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91回国会衆議院1980/04/25

建設委員会 第14号

発言数
193
登壇者
22
会派数
5
開催日
1980/04/25

会議録

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 これより会議を開きます。  都市再開発法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。井上敦君。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 私は、浜田幸一元代議士にかかわる土地転がしの問題について建設省の見解をお尋ねしたいというように思います。  千葉県富津市の金谷、通称砲台山についてですが、ここで昭和三十九年三月三十一日、国有地を東産業に払い下げております。八年後の昭和四十七年十一月二十日、これが東産業に渡り、引き続き富洋物産、ここから輝伸興産には昭和四十八年四月十一日、新星企業の宅建業法及び商法違反事件における検事調書では昭和四十八年四月十一日、輝伸興産に十二億二千三百万円で渡る。その日のうち田中元総理大臣の企業と言われた新星企業に十五億七千三百万円で渡っております。四カ月後刎頸の関係と言われた小佐野賢治氏の日本電建に渡る。この間に入った輝伸興産は約三億五千万円の利益を上げております。  ここで大蔵省にお尋ねしたいわけですが、この国有地は幾らでだれに払い下げたのかお知らせいただきたいと思います。——来た時点でお聞かせいただきたいと思います。  法務省の民事局にお尋ねしたいと思いますが、さてこの問題の輝伸興産の代表取締役社長はどなたさんでございますか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 お答え申し上げます。  ちょっと手違いがございましていま問い合わせ中でございますので、答えが参り次第お答えしたいと思います。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 われわれが調べたところでは、昭和四十六年十月十九日設立して……

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 いままでのわかりましたところをお答えいたしますと、設立が四十二年の九月二十七日でございまして、その設立と同時に浜田幸一元代議士が代表取締役に就任しております。そして四十四年の八月三十一日に退任されまして、再び四十七年の八月十五日に就任し、四十九年の八月十三日に重任している。その後現在どうなっているかということはまだ確認していない、こういうことになっております。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 木倉功はどうですか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 申しわけございませんが、本日午後ということでございましたので、謄本を取り寄せておりませんのでお答えがちょっとしかねるわけでございますが……

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 事態は一層明白になったわけであります。浜田元代議士が直接設立当時から代表取締をやっておられる。  法務省の刑事局にお尋ねしたいわけですが、新星企業の宅建業法違反にかかわる裁判で新星企業の社長竹澤脩氏の供述調書において、この輝伸興産と新星企業の取引はどういうかかわりで始まったのか。調書の上で、竹澤脩氏の調書に目を通しておられたら御答弁いただきたいと思います。

根來泰周法務省刑事局刑事課長

○根來説明員 輝伸興産関係者の木倉氏の供述調書によりますと、木倉氏の社長をしていた輝伸興産が新星企業に山林を売却した際に、東通株式会社の社長であった北見氏が木倉氏を新星企業の竹澤氏に紹介したというようなことでこういう取引が始まったように記載があったように記憶しております。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 この取引の発端についていま若干触れられましたが、昭和五十年四月二十八日の供述で、新星企業の社長竹澤脩氏は、  新星企業が、輝伸興産から富津市金谷所在の山林、建物、借地権等を買ったことについて申し上げます。   この物件の取引をすることになったのは、たしか昭和四七年一一月下旬ころからだったと思います。   当時、初対面だった輝伸興産の代表取締役だと名乗る木倉功さんが当社の事務所へ私を訪ねてきて、   東通の北見社長から紹介を受けて来ましたが、お宅で金谷のフェリーボートの駅近くにある 云々というように、いまの答弁と同じように北見氏から紹介を受けた、こう言っているわけであります。いま名前の出た北見晴男氏、東通の社長であるわけですが、これは記憶に置いていただきたいと思います。後ほどこれに触れたいと思います。  法務委員会におけるわが党の柴田質問によると、浜田幸一元代議士とこの木倉功氏との関係、これについては御存じロッキード商戦の夜の舞台となったそのエル・モロッコの社長自身が詳しく供述をされているわけであります。その幸社長の供述調書では  浜倉商事を設立し、エル・モロッコを開店する資金は、自宅を担保に入れて、銀行から融資をうけた以外は、木倉に出して貰いました。浜倉商事の設立当時の資本金も、木倉に出してもらいました。私を含めて株主は、いずれも自分の金は出していません。   木倉が出してくれたお金の内、五〇〇〇万円は浜田先生が木倉に貸してくれた金であることを後で聞いた記憶があります。 云々とあって、  木倉が不動産の取引で、浜倉商事に儲けさせてくれると言っていたことがありました。  「浜倉商事」という名前は私がつけたものです。浜田先生と木倉の名前からとったのです。 こういうように供述しておられる。輝伸興産自身は、先ほどの答弁でも、まさに浜田代議士そのものが直接代表取締役になっておる。木倉がまたその後代表取締役を継ぐ、こういう関係であるわけです。  そこで、この輝伸興産は当時宅建業者の免許を持っていたのかどうか、この点についてお聞きをしたいと思います。

宮繁護建設省計画局長

○宮繁政府委員 御指摘の輝伸興産は、宅地建物取引業の免許は取得はしておりません。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 この取引利益は約三億五千万円、これに対する法人税課税はどうなっているのか。この点は、先ほど紹介した法務委員会における柴田質問でも答弁は非常にあいまいでありましたが、推定ではなくて、具体的にこの事実についてどうであったのか、お尋ねしたいと思います。

四元俊明国税庁直税部法人税課長

○四元説明員 おくれまして恐縮でございます。お答え申し上げます。  先般の衆議院の法務委員会においても同様の御質問をいただきましてお答えさせていただいたところでございますが、この輝伸興産、現在ではこれは名称は日伸興産になっている会社ではないかと考えておりますけれども、(井上(敦)委員「いや違うよ」と呼ぶ)そうでございますか。当時輝伸興産という名称で存在していたというふうに想定されます。それで、これにつきまして当時御指摘の大口の土地取引につきましては、これは別件で訴訟事件等もございまして、世間的にも大変関心を持たれた事案でございますが、一般的に私ども大口の土地譲渡につきましてはいろいろな情報を集積いたしまして必要な税務処理に努めておるところでございます。  なお、何分古い事案でございますので、現在では、この輝伸興産の申告書その他の原本と照らし合わせまして御指摘の土地につきまして課税金額なり何なりがどうであったかということを確認できないで、想像で申し上げるしかないのでございますが、当時の状況等を総合勘案いたしますと、必要な税務処理は行っていたものと推測されるところでございます。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 質問の最初にも言ったように、推定ではなくて、具体的事実に基づいて必要な課税処分を厳正に行うように重ねてその意見を聞いておきたいというように思います。

四元俊明国税庁直税部法人税課長

○四元説明員 何分古い事案でございまして、もうすでに時効等も完成しておりまして、私どもとしますと当時必要な処理は行われたものであろう。これは資料が詳細にわたって残っていないものですから大変恐縮でございますが、推測の域で答弁させていただいておるのでございますけれども、ひとつ、終わった事案であるというふうに御理解いただきたいと思います。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 先ほど必要な税務処理に努めているということを言われましたので、それを確認しておきたいというように思います。  大蔵省出席されたようでありますから。昭和三十九年三月三十一日売買されたというように聞いておるのですが、大蔵省は富津市金谷、通称砲台山のこの土地、幾らで、どれだけをだれに払い下げたのか、お聞きをしていきたいと思います。

安部彪大蔵省理財局国有財産審査課長

○安部説明員 国が昭和三十九年三月三十一日、富津市金谷所在の国有地二十五万九千九百九十六平米、当時は坪表示で処分しておりますけれども、平米換算しますとただいま申しました面積になるわけでございますが、これを東産業株式会社に売り払いいたしました処分価格は、立ち木等含めまして五千七百八十二万一千九百七十二円でございます。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 さて、いま答弁のあった五千七百八十二万円、新星企業に渡した昭和四十八年四月十一日付では、調書によると十五億七千三百万円、これは造成されると大体坪二万円ぐらいになっているようですが、最低五万円から七万円というように現地で言われているようであります。そうしますと、少なく見積もって坪五万円としても約四十億円、そういう値段がついている。  私は大臣にお聞きしたいと思いますが、新星企業の竹澤脩というんですか、社長は、  なお、この土地については、都市計画法に基づく市街化調整区域の線引により、調整区域に入るのではないかという噂も出たので、遊園地も閉鎖したまま放置しておけば、地目が山林ですから、調整区域に指定されてしまう可能性も強いと思ったので、たしか四八年の夏ころ、富津市長宛に宅地造成許可の事前審査の申請をしました。   その時、申請人は、当社とせず、日本電建としたはずです。   この申請書を出した目的は、ただちに造成したいというのではなく、県知事の許可を受ける前段階の手続として、不動産業者がよく使う方法であり、それは、県知事が許可する場合には、地元の市町村長の意向を参考にするのを、先まわりして事前審査の申請をしたわけで、このような方法により、当社が宅造の意図をもっていることを行政当局に知らせることにより、この物件の範囲内に調整区域の線引が行われないように、くい止めるねらいがあったのです。   なおこのような事前審査は、そのときの所有者でなくても、これから地上げをしようという業者等も、所有権者に関係なく申請して、宅造許可の可能性を打診する方法として用いられております。 云々。なかなかみごとな手口であるわけですが、こういう宅造許可の事前審査の申請が出されて、昭和四十八年八月二十七日、富津市へ事前協議の申請書を出し、昭和五十年九月五日地元で説明会が開かれ、五十年十月三日には富津市が県に進達を出した。こういうような宅地造成の認可及び市街化調整区域の線引きについて厳正な措置をとるよう強力な行政指導を要望したい、また事実関係についても明確にお調べいただきたいというように思うわけですが、建設大臣の御見解をお伺いしたいというように思います。

宮繁護建設省計画局長

○宮繁政府委員 ただいま御指摘の土地に関する事前協議の問題でございますけれども、私どもが千葉県に確かめましたところ、富津市役所に対しましてはこの事前協議の申請書が提出されていると聞いておりますけれども、千葉県ではその進達をいまだ受けていないということでございます。現在のところ県といたしましても、当然のことですけれども対応の方針は定めるに至っていない。千葉県では県の指導要綱によりまして、十ヘクタール以上の大規模開発につきましては都市計画区域の内外を問わず事前協議申請書を提出させまして知事の承認にかかわらしめておるわけでございます。したがいまして、本件のこの開発につきましても知事の承認にかかわるわけでございますけれども、千葉県は現在のところまだその進達を受けていない、こういうふうに申しております。  なお、この開発許可につきましては都市計画法に基づく開発許可の必要があるわけでございますけれども、これにつきましては当然都市計画法に従いまして適正に処理が行われるように十分指導してまいりたいと考えております。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 大臣の御見解はいかがでしょうか。

渡辺栄一自由民主党建設大臣

○渡辺国務大臣 ただいま計画局長が申し述べたとおりでございます。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 さて、第二点は少し新しい問題ですが、千葉県八千代市の件であります。新星企業等の宅建業法及び商法違反事件の起訴状、犯罪事実一覧によりますと、昭和四十七年四月十二日、千葉県八千代市大字島田台宇佐山台九百六十三番地の三、宅地等、東通が十八億円で買収をしている土地についてであります。これも昭和五十年四月二十八日、新星企業の社長竹澤脩氏が供述をしているわけですが、  新星企業が日本電建に千葉県八千代市にある宅地造成用の山林、原野、田、畑、合計一一万八、六七五平方メートル(約三万五、八九八坪)を昭和四八年四月一一日に一二億三、八四八万一、〇〇〇円で売渡しましたので、そのことについて申し上げます。 こう供述しております。  日本電建の当時の販売第一課長であった飯塚今朝造君から報告を受けていたので、大体のことは知っておりました。すなわち四七年の春ころ、東通の社長の北見晴男さんから持ち込まれたこの付近一帯の土地約一二万坪を日本電建と新星企業が半分ずつ買取ることにして、四七年四月一二日ころ、東通から、日本電建と新星企業が六万坪づつ、それぞれ一八億円で買取る契約を結び、単価、支払条件等は買主両社とも同じ条件でそれぞれ東通と契約を結んだのです。 こうであります。  東通の当時の役員の名前はどうなっていますか。お答えいただきたいと思います。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 東通株式会社は昭和四十四年五月三十一日に設立されまして、それ以来現在に至るまで北見晴男氏がずっと代表取締役をしておられるということになっております。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 代表取締役北見氏については存じておりますが、その役員の中に仁平晃というのですか、この名前はありますかどうか。

稲葉威雄法務省民事局第四課長

○稲葉説明員 仁平晃氏は昭和四十八年八月三日から五十年七月三十一日まで二年間取締役をしておるということでございます。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 仁平晃氏は、元浜田社長の君津興産、そこの役員歴によりますと、昭和四十八年四月十一日以降浜田氏の後、君津興産の社長に就任しておられます。  なお東通の社長北見晴男氏は、最初の質問のところで触れたように、砲台山の土地転がしで最初に口をかけたという関係は申し述べたとおりであります。  さらに輝伸興産の社長木倉功氏は昭和五十年四月十七日、新星企業の宅建業法違反の公判において供述をしております。この木倉氏は、  七、八年前からの友人で飲み仲間の北見晴男さんにこの土地の話をした。  北見さんとは、  彼がやっている東通という不動産会社と私の会社との間で情報を交換したり資金の融通をしたりすることが多く、このとき(砲台山)も、この話をすぐ北見さんに持ち込んだのです。 と言っております。  こういうようにして見てみますと、浜田元代議士を中心として君津興産あるいは輝伸興産、東通等が千葉県を中心としてかなりな土地の取引をされているようであります。  さて、法務省の刑事局に尋ねたいと思います。  きょうの朝日新聞に出ておりましたが、「北見氏は、ロッキード事件の小佐野公判などから、浜田氏とともにラスベガスのとばくツアーに出かけたことが明らかになっている。」こういうふうに断定的に書いております。ロサンゼルス空港での三十万ドル受け渡しのときを初め数回同行しているというようにも聞いておりますが、法務省、事実はどうなのか。

根來泰周法務省刑事局刑事課長

○根來説明員 ロッキード事件のいわゆる小佐野ルートの公判におきまして、弁護側の証人でございますが、国際興業副社長あるいは国際興業の課長あたりの証言によりますと、四十八年十一月二日から八日までの小佐野氏のラスベガス旅行の際に北見氏が同行したということが明らかになっております。  その他の件については、ただいまお答えいたす立場にございませんので御勘弁願いたいと思います。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 さて、この東通ですが、宅建業法の免許を当時持っていたのかどうか、お答えいただきたいと思います。

宮繁護建設省計画局長

○宮繁政府委員 御指摘の東通株式会社は宅地建物取引業の免許を持っておりません。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 輝伸興産も持っていない。東通も持っていない。この東通の商業登記ではその目的に、不動産の売買、賃貸借、仲介及び管理その他五項目の営業目的を並べておりますが、不動産の売買、賃貸借、仲介及び管理を挙げております。このように不動産の取引を業とする者が宅建業者の免許を持たずして土地の売買をしている場合、宅建業法に違反するのかどうか、法務省にその見解をお尋ねしたいと思います。

根來泰周法務省刑事局刑事課長

○根來説明員 問題の輝伸興産あるいは東通株式会社について具体的にお答えするということは御勘弁いただきたいわけでございますが、一般的に営利の目的で反復継続して宅地建物の取引を行っている者が無免許である場合には、宅地建物取引業法十二条違反が成立するという場合があると思います。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 東通が新星企業に売り渡した十八億円について、その取引利益についてどのような課税処分をしたのか、国税庁、大蔵省にそれぞれ御見解をお聞きしたいというように思います。

四元俊明国税庁直税部法人税課長

○四元説明員 実は、質問の通告をいただいておりませんでしたので、東通の件を特に強く意識して私出向いてまいりませんでしたけれども、ただ一般的にいろいろ新聞報道等で話題になっておりますので、若干私どもでフォローをしておるところでございます。そういう意味で申し上げますと、この東通の事案、新星企業の訴訟の中で話題になりました物件等につきましては、何分年分が古うございまして、これも資料が廃棄されておりますので、個別的にチェックはできない状況でございますが、何せ大きな土地取引でございましたし、それから、当時、訴訟事件等で話題にもなりましたし、課税処理につきましては先ほどと同様の答弁になるわけでございますが、十分必要な処理を行ってきているものと推測いたしております。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 東通は現在も土地取引を続けているやに聞くわけですが、現在、宅建業法にいう免許を持っておられますかどうか、お聞きしたいと思います。

宮繁護建設省計画局長

○宮繁政府委員 免許は持っておりません。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 大臣にお聞きしたいと思います。  小佐野賢治氏の日本電建あるいは田中元首相の新星企業、また浜田幸一元代議士等々が、こういうような形でさまざまな土地転がしというべき事態を繰り広げております。こうして不当な地価のつり上げが行われているというように思います。一国の総理大臣であった方のお名前を言ったのだから、きちんと事実に照らして言っておかなければならないと思いますけれども、先ほどの新星企業の宅建業法違反の公判において、新星企業社長山田泰司氏が供述しているのですが、  もともと日本電建が買う宅地のあっせん仲介をするためにつくった会社で、宅地の売買、仲介が一番大きな目的でした。 資本金、最初一千万円、三十六年九月四日には増資して三千万円、昭和三十六年六月ごろ田中先生と入内島金一からつくれと言われ、準備し、所在地は当初押見社長の自宅、その後目白台の事務所に移しました。こういう関係の新星企業であります。この新星企業は宅建業法違反で十七件、いずれも無免許で土地取引を行っていたということで、有罪判決が出ているのであります。  先ほどの質問の中にあった東通あるいは輝伸興産、さらにこの間の同僚瀬崎議員の質問でも明らかなように、君津興産もそうでありました。いわば宅建業法に公然と違反して行っている。東通は現在も免許を持っていない。こういう案件について、私は大臣に厳正な措置をとるよう要望したいと思いますが、渡辺建設大臣の感想をお聞きしたいと思います。

宮繁護建設省計画局長

○宮繁政府委員 宅地建物取引業法におきましては、一般の消費者保護、また宅地建物の流通の適正化という観点から厳しい規制がございまして、無免許では営業ができないことになっております。それで、いま御指摘のございました各企業につきまして、必要に応じて調査をいたし、業法の措置が必要な場合には、それぞれ厳正な措置を講じてまいりたいと考えております。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 大臣の感想、所見をお伺いしたいと思います。

渡辺栄一自由民主党建設大臣

○渡辺国務大臣 感想を述べるまでもないと思いますが、ただいま局長が答弁いたしたとおりだと思います。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 同僚の委員の皆さんに若干誤解があるようですが、きょう私は午前中と午後、それぞれ三十分ずつ質問をするということがございましたが、昨夜、午前中に一時間、質問の時間を一本にまとめた時間の中でやるように私の方に連絡がありました。一般質問を含め、土地問題を中心として、さらに法案の審査にかかわる質問を行う、こういうことで段取りをしてきた次第であります。  さて、法案に関連した土地問題ということで私は問題にしたわけですが、時間がありませんから、再開発法にかかわることについて二点質問をしておきたいと思います。  法案第九十九条の二から第九十九条の十に規定された施行者以外の者による施設建築物の建築制度の導入について、この制度を設けた理由、また保留床を売却する場合、当初予定されていた大手資本に途中で逃げられるという事例が、従来も問題になったのは事実でございます。神奈川県藤沢市の藤沢駅北口再開発事業では、計画段階で予定されていた高島屋が出店しないことになり、事業の成否に重大な影響を与えたと聞いております。その後さいか屋が入るということで、解決を見たようですけれども、こういった事例を今回の改正で本当に阻止できるのかどうか、これまでの再開発事業でも保留床の処分はほとんど大手デパートなどに渡ったと思われるけれども、こういう点について、これまでの実績に照らしてどうなのか、これらの点について質問をしたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 第一点のおただしでございますが、今回の改正によりまして、特定施設建築物制度の新設を御提案申し上げておる次第でございますが、先生よく御承知のとおり、再開発事業は、現在の市街地の状況を、いわば一定の区域を限って一変させるというような性質の事業でございまして、事業費も大変にかさみますし、また施行にも時間がかかるものでございます。これを在来の制度によりますと、公共団体なり、それにかわるべき公的もしくはそれに準ずるような施行者がこの事業を一手に引き受けてやってまいるという制度になっておりまして、このような形で行ってまいりますと、現在の市街地の状況から、再開発を必要とする地域の広がりの大きさに比べまして、再開発事業の進行というのは、残念ながら余り急速には進展しがたいという状況がございます。  そこで、今回の御提案の一つといたしまして、再開発事業をより円滑かつ広い範囲において実施できるようにいたしますための事業施行方法の改善策といたしまして、一定の地区、特定の地区につきまして、必ずしも、その地区内の権利者を収容するために必要な建築物の面積が、その全区域に事業施行後建てられるべき全建築物の面積のうち、相当の部分を要しないような状況下におきましては、その権利者のために確保すべき建築物にかかわらない、全く一般の保留床、従来、処分床と保留床として一般の方々に処分を予定しておりますようなそういった床で構成されるような建築物につきましては、これはその建物の建ちます土地の整理までの段階を公的な施行者、第一次的な施行者が行いまして、その建築物の敷地になるべき部分については、その建築物の建築を他の企業者、他の事業者に任せることによって施行者の負担を軽減し、事業費の節約をすると同時に、また民間の企業をこの法的な事業の拘束の中へ取り込むといいますか、御参加をいただくというようなことによって両用の面から裨益するであろうという観点から、新しく事業を制度化を図ろうということで御提案を申し上げた次第でございます。  そこで、第二点のおただしでございますが、このような新しい手だてによって在来と異なって事業の進行が図られるかというような御指摘かと存ずるわけでございますけれども、現行の制度におきましては、施行者が新しい建築物まで全部建築、整備をいたしまして、全権利者に必要な床面積をとっていただいた上に、余剰部分について保留床として、先ほどおただしのようなテナントに入っていただくというような仕組みになっておりまして、したがって、その最後の段階におきましてテナントが決まらない、もしくは入りにくいような状況が生じたということのゆえに保留床の大部分が処分がおくれる、そのことによって公共団体等の主体が、施行者が財政負担を負うというような結果になる場合がなきにしもあらずという状況であったわけでございますけれども、先ほど来御説明申し上げましたような新たな制度を今回導入することによりまして、これは権利変換計画の作成という段階におきまして、一定の部分についてはこれを全面的に民間企業に渡して、そこで事業をその民間企業の負担においてやっていただくということでありますので、かなり早くの段階からいわば保留床の処分の責任を負う企業者が確定するということが当然予想されるわけでございまして、したがいまして、御指摘のような現行制度下において間々見られましたような不都合は、今回の新たな制度によることによりまして解消できるものというふうに考えている次第でございます。

井上敦日本共産党・革新共同

○井上(敦)委員 私の質問を終わります。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。木間章君。

木間章日本社会党

○木間委員 都市再開発法が提起をされまして、本委員会でもそれぞれ論議を行ってきたところであります。私は、この都市再開発法の一部を改正する法律案につきまして、日本社会党を代表して反対の立場で討論を申し上げたいと思います。(拍手)  わが国は、これまで著しく不均衡に国土を利用してきたことから、今日、地方圏では過疎化現象が進行し、大都市圏では人口、産業の集中化が進み、加えて計画的な都市建設が行われなかったため、都市の生活環境はきわめて劣悪となり、とりわけ住宅問題は深刻となっています。  このような現状の中で、都市に改造を加えて勤労者にゆとりと生きがいのある生活環境を保障しようと行われたのがこの再開発事業であります。  都市において勤労者が安全で安心して暮らせる地域づくりを進める、良好な広さと設備を備えた住宅建設を進める、狭い道路を広くしたり、公園をつくり、町に緑と子供たちの遊び場をふやしていく、そうした意味においてわが党はこの再開発事業に賛成であり、その推進は大いに図るべきであると考えております。  しかしながら、その事業の前提となるのは、まず第一に、都市施設、都市環境の整備について国は責任を持って行うべきであります。  第二に、地域で生活する住民の意思と権利を尊重し、民主的に計画を策定し、事業を施行することであり、少数意見者、特に零細権利者や借家人の意見と居住権、生活権を尊重することであります。  第三には、何よりも現に居住している勤労者の生活を豊かにするとともに、住宅に困っている人たちに住宅を供給していくことであります。  このような観点でいま行われている都市再開発事業を見るとき、現状はきわめて不十分だと指摘せざるを得ないのであります。  また、この都市再開発法は、一九六九年に野党の反対を押し切って強行採決、制定を見、一九七五年の法改正も野党反対の中で成立したいわくつきの法律でもありました。  本法の持つ基本的な問題として、これまで国会においてもしばしば指摘されてきたことは、まず第一に、目的が都市における土地を合理的かつ健全な高度利用をして都市機能の更新を図り、もって、公共の福祉に寄与することとしながら、事業に要する資金は、地方公共団体や地域住民の負担を原則として事業の独立採算、受益者負担の思想でもって国の責任負担を回避していることであります。  第二には、その事業計画の策定、権利変換が民主的な住民参加で行われず、また零細権利者や借家人の生活保障もきわめて不十分であることです。十分な国庫補助制度がないことと相まって、零細権利者は多額の負担を強いられています。また、借家人は、法律上は権利者としての扱いを受けず、そして、生活権が保障されていないことを理由に、仮に反対しても多数意見によってあるいは公共の福祉の美名のもとに少数意見は圧殺されています。  そして第三には、法律の目的に明記されていないことでおわかりのように、現にその地域に居住している勤労者の生活の安定向上、都市勤労者の住宅確保の視点が軽視されていることであります。  零細な権利者や借家人は、結果的には他地域へ移転せざるを得ません。再開発事業の実績でも住環境整備、住宅の確保よりも駅前再開発が多く行われている現状であります。安くて住みよい公共住宅の建設は、一部地域を除いて進まず、周辺地域をも含めて地価、家賃の上昇をもたらしています。現状の制度、事業は、大きな地権を持つ者、資本力を持つ者にとりまして有益でありましても、弱い者や都市勤労者にとっては、逆に生活条件の悪化をもたらす結果となっていることがしばしば見受けられます。  そして第四に、今回の改正案審議の中でもこのような脆弱性は改善されておりませんでした。個人施行者の拡大、施設建築物の建築の特例など、事業主体の拡大や施行要件の緩和など、事業を進めやすいように改正を行うということでありますが、事業を本当に進める条件である国庫負担の強化、借家人を含めた権利者の生活権の保障、また、都市における勤労者の住宅困窮を解決する唯一の道である安くて住みよい公共賃貸住宅の大量供給を再開発の柱とするための改善策などは現状の隘路であり、これらの事業を推進するための解決策は今回改正案には何ら含まれておりません。個人施行者の拡大は、制度創設時に心配された採算主義の先行の危惧を大きくさせ、二種事業等の要件緩和は、その事業手法の持つ問題をさらに拡大させるおそれがあります。施設建築物についても国庫負担強化を図るべきであり、民間デベロッパー等の活用を一面のみで重視していくことは、再開発事業がその趣旨からますます離れていくことにもなりかねません。  以上のように、都市再開発法の一部を改正する法案に対する政府のいまの姿勢は、制度の基本的欠陥を放置し、そこに住む住民を無視し、単に公共の福祉の美名のもとに事業の強引な推進を図ることのみ目的としています。また、政府は、都市圏への人口の集中と、都市におけるスプロール化に対する何ら有効適切な施策を実施せず、土地問題に対する取り組みもきわめて不適当なものであります。そして再開発を行った後の権利者の生活や負担の変化に対する実態把握は全くと言っていいほどなされていませんでした。  したがって、日本社会党は、本案に対し反対であることを表明いたしまして、私の討論を終わらせていただきます。(拍手)

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 貝沼次郎君。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 私は、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び自由民主党を代表して、ただいま議題となりました都市再開発法の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行うものであります。  御承知のとおり、わが国の都市は、都市整備の歴史が浅いしに異常なスピードで都市化が進展したために、幾多の深刻な問題を抱えています。密集した木造低層狭小住宅に象徴される住宅問題を初め、道路、公園、下水道など社会資本の整備の立ちおくれ、脆弱な都市の防災構造、職住の遠隔化と都市交通の混雑化等、その解決が迫られています。  本法律案は、都市の再開発を通じてこのような都市問題に対処しようとするものであり、その運用に際しては幾つかの課題はありますが、昭和四十四年に都市再開発法が制定された当初に比べるとかなり改正されており、評価するにやぶさかではありません。  すなわち、第一点は、本法律案においてマスタープラン、いわゆる都市再開発方針の策定を義務づけたことであります。土地利用の適正化と都市機能の向上を図るためには、マスタープランのもと、計画的かつ総合的に再開発を行うことが欠かせない要件であります。  第三点は、良好な市街地住宅を供給するために幾つかの配慮がなされたことであります。従来の再開発は駅前、商店街地区を中心に行われ、住宅供給面においては顕著な実績が見受けられませんでしたが、本法律案においては、地方住宅供給公社も施行主体に加えられることになり、公共住宅の供給への道も開かれることになったのであります。  第三点は、都市の防災構造化と社会資本の整備が期待されることであります。居住の場としての都市は、まず安全で快適でなければなりませんが、現実にはわが国の大都市は、大規模な火災に対してきわめて弱いと指摘されています。大震災時の同時多発的な火災等から人命を守るためには、避難道路、避難拠点、公園などの整備とともに、再開発による都市自体の防災構造化を図ることが急務であります。  以上申し述べました理由により、本法律案に対して賛成し、討論を終わります。(拍手)

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 瀬崎博義君。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、政府提出の都市再開発法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  都市再開発法は、四十四年に市街地再開発事業の制度を加え、今日の体系を整えました。わが党はこのとき次の三つの問題点、すなわち、再開発組合に大手不動産資本のほか銀行、私鉄、百貨店、総合商社など大手企業が加わることとなり、独占資本が直接この事業に進出する道を開いたこと。立体換地により零細な土地所有者の土地強奪と追い出しになること。土地の高度利用化は、都市の高層化、過密化の促進につながることを指摘し、反対しました。  都市再開発法に基づく都市再開発事業は、住民の理解が得られないばかりか、しばしば強い反対運動に遭い、事業の進捗が図れなかったのであります。事実がわが党の指摘が正しかったことを証明する結果となったのであります。  五十年改正の市街地再開発促進地域、個人施行者制度、買収方式の導入も、質疑で明らかにしたとおり、見るべき成果を上げ得なかったのであります。これは都市再開発法そのものに、住民不在、大企業奉仕の役割りを持つという根本的欠陥があったからであり、過去の改正もこの根本的欠陥を改めるものではなかったからであります。  今回の政府提出の改正案は、一言で言えば、都市再開発法のこうした根本的欠陥をさらに拡大強化するものだと言わなければなりません。  第一は、都市再開発方針義務づけの問題です。五十年の改正で、市街地再開発促進区域を設け、再開発の促進を図ろうとしましたが、これも十七地区十三ヘクタール程度と失敗に終わっています。今度は、本来やるべきこの制度の検討、改善はたな上げにして、知事に都市再開発方針を定めさせ、住民に押しつけることとしてきたのであります。  これは、主として住民の了解が得られないため進まなかった再開発事業の非民主的な手法に加え、国が知事に方針を定めるよう義務づけることによって、住民にその意思、動機がなくても再開発を促進することができるようにしようとするもので、断じて賛成できるものではありません。  第二は、個人施行者制度拡大の問題です。個人施行者制度の拡大は、資金力と施行能力さえあればだれでも再開発事業を施行できることとしたものであり、特定施設建築物制度を新たに創設したことも個人施行者制度の手法の延長であります。この二つの制度の導入によって、大スーパー、デパート、総合商社、金融機関、大手土建業者を含む民間デベロッパーの再開発事業への参加は大きく道が開かれ、大企業本位の新たな再開発事業の全国的な展開と、それに伴う大きな利益を大企業に提供することが可能となってくるのであります。  第三は、施行要件緩和の問題であります。共産党・革新共同は、施行要件緩和に一般的に反対するものではありませんが、一方で再開発事業に大企業が直接参加する道を大きく開きながら、一方で住民参加の保証を確立しないままでの施行要件緩和は、結局大企業の活動範囲、事業範囲、そして利益を拡大することに利用されることになり、今回の改正案における条件緩和には反対であります。  第四に、首都、阪神両道路公団が直接施行者となる問題ですが、これも住民の反対で困難になっている都市高速道路建設を促進する意図から出たもので、都市再開発事業を高速道路建設の付属物とする本末転倒の措置であり、重大な改悪と言わざるを得ません。  第五は、今回の改正が、住民の立場から見て何一つ改良を含んでいないという点であります。今回の改正案は、事業手法、事業主体、適用条件のほぼ全面にわたって拡大を図ろうとするものですが、ただ一つ取り残されている問題があります。五十年改正のとき、政府は国会答弁で、都市再開発促進のためには、従前からの住民の生活なり営業なりを再開発後において以前よりもよくすることが必要条件だと繰り返し述べてきたのであります。ところが、今回の改正案はこの問題を完全に置き去りにしているのであります。さらに、従来からの欠陥である関係権利者以外の借間人や周辺関係住民の意見をくみ上げ、再開発計画に生かす制度上の改善も一切なかったのであります。国民不在の再開発という性格をますます強くしたと言わなければなりません。  日本共産党・革新共同は、以上の理由で、政府提出の改正案に強く反対するとともに、八〇年代こそ住民のための町づくりに役立つ、民主的な都市再開発の道を切り開くために奮闘することを誓うものであります。  以上で、日本共産党・革新共同の反対討論を終わります。(拍手)

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 これより採決に入ります。  都市再開発法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 ただいま議決いたしました本法律案に対し、國場幸昌君外三名より、自由民主党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同及び民社党・国民連合の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者より趣旨の説明を求めます。國場幸昌君。

國場幸昌自由民主党

○國場委員 ただいま議題となりました都市再開発法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案について、自由民主党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同及び民社党・国民連合を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文は、お手元に配付してありますが、その内容につきましては、すでに質疑の過程におきまして委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の御説明にかえることといたします。     都市再開発法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、都市再開発方針の策定に当たっては、地域住民の意向が十分反映されるよう配慮すること。  二、市街地再開発事業の実施に際しては、借家人、借間人等を含めた関係権利者の生活の安定・向上を図るよう努めることとし、特に転出を余儀なくされる零細な居住者の補償等については特段の配慮を行うこと。  三、市街地再開発事業においては、できるだけ市街地住宅の確保に重点をおき、また、家賃や分譲価格の低廉化を図るため、助成措置について十分配慮すること。  四、市街地再開発事業を住民の理解をえて円滑に推進するため、補助制度、融資制度及び税制上の優遇措置については、今後さらに拡充するよう十分配慮すること。  五、市街地再開発事業を実施し、健全な生活環境の整備を図るため、当該地域における地価の安定対策に十分配慮すること。  六、特定建築者の公募等に際しては、都市再開発事業の公共性、公益性に留意するとともに、市街地住宅供給促進のため十分配慮すること。  七、個人施行者制度が拡充され土地所有者や借地権者以外の者でも第一種市街地再開発事業を施行できることになるが、この選定等に際しては慎重を期するよう十分配慮すること。   右決議する。 以上でありますので、委員の皆様方の御賛同をお願いいたします。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 起立多数。よって、國場幸昌君外三名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。     —————————————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 この際、渡辺建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺建設大臣。

渡辺栄一自由民主党建設大臣

○渡辺国務大臣 本法案の御審議をお願いいたしまして以来、本委員会におかれましては熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。  審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に体して努力する所存でございます。  ここに、本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し、深く感謝の意思を示し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)      ————◇—————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡部行雄君。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 まず、私は両大臣にお伺いいたします。  今回、土地問題に対する集中審議を社会党が要求しましたのも、もとはと申しますと、政府があの手この手で地価抑制策や土地の宅地化など流動化促進を図ろうとしても土地の移動や宅地化はますます鈍化し、地価上昇はとめどなく進行しておるからであります。     〔委員長退席、伏木委員長代理着席〕 そこで私が考えますに、今日土地というものが人類にとってどういうものなのかということを、原理的にと申しましょうか、地球の歴史的根源にさかのぼって考えてみる必要があるのではないかという点であります。  そもそも、土地というものは地球の表皮であるとも言えるでしょうし、また地球そのものであるとも言い得ると思います。地球は人間よりはるか以前に形成され、人間は、天文学的に言うと最近地球上にあらわれた動物にすぎないのであります。その人間も、当初は人間以外の動物と同じように、土地に対する所有権意識は全くなかったのであります。それがいつしか、力のある者が勝手になわ張りをつくって勢力範囲を決め、今日の地球上の区割りとなり、さらに資本主義の発達に伴って土地は商品化し、土地によって人間は莫大な利潤を得ることを考え出したのであります。そしていまや土地は投機の対象となり、資本を形成しているのであります。銀行やその他の企業資本と同じように利潤追求のメカニズムの中で果てしなく利殖をむさぼり続けているのであります。資本主義の歯車がうなりを立てて回っている限り地価抑制は不可能に近いものであります。  これというのも土地は、つまり地球は全人類の、否、全生物の共有の財産、資源であるべきにもかかわらず、これを特定の個人や組織が所有し、公共的目的のためにではなく私的目的のためにその所有権行使をしているところに最大の矛盾があると思うのであります。     〔伏木委員長代理退席、委員長着席〕 したがってこの土地問題を根本的に解決するにはその体制の問題にまで触れなければならないのであります。しかるに、今日土地問題を論ずれば、こそくにもこの根本問題を避けて通り、やれ税制だの、国土利用計画法だの何だのと鳴り物入りで宣伝して表面をごまかしているにすぎないのであります。その証拠にこれほど国じゅうが騒ぎ立てていながらどうすることもできないではありませんか。それならいっそ強権で地価を凍結してしまってはどうかという議論も出るかと思いますが、これは現在の体制のままではできないのであります。何となればコバンザメのように土地にくっついて生活している人々や団体が余りにも多いからであります。これらの人々や団体は地価上昇の中でこそ利潤を得、生活を続けることができるのであります。  よく一般に土地が高いから買う人がいないと言われておりますが、果たしてそうでしょうか。私はこれはむしろ反対だと思うのであります。つまり、土地が安ければ逆に売る人がいなくなってますます土地は買えなくなるのではないでしょうか。土地が高いということは売れている証拠なのであります。そこで、売れたらよいではないか言われるかもしれませんが、問題はだれが買うのかということであります。もちろん高い土地を買えるのは大資本家であります。そしてこの買った土地にマンションやビルを建て、もうけて、これを販売に出すかあるいは賃貸するなどして無限に利潤を追求していくわけであります。この行程を冷静に見詰めるならば地価の根本問題は何かということも明瞭になってまいるのであります。  そこで、土地の公共性にかんがみ、当面都市化現象の急激に進んでいるところまたは進みつつあるところについては土地の公有化、国有化を極力推進して二十一世紀の人間生活のあり方をいまから準備すべきだと私は思うのであります。とにかく人口のふえる中で地球の表面積はふえないのでありますから、土地の希少価値はますます増大するばかりであります。したがって、他の資源同様、全人類共有の財産という認識と思想のもとで土地に対する哲学を確立すべき時代に来ておると思うのでありますが、大臣の御所見をお聞かせ願いたいと思います。

渡辺栄一自由民主党建設大臣

○渡辺国務大臣 土地は、先生いまお話がございましたが、国民生活と国民経済を支える基盤でございまして、きわめて重要な役割りを果たしておるということにつきましては同じように考えております。また土地には不動性もあり非代替性もありまして、また需要に応じて生産をすることができない、こういう点がございまして他の財とは基本的に異なるものである、このことも私ども考えております。このように土地が特殊な財であるということから、土地の利用などにつきましては都市計画法等によります利用制限、また土地収用法等によります収用、国土利用計画法によりまする土地の規制、そのような各種の制限がすでに存在いたしておるわけであります。  私といたしましては、以上述べましたように土地が公共の福祉に適合するように利用されねばならない、そのような責務があるということ、また通常の再生産可能な財とは異なる特殊な性格を持つものでございますから、このことに着目をいたしまして政策の展開をしていくことが必要である、このように基本的には考えておるつもりであります。

園田清充自由民主党・自由国民会議国土庁長官

○園田国務大臣 お答えいたします。  建設大臣から述べられたことと共通する考え方でございますけれども、国土利用計画法の第二条に定められておることを、理念としてそのまま私どもが受け取っておるわけでございます。国土が、現在及び将来における国民のために限られた資源であるとともに、生活及び生産を通ずる諸活動の共通の基盤であることにかんがみまして、公共の福祉を優先させ健康で文化的な生活環境の確保と国土の均衡ある発展を図るためにこれを総合的に活用していかなければならないと考えております。今後の土地対策もこうした基本的な理念に基づいて各般の施策を総合的に推進をしてまいりたいと考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 ただいまの大臣の御答弁は、土地の公的な利用についての重要性を述べられたものと受け取ります。  そこで、現在私有財産である土地を、土地収用法や公共用地の取得に関する法律また公有地拡大推進に関する法律などで国有または公有にすることができることになっておりますが、これは憲法に違反すると考えておられるのか、違反しないと考えておられるのか、この点がまず第一点。  そして、もし違反しないと考えておられるならば、国または地方公共団体の計画する地域内では憲法二十九条の範囲を超えない中で合法的に国有または公有にすることができるのではないか、このことについて、これは法制局長官からお願いしたいと思います。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 速記、ちょっととめてください。     〔速記中止〕

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 速記を始めて。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 先ほど先生の御質問の中に出ました各種法制は憲法違反ではないと考えております。  それから、計画区域内で二十九条を超えない範囲内で国有、公有化を図ることはできるのではないかということでございましたけれども、御案内のとおり二十九条では「財産権は、これを侵してはならない。財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」それから「私有財産は、正當な補償の下に、これを公共の」用に供し得るというのが原則でございます。したがいまして、第二項の「法律でこれを定める。」という中に、その当時の、法律を制定するための国民のコンセンサスというものが得られて決まる法律であれば、それは憲法の範囲内であると言えると思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 政府が出した法律による土地の公有化や国有化は憲法違反でない、しかし、地方公共団体が一つの都市計画なら都市計画の中でぜひ公有面積が必要だ、すると憲法上なかなかむずかしい、こういう御答弁ですが、私は、それはちょっと違うんじゃないか、規模の大きいのと小さいのとの差だけであって、法律運用の構造というものはちっとも変わっていないと思うのですよ。その点についてはどうですか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 先ほど御答弁いたしましたとおり、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」と書いてございます。したがいまして、法律に根拠があるようなことであれば憲法違反ではないということでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、この問題はいろいろな今後の法制定その他の問題について非常に大きな影響を及ぼすと思うのでございます。ですから、この辺で憲法二十九条の適用の解釈というものをきちっとしておかないと、一々憲法違反だの違反でないのという議論が出てくると思うわけです。私はそういう意味で、憲法に違反するか違反しないかというのは、問題は公共の福祉に合致しているかしていないかという判定の問題だろうと思うのです。ところが、いままで公共の福祉という問題については政府が主観的に判定してきたのが大体の例だと思います。そうではなくて、やはり公共と言う限り、その関係住民の意思が十分そんたくされるという手続が必要ではないか。もちろん意見を聴取するということはありますけれども、しかし今後都市全体というものを考えた場合、道路や公共施設だけを国が手当てをして計画に当てはめておったのでは、それは私はまだまだ不完全なものになってしまうと思います。  たとえば地区計画にいたしましても、建築物の制限をしながら、実はその制限も結局民間デベロッパーやあるいは小さな業者にゆだねられるとすれば、ミニ開発がどうしても防止でき得なくなる、こういう危険性もあるわけです。したがって、本来三十一世紀に向かう都市計画というものは、もう都市全体を公有化していく、そしてその中にどういう都市としての機能を発揮させるか、全体としてそれを把握するような構想を持たないと、本当の意味での人間生活を潤す都市計画にはならぬのではないだろうか、そういうふうに思うわけでございますが、いかがでしょうか。

宮繁護建設省計画局長

○宮繁政府委員 都市機能を維持増進するために市街地を計画的に整備改善する事業を積極的に推進していく必要があると考えておりますが、これらの事業に必要な用地につきましては、現在、公有地の拡大の推進に関する法律あるいはさきに改正していただきました都市開発資金の貸付けに関する法律等によりまして公共団体等がかなり先行的に用地の確保に努めてまいっております。御指摘のように都市形成上重要な都市施設の用地等につきましては、これらの制度を活用いたしまして先行的取得等を行いまして国公有地の拡大に努力をしてまいりたいと考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで政府は土地の公有化、国有化についてはっきりした判断を持っていないように私は受けとめておるわけですが、宅地はあくまでも民間に任せておくというようなことでは今日の地価は抑制されないと思いますし、先ほども申しましたように、土地が投機の対象になっている証拠には、地価が上昇するという一つの現象を通して土地の移動がなされるわけでございますから、そういうことを考えますと、どうしても将来に向かって地価を抑制するには土地の移動を二度と繰り返させないように、いわゆる転がしができないように固定していくには、これを公有化するか国有化する以外にはないだろうと思うのです。この点についてはどうでしょうか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 地価の中には投機だけではなくて効用の増による値上がり、それからまた実需に基づく値上がりというものもあるわけでございます。したがいまして、一概に全部が投機であるというふうに言い切ることは、私は大変むずかしいのじゃないかと思っております。  しかし、そういう場合に、公有地をふやすということにつきましては、やはり私どもが努力が足らない点があるのかもわかりませんけれども、公有地拡大法の運用、それから、現にたとえば国土利用計画法による届け出の運用にいたしましても、これは公有地拡大法と軌を一にいたしておりまして、届け出をもって公有地拡大の申請ということになっておるわけでございまして、そういう点につきまして、地方公共団体等も督励しながら、国有地、公有地等の拡大に努めておるというのが現状でございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 それでは、この公有地拡大の推進に関する法律が昭和四十七年六月に制定されて以来、この法律効果が具体的にどのように上がっているか、それをひとつお聞かせ願いたいと思います。

宮繁護建設省計画局長

○宮繁政府委員 公有地拡大法の施行の時点から昭和五十三年度末に至るまでの土地の買い取り等の実績は、面積で三千百五十六ヘクタール、金額で三千八百二億円となっております。毎年かなり伸びてまいっております。なお、昭和五十三年度におきます買い取りの実績は、これは土地を他人に譲渡する場合に届け出の義務があるものと、買い取りを希望ということで申し出るものと二つございますけれども、これを合計いたしまして五十三年度では二千九百八十件、五百八十五ヘクタールということになっております。前年度に比べまして約一一%程度の伸びとなっております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 しかし、こういうせっかくの法律ができているわけでございますが、今日までの状況を見ますと、決してこれは両手を挙げて喜ぶべき実績ではなかろうと思います。  そういう点で、この世界の動向というものを見てみる必要があると思うのでございます。これは昭和五十一年六月、ハビタット、すなわち国際連合人間居住会議において、世界の百三十二カ国が参加して採択された原則宣言及び国内行動勧告というものがあります。これは今日の世界における土地に対する認識の動向を見る上で非常に重要な意味を持っていると思うのでありますが、この内容の一部を挙げてみますと、まずその中の、Dとなって、土地となっております。  そこで、   勧告DI 土地資源   土地は稀少な資源であり、その管理は国益のために公的な監督又は規制に従うべきである。   勧告D2 土地利用転換の規制   土地利用転換、特に農用地から都市用地への転換は、公的管理、規制に従うべきである。   勧告D3 付加価値の還元   所有の新形態、公共機関による全般的な土地取得のような追加の方策が必要な場合は別であるが、土地利用転換、公共投資、政策の決定及び社会の一般的成長に基づく地価の上昇から生じた不労利得は公共機関(社会)による適切な吸収に従わなければならない。   勧告D4 土地の公有   土地の公有は過渡的であれ、恒久的であれ、それが適切と判断される場合には都市の拡大や保護の地域を確保、規制するために、また都市や地方の土地改革過程を推進するために、さらに社会的に受け入れ可能な開発形態を実現できる価格水準で用地を供給するために用いられるべきである。   勧告D5 所有権形態   過去の所有権形態は、社会の変化する必要性に応ずるように変えられ、かつ全体として有益であるべきである。 など、その他書かれておりますが、こういうふうに、世界の動向も、土地の公有化というものについて非常に重大な関心を示しておるわけであります。こういうものを一つ背景として、しかも世界の中で最も土地問題の急迫しておる日本においては、このような考え方を強力に推し進める必要があるのではないか。これに対しては、ひとつ、大臣、どう思いますか、お伺いいたします。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 ハビタット宣言によりまして、国内行動勧告の中に、土地に関する規定があって、いま先生が読み上げられましたようなことが全部決められておるということはよく承知いたしております。そこでは、土地の公有は、それ自体目的たり得ないけれども、社会全体の利益のために使われる点において正当化され、それが適切であると判断される場合には、種々の配慮のもとに用いられるべきであるというふうに示されております。こういうふうな勧告につきまして、日本も積極的にその勧告の取りまとめに努力をしたという側に立ったと思っております。  土地の国公有化につきましては、わが国におきましても、先ほど来出ております現行の土地収用制度、公有地の拡大の推進に関する法律、それから国土利用計画法、都市計画法等の活用により対応してまいっておるところでございます。今後におきましても、そういうものの活用を十分図ってまいりながら、国公有地の拡大には努力してまいりたいと思っておるわけでございます。

園田清充自由民主党・自由国民会議国土庁長官

○園田国務大臣 ただいま土地局長から御答弁を申し上げましたが、土地対策には、いま私どもは二つの問題に分けて考えておりますが、応急に緊急に対策を講ずべき措置、同時に、いま私自体が国土庁長官として長期的な姿の中で日本の土地政策のあり方というものを根本的に見直してみる必要があるのではないか、こういう考え方で、いま申し上げましたハビタットの会議、これがメキシコで開かれますので、次官外三名を国土庁としても派遣をすることにいたしておりますし、かつまた、いま水元という立教大学の先生を嘱託として半年間ヨーロッパに行っていただいて、そしてさっき御指摘のありました付加価値の還元というような問題を含めて、ひとつ基本的に見直してもらいたいということで研究をお願いをしておるという段階でございます。  そこで、土地政策自体は、短期、長期それぞれの動向をとらえて、短期的なものは的確にその場その場で措置をするし、長期的に日本の土地政策自体のあり方を見直す時期に来ているのではないかというのが、率直に私の考え方でございますので、その研究なり結果を踏まえて、十分ひとつ検討さしていただきたいと思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、現在政府が行っている地価抑制策というのはどういうものがありますか。また、今日までとってこられた政府の施策に対してその機能が十分発揮されているかどうか、その効果はどのように上がっておるのか、この辺について具体的な御説明をお願いしたいと思います。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 今日的な意味での土地問題、私どもは昭和三十年ごろからこれが発生したと思っております。三十年ごろまでは戦災の復興等が中心でございましたけれども、昭和三十年ごろから経済が新しい発展の時代を迎えた、そのために土地に対する需要が筒まりまして、土地の値上がりという現象が起きました。それが預金の利率を超えたのが三十年ごろだったというふうに言われております。その後、やはりそういうことになりますと、売り惜しみという現象が生じました。さらに社会の進展に伴いまして、そういうもので転々売買してもうけるといういわゆる仮需要の発生を見ました。その後、昭和三十年代の半ばごろから四十年代、この間におきましては人口の大都市集中、企業の大都市集中ということが起こってまいりました。そのために起こりました土地問題といたしましては、いわゆるスプロール、土地の利用の混乱ということでございました。さらにその後、昭和四十六年ごろからでございますけれども、いわゆる過剰流動性をバックに全地域、全地目にわたって国土が買いまくられる、いわゆる一億総不動産屋という時代がございました。これは非常に地価の急騰ということをもたらしました。  それまでの間に政府の方でいろいろとやってまいりましたのは、基礎的な問題といたしましては地価の公示でありましたり、不動産鑑定制度の充実であったわけでございますが、たとえば売り惜しみに対しましては、長期税制におきます分離軽課、それから転がし等に対しましては短期重課というふうな対策も講じてまいりましたし、土地利用の混乱に対しましては都市計画法、農振法等がつくられてまいりました。さらに、過剰流動性をバックにいたしました一億総不動産屋と言われた時代の収束のためには、国土利用計画法を頂点といたします各種の規制法の成立を見ました。税制におきましても、宅地並み課税の創設、特別土地保有税の創設、法人重課の創設等々が行われてまいっております。その結果現在ではそういうような投機は相当おさまりましたけれども、むしろ逆に供給の不足というようなことが顕在化してまいっております。したがいまして、現在では、引き続き投機を抑制しながら供給を促進するということに重点をしぼって対策を講じておるというのが現状でございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 やったことだけは大変いろいろお話しになりましたが、それは実効として上がっているのですかどうか、その辺の指摘が全然されていないわけです。いま土地がこれだけ問題になっているというこの現実を踏まえて、いままでのなされた施策というものが果たして実効として上がっているのかどうか、この点についてはどうなんでしょうか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 先ほど申し上げましたいろいろな対策でございますけれども、私どもやはり土地の値上がりというものの上原因は、いつも申しておりますが、三つぐらいのパターンに分けられると考えております。その中でいわゆる効用増、これにつきましては当該地域の品位、品質、品等が上がるということでございまして、これは先ほどハビタットのお話も出ましたように、開発利益の公共還元ということが問題だと思っております。それに対しましては税制で十分に対処しておると考えております。それからもう一つのパターンは、やはり土地の投機的な取引による値上がりでございますが、これが一番悪い値上がりでございまして、それに対しましては、先ほど申し上げましたとおり、国土利用計画法を頂点といたします各種規制法の活用、それから投機抑制のための税制、短期重課、法人重課、それから特別土地保有税等によります投機抑制税制の活用。それからもう一つは、これは法律がございませんけれども融資の規制、この三つの対策を当面とったわけでございます。したがいまして、四十九年以後、地価におきましてそのいろいろな分析をいたしますと、投機的な徴候は影をひそめておるというのが現状でございまして、投機抑制という意味では相当の効果が上がっておると思っております。  しかしながら、最近の土地の値上がりの最大の原因といたしましては、先ほど申し上げました効用増と、それから特に大都市を中心とします堅調な需要に対して供給が少しおくれておるというのが最大の、原因だとわれわれ見ておりまして、そのためにあらゆる対策を講じていこうということでございます。やはりどうしても大都市対策と申しますか、宅地の供給を促進するために必要なことは、大都市におきます農地の活用であり、再開発の推進であり、企業等の持つ遊休地の活用ということであろうと思います。したがいまして、そういうふうな面の対策を今後もさらに一層強めていきたいというふうに、いろいろな施策を考えておるわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 日本経済新聞に、「宅地供給策はどうあるべきか」というシリーズが出ております。ここには宮繁計画局長が談話を発表しておりますが、そこで、宅地化の余地は十分あるということが書かれております。しかもその土地もあるというように判断されておるようですが、その土地があってそれが宅地になっていかないという根本的な原因はどこにあるのか。またここで言う——時間の関係で数字を申しませんが、これは本人が一番知っていることですから。これだけの数字を挙げて農地転用面積だとかあるいは空き地がどのくらいあるとかいうことを書いておりますが、これはいま空いている土地を全部宅地というふうに受け取っている数字なのか、これから公園緑地というものを差し引いた数字なのか、その辺も明らかにしていただきたいと思います。

宮繁護建設省計画局長

○宮繁政府委員 私が日経新聞社の主催の座談会で申し上げました宅地の必要量等について御説明いたしますと、いま全国の都市計画区域が四百七十六万ヘクタールございますけれども、そのうち一三大都市圏の区域が百六十五万ヘクタールございます。そのうち市街化区域が六十一万七千ヘクタール、市街化調整区域が百四万ヘクタールとなっております。市街化区域の中が宅地化していくわけでございますけれども、現在DID地区が六十一万七千ヘクタールのうち四十一万ヘクタールぐらいございます。したがいまして市街化区域の中でまだ市街化してないところが約二十万ヘクタール存在するわけでございます。  それで三大都市圏の市街化区域の中の人口の張りつけぐあいその他を推定いたしますと、昭和五十一年から昭和六十五年までの十五年間に、住宅宅地あるいは工場宅地あるいは文教福祉施設等の敷地、あるいはいまお話のございました道路、公園用地その他を合わせまして、良好な市街地として必要な面積が申し上げました二十万ヘクタールのうちの約半分、十万ヘクタールが都市的な土地利用に転換すれば、十五年間の人口の張りつけに対応する市街地が形成されるだろう、こんなふうに考えております。そういう意味合いでは、物理的には土地は存在する、こういうふうに申し上げたわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 それで、ここにいろいろな評論家や一橋大学の助教授などから提案がされておるようです。たとえば地価インデックス債というものを発行して、そういうもので地価抑制と流通の促進をしてはどうかというような提案があります。時間がありませんので、中身は新聞に書かれておりますから読み上げません。そういう一つの提案、あるいはまた十億円以上の土地所有者を対象にして、譲渡所得を累計して十億円以上には最高税率の九三%を適用する、あるいは二年間の期間を設けて、その期間内に売れば、猶予期間内に何十億売ってもこの税率で対処する、そうしてその期間に売った方が得だというふうにしていく、その方がいいというような提案もあるようですが、これは建設省としては、この提案を一体どういうふうに受け取っておられるのか、明らかにしていただきたいと思います。

宮繁護建設省計画局長

○宮繁政府委員 飯田先生の土地税制に対します御提案につきましては、私自身直接、昨年の暮れであったかと思いますけれども、承りました。非常に貴重な意見ではございますけれども、私どもは、土地税制で土地を流動化する基本原則は、保有に関する税金を重くし、所得に関する税金を軽くするのが本筋ではなかろうかと考えております。御提案の向きもいろいろ検討いたしましたけれども、やはりいま申し上げましたような線に沿って税制の改正に取り組んでいった方が、国民の皆さんの御納得も得られやすいのではないか、しかも先生の御提案は、非常に急激に税制を変えるわけでございますから、税制の安定、制度の安定といった意味合いからも、今日五十五年度の税制改正の方向をまとめ上げたわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、この一つの方法として、宅地並み課税というものもあるわけです。この宅地並み課税というものをよくよく掘り下げて考えていきますと、この課税をして、農民はたえられなくなって売りに出す、そうするとこの売りに出された土地をどういう階級の人が買うのかということなんです。その辺は、どういうふうに見ておりますか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 現在は、三大都市圏の特定市のA、B農地について宅地並み課税がかかっているわけでございますが、宅地並み課税がかけられた当時の理由は二つございました。一つは、他との均衡を保つということ。一つは、いま先生おっしゃいましたような追い出し効果をねらうという点でございました。  その追い出し効果をねらった場合の受け先はどこかという点につきましては、やはり公的団体、それから民間デベロッパー、個人、すべてを含めまして、そういった者たちが買いに行ったときに、そういう税制等で追い出しを受けながら、片や譲渡所得税は非常に減免になっておるという利点を活用して、土地の流動化を促進するというようなねらいであったというふうに思っております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 確かに住宅の欲しい人は宅地が欲しい、そういう一般的な心理はわかります。しかし、この三大都市圏の中で宅地並み課税にたえられなくなって土地を手放すということになった場合、幾らたえられなくなったからといって、それが値下がりするわけではないわけです。そうすると、相当の価格の土地が放出される。その際に買い得るのは、いわゆる住宅公団とかあるいはそういう公的機関、または民間デベロッパー、三井、三菱とか、そういう大きなところが手を出すようになるわけです。そうすると、この宅地並み課税というのは、農民をいじめて追い出して大資本家をもうけさせるという、一つの法律効果にはなっておりませんかというのが私どもの一番問題にするところであります。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 先ほど御答弁申し上げましたとおり、宅地並み課税は、周辺の宅地見込み地等との均衡を保つということが一つの大きなねらいでございまして、そういう意味からいって、そういう税制があるということは、私はある程度やむを得ないものだと思います。逆に、追い出しの効果ということにつきましては、先生おっしゃいますとおり、必ずしも完全に効果を上げていない点がございます。  それから、実際の土地利用の転換の実情を見ますと、先生がおっしゃいましたように、必ずしもデベロッパーに移っているということではございませんで、そういう制度を拡張しながら、公的団体ももちろんやりますし、民間の譲渡の場合にも、そういうものは大いに活用されておるというふうに私ども見ておりまして、先生おっしゃるように、必ずしも大企業の方にのみそういうものが回っているというふうには考えていないわけでございます。ただ、そういうふうなものがあります際に、やはり農民の方々が、いろんな住宅建設等に喜んで寄与していただくということのためのいろんな手当ては必要であろうと思います。私ども、今回提案いたしました農住組合法などは、むしろそういう方向を意図したものであるというふうにお受け取りいただきたいと存じます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 その近傍の土地とのつり合いをとると申しますけれども、私は、税金というのは、一つの収益あるいはその価値を対象とすべきだと思うんですよ。ところが、農地という限りは、その収益は、うまくいって米の十俵程度じゃないか。こういうものを宅地として、そこにビルディングを建てて、年間何百万か取っておる、そういうものと同様に見ること自体問題があるのではないか、こういうふうに思うわけです。しかも、農地である限りあくまでも農地であって、それは宅地ではないのであります。宅地になった場合に初めてそういう価値を生み出すだろうという、これは期待にすぎません。その期待をもとにして税の対象にしていくというのは、余りにも過酷な仕打ちではないか、こういうふうに私は思いますが、その辺がまず一つ。  そして、必ずしも大きな資本家に行っているわけではないと申されますが、それはデベロッパーでなくとも、坪当たり何十万あるいは百万近い土地を六十なり百なり買える者は、一般のサラリーマンにしても相当の高給取りか、それとも他に財産を持っておられる方だろうと思います。一般の、額に汗して働く勤労者というものは、恐らくそういうものを取得することは、夢にも見られないくらい縁遠い話ではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 宅地並み課税と農地との関係でございますけれども、現行制度の中でも、三年以上営農継続の意思があって、地元の農業委員会の認めた者につきましては、宅地並み課税はこれを減税をするという制度がございます。それから今年度の法律で決まりましたけれども、五十七年度分からそういうふうなものについて見直すということになっておりますが、そういうものに対します政府税調答申の中にも、営農の実態を十分考慮しながらそういう税制は考えるべきだというようなことが提言されております。私ども、建設省と共同で、五十四年にやはり宅地並み課税の改正案を一回要望したことがございますけれども、そのときにも十分そういう点を考慮した案をつくってまいったようなわけでございまして、今後もそういうような精神で宅地並み課税については取り組んでいきたいと考えております。  それから、勤労者の方々がそういうことではなかなか買えないじゃないかという話でございますけれども、これは最近におきます高値安定といいますか、そういうふうな地価の中で、農地のみに限らず、それ以外の土地につきましても、勤労所得の低い方々が一戸建ての家をつくるための土地を買うということはやはり大変困難になっていることは事実だと思います。したがいまして、農地のみに限るという問題ではなくて、そういう全般の問題として宅地の供給を促進するという政策をとらざるを得ない、またそういうふうに努めるべきだというふうにわれわれ考えておるわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで次に、地価公示法に基づいて土地の公示価格制がとられておるわけでございますが、この制度についてそのメリットとデメリットをどういうふうに考えておりますか、具体的に御説明願いたいと思います。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 現在行っております地価公示価格、これは独立性を有します土地鑑定委員会が、売り手にも買い手にも偏らない標準地の正常な価格について不動産鑑定士等の評価を求めた結果を審査して、調整して判定したものでございます。  この地価公示法が制定当時、どういうことが言われたかと申しますと、いわゆる民間の呼び値というのがございました。方々の宅建業者の方々が玄関に掲げておられる価格が同じ物件につきましても非常にまちまちだ、統一がとれていない、だれの何を信じていいのかわからない、そういうために売り手にも買い手にも偏らない正常な価格を示すのが公示価格だということで当時御説明をいたしたことであったと思います。現在でも標準地の正常な価格を示すという意味では地価公示価格は大いにメリットを発揮しておると思います。たとえば公共事業の執行、それから、土地収用の場合の裁決、国土利用計画法によりますいろいろな土地利用規制の場合の価格審査の規準等々によりまして非常に活用されておるわけでございます。  そういう意味から申しますと、その内容につきましてさらにもっと地点数をふやすとか、実情に合ったような地点の配分をするとか今後の工夫は要るかと思いますけれども、私ども現在十分効果を上げておるというふうに、手前みそでございますが、思っておるわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 十分効果を上げておると言われましたけれども、それではいまの実勢価格と公示価格を比較した場合、はなはだしいのはどの程度の格差がありますか。そこをお聞かせください。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 先生いまおっしゃいました実勢価格というものの中には、たとえば買い進みというものが当然含まれておると思います。ごく最近におきましても、たとえば入札それから特殊なものについての買い進み等から見ますと、倍以上のものも生じておることが実態でございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 倍以上のものもあるということを御承知なんですね。  そこで、地価公示法の第一条の二にこういうことが書かれておるわけです。「都市及びその周辺の地域等において、土地の取引を行なう者は、取引の対象土地に類似する利用価値を有すると認められる標準地について公示された価格を指標として取引を行なうよう努めなければならない。」「努めなければならない。」だから、これは義務化しておるのではないか。そうすると、いまのような二倍もするような実勢価格によって取引をしておるというのはこの法律違反になるのではないかと思うわけですが、その点はどうでしょうか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 いま先生のお話しになりました一条の二の規定につきましては、まさに地価公示を施行いたしました後、NHKでございましたけれども、非常に地価公示価格と飛び離れた取引が行われたというふうなことを念頭に置きまして、一般の遵守義務と申しますか、一般の義務規定が入れられたということでございます。確かに、一般の指標としなければならないという意味は、公共事業で行うほど地価公示を規準とした価格でなければならないというふうな明定されたものではございませんけれども、一般の方々にも遵守していただきたいというそういう義務規定を課したものでございまして、それには確かに違反いたしております。しかし法律上、これについては罰則がございませんので、そういうものにつきましては地価公示のPR、徹底等を図ってまいるのが今後の努めだろうと思っております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 罰則がないから仕方ないでは法律をつくった意味がないわけで、そういうものがまかり通っている場合は、それを初めて国土利用計画法の十二条あたりに適合させていく。これは主観の問題で、投機というものは必ずしも転がさなければ投機でないとは言えないわけで、そこでこの公示価格を算定する際に投機や思惑の値上がり分を除いたのが公示価格である、こういう説明を聞いたことがあるのですが、それについては間違いありませんか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 地価公示の前提といたしまして、先ほど申し上げましたとおり二人の鑑定士が鑑定いたすわけでございますが、その場合の鑑定の手法の中にいわゆる取引事例法というのが一つございます。それから造成原価法というのがございます。それから収益還元法というのがございます。それらのものを全部加味いたしまして当該地の正常価格を鑑定するわけでございますが、その際の取引事例法というのをやりますためには、その周辺で起きましたいろいろな取引をやはり全部調べます。相当件数調べるわけでございますが、その中で特に異常なもの、たとえば入札によって非常に高値を呼んだもの、角地であるからと言って特別に買い進んだもの、もしくはミニ開発だからと称して極端に高く買ったというようなものにつきましては、当該地で起こるそういう品位、品質、品等から見て正常な価格ではなかろうと判定されるものはその取引事例の中から外しまして、残りの取引事例を参考にするという意味では、そういうものは除いておるということが言えるわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、この公示価格を査定するいわゆる不動産鑑定士、こういうものを含めて、この公示価格制定に至るまでの費用はどのくらいかかっておりますか。国の予算とあわせて

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 地価公示等経費といたしまして、昨年が十八億、五十五年度は二十億計上いたしております。さらに地価調査というのがございます。これは地方公共団体にお願いをしておりまして、地方公共団体の都市計画区域内につきまして地価公示と同等のものをおやりになるということでございますが、それに対しましてこれは昨年は十億、今年度は十一億三千二百万でございます。端数まで申しますと、地価公示は二十億五千四百万、地価調査費補助が十一億三千二百万ということでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 これは非常に莫大な経費をかけておるわけですが、そういう不動産鑑定士まで頼んでこれだけの作業をして地価公示を出した。その公示が実際の取引には何ら考慮されていないとなればこれは国費の非常なむだ遣いではないか、こういうふうに私には思われるのですが、その点についてはいかがでしょうか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 先ほど申し上げましたとおり地価公示法の中には八条、九条、十条というようにずらっと地価公示を活用しなければならないと義務づけられているものがございます。そういうものはそれぞれの分野で大いに活用いたしております。それから、国土利用計画法におきましても、先ほど申し上げましたとおり、価格の審査等いたします場合に地価公示を規準とした価格というのをメルクマールに使っておるわけでございまして、十分活用されておるというふうに考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 時間が参りましたので、最後に地価水準の国際比較というものがあるわけです。これによりますと、単価で平方メートル当たり円換算でやりますと日本が三万五千円、西ドイツが六千百円、アメリカが三千九百円、イギリスが二千百円、こういうふうになっておるわけでございます。日本の地価というものは世界的に全くけた外れに高い、こういうような日本の地価水準は一体客観的に妥当性があるのかどうか、またこのような地価形成をなし遂げている今日の市場原理というのは果たして合理性があるのかどうか、その点について大臣の基本的なお考えをお伺いいたしまして私の質問を終わります。

園田清充自由民主党・自由国民会議国土庁長官

○園田国務大臣 お答えをいたしますが、その前にさっき局長から答弁をいたしました中で若干補足をしたい点がございます。  それは一つは、いまのどういう層が宅地を求めているかというと、これはサラリーマン、これが六二%、それから所得から申しますと三百万以下の所得層がやはり六二%ということで、年齢的に見ますと三十歳から四十歳代に集中してこれが五〇%というようなこと、どうしてこういう層に土地に対する一つの集中があるのかということで、短期的な問題よりもさっき申し上げましたように長期的な姿で、土地局長にもこの間、おまえは三大都市圏の住宅局長じゃないんだ、日本全土の土地局長だから、日本全体の土地をどう今後安定させていくのかという姿の中で問題を詰めてはしい、研究をしてほしいということを私は申しておきましたが、基本の問題としては御質疑の中にもありましたとおり、やはり資産あるいは生産財、生産基盤と申しますか、そういう土地自体に対する国民的な見方、合理性というものから私どもは土地政策というものの取り組みをしていかなければならない、こう考えております。  しかし当面の問題として自由主義的な市場の価格に任せていいのかということでございますが、今日の地価の動向は三大都市圏の住宅地を中心として強含みの傾向にあることは御承知のとおりでございまして、地価の水準につきましても三大都市圏が地方圏を上回っておる。これは交通体系の整備とかあるいはさっき一言で申し上げましたが効用増ということによっての問題が三大都市圏では中心でございます。と同時に、これをなお、より一層地価の高騰を引き上げておるというのは、供給が不足をしておるという二つの事例が大きな、原因だと私どもは理解をいたしておりますし、今後は御指摘のとおり投機的な土地取引の監視ということを強化しつつ宅地の供給増を図りながら基本的な土地対策というものを見直してまいりたいと考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 終わります。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 中村茂君。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 ことしの一月一日の調査に基づく地価公示が四月一日に発表になりました。その結果についてどのように認識しているかということが一番問題だというふうに思うのですけれども、私はあの結果を見て、特に三大都市圏における住宅宅地、宅地の価格においてもまた全体的な宅地供給の面からしても、危険水域に入ったんじゃないか、実はこういう認識に立っているわけであります。この地価公示に対する認識について政府のお考えをお聞きいたしたいというふうに思います。

渡辺栄一自由民主党建設大臣

○渡辺国務大臣 最近の土地の価格でございますが、お話しのように大都市の住宅地を中心に相当上昇いたしておることは事実でございます。これは私は根本的には、大都市を中心として旺盛な住宅需要がございまして宅地市場がいわゆる売り手市場となっておる、さらにまた最近のいろいろな経済情勢というものが反映したものではないかというふうに考えております。特に最近のマンション用地需要の増加によりまして、三大都市圏、その中でも都心部の土地取引価格が上昇いたしまして、これがまた周辺の地価に影響を及ぼしておるものと考えまして、これはやはり需給のアンバランスというものが主体でございますけれども、現在の地価上昇というものは相当異常なものであるというふうに認識をせねばならぬというふうに思っております。

園田清充自由民主党・自由国民会議国土庁長官

○園田国務大臣 建設大臣からいまお答えがあったとおり、私どもも認識は共通するものを持っておるわけでございます。ただ、国土庁といたしましては土地取引の投機的な姿が出ないようにということで、もし出たならばということで厳しい監視を続けながらおるわけでございますが、そうした中でいまの供給不足というものが地価の高騰の一原因になっておるというふうに受けとめております。地域的には効用増ということもございますが、今後とも監視の強化を図りながら総合的な対策を進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 私はこの際、いろいろな条件、それからこれからの方針、住宅宅地の関係などを考えてみた場合に、特に地価の安定と宅地の安定供給、この面について一つはやはり緊急対策として、いまある法律なりまたは税制なりこういうものを一〇〇%活用して徹底的な緊急対策を立てるべきではないか、これが一点。  それから二点目には、将来にわたって土地というものについて基本的な考え方を国民の多くの皆さんに理解してもらう。その柱はやはり土地というものは公共的なもので、投機の対象になったり転がしになったり、土地を持っていろいろすればもうかるんだというような国民的な理解、一時、総不動産屋なんて言われた時代もあるわけですけれども、そういうものがきちっと国民の頭の中からとれていく、そして土地はみんなで有効に使っていくんだ、こういうことを柱にして恒久的な抜本的な、法改正まで含めて対策を確立すべきではないか、これが二つ目。  三つ目には、第三次住宅建設の五カ年計画もことしで終わって、明年から新しい第四次の建設五カ年計画が発足する。また、それまでに住宅基本法もつくるという約束をいままでしてきているわけでありますし、そういうことを考えてみた場合に、宅地と住宅は切っても切れない関係があるわけでありますから、こういう住宅宅地関係の総合的な対策、こういうものをやはりきちっとさせるべきではないか。  もう二度繰り返しますと、緊急対策、将来を含めての抜本的な対策、それから住宅宅地の総合的な対策、こういうものに踏み切る時期ではないかと思うわけでありますけれども、両大臣のお考えをお聞きしておきたいと思います。

渡辺栄一自由民主党建設大臣

○渡辺国務大臣 私は、かねて申しておりますように地価の安定というものは私ども建設省のやっております住宅宅地対策の基本でございますから、地価の安定には全力を挙げねばならないと考えておりまして、これは先生と同じような気持ちで進めておるつもりでございます。  そこで、建設省といたしましては、地価の安定あるいは良好な市街地の形成ということを考えまして、まず宅地供給を促進しなければならないと考えております。  そのためには、まず第一番に計画的な宅地開発を推進してまいります。これは公的な宅地開発の推進もありますし、民間におきます宅地開発を推進するための諸政策もございますが、もう一つはかねてそのような一つの問題となっておりました関連公共公益施設の整備促進ということを考えてまいります。三番目には、都市再開発を推進いたしまして、それによりまして住宅用地等の確保にかかってまいります。このためには、本日御審議をいただきました都市再開発法も一部改正を行ったところでございます。それによります土地の有効利用の推進ということを考えまして、総合的かつ強力に推進しておるわけでございますけれども、特に大都市地域の既成市街地につきましては、御承知のように本年度の税改正によりまして買いかえ制度も創設をいたしまして、これらを総合的に運用いたしまして宅地供給の促進を図ってまいりたいと考えております。  このほか、今後の宅地供給の指針といたしますために、昭和五十六年度から昭和六十年度までの前期五カ年、昭和六十一年度から昭和六十五年度までの後期五カ年を合わせまして、十年間を計画期間といたします宅地需給長期見通しの策定をいま急いでおりまして、昭和五十五年度じゅうには見通しを策定できるものと考えておりまして、これをよりどころといたしまして推進をいたしたいと考えております。  もう一点は、市街化区域の農地、これらの宅地化を促進することが宅地供給の上で非常に重要であると私は考えておりまして、事務次官を座長とします住宅・都市政策推進委員会を省内に設置しておりますが、その中に分科会を設けまして、既存の制度の見直しを含めました実効ある措置を検討いたしておりまして、現在のところ検討を進めておりますけれども、たとえば農地の利子補給制度等につきましても、現在一ヘクタールの制限を少なくとも〇・五ヘクタールに引き下げてはどうかというような見通しも立てておるところでございます。ただ、国土利用計画法につきましては所管が国土庁でございますから、私から積極的に発言をいたしますことは差し控えておきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても国土利用計画法が制定されました。これは与野党の議員立法によって進められたわけでございますが、当時の立法の趣旨にかんがみまして、現在その立法の趣旨が生かされていないとすれば、当然その問題につきましては十分な検討を加えるべきであろうと考えておる次第でございます。  最後に、第四期住宅五カ年計画についてのお話がございましたが、これは当然宅地の供給があって初めて住宅が推進されるわけでございますから、これに当たりましては総合的な対策を考えるべきであるという先生の御意見には全く同意見でございます。さらに住宅基本法につきましては、すでに私も就任以来強く指示をいたしておりまして、やはりこれが基本で五カ年計画が樹立されるわけでありますから、この五カ年計画の樹立に際しましては、少なくともこれと並行いたしまして基本法を制定いたしますように、全力を挙げて取り組ませておるところでございます。

園田清充自由民主党・自由国民会議国土庁長官

○園田国務大臣 お答えをいたします。  私どもの国土庁といたしましては、三全総が示しておりますとおり、長期的な姿の中に立ちまして人口、産業の都市の集中を抑制しながら地方定住を図っていくということが基本でございますが、御指摘のとおり、当面の対策といたしましては国土利用計画法の的確な運用を図りつつ、三大都市圏におきましては特に宅地供給の促進のための財政金融上の措置の拡充あるいは都市再開発の推進、大都市地域における市街化区域内農地の宅地化への促進ということでございますが、これはすでに本院に対して提案してございます農住法ということで、それぞれ既存の農業者並びに宅地を求められる方々の相互の利益というものを考えて実は提案をいたしておるわけでございます。  なお、宅地供給促進のための立場から税制の改正というものにも積極的に取り組んでまいりたいと考えておるわけでございますが、長期的な問題といたしましては、さっきの御質問にお答えをいたしましたとおり、やはり私どもは、土地そのものに対しての御質疑の中にもありましたとおり、国民的な理解を得て、土地が資産であるのかいわゆる生産財であるのかということ、この辺の理解、考え方というものを基本的に、四十八、九年の土地投機の抑制のために国土利用計画法をつくりました院の意思というものからしても、抜本的にひとつこの線を見直して土地政策を立てていくべきだということで、ハビタットにも事務次官外三名を派遣いたしますし、大学の先生にもヨーロッパに半年駐在していただいて、付加価値の問題だとかいろいろな観点からひとつ土地の問題について御研究願いたいということで研究していただいておるわけでございます。  建設大臣からもお話がありましたとおり、両省相まって連絡を密にしながら、現行法の中で、さっき申し上げましたように、宅地を求められる方々が特に若年層であり低所得層であることからしても、やはり長期的な姿の中で私どもは問題を検討し、現実は現実として対応しながら安い土地が供給できるように努力をしていくべきだ、かように考えておるわけでございます。  なお、建設大臣から御発言の中で若干お触れになったようでございますけれども、地域指定の問題ということを多分頭に置いての御発言だったかと思いますけれども、この点について実は各関係都道府県とも密な連絡をいたしまして、ことしは特に予算で御可決いただいたように二十四の詳細調査地域というものを設定をして、私どもは私どもなりの心構えと決意というものは持ちながら、土地価格の安定ということにつながらすような努力を払っておるわけでございます。ただ、一つだけ私どもが実は詳細な注意を払っておりますことは、地域指定をいたします、そうしますと許可制度になってくる。もちろん事務的な繁雑さだけではございませんが、これで実需というものがもしとまってきたとすると、本当に必要だとしておられる人たちの移動が完全にとまってしまうということは、公示価格で取引をなさいということで地域を指定いたしますと、果たして今日の土地の所有者がこれに応じて出してくれるだろうかという危険性も若干運用の上であるような気がいたしますので、この点慎重を期しながら、実需の伴う指導体制を確立をしてまいりたい。ただし、腹の中は、決意は、常に私どもは十二条の発動が可能であるということが、十八条の状況が発動が可能であるというときにはこれを発動する決意のもとに問題と取り組んでおるというふうに御理解を願いたいと思います。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 考え方をそれぞれ聞いたわけでありますけれども、私は、基本的には日本の場合にきちっとした土地政策を持っていなかったというところに、土地に対する日本の悲劇があると思うのです。  地価の高騰が物すごかった四十七、八年、九年、先ほどもいろいろ土地転がしの問題が出ていましたけれども、そういう状態をなくそうということで、議員立法でありますけれども、国土利用計画法がつくられた。これだけでは、規制の法律ですから、土地を供給させるという面についてはまだまだ不十分な面がある。そしていまになったらまた一番必要な宅地が上がり始めてきている。言いかえれば、先ほども言ったのですけれども、土地が投機の対象になったり、土地を持っていればもうかるという思想が国民の間にはびこってしまった。それが定着してきてしまった。ですから、土地政策というものをきちっと持っていなかったというところに一番大きな原因があるのじゃないか。そういうことを考えてみた場合に、先ほども強調いたしましたけれども、まだ永遠に続くわけでありますから、やはり根本的に土地対策というものをきちっと確立する時期に来ている、こういう点を一点強調しておきたいというふうに思います。  そして、いまの値上がりは、この宅地供給が不足している、需給バランスが崩れてきている、したがって宅地供給の促進を図っていくことが非常に必要だ、こういうふうに強調されるわけでありますが、その強調される面については私も同感です。しかし、口でいうことは簡単ですけれども、本当に適正な価格で優良な宅地を円満に供給させる体制をつくるということは、これは並み大抵のことじゃないというふうに思うのです。確かに土地の規制も必要でしょう。税の強化も必要でしょう。しかし、土地の規制の強化と税の強化だけでは土地の供給はなかなかむずかしいと思うのです。一定の規制の上に立って、そして優良な、しかも適正価格で宅地を供給してくださるという人については、それなりのメリットが得られるような対策を反面考えていく。言えばむちとあめという言い方は非常に適切かどうかわかりませんけれども、そういう対策の中でこの供給を図っていくという方策をみんなで真剣に考えなければ、なかなか明るい道を開くことができないじゃないか、こういう私はいま心境でございます。  そういう立場に立ってこれから御質問していきますけれども、一つは、国土利用計画法と地価対策との関係でございますが、同法の第十二条をいまの土地高騰の中で適用できるかどうかという問題ですが、これは先ほども、地域指定を行うという問題の中で、公示価格、こういうものをきちっと据えていった場合に、果たして土地が出てくるかという非常に疑問点があるというような意味の国土庁長官の話があったのですが、やはりこれだけの高騰をしている中で、私は、一定の規制の中で土地を供給させるという手だてを講じない限りなかなかむずかしいというふうに思うのですね。そこで、先般の公示価格の値上がり程度では、この十二条が適用できないのかどうかということについて、見解をひとつ承りたいというふうに思います。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 先ほど大臣のお話がございましたように、国土利用計画法では、そういうふうな事態が生じた場合には、知事さんは、そういうものについて指定をできるのではなくて、指定を行うものとするという厳しいスタイルで書いてございます。したがいまして、私どもも、通達、会議等におきまして、そういう事態が起きたら直ちに発動すべきであると絶えず指導してまいっております。  しかし、いまの投機かどうかという問題でございますけれども、国土利用計画法の十二条に定めております構成要件は、土地の投機的な取引が相当範囲にわたり集中して行われ、その結果地価が急激に高騰する、緊急事態を想定いたしておるものでございます。したがいまして、今回たとえばベストテンのトップは三〇%ぐらい上がったわけでございますけれども、それはまさに効用増ということが原因でございましたが、そういうものだけで、効用増もしくは実需による値上がりだけで、この構成要件に該当するかと言われますと、総合判断の中ではいまだ適用の時期ではないということになろうかと思います。  昭和四十七、八年当時のように二倍、三倍にみんな一年間ずつで上がった、しかも全地域、全地目にわたって、しかも実需でなくて投機的な取引が行われたというような事態を想定して、この国土利用計画法十二条が当時立法されたというふうにわれわれ聞いておりますが、そういうときの事情から見ますと、現状ではいま直ちに投機的取引が横行しておるというような事態ではございませんので、直ちになかなか適用しがたいのではないかというふうに思っております。そのために、そういうものが起こりそうなところにつきましては、通常やっております地価の監視のほかに濃密な監視をやっていきたいということで、ことしは対処してまいっておるわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 しかし、これをつくった精神というのは、土地が異常な値上がりをしてきた場合に、抑制策を考えていこうという趣旨でこの法律はできているわけであります。  この十二条の問題が、ここのところが一番問題なんですね。いまの「投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われ、又は行われるおそれがあり、」と、おそれというところとその次に「及び」というふうにこれがなっているから、両方が重なることになるのですけれども、この及びがまたというふうになれば、非常に有効に活用できるというふうに思うのですけれども、その下が「及び地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあると認められるもの」ですから、そんなもの議員立法ですから各党で意見が一致すれば幾らでも「及び」が「又」に直るわけですから、しかし精神は、こういうふうに上昇してきたときには適用しよう、それで地価の安定を図っていこうという法の趣旨があるわけですから、投機という問題についても、これは中身が、取引というふうに下へついていますから、その実態が云々になりますけれども、特に東京都の場合に平均して二〇%近く上がっている。一番上がっているところは三〇%を超したというような状態では、確かに二倍、三倍という上がりにはなりませんけれども、何も二倍、三倍が投機ということではなしに、三〇%くらい上がる地域が出てきたら、これはこの法の精神からすれば私は十分考えてもいい性格を持っているのじゃないか、こういうふうに思うのです。  そういう意味で、先ほども御答弁ございましたけれども、この十二条に絡まる活用について、できるだけこの法律全体の精神を生かしていただいて土地の規制に役立つような運営をしていただきたい、こういうふうに思います。  そう言いましても、これは都道府県の知事が行うことでございまして、国は十三条でございます。そういうことが起きてきて、どうしても府県知事ではむずかしい、または手をつけないという場合には十三条で内閣総理大臣がいずれにしても勧告することができるわけでありますから、相当厳しい条件も加えられていますけれども、そういうことになれば指導は十分できるわけでありますから、そういう点について長官のお考えをひとつお聞きしておきたいというふうに思います。

園田清充自由民主党・自由国民会議国土庁長官

○園田国務大臣 御指摘がありました点につきましては、実は、昨年度御指摘のような住宅地に対する集中的な強含みの動きが見られましたので、これは要警戒だということで私どもの方では三大都市圏の担当部長並びに関係市の部長を緊急招集をいたしまして、監視を強化してほしい、同時に土地取引業者の動きがもしさようなことになればみずからの首を締めることになるので指導を強化してほしいということで会議をいたしますし、     〔委員長退席、小沢(一)委員長代理着席〕 特に次官通達を緊急に出しまして、そして各都道府県にこの要請をするというようなことで、当面の対策としてはいま言ったような事務的な措置をやってまいったわけでございますが、なお二十四の地域につきまして特別調査地域を詳細調査地域として指定をいたしまして調査をいたしておりますが、実情を申し上げますと、さっき私は年齢的な構成なり所得なりということを御答弁の中に申し上げましたけれども、サラリーマンを中心とした人たちが生涯計画というような中で——実は私どもも土地転がしではないかというふうなことで、この土地は取得せられて、土地があったって家が建たない、ところが、土地代から建築までは無理だからというようなことの土地もかなりあるようでございます。そこで、やはりこれは実需として考えるべきだというふうなことで、決して土地取引ではないというふうな判断をいたしておりますし、同時に、先生御指摘のように、もし土地の取引が行われたという事実が出てまいりますならば、十二条、十三条連動させながら、地方自治体の長とも話し合いながらこの法の的確な適用を図ってまいる努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。  なお、私どもとしては、いま先生からも御指摘があったとおり、本法律案が両院を通過いたします場合に、委員長の、地方自治の意思を尊重しろということは、当然地方自治体との密接な連絡の中でこの制度を運用していけという御意思も加味してまいらなければならないということで、一面慎重、まだるっこしさを与えている点もあるかもしれませんけれども、現行法の中ではやはり慎重にならざるを得ないということもまた御理解願いたいと考えるわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 次に、同法の第二十二条に関連して、地価の抑制をこの法律の活用でどの程度できるかという問題でありますけれども、この二十三条という条文は、確かに開発していく場合に土地に関する権利の移転、その場合の届け出ができるようになっていて、それを許可するわけでありますから、いずれにしてもこの法律に基づいて行う場合に、私の理解では市街化区域については二千平米、それから都市計画法四条二項に規定する場合については五千平米、この両方の規定以外のところについては一万平米、いずれにしてもそういう届け出がいろいろな都市計画の中であって、それを受けて土地の移動まで含め地価がどの程度で取引されたかというところまで目が届くわけでありますから、この二十三条を活用してどの区分の範囲まで地価の抑制が監視できるかという点についてお考えをお聞きいたしたいというふうに思います。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 国土法の運用につきましては、機関委任事務として取り扱っております。  現在、年間の取引が大体二百五十万件過去三年続きました。五十三年に三百六十五万件、五十四年に三百七十六万件、大体二百六、七十万件台が今後続くだろうと思います。  そういう場合に、二千平方メートル以上、それから五千平方メートル以上、一万平方メートル以上、先生おっしゃいましたさっきの区分がございますが、それらのものでカバーしております対象は、件数で全体の約一割ということでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 件数で一割ということは、一割についてはこの法律に基づいて地価についていろいろ指示したりするけれども、そのほかのものはこの法律、それから次の二十四条ですか、こういうものに大体該当しているというふうにいまの答弁は理解していいのですか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 国土法の届け出によりますと、届け出がございますといろいろ審査をするわけでございますが、三点の審査をいたします。一つは利用目的でございまして、土地利用基本計画に照らして妥当かどうか、不妥当な場合にはこれに対して勧告までいく制度でございます。それから、周辺の公共事業の整備状況から見て、そういうふうな利用目的が達せられるかどうか、もう一点が価格ということでございまして、先ほど申し上げました二千平方メートル以上の、全体の約一割に当たります、例年で申しますと二十五万件から二十六万件というくらいに当たるわけでございますが、そういうものにつきましては地価公示価格を規準といたしました価格で審査を行っているということでございまして、その点については価格の審査が十分行われておるということになるわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 それは、これに基づく政令が出されているわけでありますけれども、この法律でいけば、「土地に関する権利の相当な価額」というのは、第十六条、第十九条、第二十四条及び第三十三条がそれぞれ該当してくると思います。したがって、いまのこの政令は、市場相場の七〇%から八〇%程度、七〇%から八〇%というより、これを免れば〇・八になっていますから八〇%というふうに理解できるわけです。それと審査の場合に、国土利用計画法施行令の経過措置の五条、この算出方法が申請されてきた地価に適用されて審査されるということになるわけですか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 御案内のように、「公示価格を規準とする」というふうになっております。その場合の規準というのは、いつも申しますように、基という字ではなくて規という字を使っております。特に地価公示法の十一条に「公示価格を規準とすることの意義」というのを一条設けております。  これは地価公示そのものはパーセンテージではございませんで、金額と、そのものがある容積率から、周りの道路から、周辺の住宅地の状況から、それからガス、水道があるとか、ないとかというところまで、十一項目にわたって示しております。それと自分のところの分を比べまして、あそこよりももっと上等か、悪いのかという品位、品質、品等を比べて、それでたとえば向こうが十万円ならば、こちらは三十万円だと決めることを「規準とする」というふうにいたしております。その規準とした価格を参考にしまして、しかし、地価公示というのは、毎年一回しかやらぬわけでございます。したがいまして、たとえば年度半ばでございますと、時点の修正もいたします。それから、物によってある程度の買い進みが認められる場合もあろうかと思います。それやこれやを全部勘案いたしまして、著しくそれを超えているかどうかというのが判断の基準になっております。  いま先生がおっしゃいました、物価の変動に応ずる修正率につきましては、いわゆる規制区域をしきますと、そういう地価公示を規準とした価格で凍結されるということになります。しかしながら、やはり世の中の物価は上がってまいります。そういうふうな物価とある程度のスライドはやむを得ないなという考え方で、これは特別土地収用法の場合もそうでございますけれども、いわゆる全国の消費者物価指数を八割と見て、投資財指数の値上がりを二割と見て、それを相乗いたしましたものを直前直後の三カ月くらいと比べまして、その範囲の中では、たとえ規制区域で地価が凍結された中でも値上げを認めていくというための規準でございます。一応の目安にはなるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、運用につきましては、著しく高いかどうかということが判断基準でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 いずれにしても、監視はできるわけですね。この法律では、地価の監視はできないですか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 いま申しました意味で、十分できるわけでございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 そうすると、局長はそういう面のベテランですから、ざっくばらんにお聞きしたいのですけれども、この二千平米というものをもっと下げた場合に、都市の開発、特に宅地開発についてどういう現象が起きるでしょうか。俗に私が聞いているところでは、規制というか、そういう認可を受けなくちゃいかぬということで、開発についてもできるだけ二千平米にならないように割る、したがってミニ開発になってくる、こういう話も聞いているのですけれども、私は素人なりに考えて、そういうものを逃れて地価が上がってくるとすれば、法律は直せばいいわけですから、二千平米というのをどの程度に下げるかということはいろいろ論議があるにしても、十分監視できるとすれば、この面をもっと下げて、地価の監視を強化したらどうだろう、こういうふうに考えるのですけれども、その点はどういうふうにお考えでしょう。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 先ほど申し上げましたとおり、これは機関委任事務でございますけれども、立法当時なぜ二千にしたかという議論がございました。その当時の議論を振り返ってみますと、非常に膨大な件数の土地取引がある、それをチェックするために必要な都道府県の事務能力があるだろうかという問題でございました。現在では、各都道府県の人件費に対しまして国が補助金を出しております。したがいまして、そういうふうなオールジャパンでやるならば、そういう補助金の準備を相当しなければならないという点が一つあろうかと思います。  もう一つは、当時は大規模な取引を規制すれば、おのずからその波及効果が他に及んでいくだろうということが一つのねらいでございました。  もう一つは横並びということでございまして、たとえば公有地の拡大の推進に関する法律等、窓口を一本にいたしておるわけでございますが、同じように公有地の拡大が二千平方メートル以上ということで始めておりまして、それとの横並びをとったというのが当時の考え方でございました。先生おっしゃいますように、そういうようなものを脱法する者があっては困るということでございまして、特に届け出制につきましては罰則を伴う規定になっております。したがいまして、一団の土地ということの運用につきましては非常に厳しくやっております。したがいまして、切り売りをして、その次切り売るというような場合には、前のやつもさかのぼってひっかかるというような取り扱いになっておりまして、その点の指導は今後も十分やっていきたいと思います。  ただ、この問題につきまして、二千平方メートルのところで現在メルクマールがあるわけでございますけれども、地方、都市を通じて全体で果たしてそうか、問題になるだろうかというような点が一つ問題がございます。したがいまして私ども、この問題については、最近非常に議論を呼んでいるところでございまして、国土庁といたしましても、その必要性の有無、それから、そういう場合、どういう案が考えられるか、その場合の問題点は何か等につきましては、日ごろ十分勉強いたしております。しかし、何分先ほど申し上げましたような財政面も含め、影響するところが非常に大きな問題でございますので、さらに慎重に検討してまいりたいと思っておるわけでございます。十分検討していきたいと思っております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 特にこれからの住宅宅地対策の中で、建設大臣も先ほど触れておりましたけれども、関連公共公益施設について、数年前から相当出していただいているわけでありますけれども、その区域が二千平米以下に下がってくれば、確かに優良なものをつくっていくわけでありますから、そういう面も私は思い切って拡大してもらいたいと思うんですよ。一定の、上きりではなくて、下の方まで来ても、そういうものの出費はどんどん拡大してもらって、優良な宅地造成をしていくという観点に立ってもらいたい。     〔小沢(一)委員長代理退席、委員長着席〕  そういうふうに考えていきますと、私の希望とすれば、やはり思い切ってこの範囲を下げて、監視を強化していくと同時に、そういう面で出てこないとすれば、関連公共公益施設費などを増額して手当てをしながら優良な開発を図っていく、こういうふうにしていただきたいと思います。  それから次に、地価評価制度の問題ですが、御承知のように地価評価制度は、先ほどから論議しております地価の公示制度それから固定資産税の評価制度それから相続税の評価制度、土地に対しての評価制度は三本くらいあると私は思うのですけれども、これは前からの私の主張なんですけれども、同じ土地を評価するのに、売買に対しての公示制度、固定資産税の場合にはこういうふうに評価しますよ、相続税の場合にはこういうふうにしますよ、同じ政府がばらばらにやっていくということが私にはどうしても腑に落ちない。ですから、それぞれ所管が違いますけれども、将来にわたってこれが一本になるように努力をしていただきたいと要請申し上げておきたいと思います。  そこで、地価公示についてでありますけれども、先ほどもちょっとお話がございましたし、それから皆さんのところで発行しておりますこのごろの「地価公示」のところを見ましても、公示価格の性格というところに公示価格は正常価格だとあるのですね。正常価格というのはどういう価格かということと、それから、国なり地方公共団体なり政府が買う場合にはこの公示価格を指標にしろ、指標ということはどういうことなんですか、その意味についてひとつお聞かせいただきたいと思います。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 正常な価格でございますけれども、たとえばいろんな土地取引をいたします場合に売り手市場というのと買い手市場いろいろございます。買い手が多くて売り手が少ないという場合には、勢い買い手の方が高い値をつけて土地を買うという場合がございます。逆に、どうしても早く借金を払わなければいかぬので土地を売らなければならないというような場合には、だれでもいいから早く買ってくれと、ついつい安く売ることになります。そういうふうなものを売り進みもしくは買い進みとわれわれ言っておりますけれども、そういうふうな取引についてはわれわれは普通の取引ではないと考えておりまして、普通の言葉で申しますと、いま申し上げました売り進みも買い進みもない普通の場合に当事者間で成り立つ契約、そういうようなもののときに生ずる価格というのが正常な価格だというふうに考えておるわけでございます。  それから、官公庁が仕事をいたします場合に、たとえば公共事業だとか土地収用だとかという場合には、当然に公示価格を規準にした価格に従わなければならぬというふうになっておるわけでございますが、一般の土地の売買等につきましては、官公庁等については十分にそういうふうな姿勢でおやりになるだろうということを前提に、他の立法例もそうでございますけれども、現在、届け出の対象から外されております。そのかわり一般の指標としての遵守義務はあるわけでございます。この遵守義務といたしまして指標とするという意味でございますけれども、私ども、そういうふうな他の立法例にならってはっきりとその規準とする価格に従えと書いてないだけであって、実際には全く同様な取り扱いをしていただきたいという趣旨の通達を何度も出しておりますし、お願いいたしております。現在そういうものが本当に守られておるのかといいますと、ときどき新聞をにぎわしまして、ふらちなことがございます。その都度私ども、関係方面に来ていただいたり出かけたりいたしまして、今後の取り扱いについて是正をお願いをし、十分改善をしてもらいつつ運用してまいっておりますが、大多数の公用公共用地の買収等につきましてはそういうふうな指標とするということが守られておるというふうに思っております。  最近実は調査しておりませんのでやや古い資料でございますけれども、公共事業につきまして一万件くらい実際のものを調べたことがございます。そのうちでどうもこれは怪しいなというのが八十事例ございました。それからなお、三大都市圏におきます地方建設局とか東京都におきまして、いろいろと当時相談をしてやったわけでございますが、その場合も、二十二例のうちで問題になるのは二例くらいかなということでございました。それも、担当者にいろいろ聞きますと、いずれも特別な事情があったというようなことでございまして、大勢は相当守られておるというふうに私ども思っております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 私は、地価公示がどうも地価高騰の追認をしているような気がしてたまらないのです。地価が上がってきたものをその価格で順に認めていく。いろいろ考えてみると、実際の取引が先ほど言いましたように正常に行われていればそれが公示価格になってあらわれてくる制度ですから、したがって地価の高騰を追認していく。それがまた翌年になれば、上がったものが正しい価格だと言われて次へまた追認していく。ですから、最近いろいろな書物を見たりすると、これは廃止したらどうだなんという意見も出てきているのは、そこに一番大きな原因があるのじゃないかという気がいたします。廃止とまでいかなくても、追認していくというこの制度がいいのかどうかということが一つ問題点だというふうには私理解しているわけです。  それから、官公庁が買う場合に指針としてということで遵守するように指導しろと言っているけれども、御存じのように、これは上物抜きの土地ですから、土地の売買などを見ていくと、そこに木が一本あったと言えば、その補償のところへ上積みするとか、建物があったと言えば、そこのところに少し上積みして実際の土地の値を高く換算させるというような、言えば法の網、指針というその網をくぐって値段をつけていく、そうでなければ取引もまたできないというような中で取引されている例が非常に多いわけであります。ですから、この公示価格を指標として守らなければならない政府なり地方公共団体なりの公のところがそういうことで、実際には守られていない。したがって土地を値上げしている、ひどい言い方では、それが元凶だというふうに言う人がいます。ですからこれは許可対象から除かれているわけでありますけれども、政府機関で守れ守れと言っても、何かそういう抜け道でやっているとすればどうしようもない。強力な手段で政府みずからがこの公示価格を守るような手だてをひとつ考えていただきたい。  これは長官からお聞きしておきたいと思います。

園田清充自由民主党・自由国民会議国土庁長官

○園田国務大臣 お答えいたします。  御指摘のとおり、実は私自体が事務当局に、この公示制度のあり方でいいのかどうかということで制度運営の問題について、同時に発表の仕方等についても検討を要すべき問題だということで考えておりまして、そこで、従来のような公示価格制度をとった方がいいのかどうなのかということが一つ問題でございます。同時に、私どもの努力の足らなかった点も率直に認めなければならないと思います。たとえば東京都なら都において区の出張所までそれぞれ公示価格を出しておるわけでございますけれども、一般の取引で利用いただいていないという面もあるようでございますし、この制度自体を取引に活用していただく、そして高い買い物をしないということで御利用いただけば非常に結構だと思いますけれども、これは私どもの努力の足らなさということも率直に認めなければならないと考えております。  いずれにいたしましても、いまのような追認的な性格のものから、むしろ取引の場合に指標として有効に働き、同時に一般の人たちがこれを生かしていただくように、ひとつ私どもも大いに地方自治団体に御協力を願ってやってまいりたいと考えております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 時間がございませんから、税の問題についても言っておきたいというふうに思ったわけですけれども、土地の税制というのは、私は一定規模の宅地を保有しているという者、これについては思い切って保有税をかけるべきじゃないかというふうに思うのです。一方宅地について適正な価格で供給してくれるという者については、譲渡税などについては減税または免税にしてもいいと思うのです。その免税なり減税になった分については、もちろん適正な値段で出してくれるわけでありますから、供給者に対して優遇になりますし、その減税になった分が消費者の面にも、土地が安定し、安くなって還元されるというような政策手段を加えて、言いかえれば遊んでいる土地について、宅地を保有している者については保有税を思い切ってかける、そして適正な価格で供出してくれる者については税制で優遇していく、こういう措置を思い切って大胆にとっていただきたいということをひとつ希望しておきます。  それから二つ目の希望でありますけれども、将来にわたって宅地なりまたは住宅問題を宅地を中心に考えていった場合に、もう少し地方公共団体が主導的な役割りを果たして宅地を、先買いでもいいのです。先買いなりどんどんして、適正な値段で消費者の皆さんに供給できるような制度をひとつ考えていくべきではないか。その際、先買いをするわけでありますから当然金が要ります。したがって、土地債というような債券で土地を先買いで取得していくというような制度についても考えていくべきではないか、こういうふうに思うわけであります。  時間が参りましたので、いま申し上げました税制の面と、地方公共団体が主導的な役割りを果たすべきではないかというような点について両大臣の御見解をお聞きして、私の質問を終わりにいたしたいと思います。

園田清充自由民主党・自由国民会議国土庁長官

○園田国務大臣 お答えをいたします。  一つは市街化区域内の農地のA、B農地が現在課税されておりますが、C農地が課税されていないということで、私どもも税制の問題からは速やかに是正検討していくべきだということで、実は与党の方でも、また政府税調におきましても、御承知のとおり五十七年度から税制の見直し、実施を図れということで方針を決めておるわけでございます。そうすることによって市街化区域内農地の宅地化が促進されるというふうに期待をし、同時に私どもは農住組合法によって宅地の供給がかなり促進されるのではないかという二本立て、三本立ての姿の中から土地の供給促進という面からの努力もしておるところでございますし、なお、地方公共団体の土地取得について、公用地としてどしどし土地政策の中に入って協力をさせるべきではないかという先生の御提言、まことに御提言のとおりだと思います。近県におきましても公社等が設定をされて、そしてそれぞれの御活動を願っているところが大部分でございますので、今後とも御趣旨のような方向での協力を、私ども国の段階としてもなすべきことはなしつつ協力をしてまいりたいというふうに考えます。

渡辺栄一自由民主党建設大臣

○渡辺国務大臣 税制の面につきましては、先生おっしゃいましたように私ども、とりあえず重課の問題についてまずこれを優良宅地についてもとに戻すということでやったわけでありますけれども、五十四年度に実施いたしました場合には優良宅地の状況が非常に厳しゅうございまして、実はその実効が上がらなかったわけでございます。今年度は、御承知のようなふうにいわゆる長期譲渡についての問題につきましては、宅地供給が促進されるようにという配慮から措置をいたしたわけでございます。先生の場合はさらにそれをもう少し積極的に推進をするということでございまして、十分検討してまいりたいと思いますし、それからなお保有税の問題につきましては、いろいろ議論をされておりますけれども、その実際の運用についてなかなか困難であるということで今日まで実現しておりませんけれども、今後におきましては十分検討する必要があると思っております。  それから第二点の、地方公共団体等が住宅用地を確保してこれを利用するようにしたらどうかという御意見につきましては全く同感でございまして、現在もやれないわけではありませんけれども、さらにこれが強力に推進できますように、自治省、関係省庁とも十分協議をいたしまして推進をいたしてまいりたい、かように考えております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 国土庁長官、私は農地の宅地並みのことは触れてないのですよ。宅地の部門についての保有税ということを強調したわけなんです。農地の宅地化それから宅地並み課税、この問題については私は私なりの考え方を持っておりますし、その面の見直しということでありますから、また別な機会に私どもの意見を十分聞いてこの見直しにおいても対処していただきたいということを御要請申し上げて、終わりたいと思います。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 午後二時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。     午後一時五十七分休憩      ————◇—————     午後二時五十一開議

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。貝沼次郎君。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 土地問題で何点かお伺いをしたいと思います。  都市計画あるいは再開発、土地利用計画というようなものが、好むと好まざるとにかかわらず地価問題につながらざるを得ないということは私が言うまでもないことでございます。これにどう対処するかという問題を避けて通ることはできません。また、土地問題は地価の上昇による用地取得難として意識されておりますが、実際はより深く都市計画にかかわっていることを認識しなければなりません。土地の利用は個々の所有者だけがいかにうまく利用しても都市がよくなるということは、これは言えません。  その上、土地には特殊性がありまして、これは私の認識を申し上げるわけでありますが、たとえば土地は空間的に固定されて動かないという特殊性がございます。それから、土地は生産することができない。宅地造成とかあるいは埋め立て、これは土地の生産ではございませんし、また農地から宅地へ、海水面から埋立地への利用転換、これも転換したにすぎません。それから土地は持っていても減ることがないという特殊性があります。腐ることもない。置くだけで価値が日本の場合いま上がっております。それからもう一点特殊性としては、土地は空間的に連続した存在でありますから、ある土地を一つの用途に使用いたしますと、それに接続した土地というものが必ず影響を受けていくということがございます。つまり、土地の使用は独立して存在するものではないというような特殊性がございます。  それから、地価と土地利用計画との関係でありますけれども、地価は一義的には土地利用計画によって規定されますけれども、同時に自由主義経済のもとでは地価形成の運動というものが土地利用を規定するという反作用もあるということは見逃すことはできません。また仮に、マスタープランができていても、土地の利用について絶対的規制のなし得ない自由主義社会のもとでは、全体計画の中のどの部分から実行に移していくかというこの順序によって全体計画自体が影響を受ける場合がございます。地域の土地利用は、当初計画で予測した形とは違った発展をする場合すら出てくるというふうに思います。それからもう一つの点は、今回の地価の上昇は全国一律なものではなしに三大都市圏が主であるということ。これは論ずるまでもなくそうなっておるわけでございます。  このようなことを考えてみますと、再開発問題とかあるいは都市づくりということはこの土地問題、地価問題を抜きにして考えることはできません。こういうことで、今回も土地の集中的な審議ということになったのだろうと思いますが、したがって、ここで土地あるいは地価問題にしぼって議論することは非常に意義がある、こう思っておる次第でございます。したがいまして、いま私は私自身の土地に対する認識を申し上げたわけでありますが、こういう私の土地に対する認識に対しまして、当局としてはどういう認識をお持ちなのか、こういう認識でよろしいだろうかどうかという点について伺っておきたいと思います。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 ただいまの先生のお示しになりましたお考えは、全くそのとおりであろうと思います。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 それではそういう認識の上に立って私は議論を進めてまいりたいと思います。  初めに土地ということでありますが、一般に土地と宅地ということが厳密に区別されておるかどうかということだと思うのです。土地はあっても宅地がないという場合があります。  それから、それならば土地と宅地というのはどういうふうにして区別すべきものであるかということが問題でありまして、土地が出てきても宅地にならない場合は家が建たないわけでありますから、むしろ国として考えていかなければならないのは、宅地をどうしてつくり出すかという問題になろうと思いますが、宅地と土地というものは当局としてはどのように考えておられるか、この点を伺っておきたいと思います。

宮繁護建設省計画局長

○宮繁政府委員 大変むずかしい問題でございますけれども、私どもも、素地である土地に対しまして、社会資本その他の投資が行われましてこれが現実に生産、生活その他に利用できるような形態になった場合に宅地と認識するのがいいのではないかと考えております。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 そういたしますと、いま三大都市圏においてこれから出てくるであろうと予想される宅地は相当見込まれるというふうにお考えでしょうか、あるいは非常に困難だとお考えでしょうか。

宮繁護建設省計画局長

○宮繁政府委員 現在のところ、三大都市圏で今後いわゆる宅地、これは住宅の敷地のみならず工場敷地もございます、事務所用地もございますし、あと社会福祉施設、文化施設、あるいは公共的な道路、公園、その他の敷地も含めまして宅地と考えまして、こういうものが昭和五十一年から六十五年までの間に大体十万ヘクタール程度必要だと考えております。これがスムーズに素地から宅地に転換できるかどうかというのは大変大きな課題でございます。  この点につきましては大変むずかしい問題が現在いろいろ起こっておるわけでありまして、一つは素地でございます農地や山林原野が流動化して、開発業者その他加工してこれを宅地にする人たちの手になかなか入らない、こういう素地の供給減少の傾向が見られます。それからまたもう一つは、公共団体が人口急増によります財政負担に耐えかねまして、もう人口が張りついてほしくないということで団地お断りあるいは市街化お断りというような傾向もございます。もう一つの問題は、これらの原因によりまして素地を宅地に製造加工いたしますデベロッパー等におきましてかなり事業意欲が減退しておるという状況が現在ございます。これらの隘路を打開いたしまして、山林原野等の素地が宅地に社会的摩擦が少なくスムーズに転換いたしていくようにするのが当面のきわめて大きな課題だと認識しております。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 それから日本の現在の地価が上がっておるということは、もう先般来何回も質問に出ておりますし、現実に上がっておるわけでありますが、今度は日本の国内の上がりぐあいだけではなしに、わが国の宅地というのは諸外国と比べて高いのか安いのか、私が聞いた範囲では、西ドイツとかアメリカ、イギリス等と比べると日本の場合はけた違いに高いというふうに聞いておるわけでありますが、大体日本とか西ドイツ、アメリカ、英国、こういうような国を比較した場合に、一平米当たりの地価というのはどれぐらいになっておるのか、この辺の数字がありましたらお示し願いたいと思います。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 実は、日本のように地価公示のような制度がない国が多うございまして、正確な数字はないわけでございますけれども、昭和五十一年を基準にいたしまして、昨年、私どもで外部に委託をいたしまして調査をしてみました。イギリスがその当時平方メートル当たり二千百円、アメリカが三千九百円、西ドイツが六千百円、それに対しまして日本は三万五千円ということでございまして、日本は諸外国に比較いたしまして確かに地価が高いという結果になっております。     〔委員長退席、伏木委員長代理着席〕

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 このように、日本だけがけた外れに高いんですね。三万五千円。アメリカはかなり広いところでありますから、三千九百円というのも考えられるけれども、西ドイツあたりで六千百円というのは、いかにもこれは安い。あるいは英国だって島国でありますけれども、二千百円。日本だけが三万五千円、べらぼうに高いわけでありますが、これはどういう原因によってこんなに高いのでしょうか。その理由を聞かしていただきたいと思います。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 いろいろな原因があろうかと思いますが、一番大きな原因は、やはり可住地面積当たりの人口密度等に相当の差がある、いわゆるわが国におきましては土地が非常に希少性があるということでございます。それから、経済活動の規模と利用可能な土地の量との相対関係から見まして、高密度に日本は利用されておる。その三点が大きな点であろうと思います。若干数字を挙げて申しますと、可住地面積で見まして、日本は十二万二千四百万キロでございます。西ドイツは十七万二千四百万キロ、それに対しまして、当時の人口で見ますと、日本が一億一千二百七十万、ドイツは半分の六千百五十万ということでございます。さらに、可住地二平方キロメートル当たりの人口を見ましても、わが国は当時九百二十一人、西ドイツが三百五十七人ということでございます。さらに、生産性で見ますと、可住地一平方キロメートル当たりの名目の国民総生産で見ますと、日本は十一三億四千三百万円、西ドイツは八億九百万円ということでございまして、それらの諸元を見ますと、日本の土地が高いのもある程度うなずけるというふうにわれわれ考えております。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 なぜ高いかという原因を探ればそういうふうになると思います。しかしながら、一方、だからこれぐらいの数字はやむを得ないということにはまたならないんじゃないかと思います。二倍、三倍という数字でありますけれども、ところが、西ドイツと日本は三万五千円と六千円の違いでありますから、ずいぶん違うわけでありますから、ただ単に理由を聞けばそういうふうになるかもしれませんが、だからこれで仕方がないのだということには私はならぬと思うのですが、この辺はいかがでしょう。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 比較の問題でございまして、大変むずかしい問題でございますが、私どもも決して、だから日本の土地が高くてよいのだというふうには思っておりません。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 それから、先般、国土庁の公示地価というものを見ましても、これはもう一々数字を申し上げる必要もないことでありますが、全体平均一〇%の上昇、特に三大都市圏一六・三%、東京圏が一八・三%、大阪圏一三・五%、名古屋圏が一四・二%、それに比べて地方都市の方が九%。したがって、異常なのは三大都市圏ということになっておるわけであります。そのため、三大都市圏に生活する人と地方都市に生活する人とでは、ずいぶん違ってきておるわけですね。たとえば同じ会社に勤めておる人でも、東京でマンションを二千五百万円で買った。そうすると大阪だと二千万円ぐらいで買える。それから、地方に行きますと千五百万ぐらいで買える。そこで退職をしていったような場合、これはもう一千万の差があるわけでありますから、東京におる人とずいぶん違ってくるということがわかるわけでございます。これくらい差がございまして、三大都市圏だけが上がっておるわけでありますが、しかし、この地価の公示価格というものが実勢と合わないという話もまたございます。もちろんこれは、実勢と合わないというのは性格上当然のことだという議論もあるわけでありますけれども、しかし、実勢と合わないだけでなく、これがむしろ地価高騰の役割りを果たしているのではないか、あるいはこの公示価格があるがためにむしろ地価が上がっていくんじゃないかというところすら見えるわけでありますけれども、この辺については当局はどのようにお考えでしょうか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 方々で言われております実勢価格というものの実体が実は余りよくわからない言葉でございますけれども、私ども、現に取引をされている価格、もしくは売りに出されている店頭価格等を実勢価格と呼ばれるのだろうと思っております。実際の問題といたしまして、たとえば同じ世田谷区の中に宅建業者が相当ございますけれども、同じような物件を窓口に挙げておりまして、値段が相当差がございます。必ずしも実勢価格が統一がとれているというわけでもないようでございます。むしろそういうことが問題なので、正常な取引価格について何か示すべきではないのかというのが公示価格の発祥のもとであったとわれわれは思っております。  したがいまして、先ほどもお答えいたしましたけれども、売り手にも買い手にも偏らないその土地の、たとえば収益還元法により、造成原価法により、それからやはり取引事例法により、そういうことで鑑定された値段というのを正常な価格として全国にネットワークを張っておるというわけでございまして、それを指標とし、もしくは規準といたしましていろいろな取引が行われておるということでございます。またそういうことを期待しておるわけでございまして、特にたとえば地価公示法で書いておりますように、不動産鑑定士の鑑定の場合の規準、それから公共事業の実施におきます場合の補償額算定の規準、国土利用計画法による土地取引の許可制及び届け出制によります規準というふうなことでございまして、相当に活用をされておるわけでございます。したがいまして、むしろ地価公示の地点数をふやす、もしくは内容を充実する、PRに努めるというようなことが今後の私どもに課せられた任務であろうと思っておりまして、地価公示につきまして一概にそういうふうな役に立たぬというような非難は当たらないと私どもは思っているわけでございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 実は私も、役に立つようになってもらいたいと思っているのです。ところが、案外これが役に立ってないんじゃないか。たとえば、普通巷間では公示価格の大体二倍が実勢価格であると言われておるのですね。あるいはマンションだと三倍だと、こう言われております。業者の話を聞きましても、土地取引の交渉のポイントは公示価格に何%上乗せするかが常識である、こう言われておるのです。したがって、公示価格を政府がこれは何ぼというふうに出しますと、あとそれに何%上乗せするかが業者の腕なんだそうでありますから、むしろそれをステップに上がるわけですね。それよりも下げるという話はありません。それから、この土地は公示価格でさえ何万円ではありませんか、だから何ぼ何ぼですよと、こういうふうな言い方が使われておる。いわばこれは地価上昇の免罪符として使われておるということなんですね。  それから、鑑定士の中には、どういう人がおるのか私よく知りませんが、ことしは前年比何%アップに押さえて鑑定したら喜ばれるかということがあうんの呼吸でわかるそうですね。それで大体その辺の数字を出してくる。それによってでき上がる公示価格である。これでは一体何の意味があるんだろうかなということなんです。  それから、鑑定のやり方でありますけれども、通常鑑定は、いま御答弁がございましたように、原価法、取引事例比較法、収益還元法、これでやっておるようであります。しかし国土庁は、五十年から取引事例比較法のウエートを弱めたということを私は聞いておるわけであります。これをそのままやっておりますと地価が高く出てくるのでこのウエートを下げた、こういうふうに聞いておるわけでありますが、これは一体どういう理由によるものであるか。なぜそういうことをしたのか。この辺のいきさつを伺っておきたいと思います。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 まず第一点でございますけれども、いわゆる公示価格はマル公ということではないと思っております。昔公定価格というのがございまして、その公定価格があれば、それに何%上乗せという話も起こるわけでございますけれども、公示価格の使い方というのは、いつも申しますように、これが一つの物差しでございまして、そこに書いてある十一の地価公示の事項と比べて、自分のところは駅に近いからもっと高いのか、周りの道路が広いから安いのかというような点について検討されるということでございまして、その結果が、公示価格の上乗せに幾らになるかということは確かに鑑定上も出てくることかと思います。  それから、鑑定士の方々のお話もございましたけれども、そういう点につきましては、私ども、平素厳しく申し上げております。特に、不動産鑑定士の方々には、不当な鑑定をなさった場合には、法律上罰則がございます。そういう罰則を背景にやっていらっしゃることでございますので、やはり士としての誇りに燃えてやっていらっしゃると私どもかたく信じております。また、そういう指導は一切いたさないようにいたしております。  それから、五十年に、取引事例比較法の中で、取引事例についてウエートを緩めろという指導があったということでございますが、これは緩めろという指導ではなくて、四十七、八年のときのいろいろな取引事例等によりますと、これはまさに投機的土地取引でございまして、いわゆる資産保有のための相当高い取引が多かったわけでございます。したがいまして、そういうふうな買い進み値段については正常な取引価格の事例にはならないぞという意味で、最近もずっとやっておるわけでございますけれども、買い進み価格もしくは売り進み価格については捨象して、残ったものを参考にするというスタイルでやるのが正しい取引事例法である。これは鑑定委員会の方からの御指示がございまして、そういう指導をいたしておるわけでございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 ただいまの答弁で、そういう土地投機に走ったような場合はウエートを下げることもあるいはいまの答弁のとおりかもしれません。しかし、その後は投機でないと言っているわけでありますから、いま特別ウエートを下げることはないんじゃないか。もしいまウエートを下げるというなら、逆に言えば、いま投機性がありと当局は判断をしているということになりはしないか、この点が一点。それからもう一つは、当局がどんなに一生懸命に言っても、現実は余りにも差があり過ぎるということは事実であるということ。それか、さらにこの公示価格の決め方について、これを本当に信頼できるものとするためには、やはりやり方をもっと検討する必要がある。そして、これが確かにいいものであるとみんなから判断されるようなものにしなければならないんじゃないか、こう思うわけであります。もしそれができなければ、いっそのことやめた方がいいんじゃないか、こう思っておるわけでありますが、もう一度答弁をお願いいたします。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 先ほど申し上げましたのは、投機だからということではなくて、買い進みと申し上げたわけでございまして、実際、いまでも買い進みの現状はございます。たとえばミニ開発を例にとりますと、ミニ開発であれば、たとえば三十坪の土地をそのままで売るというわけになかなかまいりません。必ず建て売りという形式で売るわけでございます。そういう建て売りにいたしますと、上物下物合わせて幾らというということになりますので、少々土地が高くても商売になるという意味で、そういうふうな正常価格を抜きにいたしまして土地をまず買うというようなことが起こってくるわけでございます。そういうふうなものはやはり一種の買い進みでございまして、実需に基づくものでございますけれども、そういうふうな買い進みは困る。  それから、競売等がございます。競売等によってついた値段は、やはり取引事例でございますけれども、そういうものはやはり正常な価格とは認められない。そういうものは対象から外すというような趣旨でございます。  それからやり方の検討でございますが、これはきわめて大事な話でございまして、現在土地鑑定委員会の中に制度調査小委員会というようなものをつくっておりまして、ここで一年半ばかりかけていろいろな検討をいたしてまいっております。中で問題になっておりますのは、たとえば資質向上のための研修の問題、それから鑑定の標準化の問題、その他いろいろございますけれども、相当各方面の方々にも入っていただきまして、慎重に検討いたしております。ことしじゅうには建議のかっこうでまとめていただけるのではあるまいかというかっこうで現在進めておるわけでございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 そういたしますと、検討しておるということは、この公示価格の決め方について新しい方向のものをつくり上げたいという意思があるということですね。新しく決め方を検討しておるということですから、これは、別の方法で決めていくことを考えておるということですね。その点はいかがでございますか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 鑑定手法の中身についての検討でございます。したがいまして、鑑定をする場合にいろいろな鑑定士がおられますけれども、それの誤差が余りあっては天下に申しわけないわけでございまして、いろいろな意味で、鑑定手法の中で、取引事例法なりそれから収益還元法なり原価法なりございますけれども、そのおのおのにつきまして、そういうものを何の資料を使ってどういうふうに判断をしていけば、どういうふうな結論が得られるかというようなことについての資料収集から、そういう判定の仕方についての標準化の方向についての検討を行っておるということでございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 それから、先ほど私申し上げたのですけれども、鑑定士が、あうんの呼吸で、大体何%ぐらい上げればいいかがわかるという話を私は聞いたのですが、これは、実際そういうことはにおいがあるのでしょうか。どうでしょうか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 実際は全国を数ブロックに分けまして、鑑定士の方々のグループがございます。その中にリーダーがやはり決まっております。そのリーダーの方々が最終的に、二人の意見が違う場合にはある程度第三鑑定のようなかっこうで調整される場合がございます。そういうことを恐らくそういう場合にはおっしゃっておるのではないかと私思います。そういう意味で、やはり鑑定士も人でございますので、何%かの鑑定差はあるわけでございます。しかし最終的にはある鑑定士の名前で判こを押すというためには責任を負わなければならない。そういう意味で、そういう場合のリーダー鑑定士との相談はなさっておるようでございます。そういうことについてのお話ではないかと思います。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 そうすると、やはりあるんですね。そういう風評が出ないように、どうせ決めるなら厳正に私はやらなければならぬと思います。もしそれができなければ、もうこういうものはやめた方がいいと思っております。  それから先般、四月の十五日、政府は土地対策関係閣僚懇談会を開きまして、地価対策について議論をしたようでございますが、なぜいまこの議論を急遽持ち出したのか。この点が、点。それから、そのねらいはどこにあったのか。たとえば国土法の発動という点なのか。あるいは土地税の緩和による宅地が思うように出てこなかったというようなことなのか。あるいは地価対策として自信のあるものが見つかりそうだから閣僚懇でやったのか。見つかりそうもないからだれかに意見を求めたという形のものなのか。それとも、参議院選挙が近いから単なるポーズとしてやったという批評もあるわけでありますけれども、一体どれが本当のところなのか。その辺の本音を聞かせていただきたいと思います。

園田清充自由民主党・自由国民会議国土庁長官

○園田国務大臣 お答えをいたします。  実は、数字をお挙げになりました対前年比の土地価格の上昇、特に住宅地を中心としてかなり強含みの傾向にある。私どもの公示価格自体にも先生御指摘の問題がいろいろあるのだということでございますけれども、私どもは誠実にやったつもりです。ただ、地価動向が国民生活に及ぼす影響を考えますと、緊急に何らか対策を講ずべき必要があるのだ。と同時に、今日までやってきたことも——実は少し答弁が長くなるかもしれませんけれども、お許しをいただきたいと思いますが、私どもは三全総の中で、過密過疎の解消、都市への人口、産業の集中の抑制ということで地方への定住構想を進めておるわけでございます。その一つとして、実は私ある企業を訪ねました。というのは、自然環境を侵さずしてそうした働く場所があってこそ地方定住構想が推進できると考えて、暇を見ては企業を訪ね、同時に大臣室においでいただくというようなことで進めておりますが、その中で、はしなくも、「惰性からの脱出」というのがある企業のに書いてございました。あれは何ですかと言ったら、なれからの脱出だということで、「惰性」をなれと向こうは読んでいらっしゃいました。そこで、いまおっしゃったように、私どもなりに精いっぱい努力はしているけれども土地価格についてはなかなか思うとおりに進まない。これは今日までやってきたこと自体にも、一つの惰性の中からむだとかなれ過ぎてきたことで土地政策の推進の上に反省すべきことがあるのではないかということで私どもなりに考えたわけでございます。そこで、ひとつこの機会に土地と関係のある閣僚の方に御出席をいただいて意見を聞こうということで関係閣僚懇をやったわけでございます。  そこで、まず第一回は、国土庁はどう考えているのだということでございますが、いま申し上げたように、なれの姿の中で私どもが御注意いただかなければならないことが現行法の中においてもたくさんあるかもしれない。同時に、今日のような土地対策の中でこうした価格上昇を続けている、強含みでなお将来も動いていくということになるならば、この際、私ども自体検討し、考えることは考えていかなければならないということで、関係各閣僚のお知恵拝借ということで第一回は終わっておるわけでございます。  近々第二回を開いて、長年の経験なり自分の担当行政の範疇の中でいろいろ御意見を出していただき、これを緊急当面の対策として土地対策の中に生かしていきたいと考えておるわけでございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 私はどうも参議院選向けのような気がするわけでありますけれども、それでもやらぬよりはいい、やるならば効果の上がるようにやっていただきたい、こう思った次第であります。  そこで、土地の高騰の原因は何かという問題でありますが、これは国土庁はいろいろなところで発表いたしておりますので、いま私は答弁は求めませんが、一つは効用の増である、それからもう一つは需給ギャップであるということでございます。     〔伏木委員長代理退席、委員長着席〕 効用の増はいいとしても、需給ギャップをどうやって解決するのか、ここが実は問題だろうと思うのです。需給ギャップを解決するいい方法はあるのかどうか。要するに需要を減すのと供給をふやすという方法と両方あるわけですが、この場合、供給はどうせふえてくるのですから需要の方を減すような方法が非常に大事なのじゃないかと思うわけでありますが、その辺の当局の考えはいかがなんでしょうか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 確かに需給ギャップが非常に前面に浮き上がっております。したがいまして、需給ギャップを解消するには需要を抑えるのか供給をふやすのか、二つに一つを選ぶしかないという気がいたします。しかし、私ども需要はどうかという点を分析してみますと、マクロで見ますと、先ほど建設省からもお話がございましたように、たとえば三全総で申しますと五十一年から六十年までの間に十二万八千ヘクタールのミディアムグロスの新規宅地が必要だということを言っております。五カ年計画でも五年間で六万六千ヘクタールという想定をいたしました。それを平均しますと毎年大体一万三千ヘクタールくらいの供給が必要だなということになります。それに対しまして、四十七年ごろがピークだったと思いますが、その後漸減をいたしまして、現在では一万ヘクタールを切るというのが供給の実情でございます。そういう意味からマクロに見ますれば、そういう計画を達成していく上にも供給が不足だなということが言えると思います。  それから、需要の面でございますけれども、これも先ほど国土庁長官からお話がございましたけれども、私どもの分析によりますと、最近本当に住宅を求め宅地を買っていらっしゃる方々の内訳を見ますと、その六割はサラリーマンであり年収も三百万円台前後、年齢も三十歳代、四十歳代という方々でございまして、これは若干私見も入りますが、ちょうどベビーブーム期の皆さん方が家庭を持たれて子供ができた、そういう方々がいま真剣に家を求めておられる、いままでは小さい家でがまんをしておったけれども新しいマイホームを持ちたい、こういう需要が中心であろうかと思います。そういう方々に対して一概に需要を抑えるのが果たして適当な政策であるかどうかという点については政策判断が必要なところだと思います。  先ほど申し上げましたように、全体から見て、あるいろいろな計画を無にしないという意味からも供給の促進策が一番の基本であるということで供給促進こそ目下の旗印だというふうに私どもは考えております。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 需要の方も考えなければならぬと私は考えておりますので、そういう点を申し上げたわけでありますが、では具体的にどういう方法がいままで行われ、また今後どういう方法で対処しなければならないかということになると思うのです。私はこれからその具体的な方法について何点か当局の見解をただしたいと思っておるわけです。税制による問題、建築基準法に関係する容積率の問題、さらにインデックス債の問題など何点かについて考えを承っておきたいと思います。  まず初めに税制による問題でありますが、果たして土地税制によって土地政策はできるのかどうか。土地対策というものは、それそのものの対策があって税制は補完的にあるのではないかという考え方を私はどうしても持つわけでありますけれども、まず、税制で土地政策はどの程度できるという考えなのか、この辺のところの感触を承っておきたいと思います。

宮繁護建設省計画局長

○宮繁政府委員 宅地の供給促進策といたしましては、先ほども大臣から御答弁もありましたけれども、公的機関によります計画的な宅地の開発あるいはまた民間の優良な宅地開発に対します政策金融その他の措置あるいは現在大変問題になっております公共団体の関連公共公益施設の負担の増大に対処するために関連公共公益施設整備の拡充、立てかえ制度あるいは起債の問題、そういった問題の改善、さらには都市計画法、線引きの見直しあるいは開発許可の弾力的な運用、こういったような点で新しい市街地の宅地供給の促進をやる一方、都市の再開発によります土地の有効利用を図りまして、既成市街地の土地をさらに一層有効に利用していくというような施策の推進、こういったものとあわせまして土地税制の改善を図ることが必要だと私どもは認識をいたしております。  それで、今回の土地税制の改正につきましては、個人の土地等の譲渡所得課税につきまして、投機的な土地取引はやはり引き続き抑制するというような観点から、短期譲渡所得に関係いたします重課税制度はそのまま保持する、円滑な宅地供給の促進を図る見地から長期譲渡所得課税につきましては見直しを行ったわけでございます。このことによりまして宅地供給量がどの程度数量的にふえるかという点は大変むずかしゅうございまして、率直に申し上げまして、この土地税制の緩和によって一義的にどの程度宅地の供給量がふえるかということははっきりはいたしません。と申しますのは、これは景気動向あるいは利子率の変動、また建築資材の動向その他もろもろの影響によりまして土地の流動化の量が決まってまいるわけでございまして、直ちに数量的には申し上げることは大変むずかしゅうございますけれども、私どもは、今回の改正によりまして土地の流動化が図られまして、相当量の供給増につながるものだと考えております。  それからもう一点、今回の改正によりまして、三大都市圏の既成市街地の土地等を中高層耐火共同住宅の建設のために提供いたしましたような場合には買いかえ制度の創設が図られました。この点は、いままでも問題になっております大都市の既成市街地、特にマンション用地等の価格が問題になっておりますけれども、こういった既成市街地の土地の有効利用の促進に相当な効果があるのではないかと期待をいたしておるわけでございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 当局はかなり期待をしておるようでありますが、案外これは期待するほど出てこないのじゃないか、こう私は思っているのです。と申しますのは、一つは、これは自治省の調べによる資料でありますが、五十年に税制改正をやった後、果たして当局の思惑どおりの動きがあったかどうかということなのです。先ほど大臣の答弁では、宅地供給実績を見ますと四十七年がピークで確かにその後ずっと下がってきておる。五十年以降、今度は税制が変わったわけですから、これが変わるかと思ったら数字は変わってないのですね。予定どおり下がっておる。  それからもう一つは、これは三大都市圏の特定市の市街化区域の農地の減少率というものを五十年を境にして見ますと、A、B農地とC農地とありますから、A、B農地、これは五十年以前は軽い税制でありましたが、C農地はその後重くしてあるわけでありますが、それにもかかわらずこの差というものは変わっておりません。ということは、税制によっては余り影響がないのじゃないか。今回の税制によっても、かなり期待されておるようでありますけれども、恐らく余り期待できないだろう。  さらにこれは、たとえば五十四年度から土地税制が緩和されまして、これまでは土地の譲渡には税制面で歯どめがかけられておったわけでありますが、それでも業者に言わせると、税金を払っても実は損はしないのだ、こういうことなのですね。たとえば一坪、三・三平米五十万円の土地を百坪、三百三十平米買って、一週間後に二〇%上乗せして売ったといたしますと譲渡益が一千万円、これに対する税金、法人税が三五%、短期譲渡益重課税が二〇%、さらに事業税や住民税を足しまして合計で約七百六十五万円になるのだそうですね。つまり、税金は四分の三ぐらいである。もうけが四分の一。二百三十五万円というものは間違いなく入ってくるということから、実際税制なんか少々いじくったって土地売買に余り影響がないのだということを言っておるわけであります。こういうようなところから、土地税制というものが変わることによって当局が期待するほど果たして出てくるのかな、余り出てこないのじゃないかなという感じがするので、私はいま申し上げておるわけでありますが、この辺はいかがでしょうか。  また、大蔵省もきょうは見えておるはずでありますが、この辺の大蔵省の考え方を教えていただきたいと思います。

内海孚大蔵省主税局税制第一課長

○内海説明員 お答え申し上げます。  土地税制が土地の供給なり地価の動向なりにどういう影響を与えるかという問題につきましては、ただいまお示しのように、やはりこれは補完的、誘導的なものにとどまるのではないか、基本的には土地政策なり都市政策のよろしきを得て運用すべきではないかというお話につきましては、私どもも、また政府の税制調査会におきましても同じような見解が表明されているわけでございます。しかしながら、経済活動におきまして税というものがいろいろな意味で大きな影響を持ってくるということ、これも否定できない事実でございまして、その意味で、そのときどきの実勢に合わせまして、一方において税の適正な負担を求めるという観点とともに、やはり土地の問題についてもある程度情勢に合わせていくという努力も必要なのではないかというふうに思って、今回の改正をお願いしたわけでございます。  三月三十一日をもって可決成立をいただきました新しい土地税制につきましては、そういうことで今後期限を設けませんで、安定させてそれでじっくりとその効果が出てくるのを待ちたいということでございますので、ひとつ余り短兵急でなく長い目で見守っていただきたい、こう思うわけでございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 短兵急に言うわけじゃありませんが、確かにいままで税制がしょっちゅう変わってきましたから、税制面で強化すればどうせまたそのうちに下がるだろうという期待があって、また効果もなかったと思うのですね。そういったところは、いままでやってきたことについでの責任もまたあると思うのです。今後はその辺のところを考えて、そうしてしょっちゅうしょっちゅう変わるようなことのない税制というものでなければ効果がないだろう、こう思うわけであります。  それから、先ほど私はA、B農地とC農地の話をしたわけでありますが、自治省の調べなどを見ますと、たとえば練馬あたりでC農地というものは六百三十・六ヘクタールぐらいあるそうでありますが、果たしてこれはC農地としてあるものでしょうか。C農地の定義からいけば、たとえば一万円未満、そういう坪単価の土地というものは練馬あたりには果たしてあるのかどうか、非常に疑問に思うわけでありますけれども、この辺はいかがでしょうか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 東京都内、少なくとも二十三区の中にはC農地はございません。  それから、先ほどもお話がございましたけれども、A農地、B農地につきまして、特定市では宅地並み課税を課したわけでございまして、それは余り効果がないということでございました。確かにすごい効果を上げたわけではございませんけれども、統計で見ますと、たとえば四十八年から五十三年までの年平均の転換率、A農地について見ますと八・六%、B農地につきましては七・三%でございます。それが、全国平均で見ますと、Aに当たるものが六・五%、Bに当たるものは五・四%ということでございまして、いずれも二%以上転換率は進んでおるということがやはり言えるわけでございまして、宅地並み課税についてもある程度の効果を上げておるというふうに私ども思っております。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 私はきのう自治省に聞いたのですよ。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 訂正いたします。間違いました。Bがなくて、AとCだけでございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 そうでしょう。私はきのう自治省で聞いたのですから。Cが六百三十・六ヘクタールあるのだそうです。ところが、現実にCの定義に当てはまるようなものかということは、もう私が言うまでもなくおかしいと思うのです。したがって、A農地は宅地の平均価格以上または五万円以上とか、あるいはB農地はというふうに定義がございますけれども、このA、B、Cの定義そのものがいまもう合わない、ちょっと考える必要があるのではないかという感じがいたしますが、この点はいかがでしょうか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 これは相当前にA、B、Cの基準が決められておりまして、それが現実に合うかどうかということになりますと、私どもも余り実態に合わぬのじゃないかという気はいたします。今後考えます際には、市街化区域内農地の全部を対象に考えていろいろな対策を講ずべきではないか、いま内々の検討をいたしておるところでございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 ぜひ検討していただきたいと思います。  それからもう一点は、宅地の値上がりの裏に、いわゆる実質的な土地転売といいますか、要するに契約変更ということが行われておるそうであります。  ある業者に聞きますと、たとえばAという地主それからBという不動産屋の間で契約を結ぶわけです。そうして二〇%ぐらいの手付を打つわけです。あと残金については三カ月以内ぐらいに払う。そして全部終わった時点で保存登記をする。その時に売買は成立するわけであります。ところが、その三カ月以内のうちにAという人とBという人の契約を破棄して、今度はAとCの契約にする契約の変更を行う。その場合には、地主の方から破棄するわけでありますから、当然手付金の二倍のお金を支払うわけであります。というぐあいにして何人か経て、そして土地の方はどんと値上がりする、こういうことが実際に行われておるそうであります。とにかく娘一人に婿百人と言われるぐらいに、一つの土地が売りに出されれば不動産会社が百ぐらいばっと来るそうでありますので、それこそ数時間のうちに何回もそれが行われて、いわば実質的転売が行われておる。しかも、それが合法的に行われておる、こういうふうなことで土地が値上がりすると言われておるわけであります。  したがって、こういう問題について、合法的であるからどうしようもないかもしれませんが、当局はそういうやり方というものを好ましいものと考えるのか、それとも好ましくない。好ましくないならばどういうふうに対処しようと考えるのか。たとえば、どういうふうに変更したかというその経歴を見れば、これは意図的にやったものであるかそうでないかということはわかるわけでありますから、打つ手はないとは私は考えられません。そういうようなことから、当局のこれに対する見解を承っておきたいと思います。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 いま先生のおっしゃいましたような実例について、私詳しく存じませんので勉強してみたいと思いますが、国土利用計画法の対象になっております届け出制がございますが、その中では、売買には「予約を含む。」と書いておりまして、手付を払うという場合には当然予約になるということでございまして、その点は国土法の規制の対象内におきましては、現在やはり届け出の制度の中でできない仕組みになっております。その点をさらに厳しく監督していきたいと思います。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 私がこういう例を挙げましたのは、要するにただ大きな法律をつくって決めていっただけでは土地の高騰をとめることはできませんよ、実際面にわたって細かい点まで見て手を打っていかなければとてもとても土地の高騰に歯どめをかけることはむずかしい、ただ税制を改正したからもう何とかなるだろうという甘い考え方では恐らくいかないだろう、実はこういうことから申し上げたわけでございます。  それから、土地保有税に対する問題でありますが、これはもう前々からずいぶん議論がございます。この土地保有税に対する選択制度を導入せよということを、私は先般も当委員会で言ったことがございますし、あるいは二重線引きという考え方も出てきておりますが、こういう考え方について当局はどういうふうに考えようとなさっているのか、場合によっては選択制度、たとえば千葉大の清水先生あたりは、農地は永久的に農地にしてしまえということを言っているようでありますが、永久というのはちょっと言い過ぎでありまして、私はたとえば二十年とかいうような期間を設けてやることが考えられるのではないかという感じがいたしますけれども、当局の見解を承っておきたいと思います。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 最近におきまして、保有税の適正化の中で、たとえば市街化区域内の農地等に対しまして、従来と同様ずっと営農を続ける場合には、宅地並み課税を避けるべきではないかという議論がございますが、先生のお話はそういうものにかかわるものだと思います。政府の税調の答申によりますと、そういうものにつきまして十分営農の継続等についての配慮をしながら新しい宅地並み課税は検討すべきだということであります。そういう方向で今後検討していかなければならないというふうに考えておるわけでございます。  二重線引きという話がございましたけれども、いわゆる線引きというのは公的な、上の方からやる話でございますが、それを上の方からやるのか、皆さん方の意思に任せるのかというところで恐らくそういう取り扱いが分かれるのではないかと思います。  私ども、いずれにいたしましても、営農の継続ということには十分配慮する必要がある、同時に、そういう答申にあるような宅地並み課税の適正化をやっていくべきであるというふうに考えているのが現在でございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 これはなかなかむずかしい問題ではありますが、避けて通ることはできない問題だろうと思います。  それからもう一つは、土地譲渡益に対する課税を部分的に強化したらどうかという考えの人がおるわけでございます。たとえば飯田先生あたりがそういうことをおっしゃっているようであります。要するにたとえばの話でありますけれども、譲渡所得税をたとえば三年間くらいは現行のままにしておいて、いまの制度でいけば土地を売ったらもうかるわけでありますから、もうけるならもうけたっていいわけです。ところが二年後、十億円を超える、十億円というのはたとえばの話です。その譲渡益に対しては相当強い税制をしいて、土地は持っていてももうかるものではないという考え方を定着させていくことが大事ではないか、短期的ではあるけれどもそういう土地がどんどん出てくることが大事ではないかという考え方があるようであります。これは当局でもう何回もお聞きになっているはずでありますから、それに対してどういう考え方を持っておられるのか承っておきたいと思います。

内海孚大蔵省主税局税制第一課長

○内海説明員 お答え申し上げます。  ただいま貝沼委員お示しの御意見は、私ども、同じような御意見を持っておられる飯田久一郎さんという人からも直接いろいろな話も承り勉強したことがございました。  この基本的な考え方は、いまお示しのように、たとえば二年間なら二年間というものは、分離課税でうんと軽課しまして、三年たちましたら、特定の額以上のものはもう九〇%とかいうような高い税率で取るというふうにすれば、この二年の間に出てくるものはみんな出てくるだろう、それで地価が非常に下がるだろう、こういう御意見であったかと思います。これは理論的に言えば一つの考え方であろうとは思うのですが、ただ、現実の問題としてこれがどう機能するかというのはなかなかむずかしい問題でして、たとえば土地を持っておられる方でも直ちに処分できる状態かどうかというのは、そういう方はきわめて少ないわけでして、先ほどお話もありましたように、たとえば営農している方は、営農をやめて土地を二年以内に売って、違う何らかの生きるための道を見出すということの見通しをつけられる人というのはそう大ぜいはいないわけでして、したがって、二年たったら今度は禁止的にほとんど税金で取ってしまうんだということは実際にはなかなかむずかしいのじゃないか。そうなると、二年たったら今度はやはりむずかしいということで軽減されたまま続いてしまうのではないかというようなこともありまして、頭の中で考える議論と現実とはなかなか一致しないのではないかという感じがするわけでございます。  また、ちなみに十億円のところで所得税がいまどのくらい長期の譲渡所得に対してかかるかと申しますと、先日可決願いました現行税制の改正前の制度のもとにおきましては、十億円の譲渡益がありますと五億四千六百万の税がかかりました。改正案におきましては、譲渡所得についてある程度の緩和を行いましたが、高額譲渡所得につきましてはほとんどさきの負担を維持しておりますので、改正後においても五億三千三百万という高い負担を求めることになっておりますので、実質的には高額の土地譲渡所得についてはかなり高い負担が実現しているということが申し上げられると思います。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 そういう考えを持っておられる方もおるわけでありまして、いかにして土地を上がらないようにするかということで一生懸命考えておるわけでありますから、その気持ちというものは受け取って、そして検討をした方がいいと私は思っておるわけです。もちろんこの言うとおりのものでいいかどうか、これは問題でありますけれども、検討する必要はあるだろう。  それから、この土地が値上がりしておる時期に、実は不動産関係の脱税が問題になっております。と同時に、この不動産に対して銀行からもかなりの金が出ておるようでございます。  そこで、四月二十二日、国税庁は五十三年分の申告課税の調査結果を発表いたしました。ごまかし所得総額は三千九百三十二億円、過去最高である。そして脱税ワーストスリー、これは一が個人病院で二番目が土地売買業、三番目が産婦人科医ということになっております。三番には入らないけれども、実は四番目が砂・砂利等採取業、十三番目が土砂販売業。しかもごまかし割合は土地売買業が五一%、ですからずいぶんごまかしているわけですね。それから砂・砂利の方が六三%のごまかし率、土砂の方が七〇%のごまかし率、こういうふうにずいぶん悪い印象を与えております。したがって、これは私ども建設委員会のメンバーとしては見過ごすことができませんので、まず国税庁に、この脱税問題というものはどういう手口で行われておるのか、またどれくらいの件数があったのか、そしてどういうところに問題があると思うのか、この点についてお答えを願いたいと思います。

西内彬国税庁直税部所得税課長

○西内説明員 お答えをいたします。  国税庁が発表いたしました五十三年度申告所得税の調査結果によりまして、御指摘のように土地売買業がワースト二位ということに相なっております。これは一件当たりの申告漏れ所得の大きさでランクづけをしておりまして、それが二番目の規模を持っておるという意味を持つものでございます。  お尋ねの土地売買業におきます不正経理の形態でございますけれども、いろいろございますが、一般的に見られるものとしては、虚偽の譲渡価格を記載した契約書を作成いたしまして売り上げの一部を除外するというやり方あるいは登記簿上の面積と実際の面積との差、いわゆるなわ延び分でございますが、これの売り上げを除外するといったようないわば収入金額を過少に申告するやり方がございます。それからまた仕入れの際等におきます架空の仲介手数料等の計上によりまして必要経費について多分の水増しをするというような手口、これが大変多うございます。  その次に件数をお尋ねでございましたが、五十三年分につきまして五十四年四月から五十四年十二月までの間に土地売買業者につきまして百五十二件の調査を実施いたしました。調査対象一件当たりの申告漏れ所得は七百四十四万八千円ということに相なっております。百五十二件の調査をいたしました中で、その九〇%程度は申告漏れがあるということでございます。したがいまして、いわば全部が申告漏れがあるということではございません。この九〇%という係数は大体重点的に調査をいたしておりますものにつきましては平均的な申告漏れ割合でございます。  なお、どのように問題点を考えておるかということでございますが、われわれといたしまして、土地売買業のみを対象に調査をしておるわけではございませんけれども、先生御指摘のように大変に申告漏れ割合が高く、あるいは申告漏れが多い一つの種目ではないだろうかというふうに考えておりまして、いろいろな面で、たとえば正確な記帳に基づく、あるいは契約どおりに申告していただくといったようなことにつきまして適正申告の点で十分に御注意をいただくように業界等を通じて指導してまいる必要があるのではないか、このように考えております。  以上でございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 そういうことで、建設関係が非常に不名誉なこういう脱税が出ておるわけでありますが、建設省としては今後これに対してどう対処されようとするのか。

宮繁護建設省計画局長

○宮繁政府委員 実は去年は建設業関係がかなり悪い方の上位の順序でございまして、その点につきましては業界を通じまして十分注意も喚起いたし、また税務署等から講師等を御派遣いただきまして、帳簿の整理その他の講習会等もやってまいったわけでございます。ことしは宅建業法、私どもの所管の業種でございますけれども、こういう不始末が多いという点は非常に残念でございます。  それで、もしこの脱税その他の問題が起こりまして処罰を受けました場合は、ケースによりましては宅建業法の免許の取り消しあるいは営業停止の処分も行います。こういう点につきましては適切な措置を講じてまいりたいと思っております。それからまた、業界団体等を通じまして十分な指導を今後とも行ってまいりたいと思っております。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 ぜひ指導を徹底していただきたいと思います。  それから、先ほど申し上げましたが、今回の閣僚懇で四項目目に決めたことは「土地融資の抑制」こうなっておりますね。土地融資の抑制と決めなければならないにはそれだけの背景があったものと私は考えます。  その後、私は、果たして銀行からどれくらいの金が出ておるだろうかということを調べてみたわけであります。たとえば日銀の経済統計月報というものを見ますと、これには信用金庫や信用組合、労働金庫、農林中金は含まれておりませんけれども、不動産業に対する融資でございます全国銀行勘定を見ますと、昭和五十四年二月に銀行局からこういう投機性のものを阻止するためのいわば通達が出されたにもかかわらず、実際の金額は順調にふえておるわけであります。たとえば五十三年十二月は六兆九千六百九十七億円であったわけであります。それが五十四年二月を越えて六月になると七兆一千七百八十九億円、十二月になると七兆二千四百五十五億円、それから相互銀行関係を見ましても、五十三年十二月は一兆二千、大体それぐらいです。六月になりますと一兆二千八百七十三億、さらに十三月になると一兆三千七百四十八億円、こういうふうに相互銀行関係でもふえております。それから商工組合中央金庫を見ましても、五十三年十二月は千四百六十九億であったわけでありますが、五十四年六月になりますと千八百十一億、十二月になると二千百五十七億円、こうなっております。  それから、全国銀行信託勘定を見ましても、五十三年十二月は一兆九千七百五十三億円であった。ところが五十四年六月になりますと二兆一千百九十六億円、十二月だと二兆二千二十八億円というふうに、通達が出たにもかかわらず実際は減っておりません。したがって、このような土地がどんどん値上がりしていく陰には、銀行からの融資がかなり出ておるのが一つの原因であるという見方があるわけでありますが、銀行局はこの点どう考えますか。

足立和基大蔵省銀行局銀行課長

○足立説明員 お答えいたします。  金融機関の土地取得関連融資につきましては、四十七年以来数次にわたりまして土地投機を助長するような融資の自粛を要請してきたところでございまして、最近におきましても同じような指導をいたしてきてございます。いま先生御指摘の残高の数字でございますが、土地取得関連融資につきましては、いま申し上げましたように土地投機を助長するような融資を自粛してくれ、こういうことでございまして、すでに融資済みのものにつきましてはそれぞれの回収計画によりまして回収されてきておりますが、新規の融資を全くストップすることはなかなか困難なことでございまして、残高ベースで申し上げますと、若干の増加ということは御指摘のとおりでございます。ただ昨年の二月には全国銀行ベースの不動産建設業向けの土地関連貸出額、こういうものを新規の実行べースで私ども報告を徴求するようにいたしてございまして、その数字を申し上げますと、五十四年の一月から三月の三カ月間では四千五百七十六億円の新規の貸し出しが実行されてございますが、十月−十二月にはそれが三千四百二十三億円にまで落ちてございます。ことしの一月−三月の数字はまだ現在集計中でございますので、はっきりした数字は手元にございませんけれども、一年前に比べればかなりの減が見込まれるのではないかと考えております。  それから全国銀行の、いま先生もおっしゃられました残高ベースの推移でございますけれども、おっしゃるとおり絶対額ではふえてございますけれども、総貸出額に占めます不動産業向け貸し出し、こういうものは逐次減ってきてございまして、たとえば通達を最初に出しました四十七年度末では、不動産業向けの貸し出しの占める割合が七・九%ございました。それが四十八年度はやはり七・八%でございましたが、昨年の二月末には六・九%までに落ちておりますし、ことしの二月末ではそれが六・七%と、若干ずつではございますけれども、こういったものに対します融資の割合も逐次減少してきてございます。今後とも土地投機を助長するような融資の自粛につきましては徹底させてまいるつもりでございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 先ほど言いましたように、閣僚懇でもって四番目にこの抑制が出ておりましたので、したがってその陰には恐らくこういうことが懸念されておるのであろうというところから実は申し上げたわけでございます。  時間がだんだんなくなってまいりましたので先に進みますが、当局に考えていただきたいことが実はあるわけでございます。それは今回大蔵委員会で、いわゆる租税特別措置法の改正が行われまして、租税特別措置法の三十七条の五というので、「既成市街地等内にある土地等の中高層耐火共同住宅の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例」ということがございます。簡単に申しますと、三大都市圏既成市街地で、土地を売ってその上に四階建て以上の建物、二分の一以上の住宅であるということが必要になっておりますが、これを建ててその一部を取得する場合に買いかえの特例を認めるというものになっているのです。いわゆる有効利用の促進というふうになっておるわけでありますが、問題は東京都の大体四五%くらいは第一種住居専用地域になっておりまして、建物の高さが十メートルに制限されております。建築基準法第五十五条でありますが、きちっとそういうふうになっております。あるいは東京都の二十三区を見ても二五%くらいは第一種になっている。したがってせっかくこういうような税制をつくっても、建築基準法が変わらなければ実際はどうしようもないという状況になっておりますので、この点についての検討はしていただけるかどうか。これができれば相当の宅地ができるわけでありますから大事な問題ではないか。それからあわせて容積率全体の問題として検討していただけばいいのではないかということであります。容積率を法的な範囲内でながめてみても、それをきちっと満足するような状況まで持っていけば、恐らく現在の三分の二くらいはふえるのではないかという計算が成り立ちますので、その辺を検討していただけるかどうか、これが第一点であります。  それからもう一点は、私どもがいつも主張いたしておりますいわゆるセミパブリック住宅の建設ということでございますが、大都市地域における木賃アパートの空き家が増加傾向になっております。こういうところから、木賃アパートを不燃建築のセミパブリック住宅へ計画的に建てかえることを促進すべきではないか。これは実際問題として身体障害者の数とか、あるいは生活保護世帯の実態を見た場合、都心に住宅をつくることが非常に大事な問題になってまいりますので、こういう点を考えていただけるかどうか。  それから最後に、これも詳しくやればいい話でありますが、時間がありませんので質問だけいたしますが、いわゆる地価インデックス債という考え方が、一ツ橋大学の野口先生の方から出されております。この地価インデックス債というのは私はかなり魅力のあるものではないかと思いますが、これについて大蔵省はどのように考えておられるか、この三点を承って終わりたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 数点おただしでございましたけれども、第一点と第二点につきまして私からお答えをさせていただきます。  第一点の、今回の税制措置の改正に伴いまして、関連いたしまして、東京都における用途地域制の現状から租税措置の特例措置が適用し得る範囲を拡大すべきではないかという御趣旨のおただしというふうに受け取らせていただいたわけでございますが、東京都におきましては四十八年の時点、これは新都市計画法、現在の都市計画法の制定された直後でございますけれども、この時点で全面的な用途地域改正をやっておりますけれども、その後の情勢の変化に対応いたしますために再検討を行うべく、昭和五十三年の十二月に「東京における当面の土地利用に関する基本方針について」東京都の都市計画地方審議会に対し諮問をされまして、同審議会から今年五十五年二月二十日に答申を得たという経緯がございます。東京都は、この答申に示された考え方に基づきまして用途地域等に関する指定方針及び指定基準を三月時点で作成をいたしまして、職住近接を図るために既成市街地内中心部の用途地域構成を見直したいという趣旨の方針を定めまして、現在東京都下の関係区並びに市町村に対して原案の作成を求めているという状況のように承っております。そこで、私どもといたしましても、この都がみずから策定をされた方針、基準に基づいて的確な運用が図られ、それによりまして高度利用の促進に資する用途地域の変更が行われるように十分指導をいたしてまいる所存でございます。  それから、第二点のおただしでございます。用途地域に関連いたします容積率の問題で、現在の法定の手続によって都市計画をもって定められております容積率、許容容積率に対しまして現状の容積率の実態は三分の一程度ではないかというおただしでございました。この点につきましては、私どもも正確なデータを調査結果として保有しているわけではございませんが、確かに法定許容率に比べれば現行の容積率はかなり低い段階にあるということは認め得ることと思います。しかしながら、この容積率の制限は、先生御承知のように市街地内の建築物の建築に関しましては都市計画で定めます容積率の制限のほかにも、たとえば敷地の関係、前面道路の幅員によっていわゆる斜線制限という高度制限が敷地内にも働く、あるいは隣地との境界線からの斜線制限、特に北側隣地との間の斜線制限がかなり強く響いてまいるということもございますし、あるいは五十一年の改正で新たにつけ加えられました日影規制、これが、北側敷地に対する日影の規制という点からかなり強い斜線制限がかかってまいっておるというような状況がございまして、市街地内の道路等の公共施設の未整備な段階で各敷地規模も小さいというような土地利用の状況におきましては、そのような斜線制限等によりまして、基準となる容積率いっぱいに建てることができない場合がむしろ常態ということでございます。そのようなことから統計をいたしますと、容積率が基準容積率に対しまして大変低いところにある現状にあるという状況でございます。したがいまして、これから基準容積率に近づけるような高度利用を果たしてまいりますためには、やはり既成市街地内におきます公共施設の整備、特に街路でございますけれども公共施設の整備、それから、敷地の共同化等によって大規模化を図ることによって各敷地ごとの高度利用、すなわち容積率を増大させるということが可能になってまいるかと思います。そのような方向で都市の整備に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。

関口洋建設省住宅局長

○関口政府委員 木賃住宅の建てかえの問題でございますが、ただいま先生御指摘のように、木賃住宅につきましては居住水準の向上であるとか、あるいは都市防災、土地の高度利用というような観点から建てかえの促進を図る必要があるというふうに考えております。そのため四十八年度から、実は特定賃貸住宅建設融資利子補給制度というものを創設させていただきまして、利子補給方式によってこの建てかえの促進を図ってきたところでございます。  本年度、昭和五十五年度予算におきましては、この建てかえに関しまして利子補給期間を五年間延長して十五年間とするような措置、あるいは建てかえ前の居住者の移転料あるいは賃貸住宅に併設される店舗、こういった非住宅部分を新たに利子補給の対象に加えるというような改善措置を講じさせていただいておりますので、こういう制度によりまして今後とも一層建てかえの促進を図ってまいりたい、かように考えております。  なお、先生のお話にございました生活保護世帯あるいは身体障害者の方に対する住宅の施策でございますが、これも御案内のとおり、こういう方向けのはいわゆる公営住宅の制度がございます。その公営住宅の中には、便利なところに建っている古い木造の公営住宅もございますので、そういうものの建てかえを促進することによって対応させていただきたい。  なお、公営住宅法の一部改正をお認めいただきましたので、公営住宅につきましても、古いものにつきましては積極的に建てかえの促進を図ってまいりたい、かように考えております。

谷川憲三大蔵大臣官房企画官

○谷川説明員 インデックス公債の導入についてのお尋ねでございますが、地価インデックス公債の発行によりまして土地の有効利用を図り、地価の上昇率を低下させるという構想につきましては、私どももその概要は承知いたしております。ただ現在のところ、この構想は学者の構想の域にとどまっておりまして、これを政府としてどう受けとめるかという点につきましては、やはりまず土地政策あるいは宅地政策を主管しておられます建設省あるいは国土庁におかれまして、土地政策として果たして有効に機能するのかどうか、あるいは実務上実行可能性があるのかどうかというような点につきまして十分検討していただくことが必要ではないかというふうに考えておりますが、大蔵省といたしましても今後の問題として検討をしてまいりたい、かように考えております。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 終わります。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 次回は、来る五月七日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時十九分散会

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