交通安全対策特別委員会 第7号
- 発言数
- 92 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1980/04/17
会議録
○石田委員長 これより会議を開きます。 交通安全対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木下元二君。
○木下(元)委員 まず私は国道百七十六号線の整備問題について建設省に伺います。 国道百七十六号線は阪神間と内陸部、日本海側とを結ぶ主要な生活産業道路であります。内陸部の開発や阪神間北部の人口急増などによりまして、交通混雑は深刻をきわめております。さらに北摂ニュータウン、北神ニュータウン、流通センター等の大規模開発が進行中でありまして、近い将来、交通量の飛躍的増大は必至という状態であります。 そこで、いま大阪府の池田インターチェンジから中国縦貫自動車道、西宮インターチェンジ入り口までの区間の二次改築が進められております。この二次改築というのは、上下一車線ずつふやして四車線に拡幅をする、そして歩道も取りつけるというものであります。ところが、この工事の進捗状況がはなはだはかばかしくございません。たとえば五十四年度における工事状況、工事費の概要はおよそどの程度になっておるでありましょうか。
○山根政府委員 お答え申し上げます。 一般国道百七十六号は、ただいま先生おっしゃいますように、京都府の宮津市を起点といたしまして、兵庫県の三田市、西宮市、宝塚市等を経まして大阪市に至る国道でございますが、このうち池田−西宮間の一次改築としましては、昭和二十九年度に完了しております。この池田−西宮間の二次改築の問題でございますが、猪名川大橋から宝塚市小浜交差点までの区間を中国縦貫自動車道沿いのバイパスといたしまして、昭和四十三年度から四十六年度の間に整備を行い、その後、宝塚市の川面地区及び西宮市山口町地区において改築事業を進めておるわけでございまして、五十四年度から猪名川大橋の四車線化事業に着手をいたしておりまして、四十三年度から五十四年度までの兵庫県側の二次改築事業費としては総額約八十億円というぐあいになっております。
○木下(元)委員 五十五年度の計画はどうなっておるでしょうか。
○山根政府委員 お答え申し上げます。 川面地区につきましては、昭和四十七年度から事業に着手をしておりまして、用地買収を進めてきておりますが、昭和五十五年度は、五十四年度五億八千万円に対しまして、事業費六億円を計上いたしまして、用地買収の完了を予定をいたしております。 先ほど西宮市の流通センター等お話がございましたが、山口町地区におきましては、四十八年度から事業に着手をいたしておりまして、五十四年度二億二千百万円に対しまして、五十五年度は五億五千二百万円をもちまして、用地買収等の促進を図る予定といたしております。 交通渋滞の著しい猪名川大橋を含む前後の区間でございますが、先ほど四車線化事業に着手をいたしたと申し上げたわけでございますが、五十四年度に大阪府側で着手をいたしまして、五十五年度には兵庫県側においても工事に着手をすること、こういうようにいたしておりまして、大阪府側と合わせまして事業費四億九千二百万円をもって工事の進捗を図ることといたしております。 以上でございます。
○木下(元)委員 宝塚はどうですか。
○山根政府委員 宝塚につきましては、駅前の整備の問題がございますが、兵庫県におきましてルート、構造等の検討を現在いたしておりまして、その成果を待って対処してまいりたい、こういう考え方を持っておるわけでございます。
○木下(元)委員 そうしますと、五十五年度は宝塚についてはその予算がついてないということですか。
○山根政府委員 先ほど川面地区のお話をいたしたわけでございますが、これが実はいま申し上げました宝塚の駅の東側の区間でございます。これが五十四年度の五億八千万円に対して、五十五年度は六億円を計上いたしまして、用地買収の完了を予定をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○木下(元)委員 この二次改築の工事がこれまで幾らか進んできたわけでありますが、完成まであとどの程度の工事費が見込まれるんでしょうか。
○山根政府委員 宝塚市におきます川面地区でございますが、これにつきましては、五十六年度以降の残事業として二億八千二百万、西宮市の山口地区におきましては五十六年度以降が六億二千万、猪名川大橋を含みます区間の橋梁及びその前後の取りつけ道路の区間といたしまして約十二億円という額が五十六年度以降の残事業というぐあいになっておりますので、本年度の予定をいたしております事業費等から御判断をいただきたいと思うわけでございますが、比較的早期には供用し得るのではないかというぐあいに考えております。 全線につきましては、先ほど先生いろいろおっしゃいましたように、この百七十六号に交通が出てまいります区域の発展等のために、これに対して対応してまいらなければならないわけでありますが、ルートの検討その他いろいろ進めている区間もございまして、全体の事業費を確定をいたすところまで至っておりません。
○木下(元)委員 これからの費用は、そのルートも具体的に決まっていなくて、費用がどの程度具体的に要るかということはよくわからないようでありますが、地元の自治体ではおおよそ五百億円ぐらいかかると見込んでおるのです。これは建設省の方も御存じのところだと思います。五十五年度は五十四年度に比較をしまして、この予算は全体として増加をいたしております。補助国道の予算規模が約九三%と全体としては減少をしております中で、百七十六号線では相当増加をしておるということであります。けれども、このペースで進みますならば、改築工事の完成まであと数十年かかると思うのです。五十五年度の計画を見ましても、さっき言われましたように、約十五億であります。一年間十五億といたしますと、五百億かかれば三十年以上かかるんですね。こういうことでは困るんでありまして、これは大阪府の池田市、兵庫県の川西、伊丹、宝塚、西宮、各市からもこの整備の促進について強い要望が出されておると思うのであります。この実情はもう建設省の方もよく御承知のところだと思います。たとえば池田市においては一日当たりの通行量は五万台を超えております。その他の地域における通行量も二万台を超えております。その通行量も午前七時過ぎから九時過ぎまで、また午後五時から七時過ぎまでの約六時間に集中をいたしておりまして、もう身動きがとれないほどの混雑渋滞であります。特に宝塚市内通過には、あの短い距離でありますが、一時間余りも要する状態であります。これはドライバーにとって、遅々として進まない状態というものは、もう焦燥感に駆られまして、事故のもとにもなるわけであります。交通安全上も大きな問題だと私は思うわけでございます。また、沿線住民は、この交通渋滞によりまして、騒音、排気ガス等の交通公害に悩まされている現状でもあります。さらに、私が調べたところでは、宝塚管内における消防車の出動でありますが、これは月十件、救急車の方は一日十件でありますが、百七十六号線経由のものは、そのうち二分の一から三分の一ということでありまして、交通渋滞のためののろのろ運転によって、おくれることがもう常態化しておる、こういう現状であります。これは人命にもかかわる重大事でありまして、何をおいても解消されねばならないと思います。 こうした実情を十分くみ取って、百七十六号線の整備をひとつ重点的に進めてもらいたいと思うのでありますが、できるならば国の直轄事業に準ずる扱いをしていただいて、できる限り促進をしていただきたいと思うのであります。いかがでしょうか。
○山根政府委員 先生御指摘の直轄事業に準ずる取り扱いをして整備を進めないか、こういうお話でございますが、直轄化をいたすということにつきましてはいろいろ問題がございまして、現在のところ、直轄の指定区間に入れてこの整備をするということについては困難ではないかというぐあいに考えておりますが、先ほどいろいろ御指摘ございましたように、交通混雑、交通安全あるいは環境対策と申しますか、環境改善という面から、とりわけこの地域は交通需要が相当急増するということが予想されておりますので、私ども重点的にこれらの問題の解決のために整備を推進してまいりたい、かように考えるわけでございます。
○木下(元)委員 直轄事業にはやりにくい。これは兵庫県の直轄事業であります。しかし、ひとつ県を大いに督励、指導をしていただきまして、工事を促進し、交通渋滞が速やかに解消をするように取り計らってもらいたいと思います。その点、交通安全のためにも大いにやるという答弁をひとつもう一度いただきたいと思います。
○山根政府委員 先ほども申し上げましたように、交通安全上からも大きな問題を生じておりますし、先ほどお話しのありましたような救急車の出動あるいは消防活動、そういった点が大変阻害されるということも懸念をされますので、全体の道路整備につきましての皆様方の御理解を得まして、当路線につきましても、交通安全の立場からも鋭意事業の促進を図ってまいりたい、かように私ども考えるものでございます。
○木下(元)委員 その問題は一応終えまして、次は、前回質問をいたしました乗用車のサイドドアの強度の問題であります。時間がなくて積み残した点を若干補充的に質問をいたしたいと思います。 この乗用車のサイドドアの強度不足の問題ことにハードトップの場合、これは衝突時に車内の乗員を守る上で重大な弱点があることを私は前回指摘をいたしました。これは前回も申しましたように、昭和四十七年の運輸技術審議会で答申が出ております。側面ドアの強度について、「このドアの強度、側面衝突時のドアの変移量等について規定する」こういう内容の答申が出ておるわけでありますが、しかるになお今日に至ってもこの保安基準が設けられていないわけであります。これは行政の怠慢と見られてもいたし方ないのではないかというように、私前回申しましたけれども、この保安基準が、答申が出てもなお設けられていないその理由をひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○小林(育)政府委員 この前の委員会でも御説明申し上げましたように、その四十七年の答申というのは、恐らくはアメリカで四十八年からサイドドアの強度と申しますか、試験が始まるということを見越しまして、先生方がおつくりになったものだと思います。 この前も御答弁申し上げましたように、その後ミシガン大学等の研究等も発表されまして、私どももメーカーにおけるそういう衝突実験の実態等も勘案いたしまして、アメリカで現在やっております静的な試験と申しますか、そういうものでは余り効果がないんではないかという疑問が出ておりますので、そういう点を検討して、現在アメリカにおきましても、そういう静的な試験からダイナミックな試験に移ろうという研究がなされておるわけでございまして、そういう面から考えまして、私ども現在まで保安基準の改正というものをやっておりません。 しかしながら、この問題を別に放置しておるわけではございませんで、ただいま運輸技術審議会の自動車部会におきまして保安基準の総見直しというものをやっております。その中には、そのサイドドアの強度等も含めて御審議を願っておるわけでございまして、それの答申があり次第、私どもはその線に沿って処理したい、そのように考えておる次第でございます。
○木下(元)委員 アメリカで何か問題があったように言われるのですが、新たに何か問題提起があったのはいつごろのことですか。
○小林(育)政府委員 新たに問題提起があったということではございませんで、アメリカのNHTSAにおきまして今後の五カ年計画というものが出ております。その五カ年計画の中で、そういう試験方法なり規制なりの見直しという中にサイドドアの問題が入っておる、そういうことでございます。
○木下(元)委員 このアメリカの安全基準というものが設けられておって、これでは静的な状態における安全基準というものが設けられているわけですね。そして、それにいま問題があるということを言われます。ダイナミックな状態といいますか、動的な状態の場合についての安全基準を設けるべきではないかという問題提起がある、こういうことを言われるのです。そして、それが検討されておるということでありますが、それはそれとして、現行のアメリカの安全基準というものはなお維持をされているんですね。静的な状態を前提にした安全基準というものは、なお現在生きておるわけですよ。そして、その上でなお問題があるというので、さらにいまよりも強化をするという方向で、そういう観点で検討をしておるということだと思うんですね。何も、静的な状態での安全基準というものがぐあい悪い、だからこれはやめたということにはなっていないんで、それはそれで生きているんでしょう、安全基準というものは。その上でなお、よりよくするために検討を加えておる、こういうことでしょう。ですから私は、アメリカでそういうふうにいま検討があるから待つんだということがおかしいと思うのです。大体アメリカの基準をもとにして言われることも、本来おかしなことなんですよ。あなたはいまそれをごまかすためか、日本の運輸技術審議会の答申というものは、アメリカで強まることを見越してつくられたというようなことを言われましたけれども、アメリカはアメリカなんですよ。日本は日本で、日本の基準をつくる、こういうことでしょう。そして、日本において、その運輸技術審議会で検討が加えられて答申が出ておるわけなんだ。四十七年ですから、もう八年も前のことですよ。それ以来この問題について検討はされておると思うのでありますが、基準がつくられていない。これはもう行政の怠慢以外の何物でもない、こう私は思うのですよ。一体運輸技術審議会のこの答申というものを無視をしてもよいという、そういうことでしょうか。やはりこれは十分尊重をするべきだと思うのですよ。無視をされているかっこうですね。どう思われますか。
○小林(育)政府委員 ただいま先生の御指摘のとおり、私どもいただきました答申については誠心誠意実行に努力しなければならないということは重々存じておるわけでございます。 ただ、その答申をいただきましても、非常に技術的な困難を伴うとか、あるいはその規制の内容そのものに疑問が新たに出てきたという場合には、これはやはり時間をかけて検討をしなければならないということも間々あるかと思います。先ほども申し上げましたようにその後のいろいろな状況の変化がございましてそれで私ども検討は続けておりますけれども、規制にいまだ踏み切っていないということでございます。
○木下(元)委員 この答申では四十八年度、四十九年度を目標にやれということなんですが、これが放置をされておる。そして、これは私は前回にも指摘をしましたけれども、運輸省内部においてこの答申が出たころから、やはりこのサイドドアの強度を図るべきだという意見が出ておるわけですよ。これはこの前指摘しましたように書物にもなっておるわけです。これがそのままになっておることについて、私は非常に疑問を感じておるわけでございますが、この運輸技術審議会で第二次安全基準の拡充強化を検討するということで進められておるようでありますが、その中でこの問題をひとつ検討を進めていく、こういうことでしょうか。
○小林(育)政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、いま運技審の自動車部会で検討がなされております。その中には当然サイドドアの強度というものも検討の項目の中に入っております。したがいまして、いま先生御指摘のようにこの審議会での結論が出ますれば、私どもは先ほども申し上げましたようにその趣旨を尊重いたしましてやってまいりたい、そのように考えております。
○木下(元)委員 およそいつごろその答申が出る見通しでしょうか。
○小林(育)政府委員 何分にも審議会のことでございますので、私どもだけの判断ではまいりませんけれども、私どもといたしましては少なくとも秋までには結論を出していただきたい、そのように考えております。
○木下(元)委員 日本の場合、各自動車メーカーはややもすればこの安全対策をなおざりにして頻繁なモデルチェンジを繰り返している、こういう状況であります。モデルチェンジに要する費用は一車種当たり数十億から二百億前後に達すると言われております。売らんがためのモデルチェンジが野放しにされておる、そのために安全対策がおろそかになり、またその費用がユーザーの負担増になる、こういうことで国民に多大の被害を及ぼしておると私は思うのであります。 さらに、この頻繁なモデルチェンジというものは省資源、省エネルギーという観点から見ましてもこういう国民的課題に逆行をするわけであります。頻繁なモデルチェンジをやる費用があるならば車の安全対策に本腰を入れるように各メーカーを指導するべきだと思います。 私どもの調査によりますと、各メーカーでは、ことしから来年にかけまして各主力車種のモデルチェンジを一斉にやろうといたしております。トヨタ、日産については前に参議院の方で質問されておりますので私は触れませんが、そのほかにダイハツは、シャルマンがフルモデルチェンジ、五十六年十月発表の予定であります。クオーレがマイナーチェンジ、五十五年七月。それから東洋工業は、ファミリアAPがフルモデルチェンジ、五十五年五月、サバンナがフルモデルチェンジ、五十五年十月、カペラがマイナーチェンジ、五十五年七月、こういう予定であります。こういうむだなモデルチェンジというものは私は自粛をするように厳しく指導をすべきだと思います。中でも三菱のギャランの場合には、型式指定がおりる前の二月からすでに量産を開始いたしておりまして、これは法的にも問題のあるところであります。こうした型式指定の前に生産をしないように各メーカーを厳重にチェック、指導をするべきだと思いますが、ひとつ運輸省と通産省の見解を聞きたいと思います。
○小林(育)政府委員 私どもの型式指定規則では、指定になる前に生産してはいけないということで、生産を規制するということは法的にはできないわけでございます。しかしながら、先生御指摘のように、指定になる以前に大量の車が生産されるということは、常識的に考えましても非常に不合理なことでございますし、いろいろ問題もあろうかと存じます。したがいまして、今後メーカーに対しましては、指定以前の生産というものを極力自粛するという線で指導をしてまいりたい、そのように考えております。
○横山説明員 通産省の関係でございますと、先生の先ほど御指摘になりましたモデルチェンジの関係かと存じますが、私どもも、乗用車につきましてちょうど昭和四十九年、第一次のエネルギーショック後、資源とエネルギーを大切にするという意識が急速に広がっておりました事情を背景といたしまして、モデルチェンジは公害、安全対策等、社会的な要請にこたえるものを最優先に行うべきとの通達を出して、過度なモデルチェンジの自粛を指導いたすことにいたしておりまして、その後も、ただいま申しました過度なモデルチェンジの自粛については十分に指導をしておるところでございます。
○木下(元)委員 指導しておると言われますが、私がいま具体的に指摘をしましたようにどんどんモデルチェンジの計画があるわけですよ。ここでは指導しておると言われましても、本当にその指導が十分やられておるのかどうかどうも疑わしいということで具体的に申したわけであります。こういうふうなモデルチェンジがどんどんやられるということに対して、今後もひとつより厳しく指導をされるように私は要望したいと思うのであります。いかがですか。
○横山説明員 ただいま申しましたように、モデルチェンジにつきましては公害とかあるいは安全対策等、その社会的な要請にこたえるという面もあるわけでございますので、モデルチェンジを一律的に自粛をしていただくというわけにはまいらないかとも思いますけれども、そういった要請にこたえるというモデルチェンジ以外のものにつきましては極力自粛をしてもらうように指導をしてまいりたいと思っております。
○木下(元)委員 その問題はそのくらいにいたしまして、次は大型貨物自動車の左折事故の問題であります。 この左折事故の問題につきまして、昭和四十六年五月に、この衆議院の交通安全特別委員会で決議をいたしております。「大型貨物自動車の運転者席を低くすることによる他の車両および歩行者等の安全性を確保するうえにおける利害について検討し、早急に結論を得ること。」という決議であります。 そこで、この決議がありまして運輸省の肝いりで委員会が発足をいたしております。四十六年八月です。大型貨物自動車運転席研究委員会であります。この委員会が運輸大臣の諮問を受けてレポートをつくっております。非常にスピードの速いまとめ方をいたしまして、十一月にこのレポートをつくっておるわけであります。それが、つい数日前私はもらいましたが、「大型貨物自動車の運転席高さと安全性」と題するレポートであります。このレポートの結論は一言で申しますと、低い運転席はかえって安全上問題がある、それよりも従来の運転席、高い運転席で対処した方が適当であるという結論であります。その条件としてはサイドアンダーミラーの設置、サイドガードの改良を打ち出しております。このレポートというものは一体国会の方に報告があったのでしょうか。この衆議院交通安全特別委員会の方に、これがつくられたときに報告をされたものでしょうか。
○小林(育)政府委員 お答え申し上げます。 あるいは資料要求等で御提出したことはあるかもしれませんけれども、正式に報告という形で提出されたことはないと思います。
○木下(元)委員 いや、その資料要求というのは委員会ではなくて各議員の資料要求があるいはあったかもわからない、この点はあったかどうか、お調べになりましたか。
○小林(育)政府委員 お答え申し上げます。 何分にも相当日時も経過しておりますので、記録等がございませんので明らかではございません。
○木下(元)委員 とにかくこの委員会の方に報告していないということであります。このレポートというのは巷間幻のレポートと言われておるのであります。結局この結論によって、運転席はこのままでいいんだという考え方がまかり通るのであります。運転席改造無用論と申しますか、そういう考え方のよりどころになってきたものであります。それまでは低運転席にした方がいいのではないか、こういう流れがあった。そうしてそういう流れの中で衆議院交通安全特別委員会で決議が行われる。それがこのレポートによってがらっと流れが変えられてしまうわけであります。このレポートが大型トラックの構造欠陥にメスを入れるのをおくらせる役割りを果たしてきた。罪深いレポートだと私は思うのであります。このレポートというものは、つくられたならば私はまず何をおいてもこの交通安全特別委員会に報告をされるべきものではなかったか、こう思うのです。この衆議院の交通安全特別委員会の決議に基づいて運転席研究委員会というものがつくられて、そしてレポートが作成をされる。そしてそのレポートの結論というものは交通安全特別委員会のその考え方とむしろ逆行をした結論になっておるとすれば、なおさらのことそのレポートの結論というものは報告をされるべきだと思うのです。これはどうしてしなかったのでしょうか。
○小林(育)政府委員 当時の担当者、もう皆かわっておりますので、私どももその正確な理由というようなものについてはわかりませんけれども、ただ想像いたしますに、そのレポートというものは一応中間報告というような形でまとめられておるわけでございまして、恐らくそうしたことから委員会に提出がなかったんではなかろうかと私どもは考えておるわけでございます。
○木下(元)委員 これは中間報告ですか。そうすると最終報告はあったんですか。
○小林(育)政府委員 中間報告のみでございまして、最終的な報告書というのはできておりません。
○木下(元)委員 結局この報告ができて、そしてこの運転席研究委員会というものは解散したんじゃありませんか、これをつくって。その後何かやりましたか。
○小林(育)政府委員 解散してはおりません。その後も引き続き検討は続けられておったようでございます。
○木下(元)委員 その後検討して——結局中間報告としてのレポートをつくった、その後何かおつくりになったんでしょうか。
○小林(育)政府委員 その後何回か委員会が開かれまして、事故解析等が行われたように聞いております。
○木下(元)委員 結局まとめたレポートとしては、いまあなたは中間報告、中間レポートというようなことを言われましたけれども、これしかないんでしょう。だから、これは中間だから国会の方に出さなかったと言われるけれども、これは中間とも何とも書いてないし、どうして一体中間レポートなのかよくわからぬけれども、最終レポートがあって初めて中間レポートですよ。最終がないんだから、別にこれは中間レポートとも何とも書いてない。これがやっぱりこの会の結論だ、こう私は考えざるを得ないのであります。これが交通安全特別委員会に報告をされていない。私がさっきずっと申しました経緯に照らしましても、国会無視もはなはだしいと思うのです。こういうことが二度とあってはならないと思うのです。そう思うから聞いておるんです。いかがですか。
○小林(育)政府委員 先ほども御説明申し上げましたように、恐らく中間答申ということで出されてないと思います。しかしながら、今度行われます今後の結果につきましては、ただその中間報告の時点で御報告申し上げるかどうかということはまた別途検討さしていただきたいと思いますけれども、最終結論が出た場合には、いまやっておる研究でございますね、低運転者席の評価の試験について正式の報告が出た暁においては当委員会に報告さしていただきます。
○木下(元)委員 何もそんなこと聞いてないですよ。私はこの前の研究委員会のことをまず聞いているんですよ。前の研究委員会で、あなた中間報告と言われるけれども、こういうレポートとしてまとまったものはこれしかないんだ。その一つしかないレポートをつくるために結局委員会をつくったんでしょう。その委員会は交通安全特別委員会の決議に基づいてつくられて、そしてこのレポートをまとめた。この一つしかまとめられていないレポートを結局報告もしていない。こういう国会無視は今後二度とやめてもらいたい、こういうことを言っているんです。よろしいですか。
○小林(育)政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、この委員会で決議されました御趣旨に基づいてできた委員会でございますので、当然この委員会に御報告すべきものと私どもは考えております。
○木下(元)委員 そこで、この左折事故問題解決のために今度はその前の委員会ではなくて新たに検討委員会がつくられておる。試作大型貨物自動車評価検討委員会というそうでありますが、一体こういう委員会がまたどうしてつくられたのか。これは運輸省の自動車局長の私的諮問機関だということでありますが、運輸技術審議会というものがあるわけですよ。これは運輸省設置法に基づいてつくられておる、法律に根拠を置いた機関であります。こういうきちんとした審議会があるのに、それとまた別個にそういう何かわけのわからぬ私的な諮問機関をつくって検討する、これはますます怪しいなと思うのですよ。どうしてこの運輸技術審議会でやろうとしないのですか。
○小林(育)政府委員 まず第一に、運輸技術審議会の自動車部会の性格から申し上げますと、個々の車の評価をするということではございませんで、中長期的な基準の見直しとか、そういうものを御審議いただくために設置されたものでございます。それから二番目には、この自動車部会におきましては、先ほどお話し申し上げましたように、いま基準の見直しをやっていただいております。したがいまして、先生方にさらに別な負担をおかけするということは非常に困難か、そういうことで別途委員会をつくったわけでございます。
○木下(元)委員 私は、こういう運輸技術審議会というのは、やはり名称のとおり技術的な問題についてもいろいろ検討を加える委員会であってよいと思うのであります。別個に何もつくる必要はないと思うのでありますが、その点はさておきまして、私は前のように結論を出しても国会に報告もしない、ひとつこういうことはあってはならないと思うのであります。今度は結論ばかりではなくて、ひとつ経過も国会に報告をしていただきたい、そしてまた検討の進め方についてもこの交通安全特別委員会でいろいろ論議をされる、その論議を踏まえてやってもらいたいと思うのであります。よろしいですか。
○小林(育)政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、この委員会で結論が出ました場合には、当然報告をさしていただきたいと思います。 ただ、今回の評価委員会の目的というものが、純技術的な観点に限られております。実際にそういうものを実施するという場合になりますと、純技術的な問題以外にいろいろ問題がございます。したがいまして、この技術的な評価が出ました段階で、その他のいろいろ周辺の問題についても当然御議論があろうかと思うわけでございます。したがいまして、実施に至ります間にそういう御意見を十分拝聴してやってまいりたい、そのように考えております。
○木下(元)委員 これまでの評価検討委員会の経過報告を、簡潔で結構ですから述べていただきたいと思います。
○小林(育)政府委員 試作車を五メーカー、十九台作成いたしまして、それを私どもの交通安全公害研究所並びに日本自動車研究所におきまして、昨年末までに定地的と申しますか、決まった場所での試験を終えております。そして、それについての取りまとめ作業にいま入っております。 それから今後の計画でございますけれども、大体五、六月ごろから、その車両をもちまして実際の道路での運行をする、そういう予定になっております。
○木下(元)委員 この二つの場所で研究等を進めておるということでありますが、説明は結構ですから、試験項目だけ言ってもらいたいと思います。
○小林(育)政府委員 交通安全公害研究所におきましてやりました試験は、視界試験、操安性試験、これは操縦安定性です。三番目に歩行者保護性試験、四番目に騒音試験というものをやっております。 それから日本自動車研究所におきましては、視線解析による動的視界試験、それから前照灯視界及び対向車のまぶしさ推定計算、それからドライバーの疲労試験、それから振動、乗り心地及び悪路走行性能試験、それから五番目にフィーリング試験、それから六番目に歩行者、二輪車乗員から見た安全性のフィーリング試験ということでございます。
○木下(元)委員 この試験項目いろいろあるようでありますが、これは同列と申しますか同価値的に評価をするのではなく、やはり私は重点がなくてはならぬと思うのです。歩行者の安全性にウエートを置いてやるべきだと思うのですが、その点はそれでよろしいでしょうか。
○小林(育)政府委員 この試作車をつくらせました目的というのがそもそも左折事故防止、歩行者なり二輪車に乗っておられる方の保護ということが主眼でありますから、まさに先生御指摘のとおりだと思います。
○木下(元)委員 トラック労働者の組合であるとかあるいは左折事故問題の解決を目指す団体、あるいはそのほか多くの団体、個人がこの評価検討委員会の成り行きを注目いたしております。大体トラックが大型化をしそして運転席が高くなったのは、メーカーが車の経済性と申しますか経済効率だけを追求する、そういう結果その産物としてこういう車ができてしまったわけです。それでいま構造を変えて低運転席にするということをいたしますと、これはメーカーにとっては大きな損失、大きな負担であります。だからメーカーはこれに対して猛烈に抵抗いたしております。運輸省はどうもそれに足を引っ張られるのではないか、結局低運転席の車をつくろうとしないのではないか、こういう見方が事実強いのです。この点いかがですか。
○小林(育)政府委員 試作車をつくるということはまた非常に費用のかかることでございまして、恐らくそういう意味においてはメーカー内部におきましてもいろいろ議論があったろうと思います。しかしやはり各メーカーとも、歩行者の保護ということで試作に踏み切ったわけでございます。したがいまして、もう低運転席をつくらないのだ、そういう予見と申しますか、あらかじめそういうことを予想してやるということはあり得ないわけでございまして、いろいろ利害得失がございますけれども、私ども公平な立場でそれらを評価してまいりたい、そのように考えております。
○木下(元)委員 もう時間がありませんので最後に聞きますが、評価検討委員会の進め方であります。これはひとつできる限り民主的にやってもらいたい。そして独走をすることのないようにやってもらいたいと思うのです。現場の運転手の声あるいは左折事故をなくそうとする団体の意見であるとか、あるいはいつ被害者になるかわからない国民の側の意見、こういうものを十分に反映できるようにしてもらいたいと思うのです。そのために、たとえば公聴会も開いてもらいたいと思います。これはもう結論が決まってから、あるいは決まりかかってからということではなくて、早い段階で開いてもらいたいと思うのです。試乗にも、現場の運転手が希望によってひとつ参加できるようにしてもらいたい。いかがでしょうか。
○小林(育)政府委員 私どもこの評価委員会の先生方を選定いたします場合に非常に苦慮したわけでございますけれども、学識経験者のほかに労働側の代表とか使用者側の代表とかあるいは消費者の代表とか、そういう方々に御参加いただきまして評価をやっておるということで、私どもとしては非常に広く委員の方々においで願った、そういうふうに考えておるわけでございます。いま現場の運転手にも当然試乗といいますか実験に参加していただくということでございますけれども、私ども今後、先ほど申し上げました五、六月ごろから始まります実地の試験におきましては、実際にトラック事業に携わっている運転者の方々に乗っていただくということでございます。ただ、非常に期間が長うございますし、その間の報酬といいますか、そういうものは非常に低いという問題もございまして、実は人選に困っているわけでございますけれども、そういうことで先生方にもお願いして、広くそれにテストをしていただく方をいま募っておるわけでございます。 それからもう一つ、広く声を聞け、公聴会を開け、こういうことでございますけれども、先ほど申し上げましたように、非常に技術的な内容でございます。したがいまして、公聴会を開いてどうという問題ではないと思います。むしろこういう車がどうかという技術的な結論が出ましたときに、恐らくそういう議論が当然出てくるのではないかと思っております。それから、そういう声につきましては、私どもの方へ投書なり、あるいは実際においでになっていろいろ意見、あるいは文書で意見というものもいただいております。そういうことを私どもは私どもなりにそんたくいたしまして、実際の試験の実施の原案をつくるときには、そういうものを反映しておるわけでございまして、そういう面におきましては、今後広く御意見を伺わしていただきたい、そのように思っております。
○木下(元)委員 もう時間がございませんが、いまの問題に関連して、最後に総理府にこの左折事故問題について聞きたいのです。 運輸省のつくった検討委員会だけにゆだねておくというようなことではなくて、やはり私はより広い見地から総合的な対策を総理府として考えてもらいたいと思うのです。車の構造問題とか道路の状態、あるいは車の通行方法、交通規制の問題、大型車の運転手の勤務条件や運賃の問題、こういうもろもろの問題を踏まえて総合的な対策を講じるべきではないかと思います。ひとつ総理府が音頭をとって総合調整を検討する、そういう方向で進んでもらいたいと思いますが、総理府いかがでしょうか。
○仲山政府委員 大型車の左折事故防止につきましては、自動車の構造、装置の安全性の確保、道路交通環境の整備、運転者、歩行者等を含めました当事者に対する安全意識の向上という三つの要素につきまして、相互の関連を考慮しながら、適切かつ実施可能な方策につきまして、いまの御趣旨に沿いまして、総合的に推進していく必要があると思います。このような趣旨に基づきまして、政府におきましては、数次にわたり大型車の事故防止に関する交通対策本部決定、あるいは関係省庁申し合わせを行いまして、これらに基づきまして、道路運送車両の保安基準の改正を行うとともに、歩行者、自転車利用者保護のための歩道等の整備、ガードレール、横断歩道橋等の交通安全施設の整備を推進してきたところでございます。このようないわばハード面での対策とあわせまして、従来から春、秋の全国交通安全運動におきまして、歩行者及び自転車利用者に対する交通事故防止対策の推進及び運転者に対する安全運転の促進に重点を置きました運動も総合的に展開してきたところでございまして、今後とも関係省庁と密接な連携をとりつつ、大型車の左折事故防止対策の総合的な推進を図ってまいりたいと思っております。
○木下(元)委員 質問を終わります。
○石田委員長 次に、玉置一弥君。
○玉置委員 私は、最近の自動車の高速化あるいは自動車技術そのものの進歩によりまして、現在の整備士、整備業界の体制が、交通安全対策という面から将来非常に不安があるのではないか、そういう観点に立っていろいろな御質問をしていきたいと思います。 運輸省の方針として、自動車整備という面から従来行政面でのいろいろな措置を考えられてまいりましたけれども、ことしの三月で一応整備士の増員をほぼ達成した、そういう話も聞いておりますし、またこれからの整備業界の近代化等についていろいろな対策を考えられているということも聞いております。 そこで、まずお伺いしたいのは、現在自動車分解整備等に関しまして、その業界の把握をどの程度やっておられるのか。簡単に言いますと、いま大体事業場がどのくらいあって、それぞれ規模別にどの程度の整備士を抱え、そして、それぞれが現在生活するためといいますか、売り上げとして、あるいは台当たり、あるいは一人当たりというふうに細かい分野で聞いていきたいと思うのですけれども、それについて現状把握ということで、まず業界全体でどういうふうに把握をされているのか、その辺についてお答えを願いたいと思います。
○小林(育)政府委員 お答えいたします。 私ども、毎年一回、自動車分解整備事業の実態調査というものを行っております。まだ五十四年度におきます調査の結果がまとまっておりませんけれども、現在私どもの手元にありますのは、五十三年度の調査ということで、五十三年の六月末の状態でございます。それによりますと、全工場の数が六万八千三百四十八工場。これが、五十三年度末、ですから五十四年の三月には七万六千八百八十四というふうにふえておりますが、この実態調査の時点では、いま申し上げた数字でございます。 これを業態別に見ますと、専業の工場が四万七千三百四十五工場、いわゆるディーラーと称するものの工場が二万一千三工場。それから、業態別の工員数でございますけれども、専業におります工員が十九万二千八百、ディーラーにおります工員が十四万四千。 それから、年間の売上高でございますけれども、専業におきましてはトータルで一兆四千九百二十二億、それからディーラーにおきましては一兆二千六百二十二億、こういうことになっております。それから、工員一人当たりの整備売上高で見ますと、専業の場合は七百七十四万円、それからディーラーで八百七十六万円という結果が出ております。
○玉置委員 現状でいきますと、大変な数の工場があるわけでございますけれども、いまの数字は認証工場だけですか。あるいは整備業の中でも認証されてないところもあると思うのですけれども……。
○小林(育)政府委員 認証工場の数でございます。整備工場の中で認証されてないというのはちょっとないはずでございます。と申しますのは、分解整備というものをやる場合には必ず認証を受けなければならないということになっておるわけでございます。整備業というのを広く解釈いたしまして、板金だけとか塗装だけとか、そういうものは含まれておりません。
○玉置委員 大変な数でございまして、個々にお聞きしてまいりたいと思います。 その中で、専業、ディーラーと二つございますけれども、これは単純に売り上げを人数で割られた数字だと思います。一人当たり約二割の差があるわけでございまして、これは主にどういうための差といいますか、同じことをやって二割の収入の違いがあるということなんですけれども、どこに原因があるかということです。
○小林(育)政府委員 非常にむずかしいわけでございまして、実は、同じ専業でございましても、私ども、この実態調査ではA、B、C、Dというようなランクづけで工場を分けております。〜というのが五人以下、〜というのが六人から十人、それからBというのは十一人から二十人、Cというのは二十一人から三十人、Dは三十一人以上、そういう区分けでそれぞれ専業とディーラーを分けておるわけでございます。その中で、同じディーラーにおきましても、そのランクによって差がある、それから専業におきましても、それぞれそのランクによって差が出るということで、ディーラーだから、専業だからということではございませんで、むしろ、スケールメリットと申しますか、ある程度規模の大きさによる利益というものがあるのではないかと思います。それは、いわゆるディーラー工場の方が工員数が平均的に多いということでございまして、恐らくそのあたりがこういう数字になったものと思われます。
○玉置委員 最近の自動車を見てみますと、従来に比べて非常に故障が減ってきている。そういうように思われますし、いろいろな自動車の各部品についても精度が向上して、部品自体の耐用年数がかなり上がってきている、そういうように思うのでございますけれども、従来でありますと、特に電気系統あるいは足回り系統、そういうところが比較的故障しがちで、特に専業整備工場といいますか、そういう方々が各地におられて、そういう方々がユーザーの方々のめんどうを見ていたということでございます。しかし、聞くところによりますと非常に故障が少なくなってきているというところから、やはり整備業全体としてある方向に変えていかなければならないのではないか、そういうふうに感じているのでございまして、運輸省として、現在の自動車整備の内容についてどういうふうに感じておられて、また、将来どういう方向に自動車の整備の中身が変わっていくのか、その辺をどういうふうにお考えになっているのか、その辺についてお伺いをしたいと思います。
○小林(育)政府委員 先ほど御指摘がございましたように、非常に車がよくなってきておる、こういうことでございます。それで、いま自動車は相当ふえております。年率にして大体六%ぐらいふえております。しかしながら、整備の需要というものは必ずしも車の増加に比例するということではございませんで、いま先生御指摘のように、車がよくなってまいりますと当然修理が少なくなるということでございます。 私ども、この実態調査におきましてもそういうことの調査をいたしておりますけれども、当初、この調査を始めました三十九年の一台当たりの整備量を一〇〇といたしますと、五十三年の調査では三三・五、一台についての整備量というのは約三分の一になってきた、こういうことでございます。そういうような一工場当たりの整備車両数の変化とともに自動車の技術というものが非常に変化しております。ことに五十三年の排ガス規制それからまた、ごく最近の省エネルギーに対するいろいろメーカー側の対応ということで、たとえば燃料を適正な混合比でまぜるという場合に、そういうものをエレクトロニクスを使ってやるとか、それから軽量化するために、もうすでに外車等ではアルミの外板ができるとか、あるいはプラスチックのバンパー、これも出ておりますけれども、プラスチックのバンパーが出るとか、そういうことで、車の中身、整備の中身というものが変わりつつあります。 それからもう一つは、これをお使いになるユーザーの層が非常に変化してきております。十年前までは、ある程度年齢者で収入が多い方が車を使っておられたわけでございますけれども、最近では非常に若い方、ことに女性の車を持っておるオーナーと申しますか、そういう方が非常にふえてきたということで、いろいろな面での変化が非常にあるわけでございます。 それで、今後一体どういうふうになるのか、どういうふうに対処すればいいのかということは非常にむずかしい問題があるわけでございますけれども、私どもは私どもなりに対応をしていかなきゃならないんじゃないかということで、いろいろ計画を立てて指導をしているわけでございます。
○玉置委員 ユーザーが変わってきているというお話でございまして、確かに女性ドライバーもふえて、女性で実際車をお持ちになって運転されるという方々も非常にふえております。そういう方々が、実際のところどの程度車の構造に対しての知識を持っておられて、そして修理ができるか、あるいは判断ができるかという点から考えまして非常にむずかしいと思うのです。特にパンク修理もできないという方々もおられますし……。逆に言えば、そういう方々がふえているということはますます、自動車の現在の状態を診断していかなければならない、要するに、ほかの人が、専門家が見て、あなたの車はこうですよという判断を下して、それに対して次善の策を講じるとか、あるいはその場で修理を行うということをやっていかなければならなくなっているんではないか、そういうふうに思うわけでございます。 それと、先ほどございましたように、排ガス規制あるいはエレクトロニクスの利用が非常にふえているという面から考えますと、従来の自動車というもの以外にたとえば電子部品である、いわゆる電気屋さんの要件というものがやはりこれからの整備の方々に必要になってくるのではないか、そういうように思うわけです。ところが、現在の整備士の試験、そういうものを見ますと、従来の資格試験をやっておられる内容とそんなに差がないのではないか、そういうように思うわけでございまして、これからやはりそういう面を考えていかなければならないと思うのですけれども、整備士の資格試験の内容といいますか、要するにこれから整備士として求められるものは何か、それについてお伺いしたいと思います。
○小林(育)政府委員 先ほど整備事業として今後どうなるかというお話をしたわけでございますけれども、それと裏返しになるかと思いますけれども、いま先生御指摘のように、やはり新しい技術というものが導入されてくるわけでございます。事故の修理にいたしましても従来のような板金のやり方ではいけなくなってくる。それから、いま御指摘のようにエレクトロニクスが組み込まれたものでは、どんな優秀な整備士がおりましても外観からではその性能がいいか悪いかということは判断できない。そうなりますと、当然そういうものを診断する機械というものを導入していかなければならぬ。修理も同様でございます。そういうことから、整備士に非常に広い知識、新しい技術に対する能力というものがまず一つ要求されるだろうということでございます。 それから二番目には、先ほど申し上げましたように、やはりユーザー層が変化しておりますので、いま先生御指摘のように、やはり技術面に余り明るくない方がまたふえてくるということでございますので、私どもそのホームドクターの役割りをしろ、こういうふうに申し上げておるのですけれども、いつでも気軽に車のことを御相談できるような人であってほしいと思うわけでございます。 それから三番目には、経営がだんだんむずかしくなってくると思います。と申しますのは、先ほども申し上げましたように、車がよくなって整備の需要量というものが非常に少なくなっておるわけでございます。一方、実態調査の結果等を見ますと、確かに整備売り上げというものはふえておりますけれども、生産性はここ二、三年、ずっと下がっておるわけでございまして、やはり生産性を上げていかなければならない。ただ技術がうまいとか直し方がうまいという以外にそういう経営的な感覚を持った人、これは将来その整備士の方が独立される場合にも当然必要かと思いますけれども、ある工場に雇われて働くという場合におきましてもやはりそういう能力というのが要求されるのではないか、そのように考えておる次第でございます。
○玉置委員 そこで、現在、いままでのいろいろな問題を抱えて、先行き整備に対する動きというのはそれぞれの業界は業界、そして運輸省は運輸省というふうに大体つかんでおられるというふうに感じておりますけれども、そういう中で現在の仕事量が台当たり減ってくる、そしていろいろな技術が進んでいく中で整備業界としてどのように対応なさっているのか、その辺をどういうふうにつかんでおられますか。
○小林(育)政府委員 私ども自動車の整備業の近代化という問題につきましては、昭和三十九年から近代化促進法にのっとりまして数次にわたっていろいろな計画をつくって指導しているわけでございます。現在では第二次の構造改善事業ということで計画を立てておるわけでございます。 この計画の主な柱は、一つは企業の集約化という問題、一つは教育、知識、そういうソフトの面の対応、この大きな二つに分けて指導しておるわけでございます。 それで、集約化ということは実際に経営されている方には非常に抵抗があるわけでございます。小なりといえども一国一城のあるじであるということで、なかなか集約化ということが進んでまいりません。しかしながら、先ほど申し上げましたように、一台当たりの整備量が減り、非常に工場間の競争が熾烈になるということと同時に、先ほど申し上げましたように新しい機械をどんどん買い入れていかなければならぬ、そうすると相当なる資金が要るわけでございます。その高価で買い求めた機械が非常に少ない台数しか処理をしないということになると一台当たり非常に高いものにつく、償却もできない、こういう結果になるわけでございまして、やはりある程度規模がないと今後整備事業をやっていくということがなかなか困難だ、私どもそういう観点に立ちましてこの企業の集約化ということを推進しておるわけでございます。 ただ、当初申し上げましたように、実際に整備をやっておられる方には抵抗が強いということでなかなか浸透してまいりませんけれども、私どもはいままで数次にわたってこういう改善事業をやってきたけれどももうこれが最後のチャンスですよ、このチャンスに乗りおくれると企業が存続していかなくなるかもしれません、決しておどしでなくて私どもはそういうふうに考えております、こういうことを申し上げておるわけでございますし、それからもう一つの教育の面につきましては高度化資金等を使いまして各県に教育センターというようなものを設立して、中小企業、ことに零細の企業の方には、教育といいましても、自分で勉強するといってもなかなか時間と暇と能力が不足するということもございますので、そういうところを通じまして新しい知識の導入なり考え方をお教えする、そういうことでやっておるわけでございます。
○玉置委員 いまのは運輸省としての方針ですか。聞くところによると、業界として比較的人ごとのようにとられているような話を聞くのですけれども、認識度合いといいますか、要するに本当にやっていかなければいけないと思っているのかどうか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○小林(育)政府委員 実際に企業を経営している方々ばかりでございますので、やはり相当な危機感は持っておると思います。ただ、先ほど来申し上げておりますように、企業集約ということになりますと、自分の長年やってきた仕事がなくなってしまうということで非常に抵抗が多いわけでございます。しかしながら、集約のやり方につきましては、二つの企業が全部一緒になってしまうというやり方もございますし、一部協業といいますか、そういうやり方もございます。したがいまして、やはりそういう形で自分の企業をなくしてしまうというわけにはなかなかまいりませんけれども、できるだけ一部のものを協業化するとか、あるいは個々の事業ではできないような部品なり資材なりの一括購入とか、そういう形での、集約という言葉が当たるかどうか知りませんけれども、そういうことも当然あるわけでございます。ただ、そういう場合にはやはりそれぞれの企業主の方が同志的結合と申しますか、わりあいとチームワークがいい、そういう協同組合なり何なりというものは非常にうまく育っていくわけでございますけれども、そうでない中で争いが起きるというようなところは脱落してしまう、こういうことがございます。 いずれにしましても、そういう意識としては相当芽生えている。ただ、自分の企業がどうなるか、いままで長年やっていたものを放棄できないというところに相当問題があるということは事実だろうと思います。
○玉置委員 集約化という面で非常にむずかしいと思うのですね。特に一国一城のあるじというお話がございましたけれども、昔で言うとのれん分けということで、あっちこっちにいろいろな新しい工場に分かれてきた。そういういままでの発展経過もございますし、またそれが整備業に働く方々の夢だと思うのですね。そういう夢を摘み取ることになる、これが最大のネックではないか、そういうように思うわけでございます。しかし、先ほどみたいにディーラーとあるいは専業と、そういう面から非常に収入格差が出てくる。収入というか、要するに一人当たりの売上高で見ると、二割以上の格差が出ている。そういう実態から見ますと、どうしても人を集めてたくさんの中でいろいろな仕事を消化した方が非常に生産性が上がってくるということがデータとして出ているわけでございます。 そこで、分業、協業、その辺についてお伺いしたいと思います。 たとえば、五、六カ所の工場が集まりまして、ある地域で一カ所で作業場を設ける。そして、個々の従来事業主でございました方々の中で分担をして営業活動なり、あるいは場合によっては経理の専門家になられる方もおられます。そしてたとえば、板金が専門の方、あるいは電気系統が専門の方というようなことで、それが協業化でかつ専門化ということになると思うのです。そういうことを考えられると思うのですけれども、現在ところどころで、そこまではいかないけれども、ある程度集まってやられているというお話を聞いておりますけれども、全国で大体どのくらいの感じでいま進められているかというのがわかりますか。
○小林(育)政府委員 現在協同組合というのが全国で四百二十一ございます。この中で指定整備の工場を持っておるというのが百三十一ございます。そのほかに協業組合というのがございます。これが全国で三百五十三ございます。そのうちで指定を取っておるのが三百三十四ございます。これは五十四年三月末の数字でございますが、そういうことで、全国相当のものがあるわけでございます。 ただ、先ほども申し上げましたように、こういう組合をやりますときに、同志的な結合というのが非常に強うございまして、一概には申し上げられませんけれども、非常に組合員の数の多い組合というのは、かえってそういう面でいろいろトラブルがあるようでございます。地域的な距離の問題もございますけれども、ある程度以下にしぼって、先生御指摘のように、それぞれもとの工場の方は特技を生かすといいますか、そういうようにやっておられる組合というのは非常にうまくいっているというふうに私ども聞いております。
○玉置委員 私が非常に危倶しておりますのは、いままでのいわゆる専業の方々、そういう方々の、私もいろいろな方とつき合いがございますけれども、私なりに感じておりますのは、昔で言うと、いまでもそうなんですけれども、職人かたぎ、要するに自分の気が済むまで仕事をやるということで、まず一つはそれが生産性の低下につながっているのではないか。というのは、必要以上のことをやっておられる方がある。大体においてそっちの方が多いわけですね。それと、いわゆる日銭というか、要するに食いぶちさえあればいいということで、いろいろな投資だとか、要するに先行投資あるいは借り入れをして返済をする資金繰り、いわゆる経理面での知識が非常に乏しい。それから、すでにいろいろな面で影響が出ておりますけれども、営業活動が昔と違ってきている。そういう点が一人当たりの売り上げを非常に減らしている原因ではないかと思うわけです。心配しておりますのは、やはりそういう方々が非常にふえてきて、さらに台当たりの売上高がこれからもさらに減っていくだろう。そういう中で、現在の業界再編成といいますか集中化あるいは教育の向上ということを考えていかなければならないのでございますけれども、その中で、いわゆる技術面での知識の教育というものも必要でございますけれども、経営面あるいは営業活動とかそういう面も含めて考えていかなければならないのではないか。しかし、これは運輸省の管轄外にはなるかもわかりませんけれども、業界に対する指導というものはできると思うのです。そういう点でいかがお考えでしょうか。
○小林(育)政府委員 いま先生の御指摘は、整備士といいますか、整備工場の企業主というのは、車を直すことには非常に仕事の虫であるけれども、経営的、ことに営業というような面で非常に弱い、こういうことでございます。実態調査によりましても、そういうことが非常に端的に出ておるわけでございまして、たとえば先ほど申し上げましたA1という工場、五人以下の工場でな事務員が平均〇・五人でございます。この〇・五人というのは実は整備もともにやる。あるときは整備をやりあるときは事務もやる、こういうことで専任の事務員は統計的にゼロでございます。それからもう少し上のA2のランク、五人から十人のランクヘいきますと、事務員兼工員が一・四人おりまして、専門にやっているのが平均で〇・二人、こういうことでございます。さらに上にいきましてBのランク、十一人から二十人のランクで整備と兼業の事務というのが二・七人、専門の事務員といいますか、受注を専門にする人、営業と考えていただいて結構だと思うのですが、これが〇・九人、この辺でやっとやっと一人。ですから、工員さんが十一人から二十人ぐらいで初めて一人出てくる。 それに比較いたしましてディーラー工場では、同じ規模の十一人から二十人ということで見ますと、整備と事務の兼業の人が二・三人、それから受注を専門にしている人が一・四人ということで、明らかに整備工場での営業活動といいますか、そういう営業的なことが不得手といいますか、やられてないか、こういうことがわかるわけでございまして、私どもそういう意味ではもっと営業的な面に人を充ててほしいと思いますし、一つは、今度認証基準の改正をいたしましたけれども、その中で女性整備士というものがいろいろな意味で取りざたされております。ある面ではそういうものは数合わせであって、実際の整備に役に立たないのじゃないかというような御批判もあるわけでございますけれども、零細企業の方は、三ちゃん農業ではございませんけれども、三ちゃん工場ということで、だんなさんと奥さんと工員一人くらい使ってやっておるというようなタイプ、そうなりますと、奥さんが当然経理と、ときには手伝う、整備士を取った方はこうなるわけでございます。そういう方が、実際に受注をされる窓口に出られる方、営業活動をやられる方が整備の資格を持っておられることは、相当の強みじゃないか。私はこういうことを想像してやったわけではございませんけれども、けがの功名的に今後なるのではないだろうかと言って、ひそかに期待しているところでございます。
○玉置委員 ただ単に業界を維持するというだけではなくて、やはり予防整備という面から営業活動を重視していかなければならない、まあ、形としては営業活動になるわけですね。だから整備士、車を診断できる方がいろいろな機会を通じてそれぞれの車を使っておられる方々と接して、診断を下しながら危険を未然に防止するという意味から、あるいは排ガス規制等公害防止という面からやっていかなければならないゾーンではないか、そういうふうに思うわけでございまして、営業活動という言い方がいいのか、あるいは予防整備という面で、これから業界に対して運輸省として力を入れていっていただきたい、そういうふうに思うのでございます。 それで、先ほど伺った売上高は、いわゆる間接人員込みの人数で割られた数字ですか。
○小林(育)政府委員 間接ということではございませんで、整備受注を専門にしている者という数字でございます。それと、整備事業に従事しながら受注もやっておる、そういう区分けの数字でございます。
○玉置委員 その前に、一番最初に一人当たりの売上高を聞きましたね。
○小林(育)政府委員 これは工員だけでございます。工員一人当たりでございます。だから間接員は入っておりません。
○玉置委員 それと、現在協業化あるいは集中化ということでございますけれども、逆にいま非常に心配しておりますのは、集中化をした場合に大手ディーラーとの差がなくなって持ち味がなくなるわけですね。そういう点で脱落するところが出てくるのではないか、そういうふうに思うわけですけれども、その辺についてはどのようにお考えですか。
○小林(育)政府委員 非常にむずかしい問題でございまして、一つは大きな整備、車検とかそういう整備につきましては、先ほどから申し上げておりますとおり、ある程度の規模のメリットがあるわけでございまして、そういう意味では大きくしていかなければならないということでございます。一方、最近はディーラーが各地に大きな工場をつくっておるわけでございます。それで統計的に見ましても、新しいお客さんといいますか、ディーラー工場で整備をするお客さんの数のふえ方というものは、専業の工場のお客さんのふえ方よりも相当高い率でふえております。ということは、専業工場からディーラー工場に客がとられている、こういう実態が出ているわけでございます。ですから専業の方としては、何とかディーラーに流れていくお客さんを呼び戻す手だてをしなければならない、こういうことでございます。それには大きさではなくて、先ほどの話のユーザー層の変化ということもございますし、修理の腕がいいんだ、もうおれは三十年やっているんだということではなかなか新しいお客様というのは寄りついてこない。車の知識もない、あるいはある工場へ行ったらば工場の中が非常に汚い、修理をしている人も油にまみれた服を着て出てくる、こういうことではなかなか新しい層のお客さんはつかないということで、恐らくディーラーの方へ流れるのではないかと思うわけでございます。 それではどういうふうにお容を取り戻したらいいのか、こういうことになりますと非常にむずかしいわけでございますけれども、要するにディーラーにない特徴を生かせばいいということでございます。ディーラーというのは、たとえば病院で申せば大病院のように非常に型にはまったあるルーチンの仕事しかやらないわけでございまして、それに比べまして専業の工場では、もっと小回りのきく非常に細かなめんどうも見られますし、それから親切な相談にも応じられるはずでございます。ですから専業は専業、小さい工場は小さい工場なりの特質というものをうまく生かしていく。その地区、地区でいろいろ条件も違いましょうけれども、そういう特質を生かしていく。自分の工場は何が一番得意なのか、どういう点がディーラー工場にないメリットなのかということを見きわめてやることが必要なのではないだろうか。そうしませんと、やはりディーラー工場との比較において、資金力から言いましても、人材を集める力と申しますか、そういうことにいたしましても、専業工場というのはなかなかむずかしいのではないか、そういうふうに考えておるわけでございます。
○玉置委員 車検整備の民間移管というのですか、これは運輸省で大体七〇%をめどにという話がいま出ているようでございますけれども、これが地域によって、要するに運輸省の方針として七〇%をやるんだというところと、逆に、いまいろいろお聞きいたしました近代化の促進ということで技術レベルあるいは経営レベルを引き上げて、その結果七〇%を目標になるぐらいにしたいというお話と両方聞くわけですけれども、運輸省としてはどちらの方向で現在やっておられますか。
○小林(育)政府委員 七〇%というのは大分以前に立てられた目標でございまして、本来はもうとうに七〇%という線に到達していなければならないはずでございます。そもそもこれは行政簡素化という観点から、少なくとも七〇%ぐらいは民間に任すという政府の方針で決められたものでございます。したがいまして、私どもとしては何とか七〇%の線に持っていきたいと思っております。しかし、この七〇%の線に到達しますためには、一つはやはり工場数がふえていただかなければいかぬという問題と、それから一工場当たりの処理数をふやしていただくという、この二つがあるわけでございます。それで、工場数をふやすということにつきましては、新規認証の工場はどんどん出てまいりますけれども、そのほとんどが非常に小さい工場でございます。したがいまして、企業集約なり共同化なりを進めてある程度規模を大きくしていかなければ指定工場になれない、こういう問題があるわけでございまして、私どもそういう意味からもできるだけ協業化をして指定工場をとる。またこれも企業的に見れば、現車を一々陸運事務所まで運ぶ手間なり費用が要らないわけでございますから、非常に生産性の向上にもつながるということになるわけでございまして、そういうことから、できるだけそういう方向に向かっていただきたいという指導をしているわけでございます。ですからどちらが目的かと言われますと、当初は七〇%の線に到達するというのが最大の目標であったわけでございますけれども、現在ではそういう企業の集約化なり整備事業自体の向上を図るという意味も相当に含まれていると思います。
○玉置委員 いろいろお聞きをしまして、本当はきょう中小企業庁呼んでいろいろお願いをしたいことがあったのでございますけれども、近代化あるいは構造改善という意味で行政的な措置としていろいろとっておられますけれども、やはり体力から考えて非常に進展がむずかしい、そういうような気持ちがするわけでございまして、特にどういうことをしろというお話を片側しかおられないので言うわけにはいきませんけれども、そういう面でやはり将来安全性という面から現在の技術向上を図る、そういうこともございますので、行政的な援助というものを金銭的にも必要でございますし、あるいは逆に用役等でお願いをしておきたいと思います。ほか二、三言いたいことございますけれども、時間が参りましたのでまたの機会に持ち越すことにいたしまして、本日はこれで終わりたいと思います。
○石田委員長 次回は、公報でお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十一分散会