商工委員会 第10号
- 発言数
- 30 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1980/03/26
会議録
○塩川委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、中小企業事業団法案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 中小企業事業団法案審査中、中小企業共済事業団及び中小企業振興事業団から随時参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○塩川委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。渡辺秀央君。
○渡辺(秀)委員 最近の経済動向の中で、きわめて物価あるいはまた生産活動に影響を与える物資等が非常な高騰を続けている状態は御存じのとおりであります。そういう経済環境の中で一番影響を受け、かつまたその影響が最後まで根残りしていくのは言うまでもなく中小企業と言われる分野だと思うのであります。日本の産業構造の中でおよそ九七、八%ぐらいまでは大体中小企業と一般的に称する分野で構成されているとよく言われておりますが、そういう今日的情勢の中で、しかもまた、日本の産業分野の中で中小企業の果たす役割りあるいはまた占めるシェアといいましょうか、そういうことを考えてみますと、この中小企業問題というのがいかに日本の経済やあるいはまた通産行政の政策遂行の上において重要な部分であるかということは、大臣もよく御存じのとおりだと思うのであります。そういう非常にむずかしい情勢、今日的経済情勢の中で、大臣、第二次オイルショックと称せられる今日の中で、中小企業対策に中小企業庁を督励されながらきわめて精力的に取り組んで来られておることに対しては心から敬意を表する次第でありますし、あるいはまた、中小企業庁の皆さん方にも心から私は御慰労を申し上げたい気持ちでいっぱいであります。 しかし、いかんせん中小企業問題の根差す根幹といいましょうか、余りにも複雑多岐で、余りにもまた範囲が広くて、政策遂行の上に当たってこれでいいというあるいはこれで了とするということがなかなか出にくい分野だということはよく承知しております。しかし国民の期待あるいはまたこれら日の当たらないと言われる分野に政治の光を当て、あるいはまた政治の温みを与えていかなければならない、そこに政治の本当の意味合いがあるということを考えていきますれば、われわれ政治の座に列している者たちとして、どうしてもこの問題は相当な決意と真剣な努力で取り組んでいかなければならない問題であろうと思うのであります。そんなやさき、今日この中小企業事業団というものが新しくここに提案されてきたことは、中小企業庁あるいは通産省の中小企業行政を遂行していく上における先鋒隊としてあるいは実践部隊として、これが非常に役立っていくことを私はまず冒頭心から期待をいたしたいのであります。 そういう前提に立ちまして、これから各分野にわたって幾つかの御質問をさせていただきながら、中小企業問題に取り組む政府の姿勢あるいはまた行政のあり方というものをひとつ自分なりに見きわめてみたい、こんな気がいたしまして、自民党を代表する形でこれからひとつ質問を申し上げたいと思いますので、どうぞひとつよろしくお願いを申し上げたいのであります。 いま申し上げましたように、この法案の制定の背景としては、いわゆる昨年の予算編成期において新エネルギー開発機構という画期的な一つの将来エネルギーに対する出発の代替としてこの事業団構想が打ち上げられたという、いわば行革の一環であるのかもわかりませんが、しかし、そういう整理的な考え方でとらえるのではなくして、いま私が前段申し上げた中小企業対策をより充実させる、より厚くする、こういう考え方の中でこれらのことが考えられていくことが本当ではないのかと実は思いたいのであります。そんな意味でこの法案の必然的な制定の背景といいましょうか、あるいはまた必要性というか、事業団を設置する意義、これらについてとりあえず大臣の御所見を冒頭承っておきたいと思いますので、お願い申し上げます。
○佐々木国務大臣 ただいま御指摘ございましたように、事業団ができます過程におきましては、なるほど新エネルギー総合開発機構を新設するための一つの道行きとして統合の問題が起きたことは事実でございますけれども、しかし、いま振り返ってみますと、かえってそれが今後の中小企業の施策を強化するために、この両機関を一本にするということが今後の推進上好運だったんじゃないかというふうに、逆に災いを転じて福となすと言っちゃ少し言い過ぎかもしれませんけれども、そういう感じがいたします。でございますから、せっかく政府の施策の中心的な実施機関でございますから、この機会を利用しましてさらに一層中小企業施策を充実して、またそれを実践する場合に強力に実施できるように、この機構自体を育てたいというふうに考えてございます。
○渡辺(秀)委員 いま大臣からお答えがありましたとおりだと思うのですが、振興事業団あるいは共済事業団、この二つをただ一つに整理統合するというようなものではなくて、中小企業に対するもっと深い理解、愛情、そういうようなものがいわゆる事業団を設置することによってより遂行しやすくなる。これは御存じのように二つが一つになると相当大きなものになるわけでありますが、しかし、後ほど質問もさせていただきますけれども、ただそういう統合的な考え方でなくて、もう一つそこには中小企業政策を遂行していかんとする政府の姿勢、これからの中小企業政策のあり方を追求する具体的な中小企業者に対するあかしというか、そういうようなものがこの事業団設置に対する姿勢としてこの法案の中に出てこなければならないのではないか。その点について、それらがもう一つ、時間的な問題かどうかは別にして、ちょっと残念ながら十二分に読み取れるという形ではないような感じもいたすのでありますが、その点どんなふうにお考えでございましょうか。
○佐々木国務大臣 御説のとおりでありまして、私どもといたしましては、その際まず考えなければいけませんことは、新しい機関の業務の充実ということが一番重要だろうと思います。 昭和五十五年度におきましては、従来の高度化融資制度をさらに強化、改善するあるいは中小企業大学校の創設、この業務は大変大きい問題だと思います。あるいは倒産防止共済制度の改善、こういうことを考えましても、新しい機関がこれから発足するに先立ちまして、言うなれば新体制として進めるにふさわしい業務拡充、充実ではないかというふうに考えますので、特にその点、単に従来の機能を引き継ぐというだけではなくて、新しい思いをいたしまして、新しい業務で、充実した業務で進めたいと考えております。
○渡辺(秀)委員 そこで中小企業庁長官、いま大臣が申されたような一つの背景の中で、この事業団の発足に伴って従来よりも中小企業対策が後退したりするようなことは毛頭ないと思いますけれども、種々手続などで複雑になったりあるいはまた組織が大きくなって動きが緩慢になる、いわゆる中小企業対策というのはきめの細かいことが一番の取り柄であります。それがどうも手続的にむずかしくなったりあるいはまた複雑になったり、中小企業者の意思がよく伝達されなかったりというような、かえって機構的に複雑あるいは組織的に緩慢さが出てくるようなことがないかどうか、その点もあわせて今後の中小企業対策に遺漏はないかどうか、まずこの事業団構想で心配がないのかどうか、その辺もひとつ長官からお聞きしておきたいと思います。
○左近政府委員 両事業団を統合いたします一つの趣旨は、従来いろいろな中小企業対策が行われておりますけれども、対策が非常に幅広いだけになかなか統一した政策がやりにくい、むしろ今後は統一した観点で中小企業政策を実施すべきであるという御意見が非常に強かったわけでございます。したがいましてこの両事業団の統合が、従来非常に幅広いだけにとかくばらばらになりやすい中小企業施策を、一つのシステムとして統合的にやれるというメリットが生ずると思います。しかしながら、いま御指摘のように、組織が大きくなりますといろいろな例がありますようにマンモス化しまして、むしろいま考えました統合の理想に反するような事態が出てくるおそれもまた他面あるわけでございます。したがいまして、この件についてはわれわれ十分戒心いたしまして、統合してよりメリットが出るように、そしてまた大きくなることによっていわば組織の動きが悪くならないようにということで、絶えず自己反省しながら進めなければいけないと思いますが、これは新事業団にも評議員会というような一般の中小企業の方々の御意見を聞く組織もございますので、そういうものを活用しながら、いま御指摘のような事態にならないように絶えず中小企業庁も監督いたしますし、事業団自身としてもみずから絶えずそういう努力をするということを今後やっていきたいと考えております。
○渡辺(秀)委員 この事業団が実際具体的にやってみて、欠陥とかあるいはまた補わなければならないようなところが恐らく出てくるのではないかと思うのですが、初めから百点満点を求めるよりも、こういうことで出発して、漸次改良していくあるいはまた改革をしていく、中小企業者のニーズにこたえ得る体制、事業団をつくり上げていく、今後もこれが絶対的ではないんだというところなのか、今後もこういうものを絶えず改革していくという意欲はおありなのかどうか、その辺もひとつお聞きしておきたいと思います。
○左近政府委員 日本の経済の実態が時々刻々変わってまいります。したがいまして中小企業政策自身も絶えず変化をしなければいけない、その事態に即応した適切な対策を講じなければいけないというふうに考えております。したがいましてこの事業団も時代の変化につれて絶えず変わっていく、より適切な体制になっていくということが必要だろうと思いますし、過去を見ましても、両事業団とも設立以来いろいろな組織の改編を遂げていまの両事業団になったわけでございますが、それがまた一つになりましても、従来の例のようにその時代に即した事業団に時々刻々変わっていくものになろうというふうに考えております。
○渡辺(秀)委員 振興事業団の斎藤理事長を参考人にお願いをしてありますが、きょうはほかに公務もお持ちのようでありますので、ちょっと順序がどうかと思いますけれども、事業団の理事長に御質問、御意見をお聞きしておきたいと思います。 現況についてとりあえずまず御質問をさせていただきたいと思いますが、いわゆる振興事業団と称してきたこれまでの事業団の役割り、使命、これらの趣旨は相当この構想の中に生かされてきた、私もこの事業団に対していろいろな手続的な問題とかあるいはまた細部にわたったいろいろな問題を指摘しなければならない点もありますが、大体マクロ的に見てこの振興事業団の今日の任務遂行は果たされてきているというふうに評価いたしております。 そういう中で業務内容について伺いたいのでありますが、業務内容に入る前にまず業務内容の実績、たとえば研修の制度というようなものもあったやに思います。こういうようなものについてどういうふうに実践してこられたか、あるいはマクロ的にでも結構ですが、この事業団の貸付状態などが大まかに言ってどうであるか、もし数字でもお持ちでしたらちょっとお聞きをしたいと思います。
○斎藤参考人 中小企業振興事業団は大きく分けまして三つの仕事をやっております。 一つは、中小企業者の共同して行います事業に対する低利、長期の融資の制度でございます。高度化資金融資制度と申しております。それからもう一つは中小企業者の経営改善等につきまして診断、指導を行っておる点でございます。それからもう一つは中小企業の指導者あるいは中小企業の経営者、従業員の方、そういう方々の研修を行っております。 まず融資の面でございますけれども、現在までの私どもの融資の総額は、事業団だけの融資額で約七千八百億円、それに県等もあわせて融資をいたしておりますので、県の分も含めますと約一兆一千億円の融資実績になっておりまして、現在の貸付残高も事業団の分といたしまして六千六百億円ほどの貸付残高に相なっております。これによります中小企業者の高度化事業は事業総額として二兆円を超えておりまして、この融資を利用されました企業数は直接間接を含めますと六十七万企業に達しております。それによりまして中小企業の近代化に大変に寄与したものというふうに思っておる次第でございます。 それから中小企業者あるいは中小企業指導者の研修の関係でございますが、これは私どもの前身でございます中小企業指導センターのころから研修事業を営んでおりまして、現在までの卒業生の数は三万七千名に達しております。そのうち経営関係の卒業生が二万三千名、技術関係の卒業生が 一万三千名、こういった実績に相なっております。
○渡辺(秀)委員 新年度予算でこの研修制度あるいは指導センターという事業団の出発の精神が、先ほど大臣がちょっと触れられましたいわゆる大学校構想というようなものになってきている。私は非常に喜ばしいことだと思いますが、今年度のこの予算の中に占められた大学校構想に対する具体的な形というのが、当初抱いた期待よりも若干十二分ではなかったという感じがしないでもありません。しかし、せっかくこれだけの大学校構想を打ち上げられたのでありますし、また、漸次これから充実していかなければならない独特な日本の中小企業政策を進めていく上で、あるいはまた日本の中小企業の企業経営者の足腰を鍛えるという意味においては、一般教育における大学教育と違う実践教育というようなものがなされていかなければならないと思うのです。そういう意味においては、事業団が発足するに当たって、この大学校をもっと積極的にあるいはもっとユニークな形で、いままでのようにできていつか消えていってしまうというような存在でなくて、息の長い、そして日本の教育分野の中に、中小企業対策の金字塔というか、本当に独特な教育の金字塔を立てるような取り組み方が必要ではないか。また、そういうことを非常に期待をしていかなければならないのではないか。学歴偏重とかいうようなことからこれからだんだんと離れていかなければならない、あるいはいままでのそういう悪弊を取り除いていかなければならない今日、非常に大きな役割りがそこにあるような感じもするわけです。また同時に、いまの一般教育というもので補い得ない十二分なる知識をここで植えつけていくということにも大変な意味合いがあろうというふうに思います。そういう意味で、中小企業庁として、この大学校構想について、来年のことを言うと鬼が笑うかもわかりませんが、教授陣の選任であるとかあるいはまた校舎を、研究所をきちっと設置するとか、そういう教育者や研究者が誇りと名誉というか、プライドを持ってやっていけるような環境づくりをする必要があろうと思うのですが、その点についての長官の決意というか、心意気をひとつお聞きしておきたいと思うのですが、どうでしょう。
○左近政府委員 五十五年度予算で中小企業大学校を発足させるという計画を持っておるわけでございますが、いま御指摘のように、五十五年度の予算の範囲内におきましては、大学校が発足いたしまして、従来の事業団の研修所から一歩前進したということでございますが、われわれの考えておりますのは、やはりこれをもっともっと充実させていかなければいけないということでございます。その趣旨は、中小企業の方々に現実に役に立つような勉強をしていただく。しかもそれは単なる知識の吸収ではなくて、時代の変化に即応できるように中小企業者の力を養成するということだろうと思います。そのためには、教授の方法も単に講義をするというのではなくて、実際に自分でやってみるというふうな要素を織り込んだ、アメリカなどにございますいわゆるケースタディーなどを多くいたしまして、中小企業者に応用力をつけるということが必要だろうと思います。ところが、日本ではそういう面での研究がまだ進んでおりません。したがいまして、大学校は教える反面そういう教え方の研究をしなければいけない、あるいは日本の中小企業の方々の独特な経営技法といいますか、そういうものを学問的にも開発しなければいけないというようなことがございますので、今後は研究機能を強化していくということが一つの大きな目標になろうかと思います。 それからもう一つ、やはり大きな目標は中小企業の方々の研修でございますので、現に仕事をやっておられる方がそう長い期間遠くへ離れることができないというような事情も一部あるわけでございます。したがいまして現在の東京校、関西校だけでいいのかという問題も出てまいりますし、あるいは通信教育というような面も考えなければいけないということで、全国の中小企業の方々に幅広く利用していただくのにはどうしたらいいか。これは新しい校舎をつくるのがいいのかあるいは通信教育というふうなものを充実した方がいいのか、いろいろな問題点がございますので、これは今後研究しなければいけませんが、そういう点が一つ問題だろうと思います。 そういたしまして、今年発足したものをさらに研究機構あるいは対象を広げていくというようなことについて今後の充実を図りたいし、これは事業団が一本化いたしましたので、さらにこういう点で強力にこれを推進してまいりたいというふうに考えております。
○渡辺(秀)委員 ぜひひとつそういう考え方で取り組んでいただきたいと思いますし、中小企業講座というような地方のU放送などを利用した形でまんべんなくその地域の人たちに——中小企業対策というのは、御存じのとおり各地域によっても産業あるいはまた産地の性格が違う場合もありますし、そういうことを考慮に入れられたきめの細かい大学校というようなことを考えていただけると非常に結構なことではないかというふうに思います。また、中小企業者の非常に期待するところでもあるのではないかというふうに思いますので、どうぞ来年大いにまたこの充実のために御努力を心から御期待申し上げたいと思うのであります。 事業団の理事長はもう時間がないと思いますので、一点だけ……。長官にも後でお聞きをしたいのですが、先ほど申されたように、いわゆる高度化資金が、県の方と合わせれば大変な額、一兆一千億ぐらいにまで上っているというお話がございました。事業団だけでも七千八百億円であるということだそうでありますが、これからもいわゆる高度化資金の利用ということは大いに積極的に中小企業者に督励をしなければならぬと思いますし、あるいはまた、これからそれらの活動が大いに活発になっていくのではないかというふうに思うのですが、御存じのように、今日まれに見る、戦後最高の金利体系の中に入っております。事業団のいわゆる高度化資金の金利は変動するものではないということだと思いますけれども、私は変動させてはならないという考え方でありますが、事業団としてあるいは中小企業庁として、この高度化資金に対して、高金利時代を迎えながらもこの金利体系は今後とも堅持していくという考えであるかどうか、今日この場においてその御決意のほどを、そして長官にはその見通し等もぜひお聞かせいただきたい。事業団理事長、お時間でございましょうから、どうぞお願い申し上げます。
○斎藤参考人 高度化資金は低利、長期であることがその特色でございまして、金利は高いもので二・七%、内容によりましては無利子のものもございます。それから期間等も十二年から十六年という相当長期の期間で融資をいたしております。最近の借り入れの状況を見ますと、だんだん借り入れる企業がより小型と申しますか、零細化をいたしておりまして、自己資金の少ない企業の比率が非常に高まってまいっております。そういう事情からいたしましても、この金利水準は少なくとも現状を維持さしていただきたいというように私どもは希望を持っておるわけでございます。できればさらに据え置き期間の延長の問題でございますとか、あるいは各種の融資条件等についても、そういう零細化が進んでおりますので、なるべく利用しやすいようにその条件の緩和方を図るように政府にもお願いをいたしてまいりたい、かように考えております。
○左近政府委員 高度化資金につきましては、窓口が、府県で貸し付けるとかあるいは方式によりましては事業団みずからが貸し付けるというような制度でもございますし、しかも内容が、組合等をつくりまして企業規模の適正化を図るための事業というような特殊な事業でございます。したがいましてこれは一般の金融ではないというふうにわれわれは考えておりまして、原資も主として政府出資を中心にあるいはまた県の拠出を中心にやっているわけでございます。したがいましてこれは一般の市中金利とは関係がなく、政策的に決めていくというのが本筋でございまして、現在でもほとんどの貸し付けがそういうことになっているわけでございますので、この態度を今後も貫いていきたいというふうに考えております。
○渡辺(秀)委員 どうぞ、理事長結構です。 大臣にちょっと私の考え方も織りまぜて申し上げますので、大臣のお考えもお聞きをしたいと思うのですが、先ほど御質問を申し上げた順序に戻りまして、いわゆる役員構成の問題であります。 事業団の役員は、振興事業団が七名、共済事業団は五名の、従来の二事業団の十二名を九名ということで削減をされておりますね。監事も二つ合わせますと三人のところを二人にされる。かなり合理化というか、行革の一つの実践をここでおやりになっているというのはよくわかるわけです。しかし役員の方は頭数は減らしているようでありますが、職員の方はそのまま引き継いでおられるということも、いわゆる生活権の問題もあろうと思いますけれども、この法律改正によって仕事の分野が広くなるということで、当然それだけの人員が必要であるということだろうと思いますけれども、とかくこれらの場合にはそういったことがよく見られます。必要なものは必要としていたし方のないことでありますが、単なるそういう一足す一は二であるという形であってはなりませんので、その辺のところが一点、お考えは那辺にあられるか。そしてこの役員人事について、いままで天下りはいかぬとよく新聞でも世論でもいろいろ言われております。役所からの天下りはいかぬということを言われますが、大臣、私は実はちょっと考え方が違うのであります。せっかく何十年国の金で、こう言ってはお役人の皆さんにどうか知りませんけれども、養育をしてきたあるいは経験を積み重ねてきたこれらの人たちが、ただその年齢に来たからといって、さらにもっと国家に奉仕できるあるいは社会に奉仕できるというのに、天下りはいかぬということだけでこの人材を登用しないということは果たして国家のためになるのかどうか。私は、そういう一般的な考え方の中にある底流は、言うならば役所で取ったお金に倍する金を事業団で取るとかあるいは天下りで行った個所で取るとかあるいは退職金をよけいに取るから問題になるのであって、人材登用に対しては全く別ではないのか。これらのことははっきりこの新しい事業団ができたときあるいはまた発足するとき、こういう姿勢は私は国家の将来のためにも明確にすべきではないかと思うのです。私は、能力がありあるいはまた経験を積んだお役人の人たちに大いに国のために死ぬまで働いてもらうということ、これはお互い国民としての当然のことではないかと思うし、それらの人材を発掘することが政治家としてこれまた大きな責任でもあるのではないかというふうに思いますので、この事業団におかれても将来天下りはいかぬなんておっしゃらずに、大いに人材を登用されたらどうか。これはもちろん役所からだけのことでもありません。広く民間からも同じことが言えると思いますが、とりわけ役所の関係においても、私はお役人の肩を持つつもりは毛頭ありませんけれども、しかし一般的な考え方としてどうも間違った概念があるような感じがいたしますが、大臣の御所見も承っておき、かつ今後のこの事業団に対する人事構想についてお差し支えがなければお聞かせを願いたい、こう思います。
○佐々木国務大臣 まだ実は具体的に考えてはおりませんけれども、しかし一応の私の考え方といたしましては、やはりただいま御指摘ございましたように、これは何と申しましても中小企業業務に対して専門的な知識を持った人が一番適材であることは申すまでもないと思いますけれども、さらばといって人間的に欠点があってはいけませんから、人格、識見、指導力等兼ね備えた人であれば一番よろしいんじゃないか、そういう二つの面をにらんで人選に入った方がいいんじゃないかと思っています。 それから後段のお話のように、私も実は民間人だからどうだとか官界ではどうだとかという行き方はどうも少し考えが狭過ぎるので、その人自体がりっぱであって人材でありますれば、出身のいかんを問わぬでもいいんじゃないかというおおらかな気持ちでおります。そういうつもりで選定をしていくつもりでございます。
○渡辺(秀)委員 ぜひ大臣、ひとつ大いに大胆にりっぱな人を登用していただいて、りっぱな事業団の推進に当たっていただくように、人事構想について慎重かつ大胆な御配慮、御推進を御期待申し上げておきたいというふうに思います。 中小企業共済事業団の理事長せっかくお見えでありますが、大変順序が逆になって恐縮でありましたけれども、この事業団でやってこられた教養のための施設というのがございます。具体的にその内容やあるいは今後の計画、先ほど振興事業団の理事長にもお答えをいただきましたが、概略で結構ですけれども、いままでの業務の実績等もせっかくの機会ですのでお聞かせ願いたいというふうに思います。
○越智参考人 教養のための施設に直接お答えいたします前に、ただいま先生後段で御質問ございましたが、中小企業共済事業団は昭和四十年の十二月に発足いたしまして、小規模企業共済制度の運営をやってまいりまして、十四年四カ月になります。加えまして、ちょうど二年前の五十三年四月から中小企業倒産防止共済制度の運営をあわせて行ってまいっておりますが、この間におきまして、特に前者、小規模企業共済制度はたびたびの御改正をいただきまして大変りっぱな制度になってきているのではないかと思っております。そういうことを反映いたしまして、小規模企業共済制度の加入者も累計では百十万件ぐらいになっておりますし、共済金を受けて脱退をされた後の現在の在籍におきましても八十五万件くらいに達しております。 もう一つの倒産防止共済制度は、まだ二年でございますので成果は余り芳しくございませんが、二万件程度の加入実績になっております。 ところで、この小規模企業共済制度については、そういうわけで相当期間の歴史を積んでまいりましたし、大変多数の方の御参加を得ておりますので、いろいろな方法を講じて、単に共済金の交付だけでなくて加入者還元ということもできるだけしてまいりたい、こういうことで宿願にしてまいっておりましたが、今度の機会に加入者のための教養の施設をとにかく設けて、それを運営していきたい、こういうことでございます。 まだ時間も若干ございますので、これから大いに研究、検討してまいりたいと思っておりますが、日ごろ小規模企業者、小規模企業共済制度の加入者の方々においては非常に本業でお忙しくしていらっしゃいますので、何とか事業団の方で教養の増進のための工夫をして、研修会とか講演会を行うとかあるいは郷土の産品等の展示をするとかあるいは共済契約者など御自身がいろいろと会議にお使いになるとか、こういうような施設になってくるものと考えております。まだこれから大いに研究をしてまいりたいと思っておりますが、大体そんなふうに考えております。
○渡辺(秀)委員 これは、ひとつ理事長、非常な零細企業者であります。本当にある意味においては家内工業者ということでありますが、こういう人たちに将来的展望あるいは安心感というようなものを与えていく、極端に言うなら唯一の窓口というか、そういういわば政治の一つの光というか、そういうものだろうと思うのです。どうもお役所でおやりになると、相手の方から声をかけてくることを待つというかっこうになりますが、役所でない事業団で今度はおやりになるわけですから、かなりサービスをあるいは行き届いたPRをおやりになって、まだまだ理解されてない点が非常にあります。ぜひひとつこれから、先ほど大臣、長官がおっしゃっておられるように、かなり積極的な、中小企業事業団というすばらしい名前で中小企業問題のあらゆる問題を網羅して、日本の中小企業対策の先端を担っていこうという構想でありますから、ぜひひとつこれは今後とも御努力をいただいて零細企業の皆さん方のニーズにおこたえをいただきたいというふうにお願い、御期待を申し上げておきたいと思うのであります。 そういう中で、これは長官にお聞きをしなければなりませんが、倒産防止共済の問題であります。私は、この「中小企業事業団法案の要点及び問題点」という衆議院の商工委員会の方でお出しになられた資料をもっていまいろいろ御質問をさしていただいているわけでありますが、この中に、十七ページにも、「貸付条件は、無担保、無保証人、無利子、償還期間五年」こう書いてあるわけですね。無利子と言われているけれども、掛金分は没収されるために、結局実質的には利子分の負担が生じているという形になっております。いわゆる共済制度というのは相互的な分担の中で行われていくという精神はよく理解できますが、この資料でさえも無利子という言葉をうたっていて、かつ、掛金分は没収されるというか、実質的に戻ってこない。言うならば金利負担のいわゆる無利息にする場合のコストであるということだと思うのですけれども、これは将来ひとつ、ごく近い将来において、先ほど大臣も倒産防止の改善をおっしゃっておられましたが、この負担分をできるだけ軽減する。現在では百二十万の掛金で千二百万。千二百万五年借りてしまうと百二十万円が戻ってこない。結局五年間借りている間に約一割の利子負担というか、そういうものが残されているというかっこうになるわけです、形は。しかし、これは利子負担ではなくてコストであるということは理解できますが、このコストをさらに軽減するということをお考えになっておられるかどうか。私はそれらを講ずるべきではないかと思いますが、お考えを承りたいと思います。
○左近政府委員 倒産防止共済制度は一昨年の四月から発足をいたしました。当時、これは全く新しい制度でございますので、とにかく実施をしてみるということで発足いたしまして、五年ごとに見直すということになっております。 ところで、いまの御指摘の点も、やってみますといろいろ中小企業の方々からも御意見を伺っております。この共済金を得るための掛金を、共済金を借りますと、後、掛金分はいただくということになっておりますが、それは共済金を貸し付けるための借入金を事業団がしなければいけません。その借入金の金利とかあるいは貸し付けられた共済金が貸し倒れになる場合もあるわけでございます。その貸し倒れに対する対策というようなことで、経費としていただくということになっておるわけでございますが、しかし加入者が非常に多くなりますと、借入金も少なくて済むケースが出てまいりますし、それからまた、貸し倒れも少なくなるケースも大いにあるわけでございます。そういたしますと必ず掛金分をいただくというのはどうであろうかということをわれわれも考えまして、実は今回国会に提案をし、近く御審議いただくことになっております倒産防止共済法の一部改正案におきましてはこれを改善するということにいたしておりまして、この共済金の貸し付けを受けた人が貸付金を全部完済いたしますと、その時期における経理の事情を見まして完済手当金というものをお出しすることにいたします。そういたしますと、実質上この掛金の一部をお返しすることができるということになるわけでございまして、それはいま申しましたようないろいろな経費の実態を見まして、そして共済の全体の経理からなるべく完済手当金として加入者にお返しすることにするという制度をつくろうと思っております。いずれこの法案については御審議願うことになっておりますが、そういうことで制度を改善いたしたいというふうに考えておりますので、よろしく御了承願いたいと思います。
○渡辺(秀)委員 いずれこれは法律改正が提案されるわけですから、その席上でまたお聞きをするあるいは議論する場面もあろうと思いますので、この点で了といたしますけれども、何といっても零細企業の、今度はこの改正案で二百十万、二千百万ということになろうと思うけれども、二百十万円の金というのは零細企業にとっては大きな金です。それが五年貸していただいて実質的にはなくなってしまう。そこに何かちょっとまだ割り切れないものがある。しかし、それでは金利から見たら年一割と言われている今日の状態の中で、五年で一割ですから非常に微々たるものであり、年二分ですか、そのくらいになっているわけですから非常に安いということはわかりますけれども、心理的な問題として、あるいは政策として考えた場合、これらのことについてどうぞひとつ検討をして軽減を図ってもらいたいと思うのであります。それは希望を申し上げておきたいと思います。 時間もなくなってまいりましたが、下請企業課長、あるいは長官からお答えをいただいてもいいのですが、最近の、いま申し上げたような金利あるいは金融引き締め状態、高騰金利、こういう中で中小企業の非常にのたうち回っている苦しさは御存じのとおりです。下請企業に対する金融引き締めの中でのしわ寄せがもう刻々と出てきている。私は、近い将来必ずいろいろな問題が出てくるような気がいたします。たとえば、元請の方で金融引き締めによって企業が苦しくなって、それを下請にかぶせてしまう例としてよく返品あるいはクレームということで、もういわれなき返品やクレームというようなことが行われて、零細下請企業が泣いてきていることはいままでも多々見られておる現象です。こういうことに対して、昨今のこの金融引き締めから惹起されるであろうこれらの問題について、中小企業庁としてどういう取り組みをしていかれるか、この機会にぜひその存念をお聞きしておきたいと思いますが、ひとつ十二分なる監視をしていただいて、これらの不当な下請企業いじめを手厳しく是正させる、場合によっては金融機関にもそういうことを伝達するというか、それぐらいの行政指導の姿勢があってもいいように私は思います。ぜひひとつその辺のお考えをお聞きしたいと思います。
○左近政府委員 過去の事例を見ましても、金融引き締めという事態になりますと、どうしてもこのしわが下請企業に寄るという事態は事実でございます。したがいまして、今後そういうしわが下請企業に寄ることがないようにわれわれも十分措置をしようということで現在準備をし、また実際に実践に当たっておるところでございますが、やはりこれは下請代金支払遅延等防止法に基づきますいろいろなチェックを厳格にやるということが一番必要だと思います。実は私の方の地方通産局を動員いたしまして、毎年親企業に対していろいろな立入検査等々を実施しておりまして、調査件数といたしまして五十四年度で三万六千件やることになっておりますが、五十五年度には四万件に件数をふやしておりますし、またわずかではございますが定員もふやしております。現在のような非常に人員をふやすことが厳しい時期でも、財政当局もそれを理解いたしまして人員増もいたしております。したがいまして、そういう予算上の措置を踏まえまして、この金融引き締めが深刻化すればするほど立入検査等々の検査を厳重にやってまいりたいと考えておるわけでございます。 それから他面、そういう親企業が、たとえば従来発注しておったものを減らすとかいうようなことで下請企業に直接の打撃があった場合に、下請企業自身に対してもいろいろな援助をするということをやっておりますが、来年度は新しい融資制度も設けまして、下請企業に親企業の発注がなくなるとかあるいは親をかわらざるを得ないというような場合に、低利で融資をする体質強化資金制度というものも創設することにいたしております。したがいまして、取り締まりとそれから下請企業に対する助成、両面からこの問題に対処していきたいというふうに考えております。
○渡辺(秀)委員 長官、そういうことだと思いますが、問題は、この経済の動向が、御存じのとおり不況に入るときが問題なんですね、いままでの例をごらんになっておわかりのように。もう不況に入ってしまえばその形でいくわけです。不況に入るところで、いわゆるその川上の方がどうしようもないときに下請をいじめるわけです。そのときが問題。言うならば、私はいま不況に入るとは思えませんけれども、しかし断言はできないと思いますが、いまの時期が非常に微妙な時期なんですね。ですから、そこのところをぜひお忘れにならないようによく御監視を願いたいと思います。 時間がなくなりましたので、最後に大臣に。 いまも下請の関係でもおわかりのとおり、中小企業政策は、大変恐縮ではありますけれども一つにはもう金融政策と言われるぐらいであります。ですから、この金融引き締めの中でこれからの中小企業はかなり苦しい時期に入る。そこを政府としてあるいはまた政治として中小企業あるいは零細企業に手を差し伸べてやらなければならないのでありますが、いわゆる政府系の金融機関はこの中小零細企業に対する資金需要にどうこたえていくかあるいはまたどうこたえさせるか、これらについて政府としてその対処方をお聞きしておきたいのであります。新事業団のこの新しい構想の中で、金融関係というのはまた大きな分野を占めておりますが、いわゆる事業団ということでなくて、政府系の金融機関を監督されるお立場で、これからの経済の厳しい動向の中での中小零細企業に対する大臣の御所見を承っておきたいのであります。それをもちまして私の質問を終わりたいと思います。
○佐々木国務大臣 お話しのように、最近の金融引き締めが浸透してまいりますと、政府系の金融三機関の重要性というものはますます加わってくると思います。そこで、四月から始まります五十五年度で一体どのくらいの貸付規模を考えておるかと申しますと、対前年度比で一〇%の増加でございまして、これは、五十四年度の実績の伸び率が前年度比の約八%増でございます。でございますから、それを考えますと、まず一〇%見込んでおれば十分ニーズにはこたえられるのではないかと思っておりますけれども、しかし一番肝心なことは、もう一つ、このしわ寄せがどんどん中小企業に集中されるなんということになりますと、これは幾らあってもかないませんので、そういうことのないようにいろいろ情勢を勘案してみまして、どうしても手を打たにゃならぬということになりますればそのときにまた機動的に対応していきたい、このように考えておるわけでございます。
○渡辺(秀)委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、どうぞひとつ大臣、そして中小企業庁長官におかれては、中小企業に対するいろいろな施策の中でこの政策の遂行をされていくという背景は、中小企業の存続がなければ意味ないわけであります。中小企業の存続を図る上におきましても、いま申し上げたように金融関係というのは非常に大きな、もう九〇%ぐらいを占める柱だと思います。枠がないとかあるいは保証協会の問題であるとか、いろいろな問題がありますが、どうぞひとつ臨機応変に、敏速に厳しい経済情勢に対応できる措置を、中小企業、零細企業の皆さんの期待にこたえていただきますように御期待を申し上げたいと思いまして、よろしくお願いを申し上げる次第であります。 以上をもちまして質問を終わります。
○塩川委員長 これにて渡辺秀央君の質疑は終了いたしました。 次回は、来る二十八日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時三十一分散会