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91回国会衆議院1980/05/07

商工委員会 第20号

発言数
333
登壇者
22
会派数
5
開催日
1980/05/07

会議録

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案及び中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案、両案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浦野烋興君。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 私はこの委員会におきまして初めて質問の機会を与えられたわけでございます。いささか緊張もいたしておりまして、要領も得ない質問、これもあろうかと思います。また、きのうまで日本を離れておりまして、これまでに行われた質問と若干重複する質問もあろうかと思いますが、答弁の方をひとつよろしくお願いしたいと思います。  八〇年代を迎えまして、わが国の中小企業を取り巻く経済環境というものはきわめて厳しくなっているものと思われます。世界経済におきましてはエネルギーの制約、インフレあるいは国際貿易、金融問題等不安定要因が増大しつつあります。また、国際政治におきましてはイラン情勢等の緊迫化、これがまた経済の活動にも大きな影響を与えているところであります。中期的に見ますと、発展途上国の労働集約型工業製品あるいは中進工業国の重化学工業製品の多様化等、国際分業化が進むとともに、その過程におきましては先進国と発展途上国あるいは先進国同士間の複雑な利害の対立、このようなことが予想されるわけであります。  一方、わが国の経済におきましても、こうした世界経済の流れの影響を強く受け、安定成長の定着とともに企業間、業種間の競争は一層激しいものになると考えられるわけであります。また、国民生活の向上によりまして消費者のニーズ、これは量的充足から質的充足へと多様化しており、余暇の増大とも関連いたしまして今後のサービス経済化、これが進んでいくものと考えられるわけであります。また、公害あるいは環境問題、これへの対応は引き続き強く求められるところでもあります。  このように、今後中小企業をめぐる経営環境は、エネルギー問題、貿易構造の変化、国民ニーズの多様化、こうしたさまざまな問題をはらんでいるわけでありまして、こうした諸問題を克服して中小企業が健全な発展をしていくためには、中小企業の政策におきましてきめ細かい対応が必要と思うわけであります。こうした面につきまして、中小企業政策、これについての政府の基本的見解をまずお伺いしたいと思います。

梶山静六自由民主党通商産業政務次官

○梶山政府委員 浦野委員の御認識、御見解、全く同感でございます。わが国の中小企業はわが国産業の中で量的にも質的にも重要な地位を占めているとともに、地域社会の発展を支える重要な構成員でもございます。そういうきわめて重要な役割りを果たしていることは先生の御指摘のとおりであります。政府はこのような認識に基づきまして中小企業施策を最重点施策の一つとして推進してきているところであります。わが国の中小企業は今後ともわが国経済を支える核として発展することが期待をされており、政府としても活力ある中小企業の育成のために、経営力の強化、近代化の推進等を引き続き重点施策で充実を図ってまいり、先進国、発展途上国の間にはまって、なおかつ活力ある中小企業が十分に伸展できますように各般の施策の充実を図りながら、特に中小企業の自主的な努力が報われるようにこれから支援をしてまいりたいということを基本方針にいたしております。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 中小企業が今後のこうした厳しい経済環境を乗り切っていくために、ただいま御答弁にもございました、政府におきましてもいろいろ積極的な施策を講じていくという心構えというふうに受けとめたわけでありますが、中小企業が自分で努力をしていく際、やはりそれを支える資金の供給、これが大切なことであると思います。中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫等の政府系金融機関を通じて十分な資金を供給することが必要である、このことは当然であるわけでありますけれども、やはり資金量の面で大きな比重を占めるところの民間金融機関からの資金の供給、これを円滑にする、このことも非常に大切なことであると思います。このために信用保証協会の保証というものを積極的に促進してまいる必要があろうかと思います。信用保証協会を含めた信用補完制度が大変重要なわけであります。政府はこの中小企業金融における信用補完制度の役割りをどのように考えておられるのか、また、これを今後どういう方向へ持っていこうと考えられるか、この点についてひとつお尋ねをいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 御指摘のありましたように、中小企業におきましては信用力とか担保力というような点で大企業に比べて劣る場合が多いわけでございまして、そういうことのために必要とする事業資金が十分得られないという問題がございます。中小企業対策の基本は、そのように中小企業なるがゆえに大企業よりも不利であるというものを是正するというのが大きな役割りでございますので、金融対策も大いに政府がやってまいらなければならないと思っておりますが、このためには、一つは政府系の中小企業金融機関によって融資をするということをやっておるわけでございますけれども、しかし、中小企業の資金需要から見ますと、やはり民間資金を導入するということが非常に重要でございます。昨年末の数字で見ますとやはり八七%程度が民間資金に依存をしておるというふうになっておりますので、民間資金の導入というのが非常に重要でございます。信用補完制度といいますのは、このような観点から、中小企業の信用力とか担保力というものを補完いたしまして、民間資金の円滑な導入を促進するというのが目的で設置されたものでございます。政府といたしましても中小企業の金融対策の重要性にかんがみまして、今後とも信用補完制度の整備拡充を図る、そうして中小企業に対する民間資金の円滑な供給に努めていきたいというように考えておるわけでございます。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 ただいま御答弁のごとく、信用補完制度の重要性、これは政府も十分認識されておられるようであります。この信用補完制度の整備、そしてその拡充のために今後ますます努力していただきたいと思うわけでありますが、今回の中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、これもこの信用補完制度の拡充を図ったものであるわけであります。これにつきまして幾つかの質問をしたいと思いますが、まず第一に、付保限度額の引き上げ、これについて、引き上げたことについての基本的な考え方を御説明いただきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 付保限度額の引き上げの理由でございますけれども、付保限度額の水準につきましてはここ数年来据え置かれておりまして、五十一年以降現行の水準に置かれておったわけでございますけれども、最近におきまして、中小企業者の資金需要の大口化の傾向が出てまいりまして、その資金需要にこたえなければいかぬという事情から、まず普通保険につきましては現行の五千万円から七千万円に、無担保保険につきましては八百万円から一千万円に、特別小口保険につきましては二百五十万円から三百万円にそれぞれ引き上げることにしたものでございます。また、その引き上げ幅につきましては、それぞれの保険の対象になっております中小企業者の資金需要の動向を踏まえまして、また、それぞれの保険の現在の利用状況を勘案いたしましてそれぞれ決めたわけでございますが、今回改正されました水準によりますれば、今後当分の間は中小企業者の信用保証を必要とする資金需要に十分こたえられるというふうに考えております。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 わかりました。  次に、新技術企業化保険について、その創設に関連してお伺いしたいと思います。  近年のわが国の中小企業を取り巻く厳しい環境の中で、技術力の強化、これは中小企業にとってもきわめて重要な課題の一つであるわけであります。しかしながら、この中小企業は、技術力をつけていくことについては多くの困難があるわけでありまして、それは、たとえば資金も十分にないあるいは人手も思うように確保できない、また有益なアドバイスあるいは指導を受ける機会が少ない、また、せっかくすばらしい技術を持っていたとしても資金不足でこれを企業化することができない場合も多いわけであります。政府といたしましては、こうした中小企業の抱える問題を踏まえましてどのような技術振興施策を行っているのか、この点についてお答えいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 中小企業の技術振興施策につきましては、中小企業対策の大きな柱でございますが、大体四つの項目で実施をしておるというふうに言えると思います。  一つは技術指導事業でございます。これは、各県に設置されております公設試験研究機関が、中小企業の技術を向上させるために技術の相談にあずかるとかあるいは依頼分析に応ずるとか、検査をしてあげるとか、あるいは実地指導をするとかというふうな技術指導を行っておりますし、また、試験所に開放試験室というのを設けまして、中小企業がみずからその試験室を利用し、研究できるような施設もつくっておるわけでございます。さらに、今年度からは技術アドバイザー制度というものを採用いたしまして、公設試験研究機間に民間のいわば嘱託の方を置きまして、民間の技術のすぐれた方を登録し、配置いたしまして、長期的にあるいは個別的な技術指導が中小企業のためにやれるというふうな制度を創設いたしまして、民間の知識の活用というものも図るようにしたわけでございます。  第二の柱は技術研修事業でございます。これは、中小企業の技術者の資質の向上を図るために都道府県でいろいろな研修をやっておりますが、五十四年度からはさらに地場産業の振興のために、地場産業振興高等技術者研修というものをやっております。これは、地場産業の中核になる技術者を育てるという意味で、大学卒業程度の、いわば大学院程度の技術を修得してもらうという、相当高度な技術研修も始めておるわけでございます。また、都道府県ではなかなか実施のむずかしい新技術、たとえばコンピューターだとかそういうような新しい技術についての研修につきましては、中小企業振興事業団が実施しておりますが、これも本年度から中小企業大学校ということにいたしまして、技術研修の内容も一層拡大をするということを考えておるわけでございます。  第三の項目といたしましては、技術情報事業でございます。これは、都道府県に中央から、これは中小企業振興事業団でございますが、そこからいろいろな技術情報を流し、そのネットワークをつくりまして、中小企業の問い合わせに対しまして都道府県の技術指導機関が十分対応できるような態勢をとるということを考えておるわけでございます。  第四の項目が技術開発事業でございまして、これは、国とかあるいは公設試験研究所におきまして中小企業向けの技術の研究開発をやっておりますが、さらに中小企業振興事業団においてもこういう開発をやっております。こういうふうな国の機関あるいは地方公共団体の機関によって技術開発をするほかに、中小企業みずからが技術開発を行う場合には、技術改善費補助金というものを交付して技術開発を支援をしておるわけでございます。  さらにこの試験研究が終わりまして、いよいよこの技術を企業化しようという段階につきましても、中小企業金融公庫に新技術企業化融資制度というものがありまして、必要な資金を融通をするということをしておりますが、さらに今回、単に国の資金を融通するだけじゃなくて、民間資金もこういうふうな新技術の企業化に動員をしたいということから、新技術企業化保険を創設することにしたわけでございまして、しかもこれは、新技術の企業化の段階において政府系の資金を融通するよりもさらに広く、かつ容易にこういう保証が得られるようにという配慮をいたしたいというふうに考えているわけでございまして、以上のような技術施策を総合して現在実施中でございますけれども、技術の重要性にかんがみまして、実は五十五年度の予算は大体三十二億程度用意しておりますが、これは、この予算が厳しい折からでもありますけれども、前年対比二一%増という非常に大きな増額をして、技術対策を推進をしようとしておるのが現状でございます。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 新技術の企業化ということでございますけれども、新技術というのは具体的にどういうものを言うのか。これがもし特許であるとかあるいは実用新案のようなものであるとすれば、一般の中小企業者が日常の仕事の中で思いついたり工夫したりしたような新しい技術ではちょっと手が届かないと思います。それではせっかく新しい保険制度をつくってみましても、一般の中小企業者は余り利用できない。この新技術企業化保険で言うところの新技術というのはどのようなものを言うのか、この点についてお伺いいたします。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 今回の新技術企業化保険の対象となる新技術の範囲でございますけれども、先生御指摘のように、今回の保険制度をスタートする以上、これが広く中小企業者の間に活用されるということが大事でございますので、新技術の対象といたしましては、中小企業者がみずから技術開発を行った新技術に限りませんで、中小企業者の間でいまだ十分普及していない技術でありますればこれをできる限り広く取り上げていきたいというふうに考えております。具体的には、先生が御指摘になりました特許権あるいは実用新案権を獲得した技術に限りませず、先ほど長官の答弁の中にもありました技術改善費補助金の交付を受けました技術等、技術の新規性につきまして明らかなものはもちろんでございますけれども、その他の技術につきましても、保険公庫または技術審査機構を持ちました保証協会が審査いたしまして、その技術が中小企業者の間におきまして商業的な規模ではまだ十分に利用されておらないという旨の認定を行いましたものにつきましては、この保険の対象として取り上げていくという方向で考えております。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 今後中小企業の方々がこの新技術企業化保険を利用して大いに新しい技術を企業化していく、このことが容易にできるために、制度の運営に当たりましては十分な配慮、施策をとっていただきたい。このことを要望しておきます。  ところで、今回の法律改正では、新技術の企業化につきまして特に新しい保険制度を創設して推進されているわけでありますけれども、これからのわが国の中小企業の課題を考えますと、新技術企業化のほかにも、たとえば海外投資であるとかあるいは省エネルギーであるとか、中小企業施策として推進していく必要があろうかと思います。しかしこれには多額の資金を必要とするあるいはリスクも大きいというようなことから銀行がお金を貸してくれない、こういうような事情もあるかと思います。こうした海外投資あるいは省エネルギーとかいった政策目的のための新しい保険を政府としては今後創設するお考えがあるかどうか、その点についてもお答えいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 現行の信用保険法におきましては、一般事業資金を対象とします普通保険とか無担保保険とか特別小口保険というのがございますが、そのほかに特定の政策目的に沿った借り入れを行います中小企業者に対しましては、たとえば公害防止保険とか近代化保険というふうなものを設けまして優遇措置を講じておるわけでございますが、今般新技術の企業化を政策的に推進するという意味において、新たに新技術企業化保険を創設するということにして法の改正をお願いしておるわけでございます。今後こういうふうに政策的に推進する必要があるものにつきましては、その必要性について十分検討した上で新しいものを開設するという態度を維持していきたいと考えておりますので、今後いろいろの政策目的について十分検討を重ねたいと考えております。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 ところで、中小企業信用保険公庫についてお聞きしたところによりますと、昭和五十三年度は約四百二十億円、五十四年度については三百億円赤字が発生すると聞いておるわけであります。信用保険の円滑な運営という観点からいたしますと、当然この是正が望まれるわけでありますけれども、この赤字発生の原因とそれの対策についてお尋ねをいたします。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 お答え申し上げます。  保険公庫の赤字でございますけれども、ただいま先生御指摘のように五十三年度をピークといたしまして非常に大幅な保険金の支払いが続いたわけでございますが、これは基本的には五十年以降の長期の不況によって、中小企業者が倒産その他によって多くの経済的混乱が生じたことが原因でございます。しかしながら、五十三年度をピークといたしまして五十四年度、五十五年度については保険金の支払いは高水準でございますけれども、その増高傾向はほぼ頭打ちとなりまして、一方回収金の回収が進んでおりますので、保険金の支払い自体は五十三年度の四百二十億円、五十四年度には三百五十一億円、五十五年度には二百四十五億円程度に鎮静化してくるという見通しでございます。保険金の支払いは信用保証制度の根幹でございまして、保険公庫の赤字に対しては十分な手当てが必要でございますので、五十五年度予算につきましては保険準備基金として三百億円を計上いたしまして赤字に対処しておるということでございます。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 次に、本法律案におきましては倒産関連保証制度について改正を行おうとしておるわけでございますけれども、その改正の内容、またその理由について簡潔にお答えいただきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 現行の倒産関連保証制度によりますと、連鎖倒産防止のための対象となります会社または個人が倒産した場合に、その関連中小企業者を対象といたしまして現行制度ができておるわけでございますけれども、最近におきましては事業協同組合あるいは協業組合というような組合の倒産の事例が多く発生してまいりまして、これに対応して、組合等が倒産した場合にもその関連中小企業者を倒産関連保証の対象とする必要が生じてきたわけでございます。そのために「会社又は個人」にかえまして「事業者」というふうに規定することによりまして、組合等が倒産した場合にもその関連の中小企業者が本制度の対象として救済されるというふうに改正するものでございます。  なお、先ほどの答弁で、私、保険金の支払いということを申し上げましたけれども、これは保険金収支の赤字でございますので訂正させていただきます。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 ただいま倒産関連保証制度の改正についての説明をいただいたわけでありますけれども、この倒産関連保証制度にも関係いたしますので、倒産防止共済制度についてお尋ねをする前に、最近の倒産動向について質問をしたいと思います。  中小企業白書を拝見いたしますと、中小企業を取り巻く環境はきわめて厳しい、このようなこともうたわれ、倒産も増加の傾向を示していると思われるわけであります。昨年年央からの厳しい経済環境を反映しての中小企業の倒産につきまして、今後の見通しあるいは現状の倒産状況はどうであるか、この点についてお答えいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 中小企業の倒産の動向でございますが、負債金額一千万円以上のものについてのデータがございますので、これについて見ますと、件数あるいは負債金額ともに昨年五十四年の年央に至るまでの一年間は前年同月比水準を下回るということで、五十二年が非常に高かったわけでございますが、その後若干小康状態が続いておったわけでございます。ところが、年央以降はだんだん前年同月比水準を上回ることになりまして、ことに十月以降は一応危機ラインと言われています月間千五百件を上回るような状態になったわけでございます。ことしに入りましてからは、一月が実は千百八十五件ということでございまして、倒産件数は一応小康状態になったわけでございます。しかしその後も、たとえば二月が千二百件余り、三月が千四百件余りということで、またやや増加傾向を見せております。倒産の年間のパターンといたしましては、一、二月は若干少なくて三、四月が非常にふえる、それからまた少し減りまして九月、十月以降年末にかけてふえる、こういう波を示しております。そういうことから言いますと、三月、四月が一応注目されたわけでありますが、四月については現状がまだはっきりしておりませんけれども、調査当局の模様を聞きますと、大体三月の横ばいかやや多い程度ということのようでございます。したがいまして、三月、四月が昨年の年末あたりに心配したほど倒産件数はふえなかったものの、例年に比べて相当大きな水準を示しているというのが現在の状態でございます。  そこで、今後の見通しでございますけれども、短期的に申しましても、今後公定歩合の引き上げによる金融引き締めという影響がいよいよ出てまいりますし、それから、昨年の年央以降の原油値上げに影響されますいろいろな物の値上がりというふうなものの影響がやはり企業を圧迫するというふうな状態も出てまいります。したがいまして、将来は決して楽観を許さないということを考えておりますので、倒産の状況についてはわれわれの方もよく注視してまいりまして、もし倒産が多くなってまいりますれば、それに必要な金融対策その他を遅滞なく講じたいというふうに考えておるところでございます。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 ただいま御答弁をいただいたわけでありますけれども、倒産が大変ふえている、そして今後の見通しということも楽観できないということでございます。次官の冒頭の御答弁にもあったわけでありますけれども、わが国の中小企業、これはわが国経済を支える重要な柱である、このことのお答えがあったわけでありますが、まさに私もそのように思うわけであります。こうしたわが国の経済において重要な役割りを果たしております中小企業の経営の安定を図る、そしてあわせてその振興も図っていく、これはわれわれ自由民主党の政策の中心的事項であり、また私の主張するところでもあるわけであります。中小企業におきましては倒産という問題、これは非常に重要な問題であるということは申すまでもありません。政府として中小企業の倒産防止のための各般の施策を実施しておられる。今回昨今の厳しい状況を踏まえまして、この施策の充実を図られる、これはまことに時宜を得たものと考えておるわけであります。この中で中小企業倒産防止共済制度、これは政府が実施しているその倒産防止対策の中でも特に重要な制度であると私は思います。そこで、この制度は発足後二年を経過している、このように聞いておりますけれども、この制度の実績についてお伺いします。     〔委員長退席、渡部(恒)委員長代理着席〕 その加入件数、共済金の貸付件数、貸付金額の総額、これらについてひとつ御説明をいただきたいと思います。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 中小企業倒産防止共済法に基づきます本制度は発足以来二年になるわけでございますが、その実績について御説明を申し上げます。  まず、加入件数でございますが、昭和五十五年三月末現在で二万一千五百四十八件でございます。これを年度別に見ますと、五十三年度が一万六千七百三十八件、五十四年度が四千八百十件でございます。また、共済金の貸付状況について見ますと、本年三月末現在で二千七百三十一件の貸し付けの件数がございまして、金額で見ますと百二十一億八千万円に上っております。この制度は、取引先企業の倒産に遭遇しました中小企業者の連鎖倒産防止に大きく寄与していると考えられるわけでございます。なお、この貸し付けの年度別の内訳は、昭和五十三年度が四百四十八件、二十四億円、昭和五十四年度が二千二百八十三件、九十七億円でございます。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 この制度が発足した当初、どれぐらいの加入者があるのか、貸付金額があるのか、大体想定されたと思うのですけれども、制度が設定されたときと現況とどんなものでしょうか。予想したとおり加入者があったのか。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 制度発足に当たりましては、年間十万件程度の中小企業者の本制度への加入があるものと見込んでいたわけでございます。しかしながら、ただいま御説明いたしましたとおり二年間で二万件強でございまして、当初の見通しを相当下回っていたという現状でございます。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 ただいまお答えをいただきましたように、当初想定されたよりも加入者というのが非常に少ないわけであります。私はいろいろパンフレットをいただいたわけであります。この中で中小企業共済事業団が発行しておりますパンフレットを見ますと、実際に加入して共済金の貸し付けを受けた方々は、非常にこの制度はいいんだ、大変助かった、こういうような事例が幾つかあるわけであります。こういうように非常に評判がいいわけでありますけれども、しかし実際は加入者が非常に少ない。この制度の恩恵に浴している人たちが少ないわけであります。こうした点につきまして、制度の普及促進につきまして、政府としましてはどのような努力をされておられるのか、この点お伺いいたします。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 この制度の普及PRにつきましては、政府としても機会あるごとに政府広報を実施するとか、あるいは中小企業共済事業団といたしましても、商工会議所あるいは商工会等の委託団体が開催いたしますいろいろな説明会にこのPRを依頼する。また、新聞、パンフレットによりますPR等、あらゆる機会をとらえましてこの制度の普及PRに努めているところでございます。今後の問題といたしましては、いずれ本委員会において御審議、可決いたしますこの改正案の内容を含めまして、新聞、テレビあるいは各種説明会を活用いたしまして、全国的な強力なPR活動を開催してこの加入促進に努めてまいりたい、このように考えております。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 この普及活動というものは、この制度が非常にいいという面からいたしまして大変重要なことであろうかと思いますので、特段の努力を払っていただきたい、このように思います。  次に、倒産防止共済法改正の内容についてお伺いをいたします。今回、共済金の貸付限度額を引き上げられるわけでありますけれども、共済金の貸付限度の設定については二つの点に留意する必要があろうかと思います。その一つは、取引先企業の倒産という不幸な事態に遭った際に必要とされる資金としてこれが十分なものであるということ、二つ目には、余りに高額の貸付限度額にした場合には、返済能力を超えてしまって中小企業の負担能力を超えてしまうということで、貸し倒れになってしまうおそれがあるわけであります。この制度は中小企業の人々の相互扶助の制度であり、貸し倒れが増大してしまうことはほかの共済契約者にまた大変な迷惑がかかってしまうということになるわけであります。  そこで、今回共済金の貸付限度額を二千百万円に引き上げるに当たって、先ほど申し上げました二点についてどのように考えて行われたか、この点についてお答えいただきたいと思います。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 この倒産防止共済制度におきましては、取引先の倒産に遭遇をするといった不幸な中小企業者に対しまして、その約九〇%が回収困難額をこの共済制度の貸付金で賄えるように共済金の貸付限度額を設定しているものでございます。制度発足当初におきましては千二百万円程度であれば中小企業者の九〇%が救済できる、このように想定をしたわけでございますけれども、発足後の諸統計あるいは共済制度の運用の実績から見まして、現時点ではこの千二百万円では足りない、二千万円程度まで引き上げないとこの目標を達成できないということが判明をしたわけでございます。一方、昨年来中小企業者からいろいろ御要望を伺っておりますが、この御要望の中でもこの共済貸付金の限度を上げていただきたいという希望が多うございますので、その趣旨に沿いまして二千百万円、ゆとりのある数字を設定しているわけでございます。この共済金の貸し付けの限度をこれ以上に上げますと、先ほど御指摘がございましたように、現時点で見ますと中小企業者の共済金の償還能力の限度を超える、このように考えておりますので、この面からも余り多額の貸付限度額の引き上げは困難かと考えております。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 それでは次にお伺いいたします。  掛金月額の上限を二万円から五万円に引き上げた理由についてお答えいただきたいと思います。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 昨年来中小企業者あるいは中小企業関係の諸団体から本制度の改正について御要望を承ってまいりました。その中で、特に貸付金につきましては、従来千二百万円を借りるためには掛金を五年間積まなければいけなかった。こういう事態でございましたけれども、この貸付限度額であります千二百万円をせめて二年程度で借りられるように制度の改善をしてもらいたい、掛金積立方式の改善をしてもらいたい、こういう御要望が出ていたわけでございます。このような御要望を踏まえまして、早期に必要資金が借りられるよう掛金月額を現行の二万円から五万円に引き上げるものでございます。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 この改正で、短期間で多額の積み立てが可能となるわけでありまして、これは中小企業の方々の要望を取り入れたという面で大きな前進であると思うわけであります。  そこで、この掛金の税法上の取り扱いについてお伺いしたいと思います。  これは現在におきましては損金あるいは必要経費として扱われておるというふうに聞いております。そうした恩典というか特典がこの制度の大きな魅力というふうに聞いておるわけでありますが、今回こうした引き上げが行われるわけでありますけれども、この掛金の税法上の取り扱いに変化があるかどうか、この点についていかがでしょうか。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 現在の共済金掛金の税法上の扱いでございますけれども、企業の場合には二万円全額が損金算入、また個人の場合には全額必要経費算入となっております。御指摘のとおりでございます。また、共済契約を解約いたしました場合の解約手当金につきましては、企業の場合でございますが、益金算入になっております。また個人の場合には、事業所得の雑収入算入扱いになっているわけでございます。  今回、掛金の月額が二万から五万に引き上げられるわけでございますけれども、税法上の扱いにつきましては従来どおり全額損金算入なり経費算入するということで税務当局と了解がついております。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 ただいま御答弁をいただきましたが、掛金の上限が五万円になっても税法上の取り扱いは従来と変わらないということですと、年間最高六十万円が損金算入することができるということでありまして、本制度の魅力というのはこれまで以上に高まるというふうに考えられるわけであります。  最後に、完済手当金の制度の創設があります。これは共済金の貸し付けを受けた場合の負担が軽減される、こういうことで、この制度のまた大きな前進であるというふうにも考えられるわけであります。この完済手当金の支給について、政令でその率を定めるとなっておりますが、この政令はいつ定められ、その支給率はどのくらいになるか、その点についてお答えいただきたいと思います。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 完済手当金の支給額は、貸し付けをいたします共済事由の発生率あるいは貸し出しました共済金の貸し倒れ、つまり償還不能発生率及び今後の加入者数がどのくらいになるかによりまして、いわゆる余裕財源がどのくらい生ずるかということによって決まってくるわけでございます。現在の制度によりまして貸付金の償還期間は五年間でございます。最初の完済者が出ますのが五十八年度になってからでございます。これから五十八年度までの間に、先ほど御説明いたしました共済事由発生率や貸し倒れの発生率等がどのような実績を示すかによりまして完済手当金の額は決まってくるものでございまして、現時点でどの程度の支給額になるかを見通すことは困難でございます。現在の実績、つまり現状によりますと、特例前納加入者の共済事由発生率が非常に高うございますから、この現状のまま推移するといたしますと、制度改善に伴う加入者増の数字いかんにもよりますけれども、なかなかむずかしいのではないかと思います。  いずれにしましても、今後先ほど御説明いたしましたいろいろな要素がはっきりいたしますので、五十八年度までには私どもとしては支給が可能になることを期待しているわけでございます。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 まだ現段階でははっきりしていない、こうした御答弁であったわけでありますけれども、たとえば加入者が増加し、共済金の償還が順調にいけばいくほど完済手当金の支給率が高まる、このようには理解できるわけであります。この趣旨を中小企業の方々に十分徹底していただいて本制度の普及に全力を注いでいただきたいと思うわけであります。  加えまして、実は私の選挙区、豊田市でありますけれども、自動車産業がありまして、数多くの下請企業があるわけであります。一次、二次、三次、こうした下請企業にとって、経営の安定を図る上でこの制度は非常に効果があると思うわけであります。この制度の加入促進について、たとえば親企業の方から下請に対して加入したらどうだと周知を図るといいますか、これはいささか問題もあるというふうにも考えられるわけでありますけれども、こうした点につきましてどのように考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 ただいま御指摘がありましたように、この制度は、できるだけ多くの中小企業の方が加入していただきますことが、この制度が円滑に運営できる一番かぎでございます。われわれといたしましては、従来の実績にかんがみまして、何とかこの制度をより魅力のあるものにして多数の方に参加していただくように、いろいろな面の先ほど説明いたしましたPRを実施していくということを考えておるわけでございます。そういう点で、いま御提案のありました親企業を通じまして下請企業にも本制度の周知を図るということにつきましては、まことに適切なことではないかというふうに考えております。やはり下請企業というのは、よけいに連鎖倒産というようなものについては地位が弱いということもございます。そういう点では親企業の方に理解を深めてもらって、こういうものに下請企業の加入を促進していただくということは、下請関係自身をよくするという点にも非常に役立つというように思われますので、われわれも御趣旨に沿った普及の方法というものを十分やってまいりたいというように考えております。  いずれにいたしましても、先ほどから先生のお話がありましたように、制度の普及、加入促進というものにつきまして、政府の広報あるいは商工会議所等の委託団体による広報というようなことをやってまいりたいと思いますし、また委託団体自身もたとえば金融機関等にも広げるというような点もいま検討しておるところでございますので、御指摘のように、制度の普及というものについて十分努力をしてまいりたいというように考えております。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 最後に次官にお尋ねをするわけでありますけれども、先ほどから再々申し上げておりますように、この中小企業対策は日本の経済を支える柱であるということでございます。今回この二つの法案につきまして、今後また審議も進められることと思います。各質問がなされると思いますけれども、これを踏まえまして、政府といたしましてこの質問の内容を取り入れ、それを政策の中に組み入れていただきたい。その決意といいますか、今後の姿勢というものについて最後にお答えをいただきまして私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。

梶山静六自由民主党通商産業政務次官

○梶山政府委員 浦野委員御指摘のように、確かに中小企業はいわばわが国の産業を支える根幹でございます。事業所数も五百八十一万、総体の比率の九九・四%を占めておりますし、従業員数は八一・一%を占めております。そういう観点から見ましてもまさにわが国経済のいわば基盤でございます。そしてまた、この中小企業が本当に活力ある企業活動をなすことがいわば自由社会のある意味での源泉でございます。そういう観点を踏まえまして、十二分にこの中小企業が活力あるように振興施策を講じてまいりたいと思います。

浦野烋興自由民主党

○浦野委員 ありがとうございました。   質問を終わります。

渡部恒三自由民主党

○渡部(恒)委員長代理 上坂昇君。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 初めに、中小企業信用保険法の一部改正案について質問をいたします。  中小企業信用保険の契約は、保険公庫と信用保証協会の間で、中小企業者が保証協会に保証を申し込んだ金額を基礎にして結ばれる、こういうふうに考えていいですか。——そこで、窓口が二つあると思いますね。一つは直接申し込む場合、それから金融機関を経由して申し込む。この二つの場合どっちが多いか、お調べになっていたらお答えをいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 件数で申し上げますと、銀行扱いのものが大体七五%、大体四分の三が銀行経由ということになっております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 そこで、いつも問題になるのは、保証協会というのは中小企業者に対して保証するんじゃなくて銀行に対して保証をして、銀行はずいぶん長い取引をやっていても最近は直接貸さないのですね。必ず保証協会を通す。そういうふうな傾向にずっと来たわけです。だからいつ見ていてもどうも銀行のためにつくっているような気がしてしようがないのです。きのうも中村委員の方から、いわゆる社会政策的な問題なんだ、にもかかわらずそうでなくなっているじゃないか、こう指摘がありましたけれども、この辺のところの問題点を指摘し、これをどうやって本当に中小企業のめんどうを見るような形に指導していくか、これが保証協会の運営にとっては非常に大きなポイントではないかというふうに私は思うのです。その点はいかがでしょう。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 信用保証協会の任務はまさに信用の補完でございまして、金融機関、つまり銀行等が中小企業に資金を貸し付けるときに、十分な担保力もあり信用力もあって貸し付けるものは金融機関がみずから貸し付ける。しかしそういう信用力、担保力が少し通常の貸し付けに対して足らないというものに対しまして、補完的な意味で信用保証をかけるというのが本来の趣旨でございます。こういう趣旨に基づきまして、当方からも金融当局にお願いをいたしまして、金融機関に対してそういう趣旨を徹底させる、つまり過度に保証をかけないということを徹底してもらっておりまして、通達も出、また金融機関の団体もそういう点を傘下の金融機関にも通達をしておるわけでございます。したがいまして、過度に保証をかけないというたてまえは十分伝えられておるわけでございますけれども、じゃそういう例が全くないかと申し上げますと、実は先生も御指摘のように、そういう例がないとは必ずしも言えないというのが現状でございます。したがいまして、こういうものはやはり繰り返し繰り返しそういう点を指導しないといけないというように考えておりますので、こういう点については機会あるごとに金融行政当局であります大蔵省を通じて金融機関に注意を喚起するということにいたしたいと考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 昔、ずいぶん古い話になりますが、地方自治体にいたときに、こういうところへ預託をしたり、たとえば金融機関に預託をする金額とかそういうものについては、予算化をしてやったらどうかという意見を吐いたことがあるのです。そうすれば、少しリスクがあってもそれは政策的に持っていくことができる、こんな考え方を持っていたわけです。しかし、借りたものは当然返さなくちゃなりませんから、そのことが前提になってお金を借りて経営をやっていくわけであります。したがって、最初から何とかひっかけてやろうというような経営者というのはないと思うのですね。  そこで、特に政府系金融機関をなるべく利用しなさいということで私たちも指導をしているわけですが、いまの金融機関の窓口の傾向というのは政府系金融機関にもずっと浸透してきている。何かというとすぐに保証協会に行きなさいという傾向が出てきている。私は、これはやはり政府系金融機関としては問題だと思うのです一確かに法律にはそういうことができる、こう書いてありますけれども、できることならばいろいろむずかしい条件をつけないで、できるだけ金融の手当てをしてやるという方向で指導していただきたいと思うのです。それで保証協会の方も、やはり協会の経営であるとかそれから代位弁済をできるだけ少なくするという形の中から非常に吟味をしてくる。ここでひとつ手当てをすれば復活して生きていくことができるのだと思われるような企業に対してもなかなか首を縦に振らない、そういう傾向が強くなっている感じがします。この辺のところに対する指導、これをひとつ長官の方からお聞きをいたしたいと思うのです。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 まず、政府系の中小企業金融機関におきます信用保証協会の利用の問題でございますが、これは先ほど申しました考え方から言いますと、政府系の中小企業金融機関はまさにそういう点では模範にならなければいけないわけでございます。政府系中小企業金融機関の貸し付けというのは一つのルールがございまして、その貸し付けのルールで通常貸し付けられるものについては、当然この信用保証協会を利用しないということにならなければいけないわけでございますし、またそういうふうに指導しておるわけでございます。ただ、その貸し付けに当たって額が非常に高額だとか長期にわたるとか、あるいはそういう場合において、しかも借り入れをする中小企業に十分な信用力がないということで、通常の貸し付けルールによりますとなかなか債権保全という面から心配があって貸し付けを見合わさざるを得ないというような場合に、こういう保証協会の保証をつけるということによって、そういうものについても融資を実行するというふうなたてまえが貫かれなければならないというふうに考えておるわけでございます。現在三機関が全部の貸し付けのうちでそういう信用保証協会の保証をかけておるものは、機関によって違いますが、貸付額のうちの大体一%とか多くても三%程度でございますので、現在はそうたくさん保証協会を利用しているということはないと思いますけれども、今後もこういう点については、先ほど申しましたように機会あるごとに指導してまいりたいというふうに考えております。  それからもう一つ、信用保証協会自身の問題でございます。これについても信用保証協会というものは中小企業のために保証業務を行うわけでございますから、一面事業の健全性というのは必要ではございます。しかしながら、この健全性を貫く余り、中小企業の方々の本当に必要な場合にもそういう保証が活用できないということは問題でございます。実は第一次石油危機以降の不況に際しまして非常に代位弁済が増大いたしまして、信用保証協会自身の健全性自身が相当危ぶまれる事態もあったわけでございますので、そういうことのいわば後遺症というようなことで比較的そういう点が敏感になっておるという点もないわけではないと思いますが、最近信用保証協会の経理状況も大分好転してまいりました。したがって、今後そういうことで余り健全性を考え過ぎて必要な中小企業の保証までできないということのないように、これについてもわれわれは何回も十分よく指導をいたしたいというふうに考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 一時非常に保証協会の代位弁済がふえてきたというふうに言われておりますが、最近の状況は具体的にどんなふうになっているか、御説明をいただきたいと思います。  それから全国に五十二協会がありまして、その協会の中で言ってみればどの県の協会がいま一番経営的に安定感が少ない、こんなふうになっているのかというようなところがありましたらこれを御説明いただきたいと思います。  それからもう一つ、保証料の軽減措置、非常に努力をされていると思いますが、これの推移についても御説明をいただければありがたいと思います。  それで、きのうも出ましたが、金利の引き下げ努力といいますか、そういうものが必要だと思いますが、これについてももう一度長官からお話を承りたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 私から御質問の中の事、実関係につきまして御説明申し上げます。  近年の代位弁済の状況でございますが、先生が御指摘になりましたように、代位弁済が非常に高水準に達しましたのが五十年、五十一年。高水準と申しますのは、対前年比で申しまして六割あるいは六割五分増というのが五十年、五十一年でございましたけれども、五十二年以降、五十二年は対前年比三七%、五十三年が対前年比八%、五十四年、これはまだ速報値でございますけれども、−五十四年度につきましては一・一%というふうに逐年鎮静化してまいっております。したがいまして、代位弁済の状況に関する限り依然として高水準でございますけれども、増高傾向は鎮静化しているということが言えるかと思います。  続きまして保証料の状況でございますけれども、保証料は逐年極力安定化するように指導しておるわけでございまして、基本料率を例にとりまして申しますと、四十七年度におきましては一・三六%程度でありましたものが、五十三年度におきましては一・〇〇三%、これは全国の保証協会の基本料率の平均ということで、おおむね一%程度になっておるわけでございます。保証協会の数で申しましても、基本料率一%をとっておりますものが、五十二協会のうちの四十九協会につきましては一%の基本料率を維持しているという状況でございます。  なお協会の中で、収支状況から見て困難な協会が幾つかあるわけでございますけれども、具体的な名称はちょっと控えたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 ただいま御質問のありました中での、要するに貸し出し金利を、保証をつけたものについての引き下げの問題でございますが、これは保証をつけますれば金融機関はそれだけリスクが軽減されるわけでございますので、当然金利を引き下げるべきであるということで、これも大蔵省を通じて金融機関に指導をいたしております。また、金融機関自身もそういう趣旨をもっともだということで、自主的に金利を引き下げようということを決めております。そして大蔵省の財務局で毎年アンケート調査をやっておりますが、そのアンケート調査の結果によりますと、大体、年度にもよりますけれども、保証つきの貸し付けと保証のない貸し付けとの金利差が〇・三%から〇・四%あるというふうな数字が出ております。ただ、大数観察をすればそういうことになると思いますけれども、では現実の問題として必ず金利が下がっておるかと申しますと、これまた絶対に下がっておりますとは言えないというのが現状であろうかと思います。こういう点につきましてはそういうふうな指導を繰り返し繰り返ししていくということをやってまいりたいというふうに考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 もう一点ですが、保険のてん補率というのと保険料率というものの関係はどんなふうになるのか御説明をいただきたいのです。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 保険のてん補率は原則として七〇%であることは先生御承知のとおりかと思います。しかし、政策的に金融の信用保証を促進すべきものにつきましてはてん補率を八割に上げておる、公害対策でございますとか今回御提案の中に入っております新技術企業化保険につきましても八割に引き上げておるわけでございます。てん補率を引き上げたものにつきましては、おおむねこれもまた政策的な目的から保険料率も一般のものよりも割り引いて、保証がしやすいようにするというふうな連携をとっておるわけでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 そこで、今度の措置で付保限度額が引き上げられるわけですね。その引き上げることによって保証協会の方で予想されるリスクといいますか、そういうものはどういうふうに考えたらいいのかということについてお答えをいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 付保限度額の引き上げは、中小企業の方々の資金の借入額がだんだん増加してくる、そういうことで保証自身も大口化してほしいという御要望に沿ってやるわけでございますが、一面、いま御指摘のように限度額が引き上げられますればまさかのときが起こりますと代位弁済額も多くなってまいります。そういう点では確かにある程度リスクが増大すると言わざるを得ないわけでございますが、他面、通常の場合でございますと付保限度額が上がれば当面の保証料収入はふえるということにもなります。そういういろいろな要素を加味いたしまして、当方でいろいろ試算をしております。これは試算でございますので全く確実だとは申し上げかねますけれども、試算によれば、代位弁済額が不景気その他で非常に急激にふえたという場合は別でございますが、代位弁済額がそうふえないという前提から言えば余りリスクが増大しない、むしろ少し経営状態がよくなるかもしれないというような試算も出ております。  いずれにしましてもそういうことでございますので、限度額の引き上げということがそれほどリスクを増大することにはならないのではないかというふうに考えておりますし、先ほどからお話がありましたように七〇%ないし八〇%を保険で負担するということになっておりますので、代位弁済の場合でも信用保証協会が実際にこうむるリスクというものは少なくなっておるということでございますので、われわれとしては結論的に申しましてそれほど心配がないというふうに考えておるわけでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 低成長時代に入って、特に最近の物価の値上がり、原材料もかなり上がっておるわけですね。したがって、中小企業は金利も値上げになりましたからかなり経営的にも苦しくなる。そういうところから、いろいろ代位弁済の額もふえる可能性もある、こういうふうに思います。したがって、これからは見通しが余り明るくならないような感じがしますけれども、その辺についてはどんなふうに判断をされているか、お答えをいただきたいのです。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 確かに御指摘のように昭和五十三年、つまり一昨年までは相当不況で、信用保証協会自身の経営基盤も相当苦しかったわけでございますが、昨年は景気も回復をいたしまして一段落をしているという状態でございますけれども、今後の経済の先行きを考えますと、御指摘のとおり金融引き締めとかあるいは原材料の高騰とかいろいろ不安材料もございますし、中小企業の方自身も先行きについて相当不安を感じられておるというのが現状でございます。したがいまして、今後の信用保証協会の運営につきましても、過去の例からかんがみれば代位弁済がふえるというおそれもなきにしもあらずというふうな現状であろうとわれわれは考えておりますが、こういう点につきましては今後政府が、たとえば基金補助金を出すとかあるいは融資基金を増大するとかというふうなことにいたしまして、信用保証協会の基盤強化に十分努めてまいりたいというふうに考えておりますし、これは、今年度予算も相当程度それぞれ支出をいたしましたけれども、将来についても必要とあらばまたそういう手当てをするということを考えておるわけでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 今度新技術企業化保険が設けられることになるようでありますが、新しい技術という場合にその内容は省令で決められるというようなことを言われておりますが、これはどういうものを考えておられるのか、それから新技術と言われるものをだれがどこで認定をしていくのか、それから基準を設けるような話もありますが、基準というのはどういうところへ置くのか、この辺について御説明をいただきたい。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 新技術企業化保険の対象と認定方法等の御質問でございますが、この保険の対象とすべき新技術につきましては、限定的に申しますと、狭い意味では特許権、実用新案権を獲得した技術というものがまずございますが、それ以外にも技術改善費補助金を受けましたところの技術あるいは技術の新規性についてはっきりしておるものを対象としていきたいというふうに考えておりまして、具体的にはその技術が中小企業者の間でいまだに広く普及しておらないというものにつきましては新技術として取り上げていきたいというふうに考えておるわけでございます。  具体的な限定していく認定の方法でございますけれども、保険公庫または技術審査機構を持っております保証協会におきましてその新規性を認定された技術につきましては、保険の対象とするというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、むしろそのような機構を通じまして認定を進めていくわけでございまして、現在の時点でその新技術の基準をあらかじめ具体的に限定、列挙していくというふうな考えはとっておらないわけでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 新技術の場合、余り基準を決めない方がいい、できるだけ広範にその対象にしてもらうということの方が中小企業にとっては助かるわけでありますから、そのことについてはそうした指導をしていただきたいと思いますが、新しい技術についての手当ての仕方というのですか、中小企業に対するいろいろな金融のあり方、そういうものが何かたくさんあるようですね。これは後藤委員からも指摘があったと思いますが、これらについてはその辺の関係というのはどんなふうになっているか、御説明いただきたいのです。  それからもう一つは、そうした種類のものが一体どのくらいあるのか。いま局長が話されたように、ほかのところで手当てのついているものについて考える、こういうことになりましたが、その場合いま言ったたくさんある中で認められて、そこでたとえば融資なら融資の対象になっているといった場合に、今度また新しくこの保険のものでやれるのかどうか、保証協会がそれをまた新しくもう一回ダブって認定できるのかどうか、こういう疑問もあるものですから、その辺について御説明をいただきたい。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 中小企業分野におきます技術振興対策につきましては、先生御指摘のとおり幾つかの中小企業政策の柱がございますが、主要なものを申しますと技術改善費補助金がございます。これは中小企業者がみずから製品の性能、品質を改善する、あるいは生産技術を向上するというものでございますけれども、この対象となりますのは試験研究段階におきます経費の一部補助を行うというものでございまして、今回の企業化保険のような、試験研究の成果に基づきましてこれを商業段階で企業化する、あるいはその企業化するためのリスクをカバーするというものとは、本質的に技術開発の段階において差異がございます。  また、新技術企業化融資制度、委員は中小企業金融公庫におきます融資制度を御指摘になったと思いますけれども、この融資制度との関係でございますが、現在の中小企業金融公庫の新技術企業化等融資制度の対象となりますのは、先導的でかつ産業政策上重要であると認められる新製品あるいは新技術を商品化、企業化するための必要な資金ということでございまして、その融資対象はそのための試作あるいは企業化に必要な設備資金等でございます。冒頭に限定的に書かれておりますように、先導的でかつ産業政策上重要である製品等々というふうに明らかでございますように、これの対象となりますのはやや限定的に取り上げておるわけでございます。したがいまして、その融資の条件といたしまして特利融資あるいは長期の貸付期間ということで中公の対象としておるわけでございますが、今回の新技術企業化保険の対象となりますのは、民間の資金を導入することでございますので、むしろ現在の中小公庫が行っています新技術企業化保険よりもより広く対象が広がっていくということになります。しかしながら、中公の融資制度の対象となるものでございましても、中公の融資以外にさらに民間の融資も協調的に必要であるという場合には当然これも併用されることはあり得るかと思います。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 保証協会の中に技術審査をする機構があるようにいま私は聞いたのですが、保証協会の中にそういう機構があるのですか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 私の御説明ぶりが誤解を招くような形であったと思いますけれども、現在私どもが予定しております認定のやり方といたしまして、今後信用保証協会にそのような認定をし得る審査機構、あるいは外部に委託する場合もあるかもしれませんけれども、審査会のようなものが置かれた場合には、そこで認定されたものも対象に取り上げていくということでございまして、現在そういう審査会があるわけではございません。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 中小企業は全国的に広がっているわけでありますから、そういう機構を置くとすれば各県それぞれに置くか、それとも全部プールして中央に置くか、こういう問題も一つは出てくるのじゃないかと思いますが、その場合どちらになるかわかりませんけれども、その辺のところもひとつ御説明をいただきたいと思います。  それから今度の予算でですか、都道府県にいわゆる技術アドバイザー制度が発足をする、これらの活用といいますか、これらは全く性格の違うものかどうか、その辺もひとつ御説明をいただきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 信用保証協会が新しい技術を認定いたします場合には、その技術の性格にもよりますけれども、新技術であるということを認定し得るような、一定の審査メンバーによる審査会が必要であるというふうに考えておるわけでございますが、これが果たして各県あるいは五十二協会すべてにそのような技術判定を持ち得る審査会ができるかどうかにつきましては、やや疑問があると思います。相当大きな府県あるいは大きな保証協会にはそのようなことが認定し得る審査機関が無理なく設置されるかと思うわけでございますけれども、そのような認定審査会が設けられます場合にはもちろんそこの認定によりますし、また、それだけの力のない場合には、保険公庫にその技術の連絡が個々の保証協会からなされますれば、保険公庫には十分認定し得るような審査機構が設置できると思いますので、そのようなケースにつきましては、保険公庫に連絡されてその技術の新規性を認定するということになるかと思います。  また、技術アドバイザー制度との関係でございますが、やはり保証協会なり各県にそのような技術につきましての審査機構を設置する場合には、技術アドバイザーというものは技術につきましての経験と知識を十分傭えた方が登録されるというふうに予定されておりますので、技術アドバイザーがそのような審査会のメンバーとして、構成員として入ってこられる場合も十分考えられるのではないかというふうに考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 先ほど特許、実用新案、こういう問題が出てきましたけれども、いままでの特許の関係で言いますと、非常に長くかかっているわけですね。最近は審査が大分短縮はされたにしても、長いものだと三年、五年というようなものも出てきていたわけですね。そこで、新しい技術を特許申請をするという場合も、早くしないと、これは大企業が手をつけてしまえばそれで終わりですから、そういう問題が出てくると私は思うのですね。そこで、もちろん先ほどの答弁でいくと、これにばかりこだわるわけではないというお話でしたけれども、しかし、新しい技術が本当に有効であり、それが社会的に認められるというかっこうになると、どうしてもこうしたところで認められたものが最優先をする、こういうかっこうになってくる。この辺のところが中小企業にとっては、新技術等の保険が認められたにしても非常に問題になってくるのじゃないかというふうに思いますね。そこでこの辺のところを、そればかりにやらないんだというけれども、非常に大きなファクターを持たせないようにしてもらいたいという希望が私はあるわけですが、その辺について御説明をいただきたい。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 特許あるいは実用新案と今回の新技術の対象との関連でございますけれども、まず先生御指摘のように、今回の新技術企業化保険の対象となります技術につきましては、特許、実用新案を近年におきましてとりましたものももちろん入るわけでございますけれども、これを限定的に対象とするわけではなくて、より広い新しい工夫なりあるいは技術を対象としていくということでございます。  さらに、特許権の取得との関係を御指摘になったわけでございますが、この新技術と申しますのは、中小企業者自身の開発した技術を対象とする必要はないわけでございまして、他の機関あるいは会社におきまして開発された技術を、中小企業者が自分の分野に活用する場合も新技術として対象とするわけでございまして、委員御指摘のように、大企業が仮に登録した特許権等の技術でございましても、中小企業分野におきましてこれがまだ広く普及されておらない場合には新技術として採用していくということでございます。要するに、中小企業分野におきまして新しく導入される技術でございますれば、広くこの保険の対象として考えていくというふうに現在予定しておるところでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 いまのお答えのような形で進めていただくことを心から期待するわけであります。  そこで、新しい技術の場合、費用がもちろん出てくるわけでありますが、その場合の対象となるのは商品化試作、施設設備等の費用、こういうことのようです。そこで、もちろんこれらについては当然設備が必要でありますから、これはやってもらわなくちゃなりませんが、原料、材料の確保、それから新しい技術を開発してそれに基づく企業化をやっていくということになると、当然そこに必要な技術者あるいは労働者、いわゆる人員増の問題が出てくると思います。     〔渡部(恒)委員長代理退席、委員長着席〕 したがって、いわゆる設備投資じゃなくて運転の資金、そういうものもかなりふえてくることが予想されます。これらについてはやはり対象として十分考慮してもらえるのかどうか、この辺を御説明いただきたい。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 保険対象費目の内容でございますけれども、御指摘になりました試作品を製作するための製作費、それから製造設備のための機械設備あるいはその建物、土地というような物件を取得する費用、これらは設備資金に入るかと思いますけれども、これは当然入るわけでございます。  なお、原材料という御質問でございますが、試作品を製作するための原材料等々はこれに入ってくる、あるいは人件費につきましても、その技術の試作なり、企業化の段階で特に付加的に必要になります研究者でありますとか人員につきましては、人件費として入るわけでございます。  また、この製品を企業化し、それを市販する場合の市場開拓に要する費用、これは運転資金になるかと思いますが、これにつきましても人件費と同様に運転資金の一部としてこの保険の対象となるということでございまして、これら一括いたしまして、一億円の範囲内で新技術企業化保険の対象費目になる、と考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 そうすると、いまの場合は試作を中心とするということで、運転といいますか経営が走り出してしまえばあとは一般の金融、こういうことになるわけですね。わかりました。  次に、保証協会で保証してもらう場合に、保証協会の方で二人以上の保証人をつけろなんて言うところがあるんですよ。そうすると、保証協会が保証をしているのに何で保証人をつけなくちゃならないのか、そんなばかなことはないじゃないか、こう文句を言うのですが、それでもやはりこの保証人はかえてくれとか、こっちの保証人ではだめだからというようなことを言われる場合が実際問題としてかなりあるんですよ。こういうのは一本どういうことなんでしょうかね。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 保証協会が保証を行います場合に、その保証に関しまして対象の中小企業者に保証人を求めるということはあり得るかと思いますけれども、委員がただいま御指摘のように、保証協会が保証いたしました貸付につきまして銀行が別に改めて保証人を要求するあるいは保証協会が求めております保証人の差しかえを要求するというようなケースは私どもは承知しておらないわけでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 ところが実際にあるんですね。それで困っちゃうんです。大体保証人を二人も見つけられるような中小企業は黙って金を借りられる。保証人が見つからなくて困って、なかなか中小企業、零細企業に保証人になってくれる人はいないんです。いないから何とか保証協会でめんどうを見てもらいたい、こういうことになるわけです。ところが、実際問題としては保証協会に持っていったら二人探してこいと言うんですね。これでは現実にとても保証協会の対象にならなくなってしまう。そういうことが地方に行くとあるんです。これは全く困っちゃうのです。やはりこれをなくすような指導をしてもらわないと困りますね。そういう点では保証協会の人も一つの企業のつもりになって、保証協会そのものが何だか自分の企業みたいになって、サラリーマンになっちゃって、社長になった気になるかどうかそれはわからないけれども、とにかく一生懸命になって貸したものは取ろう、なるべく危いところには貸さないようにしょう、そこで融資してやれば救えるものでも、まあこの辺のところはとめておこう、こういう考え方になっちゃう場合が非常に多い。そこで地域の保証協会に対してひとつ十分な指導をやってもらいたい、再教育をしてもらわなければならないと思います。その点についてお答えをいただきたい。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 先ほどもお答え申し上げましたが、保証協会が保証に際しまして保証協会の健全性を追求する余り、中小企業の方々の実際の必要な資金需要に応じられないということでは非常に問題がございますし、いまのような問題も、われわれの指導としては保証人を複数置くというようなことは通常の保証の場合には考えてないということでございますけれども、現実御指摘のような点はわれわれもなかなか発見しにくいのですけれども、御指摘のようなところがあるというふうにわれわれも思います。したがいまして、こういう点についてはやはり厳重な指導をするということで、信用保証協会の使命のいわば初心に立ち返って絶えず考えないとそういう問題が起こるのじゃないかと思いますので、十分指導をいたしたいと考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 次に、中小企業倒産防止共済法に関する質問を申し上げます。  この前の中小企業事業団法の審議のとき、倒産の件数とそれから共済で扱った件数、金額、そういうものをお聞きしたわけでありますが、これからの中小企業のいわゆる動向といいますか、倒産、倒産を予想するというのはどうも余り芳しくないことなんだけれども、やはり心配なものですから、そういうことについて、今後の見通しについてお聞かせをいただきたいと思うのです。それで非常に心配が多いという場合にはやはりそれなりの対策というものが必要になってくるのじゃないかと思うので、その辺のところの見通しをひとつお聞かせをいただきたいと思う。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 最近の倒産の状況ないし見通しでございますが、実は昭和五十二年が過去においては倒産が一番多かった年でございまして、一万八千件余ということでございます。五十三年は多少倒産が減少いたしましたが、五十四年はまたふえまして大体一万六千件ということでございます。ただ、五十四年も前半は比較的倒産が減少いたしまして、後半から倒産がまたふえてきたというパターンをとっております。しかも、昨年の中ごろからのいわゆる原油の値上がり、それに伴います原燃料の値上がりというものがだんだん増高してまいりましたし、またそういう点で物価対策ということで金融引き締めというものがなされております。そういうふうなものの影響がいよいよこれから効いてくるというふうなことが非常に予想されておりますし、また、中小企業の利益率が昨年の後半になってだんだん減少してきたというふうな傾向も見られております。したがいまして、先行きについては見通しはなかなかむずかしいわけでございますが、やはり何といいますか、余り楽観的には見られないというのが先行きではなかろうかというように考えております。  倒産対策につきましては、御案内のとおり、倒産対策緊急融資とか特別保証とかあるいはこの倒産防止共済制度とかあるいは倒産防止特別相談とか、いろいろな手を打ちましてそれに備えておるわけでございますが、先行きのそういう楽観できないという現状にかんがみまして、われわれといたしましても倒産が多発するというのが現実になりましたときには、時を移さず対策ができるように十分準備をいたしたいということでいろいろ検討しておるわけでございます。  なお、倒産問題につきましては、どうしても倒産が発生した後の手当てということに中心を置きがちでございますが、もう少し倒産問題を集中的に考え、あるいは倒産に関する会社更生法その他の法制についても、十分またわれわれ中小企業庁のサイドとしてどう改善したらいいかという点も考えようということで、実は昨年から倒産対策の委員会というものを、これは私的な委員会でございますが、学識経験者に集まっていただきましていろいろ検討いたしております。そういう検討も急ぎまして、そして倒産についての、余り後手に回らない対策をも十分考えていきたいというように考えておるわけでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 いままで平均でどのぐらいの倒産——というよりも対象額ですね、今度二千百万円まで借りられるように措置をするわけでありますが、二千百万円というものが出てきた根拠と申しますか、この辺についてちょっと御説明をいただきたいと思います。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 最初に、倒産防止共済制度に関連いたしますいわゆる貸付事由発生率、これは共済契約者の相手方が倒産をした件数でございますが、二年間の累計の共済契約の加入者総計が二万一千五百四十八件でございますが、そのうち二千七百三十一件がいわゆる倒産に遭遇している企業である、こういう意味でございます。比率としてはかなり高いものでございます。  そこで、現行の共済金貸付限度額が千二百万円でございますけれども、これを二千百万円まで上げて中小企業者の連鎖倒産防止に役立てよう、こういうことを考えているわけでございますが、その趣旨を説明いたしますと、この倒産防止共済制度におきましては、契約者の取引先の企業が倒産をする、こういった不幸な事態に対しまして、中小企業者の約九割が本制度で救済をできるようにしよう、このように考えて共済金の貸付限度額を設定したわけでございます。それが二年前におきましては千二百万円あれば十分であろう、このように考えたわけでございます。しかしながら、この二年間の運用実績を見てみますと、あるいはいろいろな統計を検討してまいりますと、やはりこれでは現状にそぐわないという結論になったわけでございます。具体的に申しますと、現時点では貸付額の限度を二千万円程度に引き上げないと中小企業者の九〇%程度が救えない、こういう判断をしたわけでございます。  一方、昨年来、中小企業者及び中小企業関係団体等から、倒産防止共済制度の制度改正要望について御意見を承ってまいりましたけれども、要望の中で一番重要度と申しますか、重点を置かれておりましたのが貸付限度額の引き上げでございます。こういう要望を踏まえまして、二千百万円と、ゆとりのある数字を考えたわけでございます。もちろん、要望の中には三千万円程度まで上げてほしいという御意見もございましたけれども、共済金の貸付額を余り上げ過ぎますと、現状におきましては、返さなければいけませんので、償還に関して事故が起こる、償還不能という事態も予想されます。共済制度でございますから、貸付金の返済が滞るということは共済制度の運用上好ましくないと考えておりますので二千百万円にしたわけでございます。もちろん、今後の推移いかんによりましてはこの貸付額を上げるかどうか慎重に検討してまいりたい、このように考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 関連倒産の場合ですね、大体いま九十日から百二十日の手形をもらっているわけです。そこで、あっちが倒れちゃって、その手形どうにもならなくなった、そうした手形はこのお金を借りる場合にはどうなるのですか。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 倒産防止共済制度によりまして貸付金を受けられます対象は売掛金債権と法律で規定しております。この債権の中には当然御指摘のございました手形等の事故も含まれる、このように考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 その手形は本人が持っているわけですか、それともその手形はどういうふうな措置になりますか。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 共済契約者、つまり本人が持っております手形も対象になるということでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 手形も対象になるというと、その手形を預かって、それが五百万円だとしたらその五百万円について貸与する、こういうことになりますか。その場合、手形は担保になってしまうのですか。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 当然のことではございますけれども、掛金の十倍の範囲内にその五百万円が入っておれば対象になります。  なお、本制度によります貸付金は無担保でございますので、その手形は担保に入らない、こういうことになっております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 そうしますと、手形は額面のところで掛金が充当されれば貸してもらえる、そのかわり手形は自分のところに置いておく、こういうことでいいわけですね。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 御指摘のとおりでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 わかりました。共済制度についての加入が低調であるとかなんとかという問題については、いろいろな方から指摘がありましたからこの辺で終わりますが、もう一点だけ、いままで損金算入の税制上の措置がありましたけれども、これは掛金が引き上げられてもそれはそのまま継続する、こういう認識でよろしゅうございますか。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 御案内のとおり現在二万円の掛金限度額でございますけれども、その税法上の取り扱いは、法人に関しましては全額が損金算入、また個人の場合には全額が必要経費算入となっております。今回、二万円が五万円に引き上げられましても、全額が現行どおり損金算入あるいは必要経費算入になる、こういうことで税務当局と了解がついております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 これで倒産防止共済法についての質問を終わりますが、前の事業団の問題とも関連がありますので、ダンプカーの事故防止対策についてお伺いをいたしたいのであります。  昭和五十三年十月に内閣総理大臣官房交通安全対策室がダンプカーによる交通事故防止対策懇談会を設けまして、その提案に基づいて「ダンプカーによる交通事故及び違法行為の防止対策について」というパンフレットを出しているわけです。その提案に基づきまして、五十四年十一月二十七日に運輸省の自動車局長名で各陸運局長及び沖繩総合事務局長あてに「ダンプカー使用事業者の協業化の促進及びダンプカーの使用の届出の取扱い等について」という通達を出しております。この実効を期すために現在どのような指導を行っているか、運輸省の方がおりましたらお答えをいただきたい。

尾松伸正運輸省自動車局業務部貨物課長

○尾松説明員 お答えいたします。  ダンプカーの事故防止につきましては、御指摘のとおり五十三年十月に総理府に設けられましたダンプカーによる交通事故防止対策懇談会から提言が出されました。運輸省といたしましてはこの提言の趣旨に沿いまして通達を出したわけでございますが、その趣旨は、既存の零細なダンプカー使用事業者で、運送事業の免許の取得の意思のある者に対しましてその協業化を積極的に推進しよう、そして共同出資による新会社の設立あるいは協業組合もしくは企業組合の結成を指導いたしまして、それが所要の運送免許基準に合致する場合には道路運送法上の免許を付与しようということが第一点でございます。また同時に、法的にあいまいなダンプカー使用事業者が出てくることを排除し、防止いたしますために、ダンプ規制法による自家用ダンプカーの使用の届け出内容の改善等につきましても通達しているところでございます。  その通達におきましてどういう措置を講ずることを指示したかと申しますと、まず協業化につきましては、先ほど申しましたように、既存のダンプカー使用事業者で運送事業の免許の取得を希望する者については積極的に協業化を指導する、そしてそのために、たとえば陸運局とか陸運事務所の担当の課にパンフレットなどを常備いたしまして、ダンプカー使用事業者等からの問い合わせに即応できる体制をとるということ、それからまた、関係都道府県のトラック協会とかダンプカー協会等から協業化についての説明会を開催したいというようなことがございますが、そういうところには積極的に出かけていってよく趣旨を説明する、そして協力を求める、こういうようなことを指示してございます。  またそれに関連いたしまして、この通達におきましては同時に運賃の適正化あるいは違法営業の防止につきましても指示してございますけれども、いずれにしましてもそういう通達の趣旨を関連のダンプカー協会とかトラック協会に対しまして十分説明をいたしまして、その理解と協力を得ながら通達の円滑な実施を期するようにという指示をしております。また、当然その通達に従いまして免許事案等が出てまいりますけれども、そういう事案につきましても、いま申しました通達の趣旨に沿いまして処理をしていくようにということを同時に指示をいたしたところでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 そこで問題が出てくるわけでありますが、現在ダンプカーの使用実態は十九万六百八十三台、こう出ておりますね。そしてその九〇%がいわゆる砂利採取あるいは販売業、それから建設業界、そのダンプーであります。ところが自分一人の、いわゆる一人一車の事業者といいますか、その人が十万六千五百八十七人いるということで、いわゆる白トラとか砂利トラとかというふうな名前で呼ばれているわけです。これが非常に大きな事故を発生する危険性があるということでこういう問題になったのだと思いますが、個人タクシーでは一人一軍の人たちが運送免許をもらう、これの制度が確立したわけです。このいわゆる一人一車のダンプカーの事業者、そういう人にはそういう措置はとれないのかどうかということが第一点です。  それからもう一つは、トラック協会というのは各県にあるようですが、ダンプカー協会というのは現実に各地にできているのかどうか、その辺について御説明をいただきたいのです。

尾松伸正運輸省自動車局業務部貨物課長

○尾松説明員 お答えいたします。  御指摘のとおり、約二十万台大型ダンプカーがございますが、そのうちかなりのものがいわゆる一人一車と言われるものであるところでございます。それに個人タクシーのように直接一人一人に運送事業免許は与えられないかという御指摘だと思いますが、先ほど申しました総理府の提言でも指摘されておるところでございますけれども、一人一車というようなきわめて零細な業態であることに一つの大きな問題があるのではないかというふうにとらえておりまして、私どもといたしましては、やはりこうした方々に協業化していただいて、協業組合なり企業組合にまとまっていただきまして、免許基準に合致するようにまとまっていただいて運送免許を取得する、こういう方向で指導いたしたいというふうに考えておるわけでございます。  それからダンプカー協会でございますが、直接には総理府の方で所管いたしておりますので、いま手元に資料を持ち合わせておりませんのですが、まだ全県には設立されてはおりません。半分程度であったかと思います。ただ、毎年設立が増加しているという状況でございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 先ほど私、十万六千五百八十七人が一人一車のような発言をしましたが、これは自家用ダンプ使用者の数で、そのうちの大体七三%の七万七千六百四十八人が一人一車という統計になっているということを訂正をいたしておきます。  そこで問題になるのは、私もこれからお手伝いをして、できるだけダンプ業者を協業化なり企業化なりしていきたいと思っています。ただ問題なのは、運送業の免許をもらう場合に聴聞会が必ず陸運局で開かれるわけですね。そうしますと、大体地元の業者というのはこれに反対をする。まず賛成をするというのはほとんどない。反対をしますと聴聞会を何回もやって、大体二年ぐらいかかるのですね。二年もかかっていたらこれはとてもだめですからね。大体運転手の人たちはみんなそう言っちゃ悪いけれどもいささか気が短いから、集まって何とかしょうと思ったらもう早急に実現をしていかなくちゃならぬ。そうなりますと、設立を認めて早く免許を出すことが必要になってくるのです。これがなければ仏つくって魂入れずになっちゃう。  そこで陸運局のいまの自動車運送業に対する措置を事務的に非常に早めてもらわなければならないということと、それからトラック協会等に十分指導をされているとは思いますが、こうしたものができたらそれには賛成をしてもらって、とにかく三カ月くらいの間にはもう設立ができるくらいのところで措置をしてもらいたい、こういうふうに私は思うのです。その辺について御回答をいただきたいのです。

尾松伸正運輸省自動車局業務部貨物課長

○尾松説明員 先ほどもちょっと簡単に触れましたけれども、こういう通達に沿いまして協業化をしたい、運送事業免許を取りたいという申請が出てまいることを私どもも期待をしておるところでございます。また、そういう方向でもってダンプカーの正常化を図ってまいりたいというのが今回出しました通達の趣旨でもございます。現実には御指摘のような問題がある場合も予想されるわけでございますけれども、だからこそ私どもといたしましてはトラック協会、ダンプカー協会等に対しまして、積極的にパンフレットもつくりましてこの通達の趣旨、先ほど申しました協業化あるいは届け出制度の改善、運賃の適正化、そういう総合的な対策を講じていきたいのだという通達の趣旨を十分に説明をいたしまして、その理解と協力を得まして通達の円滑な実現を期してまいりたいということでございます。したがいまして、まずそういう理解と協力を得ることに努力をいたしながら、実際に出てまいりました免許事案の処理に当たりましても早期の処理に努めてまいりたい、かように考えております。一般的に申しましても、こういう免許申請等の処理はできるだけ迅速にいたさねばなりません。そのために機会あるごとに陸運局に対しましても指示しているところでございますけれども、今後ともそういう方向で努力をしてまいりたいというふうに考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 そこで、運賃の適正化の問題をもう一点聞きますが、一人一車で籍を置いて仕事をしている業者が非常に多いわけですね。それをなくして協業化するということになりますと、やはり一つの企業体が取引先の企業体と交渉するというかっこうになってきます。そうなりますと今度は、その企業体を使うことによって経費が増大をするというふうに依頼をする方の業者が考えた場合には、これはせっかくつくっても契約ができなくて仕事が減ってしまうというようなおそれが出てきます。そこで、依頼者側の方に対しても十分なPRと十分な認識を持ってもらわないと、やはり本当の交通事故対策あるいは違法行為の絶滅という形にはなっていかないおそれが出てきますね。この辺のところをどういうふうにされるかお聞きをしたいのです。

尾松伸正運輸省自動車局業務部貨物課長

○尾松説明員 トラック事業者の運賃は、道路運送法によりまして一応認可制になっております。ただ、ダンプカーのみならず、運送事業者は零細な事業者が多うございます。したがいまして、御指摘のようにやはり荷主サイドの協力と理解を十分に求めていかねばならないというふうに考えておりまして、直接私どもから荷主に何かの権限を行使するということにはまいりませんが、たとえばトラック協会等に荷主懇談会という場を設けさせまして、そういうところへ陸運局担当官も出向いてまいりまして、制度あるいは事業の実態等を十分御説明し、荷主サイドの理解と協力を求めていくということをやっておるところでございまして、そういう方向で今後とも努めてまいりたいと思っております。  基本的にはやはり協業化をするなり共同化を進めるなりしまして、トラック運送事業の経営体質を向上させていくということを目指したいと考えておりますけれども、やはりいま申しましたような荷主懇談会等の場を通じまして十分理解と協力を求めていくことも必要である、こういうふうに考えて指導しておるところでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 そこで、今度は中小企業庁の問題に入ってくるわけでありますが、企業化をして組合をつくるあるいは株式会社をつくるということになりまして事業を興すわけであります。そうなりますと当然経費が必要になってくるわけであります。設備から運転のいろいろ費用がかかってまいります。ところが、それは発足してからですが、発足する前にお金が必要になってくるわけですね。そこで、運輸省と通産省がずいぶん長い間かかって合議をしたようでありますが、中小企業高度化資金の活用といいますか、これが今回決まったようでありますね。その助成の割合は所要資金の六五%で償還期間が十二年以内、うち据え置き期間が二年以内、そして金利が年二・七%、こういう説明がされておるわけでありますが、これはそのまま確認をしてよろしいかどうか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 運送業者に対しまする高度化資金の融資につきましては、先生がいまお話しになりました一般の高度化事業がございまして、融資率六五%、融資期間は十二年以内という高度化事業がございます。それに加えまして、五十四年度から特に小規模零細運送業者が利用しやすいようにという目的で、貨物自動車運送業事業所共同利用事業制度という新しい制度を発足いたしまして、この場合でございますると融資率が九〇%まで設けられておるということでございます。したがいまして、先生が現在問題にされておられます零細なダンプカー使用業者等に対しましては、この小規模零細運送業者が利用できまする共同利用事業制度を積極的に活用していただきたいというふうに考えておるわけでございまするが、企業組合、協業組合の設立の段階では、やはり運輸省の方針に従いまして運送業の免許を得る必要があるということでございますので、並行的に準備を進めまして、運送業の免許を得た段階で高度化資金を貸し付けるというふうな準備を進めるというふうに進めてまいりたいと考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 そうしますと、免許が出た段階でいまの高度化資金は借り受けることができる、その場合はいまの九〇%のものではない、こういうことですか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 その共同事業の内容に即しましていずれの高度化事業も利用できるわけでございますけれども、五十四年度から発足いたしました貨物自動車運送業事業所共同利用事業制度は小規模、すなわち五人以下の小規模な零細業者が五社以上集まるという場合には、この共同利用事業を活用する方が融資率等で有利でございますので、現在御指摘になっております零細なダンプカー使用事業者の場合には、この共同利用事業がむしろ活用されるのではないかというふうに考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 いま私の手元にある仙台通産局の使用者の皆さんへというパンフレットには、十五万以上の都市で十両以上ですね、それから人口五万から十五万未満のところで七両、五万以下の市町村、それが五両以上、こうなっていますね。そうしますと、いわゆる本当の小規模の企業といった場合、五両以上というお話でしたが、この九〇%の共同施設の利用ができる場合は、いま私が申し上げたうちのどれに該当しますか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 高度化事業の本制度の要件といたしましては五社以上が集まる、たとえそれが一人一車両でございましても五社あるいは五人以上が集まれば高度化事業の要件としては満たしておるということでございます。もちろん先ほど来運輸省の方から御説明がありますように、運送業の免許を得る必要がありますので、その免許取得のための要件と、この現在の高度化事業の要件と両方が満たされる必要があるかと思いますけれども、高度化事業の面から言いますとそのような形になっております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 そこで、もう一点ですが、十両なら十両の車を置いておく場所、それから有蓋の倉庫、これは一台分は必ずつくらなくちゃならないというような指導になっているわけです。そこで一人一社の人たちが企業組合をつくるわけでありますから、みんなそれぞれ自分の家でやっておるわけですから、そんなに土地なんか持っておるはずがないんですね。やはり土地は先に借りなければできませんね。計画書を全部出さなくちゃいけない、それから倉庫ももちろんつくらなくちゃならないということになりますと当面お金がかかってくるわけです。ところが毎日毎日ダンプカー飛ばして仕事をしてなければ生活ができない人たちなんですから、なかなかこれは大変であります。したがって、私はこうした人たちが集まって企業体をつくって、本当に事故防止をやるという意欲に燃えて立ち上がって、そうした企業をつくるという雰囲気ができた場合は、それに対して大体確実に資金の裏づけができますよというものがないとこれはだめですね。そしてまた、そうしないと、当面別な銀行へ行って融資してもらおうと思ってもできない、そういう問題が出てくると思うんですね。  そこで私は、せっかくこれだけのものをつくって全国的な交通事故対策、違法対策をやるわけでありますから、これはやはり一つの大きな政策として進めなければならぬと思うんですね。そういう意味では運輸省と通産省がもっともっと緊密に連絡をとって、要するに免許の面も運輸省がよくめんどうを見る、それに対して実際に仕事がやれるだけの資金的な援助は通産省が十分見る、こういう形で、せっかく集まった人たちの意欲をそがないような措置を考えてもらわなくてはならぬと思うのですね。お金を貸す場合にはなかなかむずかしい問題があって、免許をもらった者でなければ貸せないということになるのだろうと思いますが、何らかそれを保証するような、制度とは言いませんけれども、対策を立ててもらいたい。これがないと一生懸命に集めようと思ってもなかなか集められない、私たちもその辺が非常に不安なものですから、答弁をいただきたいのです。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 零細なダンプカー業者に対する政策といたしましては、政府全体で協業化等を中心とする対策を進めるべきだという決定があるわけでございまして、制度的にはいろいろな制度を準備したわけでございます。これが実効あるものとして具体的に進むように、手だてを進める段階におきましては運輸省と十分緊密な連絡をとりまして、実効が上がるように考えてまいりたいと思います。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 最後にもう一つお願いをします。  これはやはり地方自治体が非常に大きな役割りを果たすと私は思うのです。というのは、地方で土地を見つけようと思っても、トラックなんか置く広い土地はとても見つからぬですよ。そうするとどうしても工業団地みたいなところの利用が必要になってくると私は思うのです。したがって、そうした面では何といっても地方自治体が推進しているわけでありますから、地方自治体と十分な連絡をとって、そうした企業体ができる場合にはこれに対して十分な援助をしろ、こういう形で地方自治体に対してもいろいろ指示をしていただければありがたいと思いますが、長官、その辺はいかがですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 いま担当部長が御説明申し上げましたように、制度はできたわけでございますけれども、それを実際に現実化していくという面においては通産省も運輸省と緊密な連絡をとる必要がございますが、御指摘のとおり業者と現実にはだを接しておられます地方自治体、府県とか市町村の方の御協力なり御指導がなければなかなかうまくいかないということは事実でございます。今後も十分連絡をとり、こういう具体的なケースにも即して実施が容易になるようにいたしたいと考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 運輸省に申し上げますが、いまの小規模の共同利用の面がパンフレットに抜けているから、通産局に通達をして、いまできているものにきちっと書いておくことが必要だ、その点指摘をして私の質問を終わります。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 以上で上坂昇君の質疑は終了いたします。  午後二時から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時五十四分休憩      ————◇—————     午後二時開議

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。渡辺三郎君。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 中小企業信用保険法の一部改正、それから中小企業倒産防止共済法の一部改正の二法案について、できるだけ法律の改正点にしぼって具体的にお聞きしたいと思っております。  まず、信用保険法関係から質問をしたいと思います。  最初に、最近の保証状況についてお聞きをしたいと思いますけれども、現在の保証債務残高はどういうことになっておりますか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 現時点で、と申しますのは、本年の三月末の保証債務残高でございますが百八十七万件、金額で申しますと六兆千五百億円に達しております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 いま挙げられた数字、一番新しい数字だと思いますけれども、これは中小企業の金融全体に占める割合は大体どのくらいになっておるんですか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 金融全体に対します比率で申しますと約六%程度になっております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 それから、現在協会の保証を利用している企業の数、これもどのくらいあるか、概数で結構ですけれどもお答えいただきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 件数で申しますと百八十七万件の保証件数があるわけでございますが、全体の中小企業者の利用という面で申しますと、全国の中小企業者のうち五人に一人は保証協会の制度を利用しておるという状況になっております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 次に、代位弁済の関係でお聞きをいたしたいと思います。これは、昨日来の質問、答弁の中でも非常に著増している、こういうふうな最近の傾向についてお話があったわけでありますけれども、これも件数と金額を一番新しいものでお答えいただきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 代位弁済の状況でございますが、件数の方を最初に申します。五十一年度以降を申しますと、五十一年度は三万九千件、五十二年度が五万件、五十三年度が五万三千件、五十四年度は、速報値でございますけれども、約五万件ということになっております。  これに対応いたしまする金額でございますが、五十一年度が千九十億円、五十二年度が千四百九十六億円、五十三年度が千六百十六億円、五十四年度が千六百三十三億円ということでございまして、ただいま申しましたように、金額ベースで申しますと非常に高水準ではございますけれども、その増加傾向、増高のテンポは一応頭打ちになっておるという状況かと思います。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 そこでお聞きしたいわけでありますけれども、代位弁済が行われた企業のその後の状況、たとえば具体的に申し上げますと、いままでやっておったと同じ営業を継続しておる、こういったような状況は、代位弁済をやった企業の中で一体どのくらいなのか。あるいは代位弁済をやるくらいでありますから、倒産あるいは廃業してしまった、こういうふうな状況もありましょうし、それは一体どのくらいになっておるんでしょうか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 個々のケースによって相当違うと思いますし、また、代位弁済が行われました中小企業者の債権の状況あるいは業務継続の状況等を一括して示しますデータが残念ながらございません。しかし、定性的に申しますと、倒産後また新しい会社なりあるいは企業の従業員が新たにまた仕事を別の形で進めるというケースが多いのではないかと思います。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 各都道府県別にある信用保証協会の全国の連合会などで、いま申し上げましたような内容について分析なり数字をまとめたものはございませんか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 調べてみたいと思いますけれども、ただいまのところわれわれの方に受けております報告では、そのようなデータがないということでございますけれども、なお連合会の方に改めて問い合わせてみたいと思います。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 了承しましたが、さっき部長言われるように、これはそれぞれのケースごとに非常に複雑な内容を持っておるということは理解できます。理解できますけれども、その後一体そういった企業がどういう状況になったのか。また、それを救済するといいますか、指導するについてそれぞれの信用保証協会あるいはまた金融機関、都道府県、ひいては中小企業庁、こういったところがそれぞれの任務に従って指導したり具体的な援助をやったり、それがどうなっているかということは非常に大切な問題ではないかと考えるわけです。ですから、ぜひそういう点についても数字を集約していただくなり、全体的な指導を強化していただきたい、こういうふうに考えます。  次に、具体的な保証の審査の処理日数といいますか、これは前から言われておることでありますけれども、それぞれ都道府県の信用保証協会では審査日を定例的に決めておって、そこでその都度、何件か申請されてくる保証について審査を行って、そして保証をつける、こういうふうなやり方をやっておることは私も十分にわかっておるわけでありますけれども、そういうやり方がやられておるにもかかわらず、利用者の方から言えば処理日数が非常に多くなっているじゃないか。非常に緊急にわれわれは欲しい場合が多い、それにもかかわらずいろいろ手間取って困るんだというふうな苦情を前から聞くわけであります。この処理日数が一体どのくらいになっておるのか。また、これは何らかの方法で、まあそれぞれ短縮する努力は行っているとは思いますけれども、それに有効な対策をどのように考えておられるのか。もしあれば、この点もあわせてお聞きをしたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 現在の保証処理に要します日数でございますけれども、従来とも保証協会におきましてできる限りの努力をしておるわけでございますが、現状では新規の保証に対しましては、その保証を行います対象企業のところに参ります現地調査を行うこともありますので、五日ないし九日間を要するという状況でございます。ただ、すでに協会が過去に保証をした中小企業者に対しまして、改めて保証する際には通常二、三日で済んでおりますし、また特別小口保険のような小口の保険につきましてはやはり通常二日ないし三日で処理しておるという状況でございます。今後とも極力処理日数を短縮する必要があるわけでございますけれども、いろいろな方法の中の一つの手段といたしましては、協会ごとにコンピューターの活用を行うというような事務の合理化をさらに進めていくことが一つの方法ではないかと考えております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 いまお聞きしますと、新規の保証の場合で五日ないし九日、それから、すでに保証を行った経過のある企業については二、三日というお話ですから、これでありますと保証のためにそう過大な日数を費やしているとは私は思いませんが、私どものところに相談のある企業は、あるいは特殊に非常に遅いのが思い余って来るから長く感じるのかもしれませんけれども、こんな程度の日数じゃなくてもっとかかっておると私どもは理解しておったわけであります。いまの数字は全国的な平均でしょうか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 御指摘のようにいま述べました日数は標準的な日数でございまして、対象となる中小企業者の信用度とか担保能力等々によりましてばらつきがあることは当然かと思います。なお、当然のことでございますけれども、極端なケースがございますれば私どもといたしましてもそれを是正する方向で努力したいと思うわけでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 次に、保証協会の経営の現況について若干お聞きしたいわけであります。  財務状況とか収支の実態はそれぞれ個々の協会によって多少違うことはわかりますけれども、全国的に見てどのような現況にあるのか。これも数字があれば数字を示しながらお答えいただきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 保証協会の全体的な財務状況をあらわします指標といたしましては、保証規模に対して各年度末で計上されます黒字の額、いわゆる収支差額で見るのが一番明確な指標かと思います。最近年度、五十三年度の信用保証協会の収支差額がございますが、当該年度で百六十億円の黒字を出しております。しかしながら、この年度におきましては、全協会で五兆六千四百億円の保証債務の残高がございますので、その保証債務残高に対する比率、いわゆる収支差額率で申しますと〇・二八%という数字になるわけでございまして、概括して申しますれば収支とんとんになっておるという状況でございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 この法案審議に当たっても繰り返し同僚の各委員から言われておった内容でありますが、保証協会の基本財産の強化、増強はきわめて重要な課題であります。政府としてはこの問題について、自治体あるいは各金融機関に対してどういう協力要請を行われておるのか、なるべく具体的にお答えをいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 信用保証協会が健全な運営をするためには基本財産の増強が一番重要でございます。したがいまして、われわれといたしましても基本財産の増強を推進しておるわけでございますが、基本財産の一番中心になりますのが地方庁からの出捐金、それから金融機関からの負担金でございます。これを増額させることが信用保証協会の基本財産の増強につながりますので、この増額については機会あるごとに要請をしておりまして、大蔵省、それから中小企業庁連名の通達で知事あるいは銀行等の金融機関の団体に対してそれぞれ要請をしております。最近も代位弁済が非常にふえてくるという状況もございますので、今後も状況に応じて注意を喚起して、この要請を実現していただくように処置をいたしたいと考えております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 信用保証協会の経営基盤の強化に関連をして融資基金の問題について考え方を若干お聞きしたいと思うわけであります。  手元にある資料によりますと、これまでの拠出の累計は、昭和四十四年から五十五年までで二千二百五十五億円、特に今年度の場合には二百八十億円になっておるわけでありまして、相当の金額になっておることは事実でありますけれども、これが各協会の経営基盤の強化に果たしている役割りは非常に大きいだろうと私は考えておるわけであります。特に各協会による金融機関に対しての融資基金の預託の効用について長官はどのようにお考えになっておるか、それを具体的にお聞かせいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 御指摘のとおり、融資基金が信用保証協会の運営に非常に役に立っておるということでございまして、信用保険公庫から信用保証協会に融資基金を低利で貸し付けております。これは金額等によって率は変わっておりますが、平均いたしますと大体定期預金金利の半分くらいの金利で貸し得ると考えております。したがいまして、その融資を受けた信用保証協会が関連の金融機関に預託をいたしますと、大体定期預金金利で預託ができるわけでございますからその金利差がございます。それが信用保証協会の運営の大きな財源になるわけでございます。また預託いたしますと、保証協会が金融機関に対して要望なり何なりをいたしますときに、金融機関としては保証協会に当然協力的になるということが考えられます。したがいまして、信用保証協会がその保証業務を遂行するに当たって、金融機関と密接な連絡がとれるという無形のメリットもあるわけでございます。こういうことがございますので、われわれといたしましては今後とも融資基金の増加には十分努めてまいりたいということでございます。  五十五年度までの累計はいま御指摘のとおり二千二百五十五億円でございますが、年度を通じて見ますと、五十年度までは最高百八十億くらいでございましたが、五十一年度に入りまして二百十億になりまして、その後もある程度増加をいたしまして、五十五年度は二百八十億と相当大きく増加をいたしております。今後も融資基金の確保については十分考慮をいたしたいと考えております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 わかりました。  先ほど申し上げましたそれぞれの地方庁の出捐金なりあるいは金融機関からの協力、これにあわせてやはりいま申し上げました融資基金の果たしておる役割りというものも経営基盤の強化にとっては非常に役に立っておる、こういうことでありますから、特に五十五年度の場合には二百八十億、決してこれですばらしいというふうに私は思いませんが、しかしいままでの実績から言うと五十五年度は相当がんばったな、こういう気がするわけであります。これはぜひとも今後の経営基盤のためにさらに大きな努力を尽くしてもらいたい、金額をふやしてもらいたい、こういうふうに強く要望をしておきたいと思います。  それから、今回の法改正による付保限度の引き上げによって、保証限度はこれによって引き上げられることになるのかどうか、この点、さらにこれに関連をして保証協会の収支状況に照らして、先ほど非常に大ざっぱな御報告は部長からいただきましたけれども、この収支の現状に照らしてそれが可能かどうか、これも含めてお答えをいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 今回の付保限度の引き上げに伴います状況でございますが、一つは保険公庫の保険の引き受けがどうなるかということでございます。五十五年度の予算におきましては、この付保限度の引き上げも頭に置きまして引受予定額を前年に比べて増加させておりまして、大体五兆一千六百五十億というのを予算上の保険公庫の保険引受予定額ということで予算を組んでおるわけでございますので、中小企業の保証の限度額が上がりましても保険は十分活用できるというふうに考えております。  なお、これは例年のことでございますが、不測の事態で中小企業の資金需要が急激に増大するということになりますと、信用保証協会の保証が増加し、また保険に対する引受額も増大するということで、そういうふうなまさかのときの措置のために、予算上は一応先ほどの数字で準備しておりますが、さらに予算総則におきまして保険引き受けの限度額というものをさらに大きな額を決めておりまして、そこまでは増大できるということになっております。五十五年度の予算におきますと、予算総則上の引受限度額というのが六兆七千億ということで相当大きい額を予定をしております。そういうことでございますので、いざということになりましてもこういう予算総則を活用いたしますと十分対応できるというように考えております。  それから、もう一つのお尋ねでございます信用保証協会自体の財政状態にとってどうであるかということでございます。これにつきましては、付保限度額の引き上げは二つの側面が考えられるわけでございます。一つの側面は、これだけ信用保証の額が大きくなるわけでございますから、一たん代位弁済が発生しますと代位弁済額が大きくなるというリスクが一つ考えられるわけでございます。もう一つ、今度はメリットと申しますか、プラスの面では、付保限度額が引き上げられますとそれだけ保証料の増収ということになります。したがいまして、当面は保証料の増収の方が先に来るわけでございます。そしてまた、代位弁済の率というのが、これが非常に経済状態が悪くなりまして悪化いたしますと心配でございますが、通常の代位弁済の発生ということを考えますと、われわれの試算によりますと、むしろメリットの方がリスクよりも少し多いのではないかというような試算も出てまいっております。いずれにしましても、現在のような事態でございますと信用保証協会の経理に悪い影響はさほどないのではないかというようにわれわれ考えておる次第でございます。ただ、先ほども申し上げましたように経済状態が非常に悪くなりまして、代位弁済が増大いたしましたときには、またそのときに応じて必要な措置をとっていく、先ほど申しました融資基金を考えるとか、基金補助金という制度もございますので、そういう制度を活用いたしまして信用保証協会の財務の健全化を維持していきたいというように考えております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 いまの長官のお話ではそう心配ない、こういうふうなお話でありますからそれで結構でございますが、ことしの二月末現在での保証限度にかかわる状況をずっと見てまいりますと、五千万円を限度にしている協会が四十、それを超えているものが十二、組合については一億を超えているものが六協会、こういうふうな状況になっておりますけれども、だめを押すようですが、今度の付保限度額の引き上げに伴ってこの限度も当然上がっていく、この点は各保証協会の収支状況に照らしてみても十分に可能である、こういうふうにいま大体お答えいただいたと思いますが、この場合に選別の可能性が非常に強まってくるのではないでしょうか、そういう点は心配ありませんか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 付保限度の引き上げが行われますと、当然一件当たりの中小企業者に対する信用保証の上限が上がるわけでございますので、従来以上に単位当たりの資金需要が大きい結果になる場合もあるかと思います。しかし、大きい資金需要に応ずることができるようになったからといって、零細な資金需要を無視し、あるいはそれを逆選別をいたしまして、大口需要に向かうということがあってはならないわけでございまして、今回の改正でも特別小口あるいは無担保保険の限度額も普通保険と並びましてそれぞれ引き上げておるわけでございまして、小口の保証需要に対しましても均等に協会としては保証の努力をしていくということをわれわれ期待もしておりますし、指導してまいるつもりでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 次に、新技術企業化保険の問題、今度の法改正で出てくる問題でありますけれども、これについてきのうも若干の議論がこの場で行われました。それからきょうの午前中も上坂委員から具体的な質問があって、部長から答弁をいただいたわけですが、まだ若干この問題についてどうもはっきりしない点を聞いておりまして感じましたので、その点お聞きをしたいと思うわけでありますけれども、保証協会のいわゆる技術審査会といいますか、これが今後つくられていくというふうになってまいりますと、そのつくり方あるいは中身と申しますか、あるいは人の構成など、この点についてはどういうお考えをいまの段階で持っておられますか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 新技術の認定につきましては、特許権あるいは実用新案権が登録されておるというふうなはっきりした新技術は別でございますけれども、ボーダーラインと申しますか、新技術であるかどうかという認定が必要な場合には、保険公庫の認定なりあるいは保証協会に特定の審査能力を持った審査会を設けまして、その認定を得たものを新技術と認めるというような機構が必要なわけでございますが、具体的にどのような審査員のメンバーで構成するか、あるいは何人程度にするかというような点につきましては、今後保証協会なり保証協会の連合会、あるいは保険公庫も交えまして、具体的な構想と申しますか形態を決めてまいりたいと思うわけでございますけれども、技術の内容と申しましてもいろいろな技術があるわけでございまして、特定の分野の学者だけあるいは経験者だけに限定するというわけにもまいりませんものですから、場合によっては個別のケースごとに外部の方に委嘱して判断を仰ぐというようなことも考えられると思っております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 実はいま後段でお答え願ったような点について、私もこれはもし各都道府県段階、いわゆる各協会ごとにボーダーラインのものを開発した企業を認定する場合に、それぞれ技術が多岐にわたっておりますから相当複雑なものになるだろう、そういうふうに考えておったわけであります。そうしますと、非常に大きな協会の場合には別として、大部分の協会は技術認定審査会といいますか、そういうふうなものをつくるというのはなかなか大変だ。しかも、これはいまも答弁ありましたように、一つの審査会なり委員会なりをつくればいいのじゃなくて、それぞれの専門別にやらなければならぬわけでありますから、先ほど午前中の答弁の中でも、部長は全都道府県、全協会といいますか、そこの単位につくるということはなかなかむずかしいんじゃないかというふうな答弁が確かにありました。その場合には保険公庫がかわってそういうふうな認定の衝に当たる、こういうふうなお話もあったわけですが、その場合に、保険公庫がやるということになりますと、各協会から上がってくるそういうなものについて対処をすることになりますから、相当機動的な、内容の充実した体制を公庫自体が持っておらなければ事実上できないと思うわけですね。その点は公庫の場合には大丈夫だ、こういうふうにお考えですか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 結論的に申しますと、先生御指摘になりましたように、個別の協会ではなかなか審査がやりにくい、あるいは審査会を設けにくいというようなケースが出てくるかと思います。その場合には、保険公庫におきまして連絡を受けた新技術の認定をするような仕組みを用意する予定にしておるわけでありますが、それが結果的にその審査に手間取る、あるいは中小企業者に非常に負担になるというようなことがあってはなりませんので、審査が機動的に、かつ短期間に行われるようにその仕組みを考えなければいけないと思うわけでございます。  ただ、新技術の認定と申しましても、その新技術の優秀性とかあるいはその技術の内容についての吟味を詳細にするというわけではなくて、むしろその技術が中小企業の分野において普及されておるかどうかという点がポイントでございますので、その事実の確認をすれば足りるというふうに考えておるわけでございますので、制度をつくって、結果的にこれが動かないというようなことにはならないようにしてまいりたいと思っております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 それからこの問題ではもう一つ、これも先ほどの答弁の中であったわけでありますけれども、それを聞いておって私もちょっと確認をしておきたいというふうに考えましたので重ねて質問をしますが、それは新たに制度としてでき上がっております技術アドバイザーの活用、この件についてもいろいろお話があったわけですが、これは活用するといいましても、各協会ごとに認定のための審査会といいますか、そういう機関が設けられておらなければ、事実上それぞれの都道府県に配置されております技術アドバイザーというのは実際問題として活用できないんじゃないか、こういうふうな気がするわけですね。その点の関連はどうですか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 保証協会ごとに審査会を設けて、また設けられる能力がある場合に技術アドバイザーがそのメンバーに加わる可能性は十分あるのではないかというふうに午前中に御説明申し上げたわけでございます。したがいまして、非常に小規模な単位の保証協会あるいは案件が少なくて、個別に審査会を設けるよりは保険公庫にその都度連絡して確認した方が容易であるというようなケースにつきましては、御指摘のように各県に登録されます技術アドバイザーとの関連は生じてこないということになるかと思います。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 この信用保険法の一部改正法案に関してはもう一点だけ質問したいと思うわけですが、それは信用保証協会に担保を提供した場合の登録免許税の軽減措置についてお伺いをしておきたいと思うわけです。  これは、言うまでもなく租税特別措置法の第七十八条の四の二項ですか、つまり「信用保証協会が信用保証協会法第二十条第一項各号に掲げる業務に係る債権を担保するために受ける抵当権の設定の登記又は登録については、その登記又は登録に係る登録免許税の税率は、」千分の一にする。つまり、登録免許税法の第九条の規定にかかわらず、こういう特例を減免措置として設けていると思いますが、通常の税率はたしか千分の四だと思っております。これは二年ずつの延長措置をとって、現行では昭和五十六年、つまり来年の三月三十一日までというふうになっておるわけですが、いままでの経過を見ますと、二年ずつ期間を延長して千分の一の特例措置でやってきておるわけですね。これは中小企業者にとっては非常に大きな恩典になっているというふうに考えておるわけであります。これは来年に迫っておるわけでありますけれども、長官としてはこの問題についてどのようにお考えですか、できるだけ明確にお聞かせをいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 御指摘の租税特別措置につきましては、これは保証協会を利用しております中小企業にとって非常に有利な制度になっておりますし、また信用保証制度を支える一つのメリットにもなっておるわけでございます。したがいまして、いま御指摘のとおり、現在の租税特別措置法では五十六年の三月三十一日限りということになっておりますけれども、この期限延長につきましては、やはり従来も何度か期限延長してきたわけでございますし、情勢も変わっておりません。むしろ、今後さらに中小企業に対する援助を増強する必要があるというような事態でございますから、この期限延長については関係方面と十分協議をして、延長できるように努力をいたしたいというふうに考えております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 きょうは大臣がお見えになっておりませんから、この点についてはいまの長官の答弁で大体わかりましたが、さきの当委員会における大臣の所信表明に対して私はいろいろ意見を申し上げました。とりわけその中で、国の財政再建というふうな問題もある現状の中で、租税特別措置の見直しというふうな問題が国全体として非常に大きく問題になっておる。しかし、中小企業に対するいろいろな特例措置というのは、今日の産業経済活動の中で、大企業に比較して中小企業は経済的には非常に弱者の立場にある、そういう者を少しでもレベルアップして、できるだけ同じような競争ができるようにするための措置というものが税制の面でも金融の面でもいろいろとられてきておるわけでありますから、むしろ強化をすることによって初めて言われておるところの不公平の、たとえば税制で言えば不公平税制の解消、こういうふうなつもりでひとつやってもらわなければならないのではないかというふうな趣旨の質問を申し上げまして、大臣もそれは当然であるし必ず貫く、こういうふうな強い決意を表明されておったわけであります。これはほんの一例でありますけれども、登録免許税の減免の問題についても、いま言ったような趣旨に照らして必ず来年度もいま長官の決意のように貫いていただきたい、こういうふうに考えておるわけでありまして、政務次官せっかくお見えになっておりますから、この一点だけ政務次官から決意をひとつお聞かせいただきたいと思います。

梶山静六自由民主党通商産業政務次官

○梶山政府委員 先生御指摘のとおり、確かに中小企業はいわば大企業と比べて立場が非常に弱うございます。ですから、確かに政府としては財政再建のために租税特別措置法の見直しを今回行っているわけでございますが、その中で特に中小企業関係の租税特別措置についての見直しはむしろ避けて、ですから総体的に言いますとバランスの回復を現在進めているわけであります。今後ともそういう点に十分留意をして中小企業の振興のために資してまいりたいと思います。ありがとうございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 それでは次に、倒産防止共済法関係について二、三しぼって質問を申し上げたいと思います。  そこで、最初にちょっとお聞きしておきたいと思いますのは、倒産特例保証の利用の実績でありますけれども、倒産企業の指定状況は一体どのようになっておるのか、この点をまずお聞きしたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 御質問の中小企業信用保険法に基づきます倒産企業の指定数でございますが、五十四年度について見ますると、指定企業数は百八十五企業でございまして、関連する中小企業者の件数で見ますと二万二千七百件余、金額で申しまして千二百九十六億円余りになっておるわけでございます。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 この前新聞をにぎわした北商の倒産、これは二月九日に倒産の指定を受けておると思いますが、この関連中小企業は百六十四社、負債総額が五十五億円、このように言われておるわけであります。この中で、百六十四社のうち関連倒産をしたのは何社ですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 北商の関連企業といたしましては、現在まで一社が倒産をしたというふうに聞いております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 一社というふうに言われたわけですが、名前はどういう会社ですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 まことに申しわけないのですが、現在ちょっと名前を承知しておりません。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 別に皮肉で聞いたわけではありませんで、私の調査では二社になっておりますから、一社というお答えで間違いないのかなというふうに聞いたわけですが、これは後でまたお調べいただきたいと思います。一社か二社かあれですけれども、この連鎖倒産した会社は特例保証は受けられなかったのですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 倒産した会社は受けなかったというように思います。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 それからもう一つお聞きしたいのですが、この関連中小企業、ここでは倒産共済の対象になっておる関連中小企業はどのぐらいでしょうか。もし数字があればお答えいただきたいと思いますし、いま調べていなければ後でお知らせいただいても結構です。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 対象企業の中には倒産防止共済制度を利用していた企業者はいなかった、このように承知しております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 そうしますとこの共済に入っていなかった、こういうふうになるわけですね。  次に、第十一条の二のいわゆる完済手当金制度についてちょっとお聞きをしたいと思います。これも同僚委員からずいぶん質問があった内容でありますが、現在のこの共済制度は五十三年の四月から発足したわけでありますから、この完済手当が具体的に決められて、そしてそれが支払われるというふうな時期は大分先のことになります。したがって、そういう意味ではこの内容や率はいまの段階ではまだつまびらかにされておりませんし、この収支の状況が十分に体制ができて余裕金ができた、こういうふうな状態になって初めて完済手当金というものが現実のものになるというふうに法律の趣旨はなっておるようであります。しかし、その余裕金の程度、収支の状況というものをどこに基準を置いて率を省令で決めていくのか、その点がどうもまだはっきりしておらないように質疑を通じて受け取っておるわけであります。これは非常に流動性があるわけでありますから、たとえば完済手当金をこういう率で支給をすることにしますというふうに省令で最初に定める。その後状況によって当然見直しというものが行われると思いますけれども、その見直しの期間は一体どのくらいの長さになるのか。あるいはまた期間でなくても結構ですが、見直しする場合にはどういうふうなものを基準にしてしていくのか。こういう法改正をするわけですからこの点の明確な考え方が当然おありだと思うわけです。その点はどのようにお考えですか。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 倒産防止共済制度の貸し付けを受けた者が完済をいたします最初のケースが五十八年度になって初めて生ずるわけでございます。したがいまして、完済手当金の支給率を幾らにするかということを決めますのは、いまのところ早くとも五十七年度末となろうと考えているわけでございます。  そこでこの手当金の支給率でございますけれども、完済の時期により不公平の生じないように考える必要がある、このように思っておりますが、完済手当金の支給開始後の毎年の貸付金の額及び完済される償還金の額等の予測に基づきまして計算を行うこととしておりまして、手当金の額の変動が過度に生じないようにいたしたいと思っているわけでございます。したがいまして、毎年数字を変えるということは全く考えてないわけでございます。  御質問の、それではどの程度の期間で変えるかということでございますけれども、現在のところ何年間で見直すという具体的な数字は持っていない状況でございます。  いずれにしましても、完済手当金の額は完済の時期によって不公平がないように十分配慮をしてまいりたい、このように考えております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 それでは最後に一点だけお伺いをしたいと思います。  この倒産共済制度は、当初、審議をした私たちもそうでありましたし、それから中小企業者、これもこの制度に対する非常に大きな期待を持って発足をしたわけでありますけれども、この制度の加入者やそれから貸し付けの状況など運営の現状を見ますと、今日の段階では当初の見込みから見て十分な活用をされるには至っておらない、残念ながらそういう状況だと思います。これは何回もここの場で議論されましたから、いまさら当初の見込みの件数とかあるいは実際の現状の加入者件数とか、そういうものについて繰り返そうとは思いませんけれども、一体このような状態になった原因をどのように考えておられますか。時間の関係もありますから、列挙してその原因をお述べいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 この制度が当初予定したほどの加入件数を上げ得なかったことはまことに残念なことでございますが、その原因の一つは、やはりこの制度について普及し、いわば宣伝するといいますか、PRをすることがまだ十分でなくて、一般の中小企業の方々になかなか徹底しなかったということが一つ挙げられると思います。  それから第二点といたしましては、やはりこの制度につきまして、当初発足時点におきましては十分考えて制度の実施を始めたわけでございますが、制度を実施してみますと、やはり幾つかの点で中小企業の方々がもっといい制度でなければというふうな御意見が多かったわけでございます。したがいまして、制度がやはり、中小企業の方に加入してみようという意欲をそそる点でまだもうちょっと努力すべき点があったというふうな点も考えております。  さらに加えて、これは副次的な要因だと思いますが、ちょうど制度が実施されました後は、五十二年度以降倒産件数がやや減少した時期でございますので、中小企業の方々の倒産に関する関心がやや、何といいますか、五十二年度ほどではなくなったというふうな時期にも当たっておったというふうなことも言えると思います。  いずれにいたしましてもこういう状態ではやはりこの制度が完全に運営できないというように考えておりますので、そういう意味でこの法律では五年ごとに見直すという制度になっておりましたけれども、今回は二年間の実績を踏まえて、当面とりあえず改正すべき点を改正するということで改正案をお願いしたわけでございますが、他面普及促進、広報普及の面については、この法案の改正ということを契機に、従来以上に努力をいたしまして、いままで制度が伸びなかった原因を十分解消してまいりまして、この制度が円滑に運用できるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 事業団の方から委託団体に対する手数料が払われているようでありますけれども、この内容は長官、御存じでしょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 この委託団体は、実際に受け付けて、それから後事後の債権管理等もいたしますので、いろいろな仕事が必要でございます。したがいまして、この委託団体に対して手数料が支払われているわけでございます。手数料の内容につきましては担当部長からお答えさせていただきます。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 お答えいたします。  倒産防止共済制度に対する加入の手数料としましては、月額一万円までは六〇%、それから二万円が五〇%でございます。また、掛金の収納事務に関しましては三%が手数料として支払われております。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 そのほかに書類の保管料として、口座振り込みの場合に一件百五十円、こういうのも払われておるようでありますけれども、このことはまあいいとして、先ほど長官が言われましたように、やはり中小企業者が万一の場合に備えて準備をしておくという意味でこの共済制度は非常に大切だと私は思うのです。そういう点で、いろいろの原因を挙げられました。それはいずれもそのとおりだと思いますけれども、とりわけ今回は法の中身を改善するという意味での改正が行われましたし、さらに、長官も言われましたような周知徹底、いわゆる宣伝、これは相当徹底をしてやらないとなかなか所期の目的を達成することができないのじゃないか、こういうふうに考えておるわけであります。ですから実際問題として、いま部長からお答え願ったような加入時点の手数料であるとかあるいは集金手数料であるとか、これも必要でしょうけれども、それ以上にやはり徹底したPRをやる必要がある、こういうふうに考えております。  それで、たとえば地方の商工会議所などが行っております具体的な取り扱いの実態を見ますと、たとえば小規模共済のPRなどは、こういうものを取り扱っておりますよということを商工会議所の看板に書いてある。ところが、残念ながらこの中小企業倒産防止共済法に基づく共済事務を窓口として受け付けていますよというふうな宣伝がないのですよ。これではきわめて片手落ちであると私は思うのですね。非常に細かいような問題でありますけれども、やはりそういう点も地方の商工会なり商工会議所自体がまだまだその点では手抜きがある、不十分だ、こういうふうに言わざるを得ないわけでありまして、ぜひともその点は中小企業庁の方からもより一段と力を尽くしてもらいたい、こういうふうに要望しておきたいと思います。  それから、中小企業における倒産防止についての特別の制度あるいは施策、措置、こういうものはたくさんあるわけであります。たとえば本法の制度は当然でありますが、中小企業倒産対策貸付制度あるいは倒産関連特例保証制度、倒産防止特別相談事業、さらには、これも関連あるわけですが、下請取引あっせん制度、こういったようなものがそれぞれあるわけでありますけれども、特に地方に行って小さな中小企業者といろいろこういう問題について話し合ってみますと、こういう制度があることも知らない人もおる。あるいはそのうちの一、二は知っておっても、全体的にこういう制度があるということは知らない。ましていわんや、いろいろな有機的な関連については非常に不十分な認識しか持っておらない。こういう状態が事実あるわけでありまして、せっかくこういう諸制度がつくられながら、これについての十分な認識がないというところに、今日この制度の活用が不十分だというふうな点も、その辺からもうかがわれるわけでありますから、ひとつそういう点の徹底したPR、それからいま申し上げましたような諸制度の有機的な連係、有効にそれぞれ機能するように、ぜひともその点は力を入れていただきたいというふうに考えておるわけであります。  この点についても最後に政務次官の見解をお聞きして私の質問を終わりたいと思います。

梶山静六自由民主党通商産業政務次官

○梶山政府委員 御指摘のとおり、確かに制度の普及徹底と申しますか、周知徹底と申しますか、その点は不十分でございます。私個人の過去の事例から申しましても、大変こういう幾つもの制度があることを知らない企業経営者が多いことは事実でございます。ですから、やはり個々の中小企業者が全制度にわたって熟知をするということはほとんど不可能だと思います。そういうためにはぜひ商工会議所もしくは商工会を中心にして強力なPRをしない限り、この制度の完全利用はできないというふうに考えております。今後とも、せっかくのこれだけの制度でございますので、完全に利用ができるための周知徹底方を図ってまいりたいと思います。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 終わります。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 これにて渡辺三郎君の質疑は終了いたします。  引き続いて中川嘉美君の質疑に入ります。中川嘉美君。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 私は中小企業信用保険法の一部を改正する法律案の方にしぼりまして若干伺ってまいりたいと思います。  この法律案を提出するに至った主たる理由ですけれども、中小企業者に対する事業資金の融通の円滑化を図る必要性というものを挙げておられるわけですけれども、ここでもう少し具体的に、この改正に至る経緯とかそのほか背景、こういったものについて御説明をまずいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 信用保証、それからまた信用保証をバックアップいたします信用保険というものは、中小企業者の資金の供給を円滑にするという意味で非常に重要な意味を持っておるわけでございます。ただ、最近やはり経済状態がだんだん変化してまいりますと、中小企業者の借入額というのもだんだん増加をいたしております。従来も保険の付保限度額というのは経済の実態に応じて逐次変えてきたわけでございますが、最近は、昭和五十年以降は改正をしていなかったわけでございます。しかし、昭和五十年以降も大分いろんな経済情勢が変動を来しておりまして、現在われわれが調べたいろんなデータによりますれば、やはり中小企業者の資金需要というものはだんだん大口化をしておるという状態でございます。したがいまして、それに即応するために付保限度額の引き上げということで、普通保険の付保限度額を五千万円を七千万円にするということにいたしますし、それからまた無担保保険の付保限度額を八百万円から一千万円に引き上げる、特別小口保険の付保限度額を二百五十万から三百万に引き上げる、こういう改正案を作成したわけでございます。  もう一つの大きな問題は信用保証の内容でございますが、一般的には資金需要に対応するためには、いま申しました一般的な保証があるわけでございますが、そのほか近代化だとか公害に対処するというような意味で、特別な政策目的に即応するような中小企業者の借り入れに対する保証というのは、やはり政策的に枠を大きくしたりあるいはてん補率を上げたりいたしまして、信用保証がしやすくなるという制度を実施をしてきたわけでございますが、今回、やはり最近の経済の情勢にかんがみまして、中小企業者の技術を向上させるという対策が必要であろうというふうに考えておりまして、いろんな技術向上策を講じておるわけでございますが、その技術向上策の一環といたしまして、信用保証制度にも新技術の企業化に対する保証、企業化の保証を増大させるという意味において新技術企業化保険というものを創設しようということを考えたわけでございます。本来新技術を研究開発をいたします段階は補助金等で援助をしておりますが、その研究開発を終わりまして、さて実際に企業化しよう、実際に商品をつくって売り出そうという段階に至りましては、資金は相当要りますし、それからまた新しいことをやるわけでございますから相当リスクが多いというようなことから、なかなか一般的な金融を受けられないというものがございます。従来こういうものに対しましては中小企業金融公庫が特別融資ということをやっておりましたけれども、これについては政府資金を重点的に貸し出すという趣旨から相当新規性の強いものというものを選んで貸し付けておったわけでございます。しかし、こういう新技術の企業化というものはそれだけに限らず、もっと広く実施すべきである、そしてその応援としてはやはり民間資金を活用して応援すべきであるという観点から、この信用保険制度に普通保険とは別枠に新しい新技術企業化保険というものを設けたということがございます。  以上が今回の法改正をやりました具体的な背景ということに相なっております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 いまお答えをいただいた背景というものを踏まえてひとつ伺っていきたいと思いますが、今回の改正の第一点として、第二条第四項関係として、倒産関連中小企業者の定義にかかわる破産等の事由が生じた者の範囲の拡大、これがなされているわけですが、そこで今回、「会社又は個人」から「事業者」、こういうふうに改めた理由はどの辺にあるのか、また、「事業者」の範囲には従来の「会社又は個人」のほかにどのようなものが含まれてくるのか、具体的に挙げてみていただきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 倒産関連保証制度で定義されております「会社又は個人」というのは、従来会社または個人が倒産した場合のみその関連中小企業者が対象とされてきておるということは当然でございます。これを改めて「事業者」というふうに改めたわけでございますが、事業者と改めたことによりまして、従来の会社または個人に加えまして、事業協同組合あるいは協業組合等々の組合を中心といたします法人が倒産の対象に含まれるということになったわけでございます。これは、近年におきましてこのような組合が倒産する事例が相当ふえてまいりましたことが理由でございまして、今回の改正によりまして組合と取引をしておった関連中小企業者もこの制度の対象として救済されるということになるわけでございます。新たに追加されました組合とそれ以外の法人につきましては、民法上の公益法人あるいは医療法人、社会福祉法人等も事業を行っている場合には事業者に含まれてくるということになるわけでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 組合の倒産も最近非常にふえてきたというふうにお答えがありましたけれども、倒産そのものの状況ですが、これはどのようになってきているか、最近の状況についてお答えをいただきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 組合の最近年におきます倒産件数状況でございますが、帝国興信所の調べによりますと、昭和五十二年度におきまして三十八件、昭和五十三年度におきまして二十八件、昭和五十四年度、これは昨年の十二月末までの数字でございますけれども、四十四件ということになっております。  このような組合の倒産の事例のうち、中小企業者に対します一般負債額が比較的大きいも一のについて二、三の事例を挙げますと、たとえば木工家具の製造業でございますとかあるいは繊維関係ではよこ編みニットの製造業でございますとか、このような業種に属しております協同組合あるいは協業組合で倒産した事例がございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 いま五十二年、五十三年、五十四年の件数をそれぞれ挙げていただいたわけですが、これをざっと見ただけでも百件を超えておるという、これが正しいものであるとすればそういうことが言えると思います。今回のこの改正案にこういった組合が含まれるとしても、今日までの倒産の状況をいま御答弁もあったわけですが、こういった状況から見てむしろ遅きに失したのじゃないか、このように私は考えるわけですけれども、こういったことに対してどう考えておられるか。  また、いま一つ伺いたいのは、いままで倒産した組合または改正案が施行されるまでの間に倒産した組合に対して、関連の中小企業者に対してどのような対応をしてこられたか、あるいはしようとしておられるのか、政府として何らかの手を打っていかれるお考えがあるのかどうか、この辺を伺っていきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 連鎖倒産防止のための倒産関連保証制度でございますが、これは先生御承知のとおり、昭和四十年度に創設されたわけでございます。その時点におきましては、事業協同組合あるいは協業組合というような組合の倒産というのは現在ほど多数頻発しておりませんで、結果的には関連の中小企業者がそのために連鎖倒産の被害に遭うというようなケースがそれほど多発しておらなかったということから、本制度の対象として倒産企業に加えておらなかったということが理由でございます。  しかしながら、先ほども御説明申し上げましたように、近年長期不況の結果、大型の組合倒産が見られるということになったために今回の改正に踏み切ったわけでございますが、従来とももちろん組合の倒産が皆無であったわけではございません。そのような倒産組合との関係を訴えました中小企業者に対する措置といたしましては、政府系の中小企業金融三機関によりまする中小企業倒産対策緊急融資制度あるいはいま改正が御審議されております中小企業倒産防止共済制度の活用が図られてきたということでございます。  なお、もちろん信用保険制度の枠内におきましても、このような関連倒産も含めまして普通保険あるいは無担保保険の活用ということは行われてきたわけでございますけれども、最近は特に大型の組合倒産の事例が出てきたということから、この従来の保険制度に加えまして、組合と取引のある者につきましては倒産関連保証の対象とするというふうに措置を追加するということにしたわけでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 組合等については倒産した場合の基準というものをどこに置くのか、その基準に基づいた統計といったものは現在整備されているのかどうか、この点はどうでしょうか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 組合の倒産の指定基準でございますけれども、現在の会社または個人につきましては、負債総額が十億円以上または負債総額が十億円未満三億円以上であって、一定数の関連中小企業者の経営に重大な影響を及ぼすような倒産をした場合に通産大臣がこれを倒産企業として指定するということになっております。また、その指定を受けました倒産企業の関連中小企業者でございますが、その関連中小企業者のうち倒産企業に対して五十万円以上の売り掛け債権を有している場合、または取引依存度が二〇%以上である中小企業者につきまして、市町村長がこれを倒産関連中小企業者として認定するということになっております。今回組合等の倒産の場合も追加するわけでございますけれども、これらの基準につきましては、倒産企業あるいは倒産関連中小企業者の認定基準につきまして、従来と改めて異なった基準を設ける必要はないというふうに考えております。  以上でございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 いま伺った、基準に基づいた統計そのものが現在整備されているかどうか、この質問に対してお答えをいただきたいと思います。基準については伺ったわけです。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 ただいまの基準に基づきました倒産事例の全体の統計というのは遺憾ながらないわけでございますけれども、今回追加いたします倒産した組合の事例につきましては、五十四年七月の中小企業団体中央会の調査によりますと、中小企業者に対しまして、一つの組合当たり平均して五億八千三百万円の一般負債額を持っておる。それから関連の中小企業者数といたしましては、一組合当たり七十二・六社が関連中小企業者として取引があったというデータは出ております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 どうも統計が整備されていないのに件数が出ているのは非常におかしいと私は思います。もっとも先ほどの御答弁では、興信所関係の調べというか、五十二年三十八件、五十三年二十八件、五十四年四十四件という御答弁をいただいているわけですけれども、少なくともこの組合関係の倒産状況というものについて、どこから出てきたのかということですね。こういったことも興信所の調べによりますということじゃなくして、もっときちんとした統計というものは整備されていかなければならない、このように思います。  さらに伺っていきますけれども、この信用保険法で言うところの倒産というのはどのような事態を言っているのか。先ほどは一つの基準というものについてお答えをいただいておりますけれども、たとえば手形交換所における取引停止処分、こういったものもこれに当てはまるのかどうか、ここではもう少し具体的な事例を挙げながら御説明をいただきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 御質問の倒産の対象でございますが、信用保険法上の倒産とは破産、和議開始、更生手続開始、整理開始または特別清算開始の申し立てというような五つの事由が含まれておりますほか、法務大臣の指定を受けた手形交換所で取引停止処分になった場合も入っておりまして、以上六つのケースが信用保険法上の倒産として対象になっております。御質問の手形交換所で取引停止処分を受けた場合も倒産の対象として含まれております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 そうしますと、全国に数多くあるところの法務省未指定の手形交換所で取引停止処分を受けた企業の関連中小企業というものは、この倒産関連保証の対象となるのかどうかというのが問題になるわけですけれども、対象とならないとするならば、倒産関連保証の対象となるような改善、こういったものが行われるべきではないかと考えますけれども、この点はいかがでしょうか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 先生ただいま御指摘のように、銀行の取引停止処分につきましては、現行制度におきましては法務省の指定にかかわります手形交換所における取引停止のみが対象となっております。すなわち、未指定の手形交換所につきましては、法務省の指定にかかわる手形交換所と比べまして、銀行の取引停止処分の基準あるいは効力が一定しておらないということで、中小企業者にとりますと不公平な扱いになる結果になるおそれがあるということがその理由でございますけれども、法務省の指定にかかわります手形交換所につきましては年々増加しておりまして、現在百七十三カ所ございますので、実際問題としてはこれまでも特段重要な支障はなかったと考えておるわけでございます。けれども、今後未指定の手形交換所における取引停止処分も含める必要があるかどうかという問題、先生の御指摘もございますので十分検討してまいりたい、かように考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 ぜひさらに検討をすることによって改善を図っていただきたいと思います。  次に、信用保険法の第二条第四項の三号に基づく不況業種の指定及び解除について伺いますけれども、いままでに指定及び解除された業種にはどういうものがあるか、その中で解除に至った主な理由というものは何か、それから今後指定しようとしている業種にはどういうものがあるのか、この辺を伺っていきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 信用保険法の不況業種指定でございますけれども、大きな理由といたしましては、主要な原材料の供給に著しい支障を来しておる場合あるいは需要の著しい減少を生じたという事由によりまして、中小企業者の相当部分の事業活動に著しい支障を生じているような業種につき、その実態に即して機動的に指定を行ってきたわけでございます。  現在におきましては、指定業種といたしまして、過酸化水素問題で需要が激減いたしました生めん製造業、あるいは需要の回復が依然として芳しくないメリヤス製造業、造船業等二十二の業種が指定されているわけでございます。これらの指定業種が解除される場合は、それぞれの業種につきまして逆に需要の回復あるいは生産水準の回復が行われまして、問題がなくなった業種につきましてはその都度指定を解除しておるわけでございます。今後とも、当然のことでございますけれども、不況業種の指定に当たりましては、中小企業の経営の安定に資するという観点から、業種の実態に即しまして機動的に行っていく考えでございますが、最近時点で特に指定を検討しておるという業種はございません。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 いろいろお答えをいただいたわけですが、やはり今後もっと各業種の動向というものを的確に把握をして、そして敏速な業種指定というものを行う必要があるのではないか、このように考えます。いまの御答弁をいただいておきますけれども、今後の対策について十分に実りあるものにしていただきたいと思います。  特別小口保険ですけれども、この対象者、これが小企業者ということになっているわけです。この小企業者は、第二条の二項において「常時使用する従業員の数が五人以下の会社及び個人であって、特定事業を行なうもの」、こうなっておりますけれども、この五人以下というのは現状に照らして不的確ではないかと私は思います。この定義をもう少し拡大して、たとえば十人以下というように変更する予定とかあるいはお考えというものはないのかどうか、この点についてお答えをいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 中小企業施策におきまして、小企業者というものを限定いたしまして対策を講じておるものが二つございます。一つはいま御指摘のこの信用保険法における特別小口保険制度でございまして、もう一つはいわゆる小企業等経営改善資金、いわゆるマル経資金というものの融資制度でございます。こういう二つの制度は、非常に零細でなかなか通常の経済ベースに乗る、たとえば担保とかあるいは保証人というものを準備できないというような中小企業者に対しまして特に優遇をするという制度でできたものでございます。こういう制度の趣旨から考えますと、対象を広くいたしますということは、やはり零細な方に非常に手厚く、いわば保護をするという趣旨が薄れるのではないかというふうなことが考えられまして、現在の時点でこの従業員五人というものの状態が特段に変化しておるとはわれわれは考えておりませんので、こういう保護政策の対象としましてはやはり五人以下という線を継続するのが至当ではないかというふうに現在は考えておるところでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 この法律の対象業種として政令で特定業種を定めているわけですが、現在これは幾つぐらいありますか。その特定事業の業種というものは果たしてこれで十分という段階にあるのかどうか。今後もっとこういったものについて拡大する方向性で検討すべきじゃないかというふうに思うわけですけれども、現在幾つぐらいあるか、またいまのこのことに対するお考えについてもあわせて御答弁いただきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 信用保険法の対象業種は、現在三十六の業種が対象となっております。現在時点で指定されておりますのは、製造業、卸売業、小売業、不動産業、建設業、医業、旅館業、理容業、美容業、コンサルタント業、廃棄物処理業等々でございます。このような業種でおわかりのように、中小企業分野のほとんどの業種が現在カバーされておるということが言えるのではないかと思われますけれども、もちろん未指定の対象業種につきまして、今後とも業界の要望等々がございます場合には業種の実態を踏まえまして、その必要性に即しまして十分検討してまいりたい、かように考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 それでは次に信用保険公庫の収支状況ですけれども、すでにいろいろと本委員会でこの法律案に関連した質疑がこういったことについて行われたかと思うのですが、最近では何か赤字を出しているというふうに聞いているわけですけれども、現状は一体どうなっているのか、また信用保険公庫の経営基盤の強化ということについてどのような具体策を講じていかれるのか、あわせてお答えいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 まず信用保険公庫の収支状況でございますが、昭和五十三年度の保険公庫の収支が、信用保証協会の代位弁済が大幅増になりまして、それに伴って保険金の支払いが相当高水準になったということで、約四百二十億の大幅な赤字が出たわけでございます。しかしながら、昭和五十四年度に入りまして信用保証協会の代位弁済額も前年に比べてほぼ横ばいというような状態になりまして、保険金の支払い額もやや落ちつきを見せたということによりまして、保険公庫の収支の赤字幅は大体前年度に比べて縮小するということに見込みが立っておりまして、大体三百五十億円強の赤字決算ということにとどまるんではないかというように考えております。それからまた、五十五年度の予算上どうなるかということで収支見通しをやっておりますが、この場合には従来からの回収金がだんだんふえてくるということと、保険金支払いが落ちつきを取り戻すだろうということから、大体二百四十億ぐらいの赤字にとどまるんではないかというふうな見通しをつけておるわけでございます。  そこで、こういうふうに信用保険を運用いたします保険公庫の経営基盤が現在赤字でございますので、これでは信用保証協会の保証をふやして中小企業の需要に応ずるというふうな側面を考えますと、信用保険公庫の経営基盤をより強化しなければいけないというふうな感じがするわけでございますが、政府といたしましては赤字が出るのに対しましては毎年保険準備基金というものを出資しておりまして、この保険準備基金でこの赤字を消していくということをやっておるわけでございます。昭和五十四年度についても三百六十億円を出資いたしまして、したがいまして、この五十四年度の赤字の決算の見込みはこの出資によって解消するということになりますが、さらに五十五年度も、先ほど申しましたように赤字幅が縮小はしますけれどもまだ存続するというふうに見込まれますので、五十五年度は三百億の保険準備基金を支出する予定でございます。このように保険公庫の収支の状況を見まして適時基金を出資することによってカバーしてまいりまして、保険公庫の経営基盤を安定化させようということを今後も努力をしていきたいというふうに考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 次に、新技術企業化の促進について伺いますが、最近中小企業の中でも新製品、新技術の開発あるいは製品の高級化、多様化、こういったことを行おうとする企業が非常にふえてきておる。このような中小企業者というものを側面から援助するために、従来から中小企業金融公庫の新技術企業化等融資制度、こういったものとかあるいは技術研究または試作、こういったものを行う中小企業者に対する技術改善費、これの補助金制度というものが設けられておりますけれども、これに加えて今回新技術企業化保険制度というものが創設されるわけですが、この制度の内容、ここに資料としていただいている中小企業信用保険法の一部改正についてというこの中にも一応の要旨は出ておりますけれども、これ以外の何物でもないものか、内容についてもう少し詳しく御説明をいただきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 新技術企業化保険の対象でございますけれども、内容につきましては新しい技術を中小企業の分野におきまして広く普及させるということが目的なわけでございまして、新技術として特許あるいは実用新案として近年登録されたものが対象になることは当然でございますけれども、それ以外のものでございましても、新技術の開発につきまして補助金の成果として開発された技術でございますとか、あるいは中小企業の分野でいまだ商業的規模で普及しておらない技術の企業化にかかわるものでございますとか、その場合にはその範囲を限定するために、信用保険公庫あるいは審査能力を持たせたところの保証協会の認定を受けた対象技術を新技術企業化保険の対象といたしまして、結論的には広く新技術の企業化保険の対象を広めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 この新技術企業化として認められる範囲ですね。これはどういうものか、また特許をとっていないものについてはどういう審査をしてどういう基準をつくるのか。発足時は保険公庫の認定によるそうですけれども、そのためには幾つかの認定基準ができると思いますが、この点はどうか。また、行く行くは保証協会で認定するということですけれども、全国的に決められた基準で果たしてうまくいくのかどうか、この点についてもあわせてお答えをいただきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 新技術企業化保険の対象として認めます技術は、結論的には中小企業にいまだ広く普及されておらない技術を対象とするというものでございまして、中小企業者が信用保証協会にある技術の企業化を申し込みました場合に、それが中小企業に広く普及しているかいないかということを認定するという形でその対象を限定していくことになるわけでございます。その技術の新規性の認定につきましては、最終的には保険公庫が行うのが原則でございますけれども、個別の保証協会におきましても、技術の審査の機構を持ちましたところの保証協会につきましては、保証協会限りでその認定をすることができるというような仕組みにすることを考えておりまして、要はこの保険の手続が結果的に制度的にあるいは運用面におきまして中小企業者に過重な負担をかけるというようなこと、あるいは煩瑣な手続によって今回の制度がうまく活用されなくなることを避けるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、先生御指摘のように、特許権あるいは実用新案権を獲得した技術だけではなく、技術改善補助金を受けた新技術、あるいは産地振興法に基づきまして都道府県の審査をパスしました新技術というものにつきましても、新規性が明らかなものにつきましては特段の審査を要しないで配慮を行っていきたい、かように考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 いずれにしてもこの保険を利用する場合には新技術についての基準に適合するかどうか、これについて審査を受けなければならないことになっておるわけですが、具体的な基準というものは省令で決められて、その内容としてはいまからさかのぼって三年から五年程度以内、こういった期間に特許とかあるいは実用新案の登録ですね、こういうものがなされているもの、あるいは中小企業保険公庫や信用保証協会、こういったものが審査の上認められたものが考えられるようですけれども、基準の決め方とかあるいは認定の仕方についてできる限り本制度の趣旨が生かされるように配慮すべきだ、このように考えるわけですけれども、この点はいかがでしょうか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 まさに先生御指摘のとおり、新技術企業化はリスクが大きいことに着目いたしまして、保険限度額あるいはてん補率を引き上げるわけでございますので、これが広く活用されることが目的でございます。したがいまして、基準と申しましても技術の内容あるいは性格等を限定列挙して決定していくというような形ではなく、むしろ先ほど御指摘にありましたような特許、実用新案はもちろんでございますけれども、そのほかの場合でも制度の仕組みとして保証協会あるいは保険公庫で認定が行われたものにつきましてはこれを対象としていくというような制度の仕組みとして、基準を設けていくということによりましてこの制度が広く活用されるという方向で措置してまいりたい、かように考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 また、この新技術の企業化に要する費用の範囲ですけれども、これは省令で定められることになっておりますが、これについては法律でもって例示されている商品化試作あるいは施設の設備費用、こういったもののほか、企業化に必要と考えられる原材料確保、さらには人員増に伴うところの増加運転資金、そのほかできる限り幅広い費用というものを対象とすることがこの制度制定の趣旨に沿うものと私は思うわけですけれども、こういった点は果たしてどうなのか。また、見本市とかあるいはPRに対する費用、こういったものにも対象範囲を広げていくべきではないか、このように思いますが、これらの点についてお答えをいただきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 本法案で予定しております新技術の企業化のための費用の範囲でございますが、その技術の企業化のための商品の試作費用あるいは新技術の企業化に必要な施設の設置費用、その他新技術の企業化に要する費用を省令で定めるということを予定しております。具体的にはただいま先生が御指摘になりましたような項目が含まれるわけでございまして、試作品の製作費、土地、建物、機械設備等の取得費及び市場の開拓費、さらには中小企業が新技術の企業化を円滑に実施するために必要な費用を広く対象に加えていくということを予定しております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 そうすると、見本市であるとかPRに対する費用等にも対象範囲を広げていくべきではないかというように私申しましたが、これも入ると解釈してよろしいですか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 そのような経費が市場開拓のために、特に企業化あるいは商業レベルに乗せるために必要な追加の運転資金であるという場合には、市場開拓費として含まれるものと解釈されるかと思います。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 保険公庫または信用保証協会、こういったものが行う新技術の審査について若干伺ってきたわけですが、制度の利用状況というものをやはりしっかりと把握しながら、将来より簡素化された手続で信用保証が受けられるように検討すべきだ、このように思います。先ほども御答弁の中にこういったものの簡素化ということで述べていただいておりますが、いわゆる手続の簡素化というものについて強くひとつ要望をしておきたいと思います。  そこで、先ほどの質問の中でも若干触れたわけですが、中小企業金融公庫の中にあるところの新技術企業化等融資制度、この仕組みと活動状況はどのようになっているのか、こういう点ですけれども、聞くところによると、利用状況というものは非常に少ないというふうに聞いているわけです。現在の状況がどうなっているのかということとあわせて、今後見直しなりあるいは改善なりというものを行う意思があるかどうか、伺いたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 中小公庫によります中小企業新技術企業化等融資制度でございますが、近年の利用状況を最初に御説明いたしますと、五十三年度は二十三件で九億六千六百万円でございました。五十四年度は二十五件、十億六千百万円と、五十三年度に対しましては増加しております。この制度の趣旨は、財政資金を投入いたしまして、比較的有利な融資条件で先導的でかつ産業政策上重要な新技術を対象として企業化の成功を期するという目的でございますので、運用といたしましてはやや限定的にその技術の対象をしぼっておるというのが現状でございます。しかしながら、今後におきましても新技術の企業化を行う場合にはこのような形での資金の融通も必要でございますので、この活用も当然のことながら十分配慮をしてまいりたい、かように考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 さらに、この保険制度の創設に関連をして、本年新たに設けられた技術アドバイザー制度、こういった制度や、あるいは国公立試験研究機関の活用等によって中小企業の独創的な考えによる技術の企業化というものを促進すべきだ、このように考えますが、この点に対してはどのように考えておられるか、お答えをいただきたい。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 現在のように経済情勢が変動する時代におきましては、やはり中小企業が技術開発をやりまして新たな経済情勢に対応するということが一番必要でございますので、御指摘のように中小企業の独創的な技術開発というものを促進していきたいというふうに考えております。しかしながら、中小企業では技術者が不足だとかいろいろな点がございまして、独力ではなかなかやるのが困難であるということでございますので、そこでいろいろな中小企業対策を講じておるわけでございますが、一つは、やはり国とかあるいは公立の試験研究機関で技術の相談、技術指導というようなことをやっております。そして、これによって中小企業の研究開発なり新技術の企業化というものを支援をしておるわけでございますが、さらに五十五年度からは公立の試験研究機関に民間の非常に技術についての練達の方々、大学の先生であったりあるいは大企業の技術者で定年でやめた人、そういう人々でございますが、そういう人を各県ごとに技術アドバイザーということで登録をしておきまして、中小企業からの申し出があれば技術開発について個別に、また長期的な指導をやるというふうな民間の知恵を活用するという制度も創設したところでございます。また、技術の企業化の前段階でございます新技術の開発の面につきましても非常に重要でございますので、従来の補助金というものをさらに利用しやすくするというようなことも考えておりまして、そういういろいろな対策を講じまして中小企業の技術開発を推進すべきであるというふうに考えておるわけでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 時間が近づいていますからあと一、二問にしますが、信用保険法における各保険のてん補率について一点だけ伺いますが、普通保険が七〇%、無担保あるいは特別小口とか公害防止、新技術企業化、こういったものが八〇%ということになっていますが、今後このてん補率を引き上げるお考えはないものかどうか、これについてお答えをいただきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 現状では保険のてん補率は七〇%が原則になっておるということは先生御指摘のとおりでございます。この一般の七〇%というてん補率の原則は、現状におきましては保証協会と保険公庫の責任分担の割合から見まして、保証協会の協会としての自主的な運営を尊重するという観点から定められたものでございまして、妥当なものではないかというふうに考えております。なお、先生御指摘のように、特別小口保険でございますとか無担保保険並びに倒産関連保険等につきましては、その保証の性格にかんがみまして、保証協会のリスクの負担を軽減するという観点から、政策保証の積極的推進という見方に立ちまして、特にてん補率を八〇%に引き上げておるわけでございます。     〔委員長退席、中島(源)委員長代理着席〕  このたび新技術企業化保険が改正の一つのポイントになっておるわけでございますが、これにつきましても、協会のリスクが大きいということが予想されますので、保証協会の保証態度を積極化させるということからてん補率を八〇%にしておるわけでございまして、全体のてん補率を将来引き上げる考えがないかという御質問に対しましては、現状では一応現行の原則が妥当なものであると考えておるということを申し述べておきたいと思います。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 それでは最後にもう一点だけ伺って質問を終わりますが、政府系中小企業金融三機関の貸付金利がこの四月に引き上げられてから間もないのにまた五月から引き上げになったわけですけれども、このように短期間の間に引き上げられた理由はどこにあるのか、また、これ以上金利を引き上げるべきではないと私は考えますが、今後の方針というか、対応といったところを最後にお聞かせいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 この中小公庫、国民公庫の貸し出しの基準金利が御指摘のように四月一日に八・二%から八・六%に上がりまして、それからまた五月一日に八・六%から九・一%へ引き上げたわけでございます。これは公定歩合が第四次、第五次と相次いで一カ月の間を置いて上げられました。それに伴いまして民間の長期プライムレート、つまり大企業向けの長期の最優遇金利でございますが、これが三月一日から八・二%から八・八%に上がり、四月一日に八・八%から九・五%へ引き上げられたということでございまして、従来一般的な通常の場合はこの民間の長期プライムレートと政府系機関の金利とが連動すると申しますか、大体同率になるというふうな形になっておりますので、これに合わせて引き上げたわけでございますけれども、引き上げ幅は、いま申しましたように長期プライムレートが九・五%であるのに対しまして政府系の中小企業金融機関については九・一%ということで、〇・四%の幅を持たせております。これは、現在のような時点で急激に中小企業に対して金利を引き上げますと、中小企業に対するショックが大変大きいわけでございますので、こういう形にしておるわけでございます。  今後どういうことになるかということでございますけれども、今後の経済の推移を考えながらこの措置をしていかなければならないというように考えておりまして、やはり急激な利上げということが中小企業の経営に非常に過重な負担をかけるおそれもあるということでございますので、今後も中小企業の金利というものは、十分引き上げについて配慮をしながら実施をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 終わります。

中島源太郎自由民主党

○中島(源)委員長代理 以上で中川嘉美君の質疑は終了いたしました。  次に、森田景一君。

森田景一公明党・国民会議

○森田委員 八〇年代の経済を取り巻く環境は、これまで以上に不確実で不安定であると言われております。産油国の原油値上げやアメリカの対イラン国交断絶、中近東諸国の緊迫した政情などは日本経済のあり方を根本的に左右する状況であります。一方国内においては、一年余り続きましたミニ好況がいま曲り角に立たされているわけでありまして、その原因は石油インフレが電力料金の大幅値上げという形で本格化した上に、相次ぐ金利の引き上げと財政執行の繰り延べ、さらに欧米諸国の景気後退などがプラスされまして、経済の先行きに暗雲が広がってきているからだと言われております。  このように先行きの見通しがむずかしいいま、中小企業はどう生きていくべきか、これは古くて新しい議論でありますけれども、これが繰り返されなければならないわけでありますが、中小企業は恐らくかつてないほどの厳しい対応努力を迫られるのではなかろうかと推測されるわけであります。まずこの点について大臣にお答えいただきたいと思っておりましたが、お留守でございますから政務次官、どのように認識していらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。

梶山静六自由民主党通商産業政務次官

○梶山政府委員 最近のわが国の経済状態は、堅調な設備投資、加えて輸出や個人消費の増加から、総じて着実な拡大がここ数年続いてまいったわけでございますが、ただいま森田委員御指摘のとおり、景気の先行きという点になりますと昨年以来の大幅な原油の高騰やあるいは量的な制限、そういうものに伴いまして需要の減退効果がだんだん本格化をしてまいる傾向にございます。また、一連の公定歩合の引き上げ等がだんだん実体経済に効果を及ぼしてくる、いろいろな状態から、早晩景気は鈍化、停滞をすることが顕著に予想されるわけであります。今後は物価の安定とあわせて景気の動向に十分細心の注意を払いながら対策を講じていく必要があるというふうに考えております。

森田景一公明党・国民会議

○森田委員 こういう不透明な時代にこそ中小企業に対する灯台あるいはレーダーの役割りを果たすのが政府あるいは通産省の大きな使命ではなかろうかと思うわけでございます。残念ながら過去における政府の経済見通しあるいは景気予測などはほとんど的中しなかったように私は理解しておりますけれども、しかし景気の予測や経済見通しが中小企業経営にとって非常に重要な課題であることに変わりはありません。慎重にというお話でございましたけれども、景気の現状、これをどう見ていくか、これを的確につかんで、そしてまた八〇年代の景気動向についてどういうふうに見ていくか、こういうことが非常に重要な課題であろうと思うわけでございます。この点について次官の考えをお聞かせいただきたいと思います。

宮本四郎通商産業省産業政策局長

○宮本(四)政府委員 お尋ねは、現在のところの経済の状況をどういうふうに判断をしていくか、それから先行きの見通しをどういうふうに持つかということであろうかと思います。  ただいま政務次官からお答え申しましたとおり、現在時点では景気の動きと申しますか、流れと申しますか、かなり根強いものを持っておると思います。現に設備投資も先ほどお話に出ましたように堅調でございまして、先般産業構造審議会が答申をされましたが、その中で、五十五年度は二八・七%ぐらいもふえそうだ。それから輸出も最近のところ、この一月−三月ぐらいで見ますと一六・四%ぐらい数量でふえております。個人消費も堅調でございます。したがいまして、現在のところは着実に伸びていくような傾向を持っておりますけれども、しかしながらこの先幾つもの不安要因が顕在化してくるおそれがございます。したがいまして、私どもは物価の問題を第一に置きながらも、経済の基調が反転いたしまして不況に変わらないように十分注意をしてまいりたいと考えておるわけでございます。  そうすると、一体どういうふうな観点から経済の基調を不況の方に持っていかないように、景気を維持していくかということになるわけでございますけれども、それにつきましては、現在のところ総需要管理政策というものをいたして、物価に対して焦点を当てて政策を進めておるわけでございますが、経済の先行き、現状を判断しながら機動的に運営をやっていくことが必要だ、こういうふうに考えております。言いかえますと、金融政策それから財政政策、そのほか個別物資の政策も中にはございますけれども、そういった政策を総合的に運用していく中にありまして、これから夏場から先、秋になりまして景気が冷えるような感じになりました場合には、私どもといたしましてはいち早く公定歩合の引き下げを実行するなど、思い切った機動的な対策をとってもらいたい。その間におきまして、中小企業の金融あるいは企業の将来にわたってきわめて大事な、競争力の源泉でありますところの設備投資を損なうようなことのないように、長期資金面における供給、手当て、こういうものについて十分配慮していただきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田委員 経済成長を支える要因としていつも論じられております問題は、輸出、それから個人消費、民間設備投資、公共事業、この四つであろうかと思います。いま説明がございましたように、現在景気が根強いのは、設備投資の好調、円安による輸出の伸び、さらに個人消費が落ちそうで落ちないためであると言われております。  しかし、個人消費について見ますと、電力、ガス料金を初めとする公共料金の値上げや物価上昇で消費者の財布のひもが締まり、その上、個人消費の底支えをしていた自動車、電化製品など耐久消費財の買いかえがほぼ一巡するため、秋口から消費需要の減退は避けられないと見られているようでございます。今年度の個人消費の伸びは実質二ないし三%と、五十三年度、五十四年度からは半減して、特に下期は一・五%増程度にまで落ち込みそうである、そして景気の足を引っ張る大きな要因となりそうである、このように言われているわけでございます。  次に、輸出について見ますと、世界経済があらゆる指標から見てもスローダウンしている。経済協力開発機構加盟先進国十カ国平均の実質経済成長率が、昨年の三%に対しまして本年はゼロになると予想されている。これはわが国の輸出にとってマイナスであると言われているわけでございます。それから、円安が続けば輸出競争力は強化しますけれども、輸出を急増させますと、対米、対欧州共同体との摩擦を強める心配もある、このようにも言われております。一方、国際収支の均衡という面から見ますと、数量ベースのみでなくて、金額で達成されなければならない、こう言われておりまして、国際収支の不均衡が解消できないという問題があるわけでございます。これは、いろいろ経済評論家、学者等の見解でございます。  第三番目の民間設備投資について申し上げてみますと、金融引き締めにもかかわりませず、産業界の設備投資意欲はこのところ根強い盛り上がりを見せているようでありますけれども、これもいまがピークである。そして、財政金融が景気を抑制する方向で動くようになれば、設備投資計画は次第に減額修正されていくという見方もあるわけでございます。経企庁の調査でも、民間企業の設備投資の伸び率は、四十九年度、五十年度が前年度比マイナス、五十一年度、五十二年度と微増に転じまして、五十三年度は一一%でありました。五十四年度は一二%ぐらいになるんでしょうか。五十五年度の予測はどうかと言いますと、マイナスという見方もある一方で、一般的には五、六%の伸びと見られているようであります。しかし、伸び率の鈍化は免れない、こういうふうに見られているわけでございます。  第四番目の公共投資でありますけれども、これは申し上げるまでもありませんで、財政再建という重荷をしょっている現在、財政面から景気上昇にてこ入れをするということは大きな期待はできない状況である、このように見られているわけでございます。  以上のように見てまいりますと、本年下期からの景気は下向線をたどるであろうという見方が圧倒的に多いわけでありまして、これらの諸点について政府の見解といいますか、中小企業を守るという通産省の立場からの見解をぜひ聞かしていただきたいとともに、先ほど少しお答えがありましたけれども、今後景気の維持対策という点についてはよっぽど決意を持って取り組んでいただきませんと、また中小企業が非常に混乱するという状況も起こりかねない状況であると思いますので、その点についてお聞かせいただきたいと思います。

宮本四郎通商産業省産業政策局長

○宮本(四)政府委員 先生御指摘の、景気の先行きに対する幾つかの問題点、私も率直に申しましてそのとおりかと思います。したがいまして、現在時点において判断をいたしますと、景気の基調は思ったよりも力強く動いているわけでございますけれども、先に参りましてそういったいろいろの心配が現実のものにならないように手を打っていく必要がまずあろうかと思います。御案内のように、輸出につきまして、これは世界の景気に大きく依存いたしておりますけれども、それがどのように動くか、これは不透明なところが多いわけでございます。それから個人消費も、当面堅調ではございますけれども、物価が上がってまいりますので財布のひもがかたくなってくる。それから設備投資につきましても、全体としては本年度、五十五年度は前年度に比べてかなり大きなものを考えてはおりますけれども、これを半期別に見てまいりますと、ことしの上期が昨年の下期に比べてうんと伸びて、ことしの下期は上期に比べてダウンしていく、こういうふうな傾向を見せております。したがいまして、これまた景気の不透明さ及び金融面におけるボトルネックということになって、どういうふうになるかよくわからない点を持っている次第でございます。公共投資につきましては、御案内のように、上期の工事の施工につきましては大体六〇%を目標といたしまして、抑制ぎみにこれを運営していく、こういう方針で臨んでおる次第でございます。したがいましてこれらの各部門における政策を下期に至る——いつこれが顕在化してくるか、いまのところ私どもははっきり申し上げるわけにまいりませんけれども、事前にその様子を的確につかまえまして、そのような気配が出ますといち早く方針を転換して、それぞれの分野において最大限景気の基調が維持できるように考えてまいりたいとまず思っております。  なお、こういう場合におきましては企業さらには中小企業が、物価の上昇、原材料価格の騰勢さらには製品販売面における困難というふうなことからきわめてむずかしい立場に置かれるということが常でございますので、私どもは中小企業等の経営を不当に圧迫することのないように、あるいはまた設備投資全般を阻害することのないように、中小企業の金融や長期資金面に対する十分な配慮をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田委員 お答えいただきましたように、とにかくこういう対策というものは、後手に回ったのではどうにもしようがなくなりまして、やはり先手先手と行くことが非常に大事なことだと思います。そういう点で力強い決意表明がございましたので、どうかひとつ第一次オイルショック後の中小企業のあの惨めな状況、ああいう状況が起こらないような対策を十分講じていただきたいと思うわけでございます。  倒産という問題でございますけれども、倒産を防止するための対策としては幾つか挙げられると思います。特に経営改善でありますとか、金融、税制上の措置でありますとか、あるいは共済制度、こういうものが必要であろうと思うわけでございます。そのためには経営セミナーや情報の提供、経営相談などの活動を通しまして倒産を未然に防止するということが大切であると思われるわけでございます。そうした意味から見ますと、中小企業庁が昭和五十四年度からでしょうか、倒産防止特別相談室というのを設置いたしまして、中小企業の倒産防止相談活動を推進してきたことは私どもも非常に評価しているわけでございます。そういう立場から幾つかこの問題についてお答えをいただきたいと思います。  一つは倒産防止特別相談事業というのがございます。この利用状況、こういう点についてお答えいただきたいと思います。  二つ目には、この相談を受けた経営者の方々の後の状況をどういうふうに把握していらっしゃるのか。  三番目が商工調停士数、相談実施個所、こういうものについて過去の実績、これからの計画についてもひとつお答えいただきたいと思います。  四番目には、昭和五十五年度予算ではどういう計画で実施していこうとするのか、こういう四点についてひとつお答えをいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 いまお話がありましたように、中小企業の倒産防止対策というのは各方面からやっておるわけでございますが、そのうちの主要な対策の一つといたしまして、昭和五十四年度から倒産防止特別相談事業というものを開始いたしました。これは全国の、現在では七十四カ所でございますが、商工会議所に倒産防止特別相談室というのを設置いたしまして、そこで経営の状態が悪くなって倒産に瀕している方に対して御相談に応ずるというふうな制度をやっておるわけでございますが、五十四年の四月から開始いたしまして、最近の時点でわかっておりますのは、五十五年の三月十日ですから五十四年度全体はまだちょっとわかりませんが、五十五年の三月十日までの数字で見ますと、相談件数が全国で千九十五件ということになっております。これは相談に応じまして、現在の経営状態が非常に悪いのを具体的にどういうふうな形で乗り切ったらいいかということの御相談に応ずるということが主体でございますが、不幸にして倒産せざるを得ないという場合にも、完全に事業をやめてしまうのではなくて、再建ができるような形で一応の整理をするというふうなことも指導することを考えておるわけでございます。これがどういう形になっていったかということにつきましては、現在のところまだ残念ながら詳しいデータが届いておりませんので、この席でちょっとお答えはできませんが、いずれまた内容がわかり次第御説明を申し上げたいというふうに思っております。  それから、その相談事業をやるに当たりましては商工調停士という人を、各地域のいわば名望家といいますか、いろいろなことについて金融機関にも話をしていただけるあるいはいろいろな方にも指導ができるというふうな方を商工調停士という形でお願いをいたしまして、そういう人が主として相談に当たり、そしてまた、もし法律的な案件がございますれば委嘱しております弁護士の活動を願うというようなことで、法律的な措置もやっていくということをやっておるわけでございまして、非常にこれについては相談を受けられた方については好評な制度であるということは、私も各地に出張をいたしますとそういう話を聞かされて喜んでおるところでございます。  それで、設置個所でございますが、五十四年は七十四カ所ということでございましたが、五十五年の予算といたしましてはこれを百二十一カ所にふやそうということでございまして、今回は単に商工会議所だけじゃなくて、あるいは商工会連合会等々のところにも相談室を置きたいということを考えておりまして、現在都道府県と連絡をとりながら百二十一カ所にふやすためのいろいろな候補地の選定に努めておりますので、いずれこういう新しい個所を増設をいたします。将来はなるべく、これは相談でございますから、わりあい身近な地域にございませんとなかなか利用できないものですから、この百二十一カ所でまだまだわれわれとしては十分だと考えておりません。もっともっと広い地域にこういうものが活用できるようにいたしまして、倒産の前に、いわば未然防止という形でこういうシステムを活用いたしていきたいというふうに考えております。

森田景一公明党・国民会議

○森田委員 新しい制度で商工調停士という制度、こういうものを、これは民間の認定のようでございますけれども進めている、こういう点で非常に工夫をしていらっしゃるという状況がわかります。ひとつ倒産を防止するという立場から、通産省の方でも積極的にてこ入れをして応援していってほしいなと、私もそのように思っているわけでございます。  先ほど申し上げましたように、この倒産防止のための金融というのは非常に大事なことなんでございますが、政府系中小企業金融三機関の貸出金利と、それから都市銀行、地方銀行の貸出金利を比較してみますと、政府系金融機関の方が金利が高いというデータがあるんですね。これは中小企業金融公庫月報、本年二月の資料でございますので、その後また変わっているかもしれませんが、こういうものを見ますと、たとえば都市銀行、五十二年度が七・二一三、五十三年度が五・八四一、五十四年度が五・九八八、五十三年十二月で五・五〇三。地方銀行で五十二年が七・七四〇、五十三年が六・五四五、五十四年が六・三六五、五十三年十二月で六・一三八。相互銀行で五十二年が八・八三六、五十三年が七・二四五、五十四年が六・八七三、五十三年十二月で六・七八八。数字ですからちょっとややっこしいのでございますが、こういう数字に対しまして、中小企業金融公庫、国民金融公庫、環境衛生金融公庫、こういうのを見ますと、五十二年がいろいろ月によって動いておりますけれども八・一、七・九、七・八、七・六、こんな動きをしております。五十三年が七・一、五十四年が七・七から八・〇。こんなふうになっておりまして、いずれも政府系の金融機関の方が金利が高いという状況なんです。これは一体どういうことでこんなになっているんでしょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 統計に出ております民間金融機関の貸出約定平均金利と申しますのは、その時点の新規貸し出しの金利のみならず、既往の貸付金の全金利の平均ということで出ておりますので、実は金利が上がるときには新規の貸し出しはある程度上がっても、その平均といたしますとまだ従来の安い金利のものが残っておりますので、比較的統計上は高く出ないというようなことがございます。政府系の金融機関というのは新しい状態に決めますとその新規貸し出しの金利を表示しておりますので、その辺の差が一つあろうかと思います。  それからもう一つ、最近の事情で申しますと、政府系の金融機関は、先ほど申しましたが民間の長期のプライムレート、つまり最優遇金利に大体スライドして決めるというルールがございますので、それで変えてまいりますが、民間金融機関は貸出金利については現在は相手先に応じて必ずしも一定をしない、状況によってかげんをするということがございます。そして現在の時点でございますと、まだ資金が必ずしも窮屈でない面もございますので、そういたしますといい貸出先を維持するという意味で金利を上げにくいということがございまして、なかなか金利が上がらないという事情が金融緩和期には相当ございますし、現在でもまだ中小企業にとりましてはそういう部面があるというようなことから、民間金融機関の金利が比較的政府系の金利の上がりに比べておそいという事情もあろうかと思います。それから政府系金融機関といたしましては、なるべく金利を上げたくないということで指導しておりますし、先ほど申し上げましたように長期プライムレートが現在九・五%でございますが、九・一%ということにとどめておるわけでございます。一方、政府系金融機関の原資、融資のもとは例の資金運用部から借り入れるわけでございますが、資金運用部の金利が、これがまた郵便貯金等の金利上昇に伴いまして上がってまいりまして、現在では八・五%ということに上がっております。そういたしますと、現在貸出金利が九・一%で、運用部金利が八・五%でございますので、その金利差が〇・六%しかないということになっております。そういうこともございますので、われわれとしては極力貸出金利を圧縮はいたしますけれども、やはり原資との関係がございますので、公定歩合が上がりますとどうしてもそれに連動してある程度の上げはやむを得ないというのが現状でございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田委員 現状で金利が上がっていくという状況は了解はできるのですけれども、借りる方の経営者の立場からいけば、金利は安いにこしたことはないわけです。したがって、民間金融機関が金利が安いというのは歓迎すべきことなのですが、さっきも説明がありましたように、政府の方の金利のとらえ方と民間の方のとらえ方とが違う、こういうことなら、どうもわれわれは同じに見てまいりますので、その辺のところをひとつ指導する立場にある中小企業庁の方で同じ歩調で、わかるような統計資料ですから、そういう方でいつ私たちが見てもわかるような状況に改善していただけたらと思います。この表が云々ではなくて、問題は安い金利で中小企業の方々が借りられるということが一番望ましいわけでございます。そういうことで、ちょっと疑問に思いましたのでお尋ねしたわけでございます。  次に、中小企業は、御存じのとおり事業所数で九九%、事業者数で八〇%、製造業出荷額で約五一%、商業販売額で約六二%、こういうことでございまして、わが国経済の中で中小企業が占める地位はきわめて大きなものがございます。したがって、その動向いかんが国民経済と国民福祉に多大な影響を及ぼすと言っても過言ではないと思うのでございます。高度経済成長から低成長といいますか、安定成長といいますか、こういう移行時期にいまあると言われております日本経済におきまして、中小企業を取り巻く経済環境は、しかし依然として楽観視できません。先ほども申し上げましたように、石油の価格上昇、発展途上国からの追い上げ、大企業の中小企業分野への一層の進出等、非常に厳しい状況が続いておるわけでございます。中小企業の中でも特に小規模企業は長期不況の後遺症から脱し切れないまま、またインフレ懸念がなされている中で、仕事の減少、大企業等からの不当なしわ寄せによりまして、経営は倒産の危機に瀕していると言っても過言ではない状況である、このように思います。中小企業がこのような苦境に追い込まれているのは、政府の長年にわたる大企業優先の高度経済成長政策のもとで中小企業政策が軽視された、中小企業の経営基盤の確立がなされなかった、このように批判されておるわけでございます。しかし八〇年代におきましては、一つは国民のニーズの多様化、二番目には地域経済の見直し、それから三番目には中小企業分野における雇用機会の拡大の要請、こういったものから中小企業の役割りが拡大することが予想されている、こう言われております。同時に、予想されているばかりではなくして対策を確立しなければならない、このように思うわけでございます。こうした中小企業の役割りに対しまして、これは大臣にお聞きしようと思いましたけれども、政務次官はどのように評価をなさり、どのような対策を考えていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。

梶山静六自由民主党通商産業政務次官

○梶山政府委員 大変むずかしい御質問でございまして、適切なお答えができるかどうかわかりませんが、確かに前段先生御指摘のように、景気はこれからその四つの柱を中心にして後退をしていくであろう。そして特に考えられることは、外的な要因で物価が大変上がる、材料が上がる、金利が高まる、そういうことが中小企業の経営を圧迫することは先生の御指摘のとおりであります。  しかし、私たちは前回第一次石油ショックの際に、物価かあるいは景気かという、両立という言葉を使いましたけれども、あの当時を回顧しますと、むしろ物価という問題に力点を置いて経済運営がなされた経緯がございます。そしてそれは確かに成功いたしまして、長い期間にわたりましたけれども、ようやく不況を脱出することができたわけであります。他国においては余りにも景気の対応に敏感なために、むしろ大変な物価高に悩まされた国もあるわけであります。そういうことを考えますと、当時産業界は、とてもそういう低い成長率ではやっていけないという主張を何遍かされたわけでありますが、懸命な官民一体の努力が、ある意味であの当時から見ますと、成長率の低い中でも十二分にやっていける日本の経済体質を実はつくり上げたことは先生御承知のとおりであります。  そして今回また第二次の石油ショックを受けているわけでございますが、果たして物価か景気かという問題は、前回と同じような選択ができるのかどうか、大変むずかしい問題であります。中小企業といえどもそれを離れて物事を論ずることはできない大前提がございます。しかしその中で、先生が言われますように中小企業の国内経済における、国民経済における、国内社会における比重の重さ、これを考えればこれに力点を置かなければならないことは当然でございます。ですから政府のいま行っているいろいろな意味での対策の中で、中小企業対策を一番重点に置いて今後の八〇年代を切り開いていこうという政策方向を実は打ち出しているわけであります。確かに不透明で大変厳しい条件下ではございましょうけれども、中小企業があくまでも活力にあふれ、創意にあふれ、みずから闘うという姿勢を持って努力をしてもらいたいし、政府もこの問題に関しては懸命な努力を払ってまいる決意でございますので、何とぞひとつ御理解と御協力を願いたいと思います。

森田景一公明党・国民会議

○森田委員 ただいまの答弁については私もいろいろと反論を申し上げたい内容もあるのでございますが、時間の関係で先へ進ませてもらいたいと思います。  昨年の中小企業の景況は、先ほどからお話しありましたように好転してまいりました。たとえば中小企業の製造業の生産指数を見てみますと、昭和五十年平均を一〇〇といたしますと、五十一年が一一一・三、五十二年が一一五・四、五十三年が一二一・三、五十四年が一二九・二、五十五年一月で一三四・五、このように順調に伸び続けているわけでございます。しかし、この明るさが今後とも続くとは限りませんし、ことしは楽観を許すことはできないと思うわけでございます。  先ほどから申し上げたようなこともございますが、同時に中小企業の倒産状況というのを見ますと、昭和五十四年度で史上第三位という高水準であります。これは御存じのとおりですから細かいことは申し上げません。昭和五十五年度は三月に月間で、先般来御説明ありましたように千四百四十五件という倒産がありました。危機ラインが千五百件、こう言われておるようでございます。これをわずかに切れている状況であります。なぜ景気がいいのに倒産がふえているのか、こういう問題があるわけです。それから最近の倒産の特徴はどうなのか、こういう点についてひとつ分析と対策、両面について御説明いただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 御指摘のとおり、最近の倒産の状況は非常に先行きが心配であるというふうな状態になってきております。昨年度は比較的前半は景気がよかったわけで、後半原油価格値上がりによる原材料の高騰とかあるいは金融引き締めの影響の浸透とか、こういうマイナス要素が出てまいりまして、倒産件数も十月以降十二月までいわゆる危機ラインと言われる月間千五百件を上回ったというふうな状態もございます。  こういうことを考えてみますと、倒産の原因と申しますと、一つは、やはりわれわれが見ておりますと、第一次石油ショック以来の相当な長期の構造不況あるいは円高というふうなところで非常に打撃を受けました。ただ、その時点では何とか企業を維持できたのでございますが、その後若干景気がよくなったとしても、業種によってはまだまだ景気の回復ができないという業種もございますので、そういうところにおきましては、従来の維持しておったものがついに息切れをして倒産をしたというようなものが相当多数あるというふうにわれわれ考えておりまして、倒産した結果を見ましても、やはり過去の経営不振の結果が原因になっておるというふうなことが言われております。  もちろん倒産につきましては、実はいろんな原因が複合して起こるということが多いものでございますから、ただ一つこれだけということは言えないと思いますが、しかし、そういう販売不振とかあるいは過去の痛手が快癒できないというふうな点が一番大きいんではないかということを考えておるわけでございます。それからまた中小企業の、ことに下請企業等々につきましては連鎖倒産というふうなものも、全体の倒産件数のうちの十数%はそういうものであるというようなものも出ております。  したがいまして、こういうふうな状態は、やはり先ほどからのお話にありますように、先行きの不透明状態から見ますと、改善をするということはなかなかもう考えられない。やはりこの状態がうまくいきましても横ばい状態というようなものになろうということでございますので、先ほどからるる申し上げておりますいろんな倒産対策あるいは金融対策を通じまして、中小企業の安定を図っていきたいというふうに考えておるわけでございます。

森田景一公明党・国民会議

○森田委員 非常に時間が残り少なくなってまいりましたので、私の考えていることを幾つか申し上げてみますので、後でまた答弁をいただきたいと思います。  一つは、中小企業倒産防止共済制度、この加入見込みが発足当時十万件、こういうように見込んでいたということでございます。ところが、五十三年度が一万六千七百三十八件、五十四年度が四千二百四十件、合計して二万九百七十八件、これはずっときのうから論議されております。  私が調べたのは、発足した五十三年度に多かったのは、特例加入というのを認めて、この特例加入の数が多かったのですね。一般の通常の加入件数というのが四千三百五件だったのです。特例では一万二千四百三十三件、このようになっておりまして、五十四年度、まだ三月の結果は出てないかもしれませんが、四千二百四十件、ほぼ一般の加入では同じ数なんですね。この特例加入というのは非常に効果があったのじゃなかろうか。経済状況というのもあったかもしれませんが、やはり中小企業は利益が上がったときに納められるというのが非常に魅力があるだろうと思うのです。毎年毎年あるいは毎月毎月掛けていかれる、こういう状況ならばかなり健全な状況かもしれませんが、やっぱり利益が上がった年に特例で一括して納める、非常にこれは魅力があった制度じゃないか。これが今回見送られているのですね。非常に私は残念なことだと思います。この特例加入制度を復活させるべきだという論議がありましたから、それはそれとして、こういう現実から見ますとやっぱり生かしておいた方がいいんじゃないだろうかと私は思うのです。  それから、今回の改正では月額二万円から五万円にするということになりました。五万円になって、三年六カ月で一応二百十万の頭打ち、十倍の二千百万を貸し付ける、こういうことになっておるわけです。ところが、これは何も三年六カ月掛けなくても、途中で倒産があればその時点の掛金の十倍まで貸す、こういうことになっているわけですね。これをいままでどおりやはり五年間やったらいいじゃないか、私はこう思うのです。五年間掛けますとたしか三百万になると思いましたね。それで十倍というと三千万ということになるのですね。これは先ほども三千万というお話が出ていたようですけれども、私もやはり三千万にした方がいいだろう、こう思うのです。そしてしかも、何も三千万借りられるからといって全部貸してくれるわけじゃありませんで、相手が倒産したそのときの債権だけしか貸してくれないのですから、三千万というのは魅力だろうと私は思うのです。その辺のところが今回見送られた。非常に残念です。  それからPRですね。PRが、期間が短いといえば短いかもしれませんが、私もこの法案をいろいろと勉強してから、中小企業の方に会うたびに共済制度に入っているか入っているかとこうやっているものですが、知らない方が多い。非常に残念なことだと思うのです。時間があれば、中小企業共済事業団の方から「加入してよかった」というパンフレットをもらっておりますので、この内容も二つ、三つ紹介してもらおうかなと思ったのですが、残念ながら時間がありませんから省略します。非常に努力しておるわけですから、こういう努力がなるほどそうかというふうに中小企業の方々にわかったらかなり大きく加入できると思うのです。そういう点でPRの徹底、これは非常にこれから大事なことだと思うのです。特に掛金が個人ですと必要経費になる、こういう点もよく説明すれば、中小企業の経営者も本当に安心して掛けられるということも出てくると思うのです。そういう点もあると思います。  それからもう一つは、前々から論議されておりますけれども、借りた場合、積んだのが必要経費だということで取られてしまうという形になるのですか、返ってこない。総体金利計算してもその方が安いじゃないかという論法も実は聞いてはおりますけれども、それを補助する意味で今回戻していく制度を入れることになったわけですね。ところが、五十八年にならないと幾ら返せるかわからないという状況でございまして、これが羊頭狗肉になるのじゃなかろうかと私は心配しているわけです。政府のやることですからうそつかない、あそこは別にうそつくと書いてありませんけれども、加入者が少ないのでそれをえさにして実際やったけれども返らなかったということになりかねないのじゃないかと思うのです。この辺、返せる自信があるのかないのか。時間がありませんから恐らく答弁まで返ってこないと思いますけれども、その辺まで十分検討していただいたらよろしいと思うのです。     〔中島(源)委員長代理退席、委員長着席〕  特に倒産防止共済制度の拡充強化を図るためということで団体からの要望があります。幾つかございますから紹介しておきますので、後で検討していただきたいと思うのです。  一つは、共済貸し付けを受けた場合、共済掛金に対する権利消滅措置を廃止してほしい。二番目が、共済の貸付限度額を引き上げるとともに、貸付対象となる債権の範囲を拡大してほしい。三番目が、特例前納制度を復活し、これを恒久化してほしい。四番目が、共同事業を活発に行っている中小企業団体等に対しては、構成人数に応じて加入口数を増加することができるようにしてほしい。五番目が、一定期間内に取引先の倒産が複数に及び、債権額が五十万円以上になった場合にはこれを貸し付けの対象にしてほしい。こういうことが要望されてございますので、今後の課題として十分検討していただきたいと思います。もう時間がありませんから、機会がありましたらまたお尋ねをしていきたいと思っております。  最後に、八〇年代に臨む中小企業政策ということで、わが党ではこういう問題を推進すべきであるということで掲げております。  一つは、中小企業の技術向上、人材養成等の積極的促進。二番目が、地域に根差した地場産業の育成。三番目が、国際化に対応できる体制の整備。四番目が、小規模企業者の経営基盤強化と福祉の向上。五番目が、中小企業分野の雇用拡大と労働条件の改善。こういうことをわれわれは提唱しているわけでございます。こういう問題についてきょうは通産省、また中小企業庁の皆さん方といろいろと議論したいと思っておりましたが、どうも時間の使い方が下手でございますので、みんな話ができないうちに時間が来てしまいました。どうかひとつ中小企業の育成のために、また日本経済の発展のために今後とも努力されることをお願いしまして質問を終わります。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 これにて森田景一君の質疑は終了いたします。  引き続いて神崎敏雄君の質疑に入ります。神崎敏雄君。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 中小企業信用保険法の一部改正案についての質問をいたします。  信用保証制度の根本目的についてまず伺いたいのですが、本来この制度は中小企業の埋もれた信用力を掘り起こして、大企業に比べて不利を負っている点を国と都道府県が補って中小企業の保護育成を図るものだと思います。したがって、信用保証協会が能動的、意欲的に中小企業の信用力を引き出して金融機関をあっせんすべきであります。本来あるべき姿として中小企業庁の認識はどうか、まずこの点を伺いたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 信用保証制度といいますのは、いまお話がありましたように中小企業者の信用力、担保力のない点を補完いたしまして、中小企業の資金需要に対応し、円滑に供給するというのが趣旨でございまして、先生のおっしゃるとおりの目的を持っているとわれわれ考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 保証協会の職員の努力は決して認めないわけではありませんが、残念ながら現状は、本来のあり方に照らしましてすべてがそうなっているとは言えないのであります。私が直接聞いたところでは、保証協会は金融機関の安全弁にすぎないという声も少なくありません。結果として金融機関の安全弁の役割りがあることは明らかでありますが、中小企業の信用力を掘り起こすということを忘れて、安心して融資できる業者かどうかの審査を金融機関代行のように行うだけだとしたら批判の声が出るのも当然であります。本末転倒とも言うべき運営に陥って金融機関以上に態度も高圧的であるという協会があるとするならば、これは是正、指導を行うべきであります。この点、中小企業庁は業者の批判を謙虚に聞き、これを指導で正す、こういう約束ができるかどうかお答えを願いたい。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 ただいま申し上げましたとおり、信用保証制度というのは、信用力、担保力のない中小企業者に対してその信用力、担保力を補完するという役割りでございます。したがいまして、十分信用力、担保力がある中小企業であれば、あえて信用保証制度を適用しなくても金融機関は積極的に貸すべきでございます。いま御指摘のことが現実にもしありとすれば、それは信用保証制度の本来の趣旨から逸脱しておるとわれわれは考えるわけでございます。したがいまして、金融機関自身に対しましても過度に信用保証制度に依存することは極力避けるように、これは従来金融機関に対しても大蔵省ともいろいろ指導をしておるところでございます。信用保証協会自身につきましてもやはりそういう気持ちで、つまり信用保証協会がみずから必要な資金について、中小企業者の信用力の補完をして金融機関に融資をさせるという気持ちで活動してもらわなければこの趣旨が貫かれないわけでございます。そういう点では信用保証制度の本来の趣旨を生かすように十分指導してまいりたいと考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 長官に申し上げたいのですが、七九年十一月の中小企業信用保険公庫の月報を見ますと、この中で参考にしていただきたいのは、いまそうおっしゃいましたが、その実態を見ると、窓口において中小企業の相談相手として積極的に信用力を発掘しているとは必ずしも言えない、五十三年度のあっせん割合は件数で二四・三%、金額で一八・七%で、信用保証理念が想定している姿とはほど遠い、こう書かれているのです。それといまのお答えとの関係はどうでしょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 御指摘のとおりでございまして、五十三年度につきましては、信用保証協会がみずからあっせんをしていくというのが大体四分の一、二四・三%という数字になっておりまして、あとは金融機関を経由してくるということになっております。ただ、金融機関の経由というのが全部信用保証協会の自主的なものでないとは言えないわけでございまして、信用保証協会というのは絶えず金融機関に預託などをいたしまして、金融機関自身についても必要な、つまり金融機関が普通では貸せないものについては、信用保証協会を利用することによって貸してあげるという積極的な姿勢を持ってもらうということを金融機関にも依頼しておるわけでございますから、必ずしも金融機関を回ってくるものが全部自主性のない、単に金融機関のためのものだとは言えないと思います。しかしながら、この数字というのは決して非常にいいということも言える数字ではございませんで、今後さらに協会自身が自主的にこういう貸し付けというものについて発動していくというふうな形を大きくとらなければいけないということをわれわれも痛感しております。ただ、これも信用保証協会によりましてそれぞれ差がございまして、協会によりましては四〇%以上協会自身がまず乗り出してやっておるという例も出ております。そういう協会にならいまして、全国の協会が自主的に動き得るように今後も指導してまいりたいと考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 現在わが国では、担保力の不足を補うため企業向けの各種の信用保証機関が数多く設立されております。この信用保険法に基づく信用保証協会以外の保証機関について、当局は現状を掌握しておられますかどうか、伺いたい。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 最近におきまして、中小企業者等のために信用保証を行います団体等がふえてきておることは承知しております。その具体的な事例もわれわれの手元にございますけれども、それらの団体の組織の形態とか保証の目的、対象が区区でございまして、いずれにしても中小企業者等の資金の円滑な融通を行うという点から見ればそれなりの役割りはしておるというふうには考えておりますが、中小企業者全般といたしまして、資金の円滑な融通を行います組織といたしましては保証協会が中心的な役割りを果たすべきだと考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 たとえば社団法人揮発油販売業経営合理化基金が昭和五十三年に設立されております。資源エネルギー庁に伺いますが、この基金に対して三十三億円の補助をしたというのは事実でしょうか。事実だとしたら国が援助した理由は何か、お答え願いたい。

志賀学資源エネルギー庁石油部長

○志賀政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生から御指摘がございました社団法人全国石油協会におきます揮発油販売業者の債務についての保証事業でございますけれども、これは五十三年度から石油協会におきまして実施をいたしております。この基金の総額は現在四十九億五千万円でございますが、それに対しまして、五十三年度から三十三億円の補助金を国が交付しております。これは五十三年度及び五十四年度、二年度にわたって交付したわけでございますが、交付総額としては三十三億円でございます。  この理由でございますけれども、私どもといたしましては、揮発油販売業者の方たちというのは、揮発油あるいは灯油といった石油製品についての最終的な供給者であるということで、石油製品の安定供給を確保するためにその経営の合理化あるいは安定を図ることはきわめて重要であるというふうに存じておるわけでございますが、他方、揮発油販売業者の多くは中小の零細業者の方たちでございます。そういった事情にあるわけでございますけれども、その中で揮発油税を含みます仕入れ代金等に対する資金負担というのが、特に第一次オイルショック以後、石油製品の価格も非常に上がったわけでございますが、そういうことを背景にいたしまして、揮発油販売業者の方たちの負担がきわめて大きくなったということで、そういう背景のもとにおきまして、揮発油販売業者の経営合理化、近代化あるいは安定といったものを遂行していく上におきまして必要な設備資金あるいは運転資金の調達力を強化する必要がある、こういうことから経営合理化基金という制度が発足いたしまして、この協会におきまして信用保証を実施しておるという状況でございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 よう長いこと答弁してもらったのだけれども、どうも要点がわからぬのでもう一遍聞きますが、経営の合理化に対する補助だというふうに伺ったのですが、具体的にはどんなことで三十三億円出すのですか。

志賀学資源エネルギー庁石油部長

○志賀政府委員 御説明が舌足らずで申しわけございませんでしたけれども、全国石油協会におきまして揮発油販売業者の人たちが設備資金あるいは運転資金を調達する場合に信用保証をしているわけです。その信用保証の基金というのが石油協会に置かれておるわけでございまして、この基金に対して国が補助をしておるということでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 ほかにもプラスチック処理促進協会、回収鉄源利用促進協会、全国食糧信用協会などたくさんあります。今後も業界ぐるみの自助組織として生まれてくる可能性があります。政府はそういう保証機関に対して必要な援助をしていくという方針なのかも伺っておきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 特定の業種あるいは特定の地域の事情によりまして信用保証を行う機関があることは、ただいま先生御指摘のとおりでございますけれども、このようなもののうち特別の必要性あるいは特殊な事情があるものにつきましては、政府としても助成していくというところかと存じます。     〔委員長退席、堀内委員長代理着席〕 しかしながら、先ほども申しましたように、中小企業者全般に対します信用保証につきましては信用保証協会において対処をしておるところでございまして、政府といたしましても信用保証協会の保証活動を強化するために、保険公庫によります信用保険の引き受けあるいは基金の補助金によります補助を重点的に講じていく、これを中心的な役割りにしていくということかと思います。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 次に、信用保証協会法に言う保証協会は五十二あると聞いておりますが、都道府県以外の保証協会はどういうところですか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 現在ございます五十二の信用保証協会のうち、都道府県以外の協会は市の単位の協会でございまして、先生御指摘のとおり五協会ございますが、具体的には大阪市、横浜市、名古屋市、川崎市、岐阜市のそれぞれの信用保証協会でございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 これらの市の保証協会は中小企業信用保険公庫と保険契約が認められているわけです。ところで、堺市中小企業振興会、川口市中小企業共済協会、板橋区中小企業振興公社など、市や特別区が独自に中小企業向けの保証機関をつくっている例もあります。これらの機関は保険公庫との契約が認められていません。その理由は何なのかお答え願いたい。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 先生御指摘のように、堺市、川口市等の単位で自治体がそれぞれの財政支援によりまして信用保証機関を設けていることは承知しておりますけれども、全体の原則としてはこの信用保証制度は危険分散、リスクを均等にするという意味から、県レベルの区域を対象とするものが望ましいと考えておるわけでございます。  それに対しまして、先ほど申しましたように五協会が例外的に保険公庫と契約を結んでおるわけでございますが、これは信用保証協会法が制定されました当時、すでに例外的に設立が認められておりました地域の五協会が信用保証協会として契約がされておったわけでございまして、そのときの特殊な、設立時の例外的な事情でございます。したがいまして、現在それ以外の自治体の単位でできております信用保証機関につきましては、現在の判断では保険公庫の対象としてこれを加えるという考えはとっておらないわけでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 板橋区、川口市、堺市のほか、名古屋市、京都市、東大阪市、北九州市の七つの自治体は五月八日、九日の両日、あす、あさってですが、こういう保証機関のあり方について研究協議会を開くようであります。板橋区その他の担当者に聞いてみますと、信用保証協会は書類審査が中心であるが、われわれは足を運んで信用力の掘り起こしに努力しておる、保証協会で相手にされなかった業者を拾い上げているという点を強調しております。また、信用保証協会は地理的に遠過ぎるという不満にこたえる面もあるようです。いずれにせよ中小業者の身近なところできめ細かく努力している点は評価さるべきです。川口市の場合は保証料も年〇・二四%です。そうしてこうした自治体はこぞって公庫の保険制度の適用を強く要求しております。この点、中小企業庁は検討の用意があるのかどうか伺いたいのであります。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 いま担当部長が御説明いたしましたように、信用保証機関と申しますのはやはりある程度の広がりを持ちまして危険分散ということができなければ、いざというときに効果的な活動ができない、あるいはまた、非常に負債に苦しむというようなことが起こり得る可能性がございます。したがいまして、われわれといたしましては少なくとも県レベルの範囲内を対象とする信用保証機関が望ましいというように考えておるわけでございます。したがいまして、いま御指摘のような各市につきましては、当然にこの信用保険公庫の保険引き受けの対象にするということははなはだむずかしいというふうに考えておるわけでございます。もちろん、いまお話しのようないろいろな方の御意見がございます。御意見はわれわれも承りたいと思いますが、いま直ちにこれを引き受けの対象にするということはわれわれとしてはなかなかむずかしいのじゃないかというのが現在の考え方でございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 さきに横浜その他五つ挙げられましたね。それはよくて、京都とか北九州とか堺というような大きな都市はなぜそれがあかぬのですか。後からやり出したからあかぬのか、何か理由があるのですか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 先生がまさしく御指摘になりましたように、信用保証協会法が制定されましたときにすでに五協会が当該地域にございまして、その設立時の例外的な事情から都道府県以外のこれらの五地域のものが公庫と契約をしたということでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 根拠はそんなことだったと思うのですが、せっかく次官、大臣のかわりに座っておられるので、先ほどから聞いておられて、ぼくの言っていることについて、それは横浜やそういうところがあるのに、京都や北九州や堺という大きなところが該当にならぬというのはおかしいなというふうにお考えであったら、こういうところも該当するように前向きに検討されますかどうか、せっかく次官がお越しだから考えを聞きたい。

梶山静六自由民主党通商産業政務次官

○梶山政府委員 残念ながら古い経緯をよく知りません。ただ、府県単位に信用保証協会を設立する指導を行っている現況から見ますと、例外的にあるいは個別的に別個なものが契約を結ぶことはむしろ好ましくないという見解は正しいと思います。そしてまた、自治体が独自の方向でやること自身もこれまた一つの特色だという感じがいたします。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 次官に答弁を求めると大体よく知らぬとおっしゃるので、知らぬ者に聞いてもしようがないなとこっちはあきらめてしまうのですが、どうかひとつ政務次官、本職はがっちりと知っていただくようにお願いしたいと思うのです。これはこれでやめましょう。よく検討してもらうように長官とも考えてもらいたいということをつけ加えておきます。  さて、先ほど例に挙げました揮発油販売業者の基金の保証料率は〇・五%であります。業界組織のいわゆる自助制度として今後さらに多くの業界にも設立される可能性があります。また、市や特別区でも広がる傾向にある。これらの保証機関の方が条件的にすぐれた面があるとすれば、将来この信用保険法に基づく信用保証協会と競合することになる。そういう状況が進展することについて中小企業庁はどう考えておられるか、この点を伺いたいのであります。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 この中小企業者に対する信用保証制度につきましては、やはり信用保証協会というものを中心的に運用していきたいというふうに考えております。業種別の信用保証機構につきましては、ごく特殊なものについてはやむを得ないということでございますけれども、極力信用保証協会に一本的な運用をしていきたいというのがわれわれの考えでございます。  ただ、信用保証協会側としてもやはりいろいろ努力をする必要がございます。先ほど先生もおっしゃいましたように、信用保証協会に対していろいろの批判があることはわれわれも承知しております。したがいまして、信用保証協会が努力をいたしまして、そういう何か別につくった方がよくなるのではないかというような疑念を中小企業者に抱かせないような努力が今後必要でございますし、そういう努力に即応してわれわれも十分な応援をしていくということで、中小企業の方々が信用保証協会ならば十分中小企業の味方になって活動してくれるというふうな気持ちになってもらうということの、一層の努力をさせていきたいというように考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 きょうは聞くことが大分数がありますのですいすいといきますから、重ねて質問をせぬでもいいような答弁をいただきたいのです。これは希望しておきます。  そこで、次に聞きたいのは、最も標準的な信用保証協会の業務方法書によりますと、保証料等に関する事項の中で、保証料は違算過収の場合、むずかしい言葉ですね、違算過収の場合を除いては原則として返さないと定めております。しかし、早期完済の場合、請求にかかわらず保証料を返す協会が十八ある。請求があれば返す協会が三十四となっている。また、保証料率が一%を超える協会が三つあるのである。こうしたばらばらは改善すべきではないのでしょうか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 現在、各保証協会におきます料率の中で、基本料率あるいは延滞保証料というものはほぼ統一されております。ただ、先生がただいま御指摘になりました保証料の返戻につきましては、保証協会の間で取り扱いが必ずしも同様ではなく区々でございます。したがいまして、今後中小企業者のサイドから見ました利便を図るという観点から申しまして、その取り扱いの改善につきましては十分検討してまいりたいと思います。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 検討をされる場合、利用者の利益になるところへ統一していただかぬと、上限で統一されないように、ばらつきを直す場合でも利用者が有利になるような方向でばらつきを是正していただきたいと思うのですが、重ねてこの点お答え願いたいと思います。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 利用する中小企業者の立場を踏まえまして検討してまいりたいと思います。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 そこで、以上中小企業向けの信用保証機関のいろいろな実情を伺ってまいりましたが、数々の問題点を感じるわけであります。すなわち、中小企業信用保険公庫の保険制度の適用対象が現状のままでよいのであるか、この点で問題点を挙げて、五つに要約して御答弁をいただきたい。  一つは中小企業信用保険公庫の保険制度の適用対象が現状のままでよいのかどうか。二つ目は保証機関に対する国の助成のあり方。三番目は保証料の扱い方がいま申しましたばらばらでよいのかどうか。四番目は競合状態をどう考えておるのか。五番目は本来のあり方と、保証協会の運営、職員の資質の向上をどう進めるのかなどなどであります。  それぞれの保証機関がそれぞれの長所を持っているようであります。そうした点は、教訓として学ぶことも含めまして、この際、信用保証協会のあり方について原点に立ち返り、かつ八〇年代に求められる協会とは一体どういうものか深く検討すべきときであるように思います。この点について、提言的な質問でございますけれども、長官の御答弁をいただければ結構だと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 いま御指摘にありました内容、いずれもわれわれとして十分考えなければいけない点であろうかと思います。適用対象につきましてもこれは業種が決まっておりますが、これについて時代に即応した業種というものを適時追加していくという姿勢をとっていきたいと思います。ことにサービス業関係につきましては、時代とともに新しい業種も出てまいりますので、そういう点も考えていきたいと考えておりますし、保証機関に対する助成につきましても、従来基金補助金とかあるいは信用保険公庫を通ずる融資基金の融資等々をいろいろやってまいっておりますし、また、自治体あるいは金融機関からの出捐金、負担金というものの円滑な拠出についてもわれわれもいろいろ要請をしておるというようなこともやっておりますし、以上、いろいろな点についてまだまだ国としてもやらなければならぬ点が多いと考えております。また、保証料等々、いろいろな取り扱いについても極力統一をする、しかも、御指摘のように極力利用者の便宜を図るような立場に立って統一を図るというふうなことも必要でございます。また、各種の補助機関との関連についても、われわれとしては先ほどから申し上げておりますように信用保証協会の事業というものを中心的に考えて、ほかにやむを得ないといいますか、特殊な事情のあるものについての運営というものはそれをやってもらうということでございますが、そういう場合におきましても、信用保証協会がそういう各種の保証の利点というものをよく見習いながら改善に努めていくという態度が必要であろうかと考えるわけでございます。また、当初からも御指摘がありましたように、信用保証協会の職員につきましては、まさにおっしゃいますように信用保証制度の原点に立ち返って、常に中小企業のために奉仕するのだという気持ちを念頭に置いて日々の業務に当たるようにしなければいけないし、そういう点で信用保証協会の連合会とか中小企業振興事業団で定期的に研修もやっておりますが、その研修の際に絶えず保証協会の本来の目的というものを十分自覚させるというふうな形で、また諸種の専門的な技能も教え込むということを十分に徹底してまいりたいと考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 次に、今回の改正案について伺いますが、新技術企業化保険の新設が焦点だと思います。どういうものを新技術と言うのか、省令で要件を定めるとしておりますが、だれがどのように新技術の認定をするのか教えていただきたい。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 本保険の対象と考えております新技術の具体的要件でございますが、中小企業の分野で新技術の企業化を促進するという目的でございますので、試験研究が行われました成果でございまして、中小企業の中で商業的規模ではいまだ十分に利用されていない技術は、これをすべて対象と考えていきたいと考えております。具体的には中小企業製品の品質性能の改善あるいは生産工程の改善あるいは品質管理の改善など、中小企業の事業の改善に資するものを対象と考えております。その対象を限定していく手法でございますけれども、省令におきまして具体的には決めていくわけでございますけれども、最近年におきまして特許あるいは実用新案の登録がなされたものは当然でございますが、それ以外の技術でございましても信用保険公庫あるいは審査能力を持ち得る保証協会におきまして、商業段階で普及されておらないと認定されました新技術につきましては保険の対象として採用していく、かように考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 もうちょっと詳しくこの点を聞きたいのですが、時間の都合で次に進みます。  次に、新技術の企業化に必要な資金としてどの範囲までを認められるのでしょうか。この点も省令で定めるとしておりますが、明らかにしていただきたい。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 対象となります資金の範囲でございますけれども、新技術の企業化のために必要な資金でございます。したがって、企業化の段階と申しますのは、一定の試験研究の成果といたしまして新技術を商業的規模で実施するため、商品の試作、機械設備の設置、市場調査等を行いまして本格的生産に移るまでの段階を企業化と考えるわけでございます。その前提に立ちましてどのような費用を対象とするかということになりますと、商品の試作のための費用、新技術の企業化に必要な施設の設置の費用、その他新技術の企業化に要します費用を対象とするわけでございまして、試作品の製作費、土地、建物、機械設備等の取得費及び市場開拓費等の費用がこの対象として広く含まれる、かように予定しております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 続いて、それに関連して対象の業種はどういうものになるのですか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 業種としては、特定の業種あるいは技術の範囲を限定的に列挙していくというふうには考えておりませんで、むしろ保険の対象となります業種につきましては、その業種の中で技術が普及しておらないものについては広く対象として考えていくというふうに考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 そこで一つ気にかかる点があるのです。これは下請中小企業の場合です。下請業者は親事業者から下請単価を切り下げられるたびに、その対応策として原材料をかえたり工程を少なくしたり、新しい技術を開発することに熱心であります。しかし、新技術を開発してコストダウンに成功しますと、それを口実にまた単価が切り下げられるのであります。つまり、新技術開発の成果はすぐさま親事業者に吸い上げられてしまうのであります。これを下請の宿命だと言ってしまえばそれまでですが、中小企業の新技術企業化のメリットが中小企業者のものになるという点を確保するということこそ政治の値打ちだと思うのです。下請の場合に限らず大切な点であると考えるのですが、この点は行政としてどのように努力されるのかも伺っておきたいのであります。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 下請代金の不当な値引き等につきましては、下請代金支払遅延等防止法に基づいて規制が行われておることは先生御承知のとおりでございますが、この不当な値引き行為につきましては、先般、四月二十四日に不当な値引きあるいは不当な返品、不等な買いたたきに関する運用基準を定めまして、その取り締まりを重点的に行うこととしております。また、その中で、下請の技術開発、合理化等の努力の成果が適正に下請企業者に帰属するように配慮することは重要なわけでございまして、下請振興基準の中にもそのことはうたわれておるわけでございまして、その指導の徹底に努めておるところでございますけれども、これらの成果を不当な値引きによりまして親企業者が吸い上げるということがないように、今後とも引き続き取り締まりの徹底を図ってまいりたいと思っております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 この法案の第一二条の新技術企業化保険に関連して質問を続けます。  産業廃棄物処理業者がPCBなどの有害物質を無公害的に処理する設備を開発したといたします。この場合新技術企業化保険の対象となるのでしょうか。

中澤忠義中小企業庁計画部長

○中澤政府委員 ただいまの具体的な技術内容は私ども承知しておりませんけれども、先ほど申しましたように、その技術の内容が中小企業者の間で一般的には普及しておらないという場合には、本制度の対象として取り上げていくのが原則かと考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 そこで、少し具体的な問題で立ち入って質問します。  立地公害局に聞きますが、電機PCB、PCB入りノーカーボン紙、そしてPCB本体、これらの処理は現在どういう段階に到達しておりますか。ひとつ現況を明らかにしていただきたい。

島田春樹通商産業省立地公害局長

○島田政府委員 お答え申し上げます。  PCBにつきましては、いまお尋ねのように、液状の廃PCB、それから電気機器に入っておるPCB、PCB入りのノーカーボン紙の三つに大別せられるわけでございます。  まず液状の廃PCBの処理の問題でございますが、現在保管されております液状の廃PCBの処理につきましては、私どもは環境保全の見地から洋上焼却を行うことが適当であろうというふうに考えております。当省といたしましては、昭和五十二年の末に学識経験者からなります液状廃PCB洋上焼却処理調査研究委員会というものを設置いたしまして、洋上焼却の可能性、それからその進め方につきまして検討を重ねてまいりました。現在までの検討の状況でございますが、検討の結果では、有機塩素系の廃棄物を焼却する専用焼却船によりまして安全な洋上焼却が可能であるという一応の見通しを得ております。ただ、焼却を実際に実施するためには、さらに立ち入りまして、環境面、安全面で実際の焼却に即した検討を行っていく必要があると考えておるわけでございまして、今後こういった技術的な点につきましてさらに検討を進める一方、用船の手だてあるいは漁業関係者等関係方面との調整というものを進めまして、安全な焼却をできるだけ早く実施できるように努力していきたいというふうに考えておるわけでございます。  それから第二に電機PCBでございます。これにつきましては、電機PCBの無害化処理というものにつきまして、昭和四十七年以来工業技術院公害資源研究所、それから財団法人の電気絶縁物処理協会におきまして研究が進められてきております。この成果を踏まえまして、当面年間百五十トン程度かと思いますが、その処理能力を持った実験工場の建設というものを目指しまして現在鋭意検討をしておるところでございます。  それから三番目にノーカーボン紙でございますが、これにつきましては、事業者等によって保管されておりましたものが約三千五百トンございましたが、そのうちノーカーボン紙メーカーの保管分約千八百トンにつきましては昨年の七月までに焼却を完了しておりまして、残り約千七百トンが現在まだ未処理で残っておるという状況でございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 いまお答えいただいたのですが、PCBの処理について対策は順調に進んでいると考えておられるのか、それとも難航している、こういうふうに考えておられるのですか、いかがですか。

島田春樹通商産業省立地公害局長

○島田政府委員 お答え申し上げます。  いま申し上げましたように、PCBの処理につきましては、液状、電機用のものあるいはPCB入りのノーカーボン紙と、それぞれ使用の形態も違いますのでそういった形態に応じて、あるいはその形態に伴いまして処理技術の特性というものもまた異なってまいりますので、そういったものに応じまして安全上あるいは環境上十分な配慮をして行う、実施していくという必要があるわけでございます。そういった観点から現在それぞれの担当部局で鋭意検討を進めておる、その状況は先ほど申し上げましたが、いろいろと検討いたしておりますので、できるだけ早く安全な処理ができるように努力をしたいというのが私どもの立場でございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 昭和五十一年十一月二十六日、生活産業局に設置された対策委員会は、PCB入りノーカーボン紙の処理を横浜市の昭和企業という中小企業に委託するという方針を承認したと聞いております。現在昭和企業が建造した昭和丸という船を使って洋上で焼却するという方針に基づいて、旧ノーカーボン紙処理協会と昭和企業の間で交渉が続けられているというごとは事実でしょうか。

児玉清隆通商産業省生活産業局長

○児玉(清)政府委員 お答え申し上げます。  いま御指摘のとおりでございまして、旧ノーカーボン紙処理協会が中心となりまして、旧ノーカーボン紙について今後の焼却処理を現在準備を進めておりますけれども、焼却処理の実施に当たりました、過去にそういう経験がございます昭和企業が焼却船昭和丸を保有しておりますので、現在旧ノーカーボン紙処理協会と昭和企業との間で船の賃貸借契約等の細目を詰めまして、その上で円満に処理していくという方向で話し合いを進めておると承知いたしております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 厚生省に伺います。  PCBを産業廃棄物処理業者が業として処理することは好ましくないと考えられるかどうか、それとも事業主体が公共機関であるか民間業者かは問題でないと考えておられるか、いずれに考えておられるかということを聞きたいです。

杉戸大作厚生省環境衛生局水道環境部環境整備課長

○杉戸説明員 お答えいたします。  PCB入りノーカーボン紙の処理につきましては、現在公共的な機関に実施させる方向で指導がなされておるのでございますが、厚生省といたしまして、廃棄物の処理法に基づきまして適正に処理が行われるなれば、その方向で特段に問題はないと考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 もう一度聞きますが、適切に処理されたら民間業者でも問題はない、こういうふうに聞いたのですが、間違いないですか。

杉戸大作厚生省環境衛生局水道環境部環境整備課長

○杉戸説明員 先生がおっしゃるとおりでございます。ただ、PCBというのは非常に健康への影響とか環境問題とか、社会的な大きな問題になった物質でございます。その旧ノーカーボン紙の処理には非常に重要な処理上の使命がございますので、その処理の困難性にかんがみまして、PCBの性状などの知見が比較的豊富なそういう製紙メ−カーがその処理に関与した場合に、より適切な処理が確保できるもの、そのように考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 そこでこの問題について続けて聞きますが、昭和丸という焼却船は民間私企業が純民間ベースでつくったのではなくて、通産省の指導を受けた協会の注文に応じて建造されたものです。その焼却テストなどには通産省、厚生省、環境庁も立ち会っている。つまり昭和丸というPCB焼却船は半ば公的な設備であると言ってもよいと思います。したがって、昭和丸による洋上での焼却処理は技術的には問題がないとすれば、この設備を機能させてPCBの無公害処理を推進するのが当然であります。通産省は昭和丸を使って焼くという方針に変わりはありませんか。この点、伺いたい。

児玉清隆通商産業省生活産業局長

○児玉(清)政府委員 結論から申し上げますと、現在洋上焼却処理ができます体制としては昭和丸というものだけでございますので、旧ノーカーボン紙につきましては、昭和丸を焼却用の船舶として使用するということで行かざるを得ないというふうに考えております。ただ、その生い立ちにおきまして、現在、先生が御指摘になりましたような公的処理性格を持っているかどうかという点については、これは私どもの承知しておりますところでは若干問題がございまして、やはり昭和丸が生まれました経緯といたしましては、当初オイルスラッジを焼却するという目的、それに加えまして旧ノーカーボン紙の焼却処理もやるという、いわば多目的のコマーシャルベースの船舶として建造されましてでき上がったわけでございまして、それを今後円満な話し合いのもとに活用して焼却処理に役立てていくという方向は望ましい方向でございますし、そういう方向に話し合いが固まっていくことを私どもも期待いたしておりますし、もし話が円満につきまして実行の段階に入りましたら、この船の活用ということで旧ノーカーボン紙の処理につきまして十分役立っていくように私どもも指導に手をかしていきたい、このように考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 いま局長が言われたように、この焼却船はいま昭和丸しかない、そこで通産省は、旧ノーカーボン紙等の焼却をするためにはこの昭和丸で焼却させるという方へひとつ話を進めるために通産省も努力して進めていく、こういうふうに答えられたように思うのですが、えらいだめをとっておるようでいけませんが、そうでございましょうか。

児玉清隆通商産業省生活産業局長

○児玉(清)政府委員 若干補足いたしますと、旧ノーカーボン紙につきましては産業廃棄物としての指定を受けておりまして、産業廃棄物の処理法の体系のもとで処理をしなければいけないという制約がございます。したがいまして、処理体制といたしましてはそれを処理するだけの法律上のあるいは行政上の要件を満たす体制で進むという要請が一つございます。それからもう一つは、実際に効率的に、また問題が起こらないような形で既存の昭和丸というような設備を活用いたしまして、なるべく早く処理を終えるという必要性がございます。この二つの点の調整点といたしまして、現在どういう体制でこの昭和丸をオペレートして、そして目的でありますPCB入りの旧ノーカーボン紙を処理するかという目標に向かって話し合いが進んでおるわけでありまして、いま申し上げましたように体制としてはいわゆる産業廃棄物法の権限と責任の主体であります厚生省にもいろいろ相談をいたしておりますが、そのもとで指導しているわけでございますけれども、やはり厚生省でこれを認可、許可していただく必要がございますので、その主体についての話し合いとそれから実際に昭和丸をどういう形でオペレートするか、そういった条件の詰め、そういう両サイドの詰めが必要である、このように考えておりまして、それが早く確立いたしまして、円満に処理できるような段階に行くことを現在私ども強く期待をしておるということでございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 通産省も厚生省も同じ自民党内閣、大平内閣の中ですから、よく話し合いをしてもらって、危険な問題をひとつ処理してほしいのですが、これはもともと通産省は十条製紙、三菱製紙、神崎製紙、富士写真フイルム、この四社に対してみずから処理設備をつくるように指導したようです。しかし、経過の中で四社が昭和企業の持つ昭和丸という船を使って処理するという方向で話が進みました。しかし四社と昭和企業の間では商業ベースの契約が成立するかどうか、この点が一つの問題です。だが、昭和企業はPCBの処理にかなう設備をつくるよう通産省の直接、間接の指導、要請を受けてきたという経過があります。そうして設備が完成し、それを機能させる段階で四社との間の焼却単価などの価格交渉では、過去のいわゆる投資額に見合うものを要求するのは私は当然だと思う。     〔堀内委員長代理退席、委員長着席〕 この四社と昭和企業の交渉は確かに商業ベースのものですが、それがまとまるかどうか、これは通産省が傍観することでよいのか。事の性質と経過から考えて、四社に対して通産省は一定の指導性を発揮すべきだ。もしも四社と昭和企業の交渉が実らなかった場合、多額の費用を投じた昭和丸という焼却船は遊休施設となり、昭和企業の経営破綻を招くことは必至であります。幸いいま解決に向かっているようでありますが、この点通産省は今後とも四社に対して従来の方針どおり実行の指導を約束されるかどうか、この問題についてお伺いしたい。

児玉清隆通商産業省生活産業局長

○児玉(清)政府委員 お答え申し上げます。  通産省としましては先ほど来御説明いたしておりますように、昭和丸の成立につきまして指導をして、公共性のあるものにしたということではございませんけれども、こういったものが生まれるに当たりまして、一番当初は何社かの手を挙げる社があったわけでございますけれども、現実に出てまいりましたのはこの昭和丸が候補として手を挙げてまいったわけでございますので、それが円滑に問題なくノーカーボン紙の処理ができるための、少なくともそういった条件を満たすようなものでなければ話にならないという点でいろいろ話し合いはした経緯がございます。  したがいまして、これは実際の処理が民間ベースで行われるわけでございますので、私どもは合理的な話し合いのもとに、合理的な条件で早く処理に着手できるような形に話し合いを進めるように努力はいたしますし、そういった段階までの指導は現在もしておるわけでございますが、何しろそれの条件になりますと、双方ともそれぞれの言い分がございますし、かたがた一隻しかないという船でございますのでこれをどういうふうに活用するか、また両方の話し合いがうまくいきませんと、先生御指摘のように実際にその処理の主体の認可ということもなかなかできかねますし、船の活用もできないということになるわけでございますので、円満に話し合いが積み重ねられまして、早急に着手できるように指導はしてまいりたいと思っております。  ただ、中の、たとえば価格等の条件になりますと、それはコマーシャルベース、民間ベースの話し合いの一番核心にわたる部分でございまして、これにつきまして行政がとやかく介入するということについては私どもも差し控える態度をいまでもとっておるわけでございます。やはりそういったものはきわめて微妙な問題でございますので、両者が腹を割って話し合いのテーブルにつくということが一番肝心なことかと思いますので、そういった話し合いを指導するというところに現在来ておりまして、その成果が早く出るようにという期待を強く持っている次第でございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 いま言われたように、指導を強めていただくので結構ですが、ぜひ進めることを強化していただきたいのは、いまの答弁の中で、いわゆる三千五百トンのうち千八百トンは処理したが残りが千七百トンある、こういうふうに言われているのです。したがって、いままでやられたとほぼ同じぐらいの残りがあるのですから、早くこういうことをやらぬと、有害物ですから、そのことを強く求めておきたいと思うのです。  それから、この問題、まだ少しありますが、早く進めてもらいたいために申しておきたいのは、四社が社団法人を設立して、その責任においてPCB入りノーカーボン紙を焼却処理していく方式が軌道に乗った場合、その業務をどこまでやり通す方針でしょうか。つまり、現在回収したものを処理することで終わるのか、それともさらに今後回収を強化するのか、この点はどうですか。

児玉清隆通商産業省生活産業局長

○児玉(清)政府委員 これは話し合いがつきまして強力に処理事業を展開いたしますと、後は長期的な体制をどうするかという経営体制の問題等に絡んでくるわけでございますが、現在お答えできますことは、いま御指摘のように、当面残りの千七百トンにつきまして円滑な処理を、しかもなるべく早急にしていくということに全力を挙げるというところまででございまして、その後の長期体制をどうするかという点については、まだ現在のところお答えするような段階になっておりません。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 私が直接昭和企業の社長さんに聞いたところでは、電機PCBや液状PCBも十分処理できる、こういうことでした。したがってノーカーボン紙だけじゃなしに、こういう可能性もやはり検討するようにしていただきたいのですが、そういうふうなことはお考えにならないでしょうか。考えてもよいとお考えでしょうか。検討する意思があるかどうか、この点をお伺いしたい。

島田春樹通商産業省立地公害局長

○島田政府委員 お答え申し上げます。  ノーカ−ボン紙につきましては、先ほど生活産業局長からお答え申したわけでございますが、いまお尋ねの液状廃PCB、それから電機PCBでございますが、液状廃PCBの洋上焼却というのを安全かつ円滑に行うというためには、これは環境上あるいは安全上非常に慎重な検討を要するわけでございますが、特に有機塩素系の液状の廃棄物の洋上焼却につきましては、従来相当の実績を持っておるということを私どもはひとつ重視をする必要があると思っております。それからまた、短期間に処理が完了するようにする必要がございますので、大量の処理能力を有する洋上焼却専用船というものを用船することが必要だというふうに考えているわけでございまして、そういった観点から申しますと、これに該当する専用船というのがヨーロッパにはございますので、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたようにさらに慎重ないろいろな検討をしながら、そちらの方向で検討をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。  それから電機PCBにつきましては、液状PCBのほかにPCBに汚染されました鉄製の容器とか鉄しん等をあわせて処理をする必要があるわけであります。そういったことをやっていくということを考えますと、これも先ほど申し上げましたように、四十七年以来公害資源研究所、それから電気絶縁物処理協会でいろいろ検討してきておるわけでございまして、そういった成果を踏まえまして現在実験工場の建設を目指して努力しているところでございますので、現在そういった方向でこの問題の処理を進めてまいりたいというのが私どもの考え方でございます。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 考えるだけじゃなしに、積極的にひとつ実践の方に向かって進んでもらいたい、こういうことを要望しておきます。  そこで、また中小企業庁に伺いますが、御承知のようにPCBは製造、販売が中止されております。そのPCBの処理のために民間私企業が設備投資をするということはなかなかあり得ないことだと思います。PCBメーカーの鐘化の幹部は、あるところでPCBの処理について、一、通産省の指導に従っているわけではない、二、処理を急いでおらぬ、このように明言しております。しかし社会的には、言うまでもなく早く安全に処理することが求められているわけです。その社会的要請にこたえた中小企業が、先ほどから申しておりますようにこういう焼却船を建造したのです。これは政府の補助金の対象にしておかしくないと私は思うのですが、具体的に実情を調査して検討されるように要望したいのですが、いかがでしょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 PCBの処理につきまして、船でございますが、処理施設というように考えられるわけでございます。そういう処理施設について、現在のところ中小企業の施策体系では補助金を出すというのはなかなかないわけでございまして、先ほど申し上げましたように新技術の企業化に対する融資あるいは保証制度というのがあるのが現状でございます。したがいまして、われわれの方もPCBの処理の問題について、実情についてまだ十分把握しておりませんので、関係当局ともよく相談をいたし、事実を確かめた上でわれわれの制度に乗るかどうか検討してみたいと考えております。

神崎敏雄日本共産党・革新共同

○神崎委員 先ほどからるる質問を繰り返してまいりましたのも、挙げて現在の中小企業、この国会は代替エネルギー以外は主として中小企業全体について一歩でも改善しようというような法案ばかりなんですね。そういう意味で、わが党もその点は積極的に評価しながら、さらにより改善を求めて質問を繰り返しているわけです。  そういうことで、いまPCBの問題を一つ例に取り上げて、中小企業を守るし、また社会的に有害な物質から人の命を守っていく、こういうようなことが単なる科学技術だけではなしに、中小企業の方々がつくられている、それも半ば指導しながらつくらして、そのあげくの果てが実らないということになれば中小企業対策としても落第だ、政治的にもこれは非常に重大な問題になる。そういう点から、中小企業は通産省の中にあるのですから、わけて中小企業信用保険法の改正をするというこの機会に、先ほどから長官から非常に前向きな懇切な答弁をいただいておりますので、中小企業もこれで幾らかよくなるだろう、こういうように思いますが、いま現実の問題として一つの問題をここで披露しているのです。そういう観点からこの問題にもよく立ち入って、関係局長ともよく相談していただいて、厚生省にも話をしていただいて、中小企業育成と同時にPCB有害物から国民の命を守る、同時にそれに対応する中小業者も守る、こういう次元に立った指導をひとつ積極的にやっていただきたい、こう思うのであります。この点で最後に大臣のおかわりでおられる次官から、こういう問題についてあなたも真剣に取り上げて前向きに検討していこうという御姿勢があるかどうか、次官と長官の御答弁をいただいて私の質問を終わりたい、かように思います。

梶山静六自由民主党通商産業政務次官

○梶山政府委員 大変有益な御意見をちょうだいいたしまして感謝を申し上げております。特に中小企業を守り育てていくことは今日の通産政策の中でも一番大きな柱でもございます。そういう意味を十分に踏まえまして、これから中小企業の健全化のために渾身の努力を払ってまいる決意であります。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 いま次官からも申し上げましたように、中小企業のためにいろいろな施策を十分活用するというのが中小企業庁の任務でございます。いまの御指摘の事例についても十分検討いたしまして、これがうまく乗る制度があるかどうかということもまた含めて検討しなければいけないと思いますけれども、とにかく現実に困っている方がいらっしゃるということであれば、そういう点について十分な調査をいたしまして、やれる範囲のことは十分やってまいりたいと考えております。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 これにて神崎敏雄君の質疑は終了いたします。  引き続き宮田早苗君の質疑に入ります。宮田早苗君。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 倒産防止共済制度の具体的な質問に入ります前に、中小企業全般を取り巻く問題についてまずお尋ねをいたします。  それは企業倒産の状況についてであります。  五十二年をピークに、景気が回復するとともに減少はしておりますが、五十四年には五十三年を上回って、今年に入ってからも依然高水準で倒産が続出しておるわけでございます。とりわけ中小企業を取り巻く環境は、石油、電力料金の値上がりをもろに受けております。加えて運送費や原材料費のコストのアップで先行きが非常に不安ということで困っておるのが実態じゃないか、こう思います。政府系三公庫の中小企業向け貸出金利が九%を超えているように、高金利政策の影響も相当大きいのじゃないかと思うわけです。政府はこれから中小企業のこの問題についてどのような取り組みをなさるのか、これは基本的な考え方になると思いますが、決意のほどをお伺いをしておきたい、こう思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 中小企業を取り巻く現在の経済情勢はいま御指摘のとおりでございまして、五十四年度というのは比較的景気が回復をして、中小企業としてもいい状態でございましたが、五十四年の後半以来、原材料価格の高騰あるいは金融引き締めの浸透というようなことから、最近に至りまして中小企業の先行きについて大変な不安感が出ておるというのが現状でございます。そして倒産件数も依然として高水準であるということでございます。また、いろいろな調査をやりましても、中小企業の企業収益がだんだん減りつつあるというような事態も把握されております。したがいまして、今後、先行きについて大変心配をされますので、これに対する対策を準備しなければいけないということで、一つは政府系の金融機関につきまして、中小企業の必要な資金に十分応じられるようにしようということで、年度間でも、五十五年度は各機関について対前年度比大体一割増しというような資金量を準備をしております。それから、ことに第一・四半期につきましては、前年対比大体三〇%以上の枠を準備をいたしまして、必要な資金供給に手落ちのないようにいたしたいと考えております。  また、各種の倒産防止対策を現在用意しておりますので、必要があればそういうものを十分活用してまいりたいと考えておりますし、今回また倒産防止共済制度の改正ということを考えましたのも、そういう事態に即応できる体制に一日も早くしたいという点であるわけでございます。  以上のようなことでございまして、先行きの不安について、われわれとしても十分な対応体制をとっていきたいということを現在考えておるわけでございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 もちろんそういうことでひとつやっていただきたいと思いますが、最近とみに石油、電力料金の値上がりということで、中小企業がもろにこの影響をこうむっておると思いますが、諸物価値上がりに対しますところの対策について何かお考えを持っておいでになるかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 値上がり対策、いま一般といたしましては物価対策としての金融引き締めを初めいろいろな対策がとられておるわけでございますが、中小企業にとって特にそういう諸物価値上がりの対策としてわれわれ考えておりますのは、やはり下請企業に対するしわ寄せということが一番心配でございまして、過去の不況時におきまして、不況のしわ寄せが中小企業、下請企業に集まったという事例がございますので、諸物価の値上がりも下請企業にしわが寄るということになっては困るということを考えまして、ことにいろいろな原材料費なり燃料とか動力費が上がるにもかかわらず、下請代金が改定されないという問題が今後心配されるわけでございます。そういうことを考えまして、下請代金支払遅延等防止法の運用を確実にするために、下請に対するいろいろな施策についての運用基準というものを公正取引委員会と相談して決めまして、今後取り締まりに当たって、具体的な運用基準に照らして十分な取り締まりをやっていこうということも考えております。具体的には物価対策として中小企業庁でできることの一番大きいことはそういう点ではないか、ほかの施策も講じますが、現在進めつつあります対策はそういうことでございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 特に中小企業の関係につきましては、今度出しておりますこの法律もともかくといたしまして、全般的な補強といいますか、中小企業がこの状態を乗り切れるような御指導ということを特にお願いをしておきます。  そこで、今度改正をされる共済制度の問題についてでございますが、掛金の総額の最高限度額を引き上げるという根拠は何かということであります。中小企業共済事業団の収支、つまり掛金収入と貸付金、それから入りと出を見ますと、余裕のある内容ではないのじゃないかと思われるのです。いわば事業団が倒産をしかねない、こんな状態を掛金の増額によって賄おうという発想ではないかと疑いたくなるように思うのですが、この問題についてはどうお考えになっておりますか、お聞きをいたします。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 倒産防止共済の共済貸付限度額を今回の改正で二千百万円にまで上げたいと考えているわけでございますが、この貸付限度額を設定いたします根拠といたしましては、私どもは、取引先の倒産に遭った中小企業者が、その数で九〇%程度がこの共済制度で救済できるように限度額を設定したものでございます。二年間の制度運用の実績がございまして、最近の資料によりますと、貸付額の限度を二千万円程度まで引き上げないとこの九〇%の比率を維持できないということが判明したわけでございます。あわせて中小企業者等から強い御要望がございましたので、この際二千百万円にまで上げたい、こう考えたわけでございます。  第二の御質問でございますが、今回、月々の掛金の限度額を二万円から五万円まで引き上げる、こういう措置をしたいと考えておりますけれども、引き上げの理由は、中小企業者の強い要望を踏まえまして、この制度をより利用しやすくする、また、それによって一層魅力ある制度にしようということでございます。かかる改正によりまして、中小企業者の連鎖倒産の防止の実を上げたいと考えているわけでございます。  今回の改正によりまして加入者の数がふえ、あるいは掛金の積立額がふえますと、現在の収支状況は結果として改善されるわけでございますけれども、今回の改正は、収支の改善を目的としたものではなくて、あくまでも本制度の一層の活用を図るための改正と考えているわけでございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 おっしゃることよくわかるわけですが、改善をするためということについて、結構なことと思いますが、それがゆえに事業団自体が行き詰まる、これは取り越し苦労かもしれませんが、こういう傾向も出やしないかということも考えられるのですが、その点どうですか。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 共済金の貸し付けの原資といたしましては、契約者の掛金及びその運用収入、それから貸し付けた共済金の返還金がございます。この制度といたしましては、もちろんそういったただいま御説明いたしました各資金でもって貸し付けをすることを考えておりますけれども、一時的には外部から借り入れをする必要がある、こういう前提に立っておりますので、事業団の収支が行き詰まることはないと考えております。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 この制度が発足した当初は、一括前納制度ということで、中小企業者にとって大きな魅力でございましたし、これは加入状況を見ればわかることでございます。商工会議所の窓口担当者に聞いてみましても、そういう考え方が非常に強かったと思います。今度の改正案は、金額を時勢に合うように引き上げるということなんですが、これだけで加入者が増加するかどうかということについてちょっと疑問を持つのですが、その点はどのような考え方をお持ちか説明願いたいと思います。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 今回の改正によりまして制度がより魅力のあるものとなると私ども考えております。また、今回の改正を機会に普及促進あるいはPR等について、従来にも増して努力をいたしたいと考えておりますので、相当程度加入がふえていくものと見通しております。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 解約手当でございますが、五十四年が約一億円もあるということを聞いておりますが、この解約の理由についてひとつお聞きをしたいと思います。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 加入者のうちで共済契約を解除した事例は、五十五年三月末現在で二百八十九件ございました。解約事由について見ますと、加入者の都合で解約するいわゆる任意解約の数が二百四十七件、八五%と大半を占めているわけでございます。  そこで、任意解約の原因を調べてみたわけでございますが、その大半は特定の取引先企業の倒産を予知し加入したものの、免責期間が経過する前に当該取引先企業が倒産したため解約したケースや、あるいは加入後何らかの資金繰りの資金が必要となり、解約手当金を資金繰り資金に充当する等の目的によって解約したケースがあると見ております。これらの解約は、いずれも制度の欠陥によるものというよりは、種々の理由でやむを得ずそうなったもの、このように理解しております。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 任意の解約が二百四十七件ですが、あと四十件程度、これはどういう理由なんですか。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 解約につきましては法律の規定がございまして、ただいま御説明いたしました任意解約とそれからみなし解約というのがございます。これは法人の解散あるいは個人の死亡等によりまして、解散した場合にはみなし解約をするということになっております。三番目の事由といたしましては事業団解約というのがございます。これは月々の掛金を契約どおりに納付しないような場合に事業団の意向によって解約する、こういうものでございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 もう一つは、中長期の財政見通しをひとつ示してほしい、こう思うのです。  それと、経済情勢がどう変化するかの予測ということになりますとむずかしいと思いますが、新設をされますところの完済手当金を支給できるかどうかということに疑問を持つものですから、そういう点についてひとつお聞きをしたい、こう思います。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 ただいまの御指摘は、完済手当金の支給がいつごろどの程度になるか、こういう趣旨の御質問かと理解をいたしますが、この完済手当金の支給額は、共済事由発生率、すなわち相手方の倒産に遭いまして共済貸付金を受ける場合の率でございますが、そういう共済事由発生率や、貸し付けました共済金の回収が困難になる、つまり貸し倒れの発生率等によって、どの程度の余裕財源が生ずるかが決まってくるわけでございます。現在のところは特例前納加入者の共済事由発生率が非常に高いことから、現状のまま推移するといたしますと、この完済手当金の支給をするということはなかなか見込めないかと思うわけでございます。しかし、この完済者が発生いたしますのは五十八年度でございますので、それまでに共済事由発生率あるいは回収事故率等の推移がはっきりすると考えられますし、また今回の改正によりまして加入者も増加すると見込まれますので、その時点で確たる見通しが立つものと考えております。私ども政府といたしましては、制度の改正に伴う加入者等の増加など、五十八年度までには支給可能となることを期待しているわけでございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 この共済制度ができて経過の中で加入しておりましても、何らかの制約で貸付金が受けられなかったというようなケースがありましたら、その理由をおっしゃっていただきたいと思います。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 この制度におきましては、共済金の貸し付けが受けられる場合は法律により定められております。共済金の貸し付けが受けられない場合といたしましては、一、二例を申し上げますと、加入後六カ月未満の時点で取引先が倒産した場合、あるいは加入者自身が倒産してしまっている場合等がございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 貸付金の返済期間を延長すべきだという声が強いと思うのですが、今回の措置で貸付限度額が最高二千百万円になるわけですけれども、延長を求める声が強いだけに改善することができないかどうか、この点をお伺いいたします。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 今回の改正によりまして共済金の貸付限度額が千二百万円から二千百万円にまで上がるわけでございます。二千百万円の共済金の貸し付けを受けた場合の月々の償還額は三十八万九千円となっておりまして、この程度の返済金の額であれば中小企業者の償還能力の範囲内と考えているわけでございます。問題は、この共済金の貸付限度額をさらに引き上げますと、それに伴って月々の返済額もふえますので、それが中小企業者の返済能力を超えるということになりますと、共済収支に対する影響も無視できないかと思うわけでございます。また、現在の共済収支から判断いたしますと、返済期間を延長するということはなかなかむずかしいかと考えているわけでございます。しかしながら今後の制度の運用状況を見まして、共済事由発生率が低下するとかあるいは回収事故率が非常に少なくなるというようなことも予想されますし、共済収支が大幅に好転いたしますれば御指摘のとおり償還期間の延長等も可能になると考えておりますので、その時点で十分に検討したいと考えております。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 共済制度の関係につきましてはこの程度にいたしまして、最後になるわけですけれども、信用保険法についてちょっとお伺いをしておきたいのは、この信用保険法についての一つの目玉といいますか、それは新技術の企業化保険制度を創設する。この必要性についてちょっとお聞きをしたいわけでございます。と申しますのは、技術向上のための施策が数あるわけです。一つの例を申し上げますと、中小公庫によります中小企業新技術企業化等の融資制度もあるわけですが、そういうような制度がありながらもこれをあえて新設されたということについての必要性ですね、この点をひとつお伺いしたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 わが国の中小企業の将来を考えますと、八〇年代といいますのは、発展途上国の追い上げとか、消費者ニーズの多様化とかあるいはエネルギーコストの上昇とか、いろいろむずかしい面が出てまいっております。そしてそういう中でこの中小企業を発展させるためには、やはり技術開発力をつけまして、そして新製品をつくるあるいは生産の合理化をするというようなことで乗り切るというのが一番重要になってくるというようにわれわれは考えておるわけでございます。したがいまして、この中小企業に対する技術開発政策というのは非常に手厚くやっていきたいというように考えております。  そこで、いまお話しのようにいろいろな段階における技術促進対策がとられておるわけでございまして、まず試験研究自身を促進するという点につきましては、試験研究に対する補助金が用意されております。これも五十五年度からは小規模の企業が簡易に技術改良をやる場合にも貸し付けられるように制度の改善を図ったわけでございますが、そういうような試験研究の分野でも補助金があるわけでございます。従来はその後の段階、つまり開発した技術を実用化する、企業化するという段階につきましては、ただ一つありましたのがいま御指摘の中小企業金融公庫によります新技術企業化融資でございます。これは財政資金を直接融資をするということでございますので、先導的な技術につきまして貸し付けるということで、比較的優秀な技術に限られておったということがございます。ところが、新技術の企業化というものはそういう先導技術だけでなくて、相当一般的な技術でも、従来の中小企業が導入していなかったというようなものについては大いに取り上げていただきたいということを考えておるわけでございまして、そういう場合には政府資金だけでなくて民間資金を活用して、その新技術の企業化に役立たせようという発想になったわけでございます。したがいまして、この中小公庫の新技術企業化融資よりもより広い範囲のものを、民間資金を活用して促進をしようということからこの新技術企業化保険という発想が出てまいったわけでございまして、信用保証制度によりまして民間の資金を——従来でございますと新技術の企業化というのは、技術的なリスクだとか新しい市場を開拓しなければいけないという点でのリスクがございますので、金融機関としても貸し付けについて渋ったわけでございますが、こういう新しい保険制度を設けまして、信用保証協会が積極的に保証するということによりまして、民間の金融機関もこれに対する貸し出しに応ずるということが可能であろうと思います。したがいましてこの新技術の企業化の側面で、政府資金で援助するものと民間資金を活用してやる制度というものを二本立てにいたしまして、今後促進をしていきたいというのがこの新技術企業化保険の創設の理由でございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 もう一つだけお伺いいたしますのは、共済制度なり今度は信用保険法なり、補完をして広く活用してもらわなければならぬということなんですが、どうもこの活用の頻度というのが少ないような気がするわけでございます。これの原因はPR不足といいますか、こういう制度の問題については中央あるいは大阪中心に徹底されておるように見受けますけれども、地方ということになりますと、このりっぱな制度がありながらもなかなかこれが利用しにくい、また知らないからできない、こういう関係があると思います。相当にPRをされておるように見ますし、また聞きますけれども、さらにこれについては説明会を開くなりあるいは何らかの方法で広く知らせる、そして利用をさせるということにしていただかなければならぬと思いますが、その点について何か構想でもありましたらひとつ出していただきたいと思います。

廣瀬武夫中小企業庁小規模企業部長

○廣瀬政府委員 倒産防止共済制度の加入を促進いたしまして中小企業者の利便に資するということは大切なことでございまして、このために制度の普及、PRには従来から力を入れているところでございます。通産省といたしましても事業団とよく相談をいたしまして、毎年の加入促進計画というものをつくっております。この加入促進計画は毎年度の加入目標と制度の普及及び加入促進のための実施事項から成っているわけでございますが、以下、若干説明を申し上げたいと思います。  普及活動といたしましては、たとえて申しますとポスター、パンフレット等を作成し、中小企業団体あるいは金融機関等を通じて中小企業者に配付をすることとしております。また新聞、ラジオ、テレビ等マスコミを通じましてPRも実施しているわけでございます。このほかに、中小企業団体、地方公共団体等に対しまして、共済制度の紹介記事を広報紙等に掲載するように依頼をしているわけでございます。  また、第二の柱といたしましては説明会等でございますけれども、中小企業団体、金融機関、都道府県等に対しまして、木共済制度の紹介及び加入促進を目的といたします説明会の開催を依頼するとともに、共済事業団の役職員がみずから各地を回りまして加入促進に努力をしているということでございます。  また、年度の計画といたしましては、毎年十月及び十一月を全国加入促進強調月間といたしまして、全国的規模での普及活動を実施しているわけでございます。  以上のごとく、各般にわたりまして制度の普及、PRに努めておりますので、その成果が上がり加入者がふえるものと考えておるわけでございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 終わりに当たりまして要望を一言させていただきますのは、やはり非常にむずかしい経済情勢を乗り切っていくためには、経営基盤をより強くしなければならぬ、力をつけさせなければならぬということでございます。この法律改正もそのねらいの上で改正されたものと思いますが、これだけでなしに、中小企業全般の御指導をなさっております長官初め中小企業庁の皆さんのより一層の御指導をお願いいたしまして、質問を終わります。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 これにて宮田早苗君の質疑は終了いたします。  以上で両案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 これより両案の討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  まず、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 次に、本案に対し、中島源太郎君外四名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同及び民社党・国民連合五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者より趣旨の説明を求めます。渡辺三郎君。

渡辺三郎日本社会党

○渡辺(三)委員 ただいま提案いたしました附帯決議案につきまして、提案者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。    中小企業信用保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行にあたり、中小企業信用補完制度の一層の充実を図るため、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 今後における経済情勢の推移を見守りつつ、時代に即応した付保限度額及びてん補率のあり方について引続き検討するとともに中小企業信用保険公庫の運営基盤の強化に関する施策を推進すること。  二 信用保証協会の保証機能の強化充実を図るため、基金補助制度及び中小企業信用保険公庫の融資基金制度等の積極的活用に努めるとともに、地方公共団体の出えん金及び金融機関等の負担金の増強について協力を要請すること。  三 新技術企業化保険制度については、新技術の認定等に関する弾力的運用によって、本制度が中小企業者に広く利用されるよう配慮するとともに、中小企業の技術開発を促進するための諸施策の拡充を図ること。  四 信用保証協会の保証つき融資の金利の引下げについて、金融機関に対し引続き積極的に指導すること。 以上でございます。  附帯決議案の各項目の内容につきましては、審議の過程及び案文によりまして御理解をいただけるものと存じますので、詳細の説明は省略をさせていただきます。  委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  中島源太郎君外四名提出の動議について採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付すことに決しました。     —————————————

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 次に、中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 次に、本案に対し、中島源太郎君外四名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同及び民社党・国民連合五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者より趣旨の説明を求めます。清水勇君。

清水勇日本社会党

○清水委員 ただいま提案いたしました附帯決議案につきまして、提案者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行にあたり、中小企業倒産防止共済制度の健全な運営を図るための諸施策を一層充実するよう努めるとともに、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 本共済制度の基盤の確立と安定的運営を図るため、中小企業に対する本改正を含めた制度の趣旨の周知徹底及び親企業、取引先企業等に対する啓蒙指導等を通じて本共済制度への加入者の大幅増加に努めること。  二 完済手当金の支給について極力早期に見通しを明らかにすること。  三 共済保険制度の導入その他共済制度に関する基本的事項について引続き十分に検討を加えるとともに、必要に応じ、法律の規定による五年の見直し期限内であっても制度の内容を検討して、その改善を期すること。 以上でございます。  附帯決議案の各項目の内容につきましては、審議の過程及び案文によりまして御理解をいただけるものと存じますので、詳細の説明は省略をさせていただきます。  委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  中島源太郎君外四名提出の動議について採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付すことに決しました。     —————————————

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 この際、お諮りいたします。  両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 この際、佐々木通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。佐々木通商産業大臣。

佐々木義武自由民主党通商産業大臣

○佐々木国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして、中小企業対策の実施に遺憾なきことを期してまいる所存でございます。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員長 次回は、明八日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時三十四分散会

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