建設委員会 第5号
- 発言数
- 252 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/03/07
会議録
○北側委員長 これより会議を開きます。 この際、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。 本委員会において審査中の明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法案について、審査の参考に資するため委員を派遣したいと存じます。つきましては、議長に対し、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北側委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、派遣地、派遣の日時、派遣委員の人選等については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北側委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○北側委員長 都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上泉君。
○井上(泉)委員 都市開発資金は、五十三年は約四百二十六億、五十二年は三百八十四億、五十一年は三百二十三億と、かなりの金額が支出をされておるわけです。五十四年度決算はまだでありましょうけれども、もうすでに年度末でありますから相当支出しておると思うわけですが、五十四年度に支出が予想される金額はどれくらいになるの一か、まずそれを承りたいと思います。
○升本政府委員 五十四年度の貸付金額は三百三十一億円を予定いたしております。
○井上(泉)委員 そうすると、五十四年度は五十三年より百億くらい少なくなるのですか。
○升本政府委員 ただいま私が申し上げました額は、地方公共団体に対する貸付額を申し上げたわけでございまして、先生がただいまお述べになりました額は、特別会計の資金繰りの総額を言われたのではないかと思っております。
○井上(泉)委員 特別会計の中の支出済みの歳出額が五十三年では四百二十六億、それでこの中にはもちろん地方自治体に対する貸付金もあると思うわけですが、たとえば五十三年には地方自治体に対する貸付金は幾らでしたか。
○升本政府委員 五十三年度は二百四十九億円でございます。
○井上(泉)委員 五十二年度は二百四十九億。それで五十四年度は、いま幾らと言ったのですか。
○升本政府委員 三百三十一億円でございます。
○井上(泉)委員 この法律の制定された趣旨についてはいまさら私が申し上げることもないことですが、その趣旨が十分生かされてきておるかどうか。こうして三百億、四百億の金が出ておるわけですから、かなりの効果が上がっておらねばならないと思うわけです。そしてまた、地方公共団体は莫大な金額の貸し付けを受けるわけですが、自治体がこれを返還するに当たっては、自治省としての財政手当てはどういう形でなされておるのか承りたいと思います。
○持永説明員 都市開発資金の償還財源についての財源措置の問題でございますが、都市開発資金は御承知のようにいわゆる用地の先行取得のたぐいのものでございまして、買収いたしましてからいずれは、たとえば道路でありますとか下水道の処理場、中には民間に処分する場合もあろうかと思いますが、多くの場合は都市施設といたしまして何らかの事業の用に供することになるわけでございます。したがってその事業の用に供する場合におきまして、道路なら道路事業、下水道なら下水道事業としての国庫補助金あるいは地方債等の財源措置がされるわけでございまして、それによって償還をしていくという仕組みになっておるわけでございますので、事業の用に供する段階での財源措置がなされるという形になっておるわけでございます。
○井上(泉)委員 事業の用に供する段階で財源措置をする。それまでは都市開発資金という建設省所管の特別会計の中で金の貸し出しをしておる。それに対する支払い等、そういうことには自治省としては関係のない資金会計である、こういう位置づけですか。
○持永説明員 地方公共団体の財政収支にかかわる問題でございますから、自治省として全く関係ないということではございませんが、いま申し上げましたように、この償還財源はほかの形で確保できる仕組みのものでございますので、都市開発資金の償還のためのお金ということで特別の財源措置は講じていないわけでございます。
○井上(泉)委員 そうすると、都市開発資金は、地方財政の計画の中で自治省としては直接これをチェックする、あるいはこれに対する監査をするとかいう使命はないわけですね。
○持永説明員 都市開発資金も地方団体に対する貸し付けでございますから一種の地方債の形をとるわけでございますので、そういった観点から自治省といたしましても、建設省が各自治体に資金の貸し付けをなさるわけでございますが、その際に御相談をいたしまして貸し付けを決定していくという形で関与いたしておるわけでございます。
○井上(泉)委員 そこで、この事業執行については建設省の方が所管であるわけですが、この法律が昭和四十一年に施行されて今日まで相当な事業が施行されてきたわけですが、この貸付金がどうも支払いが焦げついておる。自治体が一般財源でこれを支払わねばならないという状態というものが、もうかなりこれを借り受けた自治体の中には出ておるのじゃないか、こう思うわけですけれども、そういう点について調査あるいはまた報告がなされておるものがあればお話しを願いたいと思うのです。
○升本政府委員 おただしの償還財源でございますが、この都市開発資金は地方公共団体が国から貸し付けを受けたものをもって土地を買い取るわけでございますが、五年ないし十年くらいの間保有いたしましてこれを処分いたします。その処分金をもって償還に充てるという仕組みになっておりますので、その間の資金繰りの問題はございますけれども、償還財源に事を欠くという問題は一般的には聞いておりません。
○井上(泉)委員 そこでこれは自治体、地方公共団体ですから、一般財源から金を捻出をして償還財源に充てておるから、この開発資金を借り受けたことが焦げついておるとかいう一般の事業とは異なると思うわけです。 そこでたとえば、これは私、急でありましたので資料をいただき、その金の使い方というものをずっと追及していくいとまがなかったわけですが、昭和五十二年から五十三年で川崎市の特殊製鋼の工場の敷地を買い取るために五十八億三千九百万が川崎市に貸し付けをされておるわけですが、この跡地はどういうふうに整備をされる計画であるのか、そのことを例としてお聞きしたいと思います。
○升本政府委員 個別の具体の案件につきましての処分方法につきましては、いま資料は持参しておりますけれども、しばらく時間をおかしいただきたいと思います。
○井上(泉)委員 この法律が、都市における過密な工業状態あるいは工場状態というものを解消するために、大都市における土地の都市機能というものを増進をする、だから首都圏の工業等の制限区域あるいは工場等の制限区域にある工場等の敷地は計画的に整備改善を図る、それがために必要な資金として定めてあるわけで、むしろこれは私は都市における過密状態をなしにし、都市における工場を外に出すということがこの法律の主要な目的ではないかと思うわけですが、その点について建設省の御意見を承りたいと思います。
○升本政府委員 都市開発資金の設置の目的は、大きな意味の都市の再開発を促進いたしますためにあらかじめ用地を先行的に確保をいたしておくという趣旨でございますので、先生がおっしゃいましたように、東京、大阪等の既成の大都市から工場が外に移転していくことを奨励いたします意味合いもあわせ持ちまして、都市開発資金の運用をいたしておる次第でございます。
○井上(泉)委員 この資金がもう今日まで一千何百億か何かの資金、相当多額の金が出されたわけですが、これによってどれくらいの工場の敷地を自治体が買い取ったのか、これの件数をお示しを願いたいと思います。五十三年度までで結構です。
○升本政府委員 四十一年にこの制度がスタートいたしまして、それから昨年度五十三年度末までの実績でございますが、工場の敷地買い取りは件数で七十六件でございます。
○井上(泉)委員 その七十六件は、工場の敷地を買い取り、その工場は他へ移転をしたのですか。それとも、そこは工場敷地として必要でないからそういう処分をしたのか、あるいは他に土地を求めて移転をしたのかどうか、その点をお示し願いたいと思います。
○升本政府委員 買い取りの対象になります工場につきまして、対象案件。ことに計画書を提出させておりますので、個々的に調査いたしますればお答えできるかと思いますけれども、現在のところは確たる数字をいま手元に集計いたしておりません。しかし、大体御要望の趣旨からいたしますと、おおむね他の地域に移転をいたしているように聞いております。
○井上(泉)委員 こういう大都市における工場というものを地方都市あるいは過疎地域に移す、どこの市町村どこの自治体にでも、第一次産業の多い過疎圏と称せられるようなところは工場誘致ということを旗印によくキャンペーンをやられるわけですけれども、たとえば、地域振興整備公団なんかが工場敷地を造成した、あるいはそれを買い取ってやっておるといってもなかなか持ってくる工場がないわけです。これについて通産省の方は、こういう建設省の計画と、そして通産省の工業立地再配分の計画とどう位置づけて処理をされてきておるのか、通産省から御説明を承りたいと思います。
○高橋説明員 お答え申し上げます。 いま先生御指摘の点でございますが、私どもといたしましてはわが国社会の過密及び過疎につきましてこれを同時解消するという観点から、大都市圏における工業を地方に移転するというために工業再配置政策を行っているところでございまして、具体的にはいま先生御指摘の地域振興整備公団という公団につきまして工業再配置部門というのがございますが、この工業再配置部門におきまして中核工業団地の造成あるいは大都市圏における工場を移転するに際しまして融資を行っているという現状でございます。 お尋ねの都市開発資金との関係でございますが、私どもの所管しております地域振興整備公団におきまして、大都市圏における工場が移転いたします場合の融資を行うことと、それから、都市開発資金で地方公共団体に資金を貸し付けるという関係は、跡地の関係でつながっているわけでございまして、私どもが貸し付けました工場が移転いたしました跡地を地方公共団体が買い取りますときに、都市開発資金が利用されるというふうに私どもは理解しております。
○井上(泉)委員 そういうように跡地を買い受ける場合に地方公共団体がこれから融資を受ける、こういうことになる。しかし、この法律としては、そういう過密な都市の状態の中から工業の移転等考えて都市機能を増進するためにこの法律というものが存在をするわけだし、そういう点でやはり、通産省と建設省という省の違いはあっても、一つの工場を移すということについては同じ行為であろうと思います。そうなれば、通産省がもっと建設省に働きかけ、建設省のこういう計画を聞いて、その跡地を買うための資金でこれをやっておるかおらぬかは知らぬではなしに、あなたのところの工場はもうどうも過密地域のところにあるから、あなたのところの工場があると都市機能としておもしろくないから移転を考えないか、その移転先としては地域振興整備公団がこういうところへ構えておるし、その跡地は地方公共団体に買ってもらうような、そこに建設省と通産省との間の連携というものがあれば、この法律の効果がもっと生かされると私は思うわけですが、通産省の方はそういう私の見解に対してどうお考えになるのか。
○高橋説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおりでございまして、私どもが行っております地域振興整備公団の工業再配置部門における融資につきましても、その跡地につきましては、大都市圏における環境の改善に資することを旨としております。したがいまして、実績におきましても約七割が公的部門に買い上げられているということでございまして、当省といたしましても、そのような見地から公的部門、つまり地方公共団体であるとか住宅公団に買い上げてもらうようなことを優先するように指導しておりますし、公団におきましても、そのような趣旨で業務を実施しているところでございます。
○井上(泉)委員 それで、この前七十六件というなにが言われておるわけですが、この七十六件の工場がなくなったわけです。それはどこかへ行っておるが、その行き先というものが、都市圏以外へ行っておるのか、過疎地域の中に移転をしておるのかどうか、その点について通産省でわかっておれば説明してもらいたいと思うのです。
○高橋説明員 お答え申し上げます。 都市開発資金を利用した案件に係る工場がどこに移転したかにつきましては、私どもは必ずしも承知をしておりません。ただ、私どもの地域振興整備公団の工業再配置部門の融資を受けた企業につきましては、工業再配置促進法上のいわゆる誘導地域に移転をするということが原則でございまして、この誘導地域というのは工業集積度、つまり人口及び可住地面積当たりの工業出荷額が全国平均以下のいわゆる遠隔地、地方に工場が移転をするということでございまして、その実績につきましては、すでに東京、大阪、名古屋及び京都も五十二年度から入っておりますけれども、そういった大都市圏から四百ヘクタールの工場が移転をしております。その結果、先ほど申し上げました誘導地域という工業集積度の低い地域に、約二千ヘクタールの工場用地を取得しておるというのが現状でございます。
○井上(泉)委員 これは、あなたのところはきょうの委員会に出てきておるだけで気の毒ですけれども、その二千ヘクタールという膨大な用地を取得はしておるけれども、実際それに工場がどれだけ入っておるかということになりますと、まことにお寒い限りじゃないか、こう思うわけですが、大体どれぐらい入っていますか。
○高橋説明員 私どもで毎年、立地動向調査というのを行っておりますが、これによりますと、全国の工業立地の状況は、概して申し上げますと、おおむね千四、五百ヘクタールになっておるわけでございます。一方、工場立地法の届け出制度ということで、工場が実際に建設工事を始める一定の期日の前までに届ける制度がございますが、この制度によりますと、おおむね年平均千ヘクタール弱というところでございます。したがいまして、毎年、用地を取得しておる者の大体三分の二ないし二分の一程度が建設をしておる。ただ、これはもちろん、一つの企業にとってみると、用地を取得してから建設着工するまでの時間というのはまちまちでございますので、個々の企業にとっては何とも申し上げられませんが、総じて平均的に申し上げますと、おおむねそういう状況になっております。
○井上(泉)委員 私は課長のその説明は納得しないわけです。それほど地域振興整備公団の用地の中に工場が移転をしたというようには思ってないですから、後でまたその辺については、別な機会に論議をしたいと思うわけです。 建設省にお伺いしますが、この法律は、工場が移転をして空き地ができたから、その空き地を自治体が買うその資金として出すというのですか、それとも、あそこに工場があってはどうも都市機能を維持、増進をするためにおもしろくないからその工場は移転をしてもらいたい、その跡地はこうして買い取りますから、こういうふうに積極的に動く法律ですか。動いて資金を使うのか、あるいは言われてきて初めて資金を出すのか、どっちですか。
○升本政府委員 法律のたてまえが、地方公共団体が工場等の敷地を買い取ります場合に所要資金を国が貸し付けるということでございますので、地方公共団体からの要請を前提といたしております。しかしながら、地方公共団体は、当然に都市計面の責任団体といたしまして、既成市街地内の土地の利用については総合的、全般的に配慮をいたしておる団体でございますので、その団体の要請には当然、いまおっしゃったような都市計画的な配慮が働いているものと理解をしております。
○井上(泉)委員 その配慮が働いておると思うということであって、建設省の方としては、たとえば東京都、大阪、名古屋というような地域について、自治体にそういうことを積極的に働きかけるということはしないで、逆に、自治体がそういうことを言うてきた場合にやる、これは率直に言えばそういう仕組み、そういうやり方になっておるのではないか、こう思うわけですが、そのとおりでしょう。
○升本政府委員 御指摘のとおりでございます。
○井上(泉)委員 そこで大臣、こういうりっぱな法律があって、毎年四百億くらいの資金が使われておる。私はこれもお尋ねしたいのですが、たとえば四百二十六億も支出しておるけれども、実際用地としての支出は二百五十億前後、こういうことになると、あと百五十億の金はどこにどう使うのか、こう思うわけで、その金の使い方についての疑問も残るわけです。 しかし、それはまた別といたしましても、都市開発資金の貸付けに関する法律が生まれた要素というものは、都市における過密現象を解消することに大前提があるわけですから、建設省としては、むしろこの資金を積極的に運用するような地方団体に対する呼びかけは当然すべきであるし、それと同時に、そのことは、今日の地域振興整備公団が地域で工場用地という形で取得をしておって、そこにいつまでたっても工場が来なくてペンペン草が生えてどうにもならぬ地域というものはたくさんあるわけですから、そういうところから積極的に工場の再配置を進めるとかいうようなこと。これは通産省との連携もとってやってこそこの法律が生きてくるし、膨大な四百億の資金というものの運用効果が出てくると思うのですが、大臣の見解を承りたいと思います。
○渡辺国務大臣 事務的にはいま局長が説明をいたしたとおりでございますけれども、私どもは、先生おっしゃいますように、この制度のそもそもの考え方というものに思いをいたしますとき、あるいはまたお話のような過疎過密の問題、これらから考えまして、この制度を大いに活用していくべきであるということにつきましては、もちろん同じような考え方を持っております。したがいまして、関係各省とも十分連絡協議は必要だと思いますけれども、これを前向きに活用していくという精神に立って、今度の新しい対象を加えるようなことも考えていたわけでありますし、いま考えておりまする新公団の発足も、そういう趣旨からスタートをしておるわけでございますから、先生お話しのような意味合いにおきまして、これらの制度の活用には今後は一層工夫いたしてまいりたい、かように考えております。
○井上(泉)委員 過疎地域は工場誘致ということを待望しておる、都市は工場が過密になって困っておる、工場があって過密になり都市環境というものは非常に悪くなっておる、こういういまの日本の状況から考えて、むしろ積極的に工場の移転、再配置というものを計画して、そして建設省とその辺のことについては協議をして進めていく姿勢というものを通産省にとってもらいたいと私は思うのですけれども、通産省としてはどうでしょうか。
○高橋説明員 先生御指摘の御趣旨を踏まえまして今後とも努力をいたしたいと思います。
○井上(泉)委員 それでいま地域振興整備公団のこういう工場用地としての用地というものは相当数あるし、それが現在工場の来てないところもたくさんあるわけで、地域振興整備公団が現在抱えておる土地は、これがどういうふうに分布して持っておるのか、私はそれをひとつ資料として提出していただくように委員長にお願いしておきたいと思います。 それで、今度新しく法律を改正してやられるわけですが、都市施設用地の政令都市の指定ということですが、この指定が一定の基準の中でやられるのは当然だと思うわけです。ところが、ずっとこう見ておりますと、四国の都市においては、松山、高松が政令の指定都市になっておるわけですが、そうなると、そういう状態でああいう三十万都市でこの法律を適用しなければならぬ都市はたくさんあると思うのですが、この基準というものはどういうふうに定めてこれを指定しているか、その辺の説明をしていただきたい。
○升本政府委員 都市施設用地の政令指定都市の指定基準でございますけれども、これは都市開発資金の貸付けに関する法律施行令におきまして、人口の集中が著しく計画的に都市施設を整備していくことが必要と考えられる大都市のうち、現在人口が三十万人以上でかつ将来における人口が五十万人以上と予測される都市が指定されることとなっておりまして、現在この基準に該当いたしますものは三十都市でございます。 なお、この貸付対象となる土地の範囲は、ただいま申し上げました指定を受けました三十都市並びにその指定を受けた都市の周辺の都市の地域も対象地域として含まれております。
○井上(泉)委員 周辺の都市と言えばこれは十万あるいは二十万の都市もその中に含まれることになるわけですが、むしろ今日画一的に一つの基準を決めて、その基準によって都市の機能を増進するためのこうした事業計画をすることにいわば差別を受けることのないようにするためにはそういう枠というものを外したらどうか。これは要らぬ金を借りてやるところはないし、たとえ十万の都市でも、そこに工場が存在をすることが、十万の都市をつくる上において、十万の都市を構成していく中で思わしくない、どうしても移転をさせたい、そしてそれがためには移転の用地は地域振興、整備公団の用地があればその用地へ行ってもらう、その用地を買うための資金として、あとの土地は公共団体がこれを買い受けてやるとかというような、本当に有無相通ずる連携をした仕事ができるわけですが、枠を外されたらどうかと思うわけですけれども、これは事務当局としてはどう考えておるのですか。
○升本政府委員 できますれば制約を外してどこの都市でもという形にするのが望ましいことかと存じますけれども、限りある資金の中でございますので、優先的に大都市から手をつけさせていただいているという状況でございます。ただ、過去の経過を若干申し上げますと、当初、この制度が発足いたしました場合に対象となります都市は七都市でございました。これがそれ以降累次の改正を経まして、現在三十都市まで広げさせていただいているという状況でございます。
○井上(泉)委員 そこで私は大臣に、これはそういう一つの枠を決めて都市を指定するというようなことで、たとえば高松なら高松、あるいは松山なら松山を指定をしておる。それなら松山の周辺には伊予市というものもあるし、今治市もあるし、それは該当するわけでしょう。該当するわけですけれども、指定されていないところ、たとえば高知県の高知市。高知市の周辺の都市は全然該当しない、こういうことになると、高知市の市街地の真ん中に工場が存在しておるし、何とかこれを移転させてやりたい、してもらいたいというようなときにこの法律の恩恵を受けられないということは非常に残念に思うわけで、そういう点からも、せっかくいい法律だからこの法律の枠を広げるということを検討されたらどうかと思うわけですけれども、大臣、どうですか。
○渡辺国務大臣 私は、先ほど申し上げたような考え方に立っておりますので、必要があれば検討していくべきだと考えております。
○井上(泉)委員 この開発資金は、地方公共団体の要望があって、その貸付金額には一定の枠があるからその枠の中に当てはめて貸付金額を決定されておるわけですが、これは要望と貸付金額がぴったり一致するということはないと思うのです。大体どの程度の要望額があってそれが予算の枠からはみ出るものがどの程度あるのか、たとえば五十三年度あるいは五十四年度、こういう点について説明を承りたいと思います。
○升本政府委員 この制度の運用に当たりましては、毎年度の予算要求におきまして貸付金額の総枠を案として定めます場合に、対象となる都市に十分事前に照会をいたしまして、来年度の買い取り計画を把握した上で要求を申し上げており、したがいまして、その数字をもとにして御査定をいただいておるものでございますから、要求額は結果としての貸付金額と余り隔たりのない額になっております。ただ、かなり時間的なずれがございますから、要求時と実際の貸し付けに至るまでの間の時間的ずれによりましてその間に差額は出ますけれども、大勢といたしましては同じような額が貸付額に計上されているものと考えております。
○井上(泉)委員 そういうふうなことにやっていきますと、大体どれだけの要望があるのかというようなことがわからぬでしょう。これだけの予算があるから、最初から頭からその予算に当てはめた要望額に押さえてやるということでなくてせっかくつくった法律の恩恵を生かしていこうとする要求がどれだけあるのかということでないと、次の予算要求のときにこれはこれだけ要求があるからもっと予算をふやしてやらなければならぬ、あるいは余り要求もないからもう予算は少なくしようとかいうようなものが、予算を査定する上において当然資料として必要じゃないですか。それとももうこれはずっと法律が施行されてきておるから一つの惰性としてやっておるということにしか考えられぬですが、そんな予算の決め方というものではないはずだと私は思うわけですけれども、どうでしょう。
○升本政府委員 私の御説明が不足いたしておったかと思いますけれども、私どもは地方から次年度の要望額を承ります場合に、あらかじめ枠を設定して額を伺っておるわけではございません。したがいまして、その時点で各地方公共団体が次年度において必要と思われる額は素直に私どもいただきまして、計画の実現性を確かめながら要求額をまとめておるわけでございます。 そこで、最初におただしがございました五十三年度、五十四年度の貸付額につきまして金額をお答えいたしておりますが、五十三年度の二百四十九億円、五十四年度の三百三十一億円という貸付金額、これは実績でございますけれども、年度当初において予定いたしました額は、五十三年度は二百七十億円でございました。これが最終的に二百四十九億円という貸付額に終わっております。また、三百三十一億円という額につきましても、これは五十四年度の執行でございますので、あるいは若干の使い残りが出るのではないかというふうに考えております。
○井上(泉)委員 あなたはいま都市局長になられて、この法律の施行の責任者であるわけですが、この法律はいい法律だともちろん思っておると思うわけですが、いまお話しの中に、各地方団体から要望というものを取りまとめてそれを査定をする、査定をした額を今度は要望額にするというような話でありますが、私が問うておるのは、一体地方自治体から、たとえば五十四年度にはどれくらいの要望があったのか、その要望があったけれども、それはいわゆる金と事業の内容等から見てその要望を幾らにしたのか、こういうことを説明していただいたら私はわかるわけで、そういうことが説明なされないと、予算の中に全部要望も入れておる、するとこの法律というものがいわば生きた法律として私は活用されないじゃないか、こういうふうに思うわけですが、五十四年度は一体どれだけ要望があったのでしょう。集計されておれば御説明願いたい。
○升本政府委員 重ねてのお答えになりまして恐縮でございますけれども、五十四年度貸付額の要求額をまとめます場合に、関係の地方公共団体から十分要望額を承った上で要求を申し上げたつもりでございますので、地方公共団体からこの貸付額の以外にまとまった要望額総計というものを実は重ねてとっておりませんので、正確な額でお話しすることがなくて恐縮でございますけれども、その要望額をまとめたものと貸付金額の総額がほぼ同じものだというふうに御理解をお願いしたいと思います。
○井上(泉)委員 けれども、それはあれじゃないですか、大抵どんなものでも、いろいろ事業をしてもらいたいときに各自治体がいろいろな要求を出してくるのは相当膨大な金額になって、膨大な金額であるけれども予算がこれだけしかないからこれはこれこれにしますというて、これを都市局で検討して、そこで貸し付けを決めていく、そういう仕組みじゃないですか。だから、要望と貸し付けとが当初から一致するということにはならぬでしょうが。当初から一致をするようなことであれば、これは予算がたとえば百億減っても何ら痛痒を感じないのじゃないか。むしろこの予算というものについては、自治体の要求というものがそんなに強くない資金の中身ではないか、こういうふうに考えられるのですけれども、どうでしょう。
○升本政府委員 地方公共団体が要望額をまとめます場合に、たとえば工場跡地につきまして申し上げますと、各工場がどういう移転計画を持って、どの時点で、どれだけの資金額を所要しているかということを、つぶさに調べて額をまとめるわけでございます。したがいまして、その移転計画に合わせて必要額が私どもの方へ出てまいるわけでございますので、それをまとめて、要求額の総額をまとめて御要求申し上げているという形になります。 そこで、いまおただしの全体の要望との差があるのではないかという御指摘でございますけれども、これは、工場跡地等について申しますと、かなり時代といいますか、時の経済情勢によって左右される面が多うございまして、過去の実績では、工場跡地等の買い取りについてのみ見ますとかなり大きな額が出ていた場合もございます。五十四年度、五十五年度におきましては、いまのこの情勢を反映して、若干その要求が伸び悩んでいるというふうに私どもは見ているわけでございます。
○井上(泉)委員 質問する私が悪いのか答弁するあなたが利口に答えておるのか、これはわからぬですけれども、私自身もいろいろと行政の経験というものがわずかであるがありますけれども、大体要求というものが出ていって、その要求を査定をされてくる、査定をしてこれだけしか予算額がないからこれだけにやれと。いまあなたの言うように要望額が予算の範囲内におさまるというような要望額というものは、どんな工事でもないはずだと思うのですけれども、この資金についてはそういうことであるということは、これは大臣どう考えられますか。これは本当におかしな話じゃないですか。
○渡辺国務大臣 局長も一生懸命説明をしておると思うのでございますが、先生の御発言の趣旨の中には、自治体の要望額に沿うということと必ずしも一致しないんじゃないかという点と、もう一つ、先生としては、恐らく自治体の要望額にこたえるというのみでなしに、もっと建設省としては都市整備であるとかあるいは過疎過密の問題であるとかという、ひとつ政策的に、地方自治体の自主的な意向というものはもちろん尊重しなければなりませんけれども、関係各省庁との連絡調整を行ないながら、政策的に進めるものは前向きに進めるようにこの資金を活用すべきではないかという御趣旨があるのではないかというふうに私いまそんたくをいたしておりますが、そういうような意味では、このような法改正までお願いいたしまして種地その他の対象拡大まで図る場合でございますから、私は、そういう意味では今後とももっと、これは建設省だけでできることではありませんけれども、実態に即しまして極力この制度を活用していくという意味では前向きに進むべきであろうと思っておりますから、今後そういう意味で一層、この制度の活用につきましては建設省といたしましても努力をさしていただきたい、私はそういうふうに考えております。
○井上(泉)委員 そこで私は、大臣のそういう見解が、実際事務局がそれにこたえて行政を進めていただけば、この都市開発資金というものがより一層発揮されるし、そして都市開発資金の存在というものが地方公共団体の人たちにもっと位置づけられるじゃないかと、こう思うわけですが、そこで、工場等の敷地に対する予算とそれから都市施設用地の予算と、これは区分をされておるようですが、これは必要度に応じて融通のできるようなことになっておるのですか、なってないのですか。
○升本政府委員 この制度におきまして、貸付金の貸付条件が工場等敷地の買い取りの場合とそれから都市施設用地の買い取りの場合とで若干異なっておりますという関係もございますので、この間についての資金のやりくりということはいままでの例ではございません。五十四年度、本年度を申し上げますと、三百十億の貸付予算額に対しまして、都市施設用地が百七十億、工場等敷地が百四十億でございますが、それぞれこの枠の中で消化が行われているわけでございます。なお、本法案の御審議をいただいているわけでございますが、この法案の成立をお認めいただきました場合に、新たに貸付対象となります都市機能更新のための用地の買い取りにつきましては、これは一応来年度の予算では都市施設用地と同じ仲間の中に入れられておりますので、その間の資金の融通は必要に応じ行い得るものと考えております。
○井上(泉)委員 この会計は特別会計、ずっとまた今後も年間約四百億くらいの資金がこの会計で使われる仕組みになっておるわけで、かなりの金額になるわけなんですから、これを運営していく上においては、俗に言う公社公団のような問題はない、私はこう思うわけですが、そういう点についても決算書等もちょうだいをいたしておるので、その辺の質問もいたしたいと思いましたけれども、これも時間がないのでやめます。 そこで問題は これはいい法律である。いい法律であるけれども、そのいい法律の対象範囲をもっと広げて融通のあるように——款項は大臣の許可が要るけれども、節目については勝手に融通してもよろしい、利用してもよろしいというふうな特殊法人の経理のやり方のようなことであってはならないと思うわけです。そういうこととあわせて厳正な運営を図るということと、さらに制限区域とかあるいはその対象地域とか対象都市とかいうようなものを、地域というものを、工場等の敷地の買い取りの場合にも、あるいは都市施設用地の買い取りの場合でも、対象範囲というものを広げるように、この法律の改正案が通った時においてはしてもらいたい。また、そうすることがこの法律を生かして使う道になるし、さらにこの法律によって地方における工場誘致というものも促進をされると思うので、その点ひとつ大臣の御見解を承って私の質問を終わりたいと思います。
○渡辺国務大臣 ただいま先生のお話しになりましたような趣旨に沿いまして、前向きにひとつこの都市開発資金につきましては取り組んでまいりたい、今後一層努力をいたしたいと思います。
○北側委員長 小野信一君。
○小野委員 この法律は昭和四十一年に誕生して、四十二年に一度改正されただけで約十二年間地方団体の要請にこたえてまいりました。しかし大都市の環境は、一方で整備されながらも一方では都市化の波に都市整備が必ずしも対応いたしておりません。このごろは以前と違った逆に環境悪化が発生しておる、再生産されていうように思われてなりません。特に敷地の細分化によるミニ開発、これが端的な例であろうと思います。今回の改正はどのような都市環境の変化に対するために行われようとしておるのか、改正の趣旨とその背景の説明をお願いいたします。
○升本政府委員 今日現在、都市の健全な発展と秩序のある整備が緊急の課題でありますことは先生ただいま御指摘のとおりでございます。市街地を計画的に整備してまいりまして改善を図ってまいりますためには、都市再開発事業の推進ということが一面また大変必要なことになってまいるのではないかというふうに考えております。これらの都市再開発事業の推進を図ってまいります場合に、今日の経済情勢あるいは都市の社会情勢から見まして、土地の取得ということがやはり一番大きな課題であろうかと思います。 そこで、必要な再開発事業を実施いたします場合に、この事業に取り組むときからスタートして用地を取得し、土地を整理し、その上へ建物を建てていくということでは大変時間を要することにもなります。したがいまして、できるならば再開発を必要とするような地域につきましては、あらかじめ地方公共団体がその事業のための必要の土地を取得し得る機会があれば取得しておくということが望ましいことになるのではないか、そのような観点から、地方公共団体ができるだけ手広くそういった必要地を確保できることになりますように、この法律の制度を改正させていただき、適用を広げさせていただきたいというのが、今回改正案の御審議をいただく趣旨でございます。
○小野委員 局長のお話を聞きますと、四十一年に法律ができたときから環境の変化によって今回の改正が行われるのではなくて、前の法律では不十分だったために今回の改正が行われる、こう理解してよろしゅうございますか。
○升本政府委員 若干私の御説明が不足いたしておったかもしれませんけれども、もともとこの制度が都市の広義の再開発を推進する一助となるという目的をもって設けられたものと理解をいたしております。そのような観点から、都市内にいろいろ今後つくっていかなければならない街路、公園等の都市計画施設のための用地、さらには公害のもとになります工場が地方へ移転しやすくするために、その工場の移転する場合には跡地を買い取るというような、広い意味の都市の再開発整備のために必要な土地取得、これを促進いたしますために設けられた制度というふうに理解をいたしておるわけでございますが、四十一年時点からさらに社会情勢は、既成市街地については特にその過密化が進んでおるということは御指摘のとおりでございまして、いままでの制度で対応してまいってもなおもう一歩不足しているのではないか。この情勢のもとで、さらに再開発し、都市の整備を推進してまいりますためには、もう一度この制度の対象となる土地の買い取りの範囲を広げていくことによってこの制度を拡充補完していく必要があるのではないか、こういう観点から改正をお願いしているわけでございます。
○小野委員 「都市の再開発を広く、かつ、強力に推進するための新しい制度について」の答申案、これが出ておると思うのですけれども、これと今回の法律改正との関係はいかがですか。
○升本政府委員 おただしの「都市の再開発を広く、かつ、強力に推進するための新しい制度について」の都市計画中央審議会の御答申を昨年の十二月五日にいただいております。この御答申は、都市の再開発を全般的に御検討いただきまして、再開発に当たっての基本的な考え方はどうあるべきか、さらに、その考え方に基づいて具体に再開発を推進してまいるにはどのような手だてを講じたらいいかという視角から万般の御答申をいただいたわけでございますが、この御答申の中に、再開発を促進するための一つの手だてといたしまして「再開発に活用する種地を確保するため、土地の先行取得制度の強化とこれに対する長期低利融資制度の確立を図る」必要があるということも述べられておるわけでございまして、この御答申の内容の一つを実現するための一つの手だてとして今回の改正をお願いした次第でございます。
○小野委員 第一条を見ますと、この資金は、都市機能を維持し、増進するために計画的に整備改善を図るために貸し付ける、とこう記してありますけれども、二十年前あるいは三十年前の都市計画あるいは都市の発展を見た場合に、その時代なりに最善の努力を尽くしたのだろう。しかし、現在から見ると二重投資を必要とするような反省点が指摘できる。これから二十年後なり三十年後を考えた場合、いま最善の努力を尽くしておったとしても、やはり二重投資の必要が出てくるようなことも考えられるわけですけれども、都市機能の変遷についてどのような考え方を持って都市開発事業に取り組んでおるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○升本政府委員 御指摘のように、都市は時代とともにいろいろと変わってまいります。したがいまして、固定的に、現時点の状況を直ちに一定の時期を想定してそちらの方向へ向かうように整備改善を図るということはなかなかむずかしい話でございますけれども、都市計画法におきます考え方は、大体そのような都市の生態を踏まえまして二十年ぐらい先を見越した予測、計画のもとに、都市について必要な公共施設の配置あるいは建築物のありようを想定いたしまして、これに基づいて総合的に都市の計画を定めるというふうにいたしております。そのような考え方に基づいて、現在までのところ、各都市におきまして必要な都市施設についての計画、さらには建築規制が行われているわけでございます。
○小野委員 都市再開発法と建築基準法の改正が後ほど上程になるようですけれども、今回の改正とどのような関係を持っておるのか、内部の考え方をお尋ねします。
○升本政府委員 都市再開発法の改正につきましては、ただいまお答え申し上げました都市計画中央審議会の御答申に基づきまして、都市の再開発を具体的に進めていきます場合の御提案を実現いたしますために、現在の都市再開発法の改正を検討し、改正案の御検討をお願いする予定でございます。したがいまして、これは先ほど申し上げました答申の中の一環といたしまして、この再開発法の改正並びに今回御審議をいただいております都市資金の貸付法の改正と、並びの制度改正としてお願いをいたしておるわけでございます。 それから、都市計画法の改正は、これはまた別途都市計画中央審議会の御答申をいただいているわけでございますけれども、都市の長期的なビジョンに基づきましていろいろな都市計画の制度改善を考えていかなければならない。その一環といたしまして、当面都市計画について新しい手法を考え、それによって都市の整備をさらに一層促進し、あるいは保存すべき現状の非常にいい町並みを保存し得るように、そのような意図を含めまして新たな都市計画の手法、制度を御提案申し上げたいというふうに考えている次第でございます。
○小野委員 この法律の対象となるのは地方公共団体でありますけれども、その数多い地方公共団体の中で、政令で定めるわずか三十都市だけが指定になっておるということであります。もちろんこの三十都市は再開発の必要性の非常に高いものであることは疑いません。しかし、この三十都市を指定し財政的便宜を与えるためには、客観的な基準がなければならないだろう、こう思いますけれども、その三十都市を指定した客観的な基準について、ありましたら説明願いたいと思います。
○升本政府委員 この制度の適用されます都市の選定の基準でございますが、現在人口が三十万人以上で、かつ将来における人口が五十万人以上と予測される都市という基準を設けております。この基準に当てはまります都市が三十都市ございまして、現在適用対象都市になっております。しかしながら、これはその適用対象都市数で三十都市ということでございまして、この都市内の施設用地でなければ対象にならないというわけではございませんで、その指定された都市の周辺の都市も含めてそのエリアの中の都市計画施設用地ならば貸付対象になり得る、こういう仕組みにいたしておりますので、現在この都市施設用地の買い取りができる対象となり得る土地の範囲は、東京二十三区のほか四百九十四市町村に及んでおります。
○小野委員 法律制定以来十三年間経過しました。その間に経済的変貌は大きいものがありましたし、社会的にも大きな変化がありました。特に問題となるのは、国民のニーズの多様化、変化だろうと私は思います。法律を制定した時代とはかなり異質なものになっておると考えられます。したがって、政令で定める三十都市の決定基準を見直す時期に来ておるのではないのか。もちろんいま答弁いただきましたようにかなりの適用を受けておる地方自治体もあるようでありますけれども、改めてこの決定基準を再考する御意思がないのかどうか、あるいはそれほど必要がないという考え方に立っておるのか、お聞きいたします。
○升本政府委員 ただいま都市計画施設用地の買い取り対象都市、指定されました三十都市でございますけれども、過去の経緯を申し上げますと、制度発足の時点では対象の都市数は七都市、東京、大阪等の大都市に限られておりました。これがその後の数次の制度改正を見まして、現在の三十都市に至ったわけでございます。三十都市に至りましたのは五十三年の四月以降でございます。 そこで、いままでの経過からお読み取りいただきたいと存じますが、そのような歩みで歩んでまいっておりますので、私どもとしては、将来方向といたしましてはできるだけ対象範囲を広げるのが筋道とは考えておるわけでございますが、現状はそのようなところでございます。
○小野委員 三十都市を中心としたエリア、これはもちろんそういう法的拡大解釈といいますか、運用によって実行していただくことはまことにありがたいことでありますけれども、現在三十万以上の人口で将来五十万を超える、こういう都市のない地域でも、小都市であってもあるいは中都市であっても、再開発の必要な地域でこの資金の活用を渇望している地域があるだろうと思うのです。私は、早急にこの基準の改定を必要と考えますけれども、再度、それらの要望がないものかどうなのか、お聞きいたします。
○升本政府委員 御要望はいろいろと承っておりますが、ごく最近におきまして強い御要請があったという具体のお話については、私はいまのところは伺っておりません。
○小野委員 具体的な要望は、恐らく基準に乗らない都市の方は法適用外という考え方に立って要望しておらないのだろうと思いますので、できれば基準を改定して、この資金が地方自治体で有効に活用されるような対策を、大臣、心からお願いしておきます。 次は、今回の改正点になる第一条第三号についてです。 第一号と第二号は具体的に記述してあります。したがって理解しやすいのでありますけれども、第三号を読んでみますと、「その計画的な整備改善を促進するために有効に利用できるもの」と抽象的に記してあるわけであります。もちろん、国語的に解釈すれば理解できるのですけれども、具体的にはどういう土地をどういうふうに使うために政府は金を貸してくれるのか、具体的に説明願いたいと思います。
○升本政府委員 御指摘のように「都市の機能を維持し、及び増進するため計画的に整備改善を図る必要がある重要な市街地の区域内」というふうに法律条文では書かせていただいておりますが、なお、その後に続けまして「政令で定める高度利用地区の区域その他の区域内にあり、」と、また一つ限定をさせていただいております。 ここで申し上げております高度利用地区というのは、都市計画法の規定に基づきまして、既成市街地内の土地につきまして特にその土地の高度利用、高い建物を建てると申しますか、その土地の高度利用を図ってまいる必要がある土地柄の区域につきまして、一定の高さ以上の建物を建てる必要がある区域というような観点から、高度利用地区というのを定め得ることにいたしております。 そのように、その制度によりまして定められた具体の高度利用地区という区域の範囲内、さらに「その他の区域内」とございますが、これは政令でこれから検討し書かせていただくことになるわけでございますけれども、いま予定いたしておりますのは、高度利用地区に準じますような、いわば市街地の再開発を必要とするような区域、そのような区域にある土地を事前に取得いたします場合に、この制度の適用を考えさせていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○小野委員 「都市機能更新用地」、予算案を見ますとそういう言葉で書いてありますけれども、この第三号が適用されるのはこの項目になりますか。
○升本政府委員 さようでございます。 なお、ちょっと説明を補足させていただきますと、高度利用地区の区域といたしましたのは、先ほど来御説明申し上げております都市再開発法に基づきます再開発事業、この事業が行われるべき区域の範囲は、高度利用地区として指定されている区域内ということになっております。したがいまして、私どもの現実的な運用における腹づもりといたしましては、既成市街地のうちに再開発事業を行わなければならないような逼迫した状況下にある区域を選びまして高度利用地区を指定する、その指定された区域内におきまして、できるだけ早い機会に再開発事業を実施し、高度利用を実現するという運びにいたしたい。その場合に、先ほど御説明申し上げたように、再開発事業開始時から土地の取得にかかるのではなかなか時間を要することになりますので、できれば、そういうふうに決められた土地柄でございますから、あらかじめ地方公共団体がその区域内の土地を取得し得るチャンスがあれば、できるだけ早い時期にその土地の取得をしておきたい、それを助成させたいという趣旨でこの制度の適用を広げていただきたい、こういう趣旨でございます。
○小野委員 要するに、簡単に言えば種地、再開発するために密集地帯から移動させてその地域を再開発する、整備するために必要な土地だ、こう解釈していいわけですか。
○升本政府委員 さようでございます。
○小野委員 現在、再開発地域あるいは都市計画地域では、そういう事業を遂行するために地方自治体がそういう種地を独自の資金で買っておったと思うのですが、そのための資金というものは都市計画なりその他の資金で融資の対象になる、あるいは貸し出しの対象になっておったものですか。
○升本政府委員 ただいま御説明申し上げましたような土地は、土地柄からして現在工場等に利用されているケースも多うございます。したがいまして、その工場が他へ移転するというケースがございますければ、先ほど来御説明申し上げました工場等跡地の買い取りという形で、現在までのところでもこの制度の活用を見た例もございます。 それからなお、地方公共団体は、他にもいろいろと地方債の手当てをもって土地の先行的な買い取りをいたしております。そのようなものもあわせ含めまして、地方公共団体としてはできるだけ早い時期に再開発用の土地の買い取りを進めていきたいというふうに考えておるところであります。
○小野委員 この都市機能更新用地、これは再開発事業に必要な最低限度の面積と限定いたしますか、それとも、再開発の事業を推進するために必要な面積以上のものであっても、制限なしに買い取るための貸し出しを実行いたしますか。
○升本政府委員 この都市機能更新用地は、高度利用地区内の土地であれば原則として買い上げの貸付対象になり得るわけでございます。したがいまして、高度利用地区の指定されている区域内であれば、特に再開発事業と直ちに結びつかなくてもこの制度を適用してまいることは可能でございます。
○小野委員 再開発地域で事業が終了後、更新用地の使用目的について制限をつけますか。
○升本政府委員 都市機能更新用地は、先ほど来御説明申し上げておりますように、計画的に整備改善を図る必要のある地区ということで高度利用地区内の土地を買い上げるわけでございますが、具体的な利用方法といたしましては、市街地再開発事業を初めといたします面的な開発事業、それから、単に再開発事業のみに限りませんで、個別に行われる事業でございましても、たとえば、公共施設の整備でございますとか公営住宅の用地、あるいは庁舎等の公用の施設用地というようなものに充当することができるように考えております。
○小野委員 できるように考えておるということですが、現実に終了後の更新用地、種地は、地方自治体の方では財政充実のために使う要素が大きくなってくるのではないか、したがってそれらに対する配慮をしておかないと困る場合も出てくるのではないか。というのは、確かに都市機能は更新する、整備されるのでありますけれども、国、建設省が考える建物あるいは仕事に不適当な建物が建つ場合も考えられる、あるいは、地方自治体ではこういう建物を建てたいと言うけれども地域住民が反対する場合も出てくる、そういう問題が出てくるだろうと予想されるのですが、その更新用地の使用目的には建設省は全然関与しないと考えていいですか。
○升本政府委員 やはり制度の趣旨からいたしまして、計画的な整備改善を促進するための用地取得でございますから、できるだけその目的に沿うように有効に利用できることを期待をいたしておるわけでございます。したがいまして、土地の処分につきましては、既成市街地の計画的な整備改善に資する事業に使うというふうに限定をいたしたいと考えております。これは実際の貸し付けに当たっての準則で定めたいと思っております。
○小野委員 種地を獲得する場合に問題となるのは、事業を遂行するために買い取るわけですから、かなり無理して買い取る必要が出てくるのじゃないか。そうでなくても地方自治体の土地買収価格はその地域の土地高騰の先鞭をつける、こう言われておるのですけれども、その種地の買収について、公示価格との関係で余り極端な場合に、大きな差がある場合に、これを規制するお考えがございますか。
○升本政府委員 国並びに地方公共団体が公共的な利用目的、公益的な利用目的をもって土地を取得いたします場合には公示価格を規準とするように義務づけられているわけでございますので、一応余りに隔たった価格での申請はあり得ないと思っておりますが、具体には、貸し付けに当たって個々の案件ごとに市街地整備計画を提出させることになっておりますので、その土地に係る整備計画を提出させることになっております。その時点で十分買い取りの価格についても検討をさせていただく機会がございます。
○小野委員 私は工場が出ていく場合にはその跡地の買収はそれほどむずかしい価格問題を残さないだろうと思うのです。しかし、そういう用地がなくて再開発をしなければならない地域は当然事業遂行上こちらから買い取りを要求するという形の方が多いのじゃないか、そうなった場合には市場価格より高いもので買わなければならぬ、そういう例が当然出てくるだろう、そこに問題が発生すると思いますので、地域住民はこの点を心配しておると思いますので、配慮をお願いしておきます。 次は、貸付金利についてです。 現行法では、都市施設用地六・五%を、工場敷地は五・五%を財投金利より一%減じた金利に改正になるようであります。なぜこの二つに一%の金利差があるのか、二つ目は、なぜ固定金利を財投金利に変更したのか、御説明を願います。
○升本政府委員 第一点の金利の差がなぜ設けられているのかというおただしでございますけれども、都市計画施設用地の買い取りにつきましては、すでにその土地が街路あるいは公園等の都市計画施設に充てられるということが計画的に明らかにされているわけでございます。したがいまして、これはそう長期を要さずとも、四年ないし五年ぐらいのタームで実現の運びに至る確率が非常に高いと考えられるわけでございます。他方、工場等跡地の買い取りにつきましては、これは先生からお話ございましたように、工場移転を希望する工場の方から手を挙げてまいります場合が多うございます。そういたしますと、その土地につきましては市当局としてはいま具体の計画がない場合もあり得るわけでございます。したがいまして、場合によってはかなり長期間保有せざるを得ないケースもあり得ようかというような配慮から一%の金利差を設けさせていただいたと考えております。 それから、第二点の、現状の法律をもちましてそれぞれ五分五厘、六分五厘という金利を設定をしていただいておるわけでございますが、今回これを改めさせていただくということについてでございますが、この資金に充てられます金は、大部分といいますか、借入金特別会計をもって運用しております。その特別会計の資金貸し付けのための所要資金の借り入れば政府の財投資金でございます。したがいまして、その財投資金の金利がいかにあるかということに大変大きな影響をこうむるわけでございまして、金利の性格からいきまして、財投金利が金融情勢によって昨今のようにかなり大きく動く場合があり得る、動く機会が多いということになってまいりますと、固定金利にいたしておきますと財投金利との間にかなりの懸隔が出る場合も考えられるわけでございます。したがいまして、これからのこの制度によります資金の十分な確保を図ってまいりますという観点からいたしまして、財投金利に連動させるということを基本に考えて資金の確保を図ってまいるのが上策ではないかというふうに考えた次第でございます。
○小野委員 答申書の3の(6)項に、「再開発に活用する種地を確保するため、土地の先行取得制度の強化とこれに対する長期低利融資制度の確立を図ること」こういう条項がございます。確かにこの条項に見合って種地獲得のための法律改正になったことは私はありがたいことだと思います。ところが、長期低利、こういう点からまいりますと何ら改正になっておらないのでありますけれども、これは端的に財政的理由だけなのですか。
○升本政府委員 制度を設けられました四十一年時点から数年間、四十七年に至りますまでの間の経緯を見ますと、財投金利が六分五厘でずっと固定をされておりました。したがって、そういう金融政策上の配慮からだと思いますが、固定されておりました財投金利を前提としてこの制度が成立したというふうに私ども理解できるわけでございます。ところが、四十七年九月以降財投金利がかなり変動いたしてまいりまして、まず下がりまして、それからまた上がりまして、また下がりまして、いろいろその当時の経済情勢、金融情勢に連動するように財投資金の金利が変わっております。したがいまして、そのような状況下におきましてこの制度におきましてのみ固定金利にいたしておきますと、財投金利の方がこの制度の金利より上がってしまいますとこれを下げるために一般会計の金が投入されなければなりませんし、逆に財投金利の方が下がってしまいますとまたこの制度につきましては余裕金が生じてしまうというような感じがございます。したがいまして、これは単にこの制度のみではなくて国の金利体系、金利政策全般の中の一環としてこの制度も考えさせていただくというのが、やはりわれわれのこれからこの制度を伸ばすための資金確保という観点から望ましいのではないかというふうに考える次第でございます。
○小野委員 それは保留いたしまして、次に質問いたします。 現在までの貸出件数、貸出金額、その事業の中で再開発事業が終了した地域の数、現在進行中のもの、その件数を御報告願います。
○升本政府委員 再開発事業と直ちに連動させたデータをいま持ち合わせておりませんので直のお答えにならなくて恐縮でございますけれども、ちょっと具体例で御説明させていただきますと、工場等の敷地の買い取りをいたしましたのが七十数件ございますが、そのうち具体にその土地がどういうふうに使われていったかということを二、三御説明させていただきたいと思います。 たとえば、いま東京の亀戸、大島、小松川地区という江東地区に防災拠点と称しまして土地の整理と防災拠点たり得る建築物の建築をやっております。これは市街地再開発事業で実施をいたしておりますが、この事業の底地、用地の一部を工場跡地等買い取りで買い取りましてこれを事業に売却する、したがってこの事業用地として使われているというケースがございます。同様のケースが、東京の白髪東地区とか、さらに大阪の淀川リバーサイド地区というようなところにございます。それから、そのほかにも公園の用地あるいは住宅の用地、さらに教育施設の用地等に充当されている例が全体で四十九件ございます。
○小野委員 私の聞きたかったのは、現在償還方法として三年あるいは四年の据え置きで十年ということになっております。この再開発事業が十年間で終了しておるのかどうかということが私の聞きたい本当のところであります。要するに答申の中で長期融資制度を確立しろ、こう答申しておるにもかかわらず、今回それが十年で変わることない、こういうことでありますので、再開発事業の実態と十年の償還期間というものが適当なのかどうか、現場の実態からお聞きいたします。
○升本政府委員 再開発事業のための種地として買い取るわけでございますが、この五年なり十年なりの間は、あるいは再開発事業が実施の運びにまで至らないかもしれない。その間はこの低利の資金でつないでおくということでございまして、五年なり十年なりの間に再開発事業が実施される段階に参りますれば、今度は再開発事業の資金で、地方公共団体がこの資金をもって買い取った土地が再開発事業の方に売られる形になります。そこで資金が回収されるということでございまして、五年なり十年なりの間に、今後種地が具体の再開発事業の用地に役立ち得るということは、これは大体そのような年度幅の中でおさまり得るのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○小野委員 各都市の再開発事業を見ますと、五年や十年で終了するという例は非常に少ないんじゃないかと思います。かなり長期に行われておるようですので、この償還期間の延長というのもやはり考えてやらなければならない問題だと思いますので、考慮していっていただきたいと思います。 次に、予算書によりますと、都市機能更新用地に二十億円計上になっております。先ほど先輩議員も同じ質問をしたのじゃないかと思いますが、この金額を計上した根拠について、まずお伺いいたします。 二つ目は、二十億円の配分予定あるいはどの程度の面積を本年度は予定して金額を決定したのか、お尋ねいたします。
○升本政府委員 二十億円がどうやって積算されたかというお話でございますが、この制度は先ほど来御説明申し上げましたように、地方公共団体から必要資金、必要額、所要額を十分承った上で、所要の資金を予算化をするように努めておるわけでございまして、今回新たに発足をさしていただきます、この都市機能更新用地につきましても、二十億円を要求いたします前提といたしまして、各該当地方公共団体に十分照会をいたしまして、五十五年度において資金需要を生ずるという見込みのところからの要望をまとめまして二十億円という積算をもちまして貸付金額を決めさしていただいておる次第でございます。 なお、第二点の具体の個所につきましては、これは五十五年度予算のお話になるわけでございますので、いまの時点で具体の個所につきまして詳しい御説明はいかがかと存じますけれども、私どもの予想といたしましては北九州市を予定いたしております。
○小野委員 今後、この法律を理解し要望が大きくなって二十億円を超える場合に、地方自治体の要望にこたえられるだけの資金準備はございますか。
○升本政府委員 五十五年度中のお話でございますれば、都市施設用地の買い取りのための資金、これが百六十億ございます。したがいまして、これと合わせまして百八十億の範囲内で御要望におこたえできると思います。 将来の問題といたしましては、五十六年度以降の要求に際しまして十分地方公共団体の御要望を取りまとめて、必要額を確保してまいりたいと考えております。
○小野委員 再開発を必要とする地域は単にその地域だけの問題ではなくて、再開発をする地域を持つ都市との関係で都市機能を整備していかなければならないと思います。したがって、その地域だけの機能整備ということになりますと、全体との関係でアンバランスが出てくる場合がある。将来、都市計画との関係で二重投資を必要とする場合が考えられるのですけれども、それらに対するバランスのとり方といいますか、調整というものはどのような形で行われるのですか。
○升本政府委員 都市計画は、地方公共団体がみずからの町、みずからの市街地全般を通じまして将来にわたり必要な施設の配置を決め、計画をいたしまして、その実現を逐次図ってまいるという形になっております。再開発もその全体としての都市計画の中の一環としてプランをされておるわけでございまして、先ほど来御説明申し上げました再開発事業の行われるべき区域でございます高度利用地区につきましても、同様な視角からその都市全体を見渡した必要な整備計画にのっとって定められ、将来方向にのっとって定められておるものと私どもは考えておりますし、現にそのようになるべく地方公共団体にも指導をいたしておるわけでございます。したがいまして、都市全体の将来の観点から現在の高度利用地区が定められ、必要な再開発事業が行われておるというふうに私どもは理解をいたしておりますので、再開発事業のための用地の取得は、いわばその都市全体の将来方向に利益するものというふうに理解をしております。
○小野委員 要するに、先ほど局長が答弁しましたように、種地を買っても十年以上再開発に着手できない場合もある、こういう答弁がありました。ところがいまの答弁によりますと、再開発地域に金を出すためには全体との計画もなければならぬ。問題はそこにあると思うのです。要するに端的に聞きますと、更新用地を買うためには都市全部の基本計画、発展計画がなければ貸せないということになりはしませんか。どうですか、その辺は。
○升本政府委員 考え方としてはそういうふうにあるべきではないかと私ども思いますし、現実にそのように動いている面が大きいと私は考えております。
○小野委員 大臣、いまのやりとりで御理解していただけると思いますけれども、将来再開発しなければならないと考える地域、しかし具体的には何ら計画がない。しかし、再開発するためには種地が必要だ。そのために金を融資していただく、貸していただく。ところが、全体計画は明年度の予算要求までにはつくれないという例がたくさん出てくると思うのです。したがって、これらに対してかなり法的に融通してやらないと、実際金が使えない。今度は再開発するときにはその土地は使えないというような実態が出てくると思いますので、その辺の配慮は、先行投資でありますから余り厳しくしないで貸していただけるようにお願いいたしておきます。 次は、再開発事業が所期の法律の目的に比して余り進行しないということがありますけれども、これは実際仕事をする上にどういう障害があるために法の所期の目的を達していないのか、建設省のお考えを聞きます。
○升本政府委員 再開発事業は確かに御指摘のように、非常にいまの市街地の状況から見ますと進行がはかばかしくないというふうにごらんになるのもやむを得ない面もございます。再開発事業がなぜはかばかしく進行していないのかという御指摘でございますけれども、やはり都心もしくはそれに準ずるような地域が対象地域になっておりますために、大変に土地の使い方と申しますか、土地の権利関係がふくそうしている例が多うございます。勢い関係権利者の数も大変多くなっております。したがいまして、その間の各権利者の御意見を調整しながら進まなければならない事業でございますので、その面で大変時間並びに労力を要する仕事となっております。 それから、再開発事業におきましては、当然にその地域の土地の高度利用を図るという観点から、必要な都市施設、公園、空地等の都市施設を準備、整備いたしますと同時に、やはり相当の容積を持った建築物の建設をいたしてまいらなければなりません。そのためにはかなりの資金も必要になります。したがいまして、自治体の財政状況等からの、財政の負担という点からの事業の進行・に対する影響ということもございます。大体そのようなことから、私どもが願っているようには再開発事業の進行が行われていないという状況でございます。
○小野委員 再開発事業を目的別に見ますと、防災、交通、商店街の再開発あるいは住宅が考えられますけれども、その中で目につくのは、駅前再開発といいますか、商店街の再開発は目につきますけれども、その他は余り目につきません。したがって、おくれておる部分、防災と住宅、これはなぜおくれるのか。いまの答弁によりますと、個人の貸借関係その他の件数が余り多いもので進まないということであるとすれば、同じ法律の中でおくれる部分と進む部分が出てくるとすれば、当然これに対する配慮の違いが出てこなければならないと思うのですけれども、そういう考え方は間違いなのかどうか、当局の考え方を聞きます。
○升本政府委員 再開発は、確かに駅前等の繁華街においては比較的に進み、住宅地区については進行が遅いようだというのは御指摘のとおりでございます。現在再開発事業におきましては、そこに現存しておられる各権利者に、現存の各権利に見合う価額の建物とその土地に対する権利を交換にお譲りするというたてまえで仕組まれておりまして、なお建築物の床面積の一部に余裕があれば、その余裕分は第三者に売却することによって事業に必要な資金の相当部分を回収するという仕組みになっておりますので、結局でき上がった建物を第三者に売却しやすい条件のところが再開発事業の採算性としてはすぐれている土地になるわけでございまして、そのようなことから市街地の中心部あるいはそれに準ずる地域が再開発事業適地になっているという状況はございます。 そこで、御指摘のように、そのように地域によって差があるならば当然国の助成策としても考えるべきではないかということでございますが、そのような観点から、国といたしましても再開発事業に対する国の助成策、補助金におきまして、住宅が相当部分収用できる再開発事業におきましては、これは通常の他の再開発事業よりは補助金の補助対象の範囲を広げるということによって、体としての補助金額が高くなるように努力をいたしておるわけでございます。
○小野委員 住宅地域の再開発がおくれておる一つの理由として、等価交換の原則が貫かれるといいますか、それがあるからだと言われております。当然新しい建築物に相当する自分の土地、自分の土地に相当する新しい建築物、それを比較いたしますと、かなり面積が小さくなるあるいは住まいが小さくなる、こういうことから住宅の再開発がおくれておる、こう言われておるのですけれども、その床面積確保のために、推進するために、どういう具体的な政策があるのですか。もしないとすれば、それに対する財政援助政策が必要と考えるのですけれども、いかがなものでしょうか。
○升本政府委員 先ほど御説明申し上げました再開発事業に対する国の補助のたてまえでございますが、再開発事業をもって公共施設の整備、あわせて建築物の建築をいたすわけでございますが、建築物の建築に要する費用のうち、その設計等あるいはその事前の調査等に必要な金額、あるいは既存の建築物を除却し整地いたしますための、あるいは店舗経営者に対して一時的な仮店舗を建設するための費用等、いわゆる土地整備のための費用、それから大きな建築物、高い建築物になりますので、当然いろいろな水道その他の複雑な供給施設が付置されることになるわけでございますが、そのような供給処理施設の設置あるいは消防施設、避難施設といったようなものの設置に要する費用、これはいわば建築物に入られる方々が共同で使われる施設の整備費、こういったものにつきましては国の補助対象として取り上げさせていただいておるわけでございます。これらを補助対象といたします場合に、一般の再開発事業と、あるいは先ほど来申し上げました、つくり上げました建物のうち、従前の権利者以外の第三者に分けられる床面積、この床面積の使い方におきまして三分の一以上が公的住宅に使われるというようなプロジェクトにつきましては、ただいま申し上げました各項目についてさらに上積みの項目を補助対象項目として、結果として補助金額がかなり上回るようにいたしておるわけでございます。
○小野委員 最後に大臣にお願いしておきますけれども、要するに再開発することなく郊外に地域住民は出てしまうということは、郊外に新開発する、その方がコストが安いから出るわけですから、再開発よりも向こうが安いから出るのでありますから、それよりも安い、少なくとも同等の支出、コストでなければ住宅の再開発は無理なことは理論的に明らかなわけです。ですから総体のコストとして再開発の方が安いのだ、少なくとも同等以下に抑えることが住宅の再開発の最大の要諦になろうと思います。それに合うような補助割度、金融制度をつくることを考えていただきたいことをお願いして質問を終わります。
○渡辺国務大臣 先生のおっしゃいます御趣旨はよくわかるわけですが、やはり職住接近ということによりまして得られる相当なメリットはあるというように思います。 ただ再開発は、いまお話をいたしておりましたように相当な期間がかかる、あるいはまた相当な経費がかかるということで、なかなか実現困難な問題が現実には存在するわけでございますから、制度的な問題は、お話もいたしましたように今度の国会でこの委員会にお願いをいたしたいと思っておりますが、同時にいろいろな場面を想定いたしまして、国におきましても、それらの経費についてできる限りの御援助を申し上げまして、事業を円滑に推進できるように最善の配慮をいたしてまいりたい、かように考えております。
○北側委員長 午後零時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ————◇————— 午後零時三十二分開議
○北側委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。貝沼次郎君。
○貝沼委員 都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案について質問をいたします。初めの予定では都市再開発の問題をやって、それから法案に入ろう、こういう予定でありましたけれども、時間もちょっと少なくなったようでありますので、時間があれば都市再開発の方をやることにして、法案にすぐ入りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 そこで真っ先に承っておきたいと思いますが、先ほどからこの法案につきまして、またこの法律ができてから十三、四年たっておるにもかかわらず云々という話がよく出てまいりましたが、この間、この運用については何の支障もこざいませんでしたか。
○升本政府委員 制度発足四十一年以降現在に至りますまでの間におきまして、私ども特段の支障ということは承っておりません。
○貝沼委員 支障というのはこの法律を使うという意味だけではなく、たとえばこの運用に当たってまずい点が出てきた、そういうことはございませんでしたか。
○升本政府委員 発足以来買い取りの適用対象地域が限定されておりましたために、対象地域を広げるべきではないかという趣旨の御要望は承ってまいりましたけれども、その他特段この運用に当たりまして具体の御要望を承ったという記憶はございません。
○貝沼委員 ないのじゃないのですよ、あるのですよ、実際は。それはたとえば去年の会計検査院の報告でも指摘されておるわけですね。ちゃんと御存じだろうと思いますけれども、「都市開発資金の貸付けが不当と認められるもの」というのがありますが、これは御存じありませんか。
○升本政府委員 検査院の御指摘は、実際の貸し付け事務にかかわる手続の違い等につきまして、御指摘を三例にわたって承ったことはございます。
○貝沼委員 それは何もなかったということになりますか。
○升本政府委員 先ほど来からいろいろ御指摘をいただいておりますように、地方公共団体の御要請に対して、私どもはこの制度運用に当たり、その御要請に応じかねたとか、あるいは資金をもって買い取るべき土地が買い取りの手続において買い取り得なくなったとか、あるいは著しい使い残りを生じたとかというような問題はなかったように承っております。
○貝沼委員 これはただ承る程度ではいけないのですよ。この監督は建設大臣ですね。この法律の名前見ましょう。都市開発資金融通特別会計法で指定されておる特別会計でありますが、この資金の運用についても責任はどこになりますか、建設大臣じゃありませんか。
○升本政府委員 建設省所管の特別会計でございますので、建設大臣の監督に属するものでございます。
○貝沼委員 したがって、これは省として厳粛に受けとめなければならない問題であったはずであります。ところが余り記憶に定かでないような答弁をされますと、果たして本気になって取り組んでいるのかどうか、非常に疑わしい面がございます。ここに私は当局の姿勢があると思いますが、いかがですか。
○升本政府委員 会計検査院から御指摘をいただいた事項につきまして具体のおただしをいただいて恐縮でございますけれども、いままでの運用の実態につきましては、つぶさに御報告を申し上げる用意をいたしておるつもりでございます。
○貝沼委員 この指摘をされたことについてどういう反省をしておるかということと、それからさらに、こういうことは今後起こり得ないという確信があるかどうか、どういうふうに指導していくか、その点について伺いたい。
○升本政府委員 検査院から御指摘をいただきましたことにつきましては、私どもえりを正して十分これからの運用に留意をいたしてまいらなければならないと考えております。今後とも、この制度の的確な運用、効率的な資金の活用について十分留意をいたしてまいりたいと考えております。
○貝沼委員 この法律に関係してさまざまな法律があるわけですけれども、たとえば、都市開発資金の貸付けに関する法律の施行令とか、さまざまありますけれども、とにかくこういうぶざまな指摘をされないようにしていかないといけないと思うのです。どんないい制度をつくっても運用が弛緩しておったのではうまくいきません。そこに必ず不公平が出てまいりますので、国民の目から見れば、どんなりっぱな法律をつくっても役人がしっかりしなければ何にもならないというひんしゅくを買うわけでありますから、十分注意していただきたい。 それからもう一点は、これは直接この法律と関係するわけではありませんが、市街地再開発のことでよく起こる利権の主張の問題でありまして、先般、たとえばの話でありますが、倉敷駅前の市街地再開発事業というのがございまして、このことでごたごたごたごたしておりました。この事業そのものは直接関係ないのですけれども、ただこのことについて再審査請求というのが出されておるわけであります。建設大臣あてに五十四年一月にこの再審査請求というものが出されたわけでありますが、その後全然所要の手続がとられない。そうして、ずいぶん時間がたってからようやく建設省は腰を上げたというふうになっておるわけでありますが、この所要の手続をとられたのはいつですか。
○升本政府委員 御指摘の件は五十四年の一月十九日に建設大臣あて処分に対する再審査の請求が提起されております。その後五十五年、本年一月二十四日におきまして、審査請求の当事者でございます岡山県知事及び倉敷市長に対しまして書類の提出を要求いたしたところでございます。これを受けまして、今年一月三十日岡山県知事から、並びに二月九日倉敷市長から書類の提出を見ておりまして、二月二十一日、私どもの方から再審査請求人に対しまして、倉敷市の市長に関し再審査請求書にさらに追加して申し述べるべき主張があるかなしか、書類をもってお尋ねをいたしているところでございます。
○貝沼委員 それで、その内容についていま私はとやかく言おうとは思っておりませんが、ただいま御答弁がありましたように、一年間もこれはおっぽり投げられているわけですね。行政というものは、こういう法的手続を踏んで再審査請求が出されておるにもかかわらず一年間おっぽっておいて適当なものかどうか。このことを考えると私ははなはだ不適当であると思うわけでありますので、その態度についていま質問をしておるわけでありますが、これでよかったのかどうか答弁を願いたいと思います。
○升本政府委員 おただしのとおり、再審査請求等がございました場合、私どもができる限り短時間、短期間におきまして適切な判断を下すべく準備を整えなければいけないことは御指摘のとおりでございます。ただいま御指摘の件につきまして、は、五十四年一月から五十五年一月、まる一年間、私どもから正式の手続として御要請を申し上げるには手間取ったわけでございますが、この間にはいろいろ事実の判断につきまして参考になるべき事項を検討いたしておりまして、その間の過程におきまして市当局と審査請求人との間にやりとりがありまして、市当局としてはお話し合いがある程度進行する見込を持っておったというふうに承っておりますので、その間必ずしも裁決をお急ぎすることが本意でない場合もあり得るかという配慮から、時期を若干待たしていただいたという経緯がございます。
○貝沼委員 それはかっこうのいい答弁なんですよ。それは両方から聞かないといけないのです。ぼくはこの問題はそんなに長くやる予定はないのですよ。もうこれでやめたいと思いますが、再審査請求を出す方と受ける方、それから市側なら市、あるいは県なら県、両方から、もうちょっと相談しますか、じゃ相談した結果待ちましょうかという話なら、いまの答弁のとおりでよろしいでしょう。片一方は早くやってくれ、早くやってくれと言っている。それで、いや話がどうなるかわかりませんのでちょっと待ちました、そして、それが一年になりました、こういう話は本当はおかしいのですよ。ですから、率直にこれは長過ぎたということを認め、今後こういうことはやらず、まじめに取り組んでいくという姿勢をここに披瀝していただきたいと思います。
○升本政府委員 事柄が行政の処分に対します審査の請求でございますから、私ども御指摘のように極力、できるだけ早い時期に一切の処理が終われるように準備を整える努力をいたすつもりでございます。
○貝沼委員 大臣、このように行政の姿勢について私はいま申し上げたわけでありまして、そのこと一つ一つについて深入りする気は毛頭ありません。今後参考にしていただきたいと思います。 さて、この法案の中身でありますが、午前中るる質問がありましたけれども、何点か私も質問をしてみたいと思っております。 まず初めに、いままで十四年間の実績でありますけれども、この貸付実績というものが思ったよりも少ないのではないか。これは先ほども指摘がございましたが、こういうような感じがいたします。たとえばこの法律ができた昭和四十一年のときに、当時の瀬戸山建設大臣は、「これはできるだけ資金量をふやさないと、この制度のほんとうの生命というものは出てこない」、資金が多くなることによって生きてくる、こういうことを言っております。また四十一年度ですら、この瀬戸山大臣は、当時予算の要求額といたしまして二百億円は必要だと主張したようでありますけれども、当時はたったの十五億円にとどまった。非常に残念な考え方が議事録には残されておりますけれども、こういったところから見て、最近は四百億とかというのは非常にふえておるような感じがしないでもありませんが、しかし、日本の都市再開発という面から見ればこれまた微々たるものである。そこで、こういうようないままでの実績を見て、ああこれですばらしく進んだという感じなのか、それとも、まだまだこれでは少ないのでもっとふやしていかなければならないという感じなのか、まあこれぐらいのものだという感じなのか、その辺の感触を承りたいと思います。
○升本政府委員 昭和四十一年発足以来五十二年度末までの間の累計でございますが、面積で五百五十八万七千平米、金額にいたしまして千六百二十八億九千八百万円を使わせていただいております。おただしのように、この間の実績といたしましては確かに私どもが期待いたしておりますよりは下回った数字というふうに認識をいたしております。私どもといたしましては、将来にわたりこの制度の活用が一層図られるように努力いたしますし、またそのような情勢になることを期待いたしたいと思います。 ただ、私ども考えますに、この制度は大変有効に使われておりますが、重要なことは、これは大きな意味の都市再開発のための用地の先行取得でございます。したがいまして、都市の再開発事業がこれからさらにスケジュールを追って進展していくような状況になることが先決要件ではないかというふうに考えております。そういう意味合いにおきまして、先ほど来御説明申し上げましたように、諸般の再開発事業の推進を含めまして再開発の制度自体全体がさらに進展するように私ども努力いたさなければならないと考えております。
○貝沼委員 そんなことはわかっておるのです。初めそういう関係から再開発の問題を私はやる予定だったのです。だが、そこはもうはしょりましたので、それでいま局長から話がありましたが、それはそのとおりです。そのとおりでありますが、それにしても額は少ないじゃありませんか、こういうことなんです。 そこへ今度は各県別にずっと見てみますと、これまた少ないですね。本当に少ない。そして各県に、なぜこんなに少ないのか、再開発をやる気持ちはないのかと聞いてみると、やりたいと言うのです。やりたいけれども使えない、この金は。なぜ使えないかというと、基準が厳し過ぎる、だから使えない。たとえば、道路十八メーターの幅だとか、あるいは一つの面積が十ヘクタールとか、こんな大きなところなんか、市街地でも出ればあるかもしれないけれども、ない。したがって、りっぱな制度は制度であるんだけれども、実際使おうと思うと、ひっかからない、こういうことで、要求すること自体がもうできない、こういうふうに言っているのですね。したがって、そういうところからこの基準の緩和という問題が出てくるのだろうと思います。が、とにかく、この要求額あるいはいままでの実績、各県別に見ましても、物すごく少ない。工場等の敷地などを見ましても、たったの五県だけですね。あるいは都市施設用地でも、この十三年間、五十四年度まで含めてでありますが、この間、たとえば一県でたった三回だとか二回だとか一回だとか五回だとか、こういうのが多いわけですね。したがって、これは制度はよくても余り使われていない、これが実情だと私は思うのです。したがって、それに対する工夫がなされなければならぬと思いますが、これについてはどのように考えますか。
○升本政府委員 都市施設用地買い取りの場合の貸付対象となります施設は、四十一年度の制度創設時から現在に至るまで変わってまいっております。創設時におきましては、車線数四以上の自動車専用道路、車線数六以上のその他の道路、それから面積三十ヘクタール以上の公園ということになっておりましたけれども、四十六年度におきましてさらに計画処理人口十万以上の下水道、終末処理場が対象に加わわりました。同時に公園の面積が三十ヘクタールから十ヘクタールに引き下げられたというふうに、順次貸付対象の基準を緩和し、対象を広げてまいっておる経過がございます。ただいまのところは、いまの時点におきましては、おただしのように、各種の要望を賄い得るほどの基準緩和にはあるいは至っていないかもしれません。しかし、現時点におきましては、この基準をもってできる限りの効率的な資金運用を図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○貝沼委員 その辺を緩和しなければ、これから先も恐らくふえないでしょう。ですから、これはりっぱな制度ですから、制度であっていいでしょうけれども、余り効果はないということです。それを指摘しておきたいと思います。 それからもう一点、この法律の第一条に三号がついたわけでありますが、さらにこの三号ハですね、「人口の集中の特に著しい政令で定める大都市の既に市街地を形成している区域内の土地」こういうふうに土地が指定されておりますが、まずここで問題になるのは「政令で定める大都市」そしてさらにそこの中の「区域内の土地」、これについては別に、たとえば施行令等で定めるわけでありますが、その内容をどのように考えておりますか。
○升本政府委員 ただいまおただしの三号の「人口の集中の特に著しい政令で定める大都市」ということは、政令で予定いたしておりますのは、地方自治法の二百五十二条の十九第一項の指定都市、いわゆる特別の権限を持ちます大都市でございますが、この大都市を指定する予定でございます。したがいまして、東京、大阪、名古屋のほか、札幌、広島、北九州、福岡、さらにいまの三大都市圏に含まれる横浜等はもちろん含んでおります。
○貝沼委員 その都市の名前はわかりました。新しく広島、北九州が入っておりますが、さらにその「区域内の土地」とあるんですね。土地なら何でもいいのかということです。そこに基準があるのではありませんか。
○升本政府委員 ただいま申し上げました指定された大都市のすでに市街地を形成している区域内の土地ということでございますので、この大都市内の既成市街地及び隣接するDID、人口集中地域に属する地域の範囲というふうに御理解をいただきたいと思います。
○貝沼委員 そうすると、土地の広さは、たとえば一ヘクタールでも構わないわけですか。
○升本政府委員 ただいまの、一応この買い取りの対象となる土地の所在する地域の広がりを申し上げましたけれども、さらに三号の規定の柱書きのところで、ただいま申し上げたような地域の「市街地の区域内における政令で定める高度利用地区の区域その他の区域内にあり、」こう制限いたしております。したがいまして、ただいま申し上げました都市の市街地の広がりの中で都市計画法に基づきまして高度利用地区と指定された区域がございます。その区域内の土地に所在する土地というふうに御理解いただきたいと思います。 なお、高度利用地区並びにその他の地区とございますのは、今後の政令の定め方でございますけれども、一応この高度利用地区に準じた性格の都市計画上の地区設定が行われましたならば、その地区を対象に考えたいというふうに考えておる次第でございます。
○貝沼委員 この施行令の第三条にいままでの法第一条第三号の分についてはちゃんと定めてありますけれども、この三号についてはありませんので、政令で別に書くのではないかと思ったものですから、これを尋ねておるわけでありますが、それでは、それは必要ないわけですね。
○升本政府委員 政令で先ほど申し上げました大都市の指定を行う予定をいたしております。
○貝沼委員 では、それはわかりました。 それから次に問題になりますのは利子の問題ですね。これは私はずいぶん問題があると思います、恐らく大蔵省に押し切られたんだろうと思いますけれども。たとえば特会がありまして、その特会は資金運用部資金を借りる。その場合に借入利息を払う。この利息は恐らく預託金利と同じ利息になるでしょう。そうしてさらに特会から今度は地方自治体に対して貸し付けを行う。この場合の貸付利息についてはいままで法律で五・五%ないし六・五%と決めてあったわけです。ところが今度は、この借入金利を超えない範囲で運用するというふうに改めるようでありますから、これは恐らく下に行くことはないのであって、超えないというのは、大体同じ利息を考えておるんだろうと思うのです。いま七・一五%でありますから、七・一五%に大体持っていくんだろう。そうすると、市町村が借りる場合もその時点から七・一%の利息で資金を借りることになるわけですね。こういうことを恐らく考えておられるわけであります。ところが、これで不都合な面は何が起こるかというと、まず第一に、この都市開発というものは緊急かつ大事な事業である。したがって先行取得をしておく必要があるというところから出発しているわけでしょう。そこで、安いうちにその土地を取得しておけば開発はやりやすくなってくることは当然のことであります。しかし、利息が上がったり下がったりするということになりますと、土地を売る人は考えますよ。いま大体公定歩合はこれぐらいだから、そのうちに預託金利が上がる、そうすると、もう少し高く売れるのじゃないかとか、安く売れるのじゃないかとかというふうに考えるし、さらに今度は地方自治体としても、たとえば一月に買ったある土地についてはその利息は五・五%であった、二月に買った分は七%であった、三月はまた違うパーセント、こういうことをしたら、非常に繁雑である。地方自治体は、高い利息を掛けた土地を買ったり、安い利息の土地を買ったり、常に起こるわけです。ところが、地方自治体のことなんか考えずに、そして特別会計を持っておるところだけが、事務が簡単であればいいというのがこの連動性の発想なんですね。もっともその後ろには利子補給をことしの予算で六億二千万組んでありますが、この六億二千万の利子補給をするのを、一般会計から出すのは出したくないという大蔵省の考え方があって、そして恐らく出てきたんだろうと思いますが、とにかくこういうややっこしいことをやっていきますと、この制度はなおかつ運用がむずかしくなってくる、こういうふうに私は考えますので、まず初めに、この利子の連動制ということについて、建設省は初めからこれを主張したのか、それとも初めはこれを主張しなかったのか、その点について見解を承りたい。
○升本政府委員 この都市開発資金の借り入れをいたします地方公共団体の側から見れば、御指摘の点がいろいろございましょうと思いますけれども、地方公共団体から見ますと、これはやはり一つの地方起債でございます。したがいまして、一般の地方債と同じ金融のベースに立つものというふうに理解すべきものかと考えております。したがいまして、この資金コストの変動にあわせまして変動をすべき形に直させていただいたという経緯がございます。ただいまおただしのように、当初から要求をしたのかというような御指摘でございましたけれども、私どもといたしましてはもちろんいままでの制度を前提とした要求をいたした次第でございます。
○貝沼委員 そこで、大蔵省に伺いたいわけでありますが、大蔵省は財政難を理由にしてこういう締めつけをやってくるのは私ははなはだけしからぬと思うわけです。そこで、公定歩合その他引き上げが行われた、あるいは変動した場合に、この預託金利の決定が行われるまではどういう方法で行われますか。
○亀井説明員 預託金利の変更の手続といいますか、過程につきましてのお尋ねでございます。基本的には預託金利は資金運用部資金法で法定をされておりますけれども、経済、金利等の変動によりまして特別の、七年以上のものにつきましては大蔵大臣が資金運用審議会の意見を聞きまして定める特別の率をつけてまいるということにいたしておるわけでございます。この特別の利息が変動をいたすわけでございますが、これは公定歩合とか預金金利とかプライムレートといいました、そうした各種の金利が変動する際に変更が行われておりますが、その場合私どもは、一方では、お金をお預かりしております預託者のできるだけ利益になるように高くという要請もございますし、もう一方では、今度はそのお金を借りてくださる政府関係機関特別会計等の方からできるだけ安くという要請もございますが、こういった両様の政策上の要請を調整しながら慎重に金利体系全体の中で判断をして決めておる、こういうことでございます。
○貝沼委員 そこで、今回七・一五%になっておりますが、これは九月からなっておるわけですね。ということは、八月に公定歩合の引き上げがあり、そしてたとえば定期預金が六%とか長期プライムレートで八・二%とか、こうなっておる。その後さらに五十五年二月ですね、また上がってきておる。そして、先ほどお昼のニュースによりますと、物価対策上、また公定歩合の引き上げというニュースが出ておる。こういうことを考えますと、この公定歩合というのが上がっていくに従って資金運用部資金の貸出金利というものは上がる可能性が十分ある。そのあらわれがこの法律に超えてはならないという言葉で出たんだろうと思うのですけれども、要するに上がることが予定してある。したがって、昔五・五%あるいは六一五%よりも少ない、低い時期があったので、そのときに地方自治体が持ち出しがあるので、したがって何とか変動をしてもらいたいという意見が一時あった。それを盾にとって今回は連動性にやっておるわけですね。しかしながら実際は、これからは上がる可能性が十分あるのです。上がる可能性があるというのは、地方自治体から利子をたくさん払わなければならないということなのであります。そういうところから考えて、これは明らかに利子値上げ法案になっておるわけでありますが、私はこういう考え方は適当ではないと思います。 そこで、理財局にもう一回お尋ねをしておきたいと思いますが、この次にこの資金運用部資金の貸出金利の検討をされるのはいつごろですか。
○亀井説明員 先ほど申し上げましたように、私どもの預託金利は、通常は預貯金金利等が変動をいたしております場合に、それからやや一カ月程度といいますか、預貯金金利の変動した次の月の初めぐらいに変動するというのが通例でございます。したがいまして、ただいまお尋ねの件でございますが、今回二月に公定歩合が動きまして、まだ日にちが参りませんが三月十日に預金金利が動きますので、その後、運用部の預託金利も動こうか、こういうふうに考えております。
○貝沼委員 動こうかというのは上の方へ動くということなんですね。そういうことでしょう。したがって、この利子を法律で定めておくということは、長い目で見た場合、政策目標から考えて正しい、私はこう思っておるわけなんです。ところが、どうも大蔵省はこれを取っ払うことを主張したらしく、建設省と相談の結果なったというかっこうにはなっておるでしょうけれども、こういう連動制に法律が出てきたということで私は非常に不満に思うわけでありますが、主計局としては、それならばこの都市再開発という政策目標、その政策の優先順位というものは後退したのか、この点についての判断を伺いたい。
○保田説明員 端的に申し上げまして再開発事業に対する大蔵省といいますか、建設省なども含めました政府全体の姿勢が後退したというふうには考えておりません。 御承知のように、今回の法律の改正は、片一方におきまして貸付対象の拡大ということをいたしておるわけでございまして、それと金利の連動制ということをワンパッケージと考えておりまして、両方を含めて考えていただきますと、政府の姿勢が必ずしも後退したというふうにきめつけられるのははなはだつらいというところでございます。
○貝沼委員 私が言っているのは、結果的には後退でありますが、要するにこの法律案の第二条第一項の後半の方、「かつ、前条第一号の土地に係る貸付金にあっては、特にその土地の買取りが促進されるよう配慮して、政令で定める。」こうなっておるわけであります。これじゃ促進なんかされないのです、利息が高くなったら。片方でアクセルを踏み、片方ではブレーキを踏んでいる、これじゃ実際動かない、そういうことを私は言っておるわけであります。したがって、いま後退したとは思わないということでありますが、わが国の政府がやらなければならない政策の優先順位として、本来なら一般会計で全部そういう土地は買ってもいいはずなんですよ。それをいろいろなむずかしい面、あるいは手続上の問題がありますので特別会計をつくった方がいいというのでわざわざ特別立法をしたわけでありますから、しかも、その場合に利息を払うのは、土地を持っている人が払うとかなんとかじゃなくて地方自治体が払うわけでありまして、国の一般会計も、地方自治体のお金にしても、これは国の金であることには間違いないのですから、したがって、片一方にしわ寄せさせるようなやり方は、かえって開発が進まない、こういうふうに私は思うわけであります。したがって、そういう観点に立てば、利子の連動性ということは優先順位を後退させたものである、あるいは優先順位に対する考え方が変わったものである、こういうふうに判断せざるを得ないわけでありますが、この点はいかがですか。
○保田説明員 お答えいたします。 先ほども申し上げましたように、今回の改正につきましては、今回の金融情勢のもとにおきましては金利の引き上げということになりますけれども、同時に貸付対象の拡大ということとどうしてもそこはワンパッケージで考えていただきたい、かように考えるわけであります。 それから、一般論として申し上げますと、御承知のような非常な財政難の時期でございまして、新しい施策に伴う金は既定の経費を節減することによって捻出する、そういう厳しい予算編成方針に従いましたために、新しい施策のための財源をどんどん一般会計から持ち出すということが可能なような財政事情ではなかった、そういうことをつけ加えておきます。
○貝沼委員 そこの財政難という話を持ってくると、私はだんだんいきり立ってくるわけですが、財政難財政難と言ったって地方自治体が払うのですよ。連動させれば地方自治体が利子を払うのです。これを法律で法定化しておけば国の一般会計で利子補給をする、どっちにしたって同じことなんです。それを国の一般会計から払いたくないから、地方自治体に持たせる。それなら、地方自治体は財政難でないのかと考えると、やはり財政難なんです。そうでしょう。だから財政難という理由はおかしいですよ。 それからさらに財政難と言うからもう一言言いますと、そういうことになると、たとえば先ほど言いましたように、ある市町村では、ある県では一つの土地を買った場合に、安い利息で買った、ところが、隣のところでは高い利息で買った、これは時期的に相違が出てきますから。そうすると、それに携わった事務員が、あの人は先見の明がないから利子の変動がどうなっているかわからないから、あんな利息の高い物を買ったのだ、こういうことになって、地方自治体では、たとえば特別会計から言うならば借入金利でありますが、資金運用部の貸出金利の変動を常に見ていなければならないのです。それだけの作業を地方自治体でやらなければならぬということは、果たして得策ですか。 そしてさらに、利息の高いときは買うのをやめようということになってきますと、事業そのものが進まない。あなたは先ほどからワンパッケージで考えてくれと言うけれども、それはわかっているのです、そんなことは。わかっているけれども、都市開発は実際、買わなければ進まないのです。したがって、それを買うことを手をこまねいているということは、土地はいま値上がりがどんどんするわけでありまして、地球は大きくならないわけですから、土地の値上がりした時点で買わなければなりません。そのことは、いまたまたまことし六億二千万ですか、これだけの一般会計からの利子補給などを考えたら、土地の値上がりから考えたならば、これは微々たるもの。したがって、こういうことで、財政難だ何だかんだと言うのではなしに、まだ土地の値段が安いうちに、少しは多いと思っても金をつぎ込んで都市開発をしていく方が、最終的には安い物を買うことになるのじゃありませんか。いまのようなやり方をする方がむしろ財政難のときとるべき方法ではない。高いものをわざわざ買う方向にいくのじゃありませんかということを私は主張しているわけでありますが、いかがでございますか。
○保田説明員 お答えをいたします。 土地の値上がりが期待される場合には、取得価格が仮に高くといいますか、それに伴って必要になる金利のコストが若干高くても、将来これを処分するときの価格が非常に高いということであれば、地方公共団体が仮に若干高い金利での借り入れをしましても、その処分価格によってこれを賄うことが可能なのではないか、こういうふうに思うのですが、いかがでございましょうか。
○貝沼委員 そういうのを暴論というのですよ。大蔵省の主計局がそんな考え方を持っていたら日本の土地なんか天井知らずに上がりますよ。あなたが言っていることはインフレ政策ということですよ。そんなことを人がわからずに聞いていると思っていますか。土地は上がってはいけないのです。土地が上がるから投機がふえてくるんです。直接目に見えるような投機をしなくとも、持っていること自体が投機なんです。だからいま一生懸命土地を出させようと思ってやっているわけでしょう。大蔵省がそんな考え方を持っていたのでは、こんな都市再開発なんかできませんよ。もう一回答弁を願います。
○保田説明員 お答えをいたします。 都市開発資金によりまして地方公共団体が取得した土地は、これが将来制度本来の目的に従いまして再開発されるなりあるいは道路、公園等の公共施設が整備されますと、これに伴って土地自体の評価価格も上昇するわけであります。そういうことによって吸収することも可能になるのではないかと思います。 それからもう一つ、先行取得された土地が、道路、街路あるいは公園事業等に使われる、本来の国庫補助事業に使われるというときには、御承知のように取得価格にその後の事業化に至るまでの金利負担も含めました価格を一応補助の基準といたしますので、金利が一時的に上がりましたことによって地方公共団体の負担が上がりますけれども、何年か後に道路その他の事業に提供いたしますときにはかなりの部分がカバーされる、そういうこともひとつ御勘案をいただいて、お許しをいただきたいと思います。
○貝沼委員 まだ許すわけにいかないね。そういうことで、いまのやり方はおかしいのです。それならば下がった場合どうするんだ、こういう話も出てくるのです。だけれども、下がった場合より上がる場合がこれから多いという見通し。いまのあなたのおっしゃるやり方で言うなら、都市再開発は進まない。それから、一般会計から利子補給をしているものはいろいろな形でまだまだほかにもあるわけですよ。なぜこの特別会計だけ外さなければならないのですか、その理由。
○保田説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、法律で政府関係機関その他が貸し出しをいたしますときの金利を法定しているものもございます。ストレートに決めているものは非常に少ないあるいは限度だけを決めているものも非常に少ないわけでございまして、法律をもって固定的な金利を規定いたしておりますのは、たとえば農林漁業金融公庫の農地等取得資金でありますとか、あるいは住宅金融公庫の貸し付けの一部のものでありますとか、むしろ例外的なものでありまして、その主流は、やはり調達コストの変動に応じまして貸付金利も動くのがむしろ本則なのではないか、こういうふうに考えております。
○貝沼委員 とにかく大蔵省はこの都市再開発ということについてもっと真剣に考えていただかなければいかぬと思いますよ。いままでいろいろなことをやってきたにもかかわらずこれが進まないということが先ほど来の議論であり、しかも進んだところは、たとえば商業地であるとか駅前であるとか、こういう将来採算の合うところだけが出てきておるのであって、住宅は進まないところがあるのですよ。どうして職住接近の住宅の再開発ができないのですかということがいま一番の問題なんです。そのためには売りたいところを安い金で早く土地を買わないとできないということがあるからこういう立法がなされておる。ところが片一方で利息は連動させるとか、そんな形で取っ払われてくるとなかなか進まないのです。もう一度考えていただきたいと思います。 それからもう一点は、法律上の問題でありますが、五・五%ないし六・五%と法律で決めてあるということは、これは少なくとも国会の審議を経てこの利率が決まるということであります。ところが今度は政令にゆだねるということは、国会審議を不必要とするという意味であります。したがって、これはそれほど軽々に変えていい内容のものかどうか、こう考えたときに、私ははなはだ疑問がございますので、なぜこれを法定制を緩和しなければならないのか。法定制緩和しなくたって別の方法はあるのではないか、こう思いますが、この点はいかがですか。
○升本政府委員 御指摘のように現在のところは利率を法定をしているわけでございますけれども、これを今回政令に譲らせていただきたいという趣旨は、先ほど来の御説明にもございましたように、ただいまのこの特別会計の原資は財政投融資でございます。したがいまして、財投の金利に連動的に動くという形になりますと、それを対応として考えてまいりますと、先生の御指摘のようにその時点の金利の情勢によって変動をし得るものでございます。これをその時に応じて的確に変動させていくということから、法定を前提として考えると非常に無理が生ずるケースがございます。したがいまして、法律では大どころの基準をお決めをいただきまして、その枠内で政令をもって運用するという形をお認めいただきたいというのがこの改正の趣旨でございます。
○貝沼委員 ただいま的確に連動するという話がありましたが、資金運用部資金の貸し出しの金利が変わるたびにこの特会の貸出金利はどういう考え方で連動されますか。そのままたとえば七・一五%となったら特会の貸出金利も七・一五というふうにストレートにいくということですか。それともその間に幾らかの幅を持って決めるということですか。たとえばこの特会法によりますと、「この会計の負担において、借入金をすることができる。」というふうにありまして、一般会計からの借り入れを認めてあるわけでありますが、もしこれが一般会計からのある意味での利子補給という意味の借り入れであるならば、そこに幅があってもいいはずでありますが、この点はいかがですか。
○升本政府委員 政令案として予定いたしておりますのは、ただいまの貸し付けの対象が三つの号にわたってございますけれども、第一号の土地、すなわち工場跡地の買い上げ分につきましては、運用部資金の利率から年一%の率を減じた率、それから同第二号、すなわち都市計画施設用地、それから同第三号、今回改正をお願いいたしております都市機能増進用地の買い上げのための資金の貸し付けの利率は資金運用部資金の利率そのものをもって定める予定をいたしております。
○貝沼委員 ということは、政令で定めるといっても、一%減ずるとちゃんと書いてあるでしょう。そんなもの定めるところなんかないじゃありませんか。七・一五%だったら六・一五ということでしょう。決めることって何があるのです、そのままストレートでいくなら、そうじゃありませんか。ところがわざわざ取ってしまって政令で定める。政令で定めるというのは、要するに資金運用部資金の貸出金利、特会からいけば借入金利、これを基準としてそのままにいたします、それから工場跡地、第一条の一号についてはそれより一%低くいたします、こういうことなんでしょう。それではほかに何を決めるのですか、何も決めることなんかないじゃありませんか。
○升本政府委員 御審議いただいております法律案におきましては、貸付金の利率は、この都市開発資金融通特別会計が借り入れる借入金の利率を超えないように配慮して政令で定める、こう規定してございます。したがいまして、この上限は法律で基準を定めていただいたわけでございますけれども、あと、その上限の以内でどのように定めるかは政令におゆだねいただいたものというふうに理解をいたしております。
○貝沼委員 ですから私は、何も一%とはっきり決めてしまわないで、本当は地方自治体がうろうろしないようにもっと幅を持って、そして、たとえば公定歩合あるいは資金運用部の貸出金利が何回か変動があっても地方自治体の納めるいわゆる借入金利については余り変動がないようにする、そのパッキンの役目をするための政令で定めるものなら、これはまだ理屈がわかるのです。ところが、ストレートでさっささっさいくものを、それじゃ政府が何をやっているかさっぱりわからぬじゃないですか。もう少しその辺を考える余地はないのですか。
○升本政府委員 御指摘のように、政令での定め方はかなり広範な定め方が可能であろうかと思います。しかし、私どもは、現状のところにおきましては財投からの特別会計の借り入れの借入利率をいっぱいに上限にとらしていただくことが大変適切な方法ではないかというふうに考える次第でございます。 先ほど来、貸付金の利率につきまして低い方がいいという趣旨の御指摘でございましたけれども、確かに貸付金の利率そのものは低い方がベターであることは御指摘のとおりでございますけれども、私どもも、この制度が都市の再開発のための一つの制度であるというふうに理解をいたしますと、この制度を含めた全体としての都市再開発にかかわる施策が整合性を持って発展的に進められるように国としても措置をしてまいるのが適切か、そのような判断からいたしますと、先ほど来主計官からの御説明もございましたように、私どもは一体のものとして全体としての再開発の進行に資するように制度もお願いを申し上げたいと思いますし、私どもの運用も心がけたいと思っております。
○貝沼委員 何もそんなに大蔵省に気を使うことはないのです。 それで、いま答弁がありましたが、たとえば、昭和五十五年度の予算の要求額についての資料がある雑誌に載っておりましたので私はこれを見ました。そういたしますと、五十五年度要求額、一般会計からの繰り入れの分としては、建設省は五億一千万要求したのですね。どうもそうらしい。ところが変わってきておるというようなこと、それから去年の一般会計からの繰り入れが十億ですね。ちょっと余ったようでありますが十億、こういうようなところから、建設省としてはずっと利率を決めた方向でいきたかったんだろうと思うのです。したがって、その精神は決して失ってはならないと私は思います。たとえこの法律ができたにしてもその精神は失ってはならないと思っているわけであります。 そこで、最後に建設大臣にお伺いしておきたいと思いますが、先ほど来言っております都市再開発の政策、しかもその優先順位、こういうものがいささかも変わっていないし、これからもまたその決意でやっていくということの決意、そしてさらに今後の運用についての決意を伺っておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 ただいま先生のお話でございますが、市街地におきます都市整備、あるいは一方におきます宅地の確保、それに伴います住宅問題の解決、こういうような意味におきましては、再開発は非常に重要な政策であると考えておりますので、いろいろ局長が説明いたしましたような経緯を踏まえておりますけれども、この委員会にも再開発法の一部改正等もお願いいたしまして、制度の上においても、また経費その他の面でいろいろ障害がございますけれども、こういう問題もできる限りスムーズに解決ができるようにいたしてまいりたいと考えておるわけでございます。 そういう意味で、今回の都市開発資金につきましても改正をお願いいたしておりますが、率直に申しまして、地方財政あるいは地方行政で地方公共団体がいろいろな計画を立てていく上におきましても、安い金利で、これが変わらない方がよろしいことは言うまでもないわけでございます。しかしこの厳しい財政事情の中で、先生もお話がございましたように、もっとこれを大幅に積極的に推進していくということも必要でございます。そのために相当大幅な資金の確保も今後していきたいと思っておりますので、私どもは総合的な観点に立ってこの施策を取り入れたわけでございますから、今後の運用に当たりましては、お話しのような点を十分念頭に置きまして適切な運営を図ってまいりたい、かように考えるわけでございます。
○貝沼委員 終わります。
○北側委員長 瀬崎博義君。
○瀬崎委員 都市開発資金の貸付けに関する法律が施行されて十四年たっているわけであります。したがって政府としてもこの法律実施の功罪といいますか、メリット・デメリットについてはそれなりにまとめていると思うのですが、どういうふうにその教訓をまとめていますか。
○升本政府委員 おただしのように、この制度は昭和四十一年に発足をいたしまして、現在まで十四年を経過しているわけでございます。この間の実績をトータルで申し上げさせていただきますと、この制度を使って取得した土地の面積が五百五十八万七千平米、それから金額にいたしまして千六百二十八億九千八百万円を使用いたしております。件数を申し上げますと、三百九十八件になりましす。以上のような実績を上げておりますので、私どもといたしましては、この間の実績としてはまずまずの成果を上げ得たものと考えております。しかしながらこの制度の主要な内容の一部でございます工場等敷地の買い取り等につきましては、多分に工場等からの売り手側の意思が大きく反映をいたしてまいります。工場等は経済主体でございますから、その時点の経済状況によってかなり変動があることもやむを得ないものというふうに理解をしております。
○瀬崎委員 いま主として量的側面と、法律の第一条の一号と二号、そういうふうな内容から総括をされたわけであります。もちろんこの法律は制定当時もそうであったわけでありますが、先ほどの質疑の中でも引用されました「都市の再開発を広く、かつ、強力に推進するための新しい制度について」の答申だけではなしに、小林実都市再開発課長がジュリストの去年の十一月号にも論文を載せています。そこでも「再開発の推進のため土地の先行取得制度の強化を図ることは重要な課題であり、都市開発資金等の制度を積極的に活用していくことが必要であろう。」こういうふうに述べているのです。そういうことからいって、この法律にかける期待といいましょうか、目的の一つとしては、広い意味での都市開発に資することはもちろん、今日ではわれわれはずばりそのものだと思っている都市再開発法による市街地再開発事業の促進にも、当然この法律は役立つであろうというねらいがあると思うのですが、いかがですか。
○升本政府委員 おただしのとおりでありまして、今回新たに法律改正をお願いいたしておりますのは、都市機能更新用地と言っておりますが、都市の既成市街地の再開発を要するような地域におきまして、再開発事業を近い将来行わなければならない、そのような土地柄につきましてあらかじめ用地の取得について手当てをし、必要な土地を確保できる体制をつくっておきたい、そのためにこの資金の貸付対象となる地域並びに土地の範囲を広げさせていただきたい、こういう趣旨でございます。
○瀬崎委員 そのねらいから見てこの法律がうまく作用しているかどうか、この法律そのものが十分効果を発揮したとお考えになっているかどうか、いかがですか。
○升本政府委員 量的には先ほど御報告申し上げたとおりでございますが、この資金をもちまして買い取ります土地は、一つは街路、公園等の都市計画施設の用地として定められた地域の土地でございます。したがいまして、これは数年、大体四、五年をタームとして的確に街路、公園等の公共施設の用地に充当されるわけでございますから、それなりに明確な効果を上げていると考えられます。 それから工場敷地跡地でございますが、これにつきましては、大部分が確かに都市の施設用地として定められた地域柄ではございません。しかしながら工場跡地を取得できることによって、いままで必要とされながら計画づけられていなかった公共施設関係の用地に充当することもできますし、また現実に再開発事業あるいは公園、住宅、教育施設等の用地に転用をされております。
○瀬崎委員 いや、私が質問したのは、いわゆる総合的な再開発事業として非常に政府が期待したはずの都市再開発法に基づく市街地再開発事業は、こういう資金貸付制度があったからといって必ずしもそう進んだわけではないのではないか、こういうことをお尋ねしているのです。いかがでしょう。
○升本政府委員 御指摘のとおり、現在までの実績から見ますと、この資金をもって買い取った土地の多寡によって再開発事業の進行が著しく左右されたというほどの影響を持つところまでには至っておりません。
○瀬崎委員 この点について、建設省の担当課長がいろいろまとめていらっしゃるのでさらに少し所見を伺ってみたいと思うのです。ジュリストの論文の中では、いわゆる広い意味での都市再開発について、こう評価しています。「既成市街地において再開発を必要としている地域の広がりに比較するとなお不十分な状態にあるといえよう。」という前提のもとに、特にいまの市街地再開発事業についてですが、「総合的な再開発事業制度として期待された市街地再開発事業についてみれば、」「十分な成果をあげえていない。」これは明確に建設省も認識しているわけです。だからこういう資金貸付制度があっても、十分市街地再開発事業は進まない、その理由は何かだけは明確にしておかなければいけないと思うのですね。そうでないと、いたずらに対象を広げたからといって効果を上げるものではないと思うのです。 まず最初に、では市街地再開発事業で当初政府が期待したものと現実とにはどのぐらいのずれがあるのですか。
○升本政府委員 市街地再開発事業の制度化に当たりまして、量的に具体的な期限を切って再開発事業の施行量を定めたということはございません。ただ、よく御承知のとおり、現在のわが国におきます大都市を中心とした都市の市街地の状況は、いずれにいたしましても多かれ少なかれ再開発を必要とする状況にございます。したがいまして、できるだけ多い範囲で、できるだけ早い時期に再開発事業が執行されることが望ましいという前提で、制度化並びにその促進を図っているつもりでございます。
○瀬崎委員 その進まない理由として小林さんが挙げているのを見ますと、三つか四つあるのですが、まず第一に「再開発計画の欠如と動機づけの不足」というようなものが挙がっているのですが、このいわゆる「動機づけの不足」というのは具体的に言えばどういうことを挙げているのでしょう。
○升本政府委員 再開発事業が必ずしも私どもの期待しているようには進行していないことの理由の反省の一つといたしまして「動機づけの不足」ということが挙げられておるわけでございます。「動機づけの不足」とは、私の理解では、再開発を客観的には必要とすべき土地柄と考えられるところでありながら、現にその土地について権利を持ち、そこで住まわれ、あるいは営業をいたしておられる方々が、必ずしもみずから再開発をしなければならないというふうにはお考えになっていない場合が多いのではないかという意味かと思います。
○瀬崎委員 ここにせっかく政府が進めようとしても受け入れられない最大の原因がある。まさに住民が必要としないものをやれと言っても無理な話なんですね。 それから、理由の第二として「関係住民の理解がなかなか得られないのが実情」ということも挙げているのですが、この理解の得られない最大の原因も、いまの必要性がまず感じられていないということから出てくるのだと思いますが、そのほかに政府側はどういう点を考えていますか。
○升本政府委員 お立場によっていろいろな状況の御判断があるかと思いますけれども、一例と考えられますのは、住まい方の形、態様が著しく変わる結果になるのではなかろうか。いまの再開発を必要とするような土地柄は、一般的には込み入ってはおりますけれども、こじんまりとした建て方で居住をしておられる方が多い、あるいは営業をいたしておられる方が多い。これを再開発をいたしまして整理をして、公共施設の整備と同時に建物自体を高度化するという形になりますと、居住の形態自体が、あるいは仕事のやり方、場所の態様が大変変わってくるということがございます。そのことがいろいろ心理的、経済的な負担になるということがあり得ようかと思います。
○瀬崎委員 まさにそういう点で住民に非常に大きな不安があるということは事実だと思うのですね。ただ問題は、そういう生活の激変に対する不安やあるいは共同化に対する住民の抵抗感、これに対して「決定的な解決策を見出すことは困難である」と、率直に小林さんは述べているわけですね。ということは、もう政府としては現在の都市再開発手詰まりだというふうに見ているのか、それでもなお打開の道を具体的に持っているのか、どちらなのでしょう。
○升本政府委員 私どもといたしましては、権利者の御意向は可及的に尊重する必要があると考えますけれども、都市全体の整備あるいは防災、居住環境の改善、交通機能の確保というようないろいろな都市の密集地における要請がございます。この要請を満たすためには、やはり必要なところは再開発を進めていかなければならないというふうに考えております。 そのためには、各権利者の御理解を得られるような努力を政府なり地方公共団体側でいたすこと、それによって御理解を得られるようにしたいということが第一点でございます。それから第二点は、やはりできるだけこの事業について、助成できるものは助成を厚くしていくことによって権利者の経済的な負担を軽くしていくことができればベターではないかというふうに考える次第でございます。
○瀬崎委員 その助成の問題、これは非常に重要で、都市再開発事業の進まない第三の理由としてジュリストに挙げられているのもそこなんですね。先ほど来大蔵省のいろいろな見解が出ておりましたけれども、建設省サイドから言えば当然真っ向から対決するような意見になってくるのじゃないかと思いますね。その資金面のことについても、大体最近の市街地再開発事業については一ヘクタール当たり六十億から七十億という巨額の資金が必要になっている、これに対して若干の補助金は出るが、事業の採算をとることは決して楽ではない、このために地方公共団体は財政問題等が足かせとなって大規模な再開発事業を手がけるのが困難となるし、民間サイドの場合でも事業化が図られるのは事業の採算が確実にとれる場合に限られてしまい、広範な地域での再開発は事実上困難だという指摘ですね。したがって事業施行者の負担をできる限り軽減するよう努める、こう言っているときにその種地等について利子を上げていくというふうなことはまさに逆行だと思うのですね。こういう点は建設省サイドとしては、今回の利子引き上げは少なくともこの事業にとってマイナスだろう、このことだけははっきりお認めになるのでしょうか。これは大臣、いかがです。
○升本政府委員 具体の利子率の高い低いという問題でございますので、私から一応事務的にお答えさしていただきたいのでございますけれども、六分五厘、五分五厘と定められ、それに従ってやってまいりましたことから、今後予想される利子の変動を考えますと、そのことを取り上げていただきますと、確かに利率が高くなる可能性がある。それは高くなれば土地の取得にそのこととして支障条件がふえるではないかというのは御指摘のとおりだと思います。しかしながら、先ほど来御説明申し上げておりますように、やはりこの制度は再開発事業の種地となるべき土地をできるだけ早く、買える機会に買っておくという趣旨でございますので、したがって償還期間も十年という長期を予想しております。必ずしも十年持ち続けるということを前提としているわけではございませんけれども、五年ないし十年という長期間を保有し続けるということでございますから、利子も低い方がもちろん適当でございますけれども、その間の一般的な土地の取得の困難性の増大を考えますと、端的に言いますと地価の値上がり等を考えますと、この制度によって早目に取得できるケースがふえることが最終的には再開発事業の採算にもプラスするのではないかというふうに考えております。
○瀬崎委員 それは全く詭弁だと思いますよ。これまで固定されておった利子でちゃんと先行取得しておったとしても、なお事業全体から見れば、土地の資金コストも含めて事業全体の事業費が非常に高くついて困難なんだ、国は助成が必要だ、こう言っているのでしょう。だから片一方で貸付利子が上がって資金コストが上がるとすれば、別の形の助成をふやさなければ、あなた方の言っている論理と合わなくなってくると私は思うのです。いかがでしょう。
○升本政府委員 再開発が、まさに再開発をしたいときに、事業を手がけたいときに直ちに事業に移れるほどに社会情勢が熟しておりますと、御指摘のとおりかと思います。しかしながら先ほど来私御説明申し上げたつもりでございますけれども、いまの状況はなかなか再開発をすべきところに直ちに再開発事業の手がつきにくいという状況がございます。したがいまして、都市計画の面から再開発事業を急ぎたくても、現実に事業に着手いたします場合に大変な期間を要することになります。再開発事業スタートと同時にしか用地取得ができないということを考えますと、その期間をむしろむだに徒過するよりは、再開発しなければならないという位置づけができたならば、その時点から、土地が取得できるときはとりあえず土地だけ取得しておくという方がベターではないかということを申し上げたつもりでございます。
○瀬崎委員 結局、事業費全体を何らかの形で国が援助しなければならないと言っているときに、片一方に事業費全体が押し上げられるような措置を講ずるのですから、論理的にはこれは矛盾もはなはだしいと私は思うのですね。このほかにもこのジュリスト論文では、商業型再開発においては商業調整がむずかしいということが起こってくるとか、あるいは借家人のいる場合にはその零細権利者の対策が非常に困難である、あるいは住宅型再開発では公共負担が大きいという幾つかの困難性を挙げているわけですね。それぞれこれを打開するのは並み大抵ではないと思うのです。したがって、この機会に私もぜひ要望もしたいし意見も求めたいのですが、一応政府が机の上で描いたプランとしては、総合的な都市再開発として都市再開発法をつくりやっていけば、こう思われたんでしょうけれども、やはりこれはうまくいかない。結局都市再開発がうまくいくかどうかの決め手は、住民自身がその必要性を感ずるかどうかということ、住民自身が納得して事業が進められるような手法が確立するかどうか、ここにあると思うのですね。ただ単に金を少し貸してやるからといったところで進むものではないことだけは明らかだと思うのですが、そういう点でこの都市再開発のやり方をもっと民主的なやり方に変えるというふうな発想転換、こういうことも検討しておく必要があろうと思うのです。いかがでしょう。
○升本政府委員 先生よく御承知のとおり、再開発事業は都市計画の制度の中で行われることになります。都市計画で再開発事業を行おうといたします場合には、まず高度利用地区という土地利用についての地区を指定をして、その中で再開発事業の計画をつくって計画を定め、それに従って再開発事業が行われることになります。その手続の過程ごとに、決定に登るまでは、計画案を一般の縦覧に供するとか、あるいは必要に応じまして公聴会等の開催をいたしますとかいう手続をとりまして、一般の権利者の方々の御批判をいただき、御理解をいただきながら進めてまいるたてまえになっております。現実にはなかなか特定の土地の意見が聞きづらいという御指摘もあるかもしれませんけれども、これは現実に事業を行います場合には、各事業主体である地方公共団体は大変綿密な事業計画なりその事前の案をつくりまして、地区ごとに説明会を催す等の措置は講じておるところでございまして、そのような機会を通じて関係権利者の御同意をいただきながら進めさしていただいております。現実の進行におきまして、関係権利者の大方の御同意を得ない場合には、このような土地柄では事業の進行は不可能でございます。
○瀬崎委員 そういういわゆる市街地再開発事業などのことを思えば、広い意味での都市再開発と言えば言えるのでしょうが、いろいろな都市施設に対する貸し付けの方は伸びるのですね。わけても、面積的に言いますとこの資金が最も多く利用されているのは、結局公園、緑地の部類に入るわけですね。そうじゃないのでしょうか。
○升本政府委員 御指摘のとおりでございまして、先ほど申し上げました発足以来五十三年度までの総合計金額千六百二十八億九千八百万のうち公園、緑地関係が六百七十四億、それから面積で五百五十八万七千平米のうち公園関係が三百六十万五千平米ということでございますから、面積的には七割近い部分が公園の用地に充てられるべき土地であるということでございます。
○瀬崎委員 そういうふうに公園とか緑地用の用地としてこの資金が非常によく利用される、その理由については何かお考えになっておりますか。
○升本政府委員 これは確実なデータに基づく意見ではございませんけれども、推測いたしますに、かなり公園の施設用地というのはまとまった広がりの土地であることから、関係権利者の数にしては恐らく面積に対しては比較的少ないのではないかというようなことがあろうかと思います。その他その用地、その土地の所在する地域の状況があるいは公園に適するようなところでかなり売りたいという要望が多く出る可能性があるということかと考えます。
○瀬崎委員 私どもが見ておりますのは、公園とか緑地、これは東京のような大都会ですと、地震などのときの避難地という機能も含めてでありますけれども、やはり住民の要望といいますか、要求というのは非常に強いわけですね。市街地再開発などの場合とは全くこれは逆の関係になるわけです。そういうところに最大の原因があるのではないか。これは私は政府の今後の施策上も重要な教訓にしてもらいたいと思うのです。 とはいいながら、ではその公園事業全体がスムーズにいっているかどうかの問題なんですが、ことしは第二次公園五カ年計画の最終年度に当たるのですが、国民一人当たり何平米の公園にするのが目的だったのですか。
○升本政府委員 昭和五十年度末におきまして国民一人当たりの公園の面積が三・四平米でございます。これを五十一年度より始まります第二次の都市公園整備五カ年計画の最終年度、すなわち五十五年度末でございますが、この時点におきまして国民一人当たり四・五平米まで高めたいというのがこの計画の内容でございます。
○瀬崎委員 現在の進捗状況では、一人当たり何平米になっていますか。
○升本政府委員 五十五年度の予算をいただいて整備をいたしました場合を想定いたしますと、五十五年度末におきまして四・二平米というところまでいけるかと思います。
○瀬崎委員 結局、最終年度の事業をやったとして、目標の大体七割程度の達成率ではないかと思いますね。そういうわけですから、政府自身の掲げた目標からいっても、公園事業はまだまだ推進しなければならないわけでしょう。それから住民の側から見ても、公園、緑地とか、こういうオープンスペースはどんどんつくってほしいという希望があるわけですね。したがってこの辺なら、貸付資金の量をふやし、対象を緩和していけば、目標に向かってどんどん公園事業そのものが進む、そういうことが言えると思うのです。こういう点は積極的に政府として考えてもらったらいい点ではないかと思うのですね。今後大いにやってもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○升本政府委員 おただしのように、公園の確保のためにも都市開発資金の活用はさらに図られなければならないと考えておりますので、公園を含め、街路でございますとか、下水道その他都市としての必要な施設のための用地の買い取りがさらに効率的に量的にも確保できるようにこの制度を運用いたしてまいりたいと考えております。
○瀬崎委員 そのためには、法律の改正と同時に必要なことは、都市開発資金貸付要領、つまりこの法律の運用なんですが、この点で大いに改善もし工夫もしてもらう必要があるのじゃないかと思うのです。私どもも、できるだけ、実際この資金を運用する自治体の意見を国政に反映させたい、慎重な審議をしたいというので、東京都、大阪府、兵庫県、愛知県、神奈川県、それから横浜市、川崎市、名古屋市に直接、利用状況とかあるいはいろんな要望等を聞いてみたわけであります。やはり何といっても一番要望の強かったのは、これは東京都、兵庫県、横浜市、名古屋市、皆そうですが、金利負担の問題で、せめて現状は据え置いてもらいたいというのが圧倒的に強かったわけですね。といいますのも、先ほど市街地再開発問題の事業費の点を少し指摘しましたが、大体があれでしょう、先ほど、自治体側から見れば一般の地方債と同じだというふうなことも言われたんですが、これもまた私ちょっと認識が浅いと思うのですよ。というのも、この資金の対象となっている土地はいますぐ何か事業化するという土地ではないわけですね。やはり一定の期間を置いて何年か先に事業化されるという目的のもとにしばらくは手持ちしておくわけです。ですから、そういう点では通常の一般の地方債と同列に論ずることは間違いだ。もしそうなってくると、だんだん遠のいてくると思いますね。それと、先ほど大蔵省の言い分は、土地の利用が高度化されたら評価額が上がるというふうなことを言っていますね。これは、営利事業なら評価額が上がることも利益の一種になるかもしれませんが、主としてつくられるものは公共用の事業なんですよね。だからそういうものの土地の評価が上がるなどと言うこと自身が、私は公共の施設に対する認識不足もはなはだしいと思うのです。そういう諸点から考えて、これは特に大臣にお願いしたいわけですが、こういうたっての地方自治体の強い要望、それから資金貸し付けが行われる対象の特殊な性格から見て、今後ぜひ金利の低水準安定に努力をされたいと思うのですが、いかがでしょう、大臣。
○渡辺国務大臣 先ほども私はこの問題の答えをしたわけでございますが、いま御承知のように公定歩合がどんどん引き上げられるというような環境の中でございますから、一応そういうようなお考えが生まれてくることも当然だと思いますが、私は先ほど申しましたように、地方公共団体がいろいろな計画を立てていくというような意味におきましても、また、これらに関しまする事業が円滑に行われるためにも、金利が安くて安定しておる方が好ましいということは申すまでもないことだと思います。ただ、このような情勢の中で、今回新しく対象を加えまして、なお、将来とも事業を相当拡充し実施をしていくというような総合的な観点から、私どもも一応政令で決めるということに踏み切ったわけでございますけれども、私どもはそれらの御発言のございました趣旨を十分踏まえて、適切な運営を図っていくように今後とも努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
○瀬崎委員 それから二つ目には貸付金の条件緩和なんですが、その一つとして都市施設の場合ですと、三年以内に目的外使用いたしますと繰り上げ償還を求められるわけですね。そうなりますと、一気に地方自治体財政が破綻する。たとえば神奈川県の秦野市が何か下水道処理場用地ということで、しかも最初は市の単独事業ということでこの資金を借りたが、後に公共下水道の補助対象になった。補助対象になったのはいいんだけれども、そのことをもって、今度は都市開発資金の方は、据え置き期間内目的外使用となったために繰り上げ償還を求められることになっている。こういう点については何らかの経過措置等の弾力運営はできないかというふうな話なんです。一挙に抜本的な改善は無理としても、一挙に繰り上げ償還ということから起こってくる無理を何らか緩和するという措置は必要じゃないかと思いますね。いかがでしょう。
○升本政府委員 目的外使用につきましては繰り上げ償還という手だてを講ずるのもやむを得ないことかと考えておりますが、ただいまのおただしのようなケースでございますと、私は具体の例を実は知悉しておりませんので恐縮でございますけれども、考えられますことは、下水道用地としてこの貸付金を利用して買っておきました土地が現実に下水道事業の用に供される時点になりますれば、その時点で下水道事業費の補助金を含めた下水道事業費が成立するわけでございますから、その事業費をもってその用地が買い取られる。そうすれば当然にこの貸付資金の方は繰り上げ償還というかっこうになろうかと思いますので、その辺のあるいは混用が考えられないかという感じがいたしますけれども、なお精査をいたします。
○瀬崎委員 それは下水道事業の事業費の一〇〇%が一挙に調達できるのなら問題ないと思いますが、一部はやっぱり自己財源も必要になってくる場合とか、あるいは土地の資金がおくれるような場合等々が出てくるわけですね。そういうつなぎの操作はやっぱり必要だろうと思うのです。 同じような性質の問題が、今度は川崎市でもあると思うのですね。ここでは工場跡地四社分約百四十億円ほど、この資金を利用して買い取っているようです。これは防災地域として公園とかオープンスペースの確保、無公害産業の誘致という目的を掲げておったそうでありますが、この取得用地に陸運事務所を建てさせてくれないか、こういうような問題も起こってきたわけですね。この場合、言うならば同じ政府部内で、政府の一機関である運輸省のお役に立とうというのに、そうすると今度は土地開発資金の方の繰り上げ償還を求められる。これはいかにも殺生な話なので、当然政府間で話をして、資金の負担がそのことによって川崎市に来ることのないような処置ぐらいあってしかるべきじゃないか。一般論として、こういうケースは間々あると思います。何せ遠い将来のことを考えて買っておる土地ですから、こういうときに衝撃緩和措置はちゃんとしておくべきだろうと私は思うのですね。
○升本政府委員 ただいま先生御指摘の具体の案件は、川崎市の塩浜という地区におきます特殊製鋼の工場跡地の買い取りに関するものかと存じます。この土地につきましては、十二万五千六百平米という工場跡地を五十二年から五十四年にかけまして三カ年で分割で市が買い取りまして、それをこの貸付資金から貸し付けをいたしておる対象物件でございます。それで、この土地の買い取りに当たりまして、事前に提出をしてこられた跡地の利用計画におきましては、この既成市街地内の中小の工場、まあ外へ出ていけない工場という意味だと思いますけれども、中小工場の集約化のための用地として利用するという利用目的でこの計画が進められたというふうに聞いておりますが、その計画の一部変更が行われて、その変更の中で、ただいま御指摘の庁舎が一部その用地に当てられるということになったわけでございます。この場合は、当然計画の変更の手続をとっておりますし、また、その用地の利用も庁舎敷地でございますから、制度の趣旨に反するものではないということで、この件につきまして繰り上げ償還という措置はとられたようには私どもは考えておりません。
○瀬崎委員 一般論として、いわゆる計画変更があったときには、計画変更の手続をきちっととりさえすれば目的外使用として繰り上げ償還を求められることはない、こう理解しておいていいわけですか。
○升本政府委員 制度の趣旨に合った利用方法でございますれば、その手続をおとりいただけば結構かと存じます。
○瀬崎委員 それから、先ほども公園にいろいろよく利用されているという話をいたしましたが、それでもなお現在、基準は緩和されたとはいいながら、公園は十ヘクタールになっていますね。最近ではなかなか、こういう対象都市で十ヘクタールまとまった公園用地を探すのは困難になってきているわけなんです。せめて四ヘクタールくらいまで条件の緩和はできないものかという希望が、これも大阪府を初め幾つかの自治体から出ました。道路、街路について十八メートル以上、それから主要道路二十二メートル以上、これでも幅が広過ぎてなかなかこれに適した土地というのは見つかるものではない。この点もぜひ、面積要件あるいは道幅要件緩和は切実な問題であろうと思うし、これは建設省の考え方一つでできることですから、一挙に大きな緩和はできないまでも、過去の歴史的経緯もあるわけですから、この際、地方自治体の意見なり実情をよく調べて若干の緩和をされるのが適切ではないかと思うのです。いかがでしょう。
○升本政府委員 貸付対象の物件の基準でございますけれども、御指摘のように、現在は自動車専用道路につきましては幅員十八メーター以上、その他の道路につきましては二十二メーター以上、下水道の終末処理場につきましては計画処理人口十万以上のもの、公園、緑地につきましては十ヘクタールということになっておりますが、これは四十一年発足時点から比較していただきますと相当の前進を見たものと思っております。今後も必要に応じて状況を見ながらさらに対象範囲が広がる方向で努力をいたしてまいりたいと考えております。
○瀬崎委員 同じく相当詳細に借入手続が定められておるのですが、これの簡素化を望む声も強いですね。というのも、先買い先買いと言われるけれども、もともと計画的に予定地があるわけではなくて、売りたいという相手がぽっと生まれてきたときに飛びつくという性格になるので、売る方にしてみれば、最初はなかなか売り渋っているけれども、いざ売ると心を決めてしまえば今度は早く金が欲しい。こういう点ではなかなか現在の複雑な手続では間に合いかねる、相手方の要望に応じ切れない部分もある。こういう点の改善も一つの必要な改善の要素ではないかと思うのですが、検討いただきたいと思うのですね。
○升本政府委員 御指摘のとおりだと思いますので、業務の効率的な、合理的な使用の目的を達成し得るように、必要な改善措置を検討してまいりたいと思います。
○瀬崎委員 工場跡地の場合は一ヘクタールという制限があるわけですね。これも同じような理由から一ヘクタール以下のものでも対象にならないか。たとえば、自治体側にしてみますと、この資金の対象になり得る土地は一ヘクタール未満なんだけれども、隣接には他の方法で取得できる土地があるという場合には、合わせてそこそこ目的に合った利用も可能になるわけですね。だから、そういう条件がある場合、一ヘクタール未満でもこの資金の適用ができるような道も開いてほしいという要望があるのです。いかがでしょう。
○升本政府委員 対象となる土地の範囲につきましては、御指摘のように一ヘクタール以上ということでございますけれども、個々の土地の買い取りに当たりましては一ヘクタールという広がりがなくても、その中の一部分であっても買い取り対象になり得るということでございます。
○瀬崎委員 それから、これもなかなかむずかしい要望かもしれませんけれども、更地というのは非常に少なくて、いろいろ物件がついて回る。その物件を移転しなければならない場合、移転補償費的なものも貸付対象にならないかという意見も出ていますね。こういう点も、しかし有効な資金の利用という面から見れば、たとえばその部分については貸付期間を短縮するとかなんとかの方法で、円滑な運用のために考えてしかるべきではないかなと私は思うのですが、いかがでしょう。
○升本政府委員 先ほど先生からもお話がございましたように、この制度は公共団体、公共の側からこの土地が欲しいということで強制的に取得したいという申し出をするものではございませんで、土地所有者の方から売りたいという需要がございましたときに、それに応じ得る体制をつくっておくという制度でございますので、いわば任意の売買を基礎とした制度でございます。したがいまして、公共事業の場合の用地の強制的な取得とは状況が若干異なるであろうかと考えております。
○瀬崎委員 それから、いわゆる全然この資金の貸付対象範囲外にある自治体として、私の出身県である滋賀県にも聞いてみました。借りたくても全然いまは借りられないが、しかし、現に街路とか公園とかいう都市施設は県都の大津市などではどんどんやっているわけですね。その場合に、区画整理事業とか土地開発基金というものを利用してやっているわけです。そういう点から言えば、現在の対象地域の指定要件そのものは当然緩和されてしかるべきだ。全然適用のない都道府県があるというのは法の公平から見てもおかしいのではないかということまで言われているのですね。どこの府県でも、せめて県都ぐらいは対象としてあってもいいのではないか、こういう意見もあります。今回直ちにこの改善は無理としても、近い将来そういう範囲にも拡大されることを望みたいと思うのです。 そのことを含めまして、先ほど来幾つかの現実的な地方自治体の改善要望を挙げて、それなりに局長の方から検討したい旨の答弁は出ておりますが、しかし、この中には早くやれるものも相当あると思います。ひとつ今回の法改正を機会に政令の方も、それから貸付要領の方も現実に即して改められるように、大臣の方からも御答弁をいただいて終わりたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 ただいまそれぞれの御提言に対しまして局長が御答弁をいたしてまいったわけでございますが、いま再開発が非常に必要であるということは申すまでもありませんし、また、それがいろいろな問題によりまして十分な成果を上げていないこともお話のとおりでございますが、そういう意味で今回中央審議会の御答申に基づきまして新しく法案も提出をし、またお願いをすることにしておりまするけれども、そういうふうな意味もあり、今回改めてまた都市開発資金の法改正までお願いをするというゆえんのものは、これらを通じまして従来解決できなかった問題が円滑に解決できるようにということを私どもは念願いたしておるわけでございますから、そういう意味で、ただいま局長が申し上げましたような問題点につきましては今後極力検討いたしまして、前進のできまするように配慮いたしてまいりたい、かように考えております。
○瀬崎委員 終わります。
○北側委員長 和田一仁君。
○和田(一仁)委員 いままで各委員のいろいろな御質問、そして答弁を伺っておりましたので、私の伺いたいと思うことがだんだんと明らかになってまいりました。したがって、最後の質問でもございますし、重複を避けて、答弁の中で若干確認しておきたい点が二、三ございますので、そうしたことを確認さしていただいて私は終わりたいと思います。 この新しい予算書の数字、五十五年度の二百四十億、この数字について、御答弁の中では、これは次年度の要望を聞いて積み上げてきたものだ、したがって、これは枠というものがあってとらわれているのではないんだ、各自治体それぞれの計画を聞いた上でこれを積み上げてきたものだ、こういうふうに御答弁があったと思うのですが、やはりそのとおりでしょうか。
○升本政府委員 さようでございます。
○和田(一仁)委員 そうしますと、今度は貸し付けの申請が出た場合には、これは自動的に出ていくものなんですか、そこで何らかの査定とかチェックとか、事前に聞いておる計画をもう一回改めてチェックしているとか査定するとか、そういうあれはないのでしょうか。
○升本政府委員 御承知のとおり、国の予算編成に当たりましては、たとえば五十五年度の予算案の要求をいたします時点は、五十四年の夏時点でございます。したがいまして、その時点で取りまとめた要望に従って要求額を提出さしていただいておりますので、その時点以降の状況の変化によって、五十五年度開始時点の状況においては、あるいは当初の見込みどおりには仕事が進まないという場合も多うございます。それからまた、その貸し付けの時点におきまして、個々の件数ごとに、案件ごとに整備計画、取得後の土地の利用計画をつけて要求をしていただいておるわけでございます。その整備計画の内容が当初予定したものと違ってまいる場合もございます。そのような場合に、目的に合わないという結果が出ますれば、残念ながらこれは対象外にせざるを得ないというような措置はいたしております。
○和田(一仁)委員 そうだろうと思ったのですが、結果を見ますと、大体、要望額と貸付額がイコールに近い、こういうことなんで、その辺がきちっとできているかどうかをお尋ねしたわけです。 さらに、これは都市開発のためにこうした制度があるのですが、先ほど来、御質問がいっぱいありました中にも、そういう意味で要望を聞いた時点から後に急に必要が出てくるとか、むしろ積極的にこの制度を活用する意味では、これは政策的にもっと使わなければいかぬだろう、こういう大臣の御答弁もあったわけでございますけれども、そういうふうに使うために、これは次年度の要望を聞いて積み上げてきた枠だけで一体うまく運用できるかどうか、その辺はどうなんでしょうか。私、むしろ大臣のその御答弁のようならばもっとあらかじめ大きくしておいて、そして運用上の活用をもっとやっていくべきではないかという感じがするのですが、いかがでしょうか。
○升本政府委員 私たちの気持ちといたしましても、できるだけ多量に利用されることが望ましいと考えておるわけでございますが、現実には地方公共団体からの要請が、これは年によって変動はございますけれども、こちらの予定した額にちょうど満つるかどうか、場合によっては満たないような結果が出た年もございますし、やはり問題は、この資金が活用できるような状況が成熟することが大切かというふうに考えております。
○和田(一仁)委員 そうなりますと、適用区域が広がるということを前提にしてこの積み上げを今度なさったわけでございますけども、適用区域が広がった中で本当にそういったものの需要が出てまいりましたか、そういう要望が現実に積み上がってきておるかどうか、いかがでしょう。
○升本政府委員 今回御審議をお願いいたしております都市機能更新用地、つまり再開発事業を目途とした種地の取得という用地につきましては、これは二つの地方公共団体から具体の要望が出てまいりまして、それに見合う数字として二十億円を確保させていただいているわけでございますが、その他の都市施設用地、工場跡地等についてもほぼ同様な経過で具体の要求額を積み上げて、ごらんのような貸付予定額に積み上がっておるわけでございます。
○和田(一仁)委員 いろいろな御質問の中で大体見当がついてまいりましたけれども、この制度ができてから今日までたしか三百九十八件というふうに私、さっき伺ったような気がいたしますが、これだけのいままでの実績の上でいま現に工場跡地等については対象地域が減ってきているのじゃないかと思うのです。見ますと、数字の上で前年度百四十億が今度は六十億ということは、対象地域の中で工場跡地に対してはそういうもの自体がなくなってきつつある、こういう感じがするのですが、数字が減っているのはそういう意味なんでしょうか。
○升本政府委員 おただしの工場跡地につきまして経年変化を申し上げますと、五十四年度は確かに御指摘のように百四十億、五十三年度は百億、その前は五十二年度は八十八億、その前が八十億ということで、お聞き取りのように徐々に大きくはなってまいったわけでございますけれども、たまたま五十五年度の要求額が縮んだ、こういうことでございます。御指摘のように、現下の経済情勢も反映しているかとも思います。
○和田(一仁)委員 わかりました。いままでこの件数の中で一番大きく貸し付けられたというケースを一つだけ、必ずしも最高のものでなくともいいのですけれども、それがその後、いつごろで、いまどのくらいの時期に来ているかなどというのをちょっと教えていただけませんですか。
○升本政府委員 金額が大きいところを拾ってまいりますと、東京都の日立製作所亀戸工場九十六億五千万円、それから同じく東京都の工場、製造業でございますが、六十億、先ほど申し上げました川崎市の特殊製鋼が五十八億、東京の鐘淵紡績五十六億という大きな金額もございます。それから、都市施設用地の方でも大体最大で六十八億ぐらい、五十億、四十六億、四十一億というような金額のものがございます。
○和田(一仁)委員 ありがとうございました。 私、そういう意味で、都市再開発のためにそうした制度がございますので、先ほどの大臣の答弁のように、これをひとつ積極的に政策的に活用していただきたいことを御要望して、終わらしていただきます。
○北側委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○北側委員長 幹線道路の沿道の整備に関する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。渡辺建設大臣。
○渡辺国務大臣 ただいま議題となりました幹線道路の沿道の整備に関する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。 近年における自動車交通量の増大、車両の大型化の進展等に伴い、特に都市部の幹線道路について、道路交通騒音対策が重要な課題となっております。 従来から、道路交通騒音により生ずる障害を防止するため、バイパスの整備を進める一方で、遮音壁、緩衝帯の整備等の措置を逐次講じてきたところでありますが、このような道路構造の改善等の措置のみでは、必ずしも有効かつ適切な対策とはなりがたい場合が多いという状況にあります。このため、幹線道路と沿道の土地利用との調和を積極的に図ることを基調とした施策の確立が要請されております。 このような要請にこたえ、道路交通騒音により生ずる障害の防止と沿道の適正かつ合理的な土地利用の促進を図るため、道路交通騒音の著しい幹線道路について、道路構造の改善等の措置を講ずるとともに、その沿道について新たな都市計画として沿道整備計画の制度を創設し、あわせて沿道整備計画の区域内の整備を促進するための措置を講ずる必要があります。 以上が、この法律案を提案する理由でありますが、次にこの法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、都道府県知事は、建設大臣の承認を受けて、道路交通騒音の著しい幹線道路で一定の条件に該当するものを沿道整備道路として指定することができることといたしております。 第二に、沿道整備道路及びその沿道の整備に関し、必要となるべき措置について協議を行うため、都道府県知事、都道府県公安委員会、関係市町村及び道路管理者は、沿道整備協議会を組織することができることといたしております。 第三に、沿道整備計画の制度を創設することといたしております。これは、沿道整備道路の沿道で一体的かつ総合的に整備することが適切であると認められる土地の区域について、市町村が都市計画に沿道整備計画を定めることができることとし、建築行為等についての届け出、これらに対する勧告等により幹線道路の沿道の整備を図ることとしたものであります。 第四に、沿道整備計画の区域内の整備を促進するため、国は、市町村が行う土地の買い取りに要する費用の一部を無利子で貸し付けることができることとするほか、道路管理者は、緩衝建築物を建築した者に対し、これに要する費用の一部を負担するとともに、一定の居住の用に供する建築物の防音構造化を促進するため助成その他必要な措置を講ずるものとすることといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきまするようお願い申し上げます。
○北側委員長 以上で趣旨の説明聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。 次回は、来る十九日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十四分散会 ————◇—————