交通安全対策特別委員会 第6号
- 発言数
- 202 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1980/04/16
会議録
○石田委員長 これより会議を開きます。 交通安全対策に関する件について調査を進めます。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野中英二君。
○野中委員 まず最初に運輸省に御質問申し上げる次第でございますが、きょうから国鉄のストが始まったわけでございますけれども、聞くところによりますと、これによる国鉄の減収額は一日当たり七十億二千万円に相当する、こういうことを聞いているわけでございます。そこで、今回の国鉄運賃の値上がりによりまして、一日増収額は二億八千万円と言われているわけでございます。してみますと、一日ストを打たれると七十億二千万円の減収になる、そして運賃値上げによる増収分は二億八千万円、二十五日分の損害を一日のストで国鉄は打撃を受けるわけでございます。この公共料金の上がる今日、庶民がいかに苦しみながらこの負担にたえているか。にもかかわらず、こうした不当ストを認めていいのであろうか、この基本姿勢について私は国民が納得いくように運輸省の答弁を求める次第であります。
○丹羽説明員 お答え申し上げます。 きょう国鉄の国労、動労等のストライキが行われました。その結果、国民の皆様に大変迷惑をおかけしたということを大変遺憾に考えております。 国鉄につきましては、いま先生の御指摘のとおり、現在国鉄は非常に厳しい現状でございます。昭和五十四年度末の推計で約六兆円を超す累積赤字が出るような状態でございますが、この事態を打開するために国鉄再建をぜひ行わなければならないわけですが、その前提としてはやはり労使一丸となって国鉄再建に努めていただく、こういうことがどうしても必要であります。 それで、私どもといたしましては、今回の春闘の話につきましても、このような違法ストが行われることのないように、事前に国鉄当局があらゆる努力を傾けて、労働組合の方々を説得するとか、そういうようなあらゆる努力をして、それでストに入らないように、そういう事態が起こらないようにということを強く指導してまいりました。しかし、先生方御存じのとおり、けさストライキが行われてしまいましたが、いまとなりましては、このストライキをできるだけ早く、違法ストをできるだけ早く中止してもらうように、国鉄に対して強く指導しておるところでございます。
○野中委員 このストを一日も早く、一時間でも早く収拾していただきたい、こう思うわけでございます。 次に、警察庁に御質問申し上げておくわけでございますけれども、当然予想されたストであります。それに対して警察庁として手を打っていたのかどうか。と申しますのは、国鉄がストによってストップをする。してみれば、当然これはもう庶民の貴重な一万円なり二万円のお金を出してタクシーで通勤をしなければならぬ、あるいはマイカーによる通勤をしなければならぬ。きょうのテレビも、もうすでに朝の五時半ころから非常なふくそうが始まった、雑踏が始まったということを報じておりますが、それに伴うところの交通指導、あるいはまた当然会社に参りましての駐車場の手当て、それによって片側に置かれるというような、駐車違反が行われるというようなことになれば、ますます交通渋滞を起こす原因になるわけでございます。こういう対処をなされたかどうか、お尋ねしておきます。
○池田政府委員 御指摘のように、本日全国的に道路交通の混雑が予想されましたので、警察といたしましては、全力を挙げてこれに対処することといたしたわけでございますが、基本的な考え方といたしましては、先生御指摘のとおり、幹線道路につきましては最大限の交通量を確保する、こういった観点に立ちまして、特に主要交差点等におきます交通整理等につきましては、通勤時間帯を重点にいたしまして、最大限の警察官を配置いたしまして、車に対する交通整理、誘導、その他を実施いたしたわけでございます。また同時に主要駅、ターミナル付近等につきましては、歩行者の安全というものを最大限に考えるという対策を講じました。また同時に裏通りにつきましては、ほかの日と違いましてマイカーが大変に多い。したがいまして、通常は禁止されております駐車につきましても、そのことによります特段の交通の支障があるといったような場所を除きましては、極力指導等によりましてその足を確保する、こういった方途を講じたわけでございます。 その結果でございますけれども、午前八時現在におきましては、東京を初めといたします首都圏、中部圏、近畿圏及び全国主要都市におきましては、大体十キロ前後の交通渋滞が見られましたけれども、全般的には平常よりも若干上回るといったような程度におさまりまして、十時現在になりますと、交通渋滞はほとんど解消に近い形になってきておるということでございまして、昨年に比べますと渋滞の程度は大幅に下回ったという報告を受けております。 少し詳しく申し上げますと、首都圏のまず東京でございますが、一号線、四号線、六号線、十四号線、二十号線等におきましては、五キロないし十キロ前後の渋滞が見られたわけでございます。もちろん時間差がございまして、御指摘のように、一番早い道路につきましては五時半ごろから混雑が生じた場所もございます。埼玉、千葉、神奈川等の、東京へ通じます主要幹線道路でございます十七号線、二百五十四号線、十四号線、二百四十六号線、十六号線等につきましては、約五キロないし十二キロ程度の渋滞が見られました。 また、近畿圏につきましては、京都市で、一号線、九号線等で十キロ前後、大阪では一号線で十キロ前後の渋滞が、また神戸市におきましては二号線、四十三号線等で五ないし八キロ程度の渋滞が見られまして、平常よりはやはり混雑の度合いが増しております。 中部圏につきましては、名古屋市におきましては、一号線、二十二号線等につきましては平常を若干上回る三キロ程度の渋滞ということでございますが、その他の札幌、仙台、広島、福岡、北九州等の各主要都市におきましては、五ないし十キロ程度、平常より若干多い程度で、現在はほぼ常態に復しておる、こういう報告を受けております。
○野中委員 こうした交通渋滞が始まりますと、いまも池田交通局長の方からお話がありましたように、ふだん車が通らない裏道、こういうことで一分でも早く行きたいという心理になるわけでございます。したがって、通らないところを通ってくるわけでございますから、交通事故のないように特に注意をしていただきたい。そしてまた、ことしもし欠陥があったとするならば、来年はこれをいかに改めていくかという検討をしていっていただきたい、こう思うわけでございます。 現況報告を聞きまして、この程度ならばまあよかったなという印象が深いわけでございます。どうぞ今後もこのことについて御注意くださいまして、本年の過ちを来年繰り返さないようにしていただきたい、こう思うわけであります。 さて次に、過日私が質問をいたしましたメリット・デメリット制度についてその報告を出していただきたい、こういうことで大蔵省から、あるいはまた運輸省からそれぞれ報告書類が参っておるわけでございます。このメリット・デメリット制につきましては、御存じのとおり昭和四十四年十一月から継続で論議されてきたところでございます。 まず第一点お聞きをしておきたいことは、自動車損害賠償責任保険審議会というものは一体自賠責だけを論議する審議会なのかどうか、基本問題でありますからお聞きしておきたい。
○松尾政府委員 自賠責審議会の本来の任務といたしましては、いま御発言ございましたように自賠責保険を審議する審議会ということでございます。
○野中委員 いまお話がございましたように、自賠責を審議する審議会、こういうことでございます。 そこで、まず昭和四十四年に約九つの問題点を提起しておるわけでございます。その中で四番目がメリット・デメリット制度でございますが、最初にお聞きをしておきたいことは、この七番目の「重複支払の廃止」という条項がございますが、このことは一体なされているのかなされていないのかということでございます。
○永光説明員 お答えいたします。 重複して保険契約がある場合には、片一方によるということで出されないことになっております。重複はないということにしてあります。もし強制保除契約が二つあった場合は、一つの契約にしか有効でないという形をとっております。
○野中委員 間違いないんですね。
○永光説明員 間違いございません。
○野中委員 それでは、日本坂トンネルにおける事故の支払いをひとつお聞きしたいのであります。
○永光説明員 いまの重複保険との関連で聞かれたんだと思いますが、いま手元に資料がございませんのでトンネルの事故の詳細についてちょっとあれですが、恐らくおっしゃいますことは、一つの事故でたとえば加害車両がありまして、そしてAの車とBの車によってCの人が死亡するという場合に、Aの契約もBの契約も有効であるということは、これは共同不法行為によりまして損害が四千万あればそれぞれの加害者の保険契約から出る、これは重複保険ではございませんで、ここに言います重複保険というのは、一台の車が二つの強制保険に入っている場合がかつてあったわけでございます。そういう場合に、事故が起こった場合に、加害者は一人なんですけれども、仮にその車が強制保険を二枚入っている場合にその二つから出るというのはおかしいではないかということで重複保険を廃止しましたので、日本坂トンネルの場合は、加害車両が複数の場合にそれぞれの加害車両の保険から出るということ、これはここに言います重複ではないわけでございまして、そこに言います重複は、一つの車両が二枚強制保険に入っているというような場合にダブルで払うということをやめる、こういう考え方で審議会の答申が出ておるわけでございます。
○野中委員 私は頭が悪いのかな。これはこういうふうに書いてあるのです。「現行責任保険制度の下では、複数の車両によって事故が起こった場合には、それぞれの契約に基づき被害者に対し、重複して保険金が支われている。」云々と書いてあるのです。これは一車両が強制保険を二つ掛けるということではないでしょう。上級職を取ったお偉い方でございますからあなた方の解釈の方が正しいのか、ぼくが間違っているのか、お聞かせ願いたい。
○永光説明員 失礼しました。 この場合、先生がおっしゃるような形で二つございます。それで現在の重複保険の制度として、この一部の問題としての一車両の二保険につきましては手当てをした、こういうことでございます。
○野中委員 私が言った方が正しかったようであります。 そこで、いま申し上げましたように共同不法行為によって行われますと、複数あるいは複数以上の車によって一人の人がひかれる、こういうことになれば、三台だったら六千万円もらえるということになる、こういう考え方は一体この自賠責の精神にのっとっているものであろうかどうか。これをお聞きしたいのです。
○永光説明員 お答えします。 現実には加害者の責任を担保するということになっておりまして、当該被害者に仮に損害がありまして、その損害をカバーする意味で、加害者が複数であります場合は共同不法行為ということでそれぞれがそれぞれの損害についての責任を負うものですから、その責任に対しての保険ということを法制上とっておりますので、それの保険に入っておる場合はその保険から保険金が支払われるという形になるわけでございます。
○野中委員 今度は大蔵省の松尾さんに念のためにお聞きしておきますが、おたくのこの報告書を見ますと、車それ自体に掛けられたものが自賠責なのだ、こういう範疇のもとにこのメリット・デメリット制度について論議され、その結果が報告書に出ている。これは車両保険なのですか。
○松尾政府委員 対人賠償責任保険でございますが、自賠法上、これは運行する車両に付さなければならないということになっておりまして、車単位でとらえておると認識をいたしておるわけでございます。
○野中委員 運輸省もあるいはまた大蔵省の考え方もいま車単位という考え方でこの自賠責を見られておる。それは自動車損害賠償保障法の第三条を見てください、そして第五条を見てください。お役人の皆様はこの第五条の方がとにかく頭に入っておる。ところが、第三条は「自己のために自動車を運行の用に供する者は、」これは車じゃないのです、人間なのですよ。「者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる。」とあるのです。そして第五条には「自動車は、これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならない。」と書いてあるのです。片方は人間を規定しておいて片方は車を規定しておる、いずれにアクセントを置いて考えているのか。あるいは二者並行して、択一することなく物を考えていくべきなのか、この基本をお聞きしておきたい。
○松尾政府委員 第三条は、自己のために自動車を運行の用に供する者が損害賠償責任を有するということを規定しておるわけでございまして、事故を起こした、他人の生命、身体を害したというときに自動車を運行の用に供する人間が賠償責任を負うということを規定しておるわけでございます。それを第五条では自動車単位にとらえまして、保険契約の締結されていない自動車を運行の用に供してはいかぬということを書いておるわけでございまして、賠償責任はあくまでも個人と申しますか自動車を運行の用に供する人間であるということでございます。
○野中委員 そうしますと、この自賠責保険といってもこれは国がかわって払っていくわけでございますが、とにかく払う責任を生ずるというのは運行する人間にあるわけです。この辺も十分考えていただかなければならぬ。車だけではないのだ。ですから、おたくの考え方は、その後の車単位の保険なのだというふうにきめつけてしまっている、本当の責任はそれを運転している人間にあるわけでありますけれども、保険が掛けられた車だけを重視して物を考えていく、いわゆるメリット・デメリット制度というものもそういう考え方で終始しているわけですよ。私は、ここに発想の転換をするべきときが来ているのではないだろうか、こう思うのです。
○松尾政府委員 責任を問われるのが人間であること、これはもう御指摘を待つまでもなく当然のことでございまして、そういう他人の生命、身体に損害を与えた人間が賠償の責に任ずるということは当然のことでございます。自賠責審議会の四十八年の答申で申しておりますように、賠償責任が人間にあることは当然なのでありますけれども、車両単位に付保されておるということから、「事故歴等を基準とする制度の導入には種々困難な問題が含まれているが、」「なお引き続き検討すべきである。」というのが審議会の結論でございまして、技術的に車と人とをどう追っかけるかというところにいろいろ困難な問題があるということを審議会自身が御指摘になっておられまして、そういう困難があるけれども、ただいま先生の御発言のような事故防止という観点から言えば、メリ・デメ制度を導入するという考え方もあるので、なお引き続き検討しろ、こういうふうな答申をいただいたということでございまして、われわれ技術的になかなか困難であるという前提に立ちながら、引き続き現在まで検討いたしておる。しかし、そういった困難をまだ乗り越えるところを見出せないものでございますので現状にとどまっておる、こういうことでございます。
○野中委員 まことに追い打ちするようで申しわけないのでございますが、思想統一が一貫してないからこの保険の流れというものがくみ取りにくい。ですから、これを通して考えているものは何なんだろうということを考えますと、そうしますと、これは要するに加害者集団というものが被害者に共同責任において払っていくという考え方でしょう。そういうことでありまして、それが一体車が物を言うのか、人間が物を言うのか、ここら辺もきちっと詰めていかないといろいろな矛盾が出てくるのでございます。それはこの審議会においても、たとえば酔っぱらい運転、無免許運転の場合にどうするか。これはいまお払いになっているのでしょう。酔っぱらい運転をするとかあるいは無免許運転をするとかいうものは、もう車を使う資格もない者が使ったことであって、こういうものを認めて、保険会社は、自賠責は払っていかなければならないというところが思想統一ができてない本当にいい例なんです。要するに、被害者の方から見ればこれはありがたいことでございますけれども、加害者の方から言えば、車か人間か、この辺の責任の存在を明確にしておかないところに、実はこういうものを払っていかなければならないということになる。
○松尾政府委員 御指摘のような御議論がいろいろ過去にもあったわけでございますが、この自賠責保険というのが被害者救済という面が最も根幹と申しますか、強く出ておるわけでございまして、被害者救済という点からいまのような取り扱いをしてきたということではないかと思うわけでございます。 先生御指摘のような加害者集団と被害ということを考えますと、そういう御見解をさらに取り入れるべきでないかということの一部がこの四十四年の答申の中にあったのかと思うのでございますが、他方いま申しましたような被害者救済という観点の方がより強く認識された結果現在のような取り扱いになっておる、こういうふうに認識をいたしております。
○野中委員 さてだんだん話を変えていきまして最後の結論へ結びつけていくわけですけれども、それではお聞きしておきますが、このフリート契約に対するメリット・デメリット制はどういうふうにお考えになり論議されてこられましたか。
○松尾政府委員 過去の実績等に基づきましてその都度手直しをして、実情に即して改定をしてきておるということでございます。
○野中委員 部長さん、このフリート契約に対するメリットを自賠責でお考えになっているのですか、実行されているのですか。ちょっと調べてみてください。私の記憶が間違っているのかどうか。
○松尾政府委員 私、申し上げましたのは任意保険についての考え方を申し上げたわけでございまして、自賠責には導入されていないことは事実でございます。
○野中委員 そうしますと、この自賠責の保険審議会というものは任意保険まで審議されているのですか、それとも自賠責保険でできないところは任意保険でもってメリット・デメリットは考えるということでお逃げになっているのですか。
○松尾政府委員 御案内のとおり、この自動車保険というのは自賠責保険と任意保険という二本立てになっているわけでございますので、自賠責保険で検討されるべきことが同時にこの任意保険に何らかの影響が及ぶという面もございましょうし、ある面では両方同時に考えなきゃならぬという課題も出てまいりましょうし、そういった意味で自賠責保険の分野だけということではなくて任意保険の分野に議論が及ぶということは当然あろうかと思います。
○野中委員 それでは任意保険では御存知のとおりメリット・デリメット制あるいはまたフリート契約に対するメリット・デリメットもやっておられますよ。それからまた個人の場合もやっておりますよ。一〇%ずつ優良運転手は割引をいたしましてそして五年間五〇%で足切り、こういうことをやっていらっしゃいますよ。にもかかわらずどうして自賠責保険できないかということなんです。それが聞きたいのです。片方は審議会で、これだけ任意保険まで取り上げて自賠責審議会でやっておきながら、自賠責保険に関してはこうしたものをどうして逃げるのか、一番重要な問題、このことが交通事故の問題につながってくるのですよ。交通安全対策の基本なんです。これは皆さん方のおかげでこの九年間交通事故は減ってまいりました。施設もりっぱなものができてきました。本当に各省の努力でりっぱなものができてきたと私は思う。その施設の限界というものはすでに来たのです、私から言わせれば。交通事故の施設による防止、これはもう限界に来ている。して見るならば、これからは社会教育の問題であり教育の問題なんです。御存じのとおり過日も質問いたしましたけれども、一番事故が多いのは老人、子供なんです。これは社会教育なんです。と同時にこの教育というものによって交通事故をゼロにしようという努力をしていかなければならぬ。そのときに一生懸命まじめに運転をする優良運転手にメリットがなくて、酔っぱらい運転しても、無免許運転した者に対しても何らの制裁を加えることなく、これは警察ではもちろん制裁を加えておりますよ。しかし、民法上損害保障ということも際限なくやっておいて個人に責任を負わせない 罰を与えない、そのことによってむしろ交通事故が多発することを誘導しているんじゃないですか、いわばこの保険自体が誘導しているんじゃないか、こういう気がするんです。 そこで話は戻ります。自賠責保険にもメリット・デメリット制が入れられるのか入れられないのか、どこにその限界があるのか、明確にしていただきたいと思います。
○松尾政府委員 自賠責にこの制度の導入を見送ってきております理由は、第一点は先ほど来申し上げておりますしまた審議会の答申自体にも書いておりますように、車両に着目をされておるという、車両単位で事故歴をどう把握するかというところが任意保険と違ってむずかしい問題があるしそういうことに対応するためのコストというものが必要ではないか。それからいま一つの問題といたしましては、現在任意保険にメリ・デメ制を導入しておるわけでございますが、九十数%の人間が無事故割引ということで年々保険料が割り引かれていく。と申しますと、結局大部分の人間がいわば割引料率ということになってまいりまして、保険経理そのものがやはりそこで見直しが必要になってくる。極端に申しますと五年かかって半分まで下がるわけでございますので、やはり全体が保険料の引き上げを伴いませんと現在の保険経理が成り立たなくなってしまう、こういう問題がございますので、以上二つの点から実行を見送ってきておる、こういうことでございます。
○野中委員 これは今度は運輸省にお尋ねしておいた方がいいと思う。これは大蔵省自体も本当に答弁には苦しんでいるんだろうと思う。これはそもそも運輸省から出てきたものでありますから、したがって車両単位という考え方になったのは運輸省の発想だからなんです。それは大蔵省も運輸省も壁があります。その壁を乗り越えてこれは松尾君も答弁できないところに苦しみがある。運輸省に言っておきたいことは、この共同不法行為にしても賠償額というものを決めていかないとこれは無制限になってくるんですよ。ですから、自賠責で払えるのは二千万なら二千万とこう決めてしまえばいいんですよ。それをこの共同不法行為などというものを認めていけば六台の車にひかれれば一億二千万になる。そういうことさえ認めておいて片や優良運転手のメリット制は導入できない。こんな不公平が世の中にあるだろうかということを私は考えざるを得ない。その隘路はどこにあるか。人間か車か、ここにあるんですよ。そして運輸省も考えていただきたい。今日いま保有台数が何台ぐらいになっているんですか。三千七百万台ぐらいじゃないでしょうか。しかしこれとて限度があるんですよ。三千七百万台の車というものもやがて限度があると思う。池田内閣のときに経済成長率十何%、それがこういうふうな安定経済に入ってきちゃう。そういうことを考えてみれば、この自賠責こと車保険ももう限度をつくときがある、来るだろう。そのときにいまの体制で、いろんな論議がなされているけれども、保険料金率を下げろとか保険金は上げろとかあるいはまた運用益をどう使えとか、そういう論議がなされているけれども、問題はこの基本を解決しない限りにおいてはこれから頭打ちになってきたときに自賠責というものがどうなっていくのか、崩壊をしていくのじゃないだろうかあるいは逆に保険料金をまた上げなければいかぬということになるかもしれぬ。そういうことが許されるかどうか、いまからきちっと詰めていかなきゃならぬ。車か人か、この問題あるいは両方を併用していくという考え方も成り立つと私は思う。では、自賠責の中に、片や人の問題は任意保険で抜けて、単に車に掛けた保険が、そして被害者に救済だ、こう言ってあなた方はいかにもいいことをしておるのだという考え方でおるけれども、やがてはこの自賠責保険も行き詰まるだろうということを考えれば、私はこれはむしろ運転免許証に掛けるべきだ、人間に掛けるべきなんだ。こうやって、加害者集団なんだ、集団、大蔵省の答弁に集団という言葉が使ってある。車の集まりじゃないのだ、これは。加害者集団というのをよこしているのだ。だから、もうすでに大蔵省は人にあるのだ。それを運輸省だけがごり押しをして車だ、車だと言っているところに、このメリット・デメリット制も一向に進捗しない理由がある。運輸省の考え方をお聞きしたい、改める意向があるのかどうか。
○永光説明員 お答えいたします。 先生いまおっしゃいました強制保険の保険対象は車か人かということでございますが、これは恐らく制度をつくるときにもいろいろ議論があったことと思いますが、これはわれわれとしては、車を対象にその車を利用することによって利益を得るあるいはその車の運行を支配する支配権、そういうものに基づきますいわゆる企業家責任的な考え方から見ましても、車を保有する者あるいは車に着目した形での保険ということの方がすぐれておるといいますか、被害者保護という観点からは、ある一定の車に保険が入っていればだれが運転してもその運転によって事故が生じた場合に被害者が救済されるという形をとるということの方が好ましいのではないか、こう思っております。 しかも、仮に人に着目いたしました場合に、人がたとえばその自動車を保有する。保有の企業的な形であれば別ですけれども、たとえば雇われた運転手の方とか、そういうような雇用関係にあるような形の場合に、そういう人にまで自賠法三条の無過失的な責任を負わせるというような問題もありましょうし、そういう意味で、そういう自動車という便利な、ある意味では被害を加え得るものに対しての運行支配、運行の利益を享受する人に対する責任を自賠法三条でかぶせ、そして保険は対象は自動車に、車両を対象にするということは現在の制度でありますし、それが被害者保護という観点からいいのではないか、こういうふうに考えております。
○野中委員 全く苦しい答弁のようにしか聞けない。なぜならば、いま、車にかかっていれば、だれが運転して要するに被害者を出しても、その被害者救済ができるという考え方。そういう論理でいくならば、私は、運転免許証にこの強制自賠責をつければ同じことじゃないですか。ただ、そこで救われないものは何かといえば、無免許運転の者が運転した場合には救済できないということになる。私は、それぐらいの民法的な懲罰というものをこれはかけるべきなんだ、そういうことをしないで甘やかしておくから交通事故というものが減ってこない、そう思うのですが、どうです、松尾さん。
○松尾政府委員 免許を持っておる人の中には、車を持たないいわゆるペーパードライバーと申しますか、めったに運転をしないという人間もあろうかと思っています。きょうのような交通ストのときとか、もう一年に非常に限られたときしかやらないという人もございましょうし、そういった考え方で、車の所有をしておる人間に強制保険の対象にした、こういうことではないかと思われますが、先生のお話、御質問、先ほどから伺っておりますと、現行の自賠制度というものが、先ほども申し上げましたように、被害者救済ということの非常に強く前面に出た制度でございまして、そこへ、その被害者救済はもちろん大事なんだけれども、加害者と申しますか事故を起こす悪質な人間に対して、何らかの制裁措置があるべきではないかというのが先生の御指摘かと思うのでございます。 なお、そういう考え方も今後いろいろ検討してみたいと存じますが、免許証を所持しておる人間に一律に保険に強制加入させることがいいのかどうか、ちょっとただいま私、いますぐ御返事がいたしかねますので……。
○野中委員 実は私もペーパードライバーのいまは一人になったかもしれない。けれども、たまたま免許証を持っているがゆえにたまたま運転することがよりこわい。毎日運転している方が熟練をしている、感覚的にもすぐれている。鈍化したペーパードライバーが運転することによって事故があるかもしれない。だから私は、その方がより合理的だと考えているのですよ、この自賠責を。 要するにこの自賠責というものは、自動車保険だという考え方でなくて、被害者救済の面から見れば国家賠償を肩がわりしているという考え方に立っても間違いがない制度だと思うのですよ。そうでしょう。そうすれば、国家賠償を肩がわりしているのだという考え方からいけば、この間も質問しましたが、賞じゅつ金の問題やらあるいは労災の問題やら、そういうものをにらみ合わしていかなければならぬのに、この交通事故だけは、判例を見れば毎年毎年上がっていくということ、こういう不合理をだれもチェックしないで、チェックするところがなくて、要するにこの国家賠償の性格を持った自賠責だけは野放しでいる。そして、そのおかげで今度は優良運転手に対する見返りがない。こういうことは一体われわれとして容認していいんだろうか、こういう気がしてならない。 自賠責審議会でそういうことを取り上げて論議されていながら、四十四年から今日までです、一向に結論が出てこない。何のための審議会かと私は言いたいのですよ。一体、国民の方に目を向きあるいは日本全体の国民の利害というものを精査しながら審議しているのかどうか。思いつきだけを論議されている審議会じゃ困る。 そこで、もう一度私は、このメリット・デメリット制に対する経過というものを詳しく報告をしていただきたい。そして、もう一度、いま言ったことについて、基本問題であります人、車、この問題を論議なさる意思があるかどうか、これも明確な御答弁をお願いします。運輸省とそれから大蔵省に。
○松尾政府委員 先生から御要求のございました資料でございますが、検討の状況を資料として提出するようにという御指摘が前回ございまして、何と申しますか、審議会からわれわれに与えられた課題は引き続き検討しろということでございますので、文字どおり引き続き検討いたしておるわけでございまして、審議会の議にかけるという段階に至っておりませんものですから、何月何日にどういう議論があったという、そういう外へあらわれた形では出てまいらないわけでございまして、再三申し上げましたような意見が何年来闘わされておるということでございます。 それからもう一つ御指摘のございました、先生御指摘のような観点から今後検討するかということにつきましては、まさに先生御指摘のように四十八年以来われわれに与えられておる課題でございますので、これは真剣に検討してまいりたいと考えております。
○野中委員 それでは、審議会の前はどこでやっているんですか。こういうものが出てきていろいろなことをしてそれから審議会にかけてというんですから、これは審議会で議論なされる前にその草案を書くところがあるんですか。
○松尾政府委員 本件につきましては、こういう問題があるが引き続き検討しろという課題をわれわれ負っているわけでございます。そこのこういう車単位であるという技術的な困難さがあるというところを乗り越えておりませんものですから、審議会で議題として御検討いただく段階に至ってないということでございます。答案という意味ではこれは審議会がお書きになるわけでございますけれども、議論のベースになるものをお出しするところまで煮詰まってない、こういう段階でございますので、そういう意味で審議会で具体的に検討するところへいってないというふうに申し上げたわけでございます。
○野中委員 その審議会に上げるものを煮詰めるところはどこなんです。
○松尾政府委員 これはわれわれ、あるいは運輸省ともいろいろ議論をしながら問題点なり資料を詰めていくということが煮詰めるということの内容ではないかと思っております。
○野中委員 そうするとこれ部長、平行線なんだよ。運輸省は車を主張するだろうし、大蔵省は欲目で見れば人を強調するだろうし、だれかが調整しない限りにおいてはこれは結論が出っこないですよ。私が主張しているようなものが取り上げられてくる可能性がない、審議会で討論される可能性がない、単に私がここで五十五分間質問したというだけにとどまってしまうことなんだ。ですから、これは審議会にかけなければだめですよ。事務当局でやっていれば厚い壁があるんですから。かける御意思ありますか。
○松尾政府委員 御趣旨を体して、そういう議論をできるだけ早い機会に持つようなことを検討いたしたいと思います。
○野中委員 運輸省、どうです。
○永光説明員 四十四年以来いろいろ議論されておりまして、そのいろいろの問題点がそのお手元にございます資料のようなかっこうになっておるわけでありますが、さらに検討することになっておりますので、われわれとしても検討してまいりたいと思います。
○野中委員 大蔵省も運輸省もできるだけ早い機会に審議会にかけたい、検討します。こう言う。その誠意をくみまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○石田委員長 次に、沢田広君。
○沢田委員 最初に、警察の関係で交通局長来ておられるようですから、お伺いをしておきます。 先般、後藤田公安委員長に質問をいたしましたときに、現在の交通制限速度は言うならば標準である、守れる制限という形になっていないということを是認されました。ただ、これを急に各路線別に変更するということは大変な業務だと思います。これは、きょう朝令暮改ということではありませんが、いつごろまでにその実態に対応して制限速度の標識を変えていかれるつもりか、今年度予算にはあるのかないのかまだ見ておりませんが、あれを全国的に変えるということもきわめて大変な仕事だと思いますけれども、その点はどのように措置されようとなさっておられるのか。あるいはまた、地方には地方の公安委員会がありますので、国の公安委員長が答弁をしたことによって地方の公安委員会は拘束されない、こういうこともあるいは一応形式的にはあるかもわかりません。そうすると、国の公安委員長が、あの標識というか制限速度はいわゆるすべてのドライバーが守り得られないスピードである、こういう状況でございますから、それを改める範囲はどこまでなのか。これはその行政に当たられる側からの答弁をひとつ求めておきたいと思います。
○池田政府委員 先般大臣の答弁にございましたとおり、私どもといたしましては常に交通の流れの実態を見ながら、しかもその場所におきますいろいろな意味での交通環境といいますか、そういうものの変化に応じながら、しかも安全を第一に考えて、既存の規制がございますとそれをいつまでも押し通すということでなくて直すべき点があれば直す、こういうことを御答弁申し上げたと思うわけでございます。そういう意味でに、実は昨年の八月から、全国的に検討すべきものはないか、こういうことで見直しを各県に指示しておるわけでございます。したがいまして、先般大臣が申し上げました趣旨も、いまあります規制を一斉に変更するとかいうような趣旨ではございませんで、個々の実態に応じて見直すべき点があれば率直に見直していきたい、こういう趣旨でございますので、その趣旨を体しまして、さらに一線の方にも連絡して、交通事故の防止という基本的な姿勢を踏まえながら、しかも直すべきところがあれば是正していく、こういう考えでございますので、いついつまでにどこをどうするとかという具体的なお答えはできないわけでございますけれども、そういう方向で努力してまいる、こういうことでございます。
○沢田委員 この間の大臣の答弁とはまた若干違ってお答えになったのでありますが、あなた自身が守れておりますかというふうに私は言ったつもりであります。要するに制限速度であるから、それ以上一キロでも出ればこれは違反ということになるわけですね。だから、四十であるとか五十であるとか、現在のスピードの標識は常識的に守っていけない数字である、そういうことでやったならばまさに交通渋滞を起こすのみである。実際にあなたがあのスピードで制限して交通を行い得る自信がありますか。実際にあのスピードを守っている車があったら、この間も言ったように後ろからクラクションを鳴らされるじゃないですか。それが現実じゃないですか。そのことを否定していくということでに困る。個々に見直すということではなくて——私は首都圏を主体に物を言っている。それ以上余り自動車でなんて走ったことがありませんから、首都圏を主体に言っておるのでありますが、結果的には、それはいやおうなしに、われわれがいま言おうとしていることは、これ以上出してはいけませんという制限速度をきちんと決めることではないですか。いま取り締まりも十キロぐらいは見逃している、五十であれば六十以上でなければスピード制限違反としてはとめない、それ以下はそのまま素通りさせてしまう、こういう事実があるのです。もし取り締まるならば、一キロでも出たものは当然取り締まっていかなければならない義務があなたにはあるはずです。そうでなければ義務を怠っているということになるわけです。私も何回かそういうところを通ってまいりました。ところが大体十キロ以上でなければ取り締まっていない、九キロぐらいまでだったら、まあまあそのまま通していってしまう、それは罪を見逃していることになりませんか。
○池田政府委員 スピードは厳格に守らなければならないという御指摘でございますが、それは御指摘のとおりでございます。 ただ、私どもといたしましては、運転者の事情等も考慮せざるを得ない場合があるわけでございますが、それを一般的に申し上げますと、認識の問題等がございます。 通常、厳密なことを申し上げますと、個々の車につきましての、自分が運転する場合には自分の車のスピードメーターを見るわけでございますけれども、そのスピードメーターの精度の問題もありましょうけれども、自分が見て、スピード違反については、大変うるさいことを言うようでありますけれども、それなりの認識というものが挙証上は必要なわけでございます。そういった点も踏まえながら、あるいはまた一般的な違法行為に対します指導の先行ということも考えながら、事実上苦干程度の違反のものについて指導あるいは検挙が行われていないという実態があることは御指摘のとおりでございます。 したがいまして、われわれといたしましては、先ほど来お話しいただきましたように、交通事情というのは刻々に変わってまいります。それからその路線、その狭い範囲の地域だけを考えるわけにもまいりません。全体としての、ある程度の広がりを持ちました地域内での全体の交通の流れをどういうふうにさばくかというような問題がございますし、あるいはまた物理的には走れる、主観的には十分走れるという場合におきましても、公害上の要請から規制をせざるを得ないような場所等もあるわけでございます。したがいまして、先ほど来申し上げましたように、全般的に、一般的にこうこうするということでなくて、規制は個々の事情に応じて、その実態を見きわめながら対処していく、こういうことでございますので、御理解いただきたいと思います。
○沢田委員 理解しているのですよ。これはなかなか返事がしにくいらしいのですが、とにかく現実に、一キロでも出れば違反でしょう。四十のところを四十一出れば違反でしょう。しかし、現実問題として、それを取り締まることは不可能でしょう。だから、一般の現在の地域的な状況、それはもちろんあるでしょう。あるいはまた環境的な条件もあります。それに応じた改正をしていくということが必要だ。それが、現在それに合っていない部分が多い。これは比率の問題でしょうから、その比率を正していくということについてはやってもらえる。そして、このスピードを守って、とにかくそれは警察国家の形になり得る様相を持っていると私は思う。四十キロで走るところを五十キロで、平然と走っている、何か事故が起きた、そのときおまえはスピード違反をしていた、こういうことになって個人の責任が追及される仕組みになっているわけですね。そのことが私は大きいと思うのです。だから、通常の状態において通行でき得るスピードというものをきちんと個人に認識をさせることが必要であって、いつでもおまえは違反をしているのだという状況の中で取り締まりがしやすい条件をつくっておくということは、言うならばひきょうですよ。ですから、ノーマルな状態において通行し得るスピードに改めていく努力をまずやってもらいたい。そのかわり、それ以上は一キロ出てもこれは処分しますというものでなければ、この前も後藤田大臣に言ったようにそれは標準になってしまう。この程度で走りなさいという目安になってしまう。目安になっていくという認識がいまわれわれ一般の庶民の認識なんです。一キロ出ても違反だと思っていない。それでは制限速度という法律上と実態が合っていないことになる。だから、実態を法律と合わせていく努力をあなたにしていただかなければならぬのではないか。そのことについて、していただけるかどうかだけお答えいただきたいと思います。
○池田政府委員 規制と実態の乖離がひどいということになりますと大変に問題でございます。したがいまして、どうしても規制そのものに実態を合わせなければならぬという場所については厳格に守らせるようにいたしますし、その実態から見てむしろ規制の方がおかしいということでございましたら、その点を直すのにやぶさかではございません。そういう考え方で指導してまいりたいと思います。
○沢田委員 続いて免許課長の方にお伺いいたします。 現在十五点になれば常識的にこれは免許取り上げ、停止ということになるわけです。皆さん公務員の免職というのもきわめて——免職ということに言葉が通ずるかどうかわかりませんが、言うならば一年間の停職ということになるのでありましょう。しかし、一年間の停職という処分をする前には幾つかの処分があると思うのであります。ですから、十五点を十七点にするか十三点にするか、これは私はこれから技術的に問題があると思うのですが、たとえばあと二カ月なり三カ月たてばちょうど一年になるという人たちに対して、免許を預かるというか停職というか、三カ月間は運転をさせない。十三点なら、一方通行違反でも一時停止違反でもたちどころに十五点になってしまうわけですね。ですから、いつ停止ラインを越えるかわからないという状況が今日の現状だと思う。そういう人たちを乗せておくことはかえって不親切ではないか。あと三カ月なり四カ月、あるいは半年なり、その間はとにかく、免許を取り上げるというと語弊がありますが、預かるという措置を講じて、一年間の停止にならないで済ませるという措置は講じられないかどうか。 これは十三点なら十三点になったらもう乗りなさんなということです。閉門を仰せつけるということになりますか、あるいは謹慎処分にするということになりますか。十五点になってからあわてくさって免許取り消しになったのじゃ商売にならない、食っていけない、こういう泣き言を言ってこない事前の措置があってしかるべきではないかという気がするのでありますが、その点はいかがでしょうか。
○池田政府委員 点数制度の運用についての御質問でございますが、先生御案内のとおり、前歴がございませんと六点からは停止処分になるわけでございまして、そういう過程を経ませんで、いきなり十五点になりまして免許の取り消しを受けるという事案はきわめて限られているのではなかろうかと思います。したがいまして、いまお話しのような十五点ぎりぎりにすぐなったからというような場合には、情状等くむべきものがあれば、公安委員会の御判断で、先ほどお話しのような預かりという処分はございませんので、仮に情状をくみまして一段落としますと停止処分、こういうことになろうかと思いますが、その辺の運用につきましては、たとえば一年間無事故に近かったのにあと一日でそういう事故を起こしてしまった、それまでは全然事故もなかったのだというような場合等につきましては、相当情状面で考慮されているのが実情ではなかろうかと思います。もちろん制度でございますので画一的な運用はしなければなりませんけれども、その中でまた当事者の事情等もくみながら、運用面ではよろしきを得てまいるように指導をしていきたいというふうに考えております。
○沢田委員 わかりました。 それでは、この間ちょっと積み残しました問題で、これは運輸省と労働省に主としてお伺いをしてまいりたいと思います。 労働省の方でトラックその他の運転時間を一応継続四時間、延べで九時間というふうな、あとその他の細かい通達を出されましたが、まずその考え方だけお答えいただきたいと思います。
○岡部説明員 昨年十二月二十七日に、自動車運転者の労働条件の改善基準につきまして通達いたしたわけでございますが、運転時間につきましては、いわゆる連続ハンドル時間を四時間以内とするようにというふうな内容のところがございます。この四時間の意味いかんという御質問でございますが、労働衛生的に見ましてこの連続運転時間をどの程度とすることが適切かということにつきましては、必ずしも医学的な側面での結論というものがあるわけではございません。しかしながら、この連続運転時間についての世界的な物事の考え方というものを見てまいりますると、たとえば、一九五四年に国際路面運送の経済規則に関する一般協定というものが国連欧州経済委員会主催のもとで締結されたわけでございますが、ここでは「最高連続運転時間は、五時間とする。」というふうな定めでございました。さらに事態が進みまして、一九七〇年にEC加盟国と他の欧州諸国との間で合意に達しました国際路面運送車両の労働に関する欧州協定、これによりますると、連続運転時間は四時間以内とするというふうなことでございます。さらに昨年の六月、ジュネーブにおきまして採択されましたILO百五十三号条約におきましては、連続ハンドル時間につきましては四時間以内、あるいはその国の事情によって五時間以内というふうな規定が条約上に記されるに至ったわけでございます。 そこで、私ども新通達を発出するに当たりまして、このような国際的な動向というものを十分に考慮いたしまして、さらにまた、私どもにおきまして昭和五十年以降この連続ハンドル時間についていろいろ行政指導をした経験を踏まえまして、 このような形で出したということでございます。
○沢田委員 後の九時間の方については触れられてなかったのですが、それもあわせてお答えいただきたい。
○岡部説明員 ただいま申し上げましたのは連続ハンドル時間でございますが、これに加えましてILO百五十三号条約におきましては、一日の最高ハンドル時間を九時間以内とずること、さらに一週間の最高ハンドル時間を四十八時間以内とすることというふうな規定がございます。私どもの新通達におきましても、この数字をそのまま用いまして通達いたしたところでございます。
○沢田委員 日本の道路の幅員、それから自動車の非常に多いこと、また道路網の整備というものとの調整を考えますと、私たちもいろいろ世界を見た経験に照らして考えた場合、結論を言えば、この世界の基準の四時間というのは過酷な条件であるというふうに思われてならないのでありますが、その点はいかがでしょうか。
○岡部説明員 この連続ハンドル時間あるいは最高ハンドル時間をどのようにするかということにつきましては、この通達を発する前一年かかりまして、関係労使の方々の御意見もいろいろと伺ってまいったわけでございます。いろいろの御議論があったわけでございますが、当面は一応このような国際基準あるいはヨーロッパ基準でいってみょうではないかということで、私どもこういう時間規制に踏み切ったわけでございます。
○沢田委員 これは通達で出されておりますので、要するに守らなくとも何の障害も生じないというふうに私には感じられるのでありますが、その点は制裁規定あるいは規制規定というようなものがありますか。あったら教えていただきたいと思うのです。
○岡部説明員 先生御指摘のとおりこれは通達でございまして、そのものに罰則がついているものではございません。しかしながら、私ども行政指導の場におきまして、この基準を超えるような残業規定、いわゆる三六協定は認めないということで臨みたいというふうに考えております。したがいまして、この時間を超えるような運転実態がありました場合には、それは即三六協定違反ということで労働基準法違反を形成するということがまず第一点でございます。 それから、これは本件についての私どもの直接の罰則適用という観点ではございませんが、このような指導に違反いたします事業所は、恐らく遵法精神の面でいろいろの問題があるのではないかと推測させるものがあるわけでございます。したがいまして、そのような違反事業所につきましては、労働基準法あるいは安全衛生法等の条文に照らしまして監督を行いました場合に、違反事実がいろいろ出てくる可能性がございます。そのような場合には、他の条文ではございますが、そういった面で取り締まりを行うことも可能なわけでございます。さらにまた、これはほかの省庁にもお願いを申し上げているところでございますが、たとえば道交法上の過労ということにこれは直ちには結びつかないわけでございますが、この基準を超えます運転というものを一つの判断の材料としていただく、あるいは運輸規則上の疲労というふうな概念との関係等もございまして、それぞれの事業法との絡み合いも関係省庁といろいろとお話を詰めさせていただきたいというふうに考えている次第でございます。
○沢田委員 それでは警察の方から先にまいりますが、交通指導課長なり交通局長は、この通達によって警察の方としてどういう取り締まりができると思っておりますか。その具体的な方策についてお聞かせいただきたい。
○矢部説明員 この新二・九通達につきましては、昨年末、労働省から通達が出されました時点から、いわゆる道路交通における安全という観点から私ども大変関心を持って、部内にも徹底を図ってまいったところでございます。 ところで、私どもの態度といたしましては、道路交通法でいわゆる過労運転という規定がございます。したがいまして、この過労運転というものを下命容認等を含めて立証する場合に、労働省から出されましたこういった改善基準の違背が一つの重要な判断要素となるものである、このように考えております。改善基準そのものの違背が直ちに道路交通法上の過労運転となるものではございませんが、そういった一つの判断要素であるというような観点に立ちまして、今後とも従来以上に運輸、労働省、関係省庁と連携をとりながら、そういった過労運転、特に背後責任、下命容認を含めた取り締まりの徹底を期してまいりたい、かように思っております。
○沢田委員 過労と疲労という言葉があります。過労というのは疲労からどの程度越えたものを過労というのですか。警察で考えているものをひとつ言っていただきたい。
○矢部説明員 これは個々の運転者の状況、外観あるいは運転者のいろいろな供述、運転経路等による判断で、一概に申し上げるわけにはまいらないわけでございますが、いわゆる正常な運転ができないおそれがあるという状態の場合、これが過労であろうかと思います。しかしながら、判断は個々的なケース・バイ・ケースということになろうかと思います。
○沢田委員 ここに、これは「労働の衛生学」というのであります。疲労の判定法というのがたくさんあります。これはこの前ほかの関係でも使わしていただいたのですが、一つの判定法として、自覚症状の申告方式というのがあります。これは少なくとも一番簡単にできる方法であります。もう一つはフリッカー方式、これが一般的によく使われている方式であります。 これは御承知なのかどうかわかりませんけれども、時間をちょっと一分か二分ぐらい使いますが、いわゆる自覚症状調査表というようなものだけでも出してもらうことをまず考えられないかどうか。中身をちょっと言っておきますと、「頭がおもい」「全身がだるい」「足がだるい」「あくびがでる」「頭がぼんやりする」「ねむい」「目がつかれる」「動作がぎごちない」「足もとがたよりない」「横になりたい」「考えがまとまらない」「話をするのがいやになる」「いらいらする」「気がちる」「物事に熱心になれない」「ちょっとしたことが思いだせない」「することに間違いが多くなる」「物事が気にかかる」「きちんとしていられない」「根気がなくなる」こういうようなことで自覚症状の申告というのができるようになっています。せめてこの程度はまず第一に可能じゃなかろうか。四時間たった段階でそういう申告というものを出していただくということがまず一つ。 それからその次は、フリッカー方式というのがあるわけです。フリッカー方式というのはいろいろな分野で使われております。要するに目のちらつきなんであります。交通安全というものを含めますと、それほど機械も値が高いものだと思いませんけれども、大体作業前に対して、継続してすると、キーパンチャーやなんかのものが出ておりますけれども、大体五%から一〇%ぐらい作業能率が下がる、こういうふうに出ております。 それから、もう一つ簡単だと思いますのは、下腿、ずっと座ってばかりいるわけですから、下腿部がだんだん、水ぶくれじゃないけれども、だるくなる。この増加率は要するに足のだるさの程度と考えられる。いわゆる一ミリ太る、あるいは八ミリ太る、あるいは五ミリ太る、こういうことによってそのだるさというものが測定されるようになっております。 さらにもう一つできると思いますのは、白、黒、赤、青、黄色、灰色、このぐらいの二十枚ぐらいの色紙を並べておいて、それを連続自分で言わせるという方法ですね。ストップウォッチで時間をはかるという方法であります。 こういうようなことはわりあい疲労度を検査する場合の簡易な方法としてある。あとは生化学物の検査法、尿であるとか、あるいはたん白であるとか、そういうようないろいろなものを調べる方法、これは途中でやるというわけにもいかないでしょうけれども、可能である。 まあパンチカードだけで申し上げますと、一分間当たりのパンチカードが当初は二十枚できていた。それが四十五分たっていくと大体十五枚から十二枚に下がる。これがキーパンチャーの一つの連続作業によってくる能率低下といいますか、いわゆる自分の疲労度ということになっております。 そういうようなことで、あと自動車の関係も言いますと、自動車の関係は、車庫を出る前の血圧と最低血圧、それから三時間たったときの血圧、あるいは四時間たったときの血圧、これがだんだん低下をしていくという、最低血圧が、逆に言うとこれは上がるのですね。上がっていくという形が出てくるわけであります。これは血圧測定器は簡単なのがあるわけですから、これは疲労度ということで検査をすることはできないはずはないというふうに思います。 そこで、これらを含めて、警察としての取り締まりができないのか、これは指導だけなのか、そういうことはどうなっているのかということとあわせて、ひとつお答えをいただきたい。これは労働省の方で答えてもらうということになるのかもわかりませんが、出した以上、その通達を守ってもらわなければ困るわけでありますが、警察の方では、過労だというのは、情状、客観情勢といいますか、情勢判断で認定していくのであって、科学的な要素はちっともないということになります。それなら、おれは大丈夫だ、こういうことになる。あなた方だってそうですね。朝は生き生き——きょうはしているかどうかわかりませんが、わりあいしている。昼になるともう目が腐ってしまう。夜になるとまた目が光る。こういうのが大体皆さんの生活状況なんだろうと思うのであります。夜光るかどうか、これは別問題としまして、とにかくそういうような意味において、午前と午後ではそれだけ違う、こういうことだとすると、いま言ったような方法を何らか取り入れて、まず一つは疲労度というものを測定していくということが必要じゃないか。労働省もこの程度はせめてやって、これは出してきたのじゃないか。世界がそうなったからなったということじゃなくて、私は日本の交通事情でいったらば、とてもじゃないが、四時間だったらば、世界のこの労働衛生学的な数値から見ると、もっと重いものになってきているのじゃないか、こういうふうに思いますが、これは労働省の方と交通の方と、両方でお答えをいただきたいと思います。
○岡部説明員 ただいま先生からいろいろ労働医学的側面のお話があったわけでございます。私どもといたしましても、どのような医学的なアプローチをするのがいいのかということは、本問題に限りませず、たとえば深夜業の問題とかいろいろな最近出てまいります問題につきまして、頭を痛めているような次第でございます。 本件につきましては、私ども一番やはり肝心なのは、休憩あるいは休息を十分にとるということであろうかというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、連続した休息時間につきまして明記いたしますとともに、特に四時間の連続運転をした後の休憩時間につきまして、これまた明記したような次第でございます。 こういうものの遵守を通じまして、疲労の回復ということを私ども図ろうと思うわけでございますが、ただいま先生御指摘のような労働医学的な面の研究、これは私どもとしても、かつて労働科学研究所等に委託をしていろいろ分析をしてもらったようなこともございますが、今後とも検討の課題とさせていただきたいというふうに考えております。
○池田政府委員 先生御指摘のように、実は形式規制によりまして測定するということは大変むずかしい実態でございまして、私どもの方が検挙いたしております実態も、たとえば居眠りで事故を起こしましたとか、あるいは大変に蛇行してまいります車がありまして、停止させて調べてみたら大変やはりそういったような実態があったという結果論から入って捜査するというのが実態でございます。 したがいまして、われわれももちろん注意いたしますけれども、一義的には労働行政上の立場からの措置を待ちながら私どもといたしてもそれに即応してまいりたい、こういうふうに考えております。
○沢田委員 きわめて両方の答弁不満なんでありますが、私も労働衛生研究所へ前に何回かお世話になって、いろいろ資料をいただいたことがあるのでございますが、いままでの話ではきわめて弱いですね。 運輸省として、これに対してどういう措置でこれを守らしていく手だてを講ずるのか、その点今度は運輸省としての立場でお答えをいただきたいと思います。
○角田説明員 お答えいたします。 新二・九通達が労働省から出て四月から実施されておるわけでございますけれども、私ども、運送事業者、これは関連するのはトラック業者あるいはハイタク業者などでございますけれども、こういう運送事業者に対しまして、従来から運転者の過労による乗務を防止するために勤務時間とかあるいは乗務時間の設定とか休憩施設の整備、そういったものにつきまして指導してきたわけでございますが、先般来お話に出ておりますような新しい通達が出されましたので、この通達の遵守方につきまして労働省などとも連携をとりながら守っていくように指導してまいりたい、かように考えております。 それから、特に長距離トラックにつきましては、先ほどの連続ハンドル時間四時間とかあるいは一日の最大運転時間九時間とか、そういう規制を守らねばならない業種でございますので、そういう規制が守られるような環境づくりをしていかなければならないと思っております。したがいまして、関係の機関あるいは荷主あるいは運送業界自身等を指導しながら、そういう休憩施設等が整備されていくように指導してまいりたい、かように考えております。 それからまた、トラック業者自身におきましても、この新しい通達に合わせた勤務体制あるいは乗務体制を整備していくとか、あるいはトラックで長距離運行することがこの新二・九通達、新しい通達を守る上に困難な輸送の形態があるような場合にはフェリーを利用していくとか、そういうようなことによりましてこの新しい通達が守れるように指導してまいりたいと考えております。 従来からこういう問題につきましては、労働省あるいは警察などと連携をとりましてやっておりますが、今後とも一層連携を深めて努力してまいりたい、かように考えております。
○沢田委員 それで実現されると思いますか。いつごろ実現させる、もう通達は出ておるのですが、完全に実現される時期はいつごろを目指しておられるのですか。
○岡部説明員 新通達につきましては昨年の十二月に都道府県労働基準局長あて通達したわけでございます。現在関係事業所等にこの基準の遵守につきまして内容の周知を図っている段階でございます。 それで、その履行につきまして集団指導等を実施をいたしているわけでございますが、この通牒に書いてございますように、ことしの十月一日からこれの本格的な全国的な監督指導体制に入るということでございまして、それまでの間は周知徹底の期間あるいはまた各事業主におきまして新しい運行ダイヤを組むとかそういうための準備期間というふうにいたしているところでございます。さらにまた、ただいま運輸省の方からお話しがございましたように、関係業界あるいはまた荷主団体等につきまして協力要請の期間というふうにいたしているところでございます。 私どもといたしましては、現在のところ、指導に関します資料を大量に全国的に配付をいたしまして、事業主あるいは労働者に周知徹底を図っているところでございますが、その中にはモデル三六協定の締結の仕方につきましても指導をしているところでございます。 また、乗務員手帳というものをこのたび新しく全国的に周知を図りまして、各乗務員みずからが自分の運行記録を記入する。それによって、自分の、この基準にのっとった運行体制を、みずからも気をつけていくというふうな、労使各側に対しましてこれにつきましての周知を行っているという段階でございます。
○沢田委員 運輸省はそれで大体体制ができると思っているわけですか。
○角田説明員 私どものこの関係の対象は運送事業者でございまして、この運送事業者に関する限りにおきましては、先ほど労働省の監督課長がおっしゃられたような体制、それから私どもは私どもなりの努力をして、できるだけの体制をとってまいりたいというふうに考えております。
○沢田委員 これはできるだけとかなんとかじゃないので、そのときまでに間に合わせることなんですが、もし違反したら取り消しとかそういう処分を行う意思がありますか。
○角田説明員 私どもの道路運送法の体系におきましても、これは省令でございますが、過労防止の規定がございます。運送事業者はその過労防止の規定を守らなければいけない、こういうことになっておりますので、この新しい通達もそれとの関連において考慮に入れてまいる考えでございまして、したがいまして、この新しい通達についての違反等の事象がございましたら、それなりの適切な処分はする所存でございます。
○沢田委員 続いてですが、こういう遠距離トラックをやっておられる平均寿命あるいは平均年齢の限界というのはどの程度にあなた方としては判断されているのですか。これは労働省、運輸省、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○岡部説明員 どの程度の年齢までこういうタクシー運転あるいは貨物自動車運転というものが耐えられるかということでございますが、これは乗る車によってもいろいろ違うようなデータを見ております。たとえば若いうちはダンプあるいはトラックというふうに勤めますが、だんだん年をとってまいりますとハイタクに変わっていくというふうな実態が多いようでございます。ただ、最近、業界あるいは労働組合の方々に伺いますのは、ドライバーの平均年齢がここ数年急速に上がってきているという事実でございます。したがいまして、こういう社会全体高齢化社会へ現在突入しているわけでございますが、そうなりますと、ますますドライバーの健康管理という問題は重要性を増すというふうに考えております。したがいまして、今回の通達も、そういう意味で運転者の方々の健康管理にお役に立てば、そういうふうに考えております。
○沢田委員 私が言うのは、たとえば一番最高の骨折れるものを標準にしているわけですが、大体、とにかく年とってダンプの運転をやっている人というのは少ないですね、どうやってみても。これはやはり疲れてそれに耐えられない。だから、標準は、せめて、女性がダンプの運転が可能であるというところに線を引くべきだ。まあおおむねの標準ですが、考え方として。数字的にはいろいろありますが、少なくとも女性でもダンプの運転は可能である、こういうところが標準のレベルではないかというふうに思いますが、その点はいかがです。
○岡部説明員 そういう業務形態によりまして男女間にどのような能力の差があるのかということにもつながる非常にむずかしい問題であると存じます。最近におきましては、いろいろな業務におきまして男女の差はないんだというふうな議論も非常に多く提起されている昨今でございますので、その点につきましては、いましばらくまた実態を調べて研究してまいる必要があろうかというふうに考えております。
○沢田委員 いままで質問をしてまいりまして、十月までにこれが徹底されるよう、とにかく期待してやまないのでありますが、それに対応する取り扱いとしては、運輸省なり労働省なり、基準監督署もやれることになるんだろうと思うのでありますが、そういうものをフル動員して、結果的には適正な運転をするということに努力をしてもらいたいわけです。 そこで、継続四時間をだれが判定するのかというのが一番最後に残ると思うのです。大体途中だと思うのですね。いわゆる継続四時間というものはどこが、だれが判断をしていくんですか。
○岡部説明員 これは大型トラックにはタコメーターがついておりまして、それを見ることによって判断ができることが一つ、それからまた、運行記録を調べることによってその判断の補助材料にするということを考えております。
○沢田委員 それは定期的に監督署では調べる、しばらくの間、とにかく定期的にきちんと点検をしていく、こういうことは約束できますね。
○岡部説明員 各事業所に臨検監督をいたしました際にそういうものの提出を求めまして、監督を、調査をいたすということに相なるわけでございます。
○沢田委員 先ほどフリッカーというようなものも言いましたけれども、疲労度合い、これをひとつ点検をするという、さっきいろいろ一あなたのところには労働衛生研究所があるのですから、そういうものでとにかくこれから点検をしていくという体制はとれませんか。
○岡部説明員 私どもの産医研がそういうことを、これは基礎的な研究をもっぱら主目的とする機関でございますので、個々の実態につきまして判断を下すというふうな機構では必ずしもないわけでございます。しかしながら、先ほど来、先生いろいろ御指摘の労働衛生医学的な研究の推進ということにつきましては、先生御指導の線に沿いまして、今後ともさらに検討を続けてまいりたいというふうに考えております。
○沢田委員 こういう方法はドライバーばかりじゃないのですよ。あらゆる作業に適用できる方法なんですよ。これは守衛さんであろうと、乗務員であろうと、踏切警手であろうと、あるいは線路工手であろうと、すべての業種にこれは適用できる方法なんですよ。ですから、あなたがやろうという気があればすぐできるわけですね。しかも自覚症状申告なんというものは、これはもっと印刷さえすれば励行できるはずですね。この程度はやってもらえませんか。
○岡部説明員 先生御指摘のとおり、現在、ドライバーの問題に限りませず、ほかのたとえば交代制労働あるいは深夜業等々につきまして、労働医学的な解明が急務となっております。したがいまして、そういう大きな研究の一環といたしまして、御指摘の点につきましても、研究者の方々と相談をしながら、さらに深めてまいりたいというふうに考えます。
○沢田委員 私は、もうそういう段階を過ぎて、世界でいろいろ出ているあれもあるんだから、その中のせめて自覚症状ぐらいは、自分で書くんだから、それを書かせることぐらいはできるだろうと言っているのです。機械を買えとか、あるいは生物的な調査をするとか、尿検査をするとか、そういうことをいま私は要求しているわけではない。その程度は、自覚症状申告ぐらいはできるだろうと言っているのです。それはできませんか。
○岡部説明員 そういう自覚症状ということにつきましては、これは各臨検監督、これが一番多く行われるわけでございますが、その際に監督の手法の一つとして、先生御指摘の点につきましては研究をさせていただきたいというふうに考えます。
○沢田委員 これは事業主が運転をさせていく場合に、交通の事故、あるいは大事故を起こすかもわからぬ、そういう自分の事業を守る自衛手段としても、自分の事業で働かしている職員の健康状況を把握をするということは、これは事業主として当然の義務に入る範囲内の問題なんですよ。しかも、そのことによって、万が一——それだけが野中の一本道を走っているのならいざ知らず、今日のようなこういう渋滞状況の中で万一の事故を起こさせないための、いわゆる自分の職員の健康管理という立場なんです。 もう一つ、ついでにひとつお答えいただきたいのですが、これは研究するとか、そんな問題じゃない。事業主も当然の義務だし、働く人々も当然自分の自覚症状の申告をしていく、それを押してあえて事業主が運転させて起きた事故についての一定の責任というものは、これはまた判例をつくっていく以外にないと思いますが、それは新たにつくる。あなたが、抽象的な答弁ばかりで、通達を出したあなたがどれだけのあれを持ってやっていくかということの気構え一つになるんだから、あなたがぐずつけば、運輸省も警察もぐずついてしまうんだ。大体あなたのところがしっかりしなければ話にならぬでしょう。その程度のものは、せめてあなたのところで厳重に事業主に出させる、あるいは労働者の権利として出させる、あるいは事業主の義務として出させる、そのくらいはひとつ励行してくださいよ。どうですか。
○岡部説明員 自覚症状というものを事業主が常に把握していなければならないということは、先生御指摘のとおり当然のことでございます。その具体的な手法といたしまして、たとえば定期的に健康診断等がございます。その際の記録に十分配慮するように、たとえば事業主に注意を喚起する等々の方法がございます。いずれにいたしましても、そういう自覚症状の把握ということにつきまして、前向きに、これにつきましてはどのような手法があるか検討をいたしたいというふうに考えます。
○沢田委員 では、あと同僚議員が質問いたしますから、これの基準の適用については後に譲りまして、五十五分までですか、あと七分になりますが、免許の書きかえで、もし延ばした場合にどの程度——これはもう私の念願みたいなものであります。祈るような気持ちで私は警察に要請しているのですが、ちっとも前進をしないのではなはだ困っているのでありますが、実際に書きかえをしなければどういう弊害を生ずるのかということですね。三・七%の目が悪くなる人のために、物資も節約しなければいけないし、人件費も節約しなければいけないし、また交通の安全も守らなければいけないしと、こういういろいろな状況を判断している場合に、そこにこだわることなく、もっと違った分野へ、質的なものへ転換をしていくという必要性があるんじゃないか。そういう形式的なことだけでなくて、さっき野中議員も言っておりましたけれども、もっと別な質的なものへ交通安全の主体というものが移っていかなければいけないんじゃないか。そういう状況で、あくまでも三年にこだわっている必要性はないんじゃないか。この前、六年の三年でどうですかということを言ったのでありますけれども、ともかくそういうめんどうなことを省いていく時代だということには変わりないんじゃないかと思うのです。ですから、その意味において免許証の書きかえという、免許証を持っている人にとってみればきわめてめんどうくさい問題、このめんどうくさい問題を、せめて六年なり十年なり、免許証をもらったらそれは免許証はそのままでいい、あと講習を受けるかどうかの問題は、法律の改正に伴って必要に応じてやる、もしやらなければ減点制度に切りかえていく、そういう合理性というかそういうものはとれるのではないかというふうに思えるのですが、警察はかたくなにこれをがんばっているのはどういうマイナスがあるのですか、言ってくれませんか。マイナスがさほどでなければ、物資もそれで大分助かりますし、写真を撮らなくても済むのですし、いろいろと助かる面が多いわけです。もし最悪の場合なら、一年だけまた延ばしてみて様子を見るということも考えられると思います。英断をひとつ求めているわけでありますが、いかがでしょう。
○池田政府委員 免許の制度につきましてはいろいろな御意見もあろうかと存じます。ただ、現在の大変厳しい交通情勢の中で、しかも四千百万人を超える方が免許をお取りになっておるというような状態の中で、どういう制度が一番いいかという点について、私どもといたしましても謙虚に模索しているところでございますけれども、一方からは大変また厳しい御要請もあるわけでございます。たとえば、免許というのはもう少し的確に、期間を短くして対処すべきじゃないか。特に少年につきましては、期間を三年と言わずにもう少し短くして様子を見たらどうかという御意見も出されておりますし、また年配になられた方につきましては、普通の三年ではなくてもう少し短いやり方でやったらどうかというような安全上の意見をお出しになる方もございます。また、三年のときに、特に運転の経験の少ない者につきましては、もう一遍教習もやり直すべきじゃないか、こういう御意見の方もございますし、また、免許というものは、一遍与えればそう簡単に条件は変わらないんじゃないか、したがいましてそう短期間に更新等の手続をとらなくてもいいんじゃないか、こういうような両方の御意見があるのも事実でございます。 そこで、従来ずっとやっております三年ということでございますが、実際問題といたしましては、先生も御指摘いただきましたように、これはサンプル調査でございますけれども、昨年の六月に更新の申請者を対象といたしまして調査いたした結果によりますと、御指摘のございましたとおり、三・七%の人につきましては、何らかの形で条件を変えるなり、新たな条件を付すなりといったことが必要になっておるというのが実情でございます。サンプル調査をそのまま引き直しますと、年間にいたしますと四十万人、三年間ということになりますと約その三倍の方に、免許を与えている者として何らかの条件の変更をしなければいかぬ、こういうようなことになりますので、その辺が問題じゃなかろうかという気がいたします。また同時に、更新を契機といたしまして、こういった交通環境等が相当変わってまいりますし、それからまた、住所地等の変更をされる方も大変多いわけでございますので、この機会にそれぞれ実情に応じた講習をやらせていただいておるというのが実情でございます。 したがいまして、外国等の制度も短いものから長いものまでいろいろあるようでございますが、その点も踏まえまして、現在免許制度研究会というところで有識者の方々にお集まりいただきまして御検討をいただいておりますので、その研究会にも図りまして、よりよい結論は出したいと思いますが、現在の段階では、現行の三年という制度に特段の支障はないのじゃなかろうか、こういうふうに考えておる段階でございます。
○沢田委員 質問を終わりますが、その中でちょっと気にかかっていることだけ、あと一分だから申し上げますが、私は三年で講習をすることは否定しているわけではないわけです。免許だけはそのまま持っていていいだろう、こういうことを言っているわけですから、三年目にいわゆる講習をしてと条件をつけるならつけていいのですよ。しかし、免許を書きかえる必要はないじゃないかということを言っているわけですからね。それは生年月日から生年月日までいく部分は六年持っていたっていいじゃないですか。そのかわり三年目には一回講習を受けるのですよという条件をつければ、いわゆるひげもじゃになったとかなんとかいうことは半年でもなるのですから、そういうことだけで免許をわざわざつくりかえる必要はないじゃないかということを言っているわけですね。ですからひとつ審議会か研究会かわからぬけれども、その辺は何か私の言い分を間違えないように伝えていただいて、ぜひ検討して、私はこういう行財政の段階においてはそんなかたくなな条件では、警察自体が取り残されることになる、こういうふうに思いますので、その点は要望を付して私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○石田委員長 次に、後藤茂君。
○後藤委員 労働省が何か社労に呼ばれているようでございますので、質問の順序を変えまして、最初に労働省の方にお伺いをしたいと思います。 〔委員長退席、有馬委員長代理着席〕 先ほど沢田委員の方から触れていたいわゆる新二・九通達の問題です。これは新しい基準、私は賛成でございますけれども、しかし、これまでの二・九通達も約十二年ばかり経過をしているというように聞いております。どうも労働省の調査等を見ましても、必ずしも十分に二・九通達が守られていない。さらにこれから厳しい基準に入っていくわけですけれども、これまでの二・九通達の履行状況のポイントだけひとつお聞かせをいただきたい。
○岡部説明員 旧二・九通達は、昭和四十二年二月九日以来施行されていたものでございます。この旧通達は、実作業時間の規制ということで臨んでまいったわけでございますが、実作業時間といいますのは、なかなか把握しにくい概念であるということに後になって気がついたわけでございます。と申しますのも、作業時間が長いじゃないか、こういう指摘をいたしましても、その中に、いやこれは手待ち時間でありました、あるいは休憩時間でありましたというふうなことがございますと、それ以上の追及が不可能になるというふうな状況であったわけでございます。 しかしながら、毎年この二・九通達の施行ということを行政の重点に加えまして監督指導を行ったわけでございまして、たとえば数字的に申し上げますと、自動車運送業につきまして違反率、一斉監督実施の場合の違反率を比較してみますと、昭和四十年代におきましては八二・七%の違反率でございました。これは昭和四十八年でございますが、それが昭和五十年におきましては七九・二%の違反率に下がっております。そのうち、問題となります労働時間についての違反率を見ますと、昭和四十八年は五四・九%の違反率、これに対しまして昭和五十年は四七・〇%の違反率。休日労働についての違反率は四十八年が二四・九%の違反率、五十年が一六・二%の違反率ということでございまして、改善をみているわけでございます。しかしながら、この数値そのものは、全産業平均に比べまして非常に高い違反率でございまして、その意味におきましては、旧通達のもとにおける指導というものもおのずからなる限界があったのではないかというふうに反省しているところでございます。
○後藤委員 これは通達ですから、先ほども沢田委員から指摘されておりましたように罰則がない。外国ではこういった過労運転の取り締まりのための連続運転時間の規制あるいはハンドル持ち時間等に対しては別に関係法の規制というものがあるのではないかと思うわけですけれども、一体どうなのでしょうか。重立った国、ほとんど日本と同じようなやり方なのか、それともある程度関係条文というものを法律的に整備をしているのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○岡部説明員 各国の事業法全般に私不勉強でございますが、しかしながらILO基準では特に罰則を設ける必要があるというふうなたとえば条約あるいは勧告にはなっていないわけでございまして、そのほかにAETR、つまりEC諸国におきます協定におきましても罰則ということは直接には規定がないと承知をいたしております。しかしながら、これがそれぞれの国の運輸関係法規あるいは交通関係法規でどのように考えられているのかということにつきましては、私ちょっと不勉強でいまのところ手持ちの資料がございませんのでお許しいただきたいと思います。
○後藤委員 ILOの条約では罰則を求めていないということですけれども、道交法六十六条の「過労運転等の禁止」があるわけです。その「過労運転等の禁止」ということの中身の一つとしてこうした新二・九通達、これまでの二・九通達が出されていると思うわけです。この道交法との関係を考えてみますと、こうした新二・九通達というものは、これから実施されていくわけですけれども、その実施過程とあわせて法の整備というものに入っていかなければ、取り締まりがなかなかむずかしゅうございますから実効が上がらないのではないか。しかも、これば企業にとりましても、大小たくさんの企業があるわけですから、大変むずかしいと思います。そういう意味では担保すべき法整備が必要ではないかと考えておりますので、いまの道交法六十六条の「過労運転等の禁止」ともあわせて御見解を聞いておきたいと思うわけです。
○岡部説明員 先生御指摘の問題につきましては、ILO百五十三号条約、今回の条約の批准問題とあわせまして今回の通達のようなものは立法化すべきではないかというふうな声が労働団体の中から上がっておることも私ども承っておるところでございます。 〔有島委員長代理退席、委員長着席〕 ただ、このような条約批准あるいはこれの立法化ということにつきましては、この内容につきましての直接的な罰則を付してまでの立法化という問題につきましてはまだ国内的なコンセンサスが得られていないのではないかと私ども事態を見ているわけでございます。この問題につきましては、今後実態の推移を見守りながら私どもとしても検討を進めてまいりたいと考えております。
○後藤委員 四十二年に二・九通達が出されまして大変時間がかかっているわけですが、なお関係者とのコンセンサスが十分に得られていない、したがって法整備はいまの段階では熟していないというような御答弁でございましたけれども、私は、行政の側が積極的にそういう方向に腹を決めて対処していないからではないかと実は理解をしているわけです。労働基準法等でも最低の基準はすべて決められているわけですから、新二・九通達を担保する法整備に対してはむしろ積極的に関係者に働きかけていくという姿勢がぜひ必要だと思います。 それと関連をいたしまして、昨年六月に決められた今度のILOの条約ですけれども、これに対する批准の問題です。いまの姿勢だと、どうも批准に対しましても積極的な取り組みをしないのではないかというように私には受け取れるわけです。それぞれ各国の批准の動きというものは参考にしていかなければならぬと思いますけれども、日本は特に長距離トラック輸送、物流関係についても大変複雑でありますし、過密ダイヤで輸送が行われているわけですから、世界各国よりももっと真剣にこの問題に対しては取り組んでいかなければならないということを考えてみますと、ILOの百五十三号ですか、これに対しましても積極的に批准に向けて努力をしていく、そのための一つの基盤整備という態度をぜひとっていただきたいと思いますけれども、この批准の問題、あわせてもう一度国内法の整備に対する姿勢、労働省の取り組みのあり方につきましてお伺いをしておきたいと思います。
○岡部説明員 ILO百五十三号条約につきましては、これは採択されたばかりでございまして、これから各国におきまして権限ある機関への報告が行われる段階でございます。わが国におきましては、この国会に恐らく来月この条約につきまして報告が行われるやに聞いております。それまでの間は正確な訳文訳出を行っている段階でございまして、それから本格的ないろいろ話が出てくるものであろう、そういう段階であろうと考えております。三月三十一日現在で問い合わせましたところ、この条約の批准国はまだ世界的にございません。したがいまして、これは将来の問題であろうかと思います。 この批准の問題でございますが、わが国は従来国内法との整合性を完全に済ませた上でILO条約というものを批准するということが政府の基本方針になっているわけでございます。条約の一々の条文の解釈、意味、それから批准した国の実施状況等々がILOの条約・勧告適用委員会の場におきまして今後明らかになってまいろうかと思います。そういうものの解釈を踏まえまして私どもこの批准問題につきましては対応してまいりたい。しかしながら、それはもちろん前向きの姿勢で対応してまいりたいと考えているところでございます。 立法化の問題につきましては、やはりこのようなILO条約批准というふうな問題と対になったような問題ではなかろうかというふうにも考えるわけでございまして、これにつきましても将来の宿題ということで検討を続けるというのが私どもの考え方でございます。
○後藤委員 もう一点、労働省、後の質問との関連がありますのでちょっとお聞きをしておきたいのですけれども、今度の新二・九通達によりまして、休憩施設なり仮眠施設等はこれまで以上に充実をしていかなければならないと思うのです。そのためにこの新二・九通達を出される過程でこういった関係者に対する協議というものが十分に行われているのかどうか、またその反応等も聞いておきたいと思います。後で質問の中で各関係者にお聞きをいたしますので、ひとつその点をお願いします。
○岡部説明員 御指摘のとおり、このたび連続ハンドル時間四時間あるいは一日のハンドル時間九時間というふうな規定を設けました以上、それの実施に当たりましては十分な適切な休憩施設がなければならないということにつきまして各種の労働者団体から私どもの方にもいろいろと要請がございました。この問題につきましては私どもの方だけではこれはできる問題ではございませんで、関係各省のそれぞれの御措置をまたなければならぬということでございます。 高速道につきましては、たとえば建設省あるいは道路公団の御協力をいただかなければなりませんし、あるいはその他運輸省の御協力をいただかなければならぬというふうなことでございます。それに加えまして、事業主みずからの努力ということも必要なことでございます。したがいまして、そういう事業主団体に対する働きかけを中心といたしまして、さらにまたそれぞれの関係官庁に対しましていろいろと御要請を申し上げている、こういう段階でございます。
○後藤委員 それでは労働省、結構でございます。 ことしの四月一日に山口県の徳山で出光興産の徳山製油所の反応塔の破裂事故が実はございました。きょうは交通安全の特別委員会でございますから、高圧ガスの取締法等々についての質問はするつもりはございませんけれども、私は月曜日に現地に調査に行ってまいりまして、大変驚いたことが実はあるわけなんです。それは、あの徳山における石油コンビナート、大変巨大なコンビナート施設が林立しているわけですけれども、そのすぐそばを在来線、さらにまた新幹線、国道二号線が走っているわけですね。こういった大変重要な交通網のすぐそばにああしたコンビナート群が林立をしておる場合、そのコンビナートにおける災害、事故等が及ぼす影響というのは私は非常に大変な問題であろうと思うのです。行ってみまして、この事故があったのが午後の十一時五十五分ですから、新幹線はもちろんもうとまっていたということですけれども、非常に分厚い鉄の容器が破裂をいたしまして、広範囲に飛散をしている。本来ならそうした反応塔が仮に破裂をしたという場合に、その鉄の部分がめくれるという程度であって、破裂弾のように飛散をするということは考えられないようですが、これも常温の定期検査の過程で起こっている。何か操作ミスで高圧になって破裂したということではないわけです。といたしますと、常温でしかも一年に一回定期検査をするというわけですけれども、破裂をするというような事態というのは、これはいつでも起こり得るのではないかという想定をしなければならない、そうしたことを見てまいりました。 そこで、関係者にお伺いをしたいのですけれども、この出光興産の徳山工場の反応塔の破裂事故に対してどのように承知をしているのか。ごくかいつまんで、主として交通の問題で結構でございますから、交通との関連においてどのように把握をし、処理をしてきたかということについて、警察庁の方からお伺いをしたいと思います。
○加藤説明員 お答えいたします。 ただいま御指摘のとおり、ことしの四月一日の午後の十一時五十五分ごろ、徳山市新宮一番一号所在の出光興産株式会社徳山製油所の製油第二課の第二イニュファイナーの反応塔が突然轟音とともに破裂いたしまして、全壊し飛散したという事故がございました。その音響及び飛散物によりまして、付近の民家等九十六戸、その屋根とか一尺窓ガラスなど多数が破損するという事故が発生しておるわけでございます。 それで、こういう事態を認知いたしました徳山警察署におきましては、直ちに署員それから本部員を派遣いたしまして必要な措置を講じたわけでございます。署員は九十名ぐらい、それにパトカー九台ぐらいを現場に急派いたしまして警戒に当たりまして、特に第二次災害の発生のおそれがあるのかどうかという調査を厳密に行いますとともに、この破裂事故による被害状況の把握、証拠物の収集等の初動措置を講じまして、すぐ翌日に捜査本部を設けましてその事故原因の真相の究明に当たったというところでございます。 ただいまの問題について、御指摘をいただきました交通との関連でどういう措置を講じたかということでございますけれども、地理的には確かに御指摘のような状況でございまして、そういう措置を講ずる必要があったんだということでございますが、現実的には御指摘のとおり新幹線もそのときは通っておりませんでしたし、また国道の通行量というふうなものも十分間に数十台程度の自動車が通行するというふうな状況でございました。しかもその事故が引き続いて誘爆をするとか、あるいはさらに他の物が燃えるとか爆発するとかいうふうな状況でございませんでしたので、そういう警戒をいたしましたけれども、現実には交通の規制というふうなものはとる必要がなかったというふうに聞いております。
○後藤委員 交通規制その他の問題ではなくて私がお聞きをしたいのは、こうしたコンビナート群が全国各地にあるわけですけれども、そしてすぐそのそばを重要な交通手段が設置をされている。これはそちらに持っていってもいいのですけれども、この線が国道であり新幹線、在来線、ちょうどここに破裂をしたところがあったわけです。これは後でそちらに持っていってもらって結構ですけれども、この破裂したところから新幹線までは百二十メートルぐらい、それからその工場敷地から新幹線のところまでは約六十メートルないし七十メートルぐらい。飛散した距離は、爆風での破損だというふうに指摘をされておりますけれども七百メートル以上も被害を及ぼしているわけです。そして考えられなかった鉄片の広範囲な飛散というのがあるわけですね。こういったことがほかのコンビナート地域でも、まあ起こってはならないことなんですけれども、起こり得るということはこれから想定をしておかなければならぬだろうと思うのです。その場合の交通安全対策というものを、これはひとつぜひこれからの検討課題にしておいていただきたい。 そこで国鉄の方にお伺いしたいのですけれども、これは何か瞬間的事故の場合は第一種通報とかいうように聞いております。したがって、会社の方から消防関係のところに通報がありまして、そこから連絡するところは第一種通報の場合には大変狭い範囲、それから火災だとかあるいは水害だとかあるいは連続的に起こり得る災害等については第二種通報——これは逆に言っているかもわかりませんので後で教えていただきたいのですけれども、第二種通報ということで比較的広範囲に通報しているということのようです。今度の場合に、消防から国鉄への通報が大変おくれた。出光から消防の方に通報があったのは、午後十一時五十五分から十分ばかりたってあったようです。それからさらに国鉄に連絡があったのは四十分ばかり後、したがって、五十分から一時間ぐらいたってから国鉄徳山駅の方に通報があったというように聞いているわけです。国鉄にはどのように報告が上がっているかわかりませんけれども、私は、これは大変無神経だと思うのです。新幹線の場合は、地震の場合震度三以上になるととめて、直接歩いて路線点検等をするというぐらい慎重にしておるのに、今度の場合には通報がおくれたということもあるかもわかりませんが、通報が一時間ばかり後であった。新幹線はとまっておりますけれども在来線は走っているのですから、もし鉄片等が線路に落ちておったというようなことになりますと二次災害、三次災害ということも起こり得るわけです。コンビナート地帯へ行ってみまして私が一番感じたことは、非常にのんきだな、麻痺しているなということを感じました。大変大きな破裂音であったということですから、通報がなくてもそういった点検なり調査なりが行われておらなければならなかったと思うのです。国鉄の方に上がってきている報告はどのような状況であったか、またそれぞれの点検はそのとき厳重に行われたのか、どうも現地で聞いてみると——報告は恐らくいろいろつじつまを合わせているでしょうけれども、夜間であるということもあって慎重な取り組みをしていなかったように考えているわけです。その点をひとつお伺いしておきたいと思います。
○近藤説明員 お答えいたします。 四月一日の深夜帯でございますが、徳山地区で出光興産の機械が爆発したということでございまして、私どもといたしましては、その翌日でございますが、そういった事故情報を当然得ておるわけでございます。そういたしまして新幹線総局、それから広島鉄道管理局に対しまして、直ちにその内容の調査等を命じました。幸いにも国鉄には何らの被害もございませんでしたというのが実態でございますが、いまお話がございましたとおり、関係個所らかの通報あるいは連絡といったものをいただきましたのが、事故発生からかなり時間が経過してからであったということでございまして、私どもといたしましては、かねてからお願いやら打ち合わせをいたしておりますとおり、関係いたします個所から速やかに御連絡をいただきましてやってまいりたいと思っておる次第でございます。当日、零時四十五分ごろに出光興産から徳山駅に、事故があったが異常がないかという連絡をちょうだいしております。したがって、徳山駅から部内の手続に従いまして速やかに列車指令、これは広島鉄道管理局の中に列車指令がございます。同時に新幹線の広島管理部がございまして、そちらの方にも連絡いたしました。かなり時間がたってございますので、新幹線の方は終列車が終わっておりましたし、在来線の方も被害がございませんで、直ちに線路の点検、巡回に入ったわけでございますが、幸いにも異常がございませんで、安全が確認できましたのでそのまま運転を継続したというのが実態でございます。
○後藤委員 幸いがずっと続いておるものですから大変よかったわけですけれども、いまの御報告をお聞きいたしましても、破裂事故がありましてからかれこれ一時間ぐらいたってから点検をしている。先ほど言いましたように、大変な事故で鉄片が飛散をしているのですから、仮に子供の置き石でも列車転覆ということはあるのですから、それがなかったらよかったのですけれども、もしその通報を受けるまでの間に、たまたま線路の上に鉄片等が落ちておった、そのことによって事故があったということではえらいことです。だから、私がいま指摘をいたしましたように、あれだけ大きなコンビナートである。しかも、向こうへ行って聞いてみますと、あの地域は大小十数回の事故が起こっている。だから私は麻痺しているのではないかというように実は思ったのです。通報がなくても、大変な破裂音だったというのですから、むしろ積極的に、あの事故はどうであったか、何であったかということを聞く必要がある、そういった態度、緊張した姿勢が必要だろうというふうに考えるわけです、たくさんのコンビナート地域もあるわけですから。 それから警察庁の方にお伺いというよりもお願いをしておきたいのですけれども、いまの第一種通報、第二種通報は直接担当ではないのですけれども、ぜひ連絡会議等で提起をしておいていただきたい。ただ県と警察と海上保安庁等々にやっておけば済むということではなくて、たとえばすぐ近くにああいった国鉄新幹線なり在来線なり二国等が走っておる場合——国道の場合は直接警察の担当になりますけれども、この通報規定によってここへやっておけばいいのだということでは済まぬだろうと思うのです。もう少し機動的に、それぞれの地理的条件に合わせて取り組んでいくという姿勢が私は必要だろうと思うのです。幸い国鉄の方に大きな事故がなかったからいいようなもので、もしあったりしたら、いや、法に定められたとおり私どもは通報いたしておりましたということでは済まないだろうと思いますので、ぜひその点をお願いしておきたい。 それからもう一つは、国鉄にちょっとお聞きしておきたいのですけれども、その前にもあの種の事故、大きな火災事故がありました。これは新幹線、在来線がとまるという事故もあったわけですけれども、コンビナート地域における災害は、私たちが行きますと考えられない災害、事故であったというように常に決まって言うわけですが、考えられる事故というものは未然に防止できるわけですから、事故というものは考えられないという、しかも法律はきちっと守っておった、にもかかわらず、やはり大きな事故は起こってくるわけですから、在来線の後にああいう石油コンビナートが出てきた、したがって、石油コンビナートが悪いのだと言えるかもわかりませんけれども、これは言ってもどうにもなりませんが、何で新幹線がああいうようにカーブをしてわざわざ石油コンビナート林立のすぐそばまですり寄って建設していったのだろうということが、向こうへ行ってみて私の非常に大きな疑問でございました。地元からいろいろな誘致運動等もあったのだろうと思いますけれども、これは私の大変大きな疑問です。もっと安全に留意をすればあそこにはいかなかったのではないだろうかという気がいたします。そこで、こうしたコンビナート爆発事故、あるいは破裂事故、火災事故等々も想定されるわけですけれども、単にあの徳山地域だけではなくて、京浜のところもたくさんあるわけですが、こういった防災対策といいますか、長期的な対策を一体どうしていくべきかということはこれからの検討課題として考えておいていただきたいという要望を申し上げておきたいと思います。 そこで、先ほどの二・九通達と関連をいたしまして幾つか御質問を申し上げてみたいわけですけれども、サービスエリアあるいはパーキングエリア、それぞれの設備、施設等が、先ほどいただいた資料におきましては書かれております。ただ、私は、これから仮眠施設にいたしましても、あるいはパーキングエリア、サービスエリア等についても、特に日本坂トンネル事故の経験から考えてみまして、もっと拡幅するなり新設するなりあるいは設備増強するなりということが必要だろうというように考えているわけです。 そこで、これはちょっと御質問を申し上げる一つの参考として警察庁にお伺いをしたいのですけれども、御殿場から大井松田の付近、この付近の明け方の四時前後、どうも事故が比較的多いように承っているわけです。つい先ほど私が資料の提出をお願いをいたしましたところ、その時間帯の発生状況で、上りのみの発生状況の資料が私の手元に届いておりますけれども、午前三時から五時が災害の構成率一〇%、五時から七時が一二・四%、あとのところは一もちろんまた午後の十五時から十七時、十七時から十九時のところで一〇%以上になっておりますけれども、ほかのところは三%とか四%というところになるわけですけれども、これは私が考えてみますのに、どうも東京のラッシュの前に長距離貨物輸送というものは東京に到着をしたい、とすると、ちょうどあの付近で明け方を迎える。たとえば関西の方から夕方に出てまいりますと、ちょうどあの時間にこの御殿場あるいは大井松田付近を通るのではないか、そしてまた、ずっと連続運転をしてきているわけですから、明け方というのは疲れが出てまいりますから、一番疲れが出てきているときじゃないか。つまり、過労、居眠りを生理的に起こしていく時間帯ではないか、このように考えているわけですけれども、警察庁の方では、その時間帯あるいは災害の発生の比較的頻度の高い場所等と貨物輸送、トラック輸送の関係というものをどのように理解をされておるか、お伺いをしたいと思います。
○池田政府委員 いま御指摘のとおり、東名高速の御殿場——大井松田間におきます事故につきましては、お話ございましたとおり、上り線の例でございますけれども、午前三時から五時までにつきましては一〇%、それから五時から七時につきましては一・四%の構成率の事故が起きているのは事実でございます。私どもの方の手元にこの原因別その他の統計がございませんのではっきりはいたしませんけれども、大体原因といたしましては、お話のとおりの、ちょうど東京に入ります車の通過時間等にも当たりますので、そういった事情が重なっておるものというふうに考えております。
○後藤委員 ここに「ハイウェーのサービスエリア、パーキングエリアの御案内」というのがございますけれども、大変たくさんつくられております。しかし、どうもいまのような時間帯あるいはその頻度の高い低いというようなことは、こういうサービスエリア、パーキングエリアをつくるのに、考慮の外にあるんじゃないだろうかという気がする。何キロ間隔でパーキングエリアあるいは何キロ間隔でサービスエリアというところの方がむしろ設置の判断の基準になっておりまして、先ほど御指摘を申し上げたような配慮というものが余り行き届いていないのではないか、そしてまだ、似たような施設だけで事足れりとしているのではないかというように考えておりますけれども、こうしたパーキングエリア、サービスエリアというのはある程度、いま申し上げましたようないろいろな事故統計なり交通量なり、そういうものは十分に織り込んでやっておられるのかどうか、お聞きをいたしたいと思います。
○山根政府委員 お答え申し上げます。 高速自動車国道、つまり、出入の制限されております道路につきましては、運転者の疲労を解きほぐし、交通安全に資するという観点から、パーキングエリア並びにサービスエリアを設置いたしておるわけでございます。先生御指摘のように、パーキングエリアにつきましては大体十五キロ、サービスエリアにつきましては五十キロメートル、これを一つの標準の設置間隔にいたしまして施設の整備を図っておるわけでございます。 問題は、いまお話のありますように、駐車のスペースの問題であろうと存ずるわけでございますが、この駐車のスペースにつきましては、交通量を一応の基準といたしまして、サービスエリアなりパーキングエリアに一体どの程度立ち寄るか、こういうところから計画をしてまいるわけでございますが、東名、名神が開通をいたしました時点におきまして想定をいたしました駐車需要に対して、現在、大変大幅に上昇しているということも事実でございます。私ども開通当初のパーキングスペースと申しますか、駐車マスに対しまして、四割以上の駐車マスの増設を図って今日に来ておるわけでございます。 今後、私どもの考え方としましては、利用状況を勘案をいたしまして、拡充を図っていかなければならない、こう考えておるわけでございますが、やはり新たに用地を取得しながらやってまいらなければならないというような個所もございます。また、すでに敷地として確保されております園地の部分を駐車し得るような形に改造いたしましてやっていくというような手だてを講じておるわけでございます。私どもといたしましても、可能な限り拡充、改良をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○後藤委員 二・九通達を守ろうといたしましても、駐車エリアが満杯であるというようなことになりますと、これは走っていかなければならぬわけです。 一つの例を申し上げますと、たとえば仮眠施設ですね。レストイン足柄が仮眠施設があるようですが、私は直接利用しているトラック労働者に聞いてみたんですけれども、これはもともとマイカー用にウエートをかけた施設のようです。したがって、トラック運転手の方の利用がしにくいといいますか、大変その施設が少ない、こういうようなこともあるというように聞いているわけです。やはりこれから二・九通達を守らせていくためには、そうした仮眠施設というものをもっとたくさんつくっていかなければならないということから考えてみましても、そういう施設の拡充というものについて、もちろん用地難ということもあるでしょう、あるいは資金の問題もあるでしょうけれども一、ひとつ建設省の方でも積極的に取り組んでいただきたいと思う。 このことを申し上げるのは、警察庁にお聞きしたいのですが、路肩駐車とか、あるいはバス停——夜中は、ドリーム号は、あれはノンストップが多いでしょう。したがって、定期バスのバス停のところなんかにもとまって仮眠をしている。そして、十分に加速がつかないうちに本線に入っているというような事態も起こっているというように私は聞いているわけです。これからの二・九通達あるいは過労運転は、単に荷主なりあるいは雇用主からこの時間で走れと言われても、それぞれの労働者というのは、過労あるいは居眠り等が起こってきた場合には、警察の指導ではちゃんととまって仮眠をして走れということになるわけですけれども、そういう場所がないのですね。したがって、これからの交通事故の統計等においても、こういったバス停駐車あるいは路肩駐車、そこから十分に加速しないまま走っていくという危険性がますます高まってくるだろうと思いますので、そういった状況が警察庁の方は散見されるように見ているのかどうか、そしてこれに対する対策をどのように考えているか、お伺いをしておきたいと思います。
○池田政府委員 高速自動車国道におきます駐停車違反の取り締まりの関係でございますけれども、昨年一年間東名で見ますと、四千六百二十七件を検挙いたしております。ただ、実情から申し上げますと、路肩等への駐車というのは大変にまた一面危険性がございます。それからまた、実態といたしまして先ほど来のお話のような、違法をあえて承知で仮眠しているという実態も散見しておるのが実情でございます。 したがいまして、これの検挙につきましては、安全を確保しなければいけないという観点からではございますけれども、正直なところ相当苦慮しながらやっておるというのが実情でございますので、道路管理者の方とも常時協議しているわけでございますが、できる限りの手は打ちますけれども、抜本的にはもっと大きな解決策がとられることが望ましいというふうに考えております。
○後藤委員 確かにバス停だとか、路肩駐車している。駐車はけしからぬけれども、もしそこで、いやどうにも疲れて、仮眠施設もないし、眠くてどうにもならぬから、やむを得ずここで仮眠をしているんだということに対しては、取り締まりが非常にむずかしいですね。そういう仮眠をしなさいという指導をし、しちやならぬという指導をするということは大変むずかしいと思いますので、これは積極的に休憩施設、仮眠施設、それからパーキングエリア、サービスエリアの拡充、新設、強化というものは、ぜひひとつ警察庁の方が音頭をとっていただいて、関係省庁に働きかけて確立をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。 時間がございませんので、もし時間がありましたら、この大型車の車間距離の問題と運転特性の問題を後でまたお聞きをいたします。 一つお伺いをしておきたいのは、岡崎地帯の国道三石線の問題というのは、この委員会におきましてももう十数年来の課題でございまして、この解決策が地元の住民の皆様方からも、それからまたトラックを使って働いております労働組合の方からも要望がなされ、そしてこの委員会も五十三年七月に調査に入りまして、交通規制、取り締まりの強化あるいはバイパスを含む道路の整備促進、トラック業界に対する指導、またトラック業界はその指導を受けて交通量を半分にしている、二分の一にしているという取り組みをしたとかいうふうに聞いている。しかし、今日に至るもなおその実効はほとんど上がっていない。私のところに昨日もその地元の方々が、ぜひひとつこの対策を早急に確立してもらいたいという要請書を持ってこられました。関係省庁のところにその要請書が届いているかどうかわかりませんけれども、この岡崎市内の国道一号線の騒音公害、渋滞状況等の現状把握と、それからこれの解決策について、それぞれ関係省庁どのような対策を講じておられるか、お伺いをしておきたいと思います。
○池田政府委員 国道一号線の岡崎市付近の状況でございますけれども、最近の調査によりましても、交通量が一日約四万一千七百台、夜間、午後十時から午前六時までの間が約七千台、こういったような状況になっておりますけれども、なかんずく夜間の交通量の中では約四千台が大型の貨物、混入率が約五八%といったような数字になっている特殊な地域であるというふうに考えております。このため、特に夜間におきます自動車騒音等の交通公害の防止を図りますために、警察といたしましては、大型車両の夜間の道路の中央寄り車線走行の指定をいたしております。片側二車でございますけれども、その中央の通行帯を通れという規制をいたしております。それから、最高速度は四十キロに規制いたしております。信号機も系統化を図りますとともに、大型の可変標識を六十五基設置するなどの交通規制を進めておりますが、同時に、速度違反あるいは過積載、整備不良車両等の取り締まりも強力に行なっておるところでございます。昨年一年間におきます岡崎署の検挙でございますけれども、岡崎署管内の取り締まり件数の中で、しかも国道一号線関係の部分が六千七百六十件の検挙ということになっておりますので、大変努力しておるものというふうに考えております。 なお、私どもの方で聞いておりますところでは、こういった規制前と規制後では、騒音の程度も、従前に比べますと相当程度の効果を上げておるんじゃなかろうかということを、地元の協議会の方がおっしゃっておるというふうには聞いております。
○後藤委員 実情を聞いてみますと、関東の方から関西、東海の方へ行く車が、あの岡崎のインターチェンジをおりて入っていく。それからまた関西の方からは、関東へ行くのに、岡崎のインターチェンジから東名に上がっていくということのようですね。なぜそうなんだろうかと思って調べてみますと、皆さん方は十分承知していることでしょうけれども、仮に吹田から東京までの大型トラックの通行料金というのが一万七百円だそうです。間違いがありましたら訂正をお願いしたいと思います。それから、岡崎インターから東京までが六千四百円。そうしますと、大阪の東名阪あるいは西名阪、これは料金が千円なり八百円のようですけれども、この工業地帯の方から東京に行くという場合には、東、西、両方通って、そして岡崎から東京ということになると八千二百円。そうしますと、ここで片道約二千五百円、往復で五千円くらい浮くわけですね。トラック運転手は、できるならばこの東名、名神、両方高速を使いたい。渋滞をし、騒音をまき散らすということは好ましくないと思っても、一つは、勝手にこの路線を選ぶわけにはいかないようです。荷主なりあるいは企業主から、ここを通ってこう行け。もし高速に乗って行くといたしますと、その片道二千五百円というものは自復を切って行かなければならぬということにもなるわけですね。この指導をひとつ私は求めたいわけです。こうした料金の問題というものが、私は大変大きいんじゃないだろうかというように思いますけれども、警察庁の方、いかがでしょうか。
○池田政府委員 交通量の実情にはそういった背景もあるんじゃなかろうかというふうに考えております。
○後藤委員 そういたしますと、トラック協会がそうした地元の要請あるいは皆さん方の働きかけによってこの交通量を半減をしていくんだ、こういう指示を仮に最初したといたしましても、それでは実効が上がらぬ。事はコストの問題にかかわってくるわけですから、このコストの問題も踏まえて、こちらを通っていくことの方がよりロスが大きいんだ、かえってコストが高くなっていくんだというような指導をしていかなければならぬということになってまいりますと、当然トラック関係者に対しましてもその路線について十分に守らしていくような指導を強化をしていただかなければならぬ。ただ市内における四十キロ制限を守らしていただくとか、あるいは中央線を走らせていくというだけでは私は解決しないんではないかというように考えるわけです。 それから、いまの取り締まりの中で一つ触れられておりませんでしたけれども、カーラジオ、テープ音楽等のボリュームを大変上げて走っているそうです。これも地元住民の皆さん方から非常に大きな苦情として上がってまいっております。テレビ等にも入ってくる、あるいはFMラジオ等にトラック同士の交信が、しかもそれも非常に重要な連絡事項であればいいですけれども、大したことない、くだらない交信が入ってきて、そしてテレビなりラジオ等が聞けない、妨害される、こういったこともあるわけです。こうした騒音ですね。特にカーラジオあるいはテープ等を自分だけが運転席で聞けばいいものを大きくボリュームを上げてやっている。あるいは過度なトラック同士の交信等々に対しましてもひとつこの規制を強化をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○角田説明員 お答えいたします。 先生御指摘の国道一号の岡崎地区の騒音問題でございますが、この問題は私ども非常に大事な問題だと思っておりまして、従来からトラック協会を通じましていろいろな指導をやってきたわけでございます。強制的な手段というものはなかなか私ども持ち合わせておりませんが、まず第一に私どもでできることは、業界を指導いたしまして、先ほど御指摘ございましたように岡崎の地区を通らないで済む車、多少高速道路の料金等がかかるかもしれませんが、仕事の関係上、岡崎地区を通らないで済む車につきましてはできるだけ高速道路に乗りかえていくように、こういうことで指導をいたしております。ここを通っている車の事業の形態としては路線事業、区域事業という二つの形態がございまして、路線事業というのはある一定の路線につきまして定まった回数を通るわけでございますので、その路線事業者につきましては高速道路への乗せかえも指導をいたしまして、大体ここを通っておりましたのが会社の数で言いますと三十六社で千七百便ばかりが通っておったわけですが、そのうち千三十二便が高速道路への乗せかえの申請が出てまいってきたわけでございます。このうち現在まで乗せかえの免許上の処理をしましたものが八百一便でございまして、申請に対する処理の率は七八%になっておりますが、残りにつきましては豊田−知立間の通行につきまして目下豊田市と折衝中でございます。できるだけ豊田市等の了解を得てそういう手続を進めてまいりたいと思っております。 それから、それ以外の区域の事業者につきましてはそういうような手段がございませんので、これは事業者なり運転者なりに対するPRを特別なものをつくりまして徹底する、そういうことをやらせております。 それから、地元のトラック協会と全日本トラック協会に協力させまして、岡崎市内の横断歩道橋の約十カ所程度に静かに走行するようにという注意を喚起するための横断幕をたらしておりますし、それから地元の県のトラック協会にも時期的な指導を——業界を指導するための車かございます。指導車と言っておりますが、そういう指導車を走らせて、静かな走行をするような努力をさせております。 それから、この地区を走る車は必ずしも地元の県の車だけではございませんでいろいろなところから入ってくるわけでございます。約十三府県の車が通るわけでございますが、この十三府県のトラック協会から成ります協議会を発足させまして、これが大体二カ月あるいは三カ月に一回程度、トラックの走行状態の調査等をやっております。その結果、違反している車両の所属している会社等を自主的に調べ上げて、なお一層この地区の騒音対策に協力するようにということで努力をしているところでございます。 根本的にはバイパス等の措置がなされなければならないとは思いますが、そういうような根本的な措置がなされるまでの間、できるだけトラック業界としても地域の住民の生活を守るように今後とも一層努力させるようにしてまいりたい、かように考えております。
○後藤委員 時間が参りましたので、この問題につきましてはまた次の機会にさらに、その徹底強化の状況等についてお伺いをしたいと思いますけれども、いま話が出ておりましたバイパスの点について建設省の方はどのようにこの問題をとらえているか、最後にお伺いをして私の質問を終わります。
○山根政府委員 お答え申し上げます。 バイパスの問題でございますが、長期的には、国道一号のバイパスとも考えられます二十三号、私ども名豊道路と呼んでおりますが、一環として、知立バイパス、豊橋バイパスといったバイパスの整備を進めているところでございますが、当面、この知立バイパスに接続をいたしまして、県道の衣浦−豊田線、岡崎−刈谷線及び衣浦−岡崎線、この四路線を早急に整備することといたしまして、直轄事業及び補助事業でそれぞれ整備を進めているところでございます。この四路線につきましては優先的に五十五年度においても取り組んでまいりたい、整備を進めたいと考えておりまして、今年度末には大体用地の取得もおおむね完了できるのではないかと考えておりまして、引き続き工事を促進する予定といたしております。当初予定をいたしておりました昭和五十七年度末には二車線ないし四車線で供用できるのではないか、こう考えておるわけでございます。 なお、沿道の対策といたしまして、直轄で沿道環境対策調査等を実施いたしまして、岡崎公園から矢作橋までの八百十メートルの区間を拡幅をいたしまして、環境施設帯を持った道路というぐあいにすべく現在岡崎市と協議を進めて、大体構想が固まった段階でございます。現在地元の方々と調整を進めているところでございますが、これがまとまれば、都市計画決定を経まして用地取得等に順次着手をしてまいりたい、かように考えております。
○後藤委員 終わります。
○石田委員長 次に、和田一郎君。
○和田(一郎)委員 私はダンプカーの諸問題について質問をしたいと思いますが、まず第一番目に交通局長にお伺いいたします。 一昨年の道路交通法の改正によりまして自動車の使用制限に関する規定が設けられ、過積載に対する規制が強化されましたけれども、施行後の過積載違反の実態はどうか、この点についてまず違反の取り締まり状況をお答え願いたいと思います。
○池田政府委員 改正法の施行前後一年間を比較いたしますと、一昨年の十二月に改正道交法が施行されましてから一年間の総取り締まり件数が六万五千六百六十六件でございまして、その以前の取り締まりの件数が十二万四千八百二十九件でございますので、ほぼ半減いたしております。これは取り締まりの件数のみならず、私どもの方で若干通行車両につきまして調査いたしましたところ、実態があるのに取り締まりが減ったということではなくて、実態そのものもやはり減っておるといったような実情でございます。 なお背後にあります荷主へ事業者等に対する取り締まりでございますけれども、施行後一年間では九百五十一件を検挙いたしておりますが、施行前一年が千五百九十七件でございますので、これも大幅に減少しておるわけでございます。 なお、新しく規定が設けられました使用制限の実施状況でございますけれども、過積載の下命容認関係での処分が二十件、処分台数が三十六台でございますが、そのうちいわゆるダンプにつきましての数は七件、十台、こういうふうになっております。
○和田(一郎)委員 まだ質問しない分までお答えいただきましてどうもありがとうございます。 順を追ってやっていこうと思ったのですけれども、それでは、この取り締まりなんですけれども、たとえば台貫というのですか、大きなはかりがありまして、そこを通過する車両を引き入れてはかる、これはしょっちゅうやっているわけじゃないと思うのですけれども、どういうふうな計画でやっていらっしゃるのですか、教えていただきたいと思います。
○池田政府委員 重量測定器につきましては、場所が国定して設置してございますものと、それから可搬式と申しましてその器具を持ち運びましてやるものとございますが、やはり取り締まりにつきましては総合的な見地からということでございますので、特に違反が多いあるいはそういった車が無謀運転すること等によりまして住民の方などから大変な非難が起きる、そういった状況等も勘案しながら、しかも警察官が少人数で取り締まるということはなかなかむずかしい実情にございますので、その辺のところを総合的に勘案しまして、一罰百戒的な考え方で臨んでおるわけでございます。
○和田(一郎)委員 過積載の違反、特に土砂等を運搬するダンプカーについては、警察の取り締まりが行われているにもかかわらず違反が後を絶たないように見受けられます。ほかに根本的な問題があると私は思います。過積載の防止の実効を期するために警察としてどのような方針で対処しているか。たとえば土砂等の適正単価等についての建設省との協議だとか、そういうことはなさっているかどうか、その点についてお答え願いたいと思います。
○池田政府委員 ダンプカーの過積載の防止につきましては警察の取り締まりだけで片づかない問題があるんじゃないかという御指摘はそのとおりでございますので、私どもといたしましても関係の省庁との連携のもとに進めるという態度でこれまでも臨んできているわけでございますが、総理府等で関係の省庁の連絡会をおつくりいただいておりますので、その中で私どもとしましてもできる限りの対策を講じて、あるいは意見を申し述べておるというのが実情でございます。
○和田(一郎)委員 具体的にどういう点が問題なのか警察で把握されたと思うのですけれども、ちょっとお答え願いたいと思います。
○池田政府委員 何といいますか、その業態から見ましても他の運送事業をやられる方と違いましてたとえば一人一車的な方が多いといったような点、あるいは相当無理な運転をしなければ生計が立てられない等の弁明をされる業者が多いというふうに認識いたしております。
○和田(一郎)委員 総理府の方見えていらっしゃいますね。総理府はどうでしょう、この点について。
○仲山政府委員 いまお話しのとおりダンプカーは一台しか保有していないというようなものが大部分の運転者ということで、そこにいろいろ大変な問題があるわけでございますので、総理府といたしましては、ダンプカー協会というのを昭和四十三年以降逐次各都道府県単位に設立を指導してきておりまして、土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法第十二条、この規定によりまして、それぞれ関係の事業者、その雇用する運転者に対する研修講習等の交通安全教育を行っておるわけであります。また交通安全に資する機関紙、ポスター、チラシ等を作成配布するなどのほか、過積載の防止のための自主パトロール活動も行っておりまして、ダンプカーによる交通事故防止に従来から貢献しているところでございまして、総理府におきましては、これまでこのような任務を有するダンプカー協会が全都道府県に設立されるように進めてきておりますが、現在のところ三十二都道府県においてその設立を見ておりまして、昭和五十五年度におきましては新たに五府県において設立される見込みでございます。その間、昭和四十九年度からはダンプカー協会の事業活動の充実強化のためダンプカー協会の行います交通安全指導事業に対しまして国庫補助金を交付しておりまして、昭和五十五年度におきましては運輸省からの補助金と合わせまして総額五千二百十二万円の補助金を交付するということとしております。 このほか、総理府におきましては、毎年度関係省庁の協力のもとにダンプカー協会指導者研修会を開催するなど、協会の育成指導に努めまして、少しでもモラルのある適正なダンプカーの運転者をつくるように努力さしているところであります。
○和田(一郎)委員 御答弁いただきましたけれども、私の質問はどうして過積載が続いていくのかということでございまして、そういう点について、方針はいろいろお聞きいたしましたけれども、原因は一体何かということを質問したわけなんです。ダンプカーの運転手さんといいますと、考え方が違うような立場にとられちゃうのですね。特に土砂だとかそれから採石の産地のあたりに行きますと、それこそ恐れられているような感じもあります。しかしそれはやはり同じ人間であり、同じ免許を持つ、同じ営業をやっている人ですから、何かそこに原因があるのじゃないだろうか。その点私は質問したわけですけれども、あれは警察との闘いなんですね。車に積んで、そして目的地に行くまでに無線で交信しております。そして取り締まりが始まったというとばっと全部とまっちゃう。結局警察との闘いだというような意気込みで出ていくわけですよ。なぜ彼らをそのように追いやったかという問題があると思うのです。そういうところを総理府でお答え願いたいと思います。
○仲山政府委員 その点、これは昭和五十三年十月の、うちの方でまとめましたのでございますが、この資料等によりますと、ダンプカーの使用者は十万六千人ばかりおるわけでございますが、そのうちダンプカーを一台しか保有していない者が七万七千六百人ばかりということになっておりまして、大体七三%を占めている。その大部分はいま御指摘のような運転者で、砂利、採石等の骨材の生産業者あるいは販売業者、建設業者等に下請的に使用されており、砂利等の運搬に従事する、いわゆる一人一車であり、この一人一車が実質的にダンプカーの輸送の大半を担っておられるということでございます。確かにいろいろとそういうふうな問題があるように思います。
○和田(一郎)委員 これから具体的に入ってまいりますけれども、過積載の問題は違反の責任を運転手個人に求めるのは酷だとする声もございまして、昨年、十二月十三日の浦和地裁で出された判決では、運転手を有罪としながらも、一、砂利等を積ませる側に対する取り締まりが不十分、二番目、政府事業が過積載を見込んで運賃契約を結んでいる節があるなど、採石、運搬全体にわたる問題解決がないと過積載違反は根本的になくならないと問題点を指摘しております。 関係省庁は、この判決をどのように受けとめられているか。これは大体事前に通告してございますからおわかりだと思いますけれども、まず総理府から、時間がございませんからひとつ簡単に答えてください。
○仲山政府委員 確かにいまの判決のようなところが問題であると思います。今後はその点を留意して、なおいろいろと指導してまいりたいと思っています。
○和田(一郎)委員 それじゃ、建設省と通産省と運輸省、ずっと答えていただけますか。簡単で結構です。
○北村説明員 ダンプトラックの過積載の問題は、運転者自身はもちろん、ダンプトラックの使用者、砂利、採石業者、購入者等関係者全体が努力をして解決すべき問題であることは御指摘のとおりと存じております。 建設省としては、建設工事の発注者に対しましては適切な法規、法定等による必要な費用の積算を行うこと、及び発注者から請負業者に対しまして交通安全対策、それからダンプカー協会加入者の優先的使用などを行うことを指導しております。また建設業者に対しましても、ダンプカーによる事故防止対策の徹底と民間工事におきましてもダンプカー協会加入者を優先的に使用することなどを、機会あるごとに指導してまいったところでございます。今後ともなおその徹底を図りまして、事故防止に努力してまいりたいと考えております。
○角田説明員 ただいままでのお話で、いろいろダンプカーの過積載違反についての原因等のお話が出たわけでございます。 私どもの所管しております道路運送法上の面から申し上げますと、先ほどお話にもありましたように一人一車、つまり一人で一台のダンプカーを持ってそれで生活をしておる、こういう状態の車が非常に多いわけでございまして、その関係で特に零細でございます関係上、荷主に対する経済的な力が非常に弱い、こういう点が一つございます。 それからもう一つは、先ほどもお話が出てましたが、ダンプカーを使用して土砂等を運搬しておるその事態が道路運送法上の運送行為をやっておる者、それから無免許でやっておる者、それからもう一つは採石業を営むための手段として採石等を運搬しておる、あるいは砂利の販売を業としその手段として自家用として砂利等を運搬しておる、こういうようないろいろな形態がございまして、その中で私どもとして措置できますのは無免許で道路運送法の違反行為をやっているような者、この中で免許をとって青ナンバーの道路運送法上の事業者になりたいという者につきましては、これは一人ではなかなか事業ができませんので、企業組合なり協業組合なりあるいは株式会社を組織するなり、そういうような協業化の指導を積極的にやっていく、またこれに必要になります資金等の手当てにつきましても、中小企業関係の資金を関係方面と連携をとって活用できるような道を講じていく、こういうようなことで指導してまいってきておるわけでございます。 それからもう一つの手段は、先ほど申し上げましたように道路運送法上の業者としての法的な地位を持っているのか、あるいは砂利の販売業者としての法的な地位を持って仕事をしているのか、非常にあいまいな部分が相当ございます。その辺のところをはっきりさせませんと、このダンプカーの問題というのは基本的な解決にはならない。これは各方面からの御意見でもそういうことになっておりますが、そういうことで私どもとしては、ダンプカーの規制法に基づきまして陸運事務所に届け出をする手続がございますが、その段階で採石業なら採石業としてのしっかりした仕事をするんだという証明をつけさせて届け出を受理し、それから番号を付与する、こういうような指導をして、法的にあいまいな地位の者をできるだけ排除していくというような措置でやってまいる、こういうことで進んでおるわけでございます。
○岩田説明員 ただいま建設省、運輸省からお答えのとおりだと思いますが、私ども砂利販売業者の協業化を促進するという意味から、砂利販売業者につきましては実態的には運送業者に近いものが多いというような実態で、必ずしも明らかでない面があるわけでありますが、いずれにしましても、砂利業者を含む骨材業者につきましては、従来からその経営の近代化等を図るための協業化の指導を行ってきておりまして、今後とも業界の実態を十分踏まえつつ指導を行ってまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○和田(一郎)委員 いろいろお答えをいただきましたけれども、これは判決に対する御意見を伺ったわけなんですが、私としては、この判決に対する御意見じゃないものですから、ちょっと不満なんですけれども、いずれにしましても、ダンプカーの運転手さんでもやはり同じ国民であり、税金も払っていらっしゃる。それが、出発したらいつ警察につかまるか、警察につかまったらもうしばらく商売できない、そういう気持ちで出ていくことは、これは事実なんですね。 もう一つは、非常に食えないということなんです。確かに景気のよかったころ、列島改造論の華やかなりしころは非常に景気がよかったと思います。田舎のダンプの運転手さんでもマンションに住んでいましてね。そういうこともございましたけれども、十年前とほとんど、運賃といいますか、運賃ということになりますと道路法で違反になるかもわかりませんけれども、いずれにしましても、自分の方に手に入ってくるところは非常に安い、十年前と何ら変わらぬというのが実態のようでございます。 さらに、大体十トン車で三十トンぐらい積んでいるのがあると思うのですが、それぐらい積まないと普通の運賃に匹敵しないという、このような実情も私はよく知っているのですけれども、その点について警察、どうでしょうか。この裁判の判決を私が申し上げた結果から感想をおっしゃっていただきたいと思うのです。取り締まる立場ではなくて感想をひとつおっしゃっていただきたいと思うのです。
○池田政府委員 私どもの立場といたしましては、違法な状態がないということが望ましいわけでございまして、それにふさわしい環境ができるということは大変望ましいことであるというふうに考えております。
○和田(一郎)委員 それでは、今度は公共工事等に従事しているダンプカーは一人一車等零細な事業者が多いけれども、その業種別内訳台数はどうなっておるか、ちょっとこれをおっしゃっていただきたいと思います。 それから、ついでに栃木県内においてはどのような台数になっておるかもお教え願いたいと思います。
○角田説明員 ダンプカーの保有台数でございますが、これはダンプカー規制法に基づいて私どもの方に届け出られた数字でございます。五十四年の十二月末現在の数字を申し上げますが、全国で約二十万八千台ございます。そのうち、営業用ダンプカー、これは運送行為をやるということで道路運送法上の免許を取ったダンプカーでございますが、これが約二万三千台。それから、それ以外のいわゆる自家用ダンプカー、白ナンバーのダンプカーでございますが、これが約十八万五千台でございます。 この十八万五千台の業種別の内訳は、採石業、石を採る方の採石業でございますが、これが二千台、それから、石を砕く方の砕石業というのがございますが、こちらが六千台、それから砂利採取業、これが八千台、砂利販売業が九万台、建設業が五万八千台、その他生コン製造等に使用されているものあるいは廃棄物処理等に使用されているもの等が二万一千台でございます。 それから、この二十万八千台のうちの約八万台が一人一車のダンプカー使用者でございまして、この一人一車の内訳を申し上げますと、石を採る方の採石業が千台、砕く方の砕石業が二千台、砂利採取業が二千台、砂利販売業が四万五千台、建設業が二万二千台、その他が一万台、こういうような内訳になっております。 それから、栃木県の分でございますが、総体の数は六千八百八十五台でございまして、その内訳は、営業用のものが二百七台、自家用が六千六百七十八台でございまして、この六千六百七十八台の内訳は、採石業が四十台、石を砕く方の砕石業が同じく四十台、砂利採取業が百十三台、砂利販売業が四千二台、建設業が三百四十台、その他が二千百四十三台、こういう内訳になっておりまして、このうち一人一車のダンプカー、自家用ダンプカーが約三千三百台、このような内訳になっております。
○和田(一郎)委員 そうしますと、全国で一人一車というのが各社合わせまして約八万台強ということになります。この八万台強というのは、これはもう大変な数でございまして、全部のダンプカーが二十万ですから、その約半分弱ということでございますが、これに対して、やはりこれはもうしっかりと指導育成しなければならぬと思いますし、また、ただけしからぬけしからぬじゃなくて、本当にその人たちが生活できるようにやってあげなければ、私は、これはもうこのままほうっておきますと、重大なことになってしまうと思います。しかも首都圏の建設には一生懸命にがんばっている方たちでございますので、そういうことで……。 次は、建設業等に従事するダンプカーは、零細な事業者であるがゆえに、適正な輸送費がもらえず、これが過積載をせざるを得なくなるという原因となっております。これは先ほど私が説明したとおりです。公共工事に使用するダンプカー輸送費の発注単価はどのような基準で定められるか。当委員会でも同僚議員から再三にわたり質疑がありまして、その是正を求めておったけれども、その結果もあわせてお願い申し上げたいと思います。
○萩原説明員 公共工事の発注価格の積算に当たりましては、発注時の実勢価格を適正に反映させる、こういう原則で積算をいたしてございます。 お尋ねのダンプトラックの輸送費の積算につきましては、二つのケースが考えられます。一つは、砂利、砂、生コンクリートあるいはアスファルト合材のような資材をダンプトラックで輸送するというような場合、もう一つは、ある特定のところから特定のところまで土砂や発生した土砂等を運搬する場合、この二つが大きく分けて考えられます。 前者の場合につきましては、輸送費を含めた現場着の市中価格というものが形成されてございますので、それを積算価格として採用するということにいたしております。それから後者の場合につきましては、現場の状況に応じまして適切な積載量あるいは適切な速度というもので運搬するという計算をいたしまして、それに適正な上乗せといいますか利潤のようなものを乗せまして積算価格として採用をいたしております。 したがいまして、この積算価格につきましては、現状を特に反映するということを常に踏まえておって、そのような非常に過酷な積算価格を計上する、こういうようなことはないというふうに存じております。
○和田(一郎)委員 そうしますと、ちょっと具体的にお聞きいたしますけれども、砂利、それから砕石、いまの前者の方の計算で結構だと思いますが、これは東京における市中価格でございますけれども、砂利で一立方メートル幾らになっていますか。
○萩原説明員 お答えいたします。 骨材のうちの砂利でございます。これはいろいろ寸法にもよりますけれども、東京の市中価格が現在は四千円ということになっております。なお、これは五十四年の一月が三千五百円でございます。その後三千六百円、三千七百円、三千九百円、四千円ということのような形で上がっております。これらを積算価格に反映させていただいております。
○和田(一郎)委員 これは建設省か運輸省かわかりませんが、ちょっとお尋ねをいたします。その寸法によっていろいろ違いますし、それから水を含んでいるのと乾いているのと多少違いますけれども、東京へ持ってくればほとんど水ははけてしまっていると思いますが、一立方メートルの砂利、これは大体どのくらいの目方になるのか。たとえば逆に、十トン車の場合は何立方メートルが適正なのかということですね。
○萩原説明員 砂利は一立方メートル当たり大体一・六トンというのが通常のものでございます。もちろん軽いのも重いのもございますが、大体平均して一・六トン、したがいまして十トンでございますと六立方メールくらいの量になろうと存じます。
○和田(一郎)委員 これは四千円という単価ですね。これは輸送費は大体どのくらいに見込んだ単価なんでしょうか。
○萩原説明員 これは材料の価格とそれから運搬費、すべてを含めました値段でございます。扱い量全部含めた値段で市中価格が形成されております。その中で運搬費がどれだけかということにつきましては、遠いところから運搬する砂利もございます。それから船で地方から運搬いたします砂利もございます。そういうふうに多種多様でございますものですから、そういう細かい内訳というものはなかなかっかみ得ないというのが実態でございます。したがいまして、市中価格で積算させていただいた、こういう実態でございます。
○和田(一郎)委員 そうしますと、建設省でいろいろなところの工事の価格を決める、そういう積算の基礎にするのも、まさかこれ以外のものを使うわけじゃないでしょうから一そんなことを言うとまずいかもわかりませんけれども、大体これをお使いになるかどうかということをまずちょっとお答え願いたい。
○萩原説明員 私ども直轄の工事を地方建設局で行っております。それから補助事業といたしまして各県、市町村でやはりいろいろな公共事業を行っておりますけれども、それらの積算の単価につきましては、各地方建設局ごとに地方協議会というものを設けておりまして、そこら辺でいろいろな連絡調整をいたしておる。したがいまして、建設省が採用いたしますような積算単価というものに準じて各地方公共団体でも積算されておるというふうに解釈いたしておりますので、いま先生御指摘のように、各地域地域で大体市中価格を採用する、特に値下げをした値段を採用するということはございませんというふうに考えております。
○和田(一郎)委員 これは物が砂利だとか砕石ですから、その中の輸送コストが、たとえば一割とか二割とかということじゃなくて、相当大きなウェートを占めていると思うのです。−そうしますと、ここは東京である、東京都内からは多少出るでしょうけれども、大体私どもの住んでおります北関東、この辺から連日来るわけですね。大体百キロぐらいあると思うのですが、百キロの区間でそして十トンを積んでくる値段と、それから二十トンないし三十トンくらい積んでくる値段といろいろ変わってくると思うのですけれども、輸送費がわからぬとおっしゃるのはちょっと私はおかしいと思うのです。現状から考えますと、これは私の独断かもわかりませんけれども、大体三倍くらい積んで持ってくる、積んで持ってきた値段が四千円である。こうなってまいりますと、たとえば公共事業をやる場合は過積載が当然だ、というふうな形になってしまう。しかもダンプの運転手さん方は全部それを頭の中に入れているんですね、建設省は過積載を見込んだところの単価で引き取っているんだと。これはどこから教わるかわかりません、恐らく山元かもわかりませんし、またそれが一つの手段になっておるかもわかりませんけれども、みんなそういう頭で運転しているわけですよ。その辺のところはどうなんですか。
○萩原説明員 一昨年になりますが、五十三年の十二月に道路交通法が施行されましたときに、御承知のように水平積み運動というのが非常に推進されまして、その結果砂利などの値段が上がるのではないかということが言われ、あるいは供給に不安があるのではないかというような御指摘がございました。私どもはそれに対しまして、もし市中価格が変動するようなことがあれば積算に迅速に対応するということをお答え申し上げましたし、また十二月にそのようなことで対応いたしました。そのときの値上がりでございますけれども、地域によって違いましたけれども、大体一立方メートル当たり二百円から三百円の値上がりを示しております。そしてそれに対しましては、十二月中に価格を改定いたしまして追随したという実績がございます。それで、その後価格は安定したという実績がございますものですから、今後そういう水平積み運動がもし推進されましたときには、私ども発注者としても非常に好ましいことと考えておりまして、その価格を適正に反映するというふうにいたすつもりでございます。いま先生の御指摘のように、過積みの価格をもともと前提に置いておるというように考えて発注価格を決めておるということはございませんので、ひとつどうぞよろしく御了承のほどを願いたいと思います。
○和田(一郎)委員 ちょっと運輸省にお聞きします。 車扱い運賃の料金ですか、これは営業車の方ですけれども、各陸運局ごとに大体何キロぐらい幾らという値段が決めてありますね。東京陸運局で、十トン車のところで約百キロで幾らになっておりますか。
○角田説明員 ダンプによる土砂等を運搬する場合の運賃料金でございますが、これは二つの種類……(和田(一郎)委員「運送業者の普通の運賃で。東京はダンプはまだ決まってないでしょう。——じゃ、いいです」と呼ぶ)よろしゅうございますか。北海道のならございますけれども。
○和田(一郎)委員 私がそちらに言っておかなかったからこれは当然だと思いますけれども、実は私の手元に皆さん方からいただいたのがございます。車扱い運賃料金ですね、距離別運賃率表東京陸運局の場合は、十トン車の欄で百キロで三万一千八百四十円と書いてあります。これはおたくの資料をコピーしたものでございます。 それで、これは実際に私が調べた——今度、建設省聞いててくださいね。大体百キロぐらいのところで輸送費が一トン千百円だというんですよ。そうしますと、十トン積んで一万一千円ですね。十トン積んで一万一千円だけれども、営業車の方は三万一千円が適正価格であるということでございます。そうすると全然食えない。もう一つ、燃料が一たん行ってうちへ帰るまで十トン車で百二十リッター使う。軽油がいま一リッター百十八円、これは向こうの方の、産地の近くの値段でございますが、百十八円。そういたしますと燃料代、軽油代で、百二十リッターで一万四千百六十円になる。ところが一トン千立言円の輸送費だったら一万一千円しかもらえない。とてもじゃないけれども合わない、足が出てしまうということを皆さん方お考えになりまして灯油をお使いになる、灯油で結構ディーゼルエンジンは爆発いたしますから。灯油が八十五円。八十五円を百二十リッター掛けますと一万二百円、やっとこさ運賃がもらえるというのが実情だということです。 そうしますと、陸運局の指示されている三万何がしになるには三十トンぐらい積まないと全然合わない。しかも、タイヤだって乗用車と違いますから幾らももたない。相当いろいろなコストがかかってくる。これが実態だと私は思いますので、その点について建設省の方で、四千円とあなたがおっしゃったのは実勢単価ですから、その計算は建設省が問屋さんへ行って、ただおまえさんのところは幾らだと聞いて四千円と出したわけではまさかないでしょう。建設省ですから、山元から幾らだ、東京から運賃が幾らだということでおはじきになったと思うのです。だから、私は市場の調査だけじゃないと思うのです。そうすると、四千円の中で運賃はどのくらい入っておるかぐらいはわかるのが当然だと私は思うのですが、その点いかがでしょうか。
○萩原説明員 資材の市中価格の判定といいますか、どういうふうにして市中価格だというふうに調査をするかということでございますが、公益法人の建設物価調査会その他の資料に基づきましてある程度の目安をつけると同時に、いま先生御指摘のように、実際にそこに取引されている実例も調べた上で市中価格として決定するものでございます。一つ一つ積み上げてするものではございません。 それからもう一つ、さきにも申し上げましたように、たとえば東京の砂利、砂については、そのほかの生産地からのものもございます。そういう形で市中価格が形成されてまいりますので、取引の実例価格というものを発注者としては採用せざるを得ない、こういうことになっているわけでございます。
○和田(一郎)委員 そうしますと建設省、その中には過積載で持ってきたのも当然入っている、しかし、実勢しかないのだ、こういうことですか、それとも、いやそういう違反でなくて普通に持ってきたものだ、そういう御答弁でしょうか。
○萩原説明員 現在、過積載が実態としてございましたときには、これを前提にした市中価格であるということを申し上げざるを得ない、私どもは五十三年の十二月のような形に戻っていただきまして、それを私どもの発注単価として採用いたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○和田(一郎)委員 五十三年の十二月といいますと、幾らなんですか。
○萩原説明員 五十四年の一月しかデータを持ってまいりませんでしたが、これはほとんど同じであろうと思いますが、当時砂利で三千五百円でございます。これが三百円であったと思いますが、上がった後の数字でございます。したがいまして、五十三年の十一月はこれより三百円ほど安かった数字であると記憶いたしております。
○和田(一郎)委員 そうしますとおかしいですね。あなたがいまおっしゃった、とにかく現在持ってきている値段で出さざるを得ない、それはそうだと思います。それはほとんど過積載で持ってきたものに違いないわけです。そういう十トンでびたっと平ボディーで持ってくるものはほとんどないですよ、これは警察で聞いてもわかりますけれども。ほとんど余分に積んでいます。それで持ってきたものがことしで四千円でしょう。その前に過積載じゃない、適載で持ってきたのが三千五百円だった。そんなばかな話はないでしょう。もっと高くなっていいわけでしょう。
○萩原説明員 五十三年の十二月にはほとんど過積載はなくなりました。そのときは本当に過積載はほとんどなくなりました。そのときに形成されましたお値段は三千五百円です。その前の、ある意味で過積載が含まれておりましたときの値段は三千二百円ぐらいでございます。そして、その後軽油が値上がりいたしまして四千円まで上がってきておる。こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○和田(一郎)委員 今度は総理府にお聞きしたいと思うのですけれども、ただいま私が一つの実態を申し上げましたし、それから建設省の方からも一応そういう御答弁もいただきましたし、さあこれをどうするかという問題なんですが、この対策についてはおたくが中心になってやっていらっしゃるわけですね。どうでしょうか。
○仲山政府委員 いまいろいろと出ました御意見等もよく拝聴いたしまして、交通安全と生活の御安定という見地から、このダンプカーのそれぞれの運転者のマナーの向上という総合的な面から、なお一層協業化を進め、いままでの方針に基づきましてさらに努力をしたいと思います。
○和田(一郎)委員 ちょっとお声が小さくて聞き取れなかった面もございますけれども、また後で御質問いたします。 これらの協業化についていままでずっとお話がございましたけれども、建設省と通産省はどういうようなお考えかと思うのですが、特に砂利採取業については登録制度をとっておりますね。これは通産省ですね。砂利販売業については別にそういうふうにはなっていないということになっておりますけれども、採取業と同じように登録制度にして育成していくべきではないだろうか。そうすれば通産省としてもそういう面で業者を守っていけるのではないか。そう思うのですが、どうでしょう。
○岩田説明員 砂利採取業については、砂利採取法に基づいて砂利の採取に伴う災害を防止するために事業者の登録制度、それから採取計画の認可制度等の規制を行ってきているわけでございます。御指摘の砂利販売業者の登録制度は、このような砂利採取法の所掌分野から言えば、同法において規定することはむずかしい面がございまして、むしろ土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法及び同法に基づく土砂等の運搬の用に供する大型自動車の届け出制度の適正な実施に関連する問題とも考えられるわけでございます。 いずれにしましても、その協業化の推進及び届け出制度の適正な実施を図るために、昨年十一月に運輸省の自動車局長通達が出されたところでございますので、通産省としても、この通達の適正かつ確実な実施が図られるよう運輸省とともに協議しつつ協力をしてまいりたいと考える次第でございます。
○和田(一郎)委員 建設省はどうですか、いまの私の質問は。砂利採取業と同じように登録制度にして、砂利運搬業、販売業も、いわゆる一人一車もそういう形で業界を規制する気持ちはないかどうか。
○北村説明員 砂利の流通の合理化ということは私どもとしても非常に望ましいわけでございまして、そういう方向で砂利の販売等が正常化されることは私どもとしても非常に歓迎する事態だと存じます。
○和田(一郎)委員 建設省は大賛成だ、ぜひそうしていきたい、しかし、通産省の場合はどうも余り積極的じゃなさそうなんです。 これはあくまでも届け出制度でやっていくということですけれども、全国に八万台あるわけですね。そうして、ただいま申し上げましたような実態で、食うのが大変だというのが現状なんですね。過積載していけば取り締まりを受けるという状態ではますますすさんでいくのじゃないだろうか。 それから、先ほど運輸省からもお話がありましたとおり、ダンプカー協会ですか、そういうのもあるというのですから・こういう点を活用して、通産省としても採取業と同じようにぴしっとした適正な指導、そして、たとえば山元から砂利をもらいますそのときの価格の面についても、おたくならできるわけですよ、山元は全部通産省の監督下にあるわけですから。山元が全部生殺与奪の実権を握っているわけですから、その辺のところからあなたの方がしっかりやっていかないと、この問題は解決できないのです。解決されないならされないで私は毎回質問に参りますけれども、その点どうでしょう。
○岩田説明員 先ほども申し上げましたけれども、砂利販売業者というのは実態的には運送業者に近いものが非常に多いわけでございまして、その実態が必ずしも明らかになっていない面があるわけでございます。いずれにしましても、こういうような砂利業者を含む骨材業者につきましては従来から経営の近代化等を図るために協業化の指導を行ってきておるわけでございますが、今後とも業界の実態を十分踏まえつつそういった指導をしてまいりたい、こう考えております。
○和田(一郎)委員 砂利販売はおたくの方の管轄でしょう。
○岩田説明員 はい、そうでございます。
○和田(一郎)委員 実態をつかまえてないというのはちょっとおかしいと思うのですけれども、どういうふうな実態のことをおっしゃっているのか……。
○岩田説明員 販売業者ではございますが、実質中身は運送料を取るような販売業者というふうに理解をしておるわけでございまして、その辺で不明確な面があるわけでございます。
○和田(一郎)委員 では明確にしたらいいじゃないですか。
○岩田説明員 一応現状では、砂利販売業者として登録されておる者ははっきりしておるわけでございますけれども、先生御指摘の登録制度のようなもので育成すべきだということにつきましては、砂利採取法は、法律の目的が災害防止という観点からのものですから、この登録制度でこれを育成すべきであるということに必ずしもなじまない面がございますので、そういった観点で申し上げたわけでございます。
○和田(一郎)委員 おたくの方の管轄は災害防止だとおっしゃるわけですか。そうしますと、砂利をこっちへ持っていって売るだけでも災害防止のことだけで見ていらっしゃるということですか。
○岩田説明員 育成を図るという面もないわけではないのですけれども、主としてそういう面で登録制度が行われておるということでございます。
○和田(一郎)委員 問題は、運輸省の方の関係もございますけれども、協業化ということも非常にいいと思います。確かに一人一車が協業化できるかどうか、非常にむずかしい問題だと思います。ここに書いてありますけれども、五台以上ですか、一応まとまればと言うけれども、じゃだれが中心者になるか、車庫をどこに置くか、車庫と言ったって、みんな自分の近くのたんぼを借りまして、埋め立ててそこへ置いておくのですから、それを一つにまとめると言ったって無理な話です。そういうところを協業化、協業化と言ったって無理なんです。 ですから、八万台の実態があるのを一つの基礎にして、適正な営業ができるような形で行政が守ってやらなければならぬと思うのですけれども、通産省はちょっと無責任じゃないかと思いますよ。砂利の採取まではおれの方で見るけれども一だって、あれは販売があってこそ採取があるのですから。確かにあなたのおっしゃることはよくわかるのですよ。一応販売業ということで、運賃でかせいでいる、道路運送法の第四条違反だ。しかし、形態的にはそうじゃないと思いますね。一応砂利を買って販売して、そして元売りに払っているという形になっていると思います。 しかし、いずれにしましても、砂利販売業という一つの届け出をしてやっておるわけです。ちゃんと税金を払っているわけですから、そこのところは通産省はもっと腰骨を強くして、何とかしてもらわなければ困ると思います。 それから、運輸省の方の協業化の問題もちょっと質問します。協業化について、もう少し短かく話してもらいたいと思うのです、あなたの答弁は長過ぎます。何台以上で、どのくらいの規模があればできるか、ちょっと答えてください。
○角田説明員 各陸運局によりまして免許基準というのは異なりますが、大体五台ないし七台ぐらいのところを目安にしていると思います。
○和田(一郎)委員 どこかできたところありますか。協業化のできたところ、どこかございますか。
○角田説明員 五十四年の八月の数字でございますが、合計で十四組合ができております。このうち企業組合の形態のものが二つで、組合員の数が二十、それから協業組合の形態をとっているものが六で、組合員の数が百十四、それから事業協同組合の形態をとっているものが六で、組合員の数が二百八十七、トータルで組合数が十四、組合員の数が四百二十一、こういうような形になっております。
○和田(一郎)委員 時間がございませんので結論に入りたいと思いますが、次は総理府にお願いいたします。 ダンプカーによる過積載等の違法運行が重大事故に直結する危険性が高い。しかも積んだところが川のそばだったら川の中に入りますから、外輪部がぬれていて、三十トンも積んでいれば全然ブレーキがききませんから、危険です。しかし、そうしなければ食えないという面がある。そのことを頭に入れて、その背景には、先ほどからの質疑で明らかになったとおり、ダンプ事業者は複雑な重層下請構造を形成する建設業等の底辺にあって、しかも一人一車に代表されるようなきわめて零細な体質を持って存在するという業界の構造があると思います。したがって根本的な事故防止対策を進めるには、このような業界の仕組みそのものの改善を図る必要があり、その趣旨で、総理府が中心になって懇談会を開催し総合的な対策の検討を進めてきたものと思います。その結果が提言の形でまとめられて、一人一車の運送免許取得のための協業化の促進及び自家用ダンプカーの使用届け出に当たっての事業内容証明書等の添付の改善措置が通達されたと理解をいたしますけれども、その通達を実施する上で、総理府、運輸省、建設省、通産省はどのように推進をしようとしているか、ちょっと順に答えていただきたい。
○仲山政府委員 ただいまお話しのとおりで、ダンプカー業界特有の一人一車ということで、これの法的位置づけを明確にいたしまして、その提言が出された後、総理府といたしましては関係省庁と緊密な連絡をとりつつ対策の実現を検討していたところでありますが、いまお話しのとおり、先般運輸省におきまして一人一車の協業化、運送免許取得を促進するための企業または協協業組合の結成につきまして積極的に指導し、これらの免許審査に当たっては免許基準の弾力的取り扱いに配慮すること、特別措置法によります自家用ダンプカーの使用の届け出前にあっては、申請者が真にいま当該事業を営むかどうかについての証明書類の添付を義務づけることといたしまして、その実施は五十五年の五月一日とすること等を内容とする指導通達を出したところでございまして、その内容はほぼ提言の趣旨に治ったものでございます。 なお、このほか、総理府におきましては昭和五十四年度から協業化促進のための事業の経費に充てるため、新たにダンプカー協会に対しまして先ほどの補助金を交付する等やっております。そして、総理府といたしましては、昨年の十一月に開催いたしましたダンプカー協会指導者研修会におきまして、今回運輸省から出されました協業化の促進等に関する通達の趣旨を説明いたすとともに、これらのダンプカー協会の活動を通じまして当該方針の関係事業者への周知徹底を期しているところでございます。 なお、総理府の五十四年度の協業化指導事業といたしまして、ダンプカー協会設立道、県のうちからモデル十カ所に対しまして、運輸省と合わせまして九百七十万円の国庫補助金を交付いたしまして、これを受けまして各ダンプカー協会が協業化促進のためにポスター、チラシを作製、配布したのを初め、関係事業者に対する説明会の開催、意向調査を陸運局、陸運事務所の協力のもとに実施いたしました。 なお、昭和五十五年度の協業化指導事業はすべてのダンプカー協会を対象として実施する予定でございまして、今後とも関係省庁と緊密な連絡をとりつつ、ただいまの協業化の推進その他、お話に出ましたような趣旨を生かして努力をさせていただきたい、こう思っております。
○和田(一郎)委員 御答弁いただく前に、時間がございませんので私が先にしゃべってしまいます。 通産省には、いま申し上げました例の登録制度の件、これを答えていただきたいと思うのですよ。いま順番に答えるそのときに、検討するかどうかということを答えていただきたいと思うのです。それから運輸省は、協業化について七台とかそんな大きいことを言っていないで、もっと簡単に免許を取れるような形で考えてもらいたいと思うのです。たとえばぴしっとしている内容のところは一台でもいいから免許を与えるというような形にできないものかどうか、その辺もあわせてお答え願いまして、私の質問を終わりたいと思います。
○角田説明員 協業化の問題で五台とか七台では多過ぎるというお話でございますが、一人一車で零細なのが問題でございますので、一台でというのはいかがかと思います。やはり私どもとしては、五台ないし七台程度が最低の運送の免許を与える協業化の単位ではなかろうか、かように考えております。 それから五十四年の十一月に、先ほど来お話が出ておりました協業化の通達、この通達の中には、協業化のほかに届け出制の改善も含まれております。採石業者なら採石業者、販売業者なら販売業者であるという証明を持ってこない限り、ダンプ規制法に基づく届け出を受理しない、この辺のところをはっきりさせたのが通達のもう一つの柱でございまして、その辺のところも十分これから出先を指導して徹底させてまいりたい、かように考えております。
○岩田説明員 先ほど申し上げましたように、登録制度は砂利採取法の諸分野からいえばむずかしい面がいろいろあるわけでございますが、検討してまいりたい、かように考えます。
○北村説明員 建設省といたしましては、発注者に対しましては交通事故の防止、違法運行の防止対策及びダンプカー協会加入者の優先使用につきまして発注する場合の設計図書、具体的には現場説明書等に記載いたしまして具体的な指導を行っております。 それから業界に対しましては、一つは、工事用資材や機材等の積載はみずからするなということが第一点。第二点といたしまして、過積載をして持ってくる業者からは材料を買うな。第三点といたしましては、資材等の過積載を防止するため、しかし、資材業者を過当にいじめることのないように、以上の三点につきましては、元請業者が下請業者にも徹底せい、このような指導を行っております。
○和田(一郎)委員 終わります。
○石田委員長 次回は、明十七日木曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五分散会