建が完了いたしませんと交通部門の省エネルギーは余り進まないというように考えておりますので、そういう面でもやはり省エネルギー政策を国の政策全体に広げて考えていかないといけないわけでございまして、そのほかにはさしあたりこれをやればすぐ効果が上がるというものはちょっと見当たらないのではないかというようには考えております。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 時間もございませんので、最後に一問お聞きをいたします。  先ほどの意見開陳の中でも、可能な限りの代替エネの開発を行う、いわゆるわが国の固有の事情から勘案しまして、これにどん欲に取り組むべきだというお話がございました。この長期エネルギーの見通しを私もいろいろと勉強したわけでございますけれども、機構の整備あるいは法律の整備等については今後相当に進んでいくわけだと思いますが、こうした法律なり社会環境の整備とは別に、たとえば、原子力発電について申し上げれば、人的な質の向上ということが大変ポイントになってくると私は思うのです。今後の原子力発電につきまして私は一定の評価を持っているわけでございますけれども、この中で、たとえばヒューマンエラーという問題が古くて新しい問題としていま議論されております。この辺は、そうした環境づくりなり品質保証、安全管理、環境の保全といった問題をさらに上回る問題として指摘をしたいというふうに私は考えているわけでございますけれども、参考人の御意見をひとつお願いしたいと思います。

生田豊朗日本エネルギー経済研究所理事長

○生田参考人 私も先生の御意見に全く賛成でございます。このヒューマンエラーに対して、ヒューマンエラーがあってもそれが事故に発展しないようなシステムがいわゆるフェールセーフということでございまして、現在の原子力発電所にはそれが最大限に取り入れられているわけでございますが、それをもっていたしましても、時折そのヒューマンエラーによる、事故にはなりませんが、いわゆる故障と言われるものが発生するわけでございまして、これは非常によくない点でありますので、私は技術の専門家ではございませんけれども、技術の専門家が時折そこまでやらなくてもいいだろうということであえて取り上げないようなものまでも、あるいは幼稚なことではないかと言われるような批判がありましても、ヒューマンエラーを最大限に、できれば一〇〇%防止できるようなフェールセーフのシステムをもっと拡大して取り入れていく、そのためには多少コストが上がってもそれを拡大していくべきであるというふうに考えております。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 どうもいろいろありがとうございました。  以上で私の質問を終わります。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 次に、小林政子君。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 本日は参考人の皆様、本当にいろいろとありがとうございます。私、共産党の小林政子と申します。  まず生田さんにお伺いをいたしたいと思いますけれども、総合エネルギー調査会が昨年の八月、長期エネルギーの需給についての暫定見通しを発表いたしました。これは言うまでもなく本委員会でただいま審議中の代替エネルギーの開発促進法の見通しの下敷きになるのではないか、先ほどそのようにおっしゃられましたけれども、私はこの見通しについて、どの程度これは現実的なものなのだろうか、専門家でいらっしゃる生田さんの目から見てどのようにこれをごらんになっていらっしゃるのか、こういうことをひとつお伺いしたいと思います。  それから、生田さんが理事長をなさっていらっしゃいます日本エネルギー経済研究所でもことしの一月、長期のエネルギー需給見通しを発表されていらっしゃいます。私は、これは政府の見通しとはかなり異なっているのではないかということを見せていただいて感じました。たとえば十年後の一九九〇年度について見てみますと、水力では、政府見通しが二千六百万キロワットに対しましてエネルギー研究所の方では千九百五十万キロワット、それから地熱では、政府が三百五十万キロワットに対してこれは五十五万キロワット、原子力では五千三百万キロワットに対して四千二百万キロワットというふうに、経済研究所の見方が政府見通しよりもシビアに見ていらっしゃると私は思います。また、こうした中での石油換算にしての総合的な総計で見ますと、政府見通しによります石油換算は七億キロリットルに対しまして六億五千万キロリットルということになっております。総合エネルギー調査会にも関係をされていらっしゃる生田さんでいらっしゃいますので、そういう違いが一体何を根拠にどこから出てきたのか、こういう点についてまずお伺いをいたしたいと思います。

生田豊朗日本エネルギー経済研究所理事長

○生田参考人 ただいま先生からも御指摘がございましたように、私は総合エネルギー調査会需給部会の企画専門委員会の委員長でございまして、この暫定見通しの案につきまして、それを審議する場合の責任者でございますので、当然この暫定見通しについても私は責任があるわけでございます。それと一方、私どもの研究所で別の見通しをつくっておりまして、これも私責任者でございますので、矛盾しているようでございますけれども、実は内容的に矛盾していないわけでありまして、これは前回、予算委員会の公聴会のときにも同じような御質問がありまして少し詳しくお答えしたわけでありますけれども、それから先ほども御質問にお答えして申し上げましたように、この暫定見通しと申しますのは計画ないし目標という性格のものであるというように考えているわけであります。なぜかと申しますと、これの考え方は、もう先生重々御承知かと思いますが、一九八〇年代の前期におきましては、経済七カ年計画をそのまま採用いたしまして成長率が五・七%、それから八〇年代の後半につきましては、それから余り極端な成長率の鈍化を招かないという前提で五%の成長率、すなわち八〇年代を通じて五%強の経済成長率を達成する、これが最大の前提であります。  その次に、先ほど来も御質問がございました省エネルギーにつきまして、実現可能と思われる最大限の省エネルギー率を見込んで、それを引いているわけでございます。  それから三番目に、石油の輸入につきまして、東京サミットでの合意のわが国の輸入の上限でございます六百三十万BD、これを一九九〇年も達成が可能であるということで、それをその供給に加えまして、残りの分、つまり五%強の成長率を達成するために確保しなければならないエネルギーの供給量を、石油以外の代替エネルギーのそれぞれにつきましてその計画の現状それから今後の進展状況の展望その他を入れまして見込んだわけでございますので、個々のエネルギー、たとえば原子力とか石炭とか地熱とか、それについて考えますと、現状に立脚して考えます今後の展望としては実現がかなり困難なものでございます。  したがいまして、それを現実的な見通しに置きかえてみたのが私どもの研究所でつくったものでございまして、当然各エネルギーにつきまして暫定見通しとの違いが出てくるわけでございますが、これはすなわち五%強の成長率を達成するために必要な代替エネルギーの供給量と、現実に供給可能であると考えられる代替エネルギーの利用、それとの性格的な違いでございまして、したがって私どもの研究所では、この現実的な見通しに立脚いたしました場合は五%強の成長率の達成は不可能である、日本経済の成長率は一九八〇年代で五%以下に落ちるということを予想しているわけでございますので、先ほどから二、三回申し上げましたように、最終的には成長率の差になって問題が収束されるというように考えております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 ただいまの御説明によりますと、前提がまず違っていたということと、それから現実的なものと今後必要とされるものというような目標との違いが出てきているのだ、こういうことでございますけれども、私は、この政府のいわゆる需給暫定見通しは相当今後の法案の裏づけとなる数字ではないか、このように見ておりますけれども、そういう観点から一、二点ちょっとお伺いいたしたいと思いますけれども、原子力発電については、供給目標を今度法律で決めるわけですね。そしてそれについて、原子力の場合にはとかく安全性の問題ということがいままでにもずいぶん主張もされてまいっておりますし、私は、この安全性の問題が不十分なまま、もし国民の不安というようなこともそれほど考慮に入れる必要がないというようなことでどんどん建設するということになりますと、これは需給見通しの中にも明らかなように、七七年の八百万キロワットから一九九〇年の五千三百万キロワット、六・六倍という目標は達成されるというふうに思うのです。だがしかし、このようなことはやはり慎重を期し、安全性という問題については十分配慮をした上でやられなければならない性格を持っておりますだけに、許さるべきことではないというふうに思っております。やはり安全性というものを無視してこのようなやり方で原子力の開発ということが進められていくということになりますと、私どもはやはりこれに賛成はできませんし、そうかといって、いま代替エネルギーという新エネルギーのこの地熱だとか太陽熱だとかあるいは石炭液化だとか、こういう新しいエネルギーについては、積極的にこれは進めていかなければならないというふうにも考えております。結局、新機構がいま考えている事業化だとか、もちろんこれも大切でございますけれども、その前に技術開発、こういった問題なんかについてもいろいろな問題点がここに出てきております。そうした意味で、どういう政策的な手段をとってこの達成を図っていかれようとしているのか、あるいはまた総合調査会のこの需給暫定見通しをおつくりになられたのか、こういった点も踏まえてお答えをいただきたいと思います。

生田豊朗日本エネルギー経済研究所理事長

○生田参考人 私は、原子力発電は現在の技術水準で十分に安全だと考えておりますけれども、しかし、残念ながら国民全般について考えました場合に、まだ安全性についての信頼が不十分であることも事実でございます。それで私は、これをあえて国民の安全性に対する信頼を得られないままに建設を強行するということは賛成いたしかねます。やはりこれからもさらに努力を積み重ねまして、国民の信頼を得ながら原子力発電所の建設を進めていくというのが妥当であるというように考えております。  そういうように考えてまいりますと、昭和六十五年度で五千三百万キロワットの原子力発電規模を達成するのは非常にむずかしいわけでございます。あえて申せば、ほとんど不可能であろうというように考えております。  これは同様に、石炭につきましてもいろいろの問題、環境問題その他があるわけでございまして、これについてもまだ、原子力ほど問題点がはっきり示されていないというだけでありまして、石炭の方は全く問題がないというわけではございません。  したがいまして、各種のエネルギーについて同様の問題があるわけでございますので、これをやはり最終的にその判断をするのは国民でございますから、国民の多数の意向に沿って進めていくのが必要であろうかと思われますけれども、その場合は、残念ながらやはり最終的には成長率が落ちるということはもう避けがたいと思われます。恐らく一九八〇年代で、私どもの予測では四%台の成長率にどうしてもなってしまうわけでございますので、最終的に低成長をとるか、それとも代替エネルギーの供給力の拡大をとるか、これは国民の選択でございまして、いずれの選択も可能でございますので、これはやはり国民の考え方に沿って進めるべきであろうというように考えております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 私は、やはり先ほど来からもお話がございました原子力発電というものについての非常に偏った配分といいますか、こういう傾向というのは、もちろんことしの五十五年度、この法律が通りました後でついてまいります電源多様化勘定、この中の予算を見ましても、これは八百二十七億円のうち四百五十一億円、五四・五%が原子力発電の開発のために使われる、こういう内容になっておりますし、こういった点から考えても私は、この問題についてはいろいろと検討をしていかなければならない重要な内容を含んでいるというふうに思っております。  ところで、時間の関係で森参考人にお伺いをいたしたいと思います。  現在、わが国の地熱発電につきましては、先ほど来のお話で約十六万八千キロワット、六地点ですか、しかもいずれも地下千メートルとかあるいは二千メートルの浅い部分ですね。ここの蒸気を利用するもので、一地点当たり最大出力は五万キロワットであるというお話でございます。  ところで、総合エネルギー調査会の「長期エネルギー需給暫定見通し」によりますと、これが一九九〇年には約二十二倍の三百五十万キロワットとなっております。恐らくこれは地下三千から四千メートルという深部の地熱を開発することが前提になってのことであろうと思いますけれども、私は、こうした状況の中で今後の見通しですね、これは何地点このような現状でつくられるのか、この点についてまずお伺いをいたしたいと思います。  それから、時間でございますので、もう一つ続けて質問をいたしたいと思いますけれども、これはちょっと矛盾しているのですけれども、昨年の産業技術審議会で出されました「サンシャイン計画の可速的推進戦略」と題する中間報告がございますけれども、これを見てみますと、「五十年代後半から全国における十五−二十五万KW級の大規模深部地熱発電の本格的開発を促進し、昭和六十五年までに、数地点−十地点において合計百五十万KW程度の大規模深部地熱発電の開発を図る。」ということになっておりますが、この問題については、一九九〇年に百五十万キロワットというのは、これはどういうところから出てきたものなのでしょうか。政府は三百五十万キロワットということを需給計画で発表しておりますし、見通しを出しておりますので、これらの関連についてまずお伺いをいたしたいと思います。

森芳太郎日本重化学工業株式会社専務取締役

○森参考人 先ほど、現在十六万八千キロワット発電を続けております発電所は、深さが千から二千メートルの蒸気を使うというお話でございますが、そのとおりでございまして、大体いま世界各国で開発されているのは、先ほど申し上げました浅部熱水系による発電をやっているわけでございます。出力規模が、大体単機容量が五万キロワット、わが国では五万キロワットでございますけれども、これはどうして五万キロワットにしたかというような、いろいろな経済的な理由その他ありますけれども、私どもの場合、実は葛根田の地熱発電所を二十万キロ程度の開発計画をつくりまして環境庁に申し入れたのでございますが、一遍に二十万もやらないで五万刻みにした方がいいというようなお話で五万にしたわけでございます。その他の地域も大なり小なりそういったことはあったと思われますけれども、一応日本では五万キロワットでございます。最近のアメリカの地熱発電所は、やはり浅部熱水系のものでも十五、六万キロワットのものが常識的になりつつありますので、これからはこの三倍規模のものがつくられていくだろうと思います。それで、先ほど、開発目標計画で六十五年までに三百五十万キロというお話を申し上げたのでありますが、十五万キロワットのもの、これは地域の中で幾つかの発電所ができるわけでございます。地域と申しますのは、葛根田地域というのは大体三キロメートルに八キロメートルぐらいの範囲の地熱のエリアがございます。その地域の中に幾つかの発電所ができる、そういうことで、さっきも申し上げたように、葛根田周辺で現在六十万キロくらいのものが開発可能という自信をわれわれは持っております。そういった地域が六つあれば三百五十万になるわけでございます。日本全国の地熱の分布状況をいろいろ見たり、私ども行ったところも大分ございますけれども、そういうところの六地点くらいは容易に見つかるはずでございますし、すでに見つかっていると思うわけでございます。もちろん三百五十万キロというのは相当な努力は要りますけれども、達成は不可能な数字では絶対にございません。  それから深部熱水系は、大深度の熱水系をこれから開発して、ワンユニット十五万から二十五万くらいのものをつくっていくというようなことでございますけれども、大深度熱水系を十地点というようなことが書かれてあったようでございますが、いま私どもの会社で開発をしております松川とか葛根田の方でも、約二千五百メートルくらいのところに古い地層がきておりまして、そこと新しい地質との間に非常に物理的な性質の異なった地質が重なり合っているわけでございます。そういうところは、地殻の褶曲運動などがありますと、岩石の間にすき間ができまして、そこに地下水がたまりましてそれが加熱されてくる、そういうものが蒸気として当然取り出されるわけでございます。いま豊肥でやっております四、五千メートル掘っていくという技術を浅部熱水系のさらにちょっと深いところ、中深度熱水系というか、そういうところにも利用できるはずでございます。そういったものも含めますと、十地点以上を超しまして、先ほどお話がありました百五十万キロワットをはるかに超える数字になるはずでございます。  そういうことで、豊肥地区で現在研究開発中の大深度熱水系の技術というものは、浅部熱水系にも応用できるものでございまして、そういったことから考えますと、発電出力規模は、サンシャインでこの間出されました数字は十分に達成できるというふうに私どもは信じております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 どうもありがとうございました。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 次に中井洽君。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 民社党の中井でございます。本日はどうも御苦労さまでございます。  野瀬参考人にお尋ねをいたします。過日公害の委員会でお尋ねをいたしましたことと重複するかもしれませんが、長期需給見通しの、昭和六十年度で一億トン余り、まあまあ世界の石炭の輸出量の半分くらいの量を、石油に比べれば確保はしやすいだろう、こういうお話があったようでありますが、確保はできるといたしましても、灰の処理をどういうふうになさっているのか、これは可能なものか、その点についてまず一点。  それから液化の技術というものが現在どのくらい進んでおるとお考えになっていらっしゃるのか、この点が二点であります。  それから三つ目は、海外で日本の会社が新鉱開発をするときに、この新機構で投資をしていくということでありますが、日本の会社だけではなくて、海外の国あるいは海外の会社がそういった新鉱開発をするときに、日本も積極的に資金援助をこういう機構の中でしていくべきだと私どもは考えておりますが、その点について参考人としてどのようにお考えになっているか。  以上三点についてお答えをいただければありがたいと思います。

野瀬正儀電源開発株式会社副総裁

○野瀬参考人 ただいまの先生の御質問に対しまして、灰捨て場の確保、これにつきましては非常な問題であろうと存じております。私どもは、石炭火力を進めていきますトラブルの中に、灰捨て場をどうやって確保するか、これが一番問題であって、頭を悩ませておる次第でございます。いろいろと方法を考えておりますが、どこか離島のところへ一つの大きな灰処理場をつくりまして、そこへ集約的に集めていくとか、そういうことでもしない限りなかなか解決がしにくいのではないか、こう思っております。いまのところではこれに対する成算がございません。  それからさらに、灰捨てに関しましてもう一つ。ただいま国ではこの灰というものが管理型産業廃棄物でございまして、つまり毒物に相当するわけでございます。したがいまして厳重な管理が必要でございますが、いまのところ石炭灰は肥料にも使われますし、その他いろいろなものに使っても決して毒物ではございません。したがいまして、事実と法律では少し矛盾をいたしておりますので、これからできるならば管理型でなくて安定型の方に法律改正をしていただきたいと思っておる次第でございます。  それから、その次に石炭の液化の問題でございますが、この液化につきましては、通産省御当局からSRCIIの評価を委託を受けましてやっておりますが、そのほかに私の方でもソルボリシス法を研究材料にしまして、ただいま長崎で工場の中に一トン・パー・デーという非常に小さなプラントをつくりまして進めております。しかしこの程度のものでなくて、もっと大規模な、高温で高圧でしかも非常に大きな設備をつくりませんとやはり実現はむずかしい。しかし、それには日本だけでなくて世界じゅうが集まって、人造石油と申しますか、そういうものをつくっていくことが必要ではないかと思っております。ただいまのところでは成算があるように感ぜられておりますので、できるだけ早くこれに参加して、そうして早く進めることが大切ではないかと思っております。  それから、海外の投資につきましては、ただいま申しましたようなエクイティーの取得ということもございますが、そのほかに、石炭を生産します場所が港から三百キロとか四百キロの遠距離にございまして、その間を輸送する手段、鉄道とか港湾とかそういうものに相当の投資が必要でございます。     〔塩川委員長退席、渡辺(三)委員長代理着席〕 そういうものはこのエクイティーの取得と別に、日本でも相当投資していかなくてはいけないのではないか。投資しても、御承知のように外国の炭鉱は炭層も厚く、そうして露天掘りが多く、生産コストが安いものですから、そういうインフラストラクチュアをカバーできるものだと思っております。  なお、この石炭の生産場所がやはりあちらこちら離れておりますけれども、比較的未開発国でなくて既開発国に散らばっておりますので、将来経済的に安定した石炭が取得できるのではないかと思っております。  以上お答え申し上げます。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 野瀬さんにもう一度お尋ねをいたします。  先ほどの御意見の中で、新しい機構ができればそれを補完してて代替エネルギーの開発を大いに進めていきたい、こういうお言葉がございました。なかなか参考人のお立場からは言いにくいかもしれませんが、実は私どもこういう機構はもっと早くから必要であろうし、もっと強力に代替エネルギー政策を進めてこなければならなかった、このように考えております。しかし、現時点でこういう形でつくると屋上屋を重ねるような部分が出てきはしないか、あるいは石油代替エネルギー政策が二重三重になって混乱が起きないか、そんなところをかなり心配をしているわけであります。また、電源開発の御社と新機構とかなり同じ形の、目的が重なる部分が出てこようかと思うのであります。そういったところの調整等がこの機構ができたときうまくいくとお考え——と言うのはおかしいのでありますが、お考えか、あるいはどのように調整をつけていかれようとされているのか、その点をお尋ね申し上げます。

野瀬正儀電源開発株式会社副総裁

○野瀬参考人 昭和五十二年から通産省と受託契約を結びましてサンシャイン計画のプロジェクトを進めてまいりましたが、当時といまと比較いたしますと飛躍的に代替エネルギーが必要だという時代が参ってきました。五十二年度の付近ではそれほどまだ切迫した感じではなくて、しかし将来のためにぜひこの新エネルギーを開拓していこうという気持ちで、パイオニアの精神程度でやっておったのでございますが、いまはもうそういう悠長なことは言っておれない時代でございますので、この際この新エネルギー、代替エネルギーを加速的に飛躍させるにはやはり新しい機構が必要ではないか。御承知のとおり電源開発会社は創立以来二十八年の歴史を持っておりますが、その間でやりましたものは水力開発、それから石炭、わずかな地熱、その程度でございまして、それらのエンジニアというのはむしろ物理系のエンジニアが必要であり、またそれが非常に育ってきた。しかし化学的な、ケミカルのエンジニアはつい最近でございまして、火力発電所の脱硫、脱硝、温排水の処理、そういうものから出てまいりまして、物理系のエンジニアに比べまして化学的エンジニアはわりあいに層が薄うございます。したがいまして、今度新しく新エネルギー開発機構をおつくりになる場合には、私たちの希望としてはあらゆるところから、学者、経験者あるいは官庁、そういうあらゆるところから優秀な技術者をお集めになって、そして大きく進めていかなくてはいけないのではないか。私の方はその点では、ハードな設備をつくるとかそういう面では非常に優秀でございますので、研究段階でこれから実用に入ろうというときには私の方を御利用いただければ結構だ、そういうぐあいに感じております。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 森参考人にお尋ねをいたします。  おととしでしたか、私も葛根田の方へ見学に行かしていただきまして御説明を受けたわけであります。そのときにお聞きしたようなことと同じような御意見で、なかなか地熱開発進まない、大変だろうと思うのでありますが、今回こういう形で新エネルギー機構がつくられる。私どもは先ほど申し上げましたように、逆にお金だけを思い切って投入して民間にお任せした方が早いんじゃないか、こういう機構の中で民間の力を借りるというようなことをするよりも、逆に皆さん方に思い切ってお金を出していく、援助をしていく、そして民間の力に頼っていく、そして官公庁は通産と環境庁との間での公害あるいは先ほどからお話ございました国定公園の問題等の片づけをする、そういった方が早いんじゃないかというような感じを実は率直に抱いているわけでございます。そういった点について、これまたお答えにくいかもしれませんが、何か五社で寄って公団、公社をつくってくれというような要請をなさったというようなお話ではございますけれども、率直なところどのようにお考えでございますか。

森芳太郎日本重化学工業株式会社専務取締役

○森参考人 ただいま民間の活力といいますか、そういったものを利用して資金援助を極力やって、官側では通産と環境庁その他との調整をやったり、やりやすくするような方向で行政指導をしたらいいんじゃないかというようなお話がございますが、本当にごもっともなお話でございます。地熱の技術そのものといいますのは、一つ一つは日本は決して世界的にレベルは下ではない、むしろ上に行っているものが相当あるわけでございます。地熱の開発はいろいろな技術を使いまして、機械、電気、化学、物理それから地質、そういったいろいろな技術の集合された一つのシステムエンジニアリングといいますか、そういったものから地熱の開発が行われるわけでございまして、そういった意味で民間の力をフルに使うということは非常に貴重な、ごもっともな御意見だと存じます。     〔渡辺(三)委員長代理退席、塩川委員長着席〕  それから資金の援助の問題も、発電所というのはどの発電所も同じでございますけれども、建設に長期間を要し、多額の資金を要する。ことに地熱の場合には先ほども申し上げましたとおり、ボーリングをしたりパイプラインを引いただけでは価値というものは何もございませんで、油ですとどこかへ持っていけるということもありますけれども、蒸気や熱水は遠くへ持っていくわけにはいかぬわけでございます。そういったものでございますので、したがって先ほど申し上げたように、具体的に言いますと担保には絶対にならないというようなこともございます。そういったことで資金的な援助をしていただくのはこれからの開発には非常に大きな力になるものと思います。  そのほか、先ほども申し上げましたとおり、開発を保護する権利といいますか、そういったものの法制化というのはぜひやっていただきたいということをあわせてお願いする次第でございます。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 時間ですので終わります。ありがとうございました。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 参考人各位には長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきましてまことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。お引き取りいただきまして結構でございます。  本会議散会後開会することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後零時三十九分休憩      ————◇—————    午後四時二十分開議

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 休憩前に引き続き連合審査会を開会いたします。  内閣提出、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案の審査を行います。  まず御出席の参考人を御紹介いたします。  日本石炭協会会長有吉新吾君。関西電力株式会社社長小林庄一郎君。東京大学教授神谷佳男君。京都大学教授佐藤進君。以上四名の方々に御出席を願っております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  参考人各位には、御多用中のところ本委員会に御出席いただきましてまことにありがとうございます。  本日は、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をいただき、今後の、審査の参考にしたいと存じております。  なお、議事の順序でございますが、最初に御意見をそれぞれ十五分程度お述べいただき、次に、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。  なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願います。  それでは、まず有吉参考人にお願いいたします。

有吉新吾日本石炭協会会長

○有吉参考人 私は、日本石炭協会の会長をいたしております有吉でございます。  石炭政策につきましては、かねてから諸先生方並びに関係御当局の格別の御配慮をいただいておりますが、四月三日の石炭対策特別委員会に引き続きまして、本日また石炭業界の立場から発言する機会を与えて、いただきましたことをお礼を申し上げる次第でございます。  石炭業界といたしましては、昭和五十二年から今日までの三カ年は苦難の年でございました。円高による市場の混乱及び景気の後退によりまして需給の破綻を来し、貯炭は五十一年度末五十五万トンでございましたものが、五十三年度末には三百四十五万トンに達し、この二カ年間に二百九十万トンの増加を見せ、そのために資金対策、貯炭場対策に苦労を重ねてまいりました。やむを得ず五十四年度におきましては各社それぞれ生産抑制に踏み切らざるを得なかった次第でございます。その結果、五十四年度の出炭実績は生産千七百七十万トン、その他百万トンの雑炭を合わせまして供給は千八百七十万トンでございました。  五十五年度につきましては、出炭見込み千七百九十万トン、供給見込み千八百九十万トンでございますが、需要面では鉄鋼には六百六十万トンの引き取りをお願いいたし、電力では苫小牧、松島の両新設火力向けの引き取りが始まりますし、またセメント、紙・パルプの石炭転換による石炭需要がふえてまいりますので、総需要は二千万トン強と見込まれまして、五十三年度以来苦労を重ねました三百五十万トンの貯炭も、五十五年度末には百数十万トン減少する見込みでございます。  このように、最近石油価格の高騰から需要業界の石炭転換が急速に進められ、石炭への日差しが見え始めたかに見えますけれども、しかし、国内炭の収支は依然として大きな赤字でございまして、このままでは生産を維持していくことが困難になることは必至でございます。五十五年度は、電力料、金利を初めとする諸物価高騰によるコストアップ要因が重なり、五十四年度炭価アップ前でトン当たり約千六百円の赤字と見込まれますが、この赤字の解消こそ国内炭維持の大前提として取り上げていただきたいのでございます。われわれといたしましては今後とも精いっぱいの企業努力をいたす所存でございますので、総合エネルギー政策の中で国内炭の位置づけを確立していただき、その中でかねての私どもの主張どおり、国内石炭の経営が何とか回っていけるような炭価の合理的なルールが設定されることを希望しておる次第でございまして、この線に沿いまして今後御相談申し上げていきたいと思っておる次第でございます。  炭鉱にはそれぞれ設備の限度能力がございまして、その設備増強が整えば出炭能力は増大されますが、それにはある程度の時間を要します。現在運搬の合理化、入昇坑時間の短縮化等の設備の増強、合理化に努力をしているところでございまして、それが整いますれば五十万トンないし六十万トンの生産増となりますので、ほぼ二千万トンの供給体制は今後維持できると考えておる次第でございます。  次に、海外炭の開発輸入でございますが、われわれ石炭業界といたしましては、海外炭の開発輸入の必要性を痛感しておりまして、海外炭開発の場合、長期安定的に日本に輸入するためにはエクイティーを取得の上、わが国の技術及び資金を持って相手国と協力して調査、探査、開発に当たり、企業経営に入り込むことがぜひ必要であり、それが石炭確保の最も確実な方法と考えております。そのため、すでに十数年前から海外炭調査に乗り出し、また数年前からそれぞれ各社が海外開発会社あるいは海外開発部門を持ち、地質、採掘、機電、選炭等の技術者を配して調査、開発に積極的に努力しておるところでございます。  最近五カ年間で資源エネルギー庁、合理化事業団の補助金を受けまして実施いたしました開発可能性調査、地質構造調査は、米国、カナダ、豪州、ニュージーランド、インドネシア等二十四件に及び、探鉱資金貸し付けを受けての地質構造及び炭量調査は豪州、カナダの五件がございます。そのほか通産省経済協力課の補助金を受けまして、南米、アフリカの調査を実施いたしました。  一例として豪州一般炭開発の状況を見ますと、わが国石炭企業がエクイティーを取得いたしまして調査あるいは開発中のプロジェクトとしましては、リスゴー、バードロック、ドレイトン、ウォークワース、マウントシュガーローフの五プロジェクトがございまして、さらに商社、電発等がエクイティーを取得されているものは、私の知る限りにおきましてはこのほかに十二プロジェクトがあると聞いております。  また、御高承のとおり中国では輸銀ローン対象といたしまして七炭鉱、補償貿易あるいは合弁方式として四炭鉱の案件がございますが、これらにつきましてもできる限りの協力をいたす所存でございます。  今年初め、電力側でも共同で石炭資源開発株式会社を設立されて海外開発の活動を開始されたと聞いておりますが、今後は石炭企業、需要家だけでなく、官民が協力いたしまして海外進出を図ることが必要であるかと考えております。  次に、石炭利用技術の問題でございますが、石炭業界は、昭和三十五年に石炭技術研究所を設立いたしまして、保安生産技術、選炭加工利用技術につきまして、政府の助成を受けながら研究してまいりました。  さらに、時代の要請にこたえまして、昭和四十九年、石炭ガス化研究部を新設いたしまして、低カロリーガス化の実験に着手し、昭和五十三年にはさらに石炭利用技術部を加えまして、石炭の利用技術の開発に努力をいたしておるところでございます。  石炭技術研究所といたしましては、国の助成のもとに、電発、関係メーカーとの共同研究で、石炭火力用乾式脱硝技術、流動床燃焼技術、石炭油混焼技術、微粉炭の有効利用、成形コークス製造技術の開発に、昭和五十三年度三億五千七百五十万円、昭和五十四年度三億八千五百八十万円の事業費を費やし、昭和五十五年度は以上の五テーマのほかに石炭灰の有効利用を加えまして、事業費は二十八億七千四百八十万円の見込みでございます。  最後に、新エネルギー開発機構についてでございますが、石炭産業は、石炭鉱業合理化臨時措置法のもとで、石炭鉱業合理化事業団を通じ各種の助成を受けてまいりました。海外開発関係もこの合理化法のもとで運用されてきたのでございますが、今回の法案によりますと、石炭鉱業合理化事業団は新エネルギー開発機構に吸収され、海外開発関係は合理化法から離れまして新法で運用されることになりますが、さきに述べましたように石炭業界といたしましては積極的に海外開発に取り組む考えでおりますので、今後の運用につきましては特段の御配慮をお願いする次第でございます。  以上、石炭業界の考え方を申し述べましたが、先生方の御理解と御支援をお願いいたしまして、私の陳述を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 次に、小林参考人。

小林庄一郎関西電力株式会社社長

○小林参考人 開西電力の小林でございます。  本日は、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案の御審議に当たり、電気事業を代表し、参考人として陳述の機会を与えられましたことに対し、厚くお礼を申し上げます。  また、平素は諸先生から電気事業に対し何かと御指導、御鞭撻をいただいておりまして、この席をおかりし、重ねてお礼申し上げる次第でございます。  さて、脱石油はいまやわが国のエネルギー政策にとって最大の課題であり、電気事業におきましても代替エネルギーの開発に主導的な役割りを果たすべく鋭意努力を傾注いたしておるところでありますが、本日はせっかく与えられました機会でございますので、まず電気事業の取り組み方の一端を御説明申し上げたいと存じます。  わが国のエネルギー政策は、石油の安定確保を前提に、石油代替エネルギーの開発と省エネルギーの推進を二本の柱として樹立されておりますが、特にエネルギーの加工産業とでも申すべき私ども電気事業の立場から申しましても、昭和四十八年の第一次石油危機による体験は、改めて石油依存からの脱却の緊急性を痛感させられるものでございました。  もとより電気事業といたしましては、石油にかわる発電用の一次エネルギーとして早くから原子力に着目し、その開発を進めておりましたが、四十八年時点では出力にして二百三十万キロワット、発電量に占める割合はわずか二・四%にすぎなかったのでございます。しかし、五十二年度には八百万キロワット、さらに昨年末には二十一基、千四百九十五万キロワットとなり、五十四年度の総発電量の一五%を賄うに至っております。また、私どもの今回の電気料金の改定におきましても、石油価格の暴騰を背景に、コスト面でも相対的に原子力発電が有利となり、その必要性が一段とクローズアップされましたことは御承知のとおりでございます。また、今後とも増加する電力需要に対し、安定供給いたしますためには、資源の少ないわが国にとって石油代替エネルギーの重要な柱は何と申しましても原子力であり、原子力を中心としたエネルギーを考えずに国の経済の安定はないと申しても過言ではないと存じます。したがいまして、昨年末電気事業審議会需給部会の中間報告に掲げられております、昭和六十年度二千八百ないし三千万キロワット、六十五年度五千百ないし五千三百万キロワット、七十年度七千四百ないし七千八百万キロワットの開発目標に対し、これを達成するには非常な困難を伴いますけれども、私どもはこの目標達成に全力を傾注する考えでございます。  そのためには、軽水炉技術につきまして、これを自家薬籠中のものとすることにより、安全性の確保と安定運転の実績を上げ、国民の信頼を一層深めることが肝要であると考えております。そうして当面の軽水炉の定着化を図るとともに、さらに高速増殖炉の開発を急ぐべきでありまして、私どもは従来以上に積極的にこの路線に沿った原子力の開発を進めていく覚悟でありますので、政府御当局はもちろんのこと、諸先生方には、原子力がわが国の経済の根幹をなす代替エネルギーの代表として、従来以上の御理解と御協力をお願いする次第でございます。  また、汽力発電用の燃料につきましては、電気事業は原重油一辺倒から可及的速やかに脱却し、その多様化を図るため、LNG、LPG、石炭等の開発利用を進めてまいりました。特にLNGにつきましては、私どもはこれまでその開発導入に非常な努力を傾けてまいりましたが、さらに国の長期エネルギー見通しを見ましても、エネルギー供給に占めるLNGのウエートが五十二年度実績の二・九%から七十年度には八・七%に高まっておりまして、これからもLNGに対する期待の大きさがうかがえるのでございます。わが国のように狭い国土で、しかも世界一環境規制の厳しい中においては、LNGは欠くことのできない良質の燃料であり、また、石油代替エネルギーの有力な柱の一つとして、私どもは今後とも導入拡大を図るとともに、その安定確保のため調達ソースの多様化を図っていく所存でございます。  また、石炭につきましては、御高承のとおり、世界的に見て非常に埋蔵量が多い資源でありますので、私どもは、今後この石炭の有効利用を真剣に検討しなければならないと考えております。しかし、石炭を火力発電所用の燃料として大量に利用するにつきましては、立地面、環境面、流通面等で克服すべき問題が非常に多いわけでございまして、これら幾多の課題を早急に解決し、官民を挙げてその実現を図らねばなりません。  他方、国内的なエネルギーとしては、規模は小さくとも、ホームメードエネルギーとしての価値の高い小水力の開発あるいは深部地熱の利用促進といったものがあり、さらに長期的な課題としては核融合を初め、太陽エネルギー等の新しいエネルギーの利用についての研究開発を急がなければならないと考えております。  以上いろいろ申し上げましたが、このたび石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案が提出されましたことは、現下の諸情勢のもとでは当然のことであり、私ども電気事業者としては一日も早く成立実施されるよう希望する次第でございます。  そこで、本法案にかかわります新エネルギー総合開発機構につきまして若干の意見を申し述べたいと存じます。  第一点といたしましては、新機構は当初から膨大な組織とせず、簡素にして効率的かつ強力なものにしていただきたいということであります。  今日のわが国における代替エネルギー開発の緊急性にかんがみまして、研究体制は最も効率的なものにする必要があり、たとえば研究、組織単位も固定的、永続的なものでなく、一つの研究が終了するあるいは目鼻がつくといった場合には、自由に改組、組みかえのできる弾力的なプロジェクト方式がぜひ必要であると考えております。  さらに、これはすでにお考えのところとは存じますが、研究活動を活発なものとするため、民間との共同研究、委託研究を併用し、研究成果の相互乗り入れといったシステムの導入が大切ではな。いかと思います。  電力業界といたしましても新機構が実施いたします研究開発につきましては、エネルギー産業としてこれまで蓄積してまいりました技術と経験を生かし、全面的な協力を惜しまない考えでおります。そのために、私どもの既存の研究体制、たとえば電力中央研究所を新機構との共同研究の受けざらとしてその整備を図ってはどうかとも考えている次第でございます。  第二点は、新機構で取り上げられます研究開発項目についてであります。  すでに新機構におけるテーマ及び予算配分については詳しく御検討がなされていると承っておりますが、研究テーマ、課題については総花的なものではなく、新エネルギーの実用化時期や経済性を十分御勘案いただき、優先順位をきめ細くまた明確にして取り組んでいただきたいと思います。また、あるテーマにつき研究の途中でありましても、客観的に見込みなしと判断いたしたものにつきましては、時期を失せず、より効率的なテーマに転換するといったことも長い目で見てあるいは必要ではないかと思うものでございます。  第三点は、新機構の運営委員及び役員には民間企業の経営経験の豊富な人材の登用を図るとともに、研究部門にも官、学、民から優秀なスタッフを結集する必要があるということであります。これによりまして新機構の運営と研究活動に活力と弾力性を期待し得るのでございまして、この点を含め組織、人事等十分御配慮いただきたいと存じます。  次に、代替エネルギーの開発目標についてでございますが、長期エネルギー需給見通しの策定におきましては、ともするとエネルギーの総需要量から石油を中心とするエネルギー供給可能量を差し引き、その残余を代替エネルギーと省エネルギーに負わせるということになりがちでございまして、これでは国民に対しいたずらにエネルギーの見通しについて楽観的な見方を植えつけることになろうかと懸念いたしております。やはり本来は石油代替エネルギーの供給目標については、その実用化の目途及び問題点を国民の前にはっきり示し、代替エネルギーの開発と省エネルギーの推進の必要性について官民一体となって国民のコンセンサスを得るよう努力を重ねていくことが肝要であると存じます。  さらにそうした一般論と同時に、原子力や石炭火力の立地にかかわる個々のパブリックアクセプタンスにつきまして電気事業は最大限の努力を傾ける所存でございますが、政府御当局も国の立場から積極的にこれを推進していただきたいと念願するものでございます。  最後に、もう一つの国家的課題であります省エネルギーについてでございますが、私ども電気事業といたしましては、これまで申し上げましたように石油代替エネルギーの開発に積極的に取り組んでまいりますと同時に、省エネルギーにつきましても、電力を供給する立場から最も効率的な発電及び送電、変電、配電を通じてのロスの軽減など、最新の技術を涵養してまいる所存でございます。それと同時に、電気をお使いいただく消費者の方々にも、その量の大小を問わず、電気の効率的な使用についてこれからも強力に訴えてまいりたいと考えております。要は、日本経済の安定成長はエネルギーの確保なくしては達成できないということを国民に正しく周知し、理解を得ることであろうかと存じます。その上に立って官民挙げて新エネルギーの開発に取り組むとともに、国民一人一人がエネルギーの効率的使用について一層努力を傾けることが、資源に恵まれないわが国にとって国際的にも最重要課題であることを申し上げ、私の陳述といたします。  まことにありがとうございました。(拍手)

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 次に神谷参考人。

神谷佳男東京大学教授

○神谷参考人 東京大学の神谷でございます。  本日は、石油代替エネルギーとしての石炭液化につきまして意見を述べることを許されまして、大変光栄に存じております。  石炭は、御承知のように化石燃料資源といたしましては最も豊富に存在する資源でございますが、そのまま燃料として用いますと、輸送とか貯蔵に不便でありますし、発熱量も余り高くありませんし、灰分も多いということで、また燃焼の際にはスモッグとか窒素酸化物を生成しやすい。そういう環境上の問題もございまして、その点でも液体燃料に変換するということが有力な対策と考えられているわけでございます。  石炭液化による液体燃料の合成法につきましては、第二次大戦中にドイツが多大の困難を克服いたしまして、大規模に、これは年間数百万トンという規模でございますが、工業化した歴史がございます。戦後最も熱心にこの問題と取り組みましたのはアメリカでございますが、将来の石油資源の枯渇ということを考えまして、このドイツのIGプロセスの追試をアメリカは行いまして、また一九六〇年以降では石炭研究局というのを設けまして、石油時代のさなかであったのでございますが、石炭の有効利用ということにつきまして着実な研究を続けてまいっております。  この石炭液化プロセスは、戦後のいわゆる石油低価格時代と申しますか、そのころには全く経済的に成り立たないというふうに考えられていたのでございますが、御承知のような最近の石油情勢になりまして、急速な開発が要望されているわけでございます。  アメリカでは数種類のプロセスがすでに数年にわたりますところの連続試験を終了しておりまして、現在大型のパイロットプラントの段階に移行しておりますが、いずれも石油精製の技術を利用しているという点で、ドイツのプロセスに比べまして非常に無理がございませんで、工業装置としても非常に可能性が高い。経済的にもかなり実現性があるというように評価されております。  固体である石炭を液体燃料にするのにはまずどういうふうにするか。ちょっと専門的なお話になりますけれども、まず最初の段階では石炭を溶剤の中に溶かし込みまして、それで、第二段階でその溶解したものを触媒を使いまして水素化分解をするというのが非常にオーソドックスな方法でございます。アメリカでは、一九六〇年代でございますが、こういうふうな考え方に基づきまして、コストの高い水素がコストが高い原因になりますので、これを余り使わないでまず石炭を溶解させる。それで灰分を含まないピッチ状の物質でございますが、これは最近ではSRCとか溶剤精製炭とか呼ばれておりますが、そういう物質をつくるというプロセスを研究いたしまして、この方法が成功いたしまして、この考え方、まず石炭を溶かしておいて、それから触媒を使って水素化分解をするという考え方がアメリカのプロセスの基本になっております。それで、ピッチ状のこのようにしてできました物質を触媒を用いまして水素化分解し、さらに小さい分子にいたしませんといわゆる石油のような液状のものにはならないわけでございます。  ここで石炭でございますが、石炭というのは均一のように見えますけれども、実質はかなり不均一なものでございまして、その成分も非常に液体になりやすい部分とそれから液体になりにくい部分とございます。それで石炭を完全に液化しようということに固執しますと大変なんでございますが、必ずしもこういう方法にこだわらないで、液化しやすい部分だけを液化して、液化しにくいところはガス化でもいたしまして燃料ガスにする、あるいはその他の用途に向けるというような方法が適当でありまして、こういうところのバランスをさせるというのがアメリカの方法でございます。ですから非常に現実的な方法でございまして、余り無理をしないということでございます。  西ドイツでも実は石炭の液化というプロジェクトはかなり推進されておりますけれども、一つはアメリカと協調いたしますけれども、新しいドイツプロセスというのが現在考えられておりますが、それはアメリカのプロセスの影響を非常に受けておりまして、戦争中のプロセスを改良いたしまして、さらに圧力の低いところでやるというようなことを考えております。ですから、最近の石炭液化技術は既成の石油精製技術の組み合わせと改良の延長にございまして、一日二百トン程度の石炭を処理するプラントの操業はそれほど支障がなく運転できるものと予想されておりまして、現在アメリカでは一日二百五十トン規模のプラントが、これですともう戦争中のドイツでやっていた工業プラントと同じものでございますけれども、現在アメリカではパイロットと言っておるわけでございますが行われるであろう。それは近々のうちにスタートする予定でございます。  それから、御承知のようなSRCIIというプロセスは一日六千トン規模のものでございますが、六千トン規模となりますとこれはやはり非常に大型の装置になりますのでそう簡単にはいかないかもしれない。多少の年月がかかってから正常運転になるのではないかというように考えられております。それから非常に大規模な場合でありますと、恐らくメーンのところはうまくいくでしょうけれども、いろいろな部分が未経験でございますので多少時間がかかるということを懸念する向きもございますが、しかし大筋はパイロットの段階で確立しておりますので、何とか動くのではないかというふうに考えられております。  しかしながら、このようなリスクを伴います大型試験の実施といいますものはわが国単独ではとてもできるようなものではございませんで、非常にスケールが大きいということで国際的な協力が必要でございまして、そういう大型につきましてはまず国際協力を行って、いわゆるエンジニアリングデータと申しますけれども、それを習得しまして、これのデータを基本にしまして新しいプロセスに適用していくというのが最も適当かと思います。  今後の技術における改良の主眼ということでございますが、これは恐らくピッチ状物質と残渣の分離、あるいは重質成分と申しますけれども、ピッチ状物質の水素化分解に有効な触媒を開発することであるというふうに考えられております。これはなぜかと申しますと、たとえばSRCIIではピッチ状物質を全部ガス化いたしまして、これから水素をとるあるいは燃料ガスをつくるということを考えているのでございますが、全体の装置のバランスからいいまして非常にガス化の部分が大きくなるであろうというように考えられておりますので、そういう点の改良などが行われるかもしれないということでございます。このような点で、ピッチ類を溶剤によりまして分離しまして、すぐれた触媒により水素化分解するという技術が確立されますと、合成石油の収率は増加いたしまして合理的かつ経済的なプロセスが誕生するということになると考えられます。また、原料の石炭の選択というのも非常に重要でございまして、液化に適当な石炭というのを選択いたしますと生成油の収率が増加いたしまして、大変経済的なものになるというふうに考えられます。  それから石炭液化油のコストでございますが、これはプロセスによりまして、幾つかの、プロセスが大型のパイロットの段階になるわけでございますが、生成油の品質が違いますので、直接比較ということはできませんですが、昨年の夏の時点でSRCIIプロセスで一バレル当たり約二十五ドルと発表しております。それからHコールでは三十四ドル、EDSでは二十九ドルと言っておりまして、また最近EDSでは三十六ドルという数字を出しております。いずれにしましても多少の差はございますが、やはり一バレル当たり三十ドルないし四十ドルというのが大体の推定値でございますので、そろそろ原油と競合できるレベルに近づいているということが判断される次第でございます。なお、石炭液化におきますところのエネルギー効率というのがよく言われるのでございますが、これは大体七〇%前後あると言われております。ですから液化したからといってエネルギー効率が非常に下がるというわけではございません。それから合成油のコストに占める石炭価格の割合でございますが、これも実はデモンストレーションプラントの段階とかあるいはだんだんと商業化が進んでいった場合の段階で変わってまいりますけれども、大体四〇%から五〇%ぐらいであろうということが推定されております。ですから、このような推定を基礎にいたしますと、石炭を液化して燃料として使うということは、液体であるということの便利さとかあるいは熱効率の問題なども含めますとかなり合理的なプロセスであるということが言えると思います。  石炭液化の場合の一番の問題点と言われておりますのは、プロセスの問題は別といたしますと、建設費が非常に高いというのが欠点でございまして、試算の中の一部をとりますと、たとえば約三〇%が装置の建設費の減価償却とか金利に由来するということが計算されておりまして、こういう点でもやはり国の援助がないとうまくいかないというようなことが言えるのではないかと思います。また、このコストにつきましては、プロセスを簡略化いたしまして工場の建設費を低下させるということが重要なファクターでございますが、また、液化生成物の中には化学製品として非常に有用なものがございますので、それを抽出するなりあるいは化学反応を行いましてフェノールとかあるいはその他の芳香族化合物あるいはオレフィンというようなものを取りまして、化学原料として付加価値の高いものとして回収するということもコストの低減の一つの有力な対策と考えられる次第でございます。  わが国の石炭液化開発研究は主としてサンシャイン計画で推進されてまいりまして、石炭液化につきましてはややスタートが遅かったというようなきらいがあるのでございますが、研究というものにはタイミングということが非常に重要でございまして、また、この液化というのは非常にリスクを伴う分野であるために、これに参加する企業が熱意を持って事態に当たらなければ成功がおぼつかないということがございます。ようやく最近になりまして一般に石炭液化の重要性が認識されるようになりまして、研究開発の機運が高まってきておりまして、これからいよいよ本式にスタートするのではないかというように私どもは考えております。  現在のわが国にとりまして最も重要なことは、約十年後と考えられております実用化を目指して、わが国独自の技術を開発しまして資源保有国と協力してエネルギー資源として最も重要な液体燃料の供給を確保するということにあると信ずる次第でございます。エネルギー資源に乏しいわが国が独自の技術の開発に成功しませんで、他国に全面的に依存するというような事態になりますと、液体燃料の合成につきましても主導権を失うということになりまして、はなはだ憂慮すべき事態になるのではないかと考えられる次第でございます。  申すまでもなくエネルギー問題は長期的な展望に立つことが必要でございまして、基礎研究から開発研究に至るまで、独創的な研究の芽を育てるということが何よりも重要でございまして、まずこの点に沿いましての政策を御推進いただきたいと存ずる次第でございます。  以上でございます。(拍手)

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 次に佐藤参考人。

佐藤進京都大学教授

○佐藤参考人 私は、京都大学工学部に勤めています佐藤と申します。専門としては振動工学講座を担当しているのですが、十年ほど前から科学技術論という講義も行っておりますので、エネルギー問題についても考察する機会がありまして、今日ここに出させていただいたことを光栄に存ずる次第でございます。  最初に前置きとして申し上げたいことは、石油の枯渇を科学技術の進歩が何とか解決するのではないかと一般に考えられているわけですが、そういう考え方は科学技術に対して過大な期待を抱き過ぎているのではないかと思うわけであります。現在の科学技術は石油の上に構築されたものであります。つまり工業上で何か困難が出てきまして科学技術的な対策によって解決しようとしますと、必ずエネルギー、現在では非常に使いやすいエネルギー、石油を必要とします。すなわち現在の科学技術とは、石油を用いて何か仕事をしようとする性質のものであります。  そこで、今日石油の枯渇に直面して石油のかわりになるエネルギーをつくっていこう、そういう科学技術を創造していこうということになるかと思いますが、代替エネルギーの場合、石油のように地球が長年かかって蓄えてくれた、物理学的な言葉で申しますと低エントロピーの石油というエネルギー資源ではなしに、つくっていくという操作が必要で、その操作はエネルギーを有用なものにする、つまりエントロピーの減少を行うということですが、その操作のために石油のような低エントロピーのエネルギーが必要で、それをどこから持ってくるかということが問題になります。  たとえば石炭の場合、石油より使いにくい、有用さが少ない高エントロピーエネルギーですが、それを液化して低エントロピーにするということですが、そのためには低エントロピーのエネルギーが必要です。それにまたエネルギーが食われ、装置も大きくなってコスト高になって今日まで開発がおくれたということになるかと思います。また、先ほど原子力について言われたのですが、原子力でも今日のような稼働率の悪さ、耐用年限を三十年と見ましても、石油をそのまま回すよりも原子力を通して回すと七、八倍のエネルギーが出ますけれども、しかしながらその出てきます高放射能廃棄物並びに低放射能廃棄物その他のものを長年月にわたって管理する費用を考慮しますと、エネルギー収支はほとんどゼロあるいはマイナスになるのではないかという説もございます。またLNGも液化するためにエネルギーが必要です。もっとも液化ということで、それからまたガス化するときに、一つは低い温度ですからそれは仕事ができるわけですけれども、それを有効にするといたしましても、そのことにいろいろエネルギーが費やされるわけです。さらに太陽エネルギーを熱または電気としてとらえる場合、とらえる、つまり低エントロピーにするために多くのエネルギーが費やされ、現在のところコスト高になって開発がまだそう簡単ではないということであります。  このように問題は簡単ではないわけですが、このような前置きをいたしましてこの法律案を見させていただきますと、私はこの法律案は結構だと思うのですけれども、これだけでエネルギー問題が解決するとは考えにくいわけです。そこでちょっとわき道にそれる話になるようにお感じになるかもしれませんけれども、少し意見を述べさせていただきますことをお許し願いたいと思います。  新エネルギーの開発のみでは根本的にエネルギー問題は解決しにくいと申しますのは、第一に今日の大量生産、大量消費の巨大工業システムとそれを支えている科学技術は、使いやすい石油の膨大な使用を前提にして初めて成り立っておる。先ほど申しましたように石油代替エネルギーでとってかえるのはかなり困難だということであります。石油代替エネルギーといっても石油ほど便利で用途の広いものは少ないからであります。またそれをつくるのに石油のような使いやすい低エントロピー資源が必要であるからであります。  そこで石油の枯渇の危機に直面した今日、代替エネルギーの開発や導入を図ると同時に、石油の上に立てられた巨大工業システムのあり方を問わねばならぬのではないかと考えております。巨大工業システムのあり方で問題となる第一のものは、かつて安く幾らでもあると考えられていた石油の上につくられたということで、工業が不必要に巨大化したのではないかということであります。巨大化、大量生産、大量消費ということで使い捨てが奨励され、不必要に多くの商品が生産されてきましたが、現在これを改めるべきだと思います。これを改めても、不必要なものを使っていたのですから私たちの生活の豊かさには余り関係がないと思います。それをなさないと、石油が枯渇した場合私たちの生活、文明は成り立たなくなるのではないかと思っています。  それから、いまの工場原理は原材料を入力として工場に投入し、出力として製品を取り出しているシステムですが、この製品、出力は使い捨てるだけで原材料、入力として還流されることはない、つまり開放系、オープンシステムであります。また、エネルギーもその製造過程に化石燃料などを投入し、消費し切るだけのオープンシステムのものであります。こうした工場原理、工業文明は、それが大規模化すればいつかは資源エネルギーの枯渇をもたらすとともに、空気、水循環系の乱れ、悪化、そこから地球が一つの熱機関として水蒸気対流あるいは空気対流をしておりまして、しかも高エントロピー、つまり汚れを高空で低温放熱、赤外線放射をして大気圏外に放出している機構、そういう一つの熱機関の地球が生きている機構を壊しまして、生物の住めない惑星に変える危険があります。また廃棄物のごみの山をつくって必ず行き詰まると思います。それが現在見え始めてきて文明の危機が叫ばれているのだと思います。そのとき、石油が入手しにくくなったからそれにかわるものだといっても、元来原理的に無理なオープンシステム、開放系の近代工業文明、とりわけそれが巨大化したものを支えることはできないと思います。  そこで私の要望したいことは、新エネルギー総合開発機構に現在の工場原理及び巨大工業システムのあり方を再考する機能を持たしたらということでございます。つまり、新エネルギーの開発と関連して財貨やエネルギーの生産、消費の全システムにわたってリサイクルシステムと申しますか、循環系をどのように形成し得るか、並びに省エネルギーと並んで生活の豊かさと関係のない不必要な物資の消費をやめる、省物資をどのようにしてなし得るかを研究、検討してもらいたいと望むわけであります。  第三に開発機構の組織図を見ますと、石炭、太陽、地熱の各技術グループはございますが、植物から得たエネルギー、アルコールや生物ガスを担当するグループがないことが気にかかります。これは再生型のエネルギーですし、現在のところ太陽エネルギーをとらえる形態は植物にまさる巨大な装置はないと考えております。普通、植物は太陽エネルギーの〇・一%ぐらいしかとらえないのですが、これはC3植物系ですけれどもC4植物というものがございまして、その系統はその十倍ぐらいをもとらえると言われております。これに対する研究や、そこから得られるエネルギーを積極的に利用する技術開発を考えるべきだと思います。たとえば簡単にわらでも、いまわらを郊外で燃やしておりますけれども、外燃機関を使えればこれは非常に有効なエネルギーになるわけであります。なお、生物ガスを得る過程は有機肥料を得る過程でもありまして、有機肥料いわゆるそれが製品としますと、その製品を得ると同時にエネルギーをもその生産過程でつくるという点で、現在の工場原理と異なったもう一つの技術、いわゆるオルタネーティブテクノロジーと言われているものであります。したがって、開発機構においてこの方面の技術グループをも強化していただければと思います。  第三に、太陽エネルギーの直接利用や植物エネルギーを効率的に開発、利用いたしますには小規模のものでよいわけです。と申しますのは、集光板を並べるにいたしましても、それから光を電気にかえるにしましても、規模のスケールメリットというものはないわけでありますから、しかも輸送とかいろいろなものを考えますと小さいものでいいわけであります。そうしますと、どうしてもエネルギーの使用形態から地方分散型、つまり地域の特性を生かしたものになると思います。先ほど申しました生産、消費の循環系、つまり現在文明がオープンシステムになっているわけですけれども、これをクローズドシステム、つまり循環系に変える、そうでないとこの文明が維持できないと思っておりますけれども、それはエネルギー面でも環境面でもそうだと思うのですけれども、そういうぐあいにいたすという方向。そういうことからも生産、消費の全システムを循環系にするということは大きな単位ではしにくい、すなわち小さい単位にならざるを得ないのです。そういうことから考えても、そういうシステムから地域型になると思います。また、地域型にいたしますと廃熱利用、つまり工場からの廃熱を都市や農村が利用するといった、いわばエネルギーコンビナートもつくりやすくなると思います。さらにそれに伴いまして経済構造も地域型になりますので、いわゆる輸送エネルギーも少なくて済むと思います。開発機構は、こうした点をも視座に入れまして検討されたらいかがかと思うのであります。  第四に、石炭、それから地熱を開発、使用いたしますといわゆる環境問題が生じるわけです。また太陽熱・光発電も大規模に行いますと同様に環境問題が発生します。さらに水素エネルギーでエネルギーを蓄える場合も、爆発の危険とか、漏れやすい性質とかあるいは材料に対する強い腐食性、特に低温脆性という問題が発生します。したがって、こうしたものの開発に際しましては環境に対する配慮が必要でありまして、この点はもちろん十分配慮されていると思うのですけれども、開発機構にそのチェック機能を入れたらと思う次第でございます。  私の申しましたことは、いわゆる新エネルギー開発総合機構の機能とちょっと違うかもしれませんけれども、エネルギー問題は単にエネルギー問題にとどまらないで、総合的に考える必要があるという意味であえて申さしていただきました。どうもありがとうございました。(拍手)

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 この際、委員長から参考人にお願いいたします。  委員の質疑は限られた時間内で行いますので、答弁は簡潔、明瞭にお願いいたしたいと存じます。  なお、委員の方々も割り当て時間を厳守するよう御協力をお願いいたします。  これより質疑を行います。質疑の申し出がありますので順次これを許します。粕谷茂君。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員 私は自民党の粕谷と申します。参考人の方々に素人でありますから素朴な質問もあろうかと思いますが、お教えをいただくというような意味においてもいろいろと忌憚のない御意見を述べていただきたいと思います。  初めに小林参考人に原子力の問題についてお尋ねをしたいと思います。  私は、当初御意見を聞くまでは、電気事業者という立場から原子力の代替エネルギーとしてのエネルギー源の位置づけといいますか、重要性というものについてお尋ねしたいと思いましたが、いま御意見の中に、原子力のことを考えずに国の安定はないのだというようなお言葉もありましたし、それから当初原子力の発電量は二百三十万キロワットだったけれども、五十二年には八百万キロワットに伸びてきた、今日では一千四百九十五万キロワットだ、こういう実績を踏まえていただいても有望なエネルギーであるということがおわかりいただけるだろうというような御趣旨の御意見がありまして、私もそういう点そうだなというふうに拝察をいたしておったのでございます。  そこで一つ問題になりますのは、原子力発電にはどうしても電源立地の問題が非常に重要な部分をなしている、こういうように思うのです。住民の協力というか、受け入れ体制というか、パブリックアクセプタンスというようなことがどうしても重要であるので、このことについて具体的に今日までどのようなことをなさってきたか、お聞かせいただければ大変ありがたいと思うのです。

小林庄一郎関西電力株式会社社長

○小林参考人 お答えいたします。  ただいま先生の御質問は、原子力発電所のPAについてどのようなことをしてまいったかという御質問だと拝察いたします。  原子力発電所のPAの最も大事なことは、これは非常に安全であり、安定的に運転されているという状態を一人でも多くの国民の皆様に御理解いただくこと、これがPAの第一の眼目であろうかと思います。実を申しますと、ちょうどその逆のことを、私ども関西電力は現在七基、五百六十七万キロワットの発電所を持っておりますが、早くから着手いたしましたし、また日本で一番たくさん持っておりますためもございますが、トラブル、要するに世間をお騒がせする機会もまた一番多うございまして、昨年などはその最たるものでございました。これが何と申しましても原子力に対する皆様方の不安あるいは地元の住民の理解を損なう第一のものでございます。  それをなくすには、ともかく安全に運転して決して危険がないのだということを身をもって示すことが第一でございます。もちろんそれを皆さんに広く理解していただくためにそれぞれPR館をつくっておりまして、そこで御見学の皆様に簡単な原理を見ていただきましたり、あるいは地元に、これは各戸くまなく広報誌を配りまして、たとえば昨年の三月二十八日にアメリカのスリーマイルアイランドで起こりました原子力発電所の事故の内容について、これは恐らく、原子力発電所を置いております地方ではそのような生のいろいろな情報が入りにくいかと思いまして、手前どもでそれをわかりやすく解説いたしまして、このような経緯で起こったのであって、日本の場合には構造的にもこう違う、また発電所の勤務員、運転員のレベルもこう違うし、このような人為的なミスは起こり得ないのだというようなことをかみ砕いたものを各戸に配らしていただきました。また、平素いろいろな媒体を通じまして。原子力の安全性、また量的にも時間にも経済的にも、これから石油にかわる第一のエネルギー源であるということを、機会あるごとにPRさしていただいております。  簡単に申しますとそのようなことでPAに励んでおるのが実態でございます。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員 そこで、温排水などで温度が一度上がると海水にどんな影響を与えるかとかあるいはそんなことから藻場に魚が卵づけに来ないというようなことが言われておるわけですけれども、科学的知見の確立されていない部分も多少あるかと私は思います。しかし、相当部分は小林参考人がいまおっしゃったように安全性ということはかなり確立されてているということじゃなかろうか、こんなふうに思うのです。  そこで、最近報道されておりますアセス法案の問題でございますが、私は電気事業者の方のごく一部だと思いますが、時期尚早であるというような反対の御意見もあるというふうに聞いておるのです。実際的で現実的なものであるならば、この際環境の評価基準というか、そういった目安をつくってやることが地域の住民に対して、安心料を支払うという意味じゃありませんけれども、そういう意味でも非常に有効じゃなかろうか、こんなふうに思っているのですが、その辺のお考えはいかがでしょうか。

小林庄一郎関西電力株式会社社長

○小林参考人 お答えいたします。  原子力発電所の立地に関しまして、環境アセスメント法の施行ということが恐らく前向きにプラスになるのではなかろうかという御趣旨かといま拝承いたしました。  たとえばいま先生が例示的に申されました温排水の海生生物に対する影響でございますが、これは特に原子力発電所では一つの問題点になっております。これにつきまして現在私ども海生生物研究所の方に、温排水がいまの稚仔、魚卵、藻場等に一体どのような影響を与えるかということを委託研究をしておりますが、いま海生研の理事長のお話では、環境影響評価を定量的にとらえるにはもう五年かかるということでございます。これは非常にむずかしい評価基準でございまして、では一体おまえたちはその辺をわからないままにやっているのかというおしかりをこうむるかもしれませんが、実際には私どもつくりますときには、通産省あるいは環境庁の御指導によりまして環境影響評価書というのをつくります。それには大気、水、騒音その他いろいろな環境に影響を与える要素は全部網羅いたしまして、その場所におけるその時点での最高の知見を求めまして、それを評価書に記載いたしまして提出するわけでございますが、まだ客観的な尺度が確立いたしておりません。それは非常に残念なことでございまして、その都度その都度、私ども影響評価をつくりますのに春夏秋冬の風向あるいは潮流等も見る必要がございますので、データの収集に最低一年は要しますし、その分析あるいは影響評価にさらに六カ月か一年は要しますので、二年はそれに費やしておりますが、これを法制化していただくにはまだ時期尚早だと考えております。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員 小林参考人の非常に微に入り細に入りの御説明で、私もずいぶん知らない面を教えて、いただいてありがたく思っておりますが、ただしかし、現実には今日も説明会をやったり、いろいろと気を配って地域住民との間の話し合いをやっているわけですね。そういう中で不確定要素が非常に多いんだからということで、いまの御説明で研究者、専門家の話では最大限五年くらいの日時が必要だということです。そんなに長く待つようなことになると、先般総合エネルギー調査会が「長期エネルギー需給暫定見通し」というのを出しておりますが、そういう計画にも支障を来してくるのではなかろうかというようなことも私は実は考えるわけです。  そこで、もし法律が、これはできるかできないかわかりませんけれども、できた場合、地方公共団体が上乗せ横出しをしやしないか、もっとどんどん厳しいものをつくりやしないかなというような一つの懸念もあるのじゃなかろうかと思っておるのです。そういう点で、私もそういうことがあったのならば、全国統一的な法律をつくってみても、地方地方によってそれぞれ違った枠がはめられるということになったら無意味じゃないか。こんなことからいろいろ環境庁などにも行って調べておるのですけれども、環境庁の考え方は、地方公共団体が勝手にいろいろと枠をはめるようなことではなく、もしそういう法律ができたらその法律の精神を尊重してもらいたいというようなことを明記したいという気持ちのようであります。そういうような背景もありますので、どんなものでしょうか、もう一度ひとつこの時点でアセスのことについてのお考えをお聞かせいただきたい、こんなふうに思います。

小林庄一郎関西電力株式会社社長

○小林参考人 お答えいたします。  いわゆる電気事業者は、仮にアセス法ができました場合に、各地方自治体がそのアセス法に決められましたいろいろな基準を超えて各地方によって勝手に上乗せする心配がある、したがってこの法に不安を抱き、また反対を申し上げているというような御心配をいただいているわけでございますが、実際発電所をつくりますときに、私どもいろいろな法律に基づきまして許認可をちょうだいいたします。中央の省庁では十二省庁にまたがることでございます。法令では六十六たしかあると思います。その中で一番大きな許認可権を持っていらっしゃるのは知事さん、地方公共団体の長でいらっしゃいます。最後に公有水面の埋め立て権などをお許しいただくのは知事さんで、知事さんが首を横にお振りになっている間は決して発電所はできるものでございませんので、それぞれいま各サイト苦労をして電源をつくっておりますが、それぞれの地方公共団体とは全くコンセンサスを得て、お許しを得て、一体となってその地域の振興のため、また電力の供給の確保のために発電所をつくらしていただいております。したがいまして、各地方団体がアセス法の上乗せをするからという心配は、実を申しますと全然いたしておりません。むしろ先ほど申し上げましたように、まだ科学的な知見、客観的な基準が確立されておりませんので、それが法律になってひとり歩きすることに非常に不安を持っておるというのが本音でございます。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員 お答えは要りませんけれども、私はやはり原子力発電所というのは拡充強化していかなければいけない、新設もしていかなければいけない、そういう前提に立って小林さんたちが仕事をやりやすくしたらどうかという気持ちがあるのです。  端的な具体的な例を言いますと、説明会などをやりますと、活動家というのでしょうか、直接の利害関係者ではないのに全国を駆けめぐって、そういう説明会を専門に押しかけていくような人がいて、地域住民も御迷惑でしょうし、事業者としてもお困りになるような場面が間々あるのだということを仄聞いたしておるわけです。そういうようなことも法律とか規則とかいうようなものができて、きちんと枠組みができていきますれば非常にスムーズにルールが敷かれるのではなかろうか、こんなふうに思って申し上げたわけです。  ちょうど時間になりましたけれども、委員長、一つだけ神谷参考人にお尋ねをさせていただきたいと思うのです。  石炭の液化につきましては非常に高度の御説明をいただきまして非常に勉強になったのでございますが、液化のプロセスの中で非常に膨大な設備投資が要るというお話があったわけでございます。そういうようなことを踏まえて、果たしてわが国ではいつごろから石炭の液化が可能になるのか、ひとつ展望といいますか、見通しをお聞かせいただければありがたいと思うのです。  それからもう一つは、石炭の液化には非常に利点もあるし、それからまた欠陥もあるということをお聞かせいただきました。私も、石油などのように一カ所に集中しておってそこで騒動が起きるとあらゆるところに全部波及していく、石炭は相当散在をしてありますから、そういう意味でも、また日本の周辺にも相当あるということで非常に有利な点もあると思うのですけれども、ただ一つ疑問に思いますことは、この石炭液化のコストが、かつては、私の記憶に間違いがなければ、たしか一、二年前の報道記事で一バレル当たり二十ドルとか二十五ドルというようなことが言われておったと思うのですが、先ほどの御発言によりますと今日は一バレル三十六ドルになっておる。どうも原油価格が上がると石炭の液化値段も上がっていくようなそんな節はないんだろうか、どこかで何かが操作しているんじゃなかろうか、こんなことを思うのですが、二点についてちょっとお聞かせいただきたいと思います。

神谷佳男東京大学教授

○神谷参考人 お答えいたします。  将来の展望でございますが、現在の計画でありますと一番進んでおりますのはアメリカのSRCIIというプロセスでありますが、これが八三年に建設を終わるという目標を立てております。それで八五年には運転のめどがつくのではないかという考えでございます。しかし、そう簡単にいくかどうかという点では二、三年を要するかもしれないと思われます。ただ、ほかのいろいろなプロセス、たとえばエクソンのEDSなども大体九〇年の工業化ということを考えているようでございまして、実はアメリカでは、二、三年前ですともうちょっとのんびりとした計画を立てておりまして、それが昨年の時点でそれをまた非常に促進するというような計画を立てておりますので、ちょっと無理があるのかもしれませんが、大体九〇年度くらいには工業生産されるのではないか。わが国の場合でありますと、非常に多額の投資を必要とするということで世界の最先端を切ってというわけにはいかないと思いまして、ですから、SRCIIには日本も出資をするということに決まっておりますが、それはデモンストレーションプラントでございますが、それがうまくいきますと非常にいろいろな影響を与える。サンシャイン計画ですと、一応それにそろえまして九〇年の工業化ということを考えておりますけれども、それは非常にうまくいった場合でありまして、工業化と申しますのは、実は一日にいたしまして石炭の処理量二万五千トンとか三万トンとかいう非常に大規模なものでございます。それをつくるのに日本のお金にいたしますと恐らく数千億円はかかる、あるいはもっとかかるかもしれませんが、それくらいのものでございますので、急にそういうリスクを冒すことができるかということがございますが、国際的な進行状況からいいまして大体一九九〇年くらいにはめどがつくのではないか。大きなプラントですから、たとえばSRCIIにいたしましても建設するのに大体三年以上かかるわけでございます。ですから、やはり九〇年前後というのがあれではないかというふうに考えております。これはもう先のことでございます。  それからコストの問題でございますが、実はプロセスによりまして値段の方は大分違っております。実はガルフが一番安い値段を言っておりまして、これは、ガルフのSRCHというプロセスは余り精製しません。ですから余りきれいでないといいますか、そういう油でございますので一番安くできるというふうに考えられておりまして、それは確かにお話のように二十ないし二十五ドルということを昨年言っておりました。ただしかし、これの計算の基礎になっておりますのは一昨年のことでございます。一昨年の時点でのいろいろなことを考えての上のことでございまして、SRCIIのガルフの方は一番安く見積もっているわけでございますが、インフレのことなど考えましても三十ドルぐらいと強気に言っておりまして、それに対してはほかの会社の方からいろいろ、それはどうだろうか、ちょっと楽観的過ぎるのではないかというような意見もございます。三十六ドルと申しましたのはこれはエクソンのEDSというのでございまして、それは油の質はガルフのよりは少し水素化しておりますので質がよいということもございますが、エクソンは二十九ドルということを昨年は言っておりまして、ごく最近三十六ドル。ですからかなり幅がございます。石炭の値段は実はそれほどは上がっていないのでございますけれども、これはアメリカでインフレがかなり進行すると申しますか、あるいは石油の値段が上がっておりますので材料が上がっているということで、年間推定いたしますと一〇%ぐらい、一〇%はちょっとオーバーかもしれませんが、たとえばエクソンのですと、八五年レベルでは四十八ドルぐらいになるのではないかという話もございます。ですから、やはり少しずつは高くなっておりますが、プロセスによって違いますので大体のことをお話ししたわけでございます。それが楽観的な観測と、それから悲観的な計算というところでございます。

粕谷茂自由民主党

○粕谷委員 参考人の方々、どうもありがとうございました。私の質問はこれで終わります。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 次に、後藤茂君。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 社会党の後藤茂でございます。参考人の皆さん、大変貴重な御意見を聞かせていただきましてありがとうございました。時間がございませんのでそれぞれ一、二点になるかと思いますけれども、ひとつ御意見を伺わせていただきたいと思います。  最初に有吉参考人にお伺いをしたいと思います。  いまお話を聞かせていただいておりまして、たしか昭和三十一、二年ごろでしたでしょうか、ソフレミンが参りまして、今日の日本の石炭の賦存条件から、また技術水準から考えて七千二百万トン可能である、こういう報告書をいただいた経緯があるわけですね。しかし、石油の時代に入りまして合理化法によってつぶされていって、先ほどのお話では千八百万トンから九百万トンぐらい、努力をして何とか二千万トンというように、お話がございましたような状況に入っております。需給暫定見通しからいきますと二千万トンというのが横ばいでずっと進んでいるのですが、私は最近の石炭開発を見ておりますと、どうもこの二千万トンすら非常に危ないのではないか。現在採掘されております炭鉱にしても老化をするでしょうし、より条件の悪いところを採掘していくということにもなっていくということになりますと、どうしても新鉱開発といいますか、新しい鉱区開発に入っていかなければならない。そこへの投資というものをしていかなければこの二千万トンすら確保ができなくなっていくのではないかというふうに私は思うわけですけれども、どのようなお考えをお持ちであるか。また私どもは、実はこのエネルギーバランスの中では二千五百万トンくらい何としても国内炭は開発をしていきたい、そして脱石油の方向をより強めていきたいという目標を持っているわけですけれども、こういった点について御意見を聞かせていただきたいと思います。

有吉新吾日本石炭協会会長

○有吉参考人 二千万トンの問題でございますけれども、結論を申しますと、私はまあ大体二千万トンというのはそういう規模で進んでいくのではないか、こういうふうに考えております。一部の炭鉱は老朽化していきますし、深部に入っていきますので、出炭規模を多少落とすというふうなところもありますが、一部の炭鉱では石炭事情がこうなってまいりますと多少増産態勢をとろう、こういうところもございますので、私はプラス・マイナスで大体そういう二千万トンを維持していけるのではないか、こういうふうに考えております。  新鉱開発というものはいまの二千万トン維持に入れておらずに考えておりますけれども、全部スクラップして水につけてしまいましたので、これをもう一遍開くということはちょっと不可能でございます。新鉱開発ということになりますとやはり経済的にいいところは残っておりませんので、非常にむずかしい問題だと思います。  こういう見直しのときにはなっておりますけれども、さっきも申しましたように非常に大きな赤字でございますので、そういう赤字の中で石炭を開発するというのは、一体そういう意欲といいますか、要するに国内炭というものは安定して経営をやっていける、こういう見通しがない限りとても、石炭開発したら、新鉱開発したらいいじゃないか、こういう話がありますけれども、一方において大きな赤字をそのままにしておきながらという、そういう矛盾があります。ただ、二千万トンは維持していける、こういうふうに思っております。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 もう一点お伺いしたいのですが、有吉参考人は土光ミッションで一緒に行かれたのですか。——豪州炭の開発ということが非常に大きな話題といいますか、関心の的になっているわけですけれども、これは簡単で結構でございますから、海外炭の一番ホットなニュースとして、午前中も実は電発の方に私御質問を申し上げたわけですけれども、その開発の見通しなり安定的な確保につきましての感触なり、お答えをいただきたいと思います。

有吉新吾日本石炭協会会長

○有吉参考人 一般炭を中心にいたします土光ミッションに加わりまして、けさ帰ってきたばかりでございますけれども、豪州側としましては、かつて原料炭につきまして日本というのはオーストラリアにとりましては非常にいいお得意さんになったわけでございまして、これによってオーストラリアの経済というのは大きく発展をしたわけでございます。それで、今度また一般炭というものが恐らく相当大きな、一千万トンとか二千万トンというようなオーダーでのオーストラリアの期待になりましょうから、これをひとつ第二の、何と申しますか、オーストラリアとしては歓迎する、そういう気持ちが非常に強いと思うのでございます。  そういうことでございますけれども、ただ問題は、一般的にはそういう空気だと思うのでございますが、やはり内陸のインフラとか港湾とか、そういったものを整備しなければならぬわけです。それにつきまして、やはり日本側としてのはっきりした、長期的にどのくらいの石炭を日本が引き取ってくれるのか、この辺をはっきりしてくれと。いう、やはりそれがないと安心して投資ができないというのが、そこがやはり一番問題じゃないか、こう思うのでございます。  それから、日本が石炭をとってくれれば非常に歓迎であるという気持ちはございますけれども、豪州としましては現在は多少外貨収支もよくなっておるというようなかっこうもございまして、中には必要以上のものを輸出する必要はない、こういうふうな気持ちも一部底流にはあるのです。でございますので、こっちが欲しければ、金を出してなにすれば向こうは何でもどんどん喜んで輸出するのだとばかり思ったら、やはり間違いではないか、こういう気がいたします。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 小林参考人に二、三お伺いをしたいと思いますが、一つは、これからの脱石油で、特に関西電力がこれからの開発計画として、いまお話を承っておりますと原子力への自信をより深めていきながら、原子力発電についての取り組みに積極的な姿勢をお話しになられたわけでございますけれども、私もことしの一月美浜を見せていただきましていろいろ考えさせられました。東北電力の女川のあの百十億以上もの補償等も考えていってみますと、これからはやはりあれが一つのべースになりはしないか。そして、さらにまたスリーマイルアイランドだとかあるいは「むつ」の問題とかという、いわゆる日本における核アレルギーの問題等を考えていってみますと、さらにまた、一番稼働率が云々される、経験をお持ちの関西電力といたしまして、そう簡単に原子力発電がスムーズにいくようには私は実は思えないわけです。この暫定需給見通しを見ましても、これからどうでしょうか、十年くらいの間に約三千万キロワット開発していく、その中のウエートというのは関西電力が一番高いのではないかと思いますけれども、大容量ユニットの原子力発電を脱石油のやはり一番の本命とされて、これからも計画の中に組み込んでいかれるのかどうかということをまずお伺いをしたいと思います。

小林庄一郎関西電力株式会社社長

○小林参考人 先生の仰せのとおり、電気事業界といたしましても、また手前ども関西電力といたしましても、やはり脱石油の第一の柱といたしましては、いろいろな困難はございますけれども原子力の開発を進めていきたいと考えております。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 もう一つの問題は、いわゆるローカルエネルギーの開発システムの問題です。  先ほども佐藤参考人の方から分散型という御意見がございました。これからは私たちのいろいろな知恵を出し合いまして、そしてこれまで見捨てられておりました小エネルギー、小さいエネルギーあるいはローカルエネルギーシステムを開発していかなければならない、私はそれがまだほとんど実用化の段階に入っておりませんから問題はないと思いますけれども、各地で地方自治体やあるいは個人や団体等がこれに取り組んでいく、また、私ども委員会の審議の中では、政府もひとつそういった刺激を与えていってローカルなエネルギーを開発していくことをさせるべきではないか、こういうように指摘をしているわけですけれども、そういたしますと、いまの電気事業法との関係というのが出てきはしないだろうかというように考えるわけです。  この電気事業法との関係、それから、これからは積極的に脱石油ということを考えていくと、いろいろな創意をこらして低級なエネルギーというものも大いに利用していかなければならない、それを積極的に進めていくということにしていった場合の問題点あるいは問い直しなりをお考えになっていらっしゃるかどうか、御意見を聞かせていただきたいと思います。

小林庄一郎関西電力株式会社社長

○小林参考人 ローカルエネルギーの開発につきましては、先ほど佐藤参考人のおっしゃいましたように、これからのエネルギー危機を乗り越えますためには、やはり省エネルギーとともに一つの大きな柱になろうかと思っております。たとえば現在都市におけるごみ発電あるいは山奥における小水力、これも五百キロとか干キロとかいう小さなものでまだ未開発のものがございます。そういうものをもう一度見直して電気をつくっていただくということは、私ども大きなロットのものと取り組んでおります者にとりましても、やはり数を集めますと相当の量になりますので、その開発につきましては御協力をしたいと思いますし、またそれによって起こされました電気につきましては、これを私どもの会社が買う、買電でございますけれども、買わしていただきまして、供給力の一部にさしていただきたいと思っております。すでに、たとえばこれは大阪の例でございますけれども、大阪の西淀川にごみ焼却場がございまして、そこでごみをたきまして四千四百キロワットの発電をなすっておられますが、その電力は手前どもが買わしていただいております。したがいまして、電気事業法上の問題点というものは現在ございません。今後ともコミュニティー発電につきましては、開発にインセンティブをつけていただくことにひとつ御協力また御配慮をちょうだいしたいと思っております。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 小林参考人にもう二点。  一つは、電力というものは厄介なことに平均需要に対しての供給設備では困るわけで、ピーク時に備えていかなければならぬわけですが、特に夏場の電力需要に対応していくということになってまいりますと、やはり冷房のピークに備えなければならない。この冷房の場合に、電力によって冷房の需要にこたえているということになっているわけですけれども、ガスにかえていくことの方がより効率も高い、それからまた電力消費がそれだけ節減されるというように聞いているわけです。これはガス会社という別の企業体になるわけですけれども、電力をガス冷暖房にかえていく、これに対して電気事業者といたしまして協力なり話し合いなりが行われていった方がいいんじゃないだろうかと思っているわけですが、御見解をお伺いしたい。     〔塩川委員長退席、岡田委員長着席〕  それからもう一点、電気料金が今度上がって、大体一年サイクルになるわけです。はや見直しなんという声も漏れ聞くわけですけれども、これからの巨大な電源開発投資ということを考えていく、片一方電気料金がああいう形で設定をされてくるということになりますと、その開発テンポをおくらしていくということが起こりはしないかという問題も実はあるわけです。もちろん私どもは料金を低位に抑えていただきたいという強い希望を持っているわけですけれども、その料金の安定のために設備投資を繰り延べるということもあるのかどうか。そういたしますとまた需給見通しが狂ってまいりますけれども、その辺の御見解と、二点お伺いしたいと思います。

小林庄一郎関西電力株式会社社長

○小林参考人 お答えいたします。  まず第一点の冷房のガス化についてでございますが、先生御指摘のとおり、手前どもの関西電力は特に電化の進んだところでございまして、たとえばことしの夏の需要想定は、千九百六十三万キロワット夏のピークが立つだろうという予想を持っております。ところが、この千九百六十三万キロワットのうち三六・六%はクーラーが一度につけられるために生ずるピークでございまして、そのために私ども、毎年百万から百二十万の発電所をつくって供給力を保っていくために追われておるわけでございます。この冷房によるピークがもし立たなければその設備投資は翌年に延ばせるわけでございますし、また設備の利用率も上がるわけでございます。  そういう観点から、手前どもはちょうど地域が大阪瓦斯さんと重なっておりますので、一昨年のお正月から、瓦斯さんと——ちょうど瓦斯さんは冬には需要がつきますけれども、夏は需要がつきませんで貯蔵タンクが満杯になる。特に最近はだんだんLNGをお使いになるようになってまいります。LNGというのはインドネシア、ブルネイ等からお買いになりますが、これは持ってきたら必ず金を払わなければいけないという契約でいま買っておりますので、どうしても夏分は余るわけでございます。それを私ども発電所でたくように流用などをいたしておりますが、基本的にはやはり夏にガスを使っていただく。それにはやはり冷房が一番いいということで、安田という大阪瓦斯の社長さんでございますが、両社協議いたしまして、ひとつガス冷房を進めてください。そのためには何といってもメーカーに吸収式のガス冷房の効率のいいものを開発していただく必要がございますので、たしか、大阪瓦斯さんは松下電器その他関西の弱電メーカーさんにガス冷房の開発のお申し入れをなすったわけでございます。また、私ども自身といたしましても大体千坪以上のビルにつきましては、これはお客様の選択によるのでございますけれども、吸収式の冷房の特徴、また便利さ等も申し上げまして、これはもうガス会社にかわって申し上げて、電気もいいけれどもガスもよろしいという、いわゆる一つの品物の選択にいろいろな助言をさしていただいております。  昨年の真夏のことでございますが、大阪瓦斯と手前どもと合同で五大紙に大きな一面広告を出しました。その広告の中へ大きな絵をかきまして、スイカの断面をかいたわけでございます。スイカの断面のぎざぎざの部分、手前どもの電気側のサイドは夏ぎざぎざがずっと立ちまして、今度は冬にはぎざぎざが引っ込むわけでございます。ところが瓦斯さんの場合はそれがちょうど反対の、夏ぎざぎざが引っ込みまして、冬ぎざぎざが出てくるというふうな、スイカを割った姿をかきまして、どうか需要家の皆さんは双方の設備投資を節約し、双方の設備稼働率を上げるためにも、夏分にひとつガスの機器をお使いいただいて、冬分にはたとえば電気のヒートポンプのようなものをお使いいただくということにもひとつ御留意いただきたいというふうな共同広告を出したようなわけでございまして、ピークのシフトにつきましては大阪瓦斯と関西電力は全く一体となって協調いたしております。  次に、第二点の御質問の、先生御承知のような経過で私ども四月一日から料金の認可をちょうだいいたしました。いろいろ燃料、為替その他の情勢が厳しゅうはなっておりますが、手前どもが料金の改定に際して提出いたしましたこれからの建設計画、特に五十五年度につきましては、これからやはり伸びてまいります電力需要にこたえて十分の電気を供給するという、安定供給を前提とした電源の開発あるいは送電、配電、変電の計画を最も効率的な線までぎりぎりに抑えてつくった計画でございまして、ぜい肉などがあろうはずもございません。したがいまして、ここで非常に先行き不透明だからといって、設備投資の繰り延べなどいたしますと、後々に大変な禍根を残しまして、電気の安定供給ができなくなるおそれがございます。したがいまして、結論を申し上げますと設備投資の削減あるいは延期等はする余地もございませんし、する気持ちも持っておりません。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 神谷参考人にお伺いします。  これは私ども大変素人でございますので、的を射た質問にならないかと思いますけれども、政府の「サンシャイン計画の加速的推進戦略」では、これから十年後には千五百万キロリットルぐらいの石炭液化の供給を進めていきたいというように目標を立てているわけですけれども、先ほどの御意見を伺っておりますとそれが可能なような感じに聞き取れました。それから同時に、私はもう少し高いのじゃないかと思いましたけれども、バレル三十から四十ドルという御説明、ただその後につけ加えられました、しかし建設費が非常に高い、金利部分等も三〇%ぐらいはかかっている、こういったこと、あらゆることが含まれて三十ドルないし四十、トルということになるのだろうか。日本エネルギー経済研究所等の見通しでは五年後は石油価格が五十ドルないし六十ドルあるいは十年後には九十ドル、若干インフレ部分もありますけれどもというようなことを言いますと、十年サイトぐらいでしたら大変短期だと思うのですけれども、短期の展望が非常に明るいというような感じを受けたわけです。  それに対する御見解が一つと、それからもう一つは、石炭液化というのは、先ほども石炭協会の方からのお話がございましたけれども、国内炭ということよりも海外炭の液化になっていくのだろうと思います。そうすれば当然現地における液化というものがより効率が高いわけです。私、素人でよくわかりませんけれども、その液化の場合には、それぞれの炭質によってやはり技術が変わってくるのじゃないかというように聞いておるわけですけれども、この技術的な問題、特に先ほども私御質問申し上げましたように、豪州炭等が中心になる、あるいはこれから中国炭等も問題になるかと思いますけれども、それぞれの地域の炭質等とこの技術の問題というものは一体どのような見通しをお持ちになっていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。

神谷佳男東京大学教授

○神谷参考人 お答えいたします。  先ほど御説明いたしました金利とか建設費の問題でございますが、三〇%ぐらいというようなのは、金額につきましては減価償却と金利を見たものでございます。ですから、たとえばSRCの場合ですと金利は九%というような計算をしておりますし、十何年で減価償却というようなことも考えておりまして、先ほどお話しいたしましたのはそれを考えた上での計算なわけでございます。それが大体三十ドルから四十ドルぐらいということです。ですから、石炭の値段自体はたとえばそれの四〇%ぐらいであって、それからこれは私の記憶がちょっとあれですけれども、運転費が三〇%としますと、あと三〇%ぐらいが減価償却とか金利とかいうふうなものであろうと言われております。  それで、将来につきましては、日本はそれほど以前から研究と申しますか、開発をやっていたわけでございませんで、アメリカよりかなりおくれておりますので、慎重に考えますとアメリカよりはややおくれてついていくというような形になるかと思います。ですから、一九九〇年にはアメリカは恐らく工業化できると思いますが、日本はややおくれるかもしれません。いろいろな問題がございますけれども、大体はそういうことでございます。サンシャインの計画も昨年度から加速すると申しますか、非常にスピードアップするような計画を立てておりますので、いろいろむずかしい問題もあるかと思いますけれども、大体その辺ではないかと思います。  それから、海外炭につきましてですけれども、実はどの石炭が液化に適しているかというようなことがかなり最近の重要なテーマになっておりまして、これはアメリカの学会などでも一つの大きなテーマになっておるのでございますが、どういう評価をしたらいいかというわけでございます。たとえば組織成分による判断で、ビトリニットが多いものがいいとかあるいはイナーチニットの量が少ないものがいいとかいろいろございます。ですから、石炭は液化に適したものとそうでないものとがございます。たとえば最近聞きますと、豪州の褐炭でございますが、モーウェルというのは非常に大量の埋蔵量、三百五十億トンというようなことを言っておりますけれども、それなどは非常に液化に向いている。よく溶けると申しますか、非常に溶けやすいものを使いますと九五%あるいは一〇〇%近くが溶ける。これは溶けると申しましても分子が大きいものですから、いわゆる液体というほどのものではございませんけれども、溶けるものの方が液体の収量も多いということは言えるようでございます。  それで、一応技術といたしましては、どういう技術を使いましても石炭の液化しやすさというのはそう違わないのではないかというように考えられております。ですから、開発する場合にも液化に適しないものは燃料用に使うとか、ガス化用に使うとか、そういうふうな方法が必要かと思います。ですから、どういう選び方をどうしたらいいかというところは、実はいまのところまだはっきりとした定説は出ておりません。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 佐藤参考人に一点だけお伺いをしたいと思うのですけれども、先ほど近代工業文明の問い直しの点につきまして御意見を聞かしていただいたわけですが、新しい機構でそうした再考をする機能を持たせる必要があるのではないかという御意見のように承りました。  私は、もちろんそういった問題が背景に置かれなければならぬとは思いますけれども、ちょっとなじまないのじゃないか。もう少しマクロ的な、全体の産業構造なりあるいは経済のあり方にかかわっていくのだろうと思うのです。NIRAという機構もございますし、エネルギーというものは政策立案過程において非常に大きなウエートを持つものですから、そういったところでやるべきではないかというように考えるわけですけれども、時間がございませんので、一言で結構でございますからお伺いをしたいと思います。

佐藤進京都大学教授

○佐藤参考人 おっしゃいますように、開発機構で近代工業文明の問い直しをするということはちょっとなじまないとは思いますけれども、どこかでそれをやってほしいという私の願望でこの際それをお願いしたいと思いまして、そう申し上げた次第でございます。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 ありがとうございました。

岡田利春日本社会党

○岡田委員長 上坂昇君。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 社会党の上坂です。  きょうは、いろいろ貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。     〔岡田委員長退席、塩川委員長着席〕  佐藤参考人にお伺いいたしますが、この法律はいろいろ内容を検討しますと、結局は日本の代替エネルギーというのは、石油の上に成り立った工業社会であるから、石炭液化にしましてもそれから石炭の開発にしましても、最終的に国内でのやり方というのはなかなかむずかしい。そこで、どうしても準国産という形になると原子力、それが特に再処理、そしてプルトニウムの製造であるいわゆる高速増殖炉に、こうつながっていく、そういうものしかないと私は結論づけております。そういうふうな結論については間違いなのかどうか、そうじゃないのだというふうになるのかどうか、その辺をひとつ佐藤先生にお教えいただきたいと思うのです。

佐藤進京都大学教授

○佐藤参考人 おっしゃいますように、先ほど石炭の液化でもだんだん値段が変わってきたというお話がございましたが、インフレもございますけれども、それをつくるのに石油を使っておりまして値段が変わってくるのだろうという気がします。したがって、石炭を燃やすのはそのまま燃やすのが一番効率がいいので、先ほどおっしゃいましたように三〇%消耗いたしますし、そのほかいろいろな環境問題も生じます。しかし、石炭は石油の二十倍、実際上は使える分で言うと七、八倍になると思いますけれども、今日の石油文明が崩壊したらやはり石炭文明に戻るしかない。ある意味でそれでいけるのではないか。しかし、石炭といっても無尽蔵にございませんから、その間に石油と石炭をうまく使いながら、やはり再生型のエネルギーをどうしてうまいこと使っていくかということを開発機構で最終的にやらざるを得ないので、そうでないと、人間は永続的に生存できないと思っております。  それで、準国産として原子力ということでございますけれども、先ほど関電の小林社長さんはおっしゃったのですけれども、私、ちょっと申しわけないのですけれども反対の意見を持っておりまして、先ほど申しましたようにエネルギー収支もかなり問題で、たとえば十万年高放射性物質を管理せねばならないとか、百万年とか言われておりますが、それのエネルギーは評価しようがない。しても、いろいろな人が言いますけれども、ほとんどエネルギー収支はマイナスになるのではないかと言われております。というのは原子力発電所をつくるのに石油を使っているわけです。それから濃縮するのにも物すごく石油を使っているわけです。そういうことで、それでもよく出てきますけれども、それの今度は高放射性物質をステンレスタンクとかに入れてずっと何年も管理します。あるいは低レベルの放射性物質をドラムかんに詰めて、百万キロワットの原子力発電所でしたら一年間に五千本もたまってくる、それをどうするのかということの処分も決まっていない。その管理費用は大変なわけです。高速増殖炉に至りましては、要するに中性子の速度がいまの熱中性子炉よりも三万倍もハイでございますから、そのために、いわゆる金属ナトリウムを使っているわけですけれども、御承知のように金属ナトリウムに水が入りますと爆発します。何年か前にアメリカの人工衛星が、ソビエトのカスピ海にある十六万キロワットですか、その高速増殖炉が爆発したのではないかと言われておりますけれども、その真偽のほどはわかりませんが、ともかく非常に危険なものであって、現在商業運転しているものはないわけです。私は、ほとんどこれは不可能だと思っております。  そういうわけで、もちろんいまの原子力発電所の熱中性子炉も非常に危険でありまして、先ほど関電の社長さんがおっしゃったのはスリーマイルアイランドは日本のとは原理的に違うとおっしゃいましたけれども、原理的には一緒でありまして、よくちまたで言われますことは、あれの運転員が操作を誤ったのではないかということが言われておりますけれども、私の友達があそこへ行って調査した限りでは、まあそれなりに一生懸命努力してやって、最善とまでいかぬでもそれに近い状態の運転操作をそのときやったんではないか。と申しますのは、出てくるデータが、いろいろな計測器から事故の、エラーのデータが出てくるわけですけれども、それがたまって、計算機には全部入るのですけれども、それを全部記録するように原子力発電所はなっているのですけれども、アウトプットの方をプリントするのに時間がかかりまして、三十分から四十分ぐらいの時間差が出てきて、前のデータが出ておるわけです。これで対応せいと言う方が無理なんです。その範囲では最善の努力はやっているのだと私は思います。したがって、同じような事故が起こるし、現に伊方の発電所の裁判におきましては、いわゆるスリーマイル島原発のような事故は仮想事故と言いまして、技術的には考えられるけれども実際上起こり得ない事故であるということが言われておりました。そして伊方の場合でもああいう二次系の加圧水型炉の場合は蒸気発生器等がありますけれども、その蒸気発生器の二次系のちょっとしたものが一次系に波及して事故になるということを原告、住民側が申し上げたのですけれども、それに対して国側及び裁判所の方はそういうことはあり得ないと退けたわけですが、そのときの伊方の仮想事故が起こったときでも、希ガスの放射能は十六万五千キュリーです。今度のスリーマイルアイランドの希ガスの放射能は実に千三十万キュリー、千三百万キュリーと言われておりますが、これは計算上の間違いで、千三十万キュリーになる。人によっては千六百万キュリーになるのではないかと言われております。このような、技術的に考えれば絶対に起こらないと言われていたものが現に起こっているということが何よりも雄弁に危険性を実証しておる。しかも、エネルギー効率から見ても問題である。しかも、さらに高レベル放射性廃棄物、低レベル放射性廃棄物の処分の方法も決まっていないということから考えて、私は、原子力発電所に頼るべきではない。それから高速増殖炉もむだである。  それからついでに申し上げますと、核融合も問題がある。と申しますのは、核融合というのは、太陽エネルギーを地球でつくるということをよく申されるのですけれども、いま地上でやる核融合というのはトリチウム、三重水素と言われていますね、それと二重水素との陽子と陽子をひっつけるわけです。そのために電磁力を使うわけです。それに反発してやるから猛烈なエネルギーが要るわけです。それで、エネルギー収支がほとんどどうなるかわからない。しかも、トリチウムというのは放射性物質で遺伝子を切る、半減期十年の非常にこわい放射能でありまして、それがああいうところでじゃんじゃん漏れるのではないかと言われております。ところが、太陽はあれだけ質量が大きいですから、重力を利用していわゆる核融合をやっておりまして、原理的に全然違う。しかも、太陽の核融合の反応の度合いというものは非常に少ないのでして、人間の一グラム一秒当たりの発熱量に対して、太陽は、一グラム一秒当たりのエネルギーの方は、核融合としては小さいぐらいしか出していない。それに対して人間が地上でやろうとしている核融合というのは何千万倍以上の、ちょっと計算しておりませんけれども、それ以上のすごい、コントロールが非常にむずかしいものであります。したがって、それも原理的にほとんど不可能に近いということを私は考えておりますので、したがって、今日石油が枯渇したときには、やはり現代文明を問い直すということとともに、一番可能性があるというのは、当面はやはり石炭の液化あるいは石炭をそのまま使う。しかし、それも有限でございますから、その間石油と石炭をうまいこと混合して使いながら、いわゆる地上に降り注いでいる太陽エネルギー、とりわけ植物エネルギーというのは、現在人間が使っている数倍分のエネルギー、植物は葉緑素を使っておりますから、それを何とかして利用していく方法を考えないと人間の文明は永続しない、こう思っております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 どうもありがとうございました。委員長、質問を終わります。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 次に、長田武士君。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 公明党の長田でございます。本日は、御苦労さまでございます。  小林参考人にお尋ねいたします。  先ほど、脱石油に関連いたしまして、今後関西電力といたしましては原子力にどうしても依存度が高くなる、こういう御説明でございました。過去に何回か事故を起こしていらっしゃる関西電力でございますから、急激なこのような状況ですと、私は、そういう安全性という点について非常に心配しておるのですけれども、その安全性という点ではいかがでしょうか。

小林庄一郎関西電力株式会社社長

○小林参考人 お答えいたします。  いま原子力を持っております電力会社六社ございますが、この本年度の平均の稼働率が五五・八%でございます。手前どもはまことにお恥ずかしいのでございますけれども、原子力の稼働率が五一%というふうに相なっております。これは昨年度、五十四年度はさらに悪うございまして、上期は一六%、下期はTMIの影響等が終わりましたので六〇%をキープいたしましたので、年間平均四〇%でございました。したがいまして、五十四年度は約四〇%、五十五年度五一%というふうに一〇%上がっておりますが、これはなお全国の他の電力会社に比べまして大変に低い数字で、私は大変恥ずかしいと思っております。これを一%でも上げることによって石油の消費量を節約することができるわけでございまして、一層努力したいと思っております。  なぜそのように低いかと申しますと、第一の理由は大飯の一号、百十七万という大変大きな機械、これが昨年度に営業運転に二台入りました。これが最初の定期点検を今年度に受けるわけでございます。何分最初の点検と申しますのはことのほか念入りに行い、いろいろな細かいふぐあい等を手直しする必要がございますので、百五十日以上その機器をとめる必要がございます。それが大飯一号、大飯二号と二台続いて入ります。またごく最近、原子力安全委員会からその立ち上がりの試験について御許可をいただきまして、また福井県からもお許しを得てこれから調整運転に入ります美浜一号でございますが、これは長らくSGと申します熱交換器のふぐあいでとめておりました。ようやくそのふぐあい部分を克服いたしましてこれを立ち上げようとしておりますが、これとても一挙に一〇〇%に持っていかずに、段階的にそのロードを上げてまいりまして、一たん一〇〇%までした上でこれをとめて、また分解してよく中を検査するというふうに安全第一を目途として私ども原子力発電所の稼働を見ておりますために、いま申し上げましたように、量では多うございますけれども稼働率としてはまことにお恥ずかしい数字になっておるわけでございます。繰り返しますが、これから原子力が定着するためには、安全に、安定して原子力発電所を運転していくということが第一の要諦でございますので、私どもは、ことしなどは非常に苦しい年でございまして、もっと稼働率を上げたいんでございますが、五一%という大変大事をとった数字で運転をさせていただいております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 安全性第一ということで私も非常に心強く思っておりますけれども、どうかひとつその点については慎重を期していただきたいと思っております。  そこで、原子力発電に関しましては検討を要する問題が非常に山積みしておるんですね。ここに昨年エネルギー庁が調査いたしました「実用発電用原子炉施設における放射性廃棄物管理の状況及び従事者の被ばく状況について」というこのようなものが出ております。これによりますと、関西電力の七基の原子力発電所から出ますところの放射性固体廃棄物はドラムかん発生量では七千六百本、これらの廃棄物の管理は現在どうなっておるかということ。第二番目にはその他の種類の発生量でも千百十七立方メートルという数字が実は出てきております。この管理の体制は現在どのように行っておるか。

小林庄一郎関西電力株式会社社長

○小林参考人 先生も原子力発電所を御見学いただきましただろうと思いますが、原子力発電所の中には管理区域と申しまして、一般の従業員、いわゆる原子力発電所勤務員すら立ち入ることにつきましては非常な制限を加えている区域を設けております。一番ホットなところは炉の中心でございまして、ここへは容易に入れない仕掛けになっておりますが、先生御指摘の廃棄物、たとえば発電所で発生する放射性廃液は、捨てずにこれを蒸発させましてアスファルトの中に固化をして建屋内に貯蔵し、管理します。発電所で生じるのは主として低レベル廃棄物と申します。これは各サイトに管理区域といたしまして厳重に密封いたしまして、もちろん外へいろいろな放射能等が漏れないようにコンクリートでつくりましたがんじょうな建屋をつくりまして、そこへ出るたびに入れております。なお、そこへの立ち入り、持ち出し等につきましては、厳重にチェックをいたしているのが実態でございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 先日スウェーデンで原子力開発について国民投票が行われました。条件づきで賛成ということでありますけれども、その中でやはり廃棄物の処理をどうするかという問題が出てきております。非常に腐食しにくい銅を使って、カプセルを使って厳重にやっておる、そういう点を考えますと、日本の場合ちょっとどうかなということを私心配しておるのですが、その点どうでしょうか。

小林庄一郎関西電力株式会社社長

○小林参考人 貯蔵の方法につきましてはいろいろございまして、たとえば一番ハイウエーストと申しまして放射能のきつい廃棄物、これはたとえばフランスなどで使い済み燃料を再処理いたしました際に出てくる大変高濃度のものでございますが、これなどはガラス固化と申しまして、ガラス状の無機質の中へ閉じ込めまして、それを地上の貯蔵タンクに永久保管するというシステムをつくっております。ただ日本では、各サイトではそこまで濃いものは出ませんで、燃料につきましては一応プールの中に保管をいたします。その後再処理工場へ送るわけでございます。いま先生御指摘のドラムかんに入れておりますものは、洗たく用水とかあるいは立ち入りました者の被服、これは一回ごとに洗たくいたしますが、古くなったものはそれを焼却しましてその灰をまたセメントあるいはアスファルトで固化をしているわけでございます。これは将来地上に保管するかあるいは海洋に投棄するかいま検討中でございまして、原子力環境整備センターという組織ができましてそこでせっかく検討中でございますが、たとえば海洋投棄をする方法につきまして、どうやれば海洋を汚染せずにほとんど永久にこれを処分できるのかという検討もいたしております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 放射性廃棄物の処理とこの管理の問題、同時に将来の問題といたしましては私は原子力発電の廃炉の問題が出てくるのじゃないかと思うのですね。この問題については、わが国でも研究がその緒についた段階でありますが、当然原子炉も寿命があるわけでありますから、三十年とか言われておるわけでありますから、そうなりますと、この問題についてはどうしても将来展望といたしましては避けて通れない問題であろうかと私は思っております。  そこで、関西電力は、わが国で二番目、これは四十五年だと思ったんですけれども美浜一号機を持っておるわけですね。この機会に小林参考人にお尋ねしたいんでありますけれども、この廃炉問題についてどうお考えか、またこうした廃棄物の処理を行うためには莫大な費用がかかるんじゃないかと私は思うのです。先ほどこれだけ原油のコストが上がりますと比較的原子力の方が安いというお話がございました。むしろこういう処理費用というものを計算いたしますと逆転するんじゃないかなという懸念もあるんですが、その点、また将来電力料金にこれがはね返ってくるんじゃないかという危惧もあると思うのですけれども、その三点についてお尋ねをいたします。

小林庄一郎関西電力株式会社社長

○小林参考人 いま先生御指摘の廃炉問題でございますが、これまで実験用のものにつきましては廃炉の経験が世界じゅうにございますが、商業用のものはまだ廃炉の経験がございません。したがいまして、日本では電力会社、関係者が寄り寄り廃炉の形式をどういう形に持っていくか、またそれは技術的にどういうものが一番安全であり、また経済的かという点を検討中でございます。原子力発電所の耐用年数は大体十六年でございますけれども、実は私どもがこれを運転いたしますときには、たとえば火力の例で見ますと三十年から四十年はまだこれを使わなければもったいないものでございますので、当分先のことでございます。したがいまして現在検討中でございます。ただ、ドイツなどではおおよその見当で廃炉費を若干原子力の費用の中に入れておりますが、これはごく腰だめの数字でございまして、これで全部カバーができるというほどの廃炉費ではございません。  なお、手前どもの電気料金について申しますと、五十五年度五一%の稼働率は大変低い、申しわけない結果に相なっておりますが、仕上がりの単価で見ますと、手前どもの会社は北陸電力、それからまた石炭をたいて少し早目に料金の改定をいたしました北海道電力、これに次いで三番目に料金の水準が安うございます。安い理由と申しますのは、手前どもの電気の大体二八%が原子力による発電で起こされておるということでございまして、例示的に申しますと、手前どもの場合、五十五年度の原子力発電の発電所の出口の原価を申し上げますと、資本費は大体八円ほどかかっております。燃料費が一円で。仕上がりで九円ででき上がっております。ところが、火力発電所の出口での原価を申し上げますと、資本費はやはり原子力に比べて安うございますので、その半分以下の四円弱、三円ほどでございますが、燃料費は御承知のようなことで上がっておりますから十六円に相なっております。十六円と三円を足していただきますと十九円でございまして、原子力の九円に対しましてはその倍以上と相なっております。したがいまして、今後私ども、ダウンストリームと申しますか、使いました燃料はこれをリサイクルする必要があると思いまして、先般も関係の業界が相寄りまして原燃サービスという会社を発足させました。この会社では、使った燃料から再び新しい燃料を生み出してこれをリサイクルする、それによりましてウランは二五%節約ができますし、また濃縮に要する役務も三五%倹約することができます。また、それによって、非常に価値のあるウラン235、プルトニウム239もとれるわけでありまして、そのダウンストリームの費用が今後電気代を上げるのじゃないかという御指摘でございますが、仮にダウンストリームのコストを、いまの原子力に入れております燃料と同じくらいかかるというふうに見ましても、一円が二円になるわけであります。二円に八円を足していただきますと十円でございますから、十九円とはまだ開きがございまして、行く行くは原子力が重荷になるのではないか、あるいは価格高騰の原因になるのではないかという心配はまずないと考えております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 次に、神谷参考人にお尋ねをいたします。  石炭の液化についてお話しをいただいたわけでありますけれども、実用化の目途はいつごろになるのでございましょうか。  それから第二点でありますけれども、コスト的には三十ドルから四十ドルというお話でございまして、私どもも非常に意を強くいたしております。これならば十分石油に対応できるのではないか、そう考えておるわけでありますが、そこで問題は、莫大な投資資本がかかるということが大きなネックになろうかと思います。そこで先生は先ほど、一国ではちょっと無理でしょうというお話しをいただいたわけでありますが、そうなりますと、当然国内のプロジェクトと国際的なプロジェクト、これを組み合わせて行うということになります。そうなりますと、技術開発の戦略という点では、組み合わせの仕方とか、そういう点が非常に問題になるのだろうと思いますが、その点についての御意見をお聞かせ願いたいと思います。

神谷佳男東京大学教授

○神谷参考人 お答えいたします。  実用化の目途でございますが、やはりわが国の場合とアメリカの場合とは大分ずれているようでございまして、先ほどもお話ししましたように、アメリカの場合ですとSRCIIのプロジェクトで、これが八三年にでき上がりまして、これが運転されますと、これとほとんど同じものをただ装置の数をふやすということだけで処理できるものですから、それが成功いたしますとすぐにでもできるということになります。ですから、八三年の予定になっておりますが、それが運転がうまくいけばもう二、三年で建設にかかれる。そうしますと、九〇年前に、八八年とかそれぐらいに工業化ができるということになります。  わが国の場合ですと、やはりそれの影響を受けまして、と申しますのは、わが国が共同出資をしているということで、その技術はこちらにも伝わってくるわけでございますので、それを生かしてできるということにもなりますけれども、それはSRCIIというガルフのプロセスの場合でございまして、日本がいま独自に開発を進めておりますもの、これは幾つかの会社がやっておりますけれども、それの場合ですと、独自の技術を開発したいということでございますから、装置ができていくのはそれよりもかなりおくれるということにならざるを得ないと思います。ですから、その辺の推定は何とも申せませんが、ただサンシャインのプロジェクトでは、一九九〇年には二万五千トンの規模の装置ができるというようなことを期待しているわけでございますけれども、日本ではアメリカより先にできるということはまずありませんので、やはり一九九〇年プラスマイナス、まあプラスの方になるかもしれませんが、二、三年ぐらいというのが堅実な見方かもしれません。  それから、コストにつきまして、投資額が莫大であるというのがネックになっております。これは石油精製に比べますと非常に多額の投資を必要とする。それで、この費用をどうしたら低減できるかということになるわけでございますが、石炭を液化します場合ですと、産炭地で液化する方がはるかに有利でありまして、発熱量の低い灰分を含むものをわざわざ日本まで運んできて液化するということはメーンにはならないだろう。といいますのは、やはりいろいろセーフティーの問題などがございますので、日本でやる割合がどれぐらいになるかということがよく議論になるのですけれども、将来石炭液化をやった場合に、日本で何%、外地で何%ということになるかもしれませんが、産炭地で液化する方がはるかに有利で、それでなければ余りメリットがないということにもなるわけでございます。  ただ、産炭地というのはどこかといいますと、日本では恐らくオーストラリアあるいは中国とかいうふうに考えられるわけでございますので、その場合はやはり日本がかなりの部分を投資しなければならない。向こうにそれほど期待ができないのではないか。その辺のことは私どもよく存じませんが、かなりの金額を投資しまして、しかもそのできた油のかなりの部分をまた向こうに供与するというようなことになるかもしれませんが、そういうことでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 時間ですから終わります。ありがとうございました。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 次に、小林政子君。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 参考人の皆さん、遅くまで本当に御苦労さまでございます。私、共産党の小林政子でございます。  まず最初に、日本石炭協会の有吉参考人にお伺いをいたしたいと思いますけれども、各参考人の皆さんにも大変短い時間でございますので、簡潔にお答えをいただきたいと思います。今回の石油代替エネルギーの法案によりますと、新エネルギーの総合開発機構が設立をされまして、その業務として海外における石炭の探鉱資金だとかあるいは融資、開発資金の債務保証、こういった探鉱の調査補助金が大分出るわけでございますけれども、そうなりますと、国内炭の切り捨てとかあるいはまた軽視が出てくるのではないだろうか。もちろんエネルギー対策というのは国内資源というものを大切にし、そして、その自主性というものを確保していくということが原則であろう、このように考えておりますが、この点について、また国内炭の生産は現在千八百七十万トンと言われておりますけれども、二千万トン体制を維持していくためにも、政府やあるいはまた需要家に対してどのような対策を要望されていらっしゃるのか、これらの点も含めてお答えをいただきたいと思います。

有吉新吾日本石炭協会会長

○有吉参考人 第二点の二千万トンを維持するためにどういうふうな要望をしているか、こういうことでございますが、私は二千万トンを維持いたしておりますその担い手は企業でございまして、企業がとにかく収支が成り立っていく、こういう条件を整備することが私は二千万トン維持の一番根本である、こういうふうに思っております。先ほどの陳述で申しましたように、ただいま千六百円というような大きな赤字でございまして、これを捨てておいて片一方において維持しろ、これは私はおかしいと思う。そこで、いま油に比べますと石炭ははるかに安いのです。そういう状況でございますから、まず石炭の値段を上げていただきたい。それから国の補助金もひとつ考えていただきたい。あわせましてとにかく石炭企業をやっていけるようにするということがすべての、労働力確保におきましてもそれが根本でございます。それを一番根本にお願いいたします。  それから海外の開発につきましては、私ども石炭業界といたしましても技術を持っておるわけでございますし、熱心に取り組んでおりますが、これは今後のエネルギー事情を考えますと、絶対量で一般炭が大きく足りないわけでございます。したがって、国内炭はまず優先的に維持し、使ってもらうということを前提にいたしまして、そして足りない分を海外に、こういうことでまず国内炭優先ということを前提にしてすべてをお願いしておる次第でございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 次に小林参考人にお伺いをいたしたいと思いますけれども、今回の代替エネルギー法案では、御承知のとおり原子力発電についてその供給目標が法律で決められるということになっておりますが、このことによって従来とどういう違いが出てくるというふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。そしてまた、電気事業者の立場から、第五条で決められております導入指針という問題についてどのような見解をお持ちか、この二点についてお答えをいただきたいと思います。

小林庄一郎関西電力株式会社社長

○小林参考人 ただいまの御質問は、それによって非常な規制を受けるのではないかという御質問かと思うのでございますが、現在電気事業者は毎年施設計画というのを通産省の方に提出いたしております。これはその年度、それから十年先までの開発計画をその年度ごとにローリングして変えていくわけでございますけれども、こと細かく計画の内容を提出し、その御承認を受けた上で電源施設の拡充を行っております。したがいまして、今後とも通産省にはいろいろな御教示あるいは御指導を賜るわけでございまして、今度の法案にございますいろいろな御指導を賜りますことと、これまでいろいろな計画をつくりましてオーソライズしていただきますことと、全く同じ官庁で同じことをしていただくわけでございますので、事業者といたしましてはこれによって特に拘束されるとかあるいはその意に反するというふうなおそれは全くないと考えております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 もう一点だけお伺いをいたしますけれども、原子力発電の安全性の問題につきましては、国民的なコンセンサスも得ていないというこういう現状の中で、それこそ原発の先進国といわれておりますアメリカですら、非常に慎重に、この問題についての新しい技術進歩の途上にあるという立場からも、やはりこの問題は重視をしているわけでございます。ですからたとえば審査についても、許可を与えるというような場合には三段階方式をとっておりますにもかかわらず、日本ではいまだ一段階のやり方でやっている。あるいは防災計画等も、あるいは先ほど来からの廃棄物の問題等についてもいろいろと問題が出てきているということも事実でございますので、これらの原子力発電を促進をしていくというようなことは、私は国民の安全性やコンセンサスというようなものが得られないという状況のもとで、やはり当然法律に基づく導入の指針、導入です。これについては政府に要請をすべきではない、このように思いますけれども、再度御答弁をお願いいたしたいと思います。

小林庄一郎関西電力株式会社社長

○小林参考人 重ねて私も申し上げたいのでございますが、やはりこれからの脱石油、代替エネルギーの柱は、いろいろな困難はございますし、またこれから国民のコンセンサスを得るという努力にさらに一層拍車をかける必要がございますが、やはり原子力だという信念を持っております。  なお、日本の原子力安全審査の法制でございますが、先生も御承知のとおり一昨年原子力基本法の改定がございましてダブルチェックシステム、要するに通産省で安全審査をしていただきましたものを、公聴会等の議を経ましてさらに原子力安全委員会でもう一度一から安全審査をし直すという念入りの審査の方法に変わっております。その点でも日本はアメリカに対して遜色のある制度ではないと考えております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 それでは神谷参考人にお伺いをいたしたいと思います。  先ほど来石炭液化の問題についてお話がございました。私はもちろん専門的な知識はございませんけれども、しかし、現在わが国の石炭液化の研究開発というのは、従来サンシャイン計画に基づく工業技術院が中心になってやってまいりましたものと、それから最近これとは別に、いま先生からもお話がございましたメジャーのガルフを中心として進められているSRCII、ここに参加をするという、二本立てで現在行われているというふうに伺っております。私は、この際この中でどうなるのかということで非常に心配をしております問題は、開発された際の成果といいますか、結局実施段階でわが国に実施権というものが持てるのかどうか、さらに、メジャーの大企業が事業主体ということでございますので、したがって価格問題なども一方的に相当上がるのではないか、こういったようなことについて大変不安を持っております。またさらに、このサンシャイン計画の中身などを私読んでみますと、非常にいろいろな、外国の数の多い、海外炭というのですか、それを使って研究をしなければ、すべてに適用できるというようなものではない。ですから、技術が公開されるのかということと同時に、主要部分についてブラックボックスを設けて外へ流さないというような事態も出てくるのではないだろうか、あるいはまた、もしそういう事実がないとしても、日本では独自の形でエネルギーの国産化という立場からの研究がされていなければ、これはわが国独自の開発とはつながらないのではないか、こういう点なども憂慮をいたしているわけでございますけれども、これらの問題についてお答えいただきたいと思います。

神谷佳男東京大学教授

○神谷参考人 お答えいたします。  研究開発の件でございますが、サンシャインが主体になってやってきておりまして、それ以外にもほかの団体で日本の中でもやられているところがあります。サンシャインは三つのプロセスを行っておりますけれども、それ以外にも私どもの聞いている範囲ではいろいろな会社が積極的に動いてきているようです。と申しますのは、実は昨年あるいは一昨年あたりから石炭液化の問題が非常に重要な問題であるということが認識されるようになりました。それまではかなり楽観的と申しますか、あるいは石油に対して楽観的な見方があったものですから、まだいわゆる熱意が足りなかったようなところがあったのでございますが、私どもの知っている範囲でございますと、昨年あたりからいろいろな企業あるいは大学でもやっておりますけれども、そういう基礎研究をかなりやるようになりまして、それで私もその点では意を強くしているのでございますが、お話がございましたように日本が独自の技術を開発いたしませんと結局また技術を全部買ってくるということになりまして、非常に大きなロイアルティーを払うというようなことになりますし、ある場合には技術をお金で買おうとしても売らないというような事態もあるわけでございまして、それは日本が技術開発をして、その技術によって外国と、産炭国でございますが、手を結んでやるというのが理想的と申しますか、どうしてもそうなければならないと私は考えております。  ガルフの件でございますが、実施権の問題は、実はこういうことは私ども技術屋でございまして余り詳しくございませんが、いまいろいろともめているようでございます。日本の場合は、もちろん日本が出資しておりますので、日本で行う場合の実施権というのは日本にあるんだろうと思いますが、外国でやる場合にはどうなるかというようなこと、まだそれは詰まっていないのではないかというふうに伺っております。ですから、このSRCIIの実験と申しますか、それは非常に巨額な出資をするわけでございますけれども、これは国際的な一つの事業というふうに私は考えております。と申しますのは、ちょうど宇宙ロケットと同じようなことかと思いますが、そういうことができるということがわかりますと、ほとんど半分できたと同じことになってしまうわけです。ですからこういう巨大なプロジェクトというのは日本一国ではとてもできませんで、まず先んじて国際協力でやって見通しをつけて、それがいい影響を与えて日本の技術が発展していくというのが最善ではないかというふうに考えております。  それから価格の点でもお話ございましたように、日本が独特の技術を開発していって、こういうものは複数のプロセスと申しますか、それが競合していかなければだめだと思いまして、日本でも幾つかのプロセスを育てるように御援助願いたいと思っております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 時間が来てしまいましたけれども、佐藤先生に一つだけお伺いをいたしたいと思います。  先ほど、石油枯渇の問題は科学技術だけでは解決ができるものではないというようなお話がございましたけれども、私、日本の産業中心の消費構造を調べてみますと、本当に日本の場合には諸外国に比べても産業中心のエネルギー消費構造ということになっておりますし、こういった問題についてもこれをもっと転換をしていかなければいけないのではないか、私はこのように考えておりますけれども、こういう点について一言お答えをいただきたいと思います。

佐藤進京都大学教授

○佐藤参考人 お答えします。  おっしゃいますように、日本で民生は二〇%、鉄鋼産業が一七、八%ですからほぼそれに近い。民生用は諸外国に比べて非常に小さいわけですから、その比重を高めるということが必要かと思います。ただし、民生をこれ以上ふやすというよりも産業を抑えるということが必要じゃないかと思っております。というのは、日本ではいろいろな自然エネルギーを使うと申しましても、風力とかなんとかいわれますけれども、すでに日本の国土面積当たりのエネルギーの使用量はいわゆる気象エネルギーよりもよけい使っているわけです。それほど使っている。そうしますと、地球は開放定常系と言いまして、いわば閉じた系ではエントロピーと言うのか、汚れが増大してそれは死滅するわけですけれども、先ほど申しましたように地球は幸いにも水がエネルギーの運び屋になって、廃熱を高空で低温放熱してくれまして汚れを捨て去っていく機構を持っている。しかしその機構をもはやつぶし始めているんではないか。これ以上工業を大きくするということは人間が住んでいる地球自体をも破壊してしまう。だから結局、科学技術といってもその科学技術でどんどんエネルギーを使うということ自体がすでに論理矛盾、人間の存在基盤をつぶしてしまうということですから、石油枯渇——私は、石炭液化でも何でもそういうぐあいにどんどんエネルギーを使っていくという方向に問題があって、もちろん石炭液化もいろいろしなければならないと思いますけれども、民生はそれほど大きくないのですから、産業を抑えてもう少し省エネルギー、それから効率を高める、さらには産業構造を変えていくということを思っております。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 次に中井洽君。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 民社党の中井洽でございます。大変遅くまでありがとうございます。時間が十三分ということでございますので、まことに申しわけないのですが、簡単に御答弁をいただければありがたいと思います。  まず有吉参考人に二点お尋ねをいたします。  一つは、先ほどの御議論にもありましたが、今後二千万トン体制ということについては大体資源的にいけるのではないか。しかしこの海外炭の六十年度一億トンあるいは六十五年度一億四千万トンという大変膨大な量の輸入というものが、本当にまあまあ確保できるとお立場からお考えかどうか、このことが一点であります。  それから、少し専門から外れるかもしれませんが、石炭業界のお立場からして、これらの石炭が輸入され使われたとして、先ほど神谷先生のお話にございましたけれども、液化が企業化されるときまでに十年かかる、その間灰をどのように処理すればいいとお考えか、この二点をお答えいただきたいと思います。

有吉新吾日本石炭協会会長

○有吉参考人 海外の見通しでございますけれども、いまの一億幾らと申しますのは原料炭も入っておりますので、原料炭はすでに現在も六千万トン近く入っておりますので、新しくふえてまいりますのは一九八五年におきまして一般炭が二千二百万、一九九〇年に五千三百万トン、こういうオーダーでございまして、その一九九〇年の五千三百万トン、その辺のところまでは私は本気で中国、オーストラリア、カナダ、アメリカ、こういうところに金と技術というふうなものを持って取り組んでいきますならば可能ではないか。その次の一般炭八千万トンと申しますのは、これは私もちょっと果たしてどうであろうかという気がいたしますが、詳細の理由は説明いたしません。結論としてそういうことでございます。  それから、やはりおっしゃいますように、一番の問題はこの灰捨ての問題でございまして、あとの脱硝とかそういうふうな問題は解決されると思うのでございますが、これがまた一番の問題でございます。しかもその海岸の埋め立てというものが非常に規制されておりまして、そこのところが発電所を立地いたすにいたしましても一番の問題なんでございまして、いまその灰をどう利用して、廃棄する灰というのをいかに少なくするか、それを中心に考えているのでございますが、そういうこともございますので、一九九〇年の五千万トン、その辺ぐらいまでは私はやはり生でたくというようなことも可能かと思うのです。それから先は、やはり先ほどから話が出ておりますような、これを液化とかそういったクリーンなものに一応転化して使う必要があるのではないか、こういうふうな考えを持っております。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 ありがとうございました。  神谷参考人にお尋ねをいたします。  一つは、石炭を液化してたいた場合の、いまもお話がございましたけれども公害対策というのは技術的にはもう十分なものとお考えか、これが一点であります。  それから二点は、新機構がつくられまして初年度百三十億円ぐらい石炭液化、それからガス化にお金をつける、こういう案でございます。まあまあこれぐらい、この新機構全体の財源が限られておりますので、これからも大体こういう財政で行こうと思うのです。それで、大体十年間で、先ほど膨大な投資が要るというお話でございましたけれども、液化というものが現在から見て技術化ができるとお考えかどうか、この点だけお願いを申し上げます。

神谷佳男東京大学教授

○神谷参考人 お答えいたします。  石炭液化への問題でございますが、これはやはり石炭に由来しますと、石油に比べまして窒素分が多いという欠点がございます。硫黄分は少ないのでございますが、窒素分が多い。ですから燃焼いたしました場合、窒素酸化物が多くなるということが当然のこととして起こってくるわけでございます。それで石炭液化につきましては、グレーディングアップと申しまして品質をよくするということでございますが、それを精製して窒素をとるということについての研究がアメリカでは盛んに行われております。ただしかし、それを完全にやりますと経済的にはかなり不利なことになってくるのではないかという意見がございまして、それよりはむしろ燃焼の方法を変えればいいんじゃないかということになっております。たとえばスチームなどを吹き込みまして窒素酸化物の生成を抑えるということでございます。  それで実はSRCIIのプロジェクトでございますが、これがスタートするにつきましては、実はそれで得られましたところの油をアメリカではニューヨークのマンハッタンの発電所で燃焼いたしまして、その実地試験をやっております。それでいわゆる低NOx燃焼と申しますか、そういう方法を行いますと、一応アメリカの公害規制には合うわけでございます。それでオーケーというサインが出たわけでございます。ただ、その公害規制は日本では合わないというようなことが言われておりまして、その辺は燃焼方法を変えるということでかなりいくのではないかというふうなあれがございます。  それから投資のことでございますが、一応考えられておりますのは最初の一トン・パー・デーとか、たとえば二百五十トンというのはかなりの額になりますが、装置のスケールが大きくなってまいりますとだんだん費用もかかってくるわけでございます。一トン・パー・デーでしたら恐らく何億円というオーダーで装置はできると思いますが、しかし次のステップの二百五十トンという大型パイロットになりますとこれは一千億に近いお金が要るのだろうと思います。それから一日二万五千トンのプラントになりますと、これは数千億ぐらいになるのではないか。恐らくそれを見込んで十年間のトータルが民間も含めまして二兆何千億というようなことが出ている。私はっきりいたしませんが、一億何千万だったかもしれませんが、ほかの費用がどれくらい入っていたかよく存じませんが、それくらいの計算が二兆何千億と出ております。ですから一つのプラントが恐らく何千億ということになるかもしれません。それはだんだん建設が進んでいくにつれて開発機構からの出資がふえていくということであると了解しております。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 ありがとうございました。  小林参考人にお尋ねいたします。  原子力の問題につきましては私どもも参考人の御意見、全くそのとおりだと思います。アセスにつきましてはいささか考えも違う点もあるわけでありますが、したがってこの機構そのものについて御意見を承りたいと思います。  今度のこの機構ができるとしますと、石油それから原子力、代替エネルギー、省エネルギー、こういう四つの部門に分かれて国のエネルギー政策が行われる。いままで計画自体も非常に何か目標みたいな形でやっておったのが供給目標という一つのきちっとした形になってくる。皆さん方にとっては取り組みやすい面もあろうかと思うのでありますが、一つの組織がよけいにできたということによって、官僚機構でもありますから、幾ら民間の力を使うといっても、現場部門の皆さん方にとっては非常に繁雑なものが出てくるのではないか、そんなことを私どもは心配をいたしております。先ほど御意見の中にありましたコンパクトで強力でそして身軽に動ける、そして資金をたっぷりつぎ込む、そういう組織であるべきだという御意見に全く私どもは賛成なわけでございます。先ほど共産党の方の小林さんの御質問にありましたけれども、たとえば供給目標と皆さん方が電気事業法でやっておられる供給計画との関連がどうなるかとか、いろいろな問題があろうかと思うのです。民間会社から見られて、しかもエネルギー部門を本当に担当なさっておられるところから見られて、この新機構に対してどういう要望を具体的に持っておられるか、率直にお聞かせいただければありがたいと思います。

小林庄一郎関西電力株式会社社長

○小林参考人 代替エネルギーの開発は、やはり国としての急務でございますし、われわれ電気事業者としての責任でもございます。しかしながら、そのプロジェクトはいずれも一民間企業もしくは一事業界ではよくするところでございませんので、このような新設の機構が生まれまして、活力のある、また強力な機動性のある働きをしていただきますことを心から念願し、また多くの期待を寄せております。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 最後に佐藤参考人にお尋ねをいたします。  佐藤先生は地熱のエネルギーに関してどういう御意見を持っていらっしゃるか。また、地熱エネルギーと、いわゆる地熱開発をしようとする位置が自然公園等の場所が多いわけであります。そこのところの調和を先ほどの先生のお考えからいくとどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、この二点についてお答えをいただきたいと思います。

佐藤進京都大学教授

○佐藤参考人 お答えします。  地熱エネルギーは構造エネルギーとしては非常に大きなものだと思います。しかしながら、おっしゃいますようにそれが自然公園とかいろいろな観光地あるいはそのほか重要な場所にございますので、いろいろな方法、深く掘る場合も浅く掘る場合もございますけれども、そういうことをやりますと非常に環境が荒れるおそれが大きゅうございます。そこで、非常に大きな包蔵エネルギーを持っておると思いますけれども、これの開発には非常に慎重でなければならないと思っております。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 ありがとうございました。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 参考人各位には長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきましてまことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。(拍手)  どうぞ御自由にお引き取りいただきまして結構でございます。  以上をもちまして連合審査会の議事はすべて終了いたしました。  これにて散会いたします。    午後七時十二分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗