商工委員会 第4号
- 発言数
- 281 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1980/02/22
会議録
○塩川委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石野久男君。
○石野委員 通産大臣にお尋ねします。大臣は所信演説の中で、「頭脳資源大国へ飛躍することが必要です。」ということをおっしゃられておりますが、この頭脳資源大国へ飛躍することについての構想はどういうことをねらっていらっしゃるのですか。
○佐々木国務大臣 一つは、中小企業の、言うなればソフトウエアと申しますか、そういう点の充実を図りたいと思いまして、中小企業大学を設置することにいたしまして、大学校でございますけれども、ただいま予算もつきましたので、準備中でございます。 〔委員長退席、渡部(恒)委員長代理着席〕 その他、特に科学技術の充実が一番重要な課題に八〇年代はなるに違いないと思いまして、今後各種試験機関あるいは基礎研究、応用研究等万般にわたりましてこの充実を進めたいということで、ただいま省内こぞってその方向で努力中でございます。
○石野委員 少なくとも大臣が八〇年代の通産行政の課題の三つとして挙げておる内容でございますから、大学をつくるとかその他のことといっても、それではちょっとやはり柱としては何か弱いような気がしますけれども、もうちょっと具体的にひとつ話してください。 〔渡部(恒)委員長代理退席、委員長着席〕
○佐々木国務大臣 具体的に申し上げますと、資源エネルギー関係でございますけれども、これはよく石野委員御存じのように、わが国は大変貧弱なものでございますから、新しいエネルギーを創造する以外にしようがないわけでございまして、いわば代替エネルギー、石油代替エネルギーと普通言っておりますけれども、この方面の研究開発を進めたいということで、今年度は特にその開発機構、あるいは開発の財源等を用意いたしまして、いわばエネルギー元年とも称すべきスタートを切りまして、これから大いに進めるつもりでございます。 そのほか、特に今年度の技術面で一つの新しい状況といたしましては、ジェットエンジンの開発をしたいということ、あるいは天然ガスとか液化石油ガスと申しますか、LNGとかLPG等の、特にLNGから石油と同様の、いわば化学資源というものを開発できないかということで、これも新しい研究といたしまして取り上げるほか、従来のプロジェクト等はそのままピッチを上げまして推し進めるような、そういうことを進めております。
○石野委員 いまの頭脳資源の大国というのは、一方ではやはり集約型の産業を興すということ、それからそれに対する教育の問題はもちろんありましょうが、いま言われたLNGだとかLPGあたりに対して政策的施行をするという場合は、国がそれをやるということなんですか。それとも企業に対してそういう補助を積極的にやるという意味なんですか。どういうことなんですか。
○佐々木国務大臣 両方含んでおります。
○石野委員 そのための予算措置としては本年度どの程度のことをやっているのですか。
○森山(信)政府委員 大臣の御答弁を若干事務的に補足いたしますと、私どもエネルギー政策の根幹は三つあると思います。その一つは代替エネルギーの開発でございますし、それから二つ目は省エネルギーの推進、それから三番目が石油の安定確保、この三つが有機的に連動いたしまして今後のエネルギー政策を推進してまいりたいということでございまして、いまお尋ねの代替エネルギーの開発についてどういう予算を組んだかということでございますが、これは先生よく御承知のとおり、従来は特別会計、これは石炭石油特別会計と電源開発特別会計、これで運用したわけでございますけれども、今回新たに、現在御審議いただいております予算案の中には石油税の一部流用、それから電源開発促進税を、従来キロワットアワー当たり八銭五厘でございましたものを三十銭に上げさせていただきたい、こういう案をつくりまして御審議をいただいておるわけでございまして、それを活用いたしまして代替エネルギーの開発に取り組みたいということでございます。その特別会計の予算といたしましては、今年度一千百七十六億円の予算を計上させていただいておる次第でございます。
○石野委員 代替エネルギーに対する政府の考え方は従来のことと余り変わりはしないのだし、大臣が特に資源小国の制約を克服するということのために頭脳資源大国へ飛躍するというこの意味をもうちょっと、私は何か作意があるのかどうかというようなことをお聞きしたいのです。いまのお話ですと、従来やっていたこととちっとも変わりはないのですが、特に改めてここへ、通産行政の課題の一つとして第一に挙げているその意味を、政治的意味ですか何ですか知りませんが、大臣の意図はどういうところにあるのですか。そこをちょっと。
○佐々木国務大臣 石野さんも御存じのように、明治以来、戦前、戦後を通じまして、どちらかと言いますと日本はみずから築き上げた技術というよりは海外からの技術を導入いたしまして、そしてこれを日本流に育て上げていったというのがいままでの経過でございますけれども、しかしもう海外から新しく導入しようという科学技術もほぼ品枯れでございまして、今後は日本民族の英知を結集して、自分の力で問題をつくり上げていかなければいかぬという時代に私はなっていると思います。そういう意味におきまして、この八〇年代は特にそういう創造の年代だということで、みずからの創造の科学技術をつくり上げていきたい、こういうのが根本の趣旨でございます。
○石野委員 その趣旨でございますれば、私はたとえばエネルギーの代替を外国から来る石炭の液化とか何かというようなことなどに考えないで、もうちょっと固有の領土の中で調達のできるような方面に頭脳資源大国というものを生かしたらどうだろうか。それもたとえば太陽だとかあるいは海だとかあるいは風だとか、地熱ももちろんありますが、むしろそういうところへうんと力を入れるような努力をなさるのがいいのではないだろうか。予算措置の上からいいますと、どうも原子力には物すごく力が入っているのですよ。ほかにも入っているけれども、そういう固有のエネルギー自給率の恒久的対策として、太陽熱を日本がすぐとるということは、世界的にもそうであるようになかなか年代のかかることだと思います。しかし、大企業的なものでなく、中小企業ベースにかかわるような、非常に小規模の太陽熱をエネルギーの中に取り入れていくようなことなどは、もっと大胆にやれるのではなかろうかというように思うので、そういう点についての着想をもう少し予算の面や政策の面に出していただくのがいいのじゃないかという感じがするのです。だから、そういう点についてせっかく頭脳資源でいこうじゃないかということならば、もうよそからは輸入はせぬでもいいんだ、全部日本の国土の中であるものを使おうという方向へむしろ思考を向けていくことの方がいいのじゃないかと思うのですけれども、その点はどうですか。
○佐々木国務大臣 先ほど長官から御披露申し上げました新エネルギー開発機構の主たる任務はそういうところにあるのでございまして、たとえば太陽熱の問題でもソーラーハウスといったようないままでもほぼ完成しつつある技術をそのまま普及に役立てるばかりでなしに、太陽光線を利用して発電をしようというアモルファスシリコンの活用とか、太陽光線そのものの発電化といった問題とか、それから地熱にいたしましても、これは日本固有のものですから大いにやりたいのでございますが、ただエアボーン、空中から地中の探査をするといったような問題は日本の技術は余りございませんので、アメリカの技術を導入いたしましてそういう調査をするとか、言うなれば新エネルギー源を開発するのにもいろんなそういう最も進んだ方法で進めるのが一番よろしいと思いまして、あらゆる英知をしぼってただいま進めつつあるところでございます。
○石野委員 大臣が頭脳資源大国ということを打ち出しておるものだから私はこういうふうに予測しておったんですよ。たとえば太陽熱をとるにしましても太陽光線の問題にしても、技術の面でアメリカが進んでおる、あるいはその他のいろいろな工作についても、進んでいるのは外国であって日本はおくれている。それならそのおくれているものを外国よりもぬきんでていいものにするような技術開発、学問の研究、そういうところへ通産省が力を入れていく、こういうような先行投資型のようなところに焦点を合わせながら資源大国への道を開いていく、こういうことでなかろうかと実は思っていました。そういうことであるならば私は非常によく理解できるのです。 問題は、たとえば潮流とか波力による電力の確保というようなものについては日本は相当進んだものを持っているし、そういう問題で世界にぬきんでるような学問、技術の開発に、いまは直接的ではないけれども相当程度通産省あたりの思考がそこへ入りませんと、やはり資源大国への道は開けてこないのじゃないだろうか。余りすぐに大企業、独占企業へ奉仕するということでなしに、太陽熱にしても私はこういうように思っているんですよ。太陽からとるものをすぐ電気エネルギーにはできないにしても、熱エネルギーで使う道は相当あるし、それは全体のエネルギーからすればごく微量かもしれませんけれども、それをやることによってずいぶんエネルギー対策は出てくる。率直なことを言いまして、全国の世帯数をいま仮に四千万戸といたしまして、四千万戸の家庭がミニソーラーハウスのような形で、一戸当たり一キロワットの熱エネルギーを確保しても四千万キロワットとることができるのです。そうすると、どういう形にもしろ電気エネルギーをそれだけ補強することができると思います。原発で四千万キロワット確保しようとしたら、皆さんのやり方でしてもまだ十年以上かかる。私どもが言うようにいわゆる廃棄物の処理の問題だとかあるいは欠陥炉を補強するとかいうようなことを考えるとなかなかそうはいかないと思いますけれども、政府の考えている形で四千万キロワットにいくにしても、私は十年ではなかなかいかないだろうと思います。だとするならば、むしろ各世帯で一個ずつ屋上で太陽熱を集中をしますれば一キロワット、恐らくそれ以上のものがとれると思いますけれども、そういうことに通産省が資金を提供して、そういう設備のために半額くらいの補助金を出すくらいにすれば、四千万キロワットは半年たたないうちにすぐに出てくると私は思います。原子力に対する政府の予算的措置で相当膨大な金をかけることからすれば、それの方がいいのではないかと思いますけれども、そういうことについて通産大臣はどのように考えておられるか、また、どういうようにやろうとしていますか。
○佐々木国務大臣 いまお話の太陽問題に焦点をしぼってお話しますと、太陽熱そのものをソーラーハウスのように取り入れて熱源に使う、これはそれだけまたエネルギーの節約になるわけですから、それは補助金あるいは金融あるいは税金面等、多方面にわたって援助方策を立てまして、そして思い切って進めようというのがいまの計画でございます。 もう一つは、先ほども申しましたけれども、太陽光線そのものをアモルファスシリコンで利用しまして、これも小さい蓄電池を各家庭で取り入れてそして進めよう。この方は技術としてはあるわけですけれども、まだ効率が悪いものですから高いのでありまして、これをもっと低めたいということでこの研究を進める。 これは両方とも大変重要な政策で、アメリカでは大体十カ年で二割太陽熱あるいは光線を利用しようという計画ですけれども、わが方はまだそこまでとてもいきませんが、しかし大馬力でひとつ進めようということで、具体的な予算関係等は関係官から御説明申し上げますが、それが一つの一番大きな目玉にもなっております。
○石野委員 エネルギー対策の問題で一番大事なのは、国が自給率を恒久的にどういうふうに向上させていくかということだと私は思うのです。そういう点から言いますと、海外から輸入するものはどんなものであっても、これはいろいろな意味において安定的ではないと思うのです。そういうことからして、たとえば波力を使ったり潮力を使ったり、あるいは風を使う、あるいはいまのような太陽熱とか光線とかいうようなものでエネルギーを確保すれば、いかなる場合にもこれはわが国の経済そのものに役立っていくし、しかも安定的であると思うのです。そういうところに、むしろ目を遠くへ向けた施策がやられなければいけない。しかし、そのことは案外に大企業は望まないのですよね。たとえば太陽の熱をとるにしましても、大企業では大きな機械をつくろうということには一生懸命ですけれども、一世帯に屋上に小さな集熱器をつけるというようなことは大会社は余り好まない。しかしこれをやれば中小企業の仕事はずいぶん出てくると思います。同時にまた、中小企業に仕事が出れば雇用の問題に対してもものすごい解決の力を出してくると思うのです。簡単なことを言いますと、原子力で一千万キロワットの発電をするときの雇用の量と、もし太陽熱で、私がいま言うように一軒の世帯で一キロワットの熱エネルギーをとるための仕事を出した場合に、中小企業に働く労働者は、恐らく原発以上に雇用量がふえてくると思います。しかも、国の資源の上から言えば、長期にわたって非常に安定的なものを確立することができるのでございますから、やはりそういう点にひとつ着意しながら施策をやってもらいたい、こういうふうに思います。 大臣は、第二の項として、国際社会での貢献ということから、資源や技術の国際共同開発に積極的に取り組みたいということを言っておられますが、特に国際的な協力をするということの中で、いろいろありましょうけれども、やはり日中経済の発展の展望とそれに対する施策、こういうようなことで、大臣は特に日中経済協力におけるこの考え方の発展というものをどういうふうにお考えになっておられるか、具体的にはいまどういうようなことをやっておられるのか、お聞かせ願いたい。
○佐々木国務大臣 今度の借款問題等は御承知のことと存じますのでやめますが、特にただいま向こうで希望しておりますのは科学技術協定と申しますか、非常に熱望しているようでございますので、わが方でも研究を進めつつございます。東南アジアでもまたいろいろ希望する向きもございますので、彼此あわせまして問題を進めてみたいと思っております。
○石野委員 科学技術協定の問題等に協力する、これは一つの何でしょうけれども、通産の問題として当面いろいろ問題になっております日中経済協力の中では、日中間における合弁会社の設立等のような問題も出ておるようでございますが、こういう問題について政府はどういうふうに対処しておられますか。
○森山(信)政府委員 合弁構想の前に、先ほどからの先生の御質疑に対しまして、一つだけ事務的にお答えをしておきたいと思うわけでございます。 まず一つは、頭脳資源大国の考え方、それからいま話題にしておられます国際協力の関係につきまして、私どもはこういうふうに考えております。今後の資源政策、エネルギー政策を考えていきます場合に、やはり根幹になりますのは競争と協調の原理ではないか、こういうことでございまして、先ほど先生が御指摘になりました、日本が世界に先駆けて技術開発すべきものを先導的に通産省は育成すべきではないか、こういう御意見がございまして、これはまことに私どもも全く同感に思っている次第でございます。 ただ、一九八〇年代を展望いたしますと、もちろんいまおっしゃいました先導産業の育成、これは日本独自の見地からの育成ということは必要だと思いますけれども、そこにやはり国際協調という観念を取り入れていかないと総合的なエネルギー対策は推進できないのではないかということでございまして、いままさに話題にされておられます中国との関係も、そういった関係での国際協調という線を進めてまいりたい、かように考えている次第でございます。これは中国に限らず、広くあらゆる国とそういった協調関係に達しながら日本の先導産業も育成しつつ、総合的な政策を推進していくということが私どもにとりましての基本的な課題ではないか、こういう基本的な考え方を持っているわけでございます。 そこで、御指摘の中国との合弁構想につきましては、これは主として第二次産業、つまり製造業の分野におきまして合弁企業の構想がつい最近起こってまいったわけでございまして、特に電気機械関係の合弁企業をやったらどうかというようなお話もございましたし、それから資源関係につきましても合弁をやったらどうかという考え方はございますけれども、資源関係の開発につきましては、中国側はまだ必ずしも合弁という思想は持っていないわけでございます。その一つのあらわれは、先般調印いたしました渤海湾の開発でございますけれども、これはいわゆる合弁構想ではございませんで、日本の開発技術を期待いたしまして委託をするという形式でございますので、資源開発に関連いたしまして合弁構想がいま直ちに進むかどうかは若干の疑問がございます。しかし二次産業、特に製造業につきましての合弁構想は、先ほど申し上げましたように特に電気機械を中心にいたしましてかなりな熱意が感じられますので、その間に横たわります幾つかの問題点を解決しつつ、漸進的に取り組んでいく問題ではなかろうかな、こういうふうに考えておる次第でございます。
○石野委員 大臣が予算に呼ばれておるようでございますので、大臣、一つだけ聞いておきたいのですが、日中の経済協力の問題については、四つの近代化が中国で積極的に行われておりますし、そして何よりもやはり生産に力を注いでおるというふうに見受けております。そこで、日中間の経済協力はそのことを踏まえながら拡大していかなければいけないということになります場合、わが国は資本主義の国でございますから、社会主義の国との間における経済協力の関係というのは、口では簡単であってもなかなかやりにくい面があると思います。それだけに政府としては、日本の経済界なり貿易商社等を通じまして、対中国商談と申しますか、そういうものについて幾つかの注意を与えなければならぬものがあるのではなかろうか、こういうように思います。大臣はそういう点についてどういう点に留意すべきであるとお考えでございましょうか、その点をひとつ聞かしておいてもらいたい。
○佐々木国務大臣 お話のように四つの近代化問題があるわけですけれども、その中で軍事問題に対する協力というものは、これはわが国としてはできないわけですから、その他の面で資本、技術等をできるだけ支援いたしまして、そして中国の開発に役立てたいというのが根本であることはもちろんだと思いますけれども、その際、先ほどお話ございました合弁問題でございますが、中国の合弁会社法というのはどういう内容を持ったものか、私実は勉強したいと思いながらまだ余り勉強しておりません。ですけれども、中国自体は大変合弁会社を熱望しておるようでございますので、開発の一つの形態としてはそういう道もあろうかと思いますし、先ほど申しましたような科学技術協定というふうな国対国の問題もございましょうし、あるいは企業対企業の結びつきの問題もありましょうし、いろいろ多方面なやり方があると思いますけれども、特に技術ばかりでなくして、経営資源といいますか、日本はどうしてこう能率よく物がどんどんできるのだろうという経営資源的な手法も向こうとしては大変知りたいというのですか、協力の対象にしておるようでございますので、そういう点等も兼ね合わせまして、業種別にはどういう業種がいいのかこれからの問題だと思いますけれども、向こうの希望に沿えるように進めたらいいんじゃないかと思っております。
○石野委員 ちょっと大臣、私はもう一つだけお聞きしておきますが、いま私のお聞きしたいことは、商談が具体的に進む場合には、やはり日本の輸出される資本は利潤幅を強く求めると思うのです。そういうことと中国との関係がなかなか折り合いができないんじゃないか。もうけの問題ですね。そこらのところにある程度の、やはり資本主義諸国との間のものでないものをなにしなければいかぬのじゃないかと思いますが、その点だけちょっと大臣……。
○佐々木国務大臣 確かにそれは研究しなければいかぬと思いますね。私、さっきも申しましたように、合弁の内容をまだよく勉強しておりませんので、何とも言えませんけれども。
○森山(信)政府委員 若干事務的に補足申し上げますと、中国との合弁構想は、先ほどお答えいたしましたとおり、電気機械を中心に急速に高まってまいったわけでございます。そこで一番問題となりました点は、いま先生の御指摘になりましたように、利潤という思想をどう織り込むかという問題でございまして、これは中国側も大変理解を示しまして、仮に日中で合弁構想が進んだ場合に、一定の利潤率というものはある程度確保したいというようなお話があったやに私どもは承っております。ただ、その問題はよろしいのでございますけれども、特許、ノーハウの関係をどうするかという問題、あるいは利潤の確保はいたされましても送金技術の問題等々の問題がかなりまだございますので、その間の解決をどうするかということが今後の課題ではないか、こういうふうに考えております。 それから、資源の方につきましては、先ほどお答えいたしましたとおり、現在のところは合弁ではなくて生産分与方式、日本の委託開発によりまして一定部分を日本に輸入させるという生産分与方式で当分は進んでいくのではないか、こういう考え方を持っております。
○石野委員 大臣が非常に急いでおられて細かいことをお聞きできませんでしたが、いずれにしましても日中の経済協力の問題については体制が違いますだけにいろいろな問題があろうと思いますし、それについてはやはり財界の方々だけの折衝で、政府がどの程度それに対して注意を喚起するとかあるいは示唆を与えるとか、そういうことの必要性があるのじゃないかと思います。しかしそれは必要ないのだということなのかどうなのか、そこのところをひとつ聞かしてください。
○森山(信)政府委員 個々の企業につきましての合弁構想は、ある程度進んでおる分野がございます。 そこで、先ほど来申し上げております電気機械を中心にいたします製造業につきましての合弁構想につきましては、大変マクロ的な立場でのアプローチがございまして、まず個々の企業同士の合弁構想を進める傍ら、日中として、つまり政府ベースとしてどういう構えでやったらいいかということについての考え方の検討をやるべき時期が来ているのではないか、こういうことを考えておるわけでございまして、その一つのテストケースといたしまして、先ほど来お答えいたしております電気機械につきましてアプローチがございましたので、それを日本全体としてどう受けとめるかの検討会を、電子機械工業会の中にしかるべき部会をつくっていただきまして、どういう対応を講ずるか、あるいは問題点の解決をどうしたらいいのか、こういう問題を現在検討していただいているという段階でございます。政府といたしましても十分交渉しなければならぬ問題が多々あろうと思います。したがいまして、民間ベースで御検討いただきました結果をベースといたしまして、今後解決すべき課題は何か、どういう方法をもってすれば解決できるか、そういうアプローチをしようという心構えでいる次第でございます。
○石野委員 国際的な共同開発の中で、中国との間には尖閣列島についての共同開発問題が以前から問題になっているのですが、これはいまどういうふうに進んでおりますか。また、政府はどういうふうにこれに対応する考え方でおられるか。
○森山(信)政府委員 尖閣列島の取り扱いにつきましては、御承知のとおり領土権の問題が絡みましていま大変複雑な様相を呈しているわけでございます。その前提といたしましての大陸棚の取り扱いの問題、これは中間線の議論もございますし、自然の延長論の議論もございますけれども、いずれにいたしましても領土の帰属をはっきりさせなければならない。私どもは尖閣列島は日本のものであるという主張をいたしておりますけれども、これに対しましていろいろな異なった意見を言われる部分もございますので、現在はその問題がぺンディングになっておりまして、開発体制は全く行っていない、これが実情でございます。
○石野委員 領土問題については中国の側は、私ども中国に参りましたときに鄧小平氏もそうでしたし、李先念副首相も昨年私たちの党の代表に、尖閣列島の開発問題については非常に積極的な発言をしておりました。鄧小平副主席は、領土問題については、ここのことは長い問題になるんだから、むしろそれよりも開発の問題を先行させようというような意味の御意向のように私たちは聞いてきておるのですけれども、わが国の場合はやはりどうしても領土問題をぴしっと決めないと共同開発の問題というのには入らないという意向でございますか。
○森山(信)政府委員 現在海洋法会議で大陸棚の考え方の議論が行われておるところでございまして、今月末から第九期の海洋法会議が行われることになっております。そこの一つの議論が大陸棚の取り扱い、いわゆる中間線論というのがいまのところ大勢を占めておるわけでございまして、その中間線の基点になりますのは、やはりその領土の沿岸が差しはさみます海域の両方の沿岸からのまん中のところというような考え方を持っておりますから、どうしても領土問題がはっきりいたしませんと中間線の引き方がむずかしいということでございまして、一時領土問題をたな上げにいたしまして共同開発的な構想を言われた時期もございます。しかしながら、やはり中間線という問題がはっきりしませんと共同開発すべき地区割りがなかなかむずかしいということもございますので、いまは日中両方ともこの問題につきましては静かにしておるというのが現状ではないかと思います。
○石野委員 大臣がいないので大臣の演説を長官に聞くことはちょっと無理なのかもしれませんけれども、資源や技術の国際共同開発を積極化するということで、尖閣列島問題をいま除いてしまうと共同開発の場というのは余り目新しいものは、もちろんウラン資源の共同開発なんというのもあるのかもしれませんが、主にこれは技術の国際共同開発ということに読み取るべきなのかどうなのか、あなたがわかったらひとつ御回答いただきたい。
○森山(信)政府委員 技術の共同開発と資源の共同開発と両方あろうかと思います。技術につきましては、たとえば石炭液化の問題につきましては現在アメリカ、ドイツと三国の共同開発に取り組みたいという考え方を持っておりますし、これはいわゆるSRCIIでございますけれども、そのほかにEDSの方法によります技術開発につきましても共同開発に取り組みたいということでございます。さらに資源の共同開発につきましては、たとえば石炭に例をとりますと、豪州あるいはカナダ、あるいは中国は先ほど申し上げましたように、共同開発といいましても生産分与方式ということがございますので、そういった各国との生産形態を踏まえながら共同開発に取り組んでいきたい、こういう考え方を持っておるところでございます。
○石野委員 そうしますと、共同開発部門というのはいま言われたようなところではありますが、ほかにアジアにおいて資源の問題で積極的に共同開発をするような地域はございますか。
○森山(信)政府委員 アジア地域におきましては、石油及び天然ガスの問題に限定いたしますと、いわゆる南方地域と称するところがございます。これを技術開発的な面で共同するという意味と、それから開発形態は当該国にお任せするといたしまして、そこに資金協力的なものを加えていくというやり方と、いろいろあろうかと思います。たとえばインドネシアの陸上地域におきまして、今後の石油開発をするためにインドネシア石油開発協力という会社を設立いたしまして、資金面の協力は日本がする、それから開発面はインドネシアのプルタミナが担当する、こういった次元の違う協調関係という形態はアジア地域においてかなり進むのではないか、こういうふうに考えております。
○石野委員 中東地区で、特にエネルギー外交の面ではアラブ諸国との関係もございますが、そういうアラブ諸国との関係、特にPLOとの関係では通産省はどういうような態度をとっておられますか。
○森山(信)政府委員 アラブ諸国との石油及び天然ガスにつきましても全くアジアと同じような考え方でございまして、私どももある程度資金的なお手伝いができる分野につきましてはお手伝いをさしていただきたいということでございまして、そういう考え方のもとに経済協力という概念で現在産油国との協調関係を図っていきたいというのが基本姿勢でございます。 それからPLOの関係、御質問ございましたけれども、PLOとしてどういう動き方をしておられるかということは私どもも情報として承知はいたしておりますけれども、特にまだ政府ベースといたしましてPLOとの交流は始まってないというのが現状ではなかろうかと思います。
○石野委員 PLO関係は外交の問題が主となっていることはよくわかっておるのですが、通産省がこの問題について積極的に意見をお持ちであるかどうかということを私は聞きたいわけなんです。その点での通産省の考え方を……。
○森山(信)政府委員 中東問題を議論するに当たりましてのPLOの役割りというのは大変大きいという認識を私どもは持っております。しかしながら、先ほどお答えいたしましたとおりまだ国際関係が樹立してないということもございますので、通産省といたしましてはPLOとの直接的なアプローチはまだいまの段階ではすべきではない、こういう見解を持っております。
○石野委員 もう一遍、ちょっと聞き取れなかったので。PLOとの関係は国際的にはまだ折衝すべきではない、こういうふうに考えておる、そうなんですか。
○森山(信)政府委員 もう一度お答え申し上げますと、中東問題に占めますPLOの役割りの大きさというものは十分認識いたしておりますけれども、国際関係が樹立されてないという現状におきましては、通産省としましてはまだそういうアプローチをする段階ではない、こういう認識を持っております。
○石野委員 アプローチをする段階ではないというのじゃなくて、私は切実なエネルギー外交、それからエネルギー資源の確保、こういうようなことを考えますると、むしろ積極的にPLO関係へは、通産行政上から言って外務省に対し外交上の姿勢をとってもらうように要求すべきじゃないかと思いますけれども、それはやはり無理ですか。
○森山(信)政府委員 先般UAEのオタイバ石油大臣がお見えになりましたときに私どもも何回かお話をするチャンスがございまして、その際にオタイバ石油大臣が強く主張されましたことは、いままさに先生の御指摘のように、今後の中東問題あるいは石油問題というものの総合的な解決のためには、ぜひともPLOとの正式な政府ベースの交渉をすべきではないかという御意見があったわけでございます。私どもも、エネルギー外交という問題から考えますとその必要性は十分に感じ取っておりますけれども、やはりここに国としての問題あるいは承認の問題等も含めまして、グローバルなアプローチは必要ではないかということでございまして、外務省当局におきましてもそのグローバルベースでの判断を現在しておられるのじゃないかということもございまして、そういった展開がどうなるかということにつきましての十分なる関心は持っておるつもりでございますが、先ほど来お答えいたしておりますとおり、いまの段階で直ちにPLO問題について結論を出すのは大変むずかしい段階ではなかろうかな、こういう気持ちを持っております。
○石野委員 これは政治の問題ですから、長官にこういうことをお聞きするのは無理なのかもしれませんけれども、日本の経済が切実に求めていることをあなた方が一番よくわかっておるわけです。政治家に対して事務関係、官僚としての意見を言うことは決して憶する必要はないと思います。そうなりますと、今度園田特使が中東を回っておりまして、PLOとの接触をしてこられる、その間向こうからアラファト議長が訪日する、そして総理とも会うかもしれないというような状況がいまできつつあるように私どもは仄聞しているわけなんです。外交問題は外交問題でいいのですよ。皆さんは外交の中で通商の問題をいろいろ考えるわけですけれども、やはり一番必要とする、切実な要請をしなければならないエネルギー庁の長官に、そのことを政府に具申し積極的にそれを進めるという姿勢、態度がやはり必要なのじゃないか、私はこういうように思いますけれども、あなたは外交が出てこなければ何にも言わない、こういうことでおいでになるようです。それでは通産大臣が言っている国際協力を積極的に進めていく、積極化するというようなことの意味はどこにも出てこない、大臣の意図があなたのところに何も入ってないような気がするのです。もうちょっと積極的な態度をとることはいたしませんか、どうなんですか。もう一遍だけちょっと聞かしてください。
○森山(信)政府委員 PLO問題は私がここではっきりしたことを申し上げるような関係にないということでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、中東問題あるいは石油問題の上でPLOが大変大きな役割りを占めておるという認識は十分持っておるつもりでございますが、その認識の問題と、それから現実にPLOとのアプローチを積極的にすべきであるという意見具申との問題は、若干問題が違うのではないかということでございまして、大変回りくどい言い方をいたしておりますけれども、私の立場から言いましてこれ以上のことをいま申し上げることはお許しをいただきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○石野委員 次官がおられるので、これは大臣のかわりにひとつ御答弁をいただくということをお願いしたいと思うけれども、大臣がどう言っているかなかなかわかりませんので、このことはひとつ次官の方から大臣に、次の機会にお聞きしたいと思っておりますので、そういう点の要請をお願いしておきたいと思います。
○梶山政府委員 政務次官の梶山でございます。 ただいま石野委員の御意見、大臣にもよく伝えておきたいと思います。ただ、エネ庁長官からお答えをいたしましたように、通産行政の枠内で処理のできる問題、やらなければならないということとやれるという分野は実は厳然と違うことがございます。ですから、政治ベースでいろいろ模索をされておりますことは先生御指摘のとおりでございますので、さらにこの問題についてはよく検討を重ねて対処をしてまいりたいと思いますので、大臣にしかとこの旨を伝えておきます。
○石野委員 先般私は東電の福島第一発電所第一号炉のいま修理をしております炉の中に同僚議員と一緒に入りました。お隣にいられる上坂議員と同様入ったわけです。そこで、炉内の作業をしている労働者の被曝というものはなかなか大変だなということを、従来もそう思っておりましたけれども、今度行ってこれは痛感してまいったわけです。きょうはもう時間が余りありませんが、この原子炉に関連する被曝の問題は、労働者だけでなく、事故がありました場合には周辺地にもいろいろな影響を与えます。きょう時事通信の方の報道が各紙に出ておりますが、スリーマイル島原発周辺の甲状腺異常児の出生が増加してきておるという報道が各紙に行われておるわけです。この問題について通産省どういうふうにお考えになっておるか、どういうような見方をしておられるか、まず先に聞かせていただきたい。
○児玉(勝)政府委員 ただいま先生御指摘の、スリーマイルアイランドにおきます放射能の漏洩によりまして、甲状腺に障害のある乳児が多数発見されたということで、従来の発生率より非常に高いという報道でございますが、それにつきましては私たち新聞報道で聞く状況でございまして、ただいまアメリカの方のNRCに対してその情報の真偽のほどを尋ねておる状況でございます。したがいまして、ただいまのところはその状況しか持っておりません。
○石野委員 NRCへの聞き合わせでどういうような連絡がつくのか知りませんが、新聞が報じているように、やはりスリーマイルアイランド原発事故に関連するものであろうという推測は余り狂ってないと私は思うのです。放射能の人体に及ぼす影響はもう私が言わなくても御承知のとおりですが、一番問題になるのはその被曝した人たちの健康と生活の問題でございます。日本の原子力発電所における労働者の被曝の実態を把握するということについては、最近中央登録センターができまして、いわゆる被曝実態の把握に努めておられることはよくわかります。けれども、これが完全に実施されておるかどうかについては、実を言いますとまだ私は疑問を持っているのです。そういう点でやはりこれは完全掌握をしなければいけないのじゃないだろうか。その完全掌握をするための努力を通産省もそれから労働省もしなければいけませんし、したがって通産省としてはいまの状態で把握しているもののほかに、従前において被曝をした方々が現在健康を害したりあるいは生活上に困窮を来しておるというような場合があるときに、労働省とかその他のところ、厚生省と連携をとりつつ、これを十分すくい上げていくような心構えがあるのかどうなのかということについて、私はひとつ所見を聞いておきたいと思うのです。
○児玉(勝)政府委員 ただいま先生おっしゃいました高放射線下における作業員が、その作業を終わった後いろいろ問題が起こったときに、その問題の苦情を十分に吸い上げておるか、こういうことではないかと思いますが、その問題としては二つあろうかと思います。一つは下請労働のいわゆる労働問題そのものがございますし、もう一つは放射線の管理の問題、放射線による障害との因果関係をどういうふうに見るかということであろうかと思います。 そういうことで、下請労働問題につきましては、これは労働省の方での従来の法令に基づきましてその苦情の処理ということができようかと思いますが、放射線の問題につきましては、これは通産省が認可しております保安規程に基づきましてその管理を十分に行うということにしておりますので、その放射線の管理が十分か不十分であったかという問題につきましては、われわれも非常に関心を持っております。そういうことで、下請労働者の被曝の問題について十分その苦情を吸収できるように、ただいま電力会社に対してその苦情収集策をどういうふうにやるべきか考えております。現在の管理方法としては、十分にその管理体制はできていると思いますけれども、しかし被曝された本人がもっと被曝しているはずであるとか、いろいろそのときのメーターが故障であったとか、そういう苦情が直ちに管理者の方に反映されまして実際に健康診断をするとか、それから本当にその被曝線量がほかの同じような作業をした人と比べてどうであるかとか、そういうような追跡調査が確かに十分ではないのではないかと思っておりますので、その辺十分に考えていきたいと思っております。
○石野委員 最近は、これはセンターでいろいろな整理をしておりますからできているようなものですけれども、実際言いますと被曝した方々が依然として実際の届けをすることをちゅうちょする面が多いですね。と同時に、経営の側、会社の方でもなるべく出さないようにという意図が目に見えるようなふうに思います。したがって、やはりそこのところを十分追跡し把握することが非常に大切だと思うのです。 〔委員長退席、堀内委員長代理着席〕 従来、従前に従事しておった方々で、調査も十分でなかったときに作業した方々、こういう方々が、いまどう考えてみても放射能による症状であるというような病状を呈しておる、あるいは生活上に困窮を来すような事態になっている、こういうような問題がありましたときに、これを通産省なり労働省が企業の側に対して接触をさせるようにする努力が非常に大切なんじゃないかなというように思うのです。そういうことの努力を労働省と通産省が連携をしながらやってくださるかどうかということですね。これはひとつ私はしっかりと聞いておきたいのですが、いかがですか。
○児玉(勝)政府委員 放射線下の労働の安全という問題と、それからその被曝された方のいわゆる救済という問題と二つあるかと思います。 そこで、いま先生おっしゃいましたように、そこで労働に従事したためにこういうような被曝を受け、そのための救済を求められているという方がおられましたら、私たちといたしましても労働省とタイアップいたしまして誠意ある対応をしたい、こう考えております。
○石野委員 厚生省がおいででございますから、ちょっと時間がなにですけれども厚生省の方にお聞きしたいのですが、スリーマイルアイランドの周辺における甲状腺異常児の出生が多いということの新聞記事、これはいま児玉審議官からNRCへその実態を問い合わせているということもお聞きしたのですけれども、厚生省はこういうような報道をどのようにごらんになっておられるのか。そしてまた、このような事態はわが国においても予測されることでもございまするので、厚生省のこの記事に関連しての対応の仕方というようなものについてひとつお聞かせ願いたい。
○竹中(浩)政府委員 放射線被曝によります人体影響、健康影響につきまして、厚生省といたしましても大変関心を持っておるわけでございます。いまお話ございましたスリーマイルアイランドの問題でございますが、こういった事故が生じた場合にどうするかというようなことにつきましては、科学技術庁を中心にいたしましていま政府部内でいろいろ検討が行われておるわけでございます。厚生省もそれに参加をいたしまして、どのような面でどのような役割りを厚生省として演ずべきかということにつきましては、その会議を通じて検討が行われている段階でございます。 〔堀内委員長代理退席、委員長着席〕
○石野委員 各関係省庁との連携をとりながら対応をしていただくことはそれでよろしいのです。それはそういうふうにやっていただきたいのです。 厚生省に私はどうしてもお願いしておきたいことがあるのですが、先ほど申しました被曝労働者が被曝しているかどうかということを実証するのは診断の結果にまたざるを得ない。そうするとお医者さんにかからなければいけない。お医者さんが診断書をそういう方向ではどうしても書いてくれない場合が多いのですね。いわゆる放射能によるというように書かないで、ほかの病名にみんななっちゃう。もちろん医者がそういうふうに診断するんだから仕方がないのだけれども、どうもそれは、本当はこう書きたいけれども、いろいろ関係があってなかなか書けないという診断書になっちゃう、そういうふうに見受けられる場合が非常に多いのですよ。こういうような場合は、医者の診断を第三者が云々することはできないのだけれども、どう考えてもそういうふうに思わざるを得ないような場合が多いのです。もうちょっと診断書を素直に書いていただくような、少なくとも原子力に関係する労働者の診断を素直に書いていただけるような指導ができないものだろうか、こういうふうに思いますが、いかがでございますか。
○竹中(浩)政府委員 放射能によります労働者の被害の問題につきましては、御承知のように労働省が所管をしておられるわけでございますが、私どもも可能な範囲で御協力をいたしたいと考えております。 いまお尋ねの、被曝の影響による疾病かどうかという医師の診断の問題でございますが、これは医学的にも恐らくかなりむずかしい、被曝の影響による症状ないしは疾病であるかどうかという診断はなかなかむずかしい面があろうかと思います。また、医師の診断書の内容につきましては、御承知のように医師がそれぞれ医師としての判断で診断をされるわけでございますので、厚生省という行政機関の立場からこの問題についていろいろ意見を述べるあるいは口を出すということは、これは非常にむずかしい面がございます。その点御理解をいただければ大変ありがたいと思うわけでございます。
○石野委員 事情はそうでありましょうけれども、被害を受けている、被曝をしている諸君からすればこれはきわめて重大なんですよ。お医者さんが診断書を書くのは、それはその人の判断ですから何とも言えませんけれども、第三者がだれが見ても、その人の従来の健康の状態や健康診断の結果から見ても、この病気はここから来ているんじゃないかということがわかるようなものでも、ほかの病名になっちゃいますといま言われたような救済の手段、方法はなくなっちゃうんですよ。この点はきょうどうこうという論議はできませんけれども、問題でございますので、厚生省としてはその管下にあるお医者さんに対して、そういうような問題について大胆に、遠慮しないで書けるような指導のようなものをすることを配慮していただきたい、このことを要望して、私は質問を終わります。
○塩川委員長 これにて石野久男君の質疑は終わりました。 引き続いて清水勇君の質疑に入ります。清水勇君。
○清水委員 昨日、大平総理はマンスフィールド米国大使を呼んで自動車問題等について会談をされておりますが、その際、通産当局からどなたか立ち会っておられますか。
○栗原政府委員 通産省からは立ち会っておりません。
○清水委員 外務省はどうですか。
○小倉説明員 お答え申し上げます。 外務省からは、事務当局から北米局参事官と北米第一課長が同席いたしております。
○清水委員 自動車問題についてはどのような話し合いが行われたのでしょうか。
○小倉説明員 お答え申し上げます。 自動車問題につきましては、マンスフィールド大使より先般の米国自動車労働組合のフレーザー氏の訪日問題について言及がございまして、フレーザー氏の訪日は、自動車問題についての理解に大いに役立ったと思うという発言がございまして、同時に、この問題が貿易制限的な方向ではなく、かつ政治問題化しないように解決することを望むという発言がございました。これに対しまして大平総理からは、フレーザー氏の訪日は日本側の関係者にとりましても問題の理解を深めるのに役立ったと思われる、自分としましても貿易制限的ではなく、またこの問題が政治問題化しないように解決されるべきであるという点には同感であるというふうに答えておられます。
○清水委員 ところで、いまも出てきましたUAWのフレーザー氏の来日をめぐって、御承知のような経過があるわけでありますが、端的に言って経済問題の域から政治問題の域に発展をする、そういう傾向が私は感じられます。 それはそれとして、フレーザー氏と通産大臣が会談をされておりますが、その際どういうことが話題になり、たとえばその中でフレーザー氏に何らかの約束をされたといったような経過がございますか。
○栗原政府委員 フレーザー氏と通産大臣との会談は二月の十五日に行われたわけでございますが、御承知のようにフレーザー氏は米国の労働界の代表でございまして、私どもといたしまして特定の約束をするような立場にはございませんので、お話のような約束はございません。会談の流れといたしましては、私どもは先方の言い分を聞くという形で進めてまいりました。若干の意見の交換をその後行ったという程度の推移でございます。
○清水委員 フレーザー氏との会談の後、通産当局としてはトヨタ、日産、つまりわが国の二大メーカーに対して、たとえば現地生産といった問題について何らかのアプローチをされているのでしょうか。
○栗原政府委員 ちょっといまお尋ねの点がはっきりしなかったわけでございますが、アプローチと申しますのは、フレーザー氏が……
○清水委員 フレーザー氏との会談の後、通産当局として、二大メーカーに対して現地生産の問題について何らかの指導なり接触をされているかどうか。
○栗原政府委員 フレーザー氏との会談の前におきまして、私自身もその二社の社長にお目にかかったこともございますし、その際に、いろいろ米国の客観情勢の動き、米国の各界の声といったようなものについての情報も申し上げました。最終的にはもちろん投資の問題というのは企業判断の問題でございますけれども、こういった情勢も踏まえてお考えいただけるとありがたいという趣旨のことは申しております。
○清水委員 局長がトヨタ、日産の社長らに会ってアメリカ自動車産業界の情報などを伝えた、また、そういう情勢を勘案をしてしかるべき判断をしてくれれば好ましいというようなことを言われているわけですけれども、どうもよくわからない。 そこで、重ねて聞きますけれども、わが国の二大メーカーに対して、具体的にこうあるべきではないかといった趣旨の指導をされているのかいないのか。
○栗原政府委員 私どもの立場は、投資の問題に関しましては先ほど申し上げましたように企業の判断、デシジョンに属する問題であるというふうに考えております。したがいまして、私どもとしてはいろいろお話する際にも限度があろうかというふうには思っております。ただし、現在の日米の中におきます自動車問題というものが、先ほど答弁の中にもございましたようにこれから政治問題化する可能性もあるわけでございますし、そういった状況も踏まえまして、事前に何らかのいい知恵の対応によりまして解決されれば望ましいということもございますので、企業にはいろいろな情勢の説明もし、総合的な御判断をいただければということを申したわけでございます。
○清水委員 きょうは残念ながら大臣が予算委員会の関係でおいでになっておらないので、通産次官に所見を承りたいのであります。 自動車問題がここまで来たという背景について、次官はどのように考えておられますか。
○梶山政府委員 承知をいたしておりませんけれども、一つには、エネルギー問題を中心にしてアメリカで燃費効率のよい小型車が大変ユーザーの関心を呼び、輸入の増大につながったというふうに認識いたしております。そして日本車の進出によってアメリカ自動車業界の急速な転換が迫られ、しかもその対応がおくれているために失業率の増大その他の問題が起きているわけであります。そういう中でアメリカにとっては大変いま深刻な問題にまで発展をいたしておりますので、純然たる経済問題としてわれわれ処理をしたいのでありますが、残念ながらむしろ政治問題化しているのが現実ではないかと思います。
○清水委員 いま次官も述べておられるように、一つは日本車の持つ燃費効率の非常な高さが、イラン問題以来省エネムードがアメリカのユーザーの間にも広がる中で歓迎されているということがむろんあるだろうと思いますが、それだけではなしに、ぼくは一般的に言われる日本車の持つ高性能が爆発的な売れ行きにつながっているのではないかと考えるわけであります。その点局長どういうふうに理解をされておりますか。
○栗原政府委員 日本車がアメリカで爆発的に売れている原因でございますけれども、一つには先ほど次官から申し上げましたように、イラン革命を契機にしてエネルギー不安が起きた、それを背景にいたしまして米国内で小型車ブームというような状態が起きたことがまず第一点かと思います。御承知のように昨年の三、四月ごろにはガソリンパニックもございまして、小型車の売れ行きが非常にふえたという状況でございます。その際に、特に日本車は燃費もよろしいわけございますし、特にユーザーのニーズにマッチしたという点はあると思います。同時に、もう一点といたしましては、こういった小型車ブームの中にあって、米国のビッグスリーの小型車生産体制がおくれておったという点がございまして、小型車の供給能力が不足をしておったという状況がございます。したがいまして、小型車である輸入車、特に日本車も米国の小型車と同様に売れたというのが状況でございます。 なお、米国の小型車も非常によく売れておるわけでございまして、小型車だけをとってみますと、むしろ米国の小型車の伸びの方が日本車の伸びよりも率は高いという状況でございます。
○清水委員 いま局長の説明された部分に私も同感するところが多いのですけれども、同時に、ここで一つ考えてみたいと思っていることは、わが国の自動車メーカーというのは、由来輸出至上主義とも言われるような政策を進めてきているように思うのです。そこで問題になることは、たとえば相手国の経済情勢あるいは産業構造、さらには国民感情といったものが仮に無視されるようなことがありとするならば、どうしてもこれが一つの摩擦の要因にならざるを得ない。そういう意味で言うと、自動車の輸出も、いわゆる輸出至上主義型のあり方はもはや限界に来つつあるのじゃないかといった感じもするのですけれども、その辺の見解を伺わせていただきたい。
○栗原政府委員 日本の自動車生産は御承知のように昨年千万台を超えるところまで参っております。いまやアメリカと肩を並べる状態になっておりますし、特に輸出の比率は五割に近いという状況でございます。こういった情勢の中で、特定の市場に余り集中豪雨的に輸出が行われることは問題を引き起こしやすいということは事実であろうかと思います。そういう意味におきまして、私どもも貿易政策の基本といたしまして、集中豪雨的な輸出は避けるということで、従来からも対処をしておるという状況でございます。
○清水委員 さて、そこで少し具体的に聞きたいのですけれども、通産当局とすれば、これまでわが国の二大メーカー等に対して、このまま推移をするとアメリカにおける輸入制限的な強硬措置がとられる心配がある、そこで対米投資を行い、現地生産体制をとることがベターじゃないかという角度で事実上の指導を進めておられるというふうに理解をしていいのですか。
○栗原政府委員 この投資の決定は、企業の自主的な判断という前提に立ちまして、私どもとしては客観情勢その他も踏まえましてのアドバイスをしておるということでございます。
○清水委員 そこで、わが国のメーカーにアメリカ側が現地生産を求めている。その具体的な要求を見ると、単に組み立てをするだけではならない、部品についても労働力についても現地調達を行え、こういう強い調子の要求をしているやに聞いているわけでありますが、その点はいかがでしょう。
○栗原政府委員 自動車、特に乗用車の進出に際しまして、米国内の一部におきましてはやはりアメリカンコンテンツと申しますか、たとえば米国内での生産の比率を高めるというようなことを主体にした法案を出してはどうかというような動きがあることは事実でございます。できるだけアメリカの中におきます生産比率を高めたいという気持ちが、先方にはある程度あるということは事実かと思います。
○清水委員 そこで、先ほど局長は、対米投資、現地生産などというものは、最終的に企業が自主的に判断をすべきものであって、アドバイスの域を出ていない、こう言われております。それはそれでいいと思いますが、現実に現地生産というものを想定した場合、聞くところによると、アメリカの部品メーカーはわが国の部品メーカーと違って非常に強大な力を持っておる。また同時に、米国人労働者の管理というものもなかなか容易ではないのではないか。そこで、たとえばトヨタに例をとれば、トヨタのとっているかんばん方式なんというものが果たして通用するのかどうか。つまり品質管理といったようなものが、現在わが国内で行われているような形で果たして維持できるのかどうか、こういうことがある面で心配になると思うのですが、その点はどういうふうな判断をされておりますか。
○栗原政府委員 わが国の労働の質なり部品の供給体制が非常に効率的であるとか、そういった面は確かに御指摘のようにあると思います。ただ、米国においてどうかという問題でございますが、これはすぐれて企業の判断にまつところではございますけれども、実際にフォルクスワーゲンが米国に進出をいたしまして、工場建設をやって、生産を始めて、次に第二工場をつくろうかというようなところまでまいっておるような状況もございます。米国内においてそういった部品面、労働面の心配はないとは申せませんけれども、そういった例もございますので、企業といたしましては先例も踏まえながら御判断をいただけるものと考えております。
○清水委員 一般的に言われている日本車の高性能というものは、いまも局長が触れておられるように、質の高い労働力あるいは品質管理上におけるノーハウといった総合力というものがすぐれたメイド・イン・ジャパンの日本車を生んでいるのではないか、こういう感じを持っておるのです。ところで、メイド・イン・USAの日本車というものを想定した場合、同等同質の高性能なり経済性というものが確保されるかどうか、この辺に一抹の不安があることは事実だと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○栗原政府委員 この点について、役所といたしまして製品の質あるいはコストという点についての判断がなかなかできないことはひとつ御理解を賜りたいと思いますけれども、企業としてはその辺につきましても心配はあろうかという感じは持っております。
○清水委員 私がいま指摘をしたような点がしっかり確保されないと、ユーザーの魅力を失う、つまり、結果として大きなリスクをしょい込むことになる、こういうことがどうしても考えられて仕方がないのです。くどいようですが、その点はどうなんでしょうか。
○栗原政府委員 この投資の問題というのは、そういった御指摘の点も踏まえまして、やはり最終的には企業の判断であるということは、私どもそのように考えておるわけでございます。 ただ、全般として見た場合に、これからの自動車産業がどうあるべきかという長い期間の問題も含めまして、あるいは米国内の市場の動向も踏まえまして、日本の自動車産業というものが国際市場の中で国際的な商品、自動車を扱っているという立場で、今後どのように対応すべきかという少しロングランの立場も踏まえて、いろいろ総合的に御判断いただくのであろうというふうに私ども考えておるわけでございます。
○清水委員 そこで、これは仮定でありますが、具体的に進出といいましょうか、現地生産というものを想定した場合に、先に現地生産に入っているカラーテレビなどと異なって、自動車の場合はどうしてもスケールメリットというものを追求せざるを得ない。だから、たとえば月産二万台なら二万台といったようなものを想定すると、そこに働く従業員数も二千とかそれ以上というような大規模のものにならざるを得ない、こういうふうに思うわけでありますが、その辺はどのように通産では予想をされておりますか。
○栗原政府委員 自動車の最低生産規模でございますが、本田の場合には月産一万台ということで考えておられますが、やはり私どもが聞いております常識的な数字としては、一万あるいは二万といったオーダーの数字であろうかというふうに考えております。
○清水委員 そういたしますと、かなり巨額な投資も必要になるわけであります。それはそれとして、たとえば工場の建設から操業開始というまでの間、二年なり三年なりというかなりの時間が必要となるのではないか。ところが、先般来フレーザー会長は、現に日本車の進出等の影響を受けて、アメリカ国内における自動車産業の失業あるいはレイオフの数が二十二万とかあるいはそれ以上というようなことを言われておって、この失業者を緊急に当面の問題として救済をしなければならない、そこでひとつ日本のメーカーはアメリカへ出てくるべきである、こういうふうに主張をされているように伺っておりますが、どうも急場の間には合わないんじゃないか、失業救済という点で言うと。この点はどういうふうに理解をされますか。
○栗原政府委員 おっしゃるように、確かに自動車の現地生産に至るまでの期間というのは三年とか四年とかかかり得るわけでございます。したがいまして、当面すぐの、現在の失業者の救済に役に立つという性質のものではないということであろうかと思います。フレーザー氏の説明におきましても、当面現存している二十二万人とかいう失業者の救済に直ちに充てるということではなくて、やはり長期的に見て米国内で雇用を創造していく、そういった意味で投資を希望しているんだという言い方をいたしておるわけでございます。
○清水委員 そういたしますと現にアメリカのビッグスリーが、御承知のように日本の小型車に対抗できる新製品の開発のために鋭意努力をしている、恐らくあと二、三年先には新しい商品を市場に提供することになるんじゃないか、これを通じて二十二万と言われるようなレイオフされた労働者が、再び雇用という形で吸収をされる、こういう一定の見通しもあるやに伺うわけなんでありますが、それとは特段の複合関係はないのですか。
○栗原政府委員 現在のアメリカの小型車の増産体制によりましてどの程度失業者が吸収し得るのか、この辺、私どもは実は数字を持っておりませんので明確なことは申し上げられませんけれども、必ずしも二十二万全部が吸収できるとは思っておりません。そういった意味におきまして、現地生産というようなものによる雇用というものも長期的には寄与し得るんではないかということが推測されるわけでございますが、この点は明確でございません。
○清水委員 そこで、いままでの議論はともかくとして、たとえば世界的な視野で見て自動車の需要というものが今後とも安定的に伸びていく、こういう一定の見通しが立ち、わが国の完成車が引き続き安定的に輸出を続けていかれる、こういうような情勢が予測できれば余り問題はないのですけれども、ぼくはその点は非常にシビアな環境になるのではないかというふうに見ているのです。 そこで、たとえばトヨタや日産がアメリカへ進出をするというようなことを想定をした場合、御承知のようにトヨタ一社で関連下請企業が約四万と言われております。そういう関連下請及び雇用への影響というものを非常に重視をしてかからなければならない問題があるだろう、実はこういうふうに思うわけですが、たとえばある統計によると、国内における自動車の生産が一〇%落ち込んだ場合、約十八万人の雇用が失われるのではないか、こういう統計がございます。それから、国会図書館で出されている「わが国自動車工業の史的展開」という資料を見てもそうなんでありますが、全体として自動車産業にかかわる雇用労働力というものは五十四万余りを数えているし、さらにこれに車体工業だとかあるいは自動車販売業だとか部品販売業だとかガソリンスタンドのたぐいまで加えると、実に三百六十万人が何らかの形で自動車産業に従事しているという、そういう統計があります。ですから、一〇%落ち込んだ場合に十八万人という数字もあながち誇張された数字だとは私思わないのでありますが、この辺のところをあわせて考えた場合に、通産当局が、たとえばわが国の二大メーカーに、貿易摩擦を克服をするために対米投資を行い、現地生産体制を勧告というか指導というか知りませんが、勧められるという場合、当然にいま私が指摘したようなことについて、一つの前提条件として配慮をされておらなければならないと思うのでありますが、その点はいかがでしょう。
○栗原政府委員 御指摘のように自動車産業はその本体だけでなく、すそ野の非常に広い産業でございます。そういう意味におきまして私ども関連の企業にお話をする際には、あわせまして雇用なり下請に関しての配慮というものも対米進出に際しては御留意いただきたいという趣旨のことを申しておるわけでございます。
○清水委員 しかし、これまでその問題はほとんど表にあらわれてきていないというのが実態だと私は思うのです。たとえばどのぐらいの台数を現地生産するかということは別問題として、いずれにしても申し上げたような重大な影響が起こることは間違いない事実なんです。 そこで、たとえば関連なりあるいは下請なりというものの一定の枠というものをどうやって確保するか、それからそこに雇用される労働者の雇用というものをどうやって確保するか、これは少なくとも単に企業にお願いをするといったそういう後ろ向きの姿勢ではなしに、やはり一つの現地生産に入る場合の前提条件として、たとえばアメリカとの摩擦は現地生産体制をとることによって緩和されるかもしれぬけれども、今度は新たにそれによって国内における重大な経済問題あるいは雇用不安、さらにはそれが社会問題に発展をするなんというようなことがあったのではこれはならぬというふうに思うわけでありますが、その点、単に企業にお願いをするというようなことではなしに、具体的なあるいは政策的な一定の方向というものを通産が持ってしかるべきなんじゃないか、私はそう思うのですが、いかがでしょうか。
○栗原政府委員 仮に自動車を現地生産いたしました場合に、その部分というのが米国国内における販売増という形で賄われるのか、あるいは輸出の減という形で賄われるのか、その辺についてはこれからの見通しいかんの問題でございまして、これは企業の判断の一つになろうかと思います。 それからもう一点、国内の現在の生産体制でございますけれども、御承知のようにかなり無理をした生産をやっておるという状況もございますし、国内面あるいは米国といった海外面、両方の事情も踏まえまして、これは政府がその点まで立ち入って物を申すことはなかなかむずかしいという点は御理解いただけると思いますが、企業の御判断の中で雇用面あるいは関連企業面への配慮というものを、ひとつあわせて考えていただきたいという考え方でございます。
○清水委員 私が申し上げたいことは、通産当局がわが国メーカーに求めておられる現地生産体制、しかし、それをめぐってさまざまな心配だとかあるいはむずかしさとか、私がいま指摘をしたような関連下請あるいは雇用への影響といったようなものを想定せざるを得ないと思うのですが、それはそれとして一つおいて、私は、フレーザー氏もちょっとどこかで言ったというふうに仄聞をしておるのですが、フレーザー氏が言う言わないにかかわらず、この機会に、とりわけ自動車メーカー等に向けて秩序ある輸出というテーマについてもうちょっと真剣に考慮を払う、そういう時期に来ているのじゃないか。これはひとり自動車に限らず、一般的に集中豪雨型の輸出等がかつてEC諸国からも問われたことがあるわけでありますから、同じことなんですが、とにかくオーダリーマーケティングというのでしょうか、秩序ある輸出というテーマについて通産としてももっと深く配慮をしてしかるべきことではないか、こう思いますが、いかがですか。
○栗原政府委員 輸出に対する私どもの考え方といたしましては、先ほどお答え申し上げましたように、やはり集中豪雨型の輸出は避ける、節度ある輸出をするということが基本でございます。 ただ、この際、米国の中で、フレーザーに代表されますような労働組合の中では、単に秩序ある輸出と言いながらも、実態はもっと厳しい、輸出規制というような内容を含むような秩序ある輸出という表現もございますので、実は私ども、この辺につきましては問題があるというふうに考えておるわけでございます。と申しますのは、現在米国内の各方面でいろいろな意見、声があるわけでございますが、その中には、やはりエネルギー政策の観点からして、そういった輸入を抑えることは好ましくないという意見もございますし、それからインフレ対策、消費者対策という面から見ても好ましくないという意見もあるわけでございまして、必ずしも米国のすべてが輸入規制的な意見に現在固まっているとも思えないわけでございます。私どもといたしましては、冒頭に申し上げましたように集中豪雨的な輸出を避けるという方針ではございますけれども、輸出規制的な問題につきましては、もう少し米国内の状況なども十分に把握いたしまして、現在時点においては考えておらないという状況でございます。
○清水委員 私は、自動車のこともさることながら、一般的にわが国における輸出至上主義というか、輸出への依存度の大きさといったことから判断をする際に、やはり秩序ある輸出というテーマをもうちょっと真剣に追求する必要があるのじゃないか。現に、たとえば大企業の工業製品等の輸出が年々増加の一途をたどる、そこからたとえば東京ラウンド等を舞台にして農畜産物の輸入枠の拡大が要求される。あるいは昨年も、御承知のように電電公社の資材調達の門戸開放という要求が出てくる、こういうこともあるわけであります。外務省も昨今は経済外交などということをしきりに強調されるような時代になっているわけでありますが、外務省としてはこの問題についてどういうふうに考えていますか。
○小倉説明員 お答え申し上げます。 私どもといたしましては、この自動車の問題につきましては、先生がおっしゃいましたようにアメリカにおける自動車の生産、需給の問題、またこの問題が国内における雇用その他に及ぼす影響、そういったことも十分考えてこの問題に対処していかなければいけないと考えております。 他方、日米間の経済関係一般を見ますと、昨年におきましてもアメリカ側の統計で八十八億ドル、日本側の統計で六十億ドルの日本側の輸出超過という事態もございますし、また、その他いろいろな貿易問題も起こっておりますので、やはり日米経済関係全般の中でこの問題が円満に解決されるよう、日米経済関係にこれが悪影響を及ぼさないような形で解決されるべきである、このように考えております。
○清水委員 時間の関係もありますから、いつまでもこれをやっているわけにはいきませんので、あわせて外務省に聞いておきたいのですが、たとえば三月に大来さんが訪米をされる。これは自動車問題の解決の件に何か関連があるのですか。
○小倉説明員 外務大臣の訪米につきましては、当然のことながら国会の御了承を得なくてはいけないことでございますので、仮に訪米するといたしましてもまず国会の御了承を得て、それからアメリカ側とも協議していかなければならない問題でございますが、もし三月の適当な時期に訪米するということになりました場合に、自動車問題について話し合うかどうかということにつきましては、やはり今後の日米間のこの問題についてのいろいろな動きを見きわめる必要があろうかと思っております。と申しますのは、確かにいままでのところUAWのフレーザーの訪日その他、この問題につきまして日米間でいろいろな話し合いがいろいろなレベルで行われておりますが、必ずしもアメリカ政府からはっきりした形で、アメリカ政府の意見はこうであると言ってきているわけでもございませんので、今後の事態を見きわめながらこの問題に対処していきたいと思っております。
○清水委員 三月に米国通商代表部のホーマッツ、五月にアスキュー氏らが来日する予定だというふうに仄聞をしておりますが、事実ですか。
○小倉説明員 アスキュー米国通商代表の訪日につきましては、正式には米側から日本政府に対して時期あるいはその意向を伝えてきておりませんが、非常に非公式な形で私どもが聞いているところによりますと、五月ごろ日本に来る意向を持っていると承知しております。そのときにホーマッツ代表が一緒に参りますかどうかについては確認しておりません。三月というお話は、いまのところ私どもは聞いておりません。
○清水委員 これは通産も同じですが、わが国政府とすれば自動車摩擦問題について何かその時期くらいに解決のめどを持ちたいという判断があるのでしょうか。
○栗原政府委員 いま外務省からも御答弁申し上げましたように、現在米国政府内での見解というものが必ずしも一つのコンセンサスを形成するに至っていないという状況でございますし、私どもとしては、これからの対応はその辺も見きわめながら適切に対応していきたいという考え方でございます。そういう意味におきまして、その時点にどういう事態になっておるかということとの兼ね合いでございますので、現時点でこの辺についてのお答えをはっきり申し上げるというわけにはいかないという感じでございます。
○清水委員 いずれにしてもフレーザー氏の来日等を契機に、異常といっていいくらいにわが国の政府あるいは国内一般における反応というものが出てきている。アメリカとすれば秋の大統領選挙をにらみながら政治的なアクションがあるいは今後も起きてくるのかもしれませんけれども、いずれにしても輸出の二〇%余を占めるというこの自動車産業、その動向のいかんというものは、わが国の経済、雇用というものについても重大なかかわり合いのある問題でございます。だから、たとえば、企業が判断すべきものであって当局としては情報をお伝えをしたりサゼスチョンをしたりする程度だ、こういうことを先ほど言われているわけですが、そうではなしに、私はもっと政策的にあるいは指導性を発揮するというような立場で、この問題に誤りのないような対応をしてもらいたい、こういうことを最後に注文をしておきますが、いかがですか。
○栗原政府委員 これからの自動車問題を考えます際に、米国のような大市場におきます輸出摩擦の問題と同時に国内面への影響、両面があるわけでございます。そういった点も踏まえながら、これから今後の自動車産業はいかにあるべきかという長期的な展望を踏まえた展望というものを検討していく必要があるかと存じております。
○清水委員 次に、ちょっと電力の問題に触れてお尋ねをいたします。 先日、中村委員を初め同僚委員から八電力の値上げ申請にどう対応するかということについてしばしば質問が行われ、また、その際に大臣やエネ庁の長官からもそれぞれの答えが行われておるわけですか、私は二、三の点でちょっと確認をしておきたいと思うのです。 いずれにしても、平均六四・四%という値上げ申請についてはこれを圧縮をする考えである、こういうことがしばしば言われておりますが、私は、燃料費についてもその他の減価償却、事業報酬率あるいは退職引当金等々についても極力圧縮をするんだ、こういうふうに承っているわけでありますが、それでいいんですか。
○森山(信)政府委員 電気料金の問題につきましては、たびたびお答え申し上げているとおりでございますけれども、いま清水先生から御指摘のございました圧縮するという問題につきましては、私どもといたしますれば圧縮という考え方ではございませんで、原価主義にのっとった査定をする、こういう考え方を申し上げておるところでございます。と申しますのは、電気料金の査定は、電気事業法に基づきまして経営の徹底した合理化を前提といたします原価主義ということが法律で決められておるわけでございますので、そういう意味で査定を厳正に行う、こういうふうに申し上げておるつもりでございますので、御理解をいただきたいと思う次第でございます。
○清水委員 言われ方はそういう言われ方もございますが、しかし、たとえば電力会社が申請をしている燃料費の中では、五十五年度における五%くらいの燃料費の引き上げ、これに対してはエネ庁の長官は、そういう価格変動というものは余り考えられないということをしばしば言われている。だからそういう点から見れば、その部分は少なくとも水増し申請になっていると思わざるを得ないわけでありますから、そういう部分は当然に圧縮をする、こういうことにつながるのではないかと私は思うのですが、いかがですか。
○森山(信)政府委員 いま燃料費、特に原油のお話が出ましたので、私どもの考え方を申し上げたいと存じます。 これもしばしば申し上げておるところでございますけれども、ことしの原油の価格動向につきまして、去年のような大きな変動はないのではないか、私どもはこういう見方をしておるところでございます。私どもの見方というのはそういうところでございますけれども、逆に過去の価格形成のパターンを見てまいりますと、清水先生よく御承知のとおり、一昨年まではOPECがおおむね年に一回値上げをするというパターンをとってきたわけでございますが、昨年に至りましてその形態が少し変わってまいりまして、昨年は年四回値上げをしたわけでございます。そこで、昨年末にはカラカスの総会でいわゆる価格の野放し状態ということが出現したわけでございまして、これがまた一昨年のような状態に戻るのか、あるいはいまのような、価格がきわめて不統一のままで推移するのかということにつきましては、見方がいろいろあるのじゃないかと思います。 私どもエネルギー政策を担当する組織といたしましては、少なくともことしはそういう統一価格的な動きあるいは価格が従来のパターンに従ってある一定の比率で上がるというような動きはしないのではないかという見通しをしておりますのに対しまして、電力会社は従来のパターンによりまして五%ないし一〇%上がるのではないか、こういう見通しをしておるということでございまして、そこに見通しの差が出てきておるということでございます。水増しという清水先生のお言葉でございますけれども、その点につきましては電力会社と私どもの間に見解の相違があるということでございまして、私どもが査定をする立場でございますから、査定をする立場がそういう客観的な価値判断を持っておるということになりますと、当然に私どもの考え方に従って査定が行われる、こういうことになろうかと思います。
○清水委員 ところで政務次官、御存じだと思いますけれども、社会党としては掌握できる限りのデータを掌握をし、これを使い、コンピューターにかけて、電力料金の平均六四・四%という申請についてこれをどう見るかという作業をずっと続けて、一つの試案をまとめてこの間発表している。具体的には平均三三・五六%までこれを圧縮することができる、少なくとも可能だ、こういうふうにとらえているわけであります。ことに家庭用電灯料金については、資料をごらんいただけばわかるけれども、かなりの圧縮を図ることができ、家計負担をある程度軽減することが可能である、こういう資料を出しておりますが、私は、査定に当たって当然こういう資料が重要な資料の一つとして見られてしかるべきではないか、こう思いますが、いかがですか。
○梶山政府委員 社会党の労作を拝見をいたしまして、大変りっぱなものだという感じを抱いております。ただ、長官がただいま答弁申し上げましたように、基準に従い厳正の上にも厳正にこれから査定を重ねて結論を得たいというふうに考えております。その間に、社会党の皆さん方の労作についても十二分に参考に供していきたいという気持ちでいっぱいであります。
○清水委員 いま次官から、社会党の試案も審査に当たっては重要な参考に供していきたい、こう言われておりますからそれ以上は申し上げませんが、ぜひこれを活用してもらいたい、こう思います。 さて、そこで、通産ではきのうから公聴会を開いておりますね。中電ほか四社について一斉に開いている。ところが、私は、公聴会のあり方というのはかねがね問題を感じているのです。国民のあるいは消費者の意見をよく聞く、こういう立場から公聴会を開かれているわけでありますが、意見陳述人などの率直な感想を聞くと、非常にむなしさしか残らない、言ってみれば言いっ放し、聞きっ放しみたいな状況で終わっている、ある意味で言えば、国民の声を聞くと称する単なる隠れみのみたいな存在ではないのか、こういう指摘がある。私は決してそういうものであってはならないと思います。そこで、やっぱり公聴会というものはもっと実のあるものでなければならないと思いますが、長官、どう思いますか。
○森山(信)政府委員 公聴会のあり方につきましてはいろんな意見を私どもも受けているわけでございまして、私どもにいたしますと私どもなりに公聴会の成果を反映させるという努力をしているつもりでございますけれども、いま清水先生から御指摘のあったような御意見も多々受けておるわけでございます。そこで、私どもなりの反省もございまして、今回北海道電力の認可をいたします際に、公聴会でいろいろな御議論がございました点を踏まえて、どういう査定をしたかということを。パブリックにオープンにする必要があるのじゃないかということでございまして、認可と同時に新聞発表さしていただいたということでございまして、できるだけ国民の皆様方に、公聴会の意見がどういうふうに反映されたかということを知っていただく努力は今後とも続けていきたいと思います。 それからもう一つ、公聴会を補足する考え方といたしまして、先生も御承知のとおり、説明会と称する準公聴会的なものを会社側にやっていただくという努力をいたしておりまして、それにもできるだけ通産省からも参加をいたしまして、法定の、国が行います公聴会のほかに、いろいろな機会を求めましていろいろな方の御意見を反映させる努力は今後とも継続させていただきたい、かように考えている次第でございます。
○清水委員 そこで、国民の、消費者の声を反映させる機会にしたい、最善の努力を払いたい、こう言われておりますが、たとえばそういう公聴会で多数意見としていろんな注文や希望や意見が出る、こういうものはどの程度審査に当たって裁量されるのですか。結果的に聞きっ放しというようなことじゃないのですか。
○森山(信)政府委員 先ほどもお答え申し上げましたとおり、北海道電力の場合に、こういう御意見が出されてそれをこういうふうに反映いたしましたということを公表したわけでございますが、その中には、もちろん消費者の立場からの御意見、あるいは関係の第三者と申しましょうか、そういう方の御意見、いろいろ利害相反する意見もあるわけでございます。そこで客観的な価値判断というものがやはりそこになければならないだろうと思うわけでございまして、ともすれば反対側の御意見がそのまま通らないケースもあるわけでございますが、これは、反対をされたからそれを無視して取り入れないということではなくて、客観的な価値判断に基づいた査定ということでございますので、それがともすれば言いっ放しで、こちらも聞きっ放しということにつながる危険性があるということでございますので、先ほど来お答え申し上げましたとおり、こういう御意見に対しましてはこういう考え方で査定をいたしましたということをできるだけオープンにするという努力は今後とも続けさせていただきたい、かように考えているところでございます。
○清水委員 そこで一つの所見を聞きたいのでありますが、きのう中電ほか四社の公聴会があったわけですが、共通して一斉に、たとえば農業関係者から出されている意見として、農事用電力の本則からの削除、つまり事実上の特例廃止といったこういうものは今後の農業経営にもう大変なダメージになる。あくまでもこれは附則にするのではなしに本則に継続的に残す。そして、ある意味で同じ政府のもとで、農林水産省は、御承知のような農政の推進を通じ、ただでさえわが国の農畜産物はコスト高だと言われていて競争に弱いと言われているその部分を、何とか農業の労働生産性を高めることによってコストダウンを図り、競争力を確保するようにすべきだというような、こういう発想で鋭意政策が推進をされている。ところが、一面では、たとえば通産の査定に当たって、電力会社の申請のように農事用電力を廃止をする、いままでの既契約者はそのまま持続をするというけれども、全体としては近い将来これを廃止をしようなどというようなそういう動向がうかがわれるわけでありますから、そういうことじゃ困るということで御承知のような切実な訴えがなされている。私は、こういうものは当然審査に当たって裁量すべきだ、こう思うのでありますが、いかがですか。
○森山(信)政府委員 いま御指摘の農事用電力に関しましては、おっしゃいますように本則から附則に移されておるわけでございますけれども、これは既契約の需要家に限って従来どおり農事用電力の活用を認めるということでございまして、それがおかしいのではないかという御指摘でございます。その点につきましては私どもも公聴会の御意見等を聞いておりますので、今後の査定の問題といたしまして検討いたしてみたいと思っております。
○清水委員 この点は、政府として農政推進上重大なかかわり合いを持っているわけでありますから、昨日公聴会等で出されている意見を十分に尊重するという立場でひとつ査定に当たっていただきたい、こう思います。 それからいま一つは、いずれにしても今度の申請に対するゼロ査定というものは予想できない、圧縮をされるにしても一定の値上げが認可をされる、こういうことが想像されるわけなんでありますが、国民生活への影響をいかに小さくするか、同時に産業活動への問題などについても配慮をしなければならぬ部分というのが幾つかあるのじゃないかと私は思うのです。たとえば一つの例は電力多消費産業というのがございます。たとえばアルミだとか亜鉛などというのは電力のかん詰めと言われるほどに電力を使う、ある面で言えば電力が即原料と言っても言い過ぎではないような状況にある。たとえば一つの例として、申請どおり六四・四%仮に上がるということを想定すると、アルミでも亜鉛でもあるいは化学産業ではフェロアロイ等々もしかりでありますが、売り上げと言いましょうか、販売価格に占める電力のコストが九〇%台を超してしまう、九三%とか大変な数字になる。こうなると、これは事実問題としてその産業というものの採算割れは必定だというふうに言わざるを得ないわけでありますが、政策的にそういう業種、産業についてどういうお考えを持っておられるのでしょうか。
○森山(信)政府委員 電気料金の査定に当たりましては、いわゆる原価主義という立場があるわけでございます。この原価主義という立場を分析いたしてみますと、狭い意味の原価主義と、それからもう一つは公平の原則ということがあるのではないかということでございまして、この両方をひっくるめまして、私どもは広い意味での原価主義と言っておるわけでございます。したがいまして、いま御指摘の国民生活に対するインパクトなりあるいは電力多消費産業に対するインパクトということはよくわかるわけでございますけれども、いま申し上げました原価主義、公平の原則という立場からいたしますと、そこに政策的な判断が入る余地はあり得ない、こういう解釈をとっておるわけでございます。 しかしながら、現実に行政を担当している立場からいたしますと、なかなかそう冷たく言い放つというわけにもまいらぬ面もございますので、そこに何らかの解決方法がないかということをいま模索しておるわけでございまして、先生よく御承知の特約料金制というのがございます。これは今度需給調整料金というふうに名前を改めたいと思っておりますが、つまり電力は御承知のとおり需給のピークが非常に変動いたしておりますので、場合によりましては夜間の労働に切りかえていただくとか、あるいは休日を振りかえていただくとか、そういうことによりまして、需給調整をすることによりまして原価主義の枠内でその問題を解決できるのではないかというようなことを現在考えておりまして、従来の特約料金を、原価主義の枠内で弾力的に活用するということによりまして原価主義を守り、かつできるだけ電力多消費産業に対する影響を少なくしていく、そういうような課題に取り組みたいという姿勢を持っている次第でございます。
○清水委員 たとえば前にアルミの設備廃棄の問題のときにも、私は政策料金制というものが考えられないかということを言ったことがあるのですけれども、非常にむずかしい、いま長官が言われるような意味合いから。しかし現実の問題として、たとえば外国から入ってくる鉱石だとかあるいはインゴット、こういうものに御承知のとおり関税が賦課されておる。そこで、関税割り当て制度というものを使って、五十四年度について言うと、設備廃棄に関連をして企業の借入金利の六・一%を利子補給するというような形で、これは電力の問題ではありませんけれども、そういう形で、たとえば関税なら関税というものを使って全体として負担の軽減緩和を図るような措置を講じておられる。同じような意味で、何らかの形で政策的に、その業種が成り立たないというようなことになると、たとえば神岡鉱業所などというのがございますけれども、これがつぶれれば神岡町自体がつぶれてしまう。地域経済が御承知のように暗くなる、無論雇用の消滅というようなこともあって大変な事態なのであります。だからそういうものを未然に防ぐためにも、電力料金の負担を何らかの形で政策的にカバーするといったようなことについても一考あってしかるべきなのではないか。関税などというものはそんなところに使えないよと大蔵当局は言われるのかどうか知りませんが、通産省の立場、資源エネギルー庁の立場では、その辺は十分配慮があってしかるべきじゃないか。 それからいま一つは、自家発電等に対する一定の助成策も提案をされているわけなのでありますが、そういうものもできるだけ充実を図ることなどによって、いまのような電力多消費産業というようなものが生きていけるような、やっていけるような政策的な補完というものが当然用意をされていいのではないか、こう思うのですが、いかがでしょう。
○森山(信)政府委員 二つの問題を提起されたわけでございます。 一つは、電気料金の体系の中だけではなくて、それ以外の体系で電力多消費産業に対する対策を講じたらどうかという御指摘でございます。それはまことに同感でございまして、先ほど申し上げました電気料金の原価主義の枠内でできるだけの弾力的な運営はしたいと思っておりますけれども、それだけで十分にカバーし切れない分野が多いのではないかと思いますから、いま御指摘の点を踏まえまして、総合的な対策というものが必要になってくるのではないかということでございます。私どもは資源エネルギー庁でございまして、電気料金の担当もしておりますけれども、その反面非鉄金属等の所管もいたしておりますので、その分につきましての十分なる配慮はしてまいりたい、かように考えておるところでございます。 それから、第二点に御指摘になりました、たとえば小水力の開発の促進ということは当然でございまして、先ほど例としてお示しになりましたアルミニウムに関しましては、御承知のとおり大部分が自家発でございますけれども、銅、亜鉛になりますと、アルミニウムに比べまして自家発の比率は大分落ちます。したがいまして、いわゆる小水力の活用というものは今後の大事な問題になってくるのではないかということもございますので、ことしは現在予算委員会で御審議中の予算案の中にも助成策を織り込んでございますので、よろしく御指導、御教示を賜りたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○清水委員 次に、サンシャイン計画に触れてちょっとお尋ねをしたいと思います。 仄聞すると、三月にIEAの閣僚会議が開催をされるそうでございますが、いずれにしてもわが国は世界最大の石油多消費国である。にもかかわらず資源の面では最小国である。そこでかねてIEAでも、わが国に対して一面では省エネルギー政策について注文があり、また新エネルギーの開発についても責任の分担が求められてきている。何もIEAから言われる言われないにかかわらず、国際的な責任ある立場からいえば、当然省エネ政策なり新エネ政策というものをもっと強めていかなければならない、こういうふうに私は考えておりますし、昨年も一昨年もそのことについて指摘をした経過がございます。ところがどうも私の受けとめ方では、五十五年度予算を見ても、たとえばサンシャイン計画に対する予算、なるほど二・四倍にふくれた。これは前にも申し上げたように、もとが低いのだから二・四倍になったからといって大したものだとは言いがたい状況があるように思うのでありますが、その辺、工業技術院の立場ではどういうふうに受けとめてますか。
○石坂政府委員 御指摘のとおりわが国の新エネルギー技術開発の予算は諸外国と比較いたしまして、少なくとも昭和五十四年度の時点におきましてはまだ大変少ないわけでございまして、たとえばアメリカが二千億円を超えておるかと思います。西ドイツが百九十七億円、イギリスは四十三億円というような数字が出ておりますが、わが国は百二十億円であったわけでございます。ただ、サンシャイン計画をこの事態のもとで加速的に推進しなければいけないということで、五十五年度におきましては御指摘のように二・四倍に上げまして、そのうち特に比較的早い時期に実用になる見込みのあるもの、これは私どもの計画は全体的には非常に長期的でございますので、数年ないし十年先を見込んで物になるものに重点的に予算を配分しながら実行していきたいというように考えておるわけでございます。
○清水委員 また予算の問題については後で触れます。 そこで、去年の十一月、産技審、産業技術審議会の新エネルギー部会が中間報告を出されておりますね。いまも院長ちょっと触れられているけれども、早期実用化が可能で、エネルギーの大量供給が可能な新エネルギーの研究開発を加速的に推進せよということを政府に強く迫っている。 そこで、この中間報告というものを政府としてはどういうふうに受けとめているのでしょうか。
○石坂政府委員 先ほどからもいろいろ議論ございましたように、今日の石油の事情は非常に厳しいわけでございますので、いまから十年先におきましては代替エネルギーの率を五〇%まで引き上げたいということが了解されているわけでございます。そういった線に沿ってそれが実現をするためにはいろいろな施策を打っていかなければならないわけでございますが、そのうち、たとえ量は五%ぐらいにしかならないにしましても、このサンシャイン計画によって、将来企業化される代替エネルギーの量を何とか実現するように努力していきたいというように考えておるわけでございまして、そういう面から産技審の技術開発部会におけるいろいろな報告等を念頭に入れまして、その方向に持っていきたいというように考えておるわけでございます。
○清水委員 「サンシャイン計画及びムーンライト計画の概要」というパンフレットがありますが、その中で長期エネルギー需給暫定見通しというものが示されており、一九九〇年、昭和六十五年でありますが、九〇年にはこのサンシャイン計画で全エネルギー供給量の五%を確保する、こういうことが具体的に示されております。それに対する所要資金についても具体的に示されておりますが、たとえば九〇年までに二兆四千億円を要する、そのうち八五年までに七千億円を要する、その八割前後が公的資金、政府で心配しなければならない資金というわけなのでありますが、それと対比をしてみると、五十五年度予算に計上されている二百八十六億円というものは、どうもぼくは規模として小さ過ぎる、そういう暫定見通しに立っていないと思わざるを得ないのですが、いかがですか。
○石坂政府委員 私どもの立場といたしましては、この財政の厳しい中で最も効果のある研究開発をしなければならないということを考えております。そういった意味におきまして、将来プラントがだんだん大きくなりまして、一日に五十トンの石炭を使うプラントだとかあるいはそれをべースに、数千トンの石炭を原料として石炭液化をするようなプラントというようなものもだんだん開発を進めていかなければなりませんが、そういう時点におきますと急速に所要資金が上がってくるわけでございまして、現在の立場といたしましては、一体どれを大きくすべきかということをよく勉強する時期であるというように考えておるわけでございます。そういった意味におきまして現在の予算額というものは、私どもとしては最大の効率が上がるようにこれを使っていくというのがわれわれの立場であるというように考えておるわけでございます。
○清水委員 どうも院長、なかなか言いづらい面もあるようでありますから、私の方からかわってちょっと聞きますが、つまり二百八十六億円を五十五年度に計上しているわけなんですけれども、この数字というのは昨年の十一月の産技審の中間報告に基づき、また暫定見通しを立てて、たとえば九〇年には全供給量の五%をサンシャイン計画によって賄う、そういう見通しに基づいて計上されたものではなく、その前の、たとえば九〇年に一・六%を供給をする、こういう見通しに立っているのじゃないかという疑問があるのですけれども、その点はどうなんですか。
○石坂政府委員 私どもの立場といたしましては、昨年に入りまして、従来のサンシャイン計画のぺースでは二〇〇〇年代を目的にしてクリーンなエネルギーを開発するということでございましたので、これを時代に即するために加速的に推進しようということで、審議会のいろいろなお話等も承りながら作業をしておるわけでございまして、ただいま計上しております予算案の中におきましてそういった考え方を入れまして出したものでございます。
○清水委員 そうすると、新年度予算に盛られているのは九〇年の五%という見通しに立って必要な資金が全部盛られている、こういうふうに理解をしていいのですか。
○石坂政府委員 御承知のとおり研究開発には非常に長期間を要するわけでございます。初期の時期におきましては比較的広い角度から基礎的な研究を積み上げてまいりまして、そしてその中で大きなプラントをつくって実験をしなければならないものを選択いたしまして、そしてそれに資金をかけていく、しかもそういうものを幾つかやる中で、最も有望なものがまず第一に企業化されるという手続になるかと思います。そういった意味におきまして、私どもがやっておりますのは、現在どのプラントを、石炭の液化で申しますと五十トンぐらいの大きさのものにすべきかというようなことを考えていま計画をしているところでございます。そういった意味におきまして今年度の予算案が積み上げられておるというように私どもは考えでおるわけでございます。
○清水委員 そこで通産次官、ちょっとお尋ねをしたいのですが、サンシャイン本部のスタッフの皆さん一生懸命努力をされ、研究開発に成果を上げておられることは私も評価をいたしますけれども、ただ、研究開発の成果というものは実用化という形で実っていかなければならぬわけなんで、たとえば予算の規模が小さければ、いかにスタッフががんばっても研究開発といいましょうか、研究の成果がある程度おくれる。そうすると、実用化にもこれがおくれとなってあらわれる、こういうことは言うまでもないことだと思います。 そこで、私は昨年も江崎通産大臣に注文を申し上げて、大蔵当局とも談判をやってサンシャイン予算、ムーンライト予算等についてはこれをうんと取る、こういうことを言われておりましたが、いずれにしても先ほど来長官もるる言われているように、エネルギーあるいは脱石油というものは政府の大きな目玉政策でもあると思うのですね。だから、そういう点でいうと、今後十一年間に二兆四千億を必要とする、短期的に見てこの五年間に実に七千億を必要とするというにもかかわらず、五十五年度予算に計上されているものは三百億足らずというようなことでは、工業技術院の立場ではさっきそういうふうに言われているわけなんでありますが、つまり、その枠の中でできるだけのことをやろうというふうにしかならないと私は思うのですね。ですからこの際、もっと政治的立場でサンシャイン予算だとかムーンライト予算というようなものについて大胆な提起というものを内閣自身の責任でやってもらうべきではないかと思うのですが、どういう所信をお持ちでしょうか。
○梶山政府委員 それぞれの計画の技術開発については、いま清水委員御指摘のとおりのサイクルがあるわけでございます。率直に申しまして確かにいまあわててスタートラインについたという感じでございます。これから広範な基礎研究をして、そのうちどれとどれを選択をしていくかという、いわば基礎的な段階がいまの時期だと思います。ですから、ただいま院長が答弁いたしましたように、冒頭は金額的にはそれほど多くを要しないかもしれない。ただしこれは年を追うごとにまさに加速的に大型化をし、実用化のめどを探るために予算は急速に大型化をしていかなければならないことも御指摘のとおりでございます。そういうものを踏まえましてこれから懸命な努力を払ってまいりたいと思います。
○清水委員 私が毎年やかましく言うのは、さっき院長の方からも話があったように、たとえばIEA加盟諸国、アメリカでもヨーロッパの先進国でもそうですけれども、エネルギーの需給関係を見ると、釈迦に説法でありましょうけれども、わが国よりよほどよい環境に恵まれているわけですね。にもかかわらず、アメリカにしてもあるいは西ドイツにしても、フランスにしても、イギリスにしても、濃淡はありますけれども、石炭の液化であるとか地熱であるとかあるいは太陽であるとか、俗にいうサンシャイン政策というものについてかなり思い切った予算をつぎ込んでいる。ましてや資源最小国と言われるわが国がその何分の一といったような規模の予算では、研究の成果も十分に上げ得ないだろうし、実用化段階も先へ延びてしまうのじゃないか、ということになると、エネ庁の長官が幾らがんばられてもなかなか思うような需給見通しを円滑に達成することができなくなると私は断ぜざるを得ないものですから、そういう意味で、最後に大臣にかわって、長官になるかどなたか知りませんが、一席ぶっていただいて、私の質問を終わることにいたします。
○梶山政府委員 大変むずかしい答弁を要求されたわけでございますが、確かにエネルギー最小資源国のわが国としての対策はまさに焦眉の急であります。清水委員御案内のとおり、まさにいまどろなわという表現がいいかどうかは別といたしまして、石油代替エネルギーの開発を、特に原子力と石炭ないしは石炭液化を中心にし、さらにサンシャイン計画やムーンライト計画等を併用しながら、ありとあらゆる方法と場所と大小を問わず開発をしていかなければならないことは御指摘のとおりであります。その大きい目標に対して予算が少ないといううらみも決してないわけではございません。しかし、必ずしも当初に量的な大きさが要求されるばかりではございません。こういう時期になればこそきわめて科学的に、そして鋭角的にそういうものを掘り下げるための、まず基礎的な準備を懸命にやっていきたいという気持ちに変わりはございません。これから力をあわせてひとつエネルギー開発のために御協力を賜りますようにお願いを申し上げ、われわれも懸命な努力をいたすことをお誓い申し上げます。
○清水委員 終わります。
○塩川委員長 これにて清水勇君の質疑は終わりました。 午後二時三十分から再開することとし、この際休憩いたします。 午後一時七分休憩 ――――◇――――― 午後二時三十四分開議
○塩川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。近江巳記夫君。
○近江委員 間もなく大臣がお見えになるということを聞いておりますが、公取委員長お見えでございますので、公取関係からお伺いをしたいと思います。 公取委員会といたしましては、二十一日の午前、いわゆるエックス線フィルムにつきまして立入検査をされたわけでございます。いまその調査をされておる最中だと思いますので、中身等については御答弁はむずかしいかと思いますが、同じく写真用カラーフィルムにつきまして、今月に入って七・三%程度の値上げを相次いで発表しておるわけです。こういう写真用カラーフィルムの問題、さらには印刷・製版用フイルム、この出荷制限であるとか、他の商品との抱き合わせ販売等が行われておるというようなこともちらちら言われておるわけでございますが、この問題につきまして公取委員長としてはどういうようにごらんになっておられますか。
○橋口政府委員 写真用フイルムにつきましては、御承知のように二社でその大半を生産いたしておるわけでございまして、いわゆる独占的状態にも該当いたしておりますし、また、同調的値上げ報告の対象品目にもなっておるわけでございます。そういう点から申しまして、最近における値上げの状態につきましては重大な関心を持っておったのでございますが、そのうちエックス線写真フィルムにつきましてはかなり明確な情報の提供もあり、エックス線写真用フィルムの値上げについての共同行為の疑いで立入検査をいたしたわけでございます。ただ、いまお話がございましたが、それ以外にも印刷用のフィルム等につきましてもいろいろの容疑がございます。それから一般写真用のカラーフィルムにつきましても、この二つの問題を中心として立入検査をいたしたわけでございますが、審査の過程におきまして疑いが出ればさらに調査は進めたいというふうに思っております。 いずれにいたしましても、同調的価格引き上げの対象品目に位置づけられているということは、どちらかと申しますと、共同行為がございましてもなかなか物証が得られないということでああいう規定が設けられたのでございますが、そういう規定が設けられましたにもかかわらず、やはり問題としての容疑があるわけでございますから、公正取引委員会としては強い決意を持って立入検査をいたしたわけでございます。
○近江委員 さらに、いわゆるわが国の基幹産業としまして鉄鋼の問題があるわけです。これは毎日新聞が載せておりますが、「鉄鋼五社経常利益、過去最高に」ということで、大手五社の三月期決算を見ますとほぼ四千億、いままで最高のものを計上しておる。「五十五年三月期決算は新日鉄が売上高二兆七千億円、経常利益千八百億円、日本鋼管は売上高一兆三千億円、経常利益五百二十億円、住友金属工業は売上高一兆二千億円、経常利益七百六十億円、川崎製鉄は売上高一兆一千億円、経常利益九百億円、神戸製鋼は売上高一兆円、経常利益四百三十億円で、各社とも売上高、経常利益が過去最高となる見通しとなった。」こういうように非常に利益が上がっておるわけですね。ところが、すでに公取委員長も御承知のように、値上げをやるというようなことを言っておるわけでございます。これは国民生活に与える影響というものは甚大なものがございまして、私は予算委員会におきましても、情報カルテルといいますか、こういうことが新しいパターンとしてできてきておる、こういう中で同調値上げというものが行われているわけです。現実に私も建設業の人とかいろいろなことを聞いておりますが、もう値上がりするのは間違いないんだ、そういうことで押さえておくんだということで、仮需といいますか、そういうような動きもどんどん出てきておるわけですね。一番心配なことは、これだけ卸売物価が上昇してきておりますし、これは消費者物価にどういうように反映してくるか、そら恐ろしい気持ちがするわけですが、こういう基幹産業の値上げ問題、こういうことが安易にこういう形で形成されていっていいかどうかという問題であります。きわめてこれは重大な問題だと私は思うのです。この鉄鋼の値上げ問題に関しまして公取委員会といたしましては、こういうインフレ環境下におきまして、どういう重大な関心をお持ちになって、今後どうなさっていかれるか、この点についてお伺いしたいと思います。
○橋口政府委員 鋼材につきましても鋼矢板ほか九品目、合計十品目が同調的価格引き上げの監視対象品目になっておるわけでございまして、公正取引委員会としても重大な関心を持っておるわけでございます。いずれにいたしましても十八条の二の規定は値上げが行われました後におきまして同調的値上げに該当する場合には報告を徴収するという規定でございますから、これを事前的に牽制するとかチェックするということは実定法上許されておらないわけでございますので、そういう点から申しまして十八条の二の規定はおのずから限界があるわけでございます。 ただ、いま先生がおっしゃいましたように相互に情報を交換するとか、あるいは交換された情報に基づいて何らかの調整が行われるということであれば、これは共同行為の疑いがあるわけでございますから、そういうことは万々ないと思いますが、しかしあらゆる角度から情報を集め、十分注意してまいりたいと考えております。
○近江委員 この、情報カルテルという言葉が適切であるかどうかということは別といたしまして、その意味はわかっていただけると思いますが、そういうことは十分疑いがあるわけなんですね。ですから、その点公取委員会として、新しいこういう情報カルテルという中でこういう値上げが進んでいく、これは何らかの対策をぜひ考えていただきたい、このように思うのですけれども、何かいい手はないものですか。
○橋口政府委員 われわれとしてもいかにして情報を得るかということに実は最大の関心があるわけでございまして、日刊紙、業界紙等につきましても注意して見ておるわけでございますけれども、やはり一番大切なのは内部からの情報でございまして、内部から得られた情報が一番確度が高いということがありますから、そういう点で情報の入手につきまして、現在以上に科学的と申しますか、もっと情報が系統的に、またスムーズに入る方法がないものかなということも研究いたしておるわけでありまして、将来の問題としましては、たとえばアメリカ等の諸外国の情報入手方法等につきましても検討してみたいと考えております。
○近江委員 経企庁長官にお伺いいたしますが、いま電力、ガス等はいろいろと審査をされているわけですが、公共料金の引き上げがメジロ押しなんですね。さらに一般企業製品を値上げしようという動きが頻繁なんです。特に、先ほど申し上げましたように鉄鋼の影響などというものは非常に大きいわけですね。利益も戦後最高のものを上げているわけですね。したがいまして、国民生活を守るという立場において、特に物価問題については経企庁さんは言うならばかなめの役所なんですね。いま公取委員長からもお話がありましたが、こういう鉄鋼業界を初めとした企業製品の一連の引き上げ等に対しまして、これは今後どうなさるのですか。
○正示国務大臣 私どもは仰せのとおり物価について非常に大きな責任を負っておるわけでございます。そこで、私も着任いたしましてからじっと見ておりますと、物価担当官会議という各省庁、それには日本銀行とか公取委員会も入っていただいておるわけですが、そこでいまのようないろんな動きに対して常にお互いに情報交換をいたしておりまして、いやしくも便乗的な値上げ、また不公正な値上げについては絶えず監視の目を光らせておるわけでございます。いま御指摘のような電力、ガス、これは政府の認可事項でございますが、鉄鋼等はそうじゃございませんが、仰せのようないろいろの動きについては、常に目を光らせて、適正な原価の高騰等によるものはやむを得ないといたしましても、同調的な値上げであるとか便乗的な値上げであるとかというようなことについては、時を移さず適切な手を打っていただくように関係当局の御協力をいただいておるわけでございます。 特にいまお話の点については、インフレ的なムードによって仮需あるいは買いだめ売り惜しみというふうな行為が行われないように、これは非常に大事な点でございますから、財政、金融、特に金融については先般の公定歩合の引き上げ等が大変大きな役割りを果たすものと考え、今後ともいま申し上げた諸般の対策を総合的に、また適時適切に講じていきたいと考えておるわけでございます。
○近江委員 経企庁さんの立場としてそれぞれ監督官庁に要請をなさる、それはよくわかるのですが、いわゆる経企庁という立場において、業界なり産業界に対しても、便乗値上げ等は断じて許さぬと一堂に集めて経企庁長官から訓示をするとか、いろいろ何らかの具体的なそういうものを考えておられると思うのです。経企庁長官は国民生活を守る意味においては非常に熱意のある方だと聞いておりますし、ただ官庁だけに任すというのじゃなく、直接乗り出して抑えにかかる、こういうことは考えておられますか。
○正示国務大臣 一番有効な対策は、それぞれの所管官庁の責任において所管物資についてただいま申し上げたような動きを常に注視し調査を進める、またいろいろと行政指導を行っていただく、こういうことが一番大事かと思っております。私どもは、いま仰せのような、特に業界をいきなりお集めをいたしてどうということはやりませんが、機会あるごとにいま申し上げたような線で指導をいたしておるわけでございます。 実は、けさほども閣議で、この物価問題を非常に大きく取り上げまして、いまいろいろと公共料金の値上げが行われようとしておるけれども、これについても非常に厳しい世論の批判があることは十分心得ておるわけでございます。そのほかに電話料金とか、また電話の国内線あるいは国際線についても一層の努力をする、こういうようなこととか、総理からも各閣僚に、そのほか何かそれぞれの所管においてこの際再検討するようなことはないかというふうな御指示もあったわけでございます。もちろん予算に組み込んでおりますものは、私どもとしては最小限度のものを組み込んでおるわけでございますが、そのほかにたとえばいま申し上げたような国際線、国内線の電話料の引き下げについてさらに努力の余地はないかとか、手数料等が引き上げられるようなときにはその引き上げ幅を抑制できないか、時期について調整はできないか、こういうようなことをやっております。 また、昨日でございましたか、産労懇に参りまして、きょうは日経連が大きく報道されておりましたが、便乗値上げ、こういう点については業界としても厳しくお互いに自粛していこうじゃないかということが強く経済団体の方から呼びかけられておることは御承知のとおりでございます。産労懇は経営者だけではなくて労働組合の代表の方も入っておられるわけでございます。この物価問題は国民的な重要問題でございますので、あらゆる角度から、いやしくもみんな気を許すことなく八方から監視をして、適正な物価の推移についてお互いに責任を分かち合っていこう、こういうことに努めておる次第でございます。
○近江委員 では、公取委員長は、この鉄鋼の値上げ問題について、今後公取委員会としては厳重に監視をなさっていかれるかどうか、もう一度重ねてお聞きしておきたいと思います。
○橋口政府委員 御指摘のとおり対処いたしたいと思います。
○近江委員 過日、私は予算委員会で補正予算のときに公取委員長に御質問申し上げたわけですが、それは電力八社のいわゆる社長会、談合がホテル・オークラで行われた、このことにつきまして公取委員長は非常に好ましくない、早速事情聴取をしたい、こういうお話でございました。その後どのようになっておるか、御報告をいただきたいと思まいす。
○橋口政府委員 二月九日土曜日に御質問いただいたわけでございますが、連休明けの二月十二日から活動を開始いたしまして、二月十四と十五の二日間、電気事業連合会から事情を聴取したわけでございます。事情聴取の内容につきましては、実際に担当しました事務局の方から詳細御説明を申し上げたいと思いますが、結論的に申しますと、原価算定期間、申請日、申請幅、実施日等につきまして何らかの調整が行われたという事実は認められておりません。したがいまして、御質問にございましたような事実は当方の調査では確認をされておらないわけでございます。事務局の方からやや詳細に申し上げたいと思いますが、事務局の調査の結果につきましては、公正取引委員会としてはこれを了承するという態度をとっております。
○伊従政府委員 御指摘の件につきましては、二月十四日と十五日に経済部において電気事業連合会から任意の事情聴取をいたしております。事情聴取をしましたところでは、一月七日、ホテル・オークラにおいて、新年のあいさつ回りのために上京しました七電力の社長ら十三名が昼食をしながら約二時間懇談しております。その席上、原油の価格の動向、需給動向等の国際情勢、電力料金改定の必要性、原価算定期間等が話題になった事実は認められておりますが、原価算定期間、申請日、申請幅、実施日等については、何らかの申し合わせが行われたことについては否定をしております。 それで、八社の電気料金の改定の実施日及び申請日が同日であることにつきましては、実施日は、八社が円高による差益還元として昭和五十四年度中は値上げしない旨の公約をしている、一方最近の原油高騰等の事情によって電力各社の経営が悪化していたことから、公約の期限切れの翌日に実施日が一致する結果になったものであり、申請日については、値上げ申請をするためには電気事業法二十九条に基づく供給計画の見直しが必要であり、それが終了したのが本年一月上旬であったこと、申請から認可までの時間が過去の経験等から約二カ月必要であったこと等から、結果的に一月二十三日申請になったという説明を受けております。 以上でございます。
○近江委員 これは事情聴取ということで、相手はそう言ったということの報告をいまここでしていただいたわけです。これをうそだとかいうことは、私もそこまで言う資料は持ち合わせておりませんが、しかし、結果として二十三日、しかも午前中に八社がそろえて出し、しかも四月一日から上げてくれ、結果としてはこれは一致しておるわけですね。だから非常に疑いが濃厚である、そういう事情を考えられて公取委員長はまことに好ましくないということを何回も予算委員会で私におっしゃったわけですね。これは公取委員長が代表しておっしゃったわけですが、これは、直接関係される通産大臣、また国民生活を守る元締めの経企庁長官、独禁法というものはいまや非常に重要な法律なんですね。その法律に基づいておられる最高責任者の公取委員長が好ましくないと明確に何回もおっしゃっているわけですよ。これにつきまして、こういうことはあなたたちは好ましいと思うのですか。
○橋口政府委員 電力料金の算定方式等につきまして話し合いをして、何らか統一的な意思形成が行われたとすれば、これは好ましくないということを申し上げたわけでございまして、実は昭和五十一年の前回の電力料金の改定の際にも、当委員会の閉会中の審査におきまして、当時の加藤清二委員から前澤田委員長に対しまして御質問がございまして、それに対しましても同じように好ましくないというお答えをいたしておるわけでございますし、それから衆議院の予算委員会でもお答え申し上げましたように、事前に電気事業連合会の方から内々相談もあったわけでございますから、私はそれら一連の経過等から見まして、また今回の調査から見まして、万に一つもそういうような事実はなかったものというふうに確信をいたしておるわけでございまして、事務局において調査いたしました結果を了承したのも実はそういう背景があるわけでございます。
○近江委員 だから経企庁長官と通産大臣に、こういう時期にこういうことをやって、結果としては申請日、しかも午前中に八社がそろえて出し、いま言ったように、何回も同じことを言うても仕方がありませんが、こういうことはまことに好ましくないと思うのですよ。どう思われますか、お二人にお聞きします。
○正示国務大臣 これは、誤解を招くようなことは厳に慎んでもらいたいと思いますが、公正取引委員会は、御案内のように半司法的な役割りを持っておられますので、私ども部外の者がとやかく申し上げることは適当でないと思いますから、いまのところは公取委員長及び公取の事務局の御調査の結果で御了解をいただきたい、かように考えます。
○佐々木国務大臣 独禁法の元締めをやっております公取委員長がそうおっしゃるのですから、それで支障がないんじゃないかと思います。
○近江委員 独禁法の元締めの公取委員長が好ましくないとおっしゃったので、通産大臣も好ましくない、同意見であるということをいまおっしゃったわけですな。
○佐々木国務大臣 好ましいとか好ましくないとかといっても、何もなかったというのですから、誤解を招いた点に対しては、それは遺憾の意を表さなければいけませんけれども、何もないというのですからいいんじゃないですか、こう思うのですけれども……。
○近江委員 私はこの問題は、きょうは時間の関係があるからできるだけほかの問題にいこうと思っておるのですが、そういう疑わしい行為をしておって、何もなかったらいいんだ、それはちょっとおかしいんじゃないですか。国民の目から見て、二十三日の午前中に八社が一斉に出し、しかもいつから値上げをしてくれということも出し、値幅もほぼ決まっておる。いま御報告では、そういうことはやってなかったという報告は受けましたけれども、疑わしいということは消えぬわけですよ。そうでしょう。だから、そういうことは、やはりやったことについては好ましくないと公取委員長は何回もおっしゃっておるわけですよ。そうでしょう。やはりそういうことは素直に通産大臣もおっしゃる必要があると思うのですよ。いかがですか。
○佐々木国務大臣 そういうふうに考えるかといえば、そう考えざるを得ないと思います。
○近江委員 そう考えるとおっしゃったんで、私はそれを受けておきますがね。まあイコール好ましくないということをおっしゃったわけですが、いずれにしてもこれだけ国民生活に影響を与える重大な電力の問題ですし、またガスの問題でございますから、どうかひとつシビアなそういう姿勢、まず政府みずからがえりを正し、査定も厳しく、そういうことはきちっと業界に対してもよく指導していただきたい、これを申し上げておきたいと思います。 それから公取委員長に引き続いてお伺いしたいと思いますが、政府規制産業の問題これも私予算委員会でも取り上げておるわけですが、十九日の独禁懇におきましてこれは発表されているわけです。いろいろと伝えられておるわけでございますが、政府規制の緩和につきまして、海外での動きはどうなっておりますか。また、それをぜひ参考にしてやっていくべきだと思いますが、お伺いしたいと思います。
○橋口政府委員 独禁懇に報告いたしました資料につきまして簡単に申し上げておきたいと思います。 現在、法律の数は千四百九十程度でございますが、そのうち政府規制に関連のある法律は約百七十見当でございます。ただ、この百七十の法律と申しますのは、新規参入に対して許認可等の制約があり、しかも企業活動につきまして、たとえば設備とか生産、価格等につきましても政府規制の強い分野の法律が約百七十見当あるわけでございます。その生産額のGNPに占める割合は、大体二〇%程度というのが今日まで公正取引委員会で調査をいたしました見取り図でございます。現在、国内的な作業としてはその程度のところまで進んでおるわけでございます。 そこで、お尋ねがございました諸外国の状況でございますが、アメリカは一九七八年十月に航空規制撤廃法が施行されておるわけでございますし、現在の国会にはトラック、鉄道、運送、金融等につきましての規制緩和法案が提出されております。それから、西独につきましては、競争制限禁止法の第四次改正について審議中でございますが、その中に電力等の公益事業に対する適用除外の見直し、その他金融等における適用除外領域の監視の強化等が含まれております。それからECにおきましては、昨年の六月に民間航空に関する諮問を提出いたしておりまして、これも方角としては規制緩和の内容でございますし、また、ECとしましては域内各国の国営企業の能率性につきましても問題を提起いたしておるわけでございます。そのほかフランス、イギリスも全体としては規制緩和の方角に進んでおるところでございます。
○近江委員 そういう諸外国の例に見習って今後どういうスケジュールでなさっていかれるのか、特に業種等につきまして諸外国に見習ってしぼっていかれるのか、その辺についてどういう的をしぼっておられるのか、今後のスケジュールについてお伺いしたいと思います。
○橋口政府委員 昭和五十五年度予算を要求いたしておるわけでございますが、これは事務費として五百万円強の予算をお願いしておるわけでございます。同時にまた、行政管理庁の方も行政事務の簡素化という見地から同じく予算を要求しておられるわけでございまして、予算が成立いたしました段階におきまして行政管理庁と共同して作業をするという心組みをいたしております。ただ、公正取引委員会と行政管理庁とでは立場が少し違うわけでございまして、行政管理庁の方は主として許認可の整理、行政の簡素化という角度でございますが、私どもの方は競争政策の結果として望ましい秩序が生まれ、回り回って一般消費者に利益が還元されるという角度からのアプローチになるわけでございまして、そこには多少の相違があろうかと思っております。 ただ、どういう業種に的をしぼるかということでございますが、今日の段階におきましては、まだどういう業種にという目的をしぼるところまでいっておりませんが、しかしOECDの下部機構であります専門家委員会におきましては、三業種、エネルギー、運輸、金融につきましての数年間にわたる検討の蓄積があるわけでございます。したがいまして、われわれとしましてもこの三業種につきまして念頭に置いているわけでございますが、もちろんそれだけではございませんで、もろもろの政府規制分野につきまして、総合的な見地から、また全般的に検討すべきものだというふうに考えておるわけでございます。また、そのためには公取委と行管だけではなくて、民間の御意見も拝聴することが必要だと思いますし、また専門の学者の先生方の御意見なり知識なりも拝借して進めたいと考えておるところでございまして、本格的に着手するのは昭和五十五年度以降であるというふうに考えております。
○近江委員 方向は大体わかったわけですが、大体どのぐらいの期間をかけて今後進めていかれるわけですか。
○橋口政府委員 これは一九八〇年代の課題というふうに考えておるわけでございまして、そういう点で申しますと、中長期的な観点から検討を進めたいということでございます。したがいまして、私どもの心づもりといたしまして、昭和五十五年度中にすべての問題に対して回答を得るということはとうてい不可能であるというふうに考えておるわけでございまして、一言で申しますと、一九八〇年代の中葉のころを目標にして最終的な仕上がりができれば大変いいなというふうに思っておるところでございます。
○近江委員 きわめて重要な問題でございますし、精力的にやっていただきたいということを要望いたしておきます。 それから独禁法が改正されまして、これは当商工委員会におきまして私もその実際の改正につきましてはいろいろここで御意見も申し述べ、反映もしてきたわけでございますが、その後の運用につきましてはぼくらは非常に重大な関心を持って見てきておるわけでございます。その中で、いわゆる申告をしてそれに対して通知をする、これは四十五条で入っておるわけでございますが、五十三年度でどれだけ申告があり、それに対して通知件数がどれだけあったか。五十四年度についてはまだ全部終わっておりませんが、現在まで大体どのぐらい来ておるか、またどのぐらい通知をしたか、できましたら独禁法違反と景表法違反の方に分けて御答弁をいただきたいと思います。
○橋口政府委員 初めに昭和五十三年度からお答え申し上げたいと思いますが、独禁法関係で情報の提供件数は千百十六件、それに対しまして通知をいたしましたのが八十四件でございます。それから景表法の関係でございますが、五百八十五件で通知をいたしましたのが百四十七件でございます。ただ、景表法は都道府県の関係は含んでおりません。 それから昭和五十四年度でございますが、これは十二月末までの件数で申し上げますと、情報提供件数は千百九十八件、通知件数は百二十二件でございます。それから景表法の関係でございますが、情報提供件数が四百十八件、通知件数が百二十四件でございます。ただ、昭和五十四年度でございますから、ことしに入りましてからも依然として情報の提供が続いておるわけでございまして、五十五年の二月二十日現在まで集計して申し上げますと、情報提供件数は千四百七十四件、通知件数は二百十件でございます。
○近江委員 こういうことが周知徹底されたということもあろうかと思いますけれども、やはりこういう数値がふえてきているということは、いろいろと独禁法違反のそういう行為が行われておるということのこれは証明であります。したがいまして、今後公取委員会として進まれる姿勢ということはきわめて大事ではないかと思います。 そこで次にお伺いしたいと思いますが、この物価上昇、これはカルテルだとか同調値上げであるとかいろいろなことが巧妙に行われておる。そういうようなことで非常に物価が上がってきておるわけでありますが、それだけが原因じゃございませんけれども、そこで同じようにお聞きしたいと思うのですが、課徴金制度というものを発足させたわけでございますが、五十三年度は何件あって額はどのぐらいであったか、また五十四年度は、推計としてわかった時点でもよろしいですが、件数と金額は大体どのぐらいになるのか、これについてひとつお伺いしたいと思います。
○橋口政府委員 昭和五十三年度は一件でございまして、金額は五百七万円でございます。昭和五十四年度は今日まで確定いたしましたものが三件で四億一千二百七十三万円でございます。現在進行中のものが十件ございます。年度内に処理できるものが二件でございまして、この二件を合わせますと、およそ十億円見当になるのではないかというふうに推定をいたしております。
○近江委員 こういう課徴金も、こういうように件数も金額もやはりふえてきておる。したがいまして、これはもう重ねて申し上げますが、非常に公取の姿勢は大事だと思います。この両件を踏まえて、公取の今後の姿勢についてお伺いしたいと思います。
○橋口政府委員 情報提供に対しまして行政庁が回答の責任を負うという制度は、独禁法によりまして初めて認められた制度でございまして、この法律の効果と申しますか、この法律の規定が一般に浸透することに伴いまして情報提供の件数はふえておるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、去年に比べまして大体四割増ぐらいのぺースで進んできておるわけでございます。同時にまた、情報提供の確度というものも大変向上いたしてまいっておりまして、率直に申しまして、提供された情報の処理に追われつつあるというのが公取の現状であろうかと思います。つまり、やるべき仕事はいっぱいあるというのがわれわれの実感でございまして、限られた予算、人員の範囲で最大限の努力をすべく、いわばエンジン全開で仕事をいたしておるところでございまして、そういう点から申しまして、先ほど申し上げましたような同調的価格引き上げの対象品目でありましても、これに対しては強い姿勢で臨むということをしておるわけでございまして、今後とも世間一般の期待に沿えるような努力をしたいというふうに考えております。
○近江委員 強者が常に弱者に対して圧迫をする、こういう具体例として三越の問題等がいまいろいろと審査されておるということを、それは中間時点ですから御報告が聞けるのかどうかわかりませんが、もし御報告が聞けるならお聞きしたいと思いますが、こういうように百貨店であるとか大型店のいわゆる押しつけあるいは返品、手伝い店員等の問題がございますが、これの改善についてどのようになっておるか、また、そういう問題が残っておるとすれば今後どういうようにやっていかれるのか、この点についてお聞きしたいと思います。
○橋口政府委員 百貨店、大型スーパー等の大規模小売業者の納入業者に対する押しつけ販売、協賛金の要請等につきましては、昨年の六月、百貨店協会及びチェーンストア協会に対しまして要望書を出しておるわけでございまして、その要望書を受けまして日本百貨店協会は昨年の四月、チェーンストア協会は九月に、それぞれ押しつけ販売及び協賛金につきましての自主規制基準というものを作成しておられまして、現在これに基づきまして会員に対して自粛方の指導をしておるわけでございますが、公正取引委員会としましては、百貨店、スーパー等の自粛状況を把握するために、昨年の十一月から十二月にかけまして納入業者団体及び納入業者を対象にヒヤリング調査を行ったわけでございます。その結果によりますと、かなりの程度に改善が見られておるところでございますが、しかし、同時にまた、押しつけ販売、協賛金の強要等につきましては、その自粛の状態につきまして正確な把握をすることが必要でございますし、あわせて不当返品あるいは手伝い店員の問題等につきましてもその実態を把握することが必要でございますので、近く納入業者に対してアンケート調査を出すことにいたしております。これは、五千五百の事業所を対象としてアンケート調査をするわけでございますが、その内容としましては、押しつけ販売、協賛金強要のほかに、不当返品、手伝い店員の問題等につきましても調査をすることにいたしておるわけでございまして、その結果に基づきまして、さらに必要あれば必要な措置をとりたいというふうに考えております。
○近江委員 また、問題になっておりました自動車メーカーとディーラーの関係改善ですね、これはどのようになっておりますか、また、残された問題として今後どういう改善をされますか。
○劒持政府委員 自動車流通の実態調査結果に基づきまして、昨年の十一月にディーラーと締結します取引契約の見直し等につきまして、所要の改善措置を講ずるようメーカー等を指導いたしております。その中身と申しますと、まず押し込み販売ということでございますが、問題になりました押し込み販売につきまして、責任販売台数の設定に関する条項を削除するとか、それから白地手形制度につきましても、通常の支払い方法との自由な選択を認めることとするとか、さらにリベート政策につきましてその見直しといったようなことを内容とした指導を行っております。この指導を受けまして、メーカーは契約書の更改時期を契機といたしまして契約書の改定作業を進めておるところでございますが、公正取引委員会といたしましても、その契約の改定の実効が上がっているかどうか、必要に応じてさらに調査をする等の措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
○近江委員 下請取引の問題についてはどうですか。
○劒持政府委員 御承知のように、下請法に基づきまして親事業者等の調査を実施しておりますけれども、従来その内容が支払い遅延の防止に重点を置いて行ってまいりました。ここ一両年、実質案件と申しますか、不当返品とか不当値引き、不当買いたたき、受領拒否といった、単なる支払い遅延ではなくて、取引の中身にわたります事項につきまして調査を進め、必要な勧告等の措置をとってまいっておるところでございますが、今後ともこの実質案件に対します調査、指導等を進めてまいりたいというふうに考えております。
○近江委員 私が先ほど申し上げましたように、こういういわゆる強者と弱者、この関係というものは常にやはり緊張を増すわけです。そういう点で十分ひとつ監視をし、改善をさしていただきたい。特に要望しておきます。 それからもう一点、紛らわしい商品表示の問題ですが、いわゆるそっくり商品というやつですな、これは大手のスーパー等で全くほとんど同じ表示で売っておる。こういうことが果たしていいのかという問題なんですね。これは、私は法的に見ましても、四条三号、これからいきますと、紛らわしい表示、誤認ですね、ちょっと見たらわからないというようなそういう表示、こういうことが堂々と大手スーパーでまかり通っておる。この問題については今後どうしますか。
○橋口政府委員 近江先生のおっしゃいましたのはダイエーのそっくり商法の問題ではないかと思うわけでございますが、現在景表法の違反被疑事件として内々調査をいたしておるところでございますので、その内容につきましての答弁は御容赦をいただきたいと思うわけでございます。ただ、一般論として申しまして、商標とかあるいは販売業者名も明瞭に表示されております場合に、容器とか包装、デザインの類似をもって直ちに景表法に該当するかどうかにつきましては、法律上の問題があるのではないかというふうに思っておるわけでございますが、ただ、四条三号の運用につきましてわれわれといたしましていろいろ検討いたしておるわけでございまして、近く四条三号の指定をいたします件数が二件ございますので、それを簡単に申し上げておきたいと思いますが、第一点は消費者信用の融資費用に関する不当な表示でございまして、これはサラ金問題で二、三年前に大変大きな問題になった問題でございますが、融資費用を表示いたします場合に、実質金利で明瞭に表示する場合を除きましては不当な表示である、そういう指定をいたしたいというふうに思っておるのが第一点でございます。それから第二点は、不動産のおとり広告に関する表示でございまして、これもかねてからの問題でございましたが、おとり販売全般につきましての指定ということになりますとこれは大変大きな問題があるわけでございますので、不動産に限定をいたしまして、おとり販売につきましては第四条三号の指定をしたいというふうに考えておるところでございまして、そっくり商品につきましてもさらに検討を進めてみたいと思いますが、現在までのところでは、そっくり商品を内容、条件を限定いたしまして四条三号で指定するのはなかなかにむずかしいのではないかというふうに考えておるところでございます。
○近江委員 まず十分な検討をしていただきたいと思います。公取委員長は後御予定があるようですから結構です。 次に、通産大臣に自動車問題でお伺いしたいと思います。 フレーザー会長が来日をしまして、その後外交ルートを通じまして得ておられます米国側の対日要求の真意と具体的内容についてお聞かせいただきたいと思います。
○栗原政府委員 米国側のいろいろな動きでございますが、御承知のようにまずフレーザーさんに代表される労働組合でございますが、これは当方に参りましたときにも、まず対米投資をしてほしい、そうでないと輸入制限的な動きになるおそれがあるということを申しております。政府サイドに対しては申しませんけれども、民間のサイドに対しましては、短期的には輸出をある程度抑制するようなことをやってほしいということもあわせて言っておるわけでございます。 それから、米国の議会の動きでございますが、かねてから輸入制限的な発言もあったわけでございますが、最近の時点におきまして輸入制限立法のはしりと思われます議員立法の提案が一件ございました。そういった動きが出ております。 それから、政府サイドでございますが、米国の政府サイドにおきましては、現状そういった労働組合なり一部の議会サイドの動き等もございますけれども、一方またエネルギー対策でございますとか、あるいはインフレ対策、消費者対策というような面からの声も別途ございますわけでございまして、そういったいろいろな観点からの動きがございますので、まだ米国政府としてはまとまった一つのコンセンサスといったような動きには至っておらないという段階でございます。
○近江委員 自主規制等について要求もあったということをいまお話があったわけですが、そうしますと、自主規制等を実施する場合、その時期であるとか期間であるとか量であるとか方法等についてはどういうようにお考えですか。
○栗原政府委員 先ほど自主規制と申し上げましたのは、正式に政府に対してフレーザーさんもその点は言っては来てないけれども、民間ベースの段階でそういう話があったということを申し上げたわけでございますが、米国の中でも労働組合に代表されますようなそういう動き、あるいは経営者団体、経営者の中におきます一部そういった動き、まあ議会の中の一部の動きというようなところでは日本の輸出を抑えようという動きはありますものの、先ほど申し上げましたようなインフレ対策あるいはエネルギー対策等々の面を踏まえて必ずしも一本の声になっておらない。少なくとも政府サイドにおいてはその辺は決めかねておるというのが現状の段階でございまして、そういった意味におきまして、私どもといたしましては現時点で輸出規制をどうこうということを申し上げる段階ではないというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、これから米国サイドの動きというものも十分見守りながら今後の対応を決めていきたいというふうに考えております。
○近江委員 アメリカの自動車産業の不振というものは、需要家のいわゆる省エネルギー志向への対応のおくれというものが非常に大きな要因になっておるのじゃないかと思うのですけれども、これは政府としてはどういうようにお考えであるか。また日本製の小型車のブームにつきまして、その原因、また今後の見通しというものにつきましてお伺いしたいと思うのです。
○栗原政府委員 米国におきます日本車の売れ行きがいいということの原因でございますけれども、一番基本的な問題としては、一昨年秋におきますイラン革命というものに端を発しました石油不安というものがまずあろうかと思います。そういったものをバックにいたしまして、昨年の春には御承知のようにアメリカ国内でもガソリンパニックというような動きもございましたし、そういった事情を背景にいたしまして消費者が小型車を急速に求めるような動きが出てきたということが第一点かと思います。 また、こういった動きの中で、第二点といたしましては、米国のビッグスリーに代表されるメーカーの大型車から小型車への切りかえ、小型車の生産というものに対する対応がおくれをとったということから、小型車の生産能力が不足したという事態が起きたわけでございまして、輸入車は小型車でございますので、特に燃費のいい日本の小型車というものがこういった事情の中で売れ行きを伸ばしたということかと考えております。
○近江委員 通産大臣は、このアメリカ自動車産業の不振というものは何と見ておるのですか。
○佐々木国務大臣 いま局長から申しましたように、低燃車と申しますか、燃料を余り使わない車に対しての需要が非常に強くなりまして、それが今度の日本の小型車に対する需要が増した一番大きい原因だと思っています。
○近江委員 局長の答弁から出たものは何もないわけですけれども、もう少し大臣として言うべきことは言う、そういう姿勢がないといかぬと思うのですね。 本田の対米工場新設につきましてどのように考えておられますか。また、トヨタ、日産等、いろいろまあフレーザー会長等も要請しておるわけですが、このメーカーの動きはどうですか。
○栗原政府委員 一月の初めに本田技研工業がオハイオ州に乗用車の工場を建設するということについて、年内にめどをつけたいという発表をいたしたわけでございます。こういった動きは、最近の米国におきます特に米国内での現地生産を求める声というのは、これは労働組合だけでございませんで、各方面で異論のないような意見になりつつありますし、日米の円滑な関係維持という意味合いからも、私どもはこの本田の現地生産開始という問題は非常に望ましいことであるというふうに考えておるわけでございます。 なお、トヨタ、日産の三社につきましては、それぞれ両社ともこういった客観情勢を私どもとしては十分に伝えておるわけでございますが、そういったものも踏まえて慎重に検討をされておる段階というふうに思います。 なお、日産につきましては、トラック工場の建設についてかなり前向きであるということを聞いております。
○近江委員 本田の対米進出についてはきわめて望ましいと、非常に積極的に通産省としては評価されておるわけですけれども、いわゆるこの採算性の問題ですね、あるいは日本製小型車の需給見通し等につきまして、確固たるそういう将来展望を持って自動車業界に対して進言されておられるわけですか。
○栗原政府委員 この海外投資の問題につきましては、やはり最終的な判断というものは当該企業が下されるべきものというふうに基本的には考えておるわけでございます。と申しますのは、いま御指摘のありましたような米国内のこれからの小型車の生産能力がどういうふうにふえていくのか、あるいはその際の国内の需給がどうなっていくのかということは、政府としては情報を集めるというサイドでの協力というものはあり得ますけれども、そういったことも含め、あるいはそのほかのいろいろな生産のための諸条件というものに対する判断というものが企業の最終意思を決定すべきものと考えておりますし、そういった意味におきまして、その辺につきましての見通しというものについて、私どもとしてはこれは企業が下されるべきものというふうに考えております。
○近江委員 最終的にはいわゆる企業の自主的な判断ということをいまおっしゃったわけでございますが、通産省としまして今後この対米進出についてどこまで介入して指導していかれるつもりですか。
○栗原政府委員 私どもとしては、最終的には企業の御判断という前提のもとに、まず現在の米国内におきます各界の声というものを、逐一情報として企業に通報するということが一番の務めであるというふうに考えております。そのほか、これからいろいろな動きが出てまいると思いますけれども、そういったことを中心に、その時点その時点におきまして適切なアドバイスというものをいたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○近江委員 米国で生産する場合の課題についてお伺いしたいと思いますが、たとえば労働者の質あるいは賃金等の問題、労務管理、部品の調達、金融、マネジメント等、いろいろな問題があると思いますが、どういう点がネックとなるとお考えなんですか。
○栗原政府委員 企業で現時点での対米進出に当たりまして問題とされている点は、いま先生が御指摘になったような点がいろいろあろうかと思います。労働の問題もございますし、それに関連しての品質の問題あるいはそれのマネジメントの問題、それから部品調達の問題等々、いろいろ生産に当たっての諸条件に関する問題というのはあろうかと思います。私どもの聞いているところでは、そういったことに加えまして特にやはり企業の方の御判断として問題になると言っておられますのは、これから決意をして三年なり四年先に米国で生産をするといった場合におきまして、その時点で、いま米国のビッグスリーがそれぞれXカーでありますとか、Jカーでありますとか、Kカーでありますとか、いろいろな形で新しい小型車を開発中でございまして、そういったものがこれから二、三年の間にでき上がっていく、その後で進出した場合の競争条件が果たしてどうなるかというあたりのことが非常に心配であるというような話を伺っております。
○近江委員 通産省としてはいわゆる企業の自主性というものは尊重する、しかし総体としては促進していきたい、こういうことなんですね。 そうしますと、工場の対米進出に伴う国内下請企業への影響及び雇用関係の影響についてはどのようにお考えであるのか。また、工場進出に当たって、関連産業であるとか労働者のコンセンサス形成におきましても政府の責任は非常に大きいと思いますが、どのようにお考えでございますか。
○栗原政府委員 私ども、企業の方と投資問題についてお話する際には、いろいろアドバイスをする中の一環といたしまして、その際に当然考えられますいま御指摘の国内の雇用あるいは関連産業への影響という点について、その点も同時に配慮して御判断をいただきたいという意味のことをあわせて要請をいたしておるわけでございます。いずれにいたしましてもこの問題はきわめて重要な問題でございますので、私どもはこれからもこういった点も十分踏まえましてアドバイスをしていきたい、かように考えているわけでございます。
○近江委員 この日米の自動車問題をワイズメングループで検討したらどうかというようなことも何か言われているようですが、この点についてはどういうようにお考えであるのか、この点ひとつお伺いしたいと思います。
○栗原政府委員 ワイズメングループの使命というものは、従来、中長期にわたるような問題についての適切な御判断をいただいてお話し合いをいただくというようなことが、どちらかと言えば中心と考えられておったわけでございます。そういった意味で非常に短期的な、個別の問題解決にふさわしいかどうかという問題は別途あるわけでございますけれども、この自動車問題というのはやはり日米関係の全般にも影響を及ぼすような問題でございますので、これからいろいろアメリカとの間において話し合いがある段階の中の一つのルートといたしまして、こういったワイズメングループのルートというものも活用を検討させていただきたいというふうに考えるわけでございます。
○近江委員 冒頭、米議会におきましても議員立法の動き等もあるというお話もあったわけでございますが、そういうことも踏まえまして、今後米政府との交渉スケジュール等があればお示しいただきたいと思うのです。
○栗原政府委員 通産省関係におきましては、私どもの天谷審議官が二月下旬から三月上旬にかけまして欧米に出かけますので、その際に米国内の事情というものも同時に調査してまいるということになろうかと思います。 なお、米国側の動きといたしまして、まだ非公式でございますけれども、アスキューSTR代表が五月ごろ来日するのではないかというような話もございますが、これはまだ最終的に確認された話ではございません。そういった動き等は私ども伺っております。
○近江委員 EC諸国への自動車輸出及び工場進出についてはそういう動きがないのかどうか、日米の自動車問題に対するECの反応についてはどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○栗原政府委員 現在わが国のEC向け輸出でございますが、輸出先の主たるところは英国、西独というあたりでございますが、これは昨年の数字でございますが、乗用車で六十三万台、商業車で八万台、計七十一万台が輸出されております。大体わが国の全世界向け輸出の一四%相当というものがEC向けに輸出されているという状況でございます。
○近江委員 その輸出の状態はわかったわけですが、工場進出等につきましてはどのように考えておられるのですか。また、いま申し上げたように日米の自動車問題に対するECの反応についてはどのように把握されておりますかということを聞いておるわけです。
○栗原政府委員 投資等の問題でございますが、現在、ECの中で日本の自動車会社がそういった関係を持っておりますのは、英国におきますBL、ブリティッシュレイランドとの間に本田技研が技術提携を行っております。それから、EC内ではございませんが、ヨーロッパという意味で申し上げますと、スペインにおきまして日産がイベリカ社の株式取得を行ったというケースがございます。これからECで活動する中におきまして、こういった動きがおいおい出てくるかというふうに考えております。 なお、日米の自動車問題につきまして、ECがどういう反応を示したかという点でございますが、この点につきましては特にまだ私どもは承知をいたしておりません。
○近江委員 自動車産業が対米関係においてこれだけ問題になってきておるわけですが、この自動車産業の将来につきまして政府はどういうように見ておりますか。
○栗原政府委員 なかなかむずかしい問題でございますが、これまでは大変な勢いで日本の自動車産業は伸びてまいりました。特に輸出の面では五百万台近い台数を達成するというところまでまいったわけでございます。これから先進工業諸国におきまして需要がどうなるかという点でございますが、やはり需要が一巡をして普及率の上昇が落ちるであろうことはまず一つ考えられるわけでございます。と同時に、輸出がこれだけふえてまいりましてシェアもかなりふえてくるということになりますと、現在ありますような摩擦問題も同時に懸念されるわけでございますし、さらに先進国あるいは発展途上国とも現地生産を望むというような声もいろいろ出てまいりますし、輸出の面での従来のような大幅な増というものはなかなか期待しがたいのではないかという感じを持っておるわけでございます。 国内におきましても、これからのエネルギー情勢いかんにもかかわりますけれども、従来のような大幅な増加というものは必ずしも期待できないということで、全体としてみますと、従来の高度成長からより安定的な発展成長ということになるのではないかという感じを持っております。
○近江委員 その他の日米経済問題について時間があればたくさんやりたいと思うのですが、あと一つだけこの問題について聞いておきたいと思います。 電電公社のいわゆる調達開放問題でございますが、これは交渉が中断状態になっておるわけですが、今後の交渉スケジュールはどのようになっておりますか。
○栗原政府委員 電電公社の日米交渉の関係でございますが、主として外務省、電電公社との間に行われておりまして、私ども、直接この問題を担当しておるわけではございませんけれども、いままでのところは過去、昨年七月以来三回日米間に会議を持っております。そして先方のATTのいろいろな組織、中での手続等についての情報あるいは当方の電電公社の調達の実態についての説明といったことを双方で行っておるわけでございます。 今後の問題でございますが、昨年の牛場・シュトラウス会談の合意によりますと、十二月末までに詰めたいということになっておったわけでございますが、米国側からはもう少し早目に結論を出したいという話もございますけれども、とりあえずの予定といたしましては事務的な討議を、できればさらに近々もう一遍会合を持ちたいということで、日取りその他につきまして米側と話をしているというふうに私どもは伺っております。
○近江委員 いまほとんど局長が答弁したのですが、大臣、まとめて、今後この自動車問題について臨まれる大臣の基本姿勢についてお伺いしたいと思います。
○佐々木国務大臣 根本的には何と申しましても一地域に集中豪雨的に輸出することは、米国に対する刺激、影響等も甚大でございますし、また、それがひいては両国の親善を阻害するということでは大変でございますから、あくまでも自粛した秩序正しい輸出をすべきだという方針には変わりございません。 そして、先ほど来お話がございましたように、私もフレーザー氏にお会いしたとき、向こうが投資をまず第一順位として要望しておりますので、私どもといたしますればできるだけ要望に沿い得るようにということでいろいろ折衝と申しますか、お願いしているのでございますけれども、しかし何と申しましてもこの問題は決定権は企業自体にあるわけでございますので、最終的には企業の判断にお任せする以外にはしようがないと考えております。 また、お話のございました国内の下請あるいは雇用等に関してえらい甚大な影響を及ぼすようなことがございますれば、これまた国内としては大変でございますから、仮に投資して進出する場合でも、そういう点は十分配慮してまいりたいと多面的に考えてございます。
○近江委員 経企庁長官、時間があればあなたと二、三時間やりたかったのですが、時間が余りありませんから、この表を差し上げます。 委員長、お願いします。
○塩川委員長 どうぞ、結構です。
○近江委員 いますぐ資料が届きますが、「標準家庭の年間負担増試算」、これは私が事務局の人ともいろいろと計算をして出したものです。この数字を見ていただいたらおわかりのように、公共料金の引き上げを核としていろいろな引き上げがあるわけです。それを見ていただいたらわかりますが、要するに標準家庭でこのままでいけば二十六万七千二十九円、月に直しますと二万二千二百五十二円、私の計算ではこれだけ負担増になる。これだけ国民生活を圧迫させておいて、そんな抽象的な、何とか努力しますということではだめなんですね。本当に小手先のことばかりやっているわけですよ。たとえば経済企画庁は物価ダイヤルの設置をしたと新聞にも載っているのです。ところが、「拍子抜けのスタート」、テープですよ、相手は。はい言うてください、記録します。そんな本当に拍子抜けのする、全く国民の気持ちを本当にくんでいない、そんな物価ダイヤル。名前だけは大々的にマスコミにも宣伝して、こんなことでいいんですか。それもひとつ答えてくださいよ。今後どう改善するのか。それから、日経連等も公共料金値上げ等の集中実施は回避せよ、財界までこんなことをどんどん言ってきているわけです。便乗値上げだって抑えるようにしますよ、どないするんですか、具体的に。いまや物価問題というのは大変な問題ですよ。 時間がありませんから、いま言ったことをまぜて経企庁長官の御答弁をひとつお聞きしたいと思います。
○正示国務大臣 いま御指摘の点、私どもは非常に大事な点と心得ております。いま近江委員から特に御自分の御労作で、いろいろ問題の値上げが家計に対してどういうふうにはね返るかという一つの試算もお示しをいただきました。私どももみんな心してそういう点も注意をいたしております。 それで、物価ダイヤルのことを御指摘くださいましたが、これは二十四時間ベースで一応皆さんのお声を収録いたしまして、それを関係の向きへ取り次ぐ、そして適切にお答えをすべきものはお答えをする、こういうシステムでございますので、いま御指摘のようにすぐその場で回答していないものですから、関心の高い消費者の方からの御相談に応じてないという点はございますが、そのほかにも私どもは生活センター、これは中央にもございますし、近江委員御承知のように各地方にもございます。そういうところで御相談に応じておるわけでございます。いずれにいたしましても大変物価問題について関心を高く持っていただいておること、それだけにわれわれの責任はきわめて重大でございます。仰せのとおり便乗値上げ等について的確にこうするというふうな答えを申し上げられませんが、先ほども申し上げたように物価担当官に各省庁から出ていただいて、日本銀行、公取委員会からも出ていただいて、常に諸物価の動きをお互いに監視し、情報交換をし、そしてどうもこの辺は同調的ではないかとかあるいは便乗的ではないかとかいう点については、全国に一万数千人のモニターをお願いをいたしておりまして、この方からも専門的な情報もいただいております。いま御指摘の点は、一般消費者に御関心を持っていただいたような問題を直接伺ってわれわれの物価政策の参考にする、こういう体制でございますので、なお一層十分注意をいたして情報をとり、それに対して的確に対処していくように心がけていきたいと思いますから、国会のあらゆる機会にまたいろいろ御注意をいただきたいと思います。
○近江委員 引き金になるのはやはり公共料金ですね。あなたが勇気を持って政府閣僚の中で、このようにメジロ押しに出ております公共料金を見送りにするとか幅を大幅に圧縮する、これに対して経企庁長官は決断をしたというくらいのことを言ったらどうですか。
○正示国務大臣 けさの閣議で総理からも特に下げるようなものはないかというふうなお話があったことは先ほど御披露申し上げたのですが、ただ、いまわれわれ予算は相当抑えたところを出しておるのです。ここにお挙げになりました米、麦あるいは教育関係の学校の授業料、たばこ、社会保険料その他、相当政府直接に経営の合理化その他によって、たとえばお米等についても食管の現在おる検査員を相当あちこちに配置転換をやってコストを下げる、そういうふうなことをやり、しかし一方では食管を守っていかなければならぬ。それにはある程度の収入を上げさせていただいて、いわゆる米作の転換をやっていくための財源も確保しなければならぬ。いろいろむずかしいあちこちの要請を満たすための最小限度のものをいま予算に組み込んでおるわけでございます。各党においてはそれについていろいろと御意見を出していただくようでございますが、私どもとしては、いまのところは予算に織り込んでおる公共料金について、すぐさらにこれを延ばすとか引き上げ幅をこういうふうに抑えるとかという考えは持っておりませんが、しかし、けさほどの閣議においてもそれ以外で下げられるものといって、電話料の国内、国際両方にわたって総理からも強い指示があったような次第でございますので、われわれは片時も物価問題というものを念頭から離さず、常にそれについて重大な関心を持って努力をしておることだけはひとつ御理解をいただき、一層御協力を願いたいと考えておるわけでございます。
○近江委員 次に、エネルギー問題をちょっとお聞きしたいと思います。 昭和五十五年度の石油の需給問題ですが、一日五百四十万バレルは確保できるかどうか、この見通しについてお聞きしたいと思います。 それから、いま供給ルートの分散化等をやっておられるわけですが、どういうように展開が開けてきたのか。たとえばメキシコ等の問題もかなり具体的になってきておるということも聞いておりますが、とりあえずこの二点をお聞きします。
○森山(信)政府委員 昭和五十五年度の原油の確保の見通しいかんという御指摘でございますが、いまお話のございましたように一日当たり五百四十万バレルの計画を組んでおるわけでございます。この五百四十万バレルを原油と石油製品に分解してみますと、四百八十万バレルが原油、六十万バレルが製品であるということは先生よく御承知のところでございます。したがいまして、四百八十万バレルの原油をどういうふうに調達するかという問題になってまいりますが、昨年末の原油供給の媒体別の内訳を申し上げますと、大体八六%くらいがいわゆるGSPと称します政府公式販売価格で買われたもの、これはメジャーから供給を受けるものもございますし、あるいはDD、GGと申します直接取引で入ってくるものもございます。残りの一四%がスポット物ということになるわけでございまして、そういった構成がことしもある程度継続して続くのではないかという見通しがございます。したがいまして、いかにGSPで買えるものを調達するかということが今後の勝負になってくるわけでございますけれども、私ども、ことし一年間の各石油会社の契約状況から判断いたしまして、ことしの供給についての見通しはおおむねついておるのではないかということを考えておる次第でございます。 ただ問題は、スポット物をどうするかということでございまして、昨年はついに年末には一四%という高いスポット比率になったわけでございますけれども、このスポット物というのは大変不安定なものでございますから、これをできるだけ長期契約に切りかえていくという努力が今後なされていくべきではなかろうか、こういう判断をしておるわけでございまして、その辺の手当てを十分行うことによりまして、ことしの四百八十万バレル、製品をプラスいたしまして五百四十万バレルの確保はほぼ問題がないのではないかなという感じを現在のところ持っておる次第でございます。 それから二番目に御質問のございました供給の多角化の問題につきましては、依然として中東方面から七五、六%の比率で油を買っておるわけでございますけれども、できるだけこれを多角化していくということは長年の私どもの懸案でございまして、いま御指摘のございましたメキシコについても昨年来鋭意折衝を進めてまいったわけでございますが、ことし、昭和五十五年におきまして十万バレルの供給を受けるという前提での契約が昨年末調印をされまして、これは一・四半期ごとに少しずつ積み増しをしてまいりまして、ことしの最終の状態において十万バレルの確保を図る、こういう段階で話を進めておるわけでございます。その他中国等との取引につきましても十分力を入れてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○近江委員 では、最後に一点だけ聞いておきたいと思いますが、昭和五十五年度石油供給計画を、通産省としては策定作業をやっておられると思うわけですが、大体できておればその概要についてお聞きしたい、このように思います。
○森山(信)政府委員 供給計画、昭和五十五年度につきましては現在作業中でございますが、先ほどお話のございましたように昨年度がやはり五百四十万バレルで計画を組みましたのに対しまして、今年度も五百四十万バレルという輸入の計画がございます。したがいまして、入ってきます量が一定でございますので、供給計画のパターンはそう大きく変更しないであろう、ただ、少し変わります点は、御承知のとおり昨年は五%節約を織り込んだ供給計画を策定したわけでございますけれども、五十五年度におきましては七%の消費節減をしたいという計画を持っておりますので、それを前提とした供給計画を組みたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○近江委員 あと一問だけ聞きますが、いわゆる国家備蓄の問題です。この備蓄がある程度あったということで、いわゆる石油事情がきわめて厳しい状態になったけれども、国民の気持ちとしては何というか非常に落ちついたことがあった、これが前のような狂乱に結びつかなかったということがあると思うのです。今後国家備蓄をどこまでふやしていかれるか、どういう方法でふやしていかれるか、その辺の計画についてお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
○森山(信)政府委員 お説のとおり、現在ある程度の備蓄を持っているということが国民の皆様方に大変な安堵感を与えたのではないかということも考えられる次第でございまして、私どもも今後とも備蓄の増強に努めなくちゃならぬというふうに考えております。 ちなみに、主要先進国の備蓄状況を申し上げますと、IEAの統計では平均いたしまして百三十三日分という数字が出ております。これは若干数字が古うございまして昨年の十月時点の数字でございますから、その後少しふえているのではないかと思いますが、いずれにいたしましても平均いたしまして百日以上の、百日を相当上回る水準の備蓄が世界的にはあるわけでございます。日本は御承知のとおり現在九十九日分ということでございまして、そのうち七日分が国家備蓄ということでございます。この七日分は、私どもの現在の計画では一千万キロリットルの計画ということで七日分という数字が出ておりますけれども、この一千万キロリットルの計画が第一次計画。第二次計画はこれを二千万キロリットルまでにふやしたいということでございまして、現在第二次計画を進行中ということでございます。御承知のように四カ所計画を持っておりまして、むつ小川原、福井、それから九州の福岡の白島、長崎の上五島、この四カ所を計画といたして持っておるわけでございますが、すでにむつ小川原につきましては着工いたしましたことは御承知のとおりでございます。それからさらにもう一千万キロリットル積み増しをいたしたいというのが現在の私どもの考えておるところでございまして、現在御審議中の五十五年度予算案の中におきまして、三千万キロリットル、つまり第三次の計画の調査費の予算を原案の中に織り込んでおりますので、その原案が認められますならば第三期の計画を遂行したい。合計いたしまして大体三千万キロリットルの国家備蓄を完成いたしたいというふうに考えている次第でございます。
○近江委員 もう時間がありませんから終わります。あと通告しておって質問できなかった局長さんはまた次の機会にしたいと思います。どうも失礼しました。
○塩川委員長 これにて近江巳記夫君の質疑は終わりました。 引き続いて小林政子君の質疑に入ります。小林政子君。
○小林(政)委員 私は、前回に引き続きまして電気料金の値上げ問題と、それから大規模小売店舗法の運用上の問題についてきょうはお伺いをいたしたいと思います。 初めに、まず、先日の商工委員会でも東京電力の核燃料問題についてお伺いをいたしましたけれども、東京電力の七九年三月の有価証券報告書、これによりますと、核燃料の資産残高は装荷中、加工中を合わせて四千百六十億円となっており、これは電気事業営業費用明細書の核燃料減損額百三十一億円の三十二倍になると思いますが、この点をまず確認をいたして次の質問に入りたいというふうに思っております。 特にきょうお伺いをいたしたいと思いますのは、内部留保の中で最大の部分を占めます退職給与引当金についてお伺いをいたします。電力九社について昭和五十四年三月期の有価証券報告書で見て退職給与引当金は九社合計で総額幾らになるのでしょうか、お伺いをいたします。 〔委員長退席、堀内委員長代理着席〕
○森山(信)政府委員 まず最初に御指摘のございました東京電力の核燃料資産につきましては四千百五十九億円という数字が計上されておりますし、それから五十三年度の核燃料減損額は百三十二億円ということでございます。これにつきましては後ほど御質問がありますならば私どもの見解を申し述べさせていただきたいと思いますが、後刻にそれは譲らせていただきたいと思います。 それから、いま御指摘のございました退職給与引当金につきましては、八社合計で四千八百三十二億円ということでございます。これにすでに認可済みの北海道を入れますと五千四十二億円という数字になります。
○小林(政)委員 北海道を入れて五千四十二億円、これはやはり非常に多額のものだというふうに思います。先日の私の質問に対しまして当委員会で森山資源エネルギー庁長官は、電力八社で内部留保の総額は一兆二千億円だ、そのうち三千三百九十億円は取り崩すよう指導をしていると述べ、退職給与引当金については取り崩せない、こういう御発言をされました。結局三千三百九十億円のこの中には退職給与引当金というものは含まれていないのだ、こういう御答弁でございましたけれども、それはなぜなのか、もう一度はっきりお答えをいただきたいと思います。
○森山(信)政府委員 先般私がお答えいたしました内部留保といたしましては、八社合計で一兆一千二百億というふうに御答弁申し上げた記憶があるわけでございまして、そのうち取り崩し得るものが三千三百九十億円あるというふうに申し上げました。三千三百九十億円につきましては会社の判断によりまして取り崩しが可能でございますから、そういったものにつきましては、これは取り崩すのが筋ではなかろうかというふうに私どもも判断いたしておりますし、会社側もそういう判断を持っているのじゃないかと思います。 そこで、いまお尋ねの退職給与引当金につきまして、これは前回もお答えしたわけでございますけれども、労働しておられる方々、つまり従業者に対する負債性のある引当金でございますから、これは一方的に会社の判断だけで取り崩すことができないのではないかという気持ちを私どもは持っておるわけでございまして、そこには一定の手続等がございますし、従業員に対する負債というような観点からいいますと、会社側の一方的な判断で取り崩しすることが不適当なものではないか、こういう判断をしておる次第でございます。
○小林(政)委員 それではまず電力九社でお伺いしたいのですけれども、北海道も含めて約五千億にも上る多額な退職給与引当金を計上しているわけですけれども、五十三年の四月から五十四年のこの一年間に、有価証券報告書で電力九社が合計で引当金の目的使用として、期中減少をした額は大体どのくらいになるとお考えでしょうか。
○安田(佳)政府委員 ただいま手元に五十三年度の退職給与につきましての実支払い額しかございませんが、五十三年度について申し上げますと、九社合計で七百八十七億円を支払っております。
○小林(政)委員 私どもはこの問題を一応私どもなりに試算をいたしてみまして数字を持っております。七百八十七億といういまのお話でございますけれども、少なくとも電力九社が五十三年から五十四年のこの一年間に期中に増加したもの、これがどのくらいになるかというと九百三億円、そして目的使用の期間中の減少額は約六百九十二億円、差し引き二百十一億円の新たな積み増しが行われておりますし、五十四年三月期末で試算をいたしますと四千九百六十四億円にも上るわけでございます。 こういう多額の内部留保としての退職給与引当金が計上されているわけですけれども、この引当金については、いま国民がこれだけ大幅な値上げをされようとしているときに、電力九社については当然従業員の半数が一時に退職するということはあり得ないわけです。公益事業として、またわが国の本当の基幹産業として電力事業が持っております性格からいっても、このような事態が起きるなどということは想定することも私は現実的ではない、このようにも思っておりますし、結局税法上の累積限度額というのは、先ほどの御説明ですと、会社の一方的な権限ではこれの取り崩しなどということはできないものではないかという御答弁がございましたけれども、しかし実際に退職給与引当金というのは、全従業員が自己の都合で退職する場合、その退職金に必要な支出、それの五〇%、これを税法上無税でもって、ここまでは限度額として税金はただですよということで認めている制度でございます。したがってこの中身についての活用という問題は、いままで何回もいろいろ指摘もされてきたことでありますけれども、資産の活用ということでこれはいろいろな問題で利用されてきた、こういう性格を持っているのが退職給与引当金です。しかもこの引当金というのが利益的な性格あるいは利益操作の手段として間間使われてきた、こういう性格が非常に強くいろいろと指摘されております。とりわけ大企業ほどやれ業績が悪化した、こういうときには退職給与引当金を取り崩したり、あるいはまたこの積み増しを景気のいいときにはやるとか、いろいろ操作の段階でこれが活用されておりますし、学者の中にも、立命館大学の河合教授なども「財務諸表新論」、この著書の中でこれらの点を指摘いたしております。また同じその著書の中で紹介されていますけれども、退職給与引当金制度というものは、退職金支払いのための支払い準備の目的ということだけで見れば、現在のようなやり方はやはり検討しなければならない、こういう意味のことも述べておりますし、全従業員が退職をするなどということは、あるいは半数の従業員が電力会社で退職するというようなことは実際には考えられない、こういう状況のもとで、私どもとしては、電力事業の公共性といいますか公益事業といいますか、こういう地域独占という点からも、競合関係のない事業として国もこれを保証しているわけです。同時に国民には安定供給を行わなければならないという義務もあって、国家的にもいろいろの角度で、税制の上でも金融の上でも、あらゆる点でこの企業の倒産などということは考えられないほどしっかりと保証をしているというのが現状だと思います。こういう中で退職給与引当金をここで取り崩せないのだ、こういう論拠というのはどう考えても私は納得ができないのです。結局はこの問題について本当にやるつもりならできるのか、それとも政策的にやらないのか、一体この問題はどういうことなのか、その点をお答えいただきたいと思いますし、私どもの見解というのは、退職給与引当金というものは当然いまの時点では取り崩すべきではないか、こういうことを主張いたしておるわけでございます。 以上の点について簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○安田(佳)政府委員 退職給与引当金につきまして、ほかの企業では取り崩している例があるというようなお話もございましたが、そのときどきの状況によりまして取り崩すということは、やはり従業員の方に対していろいろ問題が出てくるのではなかろうかという感じがするわけでございます。 そこで、これを取り崩すかどうかという問題については、いろいろな考え方がもちろんあろうかとも思いますが、五十五年度をとってみますと、五十五年度に仮に現在の五〇%の水準でいったといたしましても、これはその年度分だけを積み増すということになるわけでございます。したがいまして、料金計算上の原価計算においては、当該年度分だけというのが通常の姿ではなかろうかというふうに考えます。またこれを取り崩すかどうかにつきましては、先ほど長官からの答弁にもありましたように、やはり債務性の引当金でございますので、これは法律上取り崩せないという性格のものではないといたしましても、取り崩すことは不適当であるというふうに考えております。
○小林(政)委員 たまたまこの時期、ともかく四兆円も国民に巨額な負担を押しつけなければというような、こういう値上げ問題が起こっているのですね。こういうときに、私はこの前のときにも申し上げましたけれども、公益事業であるならば、やはり内部留保をある程度吐き出して、そしてなおかつこれは大変な事態なんだということをはっきりさせた上で国民にお願いをするということが筋ではないだろうか。ともかく内部留保の中の、正確ではありませんけれども約半数近くがこの膨大な退職給与引当金なんです。ですから、これを適正に取り崩しをしていくことが国民の方に顔を向けた行政ではないか、このように思っているわけでございまして、この点だけは強く主張をいたしておきたいというふうに思います。 次にお伺いをいたしたいと思いますのは、今回八電力会社の電気供給規程の変更につきまして、電気事業法百八条に基づく電気事業法施行規則による公聴会が、この二月二十一日に中部電力を皮切りにいたしまして二月二十六日九州電力まで、すでに行われたところもございますし、これから行われようとしているところもあるわけでございます。国や自治体の行う公聴会、これは国民や消費者の意見を広く求める、そのようなことが目的ではないかというふうに思いますけれども、この点について政府の見解あるいは公益事業部の見解をお伺いをいたしたいと思います。
○安田(佳)政府委員 電気事業法第百八条に基づく公聴会は、料金認可という行政処分をするに当たりまして、広く国民各層関係者の意見を聞く制度だというふうに了解いたしております。
○小林(政)委員 これはたとえば地方自治体の条例についても同じようなことが言えるのではないか、こう思いますけれども、これはいかがですか。
○安田(佳)政府委員 条例に基づいて行います公聴会におきましても、考え方は同様ではないだろうかというふうに考えます。
○小林(政)委員 私がただいまから申し上げます問題は、通産省がこの法律に基づいて行った公聴会ではございませんけれども、これは去る五十三年の十一月二十三日、二十四日、川崎市が条例に基づいて実施をいたしました、東京電力が東扇島にLNGの燃料タンクの基地を建設する、こういうことで広く地域住民の意向を聞きたい、こういうことで開いた公聴会でございました。この公聴会に東電は川崎市の火力発電所の当直長、当直の責任者ですか、長です。そう呼ばれるいわゆる末端職制に対して一人二十四枚の官製往復はがきをずっと配りまして、そして傍聴申し込みの指示書をそれに渡しているわけです。しかもその指示書には厳秘という判が押されていて、しかもその中身を見てみますと、川崎在住の社員やあるいはまた肉親、親や子供やあるいはまた信頼できる人に傍聴申し込みを行うことを依頼するように指示をしているわけです。記入の仕方までちゃんと示しているのです。私はこの記入の仕方というのをここに持ってきておりますけれども、これは「公聴会傍聴申込書」というのがきちっと印刷をされて、しかもその見本が示されているわけです。その書き方は、こちらの方は、「東扇島LNG燃料タンク基地計画公聴会の傍聴を希望します。」というので、縦書きになっている。それから、これは四つの例があるのですけれども、余り同じのばかりだとまずいと思ったのでしょうね、横書きもあるわけです。「公聴会傍聴申込書」ということで、「指定開発行為の名称「東扇島LNG基地計画」氏名〇〇〇〇」こういうようなものを、往復はがきを渡す人たちにぜひこういう形で傍聴をしてほしい、こういうやり方ですね。そして職業や年齢や電話番号、これをこう書くのだということまで指示をして、子供の名前を使っても、年齢は何歳であっても三十から五十と書くとか、電話番号はうそでもいいとか、この内容を見て私も全く本当にひどいものだというふうに思いました。こういうやり方、本当に東京電力が、しかも自分のところの者を使って、当直長とかあるいは職制を使ってこういうことがやられていた、こういう事実を公益事業部としては知っていたのかいなかったのか、まずこの点についてお伺いをいたしたいと思います。
○安田(佳)政府委員 その点につきましては東京電力株式会社から事情を聴取いたしました。事情を聴取いたしたところによりますと、東扇島LNG基地建設に関する公聴会におきまして、御指摘のような計画的組織的な動員が行われた事実はないとのことでございました。
○小林(政)委員 きょう私持ってきているのは内部文書なんですよ。部長、どうするのですか。これは、調査した結果、東京電力はそういう事実はないと言っているのですね。実際には、私はこれを写さしてもらってきたのですけれども、明らかに私がいま言ったようなことが書かれているのです。川崎在住者のうちで本人以外はどうしても書けない人がいた場合にはこういうふうにしろとかああいうふうにしろというのがずっと細かく指示が出ているのですよ。私は、こういうことを調査してもらいたいと思うのです。いかがでしょうか。
○安田(佳)政府委員 私どもといたしましては、すでに東京電力株式会社から事情を聴取いたしております。
○小林(政)委員 そして、その聴取の結果はどういうことなんですか。聴取の結果はそういう事実はございませんということなんでしょう。私の方ははっきり文書を持っているのですよ。一体どっちが正しいと思っているのですか。再度調査してもらわなければ困ると思います。委員会でこうやって問題にしているのですから、公の場で問題にしているのですから、その点についてはやはり公益事業部長あるいは資源エネルギー庁が責任持ってこの問題――こういうことで公聴会が組織的に何かおかしげな動きが出ていたということになれば、これは私は重大な問題だと思うのです。はっきりとお答えをいただきたいと思います。
○森山(信)政府委員 先ほど公益事業部長からお答え申し上げましたとおり、私どもが東京電力に対しまして事情聴取いたしましたところ、そういう事実はないという返答があったわけでございますが、いま小林先生からお示しになりましたので、再度調査をしてみたいと思います。 公聴会のあり方につきましては、先ほど来御説明のございましたように、私どもも広くいろんな方の御意見を聞く必要があるのではないかという考え方を持っておりますので、そういう組織的な動きがあることは大変好ましくないと思います。これは賛成側の組織的な動きあるいは反対側の組織的な動き、両方に共通する問題だと思いますので、その両面につきまして調査をしてみたいと思います。
○小林(政)委員 調査の結果、その内容についてはぜひ御報告をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○森山(信)政府委員 この調査につきましては、いまお答えいたしましたように、賛成側の問題あるいは反対側の問題、両方あろうと思いますので、慎重な調査をいたしまして、その結果は御報告申し上げたいと思います。
○小林(政)委員 私がいま調査をお願いしたいと言ったのは、ここで公に問題にいたしましたこのような事実について調査をしてもらいたいということを申し上げたわけでございます。しかも、このことが事実であるとすれば、東電はそういうことはないと言っているというのですけれども、これが事実だということになれば、市民参加の保障の場である公聴会というものが、市民の意見を述べる、広く意見を聞く公聴会というものが実際には形骸化をしていく、こういう問題ではなかろうか、私はこのように考えておりますので、この点についてぜひひとつやってもらいたいというふうに思いますし、私がなぜこの時期にこういう問題を出したかと申しますと、御承知のとおり、先ほど冒頭にも申し上げましたとおり、この二月、現在一斉に八電力の供給規程の変更、値上げ問題でいろいろと電力会社ごとに公聴会が開かれる。しかもこれは法に基づいてやられる公聴会ですから、こういう公聴会で私が指摘したようなことが行われていたんだということになれば、これは重大な問題だと私は思うのです。影響も大きいと思うのです。それだけにこの問題についてはどうしても早く調査もしてもらいたいし、そしてその問題についてはこういうことのないように指導をしてほしいということを強く要望申し上げたいと思います。
○森山(信)政府委員 何回も同じことを申し上げて恐縮でございますが、ただいま先生から東扇島の件につきましては、具体的な事例としてお示しいただきましたので調査を進めたいと思いますけれども、先ほど来申し上げておりますとおり、公聴会というのはやはり公平な立場で意見を聞くという立場からいたしますと、賛否両方の立場でどういうことが行われたかという調査は十分させていただきたい、こういうふうに考えます。
○小林(政)委員 私はいま東電の一例を申し上げましたけれども、しかし、東京電力というのはいろいろなところでやっているのですね。ことしの二月十四日福島市で、東京電力第二原子力発電所の三号機、四号機について公開ヒヤリングが行われました。この一般傍聴希望者は三千九百五十二人の申し込みで、定員は二百八十人、当日の一般傍聴者の出席者は百五十二人で、つまり半数という出席の状況であった、こういうふうに言われております。一体この出席が悪かったというのは、当日雪が降っていたということも言われておりますし、それから原発立地点から百キロも離れたところで公聴会がやられたというようなことも原因ではないのかというようなことが言われておりますけれども、果たしてそれだけの理由であったというふうに、科学技術庁、この点はいかがなんでしょうか。
○堀内説明員 お答え申し上げます。 ただいま小林先生がおっしゃいましたような理由によるかというふうに存じております。
○小林(政)委員 この問題は地元の新聞が大きく報道をいろいろといたしておりますけれども、申し込みをしていない人に今度は傍聴許可の券が来た、あるいはまた許可の連絡があったというのですね。券が来たというよりも、傍聴の連絡があった。あるいはまた、自分の町からの傍聴人の約半数は東電の下請関係の人ではないかなどというようなことがうわさとしてずっと広まっているのですね。私もこれは電話をかけて聞いたのですよ。新聞もこのことを報道していましたけれども、私どもの方もある程度確認をしたいと思って、意見も何人かお聞きをいたしました。 〔堀内委員長代理退席、委員長着席〕 結局、いまのようなことはあったのかなかったのか、それは直接どういう形で御調査をされたのか、この点まずお伺いをいたしたいと思います。
○堀内説明員 お答えいたします。 原子力委員会といたしましては、傍聴人の応募に当たりましては官報をもちまして応募をしていただいております。その際に、応募の仕方といたしましては、往復はがきに本人の住所、氏名、職業をお書きの上、これは往信はもちろんのこと、返信の方にもその旨をお書きいただきまして応募していただいております。そして、その中から私どもは厳正な抽せんを行いまして指名させていただいているところでございます。 ただいま先生は何か不正な応募がなされたのではないかというような御趣旨の御質問でございますが、私どもも確かに新聞でそういうようなことを見ておりますが、私どもといたしましては、応募されましたものにつきましてすべて現地でもって、その人たちがいわゆる有資格の人であられるかどうか、これはその市町村に三月以上居住されているということを住民票で調べた上で、重複しているものはもちろん、それに満たないものにつきましても排除をした上で、先ほど申し上げましたような方法をもちまして抽せんを行っているところでございます。そして、いま御指摘のような、また新聞に出ておるような事実があったかどうかにつきましては、私どもといたしましては残念ながら調査の手段を持ち合わせておりません。各市町村にこういう公開ヒヤリングが行われることについて十分地元の方々に周知御徹底をいただきたいという旨の、また応募の方法等につきましても、はがきの書き方等細々と例を書いたものを各戸ないしは回覧ないしは掲示等でお示しの上、応募してくださるように、いろいろと関係方面に呼びかけてはいただいております。
○小林(政)委員 私もこの問題は具体的に電話等で一応問い合わせをいたした程度で、ただ新聞に出されていた事実が一体どうなんだということで、そういう公開でやるヒヤリングが、何か東電の下請の労働者の人たちがほとんどを占めているのじゃないかだとか、あるいはまた全然関係がないのに自分のところに傍聴券ですか、そういうものが回ってきたというようなうわさが立つということは、公益事業として問題があるのじゃないだろうか。こういう点をなぜ私が問題にしているかといえば、結局電力会社というものに、本当に地域住民を信頼して、自分たちのいまやろうとしていることを本当に地域の人たちの協力と理解の中でやろうとするという姿勢がやはり不足している。そして、傍聴券を全部何かできないかみたいなこういう動きがあるということは、やはり私は重大な問題ではないかというふうに思います。この点について、電気事業審議会の料金部会の答申でも指摘をされておりますように、公益事業である電力会社の姿勢として消費者の理解を得るように努めるべきだという趣旨が書かれておりますけれども、こういう点はやはり行政指導の上で徹底してやってもらわなければ困るというふうに思いますけれども、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○堀内説明員 お答えいたします。 今回の公開ヒヤリングにおきまして、先ほど来申し上げておりますように公開ヒヤリングには地元の反対の方もまた賛成の方も一様に、私ども一生懸命設定をした場で、いろいろとまだ御不満な点おありかと思いますが、ぜひ御参加をいただいて、日ごろから思っておられること、それからあの場合には資料も一応公開いたしまして縦覧に供してやってきたところでございますが、一つは、事実といたしまして残念ながら県の原発反対の関係の方はボイコットをされるというようなこと、これは実際に新聞に出ておりましたが、一々住民の傍聴された方の御素性までは存じ上げませんが、そういうようなことが一つはあったということは非常に残念だと思っております。 それからまた先生がおっしゃるとおり、賛成の方も反対の方もそこでひとしく御議論をいただくために、私どもといたしましては今後とも自治体ないし関係団体にその旨を呼びかけてまいりまして、また本人の意思に反したような応募などがなされることのないように普及啓発に努めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○小林(政)委員 最後にもう一点お伺いをいたしますけれども、政務次官お見えでいらっしゃいますので、そうですね。 いままでの私の質問、そして御答弁をいただく中で問題になっておりました、とりわけいまの公聴会の民主化の問題、この問題についてどのような対処をされようとされているのかお伺いをいたしたいと思います。
○梶山政府委員 政務次官の梶山でございます。お見知りおきを願います。 ただいまの質問のやりとりをお聞きをいたしておりまして、川崎と福島の公聴会ないしは公開ヒヤリングの具体的な内容については私も承知をいたしておりませんけれども、組織的計画的に賛成や反対の方が本人の意思にかかわりなく動員をされるということは大変ゆゆしい問題だと思います。そういう意味では、これから公聴会ないしは公開ヒヤリングの趣旨をもうちょっと啓蒙宣伝をして、目的に合うように努力をしてまいりたいと思います。
○小林(政)委員 政務次官のただいまのお話ですと、私がいま問題にしたのは、反対もあって賛成もあって皆押しかけてくる、何かこういうような受けとめ方をされていらしゃいますけれども、私は東京電力の場合は具体的な資料をもってこういう事実があった、ところが東電はなかったと言っているのですから調べてくれ、こういうことを言っているのですよ。こういう問題についてもう一回御答弁願います。
○梶山政府委員 具体的な質問については先ほどエネ庁の長官からお答えをしたとおりでございます。ただ、小林委員の私に対する質問は、包括的にこういう問題にどういうふうに対処をするかということでございますので、これは賛成反対ともにそういうことのないように、ひとつこれから十分留意をして啓蒙していきたいという包括的なことでお答えを申し上げたので、御了解をいただきます。
○小林(政)委員 篤と政務次官に厳格な御調査を要望をいたしておきます。 それでは時間が大分なくなってまいりましたので、本題の電気料金の問題に再度戻らしてもらいたいと思いますが、四十九年のオイルショックのあのとき大幅値上げがやはり一斉に行われたのです。東京電力を例に引いてみますと、電灯はこの四十九年当時上げ幅が三二%、ところが電力は八四・九五%、非常に電力の方が大幅に上がったといいますか、幅が上がったというのですか、こういう状況でございましたけれども、今回の値上げは、四十九年のときと同じような燃料費の高騰が原価の中で七八%を占めると言われている点から、非常に似たような状況であるにもかかわらず電灯も電力もその上げ幅がそんなに開いていないわけです。これは一体どういうところから来ているのかということをひとつお伺いをいたしたいと思います。
○安田(佳)政府委員 今回の料金改定の申請をしております主な理由が油代の上昇でありますだけに、電力の値上がりの率が高くなるのであろうと思いますが、その具体的な率が、いま出ております申請の率がどういう理由でその率になったか等につきましては、ただいま精査中でございます。
○小林(政)委員 何て言ったんですか、査定中ですか。聞こえなかったので……。
○安田(佳)政府委員 ただいま申請がどういう根拠に基づいてそうなったかということにつきまして、各社から事情を聴取いたしまして、その理由等について調査を精密にやっている段階でございます。
○小林(政)委員 しさいに皆さんの方が査定をするための調査をやられているというのですけれども、私は本当に憤慨したのですが、これから公聴会も開かれよう、あるいはまたいまの御答弁のようにどういう理由なのかこれから話を聞いて査定をしよう、こういうようなときに、安倍政審会長が財界との懇談会ですかで、電力料金の値上げを早くやらなければならぬというような、何か促進をするような発言をしたということが、私テレビを見ていなかったのですけれども、ラジオで報道をされておりました。私は実に不見識だと思います。そういう点について政務次官答えてください。
○梶山政府委員 自民党の安倍政審会長の話の内容については私は承知をいたしておりませんけれども、恐らく、推定で申し上げるならば、早い機会と言ったのは、四月一日の値上げの申請がなされているわけでございますけれども、先ほど来議論に出ておりますように仮需要が発生をし、電力料金の値上げを目前にして駆け込みの生産や物価の値上げ等がある場合は、むしろ早い機会にそういうものの決定をすることの方がある意味で物価を鎮静させる一手段なのかなという、そういうもくろみで言われたのかどうか、私がいまここで推定を申し上げることは大変おこがましい言い方でございますが、私であればそういう感じであるいは言ったかという、残念ながら私は安倍さんじゃございませんので、私に聞かれてもちょっと答えようがありません。
○小林(政)委員 全くもう大変不見識だと思いました。 時間がだんだんなくなってきましたので、私は引き続いて、では東電がいま電気料金の値上げに際して、皆さんへのお願いという文書を出しているのですね。それで、一キロワットアワー当たりの単価を調べてみますと、大口電力は現行平均単価十円三十三銭に対して改定平均単価は十七円八十七銭。電灯の場合を見ますと、現行平均単価十九円三十五銭に対して今度の改定平均単価は三十円五十三銭となっています。だから、実際に電気の使用量を調べてみますと、この資源エネルギー庁公益事業部編の需給の概要五十四年版によりますと、五十四年度用途別想定需要電力量は、東電の場合で見ますと、大口電力の使用電力量は全体の四二%だと言っているのです。そして電灯全体の使用量は二六%、二五・九%なんですけれども二六%、それだけ使うのだ。ところが燃料の高騰によって値上げをするというのに、四二%の電力を使う、その大きな電力を使う方が依然として割安の料金の体制になっているのです。こういう点なんかも私どもは、やはり大企業には割安で国民には負担が重い割高、こういうようなやり方というのは問題があるのではないか、これは前からも指摘をしてきたところでございます。結局こういう制度もこの際根本的に改めていくということが非常に大事じゃないか。大企業サービスで国民に負担を強いる料金体系というものは、根本的にこの際メスを入れていかれたらいかがでしょうか、こういうことを申し上げたいし、ぜひそれは実行をしてもらいたいものだ、このように思います。その点について資源エネルギー庁ですか、どこがお答えいただくのかはわかりませんけれども、お答えをちょうだいしたいと思います。
○安田(佳)政府委員 電気料金の査定に当たりましては、これは原価主義の原則に基づいて行います。したがいまして、今回の料金値上げ申請の内容が御指摘のように燃料費の高騰が大きな理由でありますだけに、比較的大口電力の方が率として高くなっているわけでございます。東京電力で申しますと、電力全般でございますと六九・一五%の値上げでございますが、電灯料金については五七・七五%ということになっております。そういう状況でございますので、私どもといたしましては、これはやはり原価主義の原則に立って査定を進めてまいりたいというふうに考えております。
○小林(政)委員 私はいまの答弁納得できません。電灯料金の方よりも電力の方が割合が高くなっている、これは確かに五五・何%に対して電力は六十何%ですが、しかし私が言ったのは、同じ燃料費が高騰しているというその前の前の四十九年の値上げのときには、電灯は三二%だったじゃありませんか、電力は八四・九%だったではありませんか。そのときに資源エネルギー庁の方から御説明をいただいたんですけれども、燃料費が非常に高騰しておりますので、いままでは家庭と電力との差は、配電だとか送電だとか変電だとかいう、こういうコストの差でございましたけれども、しかし今回は燃料が上がったものですからそういう差は比較的縮まったんです、こういうことを答弁しているんですね。 私は、はっきり言って原価主義をおっしゃるなら、これは一体幾らの油を、燃料を仕入れているのか、経費の中にどう組み込まれているのか、原価主義をおっしゃるならそういうものすべてを公開すべきだと思いますけれども、いかがでしょう。
○安田(佳)政府委員 電力会社の経理の内容あるいは値上げ等を行います場合に、その理由等につきましてはできるだけこれを明らかにするように電気事業審議会の料金制度部会の中間報告にもうたわれているところでございます。したがいまして、私どもといたしましては電力会社に対しましてそのような指導をいたしておりますが、できるだけ明らかにすると申しましても、やはり取引上悪影響のあるもの、あるいは個人のプライバシーに関係のあるもの、その他公益に悪影響のあるもの等について、公開のできないものがあるという点につきましては御理解いただきたいと存じます。
○小林(政)委員 時間がなくなってまいりましたけれども、私は、今回のこの電力料金の値上げの問題が国民生活に与える影響というものは非常に大きい、これは経企庁長官もおっしゃっておりますし、あるいは通産大臣もおっしゃっておりますし、結局政府の五十五年度の消費者物価指数六・四%の伸びのうち三〇%から四〇%はもう本当に押し上げ要因になる、こういうことが言われているとき、やはりこの問題についてははっきりとした査定をしてもらわなければならないというふうに思いますし、私どもとしてはむしろいまのような時期に原価の公開をやはりきちっとさせて、そしてその上で、ガラス張りで、燃料はもうこうなんだというところで国民の理解と協力を得てやったらどうなんだろうか。ともかく原油価格四十五ドルあるいは四十何ドルとかと実際水増しがやられるというようなやり方だとか、あるいは国民へ大きな負担を押しつけながら減価償却についても定額法から定率法を導入したり、内部資金をふくらませているとか、あるいは核燃料の膨大な積み増しあるいは原子力発電を中心とする大型投資など、総括原価全体をふくらませていく中で、それが結局は料金にはね返ってくるというような、こういう料金制度あるいはいまの仕組み、こういうものに対してここにきちっとした歯どめをかけて、そして仕組みそのものをガラス張りにしていくということがなければ国民は納得をしないのではないか、このことをお伺いをいたしまして、私の質問を終わります。
○森山(信)政府委員 小林先生から御指摘ございました点は、私も全く同感に思っております。経理はなるべく公開するのが筋だと思いますし、国民の皆様方に御理解をいただくのが当然のことだと思うわけでございます。 そこで、いまガラス張りという表現がございましたけれども、国民の皆様方のためになることはガラス張りにしたいと思います。しかし、先ほど例としてお示しになりました燃料の問題、これは統一価格で買っているわけじゃございませんで、そこに一つの競争原理というものが働きます。各電力会社はそれぞれの石油販売のルートで買っておるわけでございまして、ある社がこれこれの値段で買うというようなことをオープンにいたしますと、そこに一つの競争関係が働きまして、非常に高く買っておるところには全部それが高くしわ寄せされてしまうという問題もございますし、そういったかえって原価上問題になるようなところはオープンにしない方が国民の皆様方に役立つのではないか、私はこういう感じがいたします。したがって私どもが何もかにもすべての事項を隠しまして、密室の中で査定をやっているというふうに理解をされますと、大変私どもも戸惑うわけでございますが、いま御指摘のように、できるだけのものを公開しろという主張は私どもも電力会社にしているわけでございまして、公聴会に先立ちましていろんな資料をできるだけオープンにするようにという指導はしてまいりたいと思いますけれども、そこに一つのやはり限界があるということだけはぜひ御理解を賜りたいと思うわけでございます。その限界と申しますのは、結局は国民の皆様のためになるようなという意味での限界でございまして、何も秘密にしなければならないという分野だけを隠すという考え方ではないということだけはぜひ御理解を賜りたいと思う次第でございます。
○小林(政)委員 私は、いま大きな問題になっております燃料費の水増し問題、こういった問題、確かに資源エネルギー庁の長官のところには正確な真正な、真正というか、何か油がこれだけで入っているんだというデータが入っているのかもしれませんね。しかし、少なくとも申請書にはもう大幅な水増しですよ。こういうことが公然とやられている。長官、今度の原価の、燃料の水増しというのは大体どのぐらいだとお考えになっていらっしゃるのですか、お伺いしたいと思います。
○森山(信)政府委員 水増しという表現は大変主観的な言葉でございまして、私どもは水増しとは考えていないわけでございます。と申しますのは、もう先般来たびたびお話のございますように、原油のオールジャパンで入ってくる価格をどう見るかということからまずスタートしていきまして、それに先生よく御承知のように、特に都会におきましては公害対策上もございまして、いわゆるローサルファの油というものを買うわけでございます。そういうものの格差というものもカウントしなくちゃいけませんし、それから各電力会社によって油種構成も変わってまいりますから、それぞれの会社の申請の燃料費はそれぞれ違うということでございまして、ただ一点だけ、私どもと電力会社が少し考え方が違うなと思っておりますのは、オールジャパンとして入ってきます原油の平均価格が、私どもはことしはそう変化はないんじゃないか、こういう見方をしておりますけれども、それぞれの電力会社は五%ないし一〇%上がるんではないか、こういう見方をしておるわけでございます。その点が査定をする側の私どもと申請をした電力会社の差でございまして、これは客観的に見て五%ないし一〇%の値上がりを見込んだことが水増しと言えるかどうか。これは、従来OPECがやはりそういうパターンで値上げをしてまいっておりますので、そういうことが、申請側とすれば過去のパターンで申請をしたいという気持ちはあるんだろうと思います。その点に関しまして、私どもは世界の需給状況等を勘案いたしまして、ことしはそう大きく変わらないだろうという感じを持っておりますから、その点がギャップと言えばギャップということではなかろうかと思います。
○小林(政)委員 厳密な査定を強く要求して、私の質問は終わります。
○塩川委員長 これにて小林政子君の質疑は終了いたしました。 次回は、来る二十六日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時八分散会