交通安全対策特別委員会 第8号
- 発言数
- 205 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1980/05/14
会議録
○石田委員長 これより会議を開きます。 交通安全対策に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として日本道路公団理事持田三郎君の出席を求め、意見を聴取したいと存じます。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ―――――――――――――
○石田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野中英二君。
○野中委員 法治国家においては法を守ってやらなければならぬ。無法者というものは、これは一応どんなことがあってもわれわれとしては押さえ込んでいかなければならない。しかも、交通安全を徹底的にやっていくためには、やはり交通法規を守っていっていただかなければならない。そのことが交通安全の実績が上がってくる大きな理由だと私は思っておるわけであります。以上のことを前提といたしまして質問いたしていきたいと思います。 そこで、これは警察庁の越智さんにお聞きをしておいた方がいいのでしょうか、二輪車の保有台数をまず第一にお聞きしたいと思っております。
○池田政府委員 二輪車でございますけれども、原付一、二種、それから小型特殊が若干入っているかと思いますけれども、千二百二十六万三千台という数字になっております。
○野中委員 まことに恐縮なんですが、小型二輪車二百五十cc以上あるいは軽二輪車百二十五ccから二百五十ccまであるいは原付自転車百二十五cc以下、この区分に従ってひとつ台数を御答弁願いたいと思います。
○永光説明員 お答えいたします。 二輪車につきましては、小型二輪車三十七万一千七百台、昭和五十四年十月末でございます。軽二輪が四十九万八千三百台、したがいまして二輪車の計が八十七万台でございます。原付は約一千九万台でございます。
○野中委員 いま示された車両数、それについての強制保険の付保率は何%になっておりますか。
○永光説明員 逆に原動機つき自転車から申しますと、これは従来から五〇ないし六〇%で推移しておりましたものが、バイクの無保険キャンペーン等によりまして現在のところ七三、四%程度まで向上しております。それから他の二輪でございますが、小型二輪につきましては、車検制度等との関連がありまして、恐らく車検が徹底して付保率もほぼ他の自動車と同じような形で付保されておると思います。それから軽二輪につきましては、これは台数が原付と非常に形が似ておりまして、原付の観察から見ましてほぼ原付と同じような形で付保されておるもの、こういうふうに推定をいたしております。
○野中委員 なぜ推定なんですか。
○永光説明員 われわれとしましては、モーターバイクという形で全体一千万台の原付がございますので、軽二輪につきましては約四十万程度のものでございますし、原付の付保率を見まして現在一応の推定を行っておるわけでございます。たまたま去年でございますか、キャンペーンのときに街頭検査をやりましたときの街頭での取り締まりを見ましても、原付と軽二輪につきましての無保険率と申しますのは原付の方がやや多目という程度で大体において同じような形でございました。
○野中委員 いま原付自転車についても七四・三六%という付保率でございます。自賠責というものがどういうものであるかということは当局は十二分に御承知のことだと思っておりますから私は質問いたしませんけれども、なぜ七四・三六%しか付保率がないのか、その反省をどういうふうにしているのか。私は質問の前提に立って法治国家である以上法を守らせるんだという基本姿勢を確認した上でこの質問をしているわけでありますが、これはなぜ七四・三六%しか上がっていないかということに大きな疑問を抱くのです。お答え願いたい。
○永光説明員 自賠責制度の観点から見ましても、付保率が悪いということは被害者の方の観点からもいろいろ問題がございまして、付保によって被害者はもちろんのことユーザーの方々、保有者のメリットもありますので、われわれとしては十分にPRをいたしておるわけでございます。したがいまして、先ほど申しましたように従来原付の付保率が非常に悪かったものが、御満足の数字ではないかもしれませんが逐次向上しておりまして、先ほど申しましたような七〇%を超える数字になっておりまして、われわれとしては今後もさらに付保率の向上に努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○野中委員 付保率の向上のために大変努力されております。たとえば保険標章、ステッカーが張ってあるとかないとか、あるいは街頭取り締まり、監視活動、保険会社による期限切れ防止策の徹底、広報宣伝活動等々、非常な努力をしている、にもかかわらず七四・三六%という数字しか上がってこない、ここに抜本的、基本的なこの保険制度の過ちがあるんではないだろうか。強制保険でありながらなぜ一〇〇%かかってこないんだろうか、ここに大きな疑問を抱いているのです。取り締まりをやられました警察庁の方で一体無車検、無保険車両数というものがどれぐらいございますか、取り締まりで成果が上がりましたか、警察庁の方にお聞きいたします。
○池田政府委員 改正道路交通法が施行されました一昨年十二月からの一年間の実績でございますけれども、無保険車につきましては六千二百十一件を検挙いたしております。
○野中委員 無車検は。
○池田政府委員 失礼しました。車検をとっておりません無車検運行によりまして検挙いたしました件数は三千八十八件でございます。両方合わせますと九千二百九十九件でございます。
○野中委員 いまの警察庁の答弁にありましたように、取り締まりだけでも九千件から出てきているということを考えますと、一体これはどこに問題があるんだろうかということになります。そうしますと、過日の私の質問に対して保険部長の松尾さんはこう答えているのです。基本的な問題である人と車、この問題をどのように解決していくのかということで、これは運行の用に供する人間であるというふうに保険部長さんは言っておられるのです。こういうことを考えますと、自賠責保険の実績が上がってこないところのものは人だと保険部長さんは言っているのです。そこに免許証に付保しているか、こういう問題点があると思う。もし免許証にも強制保険というものを掛けさせていたとするならば、私はこういうことはなかったと思う。とにかく二輪車といえども原付の自転車といえども事故を起こしているわけです。それが七五%弱の普及率、二五%というものは無保険。もしこれによって被害者救済というものをどうやっていくかということを考えると、どうしてもここに問題があるのです。人と車という問題をどうしても解決していかない限りは、これはいつになっても存在していく、私はそう思う。そのことについて運輸省、ひとつ御答弁願いたい。
○飯島政府委員 お答えいたします。 いま先生の御指摘によりますと、運輸省の方は車に着目をしているために問題が起きているのではないかということだと思いますけれども、自賠法第三条で「自己のために自動車を運行の用に供する者は、」通常の場合保有者ということになりますが、「その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。」というふうにされておるわけでございます。その責任も無過失責任に近い責任というふうに言われておるわけでございます。 こういった損害賠償責任を有効に担保するための手段として、同法第五条で自動車に対しまして損害賠償責任保険契約の締結を義務づけておるのでございます。したがいまして、車を通じまして車の保有者に責任を求めておるのでございまして、賠償責任の主体に関しまして大蔵省との間に意見の相違はないというふうに考えておる次第でございます。 また、そういう仕組みでなくて、ドライバー保険というものを検討してはどうかという御指摘でございますが、本件については四十四年の自賠責審議会の答申にも触れられているところでございますけれども、私どもといたしましては学識経験者から成ります研究会を設けまして、それ以後いろいろ検討をいたしたわけでございますけれども、一番問題になりますのは、従来、民法第七百九条の責任にとどめられております運転者の責任を自賠法第三条責任まで加重するという考えを前提にしないと、被害者の救済に万全が期せられないのではないかということでございまして、特に被用運転者などの場合は独立の運行支配あるいは運行利益の帰属がございません。賠償資力に乏しいのが通例であるのにもかかわりませずその責任を加重するということは、近来の企業者責任を重視する損害賠償法体系と矛盾するというふうに考えられます。また、比較法的に見ましても近代法の潮流は、車の保有者責任を強化する報償責任論、危険責任論に立っているのに、その方向と逆の方向であるという批判がこの研究会で強かった次第でございます。したがいまして、先生御指摘のような問題点があることは十分認識いたしておりますけれども、当面は現行制度を活用いたしまして、先ほどから先生も御紹介くださいました各種の手段によって付保率の向上に努めたいというふうに考えております。
○野中委員 いま資料を持たずに来てしまったのですが、たまたまドライバー保険というのが出てきた。これは私の記憶に誤りがないとすれば、昭和四十六年ごろだったろうと思うのですが、早稲田大学の金沢君が主宰になってやったのじゃないかと思うのです。昭和四十四年十月七日の自賠責保険審議会の答申及び六十三回国会における自賠責法改正の際の附帯決議においてドライバー保険を検討すべきであるという主張をしたのにかんがみてできたわけでございますけれども、その後いま御答弁なされたようなことで開店休業になっているんじゃないですか、これは。その後やっていらっしゃいますか。
○飯島政府委員 先ほど申し上げましたとおり、四十四年の答申が出てから研究会をつくりましてそこでいろいろ検討をいたしまして、先ほどの問題以外にも幾つかの技術的な問題点が取り上げられまして、中間的な答申という形でございますけれども、一応の結論が出たというふうにこのドライバー保険については認識いたしておりまして、その結論に基づきまして自賠責の審議会にも運輸省の方から御報告し、了解を得ているというふうに聞いております。
○野中委員 それでは警察庁にお聞きしておきましょう。このドライバー保険を導入した方がいいのか、交通安全の実績が上がるのか上がらないのか、それをひとつお聞きしたいと思います。
○池田政府委員 運転者の社会的な責任という観点から考えますと、どういう形であれ、運転者はきちんと保険加入をして運行するというのが当然のことであろうかと思います。こういう観点に立ちまして、一昨年の道路交通法の改正によりましても、そういうものに対しまして道路交通法上の行政処分もできるという道を開いていただいたわけでございます。したがいまして、何らかの形で保険に入ってもらうということが前提であろうかと思いますが、その方法等につきましては、先ほど来運輸省の方からもいろいろお話がございましたとおりの事情があろうかと思いますので、私どもといたしましては当面、何らかの形で保険に入っていただくということにつきましてのお手伝いというものはできる限りやりたいというふうに考えておりますし、また、ドライバー保険がいいかどうかという点につきましては、やはり制度全体の問題でございますので慎重に御検討いただくようにお願いしたい、こういうふうに感じております。
○野中委員 どういう形かで社会的責任は果たしていきたいということで、もごもごした答弁なんですけれども、私は、警察庁としてはこれはやってもらいたい保険だと思っている。これはどうしても、メリ・デメの考え方からいっても、信賞必罰という基本的な考え方からいっても、このドライバー保険というのはやってもらいたいと思っているのですけれども、このドライバー保険は四十七年六月ごろまで検討して打ち切りになってしまった。これだけ国会で事あるたびに言われておりながら、研究会を十三回、それでもって終わりにしてしまっている。たとえどういうことがあろうと、とにかく徹底してドライバー保険というようなものを考えていく、いわゆる一人残らず強制保険を掛けるんだというような考え方が、交通安全、信賞必罰というものにつながってくるのだろうと私は思うのです。 このドライバー保険について、あるいは審議会でしょうか、研究会ですか、これを今後やっていく意思があるのかどうか。とにかくこれは四十七年六月ごろから開店休業なんです。
○飯島政府委員 自賠責制度は、先生御指摘の交通事故の防止に役立つように仕組むということも大事なことでございますけれども、一番基本的には、被害者の救済に万全を期するということをより大きな目的にいたしておるわけでございます。 その観点からも、先ほど申し上げた研究会で一応の結論が出ておりますので、私どもとしてはひとまず現時点では現行制度で運用の適切を図りたいというふうに考えておりますが、せっかくの御意見でもございますので、学識経験者の意見等を今後徴しまして勉強してまいりたいというふうに考えております。
○野中委員 現行制度でいくとおっしゃられているけれども、いま言ったように、警察で検挙した無車検、それから無保険車両というものが九千台以上も、二輪車だってあるのですよ。それでいて、何でこの社会的責任が果たせるのですか、被害者救済というものができるのですか。そういう欠点を片方において露呈しているにもかかわらず、こうやればなお被害者救済ができるであろう、完璧が期せられるであろうと言うのにもかかわらず、それに対して誠意がない、そういう行政指導というもの、あるいは行政的姿勢というものが一体正しいのですか。国会が終わってしまえばあとは聞かないという、そういうことなんですか。あとは検討します、先生の御意見もっともです、そんな姿勢でいって一体進歩があるのですか。固定概念の車両という考え方、しかし車両を使っているのは人間なんです。その基本的な相関関係というものを認識しないで車、車と、それだけをばかの一つ覚えみたいに主張しているんですよ。そういうところに、今日この自賠責保険のネックがあるのじゃないか。あるいはまた、今後の被害者救済というものに対しても限界が来てしまうだろう、あるいは泣き寝入りする人がいるだろう。しかも、付保率を見たって一〇〇%いかない。無法者が出てきている。その無法者に対する対処というものも全然考えないでやっている。ですから、これでは善良な保険を掛けている人だけがばかを見るという形になる。無法者を許可しておって何のための強制保険だ、それだったら任意保険にしてしまえばいいじゃないか。強制保険の強制保険たるゆえんというものが、自賠責の考え方というものがどこにあるかということです。この基本的な立場をもう少し認識してくれぬと、あなた方が考えている基調は枝葉末節の問題から来ているんだよ。問題は、メリット制にしても、いわゆるタクシーの運転手、会社に使われている運転手、その辺に負担を持たしていいだろうか、そういう枝葉末節の問題であって、その枝葉末節の問題は、これは後から是正する方法は幾らでも知恵が浮かんでぐるだろう。まず第一にやらなければならぬことは、一〇〇%の付保率、それから同時に優秀ドライバーに対する賞と悪い運転者に対する罰、こういうものを明確にすることにおいて交通安全が期せられると私は思っているのですが、その辺もう一度、これは運輸省からお聞きしておきましょうか。
○飯島政府委員 同じ答弁を繰り返すようでまことに申しわけないのでありますが、自賠責制度は、被害者の救済に万全を期する制度としてどういう制度が最も適切かという観点を重視して検討をいたしておるわけでございます。 そうはいいましても、先生がいま御指摘になった無保険車両がかなりあるということはまことに遺憾なことでございますので、いろいろな知恵をしぼりまして、今後もそういった車両がないように努力をいたしてまいりたい。 また、メリット・デメリット制度につきましては、先般当省の方からお答え申し上げたようでございますが、メリット制はともかくといたしまして、デメリット制についてどういう可能性があるかということについて、大蔵省とも十分協議の上、今後さらに検討してまいりたいと考えております。
○野中委員 あと二分しかございませんから急いで言いますけれども、これは大蔵省に聞きましょうか。 五十五年度の特別会計の中で、自賠責保険の歳入を幾らに見積もっていらっしゃいますか。――わかっているから、時間がないから、いいです。 そうすると、この歳入の基礎というものは、何を基礎にして算定されたのですか。
○永光説明員 お答えいたします。 主として再保険料及び保険料収入でございます。
○野中委員 だから、その保険料あるいは再保険料の収入というものはどういう積算基礎があってやったのですか。
○永光説明員 自動車の車種に応じましてそれぞれの保険料が決まっております。したがって、その車種の台数を推定をはじきまして、それに対しましての保険料を乗じて、そして総体としての合計を出した、こういうことでございます。
○野中委員 そのとおりですよ。お説のとおりですよ。 ところが、付保率がわからなくて、おたくのこの歳入予算というのはアバウトだよ。そうでしょう。付保率一〇〇%いってないが、あなたのところはとにかく台数ではじき出しているのだろうから。こういうアバウトなことをみんなやっておいて、しゃあしゃあとして、これは完璧なものをつくろうという意欲がないんだよ。ドライバー保険はいやです、メリット・デメリット制につきましてもだめです。こっちは、一〇〇%に持っていこう、それが被害者救済の第一歩なんだという考え方でやっているのに、少しも協力しようとしてないのだ。それで、やることは全部基本がなってないのですから、いま言ったようにアバウト、まことに残念。もう時間ですからやめますけれども、私はこれで三回質問してきました。そこで、みんなこれから検討いたしますとか、そういうようなことで正確な答弁がなかったのですけれども、六月中にぜひ資料として、いままでの検討結果あるいは問題点、こういうものをまとめてひとつ資料で提出願いたい、こういうふうに思います。そして、一日も早く完璧な被害者救済というものを考えていかなければいかぬ、あるいはまた運用益の問題についても検討していかなければいかぬ、そして本当の自賠責の発足当初の目的が達成できるようにしていきたいというふうに思います。 以上をもって私の質問を終わります。
○石田委員長 次に、左藤恵君。
○左藤委員 いまから一年半ぐらい前だと思いますが、道路交通法の改正が行われまして、その当時問題になりました暴走族のことに関連しまして、たとえば集団で示威行為をして、高速道路あたりで八の字のような運転をするとかいうような危険なことをやっていたということに対する取り締まりの規定が改正されまして、当時は暴走族も少し減少したように聞いておりますが、最近また非常にこれが増加の傾向にあるというようなことを聞くわけであります。その実態はどうなっておるか、交通局長さんからお伺いしたいと思います。
○池田政府委員 御指摘のとおり、一昨年の改正道路交通法によりまして、共同危険行為、こういった新しい罰則が規定されましたこともございまして、暴走族は一時鳴りをひそめていたわけでございますけれども、昨年の秋ごろから再びその動きが活発になってきております。私どもの現在把握しております範囲でも、全国で約二万五千人の暴走族と見られる者がございますし、これは一年前に比べますと、約一二%程度の増加、こういうことになっております。 また、その蝟集回数等でございますけれども、三月末をとりましても、すでに五百一回で、昨年同期に比べますと、約三・七倍でございますし、蝟集いたしました人員が延べにいたしますと三万千百人でございまして、前年比で約四倍になっております。また、車両も一万五千台ほど出ておりまして、これもまた約四倍近くになっておるといったような状況でございます。これに対しまして、約六千件、昨年の三・四倍ほどの検挙をいたしておるわけでございますけれども、内訳を見ますと、特徴といたしまして、刑法犯が大変多くなっているということがございます。刑法犯につきましては、三百八十二件検挙いたしておりまして、昨年同期の約六倍、こういうことになっております。内容は、主としまして、公務執行妨害でございますとか、暴行傷害、こういったような内容でございます。 こういった状況でございますので、決してこれからもまだ予断を許さない。たとえば先週の土、日曜でございますと、全国で約六千人余りが出ておる、こういったような数字でございます。
○左藤委員 これに対しまして、警察庁としてどういう指導をなさっておられるか。また、各警察署ではどのような取り締まりをなさっておられるか、そのやり方ということが一つと、それから、この暴走族というのは一体何のためにああいった乱暴な行為をするのか。彼らの目的とするところは一体何なのか。いまお話しのように、交通違反以外の犯罪というものが非常にあるということだと思います。恐らくこれは傷害だとか暴行だとか、たとえばタクシーのガラスを破るとか、そういうふうなことをしておる。あるいは警察官に対しまして、そういう取り締まりをしておるということについての一つの反感というか、そういうものから起こる暴力行為というようなものが考えられると思いますが、一体彼らは何を目的としているというふうにごらんになっているか、この辺をちょっとお伺いしておきたいと思います。
○池田政府委員 警察といたしましては、まず第一に、警察の総力を挙げてこれに取り組むという姿勢で臨んでおるわけでございます。各県の本部におきましては、警察本部長を長といたしまして、それぞれ総合対策本部というものをつくりまして、交通はもちろんでございますけれども、刑事、防犯、特に少年でございますが、そういった総力を挙げて取り組みまして、まず暴走行為を未然に防止いたしますとともに、不法事案につきましては検挙を徹底する。その後、特に少年等も多いわけでございますので、事後補導等につきましても徹底してやる、こういう体制で臨んでおります。 したがいまして、具体的には、暴走族車両が集まりそうな場所等につきまして、一つは交通の規制の面がございますが、事前にそういう措置を講じますとともに、取り締まりに当たりましては、できる限り新設されました共同危険行為で検挙するというほか、あらゆる法令を適用して不法事案につきましては検挙するという姿勢で臨んでおりますし、また、暴走行為等に使われました車両等につきましては、できる限り証拠物としての差し押さえ領置、こういうこともやりまして、改造車両等につきましては徹底して調査するということにしております。 また、運転免許の行政処分等につきましても、暴走族につきましては厳正に、この免許の面からも対処していくということでございますし、検挙補導いたしました少年につきましては、家庭、学校等と連携して指導の徹底を期すということにしておりますと同時に、暴走族グループのよって来るゆえんその他の行動形態と申しますか、行動特性と申しますか、そういうものに対する解明、こういうことにも力を注ぎまして暴走族を解体するとともに、その周辺におります予備軍と申しますか、そういうものがそういうことに走らないようにする、そういったような対策を講じておるところでございますが、また同時に、警察だけで取り組むには問題が大き過ぎる点もあるというふうに考えておりますので、地域ぐるみ、職域ぐるみ、あるいは地方の自治体ぐるみ、こういうことで対処していただいているわけでございますが、特に大阪等におきましては、地方議会におきましても暴走族の追放決議をいただいておりますし、知事さんを長といたします暴走族の対策府民会議といったものも組織していただいておりますので、こういった関係の皆さん方の力もお借りしながら対処してまいりたいと思うわけでございます。 なお、その次の、一体暴走族は何のためにああいうことをやっているのかという点でございますけれども、なかなか一概に言えない、むずかしい青少年問題だというふうに考えておりますけれども、かつてある先生は、青少年をXグループあるいはYグループというふうに分けられまして、Xグループというのは、つまりこういった社会での競争権を放棄しないで生きている若者たちであるし、Yグループというのは、それから脱落といいますか、そういった若者というような定義づけをされて説明されておる例もございます。また、最近ある県の青少年運転者対策研究委員会で出されました報告によりますと、暴走族というのは、普通に考えられているような、若さに任せて深夜のすいた道路を突っ走っている集団じゃないんだ。アメリカの研究者が言っております、人はその生き方に従って運転するんだ、こういう言葉があるそうでございますけれども、暴走族というのは、すでに運転に限らずその生き方においても暴走する非行、犯罪集団だと考えるべきものだというようなことも述べておられるわけでございます。つまり、運転というのはその現象でございまして、こういった青少年の特殊なグループの特異な行動形態というものが運転という場をかりてあばれておるんだ。したがって、運転だけでなく、先ほど御指摘のございましたように、これを抑圧するといいますか対抗するものがあればそれに反発してこれを吹っ飛ばす、こういったような形態をとるんだろうというふうに推察しております。 ただ、考えなければいけませんのは、わりに青少年、特に少年が多いということでございまして、いろいろ形態を見ておりますと、大変長期にわたりましてそういうグループに入っておるという者は一部でございまして、大多数の者はある年限がたちますとそこから卒業すると申しますか、そういった一過性的な現象もあるということも念頭に置きながら私どもとしても対処しておる次第でございます。
○左藤委員 いまいろいろとお話がございましたけれども、こういったものが一つのグループを組んでいくということの仲間をどういうふうにして集めていくかということについては、やはり中学校の卒業生というものが一つのグループを成しているんじゃないかというようなことを私は思うわけです。そのうちの何%かが高等学校に入学する、そして一部は専修校なりさらにまた職場にそのまま入る子供がおるわけでありますけれども、そうした場合に、最近高等学校の全入というような問題があるわけですけれども、そういったことで本人の意思に反してやっていく。また、実際高等学校へ入学したけれども勉強についていけないといういわゆる落ちこぼれというものが出てくる。そういったことが暴走族にまた誘い込まれるというようなケースが非常にあるんじゃないか。こういったことから考えまして、まず高等学校の一年生という段階が教育的に非常に大切なときであり、他人に迷惑をかけないとかなんとか、そういったことの教育が中学校から高等学校に入っていく段階において十分ではないんじゃないかということが第一点。それに対する文部省のそういった問題についてのお考えがあれば伺いたいと思います。 もう一点、高等学校に入りますときは十五歳から十六歳だと思いますが、十六歳になりますと単車の免許証を取ることができるわけであります。そうした場合に、現在全国的に、通学とかということで許可しておられる、そういった学校もあれば、免許を取ることについて非常に厳しい規制をしておられる学校もあると思いますが、文部省として、こういった問題について、たとえば免許をどうしても取らなければならないときにはそういったグループに入っているとか入っていないとか、そういうことについて指導をもっと積極的にやるべきではないか、このように思いますが、この辺のことについて文部省の方からお伺いしたいと思います。
○中島(章)説明員 お答えを申し上げます。 ただいま先生御指摘の第一点でございますが、高等学校のいわゆる落ちこぼれ、落ちこぼしという対策の問題でございますが、御承知のように高等学校の進学率が非常に伸びてまいりまして現在九四%ということになっております。実は昭和三十年の初めに五〇%でございました。四十年の初めには七〇%でございました。十年間に二〇%ずつということで非常に大きな伸びを示してまいりまして、今日非常に多様な生徒が高等学校に入っております。そういうことで高等学校で学習についていけないというようなことが非常に大きな問題になりまして、実は新しく学習指導要領を改定いたしました。その趣旨は、この九四%という実態に応じて各学校が創意工夫をこらして一人一人の生徒をより見詰めてきめ細かな指導をするということが一点。それからもう一点は、学校の創意工夫ということで指導要領の基準性というものを大綱的なところにとどめまして、弾力的にこれを活用していくということができるようにするというふうな対処方針をとったわけでございます。新しい学習指導要領は五十七年からスタートいたしますが、すでにそういう趣旨はとらえまして、特に習熟度別学級編成という考え方を取り入れまして、研究校等も指定をいたしまして熱心に研究をしていただいております。現在全国で二五%あるいは今日ではもうそれ以上の学校がそういうきめ細かな指導をするということに最大の努力をしているところでございます。 なお、暴走族の問題に関しましては、大変遺憾なことでございますが、生徒の問題行動の防止という観点から従来とも通達、五十三年に出しました通達がございます。そういう中で言っておりますのは、創意工夫を生かし、豊かな教育活動を展開してもらいたいということ、それから、生命の尊重等について指導を徹底するということ、生徒の実態を十分に把握をいたしまして早期に適切な指導をすること、生徒指導に関します学校全体の体制を整えること、家庭や関係機関等との連携を密にすること、こういったことを各県等の教育委員会に指導をしているところでございます。なおまた、そのほか教員に対しまして生徒指導の専門家の養成の指導講座をやり、そしてここに冊子も持っておりますが、生徒の問題行動に関する基礎資料というようなことで、暴走族をその中に重要な項目として含みまして、その情報の提供、対処方針というようなことを各学校に指導をしているということでございまして、今後一層この点は充実をさせてまいりたい、こういうふうに考えております。 なお、二番目に御指摘のございました運転免許証の取得についてある種の規制をするということでございますが、実はこれは各地域的にかなり多発をするところとそうでないところとがございます。全般的な指導もいたしておりますが、文部省で全国的にこれが統計的にどうだというところは実は把握をしておりませんけれども、幾つかの県につきまして御指摘のようなことをやっているところがございますし、この場合は学校とPTA、父兄とが一緒になりまして運転免許証を取りますのに一定の規制を設けてこれを実施するということが行われておりますが、こういうようなことが地域、学校ごとに適切に行われていくということを一層注意を持って見守りたいということを考えているところでございます。
○左藤委員 いまのような御配慮で今後とも進めていただきたいと思います。 とにかく学校の問題ということが大切だと思いますが、そうしたことで落ちこぼれていきますと、これが暴走族に入るだけでなくて暴力団の予備軍というふうな形までなってくるということになれば反社会性というものは一層強くなるわけでありますので、こういった点について青少年指導という立場からも考えていただきたいと思います。たとえば免許証を取る、そしていろいろな事故があったときにそういった免許証を取り上げるとかという処分の問題についても少年であるとかあるいはまた将来のことを考えて、たとえば職業につけなくなってはかわいそうとかといういろいろなことがありましても、実際保護処分といいますか、保護監視をすることができる範囲ならばいいけれども、そういったものができないときにはもう少し刑事処分についても法の改正というものも検討していただく余地があるんじゃないか、このように思いまして、何とかこういった者を、単に法でもってこわがらせたり何かして抑えていくということではないと思います。そういうことで先ほど来の指導ということもいいわけでありますけれども、それで抑えることができない者に対しては特別なまた配慮というものが必要じゃないかと思います。 実は取り締まりに関連いたしまして、交通関係の警察官がこういった暴走族が非常に乱暴なことをするということで危険を感じられることが何回かあるんじゃないかと思います。こういった事例があるかどうかということですが、追跡中に、追っかけていったときに犯人が事故を起こしたということで、たとえばスピードを出し過ぎて、ハンドル切り過ぎて電信柱にぶつけたというふうな事故を起こしたときに、家族から警察が追っかけたからだというような責任を追及されるようなそういった事例はないんでしょうか。何かそういうことについても、暴走族となりますと、いままでは高速道路というものがあったんですが、最近は土曜日の夜中に下の一般道路でこういった暴走をやるということにつきまして、非常にそういったものを追跡していくということについても技術的にもむずかしい問題もあると思います。先ほど来、集結地に対する配慮とか、いろいろそういう総合的な配慮をしていただいておると思いますけれども、何かやはりこういった警察官の安全を確保しながらそういったものに対して厳しい取り締まりをすることができるようなことでないといけないので、そういったごとに関連しまして現在の法律そのものが、たとえば裁判所の判決というふうなもので個人の方が優先するというようなことから負けるようなことになっても、私は取り締まりの実を上げることはできないし、警察活動はできないと思いますし、もっと大きな意味では公共の福祉、安全の確保という見地からも適当でないと思いますが、こういう点についてそういった事例があったかどうか、また裁判の事例があったかどうか、この辺をお伺いしたいと思います。
○池田政府委員 警察官が犯人を追跡中に犯人の方が事故を起こし、後で裁判になりました事案といたしましては、最近では昭和五十年の五月に富山県下の国道上で速度違反の車両、これは警察官の停止を無視いたしまして逃走いたしましたので、追跡していたわけでございますけれども、信号の交差点で一般の車両二台に次々に逃走中の車がぶつかりまして死傷事故を起こしまして、二人の方が亡くなられる、こういったような痛ましい事案があったわけでございますけれども、この亡くなられました方の家族の方から県を被告といたしまして国家賠償請求の訴訟が起こされたわけでございますが、昨年の十月に県の方が実は敗訴いたしました、そういう判決が出たわけでございます。私どもといたしましては、本件の警察官の職務執行というものは正当な職務の執行行為でございますし、県には過失がないんだ、こういう観点から、現在控訴中の事案はございます。私どもといたしましては、交通違反者に限りませず、車両を利用いたしました犯罪その他につきまして、車両を停止させて犯人を検挙させなければいけない、こういったようなむずかしい点があるわけでございますが、その際には白バイあるいはパトカーといったような機動力を活用いたしますほか、無線によります手配でございますとか、幾重にも交通検問をやるとか、そういったいろいろな配慮を併用いたしまして、今後とも現行法の範囲内で適正な職務執行ができるように努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
○左藤委員 確かに高速道路でしたらゲートがあるというふうな問題もありますが、一般道路はなかなかそういった問題もありますので御苦労が多いと思いますが、総合的な判断でいろいろ対策をしていただきたい、このように思います。 次にお伺いする点につきましては、前にも私、御質問申し上げたことがあるのですが、たとえば交通取り締まりをなさっているときに、スピード違反のカメラがありましたが、羽田のところにもあるらしいのですが、これなどは壊れてしまって、実際振動で役に立たないというふうなことがありまして、そういったことではこれはお金のむだ遣いになってしまうと思いますが、こういうことにつきまして、最近は非常にスピードも、高速道路なんかとにかく制限速力以上に走っております車というのは非常に多いわけですし、この取り締まりというものは先ほど来お話し申し上げたように、パトカーの安全というものを考えながら、やはり実効の上がる方法のことをやっていただかなければならないので、もっと機械の開発ということを、これは全世界的なことからも私は検討していただいていいんじゃないか、このように思うわけです。 電波法によりますと、認められていない周波数の電波を出しますと違反になりますけれども、出たものをキャッチするだけのものであれば、これは現在そういったことは自由になっているわけであります。その点について前にもお話したことがあると思いますが、ネズミ取りと俗に言われるスピード違反の検挙をするための取り締まりが行われておりますが、そのときにそれを事前に探知することができる器具が売られておりまして、これは一万何千円かで大変よく売れるのだそうです。こういうのがあって、そういうものを販売するということは私は非常に問題があると思いますが、そういうものに対して販売を規制することができるのかどうか。これは電波法の改正というよりも、むしろ私はそういうものを販売規制といったことをやっていかなければならないんじゃないかという点が問題だと思います。それからまた暴走族がいろいろ使っておりますハンドルを曲げた、非常に特殊な形をしたハンドルを使う。これは車検のときにはそのハンドルは外しておいて、そして車検に合格したらそれを自分で改造するとかということをよくやっておりますが、これは危険であるし、また構造令違反なんですけれども、取り締まりのときには対象になるかもしれませんが、そういうものをそもそも販売させること自体に私は問題があるのじゃないか。同じように幅の広いタイヤというふうな問題もあると思いますが、これは通産省として何かそういう部品の販売を規制することができるのかどうか、この辺についての御意見を伺いたいと思います。
○横山説明員 お答え申し上げます。 先生ただいまお尋ねの不正な改造に使用される曲がったハンドルでございますとか幅の広いタイヤの販売を規制するという問題でございますが、これを法的に規制するのはなかなか問題があろうかと存じますが、私どもそれだけではお答えになりませんので、すでに昭和五十一年に、私どもの局長名の通達をもちまして、製造業者団体及び販売業者の団体に対しまして、こういったものが不正な改造に使用されることのないよう指導しておるところでございます。私どもそういった方法によりまして対処をしてまいりたいというふうに現在のところ考えております。
○左藤委員 法的にできないということで、そういう通達でやっておるとおっしゃいますが、そういうことになりますと、問題は、協会に加盟しておるといいますかそういったものはそういったことについて十分配慮してくれておると私は思いますけれども、アウトサイダーがいろいろなことをやるのじゃないかというふうな点から見ても、何か構造令そのものについての再検討をする必要があるのか、あるいは販売規制か何かできるかどうかということを別の見地から考え直さないと、いままでのような方法では私はちょっとこの問題についての解決はできないと思いますので、これは宿題に申し上げておきますけれども、御検討いただきたいと思います。 同じようなことが、外国のナンバープレートをナンバープレートの上とか横とかに掲げて走っている車があるわけであります。これは別に全く個人の趣味か何かでやっておると思いますけれども、これは実際問題としましてたとえばひき逃げとかそういうことが起こったときのナンバーを確認する上において非常に妨害になるのじゃないか。私はやはりそういった点について、単に個人の趣味とかというふうなことだけではなくて、交通安全の確保という見地から見ても適当でないのじゃないか。トラックに一ころ――最近は減りましたが、映画か何かの関係だったと思いますが、満艦飾というのですか、いろいろな色の電球をつけて飾り立てたトラックが走っておりました。いまでもときどき見るわけでありますけれども、こういった点についても、色の規制とかそれから必要な電気はどれだけつけなければいかぬというのは構造令で決まっておりましても、それ以上につけていいとか悪いとかということについての規制が何もないということはおかしいのじゃないか。こういうことについても、やはり単に個人の趣味とか、車を丁寧にきれいにするということはいいかもしれませんけれども、それが交通安全の見地からマイナスになるならばこれは規制しなければいかぬ、私はこのように思いますが、こういった点について御意見があれば伺いたいと思います。
○小林(育)政府委員 お答え申し上げます。 まず第一の点でございますけれども、道路運送車両法の九十八条の第二項に「何人も、行使の目的をもつて、自動車登録番号標」等に紛らわしいものを使用してはいけないという規制がございます。先生御指摘の外国の登録番号標を趣味としてつけるのがこれに該当するかどうかということにはいろいろ問題があろうかと思いますけれども、私ども定期検査の際にそういうものがありました場合にはこれを取り外すように指導しておるわけでございます。しかしながら、先ほど先生の御指摘もございましたように検査に参りますときはそういうものを外してまた検査が終わるとつける、こういうことがあるわけでございます。 それから二番目の御質問の満艦飾と申しますか、いろいろな灯火をつけてトラックが非常に走るということでございますけれども、これも道路運送車両の保安基準で色が制限をされています。たとえば赤とか緑とかあるいは紫とかそういうものはある一定の車以外はつけてはいかぬ、一定の場所以外にはつけてはいかぬということになっておりますけれども、ほとんどのいわゆる満艦飾のトラックというものはそういうものに違反しておるわけでございます。ですからこれも当然検査の際には不合格ということでこれを取り外させておるわけでございますけれども、これもやはり検査が終わりますとまた改造するということでございまして、こういうことにつきましては五十一年に通達を出しまして、そういう改造をするような整備業者も含めました関係団体にそういうことをしないようにということを指示しているところでございます。 しかしながら、先生御指摘のように町の中には間々そういうものも見受けるわけでございますけれども、私ども交通安全運動期間中とかあるいは年末の総点検とかそういう時期におきまして、警察当局の御協力を得て街頭検査をやっております。こうした際にはそういうものを発見いたしまして排除に努めておるわけでございますけれども、今後こういう点についてさらに徹底を期してまいりたい、そのように考えておるわけでございます。
○左藤委員 時間がなくなりましたので、最後に一点だけいまのお話のような点で、結局これも私は法の解釈の問題ということもありましょうけれども、やはり一つの遵法精神という問題の徹底ということがきめが細かぐやられていないんじゃないかという点に原因があるんじゃないかと思います。道交法の施行に関連しましての取り締まりの警察の方の要員というものが車の激増の状況から見てとても追いついていないということがありますけれども、たとえば駐車違反にしましてもかなり目に余るものがあるのではないかと思います。追っても追ってもハエが後から来るような形になっておるというような実態があると思いますけれども、国民に法を守るという教育をする見地から見ますと、これは非常に残念なことだというふうにも思いますので、そういった取り締まりのできないところについては、たとえば時間駐車を認めるとかいうふうなことで、もう一回遵法精神の高揚という見地からいろいろな問題について道路交通法そのものの施行につきまして御配慮を賜りたいということを要望申し上げておきまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○石田委員長 次に、村山富市君。
○村山(富)委員 私は、きょうはILO第百五十三号条約に関連をして過労運転の防止等についてお尋ねをしたいと思うわけです。 まず外務省にお尋ねをしたいと思いますが、昨年六月ILO第六十五回総会でいま申し上げましたILO第百五十二号条約が採択をされておりますが、この採択をされた条約の主要な要項を簡単に説明してもらいたい。
○江口説明員 お答え申し上げます。 ただいまのILO百五十三号条約でございますが、昨年のILO総会で採択されたわけでございまして、その主な内容と申しますと、これは路面運送における労働時間と休息期間についての条約でございまして、路面運送に従事いたします運転者の継続して運転する時間、それから一日の最大総運転時間、一週間の同じく最大総運転時間、それから一日当たりの休息期間、このようなものにつきまして規定したものでございます。
○村山(富)委員 いまお話しもございましたように、この条約は路面運送における労働時間及び休息期間等に関する新国際基準というものが中心になっているわけですね。この条約がILOで議論をされる際に、政府はもとより労働組合あるいは消費者側等々も積極的に討議に参加して基本的な部分については賛成されたということにいまなっておると思うのですね。そこで政府は当然この条約の批准についても積極的に今後取り組んでいかれると思うのですが、どういう取り組みをしておるか、その批准についての見解を聞いておきたいと思うのです。
○江口説明員 一般にILO条約につきましては国内法制との整合性などにつきまして関係省庁と検討を進めてまいりまして、その点で問題のないものにつきましては逐次批准を図っていくというような行き方でやっております。したがいまして、この百五十三号条約につきましてもその具体的な内容、それから特に国内法制との整合性などにつきまして関係省庁と検討を進めてまいっておるわけでございます。
○村山(富)委員 そこで、具体的に少しずつ聞いていきたいと思うのですが、この条約でうたわれておる条約を適用する範囲と、労働省が恐らくこの条約を背景にして新しい通達を出して基準を決めているわけですけれども、労働基準法で決められた基準と適用範囲が具体的にどういうふうに違うのか、その適用範囲の問題についてお尋ねをしたいと思うのです。
○岡部説明員 ILO百五十三号条約の適用対象範囲でございますが、これは一般の労働者はもとより、この条約の一条二項によりますると「別段の規定がある場合を除き本条約は路面運送に職業的に従事する車両の所有者及び賃金のために雇用されないその家族が運転者として労働する場合にも適用する。」という規定に相なっております。したがいまして、いわゆる自営業者あるいは家族従業者というふうなものにつきましても適用があるわけでございます。ところがわが国の労働基準法の体系におきましては、このようなたとえば自営業者、これは労働者性がないという観点から労働基準法の適用にはなっておりませんし、それから労働基準法第八条におきまして家族のみが使用される事業については適用がないということになっておりまして、この辺大きくILO条約とわが国の労働基準法の体系が違っているわけでございます。これはこの条約に限りませず、ILO条約が最近の傾向といたしまして、そのような自営業者あるいは家族従業者につきましても適用対象とするという形で採択をされておりまして、その辺が西欧的な法律の立て方とわが国の伝統的な労働者保護法の立て方というものが、そういうところで微妙に食い違っているという適用範囲上の問題があるということでございます。
○村山(富)委員 ですから、この条約の批准はもちろんですけれども、国内に適用する場合に、労働省が所管をする労働基準法だけの解釈で適用範囲をしぼるということには無理があると思うのですね。そこで、その基準法の新しい通達の枠外にある路面運転者等々に対してはどういう適用の仕方を考えておられるわけですか。
○岡部説明員 私ども昨年の暮れに策定いたしました新改善基準、新二・九通達におきまして従来の基準法の考え方に従いましてあくまでも労働者について適用するということでございますので、自営業者につきましては対象としていないわけでございます。それから、家族従業者につきましても、もとよりこれを対象としていないということでございます。したがいまして、百五十三号条約の批准問題がもし生じたといたしました場合には、その辺の調整をどのようにとるかということが問題になってまいろうかと思います。これは基準法の原則の方をいじるのか、あるいはILO条約の方をいじると言ってはおかしいのですが、ILO条約そのものはかなり弾力的な条項があちこちに規定されてございます。そのような規定を使って何らかのILO条約の適用範囲というものを国内法令に即した形でむしろしぼっていくという形で調整するか、その辺の技術的な問題があろうかと存ずる次第でございます。
○村山(富)委員 これは単に労使関係において労働時間をどうするとか労働条件をどうするとかというだけの問題ではなくて、路面運送に従事しておる人たちの労働時間及び休息期間をどうするかという問題です。ですから労働省のたてまえからすれば、基準法を改善することにも相当無理があるのではないかと私は思うのです。何か特別立法をつくるとか何らか考える必要があると思うのです。 これはちょっと外務省に見解をお聞きしたいと思うのですけれども、そういう場合の適用範囲について、せっかくお互いに協議に参加して賛成をしているわけでありますから、その賛成をされたものが国内で批准されることはもとよりだけれども、実際に適用していく場合の措置というものはどういうふうにお考えですか。
○江口説明員 国内での適用の問題につきましては、国内の法律の関係で十分各省と検討をしていかなければいけないと思っておる次第でございます。
○村山(富)委員 各省と十分相談をしてやらなければならぬことはわかり切ったことだけれども、ただ、いま労働省の方から説明がありましたように、労使関係における労働条件に限定して労働時間をどうせいとか休息期間をどうせいとかということは、さっきはっきり言いましたように、雇用関係にある労働者が対象になるわけでしょう。ところが現実には、ここにもちょっと調査したものがありますけれども、たとえばダンプカーの所有形態なんかの調査を大学の先生がしておるわけですが、それを見ますと、自分で車を持って運転をしている、言うなれば車持ち運転者といいますか、これが全体の七七%を占めています。そうすると、全体の七七%を占めている人は、いま言う新しい通達の対象にならないわけでしょう。ですから圧倒的多数は対象になっておらぬわけです。そういう事態を踏まえた場合に、単に外務省が各省と連絡をしてなんという話でなくて、もっと具体的にこういう場合にはどういうことが考えられるとか、どういうふうにする必要があるか等々の見解について聞きたいと思うのです。
○江口説明員 具体的な国内法との関係につきましてはまだ検討中でございます。先ほど説明のありましたように、この条約では賃金労働者だけではなくて、車の所有者であるとか家族従事者であるとかいう方で運転者となっている者にも適用がある、一方、労働基準法では賃金労働者である運転者だけを対象にしているということから、この関係をどういうふうに解決していくかということにつきまして、現段階で申せますことは、いろいろな国内の関係省庁とこの条約の内容、関係する国内の法律につきまして十分な検討を進めていかなければならないというふうに考えているわけでございます。それ以上にそれでは具体的にどうその点の解決を図っていくかということにつきましては、いまの段階では具体的な考えを私どもとして持っては必ずしもいないわけでございます。
○村山(富)委員 まあそこらの問題はこれから検討されていくと思うのですけれども、ただ、こういう新しい条約が採択されたということは、やはり必要性があって採択されたわけだし、国内的に見てもその必要性を認められて皆さん方も賛成されたと思うのです。やはりこれは過労運転を防止したり交通安全を確保するために大変重要な問題だと思うのです。事故の原因を調べてみますと過労運転等々が大変多いわけですから、もう少し真剣な取り組みをしていただきたいと思うのです。 そこで、いまの問題に関連して警察庁に聞きますけれども、恐らく新しい二・九通達はこのILO第百五十三号条約に裏づけられて、同時に百六十一号勧告がありますが、この勧告の内容に沿ってつくられたと思うのですが、どうですか。
○岡部説明員 この盲動車運転者の労働時間の問題につきましては、かねてから大きな課題として取り上げておりまして、昭和四十二年二月九日にいわゆる旧二・九通達を出したところでございますが、この旧二・九通達はILO六十七号条約、これは古い自動車運転者につきましての労働時間の条約でございますが、これを下敷きにしておったわけでございます。ところがこの条約自身、批准が世界的に一向に進みませんで、いわば忘れられた条約のような形になっておったわけでございます。と申しますのも、技術的に非常に問題がございまして、それを解決するために今回百五十三号条約が採択されまして、旧六十七号条約が廃棄されたわけでございます。私どももそのような国際的な動きに対処いたしまして、百五十三号条約及び百六十一号勧告を下敷きといたしまして新基準通達を出したところでございます。
○村山(富)委員 この条約の第十二条を見ますと、「本条約の規定は、団体協約若しくは仲裁裁定により、又は国内慣行に適合するその他の方法により、有効に実施される場合を除いては、法令により実施するものとする。」こういう条文があるわけですね。 たとえば、条約がつくられた、そこでその条約を受けて、あるいは勧告を受けて労働省は新しい通達を出した、言うならば、有効に実施されるような措置を講じたわけですね。そうしますと、その批准に必要な国内法の整備というものは、この新しい通達を出したことによって一応整備されたというふうに解釈をされるものなのかどうなのかということをひとつお尋ねします。
○岡部説明員 今回の百五十三号条約と労働省から出しました通達の内容、これを対比いたしますというと、これは実は完全に一致しているというわけのものではございません。下敷きにはしておりますけれども、幾つかの点でこのILO条約と違った規定の仕方をしているところがございます。 これは、わが国の産業事情あるいは労使慣行等々からそのような違った規定にせざるを得なかったわけでございますが、その一番大きな問題として、適用範囲の問題が先ほど来論じられているところがあるのは御承知のとおりでございます。羊のほかに、たとえばわが国で多く行われております隔日勤務と申しますか、二日を一つの労働単位として働くというふうな慣行があることを取り入れておりますし、それから、休息の期間につきましても、分割を一部、当面認めるというふうな規定も置いております。したがいまして、この条約の内容がそのままであるというわけではないわけでございます。ほとんど一致をさせておりますけれども、若干の点で違っておるというような、まず内容上の問題が一つでございます。 それから、この条約の十二条の問題でございますが、これはどうも、規定の読み方にもよるわけでございますが、「法令により実施する」ということが原則であるようにも読めるわけでございますが、わが国では、従来lLO条約を批准します場合には、わが国の国内法制を十分にすり合わせをいたしまして、その上で批准するというふうなやり方をとっているところでございます。したがいまして、今度の通達が出たからといって、わが国の条約の批准の仕方といたしまして、それで十分であるというわけには現在まいらないのではないかというふうに考えております。 なお、この十二条の読み方といたしまして、こういう通達というふうなもので一体いいのかどうかというのは、この十二条の解釈をめぐりまして、将来ILOの中で条約・勧告適用委員会などにおいて、いろいろまた各国の批准に合わせまして審査が進むであろうと思われますので、そういうものを見ながら、十二条の読み方というものを私どもも勉強をしてまいりたいというふうに考えております。
○村山(富)委員 これはいずれにしても国内法の整備をしていかなければならぬと思うのですが、ちょっと外務省にお尋ねしますけれども、いままでに採択された条約が幾つあって、批准をされてないものが何件あるのか。同時に、その批准をされない理由は、国内法がまだ整備されていないとかいったような理由が一番大きいのか、そこらの問題についてちょっと見解をお伺いします。
○江口説明員 これまでにILOが採択しました条約は百五十三本ございまして、そのうちわが国が批准をしましたのが三十六本ございます。 未批准の条約につきまして、その理由の一番大きなものは、御指摘のように国内法との関係でなお検討を要するということでございます。
○村山(富)委員 そこで、次にお尋ねしたいのですけれども、せっかく労働省はそうしたもろもろの経緯と背景を受けて新しい通達をつくったわけでありますけれども、その通達は十月から実施されるのですね。その間は、十分に新しい通達の趣旨や中身を徹底させるという指導期間だと思うのですが、これはさっきちょっとお話の中にもございましたように、ILO六十七号条約はほとんどもう役に立たなかった、実行されなかった。六十七号条約を下敷きにつくられました労働省の二・九通達ですか、これも私はそれほど現実的に実効を上げなかったと思うのです。また、この新しくつくられた通達も、いまの現状から照らしますと同じような経過を踏むのではないかというふうに考えられますだけに、この通達の指導徹底と、それから実効が上がるような措置をどういうふうに講じていくつもりですか。
○岡部説明員 旧二・九通達が実効が上がらなかったのではないかという御指摘でございます。実は私どももそういう遺憾な点があったのではないかというふうにも考えているところでございます。 その理由はどういうことであったか分析をしてみますと、旧二・九通達につきましては実作業時間を規制するという形で規定が行われていたわけでございます。ところが、ある事業場に監督官が監督に参りましても、朝何時から夜何時まで、ちょっと長いじゃないか、実作業時間をオーバーしているのではないかと言いましても、これは途中で休憩が幾らあった、あるいはその休憩に準ずるような手待ち時間が幾らあったというふうなことで簡単に取りつくろうことができたわけでございます。したがいまして、第一線から、とてもこのような規定ではなかなか実効が上がらぬ、当時はタコメーター等もまだ開発が十分でございませんでしたし、そういう技術的な問題もあったわけでございますが、全体としてなかなかに実効が上がらなかったということは御指摘のとおりでございます。 今回の通達におきましては、それにかえまして拘束時間というものを規制するという形で押さえるわけでございます。来たときから帰るときまでの拘束時間で押さえるということで、これは運行記録あるいはまたパンチカード、タイムカードでございますか、そのようなものでいろいろチェックすることも可能でございますし、客観的な手法もいろいろと発達しているわけでございます。したがって、そのような実効ある基準をつくったつもりでございますが、そのようなことで全国の労働基準監督官を動員をいたしまして、これの徹底に努めてまいりたいというふうに考えております。 なお、このことにつきましては、関係労使も非常な関心を寄せておられまして、これの遵守につきましてそれぞれにいろいろと協力をいただけるというふうな話も伺っているところでございます。 そういうことで、関係各方面の理解とコンセンサスの上にこの通達を実施してまいりたいというふうに考えております。
○村山(富)委員 これはいま御説明があって、恐らく積極的に取り組んでくれると思いますけれども、全国に三千人ぐらいしかいない監督官が、どんなに血眼になって目を光らせても、やはり点検し得る範囲というのは知れていますからね。したがって、いまの複雑なトラック業界、運送業界の現状から踏まえると、私は、なかなか無理があるのではないかと思うのです。 そこで、やはり一片の行政通達だけでは弱いのではないか、早急にこういうものは総合的に検討して、これは特別立法といったようなものもやはり考えていかなければならないのではないかというふうに思うのです。この通達だけでは恐らく拘束力も弱いし、通達が実効を担保できるような保証もありませんからね。したがって、私は、やはり前回と同じような経過を踏むのではないかということが心配されますので、次にお尋ねをしておきたいと思うのです。これは単に労働省だけの問題でなくて、運輸省も警察庁も総合的にそれぞれの分野でやっていくということがなければなかなか実行はできないのではないか、こういうふうに思うのです。 そこで、現状をもう少し詳しく踏まえてみますと、労働組合があって、労使が協定で就業規則なり労働協定を結ぶことができる場合には、労働組合の力によってある程度実効が裏づけられる。しかし、さっきも言いましたように、個人持ちが七七%からある。しかも労働組合のないような中小零細業者が非常に多い、こういう現状から判断をした場合、実行はなかなか困難だと思うのです。そこで、これは運輸省にお尋ねしますけれども、運輸規則で運転者の過労防止をするという規定がありますけれども、この過労運転の実態をどういうふうに把握をしているか、あるいはまた過労防止をするために現在までどのような対策が講じられてきたかということについてちょっと御説明を願います。
○小林(育)政府委員 お答え申し上げます。 私どもといたしましては、運送事業者に対しまして、毎年定期監査というものをやっております。この過程におきまして、運転者の運行記録あるいは出勤状態、点呼の状態あるいは帳票類等の監査をいたしまして、そうしまして、違反の事業者に対しましては、行政処分をするということで把握に努め、さらに過労防止のための手段としておるわけでございます。 そのほかにも、大きな事故が発生しましたときには特別な立入検査をいたしまして、その結果によりまして行政的な処分をしておるわけでございます。事故を起こしてから処分したのでは遅いのではないかという御指摘もあるかと思いますけれども、やはり一罰百戒と申しますか、法令の違反があればそういう処分を受けるのだということで戒めとする。そういうような意味でやっておるわけでございます。 そのほか、私どもが直接そういう監査に参りましてやるというのは、人数の関係もございましてそれほどできません。したがいまして、間接的に、各事業者には運行管理者というものが設けられております。その運行管理者の研修を通じまして、適正な運行計画なり点呼というようなものを厳正に実施させるという方向で従来指導してまいっておるわけでございます。
○村山(富)委員 そうしますと、労働省が適用される範囲外になっていますね、車持ち運転者といいますか、そういう層がうんとふえてきておりますね、さっきから何回も言いますけれども。この本に書いてあるのを見ましても、「運送主体の分散化傾向は建設業界のダンプカーに始まり、新聞輸送部門の下請委託化、牛乳輸送の未組織零細業者による傭車、農産物や鮮魚など季節波動のみられる生産物運搬の白ナンバー、特定工場や物流センターとの特約による白ナンバー等々」、いまではむしろ運送主体の大群はこういうものがなっておりまして、資本の物流政策にとっても望ましい存在で、不可欠の条件になっている。こういうふうに位置づけられておるわけですね。こういうものがほとんど各省が取り締まる対象外になっているというふうに思われるのですけれども、こういうものに対しては、どういうふうにお考えですか。これは労働省は対象にならぬわけだから。
○小林(育)政府委員 私どもが監査の対象になり、先ほど申し上げたような行政の対象にしておりますのは、いわゆる運送事業者でございまして、俗に青ナンバーと言われているものが対象でございまして、白ナンバーにつきましては、私どもの行政の対象外である、そういうことでございます。
○村山(富)委員 単に白ナンバーと言われるものだけでなくて、むしろ取り締まりの対象外の谷間になっている層がうんとあるのではないかと私は思うのです。もちろん白ナンバーも含めてです。こういう過労防止とか安全運転の確保の指導監督は一体どこがされるのですか。
○池田政府委員 一般の運転者に対します指導ということになりますと私どもの方の所管であろうかと思います。 御案内のとおり、道路交通法におきましては過労運転等を禁止いたしておるわけでございます。昨年中の過労運転によります違反の取り締まり件数を見ましても千三百九十四件ほどを検挙いたしております。また、人身事故を起こしまして業過で処理いたしましたもののうち、過労運転にかかわりますものが四千三百二十三件ほどございますし、また過労運転の下命、こういうことで検挙いたしましたものが百三十一件、合計いたしますと五千八百四十八件でございますけれども、他の違反と違いまして大変むずかしい点は、正直に申しまして結果的にわかる場合が多い、こういうことでございます。したがいまして、あらかじめ防止ということになりますと、たとえば街頭上でジグザグ運転する車を警察官が見つけるといったようなことから入る場合以外は、何らかの事故を起こしたり、無謀な運転をやったりした際に発見するというのが実情でございます。したがいまして、一般的な過労運転防止の教育につきましては、交通の教則その他免許を取ります場合の教育あるいは更新時の教育その他安全運動等の機会を通じて教育をしているというのが実情でございますけれども、そういう意味では、具体的な教育がなかなかむずかしいというのが実情でございます。
○村山(富)委員 それじゃ関連してちょっとお尋ねしますけれども、運輸規則で過労防止の条項がありますね。この第二十一条に、事業用自動車、これは恐らく貨物も準用されると思いますが、過労防止のために、乗務員の勤務時間及び乗務時間を決めなければならぬ等々、休憩の問題も含めて第二項にも書いてありますけれども、この運輸規則で言う過労防止の基準と、今度労働省でつくられました労働時間、運転時間等の基準との関連は一体あるのかないのか、どうなのかということが一つと、それから警察は、さっきも説明がありましたように、道交法の第六十六条ですか、過労の基準がありますね。この道交法で言われる過労の基準と、新しく労働省が出した二・九通達との関連は一体どうなのか。道交法で言う基準は別に警察庁は持っておるのかどうか、そこらの関連をちょっと説明してくれませんか。
○小林(育)政府委員 私どもが決めております乗務時間とか、そのほかの運行計画の基準につきましては、私どもが過労防止であるか否かということを判断する一つの目安として決めておるものでございまして、それは必ずしも旧二・九通達あるいは今後行われるだろう新二・九通達と必ずしも数字的には一致したものではございません。しかしながら、当然過労防止という観点からとらえるわけでございますから、新二・九通達に適合する内容、それよりもさらに運転時間なり何なりが短い、そういうようなことで判断されるべきもの、そういうように考えているわけでございます。
○池田政府委員 法律の規定でございますとおり、道交法では「正常な運転ができないおそれがある状態」こういうことでとらえているわけでございますので、一般的な基準というのは大変むずかしいわけでございますが、新しい通達、前の通達もそうでございますけれども、十分それを判断する場合の参考資料にさせていただいておるわけでございます。 抽象的な言い方でございますけれども、仮に時間内の労働をされておる場合でございましても、事情によりましてはその前の運転されている方の行為等によりまして現実に過労といいますか居眠り等出ておるような場合もございますし、逆にまた、こういった規制を受けられない方につきましては、一定の時間を超えて運転されておったから、じゃそれは直ちに過労だというふうに決めつけるわけにはいかない。あくまでもその個人の方、その車両の運転の状況に着目いたしまして判断しておるというのが私どもの方のたてまえでございます。
○村山(富)委員 これは路面運送に従事する人たちの健康なりあるいは事故の防止等々を総合的に考えて条約がつくられたんだと思うんですね。この条約は、国内で条件の整備ができるならば早く批准をして実際に施行していただくということが一番いいと思うんですね。とりあえずそういう過去の経緯も踏まえながら労働省が新しい時間規制なりあるいは休憩時間なり等々をつくられた。労働省が労働者を保護し、労働安全を期すという前提に立って基準をつくったんですね。恐らくいろいろな団体の人に意見を聞いたりなんかしてつくられたと思うのですよ。その基準が、労働省は監督官がその基準に照らしてどうかということを仮に調査をして指導監督をする。警察は警察で今度は違う角度からまたやる。運輸省は運輸省で違う角度からまたやる。三者ばらばらだと、一体どこの意見を聞いて守ったらいいのかさっぱりわからなくなるんじゃないですか。そういう点はもう少し総合的に連携を取り合って、そして労働省は労働省で労働省の任務について実際やっていただく、運輸省は運輸省の立場で指導していただく、警察は警察でやっていただく、こういうことが総合的に一致して実効が上がっていくんだ、こういうふうに思うのですけれども、これはどうですか。
○小林(育)政府委員 私ども運送事業者を監督している立場からお答え申し上げますが、私ども従来から相互通報制度というものを設けておりまして、たとえば私どもが参りまして、何か労働基準的な問題があるというような場合には労働基準局の方へ通報する。それからまた、労働基準局サイドで、監督署サイドで立入検査をされてそういう問題があれば私どもの方へ通報いただく、それを私どもがいただいて違法のないようにさらに監査をしたり指導をする、そういうことをやっておるわけでございまして、今後新しい通達が施行になりましてもやはり同じような方法で相互に連絡をとって万全を期していきたい、そのように考えているわけでございます。
○仲山政府委員 過労運転の防止は非常に重要な交通対策の問題でございますから、新二・九通達、これは現在労働省を中心にして関係の省庁においてその周知徹底がされて努力されておる状況でございますが、総理府といたしましては、ただいまのようないろいろと問題がございますので、今後状況の推移等もよく見きわめつつ必要があれば関係省庁とよく調整を図るように努力させていただきたい、こう思っております。
○村山(富)委員 必要があればというのではなくて、必要があるんじゃないですか。さっき言いましたように、それはもっと厳密に言いますと、労働省が、単に事業体の業態から、現状から全然無視をして、そして労働者の健康を守り、交通安全、労働安全等々の観点から判断をした場合にこの基準でいってもらいたい。しかし、現状のトラック業界の実態から判断をしてそんな基準をつくったらそれは無理です。実際やれませんよ、そんなものは。現に守っていないところがたくさんあるわけですからね。そういう経営やら業種の実態等は運輸省が把握している、道路交通上の問題については警察がよく知っておる、そういうものが相談し合って、そしてどの観点から見ても守られる基準をつくっていく。そして同一に指導監督をしていくということになれば実効が上がっていくと思うのですよ。だけれども、労働省が言う過労の基準と、運輸省が言う過労の基準と、警察が言う過労の基準とおのおのまちまちだ。お互いの目安程度で、さっきお話がありましたけれども、そんなことでは効果は上がらないのじゃないですか。ですから、私は、必要があればというんではなくて、実際に交通安全の上からすればあるいは過労防止をして人身を保護するたてまえからすれば、当然考えられることではないかというふうに思うのですが、どうですか。
○仲山政府委員 確かにおっしゃられるとおりでございます。最も必要なことだと思いますので、いままでにもそれぞれ連絡会議を開いておりますが、なお今後はその点に重点を置きまして努力をさしていただきたいと思います。
○村山(富)委員 これは単に安全室長だけではなくて、運輸省それから警察どうですか。
○小林(育)政府委員 先ほどお答え申し上げましたのが舌足らずでちょっと申しわけなかったと思いますけれども、私ども運送事業者に運行計画なり乗務時間を定めなければならないと業者に指示しておりますのは、それぞれ各事業者によりまして運行の形態なり実態というものが異なっております。したがいまして、一律な基準でこういうことをしろということは現実にできないわけでございます。したがって、それぞれの事業者がそれぞれの事業実態にあった運行計画なり乗務時間というものをそれぞれ定めろということがその運輸規則の趣旨でございます。したがいまして、その決められます中身というのは、先ほどちょっと御説明いたしましたように当然旧二・九通達なり、新二・九通達などに合致するものでなければならない、そういう趣旨でございますけれども、ただいま先生御指摘のございましたように、相互に連絡をとってやるということは当然でございますので、今後関係官庁と実施までの間にいろいろと御相談をして決めさせていただきたい、そういうふうに考えております。
○池田政府委員 道路交通法はすべての運転者を対象にいたしておりますので、あるいは私の御説明不足だったかもわかりませんけれども、従来からこういった形態で運行されている方につきましては、労働省の方と十分連絡をとっておりまして、私どもが検挙いたしましたものにつきましても、十分相互に通報その他をいたして労働行政の観点からも是正していただくようにお願いしておきます。また、そういった労働省の監督下にない運転者の方につきましても、同じような形態の方がございましたら、同じような状態のときには重要な基準として私どもの方も活用させていただいておりますし、今後ともその方向で参りたいと思います。
○村山(富)委員 もちろん労働省、運輸省、庁、それぞれ観点が違いますし、対象も違うわけですから、したがって、全部一緒にしようと言ったって、それは無理ですよ。だけれども、対象が同一になるようなものについては基準も、それは日本政府がやっているのですからね。各省がばらばらな基準を持っているなんということではいけませんから、そういう点ではやはり調整してやる必要があるのじゃないかというふうに思うのです。同時に、こういう基準が本当に守られていくためには、さっきもちょっと触れましたけれども、雇用関係の問題やらあるいは請負関係の問題やらあるいは歩合い制の問題等々総合的に是正される指導が背景になければ、幾ら言ったって、借金してまで、赤字を出してまで守るものはないわけですから、これだけ過当競争の中でそれぞれみんな一生懸命働いて、一生懸命生きているわけですからね。したがって、そういう実態を踏まえてもう少し全体として合理的に守られていくような、そういう総合的な対策が必要ではないかと思いますから、その点もひとつ含めて強調しておきたいと思うのです。 それから、時間も大分なくなりましたので、最後にちょっと飛ばしてお尋ねしますけれども、長距離運送ですね。長距離運転をする場合なんかには休憩所が必要だということで、休憩所がつくられることになっていますね。この休憩施設をつくるのはいまどこが主体になってやっているわけですか。
○飯島政府委員 トラック事業は、先生御指摘のとおり非常に複雑な業界でございます。したがって、業態によって実態も違うわけでございますが、路線トラック事業のような場合は、営業所等において必要な休憩施設をみずから整備するという場合も当然あるわけでございます。そのほかに、現在トラック協会が運輸事業振興助成交付金という制度によりまして休憩施設を整備をいたしております。現在供用中のものが二カ所、建設中のものが二カ所、計画中のものが一カ所、こういったものをこの際もう一遍見直して今後の計画を立てるよう指導をしていきたいと思います。 それから道路公団等、要するに高速道路等に設けられております休憩施設がございます。これにつきましても建設省、道路公団、トラック事業者、そして運輸省の四者で協議機関を設けまして、今後の整備について目下打ち合わせをしているところでございます。 それから本件の遵守については、荷主の協力が絶対に必要なのではないか。実際上荷主側の施設で休憩施設としての役割りを果たしているものもあるのではないか。そういうものを荷主の理解を得て何らかの形で整備をする。それから民間の駐車施設を利用するというような場合もないとは言えない。したがいまして、いま申し上げたようないろいろな休憩施設の整備についてそれぞれおのおの推進されていくことが望ましいと考えておりまして、トラック協会、建設省、道路公団等とも十分連絡、協議してまいりたいというように考えております。
○村山(富)委員 これは、たとえば路線事業、あるいは区域事業と二つに分かれていますね。路線事業の場合には比較的長距離運転が多いですから、言うならば業態も大きい業態が多い。それから区域事業になりますと中小零細企業が多い。こういう大まかな区分ができると思うのです。それぞれ難問を抱えて持っているわけですから、したがって業者がみずから休憩所をつくるなんといったって、なかなかできにくい点もあると思うのです。そこで、関係各省で協議してやるとか、あるいは道路公団は道路公団で考える、こういうことになっていると思うのですけれども、いま計画している休憩施設というのは、さっきちょっと御説明がありましたけれども、どうですか、どのくらいと考えていますか。
○三木説明員 道路に関連する休憩施設の問題でございますが、高速道路につきましては、出入制限が行われているということに着目いたしまして、連続高速走行の疲労と緊張を解きほぐし、事故防止を図るという観点から、特に休憩施設が必要だということでございまして、道路管理者でございます日本道路公団の業務として、休憩所等を設置するようにということで、法律に定められております。このような休憩施設といたしましては駐車場、便所等を備えましたパーキングエリア、これを約十五キロ間隔、それから給油所、食堂などの施設も備えましたサービスエリア、これを約五十キロ間隔にそれぞれ配置をいたしております。現在の東名で申しますと、パーキングエリアは上り下り含めまして三十二カ所、サービスエリアが十二カ所ございます。こういう状況でございます。そのほかに仮眠休憩施設といたしまして、東名高速道路に試行といたしましてレストラン足柄というものを昭和五十二年の九月に設置いたしております。現在二年余の実績からいろいろな管理運営上の諸問題を検討しておるところでございますが、名神高速道路につきましても同じようなものをつくったらどうかという御意見もございますので、多賀サービスエリアを候補地といたしまして現在設置について調査をしているという状況でございます。
○村山(富)委員 これは道路公団が所管するものについては道路公団がつくる、それから建設省の所管する道路については業者や民間の施設、大まかに分ければこうなるのでしょう。そうなるのじゃないですか。
○三木説明員 ただいま申し上げましたように、道路公団につきましては出入制限が行われているという観点から公団法に特に定めまして、道路管理者である道路公団が休憩所を設置すべきだ、こういうふうになっているわけでございます。一般国道その他の幹線道路につきましては、沿道の出入制限はやっておらないわけでございます。それから沿道の利用もまた自由でございます。こういう点から、従来民間の休憩施設等が需要に応じて立地いたしておるわけでございます。また道路管理者のサイドから申しますと、法律上休憩休養施設というようなものを設置できない状況でございますし、また財政的にも措置がなされていないというふうなことでございまして、一般国道につきましては、ほかの民間を含めたそういうところの休憩施設の設置というものに期待をしておるという考え方でございます。
○村山(富)委員 そうしますと、出入規制をしておるたてまえを前提に踏まえて公団はパーキングやらそれからサービスエリアをつくる、こうなるわけですね。そして必要な一般国道で長距離運送するような路面については業者がつくったり民間の施設にゆだねられている、こういうことですね。大体わかりましたから、もういいです。 ただ、道路公団がつくる場合には道路公団の予算でやるのでしょうけれども、さっきお話しございました振興助成交付金でつくる場合には、これはどこが管理し、運営し、どこに交付金を出すのですか。
○飯島政府委員 建設し、管理するのは、現在はトラック協会でございます。それで各地方公共団体から助成金として公益法人である地方のトラック協会に交付金が出されまして、その一部分が中央に拠出され、中央でさっき申し上げたようなトラックステーションの整備を行っておるわけでございます。それから地方レベルでも休憩施設の整備を若干しているところがございます。
○村山(富)委員 いずれにしても、これはいまの大変広いしかも複雑多岐にわたる道路網あるいは運送事業の実態等から考えた場合に、私はやはり休憩施設がいろいろな角度から検討してみて絶対数が不足している。新しい通達が本当に守られるためには、やはりそれが守られるようなそういう施設もつくっていかなければならぬ、こういうように思うのです。したがって、これは単に運輸事業の振興助成交付金だけに頼るのではなくて、道路整備特別会計から出すとかもっと積極的な取り組みが必要ではないか。そうでなければ、新通達を守るといったって、守れない条件があるわけですから、だからその通達が守れるような条件を整備してやるということが当然必要なことであって、これは個人ができるものは個人にしてもらう。しかし公的に必要なものは公的に責任をもってやらしていくということが必要だと思います。これは個別経営、個別経済だけでは解決しない問題がたくさんあるわけですから、そういうものはやはりもっと社会的に公的な責任でもって施設をつくってやるということがなければ、私は全きを期することができないのではないかというふうに思いますが、現状で足りていると思っているのか、あるいはもっとそういう意味では積極的に対策を講じてつくっていく必要があると思っておられるのか、お尋ねしたいと思うのです。
○飯島政府委員 実際に休憩施設がどういった間隔でどれだけ必要なのかということについてはまだ実態も十分解明できていない部分もございますが、休憩施設の整備は少なくとも現在計画されているものでは足りないのではないか。したがいまして、先ほど申し上げたように各方面でそれぞれ今後休憩施設の整備をさらに進める必要があるのではないかというように考えております。
○村山(富)委員 この新しい基準が完全に履行された場合、いまやっているように東京-大阪間をトンボ返りでやるなんということはできなくなるわけですからね、いずれにしても。そうしますと、やはりその間に適当な休息をとらなければならぬということになるわけですからね。それはホテルや何かはたくさんあるでしょう。しかしホテルなんかで休憩する負担をしたら一体この事業は成り立つのか、こうなってまいりますといろいろな問題があるわけですから、したがって、やはり公的に休めるような休憩施設というものが必要ではないかと思いますから、こういう点を、それぞれ労働省は労働省の立場から見解があるでしょうし、運輸省は運輸省の立場から見解があるでしょうから、したがってさっきから申し上げておりますようにそういう点は総合的に調整して実効が上がるような対策が講じられていかなければ意味がないわけですから、そういうことを強く要請をいたしておきまして、ちょうど時間も来ましたので、これで質問を終わります。
○石田委員長 午後一時十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ――――◇――――― 午後一時十三分開議
○石田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。山花貞夫君。
○山花委員 私は、無人速度違反自動監視装置、いわゆるオービスIIIと言われているものでありますけれども、これにかかわる幾つかの問題について、疑問点につきお伺いをいたしながら、今後の対策について要望を申し上げたいと思います。 いわゆるオービスIIIにつきましては、五十一年、兵庫で設置されまして以来、満四年を迎えようとしております。この一年間、その設置の数が急速にふえているわけであります。しかし、このオービスIIIの装置によります画一的、日常的なスピード違反取り締まりにつきましては、基本的に、今日の民主主義、基本的人権尊重の憲法の基本原理が政治的、社会的に成熟した段階におきましては、こうした人間の目、感覚等によってではなく、器械によって国民が日常的に監視されている、こういう本質に照らしまして、国家と行政による行き過ぎた国民の監視、管理の方法ということになる不安があるのではないかというように私は考えているところであります。 具体的には、肖像権もしくはプライバシー侵害の問題として憲法に違反するのではないかという観点から、あるいは交通の危険防止という道交法の趣旨に照らして妥当であるかどうかという観点から、さらには、犯罪の証拠収集のためどこまでこの種写真撮影が認められるかという刊事訴訟手続の観点など、多くの問題点が議論されてまいりました。そしてオービスIIIをめぐって、これに不満を持った運転者の側から幾つかの裁判が出されまして、裁判所に持ち込まれ、これまでおよそその半数については判決がなされている、こういう現状であろうと思うのであります。この時期に、改めてこの問題についてお伺いしたいというのが本日の私のテーマであります。 まず、設置の実情ということからお伺いしておきたいと思うのですが、私どもが理解しておるところでは、オービスIIIにつきましては、昭和四十七年十月ごろ、警視庁の方に株式会社アポロインターナショナルの方から、使えないかと持ち込まれまして、この装置は、アメリカのボーイング社で技術開発されたものである、そして、これを株式会社アポロインターナショナルが導入して、そして警視庁に持ち込んだという経過のようでありますけれども、以後、四十八年の七月ごろから警視庁の交通安全指導センターで検討された上でその導入が決定されたと伺っています。 さて、いま申し上げました経過で採用が決定されるまでの間に、この器械の導入がいかなる問題点を持つかということについて、警視庁の内部で相談がされたと伺っています。器械の問題あるいは運用の問題などについて、十分問題点につき御検討をされた上で採用に踏み切ったと伺っておりますけれども、このオービスIII採用に至る経過で、一体どのような問題につき検討をされたのか。そうして、結論的にどのような判断の上で採用決定されたのかということにつきましてお伺いをいたしたいと思います。
○矢部説明員 お答えいたします。 ただいま先生から御質問のございましたオービスIIIのいわゆる導入の経緯と問題点ということであろうかと思いますが、昭和四十八年の七月にアメリカでつくられましたいわゆるオービスIIIという商品名の速度自動監視装置でございますが、これが初めてわが国に持ち込まれたわけでございますが、このときからこの機器が、いわゆる速度取り締まりの器材として適当であるかどうかということにつきまして、いろいろな角度から鋭意検討いたしたわけでございます。 特に検討いたしました問題点の主なものといたしましては、まず、その機器そのものにつきましては、一つは、機器のいわゆる正確性と申しますか精度の問題、耐久性の問題、それから機器のいわゆる維持、保全といったような問題、こういった面を中心として検討したわけでございます。 なお、この機器の運用の面に関しましては、こういった器械を導入する必要性があるのかどうかという問題、これが第一でございます。第二に、これを一体どういう場所に設置をするかという設置場所についての問題。それから第三番目には、どういったものを主としてどういった速度違反について取り締まり対象とするのかといったような問題。それからいわゆる写真撮影等の肖像権の問題。それからたとえばナンバープレートが前面にない二輪車の取り扱い等の問題。そしてまたその違反者に対する事件処理手続等の問題。こういった問題が運用面での検討いたしました主なものでございます。こういった問題につきましては、第一線の取り締まり警察官の意見も十分に踏まえながらあらゆる角度から検討を行いました結果、取り締まりの運用上あるいは機器の正確性の面につきましても何ら問題はない。これは速度違反の取り締まりに十分使用が可能である、こういう確信のもとに導入をいたしたわけでございます。
○山花委員 検討内容について項目別にいま御説明いただいたわけですが、その各項についてどういう議論があったのかということまではなかなか時間の関係ですべてを御紹介していただくのはむずかしいかもしれません。しかし、いまお話がありました各項目につきまして、設置以来満四年を経過した今日、改めて御検討いただく段階が来ているのではなかろうか、これが本日の私の問題提起であります。 まず、そうした問題点にかかわる疑問を提起するに先立ちまして現在の運用の基数、歴年どの程度に増加してきたのかということについて御説明いただきたいと思います。あわせてオービスIIIと申しましても、センサー、感知器により方式が幾つかあるようですけれども、その分類をも含めましてできれば御説明いただきたいと思います。
○矢部説明員 お答えいたします。 この設置基数でございますが、これは十二月末ということで申し上げますと、五十二年が七基、五十三年が十基、そして五十四年の年度末が二十四基ということでございます。 それから、器種別の設置の内訳でございますが、ひずみ式と申しまして、通過車両のいわゆる踏む力でございますが、これにより感知をするいわゆるセンサーシステムが四基。ループ式と申しまして、ループコイルによりますセンサー方式が五基。それからレーダー式によりますところのものが九基。光学式によりますものが六基ということでございます。
○山花委員 いまのお話の中で五十一年が抜けておりましたけれども、五十一年には三基設置されて、ひずみ式が二基、ループ方式が一基である、このようにとらえてよろしいですか。
○矢部説明員 そのとおりでございます。
○山花委員 つけ加えまして、現在このオービスIIIの機器を製造しているのは、先ほどのお話ですとボーイング社が開発してということですが、輸入品なのか国産品なのか。国産品であるならばどのような会社が製作をしているのかということについても説明していただきたいと思います。
○矢部説明員 輸入いたしましたものにつきまして国産化をいたしておるわけでございますが、その中身は、東京航空計器製によるものが九基、協和電業製によるものが六基、松下通信によるものが六基、三菱電機によるものが三基ということでございます。
○山花委員 さて、いまのお話を伺いますと、冒頭私が申し上げましたとおり、満約四年間を迎えようとしているわけですが、昨年の五月九日、ちょうど一年前のころでありますが、この委員会におきましてこの問題が取り上げられましたときには、当時の設置基数は十基であるという御説明がありました。三年かかって十基であったのであるけれども、この一年間に二十四基になっているわけですから、およそ二倍半弱ふえている、こういう状況のようであります。この問題点についてはまた後ほどお伺いしたいと思うのですが、設置を増加してくる中で、従来はひずみ方式からスタートしたのであったけれども、どうも操作あるいは故障の関係などがあって、最近の傾向ではこのひずみ方式がほかの方式に変わってきているという傾向があるのではないでしょうか。もしあるとするならば、なぜそういう傾向が出てきたのかということについて事情を御説明いただきたいと思います。
○矢部説明員 お答えいたします。 設置当初はセンサーがひずみなりループ式であるのがだんだんとレーダー式になったり光学式になってきたではないかという御質問の趣旨であろうと思いますが、ひずみ式なりあるいはループ式はそれとして非常に精度の高いものでございます。しかしながら、たとえばその設置につきまして、これは路面に埋め込むというのが前提となります。したがいまして、非常に交通量の多いところ等では工事に大変危険があり、手数がかかるあるいは道路構造そのものがそういう埋め込むことに適しないという問題がございます。したがいまして、そういった部面につきましては、その後の技術開発によりまして、たとえばレーダー式であるとか、光学式であるとかいうものが開発をされてまいったわけでございまして、それはそれとしてそういう部面に使っておる、こういうことでございます。
○山花委員 御説明ありましたことに加えて、各業者の器材の説明書などについても拝見したりしたわけですが、ひずみ方式の場合、当初は約一年間は使える、こういうことであったけれども、実際には半年ぐらいたつと故障が起こった。当初の予定どおり使えないから次々と取りかえた、こういう事情があったのではないでしょうか。特に都内におきましては、ちょうど一年ぐらい前の時期に上馬、南馬込、北馬込、野方の四カ所につきまして光センサー方式に全部かえたというような事情がありましたときにこの問題が出てきたのではないかと思いますが、当初の予定したほど耐用がなかったというような事情も加えてあったのではないでしょうか。
○矢部説明員 お答えいたします。 この種の器械につきましては、通常の点検あるいはある期間を定めました点検というものを慎重に行っておりまして、したがいまして、そういった御指摘のような故障等によるためにレーダー等にかえたというようなことは承知いたしておりません。
○山花委員 その点につきましては、実は先ほど申し上げましたこのオービスIIIをめぐる幾つかの裁判の中で、現場からの、担当した会社の皆さんからの御説明にいま私が指摘をした点が出ておりましたので、警視庁の方はどう把握しておられるかということを伺ったつもりですが、また改めて調査の上問題提起はさせていただきたいと思います。 続いて、このオービスIIIの性能につきましてお伺いいたしたいと思いますけれども、一定のスピードオーバーの場合には器械が作動する、一言で言えばそういう仕組みだと思いますけれども、いわゆる捕捉率といいましょうか、どのくらいのパーセンテージでスピードオーバーした車をとらえることができるのか、これまでの四年間の実績もおありになると思いますので、統計も恐らく出ているのではないかと思います。その点について御説明をいただきたいと思います。
○矢部説明員 これは全国的に見ますと、撮影をいたしましたものの中で、おおむね八割弱ということで、ほとんど立件できるという状況でございます。 なお、捕捉できなかった部面につきましては、例外といたしまして、たとえばナンバーが汚れていたためにはっきりしなかったとか、そういった特殊な例外がございますが、撮影いたしましたものにつきましては、八割弱は処理いたしておるという状況でございます。
○山花委員 その点につきましても、現場の警察官が幾つかの法廷で証言したところについて裁判の記録を精査いたしますと、大体そこでの証言では四割はだめである、捕捉できるのは約六割である、こういう説明がなされています。ある程度詳しいデータに基づく証言ではないかと思われるものは、例年捕捉率は大体六三%である、こういうことのようであります。実は、せんだって私が御説明を伺いました場合には、いまお話がありましたとおり約八割弱という御説明をいただいたわけですが、実際には現場の報告はもっと捕捉率が悪いのではないか。お話のありましたナンバーが汚れている場合にはだめであるというのに加えまして、一応シャッターはおりたけれども、どういう場合に捕捉することができないのか、送検することができないのかということについて、たとえば第一に運転者がサングラスをかけているような場合、第二番目に天候のぐあいでフロントガラスが曇っているような場合、第三番目に器械がぶれたような場合、これは直前に大型車などが通りますと、道路の振動が残りまして、カメラがシャッターを落としてもぶれるということになって使えないものがあるようであります。四番目に車両が並進してきた場合にもだめである、五番目に現像の失敗ということもある、六番目に二輪車の場合にはナンバープレートの関係からだめである、いま指摘いたしましたような場合には捕促できないということになる。加えて、従来から問題となっておりました大型車の関係につきましては、説明書によりますと、画角がほぼ上下二・五メートルということでありますが、大型車の場合には、運転席の位置が横にあるものあるいは高いもの、たとえばいすゞのSRM七〇型、日野自動車のZM三〇三型、あるいは三菱自動車のFT二一二型など、車の高さが二千六百二十七ミリ、二・五メートルをオーバーしているようでありますけれども、この種のものにつきましても全面ぴしゃりと押えることはできない、撮影があったとしても、送検の際の立証手段としては使えないということで約四〇%がだめである、これが現場の警察の皆さんの報告として、幾つかの裁判で現場の警察側の証人としても証言されてきたところであります。八割は大丈夫だというのがどうも少し甘いのじゃないかと思いますが、この点について、八割という根拠があるのかどうか、いま申し上げたような場合にはやはりむずかしいという問題もあるのではないか、この点についてどう把握されておるかにつき御説明をいただきたいと思います。
○矢部説明員 御質問に対するお答えでございますが、先ほど八割弱と申し上げましたのは、東京つまり警視庁のデータでございます。これは全体的には詳細を把握いたしておりませんので、サンプルによって申し上げたわけでございます。 なお、たとえばトラック等が入らないではないかということでございますが、全国的に五十四年の送致件数が六千五百六十九件ございますが、この中でトラックが占める比率、これが一六%ということでございまして、特別に大型なトラックを除きまして、その対象になっておるということでございます。 なお、先ほどサンバイザー等の話がございましたが、そういった面につきましては、たとえば車のナンバーからの捜査であるとか、こういったことを併用いたしておりますので、そういったものがすべてだめであるということにはならないということでございます。
○山花委員 全国的な正確な統計ということではなく、サンプルという御説明がありましたので、そこから食い違いも出てくるのではなかろうかと思いますけれども、また同時に、幾つか御説明がありましたもの以外の、私の指摘したようなものについての捕捉のむずかしさということもあるのではないかというふうに御説明を伺っていたわけですが、問題点を先に譲りまして、次に一〇〇%はなかなか捕捉できないということの運用の関係におきまして、故障率と言ってもいいかもしれませんが、この整備、点検につきましては大体どういう方式で、だれが担当して、どれぐらいの期間で、どういう内容のことをしているのかということについてお伺いしておきたいと思います。
○矢部説明員 お答えいたします。 器械の点検の問題でございますが、これはまず日常点検と申しまして、フィルムを交換するような時点でやる点検、これは担当の器械の扱いについて習熟をしている警察官がいたします。これはカメラの作動テストであるとか、あるいはコンピューターの作動テストであるとか、あるいは外観を観察するとか、こういった面が主でございます。 次に一カ月点検というのがございまして、これにつきましては、いま申し上げました日常点検の内容につきましてメーカーサイドで専門的な立場で行う、これは警察官立ち会いということで、関係部品につきましてのいろいろなパワーテストを行うということでございます。 さらに六カ月点検というのがございまして、これもメーカーの専門的な者が入りまして警察と一緒にやるわけでございますが、これも一カ月点検と同様の機能点検をやる、総合的な作動テストを行うということでございます。 さらに一年ごとには精密点検をいたしております。これは完全なオーバーホールを行う、センサー等につきましては掘り返しをやる、こういったことも含めまして点検をする、こういうことでいろいろな観点から、しかもそういった期間を設定いたしまして、慎重に器械の正確性を担保できるような点検をいたしておるところでございます。
○山花委員 いまの御説明で点検を担当している方についての御説明がちょっと欠けておったように思いますが、これは器械の問題でありますから、警察の皆さんが直接いろいろこの器械の整備、保全、故障修理というものについてすべてしているということではないのではないでしょうか。言葉は悪いかもしれませんけれども、ほとんどメーカー任せという部分がたくさんあるのではないかというように伺っているわけですが、その点はどうでしょうか。 それから、そういう形で一日置きの点検から始まってずっと点検しておりますと、実際にこの器械が作動している期間が年間どれぐらいかということにつきまして、これまた先ほどのあちこちの裁判にあらわれた例では、一言で言いますと三分の一、三百日のうち百日、この程度が器械の作動の日数であるというような記録も私拝見したわけでありますけれども、大体どのぐらい休んでどのぐらい動いているのかということについても、関連してお伺いしておきたいと思います。
○矢部説明員 お答えいたします。 点検の実施に当たりましては先ほど日常点検は担当する警察官でやるわけでございますが、あと一カ月点検あるいは六カ月点検、一年ごとの精密点検、こういったものにつきましてはこれはメーカーと申しましても、メーカ任せではございません。もとよりそれに習熟した担当いたしております警察官、これが一緒に入りまして、そしてそれぞれのサイドで見ていくということでございます。 それから、この器械がどれだけ動いておるのかということでございますが、私ども承知いたしておりますところでは、ほとんど稼働しておる。おおむね九五%ぐらい稼働しておるんじゃないかというように承知いたしております。稼働しないというのは、たとえばいま申し上げました点検を行うとかそういう若干の例外、もちろん若干の故障もございますが、そういったものを除きましてはおおむね稼働しておるというように承知いたしております。
○山花委員 この稼働率につきましても御説明は九五%、五%ぐらいは整備、点検その他の事情からストップしているところもある、こういう御説明のようでございますが、先ほど私が申し上げましたとおり各現場の警察官のお話によりますと、大体全体の三分の一、三百日のうち百日ぐらいである、こういうように実は伺っているので、大変その点食い違いを感ずるわけですが、一つには問題として、実際設置しているようだけれども中身がないという、まあダミーと言われておりますけれども、こういうものも大分あるんじゃないでしょうか。大体本物とダミーの数というのは一体どのぐらいあるのか。そういたしますと、そういうのを外して、本物についての稼働率ということで考えなければいけないと思いますし、本物というと言葉は悪いかもしれませんけれども、それについての稼働率につきましてはきちんと稼働日数などについて全二十四基につき統計がとられているのかどうか。先ほど別の件についてはサンプルというお話もありましたけれども、その点はどうなのかということについて、あわせて御説明をしていただきたいと思います。
○矢部説明員 お答えいたします。 先ほどおおむね九五%方と稼働率を申し上げましたが、これは全国的に私どもで見ました数値でございます。なお、これについて非常に低い、実際はそれ以下ではないかということにつきましては、これは個々的に見ました場合にはそれは若干の事情がございまして、アンバラはあるかもしれません。私は全体としての承知いたしておるものを申し上げたつもりでございます。このいわゆるダミーと申しますか補助ボックスというものでございますが、これにつきましては、いわゆる設置路線につきまして本体をそこに移すということによりまして効率的な運用を図るという目的のために設置されておるものでございます。したがいまして、そういった補助ボックスを設けておる部分につきましては、当然そういったものも考慮に入れました上での稼働率ということにつきまして申し上げたわけでございます。
○山花委員 補助ボックスの方は幾つぐらいあるのか、概数でも結構ですから、ひとつ教えていただきたいと思います。 同時に、こうしたオービスIIIによる取り締まりの実態ということに関連いたしまして、全体の交通違反の件数の中でスピード関係というのは大体どれくらいあるか。同時に速度違反についての検挙件数の中で、取り締まりの方法別にある程度統計がとられているのではないかと思いますが、レーダーやスピードメーターのように定置式のものとかあるいは白バイ、パトカーなどの追尾したものとか、あるいはオービスIIIを利用したもの、こういうことでもし全体の概要が御説明していただければと思います。
○矢部説明員 補助ボックスにつきましては、二十一基ということでございます。 なお、速度取り締まりの総件数でございますが、これは昨年中の取り締まり件数が約四百十万ということでございまして、全取り締まり件数が約一千九十万でございますから、三八・五%というのが占める比率でございます。 なお、この取り締まり件数につきまして、いろいろ取り締まりの方法があるわけでございます。たとえば白バイとかパト等による取り締まりという手法が一つでございます。次にはこういったものを除きましたいわゆる定置式の速度取り締まりという方法でございます。そしてさらにはいまお話しになっております速度違反の自動監視装置による取り締まりという手法がございます。 なお、これらの内訳につきましては正確には分類したものを持っておりませんが、これは私の感じで申し上げて恐縮でございますが、やはり占める比率といたしましてはこの定置式取り締まりそれからパト、白バイによる取り締まりというものが大半を占めておる。あとごくきわめてわずかな部分が、これは先ほど取り締まり件数で速度違反自動監視装置については六千五百六十九件と申し上げましたので、これでいきますと、速度取り締まり件数で占める比率は〇・一六%ぐらいになろうかと思いますが、これが無人速度取り締まり装置による速度取り締まりの占める比重ではなかろうか、かように思っております。
○山花委員 いま御説明いただきましたオービスIIIによる立件の件数六千五百六十九と伺いましたけれども、歴年五十一年、五十二年、五十三年はどうであったのか、関連してこれもちょっと御説明していただきたいと思います。あわせまして、たとえばそうしてオービスIIIによって立件されたものの中で自家用と営業用の別でありますけれども、これもある程度整理されているのではなかろうかと思いますが、その点も加えてひとつ御説明いただきたいと思います。
○矢部説明員 お答えいたします。 年度別の取り締まり件数についての御説明でございますが、昭和五十一年が六百八十件、昭和五十二年が二千十八件、五十三年が三千七百三十七件、そして五十四年が先ほど申し上げました六千五百六十九件ということでございます。 なお、この車種別の検挙状況つまり自家用、事業用の別でございますが、五十四年中の取り締まり件数六千五百六十九件について見ますと、自家用が占めるのが五千五百五十八件で八四・六%でございます。これに対しまして事業用の取り締まり件数が千十一件ということで一五・四%、つまり自家用が八四・六%、事業用が一五・四%ということでございます。さらにこれを乗用車、トラック別に申し上げますと、これは構成比だけで申し上げますと、乗用車につきましては自家用の取り締まり件数の占める比率が七二%、これに対しまして事業用が一二・二%。次にトラックでございますが、自家用の占める構成比が一二・六%、事業用が三・二%ということでございます。
○山花委員 さて、いままで以下の質問の前提になる基礎的な資料について伺ってきたわけですけれども、こうしていまの御説明の中から明らかになりましたとおり、満四年たって特にこの一年二倍半という増加を示しているオービスIIIについては、その性能の面から見ましてもやはり幾つかの問題があるのではないかというように考えざるを得ません。実はこうした器械が外国で開発されたということでありますが、外国では、ヨーロッパにおきましてもアメリカにおきましても、こうした形でのスピード違反取り締まりということはしていないのではなかろうか。特に私どもが伝え聞いているところでは、アメリカにおいては幾つかの州において採用しようとしたけれどもだめであった、あるいは現実に採用したけれども国民の反対にあってこれがだめになった、中止をしてしまったというようなことについても聞いているわけでありますが、外国では採用しようと思ったけれどもできなかった、あるいは一たん採用したところでもやめてしまっているという現状ではないでしょうか。この点について、もし諸外国のこの種事例について調査した機会がおありになるかどうか、あるとするならばその結果がどうであったのかということについてお返事をいただきたいと思います。
○矢部説明員 お答えいたします。 御質問の、現在わが国で使用しているような速度違反自動監視装置と同じようなものについて外国で使用しておるということについては承知いたしておりません。ただ、一部の国で使った、これは同じものではございませんけれども、そういったものにつきましてやめた理由につきましては、たとえば費用対効果の問題であるとか、あるいはフラッシュが、パテントとかいろいろ問題がございまして、白色灯であって、夜間ドライバーを非常に眩惑するから、そういう面で技術的に問題があるということで別の方法をとっておるということは聞いたことがございます。
○山花委員 外国で採用したけれども中止になった理由ということについては、われわれの知っている限りでは、いま御説明されたこともあるかもしれませんが、同時に、こうした器械によって日常的に自分たちの行動が監視される、管理されるということに対する反発が大変強いということから、人権擁護団体の運動がありあるいは運転者の側の反対の動きがあったというように聞いておるわけでありまして、どうもその辺は調べ方が違うのではないかという気もいたしますけれども、その点は一つの理由の関係でありますから、結論としては外国においては採用されたものがない、こういう状況もあるわけでして、そういう中で従来から問題となっておりました幾つかのテーマにつきましてはここで改めて議論し直していただく必要があるのではないか、これが私の問題提起であります。 冒頭、四十七、八年、導入段階におきまして器械の関係の二つ三つの問題点あるいは運用をめぐりましての六つほどの問題点について十分検討をした上で決断をされた、こういう御説明はいただいているわけでありますけれども、この点について最近の裁判例なども踏まえまして改めて検討していく必要があると私は考えるわけであります。当時の検討の中にもあったところだと思いますけれども、こうした写真撮影と肖像権、プライバシーの問題につきましては、最高裁判所の最も適切な判例として昭和四十四年十二月二十四日の大法廷の判決があります。この判決におきましては「憲法一三条は「すべて國民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に對する國民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の國政の上で、最大の尊重を必要とする。」と規定しているのであって、これは、国民の私生活上の自由が、警察権等の国家権力の行使に対しても保護されるべきことを規定しているものということができる。そして、個人の私生活上の自由の一つとして、何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態(以下「容ぼう等」という。)を撮影されない自由を有するものというべきである。これを肖像権と称するかどうかは別として、少なくとも、警察官が、正当な理由もないのに、個人の容ぼう等を撮影することは、憲法一三条の趣旨に反し、許されないものといわなければならない。」、プライバシーの問題につきましてまず原則を確立いたしました。そして一定の理由がある場合にはこうした人権についての制約もあり得るであろう、こうした判断を示す中で、厳格な条件を提起してこの写真撮影と肖像権の問題について判決を出しているわけであります。一体その許容される限度はどうなのか。最高裁の判決によりますと、一身体の拘束を受けている被疑者の写真撮影を規定した刑訴法二一八条二項のような場合のほか、次のような場合には、撮影される本人の同意がなく、また裁判官の令状がなくても、警察官による個人の容ぼう等の撮影が許容されるものと解すべきである。」このように判断を進めまして、「すなわち、現に犯罪が行なわれもしくは行なわれたのち間がないと認められる場合であって、しかも証拠保全の必要性および緊急性があり、かつその撮影が一般的に許容される限度をこえない相当な方法をもつて行なわれるときである。」こうした条件を対しましてこの写真撮影の問題についての最高の見解が打ち出されたわけであります。警察庁の方におきましてもこの問題につきましては検討された上で先ほどのオービスIII導入を決定したということだとは思います。しかし現実にこの問題についてのその後の幾つかの下級審の裁判の例を見ましても、改めてこの問題につきまして、私の把握している限りにおきましては、この最高裁がつけました三つの条件のうち、現行犯問題もあります、それから必要性、緊急性の問題もありますけれども、相当性というところをめぐっていろいろ議論がなされているわけであります。そうした中で特に最近の下級審の裁判、そういう判断については検討されているでしょうか。検討されているとするならば、そうした最近の裁判の傾向に照らしましてこのオービスIIIの採否あるいは今後の運用につきまして何か検討されているところがあるのかどうか、こういう点についてお伺いしたいと思います。
○矢部説明員 お答えいたします。 この無人速度違反自動取り締まり装置、これにつきましては、これを設置いたしますには、場所といたしまして吟味をいたしておるわけでございます。つまり非常に無謀な速度で走行をしてもらうと困る、死亡事故を初めといたしまして非常に事故が多い、しかもこれが速度違反、暴走運転に連なるような比率が非常に高い、こういうようなところでございます。それからもう一つは、沿線の住民の騒音、振動についての苦情が非常に高いというところを重点にいたしておるわけでございます。この沿線の問題につきましては、たとえば都内であれば環状七号線、あるいは兵庫県の国道四十三号線、あるいは愛知県の岡崎、国道一号線というところでございますが、こういったところにつきましてはせめて夜だけでも眠れるような状態にしてもらいたいという地域の住民からの騒音対策の強い要望がございます。事故もございます。環状七号線など、設置いたしておりますが、これにつきましても速度違反取り締まり装置を増設してもらいたいという請願がなされまして、これにつきましては超党派で紹介をされておる、そういう経緯もございます。 そういうようなことで、いわゆる事故防止上あるいは騒音、振動等、地域住民の平穏を守る、こういったようなところにしぼりまして、しかもこういった道路は最近高速道路を初めとして相当スピードの出る道路が多うございます。こういう幹線道路でしかも夜間も交通量が落ちない、こういうところになりますと、夜も昼もパトカーとか先ほど申し上げました白バイとかあるいは定置式の取り締まりでは対応できない、危険もある、あるいは雨降りもございます。しかしながら地域の住民の要望あるいは重大事故の多発という状況がございます。したがいまして、そういう場所にしぼりましてこれを設置するということでございます。これにつきましての先ほどの最高裁の判例等、お示しがございましたが、この肖像権の問題等につきましても私どものところでも十分検討いたしまして、これで何ら問題はないということで現在これによる取り締まりを行っておるというところでございます。
○山花委員 ちょっと質問と回答がずれた部分もありますのでなお一言つけ加えてお伺いしておきたいと思うのですが、申し上げました下級審の判例の中で一番新しいのは本年の一月十四日の東京の簡裁の判決で、これは皆さんも十分検討されているところではないかと思います。最高裁の判決を受けた中でこれまでのオービスIIIの運用の実態についてかなり詳細な調査をした上でこの判決は、結論は五万円の罰金ということでしたけれども、理由の中で問題点について触れております。そこでは「捜査機関がオービスIIIを用いて速度違反を取締るにあたり無制限に運転者を撮影するという事態に至れば、国家機関としての捜査権とオービスIIIによつてつねに監視されなければならない国民の基本的人権との比較衡量において、国民の基本的人権である肖像権、プライバシーの権利が捜査権によつて侵害されるおそれがあるとの誹りを免かれないものと考える。従つてオービスIIIの設置場所や速度違反を取締る走行速度のセットの基準については慎重な配慮を要するものというべく、設置場所にもよるが、制限速度を多少超えた程度にセットして写真撮影することは相当ではないものと言わなければならない。」こういう判断をいたしまして、たとえばセットの仕方、一年ほど前のこの委員会におきましては、二十キロとか何キロだ何キロだと数字も出ておりましたけれども、一定の限度以上にすれすれのところにあった場合にはこれは憲法問題も起こってくるという指摘だと思いますけれども、まずこうした判断につきましては、これは裁判所、でたらめを言っているんだというふうにはお考えにならないと思うわけですが、これを尊重して具体的に運用するというようなことについて議論されておられるかどうか、この点はいかがでしょうか。あるいはこのセットの仕方ですけれども、大体最低これぐらいはオーバーしてこういう判例に抵触しないようにセットしているんだということについての基準がありましたら、ひとつ御説明いただきたいと思います。
○矢部説明員 お答えいたします。 この速度のセットについての御質問でございますが、これはいわゆる道路の条件であるとかあるいは車の流れとか交通環境であるとか、夜昼の別、あるいは季節的な要件、いろいろございまして、じゃどれだけで取り締まるんだということについては、これは個別に判断すべき問題でありまして、基準とかそういうものではなかろうと思います。ただ、この無人自動速度監視装置を設置しますゆえんのものは、先ほど申し上げましたように高速を初めといたしまして非常に幹線道路ができてきた。しかも夜昼交通量が多い。そこで通常の白バイ、パトなりレーダー定置式による取り締まりだけでは不十分である、対応できないというところで、しかも事故が多い地域の住民の要望も高い、こういう設置条件を備えたところでございますので、いわゆる超過速度が高いようなもの、こういったものを重点として取り締まりをやっておる、こういうことでございます。
○山花委員 残り時間少なくなりましたので、論点を整理しまして忘れないために一つだけ伺っておきたいと思うのですが、オービスIIIによる写真撮影というのは捜査の手続からいいますと任意捜査でしょうか、それとも強制捜査ということでしょうか、どちらを前提として捜査上取り扱っていらっしゃるのでしょうか。 〔委員長退席、有島委員長代理着席〕
○矢部説明員 このオービスIIIによります捜査は、いわゆる写真撮影をいたしましてこれをもとにいたしまして証を得て人を求めるという形でございまして、刑事訴訟手続によりますところの任意捜査でございます。
○山花委員 いまお話しした任意捜査であるということを前提としますと、本人の承諾、同意の問題が当然出てくるのが捜査における手続の、原則だと思います。加えて、私どもこの問題につきましては一つのオービスIIIをめぐる議論の流れは、いわゆる交通取り締まりが従来のまさに取り締まりのための取り締まりということであってはならない、道交法改正の経過の中でも明らかにされたとおり、あくまでも交通安全、そのことに重点を置かなければならないという全体の傾向が強まった中で、道交法改正に当たりましての国会の決議など振り返ってみましても、たとえば八十四国会における参議院の方の附帯決議に詳しいのですが、九項に「交通の指導取締りの適正を期するため、警察官の資質の向上に努め、いやしくも「取締りのための取締り」とならぬよう周到な配慮を行うこと。」など国会の要望も出され、加えて昭和四十二年には、一般に四二通達と言われているようですが、私どもきょうそれを伺うだけの時間がなくなりましたけれども、こうした問題については道交法改正に当たって、法運用の留意すべき問題点として部内でもそれぞれの通達がなされていると伺っております。一つの流れとしてはこうした取り締まりのための取り締まり、いわばわなにかけるようなことがあってはならないということが従来から議論されてきた中でオービスIIIの採用があり、この四年間を経過いたしました。その中で、先ほど幾つか問題にいたしましたとおり器械の問題、性能の問題、捕捉率の問題等、すべてに国民に対して平等にこのオービスIIIが作動しているということでもない、こういう状況の中で、いま一度検討し直していただきたい、こういう声が強まっているわけであります。 加えて、この問題につきましてはもともとが器械によって国民を日常的に監視するという本質を持っておりますので、その意味におきましてはそうした管理社会的な傾向に抵抗をする今日の段階での民主主義の熟成度のもとにおける国民の反発、感情、人権感覚、こういう問題も最近では大変強調されてきているところでありますし、私もいろいろお伺いした中ではそうした問題は大変重要ではなかろうかと思います。冒頭ありましたとおり、この一年間で二倍半になったということでは大変心配です。結論として、この問題については、全体のスピード違反取り締まりの形態からいきましても〇・何%ということであるとするならば、できるならばオービスIIIについてはやめていただきたい。やめていただくということが直接直ちには無理だとするならば、ある程度今日の段階を試行過程として、一つの皆さんの側での立場もあるかもしれませんけれども、これを拡大するというようなことについては少なくともやめていただきたい。 第三番目に、この問題についてきょうも幾つか問題提起いたしましたけれども、改めて四年前の時点に戻って、採用したときはこうだったけれども、これまで四年間の採用の経過の中で新しくこういう問題が出てきたということで、部内におきましてもぜひ御検討し直していただきたいということをお願いいたしまして、以上の点についてお答えをいただいて私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○矢部説明員 お答えいたします。 ただいま先生御質問ございましたいわゆる取り締まりのための取り締まりということにつきましては、これはもう従来からもそういったことがないような方向で参っておるところでございます。今後ともこれは同じ方向で進めてまいりたいと思います。 ただ、オービスIIIを初めとする無人速度取り締まり装置につきましては、これは取り締まりの必要がある、こういう方法によらなければいわゆる重大事故の防止も図れないし、地域住民の切なる声にもこたえられないというような条件のところにしぼりまして設置をいたしておるものでございますので、私どもはこれを取り締まりのための取り締まりの場所として設置しておるようには理解いたしておりません。そういうようなことで、今後におきましても十分に個々具体的に場所を検討いたしました上で、必要な場所につきましては、これを整理した上で適正な運用に努めてまいりたい、かように思っております。
○山花委員 いま、今日の段階での姿勢、方針としてはお伺いいたしましたけれども、なおきょうは時間の制約もありましたので、また改めていろいろ問題点についてお伺いしたいと思いますけれども、ひとつよろしく御配慮をいただきたいと思います。 きょうは終わります。ありがとうございました。
○有島委員長代理 次に、草野威君。
○草野委員 私は、自動車安全運転センター中央研修所、いわゆる交通安全大学、この問題について若干お伺いしたいと思います。 昭和六十年には自動車の免許証を持っておる者が五千万人に達する、このような国民皆免許の時代を迎えようとしているわけでございますが、そういう中で今回警察庁がこのような交通安全大学、大規模な交通安全の教育機関というものを着手されたわけでございます。その内容について何点かお伺いしたいわけでございますが、まず初めに、この大学の設立の趣旨、目的とか建設計画の概要、これらについて簡単に御説明を願いたいと思います。
○斉藤(隆)説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘もございましたように、今日四千万を超えるドライバーを抱えてまいった状況下におきまして、交通安全を図っていくためには、どうしても運転者対策がきわめて重要な課題でございますことは先生の御指摘のとおりでございまして、特にその中でも自動車教習所における初心運転者の教育充実の必要性の問題、さらに企業等におきます安全運転管理の専門家をいかに養成していくかという問題、さらに緊急自動車等の特殊な車を運転する人たちに対する体系的な教育訓練の必要性、また青少年運転者に対する安全教育の体系化及び教育の専門家の養成の必要性などがまずあるわけでございますが、これらの要請を満たす教育訓練等の公的な施設は残念ながら現在のところないというような実情でございまして、民間の施設によってその一部が実施されておるというのが現状でございます。 したがいまして、この種の教育というものは一元的かつ体系的に行われる必要があるという観点から、今後の運転者対策を推進していくために、いま御指摘ございましたいわゆる交通安全大学校の設置がぜひとも必要であろうというふうに考えておるわけでございまして、このいわゆる交通安全大学校というものは自動車安全運転センター中央研修所を設置するわけでございますが、その計画の概要を申し上げますと、敷地面積は約百五十ヘクタールほど、それから施設を建築するに要する費用は約百十億円ほど、その研修対象者としては、先ほど設置の趣旨で申し上げましたように、自動車教習所の技能検定員とか、技能指導員また企業の安全運転にかかわっておる方、また緊急自動車の運転者またその指導者、さらに青少年等の交通安全教育に携わる指導者の方々という方々に対して、年間、いまの私どもの計画ですと七万五千人ほどを研修をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、その研修施設としては、研修棟とか調査研究棟のほか、事柄の性質上、運転実技訓練コースとして高速周回路、これが約五キロほどを予定しておるわけでございますが、それとか、中低速周回路、スキッドパン、不正常路、模擬市街路等を設けた施設をつくってまいりたい。 なお、これに要します年月としては、土地が決まりましてから建設にかかっても約五年はかかるのではなかろうかというふうに私ども現時点で考えており、計画をしておるわけでございます。
○草野委員 そういたしますと、建設する場所またその用地の確保、こういう点はどういうふうになっておりますか。
○斉藤(隆)説明員 わが国のいわゆる安全運転教育の中核の施設としてこれを位置づけておりますので、首都圏に設けたいというところで、先ほど来申し上げましたような立地条件を満たす土地といたしまして、私どもは現在水戸にございます旧水戸対地射爆場跡地の使用についてお願いをしておるところでございます。
○草野委員 その用地の確保の問題でございますけれども、現在見通しは立っておりますか。
○斉藤(隆)説明員 ただいま御説明いたしましたように、私どもは水戸の射爆場跡地に立地を希望しておりまして、そのため大蔵省及び国土庁に対しまして、跡地の利用計画にこの計画を含めていただくよう要望をいたしておるところでございますし、また地元に対しましても、この中央研修所の設立について協力が得られるように働きかけを行って、お願いをしておるところでございます。
○草野委員 国土庁の方いらっしゃいますか。――お伺いしたいと思いますが、ただいま警察庁の方から用地の問題で水戸の射爆場跡地、こういうようなお話がございましたけれども、この用地の払い下げ問題につきまして、地元の方からも利用計画等が出されているわけでございます。こういう中で、いまの警察庁が希望している約百五十ヘクタールという用地の確保の問題について、国土庁としては現在どのようなお考えをお持ちか、まずお伺いしたいと思います。
○平野説明員 ただいま警察庁の方からもお話がございましたように、水戸対地射爆場跡地に立地要望が出ております。この水戸対地射爆場跡地の利用計画に関しましては、最終的には国有財産中央審議会に諮って決定されることになるわけでございますけれども、国土庁といたしましては、首都圏整備の観点から地方公共団体、関係機関の要望を配慮いたしまして本跡地の利用計画について現在検討中でございます。自動車安全運転中央研修所につきましても、この中で総合的に検討を進めているという段階でございます。
○草野委員 そういうことで、用地の決定の見通しがつくまではまだまだあるようでございますけれども、この射爆場の跡地につきましては戦前からいろいろな問題があるわけですね。特に昭和十三年ごろだと思いますけれども、軍から半ば強制的に収用された。そして戦争が終わったら今度は米軍に接収された。また誤爆事件等が起きまして何人かの死者も出ている。こういう中で昭和四十八年に返還されたわけでございまして、地元としては、この際、できるだけ地元の発展につながるような跡地利用をしたい、こういうような考え方を持っておるようでございます。したがって、警察庁といたしましても、また国といたしましても、この跡地の問題については地元のメリット、特に経済的なメリット、また雇用問題こういうことを踏まえまして地元との折衝、また地元の理解、こういうことにかなり力を入れてやっていかなければなかなかこの問題も決定がむずかしいのではないだろうか、こういうような考え方を持っております。新聞等によりますと、茨城県は交通事故多発県であるのでそれ相当のメリットがある、歓迎をする、こういうような記事も出ておるようでございますけれども、しかし私もいろいろな調査を行った結果、地元としてはまだまだかなり消極的な考え方の方が強い、こういうような感じがしております。したがって、その地元に対する理解を深める努力、こういうものについてもう少しやらなければならないのではないか、こういうような感じがするわけでございますが、こういう点について警察庁はいまどういうような考え方をお持ちでしょうか。
○斉藤(隆)説明員 お答え申し上げます。 この施設が完成し、われわれの意図した形で十二分に機能させていくためには、地元の方々にも歓迎していただけるといいますか、先生御指摘のような形で完成していくことがわれわれとしてもきわめて望ましいことでございますので、この総合研修所の建設の過程におきまして地元の方々にわれわれの意図するところ等を十二分に御理解をいただく努力も、御指摘のように今後ともさらに続けてまいらなければならないというふうに考えております。またこの施設ができました暁には、いま先生御指摘のように茨城県は不幸にして事故率もかなり高い方の部類の県でございますので、そういった地元の運転者の方々の安全運転意識の高揚、さらには具体的には地元運転者に対する研修機会の優先的付与といったような点について、われわれの施設の可能な限りそういう面での配慮も進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 〔有島委員長代理退席、委員長着席〕
○草野委員 では次に、この大学の性格的なものになると思うのですが、地元のメリットに対して、たとえば地元の運転者に優先的に付与するというようなお話がございました。この大学が完成されますと、どういう運転者の人たちの研修を主にやるのかという問題ですね。 いただいた資料によりますと、専門家及び特別の運転技術を有する運転者の養成ということになっているわけですね。これから見る限りでは、あくまでもごく一部の専門家また緊急自動車等の特別の運転者の養成というふうにとらえるわけでございますが、それでよろしいわけでございますか。
○斉藤(隆)説明員 お答え申し上げます。 中央研修所の性格として、いま先生から御指摘ございましたように、一般のドライバーの教育指導に当たられる方々が主力になるであろうということはそのとおりでございます。
○草野委員 そういたしますと、茨城県から出ております資料等を拝見いたしますと、訓練対象者として、まず一番初めに緊急自動車の運転者、その次が旅客自動車の運転者、三番目に高速道路を業務上使用する運転者、その次に自動車教習所の指導員等が出ております。 いまのようなお話からいきますと、県から出ている資料を見るとちょっと違うように思うわけですね。県の資料によると旅客自動車の運転者というのですからバスとかタクシー、そういう運転手さんの研修がまず主になるのではないかというような感じがするわけです。いまのあなたのお話によりますと、そういうところの指導者、こういう専門家の養成が中心になるのだということで、ちょっとこの性格がよく理解できないのですが、その点はいかがですか。
○斉藤(隆)説明員 いま先生が県の方からの資料だとおっしゃられたのは、実は私は初めてお聞きしたわけでございまして、私どもが考えておりますのは、先ほどもお答え申し上げましたように、まず運転指導者の養成、具体的に申し上げますと自動車教習所の技能検定員とか技能指導員あるいは安全運転管理者、さらには安全運転教育に携わっておられる学校の先生方、あるいは緊急自動車の運転に携わる人といったようなところを中心に考えておるわけでございますが、施設等で日曜日とかその他の関係ではその地元の方々のそういう御要望に応じて開放するとか、また短時日の一般の地元の方々に対する指導といいますかコースというものも設けていくことも可能であろうというふうに考えておりますが、主眼はただいま申し上げたような形で現在計画をしておるわけでございます。
○草野委員 そういたしますと、主眼の方はそういう専門家、指導者の養成、こういうことですね。自動車安全運転センター法の二十九条一項四号に定められております「運転免許を受けた者で」云々のこの運転者はどういう人たちを指すのですか。それから、その後半に「又は運転免許を受けた青少年に対し、その業務の態様に応じて」云々と出ておりますけれども、これはどういう業務を指すわけですか。
○斉藤(隆)説明員 センター法の二十九条四号の方では希望される一般の運転者も当然含まれるわけでございます。しかしながら私どもがいま大綱として御説明申し上げたのは、そういう形のものも進めていくけれども、全体をよくしていくためにはそういったドライバーを養成する人々の何といいますか先生方についてまず第一次的に手をつけていきたいという気持ちが強く働いておるということでございます。
○草野委員 後の青少年の方の問題はどうなんですか。
○斉藤(隆)説明員 青少年一般も入るわけでございます。すべて入るわけでございます。
○草野委員 「青少年に対し、その業務の態様に応じて必要とされ、」云々と出ております、その業務の態様とはどういう業務を指すのですか。
○池田政府委員 ただいま交通企画課長の方から、研修の対象者としてまず第一に優先的に考えられるものとして、自動車教習所の技能検定員及び技能指導員、あるいは企業の安全運転に関する指導者、あるいは緊急自動車の運転者及びその指導者という一つのグループを申し上げたわけでございますが、そのグループがこの法律で申し上げます運転免許を受けた者で、自動車運転に関し高度の技能及び知識を必要とする業務に従事する者という一つのグループでございます。 それから二番目のグループといたしまして青少年等の交通安全教育の指導者ということも申し上げたと思いますが、指導者を含めまして青少年の安全な運転の教育のための施設でございますので、その青少年対象のものが二つ目のグループでございますが、その「業務の態様に応じて必要とされ、」と申します文章は第一段のグループにかかわる説明でございます。先ほど申しております技能検定員でございますとか緊急自動車の運転者でございますとか、そういうものに必要なことをやる、こういうことでございます。後の「又はその資質の向上を図るため」といいますのは、主として後段の青少年が中心でございますけれども全体にも係る、こういうことでございます。
○草野委員 そうしますと、ちょっと繰り返すようですけれども、この大学の性格をもう少しはっきり理解するために伺うのですけれども、二十九条の中に書かれている運転者というのは、緊急自動者の運転者並びに自動車練習所の指導員、検定員、また安全運転管理者、そういう人たちを主にするということであって、一般のプロのドライバー、バスとかタクシーとか、こういうものは原則として入らない、このように理解するわけですか。
○池田政府委員 先生最初に御指摘いただきましたように、通称大学校という名称であらわしておりますように、一番最高の技能等を必要とするものをもちろん中心にするわけでございますけれども、その優先順位と申しますか、いままでございますのは初心の運転者に対します教育というものがあって、これは免許を取ってしまうとそれ以降の教育というものにつきまして必ずしも十分でない、こういうことでございますので、理想といたしましては、大学校的なものができますと、たとえ話で恐縮でございますけれども、その下に高等学校的なものがもちろんできて、それが全国に広がるということが理想であろうかと思います。 ただ、まず第一段として考えますのは、全国にとりあえず一校建設するわけでございますので、大学的な色彩のものをつくる。しかし、もちろんそれはトップの人だけをつくるということではなくて、その業務の態様に応じて、たとえばいま御指摘ございましたとおり、高度の技能を要しますバスあるいはタクシーのドライバーの方等の要請があればできる限りそれに応ずるようにしたい、こういうことでございます。さらには、最初交通企画課長が申し上げましたように、正規の課程としてはいろいろなものをつくりましても、せっかくこれだけの施設をつくるということになりますと、たとえば月曜から金曜までが正規の授業だといたしますと、その他の土、日という場合もあるわけでございまして、そういうようなときには施設というものはこの大学の性格から考えましてできるだけ一般開放と申しますか、特に地元の方等には有効にお使いいただくように運営を考えていく必要があるんじゃなかろうか、こういうふうに思っておるわけでございます。
○草野委員 いまの局長のお話の中で、まず中央に大学を一つつくるんだということでございますが、それではこの大学が完成しますと、今度順次地方にもこのような研修所、大学をつくるというお考えですか。 もう一つは、これも繰り返すようでございますが、地元の県は、先ほど申し上げましたように、この資料を見ますと、旅客自動車の運転者等が非常に優先されて練習できるような感じがするわけですね。いまの皆さんの話を聞いていると必ずしもそうじゃない。たまに休みの日に利用できる程度のことであって、当分の間は直接訓練を受ける機会はないということですね。これは県に対して非常に誤解を与えるのじゃないかと思いますので、このようなことは県に対しても訂正方を話しておいた方がいいんじゃないか、後でまた問題になるといけないと思いますので、いかがでしょうか。
○池田政府委員 ただいま申し上げましたように、まず専門家、特に教育の専門家をつくるということを主眼にしておりますので、今度はそういった教育を受けられました専門家の方がそれぞれのところにお帰りになりましてまたその下の教育に従事していただくということになろうかと思いますので、先ほど申しましたように高等学校的なものが物理的にもできるのは大変望ましいと考えておりますけれども、現在のところ物理的な施設としてそういうものをたとえばブロックごとにつくるといったような計画はございませんが、その貴重な経験を生かしていただいて、それぞれの持ち場あるいは民間の施設等を利用してよりまた研修の幅を広げていただく、こういうことを期待しておるわけでございます。 それから、最後の御指摘の点につきましては、私どもあるいは御説明不足の点があったかと思いますけれども、いま申し上げましたような趣旨でつくっておりますけれども、それは何も高級のものだけを教育してその他のものを排除する、こういうことではございませんので、できる限り希望される方には門戸を開いていくような運営を図るということをモットーにして考えてまいる、こういうことでございます。
○草野委員 では次に、中央研修所の組織、それから研修の内容、こういうものについて、できない前からこういうことを聞いてはどうかと思いますけれども、現在まで考えられているようなことにつきましてひとつ御説明いただきたいと思います。 まず組織の点でございますが、中央研修所は研修部と研究部と教務部、このように三つに分かれておりまして、研修部の中はさらに四つに分かれて、運転指導者養成科、安全運転管理者養成科、安全教育指導者養成科、緊急自動車運転者養成科に分かれておりますが、まず各養成科ごとに研修期間というのは原則として何日に定められているのかという点ですね、それから各養成科ごとに一年間に実人員で何人ぐらいの人を卒業させるのか、この点について御説明いただきたいと思います。
○斉藤(隆)説明員 お答え申し上げます。 いま先生御質問の中に御指摘もございましたように、現時点では私どもの計画の規模ででき上がるという前提のもとに一応の計画をつくっておる段階でございますので、それをまずもって御了承いただきたいと思うわけでございます。 まず研修の期間等につきましては、一番短いもので三日程度から一番長期のもので二十日程度は要するのではなかろうかということで、実は安全運転センターの方でそれぞれの、いま先生の御指摘もございました養成科ごとに教えるとするとどういう中身のものを教えなければならないか、そのためにどれだけの期間を要するのかというところをことし一年かけまして具体的に詰めをやる予定にいたしております。その結果若干変動があろうかと思いますが、私ども一応考えておりますのは、運転指導者養成科には大体一週間程度、それから緊急自動車の養成等につきましては大体十日、その指導者については二十日ぐらいの期間を要するのではなかろうかという考えを持っております。また、年間に実人員でどうかということでございますが、建設を予定されております宿舎等との絡みで見まして、運転指導者養成科に大体千三百人ぐらいを、また安全運転管理者養成科について約千百人ほどを、安全教育指導者養成科について百人ほどを、それから緊急自動車の関係で約三千人ほどを養成してまいるような形で運用していきたいというふうに現時点では計画をいたしておるという状況でございます。
○草野委員 研修期間が大体最低で三日から最高で二十日ぐらい、こういうお話でございます。それから実人員で見ますと年間の卒業者がいまお話あったとおりでございます。これでいきますと、たとえば運転指導者千三百人ということでございますけれども、これの対象となる指定自動車教習所の検定員が九千六百人、それから同じく指導員が三万人、こういう計算でいきますと、これはもう二十年たったって全部終わらぬわけですね。これはずいぶん気の長い話だなという感じがするわけです。同じく安全運転管理者千百人ということですが、全国の安全運転管理事業所数が二十一万八千カ所でございますので同じ人員がいるわけですね。これは一体いつになったら安全運転管理者全員に対してこのような研修を受けさせることになるのか、これも非常に気の長い話です。まして今度安全教育指導者については、これは学校の数はここに出ておるだけでも約四万一千校になりますので、一年に百人ずつといったら一体どういうふうになるのか、果たしてこんなことは意味があるのかどうか、こういうような考えも出てくるわけであります。それに比べますと、緊急自動車の運転手、これは恐らく警察官、民間を全部含めてでしょうけれども、二万八千四百人、それに対して三千人ずつですから、これは比較的効率はいいわけです。 これだけのことを見てきますと、初めのこの運転指導者、安全運転管理者、安全教育指導者、こういう人たちについては、確かにやることはやるのですけれども、ただやっているという名前だけであって、本当にこの人たちの養成を通じてこれからの日本の交通安全ということに果たしてどれだけ効果があるのか、こんなような感じもするわけでございますけれども、こういう点はいかがでしょうか。
○斉藤(隆)説明員 お答え申し上げます。 先ほど冒頭にもお話し申し上げましたように、私ども、こういう施設を設けてやっていく場合に、まず需要というのがどのぐらいあるのだろうかということから、いま先生が御指摘になりましたような形態を考えてみたわけで、その自動車運転教習所の指導員等のコースもできることならさらに広げたいという気持ちもあるわけでございますが、その辺が需要と供給、また、建設にかかりましても五年も先のことでございますので、そのときの状況を見て判断せざるを得ないという考えもございますので、当面そういう計画を立てておりますけれども、いま御指摘のような点等も踏まえまして、実施の段階については、さらに実情に合った、また、先ほど来お話の出てございます地元の方々の要望等との絡みもございまして、その時点で再度検討を重ねていくように進めてまいりたいというふうに思っております。
○草野委員 どうも細かいことばかり質問して申しわけないと思いますが、いまのあなたのお話を聞いていても、やはり何となく釈然としないわけです。ということは、この安全運転管理者を見ても、一年間に卒業する人が千百名ですね。全国で二十一万八千人いらっしゃるので、計算でいくと二百年かかります。だから、これじゃどうかと思うのです。もう少しこういうところは現実に即してお考えにならないと、これは絵にかいたもちになってしまうのじゃないですか。 それから、安全運転管理者は出ておりますけれども、道路運行管理者はなぜ書いてないのですか。道路運行管理者については何にもこれは触れてないのですね。ある意味で言えば、安全運転管理者よりも道路運行管理者の方が重要であるかもしれないわけですが、それについては何にも触れてない、こういう点が一つ。 それからもう一つは、安全教育指導者の中で、小、中、高の学校が対象になっておりますが、高等学校の先生はどういう研修をここで受けるわけですか。
○斉藤(隆)説明員 お答え申し上げます。 まず、御質問の第一点の運行管理者の問題につきましては、企業等の要望がありますれば、中央研修所の体制とか研修施設の収容能力等を勘案いたしまして、先生御指摘のように、安全運転管理者と、立場的といいますか、その社会的地位は同一でございますので、できる限り要望に沿った線で実施するよう検討してまいりたいというふうに思っております。 また、この安全教育指導者の中で、特に高等学校の先生方にどういう授業といいますか、教習内容が中心になるのかという御質問でございますが、これはまだ細部は詰めてございませんが、考えてみますと、国民皆免許時代と言われております今日においては、人間の生々過程に応じてそれぞれの、車社会といいますか、交通に関与する段階というものがあるのではなかろうか。端的に申し上げますと、小学校の低学年においては安全な歩行者という観点があり、高学年に至って自転車、中学生については自転車、また高校生等については原付とか二輪とか、またその高学年に至って四輪といったような形になってくるのではないだろうかというふうに考えてまいりますと、この高校の問題については、原付とか二輪とかといったような問題での安全指導という面が中心になるのではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。
○草野委員 いまの安全運転管理者等については、企業の要望によって云々と、こういうお話でございました。 そういたしますと、これは将来開校した場合に、企業の要望に応じて安全運転管理者がこういうところで研修を受ける、こうなってまいりますと、指定自動車教習所の検定員、指導員、こういう人たちも希望によって研修を受ければいい、このように理解してよろしいわけですか。 そういたしますと、こういうような学校を、かなりの日数をかけ費用をかけて卒業するわけなんですけれども、その場合の特典というのですか、卒業したらどういうような資格が与えられるのか、また逆に、こういうところを卒業しなければ指定自動車教習所の検定員になれないとか、安全運転管理者になれないとか、こういうことになるのかどうか、さっき運行管理者のことについてお話がなかったものですから、伺いたいと思います。
○斉藤(隆)説明員 お答え申し上げます。 まず、最初に私がお答えしましたのは、企業等の要望があればという意味で申し上げたのは、運行管理者の意味で申し上げたわけでございます、 それから、この研修所を卒業した者にどのような特典を与えていくのか、また、たとえて申し上げますとということで先生が例示に挙げられました、たとえば教習所の指導員だとか検定員にはここを卒業しなければなれないのかというような問題もございますが、ここの施設の収容能力、研修施設の能力にもおのずと、先ほど来お話がございましたように限界があるわけでございますので、ここを卒業した者でなければならないというふうにきめつけていくということはかなりの問題があろうかと思います。しかしながら、この施設を卒業した人たちには、特定の修了証書等の形でもって、そういう職につく場合の優遇措置といいますか、その審査の際に云々するといったような問題については、今後の課題として十分検討をしてそれに対応させていかなければならないものだろうというふうに私どもは現時点では考えておるわけでございます。
○草野委員 局長に伺いたいのですが、いままでいろいろと御説明いただきました。若干問題もあるように思いますけれども、大体その計画の概要も決まっているようでございますが、問題は、冒頭に申し上げましたこの用地の確保の問題です。この用地の確保の見通しというものは非常に暗いのではないかという感じを私はいま受けたわけでございますが、この用地確保のめどについて、ひとつ局長の方から御説明をいただきたい。 それから、国土庁の方に伺いますけれども、いま警察の方からいろいろと交通大学の中身について発表がございました。国土庁としても、この計画について、わが国の交通安全対策上ぜひとも必要である、もしこのようなお考えであれば、この用地の確保についてももう少し積極的に取り組んでいかなければ、いつになって完成できるかわからぬと思うのです。その前提として、これも冒頭に申し上げました地元の跡地利用構想ですね。私もこれは拝見いたしましたけれども、かなり内容はりっぱなものだと思います。こういうことを含めて、いま三分割問題もございますけれども、国土庁としてこの問題について今後どのように取り組んでいかれるか、お考えを伺いたいと思います。
○池田政府委員 私ども、土地の問題につきましてはお願いする立場でございますから、いろいろな情勢等を見ながら、御説明のできる点は十分御説明申し上げ、関係のところにも最大限の努力をいたしまして用地確保をしていただくようお願いしてまいるつもりでございます。 なお、先生いままでずっと御指摘ございましたとおり、実はこういった高度のと申しますか、あるいは初心者を卒業した段階での運転者の教育につきましてのまだまとまった体系がない、あるいはどうやったら一番効率的な安全運転が図れるのかという点につきましての系統立った教育の体系の整理がない、こういうことが一番問題でございますので、この研修所ができますまでの間、そういったソフトの面も十分専門家の方の御意見を聞きながら固め、それに即応した形で、いまもいろいろ問題点の御指摘ございました、コースの内容でございますとか期間の問題でございますとかカリキュラムの問題とか、そういうものを詰める。同時に、そこで教育を受けられました方とそれから実際仕事をやられます場合の資格といいますか、そういったものとの結びつきとか、今後検討してまいらなければならない点が多々ございますので、この点につきましては御趣旨を体しまして十分検討してまいりたいと思います。
○平野説明員 安全運転中央研修所の要望の内容でございますが、設置の目的から判断いたしまして、私どもといたしましては、交通事故の防止対策上は非常に重要な施設であろうというふうに考えております。ただ、現時点におきましては、水戸射爆撃場跡地に立地させるかどうかということを含めまして検討している段階でございまして、関係機関とも今後さらに調整をいたしまして、具体的な内容の詰めをできるだけ早く取りまとめてまいりたい。今後とも鋭意努力してまいる所存でございます。
○草野委員 次の問題に移るわけですが、その前に、いま局長からお話がございましたけれども、ソフトの面というよりもハードの面におきましては、少なくともこういう研修に来られる方は高度な技術を持っているわけですから、特にソフトの面の運用について、人間と社会の関係とか、そういうものにぜひとも力点を置いてひとつ教育をしていただきたい。私の要望でございます。 それから、国土庁からもお話がございましたけれども、確かに県としても射爆場跡地以外の候補地を具体的に考えているようでございますので、一体どうなるか、われわれもわかりませんけれども、どうかひとつこの用地の決定についてできるだけ急いで取り組んでいただきたいとお願いを申し上げたいと思います。 それから、これから消防庁の方に、交通事故に対する救急体制、こういうことで何問かお伺いしたいわけでございます。大変申しわけございませんが、保険関係のことできよう最後に伺うことになっておりますが、時間がもう間に合わないと思いますので、この次の機会にやらしていただきたいと思います。せっかくおいでいただいて申しわけございませんが、ひとつよろしくお願いしたいと思います。 消防庁の方に、交通事故に対する救急体制ということで何点か伺いたいと思います。 初めに、最近交通事故が非常に減少してきておりますが、反対に救急車の出場回数、搬送人員の増加、これが逆に非常に増加しておりますけれども、こういう現象はどのように見たらよろしいのでしょうか。
○中島(忠)説明員 二つに分けて御説明できると思います。 一つは、救急業務を実施する市町村が毎年ふえてきておりますので、救急取り扱い件数がふえておるということでございます。 もう一つは、すでに救急業務を実施しておる市町村におきましても、人的、物的に整備が進んでおりますので、いままでは自分で病院に行っておったけれども、この際救急車にお願いした方がいいだろうというような国民の認識の転換がある。そういうことで交通事故に係る救急の出場件数がふえておるというふうにわわれは見ております。
○草野委員 問題は、交通事故の際に救急車に乗せられて医療機関に行く。しかし、そこで転送が相変わらず多いわけですね。これは五十三年度の資料でございますけれども、転送された人員が九千人ほどいらっしゃいます。その内訳を見ますと、処置困難、専門外、こういう理由で四千六百二十人、五一%に上がっている。さらに問題点は、救急告示医療機関でありながら、この九千人のうち七千人もいらっしゃる、また国や公立の医療機関でも、このうち千七百二十五名も転送されている。 こういう現象を見ますと、やはり救急医療機関の不足という問題、さらにまた医療機器の問題、こういうものが考えられるわけでございますが、その他にも原因があるのでしょうか。
○中島(忠)説明員 御指摘の転送の問題というのは、私たち救急を担当しておる者にとりましても非常に重要な問題でございます。ただ、統計資料をごらんになりまして先生御指摘になりましたけれども、もう少し私の方から詳しく御説明申し上げますと、統計資料の上で転送というふうに書いてあるものは、いわゆる世の中で言うたらい回しに当たらないものが相当あるということでございます。交通事故で病院に搬送する場合に、私たちは現地の消防機関に対しまして、直近搬送、最も近くの病院にまず運びなさい、それが内科であろうとあるいはそれ以外の専門科であろうと、まずそこに運んで第一次の手当てをしてもらうようにしなさいということを指導しております。そうした後にさらに専門病院に運ぶ、それを転送というふうにわれわれは呼んでおるわけでございますけれども、そういう件数が相当数ございます。そういうことで、先生の御指摘になりますような数字がいわゆる世の中で言うたらい回しそのものではないというふうに御理解いただければというふうにお願いいたします。 それで、いわゆるたらい回しの問題でございますけれども、これを解消するためには二つの方策が必要でございます。 第一番目は、何といいましても医療機関側の対応が十分なされる必要があるということでございます。私たちは、医療行政を担当しております厚生省に対しまして常々この点についてはお願いもし、また、厚生省にお願いするだけではなくして、医療行政につきましては地方団体も相当重要な役割りを果たしておりますので、地方団体が直接それを解決することに努力するように申しております。 もう一つは、医療機関が整備されました場合、その医療機関と消防本部とが有線または無線で連絡し合って、ベッドがあいておるかどうか、専門医がおるかどうか、手術が可能かどうかということを直ちにキャッチいたしまして一番適切な医療機関に指示して、転送が行われないように指示することができる装置を整備するということでございますが、後者の方につきましては、私たちは毎年非常に努力しております。そのための財政措置も行っておりまして、地方団体のそれに対する整備に十分こたえていけるというふうに考えております。
○草野委員 交通事故が不幸にして起きた場合に、救急隊が直ちに現場に行って、そしていろいろな応急処置を行っております。これについて、この統計で拝見いたしますと、五十三年の場合、救急車が出場した件数は三十五万六千回に上がっておりますが、そのうち、応急処置をした人たちが十九万六千人、このようになっております。 その内容について見ますと、たとえば止血の応急処置を受けた人が二七・四%とか、それから固定が九・二%、その他が五五・三%、このようになっております。 この、その他というのは保温とか消毒ということのようでございますけれども、この保温とか消毒、このような応急処置がどの程度に効果があるものかどうか、これが一点です。 それからもう一つは、同じこの処置の中で、人工呼吸を受けた者が〇・四%、千百三十五人、心マッサージを施された者が〇・五%で千二百二十人、気道確保が行われた者が二・六%で六千八百六十七名、これは若干高度な応急処置だと思いますけれども。合わせて九千二百二十二人の人たちにこういう処置が施されているわけなんです。 このような応急処置のできる救急隊員といいますか、救急法をマスターしておられる救急隊員というのは全体の中でどのくらいいらっしゃるのか、また、そういう救急法をマスターしていらっしゃらない隊員については、今後どのような計画で全員をマスターさせるのか、この二点についてお伺いしたいと思います。
○中島(忠)説明員 第一点の保温、消毒がどの程度の効果があるかという御質問につきましては、私、医者ではございませんので的確にお答えすることはできないと思いますけれども、ただ病状、症状によりましては、保温し消毒するということは第一次の手当てとして非常に重要視されておりますので、病状によりましてあるいは症状によりましてはぜひとも必要なものだというふうに考えております。 それから、第二点の、先生がお尋ねになりました人工呼吸とかあるいは心マッサージとかそういうものを行うことができる救急隊員は全体のどれぐらいかというお話でございますけれども、大体全体の三割ぐらいでございます。 それから、今後の養成計画でございますけれども、私たちといたしましては、五十七年三月三十一日までにこれらの措置ができる救急隊員を養成していこうじゃないかということで、五十四年度から各都道府県の消防学校の方に呼びかけまして、救急専科というものを充実していただくようにお願いしておるところでございます。五十四年度、五十五年度、いままでの統計を見ますと、相当充実されておるようでございますので、これからも先生の御指摘を待つまでもなく、私たちはその整備に全力を投球していきたいというふうに考えております。
○草野委員 消防庁にもう一点お伺いしたいのですが、そうしますと、こういうような応急処置、これを一般の人が行う場合、消防庁や何かからいろいろなテキストが発行されておりますけれども、ああいうテキストについて何時間ぐらいの講習を実際に受ければ、このような応急処置に一般の人でも当たることができるのですか。
○中島(忠)説明員 それも非常にむずかしい御質問でございますけれども、私たちの現在の感じといいますか、現在考えているところを申し上げますと、応急措置の中でも、先生が先ほど御指摘になりました人工呼吸とか心マッサージ、それらを合わせました心肺蘇生法というものは応急措置のために非常に重要なものでございますけれども、この手当ての仕方を間違えますと人命にも直接かかわってまいりますので、こういうところまで行うことができるほど研修を重ねようと思えば相当長時間の研修期間が必要だというふうに考えております。私たちはそこまで考えまして、現在救急隊員には百三十五時間の研修が必要だということで、それを履修するように指導しておりますけれども、ただ一般的に、一般の国民がそこまでのことを要求されるかどうかということになりますと、これは非常にむずかしい問題でございますが、たとえて申し上げますと、現在日本赤十字社で行っております講習では、一般国民を対象に二十時間の講習を行っております。一つの例でございますがそこまで行いまして、果たしてどういう内容といいますか、どういう質の応急手当てができるかということになりましては、それぞれ対象者の目的とか趣旨によって講習時間が異なってくると思いますが、先ほど申し上げました心肺蘇生法、そこまでマスターしようと思えば相当長時間相当高度な研修を受けなければならないだろうということが言えると思います。
○草野委員 時間がなくなりましたので、次に移ります。 警察庁に伺いたいのですが、いま救急法、応急処置のことについていろいろとお話がございまして、西ドイツの例でございますけれども、外国人が運転免許を申請する場合に必要な書類として、パスポート、登録証、写真、そのほかに事故時の救急処置法を修得していることの証明書、こういうものが必要であるというようなことを聞いております。この西ドイツの救急処置法の内容、またその講習時間等を含めて、もしおわかりになっていればひとつ御説明をいただきたい。
○池田政府委員 私ども文献によってしか西ドイツの状況を知り得ないわけでございますけれども、この文献によりますと、まず運転者の履修の項目は、事故現場での応急措置につきまして六時間、救急法につきまして十六時間という教習時間を必要として、教習の場所は自動車学校でございまして、教育機関は赤十字その他の諸機関から職員がお見えになって、その結果、履修いたしますと証明書を出されておるというふうに聞いております。
○草野委員 時間が参りましたので、最後にお伺いしたいのですけれども、わが国ではこのような制度を採用する考えがあるかどうかということですね。ということは、自動車免許を受験する場合に、必要な応急処置の方法、こういうことをマスターしておいて、それから受験をする。西ドイツのこのような制度はわが国でもぜひとも近い将来採用すべきじゃないか、私はそのように考えております。 また、先年の、これは地方行政の委員会でございますけれども、加藤国務大臣もこの点については非常に積極的な発言をされていらっしゃるのですね。そろそろそういうような時代が来たのじゃないかと思うのです。ということは、ただいまも消防庁からお話がございましたけれども、先ほどのテキストのような救急処置法について非常に必要なものである。しかし、その中にはかなり習熟をしなければかえって危険なものもある。こういうようなお話がありました。現在、教則の中で決められているのは、ほとんど止血しか決められておりません。果たして応急処置が単なる止血だけでいいかどうかという問題ですね。ぼくは逆にあなたにお伺いしたいのですけれども、もしもあなたが、不幸にして交通事故を起こして、被害者が血まみれになってそこに倒れている。たとえば足から猛烈に血を出している。折れているかもしれない。こういうときに、まず一体どういうような処置をするか。恐らく普通の人だったら、教則に書いてあるのですから、まず止血の手当てをするのじゃないか。しかし、幾ら止血の手当てを完全に施したとしても、その人の呼吸がとまってしまえば何にもならないわけですね。 だから一番大事なことは、その人の呼吸をとめない、そういう手当てをまずしなければならないわけです。そういうことは教則には何にも定められていない。そういうことで人命を守るとか交通安全云々といっても、私はどこか落ちているのじゃないかと思うのです。そういう意味で、一日も早くわが国でもこのような受験前に応急処置のやり方についてマスターをする、こういう方法を取り入れるべきではないか、このように思いますが、最後にこの点を伺って終わりにしたいと思います。
○池田政府委員 理想の姿といたしましては、先生御指摘のとおりだろうと思いますし、従来も先生からいろいろ御指摘をいただきまして、警察庁としてもいろいろ検討を進めておるところでございます。 ただ、いま教則の話をいただきましたけれども、私どもといたしましては、やはり専門家の方の権威のある内容をお示しいただきませんと、なかなかこれを実施するということはできないわけでございまして、教則につきましても、四十七年以来その都度専門家の方々とお諮りしながら、内容を決めておるわけでございますけれども、四十七年のときには、負傷者の救護ということにつきましても大きな問題がございまして、とにかくむやみに負傷者を動かさないこと、あるいは頭部に傷を受けているときには特に動かさないこと、出血が多いときは清潔なハンカチで止血することなどが大切という程度にとどまったわけでございますが、その後いろいろ検討を重ねていただきまして、現在では、教則につきまして一ページほどを費やしているわけでございます。 ただ、いま仰せのとおり、内容は、負傷者の観察の問題とそれから応急手当ての問題と、それから救急医療品としてはこういうものを備えておく方がいいですよといったような内容にとどまっておるわけでございます。 今後とも、この内容等につきましては、さらに各関係の行政機関あるいは専門家の方々と御相談しながら、実際に遺憾のない応急措置としてはどういうものがいいか、あるいはまた、どういう形で運転者の方々にそういうことを期待したらいいかということを含めまして、十分検討してまいりたいと思います。
○草野委員 これで終わらなければならないのですけれども、いまのお話を伺って、相変わらず全然考え方が進んでいない。非常に残念なんです。たとえば、交通安全対策室長がここにいらっしゃいますけれども、室長が監修したこのテキスト、こういうものが非常に大事なことだ、厚生省の医務局ですか、ここでも推奨している。それをあなた方は、いつまでも教則より一歩も出ようとしない。こういう考え方は私は間違いだと思うのです。人命救助という点から見ると。ですから、この点についてはもう少し積極的に取り組んでいただきたいと要望して、終わりにします。ありがとうございました。
○石田委員長 次に、村上弘君。
○村上(弘)委員 前回、私は、この委員会におきまして、来年は国際障害者年であり、ことしはその行動計画を立てる年であり、十年間の行動計画を国連に報告するということになっている。そこで、昭和五十四年度の交通安全白書だとか、第三次交通安全基本計画あるいは指定行政機関の五十五年度の業務計画、これらを策定するに当たっては、障害者に対する交通安全対策、その位置づけをしっかりされるようにということを申し上げて、各担当者からも、たとえば三島政府委員も言いましたが、十分念頭に置いて準備を進めてまいりたい、こういう前向きの答弁もいただいたわけです。白書の方は十六日に閣議決定されると聞いておりますし、基本計画はこれからだそうですが、業務計画は二十二省庁中六省庁が出しているということですが、本来、一つ一つどうなっているかをお伺いしたいのですが、きょうはたくさんの質問がありますので、これらの点については、重ねて重視していただきたいということを最初に要請をしておきたいと思うのです。 そこで、質問の第一は、こういう白書や計画を作成する基礎となる統計のとり方の問題についてお伺いしたいと思うのです。とりわけ交通事故の死者の数ですね、それのとり方の問題です。 これはもう交通安全対策の根幹にかかわるものでありますから、正確に実情を反映したものでなければならないと思うわけです。御承知と思いますが、四月十四日付の読売新聞に報道されておりましたが、ことしの一月に、栃木県の宇都宮中央署は、死者ゼロと報告しておりました。しかし、警察庁の統計基準に言う事故後二十四時間以内の死者ということから見ても、実際には十時間後に亡くなられた方が一人、三時間半が一人、約十時間半後に亡くなられた方が一人、三人おられたということが報道されているわけですね。これらの方は、重傷もしくは負傷者の数に入れられていたわけですね。これは報道でも「ウソ報告」というふうに出ていますが、これは事実かどうかということ。そして、ほかにも同県内では、他の四署で昨年五人の死者隠しがあったということですが、栃木県警は毎年死者が減っておるということで、ことしの一月に四回目の警察庁長官の表彰を受けているんですね。こういううそ報告でこういう表彰を受けているということになるわけで、これ自体は大変ゆゆしきことではないかと思うんですね。ですから、事実かどうかということと、他の四署はどこなのかということと、それからなぜこういうことが起こるのかということについて、警察庁のお答えをいただきたいと思います。
○池田政府委員 ことしの四月になりまして、栃木県警の方で、宇都宮中央署におきまして、一月に発生いたしました事故のうち、結果的には警察統計の範疇に入ります二十四時間以内の死者につきまして、統計上の報告にミスがあったというのは事実でございます。 なお、これに引き続きまして、栃木県警で悉皆調査をやりましたところ、昨年度の分につきまして、宇都宮中央署におきまして二件ほど、それから宇都宮東警察署におきまして一件、茂木警察署におきまして一件、馬頭警察署におきまして一件、合計いたしますと、昨年五件の統計の訂正漏れがあったという報告を受けております。 御案内のとおり、警察でとります交通死亡事故の統計につきましては、歴史的な経緯もございまして、二十四時間以内の死亡者につきまして、これを翌日の朝報告し、二十四時間でございますので、その後の死亡者につきましては翌日また再報告をする。これは速報でございまして、その後、統計表の方につきましては整理をいたしまして、翌月の二十日ごろに整理をする、こういうことでございます。 警察で交通事故認知いたしましても、まず第一に、病院等へ搬入いたしますとお医者さんの診断が出るわけでございますが、その診断に従いまして報告が速報されるわけでございますけれども、その連絡その他がスムーズに参りませんと把握がおくれる場合もあるわけでございます。今回の場合は、まだ詳細な報告は受けておりませんけれども、初め重傷者あるいは一カ月程度、三カ月程度の負傷者、こういうことで診断のございましたものが、結果的には二十四時間以内に死亡しておる、こういうことでございまして、それを知りました警察署の段階での措置がまずくて、結果的には死亡者の統計報告がされていなかった、こういう事態でございまして、この点につきましてはまことに遺憾に思うわけでございます。 ただ、警察の、なぜこういう短期間の統計をとるかと申しますと、やはり一つは、ちょうどとりましたときが、交通事故の死者が年々ふえているときでございまして、国民の方々の関心も大変深い。また、警察といたしましても、日々三十数名も亡くなられるといったような状態に対しまして、しかもまた、曜日あるいは月の特殊な日々等につきましでこういう事故等が大変多くなったり、あるいは減少したりするというような状況でございますので、その状況をつかみながら的確に対処していく。また、国民の方々にもそういった現状というものを御認識いただいて、ともどもに交通安全の対策を立てていただく、こういう趣旨でとっておるわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、二十四時間以内の統計をとっているわけでございますけれども、マクロに見ます場合には、その後、厚生省の方では厚生統計というとり方をされておりまして、たとえば死亡事故等につきましては、全体の死亡者の中で、交通事故に起因する者につきましては交通事故の死亡者、こういうことで報告があるわけでございますけれども、やはり統計上の処理の手続等がございますので、私どもといたしましても、一昨年の厚生統計の死者につきましては教えていただいておるわけでございますが、昨年度の分につきましては、まだ統計ができていない、こういうような御連絡をいただいておりますので、そういうタイムラグがあるというようなこと等もあわせまして、私の方としては、従来どおりの二十四時間以内の警察統計をそのまま続けていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○村上(弘)委員 お尋ねしてないことまで答えられて、尋ねたことについてはお答えになっていないように思うのですが、栃木県の各署の統計報告の状況は、第一に交通事故についての判断を誤らすものだし、第二にはそれに対する対策をも誤らせるものだし、道義的に言えば亡くなった方や世間をも欺くものだと思うんですね。まるで事務上のミスであるようにいまお答えになりましたけれども、そうじゃないんじゃないですか。九年間連続死者減というキャンペーン、これは善意からも作用しておると思いますけれども、しかしながら、そういうことの期待にこたえんとして、成績主義というんですか、事実を隠す、そして成績が上がっておるかのように見せかける、こういう風潮があるからではないのかということ、その点については一言も触れられなかったけれども、そういう点は厳しく見る必要があるんじゃないか。しかもそれは第一線の警察署だけじゃなくて警察庁自身にそれがあるんじゃないか。 たとえば、同じく読売の四月二十五日付によると、交通事故死者の警察統計は実数を三割も下回っておるというように出ているんですね。いま先回りして答弁されましたが、厚生省の方は当該年、その年に交通事故が原因で亡くなった人の数を出している。警察庁の方は二十四時間以内の交通事故による死者の数を出しておる。この間に非常に誤差というか、誤差というよりも実態の開きがあるんですね。昭和五十三年度の数字を見ますと、警察庁の方では死者八千七百八十三人、厚生省の方では一万三千六百八十六人、これはすべての交通事故の死者の場合の数字ですが、これを比較すると、片っ方が百人とすれば片っ方が百五十七人、こうなるのです。一・五七倍という実態の大きな開きが数字の上で出ているわけです。私は、特に重視しなくちゃならぬと思うのは二十四時間以後に亡くなる人の数、率が年々ふえてきているということです。これは救命救急体制が一定度前進してきているということも作用しておると思うんですが、であるがゆえに、二十四時間以内に応急措置でとりあえず一命取りとめても、しかしそれ以後亡くなられるという状況がふえているわけですね。 ですから、よく交通安全白書などで何年間連続死者減と大いに言っているわけですけれども、負傷者数の方は横ばいなんです。あるいはふえているときもあるんです。ですからこの点は非常に重要だと思うのですよ、交通安全対策を立てる上で。特に二十四時間以後の死者の増加という状況から実際の死者の減少率というのは鈍化しているわけですね。これも警察庁の統計と厚生省の統計を比較してみますと、警察庁では昭和五十二年に死者八千七百七十八人、昭和五十三年には八千五百十八人で、二百六十人減ったということです。厚生省統計でいきますと、五十二年には一万二千九十五人、五十三年には一万二千三十人と、減ったのは六十五人なんですよ。つまり二百六十人減ったと一方では言い、片っ方は六十五人減ったと言っているのです。二百人近い差がここにはあるんです。減少率も片っ方では三%減ったと言い、厚生省の方では〇・五%減った、こういうことになっているんですね。さきの栃木県などで見ますと、この厚生省統計と警察庁統計の開きは昭和五十二年には一・四六倍の開き、昭和五十三年には何と一・七倍の開きがある。それから、東京都はさらに格差が大きいですね。昭和五十三年の数字を見ますと、厚生省で六百二十八人、警察庁で二百九十四人、二・一四倍の開きがあるんですよ。これでは交通事故の実態を反映しているとはとても言えない。こういう白書だとか計画、このデータを基礎とする計画で対策を立てるというんではとても実効ある現実的な対応ができないんじゃないか。 いま二十四時間単位をとることの必要性や意味も言われましたね。私、それを全部否定するものではありません。しかしながら、交通事故が原因でなくなったという、そこに交通安全対策の根本があるはずですから、少なくともこういう交通安全対策基本計画を立てるとか、白書を出すとかいうような場合には、二十四時間単位だけを基本にするんではなくて、もっと根本的には一カ月単位だとかあるいは一年単位のものをあわせて出していく。基準をどこに置くかと言えば、やはり長期のものに基準を置くというふうにすべきではないか。私は一カ月にしようとか一年にしようとか断定的には申し上げませんけれども、二十四時間単位というのは全然問題にならぬじゃないかということですね。そういう点で、こういう最も根本になる死者の統計の出し方について再検討すべきではないか、お答えをいただきたいと思います。
○仲山政府委員 交通安全の白書におきましては、すでに従来からも警察庁統計とあわせまして厚生省の統計も数値も記載してございます。それから、交通事故の国際比較等におきましては厚生省の統計を使用しておるわけでございます。ただ、厚生省の統計は、警察庁の統計に比べまして速報性に欠けるのでそういうふうな点の問題があろう、こういうふうに思っております。すでに去年のものも、ことしのものもまた出て、それを使わしていただいておるわけでございます。
○村上(弘)委員 速報性はそれで結構だと言っているのです。それから、厚生省数字も白書に若干は出ていることも承知をしています。しかし、白書の中で「死亡事故の分析」という項目のところのデータは全部警察庁の数字だけですね。死亡という一番肝心な問題のところにおいて二十四時間単位の数字しか出ていないのですよ。これは実態を反映してないのですね。それから、白書の大前提になっているところにも警察庁の数字しか出ていないでしょう。基本がどこにあるかということですよ。そういう点では、いまのお答えでは私は納得できないし、世間も納得しないのではないか。たとえば世界交通安全会議事務局の資料によりますと、各国の統計のとり方ではアメリカとカナダが一年以内の死者ですね。それからハンガリー、ドイツ、オランダ、イギリス、スウェーデン、ノルウェーは三十日ということになっていますね。それからイタリアでも七日、こうなっている。一番短くてオーストリアの三日間、こうなっているのですよ。二十四時間というのは日本ぐらいですね。実に、ここに私は日本の政治の姿があらわれておるのじゃないか、人命軽視というか、官僚主義というか。ですから、いま交対室のお答えがありましたけれども、少なくともこの際検討すべきではないか。そして少なくとも当面の白書の中にそういう何を中心基準にするかが答えが出るまででも厚生省の数字などを併記するということぐらいはすべきじゃないかと思うのですが、どうですか。
○仲山政府委員 ただいまお答えを申し上げましたとおり、現在も死亡率等につきましては、国際比較等においては厚生省の統計を使っておるわけでございますが、その点問題がございますから、できるだけこれからそのような点を考えまして、実情に合うように、必要なところは併記等をしながら科学的な研究に資するように努力をしなければいかぬ、こう考えております。
○村上(弘)委員 それはいいですが、基準の再検討はどうですか。
○仲山政府委員 これは関係省庁とよく連絡をとりまして検討させていただきたい、こう思っています。
○村上(弘)委員 とりあえずの措置についても、いまお答えされた併記することをぜひ励行されたい。それから基準の基本をどこに置くかということについては、これも関係省庁とよく検討していただきたい。いまお答えになったことは確認をしておきたいと思います。 次に、高速道路の交通安全対策についてお伺いしたいのですが、先月の十七日の夜に、名神の梶原第一トンネルの中で、またもや車両の火災事故が起こったわけです。シンナーや塗料が燃えてトンネルが煙突のようになり、電灯が消え、猛烈な火炎で天井の鉄板も波形にゆがんでしまうとか、あるいはアルミの側壁がぼろぼろになるとか大変な状況で、日本坂トンネルの再現になりかねない状況になったわけです。幸いこのときには後続車の森川さんという運転手さんが脱出して火事だということを通報したとか、後続車も百五十メートル離れて燃えているのですが、積み荷が歯車みたいなものでそれほどひどい火にならなかったとか、あるいは続いておった観光バスの運転手さんが、二人乗務しておられて、一人が誘導して乗客を出さなくて後退できたとか、出口に近いところで火炎が起こったとか、幾つかの偶然も作用して、辛うじて日本坂ほどにはならなかったということですね。しかし、消防関係の人に聞くと、大変な事態で、本当に決死の覚悟で、酸素ボンベが途中で切れはしないかということを心配しながら突入して行ったということも言っています。 いま関係消防署で、名神消防協会というものがつくられているのですね。そこで梶原トンネルの問題で対策をやっておると聞いておるのですが、その中で出されている御意見は主に三つのようですね。一つは水の問題、消防車用の貯水槽がない。第二には消火施設がきわめて不備である。たとえばトンネル内の消火栓は水が出ないというのです。スイッチが焼けてしまってきかない。恐らく配線が焼け落ちているのではないかということですね。それから、入口と出口に消火栓があればそこでつけて中に入るのだけれども、それもないとか、化学消火の施設は全くないとか、排煙設備もない。水の問題が第一で、いま言った消火栓の問題について言えば、消火施設がきわめて不備であるということですね。それから第三の問題としては、連絡通信の問題ですね。これは無線ではやれるのだけれども、入り口と出口に消防車が来ても全然通じないそうですね。有線でやれるようにならなくてはならぬが、それもみんな焼けてしまうということですね。こういういろいろな問題が出されておるし、それから中で火災が起こったら直ちに入り口に入るなということが標示できるようにしなければならぬ。七百メートルくらい前には標示板があるらしいですね。それを通過してきているものはわからずに入ってしまうのです。そういうような施設もない。その他自衛防災体制を公団自身がもっととるべきだとか、消防本部との連携を強めるとか、防災資材の充実だとか、いろいろなことが出されております。そしてこういう点については、日本坂トンネル以後、すでに交対本部の文書も出されておるわけですね。そういうことが必ずしもよく受けとめられていない。五月の二日に同じく名神の千里山トンネルで十八台の玉突きが起こって、蟻酸などが流出して大変な事態が起こったということがあって、早速道路公団の大阪管理局に行ってみたのですけれども、出てこられた部長さんや課長さんは、まるでよそごとみたいな顔をしているのですね。警察がどうかしているでしょうとか消防がどうとかいって、わがことだと思っていないのです。実に驚いたわけですが、少なくとも公団は、みずからこれを管理していく上で、安全の問題についてはわがこととして考える、そういう体質になるべきじゃないのか。梶原は七百メートルだから基準以下だということにもなっているらしいですが、水の噴霧機だとか先ほど言いました消火設備、こういうものは梶原などにも早く適用すべきじゃないかと思いますし、また建設省がいまトンネル基準の検討をしておられるというお話ですが、いま申し上げた名神の消防協会がいま検討中で、近く申し入れをするということも聞いておるわけですが、いままでにも申し入れても全然聞いてくれない。そして今度の場合でも復旧第一で、全くもとどおりの復旧をやっておるのだそうですね。ですから、また同じように電灯が切れてしまうし、配線も焼け落ちてしまう、こういうことにしかならないわけですね。こんなことでは困るのじゃないかと思うのです。建設省のトンネル基準に対しては、こういう問題を取り入れるということをぜひ要望したいと思うのですが、道路公団とそれから建設省と両方のお答えをいただきたいと思います。
○持田参考人 お答えいたします。 四月十七日に梶原第一トンネルでただいま先生がおっしゃったような事故が起きまして、幸いに死亡者一人というようなことで、われわれも安堵したわけでございます。実はトンネルの防災基準につきましては、後ほどあるいは建設省から御説明があろうかと思いますが、四十九年のトンネルの防災基準にのっとりまして、各種トンネルについて各基準に対応した施設をやってきておるということでございますが、昨年の日本坂トンネルの事故にかんがみまして、国でもトンネル防災基準の見直しをされておるようでございますが、それにのっとって私どもの方のトンネルの防災施設も当然改善していかなければならぬと思っております。 それから梶原トンネルでございますが、両坑口におきます消防機関が使います消火栓は確かにございません。これにつきましては、五十五年度につける予定をいたしておったわけでございます。 それから、四月十七日の十一時半に事故が起きまして、相当な爆発が起こったと思いますが、電気が消えたというような実態がございます。これはすぐ復旧しようという大前提、と申しますのは、やはり七万一千台の交通を早く交通開始をしようということが大前提でございまして、早く応急復旧と申しますか、現状維持で一番復旧期間の短い工法をとったわけでございますので、従来のままのものでございます。この際に改良しようかというような考えもございましたけれども、これをやりますと非常に時間がかかるということで、五十五年に入りましては、ただいまお話がございましたような電灯のケーブルあるいは消火栓の中にございます自動弁とかいろいろございますが、そういったものを熱に耐えられるようなケーブルを設置する。それからただいまお話ございました両坑口における有線の放送ができないかということも、これも五十五年にやる予定でございます。そういったことで、今回の事故にかんがみながら十分な対応をしていきたいというふうに思っています。 それから、梶原トンネルの手前に警報装置、情報板がございますし、それから一キロ手前の二カ所に実際にはございます。したがいまして、今回日本坂トンネルの事故を皆様方、ドライバーの方が熟知しておったかと思いますが、手前の警報標示板と一キロ手前の警報標示板に同時に「トンネル火災進入禁止」というのが出たと思いますので、それが幸いしたかと思います。それからいまお話ございました千里山のトンネルの十八台の多重事故でございますが、私も状況は聞いておりますが、関係職員は事故の重大さを感知しまして相当熱心に検討しておったと思いますけれども、そういったことで大阪管内では千里山トンネル、あるいは梶原トンネル、あるいは天王山トンネルというのがございますので、十分そういったものに関心を持ってみずから管理を積極的にやっていくように私も指導をしていきたいというふうに思っております。
○沓掛説明員 お答えいたします。 トンネル内の火災事故を防止するため建設省では「道路トンネル技術基準」を制定し、非常用施設の設置に努めてきているところであります。しかしながら、東名日本坂トンネルにおける自動車火災事故の教訓を踏まえまして、昭和五十四年十二月二十日付で決定された交通対策本部決定「トンネル等における自動車の火災事故防止対策について」の趣旨にかんがみ、建設省では通行規制、道路利用者への情報提供を含む総合的な対策の一環として、非常用施設に関する技術基準を再検討することとし、学識経験者、関係省庁担当者、この中にはもちろん消防庁の方々にも入っていただいておりますが、等で構成する委員会を発足させ、所要の検討を鋭意進めているところでございます。現在、四つの分科会で検討いたしております。第一分科会はトンネル等級区分、第二分科会は各種設備の使用、第三分科会は設備の運用方法、第四分科会では避難のための方策等を検討いたしております。今回の名神梶原トンネル事故につきましても十分調査の三、非常用施設に関する技術基準の再検討作業に資することといたしたいと考えております。
○村上(弘)委員 梶原の実態や教訓をぜひ反映してほしいと思います。 大変時間がなくなってきましたので、名神のトンネル内事故の件数などをお伺いし、また梶原第一、第二とお隣の天王山トンネルとの事故の比較などもお聞きしたいと思っていたのですが、これは省略させていただいて、問題は、トンネルの長さとしては天王山トンネルの方が長いわけです。ところが、梶原の方に事故が多いわけです。この数字を見ますと、梶原第一、第二は重軽傷含めて三十五件、天王山の方は二十二件というように天王山の方が少ないわけです。その理由にはいろいろあるのですが、梶原の場合はトンネルの入り口付近からカーブで非常に見通しが悪い。それでずっと下り坂になっておる。ただでさえトンネルの中というのは、何というのですかスピード感覚が違ってくるし、視界が狭いためにトンネルの外と大変違った状況になるわけです。あるベテランの運転手さんが言っておるのですが、あのトンネルが下り勾配だということはちょっと気がつきません、そのためトンネルに入ったときのスピードのままだとかなり加速される、それが事故原因につながるのではないか、こう言っているわけです。ですから、トンネルの入り口付近に下り坂になるということを標示するとか、あるいはトンネルの中に垂直ランプ、これは私よくわからないのですが、垂直ランプをつけると勾配なんかもわかりやすいというようなことを言っているわけですが、そういうようなことを、これは簡単なことですが、やってはどうでしょうか、公団。
○持田参考人 梶原トンネルの前後の道路構造でございますけれども、あそこは曲線半径が千メートルで、それから直線に入ってくるところでございますし、いま先生のおっしゃるように梶原トンネルまで大阪側から参りますと二・五%の勾配で上ってきて、それから梶原トンネルに入って下り勾配になっております。しかし、この勾配のグレードでございますが、〇・二%と、ほとんど平たんでございまして、いまお話ございました一般の運転手も平たんだろうというようなことだと思いますが、道路構造基準上は別に支障はないと考えております。 それで、やはり事故がどうして起きるのだろう、いろいろ検討はいたしておりますが、まずもって安全対策として、入り口手前に点灯してもらう、あるいは「追突注意」の標識あるいは車間距離をとってもらうそういった標識、あるいは路面標示を最近いたしまして、トンネル手前で車間距離確認のための路面標示を実施しておりますが、下り坂とかそういったことは今後検討の余地はあろうかと思いますけれども、基準上は別に問題はないというふうに考えております。
○村上(弘)委員 長さだとか基準の枠内でいくからそういうことになるわけですね。それじゃ実情に合わぬわけですから言っておるわけですから、その点は再度実態に即して要望にこたえられるようにしていただきたいと思います。 それから、同じように、高速道路での交通安全の問題としては、パーキングエリア等の安全施設が非常に重要になってきております。よく高速道路の事故について運転手さんのモラルが低下したということも言われておるわけです。それもわれわれは軽視してはならぬと思いますが、実情はどうかというと、これは全交運の調査によりますと、アンケート回答を見ますと、五千十六件中、モラルが問われると思われる他車と競走していたとか助手と雑談していたとかたばこを吸おうとしていたとかというのを全部合わせても、五千十六件中七十件なんですね。全体の一・四%だということです。これ自身も軽視してはいけませんけれども、しかしやはりニアミスの経験がこれだけたくさんある場合に、モラルの低下だけでこういう問題に対処するというのではこれまた実情に合わぬじゃないか。やはり非常に多くは三泊四日の長時間だとか大変な激務、疲労、睡眠不足、劣悪な労働条件というのが大きく作用していることは世間でも認めているわけです。労働省も去年、「自動車運転者の労働時間等の改善基準」ということを出しております。したがって、当然道路公団としてもこれに対応するような安全施設を設ける必要があるのではないかということが本委員会でも、予算委員会でも今日までも論議されております。私はこの安全施設のために道路公団がどれだけお金を使っているか、五十五年度予算で高速道路を新設する予算と安全対策の費用との比率はどうかとお答えいただきたかったわけですが、私どもの計算では〇・六%という数字が出ているのですが、とにかくこれは新設と既存のものの施設と基準が必ずしも対応しないという意見があるかもしれませんが、しかし現実なんですね。これだけのお金を一方で使いながら、安全についてはわずか〇・六%、こういう状況があるわけです。ですから、もう少しこういう安全対策のためにお金を使うべきじゃないか。パーキングエリアあるいはサービスエリアをつくるにはもちろん用地買収必要でしょう。しかし、新線をつくる場合だって用地買収やるのですから、同じことなんですからね。ですから、安全を重視するならばもっとそういう方向に力を入れてしかるべきではないかということです。少なくとも名神で養老-守山間四十八・一キロメートルの間はパーキングエリアが一つもない。十五キロメートルごとにパーキングエリアがありますという公団のうたい文句も大分うそじゃないかということにもなるわけです。公団としては五十八年度までに必要数を満たすと三月の予算委員会で答弁しておられますけれども、いまの養老-守山間の問題及びパーキングエリア、労働基準に照らして五十八年度までということの計画の具体的内容をお聞きしたいと思うのです。
○持田参考人 いまお話ございましたように、道路公団の新規の建設予算は六千六百億というようなことで、これに比べまして供用後の改良あるいは維持管理、防災施設、ただいまお話のありました安全対策、こういったものは六百五十億になっておりますし、その中で交通安全対策としましては中央分離帯の防護さくの強化とかあるいは施設の拡充、それから情報板のセット、いろいろございますが、そのほかに舗装工事、従来ございました舗装のわだち掘れとかあるいはスリップの防止とか、こういったものも安全対策の中に入っておるわけでございます。 ところで、ドライバーの方々が本来的に休憩されます施設、これも交通安全対策の一つの大きなテーマでございますけれども、これにつきましては、四十八年ごろから急激に交通量がふえてまいりまして、それに対応して年々、東名、名神、特に交通量の多いところに対して施設の拡充をいたしてございます。それで東名を例にとりますと、五十五年度では港北のパーキングエリア、それから牧之原のサービスエリア、この二カ所を実施する予定でございます。あと二カ所につきましては、予定はございますけれども、環境上の問題とか用地の取得が非常にむずかしいというようなことで、個所につきましては明示できませんけれども、港北パーキングと牧之原サービスエリアにつきましては、五十五年度から実施いたしまして、五十六、五十七というふうになろうかと思います。それから守山と養老の間は確かに四十八キロと長い区間でございまして、この区間で一応羽島にパーキングエリアはいま設置してございます。これは下り線でございますが……(村上(弘)委員「上りはないですか」と呼ぶ)上りはまだ計画しておりませんが、そういったところにつきましても、区間が非常に長いものですから、順次検討していきたいと思っておりますが、何分非常に財政事情が厳しい折でございますし、用地の取得とかいろいろな問題がございますが、そういったものについて積極的に努力してまいりたいというふうに考えております。
○村上(弘)委員 時間が来たようですから、あとしぼりたいと思うのですが、お金がないというお話ですが、〇・六%を少しふやせばいいんですよ。ですからこの点は強く要望しておきたいと思います。 それから、障害者年のことを最初申し上げましたけれども、パーキングエリア、サービスエリアにたとえば障害者用のトイレなどをもっとふやすとか、設置した場所には標示をするとか、こういうサービスもあわせて考えていただきたいと思うのです。 あと二点だけお尋ねしたいことがあるんです。一つはトラックターミナルのことなんですが、たとえば大阪の北大阪トラックターミナルというのがあります。これは一日の入出車が約六千台、常時勤務する人が二千人で二十四時間操業しているわけです。ところが医療施設が一つもないのですね。これは管轄は直接には皆さんのところにあるわけではありませんけれども、しかしお隣の大阪府の卸売市場では府が施設を貸与して周辺のお医者さんが内科、外科、歯科と交代で医療をやっておるわけですね。そしてトラックターミナルにもこういうものがあればということをそこで働く人たちはいつも言っているわけです。この点については総理府の方で、直接の管轄ではありませんけれども、関係者と協議してこういうトラックターミナルの労働者の健康について事故につながらないような施設を最小限度設けるというようなことをひとつ指導、援助をしてはどうかということをお聞きをしておきたい。 最後にもう一つは、これはテーマとしては大きいのですが、時間がないのでしぼって申し上げますが、大阪の国道百七十三号線、百七十六号線、いわゆる猪名川北部流域の開発に伴って大変な交通渋滞になっているということは本委員会でもしばしば問題になっておるわけですが、その原因が奥地の乱開発にあるということも明白なわけですね。そこでこれに対しては現在どういうふうにするかということが検討され、計画もいろいろと研究されておるようですけれども、いまの事態をこれ以上悪化させないためには、第一は今後の宅地開発などの奥地開発、これはもうストップをかけるあるいは今後ある計画は全部見直すということが先行しなければこれはイタチごっこになるという点ですね。これは建設省の宅地開発関係の方のそういう点での御意見をお聞きしたいし、それから本来はこの地域の能勢電などをもっと延ばすとか軌道の問題だとかあるいは駅前の駐車場だとか循環バスだとか、総合的な措置も必要なわけですが、きょうは答弁される方もおりませんから……。バイパスをつくるということがいま検討されておるわけですが、そのための環境アセスメントルートが提示されておるわけですね。池田市の木部町付近の約二百戸がそれに関連して立ち退きが必要になるようなことが心配されておるわけです。こういう点については何がどうなるのかわからないような状態に置くんじゃなくて、もっとオープンに、ルートの設定はこう考えておる、もっと皆さんの意見も聞きたいとかいうような住民の合意あるいは住民の参加も得ながらのやり方が必要なんじゃないか。そういう点でいま考えていることを地域にもっとオープンにやっていくことを要望し、御意見もお聞きしておきたい。以上で質問を終わりたいと思うので、お答えをいただきたいと思います。
○斉藤(衛)説明員 ちょっと御質問の順序が変わったかもしれませんが、その点お許しいただきたいと思いますが、宅地開発の関係でございます。 先生御指摘ございましたように、百七十三号線の沿線沿いにかなり大規模な宅地開発が進んでおりまして、交通渋滞が非常に大きくなっているということでございます。地元の川西市あるいは兵庫県等を含めまして、特に調整区域等におきます大規模な開発でございますが、そういうものにつきましてはきわめて消極的な形で対応してきております。私どもも交通施設の整備との整合性を十分に図った上で宅地開発が進められるようにということは前々からも考えておることでございますので、今後とも地元市町村あるいは県を含めまして相談を進めてまいりたい、このように考えております。
○仲山政府委員 いまの過労運転の防止のための施設等の件でございますが、これはいままでもすでに各企業においても運行管理者、安全運転管理者等において過労運転の防止に努力しておるわけでございますが、なお御指摘の点につきましては、よく関係省庁にその趣旨を伝えまして検討さしていただきたいと思います。
○後藤説明員 池田市の中心市街地と木部町との間の交通渋滞に対応する幹線街路計画でございますが、過去数年間にわたりまして調査いたしまして、今年度中に都市計画決定を行うことを目標にいたしまして、現在大阪府及び兵庫県におきましてその都市計画案を作成するための作業中でございます。その作業が終わりました段階で、都市計画法に基づきまして関係住民に対する説明会等を開くことになると思います。 環境関係でございますけれども、御承知のように兵庫県につきましては環境アセスメント要綱が制定されておりまして、その要綱に基づきまして都市計画の説明会にあわせて説明等が行われることになると思います。 大阪府につきましてはアセスメントの要綱が現在制定されておりませんけれども、それにつきましては兵庫県の措置に合わせまして同様の公表等の措置をとるように大阪府を指導いたしたい、こういうふうに考えております。
○村上(弘)委員 終わります。
○石田委員長 次回は、公報でお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時一分散会