建設委員会 第13号
- 発言数
- 160 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/04/23
会議録
○北側委員長 これより会議を開きます。 都市再開発法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木間章君。
○木間委員 おはようございます。 再開発法の一部改正で、私なりに考えを述べながら、皆さんの所見をぜひ賜りたいと思っておる問題を幾つか持っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。 まず初めは、この法律そのものは、土地を立体的に活用して都市の環境の改善、 都市機能の増強、都市防災の確保、そして良質な市街地住宅の供給をしよう、こういうことで、昭和四十四年から法を制定されて取り組まれてきたところであります。この十年間の経過の中でどのように評価をされておるのか、まずお伺いをしたいと思います。そしてそれは勤労住民のためになったと思われておるのか、あるいはこの開発事業そのものが企業ベースで進んできたと思っておられるのか、その評価についてまずお伺いをしたいと思っております。
○升本政府委員 市街地再開発事業は、おただしのように、既存の市街地内の建築物をすべて除却いたしまして、そこに必要な公共施設を整備し、またこれと一体的に新しい建築物を建築するという事業でございまして、市街地内の建築物の高層化、共同化、さらに不燃化というような要請にこたえるものでございますし、また一方、市街地内に十分なオープンスペースを確保する。さらに、適正な土地利用を図る。同時に、良好な居住環境を形成する。災害にも強い町づくりを進める。大変多面的な目的を一挙に実現できる事業でございまして、その事業の公共性の高さについてはどなたもお認めいただけるところというふうに考えております。再開発法の制定された四十四年度から現在に至るまでの間、全国で百五十七地区実施をされておりまして、すでに四十九地区については完了をいたしております。進行中の地区、全地区合わせまして、ただいま申し上げました市街地内の土地利用の高度化、居住環境の形成等に相当の実績を上げてきておりますし、これからも十分こたえ得る事業であろうというふうに考えておる次第でございます。 それから、この事業が住民に喜ばれる結果をもたらしているか、あるいは企業ベースで進んだものではないかというおただしでございますけれども、この事業は、都市計画の前提条件のもとに都市計画の事業として遂行いたしておりますので、ひとしく都市全体を見渡した上での、必要性に基づいた事業遂行を行っておりますので、直接この事業によって建築されました住宅に居住されることになった住民の方はもとよりのこと、それ以外の方々でも、いわば都市全体に何らかの稗益をしている面があるというふうに考えていただいて結構ではないかと思うわけでございます。企業の御賛助をいただいておるというのは、もっぱら建築事業そのものについてでございまして、このような事業は当然都市計画の計画の限定の中で、その目的を実現するために御助力をいただいておるということでございまして、私どもは、再開発事業が企業ベースで進むというようなことはあり得ないことというふうに考えておる次第でございます。
○木間委員 大づかみに、局長の御答弁でわかるわけでありますけれども、私は、やはりそこに住んでいた人たちが、特に勤労住民がどうであったかということについては、他の施策などをさらに進めるということと相まってやっていかなければならないのではないだろうか、このように見ておるわけであります。 そこで、この事業に取り組んだ各地区の状況を見ておりますと、結果的にはそこに住んでおられた方々を他の地区へ追い出してきたということではないだろうか、このように見受けられるわけであります。そして、これからもそういった姿が続けられていくのではないだろうかという心配の念を持っておるわけであります。 その第一の理由は、駅前や商業地域開発にウエートが置かれていたということであります。いま局長がおっしゃられたように、十カ年に百五十七地区で事業を始められ、あるいはすでに完成されておるところもありますが、この駅前や商業地域が全体の件数にいたしまして七〇%を超えておるのではないだろうか、私の調査ではこのようになっておるわけであります。 それから第二の理由は、駅前や商業地域の人口動態がいま言いましたような状況になっておる、つまり、施行前の住民の実態が施行後に圧倒的に減っておるということが数字の上であらわれております。それで、抽出調査をしたところによりますと、金沢市の武蔵ケ辻第二は四十六世帯おられたわけでありますがゼロになっております。諏訪市の上諏訪駅前は十四世帯がゼロになっております。大阪吹田駅前は二百九十六世帯が百三十世帯に減っております。神戸三宮二丁目東は十世帯がゼロになっております。北九州黒崎駅東は二十九世帯がゼロになっておるわけであります。 第三の理由は、これらの保留床の関係は、そうした住民の皆さんが住居のために充てるということではなくて、資金繰りその他等もあったと思いますが、やはり事業所や事務所、そういった方々が入っておられる、このように思っておるわけであります。 それから、企業ベースも、建築面での協力というふうに局長はおっしゃっておられるわけでありますが、確かに今度の法改正の中では、民間デベロッパーをさらに大々的に募集するなどして協力、参加をさせていきたい、こういうことが言われるわけでありますから、本来都市問題を解決しようということで発足したこの開発事業が、結果的には地域から住民を締め出している、そして夜間は無人の町というか、事務所、事業所の町づくりを行っておるわけでありますから、規模の大小はありましょうが、結果的には大都市特有のドーナツ現象を起こしておる、こう言わざるを得ないと思うのですが、局長、どんなものでしょうか。
○升本政府委員 まず初めにおただしの点でございますけれども、市街地開発事業は、一定の市街地の区域内を整備をいたしまして、そこに公共施設建築物を一体的に整備するということでありまして、従前からそこの地区内に権利を有し居住をしていらっしゃった方は、原則として事業施行後その地区に建設される建築物に入っていただくというたてまえの事業でございます。したがって、御希望、御要望があれば、常に全面的にその御希望、御要望に従ってその地区に残っていただくということをたてまえとした事業でございます。 しかしながら、実際の事業施行に当たっては、御指摘のように、地区によってはかなりの方が外へ転出されるということもあり得るわけでございまして、これはやはりその土地柄からいって、事業施行後の土地利用の形態を考えました場合に、従前の業態においてはそこにいることが適当ではないと判断される方もおられると思いますし、いろいろな条件の相違によって、この際外へ出たいという御要望で出られる方が大半であろうと思っておりますが、これらの方々に対しましては、必要に応じまして、適正な補償金を支払うことはもとよりのことでございますが、そのほかにも、代替地のあっせんその他従前に近い生活条件が再建されるように、必要な税制措置、融資措置等について所要の措置を講じて努力をいたしているわけでございます。 そこで、三点ほどおただしがあったかと思うわけでございますが、第一点の駅前広場に関連した事業施行が大変多いのではないかという、数字をお示しの上のおただしでございましたけれども、私どもの調査によりますと、現在百五十七地区のうち、駅前の整備に関連した、いわゆる駅前地区に行われておりますのが七十九地区で五〇・三%という数字でございます。このうち公共団体等施行の場合には七〇%余がこれに該当するわけでございますけれども、組合施行の場合には三〇%という数字になっておりまして、事業の内容、性格によりまして差はございますけれども、平均といたしまして五〇%がおただしのような地区に該当する事業であるという数字がございます。 それから第二点の、外へ出ていく者の率がかなり高いのではないかというおただしでございました。これは私どもの方の調査の数字によりますと、百五十七地区のうち、すでに事業が完了いたしました四十九地区につきまして調べてみた結果でございますけれども、着手時の権利者の方との割合でございますけれども、残留された方が四五%、それから転出された方が五五%という数字になっております。これも施行主体の別によりましてかなり差がございまして、公共団体等施行の場合は四〇%残留というような数字になっておりますが、組合施行になりますと五五%、さらに個人施行の場合は八六%が残留されておられるという数字になっております。 それから第三点として、入居者の性格といいますか、権利者の態様が変わってくるのではないかというおただしであったかと思うわけでございますけれども、これはたとえば駅前広場等の土地柄でございますと、広場の整備に従いまして土地の利用ということも当然変わってまいりますし、変わってまいったことが事業の動機づけでもあったわけでございますけれども、同時に、広場の整備が進行いたしますと、将来にわたってその土地利用の状況がかなり大幅に変わってくるということが予見される土地柄が多いわけでございまして、このような場合ですと、従来からそこにただ居住のためにおられた方という場合には、かなり条件が変わってくることはやむを得ないところではないかと思います。したがいまして、そういった土地柄、その土地の将来に対する利用の動き方、見通しというものによって、地区によってかなりさまざまな結果が出ているかと思いますけれども、地区の状況によっては御指摘のようなことが出ることも、これは都市自体が変わりつつあるということを前提として考えますと、ある程度やむを得ないことではないか。むしろそれを積極的に都市の改造という方向から整備をしていくことによって、都市全体が生き返るといいますか、生活力を持つということによって、その都市の居住地域がさらに活発化するあるいは整備される、長期的に見ればそういうような効果も期待できるのではないかというふうに考えております。
○木間委員 駅前地区に限って言えば、いま局長おっしゃったように半分程度、そこでさらに商業地域を加えて見てみた場合に全体の七〇%を出ておるのではないだろうか、つまり、住宅地区は三〇%前後でないだろうかと実は私は見ておるわけであります。いまほど局長もそういったことを認めておられる御発言もあったわけですが、それでは、これからの事業施行もどんどん進んでいくわけでありますから、ぜひ住宅対策にウエートをかけていただきたいな、私はこう思っておるわけですが、その点いかがでしょうか。
○関口政府委員 既成市街地におきまして居住環境の改善と良好な市街地住宅の供給を図るためにこの再開発制度を積極的に推進していく必要があるということは、まさに先生御指摘のとおりに考えております。こういう要請にこたえるために従来からも市街地再開発事業なり、あるいはもう少し枠を広げまして、住宅地区改良事業あるいは特定住宅市街地総合整備促進事業、これはいわば種地を買って周辺を一体的に整備していくというものでございますが、こういう手法を使いまして努力をしてまいってきたわけでございます。いわゆる市街地再開発事業に限りましても、住宅供給を行う市街地再開発事業に対しましては、一般の市街地再開発事業に比べまして補助、あるいは融資なり税制の面で特段の助成措置を講じてきたわけでございますが、今回御審議をお願いしております改正案におきましては、さらにこのねらいを進めるために、まず第一点としまして地方住宅供給公社を施行者に加えさせていただきたい、かように考えております。また、先ほど先生のお話の中でも引用されましたのですが、個人施行者の範囲の拡大ということで、住宅供給を主目的とします公益法人、あるいは場合によりましては民間のデベロッパー、こういう方が関係権利者の同意を得て施行者となる道を開かせていただきたいということが第二点でございます。それから第三点はいわゆる特定施設建築物の制度を創設いたしまして、住宅公団なり地方住宅供給公社、あるいは先ほど挙げました公益法人、こういうような住宅供給を行う方々が特定建築者となりまして、住宅が床の大部分を占める特定施設建築物の建築が可能になるように、この道も開かせていただきたい。 以上三点が主な改正点でございますが、そのほかにも先生御指摘の住宅供給を促進するためにいろいろなものも織り込まさせていただいております。こういう方途を通じましてより一層住宅供給に努めてまいりたい、かように考えております。
○木間委員 今度の法改正で、民間エネルギーの活用を図ろう、こういうことで民間デベロッパーを大々的に導入をしております。そこで、営利を目的とする企業でありますから、必要以上に利益をということが懸念されてならないわけであります。本来公共団体の施行でありますとそういったことにはならないわけでありますが、そういった懸念がされます。そしてまたそのことが地価を引き上げる作用に連動するんではないだろうかという懸念も実はされるわけでありますが、ぜひそういったことのないように手だてを加えてもらいたいと思いますが、局長いかがでしょうか。
○升本政府委員 今回、施行地区内の区域の一部につきまして、土地の整備をいたしました後にそれを民間の企業の方を公募して適格者に建築物の建築をお任せするという手だてを講じさせていただくことにいたしておりますけれども、この場合に、その民間の企業の方が建築行為を行われる前提として、まずその地区全体についての整備計画である都市計画がございますし、さらにその前提としては高度利用地区という規制が都市計画上かけられておりますし、それから都市計画の決定後におきましても、この事業を実施することは都市計画として事業を決めるわけでございますので、事業計画は同じように知事段階のチェックを受けるという形でございまして、その知事段階のチェックを受けました事業計画に即して建築物が建築せられることが、まずその民間施行者から提出された建築計画でチェックを受けるということでございまして、しかもその計画どおりに実現をいたしました場合に初めてその底地をその民間企業に譲渡するという形をとっております。したがいましていわば幾重にも公共的なコントロールを施しましてそのコントロールのもとで民間企業に働いていただく、こういう手だてを講じておりますので、御懸念のことはないのではないかというふうに私どもは考えております。
○木間委員 二重三重にチェック機能がある、またやっていきたいということでありますから、ぜひそのように配意をお願いしたいと思います。 次に、法第五条の問題で少し意見交換をしてみたいと思いますが、この法第五条では「住宅不足の著しい地域」このように抽象的な表現になっておりますが、具体的にどういった地域なのか、ひとつ教えていただきたいと思うのであります。
○升本政府委員 この法律の五条の規定におきまして「住宅不足の著しい地域」といたしておりますのは、具体的にはこれらの地域は都市再開発法の施行時の局長通達をもって明示をいたしておりまして、その内容を御披露いたしますと、まず第一番目に首都圏の既成市街地または近郊整備地帯、それから第二番目に近畿圏の既成都市区域または近郊整備区域、三番目に中部圏の都市整備区域、これはいずれも大都市圏の既成市街地とその周辺の特定地域というふうに御説明できるかと思います。それから第四番目に、以上のほかに、人口の増加率が全国平均以上の区域または人口十万以上の市であって狭小過密居住の世帯数が総世帯数に対して全国平均以上の割合であるもの、こういった都市の区域を含む都市計画区域、こういうふうに限定をいたしております。
○木間委員 同じ第五条の関係ですが、住宅の戸数を定めることに表現はなっておると思います。そこで、この基準などについてもどのように扱っておいでなのか、どう処理をされておるのか、ひとつお尋ねをしたいと思います。
○升本政府委員 おただしの再開発法のただいまの条文、五条におきましては「当該市街地再開発事業により確保されるべき住宅の戸数その他住宅建設の目標を定めなければならない。」といたしておるわけでございます。この場合の住宅の戸数の定め方の基準はないかというおただしでございますけれども、この第五条の趣旨は、住宅不足の著しい地域におきまして積極的にできるだけ多くの住宅供給を行っていこうということの立法的な趣旨を表現いたしたものでございまして、しからば住宅の戸数はどうあるべきかということについての具体的な基準を定めてはおりません。これは再開発事業の性格からいきまして、たとえ住宅不足の著しい地域内に行われるものでございましても、先ほど来御指摘のような駅前の地区でございますとか商業、業務地区に行われる再開発の場合と、それから住宅系の地域において行われます場合とでは、当然条件が変わってまいります。したがいまして、そのような条件を考えながら、この地域内においてはできるだけ、いかなる場合においても住宅不足を解消するための努力をすべきであるという趣旨で、「住宅の戸数」という表現を使わしていただいておるわけでございます。 そこで具体的な基準の定めといたしましては、この点につきましては、やはり再開発法の施行時の次官通達におきまして、「住宅不足の著しい地域における市街地再開発事業の施行にあたっては、都市計画上支障のない限り、当該地域における住宅不足の解消に寄与するよう住宅の建設に努めること。」ということを明らかにいたしまして指導を行っているところでございます。
○木間委員 この第五条はきわめて重要な中身を本来持っておる、実は私はこのように見ておるわけであります。というのは、冒頭この法律のねらいの確認のときにも、不燃化事業の促進とかいろいろあったわけですが、その中に、良好な市街地住宅を勤労市民に与えていこうというポイントも持っておるはずであります。しかし、局長から所見が、また、実態の対応策が発表になったわけでありますが、大変漠然としておると私は思わざるを得ません。今日までこの委員会を通じまして、たとえば公営住宅法なり、沿道法なり、いろいろの法案審議に私も参加をさせていただいたわけですが、そういったところでは、私どもは本来法で決めなければならない範囲はどういったものかというような立場での議論をしてまいりました。しかし一歩譲りまして、施行令で規定をされておる分野はたくさんあったところであります。ところが、この法律の一つのかなめを握っております第五条の住宅問題につきましては、あるいは次官通達なり局長通達なりが法施行当時に出されておったやに先ほどからお聞きするわけです。建設六法を見ましても私どもにはそれらがわかりませんし、また通達そのものがもう十年も以前のものでありますから、なかなか私どもの日常の目には映らないというのが実感でございます。ですから、きわめて残念だと言わざるを得ないのであります。本来法律できちっと決めるなり、あるいは少なくとも施行令でお決めになっていくのが筋でなかろうかと、いままでの他の課題での討論を通じても私は感じておるところであります。 そこで、一つの極端な例でありますが、たとえばいま東京駅前の丸の内とか、あるいは国会周辺の霞が関や永田町、ここら辺に住宅不足はないのか、こういうことを私なりにこの法案を見て感じたわけであります。というのは、この再開発事業の一つのポイントはそういった住宅対策をどうすればいいのかということにもなるのではなかろうか、こう思っております。再開発で副都心をつくっていこう、あるいは副々都心をつくっていこう、ところが、先ほど例を挙げましたように、その事業が完成しますと、住んでおられた方々を郊外に追いやってしまう。そうしてできた町はオフイス街とかあるいはデパートとかそういったものが入ってきまして、昼間人口と夜間人口の極端な差が出てきてしまう。またそこへ新たに入ってくる事業所あるいは事務所は、もともとそこの地域にあったものはもちろん入っておいでになるでしょうが、他の地区からやはり入ってくるのではなかろうか、あるいは大規模な事業になりますと全国各地から入ってくるのではなかろうか、こういう心配だってできるわけであります。また、事業所だけがひとりぼっちで入ってくるわけではありません。当然そこに従業員の方々も一緒に入ってくるわけですが、そこに住宅がなければ、今日のようにあるいは一時間も二時間も片道の通勤時間がかかるような地区から通わざるを得ない、こういったことが端的に指摘できるのではなかろうか、これが都市問題を解決しようということで発想され、この法が出てきたそもそもの原因であったわけであります。 ですから、この第五条の扱い方いかん、運用いかんによっては、今日まで過密に過密を重ねてまいりました都市問題を誤ってしまうのじゃなかろうか、こういうことが感ぜられて仕方がありませんから、私はやはり第五条をきちっとしていただかなければならないと思うのです。 というのは、いま一つの角度から見てみますと、各種補助制度やあるいは融資制度がとられております。ですから、逆に国が資金援助をして住民を追い出す結果になっておるのではないか。昨年十二月の答申にもそのことが反省として出ておるのであります。従来、業務、商業施設の整備が中心になりがちであったが、職住近接を図るために、市街地住宅を供給することがきわめて重要である。このように反省をされております。そしてその推進のために講ずべき施策の中で、「人口の規模及び配分」をやろう、このように明記をされております。先ほど住宅局長も、これからは住宅面での協力もやっていきたい。この通達とちょうど符合するわけでありますが、そういった意味ではこの五条の扱いについて、答申が出た限りはこの五条をもっとすっきりさせるべきではなかったろうか。つまり、商業ビルやあるいは業務用のビルにも一〇%ないし二〇%、率は別といたしましてもきちっと住宅を取り込む、こういったことが手法としてなされていかなければならないのではないだろうか、実はこのように存ずるわけでありますが、局長のお考えをひとつお願いをしたいと思います。
○升本政府委員 おただしのように都市再開発法の五条に「住宅建設の目標の設定義務」というのを入れさせていただいておるわけでございますけれども、この法律の第一条で都市再開発法のそもそも全体的な目標と申しますか、目的を掲げさせていただいておるわけでございます。この中で、都市再開発法を定めるゆえんのことを端的に申し上げますれば、「都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図り、もって公共の福祉に寄与する」ということをうたわせていただいております。私どもの理解といたしましては、再開発というのは都市全体の土地の利用を高度化する、さらに交通あるいは居住環境等を含めた全体としての都市機能の更新を図るということを目途として努力をいたしていくべき事業であり、またそれの根拠を与える法律というふうに考えておるわけでございまして、確かにこの再開発事業によって住宅不足地域に住宅を供給するということも重要な再開発事業の目的の一つではございますけれども、再開発事業がおよそすべてその目的のためにというふうには、必ずしも私どもは考えなくてもいいのではないかと考えております。 しかしながら、そのような再開発事業を、全体としていかにその都市に合った事業展開を行っていくかということが私どもの課題であろうと考えておるわけでございますけれども、その中にあっても住宅供給を主要な目的とする再開発事業については特別の何らかの手だてを講じてもいいのではないかという御指摘については、私どももお考えとしては同感するわけでございます。そのような考え方に基づきまして、先ほど住宅局長からも御答弁申し上げましたように、他のプロジェクト、他の再開発事業と区別して、住宅供給目的の再開発事業については補助金も、相対的ではございますが、手厚くさせていただいているというようなこともございますし、その他税制等の助成措置についても特別に努力をいたしてまいったつもりでございますが、なお不足、不十分の点につきましては、これからさらに住宅供給を促進するための重要な検討課題というふうに受け取らせていただきたいと考えております。
○木間委員 局長、どうもすっきりしないのです。歯切れが悪いような気がするのです。というのは、今度の法改正の一つの要因は、昨年十二月の答申に基づいて、この五年なりあるいは十年以前にさかのぼって、よかった点悪かった点、いい点はどんどん伸ばしていこう、そして悪かった点は法を整備しよう、こういうことで提案をされてきた、私はこう思うわけですね。 そこで、この法案はさかのぼってみますと、昭和四十一年ころに準備をされまして、四十二年に提案をされて、参議院先議という形で始まりまして、二、三回提案をされ廃案になるという繰り返しがあったと思います。そして、昭和四十四年にその間の議会の審議など若干御参考にされまして手直しをされながら衆議院に提案をされてきた、私はこう見ておるわけであります。そこで、四十四年の国会審議の議事録を私も取り寄せまして調べてみたわけでありますが、当時、建設大臣も建設委員として参加をされておったやに見受けるわけでありますが、当時は残念ながら意見がなかなかかみ合わなかったといいますか、自民党さんが単独で強行採決されておる。つまり、発足当時からそういったいろいろの問題を持っておりましたでしょうし、その問題の一つの中心は、再開発事業と同時に良好な住宅を提供していく、こういうことであったろうと思うのです。 ですから、私の想像では、当初準備をされた段階では五条という扱いはなかったんじゃなかろうか、そして近年になって入ってきたんじゃなかろうか。というのは、建設省、役所内部のお考えでは他の手法でやっていこう、いま局長もおっしゃっておられるようにむしろ別の意味でのウエートがこの法律にかけられておった。だから、いま局長の御答弁のようにすっきりしない、私は、しつこいようでありますが、そのように申し上げざるを得ないのであります。本来、改正はそういった総括の上に立ってやられなければいけません。 もう一つの問題もそうではないか、私はこう思うわけであります。つまり、零細権利者の保護の問題であります。この四十四年に出てまいった法律の中心は権利変換方式がウエートを占めておったと思います。権利変換方式は小規模で小人数の地区ではふさわしかった。だけれども大規模で人数も多い場合はなかなか進まない、また時間がかかり過ぎる、これを何とかしなければということで、五十年の法改正は第二種の制度を設けて買収方式を取り入れたと私は見ておるわけであります。 そういった法の流れを見てみますと、すでに五年間経過をしてきておるわけであります。今度の法改正でもそういった零細権利者の保護というのは残念ながら出ておりません。出てきたのは、先ほどもお互いに確認されたように、改正案の特徴は民間の協力を大々的に仰ごう、こういうことであったわけであります。ですから私は、この十年間にお互いに持ってきたあるいは悩んできた隘路といいますか、やっぱり出されるべきであった、こう思うわけです。しつこいようですが、今度の改正でこれからは皆さん方が希望されておるようにこの開発事業が本当にスムーズに進むだろうかどうか、いま局長のお気持ちをお聞かせ願いたいと実は思っておるわけであります。
○升本政府委員 再開発法制定以来、五十年の改正の時点で、どのような意図からどのような改正が行われたかは、全く御指摘のとおりの経過でございます。 そこで、今回の改正の御提案に当たりましても、権利者の保護対策については特に制度的に従前に加えたものはございません。しかし、私どもといたしましては、権利者の保護対策はこの再開発事業の実施に関連する制度としては現行の制度で足りているのではないかというふうに考えている次第でございます。問題はむしろこの制度のもとに実際に零細権利者の方々にどこまで助成が手厚くできるか、あるいはそれに準じた税制措置あるいは融資措置等の措置がどこまで拡大できるかという問題が主たる問題ではないかというふうに考える次第でございまして、いままでもこのような制度下におきまして、零細権利者については特別の助成措置の配慮をいたしてきたつもりでございますけれども、今後にわたって重ねてその助成措置の拡大に努力をいたさなければならないというふうに考えている次第でございます。 なお、この零細権利者の中には、いわゆる従前からの土地に対する権利者の中の零細権利者、それから借家権者というような形の権利者というふうに二つに分かれるのではないかというふうに考えているわけでございますけれども、前段の、従前の土地についての何らかの権利を有する権利者のうち零細の権利を有する方に対する措置といたしましては、この事業によって建築されます建築の設計計画費あるいは都市整備費、共同施設整備費等につきまして施行者に対し補助をすることによりまして、新しく取得される権利床の価額の単価の引き下げを極力図ってまいったということがございますし、またこれらの権利者に対して増し床、本来の権利価額相当の床面積にさらにプラスして床を受け取っていただくというようなことを配慮し、そのためにその分の買収分について特別の低利の融資措置を講ずるというような措置、それから優先分譲という形で、いままで土地に対する権利者でなくても新たに優先分譲というかっこうで受けとられるというような道を確保するというようなこと、と同時に、これらの確保についての資金措置について、住宅金融公庫等の融資について特別の配慮をするというような措置を極力講じてまいったわけでございます。 それから、借家権者に対しましては、その御希望によって当然に新しく建てられる建築物の一部に借家権を取得することができる。それから、家主さんが外へ転出される場合でも、施行者がかわって借家権者に貸し家を提供する。それから、新しい建物についての借家条件が調わなければ、これは家主との御相談で決めていただくわけですが、その協議が調わなければ、施行者が裁定という立場で仲介に入るというような、いろいろできる限りの手だては講じさせていただいているつもりでございますけれども、先ほど申し上げましたように、重ねて、これらの権利者に対する助成策、優遇策について今後とも努力をいたしてまいりたいというふうに考える次第でございます。
○木間委員 いまのお話を聞いておって、一つは根本問題が解決されていない、こう出ておるわけであります。確かにおっしゃるように、年々努力の跡が、たとえば補助制度の中で、あるいは金融面の上にあらわれておることはおるわけですが、この再開発事業が立案をされる過程からすでに、その地域の皆さんに有形無形に将来にわたって影響を及ぼす事業であることは当然のことであります。ですから、そこに住んでおる皆さんは、将来どう変わっていくのか、当然関心が高いわけでありますし、また本来、こういった事業は住民参加の中で進めていかなければならない根本問題が残っておるのではないだろうか、こういうことであります。 地主も家主もあるいは借家人も、つまり、大家もたな子も全体で話し合ってこの事業を組み立てていく、そして進めていく、こういうことでなければならぬと思うのです。それで私も、借地・借家法が以前はあったんだが、どうなったかなと思って、実は建設六法を何遍か見たのですが、残念ながらこの中に抜けております。そこにもこの法の扱いが、もう少しやってもらわぬといかぬのではないだろうか。こういった問題は、前の議事録を見ておりますと、昭和四十四年の制定前あるいは五十年の改正のときも、またこの国会の中でも、各委員の方からそれぞれ、ここの問題にも一つの焦点があったと思います。ですから、こういった零細権利者といいますか、すべての者の権利をどうやって保障されていくのか、こういったことが閉ざされたままになっておるということであります。特に駅前とか商業地域とかは、戦後経済変動の目まぐるしい中で、商売をやっておいでる方々でもどんどん入れかわりが激しい地区であります。当然のことながら、土地だとか家屋を持っていない、間借りをして営業しておるとか、こういった方々が非常に多い地区であるはずであります。実は私も、高岡市の商店街の真ん中に住んでおります。この十年、二十年の変遷を見ておりますとまさにそういったことが言えるわけであります。零細な権利者、土地を持たなくても家屋を持たなくてもそこの住民に間違いないわけでありますから、そういった方々を加えていかなければならぬと思うわけであります。 この法律の中では、たとえば資金があれば、参加組合員に信用のある方々を入れていこう、あるいはまた不動産屋さんも入っておるわけであります。私は別に不動産屋さんをいけないと言うのじゃありません。そういった道が開かれておるわけでありますから、これらの方々の権利も当然に入れていくならば民主的に進むのじゃなかろうか、こう思うわけですが、局長どうでしょうか。
○関口政府委員 先生の御指摘の、零細権利者のいわば保護対策の一環としての借家権の取り扱いの問題でございますが、確かに、借家人は市街地再開発組合員の資格を与えられておりませんが、これは再開発事業の性格からいたしまして、組合員の資格を認めていないわけでございます。しかしながら、実際の事業の施行に当たりましては、ただいま先生から御指摘がございましたように、円滑に進めるという意味では、借家人の方の御意見を承りながら進めておるのが実態でございますし、それからさらに、これらの借家人の方がいわゆる床の取得を希望される場合には、参加組合員として参加しておられる実例がございます。 いま私どもの手元にある資料だけで御説明させていただきますと、たとえば北海道の苫小牧市の苫小牧駅前の再開発事業では、従前の借家権者十三名の方がそれぞれ参加組合員となりまして、従前の地権者の方と御一緒に一階を共有している。一階というのは一番下の階という意味でございますが、一階を共有しているという実例がございますし、さらにこの場合は、ビルの所有法人に対しても地権者の方々と一緒に出資して運営に参加しておるという実例がございます。そのほか、東京の文京区の江戸川橋あるいは兵庫県の尼崎市等でも、ただいま申しましたように借家権者が参加組合員として参加しておられる実例がございますし、さらに、今後の予定の地区を調べてみましても、だんだんこういう傾向がふえてきておるということは事実でございます。 そういう意味から、私どもは、ただいま都市局長が御説明しましたように、全般的な対策としては、いわゆる住宅関連の再開発事業に対する補助制度、融資制度あるいは税制、こういうものの拡充、充実に努めてまいりますとともに、再開発事業の運営の面でも、こういう努力を重ねてきたということだけはおくみ取りをいただきたい、かように考えております。
○木間委員 私はここに五十年の法改正のときの議事録を持っておるわけであります。わが党の佐野憲治代議士、私の選挙区の先輩でございまして、佐野先生が亡くなられて、その後私が出させていただいた関係で、佐野先生の国会活動と二十年近く一緒にやってきた立場でもありますが、その佐野先生が、零細権利者の保護の問題で論議をされております。そのときの仮谷建設大臣の御答弁をちょっと申し上げてみたいと思います。「事業計画を立てる場合において、これは人数から言えば借家人の方が非常に大ぜいだと思うのであります。そういう人々が一体どういう計画が立つかということについては非常な不安を持っておる。そういうことを考えてみると、そういう人々の意思を尊重するということは、これは当然のことであります。当然のことながら当然法制化すべきじゃないかという議論が出ておりますが、法制化の問題についてはいささかまだ検討の余地があるということでありますから、これはひとつ検討させてもらわなければなりませんが、同じ効果を発するように、できるだけそういう方向で努力していかなければならぬ、借家人の意見が十分尊重されて、そうして再開発が支障なく円滑に遂行できるような方策を考えるのは当然でありまして、それに対しては何らかの御趣旨に沿った対策を立てるということを申し上げたいと存じます。」五年前に、実はこのように答弁をされておるところであります。ですから、私の散見したところでも、たとえばその地区に借家をして営業をされておる、しかも年いった老夫婦でやっておいでになる。いま再開発が行われて、そこへ参加組合員として入っていって、将来自分の営業を通じて借りた資金の返納ができるだろうか、完納できるだろうか、そういったいぶかった面もあると思うのです。ですから、この大臣の答弁なり、いまの国会の論議を通じてでも、そういった皆さんがおいでになれば、それは参加をしていただいて、いろいろこの計画に加わっていただくということではやはり済まされない側面を持っておる、私はこう実は思っております。 そこで、私は、ここに現場の第一線で今日事業を担当され、がんばっておいでになる方の論文を持っておるわけであります。大阪市都市開発局長の小寺さんという方の論文であります。すでに局長さんも見ておいでになると思いますが、この方の中心は、やはり住民意思の反映といいますか、住民参加が当然必要であろう、大阪市はこういったことで皆さんと一緒に初めの段階から話し合って進めてきておる、こういうことで、取り組んでこられた歩みを述べられておるわけであります。ですから私は、三分の二の委任があればやっていけるのだというこの発想は避けなければならぬのではないだろうか。むしろ、積極的に法制度の中にそれらの皆さんも最初から論議に加わっていただく、こういう形のものでなければいけないと思うのです。というのは、そこの地区全体で話し合いますと、やや消極的な方もおいでになるでしょう。しかし、積極的な方もおいでになるわけでありますから、そういった両極端の議論というのは、やはりそういう中でみんなで解決をされていくのではないだろうか。そういった中では本当にみんなに喜ばれる開発事業が進められていくのではないだろうか。みんなで話し合っていけば、共同の認識のもとに、共同の責任でこの運営が進んできておるということを、この論文は言っておると私は思うのです。ですから、重ねてしつこいようでありますが、ひとつ局長のもう一遍のお考えをぜひお願いをしたいと思うのです。
○升本政府委員 御指摘のように、法律制度上は、借地権者と借家権者とでは取り扱いが分かれておるということがございます。これは、借地権者が土地に対する直接の権利者であるということ、借家権者が建物についての権利者であるということからくるところで、やむを得ない相違に基づくものというふうに考える次第でございますけれども、御指摘のように、いま御披露のありました大阪市の局長さんの論文は、これは私も全く同感でございまして、現実にこういう事業の実施の責任を持たれる方は、当然そのように考え、そのように運用しておられると思います。これは、制度論としてはある程度の権利保障ということにとどまらざるを得ないにしても、実際問題として、事業を進行する場合には、それだけの努力、配慮をしなければ事業ができないという現実があるということだろうと思います。私もそういうふうに考えます。それで、実際の事業の進行に当たっては、そのような配慮のもとに関係権利者のできるだけ多くの方、できれば全員の同意のもとに事業が進行するように努力をしていくということがやはり本筋ではないかというふうに承った次第でございます。 そこで、実際の指導に当たって、権利者、借家権者についてもできるだけ権利を保護するという立場から、御意見を吸収するというような何らかの手だてを考えていくべきではないかというおただしかと思いますけれども、この点につきましては、五十年の法改正に伴いまして、施行通達を発出いたしましたときに、その通達の中で、特に借家権者の保護について一項を起こしておりまして、その中で、たとえば組合施行の市街地再開発事業につきましては、「借家権者は法律上組合員となることはできないが、組合の発起人が事業計画を作成するときは借家権者と協議し、また組合の設立後、当該組合が事業計画の変更又は権利変換計画の作成若しくは変更をするときは、借家権者の組織する協議会等と協議し、その意見を十分考慮して、これらの計画を定めるよう組合等を」運営するように指導しろということを通達いたしておりまして、このような通達精神に従って私どもも現在指導を徹底しようと努力しているところでございます。
○木間委員 局長、五十年の議論のときの当時の大臣の所見を私は先ほど朗読させていただいたわけであります。それは、今後十分検討して努力をしたいという締めくくりになっておりますが、その結果がその局長通達なのですか。私は先ほど、いままで論議をしてきた幾つかの法案についての問題も申し上げたわけですが、この法案に関する限りは、重要な部分は全部局長通達、こういう扱いになっておるというのは少々不満なんですよ。 そこで大臣、五十年のときの仮谷大臣は先ほどのように答弁をされておるわけでありますが、これらの論議を通じて、いまの建設大臣の所感をひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
○升本政府委員 当時の仮谷大臣の御答弁の御趣旨は、私、全く同感でございます。しかしながら、現在の制度は、先ほどおただしのございましたように、借地権法それから借家権法ですね、これは、御存じのように借地権の保護と借家権の保護は、現行の民法制度に乗っかって、その延長として定められている関係がございまして、おのずから権利の性格がかなり異なっているという状況がございます。したがいまして、その状況を全部乗り越えて、この事業については全く同じ扱いだというような割り切り方は、全体の法体系からなかなかむずかしいという問題があろうかと思います。したがいまして、できるだけこの事業をスムーズに円滑に進行させるという観点から、関係権利者の御意見は広く適切な時期に吸い上げて、できるだけ同調をいただくというような運用を目指すべきであり、その運用を保障するために必要な限度で立法化を行うというのが、この再開発事業に限りませんけれども、公共事業一般についての考え方の基本ではないかというふうに考えさせていただいております。したがいまして、仮谷大臣の御答弁も、気持ちとしてはそのようにお考えになったことでありましょうし、また、そのお気持ちにできるだけ沿うように努力はさせていただいたつもりでございますし、その後の運用に当たっては、特に十分にその御趣旨に沿うように努力を積み重ねてまいったというふうに申し上げさせていただきたいと思う次第でございます。
○木間委員 これも先ほどの例で、現場の第一線でやっておいでになる皆さん、というのは、建設省の大臣あるいは局長の皆さんの指示、指導を受けて第一線でがんばっておいでになる皆さんの現実の声も申し上げたとおりであります。この議論はなかなかかみ合わないようでありますが、これからも皆さんの大きな検討課題として、ぜひ前向きで私どもの気持ちをくんでいただいて、私どもの気持ちというのは、やはり国民皆さんの気持ちなんですよ。これをくんでいただいて、民主的な開発事業がやれていくように、それこそスムーズにいくのじゃなかろうか、私はこう見ておりますので、大臣もひとつぜひよろしくお願いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 具体的には、ただいま局長が御説明いたしておるわけですけれども、やはり行政の一貫性というものは必要でございますから、仮谷大臣の発言の趣旨というものは、当然私どもも努力をしなければならぬと思いますし、またそういう問題を円満に解決しなければ、実際に事業は円滑に推進できないわけでございますから、今後そのような問題を含めまして十分検討してまいりたい、かように考えております。
○木間委員 通告にないわけですが、先ほど融資面での御答弁もあったわけですが、少し関連をして、一つだけ最後にお尋ねをしたいと思うのであります。 これは、たとえば零細権利者の保護とかあるいは増床分とか、そういったものについても手厚い保護をしておるのだ、こういうことであったろうと思うわけであります。しかし、私なりにいろいろ調べてみますと、必ずしもそうはなっていないと思うのであります。たとえば、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法という法律があります。この法律では、さらに利子補給を三・五%の範囲内でやっていこうということで、民間の融資制度の中ではありますが、建設大臣の執行のもとに運用されておる法律制度が一つあるわけです。ですから、こういった増床部分につきましても、あるいは零細権利者の保護の面におきましても、こういった一つの省の扱いの中にもっと有利な制度があるわけですから、この開発法の運用についても、やはりそこまでやっていかなければ進まないのではないだろうか、またそのことが関係住民の皆さんにとってもいいのではなかろうか、このように一つは思うわけですが、この点についてひとつお伺いしたいと思います。
○升本政府委員 関係権利者の増床分の取得資金について、住宅金融公庫は融資制度を四十九年に創設をいたしておりまして、特に別枠をつくりまして優先的に考慮するという配慮をいたしておるわけでございます。 そこで、その融資措置はともあれ、たとえば農住の利子補給制度に準じたような制度も考えていいのではないかというおただしかと存じますけれども、これは私どもの今後の努力でございますが、私どもの再開発事業のための融資制度ということからは、若干異なった視角からの助成制度というふうに考えていかなければならない面があるのではないかというように考えておりまして、もう少し総合的な諸施策の整合性を考えながら、できるだけの努力をしてまいりたいというふうに考える次第でございます。
○木間委員 最後に要望しておきますが、この農住利子補給制度も建設大臣の所管なのです。同じ所管の中で、やはりばらつきがあってはいけないと私は思いますし、またそのことを国民はもっとやってもらいたい、特にこの再開発事業は大事な事業でありますから、そう思っておると思います。 それからまた、先ほども申し上げておりましたように、ぜひこれからの再開発事業には、住宅問題を、また中小の権利者の問題を一つの中心に据えていただきたい、このことを要望申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。どうも御苦労さまでした。
○北側委員長 井上泉君。
○井上(泉)委員 同僚議員から、都市再開発法の問題点については、微に入り細に入り、かなり慎重に質疑が交わされたわけでありますし、私自身のきょうの質問の予定の項目というものも、ただいまの木間委員の質疑の中でも取り上げていただき明らかにされたわけでありますから、私は重複を避けて質問を申し上げたいと思うわけです。 この市街地再開発事業がずっと行われてきておるわけですが、私がきょういただいた資料で、地方公共団体施行の場合の平均は百二十一億九千六百万である。そうすると、約二十カ所近いところをやってきておるわけです。そうすると、この地方公共団体施行の都市再開発の事業でも、今日まで約二千億の投資がなされておる、こういうふうに推算をするわけですが、これは大体そのとおりでしょうか、局長の方からお願いします。
○升本政府委員 おただしの再開発事業の実施の実績でございますけれども、地方公共団体施行の場合でモデル的に試筆をいたしますと、大体一事業百二十億ぐらいでございますし、それから組合施行の場合ですと四十二億、モデル計算で大体そのぐらいでございます。これはもちろんモデルで平均をとっておるわけでございますが、この平均をとります場合に、たとえば公共団体施行で、東京の江東区で行われておりますような白髪東でございますとか亀戸、大島、小松川、こういった防災拠点で大がかりなものは、この平均をとる場合に一応除いております。したがいまして、中程度ぐらいの平均というふうにお考えをいただきまして、御指摘のようにそれの件数倍が大体総所要資金額でございますけれども、さらに大規模のものが加わりますから、若干大きなことになるのではないかというふうに考えます。
○井上(泉)委員 そうなりますと、たとえば地方公共団体の施行の場合の現在までやってきたトータルは、一体どれぐらい経費を使っておるのか。それは私は全部を平均した数値かと思ったものですから、二千億ということを言ったわけです。出ていなければいいです。
○升本政府委員 ただいま手元に全トータルの資料を持っておりませんので、早速総計をいたしましてお届けを申し上げたいと思いますが、ただおおむね大規模なものを除いた平均値というふうにお考えいただいて結構かと思います。
○井上(泉)委員 そうすると、法律が施行されて今日まで二千億前後の金が投資をされた。それから組合施行のことを含めますと、正確な数字は必要ありませんが、この調査室からいただいた資料で、事業の進捗状況で、四十八カ所の事業が完了しておるのですが、これの事業費の合計はおわかりになっておるでしょうか。なければまた後日でいいですけれども……。
○升本政府委員 総事業費をいま集計しておりませんので、早急に集計いたしましてお知らせいたします。
○井上(泉)委員 これはかなりの投資をしておるということは間違いない数字ですが、私も調査室の資料を見て、調査室の方にこの辺のことを調査をお願いをしたいと思ったのですけれども、そういうようなことを都市局の中で集計をされておるのではないか、こういうふうに思ったので、あえてお尋ねをしたわけです。 それで、現在事業を実施中というのが百四カ所もあるわけです。完了したものと実施中のものを合計すると百五十二カ所ある。この百五十二カ所を、地方の公共団体の平均的なところで出ている百二十億というものから積算をすると、現在計画中のものを完了させるに当たってもかなり膨大な経費、資金が必要になるわけですが、工事施行中だと思うわけですけれども昭和五十四年度の事業費というのは全体でどれぐらいになっておったでしょう。それから五十五年度の事業費の予算というもの。
○升本政府委員 五十四年度の事業費は三百七十億円、それから五十五年度の事業費が三百七十九億円でございますが、これはただいまおただしの再開発事業だけではなくて、従来旧法による市街地改造事業あるいは大都市法に基づく住宅街区整備事業等を含めた広義の、広い意味の再開発事業のための全事業費を五十四年度、五十五年度について申し上げた次第でございます。
○井上(泉)委員 これの金額、私が前段申し上げました、いまやっておるのを含めると百五十二カ所ですから、この百五十二カ所を、平均の百二十億、こういうことで見ると、掛けますというと一兆七千億というふうになりますが、こういう膨大な金額が投資をされることになるんでしょうか。その点どうでしょう。
○升本政府委員 細かい数字を申し上げないで恐縮でございますけれども、おおむねそのようなかなり大きな額が事業費として投入されるというふうに御理解いただきたいと思います。
○井上(泉)委員 それで、五十五年度は大体現在の継続地区をやるというのが精いっぱいですか。あるいは新規に新しい地区を選ぶということになっておるでしょうか。
○升本政府委員 再開発事業はいわゆる公共施設の整備を伴うものとそうでないものと大分けをいたしておりまして、公共施設の整備を伴うものを私ども都市局の方で所管をいたしております。公共施設の整備を伴わない再開発事業は住宅局の所管でございますので、先ほど来申し上げました数字は都市局所管分を申し上げたもので、恐縮でございますが都市局所管分の事業費でございます。そこで都市局所管分について申し上げますと、今年度の再開発事業は継続五十九カ所、新規六カ所ということになっております。
○関口政府委員 私どもが所管しております個人施行、組合施行につきましては、継続が三十一カ所、新規が二十四カ所、こういうことでございます。
○井上(泉)委員 計画、予算は。
○関口政府委員 事業費で申しますと、五十四年度が八十七億六千百万、五十五年度が九十四億ということでございます。
○井上(泉)委員 それで、約一兆七千億というのは都市局所管での事業の金額ですか。住宅局の所管しておる金額を合わせますというとかなり金額がふえるわけですが、おおよそどうでしょう。
○升本政府委員 先ほど先生がおっしゃられました数字の全国で百五十二地区と言われましたのはことしの一月一日現在の数字でございまして、三月三十一日、五十四年度末までを申し上げますと百五十七地区になります。この百五十七地区と申しますのは都市局所管分だけではなくて住宅局も含めた全再開発事業の地区数でございます。
○井上(泉)委員 大臣、都市再開発事業で現在やっておるのを完了さすのを含めましても約二兆円近い金が要ることになっておるわけですが、再開発をなぜしなければならぬようになったのか、その要素というのは、これは言うまでもなく市街化区域へ人口が集中をして開発をしなければ都市機能が十分果たせない、こういうことで開発をするわけですが、もうここらあたりで都市の過密化を排除するために、都市のそういうごみごみしたところに二兆円という投資をするより、都市に隣接する地域とかあるいは過疎地域とかそういう地域に、つまり、悪名高い言葉になっておるから言うのは非常に悪いのですが、列島改造、こういう意味から考えましても、都市のこれ以上の過密化を防止するためには、むしろ都市の機能を再分散させるような発想の転換をやって国費を投入をするというような政治の転換をやったらどうか、こういうように思うわけですが、大臣の所見はどうでしょう。
○渡辺国務大臣 お説のようなことも重要な政治課題でございまして、たとえば首都の問題につきましても、これは遷都でやるとか分都でやるとか、結論は出ておりませんけれどもいろいろ検討が加えられております。なおまたできる限り地方に人口の分散を図るという意味におきましては、定住圏構想あるいは地方の地域に工場の導入を図るというようなことにつきましてもいろいろ配慮をいたしております。住宅の問題としてはすでに御承知のように多摩ニュータウンというようなものも、もう十年近くかかっておりますが、ようやく相当な成果が上がってきておるわけでありますから、そういう仕事に相当なウエートをかけることも必要であるという先生の御意見には私も全く同感でございます。しかし、実際問題としては、相当過密になっておりまして住環境も悪いしあるいは防災上も大変ぐあいの悪い地域につきましては、再開発というものによりましてそれらの問題に対処しながらまた住宅問題の解決にも資する、この再開発手法というものも重要な一つの方途である、相当な予算が使ってあることも事実でありますけれども、いろいろな反省をいたす点があるには違いありませんけれども、それなりの成果が上がっておるものであろうというふうに私は考えておる次第でございます。
○井上(泉)委員 これだけの金を投資するんですから成果はある程度上がっておるでしょう。しかし、いま大臣の言われる定住圏構想、いまのこの三全総の計画なんかに投資をしでおる金なんというものはとてもじゃないが微々たるものです。きょうは国土庁呼んでないものですから、国土庁にそのことをまた質疑をしたいと思うわけですけれども、いま着手しておるのが何年先に完了するか知らないけれども、こういうように思い切った二兆円近い再開発事業が行われるわりには今日の人口が集中しておるいわゆる都市の弊害というものは、ただ駅前広場がきれいになった、いろいろと言うだけであって、本当に都市の過密化を排除する効果というものは上がっていない。むしろそのことによって、議員からも段々の指摘をされたように地価の暴騰を来し、そしてそこの地域に住んでおった人が居住地を追い払われたり、そういう現象というものが出てきておるわけで、それに今度再開発法の業務をするのに個人も許されるということになりますと、これは不動産業者あるいは大建設業者の仕事の場をつくり上げるということになりはしないか、こういうように思うわけです。 ブラジルと日本と比較してはどうかと思うわけですけれども、いまのブラジルの首都のブラジリアは、あそこへ首都を移転してから二十年、その中で首都としての都市計画を進めてやってきておる。現在そこにもいろいろ問題が出てきておるようでありますが、ひとつ大臣も、建設のこういうことについては詳しい方であるから、市街地の再開発法という法律があるからその法律で何とか何とかということでなしに、もうここらあたりで市街地の再開発事業というようなことよりも都市に人口が集中することを排除するようなそういう政策、事業、こういうふうなものを検討されて何らかの方向を示していただくようなことにはならないのか。いま直ちにではないけれども、少なくとも都市の機能を強化させるためには、これ以上都市に人口が集中するようなことであってはならないし、これ以上過疎化を生み出すような要素をつくってはならないわけですから、そういう点についての大臣の抱負といいますか、大臣の政治家としての御見解を承って、私は市街地再開発事業というものを検討し直してもらいたい、こういうふうに思うわけです。
○渡辺国務大臣 先生のおっしゃいますある程度の過密地区からの人口を地方に分散をする、そして均衡のあるバランスのとれた地域づくりをしていくということにつきましては、私も同様な感じを持っております。 また御承知のように、実際に仕事が国民の目に映るところまで来ておりませんけれども、五十六年ごろからどんどん分譲を開始いたします宅地開発公団の仕事等も順次はっきりしてくると思いますし、多摩ニュータウン等もすでに十数年を経過しておりますが、ようやくそれが軌道に乗ってきております。これらの仕事が実際の成果が上がりますのには相当な期間がかかりますために、再開発等についても当然でありますが、そういうものが比較的評価をされにくいということは私も承知をいたしております。 そういうような意味におきましては、私は、極力人口の過密というものに対して、東京都を初めとする、いわば三大都市圏でありますが、そういうところの人口の分散といいますか、そういうことにつきましては当然今後考えてまいります。今度の新全総その他におきましてもいろいろ配慮をされておるところでありますから、その点につきまして私どもも努力をいたしますことは当然でありまして、その点先生と同じような気持ちを持っておりますが、ただ私も東京都の白鬚地区その他若干の地域の再開発を視察をいたしておりますけれども、私の得ました実感といたしましては、再開発事業によりまして地区の面目も一新をしておりますし、地域の防災拠点としてあるいはまた健全な中高層住宅地としても相当改善が見られるというふうに私は感じまして、再開発事業の効果というものは相当大きいものがあるし、またその推進は大変必要であるということにつきましては、私はやはり依然そのような考え方をあわせ持っておるわけであります。 ただ、事業がその地区の状況が一変するような大きな事業でありますだけに、関係者、権利者に対します手当ての問題でありますとか、あるいは事業費が非常に大きいために膨大な資金を必要といたしますとか、そういうような問題がございますので、これを実施するためには、住民、地方公共団体あるいは国というものが一体となって努力しなければなりませんので、公共事業を推進するためには今後相当強力な指導と、その裏づけとなる財政上の措置等につきましても十分努力をしなければならない。特にいま防災の問題が強く言われておりますけれども、実際問題として過密地域をこのままで放置することは政治家として許されないのではないかと思っておりますので、そういう問題につきましては真剣に努力をいたしますと同時に、今日までの再開発事業をやってまいりました経過につきましては、私どもひとつ十分反省をいたしまして、お話しのような過密というものに対する地方分散ということも考えながら、バランスのとれた政策を遂行してまいりたい、かように考えておるわけであります。
○井上(泉)委員 この法律が出されたときにこれは強行採決された。私は、どうしてこんな法律で強行採決をするほど政府自民党は急いだのだろうか、またその辺の話し合いをなぜ慎重にしなかったのだろうか、こういうように振り返って思うわけです。 今日までやってきたところでいろいろ問題点があったわけですが、この地域の施行に当たって土地収用法が適用になったとか、あるいは強制代執行をやったとか、あるいはまた訴訟が起こったとか、これは住宅局の所管あるいは都市局の所管にかかわらずそういうことがあったのでしょうか、どうでしょうか。
○升本政府委員 行政代執行、強制的な処分をした例があるかというおただしでございますけれども、これはいままで一例もございません。ただいまのところ一地区について収用の裁定申請ということは行われておりますけれども、まだ裁定にも至っておりませんし、したがいまして、いままでの実績では、おただしのようなことは全くございません。 訴訟になった例は若干ございます。
○井上(泉)委員 訴訟というのはどういう訴訟ですか。
○升本政府委員 私どもの伺っておりますのは、事業の進行に従いまして、従前の権利者に新しく建てた建築物の一部を従前の権利に対応して差し上げる、こういう計画をつくるわけでございます。これを権利変換計画と言っておりますが、その権利変換計画で定めた新しい建物、つまり権利者からすれば新しくもらう建物の価額が少し高過ぎるのではないかという趣旨の御要請に基づく訴訟が行われているというふうに承っております。
○井上(泉)委員 土地収用とかあるいは代執行をしたことがないというのは、再開発事業をすれば地価が上がるから地権者は文句がない、こう思うが、訴訟があるということは、借地者あるいは借家を借りておる人、そういう人に十分でないから、そういう人が不満を抱いておるような内容だからこれは訴訟が起こった、私はそういうふうに解釈するのですけれども、こういうふうに解釈するのは間違いでしょうか。
○升本政府委員 代執行といいますか、強制的な施行がないということは、むしろこういった事業は権利調整に基づく事業でございますから、多数の方々を強制的に無理強いすることは、制度的には別といたしましても実際上は非常にむずかしい。そこでお話し合いを尽くして事業にかからざるを得ないという実態があるために、なかなか強権的な発動は実際問題としては考えがたいというところにあるのではないかと考える次第でございます。 それから、訴訟になった例を先ほど申し上げましたけれども、これは確かに新しくもらえる建物が価額が高いという御指摘ではございますが、もちろん相対的な問題でございまして、事業に着手する前のその地区内の権利価額が比較的に安い、それが事業を施行することによって開発利益が出る、そのために従前の権利と比較しますと、今度もらうべきものが見た目の物の広がりとしては相対的に小さい、つまり高いという御指摘になるわけでございまして、むしろ事業によってそのような開発利益が生じ、その利益が権利者に幾分かでも及ぶというふうなのが一般的な事業内容ではないかというふうに私どもは考えております。
○井上(泉)委員 この法律が施行されておる中で、さっきも木間委員の質問の中でも委員が言っておったわけですが、そこをやった場合にそこに住む人はほとんどいなくなって、そこはドーナツ化現象の中で居住する者はいなくなって、そこで借りておった人たちは他に土地を求めて転宅をするというようなことで、この再開発法によって施行されると、逆にそこの地域から、いわば貧乏人は出て行け、貧しい者、自分の家に住んでいない者、地権者でない者も出て行け、こういうような形で追い払われてしまうようなそういう現象というものが全体のどの個所にもありはしないか、こういうように思うわけですが、もとの住居人がどれくらいの比率で残っておるのか、こういうふうに考えてみますと、全体的に借家権者のたとえば四十三人、地方公共団体の施行の場合の平均が四十三人ということですが、この四十三人がどれだけそこの地域に残っておるのか、これはお調べになったことはあるでしょうか。
○升本政府委員 私どもの方で少し総計的な調査をいたしてみました結果でございますけれども、先ほど百五十七地区、事業に着手しておると申し上げましたが、その中で現時点で事業が終わっておりますのは四十九地区です。その四十九地区の総合計で申し上げますと、土地所有者、借地権者、借家権者等権利者はいろいろございますが、全部を含めまして三千三百八十人という権利者数になりまして、このうちその地区に引き続き残られる方が千五百十六人、それから転出した方が差し引きで千八百六十四人ということでございまして、パーセンテージで申し上げますと五五%が転出者という数字になっております。
○井上(泉)委員 私は、転出をした人が全部追い出された、こうは思いませんけれども、しかし、居住地域、いままでおったけれども、そういう開発事業によってその居住地を失って他へ転居したという人たちが十分な補償、十分な合意の上で転居したのかどうか、そういうふうな調査といいますか、追跡調査というようなものはやられたことはないでしょうか。やったでしょうか。
○升本政府委員 この法律をもちまして再開発事業を公共事業というふうに位置づけておりますので、この事業によって土地を提供して、外へ転出される方については当然正当な補償額の積算によって補償が行われるということになっておりまして、もしそのような補償が行われなければ当然に権利者の方々から御異存、御意見が出るはずでございますし、先ほど申し上げました行政上の手続を求められることもありましょうし、いろいろな問題が生じていることになろうと思います。私どもといたしましては、この法律に基づきます的確な事業の執行に留意をし地方公共団体等を指導してまいっておりますので、その補償額に不足があるということは考えがたいのではないかというふうに思っております。なお、それは権利価額の問題でございますけれども、これ以外にも、実際に外にお出になる場合には必要な代替地をあっせんいたしますとかあるいは融資措置をあっせんするとかいうような、時に応じて必要な御助成は申し上げているというふうに考えております。
○井上(泉)委員 私ども社会党は、これは社会党だけではなしに他の野党の皆さん方もこの法律が最初提案されたときにも反対をされ、それを自民党が強行採決をしてこの法律は誕生した。そして前回の改正のときにも私ども反対をして、いわば多数をもってこの法律が制定されておる。ところで、その法律を今度改正しなければならないという特別な眼目なり理由があるのか。改正する法律案の逐条説明を見ても、いまこれを改正しなければこの法律を施行することに障害がある、こういうふうには理解できないのです。都市局の方ではこれは障害があるから法律を改正することになったと思うわけですが、その点について明確な見解を承りたいと思います。
○升本政府委員 先ほど大臣からお話がございましたように、国土全体の利用の効率化というところから人口、産業の分散施策を図りますと同時に、やはり既成市街地内については、いまの東京、大阪等の大都市の現状を見ても直ちにおわかりいただけますように、既成市街地の状況は大変よくない状況にございます。したがいまして、このよくない部分については再開発をもっと広く、もっと速やかに進行できるようにしていかなければいけないのではないか、これも全体的な施策の中の一つとしてそのような努力はしなければいけないのではないかという観点から、今回再開発法の改正を提案させていただいた次第でございまして、具体的には、広く再開発を速やかに進行させるためには全体計画が必要ではないか、そういった都市全体を見渡した基本構想という形で再開発の方針というものを定めて、その方針に従って逐次必要なところに再開発を実施していく、そういう制度を形にすることが必要ではないかということが改正の第一点でございます。 それから、広く速やかに行ってまいりますためには、先生先ほど来おただしの事業費の問題ももちろんございますけれども、同時に施行主体、事業を行うべき主体をもっと広げてもいいのではないか。いま地方公共団体と、それから組合施行、個人施行という権利者のお集まりでやっていただく場合でございますけれども、それにほぼ限定されております。それをさらに、たとえば首都高速道路公団のような能力のある団体も施行者になるあるいは地方住宅供給公社といったものも住宅供給主体として再開発事業に参画してほしい、そのようなことで事業主体の範囲を広げる。それから、事業を施行できる要件が法律に書いてございますけれども、たとえば、区域内の耐火建築の建築物の面積が、その区域内の全建築面積の中で三分の一以上あったらこれはもう再開発適地とは言えないというような限定をいたしておりますけれども、これはいまの時代からすると、市街地の状況からするとちょっと限定し過ぎではないか、もうちょっと条件を広げて再開発事業がやれるような場所を広げたらどうかというような趣旨から考えました御提案と、それから、事業を実施してまいります場合に、先ほど先生に御心配いただきました事業費の問題に絡みまして、これは施行者が必ずしも全部きれいにして、建物を建てて分譲まで全部やらなくても、地元の権利者の方々に十分な代替の資産をお渡しすることができた後は、余った床については一棟の建築物に集約して、それは必ずしも施行者、公的な団体がやらなくても、事業計画のいう枠内で民間の企業に手伝っていただくというようなことにいたしますと、この分については大幅に事業費が節減をされるわけでございますので、そういったようなことを今回御提案させていただきまして、全体として再開発事業をさらに推進していけるように制度改善を考えさせていただいた次第でございます。
○渡辺国務大臣 先ほど以来いろいろ御説明を申し上げておりますが、私の申し上げておるのがあるいは的確に当たっていなければお許しを願いたいと思います。 当時この問題が取り上げられましたときには、たしか相当賛成の空気が強かったというふうに私は記憶をしておりますけれども、これは国会運営の一環としての取り扱いが急遽行われたのではなかったかというふうに思い出しておるわけでございますので、その点もちょっと御参考に申し上げておきたいと思います。 それから、私は、現実の問題として三大都市圏等におきまして、特に大都市におきまして非常な過密地域がある、こういうものはやはり放置できないのではないかと思うのでありますが、そういう意味で住環境、防災対策、そういうようなものを含めましてこれが解決を図るのには、やはり再開発という手法によらざるを得ないのではないかということを考えておるわけでございます。 もう一つ、先生御承知のようなエネルギー対策がいま非常に強く言われておるわけでありまして、一方では、たとえば断熱構造とかあるいはソーラーハウスとかいろいろなことを言っております。アメリカ等におきましても、最近の住宅対策は職住近接ということを重点に考えておりまして、そういうような意味からいきますと、再開発によりまして職住近接の解決に当たるということも一つの手法ではないかと思っております。 ただ、先生のおっしゃいますように、非常に零細な居住者、零細な権利者に対しまする措置あるいは借家人等の意見の反映とかいうような問題については十分に配慮をせねばなりませんし、そこに居住しておった人たちがおれなくなってしまうというようなことは決して本来の政策の趣旨ではないわけでありますから、そういう点について十分な配慮をせねばならぬと思っておりまして、この法律の成立後におきましても、国の指導のみでなく、これらに対します財政措置、援助、助成、そういうものにつきまして今後ひとつ十分配慮してまいりたい、こういうふうに考えておりますので、一言申し上げておきたいと思ったわけでございます。
○井上(泉)委員 大臣のその見解といいますか、お気持ちはよく理解はできるわけであります。しかしながら、この法律の持っておる性格から考えて、この法律そのものずばりと言えば、それは悪い法律ではない。これは都市再開発という名においてやらなければいかぬ。ところが、この再開発をやるに当たって、地権者あるいは借地権者あるいは借家人、そういう者の意見が十分反映されてこの事業が施行されてきたというようなことには、私どもの調査の限りにおいては理解をされないわけでありますし、いま私ども、この法律に賛成か反対かということについての結論は出してはおりませんけれども、大体この法律については反対をしなければいかぬじゃないか、私自身はそういうふうに考えておるわけで、そこで、都市再開発というにしきの御旗というのは、用語におけるにしきの御旗はりっぱでありますけれども、都市で百メートルの道路をつくるという金があったならば、地方に行けばこれはもう百キロの道路ができるというような、都市におけるいろいろな事業費の暴騰ぶりがあるわけなので、ここらあたりで、前段申し上げましたように、都市再開発法によって都市の再開発をやって都市の機能を充実さすという、むしろ都市の機能を充実さすためには都市の機能の分散を図るようなことをしていくのがこの都市再開発に通ずる道ではないか、こういうふうな見解も持つわけでありますので、そういう点も含めまして、この法案の内容について私どももなお十分ひとつ検討し、そしてまた賛否の態度を決めていきたい、かように思っておりますので、私のいまの見解について大臣の所見を承って、私の質問を終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 先ほど以来、私は再開発の必要性につきまして申し上げましたけれども、先生のおっしゃいます、こういう大都市の過密に対して地方に分散を図り、また国土全般にわたっていわゆる均衡ある発展を図っていくというような意味におきます措置について十分考慮すべきではないかという御発言につきましては、私もそのとおり考えておりますので、今後十分検討してまいりたいと思います。
○井上(泉)委員 終わります。
○北側委員長 午後一時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十五分休憩 ————◇————— 午後一時三十一分開議
○北側委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。瀬崎博義君。
○瀬崎委員 都市再開発法の一部改正案について質問をいたします。 この都市再開発法は、昭和五十年にも改正をされているわけですね。そのときの主な柱は三つあって、一つは市街地再開発促進区域を導入する、一つは個人施行者制度を創設する、一つが買収方式、いわゆる第二種市街地再開発事業、これの導入であったと思うのですね。この五十年改正の効果について建設省としてはどのように評価をしているか、まず伺いたいと思います。
○升本政府委員 五十年の改正はおただしのように、市街地再開発促進区域制度、個人施行制度、それから第二種市街地再開発事業の導入を主要な内容としております。 そこで、まず実績でございますけれども、市街地再開発促進区域は、その後十五都市、十七地区につきまして十三ヘクタールの地域について指定をされまして、これに基づいて事業が進行しております。 それから個人施行につきましては、十二都市、十八地区につきまして六・一ヘクタールの面積、区域につきまして実施をされております。 それから第二種の市街地再開発事業につきましては、二都市二地区につきまして面積は三十二・九ヘクタールで実施中でございます。 ただいま申し上げましたように、二種市街地再開発事業は二地区でございますけれども、これを除きますと促進区域の制度、個人施行の制度はいずれも順調に進展をいたしておるものというふうに考えておりまして、これらの制度によりまして再開発事業が全体として円滑に進みつつある、進み得る範囲を拡大しているというふうに評価をいたしております。 また、二種市街地再開発事業につきましては、一種の権利変換方式と異なった管理処分方式というものを導入いたしまして、公共性、緊急性の高い大規模な地区での事業が実施できるように新制度を工夫したわけでございますけれども、その後の市街地の状況変化によりまして施行区域の要件が若干実情にふさわしくなくなった点がございまして、先ほど申し上げましたように十分に活用を見ているというところまでは至っておりません。この点につきましては、今回御提案申し上げました制度改正によりまして推進をさらに図れるものというふうに考えておる次第でございます。
○瀬崎委員 全体の市街地再開発事業の進捗状況は、事業完了及び事業実施中合わせて百五十七地区、四百四十六・二ヘクタールになっているわけですね。これ自体がきわめて進捗が悪いわけなんですが、この中で占める割合で見れば、いま局長のおっしゃった地区や面積はさらに微々たるものになるわけですね。これは全体として見て、五十年改正のときの改正の柱が都市再開発の進捗に基本的に役立った、こういう評価は私はできないのではないかと思うのですね。いかがですか。
○升本政府委員 再開発事業を地区の面積等の数量でとらえて申しますと先ほど御報告申し上げたようなことでございます。また、量的にはさしたるプラスにはなっていないのではないかという御指摘もあり得るかと思いますが、再開発事業は何分にも大変時間のかかる事業でございます。五十年改正以降実質の着手が一、二年後からスタートしたといたしまして、現時点におきましては進行過程にあるわけでございますので、今後の再開発事業の進展、進行を見合わせていただきませんと数量的な評価もなかなかむずかしい面があろうかと思います。 それから数量的な評価のほかに、市街地再開発促進区域制度につきましては、御承知のとおりこれは、まず区域を決めて、再開発事業に至るまでにその区域内の権利者の方々に、高度利用地区その他の都市計画で定められた内容をそれぞれの発意で自主的に実現していただくということを当面の眼目といたしまして、そのような御協力をいただける場合には、再開発事業のかっこうによらなくても都市計画の内容を実現していただける、それは広義の再開発の目的に資するものだという趣旨で導入をさしていただいたものでございまして、広義の再開発事業を権利者の自主性を尊重しながら進めていただくという点では効果的な手法でなかったか、現にあるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○瀬崎委員 この五十年改正が量的にはさしたる進捗を示してないけれども、何せ時間のかかることだからいま軽々に評価できない、こう言われるのでしょう。 それならば、いまの局長の答弁は、今後五十年改正の効果も出てくる、こういうふうな意味だと思いますから、何もあわてていま再度の改正を出す必要はないのじゃないですか。
○升本政府委員 再開発促進区域制度については特段の修正、変更の御提案を申し上げておりません。 それから第二種市街地再開発事業につきましては、先ほど申し上げましたように現状がその事業の施行要件として合いにくくなっている面があろうかという反省をいたしまして、今回、対象となるべき区域の最低限度を小さくさせていただくという改正をお願いしているわけでございます。 それから、個人施行者制度につきましては、その後の事態を改変するという意図はございませんで、従来から権利者中心でおやりになる個人施行者制度はそのままひとつやらしていただきたい。ただ、これにさらに加えまして、個人施行者として施行者たり得る者の範囲を広げさせていただくことは、これからさらに個人施行で実施し得る範囲を拡大できるのではないかということから御提案を申し上げているところでございます。
○瀬崎委員 その五十年の五月七日の当委員会において吉田都市局長が答弁しているのです。この五十年改正について「従来とは面目を一新するような大幅な再開発の促進を図りたい。」こういう答弁なんですよ。現在出ている結果を、その面目を一新するような大幅な再開発の促進、こういうふうに評価していらっしゃるのですか。
○升本政府委員 数量的には先ほど申し上げたような数字でございまして、これからの成果に多分にかかわるものというふうに考えておりますが、私はやはりこの促進区域制度というのは、先ほども申し上げましたように、再開発事業の制度としては大変新しい考え方で、新たな制度が開かれたものというふうに考えておりますし、個人施行者制度も同様に、制度としては大変内容的には拡大といいますか、発展させていただいたものというふうに理解をしております。二種市街地再開発事業についても同様でございます。
○瀬崎委員 制度としてはいいアイデアであっても、実際に数量で評価をする場合には効果が出ていない、このことだけは認めざるを得ないのでしょう。ましてや面目を一新するような前進でないことはだれが見ても明らかだと思うのですよ。その問題の促進区域についてなんですが、この指定については、土地所有者がある一定期間内に事業を実施しない場合には公的団体が事業を実施することになるので、土地所有者の意に反して事業を強行する強権的な面が出ないか、こういう心配は当時すでに何人かの委員が指摘しているところなんです。これに対して当時都市局長は、「まずもって促進区域のほとんど大部分のものは、法律の期待どおり権利者の手によって開発されるのではないか。まあしかし、万一漏れがあるといけないという意味で市町村の代行というものを制度化しておりますが、その方にそうやたらにくることはないと考えますので、市町村が乗り出す場合のことを恐れて市町村が指定を拒否するということは、この法案の趣旨が漸次理解されれば、その心配は余りないのではないかと考えております。」こう答弁しているのですよ。この趣旨からいくならば促進区域の指定の制度がもっともっと活用されていなければならないと思うのですし、またこれがスムーズに進んでおれば今回新たに都市再開発方針作成を知事に義務づける、こういうふうに上から再開発を押しつける、こういう新たな手法の導入は必要がなかったのではないかというように思うのですが、いかがですか。
○升本政府委員 促進区域制度につきましては、何よりも区域内の権利者の御理解をいただくということが必要なことだろうと思います。その点について十分に御理解をいただくだけの努力がなされていたかどうかということについてはいろいろ御意見がございましょうし、われわれとしても反省すべきところがあるかと思います。しかしながら、この制度自体は前進が認められてしかるべきものというふうに私どもは評価しております。 再開発事業は強制事業であるということは、公共事業である以上ある程度制度的にはやむを得ないところがあるわけでございますけれども、その場合にも、まず第一次的には強制事業に至らないで権利者に都市計画の内容実現の機会を持っていただくという意味で、再開発事業は当時の局長が大いに期待をいたしたのも当然だろうと考えております。その後の進行が不十分でありました点については、私どもは、十分これから直接の当事者である自治体にもいろいろ御相談をしながら、さらにこの事業の進行に努めさせていただきたいというふうに考えている次第でございます。
○瀬崎委員 そもそも地域住民の理解を得て促進区域が設定されるこの制度はいい制度だというわけなんでしょう。しかも、当時これは法律の期待どおり進むだろう、こう言っていたわけなんです。こういう住民の理解を得て、しかも地権者の手によって開発されるであろうというのが法律の期待であるとするならば、私が聞いているのは、今回知事に再開発方針を義務づけた、このこと自身はこれまでのそういう答弁には逆行、矛盾するようなやり方になるのではないか、こういうことを聞いているわけなんですが、いかがですか。
○升本政府委員 再開発促進区域制度が当初予定をいたしたようにははかばかしく進行していないということにつきましては、その原因の一つは、やはりその促進区域が定められるべき市街地を全般的に見渡した上でその市街地全部を対象とした再開発のいわば方針的なものが立っていなかった、立っていた自治体におきましても十分な形では立っていなかった。そのために、再開発促進区域をどの地域にどのように指定していくかということについて自治体側にとまどいがあったということもあったわけでございまして、このようなところから今回その前提となるべき基本方針をまず決めさせていただいて、その中で再開発促進区域の位置づけあるいは再開発事業の位置づけを行っていくことによってこの制度もまた生きてくるのではないかという反省をした上で、今回御提案を申し上げている次第でございます。
○瀬崎委員 そもそも促進区域が十分住民の御理解をいただけないところから進みにくいとさっき言われたのですから、本来ならば、上から再開発方針を押しつける以前に、御理解をいただけるように努力をして制度の改正をするのが筋だと私は思うのです。いささか力づくででもという感じを受けざるを得ないのですね。ですから、まだ前の促進区域のままの方が民主的ではないかと私は思う。 次に、特定施設建築物及び特定建築者制度についてなんですが、今回保留床のみから成る建築物を、施行者以外の業者でも一定の条件に合致しておればこれが建築できる道をつくりましたね。ただしこういう特定建築者には条件があります。一方ではその特定施設建築物を建築する能力、資力がなければならぬということ、及び土地の買い取りの能力、資力がなければならぬということでしょう。一方では、建築を行う者が同時にその建物の取得者でなければならないという条件もあるわけですね。それらを全部満たすような者と言えば、結局考えられるのは大スーパーであるとか、デパートであるとか、総合商社であるとか、金融機関であるとかあるいは貸しビル等を業とする民間デベロッパー、こういうものが中心にならざるを得ないと思うのですが、そのほかにも考えられるものがありますか。
○升本政府委員 特定建築物の建築制度は今回御提案申し上げた新しい制度でございまして、その概要は先生御指摘のとおりでございます。そこで、この特定建築者になるべき条件は、おただしのように資力、信用を有する者、それから、土地の譲渡についての譲渡対価の支払いができるということのみを一応法律上の資格要件といたしておりますが、そのような条件を備えた者から公募をして、これを知事が承認するという形で制度的な担保をとっておるわけでございます。 それでは具体に特定建築者たるべき者はどのような範囲かというおただしでございますけれども、この事業が市街地の再開発という事業でございますから、再開発に関連する事業者がまず予定されることはおただしのとおりでございますが、私どもがこの法制度上期待をいたしておりますのは、まず日本住宅公団、それから地方住宅供給公社を今回施行者に認めてもおりますけれども、地方住宅供給公社等のいわゆる公的住宅の供給を行う者というものをこの際の重要な特定建築者として予定をいたしております。
○瀬崎委員 これは大臣に伺うのですが、この制度の導入について、先般ある委員の方への答弁の中で、民間企業の導入によって競争原理を入れたいんだ、そういうことが都市再開発に役立つのではないか、こういうことを言われたと思うのです。いま局長の答えた住宅公団であるとか公社というものも大臣の考えていらっしゃる競争原理の働く業者、こういうようにお思いなんですか、いかがですか。
○渡辺国務大臣 そのときの御質問は中島先生だったと思いますが、私は民間の活力を利用するというときに競争原理の問題を申し上げたと思っておりますから、住宅公団が競争原理を持っておると思いませんけれども、これはいろいろな立場の者が、持っておる自分の能力あるいは技術、そういうものを最大限に発揮して競い合うということも必要ではないかという意味で申し上げたわけでございます。
○瀬崎委員 民間の活力という場合には、一般的にはいまの公団とか公社は入らないわけですね。だからその点では、やはり政府の大きな考え方の中には、私がさっき言ったいわゆるデパートであるとか総合商社、大スーパーあるいは貸しビル等を行う民間デベロッパー、開発業者ですね、こういうものもということが当然あるのではないか、そういうところへ門戸を開くということが今回の特徴ではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。あるいは、そういうものは絶対ないのだ、こう言えますか。
○升本政府委員 先ほど御説明申し上げましたのも、そういうものを省くということで申し上げたつもりはございません。当然に、資格者のうちにはそのようなビル経営者とか、あるいは百貨店経営者等も入り得るというふうに考えておりますし、現実の再開発事業でも、そのような形で百貨店経営者が一定部分について保留床の建築を引き受けて、現実に自分で利用してやっているというケースはございます。したがって、再開発事業のありようによっては十分活用の範囲があるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○瀬崎委員 今回は、その保留床だけの場合に、施行者がつくってそれを百貨店経営者とかスーパーとかあるいは貸しビル業者に売り渡すという方式ではなく、そういう人たちがみずからその保留床ばかりの建物を建築できるようにしよう、つまりやりやすくしたことは間違いないんですね。これも五十年改正のときの政府答弁なんですが、「一般の区画整理事業のように土地同士の交換ではありませんから、再開発事業を行える場合を法律上限定をしまして、相当の公益性があって、どうしても再開発をやらなければいかぬという場合に限る」のだ。それから別の場所では、「中でも大規模で公共性が特に高い、したがって急ぐというものについて権利変換方式でない方法でも再開発事業がやれるのだという道を開く。」こういう答えをしているわけだ。あくまでも公益性、公共性が中心である、これが大きくなければならぬ、こう言われているわけなんですが、さて、この再開発をやった結果、スーパーや百貨店や貸しビル、銀行がやたらとできた、こういうことで公益性、公共性の実現と言えるのだろうか。また、そういうふうに政府は見ているのだろうか、ここを伺ってみたいのです。
○升本政府委員 再開発事業は、都市計画の高度利用地区内において行われるということが第一条件でございますし、この場合に、どの地区が高度利用地区に当たるべきかは、都市全体を踏まえて都市計画担当者が十分判断をいたしました上に、都市計画審議会の御意見等をいただきながら、地区の指定を行うという条件が一つございます。 それからさらに、この再開発事業を実施すべき条件といたしましては、その施行地区内に、施行地区と考えられる区域内に耐火建築物が少ないような条件があること。このような条件下において、既成市街地の安全、衛生、そのような諸般の視角から、再開発事業が行われるべきところというのを、同じく都市計画の手続をもって決めさせていただくわけでございまして、この間には、都市計画審議会あるいは縦覧等による権利者の御意見拝聴等の機会を経まして、都市計画をもって定められるわけでございます。したがいまして、その事業は、全体として御評価をいただけば、その既成市街地にとって有用な事業であるということは、都市計画法の全体系をもって保障し得るというふうに考えておる次第でございます。
○瀬崎委員 この前の改正のときに、仮谷建設大臣がこういう答弁をしているのです。「今回の一連の法案」、というのは、そのときはこの都市再開発法の一部改正と、それからもう一つは、大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法の二本が同時審議されておったのですね。つまり、この二本の法案が「既成市街地区域内の宅地開発にあることは御承知のとおり」こういう答弁をしているわけだ。つまり、既成市街地の宅地開発がそもそもの大目的なんだと言っているわけなんですよ。そこへもってきて、今回門戸を開いたのがそういうスーパーであり、百貨店であり、貸しビルだ。これは矛盾すると思うのです。むしろ、いまはそういう企業の事務所が都市部に集中することを避けよう、地方に分散しようと言っているときですね。また、スーパーなどの過当競争から地元商店会が悲鳴を起こして、しばしばそれがもとで都市再開発の進まない場合だってあり得るぐらいなんでしょう。だからこういう点では、むしろ改正するのであるならば、そういう都市再開発で土地の高度利用で生まれてくる貴重なスペースについては、文字どおり国が直接か、あるいは地方自治体に手厚い援助をして、そういうものを宅地として確保する、こういう方向をとるならば、私は、前進と評価できると思うんですね。今回は、そういう貴重な都心部の優良な宅地をむしろ大企業の所有にしやすくする道を開いた、そういうふうに見れるのじゃないかと思うのです。いかがでしょう。
○升本政府委員 再開発事業のモデルで申し上げますと、地方公共団体施行の場合に、空地率、いまおっしゃったオープンスペースが施行面積全体に対して七〇%に及んでおりますし、それから、建物の敷地となるべき敷地面積に対しても二五%の空地率を確保している、これは平均でございます。したがって、この事業遂行によりまして、既成市街地内に不足しておりますオープンスペースがかなり創出されてきているということは、事実として申し上げられると思う次第でございます。 それから、今回の改正が民間の企業にもっぱら利益するものではないかという御指摘でございますけれども、まず、このような、先ほど百貨店とかそれに類似の施設というようなことを申し上げましたけれども、このような施設は、既成市街地内に居住者の利便のために一般的に予定されるべき施設という、考えられるケースが多うございまして、必ずしもその施設の内容が、直ちにそういった施設が権利者の方々の利益に反するというふうには考えにくいのではないかということを申し上げさせていただきたいと思いますし、それから、民間企業の導入のことの御指摘はその御指摘のとおりと思いますけれども、また、反面から申しますと、そういった事業者に建築物の建築行為を任せることによって、その建築物の建築に必要な費用を施行者が節約できる、地方公共団体が施行いたします場合に、地方公共団体がその費用を節約することができる、節約しながら都市計画の目的とした施設建築物の実現を図れるというメリットもございます。その辺も御理解をいただきたいというふうに考える次第でございます。
○瀬崎委員 先ほど、パーセンテージで、いかにもオープンスペースが多く確保されたと言われるけれども、都市再開発全体が微々たる進捗しか示していない中での話なんですね。そのことを忘れてはいかぬと思うのです。それから、いまこういう保留床のみから成る建築物を建築業者に任すことが施行者の費用の節約になるという話をされたのですが、それは本末転倒の議論だと思うのです。これは、ジュリストに建設省の小林さんが論文を書いていらっしゃるけれども、問題は、この施行者の費用の節約をそういう民間デベロッパーや百貨店業者の金によってやるのではなくて、むしろ公的資金でやるべきだと、この建設省の小林さんだって言っているわけですね。そうすれば、何もこういう保留床のみから成る建物を民間にやらせなくたっていけるし、その敷地もまた公的に確保できるわけなんですね。私の言いたいのはそこであって、なぜそれを思い切って政府はやろうとしないのか。民間の活力を導入するなんと言いながら、結局は民間に土地も売り渡し、民間の金を利用するだけだ。こうして貴重な大都市の便利のよい土地はどしどし大企業の所有地になっていく。このことだけは否めない事実なんですね。これはやはり考え直してもらうべき一つの点だと思います。 同じような意味で、今度首都、阪神道路公団が直接市街地開発事業が施行できるように改正を図ろうとしておりますね。この道路公団の第一条の目的の項を見ますと、「料金を徴収することができる自動車専用道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理を総合的かつ効率的に行なうこと等により自動車専用道路の整備を促進して交通の円滑化を図り、もってこれらの地域における都市の機能の維持及び増進に資する」こううたっているわけで、このどこを見ても都市再開発が道路公団の目的であるような文句は見つからないわけであります。もしこういう道路公団に都市再開発がやらせられるのならば、逆に日本住宅公団に有料道路の建設をさせたっておかしくないという議論が出てきて、もはや公団と公団の性格の仕分けもつかなくなるのではないか、こう思うのですが、いかがですか。
○升本政府委員 御指摘のように、首都高速道路公団は、自動車専用道路の整備を促進して交通の円滑化を図るということによって、首都の機能の維持、増進に資すべきことを目的とされております。この場合に、自動車専用道路の整備を促進するという促進の仕方の問題といたしまして、市街地の状況によっては、単に道路だけの築造を図っても促進という成果が得られにくい、あるいは得られないという状況下におきましては、その促進を図りますために、これに関連する事業を行うことも許されるのではないかという考え方のもとに、今回御提案を申し上げた次第でございます。
○瀬崎委員 そうしますと、今回の改正によって、これら道路公団が都市再開発をあわせてできるということになるわけですが、これは道路の建設が優先目的なのか、それとも住民のために町をつくり変えるという都市再開発が優先目的なのかというふうに比較してみた場合は、あくまで道路建設の促進が優先目的なのだ、こういう理解になるわけですね。
○升本政府委員 首都高速道路公団もしくは阪神高速道路公団が行います場合には、みずからの主目的は、担当する道路の整備を促進することでございますので、いわば第一の目的は道路の整備ということにあろうかと思います。しかしながら、道路の整備を図ります場合には、市街地におきましては、多数の権利者に立ち退きをいただかなければならないというケースがございます。そのような場合には、立ち退きをいただくよりは、その周辺地域を含めて再開発をし、そこに残っていただける方は残っていただくという方がベターではないかと考えられるケースがございます。そのようなケースにおきましては、再開発事業をあわせ行うことが関係権利者の側の方にも有益ではなかろうかという判断をいたしております。
○瀬崎委員 それならば、今回法律を改正するまでもなく、現行の道路公団法の二十九条の「業務の範囲」を見ますと、「地方公共団体の委託に基づき都市再開発法に基づく市街地再開発事業」を行うことができる、こうなっている。それでは、この実績はありますか。
○升本政府委員 受託によりまして再開発事業を実施した実績はございません。
○瀬崎委員 事実上、そういうことが好ましいかどうかは知りませんけれども、実績はゼロなんですよ。それを今度は地方公共団体からの委託ではなしに、あえてみずからが乗り出して都市再開発を道路建設と一体に行うというのですね。こうなってくると、いよいよもって、都方部の高速道路などを通しにくいところで相当強引に道路を通そうとする意図のあらわれかとわれわれは受け取らざるを得ないと思いますが、結局はそういう意図がこの改正の根底にあるのではないですか。
○升本政府委員 受託によりまして施行いたしました実例はないと申し上げましたけれども、これは委託、受託という制度が、この場合の画開発事業の実施ということにはなかなかむずかしいのではないかという反省をいたしております。すなわち、委託をいたします場合には、委託者である地方公共団体の側におきまして財源の調達をいたさなければなりませんし、それから、再開発事業に係る複雑、繁雑ないろいろな事務処理を行います場合に、これは地方公共団体が当然行うべき、いわば行政事務もしくはそれに類似するような事務がございます。このようなものは、委託、受託という関係には本来なじみにくいということから、委託をいたしましても、委託をされる仕事と委託されない仕事との仕分け等がかなりむずかしい問題がございます。このようなことから、委託、受託という現行制度が利用されてこなかったという点がございます。それにつきましては、委託制度を立案した時点の判断に不十分さがあったという御指摘は受けざるを得ないかと思いますけれども、そのような実態でございます。したがいまして、今回は、本来既成市街地内において先ほど申し上げました必要性が存する区域につきましては、現実の場で再開発がこの公団の道路の整備とあわせて行われ得るように制度の改善を考え、要請に基づいて再開発事業を公団が実施するという形にさせていただきたいというのが御提案の趣旨でございます。
○瀬崎委員 そうしますと、私先ほどもちょっと触れたのですが、逆の場合、つまり都市再開発を円滑に進めるためには、どうしても一体として道路の工事を行わなければならないという場合には、今度は住宅公団法を改正して、公団に道路もあわせて工事できるようにする場合だってあり得る、こう考えてよろしいか。
○升本政府委員 住宅公団が行います住宅を主目的とする建築事業につきまして、一般的にそれに当然に道路が付随すべきかどうかという問題がございまして、この道路の整備に当たって周辺の整備を必要とするという度合いとは、かなりその度合いに差異があるのではないかと考えております。したがいまして、前回御審議いただきました幹線道路の沿道環境整備に関する法律、あの法律の立案趣旨にほぼ準じまして、幹線的な道路の建設に当たって、当然沿道付近地をあわせて考えた方が合理的であると考えられる状況が現実に多うございますので、この現実に対処いたしますために、とりあえず首都公団、阪神公団に再開発事業をあわせ行う権限を与えさせていただきたいという趣旨でございます。
○瀬崎委員 結局は、住宅建設よりも道路の建設の方が優先順位が高い、こういうふうなお考えのもとにあるように受け取りました。 五十年改正の建設委員会審議のときにも、ある委員がこういう質問をしているのですよ。権利変換方式ではだめだから買収方式を導入したと言うが、果たしてそれでうまくいくだろうか、原因はもっとほかのところにあるのではないかという指摘をされているのです。これに対する建設省の答弁は、この時点では比較的正しいと思うのですよ。都市局長が「従前の権利者が、生活は激変するにしても、新しい再開発後の生活なり営業の見通しが立つ、悪くないというところまで持っていく、これがどうしても必要ではないか」、また別の委員会のところでは「再開発事業に協力するということがその地区の再開発、都市整備に役立つのみならず、自分の生活再建としても悪くないというところまで持っていく必要がある、」こうしない限り都市再開発はうまく進まない、こういう答弁をしている。私はこれは正しいと思うのですよ。明確に答えています。 もう一点だけお答えいただいたらいいのですが、今回の法改正で、どうしても必要だと当時都市局長が答えていた、そこに住み営業している従前の住民の生活保障措置といいましょうか、あるいは生活再建措置といいましょうか、このことについてどんな改善強化が盛り込まれていますか。
○升本政府委員 今回御提案申し上げております法改正は、再開発事業の推進に関します主体その他の条件について改定をお願い申し上げているわけでございまして、ただいま申されましたような従前の権利者に施行後の建築物を与える場合の助成措置については、これはむしろ予算措置あるいは税制、融資措置をもって対応すべき事柄ではないかというふうに考えております。 そこで、助成措置につきましては、従来から補助対象の拡大に努めてまいったわけでございまして、特に住宅関係の住宅供給を主眼とする再開発事業につきましては補助を厚くする等の手だてを講じてまいったわけでございますが、特に五十五年度におきましては、零細権利者、権利の単位の小さい方々が比較的に多数、全体の権利者の二〇%を上回るというような要件の地区におきましては、施設建築物に対する補助をさらに一段と厚くいたしまして、この零細権利者の方々にお譲りすべき新しい建築物の一部についての建築費を低減できる補助金をさらに加えさせていただくという改正をいたしております。
○瀬崎委員 今回の法改正が、いまも言われましたように、施行主体の拡大であるとかあるいは事業手法の拡大という点では相当大がかりな改正をやったのに比べて、従前の居住者、住民に対する対策というのは、結局従来やってきたこととほぼ変わらない内容ですね。本当にちょっぴりの改善にしかすぎない。こういう点から見ても、今回のこの都市再開発法の改正というのはますます、住民のための都市再開発というよりは、住民から遠ざかる都市再開発への改悪と言わざるを得ないように私どもは思うわけであります。もちろん、都市再開発事業にいたしましてもあるいは区画整理事業にいたしましても、大都市地域における、宅地の安定供給確保の問題にいたしましても、こういう制度の整備だけではうまくいかないことは明瞭で、土地投機、土地転がし、こういうものが野放しであってはうまくいかぬことは明瞭で、それで今回の法案審議に当たっても、土地の問題とあわせて審議しようじゃないかということになっているわけです。 これから私が質問する事件はきわめて不祥事件でありますが、この事実関係については去る十四日の航空特で共産党・革新共同の安田純治議員が明らかにしているわけであります。かつまた、この土地転がしから得た利益等を何に使ったかというふうな問題については、そのときすでに論議されているのです。私は、主として建設行政との絡みでこの問題の残された部分を追及したいと思います。 簡単にその事件の概要を申し上げておきますと、時期は、やめた浜田幸一議員の賭博事件と同じ四十七年から四十八年。転がされました土地は千葉県四街道町の約三十一ヘクタール、九万六千坪の土地であります。転がしの経路は、佐野商事、これも最近の週刊誌等には登場しております。この佐野商事から君津興産に、君津興産から新星企業にというふうに転がされているわけであります。後この新星企業は日本電建と合併をしておりまして、現在この土地は日本電建の所有地になっているわけです。この日本電建は小佐野ファミリーの有名な会社であり、新星企業が田中ファミリーの有名な会社であることは御存じのとおりであります。そして君津興産、これが浜田氏の土地転がしの会社でありますが、当時社長は浜田幸一氏自身であったわけであります、五十年一月まで。佐野商事の方も浜田氏の土地転がしにはいつも登場してくるダミー会社、こう言われているわけであります。そして金銭の動きを見ますと、浜田氏が社長をしている君津興産が佐野商事から坪当たり二万三千円の割合で買って、これを新星企業に坪当たり二万八千円の割合で渡した。坪当たり五千円、総額にして約四億八千万円の利益を上げた。概要こういう事件なんです。 この問題については当時東京地検が捜査をしておりまして、竹澤脩という人から供述調書もとつておるわけであります。そこにこの土地転がしの事実関係について生々しい供述があるわけです。その一端をちょっと御紹介しますと、この竹澤脩氏というのは国際興業の重役なんです。 「この物件を最初に私のところへ持ってこられたのは、衆議院議員の浜田幸一先生でありました。」「浜田先生は」「以前から国際興業の会長や社長とは付合いがあったらしく、よく会社に出入りしていたことがあるので、私も先生の顔を知っておりました」「浜田先生が最初にこの話を持ちこんで来たのは、その年の七月初めのころでしたが、」四十七年のことですね。「国際興業の事務所で」「この物件は、将来開発するには、地理的にも有望なところだから買ってくれないか」と言われたのです。」「そこで浜田先生に値段を聞いてみると、「反当り一〇〇〇万円でどうだ」といわれたので、これは坪当り三万三〇〇〇円になりますから……「先生それは高いよ」」こう言ったというわけですね。 先ほど言いましたように、浜田氏が佐野商事から買ったのか、売買を委託されたのか知りませんが、その値段は坪二万三千円ですからまさに一万円吹っかけているわけですから、高いよと言うのも無理ないかもしれません。この土地を決して浜田氏が自分の資金を調達して正式に買い取ったものでないことは後でまた供述調書から明らかにします。いわゆるブローカーにすぎないわけですね。買わされる方の竹灘氏もこういう判断をしたと言っております。「この浜田先生の持ってきた土地は、間違いなく商品となる、すなわち買っておけば、いずれよい値段で宅地造成用の土地として売ることができるものと考えました。」こういうわけなんです。つまり売る方も買う方も、あっせんする方も買う方も、双方が土地を投機の対象として、つまり転がしの対象として話し合ったことは明瞭なんですね、持っておれば値上がりすると言うんですから。 これは大臣の御判断を聞きたいと思うのですが、国会議員がみずから転がしをやる、果たしてこういうものが放置されて公正な土地取引が期待できるか、また好ましい土地利用が生まれるだうろか、こういう点を大臣に伺ってみたいと思います。
○宮繁政府委員 私からお答えしたいと思います。 いまお話のように、山林原野でございますけれども、転々と売買されていくいわゆる土地転がしにつきましては、現在のところ国土利用計画法におきましても価格と同時に一応利用目的等もチェックいたしておりますし、税法等におきましても、短期の譲渡所得につきましては重課税の制度、あるいはまた法人税につきましても重課税の制度等がございまして、そういった事態が発生しないように措置されているところでございますけれども、いずれにいたしましても私どもも宅地の価格の安定、スムーズな宅地の供給の観点からいわゆる土地転がしは好ましいものとは考えておりません。
○瀬崎委員 私は、一般的に土地転がしは好ましいものではないで済まないと思うのです。どうしても大臣に伺いたいと言うのは、これが現職の国会議員自身がやっているからなんです。これに対して私はぜひ大臣の御判断は聞いておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 いまいろいろお話がございますけれども、私はまだ事実は確認いたしておりません。一般論として、私は地価の安定に努力しておりますし、宅地供給の責任も持っておりますから、そういう立場から申しますならば、国会議員であるとかないにかかわらず、土地転がしなんというようなものは決して好ましいものではありません。これははっきりいたしております。
○瀬崎委員 私は、国会議員と一般人を同列の議論、これははなはだ遺憾だと思いますよ。しかもその行為が生々しくここに供述されているのであります、取引の実態ですね。「現物を一度見に行こうということになり、先生」つまり浜田氏ですが、「先生と日時を決めて、その数日後に私は車で行き、現地の近くで落合い、先生に現物を案内してもらったことがありました。」まさに土地の案内までこの浜田先生がやっているわけですね。それからさらに値段の交渉でありますが、「浜田先生と私が直接交渉し、」「坪当り二万八〇〇〇円にすると言われたので、それで契約することに決めました。」土地の案内も値段の取り決め交渉も全部浜田氏みずからやったとその相手方である竹澤氏が供述をしているわけであります。これは間違いない事実と言わなければなりません。み上げておりますのは、昭和五十年四月二十五日、東京地検での供述調書であります。 宅建業法の三十五条によりますと、土地の「売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、取引主任者をして、少なくとも次の各号に掲げる事項について説明をさせなければならない。」こうあるのですね。浜田氏みずからが土地を案内し、みずからが直接値段の取り決めをしておる。浜田氏が取引主任者であるかどうか、これは私は調べておりませんが、もしないとすればこれは宅建業法無視の取引と言わざるを得ないのじゃないですか。
○宮繁政府委員 いまお話しの当該物件の売買につきまして、宅地建物取引業法におきましては、宅地もしくは建物の売買その他の場合には取引主任者がそれに立ち会いまして重要事項を説明する等の義務づけを行っておりますけれども、具体の事案につきましての取引きの状況その他をつまびらかにいたしておりませんので、直ちにはお答えすることはできません。
○瀬崎委員 この件については、もう一人、浜田氏が社長をしております君津興産の取締役であったという山田茂という人も事情聴取をされているわけであります。そちらの方の供述調書を見ますと、都市計画区域の線引き見直しを当て込んでいることがうかがわれるのですね。つまり、この土地は市街化調整地域にあったわけです。「市街化調整区域は五年に一回見直す。一〇万坪位まとまると県知事から宅地に転用するための開発許可がおりやすいと聞いておりました。」こういうふうに供述しております。浜田氏のような当時の現職国会議員が絡んで、政治的に投機対象の土地を含む調整区域を市街化区域にでもされていたら、これは線引きの意味がなくなるわけですね。まさにこれもまた悪徳土地転がしの一つの手段で、大概調整区域の土地を転がして、そこを線引きのやりかえで市街化区域に入れていくということなのです。そういう点では、本件は、なおこの土地が日本電建の所有地で現在に引き継がれているわけであります。この線引きの問題について、こういう土地転がしの思惑どおりになったというふうなことのないようにしてもらう必要があると思うのです。政府の答弁を聞きたいのです。
○升本政府委員 線引きの見直しにつきましては、市街地の人口、産業の将来を見通しました上で、必要な市街化の範囲を特定し、その計画に従って線引きの見直しを行っていくというたてまえを貫いておりまして、厳正に線引きの見直しを実施いたしておるところでございます。なお線引きの見直し後における土地の利用につきましては、土地の一般的な取引規制の範囲内で十分に行っていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○瀬崎委員 時間の関係がありますから次に急ぎますが、浜田氏が社長をしておりました君津興産という会社は、宅建業の免許をとっていましたか。
○宮繁政府委員 君津興産は昭和四十三年六月二十五日から昭和四十六年六月二十四日までは千葉県知事の免許を取得しておりましたが、期限が切れまして免許が失効している状況にございます。
○瀬崎委員 そうしますと、これは明らかに無免許取引であったわけですね。 さらに、浜田氏の行った行為について宅建業法上問題になるのではないかと思われる点があるのです。それは竹澤氏の方の供述調書にこういうことがあります。「君津興産は、所有権移転登記を受けていないと言うので、地主から登記を受けているという佐野商事から、直接当社へ」新星企業ですね、「移転登記をしてもらうことにしました。」こう言っているわけなんです。 さらに金の受け渡しを見ますと、四十七年の七月二十一日に新星企業から君津興産へ三億払い込まれました。これがその翌日に、同額三億が今度は佐野商事に支払われている。まさにトンネルなんです。八月九日に八億六千六百万円、新星企業から君津に払われます。これが八月九日に四億、八月二十四日に二億、佐野商事に支払われます。ここで約二億六千六百万円手数料を抜いていますね。それから八月二十六日に新星企業から君津へ五億一千百九十三万八千四百円払われます。そして八月二十八日にこのうち三億三千万円が佐野商事に払われます。ここで一億八千百九十三万八千四百円の手数料が抜かれます。九月七日に三億四千三百二十八万円が新星から君津に払われる、同日、このうちの三億が佐野商事に払われる、以下こういう形で、結局新星企業から浜田社長の君津興産に払われると、即日か翌日か二、三日後に佐野商事に支払われるという仕組みなんです。したがって、冒頭申し上げましたように浜田氏がやった行為はブローカー、法律的に言えば媒介というふうに見れないこともないのです。そうしますと、宅建業法の四十六条ですか、媒介の手数料は大臣の告示によることになっていますね。この場合は両方から三%というのが上限だと思います。計算をいたしますと約一七%の手数料に当たりますから、明らかにこの手数料の条項に違反しているように思うのですが、いかがですか。
○宮繁政府委員 先ほどこの取引きが無免許営業に当たるかどうかという点につきまして先生からお話がございましたけれども、私が先ほどお答えしましたのは、免許を受けていない期間の取引きであるということを申し上げましたので、直ちにこの物件の取引が無免許営業に当たるのかどうかにつきましては、取引の実態とか営業の実態その他を調査しませんと、違反になるかどうかということは断定できないわけでございます。 なお、ただいま媒介の手数料のお話がございましたけれども、一応君津興産と新星企業との間ではこれは売買でございますので、佐野商事と新星企業の売買について君津興産が媒介をしたということには当たらないということでございます。
○瀬崎委員 もし売買とみなしますと、これもこの供述調書に出てくるのでありますが、ではなぜこういう君津の登記を省略したのかということについて、「このように中間省略の登記をすることにしたのは、業界の慣例として、買主が登記費用や司法書士の手数料を負担することになっていたので、それらをはぶくためと、」「不動産取得税なども払わずにすむことになるなどの利点があるので、」そうしたと言っているのですね。まさに脱税のためにこういう方法をとったというわけでしょう。こういうふうなことをはっきり取引をした人が証言しているわけであります。もしもこれが脱税であるとするならば、また事実脱税と言っているのでありますが、この調書がとられている時点であるならばまだ時効は働きません。いろいろなことは調査しなければならないだろうけれども、もし宅建業法のそれぞれの項目に違反しているとすれば、企業である君津興産はもちろんのこと、その社長であった、実行行為者でもある浜田氏は八十四条の少なくも罰金刑には該当する立場ではないかと思うのですが、いかがですか。
○宮繁政府委員 いま御質問の点につきましては私からお答えする立場にございませんので、お答えできません。
○瀬崎委員 いま私がいろいろとここで説明した内容というのは、いずれも東京地検の五十年四月二十五日の供述調書なんです。だから、もしこの時点で建設省がここに書かれているような事実を知ったら、恐らくいやでも宅建業法違反の疑いありで調査に入ったと私は思うのですが、いかがですか。
○宮繁政府委員 仮定の問題でございますので、十分、事実を明らかにし、調査いたしませんとお答えすることは差し控えたいと思います。
○瀬崎委員 私が言っているのはそうではなくて、当時であれば、もしこういう事実を調べてこの事実が確認できたとして、宅建業法に違反している、その場合当然建設省は告発ということは考えるのじゃないですか。それもしないと言うのですか。いいかげんなことを言っては困る。
○宮繁政府委員 宅建業法に違反していることが確実であれば、私どもはそれに対して所要の措置を講じます。
○瀬崎委員 これは現時点ではこういう罰金等々の罰則については時効になっているのです。しかし、当時建設省が調べて手を打っておればこれは時効は働いていない時期なんですね。そういう点では非常に残念だなと私は思っておるのですよ。しかし、時効さえなければそれで済むという問題ではないし、いま世間でこれが最大の不正、腐敗問題として世論の追及を浴びていることは御存じのとおりです。率直に私に言わせれば、調書に上がっているくらいですから、もし建設省がその気になっておれば、これは新星企業の宅建業法違反で追及を受けているときですね、その付録としてこれが出ているわけですから、当時手を打てたと思うのです。ある意味では建設省が見過ごしたと言われても仕方のない立場ではないかと思うのですね。その償いとして当然の責務だと私は思いますが——罰金刑に値するかもしれない行為をやったことは事実だと思うのです。こういうことが決して業法で言う「信義を旨とし、誠実にその業務」を行ったと言えるものではないと私は思う。 それと同時に、先ほど来無免許営業であるかどうかということは調査してみなければ断定できないという話があるのですから、調査の必要性は認められていると思うのです。また、このような土地転がし、投機的な土地取引が好ましくない、規制しなければならないという話も先ほどされているとおりですね。それから、現在の線引きを無視するというか、土地取引の既成事実をつくっておいて、将来政治的に線引きを変えていこうではないかという意図もありありと見えている。何よりも重大なことは、国会議員がみずから、不法、不当と思われるような土地取引をやる、あるいは国会議員が社長をしている会社が不法、不当な土地取引をやる、これに対してこれだけ私が明らかにしておいて、建設省が承知して、しかも調査もしない、何の手も打たない、また法律上の有効な措置も講じない、こういうことになった場合、それじゃ他の不動産業者がまじめな取引をするか、そんなことは考えられません。まずはやはり法律を審議する国会議員自身を改めさせる必要があると私は思うのです。そういう意味で、今後の調査に当たって、この行為のの実行者である浜田氏本人の呼び出し、こういうことも含めて事実関係をきちっと調査して、もしここに業法違反とかあるいは不当取引という事実があるならば、これはきちっとこの委員会にまず報告してほしいと思います。 それからもう一つは、当然それに伴って必要な行政措置を浜田氏本人に対しても、また社長をしておった君津興産はなお存続するようですから、これらの会社に対してちゃんとけじめをつけて建設省が実行する、こういうことをやっていただきたいと思うのです。この点について大臣のきちっとした所信を伺っておきたいと思います。
○宮繁政府委員 宅建業法の厳正な執行につきましてはいままでもやってまいりましたけれども、対象の事業者がだれであるかというようなことに関係なく、厳正に執行してまいりたいと考えております。また、必要な調査は実施いたしたいと考えております。
○瀬崎委員 最後に、これは大臣に伺っておきたいと思うのですが、特に会社そのものは、浜田氏あっての会社ですから、こんなになったら君津興産が再び同じようなことをしでかすとは私は思いません。だけれども、浜田氏個人については、また手をかえ品をかえ似たようなことをやるおそれは十分あると思います。再犯のおそれありです。そういう点で特にこの件は一般の事案と違った厳しさ、厳正さをもって建設省としては当たってほしい、この点についての大臣の所信を伺って終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 私はかねて申しておりますが、李下に冠を正さず、これは大切な格言だと思います。 具体的な措置については局長から御回答させます。
○宮繁政府委員 宅建業法の免許その他の取り扱いにつきましては、法律の定めるところによりまして、私どもはこれを厳正に行う義務がございます。そういう意味合いで、いまおただしのような点につきましても厳正な執行を図ってまいる覚悟でございます。
○北側委員長 和田一仁君。
○和田(一仁)委員 民社党の和田でございます。 委員各位からいろいろ御審議が進んでまいりましたのでなるべく重複は避けたいと思いますけれども、やむを得ず重なる部分につきましては、ひとつ簡潔で結構でございますから御答弁いただきたいと思います。 まず、一番基本的な御質問からさせていただきますけれども、全般的な都市政策の中にあってこの都市再開発とうものを一体どのように考えて、そしてそれをどういう位置づけをされているのかちょっとお聞かせをいただき、さらに、再開発事業をやることによって環境の改善であるとか防災であるとかあるいは宅地開発とか、こういったいろいろな効果をお考えであろうと思いますけれども、総合的に一体どういう波及効果をお考えになってこれをおやりになるのか、この辺からひとつお聞かせいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 具体的な問題についてはまた局長から御説明いたしますが、都市再開発に関します私の考え方といいますか、基本的な考え方につきまして簡潔に申し上げておきたいと思います。 まず第一番に、都市の既成市街地につきましては、従来から市街地再開発事業等によります面的な再開発を推進してまいっております。また、各種の都市施設の整備、これらによりまして市街地環境の改善を図る、こういうことを考えておりますが、特に大都市地域におきましては、人口、産業の過度集中を防ぐための工場立地の制限などの施策を講じてまいりましたし、なお副都心の育成、大規模住宅地の開発等によりまして都市の膨張にそれぞれ対処いたしてまいりました。 しかし、大都市地域を中心としまして都市環境の整備はもちろんまだ十分でありません。なお、災害に対しまする危険も、これはむしろ拡幅をされておると思います。なお、職住の近接が叫ばれておりますけれども、これのなお遠隔化が現状でございます。なお、交通につきましては、一層の混雑等がございまして解決に至っておりません。このように都市問題は依然として深刻な状況にあると認識をいたしておるわけであります。 土地の高度利用と都市機能の更新を図るために、再開発を広く、かつ、強力に推進していくということが昨年末の答申で出ましたことも御承知のとおりでございます。このような立場でございますが、今後におきましては、都市の再開発はその必要な地域において早急に実施するということを私どもは基本といたしておりまして、都市構造の再編、良好な居住環境の形成、都市の防災構造化、良好な市街地住宅の供給というようなことにつきまして、これらを目標にいたしまして積極的な推進を図ってまいりたいと考えております。 今回の都市再開発法一部改正も、実は都市の再開発を推進するという上で最も中心的な役割りを担うべき市街地再開発事業の推進を図るためのものでありまして、そういう意味でお願いいたしておるわけでありまして、今後とも指導、財政措置を含めまして都市の再開発にかかわる諸制度の拡充を図ってまいりたいと思います。 なお、この審議の過程におきましていろいろ御議論が出たわけでありますけれども、これは民間にやらせるためにやる再開発ではありませんで、あくまでも私どもは、都市環境を整備し、あるいは防災あるいは住宅、特に今回は住宅を中心とした新しい観点に立った再開発であることを強調申し上げたいと思います。その議論の中に出てまいりましたいわゆる零細権利者あるいは借家人等に対しまして、住民の意向が十分反映するように進めていくという問題と、できる限り公共団体によってこれは推進をしていく。しかし、実際問題としては、能力、技術、資本その他におきまして、民間の活力を活用した方が再開発がよりベターに進められるという場面におきましてはこれらの活用の道も開いていきたい、こういう点でございますから、主体はあくまでも御質問のありましたようなものではありませんので、御理解をいただきたいと思っております。
○和田(一仁)委員 いま大臣のお考えによりますと、やはりこれは公共を主体にというお考えのようでございますが、それでは現在の再開発法が施行されてから今日までの公共と民間の比率をちょっとお教えいただきたい。
○升本政府委員 いままで実施されてまいりました市街地開発事業は百五十七地区、四百四十六ヘクタール余でございますが、このうち地方公共団体が実施し、また現に実施中の地区は七十二地区、面積で三百七十四・九ヘクタールでございます。さらに、その他の施行主体別の内訳を申し上げますと、市街地再開発組合によって施行しておりますのが六十三地区、六〇・四ヘクタール、それから住宅公団が行っておりますのが四地区、四・八ヘクタール、個人施行者、やはり権利者でございますが、個人施行者が行っておりますのが十八地区、六・一ヘクタールという内訳でございます。
○和田(一仁)委員 実績を拝見しますと、地区から言えば、公共が七十二、あと組合、公団、個人と、やはり民間ペースというか、公共以外の開発事業が相当あると思うのです。そういったことを考えてまいりますと、この事業そのものの理解を地方公共団体にもっと徹底させることはもちろんですけれども、民間にも、こういう手法があるのだということを周知させる必要があるのではないかという感じがします。 というのは、これは一つの例にすぎませんけれども、民間で、やりたいという意向を持って実際に地方の窓口に参りましても、窓口業務を扱うようなところで、まだこの事業そのものに対する理解が十分でない。そのために、片方は非常に意気込んで行くのだけれども、対応がうまくいっていないというような例も聞いておるわけなんでございまして、一体こういった事業を推進していくためのPRを、公共団体を含め、民間に向かってどういうふうなかっこうでやっておられるか。私はまだ民間の比重は相当あると思っておるので、そういう必要があるのではないかという意味でお聞きしたいわけです。
○升本政府委員 全く御指摘のとおりでございまして、この事業は大変複雑な事業施行方法をとっておるということもございます。民間の権利者に十分御活用をいただくというところまでは至っていないという現状でございます。そこで、民間の権利者の方々に御理解をいただく上でやはりかなめとなりますのは、地方公共団体の組織であり、職員であろうかと思います。したがいまして、地方公共団体の実務担当者等を対象といたしまして、この法律、制度、その運用の基準等につきまして、勉強会、講習会等の機会を通じて極力教育訓練をいたしておる段階でございますけれども、何分にも対象者が大変多いところへ、この講習会等の事業の規模が必ずしも余り大きくございませんので、全国的に徹底を見るというところまでは至っていない現状でございますが、御指摘のとおり、重要な課題と思っておりますので、今後とも十分にそのような手だてを講じさせていただきたい、いただくつもりであるということを申し上げさせていただきたいと思います。
○和田(一仁)委員 この改正案をお考えになったときに、今度は知事あるいは市長さんに、そういった者が方針を決めなければならない。さらには、先ほどの御答弁の中にありましたように、今度は手法も変えまして民間の活力をもここへ導入してこの事業の促進を図るのだ、こういったことでございましたけれども、それであるならば、そうした改正のお考えを、そういう地方の公共団体とかあるいは予想しておられる民間の活力になり得るような団体に向かって意見を聴取したような、そういったことをなさいましたでしょうか。そういった民間の、こういう都市再開発に対する要望等がもしそこで示されたとするならば、中身はどんなものであったかもお聞かせいただきたいと思います。
○升本政府委員 民間の関係団体といたしましては、都市計画協会というのがございます。財団法人でございます。これは地方公共団体等都市計画の関係団体がこれにかかわっておりますので、こういった財団法人を通じて、地方公共団体の責任のある方、さらには実務担当の方に働きかけをしていくというケースがございます。それから、社団法人で全国市街地再開発協会、これはまさに再開発事業の関係の集まりでございます。地方公共団体並びに民間デベロッパーも加わっております。それから、地方公共団体の団体で、都市再開発促進協議会という、これは八十一の地方公共団体で組織をいたしております。こういった半公的な団体を通じまして、個々の地方公共団体及びその職員に対する働きかけを強めていきたいというふうに考えておる次第でございます。 それから、いま直接の各方面の意見を集約したか、集めたかどうかというおただしでございましたけれども、今回の改正案の立案に当たりましては、各関係の地方公共団体にアンケート調査を行いまして、そこで具体の事業の進行に携わっている部局から、この制度についての改正要望事項を聴取をいたしましたし、また、大都市でございますけれども、主要な地方公共団体からは、個別、直接にヒヤリングを行う等によりまして、御意見を伺っております。また、建設大臣の諮問機関でございます都市計画中央審議会で、今回の改正の前提となる御答申をいただいたわけでございますけれども、この御答申の審議に当たりまして、都市計画関係の学識経験者の御意見と同時に、公共団体の主要部局、関係部局の長の職にあられる方に御参画をいただきまして、実務的な面からも御意見を十分拝聴させていただいております。
○和田(一仁)委員 そういった意見の中に、今度は特定建築者の公募ということが改正点の中にあるわけですけれども、その公募の方法やらについての特別な要望というようなものは何かあったのでしょうか。
○升本政府委員 先ほど申し上げました、大都市からの直接の御意見、御要望を伺いましたときに承りました意見の中では、特に可処分地制度、今回の御提案では特定建築物建築制度というふうに形を若干変えておりますけれども、この可処分地制度の創設、それから権利変換制度を、一定の区域に限らないで施行地区全部にまたがるような権利変換というような制度ができないか。これは、現在の権利変換は工区単位で行われる、これはその区域に存在する従前の権利と、新しく建った建物の一部の権利等、いろいろ複数の権利を同時的に振りかえるということから、その区域を狭くとって、工区単位でしか現実に行われていないわけで、またそれ以上は無理だろうと思うのでございますけれども、これをもっと対象を施行区域全体に広げたらどうかというような御意見がございまして、これが、いわば今回御提案申し上げております二種の事業の拡大ということで対応することになったわけでございます。 それから、同様にまた現在の二種市街地再開発事業の施行区域要件を緩和する。現在、三ヘクタール以上のまとまりがなければいけないというのをもっと小さな規模にして、これは大変強い御要望が自治体からございました。 それから、市街地再開発事業の施行主体の拡大ということで、これは特に住宅供給公社の声を代弁して、東京、大阪等の大都市関係の自治体から、住宅供給公社を施行主体に加えるべきだという趣旨の御意見がございました。 その他、たとえばさらに税制の優遇措置を広げるとか、あるいは補助率、補助対象を広げるという趣旨の御要望はさまざまございましたけれども、制度的には、大体重立ったところは以上のようなところでございました。
○和田(一仁)委員 従来、最初にこの法を制定されたときに、この事業の対象にすべき地区というか、どういう地区においてこれを適用していったらいいかというような調査をされていると思うのですが、その調査した範囲で、数で言うか、面積で言うか、どういうふうに把握しておられたのか。ただ漠然と、ミニ開発でどうしようもないというところがあっちこっちにあるというようなことではなく、やはり相当な調査をした上での法の制定であったろうと思うのですけれども、それが数字の上で何かお示しいただけるのでしたらお聞かせいただきたいと思います。
○升本政府委員 おただしの点は、再開発法の制定の四十四年時点でどのような候補地があり、どういうような検討の末、事業個所が定められたかという御趣旨かと承ったわけでございますけれども、実は四十四年に再開発法が成立し、再開発事業がスタートしたわけでございますけれども、その前段階におきまして、すでに公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律というのがございまして、これは、たとえば一定の幅以上の幹線街路をつくります場合に、付近地もあわせて事業対象に含めて、そこで建築物をつくり、権利者に対して建築物の一部を与えるという、現在の再開発法の、いわば前段階的な事業がございました。 それから、片や住宅関係では防災建築街区造成組合法という法律がございまして、それに基づきまして、そのような組合が設立され、現に補助を受けて事業を行っておったわけでございまして、それらの前段階的な法律制度に基づきます事業が引き続いてまいりましたところ、四十三年の時点で現行の制度の改善策として再開発法という形で集約されたという経緯がございます。したがいまして、再開発法制定時に、いきなり何らかの前提なしに再開発事業適地が選ばれたということではないというふうに申し上げた方が正しいかと思います。従来からの、そのような事業の積み上げでまいった事業個所の中から再開発事業適地としてさらに積み上げられてきたという経緯であったというふうに申し上げたいと思います。したがいまして、その時点で全体についてどれだけの再開発事業適地があって、どういう経過でどれだけの事業にしぼられたということは、実は数字をもって御説明申し上げられなくて、恐縮でございますけれども、そのような経緯でございました。 なお、直接のお答えにはならないかもしれませんけれども、御参考までに申し上げますと、現在、東京の二十三区内におきまして、いわゆる再開発が必要と考えられるような問題地域の面積を申し上げますと、全部で対象区域が、二十三区内四万五百六十ヘクタールに対しまして、何らかの、たとえば公共施設の整備が非常に悪い、あるいは建築物の状態が大変悪いというようなものを全部含めますと、何らかの手当てが必要だと考えられますものが一万五千九百二十ヘクタール、つまり三八・三%という数字に上っております。これは都市局の調査でございますけれども、そのような現状に現在あるということを御参考までに御報告申し上げます。
○和田(一仁)委員 私が伺ったわけは、全体的にそういった、やらなければならない対象地区がどれくらいあって、それに手をかけてきて、四十四年以来、今日までで全体の中でどれくらいまで来ているのかなという感じをつかみたかったわけであります。というのは、これからどれくらいやったら、いま問題になっている大都市、三大都市を中心にしてやっていかなければならない事業の見通しが出てくるのじゃないか。そうしたものを達成するために、いま出てきた法律改正案がベストなものなのかどうか。もっと、おくれている理由の一つには、やはり利害関係が非常に伴っているだけに、いま御答弁の中にございましたけれども、税制の優遇であるとか助成であるとか、そういったものも十分お考えの上で今日までやってきていただいているとは思いますけれども、それでもなおかつ進まない点があるとするならば、そのいわゆる第二種の中で一回も行われてはいないと言いながらも、土地を強制的に収用できるというような強い面も出してきているわけですけれども、急いでこういった再開発をやらなければならない。これから残っている部分がどれだけあって、それをどれくらいの期間に整備していきたいんだというような全体のながめの中から、いまの改正案でいくと、どういうふうにこれを達成していけるか、見通しなどがあるのかどうかをちょっとお聞きしたいと思ったわけです。
○升本政府委員 ただいま御披露申し上げましたように、東京都二十三区で三八%と、大変広域な手当てを要する区域がございますのに対しまして、片や、現在この法律に基づきます再開発事業といたしましては、これは全国のベースでございますが、四百ヘクタールというようなものでしかない、したがってその間の懸隔がはなはだし過ぎるのではないかという御指摘かと思います。しかし、ただいま申し上げました一万五千九百ヘクタールというのは、どうやら市街地として結構だというところまで達するために手入れの必要な地域を全部拾ったということでございまして、おのずからこの間に優先順位があろうかと思います。特に、この中で強度に改善が必要と考えられる地域が五千七百ヘクタールばかりございます。これは二%くらいの数字でございます。したがいまして、少なくともこの程度の地域については、できるだけ早く、長期計画をもってでも再開発対象に取り組んでまいりたいという希望を持っておりますけれども、その辺を具体にどういうふうに位置づけるかは、今回御提案申し上げております基本方針の中でどのように位置づけられるか、これは自治体と十分御相談をしながら位置づけを考えていかなければいけないというふうに考えておる次第でございます。 それから、この再開発事業の実績は、この法律に基づきます再開発事業の実績を申し上げたわけでございまして、さらに、たとえば住宅地区改良事業でございますとか、あるいは特定住宅総合整備事業でございますとか、そういった広義の再開発事業はまだまだございます。これらを糾合しまして、先ほど申し上げましたような第一次的に着手すべき地区についてはできるだけ早く着手してまいりたいというふうに考えている段階でございます。
○和田(一仁)委員 それで、今度の改正の中で、開発の方針が定められなければならないというふうになるわけですけれども、その際に、関係地域の住民の意思をどういうふうに反映してこの方針が決められるのか、さらに、そうした地方の住民意思の一つとして議会があるわけですけれども、そういったところもマスタープランをつくる場合に関与してくるのかどうか、その辺をちょっとお聞かせいただきたい。
○升本政府委員 再開発方針は、都市計画法に基づきます都市計画として、市街化区域の整備、開発または保全の方針というものを定めることに都市計画法上なっております。その方針の中で再開発関係の方針も定めていただくということを予定しておりますので、当然都市計画の一つということになります。したがいまして、都市計画法に基づきます都市計画決定の手続に従いまして、知事が都市計画法上定められた手続にのっとって住民の意向を反映させながら定めるということになるわけでございまして、具体的に申し上げますと、この都市計画の案を作成しようとする場合には、知事が必要と認める場合には公聴会の開催あるいは説明会の開催等を行って住民意見の反映に努めること。それから二番目に、この都市計画の案ができましたならば、関係市町村の住民、それから利害関係人の方に縦覧に供する。この場合に、意見をお持ちの方は意見書を提出していただく。この意見書が提出された場合には、その意見書の処理に当たりまして、都市計画地方審議会に提出をいたしまして、そこで学識経験者等の御意見をいただくというような手続で決めさせていただくことになります。したがいまして、この手続の進行過程におきまして、住民、各権利者の御意向は十分承らせていただくということを予定いたしておるわけでございます。 なお、建設省といたしましても、知事が具体に都市再開発方針を定めるに当たりましては、ただいま申し上げました手続を踏むことはもちろんのことといたしまして、できればその前段階的な段階から十分に意見の吸収に努めるように指導をいたしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。 それから、第二点のおただしでございますけれども、この都市再開発方針を策定いたします場合に、地元の地方公共団体の議会等のチェックを受ける必要があるのではないかという御趣旨かと存じますけれども、この点につきましては、この都道府県知事が定めます都市計画は、いわば国の仕事を代行していただくような形で知事にお願いを申し上げているというたてまえになっておりますので、この都市計画法の手続上、地元の議会の御意見を伺うという形はとっておりません。具体的には、都道府県知事がこの再開発方針を定めます場合には、まず関係市町村の意見を聞く、それから都市計画地方審議会の議を経る、その上で建設大臣の認可を受けるという手続になるわけでございます。なお、この都市計画地方審議会の中の委員には、都道府県の議会の議員の代表の方、それから関係の市町村議会の議長の代表の方が委員として含まれておりますので、そのような方々の御意見もこの都市計画地方審議会の中で集約されるというふうに制度上考えさせていただいておるわけでございます。
○和田(一仁)委員 今度の施行者の拡大についてちょっとお尋ねしたいわけですけれども、関係権利者の全員同意が前提になって、組合または個人、こういった開発が行われるわけですけれども、ここは開発した方がいいという地区があって、そこで何人かは同意した、しかしどうしても若干の人が同意してもらえなかった、その場合に、それを外してやればいいわけですけれども、それはかっこうからいって非常にうまくない、できるならそれもあわせて何とか説得していきたいという場合に、民間ベースだけではなかなかそういった説得力が出てこない、利害関係も絡まってくるというようなときに、その地方の公共団体がそこに入ってきて、そういったものにまとめて手をかすというような手法はやれるのでしょうか。
○升本政府委員 おただしのように、個人施行者として新たにその範囲を拡大するという御提案を申し上げておるわけでございますけれども、この個人施行者が再開発事業を実施いたします場合は、従来の流れで申し上げますと、まず再開発事業の促進区域という、先ほど来御議論がございました、五十年の改正で設けられました制度を活用いたしまして、促進地域というのをまず定めまして、その促進地域の中でお話がまとまったところで、個人施行者が個人施行をしていただくというのが一般的な制度でございます。 したがいまして、今回新たに拡大されて資格を有することになった個人施行者につきましても、個人施行者として乗り出す前提としては、促進地域制度というもの、まず、指定された地域内でそのような活動に入るのが一般的だろうと思います。したがいまして、促進地域制度というのは都市計画法上の制度でございますから、当然その地域の将来については地方公共団体が責任を持って見守っておりまして、制度上も、地域指定後五年たっても再開発が進行しない、手がつけられないという場合には、地方公共団体が施行者で乗り出すということを前提としておりますので、当然にその間の進行については地方公共団体が十分な関心を持って見守っておるわけでございまして、もしそのような有力な個人施行者が入り得るということになれば、その時点で十分地方公共団体が御相談に応じながら進行させていただくということになろうと思いますので、その過程におきましてもしおただしのような御要請があれば、またそれが権利者にとって利益であるという判断ができます場合には、自治体が当然に実際問題としていろいろかかわり、御相談に応ずるということになろうと思います。
○和田(一仁)委員 新しい個人施行者制度、いわゆる関係権利者でない個人施行者がやれるということになりましたけれども、具体的には、先ほどもいろいろ御質問が出ていたようですが、どういう人たちをここで対象に想定をしておられるか、お聞かせいただきたいと思います。
○升本政府委員 具体的に想定をいたしておりますのは、まず、企画力、資金力、技術力等の再開発事業の施行の能力を持っておる民間企業、二番目に、地方公共団体が財産を提供して設立した民法三十四条の公益法人で住宅供給及び都市再開発を目的とした者、現時点で申し上げますと首都圏不燃建築公社というような財団法人がございますし、また住宅改良開発公社というような財団法人もございます。第三番目に、これは独立の法律に基づく特殊法人でございますが、日本勤労者住宅協会。勤住協と略称しておりますが、これは労働組合関係の方でおつくりになった団体でございます。四番目に、商店街振興組合法によります商店街振興組合等商店街の振興を目的として設立された法人で権利者等が組合員となって入っている団体。五番目に、その地区内の借家権者等を含むいわゆる関係権利者で、これは会社のような営利法人、会社というような組織になろうと思いますけれども、という形でつくっていただいて、その会社自体は土地の権利者ではないけれども、土地の権利者が集まって株式を持ち合って設立された会社がこの場合の個人施行者となって仕事をするということは十分考えられるケースでありますし、この場合は施行と同時に、でき上がった建物の管理までその会社がやれるという妙味もございますので、これからはむしろこのような制度が大いに御活用いただけるのではないかというように考えております。
○和田(一仁)委員 そういった企画力を初めとして施行能力のあるというのは、主体的にそうあると自覚しているだけじゃだめなんですか。何か基準があるんでしょうか。
○升本政府委員 法律上は特に基準はございません。法律上は、その対象地区内の土地所有者あるいは借地権者以外の個人施行者の場合はその対象地区内の土地所有者、借地権者全員の同意が必要だ、こういうことが条件になっております。したがいまして、その全員の同意が得られる者であれば資格としては特に限定はいたしておりません。しかしながら、こういう事業につきましてそういう形でその地区内の権利者全員の同意を得られるという企業はおのずから実際的には限定されてくるんではないかと考えております。
○和田(一仁)委員 たとえばその地区に生活協同組合のようなものがあって、全員がそういったところを利用しておるというような協同組合がやろうかというようなときに、力関係、中身を利用している人はよくわからぬと思うのですが、やれるんだと言えば、ではやらせるかというような空気も出てくるんじゃないかと思うのですが、そういう場合には実際にはたで見ていて、監督官庁というかそういうところから見ていて、これは危ないなというような感じもして、住民にとっては利害関係が非常に深いですから、そんなことは万々ないとは思いますけれども、そういった力のない者が入ってくるというようなときには何かチェックするあれがあるのかどうか。
○升本政府委員 これは個人施行者として認める場合に、当然再開発法に基づきまして市町村長もしくは知事の認可という形が必要になりますので、その段階で十分資力、能力というものは審査をさせていただくことになると思います。
○和田(一仁)委員 それから、今度新たに首都高速道路公団と阪神公団が施行者になったわけですが、私これの理由をひとつお聞かせいただきたい。
○升本政府委員 今回、首都高速道路公団と阪神高速道路公団を施行者に加えるということに限定をいたしておりますのは、この両公団がいずれも、首都公団が東京近辺の市街地それから阪神公団が大阪、神戸近郊の市街地ということで、市街地内の高速道路の建設ということの責務を負っている団体でございまして、現実にその地域内に道路の建設整備を予定しております路線で、いますぐにでも実は再開発事業をあわせてやりたいという要請を強く持っている地区が数地、区ございます。したがいまして、その現実の必要性というところに着目をいたしまして、とりあえずこの両公団を施行者に加えさせていただくということでございます。道路公団につきましては、御承知のようにこれは全国一円に高速道路の建設の責務を負っているわけでございまして、特にいま再開発が必要とされるような大都市について現実に整備計画、具体の再開発事業をあわせ実施すべきようなプロジェクトを持ち合わせておらないということから、しばらくこの公団については状況を見た上でという形で今回はお願いを申し上げておりません。
○和田(一仁)委員 この二つに限定をされたわけですけれども、道路公団の場合はいま御答弁のような理由で外している、こういうことでございますが、もう一つ、開発対象には駅前とか駅周辺の密集地帯が非常に多いというふうに私は考えるわけです。そうなると国鉄の用地もそれに該当してくる、そういうケースが非常に多いと思うのですが、そういう中で国鉄は対象にしてないようです。どういうわけで国鉄を外しているか、お聞かせいただきたいと思います。
○升本政府委員 国鉄につきましては、おただしのように確かに駅前にかなりのいい土地を保有している団体でございまして、したがいまして、私どもこの再開発事業に関連して国鉄という当事者を考えます場合に一つの面があろうかと思います。一つは、御指摘のように再開発事業の事業主体として国鉄がみずから再開発事業を、やれるようにしたらどうかというお話と、それからもう一つは、地方公共団体等の行います再開発事業の進行に当たって国鉄有地を活用させていただきたいという面の問題と、二つあろうかと思います。 それで、前段の再開発事業主体として国鉄がなれるということにつきましては、もちろん将来の方向として考えられないことはないと思いますけれども、当面の問題として国鉄側に新たに再開発事業まで責任を負っていま乗り出すということが国鉄の現状からいって適当かどうかという御判断もあったようでございまして、いまの時点ではしばらく模様を見て将来の検討課題にしたいというお話でございましたので、今回は施行者の対象からは除外をいたしております。それから第二点の、駅周辺の国鉄有地の活用につきましては私ども十分認識をいたしておりまして、国鉄当局と定期的な相談の場を持っております。国鉄当局も積極的に活用を図りたいということで協力をしていただいておるという状況でございます。
○和田(一仁)委員 確かに大事な仕事で、またそれもいつまでかかってもいいというんでなく、やろうというのであれば、やはりそうした公的機関の力を総合的に動員して全力を挙げて取り組まないと、いままで十年経過してきたのと同じように、こういった手法を変えたりしてもなかなか事業が目的どおり達成できないのではないか。国鉄自体にその意思が全然なければこれは別でございますけれども、妙な役所の縦割りの考えのようなものであいつらだめだと言うのではなく、やはり力を入れさせるときには入れさせるような方向で考えた方がいいのではないか、こんなふうにも考えるわけでございます。 それから第二種市街地の三ヘクタールを一ヘクタールに、これは強い希望があったというふうに最初お答えの中でございました。これはやはりいままで三ヘクタールというのが無理だったわけでしょうか。もちろんこれ以上の面積のものもあったようでございますけれども、この三ヘクタールという基準を設けたのがどういうあれでお設けになったのか、そしていま減らしたというのは、これは無理だったから減らしたわけですか、それとも別の理由があるのでしょうか。
○升本政府委員 第二種事業の施行区域の面積要件は現在三ヘクタールでございますが、このような条件下におきまして、第二種の事業は先ほど御披露申し上げましたように、二地区についてのみ行われているわけでございます。そこで、この第二種はいわば公共事業として収用対象事業ということになりますので、施行要件につきましても第一種よりは厳しくというのが制度の趣旨でございますけれども、しかしながらいままで行われてまいりました再開発事業の実績を見てみますと、地方公共団体が一般に行ってまいりましたものの平均的なモデルでは二ヘクタール弱でございます。それから組合施行の平均は一ヘクタール弱でございます。したがいまして、自主的な権利調整の及ぶ範囲というのはせいぜい一ヘクタールぐらいが限度ではないか、一ヘクタールを超えると権利者数も多くなりますし、大変まとめることが困難になってまいってこようということが、過去の実績から推しはかれるわけでございます。 したがいまして、そのような段階から、ただいまの市街地の状況にかんがみますと、そろそろ二種というような事業形態で推進を図るというようなことを図っていってもいい限度ではないかというふうに考えられるところから、今回一ヘクタールというところまで条件を下げさせていただいたらどうかという御提案を申し上げたわけでございます。自治体の要請は一種の市街地住宅再開発事業というのは大変権利変換計画の策定等に時間を要し、また困難でもあるということから、規模の大きなものについては二種でやらしていただきたいという要請が非常に強うございます。したがいまして、二種で事業に該当するような公共性の強いと認められる地区につきましては、この区域要件のために手が出ないというのもいかがかということから、先ほど申し上げましたようなところまで下げさせていただきたいというのが今回の御提案の趣旨でございます。
○和田(一仁)委員 そういった趣旨での改正ならば、ぜひこれは小さくしてでも推進してもらいたいと思うわけでございます。 さらに、これは個人の場合が多いのですけれども、再開発をやる場合に一番ネックになるのは資金の問題だ、こういうふうに思うわけでございますが、自分が住んでいたり仕事をしていたり、生活の基盤になっているそういったものを新たにやり直そうというわけでございますし、それも何人かの合意を得てやらなければならない。これを説得していく上には、従来非常になじみの少なかった共有化とか、共同所有にするとか、あるいは地面に足をつけて住んでいた年寄りが高層住宅に移る不安とか、さまざまな、いままで経験のない環境の変化、これを説得していかなければならないわけですけれども、そういった面、説得する一つの大きなあれとして、資金がこれなら非常に楽にやれるのだというような措置が促進されれば、いままで以上にこうした開発事業もまとまっていくのではないかと思うのです。今度の改正の中ではそういう点に触れられていないので、そういった点もあわせ考えなければいかぬのじゃないかという気が非常に強いのですが、その点はどういうふうにお考えでしょうか。
○関口政府委員 ただいま先生から御指摘をいただきました点は非常に重要な点だと私どもも認識いたしております。したがいまして、従来から、まず事業資金の方でございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、国なり地方公共団体の補助、さらには住宅金融公庫あるいは日本開発銀行からの融資、こういうものによりまして事業資金の確保を図ってまいったわけでございますが、問題はいわゆる準備段階のいろいろな費用でございます。そのうちで一番重要なことは、やはり皆様方がいろいろ御相談なさったものをまとめて一つの計画に組み上げていくための、私どもこれをコンサルティング費用と呼んでおりますけれども、こういうものを調達することが非常に重要だというふうに認識をいたしております。このために、五十四年三月に組合再開発促進基金を設置いたしまして、コンサルティング費用等の計画準備資金につきまして金融機関からの融資のあっせんあるいは債務保証を行うことが可能になるような道を開いております。 またさらに、いろいろな計画につきまして、従来は市町村に対しまして基本計画作成費あるいは事業推進計画作成費というものを補助しておったのでございますが、五十四年度から新たに関係権利者全員の参加します準備組合等に対しまして事業計画作成費の補助の方途を開いております。 そういうわけで、今回の法律改正案を御提案申し上げるための準備段階でもうすでにいろいろな方途を講じさせていただいておるものでございますから、それらのものを前提として今回の改正案の御審議をお願いしたい、かように考えておる次第でございます。
○和田(一仁)委員 時間が参りました。最初の大臣の御答弁にもありましたように、宅地開発に力点が置かれているということも含めて、これはぜひひとつそうした事業の中でできる新しい宅地の家賃や分譲価格が低く抑えられるように、開発メリットで高くなっても仕方がないのだというのでなくて、そういう意味での助成を十分やっていただきたい。お願いをいたしまして終わらしていただきます。
○北側委員長 次回は、来る二十五日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十九分散会