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91回国会衆議院1980/03/04

商工委員会 第5号

発言数
270
登壇者
19
会派数
5
開催日
1980/03/04

会議録

塩川正十郎自由民主党・自由国民会議

○塩川委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、工業標準化法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渋沢利久君。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 工業標準化法は、制定されてから三十年経過しているということだと思いますが、今回のかなり大幅な改正に当たりまして、まず具体的な中身に入ります前に、簡単で結構ですからJIS規格の制定、改正、廃止などの現状がまずどうなっているか、特に特徴的な点をひとつお知らせいただきたい。それから、あわせて中小企業などの技術レベルの向上にどう役立っておるのか、この点にも触れて御報告を願いたいと思います。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 工業標準化法を実施いたしましてから今日まで三十年を経過したわけでございますが、現在JIS規格の総数は約七千七百、それからJISマークの表示に係ります指定商品数は千百、それからJISマーク表示許可工場が一万四千百件を超えるほどになりまして、産業界のみならず、一般の消費者にも広く親しまれる制度として定着いたしまして、わが国の経済の発展に大きな役割りを果たしてまいっておるものと考えます。工業標準化は、単に消費者保護という立場だけではなく、工場が今日世界に誇り得る非常に優秀な製品をつくる基礎となったものと考えておるわけでございます。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 補足して御説明いたします。  御質問のありましたJISの昭和二十四年以来の制定件数、改正件数、確認件数、廃止件数につきましては、二十四年以来三十年の間に制定件数が累計で九千九百十七、改正件数が一万五千六十四、確認件数が三万六千五十二、廃止件数が二千百七十三、昭和五十三年度末の規格数が一ただいま院長が御説明いたしましたとおり七千七百四十四ということになっております。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 いま消費者の要望と期待にこたえているという部分を院長から御説明がありましたが、これはこの制度の中で一つの重要な部分であると思うわけですが、特に消費者はこの制度に対してどういう評価をしているだろうか、そのことを役所側ではどう受けとめているんだろうか、あるいはどういう努力をしているんだろうか、特にその点に触れて報告することがあれば、伺っておきたいと思います。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 お答えいたします。  消費者問題につきましては、現在JISを制定いたします際の一つの重点といたしまして、国民生活の質的向上に関するものについて優先的に制定をいたしているわけでございますが、このJISの表示、JISマーク制度につきましては、私ども調査いたしましたところによりますと、消費者の方の大部分がこのマーク制度について御知識を持っておられるということでございます。また、このJISマーク制度の運営に当たりましては、日本工業標準調査会がこれに関与しているわけでございますけれども、その調査会の中に消費者代表の方も入っておられるわけでございますが、これらの方々からもJISマーク制度は今後さらに推進していくようにという強い御支持をいただいているわけでございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 消費者代表もこのJIS規格制定の関係機関に参加している、そういう形を通して消費者の声もJISの制定、改廃等の制度運用の中で十分反映をさしている、そういうことを通して広く消費者一般にこの高い権威と位置づけが定着している、こういう意味のお話だったと思うのです。  そこの部分をもう少し立ち入って伺っておきたいと思うのですが、このJIS規格というのは、ひとり消費者にとどまらず、産業界、流通業界、中小企業者、関連事業者の利害あるいは技術問題に直接深くかかわっているわけであります。この絡み合った、ある意味では複雑に絡んでいる利害関係の中でこの制度が制定をされ改廃をされる、こういうことでありますから、その調査会なりあるいは専門委員会の運営を通して、それぞれその関係層の意向というものがどうバランスよく反映されるという仕組みになっておるのか、たてまえと実態と必ずしも一緒でない場合が多いわけですけれども、その双方を含めて、どういう構成で位置づけられ、どのように配慮されて運営されてきたかということをひとつ尋ねたい。  あわせて、それぞれの利害が絡むという部分で言うならば、それだけにこの制定作業にかかわる調査会なり専門委員会等諸機関の運営というのは、ことのほか公正を期さなければならないという点があることは言うまでもないことであります。そのたてまえが、具体的にはどのような手だてで公正が期せられておるのか、その点をひとつお話願いたい。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 日本工業規格の制定とか改正に際しましては、実質的な審議を日本工業標準調査会にお願いしておるわけでございますが、この調査会におきまして審議を行うに当たりまして、当該製品の生産者それから使用、消費者及び販売者、それに中立の方を交えまして、適正な比率で委員を指名する等のことをやりまして、実質的な利害関係を有する者の御意向がこの規格に十分反映するように措置を行っておるわけでございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 専門委員会というのは幾つありますか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 お答えいたします。  最初に日本工業標準調査会全体について御説明をいたしたいと思いますが、調査会は委員が二百四十名以内で組織されておりまして、この委員は学識経験のある者及び関係各省庁の職員の中から関係各大臣の推薦によって通産大臣が任命しているわけでございます。また調査会の中には特別の事項を調査、審議いたしますために臨時委員が、また専門的事項の調査を行うために専門委員が置かれているわけでございます。  いま御指摘のとおり、調査会の中には標準会議及び部門別の部会が置かれておりまして、各部会には専門事項別の専門委員会が置かれているわけでございます。部会の数は二十九部会ございまして、昨年で申しますと、標準会議の開催回数が十回、部会の開催回数が九十二回、専門委員会の開催回数が五百四十七回ということになっております。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 実際は個々のJIS制定の作業は、専門委員会の審議と判断というものが下敷きになっているといいますか、一番重要な役割りを果たしておるんじゃないかしらと思うのですが、その委員構成といいましょうか、関係者の集め方なんですけれども、生産、販売、流通その他の関連業者あるいは中立等々とおっしゃいましたけれども、もちろん私が全部見たわけではないが、幾つか専門委員会の構成を見てみた感じだけで言いますと、なるほど関連の業界、それもかなり大手にしぼられて、直接利害関係を持ちそうな関連大手業界のメンバーは十分に配置されておるという感じがするが、あとは役所の諸君で、先ほど消費者のニーズにこたえて、やはり消費者の感覚でこのJISを運用していくという側面がこの制度の中で非常に大事なんだということを強調されておった、そして、消費者の代表もそれぞれそういう場に出席をして十分意見を反映させているということをおっしゃったわりには、全体を見てみますとどこにおるんだろうかと思うような配置になっておるのじゃないでしょうか。大手企業の業界と、その間に役人さんがごそっと入った以外には、中立とか消費者代表とかいう方々を探すのにちょっと骨を折った感じがいたしますが、これは私の見方が間違っておったでしょうか。そういう傾向はありますまいか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 御指摘の点について御説明いたしますと、いま申し上げましたように日本工業標準調査会で規格をつくります場合には、部会の下に専門委員会がございまして、この専門委員会で実質上原案を作成するわけでございます。原案を審議いたしました後これを部会に上げて決定するわけでございますが、部会の中には消費者代表あるいは中小企業代表等の方も十分おられるように配慮してあるわけでございますけれども、実際専門委員会の場合には、御指摘のとおり消費者代表といった方が若干少ない場合もあるわけでございます。実は、専門委員会を構成いたします場合には、生産者代表それから消費、使用者代表及び中立、この三者でもってたとえば十人である場合には三、三、四といったような比率で公正な審議をいたすように努めているわけでございますが、生産者代表あるいは使用者代表は特に大手企業と限るわけではございませんで、中小企業の代表についても十分配慮するわけでございますが、やはり御指摘の点は、たとえば一つの専門委員会で専門的な審議をいたします場合に、技術を蓄積しているという面から言いますとどうしても大手企業の方が技術の蓄積が多いというようなこともございまして、若干大手企業の代表の方が多いかもしれませんけれども、一つの観点といたしましては、専門委員会に原案が出てきます場合に、その原案をたとえば協会でございますとか業界団体がつくる場合には、その中には当然中小企業も参加いたしましてそこで原案をつくるということで、中小企業の意見も十分反映されていると私どもは思うわけでございます。また、消費者代表もこの三、三、四の中で、検討いたしますテーマによりまして、その製品が末端消費者が使用するような製品である場合には消費者代表が十分入るわけでございますけれども、これが部品でございますとか素材であるといったような場合には、これを使用するメーカーが使用者側代表として入るわけでございまして、その場合にはいわゆる消費者というものはこれに入らない面が出てまいるわけでございます。いずれにいたしましてもこれらの専門委員会で審議いたしました結果は部会に報告されるわけでございますが、この部会には、いま申し上げましたようにそれぞれの代表の方に入っていただいているということで、できる限り公正を期しているつもりでございますが、今後さらにその点については配慮を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えております。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 提案された法案の改正点はJISの国際化という局面に立っての改正でありますから、そういうレベルでお尋ねをするつもりでいるのですけれども、しかし制定以来三十年ということで、こういう大きな節目の中で、しかも先ほどの院長のお話の中にも、特にJISは消費者の立場、国民の日常生活の快適な暮らし、安全性というような面で消費者の希望に十分こたえているというような意味の発言がありましたので、これも大事な部分ですから、工業規格だからといってそれは大手企業が入っているとか、そのことを申し上げているのじゃなしに、言葉では中小企業とか消費者とすぐおっしゃるのだけれども、しかしよく皮をむいて尋ねてみると案外それはっけ足しであったり飾りつけであったりする部分がなきにしもあらずなものだから、やはりそれは言葉どおりきめの細かい視点、配慮が実際の制度の運用の中で生かされておらなければならぬのじゃないかなという意味で特にいまの点を尋ねたわけです。必ずしも十分にそういう消費者感覚でこのJISの問題が見られているとばかりは言えないような気も私はいたします。しかし院長が言われたように、確かに国民の生活感覚の中にJISが権威を持っておりている、これは事実だと思うのです。あの静岡に地震がありましたときに、JISマーク指定の耐震用石油こんろが、つまり震度幾つまでいけば、揺れれば火が消える、そういう設備ができておる。JISがついてあるからこれは大丈夫だというて実際は買っているのですね、買うときには確かめていないけれども。ところがそれが作動しなかった場合には、JISがあるのに、こういう話になってはね返ってきたわけですね。そういう話を聞きましたし、新聞でも見ましたが、それだけJISが静かに国民の日常の暮らしの中に一定の権威を持って入っていることは事実だろうと思うのです。しかしそれだけ工業規格の範囲が広範ですから、特に消費者的な目、観点というものをいつもどこかで行政の立場で見ているということが、言葉の上だけでなくて実際ないといけない。それにこたえられるような委員配置といいますか、構成についてもこれから特に、中小企業も同様ですけれども、配慮を願っておきたいなと思っているわけです。  話がちょっと細かくなって恐縮ですが、いま地震のことで思い出したのだが、ちょっとお尋ねいたします。  最近よく事故を起こしている練炭。練炭そのものは農林省が扱っているからJASなんですね。石油こんろはJISの制定、練炭こんろは行政的には通産の所管なんだけれども、これはどんな扱いになっておるのですか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 御指摘の練炭、豆炭は家庭において大変使用されておりまして、これによりまして幾つかの事故が発生しておるわけでございますが、これらの事故の原因は大体器具の構造によるものではございませんで、むしろ気密性の高い部屋で換気をしないでお使いになった、そういう使用法、使用する側の問題があったように考えております。  そういった観点から、これらの事故の防止を図りますためには、器具の構造についての規制とかあるいはJISを決めるというようなことではなくて、むしろ使用方法について十分注意を喚起していくのが適切ではないだろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 そんなお話だろうと思って私はちょっと聞いたのです。しかし、このことで余り時間を割くわけにいかないのでよけいには言いませんけれども、ただ、ちょっと言っておきます。  ちょっと違うのです。私の選挙区でもこの間練炭で何人も死んでいる事故がありましたので、それで私がちょっと調べてみたら、これはこういうことですね。確かにいまのような言い方が役所的にはされているわけです。ところが練炭こんろというのは、不完全燃焼することで一酸化炭素がずっと出るが、一定の改良を与えますとそれがかなり予防できるのです。そういう研究がされているのだけれども、こんろ業界というのは非常に小粒でまとまりがないものだから、それを無理してやるとどうしてもコスト高になるからやらないのです。ところが石油が高くなって、高い灯油で追い込められた主婦たちが、それは冷暖房つきの豊かな家庭ではいま練炭は使いません。ところがあれは安いから、灯油が高くてかなわぬというので需要が非常に急激に高まっているわけです。しかし練炭もこんろも、これはJISもJASもなければ法律もなければ、所管がどこだと言っているだけで何も網をかぶせるもの、さわるものがないわけです。だから、練炭業界は自主的にいろいろやっているのだけれども、これも限界がありまして、買った者がお互いに気をつけて、昔のように外で燃やせばいいが、いまの住宅構造の変化の中でまともに使えば死んでしまうよということなんだけれども、死んだやつが手落ちだくらいのことなんです。この間練炭を燃して車の中で自殺した人がいるのです。幾ら省エネルギーだといったって安手の自殺で、しかし確かな自殺の手段に練炭が使われているということは、安全性とかなんとかおっしゃる役所だったらちっとは神経を使っていいはずなんだけれども、何もないのです。ところが、調べてみたら改良ができる。すれば確かに一定の一酸化炭素の噴出を防ぐことができる、それだけではいけませんが。だから、JISやJASの指定さえすれば片づくという問題ではないけれども、ただ、私が調べた範囲でいくと、役所というのはそれほどさように、いまのあなたの御答弁のように意外と無神経ですよ。実態をよく知っていないのです。  練炭の話ばかりしてもしようがないのでこの話はこれでやめますが、ただ、JISというものは、先ほど言いましたようにその制定、運用については国民の日常生活に深くかかわったものであり、しかも大変権威を持って生活感覚の中に定着しているということであればあるだけ、そういう消費者感覚を大事にするということを特に望んでおきたいと思うのです。  エネルギー問題の話が出ましたのでひとつ聞いておきますが、省エネルギーを特に対象としたような規格はありますか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 省エネルギーの推進を図るためのいろんな施策をやっておりますが、その一環といたしまして、従来からも省資源等に資する製品だとか設備だとか建材等の規格の制定を積極的に行っております。また、これらの規格に当該鉱工業製品の品質、性能等が合致しているということを示すJISマークの表示制度も活用しておるわけでございます。エネルギー問題の非常な重要性にかんがみまして、今後ともJIS制度を積極的に活用していきたいというように考えておるわけでございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 JISの国際化ということにあわせて、外国の意見を聞かなければならぬというような場面が起こり得るのか。だとすればそういうことはどういう形で考えるのか、考えていることがあるのか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 規格の制定とか改正に当たりまして、外国の関係者の意見を取り入れる方法につきましては、スタンダードコード上で規格の制定、改正につきまして事前の出版物への公告、それから書面による意見提出のための適当な期間の設定というものが義務づけられておるわけでございます。したがいまして、JISの制定とか改正につきましても、スタンダードコード上の当該の規定に沿って必要な措置をとることになるわけでございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 規格の制定、改正というものに要する日にちは、おおむね平均的にどのくらいかかっているものですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 お答えいたします。  規格の制定に当たりましては、先ほど御説明いたしましたように日本工業標準調査会において規格の制定あるいは見直しを行うわけでございますが、具体的に申しますと主務大臣が規格の原案を日本工業標準調査会へ付議いたしまして、その調査会の答申を受けて主務大臣がこれを制定、改正するということになっているわけでございます。通常、原案の作成には半年から一年間、また調査会での審議に三カ月から九カ月くらいを要しているわけでございます。したがいまして制定あるいは改正に要します期間は、平均的に申しますと一年ないし二年ということであろうかと思います。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 平均的にというのは早くてというふうに翻訳した方がいいと思うのですけれども、そういうことなんでしょうね。いまのように急テンポに技術が向上していく、どんどん変わっていく、需要の内容も非常に多様化していく、こういうテンポの早いときにいまのような、JIS制定を慎重にやることはもちろん大事ですけれども、慎重に、十分にというよりはやや役所的に時間をかけるというようなことがもしあるとすると、これはJISの国際化、こういう局面を迎えた中で検討しなければならないことではないのか、そういう点での検討なり考えはいかがですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 御指摘のとおりJIS規格の中には今日的なニーズを持ちまして、たとえば省エネルギーでございますとか省資源でございますとか、あるいは環境問題といったふうに非常に社会的な要請がございますので、ある意味では急いで規格を制定しなければならない部分もあるわけでございます。また、一方ではJIS規格といいますものは生産、消費の技術の根幹になるものでございますから、その基本的な技術を開発いたしますために、数年間をかけて工業技術院の傘下の研究所で研究をするといったような面もあるわけでございます。  いま御指摘のありました社会的なニーズの高い分野につきましては、やはり審議に当たりましてそれなりの配慮を払う必要があるかと思います。たとえて申しますと、省エネルギーのための断熱材の規格の制定といったようなものにつきましては、これは基礎的な技術はすでに確立されているというようなことでございますので、物によりましては一年以下の期間で作成されているというものもあるわけでございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 今度の法律改正は、東京ラウンドの一連のかかわり、一環として取り決められたと思うのですが、これは外務省の関係かと思いますが、スタンダード協定の受諾国というのはどこでしょう。

池田廸彦外務省経済局国際機関第一課長

○池田説明員 お答え申し上げます。  二月一日現在のスタンダード協定の署名状況は次のとおりでございます。  ABC順、それからなお欧州経済共同体につきましてはこれを一として勘定いたします。アルゼンチン、オーストリア、ブラジル、カナダ、チリ、EC、フィンランド、日本、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデン、スイス、アメリカ、香港でございます。このうち、わが国及びアルゼンチン、オーストリア、チリ、フィンランド、香港につきましては、批准あるいは国内の憲法上の手続の完了を条件とした署名をいたしております。  これらを合計いたしますと十三カ国及び欧州経済共同体、これが二月一日現在の状況でございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 スタンダード協定などが結ばれる経過、背景の中に、特にこの種の点で日本のありよう、非開放性というのでしょうか、日本の取り組みや態様に対する不満、批判、そういうものがある種の国にあって、特別の要求があったというような事情なり背景というものはあるのかないのか、簡潔でいいですから……。

池田廸彦外務省経済局国際機関第一課長

○池田説明員 お答え申し上げます。  わが国の特定の制度を外国があげつらってこれの開放化なりあるいは国際化なりを迫る、こういつた事情はございません。これは東京ラウンドの全体の目的でございます関税及び非関税分野の貿易障壁をできるだけ国際化し、その障壁を下げていく、こういう各国の共同努力の一環といたしましてこの規格の分野についても国際協調を深めていこう、かような趣旨でこの協定ができたものでございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 今度のこの法律改正の一つの大きな目は、海外にJISマークを開放するというところにあると思うのです。具体的に特定の国からJISの工場の申請というものがすでにあるのですか、これは外務省であるかどっちであるか知らぬが。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 日本貿易振興会等を通じまして調査いたしましたところ、JISマーク表示の承認を希望する外国企業数は全部で六十余りになっておりまして、そのうち、発展途上国の企業がほとんどを占めておるようでございまして、先進諸国の企業はわずかでございます。発展途上国の企業のうちにはJISの基準に達していないものも多いというように考えられますので、日本向けの輸出比率も余り大きくないということもございまして、実際に承認申請をしてくるものは一部に限られてくるだろうというように考えております。したがいまして、当面承認申請数は実際上大きな数にはならないんではなかろうかというように見ております。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 もう一度聞きますが、希望が六十工場からですね、ともかく出ている。おおむね発展途上国のものである。しかし実際にJIS化するということで言うと、幾つかの理由で必ずしも多い数にはならないというふうに見ておられるということなんだが、それはしかし十分な根拠を持って言えることなんですか。今度の五十五年度予算の上では非常に限られた工場、たしか三工場程度が組み込んであるように思うのですね。ヨーロッパで一つ、途上国関係二つという程度の範囲、これは根拠がありましょうね。どういう根拠でこういう予定をしておるのですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 いま院長から御答弁いたしましたように、私どもの方で今回ジェトロ等を通じて調査したところでは、JISマーク表示の承認について希望を持っているあるいは関心を寄せているという外国の企業数が六十幾つ出ているわけでございますけれども、実際に私どもが、これは東南アジア諸国が多いわけでございますけれども、こういうところの情勢を当たってみましたところでは、院長からも答弁いたしましたとおり、なかなかいますぐにJIS規格に合格した製品を製造するというところまでは達していないのではないかというふうに思われるわけでございます。また、それらの企業自身がそれでは非常に熱意を持って技術の改善に努めまして、すぐにJIS規格の表示許可の申請をしてくるかと申しますと、やはりその企業の日本向けの輸出比率もそれほど多くないといったようなところも多うございまして、なかなかそこまで踏み切るところも多くないのではないかというふうに考えるわけでございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 業種で見ますと、どういう業種が多くあるということでしょうか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 やはりこれまでの調査によりますと、申請の希望品目といたしましては電気製品が中心となっておりまして、その次が機械製品ということになっております。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 海外工場からの申請許可の仕組みというものが国内のそれと比べてみるとちょっと違うのですね。これはなぜですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 海外工場からの申請許可の仕組みが改正案において国内と若干異なっているという御指摘でございますけれども、海外工場におきましてはわが国の権限が及ばないために、工場検査拒否等が万一あった場合にはその制裁として刑事罰を課することをしない、それにかわりまして承認の取り消しに結びつけるというふうにしたわけでございます。こういった若干の点において差異を設けてはいるわけでございますけれども、申請手続あるいは承認に当たっての審査内容等、実体的なほとんどの点においては国内と同様の取り扱いをしているつもりでございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 特に国内工場に比べて海外のものが甘くなるというようなことはないわけですか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 外国工場の承認をするに当たりまして、国内工場の場合と同様に主務官庁の職員が当該工場の生産条件を直接審査することにいたしております。また、承認をしました外国工場については、今般導入することとしております承認検査機関等による検査あるいは報告徴収を活用いたしましてその生産条件の確保に努めると同時に、必要な場合には直接職員を派遣いたしまして工場の生産条件を検査させるというようなことを行いまして、国内工場と同様に厳正な監督を実施してまいりたいと思っております。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 海外の工場から申請があった場合には、現地へ職員を出して従前の国内の許可審査の方式でやるんだ、それに対応する体制というのか、当然そういうこともつくっていかなきゃならぬということになるわけでしょうし、そういうものはもちろん準備をされていると思うのですが、これは五十五年の予算の中にもそういう体制なりはもちろんつくられているわけでしょうね。たとえばその審査官のようなものはかなり外国の事情に精通しておるとかあるいは語学が十分でなければならぬとか、やはりそういう体制づくりの問題も出てくるし、なかなか大変な仕事だと思うのですが、その場合の実際の費用分担というのはどういう形になるのかということを含めていま準備がどう進んでいるか、簡単にお答えいただきたい。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 海外に審査監督のために政府職員を今後派遣することになるわけでございますけれども、その予算措置、具体的に申しますと出張旅費等の問題があるわけでございます。五十五年度の予算案におきましては、承認申請希望外国企業の調査結果等を踏まえまして、欧米について一件、東南アジア二件、計三件の申請を見込んで所要の予算措置を講じてございます。また、審査に要する経費は手数料として承認申請者から徴収することになるわけでございます。  それから御指摘のございました語学等の問題でございますけれども、これは私ども標準部といたしまして昨年から語学研修等を熱心にやっているというようなことで、できる限りわれわれの審査に関する能力のレベルアップに努めているところでございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 一番聞きたいことなんですが、今度の改正を通してJISマークを海外に開放するということで、海外製品が多く入ってくるということを通してのデメリット、国内産業への影響、こういうものをどういうふうに見ておられるのか伺いたい。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 わが国の産業は、設備の近代化とか新技術の開発等におきまして、国際競争力の強化に努めておるわけでございまして、輸入品にJISマークをつけることができるということになりましても、直ちに輸入品が急増いたしましてわが国の産業が圧迫を受けるというおそれはないものと考えておるわけでございます。むしろ一般消費者にとりましては、輸入品についてもJISマークが商品を選択する場合の指標として、大きな便益を受けるというメリットもあると考えておるわけでございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 たとえば官公需などではJISマークのものを限定して使うということで、企業経営上のメリットはあるのですね。こういうものが、途上国等から大変安いものが入ってくるというようなことの中での影響なんというものは全く考えられないと考えているのでしょうか。あるいはまた逆に、大変な粗悪品がJISのマークをつけて入ってくるという懸念も全くないと考えておられるのでしょうか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 JISマークを外国品に開放することによりまして、その影響が全然ないとは申し上げられないかと思います。しかし、先ほども申しましたように、わが国の技術力が急速に向上しているということもございまして、その心配はそうはないと考えておるわけでございます。と同時に、後段のお話にもございましたように、JISマークをつけた製品が安心して使えるという立場から考えますと、消費者の皆様方が輸入品をお使いになる場合に、一つの目安としてうまく使っていただけるものだろうというように考えているわけでございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 今度の改正の背景になっている協定なりの流れで言うと、特にJISの開放ということは東南アジアなどの途上国に対して注意を喚起しているといいますか、そういう流れが一つあると思うのですね。しかし、日本の国内企業、とりわけ中小企業の場合で言うと、政府の施策は中小企業に対しては大変冷たい。大企業からのさまざまな圧迫、加うるにいわゆる途上国の追い上げ、そういうしわ寄せば実際中小が背負っておるということがあるわけで、そういう意味で言うと、神経質になるかもしれないけれども、このJISの開放ということを通しても悪い影響はないだろうかという心配をせざるを得ない状況があるわけです。メリットはあるけれどもデメリットは全くございませんとおっしゃったから、本当ですかと言えば、そうも言い切れませんとおっしゃったように、それはそういうことだろうと思うのです。  中小企業庁長官にお見えいただいておるようでございますので、中小企業対策という立場で、この点はどういうお考え、対応がおありか、伺っておきたい。

左近友三郎中小企業庁長官

○左近政府委員 いま先生のおっしゃいました御心配、ごもっともな点があると思います。ただ、日本の中小企業も経済の国際化というものに対応いたしまして、ここ数年設備の近代化とか技術の向上、いろいろな努力をいたしまして、一昨年までの不況、円高という中でも何とかしのいできました。これもやはり中小企業の技術力がだんだんと向上したからだろうとわれわれは考えておるわけでございます。したがいまして今後も、長期的なわれわれの心構えとしては、やはり技術力を向上いたしまして、そういう発展途上国から来たものについても十分品質その他で対抗し得る体制を築き上げていかなければいけないというふうに考えておりますし、現在までのところではJISマークがたとえ輸入品に適用される段階になりましても、現在の段階ですぐに非常に大きな影響が出てくるというふうにはわれわれ考えておりませんけれども、しかしながら、これで油断をしておってはいけないということでございますので、従来にも増して中小企業の技術力の向上を図るという点を中心に、われわれの政策を進めていきたいと現在考えておるところでございまして、実はこの中小企業の技術向上政策については、一つは公設の試験研究所の中小企業に対する指導あるいは研修、あるいは中小企業自身の技術開発に対する援助というものを中心に従来も力を入れておったわけでございますが、五十五年度にはさらに大いに新政策も入れまして、大体五十四年度は二十二億弱の技術向上対策費でございましたが、五十五年度は大体二十六億六千万円、こういう予算の厳しいときでございますが、二割以上の金額をふやして対策を講じていくということも考えております。したがいまして今後も、われわれも油断をせずに技術力の向上という点でこれに対応いたしたいと考えておるわけでございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 スタンダードコードの受諾に伴って起こってくる一つの問題は、国際規格への準拠という課題があるわけです。国際規格に準拠し、追随するという側面だけではなしに、いま一つ言えば、逆にこういうものに日本の立場をどう反映させるかという面ももちろんあるはずだと思うわけです。ISO、IEC、これらの国際機関に対して日本の立場を反映する仕組みというのはどういうことであるのですか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 ちょっと数字を申し上げますと、昭和五十三年末現在におきましてJIS総数は先ほど申しましたように約七千七百でございますが、国際規格でございますISO、IEC規格はそれぞれ三千七百、それから八百八十ということになっております。  政府といたしまして両者の整合性について具体的に調査したものはございませんが、機械関係及び電気関係につきまして、国際規格とJIS規格の整合性を民間の団体が調査しておりますので、その結果によりますと、ISO、IEC規格の中で対応するJISのありますものは約半数弱でございます。それから、その対応するJISがあるISO、IEC規格の約三割がJISと整合性がとれておるのでございます。今後新たに制定いたします規格については、スタンダードコードにのっとりまして、わが国固有の事情を配慮しながら国際規格に準拠させていく所存でございますが、既存の規格につきましても、規格の見直しに合わせまして、昭和五十五年度から数年かけまして必要な調査、それから実態研究等を実施いたしまして、国際規格との整合性を図っていくことにいたしたいと思っております。  なお、補足いたしますと、現在でもISO、IECの規格をつくるときに、日本もこれに参加いたしまして、できるだけ日本の立場が反映するように努めておるところでございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 いまのJISの国際的な整合性というのもわかりますし、国際機関に参加をしていくということもわかりますけれども、ただ実態で言いますと、二つの国際機構の中で国際規格の制定を実際に行う実務的な機関は、日本の場合も同様ですけれども、各種の専門委員会にあるというふうに思うわけです。そしてその中の幹事国が事実上リーダーシップをとって運営をやっている。私が聞いた範囲では、百五十七の専門委員会のうちわが国が幹事国になっているのは二つだけである、こういうお話なのでして、その部分だけで見ますと、日本の立場を存分に反映をさせますと言葉ではおっしゃるけれども、中身は大変うつろな中身でありまして、日本の立場を反映する保障などというものはその面で見ると乏しい、非常に弱いというふうな気もいたします。これからの問題だと思いますけれども、この点は一つ指摘をしておきたいというふうに思うのです。  さて、時間も大分詰まってきましたので、次に伺いますが、規格の見直し期限を三年から五年にするというやつが国際化の中で新しく出てきているわけですね。このことでの障害はないのだろうか。先ほども審査期間のことに触れて言いましたけれども、技術進歩の大変目まぐるしい今日、三年を五年にするということでの障害はないでしょうか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 規格の見直し期間についての御質問でございますが、ISO規格の見直し期間が五年間という期間を採用しておりまして、今回、わが国の法改正に際しましてこれに合わせるということにいたしたのでございます。  なお、従来の運用状態を見てみますと、三年内に規格の内容の改正までなったものの割合はきわめて少のうございまして、さらに、見直しの期間に至らなくても、主務大臣は必要があれば制定された規格を改正することも可能でございます。当省といたしましては技術進歩がきわめて著しい分野におきます規格等につきましては、従来の運用どおり絶えず見直しを行いまして、技術進歩に即応させていくということといたしておりまして、本改正により適切な見直しに障害が生ずるとは考えていないのでございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 今度の改正の中で、認定検査機関というやつを、民間の検査機関に委託し得るという道を開いたということだと思うのですが、この理由は何でしょうか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 今般の認定検査機関による検査制度の導入は、消費者保護の見地を初め、JISマーク指定商品についての規格の適合性の確保を図ることが要請されておりますJISマーク表示制度を、今後予想される許可工場数の増大に対応いたしまして、一層信頼に値する制度として機能させていくために、現行の監督体制を民間の検査機関を活用することによりまして強化しようということが趣旨でございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 どういう検査機関に検査をさせようというのですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 検査機関を認定あるいは承認いたします場合の基準といたしましては、当該検査機関が検査業務を遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力を持っているかどうか、また検査業務の実施が不公正に行われるおそれがないものであるかどうかということを基準として行ってまいりたいと思っております。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 いま立入検査というのがあるでしょう、これはやめちゃうわけですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 今回の認定検査機関による検査制度の導入は、日本工業規格の改正時等の必要な場合に許可工場の検査をこれらの認定検査機関に行わせるということでございまして、主務大臣の行う立入検査は、当該認定検査機関の検査結果に問題がある場合等、特に必要な場合に限って効果的に実施していくという趣旨でございまして、現在までやってまいりました立入検査を廃止するという趣旨ではないわけでございます。認定検査機関による検査制度を導入することによりまして、許可工場の監督が、この両者の併用によりましてより円滑かつ厳正に行い得るように考えているところでございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 この民間の検査機関への監督は、どこがどういうふうにやるのかやらないのか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 これらの認定検査機関あるいは承認検査機関に対しましては、検査業務の実施状況等につきまして報告を求める一方、必要と認める場合には係官を派遣いたしまして立入検査を実施することといたしているわけでございます。これらによって厳正な監督を実施してまいる所存でございます。

渋沢利久日本社会党

○渋沢委員 最後に、せっかく次官もお見えでありますから総括的に、私幾つかお尋ねしましたが、特に消費者保護の立場という観点で、必ずしも機関の公正配置の面で十分とは言えない。おっしゃるほどきめの細かい生活感覚でJISの運用を図っているとも、努力は存分に認めているけれども、しかし、消費者の生活感覚、物差しではかるとまだまだちょっと問題がある、物足らないという感じを私受けながら質問をいたしました。あるいは今度のJISの国際化、開放ということを通して、それでなくても苦闘している国内の中小企業の立場に悪い影響はないんだろうかということについても一つの課題であるというふうに思っておりますし、そのほか、海外工場の申請に対する審査、許可等の作業を通して、一体十分な体制が整っておると言えるだろうかという問題も残っている。日本のJISから世界のJISへということを目指すわが国の役所の決意はわかるけれども、体制は必ずしも十分とも言えないのじゃないだろうか。幾つかの問題点があるように思いますが、以上の私の質疑に関連をして、ひとつ大臣にかわってあなたのお考えを最後に伺って、私の質問を終わりたいと思います。

梶山静六自由民主党・自由国民会議通商産業政務次官

○梶山政府委員 日本工業標準調査会の委員構成その他についての御意見がございましたけれども、私も内容に関しては残念ながら承知をいたしておりません。しかし、せっかくこういうJISの実質的な内容の検討をする時期でもございますので、積極的に渋沢委員の御見解を尊重しながらひとつ検討してまいりたいという気持ちでございます。  先生御案内のとおり、日本という国は貿易立国を旨としておりまして、自由経済体制を維持、拡大していくことは何よりも大切なことでございます。この東京ラウンド交渉の結果、国際的な責務を伴ったJISマーク表示制度の海外への開放というのは、この種の制度が外国から日本に開放されているという現状とも照らし合わせてみて、どうしてもなさなければならない問題でございます。ただ、この際、国際化によって国内の中小企業その他に混乱や打撃がないように配慮することは当然でございます。先生御指摘のように、細心の注意を払ってこれから技術の向上対策や中小企業の安定的な発展のために積極的な政策を遂行していきたいという気持ちでいっぱいであります。特にこの工業標準化法の運用に当たっても、関係中小企業の意見を、先ほどの調査会その他を通じて十分生かせるように配慮してまいりたいと思います。  それから、JISが世界のJISとして権威あるものにする必要があるだろうということは全く同感でございます。産業の基盤となる技術の交流はきわめて大切な問題でございまして、この国際的な開放を契機として、さらにこの内容的な向上を図っていかなければならないと思います。  JIsが世界のJIsになるということは、わが国の技術が世界に通用するということでございまして、現在約七千七百のJISの規格数がございますが、これは世界の先進国とおおよそ同数でございます。ドイツはきわめて高い数を持っておりますが、その他の先進国の数とほぼ似通っております。ですから、これからはむしろ国際的な均衡と申しますか、標準化、それから先進国としての権威を保つためにも内容の向上にひとつ積極的に取り組んで、世界のJISとしての権威を高めてまいりたいと思います。  以上です。

塩川正十郎自由民主党・自由国民会議

○塩川委員長 これにて渋沢利久君の質疑は終わりました。  引き続いて松浦利尚君の質疑に入ります。松浦利尚君。

松浦利尚日本社会党

○松浦委員 いま渋沢委員から質問がありましたが、これは東京ラウンドの国際合意でありますスタンダードコードについての手続法でありますから、内容的にはそんなに問題はないというふうに私は理解をいたしております。ただ、問題は、これが手続法だけに、この運用いかんによってはいろいろな意味で将来の産業政策に影響を与えるという分野が非常に危惧をされますから、そういった問題に限定をしてお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、その前に、外務省の池田さんにまずお尋ねをしておきます。  いま日米間で大変な経済摩擦が起こっております。自動車の問題あるいはわが国の官公需の門戸開放問題等々、いろいろな議論が日米間で行われておるわけでありますが、こうした動きも東京ラウンドにその出発点があり、その後の日米間の外交政策あるいは経済政策の中から生まれてきた問題点の幾つかでありますから、アメリカからお帰り早々ですから、アメリカの気持ちは一番御理解いただいておると思うのです。  そこでお尋ねをいたしたいのは、この官公需の開放問題特に電電公社の開放問題について、先般牛場さんが、六月までには決着をつけなければならぬだろうということを新聞談話で出しておられるわけであります。これが果たして事実なのかどうか。現在まで日米間の電電公社の門戸開放問題についてどういう話し合いになっておるのか、その点をもし御答弁いただけるなら、わかっておる範囲内でお答えをいただきたいと思います。

池田廸彦外務省経済局国際機関第一課長

○池田説明員 お答え申し上げます。  電電公社問題に関する日米協議につきましては、昨年のいわゆる牛場・ストラウス共同声明に従いまして、昨年七月、九月、十一月、さらに本年二月と四回の事務レベルの会合をいたしております。その会合におきましては、主として日米電気通信事業の実態、調達手続の実態、こういった実態解明の作業をいたしております。わが方からは、ATT、ベルシステムの事業組織でございますとか、調達関係の組織、手続といったものにつき種々説明を受け、さらに資料を受領してその分析などをしておる。これに加えてアメリカの連邦政府、州政府の規制、その実態につきましても事実解明の作業を進めております。また、わが方からは米側の質問に答えまして、そもそも日本が電電公社制度というものをとっているよって来るゆえんのもの、この理由を説明したり、電電公社の調達手続等について説明を加えております。現在の段階ではかなり解明は進んだと言えますが、私どもから見ます限りにおいては、まだ解明を要する点が残っております。  先生御指摘の新聞報道につきましては、私どもはその特定の人の発言内容をそんたくする立場にございませんけれども、これまでアメリカ側に対してとっております立場といたしましては、判断を下す前にまず正確に両方の実態について共通の認識を持たなければならない、そこの部分を捨象して、まず頭から特定の期日を設定して、何が何でもそのときまでに決着を図るという方法は正しくない、日本側としては解明を要する点がまだ残っておると考えるので、そういう点についてさらに協議を続けたい、かような態度をとっており、その旨アメリカ側にも申しております。

松浦利尚日本社会党

○松浦委員 そうしますと、アメリカ側には牛場さんが言ったように六月という日にちを限定したことはない、何月までという期限を切って話し合うという交渉経過は過去に全くなかったということですね。

池田廸彦外務省経済局国際機関第一課長

○池田説明員 先生御指摘のとおりでございます。アメリカ側と話しておりますこの協議の手順、枠組みと申しますものは、昨年六月の牛場・ストラウス共同声明でございます。その中では、本年末までに双方納得のできる解決策を探究しよう、かようになっております。

松浦利尚日本社会党

○松浦委員 くどいようですが、もう一遍お尋ねをしておきますが、アメリカの大統領選挙前にこれを解決しなければならぬという大変厳しいアメリカ側の政治的な圧力があるというふうに盛んに新聞報道されておるのですが、そういう事実はない、東京会談で確認したように、今年度いっぱいということで理解をしておっていいわけですね。

池田廸彦外務省経済局国際機関第一課長

○池田説明員 牛場・ストラウス共同声明の話は別にいたしまして、現在米側との間に特定の日取りについて合意していることはございません。しかし、このことはやはり実質と絡んでまいります。問題はやはり実質でございまして、日米双方にとって納得のできる解決の枠組みと申しますものが浮上してきますならば、それが浮上しながらなおかつ便々と時を過ごすということは、これはまたこれで好ましいことではございません。したがって、合理的な解決のめどが立つ、そのためにはたとえば事実解明の作業がさらに進捗するということが一つの必要条件でございますけれども、そういう条件が整ってまいりました段階では、早くこの問題を片づけることができれば早いに越したことはない、かように考えております。しかしながら、もう一度繰り返しますけれども、特定の人為的な期日を合意して何が何でもやみくもにそれまでに決着を図る、かようなことは考えておりません。

松浦利尚日本社会党

○松浦委員 それでよく理解ができましたが、問題はこの工業標準化法が通った後、これは全くの手続法でありますから、法律そのもののたてまえからいけば問題はありません。しかし問題は、このJISを開放することによって力といいますか、要するに政治力なり経済力をバックにして、力で自国の主張を通そうとする動きに利用されるんじゃないかという危惧を非常に持つので、それで現在の日米経済交渉の内容について、特に電電公社の調達の開放問題についていまお話をお聞きをしたわけでありますが、率直に申し上げましてJISはどちらかというと日本の方がアメリカに比べて非常に厳しいというふうに理解をしておるのです。むしろJIS規格は日本の方がすぐれておるというふうに私は判断をしておるのですが、ただ問題は双方にJIS規格のないもの、たとえば今度の日米間の最大の焦点になるであろう、特にアメリカでわが国よりも進んでおるという分野、それは情報産業という分野がアメリカではわが国よりも非常に進んでおる。特に大型のコンピューターを含めて情報交換というような本体についてはアメリカの方が進んでおるというふうに理解をしておるのですが、こういったお互いにJISのないものについて、アメリカ側からJIS規格についての国際規格をつくろうではないかという話し合いをする場所というのが出てくるんじゃないだろうか。もっと端的に言うと、アメリカから技術をわが国に押しつけられて、JISのないものについてそれに合わしたような形のわが国におけるJIS規格というのができ上がっていくんじゃないだろうか。そういう懸念が非常にしますのでお尋ねをするわけですが、テーブルについて話し合いをするときに、全くお互いにJISがないものについて、アメリカ側からこれについてJISをひとつというような話し合いは、この法律上はありませんけれども、たてまえ上はないけれども、実態としては出てくる可能性はあるんじゃないでしょうか。その点はどうでしょうか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 ただいまの御質問は、いわば最先端の技術分野のお話だと思うのでございますが、こういった分野におきましては、技術内容が特許とかあるいはノーハウとして特定の企業に独占的に使用されている場合が多いわけでございます。このような場合には、その企業が特許権等を武器にいたしましてJIS規格の作成を強要するケースが想定し得るわけでございます。しかし、その場合におきまして日本の立場といたしましては、JIS規格制定に際しまして妥当な条件で特許を公開することが一つ。それから、工業標準調査会におきまして利害関係者の意見が一致するということが前提でございます。したがいまして、外国の圧力に屈して一方的な規格制定が行われるというような事態は考えにくいわけでございまして、そういった意味で日本の技術開発の芽が摘まれることもないだろうというように考えておるわけでございます。  なお、御指摘のコンピューターとかエレクトロニクス等の最先端技術分野におきましては、その重要性にかんがみまして、今後とも技術開発を積極的に振興していくということが必要かと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦委員 これから恐らく日米間で最大の焦点になるのは、私はやはりいまお話しになった分野だろうと思うのですね。その分野に対してはJISというのはもうほとんどないという状況です、両方ともに。ですから、わが国にどんどんアメリカから進出をしようとすれば、たとえば電電公社なら電電公社の調達分野に入っていこうとすれば、いまは電電公社の仕様書という形で調達されておりますけれども、この手続上JIS規格をつくろうじゃないかということから入ってまいりますと、逆に言うと手続上の問題として、相手側のペースに乗って相手側に一方的に開放を迫られるという形になる可能性が十分あるのじゃないかという気がしますね。ですから、そういうものは時の姿勢による問題ですから法案とは全然無関係で、そのときのわが国の姿勢にかかわる日米間の問題だと思うのです。ただ、そのときに、私は専門家でありませんからお聞かせいただきたいのですが、あくまでも相互平等互恵というのが前段にあると思うのです。ですから、アメリカも日本も平等であり互恵だ、お互いに譲り合うという前提があると思うのですけれども、そういった場合に片一方は、たとえばある分野については日本からアメリカに大量にアメリカの規格に従って上陸をしていく。逆に言うと、今度はアメリカ側から日本にアメリカのすぐれたものが逆上陸をしてくるという、そういう可能性というのはこれから多分に出てくるというふうにわれわれは受けとめておく必要があるのじゃないかという気もするのですが、その点については私の考え方というのは余りにも過敏過ぎますかね。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 いま先生からお話がありましたように、基本的に申しますと、今度のスタンダードコードを受諾することによりまして世界各国の貿易障害が少なくなりまして、ある分野についてはある国の製品が貿易的に進出する、また逆のケースがあるということが一つの考え方の基本であろうかと思います。  ただ、先生からいまお話がありました電電公社等の問題あるいは最先端の技術分野の問題につきまして米国からの圧力がどういうふうになるかという点につきましては、いま申し上げました一般論と若干違った見方ができるのではないかというふうに考えるわけでございます。電電公社等の調達にかかわる物品の主体は、非常に特殊用品であるものが多いということから市場性が少ない。したがいまして、私どもがJIS規格をつくる場合に、やはりJIS規格と申しますのは市場性の多いものについてつくられるものでございますから、一つの企業の特殊な調達部品といったようなものについてJIS規格をつくるということは非常に少ないのではないかというふうに考えるわけでございます。また、仮に米国からそういった圧力といったようなものがあったといたしましても、スタンダードコードで私どもが守らなければならないのは、国際規格に整合するようにということでございます。国際規格は御存じのとおりISO規格でございますとかあるいはIEC規格といったものでございます。米国の規格にわれわれが整合させなければならないという義務はどこからも出てこないわけでございます。したがいまして、米国がそういったことを考えているといたしましても、それは一つのクッションを置きまして米国の意見がISOあるいはIECに反映し、それらの参加国すべての国が米国と同調するといった事態がなければ、そういったことには日本側としての義務は発生しないわけでございます。そういったことから、私どもといたしましては今度の法改正あるいはスタンダードコードの受諾によりまして、早急に先生の御指摘のような問題が出てくるというふうには現在考えないわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦委員 もう一遍くどいようですがお尋ねしておきますが、確かにいま言われたことはこの手続でいけばそのとおりなんです。しかし、問題は国際規格のないものについて国際規格をつくろうじゃないかという話が当然出てまいりますね。そうしたときに、日米というのは密接不可分の関係に経済的にはあります。もっと端的に言うと、日米を中心とした集団とそれからECを中心としたヨーロッパ集団というのが対立して存在をするわけですね。そうしたときに、国際規格をつくろうじゃないかといった場合に、まずどういうアプローチをするのかと言えば、日本と米国との間で話を進めてそしてヨーロッパに対抗する、そしてその主張を持ち込むという形になるでしょう。ですから先ほど言うように、法律そのもののたてまえは確かにそのとおりだけれども、そういう場合に一体どう対応するのか。ですから、この法律から外れておりますけれども、そういう運用の問題、運営の問題というのがこれから逆に言うと日米間の新たな問題として提起されてくるんじゃないか、そういう不安がつきまとうんだということを私は冒頭から申し上げておるのです。それは時の政府、時の経済力の力関係で決まるんだと言ってしまえばそれでおしまいですけれども、ですからそういう場合にはアメリカ側に対しても日本の国益を害する場合にはノーということだけはやはり担保されておるんだ、そういうことをこの法案には無関係だけれどもはっきりしておかないと、われわれが賛成をして、反対をする法律じゃありませんから賛成をして通したけれども、何年か先にはそのことが障害になったということになったら非常に心配ですから、その点をひとつ私はくどいようですけれども念を押してお尋ねをしたわけなんです。その点はそういうふうにはっきりしていただいてよろしいですか。政治は流れますからいまここで何と言おうとまたころっと変わるかもしれませんけれども、現在の判断としてどうなのかということをお聞きしておきます。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 御指摘がございましたように、国際規格をまずつくろうじゃないかというアプローチをもって、実質的に都合のいいJISあるいは規格をつくらせるということがないだろうかという御指摘だと思うのでございますが、国際規格をつくるときにおきましても、これは工業標準調査会に実際上審議していただきましてJISを決める、あるいはJISを決めることによりましてどういう影響が出るかというようなことを十分御審議いただきましてからそういう方向に進めるということになるわけでございまして、先ほど申しましたように、特許の公開を前提としあるいは実際に関与する皆様方の御賛同を得なければJIS規格としてはできない、こういうことになるわけでございます。あるいは国際規格としても伸ばしにくいということになるわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦委員 わかりましたが、今度はその逆の場合ですね。これはアメリカ側から言わせればちょっとおまえの発言は厚かましいじゃないかと言われるかもしれませんけれども、日本のJIS規格が非常に高いレベルにある、アメリカのJIS規格は非常に低いところにあるという場合に、国際統一規格ですから問題ないと言ってしまえばそれまでですけれども、低いところでJIS規格をわが国に押しつけられるんじゃないかという、そういう不安感も出てくるんですね。そういう場合にはどういうふうに対応するんでございますか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 アメリカの規格に対しまして日本の規格の方がレべルが高いではないだろうかという前提でのお話でございますが、これはいろいろございまして一概には言えないのでございますが、大づかみにいたしまして少なくとも国際規格に関する限りレベルは同等であろうというように私は考えております。  なお、人の生命だとか健康だとか環境保護というような理由によりまして、国際規格に準拠することが適当でないというような場合には、国内規格を国際規格に準拠させる必要がございませんので、消費者に特段の問題が生ずることはないだろうというようにいま考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦委員 それからこれは先ほど渋沢委員も御質問なさっておられたんですが、もう一遍重複するような感じですがお尋ねしておきたいのは、このJISを開放することによってわが国の中小企業に与える影響ですね、そういう影響はどういう分野に出てくるというふうに考えておられるのか、仮に出たとすればそれはどういう形であらわれてくるのか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思うのです。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 お答えいたします。  先ほど渋沢委員の御質問に対して中小企業庁の長官から御答弁があったわけでございますけれども、今度のJISマーク表示制度を海外に開放することによりまして中小企業一般に対してどのような影響があるかという点につきましては、最近の中小企業の技術レベルの上昇は非常に目覚ましいものがございまして、一般的に言えば海外にJISマークを開放したことによる特段の影響はないのではないかというふうに考えるわけでございます。ただ今後十分に状態をウォッチいたしまして、何らか中小企業のある分野に対して大きな影響が出るといったようなおそれが出てまいりました場合には、それらの業界に対する資金の融資あるいは基本的に申しますとそれらの業界の技術力の向上にできる限りの努力を払いたい、こういうふうに考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦委員 いま言われたことは言葉ではよく理解できますけれども、それじゃ具体的に、通産省としてはほとんど影響はないだろうというふうに言われましたけれども、仮にという前提でお話になりましたが、私もだから仮定の問題でお尋ねをいたしますが、仮にJISを開放することによってわが国の中小零細企業に影響を与えた場合、そういう場合にはもちろん技術援助ということを言われました。あるいは助成ということも言われたのですが、そういう予算というのはどういうところから支出を通産はなさるのでございますか。これは政務次官、いま通産省の方が来ておられませんから、政務次官とそれから産業局長とお二人ですけれども、産業局長はまた別のことで来ていただいたので、それならば政務次官になるのですが、いま担当の責任者の方から御説明がありましたが、もし仮にそういう状態が起こったときの予算措置はどういう形でなされるのか、ひとつ政務次官の方からお答えください。

梶山静六自由民主党・自由国民会議通商産業政務次官

○梶山政府委員 仮にの質問でございますが、確かに中小企業に対して影響が出てまいった場合は、実はいまでもございます設備近代化資金であるとか、いわゆる資金的な援助、助成そういうものと、あとは技術改善の補助費とかそういうものの両方を併用しながらこれに対応していきたいという考えでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦委員 政務次官、突然の質問ですから御準備がなかったと思うのですが、いま回答されたので私は質問することになったのです。しかし、こういうJISを開放することによって中小企業に全然デメリットはないという前提に立てばこれは問題ないですね。しかし、仮定の議論でありますけれども、起こり得る可能性があるということになれば、言葉ではいまきれいに答弁なさいましたけれども、具体的にもう一遍測定をしていただいて、このJIS規格開放によって本当にあるのかないのか、具体的にあるとすればどういう分野で当面出てくる、それじゃその部分についてはこの予算でこういうふうにするという具体的なものもある程度検討して御報告をいただきたいと思うのですよ。その点はきょう御答弁いただかなくても結構です。法案が上がる前に大臣なりを通じて担保していただけば結構ですから、そういう点についてここでお約束していただけますか。

梶山静六自由民主党・自由国民会議通商産業政務次官

○梶山政府委員 ただいままでいろいろな資料の中で測定をされますと、それほど大きな影響がないという答弁をいたしておることは事実でございます。ただ、開放することによって全く影響がないかと言えば、全く影響がないならば開放を要求されるはずもないし、またやるべきでもございません。ただ、開放することによって、前段私が申し上げましたように自由経済のメリット、お互いの技術の競争、そういうものを通じてむしろ消費者の利益を確保する、そういう大前提に立つならば、適正な競争がなされるべきことが期待されてしかるべきだと思うのです。ただその際、急激な変化を与えることは好ましくないし、それに対応するために、技術や資金の分野でほかの企業と対抗ができるように国内の中小企業を保護していくことは当然のことであります。

松浦利尚日本社会党

○松浦委員 それはよくわかるのです。政務次官の言われることを否定はしません。いま言われたように確かにメリットはありますね、メリットがあるからこれをやるのですから。しかし問題は、デメリットの分野として中小企業の場合を申し上げたのであって、ですからデメリットの分野について、これが直ちにどういうところに影響が出るのか、全くないのか、そういうことをもう一つ測定していただいて、そういう分野に対しては先ほど技術開発のための援助資金を出すとか、あるいは近代化資金を出すとか言われましたけれども、具体的にこの法案について、こういう分野に影響があるとすればこういうふうに対応しますという意味のことを、この法案が通る前で結構ですから、ある程度測定をして御返事をいただけますかと、こう申し上げておるのです。

梶山静六自由民主党・自由国民会議通商産業政務次官

○梶山政府委員 現在予測し得る段階のものを一生懸命検討はいたしておるようでございますが、さらにそういう懸念を強く打ち出しまして、それなりの起こり得る予想を早急に立てて対策を講ずるようにいたしたいと思いますし、その資料を早急に出したいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦委員 政務次官にお願いしておきます。理事会の御決定によりますと七日にこの法案は上げることになっておるそうですから、早急にひとつ、早く上げたい法律であればあるだけに、それは政務次官言われたように整備してお出しいただきたいと思います。よろしくお願いします。  それから、これはこの問題とちょっと関係がないことになりますけれども、実は国内のJIS規格について最近消費者から非常に苦情の多い問題がありますから、その分野について機械情報産業局長の方にお尋ねをしておきたいのです。  御承知のように、いまポストカラーテレビとしてビデオコーダーがものすごく出ておるのですね。ところが、このビデオコーダーというのは御承知のようにJIS規格がございません。しかも非常に価格の張るものであります。いま市場には二ヘッドと四ヘッドという二つの機種が流れておるのですが、同じメーカー、Aというメーカーで二時間のビデオコーダーを買いまして、そうすると去年の暮れあたりから六時間使用可能のビデオコーダーが出たのですね。ところが、同じ会社の製品でありながら、二時間と六時間というだけで、この二時間の機械には六時間の互換性がないわけですね。全く互換性がない。ですからまた新しい機械を購入しなければならない。そういう意味で、非常に速いスピードでこのビデオコーダーというのがどんどん移り変わっていくのにかかわらず全くJIS規格がない。そのために買った消費者は非常に迷惑しているわけです。これは前々から家電業界でも何かJIS規格をつくろうじゃないか、一つの技術標準をつくろうじゃないかという話が進んでおるようですけれども、なかなかそれがまとまらない。結果的に高い物を買ってみたけれども、互換性のない物を買わされておったということで苦情が非常に多くなっているわけです。こういうビデオコーダーに対する規格というものを業界と話し合いをして制定する御意思があるのかないのか、これが一つであります。  それからもう一つは、互換性のないものは、これは公正取引委員会の範疇にもなるでしょうが、やはり互換性がないということをはっきりさせて消費者に売るということが必要じゃないか。だからそういう意味では、これは六時間のものに対して互換性はありません、あるいは二時間のものに対して互換性がありませんということを明確に表示をして消費者に売るような御指導ということについてお考えになる気持ちがあるのかないのか、この二点についてひとつお答えいただきたいと思うのです。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○栗原政府委員 VTRの規格統一の問題でございますが、御承知のようにこれは昭和五十年ごろに発売されたと記憶しておりますけれども、その当時には四種類考えられておったわけですが、私ども通産省といたしましてもやはり規格が統一されないと非常に不便であるという観点から、できるだけ統一をするような指導をいたしてまいったわけでございます。しかしながら、現在二種類ではございますけれども、必ずしも一本にはまとまらなかったという経緯があるわけでございます。この二種類をさらに一種類にすることにつきましては、現時点におきまして、両種類とも全世界的に普及しているような状態でございますし、国内においても、一本にするということは現実問題としてなかなかむずかしい状態にあることは御理解いただけるかと思いますが、そういう時点におきましてJIS規格を制定いたしますと、これを一つというかっこうにせざるを得ないわけでありますが、この問題は、やはりJIS規格という形で一本化を指導していくことはなかなかむずかしいのではないかというふうに、率直に申しまして私考えております。したがいまして、どちらかと申しますと、この二つの方式をいま直ちにというのはなかなかむずかしいわけでございますけれども、少し長い目で見まして、新しい技術の開発と絡みながらできるだけ一本化の方向に持っていくという形で、実際の話し合いを先行させながら将来は規格統一という方向に向けて指導すべきではないかという感じを持っております。  それから、先ほど先生から御指摘のございました互換性の問題でございます。お話のように二時間物の機器それから六時間の機器、二種類あるわけでございますが、二時間物のテープを六時間物の機器で録画することは御承知のようにできるわけでございます。その逆ができない。六時間の方のテープを二時間物の機器の方で録画することができないという実態は御指摘のとおりかと思います。全く一〇〇%互換性がないわけではなくて、二時間物は両方で共通に使えるということではありますけれども、そういう意味におきまして、六時間物、長時間物の機器の販売に当たりまして、あるいは二時間物の機器の販売に当たりまして、六時間物のテープは二時間物の機器での録画ができないということについて、私もお話のようにはっきりさせるべきであると考えております。実際にどういう販売方法あるいは取扱書の内容になっているか、私、現時点ではよく承知しておりませんけれども、そういう点は明確にされるべきであるというふうに考えておりますし、その点についてはよく調査してみたいというふうに考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦委員 消費者がせっかく高いものを買って、そして買った消費者が苦情を起こすというようなことのないように、ぜひ局長さんのところで業界を指導していただきたい、消費者を指導していただきたい。両方の面、あわせてお願いを申し上げておきたいと思います。  そこで本則に戻りますが、いま申し上げたように、国内ですらも標準規格をつくるというのはなかなかむずかしい情勢がいま出てきていますね。いまのビデオコーダー一つとってみましても二ヘッドと四ヘッドという二種類が流れておって、これが規格統一するのは非常にむずかしいという状況ですから、私は、この標準化法ができてJIS規格を開放したからといって、直ちに国際的に新たなものがどんどん進行して、国際規格ができ上がっていくというふうにはなかなか障害があり、むずかしいというふうに思うのです。ただこれだけは言えることは、私はアメリカがすぐ頭の中に出てくるのですが、アメリカは日本に対しての貿易の障害、そういうものについては非常に厳しくなってきておるのですね。だから、あなたの方がアメリカに対して障害をつくれば私の方もこういう障害をつくりますよと言って、輸入規制の問題とか関税の問題を持ち出してきますね。  ですから、これからまたもとに戻りますけれども、これができ上がっていくということは、確かにオープンされていいことですけれども、利害が相対立する場合はなかなかむずかしい。そのむずかしい場合には、テーブルに着いたときにはやはりわが国はわが国の立場に立って主張すべきは主張してもらう、そういうことを私はぜひ運用する場合に、くどいようですが再度お願いを申し上げたいというふうに思うのです。ですから、これは通産大臣がおられれば大臣からお答えをいただきたかったのですが、せっかく政務次官もおいでですし、将来有望な政務次官ですから、ぜひひとつ大臣になったつもりで責任ある御答弁をいただきたいと思うのです。

梶山静六自由民主党・自由国民会議通商産業政務次官

○梶山政府委員 ビデオの例をとられて御説明になられましたけれども、残念ながらおほめにあずかりましてもビデオ自身を私は承知しておりません。早速私も見せていただいたり勉強して、自分の蒙を開いていきたいと思います。  ただ、日米間の経済問題について、標準化法等を絡めての御質問でございますが、むしろ私は、この標準化法はある意味で、そういう意味では歯どめにもなるのではないかなという感じがいたします。と申しますのは、政治とは申しませんが、経済上のバランスの問題、先生は米国の圧力、こう言われますけれども、お互いに経済の均衡のために、先生が御指摘になられましたように互恵平等という意味をどんなふうに理解をし、どんなふうに解釈をし、どのように有利に自己の立場を主張するかということは、前段申し上げましたような開放経済や自由経済と、極端なことで詰めてみますと相反する場合があるかもしれません。しかし、それぞれの利害をひっくるめて力関係が動くことは事実でございます。特に先ほど先生が御指摘になられた最先端の技術分野ではどうなるかということを考えますと、恐らくこういう分野は巨大な企業が大体開発をし製品化をいたしておるのを考えますと、標準化法で彼らが挑戦をするより、むしろ日本を代表するような巨大企業との間でどんな取り決めをしていくかということが、より現実的な問題として浮かび上がってくるのではないかなという感じがいたします。われわれも日本の立場から考えれば、外国から数多くの自由経済の恩恵を受けなければなりませんし、さりとてわれわれの国内の立場も堅持をしなければならない。そういうものが両々相まってやれるように、日本の国益を守りながら一つ一つの問題に対して対処をしていきたい。  そういうことから言いますと、最先端の技術分野では、特許やノーハウを特定の企業が独占的に所有をいたしておりますので、むしろこれを開放しあるいは公開するようなJISの制定には彼らはなじんでこないのではないかな、私個人の見解でございますが、そういう気がいたします。そういうものに彼らがいどんでくるならば、技術の公開なり別個な分野でむしろ対策がとれるのではないかなという、これは感じでございますが、不勉強な中で感ずるわけであります。ただ、国益を踏まえてという前提は松浦委員の言われるとおりでありますので、これからも一生懸命努力はしてまいりたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦委員 それから外務省の池田さんにもお願いをしておきますが、当面の焦点である日米経済交渉ですね、この問題は非常に重要な問題を含んでおります。結果いかんではたくさんの中小企業にも影響を与える専門分野がございますので、この点についてはぜひ、きょう課長さんお一人でありますけれども、その衝に直接当たっておられる池田課長ですから、いま政務次官がお話になったような立場は将来の問題ですけれども、当面の問題もやはり同じだと思いますから、ぜひそういう意味で、アメリカに対して国益というものを前提にして交渉を進めていただきたいということを希望として申し上げておきたいと思いますが、その点もよろしいですね。

池田廸彦外務省経済局国際機関第一課長

○池田説明員 先生御指摘の点を御激励として承りまして、拳々服膺いたし、電電公社を含めまして国内の関係者一同カを合わせて対処してまいりたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦委員 なかなかおもしろい言葉を言われて、若い方は御存じないと思うのですが、私はよく理解できました。  それじゃ、先ほど言いました資料をお出しいただくということもこれあり、わが党の時間があと三十二分ぐらいありますけれども、これは資料が出たときに留保させていただきまして、私の質問は一応これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

塩川正十郎自由民主党・自由国民会議

○塩川委員長 これにて松浦利尚君の質疑は留保条件をつけて終了いたしました。  午後二時再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二十八分休憩      ————◇—————     午後二時五分開議

塩川正十郎自由民主党・自由国民会議

○塩川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。中川嘉美君。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 私は、まず東京ラウンド等をめぐっての質問を若干行いたいと思いますが、東京ラウンドではスタンダード協定を初め、幾つかの非関税障壁に関する協定が作成されているわけですけれども、昭和四十八年から五十四年までの七年間にわたって行われてきたところの多角的貿易交渉、この交渉全体の成果、これを政府はどのように評価をしておられるか、この点についてまずお答えをいただきたいと思います。

真野温通商産業省通商政策局次長

○真野政府委員 御承知のように、東京ラウンドは七三年から昨年に至るまで日、米、EC中心に精力的な折衝をいたしまして、今回妥結を見たわけでありますが、ちょうどこの時期、御承知のように石油危機等ございまして、世界経済全部がやや停滞ぎみになる時期もあり、各国保護主義の芽がいろいろ出がちなときでございました。当初東京ラウンドを開始いたしましたときは、かかる事態を予想しなかったわけでございますが、客観的に見ますとそういう貿易面でのいろいろな保護主義を防ぐ意味で、この交渉過程で各国が努力したことがまず一つ東京ラウンドの成果として考えられてしかるべきではないかと思います。  それから第二には、やはり結果として相当大幅な関税引き下げを達成し得たこと、これによって世界貿易が逆行する、保護主義に行くのを防ぐとともに、さらに前に出る、関税をできるだけ低くして自由な貿易体制をつくるという意味で前に出たことが非常に大きな成果だと思います。  それから第三には、御承知のように今回の東京ラウンドにおきましては関税以外の分野、特に非関税障壁に関するいろいろなコード類が相当たくさんできまして、これによって関税以外の分野での貿易障壁をできるだけ各国なくす、こういう合意ができましたこと、これはまた今後の自由貿易体制を維持する上に非常に大事な成果があったことではないかと思います。  あと、各国が昨年妥結した後それぞれの国においてこれを実施するためのいろいろな国内措置を鋭意実施してまいりまして、アメリカ、ヨーロッパ等すでにその国内実施手続を終えた国もございますし、そういう意味でこの成果を現実にするために各国のはっきりした努力が積み重ねられていく、さらに今後ともそういう方向に動くというふうに予想されますので、われわれとしては貿易に依存する日本の経済のために非常に成果があったものと考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 この東京ラウンドにおいていわゆる譲許が約束された品目数は総数でどのくらいであるか、またその品目による貿易額、これは金額にしてどのくらいなものか、この点はいかがでしょうか。

野崎正剛大蔵省関税局国際第一課長

○野崎説明員 お答え申し上げます。  関税引き下げの規模につきましてはいろいろの計数のとり方があろうかと思いますが、今回の東京ラウンドの場合に最も一般的に用いられておりますのは、通常平均引き下げ率ということで各国の引き下げの幅を比較しております。それで見ますと、日本の場合は約五〇%弱の引き下げ率になります。それからアメリカの場合ですと三〇%前後、ECですと二五%前後になります。これはいずれも鉱工業品でございますが、ただし日本の場合は実行関税率が低くなっておりますので、実行関税率からの引き下げの幅で見ますと約二〇%程度になっております。引き下げた後の水準で見ますと、全品目で見ました場合には、日本の場合には三%前後の水準になり、アメリカの場合には四%、ECの場合は五%くらいの水準ということになっております。ただいま先生御質問になりました引き下げが行われました品目数でございますが、品目数につきましては各国の品目の分類がそれぞれ異なっているということがございまして、必ずしも正確な比較ができない事情にございますけれども、とりあえず日、米、ECという主要国だけについて試算してまいりますと、日本の場合は鉱工業品で約二千七百の品目のうち二千四百品目について引き下げを行っております。それからアメリカの場合は六千二百品目のうち五千三百品目、ECの場合は二千五百品目のうち二千百品目くらいの引き下げを行っております。他方、ガットの事務局で計算しました引き下げられた品目の貿易額について見ますと、鉱工業品では一九七七年ベースで言いますと、世界全体で約千二百七十億ドル、それから農産物につきましては同じく百三十五億ドルというふうに言われております。  そういうことで、このような鉱工業品並びに農産物につきましての引き下げの規模はいま申し上げましたとおりですが、大体世界全体としましては約三分の一引き下がるということに計算ができております。これで今後の世界貿易の拡大に貢献するということを私ども期待しているわけでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 それでは日本の与えた譲許品目数と獲得した品目数のバランスはどうなっているかという問題、また東京ラウンド諸協定の成立によって日本の輸出はどの程度の増加が見込まれるのか、この点について明らかにしていただきたいと思います。

野崎正剛大蔵省関税局国際第一課長

○野崎説明員 お答えいたします。  ただいま申し上げましたように、バランスにつきましては日本の場合は全体として五〇%弱の引き下げの率になり、実行税率で申しますと二〇%前後になり、アメリカが三〇%前後、それからECが二五%前後ということで、大体バランスがとれているというふうに考えております。  それから引き下げ後の水準をバランスで見ますと、先ほど申しましたように、全品目では日本は三%前後で、米国が四%、ECが五%という程度になっております。日本が非常に低い水準になったように見えるかとも思いますけれども、これは主といたしまして日本の場合は原材料の輸入が非常に多うございまして、原材料の場合は日本の必需品ということで税率がゼロになっているものが非常に多うございまして、そういうものを考慮に入れてまいりますと大体主要国、日、米、ECの間ではバランスのとれた譲許を行ったものというふうに理解しております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 昨日の朝刊各紙がいずれも円安の対策あるいは円防衛についての記事を掲載していますけれども、円安の主要原因というのは石油の高騰によって原油輸入に対する支払い額、これが輸出による収入をオーバーしている点にあると私は判断するわけですけれども、いまや原油輸入額が総輸入額の三分の一以上を占めている。ここでしたがって円防衛についての対策ということが当然必要なわけですけれども、政府のこういった対策をここでいま一度確認をしておきたいと思います。

藤田恒郎大蔵省国際金融局短期資金課長

○藤田説明員 為替相場の問題でございますが、いま御指摘のとおり日本の国際収支は原油輸入増加を中心にかなり大幅な赤字を続けておりますので、基本的に円安傾向が続くという形になっておりますのは、これはある程度避けられないと思いますけれども、私どもとしても為替市場に対しまして強力な介入をいたしますと同時に、先般発表いたしましたように、主要国間の密接な協力を得ましてできるだけ円相場の安定に努めるように現在も努力しておりますし、これからさらに引き続き努力していくつもりでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 円対策について対米とか対ECの協議、こういったことがこれからもさらに必要であることはこれは言うまでもないわけですけれども、当面どのような予定を持っておられるか、この点について、予定について伺いたいと思います。

藤田恒郎大蔵省国際金融局短期資金課長

○藤田説明員 為替相場は、御承知のように円の相場でございますと同時に相対的にドルの相場でもございますし、さらにドルとマルクの相場を通じましてこれがまた円にもはね返ってくるということで、相互にそれぞれ密接な関係を持っておるわけでございます。したがいまして円相場の安定のためには、ただいま御指摘ございましたように主要国間の国際協調というのが必要でございまして、われわれはかねてから十分通貨当局の間で連絡を密にしてやってまいりました。これを具体的に、じゃどういうことをやっているのかということにつきましては、いろいろ国際信義の問題がございますのでここで詳細を述べさせていただくのは差し控えたいと思いますけれども、たとえば三月二日の円防衛策の中にも織り込まれましたように、米国が米国の勘定でニューヨークの為替相場市場におきまして円を支持するために介入を行う、さらにはドイツあるいはスイスの通貨当局も日本と密接な連絡をとって、それぞれできる限りの協力を行う、こういう形で進めておるわけでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 私はやはりアメリカとかあるいはECにしても日本に対する注文があるんではないか、これは当然こういうように思います。また、日本としてもわが国の実情というものを訴えて、そして相手国の理解を求める必要が当然あると思うわけですけれども、この辺の実態というものはどうなっているのか、また従来の対米協議はもちろんとしても、特にこれからはECとの協議というものをもっと重要視すべきじゃないか、こういうように私は考えますが、EC側の意見等も含めてお答えをいただければと思います。

真野温通商産業省通商政策局次長

○真野政府委員 私どもは、通商政策を担当いたします部局としましては、基本的には日本と貿易相手国との自由貿易を促進する、維持するということを基礎といたしまして、できるだけそれぞれの相手国との貿易関係、経済関係を円滑にするということを基本に考えております。そういう意味で日本とアメリカ、日本とECそれぞれいずれも重要な貿易の相手国でございまして、それぞれの国の持っておる日本との貿易関係、経済関係についての問題についてはできるだけ接触を密にし、かつ協議をするという態勢でまいっております。  日本とECの関係につきましては、御承知のようにいろいろなレベルでのバイラテラルの協議が行われておりまして、たとえば日本とECの間では一九七三年以来年二回ハイレベル協議というのをずっといたしておりますし、ただいま申し上げましたのは政府レベルでございますが、通産省とドイツ、イギリス、フランス、こういうところの事務レベルとの協議、これも最近いたすようになりまして、具体的な問題を含めてそこで議論いたすというふうにいたしておるつもりでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 通産大臣がおられますので、一問だけここで伺っておきたいと思いますが、原油輸入量の抑制とかあるいは省エネルギーについて今後政府はどのような対策を立てる考えでおられるのか。今日まで多々論議がなされていることですけれども、具体的にどういつだ施策を講ずるかという点、これをここでもう一度説明をいただいておきたい。また輸出促進策、これについて政府はどのような対応を講ずるのか、この二点について大臣から伺いたいと思います。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 前段は省エネルギーの対策いかんという御質問でございます。  御承知のように去年までは五%節約をした、ことしから七%にこれを上げましていま実行しておるのでございますけれども、五%台の話はもう御承知のとおりだと思いますし省きまして、上げました二%は何で補ったかという点をお話申し上げたいと存じます。  一つは暖房の温度を十九度から十八度に下げまして、これが相当大きいものになっております。それから二番目は、省エネ法を御承知のように皆さんで御承認いただきましたので、省エネ法に基づまして各工場等でエネルギーを節約するためにいろんな機材あるいは合理化等の、法に従った方法に従いまして進めるのが二番目でございます。三番目は、いままで油を使っておったボイラーを切りかえまして、主として石炭に転換しようということで、これは補助金等用意いたしまして奨励することになっておりますので、ただいまこの方が相当進んでございます。この三つが一番大きいファクターでございます。  それから二番目の輸出奨励策でございますが、奨励策という特別な制度はもちろんあるわけではないですけれども、要するにむしろ消極的に、一国、一地域に対して集中豪雨的な輸出をするということは、大変相手国に対してもあるいは貿易全体の秩序に関しましても非難の的になるおそれがございますので、節度のある、秩序のある輸出をしてもらいたいという指導と申しますか、輸出業者にそれぞれ要望しておる次第でございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 それでは工業標準化法の一部改正案、これは国際的にはガット東京ラウンドの貿易の技術的障害に関する協定、いわゆるスタンダード協定、この締結に伴う対応のために今回国会に提出されたという説明ですけれども、まずケネディ・ラウンド終了後のガットの場においてこの非関税障壁の問題が提起されて、技術的障害について規格問題が貿易に大きな影響を与えるということがわかったということですけれども、第一点として、わが国の製品中日本の規格が外国の規格と合致しないために輸出の障害となっているものはどういうものがあるのか、主なものを例示して、今後本法によって国際的に規格が統一された場合にどの程度輸出の伸びが期待できるのか、この点をお答えいただきたい。これが第一点です。  それから次に、外国製品中で日本の規格に合わないために輸入ができないけれども、規格の統一によって日本に輸入して国民の日常生活が便利になる、このように思われるものにどういったものがあるのか。この二つの点について、お答えをいただきたいと思います。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 現在わが国からの輸出に当たりまして、諸外国における輸入検査制度が輸入障壁となってトラブルを起こしておるという事例は特段聞いておりません。これはわが国の輸出業者が相手の基準を十分調査いたしまして、それに適合する製品をつくるために不断の努力をしておる結果であろうというように考えております。  なお、各国においてもそれぞれ各国のみに適用される規格とか基準、検査制度を有していることは御指摘のとおりでございますが、今後各国においてもスタンダードコードの趣旨に合致すべく、制度の一層の改善を推進していくというように考えられますけれども、万一これらの制度が輸入障壁になるという場合には、わが国といたしましてもスタンダードコードに基づましてその改善を求めていくということにしたいと思っております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 わが国のJISマーク、これは国民生活には広くなじんで久しいわけですけれども、スタンダード協定、それから本案の成立によってJISマークと国際規格との調和ですが、これをどのようにするのかという問題が実はあるわけです。  その第一点として、JISが国際規格に追従するのみということになると、これは国民生活に多大の経済的あるいは技術的な影響を与えることになるわけです。これをどのように防衛するのか、これが第一点。  次に、逆に国際規格をJISに近づける努力が必要であると思いますけれども、そのためにわが国の意見をどのように反映させていくお考えであるか、この二点についてお答えをいただきたいと思います。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 わが国にとりまして影響の大きい規格案の審議に当たりましては、わが国から専門家を派遣いたしまして直接討議に加わるというようなことをやる一方、規格案の意見提出に際しましては国内関係方面の意見を十分聴取いたしまして、その結果を回答しておるわけでございまして、わが国の意見がISOとかIECというような国際規格に反映するように努力をしておるところでございます。ISO、IEC加盟諸国もこのようなわが国の実績を評価しておりまして、ISOにおきましては昭和四十四年以降、IECにおきましては昭和四十九年以降理事国となっておりまして、重要な議事には常に参画しておるわけでございます。  なお国際規格の制定は、わが国のいろいろな国民の生活その他に影響を及ぼしますので、いろいろな意味からその規格の制定が国民の利害にどういう影響を与えるか、十分討議しながら進めていくべきであるというように考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 いまISOあるいはIECについてのお話もありましたけれども、各種専門委員会の幹事国ですね、これを引き受けるためにどのような努力をなされるか。  それから、両機関事務局への人員派遣あるいは情報交換等をどのようにして活発化していくものか、この辺はいかがでしょうか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 お答えいたします。  ISOあるいはIECにおきます実質的な審議は、いま先生の御指摘のとおり専門委員会の場で行われるわけでございます。現在ISOには専門委員会が百五十七、IECには七十三設けられているわけでございます。  これら専門委員会に対する日本の参加状況あるいは専門委員会会議への出席状況、専門委員会の幹事国引き受け状況というものは、その国の活動状況を見る一つの尺度となるということは確かに言えると思うわけでございますが、日本の場合には、ISOの専門委員会を例にいたしますと、いま申し上げました百五十七ある専門委員会の中でいわゆるPメンバー、積極的な参加をいたしておるPメンバーというものの登録をいたしておりますのは七十六委員会でございまして、専門委員会の数の四八%でございます。また、これらの専門委員会会議への出席状況でございますと、昭和五十三年度を例にとりますと、約七百五十の国際会議の中で百三十五の会議に出席いたしているわけでございます。また、IECに関係いたしましては、四百の国際会議の中で百九の会議に参加しているということでございます。また、わが国が引き受けておりますISOの専門委員会の幹事国の数は、二専門委員会、九分科会となっておりまして、IECにおいては二分科会を引き受けているわけでございます。  以上のとおり、わが国の参加の状況は欧米各国に比較しまして必ずしも十分なものとは言えない点がございます。特に専門委員会の幹事国の引き受け数については非常に劣っているわけでございますが、これには歴史的な問題もございますし、あるいはまた地理的な状況、言葉の問題等いろいろむずかしい困難な障害があるわけでございますけれども、今後官民協力いたしまして一層積極化を図っていきたいというふうに考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 人員派遣とか情報交換の問題等は、これはどうでしょうか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 失礼いたしました。  現在ISOの事務局に当方から一名専門家を派遣いたしまして、事務局に入っております。それからジュネーブに専門のオフィスを置いて一人常駐いたしているということでもって情報交換に努力をいたしているところでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 これは努力をいたしておるという御答弁ですけれども、その活発化ということから見ると、まだまだこれは非常に乏しいわけで、これからも大いに力を入れていくべきじゃないか、このように思います。  ところで、このスタンダード協定によれば、規格の検査方法が自国の検査方法と異なる場合であっても、外国の検査結果とかあるいは証票及び生産者の自己認証、こういったことを信頼することになっているわけですけれども、検証の仕方をどうするのかという問題、この点はいかがでしょうか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 スタンダードコードにおきましては、外国検査機関の活用を図ることがうたわれておりまして、今後JISマークの海外開放に当たりましても、外国承認工場の検査の一部を一定の基準に該当する承認検査機関に任せるということにした次第でございます。  この検査機関がどういった検査をするかにつきましては、これは国内の認定検査機関と同様でございますけれども、一般にわれわれが審査をいたします項目のうち、非常に客観性を持った、客観的に測定できる部門についてこれらの認定検査機関あるいは承認検査機関に任せることといたしたいと考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 スタンダード協定には、途上国への技術援助とか資金上あるいは貿易上の特別の待遇についての規定があるわけですけれども、途上国に対してどのような考慮をしていくのか、この点はこの具体例ですね、こういったものを挙げてできれば御説明いただきたいと思います。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 工業標準化は、発展途上国の工業開発の基礎でございますので、技術協力の重要な分野であるというように考えておるわけでございます。これまででも発展途上国から研修生の受け入れをやっておりますし、また、わが国の専門家を向こうに派遣いたしまして、いろいろ指導をしております。また、JISの規格票を供与いたしまして、そしていろいろな、現在日本の制定いたしましたJISの紹介をするというようなこともやってまいったわけでございます。  スタンダードコードの受諾に伴いまして、今後は発展途上国における標準化制度の確立、個別規格の制定とかあるいは認証制度の運営というようないろいろなことの問題につきまして、協力事業を強化していきたいというように考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 それでは、引き続いて近江委員の質問になるわけですが、最後に一点だけ伺っておきます。  協定によって貿易の技術的障害に関する委員会、これを設置するということでありますけれども、わが国としてはどのような資格あるいは地位の人を委員として派遣する考えであるか、また、十四条にいうところの技術専門家部会、これにはどういう資格の人を派遣するお考えであるか、最後にこの点についてお答えをいただきたいと思います。

池田廸彦外務省経済局国際機関第一課長

○池田説明員 お答え申し上げます。  この委員会の第一回会合は去る二月に行われまして、四月に第二回の会合が開かれることになっております。これまでのところ、発足したばかりでございますし、また、この規格の分野での国際協調を深めていくという作業自体ガットとして新しく取り組む問題である、こういうところから、たとえば通報の様式をどのようにするか等の細かな問題を取り扱っております。したがいまして、これまでのところはわが国のジュネーブ代表部のしかるべき者を出席させておりますが、今後次第に作業が軌道に乗るに連れて必要な専門知識を有する者の派遣が必要になった場合には、政府部内におきまして協議をいたしましてりっぱな資格のある方に御出席を願う、こういうことにしたいと思っております。それから、先生御指摘の技術専門家部会、これはやはり相当この委員会の作業が軌道に乗り、具体的な案件がその技術専門家部会に付託されるということが明らかになってきた段階でわが方としても対応を考えていこう、かように考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川(嘉)委員 以上で終わります。

塩川正十郎自由民主党・自由国民会議

○塩川委員長 近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 このJISマークは、昭和二十四年に初めて制定されているわけですね、制定されまして三十一年ですか経過してきておるわけですが、いままでの経過を見てまいりますと、何といいましてもJISの制定に当たりましてはやはり厳正な査定ということが行われるわけであります。そこには当然検査官の手心も加えられておるということがございまして、私の聞いております範囲でも、昭和三十一年には東京通産局管内で汚職が発生しております。三十九年には仙台通産局管内で発生しております。四十三年には大阪通産局管内で発生しております。特に四十二年、たしか大阪通産局管内でだと思いますが、四十三年の四月十五日、三十名の職員に対して処分が行われております。休職六名、戒告五名、訓告十九名、うち工業技術院十一名と、まことに不名誉なそういう事故が続発をいたしておるわけであります。  こういう事態にかんがみまして、どういうように政府としては反省をされておるか、率直な御感想をお伺いしたいと思います。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 御指摘のとおり、三件の汚職事件が起こっておるわけでございますが、特に昭和四十一年から四十二年ごろ、大阪通産局所管地区におきまして、JISマーク表示許可審査に際しまして、職員が一部の企業から接待を受け、特段の便宜を図ったのではないかというような事件があったことは事実でございます。通産省といたしましては四十三年四月十五日に、御指摘のとおり本省及び大阪通産局の関係職員三十名に対しまして厳しい処分を行ったわけでございます。休職六名というような厳しい処分であったわけでございます。  国家公務員は当然厳正かつ公正に職務を遂行すべきものでございまして、国民全体にJIS制度に対しまして不信を与えるというようなことがあってはならないわけでございまして、今後厳に戒めてまいりたいと思っておるわけでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 そういうようなことがあったようであるというようなお話がいまございましたけれども、警察はもう完全に起訴をしているわけですね。事実であればこそこういう処分もされているわけですね。こういう点で、JISマークというのは国民も非常に信頼しておりますし、それだけの歴史もあるわけですから、これを裏切るようなこういうことが行われるということは非常にまずい。今後、こういう法改正が行われるわけでございますし、こういうことがまた再び出てくるというようなことになってきますと、全くもう許しがたいことであるわけです。今後こういう綱紀の粛正とかいろいろな点に対してどういうように臨んでいかれるんですか。ただ何とかしたいというだけじゃどうしようもないでしょう。また発生しますよ。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 今後決してそういうことのないように十分指導をすることはもちろんでございますが、特に今度の法律にございますように、民間検査機関あるいは外国検査機関を活用するということも含まれておるわけでございまして、まず第一に、認定検査機関の役員または職員につきましては、検査業務に従事する場合、工業標準化法上、法令により公務に従事する職員ということにみなされることになっておるわけでございます。その結果刑法の汚職関係の規定が適用されまして、検査業務の公正が担保されるだろうというように考えております。一方、外国の検査機関になりますところの承認検査機関におきましては、刑法の適用上の問題からいわゆるみなし公務員規定の適用は困難でございますので、仮に当該検査機関の職員が賄賂を収受したというような場合は承認を取り消すことにいたしたいというように思っておりますし、そういった意味で検査業務の公正が確保されるという仕組みになっておるわけでございます。  いずれにいたしましても検査業務が公正なものに保たれるよう、検査機関に対して十分監督を厳正に実施してまいりたいと思っておるわけでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 大臣の監督なさっているJISマーク、その中でこういう汚職が何回も過去起きているんですよ。あなたが大臣に就任されてからまだ起きてないわけですが、こういう点に対して大臣はどういうように反省されていますか、今後どうしますか。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 私の選挙区にはJISの指定工場もございまして、また指定してもらうべく通産省にお願いしたりしたこともございます。検査官が見えますといろいろ接待などするわけでございますから、誘惑に富む一つの業種だと思います。したがって、特にこういうふうに専門的な、しかも問題を起こしやすいところには、特別に配慮をして綱紀を厳正にするということがやはり一番もとじゃなかろうかと思います。出張らぬで本省にすわっている間はいいのですけれども、現場に行くわけでございますから、そういう人たちには特に厳重な注意をするというのが一番大切ではなかろうかと思います。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 いま工業技術院長は、民間にもさせる、あたかも民間にさせると安心なような言い方をされているのですが、逆なんですよ。そうでしょう。政府が直にやっていてこれだけの事故を起こしているのですから、民間にこれを委託するということになってくると厳正さということにおいてぼくは非常に心配です。この点についてはどうですか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 民間に検査を委託するという点につきましては、これは決してそういうことによって公正がより保たれるという意味から決めたわけではないのでございまして、むしろ今後JIS規格が数もふえ、それを正しく守っていくという立場からいろいろな意味での人手が要るというようなこともございまして、そういう方法を便法として選んだというようなことでございます。したがいまして、私どもの立場といたしましては、先ほど御指摘のありましたような、万が一にも不正が起こらないように厳重に監視をしていきたい、こういうように考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 そこで、民間のいわゆる検査機関につきまして、どういうものを認定され、全国で幾つぐらいの数を認定される予定でありますか、また、どこか既存のものにさせるというならば具体的にどこにさせるのか、そういうようなことについてひとつお答えいただきたいと思います。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 お答えいたします。  検査機関を認定いたします場合の認定基準といたしましては、当該検査機関が検査業務を遂行するに足りる経理的な基礎と技術的な能力を有するか否かということ、これが一つの基本でございます。第二番目には、検査業務の実施が不公正に行われるおそれがないものであるかどうかということが第二の問題であろうか、こういうふうに考えているわけでございます。  具体的に申しますと、第一の点につきましては、これまで検査について実績のある検査機関といったようなことが主な判定の基準になろうかと思いますが、第二の検査業務の実施が不公正に行われないようにという点につきましては、財団法人等中立の検査機関を考えたいと思っているわけであります。現在のところ、認定検査機関について具体的に決定しているということはまだいたしていないわけでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 法改正をすれば民間ができるわけでしょう。いまこういう法律がここに提起されて、われわれはこれを審議しているのですね。そういう段階においてまだ全然雲をつかむような話だ、こういうことですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 現在考えておりますのは、ほかの法律において検査業務を実際に委託いたしておりますあるいは指定を受けております検査機関等を考えているわけでございますが、具体的な検査機関の候補については、この法律が公布になりましてから六カ月、施行までの間に十分詰めてまいりたいと考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 当然その中で決定されると思うのですが、その中で、現在他の法律に基づいてやっておる機関がいろいろあると思うのですけれども、大体しぼっていきますとどういうふうなところがあるのですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 お答えいたします。  ただいま申し上げました既存の法律と申しますのは、たとえば輸出検査法による検査でございます。また、電気用品取締法に基づきまして検査をいたしている機関もあるわけでございます。また、ガス事業法等もその一つでございまして、ガス事業法に基づいて検査をしている機関もあるわけでございます。これらの機関を今後認定するか否かについて検討していきたいと考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 これは、民間の中でも公平に行われ、また能力を持っておるところとおっしゃっていますが、政府においてすらこれだけの汚職、事故を起こしているわけですね、何回も言いますけれども。私は非常に心配であるということを重ねて申し上げておきます。それはあなた方の姿勢にかかっているわけですから、十分やっていただきたいと思います。  それから、この制度が発足されて、いままで皆さん方が厳正に監督されて取り消しをやったのは幾つあるのですか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 二十四年以降のデータで申し上げますと、廃止をいたしました規格の数は二千百七十三件でございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 もう一度お聞きしますが、それだけ処分して取り消したのですか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 どうも失礼しました。取り消しは一件もございません。表示の取り消しはございません。許可辞退、表示一時停止を合わせまして五十三年度六十件、五十二年度も六十件、それから五十一年度が約四十件でございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 いわゆる法律に基づく取り消しは一件もないわけですな。結局自発的に辞退をさせたり、そういうことでしょう。それは姿勢においてどうなんですか、一面はなれ合いという感じがありませんか。その辺の運用についてはどう考えていますか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 確かに先生の御指摘のような面もあろうかと思うわけでございますが、私どもが立入検査を毎年行いまして、立入検査の結果において若干品質管理状況等について問題があるという工場の中には中小企業の方々も相当多いわけでございます。これらの工場において、審査の段階では技術的には合格していたわけでございますけれども、その後、時間がたちまして品質管理状況等について若干問題が出たといったような工場においては、JISマークの表示許可を取り消されたということは、今後その工場なり企業の将来について非常に大きな影響を及ぼすということから、それらの工場が自発的にこれをしばらく停止するあるいは辞退するといったことを申し入れた場合には、私どもといたしましてもその線で処理しているということでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 JISマークというのは国民は非常に信頼しているわけですね。こういう汚職事件がありながら信頼しているということは、本当に政府の皆さんは申しわけないという気持ちに立たなければいかぬと思うのです。ところが中身が基準に全然合わない、たまたまそれがわかって申し出による辞退。その間は消費者を欺き、国民を欺き、規格に合わないことをやっているのですから、それは言うならば不当利得なんですよ。そういうことがずいぶんあるのじゃないですか。  たとえば、これは一例ですけれども、生コンクリートなんかでもJISマークでしょう。配合一つで単価が全然変わってくるのですよ。ですから私が申し上げたいのは、JISマークを打つ以上は規格をきちっとそれに適合させた、それだけの製品でなければいけない。これに対する監督なんです。これは今後どうしますか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 先生のおっしゃるとおりでございまして、JISマーク表示製品についてここまで消費者なり社会全体の信頼が培われてきたわけでございますので、私どもといたしましてもその信頼を裏切らないように、工場については厳正な審査をするあるいは検査をする、チェックをすると同時に、チェックをいたしますわれわれといたしましても、三十年の間培ってきたJIS評価を守っていくために全力をふるってまいりたいと考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 そういう国民の信頼を裏切らないように今後厳正にやっていただきたい。これを重ねて申し上げておきます。  それから、今回の改正案の運用で、いわゆる外国の工場等の審査、これは関係当局の方が外国で審査に当たられるわけでございますけれども、国内におきます審査と異なりまして、国民性の違いであるとか経営観念の違いであるとかノーハウ等の問題で、国によりましては審査が非常に困難になり、トラブルを生ずる場合もあるのじゃないかと思うのですが、この外国におきます審査方法並びにトラブル等の対応策についてお聞きしたいと思います。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 先生のおっしゃるとおりでございまして、現在表示制度を海外に開放いたしました場合に、対象になります企業の大部分はいわゆる発展途上国の企業になろうかと思うわけでございます。私どももここ数年規格の国際化に伴いまして、それらの国の実情をそれぞれ調査いたしているわけでございますけれども、これらの国の企業をJIS工場として認定していくという場合には、内容としては国内の企業を審査いたします場合と同様な審査をいたすわけでございますが、その実際の困難という点は非常に大きなものがあるわけでございます。第一は、やはり言葉の問題でございます。第二には、それらの国の企業がJISマーク制度といったこういう制度に対してなじみが薄い、知識が浅いといったようなことであろうかと思います。  言葉の問題につきましては、申請書そのものは日本語で当然出していただく以外にないわけでございますけれども、その申請書をつくります際の指導でございますとか、そういった指導は当方としても十分考えていく必要があろうかと思います。また、当標準部の職員の語学カの強化といったようなことについても、昨年以来研修等を通じまして努力いたしているところでございます。  その次に、現地の企業がこれらのJISマーク表示制度についてなじみが薄いという点につきましては、たとえばISOの場でございますとかIECの場でございますとか、あるいはまた私ども、バイラテラルにそういった後進国との間の標準問題についての情報交換等もいたしております。あるいは太平洋地域についてPASCといった機関もございます。こういう機関を通じて、あらゆるチャンスを通じてJISマーク表示制度あるいはJISについてのPRに努めていきたい、こういうふうに考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 そこで具体的に、JISマーク表示の申請はどの程度出されるかわかりませんけれども、一つは審査に出向く費用等の仕組みはどのようになっておるか、また昭和五十五年度での予算措置と、予算で想定しております申請件数等につきましてお伺いしたいと思います。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 JISマーク表示制度を開放いたしました場合にどの程度の外国の企業がこれに関心を持ち、申請を提出するかという点につきましては、私どもも一昨年、昨年とかけましていろいろ調査をいたしたわけでございますが、調査いたしました限りにおきましてはその数は必ずしも多くないわけでございます。全体として大体六十工場ぐらいじゃないかと思いますが、その中の大部分は発展途上国でございます。  これらの工場のうち、具体的に申請を提出してきます工場の数が、たとえば昭和五十五年度にどの程度になるかという点は非常に判定しにくいわけでございますが、現在私どもといたしましては、昭和五十五年度は初年度でもございますし、制度自体を各国に紹介するということが主になるのではないかと考えておりまして、今度提出いたしました予算案の中では承認申請希望外国企業は欧米一件、東南アジア二件、合計三件の申請を見込んで予算措置を講じているところでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 初年度は、私たちもそれはわかりませんけれども、そんなに多くの件数はないのじゃないかと思うわけでございます。民間機関にこれまたそれだけの委託をなさるわけですね。将来あらゆる点で国際化というものが進んでくるわけですから、だんだんJISマークの申請もふえてくると思うのです。そこで、特に外国の場合は政府と民間機関とのいわゆる審査なり検査なり監督なり、これは今後運用はどういうようにやっていくのですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 いま申し上げましたとおり、初年度数件、次年度以降についてやはりある程度の数の企業の申請が海外において出てくると思うわけでございますが、申請が出ました場合には主務省といいますか、関係の省の職員が現地に参りましてこれを審査するということになろうかと思います。審査が終わりまして承認になった後は、もし現地にしかるべき検査機関がございました場合にはその現地の検査機関を承認いたしまして、この現地の承認機関が国内で行う検査機関と同様、適当なときにこの工場を検査するというたてまえになろうかと考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 それは外国のそこで承認できる機関があればの話であって、ない場合どうするのですか。また、国内の認めた民間機関というのは外国には全然タッチしないのですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 失礼いたしました。  東南アジア等を対象にいたしますと、これらの国につきましては民間の検査機関は非常に少ないわけでございますけれども、国が持っております検査機関といったようなものが大体においてあるのじゃないか、私どもが考えている限りでは大体あるのではないかと思いますけれども、それがない場合につきましては、考え方として二つあるわけでございます。  一つは日本の国内の検査機関、これを活用する方法がございます。また、そのほかに日本の政府機関の職員が直接行って調査をするということも考えられるわけでございます。また、これは余りあり得ないことかもしれませんが、東南アジア等で隣の国の検査機関の利用も検討してみたいというふうに考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 そういう場合の費用ですけれども、これはどういうようになるのですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 最初、申請工場の申請に対しまして政府機関の職員が現地に参りまして審査をいたします。これにつきましては審査の費用を支払っていただくわけでございます。また、外国の承認検査機関等が検査をいたします場合にも、それにつきまして相当額の検査費用というものを、これは企業から検査機関に対して支払うということになるわけでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 その費用というのは当然旅費も入るわけですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 審査に参ります場合には、国内の審査手数料プラス旅費ということになろうかと思います。また、海外の承認検査機関がそれぞれの国の企業について検査をするという場合には、これはそれぞれの実情に応じて違ってくると思いますが、検査費用が主になろうかと思います。また、先ほど申し上げましたように、国内の認定検査機関が海外の企業を検査する場合には旅費というものが当然含まれるというふうに考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 何か余り確信がないのですね、含まれるように思いますとか。現実にこのように法律を出しておって、運営についてそういうように決まっておると思うのですが、もっとぴしっと自信を持って答えなさいよ。そういうふうにきちっとやっていただきたいと思うのです。  立入検査の拒否であるとかその他の規定によりまして承認の取り消し等が行われるようになっておるわけですが、これは国が変わりますと国家間の問題ということになってまいりまして、当然慎重な配慮というものが必要だと思うのです。その点はどのようにお考えでございますか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 おっしゃるとおりでございまして、これは日本国政府と相手国の企業との関係でございますから、直接に相手国政府との問題ということではないと思いますが、わが国の政府機関の職員が海外の工場を検査するという場合には、やはりあらかじめ相手国に対して包括的な同意をとる等の措置が必要であろう、そういうふうに考えます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 先ほども申し上げましたように、これからいろいろな意味でますます国際化が進むわけでございますし、こういう点はできるだけスムーズにやっていただきたい、このように思うのです。スムーズという言葉は非常に深い意味があるわけですからね。なれ合いじゃないのです。その中にあって筋をぴしっと通し、厳正にやり、しかも摩擦を高めない。非常にむずかしいわけですね。そういう点で十分考えて行動していただきたい、これを申し上げておきます。  それから、このスタンダードコードにおきまして、先進国は発展途上国に対し、標準化制度の設立あるいは運用について技術協力を推進するということがうたわれておるわけですが、いわゆるわが国の協力方針及び協力措置の具体的計画につきましてお伺いしたいと思います。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 これは先ほどもお答えいたしましたように、発展途上国の技術のレベルを上げるということが基本になりますので、それを意識した上での方策ということになるかと思いますが、先ほど申しましたように研修生の受け入れとか専門家の派遣による指導とかJISの規格票の供与、そういうものになるわけでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 同じ件で外務省にお伺いしたいと思います。

池田廸彦外務省経済局国際機関第一課長

○池田説明員 お答え申し上げます。  基本的な考え方はただいまの御答弁にございましたとおりでございますが、この条項を入れるに当たりましては二つの考慮があったわけでございます。  まず第一は、この分野においては日本を初め先進国側から従来ともいろいろな技術援助が行われていた、こういう技術援助の流れは今後とも拡充強化していくべきである、こういう考慮でございます。それからもう一つは、工業標準化の分野における国際協調というものが、途上国を含めましてなるべく幅広く世界の各国に広まることが望ましい、つまり途上国側もなるべくたくさんこのスタンダード協定に入ってきてもらうようにしたい。この二つの考え方を踏まえまして先生御指摘の条項が設けられたわけでございます。  この条項の中では、たとえば国際標準化機関への参加に関し先進国側は助言を与えるというようなことがございますが、この助言につきましても途上国側の希望するところに沿った助言を与えるという趣旨から、要請があったときは助言を与えるという形になっております。また、技術援助の供与につきましても、途上国側のニーズに即したものを与える、そういう観点から「相互に合意する条件で技術援助を与えるものとし、」という修飾句が特に挿入されております。こうした経緯を踏まえまして、また、これまでわが国で行ってきているところをさらに拡充、延長いたしまして、ただいま答弁のございましたような方針で今後対処してまいりたいと考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 お聞きしておりましてまだ受け身の感じがするのです。要請のあったときだとか、やはりこういうことがうたわれておるわけでございますが、もう少し何とか積極的な協力の仕方というのはないのですか、いかがですか。

池田廸彦外務省経済局国際機関第一課長

○池田説明員 受け身であるという印象をもしも与えましたとしたならば私の言葉が足りなかったわけでございまして、いま申し上げましたように、やはり途上国側が必要とするところ、途上国側のニーズにぴったりと合った形と内容で援助を与えることが望ましい、こういう趣旨を明らかにするためにいま申し上げた言葉が入ったわけでございます。わが国といたしましてもその趣旨を十分に体して途上国側の要請にこたえてまいりたい、かように考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 こういう国際協力というのはきわめて大事なことでございます。確かに技術の問題等を考えますと非常にむずかしい点もあろうかと思いますけれども、しかし本当の友好を深めていくという点においては、やはりそれはそれで積極的な取り組みということは大事じゃないか、このように思うわけです。ひとつそういう点もまた力を入れていただきたいと思います。  それから先ほど中川委員も触れておりましたけれども、いわゆる国際規格、ISO、それからIEC等もあるわけでありますが、このスタンダードコードによりましてJISというものの制定、改正の際に国際規格に準拠することになっておるわけであります。現在ISO規格がお聞きするところ三千七百五十、IEC規格が八百七十ほどあるということを聞いておるわけですが、もし私の聞いた数値が違うなら訂正していただきたいと思います。一方わが国のJISが七千七百四十四制定されておるということを聞いておるわけですが、このJISがこれらの国際規格と合致しておる数はどのくらいあるわけですか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 先ほども御説明申し上げましたが、昭和五十三年度末現在でJIS規格総数が約七千七百、それから国際規格であるISO、IECの規格はそれぞれ三千七百及び約八百八十でございます。両者との整合性につきましては、昭和五十五年度より調査のための予算措置を講じておりますが、ISO、IEC規格についてJIS規格との整合性を民間団体が調査した結果によりますと、当該ISO、IEC規格の中で相当するJIS規格のあるものが約半数弱でございます。相当するJIS規格のあるISO、IEC規格の約三割がJIS規格と整合性がとれておる、こういう関係になっております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 将来JISの改正をなさって合致させていきたい、こういう方向ですか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 この点につきましては、国際規格とJIS規格との整合性をだんだんにとっていこうということでございまして、そのためには若干時間をいただきたいと考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 その整合性を図るという意味において、JISの方を改正することに主力を置くのか、あるいは国際規格の改正も働きかけをしていくのか、それのウエートのかけ方はどうなんですか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 これはケース・バイ・ケースで一概には申し上げられないと思いますが、たてまえを申し上げれば国際規格がわれわれの一番望ましい規格になっていくのが一番いいことでございますので、そういうことを踏まえながらケース・バイ・ケースで処理していくということになろうかと思います。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 JISマークの表示工場等のシェアあるいはどの程度増加しておるのか、これについてはいかがですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 JISマーク表示工場の数でございますけれども、昭和二十四年以来年々増加いたしまして、現在約一万四千件というふうになっております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 この法律の制定以来、JISの普及ということにつきましてあなたたちがいろいろ計画されておったと思うのですが、それは大体計画どおりいっておるわけですか。その辺はどうなんですか。乖離しているわけなんですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 最初にJISマーク表示制度ができましたときは、まだ日本の経済もこれほど大きくなっていなかったわけでございますし、表示制度がここまで発展することはだれも予想しなかったのじゃないかと考えるわけでございます。工場数におきまして大体一万四千件、指定件数におきまして約千百品目というような非常に大きな制度でございまして、私どもとしてはこの制度は国際的にも相当自慢できる制度になっているのじゃないかと考えております。もちろん個別にこれを調べてみますと、部門ごとには今後さらに発展させなければならないあるいは改善しなければならない分野は多いわけでございますけれども、全体としてということでございますと、私は世界的に見ても相当大きな組織になっていると考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 部門につきましてはさらに普及しなければならぬということをいまお話しになったわけでございますが、ではどういう部門にどういうように普及させていきたいのか。さらに、いわゆるJISの信頼性の問題、これは皆さん方の今後のこの制度の運用、また厳正な監督、こういうことによって高まってくるのだと思うのです。そういう信頼の高まりと同時に、やはり国民への周知、PRの問題、こういう点相まってますます発展していくのではないか、このように考えるわけですが、以上の点についてお伺いして私の質問を終わりたいと思います。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 現在JIS規格を増強する方向として考えておるものを申し上げますと、一つは国民生活の質的な向上に関するものでございます。二番目は良好な社会環境、自然環境の確保に関する問題、それから三番目は産業の発展力強化と発展基盤の培養に関するもの、四番目が安全で快適な労働環境の確保に関するもの、五番目が省資源、省エネルギーに関するものというようになっております。  なお、JIS規格のPR活動につきましては現在いろいろ多面的に実施をしておりますが、第一は刊行物の作成配布でございます。第二は技術指導講習会の開催、第三は工業標準化振興運動の実施ということで、セミナーを開いたりポスター、標語、パンフレットをつくったりすることをやっております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 終わります。

塩川正十郎自由民主党・自由国民会議

○塩川委員長 これにて近江巳記夫君の質疑は終了いたしました。  引き続いて安田純治君の質疑に入ります。安田純治君。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 けさから同僚委員の方々が各方面から本法案についての質疑を行われました。私もこの法案について若干お伺いするわけですけれども、多少重複するところがあるかもしれませんけれども、確認の意味でも伺うわけでございますので、お答えを明確にいただきたいと思います。  まずガットの東京ラウンド交渉で、非関税障壁の一つとして工業標準化法が指摘されたということを聞くわけですけれども、どのような点が指摘されたのかということをお伺いしたいと思います。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 一般的に認証制度を輸入品に適用していないという点に関しましては、従前からガットの場で非関税障壁の一つとして取り上げられておりまして、その除去のための議論がなされてきております。スタンダードコードはまさにこういった観点から成立した協定でございます。  一方、個別的にもこれまで米国、EC等から、諸外国における多くの認証制度は輸入品にも開放されているにもかかわらず、JISマーク表示制度は輸入品には開放されていないという点についてクレームが寄せられておるところでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 JISマークの表示の開放をされていないことが本当に非関税障壁になっているとお考えなのかどうか、この点を伺いたいと思います。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 一般に認証制度を輸入品に開放していないということは、非関税障壁の一つとなるものと考えられておるところでございます。こういった観点からガットの場で議論がなされまして、今回スタンダードコードの成立に至ったというように認識しておるわけでございます。したがいまして、わが国といたしましてはその趣旨にのっとりましてJISマーク表示制度についても外国品に対して開放しよう、こういうことでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 一般的にという御答弁でなかなか微妙なお答えだと思いますけれども、どうもこのJISマークの表示の開放をしないことが非関税障壁に具体的になっておるということが本当なのかどうか、これは大いに検討してみる必要があるのではないか。ただ一般的に、まさにおっしゃるようにそういう一般論として考えられておるということであって、現実にわが日本の国におけるJISマークの表示が開放されてないのが非関税障壁だというふうに考えられないのじゃないかという面もあると思うのですね。  それじゃ、東京ラウンド交渉が一応一九七九年の四月十二日ですか、妥結して、約一年を経過するわけですけれども、JISマーク表示の導入について、どこかの国あるいは外国の製造業者から問い合わせばどのくらいありましたか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 JISマークに関する照会は、これまで米国、EC、シンガポール、オーストラリア、サウジアラビア、国連機関、これは国連工業開発機構、UNIDOでございますが、等から来ております。これらは主に政府ベースのものでございますが、そのほかにも外国の民間製造業者から問い合わせが幾つかあるというように聞いております。  問い合わせの現状について多少詳しく申し上げますと、米国からは日米貿易タスクフォース、それから日米協議会の場におきまして質問及び開放に対する要望が出ております。それからECに関しましては、年二回定期的に開催されております日本とECのハイレベル協議におきまして、JISマーク表示制度の開放に関し討議がなされております。それからシンガポールにつきましては、昭和五十二年以来、大使館あるいは出張者を通じましてJISマーク表示制度のシンガポールヘの適用について要望が出ております。それから、その他サウジアラビア標準化公団、国連開発機構等からも問い各わせが来ておりますし、在日オーストラリア大使館からも問い合わせが参っております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 私が伺っているのは、一般論としてどうも日本にもそういう非関税障壁があるということで従来いろいろ問い合わせがあったということでなくて、具体化した、つまり東京ラウンド交渉で一応妥結してから一年の間にせきを切ったように、多分非関税障壁でいらいらしているとすれば、いよいよ門戸開放だということで、さて具体的にどうなるかというので、わあっと来そうに思うのです、本当に非関税障壁になっているとすれば。ですから、いま御答弁になったように一般論としてどうも日本にはいろいろな非関税障壁がある、その中の一つとしてJISマークもあるんじゃないかということで、いろいろ事前に打診があったことはいまおっしゃったことでいいと思うのですが、妥結をされて、いよいよ日本もそっちの方に向かって進むという段階でどれだけあったかということを伺いたいのです。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 院長から答弁申し上げましたように、各国から日本の制度についての問い合わせ等あったわけでございますが、ここ一年あるいは二年、工業標準化法の改正をするという話になってから、いわゆるせきを切ったように各国からの問い合わせが殺到したということはないわけでございまして、もちろん数カ国からその改正はどういったことを内容としておるのだという問い合わせはございましたけれども、せきを切ったようなということはないわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 スタンダードコードの批准に伴う規格の制定、規格との適合性の認定、まあ検査ですね。認証、こうした制度の国内法は幾つあるのか。     〔委員長退席、堀内委員長代理着席〕 また、その中で、批准に際して国内法を改正しなければならないのはこの工業標準化法だけなのかどうなのかということ、これは通産の守備範囲の法律で結構ですが、お答えをいただきたいと思います。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 スタンダードコードの批准に関係いたしまして改正をしなければならない法律は、通産省関係について申し上げますと、現在の工業標準化法だけではないかと思います。と申しますのは、現在の工業標準化法におきましてはJIS表示制度が海外に開放されておりませんで、スタンダードコードの趣旨に明らかに反すると考えられるために、コードの趣旨に即した改正を行おうということでございますけれども、これ以外の所管法令につきましては、法律上コードの趣旨に反するものはないと考えておりまして、今後各法令についてもこのコードの趣旨に沿った運営を続けていきたいというふうに考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 スタンダードコードに反するものはないというお答えですけれども、それはそれとしてまた議論することにいたしまして、要するに、スタンダードコードの批准に伴って改正しなければならない法律ということじゃなくて、JIS以外に電気用品取締法とか計量法とか消費生活用製品安全法、LPG法など、国産品、輸入品とも検査または登録を受ければよくて、すでに外国製品にも開放されているということで法改正の必要がないのだというわけですね。ですから、いわば強制規格といいますか、こういう法律はまだたくさんあるということだろうと思うのです。たとえば電気用品取締法とか計量法とか、いろいろなことで強制規格がある、これは検査または登録を受けなければ販売することはできないんではないかというふうに思うわけですね。たとえばJISマーク表示製品であっても国内の法律で定めてある強制規格のあるものについては、またそれなりの検査を受けなければ販売することができない、そういうことになりますね。その点どうですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 おっしゃるとおりでございまして、JISマーク表示制度は、これは強制ではございませんで、任意の表示制度でございます。それに対しまして法律に基づく強制的な認証制度がある場合には、実際これはJISマーク表示制度とダブることになるわけでございます。ただ、強制法規に基づきます認証制度の場合には、安全面等にかかわる項目が表示の対象となっている場合が当然ながら多いわけでございまして、JISマークの場合には、これに反しまして商品全体としての品質あるいは性能等の項目について、それが一定の基準に合致しているということを保証するわけでございます。したがいまして、輸入品にJISマークをつけたからといって強制法規に基づく認証制度をパスするということにはならないわけでございますが、ただ、海外の方の企業の立場に立ってみますと、輸入品に対してJISマークがつけられているということは、安全面等の特定の項目だけではなくて、当該の輸入品が一定の品質、性能を有しているということを国がオーソライズしたことになるわけでございますので、それなりのメリットはあると考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 いまのお答えのように、外国製品にJISマークの表示を与えたとしても、物によっては輸入品として日本に入ってくるときに、電気製品なら電気用品取締法、自動車なら道路運送車両法などの検査を受けなければ国内で販売できない。ですから、そのほかにもいろいろなそういう強制規格がなくて、JISマークによって品質の保証がされるような品物があると思いますけれども、こうしたことをずっと見てみますと、JISマークが未開放であることが非関税障壁として本当にそんなに大きなものなのかということについて、いま部長はメリットがあるとおっしゃいましたけれども、一般論としてはメリットがあるかもしれませんけれども、どうも具体的にそんなに大きなメリットがあるとは思えないわけでありまして、何か外国からクレームがついたから、気は心で、外国に対しては大したメリットはないだろうけれどもやっておこうというような程度の気持ちがするわけですけれども、そうじゃないですか、大変メリットがありますか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 これはやはり国際化時代に日本が貿易立国として進んでいく以上、海外の表示制度の恩典に浴している。しかし、たてまえ上といいますか形式上だけではあっても、日本の表示制度を代表するJISマーク制度が開放されていないということは非常にまずいのじゃないかというふうに、国際的な配慮をいたしておるわけでございます。実際上の問題といたしまして、これが非関税障壁になっているかというお話でございますが、私どもの考えとしては、それは障壁であると言えば言えるかもしれませんけれども、非常に低い障壁といいますか、実態上大した障壁にならない程度ではないかというふうに考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 外国の規格に関する認証制度はどうなっているのかも若干伺いたいわけですが、日本と同様に工場を検査して許可を与えているという制度が一般的なのか、それとも製品検査を実施した上で認証を与えているのか、それはいろいろ物によってケース・バイ・ケースだと思いますけれども、一般的傾向として外国は製品検査なのですか、それともそうした工場のプロセスでの検査なのですか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 JISと同種の認証制度につきましては、諸外国でも工場審査方式をとるのが一般的であるというふうに考えております。たとえば米国の機械学会の認証制度でございますところのASMEでも、JISマークの表示制度と類似の工場審査法がとられております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 私が、本当に非関税障壁になっていると思うのかどうかをしつこく伺ったのは、実は今回の改正でJISマーク表示について、承認を受けた外国製造業者にこれを表示することを許す。これは、今回の開放で外国が一体納得するのかどうかというところに実は議論が進んでいく前提として、立案者の側は一体どう考えているのかまず聞きたいのです。外国が本当に望んでいる点は何だろうかということなのですね。いままでの御答弁ですと、外国は非関税障壁だと一般論としては言う。だが、御答弁にはいろいろニュアンスがございますけれども、本当はそれほど障壁になっているとは思えない。あるいは部長の御答弁ですと、低い障壁であるというお言葉ですが、そう日本側は思っておるけれども、外国では非常に高い障壁と思っているのか、したがって今回の改正で逆にやれやれ障壁がなくなった、めでたしめでたしになるものかどうかという疑問があるために、日本側の気持ちといいますか、立案者のお気持ちをしつこく聞いたわけなんです。私どももいろいろ外国の文献なんかも拝見してみますと、この程度のことでは納得しないのではなかろうかというようなことをどうも感ずるわけであります。特にアメリカなどで、外国政府による工場審査を受け入れることに果たしてなじむだろうかという心配をすることが一つございます。これは単に私が空想的に心配をしているというよりは、実は委託研究で総合研究開発機構、NIRAと称しておりますものに、「日本の貿易非関税障壁に関するアメリカ人の見方」というので大分研究がなされている報告がございます。中に日本の非関税障壁についてのアメリカ人ビジネスマンのことがいろいろ書いてございます。これを読みますと、時間がないから一々該当個所全部は読みませんけれども、どうもJISマークの今回の開放程度ではめでたしめでたしにならぬのではなかろうかというふうに思うわけであります。  たとえば一つだけ例を挙げてみますと、アメリカ人の「インタビュー回答者のほとんどは設計面は本質的には二次的問題で製品の品質や安全性を検査するうえで重要なのは性能規格基準である」、こういうようなことを答えておるわけであります。これはもうすでにお読みになったと思いますけれども、この委託研究の中の五十ページに「設計規格基準と性能規格基準」ということで詳細に書かれておりますが、どうもアメリカ人の考え方にはそういうところがあるのではないか。してみると、日本のJISマークをこのやり方で開放しましたから、はいこれでこの点に関する非関税障壁の攻撃はぱっとなくなるという甘いものではないのではないか。  一方日本側は、いままでの行き方を見ますと、設計面の検討、検査がしっかりできていればあとはもう製品の規格基準合格も確実である、どうもこういう前提に立っているようでありまして、この点で数多くの工業製品の規格基準は、最終的な性能面よりもどうも設計面に基準の焦点が当たっておるようにいままでの日本の制度だと思うわけですね。その面で、どうもアメリカ人のビジネスマンのこの答えなんかを見ますと、きちっと合わないところがあるのではなかろうか、このような状態で果たしてこのスタンダードコードの批准に基づいてこれを開放していく、外国が非関税障壁のその部分については解消されたなんてうまくいくのかどうかということが心配なものですから、先ほどからしつこく伺っているわけです。その点はどうでしょうか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 私は技術屋でございますので、技術面から考えまして、日本の製品がいま非常に評価を得ている一つの原因は、確かにどういうように製品をつくるかという点についてメスを入れまして、結果として高性能のものができておるということは御説のとおりだと思います。ただ、JISという面でだけ考えてみますと、決して性能で規制することをやっていないわけではございませんので、性能で規制することが可能な場合には性能によって規格化を図るということを実際にはやっておるわけでございます。したがいまして、米国がJISマーク表示制度と類似の工場審査をやっておるというような方式がとられておることと考えあわせますと、日本とアメリカの間に規格あるいは認証制度に対しまして認識に非常に大きな差があるというようには考えておりません。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 それでは別の面からも伺いますけれども、やはりNIRAの報告によりますと、先ほど言ったように、アメリカ人側の考えは製品の品質や安全性を検査する上で重要なものは性能規格基準であるとしておるということで、一方日本政府による工場審査を受け入れる点についても企業秘密の漏洩を非常に気にしておる。しかもこの研究を見ますと、具体的にどこでどんな製品で機密漏洩がされたとは書いておりませんけれども、何か機密漏洩があったというような、もちろんJISはまだやっていませんけれども、そのほかの問題であった、そういうような回答もアメリカ人の回答として載っておるわけでありまして、こうなるとJISマークを利用するアメリカ側の方でも、アメリカに限りませんけれども、ここにはアメリカ人の考え方が出ているわけですが、工場検査をされるということに対し非常に親しまない。製品検査すればいいじゃないかという気持ちがいままで強いように、どうもこの報告書からは見えるし、また一方において機密漏洩ということを非常に心配する、具体的にそのようなことがあったようなことも書いてある。  こうなりますと、外国の方で日本が工場に立ち入りして検査をするという制度をすんなりと受け入れるんじゃなくて、先ほど同僚の近江委員も質問されておりましたけれども、外国側に合わせていくのか、日本のJISの方に合わせていくのかというものについて、規格のあり方、検査の方法も含めて、こうした問題で非常に疑問に思ってくるのですよ。将来どうなっていくのかということをいまのいろいろな問題をベースに考えた場合に心配になるわけです。その点はどうでしょうか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 外国の工場から承認の申請があった場合につきましても、国内の工場と同じように、結局は直接主務官庁の職員が、現地審査を含めましていろいろ申請にかかわる審査を行うことになるわけでございます。したがいまして、国家公務員法による守秘義務規定等で企業の秘密は厳正に維持できるものであるというように私どもは考えておるのでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 いや、もちろん実施する方はそのように考えるでしょうけれども、これは相手がどう考えるかという問題ですから。あなた方の考えはわかった、政府の考えは。しかし相手方、つまり非関税障壁だと攻撃しておった側の考え方、これをいま言ったようにいろいろ見ますとこれでおさまらない。端的に言えば、要するに製品検査制度への移行を次の段階として要求してくるのではないかということなんです、ずばり言ってしまえば。その点はどういうお見通しですかと聞いているのです。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 非関税障壁の一つとして技術的な障害の問題がございまして、その技術的障害の中で規格の問題があり、日本においてはJISマーク制度がその一つの話題になっているわけでございます。  それでは実際にJISマーク表示制度が非関税障壁として、外国が言っているようにそれほど大きな問題であろうかという点については、私もそれほど大きな障壁とは考えないわけでございます。やはりこれはある意味ではJISマークという制度が日本を代表した形で外国から注目されたということであって、これが改正されて開放されたならばそれで問題が終わったかということでございますと、やはり問題は別にあるのかもしれないと考えるわけでございます。  その一つは、やはりマーク制度と申しますよりは規格自体の問題であろうかと思います。国内の規格を国際規格に合わすということは、これは言うはやすいことでございますが、実行が非常に困難な問題でございます。これは日本だけではございませんで、海外諸国にとりましても、いずれの国にとりましても、その規格をISOあるいはIEC規格と同一にするということは、これはそれぞれの国の歴史からいって大変な問題であろうかと思います。  また、先生からお話のありました工場審査方式か物検査方式かという点につきまして、たとえばNIRAのレポート等によっての御指摘があったわけでございますけれども、私は、やはり戦後日本に輸入されました新しい技術である品質管理制度という手法というものが、日本の風土、産業、企業の風土に非常に合っていたと申しますか、諸先輩の御努力によりまして品質管理制度は世界的に見てやはり日本は最高水準の一つにあるというふうに考えているわけでございます。その品質管理制度をバックにしたあるいはJIS規格、あるいはJISマーク表示制度というのは、この品質管理制度と表裏の関係で育ってきたわけでございますけれども、そういった歴史を持っている工場審査方式については、私どもはやはりこれは非常に進んだ方式であろうというふうに考えております。  また、たとえばアメリカにおきましてUL規格というのが御承知のとおりございます。日本でも約二千工場程度がこのUL規格のライセンスをとっているわけでございますけれども、これらのライセンス取得あるいはその後の問題といたしましても、これはULと限りませず、あるいはイギリスのBSI制度あるいはカナダのCSA制度等につきましても、やはり工場審査方式をとっているのが一般的ではないかというふうに考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 この問題はまた後で伺うことにいたしましてこの程度にしておきまして、ちょっと別な角度から伺いますが、先ほども同僚委員が伺っておりましたけれども、外国工場の承認に当たって、この費用は政令の定めるところ云々となっているようでありまして、具体的にはそっちの方に任せておるようですね。どの範囲が政令の内容として定まるというふうに考えておるのか、この点もう一遍確認の意味ではっきりさしていただきたいと思います。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 お答えいたします。  外国工場については、国内の工場の場合に徴収する手数料に加えまして、当該外国工場まで審査に赴くための職員旅費を徴収することを考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 滞在費も入るわけですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 旅費の中には交通費のほかに滞在費も入るわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 もう一つ、手続面ですけれども、この申請書は日本語で日本の主務官庁へ直接出すという手続になるのでしょうか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 申請書類につきましては省令でその様式等を定めることになるわけでございますけれども、日本語によって主務大臣に対して直接提出していただく予定でございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 五十五年度の予算では、外国製造業者からの申請はどのくらいと見て計上しておりますか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 お答えいたします。  五十五年度は初年度でございますので、外国からの申請についてはわりに少ない数を想定いたしておりまして、三件程度というふうに考えております。この三件の申請についての審査に必要な旅費等は予算措置を講じてあるわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 具体的に外国からの問い合わせも、一般論としてはいろいろあるでしょうけれども余りないようでありますし、予算計上も、初年度だったからとおっしゃいますけれども三件だけ。また、先ほど挙げておるNIRAの報告書の示すとおり、どうもいわば標準規格というものについての考え方が多少外国と日本で違う面があるのではないかということを考えますと、この工業標準化法の、外国に対してJISマークの表示の開放ということが第一段階としてはあっても、これでとどまらずに、次々と要求が出されてくるのではないかということを心配するわけであります。その点についてぜひ大臣からお答えをいただきたいのですが、この日本の工業標準化の問題について、将来そういうふうな国際基準との整合性の問題や考え方の違いの問題から、この工業標準化法がいま通っても、また次の段階で、先ほど言ったように設計検査じゃなくて製品検査にせよというふうにいろいろ言われたりなんかしてくるおそれもあると思うのですが、政府の方針としては、これに対しての大きな路線としてはどういうことをお考えですか。

佐々木義武自由民主党・自由国民会議通商産業大臣

○佐々木国務大臣 スタンダードコードの精神があるわけでございますから、これにのっとりましてJISあるいはJISマーク制度の国際化につきましては、お話のような今後処理すべき問題がいろいろあろうと存じますけれども、やはり前向きに取り組んでいく必要というものがあるのじゃないかというふうに考えます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 前向きというと、どっちの方向に前向きか、非常にあいまいでございますけれども……。  スタンダードコードの二条の二ですか、強制規格及び任意規格で、中央政府機関に関し規格の改正、新たな制定に当たっては、国際規格が存在するときには基礎として用いるように、そっちの方へ合わせろというふうになっているように思います。先ほど来お話が出ておりますJISに該当するISOとかIECとか、この二つの国際機関があるようでありますが、規格数の関係、ダブるものはどうなっているかということ、それから、これは見直し期間が五年というふうになりますけれども、その期間が切れる順で、また新規に決める規格については、その都度こうしたものと整合性を合わせていくということになるということですね。まずこの点についてはどうですか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 五十三年度末、JIS規格総数が約七千七百、国際規格であるISO規格は約三千七百、もう一つのIEC規格は約八百八十でございます。それらとの整合性につきまして、昭和五十五年度より調査のための予算措置を講じておりまして、今後はわが国産業に及ぼす影響とか、貿易上の障害を考慮しながら整合性をとるように努力していきたいと考えておるわけでございます。  なお、見直しの時期は、今後もし五年ということでお認めいただければ、そういった方向でその都度国際規格との整合性を頭に入れながら、国内の状況を判断しながらJISを決めていく、こういうかっこうになろうかと思います。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 ISO、IECなどの国際規格は、参加をたてまえとしておるようであります。幹事国になれば規格原案を提案して、その線を中心に検討される仕組みになっているようでありますが、現在日本が引き受けているものはどのくらいあるのか、お答えいただきたいと思います。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 お答えいたします。  国際的な標準機関といたしましてISO、IECがあるわけでございますが、ISOについて申しますと、専門委員会が百五十七ございます。この百五十七の中で、投票権を持った参加形態、これをPメンバーと申しますけれども、このPメンバーの登録をいたしているのは七十六でございます。また、この百五十七の専門委員会の中で、日本が幹事国を引き受けております数は二つでございます。  IECについて申しますと、二分科会を引き受けているわけでございます。この幹事国の引き受け数としては非常に少ないということでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 ISO、IECなどの国際規格を自分の国の規格にしている国は、イギリス、西ドイツ、フランスなど、ヨーロッパで十カ国も生まれておりますし、一方、発展途上国でも採用する国はふえておる。こうした中で、スタンダードコードにより国内規格の国際規格への準拠がうたわれているわけでありまして、こうした中で日本も積極的な対応が迫られる。大臣のお答えによれば前向きにこれに対処されるというお話ですが、TCやSCに名乗り出て幹事国を引き受ければ、国内のJISとの整合性を考える上では大変なことになるように思います。大変なことというのは、非常に悪い結果が生ずるという意味よりは大変困難な技術上の問題がいろいろ起きるのではないかということです。日本のJIS規格の性質はどちらかというと製品規格で、形状とか寸法、品質、性能、試験、分析、検査、測定あるいは用語、記号、単位など、こういうものを定めるものに対して、ISOやIECの場合には技術的手法、アプローチ方法を定めておるような、そういうベースによってどうもちょっと違うところがある。この違いをどのように克服していくのかということを考えても大変な問題であろうと思うのです。  そこで、こうした積極的な対応を迫られる、しかし技術的に非常にむずかしい問題がたくさんあるということで、この面の予算はどうなっておるのか、五十四年度、五十五年度でお答えいただきたいと思います。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 お答えいたします。  規格について、国際規格との整合性を確保するということは、先ほど私ちょっと触れたわけでございますけれども、非常に重要でございますし、同時にこれは大変なことだと思うわけでございます。なかなか一朝一夕にできるものではないというふうに覚悟いたしております。  今後新たに制定する規格につきましては、スタンダードコードにのっとって、わが国固有の事情にも当然配慮しながら国際規格に準拠さしていくわけでございますが、既存の規格につきましても、その見直しを行う場合に国際規格にこれを合わしていくという作業が必要になるわけでございますが、これらのための予算措置といたしましては、昭和五十五年度に一億九百万円の予算を計上いたしているわけでございます。ちなみに五十四年度、本年度につきましては四百万円ということでございますが、来年、五十五年度以降はこの法律の改正も完了いたしまして、整合性の確保に努力を続けていくということで、これだけの予算を計上いたしてあるわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 私の聞いたところでは、技術的な貿易障害対策として三千万円という項目がちょっとあるようですが、これはどういう関係になりますか。間違いですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 一億九百万円と申し上げたわけでございますが、これは関連予算全体を御説明したわけでございまして、第一番目に国際規格とJISとの整合性を図るための原案の作成費といいますのが六千二百万円でございます。次に国際規格とJISとの整合性を図るための特別調査研究費というものが二千九百万円ございます。また、以上二つはJISを国際規格に合わせるための予算でございますが、逆に国際規格回答原案作成費、これは国際規格を日本に有利にと申しますか、持っていくためのものでございますけれども、国際規格回答原案作成費として千八百万円、合計一億九百万円ということでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 予算の面で見まして、いまJISを国際規格に合わせていく予算として御答弁いただきましたけれども、そんなもので足りるんですかね。本格的な対応が必要ではないのかと思うのですが、その点いかがでしょうか。     〔堀内委員長代理退席、委員長着席〕

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 五十四年度にほとんどゼロであった予算を五十五年度に一億以上の計上をしたということは、現在の予算の実情からいたしますと相当私どもも努力をし、また関係方面にも非常に御理解をいただいた結果と考えるわけでございますけれども、確かにお話のとおり、これで十分であるかという点については、やはり規格を国際規格に整合させるということは非常に重要かつ大変な問題でございます。数年かかってこれをやっていくわけでございますので、今後とも予算の確保その他必要な措置については努力をいたしてまいりたいと思います。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 ちょっと問題を変えまして、国内の製造業者に対するJIS表示の問題については、この民間の検査機関ですか、これは問題ありとした場合にはその使用を四十日間ですか、差しとめてその間にもう一遍検討をして、そして取り消すなりなんなりする、こういう仕組みになっていますね。     〔委員長退席、堀内委員長代理着席〕 外国の業者に対しては、これは使用しないように請求するという言葉になっていますね。期間は八十日間で倍に延びていますけれども、請求する、この違いはどうして生じたんでしょうか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 国内の検査機関に対しましては、これは政府と検査機関との関係から申しまして、権力関係が成立するわけでございますが、海外の許可製造業者に対しましては、やはり日本国政府と海外の製造業者とは、ある意味ではそういう権力関係がないわけでございますので、これは請求ということにしたわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 いまちょっと非常にお声が小さくてよく聞こえなかったのですが、外国の製造業者に対しては日本の権力が及ばないということですか。行政権力が及ばない、それは当然ですね。そうすると、この請求の法律的性質はどうなるんでしょうね。相手がうんと言わなければだめだという一般の民事上の相手の行為を請求する権利である、つまり形成的な効力がないということになりますか。要するに対等者間の請求ということになるわけですかね。

小野雅文工業技術院標準部標準課長

○小野説明員 いまの問題については、純粋に民間同士の契約といったようなのとは違いまして、やはり工業標準化法という公法に基づいて政府が行う一種の処分であるというふうに考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 そうしますと、外国に居住しておる製造業者に対して日本の行政権力が及ぶという考えですか。

小野雅文工業技術院標準部標準課長

○小野説明員 外国の工場そのものには当然権力は及ばないわけでございますが、入ってくるJIS製品については、正しく承認を受けた工場以外については輸入しても販売できないわけでございますので、一種のメリットが外国工場に与えられているというふうに考えておりまして、そういう物を通じて支配といったものがあるのではないかというふうに考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 それは、輸入業者が使ってはならないということはこの法文にもちゃんと書いてあります。それから、日本の領域内に入ってきてからの問題は、それは日本の行政権力が及ぶわけですから当然なんですね。問題は、外国の製造業者、承認された業者に対してJISマークを使うな、要するに認定機関が問題ありとなった場合に、八十日間使っては困るということを言うわけでしょう。だから輸入してきた、入ってきた、その水際で何かやるならこれはわりあい法律論として簡単に解決するのですが、外国に居住する外国人、もちろんこれは属人じゃない、属地ですから外国人でなくてもいいのでしょうけれども、外国の工場に請求するわけですよ。その効果はやはりどうしても対等者間の、つまり使わないでくれというお願いといいますか、ただ確かに課長のおっしゃるように物を通じて事実上の強制力、間接強制的なものが及ぶというふうになるかもしれませんが、法律的性質から見るとそういうことは事実上の効果であって、法律上はやはり請求であるから相手方の工場の経営者といいますか、これには直ちに法的効力が及ぶというわけではないのじゃないか。私がそれを心配して伺うのは、もしトラブルが起きて八十日間とめてもらいたいということで、向こうが事実上従えばこれは文句がないわけですね。ところが、御存じのように外国の方々はなかなか権利主張が強いですから、あいまいのままでなあなあでいくということはなくて、とんでもない、八十日間使用停止しないということで不服の申し立てをしたいという場合に、行政処分であると考えれば外国のビジネスマンが日本の政府に対して行政不服審査法なり行政訴訟法なりをストレートに使えるわけですけれども、外国の業者に対してそういう使用の差しとめを請求するということになっていますから、差しとめられる側から言うとやはりこれの救済手段ですね、これはどういうふうに確保されているのかという心配が実は行政訴訟法上出てくるのではないか、そういうことを心配するので、この請求という言葉にかえた理由は先ほどの答弁でわかりましたが、その請求というものの法的性質をきちっと決めておかないとまずいんではなかろうかと思って聞いているわけですから、そういう観点から御答弁をいただきたい。

小野雅文工業技術院標準部標準課長

○小野説明員 私ども、違反工場に対して請求を行うわけでございますが、その請求に従わなかったときには当然その工場を承認を取り消すというようなことができるわけでございます。したがいまして、私どもの方が公権力に基づきましてそういう取り消しということができますので、請求というような言葉ではありますけれども、かなり命令に近い形のものではないかというふうに思っております。したがいまして、その請求について不服がある場合には、その申し立てのチャンスというふうなものを相手に認めるのは当然ではないかというふうに考えておりまして、いま先生のおっしゃいました不服審査法ですとかあるいは行政事件訴訟法の対象には私どもとしてはなるのではないかというふうに考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 こういう点は立法技術の問題や国際法上の問題もいろいろ考えなければならないと思うのですが、一つの解決方法として、先ほど近江委員も、外国における立入検査の場合にその製造業者と相対ではなくて、やはり外国の政府、御答弁もそうだったですか、外国の政府の包括的な承認も必要だということがありましたけれども、外国の政府を使うという手も考えた方がすっきりするんじゃないか。つまりその製造業者の所属する外国の政府に対して、JISマークを使ってはいかぬということでそっちの政府の命令としてやってもらえるような協定を結ぶ。そうすればそれは外国の政府の行政行為としてやるわけですから、日本とはそういう協定でやっていくという方が、日本の政府が直接外国の製造工場にそれを使うなと言っても、こんなことが起き得るかどうかわかりませんけれども、外国で勝手につけて外国内で売っている場合にはこれは何ともしようがないですね。日本の水際に入ってくれば輸入業者、これは日本の行政権力が及びますから、そういう表示をしたものを日本国内では売ってはならぬということはこの法律にも書いてあるわけですね。ところが外国人同士が、これは日本のJISに合格したものだということで売り買いしたってこれは何ともしようがないですね。これは今度はまた何回か来て輸入業者に入ってくるということもあり得るのでしょうけれども、その輸入業者の段階でチェックするか、あるいはどうしても外国でJISマークを八十日間とめたい、あるいは取り消しで使ってはいかぬということにする場合、外国政府を使うのも一つの考えじゃなかろうか。請求という言葉はいままでの立法例から見ると非常に珍しい立法例なので、多分これは、そんな日本の政府の言い分は聞いていられないということになって、外国の権利主張の非常に強い業者が何らかの法的手段に訴えたいという場合に非常にあいまいなことになるんじゃないか、不服の救済方法も。     〔堀内委員長代理退席、委員長着席〕 その辺よく日本でも、政府内部でも法制局と詰めてもらったりしなければならないと思いますけれども、一つは外国の政府を使ってやるということだってあると思うのですね、方便が。この請求という条文そのままで構わないものかどうか、いかがでしょうか。

小野雅文工業技術院標準部標準課長

○小野説明員 いま先生のおっしゃいました相手の外国政府と協定等で相手企業を何らか取り締まるという方法がないかというような御意見でございますけれども、一応そういうふうな外国政府との条約あるいは協定というふうなことになりますと、たとえば今度のスタンダードコードのように外国の検査機関を相互に活用しようではないかというようなところまでは可能だろうと思いますが、日本の国にかわって外国の政府がその国の工場を取り締まるというようなところまでの協定を結ぶというのは困難ではないかというふうに考えます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 それならいっそすべて日本の水際で問題を解決することにして、輸入業者のところでぴしっと押さえるということにしたら、これまたわかりやすくていいと思うのですが、いかがですか。

小野雅文工業技術院標準部標準課長

○小野説明員 いま先生がおっしゃいました水際で取り締まる方法としては、一つは物を検査する、輸入品を検査して、それが規格に合っているかどうか調べて、合っていればその段階でJISマークの表示を認めるというようなやり方が一つあろうかと思います。ただ、その場合には、現在の国内の制度と違うというようなことで、スタンダードコードの内外無差別の原則に一つは反しますのと、それからもう一つは、JISの場合には非常に多品目で、それから中で決められている項目が非常にいろいろなことが決められているものですから、それだけの検査機関を整備するというのに相当の設備投資費用がかかるんではないかというようなこともございまして、水際のところでJISを押さえていくというふうなのは非常にむずかしいかというふうに考えまして、今回のような制度改正を行ったわけでございます。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 きょうの持ち時間が迫ってまいりましたのでこの問題余りやっているとあれですが、私の質問は、相手に利益を与えるときにはそれは向こうはJISマークもらいたくて申請するわけですから協力すると思うのですよ。問題は利益を剥奪するときの問題を言っているんですよ。だから、利益を与えるときの検査やなんかは、それは外国へ言ってやってもまあおよそ協力してやってくれるだろうと思うのですよ。問題ありとなって八十日間使っちゃならぬ、その間に再検査をして取り消すかどうか決めるという、この八十日間とめるあるいは最終的に取り消す。一たん与えた利益を剥奪しますね。この段階で請求などという、使用しないでくれという請求という形をとるわけですね、外国の業者に対しては。しかしおっしゃるところによると、行政権力は外国人には及ばない、外国には及ばないという非常に奇妙なことになってくる危険があるので、そういう場合に外国の業者を直接権力で取り締まるわけにいかぬので、その場合の話を聞いているんですよ。その場合には水際でやった方がすっきりするのではないか。直接外国の業者に請求するなんというよりも、そういう形で日本の国内に流通するのを防ぐ、八十日間、そういう方法もあるではないか、その方がすっきりするのじゃないか、一つの考えじゃないかと思うのですけれども、それを聞いているんですよ。

小野雅文工業技術院標準部標準課長

○小野説明員 いまの請求というふうなのは確かに外国工場に対して直接請求することになりますが、それに従わなかった場合には取り消しというふうなことをしまして、取り消されましたときにその工場が相変わらずJISマークをつけてくる場合には、それを輸入しました輸入業者が国内で販売できませんので、やはり輸入業者の段階でチェックできることになるんではないかというふうに考えております。

安田純治日本共産党・革新共同

○安田(純)委員 持ち時間がなくなりましたので、いまの質問に対するお答えは私は不満足ですけれども、きょうはこの程度で終わっておきます。まだほかにも国内の中小企業に対する影響の問題、いろいろお伺いしたいことありますけれども、次回に譲りたいと思います。  終わります。

塩川正十郎自由民主党・自由国民会議

○塩川委員長 これにて安田純治君の質疑は終了いたしました。  引き続き、宮田早苗君の質疑に入ります。宮田早苗君。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 この法改正の主な内容としては、さきの東京ラウンド交渉の一環として決められました、外国の製造業者等に対してJISマーク表示制度の利用を開放するということが中心になっておるわけですが、最近こういう状況の中にもかかわらず為替市場の動向からして円相場が非常に不安定になっておるときだけに、この問題に対しまする国内の製造業者に大きな不安を与えるんじゃないかというふうに思うわけです。その対策については通産省の方で十分考えてもらわなければならぬと思いますが、その点お考えをひとつお聞かせ願いたいと思います。

花岡宗助通商産業省貿易局長

○花岡(宗)政府委員 お答えいたします。  円安に関しましては、昨年十二月以降小康を保っておりました円相場が、最近になりまして弱含みに推移いたしておりましたけれども、これは主として日本の経常収支の赤字がなお継続しておること、あるいは日本の卸売物価の上昇率が高水準であるといったような基礎的な要件の不均衡によるものであると考えられるわけでございますが、しかし去る日曜日の夜、日本、アメリカ、ヨーロッパが協力いたしまして円安対策に努めるということを発表いたしました。これを受けまして昨日から円相場はやや高目に推移いたしておりますし、本日も二百四十七円九十銭で寄りつくというようなことで、安定化の兆しを見せております。いずれにいたしましても通産省といたしましては円相場の急激な変動は貿易に与える影響が好ましくないと考えておりますので、このような円安対策の効果によりまして、今後とも円相場が安定していくことを期待いたしておる次第でございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 もちろんいまおっしゃったように日銀なり大蔵省なりがそれぞれ対策を立てて手を打ったということなんでございますが、やはり通産省としましてはいまおっしゃったように円相場が安定をするということが好ましいわけでございますので、その安定のために通産省として何らかの打つ手はないのかどうか、その辺はどうですか。

花岡宗助通商産業省貿易局長

○花岡(宗)政府委員 お答えいたします。  これにつきましては、直接的には通貨当局でございます大蔵省なり日銀が為替相場の安定の第一義的な責任官庁といたしまして対策をとっておりますが、通産省といたしましても、こういった経常収支の赤字の改善あるいは物価の安定といった方向の努力を進めていかなければならないということで、現に進めております次第でございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 この制度が開放されますと、輸入商品と国内商品との関係で競争がますます激しくなる、こう思うのです。もちろん消費者の立場からすると好ましい面もございますが、逆に企業の立場、業者の立場からすると大変な問題だというふうに思うわけでございますが、この点について通産省の方で何かお考えがありましたら聞かしてほしいと思います。

花岡宗助通商産業省貿易局長

○花岡(宗)政府委員 お答えいたします。  ただいまの円安傾向は、貿易面におきましてはむしろ輸出に対しては有利になり、輸入についてはむしろ入りにくい環境を形成しておるという状態でございますので、現に昨年の後半以降、円安傾向が進むに従いまして中小企業等の輸出の数字は目に見えて伸びておるというのが現状でございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 そこにまた別に問題がございますのは、わが国の輸出に対しましては、伸びておるというふうにおっしゃいますものの、いろいろな規制というものがその国で行われる傾向にある、こう思うのです。ところが、わが国が入れる商品の問題については開放するという、ちょっと矛盾をしたような状態になっておると思いますけれども、その点について何らかの手を打たないと、まあわが国の最大の生きる道としては輸出ということが中心でないといけないというのはわかっておりますけれども、それがいま日本が行おうとしておるものとは逆な形で規制をしようという、こういう問題がいろいろなところで起きておるということに対しての通産省の考え方はどうですか。

花岡宗助通商産業省貿易局長

○花岡(宗)政府委員 お答えいたします。  いまの日本の輸出に対します対外的な摩擦を生じないようにいたしますためには、世界の自由貿易を維持するという方向が最も日本としては好ましいわけでございまして、その観点から、日本も諸外国、他の先進国並みに国内の市場の開放を進めておるということを海外に認識させるということが、現在日本のとり得ます最大の輸出振興策ではないかというような考え方で貿易政策を進めておるところでございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 それはよくわかるわけでございますが、何しろそういう輸出振興策ということでがんばってやってはおりますものの、せっかくそれが軌道に乗りかかったところが、どっこい日本の商品を規制するというようないろいろな対策が立てられるということに対して、これから十分にひとつ考えていかなければならぬというふうに思いますが、それは別にいたしまして、もう一つは、先進諸国と発展途上国との関係というのを、この問題を開放するに当たりましてはやはり別々に考えておく必要があるのじゃないかと思うのです。先進諸国の問題については、いまおっしゃったような形で案外スムーズにということでしょうが、発展途上国の問題につきましては、やはりこういう日本のJIS規格制度に合致させるということについての別な支援というものが当然に必要じゃないかと思いますが、その点についての対策は何かあるのですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 今回JISマーク表示制度を改正いたしまして海外各国にこれを開放するわけでございますけれども、これを希望しております国は、先進国よりもむしろ発展途上国の方が多いわけでございます。しかしながら、これらの発展途上国の企業にとりましては、JISマークは希望するけれどもその審査に果たしてたえ得るだろうかという点については、やはり技術上の問題、技術レベルの問題等がございまして、なかなか困難な面もあろうかと思います。  私どもといたしましては、現在、発展途上国に対する標準行政面での援助といたしまして、毎年発展途上国の標準行政関係の担当の職員を日本に呼びまして、これを研修をするというようなことをやっているわけでございます。また、そのほかにもJICA等の予算を使いまして、後進国に対して標準制度の確立についての技術援助のチームを派遣する等のことを行いまして、これらの後進国に対してできるだけの援助を続けていきたいというふうに考えております。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 円が相当に安くなっておりますときだけに、こういう開放をいたしますと、自然そういう商品が多くなってくる。まあそうならねばいかぬと思うのですけれども、そういたしますと、それでなくても物価が上がりぎみなときでございますだけに、極端に言いますと、このことによってインフレが助長をされる原因になりはしないかという懸念もまたあるわけでございますけれども、こういう問題についてはどういうお考えですか。

花岡宗助通商産業省貿易局長

○花岡(宗)政府委員 お答えいたします。  まさにいま先生が御指摘になりましたように、円安傾向の場合に私どもが一番心配いたしておりますのは、輸入インフレと申しますか、輸入物価に対する影響という点でございまして、そういった観点からも二日に発表されましたように、日本といたしましてはアメリカ、ヨーロッパと協調的に介入いたしまして、これ以上の円安の進行を防止しようという国際的な手も打ったということでございまして、政府といたしましては為替の安定ということに全力を挙げておるという次第でございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 円安問題についてはこれで終わらしていただきますが、せっかく大臣お見えでございますから要望しておきます。  今日非常にむずかしい状況の中で円対策がとられておるわけでございまして、問題はどう安定させるかにかかっておるわけでございましょう。こういう問題については、やはり通産省といたしましても相当な関心を持っていただかなければならぬ問題だと思いますので、円が安定をするような格段の対策を配慮していただきますように、ひとつ十分に気をつけていただきたいということをお願いしておきます。  次に日本工業標準調査会について、この調査会は通産省に置かれるわけでございますが、この運営問題です。数が二百四十名以内で組織されておるようです。しかも、一般的に調査会ということで見ますと、何かしらん人数が多いような気がするのですが、運営を含めて、これについておたくの方でちょっと説明してくれませんか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 日本工業標準調査会と申しますのは、工業技術院設置法第九条第一項の規定によりまして工業技術院の付属機関として設置されております。その権限、組織等に関しましては、同条第二項の規定によりまして工業標準化法に規定されておるのでございます。  調査会の権限でございますが、主務大臣が工業標準を制定しようとするときに、当該案につきましてあらかじめ審議する、そして主務大臣に対して答申するということがございます。それからJISマーク表示の対象品目を主務大臣が指定する場合に、あらかじめ当該指定に関しまして審議し答申する。さらに工業標準化の促進に関しまして関係各大臣の諮問に応じて答申する、または関係各大臣に対しまして建議をすることがございます。  調査会は御指摘のとおり委員二百四十名以内で組織されております。委員は学識経験者及び関係各省庁の職員のうちから、関係各大臣の推薦によりまして通商産業大臣が任命し、任期は二年でございます。なお、会長は委員の互選によって選出されるということになっております。  また調査会には特別の事項を調査審議するために臨時委員、また専門的事項の調査を行うために専門委員が置かれているのでございます。  調査会には総合部会的な機能を有する標準会議及び部門別の部会が置かれておりまして、各部会には専門事項別の専門委員会が置かれておるというようなことでございます。  参考までに申し上げますと、部会の数が二十九でございまして、臨時委員の数は約二万名でございます。それから専門委員の数は七百五十名という非常に大きな組織でございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 この法律が改正された後もこのままの考え方でいかれるのかどうか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 調査会の運営方法につきましては先ほど申し上げましたとおりでございますが、今般のスタンダードコードの趣旨にかんがみまして、具体的な運用に当たりまして十分海外の意見等が反映し得るということにするとともに、消費者、中小企業等の幅広い各層の御意見を十分聞きながら、適正な運営を図るようにいたしたいということでございます。したがいまして、組織その他は維持するけれども、具体的な運営に対して海外的なことを相当強く意識しながらやる、こういうことでございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 規格の表示制度を開放しておる国というのが大分あるんじゃないかと思いますが、日本の商品で、他の国で他の国の制度に入っておるといいますか、日本の商品が他の国の、日本で言います規格をしてもらっておるところはどういうところがあるのですか。日本の商品を輸出して、その国の制度の適用を受けておる国、どういうところですか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 先進諸国の認証制度でございますが、従来から海外に対して開放されているというように私どもは考えております。  具体的に申しますと、アメリカのULマークあるいはカナダのCSAマークとか、それから英国のBSIマークとか西ドイツのVDEマーク、フランスのNFマーク、オーストラリアのASマークというのが例でございます。これらの運用におきましては、国内の製造業者に対する認証と同じ方法を海外の事業者に対しても適用しておるわけでございまして、日本もそれと同じ扱いを受けておる、こういうことでございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 こういうことになりますと、日本の商品をまだまだたくさんの国にその制度の適用をしてもらう活動といいますか交渉といいますか、そういうのが必要と思う。極端に言いますと、日本の商品が海外に出るときには必ずその国の制度の適用を受けておるんだということにしなければならぬと思いますが、そういう問題について、いま皆さんの方でどういう折衝をされておるか、新たにこの問題を広げるために。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 対象によって非常に違うわけでございますが、先ほど私が申し上げましたのは先進国の例でございます。発展途上国につきましては、いま私が申し上げました方式と違っておるところあるいは規格化が十分進んでないところ、いろいろございます。そういった意味におきまして、私どもの立場としましては、技術的に発展途上国を援助しまして規格化がスムーズに進むように、いろいろな意味での技術的な援助をしていきたい、こういうように考えております。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 東京ラウンドで成立をした協定後の実施状況というのは、またおのずから変わるということよりは、多くなりつつあるのじゃないかというふうに思うのですよ。東京ラウンドでいろいろ成立いたしましたこの協定、各国ともそれを批准といいますか、適用、開放するということになると思うのですけれども、いまその傾向としてどの程度のふえ方をしておるものか、わかっておれば聞かしてもらいたいと思います。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 東京ラウンドにおきまして、技術的障害の一環として規格の問題が取り上げられまして、それについてスタンダードコードの案ができましたのは昨年も早い時期でございます。したがいまして、こういった問題については国際的な関心も非常に高まっているわけでございますけれども、このスタンダードコードにおきましては二つ大きな面がございまして、一つはいまお話のございました表示制度を開放するという面でございます。第二の問題は、国際的な規格づくりを進めて各国の規格をこれに整合させようというのがもう一つの大きなテーマでございます。  第一の点につきましては、いま院長から御説明いたしましたように、各国、特に先進国におきましては、その認証制度自体は開放しているケースがほとんどでございます。したがいまして、それについて特に最近において変化があったというようなことは私ども存じていないわけでございますけれども、今後、私どもの一つ考えております考え方といたしましては、日本が今後産業構造を非常に高度化させていくという面におきましては、こういう検定機関と申しますか、検査機関というようなものを非常に育成していく必要があるのじゃないか。そういう点からいいますと、先ほど院長が申しましたアメリカのUL規格でございますとかあるいはカナダのCSA規格といったようなものにつきまして、今度は逆に日本の検査機関がそれらの国の認定を受けて検査をするといったようなことで、日本の検査機関の力を国際的に強めていくという方向が一つあろうかと思います。  それから世界全体といたしましては、ISOあるいはIECの場におきまして国際的な認証制度を今後進めていきたいという意見もございますが、これはまだなかなか一朝一夕にできるものではないというふうに考えておるわけでございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 日本の商品が諸外国でいろいろ認定をしてもらって出回るわけですが、その過程でトラブルが起きた例というのはないのですか。

花岡宗助通商産業省貿易局長

○花岡(宗)政府委員 現在のところ、わが国からの輸出に際しまして、諸外国の制度が輸入障害となりましてトラブルを生じておる事例は特段聞いておりません。  アメリカ、ECを初めこのスタンダードコードについてはすでに百二十一カ国が本署名を終わっております。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 さきの質問のときに、今年度三件程度というふうに言われましたが、これはことしの三月までの分ですか、それとも五十五年度を含めてですか。もし三月までだったら五十五年度はどの程度予測されておるか、お聞かせ願いたいと思います。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 海外からの申請件数について、三件程度の予算措置を講じていると申しましたのは、これは五十五年度の予算でございますから、明年の三月までということでございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 そうすると、これは予測でございますのであれだと思いますが、こういうことになりますと、ふえる傾向というのは考えられるのですね。また、ふえる傾向の方が好ましいと思うのですが、極端にふえた場合、三件が八件とか十件というぐらいになりましたときには、やはりそのふえた体制に沿うだけの準備をする必要があると思いますが、そういうことはないですか。

松村克之工業技術院標準部長

○松村説明員 私ども、初年度の申請件数といたしましては、やはりPR不足等もございまして、この程度ではないかと思っておりますけれども、先生のお話のようにまあうれしい誤算と申しますか、これ以上の申請があった場合には、当然のことでございますけれども適当な予算措置によりまして、その申請を受け付けて検討するということになると思います。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 次に、消費者の立場からいたしますと、もちろんこのJIS規格ということについて好ましいことを前提にしてということで言うわけでございますが、たとえばアメリカ製品、輸入製品あたりを買う場合には、このJIS規格というあれがありましても、国別の商品、どこの国の商品かということによって品物を選定するということの方が強いのではないかと思うのですね。だから、そういうものについて、もちろんどこの国の商品である、しかも日本のJIS規格に適合しておるという、まあ併用ということになると思うのですが、そういう問題についてひとつ考えてもらわにゃいかぬと思うのは、買う場合に、どうも識者の人々はJISマークということについては大変重きを置かれておるようですが、一般的にはJISマークということよりは、ただこれはアメリカの製品だ、イギリスの製品だということの方に重きを置いてお買いになる。どうもPRの面について、日本のいままでのいきさつから考えましても、長い間の制度でありながらもなかなかうまいぐあいに浸透してないということなんですが、その辺どうですか、やり方として。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 一般の消費者に対しますJISマークのPR活動というものは大変重要だというように考えております。  いろいろな方法をとっておりますけれども、一つは刊行物の作成、配布ということでございまして、工業標準化制度全般について説明いたしました「わが国の工業標準化」、あるいは主要なJIS商品について説明いたしました「かしこい消費生活へのしおり」、これはJIS商品のガイドでございますが、こういうようなものを作成したり配布したりしております。  それから、二番目に工業標準化振興運動の実施でございまして、工業標準化の必要性につきまして広く啓蒙するため、毎年十月及び十一月を工業標準化振興運動期間と定めまして、官民の協力体制のもとに、国民の各階層を対象といたしまして標準化に対する講習会だとかゼミナールを実施しております。  三番目に、このほかポスター、標語の一般からの募集だとか、消費者代表との懇談会の開催とか、テレビを使いまして放映していただくとか、スライドの作製とか映写とかいうようなことをやっておりまして、私どもとしましてはできるだけの努力をしておるつもりでございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 今度は見直し措置について三年を五年ということになさっておるわけでございますが、今日のように工業製品が非常に急激に変化をするとき、長くなさるということよりはむしろ短い期間に見直しということをされた方が適切じゃないかと思うのですが、三年を五年になさった原因は何ですか。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 規格の見直し期間につきましては、ISO規格の見直し期間が五年間という期間を採用しておりまして、今回はわが国の法改正に際しましてこれに合わせたということでございます。  従来の運営状況、運営実態を見てみますと、三年内に規格の内容の改正をしなければいけないということになったものの割合というのはきわめて少のうございます。一割程度でございまして、さらにまた別途、見直しの期間にならないうちに主務大臣が必要とあれば制定された規格を改正することも可能でございます。そこで当省といたしましては、技術進歩が非常に著しい分野における規格などにつきましては、従来の運営どおり絶えず見直しを行って技術進歩に即応させていくというようにしたいと思っておりまして、本改正によりまして適切な見直しが障害を受けるというようには考えていないのでございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 最後にお聞きするわけですが、特に消費者という立場からいたしますと歓迎すべきことなんでございますが、この制度の中に消費者の意見というものが取り入れられてないんじゃないかというふうな、もし取り入れられておるということがありましたら、どこで取り入れられるものかということをお聞きします。

石坂誠一工業技術院長

○石坂政府委員 JISの実質的審議を担当いたしますのは先ほど申しました工業標準調査会の専門委員会でございますが、消費関連物資につきましては専門委員会の構成のメンバーといたしまして消費者の代表を必ず入れることにしておりまして、その専門委員会の場での論議を通じまして一般消費者の御意見がJISに反映するように運営しておるわけでございます。  御参考までに専門委員会の構成比率を申し上げますと、ほとんどの専門委員会は生産者が三、それから使用あるいは消費者が三、中立四の割合で構成されております。一部の品目につきましては生産者三、使用、消費者三、販売者一、中立三というような構成になっておるものもございます。

宮田早苗民社党・国民連合

○宮田委員 これで終わりますが、何しろこの問題については、使う者は消費者ということでございまして、特に国内商品ならともかくとして、外国商品ということになりますとなかなかむずかしい面もあると思いますので、決められる際には消費者の御意見を十分に反映してもらうように、格段の配慮をしていただきますように要望いたしまして終わります。ありがとうございました。

塩川正十郎自由民主党・自由国民会議

○塩川委員長 これにて宮田早苗君の質疑は終了いたしました。  次回は、来る七日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四分散会

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