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91回国会衆議院1980/03/19

商工委員会 第8号

発言数
199
登壇者
17
会派数
5
開催日
1980/03/19

会議録

塩川正十郎自由民主党・自由国民会議

○塩川委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたし、質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上坂昇君。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案に関連をいたしまして質問をいたしたいと思います。  去る三月十四日にアメリカのカーター大統領は、戦後最高と言われるインフレの鎮静のために総合インフレ対策を発表いたしました。これは御承知のとおりであります。同時に、現行の公定歩合を一応十三%に据え置きながらも、新たに選択的高率適用制度を設けて三%引き上げて、実質的には公定歩合が一六%となりました。またプライムレートの方も一七・七五%から〇・七五%上げて一八・五%になったわけでありますが、これを受けるような形で、今回日銀が公定歩合を一・七五%引き上げて九%にするということをきょうから実施するということであります。これは物価対策が一番基本になっていると思いますが、こうした措置で今後の物価上昇を抑えることができるのか、また政府の見通しである六・四%というものを実現できるのかどうか、この辺のところをひとつ大臣から、閣議決定等を踏まえて明確にお答えをいただきたいと思います。  それから、成長率を四・八%にしようとしておりますが、私たちの考えではなかなかむずかしいのではないかという感じがいたします。そこで、この成長率についても一体見込みはあるのかどうか、この辺のところをひとつ御説明をいただきたいと思うのです。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 公定歩合の問題は、本来金融当局の判断にゆだねる問題でございまして、私どもから申し上げるのはいかがかと存じますけれども、あえて御質問でございますので、通商産業政策を担当している立場から所見を申し上げてみたいと思います。  きのう決定を見ました公定歩合の引き上げ措置と、きょう午後から行われるであろう総合的な物価対策によりまして、物価安定のいわば総合的な体制は整うものだと考えております。したがいまして、この諸措置によりまして十分物価安定の実を上げ得るものと期待し、確信しておるところでございます。今後の金融政策につきましては、景気の問題が大変重要になってくると思いまして、いずれ微妙な局面を景気面では迎えるのではないだろうかと考えられますから、その動向をよく見まして、機を逸することなく機動的、弾力的な対応が金融政策にとられることを期待する次第でございます。  二番目の、六・四%の消費者物価の目標は崩さずにそのまま達成できるかという御質問でございますけれども、御承知のように五十四年度の後半から卸売物価が上昇してまいりましたので、その影響が出てくるほか、公共料金の改定等の影響もございまして、五十四年度の実績見込みは大体四・七%程度の見通しでございます。それを受けるわけでございますが、私は、六・四%の目標はこれからの一致した努力によりまして達成可能のものと考えてございます。  その間におきまして通産省はそれではどういうふうな対策をとっていくのか、政府が努力と言うけれども通産省としてはどういう努力をするのだということを、冗長でございますが、少しお話し申し上げます。  ただいま主要物資需給価格動向連絡会というものを省内に設けておりまして、業種別、品目別に需給関係あるいは価格動向等を丹念にフォローして、そして調査、監査を進めながら、必要な商品ごとに問題がありますれば機動的に対策を講じようということになってございます。きょうの午後行われる総合物価対策におきましても、いま申しましたような対策を今後強化することによりまして六・四%の範囲内でどうしてもとどめるための最善の努力をみんな申し述べるはずでございまして、そういう点から考えましても六・四%の線は守れるのじゃなかろうかというふうに私は考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 これは物価の問題、それからいろいろ対策について、きのう余り聞かないようにという連絡がおたくの方からありまして、それがわからないのですが、これは、物価というのは経済企画庁の方でまとめて取り仕切っているので、通産省の大臣の問題じゃないというのですね。これは変な話だと思うが、通産大臣は大平内閣の重要なポストを占め、いろいろ識見の本当に豊富な方であるからそんなことはないだろう、こう言ったら、物価には水産物から何からたくさんあると言うのですね。そういうふうに説明するのです。だから、それはわかっていると言った。授業料だってやはり物価に入ってしまうのだから、それだったら文部省から何からみんな来てもらわなければならないという話をしたわけですがね。ですから、実を言うと余りここで大臣と物価のやりとりはしないことにしたのです。だから余りやらないのですけれども、少し聞いておきたいと思うのです。  というのは、きょう、いま新聞をちょっと見ましたら、三月の上旬で前年同期比で二一・九%上がりまして、二月の上旬の前年同期比でありますと二〇・二%卸売物価が上がっているわけですね。この調子でいくとこれは大変なことになって、いままで比較的に安定をしていたと見られる消費者物価もやはりかなり上がってくるのじゃないか、そういうふうに思います。御承知のようにきょう電力料金が決定をされましたですね。それで、これがまた産業用の電力は五四%にするということを大分通産大臣ががんばって、そういうことにしたということを聞いておるわけでありますが、これは、電力が上がってくる、ガスが上がる、国鉄、郵便、何でもかんでも上がることになりますと、どうしてもいまおっしゃったような消費者物価を六・四%に抑えるというようなことが非常にむずかしくなってくるのではないかというふうに思うわけであります。ここに松浦議員がおりますが、松浦先生の調査と試算では、公共料金だけでいまの状況よりも二・五五%上昇する、これは公共料金だけです。ですから、その他の物価の問題をとっていくとこれは大変なことになってしまうのではないかという試算を発表されたわけであります。また、三菱銀行だったと思いますが、ちょっと調べましたら、消費者物価はことしの下期には恐らく二けたを超すであろうという見通しを立てておりまして、年間にしますと九・八%から一〇%くらいまでいくのではないか、こういう見通しを立てております。ですから、いまの状況でこの消費者物価の値上がりというものは、これはかなりひどいものになるのではないかというふうに思うのですが、その辺のところをもう一度、見通しとしてそういうおそれはない、こういう自信でおられるのかどうか、お伺いをいたしたいと思います。

宮本四郎通商産業省産業政策局長

○宮本(四)政府委員 先生御指摘のように、物価につきましては、現在及び近い将来非常に重大な局面を迎えていると思います。卸売物価の上昇率につきましては、御指摘がございましたとおりでございますので省略を申し上げますけれども、対前年同期でかなり高いピッチでこのところ推移いたしております。幸いにいたしまして消費者物価の方は卸売物価ほどは上昇いたしておりません。ただ上昇はきつくございますが、私ども経済企画庁から話を聞いたところによりますと、生鮮食料品、野菜がいまのところの大きな原因であるということでございます。当然ながら卸売物価は海外からの石油の値上がりが国内に入ってまいりまして、それが国内で次々と転化され始めておることは御存じのとおりでございます。  ところで、これが一体どういうふうに推移するか、先ほど大臣のお話がございますように、私ども、この四−六は非常に大きく物価が動いてまいると思うわけでございますけれども、昨今の九%という、前回のオイルショックのとき以来の非常に高い公定歩合の引き上げ、それから本日の午後御決定賜ります財政その他の一連の措置を含みますところの総合的な物価対策、こういうことを経まして、経済の地合いはこのところ急速に変わってまいるのではないかと想像いたしております。それで、現在の高い卸売物価も、四−六の間は当然続くと私どもは思うわけでございますが、その先になりますと少し地合いが変わってくる。三月の上旬に入りましてから国際商品市況、それから国内の商品市況も少し模様が変わってきておりまして、若干上げ足をとめたりあるいは反落をいたしたり、あるいは高値抵抗感で買い控えがあったり、この一−三の二月までの姿とは少しさまが変わってきたような感じもしないわけではありません。そこにもってきてこういう総合物価対策が総合的な観点から需要の管理という目的でもって実施されますと、私どもも、今後の景気の先行きにつきましてはいままでと非常に違った模様が出てくるのではないか、こういうように考えております。  もう一点、卸売物価と消費者物価の関係はもちろん相互に関係があるわけでございますが、現在までのところを分析いたしますと、卸売物価の中でも素材は非常に上がっております。これは六、七割上がっておるかと思うのでございますが、卸売物価の中の中間財、完成品については比較的落ちついておりまして、その完成品の影響を受けますところの消費者物価は、これは野菜などを除いておりますけれども、これまた相当落ちついております。ところが、これにつきまして電気、ガス料金の値上げその他が入ってまいりますけれども、この辺は今度野菜の値下がりを私ども期待をいたしておるわけでございますが、総合的に判断する必要があろうかと思います。いずれにいたしましても、前回のいわゆる狂乱物価の時代と比較いたしまして、今日の経済情勢から判断いたしますと、前回のような非常に激しい上昇は何とか避けられるのではないだろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 金融引き締めをやりますと、これは大体企業の利潤は減ると見るのが普通だろうと思うのですね。それから企業の投資意欲ももちろん減少してくるわけであります。ただ、いままで減量経営をずっとやりまして、五十三年から四年にかけまして軒並み増益を記録をして在庫調整もかなり進んだ大企業といいますか、そういうところでは今度の金融引き締めに対してもまだ余力があるかもしれません。しかし、減量経営をやるにもやれないような中小企業、それが今度の金融引き締めで金利はもちろん高くなるし、それから生産財が、先ほど言った素材がどんどん上がってくる、それの加工をする企業などにおいては原材料の値上がりに非常に苦しめられる、また電力が大幅に値上がりをする、こういうような状況の中で生産に取り組んでいる中小企業にとっては、今度の金融引き締めというのは非常に大きな負担を持つことになるのではないか、こういうふうに私は思うわけであります。  そこで、中小企業にとって何といってもいま一番大切なのは金融面で何とかしてもらえる、そこのところ、いわゆる金融対策というのが非常に重要なものを持ってきていると思いますが、いまの状況の中でこの金融引き締めの影響を中小企業はどのようにかぶるかという問題、ここが非常に大切ではないかと私は思うのです。これについての見通し、その点についてひとつお答えをいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 海外物価の影響を極力食いとめて国内でのインフレの高進を抑えるために、金融引き締めというものも物価対策として必要であろうかと思うわけでございますけれども、いま御指摘のように、中小企業はこの引き締めによって非常につらい立場に立たされることは事実でございます。そこでわれわれといたしましては金融対策を十分とりまして、いやしくも中小企業にしわが寄らないような対策をやることが一番必要であろうかというふうに考えておりまして、そういう意味において政府系の中小企業金融機関の資金量を確保する、あるいは信用補完機構を拡充する意味において信用保証制度を拡充するというようなことも現在考えておりまして、実はこの信用保険法の改正案も提出をしたわけでございますので、こういう方策を講じながら中小企業に金融上のしわが寄らないような対策を講じていきたいと考えているわけでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 金利の引き上げ、いわゆる金融施策をやる場合に、一つの条件として、余り激しい経済の変動といいますか、インフレーションが非常に激しくなったりデフレーションがひどくなったりするというような状況がないときには効果がある、こういうふうに言われておるわけでありますが、いまのいわゆる物価上昇、インフレ状況というのはかなりひどいものになるのじゃないかと私は思う。そういうときに一挙に金融引き締めをやるということが、果たして景気の動向を安定させるというかっこうに一体いくものかどうか、こういうことを心配するわけであります。  そこで、物価の問題についていろいろお聞きをしたわけでありますが、いま信用保険法の改正とか何かをやりまして中小企業対策をやる、こういう答弁でありますが、どんな対策をしたにしてもやはり借りたものは金利をつけて払わなければならぬし、それを払わないということになれば、これはもう支払いのできないような状況というのは倒産の状況ですから、保険法を強化して対策を立てることはいいのですけれども、やはり金利が上がるということそのこと自体は中小企業の首を絞める形になるということは事実でありますから、そこで中小企業に対する金利というものはできるだけ抑えていくということが必要ではないか。そのために財投のいわゆる負担が重くなっても私はこの際はやむを得ないのではないか、こういう感じを持っているわけなんです。大臣、そのことについてはいかがでしょう。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 公定歩合の引き上げに伴いまして一般の金利も上昇をいたします。したがいまして、政府系の中小企業金融機関の金利をどう設定するかということも問題になるわけでございますが、実は従来は政府系の金融機関、ことに中小公庫なり国民公庫の金利というのは、民間の長期の最優遇金利に大体合わせるという制度できておったわけでございます。実はこの第四次の公定歩合の引き上げに伴いましてどのように金利を設定しようかということで、現在関係方面と検討中でございます。これにつきましては、いま御指摘のような資金運用部の金利の問題も決める場合の一つの考慮すべき点であろうかと思いますけれども、現下の中小企業の大変な事情ということを考えまして、先ほど申しましたように、中小企業に金融上のしわが寄らないような対策を打ち出すべく現在検討中でございますが、われわれといたしましてもそういう事情は十分考慮いたしたいというふうに考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 五十三年の後半以降、景気はかなり回復基調にあったことは事実です。しかし、倒産は相変わらずかなりの高水準を示してきたと思います。特に昨年の十月から見ますと、十月で千五百十六件、十一月は実に千六百八十一件、十二月が大体横ばいで千六百六十六件、そしてことしに入ってちょっと落ちましたが一月に千百八十八件、二月にまた増加の傾向になりまして千二百七十六件の倒産があります。これは前年比で見ますと、二月はまさに二〇%の増になっております。  こういう状況を見た場合に、倒産がふえれば当然失業者が増大をする、金融の焦げつきが起こる。こういう状況のところへ今度は金利を上げる。片方はなかなか借りられない、中小企業の方は民間からも、もちろん政府金融機関からも借りられない。そこで今度は貸す方にしますと、非常に危険な状況があって、また金利引き締めや原材料の値上がりによって経営が怪しくなるだろうという見通しが出ますと、どうしてもこれは選別融資という形が非常に強化をしてくるのではないか、こういうふうに私は考えざるを得ないわけであります。そこで、そういうことになりますと、せっかく金融の枠を広げたにしても、実質的に中小企業がなかなかお金を借りられないという状況が出てくるのではないか、こういうことが懸念されるわけであります。この辺についてどんなふうにお考えになっているか答弁をいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 御指摘のように倒産の状況も昨年よりは相当増加しておりますし、それから例年一月、二月は年末よりも倒産が少し減りますが、三月、四月は年度末というせいもございまして増加するというのがパターンでございますので、ことしも三月、四月というものをわれわれもよく注目をしてまいりたいというふうに考えております。したがいまして、そういうものに対する対策といたしまして直接倒産に関連いたしました問題、たとえば連鎖倒産の危機に陥るといったことに対しましては、倒産対策の緊急融資制度ということで、政府系の中小企業金融機関が低利のしかも緊急融資をやりまして、急を救うという制度をかねてから実施しておりますが、こういうものをひとつ十分活用していただくように、今後もわれわれ十分指導いたしたいというふうに考えておりますが、ことにこういう状態になりますと御指摘のような選別融資というようなおそれもございます。したがいまして、こういう一般的な金融に対しましてもやはり政府系の三機関の融資を十分に確保いたしまして、民間の金融機関でなかなか借りにくいというような場合には、政府系の機関が十分活躍をするというふうにいたしたいということでございまして、それに対する資金枠は第四・四半期につきましても、また来るべき五十五年度の第一・四半期につきましても、十分な資金枠を確保するように準備をいたしております。また、民間金融機関からもなるべく容易に金が借りられるように、先ほどもちょっと申し上げましたが、信用保証協会の信用補完制度というものも十分活用するように準備をいたしたいということで、先ほど申しましたように、今後の状態に備えていろいろ金融機関を指導しておるのが現状でございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 いわゆる信用補完制度の問題でありますが、いまの中小金融公庫の方では信用保証協会の利用状況はどんなふうになっているか、ちょっと御説明いただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 中小企業金融公庫の貸し付けについての信用保証の利用状況でございますが、一般的に申しますと、大体貸し付けのうちの六%ぐらいが信用保証協会の保証を利用いたしております。直貸しにつきましては直接審査をいたしますので、さらにこの保証協会に頼る分は少ないということになっております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 間接貸しの場合に六、七%しか信用保証協会を使ってないということですが、これはなるべく少ない方がいいわけでありますが、しかし実を言いますと、これは中小金融公庫の問題じゃないですが、国民金融公庫の問題ですが、私の地元でまた最近信用保証協会を使う傾向が非常にふえてきた。二、三日前にも連絡がありまして行ったら、それは全部信用保証協会通してこい、こういうかっこうになってきている。国民金融公庫の場合は当然そんなに大きな金を貸すわけじゃないので、だから余り保証協会保証協会と言うと、保証協会というのは最近、保険法の方でやるのが筋かもしれませんが、ぼくは中小企業の、いわゆる零細企業などの保証機関ではなくて、銀行それ自体の保証機関になっている、こういう感じがするわけであります。そこのところが問題でありますが、少なくとも政府金融機関においてはなるべくこれは避けて、やはり直接に審査をするなり何なりをして育て上げていくという形での金融対策というものをやるべきであろう、こう思うわけであります。その点についての地域に対する指導を十分やってもらいたいと思いますが、いかがですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 信用保証協会の保証の主たる任務と申しますか、目的というのは、やはり民間の金融機関が貸しやすいようにするということでございまして、政府系の金融機関は元来むしろ自主的な判断で貸すということが主体になるべきでございまして、先ほど言いましたように中小企業金融公庫は大体六%しか利用しておりませんし、われわれとしての指導といたしましても極力そういう保証はつけなくても済むようにやりなさいという指導をしておるわけでございます。ただ、非常にボーダーラインと申しますか、貸し付けについてなかなかむずかしいようなときに、通常のものではむずかしいが保証をつければ貸せるというようなときにはいわば例外的に保証をするという制度でございます。国民金融公庫についても同様な指導をしておるわけでございますが、末端にいきましていろいろ案件があろうかと思いますが、われわれとしては今後はやはり本来の信用保証の趣旨、つまり民間の貸し付けを保証するという趣旨を十分徹底いたしまして、政府系機関としてはなるべくそれを利用しないでも貸し付けができるようにしていきたいというように考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 最近金融公庫のいわゆる収支状況というのが徐々に悪くなってきているというふうに考えられますが、その理由はどういうところにあるのか、御説明をいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 中小企業金融公庫は設立以来非常に利ざやも安定しておりましたし、経費面も堅実に運営をしていたということで、五十二年度までは順調に推移をしてきたわけでございます。ところが、御案内のとおり第一次石油ショック後の不況、それから円高ということで大変中小企業が危機に陥ったときに、それに対する一連の対策を政府が実施いたしました。たとえば倒産対策緊急融資とかあるいは円高対策融資とか、こういうものを実施いたしまして、これは非常に安い金利の政策的な緊急融資をやったわけでございます。それからもう一つ、過去の第一次石油ショック後の公定歩合が、あのときも九%になったわけですが、あの時期の高金利時代の借り入れが相当残っておりましたものを、一昨年、昨年というような時期には金利が低下いたしましたので、既往の貸付金利を引き下げてほしいという御要望がありまして、これを実施いたしました。それからまた繰り上げ償還、早目に返してしまうというようなことも行われたわけでございます。これは民間金融機関でございますと貸し付けの論理から言いましてなかなか実施しないわけでございますが、政府系金融機関という任務を考えましてこれに対して積極的に対応したということでございますが、これはやはり金融機関としては金利の高い貸付金を減らしてしまうということでございますから、金融機関の経理としてはマイナスに響くというようなことがございます。  以上のような、いわば政府系の金融機関の立場から相当無理をいたしましたので、そこで収支が悪くなりまして、五十三年度には期間損失としては大体八十八億、これは積み立てた引当金で消したわけでございますが、八十八億というものが赤字になったということでございます。こういうことで、五十四年度も赤字になるのではないかということにわれわれも推測をしておるわけでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 収支状況が悪くなってきている理由については理解をいたしましたが、中小金融公庫の収支が悪くなってきますといわゆる経営の安定を欠いてくるわけですね。そうなりますと、中小企業者の資金需要、これに対する弾力的な対応というのがやはりなかなか困難になってくるのではないかというふうに考えるわけであります。したがって、金利をなるべく抑えようと思っても、抑えれば抑えるほど収支がますます悪くなるという形になりますと、どうしてもやはり連動して金利を上げていかなければならない状況が出てくるだろうと思うのです。そういうところに一つの問題があるわけでありますが、この辺についてはどういうところを改善をされていくのか、これは中小企業金融公庫の方の問題かもしれませんけれども、指導の立場として中小企業庁の方ではどういう指導をされるのか、これについてお考えをいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 中小企業者へ資金を円滑に供給する、しかも有利な条件で供給するというのがこの中小公庫の使命でございますので、これの経営基盤が不安定になりますとそういう使命が果たせないという心配がございます。ただ、先ほど公庫の経理状況の御説明を申し上げましたが、これは、そういう緊急時における政府の施策に応じてやった措置でございますので、一時的な要因であろうかとわれわれは考えておるわけでございます。基本的には公庫というのは過去のずっと長い間の歴史が示すように、公庫自身の努力にもよりまして安定的な推移をたどっておりますので、一時的な要因が過ぎればまた安定的なものに返っていくと思います。しかし、当面の問題といたしましては、公庫自体においても経費の節約その他非常な努力をしておりますし、またわれわれといたしましても健全にするようにいろいろな面を考えております。たとえば今回の二十億の出資につきましても、これは必ずしも当面の問題ではなくて、長期的な将来の金融事情をにらんで今回出資することにいたしたわけでございますが、当面にいたしましてもこれも一つのプラスにもなるわけでございますが、将来もこういうことで、必要に応じて公庫の収支を健全にするような施策を考えてまいりたいと考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 いまのお答えで、出資金をふやしたりあるいは公庫債の限度額を引き上げていくというような対策をとって経営の安定をされることになるんだと思いますが、公庫債の発行の限度を現行の二十倍から三十倍に引き上げたことが、果たして公庫の体質強化になるかどうかという点についていささか疑問を持つわけであります。いわゆる公募債の問題あるいは政府引受債の問題、その利回り等を計算をしてみますと、余りたくさん公債を出すと、そこのところでかなりしわ寄せが出てくるというふうに考えられますので、その辺についてのお考えをひとつ明らかにしていただきたいと思います。  それから、時間の都合がありますから、もう一点は、ほかの政府系金融機関の発行限度というのですか、それはどのくらいになっているのか、二、三例を挙げて御説明をいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 御指摘のとおり、債券を発行いたしますことが資金のコスト上はプラスになるとは必ずしも言いがたいわけでございまして、債券発行の目的は、むしろいわゆる財投資金だけに依存いたしますと、中小企業の資金需要にうまく的確に対応できないおそれがある。つまり、財投資金というのは国の財投の運用によって制約される場合もあるわけでございます。したがいまして、そういう場合に債券発行で弾力化をするということが必要であろうということで、実は当初はなかったのですが、昭和三十九年から債券発行ができるような法改正をしていただいたわけでございまして、現在も発行しておるわけでございます。ですからこれはコスト軽減というよりは、むしろ必要な資金を弾力的に調達できるという趣旨から債券発行をしておるわけでございます。したがいまして、これが余り多くなると問題であるということでわれわれとしても考えておりますが、現在の実績といたしましては調達原資に占める債券の割合が大体五%程度でございます。ですから、この程度であれば、むしろ弾力的な資金の調達という趣旨の方が生きるかと思います。ですから、将来の運営もこれを非常に大きくするというようなことは考えておりませんで、財投資金の活用のいわば補完的な機能として債券発行をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。  それから第二点の、他の政府系金融機関の債券の発行限度でございますが、これは大体現行のような二十倍というのが多うございます。たとえば北東公庫とか商中というようなものも二十倍ということになっております。開銀は少し別でございまして、資本金及び法定準備金の合計の十倍ということになっております。こういう若干の例はございますが、大体二十倍というのが現在の相場でございますが、実は長期信用銀行、たとえば興銀とか長銀というようなものに対しても、これは現在二十倍でございますが、現在金融制度調査会では三十倍に上げてはどうかというような答申も出ております。また、現在公庫は大体限度近くなりましたので、今回三十倍に上げたいということでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 弾力的運営を図るということで、二十倍を三十倍にしていくということについては理解できますが、率直に言って債券を発行して原資を調達するよりも、本当は財投なりあるいは補給金なり出して、そこでめんどうを見た方が収支の面ではかえって助かるということだろうと私は思います。したがって、先ほど言った出資額の問題でありますが、これも政府としては大幅にふやしていくとかといった、そうした対策というものの方向に進むべきではないかと思いますが、その辺については大臣いかがでしょうか。これは、政府資金を出すとかというのはいまの状況ではなかなかむずかしい面もあるだろうと思いますけれども、将来も見通しての上でのお考えを聞かしていただきたい。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 仰せのような方向で行きますのは一番よろしいかと思いますけれども、しかし財投にも限度がございますから、それを補完する意味で債券発行額の限度を高めるというのもやむを得ない事情かと思っております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 いまの収支の問題とちょっとうらはらになる形もあるかもしれませんが、実は現在本店を含めて中小企業金融公庫の店舗は五十五店舗だそうですね。大体一つの県当たり一店舗というのが原則になっているようであります。ところが、私の住んでいる福島県というところを見ますと、これは横に広くて、一遍に雪が二メートルも降るようなところがあるかと思うと、一年に一遍も雪の降らないようなところもあるわけであります。そういうところでは、本当のことを言うと東京に来た方が早いんです。私のところなんかは東京へ二時間とちょっとで来てしまうのですが、県庁に行くのには三時間かかる。しかも泊らなければならない。そうでないと県庁に行けない。ところが、県庁の所在地に中小企業金融公庫の支店があるという形になりますから全く不便でやり切れない。と言って暇を割いて中小企業というのは行くわけですが、簡単に代理を差し向けるなんというそんな器用なまねはできない、中小企業の場合にはみんなおやじさんが行かなければだめですから。そうしますと、それだけでもいまの状況の中では経営に非常に支障を来す形になるわけであります。そうした地域については店舗をふやしていくということもやはり考えなくてはいけないのではないかと思うのです。そういうのが中小企業対策としては案外忘れられている重要な対策ではないか、こういうふうに考えるわけであります。そこで、中小企業者の便宜を図るという面で、こういう面での対策というものを、拡充の対策をひとつやってもらいたいと思うのです。そうなりますと、今度は従業者をふやすということがまた問題になって、そこで経営面での負担が生ずる、こういう形になるかもしれませんが、中小企業金融公庫の場合、ずっと人数のふえ方、それから貸し付けの扱い件数の状況を見てみますとかなりふえておりまして、同じ定員で七、八倍というような扱い件数になっているわけであります。余りこれが高じていきますと、確かに能率はよくて合理化という形ではいいのでしょうけれども、中小企業者に対するサービスの面で低下のおそれがあるし、それから実際やっている従業者にとっては労働強化というようなことも考えられてくるわけであります。そこで、これらの問題を総合的に勘案しながら、いま私が申し上げたような対策というものを今後進めてもらえるかどうか、この点についてひとつ長官のお答えをいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 中小公庫の性質上、やはり利用者である中小企業者の方々の御便宜を第一に考えるということは一番必要なことだろうとわれわれは考えております。したがいまして、中小公庫の店舗も実は創設時は支店は全然なかったのですが、逐次ふやしてまいりまして、現在は支店が四十八カ所、出張所が六カ所ということで、先ほどお話しになりましたように各都道府県に最低一店舗という店舗網が完成したわけでございますが、われわれといたしましてもこれで満足をしておるわけではございません。ことに、いまおっしゃったように、一つの府県の中でも不便なところとかいろいろございます。そういうものについて、支店をふやすかあるいは出張所をふやすか、いろいろな方策があろうかと思いますが、これは一挙にはなかなかふやすこともむずかしいわけでございますけれども、逐次ふやしてまいりたいということで、実は五十五年度も出張所を一つつくり、それから出張所が支店に昇格するのを一つというふうに逐次ふやしていくことを計画しておりますので、将来は中小企業の方々の御便宜をなるべく計らうようにわれわれもやってまいりたいというふうに考えております。  それから職員の数でございますが、四十二年以降ほとんど増加をしていない、しかし仕事量は非常にたくさんこなしていただいているということになっております。これは、コンピューターの導入その他業務の機械化、合理化ということがあずかって非常に力があったと思っておりますし、現在の状態では職員の方々に労働強化ということもないとわれわれは見ております。しかしながら、いまのお話のように、だんだん支店、出張所をふやしていくというような傾向を進めてまいりますと、やはり人員の増加も必要かと思います。この人員の増加というのは極力抑えて、必要最小限度にしなければいけません。しかし、そういうことも決してやみくもに抑えるということではなくて、必要なものは見るという態度で今後は持ってまいりたいというふうに考えております。(「福島県はどうする」と呼ぶ者あり)

上坂昇日本社会党

○上坂委員 いま外野の方から福島県はどうするというような声がありますが、これは十分念頭に置いていただいて、そして適宜増設するようなところへ持っていっていただくことをお願いしておきます。  そこで、今度は法文の問題ですが、第三十三条から三十四条の項がずっと削られておるわけでありますが、これについての理由をひとつお聞かせいただきたい。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 三十三条から三十四条の二というものを今回削ったわけでございますが、これは昭和二十八年に公庫ができましたときに、いろいろな債権を引き継ぎましたその引き継ぎ規定でございます。  三十三条というのは、中小公庫の設立のときに、それまでは開銀が中小企業者に貸し付けをしておったのですが、その貸し付け債権を承継いたしまして、その債権に関しては産投からの公庫に対する出資という形にされたわけでございます。それが三十三条の規定でございます。  三十四条は、やはり中小公庫の設立のときにすでに政府が商工中金に貸付金を貸しておったわけですが、これも中小公庫への出資ということにいたしまして、中小公庫から商工中金に貸し付けたという形にしたわけでございます。  三十四条の二というのは、昭和三十一年度に中小公庫が政府から借り入れた資金のうちの十億円を商中に対して貸し付けることができる。これも通常は商中に貸し付けはできないことになっておりますので、特例規定として入れたわけでございます。  以上は設立時、それから途中の間の特例の規定でございますが、これはいずれもそういう債権その他の処理は終わっておりますので、今回はそういう設立したときの状態は終わった、もう条文も要らない、整理もついたということで削るわけでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 「中小企業金融公庫法第十九条に規定する業務」というふうになっておりますが、聞くところによりますとまだ全部整理をされていないということですが、これは事実ですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 先ほど申しました引き受け業務は、債権の回収すべきものは回収し、それから償却すべきもの、つまり回収不能ということで償却すべきものは償却して片づいてはおるわけでございますが、ただ法律上は、償却した債権でももしその後返還がございますと、返還されたものを受け取らなければいけません。受け取り義務というのがやはり時効が成立しない限り続けられるという法律的な関係になっております。したがいまして、一応整理は償却もして済んだのでございますが、そういう受け取り業務だけは残しておかなければいけないということでございますので、実は十九条の第二項というのを今回は削ることにしておりますが、附則で受け取り業務だけは残すという意味で、当分の間それを存続するということに決めたわけでございます。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 これで終わりますが、中小企業の置かれている現状というのは本当にますます厳しくなってくると思います。そこでいろいろな対策をもちろん考えておられるわけでありますが、今後ともこの金融対策については中長期的な展望に立って方針を立てて、中小企業に対する手厚い保護の政策を十分とっていただくように私は大臣に特にお願いをしたいと思うのですが、大臣から一言その点についての御意見をいただいて、質問を終わります。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 お話しのように経済環境が大分変わってまいりまして、たとえば貿易構造が変化をいたしまして、近隣諸国あるいは発展途上国等から商品輸入がふえてきておる。言うなれば中小企業との競争相手が国際的にふえてくるというかっこうにもなりますし、エネルギー事情あるいは国民のニーズ等もずいぶん多様化してまいっておりますので、こういう環境の変化に一体日本の中小企業がどういうふうに対応するかという点はこれから大変むずかしい問題だと思います。その対応していくのに対して何が一番重要かと申しますと、何と申しましても金融がこれに対してどういうふうにアジャストしていくかということが一番重要だと思います。  そこで、まず考えられることは、何といいましても政府系の中小企業金融機関の資金量を充実するということと、貸し付け条件等をさらに改善するということが一番必要なことだと思います。  二番目には、中小企業には担保力とか信用力が不足しておりますから、これを補う意味で、さっきからお話がございました信用補完制度を充実する、信用保証を強化していくということかと思います。  三番目は、やはり何といってもお話しのように、地域の実情に即した金融が一番決め手になると思いますので、民間の金融機関が中小企業にできるだけ円滑に貸し出しができるように指導していきたい。この三つでやっていきたいと思っております。そして、先ほど申しましたような当面いたしました諸問題を克服いたしまして、わが国の一番重要な成長基盤として、中小企業を育成していきたいというふうに考えております。

上坂昇日本社会党

○上坂委員 終わります。ありがとうございました。

塩川正十郎自由民主党・自由国民会議

○塩川委員長 これにて上坂昇君の質疑は終了いたしました。  引き続いて、後藤茂君。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 まず最初に大臣にお伺いをしたいと思っておりますが、これはこれからの中小企業政策の基本的な考え方、哲学と言ってもいいかと思いますけれども、そういう観点からお伺いをしたいと思いますから、ぜひひとつ大臣は日ごろ考えておられます点で御答弁を願えれば幸いだと思っております。  八〇年代に入りまして、その前から、特に石油ショック以来不確実性の時代といった言葉が流行いたしまして、大変むずかしい時代に入ってきているわけです。これまで約五十年くらいの経済政策を跡づけてみますと、ほとんど人為的な有効需要の創出ということが中心になっておったと思うのですね。それは大量生産から大量消費、そしてその過程におけるリセッションで過剰資本等が出てまいりますとこれを救済をしていく。スクラップ・アンド・ビルドを進めていきながら今日の経済政策というものが続けられてきたと思っているのです。しかも、私たちの生活を考えてみますと、使い捨ての文化ということが最近は大きく問題にされてきております。つまり、私たちはどうしてもスケールメリットというものを追求していく。大量生産、大量消費ということもそこに裏づけられているわけですけれども、そのことが資源を多消費していく産業、あるいは生活もそういう方向に入っている。さらにはまた、環境汚染という問題も引き起こしてきているわけですね。  こういった資源多消費なり何というものが破綻をしてきているということはみんなが承知をしているわけですけれども、さて経済政策をずっと見ておりますと、依然としてスケールメリットの追求に終わっていはしないだろうか。GNP至上主義というように言われておりますけれども、こういったいわゆるハードな観点というものから私たちの頭はどうも切りかえられないわけです。この間も私はECの議会の議員との会議に出席をしまして、帰りにサウジアラビア等にも寄ってきたわけですけれども、大変だと思います、これからの資源多消費というものの構造を変えていかなければならぬということは。そうなりますと、いままでの物の考え方というものをもう変えていかなければならない。先ほどいらっしゃった宮本産政局長はいまいらっしゃいませんけれども、産業政策についてもその視点というものが非常に強くなるだろうと思いますね。  中小企業庁からいただいた「活力ある中小企業の育成のために(昭和五五年度中小企業施策の重点)」の中の一番最初に「ソフトな経営資源の充実」ということが指摘をされているわけです。私はこの問題の指摘というものは実は賛成なんです。「環境変化に的確に対応しうるための総合的な経営力の充実を図っていく必要がある。」そのためには「いわゆるソフトな経営資源充実のための施策を抜本的に」立てていく必要がある、こういうように指摘しているわけです。この視点というものは賛成ですけれども、どうでしょうか、その中身を見ますと、依然として旧態依然たる施策が羅列されているように思う。先ほど申しましたような、そういう発想の転換というものがここには全く見られないということは大変残念に思っているわけです。  私がハードからソフトへということを申し上げるのは、必ずしもビッグビジネスなり大企業がトランスファーマシンだとかあるいはコンピューターの独占的生産施設、資材をもって商品を生産をしていくということではなくなってきている。コンピューター等も大変コンパクトになってきております。そういたしますと、国民のニーズというものはいわゆる多種少量生産による製品というものを最近は求めてき始めているんじゃないだろうか。つまり、高度な技術を使っていきながら、これからの産業というのはいわゆる大量生産、大量消費、使い捨て文化というものから、もっと中小企業を大切にしていくような、そして大平さんも地方の時代ということを言っておりますけれども、地域コミュニティーにおける生産というものをもっと真剣に考えていくという時代に入ってきているんじゃないかというように私は考えるわけです。つまり、多種少量生産方式とそれから高度な自動化された機械とをジョイントしていく、そういった産業というものがこれから八〇年代あるいは二十一世紀の産業構造の中に大きな位置を占めてくるように私は思えるのです。その方向にこれからの産業政策、とりわけきょうは中小企業の問題ですから、中小企業政策が位置づけされていかなければならない。宇沢弘文という東大の教授が「自動車の社会的費用」という本を書いておられますけれども、あれでも自動車の費用というものに対して大変狭義に費用を見ているのです。つまり、自動車生産費あるいはガソリン代あるいは道路の通行料程度に見ているわけです。しかし、道路なり環境汚染に対する防除なりあるいはその事故に対する社会的な費用なりというものは、一台の車が持っております社会的費用というのは、私たちが考えている十倍、数十倍かかっているということですね。  こういったことを考えてみますと、もう一度中小企業というもの、単に中小企業というものを私たちは零細的な判断をいたしますけれども、そうではない、これからの中堅的な企業として位置づけていかなければならぬように私は考えるわけです。こういったこれからの八〇年代、さらには二十一世紀、そして資源というものを大切にしていかなければならない、これからはリサイクル産業というものも大切にしていかなければならない、使い捨て文化じゃなしに使えるものを大事に使っていくような産業構造というものをつくり上げていかなければならないという観点に立てば、私はこういう方向にこれからの中小企業政策なり産業というものは切りかえていく、私たちの頭というものがハードな方向に行っておったのをもっとソフトな方向に変えていかなければならぬ、こういうように考えるわけですので、大臣の御見解をまず冒頭にお伺いしたいと思います。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 八〇年代の中小企業のあり方というような問題に対しましては、ただいま中小企業政策審議会で審議の最中でございます。この五月ごろに答申をいただけるそうでございまして、それが今後の指針になっていくことと考えておりますけれども、ただいまの段階では、私の考えといたしましてはいまお話ございましたような意見は全く同感でございまして、そういう方向にあるべきだ。ソフトの面に重点を置きあるいは地域コミュニティーを尊重しまして、それに適合するような成長の仕方を中小企業に対して求めていくというようなこの方向というものは、私は全くそのとおりだと存じます。  ただ、ちょっとあれですけれども、今度の政策には何ら新味がないというお話ですが、私、実は就任いたしまして、いまの二つのような方向で今度の予算にどういうようなことを考えているんだということを聞きますと、なかなかこれは念入りな要求をしておりまして、決して中身がプアーだというふうには御非難が当たらぬというような感じも実はしているのでございますが、後から詳しく御審議があろうかと思いますが、たとえば中小企業の人材養成に関しましては中小企業大学校の創設だとか、あるいは新製品、新技術の開発力を強化するためにはアドバイザー制度の創設とか、とにかくそういう新しい考え方、あるいは情報収集力の強化といったようなものに対して一応柱を立てまして、ソフトの面に重点を志向するための、言うなればスタートラインを相当程度持っておるんではなかろうかという感じがいたします。  地域のコミュニティーに対してどういう貢献をするかという問題に関しましても、私からお話を申し上げるまでもなしに、いろいろ地場産業とか地域産業の育成に対しましては大変な考慮を払っておるように考えますので、まだ不十分かとは思いますけれども、しかし、お話のような方向でこれから進めていかなければならぬというふうに私も考えておるところでございます。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 政策がプアーだというように申し上げたのではないんです。ただ発想が、そういう大学校をつくるだとかあるいは指導、診断、助成等をしていくとか、このことを私は否定するわけじゃないんです。きょうあすの問題ではないと思います。これから人類が長く生きていく上において、一体日本の産業構造を国際的にどういうようにしていくかという場合に、これまでは先ほど指摘をしましたように大量生産、大量消費、使い捨て、したがって、大量生産をしていくためには当然広大な土地を造成をしていかなければならない、あるいはコンビナートシステムで大団地をつくっていかなければならない、あるいは海岸等も埋め立てをしていかなければならない。そういう大規模な生産施設というものが謳歌をされて、そしてそれに系列する下請になっていく中小企業として位置づける、さらにはまた、伝統的な産業なりあるいは地場産業というものはその地域で細々と死なないように育成をしていくというような物の考え方を変えていかなければならない時代に来ていはしないだろうかということなんです。たとえば送電の問題にしても、私たちが学んできたのは、高圧の大量送電というものをやっていくことによってエネルギーのロスは少なくなる、このように教えられておったのでありますけれども、その発電所にしましても大容量の、しかもそれを全国に高圧送電でネットしていくというようなことが、果たしてコスト、社会的費用をずっと計算していくと、それでいいんだろうかということも改めて考え直してみる必要がある。  ですから先ほどちょっと指摘しましたように、これだけコンピューター等が、単にビッグビジネスの大きな施設に使われるということよりも、非常にコンパクトになって小さいところでも手軽に使えるようになってきた、こういうところで先ほど言った国民のニーズが多様になってきている。規格品の多量な生産、そしてそれをモデルチェンジしてどんどん捨てていくということよりも、物を大切に使っていけるわけですから、それを担っていくのは単なるいままでのイメージとしての中小企業ではなしに、中堅的な中小企業の役割りがこれから大変強くなるだろうと私は思うのです。それを産業政策の中でどのように位置づけていくかということを私は冒頭指摘をしてみたかったわけです。  これは大臣からいまお答えをいただきましたが、長官からも、中小企業政策というと金融なり指導、助成なりあるいは倒産とかに対する後始末なりという、つまり後ろ向きの政策が多いように思うわけですが、そうじゃないんじゃないか。もしもっと活力ある中小企業というものをつくり上げていくとするならば、八〇年代から二十一世紀はこの時代が来るだろうと思いますし、またそうしていけば地方の時代なり地域コミュニティーをつくり上げていく一番の中核になるだろうと私は思いますから、長官からひとつお伺いしたい。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 いまのお話、私も全く同感でございまして、われわれがこの予算をつくりましたのは、去年の夏に要求するわけでございますが、その時点で、やはり従来のような中小企業政策ではいけない、新しい状態に対応して新しい政策を打ち出さなければいけないということで、ソフトな経営資源の充実というものを中心に据えましてやったわけでございますが、何分八〇年代の初年度ということでございまして、まだまだ十分に政策が完備していないことは事実でございます。これは全く先生と同じことでございますが、実はそのときにいろいろ内部で議論をいたしまして、コンピューターがコンパクトになって中小企業も使える、そして多品種少量生産、過去においては多品種少量生産というのは生産性が低いという代表になったわけですが、それがコンピューターの自動化の活用によって非常に生産性が高まる、そうすれば多様化したニーズに非常に的確に対応できるし、しかもそれが中小企業にも可能であり、また場合によっては中小企業の方が強いことがあるというようなこともわれわれ考えまして、内部で議論をしたのですが、その問題については残念ながら今回の予算ではまだ具体的な政策にできなかったわけでございますけれども、実は引き続いて検討しておりますので、そういう問題を中小企業の各分野に活用できるようにどういうふうにアプライしたらいいかというふうな点は今後十分考えてまいりたいと思います。  そういう問題とか、それから地域問題につきましても、地場産業対策というのをいわゆる産地対策に引き続いて現在取りかかっておりまして、しかもその地場産業対策というのは、中央にある中小企業庁が一律にどうこうすべきであるというふうなことを言うのではなくて、むしろ各地域地域でひとつ工夫をこらした対策をやってもらおうということにわれわれ考えておりまして、地域ごとの特色のある地場産業ができてくることを期待しております。とりあえずこれに対して各地方自治体に調査をしてもらおうという金額を三億準備しておりますが、それを踏み台にいたしまして地域問題にも取り組みたいと考えておりまして、今後中小企業というものが過去よりももっともっと大きな意味を日本経済に持つというふうにわれわれは確信をしておりますので、そういう方向でわれわれも進めてまいりたいと思っております。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 大きいことはいいことだというような物の考え方、私たちはそういう発想を切りかえていかなければならぬと思いますし、いまの長官の御答弁の方向でぜひ進めていただきたいと思います。もちろん長期の問題ですから来年度の予算ですぐどうなるとかという性格のものではないですが、私たちのこれからの中小企業政策というものにやはり心しておかなければならぬ課題ではないかというように日ごろ考えておるものですから、大臣、長官にいまお伺いをしたわけです。  今度の法案は中身が大変簡単な法案でございますので、いま申し上げましたような構想と私がこれから申し上げることとは必ずしも連動、一致をしていかない面があると思いますけれども、最初に大臣に、中小企業金融公庫への一般会計の出資金が今年度二十億円予定され、これは昭和三十年度に五億円出資されて以来のことだと言われておるわけですけれども、これまでの間出資を必要としなかったのは一体なぜか、あるいは今回追加出資を必要とすることになった背景をお伺いをしておきたいと思います。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 先ほど企業庁長官の方からもお話がございましたとおり、大変経営基盤が強固で順調でございましたけれども、円高対策とかあるいは不況対策等で、言うならば金融機関として中小企業のために大変無理をしたといいますか、そういうのが一応いまの経営基盤の、若干の一時的な現象であると思いますけれども、しかし基盤を若干緩めたということは、これは否めない事実かと存じます。  そうでございますから、これに対しましては、まず自己資金のてこ入れをしてやろう、あるいはさらに少なければ、本来であれば財投資金等が一番いいわけでございますけれども、限度がございますから、債券の発行限度を上げようというふうなことで基盤の強化に役立ってやろうというのが今度の趣旨かと考えております。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 長官にお伺いをいたしますが、この法律案が作成された過程、国会に提案をされた時期というのは、この公定歩合の引き上げ、一カ月足らずの間に二回も引き上げられている、しかもその上げ幅が大変大きいわけですけれども、こういう公定歩合の引き上げをしていかなければならないというような情勢というものは背景として持っておられたんでしょうか。これがまず一つです。  それから、私は、必ずしもインフレ対策として金融政策がオールマイティーだとは思わないのですけれども、しかし、内外の金利差等を考えていく、あるいは最近の物価上昇等を考えていってみますと、やはり金融操作というものはしていかなければならない。ただ、今度のインフレ対策あるいは設備投資過熱方向を抑えていく、インフレの方向をスローダウンしていくということにはどうもまだまだ心配な面がある。というのは、石油ショック以後大変な減量経営に入ってきている、資本を大量に必要とするところというものは、内部資金というものが非常に重視されているんじゃないか。そういたしますと、そういったところは余り資金需要というものは必要とならない。公定歩合が上がるということは逆にプラスになっていくという面もある。片一方、この法律案は資金量をふやしていくということになるわけですね。資金量をふやすということは、貸し出しをより潤沢にしていこうということで、公定歩合の引き上げ政策とこれは逆行することになるのではないか。もちろんいや中小企業は資金的にはインフレ、デフレの間においても大変困っていくんだから、これは別にそっとしておくんだということになるかもわかりませんけれども、しかし、全体的には総資金需要というものを抑制をしていく、片一方、中小企業金融公庫の方は資金需要に対応する資金量を拡大をしていく、こういう政策になっていくわけですね。     〔委員長退席、中島(源)委員長代理着席〕 二月とそれから本日からですか、こういうように公定歩合が上がってくることによって、資金運用部資金等の利子がどうなっていくのか、あるいは先ほど上坂委員の質問にも答えておられましたけれども、債券を発行していくということになってまいりますと、資金コストというものはやはり上がってくるだろうというように判断しております。中小企業金融公庫の経営というものが大変タイトになっていきはしないだろうかと思うし、それからまた、債券発行を二十倍から三十倍に上げていくということになりますと、市中金融機関は大変な国債等も保有をいたしておりますけれども、その債券市場というものは一体どうなっていくのだろうか、こういった問題等を考えてみますと、中小企業金融公庫の方も逆ざやの心配はないだろうかという実は心配をするのです。それを変えていくためにはやはり貸出金利というものも上げていかなければならないという内部要因というものは非常に強くなるだろうという気もするわけです。総資金需要抑制の中で、中小企業というものは別だからという姿勢というものがとっていけるのか、ある程度今度の公定歩合引き上げと連動いたしまして、中小企業分野に対してもこの金融の引き締め政策というものは覚悟をしていかなければならないということになっていくのか、単に政府系中小企業金融機関の問題だけじゃなしに、民間の中小企業向け貸出枠というものが一体どういうようになっていくのか、ぜひひとつお伺いをしたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 当法案でお願いをしております出資とかあるいは債券発行限度の引き上げというような問題につきましては、むしろ中長期的な見通しから昨年来準備をし、そしてまた今回お願いをしておるわけでございます。その間に、実はこういう物価の騰貴、それに対して金融引き締めという事態が進行してまいったわけでございますので、当面については、やはりこういう中長期的な対策と並行して当面の対策というものを考えなければいけないというふうにわれわれは考えております。  考え方といたしましては、インフレが進行しないように金融を引き締める、物価を抑えるという対策は、やはり国民全体が受け持たなければいけない問題でございます。したがいまして、中小企業といえども金融引き締めというものに対して対応しなければいけないと思いますが、われわれが一番心配をいたしますのは、やはり力関係で中小企業に過度にしわが寄るということでございます。したがいまして、われわれの対策といたしましては、過度に中小企業にしわの寄るというものに対する対策をこれから打っていかなければいけないということでございまして、その対策の中核は政府系金融機関の運用ということになろうかというふうに考えておりますので、資金量等につきましては、もちろんこれが全体の金融引き締めに大きな影響を及ぼすということになればまた考え方はあろうかと思いますが、政府系中小企業金融機関で中小企業が非常に逼迫している金融について、たとえば倒産防止対策というようなものについてはやはりもっともっと有機的に活用しなければいけないというふうに考えております。  金利の問題につきましても、通常はいわゆる民間金融機関の長期プライムレートと大体同じにしておるわけでございますが、それの引き上げのやり方その他についてはやはり十分中小企業の実情も考えて決めたいということで、現在第四次公定歩合引き上げについての政府系の中小企業金融機関の金利について、関係当局といろいろと相談をしておる最中でございますが、われわれの基本的な気持ちは、先ほどの繰り返しになりますが、やはり不当にしわを中小企業に寄せない、また、中小企業に寄った場合にそれを救済するということを考えて行動したいというふうに考えております。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 重ねてちょっとそこのところだけお伺いしておきたいのですけれども、二月十九日に公定歩合が引き上げられて、預金準備率も上げられたわけですね。民間の中小企業向け融資枠というものがそれだけタイトになってくるだろうという気がいたしますし、さらに、今回の公定歩合の引き上げということでこれまた預金準備率が引き上げられてくるということになりますと、長官のいまの御答弁だと、そういった総需要抑制策がとられていく、民間の方の中小企業貸出枠が狭まってくる、それに対しても政府系中小企業金融機関は十分にカバーしてやれるというようにお答えになったように聞こえたわけですけれども、重ねてお伺いしたいのは実はそのことなんです。  さらに、年度末資金需要も相当高まってきていると思いますし、その中で全体的な政府の総需要抑制、当然このしわが寄ってくるだろうと私は思いますから、政府系中小企業金融機関というものが十分にそれに対応していくような指導ができるというようにお考えでしょうか、この点も重ねてお伺いしたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 基本的には金融引き締めというものは物価対策上やらなければいけないということでございますが、その実施の過程におきまして、中小企業の方々が実際にとにかく経営を進めていく上において必要欠くべからざる資金というものについては、やはりわれわれはめんどうを見なければいけないと思っております。そのめんどうの見方といたしまして、政府系の金融機関を活用するとか、あるいは民間の金融機関であれば信用保証協会を活用するとかいうことでやってまいりたいと思いますので、その点については、全般の中で中小企業が過度に影響を受けないような対策としてやってまいりたいと思いますし、われわれといたしましては、過去の金融引き締め時においても政府系中小企業金融機関が相当な努力をしたという実績もございますので、今回もそれを十分活用してまいりたいというように考えておるわけでございます。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 ぜひそういうように進めていただきたいと思いますし、大臣にも、恐らく大臣は二面性を持つわけですから、全体的な経済運営、金融政策等、中小企業の面へのしわ寄せが大きくかぶさっていかないようにという観点でぜひ運営をしていただきたいと思うのです。  そこで長官にお伺いしたいのは、中小企業金融公庫というのは、どちらかというと商工中金、国民金融公庫等のそれぞれの分野の中で、比較的ランクの高いといいますか、そういう中堅企業が大体対象になっているのではないだろうかというように理解をしているわけですけれども、そこで、一件の貸出平均額は最近どうでしょうか、傾向としてどのくらいになっているんだろうかということが一つの問題です。  それからもう一つは、国民金融公庫はどちらかというと零細企業に対する融資業務になっていくと思うのです。それから、中小企業金融公庫は、先ほど私が御指摘申しましたように、比較的ランクの高い中堅企業というものが対象になっている。経営の方向というのはどうしても上へ上へといいますか、優良な中堅的中小企業といいますか、いい企業の方にどうしても傾斜をしていくのではないだろうか。国民金融公庫では手が届かない、さらばといって中小企業金融公庫の方に行くと、これはちょっと帯に短したすきに長しのような業種というのはやはりあるだろうと思うのですね。しかも、最近の物価高あるいは新技術等の導入を考えてみますと、借りたい金額というものが非常に大きくなってきているだろう。中小企業金融公庫の融資対象としてはどうでしょうか、恐らく五千万円以下というようなのではどうも利用効率がもう一つ足りないような状況に入ってきているんじゃないか。一昔前とは借りたい側の要求というものは金額的にも大分高くなっているんじゃないか。それからまた、期間も今日のように一般貸し付けが七年以下ですか、あるいは運転資金が五年以下という程度ではあっと言う間に返していかなければならない、十分にそれを活用するいとまもなく返していかなければならない、こういうような状況に追い込まれてきているのではないだろうかというように思います。したがって、中小企業金融公庫の融資姿勢というのですか、いやそうじゃなしに、国民金融公庫とちょうどダブるような前後のところを特に十分配慮しながら運営をしているんだ、それは業務実績の中においても出ているというように言えるような状況なのかどうかということをお伺いをしたいと思います。  それからもう一点、これと関連するわけじゃないですけれども、上坂委員の方からは十分に触れられなかったと思うのですが、私どものところに中小企業金融公庫の問題で話を持ってこられるのは、やはりどうも手続がめんどうだ、皆さん方からいうとそうでもないと言われるかわかりませんけれども。それから、申し込んでから実際に決まるまでの期間が大分長いようですね。政府系ですからそう簡単に出すということはできないと私は思いますけれども、こういった貸付業務の簡素化というものも一番皆さん方が要望されていることですから、そういった簡素化対策ということについてもお聞かせをいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 政府系の中小企業金融機関のうちで、中小公庫と国民公庫というのは、御指摘のとおり中小公庫は比較的多額の資金の必要な中小企業に対応する、それから国民公庫は比較的小口の事業資金を融通する、こういうことになっておりまして、実績から言いますと、一件の平均の貸付額が中小公庫の方は大体四千万円ということになっておりますし、国民公庫の方は五百万円弱というような形になっております。そこで、その間のつなぎと申しますか、どちらにも行けないというようなことになりますとこれは問題でございますので、これについては十分注意をしてやることにいたしておりますし、確かに一般貸し付け等につきましては優良なものだけということになりますと問題でもございますし、そういう点で特別貸し付けということで、事項別に必要な政策目的に合うものは極力積極的に貸すというようなこともやっておりますので、今後も中小公庫の方に十分配慮をしてもらうようにいろいろ指導してまいりたいと思います。  それから貸し付けをするまでの手続の問題でございます。中小公庫につきましては、いま申し上げましたように長期資金、主として設備資金でございまして、しかも相当な額でございますので、やはり非常に簡単な処理では済まないということがございます。もう一つは、申し込みを受け付けてから貸し付けの決定をするまでの期間は、大分いろいろ努力をいたしまして短縮をいたしましたが、その前後にたとえば事前相談にあずかりまして、いろいろこういうふうにやった方がいいというような相談をして、じゃこれでいきましょうというふうに申し込みを実際正式に受け付けるまでの時間がある程度かかります。それからまた、貸し付け決定の後担保を設定するとかその他の若干の時間がやはりかかるということでございまして、やむを得ない時期があるわけでございますけれども、中小企業の方にとってみればやはりなるべく必要な資金を早く貸してもらいたいという気持ちがございます。したがいまして、これについては今後も公庫の方で十分努力をするようにいたしますし、また緊急対策貸し付けというようなものについては従来とも非常に迅速に処理をしておるわけでございます。今後われわれの方も十分努力をいたしたいと思います。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 政府系の中小企業金融の役割りというものはおのずから一つの限界があると思うのですが、中小企業金融といいましても大体市中金融が主だろうと思いますし、政府系金融機関というものは補完的な役割りを果たすというような責任といいますか、役割りがあるんだろうというように考えます。したがって、余り政府系金融機関が条件をよくしていくということになりますと、そこで一つのトラブルが起こるということだから、なるべくは余りよくしていかないんだという姿勢がないだろうかというような勘ぐりがなくもないわけです。恐らくそういう姿勢はお持ちでなくてやっておられると思いますけれども、この辺はひとつ留意して進めていただきたいと思います。  そこでちょっとお聞きをしておきたいのですが、上坂委員のときにも御指摘があったかと思いますけれども、倒産の問題が最近ふえているとか、あるいは延滞状況がふえているとかというようなこともお聞きをいたします。公庫の延滞状況は最近はどういうようになっているのか。その際、返済の条件の緩和等は行われてきているのでしょうか。たとえば貸付期間の延長だとか、あるいは償還条件の変更といったようなことが出されているのかどうか。さらにまた、中小企業倒産対策貸し付けというのがあると聞いておるのですが、これまでの融資実績、その効果等につきましてもあわせてお伺いをしたいと思います。

船後正道中小企業金融公庫総裁

○船後説明員 公庫資金に対する延滞の状況について御説明申し上げますと、最近おおむね一%程度でございまして、これは五十二、三年以来大きな変化はございません。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 倒産対策緊急融資制度の実績でございますが、これは中小公庫、国民公庫、商工中金、三つの機関でそれぞれやっておりまして、開始いたしましたのが五十二年度、倒産が非常に頻発したとき以来でございまして、ことしの一月までの累計が、大体貸付先といたしましては一万七千六百件くらいでございまして、貸付額といたしまして約九百三十七億というものを貸し付けております。  それで、倒産貸し付けにつきましては、現実に倒産に瀕したという場合に、ことに大きな企業が倒産をいたしますと、各地域地域で通産局が中心になりまして相談会を開きまして関連の中小企業者の具体的な相談に乗りまして、こういう融資あっせんをするということをしておりまして、これについては比較的迅速な貸し付けができるので喜ばれておるということでございます。実はこれはいままでは臨時的な制度でございまして、延長延長で参ったわけでございますが、やはり臨時的な制度でなくしようということで、この五十五年度以降は恒常的な制度にして、さらにこれを活用できるようにしたいということを現在予定をしておるわけでございます。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 時間が余りございませんので、答弁の方簡単にお願いをしたいと思うのですが、期間の問題だけちょっとお聞きをしたいと思います。  資金を借りたいという者は、少々金利が高くても能力に合った償還期間というものを要望している、そういう声が大変高いと思うのです。設備資金が七年以内、運転資金が五年以内、近代化貸し付け等は最高十年以内というようなことになっておりますけれども、中小企業振興事業団の貸し付け等は、団地だとか集約化だとか共同化ということが背景にあるにいたしましても、それぞれの貸し付けが十五年とか十六年とか十二年とかというふうになっているわけですね。これにそろえていけないものだろうか。少なくとも近代化貸し付けの場合はこの期間をもう少しそろえていくことができないんだろうかという、大変素人的な質問で恐縮ですけれども、疑問を持つわけです。いかがでございましょうか。簡単に御答弁いただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 一応御指摘のような期限が決まっておりますが、やはり性格上相当貸し付けを長くせざるを得ないというものについては、たとえば十三年というようなものを決めておるものもございますし、特別の貸し付けについてもそういう配慮をいたしております。したがいまして、実情に応じた貸付期間にするように努力をしておりますので、今後もそういう努力を続けたいと思います。高度化資金とはやや性格が違いますので、高度化資金並みにするということははなはだむずかしいと思いますが、そういう努力は今後も考えていきたいと思います。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 その問題に触れましたのは、石油危機以来成長産業と停滞産業というものがいわゆる景気の変動の中における一時的現象では、最近なくなってきている。ですから中小企業者というものは、これからの景気見通しだけじゃなしに、これからの経済の方向に対応するみずからの商品なり企業を一体どう対応させていくかということに非常に苦慮している。最近、たとえばレジャー産業関連だとかあるいはアパレル産業だとか、公害防止関連の産業とか、こういったものがこれからの一つの成長産業とかで、よく言われているわけです。これは、どれを見ましてもやはり新技術なり事業転換というものに大変大きな資金量と長期のリードタイムが要求されてくるわけですね。ですから、私はこの貸し付けの期間あるいは額の問題等についても、検討をもっと深めていただきたいということを御指摘を申し上げたわけです。ですからそういった問題について、他の、先ほど言われた中小企業振興事業団、それと近代化設備資金とは若干性格が違うということでございましたが、重ねてそのことを指摘をしておきたいと思います。  そこで、冒頭大臣に御質問をいたしましたことと関連をするわけですけれども、地方の時代と言われているこれからを考えてみますと、やはり地域経済と中小企業との関係というものはこれまで以上に強くなっていくだろうというように私は考えているわけです。資料等を見ておりますと、年商五億円以上の売り上げをしている中小企業産地というんですか、これが全国に三百四十とか三百五十とかと言われるくらいあるようですけれども、この地域別の貸付件数です。これは資料の中にも報告をされておりますけれども、この地域別貸付件数あるいは金額。これは自動的にこれまでの要望をずっと積み上げて、結果的にこうなっているということなんでしょうか。それとも政策金融ですから、これからの地方の時代、地方経済の中に中核的に中小企業というものを位置づけていく、その政策的な方向というものがこの貸し付けの件数なり金額の中に反映をされてきているのでしょうか。あるいは三百数十カ所あるそういう中小企業産地、私はこれはやっぱりこれからの中核にしていかなければならぬと思います。それと同時に、その中で伸ばしていくべきもの、あるいは事業転換していくものというものも、私は通産省あるいは中小企業庁としては政策的に位置づけしていかなければならぬだろうと思います。ただ、いままでの積み上げがこういう実績になっておりますということじゃなしに、そこにはウエートもかかっていくでしょうし、あるいはより政策的な金融操作というものも行われていっていいだろうと思うのですが、この点はどのようにされているのか。  それから、ちょっとこれはお伺いといいますか、直していただきたい問題がある。実は私は、この中小企業金融公庫の質問をするんだといってこちらに入ってくるときに、同僚議員から、それはいい機会だからぜひひとつこのことを聞いてみてくれと言われたことがある。それは、中小企業金融公庫もそうですけれども、商工中金の場合は、兵庫県の例をとりますと神戸と尼崎と姫路にある。きょう同僚議員が言ったのは但馬なんですね。裏日本。この但馬の経済圏というものは御承知だと思いますけれども姫路の方になるわけです。つまり播州の方に、アクセスの面を考えてみましても、経済圏を考えてみましてもある。ところが、それが管轄は神戸の方になっているというように聞いているわけですね。あるいは中小企業金融公庫は、これは一つですから別に身近にということを言うんじゃないのですが、国民金融公庫も丹波の方はやはりこれまた神戸——ちょっと立ち話で私は聞いておったので、神戸だか尼崎かどっちかで、これまた経済圏から見ますと不便だ。  私はその話を聞いて考えましたのは、どうもそういった経済的な背景あるいは地域的な問題というものを十分に配慮して管轄——窓口じゃないですよ、代理貸し等もあるわけですから。管轄も大変無神経になされているのではないかということでございますから、この点はひとつ要望として、十分手直し等もできるならばしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 第一点の地域に応じた融資ということでございますが、現在は主として積み上げに若干の予測を考えておるわけでございますが、将来は、この産地対策につきましても特別融資制度もございまして、産地産地の需要に的確に応ずるようにいたしておりますので、十分地域需要を考えながら今後の計画は組み立てていきたいというように考えます。  第二点の商工中金の問題でございますが、これは従来は、やはり但馬地方も鉄道の便が神戸によかったということから、この神戸支店の管轄にしたというふうに聞いております。ただ、いまのようなお話がありますと、私もふと思うのでございますけれども、つまり交通の事情が変わりまして、鉄道じゃなくて自動車の便等々の流通から姫路の方の経済圏になったのかもしれないというふうな気もいたします。こういう点はまた経済の実態に応じた配置をやるように、ひとつ商中や国民金融公庫にもよく検討していただくようにいたします。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 せっかく大蔵省と公取からおいでいただいておりますので、一言お伺いをしておきたいのです。  大蔵省の方は昨年の七月に歩積み両建ての自粛についてという通達を出されています。代理貸しの場合はやはりこの拘束預金という問題が依然として後を絶っていないんではないだろうかというように考えております。大蔵省の方の通達は、これまでたくさん出してきておった通達の整理という部面があるというようにもお聞きをいたしておりますけれども、最近の拘束預金等の傾向について、大蔵省としてはどういうような御判断をなさっていらっしゃるのか。  それから公取の方は何か毎年拘束預金の実態というのを年に二回ばかり調査をされているようです。この資料を見ますと、五十四年五月が一番新しい調査実績のようですけれども、傾向は改善の方向にある、こういうように書かれております。  私の心配いたしますのは、やはり市中の金融機関というものは多額に国債等も保有をいたしておりますし、最近の国債市況というものはよろしくございません。そういった点を見ますと、この歩積み両建て、拘束性の預金によって実質的な貸し付け金利の増を図っていくというような衝動に金融機関は駆られはしないかという心配も実はするわけです。特に公取といたしまして、あるいは通達を出されております大蔵省といたしましても、拘束預金、歩積み両建ての問題についてどのような指導なりをなさっておられるのか、どういうように判断をされているのか、一言で結構でございますから、せっかくおいでいただいておりますのに答弁が短くて恐縮ですけれども、お願いをします。

吉居時哉大蔵省銀行局総務課長

○吉居説明員 ただいま御指摘のように昨年七月に歩積み両建てに関する——それ以前の通達、指導、種々ございましたのでこれを整理統合いたしまして明確化を図ったところでございますが、この新通達の運用に当たりましては、各金融機関におきましてその公共的な性格を十分認識していただきまして、自主的に常に節度ある行動をもって真剣に取り組んでもらっているところでございます。  各金融機関からは毎年五月と十一月末に拘束性預金に関する報告を聴取しているわけでありますが、これによりますと、狭義の拘束性預金比率は昭和三十九年五月、これはまさにこの歩積み両建てに関する指導を積極化したときでありますが、この時期にはこの比率が二二・三%ございましたけれども、これが最近の五十四年五月にはわずかに三・四%まで下がっているわけであります。現在五十四年十一月の状況につきまして集計中でございますけれども、これも恐らく非常に低い数字になろうかと思っております。  また、私どもは財務局財務部の窓口においてこの歩積み両建てに関するいろいろな相談を受けているわけでありますが、この相談の件数につきましても、たとえば五十二年度は二百九十九件ございました。また五十三年度はこれが八十七件に減っておりまして、五十四年度は四月から一月までの集計でございますけれども、わずかに四十七件というように減ってきているわけでございます。  また、先ほど先生から御指摘ありましたように、市中銀行等は最近の国債の状況等で大変厳しい環境にあることは事実でございます。     〔中島(源)委員長代理退席、堀内委員長代理着席〕 しかしながら、いま申しましたように市中銀行等に対しましては、私どもは従来から行政面あるいは検査面を通じましてこの過当な歩積み両建てが自粛されますように指導してきているところでございまして、その状況はいま申したとおりでございますが、今後ともこの市中銀行等につきまして公共性の高さということを十分認識していただき、社会的公正に配慮しながら適切にこの問題に対して取り組んでもらいたい、また私どもも引き続き十分指導していきたい、こういうように考えております。

劔持浩裕公正取引委員会事務局取引部長

○劒持政府委員 公正取引委員会といたしまして先ほどお話しのように毎年拘束預金の調査をしておりまして、最近の調査結果によりますと、いわゆる狭義の拘束預金といいますか、借り入れまたは手形割引に関連いたしまして質権の設定とか預金証書の差し入れといった、明確な手続で拘束されている預金の比率は一・四%程度でございます。それ以外の事実上の拘束預金を含めましても九・六%程度でございまして、年々低下の傾向にあることは事実であろうというふうに調査結果からは承知いたしております。  ただ、先生御承知のように、公正取引委員会がこの調査をやります趣旨は、独禁法に基づきまして不公正な取引方法というのが指定してございますけれども、その中で取引上の優越的地位の乱用行為という観点から調査をいたしておるわけでございまして、もし具体的な事例として優越的地位の乱用にわたるような行為が金融機関の側にあります場合には、公正取引委員会としても必要な措置をとってまいるということでございます。現在のところ、調査の結果では年々改善を見ているというふうに承知しているところでございます。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 行政管理庁に来ていただいているわけですけれども、政府系の中小企業金融機関というものは、今度の行政改革の中では論議の素材になったのでしょうか、それともそれは全く今回は触れられなかったということでしょうか、その一言をお伺いしたい。

篠沢恭助行政管理庁行政管理局管理官

○篠沢説明員 お答えいたします。  今回の行政改革の中で、先生御承知のように特殊法人の統廃合は最も重要な課題でございましたが、年末の予算編成までの間、比較的短時日の間に一定の成果を上げるという必要から、この検討に当たりましては私どもの行管長官から一定の見画し基準のようなものを各省庁にお示しいたしまして、各省庁で主管法人についての見直しをしていただいたわけでございます。そういうことで第一義的には各省庁で御検討になられましたが、その中で、政府系の公庫等の金融機関が大きな検討対象というところまでいったというふうには聞いておらないわけでございます。事務方では特にそう聞き及んではおりません。物の考え方等については御説明が必要であればまた御説明申しますが、簡単に結論だけを申し上げればそういうことでございます。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 行政管理庁の方についてはまた改めてお伺いをしたいと思います。  この政府系中小企業金融機関というのは、長官、これは三機関を指すのでしょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 通常申しますときはそうでございますが、もう少し広げて、たとえば沖繩金融公庫とか環衛公庫とかいうふうなものも含めて言う場合もございます。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 この「中小企業施策のあらまし」を見ますと、政府系中小企業金融三機関として中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金、こういうように書かれている。それからずっと下がってきて環衛公庫を設け、環境衛生関係業種に対し衛生水準の向上及び近代化のための資金を融資する、こういうふうになっているわけですが、中小企業関係は大変複雑で、皆さん方は非常に分野が明確になっておってきちっとしているんだということだと思いますけれども、私はどうも今度質問をさせていただくについて調べてみまして、やはり複雑なように実は思えるわけです。  その複雑だというのは、たとえば北海道東北開発公庫、これは地域ですね。これまた政府系機関として中小企業を融資対象にしている。それから環衛の場合は環境衛生の業種別の機関としてあるわけですね。しかも環衛の場合を見てみますと、独立の金融公庫としての意義というものは一体何だろうかということに私は大変疑問を持つわけなんです。ということは、枠は設定をいたします。しかし自己完結してないですね。もっとも中小企業金融公庫等にしても預金はやっていないわけですが、ただ資金運用部から借りるわけですから、その点を考えますと貸し出しの業務が一つの独立の存在としての意義を持っている。ところがこれはどうもそういうようではない。二千万円以上の場合は何か査定をされるようですけれども。こういったことが、つまり業種別、地域別というものはこれからはその中小企業者のニーズにこたえて必要なんだろうか、あるいはもし必要だとすれば私は広げていけばいいと思うのです。業種別の金融機関、地域別金融機関というものを広げていけばいいと思います。そうでないとすればもう少し整理をしていけばいいだろう。この辺がどうもこの「中小企業施策のあらまし」を見ましても、何かまま子的に扱っているというような感じがする。しかも設備資金が環衛であって、運転資金の場合は中小企業金融公庫、ダブって行われておりますね。  それから大臣にちょっとこれもお答えをいただきたいのですけれども、中小企業政策というのは中小企業にかかわる万般の問題をとらえてやる性格のものであって、通産省所管中小企業政策ではないというように思うわけです。この場合に、こうやって分けてされておるということは、中小企業政策を進めていく上において私はいかがなものだろうかということをこの点で大変疑問に実は感じたわけです。いやそうじゃなしに、中小企業関係というのは一つであって、大中小あるいは零細あるいはまた業種という窓口をたくさんつくっておいて、一つの中小企業政府系金融機関というものであればいいんだ。しかしそうすると、大蔵省きょうおいでになっていらっしゃいますけれども、どうも資金枠がとれないから、たくさんつくっておいてあっちこっちからいっぱい要求を出した方がとりいいんだということからなされているのか。どうもこの辺が行管の方は余り検討をされておられなかったようですけれども、資金コストの問題から考えてみましても、これは検討していくべきものではないだろうかと私個人としては考えております。ひとつこの点についてどのように理解をされているのか、お答えをいただきたいと思うのです。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 お話のように大変むずかしい問題でございまして、にわかにこの方が最善だろうというのには踏み切れませんけれども、しかし重要な問題でございますので、さらに検討を進めたいと思います。

後藤茂日本社会党

○後藤委員 これ実はもう少し答弁をいただきたいんですけれども、先ほど大臣の御答弁で、大変むずかしい。そのむずかしい背景というのはわかりますけれども、やはりわかりよくした方がいいと思うのです。いろいろな法律をつくられる過程におけるあるいは機関をつくられる過程におけるいきさつはあるだろうと思う。しかしそこに何かすっきりしないものが、この資料を見ましてもどの資料を見ましてもやっぱりあるわけですね、融資のあり方についても。この点はぜひまた機会をいただきまして質問をさしていただくということにして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

堀内光雄自由民主党・自由国民会議

○堀内委員長代理 これにて後藤茂君の質疑は終了いたしました。  引き続いて木内良明君の質疑に移ります。木内良明君。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 わが国の中小企業といいますのは、企業数で申し上げれば九九%、従業員数で約八〇%を占めている状況でございまして、いわば経済発展の中ではきわめて重要な役割りを担ってきている、本当に日本経済発展の屋台骨であったというように私は感じているわけであります。また、今後の国民経済の均衡のとれた成長発展というものを考えるときに、どうしても中小企業の健全な経営姿勢、体質の強化というものが不可欠の条件になろうかというふうに思うわけであります。しかし最近の石油価格の高騰あるいは原材料等諸物価の引き上げ等によって、中小企業を取り巻く経済環境というものはきわめて厳しくなっているというのが実情だというふうに思うわけであります。中小企業がこうした厳しい環境の中で健全化を図り、さらにまた発展を遂げていくためには、設備の近代化、合理化を初めとして、やはりきわめて重要なのが私は財政のいわゆる内容の充実、財務内容の充実というふうなことになってくると思います。そうした意味から、いわゆる一般の民間金融機関から資金の融資を受けにくい、困難な中小企業に対して、公的な長期融資を行うという大変重要な役割りを担った中小公庫の今回の法案審議に、そうした観点から取り組んでいきたいというふうに思うわけであります。  具体的な質疑に入ります前に、昨日第五次の公定歩合の引き上げが決定になったわけでありまして、つい先般も第四次の公定歩合引き上げがありました。その約一カ月後に第五次があったわけでありますけれども、こうした厳しい金融の引き締め措置というものが、経営基盤の弱い中小企業に対して不当なしわ寄せとしてのいわゆる影響が及ぼされるということで、私は大変な懸念を抱いているわけでありまして、この公庫法の審議に入る前に、こうした今後の金融情勢を勘案しての中小企業の経営の見通し及びまたこの第五次公定歩合引き上げに関連した中小企業対策に対する大臣の見通しをまずお伺いしておきたいと思います。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 まさしくお話のとおりでございまして、私どもも大変憂慮しておるところでございます。  まず、金融引き締めが中小企業に集中的にしわ寄せされたのではこれはたまりませんから、そういうことのないようなきめ細かい配慮をお願いしたいということで、金融当局に対しましてただいま要望を続けているところでございます。また、こちらのテリトリーにあります政府系の中小企業金融機関あるいは信用保証協会などに対しましては、従来以上に中小企業の経営状況等に十分配慮して、融資をひとつ親切に行ってやるようにというふうに指導していきたいというように考えております。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 いま大臣の御決意を伺いましたので、ぜひともこれが実現されるように要求するものであります。  今回の法案の改正内容のまず一点は、追加出資ということが挙げられるわけでありますけれども、公庫の貸付実績が年々増加傾向にあることは事実であります。また、増大するこうした資金需要に対応するために貸付原資の充実ということ、さらにまた安定的確保を図るということから今回の法案が提出されているわけでありますけれども、昭和二十九年度に二十五億円、それから三十年度に五億円が一般会計から追加出資されているわけであります。その後今回の改正まで追加出資が行われていなかったということになるわけでありますけれども、その辺の理由についてまずお聞きします。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 御指摘のように昭和三十年度の追加出資以後は、中小企業投資育成会社へのための出資は若干四十三年までございましたが、それ以外の公庫の本体に対する実質的な追加出資は行われておらないわけでございますが、これはこの中小公庫が、設立以来従来出資した資本金をもとにいたしまして中小企業の資金供給の円滑化ということで大変努力をし、経営の合理化も努力をしたということが非常に大きな原因でございまして、従来はむしろ余裕を持っておったので、こういう追加出資の必要がなかったということでございます。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 実際長期にわたって追加出資というものが行われてこなかったわけでありますけれども、今後の公庫の業務の拡大あるいはまた機構の整備等に伴って、当然長期的な追加出資の計画の策定なりあるいは見通しというものが具体的に明示されなくてはならないというふうに私は思うわけでありますけれども、今後の追加出資の見通し並びにこのいわゆる総合計画の策定についてどのようなお考えを持っておられるのか、大臣ひとつ。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 このたびは二十億の増資を皆様の御承認を得まして、できますればそう実現したいものでございますけれども、今後それではどうするのだという問題に関しましては、中小企業金融公庫の経営状況等のその後の推移を見まして、状況に応じまして対処してまいりたいというふうに考えます。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 いま追加出資についてお尋ねをしたわけでございますけれども、あわせて債券発行限度額の引き上げの問題もお聞きしたいと思います。  今回、資本金の二十倍から三十倍に引き上げることの内容についての提案がなされておるわけでありますけれども、この計数的な、二十倍から三十倍に引き上げることの背景と理由といったものについて、これは長官にひとつお聞きしたい。  あわせて、時間が余りございませんのでお聞きするわけでありますけれども、きょうは公庫の総裁も見えておりますので、既発行債券の消化状況は一体どういうぐあいになっているか。あわせて今回御提案のあります五十五年度以降の債券発行計画における発行額あるいは時期、金利、引受先等についてどうした内容になっているか。あわせてこれもひとつ公庫の総裁の方からお答えをいただきたいと思います。  初めに長官お願いいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 債券発行限度額を三十倍に引き上げることの背景でございますが、五十四年度末の債券の発行残高の見込みは五千二十億円でございます。現在の資本金によります発行限度額が五千四十二億円でございますので、大体その数字に達しつつあるということでございます。また将来を考えますと、原資の安定的確保を図るためにはやはり発行限度額を引き上げておく必要があるということでございます。そして、結局そういうことで限度額を考えたときに、中小公庫の発行します債券がこれまでも円滑に発行されておりますし、発行をふやしても消化に支障がないというふうに思われます。また、この中小公庫が経営の健全性を持っておるということから、民間引受債については政府保証もあることでございますので、一般の引受者にも十分安心して引き受けてもらえるということになっております。そういうことでございますので、この公庫の融資量がだんだん増大したのに伴いまして二十倍から三十倍、しかも現在大分限度に達しつつあるという現状を見て、そういうことを決めたわけでございます。

船後正道中小企業金融公庫総裁

○船後説明員 まず公庫債の消化状況でございますが、最近では公庫の発行いたしております債券の約八割が政府引受債でございます。残りの約二割が政府保証の公募債でございます。公募債につきましては金融機関、証券会社等から成っておりますシンジケート団による引き受けの形をとっておるわけでございますが、大体この公募債の八割くらいが窓口で一般に消化されておりまして、残りの部分がシンジケート団による引き受け消化、かような形になっております。  それから次に、公庫債の発行条件でございますが、現在は表面利率が八・一%、発行価額は額面百円につき九十九円七十五銭、期間は十年、かようなことに相なっておりますが、五十五年度以降につきましては、今回の金利体系の変更に伴いましていずれ改定になるものと考えております。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 ここで、年度末資金並びに五十五年度の第一・四半期あるいは上期の資金需要といったことについてお聞きしたいと思います。  貸付原資の調達という点からいまいろいろお聞きをしてまいりましたけれども、先ほど申し上げたように公定歩合の引き上げ等に伴う市中銀行の選別の強化あるいはまた石油価格の高騰による原料高等の原因によって、昨年の下半期以降中小企業の倒産件数というものが大変な数を示しているわけでありまして、こうした増加傾向を見るにつけて、私は大変大きな懸念を抱いておるわけでございます。たとえば昨年上期では一万二千件であった倒産件数が、年末には一万六千件に達している現実がある。そこで私は、当然こうした中小企業倒産の具体的状況というものを直視した上での年度末融資資金の確保というものが必要になってくるというふうに考えるわけであります。  そこで申し上げるわけでありますけれども、まずこの時期における資金需要をどのように見ておられるのか。さらにまた、五十五年度上期ないしは第一・四半期における資金需要というものを勘案した上での年度末融資枠の確保というものが行われているのかどうか、この点ひとつお聞きいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 御指摘のような経済情勢の逼迫によりまして、中小企業がことに政府系金融機関に対する依存度を強めるというようにわれわれは考えております。したがいまして、五十四年度の第四・四半期につきましては、中小金融三機関の合計につきましては一兆一千八百五十四億円、対前年同期比にいたしまして二三%増というふうな、相当大きな資金を準備をしております。したがいまして、この年度末の貸し付けは十分これでカバーできるのではないかというふうに考えております。さらに、五十五年度につきましてもやはり相当資金の需要が高まるということを考まして、大体中小三機関それぞれ前年対比一割増しというふうな資金を準備しております。五十四年度は大体対前年比八%ぐらいの増ということに終わろうかというふうにわれわれ見ておりますので、五十四年度よりもさらに大きい一割増しという資金量を準備しておりますし、これを必要に応じまして、第一・四半期ないしは上半期にある程度集中することも可能でありますので、状況に応じて機動的に対処してまいりたいと思っております。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 いまの長官のお話でありますから、私もぜひこの資金枠の確保並びに手当てが十分可能であるというふうに考えたいわけでありまして、この資金需要と見合った融資枠の確保というものをぜひともお願いしたいというふうに思うわけであります。  そこで、ここで代理貸し付けと直接貸し付けの問題についてお聞きするわけでありますが、私は近年における代理貸し付けといわゆる直貸しの割合の推移というものを見てまいりましたときに、いまちょうどこの基本的な考え方を再度検討する時期に来ているのではないかというふうに考えるわけであります。一時期三、七ぐらいの割合で、また四、六ぐらいの割合でということで、直貸しと代理貸し付けの割合がどうあるべきかという議論が相当長く行われてまいりました。できるだけ直貸しの割合を拡大しようという方向で来たわけであります。  そこでお伺いするわけでありますけれども、ここ数年における直貸しと代理貸しの割合はどんなふうになっていますでしょうか。

船後正道中小企業金融公庫総裁

○船後説明員 お答え申し上げます。  公庫が直貸しを開始いたしましたのは昭和三十年度でございますが、三十年代を通じましては、大体先生御指摘のとおり直貸しの割合は二〇%から三〇%程度、四十年代に入りまして逐次これが上昇いたしまして、四十年代の末にはほぼ半々というような状況に相なったわけでございます。五十年代に入りましてからは、資金配分も計画上で五〇、五〇という考えでもって配分してまいったのでございますが、実績から申しますと、直貸しの方が五〇を若干上回る、かような状況でございまして、五十四年度も四月から十二月の実績は、直接貸し付けが五四%、代理貸しが四六%、かような構成割合になっております。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 確かに御説明いただいたとおり、直貸しのシェアというものが大変拡大される傾向が近年見えているわけであります。  そこで大臣にお聞きするのですが、公庫法の二十条に、「主務大臣の認可を受けて、金融機関に対し、その業務の一部を委託することができる。」というふうになっているわけです。要するに金融ベースに乗りがたい中小企業の融資というものが、この後触れるつもりでおりますけれども、いろいろと問題のある代理貸付制度に大分ゆだねられているという事実があるわけでありますね。それでも公庫側の努力によってこの直貸しというもののシェアを相当に拡大してきたのも事実であります。そこで、いま大体五〇%、五〇%ということの割合になっているわけですけれども、この二十条に基づいて、「業務の一部を委託することができる。」という条文の本来の趣旨にこの数字というものは見合っているかどうか、果たして一部かどうか、今後この割合はどうあるべきかという点について、大臣にお聞きします。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 直貸しと代理貸しにはおのおの特色がありまして、直貸しの方は比較的多額の金を出すでしょうし、代理貸しの方は、得意の自分の銀行から小口のものを迅速に借りるというところに特色があるのじゃなかろうかと思います。ですから、需要者がどっちを選ぶかということが問題の決め手だと思います。そういうことでございますから、どちらが何%が一番適当であろうというシェアを決めるというよりは、むしろ両方の制度の特色を生かしながら中小企業関係の利便というものを考えて、そしておのずからそれに対処していくというのが一番自然の道じゃなかろうかと私は思います。  私も先生と同様に田舎でございまして、ずいぶん世話をさせられた方の一人でございますが、やはり代理貸しも、ぜひそうしてもらいたいという希望者も地域にはたくさんいるわけでございますので、むげにどちらがいいというわけにはいかないのじゃないでしょうか。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 大臣、いまの御発言についても重ねて御質問申し上げたいわけでありますが、まず私は国会のございます東京一区の選挙区でございますので、ひとつ御理解をいただきたいと思うのです。  それから、いま言われました代理貸し付けと直貸しの特徴ということですけれども、これはそれぞれ長所短所があるわけですよ。この長所短所というのは、裏を返せば今度は欠点といい面というふうに分けられるわけですね。実はこの問題についてはかねてから国会でずいぶん議論をされてきている実績があるわけです。先ほど総裁言われたように、二、三〇%の直貸しであったものが、これは当然よくない、公庫の本来の趣旨から考えるならばこれは拡大されるべきだといって、いまぐんぐん総裁を中心に、あるいは長官も指導されて、いろいろな努力の結果こうなったわけですね。今後やはり大臣としては、本来どうあるべきかという基本的な姿勢というものを、いま決まっていなければ検討するというふうなことでもなければ、結局利用者の利便というものを第一義に考えた場合には、そこには行政施策のあり方というものも必要なくなるしあるいはまた具体的措置というものも必要なくなってくる。その意味で、私はいまこの質問を申し上げるのは、公庫の運営、貸し付けの実態の中では非常にエポックメーキングな質問を申し上げている、こういうつもりなんです。その点を踏まえてもう一度、検討するとかあるいは御自分の御見解でも結構ですからお聞かせください。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 わかりました。これはよく検討さしていただきたいと思います。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 これはいままでの委員会等でも相当その点を答弁なさっておりますし、今後なお一層検討していただきたいと思います。私もこの問題は今後当委員会で逐次取り上げていくつもりでおります。具体的な進捗状況等についてもその都度お聞きしてまいりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思うのです。  それでいまの問題ですが、総裁、この直貸しと代理貸し付けの本来あるべき割合はどの程度が理想か、これも私はむずかしいと思うのです。それはよくわかるのですが、ただ公庫本来の設立趣旨からいきまして、いわば民間の金融機関で融通することが困難な企業に対する云々という、こういう公的な性格の盛り込まれた公庫法なんですね。したがって、この本来の設立趣旨を満たすためのあり方としてこの割合が本来どうあるべきなのか。実情は、たとえば公庫直接の支店なり出張所というものがいまどうしても限界がある。そのために代理貸付機関というものがいま八百以上ずっとネットされてきた、これが実情ではありますけれども、本来の趣旨から考えたらどうあるべきか、この点を、ひとつ総裁お聞かせください、もう平素の御努力はよくわかっておりますから。

船後正道中小企業金融公庫総裁

○船後説明員 大変むずかしい御質問でございます。直貸し、代理貸し、それぞれの特色があるわけでございます。政策目的をより徹底するという点から考えれば直貸しがすぐれておると思います。しかし他方、代理貸しは一万二千もある店舗網を利用いたしまして小口を手軽に貸し付けるという特色も持っているわけであります。私どもといたしましては、ここ数年来五〇、五〇という割合で業務を運営してまいりまして、経験的に適当ではなかろうかと思ってはおりますけれども、やはり問題は利用者の利便、中小企業者の利便ということが第一でございますので、両制度の特色をそれぞれ生かしながら、今後もニーズにこたえつつ配分割合等は検討してまいりたい、かように考えております。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 大臣も総裁も利用者の利便ということを第一義にお考えになる、これは大変結構なことだと思いますし、また、その趣旨に沿っての具体的運営を行っていただきたいというふうには確かに思います。しかしながら現場の実態というものをつぶさに見てまいりますと、実は必ずしもそうじゃない傾向というのがあるのですね。たとえば代理貸し付けにおける貸し付けの実態について言えば、公共性あるいは社会性というものを欠落させて、客観的に見てどうしても十分な条件が整っていない、あるいはまた民間金融機関として貸し出しができるにもかかわらず、長い取引をしている顧客に対して優先的に公庫の融資枠というものを代理貸し付けとして扱ってしまう、こういう傾向があるわけです。私はあえてこのことを情実金融とは申しません。しかしながら、総裁や大臣が言われるように理想的に必ずしも一〇〇%進んでいるとは言えない、こういう面があるわけですよ。したがって私は、直貸しの拡大というものが必要になるというふうに考えるわけです。いま申し上げた民間の代理貸付機関におけるところの実態というものをどのように受けとめておられますか、大臣。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 最近私は余りくにに帰りませんので、最近の実態はわからぬのですけれども、私の経験から申しますと、やはりむげに代理貸しというものをどんどん縮小するというのもどうかしらん。といいますのは、田舎で金を中小企業金融公庫から借りたいという場合に、直貸しでというのはなかなか手が届かぬようなかっこうで、あなた様のようにお江戸生まれの方は、お見それしまして恐縮ですけれども、私のような田舎だと最寄りの銀行だとわりあい行きいいのですけれども、直接金融公庫へ行ってというのはなかなかできませんと思いますので、バランスをほどよくとってということは言えるのですけれども、それじゃバランスの率がどうだろうか、どれが適当であろうかとなりますと、私もちょっといまのところは、こちらがいいという……

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 大臣、これは地方と都会の違いということじゃないのですよ、中小企業の資金需要というのは。特に都会では公庫直接の支店網等が地方に比べて整備されているという事実は確かにあるわけです。しかし先ほど総裁も言われました本来の趣旨からいけば、いろいろな利便あるいは利点、スムーズな運用ということからいけば、当然直貸しの方が理想的なんです。ところが、それほどの店舗数等の規模も整っていない、十分な人員体制等もいま整備され切っていない。そういう意味でやむを得ず代理貸し付けということに、店舗数等の規模から言ってもいま増大が見られるわけです。  そこで一つお聞きするわけですけれども、今後のいわば公庫の直接のそうした支店、出張所等の増設計画等、これはどのようになっているか。いわば中小企業の資金需要のニーズにどのようにこたえられるおつもりなのか、この点もあわせてお聞きしたい。加えて、その際の設置基準あるいは社会的背景、地域性といったものをどのように勘案されるのか、お聞かせいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 中小企業の需要に適合するためには、やはり公庫の店舗網というものを拡充する必要があるということはわれわれも同感でございまして、従来からもその拡張に努めてまいりまして、現在は支店が四十八カ所、出張所が六カ所ということでございます。しかし、われわれとしてもこれだけで満足しておるわけにはいきませんので、やはり中小企業者の利用の便宜ということで、各地域地域の実態に応じて拡充を図ってまいりたいというふうに思っております。五十五年度におきましても出張所を一つ新設、それからまた一つの出張所を支店に昇格するということも考えております。これは組織を大きくするのでございますので、急激に拡大するというのはなかなかむずかしゅうございますけれども、今後息長くこういう点の拡充を次第次第に続けてまいりたいというふうに思いますし、それもやはり中小企業者の御便宜というものを考えて、交通その他の事情も勘案して設置を進めてまいりたいというふうに考えております。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 民間の金融機関は、いまの代理貸しの中でも触れましたけれども、小口の金融について言えば、調査そのほかいろいろな手数が大口の貸し出しよりも比較的手間がかかる。また、もうけということから言えば大口よりももうからない。したがって、勢い小口を排斥して大口を扱うというふうな傾向が実はあるわけであります。  時間も余りございませんので、この点はひとつ聞いておきたい。たとえば、私が相談を受けて扱ったことのある例であります。事業をなさっているある御婦人の方ですけれども、いろいろな条件が整っていたんですけれども、たまたま民間の金融機関で代理貸し付けを扱っている銀行へ行きましたところ、高利の一般の融資の扱いを受けそうになった。これを申し込まれたらどうですか。よくわからないわけです。ところが、どう見てもこれは代理貸し付けで十分対応していただける例だったわけです。この具体例については余り掘り下げるつもりはありません。しかしながら、こうした小口のめんどうなものを排斥しようというふうなことがあっては、これは問題だと私は思うのです。その意味から、関連して手数料の問題を聞くわけであります。  そこで総裁、いま公庫の財政事情といいますか、内容からいきまして、直接貸し付けの利息収入と代理貸し付けの民間金融機関に払い出すところの手数料とのバランスはどうなっているか。それから、いま触れましたところのこの代理貸し付けにおけるそうした問題をなくすための、小口の融資であっても民間金融機関がもうかる、十分手数料が入ってくるんだということを勘案しての小口における手数料の優遇策というものは今後検討されないかどうか。この二点についてお聞きをしたいと思うのです。お聞きしますところ、特に総裁は経営基盤がいま大変厳しい公庫のあり方を直視されて、いまいろいろな具体的な施策というものをお考えになっている。これはもう一面では大変評価されているわけでありまして、その一つとしてこの手数料の小口における優遇というものもあるいはお考えになっているのではないか、そう思いますので、以上二点についてお聞きして、時間が参りましたので私の質問を終わらせていただきます。

船後正道中小企業金融公庫総裁

○船後説明員 第一点は代理貸し部門と直接貸し部門との採算の比較の問題でございますが、代理貸しの場合には手数料が要るわけでございます。これは代理貸しの貸付平残に対しまして支払い手数料の比率、いわゆる手数料実収率でございますが、一・四%ないし一・五%程度がかかるわけでございます。公庫のこういったコストは貸出利息と借入金利、この利ざやでもって賄っておるわけでございますが、この利ざやがかつては一・四以上あったわけでございますから、そういった時代には何とか代理貸し部門も、年度によりまして多少の変動はございますが、総じて収支とんとん、こういう状況で推移してまいりましたが、五十二年度からは貸し付けと借り入れの利ざやが大幅に縮小いたしまして、代理貸し部門は赤字的な体質に相なっております。これをモデル的に申し上げますと、現在基準貸付利率が八・二%、それから借り入れ、これは資金運用部の借り入れでございますが、借入利率が七・一五%、利ざやが一・〇五%でございます。他方、手数料の実収率は一・四一%、これに代理部門に要する経費率〇・〇八%を加えますと、差し引き〇・四四%の赤字になる、かような姿でございまして、この赤字を直接貸し部門の黒字でもって埋める、かような収支構造に相なっておるわけでございます。  それから、第二点の小口貸し付けの手数料の問題でございますが、これは従来から小口の方をなるべく奨励するという意味もございまして、小口貸し付けにかかわる手数料率はかなり高く設定してきております。  数字について御説明申し上げますと、これは現行でございますが、八・二%の標準利率に対する手数料は、貸付金額が三百万円以下の場合には二五%だ、二千万円を超えますとこれが一六%だということで、小口優遇で設定いたしております。

木内良明公明党・国民会議

○木内委員 時間がオーバーしてしまいまして申しわけないのですが、四月一日から手数料の引き下げを行われるということを聞いているのですが、その点いかがでしょうか。

船後正道中小企業金融公庫総裁

○船後説明員 公庫の収支構造が先ほど御説明いたしましたような状況に相なっておりますので、この四月一日から手数料率を平均いたしまして二〇%ばかり引き下げる予定でございます。この場合には、先ほど先生御指摘ございましたように、小口貸し付けを優遇する意味から、小口部分に適用される分は一〇%程度、一千万円以上の部分につきましては二〇%あるいは三〇%、かような引き下げ率を考えております。

堀内光雄自由民主党・自由国民会議

○堀内委員長代理 これにて木内良明君の質疑は終了いたしました。  引き続いて長田武士君の質疑に移ります。長田武士君。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 初めに、中小企業対策についてお尋ねをいたします。  民間の信用調査機関の東京商工リサーチは、二月の負債総額一千万円以上の全国企業倒産状況を発表いたしております。これによりますと、企業倒産件数は一千二百七十六件、前月比では七.四%、前年同月比では二二・二%それぞれ増加をいたしておるわけであります。しかし、一月に次いで倒産の少ない傾向にありますところの二月の月中といたしましては、件数では五十二年度に次いで過去二番目の高水準になっておるわけであります。一方、負債額は五十三年、五十四年に次いで過去三番目の記録になっておるわけであります。このような企業倒産の増加の傾向は特に二月の後半から増勢基調を強めておるように私は考えるわけであります。三月の決算期を前にいたしまして、事態はさらに深刻化するであろう、私はこのように考えるわけでありますが、過去五十年九月から本年二月まで四年六カ月間の倒産件数は毎月一千件を記録をいたしております。そのほとんどが中小企業でありまして、一方、大企業は史上空前と言われております利益を上げておるわけであります。そういう大企業と中小企業、この格差というのはもうこの数字を見ても明らかなんです。  通産大臣、大企業は利益を相当上げておりますけれども、一方においては、中小零細企業においては倒産件数は依然として増勢傾向にある、どうお考えでしょうか。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 倒産が増加しておることはお話のとおりだと存じます。その原因といたしましては、根本的には長い不況で企業の体力が弱まっているというのが根本だと思いますけれども、それに加えまして、公定歩合の引き上げ等で金融がだんだん引き締めの傾向を強くしてきた、あるいは石油の価格の値上げであるいは円安等で原材料等が値上がりしておるわけですから、それを商品の価格へ転嫁して売れればいいわけですけれども、そういう状況はなかなかできないということになってきますと、自然苦しくなるわけでございまして、特にお話しのように三月は決算期でございますから、ほっておきますと大変な増加傾向になるんじゃないかと憂えておりますので、何とかそれを食いとめたいということで、予断を許さないような危険な状況に対して、倒産対策ということで思い切った施策を講じたいということで、せっかく中小企業庁の方が主になりましてただいま進めているところでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 御答弁がよくわからないのでありますけれども、それでは具体的な例といたしまして、私御質問いたします。  このような状況下での中小企業の悩みというのは、原材料の高騰分を製品価格に転嫁することが非常にむずかしい。これが私は第一番目の理由じゃないかと思うのです。  第二番目には、また金融引き締めによってどうしても金融機関というのは選別融資してきます。いままで金融が非常にだぶついているといいますか、緩やかでありましたから、大手金融機関は小さいところまでも丁寧に貸し出しをいたしました。それが高金利、そうして金融引き締め、準備率もあと五千億ぐらいは引き上げられるであろうと言われておりますから、そういう点では銀行としても資金繰りが非常にむずかしくなる。こうなりますと、勢い中小零細にしわ寄せをする、いわゆる選別融資をやってくるということなんであります。こうなりますと、中小企業は製品あるいは商品にはなかなか転嫁できない。一方においては金融をがっちり締められる、こういう点で実はダブルパンチを受けるわけなんであります。  その具体例といたしまして、東京商工会議所と東京都商工指導所が都内の中小企業を対象といたしまして、原油価格の引き上げや国際市況商品の高騰が中小企業の経営にどのような影響を及ぼしておるかについて、五十五年一月現在でありますけれども、アンケート調査をやりました。その調査によりましてちょっとお尋ねをしたいわけであります。  この結果表で、五十四年下期の七月から十二月における製品及び商品販売価格への転嫁状況を見てまいりますと、一〇%以上の値上げを行った企業は、製造業では三九%、卸売業では六一%、小売業では四七%となっておりまして、製造業が卸売、小売業に比べて価格転嫁のおくれが非常に目立っておるわけであります。事実製造業では、仕入れ価格が二〇%以上値がりした企業は二七%となっておりますが、この間、製品販売価格に転嫁できたとする企業はわずか三%にすぎないわけであります。こういうことも見てまいりますと、中小企業の経営の苦しさというものが浮き彫りにされておるわけであります。  さらに、五十五年上期に当たります一月から六月までの原材料仕入れ価格については、半数以上に及ぶ企業が二〇%前後値上がりをするであろう、このように答えておるわけであります。しかし、製品価格への転嫁を予想している状況を見てまいりますと、同期間に二〇%以上の価格転嫁は非常に困難であるとの見通しを持っておるわけであります。中でも製造業では二〇%以上の値上げを考慮している企業は八%という状況です。中小企業の経営環境は一段と厳しい状況に置かれておる、こういうことがこのアンケート調査でも明らかであります。  このように原材料の値上がりなどを製品価格に転嫁することもままならない中小企業者に対し、政府としてはどのような対策を講ずるのか、具体的にひとつ説明をしていただきたいのです。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 御指摘のとおりでございまして、われわれの方でも毎月中小企業、ことに下請企業の実態などをアンケート調査を繰り返しておりますが、その中でもいまのような事態が出ております。したがいまして、こういうものに対して何とか手を打たなければいけないということでございますが、下請企業等につきましては、親企業から不当な加工料の引き下げ等々がないように、また必要な加工料、加工賃の上昇を達成できるようにというようなことで絶えず調査をいたしておりますので、必要があれば個別の指導までやっていきたいと考えております。  なお、一般的にはこういうことで利益率が減少し、中小企業は大変困っておられるということでございますので、これについては金融対策を充実することが、御指摘のように選別融資というおそれもございます事態になってまいりましたので、十分にやってまいりたいということでございまして、とりあえずは政府系の中小企業の金融機関の融資枠を十分とりまして、必要な場合には政府系の資金を中小企業に遅滞なく供給するという措置を講じたいということでございまして、この年度末金融については前年度の資金枠の大体二割以上多い枠を用意いたしまして、機動的に対処できるようにしておるわけでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 長官、中小企業を助けるという意味で、金融政策ももちろん必要であります。しかし実際問題として私の知っている多くの中小企業経営者というのは、商品に転嫁できないあるいは製品に転嫁できない、たとえば頭を抑えられてしまう、しかし原材料は上がるというのが実態なんです。そういう具体的な問題をどうされますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 価格の転嫁自体を何らかの方法で促進するというのはなかなか困難なことかと思われます。ただ、中小企業が非常に零細で、ばらばらであるために交渉がなかなかうまくいかないというような面もございますので、こういう点については組合の活用というようなことも十分考えなければいけないと考えております。  しかし、いずれにいたしましてもこういうことで収益状態が悪化することについては、価格に転嫁する時期まで何とかつながなければいけないとわれわれは考えておるわけでございますので、そういう現状の苦しい時期をつなぐ融資というものをまず考えて、そしてある時期までかかって価格にだんだん転嫁を進めていくという方策をとらざるを得ないのじゃないかということで、いま申しましたように金融対策を講じておるということでございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 通産大臣、先ほど私、中小零細企業は倒産件数も大変多いし、大変な状態であるということを御説明申し上げました。一方、大企業においては利益水準も非常に高い。そういう状況下にあって、そういう企業間の格差といいますか、経済民主主義が思うように活用されていない、常に弱い者がいじめられてしまう、こういう企業間の格差というものを私は行政指導でがっちりやらなくちゃならぬと思っているのです。ただ精神的なことを幾ら言ってもだめなんです。  私の知っている企業の経営者は、私のところに先日このように言ってまいりました。ある製品をつくっております。原料価格はどんどん上がってくる、しかし親会社に少しでも上げてもらおうと交渉しても、じゃほかでやります、おたくとは取引しません、それじゃ二百人、三百人の従業員をいまどうするか。経営者として本当に苦しんでおります。私が言いたいのは、あくまでも大手が中小零細企業に対してもっともっと温かいそういう思いやりがなくちゃいけないということを言っているのです。したがって、大企業が大分利益を上げて、そうして結局犠牲になっているのは中小零細企業ではありませんか。大臣、そこへ目をつけなくちゃだめですよ。もう一回答えてください。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 中小企業の窮状と申しますか、私もよく存じ上げているつもりでございます。したがいまして、先ほども御議論ございましたように、いまの窮況をどうして乗り切っていくか、あるいは八〇年代を中小企業はどういうふうに位置づけ、どういうふうに今後伸ばしていくかという点に関しましては、できるだけ新方面と申しますか、あるいは時期を明瞭にいたしまして、育成に万々遺漏のないように進めてまいりたいと存じております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 次に、私は資金的な問題といたしまして、いま手形サイトは中小零細企業が受け取っておりますのは大体六カ月です。短いので五カ月。このような手形をもらいますと銀行の割引が思うようにいかない。したがって資金の運用面でも非常に苦しんでおるのです。この点についてはどうでしょうか。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 そういう苦しい状況にあることも存じております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 大臣、そういう状況をどう打開されるか伺っておるのです。私が質問しているのは状況認識じゃないのです。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 いまの倒産対策に関しまして長官から詳しく御説明ございましたが、そういう面等を通じましてできるだけいまの窮状を打開していくというのがわが省で考えておる行き方でございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 長官、何かありますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 基本的には大臣のお話のとおりでございますが、ことに手形のサイトがだんだん長くなるという傾向につきましては、現在われわれといたしましても、例の下請代金支払遅延等防止法を活用いたしまして、年間四万件ぐらい各通産局を中心に調査をいたしております。したがいまして具体的な長い事例がございましたならば、われわれの方でそういうものについて必要な措置をとるというふうに考えておりますので、極力手形の長期化を防ぐように努力をしてまいりたいといま思っております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 この取引条件のデータを見てまいりますと、回収条件でありますけれども、手形は百十三日とか、そのように載っていますね。これは非常にマクロ的な統計なんです。物はもっと細かく見なければいかぬのですよ。そういう意味で十分配慮していただきたいと思っております。  次に、先ほどちょっと出ましたとおり、これから金融が非常に逼迫してくることは目に見えております。そうなりますと、中小零細企業はどこを頼りに生きるかということになりますと、やはり政府関係の金融機関を頼ってくる。  私は総裁にお尋ねしたいのでありますけれども、実はこの間も中小企業金融公庫の申し込みをしたいということである人が私のところへ参りましたので、ある銀行を紹介しました。しましたところ、条件等もこちらの方がいいということで銀行で融資をしてしまったという経緯があるのです。中小企業のためにということで中小企業金融公庫が設立されても、実際問題として民間金融機関でも十分対応できるということであったのでは、中小企業としても余りメリットがないのではないかという危惧を私はちょっと抱いたのです。  それはごく一例でありましょう。しかし、一般の金融機関が貸しにくいあるいは非常に渋っておるそういう取引先に対して、何らかの手を打つために私は中小企業金融公庫があるのだろうと思うわけでありますけれども、そこらの決意はどうなんでしょうか。

船後正道中小企業金融公庫総裁

○船後説明員 先生御指摘のとおり、中小公庫の資金は民間金融機関で融通しがたい長期の設備資金あるいは運転資金ということに相なっておるわけでございます。したがいまして、たとえば民間の金利その他の貸付条件との比較におきまして、短期の金でございますと、中小公庫の長期の金の方が条件が悪い、かようなケースもあったわけでございますけれども、やはり五年あるいは十年といった長い設備資金ということになりますと、中小公庫の金は中小企業者に喜んでいただけるのじゃないか、かように私どもは思っておる次第でございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 金利負担という面では中小零細企業は非常に苦しんでおりますから、その点は政府機関としての特性といいますか、特徴をどうかひとつ十分に生かしていただきたいということを強く要望しておきます。  そこでお尋ねをしますけれども、この数年間の公定歩合引き上げと政府系の中小企業金融機関の基準金利はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 この公定歩合の引き上げに伴いまして、民間金融機関の長期のプライムレートが上昇をいたします。政府系の中小企業金融機関につきましては、民間の長期のプライムレート、最優遇金利を基準金利にするということで措置をしてきたわけでございます。ただ、金利の上昇が、昨年の後半以来公定歩合もだんだん上がってまいりました。したがいまして、この長期プライムレートはその公定歩合の引き上げと余り日を置かずに引き上げられましたけれども、中小企業について急激なショックを与えてはいけないということで、昨年は八月一日に長期のプライムレートが引き上げになったわけでございますが、それについて九月一日から基準金利も引き上げたわけでございますが、それをまるまる引き上げないで一部を引き上げて、年末金融については中小企業のことを配慮して引き上げ幅を考慮して、ことしの一月になってこの基準金利並みにしたという例がございます。将来につきましても、実は第四次の公定歩合の引き上げに伴う長期のプライムレートの引き上げに対応する基準金利につきましては、現在関係方面と検討中でございますが、さらにまた五次の引き上げも出てまいりましたので、これについてどういうふうにするか、いま中小企業の実情をも踏まえて鋭意関係方面と交渉し、検討中でございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 二月十九日に公定歩合が一%上がりましたが、政府系の中小企業金融機関の基準金利について大蔵省と話し合いましたか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 これにつきまして現在話し合い中でございまして、この四月一日に何らかの結論を出してやりたいということで、現在検討中でございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 二月十九日第四次の公定歩合引き上げで一%、また本日一・七五というふうに公定歩合が引き上げられたわけでございます。そこで、政府系の中小企業の金利体系は将来どういうふうにお考えでしょう。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 いま申し上げましたように、基本的には長期のプライムレートを基準金利にすべきであるというように考えております。しかしながら、現実におきましてはプライムレートの動向、それからまた、他面政府系金融機関につきましては原資が財投資金でございますので、資金運用部の金利ということも配慮しなければいけませんが、そういうものを配慮しながら時々の実態に極力合わせて、中小企業の方に余りひどいショックを与えないということも配慮しながら決めていきたいというふうに考えておりますし、ことに金利がいまのように非常に上がってまいりました時代につきましては、そういう配慮も十分講じてまいりたい、このように思っております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 通産大臣、プライムレートを基準にするということは、私はわからないわけじゃないのですが、中小企業を育成するという意味において従来の踏襲というものをしないで、独自な金利体系というものがぼつぼつ必要じゃないかと私は思いますが、どうでしょうか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 この政府系金融機関の任務は、一般の民間金融機関の補完的な機能を果たすというようなことにもなっております。したがいまして、市中の一般の金融機関の金利と政府系の金融機関の金利というようなものは、その時々によって十分いろいろな配慮をしなければいけないということを考えております。したがいまして、われわれとしては従来の方針でいって十分であろうと思っておりますけれども、しかしながら、経済の実態もだんだん変わってまいることでございますので、その点についてはまた今後十分検討いたしてまいりたいというふうに思っております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 それでは具体的な提案といたしまして、五十五年度の予算修正で盛り込んでおります五百億円の物価対策、長官御存じですね。——この使途についていろいろ意見が出ておるようであります。物価対策の一環として、中小企業向けの融資枠の拡大あるいは金利の据え置き等の利子補給を図ることによって、中小企業の経営の改善あるいは物価抑制の双方が可能ではないかという感じを持つんです。この点については通産大臣、こういう考え方はどうでしょうか。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 五百億の使途に関しましてはいろいろむずかしい問題がございまして、にわかに御提案の趣旨に賛成いたしましたというわけにもまいらぬと思います。しかし、せっかくの御提案でございますから、よく検討してみたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 五百億の使途、われわれもいろいろ考えておりますが、利子補給ということになりますと、その年度だけじゃなくて後年度の準備をしなければならないということがございますので、そういう点もございまして現在いろいろ考えておりますが、どういうふうにやったらいいかというはっきりした結論はまだ出ていないというのが現状でございます。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 どうかひとつ中小企業に対しまして、金融面あるいは行政指導の面について、大企業から非常に圧迫を受けておりますから、その点は十分強力な指導をしていただきたい。お願いをしておきます。  次に、倒産防止対策についてお尋ねをしたいのでありますけれども、現在中小企業の倒産防止対策は、主に倒産関連特別保証制度、中小企業倒産対策緊急融資制度並びに中小企業倒産防止共済制度の三つの制度があるわけであります。こうした制度が機能しているにもかかわらず、現実に毎月千件以上の倒産が出ておる、こういうことであります。しかも例年決算期を迎えますと倒産件数が非常にふえるわけであります。  こうした状況下にあるさなか、過日の当委員会で同僚委員の質問に対しまして、中小企業庁長官は、来年度から倒産防止対策の拡充を図る旨の答弁をなされたわけであります。その実施までにはなお相当の時間がかかるのじゃないかと思います。私は、この三月決算期をどのようにして切り抜けるか、必死になって苦しんでおります中小企業者をどう救済するかという点が最も大事ではなかろうか、そのように考えます。こうした状況を見るにつけ、長官の言われた来年度のことよりも、当面の問題をどう解決するかということが非常に重大であろう、このように私は考えるのです。そこで、是が非でも緊急に倒産防止の措置を講ずる必要があるのではないか、そう私は考えるのでありますけれども、現在どのような対策を講じておられるのか、最後に御質問をいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 先ほども話に出ましたが、この三月、四月というのは例年倒産がふえるということでございます。しかも一月、二月が例年以上に倒産件数がふえておりますので、われわれも非常に心配をしております。  そこで、この倒産対策を遺憾ないように実施したいということでいろいろ考えておりますが、やはり現在の制度を十分活用するということでございまして、一つは、連鎖倒産を回避するというのが非常に大きいわけでございます。そのために先ほどの倒産関連保証とかあるいは緊急融資を機動的に実施したいということでございますが、大体大きな企業が倒産いたしますと、直ちにその企業を信用保険法に基づく倒産企業に指定をいたしまして、倒産関連保証などがすぐに実施できるようにしておりますし、それからその地域地域におきまして、通産局を中心に日銀とか財務局あるいは都道府県が集まりまして関連の取引先を調べ上げまして、それに対して具体的に直接相談に乗るというふうな施策も講じておりますので、そういう具体的な施策でもって対処したいと思っております。  それから、ことしから全国の主要な商工会議所に、七十四カ所でございますが、倒産防止特別相談室というのを設けまして、これは連鎖倒産でなくて、自分の企業が大分怪しくなった、どうしたらいいかということについての相談に乗るということでございまして、これについては、その相談の結果倒産を回避した事例もぼつぼつ出てまいっております。まあ、倒産というのは企業の方も経験がございませんから、どうしていいかわからないというようなことが非常に多いわけで、それをそういうことになれた人に相談に乗っていただいて、そして必要があれば弁護士とかいうふうなものも活用していただいて対策を講ずるということは非常に有効な手段であろうと思っておりますので、こういうものを皆さんに十分PRをしながらこの危機を切り抜けていきたいというふうに考えております。  それから、来年度はさらにこういう制度を拡充していくということを現在計画し、実施を始めております。

長田武士公明党・国民会議

○長田委員 終わります。

堀内光雄自由民主党・自由国民会議

○堀内委員長代理 これにて長田武士君の質疑は終了いたしました。  午後二時三十分から再開することとし、この際、暫時休憩をいたします。     午後一時十三分休憩      ————◇—————     午後二時三十一分開議

塩川正十郎自由民主党・自由国民会議

○塩川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。小林政子君。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 中小企業金融公庫法が今回改正をされます。その主とした内容は、中小企業金融公庫が貸し付けに必要とする資金の確保を図るということで、債券の発行限度額を資本金の二十倍から三十倍に引き上げるとともに、今後予算措置のみで追加出資ができる、こういう規定の整備を行おうとするものでございますし、さらにまた五十五年度予算では二十億円の出資を行い、公庫の経営基盤の強化を図りますと同時に、あわせて効力を喪失した規定の整備を行う、こういう改正である、このように思いますけれども、いま中小企業をめぐる環境は大変厳しくなってきているのではないか。公定歩合の引き上げも行われ、そしてまた金融引き締め政策というような状態の中で、今後中小企業が必要とする資金の需要はどれほど広がるのか、またその中で政府系金融公庫としての果たすべき役割りは非常に大きくなると思いますけれども、この点についてまずお伺いをいたしたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 御指摘のとおり、昨年の原油価格の値上がりに引き続きまして諸原料が上がるというふうなことから、中小企業は利益も縮小するということで大変困ってきております。また今回、海外の物価値上がりを極力国内に波及させないというふうな趣旨も込めまして、物価対策、金融引き締め政策がとられておるということでございます。そのこと自体は当然やらなければいけないことでございますが、そのしわが中小企業に寄るというふうなおそれもございますので、中小企業にとっては大変厳しい時代であるとわれわれは考えております。  そこで、たとえば金融引き締めになりますと民間の金融機関の融資はなかなかむずかしくなるというふうな事態も出てまいります。したがいまして、こういうときこそ政府系金融機関の必要な資金を供給するという役割りは重大であろうと思っておるわけでございます。したがいまして、今後中小企業向けの政府系金融機関に対しましては資金量を豊富に維持するということを考えておりまして、この第四・四半期の資金量も十分とってございますし、また来年度につきましても年間一割増ぐらいの資金を現在見込んでおりまして、それをもし必要があれば第一・四半期、第二・四半期というふうに集中して使えるというふうな配慮を考えております。そういうことで、今後金融対策というものを重点に実施してまいりたいと考えております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 今回五条の改正をいたしまして、二十億円の出資というのが予算措置だけで実施されるということになりますけれども、「政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、公庫に追加して出資する」というような改正になっておりますし、また公庫は、前項の規定によって政府の出資があったときには、これをその資金として公庫は増加をすることができるということになっております。政府がこの資金の増加を認めるという基準というのは一体どのようなときなのでしょうか、そしてどのような条件のときに出資を認めるおつもりなのでしょうか、この点についてお伺いをいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 実は中小公庫につきましては、発足当初に数回出資をいたしました。その出資によりましていままで公庫が健全に、しかもまた中小企業の資金需要にこたえて運営できたわけでございますが、最近、第一次石油ショック以降の不況あるいは円高ということに対しまして、倒産防止対策とか円高対策というようなものを実施してまいりました。緊急融資なども実施してまいりました。あるいはまた、中小企業の方の御要望にこたえて繰り上げ償還とか金利の減免というようなことも実施してまいりました。そういう時期でございますので、中小公庫といたしましても経理上若干むずかしい状態になってきております。したがいまして、こういう時期、先ほど申しましたように中小企業に対する政府系金融機関の活躍が期待されている時期でございますから、そういう現在の中小公庫の経営の実態をもう少し強化いたしまして、将来期待されているものにこたえられるような活動ができるという趣旨を考えまして、今回も二十億の出資をすることにいたしたわけでございます。今後もこういうふうに中小公庫の現状と将来の任務というものを考えながら、必要なときには適時適切にやってまいりたいと思いますので、われわれといたしましては中小公庫の経営の状態あるいはその時期における中小企業の方々の政府系金融機関に対する期待を見ながら、今後とも適切に対処してまいりたいと考えております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 ただいま必要な需要に見合って、こういう期待もされている時期なのでという前向きの御答弁がございましたけれども、私大変心配をいたしますのは、いままでの出資の推移を見てみますと、一般会計百六十億円の出資は昭和三十年で、二十四年間一度も増加されたことがなかったし、産投会計の九十二億円を含めた二百五十二億円の出資ということについても、昭和四十三年から今日まで十二年間も据え置きだった。かつて、これまでの間には必要とする情勢もいろいろとあったのではないかというふうに思われますだけに、今後政府がこうした必要に応じて出資をして公庫の体質を強化していくということは、中小企業の人たちにとっても大変喜ばれることでもあり、また必要なことだと思いますので、その点だけを確認いたしておきたいと思います。  次に、総裁もお見えでございますので、長官と総裁にお伺いをいたしたいと思いますけれども、いま公庫の経営の状態、公庫の貸し付け経費など事務費の運営ということを見てみますと、これは資金運用部の財投からの借入金と企業への貸付金利の差によって運営されていると思いますけれども、いまこの実態がどうなっているのか、この点についてお伺いをいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 いま御指摘のありましたように、中小公庫の運営といいますのは貸付基準金利と借り入れております財投の資金運用部の金利の差のいわゆる利ざやで運営をしておりますが、これが昭和四十年代には大体一・五%から一・七%の幅がございましたが、最近は一・〇五%というふうに縮小してまいっております。したがいまして、公庫の経理の運用はなかなか窮屈になっております。それに加えて、先ほど申しましたように第一次石油ショック以降の不況に対処いたしまして、低利の緊急融資を実行いたしましたり、あるいは過去の高金利時代の貸付金の期限前償還を実施したというようなこともございます。これは一般金融機関ではなかなかやらないことでございますが、これはやはり政府系の金融機関の使命にかんがみて公庫は積極的にやったわけでございますが、そういうことからなかなか経理状態が悪くなったこともございます。  具体的な計数については総裁から御説明があると思います。

船後正道中小企業金融公庫総裁

○船後説明員 公庫の最近の経理状況でございますが、昭和五十二年度までは期間損益といたしましては黒字でございました。これが五十三年度から急激に悪化いたしまして、五十三年度におきましては期間損失八十八億円、かような状況に相なっております。五十四年度もやはり百四十億円程度の期間損失が見込まれる、かような状況になっております。  原因につきましては、先ほど中小企業庁長官が説明されましたような要因が重なりましてかような赤字が生じたわけでございますが、これは一時的な要因が多分に支配しておるわけでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 金利差が現在一・〇五というようなことで大変苦しい状態といいますか、資金源としては大変な事態だというふうに受けとめてよろしいのですか。

船後正道中小企業金融公庫総裁

○船後説明員 公庫の損益を決定いたします最も支配的な要因は、貸付利息とそれから借入利息との利ざやでございます。これが先ほど長官から説明がございましたように、五十一年度あたりまでは大体一・四ないしは一・五、まあこれ以上の利ざやがあったわけでございますが、五十二年度からはこれが一・〇五に低下いたしておるわけでございます。この一・〇五でそれでは公庫の経理が賄えるかということでございますが、まず繰り上げ償還とかそういった一時的要因がなければ辛うじて収支が相償えるのではないかというふうな状況でございますが、非常にむずかしい状態に立ち至っております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 公庫の経理の問題は、利ざやが大変狭くなってきているということでございますけれども、さらに代理貸し付けの手数料の問題、これは一体どうなっているのか。中小公庫の五十五年一月の貸付残高を見ますと、三兆七千二百八十七億円、うち代理貸し付けが一兆四千八百九十二億円で貸付残額の三九・九%を占めておりますけれども、この代理貸し付けの手数料、これは公庫の貸付金利の約一七%というふうに伺っておりますけれども、この一七%というのは一体何を根拠に決めたパーセントなんでしょうか。

船後正道中小企業金融公庫総裁

○船後説明員 数字につきましては小林先生御指摘のとおりでございます。  まずこの一七%という数字でございますが、公庫の代理貸しに対します手数料は、貸付利率別にかつまた貸付金額別に区分いたしております。現在適用されております利率で申し上げますと、たとえば貸付金額が三百万円以下でございますと二五%、三百万円から五百万円だと一九%、五百万から一千万円までは一八%、かような率に相なっておるわけでございます。こういう率を平均いたしまして、貸付部門にかかわります貸付平残に対しまして支払い利息を割りますと、その率が先生おっしゃいましたような一七・二でございますが、かような率に相なっておるわけでございます。そこで、この一七・二に対しまして現行の貸付標準利率は八・二%でございますから、これを掛けますと一・四一%、これが全体といたしましてのコストになるわけでございます。  他方利ざやの方でございますが、これが先ほど説明いたしましたように基準の貸付利息が八・二%、他方運用部からの借入利息が七・一五%、差し引き一・〇五の利ざやでございますから、この段階で明らかに逆ざやになっているという状況でございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 こうした逆ざやがいま出ているということについて、私が聞くところによりますと代理貸し付けの手数料が四月一日から引き下げられるというようなことも伺っております。一体この代理貸し付けというのは、先ほど来お話のあるように資金運用部からの借入金利、それを今度は公庫が一般の業者に貸し付ける、その金利差というのがいま一・〇五ですね。その上に手数料が乗っかるわけですから、先ほどの数字がございましたように、やはり一・〇五を上回る一・三九四とかあるいはさらにその上の金利になるということで、これは明らかな逆ざやだというふうに言わなければならないと思いますし、さらにもう一点は、公庫の貸付金利が今後公定歩合の引き上げなどとの関係もあって相当上がるということを想定して手数料をさらに引き下げようとする、こういうことがいま検討されているのかどうなのか、あるいはまたいままでの逆ざやを埋めるためのものであるのか、そこらの点はやはり政策当局からお伺いをいたしたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 いまのお話の逆ざやという事態に対処するために、実は五十五年度の新規貸し付け分から平均二〇%程度の引き下げということを四月一日からやろうということで考えておるわけでございますが、これは他の政府系金融機関における手数料とのバランスの問題もございますし、また民間の金融機関の間での代理貸し付けの手数料というようなものとの均衡も考えなければいけませんが、御指摘のような新しい事態も出ております。今後絶えずこういうものは検討しながら適正な手数料、そしてまたこれが公庫自体に大きな負担になりまして、公庫の本来の使命の中小企業に対する円滑な貸し付けというものに支障が生じないような形で、絶えず検討しながらまいりたいというふうに考えております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 私は公庫のあり方というようなものについては、これは大臣からもお答えをいただきたいと思いますけれども、やはり何と言っても直接貸しというものをもっとふやしていく、これが中小業者の期待にもこたえていく方向につながるのではないか。現在、中小公庫は本店一、支店四十八、出張所六、こういう五十五店舗でやられておりますけれども、さらにこれを地元の中小業者が気軽に利用することのできるような、こういう方向を強めていくということは、非常に大事な今後の役割りを果たしていくのではないか、このように思いますし、また先ほど大臣もおっしゃっていらっしゃいましたけれども、担保の問題等についてもやはり信用補完をきちっとしていくような方向を強めていくということは非常に重要だと思いますし、さらに何よりも私はこの公庫が今後職員の数もそれに見合ってふやしていく、こういう方向を強めていくことが大事ではないかと思うのです。ちなみに職員一人当たりの直接貸付処理件数を調べてみますと、昭和四十二年が二・七六件でした。ところが今日、昭和五十三年度を調べてみますと、十四・一八件で、この十一年の間に一人当たりの処理件数は五倍以上にもふえています。これでは本当の意味での金融相談やあるいは経営相談、こういうものを親身になってやろうとしてもなかなかできかねるというような事態が起きているのではないか、このようにも思われます。これらの点について大臣の見解を伺いたいと思います。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 先ほどもお答え申し上げたのですけれども、おっしゃるとおり直貸しをふやすためには地方の店舗の、支店と申しますか、拡充その他いろいろ準備が必要だろうと思います。そういう点も踏んまえまして、余り急激に直貸しにどんどん進むのも、一つの行き方でありましょうけれども、しかし反面、いままでの代理貸しの方もなじんだ地方もございますので、そういう点も、いわば需要者側のニーズというものも考慮しながら順次進めていったらいいのじゃなかろうかと考えます。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 御指摘ありました従業員の問題についてお答えさせていただきます。  お話しのとおり最近、昭和四十二年以降ほとんど職員数の増加はございません。その間公庫といたしましてはコンピューターの導入というふうなことによりまして事務の機械化、合理化ということで処理をしてまいりまして、現在われわれとしては中小企業の方々に対するサービスが低下しておるとは考えておりません。非常に職員の方の御努力と機械化ということでこれがうまくいっているというように考えているわけでございますけれども、今後まだまだ中小企業の方々の資金需要がふえるわけでございます。したがいまして、今後を見通しますと、適切なサービスができるような形の人員増加というものは当然考えていかなければいけないと思っております。したがいまして今後の問題につきましては、この合理化、機械化というものの進捗状況と見合わせながら、適切な定員の増加というものは考えていかざるを得ないというふうにわれわれは考えております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 コンピューターで処理をされるということは、能率も上がることですし、一応効果はあると思いますけれども、やはりこの政策金融のあり方としては、いまこういった情勢の中で、本当にいま倒れる寸前の立場に立たされた人たちが、実際には政府の政策金融を受けることによってまた再び活力を持って活動することができるというような、いわゆる紙一重の、すれすれの人たちもますますふえていくということが予想される中で、血の通った、ただ機械ではねればいいというものではなくて、そういう政策こそが今後一層期待をされていくのではないか、私はこのように思います。  時間が大分なくなってまいりましたので、私は債券の発行問題、今回の改正の柱の一つになっております中小企業債券の発行問題をお伺いしたいと思いますけれども、今回資本金の二十倍から三十倍にふやすということでございますけれども、貸付規模の五%程度を債券の発行に頼っていこう、こういうことで資金の調達保証を図ろう、こういう中身になっておりますけれども、私はこの五%という点にやはりひっかかります。  なぜかと申しますと、五十五年度の利払いだけを見ましても、これは三百八十億円、資本金の一・四倍です。さらに毎年の償還額がどうなっているのかということで調べてみますと、五十七年、これは五百五十五億円の償還、五十八年は七百四十七億円と、五十五年度分までの発行分だけに限ってみましてもこのように年々ふえ続けていくのです。その上、五十六年、五十七年と大量の債券が発行されるというようなことになりますと、これはやはり非常に大きな、償還のための債券の発行というような、こういう状態すらも危惧されるという、こういうことを思いますときに、この問題については、三十倍にすること必ずしも私は反対をするものではないにしても、貸付額の五%ということに限定をするということについては、これはやはり考えていかなければならないのではないかというふうに思います。  そして、時間との関係もありますので、もう一点だけ申しますと、「中小企業金融公庫のあらまし」というのがございますけれども、一九七九年版のこの中に、六月発行の債券の参考例というのが五ページに載っております。債券の発行利率七・三%、応募者利回り七・三四三%、期間十年。このとき公庫の一般貸付金利は七・一%です。政府の借入金は利率は六・六五%、債券の発行をすればするほど結局はこの差の伴った、具体的には〇・六五%のコストの高いこういう資金を調達する、こういう結果になるということがこの資料の中に読み取れます。  私は、やはりこうしたことを思いますときに、金融公庫の今後のあり方を考えますと、発行すればするほど赤字が出るというような、こういうやり方というのはやはり何らかの形でこれを改めていかなければならないのじゃないか、このように思いますけれども、いまの二点についてお答えをいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 中小公庫の資金源は、やはり財投資金をもって賄うというのが原則でございます。ただ、財投資金につきましては、やはり財投の事情その他によりまして、時期によって若干の異同は避けられない。ところが中小企業の方の資金需要というのは必ずしもそれとは一致しませんので、そのいわば穴を埋めるという意味において債券発行というのは考えられておりまして、むしろ中小公庫の弾力的な資金源ということでわれわれはこの債券を利用しておるわけでございます。したがいまして、これが非常に大きくなる余りに中小公庫の貸し出しなりあるいは経営なりに非常に大きな影響を与えるということでは、これはやはり本来の趣旨にそぐわないということになろうかと思います。現在五%というのは結果としてなっておりますけれども、将来も五%がいいんだというふうなつもりではございませんで、やはり公庫が健全に運営をできるように、また中小企業の方に極力安い金利でお貸しができるようにわれわれとしては運営をしていきたいと思っておりますので、この債券については、現在の実態は二十倍の枠を超えかかっておりますので三十倍にいたしますが、これをそういういままでの事情を考えずにただふやせばいいという態度で運営するつもりは毫もございませんので、十分そういう御指摘の点を踏まえまして今後運営をしてまいりたいと思います。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 私、今後のこの運営の問題などについてまだ残っておりますけれども、これは後日に残すようにいたしまして、実は委員長、この資料を公正取引委員会の方と大臣にお渡しをいただきたいと思います。

塩川正十郎自由民主党・自由国民会議

○塩川委員長 はい。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 時間の関係で早速始めます。  本日政府は総合物価対策を決定をするということでございますけれども、財政、金融の引き締め、総需要の抑制、こういうことを行うと同時に、個別物資の需給や価格動向の監視あるいは同調値上げや便乗値上げ、こういうものについてもきちっとした態度で排除をしていく、こういった意味の問題が早くから新聞などでも取り上げられておりました。私は、この個別物資の需給、価格動向の監視の問題について、通産省として対象物資をどのようなものにしぼっているのか、これらのことについてまずお伺いをいたしたいと思います。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 通産省では、主要物資需給価格動向連絡会というものを省内につくりまして、主要な物資に関してその需給関係あるいは価格形成等の調査、監視をしているところでございます。  主要物資とはしからば何ぞやという点に関しましては、担当官から説明させます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 時間がございませんので、その中には製版用のフィルムが入っているのかどうか、まずこの点だけはっきりお答えをいただきたいと思います。

大高英男通商産業省基礎産業局化学製品課長

○大高説明員 局長がちょっとほかの委員会に出ておりますので、化学製品課長でございますが、かわりましてお答え申し上げます。  フィルム関係ではエックス線フィルムを対象といたしまして、印刷用のフィルムは入ってございません。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 さっきの印刷用フィルムといいますか、製版用のフィルムの問題について、これは私どもの頼崎委員が分科会の中でも、具体的な数字を挙げて質問をいたしておりました。三月に五〇%の値上げが行われた富士フィルムとサクラフィルムの価格表を見ますと、同一規格でサイズが同じものが同じ価格の値上げになっている。明らかにその数も非常にふえているし、こういうことは両社間の協議がなければできないことじゃないか、調査をお願いします、こういう質問をいたしております。  いまお手元に一お渡しをいたしました資料を見ていただくとおわかりいただけると思いますけれども、富士のタイプVのフィルムとサクラのOSタイプは同一規格でございます。それは赤い印がつけられています。それから富士のタイプFとサクラのCSタイプ、これも同一規格で、これは黄色い色で塗ってございます。富士のタイプLとサクラのOLタイプ、これは緑の色で塗ってございます。赤、黄、緑で色分けがいたしてございますが、すべて同一価格。一つの例を挙げますと、その一番上の赤いところの二番目の数字をごらんいただきたいと思いますけれども、百三十ミリ掛ける百八十ミリサイズのものは富士のVのVO一〇〇、サクラのOSの一〇〇Eとともに価格は八千八十円になっています。  このように、すべてそこに書かれている百二十の品目全部同じ規格、同じ価格です。こんなに多くの数のある規格の違うものが全部同一の価格、そしてまた同一の期日に値上げがされたということは、これは明らかに同調値上げの疑いがきわめて強いと私は存じます。この問題について公正取引委員会がかつてエックス線フィルムと同時に調査をやるということを言われておりましたけれども、その実態がどうなっているのか、やっていたのか、やられていなかったのか、まずお答えをいただきたいと思います。

妹尾明公正取引委員会事務局審査部長

○妹尾(明)政府委員 フィルム業界につきまして、本年の二月二十一日、医療用のエックス線フィルムの販売価格を共同して決定した、こういう疑いで立入検査を行ったわけでございますが、これにあわせまして印刷用のフィルムにつきましても同様に共同して価格を決定した、こういう疑いがあるということで調査を行っております。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 結局、その結果というものはいままだ公表はできないんですね。調査の段階ですか。

妹尾明公正取引委員会事務局審査部長

○妹尾(明)政府委員 ただいま違反事件として審査中でございますので、調査の内容等については御答弁を申し上げかねます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 その場合、これはやはりサクラの独占品目と言われておりますけれども、OLS、いわゆるストリップフィルムというものの値上げが、一般のフィルムの値上げの場合には六八%であるものを、このストリップフィルム、これはサクラの独占品目ということで、これだけは九六%になっている。こういうことは明らかにやはり便乗値上げの疑いがあるのではないか、このように思われますけれども、この点について調査がされているのかどうか、この点もお伺いをいたしたいと思います。

妹尾明公正取引委員会事務局審査部長

○妹尾(明)政府委員 先ほど申し上げましたフィルム関係につきましての調査は、独占禁止法の三条後段、競争関係にある事業者が共同して価格等を決定する、こういう問題でございまして、御指摘のような個々の企業が単独で行う行為、特にもし特定のメーカーしか供給者がいないという状態で、その企業が行う行為につきましては、現在の独占禁止法ではこれを直ちに取り締まる規定はないということでございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 この問題は、やはり非常に便乗値上げの疑いが濃厚でございますので、この問題も含めて本来調査をすべきではないだろうか、私はこのように思います。  もう一点お伺いしますけれども、この製版用のフィルムは四月一日からさらにまた値上げが行われる、こういうことを私ども業者の方からお聞きをいたしておりますけれども、こういった問題などについて通産省はこの事実をつかんでいらっしゃるのかどうか。そして、もしつかんでいるとすれば、具体的にどのような行政指導をされていたのか、この点をお伺いをいたしたいと思います。

大高英男通商産業省基礎産業局化学製品課長

○大高説明員 お答え申し上げます。  フィルム製品の主原料でございます銀の市況動向を見てみますと、五十四年一月には平均キログラム当たり約四万円でございましたものが、五十四年十二月には平均約十六万円と急騰しておりまして、その後も高価格で推移しておることでございます。今回のフィルム製品の値上げは、このような銀の原材料の価格の急騰を反映したものであるというふうに理解しております。  それで、御指摘の印刷用のフィルムにつきましては、この三月一日に平均約五〇%の値上げをいたしたところでございます。それ以降、四月一日にほぼ同率の値上げをするというふうな発表がメーカーによってなされているわけでございまして、正式の発表は現在まだない段階でございます。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 最近、市場では品物も品薄になって手に入らない、こういう業者が私のところにも大勢お見えになっています。こういった問題については具体的にどのような行政指導をされているのか。  それから、時間がいよいよなくなってまいりましたので、大臣にもう一点、その点を含めてお伺いをいたしたいと思います。  大臣、いまお渡しをいたしましたその製版用のフィルムの資料でございますけれども、これをごらんになられておわかりいただけたものだというふうに思いますけれども、私は、やはりこのように基礎物資を所管する通産省としても独自の体制をとって監視をし、同調値上げをあるいは便乗値上げを絶対に許すべきではない、このように考えます。あるいはまた買い占め売り惜しみ防止法、石油需給適正化法、こうしたような問題をも含めて、重大な決意を持って検討をされていく意思がおありになるかどうか。本日も電気料金の値上げが平均五〇・八%、家庭用が四三・三%、電力用が五四%と大幅な値上げを認めたというようなニュースが流れておりますけれども、こうしたときだけに中小業者の製品転嫁ができにくい、原材料の上がった分を結局は自分たちがかぶっていく、こういうような結果になっているのがいまの現状だと思います。大臣のはっきりとした決意をお伺いいたしたいと思います。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 御承知のように、各個別物資の価格に関しましては、原則的には市場における価格形成に任しておるのがわが省の態度でございます。しかし、流通過程等におきまして不当な便乗値上げ等がございますれば、これはそのまま放置するわけにいきませんので、そういう点に関しましては十分監視をいたしまして善処しなければならぬと考えます。ただいまの価格が不当なのかどうか、これは私にはちょっと判断がつきませんので、よく調べさせてみたいと思います。

小林政子日本共産党・革新共同

○小林(政)委員 終わります。

塩川正十郎自由民主党・自由国民会議

○塩川委員長 小林政子君の質疑はこれにて終了いたしました。  引き続き中井洽君。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして幾つか簡単にお尋ねをしたいと思います。  まず最初に、きょう公定歩合の引き上げが行われました。各党すでに御質問でもありますけれども、これを受けて中小企業金融公庫を含め、政府系の金融機関の利子のアップということが検討されておる、こういう御答弁でありましたが、大体いつごろ引き上げというものが行われるのか、あるいはまた、行われる場合、財投のいわゆる七・一五という利率が上がった分だけ上乗せをして上げていくのか、あるいはまた別の観点から利率というものを変えていくのか、その点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫というふうな政府系の中小企業金融機関につきましては、従来の原則は、基準金利は民間の長期プライムレート、つまり最優遇金利と同じにするという原則で推移をしてきたわけでございます。ただ、実際問題といたしましては、このような政府系金融機関の原資を供給しております財投資金の金利、つまり資金運用部の金利の影響をこうむるわけでございます。したがいまして金利が非常に高騰した時期におきましては、そういう原資を勘案しながら、しかもプライムレートとどういうふうな見合いにするかということが課題になってきておりまして、昨年も実は八月一日にプライムレートが上がりましたが、それに対応してその上げ幅だけをすぐに上げないで、実は一部を上げただけにとどめまして、年末の金融の時期にはその一部上げただけで推移をしまして、本年の一月からプライムレート並みの八・二%にしたという経緯もございます。今回第四次の公定歩合の引き上げに伴います資金運用部の金利の引き上げが近々決まると思いますが、それをにらみ合わせながら、来月一日あたりに第四次の公定歩合の引き上げに伴う基準金利をどうするかということを決めなければならぬ事態になっておりますので、いま大蔵省等とも相談をしながら、中小企業の現実もながめ、かつまたそういう財投の金利の状態もながめて決定をいたしたいと思っております。また、引き続き第五次の公定歩合の引き上げがございましたので、それにつきましてもまた十分考えまして、適切な考慮を払いながら決定をしてまいりたいというふうに考えております。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 そういう引き上げが行われましたときの、先ほどから議論になりましたいわゆる利ざやというものは大体一・〇五という形で行われる、このように逆に判断をしてもよろしゅうございますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 実は資金運用部の金利が、第四次の公定歩合引き上げ分に対処してもまだ決まっておりません。そしてこれがまた、実は財投の原資が郵便貯金でございますので、郵便貯金の金利、これは決まっておりますが、この金利をどの程度はね返すかというところの問題がございまして、いまこれまた郵政省と大蔵省で協議中でございます。したがいまして、そういうものを見ながらでございますが、われわれといたしましては中小公庫の健全な運営ということを考えますと、適切な利幅をとらなければいけないわけでございますが、他面、こういうふうな金利が非常に上がってまいりましたときに、中小企業の方々のことを考えますとどう考えるかというふうな問題、こういう相反する命題がございますので、その間でわれわれも実は悩んでおるわけでございますが、そのバランスをとりながら、しかしなるべく中小企業の方々にも急激な変化を与えないような配慮は、そういう選択の幅は非常に狭いわけでございますが、考えていきたいというふうに思っておるわけでございます。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 別の観点からお尋ねをいたします。  五十三年度においては八十数億円の赤字というものが出てきた。あるいはまた五十四年度も約百億の赤字が出る、こういうふうに私どもは承っております。先ほどの御答弁の中で、一・〇五の利ざやというものを守って、そして繰り上げ償還等がなければ何とかとんとんにやっていけるんじゃないか、こういうお話もございましたけれども、逆に繰り上げ償還等があれば赤字ということであろうか、このように思うわけであります。そうしますと、この赤字をどういう形で埋めていくのかということ、これについての質問が一つ。  それからもう一つは、大体一・〇五あるいは一・一ぐらいの利ざやの幅で中小公庫というものはとんとんあるいは四、五十億の赤字ぐらいにおさめる。そしてその赤字を政府が中小企業対策としてまた別の形で考えていこう、こういうお考えがあるのか、そこの二点をお尋ねをしたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 五十三年度の赤字の発生、また五十四年度も赤字の見込みというふうなことを御説明申し上げましたが、これは先ほど申しましたような繰り上げ償還等々の影響が一番大きいわけでございますが、繰り上げ償還が起こりますのは、いわば低金利時代に過去の高金利のものを繰り上げ償還するということでございますので、当面この繰り上げ償還は現在は全くないと言っていいわけでございますので、そういう圧迫要因は今後は続かないわけでございます。したがって、いまの赤字というのは一時的な要因が強いわけでございます。もちろん今後いわゆる利ざやが縮小すればまた問題がございますが、そこら辺を見ながら持ってまいりたいと思いますが、そういう一時的な赤字要因は現在ほとんど解消しておりますので、今後、当面はこれでいけると思います。  それからまた、公庫はこれに備えて引当金を過去に積んでおりまして、それをいま取り崩しておる最中でございますが、もうしばらくは引当金でもてるという状態もございますので、この状態をもう少し模様を見まして、そしてまた、将来一時的な現象でないような事態が起こりますればまたこれに対する対策も考えてまいりたいと考えておりますが、現在のところは一時的な現象で、しかもこれからの高金利時代になりますと一時的な悪化要因というのは解消するということでございますので、今後も引き続いて赤字がどんどん発生するというようなことにはならないと考えております。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 そうしますと、政府としては中小公庫の経営というものを、まあまあ赤字も黒字もそう出さずにいけばいい、また高金利時代を迎えて繰り上げ償還等もなくなるからいまのままで大体とんとんでいくのじゃないか、こういうように考えておられるという話でありますが、それじゃいまお話のございました引当金というものがあとどのくらい残っておるのか、またそれが大体どのくらいにまでいったら大変なことになるとお考えなのか。その引当金がこのくらいの金額である間は利ざやをそうふやしていかないのだ、その範囲で中小企業対策という政策のために公庫自体が努力をするあるいは赤字が出ても取り崩していく、このようにお考えになっていらっしゃるのか、その点をお尋ねいたします。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 五十三年度の決算におきましてその引当金が五百十四億ほどございます。ただ、五十四年度にまた百数十億赤字になりますとこれがそれだけ減るわけでございますので、三百億円台になろうかと思います。これはこういう変動のときに備えてのものでございますので、相当大きくあればそれにこしたことはないということでございますし、過去は六百億ぐらいあったときもございます。したがいまして、今後もこれが余り減少して非常に弾力性がなくなるということでは困りますが、いまのような事態でございますので今後そう減らないとは思いますが、これはよく注意をしておりまして、これが非常に減少してくればまた手を打たなければいけないということに相なろうと思いますので、こういう点はよく運営を見てまいりたいと思っております。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 その引当金のどのくらいのラインを割れば考えたいとお考えになっていらっしゃるのか私どもはわかりませんが、とにかく国の一つの政策としての中小企業金融公庫であろうと思うわけであります。そこの金融機関が、自分のところの合理化の努力が足りなくてつくり出した赤字じゃなしに、政策的につくられた赤字、こういったものに対して公庫自体の積立金、引当金というものをずるずると引き当てていくというよりも、逆に政府が思い切った利子補給をしていくあるいは財投の利子を安くする、そういう形での援助というものがあってしかるべきだ、大臣、このように思うわけであります。中小企業金融公庫や国金あるいは商工中金、そういったところの赤字に対して政府自体はどう見ておられるのか、その赤字分について政府はどういうふうに補てんをしていこうと考えておられるのか、その点について大臣から御返答いただきたいと思います。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 けさほど来お話がございましたように、政府では、特に中小企業金融公庫に関してでございますけれども、自己資金の充実ということで増資を認めまして、あるいは債券の発行限度を高めまして経営の基礎を固めよう、あるいは貸出先の手数料を低めまして支出を少なくしようというふうな手段を講じまして、公庫の経理基礎を固めようとしておるのが今度の法案の内容でございます。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 いつもわからないのです。  それじゃほかのことをお尋ね申し上げます。  先ほどから金融の引き締め等引き締め政策がとられると、中小企業政策あるいは中小企業の金融政策も引き締めをせざるを得ない、しかし中小企業にだけしわ寄せの行かない対策をとるのだ、こういう御答弁があったように聞いております。現在の引き締め政策が始まった場合に、政府自体は中小企業に特定に引き締め政策がしわ寄せをしないようにどういう対策をとろうとされておるのか。たとえば中小公庫なら中小公庫でことしの貸付枠というのが一兆八千億ぐらいおありになるのですが、この一兆八千億をどういう配分で月別に政府自体の政策にのっとって割り振っていくのか、それらの点について御説明をいただきたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 この金融引き締めが中小企業に不当なしわ寄せにならないようにということがわれわれのこれからの任務であろうかと思います。それで、それを果たすためには政府系の金融機関の役割りが非常に大きいということで考えております。したがいまして、まずとりあえず第四・四半期、この三月末までの資金枠は、中小三機関で合計いたしまして昨年の二三%増ぐらいの枠を用意しておりまして、これで中小企業の御要望に十分こたえられるだろうということで考えて、各金融機関にその枠を十分消化するように話をしておるわけでございます。  さらに、五十五年度につきましては、五十四年度の三機関の融資実績が前年に対しまして八%増ぐらいで終わると考えておりますが、それに対しまして来年度は資金計画として一割増し、つまり一〇%増ということで計上しております。そしてさらに四半期別の資金計画を組む際に、第一・四半期、第二・四半期というようなところに重点を置きまして資金を回すということで対処しております。三機関の資金量は比較的弾力性がございまして、もし必要があれば年末追加というようなことも過去においても何回もやっております。したがいまして、この上半期に必要があればどんどん出しまして、そして必要があればまた年末追加をすればいいわけでございますから、そういう弾力的な対処をして不当なしわ寄せを防ぎたいと考えておるわけでございます。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 それでは、少し細かくなって恐縮でありますが、中小企業金融公庫の中の幾つかの問題でお尋ねしたいと思います。  設備資金の貸し出しがあるわけでありますが、たとえば中小企業が一年前によその民間銀行からお金を借りて設備を買った。そのときには返還ができるという予定でやっておった。ところが、一年たってみるとなかなかその返還がむずかしい。中小公庫へお願いに行って、これを中小公庫の方で設備資金という形で御融資願えないか、こういう頼みをしたら多分断られるだろうと思うのであります。そういうさかのぼっての設備に対する融資というものが行えないものかどうか、その点いかがでございますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 中小公庫、つまり政府系の金融機関というのは民間金融機関の補完的な業務であるというのがたてまえになっております。したがいまして、いまのような例は直ちにいつでも結構ですというふうには言えないと思いますが、ただお借りになったものが非常に高利であって、いわば企業の経営を圧迫しておるとか、企業全体が非常にお困りになっておったときに企業の立て直しのためにそういう借りかえが必要であるというような具体的なケースにつきましては、必要に応じてそういうものに対応できるようにというふうな態度で指導しておりますので、現実の具体的なケースに沿って対処しておりますので、必要な場合にはそういうことも行われ得ると御承知願えればと思います。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 せっかく御答弁いただいたのですけれども、私は少し違うことでお答えをいただいたように思います。  現実に一年以上前にもうすでに買ってある設備に対して、中小公庫は設備という形でお金を融資できますか、こう言っておるのですが、やっておられますか、このことをお尋ねしているのです。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 いま言いました、いわば特別の配慮をするというようなケースのときには、それも可能であろうと思います。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 貸し出しまで大体、直接貸しで結構でございますが、申し込んでそして実際に融資が実行されるまでの平均的な期間というのはどのぐらいでございますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 正式な申し込み、これは文書で出すわけでございますが、それから実際に貸し付けを公庫が決定をするという時期までは、過去においては相当長かったのですが、現在では二十五日程度ということになっております。ただ、正式に申込書を出すまでにいろいろ企業の実態、計画その他御相談に応じておるわけでございまして、その相談日数が相当の期間がかかるというようなこともございます。それからまた、貸し付け決定をいたしました後、担保の設定その他で若干時間がかかるということで、前後を入れますと現在でもやはり百日程度かかっておるのではないかというふうに思います。これはなるべく短くすることが必要でございますけれども、そういう点で極力今後も公庫として努力をしてもらうようにわれわれも希望をしておるところでございます。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 各県各県に支店があって、支店長さんがおられるわけでありますが、その支店長さんの権限で貸し出せる金額というのは幾らであるのか。本店の決裁を仰がなければ——まあ全部本店の決裁を仰がれるのでしょうが、本店の決裁というのは幾らでしょうか。

船後正道中小企業金融公庫総裁

○船後説明員 支店長の専決として委任いたしております限度額でございますが、支店によりましてちょっと違いますが、五千万円または六千万円でございます。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 先ほどからお尋ねをしておりますと、中小企業の金融公庫は民間の金融機関の補助的機関だ、そして中小企業のために融資をするのだ、私はそういう目的で一生懸命おやりをいただいておると思います。  しかし、先ほど中小企業庁長官のお答えがありましたように、必ずしも現場現場では柔軟に融通をきかして中小企業を助けるためにやっているというばかりではないと思うわけであります。現実にまあまあお金を借りに行ってもやはり百日というのは、もう少し急いでももらえると思いますが、大変な日数でありますし、それからたとえば一年前、二年前の設備資金といったものをいま中小公庫貸してくれと言ったって、それはおっしゃることは柔軟に対処しますと言うけれども、もう初めから一般の方は申し込んだらその場で断られる、私はこのように思うのであります。そういった点で、本当に中小企業金融公庫というのは民間企業の補助機関として徹底してやっていくのか、それとももう少し範囲を広げてあるいは枠を広げて、たとえば政府系三機関だけで中小企業に融資している金額というのは、都市銀行や全部の銀行が貸し出しているお金の五分の一ぐらいの大変な量になるわけであります。したがって、十分一つの中小企業のための金融機関として民間企業と張り合う、あるいはまた逆に民間企業が政府系三機関に負けておったら大変なことになる、中小企業がどんどん政府系へ行っちゃって民間へ来ない、こういう状態にまでやっていってこそ私は中小企業政策にのっとった金融ができると考えているわけであります。そういった点で、あくまで民間金融機関の補助機関という形で徹底をなさるのか、それとも、まあ法律もあるのでしょうが、先ほどお答えがありましたように物件物件、その要件要件によって思い切って枠を拡大して判断をしていかれるのか、そこのところをお尋ねをしたいと思います。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 現在の中小企業向けの貸し出しの中では、中小三機関の貸出残高のウエートは大体十二%ぐらいになっておると思います。  それで、今後どういうふうな方針でいくのかということでございますが、先ほど申しましたように、いわば一般の市中金融機関の融資の困難なものに対して貸し付けをするというのがこの法律にも定められているところでございます。それで困難なというのは、一般に言える場合と、それから時期によって言える場合とがあると思います。われわれといたしましては、いわば平常時にはやはり市中金融機関の活動もしてもらわなければいけないと思っております。しかしこういうふうに金融引き締めというような、中小企業にとって大切なときには、やはりこの政府系金融機関が大いに活動したいし、資金量もふやしたいというように考えておりますし、それからかつての円高のような特殊な時代には、政府系機関だけが緊急融資で低利な融資もしたということでございますので、今後もそういうように機動的に考えて、中小企業が本当に資金が必要でしかも民間ではなかなか貸しにくいような事態には、政府系金融機関の活躍場所をもっと広げていきたいというように考えているわけでございます。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 お答えはそのとおりであろうと思いますが、私の申し上げたいのは、たとえば中小企業全体にとっての平常時ということと、一つ一つの企業にとって大変な時期というのは別であろうと思うのです。たとえばある企業が順調にいっているときには、それはそれで民間金融機関がお金を貸してくれるでしょうし、やっていける。しかし何か中小企業が計算違いあるいは取引上の関係の違いが出て苦しくなる、民間企業に対する返済というものも順調にできない、しかも幾つかの銀行に担保もいっぱい入れてある、しかし実際資金が欲しい、その資金さえあれば乗り切れる、そういうときにたとえば民間金融機関に入っている担保を全部中小公庫で肩がわりをして、借金も肩がわりをして長期にかえてしまう、そして二年なり一年なりの据え置き期間というものがある、それによって救われる、こういう形の融資を申し込んだって、必ずそれは民間金融機関を圧迫するからできません、私はこういうお答えになると思うのであります。そういう中小企業自体が本当に困難なときに、各支店各支店あるいは窓口の方々の判断で、そういった民間金融機関の補助という枠を超えた融資というものが行えるのかどうか、あるいはそういう権限があるのかどうか、あるいはそういう方向でやっていってもいいとおっしゃるのかどうか、その点はいかがでございますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 確かに御指摘のような場合があろうかと思います。われわれの態度といたしましては、やはり中小企業の方々のそういう窮境を救うというのが政府系金融機関の役目であろうと思います。ただ、それについてはやはり具体的なケースに即して、中小企業の金融公庫といえどもこれはやはり政府の金をお預かりをして融資しているわけでございますから、全く見込みのないものに貸すというのはこれまた問題でございます。したがいまして、それについてはやはり個別のケースに即して判断をしていかなければいけない。しかし個別のケースの判断の基準としては、一般の市中金融機関の方のお持ちのような、いわば合理的なといいますか、経済合理性に即したといいますか、あるいはまたもっと言えば金融機関の常識的な判断というものだけではいけないというふうにわれわれは思うわけでございます。ただ、これはやはり中小三機関それぞれ支店もたくさんございますし、その末端までそういう精神が行き渡っているかということになりますと、われわれも今後むしろそういう点は努めなければいけないことだと思いますので、その辺は個々のケースに即して、しかし単なる金融常識だけで事を割り切らないようにという態度でやってまいりたいというふうに考えるわけでございます。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 政府系の三機関、それぞれ出先出先で御努力をいただいていることは私もよく知っております。いまお答えをいただきましたように、ぜひとも金融等あるいは緊急の場合等、中小企業を助けるという意味で思い切った枠の拡大等を各現場現場が行って、現実に中小企業施策が前進をするように御努力をいただきますよう重ねてお願いを申し上げておきます。  時間がございません。あと二つほどお尋ねを申し上げたいと思います。  中小企業金融公庫が融資対象としておるいわゆる中小企業というもの、たとえば製造業におきましては資本金一億円以下あるいはまた従業員三百人以下、こういう枠がございます。この枠というのは昭和何年ぐらいにつくられておるわけでありますか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 中小企業に対しての貸し付けということでございますが、中小企業の定義が変わってまいっております。当初から三百人というのはそのままでございますが、資本金は時代の趨勢に応じて当初二、三千万円から一億まで変わってきたわけでありますが、一応中小企業と言えるものにはお貸し出しをするということでございます。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 一億になったのはいつですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 ちょっといま定かには覚えておりませんが、ちょっとお待ちください。——四十八年の基本法の改正のときでございます。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 この枠をもう少し広げられるお考えはございませんか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 この中小企業の範囲でございますが、従業員三百人、これは製造業でございますが、これについてはわれわれも妥当なものと思っておりますが、資本金一億というのは、これは世の中の変遷につれましてどうであろうかということがございまして、現在八〇年代の中小企業のビジョンというものを中小企業政策審議会で御検討を願っておりますが、その御検討の過程でもその問題が出ておりまして、この五月ごろに御答申をいただくことになっておりますが、それについても恐らく御意見が出るのじゃないかと思っております。それは幾らにするかという具体的なところまでは出てこないと思いますが、現在のままでいいのかあるいはもう少し修正をするのかということについての御判断が出ると思います。もし仮に修正を要するというような御判断があれば、引き続き検討いたしまして、この一億をどうするかということはなるべく早くわれわれとしても見解を出しまして、そしてまた、これは最終的には基本法の改正が要りますので、そういう準備をもし必要があればしてみたいというふうに考えております。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 中小企業金融公庫へ企業が申し込みに行く、そのときに、対象となるかならないかのときに、一年間のたとえば売上高によって判断をされるというようなことはありませんか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 それはございません。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 重ねてお聞きいたしますが、売上高によって、これぐらいの売り上げなら、資本金もそうだろうけれども、国民金融公庫へ行かれたらどうですかとか、そういうことはございませんですか。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 国民金融公庫との分担につきましては、むしろ資金量、つまり資金を必要とする設備の大きさとか、それから設備資金か運転資金かとか、資金の性質とかによって決めておりまして、企業の売り上げというようなところで決めておるわけではございません。

中井洽民社党・国民連合

○中井委員 それではそういう御答弁で納得をいたしますが、現在中小企業といいましても大変大きくなっております。四十八年からもう七年たつわけであります。中小企業の範囲というものも私どもが考えている以上に広くなってきておりますし、大企業との差というのもずいぶんあるわけであります。大企業と中小企業といま枠組みされている間にある企業、この企業は私はずいぶんふえているような感じがありますし、これからも各企業がどんどん資本金等をふやして基礎というものを固めていく、こういった傾向がますます出てこようかと思います。そういったときに、できる限り柔軟に政府の中小企業対策がとれるように、これらの枠の拡大あるいはたとえば近々貸し付けの対象企業をまた三つほどおふやしになる、このように聞いておりますが、大体こういう形で業種の制限をしておくのが私は逆におかしいと思うのであります。環境衛生公庫やらあるいは商工中金で借りるところ、それはこういうところで中小公庫の枠に入りません、その他、以外の中小企業はこういう形でできます、あっさりとしてしまった方がいいのじゃないか、こういう感じを抱くわけであります。そういった現実の中小企業の状態に合った柔軟な改正、これらをぜひともお取り組みをいただきたいと思うのですが、この点について最後に大臣からお考えを承りたいと思います。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 貴重な御意見でございますから、検討いたします。

塩川正十郎自由民主党・自由国民会議

○塩川委員長 これにて中井洽君の質疑は終了いたしました。      ————◇—————

塩川正十郎自由民主党・自由国民会議

○塩川委員長 次に、内閣提出、中小企業事業団法を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。佐々木通商産業大臣。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 中小企業事業団法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  中小企業は、わが国経済においてきわめて重要な役割りを果たしております。最近の中小企業をめぐる経済環境は、貿易構造の変化、原材料やエネルギーコストの上昇、立地環境問題の変化等に起因して大きく変化してきております。中小企業が今後ともわが国経済の成長の基盤として発展していくためには、その経営の安定を図るとともに、このような環境変化に的確に対応していくことが必要でございます。  政府といたしましては、中小企業の経営の安定とその振興を図るため、従来から各種の施策を実施してまいりました。今後とも活力ある中小企業の育成のため、施策の一層の推進を図ってまいる所存であります。  かかる観点から、このたび効率的で強固な体制のもとで中小企業の振興、その経営の安定及び小規模企業者の福祉の増進を図るため、中小企業共済事業団と中小企業振興事業団とを統合し、中小企業施策を一体的に推進する中核機関として中小企業事業団を創設することといたしました。  次に、この法案の要旨を御説明申し上げます。  第一は、中小企業共済事業団及び中小企業振興事業団を解散し、中小企業事業団を設立することであります。新事業団は、これまでの両事業団の業務を行うとともに、両事業団の一切の権利及び義務を承継することとしております。  業務につきましては、新事業団は、従来両事業団が実施してきた共済事業、高度化事業及び指導研修事業等を一体的かつ効率的に運営することとなります。また、共済契約者の教養のための施設の設置及び運営を行うこととしております。  次に、役員につきましては、中小企業共済事業団と中小企業振興事業団の役員の合計は十二名でございました。新事業団では、役員は理事長以下九名以内とすることとしております。  その他、財務及び会計に関する規定を整備するとともに、両事業団の統合等に伴う経過措置を講ずることとしております。また、あわせて税法その他関連法律について所要の改正を行うこととしております。  以上がこの法案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重に御審議の上御賛同くださいますようお願い申し上げます。

塩川正十郎自由民主党・自由国民会議

○塩川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  次回は、来る二十五日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時五十一分散会

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