P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
91回国会衆議院1980/03/28

建設委員会 第8号

発言数
195
登壇者
16
会派数
5
開催日
1980/03/28

会議録

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 これより会議を開きます。  都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡部行雄君。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 まず大臣にお伺い申し上げます。  ただいま議題となっております都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案は、御案内のとおり昭和五十四年十二月、都市計画中央審議会が建設大臣に対し行った答申に基づいて作成されたものでありますが、その中で「都市における良好な市街地環境の形成又は保全を図るため、現在、地区を単位とし、地区の特性に応じた詳細かつ総合的な計画制度の導入が求められている。」そのために地区建設計画制度の創設が必要である旨うたわれておりますが、この制度の導入が求められているという判断はどのような事実を対象となされたのか、その経緯の具体的内容について明らかにしていただきたいと思います。また、この法律によって新しくどのようなものを期待されておるのか、その未来像についてお聞かせをお願いいたします。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○渡辺国務大臣 最近におきます都市化の進展の過程の中で、良好な居住環境に対します住民の要請はますます強くなっておるというふうに私ども認識をいたしております。また、市街地形成の現状を比較的小規模な地域について見ますと、細街路、小公園等の未整備、敷地の細分化等、良好な都市環境の形成上は問題を生じておる場合が少なくないのではないかというふうに考えておるわけでございます。このために、地区レベルで良好な市街地の環境の形成また保持を図るという観点から、都市計画の一つとして、新たに地区計画を創設いたしまして、現行の開発許可制度及び建築確認制度と相まって、地区計画に従いまして秩序ある開発行為、建築物の建築等が行われることとなりますように、誘導し、規制するための制度をこの際設けたいと思うのでございます。  本制度につきましては、ただいまもお話がございましたが、昭和五十三年以降、都市計画中央審議会並びに建築審議会におきまして審議をいただいてまいったのでありますが、それぞれ両審議会から昨年の十二月五日と十一月二十八日に答申をいただいたのでございまして、本改正案は両審議会の答申の趣旨に基づきまして、立案をされたものでございます。  なお、具体的な内容につきましては、局長から答弁をさせます。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 ただいまおただしの、どのような効果をこの制度によって期待をしているのかという御趣旨に承ったわけでございますけれども、制度は、ただいま大臣の御答弁ございましたように、かなり小さな地域単位を拾い上げて、その地域につきまして、その地区内の公共施設の細かな配置、それから地区内の建築物の整備の基準というようなものを総合的、一体的に定めるということを意図したものでございまして、このような計画に従って全体としてよい町並み、よい町づくりが進行することを期待をいたしているわけでございます。  具体には、都市計画法の改正、十二条の四という条文を予定いたしておりまして、その条項の第三項におきまして、このような地区計画が具体にどのような地域柄のところに策定することを予定しているかということを書いてございます。一号二号三号と三つございますが、概略申し上げますと、一つは市街地開発事業、この市街地開発事業には、郊外地、いわゆる新市街地の開発事業、既成市街地の再開発事業と含まれるわけでございますけれども、それらの市街地開発事業がこれから実施されるようなところ、あるいは実施された後の地域、これが第一号の地域の条件でございます。それから第二号では、現在いわゆるスプロール、市街地周辺部につきましてスプロールが進行しているような地域、あるいは進行しそうな地域というような地域柄のところ。それから第三号といたしましては、現在健全ないい市街地が形成されているところで、これを放置しておきますと、将来それが崩れていくというおそれがあるようなところ。大体そんなようなところの地域柄をこの地区計画制度の対象地域として考えておりまして、このような地域柄に地区計画制度が広くしかれることによりまして、全体として良好な市街地形成が保てるようになることを期待をいたしておるわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、私はこの問題は、単なる法律の一部改正という、単純なかつ局部的な立場から考えるのではなくて、日本資本主義の動きと将来の方向性を見きわめる上から、一つの流れの中の一断面としてとらえて、将来を見詰めつつ、今日における権利関係に生じている変化と申しましょうか、重点の移動と申しますかその力の正体をどうとらえるかという観点で論じてみる必要があるのではないかと思うわけであります。  つまり、日本資本主義の発達は、都市化傾向を促すとともに、経済、文化の分野においても、私権は、公共の福祉を前提とした社会的権利に従わしめなければ、社会秩序の維持や福祉の向上、文化の発展、環境保全なども期待できなくなってきていると言っても過言ではなかろうと思うわけであります。  しかし、厳密に考えますと、日本の資本主義のよって立つ法的基盤は、憲法第二十九条の一項「財産權は、これを侵してはならない。」ということであり、いわゆる私権集団としての社会構成——この私権は私有ですね。私有集団としての社会構成を基本としており、したがって、私有財産が公共のために用いられる場合は憲法第二十九条三項の「正常な補償」が義務づけられているわけであります。  そこで、本法案の内容を見ますと、地区計画には、建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠又は建築設備に関する事項、さらに、工作物の設置、樹木の植栽、その他土地の利用に関する事項等が定められ、これに合わないものは規制を受けるということになろうかと思うわけでございます。そうなると当然民法第二百六条及び第二百七条のいわゆる使用、収益処分の自由あるいは土地の上下に対する権利、こういうものの一部が制限を受けることになってくるわけでございますから、憲法第二十九条三のいわゆる「正常な補償」の対象となるものと思うわけでございますが、本法では、この補償については何ら考えられていないようでございます。このことは憲法第二十九条の次元を乗り越えることなしには法理論上おかしいのではないかと思うわけであります。これは本法だけでなく、計画面、価格面の両方から規制をしていくという側面を持つ国土利用計画法についても、あるいはその他私権を制限する法律等についても言えることでございます。  私がここで言いたいことは、このような一連の私権制限の措置と動向は、これまでのような自由奔放な弱肉強食の資本主義では、もはや公権の介入を必要とする事態に立ち至っている。つまり、今日までのような資本主義ではとうてい社会秩序それ自体、また、住民の福祉向上というものを期待することができないまでに追い詰められてきておると考えるべきだと思うわけであります。個人の幸せは全体とともに、という認識の中で、私と公の調和を求めて、私有から公有への重点の移動が始まっているのではないかということが、これらの現象を通して考えられるのでありますが、この点について御見解を明らかにしていただきたいと存じます。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 大変貴重な御指摘をいただいたと拝聴いたしておりますが、確かに御指摘のように、今日の都市問題は非常に複雑な状況下にあるわけでございまして、この解決には多面的な解決方法が考えられなければいけない段階であろうかと思います。経済社会の進展に伴いまして、いよいよ複雑化いたしてまいりますこの時代の要請に合わせた新しい施策が必要であるということは、まさに御指摘のとおりだろうと考える次第でございます。  先生は、憲法の二十九条一項を引用されまして、財産権の不可侵を強調されておられるわけでございますけれども、またこれに引き続きまして、憲法の条項の中で二十九条二項におきまして、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」という規定が存置されておりますことは御承知のとおりでございます。私どもの理解といたしましては、この規定に基づきまして、都市計画法及び建築基準法の体系によりまして諸般の制限、土地の合理的利用を図るという目的からする諸般の制限、規制、さらに、一定の基準を満たす建築物の建築を確保するという目的による建築基準法の制限が現行法として定められているというふうに理解をいたしておるわけでございまして、今回御提案申し上げておりますこの地区計画制度も、この都市計画並びに建築基準法の規制の一連の体系のもとに組み込まれた制度として御提案を申し上げているつもりでございます。  今日、これからの社会状況に対応いたしまして、都市問題を解決いたしますために、都市計画、建築基準法法制の手当てがどこまで進むべきかということは大きな問題かと思いますけれども、私どもは、現状御提案の地区計画制度は、いわば規制の面を持つと同時に、地区内の権利者の行為を誘導するという性格もあわせ持つものでございまして、むしろ、地区権利者の皆さん方の合意によっていい町づくりを推進していこうという趣旨で考えさせていただいたつもりでございますので、そのための必要最小限の自制的な規制が伴うという考え方で立法を構成させていただいたつもりでございますので、大枠におきまして、先ほど申し上げました都市計画法、建築基準法の体系に属し、かつ憲法二十九条二項の許容される範囲というふうに理解をいたしておる次第でございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、問題になりますことは、公ということを直ちに国や地方公共団体というふうに置きかえて考えられると、ここに大変な一つの危険な事態を招くことになるのではないかと思うわけであります。すなわち公共の福祉ということを、一方的な解釈で強権的に押しつけるような官僚国家、警察国家に発展しかねないからでございます。ですから、このような法律の執行に当たりましては、極力民主主義の保障が一方にセットされていなければならないと思うわけであります。この点、どのような配慮がなされておるのか、ひとつ明らかにしていただきたいと存じます。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 いわば観念的な基準としての公共の福祉という考え方からにわかに規制措置を導き出すということは、御指摘のように大変危険でもありますし、私どもとしても十分留意をいたさなければならない点だというふうに理解をいたしております。  ただいまおただしのように、公共の側からの一方的な行為ではなくて、関係権利者、住民の理解、合意を得ながら進めるべき制度として、どのような手だてが考えられているかというおただしかと思いますけれども、地区計画は、先ほど申し上げましたように、開発行為の誘導、規制のプランという考え方でございまして、したがいまして、その実現を図りますためには、区域内の住民の方々の個々の開発行為、建築行為等の積み重ねによって図られるものというふうに考えております。したがいまして、この地区計画の実行を担保いたします手だてといたしましては、性格上、当然にその計画の策定段階から十分に関係権利者、住民の方々の理解を得なければ成り立たない制度ではないかというふうに理解をいたしております。  具体的には、策定段階におきまして、まず地区計画の案をつくるのに関係権利者の御意見を求めて案をつくるという手だてを新しくこの制度の一環として導入をいたしまして、これによりまして案を得ました後に、さらに必要に応じ公聴会あるいは説明会等の手続を踏む。案が固まりましたところで公衆の縦覧に供し、御意見のある方々から意見書の提出を求める。意見の提出があった場合には、これを都市計画審議会にお諮りして御判断をいただくという、これは従来までの都市計画決定に当たってとられている手続でございますので、その手続も含めまして、全体として住民の方々、各権利者の方々の御意見を十分吸い上げ、そしゃくして計画が立案されるように、さらにまた、運営の段階でも十分御理解を得られるように努力をいたしてまいるつもつでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そうなると、この作成の段階から地権者の意見を聴取したり、あるいは公聴会を開いたり説明会を開く、そういう中で、この一番大半な地権著が非常に頑強に反対した場合はどういうふうな措置をとられるおつもりか、お聞かせ願いたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 市街地内には大変多数の権利者がおられるわけでございます。したがいまして、これらの制度を運営いたしてまいります場合に、すべて全農の御同意がなければ進行しないということでございますと、あるいは都市全体の体制整備といいますか、そういう点から問題が生じ得る可能性がございます。  したがいまして、都市計画の手続の中では、ただいま申し上げましたような、いわば住民の各皆様方の御意見を十分に吸い上げる組織、手続をつくりながら、できるだけ合意を得たいという努力を重ねながら、最終的な案に至るという過程において各権利者の意見がそしゃくされるということを期待をいたしておる制度だろうと考えております。つまり完全な一〇〇%の同意がなければ、法制度上進められないということにはなっておらない。そのために必要な手だてが講じられている、意見書、公聴会等の手だてが講じられているというふうに私ども理解しているわけでございますが、現実の運用といたしましては、特にこのような地区計画制度のような、地域に密着した計画プランの導入ということになりますと、これは極端に申しますと、仮に一人の方であっても徹底的にこれを反対されるということになりますと、現実の問題としては、プランをつくること自体が無意味になる場合もあるのではないかというふうに考えておりますので、実際の運用におきましては、皆さん方の全員の同意が得られるように努力をいたしてまいるべきものと考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 私は、ここが非常に重要なポイントだと思うのですが、そこで、いわゆる地区計画が本当に住民の利益になるという判断を、どういう反対者と賛成者の割合の中で判断されるのか。具体的にこの問題が進んだ際に、それは地区住民だけでなくて大きな都市計画という枠の中で考えられるのか。地区計画は地区計画の範囲の中で考えられてその賛否のいわゆる力関係というものを判断されるのか、その辺についてはどうお考えになっておりますか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 すべての都市計画に共通のことかと思いますけれども、やはり都市計画を定めます場合には、その都市全体のいわば都市としての機能というものに着目した判断というのが一つあるべきではないか。部分的なことにかかわり過ぎますと、都市全体の成長、発展ということにマイナス面が出る場合もございますし、そういった都市全体からの配慮という視角が一つ必要かと思います。  それからもう一つは、やはり個々の権利者が住まっておられるその住まいの条件、生活環境をよくしていくという視角からの判断があるべきかと思います。この判断は常に一致するかどうか、これははなはだ問題でございますけれども、やはりすべての都市計画についてその両方の判断の調和を求めていくということが必要かと思います。  そこで具体の制度といたしましては、この地区計画を定めます場合には、都市全体を踏まえた幹線的な街路、公園等の都市計画施設あるいは全体を対象とした用途地域制等の地域地区制、そういったいわば根幹的な都市計画の存在を前提といたしまして、その中で個々の小さな地区についてさらに細かい誘導、規制のプランをつくっていこうということでございますので、この前段としての、前提として与えられた都市計画は、いわば所与の条件として受け取って、その中で生活環境改善のためによりすぐれたプランを、具体に小さな地区につくっていくとすればどうなるか、こういうことで調整がなされていくのではないかというふうに考えておる次第でございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 現在すでに都市計画ができ上がっておる地域が相当あると思いますが、そこの埋め合わされていないところに今度は地区計画を立てて細かに埋めていく、こういうことになるかと思うのですが、その際、地区について相当の抵抗が出た場合、すでにもう都市計画としては住民は賛成しておったが、部分的な地区の開発については、今度はこれはだめだというようなことで反対の行動が起こった場合にはどういう説得の仕方をされるのか、その辺ちょっとお伺いいたします。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 この地区計画制度が適用される地域は原則的に市街化区域内であり、原則的に用途地域制がしかれている地域内でございます。用途地域につきましては、先生よく御承知のとおり、たとえば住居地域でございますと、容積率、建蔽率等の制限がございますが、容積率について申しますと十分の二十、つまり二〇〇%から十分の四十、四〇〇%までの範囲内で、都市計画でその地域に適用される容積率が決められる。仮に十分の二十、二〇〇%という容積率がその地域にこれは用途地域制としてかぶるわけでございますが、建蔽率につきましても同様に、たとえば住居専用地区でございますと十分の主ないし十分の六というような建蔽率が法律で定められて、その中から都市計画で具体にこの地域については十分の三であるとか十分の四であるとかということが一律にまず決められるわけでございます。その中でたとえば容積率十分の二十、二〇〇%と決められた地域内で今度の地区計画制度の対象となる地区を選んで、その地区に地区計画をつくろうといいます場合には、いまの前提となっている用途地域制では二〇〇%まで許されている。しかし、これをこの地域については特に一五〇%に抑えようではないかという提案がこの地区計画制度の運用に当たって考えられるわけでございますが、その場合に、地域住民の方の、実質的には全員の御同意が得られればそれが地区計画の内容になるというふうに運用上考えられるわけでございます。  そこで、おただしのようにもしそのときにそれに反対だという意見が出てきたときにどういう説得をするかという御指摘でございますけれども、私どもは、この地区計画制度そのものがよりよい居住環境をつくっていく、いい町づくりをするために必要なプランだというふうに理解をいたしておりますので、確かに個々の規制措置を取り上げれば、地区の住民の方々、権利者の方々に規制が若干加重されるという結果にはなろうかと思いますが、皆さんがそれをお守りになることによってその地区全体の居住性が向上するということになれば、結果的には住民の方々皆さん方に裨益することになるのではなかろうか、さらにそれがひいては都市全体にプラスすることになるのではなかろうかという立場から説符を申し上げるべきことではないかというふうに考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そうすると、この地区計画ができて、開発、誘導をする。その際に、家を建てたい、しかしその家はどうも計画の上からは望ましくない構造なりあるいは内容を持っておる、こういう場合には、当然、計画と違うからそれは認可できない、許可できない、こういうことになるかと思いますが、そういうことですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 計画策定に当たっての考え方を申し述べさせていただいたわけでございますけれども、地区計画が定められました場合には、それ以後、その地区内で開発行為あるいは建築行為を行おうとする方は市町村長に届け出をしていただく。その場合に、その個々の権利者がお考えになっておられる建築計画が地区計画に適合しないという場合には、市町村長が地区計画に合わせたらどうかという趣旨の勧告ができるという制度にいたしております。勧告でございますから、それに従っていただければそれで結構でございますが、いや、やはり私はそれに従わないという御趣旨の場合には、さらに第二段目の制度といたしましては、従来からございます建築基準法によります建築確認制度、これは当然地区計画区域内の建築行為についても適用されるわけでござますが、その建築確認の申請をなされたときに、その建築確認のチェックの基準の中にこの地区計画制度の内容の一部を取り上げることができるという制度になっております。これを取り上げます場合には、当然にその市町村の条例によって、この地区計画の中にいろいろ規制、制限があるけれども、このうちやはり守っていただかなければならない重要な基準だというものを条例で拾い上げていただいて、その条例で拾い上げられた範囲内で、それは建築確認のときのチェックの基準になる、こういう形になっておりますので、条例で吸い上げられた、条例で確認されたその基準に反する建築計画であれば、建築確認が得られないという結果になるわけでございます。  以上のような手だてを講じているわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、その条例ができた場合、条例と合わなければチェックする、こうなっておりますが、その条例は市町村の自由に任せるのではなくて、やはりその基礎となるのは政令ですか、その辺はどうでしょうか。

関口洋建設省住宅局長

○関口政府委員 いま先生御指摘のとおりに、政令で、条例で定める事項の基準を決めたい、かように考えております。  しからば、その政令の内容としてどういうものを考えておるのかということでございますが、たとえば建築物の壁面の位置、いわゆる壁面線と呼んでおりますけれども、それとか敷地の面積、建築物の高さ、それから先ほどお話が出ましたような容積率の具体的なもの、こういうものをこの都市計画法の今度の改正でお願いしています十二条の四の第三項の各号に掲げます計画区域の特性に応じて定めるということにさせていただきたい、かように考えておりますが、同時に、公益上必要な施設についての例外規定なりあるいは既存の建築物の制限緩和規定を設けるというようなことも政令の内容事項として検討をさせていただきたい、かように考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 この条例で認可されない、許可されないという場合ですが、私は五階の高層ビルを建てたいというときに、どうしても三階しか建てられないという制限を受けた、そうすると、上の二階分については使用収益権が侵されたということで、その補償を求められた場合はどういうふうに考えておられますか、その点をお聞かせいただきたいと思います。

関口洋建設省住宅局長

○関口政府委員 まさにその問題が、先ほど先生御指摘になりました憲法二十九条の問題にまたもう一遍返ってくるかと思います。  そこで、私どもの考え方を御説別させていただきますと、先ほど来御指摘がございますように、一項で「財産権は、これを侵してはならない。」と規定しつつも、同じ二十九条第二項で「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」ということに相なっております。それで、私どものいま考えておりますことは、いわばそういう制限の内容が、ある特定個人の方に特別の犠牲を課するものであるかどうかという点が、この補償を要するか否かの判断の基準になろうかと思いますけれども、先ほど来御説明しておりますように、地区計画の規制の態様は、まさにその財産権に内在する社会的制約、すなわち受忍の範囲というふうに考えておるわけでございます。  しからば、なぜそういう受忍の範囲と考えられるかという点でございますが、まず条例で決めます場合にも、法の規定によりまして、当該地区計画の区域内の土地利用の状況等を勘案し、地区の特性にふさわしい市街地の整備及び保全を図るために必要な制限でございますし、その制限は、地区内に一般的に適用され、その程度も、建築物の利用上の必要性、当該区域内における土地利用の状況等を考慮して、適正な都市機能と都市環境を確保するために合理的に必要と認められる限度において行うというふうに六十八条の二の第二項に書いてございます。その点が第一点でございますし、かつ、仮に敷地規模の規制を決めるといたしましても、同条の第三項でもって建築物の敷地としての利用を全く禁止することはないように手当てをいたしております。そういう意味から、特別の犠牲を課するものではないというのが私どもの見解でございまして、したがいまして、財産権に内在する社会的制約としての負担であるからこれに従っていただきたい、かように考えておるわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そうすると、簡単に言うと、補償の対象としては考えていない、こういうことですね。  そこで私の言いたいことは、これはやはりそういう意味では非常に画期的な内容を持っておると思うのです。憲法の言う公共の福祉に従うということ、この公共の福祉の内容は、実際に財産権が公共の福祉であろうと公の用に供される際には、その財産は当然補償されなければならない、しかしそれは現実には考えていくべきでないという法の趣旨があるわけですが、こうなると、私有財産というもの、また私の利益の追求というものを公共の福祉とどう調和させるかというのが非常に重要な問題になってくると思うのです。  そこで、公共の福祉に私の利益を調和させていくには、いまの私有財産のあり方、制度についても、ある意味では教育的に世論の形成を図るべきではないか。そして、そういう考え方が一つのコミュニティーとして形成されてくるというものを、むしろ誘導として先行させるべきではないだろうか。そこで初めて地区計画が実施されるときの地権者の意見を求めたりあるいは公聴会、説明会等を開いて同意を得ることが容易になるのではないか、こういうふうに考えられるわけですが、いかがでしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 まず住民の方々の御理解が先行すべきであるという御指摘については、私ども全く同感でございます。この制度がそういう御理解を前提として成り立ち、かつまた、この制度の実施が進行することによりまして、さらにその御理解が深められるということは期待できるのではないかと考えております。  現状におきましても、すでに幾つかの先進的な都市におきましては、ほぼこれと同じような形の小単位のかなり精度の高い都市計画プランというものができております。したがいまして、御指摘のように、日本の都市の住民の方々が一般的にこういう制度の必要性をお感じいただくのには、さほど時間がかからないことではないかというふうに期待をいたしておるわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 次に、この法案が良好な市街地環境の形成または保全を図るということでありますが、それには一応環境影響評価を事前に行う必要があると思うわけでございますが、いわゆるアセスメント法案は、再三自民党の手でつぶされて今日に至っておるわけでございます。そこで、建設省は「建設省所管事業に係る環境影響評価に関する当面の措置方針について」という事務次官通達等で措置してきているようでございます。地区計画等についても考慮されていくものかどうか、その点ひとつお聞かせ願いたいと思います。  時間も余りありませんから続けて申し上げますが、次に環境庁にお伺いいたします。  環境アセスメント法案が今国会に上程される予定になっているわけでございますが、実際に国会に提案されるのは一体いつごろになる見通しなのか、お聞かせ願いたいと思います。また、この都市計画法と環境アセスメント法との関連について御説明をお願いしたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 最初におただしのこの地区計画の決定に当たって環境アセスメントが適用されるのかどうかというおただしでございますが、この地区計画制度は、御説明申し上げてまいりましたようにいわゆる計画、その地区を、どういうふうにその地区における開発を持っていくかというプランニングづくりでございます。環境アセスメントは、御承知のように環境に多大の影響を与えることが考えられる事業が実施されます場合に、その事業が環境に与える影響をアセスメントする、こういう趣旨でございますので、この地区計画、プランニングをつくるということと環境アセスメントの対象となる事業ということとはおのずから隔たりがあるものと考えております。すなわち、私ども地区計画制度、地区計画の決定に当たって環境アセスメントは関係がないというふうに理解をいたしております。

平尾多久雄環境庁企画調整局環境管理課長

○平尾説明員 お答え申し上げます。  第一点のアセスメント法案の問題でございますが、これにつきましてはこれまで関係閣僚会議、あるいは関係省庁の局長会議等でかなり詰められてまいりまして、本日、けさでございますが、関係閣僚会議で環境影響評価に係る法案の要綱を一応御決定いただいております。したがいまして、これを受けまして私ども環境庁とそれから関係省庁の間でこれから具体的に法文に即して調整に入っていきたいと思っておりますので、できるだけ早い時間に調整を了して提出ができますように努力いたしたい、かように考えているわけでございます。  それから第二点の都市計画との関連でございます。きょう御決定いただきました法案要綱の中に都市計画に係ります部分がございますので、その点を申し上げますと、「都市計画に係る事業に関する環境影響評価については、当該都市計画決定に際して行うことについての特例を設けるものとすること。」ということでございまして、この環境影響評価法案の上におきまして都市計画法の体系と十分調整をした形で特定規定を置いていく、要するに都市計画の段階でアセスをやっていく、こういう形でこれから建設省の方と十分調整させていただきたい、かように考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、この法律がミニ開発等の乱開発防止を目指しておるわけでございますが、どういう場合にどういう形で防止されるのか、具体的な例を挙げてひとつ御説明を願いたいと思います。  なお、このミニ開発が進む原因についてはどのような御認識をお持ちになっているのか、その点もお聞かせ願いたいと思います。

関口洋建設省住宅局長

○関口政府委員 順序が逆になりますが、まずミニ開発がなぜ行われるのかという認識の問題から先に御答弁をさせていただきたいと思います。  ミニ開発が起きました背景には、やはり根強い土地つき一戸建ての持ち家需要というものがございまして、それが地価の水準が高い大都市地域において展開される場合に、小規模な開発となって、しかも無計画に行われるということがある、かように認識をいたしております。  しからばそのミニ開発について従来どういう対策を講じており、さらにこの地区計画制度によってどういうふうにそれを防止しようとしておるのかという点について御説明をさせていただきます。  まず、いままでとってまいりました対策でございますが、いわゆる先生御案内のとおりに、現行都市計画法ですでに開発許可の制度をとってございますが、開発許可の対象面積が原則として一千平米以上の開発となっておりますので、それ以下のものについては、この開発許可が一千平米で決めておる場合には及ばないということになります。そこで、従来からこの対象規模の引き下げ、五百平米まで引き下げることが可能でございますので、そういう対象規模の引き下げなりあるいは建築協定の活用等によりまして対処するように都道府県知事等の指導に努めてまいったわけでございますが、一方何と申しましてもミニ開発を根本的に防止するためには、居住環境の整った計画的な宅地開発を積極的に進めるということが何よりも大事であると考えまして、この計画的宅地開発を推進するために、これまた先生御案内のとおりに、関連公共公益施設整備に対する助成の強化その他所要の措置を講じてまいったわけでございます。また、ある程度面積の小さいところであってもそれを有効に活用する方策といたしまして、タウンハウス等の供給施策が有効であると考えまして、これらについてもその推進に努めてまいってきたところでございます。  しからばこの地区計画制度によってそれをどういうふうにしてチェックを図っていこうとするのかという点でございますが、地区計画制度は先ほど来御答弁申し上げておりますように、その地区の特性に応じまして道路、公園等の地区施設と建築物の形態あるいは敷地、こういうものを一体的、総合的に定めまして、その計画に基づいて秩序ある開発行為なり建築行為等の誘導を図るわけでございますが、ミニ開発と不良な環境の街区の形成のおそれがある地域につきましては、この制度によりまして建築敷地面積の最低限度を定めますとともに、細街路網の計画的な形成を図るということによってミニ開発を防止し、良好な市街地への形成が誘導できる、かように考えておりますので、本制度の積極的な活用に努めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 ミニ開発が進む原因については、地価高騰ということが専門家の中には大分指摘されているのですが、いまのお答えの中にはなかったようですが、それは見解が異なりますか。

関口洋建設省住宅局長

○関口政府委員 ミニ開発が地価高騰の結果であるという点につきましては御指摘のとおりだと思いますが、そういう意味を含めまして、先ほど地価水準の高い大都市地域で行われるというふうに申し上げた次第でございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、時間がありませんから国土庁にお伺いいたしますが、地価高騰ということがミニ開発の大きな原因とされておるわけでございます。そこで、国土利用計画法で地価に介入できることになっているわけですが、介入の法律要件を満たすためには具体的な状況についてどのような場合なのか、御説明願いたいと思います。     〔委員長退席、伏木委員長代理着席〕 また、地価抑制策について今日どのようなお考えを持っておられるのか、あわせてお聞かせ願いたいと思います。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 国土利用計画法によります地価への介入につきましては二つございます。一つは届け出制でございまして、御案内のとおり全国で現在適用いたしております。もう一つはいわゆる規制区域の制度でございます。国土利用計画法第十二条によります規制区域の指定につきましては、土地の投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われ、及び地価が急激に高騰する事態に対処し、緊急に対策を講ずる必要がある場合に行われるという趣旨でございます。  この「土地の投機的取引」と申しますのは、将来他に転売をしてその間における地価の上昇による価格差益を享受することを目的とした取引というふうに考えております。それから「相当範囲にわたり集中して行われ」ということでございますが、相当の広がりを持つ地域におきましてほぼその全域にわたって投機的な取引が反復継続的に、かつ集団的に行われる場合を言うというふうになっております。地域の範囲につきましては具体的には経済的、社会的実態によって判断されるということになろうと思いますが、私ども、行政通達の中では少なくとも市町村の範囲ぐらいは最低限ではないかという指導をいたしております。「地価が急激に上昇し」ということでございますが、当該地域におきます従来からの地価の趨勢、それから全国の地価の趨勢等を考慮して判断されるものでございまして、一律の基準はないわけでございます。さらに法律の中に「おそれがある」という言葉がございますが、客観的に見まして相当程度確実であるということが必要だ、後で土地利用審査会等のそういうふうな判断についての同意が得られる程度に客観的なものでなければならないというふうに解されておるわけでございます。以上が規制区域指定の要件でございます。  私ども、現在のところそういうふうな要件に該当するものはないというふうに考えておりますけれども、絶えずそういう点につきまして監視を励行いたしまして、必要があれば遅滞なく行うというスタイルで臨みたいと思っておるわけでございます。  地価の抑制策はどうかということでございますが、私ども、いま現在のところ地価高騰の原因といたしましていつも三つのパターンを考えております。一つは効用の増加によるものでございまして、これは品位、品質、品等が向上する、たとえば地下鉄の駅ができて高くなるというようなものがございまして、これはある程度やむを得ない、税制において考慮するしかないだろうと考えております。もう一つはいま申し上げました投機的な土地取引による値上がりでございまして、これは四十七、八年にわが国土で横行いたしまして、全地域、全地目が三〇%を超す上昇をしたということがございますが、ああいう一番悪いケースでございます。それはいまのところ国土利用計画法の的確な運用、それから短期重課等の税制の活用、融資の抑制という三本立ての政策できつく抑え込んでおります。残る一つが、需要に対して供給が不足しているということでございまして、現在の地価高騰の主因はこの需給のギャップにあると考えております。したがいまして、私ども、当面の土地対策といたしましては、投機的土地取引は引き続き厳にこれを抑制する、それから宅地の供給を進めるための対策をすべてにおいて前向きに講ずるということに尽きるというふうに考えておる次第でございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 現在は規制の対象になるものはないと考えておるという趣旨の御答弁ですが、私は、こういう東京とか大阪とかいわゆる都市圏内の地価が非常に高い、そういう高いところでは、たとえば農村の地価が五〇%上がった場合よりもこの高い過密都市の地価が一〇%上がった方がより経済的な打撃を与えることになると思うのです。そういう点で、主観の相違と言われればそれまでですが、いま持ち家政策を進めてもなかなか進まないというその隘路になっているのは、一番大きいのがこの地価問題でございます。  そこで、せっかくそういう法律をつくってあるんだから、都市の地価抑制のために一回伝家の宝刀を抜いてこれをばしりとやってみれば、それが一つのきっかけといいますか、薬になって地価は全国的に抑制される方向に動いていくのではないか、そういう指導、誘導の意味をもってこの伝家の宝刀を抜いてみてはどうかというふうに考えるのでありますが、いかがなものでございましょうか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 先生御案内のとおり、国土利用計画法ができます際に、そういう伝家の宝刀の適用要件といたしまして、きつく、投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われることがまず必要である、「及び」ということで「又は」と書かなかったという事情がございます。これは、先ほど申し上げました地価の値上がりの原因の中で投機的な取引が一番悪いものである、そういうものについては、先ほど話が出ました憲法二十九条二項の範囲内であっても当然に抑制できるという見解に立ったものであるというふうに私ども考えております。したがいまして、これを越えまして法律の「及び」という解釈を「又は」と変えるということは解釈などではとうていできるものではないというふうに思っております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 時間が参りましたので以上で私の質問を終わります。どうもありがとうございました。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長代理 中村茂君。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 今回の都市計画法と建築基準法の一部改正、この一部改正を考えた意図、それから趣旨、目的は何にあるか、明らかにしていただきたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 今回御提案申し上げております法律の改正の目的は、市街地内の地区、街区もしくは住区というような小単位の地域の範囲でございますが、地区のレベルで当該地区内の土地利用を誘導、規制することにより良好な市街地の環境を形成するための都市計画として地区計画の制度を設けようとするものでございます。既存の現行の各種の都市計画は都市計画区域全体から見て主として当該都市の骨格を定めるものでございますが、地区計画はその骨格の枠内において良好な市街地の環境を形成するため、建設行為、開発行為等について必要な誘導、規制を行おうとするための計画でございます。現行の都市計画におきましては都市計画区域全体の立場から用途地域の制度によりまして建築物の用途、建蔽率、容積率等が規制をされておりまして、さらに街路、公園等の都市施設に関する都市計画によりましてこれらの施設の計画的な配置が図られるということになっておりまして、市街地の秩序ある整備がそれによって図られるというたてまえになっておりますが、現状の都市計画制度におきましては、まず第一点といたしまして、建築物を建築することと、その場合に当然にあわせて必要となる小さな街路あるいはプレイロットみたいな小さな公園的な空間、こういった施設が現状において必ずしも十分に整備されていない、   〔伏木委員長代理退席、委員長着席〕 したがって、建築物は建つけれども居住環境を兼ね備えた建築物が建ちにくいという状況があること、これが第一点。  それから第二点、地域によりましては必ずしも用途地域の規制だけでは、先ほど来御説明申し上げましたように少し網の目が粗過ぎる。地区レベルで建築物の形態、構造その他につきましてよりきめの細かい計画を立てることが必要ではなかろうか。  第三点といたしまして、特に市街地周辺部におきまして公共団体あるいは公団等が計画的に大規模に宅地開発、整備をやっております場合はいいのでございますけれども、それ以外の地域では小さな虫食い的な開発行為が積み重ねて行われております。そのことによりまして全体として不良な市街地が形成されつつある。  以上、大きく見まして三点の問題点が現状の制度に照らした現況の問題点かと思います。これらにかんがみまして、今回建築物の形態等あるいはこれとあわせて必要となる細街路等の施設その他の地区レベルの土地利用に関する具体的な計画として、地区計画を新たに設けることといたした次第でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 いま虫食いという言葉が出てきたんですけれども、いわゆるミニ開発、この点について若干御質問いたしますが、ここ数年間、このミニ開発が非常に多くなってきております。  そこで、このミニ開発が盛んに行われてきております背景というか、要因、どのように認識しているか、明らかにしていただきたいと思います。

関口洋建設省住宅局長

○関口政府委員 いわゆるミニ開発問題は、基本的には、根強い土地つき一戸建ての持ち家需要に即応いたしまして、地価の水準の高い大都市地域におきまして小規模な開発が無計画に行われるということがこの要因だ、かように考えております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 私は、このミニ開発が行われてきている要因について三点ぐらい考えているのです。先ほどの渡部君の質問に対しても若干言っておりましたけれども、まず一つは特別土地保有税、それから国土利用計画法、この開発許可の対象というのは二千平米以上。それから都市計画法の開発許可の対象は千平米以上。この規制から逃れて、千平米または二千平米以下の土地については手がつけやすい。そこでそういう小さなところに規制を逃れてつくるということになれば、確かに先ほど言われたように無計画になる。それから、どうしても宅地を開発していくということになれば関連公共施設の負担というものが非常に多くなるわけですけれども、やはりそういう規制から逃れてそういう施設をつくらない、しかしそういう負担を逃れるわけでありますから、安く環境の悪い都市形成がなされてしまう、こういうところに一番大きな問題があるんじゃないか。  二番目には、土地が非常に高くなってきている。住宅地については特に値上がりをしてきている。そういうことになりますと、どうしてもそれを分譲するという場各にできるだけ小さくというかっこうになってしまう。土地が高いわけでありますから、余り大きくすれば買い手の方も手が届かない。できるだけ小さく売りやすい、買いやすいというふうにミニ開発が流れていってしまう。  それから三つ目には、やはり日本人の、小さくもいいから家を欲しい、こういう気持ちが根底に流れている、それをうまく利用するというか、そういうかっこうでいってしまう。聞くところによれば先進諸国といわれるヨーロッパの人たちなどは、周りが陸続きでいつでも戦争とかそういういろいろな被害の中で、家を持つということよりも宝石なり金を持つという気持ちが強いそうですけれども、日本人の気持ちというのはどちらかというとそういうものよりも、家一軒ぐらい一生の間に持ちたいという気持ちが、どんなに土地が高くも、小さくも家を持ちたい、こういう気持ちになっていくのじゃないか、こういうふうに私は思うのです。  ですから、もともとがいまの形の中ではどうしてもミニ開発というふうに流れていくところがある。それをどういうふうに規制しながら良好な都市環境をつくっていくように誘導していくか、これが今度の法案だというふうに思うのですけれども、その前提として二、三点お伺いしておきたいのですけれども、だということになれば、国土利用計画法のいわゆる二千平米以上というものについてもう少し下げることができないのか。都市計画法の千平米以上というものについて許可対象をもう少し下げることができないのか。その法律そのものでそうだとしても、今度の地区計画、地区整備計画という中でそういうものを下げてきちっといく方向にできないものか、この点についてひとつお伺いしたいと思うのです。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 先生最初に御提案の、国土利用計画法の対象の引き下げの問題でございます。  国土法の届け出制限につきまして適用面積を引き下げることによりまして規制を強化する場合には、国土利用計画法の改正を要する問題でございます。この国土利用計画法が実際に提案されましたときの経緯を振り返ってみますと、現行の基準につきましては、四党共同提案の場合、現行法の立法審議の過程で明らかにされたように、一つは、膨大な件数の土地取引をチェックするために必要な都道府県の事務能力ということがございます。  現在の状況を申し上げますと、年間で取引が約二百七十万件ぐらいございます。それに対しまして現在都道府県が取り扱っておりますのはその約一割、二十五万件程度ということでございます。また、これは機関委任事務でございますので、人件費の補助等について予算を計上いたして行っているものでございます。それらの点を考えまして、相当膨大な事務量がふえるということが一つございます。  それから、大規模な取引を規制すればその波及効果がその他の取引にも及ぶであろうという当時の見通しがございました。さらに、先ほどもお話がございましたけれども、公有地の拡大の推進に関する法律の届け出面積等、他の制度との整合性等を総合的に考慮して、最も適当ではないかといって決められておるのが現状でございます。  さらに、国土法には投機等の場合によりますと最後には許可制というものもあるわけでございまして、これまでの運用の実態から見ましても、たとえば相当大きいところ、結果的にまとまるものを細切れするというようなことについては認めておりませんし、団地の一団性ということに着目した運用をいたしてまいっておりますので、現段階におきまして直ちにいまこの引き下げが必要であるというふうには考えておりません。  しかしながら、最近種々の議論も出ておることは当然でございますし、国土庁といたしましてもその必要性の有無、考えられる原案等につきまして広く検討はいたしております。しかし、いずれにいたしましても土地取引の規制の根本に触れる問題でもございますし、影響するところが非常に大きいということでございます。各方面の意見を聞きながら慎重に対処してまいりたいと考えておりまして、五十五年度予算におきましてそういう制度の基本的勉強台といいますか、そういうふうな勉強のための予算の準備もいたしておりまして、ここ当分かけて慎重に勉強してみたいと思っておるところでございます。

宮繁護建設省計画局長

○宮繁政府委員 ミニ開発の原因その他につきまして御指摘がございましたけれども、私どもも先生の分析のとおり考えております。  それで開発許可の対象の規模の引き下げの問題でございますけれども、御承知のとおり現在は原則としまして千平米以上の開発行為の場合は、都道府県知事の許可を要することになっておりまして、その場合には道路、公園その他空地といったような公共施設あるいは排水施設の確保等を開発者に義務づけまして、いい団地開発が行われておるわけでございます。この対象規模につきましては、市街化の状況によりまして特に必要があると認める場合は、都道府県の規則によりまして三百平米まで引き下げることができるというふうに制度上はなっております。私どもとしましても無秩序な市街化を防止して良好な宅地の供給を図るために、地域の実情に応じまして三百平米とか五百平米というふうに引き下げをお願いしておるところでございますけれども、やはり事務量の増加とか要員確保の問題から公共団体でも苦慮しておるところでございます。  しかしそれにしましても、五十四年度の当初におきましては、こういった対象規模の引き下げを行いました市町村の数が四十一でございましたけれども、昭和五十五年度の当初におきましては七十五に増加する予定でございます。今後とも、都道府県等の執行体制いろいろ問題もございますけれども、何とかこの対象規模を引き下げていただくように、一層指導してまいりたいと考えております。  それから、最近の状況でございますけれども、五十三年度までの数字しかございませんけれども、購入者の質的水準に対する意欲、あるいは地方公共団体もいろいろ対策を講じておりまして、たとえば東京圏におきまして一戸建ての住宅で敷地が百平米未満の狭小な住宅建設戸数の占める割合が、五十二年度は四四%でございましたが、五十三年度は三九%に減っております。これは全国で五十二年度が約一六%強でございましたのが五十三年度では一三%強というふうになっております。これからもこの点につきましては十分な指導を続けてまいりたいと考えております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 次に地価の問題ですけれども、私が申し上げるまでもなく、五十五年一月一日の地価公示価格が四月一日に発表されることになっていると思うのですけれども、最近の地価の動向についてお伺いいたしたいというふうに思います。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 地価の動向につきまして公表された一番最近のものといたしましては、去る一月三十一日に土地鑑定委員会が発表いたしました地価動向調査の結果がございます。これによりますと、四半期ごとの調査、これは全国の地価公示地点のうちで五百五十地点を抜き出しておるものでございますが、それを対象といたしまして四半期ごとに報告しておるものでございます。それを累計いたしますと一年間の変動率がおおむね推定できるというものでございます。それによりますと、全国では九%の上昇となっておりますが、平均を超えておりますのは住宅地一一・五%ということでございまして、さらに、住宅地の中でも平均を超えている圏域は三大圏域ということでございます。三大圏域の住宅地につきましては一五%の上昇となっておりまして、上昇率が高くなっておるわけでございます。近く地価公示を発表する予定でございますが、これは一万七千三十地点についての報告でございます。その集計の結果でございますので、パターンとしては変わっておりませんが、パーセンテージは若干これより上回るということが予想されております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 いずれにしても今度発表になる地価公示について、それぞれの都道府県はすでに発表しているところもありますし発表していないところもあるのですけれども、東京都にお伺いしたところ、東京都の場合には、特に宅地部門については平均して二〇%、最高は三〇%以上にいっているところがある。全国の平均も宅地は平均で一〇%以上になっている、こういうことをお伺いしたわけですけれども、いま局長の方から言われたのも大体その線に沿った言い方になっているわけです。特に、公定歩合が上がって九%というふうに言われているのですけれども、平均して一〇%、東京都内については平均して二〇%も上がってくると預金しておくよりもうかるし、非常に私どもが警戒している先買いまたは投機的な傾向というものを、地価が上がってくると背景としてそういう条件が生まれてくる、そういうことを非常に心配するわけであります。  それから、先ほどの答弁もそうですし、いままで皆さんが一貫して言ってきたのは、需給のバランスが崩れてきている、ギャップが生じた、これは確かに言えると思うのです。ですからこの際どういうふうにして宅地を供給させていくかということを真剣に考えなければならない時期に来ているというふうに思うのです。大企業が優良な宅地を保有しているとすればそういうところ、あるいは大手不動産、そういうところを厳密に調査して、思い切ってそういうものを放出させるというような手段をとったらどうだろうか。法的にまでする必要があるのか、指導でできるのか、その辺はむずかしいと思いますけれども、こういう緊急なときですから、そういう手段をひとつ真剣に考えたらどうだろうか。  それから三つ目の問題としては、いま譲渡税に関連する土地の税制をいびろうとしているわけですけれども、私は特別土地保有税というものについては思い切って上げた方がいいと思うのです。そうして、譲渡税とか土地税制について緩和していくという問題については、宅地部門について優良なところを出してくれるといったら思い切ってそれは緩和していく、違うところについてはする必要なし、そうして宅地をどんどん引き出していくというような思い切った措置をこの際とる必要があるのではないか、こういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 大都市地域を中心とする特に住宅地の値上がりが厳しいということを先ほど御報告したわけでございますが、先生のおっしゃるとおり需給ギャップということが一番の原因でございますが、同時に効用の増というものもあるわけでございます。ただ、私ども先ほど投機についてはないというふうに申し上げたわけでございますが、いま先生一番最初にお話がございましたように、大体土地を保有すれば貯金をするよりもうかるからどんどん土地を買う風潮が起こるのではないかということでございます。そういうことが起こりますのがいわゆる仮需要、投機的需要の発生でございまして、一番戒めなければならないところでございます。そのための対策といたしまして、先ほど申し上げましたとおり現在三つの対策をとっております。  一つは、四十七、八年当時になかった対策といたしまして、国土利用計画法による行政介入ということでございます。これは相当励行いたしてまいっております。それからもう一つは短期譲渡重課、それから特別土地保有税、法人の土地譲渡に対する場合の二〇%の特別重課、こういう制度はそのまま残しておるという点でございます。  一例を申し上げますと、たとえば、現在そういうふうに土地がもうかるものだというつもりで相当な金を準備して東京で土地を買ったといたします。それで先ほど先生のお話にございました二〇%ではございませんけれども、一七、八%の値上がりが今後ずっと続くということで計算をいたしますと、五年後には大体二・二倍くらいになると思います。十年後には大体四・五倍くらいになると思います。その間にそういう値上がりが生ずるわけでございますが、もしその時期にその値段で土地が売れたといたします。そういう場合も現行税制のもとで手取りはどれくらいになるかという計算をいたしますと、五年後にそういう値段で売った場合の利回りは年三%でございます。十年後の場合は年四%強でございます。したがいまして、ちょっと頭のいい人ならばそういうことでは買わないというふうにわれわれ思っております。したがいまして、プロはそういうふうな土地の買い進みはしないだろうというふうな税制になっているのではないかと思います・自分の金で買った場合もそういうことでございますが、さらに不要不急の金につきましての融資の抑制ということも厳しくやっております。したがいまして、今後投機が助長されるような状況は余りないというふうに思っておるわけでございます。  それから、大都市の土地の値上がりの状況についてお話がございましたが、最近の趨勢の中で四十七年、四十八年ごろの分と比べてみますと、四十七年当時の地価公示の変動率でございますが、ベストテンを挙げてみますと、一番トップが一三五%の上昇でございまして、これは二・三五倍ということでございます。ベストテンの最下位が八三・八%の値上がり。しかも、そのベストテンの中では商業地が五カ所くらい入っております。住宅地がその残りという程度。四十八年におきましてはどうかと申しますと、ベストテンのトップが一三三%の値上がり、ベストテンの十位が一一〇%の値上がりということでございます。これにつきましては中身はほとんどが住宅地でございまして、商業地が一つ入っております。したがいまして、ベストテンで見る限り住宅地中心であるということが言えます。しかし、その中身を見ますと、北海道、新潟、それから宮城というようなところが入っておりまして、地方の住宅地中心型ということが言えると思います。五十五年の今後予定しております地価公示のベストテンを見ますと、やはり先生おっしゃいましたように東京都のトップは三〇%くらいだと聞いております。それからベストテンの最下位は二五、六%と聞いております。しかし、中身といたしましては、全部が住宅地で、全部が東京都もしくは埼玉県ということになっております。それから見ますと、明らかに四十九年以後いろいろな値上がりの状況がさま変わりをいたしまして、東京都もしくは東京圏等を中心といたします三大圏の住宅地中心型の値上がりということが非常にはっきりと出ておるというふうに考えられます。  それからもう一点、先生のお話にございました大手の業者の土地でございます。販売用土地につきましては、毎年私の方で企業の保有土地調査というのをやってまいっております。現在一万三千ヘクタールくらい大都市圏内では企業の販売用土地があると見ております。しかしながら、企業の手持ちの土地につきましては四十八年には純計で一万ヘクタールくらいふえましたけれども、その後毎年二千ヘクタールオーダーで出し入れの差が減っております。現在、大手といいますか、業者について聞きますと、ここ一年分ぐらいしか手持ちがないというところまでの業者が七割を占めておりまして、在庫の不足感を感じておるというのが現状でございます。したがいまして、もちろん、そういうものにつきまして大いに宅地化をしていただくということは当然でございますけれども、それ以外にもいろいろと供給策を考えなければならぬということだと思います。  それから税制でございますけれども、先生のお話ございましたように保有税はこれを強化をする、譲渡税は優良なものについてはこれを軽減するというのは土地対策から見た場合の税制の方向だと思います。したがいまして、今度の場合の税制につきましても投機抑制税制、それから保有税制等につきましては現行制度を維持するとともに、譲渡税について相当の減税を図ったということでございまして、御指摘のような方向で土地税制の改善を考えておるというふうに御了解いただきたいと思います。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 わかりました。  前にちょっと戻るようですけれども、ミニ開発というものの概念ですね。いわゆるミニ開発ミニ開発と言うのですが、無秩序な都市計画というか、都市の形成、一区画にすれば百平米以下ぐらいな区画は大体ミニ開発というふうに概念として持ってもいいわけですか。その点はどういうふうにお考えになるでしょうか。

関口洋建設省住宅局長

○関口政府委員 ミニ開発の厳密な定義をすることは非常に困難でございますけれども一、一般的には、まず全体の規模といたしまして開発許可の対象とならない小規模な開発である。それからまた、一つの敷地でございますけれども、これは先生のおっしゃいますように、従来は百平米未満ということで考えておったのでございますけれども、むしろそれよりも、正確に申しますと、いまの、全体も小規模だし、それをさらに小規模に分割して住宅地を連檐して建設する、その結果、敷地の狭小さに加えまして行きどまり道路であるとか屈曲道路、こういうものが発生いたしまして、住環境の悪化なり防災性の低下という問題を惹起するのがミニ開発だ、かように私どもは考えております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 私がそこのところをどうして強調するかというと、今度の法改正でそういうものをできるだけなくしていくように誘導していこう、そして優良な都市環境を整備しよう、こういうわけですよね。ところが、最近はその一区画がますます小さくなってきているのですよ。土地が高くなった、しかし小さくても家を一軒持ちたいという者がいれば、そこのところはなかなかうまくいかない。これは、自治実務セミナーの五十二年十一月号に「ミニ開発の規制と条例」ということで論文があるのですけれども、ここのところには、「ミニ開発とは、二千平方メートルないしは千平方メートル未満の小規模な宅地を造成し、一区画百平米未満程度で分譲する場合を指すこと。また、主として大都市の既成市街地において盛んに行われていること」とあり、私もこういうふうに思っておるのです。  そこで、大臣にここで一つお聞きしたいのですが、このミニ開発問題というのは、口ではこの問題を解決していくということは言っても実際に手をつけるとなかなかむずかしい問題だというふうに思うのです。今度の法の一部改正によってもなかなかむずかしいと思うのですけれども、しかし、解決しなければならない問題だ。それを解決しなければ優良な土地形成もなかなかむずかしい。ミニ開発という問題についていろいろやりとりしてきたのですけれども、そこら辺の隘路とこれからの考え方、そういうものを含めてこの際大臣にお聞きしておきたいというふうに思うのです。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○渡辺国務大臣 私は、やはり宿命的に日本の国土が非常に狭い、したがってなおさら国民の土地に対します執着が強いというようなことは、また最近の地価の問題とも絡みましてミニ開発の非常に大きな要因になっておることは否めないのではないかと思います。私どもはこのミニ開発に対しまする対策としましてはいろいろ申し上げてまいりましたけれども、一般的には都市計画法によります開発許可の対象規模は引き下げてまいりたい。また、建築協定のような制度を活用いたしましてこれに対処するというようなことを、都道府県知事等の指導に努めてまいりまして、ミニ開発から、居住環境の整いました計画的な宅地開発の方向へ誘導をしていきたい。また、そのためには関連公共公益施設整備に対しまする助成をも強化していく、今年度も五割増加いたしております。また、良好なタウンハウスの供給というようなことにつきまして、総合的な誘導策を推進してまいるように努めてまいりたいと思っております。  なお、地区計画制度というのは、地区のレベルにおきまして良好な市街地の整備及び保全を図るためのものでございますので、ミニ開発のような不良な環境の街区の形成のおそれのある地域につきましては、本制度によりまして建築物の敷地面積の最低限度を定めるということも行いますし、また、細街路網の計画的な形成を図ることもできるしするわけでありますから、こういうことによりましてミニ開発を防止し、良好な市街地の形成へと誘導することができるというふうに考えておりまして、本制度の積極的な活用に努めまして、ミニ開発に対しまする対処をいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 法案の中身について若干お聞きしておきたいというふうに思うのですが、いまミニ開発という問題についていろいろやりとりし、地価の問題についてもやりとりして、大臣が今度の法改正で誘導してできる、こう言われるのですが、私は、今度の法改正でもなかなかむずかしい、こういう前提に実は立っておるわけです。  まず、法案の内容でいきましても、地区計画について、届け出、そして勧告していく、こういうふうになっているわけですね。果たしてこういうやり方で実効が上がるかどうか、この点について非常に危惧しているわけですけれども、その点についてお考えをお聞きしたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 地区計画につきましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、まず骨組みとしての都市計画があるわけでございまして、その骨組みとしての都市計画を前提として、地区を対象とした詳細な計画づくりをしてまいろうということでございます。いわばその詳細な地区についての計画というのは上乗せの規制あるいは誘導の基準というようなことになろうかと思います。  したがいまして、この上乗せの規制ないし誘導基準につきましては、まず第一義的には、関係権利者の御理解、御協力によって達成していくのが一番望ましい方法論ではないだろうかという観点から、まず、地区計画が定められた地区内の権利者が、建築行為あるいは開発行為をされる場合には、市町村長にその御自身のプランを届け出ていただき、これに対して、地区計画とのそごがあれば市町村長の方から適合させていただくような勧告をするという仕組みの中で調整を図っていただくのが第一義的に望ましい手段ではなかろうか。  しかしながら、おただしのように、せっかくのプランが実況されることについての担保が全くないということではいかがかという御指摘もございます。そのとおりだと考えるわけでございまして、第二段の手だてといたしまして、この地区計画の定めの内容の一部を、条例をもって建築確認時点の建築確認の基準として吸い上げるといいますか、建築確認の基準に取り込むという手だてを考えております。  したがいまして、この手だてによりまして建築物の建築をされようとする方は、従前からある建築確認申請をされる必要があるわけでございますけれども、その建築確認申請の時点で、地区計画の定めの一部が確認の基準に取り込まれていることによってチェックされる。そこにおいて地区計画の内容の実現が担保されているというふうな仕組みとして考えさせていただいておる次第でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 その際、特に三大都市圏の市町村では宅地開発指導要綱というものを持って優良な都市を形成しようと努力しているわけですけれども、その指導要綱と今度の地区整備計画との関係についてお考えをお聞きしておきたいと思うのです。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 宅地開発等の指導要綱でございますけれども、これは御承知のとおり、現在の社会情勢下におきまして、主として大都市近郊の自治体が強い開発の需要に対処いたしますために、主として開発行為や建築行為の規制あるいは抑制を目途としてこれらの行為に関する基準を制定し、これによって開発の規制を行おうという趣旨のものといふうに理解をいたしております。  一方、今回御提案申し上げておりますこの地区計画は、市街地内の一定の小さなまとまりのある地区を対象といたしまして、その地区についての土地利用計画をつくるということでございますので、いわば誘導、規制のためのプランという発想で計画づくりを子定いたしております。  したがいまして、この地区計画の場合には、その地区全体についてのいわば土地に即した即地的なプランということで描かれるものというふうに考えております。  いわば、簡単に端的に申し上げますと、指導要綱の方は開発の需要に対してその開発を抑制するあるいは規制するという発想から出てきたものというふうに理解するわけでございますけれども、地区計画の方は、一定の区域を限っていい開発、適切な開発を誘導し、そのいい開発にするために必要な規制はやろう、必要な規制のもとにいい開発をしよう、こういう発想の違いがあるというふうに理解をしております。  したがいまして、この両者の間にその目的の相違があることから、当然その規制の内容も違ってきている。具体的に申し上げますと、指導要綱の方は、規制の基準と同時に、開発者にどこまで費用を負担させるかという費用負担の関係の条項が含まれているのが通例でございます。しかしながら、地区計画の方には、これは先ほど来申し上げておりますように、一定の区域の土地利用計画、プランでございますが、特にその計画の実現についての費用負担の関係について触れているということはございません。以上のような内容的な差異もございます。したがいまして、当然にこの地区計画が定められる地域について指導要綱を吸収していくというようなことを現時点でわれわれは考えているものではございません。  しかしながら、規制の内容が両者まじり合っている点もございますので、地区計画において、たとえば先ほど来お話しのような敷地の最小規模の規制等を地区計画に取り込むというような地区計画が定められることになりますと、その規制内容については、指導要綱の規制にいわば代替的な働きをするというようなことが結果としては得られる形になると思います。  したがいまして、目的、それから規制内容が一般的に異なる発想からの制度でございますけれども、地区計画の内容の定め方によっては、従来指導要綱で規制していたものの一部が地区計画の内容として規制され得るということにはなろうかというふうに考えておる次第でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 この運用は非常にむずかしいと私は思うのです。指導要綱というものは、法的な根拠としての保護は別に受けていないわけですね。しかし、優良なものをつくろうということで、それぞれの自治体がつくってやっているわけですね。今度の地区計画でも、これは誘導、規制と言われているように、規制部分もあるわけです。そうでなければ優良な都市環境はできないわけですから。特に建築基準法などについては、条例の中に相当規制部分が取り入れられてくると思うのですね。その際、皆さんがこれから指導していく条例なりそういうものと、この地方自治体でおつくりになっている指導要綱と非常に——一致してくればいいんですね。ところが相違してきてしまっている。ですから、そのまま取り入れるものではないけれども、取り入れる部門も出てくる、こういう言い方をされているわけですけれども、この両方をどういうふうに接点を求めて運用していくかという点についてはひとつ慎重に取り扱っていただきたいということを注文つけておきます。  それから次に、地区指定または整備計画をつくってやっていくわけですけれども、いままで誘導する、誘導するというふうに言ってきたけれども、何にもなしで誘導すると言ってみても、規制を加え、ある程度地区計画に乗ったものをつくらしていこうといっても、民間のデベロッパーがそんなところに乗ってくるはずはないのです。特に市街地については土地が高いわけでありますから、そこのところへ道路の分を出します、また公園の部分も出します、そして宅地というふうに言っても、そこのところへ誘導していくという財政措置なり助成措置というものがついてこないとこういう計画は計画倒れに終わってしまって、そこへ乗ってくるということはむずかしいんじゃないか、こういうふうに私は思うのです。  ところが、どこを開いてみてもそういう財政的な誘導の裏づけがないのですよ。その点についてはどうお考えになっているのですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 御指摘のように、今回御提案申し上げております法律改正の中におきまして、特に助成のための制度を考えた規定を置いておるわけではございません。     〔委員長退席、伏木委員長代理着席〕 これは地区計画と申しますものが、御説明申し上げておりますように都市計画の一環をなす細部の計画、プランニングという考え方で整理をさせていただいておりますために、一応その計画の実現のための助成制度とは切り離した考え方で整理をさせていただいているために、そのような整理になっております。  地区計画に定められる地区施設につきましては、先ほど来御説明申し上げておりますように、きわめて幅の小さい細街路でございますとかあるいは子供の遊び場であるプレイロットというような小さな空間を予定しておりますので、これらの施設はいわゆる宅地周りの都市施設と申しますか、公共施設と申しますか、というような性格のものであろうかと思います。現状におきましても、建築基準法の定めによりまして、市街地内でもみずからの宅地を建築物の敷地として利用いたします場合には、その敷地の間口二メートル以上が四メートル以上の幅の道路に接しなければいけない、こういう規定になっておりまして、そのような道路が十分に整備されていないところにつきましては、これは私道という形で道をつくることを前提として、建築物の敷地としての利用が許されるという形になっております。そのような性格の公共施設に準じたものとして、この地区計画の中の細かい、細街路等の施設が形づくられていくものであろうというふうに考えておりますために、一般的に、これらの施設についての助成措置はこの際は、施設を助成の対象としては考えてはおらないわけでございます。  しかしながら、今後、この地区計画制度が円滑に、広範に実施されていく必要があるわけでございまして、そのための必要が生じた場合には、さらに何らかの助成措置について将来の検討が必要となる場合もあろうかと考える次第でございますけれども、当面は、この地区計画に関連いたしまして街路等の公共施設に対する助成、補助の配分等に当たって、地区計画関連のものに重点的に配分を考慮する等の措置を考え、あるいは地区内の小公園に当たるようなものに重点的に配分を考慮していくというような措置で助成を並行的に考えさしていただいていきたいと考えておる次第でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 いま、最後の方で、ちょっと助成するようなことも言ったのですけれども、予算上は全然ないですよね。  そこで、大臣にちょっとお聞きしておきたいのですけれども、都市計画中央審議会総合部会報告というのがあって、その中に「地区建設計画制度について」という報告をしているわけでありますけれども、その中でこういうことを言っているのです。「地区建設計画に係る助成措置 国又は地方公共団体は、地区建設計画の策定又は計画内容の実現が円滑に図られるよう、計画対象区域内の都市計画施設の整備の促進に努めるとともに、民間の建築又は開発行為に対する各種助成制度の改善等地区建設計画の実現を容易にするための財政・金融・税制上の優遇措置を講ずるものとする。」こういうふうにしているわけですよね。  私はざっくばらんに言って、こんな計画や整備を掲げたって、いまの土地事情や全体的な状況の中で、小さいから小さいからと言ってみても、これを真剣に考えてもらわなければ、つくっても実際にはなかなか推進がむずかしい、こういう危惧を持っていますので、その財政全般について、税制などを含めての助成についての考え方を大臣からお聞きしておきたいと思うのです。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○渡辺国務大臣 ただいま事務当局からいろいろ御説明はいたしておりますけれども、地区計画制度というのは、建築または開発行為につきまして地区レベルでの計画に基づいて誘導、規制を行うという制度でございまして、従来からの都市計画法及び建築基準法の体系の中に位置づけられておるというふうに御説明をしておりまして、その実現のために助成措置が当然に伴わねばならないというふうには私ども必ずしも考えておりません。  しかし、ただいまも御意見がございましたように今後の運営を見つつ、この地区計画制度を円滑に実施してまいりますためには、必要があると認められまする対象につきましては助成措置につきまして、積極的に検討を進めてまいりまして、この法の成果を上げるように努力をせねばならぬ、かように私は考えておる次第でございます。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 次に、道路位置指定による開発について。これがもうミニ開発の最たるものなんですね。ここのところに、埼玉県における道路位置指定による開発の実態ということで、いろいろこの資料の中には出ています。道路位置指定による開発と一般の開発との比重の問題、これはここ数年間道路位置指定による開発の方がずっと多くなってきているのです。それから、道路指定による開発は、大体三百平米から一千平米未満が九二%の大部分に上がっている。いわば、道路が行き詰まりになっている。その両側に小さなのをつくっていくというのがいっぱい出てきているのですが、今度の地区指定、地区整備計画で一部改正によるのを進めていくとこういうものは解消できるのでしょうか。

関口洋建設省住宅局長

○関口政府委員 現在、私道の築造につきましては、建築基準法施行令第百四十四条の四の規定で基準を設けまして、慎重にやっておるわけでございますけれども、ただ、先生がおっしゃるように、ある区域を限って次から次とそれを行っていきますと、結果的には、地区全体としての安全性なり防災性の低下、環境水準の低下を招く、それがミニ開発を出現させる一つの原因になっておるということば、私ども十分認識をいたしております。今回の地区計画におきましては、先ほど来御説明しておりますように、そういう意味で、宅地周りのいわゆる細街路のネットを前もって計画で定めまして、個別の私道の位置の指定は、この計画に即して行うこととしておりますので、御指摘のような無秩序な私道の築造による乱開発は防止できる、かように考えております。

中村茂日本社会党

○中村(茂)委員 終わります。

伏木和雄公明党・国民会議

○伏木委員長代理 午後二時に再開することとし、この際、休憩いたします。    午後零時二分休憩      ————◇—————    午後二時二分開議

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。貝沼次郎君。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案につきまして質問をいたします。  まず初めに、この法案が出された意義につきまして簡単に説明していただきたい。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 今回御提案申し上げております法律改正の目的は、御承知のように現在の都市計画というのは、その都市全体を見渡した幹線的な公共施設でございますとか、あるいは全地域に適用される用途地域制でございますとか、そういった都市全体の観点からの根幹的な都市計画が定められるということになっておりますけれども、さらに具体の地区レベルの段階に至りますと、都市計画のさらに細部的な計画については十分な措置がとられていないという状況がございます。したがいまして、このような状況にかんがみまして、地区レベルでのより詳細な計画を定められるように地区計画制度の立案に至った次第でございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 それじゃ端的に言って、この法律が通ったら一体どういうメリットがあるんでしょうか。いままでなかったときよりはこういう面ですばらしくいい法律であるという点は何でしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 都市の住民にとりましては、自分の住居周辺を含めた都市全体についての居住環境の整備ないし整備環境の向上ということかと思うわけでございます。したがいまして、そのような要請に対応いたしますためには、現行の都市計画制度にのっとっておりましても、部分的に開発、整備されるところはございましても、さらに広域的に個々人の行為の積み上がりによっていい市街地環境が形成されていくということを望むことはまず困難な状況下にあろうと思います。このような状況下に対応しまして、まず地区レベルで統一的な細部計画をつくり上げ、それによって各個人の活動が誘導され、必要に応じ規制されることによって良好な住宅環境、市街地環境が形成されることに役立つであろうというふうに確信をしているものでございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 話としてはそういうことだろうと思いますが、もう少し具体的に聞いてみます。  この法律ができて、いろいろな地区計画がつくられる、そしてそれが進められていくということになるんでしょうが、この提案理由の説明によりますと「良好な居住環境に対する住民の要請」こういうふうになっておりますが、「良好な居住環境」というのは具体的にどういうことなのか、私よくわかりません。日本語には昔から家庭という言葉がありまして、これは字のとおり家と庭がつかないと家庭にならないわけでございます。したがって、この「良好な居住」というのは家と庭がつく家庭なんでしょうか、それともつかない家だけなんでしょうかね。この辺はどう判断したらいいのか。  それからさらに、最近建っておる家の狭いとかあるいは階段が急だということから、家庭内のたとえば階段から落っこちた事故だとか、こういうものが非常にふえておりまして、年間死者三百人を超す、こう言われているのですね。ですからけがをする人は物すごく多いのだろうと思いますが、これはやはり良好な居住環境ではない。したがって、こういうものが起こらないようなものというのは一体どういう住居なのか、環境なのか、その辺を御説明願いたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 居住環境は、単にそれぞれ居住いたします住宅の中だけの問題ではないのではないかと思います。住宅の立地するその地域の環境、特に住宅の宅地周りといいますか、その居住条件の主要なウエートをなす部分といたしまして、みずから居住する住宅の周辺から適切な、たとえば小公園等があるかどうか、あるいは街路についても災害時に車が入らないとか消防車が入らないというような状況にはないというような最小限の施設が整っていることとか、そういった住居周辺の公共施設を含めた環境が良好であることが必要であろう。「良好な居住環境」と申します場合にそういった概念、イメージで考えておるわけでございます。したがいまして、この良好な居住環境の確保という中にはそれぞれの土地柄に応じて、居住形態の相違によってその環境のつくり方も、また要請される環境のあり方も違ってまいるのではないかと思うわけでございますが、土地柄によって平静で健康的な居住が営み得るような環境が住居の内外を含めた広い概念で保障されていることということが必要な条件だろうと考える次第でございます。  そこで、良好な居住環境という場合に、庭つきの一戸建てであることを要するかどうかという御質疑でございますけれども、これも地域柄によりまして居住の形態により、あるいは居住の嗜好性によりましていろいろな判断があり得るかと思いますので、一概に必ずしも庭つきであることは要しないだろうというふうに理解をいたします。市街地の周辺部あるいはさらに離れたところでありますれば、かなりゆとりのあるスペースを確保して居住を営めるわけでございますから、そのような状況をお選びの向きには当然に庭つきの住宅が好ましい形にございましょうし、あるいは既成市街地内の特に交通至便の利便性を高く評価した居住条件を選ばれる方にとっては、必ずしも庭つきの一戸建てが良好な居住条件のために必要だというふうにはお考えにならぬと思います。都市の地域地域によって住まいの形態が違うわけでございますし、好みも違われるわけでございます。その状況に応じた良好な居住環境というものをイメージにより確保していくということが必要であり、またそれで十分ではないかというふうに考える次第でございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 これは私は答弁ですべて求めようとは思いませんが、わが国の建設省としてはこういうものが理想的である、あるいは普通こういうところまで考えておるというものを具体的に示した方がいいと思うのです。たとえばそれはライフサイクルという考え方もあるでしょうから、ひとり暮らしあるいは二人、四人の家庭というふうにおのおの違いがあるでしょうけれども、平均的なもので考えた方がいいと思うのです。  それから、階段から落っこちてけがをするのがうんと多い国なんというのは決して自慢にならないわけであります。そこで、階段のつくり方とか、落っこちる方も悪いのでしょうけれども、そういうような不名誉な数字が挙がらないようなものを日本の建設省は考えているというものがないと、ただ良好な良好なと言っても、その人の考えでよければそれでいいのだというようなものではどうしようもない。したがって、いますぐとは言いませんけれども、こういうものを示していただきたい、こう思っております。この点いかがですか。

関口洋建設省住宅局長

○関口政府委員 先ほど先生から、階段から落ちるような家しか建ってないのは不名誉な話じゃないかということでございますが、まことに御指摘のとおりだと思いますけれども、経緯的に申させていただきますと、実は第三期住宅建設五ケ年計画を立てます際にまさに先生がいま御指摘になられましたように、家族構成に応じて家の規模としての最低居住水準なりあるいは平均的な居住水準というものを決めまして、それを目標として現在住宅の新規供給に当たっておるという実情でございます。  そこで最低居住水準に達していない世帯でございますけれども、これは四十三年の住宅統計調査によりますと、大体全世帯の四九・三%を占めておったのでございますが、四十八年にはそれが三三・七%に減少し、五十三年にはさらに一四・八%に減少をいたしております。逆に平均居住水準以上の住宅がふえておるというわけでございますが、その辺で最近の住宅の規模の動向について御説明さしていただきますと、五十年度に着工されました一戸当たりの平均床面積は、持ち家につきましては百四・八平米だったのが、五十一年には百八に、五十二年には百十に、五十三年には百十五に上がりまして、最近は大体百十八平米ぐらいの水準を示しておると思います。  一方、借家の方でございますけれども、借家も逐年ふえておりまして、五十年には五十一・四平米だったのが、中途を省略いたしますが、五十三年には五十四・六平米まで上がっております。  そういうわけで、持ち家、借家、給与住宅、分譲住宅を通じました平均の二月当たり床面積もふえておりまして、五十年には八十二・七平米だったのが五十三年には八十七・八平米にふえております。しかしながら一方、住宅需要実態調査の数字で申しますと、住宅に困っている理由として第一に挙げられるものが、四十八年には、住宅が狭いということを第一に挙げられた方が約五〇%おられましたが、五十三年にはそれが三五・三%に減少しておる反面に、設備不良であるとか日照、通風、あるいはばい煙等の公害、そのほか、庭がない、狭いという理由を挙げられる方がふえておりますので、今後の課題としてはこの辺のことを踏まえて、先生御指摘のとおり居住水準の向上に向かって努力をしていかなければならないもの、かように考えております。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 結果だけを追っかけるのじゃなしに、こうなりたいというものを示してそれに向かって進んでいく、こういうことが大事だと思うのです。  それから、その後に「良好な都市環境の形成上問題を生じている場合が少なくない」こういうふうにあります。この「良好な都市環境」は先ほど局長がちょっと説明した部分に入るだろうと思うのですが、たとえばミニ開発の問題一つにしても私はこういうのが入るのじゃないかと思いますが、この都市環境の形成上問題点というのは具体的にどういうものを指していますか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 ミニ開発という状況も確かに御指摘のように良好な都市環境の形成上現在惹起されている問題であろうかと思います。なお、さらに既成市街地内におきましても、再開発を必要とするような状況下にありながらなかなかそのような再開発事業の進行に至らないという状況下にあるようなところもまたこれは都市環境形成上の問題点として指摘し得るものというふうに考えられます。  いずれにいたしましても、現在の状況におきましてあるべき都市環境がゆがめられているという状況一般について、都市環境形成上の問題として表現をさせていただいた次第でございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 ミニ開発の問題もあちこちで私も見てきました。袋小路の問題や違法建築すれすれの住宅とか、防災上、消防の車が入るか入らないかわからないようなところ、あるいは都市開発の問題でも、せいぜい駅前あるいは商業地区というようなところなんですね。それから都市づくりにしても、いまの住宅の話と同じように、わが国としては都市というのはこうあらねばならないというような理念というものが果たしてあるのかどうか、何となくわからない。いつでもどろなわ式に後を追っかけている感じがする。やはり都市のあるべき姿というものをもっと討論し、そしてコンセンサスを得なければならないのじゃないか、その辺にコンセンサスのギャップがあるのじゃないかという感じがするわけでありますが、この辺はいかがでしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 都市づくりのあり方につきまして、全国民レベルでのコンセンサスが徹底を欠いているのではないかという御指摘かと思うわけでございますけれども、先生御承知のとおり、この都市づくりのあり方についての基本的な考え方につきまして、数年来、建設大臣の諮問機関でございます都市計画中央審議会におきまして御議論をいただいた結果を昨年の十二月に答申としてまとめていただいたものがございます。これは大変大部な御答申をいただいたわけでございますけれども、この答申の中で、いま先生御指摘になりました、都市というものはおよそこういうふうにあるべきだという一般的なビジョンをお示しいただきますと同時に、個々具体の都市につきましては、その一般的ビジョンを含めて、その都市都市に具体のビジョンというものがあるべきである、この具体のビジョンというものを、各都市において市長さんが中心になっておつくりになり、それを住民の各位、全員の御理解を得ながら実現の段階に移していくというような段取りが必要ではないかという御提案をいただいたわけでございます。私どもこの御提案を貴重なものと受けとめまして、これから大いに都市の一般ビジョン、さらには個々の具体のビジョンづくりに御協力を申し上げていかなければならないというふうに考えている次第でございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 このビジョンは私は非常に大事だと思うのですね。たとえば、日本の町はど真ん中を国道が走っておるが、外国では町のわきを走っておるとか、全然根本的に違いますので、やはり国民的コンセンサスが非常に大事だと思うのです。  それから、このミニ開発の問題でありますが、ミニ開発がすべてが悪いというふうには私は考えていないのです。これは必要だから出てきたし、また、これを求める人がいたからこれが成り立ったと思うのです。つまり、いまの需給構造の中でこれは出てきた問題でありますから、むしろその地域のデベロッパーとして積極的に行政の中で誘導して、いまのようなものでなしに変わったものへ誘導していくような施策というものが必要なのではないか。ただそれを食いとめることばかり考えるような方法ではちょっとまずいのではないか。場合によっては助成策を講じてでも、よりベターな方向へ誘導していくようなことは考えられないのかどうか、この辺はいかがでしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 ミニ開発に対する対応策といたしまして、御指摘のように、単に規制措置のみではなくて適正な開発を誘導すべきではないかというお話でございますけれども、私どもも全く同じような観点に立っておりまして、不適当な開発の規制について十分手を尽くしますと同時に、やはり適正な開発が行われやすいような形に持っていくということも一つの重要な施策だろうと思います。  今回の御審議いただいております地区計画制度と申しますのは、私どもの考え方といたしましては、いま御指摘のような趣旨に沿えるようなものであるべきであろう、たとえば一定の市街地周辺部で開発が予想されるようなところを、あらかじめかなり具体的な詳細な施設計画あるいは建築物の建築計画というものをプランとして定めておくことによって、その土地に対する権利者が自発的な開発を志す場合に、そのプランにのっとって開発することによって全体としての良好な市街地形成という形が実現し得ることになるのではないか、われわれとしてはそう期待をいたしましてこのような制度の御提案を申し上げている次第でございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 そういうふうに誘導する反面、また厳正な規制もやっていかなければならぬと思うのです。  そこで、これはもう私が読み上げるまでもなく、都市計画法二十九条一号、それを受けた都市計画法施行令の十九条で定めてあるわけでありますが、市街化区域において開発行為をしようとする者は、いま一千平米以上は許可が必要だ、それ以下は要らない。ところがこの施行令では、「三百平方メートル以上千平方メートル未満の範囲内で、その規模を別に定めることができる。」こうなっておりますから、これを運用面で厳しくして、三百までいかなくても、五百平米くらいまで下げるならば、かなりこれは規制されるのではないか。こういう施行令をつくっておきながら、どうしてこういうことができないのかということが私は不思議なわけでありますが、こういうものを使って、そしてこういう乱開発がされないような対策をとるということは考えませんか。

宮繁護建設省計画局長

○宮繁政府委員 開発許可の対象規模につきましては、ただいまお話がございましたように「市街化の状況により、無秩序な市街化を防止するため特に必要があると認められるときは」都道府県知事の方におきまして規則をつくりまして、一千平方メートルの規模を三百平方メートルまで引き下げることができることになっております。  それで、建設省としましても、いまお話しのようにこの規模を引き下げることにつきまして都道府県知事に対しましていろいろ協議申し上げ、指導しておるわけでございますけれども、一つには事務量がふえるというようなこと、それからその要員の確保等に問題があるというようなことで、なかなかこの引き下げの実現がはかどりませんでした。それで、昭和四十六年当初ではただ一つの市だけしか引き下げておりませんでしたけれども、昭和五十年度当初では約四十一の市町村が五百平方メートルまで規制の面積を引き下げるようになりました。その後、昭和五十五年度の当初に至りましては約七十五の市町村で規模を五百平方メートルまで引き下げの実現を見ております。  今後におきましても、この開発許可対象規模の引き下げは、ミニ開発防止の点からも大変有効な手段でもございますので、何とかこの対象規模の引き下げの市町村をふやすように、都道府県に対しましても御相談し、指導してまいりたいと考えております。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 それはぜひやっていただきたいと思います。これはわが党も前々から主張してきておることでありますし、ぜひ効果の上がるようにしていただきたいと存じます。  それから、こういうような今回の法律で成功するかしないかということは、やはり何といっても地価の値上がりを抑制しなければならない、地価が高騰すればなかなかうまくいかない、こういう問題だと思います。  そこで、建設省としては、あるいは国土庁かもしれませんが、いま地価というものは上がっておるという判断ですか、上がっていないという判断ですか、とまっているという判断ですか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 大都市の住宅地を中心に強含みであるというふうに見ております。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 いまちょっと聞き逃したのですけれども、上がっておるということですか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 上がっておるということでございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 これはどういう対策をとって地価を上がらないようにいたしますか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 最近におきます地価動向でございますけれども、三大都市圏の住宅地につきまして、強含みの傾向があるということをただいま申し上げたのでございますが、私ども、原因を追及してそれに対する対策をつくる必要があるというふうに考えております。  その原因といたしまして、一つは効用の増というのを考えております。たとえば、新玉川線ができまして、その沿線が値上がりをする、こういうような品位、品質、品等が上がって地価が上がるという問題でございます。これにつきましては、いわゆる開発利益の吸収という問題があろうかと思いますが、これは税制で十分対処しておる問題だと思います。もう一つは、大都市地域を中心とします需給ギャップということが一番の原因であろうかと思います。  いまミニ開発のお話が出ましたけれども、私どもミニ開発に対しまして、地価との関係では二つの側面があると思っております。  一つは、いま先生おっしゃいましたように、地価が高いから、どうしても所得水準から考えてみれば小さい家でなければ売れないから小さくなってしまう。したがって、ミニ開発が横行するという側面でございます。  もう一つの側面はミニ開発というふうな建築の様態が許されておると申しますか、できますので、できるということになりますと、たとえば土地そのものは百平米以下というような土地でございますと、土地だけの切り売りではなかなか売れません。したがって、必ず建て売りという形式でミニ開発は進んでおるわけでございますけれども、そういうふうに上物と一緒ということになりますと、少々高い土地であっても買い進んでもペイするというふうな業態が成り立ちます。したがいまして、そういうような買い進みが行われまして、それが呼び水となって地価を押し上げる一つの要因になっておる。二つの面があるわけでございます。  今回そういうようなことに対しまして、こういうふうな法の改正が行われますと、後で申し上げましたミニ開発がどこでも許されるというようなことにつきましての制肘が行われてくるという意味で、大変地価のためにも好影響があるだろうと思っております。  もう一つ、地価の値上がりの問題の中で、投機的な土地取引、いわゆる土地の値上がり待ちの素地を保有いたしまして、将来売るというような悪い取引がございますが、そういうふうなものに対しましては、現在いろいろな対策を講じて抑止をいたしております。当面の土地対策といたしましては、引き続いてそういうふうな投機的な土地取引を抑制する。そのためには国土利用計画法の的確な運用、それから投機的土地取引の抑制効果の強い短期譲渡重課等の税制の堅持、それから投機的な土地取引を助長するような融資の抑制というような対策を堅持していくということが一つございます。  それからさらに、関係省、力を合わせての問題でございますが、宅地供給促進のための財政上、金融上の措置を拡充をしていく、都市再開発を大いに促進をする。それから、大都市地域におきます市街化区域内農地の皆さん方の協力を得ながらの宅地化を促進をする。それから、宅地供給促進の見地からの税制を大いに活用する。それらの諸施策を総合的にやっていかなければならないと思っております。  その中で、特に国土庁といたしましては、適正な地価形成を促進するための地価公示の適正な励行と申しますか、さらにPRの徹底、それから国土利用計画法の的確な運用、さらに市街化区域内農地を、農民の皆さんの御協力を得ながら宅地化を促進するための方策、この点に特に重点を置いてやっていきたいと考えております。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 たくさんおっしゃいましたけれども、要はどうですか、ことしの夏まで地価の高騰はとまりますか、いろいろそれだけやられるのでしたら、恐らく効果があるのでしょうから。その中でも特にいま規制区域の指定一つとっても、これは本当にやるのですか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 規制区域の指定につきましては、先ほども御答弁申し上げたとおりでございますが、やはり投機的な土地取引、これが一番の要件でございます。現在のところ、諸指標によりまして、特にそういう規制区域を指定するかしないかというようなための事前の調査をやっております。全国で二百三十七地区現在やっておりますけれども、いずれもそういう兆候はないという報告が来ております。その他のいろいろな指標を見ましても、投機が起こっている気配はない。したがいまして、いつでもそういうことが起こったら寄らば切るぞというスタイルで、厳密な監視をするということが目下の任務でございまして、規制区域をいつでも指定するスタイルにはしておりますけれども、いますぐやる気はございません。  それから地価の問題でございますが、長期的な見通し等について、なかなか申し上げられませんが、ここ当面は、諸指標から見てそんなに上がらないというふうに私どもは確信いたしております。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 いろいろな施策が考えられておることはよくわかっておるわけです。問題は、いま上がっていると言うから、それがとまりますかということなんです。ですから、どういう方法をとるか、それはいろいろあるからとるのでしょうけれども、しかし、いま規制区域の問題一つでも、投機があれば——投機はいま見えないというのでしょう。じゃ、どれをやるのやらやらないのやらさっぱりわからない。ですから、教科書を読み上げるような、こういう方法がありますというのではなしに、たとえばことしの夏まではこれだけに抑えます、心配ありません、こういうことなら信用できるのです。ところが、いろいろな方法を並べてやっているのですかと言うと、まだやっていません、こういう話でしょう。そういうことでは私は承服できません。したがって、この地価というものは、どこで、どれくらいまで抑えられるのか、この決意はいかがですか。

山岡一男国土庁土地局長

○山岡政府委員 地価の問題につきましては、先ほども申し上げましたとおり、規制区域の指定というものにつきましては、いわば一時の過熱と申しますか、発熱に対する頓服みたいな作用を考えておるわけでございます。現在の本当の病気は何かと申しますと、肝臓が悪いと申しますか、本当に息の長い需給のギャップということでございます。そういうものを治すためには、一時の頓服薬というのではなくて、本当にそういう体質を治すということが必要でございます。したがいまして、土地の供給にはいわゆる懐妊期間がございまして、若干の猶予はかかるわけでございます。しかし、開発許可それから区画整理の許可件数、それから最近におきます土地取引件数等のふえ方等から見まして、徐々にそういうものが好転いたしております。したがいまして、私ども、そういうものをもっともっと進めていくということが一番の決め手であろうかと思っております。地価につきまして、そういうふうな諸指標から見ますと、とても四十七、八年みたいに急騰することはないと申し上げておるわけでございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 この話はもうこれでおしまいにしたいと思いますが、要するにもう重症だ、つける薬はございません、だから、当分上がるでしょう、見ておる以外にありません、こういうことですね。それならそれではっきりそう言ってくれればいいのです。だけれども、それじゃ官庁は何のためにあるか、さっぱりわからないということです。何のための政策なのかわからないということでありますから、もっと真剣にその対策を考えていただきたい、これを要望いたしておきます。  それから、土地税制のことを、本当は大臣に聞きたかったのでありますが、大臣がおられませんので、これは次の機会に譲りたいと思います。  実は日本経済新聞が大臣にインタビューしておりまして、そこで、土地税制について今後も税制を軸とする総合政策を組み立てて、住宅供給の実績をぜひ上げなければならない、こう言っているわけですから、じゃ、土地税制はどう考えているのかなという感じがしたわけでありますけれども、これは聞きません。  ただ一点だけ聞いておきますと、これから地区計画なりこういうものをつくっていった場合に、その中に農地があると思うのです。入ってくる場合が出てくる。そういたしますと、そこが非常に問題になってくるわけであります。この場合に、この農地に対する税制でありますが、宅地並みと、それからそうでないのとあるわけでありますが、この農地に対する税制をどう考えるのかということですね。市街化区域内の農地ですよ。それで、たとえばいろいろな意見がありまして、千葉大学の清水先生などはもう極端な、農地を二分して一方は宅地並み課税を行うかわりに永久農地を義務づけよう、この土地は公共にしか売れないことにするとか、私は永久というのはちょっと言い過ぎの感じもするわけでありますが、少なくとも二十年ぐらいは考えて選択税制をとるべきではないかという感じもするわけであります。これはたとえばの話でありますが、こういう問題については建設省か国土庁かよくわかりませんが、どんな考え方を持っておりますか。

宮繁護建設省計画局長

○宮繁政府委員 市街化区域内の農地に対する課税につきましては、当面昭和五十六年度までは現行の制度を維持することになっておりますけれども、五十七年度以降の取り扱いにつきましては、いま御指摘のような意見も含めまして関係各方面の御意見を参考にしながら検討したいと思いますが、昨年末税制調査会からも、市街化区域農地に対する課税の適正化措置につきましては、宅地供給を促進する見地から、三大都市圏内の特定の都市の市街化区域農地につきましては、「長期にわたり営農を継続する意思のある者に対する配慮を行うなど必要な措置を講じつつ、新たにC農地を課税の適正化措置の対象に加えるとともに現在課税の適正化措置が講じられているA農地及びB農地に対する課税を強化するため、十分な検討を行うべきである。」こういう御答申をいただいておりますので、これらを踏まえまして今後十分検討いたしてまいりたいと考えております。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 何も決まってないということですね。こういう問題は急がないと大変なことになると私は思います。  それから、きょうは急いでやりますので、答弁はなるべく短くお願いいたします。  こういうような計画を進めていく場合にいつも問題になるのは、地元住民のコンセンサスの問題であります。合意の形成ということをどういうふうにして行うかというのが一番の問題になると思っております。  たとえば、これは直接この法律とは関係ありませんが、東京都の江戸川区でミニ乱開発防止のために、三百平方メートル以上の空き地は区が買います。マンションなどを建てるのも結構ですが、その際は区の基準で、こういうような内容を盛り込んだ住宅等整備指導要綱、こういうものをやっております。しかし、こういうものができますと、不動産業界がこぞって反発をしたというぐあいで、なかなかうまくいかないわけですね。  まして小さな利権の絡むところ、特に区画整理あるいは都市再開発と一緒になって地区計画などが考えられるような場合にはそういう問題が出てくると思うのです。そこでこういうような地元住民との合意の問題はどういうふうにして今後やろうとしておられるのか。今回のこの法律でもちょっと触れておりますけれども、よくわかりませんので説明を願いたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 地区計画で定めた内容は、先ほど来御説明申し上げておりますように、これは一挙に単一の事業で実現を図るということではなくて、その地区内の各権利者が個々の開発行為、建築行為を行います場合に、基準となるプランをあらかじめ定めておいて、そのプランに従ってやっていこう、こういう趣旨のものでございますから、当然その計画をつくる段階から関係権利者の方々の十分な御理解を得て、御協力のもとにつくり上げていくということが必要でございます。また、その後の運営に当たっても同じ配慮が必要なものというふうに考えております。  法律の制度におきましては、したがいましてこの地区計画をつくります場合には、その案の段階で地元の権利者の御意見を求めて案を作成するという手続を新たに創設をいたしましたことと、さらに案を得ましたならば、その後の段階におきましては必要に応じまして公聴会、説明会あるいは縦覧という従来の都市計画決定に当たっての手続を十分活用いたしまして、このような手続の過程で各方面の御意見を吸収していくという手だてを考えておりまして、今後の運用におきましても十分この制度の活用を図るとともに、こういった法定制度以外におきましても事実的な行為として各方面の理解を求めていくということが必要であろうという判断に立って運用をいたしてまいりたいと考えております。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 これは従来の制度があるわけでありまして、これがうまくいっておれば恐らくこういう心配はないわけですが、なかなかうまくいかない。たとえばいままでは第一に公聴会、それから縦覧、意見書制度というものがあるわけでございます。しかしながら、実際はこれらの問題に共通している点は、参加の機会が行政の側から一方的に与えられる、短期間にすぎない。住民のとらえ方が時間的にも空間的にも非常に断片的であるというような批判があるわけでございます。それからもう一つは、反対の意見は非常によく出てくるんだけれども、賛成している人もおるわけですね。そういうようないわばサイレントマジョリティーと言われるようなものが無視されることもある。両方これは必要なわけでありますから、その辺のところがよくわからないということであります。  それからもう一つは、審議会、審査会制度というのがあるわけですけれども、これもたとえば都市再開発を例にとりますと、場所、面積、家賃というのは一番の問題でありますが、たとえば借家人の希望とうらはらにこれが決定されてしまう場合が多い。その決定過程に対して借家人側から実効的な異議申し立てができないんですね。都市再開発法十六条の事業計画に対する意見書の提出というものは、その段階では権利変換の青写真ができていないわけです。したがって、内容が権利変換にわたる意見書はそれ自体もう失当として取り上げることができないわけですね。  また、権利変換が決定され、その縦覧期間中決定された場所や面積など権利変換の内容に不満があるということで借家人から意見書を提出することは、都市再開発法八十三条によってこれは可能であります。しかし、この意見書の採否は施行者自身が決定することになっていて、しかもその決定に際して関与することが求められている審査会も、もともとは組合の総会の選任にかかるわけでありますから、意見書が取り上げられる可能性はきわめて薄いということになって不満が多いわけであります。  したがって、こういうような欠点もありますので、地域住民のコンセンサスを得る方法として、私は、今後は住民の直接の意見、それもただ単に一人一人聞くのではなしに、場合によっては制度化をしてやる方がいいのではないか、こう思っておるわけであります。アメリカにおいては、すでにこういう試みが実現しておりまして、行政機関と民間団体それから住民代表の三脚方式で構成する政策委員会というものが設置されておると聞いております。あるいはわが国の場合におきましても、大阪市ではすでに昭和四十九年からこういうことについてもうやっておるようで、アメリカと全く同じではありませんが、やっております。  したがって、こういうような問題についてはいろいろな形態はあるとは思いますが、こういう住民参加の方式というものをどうあるべきかということを検討し、場合によっては制度化することも私は必要ではないかと考えますが、この点はいかがでございますか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 御承知のように、都市の中で権利関係というものは大変ふくそういたしております。多数の権利者にいろいろな利害関係が生じているわけでございまして、このような状況下において一つの都市計画事業が遂行される、あるいは都市計画が決定されるということについては、大変多くの権利者の方々から多数の意見が出る可能性が当然にあるわけでございます。こういった状況下で多様な対応を迫られるわけでございますので、法制度といたしましては、まず基本的に必要な住民参加、もしくは住民の意見吸収のための手続を定めさせていただいて、そしてその運用によって根本的、基本的な手続の道筋は確保させていただく。しかしながら状況は多様でありますから、状況によりましてはこの法律的な制度だけをやっていればそれで十分だということには必ずしもならないのではないかと私も考えます。  そのような場合は、基本的な法律制度だけに依拠するのではなくて、実際面におきまして十分な実質的な意味のコンセンサスが得られるように努力していくということが必要ではないかというふうに考えます。このような考え方から十分な市町村、自治体に対する指導も期してまいりたいというふうに考える次第でございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 こういう住民の合意が得られなければ、どんなりっぱな計画をつくっても実現しません。したがって、その実現をする方法としてこれは必要であるというところから申し上げているわけであります。  これは変わった例でありますけれども、たとえば兵庫県の北摂ニュータウン、人口十二万八千、三万五千戸の新しい町を十年間で建設してみせる、こういうことで、十二年前なら別の話だが、兵庫県は住宅公団と組んで神戸市のところでこれを五十五年に完成するはずというのでぶち上げたわけであります。ところが、いまだに二戸の家も建っていない。これは計画は非常によかったのですね。計画はよかったのだけれども、いまだに一戸も家が建たないもとは、ダムができなかった、水がなかった、こういうことなんですね。  したがって、こういう地区計画とか、いろいろりっぱな考え方で行われるのでしょうけれども、そのために必要なことは公共投資、こういうものを惜しまずにやらなければいかぬということなんですね。こういう線引きをしたならば、たとえばその線引きの中については公共投資は特別に早くやりますとか、何かそういうものがないとこれは進まないと思うのです。家を建てようと思っても、下水道もなければ上水道もないということじゃいけませんので、少なくともそういう計画をつくったならば、その中はほかのものよりも優先的に公共投資をやるというような何か取り決め、裏打ち、こういうものがないと私は進まないのじゃないかと思っております。  この法律には財政的な措置はありませんし、先ほどの答弁でも、当面は考えていない、将来は必要なら考えるという答弁だったようでありますが、法律に特別書かなくてもそういう裏打ちというものはできないものかどうか、さらに、そういうようなあらゆることを考えた上で計画をつくらなければこれはうまくいきませんよ、こういうことを申し上げたいわけでありますが、いかがでありますか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 地区計画制度が円滑に運用されるためには、やはりその地区計画とその周辺、あるいはその地区を成り立たせている前提となるやや広域的な面から見た都市的な施設、街路でございますとか公園でございますとか下水道でございますとか、そういった都市的施設が整備されるということが、地区計画の成立に大変重要なファクターであるということは御指摘のとおりでございます。したがいまして、そのような考え方に立ちまして、こういった基幹的な都市施設で地区計画に関連するものについては、まさに先生御指摘のように、法律の条文に基づかなくとも、現行の予算措置の中で、こういう事業に対する補助のための採択というような過程を通じまして十分配慮してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 これは非常に大事なことなんで、各市町村に対してこういうことはよく指導徹底をしていただきたい、こう思います。  それから、時間がもうなくなってまいりましたので、最後に借家人の権利について。これはある程度主張でありますが、都市再開発などをやる場合に、地主あるいは借地権を持っている人、こういう人はいいわけでありますけれども、問題は借家人、間借りをしているとか家を借りているとかという人、この人が非常に冷遇されておる、あるいは救済の方法が余りないということで、ずいぶんこじれた問題があるわけであります。そこで私は、こういう借家人の方々に対してもっときめ細かな対策を講ずる必要があるのではないか、こう思っていま申し上げるわけでございます。  もう一々申し上げませんが、簡単にどういう状況かということを申し上げますと、少なくともこの人たちは組合に入ることはできないわけです。それから、たとえば権利変換の手続の段階でいろいろな問題が出てくる。たとえば駅前の開発などを考えてみましても、大部分はデパート、その上はホテルと、こういう場合に、権利変換の手続以前の段階で、キーテナントと呼ばれるこれらの業者との間でビルの利用について予約契約が締結されて、業者から入る権利金その他が事業計画の中で重要な資金源となってくるわけです。その予約契約を大幅に変更する形で権利変換が行われることはない。したがって、従来からの居住者は、それら業者が利用しない部分を利用するというハンディをまず持つということです。  それからもう一つは、借家人の場合に、家屋の所有者はこれまで月々わずかの賃料をもらって甘んじていなければならなかったが、都市再開発事業が始まったことによって、自分は組合員として総会に出席し、権利変換手続に対し発言する機会を与えられて、一方借家人は非組合員として権利変換手続に意見を述べることができないという関係になるわけであります。家主にとっては千載一遇のチャンスともいわれておるわけでありますが、この機会に借家人に出てもらって、条件のよい他の業者に使ってもらうとか、自分が商売を始めたいとか、あるいはさまざまな欲望を誘発することになって、そのため借家人は希望する場所や面積を一層得にくいという結果になってしまう、こういういわゆる面積、場所の問題がございます。  さらに、この借家人は組合員の資格も与えられていませんので、総会に出席することもできません。したがって、総会の決議事項である権利変換に対して意見を述べることができません。組合が決定した場所と面積を賃借するかどうかの選択権が与えられているにすぎません。権利変換の原則は、従来の権利と新しいビルの区画に設定される権利が価値的につり合っていればよい、こういうことですから、家屋が古くて金銭的に評価するとさほど価値がないといった場合は、家屋の所有者に与えられるビルのフロアが勢い狭いものにならざるを得ない。借家人もその狭い場所を借りる以外にないといったことになって、面積の上から非常に小さくなってしまう。  それからもう一点は、これは家賃の話でありますが、運よく自分の希望する場所と面積が取得できたとしても、大幅な家賃の上昇は避けられない。そこで今度の法律でも家賃のことは言っておるようでありますが、家賃は当事者の協議によって決定するのを原則とするようになっておりますから、協議が調わない場合は施行者がそれを裁定し、その裁定に不服のある者が六十日以内に裁判を提起してそれを変更することになっておるわけであります。しかし何といっても家屋の所有者は組合員ですから、その裁定は家屋の所有者に有利になりがちである。裁判を提起するのも借家人側ということになって、そうするとこれは通常の家屋賃貸借の場合と逆になるという結果になってしまいますので、非常にむずかしいことになるわけでございます。  細かく言えばまだあるのでしょうけれども、このように場所、面積、家屋、家賃、こういうことで非常に苦境に立たされるのが借家人でありますから、こういう借家人の方々に対するきめ細かな対策というものが今後必要だと思いますが、この点はいかがですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 都市再開発法におきましては、再開発事業の施行に際しまして、借家人の権利に対して十分保護するための措置を設けているつもりでございます。  具体的に申し上げますと、一つは借家人の御希望によって新しくつくられる建物、部分でございますが、建物についての借家権を取得することができるように手配されております。  それから二番目に、従前の家主が新しい建物に入居しないときは、施行者が従前の家主にかわりまして施行者の所有する建物の部分に借家人に入っていただくという措置も講じてございます。  それから先ほど来、事業計画、権利変換計画等について十分意見が言えないという趣旨のおただしがございましたけれども、法制度上は、事業計画及び権利変換計画または管理処分計画の縦覧に対して借家人も意見書を提出していただくことができることになっておりますので、これは十分御活用いただきたいと思います。  それから四番目に、新しい建物に移られた場合の借家条件が家主と借家人間で調わないときは、施行者に借家条件の裁定を求めることができる、これは先生御指摘のとおりそういう制度を設けてございます。  それから五番目に、新しい建物の保留床を局住または業務の用に供するために必要があるときは、公募によらないで借家人にまず優先的に賃貸または譲渡することができるという規定もございます。  以上のような諸制度を通じまして、再開発事業におきましても借家人の権利が侵害されるようなことがないように、制度的には十分保障をさせていただいているつもりでございます。  ただ現実の運用に当たりましては、先生御指摘のように、たとえば審査委員の判断の結果としてなかなか借家人に有利にならない例が多いというようなこともあるいは実際の運用面であり得るかと思います。そういうようなことが非常に多いケースとして出てまいりますと、審査委員の信頼の問題から、ひいては卒業全体の仕組みの信頼関係に影響を及ぼすものと思いますので、そのようなことがないように私ども十分留意をし指導してまいりたいと考えております。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 時間が過ぎたんですけれども、ちょっと済みません、一言だけ。  いまの借家人の問題は、法律はそうなっておりますが、現実にうまくいっておらないのでいろいろと申し上げたわけでございます。  それから建築基準法の方、二百ぐらい言っておかないと審議になりませんので一音言わせていただきたいと思いますが、大都市の都心部、たとえば千代田区であるとかいうところは昼と夜の人口の比率というものが著しく違うということはもう私が言うまでもないことでありまして、ざっと十五倍ぐらいあるそうでありますが、そういうようなことを考えると公共投資がむだになっておるという感じがいたします。したがって、こういうようなところで、もしビルの上層部分に居住用住宅を確保するというような条件がついた場合、この容積率制限の容積率を上積みするということを認める、そして職住近接を促進するというような考えは当局では持たないのかどうか、これを承って終わりといたします。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 大変貴重な御意見をいただいたと考えております。  現在、東京都の都心部で高度利用を図るための手だてといたしまして、先生御承知のところと存じますけれども、たとえば特定街区というような制度も一建築基準法上の特例の措置としてございます。一つの街区、ブロックを一つの単位といたしまして、御指摘のような容積率制限を一応取っ払いまして、その街区を一つの目的物として合理的な設計を組む。その設計のも一とに、容積率、高さの最高の限度、それから壁面の位置恥いうものを総合的に都市計画としてその街区のために決めるということで、その街区の高度利用を実現する。そのような制度を活用することによって御提案の趣旨の一部は実現することができるのではないかと思いますので、今後その活用方策を十分考えてまいりたいと考えます。  なお、一般的な制度として御指摘のような制度を今後開くことが可能かどうか、できるかどうか、その辺については十分御趣旨を踏まえながら検討をさせていただきたいと考えております。

貝沼次郎公明党・国民会議

○貝沼委員 終わります。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 瀬崎博義君。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 新都市計画法の成立は昭和四十三年だったと思うのですけれども、この審議のときに、建設委員会での提案理由説明によりますと「近年における人口及び産業の都市集中に伴い、都市及びその周辺の地域における市街地の無秩序な拡散が公害の発生等都市環境の悪化と公共投資の非効率化の弊害を生ずるに至っており」と、今日の言葉で言えば高度成長政策の弊害を指摘した上で「これらの弊害を除去し、都市の健全な発展と秩序ある整備をはかるための対策を確立する」としているわけですね。現行都市計画法が果たしてこれらの弊害を除去し、都市の健全な発展と秩序ある整備を進めただろうか、この点をまず伺っておきたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 御指摘のように、現行の都市計画法が昭和四十三年に制定をされました。動機は、無秩序なスプロールを防止して都市の秩序ある整備を図るということでございまして、このための手だてといたしまして、この新都市計画法におきましては、まず都市計画における広域性及び総合性の確保を図るということから広域的な都市計画区域というものを定めることにいたしました。これは御承知のように旧都市計画法下におきましては、都市計画区域は単一の市を中心として、市域を原則として決められるということでございましたので、大都市周辺等の市街地が連檐しているような地域におきましては大変不都合が生じておったわけでございます。こういう不都合を解除するために広域的な都市計画区域が定められることとしたということが第一点でございます。それから第二点は、総合的な土地利用計画を確立するという趣旨でいわゆる線引き、市街化区域と調整区域との区分という制度を導入いたしました。それから第三点といたしまして、開発許可制度を創設いたしました。先ほど来いろいろ御議論いただきましたように、市街地内外の土地に対する権利者が開発行為を行います場合には、従来はその逐一について規制が行われておらなかったわけでございますが、これを許可の対象とするということで規制をかける。以上三点が主要な改正の内容だったかと存ずる次第でございます。  そこで、これらの改正が果たして現実にどういうふうに実効性を持ったと理解するかという御指摘であったかと思いますけれども、私どもは、現在の新都市計画法が施行後十年の経過を振り返ってみまして、ただいま申し上げましたような制度が定着をいたしまして、おおむね所期の目的を達成いたしておるというふうに評価をいたしております。特に市街化区域、市街化調整区域の線引きによりまして、市街化調整区域におきましては十分スプロールは防止されたというふうに評価をいたしておる次第でございます。  総体といたしまして、総括をいたしますと、市街化区域内における開発が、いまの時点で、意図にもかかわらずいわゆるバラ建ちスプロールは完全に阻止されておらないという状況がございます。このような状況を踏まえまして総括いたしますと、昭和四十三年における新都市計画法の制定は大変有意義な前進であったとは思いますけれども、残念ながら部分的には不足の点があったというふうに理解をいたしております。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 去年の十一月二十八日に建築審議会が「市街地環境の整備の促進のための方策に関する答申」を出しておるわけですね。ここにも一応の総括をしているわけでありますが、これによりますと、「これまでに形成され、また現在形成されつつある市街地環境については、都市地域におけるバラ建ち的スプロール、建築物の用途の混在、中高層建築物と低層建築物の混在、木賃密集地域の存在、細街路網の未整備等の問題に加えて、小規模な開発区域において小規模宅地の住宅を連檐して建築するいわゆるミニ開発が増加しており、都市の防災性の低下、居住環境の悪化、不良ストックの形成等の問題を生じている。」いまの局長の評価とは逆に、全体として都市の環境は悪化してきている、こう述べているのですね。こんな大きな評価の違いがなぜ生まれているのですか。政府自身の点数が少し甘過ぎるのじゃないですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 評価においてはさして変わりはないかと思いますけれども、私の表現において若干ニュアンスの違いがあったかと思います。  私どもの判断といたしましては、四十三年時点において予見された市街地のスプロール進行に対応するためには恐らく四十三年の改正が適正妥当なものであったのではないかと思います。しかしながら、それ以降かなり社会の情勢の推移に従いまして大都市に対する集中度の増大、特に住宅宅地需要の集中増加というような状況変化によりまして、対応に不十分な点が生じたのではないかというふうに考えますし、既成市街地内における悪条件の増加ということも、同様に集中度がかなり当初予測よりは速やかに進行したということに結果するところが多いのではないかというふうに理解をしております。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 四十三年当時に予見されておった都市のいろいろな矛盾については有効であったが、それ以後予見されない悪条件が重なってきたんだ、こういう趣旨のことをいま言われたのではないかと思うのです。そういう政府の考えを私はのむものではありません。四十三年当時すでに起こっておったいろいろな矛盾に対してもこの都市計画法は決して有効ではなかった、こう思いますけれども、それはさておくといたしまして、その後悪条件が増加したのに都市計画法が十分対応できなかった、このことは認めていらっしゃるわけですね。なぜその後の悪条件の増加に対して都市計画法が十分対応できなかったと考えているのか、そこのところを聞きたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 一つの大変重要な部分といたしまして、都市計画はかなり網目の粗い土地利用規制の計画であるということがございます。片やそれと並行いたしまして、建築基準法によりまして個々の建築行為について建築の確認制度がとられておるわけでございますけれども、これは権利者が自分の敷地に建物を建てます場合にどういう建物の建て方が許されるかという面からの規制基準に従った行政行為でございます。したがいまして、いわばその中間的な部分といいますか、網の目が粗い都市計画と個々の敷地の中の建築の許容される範囲での建築の確認ということとの間をつなぐような、いわばもう一段網の目を細かくした都市計画、土地利用の計画なり規制なりというものがあってしかるべきではなかったか。そのようなものが存在しないために、個々の敷地の使い方としては適法でありながら、そのような土地利用が連檐することによって、町としてはかなりぐあいの悪いものができかかっているというような状況が生じたということが、かなり大きな部分として指摘できるのではないかと思います。  それからもう一点は、これは制度の問題というよりはむしろ国民全体の意識の問題に多くかかわる問題かと思うわけでございますけれども、やはり町は所与の、条件の与えられたところで住むというのではなくて、居住者が積極的に働きかけることによっていい町づくりをしていくという視角が不十分であったということが全体の社会状況の進行によくない結果をもたらしているという点もあろうかと思います。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 いまの局長の答弁、当たっている部分もあると思うのですが、当たってない部分もあるのではないかと思います。何といっても一番最初都市計画法を提案したときには、産業の都市集中に伴い都市及び周辺地域の無秩序な拡散、公害の発生等環境の悪化を排除する、あるいは公共投資の非能率をなくす、こういううたい文句で出発した都市計画が、それにはきわめて無力であったということだけははっきりと証明されておると思うのです。  その要因は、一つは大規模な工業、商業は非常に栄えたけれども、反面農業、林業、漁業などは衰退の一途をたどった。これは一例でありますけれども、そのために農村部では仕事がなくなってくる。仕事を求めて都市に出ざるを得ない。こういう都市計画法の手の及ばないところでの政策上の問題も起因している。このことを見落として都市計画だけをいろいろいじくってみても都市の計画的な改造はなかなかできるものではない、ここが一点あるのではないかと私は思います。これについての考えも聞いておきたい。それともう一つは、都市計画法そのものに欠陥があるから十分有効に働かなかった、こういう二点をあわせて見ておかなければならぬのじゃないかと思いますが、いかがですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 もっぱら都市計画の面からのみお答えをいたしておりましたのでそのような御説明になったかと思いますけれども、私ども、都市計画に限りませんけれども、このような国土利用、土地利用に関する行政を考えます場合には、基本的な前提として、国土全体における土地利用、国土全体における人口、産業の配置のあり方というものが問題視されなければいけないと思うわけでございまして、そういう視角から見まして、東京周辺あるいは大阪周辺といった大都市に対する人口、産業の集中度が非常に大きくなり過ぎた、現になり過ぎているという状況がある、これは基本的な、いわばスタートラインの前提であるわけでございまして、私ども、そういう状況下を踏まえて今後の都市計画施策をどういうふうに進めていくかという点から御答弁を申し上げたわけでございますが、本来的には人口、産業の配置、地方分散、全体のバランスある発展といいますか、展開というものが諸施策の前提的な施策としてあるべきだということは御指摘のとおりでございます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 私ども共産党も、今回導入されようとしております地区計画制度という開発手法、これは必要だと考えているわけなんです。今日の都市の現状は、人口、産業が集中し、過密の極に達している。ここに住む都市住民の側に立ってみますと、住環境の悪化、この中には公共施設の未整備、木賃などと言われる水準以下の住宅の密集、それから自然環境の悪化、防災対策の欠如等が入るわけでありますが、これらを住みよいものにつくりかえられたらという切実な願いがあるわけであります。  そういう願いにこたえるという意味では、手法といいますか、制度としては一歩前進だと思っているのですよ。問題は、こういう意味から真に住民サイドに立った都市づくりにこの地区計画制度が実際に役立つかどうか、ここが一番大事な点だと思うのです。この地区制度の導入によって、これまでの都市計画では期待できなかった効果が果たして期待できるのか、もし必ず効果が期待できるというならば、その保証は導入しようとしている制度のどこにあるのか、ここを答えていただきたいのです。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 従来の都市計画に欠けていた点を地区計画制度で補うという趣旨の御答弁を実は申し上げたわけでございますが、もう少し具体的に申し上げますと、現在の都市計画というのは、たとえば街路で申しますと、原則的には十二メートル以上の街路、あるいは公園で言いますと、一番小さな児童公園で申しましても〇・二五ヘクタールという規模以上のものということで都市の必要な施設を決めております。したがいまして、全体としてかなり根幹的な施設のみを対象としているということは言わざるを得ないかと思います。  それから、都市地域、市街化地域全体を覆います用途地域制度、これも全都市を一つのマップに入れて、たとえば東京のような広がりのある地域でも一つのマップに入れて色塗りができるという程度の網目で用途地域制が引かれているという状況がございます。これはこれとして、都市全体の骨格形成という意味では大変重要な規制であるというふうに理解をしておるわけでございますけれども、このような規制にとどまる限りにおいては、たとえば土地の権利者が自分の敷地に建物を建てます場合に、その建築物とあわせて必要となる小街路といいますか細街路あるいはその街区内に当然あるべき空間地あるいは緑地的な空地、そういったものの整備について、計画的には全然手が届いていないという点がございます。  それから二番目といたしまして、用途地域制等の地域地区制によりまして制限を一般的になしているわけでございますけれども、これは地区ごとにさらに小さな単位で見てみますと、いろいろな居住者の御要請があるかと思いますが、この御要請に対して、各人の御要請を調整できるほどに詳細な規制というところまでには至っておらないというような状況がございます。したがって、このような点を補いますためには、やはりもう少し小さな広がりの区域を対象とした、もう少しきめの細かな計画規制といいますか、計画、プランといいますか、というようなものが定められないと、本当にその居住者に満足していただけるような市街地形成は担保できないという考え方が出てまいりまして、私ども、厳しくそのように受けとめた次第でございます。  この考え方に従いまして、今回の地区計画制度を御提案申し上げている次第でございます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 現行都市計画法が制定される当時すでにスプロール化は拡散しておったわけだし、ミニ開発も進んでおったわけですが、当時この地区計画という制度を導入しなかったその理由はどこにあるのですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 当時から、たとえば先進諸国の例等によりいろいろ勉強いたしておりまして、そのような制度が先進諸国の都市について適用がされておるということも了承いたしておりました。しかしながら、このような、やや詳細な計画を立てる、それに従って何らかの規制が行われるということになりますと、その時点における都市計画に対する各都市民の方々、住民の方々の御理解という点で果たして十分な御理解が得られるだろうかというような懸念もございました。したがいまして、その段階では開発許可制度をもろてスプロール防止を試みようという判断になったかと理解をいたしております。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 住民の理解が得られるかどうかという点に導入しなかった原因を求められたわけで、何だか住民に責任を転嫁されたような感じがするのですが、そこの議論はまた後日に譲るとして、もしも現在の都計法発足当初からこの地区計画の制度を導入していた場合、今日に見られるようなスプロール化とかあるいは都市環境の悪化、これはさて、現在よりももっとましな水準で防ぎ得たとお考えですか。よしんば、その当時からこの制度を入れておっても似たようなことである、こういうお考えですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 大変むずかしい御指摘でございますが、これは事実そういう制度が導入されていなかったわけでございますので、いまの段階で何とも申し上げかねるわけでございますけれども、問題は、その制度が仮に制定されておりましても、実行の段階でどの程度実現を見ることができたかということかと思います。  私は、部分的には、制度があればこれまでの間に実効を上げたところもあるのではないかというふうに考えるわけでございますが、制度の組み立て自体がその時代の条件に従って組み立てられるものでございますので、いま、現行御提案申し上げておる地区計画制度が四十三年度時点に成立し得たものかどうかは一概にお答えできない問題だと思います。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 制度の導入というのはいつでもよいというのではなくて、導入する時期いかんによって、役にも立てば、後追いになってしまって、制度はよくても、実際、いま二つに分けられたように実行が困難になる場合もあると思うのですね。そういう点では、むしろこの制度は遅きに失していると思うのですね。  そこで、地区計画の指定には、一号、二号、三号の三つの要件の一つを満たせ、こういうことなんですが、この建築審議会がずばり指摘しているバラ建ち的スプロールあるいは建築物の用途の混在、中高層建築物と低層建築物の混在、木賃密集地域、それから細街路の未整備地域、それから小規模な開発区域で小規模住宅が連檐して建築されている一ミニ開発、こういうものがもうすでにでき上がってしまって、そこにびっしり人も住んでいる。こういうふうな地域は今回のこの地区計画指定の対象たり得るのですか、ならないのですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 ただいまの、かなり条件のよく整備された市街地につきまして、この地区計画制度の適用いかんというおただしでございますけれども、都市計画法の改正の部分の、十二条の四という条項を都市計画法改正で入れさせていただくことを予定しておりますけれども、この十二条の四の三項におきまして、地区計画が成立し得る区域の条件といたしまして、一号、二号、三号と掲げてございます。三号で、「健全な住宅市街地における良好な居住環境その他優れた街区の環境が形成されている土地の区域」についてこの地区計画の適用を考慮いたしておるわけでございまして、この趣旨は、そのようによく整備された市街地については、現状がそのまま将来とも保全されるという保証は現行の制度ではないわけでございますので、そういった保全という目的からこの地区計画制度の適用を考えさせていただくというふうに考えておる次第でございます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 いや、私の言っていることに答えてくださいよ。私は全くその逆のことを言ったわけだ。私が言ったというよりも、建築、審議会が指摘しているのは、まさにこういう不良な市街地を改良しなければならない、こう言っているわけですね。そういうところにこれは適用されるのですか、こういう質問なんです。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 大変失礼をいたしました。  ただいまのおただしでございますが、そのような不良な状況下にある街区につきまして、市街地につきましては、ただいま申し上げました十二条の四の三項の一号におきまして、「市街地開発事業その他相当規模の建築物若しくはその敷地の整備又はこれらと併せて行う公共施設の整備に関する事業が行われる、又は行われた土地の区域」とございますけれども、ここで申しております市街地開発事業というものの中には、市街地周辺部におけるいわゆる新市街地開発のための区画整理等の事業とともに、既成市街地内の再開発事業も含んでおります。したがいまして、再開発事業等の事業が行われる、または行われた土地の区域ということとで、おただしのような市街地は地区計画の対象地域として取り込んでまいりたいと考えております。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 もっとわかりやすく答えてほしいのですが、いま言われているのを簡単に言えば、そういうスプロール化している不良な都市部については、市街地再開発事業を前提とするならばこの地区計画の指定がかかってくる、こういうことでいいのですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 既成市街地におきましての再開発事業が前提となるような地域というふうに理解をしていただいて結構だと思います。ただ、その地区について全体的に再開発事業が実施されるかどうかということはまた別問題でございますけれども、その地区の性質としては再開発事業が行われるべき地域というふうに理解していただいて結構だと思います。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 同じくその一号要件の中に、「相当規模の建築物若しくはその敷地の整備」これも挙がっているわけですね。これはどの程度の規模の建築物あるいは敷地を言うのでしょうか。また、その所有者というのは、主としてどういう人々が考えられるのでしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 既成市街地で申し上げますと、再開発事業に準ずるような事業を想定いたしておりますので、再開発事業が成り立ち得る程度の規模のものというふうに理解をしております。具体的に申し上げますと、既成市街地内でございますと、一街区というような単位が一応基準となるのではないかと考えます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 この文章は「相当規模の建築物」こう書いておりますね。この建築物の規模というのは、そうしますとどういう意味なのですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 「相当規模」というのは、読み方としては「相当規模の建築物若しくはその敷地の整備」というふうにかかると思いますけれども、既成市街地におきましては、再開発事業を行うに足るほどの要件を備えたということの特定の意味でございますから、おのずからその建築物の規模も、きわめて小規模のものは小部分について行われるということだけでは足りないという程度の表現というふうに理解をしていただいて結構だと思います。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 都市の再開発などをやる場合は、再開発法によってそれなりにまた計画を定める手順等もあるわけですね。そこへあらかじめ地区計画を指定しておこうというそもそもの理由といいますか、われわれは二重にしているように思うのですが、何か効果を期待されてのことですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 再開発事業は、御承知のように現在の再開発法によりますと、既成市街地内の一定の要件のもとに行われるということでございまして、たとえば高度利用地区内であるとか、あるいは地域内の建築物の形態からの全体に対する不良建築物の割合、そういった要件で再開発事業が実施される要件が決まるわけでございますけれども、この地区計画は再開発を予定されるところに先行的に定められるということにいたしました趣旨は、この地区計画制度がそもそも一定の地区を対象とした、いわば土地利用に関する規制並びに誘導のためのプランであるということに根差すものというふうに理解をしております。すなわち、再開発を必要とするような既成市街地内の対象区域につきまして、あらかじめ地区を定めて地区計画を定めるということによって、その区域内の住民の方々、土地に対する権利者がいわば自発的な行為として、そのプランに合わせて広義の再開発の事業を行うことが当然考えられるわけでございまして、そのようなことが行われればさらにベターではないかという考え方で先行的に地区計画を定めることを予定いたした次第でございます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 そうしますと、たとえば地区計画が指定された場合に、指定される前に土地を買っていた。その土地に家を建てようという場合、この建築にはやはり地区計画に定めるいろいろな規制、制限、あるいはまた条例で定められた建築確認の制限、こういうものは受けてくるのでしょうか、そういうものは受けないのでしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 地区計画も都市計画の一環でございます。したがいまして、一般の都市計画と同様に、その所有の時点を問わず地区計画が定められたときからその地区計画の内容に従っていただくという義務が生ずるというふうに考えていただきたいと思います。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 それじゃ、その地区計画に指定されて、それ以前から自分の土地に自分が小さいながらも家を持って住んでいた、こういう人が、古くなって建てかえを行う場合、その行為には規制は及んでくるのですか、及ばないのですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 特に例外という措置を考えておりません。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 私は、ここが一つ大きな問題になってくると思うのです。先ほども言いましたように、私どもはやはり現代のこういう都市の過密状態、スプロール化は改造しなければならないと思うのです。その手法として、確かにこういう一つの生活圏を地区計画にして、住民生活に必要なものは全部張りつける、防災的な要素も入れるということだと思うのですね。  ただ、ここで私どもの基本的な考えを少し申し上げておきたいと思うのですが、ちょうどこの都市計画法が成立いたしました直後に、共産党の方も「都市問題の解決をめぐる二つの道」という相当精密な政策を出しておるのですね。要点を申し上げますと、まず第一に、日本の都市地域の特殊性として、特に市街地では零細な土地所有が多いし、権利関係が複雑で、それが大規模な土地利用の妨げをしている、われわれはこういう認識を持っております。  それから第二には、将来住民の利益に立った大規模な都市づくりを進める条件が整ったときには、このような小土地所有も検討し直さなければならない問題だ、こういうふうに思っているわけです。  第三には、こうした小土地を所有する人々を含めたその地域の住民自身が、自分たちの居住条件を向上させるためには、みずから進んでそういう小土地所有のあり方を再検討しなければならない、あるいはみずから再検討を要求するようになった場合に行われるべきものだ、こう考えます。  第四には、たとえ小土地所有という形に変化が生じても、従来からのその地域の住民が、従来と同じ地域に、前より安い家賃で、前よりいい住宅や周囲の環境の中で住むことが可能である、また仮に立ち退きが行われる場合でも、立ち退くすべての人に、やはり前よりいい住宅と周囲の環境、前より安い家賃、前よりも通勤や仕事に便利になること、こういうことが保障される必要があるというように考えるわけです。  第五には、そういうふうにすればこういうことが起こらないと思いますが、現状はしばしば起こる一部の限られた人だけが大もうけをできるというふうなことは当然なくする。こういうことが、見かけ上ですが、一定の私権制限を伴うような都市改造の原則ではないかというふうに思っているわけです。私は、これをいま全部取り入れて政府にやりなさいと言うのではないのです。われわれはこういう見解を持っているわけです。  今度新たに地区計画を設けてそこに新たな規制を加えていく、現在持っている土地に家を建てる場合も、建てかえる場合も、新たな規制を受けることになるわけですね。したがって、見返りという言葉は余りよくないのでありますが、わかりやすく見返りと言いましょう。その見返りとして、生活上激変を起こさないような移転先をあっせんするあるいは確保する、あるいはまた十分納得の得られるように跡地を買い取っていく等々の一種の保障措置といいましょうか、こういうものを講ずることくらいはセットにして出してこないと、せっかくの地区計画制度も十分その効果を発揮しないのではないかというふうに私は思うのです。やはりこれだけ過密になった都市を改造しようというのですから、現在住んでいる人々にある一定の移動を伴うことは避けられない。そのことによって、その人が利益を受けるのならいいが、不利益を受ける場合に、進んで住民がこの計画に参加してくるということは考えられないことだと思います。これはひとつ大臣に十分研究願いたいことだと思うのですが、御答弁をいただきたいと思います。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○渡辺国務大臣 いろいろ御議論いただいておりますけれども、局長からいろいろ御説明申し上げたいと思いますが、今回の地区計画制度は、住民の意見を十分に反映をしながら、定める地区のレベルでの計画に基づきまして、建築、開発行為等について必要な勧告を行う、特に必要な場合には建築基準法によりまする制限も可能とするというものでありまして、土地の買い取り等につきましては、市町村長は、勧告があった場合に、土地に関する権利の処分についてのあっせん等の必要な措置を講ずるように努めなければならないというふうにいたしておるわけでございます。  なお、さらにその土地の買い取りあるいは代替地のあっせんその他の助成措置が必要かどうかということにつきましては、今後の運用状況を見守りつつ検討いたしたいと思っておりますけれども、せっかくこのような環境の中で地区計画制度を取り上げるわけでございますから、この制度の実効の上がるように私どもは前向きに努力をいたしてまいりたい、かように考えております。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 したがいまして、私どもは、やはり計画策定の手順というものを非常に重視いたします。私どもは、新たな都市づくりの計画は、もちろんこの地区計画だけではなしに、都市計画すべてについて、住民こそ主人公だ、こういう立場で進められなければならないと思うのですが、まあ地区計画制度は導入されるものの、住民の意見の反映という点では、従来の都市計画を一歩も出ていないわけですね。そうじゃないのでしょうか。時間の関係もございますから、簡単に答えてください。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 住民の意思を反映させる手段ということにつきましては、現行都市計画法上も十分留意をさせていただいていると考えておりますけれども、今回の地区計画制度の導入に当たりましては、特に地区計画の案を作成する段階で、関係の権利者の方々の意見を求めて案をつくるという手だてを講じさせていただいております。これによって実質的に住民の方々の意思を集約できるというふうに考えております。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 確かに、いま言われたように、「その案に係る区域内の土地の所有者その他政令で定める利害関係を有する者の意見を求めて作成する」となっていますね。問題は、この政令で定める利害関係者の範囲でありますが、その中に借家人、借間人、こういう者が含まれてくるのですか、こないのですか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 いま予定をいたしておりますのは、土地に関する権利を有する者という形で対象範囲を定めることになろうかと考えております。したがって、借家人等につきましては、この場合には意見を求める対象には入らないというふうに理解をしていただいて結構だと思います。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 特に対象が、先ほど申し上げました木賃アパートなどの密集している地域を改造しようというときに、その借家人が意見を求める対象から外されている、ここらに私が一歩の前進もないという理由があるわけなんです。  さらに公聴会の制度を見ましても、これで万全とは言えないのですが、琵琶湖総合開発特別措置法などの公聴会のところを見ますと、これはあらかじめ公聴会を開かなければならないとなっているのです。ところが、都市計画法の場合は、必要のある場合公聴会を開くと一段階下がっているわけですね。琵琶湖総合開発というのは、一つの滋賀県にかかってくる問題なんです。それで必ず公聴会を開くことにするぐらいなら、当然都市計画についても公聴会は各計画について必ず開く、このぐらいになってしかるべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 条文の表現といたしましては、  御指摘のように、必要に応じ公聴会を開催するという表現になっております。公聴会の制度の導入につきましてはいろいろの問題、議論があるところでございますが、一般の公共事業その他の事業の推進に当たっての制度、手続の制度化との均衡を考えますと、都市計画の現行の公聴会制度というのは必ずしも劣った制度ではない、御指摘の線に沿った制度ではないかと私ども考えているわけでございます。  なお、先ほども御答弁申し上げましたように、都市計画の制度は、現在の都市問題に対応すべく基本的な必要限度の規制をいたしておるわけでございまして、地域の状況、地区の状況によりましては、それをもってなお十分に必ずしも足りるということではない場合もあろうかと思います。そのような場合には、法制度のいかんにかかわらず、十分に住民の方々の御意見を吸い上げる手だてを講ずるのが実際に当たっての運用の姿勢であるべきだというふうに理解をしております。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 法律や制度に定められただけではなしに、実際に住民の意見を聞くと言いながら、今度の地区計画の案策定の段階で、意見を聞く住民から大事な借家人を排除するわけですね。いま言われるぐらいなら、なぜそれを政令で意見を聞く住民の中に入れないのか、こういう問題が起こってきます。もう一遍まとめて、せめてこれぐらいは手続の民主化としての努力してほしいと申し上げてみたいと思うのです。  それは、第一に、計画づくりの段階から借家人、借地人を含めて住民参加を保証する。それから第二には、必ず公徳会を開く。第三には、地方議会に各種都市計画の内容について実質的な審議権を与える。それから第四には、計画案を関係住民一人一人に文書で配付して事前に知らせる。いまのように告示だけで、いつ掲載されたのかわからないうちに二週間たったというようなことのないようにしようということです。それから第五に、縦覧期間と住民の意見書の提出期間を、現在二週間ですが、大幅に延長する。それから第六に、出された住民の意見を必ず計画案に反映させる手続を明確にしていく。こういう点は検討課題だと思いますね。ひとつ実現に努力してほしいと思うのです。いかがでしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 いまおただしの中の手続の面につきましては、具体の手続は条例をもって定めるという措置をいたしておりますので、その過程において御意見の趣旨が反映できるような手続になるように指導してまいりたいというふうに考える次第でございます。  なお、審議会が実質的な審議とおっしゃいましたけれども、審議会の構成は御承知のように……(瀬崎委員「審議会じゃない、地方議会です」と呼ぶ)地方議会ですか、これは地方議会の自治権に基づいた運営でございますので、私どもはそうあるべく期待をいたしたいというふうに考える次第でございます。  それから最初の、意見を聞く対象として借家人を含めるべきであるという御指摘は、私どもは、この都市計画の制度は土地利用の合理化、土地利用にかかわる制度というふうに理解しております。したがいまして土地利用に対する権利を有する者という者を第一次的な意見を求める対象者として考えるべきではないか。その対象者はおのずから他の権利者とは権利の内容において差異があるということ、これは否定することがむずかしいのではなかろうか。そのような視角から整理をさせていただいているわけでございます。  したがいまして制度上はそのような仕分けに立って意見を求める範囲を限定をさせていただかざるを得ないかというふうに考えておりますけれども、現実の運用に当たりましては、この制度面と並行して各般の権利者の御意見をできるだけ広い範囲に集約してまいるというような手だては講じていかなければならないだろうというふうに考えております。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 全部の答弁はなかったのでありますが、いま個々の項目について政府に実現を直ちに迫ろうと思いませんが、十分に手続を民主化して、住民自身がつくったんだという意識を住民自身に持ってもらうということが事業成功のかぎでありますから、ひとつ大臣の方でもこれは検討をしてもらって、せっかく新たな地区計画制度をつくる以上は住民が進んでその計画づくりに乗ってくるような方向をとっていただきたいと思うのです。答弁を求めたいと思います。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○渡辺国務大臣 もともと今度の地区計画制度の導入ということは、私ども、地域住民が良好な居住環境を要請しておるという要請にこたえたいという前向きの気持ちで進めている制度でございますが、いずれにしてもこれを実施するにつきましては関係住民の理解、協力を得なければできないわけでございますから、そういう意味ではもちろん最大の配慮をせねばならぬと思っておりますが、いま政府委員も申しましたように、現在ありまする制度その他の関係、いろいろ勘案いたしまして進めておるところでございますので、お話の御趣旨はよく承知をいたしておりますが、よくひとつ勉強をさせたいと思っております。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 それと同時に、規制を伴う新しい制度を導入するときには行政面で非常に慎重な配慮が要るという実例を一つだけ申し上げて終わりたいと思うのです。  それは、大阪に本社のある大倉建設という大臣許可の宅建業者であります。大きな業者ですが、滋賀県の草津市で昭和四十四年に大津ニュータウン、百四十一区画、開発面積五万六千平米の分譲宅地を造成したわけなんです。それで売り出しました。その後で四十六年になって工業地域の指定が出たわけであります。ことし二月にこのニュータウン内の一区画を買ったAさんが塗装、板金の小さな工場兼住宅を建築しようと計画して建築確認を求めた。工業地域でありますから当然建築確認は出たわけであります。そこでいよいよ建築にかかろうとして建築屋さんに頼んだ。その建築屋さんが、現在もこのニュータウンは管理者が大倉建設で、これに対して団地内立入申請を出したところ、拒否回答が来たわけなんですね。きわめて明確に来ているんです。「弊社としましては、各団地の維持管理、並に、住宅団地としての環境保全に鋭意努力しております立場上、工場を団地内に建築されることをお断りせざるを得ません。」という文書通知なんです。そのために予定の建築ができなくなっていま暗礁に乗り上げているわけですね。  法律的にはこのAさんはもちろん建てようと思えば建てられるわけであります。しかし一方、管理をしている大倉建設から明確にこういう拒否文書を突きつけられたら、第一建築会社自身がよう建てません。こういうふうなことで結局そのしわ寄せといいましょうか、犠牲が力の弱いAさんに寄ってしまうわけなんです。大倉建設はもう土地を売っちゃっているわけですから文句はないのですね。  こういうことが起こった一つの原因は、大倉建設の土地が転売されてAさんに渡ったということも一つの要因ですが、またしかし大倉建設ともあろうものが不親切にもこういう文書をいきなり突きつけている、これも問題があると思うのです。しかし根本は、制度上矛盾がある。つまり工業地域の指定をしているんですから工場は建てられるし確認はおりるのですよ。ところが一方、それ以前に住宅地があって、その住宅環境を守るためには工場は困る、こうなるわけです。ですから、今後地区計画などの新たな規制の網をかけるときには、従来のいろいろな生活実態と矛盾を起こさないような配慮は当然慎重に行われなければならぬということが一つ。それから、それでも旧来の土地利用を新たな土地利用に変えていこうというのですから、やはりいろいろな矛盾や摩擦が起こってくると思う。これには行政側が親切に対応していく、こういう心構えが必要だと思うのです。この点建設省どういうふうにお考えか、これは大臣でも局長からでも御答弁をいただいて私は終わりたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 新しい規制が加わるわけでございますから、確かに御指摘のような点は十分に留意をしてまいらなければならないというふうに考えております。一点御説明を加えさせていただきますと、地区計画制度はそもそもその対象となる区域の権利者の方々のいわば自発的な開発を、みずから全体の統一ある、バランスのある計画の中で積極的に実施していただきたいという願いが発足に当たってあるわけでございますので、そのような制度の趣旨を十分御理解いただくことがまず第一に大切ではないか、その上で最小限の規制を皆様方が守っていただくということになるのではないか、その制度の趣旨の御理解がまず先決ではないかというふうに私ども考えさせていただきたいと思います。  なお、先ほど一つ答弁を漏らしておりまして恐縮でございますけれども、その地区計画の規制の効果といたしまして、たとえば敷地についての最小敷地規模の規制を行いますような場合には、現状、その計画決定時の敷地の所有者がその敷地規模の最小単位を切った敷地を持っております場合には、それは将来にわたってそのまま、お使いいただくことは結構でございますという特例の措置は設けてございます。なお念のためにつけ加えさせていただきます。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 最後に大臣に御答弁いただきたいのは、現在の都市計画の中で、より複雑で膨大な法律のように見えるのですが、実際の運用をやっていくと、いま申し上げましたように住宅地を包含して工業地域がかかっちゃう。法律上は建てられるのだけれども、実際には開発業者が建てさせない。現に建たない。こういうことが起こったときに、法律上どうのこうのは別として、制度の元締めである政府自身が相談に乗っていく、そういう温かい配慮だけは欲しいな、こう思っております。ひとつよろしくお願いしたいと思うので、答弁を求めます。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○渡辺国務大臣 行政でございますから温かい配慮は当然必要であると思いますが、具体的な措置につきましてはそれぞれの立場もございますので、その面につきましては慎重に対応してまいりたい、かように考えております。

瀬崎博義日本共産党・革新共同

○瀬崎委員 終わります。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 和田一仁君。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一仁)委員 先ほど来質疑を伺っておりますので、なるべく重複を避けたいと思います。  今度のこの都市計画法の改正は、従来の計画法では比較的大きな網をかけていたが、あとは建築基準法というのがあって、その中間のところがなかった、したがってそれを補う意味で地区計画を入れるのだ、こういうふうに私は答弁の中から理解したわけですが、四十三年に現在の都市計画法がつくられたときに、すでに先進諸国においては今度のこの地区計画に等しいようなものが整備されていたことは知っていた、しかしそのときそれを入れなかったのは、住民意識が恐らくこの地区計画を受け入れるような状態にはなかったのではないか、だからやらなかったんだというふうな御答弁であったと思うのです。これは間違いございませんか。そういう御答弁だったでしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 その時点で西独等におきまして類似の制度があったことは承知をいたしておりました。なお、その時点で検討の過程におきまして、私申し上げましたのは、住民の理解を得られないという表現を申し上げたかもしれませんけれども、むしろ、国民といいますか社会といいますか、わが国のその時点の社会の状況に照らして果たしてこの制度が妥当するかどうかという迷いがあったというふうに申し述べさせていただいた方が正確かもしれません。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一仁)委員 わかりました。  そうしますと、四十三年当時と比べて今日社会の状況は変わったから、今回はそういう意味ではいいのではないか、こういう御理解になったと思うのですが、その辺具体的にひとつ、どう変わったからいいのか、教えていただきたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 社会の一般状況といたしまして、かなりその以後におきまして市街地縁辺部におきますバラ建ちスプロールが進行しておるということ、さらに既成市街地内の状況も改善はされていない、部分的には悪い方向に行っているものが多い、いわゆる社会的な状況が悪い方向に進んでいるのではないかというような認識が一つあろうかと思います。  なお、これは私見にわたりますので、それ以上のことはこの機会には控えさせていただきたいと思いますけれども、一般的に現状の社会状況の進化、これはたとえば所得の増大、あるいは全体の経済の進行の度合い、社会的な欲求の成熟度といいますか、変化と申しますか、そういったものを全部合わせまして、トータルとしての社会状況の変化というものが、現状におきまして地区計画制度の導入に適しつつある段階にあるのではないかというふうに考えております。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一仁)委員 この地区計画を実際に行うようになった場合に、これをやるのは地方自治体であると思うのです。したがって、この改正が行われた場合に、実際にやるべき地方自治体が本腰を入れない限り、これは全く絵にかいたもちになってしまう。机上の空論ということにならないためには、相当事前に十分な地方自治体との話し合い、また自治体自体の意向を組み入れていかないと、効果が上がらないのじゃないか、こういうふうに理解しておりますけれども、そういう意味の事前の話し合い、これを十分やっているかどうかお知らせいただきたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 地区計画制度の立案に当たりましては、地方公共団体の実情及び意見を参考にいたしますために、主な地方公共団体の都市計画部局並びに建築部局の担当課長等によります意見交換会を数回実施いたしております。それと同時に、個別にも各自治体の実情のヒヤリングを行ってまいりました。これらの機会を通じまして聴取いたしました意見は、今回の立案に当たりまして本制度の中に十分取り込ましていただいたものと考えております。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一仁)委員 地方との話し合いで具体的にいろいろな話が出たと思うのですけれども、そういった意見は十分組み入れていく、こういった御答弁でございましたが、どういったことを地方自治体としては求め、そしてこれが改正されることによってどんな期待を持っているか。  もう一つ言えば、これには助成に対する何もないように思うのですけれども、そういったことが地方自治体の中から出てこなかったかどうか、それをちょっとお聞かせいただきたい。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 地方公共団体からの主な意見といたしましては、まず地区計画制度を運用しやすいものにしてほしい、それから住民の合意形成の方法についてこれを計画策定手続の中で配慮をしてほしい、それから、敷地規模に関する規制はこれはぜひ必要であるというような意見が主な意見でございました。これらについていずれも配慮をさせていただいたつもりでございます。  それから、地方公共団体がどういう期待を抱いているかというおただしでございますけれども、これは地方公共団体の立地条件といいますか実情によりまして差異がございますが、ミニ開発を防止するためというような期待、あるいは良好な市街地を保全するため、いろいろございます。特に今後市街化が予想されるような地域におきまして、いわゆる無秩序なバラ建ちスプロール的な開発が行われることを防止したいということに大きな期待があるというふうに理解をしております。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一仁)委員 大体地方では、ミニ開発の防止、それからスプロール化、これをとめたいということで、できればこれを最大限に利用していきたい、こう考えているのではないかと思います。しかし、人口流入がその地方にとってもう負担にたえないというところで、人口が入ってくるのも困るのだ、こう考えているようなところは、従来も開発指導要綱やらそういったもので無制限な流入はさせまいというようなことを一生懸命やっているのに、そういったのをバックアップしてさらにこの規制をここでがちっと固めることによって、もう入ってこないようにしていく一つの後ろ盾にしようか、そういった傾向が出てきはしないか、こういう心配もあるわけです。まあそういったことがもう限界に来ているようなところはまた別でございますけれども、そういったところが、さらにこれを後ろ盾にしてそういった規制を強めやしないかという感じがあるわけです。  そうなってくると、住宅供給の全体の計画からいって、いまミニ開発というのも、これは先ほど来の質問の中にもたくさん出てきましたけれども、結局これは需給関係だと思うわけです、そういったものは、ほとんどもう小さなところに小規模住宅で、これは土地と上物を一緒に業者がつくって売る方が利益が高い、こういうことからどんどんつくるわけですが、買う人がいなければこれはつくるわけがないわけです。結局、そういう需要があるからつくる。そしてその地区がだんだんとおかしくなっていく。  いま日本はだんだん住宅の需給関係がよくなってきておりますけれども、その中でこれを規制していくと、逆に全体の計画からいって足らなくなってくるというような心配が出てきはしないかと思うのです。  この規制が、人口がもう入ってこないようにするための後ろ盾になってしまいはしないかということと、住宅需給の全体のバランスの上からどんなことになるか、その辺の予想をどうお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 確かに、運用を誤りますと御懸念のような状況が出ないとは限らないと思います。ただ、そのような状況を回避しますためには、やはりこの地区計画制度の趣旨を十分自治体に理解をしてもらうということが必要かと考えております。地区計画制度のねらいは、先ほど来申し上げておりますように、あくまでもその地区に必要な施設の配置、その地区内の建築物等の形態、敷地等に関する事項を一体的に計画として定める、これによってその地区内における開発行為、建築行為を誘導し規制する、こういう趣旨のものでございますから、単なる開発行為の抑制という視角からの規制とは性質が異なるものだという趣旨の理解を十分関係自治体に浸透させる必要があろうというふうに考えております。  第二点のおただしの、これにより住宅宅地供給の減少を来すのではないかという御指摘でございますけれども、この地区計画の性格がただいま申し上げましたようなものでございまして、的確にその意図を反映した地区計画制度の運用が図られますれば、むしろ的確、適正な開発行為が進行する、的確な建築行為が進行するということによって、住宅宅地供給の減少とはむしろ逆な効果が期待できるのではないかと第一義的には考えられようかと思います。  しかしながら、この地区計画の中で敷地規模の規制を内容とし得るということになっておりますので、これが広範に利用されることになりますと、かなり敷地規模の規制という点からいわゆるミニ開発は防止されるという結果が生じますけれども、反面、あるいは従来のようないわば無規制的な小規模の宅地の造成ということができないことによって、現実当面の需要に対応しにくいというようなことが部分的には出る可能性がないとは言えないと思います。しかしながら、地区計画制度の趣旨でございます良好な市街地形成ということも、現状の都市、現状の市街地にかんがみ非常に大切なことではないかと私ども考えておりますし、そういうものの積み上げがこれからの都市形成に欠くことを得ないものだという理解からこの地区計画制度の推進を図ってまいりたいと考えます。住宅宅地の供給につきましては、さらに広範囲な視角から諸般の施策を進めてまいるべきものと考えております。たとえば再開発の推進でございますとか、あるいは先ほど来御答弁がございました市街化区域内の農地の宅地化の促進策を推進いたしますとか、そのような総合的な施策をもって対応すべきものではないかというふうに考えております。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一仁)委員 それから、今度のこの地区計画を決めていく一つのメリットとして、こういうミニ開発やスプロール化をとめるのと、逆に、もうすでにいい環境にある地区、これを壊さないために保存していくというような面があるわけですけれども、そういう場合に、その中でさらにこれを維持していくために、いろいろそこの住民と相談した上で維持していこう、しかしそれを、いいのですから、ほっておけばどんどん悪くなるのをよく保存するのには相当経費がかかるというような場合に、その経費はあくまでも個人の負担にだけなる、たとえばずっと生けがきで緑の町づくりになっているところでブロックべいか何かの人がいる、これは全体的な調和が壊れるし、なんだから生けがきにしてほしい、生けがきにしようやという合意ができてやるときに、その人は渋々やるにしても、それは全部自分で負担しなければならないということになるのか、そういったときにどこかでその費用を貸してくれるような算段ができるのかどうか。それから、そういったものになれば、さらに将来は非常に維持費もかかってくるわけですけれども、そういった全然逆の面で、いい環境を保存するというのにもやはり相当の助成みたいなものがないと現実になかなかいかないのではないかという気がちょっとするわけですけれども、その辺は大丈夫でしょうかね。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 いろいろ御示唆をいただいて、ありがたく拝聴いたした次第でございます。  確かに、この制度によって良好な市街地環境を保全してまいりますためにプラスになるような事業の促進ということについてもしかるべき配慮があるべきではないかという御指摘でございますけれども、まず、この地区計画制度は市町村が定める都市計画の部類に属するものでございまして、第一次的には市町村レベルでこの地区計画制度の推進、円滑な運用に配慮がなされることが期待されるところではないかというふうに考えております。  現実にも、私どもの方の調査によりますと、昨年の六月時点でございますけれども、全国で三十八都市に及びまして地方公共団体の助成事業といたしまして、たとえば生けがきづくりの奨励事業というようなことで、生けがきにするための経費の三分の二を自治体が補助するとか、あるいはメーター当たり二千円とか四千円といったような限度額を設けて補助するとかいうような施策を講じておるところがございます。このような状況がさらに全国的に発展することをわれわれとしても期待いたしますし、また必要な指導、助成のための努力をしてまいりたいと考えております。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一仁)委員 それからもう一つ、やはりこれは地区の合意なしには全然いけないと思うのですが、地区関係者、地権者を初めとして利害関係者の意見を聞く。反対者が出た場合にどういうふうにして合意を形成していくか。これは一〇〇%の合意というのはなかなかむずかしいと思いますけれども、それを制度の上ではどうとらえて——本当のことを言って、実際にこれがないと進まないと思うのですけれども、この辺で見切り発車できるのだ、そういったものなのか、それとも、あくまでも合意形成のために尽くすべきものは尽くしていくという方針でいくのか。後者であるとすれば、これは実際に今度の改正をやっても、現実の意味での効果が一体上がるかな、そういった感じもちょっとあるわけですけれども、大丈夫でしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○升本政府委員 御承知のとおり、法律制度といたしましては、案について事前に意見を求め、あるいは公聴会を開催し、あるいは案を縦覧に供し意見書を求めというような手だてを講ずべきこととされております。したがいまして、この制度、手続の進行過程においてすべての意見が集約されることが期待をされているわけでございますが、反面から申しますと、そのような手続を経て定められるものである以上は、法制度上必ずしも一〇〇%の合意がなくても制定することは可能であるし、ある程度の効果を上げることはできるものと考えられます。しかしながら、実際の運用におきましては、この地区計画制度の性格、目途からいたしまして、やはり関係権利者全員の御理解、御協力をいただくことが必要でございますので、現実の運用に当たりましては全員の御理解が得られるように努力をしてまいるということになろうかと思います。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一仁)委員 一番先に伺いましたときに、運用しやすいもの、それから住民合意の形成ができるような方式、それから敷地規模の規制、これは絶対やってくれということが実際にやる地方自治体の声であったということなので、地方自治体にとっても住民合意を形成するということは本当に難事業で、これがこの計画をやっていく上での一番大きな隘路というか、ここに一番エネルギーが注がれてしまう点だと思うのです。したがって、そういうものを指導していく場合に、本当にこれはしやすい方式をとってくれと地方自治体から声が出るのは当然であって、それに対して、こうやればうまくいくよというような指導を本当にやって、効果あらしめるような改正にしていただきたい、こういうふうに希望しておきます。  それから、もう時間もあれですが、小さなことでございますけれども、開発行為、三十日前に届け出をするようになっているようですが、これと従来の建築基準法による確認申請との関係は一体どういうふうに理解したらいいのか。これはこれから条例で決まっていくわけですか。その辺をひとつお教えいただきたい。

関口洋建設省住宅局長

○関口政府委員 この法律では、建築行為の届け出がありましてそれが全体の趣旨に適合しないときは、いわゆる勧告をする制度に相なっております。したがって、これはいわゆる建築基準法と別の系列でございますので、実際の建築基準法に基づく確認行為は、また別途建築基準法の規定に従って出していただく。そういうわけでは、二つの法律に基づく手続が必要になるわけでございまして、この辺あるいは煩瑣だというお感じをお持ちになるかもしれませんけれども、私どももその辺をおもんばかりまして、建築物に関する届け出の処理事務、それから基準法の規定に基づきます確認事務の窓口を同一にいたしまして、できるだけ、煩瑣だという感じを与えないように十分指導してまいりたい、かように考えております。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一仁)委員 その勧告が出されて、これは適当ではないぞという勧告になるわけですけれども、それでその勧告にもし、いやそう言うけれどもいいんだというような、勧告を無視するような場合には、これは基準法の方で縛ることになるわけですか。

関口洋建設省住宅局長

○関口政府委員 地区計画の効力といたしましては、いま御説明しましたように一般的には届け出の義務づけでございまして、これに対する勧告を通じまして計画の内容をおおむね実現できるという判断に立っておるわけでございますが、その理由といたしましては、先ほど来都市局長から詳細御説明しましたように、この地区計画は地区レベルの詳細な計画でございまして、かなり具体的なものでございます。それからさらに、案の段階から関係権利者の御意見を聞いて作成し、さらにそれを都市計画法の本来の規定に載せて縦覧をするというような慎重な手続をとっておりますので、おおむね、皆さん方はこれに従っていただけるものと、かように期待をいたしておるわけでございます。  しかしながら、さはさりながらやはりこの地区計画のうちで特に重要な事項をどうしても法的に担保したいということも考えておかなければなりませんので、別途建築基準法の一部を改正いたしまして、いま先生御指摘のとおり特に重要な事項については、市町村の条例で、いわゆる建築確認を通して規制をするという道を講じておるわけでございます。  その、特に重要な事項は、これも法律に定めます地区の状況なりあるいは地区計画の目的によりまして一律に申し上げることはなかなか困難でございますけれども、例で申しますと、市街地開発事業等を実施した後の保全を行うということを主とする計画では、やはりその市街地開発事業によって予定されておりました建物の用途、容積率の最高限度あるいは最低限度、敷地面積の最低限度、こういったもの、いわばせっかく事業をやって良好な環境が維持されておるわけですから、それを維持するためにミニマム必要なもの、これを条例で担保するということを考えておるような次第でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一仁)委員 わかりました。どうぞ、この改正が届け出や勧告制度だけでなくて、本当にいままでの都市計画の中で欠落していた部分がさらにきめ細かい形で促進され、秩序ある計画が推進できるようなそういう法改正になるように希望いたしまして、終わります。      ————◇—————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選、出席日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 次に、幹線道路の沿道の整備に関する法律案を議題といたします。  本案に対する質疑は、去る二十六日すでに終了いたしております。  この際、本案に対し、中島武敏君より修正案が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。中島武敏君。

中島武敏日本共産党・革新共同

○中島(武)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題となりました、幹線道路の沿道の整備に関する法律案に対する修正案につきまして、その提案理由並びに要旨を御説明申し上げます。  東京における環状七号線や兵庫の国道四十三号線など、主要幹線道路の現状は、大型車を含めて大量の自動車が、昼夜を分かたず通行し、そのために、騒音、振動、排気ガスによる大気汚染など、自動車公害による環境破壊が目を覆うほど激しく進行しております。  こうした幹線道路の沿道に居住し、生活している住民の中では、自動車公害による難聴、不眠症、呼吸器疾患などのいわゆる公害病が広がり、沿道住民の生命と健康は取り返しのつかないほど破壊されつつあります。まさにこうした地域では、自動車交通それ自体が、居住環境を急激に悪化させ、沿道住民の生命と健康、生活をむしばむ元凶と化しているのであります。  長期間にわたって、この自動車公害のゆえに塗炭の苦しみを味わわされてきた幹線道路の沿道住民は、ある者は、その苦しみを逃れるために長年住みなれた土地を離れなければならなかったり、またある者は、みずからの出費によって住居の防音工事を行わざるを得なかったりしているのであります。  さらに重大な問題は、こうした自動車公言をこのまま放置するならば、沿道住民の大部分がその資金力の少ないことなど、さまざまな原因で、引き続きこの苦しみを背負っていかなければならないということであります。  沿道住民自らの責任とは全く無縁の外的要因によって、このような居住環境の破壊と生命、生活の危機をもたらした最大の責任が、無秩序、無計画な自動車交通政策と、沿道の居住環境を無視した幹線道路建設とを強引に促進してきた政府自身にあることは、いまや明白であります。  今回の政府提出法案は、幹線道路沿道住民の救済という点では一定の改善がなされているものの、その措置が遅きに失しているばかりでなく、沿道住民の要求から見て、財政的な裏づけの点からも不十分さを免れないのであります。そこで、これらの点について改善するための修正が必要であります。  以上が本修正案の提案理由でございます。  次に、本修正案の要旨を申し上げます。  修正点の第一点は、政府案によりますと、沿道整備計画区域内における地方公共団体の土地の買い入れに対する国の資金の貸付額は、土地の取得に要する費用の三分の二以内とされておりますが、地方公共団体の土地買い入れに伴う負担を軽減するため、これを全額貸し付けに引き上げることといたしました。  修正点の第二は、沿道住民が沿道整備計画区域の内外にかかわらず、その住居を移転する場合及び整備計画区域内において個人または小規模商工業者がその所有する建物の増改築、防音工事、緩衝建築物への建てかえなどを行う場合の負担を軽減するため、国及び地方公共団体は財政的援助のほかに必要な金融上、税制上の優遇措置を講ずることとし、その責任を明記いたしました。  この修正により必要となる国費は、平年度で約十七億円でございます。  なお詳細は、お手元にお配りしてあります案文をもって御承知いただくこととし、省略させていただきます。  何とぞ、委員各位の御賛同の上、速やかに御可決いただきますようお願いいたします。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。  この際、本修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣に意見があればお述べいただきたいと存じます。渡辺建設大臣。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○渡辺国務大臣 ただいま御提案のありました修正案につきましては、政府といたしまして反対であります。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 これより原案及び修正案について討論に入るのでありますが、討論の申し出もありませんので、幹線道路の沿道の整備に関する法律案について採決に入ります。  まず、中島武敏君提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。  次に、原案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 起立総員・よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、渡辺紘三君外四名より、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同及び民社党・国民連合の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者より趣旨の説明を求めます。渡辺紘三君。

渡辺紘三自由民主党・自由国民会議

○渡辺(紘)委員 ただいま議題となりました幹線道路の沿道の整備に関する法律案に対する附帯決議案について、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同及び民社党・国民連合を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文は、お手元に配付いたしてありますが、その内容につきましては、すでに質疑の過程におきまして委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の御説明にかえることといたします。     幹線道路の沿道の整備に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行にあたり、次の事項について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一 最近における道路交通及び沿道の生活環境の現況にかんがみ、道路交通騒音対策にとどまらず、道路交通公害全般にわたる総合的な施策の推進に努めること。  二 沿道整備道路の指定、沿道整備協議会の運営及び沿道整備計画の決定を行うに当たっては、地域住民の意向が十分反映されるよう配慮すること。  三 沿道整備促進のため、本法の措置に併せて必要な財政上、金融上及び税制上の措置が講ぜられるよう努めること。   右決議する。 以上であります。委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 以上で趣旨の説明は終わりまし  た。採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 起立総員。よって、渡辺紘三君外四名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。     —————————————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 次に、公営住宅法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案に対する質疑は、去る二十六日すでに終了いたしております。  これより討論に入るのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。  公営住宅法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、大坪健一郎君外四名より、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同及び民社党・国民連合の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者より趣旨の説明を求めます。大坪健一郎君。

大坪健一郎自由民主党・自由国民会議

○大坪委員 ただいま議題となりました公営住宅法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案について、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同及び民社党・国民連合を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文はお手元に配付してございます。  御承知のとおり本法律案につきましては、委員会において慎重に審議されてまいったのでありますが、公営住宅建設促進のための財源への配慮、単身入居について資格の幅広い検討、住宅の改造、福祉行政との連携、良好なコミュニティー形成への配慮、低層公営住宅の建てかえ促進、居住環境の改善、家賃の負担軽減と激変緩和、入居について登録制度の採用、家賃補助の増額等については、審議の過程において特に議論された重要な問題でありますので、ここに附帯決議を付し、政府の適切な措置を要望するものであります。  以上が本案に附帯決議を付さんとする理由であります。  各位の御賛同をお願いいたす次第であります。     —————————————   公営住宅法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、本法の施行にあたっては、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、 公営住宅の建設を促進するため、地方自治体の用地確保、関連施設整備等のための財源について、国は一層の配慮を行うこと。 二、 老人、身体障害者等の単身入居については、資格要件について幅広く検討し、入居にあたっては住宅改造等について配慮するとともに、福祉行政との連携を緊密にすること。また、良好なコミュニティ形成のため、これらの入居者が特定の地域や棟にかたよることのないよう配慮すること。 三、 既設低層公営住宅については、土地の有効利用を図るためにも建替を促進するとともに、居住環境の改善を図ること。その際入居者の負担軽減と激変緩和のため、家賃について配慮するとともに、三大都市圏における小規模建替・可能な増改築についての財政援助について検討すること。 四、 公営住宅の入居については、困窮度に応じて入居できるよう登録制度の採用等を図るとともに、明渡しの請求については、入居者と十分に話し合い他の公的住宅への入居等について特別の配慮を行うこと。   また、入居者の家賃負担の軽減のため、家賃補助の増額を図ること。  右決議する。     ————————————— 

北側義一公明党・国民会議

○ 北側委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動機に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 起立総員。よって、大坪健一郎君外四名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。     —————————————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 この際、渡辺建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺建設大臣。

渡辺栄一自由民主党・自由国民会議建設大臣

○渡辺国務大臣 幹線道路の沿道の整備に関する法律案及び公営住宅法の一部を改正する法律案の御審議をお願いして以来、本委員会におかれましては熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。  審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に体して努力する所存でございます。  ここに、これらの法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)

北側義一公明党・国民会議

○北側委員長 次回は、来る四月二日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後四時四十五分散会      ————◇—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗