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91回国会衆議院1980/04/18

建設委員会 第12号

発言数
208
登壇者
16
会派数
4
開催日
1980/04/18

会議録

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 これより会議を開きます。  明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法案を議題といたします。  本案に対する質疑は去る九日終了いたしておりますが、この際、本案が憲法第九十五条の特別法に該当するものか否かについて、衆議院法制局長に御見解を明らかにしておいていただきたいと存じます。衆議院法制局長大井民雄君。

大井民雄衆議院法制局長

○大井法制局長 お管え申し上げます。  憲法第九十五条に言いまする「一の地方公共團體のみに適用される特別法」といいますのは、特定の地方公共団体の組織、運営及び権能につきまして特例を定めた法律を言うものであると理解しております。  ところで、本法案がこの意味におきまする特別法に該当するか否かにつきましては、結論としましては、特別法に該当しないものと判断しております。  すなわち、本法案は、明日香村の区域を対象としまして、都市計画の地域地区として、第一極及び第二種の歴史的風土保存地区を定めますとともに、明日香村整備計画に基づく事業及び明日香村整備基金についての国の助成措置を定めたものであると考えられますので、明日香村という地方公共団体の組織、運営及び権能について特例を定めたものではないと判断しておるわけでございます。  さらに申し添えますならば、本法案は、歴史的風土の保存についてのいわゆる古都保存法に基づく立法措置でございまするが、古都保存法は、地方公共団体の一定の地域におきまして、都市計画の地域地区を定めたものでありまして、当該地方公共団体の組織、運営及び権能につきまして特例を定めたものではございません。この理由によりまして、古都保存法もまた、憲法第九十五条の特別法ではないと国会においてされたものと理解しております。  以上の点から申しまして、本法案は、憲法第九十五条の特別法に該当しないものと考えておる次第でございます。     —————————————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 先般来、理事会等において、本案の修正について協議を重ねてまいりましたが、去る九日の理事会においてただいまお手元に配付いたしましたとおりの修正案がまとまりましたので、この際、便宜、委員長として私から提出いたします。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法案に対する修正案について、その趣旨を御説明申し上げます。  案文はお手元に配付してあります。  御承知のように、本案は、第一条において、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法の特例である旨を規定しております。  したがいまして、先法の第一条に照らし、本案の第一条中にある、国を愛する心の涵養に資する部分を削ることを適切としたものであります。  以上で、本修正案の趣旨説明を終わります。     —————————————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 修正案に対し、別段の御発言もないようであります。  これより原案及び修正案について討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。  明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法案について採決いたします。  まず、修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 起立総員。よって、本案は、委員長提出の修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。     —————————————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 ただいま修正議決いたしました法律案に対し、小沢一郎君外四名より、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同及び民社党・国民連合の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者より趣旨の説明を求めます。小沢一郎君。

小沢一郎自由民主党・自由国民会議

○小沢(一)委員 ただいま議題となりました明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法案に対する附帯決議案について、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同及び民社党・国民連合を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、すでに質疑の過程におきまして委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。     明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、明日香村における文化財の保存については、特に地下に埋蔵されている文化財の保存とその活用の重要性にかんがみ、政府は実効ある措置を講ずること。  二、国及び奈良県は、明日香村歴史的風土保存計画、明日香村整備計画の策定に当たり、明日香村と十分協議するとともに、明日香村に対し住民の意見、要望の集約に努めるよう指導し、あわせて、明日香村の住民と、文化財保存の専門家の協力関係の発展に努めること。また、第一種、第二種歴史的風土保存地区の範囲及びその地区内における建築物、生業形態等に対する規制については、住民生活への影響を勘案し慎重に対処すること。  三、国は、明日香村整備基金については、将来著しい経済変動があった場合には適切な配慮を行うこと。また、同基金による収入は住民の要望を反映して適正に使われるよう明日香村に対し指導、助言を行うこと。  四、国は、飛鳥保存財団の運営、事業等について、歴史的風土審議会の答申に基づく設立の主旨にてらし、一層適切に行われるよう指導、助言を十分に行うこと。  五、住民の理解をえて、歴史的風土の保存及び文化財保存の目的を達成するため、遺跡分布の学術調査及び緊急発掘調査をすみやかに行いうるよう政府は財政上、技術上及び体制上の十分な援助を行うこと。また、建築物の建築許可申請の簡略化、迅速化を図り、保存地区の土地買取り請求に対しては速やかに応じうるよう指導すること。  六、国及び奈良県は、明日香村における歴史的風土の保存と民生の安定に果たす農業の重要な役割にかんがみ、明日香村の農業の振興、農村環境の整備のための施策について特段の配慮を払うこと。  七、国、奈良県、明日香村は、遺跡、遺構等に対して国民が史実に基づいた正しい理解を深め、明日香村を訪れる人々の、明日香村の歴史的風土及び文化財の保存に対する積極的な協力がえられることによって、観光公害防止の効果があがるよう努力すること。   右決議する。 以上であります。  委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 起立総員。よって、小沢一郎君外四名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。     —————————————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 お諮りいたします。  ただいま修正議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 この際、小渕総理府総務長官から発言を求められておりますので、これを許します。小渕総理府総務長官。

小渕恵三自由民主党・自由国民会議総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○小渕国務大臣 ただいま、明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法案について、慎重御審議の結果御可決をいただきまして、まことにありがとうございました。  ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、御趣旨を体し、十分検討いたしてまいりたいと存じます。(拍手)      ————◇—————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 次に、中村茂君外五名提出、住宅保障法案を議題といたします。  提出者より趣旨の説明を聴取いたします。中村茂君。

中村茂日本社会党

○中村(茂)議員 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました住宅保障法案につき、その提案理由と内容の概要を御説明申し上げます。  公共料金の引き上げを初め諸物価の高騰は、勤労国民の生活に重くのしかかり、インフレの進行とともに、だれもが将来の生活に不安を感じつつ、今日の生活に追われる毎日を送っておりますが、とりわけ、住宅問題は深刻であります。ライフサイクル論が一時流行し、住宅においても民間アパートから公共賃貸住宅へ、そして持ち家への住みかえが示され、勤労国民に夢を与えましたが、今日の状況は、狭小、劣悪な民間木賃アパート、「高」「狭」「遠」の公共賃貸住宅、ローン地獄の持ち家など、健康で文化的な住宅に、家族構成に応じ、他の家計消費を圧迫しない程度の負担で居住することは不可能となっております。  政府は、国民が一戸建て持ち家を希望しているとして持ち家政策を推進しており、第三期住宅建設五カ年計画では、第二期計画と比べ公共賃貸住宅は約二十万戸減少、持ち家融資である住宅金融公庫住宅は約八十三万戸増加となっております。ちなみに進捗率は、公共賃貸住宅が約七〇%に対し、公庫住宅は一三〇%となっております。まさに、政府としては持ち家政策に力を入れてきたと言えます。そのための宅地確保についても地主や不動産業者等に対する土地税制の緩和措置を講じてこられたと考えます。  しかし、こうした政府の施策、そしてその結果である現状について国民はどう考えているかといいますと、建設省が五年に一度実施されています「住宅需要実態調査」の一九七八年の結果、全世帯三八・九%に当たる千二百五十六万世帯が住宅困窮を訴えております。政府が力を入れてきた持ち家の所有者のうち三〇%以上が住宅困窮を訴えています。住宅ローンの負担を原因とする事故は多く、最も悲惨な場合は、自殺、心中に至っています。住宅の確保を持ち家という個人の自助努力にゆだねていることにより不動産市場は非常な混乱に陥り、安く早く供給するということで欠陥住宅が建設され、業者間の競争と操作によって土地価格は異常な高騰を示し、狭小でも劣悪でも利潤が上がるということでミニ開発が進行しています。  二戸建て住宅あるいはマンションの価格は大都市圏ではすでに勤労者の手が届かない高価格となり、取得しても一生を住宅ローンに追われることになっています。  政府が行ってきた住宅政策は、勤労国民に幻想こそ与えたものの現実の生活の中では苦しみを与え、支持を失うとともに、土地問題に象徴されるように日本経済の健全な向上に大きな障害をもたらしていると言わざるを得ません。  住宅が人間生活にとりまして生存権、生活権にかかわる重要な問題であるとして、世界人権宣言、ILO報告等でも取り上げられていることにも示されるように、住宅政策は欧米諸国では、政権が国民に信を問う際のなくてはならない政策の柱となっており、住宅政策の国の基本方針を示す法律が制定され、住宅の公的保障、国が国民の住宅について責任を負うという考え方が確立されており、こうした考え方はいまや国際的通念となっております。  わが国においては、住宅政策の基本と方向、その理念を示す法律は存在せず、住宅の種別によって個別の法律が定められているにすぎず、住宅の確保はもっぱら個人の努力に課せられており、日本経済のさまざまな矛盾の波をかぶる中で、多くの勤労国民が住宅問題に苦しんでいると言えます。  基本的方針を持たず、国の責任を明確にしないままに、勤労国民の苦しみを拡大することはもはや許されないと考えます。政府は再三にわたり住宅基本法案の国会提出を約束しながらいまだに提出しておりません。第三期計画策定の際にも住宅審から答申されましたが、基本方針なくして第四期住宅建設五カ年計画はあり得ないと考えます。以上のような状況にかんがみ日本社会党は、住宅保障法案を提案した次第であります。  次に本法律案の概要を御説明申し上げます。  第一に、本法の目的でありますが、すべての国民に対し健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を保障するため、国の住宅政策の目標を明らかにするとともに、その目標達成のため国及び地方公共団体が講ずべき施策の基本を定め、住宅対策を強力に推進し、もって国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することといたしております。  第二に、国の住宅政策の目標でありますが、すべての国民が、適正な居住水準が確保され、かつ良好な環境を備えた住宅に、適正な住居費の負担において居住することができるようにすることといたしております。  第三に、国、地方公共団体、国民、事業主のおのおのの責務と協力を規定いたしております。  第四に、国民の住生活の基準につきまして、住宅の規模、構造、設備、環境、住居費負担の基準を明らかにいたしております。特に、居住規模については標準世帯で八十平米、住居費負担については標準世帯で賃貸住宅の場合、世帯主所得の一〇%と基準値を明記しております。  第五に、住宅供給の促進についてでありますが、地方公共団体主導の長期計画の策定、計画においては公的資金住宅の事業を明らかにすること、公的資金住宅の事業費の二分の一以上は公共賃貸住宅といたすこと、また、民間住宅への指導と援助、関連公共公益施設の整備等につきましておのおの規定いたしております。  第六に、住宅困窮者に対する公共住宅への優先入居、住宅費補助を行うための住宅困窮者登録制度の実施を行うことといたしております。  第七に、国及び地方公共団体は住宅、宅地取引の公正の確保について必要な施策を講ずることにいたしております。  第八に、住宅行政を強力に推進するため行政組織の整備と行政運営の改善を図ることといたしております。  第九に、総理府に付属機関として、住宅宅地政策審議会を置くこととし、本法施行に関する重要事項を調査審議することとしております。委員は衆参両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命することとし、住宅供給を受ける勤労者の代表、供給を行うものの代表、学識経験者によって構成することといたしております。  以上、この法律案の提案理由及びその内容につきまして御説明申し上げました。  各委員の御理解をいただきまして速やかに御可決あらんことをお願い申しあげます。(拍手)

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 以上で、趣旨の説明聴取は終わりました。      ————◇—————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 都市再開発法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内猛君。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 都市再開発法の一部を改正する法律案に対して質問をいたします。  まず最初に、この法案が昭和四十四年に都市再開発法として成立をされましてから十年を迎えておりますが、この間に、五十年には本法の一部改正とあわせて、大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法が審議され、制定をされましたが、今日まで約十カ年間におけるところの経過について、どれぐらいの個所においてつくられ、どういう都市計画がなされ、事業計画が決定され、そして工事がどれぐらい終了したかということについて、報告を願いたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 市街地再開発事業は、お話の再開発法の制定されました昭和四十四年度から五十五年三月三十一日現在までに全国で百五十七地区、面積で四百四十六・二ヘクタールにおきまして、実施をされておりまして、このうち四十九地区、六十・七ヘクタールですでに事業が完了いたしております。したがいまして、なお百八地区、三百八十五・五ヘクタールにおいて事業が施行中でございまして、私どもといたしましては法施行以来、一応の成果を上げてきているというふうに考えております。  市街地再開発事業は、御承知のように狭隘な木造低層建築物が密集し、社会資本の整備が立ちおくれた地区等において、既存の建築物をすべて除却し、新たに建築物と公共施設を一体的に整備するものでございまして、建築物を高層化、共同化、不燃化することによりまして、十分なオープンスペースを市街地内に確保いたしまして適正な土地利用を図り、良好な居住環境を形成するとともに、災害に強い町づくりを進めるという上から効果が高い事業というふうに私ども評価し、その推進に努めているところでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 この期間に一番問題になったことはどういうことが問題になっているのか、その問題点はどういうものがあるかということですね。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 先ほど申し上げましたように、かなり複雑な内容を持った大がかりな事業でございますので、その施行に当たりましてはいろいろの問題が提起されております。  数項目にまとめて申し上げますと、まず第一点は、都市の再開発全般につきまして市街地全部を見渡した基本的な計画、構想が不十分であったという感じがいたしております。再開発をどの地区にどういう時期に行うべきかということの位置づけが、必ずしも明らかでなかったのではないかという点が一つございます。  それから第二点といたしまして、既存の建築物等を全部除却して新たな建築物を整備し、同時に公共施設の整備を行うということでございますので、大変膨大な事業資金を要することになりまして、その確保に問題が生ずる場合が多々ございます。  それから第三点といたしまして、事業の実施主体並びに事業を実施できる地域の条件等が限られておりますことから、さらに広く広範囲に事業を実施いたしたくても、現状の法制度下におきましてはそれができにくいという状況になっております。  それから第四点といたしまして、地区内の権利者の方々に事業施行によって生活環境の大変大きな変化をもたらすということがございますので、事業実施について権利者の方々の側に抵抗感があるという問題もございます。  第五点といたしまして、市街地内の地区でございますので、関係の権利者数が大変多い場合が一般的でございまして、この権利者相互間の権利の調整に大変手間取って長期間を要するというような問題もございます。  おおむね以上のようなことに問題点は集約されるのではないかと考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 そのような問題が当然出てくるわけですが、この再開発をやる場合に、これは地域の方から要求があってそれに応ずるのか、それとも上から決めていくのか。もちろんこれは都道府県が計画を立てて、施行者がこれを計画をし認可をとって実施をする、こういうことになっているけれども、このやり方について、一定の地域において一つの基準を決めて、ここはぜひやりたいというようなことで出発脅していくのかどうなのか、その辺の糸口といいますか、それはどこからつかみ出すのかという点についてはどうですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 再開発事業は、おおむね都市計画をもって決定をされて行う事業でございます。したがいまして、一般の都市計画と同様に、その計画決定主体である市町村それから知事の段階に話が上がって、その過程でいろいろな調整が行われて現実の事業実施区域が定められるというのが般的な流れであろうかと思います。市街地の再開発を計画的に進めてまいりますためには、先ほど申し上げましたように、やはり市街地全体を見渡して、再開発のマスタープランというようなものがまず先行的にあるべきであろう。その再開発のマスタープランに従って、個々具体の地域について必要に応じ事業が実施されていくという形になるのが望ましいということで私ども指導をいたしておりますけれども、現実には先ほど申し上げたような形で動いているのが一般的かと思います。  そこで、そのようなマスタープランに基づき事業が実施されるような形に持ってまいりますために、都市再開発基本計画というものを定めて、それに基づいて事業が行われるというような方向に指導いたすべく、五十四年度から予算補助をもちまして、三都市につきまして、東京、大阪、名古屋という大都市につきまして、まず都市再開発基本計画の策定というところから取りかかりまして、先ほど申し上げましたような流れに持っていくような準備をいたしておる段階でございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 マスタープランをつくって、それに応じてやっていくということで、それが各地にできつつあるということでありますが、まだ全国の、各町村まではいきませんが、大都市には及んでいないということで、いまのところ東京、大阪、名古屋ということとして理解をしていいのですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 一般的に都市再開発は、都市整備の基本方針の中で基本的な方向を位置づけるというようなことが、都市計画法上は予定をされておりますので、比較的小さな市においてもそのような準備をしているところもないわけではございません。いま三都市と申し上げましたのは、これは五十四年度から国が特にその基本計画の作成を助成するということで、補助金をもって助成をしている、その対象が三都市、五十四年度選んだ、こういうことでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 今度はこの事業の施行の方ですが、公共団体あるいは組合あるいは個人、公団、いろいろありますけれども、その事業施行主体が守るべき基準というものはどういうものであるか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 市街地再開発事業は、原則として都市計画をもって規制され、その規制の範囲内で行われる事業でございますので、まず地方公共団体の定めます都市計画の枠内で事業の計画が定められ、それによって事業が実施されるということになるわけでございまして、これは組合施行でございましても、地方公共団体施行でございましても、あるいは公団等の施行におきましても同様な基準によることになります。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 先ほど五つの問題点が報告されておりますが、私は、一番問題になっているのは、何といっても計画区内にあるところの権利の問題だと思います。借地権、借家権あるいは間借り人、こういう者の権利がどういうように守られてきたのか。たとえば古い家に住んでいて、これがかなり広い土地がある。ところが、高層になると、当然それに対して権利の変換という計画が行われておりますが、それに入ると、今度は負担もかかるし、生活状況が変わってくる。こういう中で問題が起こることは当然でありますが、なお、間借り人とかあるいは借家人というような者の権利がどういうように確保されているのかということが、この法律の中では大変問題だろうというふうに考えられる。建物を建てる方の基準は、よく指導としてできているけれども、その入るべき人間の守るべき基準というものができているかどうか。それがなかったら、結局は社会的弱者といいますか、持たない者ははいれないという形になるおそれがあるし、現にそういうふうな話をずいぶん聞いているわけですけれども、それはどうなっているのか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 第一点のおただしでございますけれども、市街地再開発事業の施行に当たって関係権利者の権利がどのように保全されているか、施行主体の差異によってどのようにそれが違うか、違わぬかという御趣旨のおただしかと思います。  まず、施行者の中で地方公共団体あるいは公団が実施者となって施行いたします場合におきましては、これはその事業の施行自体に、地主さんやあるいは借地人について、あるいは借家人について特に同意が必要とされるという要件の設定はございません。しかしながら、これは事業の施行の過程で事業計画あるいは権利変換計画を定めます場合に、一定の手続に従って各権利者の御意見を伺っていくという形になっております。  それから、組合施行の場合におきましては、組合の設立の際に、地区内の所有権者、借地権者の各三分の二以上の同意が必要になっております。それからこの場合には、人間の数、権利者の数として三分の二以上であることと同時に、その同意した者の所有しております宅地の地積あるいはまた借地の地積の合計が、全区域内の宅地、借地の総地積の合計の三分の二以上であることを要するという条件になっております。  それから三番目に、個人施行者の場合におきましては、これは事業計画及び権利変換計画をつくります場合には関係権利者の同意を必要とするわけでございますが、この場合には、借家人も当然関係権利者として同意を得なければならない対象というふうに定められております。  それから第二点のおただしは、事業の助成措置のお話であったかと存じます。零細権利者に対する助成措置というお話であったかと思いますけれども、年々この事業の実施に当たって、特別会計による道路整備等の補助と同時に、一般会計から建築物の建築自体に補助をするというたてまえにいたしておりまして、特に住宅を供給することを目的とするような建築物については、その補助を通常の場合よりもさらに厚くしているという関係がございます。したがいまして、一般の建築に比べますと、住宅供給を目的とするような再開発建築物については、二三%程度、建築費において割り安につくられておるということがございまして、それが結局従前の権利者に対しましてその権利に対応する建物を差し上げる場合に割引になっているということが申せるかと思います。  なお、借家人等を含めまして零細権利者が非常に多い地区につきましても、同じように今回さらにもう一つ助成の対象を広げまして、全体としての補助を厚くするような措置を五十五年度からとらしていただいております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 言ってみれば、社会的弱者といいますか、そういう言葉はあるいは悪いかもしれませんが、借家人、また借家人の中で間借り人、こういう人々の権利というものがどこまで保障されるのか、こういうことについてはどういう指導があるかということですね。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 建物の賃借人、借家人の権利に対して一般的な保護の内容のおただしかと存じます。  まず第一といたしまして、借家権者が、事業により新しく建築される建物に借家権を取得することを御要望の場合には必ず借家権を取得するように権利変換計画で定めることになります。  それから第二点といたしまして、この場合に従前の家主さんが新しい建物、事業によって建築される建物には入居しないというような状況になりました場合にも、今度は施行者が家主にかわって借家人の方に建物を賃貸するということをいたすようにいたしております。  それから第三点といたしまして、先ほど御説明申し上げましたとおり、事業計画また権利変換計画等の策定に当たりまして、これらを縦覧に供するという手続がございますけれども、この縦覧に供された事業計画、権利変換計画に対して意見書を提出していただくことができる。  それから第四点といたしまして、新しい建物についての借家条件が家主さんとの間で調わないような状況がございました場合には、施行者に対して借家条件の裁定を求めることができるということにいたしております。  それから第五点といたしまして、施行者が借家人に建物を家主にかわって賃貸する場合におきまして、その家賃につきましては、その算定に際しまして、従来借家人が有しておりました借家権の価額を控除して算定するということにいたしております。  それから第六点といたしまして、新しい建物の保留床を居住または業務の用に供するために必要だというお申し出があります場合には、これは公募の原則の例外といたしまして、優先的に賃貸あるいは譲渡することができるということにいたしております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 これらのいわば権利というものはだれが保障しますか。それを保障するものは、つまり、借家権側、借地、間借り人の権利を保障する客観的な条件というものは何がありますか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 社会通念上借家権と認められる権利でございますれば、これは権利変換計画を定めます場合に当然、従前の権利者としてその権利に見合う新しい権利を新しい建築物について定めなければならないということに法制度上なっておりますので、この制度の的確な運用によって従前の権利が保障されるというふうに私どもは理解をしております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 これは民法によって保障されるその権利と理解していいわけですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 法律に基づきます公共的な事業の執行でございまして、いわば公法的な権利関係の整理の手段といたしまして、ただいまのような措置をとらしていただいておるわけでございまして、これは、民法の契約関係とはまた別に、従前の権利を保全されるような手だてを講じているつもりでございます。ただ、借家権と申しますのはあくまでも従前の建物に対する居住権でございますから、従前の建物の家主さんとの間の関係は、これは私法契約に基づいておられるわけでございまして、したがいまして、新しい建物におきます家主さんとの間の関係は私法契約で同じく引き続くというかっこうになろうと思います。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 ここが非常にむずかしい問題ですね。たくさんの借地、借家人がおり、その上に間借り人というものがいたときに、そのややこしい権利をどう調整をしてどう守るかという問題が、客観的にこれが保障されないと、これは、今度は高層のところに集めますから相当金がかかるわけでしょう、そうすると、いままでよりも費用がかかる、負担がおぼつかない、それでいろいろトラブルが起こってくることは当然だと思いますね。そういう場合に、これを法律上で保障する道を開く、あるいはそれに準ずる形でしなければ、それは結局締め出されて、社会的弱者というものはその支配の中から出されてしまうのではないか、こういうおそれがある。それを防衛するためにどういう手だてがなされるかということがこの問題に対しては大きな問題ではないかと思いますけれども、これについて大臣からも所見をいただきたいわけですけれども、これは大変な問題だと思うのです。ここが一番の問題じゃないかと思うのですがね。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 事業実施上の問題をまずお答えさせていただきたいと思います。  確かに御指摘のような大きな問題を含んでおりますので、権利変換計画の策定に当たっては、各権利者、その権利の大であれ小であれを問わず、各権利者に従前の権利を十分に保全されるような権利変換計画が定められるべきであろうと思いますし、そのように努力をいたしておるつもりでございます。そうは申しながらも、御指摘のように従前の権利が大変小さいと申しますか、権利価額の低い権利を持っておられる方も多々あるわけでございまして、こういう方に対しましては、あるいは新しい建物に移られるときには従前借りておられた建物と同じスペースだけのものを借りるようなことにはならない、同じ価額で対応した建物の中に移られるということになりますと、どういたしましても居住面積としては小さくなるというのが一般例でございます。したがいまして、この場合には、少し建物の床を増さなければ従前と相当の居住態様にはならないという場合が多うございますが、このような場合には増し床をしていただかなければならない、本来の権利価額にプラスした床を使っていただくことが必要になるわけでございます。その場合の増し床分の取得については、建物を所有する方に低利の融資を提供して取得しやすくするとか、あるいはその増し床に対応する建物の共用スペース分について補助金を導入するとかいうような施策を講じておるわけでございます。なお、にもかかわらず新しい建物にはとても居住することが困難だというような方々に対しましては、関連の事業といたしまして再開発住宅という制度を創設いたしておりまして、公共団体が公営住宅に準ずる住宅を建設し、これに入っていただくというような措置も講じております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 いまの問題について大臣一言……。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○渡辺国務大臣 具体的にはただいま局長が御説明をいたしたのでございますが、基本的にはやはりその権利の調整、またその生活あるいはまたその既存の権益が十分に守られますように、この点は十分な配慮をせねばならぬと思います。そのためには、いろいろな国の助成措置等も申しましたけれども、これにあわせまして、あるいは金融あるいは税制その他の面につきまして私どもは最善の努力をしてまいりたい、かように考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 やはり再開発に伴う問題は、借家人、借地人、間借り人というような、つまり所有権というものを持たない者の権利をどう守るか、しかもこれは古い住宅が壊れて新しい建物に移っていくわけですから、したがって負担も相当かかるし、いろいろな経費もかかるわけであって、大変な問題になるわけですから、これに対する保護措置あるいはその権利を守るための措置というものは十分にしてもらわなければこれはうまくいかないだろう、こういうふうに思います。その点を十分に考えてもらわなければならない、こういうように思います。  次いで、第二条の三の第二項「国及び地方公共団体は、前項の都市再開発の方針に従い、同項第二号の地区の再開発を促進するため、市街地の再開発に関する事業の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」こうあります。その「必要な措置」というのはどういうことですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 おただしの点は今度新しく創設することにいたしております第二条の三の第二項に関するおただしかと存じますけれども、この国及び地方公共団体がとるべき必要な措置といたしましては、まず国が講ずべき措置といたしましては、第一に市街地開発事業の実施に係ります地方公共団体に対してまず十分な指導を行うこと。それから第二点に、再開発事業及び公共施設の整備等に関しまして優先的に国庫補助採択に努める。それから第三点といたしまして、みずからも、たとえば国道の整備等、優先的に関係の公共施設の整備を行い、あるいは公団等に再開発のための事業を行うように指導する、以上が国でございます。  次に、地方公共団体が講ずる措置といたしましては、第一点といたしまして、市街地開発事業を初めといたします各種の事業を総合的に実施をすること。第二点といたしまして、高度利用地区、これは市街地開発事業の前提として高度利用地区を指定することが求められているわけでございますけれども、この高度利用地区の指定、それから市街地再開発促進区域という都市計画法上の制度がございますけれども、こういった区域の指定を積極的に行うこと、またそのことによりまして民間のエネルギーの活用あるいは誘導を図ること。第三点といたしまして、事業の実施に当たりましては付近地の住民に対して御協力が得られるように努めるというようなことも地方公共団体の責務の一かと考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 それは政令によってやられると思うけれども、そういうふうな措置をとられるわけですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 ただいま申し上げました点につきましては、特に政令で内容を規定するというっもりはございません。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 続いて、「特定建築者」、こういうものがたくさんこの法案には出てきますが、特定建築者というものはどういう種類のものを言うのですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 従来は、再開発事業につきましては、対象区域につきましてその区域の従前の建物の除却、整地、それから公共施設の整備、新しい建物の建築、これをすべて施行者であります公共団体あるいは組合等が行ってきたわけでございますけれども、今回の改正におきましては、地区の状況によりましては必ずしもその地区内の土地全部について全事業を施行者がやらなくてもいい場合があり得るのではないか。たとえば、地区の状況によりましては従前の権利者の方々をその従前の権利に見合う新しい建物の一部に入っていただくという措置が地区内の一部、たとえば半分の土地についてあるいは三分の二程度の土地の上に建つべき建築物に前権利者が移っていただけるというようなケースがあるといたしますと、残りの半分ないし三分の一という土地については従前の権利者の権利保全とは一応切り離しても考え得るスペースになりますので、このスペースにつきましては土地整理までの段階を施行者が行って、その後に特定の能力のある方に建築をしていただいて、それを再開発の事業の一つに取り込むというような制度があってもいいのではないかということで御提案を申しておりまして、それを「特定施設建築物の建築」というふうに言っておりますが、おただしの「特定建築者」と申しますのは、この特定施設建築物の建築を行う者ということでございまして、その特定建築者を特定いたしますのは、原則としてもちろん公募によることになります。  この場合に、特定建築者となり得る資格といたしましては、その建築物を建築するのに必要な資力、信用を有する者であること。  さらに、この場合に、その建築が事業計画に即して計画どおりでき上がりました場合には、その時点でその敷地のあった土地を施行者からその建築者に譲り渡すことになりますので、その譲渡の対価の支払い能力がある者ということが要件になっております。  具体的には、この特定建築者として予定される者は、たとえば住宅公団等の公的な団体、さらには一般の民間の企業で先ほど申し上げたような要件に該当する者ということを想定いたしております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 これはやはり相当な金がなければできないことでありますから、ここは非常に危険なことにならないとも限らない。一般に公的機関なり公団等々は仕事が遅い、民間は仕事が早いと言われている。そこで、民間は仕事が早いけれども利益がなければやらないわけなんです。それで、その利益があってやれるような企業というのは大企業でなければできない。これはどうしても大企業に傾斜をしていくおそれなしとしない。それを防止することができますか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 先ほど申し上げましたように、特定施設建築物の建築制度、さらに特定建築者というものにつきましては、特にこのような範囲のものでなければならないというふうに考えておるわけではございませんで、一般的な資力、信用を有する者であれば特定建築者になり得るし、また特定建築物がそのような者によって建築されることで差し支えないというのがこの制度の趣旨でございますけれども、御懸念の点につきましては、まず特定建築者となろうとする者は施行者に対しまして建築計画及びその特定施設建築物の管理処分に関する計画を提出しなければならないという定めにいたしておりまして、この計画がこの再開発事業の事業計画、事業の基本を定めます計画でございますが、この計画に即しているかどうかは十分に施行者側において判断をさせていただいて、適格性がある者を特定建築者としてお願いするという形になっておりますので、十分その計画性と申しますか公共性は担保されているというふうに考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 先ほど経過の中の問題点として五つ挙げられた中で、その一つの中にプランの問題がありましたが、やはり地方自治体におけるところの明確なマスタープランやガイドプランが欠如している。これは、国が地方自治体やあるいはまた組合施行等に対して指導を強くする。同時に初動資金というものについて調達を何とかしてあげなければ動きがとれないではないかと思うのですね。金が相当必要ですから。したがって、危険負担というようなものを、床ができたら何とかテナントが入ってくるだろうというようなことで期待をする、こういうようなことではなかなかやりにくいことではないかと思いますが、そういう点で、初動資金等々のことについての考慮はあるのかないのか。

関口洋建設省住宅局長

○関口政府委員 組合あるいは個人施行による市街地再開発事業で、ただいま先生が御指摘になりました初動資金の調達が非常に重要なかぎになるということは御指摘のとおりだと思います。初動資金の内容といたしましては、コンサルティング費用等あるいは計画の準備資金といったものが考えられるわけでございますが、こういう要請に対応するために、準備組合に対する助成措置といたしまして、コンサルティング費用等の計画準備資金につきまして、金融機関からの融資のあっせん、あるいは債務保証等を行う組合再開発促進基金を昭和五十四年三月に設置いたしまして、これらの御要請に対応するということにいたしております。  また、従来から事業の前段階におきまして、いろいろ先ほど来都市局長が御答弁申し上げておりますように、市町村等の御指導が非常に重要なかぎになりますので、市町村に対しまして、基本計画作成費あるいは事業計画、推進計画作成費につきまして助成をしてきたわけでございますが、五十四年度から、こういう市町村以外に、関係権利者全員の参加する準備組合に対しまして事業計画作成費を補助することとさせていただいております。この両方の制度によりまして、先生御指摘の初動資金の確保に万全を期してまいりたい、かように考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 それができたということだからそれは非常に前進だと思いますが、補助金整備や税制、あるいはその他の優遇処置、または公的金融制度というものが欠けているんじゃないかということがまだ重ねて言われているのですね。たとえば金融についても非常に高いということが言われています。この点については何か考慮することがありますか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 再開発事業の推進につきましては、おただしのように、たとえば国の補助あるいは融資、それから税制上の特例等、総合的な助成措置を講じて推進を図っておるわけでございます。     〔委員長退席、伏木委員長代理着席〕 融資措置につきましても、住宅金融公庫、これは再発事業のうちその住宅部分が四分の一以上の事業につきましては、住宅金融公庫が融資対象として取り上げておりまして、この場合の金利は、住宅部分については八・二%という金利でございまして、現状の金利が高騰しつつあります状況下におきましては、やむを得ない金利ではないかというふうに考えております。それからさらに、住宅部分が四分の一未満の事業につきましては、日本開発銀行が融資対象といたしておりまして、この場合の金利は八・八%ということになっております。  いずれの場合も、住宅金融公庫の場合は償還期間二十年、開発銀行の場合は二十五年という長期の償還期間を持っておりまして、金融制度としては相当優遇されたものというふうに考えております。このほか北海道東北開発公庫、中小企業金融公庫、国民金融公庫、環境衛生金融公庫、中小企業振興事業団等におきまして同様の融資措置が講じられております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 そこでもう一度、権利調整問題についてお尋ねをしますが、都市計画事業である中で、私権が制限をされる、つまり、個人施行の場合には全員が賛成をしなければできない。あるいは組合の場合には三分の二が賛成でできる。三分の一反対であってもいい。だがやはり賛成がないところには事業はできないと思いますが、そういうことで、やりたい者といやな者とが同居している場合、自分はやりたいんだけれどもあれが反対をするからできないのだ、この矛盾をどのように整理をするか、調整をするか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 大変むずかしい問題の御指摘でございますけれども、あらゆる事業につきまして、同様の問題は多かれ少なかれあるわけでございますが、特に再開発事業につきましては、対象となる地域の土地柄から権利者が非常に多く、またその各個の権利の単位が非常に小さいという場合が多うございますので、権利の調整問題は御指摘のように大変大きな問題になっているわけでございます。  この具体的な調整方法、調整方策というおただしでございますけれども、これは残念ながらそう卓効のある制度、方式があるわけのものではございません。やはり施行者が意を尽くして関係権利者の御同意を得るように努力を重ねていくということが基本であろうかと思いますし、また、関係権利者の側におかれても事業の公共性といいますか、みずからの権利保全という意味からも、やはり積極的にお話し合いに応じていただくという姿勢が必要なのではないか。両々相まって事業の進行に資するように進めていただきたいというふうに考えておるわけでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 話をしても話をしてもなかなかつかなかった場合には、最終的には収用法に基づく収用ということはあり得るかどうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 当然にこの事業は都市計画に基づきます事業ということでございますから、個人施行の場合は別といたしまして、組合の場合も多数決原理が働くことになりますし、公共団体が施行いたします場合には、都市計画に基づき公共性の実現のために実施をする事業でございますので、制度としては、多少の反対があっても強制的に実施をさせていただくという手だてにはなっております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 商業の開発の場合に、大店法によるところの調整は非常にむずかしいと思います。特に床がふえるのではないかというようなことがあっても、損得の関係からいうとなかなか入りたがらない。そういうことで権利者法人方式というものが考えられているということですけれども、これについてはどのような考え方をお持ちか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 御指摘の権利者法人方式と申しますのは、私どもの理解では、地区内の従前の権利者の方々が共同して会社等の法人をつくられて、その法人によってこの事業によりつくられます建物の保留床を買い取ってその管理運営に当たられるという方式であろうかというふうに理解をしておりますけれども、そのような方式をとっておられる向きが現実にございまして、数地区におきましてすでに実施がされているという実例がございます。私どもこれも一つの方法として大変すぐれた方法だと考えますので、できるならばそのような方法をおとりになるということは結構なことではないかと考えておりますが、問題は、御指摘にもございましたように、この保留床を買い取るにはかなり多額の資金が必要となるわけでございまして、権利者の方々がお集まりになっても、その資金力という点で必ずしも常に十全に機能できるかどうかという問題がございますし、また一般的に予想されます会社組織という形になりました場合には、これは全く純粋の民間のお集まりでつくられるわけでございますから、その構成に当たって十分リーダーシップをとられる方がおられるとかいうことが必要な要件になってくるのではないかというような点に、問題点と言えば問題があろうかと思います。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 そこで、住宅の開発やあるいはこの計画をする場合に、どうしても反対な人たちがいる。そのときに代替地というものを求めて、代替地にそれは移ってもらう。あるいはあるところを開発する場合には、一時どこかへ移ってもらわなければできないわけですね。そういう代替地方式を考えることは当然だと思いますが、それは考えられているのかどうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 代替地とおっしゃる場合には二つあるかと思います。一つは、再開発事業を契機としてもうその地区からは出ていく、だから適当なところに立地したい、こういうお話があろうかと思いますし、もう一つは、事業がかなり長期にわたりますので、その間暫定的にどこか適当なところで営業を持続していきたいというようなことがあろうかと思います。  それで、第一点の外へ出ていかれる場合には、これは税制上の特例措置がございまして、従前の資産を処分されて外へ新しい土地を買われる、あるいは建物を買われるという場合には、従前の価額の範囲内で、これは買いかえがなかったものというふうに認定をいたしまして、従前の土地処分に伴う所得については譲渡所得税は課されないというような制度がございますし、あるいは三千万の控除をした上で課税するというような特例がございます。このような特例を御活用いただければと思います。  それから第二点の事業中の仮営業等につきましては、仮営業所の確保等に施行者が努めると同時に、仮営業所の開設に必要な費用等につきましても国庫補助対象といたしておりまして、助成を図っております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 ここで大蔵省にお尋ねをしたいわけですが、国有財産には四種類あると思いますけれども、その中で皇室とかあるいは企業とか道路、河川を除いて、どういうふうに存在をしているかというその存在の形、それについてどういう管理をしているかという管理の状況について説明をしていただきたい。

松原幹夫大蔵省理財局国有財産第二課長

○松原説明員 お答えいたします。  国有財産につきましては行政財産と普通財産がございまして、それぞれ各省各庁が行政財産、普通財産についても管理をしておりまして、大蔵省がそれについて総括権を持っているということで御報告を受けております。  それで、行政財産の非常に多くの部分、約九六%が農林省に属しておりまして、大部分が山林、原野、こういったようなものになっております。それから、大蔵省に属しておるものといたしましては、特に普通財産というものがございまして、これは各省各庁で公用、公共用に使っておらないということで用途廃止をされまして、大蔵省に所管がえになったものは大蔵省に属しております。この大蔵省の普通財産が、全国有財産八百九十八億平米のうち約八億八千八百万平米ということになっております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 その中で、民間及び企業への貸し付け、または払い下げ等々の基準並びに取り扱いについての規定はどうなっているのですか。

松原幹夫大蔵省理財局国有財産第二課長

○松原説明員 お答えいたします。  国有財産法の第二十条によりまして、普通財産につきましては、売り払い、貸し付け、譲与、権利の設定、交換等ができるようになっております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 十年前に本法案が審議されたとき、本委員会でわが党の渡辺惣蔵委員からの質問があります。その中に、帝国ホテルに対して一万二千八百七平米を、当時の金で四千二百七十五万一千三百六十円で貸していた、坪単価にすると二百五十万、賃貸料として坪約一万円となっている、こういう説明がありました。それから後楽園に対して六千三百二十八平米、約二千坪を貸し付けておりますが、帝国ホテルの場合には二十二年四月から七十二年までの長期契約がしてある、それから後楽園の場合には六十七年一月までの契約がしてあるということになっておりますが、その後この処理はどうなっているか。

松原幹夫大蔵省理財局国有財産第二課長

○松原説明員 お答え申し上げます。  帝国ホテルにつきましても、現在なお継続的に貸付中でございまして、現在の貸付価格は、平米当たり二万三千円ということになっております。それから、後楽園につきましても現在貸し付けを継続中でございまして、平米当たりの貸付料は四千七百二十円ということになっております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 こういう帝国ホテルあるいは後楽園などに国有財産を長く貸し付けるという意義はどこにあるのですか。そういうのは、買い取るものは買い取らせるなり、返してもらうものは返してもらうようにしなければ、ああいう営利を目的としているところに——そのほかにもまだいっぱいありますよ。そういうところに国有財産が堂々と使われていて、そうして多くの人々はそんなことは知らないで宿泊をする、あるいは野球を見に行ったり遊んでみたり、こういうことは不当じゃないですか。どうですか。

松原幹夫大蔵省理財局国有財産第二課長

○松原説明員 お答えいたします。  国有財産につきましては、従来、できるだけ公用、公共用に使うということを原則としております。したがいまして、民間等に売り払ったり貸し付けたりするということは、これを新規に行うということは現在ほとんどやっておりません。  ただ、御指摘の帝国ホテルあるいは後楽園の件につきましては、いずれも戦前からの経緯がございまして、帝国ホテルにつきましては、戦前、皇室用財産であったときにすでに貸し付けられたものでございます。それが現在大蔵省に来ておるものでございまして、その貸し付けを継続しておるということで、その後も何度か、できれば売り払いをしたいということで向こうと折衝をいたしましたところ、向こうの方も、資金繰りがうまくいかないので待ってくれというような形で現在このようになっております。  それから、後楽園につきましても、これも戦前からの貸し付けでございまして、従来道路用地とか下水路、暗渠等に使用されておったものが現在国有地としてまだ残っておるということでございます。したがいまして、これも現在そのような用途にほとんど供されておらなくなっておりますので、できれば売り払いをしたいということで後楽園等と折衝を重ねておりますが、まだ相手方の方で資金繰りがつかないということで現在貸し付けの状態が残っておるということでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 筑波研究学園に移転されている諸機関の跡地についてどういう処理をされるか。

高橋公男大蔵省理財局特別財産課長

○高橋説明員 お答え申し上げます。  現在筑波移転跡地の利用につきましては、国有財産中央審議会に跡地利用の基本方針と、それから主要な二十九カ所の跡地の個別の利用計画の大綱について審議をお願いしているところでございます。主要跡地の利用計画の大綱につきましては同審議会の筑波移転跡地小委員会が一昨年十一月に作成いたしまして、地元地方公共団体にその意見を求めるために提示をした試案がございますが、その試案に対しましてことしの三月に地元地方公共団体からの意見が出そろいました。  そこで現在、小委員会の中の中核をなします専門家の作業グループがございまして、そこで地元意見を踏まえまして鋭意試案の見直し作業を進めているところでございます。事務当局といたしましては、ほとんどの筑波移転がこの三月に完了しておりますので、それを考慮いたしまして、その跡地の早期有効な利用という観点からできるだけ早く答申をいただきたいと考えております。試案と地元意見との調整を終了した跡地につきましては、五月中には審議会から答申をいただきたいというふうに考えております。それから、この答申をいただく際には、先ほど申し上げました跡地利用の基本方針についても同時に答申をもらいたいというふうに考えております。  従来その小委員会で大体合意されております基本方針といたしましては二点ございます。第一点は、筑波移転の趣旨にかんがみまして過密解消のため都市の防災性の向上や生活環境の改善のために活用することを基本とする。したがいまして空地を確保するために公園、緑地、避難広場等への転用を主眼としつつ現在及び将来の都市計画に適合した用途への転用を積極的に推進するということでございます。第二点は、大規模都市にふさわしくかつ緊要性の認められる都市施設あるいは文化施設等にも転用を図るということでございます。そして第一の点についての留意事項といたしまして、過密解消の波及効果をできる限り広範囲に及ぼすこととし、そのためには周辺道路の整備あるいは住環境の改善など都市再開発のために活用することも考慮するということになっております。  それから、先ほど申し上げました小委員会の試案におきましては、二十九の跡地のうち十五の跡地につきまして都市再開発あるいはその程度には至らない跡地周辺地域の都市整備のための事業用地を確保することといたしております。しかしながら、この試案につきましてはいずれも地元の反対が非常に強うございまして、地元の意見は、単に公園にしてくれという声が圧倒的でございまして、現在、試案と地元意見との調整に委員の先生方が苦慮されているところでございます。ただ、たとえば新宿区の百人町にございます二つの跡地とか、それから川口駅の西口にございます跡地とかにつきましてはいずれも地元地方公共団体の要望によりまして再開発用地とすることが提案されておりまして、審議会の先生方もそれに賛成をしておりますので、これは実現をすると思っております。  以上でございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 これは大蔵省に申し上げたいのですが、いま後楽園と帝国ホテルの話をしたのですが、それ以外に大企業に相当の土地が貸されていてそれを国民は知らないでいるわけです。過去に経過があったとしてもこれだけ地価が高いときにしかも営利の団体に国有地が、これはこの委員会でいまは議論できませんけれども、いずれ地価の問題のときには恐らく議論が出ると思いますが、こういう土地をそのまま企業に貸しているということはよくないというふうに思いますね。だから何がしかの処置をとっていく必要があるだろう。帝国ホテルにしても財政的には困難だと言いながら当初のあの屋根の上にまた大きなあれを建てましたね。これは完全な営利をしているということでありますからね。再開発等々の問題になっているときに、できるだけ国有地、公用地というものを代替にしてそこに移していってやっていくということは大事なことだから、ぜひそれは全体の問題として考えてもらいたい。  最後に大臣にお伺いするわけですが、これは再開発に直接関係があるいはないかもしれません。いま世田谷区の二子玉川地区において多摩川の防災のための河川改修計画が立てられている。これについて五十四年ごろに若干の説明があったけれども、それ以降説明のないままに工事が進んでいるということで地元住民がかなりびっくりして、風致地区であり、災害被害地区が防災のために提防の取りかえをされるということで、世田谷の区議会からは現地調査などもして慎重にやってもらいたいというような要請があります。これに対する答えが余りないということなわけですが、ぜひこれについては一遍ここでこの計画に対する回答を求めながらさらに現地調査をしてもらいたい。特にこの際、東名高速道路とその改修との関係があるかないかということについては明確な答えを出してもらいたい。

稲田裕建設省河川局長

○稲田(裕)政府委員 お答えいたします。  この二子玉川の地点は、現在の堤防は多摩川の改修の一環といたしまして昭和の初期に築造されたものが現存するわけでございます。当時におきましては地元の関係者の要望等もございまして、河川管理上も著しい支障がないという判断で堤内側に大きく迂回するというふうな形の堤防法線ということで築造されております。現在の多摩川の工事実施計画によりますと、この地点におきましては計画高水流量が六千五百トンというふうに定められておるわけでございますが、この計画高水流量が参りますと、この地先で現在家屋が建っておりますところに約二メートルの浸水というものが予測されるわけでございます。したがいまして、この地点の現在の堤防の中、川側にあります約百六十戸の民家があるわけでございますが、これらの民家を災害から守るために現在堤防を川側に移すというふうな必要が生じまして、現在計画を立てまして地元にお示ししたというふうな状況にあるわけでございます。  この法線の決定に当たりましては、もちろん高水が水理学的にスムーズに流れるように検討いたしますとともに、上下流の状況とかあるいは現地の地形の状況、土地利用の状況等を勘案いたしますとともに、できるだけ民家の立ち退きも最小限にとどめるというふうな配慮をいたしまして定めたわけでございます。それでこの法線を定めまして四十八年ごろから区議会並びに現地の住民の皆さん方に説明したいということでいろいろ折衝を持ってまいったわけでございますが、現地の住民の方々への説明は、五十四年に至りましてやっと説明会を開かしていただくことができまして、申し上げたというふうな経緯を踏まえております。その後五十四年から先生御指摘のように地元の住民の方からいろいろ御意見をちょうだいいたしております。  これらの意見等につきまして私ども十分検討はいたしますが、ただ、この地点につきましては先ほど申し上げましたように、やはり治水対策上百六十戸の民家を守らなければならないというふうな点がございますので、この法線、現地点でいきますとやはり変えるということはできないというふうに考えておるわけでございますが、できるだけさらに地元の皆さん方の御了解を得るように努力はいたしたいと思っております。さらに住民の方々の御了解を得た上でこの工事につきましては着工いたしたい、かように考えておるところでございます。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 東名高速道路との関係。

稲田裕建設省河川局長

○稲田(裕)政府委員 東名高速道路につきましては、実は私現時点であの堤防の関連でどうこうという計画は聞いておりません。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○渡辺国務大臣 ただいま河川局長が具体的に申し上げたとおりでございますけれども、十分ひとつ現地の視察もさせまして地元の納得を得るように慎重な対処をさせたい、かように考えております。

竹内猛日本社会党

○竹内(猛)委員 いま大臣からお話があったように、ぜひ現地に行って現地の住民の皆さんと腹を割って話をしてもらいたい。現地の住民は、現在建設省の示しているその路線には賛成しておらずに、別なところに通してくれと言っておるのですね。それに反対をしているわけじゃない。現在のそれには反対しておる。こういうことで区議会からも強い要望があるはずでありますから、そういう点も踏まえてこれはぜひ実行してもらいたいということをお願いをして、私の質問を終わります。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長代理 小野信一君。

小野信一日本社会党

○小野委員 最初に大臣にお伺いをいたします。  この法案を提案した背景あるいは契機といいますか、あるいは通過したときの意義について、まず所見をお願いします。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○渡辺国務大臣 今回法改正をいたしました意義につきまして御質問がございましたが、都市の再開発の促進を図る視点から近年各界から種々の提言や要望がなされておりますことは御承知のとおりでございますけれども、特に昨年の十二月には都市計画中央審議会から「都市の再開発を広く、かつ、強力に推進するための新しい制度について」の答申をちょうだいいたしたところでございます。     〔伏木委員長代理退席、委員長着席〕 今回の改正は、これらの経緯を踏まえまして、既成市街地における都市環境の未整備、災害の危険性、職住の遠隔化、交通混雑等の諸問題に対処いたしまして、市街地の計画的な再開発を広範かつ強力に推進することを目的といたしたものでございますから、ひとつさよう御了承をいただきたいと思います。  特に、今回の改正の概要につきましては順次御説明申し上げると思いますが、都市再開発方針の策定と施行主体の拡大、施行要件の緩和、事業手法の拡充等につきましてお願いをいたしておる段階でございます。

小野信一日本社会党

○小野委員 今国会の建設委員会を見ますと、都市再開発法を初めとして都市計画法、建築基準法の改正案のほかに、騒音防止のための沿道法と、都市開発事業が建設行政の中心になったような感さえいたします。その背景を考えてみますと、第一は、都市の生活と生産の維持のために再開発事業をやらなければならなくなったのだろう、こう考えます。もう一つは内需の拡大があるのじゃないか、国の要請として考えられます。要するに、原油高から物価の上昇が避けられず、インフレ警戒のために公共投資の増大が無理だ、内需の、景気を維持するためにはどうしても都市再開発をやらなければならなくなったのじゃないか、こういう考え方も私は持ちます。そこで、社会的にも経済的にも都市再開発事業が非常に大きく認識されておるのですけれども、それに対応する都市再開発法が十分整備されておらない、地域住民や利害関係者が喜んで協力できるような体制にないのじやないのか、私はそう考えます。  そこで、この問題は通告しておりませんけれども、都市再開発事業がわが国の建設事業の中でどのような地位を今回与えられようとしておるのか、あるいはわが国の経済活動の中でどんな役割りを果たそうとしておるのか、あるいは果たさなければならないと期待されておるのか、その点を大臣からお聞きしたいと思います。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○渡辺国務大臣 具体的な問題につきましては局長から御説明いたしますが、ただいまの景気と内需拡大のために再開発事業を取り上げるのではないかということでございますけれども、御承知のように昭和五十五年度の公共事業費は五十四年度並みということにいたしております。しかも、今回いろいろ発表されておりまして、物価等のこともございますけれども、当面上半期の執行は六〇%程度ということにしておりますが、現在それぞれの、たとえば建設省、各公団の契約実施目標というものを決めつつございますが、非常に抑制ぎみにこれは推移しておるわけでございます。しかも最近におきまする民間設備投資は相当な成果が上がっておりまして、当面その景気的な問題についての心配はないのではないか、むしろ公共事業は抑制ぎみに執行いたしておるわけでございまして、決して内需の拡大を図るために公共事業を利用しようという気持ちはございませんが、すでに御説明いたしておりますように、いわゆる再開発は非常な膨大な資金を必要といたします。権利調整その他に相当な時間を要します。そのような意味もございまして、今回はその実施主体のいわゆる拡大を図っておりますけれども、それは再開発事業が都市整備の問題、たとえば住宅対策の面におきましても非常に必要である、そういう意味から再開発を進めようとしておりますが、それを進める意味において、民間エネルギーの活用も必要ではないかということを考えておりまして、あくまでもこれは都市対策としてあるいは住宅対策としてこの再開発を進めたいというのでございまして、再開発をあえて、公共事業費がなかなか得られない面におきまして利用しようというような考え方がないことだけは私から申し上げておきたいと思います。  その内容等につきましては局長から御説明をいたしたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 今回の法改正の理由についてのおただしかと存じます。  いままで四十四年以来、再開発法制定以来再開発事業を実施してまいったわけでございますけれども、やはりいろいろな面でさらに事業の推進を図りますためには手だてが必要であろうかというように考えられるわけでございます。先ほど来御説明申し上げておりますように、一つは、再開発事業を、いわば思いつきといいますか、できるところからやっていこうという感じでやってまいりましたけれども、やはり都市全体を見渡した都市改造という視角から、必要なところに再開発をやれるようにしなければいけないだろう、ただいま大臣のお話のように、都市政策というものの根本に再開発の推進という項目を据えてかかる必要があるだろう、その観点から全市街地を見渡した再開発のマスタープランをつくるということは欠かせない要件であるということから、マスタープランの制定を義務づけるということが第一点でございます。  それから、いまの都市の現状は御承知のように大変混雑をいたしておるわけでございまして、私どもの方の調査によりますと、たとえば東京都二十三区内を見渡しまして、何らかの形で再開発を必要とする地域というのは全体の四〇%弱に上るという広がりを持っているわけであります。このような状況に対応して少しでも再開発事業の推進を図りますためには、施行主体の拡大でございますとか、あるいは再開発事業を実施できる区域要件を拡大するというような手だてが必要ではないかと考えられたことが第二点でございます。  それから第三点といたしまして、事業手法におきましても、在来のように施行者がまる抱えで事業を実施していくというのは、施行能力の面あるいは資金面で非常に困難が伴う。これは広く強力に再開発事業を実施していくという根本的なテーマから考えますと、できるだけ民間の力を活用し動員をして御協力をしていただくというようなことが必要ではないかという考えから、特定施設建築物建築制度というようなものの導入を図りますとともに、また、資力、信用のあるデベロッパーが、個人施行者という形で施行ができるようにするという手だても考えさしていただいておるわけでございます。  以上のような問題点を総合いたしますと、先生御指摘のように、四十四年以来から十年を経過して社会の情勢が変わり、要請が変わってきた、その変わった要請に対応するように、今回申し上げたような制度改正を考えたという次第でございます。

小野信一日本社会党

○小野委員 一般論としては私わかるのですけれども、問題は再開発事業は二つの要求があるということは専門家の皆さん十分御承知のことであります。  一つは、産業地域を拡大する、効率的な土地利用等交通便利性を確保すること、もう一つは都市化の進展の中で不良住宅地区の改良、災害危険地区の解消、この二つだろうと思うのです。  前者は主として経済的観点から要求されますから、企業採算が非常に合う、再開発がしやすいわけですが、後者の住宅政策あるいは防災対策あるいは社会的福祉的観点から要求される再開発の場合には、採算制に非常に乗りにくいという問題点を持っている、これもまただれも御存じのことであります。要するに再開発の必要性の高いところほど再開発しにくいというわが国の致命的な問題点を私は再開発が持っていると思うのです。したがって、この再開発が必要なるところを開発するためにどのような手だてを考えればいいのかという考え方として、基本的にこれに対処するお考えを聞きます。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 御指摘のように、再開発を要する地区の状況によりまして、行われるべき再開発事業の種類もいろいろ事業の対応の種類が必要ではないかというふうに考えるわけでございまして、ただいまおただしのような、大変に住宅が密集して非常に危険であるというような状況におきましては、一般的に考えられます対応の事業といたしましては、住宅地区改良事業というような制度がございます。あるいはそれに準じた制度として住環境整備事業というような制度も、これは国の補助対象として進めている制度がございます。  片や今回御提案申し上げております再開発事業というのも、これもまた御指摘のような地域について有力に実施されるべき事業だと思いますし、また、再開発事業の中でも、条件の合う限りは住宅密集地に準ずるような地域についても推進を図ってまいりたいと思うわけでございますが、これらの事業を要は統合的な視角から、全体的な視角から、どういう地域にどういう事業が実施されるのが妥当かということが定められており、それに従って順序立てて事業が実施されていくことが必要なのではないかというふうに私どもは考えるわけでございます。  今回御提案申し上げました改正法案の中の第二条の三といたしまして、都市再開発方針というものを定めることといたしておるわけでございますが、この再開発方針の中で、まず、都市計画区域内の一定の地域、再開発が必要となるような市街地、東京で申し上げますと二十三区全部ということになるかと思いますけれども、その市街地に係る再開発の目標、それからその市街地の中の土地の合理的健全な高度利用、それから都市機能の更新に関する方針という、まず全体にかかわる方針を決める。それから二番目に、その市街地のうち特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区、それからその地区の整備または開発の計画の概要、これを都市再開発方針の中身として決めさせていただくということでございまして、この第二番目に申し上げました市街地の中の特に一体的、総合的に再開発をしなければならない地区について、その整備計画の概要を定めるに当たって、その地区柄を勘案いたしまして、先ほど申し上げました住宅地区改良事業でございますとかあるいは住環境整備事業でございますとか、これは本法に基づきます再開発事業でございますが、というような適地として選定し、それにのっとって各事業が推進されるという体制になることが望ましいと考えておりますし、現実にそのように持っていきたいという意図で今回の改正を御提案を申しているわけでございます。

小野信一日本社会党

○小野委員 先ほど竹内議員の質問に答えまして、百数十カ所あるいは完成するところの数字が出てまいりましたけれども、私は、総体として数からいきますと順調に事業が進展しあるいは終了しておるとしても、採算の合う商業地域であるとか産業基盤の整備のための再開発と、住宅地域の改良のための再開発を比較しますと、後者の方が全然進捗しておらないのじゃないか、そういう感じがするものですから、もし両者を同じ法律の中で適用するということになりますと、それは当然後者の方が進捗しないのがあたりまえなんですけれども、現在の都市開発事業が順調に進展しておる、進捗しておると見ておるのですか、それとも問題点が余り多過ぎて停滞しておる、そう解釈しておるのですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 先ほど竹内先生にお答えを申し上げました数字でございまして、現況はあのような数字になっておりまして、私は、事業の性格からいって、もちろん十分とは申せないけれども、かなりの進展を図ってきた、現に図りつつあると言ってよろしいのではないかと考えております。  しかしながら、確かにこの事業は、新しく土地にかえて建築物、土地の高度利用を図る以上当然でございますけれども、土地の一部にかえて建物を建設するという事業でございまして、新しく高度利用する部分に、新しく建築物に入ってこられる方に対して建物をつくって提供するということが必然の事業でございますから、どういたしましても採算の問題がこの事業実施の前提になるわけでございます。そういう点からいいますと、現状の地価の状況等から見まして、採算がとり得る地区というのは限定されてくるということは御指摘のとおりだと思います。  そこで、比較の問題といたしましては、住宅地域あるいはこれに準ずる地域は比較的事業がやりにくいという状況があることは御指摘のとおりでございますけれども、これに対応いたしますために、私ども、国といたしましても、極力補助対象の範囲を拡大するということに努めてまいりましたし、特に住宅の供給を主要な目的とするプロジェクトにつきましては、一般の場合に比しまして、さらに補助対象の範囲を拡大するという措置をとっておりますことから、先ほど申し上げましたように、通常の民間ベースの事業に比べますと、住宅供給を主目的とするこの再開発事業におきましては、原価コストの二三%引きというようなところまで補助はさせていただいているわけでございます。  にもかかわらず、なお不足ではないかという御指摘があろうかと思いますけれども、これは今後の状況の進展を見比べながら助成措置の拡大に努めてまいるということになろうかと思います。

小野信一日本社会党

○小野委員 この法律が適用される各都市について、後でまた質問いたしますけれども、都市再開発事業が非常に認識される、重要視されておるのですけれども、今回の建設省の予算を見ますと、政府ベースの予算で二百四十五億、私はまことに微々たる予算じゃないか、こう感じておるわけですが、この予算というのは、地方自治体、関係市町村から、都道府県から申請になったものの予算になるものなのか、あるいは政府予算の方が決まっておって、地方自治体なり府県から要求された予算はまだまだ莫大であるのだけれども、それを限定される、そういう関係になっておるものなのか、お聞きいたします。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 御指摘のように、再開発事業の関係予算は社会的な要請に比べますと、まだまだ小そうございまして、私どももできるだけ拡大したいというふうに考えておるわけでございますが、これは再開発事業に限りませんで、たとえば郊外地に実施されております土地区画整理事業といったような、いわゆる面的なかなりの広がりを持つ市街地開発事業につきましては、区画整理事業、再開発事業を含めてかなり長期に事前の御相談も必要でございますし、それから事業の実施の期間も長引いております。したがいまして、あらかじめ一定の事業の進行を想定して予算を確保して、そのとおりに事業を実施せよと言われましても、これはなかなかむずかしいことになりまして、現実の予算要求、それから予算の確定という手続の過程におきましても、現実に仕事が行われているものは来年度どれだけ進行するか、その進行に合わせてどれだけ所用資金が生じ、それに対してどれだけ国の補助が必要であるかというのをいわば積み上げの形で積節して御要求し、それに対して所要額をいただく、こういう形で運営をいたしております。  これはもちろん、私どもの意図をもって徐々に拡大する方向に努力はいたしておりますけれども、先ほど申し上げました事情からにわかにこれを飛躍的に、予算を拡大したからと言って事業が進行するという成果が得られるかどうかはむずかしい問題であるというふうに考えております。

小野信一日本社会党

○小野委員 要するに、準備完了して政府に予算要求したけれども、政府の予算額の中におさまり切れなかった、こういうことで事業を遅延させておる、おくらせておる地域はないと解釈していいですね。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 国の予算の大枠として、たとえば来年度大体何%の伸びという範囲であるべきだ、公共事業の総投資量という意味で総枠的な制約があるということは前提として必要だろうと思いますけれども、その範囲内でございますと、特に再開発事業について要求が大変に多かったにもかかわらず、それが査定によって圧縮されたというようなことは、まず一般的にはないというふうにお答えしてよろしいかと思います。

小野信一日本社会党

○小野委員 一般的にはないということは、おくれておるところ、要するに枠から外れるところもあるということですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 具体の作業の過程で、そういうようないわば枠のために縮小したというようなことはございません。

小野信一日本社会党

○小野委員 都市再開発法が昭和四十四年に制定されて以来、五十年に第二種市街地再開発事業制度の創設等の大改正が行われまして、今回また改正が行われようとしております。要するに現行法では事業が長期化するかあるいは事業に着工するのに非常に困難だ、こういう二つの条件から今回法改正が行われたんだろう、こう考えるのが私常識だと思うのですけれども、事業が進展しない理由は、現在の法律が不備なためなのか、それとも策定した当時と比較して社会的あるいは経済的条件の方が変わってしまって、法律がそれに適応しなくなっておるものなのか、どちらなのかお聞きいたします。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 この事業の特性は先ほど来申し述べておるとおりでございまして、事業の進行がなかなか困難だということの経済面、社会面に分けてというお話でございましたけれども、経済面から申し上げますと、やはり一つは資金量の確保ということかと思います。新たに土地の高度利用を図る必要性から、さらにかなり高い建築物を建てていくということになりますと、これは当然に相当の資金を必要とすることが一般例でございます。この資金量を適切な資金コストでどれだけ確保できるかという問題が第一点。  それから第二点は採算性の問題だろうと思うわけでございまして、立地上の問題で地価の高いところに実施するといたしますと、どうしても新しい開発利益がなかなか得がたいというような状況がございます。したがいまして、そういうような制約条件下でどのように事業の採算性をとっていくか、それから、この採算性の問題といたしましては、事業が長期間にわたることから利子負担がふえるという問題もございますし、さらには建築費という問題もございます。それから、何よりもやはりつくり上げた施設、建物の中の床の利用についての需給関係というようなものも問題があるわけでございまして、こんなものを含めまして採算性の問題が一つ大きな問題だろうと思います。  それから、社会面とおっしゃいましたけれども、社会面としてあえて申し上げますと、その事業を実施さるべき区域の住民の方々にこの事業をやるべきだということの理解といいますか、いわばその事業をやるという動機づけが足りないというか、不足しているというような問題が一つあるのかと思います。それとあわせましてまた当然に、高度利用を図る事業を実施されるということでございますので、区域内の権利者の方々の生活条件がかなり大幅に変わるということがございます。したがいまして、そういうような社会的な条件の変化といいますか、そういったものに対する抵抗感というようなものがやはり事業実施上の一つの問題点ということで指摘はし得るのではないかというふうに考えるわけでございます。  以上、いろいろまだあり得ると思いますけれども、そのような経済面あるいは社会面の問題点に対応いたしまして、少しでも再開発事業の推進が図られるように先ほど御説明申し上げました改正を御提案申し上げている次第でございます。

小野信一日本社会党

○小野委員 ただいまの問題点は、昨年五十四年十二月に都市計画審議会が「都市の再開発を広く、かつ、強力に推進するための新しい制度について」大臣に答申になっている中に出てまいります。  そこで、答申の中の第一、「都市再開発の基本的考え方」の中で、重点的に改正しなければならない六つの点を指摘しております。一つはマスタープランの策定、第二は民間エネルギーの活用、第三が開発手法の多様化と拡充、第四が関係住民の生活環境の激変緩和、第五が財政、融資、税制の十分な助成、第六の種地の確保、こうなっておりますけれども、これらの六つの提案について、取り上げた部分と採用できなかった部分が出てまいっております。したがって、どういう基準でこれは選択されたものなのか、特に採用されなかった問題は、どういう問題点を抱えるために改正法の中に取り入れられることができなかったのか、お伺いします。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 お話しの御答申の中の御提案に対しまして、今回の法改正で取り上げられたもの、られないもの、いろいろあるわけでございますけれども、この御答申でいただいたものはいずれも再開発の推進のために必要な項目であり、御指摘であるわけではございますけれども、必ずしも法律制度をもって対応すべきであるものに限られているわけではないというふうに考えるわけでございまして、この御答申の数項目の中で法制度をもって対応すべきものについては、おおむね御答申の線あるいはそれにかわるべき措置として取り込ませていただいたというふうに考えておる次第でございます。  第一点の再開発の具体的指針となるマスタープランの策定、これは先ほど来御説明申し上げておりますように取り込ましていただいたわけでございます。  それから第二点の町づくりに民間のエネルギーを積極的に活用しろという御指摘につきましても、われわれの考えられる限りにおいて今回の法律改正に取り込ましていただいたつもりでございます。  それから第三点の「再開発を要する地域の状況、課題等に応じて事業が円滑に実施できるようその手法の多様化と拡充」これにつきましても、ほぼ同様の措置を講じたつもりでございます。  次に、第四点の「関係住民の生活条件の激変を緩和し、その生活の安定と向上を図るために必要な措置」これは制度面というよりはむしろ予算措置面あるいは税制等の措置でこれを裏づけるべきものかと考えております。予算措置につきましては、余り大きな発展ではございませんでしたけれども、一部こういった零細な権利者に対する配慮も五十五年度予算にさせていただいておりますし、さらに今後の努力として、予算措置あるいは税制措置をもって対応すべきものと考えております。  それから第五点の、財政、融資、税制上の措置を事業施行者に対して講じるべきであるという御指摘につきましては、財政については各種の補助制度、それの、部分的ではございますが、拡充も図っております。融資制度については、先ほど竹内先生にお答え申し上げましたとおり、住宅金融公庫、開発銀行等を中心とした各種制度金融の拡充を図っております。それから、税制上の措置については、今回の税制改正、現在までの再開発事業について、所得税、登録免許税あるいは固定資産税等各般の措置を現行でも講じられておりますけれども、さらにこの再開発制度の改善の実現を見ました暁には、もう一歩それを前提とした税制の拡充を図ってまいりたいと考えております。  それから第六点の、種地を確保するための土地の先行取得制度の強化につきましては、先般来御審議いただきました都市開発資金の貸付けに関する法律の改正をもって対応させていただいた次第でございます。

小野信一日本社会党

○小野委員 第二番目の民間エネルギーの活用、この民間エネルギーというのは具体的に何を指すものなんですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 民間の活力というふうに理解をいたしておりまして、事業を実施する能力、大きくはそれに尽きると思いますけれども、あえて分ければ民間資金の活用ということも入るかと思います。

小野信一日本社会党

○小野委員 事業の実施能力といいましても、都市再開発事業の施行者は地方自治体であっても、実際作業を進めるものは民間業者なんだろうと思うのです。あるいは資金にいたしましても、大都市であれば、大企業がありまして大きな資金力を有しておりますから心配ないが、将来地方都市に再開発を拡充していく場合に、地方の民間業者よりは地方自治体の方がよほど資金力があるのでありまして、われわれからいきますと、民間活力の活用という問題で、中央が考える感覚とは逆な意味になってしまうのです。  ですから、なぜ民間がエネルギーがあって地方公共団体なり公的団体がないのか、私は不思議に思います。利益を追求することが民間団体の活力のもとであるとするならば、公共団体は国民のために、あるいは地域住民のために働くという大義名分がありまして、そのエネルギーは何らかの方法で十分活用できるのじゃないか、そういう考え方を私は持っておるのですけれども、いかがなものですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 御指摘のように地域の状況によって大分その状況は変わろうかと思います。ただ、私どもが当面の課題としておりますこの再開発事業の推進は、主として東京、大阪、名古屋等の大都市あるいはそれに準ずるような指定都市級の大きな町がとりあえずの対象となっております。  特に東京等の状況について考えてみますと、おっしゃるように現実に再開発事業は、建設事業は各建設企業が引き受けてやっていただいておるわけでございますけれども、問題はどこにどういう事業を行い、どういう形で事業を実施していくかという事業の組み立て、いわゆるプランの段階から実施に移すまでの段階、そういったいわゆる企画面の力を、これは公共だけではなくて、ぜひとも民間のしかるべき方にお手伝いをいただきたいという感じが非常に強くございます。  これは、たとえば町中の再開発というような仕事になりますと、そこへ建てます建築物のありようについても、設計等についても、公共団体が考えるのも結構でございますけれども、あるいは場所によっては民間の企画力を援用する方がベターだという場合もございますし、そのようなものをひっくるめて、民間の力を何とか導入し御協力をいただきたい、民間企業といえども社会に対する一つの責務を持っておるものと私ども理解をいたしますので、適正なコントロールのもとにおいては民間の力は十分使わせていただいた方がいいのではないかと考えて御提案を申し上げた次第でございます。     〔委員長退席、伏木委員長代理着席〕  資金についても、先ほど来申し上げましたように、大変広範な地域について再開発を必要といたしておる現状でございますので、これを公的資金だけに依存いたしますと、たとえば財投資金にしても枠に限定がございますし、これに対する各種の需要は競合いたしておりますので、再開発に優先的に確保するというぐあいにもなかなかいきにくい状況がございます。これから再開発事業が進展してまいりますればまいるほど資金需要は大きくなろうと思いますので、民間の資金の導入が図られればよりよいことではないかと考えております。

小野信一日本社会党

○小野委員 同じ答申の中で「都市再開発の推進のために講ずべき施策」として八点を挙げております。もちろん第八番目は「その他今後検討すべき事項」ということになっておりますから七つになりますけれども、今回の改正案で取り入れた部分と取り入れられない部分、これは先ほどの答弁と重複しない形で御答弁を願います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 「都市再開発の推進のために講ずべき施策」といたしまして、御指摘のように第一から第七までございます。  順次御説明申し上げますと、一番目の「都市再開発の計画的推進」につきましては、再開発基本計画、それから地区再開発計画の制度を確立する、高度利用地区の指定を促進するということでございます。この再開発基本計画については、先ほど御説明のとおりでございますが、地区再開発計画の制度の確立は、御答申ではこのように述べられておりますけれども、これは再開発法の中に取り込むという形はとっておりません。先般御審議いただきました都市計画法の改正の中で新たに地区計画制度というものを創設させていただいたわけでございますが、あの地区計画制度の中で再開発の目的の地区計画というものが当然地域によって想定されるわけでございまして、これの再開発基本計画に基づく、連なる、実質的には地区再開発計画として運用を図ってまいりたいと考えております。それから、「高度利用地区の指定促進」については、これは制度の問題というよりは運用の問題でございますので、今後努力をいたしてまいりたい。  それから、第二点の「再開発事業手法の改善」については、少し各個細かくなりますがよろしゅうございましょうか。

小野信一日本社会党

○小野委員 可処分地制度がなぜ採用にならなかったのですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 ただいまの第二の第二項でございますが、再開発事業手法における可処分地制度の創設とございますが、これは御答申で考えておりましたのは、再開発事業を行います区域内で、一定の範囲で、施行者が直接に整備し、建築物を建てないで、いわばその区域内の権利者に正当な価額の建築物をお渡しする、一応全部お渡しし終わった後で、なお土地の範囲として余剰ができればその部分を土地として売却し、しかるべき開発者に開発をしていただくという形で可処分地制度というのを創設したわけでございますけれども、これはもちろん趣旨といたしましては、先ほど申し上げました民間の力の活用ということと施行者の資金確保、資金繰りを楽にするという両面があろうかと思います。このような趣旨で御提案をいただいたわけでございますが、今回の法改正におきましては、特定建築物の建築制度というものに衣がえをいたしております。  それは同じように、施行地区内の権利者にお渡しすべき建築物の整備までは施行者がやるわけでございますけれども、それによって仮に地区の一部に土地的な余裕が生じた場合には、その地区についてはやはり別棟の建築物を建てることができるというような制度を導入いたしまして、その場合にその別棟で建てる建築物は、従来の権利者とは全然無関係に譲渡、分譲できるものでございますから、これは民間の方が入っていただいて建築していただいても結構であろうということでその制度を導入したわけでございますが、御答申のお考えと違いますのは、御答申は、まず土地だけで分譲してしまって、そこで建築をして再分譲をすればいいではないか、こういう整理でございましたのを、今回の法案におきましては、まず全体の事業計画に合わせていい建築物を建てさせる。建てさせてそのでき上がったものが果たして事業計画どおりきちっとできているということであれば、その時点でその土地を、敷地となった部分をデベロッパーに譲渡してやろう、こういう制度に変えたわけでございます。いわば事業の適正な施行を保障できるような制度に組みかえたというふうに御理解いただいて結構かと思います。

小野信一日本社会党

○小野委員 地域開発は、やはり地元問題が最大の問題になります。地域住民の意向を反映させることが、そして合意と協力を得ることがポイントになることは言うまでもありませんけれども、今度の改正法では、地域住民の意思がどのように再開発事業に反映する改正になっておりますか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 一つは、この事業が都市計画の枠内で行われるわけでございますので、都市計画をもって定められた手続を進行させていただくということでございますから、たとえば公共団体施行の場合でございますと、事業計画をつくり、権利変換計画をつくります場合に、その都度その案を縦覧いたしまして、それについて関係権利者の御意見をいただいていくという手だてを講じております。それから、組合施行の場合でございますと、この組合はもともと地域住民の方々、権利者の方々のお集まりでございまして、もちろん三分の二という成立要件がございますけれども、権利者の数において三分の二以上、それから、権利者の権利の対象となっております土地の地積及び借地権の地積の総和が、全地積と全借地権対象面積の総和の三分の二以上であることというような条件で組合を発足させていただいております。その後は組合は一種の強制的な力を持って進行するわけでございますけれども、発足に当たってそのような措置をとっておりますことと、組合におきましても事業計画、権利変換計画を定められる場合には、同様に関係権利者の御意見を聞きながらやっていかれるということでございます。  あと、個人施行者の場合は、これはもともとが合意、お話し合いのもとに行われるものでございまして、対象となる地区内の土地の所有権者、借地権者全員の同意を得、さらに借家権者の同意を得ながら仕事を進めていただく、こういう形になっております。

小野信一日本社会党

○小野委員 今回の改正案を見ますと、人口集中の特に著しい政令で定める大都市を含む都市計画区域に関し都市計画法第七条第四項の整備、開発、または保全の方針の中に都市再開発方針を定めさせることとしているが、その理由は何ですか。また政令で定める大都市の指定基準は何によって定めたのか、そして具体的にどのような都市を今回指定しようとしておるのか、お聞きいたします。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 まず第一点のおただしでございますけれども、特定の大都市を含む都市計画区域にいては、都市計画法で七条に規定しております市街化区域の整備、開発または保全の方針というものの中に、都市再開発方針を定めさせること、これを義務づけをしているということが今回の法律改正の御提案の内容でございます。  これは現在の都市計画法七条におきましても、当然にそういう市街地内はこのように開発、整備していくという方針が定められるべきであるというたてまえになっております。都市計画法で定めることになっております。なっておりますが、あえて義務づけるという形までいっておりません。知事が定めることができることになっておりますし、また定めるべきであるわけでございますけれども、義務づけというところまではいっておりませんために、本当はそのような方針が必要なところでも十分な定めがなされていないという場合がございます。これは特に大都市あるいはそれに準ずるような都市については大変重要なことがいわば欠落しているといいますか、欠けているということになりますので、まずそれを定めることを義務づけたということに意味があろうかと考えております。  それから、第二点のおただしで、それでは具体にその義務づけを行う大都市の範囲はどのような基準で、どのように決めるのかという御指摘かと思います。これは基準といたしまして、特に具体的な基準を設定いたしておるわけではございませんけれども、考え方といたしまして東京、大阪等の大都市の市街地のように、再開発をかなり広範囲に必要とされると考えられるような市街地を持つ都市というふうな考え方で、政令で具体に定めさせていただくつもりでおりまして、ただいま予定をいたしておりますところでは、東京都二十三区のほか自治法上の指定都市、それ以外におきましては、首都圏では埼玉県の川口市、それから近畿圏では大阪府の東大阪市と堺市、それから兵庫県におきましては芦屋、西宮、尼崎、おおむねそのようなところで決めさせていただきたいと思っております。都合、東京二十三区及び十六都市という予定をいたしております。

小野信一日本社会党

○小野委員 この政令で定める指定都市だけではなくて、今回第二種再開発地域が三ヘクタールから一ヘクタールに縮小といいますか、対象地域が縮小されますと、地方都市でも再開発をやりたい都市が出てくるはずであります。政令に定められなくても、もし地方都市が要求いたしますと、この再開発法にのっとった財政援助その他の特例を適用して国が指導する考えですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 御指摘のとおりでございまして、ただいま申し上げましたのは、知事が義務的にその再開発のマスタープランをつくらなければならないところの指定に今回とどまるわけでございまして、再開発事業はこの都市の範囲にもちろん限定されません。現実にももっと広範囲に地方の中小都市にまで及んでおります。そのたてまえは今回の改正後も変わりません。地方の都市で行われている再開発もまた当然に国の補助対象に取り上げさせていただいております。

小野信一日本社会党

○小野委員 今回新たに首都高速道路公団、阪神高速道路公団、それらが施行者として加えられましたし、それから、地方住宅供給公社、これが施行者として加えられております。私は、再開発事業主体のうち、地方公共団体以外の公団あるいは公社は地方公共団体の意向を無視してあるいは無関係に、独自にこの再開発に乗り出すべきじゃないという考え方を持っております。したがって、形としても地方公共団体の要請を受けてこれらの公団、公社は再開発に乗り出すべきだと考えているのですけれども、法的にはその関係はどのようになっておりますか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 全く御指摘のとおりでございまして、現状、公団で再開発事業を実施できることになっておりますのは住宅公団と地域振興公団でございます。住宅公団が再開発事業を実施いたします場合には、その事業について関係の地元の地方公共団体の意見を聞きながら事業を実施するということが住宅公団法の規定で担保されておりますし、また地域振興公団につきましては、先生おっしゃったように自治体の要請を受けて再開発事業を実施するということが、これは地域振興公団法の規定で担保をされておるわけでございます。  そこで、今回の改正によりまして新たに施行主体となることができるようになります首都高速道路公団及び阪神高速道路公団につきましても、これも同様に今回の法律の改正法の附則をもちまして、附則の第四項によりまして首都高速道路公団法及び五項におきまして阪神高速道路公団法の一部を改正いたしまして、それぞれの公団がこの再開発事業を実施いたします場合には、その関係の地元の自治体の要請を受けて実施するという規定を入れさせていただくことにしております。

小野信一日本社会党

○小野委員 時間も参りまして十分質問する余裕がありませんでしたけれども、世界的な再開発の傾向として、いままでのように地域全部の建物を壊して新しく建てるという方法じゃなくて、伝統的なものを残すあるいは修復する、何といいますか、スクラップ・アンド・ビルドという方法じゃない形が傾向だ、再開発手法の目的の変更が大きく取り扱われている、こう言われておりますけれども、そういう方法を柔軟にわが国の再開発法に取り入れていく考え方はあるのでしょうか。もし大臣として、そういう方が正しいというお考えであれば、柔軟性を持った再開発を実施していただきたいと思いますが、いかがですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 現行の法律制度論のお話をちょっと申し上げておきたいと思いますけれども、ただいま御指摘のような状況のところにおきましては、先般来御審議いただきました都市計画法の改正で地区計画制度というものを創設させていただいたわけでございますが、この地区計画制度が適用されます対象区域の一つといたしまして、非常にいい町並みがある区域あるいはいい建築物がそろっている区域を対象区域に取り込むことができるようにしております。したがいまして、そういう区域で地区計画制度の対象に取り上げてそこに地区計画を定めます場合に、先生のおっしゃいましたような従来のいいものは残し、それに邪魔になるようなものは整理するという方向で、その区域の計画を総合的に立てるということは当然考えられてまいるわけでございます。この場合の再開発事業は、御承知のように、高度利用地区、その他いろいろ都市計画の要件が重なり合った地区であり、かつ、たとえば非常に住宅が密集している、あるいは耐火建築物が非常に少なくて居住性の悪い建物がいっぱい建っているということが施行の条件になるということにしておりますので、この再開発事業を実施すべき区域については、先生が御懸念になるようないい建物が建っているような地区は恐らく対象外になるのではないかと考えておりますし、現実の運用もそのように配慮をいたしてまいろうと思っております。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○渡辺国務大臣 ただいま局長から御説明いたしましたけれども、私ども、すでにいろいろ実施をされました先進地の再開発事業等を見てきましたが、やはりそのような御意見は十分取り入れられておるようでございますし、今後、実施をするにいたしましても、地域の実情に応じまして適切な計画を立てなければならぬわけでありまして、歴史的な意義を持っているようなものを有効に生かしていくということは当然のことではないかと思っておりまして、さように指導してまいりたいと思います。

小野信一日本社会党

○小野委員 終わります。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長代理 午後三時再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時五十六分休憩      ————◇—————     午後三時二分開議

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。松本忠助君。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 都市再開発法の一部を改正する法律案につきまして、大臣がまだお見えになっておりませんけれども、質疑を始めさせていただきます。  局長の御答弁をお願いいたしたいわけでございますが、現在東京を初めとする大都市におきましては、交通混雑によりまして都市機能が著しく低下しておることはもう御存じのとおりでございます。また地震等の災害に対する危険性、これは都市の過密化によりまして一層増しているというふうに言われている状態にございます。また健全なるオープンスペースの不足の状況、こうしたものが見られるわけでございますし、特にまた東京の場合などいわゆる下町と言われているところ、そうしたところは職住が混在している状態でございます。こうしたところにミニ開発が行われまして居住環境の悪化を来している、こういうふうになっている場所がたくさんございます。こうした都市に内在する問題に対処するために都市再開発の重要性というものが一層増加していると思うわけでございます。そこで本法改正の趣旨について一応御説明をちょうだいいたしたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 今回御提案申し上げております法改正につきましては、ただいまお話しのような都市問題に対処いたしますために既成市街地の整備が進行しなければならないわけでございますが、これが必ずしも順調に進んでいないという現状がございますことと、各界から都市再開発の推進に関する御提言、御要望をここ数年来大変多くいただいておるということがございますことと、直接的には先ほど来大臣から御答弁ございましたように、都市計画中央審議会から「都市の再開発を広く、かつ、強力に推進するための新しい制度について」の御答申が昨年末いただけたということに基づきまして今回の法改正の御提案を申し上げた次第でございます。  この改正におきましては、ただいま申し上げましたような状況を踏まえまして、既成市街地における都市環境の未整備、災害の危険性、職住の遠隔化、交通混雑等の都市問題に対処いたしまして、市街地の計画的な再開発を広範かつ強力に推進することを目的とするものでございます。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 都市の再開発法は昭和四十四年六月に制定されて以来、数回にわたりまして改正が行われて現在に至っているわけでございますが、都市において建築物と公共施設とを一体的に整備することによりまして必要な道路、公園等を備えまして土地が合理的かつ高度に利用された健全な市街地の形成、これを図ることを目的としておるわけでございますし、本法によりまして事業が継続されてきたわけでございます。現在までの実績がどうなっているか、また、今後どのような見通しのもとに都市再開発を行っていこうとしているのか、この二点についてお伺いをいたしたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 再開発事業の現在に至るまでの実績でございますが、昭和四十四年法制定以来現在五十五年三月三十一日までにおきます実績を申し上げますと、全国で百五十七地区、四百四十六・二ヘクタールにおいて実施をされておりまして、このうちすでに事業が完了したものは四十九地区、六十・七ヘクタールとなっております。この今回御提案を申し上げております法改正によりまして再開発の事業の進捗が図られることを期待いたしておるわけでございますが、今回の改正案におきましては、まず、都市再開発の全般的な基本方針の策定、それから、再開発事業に関し施行主体の拡大、施行区域要件の緩和及び事業手法の拡充等を行うことといたしておるわけでございまして、これらの改正によりましてより広くかつ計画的な再開発事業の実施が図られるものと考えております。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 いま局長から御答弁のありました進捗状況、その実績でございますが、これは地区数だけで言いますが、事業の実施中のところは、これが完了したところの二倍強であります。また、面積の面で言いますと、事業完了の六倍以上も事業実施中ということでありまして、合計の百五十七、四百四十六・二ヘクタールというようなそのものは、大変この十カ年間の実績としてはわれわれには物足りないものが感ぜられるわけでございますが、特に事業実施中というのが非常に多いわけでございますね。この事業実施中というとこは、もうあとどれくらいやったらば完了にこぎつけられるのか、そういう八〇%以上のものと、それから八〇%以下のものと大別いたしますと、どれくらいに事業実施中というものはなっているか、その辺のお調べがございましょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 ただいま申し上げましたように、全百五十七地区、四百四十六ヘクタールのうち事業が完了いたしておりますのは四十九地区、六十・七ヘクタールでございます。残りの地区につきましての進行状況をお示しいたします資料といたしましては、まず一連の手続の進行に従って事業が行われてまいるわけでございますので、その手続の進行の度合いによって整理をいたしました数字を申し上げますと、権利変換の計画が決定いたしておりますものが残りのうち二十七地区、面積で八十三・八ヘクタール、それからもう少し初期の段階でございます事業計画の決定を見ております、その段階に至っておりますのが二十三地区、百十五・六ヘクタール、さらにその前の段階でございます都市計画決定という段階にとどまっておりますのが四十二地区、七十七・六ヘクタール、さらにその以前の準備中と申せる段階のものは十六地区、百八・五ヘクタールになりまして、そのただいま申し上げた数の総合計が百五十七地区、四百四十六・二ヘクタールになります。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 なかなか都市計画そのものにいろいろのネックがあって、進行していない状態がわかるわけでございます。そこで私がお伺いいたしたいのは、住宅の供給の問題なんです。この十カ年間で、都市の再開発によりまして、住宅の供給というものが既存住宅に比較してどれくらい増加したか、こういう把握をなすっていらっしゃるかどうか。従来の都市再開発ということは、いわゆる駅前商店街地区というものを中心として、住宅供給面においては余り実績が見受けられない、私はこう思っていたわけでございます。今回の改正におきまして、住宅供給面においてどれだけ改められていくのか、実績といいますか、見込みといいますか、これからこの法改正によりまして住宅供給面においてどれぐらい進展を見るのかという点についての見込み、この二点についてお知らせを願いたい。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 ただいまの再開発事業をもちまして供給されるべき住宅の戸数でございますけれども、現在事業完了に至っておりますもので供給された住宅数が二千九戸、それから現在事業実施中のもので住宅供給が予定される戸数が約一万三千三百戸でございまして、合計いたしますと、この再開発事業によりまして約一万五千三百戸の住宅が供給されることになる予定でございます。これに対しまして、おただしのその地区に現在存する住宅戸数でございますが、先ほどの事業完了に至りました地区に従前に存在しておりました住宅戸数は千三百三十二戸、すなわち先ほど供給済みの二千九戸に対応する地区に従来存在しておりました住宅戸数が千三百三十二戸、差し引き六百七十七戸の増加、それから事業中のものも含めまして全合計で申し上げますと、現在事業が行われている区域もしくは終わってしまった区域に従前から存在した、もしくはし続けている住宅の戸数の総数は七千五百十七、したがいまして先ほどの一万五千三百戸の供給計画と対比いたしますと、差し引き七千八百戸の増、おおむね従来の戸数の二倍の戸数が供給される見込みでございます。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 後段の質問の、今回の法改正によりましていまの二倍の実績、それ以上のものが期待できるというふうに当局としてはお考えだと思うのですが、これが仮に施行されたとき、どのくらいの見込みがございましょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 今回御提案申し上げております改正は、再開発事業全般について事業の推進を図るための制度改正をお願いしているわけでございまして、特に住宅供給を志向し、その部分について新しい制度をもって住宅供給を施行するという形ではございませんので、これからこの改正に関連して住宅供給がどれほど進むかという試算はいたしてございませんけれども、全体としての再開発事業の推進を図られることによりまして、従来まで再開発事業をもって供給されておりました住宅の供給戸数は総体的に増加するものと考えております。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 総体的に増加するということは私も歓迎するわけでございます。  それでは次の問題でございますが、前回の改正は五十年七月に行われまして、その内容は、御存じのとおり、関係権利者によるところの自発的な事業の実施を推進するための市街地再開発促進区域及び個人施行者制度を設けておる。そうしまして公益性の高い大規模な地区における事業を早急に行うための買収方式、こういう事業手法としての第二種市街地再開発事業制度が設けられました。急激な都市化の進展によります環境の悪化、災害の危険性の増大等に対処して、既成市街地の再開発の一層の促進を図ろうとしたことは理解できるわけでございます。  そこで、その際、当建設委員会といたしまして、六項目の附帯決議をつけました。本法改正施行に当たりましてその運用に遺憾なきを期すべきことを政府に要請して、その当時の建設大臣も、それに対して遺漏なくやってまいりますという御答弁があったわけでございますが、事実、その後、六項目の附帯決議の趣旨にどのように対処しているか、伺っておきたいわけでございます。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 昭和五十年の六月四日、本委員会におきまして、法案成立に当たり附帯決議をいただいたわけでございます。その六項目につきまして、履行状況の大要を御報告申し上げます。  第一点の「大都市地域における都市問題の基本的な解決を図るため、市街地の再開発の推進と併せて、大都市地域に集中する人口を地方に分散させるための総合的な施策を強力に推進すること。」という御決議に対しましては、第三次全国総合開発計画に基づきまして政府関係機関を通じまして総合的な施策推進を図っているところでございますが、特に三次全国総合開発計画に基づきます定住構想の推進に当たりまして、建設省といたしましてもその具体的な推進に努めることによりまして、長期的、広域的な視角から人口の地方分散に努力をいたしている次第でございます。  第二点といたしまして、「地震火災等の災害の発生に際して都市の住民の安全を確保するため、防災拠点の整備その他防災上必要な市街地再開発事業の実施を最重点的に推進するものとし、これに必要な資金の確保その他の助成に努めること。」という御決議でございますが、再開発事業につきましては一般的に助成措置の強化を図ってまいったわけでございますけれども、特に防災拠点の整備のための市街地再開発事業につきましては、そこに建築される新しき建築物の防災性能の強化のために要する、たとえば耐震性を保っための特別の基礎工事費に対する助成、あるいは防火のための水防施設等に対します助成等の特別の費用について、国庫補助の対象として助成を図っておる次第でございます。  それから第三点「市街地再開発促進区域に関する都市計画の決定及びその区域内における市町村等の公的団体による市街地再開発事業の施行に当たっては、事前に借家権者を含む関係権利者の意向を十分に把握し、その意向に即してこれを行うよう指導すること。」という御決議に対しましては、昭和五十一年の四月一日付をもちまして都市局長、住宅局長通達を関係自治体に発出をいたしまして、都市再開発法の一部を改正する法律案についての留意事項を示達したわけでございますけれども、この通達に従って指導を行っているわけでございます。この通達の中で、たとえば説明会の活用を図る。あるいは促進区域では五年を過ぎれば地方自治体が施行者で乗り出せるわけでございますけれども、五年を過ぎてもさらに組合により実施ができるように努めろ。あるいは三分の二以上の権利者が要請をされておれば一応自治体が乗り出せる条件があるわけでございますけれども、その場合もできるだけ多くの関係権利者の同意をとれというような指導をいたしております。  第四項「市街地再開発事業の実施に当たっては、特に借家権者その他の零細権利者の生活の安定が図られるよう必要な助成その他の措置を講ずること。」この点につきましては、予算上の措置といたしまして再開発住宅制度を設けさせていただきまして、これに対して国庫補助を行い、必要な借家人等の救済を図っておりますこと、並びに先ほど申し上げました通達によりまして指導を行っております。特に借家権者は居住者であり、またその地における営業者として直接的に事業の影響を受ける方々でありますので、その意向を十分に把握すべきであること、さらに組合を設立いたします場合に、発起人がその事業計画をつくるときに、十分借家権者と協議するべきこと等を定めて指導をいたしております。  それから第五点「個人施行者による市街地再開発事業については、その公共的な目的が達成されるよう厳に指導監督を行うとともに、組合施行の場合と均衡のとれた助成措置を講ずること。」この点につきましても先ほどの通達をもって指導を行っておりますとともに、補助あるいは金融措置、税制上の措置等をとりまして、これらにつきまして組合と同様の助成を個人施行者についても行うよう努めておるわけでございます。具体的には高度利用地区の決定、事業認可に当たっては地元の意向を十分把握すること、さらに個人施行者についても税制、金融上組合と同じ措置をとる、財政上も一定の条件のもとに組合と同じ補助を行うということを、制度をつくりましてその活用方を要請しているわけでございます。  第六点といたしまして、「第二種市街地再開発事業については、保留床を公的住宅等の公共的施設に優先的に活用するよう十分配慮すること。」これにつきましては同じく通達をもって指導を行っておりますが、公営住宅等の公的住宅に優先的に保留床を活用するように努めることとし、さらに、公民館等地区住民の生活上必要な公益施設については積極的にその保留床の活用を図ることという趣旨の指導をいたしております。  以上でございます。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 いまの附帯決議の中で、特に二項の問題でございますけれども、「防災拠点の整備その他防災上必要な市街地再開発事業の実施」このためにいわゆる防災法の強化といいますか、補助あるいは不燃化助成制度、こうしたものが具体的には金額としてはどれくらいのものが昭和五十年六月以降予算的措置がとられておりましょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 具体的には、先生よく御承知の白髪東地区につきまして行われております市街地再開発事業、昭和四十九年度以降着手をいたしておりますが、この総事業費が千三十七億七千六百万円、五十四年度四百二十八億、進捗率が五十四年度までで四一%、昭和五十五年度の見込み額が百九十億の事業費を予定いたしております。もちろんその全額が防災上の特別の助成ということではございません。この中で御指摘の特別の助成も含まれております。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 それからもう一点伺いたいのは、第三の項目で、借家権者を含みますいわゆる関係権利者の意向を十分把握して、その意向に即してこれをこのように指導しなさい、そういたしますということになったわけですが、現実の問題として紛争が起きた、そして代執行を行ったという例があったでしょうか、なかったでしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 再開発事業は最終的には強制力を用いて実現を図る制度でございますけれども、おただしのように、現実に代執行をもって強制した例はいままでございません。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 次の問題でございますが、都市再開発法は、いまの御説明にありましたように六項目の附帯決議が付せられました五十年七月の一部改正のほか数回にわたります改正が行われて今回に至っておりますが、本法の目的とした都市における建築物と公共施設とを一体的に整備すること、また土地が合理的かつ高度に利用された健全な市街地を形成するといった事業がなかなか進捗していない。先ほど御説明もありましたけれども、なかなか進行していない。この都市の環境の問題は、ちょっと手をこまねいておりますと悪化する一方と言ってもいいんじゃなかろうか。その改善の方途を探るために、先ほどもお話がありましたように昨年の五月に諮問がなされ、十二月に答申があり、これを受けて本改正案が提出され、審議するようになったわけでありますが、この答申を読んでみますと、今回の改正案の中に盛り込まれなかった点がかなりあるように思われるわけでございます。改正案そのものには盛り込まれないけれども、運用してできる、あるいはまた他の法律によって実現を見ているものもある、こうも思うのでありますけれども、答申が本改正案に生かされなかった部分について、なぜ見送りになったのか、その説明を明確にしていただきたいと思うわけでございます。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 御答申は、広く都市再開発を推進すべき施策の全般にわたっておるわけでございまして、今回御提案申し上げております法律改正事項は、この御答申の中で、法律制度の改正をもって対応すべきものから所要のものを法改正事項として取り上げさせていただいているわけでございまして、具体的には大都市についての都市再開発方針の策定、第一種、第二種市街地再開発事業の施行区域要件の緩和、特定施設建築物制度、これは御答申では、いわゆる可処分地制度というふうに答申をいただいているものでございます。それから第四点といたしまして、住宅供給公社、首都高速道路公団、阪神高速道路公団等による再開発事業施行主体の拡大、第五点といたしまして、個人施行者制度の拡充、これらはいずれも御答申の御趣旨に従って今回立法化を図ったわけでございます。  そこで、おただしの、御答申の中に盛り込まれている事項のうち、法案に盛り込まれるべくして盛り込まれなかったものがあるのではないかという御指摘でございますけれども、まず御答申の中の「高度利用地区の指定促進」あるいは「関係権利者等の意見反映のための措置の強化」「都市再開発促進のための組織、機関の充実等」「都市再開発関係事業の合併施行の推進」並びに「住宅供給促進のための施策の適切な運用」等につきましては、法制度化することよりはむしろ諸般の制度の運用上の問題というふうに理解をいたしておりまして、今後関係制度の十分な運用を図ってまいりたいというふうに考えております。それから「再開発住宅制度の拡充」「関係権利者に対する利子補給制度の確立」及び補助、融資、税制の充実等につきましても、これも都市再開発法上の問題というよりは予算上、税制上の問題として今後ともその拡充に努めてまいる所存でございます。  最後に、御答申の中で法制度上措置されるべきものでありながら今回の法案に盛り込まれなかった主要な事項について、その理由をお答え申し上げます。  第一点の、都市再開発基本計画のさらに下の段階と申しますか、地域段階におきます地区再開発計画を定めろという御答申でございましたけれども、これにつきましては、先日来御審議をいただきました都市計画法の一部改正をもちまして地区計画制度の創設を図らせていただきまして、地区計画制度の中で再開発目的の地区計画ということで取り込ませていただきました。  それから第二点の、可処分地制度の創設については、先ほど来御説明申し上げましたように、今回の法案では特定施設建築物制度として、若干態様は異なっておりますけれども、同じ趣旨を実現させていただくつもりでございます。  第三点の、道路管理者による再開発制度の創設につきましては、これは当面の要請といたしまして道路管理者側に再開発事業を実施するという要請はございませんで、これは主要な道路管理者でございます地方公共団体が現に施行主体にすでになっているということから、余り必要性がないと考えられること、それから特に今回、首都高速道路公団及び阪神高速道路公団を施行主体といたしましたのは、これは当面両公団の道路事業に関連いたしまして再開発を実施いたしたい個所が数カ所ございます。このような必要性に基づいたものでございます。さらに、道路管理者として市街地再開発事業を実施する具体の場所がこの両公団以外は現実にないというようなことから、当面必要性がないと考えまして保留をいたしました。  それから第四点の権利変換の特則の拡充等につきまして、これは御答申をいただいた後、地方公共団体等の御意見を具体的にいろいろ参酌させていただきまして、事業の円滑な推進を図るためには、最小限の修正をもって足りるのではなかろうかということで今回御提案を申し上げております。  それから第五点でございますが、特別防火地域の創設及び都市防災不燃化促進制度の創設につきましては、法制度というよりは昭和五十五年度から都市防災不燃化促進助成、これは予算措置をもちまして新たな予算措置化が図られたわけでございます。これをもって対処させていただきたいと考えております。  それから第六点は、住宅公団の再開発機能の強化ということでございますが、この点につきましては、ただいま省内で都市整備公団、仮称でございますが、そのような新しい機構への改組とあわせて検討させていただいております。  それから第七点でございますが、住宅保留床の買い取り制度につきましては、これは民間住宅等の買い取りも含めまして、広く住宅の買い取り方式による公共住宅の供給のあり方につきまして、今後幅広く検討を進めさせていただくことといたしております。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 時間の関係もありますので、今回の法律案改正の中に盛り込まれなかった点等については伺いましたので、これらの点について、今後取り入れなければならないという面は積極的に取り入れていただきたいと私は思っておるわけでございます。  次の問題でございますが、今回の法改正におきまして、市街地再開発事業の施行者の拡大が考えられておるわけでございます。この点についてひとつお伺いをいたしたいわけでございます。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 現状の都市の状況におきましては、再開発はできるだけ広く強力に推進をしてまいらなければならない事業というふうに私どもは考えております。そこで、現行の再開発事業主体は、そのような要請から考えますと少し限定され過ぎているのではなかろうか。逆に申し上げますと、再開発事業を実施する必要性があり、かつその能力を持っている者であれば、これはことさらに限定をすることはせずに、できるだけ広く再開発の事業の施行者として考えさせていただく方がいいのではないかという観点から、先ほど来御説明申し上げましたように、当面必要性を大きく感じております首都公団、阪神公団あるいは地方住宅供給公社等を加えることといたしたわけでございます。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 それで、いま新しく加えられたものはそれなりの理由があるわけでわかるわけでございますが、私、もう一点お尋ねしたいのは、いわゆる再開発なんというものはいままで駅前が中心に考えられてきたわけでございます。そうした場合に、国鉄なり私鉄なり、この用地と相接しているわけでございます。こういう点から考えましても、これらの交通機関の果たす役割りが相当あったのではなかろうか。そこで、駅前のいわゆる一等地と言われるような場所を持っている国鉄、なり私鉄なりの経営者側にもこの施行者の役割りを分担してもらうべきではなかろうか、こういうふうにも考えられるわけでございます。その点、法改正の作業の中では検討がされたのかされなかったのか、この点はいかがですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 国鉄につきましては、私ども再開発事業当局から考えますと二つの面があろうかと思います。一つは、御指摘のように国鉄自体が再開発事業の施行者として乗り込んでもらってもいいのではないかという点と、もう一つは、国鉄が市街地内に所有しております国鉄有地の再開発事業への活用という、この二面があろうかと思います。  前者の点につきましては、私ども当初、再開発事業者としても検討は十分いたしましたけれども、国鉄は御承知のように現状のような経営状況がございまして、果たして国鉄が新しい事業当事者としてこのような事業に乗り出すことが適切かどうかという国鉄側の御判断もあるようでございまして、そのような点から今回は保留をいたしております。  それから第二点の、国鉄有地の活用につきましては、これはいままでも極力私どもも進めてまいりましたし、これから一層国鉄の御理解を得ながら進めてまいりたいと思っております。これに対する対応の姿勢も国鉄側に十分ございます。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 たとえば、先ほどもお答えがあったのでありますけれども、首都高速、阪神高速の両公団が名前を連ねているわけでございます。日本道路公団についても同様のことが私は言えるのじゃないかと思って考えてみたのですが、いま局長は、その必要はないというふうなお話でございましたけれども、日本道路公団を本法の施行者に入れなかったのはいかなる理由なのか、もう少し明確な答えをひとついただきたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 道路公団と並べて考えられます首都公団、阪神公団につきましては、御承知のとおり両公団はそれぞれ首都圏、阪神圏という大都市地域を担当分野にいたしておりまして、みずからの事業である道路を施行いたしますためには多かれ少なかれ、再開発的な視角がどうしても必要でございまして、現に新しい高速道路を開設しますには、どうしても再開発として取り込んでいかなければどうにもならないという地区が東京でも大阪でも数地区ございます。したがいまして、これを事業実施していく上の必要性から、いわばやむにやまれずという面もございまして、両公団が事業主体となり得ることにさしていただきたいということでございます。  道路公団の方は、これは全国ベースで道路をつくっておりますので、必ずしも、そういった集中地区に道路公団がみずからの道路をつけていかなければならないというケースはそれほど多くはございませんし、現実に再開発の必要を生じております大都市の市街地については道路公団は手をつけておりませんので、そのようなことから当面必要性がないということのために保留しただけで、別に他意はございません。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 わかりました。  次に、特定施設建築物制度の創設が図られたわけでございますが、本制度の設けられました趣旨についてお伺いをいたしたいと思います。  それからもう一点は、特定建築者としてどのような者が予定されているのか。大規模小売店とかスーパーといったいわゆる大資本を擁したところの小売業者というものは含めてお考えになっているのかどうか。また、そういうものが仮に決められようとしたときにいかなる基準をもってこれを決めるのかという点について、お答えをいただきたい。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 第一点のおただしの、特定施設建築物制度をどうして新設したかということでございますけれども、再開発事業は、事業自体の進行が大変困難な事業でございまして、また事業の費用も多くの費用を要するものでございます。したがいまして、施行者がすべてを負担し、すべてに義務を負って実施するといういまの体制のもとにおいては、広域における再開発事業の速やかな進展を図るのにはなかなかむずかしいという状況が一つございます。したがいまして、できるならば関係権利者に御支障を生じない範囲において、どなたかにお手伝いいただけないだろうかという考え方が一つございます。それからもう一つは、逆の面から、この再開発事業の推進に当たって民間のエネルギーを活用するというような主題もございます。このような両面からの要請によりまして、再開発事業のうち、関係権利者の権利保全と支障のない範囲において民間企業にお手伝いをいただく制度として、特定施設建築物制度を創設させていただきたいという趣旨でございます。  そこで第二点の、しからば特定建築者としてどのような者が考えられるかという御指摘でございます。なおその資格要件でございますが、特定建築者につきましては、法文の上で、まず第一に、この特定施設建築物を建築するのに必要な資力、信用を有する者であること、第二点といたしまして、この建物ができ上がった後に施行者からその敷地を譲渡を受けるわけでございますので、その譲渡対価の支払い能力がある者という、二つの点を条件として定めさしていただいております。したがいまして、この二つの条件を満たす方であれば、どなたであっても資格者としては差し支えはないわけでございますが、しかし、現実、実際にこの制度によって特定建築者となる方の範囲といたしまして想定される者は、まず、住宅公団、地方住宅供給公社等のいわゆる公的住宅の供給を行う者、それから、あるいは店舗、事務所、ビルというものを所有し、使用または賃貸する等の経営を行う者、いわゆる不動産業の経営者、この場合、さらに、たとえば百貨店の経営者あるいはスーパーの経営者等も当然あり得ると考えております。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 住宅公団、供給公社は、そこで出てくることは結構だと私も思うのであります。そしてまた、住宅がそこにできることは大変結構です。住宅ができれば、そこの消費という問題を考えれば、当然スーパーあるいは百貨店というようなことも考えざるを得ないわけでございますけれども、やはり資力、信用という点から考えて、どうしてもそういった大企業のいわゆる大店舗の出店ということが問題になってくるのではないかと思うわけであります。これは建設省の所管ではないのでございますけれども、大規模店舗の出店に関しましては、必ずと言っていいほど、地元の小売業者、零細業者から、それは困るという紛争が起きていることは御存じのとおりでございます。この大規模店舗の進出反対と言っている地元の小売商店からすれば、再開発するというその美名に名をかりて、結局大企業が進出してくるのじゃなかろうか、この大企業の進出を容易にするところの、いわゆる大企業の優遇策ではないかというふうにとられるのではないかと思うわけでございます。  ただいまも申し上げましたように、所管は通産省でございますし、この許認可権を持って調整も行うということになっておりますけれども、実質的に進出を可能にする建物ができてしまえば、その方に有利な状況ができてくることは当然ではないかと思うわけでございます。こういうことになりますと、地元のいわゆる中小零細の小売業者というものに脅威を与えることになるのではなかろうかと思います。この点について建設省ではどのようにお考えでございますか、これを一点、お伺いいたします。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 大規模小売店舗が再開発事業に関連して出店をいたします場合に、地元の中小商店といろいろ問題が生じやすく、その調整に必要な時間、労力がとられるということはよく先生御承知のとおりでございます。  そこで、ただいま御指摘の大規模小売店舗法が昭和四十九年に制定を見ておりまして、これらの法令の運用によりましてこの調整措置を進めさせていただいているわけでございますけれども、これは、私どもといたしましては、市街地再開発事業の円滑な推進を図るという観点から、地元中小の商店会等の商業者等の間に、あらかじめ早くの段階から十分な調整を行うことが必要ではないかという観点から、施行者に対して指導をいたしておりまして、都市計画の決定を行いますその前に、すでにその事業計画については実質的に調整を了し得るような指導方針のもとに、調整を図らせている次第でございます。  現実の問題といたしまして、この事業を実施いたします場合には、地元の中小業者の意向を無視しては全く考えられないわけでございまして、現実問題としては、その調整に意をいたさざるを得ないし、また、現にいたすように努めている次第でございます。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 それで、特定建設業者の問題でございますけれども、九十九条の三でございますね。ここで「施行者は、国、地方公共団体、日本住宅公団、地方住宅供給公社、日本勤労者住宅協会その他政令で定める者を特定建築者とする場合を除き、建設省令で定めるところにより、特定建築者を公募しなければならない。」こうありますね。「公募」ということは、その公募をした場合に、さっき言ったところの資力、信用のある者はずっとこの公募に応じればだれでも対象になれる、こういうことですね。それを決定するのは、結局は最終的には建設大臣ということになるわけですね。  そこで、私は、どうも公募というのが実際上に公募でなくて、たまたまそういう話を聞いた早耳の者がうまい権利を吸ってしまうという例をいままでもたびたび耳にしておりますので、公募の実態はどういうふうにやってそれをなさるのか。「建設省令で定めるところにより、」となっておりますから、これからそれは出てくるわけでございましょうけれども、早耳の者がいつでもうまい汁を吸っているということがたまたま多うございますので、その点のところ、公募の方法というものについて特にお伺いをいたしたい。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 公募を条件といたしておりますが、この応募者は、先生御指摘のように、法律上の、先ほど申し上げました二つの要件を満たせば資格があるわけでございまして、したがって、一般的な資格要件を備えた者の範囲が非常に広うございます。そこで、たとえば先駆け的なことが行われるのではないかという御懸念だろうと思うわけでございますけれども、この公募に当たりましては、まず決定に当たりましては、この公募の方法、具体的な公募のやり方について建設省令をもちまして、その公告方法、公告期間等を定めさせていただきまして、さらに選考の段階でも不公正が行われることのないように制度的に措置をするつもりでおります。  さらに、公募による特定建築者の決定につきましては、これは事業によりましての別がございますが、建設大臣または都道府県知事の承認に係らしめておるわけでございまして、この承認によって特定建築者の選考の公正さが保たれるものというふうに考えております。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 省令をもってこれから定められるわけでございますし、公募という非常にオープンな形式をとっているわけでございますけれども、たまたまここにいろいろの問題が起きているということがいままでございますので、こういう点については十分監督をしていただかなければならぬと思いますし、機会均等という原則をあくまでもきちっとしていただかなければならぬと思いますので、その点を特に私は念を押しておくわけでございます。  それから次の問題は、東京のいわゆる新名所とも言われておりますところの新宿の高層ビルあるいは池袋のサンシャインというような高層ビルから見ますと、首都東京と申しますけれども、木造の低層の建物が密集していることが一目瞭然わかります。それと同時に、公園とか広場とかがある、樹木の緑が目に映るところのオープンスペースというものがいかに不足しているかということがわかるわけでございます。こうした現実の姿から、地震とか火災、水害とかいった災害に対して、都市構造としてきわめて脆弱であるということは、私は論をまたないところだろうと思います。  私は、昨晩も時間を特にとりまして、第四チャンネルのテレビを見ました。あの四チャンネルで「東京大地震マグニチュード八・一・あなたは生き残れるか!?」こういう表題のテレビでございました。これは劇ではございますけれども、あのような状態がもし東京で起きたときには一体どうなるのだろうか、私も都市に住んでいるだけに非常に寒心を深くしたわけでございます。こうした都市に住む人間、この人の生命、財産というもの、この安全を確保する、これを進めていく上にも都市の再開発ということは必要だと思うわけでございますが、その防災対策という問題が一番大変なことじゃなかろうか。この都市の住民の生命、財産の安全を守るためにこの防災対策、この基本的な方針、これに対してはどのように建設省としてお考えでございましょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 現在の都市防災対策の最も主要な課題は、大規模な地震から都市の安全を確保することにあると考えております。このため、基本的には国土の適正な利用により、人口、産業の分散、再配置を図りながら、市街地における建築物の不燃化の促進を図りますとともに、街路、公園等の都市施設の整備を推進いたしまして、オープンスペースの確保を図ることが必要であると考えておりまして、防火地域の指定の拡大、都市施設整備に関する諸事業の拡充、市街地再開発事業等による市街地の改造等をさらに進めて、都市の防災性の向上を図ってまいりたいと考えております。  特に大都市地域におきましては、安全な避難地、避難路の整備、防災緩衝地帯、浸水対策施設等の都市防災施設の整備を計画的かつ効果的に進めるため、防災対策緊急事業計画を策定いたし、これを地域防災計画に定めることといたしておりまして、関係地方公共団体に対し計画の策定を急ぐように指導しているところでございます。  建設省といたしましては、今後さらに計画の策定の促進を図りますとともに、この計画に基づく事業の推進について積極的に努力をしていく所存でございます。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 首都東京といえども、先ほども申し上げましたように木造の低層の建物が密集しているわけでございますし、幾ら避難地、避難路というものの施設の整備がある程度されてきたと言われましても、そこへ行くまでの間、都市の不燃化は進行しておりませんので、これは大変なことになるのじゃないかと思うわけでございます。現実にミニ開発がどんどん進んでいる状況でございますし、耐火構造と言いながらも不燃化でない建物が公庫融資を受けて建てられているのも現実ではございます。今後都市の不燃化をどのように促進していこうか、この助成をどう行っていくかということを私は非常に関心を持つわけでございます。この点についてのお答えをお願いしたい。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 先生のおただしの都市の不燃化の現状でございますが、最近の資料をもって御説明を申し上げますと、昭和五十四年の一月一日の時点でございますけれども、総数が全国で五千百八十一万棟、これは建物の数でございます。五千百八十一万棟のうち非木造、耐火構造になっておりますのが七百十五万棟で、これを率にいたしまと、不燃率と呼ばしていただきますと、不燃率一三・八%。さらに内容を砕いてまいりますと、十大都市では二一・三%、その他の市では一四%、町村では一〇・七%、全国平均で一三・八%という不燃率になっておりまして、これはむしろ私どもの感じとしては、意外に率としては高いのではないかと考えております。と申しますのは、昭和四十五年時点、九年ほどさかのぼりました時点におきましては、この不燃率は全国で五・七%、十大都市だけをとりますと九・五%という数字でございました。したがいまして、これから十年足らずのうちに十大都市の場合は九・五から二一・三%ということに飛躍的に上がってまいりましたし、全国レベルで見ましても五・七から一三・八と上がっております。二倍以上の進歩でございますので、年平均、これで見ますと、多分一・二%ぐらいずつの上昇になっていると思います。したがいまして、不燃率そのものはかなり上がってきているということは言い得るかと思います。  しかしながら、もちろん現状は十分なところまではいっておりませんで、これから都市の安全性を確保いたしていきますために、基本施策の一つといたしましては、都市の不燃化をさらに促進をしていくという必要があるわけでございまして、このためには従来から防火地域、準防火地域の指定等によりまして建築物の構造規制をすること、市街地再開発事業、住宅地区改良事業、住宅金融公庫融資等による耐火建築物への建てかえ、公営住宅等の公共住宅における不燃化など、各種の建築物不燃化の施策を行ってまいったところでございますが、今後とも、これらの施策によりまして都市の不燃化を促進いたしますとともに、さらに街路、公園等の都市施設の整備によるオープンスペースの確保等の諸施策を行ってまいりまして、都市構造の防災化に努めてまいる所存でございます。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 余談になりますが、昨晩のテレビで見ていましても、あれは実はセットものでしょうから、ああいう状態に恐怖感を与えるようにできていると思うのでありますけれども、実際、木造の低層の住宅がいわゆる密集しているところにおいては、街路における自動車、これが、ゆうべの劇で見ましても、次から次と過熱し引火していってしまう状態があるわけですね。こういうことを考えますと、もう周辺の木造の家屋は一なめになってしまうわけでありますし、どうしても都市の不燃化というものは一層力を入れていかなければならない、こう思います。そういう意味から、ぜひこれは重点的にやっていただきたいと私は思うわけでございます。  それから、次の問題でございますが、百十一条のところで権利変換手続の特則の拡充ということがございます。  ここでお伺いしたいことは、個人の施行者または組合の施行する市街地再開発事業において、施設建設物の所有を目的とする地上権を設定することが適当でないと認められる特別な事情があるときは、施設建設敷地に地上権が設定されないものとして権利変換計画を定めることができるものとするとされております。この場合、特別な事情とはどのような場合を指すのでしょうか。また、地方公共団体、公団については、以前からこうした特例があったのですが、そうした背景は何からそこに出てきたのか、この点をお伺いをいたしたい。

関口洋建設省住宅局長

○関口政府委員 ただいま先生の引用されました条文のうちで、特別な事情ということが書いてあるわけでございますが、この特別な事情は、いわゆる宅地の所有者の大部分が施設建築敷地に地上権を設定することを希望せずに当該敷地の共有持ち分が与えられることを希望する場合、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。  しからば、なぜそういう事態が生じて今度改正の必要性を感ずるに至ったかという背景でございますけれども、先ほど来お話しの、いわゆる住宅供給型の再開発を進めていきます場合に、新たに多数の住宅購入者が権利者として加わってくるわけでございますが、そうしますと、将来の地上権の更新のときにおきまして手続が煩瑣になるというような理由で、いわゆる原則型と私ども呼んでおりますが、土地の所有権を共有にしかつ地上権を設定するという原則型で再開発を行うことにつきましては非常に反対があるわけでございます。この反対が再開発を促進する上で一つの支障となっておりますので、今回の改正は、この点を改善いたしまして、住宅供給型の再開発事業を促進しようというねらいのもとに考えておるものでございます。  なお、こういう意味での従来のいわゆる原則型の権利変換でございますけれども、いままでも数ある権利変換計画のうちで、こういう原則型の権利変換はこれまで一地区しかございません。ほかの地区はほとんどいわゆる全員同意による別の、地上権非設定型というのをとっております。  そういう意味で、原則型にこだわっている限り、なかなか、いろんな支障がございますので、今回改正をお願いしたい、かように考えておる次第でございます。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 お答えでありますけれども、民法の二百六十五条で地上権について、「地上権者ハ他人ノ土地二於テ工作物又ハ竹木ヲ所有スル為メ其土地ヲ使用スル権利ヲ有ス」こう規定されておりまして、こうした地上権の考え方を徹底する必要が私はあるのではないかと思うわけでございます。現実にはマンションなどで地上権を設定しないで土地の持ち分と建物の区分所有権を登記している、これが実態だと思うのでございます。こうした現象をとらえまして法的な手続を安易にするのは将来に問題を残すのではないかとも考えられます。権利変換計画の決定はおおむね大臣の認可でございますので、確固たる法体系の上に立っての手続を行うように指導するのが先決ではないか、こう思いますけれども、この点はいかがでございましょうか。

関口洋建設省住宅局長

○関口政府委員 いま私どもが考えております方式によりましても、土地に関する権利はいわゆる一筆共有という形になるわけでございます。したがいまして、その管理は持ち分の価額に従いましてその過半数の同意を要しますし、また処分につきましては全員の同意を要するという民法の規定が適用されますので、地上権を設定しなくても、先生が御心配になるようないわゆるトラブルというものは生じない、かように私どもは考えまして踏み切ったような次第でございます。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 これは私ども非常に心配をしているわけでございまして、そういう点に対して、これからこの法案の審議の過程においてまた十分問いただしていく必要があるのじゃないか、こう思うわけでございます。  時間も大体予定した時間でございますので、最後に、大臣にひとつ伺いたいわけでございますが、今回提案の都市再開発法の一部を改正する法律案、これが本日から審議が始まりました。この法律案が成立するかしないか、今後の問題でございますけれども、この都市再開発という問題に取り組む大臣の決意といいますか、これをひとつ大臣の直接の御答弁をいただいて私の質問を終わりたいと思います。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○渡辺国務大臣 具体的には局長からいろいろ御説明をいたしたような内容でございますけれども、私どもは、当面する都市政策の重要課題として都市再開発を掲げておるわけでございます。  御承知のように、大都市におきましては、高度の都市機能を維持しながら、また都市で生まれ育つ者の生活の場としてふさわしい都市の再生を目指さねばならぬというふうに考えております。また、地方都市にありましては、定住社会にふさわしい都市機能を備え、また快適で豊かな都市生活を確保するということによりまして、周辺農山漁村を含む地域社会の中で中核的な機能を発揮し得るような、個性と魅力のある都市形成を目指してまいりたい、このように考えておるわけであります。  しかし現実には、お話のございましたように、特に東京、大阪などの大都市地域を中心としまして都市の既成市街地におきましては、残念ながら木造低層建築物が密集をしておる、あるいはまた住宅と工場等が混在をしておる、ミニ開発もいろいろ御意見のありましたように相当進行しておる、職住の近接というような問題はむしろ逆行いたしまして遠隔化の実情にございまして、その結果また交通も相当な混雑をしておる、このような問題がいろいろ伏在をいたしておるわけでございます。  こうした問題に対処するためには、まず大都市圏におきまする都心部へのいわゆる一極依存型といいますか、そのような現状を改めまして副都心をつくり、あるいはまた商業、業務市街地等の整備を行いまして、あるいはまたそれらを育成をいたしてまいりまして多極的な構造に改善をいたしまして、極力整然とした都市づくりに努力をいたします。同時に、防災性を高める、あるいはまた居住環境を改善をするというようなことに努力をいたしまして、良好な市街地住宅の供給に重点を置きまして都市の再開発を強力に推進していく必要があるのではないか。特に、今回法の改正をお願いしておりますが、将来はやはりこれを裏づけするようないわゆる財政的な面におきましても配慮をする必要がある、そのようなことを私は強くいま発言をいたしておるところであります。

松本忠助公明党・国民会議

○松本(忠)委員 確かに都市の再開発ということは、私ども東京に住んでおる人間からしても必要であるということはわかるわけでございますけれども、なかなかその土地の所有者、家屋の所有者、またそこに入っている人間、借りている人間、それも小さなアパートに大変入っているというような状態がありまして、この権利の問題、いままでもいろいろと紛争が起きているわけでございますし、こういう問題を考えますと、都市再開発ということについて私どもは、必要なことであるとは思いますけれども、これはだれもが納得のいき、だれもが理解して同意をするということでないとならぬわけであります。そういう面について、法律でも同意ということがきちっと書いてあるわけでございますけれども、こういう面についての検討をもっともっと進めていかなければならないと思っておるわけでございます。  以上、私の質問はこれでもって終わりといたします。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 中島武敏君。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 最初に第二条の三の関係、都市再開発方針について大臣にお尋ねしたいのですが、「市街化区域の整備、開発又は保全の方針ににおいて」今度の改正で「都市再開発の方針を定めなければならない。」こういうふうにされておるのですが、こういうふうにしたのはなぜか、その理由についてお尋ねしたいと思います。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○渡辺国務大臣 今回、方針を新しく決めることにいたしましたのは、今度の再開発の改正をお願いいたしました大きな柱でございます。現行の都市計画法におきましても、市街化区域につきまして整備、開発または保全の方針を定めることができるということになっております。また、定めるものとして指導してまいったのでございますけれども、計画的な都市の再開発の一層の促進を図るということのために、今回その旨を法文上明記いたしたわけであります。特に都市の再開発の促進が必要となっております大都市におきましては、先生御承知のように、整備、開発または保全の方針に一つ都市再開発の方針を決めなければならぬ、かような認識に立って今回お願いしておるわけであります。さよう御理解いただきたいと思います。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 この問題についてもう少しお尋ねしたいのですが、五十年の改正の際には市街地再開発促進区域の制度が設けられたわけですね。このときには、「都市計画に市街地再開発促進区域を定めることができる。」というふうにして任意規定であったわけです。ところが今度の再開発方針というのは、知事が「定めなければならない。」と、こういう義務規定になっているわけですね。五十年改正のときには、促進区域の問題ではありますが任意規定で済ませた、今度は再開発方針について義務規定にした。これはなぜ義務規定にされたのか、重ねて大臣にお尋ねします。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 法律の条文の書き方の問題でございますので私からお答えをさせていただきたいと思うわけでございますけれども、ただいま大臣から御答弁がございましたように、現在でも市街化区域の整備、開発、保全の方針というのは定めることになっておりまして、その方針の中で再開発についても定めることができるし、また定めるべきものという観点から、通達をもって指導をしておるわけでございます。しかしながら法文上は、おっしゃるように、直接これを定めなければならないという書き方にはなっておらないというだけでございまして、内容的にはそういうような運用を図っているわけでございますけれども、法文上で義務的に書かれていないことと、さらにその再開発の整備方針といいましても、具体的には各市町村、自治体、各知事の受け取り方がまちまちでございまして、現実になかなか定めにくいという状況もあったことかと思います。  そこで、制度的にはそういうことでございましたけれども、一方都市の現状は大変に進行いたしておりまして、少なくとも東京とか大阪とか大都市もしくはその周辺の市街地については再開発について手をこまねいていられる状況にはないはずでございますにもかかわらず、都市計画法上当然予定をされておりました再開発に関する整備の方針が都市計画の全体の整備方針の中に十分に書かれていないという状況はやはり問題ではないかという反省をいたしまして、少なくとも東京、大阪等非常に急迫している地域を担当される知事さん方はひとっこれを義務的にお考えいただいてぜひとも方針を定めてほしい。そういう観点から「定めなければならない。」という義務規定に書かせていただいた次第でございます。  なお、おただしの再開発事業の促進区域制度は五十年改正時に挿入されたものでございますけれども、確かに定めることについては義務的な規定は何らございませんが、これは促進区域に限ったことではございませんで、およそ都市計画の施設計画あるいは促進地区もその一つでございますけれども、事業に関する都市計画については必要なところに必要な決定をいたしていくというたてまえでございまして、ねばならないという性質のものではないので、そういう書き方はいたしてございません。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 いまの御答弁によれば、再開発を非常に促進しなければならない、知事に義務づけるというぐらい義務づけて大いに促進するということでありますね。  それではもうちょっと立ち入ってお尋ねしたいのですが、この二条の三の一号に「計画的な再開発が必要な市街地」とありますが、この「計画的な再開発が必要な市街地」というのはどんな市街地のことなのか、またこれはどの程度の広さの市街地を想定しておられるのか、この点について伺います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 御指摘の計画的な再開発の必要な市街地といたしましては、大規模な土地利用の転換が進行中もしくは予想される市街地であるか、または望ましい土地利用の水準に比較して著しく不健全、不合理な土地利用がなされている市街地でありまして、当該市街地を計画的に再開発することにより都市全体の機能の回復、向上に貢献することとなる市街地、おおむねその市街地の範囲、こういうふうに考えております。  ちょっとくどくなりまして恐縮でございますが、具体的に申し上げますと、たとえば東京二十三区の中の相当部分、面積的に申し上げますと三〇%とか四〇%ぐらいに当たる部分、もちろんその一つのかたまりとしてということではございませんで、二十三区の中にたとえば江東地区というような地区あるいはそれに準ずるような何々地区と言えるようなかたまりで、それを合計すると二十三区の全体の区域の三割ないし四割ぐらいの面積に当たるような市街地の区域というふうに御理解をいただければと思います。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 これは相当広範囲なものであるということがわかりますが、ここでもう一つ、この「計画的な再開発が必要な市街地に係る再開発の目標」、「目標」ということがありますが、この目標というのはどういうことでございますか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 たとえば都市構造の再編というようなテーマ、あるいは都市環境の改善、都市の防災構造化、あるいは市街地住宅の供給、都市内の公共施設の整備といったような都市再開発の目標になるべき事柄という理解でございます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 二号についてお尋ねします。ここでは「特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区及び当該地区の整備又は開発の計画の概要」を定めなければならないということになっているわけですが、この場合の「相当規模の地区」というのはどの程度の規模の地区を考えておられるのでしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 具体的に申し上げますと、大体数ヘクタール程度から数十ヘクタールぐらいの規模の地区を考えておりまして、考え方といたしましては計画的な再開発が必要な市街地、先ほどの一号の市街地の区域の中でいろいろな再開発事業手法を複合して実施をしていく、そういう総合的な再開発を行うことが必要な土地の区域ということでございまして、再開発機運の高い数街区以上の規模の一団の土地の区域というつかまえ方をいたしますと、大体数ヘクタールから数十ヘクタールということになろうかと思います。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 ちょっと乱暴なお尋ねの仕方になろうかと思うのですけれども、高度利用地区で再開発がされていないところはすべて大体入る。二ヘクタールというふうにいま局長答えられたから、高度利用地区は必ずしもそういうふうになっているわけではありませんけれども、しかし連続して考えると、ちょっと別の角度から考えますと、高度利用地区で再開発されていないところは大体すべて入る。あるいはまた、それだけじゃなくて、ここは高度利用地区にした方がよいというように考えるような地域はやはりここで言うところの「相当規模の地区」ということになりますか、角度をちょっと変えてのお尋ねなんですけれどもね。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 先ほどちょっと不明確に申し上げて恐縮でございますが、具体的な規模といたしましては数ヘクタールと申し上げまして、必ずしも二と申し上げたつもりはございません。数ヘクタールから数十ヘクタールといういろいろな規模がございます。その程度にお考えいただきたいということでございます。  それから、高度利用地区との関係のおただしでございますけれども、高度利用地区は都市計画の一つの地域地区制といたしまして、この地区は現状をさらに改めてもっと高度な土地利用を行うべき地区ということから定めさせていただく地区でございまして、したがって現状が必ずしも高度利用されているということではございません。むしろこれからそこを再開発等をして高度の土地利用が実現するように図っていくべき地区という観点から指定をされるのが普通でございまして、現にこの再開発事業も高度利用地区として指定を受けていることが再開発事業を実施する場合の前提条件というふうにつかまえております。したがいまして、いわば高度利用地区の指定は再開発を推進するための一つの手段というような感じに御理解をいただいてよろしいのではないかと思っております。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 ここで計画の概要を定めるとなっていますが、この「計画の概要」というのはどの程度のことを想定をしておられるのか、御説明いただきたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 まず、計画の概要の内容といたしまして基本的な方針を定めさせていただきます。この基本的方針は、たとえば環境改善でございますとか、防災あるいは市街地住宅の供給でありますとか、そういった再開発の主要な目標となるべきことを方針として定めさせていただく。  それから第二点に、その地区内の土地利用に関する事項といたしまして、その地区に望ましい大まかな土地利用の方向というようなものを定めさせていただくことにしております。たとえば、この地区は中高層住宅地にするというような程度の定め方を考えております。  それから三番目に、建築物の整備に関する事項を決めさせていただきたいと考えておりまして、これはその地区内にこれから建築されるべき建築物の望ましい容積水準といいますか、何百%くらいがその地区の土地利用上望ましいというようなことを具体的な目標数として一応掲げさせていただく。  それから四番目に、公共施設の整備に関する事項といたしまして、その地区内の道路、公園等の公共施設のうち、重立ったものについて、その規模、配置等を定めさせていただく。この場合の重立ったものと申しますのは、いわゆる都市計画の街路として、あるいは都市計画の公園として個別に定めるものよりもう一回り小さなもの、その地区における主要な街路、公園といったものを定めさせていただく、こんな予定をしております。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 いまのお話ですと、計画の概要というのは、かなり詳細にわたって決められるということがわかります。たとえば公共施設の整備の問題にしても、街路、公園などについても定めるということになるわけですね。これはちょっとまた別に言葉をかえてお尋ねするのですが、都市計画法十一条で言う都市施設などをも当然に含むというふうに解するべきですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 ただいまおただしの都市施設としての街路でございますとか、公園というものは、これは都市によってまちまちではございますが、一般的に申しますと、たとえば都市施設としての街路は、幅員十二メートル以上くらいのものを拾い上げて決定をいたしておりますし、また公園につきましては、これは大小ございますけれども、一番小さな児童公園でございましても、標準としては〇・二五ヘクタール以上という程度のかなり大きなものを都市施設として決めさせていただいておりますので、これらの都市施設として決められた街路、公園等の公共施設は、いわばこの計画をつくる前提条件というか、与件といいますか、というようなものになろうかと思いまして、ここで決めさせていただく公共施設の整備に関する事項というのは、それを受けてさらにその地区内のもう少し小さな公共施設、小公園でございますとか、少し細い街路というようにお考えいただいて大体よろしいかと思います。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 そうすると、これは都市計画法の五十三条、五十四条による建築制限、これを受けることになりますか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 ただいまおただしの都市計画制限の規定は、都市施設として定められたものについて働くということになっておりまして、ただいま御説明申し上げておりますこの計画の概要で取り上げられる公共施設は、もう少し下の段階といいますか、都市施設の対象としても小さなものでありますし、また定め方の程度が、計画として制限が働くような明確な定め方ではなくて、いわばマスタープランということでございますから、ここに定められたことによって、直ちに計画制限が働くということにならないものというふうに御理解いただきたいと思います。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 これはマスタープランというお考えだということがわかりましたが、そうすると、余り拘束力を持たない、こう考えられるわけだし、いまの答弁は、そういう趣旨で御答弁があったと思うのです。余り拘束力を持たないということになりますと、なぜ都市再開発の方針を定めなければならないというふうに義務規定にしているのかということについて、ちょっと意味を持たなくなりはせぬかということも考えられるのですけれども、ここはどうなんですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 再開発事業というよりは、再開発が推進し進展しないということが、大方の御指摘にあるところでございまして、現在の社会の御要請も、全体としての再開発をもっと推進すべきではないか、こういう御指摘であったかと思うわけでございます。  その場合に、特定の都市の再開発を総合的に推進いたします場合には、個々に再開発事業の条件に合うところあるいは機の熟したところからどんどん実施していくというのも一つの方法ではあろうかと思いますし、現にそういう方法で進められてはおりますが、やはり東京なら東京という都市を見た場合に、東京全体を見渡して、どこが本来再開発をさるべき土地であり、どういう順序で再開発が実施さるべきであるというような、いわば全体的な計画というものが必要ではなかろうか、それに基づいて諸般の再開発が整合性を持って進められていくことが大事なことではなかろうか、そういう観点から、今回、その基本になります再開発の基本方針を全市街地的な視野から定めさせることが、この推進策の第一歩ではないかという感覚から、このような御提案をしているわけでございます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 この第二条の三の二項のところのことについてお尋ねしますが、ここでは、「市街地の再開発に関する事業の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」こうなってます。この必要な措置というのは何を意味しているんでしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 第二項の「必要な措置」は、同条第一項の中でただいま御説明申し上げましたとおり明らかにされました都市再開発の方針に従って、特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区の再開発を促進する必要があるわけでございます。そのために、国及び地方公共団体が必要な措置を講ずるよう努めねばならないことといたしておるわけでございます。  この場合の、国及び地方公共団体が講ずべき措置の具体的内容といたしましては、まず、国が講ずるように努めなければならない措置の内容は、第一に、市街地再開発事業等の実施、先ほどの前提条件となります高度利用地区等の決定、これを積極的に行うように地方公共団体を指導すること。第二番目に、地方公共団体等の行う市街地再開発事業等の整備事業、市街地整備事業やあるいは公共施設の整備に関する事業に対し、優先的に国庫補助採択をすること。それから第三点といたしまして、国がみずからも、たとえば国道の整備等優先的に公共施設の整備を行い、または公団等に対しまして、再開発のための事業を行うように指導することといったようなことを内容として考えております。  それから、地方公共団体が講ずるように努めなければならない措置の具体的内容といたしましては、第一に市街地再開発事業等の面的な整備事業やあるいは各種の公的事業を総合的に実施をすること。第二点といたしまして高度利用地区、市街地再開発促進区域等の指定等を積極的に行うことにより、民間の建築エネルギーを活用する、及び誘導を図ること。第三点といたしまして、特に一体的かつ総合的に市街地の再開発を促進すべき地区については、その付近地の住民に対して、事業の実施について協力が得られるように努めること。おおむね以上のようなことを内容として考えております。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 東京の中央区に、大川端再開発の計画があります。これによりますと、五百十ヘクタールの区域を、都市再開発基本区域としておりまして、その中に地区再開発計画区域があります。これは従来の再開発に比べますと、比較にならないぐらい巨大な再開発の計画ですが、この都市再開発法の改正案が通りました場合に、そしてこの法律が施行される場合には、この再開発方針というのは大川端再開発計画に適用できるのじゃないかと思いますけれども、どうでしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 ただいまおただしの大川端の再開発計画と申しますのは、この再開発法の改正をいわば前段的に準備行為を進めるという観点から、昭和五十四年度におきまして初めて再開発の具体的指針となるような都市再開発基本計画を自治体に策定をしていただきまして、それに国が補助をするという制度を創設をしました。これは予算制度でございます。昭和五十四年にスタートいたしましたこの都市再開発基本計画の一つが東京都を対象といたしまして、中央区、江東区を対象として現在策定中でございます。その中にいま御指摘の大川端計画というのが含まれていると御理解をいただきたいと思うわけでございます。現に国庫補助を受けて東京都が実施している再開発計画がその大川端計画に当たるものと御理解をいただきたいと思います。  そこで、この再開発基本計画に盛られた中身と、今回の法改正によります都市再開発方針、これとの関係でございますけれども、都市再開発方針は、先ほど申し上げましたように、東京でございますと二十三区全体を見おろしまして、その中でたとえば江東地区を再開発の必要な市街地、あるいは池袋地区を再開発が必要な市街地、こういうふうにいたしまして、さらにその中でさっきの一項の二号の地区といたしまして、一体的、総合的に再開発を実施すべき地区として、防災拠点、たとえば江東で言えば亀大小というようなところが上がってくるという感じでございまして、この大川端地区も、そういう段階になりますと、恐らく二号の、一体的、総合的に再開発を進められるべき地区ということでつかまえて制度に乗せていくというような形になろうかと思います。まだはっきりはいたしません、恐らくそんなようなかっこうになると思います。  ただいま進めております基本計画は、将来の都市再開発方針を定める場合のいわば基礎的なデータになるというふうに御理解をいただきたいと思います。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 大川端再開発ではすでに住宅公団が石川島播磨重工の工場跡地約十万平米の三分の二を取得しております。それから三井不動産が三分の一を買収している。これは先ほども申し上げたように、五百十ヘクタールという非常に広大な地域を対象とする再開発計画なわけです。そうしますと、いま実際に再開発を行うためには一ヘクタール六、七十億円ぐらいはかかる、これは一般論ですけれどもそう言われておるわけであります。五百十ヘクタール全部を再開発するということになれば、単純計算しますと三兆五千七百億円の大事業ということになるわけであります。それから、地区再開発計画区域、ここを再開発するのだというふうに考えましても、大体これは広さがその半分ぐらいですから、五百十ヘクタールのほぼ半分ぐらいですので一兆八千億から二兆円ぐらいの大事業ということになるわけであります。いまの局長の答弁を聞いておりますと二号がかけられるということであります。これは先の話ですけれども、私もそうだろうな、そう思うのです。  そうすると、これまたちょっと角度を変えて言いますと、これだけ巨大な、建設費だけでも何兆もかかることを国や東京都が大いに促進をしてやる、こういう役割りを果たすことになる。これのよしあしは立場によって見方が違うでしょう。しかしこの再開発をだれがやるのだということになりますと、それは住宅公団もおやりでしょうけれども、同時に三井不動産もやるということははっきりしているわけでして、これは見方によっては大企業に対して国も自治体も大変力を入れて促進をしてやる、そういうことにもなるのじゃないかというように私どもは思うのですね。これに別に反論はないと思いますが、そうなる。  それで、重ねてこの再開発方針の問題についてお尋ねしたいのですけれども、この再開発方針を決定する際には、もちろん当然のことですが、都市計画の案として関係市町村との協議とかあるいは公聴会、縦覧あるいは意見書の提出、そういう手続は実行するのだと思いますが、間違いないでしょうね。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 これは市街化区域、市街化調整区域の線引きに絡む都市計画の一種でございますので、当然にいまおっしゃったような都市計画の手続にのっとって定められることになります。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 都市計画中央審議会の議を経ることも当然だろうと思いますが……。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 当然に都市計画中央審議会の議を経ることになります。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 先ほどお尋ねしてわかりましたことは、この再開発方針というのは非常に広域にわたってかけられる方針であるということです。そうしますと、いまお尋ねしました関係市町村との協議とか公聴会とか縦覧とかあるいは意見書提出、そういう手続が踏まれるとしましても、これは非常に広域にわたる方針であるわけです。しかもその中には、単に方針というだけじゃなくて、「計画の概要」をも定めるということになります。そうすると、率直に考えてこれだけ広い地域、これだけってどれだけかわかりませんが、従来の再開発などとは違って再開発方針というのは非常な広域にかけられる、しかも今度は相当広域にわたって計画の概要も知事が定める、こうなりますと、二週間程度の縦覧期間でこれが住民に周知させられるものかどうか、また「意見書を提出することができる。」というふうになっていても、実際問題としてこの意見書が提出されるものだろうか、今回の法改正に当たってこの辺は一体どう考えておられるのかという点をお尋ねしたいのです。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 確かに法手続、法文上からの御理解はそのような感じがあろうかとも思いますけれども、実際にはこの方針を定めるのは、たとえば東京都で申しますと二十三区全般ということになります。そうすると、短時日のうちにその全般を見渡した方針はなかなか立ちにくい。現実には、先ほど申し上げました都市再開発の基本計画ということでいま進めつつありますのは、中央区と江東区についての調査を進めておる段階でございまして、五十五年度、五十六年度以降におきましては、さらに新宿区でございますとかあるいは江戸川区でございますとか、そういう恐らく数区単位に基本計画策定というものがまず先行して、その上で合意を形成しながら基本方針にまとめていくという作業が実際上は欠くことができないだろうと思います。したがいまして、そのような作業過程におきまして、当然東京都当局と特別区当局並びに地元の方々との間の意見交換が行われて積み上がってくることが予想されるわけでございまして、現実にも先ほどの大川端計画のような形で個々の再開発プランが新聞紙上に取り上げられ、あるいは説明会等に提示されることによって合意が形づくられてくる。この過程の積み上がりが基本方針という形でまとめられて、いわば最終段階において都市計画法に基づく都市計画手続として縦覧という形で、最終的に意見書を出す必要があれば出していただくというふうな進め方になろうと思われるわけでございまして、単にいきなり素案をもって縦覧に供し、それをもって決めるということは実際問題として考えがたい運用ではないかと思っておりますので、御懸念の点はないのではないかと私どもは考えておりますし、またそういうことがないように十分公共団体にも指導してまいりたいと考えております。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 お言葉ですが、たとえば先ほど局長からお答えがありました五百十ヘクタールに及ぶ大川端の再開発は、なるほど区との間でいろいろな協議がやられております。しかし、広範な住民の意見をいろいろ期間をかけてとは言っても、なかなかくみ上がりにくいものであります。そういう点では住民意見の反映というのは、いわば不可能に近いのではないかと思うのです。  それでこういう場合には、従来の考え方からしますと、これはかなり広域にわたる問題でありますので、私は特別に住民の意見を反映させるということを考えるべきなのではないかという気がするのですね。その点では、たとえば公聴会についてもきちんと義務づけるとか、あるいはまた縦覧期間も思い切って延長するとか、あるいはまた周知徹底の方法についても改善をするとか、あるいはまた案を決定する前に事前に住民組織、住民団体の意見も十分に聞く、こういうようなことを大いに必要としているのではないかと思うのです。今度の再開発方針というのは従来の規模とは相当違うわけですね。局長は順序を追ってとか、きれいな答弁をされておられますけれども、実態はそうではないかと私は思う。  その辺はどうなんでしょうね、大臣。ここでひとつ考えなければならぬというところじゃないですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 もう一つ答弁を補足させていただきたいと思うわけでございますけれども、この再開発基本方針は、性格からいいますと、最初にマスタープランと申し上げましたように、その方針によって直ちに権利制限という形に結びつくものではございませんで、これは都市としてどのようにその市街地の改造を図っていくかというメーンプランを決めさせていただく、こういうことでございます。確かに、各地域の権利者の御意見を細部にわたって完全に集約するのはなかなかむずかしい話ではございますけれども、PRの仕方を工夫することによって、自治体が考えておりますマスタープランというものの御認識をいただける程度の接触は当然すべきだと思いますし、その程度のことは期待できるのではないか。現実に各権利者に御迷惑が及ぶ可能性のある権利制限にかかわる問題は、これは実は、ただいま第一号の必要な市街地、第二号の総合的、一体的に再開発を促進すべき地区と申し上げましたけれども、さらにそれを受けて、先日来、都市計画法の改正で御審議いただきました地区計画制度というのがございます。あの地区計画でこの第二号の地区をさらに追っかけていくことになるわけでございまして、その地区計画を定めさせていただくときには、この間来御審議いただきましたように、案について関係権利者の御意見をあらかじめ十分いただき、それから確定に当たっても公聴会、説明会等の制度を活用させていただいて関係権利者の意見を十分に吸い上げさせていただく、こういう手だてで考えておりますので、まず御懸念のようなことはないのではないかと私どもは考えておる次第でございます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 直接に私権の制限に及ばないというのはそのとおりであります。マスタープランだというお考えは先ほどから繰り返し言っておられますが、しかし、マスタープランであればあるほど住民意見の十分なくみ上げが必要なのではないかというのが私の見解であります。この町をどうしていくのかという基本的な計画、マスタープラン、まさにそこのところの案の段階から住民が参加するということが必要なのではありませんか、だれの町でもありませんよ、住んでいる住民の町なんですから。だから私はそこを強調するわけなんです。  それで、いままでずっと伺ってきてわかりましたことは、再開発方針の設定というのは、いわば再開発が進まない、そこで知事が上から再開発方針なるものを決めて再開発を大いに促進する、こういう考え方であります。これは従来には全くなかった考えだと思うのですね。先ほど、通達でいろいろやっていたというお話がありましたけれども、再開発というのは、むしろそこに住む権利者の人たちが、どう再開発するかということで自主的にやってきているのが従来の考え方だと私は思っております。その点では、再開発方針を今度法改正において決めるということは、いままでの再開発法の考え方からいうと、一般的に言えば画期的な発展といいますか、画期的な変化を遂げたものではないかと私は思います。そして上からどんどんプッシュしていくという、いわば強権的なにおいが大変強いというのが私の感じです。  そこで、次の問題について大臣にお尋ねします。  第二条の二の個人施行者制度の拡大の問題ですが、今度の改正で、所有権もしくは借地権を有する者の同意を得た者は、第一種市街地再開発事業を施行できるというふうになっておりますけれども、この規定を設けた理由をお尋ねしたいのです。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○渡辺国務大臣 その前に、先ほど御意見ございまして、大川端の今回の計画は大企業のためにやるのではないかというような趣旨の御発言があったわけでありますが、これは先ほど来御説明いたしておりますように、従来いろいろな問題点がありました再開発事業を円滑に推進するために民間エネルギーも活用したいということであります。それはあくまでも一つの手段でございまして、ねらいは良好な都市環境を整備していく、そして住宅その他の問題につきましても前進を図ろうということでございまして、あくまでもそこに趣旨があるということを私から改めて申し上げておきたいと思います。  なお、いまお話しの、都市再開発の中で個人施行者制度を拡大した趣旨はどうかというお話でございますが、国、地方公共団体、民間、関係住民、これらが一体となって取り組んでいかなければ再開発事業は円滑にできないと私は思っております。また、そのためには相互の協力が必要であることも言うまでもありません。特にまた町づくりを進めてまいりますのには、やはり民間部門の創意工夫あるいは活力等も生かされることが私は必要であろうと思っております。市街地再開発事業の実施に当たりましても、そういう意味では民間エネルギーの積極的な活用を今回は図っていきたい、そういうふうにこれは一つの手段として考えておるわけでございます。  なお、現行の個人施行者制度におきましては、御承知のように権利者でなければ施行者とはなれないことになっております。しかし、権利者に再開発を行うような意思がありましても、事業を行うための企画力あるいは資金力、技術力、それらの面におきまして施行能力がないという場合におきましても、これらの施行能力を有する他の者によりまして再開発が円滑に行われる、そういうことを期待いたしまして個人施行者制度の拡大を今回は図ろうというものでございまして、そのようないわゆる施行を希望する施行者のためにこれをやろうとするものではございません。あくまでもその活力を私どもといたしましては利用いたしまして再開発を進めていきたい、そういうところに趣旨があるということを申し上げておきたいと思います。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 従来の考え方は、先ほどちょっと私も申しましたが、また大臣もちょっと認めておられたようですけれども、やはり関係権利者の自発的な意思に基づいて再開発を行う、こういう考え方だったんじゃないでしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 再開発事業は大変むずかしい事業でございますから、いろいろな方々がいろいろな条件下で行っていただかなければならないわけでございますけれども、特に市街地内は大変権利が錯綜しているという状況がございまして、その権利者の方々が集まって合意のもとに再開発を進めることができるならばそれは大変好ましいことであるという観点から、組合制度、組合施行制度あるいは個人施行者制度というのが発想されているわけでございまして、まさしく御指摘のようにこれらの制度の基本には、各権利者が自発的に行うということを尊重するという考え方があったかと思います。しかしながらただいま大臣からお話がございましたように、都市の状況、市街地の状況から再開発を推進をしたい地区につきましても、各権利者側の方になかなか施行する力がない、あるいは施行する意思が出てこないというような場所もあろうかと思います。そのような場合に他の能力を活用することができるならば、都市全体、市街地全体のためには大変有用ではないかというような観点から今度の新しい個人施行者の拡大ということが考えられたわけでございます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 ただいまちょっと局長の答弁で、私の聞き間違いであったら訂正しますが、関係権利者に施行の意思がない場合と言われましたですか。その関係権利者に施行の意思がなくても民間の活力を大いに活用してやっていくんだ、そういうふうにちょっと私聞こえましたですけれども、聞き間違いでないと思いますけれども、そういうことでしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 みずから施行することが困難な場合という意味で申し上げたわけでございます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 どうも言いかえられたような気もいたします。  それで私、この問題について、一体再開発法というのは何なのかということでいろいろ過去のものも調べてみたんですが、四十四年にこの法律がつくられましたときにも、参加組合員制度の問題が非常に問題になりまして、そして衆議院の建設委員会でこのことが問題になって、当時の竹内都市局長がこれについて答弁しておられる。「私どもはこういう制度」、こういう制度というのは参加組合員の制度のことですが、「私どもはこういう制度を民間の業者からつくってくれと言われてつくったものじゃございません。われわれはあくまでも権利者中心の組合によって再開発をやっていきたい、そういう考えでございます。その資金援助の措置として参加組合員という制度を設けた、民間の資金あるいは民間の構想力というものをある程度利用できるようにということで参加組合員制度を設けたということでいまの法案で出ているわけでございます。」  また続けて当時の坪川建設大臣の答弁でありますが、「決して民間資本を導入いたしまして大資本の便に供するというようなことは考えておりません。御承知のとおり、組合の適正なる運営によって自主的にこれらの建築行政を打ち出してまいる、これが本法案のねらいでございます。」自主的ということを非常に強調しておられるわけであります。もちろん、いままでやられた十年余にわたる再開発法の実施の中で何が出てきたかということについてはきょう十分に討論をする時間的余裕がないのは大変残念でありますけれども、しかし少なくともたてまえとしては、自主的ということを非常に強調しておられる。  五十年の改正のときにも、またこのことが大変問題になっています。ここでも当時の吉田都市局長が答弁をしているわけですけれども、「市街地再開発事業は高度利用地区内におきまして土地利用の形態を変更する事業でありますから、私法上その権能がある者、すなわち土地所有者及び借地権者、つまり建物所有を目的とする地上権者または賃借権者に限りまして事業施行の主体となることができる。組合施行の場合では市街地再開発組合の組合員となることができることとされている者であります。」そして「借家権者は既存の建築物をその用法に従って使用する権利者でありますから、土地利用の形態を変更する権能はありません。したがいまして市街地再開発組合の組合員とする等、利用施行の主体とすることはできないこととしております。」というふうに、非常にはっきりと答弁をしておられる。  そこでもし、この考え方に変わりがないとするならば、関係権利者でもない、まして借家人、借間人でももちろんない第三者を施行主体とさせるというのは、いろいろ理屈は言ってもこの制度についての考え方の大幅な変更ではないのかということを聞きたい。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 再開発事業も土地の権利にかかわる事業でございますから、なろうことならば土地の権利者が自発的にお進めになることが適切であろうと思います。これは区画整理事業等についても同様のことだろうと思います。しかしながら都市の状況からいたしますと、その市街地の状況によっては大変危険度が高まっているとかあるいは衛生上の問題があるとかというような地区につきましては、これは権利者の意思が必ずしも出そろわなくてもたとえば公共主体が事業を行わなければならないという例がございます。たとえば住宅地区改良事業といったような制度もそうでございますし、あるいは再開発事業の中でも公共団体の施行する事業は、一定の要件のもとに再開発事業が必要とみなされる場合に公共団体が行うことができるという規定に基づいてやっているわけでございます。そこで、それはいわば権利者原則からすれば一つの例外的というふうにお考えいただくこともできるかもしれませんけれども、またもう一つの考え方といたしまして、権利者がみずから共同しておやりになることがベターではあるけれども、もしその地区内の関係の土地の所有者、権利者の方々が一定の特定の者に仕事をやらしてもいいとお考えになるならば、その合意が得られるならば、その者に事業を施行さしてやることは可能なことではないかという考え方に基づきまして、今回の御提案を申し上げている次第でございます。  具体的に申し上げますと、権利者以外の個人施行者たる者は、なろうとする場合には、対象の地区内の土地所有者、借地権者全員の同意を必要とするということにいたしておりますし、それから、事業計画をつくり、権利変換計画をつくります場合には、その関係の権利者全員の同意、その中には借家権者も含まれます。借家権者も含まれました関係権利者全員の同意を得なければならないという規定のもとに実施をさせていただく、こういう形にいたしております。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 私は、いまのお話を聞いていますと、やはり町をどうするかということは、権利者であるとか、あるいは住民とかいうものの意思が第一に優先されなければならないと思うのです。ところが、再開発という事業が優先されているというのがいまの答弁ではないか、率直に私の感じることは。先ほど局長が訂正はされたようですけれども、施行者にその意思がなくともやっていくんだという言葉は、たまたま出たのじゃなくて、やはりそういう考え方から出されたものではないかとさえ思われるわけであります。全員の同意、確かに全員の同意でしょう。しかし、これはまたこれで地権者が、関係権利者が膨大なものとばかりは限りません。かなり広範な地域であっても、ごく一部分という、本当に片手にも及ばないという場合もあるわけで、ですから、それは決して歯どめになるというものではありません。私は、そういう点では、考え方としては再開発の方が優先されている、こう率直に感ぜざるを得ないのですけれども、実際に個人施行制度を拡大した場合に、出てくるのは一体だれがそれじゃ出てくるのかという点については、どういうふうに考えておられますか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 出てくるとおっしゃったのは、その個人施行者としてなり手になるという意味でございますか。先生の出てくることとおっしゃったのは……(中島(武)委員「今度拡大されて実際に事業をやりに出てくる、そういう意味です」と呼ぶ)つまり、新しく今度の制度について個人施行者となるもの、こういう御趣旨だと思いますけれども、いろいろな施行主体が考えられるかと思います。個人施行者として少なくとも事業をやる以上は、事業をやる能力を備えていなければならないわけでございまして、意思と能力を備えた者であれば、先ほど申し上げました各権利者全員の御同意という条件のもとに、施行ができるという仕組みにいたしておりますから、特に限定的にどういうものということを申し上げることもないかと思いますけれども、再開発事業も土地に関する開発事業の一種でございますから、開発事業について経験を持っている者が入るケースが考えられるということもございますし、また、一つの方法といたしましては、権利者の方々が皆さんで共同して一つの会社組織というようなものをお考えになる、その主体が個人施行者とおなりになるということも考えられるわけで、現にそういうような御要望のあるところもあります。そのようなことも含めまして、個人施行者という範囲を拡大させていただいた次第でございます。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 結局この個人施行の制度を拡大して出てくるのは、実態的には見当のつく話であります。  日本高層住宅協会、それから都市開発協会、不動産協会などが、これらの問題についてもいろいろな意見を述べております。これは大臣も御存じと思いますが、日本高層住宅協会は「都市再開発推進のための提言」というのを昨年の十月に発表しております。そして、ここで言っていることは、停滞している都市再開発を促進するためには、さっき大臣が言われたように、民間の力を積極的に活用すべきだということを述べて、民間デベロッパーが市街地再開発事業の事業主体となれるように法律改正を要求するということを提言しているわけであります。それからまた、都市開発協会も、都市再開発に民間エネルギーを積極的に活用するための制度を創設することを求めて、昨年の六月にこれは自民党に対して意見書を提出しているわけであります。  私は、そういう点からいうと、結局これは金と技術のある民間デベロッパーや、いわば大手不動産とか、あるいは先ほど来の論議でも局長が答弁しておられるように、大きなスーパーとか、あるいはデパートとか、あるいは金融機関だとか、あるいは大ビル経営会社、こういうものが直接入ってくることに道を開くということにならざるを得ないと思うのであります。  時間が参っておりますので、最後に一つ大臣にお尋ねしたい。もっとお尋ねしようと思ったのですけれども、これは後の同僚議員の質問に譲ります。  結局、今度の都市再開発法の一部改正、これは一部改正と言いますけれども、非常に一転機を画するような大改正だと思うのです。なかなか再開発が進まないというのが実態であります。先ほどから政府も認めておられるところです。そこで、知事が上から強権的に再開発方針を決定して、再開発を促進する。再開発事業の施行主体に住民や権利者とは全く関係のない民間デベロッパーが引き入れられる。それから再開発事業の施行区域の要件が緩和される。それから、民間デベロッパーに施設建築物をつくらすことができる。こういうふうに改正されていて、それでいて、再開発のネックになっている周辺住民を含めての住民参加という手続上の民主主義の問題、あるいは弱小権利者の権利擁護、こういった問題は、今度の改正でも一顧だに与えられていない。実際に何の改正も行われていないのです。  ですから、私はこういう改正では、大臣、民間活力の活用という名前のもとで、実際には大企業本位の都市再開発促進法になるのじゃないかと思うのです。この点ひとつ大臣の反省を望みたいのですけれども、見解はどうですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 御指摘の中に、関係権利者に対する権利保全が十分に行われてないではないかという点がございましたけれども、私どもといたしましては、在来からの制度の中に、都市計画の手続の中でいろいろな制度化が図られておるわけでございまして、この事業も都市計画事業として、都市計画の一環として行われるわけでございますから、特にこの事業について制度的に新しいものを考えなくても、現行の制度の的確な運用を図ることによって意図は達し得るのではないかと考えている次第でございます。ただその場合に、的確な運用と申しましたけれども、運用上の配慮については先ほど来御指摘のように前段階的な説明を尽くすとか、あるいは単に形式的に手続を進めるということだけでは足りない面が確かにあろうということは私どもよく反省をいたしておるところでございまして、今後の運用に当たっては十分その辺を留意して、公共団体にも十分な意見交換、権利者の意見の吸い上げということに留意をして仕事を進めるように、これは極力私どもとしても努力をいたしてまいりたいと考えております。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○渡辺国務大臣 いま局長からいろいろ御説明をいたしたわけでございますが、今回再開発法の改正をお願いいたしましたのは、いろいろな提言、要望がなされてきておることも事実でありましょうけれども、特に昨年十二月に都市計画中央審議会から「都市の再開発を広く、かつ、強力に推進するための新しい制度について」の答申を得ておるわけでございますが、私どもはこれを一つの根拠として鋭意検討を加えてきたところでございます。したがって、今回の改正はこれらの経緯を踏まえまして、既成市街地における都市環境の未整備あるいは災害の危険性、職住の遠隔化、交通混雑等の都市問題に対処しまして、市街地の計画的な再開発を広範かつ強力に推進することを目的としてお願いをいたしておるわけでございまして、特に私はそういう意味で、いま御説明いたしましたが、一番大事なことは関係者の意向が十分にくみ取られ、それの反映するいわゆる再開発を行うというところに大いに私どもとして配慮せねばならぬ、こう思います。  それから、これは望ましいことはやはり公共団体に実施をしていただくことであります。公共団体が実施できるのに、何もそのような民間活力を必要とするものではありませんけれども、必要とし、またそれのいわゆるメリットがある場合にはそのような民間活力も大いに利用する。同時に私は、現在いろいろ苦労してやっておりますけれども、たとえば住宅公団の未入居住宅等が出現したような経緯にかんがみまして、民間の鋭敏な環境に即応するいわゆる経営能力といいますか、そういうものや、また競争原理に基づく進歩というものも実はねらいといたしておりますし、それからもう一つは、私ども宅地供給の大きな柱としていわゆる再開発というものを取り上げておるわけでありますが、そういうものを進めていく意味におきまして、私どもは、住民の意思が一致をした場合にはこれも活用できる道を開くということでありまして、主体はあくまでもそこにあるのではなくて、できることであれば、公共事業で推進するのが望ましいと私は思っておるわけでありますから、その点は十分御理解をいただきたい。  なお今回、私もかねて申しておるのでありますが、このような法改正を行う以上は弱者救済の措置もいろいろ考えておりますけれども、もちろんまだ十分だとは私は思っておりません。そういう問題とかあるいはいろいろ相当な経費もかかるわけでございますから、そういう意味におきまして極力負担を軽減するために財政的な措置をまたいろいろとらねばならぬと思っておりますが、これらの問題は今後、法の成立を見まして、これを実施するに当たりましては一層そのような面について配慮してまいりたい。あくまでも私どもの法改正の趣旨はそこにあることにつきまして改めて申し上げまして御理解をいただきたい、かように考えるわけであります。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 終わります。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 次回は、来る二十三日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時十四分散会      ————◇—————

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