商工委員会 第6号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1980/03/07
会議録
○塩川委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、工業標準化法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺三郎君。
○渡辺(三)委員 今度の工業標準化法の一部改正に当たって、各方面の意見というのをどういう形で聞かれたのか、この点を一番最初にお伺いをしたいと思うわけです。国内の、これまである調査会その他を通じて大方の意見をまとめられたんだと思いますけれども、この場合の消費者の反応、それからまたわが国の法改正に当たって他の国々、外国の反応は一体どういうふうな形で出ておるか、まだ解明不十分な点があるように考えますので、その点をまずお答えいただきたいと思います。
○石坂政府委員 今回の法律案の内容につきましては、昨年十一月に出されました日本工業標準調査会の答申に沿ったものになっておりまして、同調査会の場で各方面の専門家による議論がなされておると同時に、政府におきましても各方面の御意見を踏まえまして法律案の作成を行ったのでございます。 なお、JISマークは商品選択の指標として重要な機能を果たしておりますので、これを輸入品にも適用するということは一般消費者に大きな便益を与えるものでございまして、昨年十月に開催いたしました消費者代表との懇談会におきましても、消費者は本法案改正に大きな期待を持っておるという次第でございます。 一方、法律案につきましては諸外国からの照会に応じまして、逐一その内容を説明しておるわけでございますが、これまでのところ諸外国からは特段の反応は出ていないわけでございます。
○渡辺(三)委員 そこで、今度の改正によりまして、外国の工場を日本の公務員が審査をする、こういうふうな形になるわけでありますけれども、これは前回の質疑の際にも同僚議員がこの問題についていろいろ質問されておったようでありますが、外国政府との間に仮にもこのためにトラブルが起こる、こういうふうな懸念はございませんか。
○石坂政府委員 外国の工場をわが国の公務員が審査するという必要が生じた場合におきましては、事前に外国の政府の同意を得ることといたしまして、トラブルの発生がないように努めてまいりたいというように考えております。
○渡辺(三)委員 ないように努めるというふうにおっしゃるわけでありますけれども、そうしますと、これは事前に日本の政府と外国の政府との間にこの問題についての、たとえば工場を具体的に検査をする場合、その一件ごとに事前に話し合いをされるとか、そういうふうな方法をとられるのですか、あるいはこの法律の改正によって、そういう旨をあらかじめ当該のほかの国との間に十分な意思の疎通を図って総括的に話し合いを詰めておくのか、具体的にどういう方法をとられるのでしょうか。
○松村説明員 お答えいたします。 これまでJISマーク表示制度を海外に開放する件につきまして、関係といいますか、東南アジアの諸国あるいはEC、アメリカ等に説明をいたしているわけでございますけれども、当然のことでございますが、相手国もこれについては非常に好感を持っているわけでございます。したがいまして現在私どもが考えておりますのは、もしこの法案が成立いたしましたならば、たとえばそういった問題といいますか、一つの工場が申請を出してくるといったような場合に、相手国側と連絡をとりまして今後の問題を含めて包括的な同意を得ることができるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 今度の法改正によってJISの表示を輸入産品にも適用するように改正になるわけでありますけれども、具体的にはどのようにして外国の工場に対してJISマークの表示を認めていくのか、その具体的なやり方、これを少し詳しく説明をいただきたいと思います。
○石坂政府委員 外国製造業者につきましては、その申請に基づきまして主務大臣が承認をした場合に、その製造する鉱工業品に日本工業規格に該当するものであることを示す特別な表示、すなわちJISマークを付することができるように措置したいというようにしておるわけでございます。 その承認に当たりましては、外国製造業者の工場ごとに行っていこうということでございまして、この外国工場を承認するに当たりましては、国内工場の場合と同様に職員を派遣いたしまして、当該工場の生産条件を直接審査するということにしておるのでございます。また、承認をいたしました外国工場につきましては、今般導入することとしております承認検査機関等による検査あるいは報告徴収制度を活用いたしましてその生産条件の把握に努めると同時に、必要な場合には直接職員を派遣いたしまして工場の生産条件を検査させるなどの厳正な監督を実施してまいりたいと思っておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 それから、これまでの質疑の中で言われておるわけでありますけれども、幾つかの先進諸国においてはすでにその国の規格の表示制度をわが国に開放しておる、こういうふうに説明が繰り返し行われておるわけであります。主としてそれはどういう国々、たくさんあるでしょうけれども、主な国々はどういう国々であるか、そしてまたわが国が利用している表示はどのぐらいの品目に及んでいるか。これは資料があれば口頭で結構でございますからお答えいただきたいと思う。
○石坂政府委員 外国が開放しております認証制度の具体例について若干御説明申し上げますと、米国のULマーク制度、それからASME承認制度、それからイギリスのBSIマーク制度、西独のVDE認証制度、それからフランスのNFマーク制度等、各国の認証制度は海外に対してすでに開放されておるわけでございます。これらの米国、ECの認証制度を日本企業で取得しております件数は、たとえばULマークの場合約二千工場、それからBSIマークの場合は約四十工場となっておるのでございます。 なお、少し詳しく申し上げますと、ULマークにつきましては対象分野は電気製品、安全関連製品でございまして、国外の取得工場は約五千でございますが、わが国の取得工場はそのうち約二千というようなことになっておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 それから、これも前回の質疑の中で若干答弁として出ておったようでありますけれども、今度のスタンダードコードの骨子の中で、先進国は発展途上国に対して標準化制度の設立あるいは運用についての技術協力を推進する、こういうことが一つの骨組みの中にあると思います。そういう意味では日本はこの表示については先進国になるわけですが、発展途上国に対して日本は具体的に今後どういう形での技術協力を進めようとしておられるのか、この点もできるだけ簡潔で結構ですが、具体的に内容をお答えいただきたい。
○松村説明員 お答えいたします。 発展途上国に対する標準化に関係した技術援助の現状でございますけれども、現在まで行っております技術援助の主たるものは研修生の受け入れ事業でございます。現在国際協力事業団を通じまして発展途上国から研修生受け入れを行っているわけでございますが、これまでの受け入れ実績は二十カ国、百七十五人でございまして、この内容といたしましては、標準化制度の概要、規格の作成についてのシステムあるいはJIS規格表示制度についての概要、こういった制度の問題と、それから工場における品質管理、規格管理といいました工場の実態面の講義といいますか、研修、それから最近始めましたものといたしましては、JISマーク表示制度に伴う工場の審査方式あるいは工場におけるそういう管理方式についての研修等も行っているわけでございます。 これが研修の概要でございますけれども、そのほかに、たとえばJIS規格、これは私どもはJIS規格票と呼んでおりますけれども、これもJIS規格そのものが七千以上あるわけでございます。これについての英文にいたしましたものも相当数あるわけでございますが、発展途上国を含めまして、毎年二十カ国以上の国あるいは国の中心となっている機関、そういったものに対してこれらの英文のJIS規格票を供与しているわけでございます。 またそれ以外に、最近でございますと、サウジアラビアでございますとかあるいはインドネシア等に対しまして、こちらからチームを派遣して、JIS制度全体あるいはJIS制度のうちの一つの分野における規格のつくり方といったものを、相手国の関係者に対して技術援助を行うといったようなことも行っているわけでございます。今後は、これらの技術援助につきましての要求は非常に強うございますし、また非常に好評を得てもおりますので、さらにこの制度を強化してまいりたい、こういうふうに考えております。
○渡辺(三)委員 中小企業庁長官が何か分科会でお出かけになるそうですから、ちょっと順序を変えて長官の方にお伺いをしておきたいと思います。 これは工技院と両方にお伺いしますけれども、前回の質問の際に同僚の松浦議員の方から資料の提出を求めておりました。この資料がけさ手元に届いておりますけれども、これによりますと、今度の法改正によってわが国の中小企業は大きな影響は受けない、結論的に言いますとそのような資料になっておるようでありまして、数字的にも示されておるようであります。これは工技院から資料をいただいておるわけでありますけれども、中小企業庁としてはこれに対してどういうふうな見方をしておられるかというのが一点。 時間がありませんからもう一つ重ねてお伺いをしますけれども、これは、当然JISの国際開放というふうな問題に絡んで、わが国の中小企業それ自体の技術向上、このこととも関連をしながら、さらに高めていく努力をこれまで以上に一層強めていかなければいかぬと思うわけです。そういう施策について、ひとつ概括的に長官から考え方を述べていただきたいと思います。
○左近政府委 員最初に、このJISマークの海外開放でわが国の中小企業はどのような影響を受けるかということでございます。 このJISマークの制定以来、やはりJISのマークというものをつくるということが中小企業にマイナスの影響を与えるのではないかということがかねてから心配されておりまして、それに対していろいろな対策を講じてきたわけでございますが、幸い、施行以来相当な年月がたちまして、中小企業の技術も向上してまいりましたので、これについて現在のところ、工技院も資料をお見せいたしたと思いますけれども、直ちに大きな影響があるとはわれわれも考えておりません。しかしながら、技術というものは日進月歩でございますから、絶えずやはり中小企業の技術向上というものを図ってまいりませんと、将来安心ができるということではないというふうにわれわれ考えております。したがいまして、第二の点に関するお答えになりますけれども、中小企業庁といたしましては、中小企業の技術向上対策というものを従来も重点に置いてまいりましたが、今後経済の国際化が進展する中で、さらに技術対策を強化してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 技術対策を大きく分けますと、中小企業に対して技術指導をするという仕事が一つございます。これは主として都道府県の公設試験研究機関が中小企業の技術指導に当たるというたてまえでございます。したがいまして、その公設研究機関の指導のための施設に対する補助とかあるいは公設研究機関の職員が巡回指導してまいりますが、それに対する経費の補助というようなことを考えておりますが、さらに五十五年度からは、民間の技術に対して経験の深い方、たとえば大学の先生だとかあるいは企業の技術に練達した方であって定年退職した方であるというような方を公設試験研究所の嘱託という形にお願いいたしまして、そうして中小企業者に対する技術指導を、さらにそういう方々による懇切な指導によって強化をいたしたいということで、技術アドバイザー制度ということでございますが、これの助成も考えております。さらに、もう一つの対策といたしましては、国とかあるいは公設の試験研究所が、中小企業に必要な技術の研究開発を通じてそれを普及するということがございますので、そういう技術開発研究費に対する補助もやっております。それからまた、中小企業の技術職員を研修するというふうな経費、これも公設試験研究所でやっておるのですが、これに対する助成を考えております。さらに、中小企業独自が技術開発をするということもございます。それに対しては試験研究費に対する補助というものも考えております。 以上いろいろな面で技術向上というものを図るための対策をやっておりますが、繰り返しになりますけれども、こういうふうに経済が国際化になってまいりましたときに、JISの問題も含めて、この中小企業の技術向上についてはさらに重点を置いて施策を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 この問題は重要な問題でありますから、さらに午後ちょっと大臣にも重ねて見解をお聞きしておきたいと思いますし、長官は分科会へどうぞ。 次に、JISの表示の承認を受けていない外国の事業者が勝手にJISマークをつけた商品を国内の輸入業者が輸入した、こういうふうな場合には、当然この輸入業者はその商品を当該表示がつけられたままでは販売できないことになるわけでありますけれども、改正案はこの点、輸入業者に対して過大な負担といいますか、そういうことを強いる結果にならないかどうか。これは非常に悪質な場合の例でありますけれども、その点はどうお考えでしょう。
○石坂政府委員 主務大臣は、外国の製造業者を承認したときに、承認にかかわる品目、承認をした製造業者の名前、それから工場の名称、それから工場の所在地を公示することにしておりまして、これに基づきまして輸入業者は輸入した商品が承認を受けた製造業者の製造した商品であるかどうかチェックして販売するというようなことになるわけでございます。輸入業者は自己の輸入した商品の内容を十分熟知しているわけでございますし、過大な義務づけが課せられるとは考えていないわけでございます。 なお、公示につきましては官報によることを考えておりますが、それに加えまして、輸入業者が常時購読しております出版物等にも掲載するようなことをいたしまして、輸入業者への公示を徹底させるように所要の措置を講じてまいりたいと思っております。
○渡辺(三)委員 スタンダードコードのもう一つの柱として、国内規格を国際規格に準拠させていく、こういうふうな点があるわけでありますけれども、安全とかあるいは環境、これらに関する場合でわが国の基準が国際基準あるいは国際規格よりも非常に厳しい、こういうふうな問題が当然生じてくると思うのですね。この場合に、JIS規格の制定、改正に当たって、わが国の置かれている固有の現状、こういったようなものを十分に配慮すべきだというふうに考えるわけでありますけれども、こういう点についてはどのようにお考えですか。
○石坂政府委員 スタンダードコードにおきましては、締約国は国内規格を制定あるいは改正するとき、国際規格に準拠すべきことを規定しておるわけでございますが、同じこの規定には、人の生命とか健康、環境保護等の理由によりまして、国際規格に準拠することが締約国にとって適当でない場合には、国内規格を国際規格に準拠させる必要がないという例外規定がございます。したがいまして、安全とか環境等に関するものにつきましては、わが国固有の事情を十分配慮しながらJIS規格の制定、改正を行ってまいりたいと思っておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 いまのお答えで基本的にはわかりましたが、たとえば電圧とかあるいは交通システム、これは国によって当然異なっておるのが現状であります。各国の制品規格試験方法の規格、これは当然異なるわけでありますけれども、こうしたことについても国際規格と必ずしも合わせる必要がないという例外規定に、いま一、二申し上げましたけれども、そういうものは入りますか。
○石坂政府委員 ただいま申し上げましたような人の生命だとか健康、環境保護というようなものと同様に、気候等の地理的な基本的要因あるいは基本的な技術上の問題等につきましても国際規格に準拠することが締約国にとって適当でない、かつ十分説明ができるというような場合におきましては、国内規格を国際規格に準拠させる必要はない旨、スタンダードコードに規定されておるわけでございます。したがいまして、御指摘の電圧だとか交通システムといったような、技術上あるいは地理的な、基本的な差異によって生ずるところの製品規格とかあるいは試験方法規格の差異に関しましては、JIS規格を国際規格に合わせるという必要性はないものというようになっておるわけでございます。
○渡辺(三)委員 時間が迫ってまいりましたから、午前の質問は最後に政務次官に一つだけお伺いして終わりたいと思いますけれども、行政の簡素化というふうな観点から考えた場合に、この工場の審査について民間の機関に任せる、こういうふうな方法について考えておられるかどうか。特に外国の工場の場合、わざわざ日本の公務員がその国に出かけていってそして問題を処理する、こういうふうな方法によらない他の方法を考えておられるのかどうか、あるいはそういう道があるのかどうか、この点を最後に次官の方にお伺いをして午前の質問を終わりたいと思います。
○梶山政府委員 工場の審査は、当該工場がJIS規格品を製造し得る能力を有するか否かというチェックをするものでありまして、裁量を伴った行為でございます。そのために主務大臣以外の者に任せることは大変困難だというふうに理解をいたしております。ただ一方、承認後に行う工場の検査等については、これは国内的にも、また外国の例もそうでございますが、それぞれの検査機関に積極的に任せていく方針でございます。ただ、これらの機関に任せる検査項目は一部に限られますので、特に問題が大きい場合は直接職員を派遣することになるものと思います。
○渡辺(三)委員 これは後で、また午後ちょっと質問したいと思いますが、一方においてはいま言ったように直接やはり政府が責任を持って検査をする、そのことによって規格の厳正化を図るということは当然強く望まれる問題でありますし、一方においては、数字の見通しはちょっとわかりませんけれども、相当たくさんの数に上った場合はこれに要する経費というものも非常に大変だ、こういうふうに一面考えられるわけでありまして、その点の合理的な調整というか、こういう問題が今後に非常に大きく残されるんじゃないかというふうな気がします。 残余の質問については午後に譲り、まして、終わります。
○塩川委員長 森田景一君。
○森田委員 公明党・国民会議の森田景一でございます。 私は、本委員会におきまして初めての質問でございますので、いろいろといままでの質問もございましたけれども、私は私の立場で質問申し上げますので、当局の皆さんよろしくお願い申し上げたいと思います。 日本で工業標準化法が発足をいたしましてから昨年でちょうど三十年たった、このように承っております。三十年を迎えまして、今度世界的な開放、こういうことで改正案が出てきたわけでございますが、今国会に改正案を提出するに至りました経緯と理由についてまずお聞かせいただきたいと思います。
○梶山政府委員 今国会にこの改正案を提出するに至った主な経緯というものは、先般の東京ラウンド交渉において、各国の規格及び認証制度が貿易に対する不必要な障害とならないようにすることを主な目的として、貿易の技術的障害に関する協定、いわゆるスタンダードコードが作成されたところでございます。同協定は、国内認証制度の輸入品に対する開放を各国の義務として定めており、JISマークの表示制度についても外国の製造業者が利用することができるように措置するため、これを中心にして今般の工業標準化法の改正を行うことにしたわけであります。
○森田委員 それでは、スタンダードコードの調印国の顔ぶれと調印国のそれぞれの国内における準備状況はどのようなものであるか、掌握なさっていらっしゃると思いますので、その点についてお答えいただきたいと思います。
○池田説明員 お答え申し上げます。 本年の二月現在におきまするスタンダードコードの調印状況は次のとおりでございます。 ABC順、それからさらにECは一つと数えて申し上げます。調印国は、アルゼンチン、オーストリア、ブラジル、カナダ、チリ、EC、フィンランド、日本、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデン、スイス、米国、香港、以上でございます。このうち、わが国は憲法上の手続の完了を条件とした署名でございますし、そのほかアルゼンチン、オーストリア、チリ、フィンランド、香港、これも批准等を条件とした署名を行っております。 これらの諸国の国内実施の準備状況の主なるところを申し上げますと、次のとおりでございます。 まず米国でございますが、昨年の七月末に七九年通商協定法という法律を成立させております。この法律の第四編におきまして非常に長文の規定が設けられておりまして、たとえば検査については内外産品の無差別の扱いをするとかあるいは適当と認められる場合には国際規格に準拠するとか、認証制度を外国供給者にも開放するとか、アメリカの行政関係機関の規格関係の活動が貿易の障害になるようになってはならないとか等々の規定を定めております。また、ECにつきましては、昨年の十一月にECの内部規則を採択いたしております。このほかカナダ、スイス、スウェーデンは国内法の改正、新たな制定は必要なく、すべて現在の法制のもとでこのコードの規定を実施できると申しております。さらにフィンランドにつきましては二月の二十二日に国会の承認が得られた由でございます。したがって近日中に批准を了して正式に受諾する。また、オーストリアは現在国会で審議中であるけれども、これもわりに近い将来承認が得られる見通しである、かような報告に接しております。 以上、各国それぞれ準備を進めておりますが、ガットといたしましては、すでに二月に第一回のスタンダード委員会を開いております。そこでは手続、規則等細かな委員会の運営上の問題をやっておりますが、引き続き四月に第二回の委員会を開き、そこでコードの規定に従いましての各国の通報を受領するための手続あるいはその通報の様式、こういったものを討議することになっております。また、その際あわせましてその時点におきまする各国の実施状況、国内の準備のための体制づくりの進捗状況、そこら辺についても報告を聴取する、かような手順になっております。
○森田委員 いままで認証制度を開放していた国、これは幾つかあるようでございます。それと、日本は御存じのとおり貿易立国で今日まで大きく成長してきたといいますか、発展してきたわけでございますが、日本はいままでこのJISの開放を行っておりませんで、今回初めてこういう形になってきた、こういうわけでございますので、いままでこの認証制度を開放していた国と、それから日本で開放措置が今日までおくれてきましたその理由についてお聞かせいただきたいと思います。
○石坂政府委員 御指摘のとおり、従来から主要先進国の認証制度というのは海外に開放されておるわけでございます。具体的に申しますと、アメリカのULマーク、カナダのCSAマーク、英国のBSIマーク、西独のVDEマーク、フランスのNFマーク、オーストラリアのASマークが挙げられるわけでございます。わが国の場合におきましては、これまで原料とか燃料の輸入比率が高いわけでございまして、JISマークの対象となるような工業製品の輸入のウエートが低かったことが一つの理由に挙げられるかと思います。また、JISマークの場合におきましては任意の認証制度でございまして、強制的なものでないというようなことも一つの理由でございまして、開放措置がおくれていたわけでございます。
○森田委員 JISが開放されました後でJISを利用する、こういうことを要請してくる国もこれから当然出てくるわけでございます。そういうことになりますと、いままで日本のJISを開放してほしいという要請があったとするならば、そういう国が当然要請してくるようになるだろうと思います。ですから、JISの開放についていままで海外から要請があったのかどうか、あったとすればどんな国が要請してきていたのか。それから、当然そういうことになればJIS開放後に要請してくると思われる国、これはやはりいろいろと日本の準備上必要なことであろうと思いますので、その辺のところについてひとつお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○石坂政府委員 先ほどお話し申しましたように、これまでECとかアメリカにおきましては認証制度が輸入品にも開放されているにもかかわらず、JISマーク表示制度が日本の場合輸入品に開放されてないという点につきましてクレームが寄せられてきておるわけでございます。 現在日本の貿易振興会等を通じて、今後JISマークを開放した後にJISマークの利用を要請してくる国につきまして調査いたしたところを申し述べますと、JISマーク表示の承認を希望する外国の企業の数は全部で六十余りとなっておるわけでございます。そのうち発展途上国の企業が五十程度となっておりまして、そのほとんどを占めております。先進諸国の企業はわずかでございます。発展途上国の企業のうちにはJISの基準に達してない国も多いと考えられますし、また一方、日本向けの輸出比率もそれほど大きくないということもございますので、実際に承認申請をしてくるものは一部に限られているのではないだろうか、こういうふうに考えております。
○森田委員 JISが開放されて、外国の品物にJISマークがついて入ってくる、これは一面消費者の立場からいけばいいことだと思うのです。しかし、一方から考えますと、それだけ日本の中小企業といいますか、企業にとりましてもかなり影響を受ける問題も出てくるであろうということは当然予想されるわけでございますけれども、そういうことで将来影響を受けやすいと考えられる業種の把握、こういうことはなさっていらっしゃるかどうか、またそういう中小企業等を含めまして企業に対する対応策、こういうことなどについてもお考えになっていらっしゃるのかどうか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
○松村説明員 お答えいたします。 わが国の産業は、これまで経済の国際化の中にあって国際競争力の強化を図っているわけでございますので、今度輸入品にJISマークが開放されるということになりましても、いま答弁いたしましたように当面の間申請件数がそれほど多くないだろうということも含めまして、いますぐ日本の産業界あるいは中小企業に対して大きな影響を生ずるということにはならないだろうというふうに考えているわけでございます。しかし、一応こういった問題についてはやはり私どもといたしまして常にウォッチ体制をとるということは必要でございますので、特に輸入依存度の高い業種あるいはいわゆる中小企業製品といいますか、中小企業の割合の多い業種についてはきめ細かい注意を払って制度の運営を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
○森田委員 先ほど予想される顔ぶれとか件数、こういうことでお答えがありましたけれども、しかしそれは当面の話でございまして、将来やはり日本のJISマークをつけて日本に輸出をしてくるという、こういうことは予想されるわけでございます。ですからいまお答えになりましたようなことで、当面はそういうことかもしれませんけれども、特にその影響を受けやすい業種というもの、こういうものについては検討なさってはいらっしゃらないのですか。
○松村説明員 お答えいたします。 これまで約六十五の海外の企業が日本に対するJISマークの申請について希望と申しますか、出しているわけでございます。これを業種別に見ますと、大体五割以上が電気製品関係でございます。それからその次に多いのがやはり一般の機械工業関係でございます。これらの業種が最も関心を持っているというふうに考えられるわけでございますけれども、一般的に言いまして、日本の産業の面で考えましてもこれらの業界は相当技術的には進んでいる、世界的に見て相当進んでいる分野であろうかと思います。したがいまして、日本からも相当な輸出が出る、あるいはまた海外からの日本に対する部品でございますとかそういったものの輸入ということが起こってくるというふうに考えるわけでございます。これにつきましては、貿易立国といいますか、そういった日本の実情からいたしまして、それ自身はうまく運用されましたならば中小企業自体にとってもプラスの面も相当多かろうかと思うわけでございますけれども、一つの分野に集中してあるいはある時期に集中してこれが行われるということのないように、これは申請を処理する場合についても十分われわれとして留意してまいりたいというふうに考えております。
○森田委員 いまのお答え聞いておりまして、ちょっと私不審に思いますのは、JISというのは要するに標準を決めるわけですね。ですから発展途上国の技術も、いまは日本の技術が世界的なレベルに行っているかもしれませんけれども、少なくともスタンダードを決めてレベルを上げていこう、そして日本も含めて世界のあらゆる国民がりっぱな製品を使っていくようにしよう、こういうことがスタンダード化の趣旨だと思うのですね。それを世界的な立場で今度開放してやっていこうということですから、当然それに伴う技術のレベルアップというのが発展途上国で行われなければ、これは開放してもあるいは申請しても認証の対象にならないはずですから、その辺のところの考え方は、こちらはこちらで法律の方をつくるというそういうお立場をとっていらっしゃるかもしれませんけれども、やはり一面ではそういうこともある。日本の輸出もしなきゃならない、当然輸入もしていかなきゃいけない、その交流を図りながら、なおかつ日本の中小企業も守っていかなきゃならないという、いろいろなむずかしい問題があるわけでございます。そういう点で非常に影響を受けやすい問題も出てくるだろう。こういうことは役所としては当然把握し、また指導もしていかなきゃならないのじゃないかと思うのですね。そういう点で、これは私の意見でございますから、今後十分考えていただきたいと思うのです。 それで、このJISマーク表示制度というのは、官公需の確保その他企業経営上大きなメリットを持っている、こう言われているわけでございますが、その官公需への依存率の高い業種への予想される影響度、こういうことの把握とか配慮、こういうものはお持ちなんでしょうか。いまのところ何か申請件数のうちの大半が電気関係の製品だというお話でございますが、そういうことで余り影響ないのかどうか、とにかくその辺の把握をしていらっしゃるかどうか、ひとつお答えいただきたいと思います。
○石坂政府委員 御指摘の、政府調達物品でございましてしかもJISマーク指定商品になっているものにつきまして調べましたところ、現在国内生産額に対する輸入額の比率がおおむね数%以下でございまして、JISマークの開放による影響というものは当面大きくはないというように考えておるわけでございます。 また、公共投資資材関係のJISマーク指定商品、たとえばレミコンのようなコンクリート製品等がその例でございますが、これにつきましては同様に輸入がほとんどございませんで、影響は少ないだろうというように考えております。
○森田委員 次に、スタンダードの項目の一つであります標準化に関する情報提供機関の設置、こういうことにつきましてどのような対応をなさっていらっしゃるのか。JISの開放に伴いまして情報の収集といいますか、日本にとれば収集、向こうには提供、向こうからまた日本も提供を受ける、この情報というのは非常に大事な問題になってくるようでございますので、その辺の対応につきましてお答えいただきたいと思います。
○石坂政府委員 スタンダードコードにおきましては、各締約国は、強制規格、任意規格及び認証制度に関する照会に応ずることのできるような照会所を設けなければならないことになっておるわけでございます。わが国におきまして、そういう照会所をどういうようにするかという具体的なあり方につきましては、現在関係省庁間で鋭意検討しておるわけでございます。
○森田委員 それでは、スタンダードコードの成立に伴うJISの国際規格への準拠義務への対応方針について若干お尋ねしてまいりたいと思います。 一つ目は、これまでのJIS改正の中で、ISOあるいはIEC等の国際規格との調整のために改正したという、こういうものがあるかどうか、こういうことについてお答えいただきます。
○松村説明員 お答えいたします。 これまでもJISを改正いたします際に、ISO、IECの国際規格と整合させるために改正するといった例は幾つかあるわけでございますが、具体的に申しますと、たとえば昭和五十四年度におきまして、鉄鋼等の金属製品に関する一部の規格、電気用のワニスに関する規格、あるいはコンピューターの周辺装置、これは磁気ディスク等でございますが、それに関する規格につきまして国際規格との整合性を図るためにJIS規格の改正を行ったという例がございます。
○森田委員 国際規格制度改正時におけるわが国の意見反映の重要性、それから、そのための参加体制の拡充強化ということについてお答えいただきたいと思います。特に日本の意見を反映するということがなかなか現実ではむずかしいように聞いておるわけでございます。どのようにしていくか、この点についてお答えいただきたいと思います。
○梶山政府委員 スタンダードコードの成立に伴って、国内の規格を御指摘のようにISO、IEC国際規格に準拠させる義務が生ずるようになりますので、わが国にとっては不都合な国際規格が制定をされることがないように、わが国の意見が適正に国際規格づくりに反映されるための体制の拡充が必要だというふうに考えております。このために、ISOやIECの理事会、各専門委員会、いわゆるTCに積極的に参加を行ってまいりたいと考えております。
○森田委員 次に、JISの見直し時期の改正について若干お尋ねしたいと思います。 これが少なくともいままでは三年ごとに行うことになっていたのをこの改正案では五年に改める、このようになっておるわけでございますが、一つは経済社会情勢の変化と技術革新の激しい中で、見直し時期をあえて引き延ばすということの是非について、この辺についてお答えいただきたいと思います。
○石坂政府委員 規格の見直し期間につきましては、ISOの規格の見直し期間が五年間という期間を採用しておりまして、今回はわが国の法改正に際しましてこれに合わせるということにいたしたものでございます。 なお、従来の運用実態を見ましても、三年内に規格の内容の改正までに至ったものの割合というものはきわめて少ないわけでございまして、さらに、見直し期間にならくても、主務大臣は必要があれば必要があると判定された規格を改正することは可能でございます。したがって当省といたしましては、技術進歩が著しい分野における規格等につきましては、従来の運用どおり不断に見直しを行いまして、技術進歩に即応させていくということといたしておりまして、本改正によって適切な見直しに支障が生ずるとは考えていないのでございます。
○森田委員 そういうお考えはわかりますけれども、それではいままでどおり三年、こういうことにしておいた場合には貿易障害になるのかどうか、この点についてひとつお答えいただきます。
○石坂政府委員 規格の見直し頻度を現行のまま三年に据え置いたといたしましても、それが貿易の障害になるわけではございません。ただ、今後日本工業規格を国際規格に準拠させていくに当たりまして、見直しの頻度も国際規格に合わせることが制度の運用上望ましいということで五年に改めたわけでございます。
○森田委員 なぜこういうことをお聞きしたかと言いますと、資料によりますと、たとえば昭和五十三年度の実績を見てみますと、新しく制定した件数が百八十八件、改正したのが九百九件、廃止したのが百三十一件、一年間でこのように大きな変化が起こっているわけです。ですから、先ほど途中でも主要なものは大臣によっていろいろと決裁ができるというお話もありましたけれども、一年間でこのくらい変わるわけです。しかも、こういう技術革新の激しい時代に何も五年にしないでも、障害がなければ三年ごとにやはりきちんきちんとしていった方がいいのじゃないだろうか、こういうふうに私考えたわけです。そういうことで、政府のJISの見直しに関する規定の今後の運用方針というものをもう一度お伺いしておきたいと思うわけであります。
○梶山政府委員 ただいま工技院長からお答えをいたしましたように、見直しの頻度は三年から五年へと改正をするわけでございますが、技術進歩が著しい分野における規格等については、五年の見直し頻度にもかかわらず、必要に応じて機動的に見直しを行って技術進歩に即応させていくという所存でございます。なお、国際規格に合わせることもまた一つの重要なテーマでもございますので、今回はこの三年から五年へという国際規格に合わせ、なおかつ五年に改正をした障害部分を積極的に見直して対処してまいりたいと考えております。
○森田委員 JIS制度にとりまして非常に大事なのが検査制度だと思います。認定検査機関を設けることになるわけでございますが、認定基準と、政府が考えている認定検査機関の種類とか数あるいはその他ございましたらお聞かせいただきたいと思います。
○石坂政府委員 認定検査機関によります検査制度の導入は、一義的には国内におけるJISマーク表示制度の改善ということを目的とするものでございますが、スタンダードコードにおきましても極力外国検査機関の検査結果を活用すべきであるというようにされておることもございまして、外国工場につきましては、外国の検査機関を承認いたしまして検査を行わせることとしたのでございます。 検査機関の認定でございますが、当該検査機関が検査業務を遂行するに足りる技術的能力、それから経理的な基礎を有するかどうかとか、あるいは検査業務の実施が不公正に行われるおそれがないものであるかということを基準にして決めていきたいと思っておるわけでございますが、検査機関の数につきましては、検査技術の内容に共通性のある指定商品をまとめまして一区分といたしまして、その区分ごとに行っていきたいと考えておるわけでございます。
○森田委員 時間の関係でいろいろとお聞きしたいことがあるのですが省略いたしますが、先ほどの技術革新という問題につきまして、ビデオディスクというのが最近たくさん生産されているようでございます。このビデオディスクの規格化の可能性あるいは通産省の方針、こういうものについて、参考になりますのでひとつお聞かせいただきたいと思います。
○小長説明員 お答えいたします。 絵の出るレコードと言われておりますビデオディスクにつきましては、アメリカ、ヨーロッパで開発されたものを含めまして三種類の方式があるわけでございます。したがいまして、規格化の問題につきましても必ずしも国内の事情だけで決められない点もあるわけでございまして、しかし国内消費者保護の立場から、可能な限り方式の統一を図るよう関係業界の指導等に努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
○森田委員 それから、JISという制度は、関係の方々は便利さと規格化ということで非常によく理解されているわけでございますが、一般消費者は余り関心がない、こういうのが現実であると思います。そういうことで一般消費者に対するJISマークの性格等に対するPR、こういう点についてはどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。
○石坂政府委員 一般消費者に対しますJISマークのPRにつきましては、各種の機会をとらえて努めておるわけでございますが、その主要なものを御紹介いたしますと、第一に刊行物の製作、頒布でございます。工業標準化制度全般について説明してございます「我が国の工業標準化」というような刊行物がございますし、また主要なJIS商品について説明いたしました「かしこい消費生活へのしおり」等もございまして、これを配布しておるわけでございます。 二番目に工業標準化振興運動の実施でございますが、工業標準化の必要性について広く啓蒙するために毎年十月及び十一月を工業標準化振興運動期間と決めまして、官民の協力体制のもとに国民の各階層を対象といたしまして標準化に関する講演会、セミナー等を実施しておるわけでございます。 三番目に、このほかポスターとか標語の一般からの募集だとかあるいは消費者代表との懇談会の開催とかテレビの放映だとかあるいはスライドの作製及び映写等を行っておるわけでございます。
○森田委員 最後の質問になりますが、省資源、省エネルギー技術の規格化、こういう状況につきまして、それから五十五年度の標準化計画における重点課題、こういうものについてお答えいただきたいと思います。
○石坂政府委員 従来から省資源、省エネルギーに役に立つ製品、設備、建材等の規格を制定してまいったわけでございますが、これらの工業品につきましてJISマーク表示制度を適用しているものもあるわけでございまして、最近のエネルギー事情にかんがみましてこういった方策をさらに一層推進していきたいと思っておるわけでございます。 具体的に申し上げますと、省資源に資する規格といたしましては、高炉スラグの骨材への活用を図る規格とか、あるいは木材チップ製品の建材への利用を図る規格、あるいはプラスチックくずの活用を図る規格等、約六十規格が制定してあるわけでございます。さらに、省エネルギーに資する規格といたしましては、断熱材、保温材の規格、それから電気製品の規格等約五十規格が制定されておるのでございます。 五十五年度におきましてさらに四十規格の制定または改正を予定しております。具体的に申しますと、省資源に資する規格といたしましては、コンクリート用高炉スラグ細骨材、それからスラグ石こうボード、それから再生プラスチック標識ぐい等がございまして、省エネルギーに資する規格といたしましては電気温水器、都市ガス用貯湯湯沸かし器、それからボイラー用温度制御器等を考えておるわけでございます。
○森田委員 終わります。
○塩川委員長 これにて森田景一君の質疑は終わりました。 午後三時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時四十一分休憩 ————◇————— 午後三時七分開議
○塩川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。渡辺三郎君。
○渡辺(三)委員 本法案の審議では大臣が出席願えなかったわけでありますので、改めてお伺いをするわけですが、大臣は今回の所信表明の中で次のように述べておられるわけです。「東京ラウンドの諸協定の円滑な実施に努めるとともに、各国とも協調して保護貿易主義を抑えていかねばなりません。すでに提出の工業標準化法の一部を改正する法律案は、この趣旨に沿ったものです。」このように述べておられるわけでありまして、また、通産省が示しております「昭和五十五年度通商産業政策の重点」の中でも、「摩擦なき対外経済関係の形成」と銘打って、この一番に「東京ラウンドの成果の円滑な実施」として工業標準化の問題を出しておられるわけであります。 これは過日の同僚委員の質問にもありましたが、この工業標準化法を改正する、そしてJISを国外にも開放をする、このことは確かに障害の一つを取り除くことになるかもしれませんけれども、これだけではないわけでございますね。これだけの意欲的な大臣の表明があるわけでありますけれども、たとえば保護貿易主義を抑える、そのためにこういうこともやるんだという形で日本はこれから大変努力をすることになるんだと思いますが、たとえば自動車の問題なんか見ましても、あるいはテレビの問題なんか見ましても、アメリカなどの場合にはともすれば保護貿易ということを正面に掲げて日本の諸製品に対する圧力をかける、こういうふうな状況もあるわけでありますけれども、この点については日本がせっかく国際標準化に近づける努力をする、そのために国内法も改正をしてそれにこたえるというふうな立場をとっておる段階でありますから、これらの、特にアメリカなどの保護貿易主義の台頭について通産大臣はどのように考えておられるか、一言説明願いたいと思います。
○佐々木国務大臣 お話のようにせっかく日本で皆様の御支援を得ましてこのようにJISの輸入品に対する開放をやるわけでございますから、自由貿易の趣旨に沿った積極的な態度でございますので、こういう日本の精神というものをよく理解してもらうように、外交あるいはその他を通じまして保護的な空気を持ち得る危険な可能性のあるところに対しましてはよく理解していただくというのが大変大切なことだと思います。
○渡辺(三)委員 世界貿易の秩序ある発展に貢献しよう、こういうことで法律改正をやる、そういうふうになっておるわけですけれども、たとえばこの法改正によってJISを国際的に開放する場合に、いろいろな手続上の煩瑣なものが出てしまって、逆にいわばそういう点で新たな貿易障害というふうにならないような配慮、私がいま申し上げているのは手続上の問題でありますけれども、その点についてお考えがありますか。
○佐々木国務大臣 御指摘のとおりでございまして、せっかく善意を持ってやりますこの制度も、いたずらに手続等の煩瑣の関係でその趣旨が生きないということになりますと意味がございませんので、そういう貿易障害として機能することのないよう十分配慮してまいりたいと存じます。
○渡辺(三)委員 もう一点だけ御質問申し上げたいと思います。 これは、過日の審議の際に松浦委員の要求した資料によって政府の見通しを見てまいりますと、JISの開放による中小企業への影響はきわめて僅少である、ほとんどない、このように政府が提出した資料ではなっているようでありますけれども、しかし今後の推移によっては必ずしも私はそのような楽観はできない面があるんじゃないか、こういうふうに思っております。そのために、先ほど私は午前中にも質問をしたわけでありますけれども、それに対応する中小企業の技術向上あるいは開発のための政府の施策、これを中小企業庁長官にただしました。長官からは、今年度新たに加えた技術向上のための施策も含めて答弁をいただいたわけでございますけれども、しかし、実際その内容はまだまだ十分とは言えませんし、予算上の措置を見ましてもきわめてまだ不足をしておるのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。その点について大臣は今後の方針として、特に将来影響が懸念される中小企業のそういった立場に立った技術向上について、思い切った決意のある施策を今後強力におとりになるかどうか、この点を確かめておきたいと思います。
○佐々木国務大臣 そのためには相手の方の問題もさることながら、こちらの、受ける方の中小企業の体質改善、特に技術的な訓練と申しますか、技術を身につけるとかいったようなことでみずからを強くすることが一番大切だと思いますので、いま中小企業対策でその方に十分力を入れて進めつつ、ことしから予算で措置してございますので、御指摘のようにまだあるいは不十分かとも存じますけれども、むしろそういう方向で安心をいただけるように指導していきたい、こういうふうに思っております。
○渡辺(三)委員 いまの問題に関連をしてお聞きをしておきたいと思いますが、実はこの法案については東京ラウンドの経過もあり、私どもとしては賛成であります。しかし、これを実施するにあたりましては、これまで幾つか質問申し上げましたような諸点についてしっかりした政府の対応をぜひともお願いをしたい、こういうふうに考えておりますので、その前提に立って申し上げたいと思うわけです。 実は附帯決議も各党のそれぞれ了解のもとにぜひつけていかなければいかぬのではないか、こういうふうに考えておりますが、特にJISマーク表示制度の信頼性を一層確保する、あるいはまた、許可、承認に当たってはより一層厳正な審査を行って大方の期待にこたえていかなければならない、こういうふうに思っておるわけであります。御承知のようにJISは一種の表示でありますから、それは厳正な審査を経てその使用が許可されていくわけでありますけれども、いままで数多くのJISの中には、確かに審査を経てJISマークがついておる品物であっても、極端な表現になるかもしれませんが、非常に粗悪なといいますかあるいは消費者の必ずしも信頼にこたえられないような内容のものもあるわけであります。また、そういう苦情も、これはJISがあるにもかかわらずというふうな形で苦情が出ておる面もいままでたくさんあったわけでありまして、こういう点は、この法改正を機としてより一層きわめて厳正な態度をもって品質の向上に努めていく必要があるのではないか、こういうふうに思います。 先ほど私は申請の手続が余り煩瑣にならないようにということを申し上げましたが、いまここで申し上げておりますのは手続問題ではなくて、実質的な技術の中身について申し上げておりますので、この点についての大臣のお考えを最後にお伺いして質問を終わりたいと思います。
○佐々木国務大臣 JISマークの信頼性を高めるために許可工場に対する監督を厳重に実施して、技術的な向上を図るべきだ、努力すべきだという御意見に対しましては、そのとおりにしたいと思っております。
○塩川委員長 近江巳記夫君。
○近江委員 最後の非常に限られた時間でございますから簡潔にお願いをしたいと思います。 一つは、日本工業標準調査会におきましていろいろと工業標準の制定、改正等の審議を行うわけでございますが、特に商品に対するJISにつきましては、消費者が非常に信頼し選択するマークであるわけでございます。したがいまして、その審議に当たりましては消費者の意見が十分反映されるよう調査会の運営について配慮されるべきであると考えますが、大臣の見解を伺いたいと思います。
○佐々木国務大臣 全くそうだと思います。御指摘の点につきましては格段の配慮を払ってまいりたいと思います。
○近江委員 十分ひとつその点をお願いしたいと思います。 それから、各党の皆さんとも話し合いをしまして附帯決議をつける予定になっておるわけでございますが、今回の法改正によりまして見直し期限というものにつきまして三年から五年ということになるわけでございます。したがいまして、いわゆるその以前におきましても積極的に見直しを図るべきであると思うのです。 また、本法案の審議に当たりまして、私はかつてこのJISマーク制定に当たって数多くの汚職が行われたという事実を挙げまして綱紀の粛正を求めたわけでございますが、政府の役人がやりながらこういう事故を起こしておる。ましてや民間に委託をするわけでございまして、審査決定後は民間機関に委託をする、ますますそういう心配があるわけであります。この点は厳正な運営を図るべきである、このように思います。この二点につきましてお伺いしたいと思います。
○佐々木国務大臣 まず前段でございますけれども、技術の進歩が非常に著しい分野においての規格等につきましては、見直しのいまおっしゃった期間が到来する以前におきましても、おっしゃるとおり必要に応じまして機動的に見直しを行うということは必要だと存じております。 また、この前に御指摘ございました信頼性を損なうことのないように厳正かつ公正な工場審査を行うよう戒めてまいりたいと思いますし、また、民間検査機関に関しましてはさらに一層監督を厳重にいたしまして、誤りないようにしていきたいと考えております。
○近江委員 国際規格会議等への積極的な対応をすべきであるということを私申し上げたいわけでございますが、貿易立国でございますわが国としましては、国益は前提としながらもあらゆる方面で国際化を図っていかなきゃならぬ、このように考えるわけでございます。従来はISO及びIECにおきまして、いろいろな事情でなかなかわが国の主張というものが受け入れられない経緯もあったようでございますが、今後におきましてはこれらの会議により積極的に参加をして、さらには専門委員会等の幹事国を一つでも二つでも確保して、わが国の主張がより反映されるよう積極的に取り組む姿勢が大事だと思うわけでございます。この点につきまして大臣の見解を聞きたいことが一つです。なお、発展途上国に対する標準化につきましても積極的にわが国としては協力をすべきだ、このように思うわけです。大臣の考えにつきましてお伺いをしたいと思います。
○佐々木国務大臣 まず前段の、国際的な規格をつくる際に積極的に参加すべきじゃないか、そうしたいと思います。後段の、発展途上国の標準化事業に対する支援を一層強めたい、そういうふうに御指摘のとおりぜひ進めてみたいと思います。
○近江委員 本日は非常に限られた時間でございますので、最大の協力をして終わりたいと思います。
○塩川委員長 安田純治君。
○安田(純)委員 前回の審議以来二日にわたって同僚委員の方からも多方面から質疑が行われましたし、私もいろいろお伺いいたしましたけれども、最後に大臣に若干お尋ねをしておきたいと思うわけであります。 前回の私の質疑の中でいろいろ申し上げました。一つは標準化というものの考え方について、外国と日本との間に一つの流れ的な意味で違いが多少あるんじゃないかという点を御指摘申し上げました。それから、申請を日本語で日本の主務官庁に直接出す、こういう手続であるということも伺いました。それから、一応八十日間の停止を請求するというときの不服の申し立て、救済の方法についても伺いました。 こうした問題をいろいろ考えてみますと、外国の法人がこのJIS表示の開放についてすんなりと利用できるような中身にはなかなかならぬのじゃないか。これはこの法案自体がよくないとかどうとかということじゃなくて、こうした過去からずっと積み重なってきた標準化に対する物の考え方や何かでそういうことが起きるだろうということであります。したがって、このJIS表示の公開、開放によってこれを一番利用するのは案外わが国企業の海外進出でつくられた現地法人ではないか。これは言葉も共通に自由でございますし、それからいろいろ日本国内との連絡もとりやすいということからそういう予想がされるわけであります。 そこで、先ほど来同僚委員も質問しておりましたけれども、こうしたわが国企業の海外進出によってつくられた現地法人からの逆輸入ということに意外にJIS表示の開放が利用されるということになるんではなかろうか、もちろん純粋な外国法人も使うかもしれませんけれども。そうした意味においてぜひ日本国内の中小企業をちゃんと守るように、このJIS表示の開放に伴った影響をまともにかぶらないようにひとつお願いしたいということで、大臣のお考えを改めて明確に御答弁を願いたいということが一つであります。 それからもう一つは、前回の質問で指摘いたしましたけれども、外国の企業の例の八十日の使用停止あるいは承認の取り消し、こういう事態の場合にトラブルが起きる危険があるわけですから、この点、前回も申し上げましたけれども、後に悪い影響を残さないように事前にも十分な手当てを配慮するということが必要でありますし、いよいよその請求の条項、二十五条の二でしたか、あの条文を発動する場合にも慎重に、ひとつトラブルが起きないようにやっていただきたいということが二つであります。 それから三つ目が、VTRディスクなどに見られるように、VTRの開発の途上において規格統一の話し合いが一時なされたように承っておりますけれども、とうとう規格統一の話し合いがまとまらないまま各メーカーが市場獲得戦に突入していったという経過があるようであります。したがって、こうしたいろいろな新製品も出ましょうし、これからの問題についてお互いに規格統一の話し合いがないまま実際の市場獲得戦に入ってしまった場合に、これは消費者の利便のためにももちろん不便でありますし、また、そうしたことが市場の成長を阻害する要因になるとも言われております。したがって、こうしたときに規格統一について国の側が時を失せず手を打たなければならない問題が将来たくさん起きるだろうというふうに思いますので、この点についてどういうふうな姿勢で臨まれるか。長い答弁はいただく必要ございません。明確にひとつお答えいただければ結構なんで、よろしくお願いしたいと思います。
○佐々木国務大臣 第一番目の問題に関しましては、お話のように外国企業が利用しにくいということでありますと余り意味がございませんので、そういうことでないように運用に十分配慮してまいりたいと思いますし、また、御指摘のように国内の中小企業にはこれに対処できるような技術的な武装を強化するということは大変重要だと思いますので、そういう点に十分気をつけて指導してまいりたいと思います。 それから二番目の、トラブル等起きた場合に、また起きないように事前に慎重に対処すべきじゃないか、特に外国企業に対してはと、こういうお話でございますが、そのとおりだと思います。十分配慮してまいりたいと思います。 それから三番目の新製品に対する規格についても、消費者の利益が損なわれないようよく考えていきたいというふうに考えております。
○安田(純)委員 いまのお答えは大変前向きのお答えではありますけれども、本当に指導体制が十分にいくような予算措置が行われているとお考えですかどうですか、その点、最後にひとつはっきりお答えいただきたいと思います。
○佐々木国務大臣 初めてのことでもございますし、予算が十分かどうかということははっきりした答えはできませんけれども、しかし予算の範囲内でできるだけ努力いたしまして、もしそれで不十分だということでありますれば何らかのまた措置を講じていきたいと考えております。
○安田(純)委員 終わります。
○塩川委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○塩川委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 工業標準化法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○塩川委員長 起立総員。よって、本案は原案どおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○塩川委員長 次に、本案に対し、堀内光雄君外四名から、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同及び民社党・国民連合五派共同提案に係る本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。渡辺三郎君。
○渡辺(三)委員 ただいま提案をいたしました附帯決議案につきまして、提案者を代表して、私からその趣旨を御説明いたします。 まず、案文を朗読いたします。 工業標準化法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一、技術革新、社会的要請の著しい分野におけるJISについては、見直し期限の到来以前においても積極的に見直しを行うこと。 二、JISマーク表示制度の信頼性を確保するため、許可又は承認にあたつては、より一層厳正な審査を行うとともに、認定検査機関の検査が適切かつ厳正に行われるよう指導・監督を行うこと。 以上であります。 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○塩川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○塩川委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付すことに決しました。 —————————————
○塩川委員長 お諮りいたします。 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○塩川委員長 この際、通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。佐々木通商産業大臣。
○佐々木国務大臣 ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして対処する考えでございます。 ————◇—————
○塩川委員長 次に、内閣提出、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。佐々木通商産業大臣。 ————————————— 中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○佐々木国務大臣 中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 中小企業金融公庫は、一般の金融機関が融通することを困難とする長期資金を中小企業者に対して融通することを目的としており、中小企業の発展に大きな役割りを果たしてきております。今後とも中小企業の一層の発展を図っていくためには、中小企業金融公庫におきましては、中小企業者に対する貸し出しの安定的確保を図るとともに、経営基盤の強化を図ることが必要であると考える次第であります。 かかる趣旨にかんがみ、今般中小企業金融公庫法の改正を提案することとした次第であります。 次に、本法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。 第一は、債券の発行限度額を引き上げることであります。 中小企業金融公庫の債券の発行限度額は、資本金の二十倍と定められておりますが、現在その発行額はほぼ限度額に達しつつあります。このため、今後の中小企業者の資金需要の増大に安定的に対処する観点から、これを資本金の三十倍に引き上げることとした次第であります。 第二は、追加出資規定を整備することであります。 別に御審議いただいております昭和五十五年度予算において、中小企業金融公庫の経営基盤を強化するため、同公庫に対する二十億円の出資を計上しているところであります。このため、他の政府系金融機関の例にならい、予算措置が講じられた場合には、政府は追加して出資することができるよう所要の規定の整備を図ることとした次第であります。 また、これらに加え、所要の規定の整備を行うこととしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○塩川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十六分散会