交通安全対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 231 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/03/18
会議録
○石田委員長 これより会議を開きます。 交通安全対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野中英二君。
○野中委員 まず第一に、総理府総務長官に御質問申し上げたいと思っております。 今日の交通安全対策というものは、施策の上において大変な長足の進歩を見てまいりました。しかし、これに壊滅的な打撃を与えるためには、どうしても教育の徹底というものを考えなければならないわけでありますし、さらに交通総合計画というようなものを樹立していく、このことが私は総理府総務長官にとっては最大の職責であろうというふうに考えておるわけでございます。 ところで、総理府総務長官の九十一国会におけるところの所信表明を見ますと、単に陸上交通にだけ終始いたしまして、海空を除外しているのは全く理解に苦しむところでございます。たとえて言うならば、昭和五十四年の民間航空事故というものは死亡者が七名、重軽傷が七十四名、計八十一名、海難事故による死亡、行方不明者数は三百三十九名でありまして、交通事故の四%を占めているにもかかわらず、この所信表明には一切それが触れられていない。このことについて、総務長官の御意見をお伺いしたいと思います。
○小渕国務大臣 お答えいたします。 野中委員の御指摘される趣旨もわからないではありませんが、総務長官といたしましては交通安全対策基本法並びに総理府本府組織令、こういうことによりまして、その第六条で「各行政機関の交通の安全に関する事務の連絡」、これは各省庁問にわたるのは私がいたすことに相なっておるようでありますが、その第三において「各行政機関の陸上交通の安全に関する施策及び事務の総合調整に関すること。」ということでありまして、陸上交通の安全に関しての施策は私ということに相なっておるわけでございますが、海上交通及び航空交通の安全に関する行政事務につきましては、従来からその大部分を運輸省が所管をいたしておりますために、私といたしましては必要な事務の連絡を行うという任務を与えられておるというように理解をいたしております。しかし縦割りとかなんとかということでそれぞれ所管しておるということで、責任をそれぞれに分かち合っていただきたいと思いますが、私ども総合調整機能を有しておるところでございますから、御指摘の点にさらに演繹いたしますると、それぞれ所管官庁だけやっておってはという趣旨もあるかと思いますので、それはそれぞれ十分やっていただかなければなりませんが、私どもとしてはそれをよく取りまとめて、要は交通安全対策に対してその実を上げるということだろうと思いますので、その責任は十分果たしていきたい、このように考えております。
○野中委員 御存じのとおり、交通安全対策の総合調整を行っているのが総理府でございまして、その辺は総務長官御理解を賜っておりますので、さらに海空を含めて交通安全対策についての徹底を期していただきたいと思います。 時間の関係で次の質問に移るわけでございますけれども、来年度昭和五十五年度をもって第二次交通安全基本計画というものは終了いたすわけでございます。そこで、わが国の交通事故者数は昭和四十六年以降非常に減少してまいりまして、昨年は死者数が八千四百六十一名、前年対比でマイナス三・七%となっております。他方交通事故発生件数は四十七万件を超えまして、負傷者数も何と六十万になんなんとしております。御存じのごとく、第二次交通安全基本計画は交通事故最高の昭和四十五年の半減を目標として私どもは努力をしてまいりました。また総理府におきましても諸対策を講じてまいりました結果、大変な減少の一途をたどってまいりまして、事故防止対策の成果を上げてまいりました。しかしながら昭和五十一年の秋ごろから、死者数の減少にもかかわらず発生件数、負傷者数は横ばいとなり、五十三年、五十四年は前年度より増加してまいりました。このような交通事故の頻度は、一体いかなる理由によって多くなってきているのか、そのことについて御質問申し上げておきたいと思うのであります。
○小渕国務大臣 御指摘にありましたように、第一次、第二次の交通安全基本計画に基づきまして諸般の対策を強力に推進してきたことと、国民の皆さんのそれに対する御協力によりまして、幸いに死者の方は半減近くなってきたわけでございます。しかしながら、御指摘にありましたように負傷者数等は漸次増加しつつあるという傾向は、まことに憂慮すべきことでございます。 そこで、その理由を問うということなんでございますが、個条書きにして第一、第二というふうに挙げるのが実はなかなかむずかしいのでございまして、簡単に言いますれば自動車の台数あるいは運転免許保有者の増加等、こういうものも漸次増加の傾向にあるということでもございますし、そういった点で理由を明確に列挙して指摘をするということについてはかなり困難でございますが、傾向としては、申し上げられるように死亡者は少なくなりましたが負傷者がふえているという現状なんでございまして、私どもとしてはこの憂慮すべき状態を直視をいたしまして、現在のこの交通情勢は決して楽観すべきでないということで、従来の施策をさらに積極的に推進することによって、何とか負傷者の数も死亡者同様に減少するように最善の努力を払っておるところでございまして、御指摘の点に明確に御答弁しておらないかもしれませんけれども、いろいろ諸般の情勢についてもさらに分析をいたしましてその原因を究明していきたい、このように考えておる次第でございます。
○野中委員 なぜ交通事故の頻度数が多いのか、今後ぜひ御検討くださいまして、抜本的な適切な措置をしていただきたいと思います。 時間の関係で次の質問に入るわけでございますが、先ほども触れましたように昭和五十一年から第二次交通安全基本計画を樹立いたしまして今日に至りまして、余すところ一年となったわけでございます。そして、昭和四十五年の交通事故死者数の半減ということを最大の目標としてやってまいりましたが、長官以下皆様方の大変な御努力によって、この最大目標が本年は実現可能であろうというふうに思うわけであります。私たちは、さらに交通事故を絶無にしなければならぬということで、一層の努力をしてまいらなければならないわけでございます。 そこで、昭和五十五年度に入りますと、中央交通安全対策会議において第三次交通安全基本計画の策定作業に入ると思いますが、その目標、展望は長官として当然持っておられると思いますので、長官の見解をこの際お伺いしておきたいと思うわけでございます。
○小渕国務大臣 お話にありましたように五十一年から五十五年、来年度までの第二次の計画が終了することになるわけでございます。したがいまして、その目標はほぼ達成できる見込みでございますが、引き続いて五十六年以降の第三次の交通安全基本計画につきまして当然考えていくべきだという御主張かとも思います。したがいまして、私どもといたしましても現在その準備のための調査研究を実施いたしておるところでございまして、できる限り早く具体的な策定作業に入りたい、このように考えております。 今後は自動車の台数や運転免許保有者数がさらに増加し、自動車交通の比重も増加することが考えられますので、基本計画の策定に当たりましては、こうした情勢や第二次基本計画の実施成果等を踏まえまして、交通事故の一層の減少を目指しまして、運転者対策の充実あるいは交通弱者保護の徹底等を重点に置きまして施策の充実を図ってまいりたい、このような前提に立ちまして、申し上げましたように第三次につきましても具体的な考え方を早急に取りまとめていきたい、このように考えておる次第でございます。
○野中委員 ただいま総務長官から御答弁がありましたように、ぜひ第二次交通安全計画の反省のもとに第三次交通安全基本計画の策定をやっていただきたいと思いますが、そこで特に私から要望しておきたいことがあるのでございます。 というのは、昨年も私質問をしておいたわけでございますが、都道府県間それから都市間の事故率の格差是正についてでございます。 そこで、昭和五十四年度中の人口十万人当たりの事故率を見ますと、都道府県別では東京都が二・四人に対しまして高知県は十三・一人、都市別に見ますと東久留米市はゼロに対しまして尾道市は十六・二人、こういう数字が出てくるわけでございます。政府はいままで事あるごとに、地域の特性に応じ具体的対策を考え地方公共団体を指導していく、こういうことで御答弁を願っているわけでございますが、その指導効果というものに私は大変な疑問を抱いているわけでございます。 そこで、もう一度その再検討をしていただきたいのでありますが、地域の特殊事情によることもありますけれども、基本的に言いますと、第一点は関係者の交通安全に対する意欲が乏しいのじゃないだろうか、第二点は安全対策の進捗状況がまだその域に達してないんじゃないだろうか、三番目は地域住民の安全意識、いわゆる交通安全教育というものが徹底していない、こういう格差がこうしたことになってあらわれてくるのじゃないだろうかと思うわけでございますが、長官の御見解を賜りたいと思います。
○小渕国務大臣 委員には例年御質疑をちょうだいいたしておるというふうに事務当局からも聞いておりますし、よろしい方ですと死者が減少した県に第一が大阪でございますが、第二には埼玉県も挙がっておるようでございますから、よき方向に向かっておる県もあるようでございます。しかし、死亡事故発生率というのを数字的に御指摘ありましたが、高い県、高知県を初め四国四県、滋賀県、茨城県等につきましてはなかなか、同様の傾向値で例年推移しておるということのようでございます。 そこで、その原因を委員が御指摘されましたように、関係者の意識の高まりが若干不足しているんじゃないか、あるいは交通安全対策のそれぞれの事業の進捗率がまだ悪いんじゃないか、さらに、住民の安全意識の徹底等に都道府県問に相当の落差があるんじゃないか、こういう原因が御指摘されましたが、私も全くそのような原因が主たるものであるというふうに考えておりまして、したがいまして、従来から御答弁申し上げておりますように、そうした格差を何とか是正をいたしまして、全国的にいつも指摘をされるようなワースト県というものが解消されるように懸命の努力を払っているところでございます。しかし、事実が指し示すように、なかなかそれが解消されておらないということはまことに申しわけない限りだと存じております。もろもろの施策を総合的にさらに推進をし、あわせて地方団体に対しての御協力を積極的に呼びかけまして、御指摘されたような点を一日も早く解消し、その結果として、非常に交通事故の多い県というようなことで名指しされることのないように解消いたしていきたい、懸命の努力を払ってまいりたいと存じます。
○野中委員 総務長官の意欲的な交通安全に取り組む姿勢というものを了といたす次第でございますが、ぜひ第三次交通安全基本計画策定に当たっては万全を期せられるように心からお願いをいたしまして、時間の関係で総務長官に対する質疑を終わりたいと思います。 続いて運輸大臣にお尋ねをいたしておきたいと思うのであります。 昭和五十四年の運輸白書を読んでみますと、現下の政府の最大の政治目標である省エネルギー政策を徹底させていくために、省エネルギー型輸送体系の整備、公共輸送の優先策を明確にうたっておるわけでございますが、この運輸政策の転換、確立がなされていく以上、当然のことでありますが、交通安全対策が新たにあるいは総合的に考えられていかなければならない、こういうふうに思うわけでございます。運輸大臣の所信表明の中には、単に陸上交通、海上交通、航空安全対策、こういうふうに羅列してありまして、運輸省がうたっております省エネルギー型の輸送体系、これに基づくところの総合的な交通安全というものの施策が意欲的にここに書いてないということは非常に残念に思うのでありますが、運輸大臣、この点の所信をお伺いしておきたいと思います。
○地崎国務大臣 ただいまは省エネルギー時代でございますので、大量輸送を行います国鉄あるいはバス、そういうところへマイカーからなるべく交通の重点を移していきたいというのが大きな政策の中心でございます。しかしながら、いま委員御指摘のように、交通安全を無視しているものではございません。根底には交通安全対策を十分進めていかなければならないのは当然でございます。交通安全はいかなる場合においても交通政策の基本でありますので、その対策につきましては陸海空各交通機関との具体的な政策の積み重ねを行いまして、所信表明ではこの点を強調したつもりであります。今後とも各輸送機関の個別対策を強力に推進していきますとともに、公共輸送機関の安全体制の充実強化に努めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○野中委員 運輸大臣、ぜひそのことについてはお願いを申し上げる次第であります。 次に、細かい話になっていくわけでございますが、所信表明の四ページの中ごろに「被害者の救済対策としては、自動車損害賠償保障制度の適切な運用を図る」、こういうふうにうたってあるわけでございます。そこで私は自動車保険、自賠責保険についてこれから御質問を申し上げていくわけでございますが、大変細かくなると思いますので大臣がお答えできないところは、まあお答えできるのでありましょうけれども、細部の点につきましては担当官の御説明をお願い申し上げる次第であります。 最初にまことに常識的にお聞きをしておきます。それは、自賠責保険と任意保険の二本立てになっておりますけれども、この二つの保険がそれぞれ役割りを分担いたします、あるいはその特色を生かしていきたいと思うのでありますが、このことに関しての基本的な考えを改めてもう一度お聞きしておきたいと思うわけでございます。
○飯島政府委員 お答えいたします。 自賠責保険は、自動車によります人身事故に際しまして加害者の損害賠償義務を確実に履行することを図りまして、被害者を保護することを目的として創設されました社会保障的色彩の強い基本保障を主眼とする制度でございます。一方、任意の自動車保険は、本来、自動車の保有者が任意に自賠責保険金限度額を超える賠償責任の発生に備えて加入いたします保険制度でございます。自賠責保険の方は、被害者の損害の画一的かつ迅速なテンポの観点が重視されているのに対しまして、後者は、契約者に対しましてきめの細かいサービスを提供することによってその普及を図り、同時にそれによって自賠責制度を補完いたしまして被害者の保護に寄与しているものでございます。両者は以上のような特色を生かしまして運営されてきたものでございます。今後とも自賠責保険を根幹としつつ、任意の自動車保険がこれを補完していく体制が望ましいと考えております。
○野中委員 いまの説明で、自賠責保険と任意保険の区別、あるいは任意保険のメリットというものにつきましても改めて認識をいたしたわけでございます。 そこで、それに問題がある。というのは、自動車保険が自賠責と任意保険の二本立てになっているために契約者あるいは被害者は二重の手続を踏まなければならない、こういう不便があります。 そこで、いろいろ考え方がある。あるいはまた、ここにいろいろな問題点を内蔵してくるわけでございますが、自賠責保険の方から見ますと、第一点はノーロス・ノープロフィットの原則のもとに行われている。これも認識しなければいかぬ。 そしてまた第二点といたしましては、強制保険。保険会社にとっては引き受けの強制がなされているわけであります。それに伴って、当然のことでありますけれども、保険会社においてはプール制度のためにサービスの向上に非常に無神経のきらいがなしとはしないわけでございます。そこに自賠責保険のマイナス面があるわけでございます。任意保険の方から見ますと、自賠責保険の上乗せ保険として、自賠責の限度額引き上げ等、制度の改正のたびに民間保険会社に動揺を生じるなど保険事業の運営を非常に不安にする事情があるわけでございます。 そういうことから私がここで強調しておきたいのは、被害者救済の見地からそれぞれの制度の特色を生かして円滑な共存関係を樹立し安定的な経営ができるように、あるいは安定的な運営が必要であろうと思うわけでありますが、この辺、運輸大臣の基本的な考え方というものをお聞かせ願えれば幸いだと思うのです。
○飯島政府委員 自賠責保険と任意の自動車保険との関係につきましては先ほど申し上げたところでございまして、自賠責制度を根幹としながら任意の自動車保険がこれを補完する形で、従来より円滑な共存関係に立って運営されてきているものと考えてございます。いま先生の御指摘の問題点があることは承知いたしておりますが、そういう点に配慮しながら、今後におきましても自動車事故の被害者の保護に欠けることのないよう両者がそれぞれの機能を分担していくことが望ましいと考えております。
○野中委員 昭和四十八年十一月の自賠責審議会の答申の(五)のところを見ますと「自賠責保険のあり方については、その担保範囲に自損事故を含めることについて」考えるべきかどうかということが問題点として指摘されているわけでございます。 そこで私は、自賠責保険の第一点の質問といたしまして、自賠責保険の担保範囲内に自損事故を含めていいのかどうか、この問題について質問をしておきたいのであります。 御存じのとおり、自動車損害賠償保障法第一条の規定に基づきますと、やはりこれは被害者保護という立場をとっておるわけでございます。そこで、この自賠責保険というものが、第一条の規定に基づいてまず第一に利点のあったことは、あるいは自賠責保険が目指したものは二つあると思うのです。その第一が挙証責任を転換することによって加害者側の故意、過失を立証できないため被害者を救済できなかった、こういうケースを自賠責保険においてとにかく担保していこうということ、それから第二点は保有者に賠償責任保険を付保することを義務づけることによって被害者に一定額の保障を確保すること、こういう二つの観点から交通事故被害者救済を図ることを立法の趣旨としてきたわけでございます。してみますと、自損事故のようなみずからの過失によって自分自身の損害までを補償しようとするものをこの範疇の中へ入れていいのかどうか、こういう疑問が当然起きるわけでございます。自損事故については個人の選択にゆだねていく必要があるのだろう、そしてみずからの責任で対処していくことがこの自由社会の原則であろうと思うのです。 同時に、任意保険には対人賠償保険に自動的に付帯された自損事故保険や生命保険があります。したがって、やはりこの任意保険の果たすべき一つの使命として、自損事故というものを任意保険によってカバーしていくことが必要なんじゃないであろうか。自損事故に対する補償を自賠責で担保するということはもう行き過ぎてしまって、答申以来の検討結果というものがどういう関係になっているか私は承知いたしておりませんけれども、少なくも強制保険で自損事故まで包括していくというのは行き過ぎなんじゃないだろうか、そういう疑問が起きるわけであります。 なお、同時に、自賠責と同じような強制保険制度をとっておりますところの労災保険にいたしましても、事業主に対しては強制されているわけでございますけれども、自分自身の労働災害に関して加入を強制していないわけでございます。これは、御存じのとおり、労災法の二十七条、二十八条で指定してあるわけでございます。 この点、自賠責の中に自損事故も含むか含まないか、これは問題点になっているところでございますけれども、これを改めて運輸省にお尋ねしておきたい、こう思います。
○飯島政府委員 先生御指摘の自損事故につきましては、これを自賠責保険の対象に含めるべきか否かという問題提起が、御指摘のとおり、昭和四十八年十一月十六日の自賠責保険審議会の答申において行われております。 自損事故を自賠責保険の対象といたしますことにつきましては、遺族等の生活保障といった観点からは一つの検討課題ではあると考えてはおりますけれども、自賠責の制度、そして自賠責保険の創設の趣旨がいま先生がおっしゃったとおりでございまして、加害者の賠償責任を担保するというものでございますので、自損事故を自賠責保険の対象にいたしますということは自賠責制度の根幹に触れる問題でございます。また、自己の責めのみに帰する事故によって生じた自分自身の損害に備える保険の付保を法律で強制までする必要があるのかどうか、そのために必要となるかなりの財源をどう確保するのかという問題点がいろいろあってむずかしい問題だと考えておりますが、いままで当委員会でも御指摘が何回もございますので、時間がかかると思いますけれども、できれば実態調査をいたしたいというふうに考えております。 また、本件につきまして、自動車保険、いわゆる任意保険が自損事故について付帯をすることができますので、これでカバーできる状況になっておるのは先生御指摘のとおりでございます。
○野中委員 いま申し上げました自賠責保険の中に自損事故を含めるかどうか、しかもこの答申を見ますと、「この際任意保険を含めた自動車損害賠償保障制度のあるべき姿について長期的視野から検討を加えることが必要である。」というのでありますけれども、そろそろこの問題についても結論を出していただきたい、こう思っておるわけでございます。 それでは、時間の関係で次に進みますが、滞留資金の使途についてお尋ねをしたいと思っておるわけでございます。 政府の自賠責再保険特別会計の滞留資金は、現在、一兆円余というふうに聞いております。また、運用益は三千億円に達していると言われているわけでございます。これだけの滞留資金というものができて、あるいは運用益というものが生じてきたわけでございます。それで、自動車の保有台数の増加に伴うところの保険料収入というものの増加というのは今後も見込めると私は思うのであります。それから、総務長官からも御説明がありましたように、大変な御努力で、昭和四十年代の半ばから交通事故というものが低下をしてきておるわけでございます。してみますと、準備金であるところの滞留資金というものはどの程度まで一体滞留資金としてプールしておくべきかどうか、こういうことを考えましたときに、いま申し上げました二点の今後の見通し等を踏まえて、この滞留資金あるいはまた運用益、これについてわれわれは再検討を加える必要があるんじゃないだろうか、こう思うわけでございます。 そこで、この滞留資金の使い方として第一点として考えられることは、これは昭和四十八年、五十年、五十三年の三回にわたってこの限度額の引き上げが行われてきました。そして、保険料は据え置かれてきたわけでございます。ですから、こういう限度額引き上げという立場を今後とっていかれるのか。 二番目といたしましては、国会で附帯決議をしているのですよ。昭和三十年の自賠法制定時の国会の附帯決議は、「収受した保険料総額から、支払つた保険金総額と附加保険料総額との合算額を控除し、なお相当の残額あるときは、これを一定の比率により保険契約者に割りもどすが如き方法を考慮すること。」ということで、自賠責「保険料率については」という前文があるんですよ。昭和三十年の国会でこういう附帯決議をいたしております。 また、これは大蔵省の方の関係なんでしょうけれども、自賠責保険料率が能率的な経営のもとにおける適正な原価を償うものでないときは、大蔵大臣はその料率を認可してはならない、これは二十五条に書いてあるわけでございます。それからまた、二十七条には、自賠責保険事業の運営の結果、保険料が適正な原価を超えるものである場合には、大蔵大臣は「保険料率の変更を命ずることができる。」というふうに書いてあるわけでございます。してみますと、ここまで来たら保険料率の引き下げというものが時宜に適した政策であろうと私は思うのであります。このことについていずれを選ぶか、いわゆる限度額の引き上げかあるいは料率の引き下げか、いずれを選ばれるか、御質問申し上げる次第であります。
○飯島政府委員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、滞留資金が五十四年度で一兆円ほど運用益がかなりあるという御指摘でございますが、滞留資金の内訳と申しますのは、すでに債務が発生した分についての支払い備金とかあるいは未経過再保険料、未払い金、そして積立金というようなもので構成されているものであって、これがすぐに使えるというようなものではないことは先生御承知のとおりでございます。 また、運用益についてかなりのものが五十四年度末残っておるという御指摘も事実ではございますが、自賠責保険におきましては、確かに従来は、自動車事故が減少傾向をたどってきたこともございまして、四十四年以降その保険料を据え置いたままで、前後三回にわたります保険金の支払い限度額の引き上げ等によりまして、実質的な保険料の引き下げを図ってきたところでございます。しかしながら、最近の動向を見ますと、自動車の事故件数及び負傷者数が、冒頭先生が御指摘になったとおり、五十三年、五十四年と若干増加をしております。一方、保障水準につきましても、年々上昇の傾向をたどってきておりますので、五十五年度における保険収支見込みを検討いたしますと、滞留資金の運用益をもってかろうじて収支の均衡を保っている状況になってくると見込まれるのでございます。したがいまして、現在の時点で払い戻しあるいは保険料の引き下げは困難であると考えている次第でございます。 なお、保険金の限度額の引き上げにつきましては、判決の動向あるいは物価、賃金の動向、保険収支の状況等を勘案して今後検討すべき問題だと考えております。
○野中委員 自動車局長の答弁は大変後ろ向きな話なんで残念に思っているわけでございますが、限度額の引き上げについて特に触れておきたいのでありますけれども、特に配慮してもらいたいのは、ほかの制度とのバランスを考えてもらう必要がある、こう思うのです。いまの国会に提出されておりますところの刑事補償法の改正内容を見ますと、千五百万円から二千万円に引き上げている。それから、犯罪被害者等給付金支給法による支給額は最高八百万円になっている。それから、警察、法務、消防関係の賞じゅつ金は、特別賞じゅつ金を加えても千五百万円にしかなってない。こういうことを考えますと、私は先ほども言いましたように、このごろの判決がどうのこうのということでいま答弁がございましたけれども、この辺はひとつ慎重に考えていかなければならぬのじゃないか。いわゆる限度額引き上げについては相当慎重に考えてもらいたい、ほかの制度との関係も考えていただきたい、こう思っているわけでございます。 それから運用益は三千億あるというふうにわれわれはつかんでいるわけでございますけれども、この運用益の活用というものは十二分に心してやってもらいたい。自賠責滞留資金あるいは資金の運用益の特別会計保有分は、事故相談であるとか救急医療整備だとか交通遺児の修学旅行援助だとか、総務長官、ことしの予算書を見ると、この運用益の中からたったの十六億円しか投入されていないのです。ですから、私は、本当に運用益というものをもう少し活用していただく、これを考えてもらいたいと思うわけであります。
○飯島政府委員 お答えいたします。 保険金の限度額の引き上げにつきましては、先生御指摘のような問題もございます。この問題につきましては一昨年の七月に、死亡につきまして千五百万から二千万円に、傷害につきましては百万から百二十万円に、後遺障害につきましては、障害の程度に応じ千五百万円から五十六万というのを二千万から七十五万に引き上げ、さらに昨年二月には支払い基準を改定するなどして従来より被害者救済の充実を図ってきたところでございます。今後の保険金の限度額の引き上げにつきましては、先ほど申し上げたとおり、いろいろな条件を勘案しながら慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。 また、自賠責特別会計の滞留資金の運用益の活用の問題でございますが、自動車事故の防止と被害者救済の増進を図るために、自動車事故対策センターに対します運行管理者の指導講習、運転者の適正診断、交通遺児等に対します生活資金の貸し付け、重度後遺障害者に対する介護料の支給等の業務に対する助成を行っております。 また、このほかに自動車事故対策費補助金の制度を設けまして、自動車事故相談及び示談あっせん事業、救急医療設備整備事業、交通遺児修学援助事業、各種自動車事故防止事業等に対して助成を行ってきております。また五十五年度からは、新たに交通遺児育成基金事業に対する助成を行うことといたしておる次第であります。 今後とも自賠責特会の収支の動向を勘案しながら、御意見を念頭に置きまして対処してまいりたいと考えております。
○野中委員 きょうは時間を十分間短縮されましたので、急いでいて再質問できないで来てしまったわけでございますが、最後に、昭和四十四年の十月七日あるいはまた昭和四十八年の十一月十六日に自動車損害賠償責任保険審議会の答申がなされております。そこで一番重要な二回にわたってメリット、デメリット制度についての論議がなされてきているわけでございますが、いまだに結論が出ていない。これも私は自賠責保険における最大の研究課題だと思っておるわけでございます。時間の関係で、このメリット、デメリット制度をどういうふうに検討してきたか、その内容をひとつ資料として提出を願えれば幸いだと思います。また、先ほども質問いたしました自損事故についてもどう考えていくべきか、その資料を提出願えれば幸いだと思うわけでございます。 大変貴重な時間をいただきまして、ちょうど十一時になりますので、これで質問を終わりますが、適切な御回答まことにありがとうございました。以上をもって質問を終わります。
○石田委員長 次に、沢田広君。
○沢田委員 いま野中委員の方から自賠償の問題が出ておりますので、それに関連して若干質問をしておきたいと思います。 いま言われた中で、まだ言い落とした点もあるだろうと思うのでありますが、いまのような財政状況の中で、事故件数は非常に減っているのでありますが、医療費だけは非常に膨張をしている、この実態をどういうふうに判断をされておられるのか、これがまず第一であります。それから第二には、この前私も質問をいたしましたが、各地区のタクシーの場合の料率に格差がつけられている、これは不当ではないかということを申し上げたのであります。それは若干是正をするということになったわけでありますが、現在なお、必ずしも事故の状況と合った形で、タクシーの場合AからB、C、Dというふうにランクづけがされているとは限らない、またタクシーの事故率の内容と必ずしも合致しているものでもない、こういうふうに考えますので、以上二点について、事故の負傷者数は減ったけれどもなぜ医療費だけはかくも大きく膨張をしてきているのか。もっと言うならば、自動車事故の医療費の請求は通常八倍と言われているのであります。一般の健保関係の請求の八倍から十倍と言われていることは通説であります。通説というのは一般的に言われていることであります。そういう状況を考えてみて、もっと審査機関というようなものの徹底を図るなどして考えていくべき点はあるのではないか、こういうふうに考えますが、その点お答えをいただきたいと思います。
○飯島政府委員 いまお話しになりました点は、診療費だけが非常に高くなっているのではないか、そのために被害者の休業損害とか慰謝料などが影響を受けてきているのではないかという趣旨の御指摘かと考えますが、傷害の場合、自賠責保険におきましては、治療費、休業損害、慰謝料等の各項目について定められた基準によって損害額を算定いたしまして、一定の限度の範囲で基本的に保障するというたてまえになっておるわけでございます。したがって、傷害の程度が重くて治療費がかさむ場合には、御指摘のように、被害者が結果として休業損害や慰謝料を実質的に受けることができないというようなことがないわけではないわけでございます。医療費につきましては、たてまえとしましては、結局被害者が払わざるを得ない性格のものでございますが、この制度としては、トータルとして限度額の範囲で被害者の損害が軽減されているということになると考えております。 それから医療費の高騰の問題につきましては、関係省庁で対応について検討をいたしておりますし、また査定事務所、料率算定会の調査事務所ですか、そこと医師会の間で地区別にいろいろ検討をされているように聞いております。 それから、タクシーの料率につきまして地区別にアンバラがあるのではないかという御指摘でございますが、結局は事故率の問題になるわけでありまして、現在の制度が一部問題があるのかどうか、引き続き検討をさせていただきたいと考えます。 〔委員長退席、村山(富)委員長代理着席〕
○沢田委員 昭和四十六年に七十一万人の負傷者あるいは死亡者ということになっております。それに要した医療費は二千四百七十一億であったわけです。この資料は五十一年まででありますが、昭和五十一年には五十五万人に減っております。実に約二十万人近く減っているわけであります。七一%に減っているわけであります。ところが医療費は三千八百十六億、実に五四%増であります。医療費だけは六〇%ふくらんでいるのであります。この事実に目を覆うて見過ごしていくわけにはいかないと思うのです。 それで、現在、百万円であったり、あるいは百二十万円であったりというこの段階はありますけれども、目いっぱいを医療費に食われてしまう、そして慰謝料であるとかその他の費用には充当されない、こういう現実に対していまの答弁では少し誠意がなさ過ぎるのではないかと思うのであります。その査定事務所だか査定委員会だか、これもまた案外いいかげんな感が私にはするわけでありますけれども、こういう事実に目を覆っていっていいのかどうか。それならばそれのように百二十万が引き上げられていかなければ論理が合わないじゃないですか。もし医療費の方が正当であると仮定するならば、賠償額が上がっていかなければ論理が成立しないのではないか。あるいは極端な論をすれば、正当な医療費であると仮定するならば、保険料も同時に並行的にスライドしていかなければ論理が合わないのではないか。 だから、不正請求がたくさんあることをあなたは承知していながら、その事実を隠蔽していくということがいまの答弁の中にあるんじゃないですか。あなたが具体的に調べてみたことありますか。一本の注射でどの程度の費用を取られていくか、あるいはちょっとした手当てのために莫大な経費が取られている実態をあなたは御存じないのではないですか。もっと事実を確かめた上で——これだけ事故が減り、負傷者が減り、まあ、お骨折りをいただいている各位に対しては敬意を表するわけでありますが、それが結果的には医者の食い物にされているということでは話にならぬだろうと思うのです。もう少ししっかりした答弁をしてください。
○飯島政府委員 お答えいたします。 診療費が非常に高いのではないかとか、病院間で格差が多いのではないかというような問題について実態を把握しているかというお話でございますが、私どももこの問題については従来からその実態の把握に努めておりますし、著しく合理性を欠くと考えられるときは、私どもの自賠責保険制度の運営の観点からも好ましいことではないというふうに考えております。ただ、本件につきましては運輸省だけでは措置できませんので、大蔵省、厚生省、関係省庁と協議の上、検討を進めているところでございます。 保険金の算定に当たりましてどうするかという問題につきましては、これはむしろ大蔵省の問題ではございますが、先ほど申し上げたように自動車の保険料率算定会では、損害保険会社と一緒になって各県の医師会との話し合いを続けているように聞いております。
○沢田委員 これは運輸大臣ですか、私も大蔵委員ですから大蔵大臣に聞く機会もあると思うのですが、こういう実態を自賠責を所管をしている直接の担当大臣としてその実態はどういうふうに把握されているのか、その点どういうふうにお考えになっておられるのかひとつお聞かせいただきたいと思います。
○地崎国務大臣 かねてから保険関係の徴収といいますか請求にはいろいろ問題点があることはよく私どもも各種の委員会の質問等で聞いておるところでございます。自動車局長が答弁いたしましたように、これのある程度のチェックは厚生省あるいは大蔵省でなければならないわけでございますので、十分大蔵、厚生省当局と協議をいたしましてこのようなことのないように対処してまいりたいと存じます。
○沢田委員 大臣、大変恐縮ですが、大臣いま言われたように、対処されることについては実際にこれから実地の調査、カルテの調査そういうようなものをこれからもやっていただくことも考えている、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。そのとおりですか。
○地崎国務大臣 はい。
○沢田委員 じゃ小渕総務長官にお伺いいたしますが、いまの交通の状況というものは先ほども意見が出されました。警察官の配分に当たって、これはいわゆる刑事事件もありいろいろな犯罪もあります。総合的に見て現在の政令定員というものは適正に配分されていると言えるのであろうかどうか。東京都の二百八十七人というのはいわゆる人口一人当たりの配置は特別なものだと仮定をいたしましても、たとえば京都が四百三十二であるとかあるいは大阪が四百七十四であるとか、それに比較して岩手が七百九十二であるとか埼玉が七百八十五であるとか、あなたの県も同じですね、そういうアンバランスについて総務長官としては疑問をお持ちになられませんか。
○杉原政府委員 私からお答えするのが適当かどうかあれでございますが、警察関係ということでございますので。先生御案内のように、警察官の定数の配分を政令で決めておりますが、人口とか犯罪発生件数とか交通事故の発生状況、いろんな治安指数に相当するようなものを考慮しながらこの数が決められておるわけでございますが、一番中心的に取り上げられますのが先生おっしゃったような人口の問題でございます。この人口につきまして、警察官一人当たりの人口にかなり各県問に差があるわけでございますが、それぞれの地方の、たとえば東京などというものは地方の人口だけで考えられないような、また中央官庁その他の要素もあるわけでございます。ただ、先生おっしゃいますように、現在人口がいろいろふえている県あるいはそれほどでもない県というふうなのがございましてアンバランスがございますので、毎年の警察官の増員配分の際にはそういった点を十分参考にしながら徐々に是正が行われているというのが現状でございます。
○沢田委員 どろぼう天国とよく言われているのであります。首都圏などその他の地域におきましては窃盗その他の逮捕率というものはきわめて悪いのであります。そういうもので、窃盗が一番警察官のいわゆる充当率を比較する場合に一つの証左になっていくものだと思うのであります。そうしますと、逮捕率五割以下という県はどうしても、ここにありますように私の方の県の埼玉であるとかあるいは千葉が若干千三百名成田で増員してありますから比率は違いますけれども、その他の県を、長野を見ましてもその他を見ましても大体五割以下のところがいわゆるいまの定員の比率でいきますと七百台を超えている、人口一人当たり下が四百三十二、それで上が最高が七百九十二ということになりますと、人口一人当たり実に倍、四百名くらいの違いがある。これは余りにも格差があるのではないか、そのことは同時に逮捕率の低下ということにつながるんじゃないかというふうに考えるわけでありまして、小渕さんの地元でも余りいい配分ではないのであります。これで配分をよけいしたらこれはまたおかしくなってしまうでしょうけれども、凶悪犯罪あるいは知能犯罪、風紀犯というようなのもありますけれども、一番目印になります窃盗罪を標本とした場合にもう少しそれに見合ったものにならなければならぬのではないかということが一つ言えると思うのです。 それから、格差をもう少し縮めるという努力はされるのかされないのか。もっと倍という比率は——東京は一応論外にしてますよ。東京は一応論外にしておりますけれども、四百三十二と七百九十とか七百八十というのは余りにも開き過ぎているのではないかという点についてお答えをいただきたい。
○杉原政府委員 最初の第一点の御質問でございますが、これは警察庁におきましてもこれの地域の格差の解消というのを毎年の大きな重点にいたしております。そういう方向でこれからもさらに作業が行われるものと認識をいたしておるわけでございます。 それから、いまの窃盗等が治安問題を考える場合の一番目印になる面でございます。 〔村山(富)委員長代理退席、委員長着席〕 その点につきまして、一つは人口だけというのが、人口も非常にまばらな人口とそれから都市に集中するような人口との場合には治安的にはかなり違った要素が出てまいるというふうなこともございますので、全国一律の人口負担が必ずしも適正であるかどうかというのは検討しなければならないと思いますが、いずれにしても地域格差というものの是正については治安状況等を見ながら徐々に是正をさるべきものであるというふうに認識をいたしておるわけでございます。
○沢田委員 徐々にということではちょっと不満なのでありまして、たとえば粗暴犯を比べますと神奈川が三千六百六十六件、千葉が千八十九件、埼玉が千四百九十五件、東京が一万一千件、北海道が四千件とありますが、あとは愛知が千六百九十九件、こういうものが一番大きな県なんです、粗暴犯だけをとらえてみましても。またさっき言った窃盗犯をとらえてみても大体そういう傾向があるわけであります。徐々というのじゃ困る。徐々というのでは困るのであって、県単事業で抱えているものもあるかもわかりませんがそれは一応除きまして、いわゆる政令で言われている格差だけについては少なくともバランスを今年度検討してとってもらえる、それは一挙に配置転換できるわけじゃないでしょうけれども、少なくともその方向だけは徐々になんてあいまいなんじゃなくて、この格差だけは認めるでしょうからこれを直してもらうことだけはお約束いただきたいと思う。
○杉原政府委員 ちょっと私の立場で十分に答えられない面があることは御了察いただきたいと思うのでございますが、毎年人口増を中心にいたしまして警察官の増員が行われておりますので、その際にそういった地域格差というふうなものの是正ということで、先生もお話のありましたように埼玉でありますとか千葉でありますとかというふうなところに増員のかなりの部分をつぎ込むというそういうふうな地域格差の解消に努力をしてきておりまして、徐々にということよりもこういう問題をこれから御意見等を参考にしながら積極的に取り組んでいくように部内外の関係者に十分申し伝えたいというふうに考えております。
○沢田委員 長官、こういうことですから、いま言われたような経緯がございます。これは長官がひとつ、万年筆一本でどうにでもなってしまうんですよ、政令ですから。ですから、事情はいろいろあるでありましょうけれども、この格差の解消についてお骨折りいただける、努力をするということは、ひとつ長官お約束いただけませんか。
○小渕国務大臣 警察官の適正な配置ということにつきましては、国家公安委員会が適正に定めることになるだろうと思います。まあ総理府令ということになりますと総務長官が所管をすることになりますが、実質的にはいま申し上げた責任ある立場のところで決定をされるだろうと思いますので、国家公安委員長たる自治大臣にも委員の意思を十分お伝え申し上げまして、適正な配置のできるように私からも申し上げさせていただきたいと思います。
○沢田委員 そこで、その格差の是正の一部として免許証の書きかえの事務をある程度合理化をするということが必要になってきたのではないか。言うならば四千万になんなんとする、あるいは超えるという状況でいわゆる全国の免許人員がふえてきている。そういう状況を考えますと、またこれに要する警察官の人員をある程度治安維持の方に振り向けるという必要性もあると思うのであります。そういうような状況で、いわゆる免許事務の簡易化ということでこれは一つの案ということになりますが、六年ぐらいに書きかえを改めて、三年ぐらいに講習を義務化して、いま講習は目の悪い人が三・七%程度だというのですが、私の調査の事故状態調べによると、目が悪くて交通事故を起こしたという例は〇・一%程度なんであります、全体の事故率の中で。そのことがきわめて重要な要素を持つものだとは判断しにくいと思います。ですから、そういう意味において、これは参議院と一緒になってしまいますが、六年ぐらいに切りかえて、三年ぐらいで講習を受ける、もしどうしても必要ならば適性なり、あるいは体力といいますかいろいろな色盲なりそういう検査をやっていただいて、免許証の交付を簡易化することはできないかどうか。これもまあ警察の定員をどんどんふやしていくわけにはいかないいまの国家財政もあるわけですから、いわゆる有効な人員の配置という立場に立って免許関係の事務の簡素化を図ってもらえないかどうか、この点をお答えいただきたいと思います。
○杉原政府委員 先生の御指摘の面も私どもも十分参考にしていかなければならない点がいろいろあろうと思います。ただ私どもも、四千万ドライバー時代を迎えてドライバーの利便というものをどうしても考えていかなければならない、これは先生と全く同じ認識でおるわけでございます。ただ、片方で三・七%という、更新時に適性検査でふるいにかけられるという人が現実にいる。約千三百万人の更新ということになりますと、約四十万の人がそういう適性面で体にある程度の問題のある人があるということでありますと、片方で交通安全の問題というものをいろいろな総合対策で進めてきておる中で、そういう状態の人をさらに放置をしていくという状態が出てくるということは安全面からどういうことになるだろうかということを十分検討しなければならぬと思います。同時に、現在更新をする際に長時間かかるというふうなことでドライバーにいろいろ迷惑をかけておりますが、これはリアルタイムシステムというものを導入することで、五十七年には二時間程度の時間があれば即日更新ができるという手を講じていこうということもいまあわせ考えておるということでございますので、行政の簡素化の問題とこの安全の確保というものをどのように調和をさせていくのかということについて、先生の御指摘の面も含めて十分これから検討をしてみたいと思いますが、安全問題が絡むだけに、かなり慎重な検討が必要であろうと考えております。
○沢田委員 私は、いまの御説明を否定はしてないのですよ。 書きかえは六年にするけれども、三年に一回の講習と適性検査は義務化をしましょう、こう提案をしているのですから、書きかえの事務だけが省けるということであって、こういう一日の講習なり適性検査は実施をしましょうと提案しているわけですよ。ですから、あなたのいま言った、三・七%をゼロにしろと言っているわけではない。これも私はきわめて軽微なものだと思いますけれども、あえて一歩譲って、三年に一回の講習とあれはやってもいいでしょう、しかし書きかえは、顔がそんなに変わるわけではないのだから六年に切りかえたらどうだ、こう提案しているわけです。いま何か三・七%、四十万人もいるからそれはだめなんだという論になったら、それは困るので、三年に一回の義務の講習はやりましょう、しかし書きかえは六年でいいじゃないですか、こういう提案をいましたわけですから、その点はちょっと違っているようですから、お答えしてください。
○杉原政府委員 御質問の趣旨がよくわかりました。事務的にどういうぐあいに処理をしたらいいのかについて十分検討させていただきたいと思います。
○沢田委員 実は、前のこの交通特別委員会で、事故対策センター法というようなものが考えられなければならないということが主張されてまいりました。交通遺児の育成であるとかあるいは重度後遺障害者の看護料であるとか、こういうものについてはやはり一本の法律をつくらなければならないのではないか、こういうふうに意見も出されてきておったと思います。この点、長官なり運輸大臣なりは、その後の判断はどういうふうに御判断をなさっておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○飯島政府委員 自動車事故対策センター法は昭和四十八年にすでにできております。また、いまお話しの交通遺児に対します生活資金の貸し付けにつきましては、すでに事故対策センターで就学前の児童に対して実施をいたしておりまして、五十五年度においては単価アップを予算でいたしております。それから重度の後遺障害者に対する介護料の支給につきましても事故対策センターで、五十四年度の夏でしたか、から実施に移しているところでございます。
○沢田委員 いま私は、内容が現在の制度で十分看護料なら看護料として賄い得る——たとえばどの程度あなたの方では考えておられるのか、いわゆる本人負担以外の何%ぐらいを出していると思っておられるのか、あるいは交通遺児育成金についても生活費なりの何%程度をこの法律で賄おうとしているのか、その辺を実はお伺いしたがったわけなんであります。 現在日額三千円でありますか、月額九万円という、そういう状況で今日の人件費状況と見合うことは可能なのかどうか、あるいはどの程度を考えるのが常識なのか、それから当時と今日との物価スライドとの関係はどうなのか、その辺を含めて、交通遺児育成金とこの重度障害者の看護料についてお答えをいただきたいと思います。
○飯島政府委員 交通遺児に対します生活資金の貸し付けにつきましては、聞くところによりますと、希望する方についてはすべて実施できているというふうに報告を受けております。 また、重度の後遺障害者介護料の支給制度につきましては、昨年の八月、いま先生がお話がありましたように、一日につき三千円ということで発足をいたしたばかりでございます。これも五十四年度の予算額は三億二千八百五十万円でありまして、支給の実績は五十四年十二月三十一日現在で申請受付件数五百十七件、認定件数四百五十件ということで着実に実績が上がってきております。何分、本制度まだ発足したばかりでございますので、その対象の範囲の拡大等いろいろ問題があるかと思いますが、今後勉強してまいりたいと考えております。
○沢田委員 じゃ、いまついでに立ったところで、一日いま入院している人に看護人をつけた場合、どの程度かかると御理解をいただいておりますか。
○飯島政府委員 お答えいたします。 病院によって大分格差があるようでございまして、確かに三千円ではすべて賄うことはできないかと思いますが一本制度は補助金というふうに考えておりますので、ひとまず一日三千円ということで制度を発足させているところでございます。
○沢田委員 これは余り知らなかったのではないかと思いますが、大体いま一日頼めば、これは日給ですから、ボーナスがあるわけではないのですから、八千円から一万円はかかりますよ。これは介護であろうといわゆる付き添いということになればもう一万円ぐらいかかるわけです。そういう重度ないわゆる後遺障害者の看護料という場合に、その程度のかかる費用がだんだんスライドして高くなっている。これができたころは六千円か七千円ぐらいだったでしょう。しかしいまは一万円じゃなかなか見つからないという状況ですから、それから比べると同じようにスライドして五千円ぐらいに引き上げるとか、当然これはわれわれが言わなくとも考えていかなきゃならないことではなかったのか。あるいは交通遺児育成金の問題にしてもそのとおりです。ただ、その他のこれは遺児との問題もバランスをとるということは必要性がありますから、これは簡単にということにはいかぬだろうと思いますが、その他の母子家庭の各子供もおりますし、あるいは障害児の方々もおりますから、そういうものは一応別といたしまして、少なくとも看護料の五割は、これは引き上げていただくということは大体常識ではないか。大体常識としてこういう交通の場合の重度の後遺症を持っておられる方々、そしてのべつついていなければならぬ、人が見つからないあるいは家庭にいれば家庭は灰色になってしまう、こういう状況ですから、せめて三千円の引き上げについて、これは今年度の物価スライド程度は考慮すべきではないか、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○飯島政府委員 先ほども申し上げましたとおり、介護料の制度につきましては、昨年の八月にまだ発足したばかりでございますので、今後対象の拡大等の問題もございますし、補助率をどの程度にしたらいいかというような問題がないではないかもしれませんが、当分制度の運営がどういう状況になっていくか、よく見きわめて考えてまいりたいというように考えます。
○沢田委員 次に、運輸大臣にお伺いいたしますが、陸海空、省エネルギーという時代を迎えました。そしてまた、財政再建という条件を持つ時代になっております。これからの陸海空のいわゆる総合的な交通体系、こういうものを通産省ではビジョンをつくるようにきょうの報道で知っておりますけれども、運輸省でも、この陸海空のいわゆる整合性のある交通体系、それぞれの整合性のとれた体制、空には空の交通管制、こういうものを含めながら対策をつくらなければならないのではないか、こういうふうに私たち考えておるわけでありますが、運輸大臣、これらについては、どのような方向でお考えになっておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○地崎国務大臣 いま交通機関は大変多様化しております。陸は自動車輸送あるいはマイカー等もございますしそれから鉄道輸送、空は飛行機輸送、また、海上はいろいろ複雑な交通の状態がふえてきております。したがいまして、総合的な交通体制というのはどうしても網羅的になるわけでありますけれども、これからの交通の大きな主眼は何と申しましても省エネルギー体制をつくっていかなければならないわけであります。したがいまして、積極的に大量輸送に移行してもらうような体制をつくっていくというのが現在の私どもの考え方でございます。 なお、根本的にすべての交通に対しての安全というものは真剣に考えていかなければならない、安全交通というものを主眼に置いて総合的な体制をつくっていかなければならない、かように存じておるわけでございます。
○沢田委員 大臣には大変恐縮でありますが、もう一つお答えをいただきたいのでありますが、これから、きょうの一バレル当たり三十ドル台を迎えて、これからのガソリンであり、LPガスであり、軽油であり、あるいは産業用その他一応交通関係だけを別にとらえて考えてみますと、あるいは航空機燃料、こういうものだけを考えてみまして、それらのはね返りというものがやはり起きてくる。そのはね返りというものをどういうふうにこれから調整をされていこうと考えているか、抽象的かもわかりませんが、たとえば自動車のガソリンはどの程度が大体値段の、百四十五円とか百四十六円とか言われております。あるいは軽油にしても、百円と言われております、九十何円と言われております。あるいはLPガスにいたしましても同じような数字が出てきております。これからの、いわゆる原油の引き上げに基づきまして、総合交通体系の中における燃料費の割合というものは、何%かずつでありましょうけれども、相当多いと見なければいけない。そう見ますると、それに対応する大体の線引きといいますか、大体の線をどの程度に置いて今後の交通体系というものをつくろうとなさっておるのか。これは一つの要素だけですけれども、もっとほかの要素がありますけれども、一つの要素だけについて、ひとつ運輸大臣のお考えがあったらお答えをいただきたいと思います。
○永井(浩)政府委員 いまお尋ねのございましたように、交通機関のコストの中でかなりの部分が燃料費でございますが、特に石油の値上がりによりまして非常にコストアップになっておる、こういうのが現状でございます。 ただ、今後どのようになるか。石油の価格なり国際情勢、きわめて不透明でございますので、いま各交通機関別にそれぞれどのぐらいコストが上がるかというのは非常に算定困難でございますが、一般的に申し上げれば、エネルギーの消費効率の高い自動車、この辺のコストは相当上がるであろう、こういうことは言えると思います。
○沢田委員 上がるだろうだけを聞きたかったわけじゃないのであります。どの程度のレベルを見てこれからの総合交通体系を試算しようとなさっておられるのか、これは不透明だからわからぬ、それじゃ総合交通体系も出てこないということになるのじゃないですか。
○永井(浩)政府委員 実は、この総合交通体系につきましては、近く運輸政策審議会、私どもの大臣の諮問機関でございますが、ここに諮問をいたしまして、今後の交通政策のあり方というものについて御議論いただこう、このように考えておるわけでございます。 そこで、当然そのエネルギーの需給問題、こういったものが議論されるわけでございますが、どこのレベルに置かれるというのは私どもなかなかいま算定いたしかねますし、また審議会においても非常に議論の分かれるところだろうと思いますが、先ほど申しましたように、定性的には非常に燃料コストが上がる、特に八〇年代の半ば過ぎからは量的な不足を必然的に伴いましてコストが非常に上がるだろう、こういうふうには考えております。ただ、それぞれの交通機関別にどの程度の燃料費の比率を占めるかというのは今後計算してまいりたい、このように考えております。
○沢田委員 じゃ、別の問題になりますけれども、このたびの予算の中で交通の騒音、振動というようなものに対して一応その対策を考える、こういうことでございます。これに対する基準はどういうものを基準として——自動車の騒音、振動の基準を何をもとにしてその対策の基準とするのか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
○飯島政府委員 ただいまちょっと資料を持っておりませんので、的確なお答えができないのでありますが、公害問題につきましては、環境庁におきます審議会の答申を受けまして自動車について運輸省の方で保安基準で規制をしていくわけでございまして、たとえば排気ガスについては五十年、五十一年、五十三年規制と逐次規制の対象を広げてきておりますが、騒音についても、ただいまちょっと資料を持っておりませんので、その規制をにらみ合わせながら所要の措置を講じていくということでございます。
○沢田委員 振動はどうですか。
○飯島政府委員 恐縮ですが、私いま資料を持っておりませんので、後刻お答えいたしたいと思います。
○沢田委員 じゃ、後で私の方の同僚の井上議員も質問をされると思いますから、その際にでもお答えをいただくようにお願いをいたしたいと思います。 それから続いて、トラックの軽油の問題でこの前若干御質問申し上げましたが、先般ちょっと私の方もトラックの運転手の賃金体系というものを調べてみました。これは非常に寿命が短い。そう長年やっているわけにはいかないというようなこともありますから、このトラックの運送範囲と労働の衛生、こういうものの関係について、これは厚生省が担当するのかということになると、やはり当面は運輸省、こういうことになるだろうと思うのでありまして、いわゆる過労運転がいけないとかあるいはその他の過積み運転がいけないとかということでいろいろ規制はされております、規制はされておりますけれども、やはりきわめて重労働であるし、低賃金であるという実態には変わりがないと思われるわけでありますが、その辺の対策についてはどういうふうにお考えになっておられるのか、御指導の方法、やり方等について若干お伺いをしておきたいと思います。
○飯島政府委員 トラック運送事業の労働条件の問題につきましては、労働省の所管ではございますが、私どもも事業を監督するという立場で重大な関心を持って、必要に応じて労働省と協力しながら業界の指導に当たっておるところでございます。先般労働省の方で新しい二・九通達が出されましたが、それについても労働省と、今後十月までの指導期間の間にどういう問題があるか協議してまいりたいというふうに考えております。 賃金の実態を見ますと、トラック事業の規模との関係も相当ございます。したがいまして私どもといたしましては、圧倒的なウエートを占めます零細中小企業のトラック業者について構造改善事業を実施する等して近代化を図り、ひいては良質の労働力を確保できるような体制を整えさせたいというふうに考えております。
○沢田委員 私の方も時間が大分詰まってまいりましたので、その面に沿って若干詰めて、いまの答弁では若干どうも不満ですし、労働省任せと言ったって労働省は三千万近い労働者を相手にしてやっているのでありますから、そのことに依存をするというのは大体運輸省としては怠慢のそしりを免れないと思うのですね。これはやはり運輸省の直轄で指導しているわけですから、きょう資料を持ってないかもわかりませんが、次回にはもう少し適切な答弁ができるようにひとつ勉強しておいていただくようにお願いをしておきたいと思います。 長官にお伺いをいたしますが、いま国会の方で、委員会でも自転車置き場法案を検討いたしております。長官としても、全国的にこの自転車がますます駅前に放置をされて、放置をされているというよりも利用率が非常に高い、こういう状況については十分実態を把握されていると思うのであります。政府当局も、人口の多いところだけをやっておりまして言うならばドーナツ現象、衛星都市、こういうものについては余り関心がないような気もしないでもありませんけれども、この自転車置き場の現状についてはどのように把握をされて、こっちの委員会の法案審議もありますけれども、これからどう対処されようとしているのか。また省エネルギー時代を迎えてますます自転車の利用率というものは高まる、こういうふうにも考えます。そうなると、ますます駅前の自転車置き場というものは多角的に考えていかなければならぬ時代を迎えているものと思いますけれども、これは長官から、どういうふうにこれから対応しようとなさっておられるのか、またわれわれ委員会の方で自転車置き場法案というようなものを大体考えておりますけれども、それについてはどのように対応なさろうとされているのか、お答えをいただきたいと思います。
○三島政府委員 お答え申し上げます。 最近非常に自転車がふえてまいりまして、日本全国で大体四千八百万台ぐらいになるようでございます。それに伴いまして、一つには、先生御指摘のとおり自転車の放置問題というものがいま大きな社会問題になってきておりますので、実は私どもといたしましても五十三年一月に交通対策本部におきまして「自転車駐車対策の推進について」という本部決定を行いまして、政府部内の意思統一を図りまして、この決定に基づきましてその後対処してきておるところでございます。 その後具体的にどういうことを進めておるかと申し上げますと、一つには、自転車駐車場整備に対する財政措置につきまして、五十三年度からは街路事業によって地方公共団体が道路付属物として整備する際に補助対象として措置することにしておりますし、また五十四年度からは民営の自転車駐車場事業につきまして建設省所管の財団法人自転車駐車場整備センターを通じてその育成を図っておる、こういうことで現在対策を進めておるところでございます。
○沢田委員 実はそういう事務的なことじゃなくて、長官として、現在の国会内の動き、それから政府がどういうふうにこれに対応していこうという腹なのか、その辺の姿勢についてお答えをいただきたかったわけなんであります。そういう事務的な答弁を求めたわけではないのでありまして、長官のこの自転車置き場に対する認識と、そしてそれについてはどうしたらいいのかということについて長官としてはどう考えておられるのか、その辺の考えをお聞かせいただきたいと思うのです。
○小渕国務大臣 自転車問題は交通安全に関しましても大変大きな問題を提起しておることは十分承知をいたしておるところでございます。したがいまして、いま御答弁申し上げましたような各種の施策を講じながら対処いたしておるところでございますが、交通安全の基本的な、重大な課題であるというふうに考えて、これからも真剣に取り組んでまいりたいと存じます。
○沢田委員 これからまた委員会でも法案審議等がありますけれども、十分それに対応して政府として実施していただける、もしこれが成立するというか、その話の方向によっては十分協力はしていく、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。
○小渕国務大臣 自転車問題に対していろいろ法律も含めて御検討されておられる由でございます。当然のことでございますが、私どもも十分検討させていただきまして、要は自転車による事故等を解消し、また置き場の問題等を解消することが目的でございますので、御議論する機会があれば十分勉強させていただきたいと存じます。
○沢田委員 時間の関係で最後になりましたが、これは警察の方にというか、運輸省ですか、自賠責関係を含めて、相殺についてお伺いをします。 一つは、時間がなくなりましたが、たとえば横断歩道の白色が薄れてきている、あるいは薄く暗やみになってきて不明確である、あるいはそれがよく見えない、こういうような横断歩道外を横断をしようとして交通事故に遭った場合に、現在の事故査定委員会はこれを相殺の範囲に含めているという解釈をとっているようであります。また横断歩道、右折、左折以外のところで、六メートル道路等のところで、バイクであるか、自転車であっても人であっても同じでありますが、横断しようとした場合にも、これまた本人の責任がある、こういうふうな査定をされるようでありますが、私たちはそういう解釈について若干疑問を持っているわけであります。いわゆる道路管理者の責任もあるのではないか、こういうふうにも——きょうは時間がありませんからこの辺にとどめておきますが、いわゆる横断歩道の道路管理者の責任と相殺の関係について、これはお答えだけいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○飯島政府委員 先生御指摘のような状況で事故が起きた場合に過失相殺の規定を自賠責の適用に当たってどう考えるかという問題につきましては、どういう原因で事故が起きたのか、いろいろな要因があると考えられますので、ここでにわかにどうこうということはちょっと申し上げがたいのであります。御案内のように、自賠責におきましては無過失責任に近い形で被害者の保護、救済に努めておるところでございまして、もし具体的な事例をお示しいただければ、なお検討させていただきたいと思います。
○沢田委員 終わりますが、では十分事故査定委員会等でいわゆる相殺の範囲というものと道路管理者の責任の区分をしながら、明確にこれからも出してもいいですが、いわゆる論拠を基礎づけていただきたい。道路管理者の方はオールマイティーであるという前提に立って個人の相殺義務だけを追及するといういまの保険行政については十分反省をしていただきたい、こういうことだけ御要望を申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○石田委員長 次に、井上一成君。
○井上(一)委員 私はまず交通安全対策としての自動車の速度について一定の質問をいたします。 いまの道路構造上制限速度、いわゆる自動車に対しての速度制限の実態、交通安全対策上の実態を報告していただきたいと思います。
○広谷説明員 御承知のとおり、わが国の道路は全幅が二車線の狭隘な道路が多いというふうなことがございますし、また歩行者や車両の混合交通の形態が大半を占めておるというふうな状況がございます。また、交通事故の多くが速度が原因となっておるというふうな実情もございまして、警察といたしましては交通安全の確保の見地から速度規制を実施しておるわけでございます。 それで、速度規制に当たりましての基本的な考え方でございますけれども、まず都市地域と申しますか生活の場になっておりますような地域につきましては、歩行者あるいは自転車等の安全確保というふうな観点から、三十キロあるいは二十キロなどの速度規制を実施いたしておりますし、また幹線道路につきましては、交通量あるいは車線数、歩道あるいは中央分離帯があるかないかというふうな道路構造の問題、あるいは信号機や道路標識、標示、あるいは夜間の照明施設等の安全施設の整備の状況、そういうものを勘案いたしまして、主として四十キロから五十キロ程度の速度規制を実施しておるという状況でございます。 ちなみに全国的な実施状況を御報告いたしますと、昭和五十年三月末現在の状況でございますけれども、五十キロ規制をいたしておりますところが全国で約一万六千キロ、それから四十キロ規制をいたしておりますところが約十三万九千キロ、三十キロ規制をいたしておりますところが約五万キロ、二十キロ規制をいたしておりますところが一万五千キロというふうな状況になってございます。
○井上(一)委員 交通安全対策上速度を規制するという一定の方針を常に置いていらっしゃるわけですね。そういうことですね。
○広谷説明員 交通安全の見地からは速度というものが大変事故との関係が深うございますので、必要な場所については速度規制を実施していくというふうな方針をとっております。
○井上(一)委員 さらに私は交通事故と速度、スピードですね、スピードとの相関関係、このことについて少し事実関係を聞かしていただきたいと思います。
○斉藤説明員 お答え申し上げます。 御質問の走行速度と交通事故の関係ということでございますが、自動車が衝突したときに、相手方に与える衝撃とか、自分が受けたりする衝撃力は、速度に応じまして大きくなるという実験結果が出ておりまして、その数値は、おおむね速度の二乗に比例すると言われておるわけです。たとえて申し上げますと、時速四十キロでぶつかりますと、ちょうど六メートルの高さから落ちた衝撃力と同じになる。それが速度が倍の八十キロになりますと、衝撃力は二乗でございますので、四倍の約二十五メートルの高さから落ちた衝撃力になる。それから、さらに速度が三倍の百二十キロといたしますと、衝撃力は九倍の五十六メートルのところから落ちたというような状況になるわけでございます。 また、現実に昨年中に発生いたしました死亡事故、八千四十四件ございますが、その中で速度の出し過ぎによるため死亡事故の原因となったものが千七百五十二件で、全体の死亡事故の一二・八%を占めておるということで、死亡事故原因の第一位を占めておるという実情でございます。
○井上(一)委員 総務長官、いま報告があったように、いかに自動車の速度というものが交通安全対策上深いかかわりを持つかということ、特に速度を上げれば上げるほど事故の原因にもなりますし、またそれで一命を失うというか、死亡事故の二一・八%までがスピード事故である。これはスピードを出して、あるいはほかの何らかの要因、たとえば飲酒をしていた、そういうことでなおかつスピードを出して事故を起こした場合の数字は省かれていると思うのですね。そうですね。——だから、そういうものを加えればさらに大きな数値が出るわけなんです。 私は、きょうは、自動車のスピード制限というものを交通安全対策上非常に基本的な問題としてつかまえなければ、その対策というものは成り立たぬ、こういう観点から今後質問を加えていくわけなんです。 まず、私の考えているスピードが人の命を奪い、交通事故の大きな要因、原因であるということ、このことは深く御認識をしていらっしゃいますか。当然だと思うのですけれども、まずその点を確認しておきたいと思うのです。
○小渕国務大臣 御指摘は、当然のことと存じます。
○井上(一)委員 交通安全対策基本法というもの、これは十分御承知ですね。その中に明確に「国は、国民の生命、身体及び財産を保護する使命を有することにかんがみ、交通の安全に関する総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。」責任があるわけです。このことについてどのような対策をとられたか、まず聞かしてください。
○小渕国務大臣 国といたしましては、交通安全対策基本法に基づきまして、第一次、第二次の基本計画を策定をいたしまして、それに準じて各種の施策を遂行いたしておるところでございます。
○井上(一)委員 多分そういう答弁をなさるであろう——私は、安全基本計画の中で忠実に、具体的に、国がこういうことをやりました、あるいはこういうことをやるために現在取り組んでおります、こういうことが答えとして欲しかったわけです。いわゆる事故の防止対策として、不断の技術開発によって、その構造、設備等の安全性を高めていかなきゃいけない、こういうことが書かれておりますし、あるいは保安基準の改善という中で、交通事故原因の分析を解明していくと同時に、自動車の安全性に関する科学的研究をいわゆる保安基準というものに反映させながら、通行の安全、衝突事故の防止、衝突時の被害の軽減等に重点を置いた施策を強化をするんだということが、ちゃんと交通安全基本計画にうたわれているんで、一体どんなことをしようと考えているのですか、あるいは現在何をやってこられたのですか、こういうことなんですよ。長官から答えていただけませんか。
○小渕国務大臣 具体的には、「交通事故の状況及び交通安全施策の現況」の中にも申し述べておるところでございますが、第一には道路交通環境の整備拡充、第二に交通安全思想の普及徹底、第三に安全運転の確保、第四に車両の安全性の確保、先ほど御指摘ありました点でございます。第五に交通秩序の確立、第六に救急業務、救急医療の充実、第七に損害賠償の適正化、第八に交通安全に関する科学技術の振興等、それぞれの部門にわたりまして施策を講じておるところでございます。
○井上(一)委員長 官、私はそういうことはもうわかっているんですよ、書いているから。何をやっているんだ、何をやろうとしているんだ、こういうことなんですよ。やっぱりスピード制限をもっと強化しなきゃいけない——じゃ、もっと詳しい数値を挙げていきましょうか。いまわが国の道路で、百キロ以上走れる道路は何キロあるのですか。それは総延長に対してどれほどの率を占めているのですか。あるいは八十キロ以上走れる道路。私の調査では——そちらでお答えができるなら、どうぞ答えてください。
○小林説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘の点は高速自動車国道の関係になろうかと存ずるものでございますが、御案内のように、百キロが法定速度とされておりますが、八十キロ以上の高速度規制を行っているところは、現時点におきまして、全国の高速道路のうち約六〇%に当たります。全国の高速道路は二千五百二十四キロございますが、そのうち百キロ規制を行っておりますところは、たとえて申し上げますと、東名高速道路におきまして八六・六%、かようになっているところでございます。
○井上(一)委員 私は、高速道路でもすでに八割以上が強い規制をされている。日本の道路総延長は百八万八千二宿五十四キロメーターあるのですね。私の調査では、現在百キロ以上を超えて運転ができる道路は一メーターもないわけなんです。ということは、百キロ以上で走れる道路なんというのは日本には存在しない、あるいは八十キロ以上で走れる道路もそんなものはごくわずかである、一般道路を踏まえてですよ。これはどうなんですか、間違いないですか。
○杉原政府委員 御指摘のとおりでございます。
○井上(一)委員 交通事故でスピードがいかに大きな要因になっているか——いま具体的に走る道路を例にとって、八十キロ以上で走れる道なんて日本にはありませんよ、こういうことなんですね、お認めをいただいたわけですよ。もちろん百キロ以上で走れる道もない。 次は、省エネ対策として、速度と省エネとの関係、速度制限によるエネルギーの消費量、いわゆる燃費との関係ですね、これはどうなんですか。スピードを出せば出すほど省エネに協力できるのですか、それともその逆なんですか。
○広谷説明員 お答えいたします。燃料の消費量というのは、自動車の重量だとか燃焼効率だとか空気抵抗だとかいろいろの条件はございますけれども、一般的に申し上げまして、スピードが上がれば燃料効率は悪くなるというふうなことでございます。
○井上(一)委員 総務長官、ことしの一月十一日に内閣から各自治体、都道府県、市町村に通達を出しておりますね。これは具体的には自治省から、その所管ですから出していると思うのです、いわゆる五%石油消費量、ガソリン節約について。そういうところで、警察庁、運輸省は、いわゆる経済速度による走行の励行について、運転者あるいは各種の事業者等に一層強力に指導して普及活動を強化する、これはやっていますか、効果が出ましたか。
○広谷説明員 先生御案内のとおり、先般のエネルギー対策の閣僚会議におきましてもただいまの経済速度の励行につきまして御決定がございまして、警察といたしましてはこの経済速度による走行につきましては精力的に取り組んでおるつもりでございます。特に省エネルギーに関する映画等を作成いたしまして、年間千三百万人に上ります更新時講習の受講者がございますけれども、この更新時講習等を利用いたしまして精力的にこの映画を上映をいたしまして、その励行につきまして指導を徹底をしておる、こういうふうな状況でございます。
○井上(一)委員 ここでは、高速道路では八十キロ、普通道路、一般道路では四十キロということを強調されている、これがいわゆる経済速度だということですね——長官、よく理解をしていただいてますか、私の質問を通じて。 片一方では、高速であって八十キロ、さっきは百キロも八十キロ以上でも走れる道路はないのだということを指摘し、ここで省エネ対策から考えても八十キロ、四十キロということを指摘され、強化をするのだ、こういうことなんです。 環境庁にごく簡単にお伺いします。 自動車の走行速度、排気ガスあるいはその他の有害物質との関係、あるいはさっき質問がありましたけれども騒音と振動、この相関関係。スピードが上がればどうなるのだ、あるいはスピードーこれは申し上げておきますけれども、加速時、いわゆる車が走るしょっぱな、これは当然有害物質の排気ガスは多いですから一つの事例とせずに、四十キロから五十キロぐらいで走るのと八十も百も出して走るのと、どっちが騒音公害、あらゆる面でいわゆる環境を損なうのか、こういうことです。
○松波説明員 お答えいたします。 先生いま御質問の自動車走行速度と排気ガスの量の関係あるいは騒音、振動の関係につきまして順次御説明を申し上げたいと思います。 まず最初に、自動車排出ガスの量と走行速度の関係でございますが、これは車種あるいは車種に採用されておりますところの自動車排出ガス対策方式との関係でいろいろな特性がございますけれども、私の方が昭和五十二年の十二月に中央公害対策審議会の方の答申によりますところの自動車排出ガス許容限度長期設定方策の説明資料の中に引用されております測定例によりまして御説明をいたしますと、自動車から排出されますところの窒素酸化物等の排出ガス量は加減速を含みました都市内走行では二十キロから六十キロ毎時の区間平均速度の領域におきましてはほとんど変化しないか、変化するといたしましてもごく微量ではございますが増加の傾向を示している、こういう報告がされているところでございます。 それから第二番目に走行速度と音の関係でございますけれども、これは一般的には、自動車の走行速度が高くなりますとその発生いたします騒音も高くなる傾向にございますけれども、沿道周辺におきますところの自動車騒音といたしましては通行車種あるいは道路構造等が影響してくることから、地域によりましては必ずしも一定しないのでございます。 それから最後に振動との関係でございますけれども、道路の振動に対しましては走行速度より通行車種、その重量あるいは道路構造等が大きな影響を及ぼすと考えられまして、速度と振動の関係はなかなかむずかしゅうございますけれども、一般論といたしましては速度の減速により振動の大きさが減少すると思われます。
○井上(一)委員 環境庁としては、車種あるいは重量等も加味される、しかし速度は、極端に二十キロ以下だとか十キロ程度という加速時のそういうときは別として、スピードを上げれば上げるほど環境は損なわれるということです。 暴走族というのが青少年の非行化の中で大きな分野を占めているのですけれども、これはスピードを主体とした悪質きわまりないもので、暴走族対策でのスピード、これまた深いかかわり合いがあるわけです。スピードを求めての暴走族、だからもちろん個人個人の教育にまたなければいけないところもありますけれども、暴走族の武器とするものはスピードでしょう。
○矢部説明員 ただいまの御質問の暴走族とスピードの関係でございますが、御承知のとおり、暴走族は土曜日を中心として大変いろいろ動いておるわけでございまして、これらに対しましては速度取り締まりその他総合的な対策をもって臨んでいるわけでございます。特に、速度との絡みにつきましては、深夜集団で、しかも御指摘のとおり非常に速い速度で走るために、沿道の住民の方々から騒音とか振動ということで大変苦情が多い、こういう実態がございます。したがいまして、この暴走族のいわゆる暴走行為が予想されるようなそういった場所につきまして、その走行の実態に応じまして、いろいろな取り締まりのほかに、場合によってはいろいろな規制、たとえば通行区分を指定するとかあるいは速度を昼間よりも下げるとか、こういった形での規制というものを組み合わせていたしておるわけでございます。
○井上(一)委員 それぞれの大まかな分野で速度というものがいかに悪い結果をもたらしているかということを、長官、大体理解していただけましたね。人の命、公害、省エネあるいは非行化と、大体出そろいましたが、どう考えてもスピードというものは制限を加えなければいけない、出し過ぎてはいけない。もちろん道路構造上です。どうなんでしょうか、スピードを抑えるべきである、そういう基本的な認識は一にいたしますか。長官どうですか。
○小渕国務大臣 スピードの出し過ぎによって起こってくるもろもろの問題点を委員御指摘でありまして、全くそのとおりだろうと思います。ただ、自動車等の乗り物については、その目的とするところがスピードということで開発されてきたものであるという観点でございますので、いかに適正な速度であるかということがきわめて重要な問題だろうと思います。ですから、出し過ぎたりすることによって、人命損傷を初め、御指摘のような被害が起こってくるということははなはだ遺憾とするところでございますので、まず適正なスピードというものを定め、これが十分理解をされ、守られていくようなことが重要なことだろう、またそのためにわれわれも最善の努力を図っていくべきであろう、こう考えております。
○井上(一)委員 長官はスピードを求めての開発だという認識なのですが、私は大きな誤りだと思うのですよ。これは文明の開発を求めた進歩だとあなたはお考えなんですか。片面では人の命を奪うのですよ。生活環境を破壊するのですよ。青少年の非行に油を注ぐのですよ。どうなんですか。安全対策の最高責任者とでもいうべきあなたなんです。長官なんですよ。——ちょっと、後ろから言わないで。私は長官に答弁を求めているのだから、長官の考えを素直に言ってください。後ろからややこしいこと言うから長官がわからぬのだ。あなたはやはりスピードを求めた開発、スピードに頼った開発を優先するのか、この際これだけの悪い条件が整ったのだからスピードについてはしばし横に置いて、安全性というものを優先すべきだという考え方なのか、どちらなのですか。
○小渕国務大臣 私が申し上げましたのは、自動車というものが人類文明にとって欠くことのできないものとして開発されてきたゆえんのものには、スピード性というものも大きな利用面として考えられてきたことは事実でありますと申し上げておったわけでございます。ところが、ますます性能のいいものができるに従って人間の制御といいますか、人間がコントロールする以上の事態が生じてきて、そのことが各種の問題点を惹起しておることは御指摘のとおりだろうと思うのです。したがって、スピードについてもこれを適正なものに定め、そしてそれを運転する者がしっかり守っていく。また、それを守り得るような法律を初めとした各種の制約というもの、あるいはそれぞれの努力によって危険なスピードというものを人間が制御していかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございまして、いま御指摘をされたことは全くそのとおりだと私ども考えておりますので、適正なスピードをいかに定めるか、そしてそれをいかに守っていただくかということについて、細心の留意をしながら努力をしていくべきことが私どもの務めだ、こういうふうに考えておる次第でございます。
○井上(一)委員 確かに当初自動車は、一定のスピードを出せることを開発の眼目にしたかもわかりません。しかし、いま指摘したような今日の状態では、車のスピードがいかに悪い状態なのかということを認識したら、今度はより安全な、より真っ当な方向に発想を転換しなければいけない。長官、おわかりですね。だからスピードを競う時代ではありませんね。どうですか、今日はスピードを競う時代ではないという認識に立たれますか。私はそういう認識を持っているのですけれども、いかがですか。
○小渕国務大臣 一般的に車を利用するということは、その車の利用によって体なり物なりをある場所からあるところに運ぶわけですから、スピードを目的としていることでないのでございますので、そういった意味から考えればスピードが第一義でなくて、車を本来的に利用、活用する意味でいかにあるべきかということが本問題だろうと思います。
○井上(一)委員 そういうことになりますと、スピードを競うことを一つの売り物にするということは慎むべきでしょう。スピードがよく出るのだとか、あるいはそこにスリルを感じられるのだとか、いわゆるスピードを売り物にすることについてはやはり一定の制限を加えるべきじゃないだろうかと私は思うのですよ。どうなんですか、長官。
○小渕国務大臣 車の販売のためにいたずらにスピードの出ることのみを目的にしておるようなことをするのは、これは慎まなければならない問題だと私も思います。ただ、性能のことを技術的な面で表現するということでいろいろやっておるんじゃないかと思うのですが、この辺の問題になりますと、私も専門家でありませんので十分なお答えはできませんけれども、いたずらにスピードが出るというようなことを少なくとも車の販売促進のために使うのは望ましいことではない、こう私は思います。
○井上(一)委員 長官、スピードを売り物にしてはいけないということを政府当局がはっきり言わなければだめです。むしろそういう走行速度というのでしょうか、いわゆるスピードを競うような販売を目的とする広告には制限を加えるべきだと私は思う。警察庁の方では、先ほども回答の中で言われたように、百二十キロ出したら五十六メーターの高さから落ちるぐらいひどいのだ、不幸にして同じ事故を起こしても、四十キロであれば六メーターの高さから落ちるぐらいだ。あるいは速度の影響が二乗に比例して大きくなっていくのだとか、いろいろな意味で、衝撃力の問題だけじゃなく、交通公害の問題から燃料消費の問題から、いろいろと交通の教則という形でPRなさっているのですよ。片面でスピードはこわいんだよ、スピードを出してはだめなんだよ、こういうことで一生懸命警察は力を入れているのに、肝心かなめの元締めが、いや自動車の開発はスピードだなんだという古臭い認識をいま持っているということ、それ自体が大きな誤りだ。今日の時点はスピードなんか要らない、むしろ安全だ、安全性だ、それはさっき私が言ったように交通安全基本計画にもあるいはそれに類似した道路運送車両法にもあるいは安全対策基本法にも明確にうたわれているわけです。そのことすらきっちりと整理できぬというようなことで何が交通安全対策ですか。そんなことで何が交通安全対策ができるのですか。私はこのことをまず一番最初にやらなければほかの手だてをしたってだめだ、スピードを片面で競う売り出しをどんどんやっておって、そしてそういうことに引かれてそれを入手する。そしてそれを使ってスピードを競う。まさにこれは悪循環の悪循環、国を挙げてスピードにつぶされてしまう、こんなことなんですよ。どうなんですか。すぐに法律をつくってこれを規制するということは、いま急にはできないかもわからないけれども、方針として願う方向は、求める方向はそういう方向に立つという考えなのかどうか、この点について長官、あなたの見解を聞かしてください。
○小渕国務大臣 先ほど来申し上げておりますように適正なスピードというものが望まれるわけでございますので、それにふさわしいハードウエアの開発あるいはそれを利用される人間のための諸施策というものが必要だというふうに私どもは感じております。
○井上(一)委員 人間の諸施策とは何なのですか。人間の諸施策とは、長官、いまどんなことなんです。具体的におっしゃってください。何をやるのですか。
○小渕国務大臣 これは車を利用される方々に対して、先ほど申し上げたような諸施策を十分講じていくということでございます。
○井上(一)委員 こうすればよりスピードが出る——物体ですね、車ですね、そのことに手だては考えないのですか。それはこの車よりこの車の方がこういう形で一つの設備を備えているからよりスピードが出るんだということで売っているわけなんです。だからいわゆるそれを使う側のあくまでも精神的なとらえ方だけにあなたは交通安全対策を置かれるのですか。使う物、物体に対して何らかの改善、整備を図ろうという認識は持っていないのですか。
○小渕国務大臣 自動車本体が生産され発売されるまでにはあらゆる監督官庁の規制を受けて適正な措置が講ぜられておると私どもは信じておるわけでございまして、仮にもお話のようにある車に比べてある車がそのスピードをもって凌駕することによって販売促進をしておるというような事例があるとすれば、これはまた公正な取引を行うということに対してのいろいろ法律にもかかわることじゃないかと私ども感ずるわけでございまして、現在においてはそれぞれのしかるべき官庁、すなわち通産省その他が車についてはあらゆる角度から点検をされまして、現時点においてはわが国内あるいは全世界に向かって処置のできるように私どもはしているというふうに考えております。
○井上(一)委員 もう一度確認しますがね長官、あなたの方から、では通産省にスピードを競ってはいけない、そういうものを売り物にしてはいけない、そういうことをしてはいけませんよという申し入れか何かなさったんですか。私はしてないと思うのです。いま私が指摘をして初めてあなたは認識を深めていただけた、ぼくはこう理解しているんですがね。どうなんですか。従前から私と同じようにスピードに対する認識を深め、通産省に総理府としてそういう所見を伝えられましたか。
○小渕国務大臣 車とスピードの関係については、私も車を運転しますから重大な関連性がある課題だというふうに認識をしておりましたが、ただいま特に省エネとかその他の問題を含めてスピードの問題を御論議いただきまして、さらに認識を深めさしていただきました。(井上(一)委員「通産には言ったのか」と呼ぶ)通産省に特別私自身は申し上げておりません。
○井上(一)委員 それじゃ、どうですか、きょうの深い認識の上に立ってスピードを売り物にしてはいけない、そういうことで競ってはいけない、交通安全対策上好ましくないということを何らかの形で通産に総理府としては話されますか。申し入れという表現でなくても、そういう意を伝えられますか。きょうあなたが持った認識を通産の担当に十分伝えられますね。
○小渕国務大臣 十分それぞれ所管の者は心得ておるだろうと思いますけれども、ただいま問答のありました御論議によって深められたこういった問題について、さらに当委員会でこうした質疑があったことも含めて通産省にもよくお伝えいたしたいと思います。
○井上(一)委員 ぜひ総理府が中心になられて、スピードがいかに恐ろしいものであるかということを行政当局が認識をして、それの対応を十分図られるように私は強く要望します。 なお、きょうはあと余り時間がありませんが、このことについては私はさっきも指摘をしたように、使用者側にのみ力点を置いてはいけない、使用する物体に対してどうあるべきなのか、だから安全対策上どうこれを改善しなければいけないのかということを深く技術開発をしていくというか、それが開発なんです。長官おわかりですか。そういうことがわれわれ人間のすべき開発なんです。人を殺すための物をつくる、あるいは人の命が非常にそのことによって危険であるというようなそういうものをつくってはだめですよ。そして百キロ以上で走れる道路がどこにもない。だから私は車の構造的な問題として検討すべき時期に入ったと思う。申し上げておきますけれども、百五十キロ走れる馬力、その馬力を積んだっていいんですよ。エンジンをフル回転すれば燃費がいいかあるいは効率がいいかというと、そうじゃないわけです。百五十キロ走れるエンジンを据えながらたとえば八十キロ以上走ることは不可能に近い、いわゆる自動的にスピードダウンする、そういうようなことも一つの方法だというのですよ。そういうことをやらなければ本当の交通安全対策なんてできませんよ。これに予算がこれだけつく、そんなことで本当の交通安全——いわゆる発想を転換しなさい。いままでは交通事故が起こったらそれに対してどうしよう、こうしようということ。交通事故を起こささぬような防止対策を考えなければだめだ。このことをやらない限り何ぼ論じたってしょせん根本的な対策にならぬということを私はきょうは強く訴えておきます。次回このことについてはいずれかの機会に私はまた長官とも論議をいたしますし、長官、政府の取り組む姿勢をさらに追及していきます。 きょうは時間がありませんからこれ以上深く申し上げませんけれども、私の考え、認識とそれから生まれる発想、それについて十分理解をいただいて、皆さんの十分な対策を期待して私の質問を終えます。
○石田委員長 次に、草野威君。
○草野委員 交通安全対策の基本政策につきまして、各大臣から所信が表明されたわけでございます。私は、きょうは交通遺児の問題と東海大地震の交通対策、この二点を中心にして御質問申し上げたいと思います。 その前に、運輸大臣にお伺いしたいわけでございますが、陸上交通の被害者の救済対策といたしまして、自賠責保険制度の適切な運用、事故対センターの充実、交通遺児救済等述べていらっしゃいますが、どのような点に特に重点を置かれていらっしゃるのか、これが一点。 それからもう一つは、大型トラックの左折事故対策のために、車両の構造を大幅に改善した試作車を昨年完成しているわけでございます。このテストの状況だとか、またこの試作車に対しまして、いつごろまでに結論をお出しになるのか、この二つの点についてお伺いしたいと思います。
○地崎国務大臣 交通事故対策につきましては、何と申しましても被害者に対する手厚い対策が一番必要なことだと存じております。 なお、大型トラックの左折事故防止については、大変事故が多くてお気の毒な状態が非常に多いわけでございますので、保安基準を改正してミラーの改善等の安全対策を鋭意推進しており、また、今後大型トラックの運転視界の改善を検討するため、運転台の低い車両などの試作車を用いて大型トラックの安全性について技術的な評価、検討を行い、その結果をもとにさらに車両構造面からの対策を検討しているところであります。 なお、試作車の問題については事務当局から御答弁させます。
○小林(育)政府委員 低運転席の試作車につきましては、昨年から私どもの交通安全公害研究所並びに自動車研究所におきまして、昨年の暮れで一応定地的な試験を終わっております。ただいまその試験結果の取りまとめの最中でございまして、恐らくこの試験結果が五月か六月ごろまとまる予定でございます。これと並行いたしまして、ことしの五、六月ごろからその試作車によりますところの実際の道路を走った試験というものを夏ごろまで行いまして、先ほど申し上げました定地試験の結果とあわせて、来年の三月までに結論をまとめる、そういうつもりでおります。
○草野委員 いま大臣の方から被害者に対する対策等につきまして具体的なお話がなかったわけでございますけれども、本年度の計画を見ますと、たとえば交通遺児に対する貸し付け、この内容を検討しますと、たとえば入学仕度金、これは三万円の要求に対して二万九千円、対象にいたしましても高校生はカット、対象人員にいたしましても高校生が三千八百名、これも削られておる、こういうような内容でございます。 〔委員長退席、沢田委員長代理着席〕 また、介護料の給付にいたしましても、本年度は重度脊髄損傷者等に対しまして約三百人対象、こういう計画に対して、これも全部削られている。また、リハビリテーションの施設の整備にいたしましても調査費のみ、こういうような結果でございまして、われわれといたしましても、こういう取り組みに対しまして、はなはだ残念に思えてならないわけでございます。総務長官、いかがでしょうか。
○飯島政府委員 昭和五十五年度におきます自動車事故被害者救済対策でございますが、自賠責保険制度の適切な運用によって対応しているわけでございまして、五十五年度におきましては、厳しい財政方針でございました。したがいまして、自動車事故対策センターにおいて従来から実施しております業務のほかには、交通遺児に対する生活資金の貸付制度の充実を図りますとともに、交通遺児が受け取りました損害賠償金を効率的、長期的かつ安定的に運用することによりまして、生活基盤を確立し、その速やかな育成に資するため、交通遺児に対してその育成のための資金を長期にわたり定期的に給付する制度の普及促進を図るということで、交通遺児育成基金制度を創設することができたわけでございます。 このほかに、交通事故相談、救急医療施設整備等に対しても、所要の助成措置を講ずることといたしておるわけでございます。 なお個々の具体的な要求について、これが認められなかったではないかというお話がございましたが、簡単に御説明いたしますと、交通遺児の貸し付けにつきましては、確かに高校生への拡大を要求いたしたわけでございますが、先生御案内のように、交通遺児育英会の方で奨学金の貸与制度を実施しております。それとの調整をもおもんぱかりまして、今回は見送ることにいたしたわけでございます。 次に、介護料の給付につきまして、重度意識障害者だけでなくて重度脊髄損傷者まで対象を拡大したいという点につきましては、先ほども御説明したとおり、この制度は何分昨年の八月発足したばかりでございますので、しばらくその推移を見て検討してまいりたいということでございます。 療護リハビリテーション施設の整備につきましては、一遍これに手をつけますと、非常に膨大な資金を要します。したがいまして、もう少し慎重に諸般の問題点を検討する必要があるのではないかということで、調査費に落ちついた次第でございます。
○草野委員 第二次の交通安全基本計画の最終年度を迎えるに当たりまして、いま御説明のあったような内容で非常に残念でございますけれども、これからもなお一層ひとつ取り組んでいただきたいと要望いたします。 それから次に、ただいまもお話がございました交通遺児育成基金制度の問題について簡単に伺いたいと思います。 私どもといたしましても、交通遺児に対しましてこのような措置がとられるということは、一歩前進であると評価をするものでございますけれども、この内容を拝見させていただきまして、いかにも援助金の額が少ないのではないだろうか、こんな気がしてならないわけでございます。この内容によりますと、たとえば交通遺児の方から五百万円のお金を賠償金の中から預かったとして、零歳の場合でも援助金の額は百二万四千円、それから八歳の場合でわずか十七万五千円、これは十八歳になるまでの援助金の額でございます。したがって、たとえばこれを月々に換算してみますと、ゼロ歳の場合でも一カ月四千四百九十一円、八歳の場合だとわずか千三百二十五円、国はこのうちの半分しか援助しない、こういう内容になるわけでございまして、確かに援助したことには間違いございませんけれども、内容としてはきわめて薄いものではないか、このような感触を持つわけでございます。先ほどもお話ございましたように、自賠責特会の預託金また運用益、かなり膨大な額に上がっているわけでもございまして、これらの適切な運用によりまして援助金の増額を検討すべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○飯島政府委員 交通遺児育成基金制度の趣旨につきましては先ほど御説明をいたしたところでございますが、要するに交通遺児家庭で一家の支柱を失った場合、受領した損害賠償金を短期間で使い込んでしまうということで、遺児の将来にわたる生活を維持したいということでこの制度を考えたわけでございます。 先生いま御指摘のように、交通遺児に支払われました損害賠償金の一部を拠出させまして、これに政府及び民間からの援助金を合わせて、安定した運用を図ることにより交通遺児に対しまして育成資金を長期、定期的に給付する制度でございます。国ないしは民間の援助金の趣旨は、この制度の普及促進を図るということでございまして、補助金を上乗せするということにいたしたわけでございます。要するにこの制度は、遺児が受けました損害賠償金を適切に運用することに主眼を置くということでございます。
○草野委員 局長、いま私が質問したことは、援助金の額がいかにも少ないではないか、八歳の場合で月額でわずか千三百二十五円にしかならないんだ、どうなんだ、これなんですよ。
○飯島政府委員 補助金の額が少ないかどうかという問題については議論があるかと思いますが、いま申し上げましたように遺児が受けた損害賠償金を有効適切に運用できるということをねらったものでございまして、補助金を上乗せすることによりまして、専門家が見ますとこれはかなり有利な運用方式になっているという意見も出ておりまして、ともかくこれから発足する制度でございますので、ひとまずこれでやってみたいと考えております。
○草野委員 では、もう一、二点伺いたいのですけれども、特に遺族の方から希望があって五百万というお金を出せる、こういうケースの場合には、いわゆるその遡及措置、さかのぼって適用されるようなことを考えておられるかどうか、これが一点です。 それからもう一つは、この交通遺児育成基金制度の実施主体を財団法人の基金制度にしたわけでございますけれども、われわれとしては、この事故対センターでも十分にこのような運営ができるのではないかというふうに考えていたわけでございますが、特にこの財団法人の基金制度にした理由は一体どういうところにあるのか。 もう一点、先ほどもお話ございました、この基金は自賠責特会からの助成のほかに、一部損保等からの援助、このようになっておるわけでございますが、いかなる団体から援助を予定しているのでしょうか。
○飯島政府委員 第一点の、希望があればさかのぼって適用できないかというお話でございますが、この制度の業務の開始は十月を予定いたしております。それで、事故が起きましてから賠償金が支払われる期間等も考慮しまして、半年さかのぼりまして四月以降の交通遺児を対象にしているわけでございます。こういう制度を発足する場合、どこかで線を切らざるを得ないのでございまして、交通遺児が受け取った損害賠償金が直ちに基金に拠出できるという状態を考えて対象を考えたわけでございます。 それから第二の、財団法人でなぜやるのかということでございますが、財政当局といろいろ意見を交換している中で、やはりこういう制度は国にだけでなくて、自賠責の関係者である損保等の協力も得てやる方がいいのではないか。それから経理をやはり、この種のものでございますからきちっとしなければならぬということで、財団法人によって運営することにしたわけでございます。 それから第三に、どのような団体を考えているかということでございますが、いま申し上げましたように、自賠責の関係者であります損害保険業界それから共済、農業共済を初めといたしまして、目下協力が得られる団体について検討中でございます。 〔沢田委員長代理退席、委員長着席〕
○草野委員 交通遺児に対する援助の問題で、もう一点、建設省サイドでも計画をお立てになっていらっしゃるそうでございますので、お伺いしたいと思いますが、過日の予算委員会の席上におきまして矢野委員の方からもこの点について質問がございました。高速道路上で事故を起こしたその遺族の子供について、育英制度等について考えるべきではないか、このような質問に対しまして、建設大臣から、この五十五年度から何らかの方法で実施をしたい、こういう非常に前向きの答弁があったわけでございますけれども、この事業の内容について建設省の方から御説明をいただきたいと思います。
○三木説明員 建設省の関係公益法人でございます道路施設協会が検討いたしております交通遺児修学援助事業について御説明させていただきます。 高速自動車国道においては交通事故が非常に多く、発生した場合には重大事故につながりやすい、しかも致死率も高いという実情でございます。 高速自動車国道におきまして休憩所、給油所の設置管理及び道路案内等、こういった道路利用者に対するサービスを実施しております財団法人道路施設協会におきましては、交通遺児に対する就学の機会の確保のため、独自の事業といたしまして、交通遺児修学援助事業を昭和五十五年度から実施したいということで検討いたしておるところでございます。 この事業の内容でございますが、対象となる方々は、日本道路公団が管理する道路におきまして交通事故等により死亡した方の遺児であること、高等学校及びこれに準ずる学校に在学しておること、それから、遺児の父または母が所得税を課税されていない程度の経済状態にある者、この三点の要件を満たす方に対しまして、一学年二十万円を基準といたしまして支給することを骨子といたしまして、現在検討をいたしておるという状況でございます。
○草野委員 これはいままでと全然ケースの違った新しい形の交通遺児に対する援助事業であると思います。したがって、私どもも評価をしているわけでございますが、これも初めての試みでございますので、内容につきまして若干お伺いをしたいと思います。 まず、社会還元の一環として修学資金を贈りたい、こういうことが冒頭にいまお話があったわけでございますが、この道路施設協会でございますか、道路施設協会というこの財団法人がどの程度の利益を上げておる団体かわかりませんけれども、利益があるから社会に還元をしたい、こういう意味でございますか。
○三木説明員 道路施設協会は建設大臣認可の公益法人でございます。したがいまして、公益法人として公益事業を実施すると同時に、その財源を見合いで獲得できますような、いわゆる収益事業も行っておるところでございます。現在行っております公益事業といたしましては、道路案内等のサービス業務、それから、サービスエリアにおきます湯茶の無料の提供、こういったようなことを行っているわけでございます。しかし、一方におきまして、休憩所や給油所の運営管理によりまして収益も上げておるわけでございまして、こういう公益と収益事業の見合いのもとに、公益事業としてかような事業を実施したいというふうに考えておるわけでございます。
○草野委員 そういたしますと、この修学資金の援助は、毎年何人くらいを見込んでいらっしゃいますか。
○三木説明員 ただいま協会の方で推計をいたしてございますが、一応交通事故の実数から、将来、先ほど申し上げました経済状態なども勘案いたしまして、推計をいたしておりますが、年間約三十人程度と考えております。
○草野委員 先ほどのお話の中で、該当するのは、日本道路公団が管理する高速道路において交通事故により死亡した者の子供、こういうような御説明でございました。この日本道路公団が管理する高速道路、こうなってまいりますと、われわれとしては、有料道路はすべてもう高速道路というように普通は考えているわけでございますけれども、これは限定されるわけですね。どういう道路が対象になるのか、この点をひとつ明確にお示しいただきたいと思います。
○三木説明員 本来の検討の対象は、致死率が高いと見られます高速自動車国道における交通遺児の方々というふうに考えておったわけでございます。この事業は道路施設協会が実施する事業であるということから、道路施設協会がサービス業務を実施しております日本道路公団の管理する高速自動車国道またはそれ以外の自動車専用道路、一般有料道路を含め、すべて道路公団が管理しております道路については対象といたしたいという方向で検討いたしておるわけでございます。
○草野委員 その次に、交通事故により死亡した者、このようになっているわけでございますが、これは高速道路でたとえば即死のような状態で亡くなられた方、いわゆる警察庁の統計による死亡だけを対象にするのか、それとも厚生省統計にあるような、交通事故が原因で亡くなった方すべてを対象にされるのか、どうなんでしょうか。
○三木説明員 高速道路上で交通事故により亡くなられた方ということにいたしたいと思いますので、統計上は厚生統計に近い数字になろうかと思います。
○草野委員 これは死亡事故だけに限るのでしょうか。たとえば交通事故で重傷を負った、そういうケースも出てくると思いますけれども、死亡事故よりもなお悲惨な例の方が多い場合があるわけでございますが、この重傷者の場合には、たとえば一級だとか三級だとか、そういう方々に対してのお見舞い金であるとかそういう制度についても、この際ぜひひとつ考えていただけたらと思いますが、いかがでございましょうか。
○三木説明員 この制度を考えました趣旨が、修学の困難な交通遺児に対して就学の機会を広く与えるということでございますので、ただいまお話のように、負傷者に対する見舞い金を支給したり、また負傷者の子である高校生に対して見舞い金を支給したりするということは、現在のところ考えておりません。
○草野委員 その趣旨から言っても、これはぜひ考えていただきたいことなんです。お願いいたします。検討してください。 それから、これは建設省サイドでひとつ御検討いただきたい問題でございます。いまの日本道路公団、道路施設協会がこのような事業を行うということについては、ぜひともひとつ、私が申し上げました要望等も入れて新年度から実行に入ることをわれわれも期待しておるわけでございますが、それと同時に、たとえば東名高速道路がこの対象になっておるわけでございますが、それに接続する首都高速道路、これが全然対象になっていない。また大阪では、阪神高速がこれも対象になっていない。こういうことで、国民の側に立ちますと、何となくおかしいなというような感じがするわけですね。いろいろむずかしい問題がたくさんあると思います。そこで、建設省のサイドとして首都高速道路とそれから阪神高速道路、これについても何か考えられないか。それぞれ道路協会等があるわけでございますので、ぜひともこれも道路施設協会と同じような方法でこういうようなシステムが実現できないだろうか。いかがでございましょうか。
○村本説明員 ただいまの御意見のように、首都高速道路あるいは阪神高速道路におきましても、日本道路公団の管理する高速自動車国道等と同様に、道路施設協会が行います事業と同じような内容の措置がとられることが望ましいと私ども考えておるわけでございますけれども、ただ、直ちにこのような措置がとれるかどうか、これにはあるいは困難もあろうかと思いますので、今後両公団につきましては、それぞれの公団の課題といたしまして十分検討するように指導してまいりたい、かように考えております。
○草野委員 十分にひとつ御検討をお願いしたいと思います。 さらに、その他の有料道路ございますけれども、たとえば高速自動車国道の昨年度の死亡事故を見ますと、百六十二名が高速自動車国道で亡くなっております。さらに、指定自動車専用道路におきましても、三十名の方々が亡くなっておる。さらにまた、その他の一般有料道路等に拡大いたしますと、また人数がかなりふえてくるわけでございます。したがって、これも建設省サイドでぜひ御検討いただきたいと思いますけれども、このようなその他の一般有料道路につきましても、たとえば基金等を創設いたしまして同様な措置が実現できないだろうか、ぜひ御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○三木説明員 ただいま御説明申し上げました施設協会の制度は、これは有料道路の料金制度を基盤とするものではございません。財団法人としての独自の事業で実施するものでございます。御提案のように、道路行政の立場から高速道路、一般有料道路を含めまして、基金または財団を設置して交通遺児の就学の機会を広げるようにしたいということでございますれば、その原資を確保するために、あるいは有料道路料金制度を見直すとか、または関係省庁においてすでに実施されています交通遺児育成基金制度その他の被害者救済に関する諸施策、こういったものとの調整など、いろいろ基本の問題に触れるところがあるわけでございます。したがいまして、現段階において、道路管理者が道路行政のサイドから財団をつくって基金制度を設けるというようなことは必ずしも適切でないと考えておるわけでございます。 なお、御紹介のございました有料道路は、現況では二百三十六路線、延長約五千キロというところでございますが、今回の道路施設協会の措置によりまして、路線数こそ七十一路線でございますが、延長キロにいたしますと約三千二百キロということでございまして、延長といたしましては六四%程度カバーすることができるという状況でございます。御了承いただきたいと思います。
○草野委員 非常にむずかしいというお話でございますけれども、先ほども議論がございましたように、現在の自賠責制度では自損事故は一切対象になってない。したがって、たとえささやかな援助であっても、自損事故という理由で補償金を全然もらえない遺族にとっては、このような新しい制度ができるということは非常に力強いことであり、喜ばしいことであると思いますので、ぜひとも今後ともひとつ御検討をお願いしたい、このように思います。 以上で交通遺児関係の質問を終わります。 続いて、東海地震警戒宣言発令時におきます交通対策につきましてお伺いをしたいと思います。 まず、警察庁に伺いたいのでございますが、警戒宣言が発令されますと、静岡、神奈川、愛知等、六県百七十市町村にわたりまして大被害が予想されるわけでございますが、各県の広域交通規制に対する具体的な計画はいつごろまでに作成されるのでしょうか、また、その現状を一番初めに伺いたいと思います。
○広谷説明員 お答えいたします。 各県の具体的な計画につきましては、先般、警察庁が出しました防災業務計画に基づきまして、現在、鋭意具体的な問題を詰めておるわけでございます。 ただ、警戒宣言がきょうにでも出るということを予想してこの仕事に取り組まなければならぬわけでございまして、一刻も早くこの具体的な計画ができ上がりますように、現在、警察庁、各県が総力を挙げまして取り組んでおるという状況でございます。
○草野委員 大体いつごろをめどにされておりますか。
○広谷説明員 いついつまでにということをまだここで御報告する段階ではございませんけれども、少なくとも四月いっぱいぐらいにはぜひまとめたいという気持ちで努力をいたしておるところでございます。
○草野委員 では次に、この交通対策によりますと、基本方針の中で、「東海強化地域内での一般車両の走行は、極力抑制する。」また「流入は、極力制限する。」とか、「流出は、交通の混乱が生じない限り、原則として制限しない。」このようなことが出ているわけでございます。 こういう状況の中で、一般道路も、それから高速道路を走行中の車も発令と同時に相当の混乱が予想されるわけでございますね。たとえばそのスピードにいたしましても、約半分くらいのスピードに移行するとか、また一般路上では路上に車が放置されるとか、中には逆に暴走する人もいるかもしれないし、したがって、けが人等も続出してくるかもしれない、こういうようなことがいろいろと想像されるわけでございますが、そういう混乱を少しでも回避するために、ドライバーに対する災害時のいろいろな心構えだとか、それから、どうやって行動するかとか、こういう事前の教育の徹底が必要ではないかと思いますが、少なくとも私がいろいろと見聞する範囲においては、そういう取り組みが余り進んではないんじゃないかというような気がしてならないわけでございます。 そこで、一つは、こういうドライバーのとるべき行動の周知徹底をどういう形で今後おやりになるつもりか。もう一点は、負傷者、特に車による負傷者でございますが、そういう方に対する救急対策はどのように考えておられるのか、この二点についてまず伺いたい。
○広谷説明員 お答えいたします。 こういうふうな緊急な場合でございまして、警察といたしましても、警戒宣言が発令をされましたときは、最大限の人員を動員するとして、最大の体制をもって臨むわけでございますけれども、この対策というものが十全を期せられるかどうかということは、かかって、ドライバーの皆さん方にどういうふうな行動をとっさのときにとっていただけるかということにかかってくるわけでございます。したがいまして、警察庁、国家公安委員会の業務計画の中におきましても、運転者のとっていただく対策といたしまして、先生がただいま御指摘になりましたような点を決めさしていただいたわけでございますけれども、この運転者のとるべき措置がどのように徹底をされていくかということが一番大切な問題でございます。したがいまして、われわれといたしましても、この徹底策につきまして最大限の努力を講じていかなければならぬわけでございますけれども、特に三年に一回、更新時講習という制度がございまして、千数百万人の方がこの講習を聞いていただくというふうな制度もございます。こういうふうな機会を利用いたしまして十分に徹底をいたしたいと思いますし、また、住民の方々あるいはドライバーの方々が一緒になりました総合的な訓練というふうなものも、これから必要に応じて随時行っていかなければならぬ課題であろう、かように考えておるわけでございます。 また、こういう時期でございますので、けが人というふうな者も出てくること、これは当然予想しなければならぬわけでございますけれども、これらけが人の搬出あるいは救急病院等への収容の問題につきましても、個別に具体的な地域防災計画の中で決めていかなければならぬというふうに考えておりますし、いずれの問題にいたしましても、具体的な計画を煮詰めるとともに、これらの計画が現場におきまして十分にその効果が出るように、その徹底策を十分講じていかなければならぬと、かように考えておるわけでございます。
○草野委員 地震はいつ来るかわからない、そういうことで三年に一回の更新時を待っているわけにいかないのですけれどもね。 先日、警視庁が行いましたものは、「大震災発生時における自動車運転者に対する意識調査」、これを拝見さしていただきまして、たとえばこういうことが出ているわけですね。「あなたの会社では、会社の業務で自動車運転中警戒宣言が発せられた場合どのようにすればよいか、決められていますか。」こういうような質問に対しまして、「話をしたことはあるが、まだ決まっていない」三七%、「まったく話題になっていない」三七・一%、こういうことで、仕事の最中に警戒宣言が発せられた場合、七四%の人がどうしたらいいか、まだ何も話題にもなってないし決まってない、こういう状況ですね。したがって、こういう状況の中で一体どういう混乱があるか、考えただけでも大変恐ろしくなるわけでございます。 それからもう一つは、人身事故の場合どうするか、「定められた処置をとるべきだ」八六・三%、しかし「緊急事態なのでそのままにしてもやむを得ない」こういうふうに答えた人が一・三%もいらっしゃる。大変驚いたわけでございます。 そこで、一つは、定められた措置ということは一体どういうことなのか、具体的にひとつおっしゃってください。 それからもう一点は、どのような行動をとっていいかわからないという人がほとんどを占めているわけでございます。そういたしますと、かなりの混乱が予想されるわけでございます。たとえば道交法を守ることができないような場合も実際には出てくるのじゃないか、このように予想されるわけでございますけれども、ただ、駐車禁止のところに駐車しなければならぬ、車を置いておかなければならない、また信号の問題もございますし、さらにまた、この中にございましたように、キーを車の中につけて、そしてドアをロックしないで避難をしなければならない、こういうことも道交法に違反するわけですね。したがって、そういう変な理屈じゃなくて、こういう災害の場合には道交法との関係はどうなるんだろう、この辺のところをひとつ明確にしていただきたいと思います。
○広谷説明員 お答えいたします。 警視庁が先生いま御指摘のような調査をいたしましたのが、昨年のたしか十一月であったかと思いますけれども、この時期におきまして、警察といたしまして運転者のとるべき措置というふうなものをまだ発表いたしておりません段階でございましたので、運転者の方も企業の管理者の方もやや戸惑いがあったのではなかろうか、こういうふうに考えるわけでございます。いずれにいたしましても、運転者のとるべき措置につきまして警察として定めたわけでございまして、このとるべき措置につきましては、たとえて申し上げますと、道交法上の制度として安全運転管理者制度というふうなものもございまして、講習会を年一回やっていくというふうな制度もございます。こういうふうな機会を通じまして、その運転者のとるべき措置というものに対しまして、その徹底をひとつ十分図っていきたい、こういうふうに考えております。 それから、警戒宣言が発令をされたような場合に、緊急の事態下における道交法の適用の問題はどうであるかというふうな御質問でございますけれども、基本的には、警戒宣言が発令をされたという状態におきましても、運転者の方々に冷静に行動をしていただいて、決められたルールに従いまして行動をしていただくことが非常に重要なことであるというふうに考えておりますので、まず落ちついて行動をしていただくということをやることが大切でございますけれども、緊急の場合等におきまして、必ずしも道交法のとおりにいかぬというふうな場合も、あるいは出てこようかと思いますけれども、その場合におきます道交法の適用に当たりましては、緊急事態における行動であるというふうなことも十分加味しながら処理されていくべきものであろう、かように考えております。
○草野委員 いろいろな問題が想像されるわけでございますが、そのうちの一つで、たとえばこういう問題が出てくると思います。 保険の問題なんですけれども、地震時におきまして、死傷者に対する自賠責の給付の問題がどうなるか。また、加害者が不明な場合、保障事業で行おうとしても、それ以上の損害額については任意保険でカバーすることができるのかどうか。また、建物ですね。こういうものの損害も、同様に保険でカバーできるのかどうかとか、こういうようなことも一応考えられるわけでございますが、——大蔵省、見えてますか。こういう点はいかがでしょうか。
○松尾政府委員 地震の場合の自動車損害一般についてのお尋ねでございますが、自賠責保険、強制保険につきましては、駐車をしてあった自動車が人身事故を起こしたというような場合には、これはあるいは運輸省からお答え願うべきことなのかもしれませんが、私は、現在の自動車損害賠償保障事業の対象になり得るというふうに考えております。 それから、先ほど警察庁の方のお話ございましたように、警戒宣言が出まして、自動車をキーをつけたまま道路の片側に寄せて、乗っておる人が避難をしてしまう、その自動車がたとえば盗難等に遭ってしまった場合にどうなるか。これは車両保険の問題でございますが、やはり一般の盗難同様に車両保険でてん補されるべきものであるというふうに考えております。 それから、対物損害でございますが、一般的には、その自動車が放置されておるのが自然に対物の損害を与えるということはなかろうかと思うのでありますが、たとえばサイドブレーキが緩んで坂を転がって、何か対物損害を与えたというような場合には、やはりこれは保険のてん補の対象になり得るのではないか、かように考えております。
○草野委員 これは先ほど伺った問題ですが、アンケートの中で、定められた措置とは何か。こういうことに対して八十何%の人たちが答えているわけですね。これは人身事故の場合でございますけれども、人身事故が起きた場合に定められた措置をとる。これは道交法の中でも定められて、それは決まっているわけでございます。しかし、実際問題として、そういう負傷者に対する救護の方法、こういうものは、現在四千万のドライバーがいらしても、恐らく正確な知識や技術を身につけている方はごく少ないんではないかと私は思います。こういう点につきまして、警察庁はどのようにお考えになっていますか。
○広谷説明員 こういうふうな場合におきます救急も含めまして、自動車が交通事故を起こしました場合一般にわたります救急の問題があるわけでございますけれども、先生御承知のとおり、救急の仕方というものにつきまして、具体的にどういうふうなやり方をするかというふうなことにつきましては、いろいろと検討しなければならぬ問題もあるようでございます。ただ、きわめて基礎的な知識につきましては、交通の教則あるいは更新時講習の場合等につきましても、きわめて基礎的な問題につきましては教育をしておるというふうなこともございまして、その辺のところで救急の必要があり、ぜひ処置をとらなければならぬものにつきましては、処置をとっていただく、あとは専門家に一刻も早く見せるというふうな措置をとる、こういうふうなことが必要であろうか、こういうふうに考えております。
○草野委員 この問題は非常に重大な問題だと思うのですね。いまのお話の中でもいろいろと検討してきているがとはおっしゃっていますけれども、実際には何も検討されていないのです。何を検討されたかここではっきりおっしゃってもらいたいのです。正確な救護知識、技術を覚えさせる、いままでどういうことが行われていますか。教則の一部がちょっと変わっただけじゃないですか。これで果たして正確な知識だとか技術だとかを習得することができるか。特に大きなこういう地震、災害が発生したときに対処するためには、やはり日ごろからそういう救護法についての技術なり知識の習得が非常に大事なことだと思うのです。 したがって、もう時間がないですから私の方から申し上げますけれども、たとえば自動車の免許試験の項目に救護知識の項目を加えて、自動車運転者に正確な救護知識と技術の習得を義務づけるようにしたらどうか。また、公安委員会が運転免許証を更新する際に、運転者に講習を行って、そして技術を身につけさせるようにするとか、また自動車教習所において必要な教習指導員を置いて、正確な救護知識、技術に関する教習を行うとか、こういうものはひとつ早急に実施をしていただきたいと思うのです。現在は余りなされておりません。 また、もう一つさらに加えて言えば、やはりこういう大きな災害に備えてすべての自動車には救急箱を搭載するように義務づけたらどうか、このようにも考えるわけでございますが、こういう点についての警察庁のお考えを伺いたいと思います。
○杉原政府委員 例の大震災等の問題が大きく取り上げられております。特にその中で、これからのドライバーが一体どう対応しなきゃならないのか。あるいは救急等の問題に関して負傷者をどのように措置をするのかというのが、確かに先生のおっしゃいますようにこれからの一つのドライバーの社会的な責めとして、どこまでをやっていくのかということがいま問われている時代であろうという基本的な認識でおるわけでございます。 先ほど先生からおっしゃいましたようなそういう救急等の問題あるいはこれは救急箱の問題も含めてでありますが、その一般のドライバーに具体的にどこのところまでをそういうものを義務づけていくのかという、これはある程度医学的な観点等からの検討も必要であろうと思いますが、いずれにいたしましても、これからの車社会の中でのドライバーのあり方として、この問題というのは避けて通れない問題であるというふうに考えておりますので、医学的な問題等も含めて、今後いろんな場面でそういうことがやっていけるように積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○草野委員 この問題につきましては、もう局長に何回も申し上げてきたところでございますけれども、これはひとつ十分にというところだけじゃなくて、早急に進めていただきたい。お願いいたします。 最後になりましたけれども、警戒宣言につきまして二、三日後発令、こういうことと、もう一つは数時間後に発令する、こういう二通りの警戒宣言の出し方があるというように伺っておりますが、そういう場合、規制の方法について何か異なってくるのでしょうか。 それからもう一つ、最後ですからまとめて伺います。 運輸大臣に伺いたいのですけれども、この二通りの宣言が出された場合、どちらか出された場合、たとえば新幹線、東海道その他の私鉄等含めてどういうような規制をされるのか、両方の問題を伺っておきたいと思います。
○広谷説明員 警戒宣言の発令のされ方につきましては必ずしも一定の決まったパターンではなくて、二、三日以内あるいはもうちょっと短い時間的な範囲でというふうな出され方をする場合があるようでございますけれども、いずれにいたしましても、二、三日以内にいたしましても五、六時間以内にいたしましても、この宣言が発令をされてから後はいつ地震が起こるかわからないという状態になるわけでございますので、交通規制といたしましてはいつ地震が起こってもいい——いいというのは大変語弊がございます。いつ地震が起こっても対応できるような形での交通規制というもの、あるいは交通規制を含めましたもろもろの交通対策をやっていくことになろう、かように考えております。
○永井(浩)政府委員 鉄道関係でございますけれども、新幹線を例に申し上げますと、警戒宣言が発せられますと当該地域に向かって進行中の列車は地域の進入を禁止いたします。それから地域内で運行中の列車につきましては安全速度をもって最寄りの駅、ただし熱海駅は除きますが、最寄りの駅へ行く、そこで停止する、こういう措置をとるようにいたしております。 ただ、先ほど御指摘の件につきましてはやはり警察庁と同じでございますが、特に数時間後あるいは一両日後という取り扱いについては区別はいたしておりません。
○草野委員 時間が来て恐縮でございますが、ちょっと大事なことなのでもう一点だけ伺いたいと思います。 そういたしますと、警察もそれから鉄道の場合も、二、三日後という発令でも数時間後の発令でも全く同じような規制の仕方をする、こういうことになるわけですね。しかし市民の受ける感覚としては、二、三日後というときとそれから数時間後という場合は受ける緊迫度が全然違ってくるわけですね。したがっていろいろとその対応の仕方も出てくる。二日間も三日間も電車の中へかん詰めになる、大変なパニックも想像されるわけです。 そこで私は最後に申し上げたいことは、この問題についてたとえば警察それから国土庁、いまの運輸省の考えも大体似ていますね。しかし、たとえばある地方自治体の担当者の話をいろいろ伺っても、その二つの規制はやはり分けて考えるべきではないか、その方がかえって十分な対策がとれるのじゃないか、こういうような意見もあるし、また自治省の一部でそういう自治体の考え方について賛成もしているとか、こういう話も聞いておりますし、また萩原さん、判定会の会長さんのお話を伺っても、やはり二、三日と数時間後は分けて考えた方がいい、そういうような感じもするわけです。したがって、こういう重要な問題について警戒宣言の発令の内容について各省庁が、またそういう関係する人たちがばらばらの考えを持っていると、いざというときにまた大きな問題にもなりかねない。したがって、そういう考え方に対してはできるだけひとつきちっと呼吸を合わせておいていただきたい、統一をしておいていただきたい、こういうことを最後に要望して質問を終わります。 ありがとうございました。
○石田委員長 この際、休憩いたします。 午後一時四十分休憩 ————◇————— 午後四時二十五分開議
○石田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。木下元二君。
○木下(元)委員 先般の交通安全対策特別委員会における運輸大臣の所信表明によりますと、「自動車交通の安全につきましては、自動車の検査体制の充実、自動車整備事業の指導監督の強化、過積載防止のための指導を徹底するとともに、特に、大型トラックの左折事故防止のための車両構造の改善を図ってまいる考えであります。」と述べられております。 車両の安全性の確保という面で若干不十分のそしりを免れないと思うわけであります。ことにわが国の自動車保安行政は欠陥車の回収や欠陥車事故が多発していることが示しますように、欧米の自動車先進諸国と比べまして大きく立ちおくれております。交通安全対策上、重要問題としまして、政府の欠陥車野放し行政と今後の自動車保安行政のあり方が問題でございます。 きょうはその第一段としまして、接着ウインドー方式採用車、ウインドーを接着剤で取りつけた車でありますが、この車のウインドー周りのさびつき穴あき欠陥車の問題について具体的にお尋ねしたいと思います。 昭和四十六年以降採用された接着ウインドー方式採用車でウインドー周りがさびついて穴があくというふぐあいが多発いたしております。トヨタではクラウン、コロナ、セリカ、マークII、日産ではセドリック、ブルーバード、ローレル、バイオレット、スカイライン、三菱ではギャランシグマ、ラムダ、セレステ、東洋工業ではサバンナ、カペラ、グランドファミリアなどの車種であります。四十六年以降この接着ウインドー方式を採用した生産台数と現在登録されている台数はどれくらいありましょうか。各メーカーごとにその台数を言ってもらいたいと思います。
○小林(育)政府委員 接着ウインドー方式というのはいま先生も御指摘になりましたように大体四十五、六年ごろから採用された方式でございまして、メーカー別に申し上げますと、トヨタでは五十四年の十二月末までに大体三百三十四万台、それから日産では四百七十三万台、それから東洋工業では五十五年、ことしの二月末までで百三十三万六千台、それから三菱自工では五十五年の二月末で約五十万台、計九百九十万六千台という生産台数でございます。
○木下(元)委員 この接着ウインドー方式採用車の場合に、二年程度経過いたしますとウインドー周りがさびついて穴があくという欠陥が多発いたしております。修理しましても二年程度経過するとまた再発をするというどうしようもないような欠陥が多発しております。通産省と運輸省はこうした実態を知っていると思いますが、いかがでしょうか。
○横山説明員 お答え申し上げます。 先生がただいま御指摘になりましたようなさびの問題につきましては、私どもが関係しております消費者相談の窓口等にも何件か参っておりますので、そのような事態があることは承知しております。
○木下(元)委員 運輸省の方もひとつお願いいたします。いまのは通産省でしたね。
○小林(育)政府委員 そういう接着方式を使いました車がすべてそういう事故があるといいますか、そういう障害があるということではなくて、そういう方式で製作されたものの一部に、もっと具体的に申し上げれば、ガラスを取りつける際にクリップというものを使ってつけるわけでございますけれども、その際に塗装の一部がはがれる。作業が悪いといいますか、適正な作業が行われないためにそれがはがれて、それが原因でさびを発生するものがあるということは承知しております。
○木下(元)委員 このさびの問題につきましては、これまで私が聞いておりますのでは、これは通産の所管である。というのは、さびつきは自動車の商品性、耐久性の問題であって、保安基準にかかわる問題ではない、こういうふうに聞いておるわけでありますが、この点は、運輸省、通産省はそういうお考えでありますか。
○小林(育)政府委員 お答えします。 私どもが行っておりますリコールと申しますか、欠陥車の回収と申しますか、そういう制度は、メーカーの設計あるいは生産上の過失によりまして、自動車の保安上の欠陥があるものに限ってするということでいたしておるわけでございます。したがいまして、ただいま先生御指摘の窓枠にさびが生ずるというような問題につきましては、それが直ちに保安上の問題に響くということではございませんので、私どもの方では保安上の問題としては取り扱ってないということでございます。
○木下(元)委員 そこで、通産の問題のようでありますが、こういうふうな事故が発生しておるということはお認めになっておるようでありますけれども、ただ、私聞きましたらよくお答えがなかったのですが、通産省はこういう欠陥が多発しておるということはお認めになるのでしょうか。
○横山説明員 先ほど申しました、私どもの関係いたしております苦情処理機関に寄せられております件数というのは、たとえば私どもの消費者相談室では、五十三年には二件でございますとか五十四年には一件ということでございますが、まだ十分に調査はいたしておりませんけれども、一、二のメーカーから、そのディーラー等のそういったクレームの処理が何件ぐらい行われているかということを聴取しました限りにおきましては、企業にもよりますけれども、一企業で千件を超えるようなクレームがあるところもあるようでございます。ただ、先ほど運輸省の整備部長からお答えがございましたように、総生産台数何百万台という中でございますので、それとの対比では多いと評価すべきか否か問題があろうかと思いますけれども、メーカーの段階では、ただいま申しましたようなオーダーの数字のクレームが来ているということは承知いたしております。
○木下(元)委員 私どもの調査では、これは非常に多発をしておるということであります。そのために、各メーカーともこの問題については集中的な防錆対策と申しますか、さびを防止する対策を講じておるのであります。メーカーの内部資料等によりますと、これは構造上の欠陥であることは明白だと思います。この点は通産省、構造上の欠陥であるということについてはお認めになるのでしょうか。
○横山説明員 お答え申し上げます。 さびが発生いたします原因が、私どもの承知しておりますところでは、先ほど御答弁がありましたように、ウインドーグラスを直接ボデーの鉄板と接着をしたタイプの車につきまして、その製造過程で塗装面に一部傷がついたその結果としてさびが発生をするものもあるようでございますので、これを構造上の欠陥と申すのかどうか、私はっきりお答えいたしかねますけれども、少なくとも製造の過程において傷がついてさびが起こったというケースもあろうかと存じております。
○木下(元)委員 ガラスの取りつけの際に不手際があって傷がつく、それが原因であるかのように言われますが、あるいはそういうのがないとは私は申しません。そういうのもあるかもわかりませんが、しかし、この問題は決してそういうことによって多発をしておるということではないのであります。これはボデーに帯電をした静電気による電食作用でさびがつき、穴があくということではないのかと思います。以前のウエザーストリップ方式を採用の車では、ウインドー周りにさびがついて穴があくという欠陥はほとんど発生しておりません。それに対して、この接着ウインドー方式の車については多発をしておるのであります。そして各メーカーとも頻繁に防錆対策を講じております。構造上欠陥はないと明確に言い切ることができるでしょうか。
○横山説明員 先生からただいま御指摘がありましたように、メーカーにおきましてはいろいろな防錆対策を構造的に講じておりまして、その結果としてクレームの発生が最近のものについては少なくなっているということは事実であろうかと思っております。
○木下(元)委員 私の質問によく答えていないようですが、最近はそういう対策をいろいろ講じておるけれども、対策を講じておっても依然としてこのさびの問題は解決をしていない。対策を講じたしばらくの間はそれは防止されるでありましょうが、しばらくたつと、一年、二年たちますとまたさびが生じてくるという問題が起こっておるようであります。私がいま聞いておりますように、これは電食作用によってこういう問題が起こるということでありますので、構造的な欠陥によるというふうに言わざるを得ないと思うのでありますが、その点はお認めになるわけでありますか。
○横山説明員 お答え申し上げます。 私どもの理解をしております限りにおきましては、電食作用と呼ぶのが適当かどうかは別問題といたしまして、二種の金属が相近づきまして、その間に水分等がたまりました場合に、電気化学的な現象によりましてさびが発生しやすくなるということはあるようでございまして、先生がいまお取り上げになっておられますさびの問題も、いま私が申しましたような現象が原因となっておるということはあるようでございます。しかし、その場合にも異種の金属が、水分等は媒体といたしますが、直接接し合うということから生ずるものでございまして、すなわち、製造作業上の過程等におきまして塗装面に傷がついたりあるいは塗装が極端に薄くなっておるという場合にそういったような現象が起こるのではないかと考えておりますので、必ずしも構造的と言うのが適当かどうかにつきましてはいささか判断をしかねておる状況でございます。
○木下(元)委員 その点がどうもあいまいなんですがね。要するにその構造上の欠陥だというふうには直ちに言いにくい、しかしさりとて構造上の欠陥はないというように明確にも言い切れない、こういうことですか。
○横山説明員 先ほどお答え申し上げましたように、構造的な改良を加えることによりましてさびの発生が相当程度防がれているという事実はあるかと存じております。
○木下(元)委員 どうも質問にはっきりお答えになっていないのですが、構造上の欠陥はないと明確には言い切れない、こういうふうに聞いてよろしいか。
○横山説明員 お答え申し上げます。 構造上に欠陥ありということになりますと、多くの場合、その構造を持っております車全部について同じような現象が起こるかと存じます。したがいまして、ただいま先生が御指摘になっておられますさびの問題は必ずしも全部の車について起こっておるとも理解いたしかねますので、私どもは構造上の問題とは言い切れないのではないかというふうに思います。
○木下(元)委員 どうもそこが、もう何回も同じことを聞きませんが、構造上の欠陥というように言い切ることはできない、これはわかりました。しかし、では構造上の欠陥はないと断定的に言い切ることもできないような答弁ではないかと思うのです。構造上の欠陥がなければ、なぜ各メーカーとも頻繁に防錆対策を講じておるのでしょうか。頻繁に防錆対策を講じなければならないというのは、構造上重要な欠陥があるからではないでしょうか。各メーカーがどういうような防錆対策を講じてきたのか、その内容を、トヨタのマークII、日産のブルーバード、東洋工業のグランドファミリア、三菱のギャランについて具体的に明らかにしてもらいたいと思います。
○横山説明員 お答え申し上げます。 いま先生御指摘の各社の車につきまして大体同じような措置が施されているというふうに了解されますので、一般化して御説明申し上げますと、一つはモールと申します、ガラスと車体との間に一種の飾りのようにしてその部分を覆っておりますものをクリップと称するものでとめておるわけでございますが、そのクリップを従来鋼製、スチールであったものを樹脂にかえておるという点が一点、それからそのモールと、車体を構成しております鋼板との間が直接触れ合わないように、スペーサーと称しております厚いコーティングをやっておる、この二点が各車種共通の対策であると了解いたしております。
○木下(元)委員 それは共通して大ざっぱに言われましたが、これはやはりその車によって違うと思うのです。これはもっと車によって明確にしてもらいたいと思うのです。 通産省が一昨年三月にわが党の柴田議員に提出した資料によりましても、たとえば東洋工業の場合ですね、ここにその資料がありますが、「昭和四十八年から昭和四十九年にかけてクリップの樹脂コーティングを行った。昭和四十九年から昭和五十年にかけて樹脂フィルムによる組付作業の改善を行った。昭和五十年以降モールの樹脂コーティング、クリップの樹脂化を行った。」というように出ております。 通産省としても、この各メーカーが講じた防錆対策を、これは車によって違うと思いますので、各車名ごとに対策の内容と対策実施時期を詳細に調査して報告してもらいたいと思うのです。よろしいでしょうか。
○横山説明員 調査をいたしまして御報告申し上げます。
○木下(元)委員 さっきの答弁を聞いておりますと通産省はこのさびつき穴あき欠陥がそう多発をしていないというような答弁をされましたが、一体どんな調査をされたんでしょうか。駐車場や中古車センターに行けば、さびつき穴あきのこの欠陥車はもう掃いて捨てるほどあります。それから修理工場に行きますと、さびつき穴あき欠陥車の修理でもうてんてこ舞いをいたしております。メーカーでは、うるさいユーザーに対しては無料で修理をするようにとひそかに指示をいたしております。こうした実情を調べたとでも言うんでしょうか。調べたと言うんならいつどこでどういう調査をしたのか、その結果がどうであったのか、この点を明らかにしてもらいたいと思います。
○横山説明員 お答え申し上げます。 かつてわが課の課員が中古車の販売業者でございますとか駐車場等に出向きまして、実際にさびのある車の存在を調べたことはございます。最近におきましては、正直申しまして先ほど申しましたようにメーカーからこの種のクレームの発生がどの程度あるのかを聴取をしておる程度でございます。
○木下(元)委員 調べた結果はどうだったんですか。たとえば接着ウインドー方式採用車の場合、発生率はどうだったのかとか、もう少し答弁をいただきたいと思います。
○横山説明員 当時実際に見て回りました者の報告によりますと、やはり一部の接着ウインドー方式を採用しております車には、先生御指摘のようなさびが見られたということでございます。
○木下(元)委員 駐車場等で調べたということですが、そのメーカーや修理工場に対して立入検査をしたことはあるんでしょうか。品質管理体系、あるいはクレーム処理システムの中で集積をされたクレームレポートや品質変動情報あるいは累積故障率表、またメーカーがディーラーや修理工場に出した欠陥対策指示文書、技術連絡書、こういうものを検査したことがあるんでしょうか。この点を聞いておるわけであります。ただ駐車場等で外観を観察したというだけではこれは調査にならないと思うのです。
○横山説明員 お答え申し上げます。 先生ただいまおっしゃいましたような調査はいたしたことございません。
○木下(元)委員 立入検査もやらないで、しかもその欠陥の原因が一目瞭然になるような書類も検査をしないでなぜ構造上の欠陥でないということが言えるか。私ども議員室にはウインドー周りのさびつき穴あき欠陥車の苦情あるいは相談が相次いで来ておりますが、これらについて各メーカーとも構造上の欠陥を認めて全部無料で修理をいたしております。 少し申しますと、たとえば茨城の中尾という人でありますが、これは日産ローレル七二年型SGLであります。ウインドー周りがさびついて穴があいて雨漏りがする、ディーラーに言っても取り合ってくれない、赤旗を見せて欠陥車だと言ったら半額でよいと言われた、メーカーが全責任をとるべきではないか、こういう相談であります。私どもの方では、これはもう裁判で決着をつける腹を固めて交渉をするように指示をいたしました。その結果、今回に限り無料で修理をすると返事をしてきて、そういうことになったわけであります。 それから、大阪の中村という人、この人の場合は、ブルーバード四十九年型でありますが、ウインドー周りが穴だらけ、全額有料だ、こう言われて、何とかならないかという相談であります。 それから、同じく大阪の野村という人でありますが、スカイライン二〇〇〇GT、四十八年型であります。ウインドー周りが穴だらけ、半額負担してくれと言われた、欠陥なら無料で修理すべきではないか、こういう相談であります。私どもの方では、日産の部内資料の写しを送りまして、欠陥であることを強く主張して無料修理をするように要求することを指示をしました。いずれも無料で修理をいたしております。 こういうように、メーカー自身が構造上の欠陥を認めて修理をしているわけです。これでも構造上の欠陥ではないと言われるのでしょうか。そういうことでは、私は消費者保護行政というものはできないと思うのです。いかがでしょう。
○横山説明員 先ほどお答え申し上げましたように、いわゆる構造上の欠陥でないといたしましても、製造作業過程におきまして生じた瑕疵によって、おっしゃいますような商品性を欠く商品が出てまいりましたならば、これは当然そのメーカーの責任に帰すべきものと存じておりますので、私どもといたしましても、さようなケースにおきましては誠意をもってユーザーと交渉し円満な解決を図るように指導をしておるところでございます。
○木下(元)委員 その取りつけの際の瑕疵というようなことを言われますが、私は、そんな取りつけの際の瑕疵が全然ない、そういうことは関係ない、一切ないとは申しません。それはある場合もあるでしょう。しかし、その瑕疵がない場合は、じゃこういう問題は起こらないかというと、そうじゃなしに、瑕疵の有無にかかわらず起こっているのですよ。だから、メーカーの方だって、取りつけの際にどういう瑕疵があったかということを一々点検をして、瑕疵があった場合に修理をする、損害を賠償しましょうということではないのです。そういうことを一々チェックをせずに、そういうクレームに対して賠償しているのですよ。 こういう例もあるのです。千葉在住で国立大学助教授T氏の例でありますが、車は日産ブルーバード六一〇GTX四十八年型、一昨年八月、さびつき穴あき欠陥に気づき、千葉日産と交渉をしましたが、取り合ってくれない。そこで、一昨年十月に車を購入した日産販売に次のような内容証明文書を送りました。 「私は貴社より四五年にブルーバード五一〇SSS、四八年一一月に六一〇GTXを兄祥一名儀で購入し、現在兄は五一〇、私は六一〇を使用しております。」「ところが私が現在使用している六一〇については、二回目の車検前からフロント及びリヤのウインドまわりに小さな湿疹のような錆状のものが発生しその旨苦情を申し入れたところ軽くあしらわれ拒否されました」「それで私は現住所の近くの千葉日産の工場に持ち込みフロントマンの大久保氏にこの発錆と穴あきの原因について、同じ管理及び使用条件である八年も前の五一〇型が全然錆びていないのに三年後に買った新型の六一〇の方が錆びるのはどういうわけかと追及したところ、窓の取り付け構造が五一〇と六一〇とは全然変わっているからで、六一〇のような接着式の場合は致し方ないとの事でした。」「私はこの修理の見積りを要求したところ、ガラス脱着一万五千円、腐食修理一万四千円、リヤについては腐食修理が一万五千円と高く、前後で塗装料二万五千円を含めて拾壱万円になるが、二度目の見積りでは八万四千円ということになっています。」「私は職業柄(東大生研内物性研究所勤務の助教授)この原因について探究したところ、五一〇はゴム製のウエザーストリップでガラスを取り付ける方式で、六一〇のように接着剤方式によるものとは、静電気の発生が同じでもその絶縁作用と放電状態に差異があることが判り新型の六一〇の方の設計品質上の欠陥であると判断せざるを得ない結果となりました。」「構造上の品質欠陥であることは明白でこの損害は契約上の条件を満足しないことから法律上貴社に対し売買契約解除を要求できますが、とりあえず修理代等の損害賠償を要求したい」まだ幾らかありますが、省略をいたします。こういう内容証明郵便を出しました。 そうすると、日産販売のサービス部次長のS氏がT氏に対して連絡をしてきたわけでありますが、「まことに申しわけありません、御指摘の通りでございます。ユーザーの方には連絡しなければいけないところなのですが、代車を出し、修理し、損害実費を払います。」というふうに返事があったわけであります。 そして、その結果日産は構造上欠陥があることを全面的に認めて、T氏との問で示談書を交わしました。同意書ということで示談書を交わしております。 これもちょっと内容を読み上げますと、「一、乙は」乙というのは日産の方でありますが、「乙は本件車輌を修理する。」「二、乙は甲」甲はそのT氏であります。「甲に対し修理期間中無償で、代車を貸興する。」「三、乙は甲に対し本件発生に伴う実際に受けた損害実費二万八千七百五十円を支払う。」「四、本件車輌の場合の修理につき再発した場合乙は甲に対し誠意を持って再修理をすること。」こういうことで同意書を交わしております。 こうした同意書を交わした例というのは、実はいまこの例を申しましたが、それ一つではないのです。一つや二つではないのです。ここに幾つもあるのです。これでも構造上の欠陥でないと通産省は言われるわけですか。
○横山説明員 先ほど来御答弁を申し上げておりますように、この接着ウインドー方式がその製造作業過程におきましてきずのつきやすいものであり、かつきずがありました場合には、対策が施してないケースでございますが、御指摘のようなさびが発生しやすいということは、十分起こり得ることであるというふうには承知をいたしております。
○木下(元)委員 かたくなにそういう態度をおとりになっておるわけでありますが、私がさっきから指摘をしているように、こういうふうにクレームが問題になると、メーカーなりディーラーの方は一々その取りつけがどうであったかというようなことを点検するのでなく、構造上の欠陥を認めて解決をしているのですよ。だから聞いているのです。 こうしたさびつき穴あき欠陥は多発をしておるわけでありますが、トヨタ、日産だけで約百五十万台、ユーザーが受けております損害は五百億から一千億に達するというふうに推定をされます。このさびつき穴あき欠陥は、仮に保安基準違反でないとしましても、商品の品質、耐久性という点では重大な欠陥であります。通産省としましては、消費者保護の観点からこのさびつき穴あき欠陥の原因と、ユーザーの被害実態を早急に全面的に調査をし、そして原因者に消費者保護のために必要な措置を講じさせるべきだと思います。通産省いかがでしょうか。
○横山説明員 先生御指摘のような詳しい調査が私どもの人的、予算的制約からどこまでなし得るか、いささか自信のないところでございますが、少なくとも御指摘のような、問題によりましてその商品性に瑕疵のある商品を購入されましたユーザーの方には誠意をもってこれを修理するなりいたしまして、その商品性上の瑕疵を取り除くようには業界を指導してまいったところでございますが、今後ともその方向で強力に業界の指導に当たりたい、かように考えております。
○木下(元)委員 調査はされるのですか。
○横山説明員 私どもの人員と予算の許します範囲におきましては調査をいたしたいと考えておりますが、先生御指摘のような詳しい調査が一定の期間内にはいたしかねるかと存じますので、むしろいま申しましたような方向での消費者保護策と申しますか、誠意あるユーザーとの対応を業界に強力に指導してまいりたい、かように考えております。
○木下(元)委員 もう時間が余りありませんので運輸省に聞きたいのですが、自動車の保安基準では「車体は、堅ろうで運行に十分耐えるもの」ということになっております。こうしたさびつき穴あき欠陥によって保安基準違反またはそのおそれのあるものが多発をしておると思うわけでありますが、運輸省はそういう実情をよく知っておると思いますが、どうですか。
○小林(育)政府委員 お答え申し上げます。 先ほどもお答え申し上げたわけでございますけれども、私どもが把握しておりますのは保安上問題があるということでございます。決してさびだから知りませんと申し上げておるわけではないわけでございます。したがいまして、私どもメーカーに立入検査もしておりますし、整備工場から情報も集めております。しかしながら、それが保安上の問題として非常に重要であると判断した場合にはそれを取り上げておるわけでございます。したがいまして、先ほどから御指摘のような問題につきましては私ども詳しく調査はしておりません。ただ、そういう事実があるということは聞いておりますけれども、調査をしたことはございません。 それで、そういうところにさびが出れば腐食をして保安上も問題ではないかという御指摘もあるのではないかと推察するわけでございますけれども、通常の場合でございますと、さびどめをしておりません鋼板の場合でも、普通のところへ放置した場合に約一年で板が腐食する厚みというのが大体〇・〇五ミリから〇・一六ミリというのが普通でございます。したがいまして、さびが出て、直ちにぽこんと穴があいてしまうという状態には普通ならないわけでございますし、保安上非常に問題になりますのは、ユーザーがお使いになっておって、ふだん、ああ大丈夫だ、安全だと言って気がつかれないままに何か重要な故障が起きるというのが私ども一番心配なわけでございますけれども、このウインドー周りのさびの問題というのは、特にそういう面では、私ども直ちに保安上の問題が起こるというふうには理解をしていないわけでございます。
○木下(元)委員 もう時間が来たわけですが、本件欠陥についてひとつ運輸省の方もこのふぐあいの実態とユーザーの被害状況、そしてさびの原因ですね、この発生原因を調査し、交通安全の観点からもリコールするように強力な指導をすべきであると私は思うのです。 ある自動車メーカーの幹部から聞いたのでありますが、カナダ東部でつい最近、ことしの二月か三月ごろのようでありますが、対カナダ輸出日本車がウインドー周りのさびつき穴あき問題からリコールされたか、またはカナダ政府からリコールするようにとの要請などがあって、自工会内部で大きな問題になっているという情報を得ております。政府としてこれはぜひ、まだ情報を得ていないと思いますので、調べていただきたいと思います。この情報が事実ならば、いずれ明らかになることではありますが、速やかにひとつ在カナダ日本大使館等を通じて正確な事実関係を調査し、その結果を報告してもらいたいと思います。 最後に、この問題は消費者保護という点では、速やかに原因を究明し、原因者負担で被害者救済を図るべきであります。そして自動車保安行政という点では、ふぐあいの実態と原因を調査、究明して、交通安全対策上必要な措置を講ずべきであります。最後に両大臣の答弁を求めて質問を終わりたいと思います。
○地崎国務大臣 いままでのやりとりを拝聴しておりますと、重大な欠陥車だというように判断いたしません。いささかできの悪い車をつくったのではなかろうか、こう思いますので、いい車をつくるように指導してまいりたいと思います。
○小渕国務大臣 車両の安全性の確保は交通安全対策上重要なことでありますので、これまでも保安上の技術的基準の改善が図られてきたところでございますし、ただいまの質疑応答を承っておりましたが、それぞれ専門的な立場で十分検討をいたしておるようでございますが、いま申し上げたような趣旨で、必要に応じまして保安基準についても検討がなされるよう、それぞれ関係当局の措置を望んでおる次第でございます。
○木下(元)委員 これで終わりますが、きょうは時間の関係でこの程度で終わるわけでありまして、この問題はさらに次の機会に引き続いて質問またいろいろ答弁を得たいと思っております。 終わります。
○石田委員長 次に、三浦隆君。
○三浦(隆)委員 質問に入らせていただきます。 初めに交通環境整備について、総務長官、運輸大臣よりの御所見を承りたいと思います。 総務長官は所信表明の中で、交通安全は国民福祉の根幹であるとの認識のもとに、総合的な交通安全対策を強力に推進する、かつまた道路交通環境整備等にきめ細かな配慮をいたしたと述べています。また、運輸大臣は、交通安全対策を最も重要な施策の一つとして、全省の組織を挙げて取り組んでおり、交通運輸活動の安全を確保できるよう、交通環境の整備に努めていく必要があると強調されています。しかし、現実には、全国の至るところ、特に首都東京と国際港都横浜とを結ぶ京浜間などでは、同地が日本の政治、経済、文化等の中心地として主要機関が集中しておりますところから、交通は著しい混雑と渋滞に見舞われています。これは、これまでの努力にもかかわらず、なお総合的な計画の策定及びその実施の推進が立ちおくれていることに起因しているのではないかとも思われるのです。そこで、両大臣より交通環境の整備について、総合的見地より御所見を承りたいと思います。
○小渕国務大臣 道路交通環境の整備につきましては、第二次交通安全基本計画に基づきまして、総合的かつ計画的に推進いたしておるところでございます。 それで、御指摘にありました交通安全施設等の整備につきましては、五十一年度を初年度とする第二次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画等に基づきまして、現在総合的な整備を着実に進めておるところでございます。この事業計画によりまして、昭和五十五年度予算によりまして全体としての計画枠を若干上回る措置がなされることになりまして、おおむね達成できるものと考えております。計画によりますと、公安委員会あるいは道路管理者分合わせまして、進捗率、昭和五十五年度予算が仮に実行できるといたしますと、一〇二・〇%になりますので、トータルとしてはこういう結果が出てくるわけでございます。しかし、いま御指摘にありましたように、特段にこの混雑地区の解消の問題等もあります。そういうことでございますので、これは建設、運輸両当局も懸命の努力をいたしておるところでございますが、総理府といたしましても、関係省庁と緊密な連絡をとりまして、トータルの計画の実施とともに、それぞれ地区におきましても計画が十分進捗をいたしまして、いずれの地区においても問題が解消のできるようにこれからも最善の努力をいたしてまいりたいと存じます。
○地崎国務大臣 省エネルギー時代でもございますので、マイカーより大量輸送であります鉄道あるいはバス、こういうところへ乗客の誘導を図るなど、交通のスムーズな流れをつくってまいらなければなりません。また、管制システムの充実、規制の強化等の所要の施策を推進してまいらなければならないと存ずるわけでございます。運輸省におきましては、この基本計画を十分整合性をとりつつ、毎年度交通安全整備計画を定め、施策の実施に努めているところであります。これら交通環境の整備については、今後とも充実を図ってまいりたいと存じます。
○三浦(隆)委員 具体的に、交通環境の整備に関連しまして一つの例として、横浜市の道路及び港湾整備の状況を指摘いたしまして、お尋ねをしたいと思います。 横浜市の場合、戦争直後の昭和二十年十一月に六十二万人余りでありました人口が、五十年十月には二百六十万人余りへと急増し、しかも現行法ではこの急増をとめることができないということ、主としてこの人口急増に伴い急速な市街地の開発と宅地化に迫られまして、道路整備が間に合わず、他の政令都市に比べて道路の整備状況が著しくおくれておりますこと、そしてまた一方、日本の敗戦処理に伴いまして市内の主要地を駐留軍の大幅な接収に遭いまして、このため、戦後計画的な道路整備が行い得ないような状況にあったわけであります。そして、現在もなお米軍住宅、その支援施設、倉庫、貯油施設、通信、弾薬庫等のほか、横浜ノースドックの接収が続けられまして、港湾機能が著しく損なわれています。にもかかわらず、横浜は日本を代表します国際港都として、年ごとにその機能を回復いたしまして、現在輸出入額とも日本全国一位を占めるに至っております。たとえば一九七七年度ですが、横浜の総輸出が百六十七億七千二百万ドル、そして輸入額が七十五億一千二百万ドルに達しておりまして、東京、川崎、千葉、神戸、大阪、名古屋、清水、四日市、門司、徳山、長崎というふうな、日本を代表しますそうした港に比べて、横浜は大変にぬきんでた性格を持っているわけです。このため、産業道路ならぬ通常の市街地においてすら、大型トラックが縦横に走り回るなど、交通環境が大変に悪化しているわけです。このような横浜の陸上及び海上交通の正常化は、首都東京を支え、日本の窓口として国際貿易を支え、さらに交通安全のためにも速やかに行わなければならないものと思うのですが、これにつきまして、運輸省並びに建設省の御所見を承りたいと思います。
○鮫島政府委員 お答えいたします。 いま、先生非常に詳しくおっしゃっていただきましたように、横浜港は神戸港と並びましてわが国の代表的な国際港湾でございまして、将来にわたりましてもその地位は変わらないものと考えているところでございます。したがいまして、これからも東京湾のほかの港との機能の分担あるいは横浜港の背後の道路、その整備との調整に配慮をしながら、積極的にその整備を進めていきたいと思っているところでございます。
○沓掛説明員 お答えいたします。 横浜市の道路交通の正常化についてでございますが、横浜市における道路交通の問題点といたしましては、主として周辺部における人口急増による交通需要の増大と、これに伴う交通混雑、それと港湾発生貨物、特に大型コンテナ車、トラックの都心部流入による都市内交通のふくそう、さらに市域を通過する国道一号、十五号、十六号等の幹線道路の交通混雑等が考えられます。 これらの交通問題を解決するために、横浜市域におきましては、現在東京湾岸道路、首都高速道路、南横浜バイパス、環状二号線、港北ニュータウン関連街路等の幹線道路の整備を進めているところでありますが、今後もこれらの道路の整備をさらに促進いたしまして、この地域における交通渋滞等の問題の解決に努めてまいりたいと考えております。
○三浦(隆)委員 両省よりかなり具体的なお答えをちょうだいいたしまして、感謝いたしております。なお、もう少しこれを確認的に突っ込ましていただきます。 横浜市の重要施策としての交通環境整備についてなんですが、横浜市は第一に、いまもお話がございましたが、交通道路網を建設し、ふえ続ける自動車交通を立体交通によって自動車の機能を効果的に発揮させるとともに、歩行者の安全を守るために、第二に、横浜港にベイブリッジを建設し、本牧埠頭、根岸湾臨海工業地帯から発生する膨大な交通量を京浜工業地帯や東京方面と直結し、中心市街地の交通の混雑を緩和するということのために、一つには、昭和五十四年度から事業化されました横浜ベイブリッジの建設促進、二つ目に、環状二号線、港北ニュータウン関連街路等の街路事業費の増額、三つ目に、大黒埠頭の——これは国の直轄事業でございますが、岸壁建設事業の促進を緊急に必要といたしております。確認的ではございますが、これについての御所見を再びお伺いしたいと思います。
○村本説明員 ベイブリッジの件につきましてお答えいたします。 横浜ベイブリッジは、首都高速道路公団が実施いたします横浜高速湾岸線といたしまして、今年度から初めて事業化をしたものでございます。五十四年の六月十三日付をもちまして基本計画の指示、さらに同九月十八日付をもちまして工事実施計画の認可が、それぞれ建設大臣におきましてなされております。これに基づきまして公団は、今年度は、工事の実施の前提になります必要な地質調査、環境調査、施工計画の検討等、各種の調査、設計を行っておるところでございます。昭和五十五年度におきましては、引き続きこれらの調査、設計を行うとともに、いよいよ大黒埠頭側の陸上部の橋脚一基の下部工事に着手する予定でございます。
○並木説明員 環状二号線と港北ニュータウン関連街路につきましてお答え申し上げます。 この横浜環状二号線でございますが、これは横浜の中心から約六ないし七キロメートルの位置にあります環状道路でございまして、主要幹線道路を構成いたしております。その機能でございますが、横浜市を通過します交通のバイパス機能、さらには都心部に集中いたします交通を都心に分散して導入するといったような機能を持っておるものでございまして、さらには、周辺地域におきます健全な市街地の形成に資するという機能を持っておるものでございまして、従前から重点的にこの整備を推進しております。この整備につきましては、今後ともさらに積極的に推進をしていくという考え方でございます。 また、港北ニュータウン関連街路でございますが、港北ニュータウンにおきます計画的な住宅、宅地の供給、これを円滑に進めるためにはどうしても必要な道路でございますが、ニュータウンの造成の進捗に合わせまして、一体的に整備を進めていくというふうに考えております。
○鮫島政府委員 横浜港の大黒埠頭の関係でございますが、この大黒埠頭におきましては、現在、主として京浜外貿埠頭公団によりましてコンテナバースを、また、国の直轄事業によりまして、大型船を対象とする不定期船バースを整備しているところでございます。今後も増大が予想されます輸出入の雑貨、金属機械工業品等を取り扱うために、これらの岸壁の整備は促進をしてまいりたいと考えております。
○三浦(隆)委員 関連しまして、自治省に二点ほどお尋ねしたいと思います。 自治省は、各自治体の戦後以来今日までの歩み、及び厳しい自治体の財政状況はよく御承知のことと思います。横浜市におきましても、昭和五十五年度予算は一般会計、特別会計、公営企業会計を合わせますと、一兆九百十五億円に達する大型予算ですけれども、市債もまた三会計合計一千八百九十億円に上ります。そして市債費は昭和五十五年度末には総計一兆五百七十億円と、まさに一年度分予算に匹敬する額にも上ろうとしているわけです。勢い市債の発行とともに借金返しのための公債費も上昇しまして、公債費は市債の五〇%を超えるに至っています。 こうした中にあって、横浜市は、一般会計における歩道設置等の道路交通対策費、道路修繕等の道路整備費の支出のほか、特別会計におきます交通災害共済費の支出を計上したり、ほかに公立小学校等における交通安全教育の実施、あるいは啓蒙活動等を行っているわけです。また、自治省より交通安全対策特別交付金も受けておりまして、以上によって交通安全のための成果あるいは救済にも見るべきものは大きいのですけれども、しょせんは対症療法です。抜本的には交通安全施設の整備を初め、港湾整備、高速道路網等の整備が急務と考えられるわけです。したがって、横浜市は、財政状況の厳しい中からではありますけれども、大変に努力して、交通環境整備のための重点施策を行おうとしているわけで、他の自治体も似た状況があろうかと思います。 自治省としましては、こうした自治体の交通環境整備に対します努力をどう受けとめられ、また今後どのように指導されようとしておるのか、御所見を承りたいと思います。
○津田説明員 お答えいたします。 昭和五十三年度の横浜市の道路の建設費に対して財源がどうなっておるか、こういうような点からチェックをしてみたわけでございますが、道路関係で、建設費だけでございますが、百四十一億程度使っております。その中で国庫支出金あるいは地方債、交通安全対策交付金、まあ種々の財源があるわけでございますが、いわゆる税金を使っております部分が約百億程度というようなことでございます。 御承知のとおり、道路建設の財源につきましては、ガソリン税であるとか自動車重量税、その他いわゆる道路目的財源というものを付与しておるわけでございまして、横浜市の五十三年度の決算から見てみますと、この税金等で出しております百億円に見合う道路目的財源というものは渡されている、このように判断しておるわけでございます。しかし、先生の御指摘のとおり、今後におきます横浜市の道路需要、そしてまた交通環境全体の問題といたしまして、さらに大きな需要が出てくるかと思います。 私どもとしましては、そのような動向に即応いたしました財源措置、あるいは交付税なりあるいは地方債というような問題、この点につきましては考えてまいりたいと思います。 なお全国的な問題といたしましては、昨年度におきましていわゆる道路目的財源を充実するというような趣旨におきまして、第八次道路計画におきましては指定市におきます特定財源比率を四二%から四七%に改善する、このような措置をとったわけでございます。各般の財源措置というものが必要かと思いますが、今後とも改善に努めてまいりたい、かように思います。
○三浦(隆)委員 続きまして自治省にお尋ねしたいと思います。 といいますのは、東京湾などを見ますと、戦後社会状況が大きく変わってまいりまして、大型船が次々と入るようになってまいりまして、浦賀水道はいまですらも事故がよく起こっているわけです。こうしたときに、もし東京湾において大きなタンカー船などの事故が起こったらどうなるだろうかと考えてみますと、千葉港なり東京港なり横浜港が発展すればするほどその可能性が大きくなってまいります。ところが、こうした港湾災害に対します消防艇が旧来三十トン級とか百トン級くらいの小型でしかなかったわけです。しかし、時代が変わって災害も大きくなることを考えるならば、いま私たちはもっと大きな消防艇をつくらなければいけない時期に来ているのだというふうに思うわけです。大型タンカーの火災、石油コンビナート火災等の港湾災害に対処するため、いまや百五十トン級の大型消防艇の建造が企画されてしかるべきときだと思うのです。そういう意味では、消防庁の考えをお尋ねしましてぜひ善処をお願いしたいと思うのですが、御所見をお伺いしたいと思います。
○野沢説明員 お答えいたします。 海上火災等に対応するために、消防庁といたしましては、消防艇の整備を進めておるところでございます。従来そういった観点で全国的に五十隻近くの消防艇を配備しておりますが、先生御指摘のとおり、従来当庁で補助しております消防艇と申しますのは三十トンないし百トンというような規模のものでございます。今般、横浜市におきまして、最近の港湾の状況にかんがみまして、先生お示しのような大型の消防艇をつくりたいという御計画がありまして、ぜひこれを補助対象として採択してほしいという要望が強く出されております。私どもといたしましては、最近のそういった海上災害の状況に対応するために、これについては前向きに取り組んでまいりたいという考えでおります。
○三浦(隆)委員 次に、損害賠償の適正化の問題に関連しまして質問をさせていただきたいと思います。 今日、交通事故による死傷者数は関係当事者の努力によりまして、昭和四十五年のピーク、死者一万六千七百六十五名、傷者九十八万一千九十六名に比べまして、五十三年には死者八千七百八十三名、傷者五十九万四千百十六名と著しい減少を示しています。しかし、死傷者数合計六十万二千八百九十九名という数は、交通戦争の名に値する被害者の数です。しかも、被害者に対する賠償金額の高額化は各人の権利意識の向上、賠償観念の発達に伴いまして欧米並みの要求に達しています。したがって、自動車保険ないし共済を十分に保護するということは、自動車所有者の生活の防衛と安定だけではなく、被害者救済という観点からも不可欠であると言ってももちろん過言ではないわけです。詳しい御質問を実はしたいのですけれども、時間があと十分足らずしかございませんので、簡単に進めさせていただきます。 旧来、この保険に対しましては、いま納税の時期でございますが、税金控除の措置がなされておらないわけです。その理由としてよく言われておりますのが、自動車が生活用の動産とみなされている、いわゆるそれほど必要なものではない、一種のぜいたく品化されている考え方、あるいは生命保険との比較であるとか税の負担の公平というふうな観点から妨げられておったと思うのです。しかし、時間がございませんので、まず結論的に言いますと、とにかくそうした禁じられた過去の時代から時代がたちますと、自動車が大変な数にふえて、ほとんどの人がみんな各家庭で持つに至っておりますし、それは乗用車からトラックに及んで、そして国鉄の貨物を運ぶ量が減るのに比較しましてトラックによる生鮮食料品などの運び方が大変にふえてきております。そういう一意味では、トラックがないとわれわれは生鮮食料品すら満足に食べられないという点においては、トラックを含めまして乗用車もすべてわれわれにとってはかけがえのないものにいまやなっていると思うのです。 同時に、生命保険は個人救済の色彩が強い個人的性格のものですけれども、今日のような交通事故災害を見ますと、これが大変に幅が広く、交通戦争とも言われるものですから、むしろ公共的な色彩が強くなっております。そういう意味では、個人的救済の強い生命保険よりはむしろ公共的性格の強いこうした自動車保険の方が真っ先に税金控除の対象となってしかるべきものじゃないんだろうかというふうにも考えられるわけです。そういう意味で、旧来の考え方に対して新しい状況に合わした新しい御判断をまず大蔵省からお尋ねしたいと思います。
○内海説明員 お答え申し上げます。 三浦委員御承知のとおり、租税特別措置は、やはり税の方で多少の不公平を甘受いたしましても、特定の政策目的なりあるいはその政策目的を果たすための機能なりというものが十分であるという判断をして初めて行われるべきだということは、御説明するまでもないことだと思います。 さて、ただいま御指摘の問題でございますが、自動車の事故によります被害者あるいは加害者の救済ということでございますと、これはもう強制賠償である自賠責の充実ということをもってでなければ十分な機能は果たせないということは御存じのとおりでございまして、租税によってはこれは機能的にもまた目的的にもなかなかむずかしいということを御理解いただきたいと思います。
○三浦(隆)委員 旧来の見解から余り変わられてない、言うなれば昔の状況認識からさっぱり進んでいないんじゃないかなというふうな感じがいたします。 税負担の公平、不公平を踏まえましてむしろ正すべきは医師なり農家なり富裕者に対する税制の見直し、これはもう先に行ってもいいところだと思います。この点ではむしろ自動車を持っている人に対して不公平とも言っていいくらいに、逆に言えば税金控除をされる方がかえって保険なり共済に入る方がふえるのでして、私たちは何とかしてもっともっと保険なり共済に入る方をふやさなければならない、ですからそのためには、税金を控除しないのじゃなくて、することによって、あるいは考え方によっては不公平となるかもしらぬですが、かえってそれだからこそ促進されていいんじゃないかというふうに考えます。認識が、言うなればもはや自動車はそれだけ量がふえ、それだけ交通事故というものが大変なものに及んでいるのだということの認識だと思います。いかがなものでしょうか。
○内海説明員 交通事故の問題が現在非常に深刻な問題になっているという点について、私は三浦委員と認識を異にするものとは考えておりません。 ただこれの救済は、仮に租税特別措置で何らかの対処がなされましても、これはたとえば例を挙げますと、所得のない人にとっては何らのインセンティブにならないものでございます。これはやはり自動車を持っている人が、どうしても必要なものであれば、どういう状況にあろうと強制的に自賠責という形で、その充実をもって図られなければ決して万全な解決にならないという点を申し上げているわけでございます。
○三浦(隆)委員 時間がございませんので、質問というより少し意見になるかと思うのですが、述べさせていただきます。 現時点においては自動車保険あるいは共済の加入状況はまだまだ不十分でして、これがもう十分過ぎるくらい入っているならばよいのですけれども、言うならばまだ足りないということです。と同時に、今日の賠償額がこの強制保険どころの額をはるかに超える人が年々ふえてきてしまっているということ、それからまた、仮に保険契約に入っていたとしてもその保険契約の金額が少ない。強制化するには、保険金のかかる額にもよりますが、これはやはり過酷だと思います。 と同時に、この自動車が、先ほども言いましたけれども、国内貨物輸送のトン数に占める自動車と国鉄との割合について見ますと、大変に変わりまして、昭和五十二年度では自動車が八七%、国鉄がわずか二・六%でしかございません。そして、特に穀物、野菜、果物その他の農産品、畜産品、水産品等食料品の輸送トン数におきましては自動車と国鉄の割合はどうなっているかと考えますと、昭和五十二年ですが、穀物について自動車が八一・〇%、国鉄が七・五%です。野菜、果物は、自動車九九・〇%、国鉄〇・〇〇九%、その他の農産品、自動車八九・八%、国鉄〇・一%、畜産品、自動車九九・九%、国鉄〇・〇%、水産品、自動車九八・三%、国鉄〇・〇一%、こういうふうになりますと、生鮮食料品は私たちにとって必須不可欠のものですし、自動車がなくして私たちの食生活は成り立たない、こうしたのが現在だと思います。そういう意味では、自動車というものに対する考え方そのものが変わっていかなければならないと思うのです。 乗用車などもそうですが、保有台数は昭和五十二年には一千九百八十二万五千七百十四台に達しまして、人口を一億一千四百十五万人としますと、五・八人に一台にも達しているわけです。かつての終戦直後なり戦前とは比較にもならないと言ってもいいくらい、自動車は一部富裕者のものでなく、もはや国民大衆の足そのものと言ってもいいということです。そうなりますと、一部富裕者でしたならば多額の掛金で済むかもしれませんけれども、しかしまたそうでない大ぜいになりますと保険にかかることもなかなか大変です。いま自動車諸税も大変高くなっておるからです。では自動車を持たなくてもいいではないかと言っても、高いのを承知で買うということは、自動車なくして生活できないと考えている人が多くなっているということです。 そういう意味では、自動車を持つこと自体が高くて大変ではありますけれども、自動車を持つ者の責任としてできるだけ保険には入ってもらわなければいかぬ。そのかわり、入るからには入った人にはそれなりの何らかの特典があるのだというふうにしていかなければならないと思うのです。そうじゃないと、これからますますいわゆる交通事故によります負傷者その他に対する損害賠償請求は恐らくウナギ登りにと言ってもいいかと思いますし、これは加害者にとっても被害者にとりましても大変なことです。大変な社会問題と化していく。もう現に化しておりますが、将来ともどもひどかろうと思うのです。 ですから、重ねて大蔵省にお願いしたいのですけれども、旧来の自動車の少ないころの考え方はもはや改めなければならない。そういう意味では税金の控除を考えてほしい。むしろ生命保険の方が個人的救済なんですから、自動車の方が公共的性格を持っているものですから、どちらを先にというなら、むしろ自動車の方こそ先にすべきなんじゃないかということです。あるいは将来それを慎重に検討するなどと答えられましても、自動車による事故というものは待ってはくれないということです。即刻にむしろこの辺で旧来の考え方を改めていただきたいというふうに考えているわけです。 ちょうど時間も来たようでございますが、最後にもう一度御見解を承って、質問を終わりたいと思います。
○内海説明員 お答え申し上げます。 自動車交通の重要性をいささかも否定するものではございませんが、やはり租税の特別措置というのは一般の納税者の負担においてそれだけのインセンティブを設けるというものでございます。ただいま三浦委員御指摘のとおり、仮に自動車の事故というものが現在の強制賠償責任保険において十分でないということであれば、その場合にはその充実をしていただかないことには本来の救済措置の目的は達し得ないわけでございます。そういうことを考えますと、やはり自動車を運行される方はそれなりの社会的責任を負っておられるわけでして、これは一般の納税者の負担でということでなくて、御自分の責任においてそれだけの負担をしていただくという考え方にならざるを得ないのではないかと考えるわけでございます。
○三浦(隆)委員 なお発言したいのですが、まことに残念ですが時間切れでございます。ほかの問題とあわせまして、次回にもう一度発言をさせていただきたいと思います。 以上です。
○石田委員長 次回は、明十九日水曜日午前十時理事会、十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十五分散会