商工委員会 第12号
- 発言数
- 217 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/04/01
会議録
○塩川委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、中小企業事業団法案を議題とし、質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上坂昇君。
○上坂委員 非常に簡単な法案ですが、質問するのにはなかなかむずかしい法案でありまして、いろいろ苦心をして質問をいたしたいと思いますが、中小企業事業団法は、行政改革の一環として取り上げられたものと思います。 そこで、通産省関係の行政改革というのは、新エネルギー総合開発機構との関連にかかっている石炭鉱業合理化事業団の廃止の件と、二番目には、中小企業共済事業団と中小企業振興事業団との統合による本法案に係る中小企業団の設立と、二つであろうと思います。 そこで、通産省が所管をしている公団、事業団等の特殊法人はこのほかにどのようなものがあるか、まずお知らせをいただきたいと思います。
○若杉政府委員 お答え申し上げます。 当省所管の特殊法人は、この二つを除きまして二十法人ございます。簡単に例示を申し上げますと、石油公団、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫等々から沖繩電力あるいは高圧ガス保安協会、日本電気計器検定所等々のものまで二十ございます。
○上坂委員 このほかに二十あるわけでありますから、二十二になるわけですね。その二十二のうちで、この法律にかかっている二つの事業団を選んだ理由について御説明をいただきたい。
○若杉政府委員 お答え申し上げます。 特殊法人等の統合等の目的は、役職員数の縮減とかあるいは管理機構の縮減とかを通じまして経費を削減するということにあると思います。 ただ、統合する場合におきましては、水と油というような性格のものを合併いたしますと非常にぎごちないものになりますし、ややもすれば円滑な運営ということに問題が生じます。統合についてはそういうような観点から考えなければならないわけでございますが、この二つの事業団につきましては、御承知のとおり中小企業政策のうちの重要な部分を占める中小企業の高度化政策あるいは研修というような事業と、共済事業を主たる任務といたします事業団と、両方を一体的に遂行することによりまして、両事業が有機的連携のもとに一層効率的に運営できる、そして中小企業施策の充実を図ることができる、かように確信いたしましてこの二つを選んだわけでございます。
○上坂委員 行政改革というのは国民的な要望でもありますし、今後とも進められていかなければならないと考えます。 そこで、今後どういう方向で通産省としてのこの行政改革を進めていかれる所存であるか、これは大臣からお聞きをいたしたいと思います。
○佐々木国務大臣 御承知のように、去年の十二月に五十五年度を初年度とする行政改革計画というものを閣議で決定をいたしました。その趣旨は、要するに行政の各般にわたりまして徹底した簡素化、効率化対策を進めたいということでございます。そういうことでございますから、通産省といたしましてもその線に沿いまして今後とも簡素化、効率化計画を進めてまいりたいというふうに考えております。 具体的に申し上げますと、通産省に対しては中小企業問題とかエネルギーあるいは通商問題等国民的なニーズが大変強いのでございますけれども、さればと言っていまの行政改革に対する国民的な要望にこたえなければなりませんので、両方踏まえまして、具体的には定員の削減とかあるいは特殊法人の整理合理化、この問題にただいまの法案がひっかかっているわけですけれども、あるいは地方支分部局あるいは付属機関等の整理合理化、それから許認可等行政事務の整理合理化等がその具体的な内容になろうかと考えております。
○上坂委員 私はいつも行政改革で思うのですが、行政改革というと必ずまず出先の統合とかそういうものに手をつけて、中央官庁の方のいろいろな合理化、改革というのはおろそかにされていると思うのです。ところが国民に一番必要なのは、何といっても地方にあるいわゆる出先の機関なんですね。ここのところを充実してもらわないとまことに不便であります。国民はそこへまず行かなくちゃなりませんから、非常に困るのです。形式的にも事務の流れにしましても、やはり一番下から持っていかないとここへ来ないわけですね。それが今度はなくなってしまうとこれは本当に困る。それから統合されたり何かしますとまた別な遠いところへ行かなくちゃならぬということで、私は逆に、むしろ地域の出先の機関というのは充実をすべきだと思うのですね。そしてむしろ中央の行政機構を改革をしていくというのが本当の行政改革じゃないかと私は思うのです。その点で、私の考え方は間違っておりますかね、大臣いかがでしょう。
○佐々木国務大臣 事柄の性質にもよるんじゃないかと思います。予算委員会でも御承知のように大分その問題が出ました。特に通産の出先機関に対する行政的なニーズは大変ふえているんだ、強化されているんだということで、戦時中あるいは戦争直後の物動的な、軍需的なものがなくなったからといって、出先機関が不必要だなどということは決してないので、その後の需要によりましてますます通産行政は強化しなければいかぬ、そういう理由をいろいろ申し述べまして、言われてみればそうだなということになっておったのですけれども、他省のことは控えますが、事通産省に関しましては地方の機関も大変重要性を増しているというふうに私どもも認識しております。
○上坂委員 今回の統合は二つの事業団を統合するわけでありますが、仕事の内容はもちろん中小企業対策でありますから非常に関係はありますが、内容的にはかなり質の違ったものを持っているわけです。そういうものを一つの事業団にするということで、先ほど審議官から御報告がありましたけれども、どこのところがねらいになっているのか、メリットは一体本当にどこにあるのかということについて御説明をいただきたい。
○左近政府委員 本件の統合につきましては、いま申し上げましたように中小企業政策の充実というのが目標でございますが、両事業団がやっておりました中小企業の高度化政策とそれから共済事業運営、この二つを有機的な連携を持って効率的に推進しようというねらいでございますが、実は従来も中小企業政策は非常に各般にわたりました政策が準備されておりますけれども、それを統一的に運営するという要望が相当強かったわけでございます。本件の統合によりまして、いわゆる純粋の金融業務をやるような機関は別にございますが、それ以外のいわば中小企業政策の実施の担い手というものが一つにまとまりますので、従来両事業団で蓄積をいたしましたいろいろな経験をここで渾然一体といたしまして、そして中小企業対策を行ういわば中核的な機関として育て上げていきたいというのがこのねらいでございまして、今後そういう意味で中小企業政策がこの機関を通じて統一的にやれる、そして総合効果があらわれるというのがメリットであろうというように考えるわけでございます。
○上坂委員 これは有機的な連携から効率的な運営やら、いろいろやってもらわなくちゃ困りますが、現在両事業団はそれぞれ別個の場所、それから建物で仕事を続けております。統合後も当分の間は別個の行動、運営を行うことになるだろうと思います。 そこで本当に事業団が一つになって形式的にも内容的にも真に統合されたものになる、その期間は一体どのぐらいかかるものであるか。それから将来いろいろな人数とか何かありますが、そういうものも勘案しながら一つの建物なら建物で仕事をするようになるのかどうか、その辺も含めまして御説明をいただきたい。
○左近政府委員 この両事業団の統合の趣旨から申し上げますと、できればなるべく早く新しい事務所をつくりまして、そこに一体的に入居いたしまして、統一的な事業団の業務を行うというのが一番望ましいわけでございます。ただ、現実の問題といたしましては、設立して直ちに新しいところに統合できるというのはなかなかむずかしいわけでございますので、当面はやはり両事業団それぞれ現在の事務所で仕事をやらざるを得ないというふうに考えておりますが、この件についてはなるべく早く新しい事務所をつくっていくというふうにいたしたいと考えているわけでございまして、そういう時期が一日も早く実現するようにわれわれは努力をいたしたいというふうに考えております。また、そういうことによりまして、一体的な事務所において先ほど申しました統合のメリットを生かしていくということを極力早く実現するように努力いたしたいというふうに考えております。
○上坂委員 いまおっしゃったような形で早く一体的な仕事をするようにならないと、本当に合同をしたその効果が上がらないと思いますので、この点には努力をしていただきたいと思いますが、この両事業団を現在所管している中小企業庁内のこれに対応するところのいわゆる行政措置というものは一体どういうふうになるのか、これについて御説明いただきたい。
○左近政府委員 現在の監督体制を申し上げますと、中小企業振興事業団につきましては中小企業庁の計画部が所掌しておりまして、ただ、研修とか技術開発の業務については指導部がやはり監督をしておるということでございます。それから中小企業共済事業団につきましては小規模企業部が所管をしておるわけでございます。 そこで、統合後でございますが、統合後についてはこの中小企業事業団の全体の運営その他につきましては、計画部の計画課というところで所掌させたいというように考えております。ただ指導事業につきましては従来どおり指導部において、また小規模企業共済事業あるいは倒産防止共済事業につきましては小規模企業部で所掌いたしますけれども、計画部の計画課が一体的にそれを把握していくという形で運営をしていきたいというように考えております。
○上坂委員 国民の方は本当のことを言うとどこで所管しているかわからないですね。まあ官庁というところは、こっちへ行くと私の所管でありませんからこれはわかりません、どこだと聞くとそれもわからないようなところがときどきある。それで非常に困っちゃうわけですね。したがって、統合した以上はできるだけ所管をする方も複雑多岐にならぬように、複雑多岐どころか複雑怪奇なんだから。複雑多岐にならないようにやっぱり体制をきちんと整えて、一つの部なら部へ行けばそれでもう全部わかるというようなところに向けていっていただきたい。これがやっぱり行政改革の実を上げることだ、こう私は思うのです。その点について大臣にこれはぜひ要望したいんですが、いかがでしょう。
○佐々木国務大臣 経過的な措置といたしましてはいま長官からお話ししたとおりだと思いますけれども、できますれば御指摘のような方向が望ましいと思います。
○上坂委員 この合併によりまして、新法人設立後は役員の数が九名になるわけです。ところが振興事業団の方は役員が七人、共済事業団は五人で合計で十二名になります。そこで三名減ることになるわけでありますが、この新法人設立後の九人の役員についてどのような構想を持っておられるのか。まあいますぐあっちやめさせる、こっちやめさせるというわけにいかないだろうから、暫定的にはどうするか、それから将来はどうするかということでお答えをいただきたいのです。
○左近政府委員 新事業団の役員の構成は、理事長一人、副理事長一人、理事五人以内、監事二人以内ということで、計九人以内ということでございまして、御指摘のとおり十二人から九人ということで減員をするわけでございまして、形といたしましてはこの新事業団発足のときに旧事業団の役員が全員退任いたしまして、新しく新事業団の役員が任命されるということでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、暫定的には二つの場所で仕事をやっていくということもございますし、それから五十五年度につきましては予算あるいはこれからお願いしている法案等によりまして、共済事業につきましてもあるいは高度化事業につきましてもそれぞれ新しい仕事をやっていかなければいけないというふうな緊急の仕事もございますので、統合後二年間に限りまして副理事長を二人にすることができる。もちろんその場合には理事が一名減りまして、理事のかわりに副理事長一名がふえるわけでございますが、そういう規定が附則に載せられてございます。したがいまして当面はこの二つの業務を円滑に推進し、しかも将来うまく統合するためにそういう暫定措置によりまして解決をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○上坂委員 いまの理事の方はみんなそれぞれ任期があると思いますから私は特に言わないんだけれども、きょうの読売新聞、大臣ごらんになったかどうか、「天下り役員8割」と出ているんだね。それからその中で「1/4は“法人渡り鳥”」、こう出ているわけですよ。ここがやっぱり非常に問題なわけですね。今度のKDD事件にしましても、いろんなところで問題が生じているというのはこういう問題がやっぱり根本的にあるからで、こういうものはこういう行政改革をやる以上はできるだけ排除をして直していくということでなければならないと思うのですね。 そこで私は、事業団二つを一つにして一つ減るわけですから、その際思い切って任期が終わったらそこで天下りでないような人事をすべきだ、こういうふうに思うのです。そうすると、そこで聞いている人が行くところがなくなったなんて、そんな心配をしないようにしてもらいたいと思うのだけれども、やっぱりそれはずばりとやるぐらいのあれがないと本当の行政改革にならないんで、その点は大臣どうお考えになりますか。
○佐々木国務大臣 これは中小企業問題でございますので、やはり中小企業全般の問題に対して通暁している、知識経験を持っているというのが大変重要な一つの要素でございます。 それからもう一つは、知識ばかりあってもしようがありませんので、人格その他識見ともども、やはり指導力を持った人でないといかぬわけでございまして、そういう面からいたしますと、私はどうも余り役人だからいかぬあるいは民間の人だからよろしいというわけにもいきませんので、むしろやはりそういう二つの観点からにらんで、その人であれば万人が納得するだろう、またりっぱになし遂げるだろうというふうな選定の仕方の方がよろしいのではなかろうかと思いますけれども、しかしお話のような時代でもございますから、そういう点も加味して人選に当たりたいと思います。
○上坂委員 役人の皆さんは頭がよくていろいろな経験を持っておる、それはわかります。だけれどもできるだけ国民がいろいろ疑惑に思っているというような点は、やはり排除するような形での人事というものを考えていくように特に要望いたしておきたいと思います。 次に職員数の問題でありますが、いま振興事業団の方が二百五十五名、共済事業団が百四十一名であります。この職員の交流というものはどういう形になっていくのか。 それから、統合に伴ってその中でのいろいろな行政的な合理的な方法、人事配置、そういうものについてはどういうふうにお考えになっておるか、お答えをいただきたい。
○左近政府委員 先ほどから申し上げましたように、新事業団におきましては、従来からある業務を有機的な連携のもとに効率的に処理するというねらいでございますし、また一面、この事業団を利用されます中小企業の方に御迷惑をかけない、そして統合の実を上げるという必要があるわけでございます。そういうことでございますので、新事業団が発足いたしますれば、その新事業団の業務遂行に一番いいような形でこの体制を整えていかなければいけないというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、そういう過程におきまして交流なりあるいは人員の配置なりを考えていくということになろうかと思いますが、それにつきましても発足いたしまして十分な検討を遂げて、逐次そういう形に実現をしていきたいということで考えておるわけでございます。
○上坂委員 振興事業団がこれまで行ってきたいわゆる中小企業の高度化事業につきまして、新事業団の発足を契機にして今後どのような拡充政策を持っておるか、お答えをいただきたい。
○中澤政府委員 振興事業団の現在行っております高度化融資事業でございますけれども、従来は組合等によりまして事業の共同化あるいは工場、店舗の集団化、小売業の経営近代化等々の事業を推進してまいりまして、現在の、五十三年度末でございますが、貸付残高で申しますと六千五百八十七億円に上っております。これは非常に重要な中小企業の高度化の政策の柱になっておるわけでございますが、先生御指摘のとおり今後この事業団の統合によりましてますます中小企業の近代化、高度化の必要性は高まるわけでございまして、新事業団におきましても現在の制度を引き継ぐわけでございますけれども、さらに新しい環境の変化に応じまして中小企業者の新しい高度化のためのニーズ、これを的確にとらえまして、現在その改善の方向につきまして研究を行っておりますが、その研究を踏まえまして制度の改善を行うとともに、その制度のPRを十分に行いまして、中小企業者等々の高度化、近代化に一層努めてまいりたい、かように考えております。
○上坂委員 これは中灘部長、中身を変えることも含めて検討して、また今度いろんな事業をもっと充実させるということも含めていま検討中である、こういうふうな意味にとっていいのですか。
○中澤政府委員 先生のただいまの御質問のとおりでございます。
○上坂委員 次に、共済事業団が行ってきた倒産防止共済制度は、五十三年に発足してから加入の状況が計画を達成されていないわけです。言ってみれば加入状況が目標より大幅に下回っている。この原因は一体どこにあったかということが第一点。 それから、いま大変な不況と狂乱物価、地価などはもう狂乱物価に入っておりますから、金利の高騰を含めまして中小企業は今後ますます大変な状況になると思います。そこで、この制度を拡充することは当面非常に重要になってくると思うのです。この拡充の方向をどのように考えておられるか、御説明をいただきたい。
○左近政府委員 御指摘のとおり倒産防止共済制度が発足いたしましてちょうど二年になりますが、現在の加入件数は約二万件ちょっとということでございまして、当初の目標を相当下回っておる現状でございます。 この原因なんでございますが、一つはやはり制度の発足後、われわれの方といたしましてはいろいろ普及に努めたわけでございますけれども、制度の普及がまだ不足しておるとかあるいは加入を促進する体制、これは商工会議所、商工会連合会というようなものにお願いをして加入促進をやっておるわけでございますが、その加入促進の体制が時間がかかったというようなことがあるわけでございます。また、現在の制度の内容につきましても、この創立は初めてのことでございますので、いろいろ考えてつくったわけでございますが、中小企業の方々にとってはまだまだこういうふうに改めていただいた方がいいではないかというような御意見もございまして、そういう点も中小企業の方がすぐにこの制度に乗ってこられなかった理由でもあるのじゃないかというように考えておるわけでございます。 そこで、制度発足後二年というものの経験を生かしまして、やはりこの制度を早急に改正しようじゃないかということで昨年の秋以来検討をいたしまして、ようやく成案を得ましたので、実はこの中小企業倒産防止共済法の一部改正法律というものを閣議決定いたしまして国会に提案をしておるところでございまして、今後御審議をお願いしたいと思いますが、これによって従来の中小企業の方々が改善してほしいという点も相当改善されますので、そういう制度を改めることと、それから一層のPRといいますか、普及促進をいたしまして、当初の予定を実現するように努力をしていきたいというように考えておるわけでございます。
○上坂委員 いま倒産防止の状況について御説明をいただいたわけでありますが、確かになかなかPRが一般の中小企業に浸透していないといいますが、そういう点が非常に大きな原因だと思いますので、こういういい制度については十分国民に知らせるようにひとつ努力をしていただきたいと思います。 それから次に、本法案の第二十九条にあります長期借入金と短期借入金について、いままでの二つの事業団ではどのようになっていたかということを御説明をいただきたいと思います。 それからもう一つは、今度中小企業事業団債券というものが発行されることになるわけでありますが、これは現在ある二つの事業団もやはりこういうものを発行しているのかどうか。発行しているとすればその限度額は幾らか。これから中小企業事業団として発行する債券の限度額はあるのか。この辺について御説明をいただきたい。
○中澤政府委員 お答え申し上げます。 最初の御質問の、法二十九条に関連いたします長期借入金及び短期借入金の状況でございますが、まず中小企業振興事業団関係でございますけれども、中小企業振興事業団の行っております高度化融資事業の貸し付けにつきましては、原則といたしまして、現在一般会計の出資金と中小企業振興債券の財投引き受けによります財源で賄っておりまして、法二十九条の規定によります借入金には依存していないというのが状況でございます。 〔委員長退席、渡部(恒)委員長代理着席〕 借入金につきましては、昭和四十二年度から四十八年度まで実施されてまいりました特定繊維工業構造改善臨時措置法に基づきます繊維工業の構造改善事業の貸付原資の調達、このために政府保証つきで金融機関から借り入れを行ってきたわけでございますが、現在はその借入金の借りかえを毎年所要額計上しておるという状況でございまして、五十四年度分につきましては八十四億円の実績になっております。なお、この長期借入金の借入残高は、四十八年度末がピークでございまして、三百二十七億円でございましたけれども、五十四年度末におきましては二百十億円と減少してまいっておりまして、このぺースでまいりますと、昭和六十年度におきまして残高が解消するという見込みになっております。 また、共済事業団関係の借入金でございますけれども、小規模企業共済勘定におきまして、短期借入金といたしまして加入者還元融資業務を行っておりまして、その貸付業務に対します資金手当てを迅速に行うために、一時的に金融機関から当座貸し越しで借りております。この借入金の限度額が五十四年度末で七億円でございまして、五十五年度におきましては十一億円を予定しております。 なお、やはり共済事業団関係の中小企業倒産防止共済勘定でございますが、この関係の短期借入金につきましても、加入者に対します共済金の貸し付けを迅速に行うというために、小規模企業共済勘定におきまして、当座借り越しで処理しておるわけでございますが、この借入金の限度額が五十四年度で二十億円でございまして、五十五年度におきましては六十五億円を予定しておるわけでございます。 なお、共済関係の方につきましては、長期借入金につきましては両勘定とも現在まで実績はございませんで、五十五年度におきましても予定しておらないわけでございます。 また、第二の御質問でございます二十九条に関連いたしまして事業団債券の発行のこれまでの実績、それから今後の予定でございますけれども、中小企業振興事業団におきまして、中小企業振興事業団法二十七条の規定によりまして、通産大臣の認可を得て中小企業振興債券を発行することができるということに従来なっております。この中小企業振興債券でございますが、高度化資金の貸付原資として、一般会計からの出資金のほかに民間資金を導入するという目的でこの制度があるわけでございましたが、設立年度でございます昭和四十二年度以降毎年発行されておりまして、四十七年度までに民間引き受けを中心に累計六百六十二億円の債券を発行しておりまして、四十八年度から現在まで全額資金運用部あるいは簡易保険引き受けで賄っておるわけでございます。五十四年度末におきます発行残高は千八百七十億円となっておるわけでございます。 なお、今後の中小企業振興事業団におきます発行限度いかんという御質問でございますが、これにつきましては、毎年各年度におきます高度化資金の需要額を踏まえまして所要の額を計上するという考えでございまして、特に最高の限度額を設けるというふうには考えておりません。
○上坂委員 いまの長期及び短期の借入金については、これを全部引き継いで新しい事業団がこれに対しての対策をとっていく、こういうことになりますね。 それからもう一つ、三十二条三項の「業務上の余裕金を運用し、又は取得した有価証券」云々、こうありますが、これは一体どういうことか、御説明をいただきたい。
○廣瀬政府委員 お答えいたします。 法第三十二条に関しましては余裕金の規定を定めているものでございますけれども、中小企業振興事業団が現在行っております小規模共済事業とそれから倒産防止共済事業と、それから現在の中小企業振興事業団が実施しております振興事業に関して設けられたものでございます。本年二月末現在の実績を見ますと、中小企業の共済事業団では二つの勘定を合わせまして二千九百三十七億円でございます。また、振興事業団に関しましては千九十七億円となっております。それぞれこの勘定に対応いたしまして余裕金の性格が異なるものでございます。 まず、小規模共済事業の余裕金につきましては、加入者が五十五年度におきましても漸増いたしますので、五十五年度末には余裕金が三千九百五十億円になるものと予想されております。また、倒産防止共済勘定につきましては、五十五年度の共済金の貸し付けがどの程度になるか定かではございませんけれども、しかし、この倒産防止共済事業という事業の性格からいたしまして、多くの余裕金が生ずるものとは考えられないものでございます。一方、振興事業団の振興勘定でございますが、新事業団になりましてからの見通しにつきましては、そもそもこの勘定が、原資として入ってまいります政府の出資とそれから現実にこれが貸し付けに回ります間の一時的なずれの余裕金でございますので、本質的な意味で余裕金がふえるというものではないわけでございます。 それから、第二の御質問でございますが、三十二条第三項に余裕金の運用方法に関する規定がございます。この規定は「事業団は、運用方法を特定する金銭信託により業務上の余裕金を運用し、又は取得した有価証券を証券会社に預託しようとするときは、通商産業大臣の承認を受けなければならない。」と規定しておりますけれども、現在の中小企業共済事業団におきましても同じような規定がございます。それをそのまま新事業団に移したという性格のものでございます。これも、そもそも共済事業に関します余裕金は将来の共済金等の支払いに充てるための積立金でございますので、その運用は安全確実であることを要するわけでございます。また同時に、制度の仕組みといたしまして、一定以上の運用利益を生む必要があるわけでございます。このために、余裕金の運用方法につきましては、ある程度の多様性を持たせる必要がある、こういう考え方に基づきまして金銭信託及び有価証券預託を認めているわけでございます。 しかしながら、この金銭信託の中にも運用方法を指定するものとそうでないものとございまして、法律上の扱いが異なっております。運用方法を特定する金銭信託、また証券会社への有価証券預託は、法制上元本が保証されない仕組みになっております。したがいまして、余裕金の運用といたしましては、元本が保証されない道への預託については厳しい監督をする必要がある、こういう考え方に基づいて規定が設けられているものでございます。 なお、現在中小企業共済事業団におきましては、この規定によります運用方法を特定する金銭信託等は行われておらない現状でございます。
○上坂委員 いまのいわゆる余裕金の運用、預託をしたり何かしたりすることだろうと思います。そこで三十二条の四項の規定になるのだろうと思います。いまお話しになった運用というのは、余裕金があった場合にはそれを銀行あるいは金融機関に預託をして、そこから運用益といいますか、そういうものを生み出す、こういう御説明のように聞いたのですが、それでいいわけですか。
○廣瀬政府委員 お答え申し上げます。 余裕金の運用によりまして少しでも多くの利益を出し、それを共済契約者に還元するというのが制度の仕組みでございます。しかし、共済金等の支払いに充当されます金でございますから、堅実な運用が望まれる、こういう考え方でございます。こういう考え方に立ちまして、今度の事業団におきましても、附則十八条では小規模企業共済法の改正を予定しておるわけでございます。また、二十四条におきましては倒産防止共済法の一部を改正することを予定しているわけでございます。この二つの規定は、いわば共済契約者に対する先取特権を規定するものでございますけれども、そもそも掛金の安全を確保するという意味で、事業団法におきましても多くの点で安全確保の道が講ぜられておるわけでございます。 ただいま委員御指摘のとおり、中小企業事業団法の二十一条第四項におきましては、加入者還元業務を行う際の資産の安全性と効率性についての配慮規定がございます。また、二十七条においては区分経理を規定しているわけでございますけれども、この三つの勘定間の資金の移動についても慎重を期すように、こういう規定がございます。それと同じような考え方に立ちまして、三十二条におきましても、資産としての余裕金の運用に際して四半期ごとに運用計画を定めて、これを大臣の認可に諮らしめているわけでございます。
○上坂委員 次に、附則第十条に事業団関係復帰希望職員というのがありますが、これについて説明をいただきたい。
○左近政府委員 附則第十条の規定の趣旨は、実は、この事業団の職員も、振興事業団、それから共済事業団、いずれも同じでございますが、新事業団ができますと一たん退職をして、それからまた新たに新事業団に就職をするという形になるわけでございます。 〔渡部(恒)委員長代理退席、中島(源)委員長代理着席〕 ただ、退職金の問題とか、それから十条は、これは国家公務員共済組合上の問題でございますが、この問題につきましては、一たん退職をして新就職をすると取り扱いが変わってまいりますけれども、このように国の都合によりまして事業団が変わるという場合には、身分上は引き続きその事業団にいたと同じような処理をするのが適当であるということで、要するにそれぞれの事業団にいた人が新事業団に変わりましても、従来いたと同じ取り扱いをするというのが本条の規定でございます。したがいまして、実は国家公務員共済組合というのは国の行政機関にいる人の問題でございますが、ただ、官庁から事業団に行った場合にいろいろな特例がございます。その特例が従来と同じように存続をするということを決めたものがこの規定でございます。
○上坂委員 そうしますと、事業団独自で雇用をした職員、その人たちは両方の事業団が一つになってもいままでの身分は保障される、勤務年数から一切保障される、こういう意味が一つと、それからもう一つは、国から出向しているといいますか、そういう人たちに対してもやはり同じような形である、こういうふうに解釈していいですか。
○左近政府委員 仰せのとおりでございます。
○上坂委員 関連法として小規模企業共済等に関する法律を小規模企業共済法に改めることになっているわけでありますが、その中で二十一条を二十二条として、新たに二十一条に先取特権の項を起こした理由について御説明をいただきたい。
○廣瀬政府委員 二つの事業団が統合することによりまして小規模企業共済事業、それから倒産防止共済事業は、高度化事業をあわせ行います中小企業事業団によって運営されることになるわけでございます。このように、新しい事業団は従来の中小企業共済事業団に比べまして非常に幅広く事業を行うわけでございます。したがいまして、統合後には従来にも増して共済契約者、小規模企業共済の契約者でございますが、契約者の掛金等の資産の保護を図る必要があると考えているわけでございます。資産の保護を図るために、先ほど御説明いたしましたとおり、二十一条におきましては加入者還元に際しての配慮規定、また二十七条におきましては小規模企業共済それから倒産防止共済それから振興勘定、三つの区分経理間におきます資金の移動を厳しく規制する、こういう意味での配慮規定を置いております。それと同じ考え方に立ちまして、今回新たに共済契約者の債権に先取特権を認めることにしたわけでございますが、先取特権の規定は、中小企業事業団債権の債権者について現在すでに先取特権が認められているところでございますので、そのバランスを図るという意味から設けられた規定でございます。
○上坂委員 次に、倒産防止共済で扱った件数はいままでどのくらいあるか、それから貸付金額は、最高は一千二百万円でありますが、平均額については幾らぐらいになっているか、これが第一点。 それから、今後いまの物価高、恐らく中小企業にはかなりの経営難といいますか不況のあらしが押し寄せてくるのじゃないかと私は予測するのでございますが、中小企業の今後の経営状況に対しての見通しを中小企業庁としてはどのように立てておられるか、それについて御説明をいただきたいと思います。
○廣瀬政府委員 ただいまの御質問の前半につきましてお答えを申し上げます。 倒産防止共済の制度の運用につきまして二年の実績がございますが、この二月末現在で貸付件数は二千四百九十二件でございます。それから貸付金の総額は百十二億八千三百五十三万円でございます。また、この共済貸し付けの平均額は四百五十三万円でございます。
○左近政府委員 今後の中小企業の経営状況の見通しでございますが、昨年は民間設備投資あるいは個人消費の上昇ということから、中小企業全般としては比較的好況裏に推移したということが言えると思います。もちろん一部の業種についてはなかなか大変であった業種もございます。ところが、昨年の後半から石油価格を初めとする原燃料価格あるいは資材価格というものがだんだん上がってまいりまして、これが企業の収益を圧迫するという傾向が出てまいりました。昨年の第三・四半期あるいはことしの一−三月の予測といったところには相当この懸念が出てきております。 また一方、物価対策ということから公定歩合の引き上げ等々の金融引き締めが行われてまいりました。そこで、金融環境もだんだん引き締まりということで資金繰りが悪化するであろうということで、これは実は昨年の暮れ、つまり十月から十二月の実績はそれほどではございませんが、この一−三月については相当引き締まるだろうという予測がありまして、またこれは実績も早急に調べたいと思っておりますが、徐々にそういう問題が出てくるということを見ますと、やはり将来についてはわれわれとしては十分警戒をしなければならない状態ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。 したがいまして、中小企業庁といたしましては、そういう先行きがむずかしく考えられるという事態に対処いたしまして、金融対策といたしまして政府系の中小企業の金融機関の貸付枠を確保するとか、あるいは信用保証協会の信用補完制度を充実する、これについてはまた信用保険法の改正を提案をしたりしておりますので御審議願いたいと思いますが、そういうことを考えております。それからまた、倒産防止対策にいたしましても、いまお話がありました倒産防止共済制度を拡充するというようなこととか、あるいは倒産防止の金融対策を充実するというようなことを考えております。また、こういう時期になりますと、下請企業にいろいろしわが寄るというおそれもございますので、これについての下請対策、これは下請代金支払遅延等防止法等の運用を厳格にやるというふうな問題でございますが、こういうものを充実してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○上坂委員 五十五年の二月末で二千四百九十二件、百十二億八千三百五十三万円という融資金額が出ているわけでありますが、この中で経過措置との関連のものはどのぐらいあったか。
○廣瀬政府委員 お答え申し上げます。 いまの御質問の対象は、特例前納制度に基づく契約者の事故という趣旨と理解させていただきますけれども、正確な統計は把握しておりませんけれども、ちなみに現在の制度によりまして千二百万円、これは共済金貸し付けの最高限度でございますが、千二百万円の貸し付けを受けたものは三百八件でございます。全件数の一二・四%に相当しております。
○上坂委員 法律関係の質問はこれで終わりますが、一番最後に長官が答えられた中小企業対策について一つ質問をいたしたいと思います。それは官公需に関する問題でありますが、特に軽印刷業界の問題であります。 軽印刷業界のいまのいわゆる物価、これから値上がりする問題、それからいままでの状況、これを見ますと、これは大変な状況になってきているわけであります。これは試算をしたのがありますが、五十四年の四月を考えてみますと、売上高に対して費用の合計が大体九四・一四%だったんです、売上高を一〇〇%として。したがって、営業利益は五・八六%あったわけです。ところが今度の電気料金あるいはガス料金、そうしたものの値上げその他のいわゆるこれに関連する原料値上げを考えますと、売上高を一〇〇%としますと、費用が一一三・六%という試算になります。そこで一三・六%の赤字、マイナスが出てきます。民間の場合にはいろいろな交渉しまして、これについてはこの分を埋める一五%から二〇%程度の値上げについては向こうが承諾をする、こういう傾向になっています。これは今後の折衝にも係りますが、大体向こうだって商売ですからできるだけ低く抑えたいと思うのは当然ですが、お互いにやはり生きていかなければなりませんから、そういう点で認める。ところが、認めないのが官公需なんですね、そこにやはり問題があるわけです。幾ら中小企業対策を強めるとかなんとかと言っても、現実にこうした中小企業がたくさんいるところの値段を低く抑えて、そしてその値上げに応じないようでは、これはとても中小企業対策などと言われた筋合いのものじゃないのですね。そういう点について私はこれからも要請をしたいと思うのですが、ただ、一つ例を挙げますと、軽印刷の場合にはいわゆるオフセット、写真植字というものが主力です。したがってフィルムをたくさん使うわけですね。このフィルムというのは小西六と富士フイルムが独占をしているわけです。銀の値上がりを見ますと、昨年の同じ時期でありますが、一月ごろにこれはキログラム当たり四万円だった。ところがこれが八倍ぐらいに値上げをしているわけですね。そうして値上げしたものがそのまますぽっとフィルムの値上げにかかってきて、これが印刷業界を圧迫しているわけですが、最近の状況では銀が少し下がって半分ぐらいになっている。しかし、それでもやはりその状況というのは知らせてくれないから、原料を買うときにはなかなか交渉ができないわけです。したがって、どうしてもこうした大きな資本の値上げについてはこれを阻止することができない。そういう形のものが非常に大きく経営を圧迫しております。だから、圧迫しているから結局仕事の面での単価も上げなくちゃならぬということになるのですが、官庁の方はこれは全然応じてくれないというのがいままでの状況でありましたし、これからの状況であることに間違いありません。 そこで、いわゆる官公需として軽印刷業界等に対する発注については十分経営が安定できるようなそういう計算をして、そこで発注をするという体制をひとつこれは各省ともとってもらわなければなりませんから、まず通産省がリーダーになって全省庁に対してそういう指導をひとつしていただきたいと私は思います。これが第一点。 それから第二点は、その場合に問題になるのは契約の仕方なんです。というのは、印刷業は製造業という産業分類になっているのです。ところが契約をする場合には物品購入の契約がなされるのです。いわゆる請負契約にかかりますと、予定価格というのがあってあるいは最低限の価格が予定をされて、そこのところは余りひどい価格でやると信用ができないからというのでそこからは外して、そこの上の価格で予定価格に近いところで落とすというのがいわゆる契約の仕方なんです。ところが物品購入ですと、これはたたきにたたいて一番低いところで契約をしていく、こういうかっこうになってしまいますから、なかなか適正な価格で発注を受けることができない。ここに非常に大きな問題があるのです。製造業であるならばいわゆる工事契約のものに関連をしてそこへ含めるべきではないか、こういうふうに私は思っているわけであります。 したがって、いま軽印刷業界は第二次の構造改善の指定を通産大臣に申請をしているわけですね。第一次は指定になりまして、それぞれ企業内の努力をやりまして、そして体質改善をやってきたわけです。これを今後このままで、この官公需の契約の状況というものを直さないならば、せっかく構造改善やって体質改善してもこれはもうむだであったということになってしまう。もっともっとひどい状況にいかなきゃならない。だから、幾ら構造改善、体質改善をやってもどうにもならないというようなところへ中小企業を追い込まないようにしてもらわなければなりません。そういう点で、軽印刷業界の契約についてひとつ確固たる方針をお示しいただきたいと思います。
○左近政府委員 軽印刷の問題でございますが、確かに官公需の場合に、入札をいたしまして最低価格の人に落札させるという制度になります。これは会計法の基本原則でございますけれども、それが過当競争になって、おっしゃるように非常に資材が高くなっておるときに全く利益が得られない、欠損が続くということでもこれまた困ったことであるとわれわれ考えております。したがいまして、基本的には適正な価格で受注ができるような体制をわれわれは考えなければいけないというふうに思うわけでございますが、いま御指摘のように、契約の方式というものがやはり会計法によって決められておりますものですから、それをどう持っていくかということになろうかと思います。 そこで、軽印刷につきましては、物品の購入ということでなくて製造の請負として取り扱うということは、いまわれわれの方も関係の各省にも話しまして、大体そういうふうになりつつあるわけでございますが、製造の請負にいたしましても実は法規上の制約がございまして、やはり最低価格の人が原則として認められる、よほどのことがない限りそういうことになってしまうということもございます。したがいまして、これは会計法規上の検討をしなければいけないということで実はわれわれも検討しておりますが、これについては大蔵省初め関係省庁と十分検討しなければいけないものでございますので、いまの御趣旨を踏まえましてひとつ関係省庁と検討をいたしまして、なるべく早く結論を出すようにいたしたいというふうに考えております。
○上坂委員 軽印刷業界ではいま少なくとも一五%から二〇%くらいの値上げを要請しているわけですね。そこでいろいろ原価を立ててそれを恐らく示すと思うのです。ところが、これをたとえば一〇%なり五%に削ってしまったらとても採算がとれないわけであります。大体官公需というのは軽印刷業界では二〇%くらい持っているわけですから、これは非常に大きなシェアを持っています。そこで、今度は一つ問題になってくるのは、いや官庁の方が諸経費を節約しろと言われて事務経費がないのだ、だからできないのだ、こういうことに籍口されてしまうと中小企業はやっていけなくなるのですから、そこのところは別な経費を節約しても、やはりこうした中小企業を対象にするところのいわゆる物品購入なりいろいろな発注というものについては考慮をしていくのだ、こういう体制をひとつとってもらいたいというふうに思うのです。そうでないと絵にかいたもちになりますから、中小企業対策もこの点を十分お願いをしたいと思います。 〔中島(源)委員長代理退席、委員長着席〕 それから契約についてはやはり再検討してもらわなければなりませんけれども、物品購入の契約じゃなくて、製造業でありますから請負契約のような形での契約に持っていくべきである。その場合に特例がありまして、一千万円以上の場合にはいわゆる予定価格をつくる、こういうふうになっておりまして、それ以外のものについては原則としてやらないことになるわけです。しかし、この場合にもやはり事例に応じてケース・バイ・ケースでそれは適用する、こういうふうな対策をひとつぜひとってもらいたいというふうに思うわけであります。その点についてひとつこれはやる。それからもう一つ、先ほど言った各省庁に対しても十分その点は徹底して、中小企業をいじめないようにする、いじめさせないように指導をするということができるかどうか、この点についてはひとつ大臣から決意のほどをお伺いいたしたい。
○佐々木国務大臣 各省との連絡会議等ございまして、ただいま検討を進めておるそうでございますので、できるだけそういうことのないようにしたいと存じます。
○上坂委員 長官からも一言この件についてお答えをいただきたい。
○左近政府委員 いま大臣が申されましたように、各省庁の連絡会議というのがございますので、その席で基本的に中小企業、ことに軽印刷のようなところにいわば買いたたき的な現象が起こらないように十分注意を促したいと思います。それと並行いたしまして、各省庁がそれをやることを心がけましても、法規上の問題があるとなかなかうまくいきませんので、法規上の問題についても検討を進めていきたいというふうに考えております。
○上坂委員 最後にもう一点。通産省にあるかどうかはわかりませんが、各省に、退職をした人なんかが集まって、何といいますか、国鉄の弘済会みたいなものをつくっているところがあるのです。その人たちが注文を受けてそれを今度下請に出す、そういう形のものが非常に多いのです。これを全部調べ上げてもらいたいと思うのです、農林省にはどういうところがあると。具体的に農林省にはあるのだけれども、農林省にはこういうものが幾つある、どこどこにはこういうものが幾つある、全部調べてそれを資料として出してもらいたい。また、そういう方向を改めるような中小企業対策の指導をしていただくことを要望しておきたいと思うのです。
○左近政府委員 実は本件に関しましてはそういうふうな疑惑を招くような行為があってはいけないということで、先ほど申しました昨年の各省庁の担当官会議でもわれわれの方から十分お話をしたわけでございますが、いまのような御指摘がございましたのでまた調査をいたしますし、そういう疑惑を招かないようにやってもらうように各省にも十分連絡をいたしたいというふうに考えております。
○上坂委員 終わります。ありがとうございました。
○塩川委員長 これにて上坂昇君の質疑は終了いたします。 午後二時から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午前十一時四十一分休憩 ————◇————— 午後二時一分開議
○塩川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。森田景一君。
○森田委員 「中小企業事業団は、中小企業構造の高度化を促進するために必要な指導、資金の貸付け等の事業を総合的に実施し、あわせて中小企業の経営管理の合理化及び技術の向上を図るために必要な研修、指導等の事業を行うとともに、」小規模企業共済制度及び中小企業倒産防止共済制度の「運営等を行い、もって中小企業の振興、小規模企業者の福祉の増進及び中小企業の経営の安定に寄与すること」、これを目的としまして、いままでそれぞれ独自に運営されてきた中小企業振興事業団と中小企業共済事業団とを統合して新しく設立する事業団でありますが、振興事業団及び共済事業団には運営上何か特別の欠陥があったのでありましょうか。まず最初にお伺いします。
○佐々木国務大臣 両事業団の業務運営は大変順調に行われてきておりまして、別に欠陥というものはございません。ございませんけれども、従来より以上に機能の長所を発揮できるようにするために両者がむしろ相助け合った方がかえってよろしいのではなかろうかという意味で、その特徴を生かして充実するという意味で統合したわけでございます。
○森田委員 大臣のお答えはよくわかりませんでしたけれども、特別な欠陥がない、そういう状況であるのにここで両事業団を統合して新しく中小企業事業団を設立する、こういうことでありますが、その理由をやはり明確にしておく必要があるだろうと思いますし、その背景についてもひとつ大臣のお答えをいただきたいと思います。
○佐々木国務大臣 経過的には御承知のように行政機構改革の問題も絡んでの措置ではございますけれども、しかし結果的には両機能の有機的な連携と申しますか、情報の交換をしたりそれぞれの分野の内容を充実したり、あるいは新規の大学校経営等新しい業務を加えたりということで、単独でそれぞれ独立しているよりは、かえってこの際中小企業のいわば実践の中枢機関として育てた方が両機能をフルに生かすのによろしいのじゃなかろうかという結果になったと思っております。
○森田委員 振興事業団と共済事業団を統合するわけでありますから、しかもなおいままでの業務を引き継ぐのでありますから、いままで以上に効率的でかつ強固な体制を確立しなければならない、これは先般の趣旨説明にございました。そういう状況でございますからこれは当然なことだと思うのです。その可能性といいますか自信といいますか、いま大臣の方も大分自信のあるような回答でございましたけれども、もう一遍大臣の確信のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○佐々木国務大臣 初期の間は事務所が二つに離れておったりなどして、これは本当は一つにすれば一番いいんですけれども、なかなか簡単にするわけにもまいりません、やがてはそうしなければいけませんが。したがいまして、発足早々から所期の目的どおりの機能は発揮できない場合もあるいはあるかもしれませんけれども、しかし目的としてはあくまでもそういう点に一歩でも早く近づけて、中小企業の中枢機関としての機能を果たせるようにしたい、そういうふうに育てたいというのが私どもの考え方でございます。
○森田委員 いま大臣からお答えがありましたけれども、やはり効率的で強固な体制を確立する、そういう説明があるわけですが、そういう立場から今度新機構について御説明をお願いしたいと思うのです。たとえて言いますと、本案の第四条では、「事業団は、主たる事務所を東京都に置く。」また「必要な地に従たる事務所を置くことができる。」このようになっておりますけれども、これはどういう名称にしていくのか。本部とするのか支部とするのか、あるいは振興事業団、共済事業団のどちらを本部にするとか支部にするとか、そういうことも明確にしておいた方がよろしいんじゃないかと思います。そういう問題と、それから役員の配置あるいは民間人の起用をどうするか。新しい事業団ですので、こういう点についてこの際明確に御説明をお願いしたいと思います。
○左近政府委員 いま大臣が説明いたしましたような趣旨を現実化するために、いろいろな検討を続けまして十分な体制をとりたいと思っております。 いまお尋ねの本部と支部の関係でございますが、これについては主たる事務所、それから従たる事務所を置けるというふうな法律の規定が定めてございます。新事業団では必要に応じて主たる事務所を置き、それから必要に応じて地方にも支所を将来設けることができるように、従たる事務所の規定を置いたわけでございます。いずれのところに主たる事務所を置くかというような問題については、実は現在御承知のとおり二つの事業団それぞれの事務所がございますので、これについては今後法案が成立した後十分検討いたしまして、事務の処理の便利なように決めていきたいと思っておりますし、将来については地方にも支所を置くというふうなことも検討してまいりたいというように考えているわけでございます。 それから役員の人事については、まだこれも法案が成立いたしましてから検討しなければいけないわけでございますけれども、この事業団の性格、つまり中小企業政策の相当部分を担って、政府の手足になって実際に活動するというふうな性格から言いますと、中小企業に関する専門的知識はもちろん必要でございますし、さらに中小企業政策についての造詣が深いということも必要でございます。また他面、人格、識見、指導力ということも要望されますので、こういう点でもこの法律が成立いたしますれば早急にこの人選を進めていきたいというふうに考えているわけでございます。 そのほかいろいろな体制の問題がございますが、そういう点も法律成立後早急に検討していきたいということを現在考えております。
○森田委員 ただいまの御説明では中小企業振興事業団とそれから共済事業団、これを別々にしておくのか、あるいは一本にするか、こういう点はこの法律が通ってから検討する、こういうことですけれども、やはり通る前に、この法案が通った場合には統合するとか、そういう方針を明確にしておくことが大事じゃないかと思うのです。通らないうちに発表できないという御配慮かもしれませんけれども、しかしここまで計画している以上は、当然その腹案があってしかるべきだろうと思うのですね。もう一度ひとつお答えをいただきたいと思います。
○左近政府委員 当面の考え方といたしましては、事務所につきましては、地方の事務所というのはいますぐ置く考えはございません。この主たる事務所を東京にございます両事業団のいずれに置くかあるいはその一つだけを主たる事務所にとどめておくかというような問題がございますが、これは正直言いまして少し検討を要するということでございまして、まだ結論は得ておりませんが、いずれにいたしましてもこの事業遂行に支障のないように早急に決めたいというように考えております。
○森田委員 それから民間人の起用の問題についても若干お答えがありましたけれども、いままでの両事業団でも、評議員会でしたか、こういう形でいろいろと事業についての意見の聴取等審議したようでありますけれども、これが年二回の開催、こういうことであったようであります。審議の内容を見ますと、やはり事業の計画案を審議して意見を具申するとかあるいは決算を了承するとか、そういうことのようなんですね。評議員の方には相当優秀な方々が入っていらっしゃるようなんですけれども、これで果たして民間の意見が反映される状況であるかどうか、この辺のところがこれからの中小企業事業団の運営にもやはり大きく影響があるだろう、こう私は考えておるわけなんです。いままでの状況についてひとつお知らせいただきたいと思います。
○左近政府委員 事業団の運営に中小企業の方々の、あるいはその他学識経験者の御意見を十分反映さすというために評議員を置くことにしておりまして、従来は振興事業団に二十名、それから共済事業団に十名の評議員がいらっしゃったわけでございますが、そういう評議員の役目の重大さにかんがみまして、合計三十名をそのままこの事業団に引き継ぎまして、評議員の活躍を期待をしておるわけでございます。 いま御指摘のように、従来の評議員会の運営は年二回程度ということが多かったわけでございますが、おっしゃいますようにこの中小企業の生の声を伝えるあるいは一般の学識経験者のアイデアを活用させていただくというような点では、この評議員会の運営というのが非常に重大だろうと思います。したがいまして従来の運営にこだわらず、この評議員会を活用するようにわれわれも考えてまいりたいというように考えております。
○森田委員 従来の運営にこだわらないということは、いままでは余り活発ではなかったという意味ですか。
○左近政府委員 従来は定例的に年二回ぐらいやっておるというのが多かったわけでございます。御指摘のとおり、今後ますます民間の方の御意見を十分にくみ入れる必要があるわけでございますので、従来よりも増して大いに評議員会を活用させていただくということでございます。
○森田委員 そうしますと、従来では、たとえば八月の評議員会においては翌年度の事業の実施方針の検討、それから要望意見が活発に行われている、こういうことになっているのですけれども、その評議員会の要望意見、これがこのいままでの事業団の運営に反映されてきたという、そういう具体的事例はございますか。
○左近政府委員 一例を挙げますと、振興事業団で従来高度化事業というのをやっておりましたが、その高度化事業の運営につきましていろんな問題がございまして、それについていろんな御提案がございます。たとえば工業団地などをつくるときに、参加する事業者の数を一定の数に決めておりまして、一定の事業者が参加をしなければこの高度化事業の融資をしないということになっておりますが、それを実態に応じて改善するようにというような御要望がしばしばございました。それに応じてわれわれの方も参加する組合員の数を減少してもいいというようなことを決めております。また、工業団地等は、参加者が倒産いたしますと、ほかの方にその工場が移るというようなことが困るわけでございます。そこで、その団地の組合自身がその跡地を買い取れるようにしてほしいというような御要望がございまして、これも実現いたしました。こういうふうに高度化事業の運営についていろいろ細かい御意見が出ておりまして、それを実施に移しておるわけでございます。 それからまた、共済事業団の方については、先ほども御説明いたしましたが、今回この倒産防止共済制度の改正を御提案申しておりますけれども、これの改正についてのいろんな御意見もそういう評議員会からいただいておるわけでございます。
○森田委員 評議員の人選につきましては学識経験者が選ばれていらっしゃるようでございますので、ひとつ十分その機能が発揮できるように、先ほどお答えもありましたけれども留意をしていっていただきたい、このように考えるわけです。 次に、共済事業団、振興事業団の職員は現在何名ずつであるのでしょうか。また、新事業団設立に伴って現在の両事業団の職員の処遇はどのようにされる予定であるのか、この点について御説明願いたいと思います。
○左近政府委員 この五十四年度末の両事業団の定員でございます。これは役員を除いた職員だけの数字でございますが、共済事業団の方が百四十一名、振興事業団の方が二百五十五名ということに相なっております。 今後の職員の処遇でございますが、これはこの新事業団が両事業団の職員を全面的に引き継ぐということになっております。そして、それぞれ現在自分の得意の仕事をやっていただいておるわけでございますけれども、今後の運営については、先ほどから申し上げておりますように、この事業団が業務の統一的運営を図るというような趣旨でございますので、そういう趣旨によりまして、今後この事業団の事務の推進が一層向上するような方向に職員の配置も進めてまいりたいということでございますが、とりあえずは現在やっておった仕事を引き継いでいただくという方針でございます。
○森田委員 共済事業団の方の定数が、職員定数が百四十一、振興事業団の方が二百五十五名、こういうことですが、現在はどうなんでしょうか。たとえば私の資料では、共済事業団の職員は百三十九名で、振興事業団の職員の方が二百六十二名という数が出ているのですが、この点は間違いありませんでしょうか。
○左近政府委員 振興事業団の方は、これは役員を合算いたしますとお示しの数字になりますので、あるいは役員込みで計算をしたのじゃないかというふうに思います。 それから、共済事業団の数字につきましては、実は補助対象になっております職員と、それから補助対象外の職員がございます。補助対象外の職員と申しますのは、いわゆる還元融資を担当している職員でございまして、還元融資をやるのには余裕財源を運用してやるのですが、それは事業団自費でやれるということで補助対象外になっております。したがいまして、両方加えますと当方の数字になるということでございます。
○森田委員 いままで振興事業団が行ってきました高度化事業への資金助成、それから指導事業などと、共済事業団が行ってきました小規模企業共済制度及び倒産防止共済制度の運用とは、それぞれ中小企業対策の一環として行われてきたのでありますけれども、やはり異質の点が多いわけであります。統合に伴う問題も生ずるのであろう、このように思われるわけであります。先ほど大臣の方は統合のメリットということを盛んに強調していらっしゃっておりますけれども、統合に伴うメリット、デメリット、これを明確にしておいた方が将来のためにいいのではないかと私は考えております。そこでまず、統合によるメリットをきちんと明確にお示しいただきたいと思います。
○左近政府委員 まず基本的には中小企業政策につきましては非常に各般に広範にわたった政策を実施しております。ただ、いろいろの方の御意見を伺いますと、そういう政策が統一して実施されてないうらみがあるというふうな御指摘がございます。したがいまして、両事業団がやっておりました仕事について統一的な方針でやれるという基本的なメリットがございます。 さらに振興事業、いわゆる高度化事業においていろいろな情報なり経験がございますが、そういうものを共済事業の方にも活用ができる、また、共済事業で得ました経験なり情報を振興事業にも活用できるというふうな、そういう両事業間の情報の交換というのが非常に大きなメリットであろうというふうに考えております。 それから、今後いろいろな中小企業対策をやるにつきましては、実は主としてこの事業団にやっていただこうというふうに考えております。したがいまして、今後やる事業につきましてはさらに両者の経験が生きます。ことに共済事業団については小規模企業に対するいろいろな情報なり経験がございますし、それから振興事業団につきましては、一面高度化事業ということで組織化に対するいろいろな知識、経験がございます。また指導事業におきましてはいろいろな経営なり技術に関する情報がございます。こういうふうな情報を統一的に運用するというのが一番大きなメリットかというように考えられます。
○森田委員 ほかにありませんか。
○左近政府委員 もう一つ考えられますことは、中小企業の方が政府に対していろいろなことをしてほしいというときに、従来ですといろいろな窓口がございますので、どこの窓口へ行っていいかわからないというようなこともあったわけでございます。ところが、今回事業団といたしましては、純粋の金融をやっておるところは別でございますが、それ以外はこの事業団に統一化されたわけでございますので、中小企業者がここへ行けばいろいろな中小企業に必要な対策についての情報も得られるし、また実際の対策もしてもらえるというような、中小企業政策を受ける方にとって便利であるということは言えるのじゃないかと思います。
○森田委員 何か後から聞きましたらまた出てくるのですが、ほかにはありませんか。
○左近政府委員 いま考えておるところは以上のようなことでございます。
○森田委員 政府の方はやはり新しい事業団を発足させるのですから、こういう点がメリットであるということをきちんとしておいた方がよかったと思うのです。その点は調査室の方、一生懸命政府の方の施策に対して協力していらっしゃる、こういう感じで、資料を見ましたら、そうですちゃんと挙げてあるのですね。私の方で申し上げますと、一つは「各施策の総合的な実施機関としての体制が整うこと、」きちんとしてます。二番目が「管理部門が効率化されること、」こうなっています。三番目が「これまで蓄積されてきた振興部門、指導部門、共済部門それぞれの知識や経験が互いに活用できる」、非常に明確なんですね。それを肝心の政府の方が、何だかつけ足しつけ足し、こういう感じでは非常によろしくないのじゃないかと私思います。別にここでこの問題で、そこがどうだここがどうだということは申し上げるつもりは私はありませんけれども、参考のためにお知らせしておきたいと思うのです。 それでは、いまメリットの方を聞かしていただきましたから、統合に伴うデメリットについてはどのように考えていらっしゃるか。これはいままで以上になるべくたくさん出していただいた方がよろしいと私は思います。これは調査室の資料にはありません。
○左近政府委員 統合に関しましてのデメリットでございますが、われわれ一番心配しておりましたのは、少なくとも統合の過程で、いままでは別の仕事をやっておった二つの事業団が一緒になるものでございますから、当面少し混乱が起こったりしまして中小企業の方に御迷惑をかけてはいけないということでございます。われわれも統合を計画的に推進し、早く一体化した業務にしないと、途中で事務が渋滞をするというようなことが起こっては困るということが、われわれが予想した一番のデメリットでございます。それから、名前も変わるわけでございます。そういう点で、従来とは違うというようなことでいろいろな混乱を生ずるというようなこともデメリットかと思います。それからもう一つ、私一これは考えなきゃいけないと思っておりますが、すぐにデメリットが出るかどうかは問題ではございますが、ともすればデメリットが出がちなものとして考えておりますのは、これで相当大きな事業団になります。したがいまして管理体制をしっかりしておきませんと、大きくなることによって中小企業の方々へのお世話をするという色彩がやや放漫に流れてはいけないということをみずから戒心をしておるわけでございます。したがいまして、これはデメリットとしないというつもりでございますが、ほおっておくとデメリットになりかねない要素をはらんでおるという点は、そういう点があろうというふうに考えております。
○森田委員 当局としてはデメリットというのはなるべく出したくないのだろうと思うのですけれども、デメリットもなるべくたくさん出しておいた方がいいと思うのですね。そのほかに考えられるデメリットはございませんか。
○左近政府委員 いまのところ当方としては考えておりません。
○森田委員 私はデメリットの方をたくさん調べてみたのです。後でまた細かいことについていろいろと申し上げたいと思うのですけれども、たとえば新事業団の事務所を新しく設ける、これは設けるか設けないかまだわからないということでしたけれども、新しく設けるとすれば、それに要する費用とか移転に要する費用が新たに必要になるんではないか。費用のことはいま全然出ておりませんでした。第二点が、じゃ新しい事務所に移転しない場合においては、どうも先ほどの答弁ではこのケースに当たるようですけれども、対等の立場での統合と言いながら、現事業団のどちらかが本部になるわけである、こう思うのです。そうすると支部となる方の職員の方々の士気への悪影響が出るんじゃないだろうか。三番目が両事業団の任用基準の違い、これは後でまた細かくお尋ねしたいと思っておりますが、これが現実にあるわけです。これまでの昇給等の違い、こういうものが今後不公平を生ずることになるんではないだろうか。それで、いい方に統一するとしますと、いわゆる焼け太り、こう批判されるような結果になるんではなかろうか、こういう問題があると思うのですね。第四番目が現在の事業団職員数の枠をお互いに食い合う、こういう結果になるんじゃないだろうか。減った方の業務に支障を生ずるとかあるいはいまより後退をするようなことになるのではないだろうか、こういう問題があるだろうと思います。第五番目が、振興事業団にはいままで組合がありまして、今度共済事業団の方も組合ができたそうでございます。そういう問題で混乱が起こるようなことはないんだろうか。これは組合のことですから私たちの立場ではございませんけれども、そういうことで混乱が起こることはないだろうか、そういうことも心配されるわけです。 私がなぜこのようにメリット・デメリットについて論じたかといいますと、先ほど長官お答えになりましたように、機構が巨大化しますと、どうしても当初の目標を見失ってくるような結果が出てきやすいわけであります。それが常識であります。ですから、中小企業事業団は、趣旨説明にありましたように、効率的で強固な体制をつくるために発足するわけであります。いままでるる論議したメリットの部分はさらに生かして、それからデメリットはどう思っているかまだ聞きませんけれども、デメリットと思われる部分はみんなで十分克服して、新しい事業団が所期の目的を達成されるようにこれは努力しなければならない。また、われわれもそう期待しなければならない、こう思っているわけでございます。 そういう点で、先ほどのデメリットの所感と、それからただいま申し上げましたこの新事業団のこれからの決意といいますか、これはひとつ大臣にお答えいただきたいと思います。
○佐々木国務大臣 メリット・デメリットのお話が大分出まして、お聞きしていますと私もそうだと思います。ですから、そのデメリットの方はなるべく御指摘の点に改善を加えまして、悪い面は出さぬように、メリットの方は伸ばすようにということで、運用を図っていきたいと思います。
○森田委員 それで、先ほど両事業団の処遇といいますか、給与等が違うということをちょっと申し上げましたけれども、これに御存じのとおりでありますが、現在中小企業振興事業団の役員の給与規程では、理事長が月額八十七万円、副理事長が七十七万五千円、理事が六十七万円、監事が五十四万四千円、こうなっております。中小企業共済事業団の役員につきましては、理事長が七十九万五千円、理事が六十二万五千円、監事が五十一万四千円でしょうか、こういう違いがあるわけでございます。 〔委員長退席、中島(源)委員長代理着席〕 新事業団では、この役員の給与についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○左近政府委員 これにつきましては、事業団の発足のときに決めるということになります。現在ではまだ確定はしておらないわけでございます。
○森田委員 確定していないのはわかりますけれども、腹案はお持ちだと思うのですね。少なくとも低い方に統一されるということはないんじゃないかと思います。その点どうでしょう。
○左近政府委員 われわれといたしましては、この事業団の役員の任務が同一でございますから、まず統一をしなければいけないということでございます。統一する以上、低い方にするというのは余り適当じゃないというふうに現在考えております。
○森田委員 そうしますと、振興事業団の現在の処遇の範囲内におさまる、こういうふうに考えていてよろしいのですか。
○左近政府委員 公団、事業団の役員の給与というのは、やはり公団の規模、事業団の規模に応じて決まっておるようでございます。ただ、現在の時点でこれは規模が大きくなるわけでございます。振興事業団よりもさらに規模が大きくなりますが、さらに給与を上に上げるという必要もないかというように考えておるわけでございますので、最高のところでも現在の振興事業団の線ということで決めていくということになろうかと思います。
○森田委員 特に合理化といいますか、いろいろな問題がかかっておるわけでございますから、その辺はひとつ今後十分検討していただかなければならない、このように思いますので、これは要望しておきます。 それから職員の給与も、先ほど申し上げましたように、俸給表というんでしょうか、これもちょっと見ますと違うんですが、これはどういうふうに処遇なさろうとお考えでいらっしゃいましょうか。
○左近政府委員 現在の両事業団の職員の給与につきましては、事業団の規模、それから過去の経緯等によりましてやはり両事業団に相当な差がございます。これは一気に統一化するというのも、単に俸給表だけの問題じゃなくて、個々の職員の格づけその他の問題もございますので、当面は従来のものを引き継ぎまして、そして若干の時間をかけて、これはやはり最終的には統一しなければいけませんので、統一をしていきたいということでございます。ただ、そういう状態が長く続くのは適当でございませんので、もちろんなるべく早く統一化はしたいと思いますが、しかし余り早くやりましてまた無理がかかりましても、こういう職員給与という非常に重要な問題でございますから、その点は慎重にしながら、かつなるべく早く統一化していくというふうな態度をとるというように考えております。
○森田委員 役員の報酬等につきましてはともかく、職員の給与等の問題については、先ほど申し上げましたように両事業団が今度統一するわけですから、その中でやはり格差があるということは、配置転換とかいろいろな面で非常に大きな士気の問題、混乱が起こるという、やはりデメリットの中でも一番強い要素を持っているんじゃないかと思うのです。そういう点でひとつ今後の対処の仕方をもう一遍ここで長官答えていただけませんですか。
○左近政府委員 おっしゃるとおりでございまして、この事業団を運営するに当たって職員の士気がそういう点で阻喪するということになると大変なことでございますので、われわれも十分その点を配慮してなるべく早く問題を解決するようにいたしたいと思います。
○森田委員 それでは、機構が巨大化すると所期の目的がなかなか達成しにくい、こういうことについて私はここで例を挙げて指摘をしておきたいと思うのです。 振興事業団、共済事業団ともそれぞれ十分に使命を果たしてきた、このように大臣も長官もおっしゃっておりますけれども、ここで新しい事業団に統合されるわけであります。余り過去のことで云々ということは言いたくないわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、やはり組織が肥大化したときの問題、そういう立場から私は質問いたしますので、そういう観点でまたお答えもいただきたいと思います。 その一つは、五十三年度決算書を見ますと不用額が非常に多いんですね。中小企業指導事業費補助金、予算が六十五億八千百八十七万四千円、それに対しまして支出済み額が六十三億一千八百九十六万九千六百十三円、不用額が二億六千二百九十万四千三百八十七円、こうなっております。それから、小規模事業指導費補助金が、予算二百四十七億六千八百九十三万四千円に対しまして支出済み額が二百二十九億七千百一万四千四百四十八円、不用額が十七億九千七百九十一万九千五百五十二円。それから、中小企業共済事業団補助金、予算が三十五億二千四百九十六万八千円に対しまして支出済み額が三十一億六千百三十八万一千八百九十八円、不用額三億六千三百五十八万六千百二円。以下、組織化指導費補助金あるいは中小企業設備近代化補助金、下請企業振興事業費補助金、それぞれ不用額がかなりの金額出ておるわけでございますので、これについて当局の説明をお願いしたいと思います。
○左近政府委員 五十三年度の決算で不用額が立ちました主なものについていま御指摘がございましたが、これについての理由を説明させていただきます。最初の中小企業指導事業費補助金でございますが、これは、この中の相当大きな部分が技術改善費補助金ということで、中小企業の新技術を研究するというものに対する補助金でございますが、これが途中で計画が中止になって、最終的に補助金の申請者が減ったということで不用額が立ったというのがそのときの問題でございます。 それから、一番金額の多い小規模事業指導費補助金でございますが、これについては、御案内のとおり小規模事業対策等の推進ということで全国の商工会議所、商工会に経営指導員を設置しておりまして、これの増員を計画的に毎年やっておるわけでございます。ただ、各商工会、商工会議所は、増員をする際になかなか当初予算で想定したように早く人員を設置できない、年度の後半になってようやく設置できるというようなケースが非常に多かったものでございますので、結局経営指導員の設置の月数が予算に計上していたよりも少なかった。初年度でございますから当初からはなかなか置けないというようなこともございまして、そういうことが非常に大きな原因でございますし、また予定の設置すべき人材が得られなかったというものも若干ございます。 それから、中小企業共済事業団補助金の不用額が立ちましたのは、ちょうど倒産防止共済制度が五十三年、初めてできた年でございまして、当初は相当な加入者があるということで、これは事務費の補助でございます。ですから加入者が多ければこの事務費がたくさん要るわけでございますが、これが今回倒産防止共済制度の改正を出した理由にもなるのですけれども、当初予期したよりも非常に加入者が少なかったということから、この事務費が要らなくなったということでございます。 それから組織化指導費補助金につきましては、これも組合の指導員を設置するというものでございますが、これについてやはり組合指導員の設置の月数が予想よりも下回ったということが原因でございます。 それから下請企業振興事業費補助金につきましても、これは下請企業振興協会というのが各県にございます。これに対する指導員の補助でございますが、これも指導員の設置が当初考えておったよりも後になって設置されたということでございます。 それから中小企業設備近代化補助金につきましては、この近代化補助金の中に機械設備の貸与の補助金というのがございまして、各県が中小企業者に設備貸与をしております。それについての県に対する補助金でございますが、ちょうど五十三年はまだ景気がよくございませんで、機械設備を取得しようという意欲が少なくて、計画が当初予算よりも下回ったというのが不用の立った原因でございます。 以上、いずれもそれなりに原因はございますけれども、われわれといたしましてはこういう不用が立たないように、今後は事前に十分計画を確実にいたしまして実施をして、せっかくの中小企業の予算を十分活用できないということのないようにいたしたいというふうに考えております。
○森田委員 いまの御説明の方はまだ細かくお聞きしたい問題もありますけれども、時間の関係で省略いたします。 いずれにしてもただいまの補助金関係だけでも約二十五億円の不用額が出ているわけです。中小企業庁全体で見ますと二十八億五千万ぐらいの不用額が出ているんですね。そういう状況です。一方はまた同じこの振興事業団の関係におきましても、都道府県では予算が足りない、こういう声が出ているわけです。一方で予算が足りない、こういう状況でありながら一方では補助金がこんなに多額に余っている、こういう問題が出ているわけです。いま長官も説明なさいましたけれども、こういう矛盾の起こらないような対策といいますか、その状況の克服といいますか、そういうことが非常に大事ではないかと私は思いますので、ひとつ今後の取り組みについて長官の方から御説明いただきたいと思います。
○左近政府委員 予算を決めますときに、その予算の年度につきます現状を十分把握いたしまして、必要な部分には十分とるけれども、必要の程度がそれほどでもないものについてはそれについて削減をするというふうな措置を今後やっていかなければいけないということで、実は五十五年度予算につきましても幾つかの補助金をスクラップいたしまして新しい補助金にしたというようなケースもございます。そういうことによりまして補助の対象というものが時代の変化に応じて変わっていくわけでございますので、われわれのこの政策費を時々刻々スクラップ・アンド・ビルドしながら、新しい時代に対応するように持ってまいりたいというふうに考えております。
○森田委員 ひとつ格段の努力をお願いいたします。 次に会計検査院の指摘でございますが、五十三年度決算検査報告によりますと「小規模企業共済事業に係る事務処理の委託について処置を要求したもの」、こういうのがございます。内容を申し上げますと非常に時間がかかりますので、概要について当局も御存じでございますから簡単に申し上げますと、「小規模企業共済事業において事業団が賃借のうえ使用している電子計算機で処理できる事務を外部に委託していて適切でない」、このように認められる事態があると指摘されております。この実態を明らかにしていただきたいと思います。
○左近政府委員 会計検査院から指摘されました内容は、共済事業団が五十三年度に電子計算機を新規導入したわけでございますが、この処理能力からいたしますと、同事業団が小規模企業共済制度に関して外部委託で行っておった事務のうちの電子計算機によって処理のできる部分については、この内部に新しく導入した電子計算機の処理で十分やれるはずである。だから内部で処理するように移行するようにという御指摘であったわけでございます。 この指摘については、従来は電子計算機を使うことと手作業による伝票整理と一緒にやらした方が効率的であるということでやっておったわけでございますが、電子計算機が大型化になりましたから事務の体制も変えまして、電子計算機部門はやはり新しく導入した電子計算機でやるという方針に切りかえるようにいたしまして、現在では、五十四年十一月からこの事務の一部は内部処理に移行しておりますし、残りの事務につきましても事務体制を整備いたしまして、ことしの七月ごろを目途に内部処理に移行するように現在検討を進めておるわけでございます。会計検査院の御指摘をわれわれも尊重いたしまして、現在内部処理が進んでおるというのが現状でございます。
○森田委員 いまの御説明では、会計検査院の指摘したむだ遣いと言われる金額が出ておりません。指摘事項を見ますと、五十三年度では約二千五百万円、五十四年度以降では毎年約三千八百万円を節減することができる、こう指摘されております。五十四年は十一月から方針をいろいろと変えたということでございます。少なくとも五十三年度では二千五百万円のむだ遣いがあった、こう指摘されておるわけでございます。この点はいかがですか。
○左近政府委員 この点に関しては会計検査院の御指摘のとおりでございます。われわれとしては、そういう意味で早急にこの事態を改めようということで検討をしておるわけでございます。
○森田委員 それで五十四年度は、旧来のとおりやってきたのを改めれば約三千八百万円を節減することができる、こう指摘されているわけでございますが、五十四年の十一月からいろいろと変わっているという状況ですと、どのぐらい節減される見込みなんでしょうか。
○越智参考人 お答えを申し上げます。 先ほど来中小企業庁長官からも御答弁しておりましたように、また先生の御指摘のように、昨年の秋以来この問題が顕在化しておりますが、私の方の中小企業共済事業団としては、電算機と人手と両方の結合した仕事のやり方としまして、特定のものは外部委託をする方が効率的だと考えて、といいますのは、電算機はたまたま能力に余裕がございますが、人員の方は各種の共済の管理事務に追われておりますので、その辺を総合考慮してやっておりましたが、検査院の御指摘がありましたので、その点をすべて中で電算処理をするようにしたわけでございます。その結果、具体的に検討いたしまして、一部は昨年の十一月から、そして残りはことしの七月ごろから完全に内部処理に移そう、こういうことでございますことは確かなんでございますが、御質問の、どのくらいの金額のむだの縮小になるかということでございますけれども、正直に申しましてその計算は私手元に持っておりません。しかし去年は十一月でありますし、ことしも四月からではなく七月というようなことでもございますので、事務の者からちょっと聞きましたところでは、やはり検査院が挙げられました節減可能額の五分の一、その程度しかこの場合は節減の実績にならないのではないかと思いますけれども、遅くも七月以後に完全内部処理をいたすことによりまして、いわゆるむだ遣いにならないようにしたいと思っております。
○森田委員 会計検査院から指摘がされなければそのまま行くという、こういう行き方に問題があるだろうと思うのです。会計検査院の指摘を見ますと、電算機には相当の余力があって、将来事務量がふえても十分対応できる、それに伴って要員の方もそう必要としないのだ、こういう指摘があったわけです。いまの理事長のお話を聞いておりますと、そういうことで内部で対応して何とかできそうだ、こういう答弁でございますから、会計検査院が指摘しなくても内部でそういう努力をしていかなければいけない、これが本当の行き方だろうと思うのですけれども、新しい事業団の理事長におなりになるのかどうか、その辺はわかりませんけれども、こういう経験というものは非常に大事でございますから、もう一遍その辺の決意といいますか、行き方について理事長の答弁をお願いしたいと思います。
○越智参考人 確かに中におりまして毎日の仕事に流されておりますと、ついそういう点において慣行化するおそれがあるのでございますが、昨年の秋、検査院から御指摘いただきまして、なるほどこれは外からごらんになってそういう検討の余地と価値がある、こういうふうに考えましたので、今後もそのような反省を十分加えながら少しでも経費の節減に最善を尽くしたい、このように考える次第でございます。
○森田委員 先ほど申し上げましたように、組織が巨大化しますとどうしても思わぬところに欠陥が生じてくるというおそれがあることを未然に防ぎたい、そういう立場からいろいろといま申し上げてきたわけでございます。一方では多額の不用額を出す、それからいま電算機の問題が会計検査院からはっきりとむだ遣いであると指摘されておるわけでございます。こういうことになりますと、本当に血の通った政治というのはむずかしいものだな、こうも思うわけでありますけれども、しかしそれは私たちがやらなければならない大きな使命であるはずでありますから、そういう点に立ちまして大臣の決意のほどをお聞かせいただきたいと思いますし、いままで申し上げた問題についての大臣の受けとめ方についてもお答えをいただきたいと思います。
○佐々木国務大臣 不用額が多いというのはやはりそれなりの事情はあっただろうとは思いますけれども、お話しの事情はあったに違いございませんが、しかし予算の円滑な遂行というものは、これはどうしても必要な事項でございますので、今後とも一段と努力してみたいと思います。 また、会計検査院の指摘事項につきましては、これは指摘されるまでもなしに内部的に反省して改善しなければいけませんけれども、指摘があったからには早急に改善措置を講じなければならぬものだと考えます。今後とも中小企業対策に必要な予算はできるだけ獲得するように努力をいたしますけれども、反面獲得した予算に関しまして、これを適正に執行するということは役所でも公団でも当然の任務でございますから、そういうふうに取り計らっていきたいと思っております。
○森田委員 大臣、もう一つ基本姿勢といいますか、そういう点につきまして、会計検査院から指摘されなければ内部の機構が改善されない、こういうことでなくして、ひとつ積極的に、中小企業の方々みんな大変な中で経営努力なさっていらっしゃるのですから、その見本を通産省が示すようなそういう行き方が欲しいと思いますので、その辺の決意のほどをもう一度お聞かせいただいて、私は質問を終わりたいと思います。
○佐々木国務大臣 そういう意味で、内務監査と申しますかあるいは役所の監督と申しますか、こういう点も十分今後気をつけて進んでいきたいと思います。
○森田委員 終わります。
○中島(源)委員長代理 神崎敏雄君。
○神崎委員 私がこの法案の位置づけ、またとらえ方に関しましてまず伺っておきたいのは、本法が提出された直接の契機というのは行政改革から来ていることは明らかであります。この意味では、この法案審議では、行政改革のあり方として適切かどうかに重点が置かれるべきであることは言うまでもありません。しかし同時に政府当局、事業団の側に立って考えるならば、これを機会にその名も中小企業事業団と変えて八〇年代に新しいスタートを切る、いわば能動的に対処しようという立場に立っておることであるだろうと思うのであります。第二中小企業庁という呼び名もある中小企業振興事業団が、中小企業事業団という名でこの八〇年代初頭に再出発をする、そういうとらえ方をしてこの法案を重視しているものであります。こういう私の受けとめ方あるいはとらえ方についてまず大臣の見解を伺っておきたいのであります。
○佐々木国務大臣 まことにありがたい見解が出ました。そのとおりの考えでございます。
○神崎委員 そこで、今回は文字どおり機械的統合であり、法文上でもこれといった新しいものはありません。しかし近い将来、早ければ次期通常国会にもこの事業団法の改正案が提出される可能性もある、こう見ておるのですが、この点はどうでしょうか。
○左近政府委員 実はこの両事業団の業務につきましては、今後いろいろな改善をわれわれも計画をいたしております。その第一着手といたしまして、実は今国会に中小企業倒産防止共済法の一部改正ということで、倒産防止共済制度の改善を考えております。当然これが新事業団の仕事になってくるわけでございますが、さらに中小企業に対する指導事業といたしまして、振興事業団には中小企業大学校というものを予算的にも置くことにしています。こういうふうに実は統合の過程におきましても新しい業務が入ってくるわけでございますが、さらに将来はいま御指摘のありましたように、八〇年代というのはやはり経済情勢も変わってまいります。したがって、新しい中小企業施策を次から次へと生み出していかなければならないとわれわれは考えております。したがいまして、今後は新しい政策を法律の形でお願いする、その一部は事業団法改正ということになろうかと考えるわけでございますが、ただ、来年度すぐに改正が必要かどうかということにつきましては、実はこれから五十六年度予算の検討をわれわれもしていくわけでございますので、まだ明確には言えないわけでございますが、少なくとも予算措置等々についてはまた新しい事業をひとつこの事業団にお願いすることができるように、いろいろな計画をやってまいりたいというふうに考えております。
○神崎委員 三月十七日付の産構審答申で、八〇年代のいわゆる通商産業政策では、「新たな時代の課題に対処するため、中小企業施策体系を再構築し、」云々と書かれております。すでに政府部内では八〇年代の中小企業ビジョンの作成とか、中小企業近代化促進法、協同組合法など、中小企業施策の中枢を占めると言われる法律の改正の検討もされていると聞いております。これらの状況や見通しについて少しここで明らかにしておいていただきたい。
○左近政府委員 産業構造審議会の答申は、八〇年代の通商産業政策のあり方といいますか、ビジョンを答申としていただいたわけでございますが、この八〇年代の通産政策の中で中小企業施策というのはまた非常に大きな分野を占めております。したがいまして、実はわれわれといたしましても産業構造審議会で御検討されるのと並行いたしまして、中小企業政策審議会におきまして昨年の九月以降八〇年代の中小企業政策ビジョンがいかがあるべきかということを検討していただいておるわけでございまして、中小企業政策審議会の企画小委員会というところで、現在その主査は隅谷先生でございますが、この主査のもとに、昨年九月以来八〇年代の中小企業の施策はいかがあるべきかということを検討しております。大体煮詰まってまいりまして、五月ごろにはその意見をおまとめ願って、通産大臣に意見具申をしていただけるというふうに考えるわけでございます。したがいまして、今後は八〇年代の中小企業の政策のビジョンに従いましてわれわれの政策を展開していきたいというふうに考えておるわけでございます。 一方、そういうことになりますと、従来の諸法律についてもそれぞれ手直しをしなければならないということも出てくるかと思います。そのうちで中小企業協同組合法につきましては、実は八〇年代のビジョンを確定する前にも従来いろいろ改正すべき点がございますので、実は八〇年代のビジョンが出るのにも先駆けて必要なものについては改正をしようという態度で、現在政府部内で改正案を鋭意検討中でございます。大体大筋はまとまりまして、現在いわば法制、法文化を急いでおります。したがいまして、これがまとまりますれば今国会にまとまり次第提出をいたしまして、おくればせながら御審議をお願いしようというふうにも現在考えております。この法制化、法文化の推移によりましてそういうことにいたしたいと思っておりますので、何分よろしくお願いしたいと思います。 なお、ほかの法案につきましても、八〇年代ビジョンができますれば、そのビジョンに従いましてそれぞれ検討いたしまして、改めるべきものは改めていく、あるいは新しい施策を打ち出すべきものは打ち出していくということにしてまいりたいというふうに考えております。
○神崎委員 せっかく文字どおり中小企業政策のビジョンに立ったそういう形の作業を進めていただきたい、こういうように希望を申しておきたいと思います。 いままでこちらが伺ったことについてお答え願ったことを、こういうものの状況を念頭に置いて、以下八〇年代の中小企業施策のあり方との関係で事業団の運営業務について質問を進めていきたいと思います。 事業団の大きな役割りは、中小企業の高度化事業への助成であります。ところで事業団がかかわる高度化事業に参加した企業は中小企業者総数の何%になるでしょうか。
○中澤政府委員 高度化融資事業に参加いたしました中小企業者の数でございますけれども、パーセントで申しますと一二・五%でございまして、実数で六十七万企業となっております。
○神崎委員 振興事業団ができて十年たちますね。そこで、いまお話しの一二・五%、一割そこそこという実態です。このことは、では八割以上取り残してきたということであります。 次に、貸し付け予定額の未消化分はどれぐらいあるのか。五十一年度以降について明らかにしていただきたい。
○中澤政府委員 五十一年度以降の高度化融資事業貸し付け予定額のうち、未消化に終わった金額でございますけれども、五十一年度につきましては六百五十八億円でございます。五十二年度につきましては六百九十三億円、五十三年度につきましては補正後四十六億円という実績になっております。
○神崎委員 事業団からいただいた資料によりますと、五十一年度予算書では前年度剰余金が三百四億円、五十二年度剰余金が六百十三億円、五十三年度剰余金が八百二十億円となっております。振興事業団の剰余金がこう年々大幅にふくらんでいるということはどういうことなのか、この事態をひとつ説明していただきたい。
○中澤政府委員 先ほど先生御質問の趣旨を、予算の貸し付け予定額のうちの未消化分というふうに承ったものでございますから先ほどの数字を申し上げたわけでございますが、剰余金につきましてはおおむね先生いまお話しのような数字でございます。剰余金につきましては、前年度の予算の未消化額と前々年度の決算に生じました不用額を計上いたしますので、数字的に予算の未消化額と合わないわけでございます。 剰余金の生じました理由につきましては、主としましてオイルショック後の非常に長期にわたります不況の問題それから円相場が急に高騰いたしましたために事業の予定実績が落ちまして、貸し付けの予算計上の予定額を下回ったということが原因でございます。
○神崎委員 さて、これまでに高度化事業を実施した組合は単純累計で一万数百になっていると思いますが、そこではすべて順調にいっておるのでしょうか。大量の資金を投じた高度化事業が当初の期待どおりの成果を上げていない、こういう実例もあるということは認められますか。
○中澤政府委員 高度化資金の融資につきましては、計画の作成段階から都道府県の職員と中小企業振興事業団の職員が協力いたしまして、診断その他の指導を十分に行っておるわけでございますけれども、現実問題といたしましては、融資先によりましては高度化の事業の実施を行いました後、不況に遭遇いたしまして受注が急速に不振になるということ、あるいは立地の環境変化という問題等によりまして事業が不振に陥るというような事例も生じております。そのために一部のケースにつきましては事業の閉鎖にまで追い込まれるということも現実問題としては出ておるわけでございます。しかしこのような場合におきましても、都道府県と振興事業団が相互に協力いたしまして、極力その中小企業者に対します金融あるいは経営の相談に応ずるというような方向で解決に努力しておるというのが実態でございます。
○神崎委員 いま解決に努力しておられるというのは、それはこれからじゃなしにいままでも努力をされてきたのですか。
○中澤政府委員 そのとおりでございます。
○神崎委員 それではそれの成果について二、三実例を挙げてお答え願いたい。
○中澤政府委員 二、三の事例を申し上げますと、一つの例は小売商業店舗の共同事業でございますけれども、ある大型店の進出によりまして経営上非常に事業の遂行がむずかしくなったというケースがございますけれども、県の指導によりまして再建を図りまして、一括の繰り上げ償還命令という形で、組合の資力に応じまして分割の形で資金を回収しておるというケースがございます。 それから、これも九州の方のケースでございますけれども、雑貨あるいは衣料品の事業で、造船不況のために人口増加が予想以上に伸びなかったために売り上げ不振が出たケースがございます。これにつきましても県の経営診断あるいは事後指導を通じまして、第三者に店舗の管理、運用を委託するというようなことで、組合の財源を分割して返済するという形にしております。
○神崎委員 その問題についてはまた別の機会に、少しこちらの実例を展開しながら聞きたいと思います。 私はここに中小企業研究懇話会の高度化事業制度の展望という文書を持っておりますが、これは振興事業団内部の研究会の報告書なのでしょうか。振興事業団理事長からお答え願いたいと思います。
○斎藤参考人 高度化問題の検討会は、事業団内部の検討会でございます。
○神崎委員 この中で、高度化事業の総括を行った上で、今後の役割りについて、高度化事業の意義、役割りがますます高まっていることを強調されています。そうして、高度化事業推進条件の変化についても触れておられます。確かに私は曲がり角に来ていることは事実だと思うのです。第一に、生産力の拡大だけを強調する時代ではなくなりました。第二に、国際競争力の強化を錦の御旗に掲げることもできなくなりました。第三に、地方財政の危機が深まっております。こうした点だけを見ましても七〇年代そのままの運営方針では実態に合わなくなってきていることは明らかであります。これからの事業団のあり方についてどう改善していくべきか、検討の用意はあるか、またその際中小業者、地方自治体など幅広く関係者の意見を聞く用意があるか、こういう点について大臣から見解を求めたいと思います。
○左近政府委員 いま御指摘のような経済情勢の変化をとらえまして、八〇年代における高度化事業というものは、そういう時代に即した体制をとっていかなければいけないということは御指摘のとおりだというふうに考えております。われわれといたしましても、そういう点で高度化事業の内容については絶えず検討を加えていくわけでございまして、今後の事態に応じていろいろな面で考えなければいけないと思いますが、考えられる一つの方向といたしましては、小規模零細企業者の高度化対策というものが、従来にも増してやり方を考えて実施を増加していかなければいけないというようなことが考えられておりますし、あるいは都市型の中小企業の高度化というようなものも考えなければいけないというふうな点がございまして、そのほか御指摘の地域問題というふうなものにも即応するような体制を考える必要があるし、事業を一緒に実施しております都道府県の事情も勘案しなければいけないという点もございます。こういうことで、高度化事業の将来のあり方につきましては事業団でも勉強していただいておりますが、さらに都道府県とかあるいはいろいろな面での御意見も十分取り入れまして、今後の高度化事業の改善というものを新事業団の手によって進めていくということを考えておるわけでございます。
○神崎委員 これは、この法律ができ上がりました後で非常に大事な問題になってくるので先ほどは通産大臣の見解を求めたのですが、特にこれからの事業団のあり方について改善していくという、その中ではやはりいま挙げました地方自治体、中小業者、こういうところとよく話し合っていく、各界の意見を幅広く聞いていくというところが法律が生かされるか生かされないかの分かれ道になると思うのですね。従来は往々にしてそれが不十分であった。だから改善改善と後追い的にやっても常に実態はどんどんと違った方向へ行っている、こういうのはわれわれが今日まで体験してきて、お互いにそれは認識あると思うのですね。この点大臣が決意を持ってこれに対応していただけるかどうかがこれからの審議あるいはこの法律の活用についても大きく影響があるわけなんです。そこで伺ったわけなんです。
○佐々木国務大臣 私も田舎で、選挙区で高度化と申しますか、近代化と申しますか、いろいろお世話申し上げたこともございますけれども、お説のように地方公共団体、特に県庁との意思の統一と申しますか、これが一番かなめであることはお話のとおりでございまして、今後ともこの事業団を健全に伸ばすためには、特に地方公共団体との連携を密にすることが大変重要だと思っております。
○神崎委員 ぜひその趣旨を貫いていってほしいと思うのです。 これは後の質問にも関連しますが、続いて申し上げますが、事業団の使命を果たしていく上で今後さらに重視されるべきことは、小規模、小零細企業者にとってもっと利用しやすいものにしていくという点であります。そのために改善しなければならないことは数多くありますけれども、まず第一に資金力の弱さという点への配慮が必要であります。続いて、工場共同利用事業などの助成、こういうものに一層のかさ上げを要求するものですが、この点はどうでしょうか、お答え願いたい。
○中澤政府委員 現在の高度化事業の中で小規模零細企業に対する融資につきましては、従来から条件の緩和と申しますか、これを有利にする方向で努力をしておるわけでございまして、現在一般的には融資比率を六五%というふうにしておるわけでございますが、小規模零細企業向けの高度化事業につきましては、たとえば工場の共同利用事業あるいは小売商業の店舗共同利用事業、さらには貨物自動車の運送事業所に対します共同利用事業等につきまして、事業の性格に応じまして融資率を八〇ないし九〇%というふうに高めております。その他貸付金利あるいは償還期限等につきましても、一般の高度化事業に比べましてかなり有利な条件で融資を行っておるわけでございますが、今後ともこれらの問題につきましては逐次改善に努力していきたいというふうに考えておるわけでございます。また、小規模零細企業に対しましては、高度化計画の作成段階におきましてこれがかなり負担になるという現状にございますので、通常のケースと異なりまして都道府県におきまして事業の具体的な計画の作成、これらを十分指導、助言するというふうな制度も取り入れておるわけでございます。
○神崎委員 小規模、小零細業者に対しての融資は八〇%から九〇%出しておる、少し聞きにくかったのですが、そういうふうに聞こえたのですが、従来そういうふうになっておりますか。同時に、いま質問した工場共同利用事業というものに対する助成のかさ上げについては言及されなかったのですか。もうちょっとゆっくり言ってください。
○中澤政府委員 先ほど例示をしたわけでございますが、たとえば貨物自動車の運送事業所共同利用事業につきましては融資比率を九〇%としております。また、工場共同化事業及び特定小売商業店舗共同化事業につきましては八〇%の融資比率にしております。これはいずれも小規模零細企業向けの高度化事業でございますので、通常の六五%の融資率の例外としてそのような融資率を設定しておるわけでございます。
○神崎委員 申請した額に対する八〇とか九〇とかいうパーセンテージなのですか、件数に対する八〇とか九〇というパーセンテージなのですか。
○中澤政府委員 件数ではございませんで、総事業規模に対しまして事業費の融資比率がそのような形になっておりまして、また、そのうちで事業団と県が応分の比率で貸し付けの負担をする、こういう形になるわけでございます。
○神崎委員 第二に、高度化事業の計画作成過程での一層きめ細かい指導、援助の体制がどうしても必要であると私は思います。実はこの点で改善すべき重大な問題があるのですが、この高度化事業の重要な特徴の一つは、指導診断事業と融資貸付事業が結合されているという点にあります。ところがその計画診断事業が形骸化しているのであります。そういう事態が生ずる経過を少し詳しく申しますと、まず振興事業団の側から言いますと、年々事業規模を拡大したいと考えます。高度化の促進が事業団の使命ですから、各県に高度化事業をやる意向を打診するわけです。各県は有力業界の有力者に声をかけ、高度化事業の事例研究会が行われる。この段階で小零細業者に声がかかることはまずないのです。そうして県の指導課と業者組合の間で詰めが行われていくわけです。そうして、高度化計画がこういう中で作成されていく、県も予算化してそれを実行する方針を固める、組合が貸付申請を出す、県は中小企業庁に予算要求をする、こういう経過をたどります。そうして、その計画が妥当かどうかの計画診断が行われるわけであります。 実は、私ども、県の計画診断に従事しておる職員の方と直接面談して実情を聞いてまいりました。その方が訴えられることは、高度化事業の計画診断ほどやりがいのないものはないということであります。それは、長い期間をかけて数十ページにわたる診断書を作成して計画の不適切な点を勧告しても、指導課の方からこの表現は削ってほしいとか、何とか言い方を変えてくれ、こういうふうに言われるというのであります。つまり行政ベースではすでにやるという方針を固めている、そのときに国の心証を悪くすることは得策ではないので、できる限り当初計画どおり実行したい、だから診断報告を修正せよと言われる、こういうふうに言うのであります。私は、いつどこのどの計画診断でそういう事実があるということをここで問題にすると人を傷つけることになりますから、あえて個別実例は指摘しませんが、しかしこういう形でラフな計画、過大な計画がそのまま認められていく。計画診断が形骸化しているということは紛れもない事実であります。 また、事業規模が五億円を超える場合、振興事業団の職員が商工中金の職員とともに現地に出向いて診断をされています。しかし、そのときはすでに県の診断が終わっており、それを見た上での二日か三日の診断です。しかもそれは往々にして業者組合の酒席の接待の場に出ることが多いということも直接面談をして聞いたことです。 以上の実情につきまして、政府の見解あるいは事業団理事長の見解をここでひとつ詳しく伺っておきたいと思うのであります。
○左近政府委員 振興事業団の高度化融資の特徴は、御指摘のありましたように融資とそれから診断というものが結合しておる点でございまして、事前に診断をいたしまして、その高度化計画というものが完全に実情に合っておる、また将来についてもちゃんとした見通しが立っておるということを診断で十分把握した上で事業を実施するということでございまして、これは、事業団なり県が金を貸す側としてその事業の成功を予測するという側面もございますが、一面事業者自身がその診断を受けることによって、単に金を借りて物をつくるというだけでなくて、高度化計画というものを完全に実施するためのアドバイスを受けるという必要があるということからこういうことになっておるわけでございます。したがいまして、これがうまく機能いたしませんと単なる金融になりまして、事業団が考えておるような目的にはそぐわないということになるわけでございます。 御指摘のような事例、私、そういうことがあってはならないと思いますけれども、現実としてそういうことがもし仮にありとすれば、われわれとしてはこれは十分反省をしなければいけない点であろうと思います。したがいまして、今後につきましては、振興事業団ができまして高度化融資ができた当初の精神に返りまして、この診断指導というものを十分徹底し、その上で実際の資金の貸し付けをやるという本来の趣旨を十分生かしたいというふうに考えるわけでございます。
○斎藤参考人 ただいま中小企業庁の長官からお話がございましたように、この高度化事業は、事業によりましては百億あるいは二百億と多額の資金を投じます事業もあるわけでございまして、これがうまく成功しますためには、事前の診断あるいはそれに基づきます各種の打ち合わせ等が十分に練られますことが、その計画を成功に導くゆえんであるというふうに私ども考えておるわけでございます。したがいまして、大きな事業になりますと、計画に入る前の事前打ち合わせと申しますか、事前指導というあたりから十分に検討を重ねまして、ある程度計画が固まりました段階で、今度は計画の診断、さらに着工する前の建設の診断、その後の運営の診断と、各種の診断を重ねまして成功を期しておるわけでございます。 なお、この診断は県が主体で行うものでございまして、県の要請がございます場合と、それから特に大口のものにつきまして事業団の指導部の職員が県と一緒になりまして診断を行う、こういうたてまえになっておりますので、県の診断後に事業団が単独で診断を行うということはございません、必ず一緒に診断は行っております。 それから、この診断の際には、参加者全員につきまして面接をしてその経理状況等も審査をいたしております。そのために、短期間の間ですと深夜まで診断事業といいますか作業を行うということもございますけれども、業界の方と酒食をともにするというようなことはやらないように厳重に注意をいたしておるところでございまして、今後ともその点は十分に気をつけてまいりたいと考えております。
○神崎委員 いまのことで越智さんの方は何も意見ないですか。
○越智参考人 中小企業共済事業団は、小規模企業共済制度と中小企業倒産防止共済制度の運用をいたしておりますので、ただいまの事柄は私の方に関係がないのでございます。
○神崎委員 いや、関係ないのはわかっているのですが、いま言うているようなことについてあなたの意見がないかということを聞いているのです。
○越智参考人 日ごろ業務として取り扱っていることではございません事柄でございますが、ただいまの先生の御質問等は非常に大きな仕事上の関心を持って拝聴しました。 おっしゃるような事柄はもちろん起こってはならないことだと思いますが、ただいま長官並びに斎藤理事長からお答えしましたようなことであることを信じまして、本当にそうだな、こういうふうに考える次第でございます。
○神崎委員 統合され統一されるという観点から、意見を聞いておいた方が後にまた何かの参考になる、かように思って聞いたわけです。 次に進みますが、私どもの調査はことしの三月であります。しかし私の指摘を裏づける現象は、もっと早くに会計検査院の調査でも指摘されているのです。たとえば、五十二年度会計検査院報告によりますと、四十九年度から五十二年度までに貸し付けたもののうち三百七十八件について調査したところ、適切でないと認められたものが四十七件もあったとされております。なぜこういう事態が生じるのか、そして会計検査院の指摘を受けてどう改善したのか、これを承りたいのであります。
○左近政府委員 昭和五十二年度の会計検査院の検査によりまして、中小企業振興事業団の業務に関しておっしゃるような指摘を受けたわけでございます。 こういうふうな貸し付けについての事故を是正する意味におきまして、振興事業団といたしましては、当方からも指導をいたしまして、まず中小企業者に対して制度の周知徹底を図るということ。第二点として、都道府県に対して診断の充実、貸付金の使用状況の確認、それから貸付対象設備の事後管理を徹底させるということ。それから第三点として、事業団の直接貸付事業についても利用状況の把握に努め、貸し付けの適正を期するというふうなことについて、会計検査院にも改善をするということを報告いたしまして、それを今後実行するということでやってきたわけでございます。 中小企業庁といたしましても関係の都道府県あるいは中小企業振興事業団に対しまして、貸し付けの、つまり指摘がありました不適正なものを改めるように厳重に注意をいたしましたけれども、今後こういうことが起こらないように、先ほど申しました諸点について会計検査院に振興事業団が報告したように実施に努めるということ、それからまたわれわれの方といたしましても振興事業団に対する監督を厳重にやるということ、あるいは都道府県についても注意を促すというようなことをやってきておるわけでございまして、今後こういうふうな指摘を受けないようにやってまいりたいと考えております。
○神崎委員 この会計検査院報告で重視すべきことは、施設等の遊休が多いことです。たとえば北海道の繊維卸事業協同組合が共同施設事業として取得した土地七千九百九十六平米のうち四千六十一平米が利用計画もなく遊んでいる。これは半分の土地です。事業団貸し付けにしても、千三百二十五万円が遊んでいるというのです。さらに大阪のサンダル協同組合の場合共同施設の全施設が遊休している。ここでは二億三千三百万円の貸し付け全部が適切でない、こういうふうに指摘しておるのであります。 こうした例が調査した件数の一割を超えていることは重大です。そうして会計検査院の指摘でも、貸し付けに当たっての審査が的確に行われていない、こう述べているのであります。私が計画診断の形骸化を言っているのはこのことなんです。会計検査院の報告ですら私の言っていることを裏づけている。翌年の五十三年度にも不当と認められる貸し付けが指摘されている。これからの問題についての改善だとか、いまいろいろお答えがあったのですが、いま挙げましたことについてひとつ納得のいく御答弁をいただかぬと、これからはこうするというような程度ではこの重大な法案の審議に際してこれは非常に大きな問題だと私は思うのです。これらについて責任のある答弁をひとつ関係責任者からしていただきたい。
○左近政府委員 会計検査院の指摘のあった事例につきましてはすべて是正措置をとっておりまして、いま御指摘のあったようなケースにつきましては繰り上げ償還、つまり借りた金を繰り上げて償還させるということにいたしまして、いわば貸付金を引き上げるという措置を講じたわけでございますし、その実施をいたしました都道府県についても厳重な注意をいたしたわけでございます。 それから、一つの問題は、御指摘のように貸し付けに当たる事前の審査、これは診断も含めてでございますが、これについて、先ほどの御注意もございましたような点についてわれわれも十分反省をしてみなければいけないということを考えておりますし、それからもう一つは、やはり貸し付けた後の事後管理と申しますか、貸付対象が本来の目的に十分使用されているかどうかという監視を絶えずやっておらなければいけないということを痛感しておるわけでございます。 したがいまして、指摘された当該のものについてはそれぞれの措置をいたしましたが、さらに今後の問題については、そういう事後管理体制を厳密にやるということを事業団にも話をして実施をしてもらっておるわけでございますが、今後これを十分徹底いたしたいということを考えております。
○神崎委員 そういう一般的な、いわゆる官僚答弁的な答弁では納得できないですね。これだけ検査院からも指摘され、その事前に私も指摘いたしました。その裏づけがこうなっている。この中で、反省する、将来せぬようにする、そう言うてしまえばしまいですけれども、しかしそれではいままでやってきたのは一体どういうことだったのだ、こういうことになります。これは誤解してもらっては困るのですが、後での質問との関連がありますが、なぜこのことを私は重視するかと言えば、ここで貸し付けを今後もっと厳しくせいとか、もっとしぼれ、こういう立場でこれを言っているのじゃない。大きな借金を抱え込んだ業者の立場に立って、そういう計画段階での指導、援助、これにもつと汗流せ。いま斎藤さんは、そういうことについては夜を徹してやっているんだというような話もありましたけれども、こういうことは金を借りる側の立場に立って、そしてまた事業団も企業庁も本当にその立場に立って計画や指導を援助されてきたら、適不適もその段階で発見できるし、そうしてそういう形で大きくせっかくやろうと思っていたものがやれなくなったりあるいは全部取り上げられてしまったり、そういうことが起こらなくて済むと思うのですね。 ただあなた方は、それはちょっと不十分であったとかへ不親切であったとか、手抜きがあったからそういうことになって、そして検査院から指摘されてあわててそれに対して修復した、こういうことになるのでしょうけれども、相手側から見たら一体それはどういうことになるかということですね。これはもうちょっと納得するような答弁を再び私は要求したい。
○左近政府委員 まさに御指摘のとおりでございまして、この高度化資金を貸し付けるに際して、十分な診断をやり指導をやって実施をいたしませんと、いまお話にありましたように事業をやりましても結局うまくいかない。そうすると事業をやった方々にも大変な御迷惑がかかる。これはまさに診断をいたしましたときの県の職員あるいは一緒に参ります振興事業団の職員がやはり十分に配慮しなければいけない点だろうというふうに感ずるわけでございます。その結果として指摘されたものについてはそれぞれ措置をいたし、繰り上げ償還等もいたしましたけれども、本来は御指摘のようにそういうことにならないように、中小企業庁、振興事業団、それから中小企業行政をやっております都道府県が一体になりまして、中小企業が高度化の目的に沿うような事業ができるように、事前に十分やらなければいけないということは御指摘のとおりでございます。そういう精神になりまして、高度化資金というものについて、資金をわれわれが十分に潤沢に獲得はいたしますが、それはまた現実に事業になるときの配慮が従来よりも増して厳格に実施をしなければいけないということを痛感しております。
○斎藤参考人 ただいま先生御指摘のように、昭和五十二年度の会計検査において三十七組合、四十七件につきまして会計検査院から御注意を受けたわけでございます。この内容は、大半は高度化資金を借り入れまして、設備をいたしました点につきましては計画どおりに設備はつくられておるわけでございますけれども、たとえば組合員の脱退等によりまして組合の要件を欠くに至った。最低四人必要でございますところが三名になってしまいまして、そのために一人の出資口数が法定よりも多くなるような、つまり全体の四分の一を超える出資口数になってしまったケース、結果的にこれは協同組合法に反しておるのではないか、そういう御指摘がございましたものもございます。 それから、御承知のように協同組合法では員外利用を二割以内というふうに定めておりますけれども、たとえば共同で倉庫をつくりました場合に、組合員の人が事業不振で余り倉庫を利用しない。倉庫の回転率を高めますために組合員外の荷物をその倉庫に入れまして、その結果年間で組合員外のいわゆる員外利用が二割を超えてしまったあるいは組合員の中の特定の方が倉庫面積の五割以上を使っておったとか、そういった組合の運営の実態が法に照らして好ましくない、こういうことによる御指摘が大半であったわけでございます。こういうものにつきましては、組合員が足りないものにつきましては直ちに組合員を補充をいたしまして、法定の要件に合うようにさせましたし、それから法定要件以上に員外利用があったものにつきましては、組合員の利用を高めるようにいたしまして、法定要件内におさまるようにいたしましたり、特定の組合員が非常に利用度が高かったものについてはその人の利用を低めるようにいたしました。なるべく過半の人がその共同施設を利用するように、そういったことで指導をいたしたわけでございます。 ただ、中にはやや悪質なものもございまして、融資の対象といたしました設備の中のごく一部ではございますけれども、一部の機械を他に転売をしておったケースでございますとか、あるいは事業計画が縮小されましたために、融資は総事業費の六五%までとなっておりますのが、結果的に六五をオーバーするような形になってしまっておったとか、あるいはただいま先生の御指摘のございました遊休土地があったという点でございますけれども、これは実はもっと倉庫を拡張することで最初の計画ができ上がっておりましたものが、計画が変更されて縮小されましたために結果的に土地が遊休土地になってしまった、こういうものでございます。こういった悪質なものにつきましては直ちに償還命令をかけまして、全額すでに融資額については償還済みでございます。 ただ、いずれにいたしましても員外利用が非常に高いとかあるいは組合の要件を欠くに至っているとかは、組合の運営につきましての監督が不十分な面がございますので、県等にお願いをいたしましてさらに十分監督をするように現在指導していただいているところでございます。
○神崎委員 いままで申してまいりましたよって来るゆえんというものは、振興事業団指導型、行政ベース指導型の計画がまかり通ることは、これは断じてあってはなりません。零細業者の高度化事業にはとりわけその自主性を尊重して、踏み込んだ援助の体制が大切であります。だからこそ特に私はここで大臣に確かなお返事をしていただきたいのは、現在の実情を洗い直して、そうして一遍メスを加えて、改善されるようなところは全部一遍改善する、こういうふうにやられるかどうか、ひとつ大臣の答弁をこの点について求めておきたいと思います。
○佐々木国務大臣 高度化あるいは近代化と申しましても、組合化と申しますか、その目的と実際にそれを運用する場合には大変食い違いが起こるのはやむを得ぬことだと思います。私もいろいろやってみましても、実際に出発してみますといろいろな問題が起きてきましてなかなか思うようにいかないという、いま公団の理事長さんからお話がございましたように、大変むずかしい問題をはらんでいるわけでございまして、これを全部一遍に洗い直すといっても大変なケースでございましょうし、やはりその状況を見ておって、特にこれは注意をしなければいかぬというものに関して指導を強化していくというふうな行き方しか、実際問題としてはとれないのじゃないかという実は感じがいたします。
○神崎委員 いままでのやつを全部洗い直して改善せいと言ったって、それはできっこないことはようわかっておりますが、これから新たに出発するときですから、この法律ができますと。そうなるときに、この機会に、過去にいろんな問題点がありましたからその問題点についての重視と、そしていままで流れているような形で問題を処理しないで、いま大臣がおっしゃったようにこれは大変なものだということになれば、これに対してはいわゆる借りる側の立場に立った親切な援助、助言、そういうことの体制を徹底的に固めてほしい、こういうことなんですよ。言うていることはわかりましたか。
○佐々木国務大臣 私もそういうことだと思います。やはり選別しまして、これは危険だと思う点に関しましては十分な監視、監督、指導と申しますか、していくということだろうと思います。
○神崎委員 それも重ねて言いますが、厳しくして借りられるものも借りられないようにするのじゃなしに、そのことによってむしろつぶれていくことに加勢するような形にならないような立場で言っているわけですから、これは誤解してもらったら困るのです。 では、きょうのところはこれで時間が来ましたので、この問題で終わりますが、きょうの最後に聞いておきたいのは、いま都道府県の指導の問題を取り上げましたので、これと関連いたしましてもう一つ根本的な問題を提起しておきたい。 それは、事業団の高度化事業の大きな特徴は、都道府県との協調型であるということです。先ほどからも地方自治体との話が出ています。したがって都道府県も予算化することが絶対必要なんですね。都道府県が中小業者にきめ細かく指導援助できる体制がどうしても必要なんです。実は国の施策が生きるか死ぬか、先ほど言いましたが、その決め手を都道府県の姿勢、体制が決めるといっても言い過ぎではな、なるほどすべての都道府県に中小企業総合指導所的な機構があり、振興事業団の研修も受け、中小企業診断士の資格を持った職員が一定数配置されており、形は整っているように見えます。しかし、実はここにも問題があるのです。たとえば県の中小企業指導課にある人が配属されたといたします。ところが、一年間はそこで勤めて、そして二年目には振興事業団の一年間の長期研修に参加する。帰ってきて一年もたつと配置がえがあって全く違う課に配属されてしまうんですね。こういうことが頻繁に起こっているのです。一年間の長期研修がいわばむだになっておる。有能な職員が県の担当課になかなか蓄積されない。この種の悩みは意外に多く聞いておるのでありますが、本当に中小企業の育成振興に意欲と能力を持った地方自治体の職員をどれだけ数多く養成していくか。この点は国の施策の円滑な実行に伴っても大きな課題になっていると思うのであります。この点で政府としても知恵を出さねばならぬことですね。この点から見てとりあえずできることは何か。可能な限りで結構ですからお答えをいただいて終わりたいと思います。
○左近政府委員 この中小企業政策というのは、国がいろいろやっておりますが、実際に中小企業の方に接しまして、実際の仕事をやっていくことのほとんど大部分は地方公共団体がやっておられるわけでございます。したがいまして地方公共団体、ことに都道府県の職員の資質の向上が非常に必要であるということは御指摘のとおりでございます。 そういう点で、実はこの振興事業団におきましても都道府県の職員の研修をやり、それで一年間の長期研修以外にもいろいろな研修がございますが、そういう研修によって職員の能力向上に努めておるわけでございますが、御指摘のように県におきまして、もちろんそういう知識、経験のある人は中小企業の指導関係に置いておるわけでございますが、やはり時たま、人事行政という点から、指導業務にある人が他の部局にもかわらざるを得ないというようなことがございます。ことに振興事業団の一年の長期研修を終わって直ちに配転になったというケースは、これは余りないようで、われわれの調べているところでは非常に特殊なケースで、最近の五年間でも毎年一人ぐらいしかないというふうにわれわれは承知しておるわけでございますが、こういうことは極力われわれも県に話をいたしまして、人事政策上やむを得ないものを除いては極力やめてもらうようにしております。 また、県といたしましても職員自身を考えますと、もちろん指導業務に主として従事させますが、時たま他の業務に移って経験を積ますことも必要だという配慮もあるようでございます。したがいまして、絶えず指導業務に従事するということをわれわれが強制するわけにはいきませんが、しかし主たる業務はやはり研修を受けた人は指導業務をやってもらう、そして視野を広くする意味において時たま外部の経験も積むということで、在任期間中の蓄積した能力が十分この指導の仕事に発揮されるように、われわれは県の人事当局にも常に要望しておるわけでございますが、今後もそういう要望をする。そして傍らそういう中小企業の指導に当たっている方々の研修等々は、われわれの振興事業団を中心に今後の新事業団にそれを引き継ぎまして、さらにこういう能力向上の仕事は活発にやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○神崎委員 改善方について可能なだけの今後の知恵をひとつ体制その他について考えてほしい。それで、できるだけの範囲でその知恵をしぼるところを聞きたいと思ったのですが、経過報告に終わりましたので、また次の機会にその点も伺いたいと思います。 終わります。
○中島(源)委員長代理 横手文雄君。
○横手委員 民社党の横手でございます。 この問題につきまして若干の御質問を申し上げますが、わが国の中小零細企業は総じて非常に弱い立場にあります。したがって経営者も経営面においてあるいは金融面その他大変な御苦労をされておりますし、またそこに働く人たちも一部を除いて労働条件も非常に低い、こういうこともまた事実であります。しかし、今日の日本の産業を支えている、それは中小企業に大きなウエートがかかっておるということもまた事実でございます。したがって、国としてもこれら中小企業強化育成のために力を尽くしているところでありますし、なおまだ不十分な点があると言わなければなりません。 今回提出されましたこの法案は、衆議院の商工委員会調査室から出されております問題点等を見ましてもいろいろ指摘されております。その中にいわく「振興事業団及び共済事業団の業務は年々拡充され、」「その役割は益々重要なものとなってきている。」しかし一方で振興事業団と共済事業団との統合問題、この「検討の結果、両事業団の統合は、中小企業行政を行う上においても混乱はなく、むしろ効率的であると判断されるに至った。」こういうことが述べられておるわけでございます。しかし、聞くところによりますと、後ほど提案をされる新エネルギー開発機構の発足に伴って、行政改革の一環として、一つふえるからどこかを減らさなければならない、こういう観点に立ってそれがこの事業団に向けられてきた。そのつじつまを合わすためにこの合併が行われたということも聞いておるわけであります。単にそういうことであるとするとわが国の中小企業にとってきわめて残念なことであります。中小企業にそのしわ寄せを持ってくるあるいは弱い者がまたすみっこに追いやられてしまった、こういうことが全国五百八十万中小企業者とそこに働く三千万労働者をがっかりさせてしまうのではないか、こういう懸念が憂慮されておるわけでございますけれども、この点についてまずお伺いをいたします。
○佐々木国務大臣 この合併問題が発生する過程におきましては、お説のように新エネルギー総合開発機構の設立に関連して、こういう道行きをたどったということは事実でございます。しかし、そのこと自体が結果において大変悪であるかと申しますと、私は決してそういうふうに考えておりません。むしろ両機構が合併することによりましていろいろの利点もおのずから出てくることでございますし、また、これを契機にいたしまして中小企業の対策の一番の中心機関として、より強化した形で中小企業の皆さんのお役に立つのじゃないかというふうに考えますので、言うなれば禍を転じて福となすと申しますと言い過ぎかもしれませんけれども、そういうふうに育てていきたいというふうに考えてございます。
○横手委員 それは杞憂にすぎない、むしろこの法律の制定によって中小企業対策はさらに強化をされる、それが前提であると解釈をし、そう信じてよろしい、こういうことでございますね。
○佐々木国務大臣 そのとおり解釈していただけば大変ありがたいと存じます。
○横手委員 現在合併を予定されておりますこの二つの事業団が行っている事業、つまり中小企業に対する施策のメニューといいましょうか、そういったものはおおむね三つあり、すなわち振興事業、共済事業、倒産防止事業でありますけれども、今後いま言われたような前提に立って行われるということであるとするならば、中小企業に対してこのほかに新しいメニュー、中小企業政策を強化するための新しい事業メニュー、そういったものが用意されておるのかどうか、そのことについてお伺いをいたします。
○佐々木国務大臣 足らぬところは長官から補足いただけばありがたいと思いますが、いま申しましたようなそういう従来の両事業団の持っておる事業はそのまま継承し、これを強化していくわけですけれども、これが有機的に一体に結びついていくためには、新しい内容を強化するばかりでなしに、新しい一つのファンクションが必要なことは御承知のとおりでございまして、その一番いい例は何と申しましても情報をお互いに出し合えるというところに一つの重みが出てくるんじゃないかと思います。 〔中島(源)委員長代理退席、委員長着席〕 また、いままで全然なかった一つの事業といたしましては、中小企業の人的資源の培養と申しますか、そういうソフト面における一つの事業もこの事業団で担当していくわけでございまして、そういう点を考えますと、言うなれば従来なかったハードな一つのウエアというものからソフトウエア的な面に中小企業政策がだんだん強化されていく、その担い手としてこの事業団が一つの大きい任務を新しく持っていくわけですから、そういう面から見ましても私は大変いいことではなかろうか。もしそうでなかりせばそういうものをみんな分散して担うわけでございますので、そういうものの強化はできぬわけでございます。中小企業事業団と一本でいった場合には、そういう点も統一して担ってくれるわけでございますから大変いいんじゃなかろうかというふうに考えてございます。
○左近政府委員 大臣のお話を若干敷衍して申し上げます。 今後やるべき仕事といたしましては、やはり大臣御指摘のように人材養成というような分野が非常に大きくなってくるかと思います。そういうことを考えまして、実は従来振興事業団にございました研修所を今年度の予算から中小企業大学校ということに改称いたしまして、中小企業者に対する研修機能を格段に飛躍的に発展させようというふうに考えております。したがいまして、こういうものの関連の事業が今後相当ふえてまいると思います。 また、最近の中小企業に一番必要なものは適時適切な情報でございますが、この情報につきましても、従来とも振興事業団は情報を各方面から集めて府県を通じて中小企業者に流しておるわけでございますが、最近は商工会とか商工会議所あるいは中央会等々がそれぞれの地元の中小企業の現状を定期的に把握いたしまして、これを振興事業団でまとめて日本の中小企業の現況の把握をしております。これも五十四年度から始まった仕事でございまして、五十五年度にさらに拡充されることになっておりますが、こういう中小企業の現況をありのままに把握をしていく、それをわりあい早い時期に把握していくというようなこともこれからの大きな仕事になろうかと思います。これはほんの一例でございますが、そういうふうな形で新しい分野が開けると思いますし、また、今国会に御提案申し上げております、倒産防止共済制度の改善を考えております倒産防止共済法の改正というものもございます。そういう意味で従来の施策も改善していくし、それから新しい分野にも踏み出していくという道が相当あるんではないかというふうに考えている次第でございます。
○横手委員 そういった中小企業者にとってこの法律ができて、先ほど大臣おっしゃいましたように中小企業政策が非常に強化された、こういう目に見えた成果が出ることを期待を申し上げる次第であります。 次に、いまも少しお触れになりましたけれども、中小企業倒産防止共済、この中小企業共済事業団から出されておりますパンフレットがございます。「加入してよかった」、こういうことでございまして、そのあらましと、さらにA社からZ社まで二十六社のいろいろの例が出されておるわけでございまして、これを見ますと、この倒産防止共済非常によかった、こういうことが随所に出てまいります。何かほっぺたをぼたもちでたたくようなおいしい話がずらりと並んでおるわけでございまして、私は、それはそれで結構であろうし、こうやって加入促進をしてもらいたいと思うわけでございますが、その中でいろいろな例がございますけれども、三つ、四つ挙、げてみますと、売掛金の債権の保全策を痛感をしたあるいは信用調査だけでは安心できなかったあるいはまた銀行には言いにくい貸し倒れ補てん融資制度あるいは円高不安の解消のために、年末の金繰りが助かった、大半が手形取引のリスクの補てんのためで助かった、二次下請事業者との信用取引の支えになった、銀行ではむずかしい急場の資金調達ができた、こういうのが二十六種類書かれておりまして、私は大変いいことだと思うのですけれども、しかしこの中にも随所に出てまいりますのはころばぬ先のつえ、こういう言葉がたくさん出てまいります。大変大事なことでございましょう。しかしもう一面から見ると、これは中小企業の人たちがその取引においていかに不安定であるか、とっさのときの金融がいかにむずかしいか、こういうことを如実に物語っておると言わなければなりません。私は、真の中小企業政策とは、ころばぬ先のつえも大変大事なことでございますけれども、こういったここに書かれてあるように中小企業はこんなに不安定でございました。これらの問題について、それを解決をしてあげるというのが中小企業政策でなければならないと考えるわけでございますけれども、この点に対する見解とあるいは今後の施策がございましたらお聞かせをいただきたいと存じます。
○左近政府委員 いまお話しになりました事例にも見られますように、中小企業というのは非常に不安定な立場にある。みずからの経営をしっかりやっておっても、取引先の事故によって連鎖倒産の憂き目にさらされるというようなこともございます。したがいまして、こういうなかなか先行きのむずかしい時代には、中小企業が倒産というようなことに巻き込まれないで発展できるというためのいろいろな施策を講じなければならないということをわれわれは痛感をしておるわけでございますが、ことに昭和五十二年以来倒産が多発しております。したがいまして、倒産対策につきましては、相当包括的にいろいろな制度を集中的に実施をして、中小企業が不安定ながらも何とか倒産ということにならないようにわれわれは努力をしておるわけでございます。 その基本的な考えを申し上げますと、やはり金融という面を十分につけるようにしなければいけないということから、倒産対策緊急融資制度というのがございまして、政府系の中小企業三機関が、取引先が倒産しまして連鎖倒産の危機にさらされたときには緊急に融資をするという制度をやっております。従来はこれは応急対策ということで考えておりましたが、倒産というものが相当恒常化してまいりましたので、五十五年度からはこれは恒久措置として実施をするということで、新しい恒久措置に入ったわけでございます。 それから、信用保証という面で、信用保証協会が倒産に瀕した企業に対して信用保証を十分やれるように、通常の信用保証の枠を別枠で保証ができるような制度も開いております。 それから、倒産防止共済制度が一昨年から始まったわけでございますが、そのほかに、五十四年度から開始しました仕事といたしまして、全国の主要な商工会議所、これは五十四年度は七十四カ所でございまして、五十五年度に入りましてそれを百二十一カ所にふやすつもりでございますが、この全国の主要な商工会議所に倒産防止特別相談室というものを設けまして、事業の運営がうまくいかないという中小企業の御相談に応じまして、それに対する対策を親身になって指導するという相談を受け付ける場所をつくっております。五十四年度はこの相談室も十分に利用していただいて、中小企業の方によかったと言われております。これを充実していきたいということでございます。 それから、全般的な対策といたしましては、どうしても金融引き締め下で中小企業の方々に十分な資金がないとまた危なくなります。したがいまして政府系の中小企業三機関につきましては十分な資金枠を準備いたしまして、必要な資金は十分供給できるようにしたいということでございますし、先般の物価対策という点からの公定歩合の引き上げに際しましても、大臣から、公定歩合を引き上げるけれども、中小企業に対して金融引き締めのしわ寄せが集中しないようにということを発言をしていただきまして、それに応じて現在いろいろな対策を計画しておるわけでございます。 こういうことによりまして中小企業の不安定なものを解消していきたいということで現在実施をしつつあるわけでございます。
○横手委員 いろいろの方策が考えられておるようでございますけれども、せっかくおつくりになって、具体的な事例がこの中にあるわけでございますので、個々の事例にマッチするような形で今後とも確立をしていただきたいと思う次第であります。 次に、中小企業高度化事業の問題について多くの方が述べられておるわけでございますけれども、私はひとつ考え方をお聞きを申し上げたいのは、この貸し付けの助成の割合をふやすべきではないか、こういうぐあいに考えるわけであります。調査室の資料に基づきますと、一般的な高度化事業の貸し付けにつきましては、事業団が四二%、県が二三%、計六五%、こういうことになっておりますけれども、今日では、先ほど来議論の中で言われておりますように、その金のかさも非常に大きくなってまいりましたし、特に中小企業のこういった人たちについては、資金の余裕ができたからやるということではなくして、これをやらなければ生きていけない、こういうことで取り組んでおられる事例がたくさんあるわけでございます。そうしますと、そこに対する助成としては全体の六五%では少ないのではないかという感じがいたします。歴史的に見てこれはもともと半分であり、そして事業団と県がその半分ずつを負担をして今日ここまで伸びてきた、こういう歴史的な背景はあるといたしましても、この際現行の事業団の助成割合の四二%を五七%にふやす、そして全体として計画の八〇%までふやす、これが非常に大事なことじゃないかと思いますけれども、いかがでございますか。
○中澤政府委員 先生御指摘の高度化融資に対します融資比率の引き上げの問題でございますが、現在の高度化事業の融資比率自体につきましては、先ほど御指摘のとおり六五%でございます。ただその貸し付けの条件といたしまして、貸し付けの金利が原則二・七%でございますとか、あるいは償還期間が十二年ないし十六年であるというような条件を総合的に勘案いたしますと、この高度化融資は非常に有利な条件になっておるわけでございまして、現行の融資比率を一般的に引き上げるということはなかなか困難であると考えております。 しかしながら、現在の方針におきましても、事業ごとの性格に応じまして、各事業の政策的配慮からこの引き上げが必要であるというところにつきましては、個別に融資比率の引き上げを配慮しておるわけでございまして、現行の制度下におきましても構造改善等の高度化事業につきましては七〇%という融資比率をとっておりますし、また共同で公害防止事業を行うという場合には八〇%あるいは工場等の共同利用事業を行うという場合には九〇%というような融資比率を適用しておるわけでございます。また昭和五十五年度におきましては、総事業費が三十億円以上の集団化事業、これは非常に大規模であってその実行にもろもろの困難を伴うという場合でございますが、この集団化事業につきましては、構造改善等の一般高度化事業の枠の対象といたしまして、現在の六五%の比率を七〇%に引き上げるということを予定しておるわけでございまして、そのような個別のケースに応じまして融資比率の引き上げを実施していきたい、かように考えております。
○横手委員 それでは確認のために申し上げますけれども、おっしゃるようにいろいろな種類があるわけでございますが、一般的なこれについては助成率を全体的に引き上げる用意はない、しかし事業の種類によって、いまでもこれよりもかなりいい助成割合のあるところもあるし、あるいは償還期限等についても云々と言われるわけでございますが、私は最初に大臣に確認をいたしました。今後中小企業政策を強化するというのが今回の法律のねらいなんだ、そう信じなさい、こういうことでございましたし、大臣も明らかにされたわけであります。そういうことになりますと、現在の四二%を全部五七%ということにはできぬ、しかしそれぞれの事業の種類によってはこれを引き上げる、あるいはいろいろな例を言われましたけれども、そういう解釈を広げて、一般的な助成でないような区分のところへ今後とも持っていってあげます、こういう意味でございますか。
○中澤政府委員 まさに先生御指摘のとおり、公害防止でございますとかあるいは小規模零細企業の共同事業でございますとか、それぞれの政策目的に応じまして融資比率あるいはその他の条件の緩和と申しますか、改善を従来も努力してまいりましたし、今後もそのような方向で努力してまいりたいということでございます。
○横手委員 それではまた次の機会に個々の問題についてひとつ細かいこともぜひ質問いたしますので、お示しをいただきたいと思います。 次に参ります。 今回出されております法律案と直接は関係ございませんけれども、中小企業等協同組合法の一部改正の動きがある、こういうことをお聞きいたしておりますが、事実であるかどうか、その内容に ついてお示しをいただきたいと思います。
○左近政府委員 中小企業等協同組合法につきましては、これまで全国中小企業団体中央会、その他いろいろな団体あるいは中小企業の方々からいろいろな点について改正してほしいというふうな要望が出てきております。中小企業等協同組合につきましては、中小企業の組織化の基本的な法律でございますので、その改正につきましていろいろ議論があり、検討は進めておったのですけれども、ここしばらくの間は改正ができなかったわけでございます。しかしながら、こういうふうに八〇年代を迎えまして新たな体制に向かわなければいけないときに、とりあえず改正できるものからでも改正していこうじゃないかという立場に立ちまして、実は昨年の暮れ以来いろいろな各方面等の御意見も聞き、まとめてまいりまして、大体考え方はまとまってまいりました。したがって、現在はそれを法文に作成中でございますが、法文ができ上がりますれば今国会にでもひとつ提案をして、御審議を願いたいというふうにいま準備をしておるところでございます。 改正の内容についてはまだ最終的に法文化いたしませんが、一番御要望の強かった点は、火災共済について業務範囲を広げたいというような御希望が非常にありました。そういう点を一つのポイントとして考えております。そのほか役員の選任についての改善とかいろいろなものがございますが、そういうものを現在最終的に詰めを急いでおりまして、その詰めができ上がったものについて法案を提出させていただきたいというふうに考えております。
○横手委員 ちょっと私の方から確認をさせてもらいますけれども、そうしますといま検討されておる内容、それは火災共済だけでなくしてその事業範囲等の拡大、すなわちその一つは、何といいましょうか共済の補てんの範囲の拡大といいましょうか、火災だけでなくしていわゆる破裂だとか爆発だとか落雷だとか、そういった被害にも拡大をしていこう、あるいはまたその共済の契約者の範囲の拡大等についても云々と、こういうことを仄聞をいたしておりますけれども、そういうことでございますか。
○左近政府委員 いまお話のありました点はこの改正案に含まれておりますが、何分法案の最終案をつくりまして関係各省とも協議を遂げなければいけないものでございますから、確定したとは申し上げかねますけれども、われわれとしてはそういう点を組み込んで改正案を提出いたしたいというふうに考えておるところでございます。
○横手委員 多少問題はあるにしても、こういうことは大変中小企業政策として好ましいことだというぐあいに考えるわけであります。 そこで大臣、よいことであるとするならばすぐやるということでありましょうし、急いで今国会にその改正を図るべきだと思いますが、いかがですか。
○佐々木国務大臣 そういうことで努力しているつもりでございます。
○横手委員 ではそういうことでお願いを申し上げたいと思います。 さらに、現在中小企業が具体的な問題で大変苦しんでおるというようなことについて二、三申し上げ、その打開策とあるいはその他の内容について御質問申し上げる次第であります。 一つは織物の染色業界の加工賃の問題についてであります。先般福井県で織物に従事しておる労働組合の決起大会が開催をされまして、私もお呼びでございましたので出席をいたしました。時節柄賃上げ闘争の総決起大会であろうということで予想して行ったわけでございますけれども、その中身は次のようなことでございました。そのスローガンは「染色業界の適正加工賃確保を要求する」、こういう内容であったわけであります。その決議文の中に次のようにうたっております。「原材料、燃料、電力料金等のコストを押し上げている中で、かんじんの加工賃が採算を大きく割り込んでいるのはどういう事だろうか。高能率の操業がコストの低減に役立つ事は、我々もよく知っている。しかし、出血する事がわかっていて、低加工賃の注文をかき集め、その消化のため生産協力の名のもとに、企業の健全な発展に結びつくと信じこませ、休日返上、休日出勤等の異状操業を強要し、それが損の上塗りになっていた事は本当に残念な事である。」続いて「我々は自分達の「染色の技術」と「誠実な労働」をこれ以上安売りする事は決して許せない。複雑な流通機構の中へ製品の上に札ビラを貼って出荷する様な無駄をする位なら我々の賃金を要求通り満額上げてもらいたい。」こういったような決議がなされたわけであります。 本来なら労働組合として異色の集会と言わなければなりませんし、これほどまで追い込まれているという事実があると思うわけであります。特にこの業種につきましては、輸出織物染色工業の組合に対して加工賃の価格カルテルを認めて、そして業界振興を指導しておられる立場の通産省としてのこれらに対する見解と具体的な指導指針、実態こういったものを明らかにしてもらいたいのであります。
○児玉(清)政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘のように、染色整理業の一つの特性といたしまして、繊維業の中でも特にエネルギー多消費型の業種でございますが、最近の特に石油価格の上昇に伴いますところの重油、それから染料等のもろもろのコストのアップによりまして、いま御指摘ございましたような非常に大きな影響を受けておりまして、業界打って一丸といたしまして三月十一日に決起大会を催したということでもございますし、そういった事情に象徴されますように経営状況が非常に悪化しておるということを私どもも十分承知をいたしております。そういった業界にとりまして、今後このコストアップをいかに合理的に、スムーズな形で反映した加工賃の引き上げというものを実現できるかというのが当面の課題になっておるわけでございます。ただ、加工賃の水準の問題になりますと、その決定に当たりましては、基本的にはやはり当事者間の問題であるというふうに言わざるを得ませんが、不当に低い水準の加工賃を注文主から押しつけられるとかあるいは不公正な取引を強いられる、こういうことに対しましては独禁法によりまして、また不当な下請関係に触れるような場合におきましては下請代金支払遅延等防止法によりまして規制を厳重に行っていくということが必要でございますし、私どもも公取と十分連携をとりまして、不公正な取引等が行われないように厳重に監視してまいりますし、また業界に対する指導にも努めてまいりたい、このようにまず考えております。 さらにこの問題を解決するに当たりましてもう一つ留意すべき点は、繊維取引の近代化という問題でございます。加工賃の決定は繊維取引のあり方にも深いかかわり合いを持つものでございまして、古くから慣行と呼ばれるものが非常に多いわけでございます。したがいまして、各流通段階が複雑に関連し合っております繊維の取引の実態でございますので、それをいかにして近代化することによって付加価値の実現性を高めていくかという点についても一、私どもは十分じみちな指導をし、業界の自己努力を引き出していく必要がございます。そのためにここ数年、繊維取引近代化推進協議会というものを設けまして業界総ぐるみでこれに取り組んでいただくということにいたしておりまして、その中でも業種別部会あるいは業種別懇談会という形で、染色は染色の産業特性に応じました一つ一つの近代化というものを、取引面から総力を結集してやろうということで知恵の出し合いをしているわけでございます。これはなかなか一朝一夕にすぐ改善できるという問題ではございませんし、相当根気強く、しかもできるものからやっていく必要がございますが、ここで御披露できるようなはっきりした成果はもちろんまだ上がっておりませんので、今後私どもは染色業の取引改善を実現するための指導ということでこの取引、流通の近代化を一つの柱に立てていきたい、このように考えている次第でございます。
○横手委員 おっしゃるように加工賃の問題については当事者間の問題が非常に大きいわけでございます。したがって、この集会の決議にいたしましてもあるいは具体的な要求にいたしましても、経営側に対してもっとしゃきっとせい、こういうような適正加工賃ということで経営者ちゃんとせい、こういうのが満ちあふれているわけであります。しかし先ほども申し上げましたように、染色業界は一方で輸出組合に対しては価格のカルテルを認めて、これ以下では業界そのものがやっていけぬであろう、こういうことで協定価格も認めておられる業種であります。それだけ価格の決定については大変むずかしい業種であるということはよく御存じだと思うわけであります。そして今日こういったような問題が惹起されまして、労働組合としても放置できない。先ほども読み上げましたように、われら染色の技術、誠実な労働を安売りするな、こういう訴えをしておるという事実であります。そういったことに対して、いま一般的なことを言われましたけれども、いまこういう状態にあるところへ具体的にこの業界に対する指導育成、こういったものは今日的な課題としてどういうぐあいにお考えになりますか。
○児玉(清)政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘ございましたように、特に輸出向けの人繊織物の機械染色整理業の調整規程によるところの調整事業というものが認められておりまして、これによりまして人絹織物、それから合繊の長繊維織物につきましての数量規制、それからいま問題になっております加工賃規制というのは合繊の長繊維織物の一部品種について特に認めておりまして、これは行政庁の十分な審査に基づきまして最低加工賃というものを決めているわけでございます。こういったものが認められるというのは、まさしくいま御指摘のような特殊な業種業態であるということからきているわけでございまして、こういったものが適切に運用されるということを私どもとしては期待しているわけでございまして、それが実現できますように、こういった調整規程が単なる絵にかいたもちではなくて、本当に合理的な、しかもフェアな形で業界の地位向上に役立つようにやっておるわけでございます。 いまの客観情勢からいきますと価格問題というのは非常にうるそうございまして、一般的にはなかなかむずかしいものでございますが、この輸出染色、しかも長繊維のものにつきまして、いま申し上げましたようにこれは公取とも相当強い折衝をいたしまして、そしてこの調整規程を一年延長するという形で今回も実施をしておるわけでございます。したがいまして、地位改善のためのお互いの一つの定められた枠組みといいますか、そういったものはほかの業界と違いましてこの業界においては十分確立しておるわけでございます。したがいまして、あとは注文を受ける際にどれだけ各企業が自主的に自己の価値実現力というものをキープするか、それができるかどうかということでお互いの足を引っ張り合わないというモラルが必要でございます。この点につきましては、もちろんこの調整規程が認められておるという特殊性からいたしまして、業界の自助努力といいますか、自律的な規制力、そういったものを十分喚起しまして、これを確保するための指導をあらゆる機会を通じて現在展開をいたしておりますし、今後も努力してまいりたい、このように考えております。
○横手委員 それでは、たとえばこれは全国組織の染色の組合もあるわけでございまして、そういったところへ通産省から出かけていくなりあるいは担当者を呼んで、労働組合の方ですらここまで真剣に考えてやっておる、こういうような事実を披瀝をして、しかも国会の商工委員会の中でも取り上げられた、こういうようなことで具体的に近々あるいは集めるなりしてやられるような御計画はありますか。
○児玉(清)政府委員 具体的にこういうスケジュールで業界を呼んでということはいまのところはございません。ただ、私も業界の集まり、先般も業界の総会があったわけでございますが、決起大会の前でございましたけれども、そういった場所にはできるだけ直接出まして、業界のそういったお互いの協力、法に触れない範囲内での自主的協調を力説いたしておりますし、それからもちろん会長その他、役所の方に再三お見えになって、私どもお会いできる機会もございますので、そういった場を通じていろいろ話し合いをいたしますし、かつ指導もしておるわけでございます。もちろん労働組合の方々との接触というものもありますので、そういった場合では、やはり私どもも業界全体は労使一体となってやるべき問題でございますし、特に価格転嫁ということが、こういうコスト上昇の時代におきまして加工産業という特殊性からしまして、よほど努力をいたしませんとなかなかうまく合理的な転嫁ができない業態でございますので、そういった特殊性はもちろん業界自身も訴えておりますし、私どもも深い理解の上に立って指導をしておりますし、今後も指導してまいりたい、このように考えております。
○横手委員 今日いろいろな機会で、これだけ卸売物価が上がっておるときに消費者物価にはね返さない、こういうことで国を挙げて努力をしなければならないし、そのために労働組合に対しても協力が求められ、私ども民社党とともにある同盟の中でもそういうことを十分わきまえて運動を続けておるわけであります。そういった労働組合がこういったようなことをやらなければならないという苦しい状態の中にあるわけでございますので、そういった点十分くんでいただきまして、業界指導の立場にある通産省として、労働組合はそんなことまで心配せぬでよろしいというようなところまで、まさにかゆいところに手が届いてきた、こういうことで今後とも御指導をお願い申し上げたいと思う次第であります。 次に、いま一つは、絹織物業界の苦況の打開策について御質問を申し上げますが、まず、先日京都で通産省の事務次官が生糸の一元化輸入問題について発言をされて、いささか物議を醸した、こういうことを聞いておるわけでございます。これに対する大臣の御所見いかがでございますか。
○佐々木国務大臣 矢野事務次官が出張から帰ってまいりましたので私も事情をよく聞いてみました。決して新聞で伝えるような内容ではなくて、むしろ問題は大変むずかしい問題だというお話をしたのがああいうふうに出たのだそうでございまして、もちろん立法府に盾突くとかあるいは農村を軽んずるというような考えはゆめゆめ本人は持っておるわけではございません。そういうわけでございますから、私からもまあ誤解を招いたのはまことに残念だということで方々にもわびを申し入れまして、本人には強く注意を促して、今後そういうことのないように言動には十分ひとつ注意してもらいたいという注意をいたしておるところでございます。
○横手委員 絹織物業界にとりましては生糸の一元化輸入というのはまことに迷惑な制度であるというぐあいに、独善的に言いますとそういう感じがするわけであります。そしてそういった業界を守り育てていかなければならない通産省としては、このことについて業界の立場に立って大変困ったことだということで悩んでおられる。話の中身は行き過ぎがあったとかどうとかいうようなことでいろいろ問題はあるかもわかりませんけれども、そういうことで業界を守り、育成していくという立場からまさに勇気を持って言われたというような声も一部聞かれるわけでございますが、どうですか。
○佐々木国務大臣 本人の意向は必ずしもそうではございませんので、やはり通産の代表でありますと同時に、通産省ばかりが役所でございませんので、広く国策というものを見渡しますと農業、工業あるいは商業やはり渾然一体として考えていくのが筋でございますから、そういう広い視野に立って判断していくものと思っております。
○横手委員 仰せのとおり通産省だけが日本のすべてではないということはそのとおりでありましょう。したがって、養蚕家を守るということも大変大事なことだというぐあいに思うわけであります。養蚕家を守るために生糸の一元化輸入がなされておる、いわゆる価格を保持するために。国策として養蚕業者が守られて出るわけであります。ところが、国策によって生麺の値段が守られている、そのことによって大変な苦況にある人たち、これに対しては国策をもってまた救ってあげるというのが当然のことじゃないかと思いますが、いかがですか。
○佐々木国務大臣 そういう問題がございますから、大変複雑な苦しい問題だということを申し上げたのだと思います。
○横手委員 そういうことだとおっしゃるのですから、そういう前提に立ってこの生糸一元化輸入によって絹織物業界が大変なことになる、これはやはり救済しなければならない。そのためにどういう手があるだろうか、こういうことでいろいろ相談がなされてきて、その方策の一つとして輸入生糸の実需者割り当て制度といったものが大蔵、農林、通産の間で了解がなされあるいは閣議決定がなされあるいは局長の通達が出される。そういうととで、一方で国策として養蚕業者を守る、これも大変大事なことだと思うのです。私もそう思います。しかし、そのことによって一方で大変な打撃を受ける人があるとするならばこれを救うということでこういう方策がとられたということをお聞きしておるわけでございます。現実には三万俵の割り当てと聞いておりますけれども、実際どうなっておりますか。
○児玉(清)政府委員 お答え申し上げます。 この制度は、先ほど大臣からもお話がございましたように繭糸価格安定法に基づきますところの生糸の保護政策、もう一つ絹織物業者が実需者割り当てということで少しでも負担が軽減できるような配慮も一方において必要であるという、両方の調和の上に立った発展をねらってできておるわけでございまして、したがいまして、法律によりますところの繭糸価格の安定システムに対しまして、先ほど先生お話がございましたように、三省間の申し合わせあるいは閣議了解といった線で実需者割り当てというものができておりまして、これが昭和五十四年度におきましては約三万俵ということでございますが、現在までのところこの実需者割り当ての実際の運営要領と申しますか、そういった仕組みが若干きついわけでございまして、実際に現行のやり方によりますと三万俵のうち二千数百俵が実需者割り当てとして渡されておる、そのほかはまだ解除されておりませんで、事業団が抱えているという状況でございます。
○横手委員 そのことについて三万俵の実需者割り当てを行う、こういうことは原則として決まっておるけれども、基準糸価よりも下がるおそれがある場合にはそのじゃ口を閉める、こういうことでいま閉められておる状態であろうと思うわけであります。その価格十四万四千円、これを割り込むおそれがあるというのは一体どれだけかというと、十四万七千円を相場が割ってきたらおそれがあるということでじゃ口をぎゅっと閉める、こういうことをお聞きをしておるわけですが、事実ですか。
○児玉(清)政府委員 いまお話しのとおりでございます。繰り返しますが、繭糸価格安定法の規定によりまして、蚕糸事業団によりますところの輸入生糸の売り渡しによりまして国内において製造されますところの生糸の価格が基準糸価を下回るおそれがある場合にはしてはならないという法律上の壁がございまして、それを実際にどうやって運用しているかと申しますと、いまお話がございましたように下べそ価格ということで俗称しておりますが、一万四千七百円ということで、現行の基準糸価の一万四千四百円に三百円乗せたところで壁を設けておりまして、それを下回りますと、売り渡しをできないという運営の仕組みになっております。
○横手委員 単価のとり方によって十四万四千円と一万四千四百円、どちらでもいいと思うのですけれども、しかしそういうことで絹織物業者にしてみれば何ともやりきれぬような気持ちがよくわかるわけですよ。私は昨年の十月まではゼンセン同盟の福井県支部の支部長をしておりました。特に絹織物業界というのは大変な業界であります。国策で糸の輸入を締める、そして国産の高い糸を使いなさい、そして織物になる、織物になったら輸入をしてくる、それと競争をしなさい。ですからそこの労使の中でいつも言われていたのは、たとえば韓国の製品と競合をする、向こうの賃金が三分の一でも勝ってみせる、日本にはそれだけの腕がある、しかし糸価がこれだけ違ったのでは勝負になりませんというのがあの人たちの声であり、実態であります。 一方、労働条件の方を見てみますと、福井県支部にたくさんの労働組合がございますけれども、労働条件を一覧表にしますと、こことここが絹糸をやっているところだなというぐあいに拾ってとれるぐらいに低いわけなんです。たとえば週休二日の問題なんかにしても、年度を決めてやるわけです。ところが絹織物のところだけはその約束をしても約束が守れないということで、労働組合がストライキを入れたこともあります。しかし、三日、四日ストライキをやってみた、そして会社から出されたすべての資料を見てみるとどうにもならぬということで、そのままストライキを閉じてまた作業に入ったというような経過があるわけでありますね。だから、一部余裕のある企業であるとするならば、国策のためだしんぼうしなさいということでございましょうけれども、繊維産業全体に労働条件が低いというようなことが言われておるわけでございますけれども、その中でもなおこことここと拾ってとれるぐらいの低い労働条件しかない。それでいて経営者はぬくぬくとしておるかというと大変な苦労をしておられる、働く人も大変な苦労だ、こういう実態の中にあるわけであります。 一方ではいまおっしゃるように一万四千四百円の基準糸価がある。一万四千七百円を割り込んできたら糸価のその基準が崩れるおそれがあるということで、せっかくつくってもらっておる実需者割り当てをぎゅっとじゃ口を閉められてしまう。やりきれないような気持ちがするのですが、いかがですか。
○児玉(清)政府委員 いま御指摘ありましたような窮状に日本の絹業はございまして、しかも養蚕農家も決して潤っておるわけではございませんし、糸価の低迷に非常に悩まされておるということでございます。そういう中でも若干でも絹業の織物の方の負担軽減を図るという趣旨で実需者割り当てというのは本来できたものでありますのは、いま御指摘のとおり私どももそう思っております。したがいまして、これが実際に発動できると申しますか、機能を果たしますような形に、いまの仕組みにもし問題があるとするならば、その辺をぜひ実情に即して改善すべきではなかろうかということを強く私どもも認識をいたしておりまして、これは通産省から農林省の方にも強く申し入れを現在もしておりますが、今後におきましても、法律で言ういわゆるおそれというものをどの辺でキープするかという問題があるわけでございますから、その辺の担保の仕方をい果たして三百円上乗せしたところがいいのか、実際にはそれを上乗せした線でやると三万俵が二千数百俵しか実働しないということにもなりますので、そういった現状があるではないかということで、もう少し合理的でかつ実際的なルールといいますか、運営方式に改善できないか、これについて話し合いをしようということで、これに対しましては農林省の方も謙虚にその御提案の線については相談に乗りましょう。ただ、法律上のいわゆるおそれということの壁は現実に存在いたしますので、全部それを取っ払うというわけにはまいらぬかと思いますけれども、何らかその仕組みにつきまして、運営段階で配慮できるあるいは改善できる点がありましたら、それを早急に取り込みまして、少しでも絹機の窮状というものに改善の努力をしてみたい、このように考えております。
○横手委員 加えてこの業界はいわゆる不当な輸入による打撃も受けておること、御承知のとおりであります。青竹問題にしてもしかり、あるいはその他の問題で、台湾を抑え込んだらインドから入ってくるとか、いろいろなことでせっかく操短をした、そしてやっと芽が出てきてこれから操短解除であろうかと思った途端にどっと輸入が入ってくる。しかもそれは不正な方法で入ってきてまた業界を混乱に陥れてしまう。まことに大変な業界でございますので、そういった点について十分配慮し、その救済、助成の道を今後とも具体的にとっていただきたいと思いますし、私もまたさらに個々の問題でいろいろと話をさしてもらいたいというぐあいに思う次第であります。 そこで、この輸入の問題について若干確認だけさしてもらいたいと思いますけれども、輸入協定関係につきまして、これは繊維全般の問題でございますけれども、一つだけ質問いたします。 二月一日、衆議院予算委員会の総括質問の中で、わが党の塚本書記長がこの問題に触れまして、韓国等とのMFAに基づく二国間協定に取りかかるよう要請をいたしました。これに対して通産大臣は準備すると回答されたのでありますが、今日その準備の進捗状況、いかがでございますか。
○児玉(清)政府委員 ただいまお話ございましたように、予算委員会での大臣の御答弁がございまして、MFAの問題については現実的にかつ機動的にこれを活用するようにという御趣旨の質問に答えまして、準備を図っていくということでございますが、これにつきましては私どもも大臣の発言を受けまして、その後、MFAによるところの二国間協定とかそういった対策の発動につきましては、これは国際的問題でございますので慎重にしなければなりませんけれども、いつでも適時適切な発動が可能な状態に準備をおさおさ怠りなくやっておくということが私ども事務方の努めでございますので、現在準備をやっております。 どういうことをやっているかということでございますけれども、かねがね全般的な問題としまして輸入の秩序化を図る、これを行政面から一つずつ具体的な相手先、具体的な品目についてきめ細かにやっていくという努力は従来もやっておりましたし、今後も同様でございますが、特にMFAに基づきますところの二国間協定の締結問題につきましては、万一の事情の変化に機動的に対処できなければ、業界あるいは地域が非常に心配しておりますように、いざ必要になったときに本当に発動してくれるのかどうかという不安感があるわけでございます。したがいまして、私どもはまず機動的に対処できるような体制をとる必要がございます。これが準備作業の一番大きな中身になってくるわけでございます。たとえて申しますと、輸入の月々の動向、それから国内の需給状況、そういったものをきめ細かに注視していく必要がございます。それから実際のルールの適用に当たっての留意点あるいは問題等についても勉強をする必要がございます。早速あの二月一日の大臣発言がございました後直接私のもとでスタッフを集めまして、そして何回かにわたりそういった勉強会も持っておりますし、今後もそういったものを続けていきたいということで、直接私の傘下でそういった作業を現在やっておる次第でございます。
○横手委員 時間も迫ってまいりましたので、問題提起ということだけで終わるかもわかりませんけれども、一つ申し上げてみたいと思います。 中小企業の助成政策の一つとして電気税率の減免措置をとるべし、こういう前提に立って申し上げてみたいと思いますが、三月二十五日の読売新聞の投書欄に次のようにあります。短い文章ですからちょっと読んでみますが、電力料金の大幅な値上げは平均五〇一八三%と確定した。ところが、地方税法に基づく電気税が百分の五の税率で課せられており、必然的に値上げ分だけこの税率は上がってくる。ただ一般家庭の場合にはいわゆるこの非課税限度を上げるというようなことだけれども、事業にはそれはどこにもない。電気料金が上がったということで税金も一緒に上がってくる。こういうことはまことに不当なことである。単純に計算して百分の三・五程度でいままでの収入と見合うのではないか、こんなことが投書欄に載っておるわけであります。これは全般的にということでございますけれども、中小企業の政策の一環として中小企業の事業所に対する電気税率——電気代をまけろと言ってもなかなかむずかしいのでしょうけれども、電気税率ぐらいは考えてあげるべきではないかというぐあいに私は考えておりますが、これはいかがですか。
○浅野説明員 電気税でございますが、御承知のようにこれは電気料金を課税標準といたしまして、電気の使用者に対して課しますいわば消費税としての性格を持っておりまして、そういうことからだれがどこで使っても課税するというのが原則でございます。ただ、産業用につきましては原料課税となることを避けるというような趣旨もございまして、一定の基準に該当するものにつきまして、現在これは八十二品目ございますが、そういうものは非課税といたしております。それからまた、たとえば公衆用の街路灯などでございますが、こういうものもそういう用途に着目いたしまして非課税としております。いずれにしましても個々具体に非課税という措置はあるわけでございますが、電気税の性格からしましても、中小企業に限りましてすべて軽減するということはきわめて困難ではないだろうかというふうに考えております。
○横手委員 ここに地方税の税目の「五十五年度の見込み」という資料があるわけでございますが、市町村税で電気税が五十四年度は二千四百三十七億円、これに対して五十五年度の見込みが二千五百九十五億円、こういうぐあいになっておるわけであります。これは電気料金が上がる前であろうと思うのです。電気料金が上がらなくても百数十億収入がふえておるわけであります。そういうことになりますと、いまおっしゃいましたようなことでございますけれども、これは五割上がると単純に計算してこれまた五割上がってくるというふうなことになります。すでに「五十五年度の見込み」でこういうことも出ておるわけでございます。せめて中小企業ぐらいは減免措置をとってもそう大きなもの、どれぐらいになるかわかりませんけれども、もうすでに見込みよりも上がることは事実なんですから、その点いいじゃないですかという気がしますが、どうですか。
○浅野説明員 五十五年度の電気税の収入として見込みましたのはただいまお示しのとおりでございます。電気料金が改定になりますと、いわば自然増収のような形で一千億程度の増収になる、これは事実でございます。ただ、実は地方公共団体もいろいろな形で電気料金の支払いをしておりまして、これは相当膨大な額になるわけでございまして、ほぼ増収分が帳消しになるぐらい支出の方も実はふえるわけでございます。そういう事情もございますので、その辺はひとつ御理解いただきたいと思うわけでございます。
○横手委員 私は中小企業関係の立場から御質問申し上げておるわけでございまして、いま自治省の方からそういうことでございますが、実際問題として昭和二十五年に税率一〇%で始まってずっと免税点が決められたりあるいは税率が下がったりしてきて、この中で産業によって税率が下がっておるという事実が幾つか出てくるわけですね。恐らくこれはその年の不況業種と認定をされたところにせめて税率ぐらい下げてやれ、こんな配慮があったんだろうと思うわけであります。ならば、中小企業全体に及ぼさぬにしても、特にそのコストの中に占める電気料金が高いところあるいは特に不況業種のところ、そういったところについては通産省の見解としてはいかがなものでございましょう。先ほど述べられましたように、いわゆる税金を取っていない業種というのも八十数品目ございますけれども、これは素材メーカーがほとんどでございましたね、中小企業は多少あるのでしょうけれども。そういう観点でございますので、中小企業の観点に立ってこの電気税の税率の減免措置の発動と言いましょうか、そういった問題について通産省としての見解はいかがですか。
○左近政府委員 御存じのとおり、この電気税につきましては従来からいろいろな議論がございました。通産省といたしましても電気税を廃止すべきであるというような意見も出して、いろいろな議論をしておったわけでございますが、結果は税率を引き下げるあるいは免税点をつくるというようなことで今日に至っておるわけでございます。それから、業種によりましては軽減税率を適用されておる業種がございまして、繊維関係とか紙関係というようなものがございます。これについては製品のコストの中に占める使用電力の量が多いというふうなことからそうなったんだろうというふうに思われますが、現在はそういうふうな適用になっておりますので、今後これをどういうふうにやるかということにつきましては自治省ともよく御相談をいたしたいと思いますし、自治省の御意見もまた十分拝聴しながら問題を考えていきたいというふうに思っております。
○塩川委員長 横手君に申し上げますが、きょうは法案の審議でございますので、どうぞ法案に重点を置いて御質問願いたいと思います。
○横手委員 以上、私は法案問題から入りまして、特に冒頭に大臣に、この法案は中小企業の強化、育成のために役に立ちます、こういうことを言明をいただいたわけでございますし、ならば、現在中小企業がこういう悩みを持っておりますということに対しての当面する施策等について御意見をお伺いをし、最後に中小企業対策として電気税の問題等についても触れさせてもらったわけであります。まだ果てしなく議論は広がるところでございましょうけれども、与えられた時間でございますので、きょうはこれで終わりまして、次の機会にまたさらにこの問題等についてもいろいろと討論をさせていただきたいというぐあいに思います。 ありがとうございました。
○塩川委員長 これにて横手文雄君の質疑は終了いたします。 次回は、明二日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十一分散会