決算委員会 第12号
- 発言数
- 326 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/04/02
会議録
○高田委員長 これより会議を開きます。 昭和五十二年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、厚生省所管、医療金融公庫及び環境衛生金融公庫について審査を行います。 この際、お諮りいたします。 本件審査のため、本日、参考人として年金福祉事業団理事出原孝夫君、全日本美容業環境衛生同業組合連合会専務理事泉忠利君、以上の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○高田委員長 それでは、まず、厚生大臣から概要の説明を求めます。野呂厚生大臣。
○野呂国務大臣 昭和五十二年度厚生省所管一般会計及び特別会計の決算につきまして御説明申し上げます。 まず、一般会計の歳出決算額につきましては、歳出予算現額五兆七千二百九十一億四千五百三十七万円余に対して、支出済み歳出額五兆六千五百二十五億六千六百九十八万円余、翌年度繰越額三百三十二億五千四百五十五万円余、不用額四百三十三億二千三百八十二万円余で決算を結了いたしました。 以上が一般会計歳出決算の大要であります。 次に、特別会計の大要について申し上げます。 第一に、厚生保険特別会計につきましては、健康、口雇健康、年金、児童手当及び業務の五勘定を合わせ、一般会計から七千八百八億四千六百五十五万円余を繰り入れました。 その決算額は、収納済み歳入額八兆八十億三千四百八十七万円余、支出済み歳出額四兆九千百七十四億一千八百九万円余、翌年度繰越額四十三億二千十五万円余でありまして、差し引き三兆八百六十二億九千六百六十三万円余については、この会計の積立金として積み立てたほか、翌年度の歳入に繰り入れることといたしまして、決算を結了いたしました。 第二に、国民年金特別会計につきましては、国民年金、福祉年金及び業務の三勘定を合わせ、一般会計から一兆九百八十五億二千三十七万円余を繰り入れました。 その決算額は、収納済み歳入額二兆五千六百二十二億一千八百三十九万円余、支出済み歳出額二兆三千七百七十九億六千八百九十七万円余、翌年度繰越額一千三百七十九億四千七百四万円余でありまして、差し引き四百六十三億二百三十六万円余については、この会計の積立金として積み立てたほか、翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 第三に、船員保険特別会計につきましては、一般会計から百六十七億二千八百六十万円余を繰り入れました。 その決算額は、収納済み歳入額一千七百七十二億五百一万円余、支出済み歳出額一千三百八十三億三千八百五十一万円余でありまして、差し引き三百八十八億六千六百五十万円余については、この会計の積立金として積み立てたほか、翌年度の歳入に繰り入れることといたしまして、決算を結了いたしました。 第四に、国立病院特別会計につきましては、帰院及び療養所の二勘定を合わせて、一般会計から七百二十四億一千四百十三万円余を繰り入れました。 その決算額は、収納済み歳入額三千九百十億九千八百五十一万円余、支出済み歳出額三千八百十一億九千百四十八万円余、翌年度繰越額十三億一千四百六十五万円余でありまして、差し引き八十五億九千二百三十七万円余については、この会計の積立金として積み立てることとして、決算を結了いたしました。 第五に、あへん特別会計につきましては、収納済み歳入額十一億一千五百二十万円余、支出済み歳出額八億八千九百四十三万円余でありまして、差し引き二億二千五百七十六万円余については、この会計の翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 以上が厚生省所管に属する昭和五十二年度一般会計及び特別会計の歳入歳出決算の大要であります。 最後に、昭和五十二年度の決算検査報告において掲記されております事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりでありまして、まことに遺憾にたえないところであります。 指摘を受けました件につきましては、直ちに是正措置を講じましたが、今後なお一層厳正な態度をもって事務の執行の適正を期する所存でございます。 以上をもちまして、厚生省所管に属する一般会計及び特別会計の決算の説明を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○高田委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。岡峯会計検査院第四局長。
○岡峯会計検査院説明員 昭和五十二年度厚生省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項六件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。 まず、不当事項について説明いたします。 検査報告番号一三号及び一四号の二件は、健康保険及び厚生年金保険並びに船員保険の保険料の徴収に関するもので、いずれも保険料算定の基礎となる報酬月額の把握が的確に行われなかったことなどのため、保険料の徴収が不足しているものであります。 検査報告番号一五号から一七号までの三件は、公共事業関係補助事業の実施及び経理が不当と認められるものであります。 これらは、廃棄物処理施設及び簡易水道等の環境衛生施設の事業を施行するに当たりまして、監督及び検査が適切でなかったため、コンクリートブロック擁壁が設計どおり施工されず不安定となっていたり、設計上施工することになっている斜面の整形が全く施工されていなかったりなどしているのに、設計どおり施工されたこととしていたものでございます。 検査報告番号一八号は、看護婦等貸費生貸与補助金の経理が不当と認められるものであります。 この補助金は、都道府県が看護婦等を養成する施設に在学する者に修学資金の貸与を行った場合に都道府県に対して補助するものでありまして、その交付額は、当該年度の修学資金の貸与額から前年度における修学資金の返還金額を控除して算定することとなっておりますが、都県がこの補助対象事業費を精算するに当たり、貸与者から返還された修学資金の把握が十分でなく、実際に返還された額より少ない額によって計算していたため、精算が過大となっているものであります。 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について説明いたします。 これは、外国製医療機器の購入契約に関するものであります。 国立病院等が昭和五十二年度中に随意契約により購入契約を締結した外国製医療機器十八件について検査しましたところ、予定価格の算定方法及び契約方式が適切でないと認められる点がありました。 すなわち、これら外国製医療機器の予定価格の決定に際しましては、海外メーカーの本邦内販売代理店の販売定価と他の国立病院等に納入された同種機器の販売価額等を参考にして決定し、契約しておりまして、代金の支払いにつきましては、外国為替相場の変動に対処することなく当初の契約額をそのまま支払うことなどしていたものであります。 しかし、本件のような輸入機器は、通常、契約から納入まで相当長期間を要し、外国為替相場の変動下における契約であることから、予定価格の決定に際しましては、代理店から海外メーカーのプロフォーマインボイス、すなわち試算用送り状等の書類の提出を求めるなどして輸入原価を把握の上決定するとともに、購入代金の支払いについても、代理店からコマーシャルインボイス、すなわち商業送り状等の証明書類の提出を求めるなどして外国為替相場の変動に的確に対処する必要があり、以上の措置を五十二年度に購入した十八件についてとることとすれば購入価額を相当程度節減することができたものと認められましたので、当局の見解をただしましたところ、厚生省では、五十三年十月に新たに外国製医療機器購入契約基準を定めて国立病院等に通知を発し、適正な事務処理を確保する処置を講じたというものであります。 以上、簡単でございますが説明を終わります。
○高田委員長 次に、小野会計検査院第五局長。
○小野会計検査院説明員 昭和五十二年度医療金融公庫及び環境衛生金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○高田委員長 次に、医療金融公庫及び環境衛生金融公庫当局から、資金計画、事業計画について説明を求めます。北川医療金融公庫総裁。
○北川説明員 医療金融公庫の昭和五十二年度の業務の概況について御説明申し上げます。 昭和五十二年度の貸付計画額は、貸付契約額八百五十億円、貸付資金交付額八百二十七億円を予定し、その原資としては、資金運用部資金の借入金七百五十二億円、貸付回収金のうち七十五億円、計八百二十七億円を充てることといたしました。 この計画額に対する実績は、貸付契約額八百五十億円、貸付資金交付額八百二十七億円でありまして、これを前年度と比較いたしますと、貸付契約額で一四・九%、貸付資金交付額で一七・八%の増となりました。 貸付契約額の内訳は、設備資金八百四十七億一千万円余、長期運転資金二億八千万円余であります。 また、貸付残高につきましては、前年度末三千六百六十三億六千万円余でありましたが、昭和五十二年度中に八百五十億円の貸し付けを行い、三百六十八億八千万円余を回収いたしましたので、当期末においては四千百四十四億八千万円余となっております。 なお、貸付金の延滞状況につきましては、昭和五十二年度末におきまして、弁済期限を六カ月以上経過した元金延滞額は一億六千万円余でありまして、このうち一年以上延滞のものは一億五千万円余となっております。 次に、昭和五十二年度の収入支出決算について申し上げますと、収入の部におきましては、収入済み額二百八十七億五千万円余でありまして、これを収入予算額二百九十二億八千万円余に比較いたしますと、五億三千万円余の減少となりました。 この減少いたしました主な理由は、貸付金利息収入が予定より少なかったためであります。 支出の部におきましては、支出予算現額二百九十五億八千万円余に対し、支出済み額は、二百八十八億六千万円余でありまして、差し引き七億二千万円余の差額を生じましたが、これは借入金利息等が予定より減少したためであります。 また、昭和五十二年度の損益計算につきましては、貸付金利息収入等の総利益は、三百二十九倍五千万円余、借入金利息、業務委託費等の総損失は、三百二十九億五千万円余となりました。この結果、利益金は生じなかったので、国庫納付はいたしませんでした。 以上で昭和五十二年度の業務の概況につきましての説明を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○高田委員長 次に、加藤環境衛生金融公庫理事長。
○加藤説明員 環境衛生金融公庫の昭和五十二年度の概況につきまして御説明申し上げます。 昭和五十二年度の貸付計画額は、二千百七十億円を予定いたしました。 その原資としては、資金運用部資金の借入金一千九百二十億円、貸付回収金等二百五十億円、計二千百七十億円を充てることといたしました。 これに対しまして、貸付実績は二千百六十九億円余でありまして、これを前年度と比較いたしますと、二〇%の増となっております。 次に、貸付残高について御説明申し上げます。 昭和五十一年度末における貸付残高は、四千三百二十八億七千万円余でありましたが、昭和五十二年度中に二千百六十九億二千万円余の貸付を行い、一千三百二十一億三千万円余を回収いたしましたので、昭和五十二年度末においては五千百七十六億二千万円余となっております。 次に、貸付金の延滞状況について御説明申し上げます。 昭和五十二年度末におきまして延滞後六カ月以上経過したものが六十三億一千万円余でありまして、このうち一年以上のものは四十二億円余で、総貸付金残高の〇・八%となっております。 次に昭和五十二年度の収入支出決算について御説明いたします。 昭和五十二年度における収入済み額は四百三十三億四千万円余、支出済み額は四百三十四億一千万円余となりました。 まず、収入の部におきましては、本年度の収入済み額は四百三十三億四千万円余でありまして、これを収入予算額四百四十億七千万円余に比較いたしますと、七億二千万円余の減少となっております。 この減少いたしました主な理由は、貸付金利息収入が予定より少なかったためであります。 次に、支出の部におきましては、本年度の支出予算現額四百五十四億二千万円余に対し、支出済み額は四百三十四億一千万円余でありまして、差し引き二十億一千万円余の差額を生じましたが、これは借入金利息等が予定より減少したためであります。 最後に、昭和五十二年度における損益について申し述べますと、本年度の貸付金利息収入等の総利益は五百二十三億二千万円余、借入金利息、事務費、業務委託費、滞貸償却引当金繰り入れ等の総損失は五百二十三億二千万円余となりました。 この結果、利益金は生じなかったので、国庫納付はありませんでした。 以上が昭和五十二年度における環境衛生金融公庫の業務の概況であります。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○高田委員長 これにて説明の聴取を終わります。
○高田委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。
○井上(一)委員 決算審議に当たって、私は何点かの問題を提起して厚生省の見解を承り、かつ、対応策をお聞かせいただきたいと思います。 まず最初に、すでに昨年の予算委員会でも私から強く指摘をした点でありますけれども、救急医療の問題についてであります。 救急医療がいわば医療の原点であるということについては論をまたないわけでありますけれども、現況の救急医療に対する行政的な対応、対策、それに対する厚生省の財政的な裏づけ、対応、この実態をどのようにとらえていらっしゃいますか。
○田中(明)政府委員 お答え申し上げます。 救急医療につきましては、御案内のように、救急医療体制の整備計画を立てまして、第一次の救急医療機関、第二次の救急医療機関、第三次すなわち救命救急センターの整備、さらにこれら一次、二次、三次の救急医療機関間の需要に対する応接の実情を的確に把握して、救急医療が円滑に行われるための救急医療情報センターの整備、こういうような点につきまして、国といたしましてそれぞれ補助を行いまして、各都道府県の計画をもとにいたしましてその整備を図っているところでございます。
○井上(一)委員 私が指摘をしたいのは、補助要綱ではすでに市町村負担は三分の一であるというふうになっているわけなんです。ところが実際はそうじゃない。現実の問題としては八〇%に近い、あるいはそれ以上の自治体負担が現状であるということです、もう具体的な数字は挙げませんけれども。そういう意味で厚生省の実態把握あるいは実態に即した助成等については非常におくれているのではないか、こういうことなんです。 もう一点、具体的なことに入りますけれども、その事実という形の中で、たとえば自治体が設置をせずに財団法人等、これは地域医師会あるいは市民有識者、薬剤師会その他いろいろな形での財団法人システムで組織されたそういう救急医療機関については十分な財源助成をしておらないというのが実態である。たとえばこれは救急医療懇談会が五十一年七月に「地域医療としての救急医療」のとらえ方として、いわゆる医療関係者あるいは関係行政機関が創意と工夫をこらして救急医療システムづくりに努力をしてきた、その結果はその地域の実情に即したいろいろなパターンが形成されてきた、このような創意工夫によるその形態を厚生省、いわゆる国は「積極的に奨励していく必要がある。」こういうふうに指摘をしているわけです。にもかかわらず、財政的な措置が非常に貧弱である。救急医療のそういう施設の中にも一種の超過負担が押しつけられておるということです。もっと思い切った財政措置を講じていくべきだ。いまも申し上げたように財団法人等で運営する診療所について、たとえばこれは基準財政需要額で積算の対象になっていないわけなんです。これは当然その対象に入れるべきではないかというのが私の見解であります。国の見解をここで問うておきたいと思います。
○田中(明)政府委員 先生ただいま御指摘の点は主として休日夜間救急センターに関することかと存じますが、私どもといたしましては、休日夜間の救急センターにつきましては基本的には市町村が設置するものを対象として補助を行うということにいたしておりますけれども、地域の実情に上りましてはこれがむずかしいというような場合もございますので、市町村からの委託を受けて地域の医師会等が運営する休日夜間救急センターについても補助対象といたしておるところでございます。現在までの実績によってみますと、市町村立の約半分くらいの休日夜間急患センターが医師会等の設立するところとなっております。
○井上(一)委員 私の質問に対して、限られた時間だから、何を尋ねて何を聞きたいかということを理解ができなければ私は再度申し上げるわけ下す。私は、そういう休日夜間センターに対する既成措置が非常に貧弱である、同時に実情は大きな超過負担を押しつけているということを申し上津たわけです。いまの財団法人設立についてもそうなんだ。これは当然入れるべきじゃないか。厚生省の見解はどうなのか。現状でいいのか。入れるべきである。なぜ入れるべきかと言ったら、何も好きこのんでそういう形をとっているのではなくて、それは地域の創意工夫から生まれてきた一つの形態である。人の命を尊重していくという姿勢は何ら変わりない。さらにその点をもう一度確認をしておきたいと思います。非常に小さいことだと言われてしまえばそれまでだという受けとめでがあるのですが、私はそうじゃないと思うのです。 もう一つ、たとえば休日の場合、人口十万人の中での運営費はお医者さんに対しての三万五千円に対する三分の二あるいは五万から十万までのところでは二万九千六百円に対する三分の二だったと思うのです。これは運営費の一つですけれども、そういうことは、五万の人口と十万の人口で差をつけるというのも本当はおかしいのですね。国は、ただ診察をする患者対象が少ないんだというとらえ方だと思うのです。これは少ないにこしたことはない。十万であろうが二十万であろうが、その施設を必要とする患者が少ないほどより望ましいのですよ。そういうことからこれは基準財政需要額に当然入れていくべきだということなんです。十分な財政手当てが施されていないという指摘なんです。どうなんですか。
○田中(明)政府委員 先ほど申し上げましたように、医師会立等の休日夜間救急センターにつきましても、市町村が委託した場合には国はそれについて補助を行っておるわけでございますので、そういう形で私どもは、間接的ではございますけれども、市町村自体が経営するもの以外につきましても、市町村が適当と認めたものについては補助を行うということにいたしております。 それから次に補助の額でございますが、これは先生御指摘のとおり、休日につきましては医者を全体にならしまして五人ということで、運営費の補助金額が二百五十万円足らず、夜間につきましては、これはやはり平均七人ということで補助金額が二千万円強というようなことでございますし、また施設の整備費につきましては、百五十平米で一平米の単価が八万七千九百円、また設備の整備費につきましては四百万円というような額を計上して補助しているところでございますが、これにつきましては実情をさらによく調査いたしまして改善を図ってまいりたいというふうに存じております。
○井上(一)委員 それじゃ市町村がそれに準ずるのだという認識で国に対する申し入れをすれば、財団法人形態でも補助の対象にするということですね。いま私が指摘をした基準財政需要額の対象にすべきだ、こういう私の考え方に同意するということですね。一言だけ……。
○田中(明)政府委員 市町村が自分のところで行うのは困難であり、それにかわる適当な施設があるという考え方に立って、県を通して国に対して補助を申請した場合には、われわれとしては考慮いたします。
○井上(一)委員 さらにもう一点、いま財政的な面で指摘をしたわけですけれども、今度は法制的な面で、現在整備されているのは救急医療の法制度の中では消防法しかないわけなんですね。私はこれだけでは十分でない、むしろそのことがいわゆる救急医療体制のスムーズな運営をときには阻んでいるのではないだろうか、こういうふうに思うのです。消防法以外に救急医療等を定めた省令というものがあるのかどうか、その点を聞いておきたいと思います。
○田中(明)政府委員 御指摘のとおり、現在救急医療制度につきましては、消防法の搬送の規定があるのみでございまして、そのほかには法制的なものはございません。
○井上(一)委員 そういう意味では、今後救急医療法という、そのような名前がいいのかどうかは別として、法体系の整備を行って、より具体化していくべき時期にもう入っていると私は思うわけです。そのことについてはどういう見解を持っていらっしゃいますか。
○野呂国務大臣 現在のところ、救急医療対策につきまして、法的な制度の裏づけがないわけでございまして、むしろ根拠的な法令を制定することによって、救急医療対策をより進めるべきではないかという御意見でございますが、昭和五十一年の救急医療懇談会の意見書におきましても、示されておりますように、救急医療は医療全体にかかわる広くかつ深い問題でございまして、救急医療のみを別個に法制化の対象にすることが果たして適切かどうか、これは今後慎重に検討する必要があるのではないかというふうに考えるわけでございます。現行、むしろ国や地方公共団体が救急医療を重点的施策としてこれに取り組んで、そして自主的な救急医療の効果を上げていくということが先決であると考えるのでございます。いまのところ法的な準備を考えておりませんが、自主的なそういう効果をよりどう持たしていくかということについて努力をいたしたい、かように考えます。
○井上(一)委員 さらに、一次救急、二次救急の完備したそういう地域には当然三次の救命救急センター、いわゆる国の施策がそこに確立されなければいけない。これは事あるごとに私は指摘をしてきたわけです。 そういうことについての見解、さらに大阪府下における救命救急センター、とりわけ私は、一次、二次の医療機関が十分整備されておる、そういう地域、たとえば大阪府北部の三島地区、これはもう昨年の予算委員会でも指摘をしてきたとおりなんです。一定のお答えもいただいているわけなんです。当時の厚生大臣は「実態を調べて検討してみたい」という答弁があるわけですが、どういうふうに認識をされ、どのような実態であるということを把握されて、今後どのように取り組もうとなさっていらっしゃるのか、この点についても聞いておきたいと思います。
○田中(明)政府委員 救命救急センターを設置する場合に、その地域において、一次あるいは二次の救命救急制度が整っているということが望ましいことは申すまでもないことでございます。 御指摘の大阪府の三島ブロックにつきましては、昨年の国会におきまして、当時の医務局長と先生との間でいろいろ質問、応答があったわけでございますが、その後私ども大阪府にこのことにつきまして事情を聞いたところ、大阪府としては全体計画として当然それは考えている。ただ目下一番緊急を要する救命救急センターの設置すべき地域は南部である。ここは、ほかにそれにかわるようなものもないので、まず南部に救命救急センターをつくって、次の段階においてこれを考えたいということでございましたので、私どももそれを了としたわけでございます。
○井上(一)委員 もちろん南部に対する医療機関の整備も必要であります。北部の実態を厚生省みずから把握されるための実態調査というのですか、そういうことはなされたのですか。
○田中(明)政府委員 大阪府のいま救急医療システムというのは、基本的に府が主体となって設定すべきものであるとわれわれは考えております。必要があれば当然国からも必要な措置を講ずるわけでございますが、まず府から事情を聴取して、それについてわれわれが協力するという態度をとっておりますので、現段階においてはまだそこまでやっておりません。
○井上(一)委員 それじゃ大阪府からその必要ありという要請があれば、それにこたえられますね。その実態を把握するために現地にも出かけられますね。
○田中(明)政府委員 府からそういう要請がありました場合には考慮したいと思っております。
○井上(一)委員 わかりました。 さらに、公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律、こういう法律があるわけです。これは十年立法なんで、本年度じゅうということになるわけですね。来年三月三十一日までです。この法律で、いわゆるごみ処理施設、廃棄物の処理施設の設置、こういうことも包括された中で、この期限がさらに延長されるべきである。現況で十分完備をしていない自治体に対しては、本年度というきつい期限でなく、地方自治体の財源等もありますから、そういうことについてはさらにこの法律の趣旨を生かしていくべきではないだろうか。だから、法律の期限が来る来ないにかかわらず、あるいはさらに延長されると思いますけれども、また、当然われわれもそれに努力するわけですけれども、厚生省としては、子の法の精神、趣旨を本年度で切ってしまうのだという見解であると困るので、ここでひとつ確認をしておきたいと思います。
○山村政府委員 お答えいたします。 公害防止計画策定地域における廃棄物処理施設が非常に重要な位置を占めるものということにつきましては、先生のおっしゃるとおりでございます。私どもといたしましては、特にそういう地域につきましては優先的に事業を採択し、その促進を図ってきておるところでございますが、御設問の、期間の延長問題につきましては、直接は環境庁所管のことでもございますので、環境庁と十分協議をいたしまして、御趣旨の線に沿って検討さしていただきたいと思います。
○井上(一)委員 さらに、水質の保全というのでしょうか、そういう中でダム建設に絡んで、たとえばその上流で環境整備事業をやっていきたい、こういう場合に、とりわけ屎尿処理施設等の建設が必要な場合、水源地域対策特別措置法というものがあるわけですね。この中には、地域外指定でも十分財源措置を講ずべきである、あるいはそういうことをより深く理解をしている面があるわけなんですけれども、厚生省としてダム上、いわゆる地域指定から外されたダム建設の上流地域に対する環境整備等に必要な財源措置は十分に講じられる用意をなさっているかどうか、この点についても聞いておきます。
○山村政府委員 ダムの水質を保全するために、上流地域の御指摘の屎尿処理等につきまして、それを適正に処理をしてその水質を保全するという点につきましてはきわめて重要なことというふうに思っております。御指摘の水源地域対策特別措置法に基づく特別措置というのがございまして、その中では廃棄物処理施設はその性格上対象とされていないところでございます。これは国土庁等の判断によるわけでありますが、恐らくは水源開発施設に直接関係あるものあるいは水没補償等と直接的な因果関係があるものとに限定をされておるようでございまして、財政的な特別措置につきましては、残念ながら御要望の向きには沿いがたいのではないかというふうに考えております。
○井上(一)委員 水特法のたしか五条に、特に必要があると認められるときは、これらの事業で当該水源地域外において実施するものについてもその対象に入れるんだ、こういうふうにうたわれておりますし、屎尿処理の施設についても、私の記憶ではそれが事業としては認められていると思うのです。にもかかわらず財政措置の面ではそれが明確化されておらない、こういうふうに記憶するんですが、その点はもう一度確認をしておきたいと思います。
○山村政府委員 補助率のかさ上げにつきましては、法定事業ということで特定をいたしておりまして、そこからは落ちておるということでございます。
○井上(一)委員 事業対象としては、ごみ処理施設の整備に関する事業ということでちゃんと明記されていますね。しかし、財政措置では落ちているということです。 私はここで申し上げたいのは、そういう矛盾もあるんだ、でもこれは予算の範囲内で国家財政の中で検討されていくことだと思うのです。地域外であってもということ、そしてそういう財政措置の法的に明確化されていない事業であってもこれは当然検討に値する。これは、大阪府の一庫ダムというのがあるわけです。この建設によって阪神間の受益者は水の確保ができる。反面、その上流に位置する能勢町については屎尿処理場を建設するに当たっては、もう十分な財源措置を講じてあげなきゃいけない、地域外でもあるけれども。だから、地域の中に指定をするせぬにかかわらず、これは対象に考えなければいけないし、その財源については十分な配慮を講ずるべきであるというのが具体的な私の意見なんです。この点について厚生省の見解を聞かしていただきます。
○山村政府委員 法律の整備といたしまして、優先的に整備すべき事業というような意味で政令事業が上がっておりまして、屎尿処理ごみ処理等が入っておりますが、財源的にかさ上げをするかどうかは、たとえば水没をして住宅が移転をし、そこに対して水道、下水を引くという、地域的に特定された事業だけが水没補償的な意味で補助金をつけるべきだろうという趣旨でかさ上げが行われているようでありまして一屎尿、ごみ処理につきましては、水質汚濁防止その他の意味で優先的にやるべき事業であるという意味で政令事業として上がっておりますので、一般事業として優先的にわれわれも採択していきたいというふうに考えております。
○井上(一)委員 さらに私はもう一点、ごみ問題について厚生省の見解をただしていきたいと思うのです。 従来からは、ごみ、屎尿についてはそれぞれ地方自治体の責任ということが強くうたわれてきたわけだし、また、地方自治体はそれぞれの責任においてそれの処理に、いわゆる市民サービスに当たってきたわけであります。がしかし、ただ単に排出される一般家庭ごみあるいは大型ごみ、その他の廃棄物全般を収集するそのことよりも、いまの時点では、それを処分するあるいは産廃も含めてそういうものの処分地、こういうことについて非常に苦労をしているわけであります。そういうことを考えますと、国の施策の中に、地方自治体と相連携した中で最終処分地の確保、あるいはその処分の実態等をつかんだ上でそのようなことに対応していくべきではないだろうか、こういうふうに思うのですが、いかがでございましょうか。
○山村政府委員 今日、廃棄物が多量に出てまいりまして、その焼却等の中間処理によってかなり減量はされますけれども、平均的に見ますと半分ぐらいは埋め立て処分をしなければならないという実態にございまして、とりわけそのための場所というのが必要になってまいります。今日の実情を見ますと、とりわけ首都圏とか近畿圏といった大都市圏におきましては排出量も多うございまして、たとえば一般廃棄物でありますと、首都圏、近畿圏だけで全国の四八%、産業廃棄物でありますと四〇%が集中的に排出されておるという実情にございます。その半分の埋め立て処分地を用意しなければならないということで、ごみ処理の行政を推進する上での最大の課題が最終処分場の確保の問題であるというふうに認識をいたしております。
○井上(一)委員 五十五年度に若干の予算が組み込まれて、実態の調査費というものが計上されているわけです。私は、事業主体があるいは事業費がどうなっていくのかという、そこまでの指摘はきょうはいたしませんけれども、いま現状で大変それぞれの自治体が難儀をしている、そういう最終のフニックス計画が完成するまでの間の一応の今日的問題処理の方法を国としては各自治体に指導する見解を持っているのかどうか、これはもう地方自治体の責任ですべてやるべきなんだということで国は傍観の立場をとるのかどうか、こういうことなんです。ぼくは決してそうであってはいけないと思う。だから、中間的に現在それぞれの自治体が難儀をしている、苦労をしている、そういう中に国も、国の施策がより充実するためにも入り込んで、その実態、問題解決に努力すべきじゃないか、こういう見解を持っているのですが、これはいかがでしょうか。
○山村政府委員 先ほども申し上げましたとおり、最終処分場の確保は非常にむずかしい課題でございまして、実情を見ますと、ごく短期間しか処分場のスペースがもたないというようなことで、平均的に見ますとある程度カバーされますけれども、一部の特に内陸部の市町村におきましては非常に困窮しておるというのが実情であろうと思います。したがいまして、そのために、先ほど例示いたしました首都圏、近畿圏におきまして先生御指摘のようなフェニックス計画ということで、国が直接手を出したような処分地の確保計画というものの調査を進めておるところでございますが、御指摘の、それができるまで、実現にはいろいろ問題があるわけでありますが、その間どうするのかという問題につきましてはまことに頭の痛い問題でございます。首都圏、近畿圏について見ますと、圏域全体平均してみますと何とか六十年ぐらいまではもちそうだという感触を持っておりますが、やはり内陸部は問題でございまして、それぞれの関係自治体が共同するとか、あるいは単独の個々の市町村がきらわれない処分地の造成と申しますか、そういう技術的なことも含めて知恵を出して、さらに府県が関与いたしまして公共団体共同で何か確保するとか、いろいろ知恵を出して地域的な問題として努力によって何とかつないでほしいというふうに考えておるところでございまして、関係者の尽力、協力に期待しておるというところでございます。
○井上(一)委員 私は、国がもっと積極的にその問題解決の中に入っていかなきゃいけないと思う。いまのお答えでも非常に抽象論で、現実の実情を十分認識されておるのだけれども言えないのか、その点はわかりませんが、内陸の衛星都市が現在どのように処分をしているのか、どれだけこのことに頭を悩ましているのかということを国はもっと知るべきであり、そうなったらその中に国はもっと相談に乗っていくべきだ。私は、国の責任ですべてをやれという以前に、現況で地方自治体がやっているこの苦労を国はなぜ少しでも助けようとしないのか、こういうことなんです。そういう助けると言ったらなんですが、その問題解決に国も積極的に力をかしていくのだというお考えがあるのかどうか、この一点をまず聞いておきましょう。
○野呂国務大臣 御指摘のように、首都圏とか近畿圏などは人口、産業が集中してまいっておる現状でございます。それだけに、土地の高度利用が行われておる。したがって、廃棄物の処理のための空間を確保することが大変困難であると思います。そういう点に対して、国といたしましても、広域的に地方自治体が共同で利用できるような、そういう広域最終処分場を整備するということは緊急の課題でありまして、国はもっと積極的に力をかさなければならない。また同時に事業規模も相当大きくなってまいっておるわけでございますから、その費用の負担のあり方、これも今後検討していかなきゃならぬと思うのでございますが、昭和五十三年度に広域最終処分場の計画、調査を実施しておりますが、それを積極的に推進して、今後ともに地方自治体と十分協議をいたしまして、その実現のために努力を傾けてまいりたい、こういうふうに考えております。
○井上(一)委員 大臣非常に前向きなお答えなので、それじゃ具体的に大臣にもう一度伺っておきます。 関係地方自治体がみずからの努力で最終処分を行おうとする場合、国としては積極的に協力する、こういうことですね。そういうことでございますね。
○野呂国務大臣 事業規模もかなり大きなものがございますし、だから費用負担についても現行でいいのかどうか、これはやはり自治体十分苦労されておるわけですから、それに対して国もどうしていくかということを検討していかなければならぬ、こいうことを申し上げたわけであります。
○井上(一)委員 もう一度私から、たとえば大阪府と京都市にまたがる関連した協議をしなければいけない問題、そういうことも場合によっては起こり得るわけなんですね。そういうことも含めて国としては積極的に問題解決に努力する、こういうことでございますね。していただけるわけですね、大臣。
○野呂国務大臣 両県にまたがっておるわけでございますから、二つの県、あるいは京都、大阪の場合においては、十分国としての指導をいたしながらやはり協議を進めていくということは、大変必要なことだと私は考えております。
○井上(一)委員 じゃ局長で結構ですから、次に私は具体的に、大阪府の吹田市がいま抱えているこの問題で非常に努力をしておるわけで、とりわけ自治体一市だけの問題で解決の見通しが非常に困難であろう、こういう予測をいたしております。ぜひこの問題については、いまの大臣の趣旨に沿って担当局が問題解決のために努力をしていただくことをここでお願いをしておきます。よろしゅうございますね。いいですね。お約束、努力してくれますね。
○山村政府委員 努力いたします。
○井上(一)委員 ありがとうございます。 さらに私は次に、保育所対策で二、三質問を続けます。具体的な数字等については私の方がむしろ十分把握しておりますので、国の見解、指導、そういう点についてのみ要領よくお答えをいただきたい、こういうふうに思います。 まず一点目は障害児の受け入れ対策です。このことについては、すでにこれまでも一定の法改正も含めて前進をなされた。保育所問題については、私が提起した摂津訴訟を契機に厚生省が十分な取り組みをしているということについては私は評価をしたい、こういうふうに思うのです。がしかし、まだまだ現実に矛盾だらけである。 それで、まず障害児の保育に欠ける要件として、障害児の空間的制約、障害児として生活をしていく中で、狭い住宅だとかあるいは近隣との連携活動が非常に疎遠になっている、そういうこと、あるいは時間的な制約、これは受動的時間の増大、こういうことが障害児の発達の阻害要因になっている。だから、むしろ子供自身の持つハンディ、その障害から生まれてくるところの保育を必要とする要件、こういうことを考えますと、保育に欠ける要件があるわけですね。七項目ありまして、それぞれ一から六までは一定の具体的な事例が明記されております。七項については、児童の保育に欠けると市町村長が認めた事例、都道府県知事が承認した場合、いわゆる特例による場合は児童福祉法二十四条の精神にのっとって入所の措置を市町村に義務づけるべきである、そういう意味からいま指摘をした特例として障害児の位置づけが必要になるのではないか、こういうことなんです。現在、国は障害児に対する保育の措置の必要性はどの項目で位置づけているのか、まず聞いておきたいと思います。
○竹内政府委員 お答えいたします。 先生よく御存じのように、保育所の入所措置の基準につきましては、法律のたてまえとしてはあくまでも法の二十四条にありますように「保護者の労働又は疾病等の事由により、」という観点から定められておるわけでありますが、その限りでは、原則としてはやはり保護者の労働または疾病等の事由で保育に欠ける場合という条件がついた上での障害児の保育という形になるわけであります。ただ、現実の問題といたしまして、障害児の保育の必要性につきましては、別途精神薄弱児の通所施設であるとか肢体不自由児の通所施設、こういったものにおいても対応はいたしておりますけれども、保育というものの一つの特殊性あるいは保護者の家庭における地理的条件その他を踏まえまして、御指摘のような第七項の部分を弾力的に運用をして、障害児であるということが直ちに保育に欠けるということにつながるとは言い切れませんけれども、実体論としてはほぼそれに近い形での弾力的な運用を私どもとしてはいたしておるわけでございます。
○井上(一)委員 五十三年六月に家庭局長通達で「保育所における障害児の受入れについて」ということで都道府県知事、市町村長に通達が出されているわけです。その中で「保育所に受け入れる障害児は、一般的に中程度までの障害児と考えられ、集団保育が可能で日々通所できるものとする。」こういうことが明記されているわけなんです。「保育所に受け入れる障害児は、一般的に中程度」、いま申し上げたその通達があるわけなんです。ところが片面で、それに対する財政的な補助対象児は一体どうなのか。特別児童扶養手当の支給対象児となっているわけです。特別児童扶養手当の支給対象児とは一体中程度の障害だとお考えになっているのかどうか、こういうことなんです。それはまさに重度の障害児なんですよ。だから全く相矛盾した逆な発想から出ているわけ下す。入れなさい、当然措置をしなさいと言いながら、片っ方の財政措置の中では当然入所の困難である障害児を対象にしている、これは矛盾しているわけなんですね。局長そう思われませんか。通達ではかっこのいいことを出している。しかし反面、特別児童扶養手当の支給対象児だ。これは身体障害者手帳で言えば一級から二級でしょう。あるいはそういう状態であれば、これはもう、一人の障害児を預かって一人の保母さんが必要になるというぐらいの、本当に保育を考えたらそんな保育をやらなければいけないと思うのです。だからその点について、厚生省はどういうふうに見解をお持ちなのか、このことについても尋ねておきます。
○竹内政府委員 先生の御指摘、まことにごもっともでございます。ただ私どもといたしましては、保育に欠ける障害児の保育所における特別な措置として御承知のように障害児保育の特別対策としての国、県、市町村、それぞれ三分の一ずつの助成をいたしておるわけであります。その助成の対象といたしておりますのは、障害児を保育するに当たっての人件費その他の庁費等も含めました経費の助成をするという立場に立ちます。その場合、どうしても保育所で障害児であるというハンディキャップに対応するためにより多くの経費を要する者についての助成という意味で、特別児童扶養手当の対象者ということで現段階では財政上の制約もあって対応しておるわけでございます。私どもとしては、できる限りこの助成対象の障害の程度をより中度、あるいはできることならば軽度まで引き下げることについては努力をしてまいりたいと思っております。 ただ問題は、先生御指摘いただきましたように、たとえは身障手帳の二級、三級の中には——ハンディキャップの程度それ自体が非常に多様でございますので、一律にというわけにもなかなかいかない点もございます。たとえば上肢の一部の指を欠いたという程度の者という場合と、自閉的な傾向が強くて、そのためにいわゆる身障手張の対象としては中度ないしは軽度程度、特別児童扶養手当の対象児とまではまだいかないというケース、いろいろあるわけであります。そういった意味で、私どもとしてはできるだけ障害児の保育というものの普及とそのための受け入れ体制ということをいまのところ重点に進めてまいっておりますが、できる限りこの障害の程度の軽減、助成対象をより低く持っていくということについての努力は今後とも続けてまいりたいと思っております。 御指摘の点、十分承知の上で、この辺の矛盾点の解決には私どもも全力を尽くしてまいりたいと思っております。
○井上(一)委員 矛盾をわかっているんだと言われてしまうと、その矛盾を正していきなさい、こういうことになるわけです。だから、いまお答えをいただいたわけですけれども、通達といういわゆる国の行政なんて、大臣、こんなことなんです、いまお聞きのように。一枚の通達ですべてを処理し、あるいは通達それ自身が実態に合わない、矛盾だらけだ、そういうところから何が起こるかと言えば、地方自治体の非常に財政緊迫の折における財政負担が大きくなっていく。大臣、いかがですか。いま矛盾を正していくということでありますから、私自身は、早急にこの矛盾を正しなさい、大臣の取り組みをここで聞いておきます。
○野呂国務大臣 御指摘の点について十分検討する必要があると思います。とりわけ五十六年は国際障害者年でもございます。特に障害者に対する保育の問題、これは前向きに、財政的な制約はございますけれども、その中で工夫するべきものは工夫し、さらにまた自治体にのみ財政負担を大きく生じないように今後検討いたしたい、こういうように考えるわけでございます。
○井上(一)委員 このことについては私は再度強調しておきたいことは、国の障害児保育が、さっき指摘したように、五十三年の六月に通達を出して前向きに取り組もうということなんですが、その裏づけが何らなされておらないし、矛盾がそこにある、そのことが自治体に超過負担をさせる大きな要因になり、自治体財政が圧迫をされていく、こういうことなんです。検討ということは前向きに、さっき私が言ったように時によれば一対一の保育も含めて、障害の程度に応じた保育をやらなければいけないわけなんですよね、局長。大臣、そういうことから考えると、物の扱いじゃありませんから、生きた子供たちを対象にした保育、この保育所の問題をおろそかにすれば厚生省なんというものはその役割りをもう半分以上なくしてしまうと私は思っているのですよ。子供は社会の宝だ、あるいは次の世代をつくるんだ、偉そうなことばかり言っていても、その子供たちの心身ともに健やかな成長を保障していく、いわゆる国の、大人の政治の矛盾点、これを直していかなければいけない。このことについて検討するということは、私が指摘したこと、財政的な裏づけあるいは保母さんの問題、施設の問題、そういうことを含めて積極的に前向きに検討するということですね。大臣、そうならそうだと一言。
○野呂国務大臣 結構でございます。そのように処理してまいりたいと思います。
○井上(一)委員 わかりました。では、ぜひそのことについて前向きに取り組んでください。 さらに私は、今度は乳児保育について指摘をしておきます。 乳児保育がなされてからもうすでに十年近くなるわけです。ところがその対策として所得税額一万五千円未満の世帯に属する乳児が三人以上入所した場合にそういう保育所を対象にして乳児三人に対して保母一人、その他の乳児については乳児保育特別対策の適用外である、いわゆる六対一、こういう保母さんの配分があるわけです。恐らく保育園全体で保母の定数というのは考えていくのだ、こういうことをあなた方は答弁したいだろうと思うのです。しかしそれはいけませんよ。私にはそんな答弁したってだめですよ、知らない者はそれで納得するかもわからぬけれども。そういう点で逆に言うと低所得者の乳児、いわゆる年税額が一万五千円未満の家庭におる乳児とそうでない乳児との保育の内容が違うわけなんですね。これは考え方によれば差別ですよ。この子供とこの子供、所得に応じてそうすべきでなく、むしろ三対一は特別対策の中に一万五千円の所得制限をせずに三対一に持っていくべきであるという見解を持っているわけなんです。保母の数も非常にふえるし、それに対する財政支出もふえるかもわかりません。ふえるかもわかりませんけれども、当然子供にとっては三対一の保育を受ける権利がお互いにあるわけです。国の方ではそういうふうにちゃんと特別対策として認めているわけです。所得税一万五千円にかかわらず私の指摘したような見解で厚生省は取り組むということであれば結構ですが、そうでなければ見解を聞かしてください。
○竹内政府委員 お答えいたします。 乳児保育という問題は、実は保育所という断面でとらえる以前の問題が一つあるのではなかろうか。そういう意味で国際婦人年の行動計画、十年計画の中にも指摘をされておりますけれども、私どもとしては基本的には児童福祉というよりも母子保健という立場から考えまして、ゼロ歳児ができる限り家庭で母親の手元で育てられるような社会の条件が整えられることが一番望ましいのではないか。たとえば育児休業制度がより普及していくこと、あるいはそのための条件としていろいろな社会保障各制度の整備というものがあろうかと思います。ただ、そういったことは徐々に浸透をし、整備はされていくでありましょうけれども、その過程で私どもが保育所で乳児の特別対策として対応いたしておりますのは、先生言われたように確かにD2階層と申しますか、一定の階層で乳児保育の特別対策を切っておるわけであります。と申しますのは、裏返しにいたしますと、それより所得の高い階層のケースの場合、決して差別するという意味ではございませんで、そこではそれだけ保育所としての歳出面での増加が要請されてくるわけで、一言で言いますと先生が言われましたように国の支出もふえるであろう、人手もふえるであろう、しかしながら必要だから階層区分というものを撤廃して全階層に乳児対策を適用していけば、自動的にゼロ歳児の保母の定数というのは三対一になるわけであります。ただそのことは裏返しにいたしますと保育単価そのものにはね返ってまいりまして、保育単価の増大ということは、一方において保育料の徴収基準の増大にもつながりかねない問題が横に残るわけであります。そういったことで私どもは、保護者の方の問題も横に考えながらこの乳児保育の特別対策のいわば階層区分をより高くしていくということについて努力はしてまいりたいと思います。その点でまだ三対一という一律の前進まではもう少し時間がかかるのではないか。基本的な方向としては私どもも、先生御指摘のような方向が望ましいということについては十分承知をしておるつもりでございます。
○井上(一)委員 私が保育所全体の問題でないということを前もって指摘をすれば、今度は母親の立場、母性保護の立場と言う。私はいついかなるときでも、対象とする乳児、子供を中心に据えて検討していくわけなんです。所得だとかそういうもので割り切ってはいけない。あるいはいま言われたように、保護者にその負担がかかるのだ、そのことも決してそうあってはいけないと思いますが、だからといって、いまそれぞれの自治体が三対一の保母配置をした場合にその財源を保護者に求めることは禁止されているわけなんです。私の言うのは、その三対一から外れた乳児に対しては、なぜ外すのだ、外す理由がどこにあるのだということを言っているわけなんです。それを聞きたいわけです。外す理由がないじゃないか。当然それは三対一、すべての乳児を同一の位置づけをしなさい。決して私は、三対一を六対一に引き戻せ、悪い中身にせいと言っているのじゃないのです。ゼロ歳児については六対一の中身を三対一にすべきだ、そういうことを言っているのに、厚生省の見解は何か母性保護あるいは措置費の高騰−そんなことじゃないと思うのですね。どうなんですか。
○竹内政府委員 お答えいたします。 先ほど御答弁申し上げましたように、最後の段階で私が繰り返して申し上げたと思いますけれども、私どもとしては、D2階層といういわばアッパーリミットをより上に広げていく努力を続けていくということを申し上げまして、直ちにといいますか当面全階層についてということについては、財政上の制約も非常に厳しいのでなかなかむずかしいのではなかろうかという現実的な判断を申し上げたわけであります。 なお、私どもとしては、少なくともD2階層以下については三対一が現実的に実施をされてきておるわけでありますから、これができるだけ早い機会に全階層にわたって実施されることを厚生省としても望んでおるわけであります。
○井上(一)委員 時間が余りありませんので、大臣、私がいま指摘をしている中で、まださらに指摘をしますが、最後の締めくくりで大臣にお答えをいただきます。 さらに、保育所の措置費の制度の運用についても、これを年度途中でたとえば三歳児を四歳児にかえていくというようなことはあり得ないわけなんです。でき得ないわけなんです。クラス編成をし四月から保育をやって、年度途中、十月から三歳児を四歳児に移すとか、そういうことは実際面としてはできない。できないのだけれども法の制度の中ではそういうことがまだちゃんと存続をしている。こんなものは実態に合わない、生きたものでない法律であって、私から言えば非常におかしいのじゃないか、こういうことなんです。あるいは調整手当等の中でも、生活保護の対象にする厚生省と、あるいはそこで働く人たち等の甲地、乙地等の問題もあわせると、人事院の指定と厚生省の指定が違う、そんなこともあるわけなんです。こういうことも指摘せざるを得ない。 さらに今度は長時間保育について私は見解をただしていきたいと思うのです。 現況の大都市圏の中に位置する衛星都市、自治体は、その母都市に通勤をしていく、交通の渋滞その他で通勤時間に一時間も一時間半もかかってしまう、そういうことから長時間保育というものが必要になり、それの対応をしている。さっきもゼロ歳児保育では母親の立場を強調されたので、ここでも、やはりそれなら母親の労働、お母さんの労働を保障していく、そういう観点から、あるいは通勤時間等のいわゆる都市化の起こりつつある現在の現象、事例等から考えても長時間保育は必要である、それに対する国の対応はどうなんでしょうか。こういうこともひとつ聞かせていただきたいと思います。
○竹内政府委員 お答え申し上げます。 まず、長時間保育の問題でございますけれども、長時間保育ということにつきましては、母親が就労をいたしまして、その通勤の前後の時間、そういったものを勘案いたしまして、私どもといたしましても、非常勤保母、その他の常勤の保母も含めまして、それぞれの規模別に保母の加配をいたしておるところでございます。 基本的には、私どももその通勤状態についての調査をいたしておりますけれども、一般的には大体往復の通勤時間四十分以内というところが約八割を占めておるようでございます。もちろん中には一時間二十分を超えるものが全体で約三・一%という数字も手元に持っております。ただし、これは先生御指摘のように、全国の問題でございまして、首都圏、近畿圏等のところに参りますと、なかなかこうした全国的な平均の数字がそのまま使えないことも承知いたしております。 ただ、私どもといたしましては、その長時間保育という形がいいのか、あるいはまた職域を中心にした形で、特定の企業集団なり、あるいは婦人労働を多く持つところなどについては、いわば事業所内保育という仕組みでこれに対応するという仕組みがあってもいいのではなかろうかというようなことで、現在の保育所という方式だけでなくて、保育の多様化というものにやはり保育行政それ自体も多様化した対応でこたえていきたいというふうに考えております。 それから、通年制の問題でございますが、御承知のように、措置をいたしました月の初日における年齢でもって一年間を通すという仕組みをとっておるわけであります。これは保育所側の方の、あるいはまた市町村サイドの方の事務的な問題もございますが、同時に保護者サイドとしても、保育所に措置されて以来毎月幾らぐらいかというものが、少なくとも半年なり一年なりは固定した形で保育料がきちんとされておることの方が望ましいのではないかという各種の条件を考慮いたしまして、いわゆる通年制というものをとっておるわけであります。 さらに、御指摘いただいた例の調整手当の地域区分の問題でございますが、これも、私どもとしては国家公務員の給与体系に準じた形で保育所の保母の人件費の積算をいたしておりますので、調整手当の支給区分は人事院の規則に従って運用しておりまして、ただ具体的には、個々のケースとして、首都圏並びに近畿圏において特殊な事例として、官署がないために不利な扱いを受けておるというようなケースの場合、特に民間の福祉施設についてはとかく問題も起ころうかと思いまして、四十九年なり五十一年に、若干ではございましたが、その特例措置を講じております。また、今後ともその辺につきましては具体的なケースを当たりまして、人事院との協議をしながら、人事院サイドの方の感触も得ながら、財政当局と合い議をいたしました上で個別に対応するということも考えてまいりたい、かように考えております。
○井上(一)委員 私は少しみずからの見解もここで申し上げておきたいと思うのです。 それで、さっき言った措置費制度の問題については、確かに現法律では、措置がとられた日の属する月による満年齢による年齢区分ということなんです。そういうことになると措置費が実質的には二分の一以下になってしまう、そのことが地方自治体にまたぞろしわ寄せをかける。だから、むしろ措置がとられた口の属する年度当初の満年齢による年齢区分に改正すべきである、私はこういう意見を持っているわけです。これが一つ。 それから、調整手当等の問題については、時間がありませんから次の機会にします。 長時間保育については、一応四十分ないし一時間という認識を持っていらっしゃる。実際はぼくはもっと時間がかかると思うのです。四十分ぐらいで通勤が可能だというのはごく限られている、こういうふうに思います。 さらに、いま局長から企業内保育所というものの奨励が出されたわけです。そういう奨励をそれぞれの企業に通達なり、あるいは厚生省の見解を伝えられたのかどうか、あるいはそういうことを真剣に国は考えていらっしゃるのかどうか。これは私はきょう新しい問題として、厚生省は——現在二十四条で市町村長の措置義務があるわけです。だから、婦人労働力を必要とする企業、そしてその婦人が保育をしていらっしゃる乳幼児を企業が企業内保育所として完備した中で充実をさせていく、これはこれなりのまた一定の問題提起だと思うのです。私はきょう正式にそういうことを聞いたわけなんですが、厚生省は今後ともその方針を続けられるのかどうか、そういうことを企業の中にもっと浸透させて実現を図られるのかどうか、そしてそのことは国が十分保障していくのかどうか、こういうことであります。 それからさらに、長時間保育について、一体厚生省は長時間保育とはどれくらいの時間を、たとえば八時間を若干超える範囲だ、この若干というのは四十分なのか一時間なのか、そういうとらえ方、それに対して、いわゆる運営助成、運営負担、あるいは保母の定数、そういうことについては、ただ加配プラス一だとかいうことだけで処理をしようとしているのか、長時間保育に対するそれだけの手だてはどのように考えていらっしゃるのか、こういうことを聞いておきたいと思います。
○竹内政府委員 まず、事業所内保育という問題でございますが、これは労働省の方からもいろいろな御要望もございましたし、私どもの方も、基本的に児童福祉法に基づく保育所という観点からではなくて、いわばその企業に集中して相当の婦人労働が行われているケースの場合、その保育行政の補完的な意味で、現実に全国でも、私どもの知っております限りでも約三千カ所ぐらいの事業所内の保育施設があるわけです。ただ、この中身が非常に千差万別でございまして、かなりすぐれたところもありますけれども、ただ単に預かっておるだけというようなところもございます。そういったことから、少なくとも、子供の福祉といいますか、乳幼児の健康を守るという意味も含めまして、私どもは児童手当制度の福祉施設として事業所内保育施設の内部の整備等についての助成を昨年来行ってみているわけであります。ただ、この問題は、重ねて申しますけれども、決して児童福祉法における保育施設あるいは児童福祉法二十四条の規定に即したものとしてとられているわけではございません。ただ現実に社会の実態の中で、婦人労働に伴う保育というものにいろいろな形の多様な要求がありますので、そういった観点からも別途に配慮をいたしておりますということを申し上げたいわけであります。 それから、通年制の問題につきましては、何月に入りましてもその年度の初日の年齢ということになりますと、この点につきましては少し問題が残るのではなかろうか。私どもとしては、やはり基本的には措置をされた月の初日における年齢というのをとっていくのが本筋ではないかと思いますけれども、そういった問題について、私どもだけでもなかなか判断の下しにくい点もございますので、関係者あるいは財政当局とも相談しながら、もし先生の御提案のような方向がうまくいくものなら、それも一つの方法かと存じますので、その点は検討させていただきたいと思います。 それから、長時間保育でございますけれども、私ども、一般論としては、大体保育所の保育を開始する前の一時間、それから保育所の八時間の保育時間が終了後の一時間といったようなことをその基本形としては考えておるわけでございます。ところによっては、またそれをさらに若干延長という問題もあるようでございます。ただ一般論としては、いままで長時間保育対策としては、先ほど申しましたように、保母の加配という形がいわば財政上の私どもの対応策でございますけれども、もっと別の観点から申しますと、たとえば非常に商店街であるとか、そういったところになりますと、本当に子供を保育をしてもらいたい時間というのは、たとえば午後から夕方の一番忙しいときに保育所が終わるのではなくて、夜の八時ごろまで保育所が開かれておればという御要望もあるわけであります。そういった観点から、保育所の保育時間の始めと終わりの時間をずらしていくというような保育所の運営方式、あるいは一つの施設としての保育所がある場合に、二部制のような保育というものが現実問題としてやっていけないかどうかということを、現実にいわば保育関係者の方にも私どもいま御相談を申し上げて、そういった形でフレキシブルに対応していくならば、あるいは先生御指摘のような長時間保育という問題についての一つの回答の方式にもなるのではなかろうかということを現在検討させていだたいておるわけであります。
○井上(一)委員 児童福祉法をベースに置かずに保育所建設はあり得ないんですよ、局長。だから、そんな認識で企業内保育の位置づけをしちゃ困ると思う、私は。それは便法的な補完的なというようなことを言われておりますけれども、児童福祉法二十四条にはすでに市町村長に義務づけがされておるし、このことにおいて市町村長は苦労しておるわけなんですね。それに対する国の施策が、手だてが、後ろ盾が貧弱だということで、ここ十年私が指摘をしてきたわけなんですよ。いま企業内に、やはり児童福祉法をベースにした保育所を建設するということは、私はいいと思うんですよ、一定の前進だと。自治体の首長にその委託を受けるというのでしょうか、そういうことに認可を、認めてもらうというのでしょうか、許認可権は首長にあるという意味ではありませんけれどもね。そういう意味では、私は意外なお答えだと思うのです。そんなことはだめだ。これは大臣、保育という問題について、児童福祉法を外してすべての施設を位置づけるなんというようなことはもってのほかだし、そういう発想はより危険であるということですね。 それで、長時間保育についても、余り私から私の見解をここでとうとうと言うのはいかぬのですけれども、特定の乳幼児に対して長時間保育をすることがいいかどうか。朝の八時から晩の六時まで保育することがいいかどうかということには、その子供の発達過程の中でいろいろ疑問があるわけなんですね。むしろ、十時からあるいは九時から、時差出勤というものが行われつつある、そういう形の中で、朝早く出ていって四時に帰っていらっしゃるお母さんもあれば、朝十時に出勤をして六時、七時に帰ってこられるお母さんもある。保育所というものは、オープンは八時から六時まで、長時間保育を一時間と仮定するならば八時から六時まで、その間に、保母さんというものは八時間労働の中で動いているのですから、一時間については、私は、やはり一定の保母の人材を確保しておかなければいけないと思うんですね。そういう意味で、二十四条なり五十四条なりの範囲の中で長時間保育は賄われていくんだという認識に立つと、これまた過ちを犯す。長時間保育即すべての乳幼児に対して八時間も九時間も十時間も保育をするのだという認識も短絡的な発想だと私はこう思うのです。そんなことを考えたら、もっともっと保育所問題、これだけ私が一時間かかって指摘をしたように、矛盾だらけだ。大臣、だからこれをもっと真剣に、いま何か関係者から意見を聞き、事情聴取しながら制度改正を含めて前向きに検討しているようなニュアンスの答えがありましたけれども、大臣、もう一度、児童福祉法の精油にのっとり、すべてのベースをそこに置き、子供たちのいわゆる乳幼児の発達を保障していくんがという私の見解、それに対して厚生省が十分な対応をしていくということを、ひとつここで大臣から確認をしておきたいと思います。
○野呂国務大臣 お話しのとおり、児童福祉法の精神にのっとって、保育に欠ける子供たちのためにその福祉を増進することは当然のことでございます。先ほど来いろいろ、障害児の保育の問題あるいは乳児保育の問題あるいは保母の調整手当の問題あるいは長時間保育、企業内保育の問題等々、これらの措置費も含めまして、御提言の数々につきましては、省内で十分議論をし、検討し、そして実行に移すべきものは速やかに実行に移していくということで、将来の展望に立った制度的な改正も含めて前向きに取り組んでまいりたいと考えます。
○井上(一)委員 最後に、高齢者の問題等については、若干私から問うておきたいことがあったのですけれども、時間が参りましたので、いずれ改めての機会にしたい。 一点だけ、全く突発的な事件として、過日、スラッジの投棄事件、いわゆる海中投棄ですね、徳山丸の事件があったわけですね。このことは運輸省の所管であり、海上保安庁が努力をして、いま実態を追及しているわけです。厚生省に問うておきたいことは、内陸部で発生した産業廃棄物の処理、そして今回のこの事件を一つの契機に何らかの対応をされたかどうか。私は三年前に、韓国に廃油を輸出をしている実態を指摘したわけです。それから企業責任というものが明確にされた。今回、またこういう海と陸との区分で、ただ単に厚生省は陸の分だけだというセクト的な判断に立って対応されているのか。むしろ陸から、また続いて起こりますよ。そういうことを事前防止するために、あるいは現在起こりつつある、起こっている、そんなことに対して、この実態を承知するために何らかの手を打たれたかどうか。出光タンカーと同じような業務をしている企業に対して通達なり、あるいは報告を求めたのかどうか。あるいは現況で産業廃棄物を処理している企業の件数、それからその処分量、さらに許認可を持っている業者であるのかどうか。そういう点も踏まえて、何らかの手を打たれたかどうかをお聞きして、私の質問を終えたいと思います。
○山村政府委員 徳山丸の廃油不法投棄事件につきまして、基本的に廃棄物処理法全体について所管をいたしておるわけでございますが、今回のような徳山丸の事件に見られるような船舶廃油の処理につきましては、先生御指摘のように、具体的な指導監督というのは運輸省で一元的に行うということになっておりまして、厚生省の関与いたしますのは、船舶廃油が陸上に持ち込まれて、陸上から排出される廃油と一緒に処理されるという場合に限って処理業者あるいは排出業者に対して指導しておるという立場でございまして、タンカー業界、船舶等に対しても指導すべきではないかというような御指摘でございますが、これにつきましても同様な趣旨で運輸省で一元的に対応する、必要に応じてわれわれは情報の収集に努めまして、問題の所在はどこにあるかということを確認しながら、この件に関しては主として運輸省で対処すべきであろうというようなことで、運輸省と連絡をとりながら対応しているところでございます。
○井上(一)委員 それでは、陸の中で処分した、これは廃油スラッジだけに限りませんが、すべての産業廃棄物、産廃の処分の量あるいは処分地、処分している企業名、そういうのは毎年報告を受けていますね。受けていらっしゃるでしょう。
○山村政府委員 個別の業者の許可等は都道府県知事が行っておりますので、すべてのリストを持っているわけではございませんが、統計資料として、年間どれくらいのものが排出をされ、どれくらいの処理施設があって、どれくらいのものが処理されているかという実態は、おおむね把握をいたしております。
○井上(一)委員 徳山丸の事件で、出光タンカーだけでなく、同じような業者からもどういう処分の仕方をしているか報告を受けて、陸上で処分をされているとすればこれは厚生省の管轄なのですが、それを承知していないというのはおかしい。もう時間がありませんから、そういう詳細を私あてに届けてくれますか。
○山村政府委員 わかっている範囲の資料をお届けいたします。
○井上(一)委員 それでは、これで終えておきます。
○高田委員長 新村勝雄君。
○新村(勝)委員 私は、スモンの問題についてまずお伺いをしたいのです。 この問題は、医療行政、薬務行政の上に深刻な課題を投げかけた大きな問題でありまして、依然としてまだその完全な解決を見ていないようでありますけれども、まず現在までの経過の概要についてお伺いをして、そして幾つかの問題点について逐次お伺いをいたしてまいりたいと思います。
○山崎政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のように、スモン問題は、私ども医薬品の行政をあずかっている立場といたしまして大変に深刻な問題であると反省しておるわけでございますが、現在までスモン問題につきまして、スモン訴訟という形で全国の裁判所に提起がなされているわけでありますが、昭和四十六年に東京地方裁判所に初めて提訴が行われまして以来、現在に至りますまでに、全国で二十九の地方裁判所、それから六つの高等裁判所で訴訟が係属しておりまして、ことしの三月一日現在、提訴患者数で五千百八十七名、こういう大きな数になっております。 私ども、スモン問題につきましては、従来から裁判所における裁判上の和解、これを通じまして患者の早期救済を図っていきたい、これを基本方−針として解決に努めてきておりますが、本年の三月二十九日現在でございますが、提訴患者五千百八十七名のうち、やっと過半数の二千六百四十九名の患者の方々との間で和解が成立している、こういう状況でございます。
○新村(勝)委員 そうしますと、約半数の患者については和解が成立をした。あとはまだ未解決でありますけれども、この提訴患者五千百八十七名のほかに、かなり広範に未提訴患者を含めて潜在患者が相当数おられるということが報ぜられておりますけれども、それらの実態について、厚生省はどの程度把握しておられますか。
○山崎政府委員 お答え申し上げます。 特定疾患スモン調査研究班という調査研究班がございまして、厚生省がいろいろと調査をお願いしたわけでありますが、その調査によりますと、全国の医療機関から報告があったスモン症状を呈していると思われる患者の方々が一万一千七名という報告数がございます。これは前後四回にわたりまして大がかりな調査をやったわけでございますが、そういうことで一応一万一千名という数が把握されております。しかし、同時にこの中には、厳密な意味で報告内容を考えますと、スモン症状を発症する前にキノホルム剤を飲んでいなかった、こういう患者さんも相当おります。それから、飲んだか飲まないかわからないという患者という患者さんも相当数おるようでありますが、いずれにしましてもそういう実態が把握されているところであります。
○新村(勝)委員 厚生省の調査班による調査結果がただいま御説明になったわけでありますけれども、他の研究メンバーの調査によると、さらにこの二倍程度の患者がいるのではないか、こういう見方もあるわけであります。そうなりますと、これは大変な数になるわけですが、それらの点についてはどうお考えですか。
○山崎政府委員 御指摘のように、「スモン死亡患者の疫学的研究」というような御発表がことしの一月十五日に公衆衛生学会雑誌に載ったのでございますが、それによりますると、四十七年から五十三年の六年間に報告されました人口動態死亡表、この中で死因なり合併症の欄にスモンと記載されている方が四百二十八名ある。そして、スモン研究班の全国の過去の調査、これのスモン患者と一致したものが二百九名、約半分だ、こういちょうなことで、その四百数十名の方々を仮に全国的に引き伸ばすといたしますと、一万一千の倍ぐらいいるのではないか、こういう御報告を承知しております。
○新村(勝)委員 スモン、いわゆるサブアキュート・マイエロ・オプティコ・ニューロパシーというのですか、この症状はキノホルム以外には発症しないという病気であるわけですね。そういたしますと、これが相当量製造、販売されているわけでありますから、いま最後にお答えがありましたように、恐らく厚生省で確認をされておる数の約二倍程度、これは根拠のある推定の数でありますから、いるのではないかと思われるわけであります。そうなりますと、現在提訴をされておる五千百八十七名の約四倍程度の潜在患者がおる、こういう推定が成立をするわけであります。そうなりますと、これに対するさらに一層根本的な対策が必要であるし、その必要に迫られているのではないかと思います。特にこの問題は、提訴という一つの条件を前置をして救済をするという形をとっておるわけだと思うのですけれども、現在提訴されておる方々の四倍にも近い潜在患者が仮にいるということになりますと、この提訴を条件とする救済という対処の仕方が根本的に再検討されなければならないのではないかと思いますけれども、そういう点ではいかがでしょうか。
○山崎政府委員 正式なスモン患者と考えられる数は一応一万一千名と私どもは考えております。そしてその中でも、スモン患者であるかどうかの点についてはいろいろと、たとえばキノホルムを飲んでいなかったという数も一五%ぐらいいるというような報告も同時にございます。ただ、先生御指摘のような問題も否定できない面もあろうかと思います。そこで私どもは、現在五千数百名の方の提訴が行われておりまして、その提訴患者との和解、これを最重点に現在考えておるわけでございます。しかも残念ながら現在ではまだ半分ちょっとというところが和解の成立を見た段階でございます。そういうことで、現在私どもは和解による早期解決、これを基本方針としておるわけでありまして、またそうせざるを得ないと考えておるわけでありまして、先生御指摘の点も理解できる面がございますけれども、現在のところは私どもそういう基本方針で臨んでおるところでございます。
○新村(勝)委員 未提訴の人が推定で一万五千人近くいるということは、これは推定されるわけですけれども、その人たちがすべて救済をされるということが望ましいわけです。このスモン、あるいは一部についてはこれは疑いという方々も若干はいるかもしれませんけれども、少なくとも国の許可を得た薬剤によって、その結果こういう悲惨な結果を生じたわけでありますから、国の責任あるいは製薬会社の責任というのは、完全に、それによって生じたその結果について負わなければならないというのは原則だと思います。現在までの扱い方は、提訴ということを条件にして判決あるいは和解によって解決するということでありましょうけれども、少なくともキノホルムによって生じた医原病ですね、スモン、これに対する完全な救済は国の責任であるし同時にまた製薬会社の責任であるわけでありますけれども、そういう立場からしていまの対処の仕方で果たしていいのかどうか、この点はどうでしょうか。
○山崎政府委員 先ほどもお答え申し上げましたとおりでございますが、とにかく現在提訴されている患者の方々との和解によっての早期解決に全力を挙げて私ども取り組んでいるわけでございます。しかも昨年九月十五日に患者の皆様方と確認書という形で、今後和解に向かっていく、こういうお約束を申し上げたわけでありまするが、その中で確認されていることの一つに、スモン問題につきましては裁判上の和解によって早期に解決を図る、こういうことを基本方針として考えてお約束もしているというようなことであります。
○新村(勝)委員 現在把握をされておる方のほかに、把握をされていないあるいは提訴をされていない方々が相当数いらっしゃる、二万近くおられるということは厚生省もお認めになっておるわけでありますね。そうしますと、未提訴の方々についてはどういう救済の道があるのか、この点をお伺いします。
○山崎政府委員 同じように、昨年九月のお約束の中身といたしまして、未提訴の方々につきましても裁判上の手続として提訴をしていただく、これが迅速に和解を成立させる一つの、いま現在置かれている状況では一番いい手段である、かように考えまして、患者の皆様方とのお約束でも、未提訴の方々につきましても提訴をしていただく、こういうことをお約束しているようなことであります。したがいまして、未提訴の方々につきましても提訴をしていただく、裁判上の手続をとっていただく、これが現在では一番早期和解、早期解決、早期救済につながる道だと考えているところであります。
○新村(勝)委員 そうしますと、未提訴の方々の相当部分、いわゆる投薬証明がないという方が相当数おられるのではないかと思います。投薬証明がないために提訴をためらっておるという方も相当おられるでありましょうし、投薬証明がないことによって提訴の大きな障害になっていると思われるのですけれども、そういった点について、投薬証明がなくても提訴ができる道を十分保証していただきたいわけでありますし、また提訴ということについては、これは私ども国民一般としましても非常に近づきがたい一つの手続であるわけですね。ですから、提訴ということが一つの条件であるとするならば、現在の潜在患者がもっと気安く提訴できるような指導なりあるいは協力なりをすることができないものかどうか、その点を伺います。
○山崎政府委員 御指摘のように、あるいは提訴しない理由の一つに診断書が得られないとか投薬証明書が得られない、こういう方々もいるとは存じます。しかし同時に、スモン患者であるかどうかという御自身での疑いもおありの方もおるようでありますし、あるいはまた軽症である、こういうような理由もあるのではないか。私ども詳細にいろいろその理由を承知しているわけではありません。ただ、いずれにしましても、私ども現在全力を挙げておりますのは提訴患者との和解というようなことでございますし、未提訴の方々につきましても、投薬証明の問題が裁判上、和解の席でどういうふうに決着がつくか、こういうようなものもにらみ合わせていかなければならない、かように考えておるところでございます。
○新村(勝)委員 提訴患者ということに固執をされておるようでありますけれども、それは確かにそのとおりでありますけれども、それだけではなくて、提訴をしない患者あるいは潜在患者についても十分手だてを講じてその機会を与えるような指導が必要ではないかと思うのです。そういう意味で、提訴という手続を重点に考えるのは結構でありますけれども、提訴患者五千人だけはめんどうを見るけれどもあとは切り捨てるのだと言わんばかりの考え方は困るわけですよ。その点どうなんですか。
○山崎政府委員 未提訴の方を切り捨てるというような考えは毛頭持っていないわけでございます。ただ、未提訴患者がどういう御事情で提訴をしていないかというような事情はよく承知しておりません。しかし私どもは、提訴されていくという道をとるのが現段階では一番早期解決につながる道だ、かように考えておりますので、先生御指摘の点も今後検討の一つの大きな課題である、かように認識をしております。
○新村(勝)委員 ですから、提訴患者以外の患者あるいは潜在患者についても十分親切に厚生省としては指導し、補償が受けられるような道を確保していただきたいと思うのですけれども、その誓え方おありですか。
○山崎政府委員 いろいろ各地に患者の方々の団体もございます。そういう団体の方々もいろいろとそういう御相談にあずかる面もあるやに聞いております。もちろん私どものところに御相談なり何なりがあればそういう道があるということは十分親切に御指導申し上げたい、かように考えております。
○新村(勝)委員 要するに五千百八十七名の提訴患者については責任を持って補償に努めるということはもちろんでありますけれども、その他の人についても、スモン患者については同じように温かくめんどうを見、そして補償の道を確保するということを正確にお約束できますか。
○山崎政府委員 提訴、未提訴を問わず、その患者さんがスモンの患者さんであるということがはっきりするということが一つのポイントでありますが、いずれにしても先生御指摘のとおり、提訴、未提訴を問わず、温かい気持ちで私どもは責任をとっていかなければならない、行政上の責任をとっていかなければならない、かように考えておるところでございます。
○新村(勝)委員 次にお伺いするのですが、提訴しても投薬証明がないために依然として和解もできないし、ペンディングの状態にある方が相当数いらっしゃるということを聞いております。これは要するに投薬証明のない分については製薬会社との話し合いがあるのだろうと思いますけれども、その問題については現在どういうふうに進んでおりますか。
○山崎政府委員 投薬証明がないといいますか、投薬の事実の関連が薄いというような方々も含めまして、従来からこれが和解の一つの大きな壁になっていたことは事実でございまして、私どもは、たとえばお医者さんのカルテが得られないとか、たまたまその病院が廃院になってしまってどうしても投薬証明が得られないとか、こういう方方の事情を考えれば、それは投薬証明があろうがなかろうが平等に扱うべきであるという基本的な考え方をとっておったわけであります。ただ、その問題についての裁判所の御意向を聞かせていただきたい、こういうような趣旨で、東京地方裁判所、これがこの事件の最大の原告数を抱えているところでございますが、そこに御意見をちょうだいすべくお願いをしていたわけであります。 三月七日に東京地方裁判所の所見が出されました。それは細かく申し上げるのもなにでありますが、第一項と第二項に分かれておりまして、第一項においては、百十九名の患者さんのケースにつきまして、これはいわば投薬証明が薄いといいますか、十分でないとして従来会社がクレームをつけていたケースであります。これについては、裁判所としては、証拠評価の問題として、このケースは投薬証明が薄いとしても和解すべきである、こういうことが第一項でございまして、第二項は、いわゆる投薬証明が完全になくて、立証の手段をいかに尽くしましても投薬証明が得られない、したがってどの会社の薬を飲んだかがわからない、こういう薬剤の不特定の方々、これについての御所見が同じように第二項で出ました。それによりますれば、国の責任は三分の一、国は三分の一の金額を支払う。残り三分の二について製薬会社の負担。どういうふうに製薬会社の負担関係を確定していくかは今後東京地方裁判所の和解の席で製薬会社と十分協議、検討を続ける、こういう御所見をちょうだいしたわけであります。それに対しましては、国はこの御所見に従う、こういう意思表示をしております。ただ、現在の時点では、会社側はしばらく検討の猶予を願いたいということで、今日現在ではまだ裁判所に回答していない、こういう状況でございます。
○新村(勝)委員 この問題は、キノホルムによってスモンが発症するという因果関係は医学的にも明確に決定をされておるわけであります。そしてキノホルムを製造し、販売した会社も決まっておるということでありますから、これはもともと投薬証明というようなものは要らないはずです。責任は国と製薬会社にあるわけでありますし、病気の因果関係は確定をされておるということであれば、スモンであるかないかということを診断をすることが問題なのであって、スモンということが診断されたとすれば、あとは疑う余地もなくその責任は国と製薬会社にあるわけでありますから、もともと投薬証明などというもので問題が複雑になるということ自体がおかしいわけですね。ですから、そういう立場に立って国は製薬会社に対して強力に説得することが必要だと思いますし、すでに裁判所の判断も出ておるわけでありますから、この点については一日も早く完全な了解に達するように会社を説得をしていただきたいわけでありますが、その自信はおありですか。
○山崎政府委員 その所見が出されまして以来、私ども誠心誠意会社側の指導なり説得なりに当たっております。大臣も大変強いお考えをお持ちでございまして、大臣の意を受けまして十分私ども力を尽くしている段階でございます。
○新村(勝)委員 それではこの問題について大臣にお伺いしますけれども、この問題は先ほどから繰り返しておるように、国の薬務行政あるいは衛生行政を通じて起こった問題でありますし、また、製薬会社の責任において完全に補償しなければならない問題であるわけでありますが、依然として認定の問題あるいは形式の問題、投薬証明というような全く形式の問題に絡んで解決がおくれておる。非常に残念な事態になっておるわけでありますけれども、この点については事実の認定が行われれば、スモンであるという診断が行われれば、ほかのことは一切さておいて、国の責任において製薬会社にも完全な補償をさせるということを一日も早く実現をしていただきたいと思うのですけれども、大臣の御決意が伺いたいと思います。
○野呂国務大臣 スモン患者の救済の問題は、厚生省におきまする当面する大変大事な課題であるということで、就任以来私はこれに取り組んでまいったわけでございます。先ほどからいろいろな形でお答え申し上げておりますとおり、三月七日に東京地裁の一定の所見が示されました。国は直ちにその所見に従ってスモン患者に対して当たるという対応をいたしたわけでございます。同時に関係製薬企業に対しましても、国と同様にこれに応じて早期和解を図るようにということで、鋭意その説得に取り組んでまいっておるわけでございます。説得という言葉はきわめて簡単に申し上げられることでございますが、なかなかそう簡単なものでない。せんだって私もある企業の責任者を呼びましていろいろ要請をし、説得をいたしておるわけでございます。しかしながら、その責任は御指摘のように国及び製薬企業にあるわけでございますから、裁判所の協力も求めながら一日も早く和解が進められてスモン患者の方々に当然救済の処置が行われることを私どもは期待し、国として全力を傾けてこれが対策に当たっておるわけでございます。まだ十分でないではないかという御指摘もあろうかと思いますが、いままでの和解の手段、方法におきましては、裁判所が示しておりますような形で進まざるを得ないわけでございます。スモン患者と認定された以上は、その患者に対してはすべて差別なく救済に当たることは当然でございます。国としての責任を十分感じ、かつまた製薬企業に対しましても同様にこれに対応するように、私どもは今後とも鋭意説得に努めてまいる所存でございます。
○新村(勝)委員 ただいま大臣の答弁によりまして、国の責任において、しかも差別することなく全患者を救済するというお話でございましたので、ぜひそれを実行していただきたいと思います。 次は、医療の問題に関連をして、医療機関の法人化の問題について伺いたいわけです。 医業というのは他の営利企業とは違う性格づけ、位置づけを与えられ、法的にもそういう立場を与えられておるわけでありますけれども、医業といえども経済社会の中における経済行為であるという側面は否定できないわけです。ですからそういう意味で、税制についても特恵的なものは否定をしていく、そのかわり医業を経営する経営の態様については、これは特殊性はあるにしても他の営業とできる限り同じような扱いをしていかなければいけないのではないかと思うのですね。そうでないといろいろな形での弊害が起こってくるわけであります。 これは先般報道されたことでありますけれども、「医師に流行 幽霊会社づくり」というのが報道されております。これは医師の優遇税制を機会にして、節税を図るために別会社をつくって薬の仕入れをしたりしているのだということでありますけれども、そのほかにもまたいろいろと節税の対策が講ぜられておるというようなことも聞いております。こういうことが起こるのはやはり医業といえども経済的な活動の側面があるわけですから、そういう側面を不自然に制約をしているということからこういう不自然なことが起こるのではないかと思われるわけです。したがって、医業に対しても他の営業と同じような形で、希望するならば法人化も許す、たとえ一人であっても法人化を許すということにして、もっと合理的な形で医業というものを経済社会の中に位置づけていくということが必要ではないかと思うのです。ところがいままでは、医は仁術なりという古い倫理規定ではないのでしょうけれども、医師に対しては法人化を許さぬ。これは医療法人というのもありますけれども、三人以上とか、いろいろ規模に制約がありまして、簡単にはできないわけです。そうしますと勢い不自然な形で節税を図っていくというような逃げ道を考える。人間でありますから、そうなると説得だけでは、医師の倫理観を押しつけるだけではなかなか解決ができない問題であろうと思います。そういう点でこれは現在の段階では、税制についても特恵的なものは許さぬというかわりに一般の他の営業と同じような扱いをすべきじゃないかと思いますが、その点について大臣からひとつお答えを願いたいと思います。
○野呂国務大臣 いま先生の御指摘は医療機関の一人法人問題であろうかと思いますが、今国会におきましてもいろいろ反対の立場で御質問される方、賛成の立場で御質問される方等がございます。この問題をどうしていくかということについていま慎重に検討いたしておるわけでございますが、御承知のように、医療法人の設立に必要な条件としては常勤の医師が三人以上ということでございます。この要件を緩和するという問題だけでこれはございませんで、医療法人制度のあり方全体の問題にも関連してきておるわけでございますから、私は慎重に検討を要するということを申し上げたいと思うのであります。 また、先ほどお話が出ました税制上の取り扱いとは一応これは別個の問題と考えておるわけでございますが、いま事務的段階におきまして検討いたしております。必要があれば関係方面の御意見も十分拝聴いたしながらさらに検討を進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○新村(勝)委員 この問題についての厚生省の見解を伺いたいわけです。どういうお考えであるのか。経済的な側面としての医業というものに対してどういう位置づけを与えるべきであるのかという問題です。
○野呂国務大臣 いま検討しておるということを申し上げて、私が軽々にこれに対して厚生省はこういう姿勢であると言うことはいかがなものだろうかと思うのでございます。つまり、医療制度全体にかかわる問題であるだけに、単に経済的な立場から医療法人の位置づけをどうあるべきかということに決めつけられない問題を持っておるということを申し上げたわけでございます。したがいまして、厚生省としてはいま明確な態度を打ち出せない、こういうことでございますが、慎重に検討してまいります。
○新村(勝)委員 医療制度ということではなくて、医療制度ということを離れて、将来医療がすべて国営になるかどうかわかりませんが、そういう方向であろうと思います。医業が社会化していくということは時代の趨勢だと思いますけれども、それまでの問はやはり個人の経営が一つの経済体として存在することは否定できないと思うのです。そういう存在に対して特別の扱いをしていくということについてのいろいろな矛盾があると思うのです。そういう点についての御見解はいかがでしょうか。
○田中(明)政府委員 特別な扱いという点は税制上の問題かと存じますが、これにつきましては、すぐれて税制の問題でございますのでその担当省がお答えすべきことかと存じております。私どもといたしましては、医業が健全に経営されていくということが必要であろうかと存じております。
○新村(勝)委員 それでは答弁にならないわけであります。医業というのは一面では保険制度を初めとする国の制度に組み込まれているわけです。医療の供給という面では組み込まれておるわけでありますけれども、同時にまた、個人の営業としてこれは経済社会の中にあるわけでありますから、これは一つの経営でもあるわけです。ところが、その経営に対していろいろの制約が現在あるわけですね。医療法人にしても利益は配分を許さぬとか、医療法人になること自体が厳しい制約の中にあるわけです。そういう制約が一方にある。そのかわりに、その代償措置として税制についても特恵的なものを与えていこうということがあるのじゃないですか。そういう行き方も一つの行き方であろうと思いますけれども、そういうことではなくて、税制等についても特恵的なものはこの際廃止をしていく。いまも不公平税制に対する国民の批判はきわめて厳しいわけです。これは独占資本に対してはかなり手厚い不公平税制がまだ残っておるようでありますけれども、医業についてもまだあるわけですね。そういうことを廃止していく一方、医業についてだけ制約をされておる経営上の制約、これは制約はないとおっしゃるのですけれども、あるのですよ。この制約をなくしていくということ、そして経営としての医業はほかの営業と同じようなレベルで考えていくことが自然ではないか、こう言っているのです。その見解を伺いたい。
○田中(明)政府委員 先ほど税制の問題につきましては、これは税制を扱っております大蔵省の問題であろうかと存じますので、私ども意見を述べることは差し控えさせていただきたいというふうに考えているわけでございます。ただ医業はその特殊性の上から利潤を追求するということが禁じられているわけでございますが、また、その反面、国民の医療を扱っていくという重要な任務を持っているわけでございますので、そういう意味におきまして、国民の医療を守るという観点から医業が健全に行われていくことが必要であろうというふうに考えておるわけでございます。それに関連いたしまして、先ほど大臣が申し上げましたように、近年、診療所の規模も大きくなって、開業資金等相当多額の金がかかるというようなことも聞いておりますので、医療法人につきましても従来の規制を緩和する必要があるかどうかということを内部で検討しておるところでございます。
○新村(勝)委員 医業といえども、これは何回も繰り返すとおり経済行為の側面があるわけでありますから、その側面についてはもっと合理化をすることが必要ではないかと思うのですね。たとえば経営と医師の所得を分離をするとか、これは法人化をすることが一つの方法でありますけれども、そういうことにしてもっと合理化をすることが必要ではないかと思うのです。そして、ほかの経営並みの合理性を与えると同時に、これは税制は私の方じゃありませんと言うけれども、そういう言い方ではなくて、これは厚生省の医療行政と密接に関係があるわけでありますから、税制についても厚生省は一定の見解を持っていなければいけないですよ。これは大蔵省の方ですから知りませんということではいけないわけであります。税制の問題とも関係のある問題でありますから、それらを総合的に考慮をされることによって医業のあり方をもっと合理化をしていくことが必要ではないかということを言っておるわけでありますけれども、その御努力をこれからなさいますか。
○田中(明)政府委員 一般的な意味合いにおきまして、先生がおっしゃっておることはまことにごもっともであるというふうに考えますので、医業が経営の一つの主体として十分合理的な経営を行っていくべきであるという点につきまして、私どもも今後いろいろ検討し努力してまいりたいというふうに思っております。
○新村(勝)委員 時間だそうでございますので、あと一問だけ伺いますが、国立病院の職員の配置が十分でない、そのためにせっかくの施設が十分に生かされていないという面があるわけであります。これはきわめて具体的な例になって恐縮でありますけれども、私の近所に国立病院がございます。ところが、この病院は先般せっかくりっぱに改築をされたのでありますけれども、そのせっかくの施設が十分生かされていないわけであります。これは国立柏病院でありますけれども、たとえばベッドの四割があいておるわけですね。それから救急医療は扱うということにはなっておりますけれども、毎日一件ぐらいしか救急の件数がない。救急については、交通事故とかそういうものじゃなくて夜間の急病のようであります。特にあの地域では夜間の急病に対する救急の要請が強いわけであります。ところが一日平均一件ぐらいということは、その体制がないわけですね。当直のお医者さんが一人いるようでありますけれども、有事に対して——有事と言いますか、救急の求めにすぐ対応できる体制がないということだと思います。それから、未熟児の保育器の施設があるのですけれども、産婦人科が設置されていないというようなことで、せっかくの施設が生かされていないのです。これらの点について、人員の配置なりあるいは設備の不十分な点についてはこれを早急に充足をして、せっかくの病院でありますから十分の機能が発揮できるように御配慮をいただきたいのですけれども、いかがですか。
○田中(明)政府委員 国立柏病院につきましては、五十三年四月に結核療養所から病院に転換いたしまして一般患者の収容を行うということにいたしたわけでございますが、転換後、職員の定員の増あるいは設備の充実化等を図ってまいりまして、転換時におきましては職員の数あるいは設備等においてかなり劣るところがあったかと思いますが、現在におきましては、他の国立病院と比較いたしまして大体同様ぐらいの職員数あるいは設備ができておると考えております。したがいまして入院患者も五十三年四月から逐次増加しておりますが、まだ相当数の空床がございます。これにつきましては、一応病院の体制はかなり整っているというふうにわれわれは判断しておりますので、さらに地域の方に働きかけて適切な利用をお願いいたしたいと思っております。同時に、必要な定員の増あるいは設備の拡充についても今後とも努力してまいりたいと思っております。
○新村(勝)委員 終わります。
○高田委員長 この際、午後零時五十分まで休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 ————◇————— 午後零時五十四分開議
○高田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。春田重昭君。
○春田委員 年金福祉事業団という特殊法人があるわけでございますけれども、この事業団の概要とその内容につきましてまず最初にお伺いしたいわけでございますけれども、時間の関係上、簡略に御説明いただきたいと思います。
○出原参考人 お答えいたします。 年金福祉事業団は、厚生年金、国民年金、船員保険の還元融資の業務を取り扱うところでございまして、大ざっぱに分けて四つの業務がございます。 第一番目が一号業務と言っておりますが、大規模の年金保養基地の設置に関する業務でございます。第二番目が福祉施設の整備に対する貸し付けの業務でございまして、民間の各会社における職員のための厚生施設あるいは住宅、これは社宅でございますが、あるいは病院といったようなものにお貸しをする業務でございます。第三番目の業務がいわゆる転貸住宅と申しまして、被保険者の方々が自分の持ち家を建てられる場合に事業主あるいは公的な団体を通じまして融資をいたす。第四番目は担保貸し付けと言っておりますが、年金受給者の方々の受給権を担保にいたしましてお貸しをする。この四つの業務が主体でございます。
○春田委員 設立された年月日、それから役員数及び職員数はどれぐらいか教えていただきたいと思います。
○出原参考人 お答えいたします。 年金福祉事業団が設立いたされましたのは昭和三十六年、ちょっと日にちを正確に記憶しておりませんので御容赦をいただきたいと思います。 それから役員は、理事長一名、理事三名、それから監事一名、合計五名でございます。職員は、ことしの四月一日現在で百五十八名でございます。
○春田委員 出原さんは理事でございますから覚えていただきたいのですが、設立されたのは昭和三十六年の十一月二十五日となっております。 そこで、一昨日の三月三十一日でございます。政労協が調査したのが新聞で発表されておりますけれども、御存じだと思います。この中では役員五名はおろか部長、次長また課長、課長補佐とも全部天下りである。なお職員は、一応政労協の発表で百五十三名となっておりますが、このうちの百五名約七〇%が天下りである、こういう形で発表されておりますけれども、これで間違いないかどうかお答えいただきたいと思います。
○出原参考人 お答えいたします。 役員の五名は、理事長が厚生省の事務次官をいたしておりました。それから理事の三名はそれぞれ退職の直前には関係の官庁の局長クラスでございました。それから監事は警察庁の出身の者でございます。職員につきましては、百五十八名につきまして、そのうちの百一名が厚生省及び社会保険庁からの出向の者でございます。残りの五十七名が後で厚生省あるいはそちらの官庁に帰る予定のない者で事業団プロパーの職員でございます。
○春田委員 きょう内閣の方からおいでいただいておりますけれども、内閣としては、この年金福祉事業団の役員構成をどう評価されておりますか。
○栗林説明員 内閣といたしましては、昨年の十二月に閣議了解もいたしまして、できるだけ民間人あるいは法人部内の方を登用することで積極的にそれを進めようということを考えているわけでございますが、実際問題として各特殊法人ごとに考えていきますと、これは業務の性格などが非常にさまざまでございまして、国の業務の延長のようなものもございますし、またそうでない、特殊法人によっては株式会社といった組織もございますし、いろいろでございますので、それらの各法人の業務の内容その他の事情を考えながら、特殊法人全体として国家公務員から直接行った方、あるいはそれに準ずる人について半分くらいを目標にしようというふうに考えているわけでございますので、個々の法人につきましては、それぞれ御相談をさせて、これからやっていきたいと考えております。
○春田委員 昨年十二月十八日の閣議了解で、役員の構成は、国家公務員の場合は全体の約半数以内にとどめる、こういう形で了解されているわけでございますけれども、その作業というのはいかなる手法で行っていくのか、再度お答えをいただきたいと思います。
○栗林説明員 全特殊法人の役員の総数について、国家公務員出身者をその二分の一に減らすという具体的なやり方ということだと思いますが、それにつきましては、先ほど申し上げました特殊法人の業務の性格、あるいは法人設立後日が浅いとか規模が非常に小さいとかいろいろな事情がございますので、それらについても具体的な役員の改選の時期をとらえまして、五十二年の閣議決定によりまして、個々の役員の選考について内閣官房長官に協議していただくことになっておりますので、その時期をとらえて、具体的に相談をして、目標を達成するように努めていきたいというふうに考えております。
○春田委員 現在役員の方が五名おられるわけでございますけれども、この方たちの就任年月日を私自体で調べたところ、五十四年十二月十八日以前に御就任なさっているわけでございまして、この閣議了解の対象にならなかったわけでございますが、いずれにしても五十六年から五十七年にかけて任期が切れますので、再任するかどうかという点で当然そちらの御協議があると思いますけれども、五名とも全員高級官僚であるということで全体では六割ということでございますけれども、一つの事業団で五名とも全員天下りということは、やはりそちらとしては慎重に考えなければいけもいと思うのです。そういう点で、当然この改選時期に民間から起用する方向を考えるべきだと私思いますけれども、この点どうでしょうか。
○栗林説明員 役員の改選の時期になりましたら、当然事前に協議があるはずでございますので、私どもとしては、閣議了解の線を十分尊重しながら協議に応ずるつもりでございます。 ただ、一つ申し上げておきたいのは、先日も官房長官のところで民間の経済団体の方とも懇談がございまして、こういった事柄について具体的にどういうふうに持っていったらいいだろうかということの相談もあったわけでございますけれども、やはり事業団あるいは特殊法人の業務の内容、あるいは民間側で人を送る場合には両者のそういう必要性がうまく合致するだろうか、あるいは業務の内容からいって本当に民間の方をうまく活用していけるだろうか、あるいはまたそういった業務に適した民間の方というのは実際にどういうところにおられるか、もしおられたとしても、そういう有能な方に来ていただく場合に、現在の特殊法人のいろいろな条件、たとえば給与の問題とか、その後の身分保障、あるいは会社などでございますと、帰った場合に一体どうなるのかとか、もう帰らないのかとか、いろいろな問題がございますので、そういった問題について十分検討して、できるところからやっていこうじゃないかという考え方になっておりますので、その辺も踏まえて個別に御相談をさせていただくつもりでおります。
○春田委員 それでは大臣にお聞きしますけれども、役員に限らず、中間管理職以上も全部国家公務員で占められているわけですね。特殊法人が百幾つございますけれども、いわゆる中間管理職すべてが全部天下り、出向ということは考えられないと思うのですよ。この点、大臣としてはどのようにお考えになっておりますか。
○野呂国務大臣 年金福祉事業団を御指摘になったわけでございますが、厚生省関係のこうした事業団は、その業務の内容によって、業務と関係の深い行政分野における専門的な知識あるいは経験が要求されるものもあるわけでございます。そういう見地から人選を行ったところ、民間出身者の適材が得がたいために、結果的には公務員の出身者が多くなったわけでございます。 しかし、今後におきましては、この業務の的確かつ能率的な遂行に配慮をいたしまして、閣議了解の趣旨にのっとって人選に対しましては慎重を期してまいりたい、かように考えます。
○春田委員 閣議了解は、一応役員の選考ということになっているわけですね。中間管理職とか職員数まではうたっていないわけでございますけれども、確かに業務の内容によっては、そういう深い関係のある所管庁から来た方が得ですよ。メリットもあります。しかし私は、このように全体の約七割が天下りである、出向であるという点については、デメリットの方が大きいのではないか、こう思うわけでございます。なぜならば、特殊法人という一つの会社なんですから、やはり主体性がなかったらいけないわけでしょう。全体の七割がそういう方で占められておったら、これは政府の出先機関か出張所みたいな性格と同じになってしまうわけですよ。民間の方たちも約三割ぐらいおるわけでございますけれども、意欲がわかないのじゃないですか。中間管理職が全部そういう方たちに占められておるわけですから、自分たちは当然管理職につけないのだということで、仕事に対する意欲もなくなっていくと思います。これは昭和三十六年に設立されているわけですから、もう十九年たっているわけでしょう。そういう点で人材がいないことはないと思うのですよ。完全にこれは癒着といいますか、なれ合いといいますか、私はそういう点を強く感ずるわけでございますけれども、再度大臣の御答弁をいただきたいと思うのです。
○野呂国務大臣 特殊法人の業務内容を勘案しながら、民間からの登用を積極的に推進するように、今後検討させていただきたいと思います。
○春田委員 事業団の出原理事としては、全体の約七割がそういう方で占められているわけでございますけれども、この点どう認識なさっているのですか。
○出原参考人 お答えいたします。 現在の五十七名のプロパー職員の中で、いわゆる課長職を除きました主任クラス以上では二十一名でございます。 それで、どうしてこういう状況になっておりますか実情を申し上げさせていただきたいと思いますが、事業団が発足いたしましたのは昭和三十六年でございまして、特に昭和四十六年の行政管理庁の勧告をいただきまして、できるだけプロパーの職員を採用していこうということで、全体の年齢が非常に若うございます。その年齢に応じましての昇進につきましては、私ども十分心を配っておるつもりでございます。したがいまして、将来の問題といたしましては、この人たちがそれぞれの道に昇進をしていくということについては、十分今後の問題として承知をいたしておりますし、またそのような配慮をいたしてまいりたいと考えております。
○春田委員 そこで、私は具体的な問題につきまして御質問を展開してまいりたいと思うのですが、会計検査院の方に最初にお尋ねしたいと思います。 現在五十二年度の決算の審議中でございますけれども、五十三年度の決算も報告されておりますので、そこでこの五十三年度決算報告で報告された中で、年金福祉事業団に対する不当事項が掲記されているわけでございます。その概要につきまして御説明をいただきたいと思います。
○小野会計検査院説明員 お答えいたします。 五十三年度決算検査報告によりまして福祉施設設置整備資金の貸し付けについて検査いたしましたところ、不当と認められるものがございましたので、不当事項として指摘したわけでございます。これは昨年中百十件、百三十七億六千八百十万円について調査をいたしまして、その貸し付けが適切でないと認められるものが九件、一億三千五百五十万円見受けられましたので、これは財政資金の適切な運用管理を図る必要があるということで、私ども不当事項としたわけでございます。 なお、この福祉施設設置整備資金につきましては、五十一年度中に私ども二百四十八件、百三十四億六千四百十万円について調査いたしまして、そのときに適切でないと認められたものが四十八件、二億六百六十万円ございましたので、この資金使途の確認に関する規定を整備させるとともに、受託金融機関に対し適切な指導を行うよう院法三十四条に基づきまして処置の要求を行ったわけでございます。その処置の是正状況につきまして含めて今回検査したところ、まだ適切を欠くものがございましたものですから、不当事項として揚記したわけでございます。
○春田委員 ただいま検査院の方から御報告があったように、今回五十三年度指摘されたものにつきましては、五十一年度にも同じく、不当事項じゃございませんけれども、意見の表示または処置の要求ということで、軽い警告であったと思うのですけれども、一応指摘されているわけですね。それがさらに五十三年度にもこういう形で出てきた。わずか二、三年おいてのこういうことなんですね。これでは本当に検査院が指摘しながら、いわゆる注意を与えるといいますか、今後の注意を促したわけでございますけれども、それがわずか二、三年おいてまた同じことを繰り返している。中身は全く一緒なんですよ。こういう点で、事業団が本当に反省しているかどうかという点が非常に疑いがあるわけでございます。そういう点で、検査院としては、二度あることは三度あると思うです、だから今回不当事項を挙げましたけれども、この種のものをなくすためには今後どういう手当てをしていったらいいのか。検査院独自としての考え方をお聞かせいただきたいと思うのです。
○小野会計検査院説明員 お答えいたします。 資金の貸し付けにつきましてこの不当事項が出ておりますのは、資金を交付した後の使途の確認の業務が非常に怠り、なおざりになっているという実態がございます。したがいまして、この資金使途の確認というのは一般の銀行に代行させておりまして、ここに委託させてやっておりますので、その銀行に対する指導等が徹底を欠いたためにこういう事態ができるのじゃないかというふうに思われるわけでございます。したがいまして、やはりこの受託金融機関に対して徹底的な指導を図る必要があるというふうに私ども考えておるわけでございます。
○春田委員 検査院からは金融機関に対する徹底的な指導ということでございますけれども、これは厚生省としてはどういう手当てをしたわけですか。どういう指導をしてきたのですか。
○木暮政府委員 ただいまの問題につきましては、昭和五十年に注意を喚起されまして、その後事業団と私どもの方で十分連絡をとりまして、私どもといたしましては事業団監督の立場から、それからまた事業団は実施の立場からそれぞれいろいろな改善措置をとったわけでございますが、今回再び不当事項の指摘を受けて、大変申しわけないと思っております。 なお、私どもの監督に応じまして事業団がとりました措置につきましては、理事から御報告を申し上げます。
○出原参考人 昭和五十一年に御指摘を受けましたことにつきまして、その後五十二年の七月には受託金融機関の事務取扱要領を改正し、貸付金の額及び使途の適正を期するために、新たに貸付先から領収書等の添付を義務づける、そしてそれを受託金融機関で確認するというような扱いその他金融機関に対します指導を繰り返したところでございます。 なお、先般の会計検査院の検査によりましてさらに九件の事故があったということで、私どもはこれにつきましては大変遺憾に存じておる次第でございますが、さらに今後の指導の方針といたしましては、すでに今年の初めに金融機関に対しましてこういった事実のあったことを通知をするとともに、今後につきましては、貸付先に対してはこういう事故を起こした場合には超過貸し付け等についての違約金制度を考えてみたい、あるいは悪質な場合には以後の貸し付けを行わない、あるいは受託金融機関に対しましては委託業務の停止をすることもあり得るという警告を発しまして、具体的な結論につきましては現在さらに検討中でございますが、今年度の業務の取り扱いを各金融機関に協議をいたします際に明確にいたしたいというように考えて、現在検討中のものでございます。
○春田委員 そこで、事業団の事業の中で福祉施設設置整備資金という項目でございます。この借り入れの順序、手順でございますけれども、これをまず説明いただきたいと思うのです。
○出原参考人 お答え申し上げます。 中心は民間の事業所等が福祉施設を整備するときのことで申し上げるのがいいかと存じますが、福祉施設たとえば体育館をつくりたいとかいったような場合には、取り扱いの金融機関であります銀行あるいは信用金庫その他を通じまして、それから大きな会社につきましては直貸しと申しておりまして、私どもに直接見える場合もございますが、これは大企業の例外でございます。全般的に申し上げますと、金融機関を通じまして申請をされるわけでございます。 金融機関におきましては、その業務の内容等を私どもの方から指示をいたしております取り扱いの要領に従って、書類が整備されておるかあるいは実態に間違いがないかということで申請をされるわけでございます。金融機関を通じて私どもに来ました申請を、当方におきましてさらに書類の上で審査をいたしまして、疑義のある場合には照会を繰り返すということで、最終的には私どもの役員会で融資の決定を行うということになります。 それから融資が決まりますと、今度は融資の実行になるわけでございますが、現在の取り扱いといたしましては、当該物件ができ上がりましたときにそれ相応の費用を支払うということで、関係書類をつけるわけでございます。その際に出ましたのが、実は先般の最終の確認において怠りがあったということが事故の原因になったわけでございます。
○春田委員 私は手元にここ四、五年の貸付状況を見ているわけでございますけれども、かなり横ばい状態になってきているわけですね。この借り入れの状況、事業主が申し込みますね、借入金額というのは貸付金額と相対してどういう形で推移しているのか。一応、貸し付けの決定額はいただいておりますけれども、借入金額等そちらでわかりますか。申し込み金額ですね。
○出原参考人 お答えいたします。 昭和五十四年度はまだ途中まででございますが、五十三年度、五十二年度の状況を申し上げますと、五十二年度におきましては、借り入れの申し込みは九百八十二億でございます。決定いたしましたのは九百六億でございます。五十三年度は、八百六十五億の借り入れの申し込みがございまして八百二十三億の貸し付けでございます。五十四年度はまだ最終締めておりませんが、十二月まで六百七億の申し込みに対しまして五百三十九億の決定でございます。
○春田委員 五十二年が九百八十二億で九百六億決定しているわけですね。五十三年が八百六十五億で八百二十三億ですか。申し込んだ方がほとんど、この数字だったら九割以上だと思うのですけれども、決定しているわけですね。こういう点で適正な審査といいますか、これが行われていたかどうかということでございますけれども、どうも金融機関の審査というのが甘かったのじゃないか、それに対する事業団の指導といいますか、事業団独自としての審査というものがどこまであったのか、金融機関に任せっ放しでなかったのかという疑問も起こってくるわけでございますけれども、事業主が金融機関に、銀行に申し込む、事業団としてはその後再度書類等のすべてのチェックといいますか、審査というものはやっていたわけですか。
○出原参考人 事業団といたしましては毎月二回審査のための役員会を開きます。年間八百件ないし九百件出てまいりますが、それのすべてにつきまして役員会で爼上にのせて審査をした上で決定をいたすことにいたしております。
○春田委員 そうしたら、貸し付けが決定されるのは、要するに事業団がオーケーして初めて事業主にそれが連絡されるわけですか、決定されるわけですか。
○出原参考人 この福祉施設の貸し付けにつきましてはそのとおりでございます。
○春田委員 ところが、そういう二重の審査をやりながら、チェックをしながら、現実はそういう事故が起きているわけですね。 そこで検査院にお伺いしますけれども、五十三年度決算では九件が不当事項として、適正を欠いていたということで指摘されているわけですね。調査した件数はもっと多いと思うのですけれども、この件数と一金融機関は何行あったのか、検査院の方から御報告いただきたいと思うのです。
○小野会計検査院説明員 お答えいたします。 私ども、昨年中調査いたしましたのが百十件でございまして、この貸付調査件数の八%に当たる九件につきまして不当事項として指摘したわけでございます。それから、これの受託金融機関でございますが、四十三行になると思われるわけでございます。
○春田委員 百十件抽出した、そのうちの九件が不当事項で挙がったわけですね。指摘率ということで言えば大体八・一八%ですね。非常に高い旅になっているわけでございます。また、貸付金額も全体で七億七千五百五十万のうち批難金額が一億三千五百五十万という形になっております。相当膨大な不当貸し付けが行われているわけですね。この点、検査院としてはどう思いますか。
○小野会計検査院説明員 お答えいたします。 先ほど申し上げましたように、私ども五十一年度中に検査いたしまして五十一年十一月に是正改善処置の要求をしたわけでございます。これに対しまして事業団では、五十二年七月に受託金融機関事務取扱要領を改正いたしまして資金使途の確認に関する規定を定めるとともに、受託金融機関の受託業務の適正な執行について指導するというような措置を講じたものでございますが、昨年私ども検査いたしましたところ、御指摘がありましたように八%の高い指摘率になっていて、是正改善の効果が上がっていない、こういうふうに考えましたので、不当事項として特に掲記したわけでございます。
○春田委員 検査院からは非常に高い指摘率だということがいま御答弁ございましたけれども、金融機関でもチェックし、再度事業団でもチェックしながら、なぜこのように高い指摘率になるのか、本当に事業団として任せっ放しでなくして事業団独自でも調査しているのか、審査しているのか、疑いたくなるわけですね。この点どうなんですか。
○出原参考人 先ほど説明をいたしましたのは、貸し付けの決定をする場合の手続でございます。今回の事項につきましては、すべて貸し付けの実行をした後の調査でございます。これは私どもが銀行を指導いたしまして、銀行の方で現場を確認するなり関係の証拠書類を十分に目を通してその上で間違いのないことを確認をするようにという指導をするようにという指導をいたしてきたわけでございます。ところが実際には、銀行業務の繁忙その他があったのかもしれませんが、十分に効果的に行われていなかったということのために、現場確認の事務は銀行の業務でございますので、その場合に十分行われていなかったということがこのような結果を招いたということになるわけでございます。事業団自体も監査の場合にこういったものを追いかけてさらに指摘をしておることもございますが、根本的にはさらに銀行に対する指導を強化する必要があるであろう。特に貸し付けを実行した銀行が現場をよく承知をしておるわけでございますので、その確認のための業務をさらに徹底してやってもらう、そのためには、もしそれを怠って事故を起こしたというような場合には銀行に対する一定のペナルティーを科するということも今後は考えていかねばなるまいということが先ほど御答弁申し上げました内容でございますので、今後十分検討いたしまして指導を強化してまいりたいというふうに考えております。
○春田委員 事業団としては書類上のチェックだけ、審査だけであって現地調査やってないからわからない、こういうことですね。それだったら本当の審査かどうかわからないと思うのですよ。国から与えられた助成金をもって事業主に貸しているわけですから。また、いわゆる厚生年金や船員保険、国民年金を預けた方たち、その方たちを正確に守っていくのが事業団でしょう。だから、全体の現場の実施まではできなくても、すべてを金融機関に任せるんじゃなくして、事業団としても全体のうちの何割か抽出して現場調査を実施する、こういう点も今後の行政としては考える必要があるのじゃないかと思うのですけれども、どうですか。
○出原参考人 先ほどもお答えの中で少し申し上げましたように、事業団も事業団自体の監査の手続を通じまして現場の確認もいたしております。そして超過貸し付けを発見してこれを返させたという例もございます。これにつきましては、私どももさらに今後強化をすると同時に、やはり銀行に対する私どもの指導を徹底強化する必要があるだろう、あわせて今後こういった御指摘を受けないように努力をいたしてまいりたいというように考えております。
○春田委員 そこで、九件指摘されているわけでございますけれども、この九件の中で金融機関として第一勧銀と北陸銀行、この二行がそれぞれ二件不正貸し付けで指摘されているわけですね。この点をどう思っておりますか。
○出原参考人 お答えいたします。 同一の銀行で、それぞれ支店は違うようでございますが、こういった事故が複数で出てくるということは、私どもといたしましては、銀行の本部の方の支店に対する指導にやはり問題があるのではなかろうかというように考えます。したがいまして、この事項が指摘されました後、私どもの方から銀行の本店の方のしかるべき者に事業団の方に来団を求めまして、この結果を伝えるとともに、今後の注意について厳重に申し渡したところでございます。今後ともその指導は強化してまいりたいと考えております。
○春田委員 特に第一勧銀の場合は五十一年二月二十五日、休養施設の貸し付けをやっておるわけですね。一億九千九百五十万、そのうちのいわゆる適正を欠いたという金額が五千三十万なんですね。非常に過大貸し付けをやっておるわけでございまして、先ほど出原理事からこうした金融機関、銀行に対しては一定のペナルティーをかけるという話がございましたけれども、この一定のペナルティーとはどういう意味なんですか。
○出原参考人 まだ私どもとしまして最終的な結論を出しておりませんけれども、すでに受託金融機関、銀行等に対しまして今年の当初に警告を発しました際に、受託金融機関に対しては、事故を起こした当該取り扱い店舗については委託業務を停止することもあり得ますということを警告を発したということでございます。
○春田委員 金融機関に対してのペナルティーはわかりましたけれども、お金を借りる側の事業主に対するペナルティーとか、要するに不正で申し込んでいるわけですから、これに対してはどうお考えになりますか。
○出原参考人 事業主の場合には、初めて融資をお受けになるところも多うございます。それから事業主がお借りになりまして、特にこの事故がたくさん出ました昭和五十二年ごろは、当初事業団に申請をするときの価格の見積もりと、実際に契約を終え工事を完成した最終の段階におきまして値引き等がかなり行われておったようでございまして、借りる側としては黙っていてそのまま済むものならという気持ちもあったのではなかろうかと存じます。したがいまして、繰り返し私どもの方からお貸しするような相手に対しましては、特に今後の融資を停止をするというようなことも十分考えたいということで警告を発したところでございますが、初めての方もございますので、やはり基本は銀行の指導、銀行の方が十分借り主を指導していただくということになると思いますが、悪質な場合にはそれ相応の措置はとる必要があるのではなかろうかというように考えて検討いたしております。
○春田委員 この五十三年当時と今日、そう情勢は違わないと私は思うのですよ。やはり見積もり金額と実勢価格とでは相当違うわけですから、そういう点ではただお金を返してもらったらそれでおしまいじゃなくして、今後のためにも一定の歯どめをかける必要がある、こう私は主張しておきます。そういうことで要するにやり得にならないようにしていただきたいと思うのです。こういうことで、金融機関、また事業主に対しては今後一定のペナルティーをかけていくということで、かなり厳しい処置をしていくという事業団からの報告があったわけでございますので、これで私終わりたいと思いますけれども、こうした問題、今後起こらないように十分していく必要が、まだいろいろな改善措置があるのじゃないかと私は思っているわけでございまして、そういう点では鋭意検討していただきたいと思います。 最後にこの問題につきまして大臣の御見解をいただきまして、この問題については終わりたいと思います。
○野呂国務大臣 御指摘の昭和五十年度、五十三年度、二回にわたりまして会計検査院から御指摘を受けたわけでございますので、今後こういうことの起こらないように年金福祉事業団を監督指導いたしまして、御指摘を受けることのないように努力を進めてまいりたい、かように考えます。
○春田委員 次に、腎炎とネフローゼの問題についてお伺いしたいと思います。 厚生省として現在この腎炎・ネフローゼの患者が全国的にどのくらいおられるのか、掌握されているのか、まずお答えいただきたいと思います。
○大谷政府委員 腎炎・ネフローゼ患者の実態につきましては調査研究班の推計による数字がございますが、これによりますとネフローゼ症候群が一万九千人から二万四千人くらい、慢性腎炎の患者さんにつきましては十五万三千人から十六万四千人という推計になっております。
○春田委員 推計ということであれば、要するに潜在患者を含めるともっと多いということで考えてもいいですか。
○大谷政府委員 腎炎の病気は非常にむずかしい病気でございまして、どの範囲にとるかということもございますし、非常に軽い者につきましては単にたん白が出ているとか出ていないという程度のもので、これは相当な数に上るのではないかと思いますけれども、そういう実態についてはなかなか把握がむずかしいと思います。
○春田委員 この種の病気の原因ですね。これはまだ明確にはされていないと聞いておりますけれども、現在まで厚生省としてはいろいろな大学やまた先生方に依頼されて研究されていると思いますけれども、現在までの研究からして原因は何から起こると見ておられますか。
○大谷政府委員 厚生省では昭和四十八年度から大型研究班を編成いたしまして、引き続き研究いたしておるわけでございます。しかし、この腎炎・ネフローゼの原因になりますものはいろいろな細菌、ウイルス、中毒、いろいろなものがございますし、また最近言われております免疫の問題、体質の問題そういった問題も非常に多うございまして、これはまさに医学の本質にかかわるような病気でございまして、私どもといたしましては従来、こういった研究につきましては三年で打ち切るというふうなことをやっておるわけでございますけれども、病気の非常にむずかしさということを考えまして、今年度も引き続いて大型研究班で続けるという考えをいたしております。
○春田委員 この難病といわれる病気に対しまして、厚生省として、政府としていかなる諸施策をなさっているのか、お答えいただきたいと思います。
○大谷政府委員 厚生省といたしましては腎炎・ネフローゼにとどまらず、難病全体につきまして専門家の方々の御意見を聞きまして、いわゆる難病対策ということで調査研究班を全国の専門家の方々を編成いたしまして研究いたしているわけでございます。
○春田委員 腎炎・ネフローゼ児を守る会という団体がございます。御存じだと思いますが、この守る会から再三再四、国立の腎センターの設立が要望されておりますけれども、その見通しについてお伺いしたいと思います。
○田中(明)政府委員 腎炎・ネフローゼを含む難病につきまして、国立病院、国立療養所といたしましても、特定の能力のある施設を選びまして、その診療、臨床研究、さらには研修の各機能を整備しているところでございまして、腎炎・ネフローゼにつきましても国立病院医療センター及び国立療養所下志津病院を指定いたしまして、腎炎・ネフローゼの原因の究明あるいは治療法の確立という点からいろいろ研究等を行っているところでございます。また、小児の腎疾患につきましては、現在整備中の国立小児病院の研究所において研究を推進するということになっております。またさらに、国立の佐倉病院を腎移植に関するわが国の中核病院として整備運営しているところでございます。 厚生省といたしましては、以上のような諸施設の拡充をさらに図って、腎疾患の研究を進めてまいりたいと存じております。したがいまして、これらの諸施設と別に、新たに国立腎センターを設置するという考えは現在のところ持っておりません。
○春田委員 さらに医療費の公費負担の問題でございますけれども、現在入院患者のみを対象としておりますね。いわゆる通院患者の場合は、対象外になっております。すでに地方自治体では、大阪なんかは以前は十八歳まで見ていたわけでございますけれども、五十五年度予算で二十歳までの通院患者の公費負担も見ているわけでございます。そうした地方自治体が先駆けてやっておりますけれども、国として通院患者も含めて公費負担で見る、そういう思い切ったいわゆる公費負担のあれを入院患者からさらにいわゆる通院患者まで広げてみたらどうかと私は主張しますけれども、どうでございましょう。
○竹内政府委員 お答えいたします。 私ども、小児慢性特定疾患の治療研究事業といたしまして、腎炎・ネフローゼについても実は入院についての治療、研究という形での公費負担を実施しておるところでございます。そのほかに私どもの特定疾患の治療研究としましては、腎炎・ネフローゼ関係を含めまして疾患を大きく九つの群に分けております。そのうちで悪性の新生物とか糖尿病、あるいは先天性の代謝異常、血友病といったようなもの、内分泌疾患の中で下垂体性の小人症というものについては、実は通院を認めているわけです。この慢性特定疾患の中で通院を認めておる一つの基準と申しますと、私どもとしては通院治療それ自体がその疾患の治療に非常に効果があるといいますか、貢献をするケース、それからもう一つは非常に長期にわたって、かつ通院医療費が高額にわたるもの、これを一つのめどとして通院対象にいたしておるわけです。ところが腎炎・ネフローゼのケースにつきましては、基本的には治療体系というのは主として入院を中心にいたしております。退院いたしまして通院の段階に入りますと、平均値でございますけれども大体二週間に一回程度、それも尿検査等を受ける、しかも一回当たりの尿検査の単価が負担分にいたしまして大体千五百円ないし千八百円程度というような実態がございます。そういったようなことからいたしまして、小児慢性特定疾患治療研究費は財政的にも非常に限られておりますという制約もございますものですから、まず通院治療の公費負担の対象といたしましては、先ほど申しましたように、通院治療自体がその治療の主体であるか、そしてそれだけの効果があるかということ、それから非常に高額かつ長期にわたる、その辺の基準で判断をしてきたわけであります。そういった意味で、現在、慢性の腎炎・ネフローゼについては対象になっておりませんので、私どもとしてはこの九疾患いずれも、それは入院であるか通院であるかを問わず、そういった対象にしていきたいとは存じておりますけれども、やはり一定の制約の中で逐次対象を広げていくといたしますれば、先ほど申し上げたような線に沿いながら、ひとつ小児の難病と申しますか、その対象者の中でそういった福祉的な措置の拡充を、優先度を見計らいたがら前進をさしていただきたい、こういう状態でございます。
○春田委員 確かに限られた予算の中でやっていくわけですから、一定の線といいますか、基準といいますか、査定が厳しくなるのはわかりますけれども、そういった角度からの論争ではなくて、すでに地方自治体でも出しているわけですよ。地方自治体が出していなかったら私は何も言いませんけれども、地方自治体が出しているわけです。そういう点で国に先駆けて公費負担しているわけです。乏しい厳しい、本当に限られた地方自治体財政の中から公費負担をしているわけですから、その分、国としても見るべきである、こういう主張なんですよ。どうでしょう。
○竹内政府委員 御趣旨の点はよくわかるわけ天ございますけれども、私どもとしては、先ほど申しましたように、慢性九疾患群の中で腎炎・ネフローゼが先なのか、あるいはその他の疾患部分——内分泌疾患の方はまだ下垂体性小人症だ肝しか前進をいたしておりません。その前進度合いという際に、優先度を考えながら、最終的には、御指摘のように全面的に入院、外来を問わず対為にすることが私どもも福祉の立場からすれば望ましいわけでございます。ただ、申しわけございませんが、確かに自治体がそういった意味で先取り的に前進していただいておること自体、私どもも結構なことだと思いますけれども、そのことが一つの契機にはなり得ましても、それをもって直ちに国がそこまで広げるという結論に至るのにはまだ少し問題が残るのじゃないか。私どもとしては、先ほど申しました二つの条件に照らしながら、できるだけ福祉措置の拡大という形での前進を図りたい、かように考えております。
○春田委員 時間がありませんので、その論争はまた機会を変えたいと思うのですが、さらに病院内の学級の設置の要望があります。また、尿の検査でございますけれども、現在年二回まで見ているそうでございますが、これをさらに拡充すべきであるという主張もあるわけでございます。この二点、病院内の学級設置、尿の検査の拡充、この問題について厚生省としてどう対応されるのか、お答えいただきたいと思うのです。
○竹内政府委員 病院内の学級設置につきましては、昨年の四月からいわゆる養護教育の義務制が実施されまして、これは私どもの所管と申しますよりも——所管のことを申し上げて恐縮ですが、文部省の方で養護教育の全面義務実施費の対象にいたしまして、それぞれ養護学校、養護学級あるいは養護教師の派遣といった形でハンディキヤップを持った子供たちに対する義務教育の実施ということに力を尽くしていただいているわけでございます。病院内の問題につきましては、派遣教師という形あるいは病院の中に養護学級を設けるという形で現在それぞれ対応はしているわけでございますけれども、教育委員会における養護教諭の充足状況の問題、それから病院における学級としての教室の施設整備の問題等から若干立ちおくれがある点は否めませんので、この点につきましては、これは必ずしも国公立病院だけではなくて、一般病院も含めまして、障害児についての義務教育、養護教育の全面実施ということの効果を期するように、文部省と協議しながらできるだけ急いでまいりたいと思っております。 それからもう一点の問題でございますけれども、私どもとしては健康診査という形で母子保健法に基づきまして、新生児の場合、それから一歳六カ月、それから三歳児、それから義務教育を受ける直前、就学前の健康診査は教育委員会が行っておりますが、それぞれの段階ごとに健康診査で、たとえば尿検査、血液検査等も含めまして、早期発見ということが何よりも大切だということで努力を続けてまいっております。ただ診査の実施率というのが全面的に私どもが納得できる範囲までなかなかいっておりません。一般的に平均して申しますと、就学前の場合はほぼ九十数%までいきますけれども、三歳児の場合で大体八五%、一歳六カ月の段階になりますと、まだ五十二年度からスタートしたばかりでございますので全対象児童数からいたしますと大体三分の二、六五%程度というところで、私どもも予算的にもそれからまた行政指導の面からもさらに力を入れていかなければならないということで、十分問題意識を持ちながらこの点努力をしてまいりたいと思っております。
○春田委員 最後に、五十五年度予算要求の中で社会、公明、民社で難病の公費負担の医療対策費を、現在二十一ないし二十二、それをさらに拡充すべきであると要望されましたけれども、この点どのように対応なさっておられますか。
○野呂国務大臣 お話のように、五十五年の予算につきまして社会、公明、民社の三党から修正要求がいろいろな形で出されておるわけでございます。このことについては自民党が文書で回答いたしておるいきさつは私も承知をいたしておるわけでございます。政府としてはこの回答の内容について誠意を持って対処することは当然でございますが、この特定疾患治療研究対象の拡大につきましては専門家の意見を聞いて検討すると申し述べておるのでございます。今後具体的にどの疾患を追加するかという内容につきましては、特定疾患対策懇談会などの専門家の意見を聞きながら誠意を持って検討し、適切に対処してまいりたいと考えておるわけでございます。今日までの事業推進についてのいろいろな経緯もあるわけでございます。専門家の意見を十分聞かなければいけないし、また先ほどからもいろいろ御指摘がございました治療研究事業内容自体もまだまだ必ずしも十分とは考えておりません。そういったいろいろな問題も絡めまして十分検討させていただきたい、かように考えます。
○春田委員 専門家の懇談会といいますか委員会で今後検討されていくと思いますけれども、私たちの予算修正では、難病というのは六十二疾患ある、現在二十一ないし二十二だからもっと広げろ、六十二まで持ってこいという要望をしたわけでございますけれども、結果的には十億円の予算修正であった。この十億円も老人ホームの自己負担の軽減も絡んでの十億円でございますから、当然そちらの方にも若干修正されますので、十億円全部が全部こっちに来るわけではないわけでございます。専門家の懇談会というのはこれからずっと検討されてまいりますけれども、めどとしては大体いつごろにその結論というか方向が出てきそうか、その辺はわかりませんか。
○野呂国務大臣 いま結論を出す時期について申し上げる段階でございません。大変この種のものは、二十一疾患を対象としておるわけでございますけれども、それを追加するにつきましてもいろいろ一般のものとの関係もございますので、専門家といえどもそう簡単に結論を出すことが私はむずかしいのではないかと思うのでございます。したがって、数字の特に金額の問題などだけでくくって、だからこれだけの修正予算の枠でやったらいいじゃないかというようなものではないようにも思われるわけでございますが、政府といたしましてはこの専門家の意見を十分尊重いたしまして適切に対処してまいりたいということをお答えすることで御理解願いたい、かように思います。
○春田委員 これからやっていくことですから、こういう質問はまだ早いかもしれませんけれども、厚生省の感触としてはこの二十一疾患をどれくらいまで広げられそうなのか。それは難病によってはいろいろ違うと思いますけれども、その辺お持ちですか。
○大谷政府委員 この問題は疾病に限ってするのがよろしいのかどうなのか。六十二疾患と申されますけれども、実際に医学的に申しますならば、ほかにも実に無限に多くの非常に悲惨な病気がございますので、私どもといたしましては、やはりそこのところで現在の時点で医学、医療界、各界の御意見をお聞きいたしまして、やはりプライオリティーという点から考えさしていただかなければいけないのじゃないか、どこまでやればそれで終わるというものではないように考えている次第でございます。
○春田委員 次に第三点目に、福祉電話についてお尋ねしてまいりたいと思います。 ひとり暮らしの老人や重度の身障者に対して福祉電話という制度があるわけでございますけれども、現在福祉電話は何台ぐらい全国的に設置されているのか、それから、最終目的は何台なのか、この辺から御説明をいただきたいと思います。
○山下政府委員 昭和五十三年度末で整備を終えております台数が三万四千六百五台でございます。今年度昭和五十四年度予算化いたしておりますのが九千台でございますので、合わせますと四万三千六百五台というのが今年度の設置の状況に相なるわけでございます。目標と申しますか、私どもが昨年の十一月に全国の市町村に設置計画の台数を調査いたしまして集計をいたしたのでありますが、約五万一千台という数字が出ております。ただいま御審議をいただいております昭和五十五年度予算におきましてもさらに九千台の増設を予定いたしておりますので、おおむねそれに達することができるのではないか、かように考えておるわけでございます。
○春田委員 ということは、五十五年度でこの事業は終わりそう考えていいわけですね。
○山下政府委員 当面、昨年末に調査をいたしました市町村の計画台数は、五十五年度で設置を終了することができると考えております。
○春田委員 そこで現在の補助の内容でございますけれども、国の補助は設置補助がありますね。これは補助単価八万三百円ですか、それを国三分の一、都道府県三分の一、市町村三分の一で負担しているわけでございますけれども、ところが運営補助費、いわゆる通話料、また基本料金、これについての補助は全然現在ないわけです。ところが地方自治体によっては、基本料金の二千六百円、それから通話料の一部も負担しているところがあるわけです。これは私の地元の大阪でございますけれども、ある市に至っては年間百万円ぐらいこの事業につぎ込んでいるわけです。そういう点で、五十五年度に一切合財目標は終わるわけでございますから、それ以降については、いま地方自治体がやっております運営補助の方に切りかえていただいて、この内容をもっと充実していってほしいという要望があるわけでございますけれども、この点どうでございましょう。
○山下政府委員 御指摘のとおりに、現在基本料金につきましては相当多数の府県が、通話料金につきましてはまだ一〇%程度でございますが、市町村で御負担願っておることは承知いたしておるわけでございますが、設置につきましてのお話がございました八万三百円、これは架設料と加入料でございますが、これの助成はいたしておるわけでございますが、利用料金につきましては原則として利用される方に御負担いただくという考え方でおるわけでございます。
○春田委員 郵政省の方がお見えになっておりますのでお尋ねしますけれども、公衆電気通信法の七十条に「料金の減免」、七十二条においても「公社又は会社は、その総収入に著しい影響を及ぼさない範囲内において、臨時に、公衆電気通信役務の料金を減免することができる。」となっておるわけでございまして、そう大きな補助ではないわけでございますし、また、電電公社は相当大きな黒字になっておるわけでございますから、ひとり暮らし六十五歳以上の老人ないし重度身障者に対しては運営補助費で減免すべきである、無料にすべきである、公費で見るべきであると思いますけれども、郵政省の方、お見えになっておりますね、お答えいただきたいと思います。
○水町説明員 お答えいたします。 公衆法の七十二条のことでございますが一七十二条の臨時減免の規定と申しますのは、この趣旨を申し上げますと、「公社又は会社は、その総収入に著しい影響を及ぼさない範囲内において、臨時に、公衆電気通信役務の料金を減免することができる。」というふうになっておりまして、この場合に臨時であるということが一つの要件になっおるわけでございます。それからまた、この条文は、御承知のとおり電話の料金は基本的なものは法律で定められておりまして、一部認可のものもございますが、この法律で定められました料金を減免する場合には七十二条の前の七十条と七十一条で個別具体的な場合を拾い上げまして、この場合には減免できるというふうなことになっておりまして、七十二条はそこでは拾えないものを、ちょっとここで書き上げられないものの例外規定というようなことでございますので、その辺の全体の趣旨というものを考え合わせて、利用の公平といったものを考えて判断していかなければならないものではないかというふうに考えておる次第でございます。
○春田委員 それはそういう答弁が返ってくると思いました。 そこで、昭和五十一年の第七十八回国会において公衆電気通信法の一部を改正する法律案に対する附帯決議の第三に「寝たきり老人、心身障害者などの生活維持に必要な電信電話の利用については、設備料、通話料の減免及び設備料の分割払いの方法を検討する等、積極的な福祉施策の措置を講ずること。」となっておるわけですね。この点から言っても当然これは減免すべきじゃないですか。
○水町説明員 確かに前回の公衆法の改定のときの附帯決議でそういう趣旨の御決議をいただいております。ただ、私ども内部でいろいろ議論をいたしておるところでございますが、この福祉型の料金を電話料金の中に導入するということにつきましては、確かにそうすべきであるという強い御意見も承っております。同時に、一方ではその辺のことにつきましては、国ないし地方自治体のいわゆる福祉施策、そういったところで行政サービスとして措置するのがふさわしいのではないかということで、料金体系の中でそれをカバーしていくことにつきましてはおのずから一つ限界があるのじゃなかろうかという意見もまたあるわけでございまして、この辺につきましてはそういった意見の分かれているところであろうかと私ども考えておるところでございます。いま直ちに電電公社の電話料金の中にこれを持ち込むということについては一つの限界があるのではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
○春田委員 最後に、福祉電話は業務用となっておるわけですね。住宅用じゃないわけです。業務用だったら住宅用より大体四割ないし五割高いわけです。業務用から住宅用に変えてほしいという要望があるわけでございますけれども、この点、厚生省としてはどう考えておるのかお聞きいたしまして、終わりたいと思います。
○山下政府委員 御指摘のとおり、市町村が一人暮らし老人の方に貸与するという形になっておりますので、そのままでは業務用ということになって高い料金ということになるわけでございますので、暫定的な措置といたしまして、市町村から老人の方に再売買予約つきの福祉電話加入権の譲渡ということでお譲りした形にいたしまして住宅用の料金でやっていただくという措置を講じておるところでございます。
○春田委員 終わります。
○高田委員長 岩佐恵美君。
○岩佐委員 食品に添加される添加物の問題についてお伺いしたいと思いますけれども、添加物は一億一千万国民の生命、健康にかかわる問題でございます。 まず最初に、過酸化水素の問題につきましてお伺いしたいと思いますが、十月一日から過酸化水素を使用した食品は事実上売られないし、また製造もされないということになるというふうに理解を一般的にされているわけでございますけれども、その点はいかがでしょうか。
○榊政府委員 御指摘の食品添加物の問題でございますけれども、食品添加物、御指摘の過酸化水素につきましては発がん性の問題とかいろいろあるわけでございますが、その物質の一つの特殊性、特性といいますか、そういうことからいろいろ個別に考慮する必要があろうかというふうに思うわけでございます。今回の措置につきましては、これは食品衛生調査会の意見にもございまして、最終食品としての完成前に分解あるいは除去するというふうな形で今回告示が定められたわけでございます。そういったことで、今後とも最終食品に残留しない形であれば使用できるということになっております。
○岩佐委員 現実に最終食品に残留しないという製法について現段階で見当たらないということのようでございますので、実際上は製造あるいはこういう段階での使用ということもあり得ないのがという理解になっているわけですね。
○榊政府委員 ただいまのお話のように、今回の過酸化水素の使用基準の意味につきましては、これは最終的に残留しないということを担保するためには、製造技術とかあるいは加工技術とか、そういったものを総合的に判断しなければならないということになるわけでございます。そういったことから加工技術というものについては今後の進歩といいますか、研究にまつ部分が非常に多うございまして、現実にはなかなか使用しにくい添加物であるというふうに考えております。
○岩佐委員 過酸化水素の食品中の最終残留チェック、これについて、現在のところ五PPmのところが検出限界であるというふうに言われているわけですけれども、十月一日までに五PPm以下の検出、つまりゼロまで検出する方法が確立できる見通しがあるのでしょうか。
○榊政府委員 ただいまお話ございましたように、食品中の過酸化水素の分析方法につきまして、現時点での検出限界、これは使います食品によっていろいろ違いが若干あると思いますけれども、限界としては大体五PPm程度というふうに考えられております。それで、この検出限界をさらに高めるということにつきましては、実は現在専門家によります検討をすでに始めておりまして、可能な限り、この使用基準の施行までに新しい試験方法の確立を図るような努力をわれわれはいましているところでございます。
○岩佐委員 練り製品等については七から八PPmぐらいの検出限界だ、食品によって違うようでありますので、そういう限界がかなり高いようでございますけれども、もし十月一日までにこの検出がゼロにならないという場合には、事実上、七なり八PPm以下使用されているものが現実に出回っていてもチェックできない、いわゆるざる法といいますか、本当にそういうざる措置になってしまうと思うのです。とりわけ、専門家に聞いてみますと、大体五PPmぐらいだったら殺菌効果は十分あるんだというような話もあるわけで、これは故意に使おうと思えば使える、そういう状況にあると思うのですが、その点いかがでしょうか。
○榊政府委員 その点につきましては、初めに申し上げましたように、単に検出限界の中にあるという形だけで残留しないということにはならないというふうに私ども実は理解をしておりまして、初め申し上げたような製造技術とかあるいは加工技術、そういったものを総合的に判断しないと使ってもいいということにはならないというふうに考えております。この辺は、そういう製造工程なり何なりを厳重にチェックをする必要があるというふうに考えております。
○岩佐委員 たとえば、問題になっているかずのこの例でございますけれども、これは原卵とそれから製品と合わせますと大体三千二百トンぐらいの在庫があるというふうに言われているわけです。過酸化水素を何とか飛ばしたいということで考えているようですけれども、これが仮に、かずのこの場合の検出限界が幾つかわかりませんけれども、たとえば五PPmなりあるいは七から八ぐらいのところ、検出限界まで飛ばしたということになると、これは十分それ以下のかずのこは出回るということが考えられるわけです。 それからもう一つ、かずのこについて過酸化水素使用というような表示、これが現実は漂白剤使用というふうになっているのですか、表示をしなければいけないようですけれども、それがバラで売られた場合には表示をしなくてもいいというような状況になると、今度十月一日以降、過酸化水素使用のかずのこが出回る危険性は十分あるのではないかと思われるわけですが、その点はいかがですか。
○榊政府委員 ただいまの御質問ですが、現実に、現在過酸化水素を使用したかずのこにつきましては、これは販売できるわけでございます。さらに、その食品添加物としての過酸化水素の改正後の使用基準というふうなものについて、これは法律的な一つの問題もございますが、改正前にさかのぼってこれを適用するということはむずかしい問題だろうと思います。 ただ、これにつきましては、私どもとしてはできるだけ、少なくともその検出限界以下で販売するような行政指導というものは強く行っていきたい、こういうふうに考えております。したがいまして、過酸化水素の使用について、新しい措置がとられた、その前の食品につきましても、できるだけ分解除去するというふうなことを極力指導したいと考えております。
○岩佐委員 ちょっとよくわからなかったのですが、十月一日以降、過酸化水素を使っているかずのこはどういう措置になるわけですか、いまの在庫の分については。
○榊政府委員 ちょっと御説明が悪かったかと思いますが、改正後の使用基準というものを改正前にさかのぼって適用するということは法律上問題がございます。したがいまして、改正前に使用したものについては販売できることになります。 しかしながら、先ほど申し上げたように、できるだけその検出限界以下に抑える、あるいは可能な限り分解除去するというふうなことを行政指導として極力行いたいというふうに思っております。
○岩佐委員 かずのこの過酸化水素の分解は、現在の技術水準では大変むずかしいのだというのが通説のように言われています。そういうような状況の中で、いまの在庫分についてはもう厚生省として手の下しようがないのだから、そうすると十月一日以降も過酸化水素を使用したものは事実上売られていくということになるわけですね。
○榊政府委員 適用前に加工されたものについては販売できるということになります。
○岩佐委員 それは非常に大きな問題だと思うのです。禁止しておいて、一方では、大手水産会社が国民を困らせるために買い占めした分まで、厚生省が甘く見て十月一日以降売ってもいいよというようなことというのは非常によくないと思いますが、そうすると、この表示はどうなるのですか。過酸化水素使用というふうに書かせるのですか、それともいわゆる漂白剤というふうになるのですか。
○榊政府委員 これは表示が義務づけられておりまして、合成殺菌料あるいは過酸化水素使用というふうな表示をするということになります。
○岩佐委員 厚生省の食品添加物の表示義務についての別表五の場合には、いわゆる個別名称でもいいし類別名称でもいい、どっちをとってもいいのだ。だから過酸化水素という個別名称を書かなくても、いわゆる合成殺菌料とかあるいは合成保存料、そう書いてもいいのだという二者択一になっているわけです。 この問題について、私は過酸化水素を使用している場合には、これだけ世の中で問題になっているわけですから、現時点からでも過酸化水素使用というふうに書かせるべきだと思うのです。それから、バラ売りについても過酸化水素使用ということがわかるような販売の方法をとるべきだと思いますが、その点についての対策はいかがですか。
○榊政府委員 ただいまの表示の方法ですが、類別の表示、合成殺菌料使用という形でもあるいは過酸化水素使用というどちらでもいいことに現存なっております。これにつきましては、どちらがやはり消費者にとってよくわかるかというふうな、これは全体的な添加物の使用についての表示の問題がございます。そういったことから、現在ではそういったどちらを選んでもよろしいという形になっておるわけでございます。 それから、ばら売りのことでございますけれども、これにつきましては、そのもとの包装には確実に記載しなければならないことになっておりまして、そういったものをこれは消費者が特に希望をすれば見ることが可能でございます。そういうことになっております。
○岩佐委員 過去にお酒に過酸化水素を使っていた実例があるようですけれども、これはどういう目的で使われ、そしてなぜやめることになったのか。その経緯について、時間が余り十分でありませんので、簡単に御説明いただきたいと思います。
○榊政府委員 これは清酒をつくります過程で、当初醸造米を殺菌するという目的で使われておったようでございます。これは過酸化水素がそういった意味での殺菌に非常に効果があるということで使われておったわけでございます。これは実は醸造工程というものからいきますと、過酸化水素が残留することは逆に発酵を妨げるという非常に相反する働きがございまして、逆にそういうものが残らないということが言えると思うのですが、必ずしもそちらの専門家でございませんのであれなんですが、その後これは実は使わなくても菌を除去できるいろんなそういう工程が開発されて、そのために使われなくなったというふうに私ども承知しております。
○岩佐委員 サルチル酸を除去すると同時に、この過酸化水素についても使うのをやめよう、そういうようなことで、業界が自発的にやめていったものだというふうに聞いておりますけれども、今回みたいに発がん性があるというふうにはっきりと日本の研究機関でデータが出ている、こういう添加物について、いわゆるリストから外さなかった例というのはあるのですか。
○榊政府委員 いままで食品添加物として発がん性があるというふうになったものについては、これはほとんどリストから外しておると思います。ただ、この点につきましては、食品衛生調査会で専門家の意見が非常に強かったわけでございますが、過酸化水素の場合は従来の物質と違いまして——従来の物質につきましては、一たん使用しますと、そのまま全部最終段階といいますか、食品として使われるまで残留しているものでございます。今回の過酸化水素というのは、御承知のとおり時期がたちますと、これは水と酸素に分離するものでございます。そういったような非常に特殊性のある物質でございます。さらに、先ほど来申し上げておりますように、殺菌作用というふうなものも非常に強うございまして、あるいは最終的には水と酸素になるというふうな特性から、非常に利用価値があるというふうなことで、そういった意味で、これは最終的に残留しなければいいのではないかというふうなことが専門家の意見として強く出されたわけでございます。そういったことで、これはリストからは外さなかったということでございます。
○岩佐委員 ただ、いままで聞いておりますと、発がん性があるとはっきりわかり、しかも残留ゼロのところまで分析できない。たとえばかまぼこについては七から八PPm残留する、それ以上の検出はもうできないというようなことがはっきりしている、あるいは在庫のかずのこについても、いままでどおりに売らしていくというような形で、今回の過酸化水素についての厚生省の姿勢というのが非常に国民にわかりにくいし、本当に国民の健康を守る立場から行政がやられているのかという点では、そうではないのではないかというふうな疑いが持たれるわけです。ぜひリストから外すべきだというふうに思います。この点はいままでの説明の繰り返しになると思いますので、後で大臣の方からまとめてお答えをいただきたいというふうに思います。 それから、外国でもかなり過酸化水素が頻繁に使用されているわけです。使用されているものが日本に大分輸入されているのではないかというふうに思いますし、これからも輸入される可能性があるのじゃないかというふうに思いますけれども、たとえばでん粉はオランダが過酸化水素無制限、五十三年度は一万一千二百十トン入ってきているわけです。あるいは卵及び卵製品というものがありますが、これはアメリカは制限つきで使用を認めている。それが一万三千四百五十五トン入ってきているわけです。これについても同じように過酸化水素を使っている場合には検出限界というものがあるでしょうし、また実際に、輸入の検査というのが、厚生省自体で全国十六カ所で輸入品の検査をやって、五十七名でやっているそうですけれども、輸入総件数の検査率は五・五%であるというような実態から見ても、輸入の問題について過酸化水素が大変使われているものがどんどん入ってくるのじゃないかというようなことが危惧されるわけですけれども、その点いかがでしょうか。
○榊政府委員 輸入された食品につきましても、これは国内で生産された食品と同様に、過酸化水素を含む食品にありましては合成殺菌料あるいは過酸化水素を使用したというふうなことを表示する義務が課せられております。その旨を、これは邦文をもって記載しなければならないということになっておるわけでございます。 お話しの、輸入される食品につきましては、これは各港の監視員がこれをチェックするということになっておりまして、すでにこの告示が出ました以降、ある程度の抜き取りによって過酸化水素が残留しているかどうかというふうなことについての、これはもちろんお話しの検出限界の問題がありますが、そういった形での検査はすでに実施いたしておりまして、現在の段階では検出されるというふうな食品は把握いたしておりません。
○岩佐委員 たとえばチーズについても、ノルウェーは無制限に使用されていて、五十三年度の輸入量は五千八十六トン入っているわけですね。厚生省を信頼しないというのは問題だと思いますけれども、この点後で大臣の方から、一体食品行政をどう考えられるのかという点でもお伺いしたいというふうに思いますけれども、大変少ない予算、少ない人員の中で、国民の安全行政というのがやられているというのはすごい大きな問題だと思うのです。そういう中で、疑わしいところの国から疑わしいものが入ってくる。このこと自体、検出限界もあるわけですから、私は特別の措置をとっていべきではないかというふうに思いますし、それから同時に、表示の問題も、国内のものと同じようにあるわけですが、きょうは品物を幾つかこの委員会に持ち込ませていただいていますので、これをちょっと紹介したいと思います。 これはイギリスのスミスケンドン・ドロップスという品名でございます。ここに「漂白剤含有」と書いてあるのですね。これは何だかわからないのです、漂白剤というふうにしか書いてないから。つまり類別名称だから、漂白剤というのも幾つかあるので、過酸化水素かどうかわからないのですけれども、こういうものもあるわけです。ですから、こういう点では、もしこれが、何かでん粉の段階で使われたものが多少入っていて、そして過酸化水素含有というふうになっているのであれば、恐らく検出限界が問題になってくるであろうし、また表示自体も問題になってくる、こういう一つの事例になると思うのですが、今後の輸入の品目についてどういう体制がとられていくのか、また表示についてはどうしていかれるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○榊政府委員 いまのお話でございますが、先ほどもちょっとお話し申し上げましたが、今回の使用基準の改正の告示から、いろいろ輸入品については特にそういった点についての調査をいたしておりますが、このことにつきましては、こういつた告示の改正がありました後、すぐ輸入業者、あるいはこれは先方の国に対する在日の大使館等を通じまして、わが国の一つの使用基準がこういうふうになったというふうなことを、その内容の徹底を実は図っておるわけでございます。やはり添加物使用の食品について、特にこれは国際間のいろいろな問題がございますが、できるだけそういったことが徹底するような努力というものを私ども払っておるわけでございます。 なお、こういった問題につきましては、WHOあるいはFAOとの連携というふうなことも非常に重要でございますので、そういったことにつきましても、さらに十分意思が通ずるような方途を講じていきたい、こういうふうに思っております。
○岩佐委員 この過酸化水素問題で、大臣に、いままでの討議の中で、やはり検出限界があるということですね。これは一つ大きな問題だと私は思うし、それから発がん性があるということで全面禁止になっていない添加物というのはないのに、過酸化水素だけがそういう扱いを受けている。こういう点でも非常に大きな問題だと思うし、それから輸入品についても、いまのお答えでは、これで十分であるというふうには全く思えないわけで、この点ひっくるめて、一体どういうふうにされていくのか。私は、過酸化水素は全面禁止にすべきだというふうに思いますし、また、かずのこなんかについて、十月一日からの実施については在庫はもうしょうがないのだみたいなことでは済まされない問題だというふうに思うわけですが、その点いかがでしょうか。
○野呂国務大臣 過酸化水素が発がん性を持っておるということに対しまして、厚生省がとりました今回の処置が、国民に必ずしも理解を得ていないではないかというような御指摘でございますが、先ほども局長の方から御答弁申し上げておりますとおり、過酸化水素は分解しやすく、かつ分解して水となるという化学的な特性を持っておるわけでございますが、発がん性という問題がなければ、殺菌料としてはきわめて有用なものであるというふうに認識をいたしておるわけでございます。したがいまして、将来、確実に残留しないという製法が開発されるならば、これはもう発がん性とは無関係になるわけでございますが、そういう可能性も考慮しながら、今回は添加物としての指定を削除しなかったといういきさつでございます。 しかしながら、国民生活の上にこうした発がん性を持っておるものに対しての処理につきましては、十分これは慎重に取り扱っていかなければならないわけでございます。公衆衛生上、いろいろ問題を持っておるかと思いますが、食品衛生の上に、安全確保ということは最大の大事な条件でございますので、十分いろいろの論議を踏まえまして、私どもは、さらに国民に御心配のないように、安全確保の道を講じてまいりたい、かように努力をいたす次第でございます。
○岩佐委員 大臣、過酸化水素のH2O2が水と酸素に分解する、これはある程度神話的な話であって、それが今回そうでない、つまり、たとえば練り製品などについては燐酸等が入っていて、かなりそういうことによって過酸化水素が分解しにくいという実態が明らかになった、そういうことで、厚生省自身もあわてられたという経過があるわけですね。だからこそ、たとえばかずのこなどについても過酸化水素を分解したくても、いま使用してしまったものについて、卵の味を損なわないためにはやれないのだという実態になっているわけですね。そういう事実が一方でありながら、厚生省は何かよくわからないけれども、残留ゼロの製法、これはお酒とかチーズとかそういうことだと話としてはわかるのですけれども、それ以外に、いまのところはどうも考えようがないのですというふうに一方で厚生省が言いながら、これをそのまま全面禁止にしなかったというのはよくわからないというふうに国民は言っているし、また、私自身もそこのところはそうだというふうに思うわけですね。それが一点。 それからもう一つは、かずのこなどについて、もう使ってしまったものは仕方がないのだから、十月一日以降についても、それについては発売を許すのだというようなことというのは一体どうなのか、それじゃ十月一日からというのが国民にはよくわからなくなるわけですね。そういう点をお伺いしているわけです。
○榊政府委員 第一点の問題でございますが、これはやはり食品衛生調査会での専門家の御意見が実は非常に強く反映しておるわけでございます。やはり最終的に残らなければ問題がないのじゃないかという、これはどちらかといいますと、非常に科学的な意味でのそういう御判断でございます。いまお話の中にありましたように、つい先般——先般といいますか、二年ぐらい前までは、一つの醸造工程の中では非常に多く使われておった。また、現実には日本ではやっておりませんけれども、チーズの製法あたりに、やはりこれは殺菌として非常に有効なものとして使われておるということがあるわけでございます。やはりこのような非常に有効な殺菌料というふうなものが別に開発されるということもなかなかむずかしいことがあろうかと思いますが、専門家の中でもそういった意味で、従来そういう使われた方法もあるので、やはりこれは将来の技術開発というふうなものを期待しても非常に有効な物質ではないかというふうなことが一つの大きな意見だったわけでございます。しかし、これをただ、現在の検出限界というふうな問題もございますので、無制限にそういった形での許可をするということには問題があるわけでございまして、やはり私どもとしては、初め申し上げたような加工技術とかそういうふうなものも総合的に判断して、これなら心配ないというふうなものについて使用を許すというふうな形で厳重に指導していきたいというふうに思っておるわけでございます。 それから、さらに現在の段階で使ったものについてはどうかというふうなことにつきましては、先ほど来お話ししておりますような、やはり遡及的な法律的な適用というふうなことは、実際にはなかなかむずかしい問題がございます。そういったことから、現在すでに加工したものについては、これは販売できるということになっておるわけでございます。 ただ、ここでひとつお考えいただきたいのは、過酸化水素についてのそういった化学的な特性、先ほど来何回もお話ししておりますようなそういう特性、それからさらには毒性についての問題というふうなことも、こういった措置の中ではいろいろ議論されておりまして、他の発がん性物質に比較しますと、御承知のとおり、毒性については非常に微弱な発がん性物質であるというふうなことが言われておりますので、そういったこともこういった措置をとる一つの理由になっておるわけでございます。
○岩佐委員 そうすると、いままでの答弁から、過酸化水素の毒性が微弱であるということから今回のあいまいな措置が出てきているというふうに思わざるを得ないと思うのです。たとえばチーズについて、オーストラリアとか、あるいはデンマークだとか、あるいはフィンランド、そういうところは実際的にも使ってはいけないというふうになっているわけですね。使用禁止なんです。チーズもほとんどの国が使用禁止で、無制限に使用していいというのは、これは厚生省の資料ですけれどもノルウェーとスペインぐらいなわけです。あとはもう全部禁止なんです。だから、これを使わなくたってできる方法というのはあるわけです。あるいはお酒だって使っていたけれども、使う必要がないということでやめているわけです。ですから、有用であると考えられる製造工程での使い方については、もう諸外国はやめているということから見て、必要ないではないか。だとすると、残しておく担保というのは、どうも現在出回っている製品について助けようという気があるからではないか。それの一つが検出限界が七ないし八PPmであったりあるいは魚卵について、かずのこについて使用したものは売ってもいいということにつながってくるのではないかというように考えられるわけです。 たとえば、過去にチクロのときには、あのときの措置は、チクロの製品が入ったものについて何カ月間かの猶予期間がありました。それ以降はもう売ってはいけないということにきちんとなっていたはずです。びん詰め、たる詰め、かん詰めな除いて云々ということで、三月からほかの製品は全部だめになって、あと九月からはびん詰め、たる詰め、かん詰めも全部だめになる。売れないという状況があったにもかかわらず、今回の場合はどうしてかずのこだけそういうふうに助けなければいけないのかということがよくわからないわけです。かずのこの点についてだけお答えいただきたいというふうに思います、余り時間もありませんので先の質問が進みませんので。
○榊政府委員 これは、いまお話しのようにかずのこということでこうやったわけでは決してございません。むしろいままでチクロとかAF2とかいろいろあったわけでございますが、これらは先ほどもお話し申し上げたように、その物質が加工過程から最終的なものになるまでほとんど不変な形で存在して体内に入っていくわけでございます。過酸化水素につきましてはその過程でどんどん少なくなっていくわけでございます。特に、これはそしゃくするという最終的な食べる行為の間でも何十%も実は減少していく、そういう過程をとっていくような物質であるわけです。そういうふうなことから、これについては実質上大きな被害といいますか、人体への影響というふうなものが非常に少ない物質である。さらに有効性というふうなものを考慮した上でこういうふうな措置がとられたということでございます。
○岩佐委員 どうも適切な答えになってないんですね。三菱商事との癒着がなければいいのですけれども、どうもその辺の解明がされないわけです。特に練り製品というのは業界で百名以下の事業所というのは九八・四%、あるいはめん業界も一千万円未満、資本金でしかわからないのですが、これが九八・七%と圧倒的に小さいところが多くて、そしてこの業界に一つ一つ当たってみると、もう恐ろしくて過酸化水素はとっても使えませんという状況になっているんですね。本当に厚生省恨みに思っているというような声が出ているわけでして、どうしてもかずのこにこだわるわけでございますが、もうあとは答弁は結構でございます。 次に、過酸化水素が使えなくなった代替品としていわゆるPH調整剤、雑菌を繁殖させない、そういうためにPH調整剤というのが使われているようでございますが、たとえばこれは、きょう買ってきたロールハムです。これは恐らくJASの品質表示基準があるのだと思います。ですから、原材料から添加物名全部書いてあるわけです。たとえば化学調味料から始まって牛肉のエキスそれからPH調整剤、結着補強剤、合成保存料、合成着色料、発色剤、ずいぶん並べてありますけれども、添加物のかたまりみたいな感じもしないではないんですが、書くと消費者がそう言うから書くのいやだというので業界はなかなか書かないという、いろいろな面ありますけれども、いずれにしろこういうPH調整剤が使われていて、こういうふうに品質表示基準があったり、あるいは公取の公正競争規約、生めんはあるようです、アウトサイダーが一六%あるようですけれども、それを除いては一応表示義務がある。そういうことですが、アウトサイダーを含めて表示されない部分について、厚生省としてこういうPH調整剤が使われたものについて別表五に入っていないからということで表示されない、現在ではされなくてもいいということになっているわけですが、これは表示していくべきなのではないか。その点についての考えを聞きたいと思います。
○榊政府委員 御承知のように、いまお話がございましたように、めん類につきましては有機酸等のものを代替品としてはいろいろ使用されるようになってきております。この食品衛生法上の表示の問題でございますけれども、これはあくまでも食品衛生法上の概念から一つの表示義務を課するものでございます。したがいまして、いまお話の中にもございましたように、食品の酸性度を調整するというふうなことでこの食品衛生法上の表示義務を課するということはなかなかむずかしいのではないかというふうに考えております。いまお話がございましたように、めん類につきましては公正競争規約がございまして、使用された添加物はすべて表示するということになっておるわけでございますけれども、現在その表示を義務づけておりません添加物につきましては、そういった食品衛生法上の義務を、消費者に食品の保存期間等を的確に把握してもらうというふうな立場で課しておるわけでございます。
○岩佐委員 ただ問題は、過酸化水素が使えなくなって代替品としてPH調整剤が出てきているわけですね。厚生省が、三、四日だからこれは合成保存料というふうには言えないのだというふうにしたとしても、それでは合成保存料という表示じゃなくてPH調整剤ということで表示をさせればいいわけですね。現にこういうふうにしている食品があるわけですよ。私の手元にあるだけでも二つあるわけですね。たとえばさっき申し上げたロールハムそれからもう一つはポークソーセージ、こういうようなものがされているわけですね。私は、厚生省の三百三十四種類ある食品添加物のうち大体六十八品目しか表示を義務づけていない、そういうところにすごく大きな問題があると思うのです。PH調整剤、これは三、四日ではあるけれども、こういう役割りがあるんだということは、かなりテレビや何かでもやっておるわけですから、消費者は確認できるわけですね。生めん見て、これはPH調整剤と書いてある、そうすると、私は、PH調整剤使っていてもこういうものは買いたいというような気持ちを持てば——持つというか、それはそれでそういう選択を消費者がするわけですから、当然表示をさせてしかるべきものだというふうに思うのですね。ただ、使用制限がないから表示をする必要はないのだということではなくて、買う立場からいってそれは選択の一つの基準になるわけですから。どうなんですか、その点は。
○榊政府委員 この製品の表示につきましては、実は食品衛生法だけではございませんで、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律あるいは不当景品類及び不当表示防止法等、それぞれが相関与した形でそれぞれの立法趣旨によって表示をさせておるわけでございます。それで、先ほど来からお話し申し上げておりますように、現在の食品衛生法におきましては、食品衛生法上非常に強く関係があるというものについての表示をいたしておるわけでございます。御指摘の有機酸等につきましては、御承知のように、これは実は柑橘類の中に広く含まれているものでございます。クエン酸とか酒石酸とかリンゴ酸とか、柑橘類にはすべてそういうものが含まれているものでございます。そういったものについて、改めてこれを表示させるかどうかということについては、やはり他の食品との関係もあろうかと思います。そういった意味で、私ども現在は表示の義務を課していないというのが実情でございます。
○岩佐委員 厚生省の言い分はよくわかるのです。ただ問題は、JASの品質表示基準があるから、公正競争規約があるからいいよということではない。消費者にわかりやすい表示だとか、あるいは何が入っているかということをはっきりさせるのはそっちであって、厚生省は関係ないよということではないでしょう。つまり、これから夏場に向けて練り製品なんかは腐敗しやすくなる。そういう際に、明らかにPH調整剤というのは、リンゴ酸、クエン酸というようなものが加わることによって三、四日日もちを延ばすということで効果はあるわけですから、そういう意味での選択を消費者が正しくするという点で、厚生省が考えてしかるべきではないですかということを言っているわけです。どうですか、時間がないですから簡潔に答えてください。
○榊政府委員 私どもが現在表示させておりますのは、先ほど来申し上げておるような食品衛生の見地からやっておるわけでございますが、食品がいろいろ複雑化いたしてきますと、新しくいろいろなものが使われるような形になってくるわけでございまして、そういったことから、この表示の方法につきましてもいろいろ御趣旨を十分検討させていただきたい、このように思っております。
○岩佐委員 それから業者の問題ですけれども、静岡県の練り製品業者全体の損害が、返品、売れ残り、使用表示のないものへの包装器材の変更あるいは休業というようなことによって一億四千四百万円実際に損をした。そういう中で、新たに何とか別の方法でということで、設備をかえていかなければならない局面に業者が直面しているわけですが、その際に、中小企業庁の方は十分過ぎろくらい融資枠はとってあるのだというふうに言っておられるようですが、私ども現実に静岡県に行って調べたわけです。また、業者からも直接話声聞いたわけですけれども、実際には融資枠が足りない。そういう中で、ある業者は二千万円申請したのに千二百万円しか融資が受けられないというような実態があるわけです。この点についてもっと綿密に調査をして、たとえば過酸化水素対策の特別の融資枠というのを設けて実行していただきたいというのが一点。 それから利子補給について、これは農林、通産両方にお伺いしたいと思いますが、これについてお考えを伺いたいと思います。 さらに、今回の問題のように、やれ農林省だ、やれ通産省だ、厚生省だ、みんな縦割りになっているわけですね。たとえば、静岡県の場合にはプロジェクトチームをつくって、過酸化水素対策しいうことで県が一体になって取り組んでいるという実態があるわけです。この問題については農林省が音頭をとるのか厚生省がとるのかよくわかりませんけれども、きょうは厚生大臣が御出席でございますが、今後こういうことが起こると思うのです。添加物がある日突然クロと出た、それからどうするかという問題が起こると思います。こうした際に、やはりプロジェクトチームみたいなものをつくっていく必要があるのではないか、そういう提案を申し上げたいと思いますが、これについてお答えをいただきたいと思います。
○鷲野説明員 金融措置につきましてお答え申し上げたいと思います。 農林水産省としましては、今回の過酸化水素の使用規制によります関係業界の被害の度合いにかんがみまして、大蔵省、中小企業庁等関係省庁と緊密に連携をとりまして、政府関係金融機関、それから一般民間金融機関を通じます融資の円滑化、中小企業経営安定資金助成制度の活用、中小企業設備近代化資金制度の活用、あるいは関係中小企業者に対する中小企業信用保証制度についての配慮、あるいはまた税制面での納税猶予の配慮等々の措置を講じますとともに、関係の県、団体とも十分連絡をとりまして、関係事業者の資金調達あるいは経営安定等の面で種々努力をしてまいっておるところでございますが、そういったようなことを行っている状況でございまして、いまお話しのありましたような特別の枠とかあるいは特別の利子補給、そういったものを現段階で講ずる必要はない、かように考えております。
○野呂国務大臣 静岡県では、その地域の事情に応じまして、衛生面あるいは消費者の面あるいは生産者の面、これらが一体となって総合的にそういう対応を示していくといったようなプロジェクトチームをつくっていらっしゃる、国としてそういう対応をしてはどうだろうか、こういうような御提言でございますけれども、食品添加物の安全性確保ということは、公衆衛生上きわめて大事なことでございます。したがいまして、これに対しては厚生省は機敏に対応しなければならぬ。同時に、それによって生じまする大なり小なりの業界に及ぼす影響につきましては、十分関係機関と連携を保ちながらこれに対処しなければならないと思いますので、そのプロジェクトチームをつくるかつくらないかは別といたしまして、常にこうした問題については関係機関と十分連絡を密にしながらその対策に当たらなければならない、かように考える次第でございます。
○岩佐委員 もう一点だけ、食品添加物の相乗作用の問題についてちょっとお伺いしたいと思いますが、大阪市の環境科研が、毎日食べている食品に含まれている添加物というのは大体一日で六十種類か七十種類ぐらいあると言われているわけですが、典型的な食品添加物十三種類を調べてテストをしてみたら、この調べた限りにおいては、現在の大体三分の一程度に基準を低めなければならないだろうというようなデータが出ているということですね。たとえば、私きょう買ってきて、先ほども練り製品のことも申し上げましたが、これは「お茶の友」というものです。「合成着色料使用、合成保存料使用、漂白剤含有」となっているわけです。これはたとえば着色料を一くくりにしていますけれども、恐らく着色料だけでも二、三種類入っていると思うのですね。保存料だって幾つ入っているかわからないというようなことですね。それからハム、べーコン、これにもかなり含まれている。こういうものについて、現在厚生省は相乗毒性というのは二品目だけでやっておられるというふうに聞いておるわけですけれども、実際にはこういうふうに個々の食品では幾つものものが使われているわけです。私はこういう典型的な例を引き出して、もっと相乗毒性の問題についてお金を使っていくべきではないか、こんなふうに思うわけですけれども、この点についてお伺いして、質問を終わりたいと思います。 〔委員長退席、井上(一)委員長代理着席〕
○榊政府委員 お話しの相乗毒性につきましては、私どもの方も重要な関心を持って実は進めておるわけでございます。お話がありました大阪市の研究機関での実験につきましては十三種類を使っているということで、これは相当実験する化学物質が多くなっておるわけでございます。そういったことで、やはり学問的にはいろいろ批判もあるようでございます。私どもとしては、二種あるいは三種程度しか動物実験では使えないのじゃないかというふうな理解を持っているわけでございます。しかし、こういったものについて今後十分精力的に進めるということについては私どもも努力をしていきたい、こういうふうに思っております。
○井上(一)委員長代理 永末英一君。
○永末委員 厚生大臣、経済は毎日動いていますね。行政というのは、限られた法律と予算でやるものですから、非常に硬直しがちになるわけです。したがって、政治家である大臣は、この動いている経済を基軸とする社会情勢の動きに対して行政がぴしゃっとうまくミートするようにやっていく、そのために政治家である人が大臣になっておると思うのですが、行政の指導方針はそういうことでしょうな。お伺いいたします。
○野呂国務大臣 経済情勢というものが大きく変化を示してまいります。福祉行政を担当する者としては、その動きに対しまして敏感に対応し、適切に対処していくことが大変大事なことであると考えております。
○永末委員 さて、そういう基本的なお考えを伺いまして、健康保険法に関する問題の中で、歯科材料基準というのはいつからつくられましたか。
○石野政府委員 四十二年の十二月だったと思います。
○永末委員 四十二年の十二月における金価格、銀価格、パラジウム価格、それはどういうような状態でありましたか。
○石野政府委員 突然の御質問でございますので、手持ちにちょっと持っておりませんので、後ほど調べて御報告申し上げます。
○永末委員 材料基準をつくられる場合に、金銀パラジウムなり銀アマルガムなりというものが歯科治療上相当部分を占めていることは御承知のとおりでございます。したがって、その価格基準を設定される場合に、その当時金価格は上下まことに動きが激しかったり、銀価格はそうであったり、パラジウム価格はそうであったりしておったのではないと思うのですが、その辺の思い出はございませんか。
○石野政府委員 十数年前のことでございますので、ちょっと記憶がございませんが、当時金の方は大蔵省が決めておりましたので一定していたと思いますが、銀あるいはパラジウムの方につきましては相当変動があったのではないかと思います。
○永末委員 それでは、それをちょっとお調べ願って後でお知らせ願えればよろしいのでありますが、最近金価格が非常に動き、銀価格も動いている。そこで、三月一日に新しい金銀パラジウム価格等に関する歯科材料価格基準が一部改正になりました。それは、金、銀の地金価格が変わったからであると承知をいたしておりますが、最近のこととして、いつごろから変わり始めたとお考えですか。
○石野政府委員 昨年の一月ぐらいから徐々に上がり始めまして、特に七月、八月について見ますと、その上がり方が従来の上がり方よりもかなり激しかったわけでございます。そこで十一月に緊急是正をいたしたわけでございますが、さらに今年の一月になりましてから暴騰したというふうな事実がございます。
○永末委員 三月一日告示になりました材料価格基準のときに参考とせられた金地金価格は、何を参考とされましたか。
○石野政府委員 金の場合と銀の場合、金銀パラジウムの場合違いますけれども、金銀パラジウム合金の場合でございますと、五十四年の十一月の改正の際には、五十四年の六月から九月までの東京におきまする大卸の価格の平均値、それから今回改正を行いました際の原材料価格につきましては、五十四年の十二月から五十五年の二月初旬までの東京におきまする大卸の価格の平均値を採用いたしたわけでございます。 それから銀の場合でございますが、銀の場合は、五十三年の二月に告示の際に用いました調査時点で、これは五十一年の十一月一カ月間の銀価格の平均値がございますが、それと五十五年一月から二月上旬までの銀価格の平均値との差をもちまして改正いたしたわけでございます。
○永末委員 その金の場合には五十四年十二月から五十五年二月の平均値、銀の場合には五十一年との対比において五十五年の一、二月。現在はどうなっていますか。そのときの最高値と比べて、どう判断しておられますか。
○石野政府委員 ことしの三月に告示いたしました以後急激に変化いたしまして、金の場合でございますと、先月の三月三十一日現在で見ますと一グラム当たり四千百四十円、それから銀につきましては一キログラムが十二万二千円、それからパラジウムにつきましては一グラム千四百四十五円と、大幅に値下げになっておるわけでございます。
○永末委員 その大幅というのは、何%ぐらいですか。
○石野政府委員 銀の場合で申しますと約半値、それから金の場合でございますと大体一割か一割五分ぐらいの引き下げになっております。
○永末委員 金の値下がりと銀の値下がりとにその性質上差異があると御判断ですか、それとも同じことであると御判断ですか。
○石野政府委員 私ども金の価格の上昇につきましては、異常といえば異常であったわけでございますけれども、それほど大きな異常というふうには考えてなかったわけでございます。銀の場合でございますと、なぜこれほど上がらなければならないのかという点につきまして、かなり投機的な要素が多いのではないかという判断をいたしておったわけでございます。したがいまして、そういうことでございますので、一、二カ月の間に大きな下落があるというふうに読んでおったわけでございますが、残念ながら三月の時点におきましてはそれが上昇一方であった、こういうことでございます。
○永末委員 何人も金価格の予想はできませんが、戦争のきな臭い硝煙のにおいがいたしますと上がるのが通例でございまして、アフガニスタン侵入というようなところで、相関関係があるかどうかはだれもようわからぬのでありますが、要するに二つの変動値を並べて見ておると、きな臭い硝煙のにおいがするとヨーロッパで上がります。それと、銀は金価格が上がりますと上がる癖がある。ただ、このごろは、ごく最近は金価格と銀価格とが少し離れておる。離れておるとしますと、何らか人為的な力が加わる、投機のにおいが銀価格の変動には大きな影響があると見られる。巷間ニューヨークでやっておるという話もございますが、さてお伺いいたしたいのは、歯科材料の価格基準、特に金、銀等、いまのように変動する物資を内容としている価格基準を設定せられる場合には、これは要するに小売価格でございますからそのまま点数化されて、健康保険で、たとえば政管健保の場合に歯科医師が国に請求する場合そのまま使うわけでございますから、最終価格である。そうすると、地金価格とその価格基準との間に、資本主義社会であればそれをつくっておるメーカーの企業としての存立をさせ得るものが当然入るわけだし、現在の流通機構を前提とするならば卸売、小売と称する者がおるわけでございますから、それらの業務に従事する人々の企業としての存立を認める何ほどかの幅というものが認められなければならない、こう思うわけでございますが、厚生省は価格基準の設定に当たって金地金の価格といまのような材料価格基準との間にどんなことを考えておるのですか。
○石野政府委員 おっしゃられますように、歯科材料価格でございますけれども、いわばメーカーの蔵出し価格、これにつきましては、原材料費、それから生産に要しますコスト、そういうものと、販売業者のマージン、そういうものも当然含まれた価格で構成されているというふうに考えておるわけでございます。その場合その業界のマージン、販売業者のマージンがどの程度あるのか、あるいは蔵出し価格がどの程度であるのかにつきましては、ある程度の情報はキャッチできますけれども、数多い業者でございますので、この歯科材料価格の適正な価格につきましては把握がなかなかむずかしい点がございます。ただ、私どもは、そういうことでございますので、実際に流通されております価格を適正に把握いたしましてそれをこの基準に乗せる、こういう方法でやっているわけでございます。いま御質問のように、どの程度の差があるのかというふうな御質問でございますと、いまのようにこういう金、銀、パラジウムの動向の激しい値動きになりますと、なかなか判断がつきにくいという点がございます。
○永末委員 現在の日本は自由経済でございます。われわれが政権を取るとまた違うことになるかもしれませんが、現在はそうなっておる。そうしますと、こういうものを扱っておる、小売をしておる人は、他の小売商が入手し得るマージンと比べて一体この商売は有利かどうかを考えますね。自由経済なら当然である。その卸業を営んでおる人も、他の卸業と比べて自分の商売は一体有利かどうかを考える。さて問題は、その最終価格について政府が決定をするというところにあるわけです。すべてが需給関係で決まるなら、それを勘案しながら自由に職業転換もできましょうが、要するに最終価格について政府が決定をするということでございまして、しかも、大もとである金や銀の地金価格というのは残念ながらわが厚生省の皆さんの自由にならぬのであって、よその原因で変動してくる、こういうむずかしい関係でございますので、問題は、いまあなたが適正と言われたが、その適正というのは歯科材料を取り扱う卸売商についてはメーカーが出してくる蔵出し価格のどれぐらいとお考えか、さらにまたそれを受けて小売商が扱う場合に小売商の適正なるマージンというのは一体どれぐらいとお考えか、その適正というのをひとつお聞かせ願いたい。
○石野政府委員 私どもが申し上げましたのは適正な価格で告示をしなければならないということで申し上げたわけでございまして、どの程度販売業者のマージンがあるのが適当であるか、これはやはり商行為でございますのでおのずから他の業種とのバランスも考えられるわけでございまして、私どもがどの程度のものが適正な利潤だというふうに申し上げるのはむずかしい中身ではないかと思います。
○永末委員 厚生大臣、これは政治的判断の問題でして、自由資本主義がよろしいとあなたの政党は考えているわけですが、いまお答えがございましたように適正な判断はむずかしいと言うけれども、要するに最終価格を政府が決定するわけです。決定すればその価格以外のものを請求することはできない。これはそういう性格のものでございます。ところがその大もとの金、銀の地金の価格は動いておる。そうすると、地金価格が非常に上がった場合に、材料価格基準を変えない場合にはまさにその差がなくなり、あるいはオーバーするかもしれませんね。その場合に、それらを扱っている人々は、自民党、政府、厚生省というのはわれわれの商売について一体どういうことを考えているんだろう、適正という言葉を伺ったけれどもどんなことを適正と考えているんだと思いますね。これは当然のことであって、つまり差がなくなれば扱わない、損したら扱わない、そうすると困るのは一般の患者でございまして、健康保険で歯科治療をする患者は、金も銀も出てこない、だからこういう種類の治療を受けることができない。現に十二月、一月は一部そういう状態がございました。 そこで伺いたいのは、行政の基本方針として、つまりこういう業者を殺すつもりなのか生かすつもりなのか、生かすとすれば適正なるマージンを与えなければならぬと思いますが、その場合の適正ということはどういうことを考えているか。むずかしいじゃなくて、やはり考えておられるのでしょう、言うてください。
○石野政府委員 通常の場合でございますと毎年一回、販売の実勢価格というものを私ども調査をいたします。調査をいたしました結果、いまの告示価格と差がある場合にはそれは是正するということでやってまいるわけでございますので、それによって適正な価格が維持できる、こういうふうにいま申し上げたわけでございます。今回の場合は、まさにそういう通常のベースよりももっと激しい、大きな変動の中で乱高下と申しますか、そういうものが行われたわけでございますので、そのことによる緊急是正を行ったということでございますので、通常のベースであれば毎年の調査によって適正な価格というのはおのずから算出できる、こういうふうに考えているわけでございます。
○永末委員 厚生大臣、いろいろな商売ございますが、製造価格、卸価格、小売価格、資本主義社会では普通三つの価格があるわけでございます。その他流通においていろいろな価格がございますけれども、大別すれば大体その三つがある。その三つに対してくくってはならぬ、こういうことで再販売価格について独占禁止法に触れるかどうかという議論もまた片っ方にあるわけです。したがってその場合に必ず問題になるのは、いまのような流通を前提とした場合、流通マージンというのは通常の観点からしてどれが一体適正であるかということは小売に関する行政に当たるいかなる人も考えておるわけですね。だから、ある商売では卸のマージンが二割、小売りのマージンは三割というところもあります。あるいはまた卸のマージンが一七、八%、小売りのマージンが二二、三%というところもある。もっと詰めて、せめて卸は一〇%のマージンがなければ、卸もやはり人間を雇うていろいろやり、製品を保有してその危険負担を資本主義社会では負っているわけでございますから、せめて一〇%なければならぬという、小売りは最終的な商品保有の危険負担を担うわけでございまして、宣伝もやらなくちゃならぬ、こういうので一五%は小売マージンは持たなければならぬ。これは本であろうが酒であろうが、食品であろうが野菜であろうが、何でもかんでもそうなんですね。大臣は政治家としてどう思われますか。
○野呂国務大臣 自由主義経済の中での物の生産の段階において、あるいは流通、小売りの段階において、それぞれ物によってやはり違ってくると思いますし、また物の流れによっても違ってくるのであって、一概にこれは何%だというようなものをもって決めつけることはできないのではないかというふうに思うのでございます。
○永末委員 大臣、一概に言うことはできぬというのは、それはそうでしょうよ。しかしながら、わが国にいろいろな卸商、小売り商がございますが、なるほど不景気であるから非常にマージンの少ない卸商もあれば小売り商もあるかもしれません。また、もうけてたくさんのマージンをとっておるところもあるかもしれませんが、私が問題にしておるのは、最終価格について政府が決定するわけですね、歯科材料基準というのは。ほかのやつが決定するのじゃないのです。政府が決定する。その場合に、やはり政府がその業種を続けさそうとするならば、生きていけるあるいは存続し得る、そういうマージンを保証するという考え方に立って材料価格基準を算定しておられると思いますが、そうではないのでしょうか、そうでしょうか。
○石野政府委員 私の説明が十分でないので、あるいはおわかりにくいかと思いますけれども、この材料基準価格につきましては、御案内のとおり毎年一年に一回、販売の実勢価格を調査いたしまして、それをそのまま告示にいたしておるわけでございます。これはその際に、卸なり小売りのマージンがどのくらいあるのかということを私ども一々業者に当たったわけではございませんけれども、巷間言われるところを推測いたしますと、大体卸の場合で一〇%から一五%ぐらい、小売りのマージンで申しますと二〇%から多いところで三〇%というふうに言われておるわけでございまして、したがいまして、現在の告示価格というのはそういうものをのみ込んだ形の価格になっておるというふうに理解いたしておるわけでございます。
○永末委員 三月一日の告示をやられる価格を御検討なすった場合に配慮されたのは金の地金価格、銀の地金価格、パラジウムの地金価格であって、いまお話しになりましたような実勢調査にあらわれている際のマージンというものは、その地金の騰貴した価格とは無関係である、こういう考え方でしたね。
○石野政府委員 そのとおりでございます。
○永末委員 そうしますと、緊急是正という緊急の意味合いがその辺にあらわれておるかと思いますが、私も未来のことはわかりません、政治の世界も一寸先はやみだという話でございますからわかりませんが、もし金価格がこのままの高騰を持続的に続けていく、銀価格もそういうことであるという場合には、いまのようにあなたが把握しておられる卸売り価格一〇ないし一五、小売り価格二〇ないし三〇とは著しく実勢が違う場合には、これはお考え直しになりますか。
○石野政府委員 金地金の方の変動による以外の要素といたしまして、調査した結果が高目に出れば当然高目に決めなければなりませんし、逆の場合もあり得るわけでございます。したがいまして、金地金の変動によってマージンの方のパーセントも変動があると思いますけれども、いいときもあれば悪いときもございますので、直ちにそれを含めた一〇%なり二五%のマージンを必ず確保してやるような価格で決めろとおっしゃられても、これはなかなか無理ではないかと思います。
○永末委員 私はそんな極端なことを言うているのじゃないのですよ。つまり、いま上がっている、また少し下がり目である、また見なければわかりませんが。三月一日の告示は、いままでのあなた方が把握しておられるマージン率を顧慮することなく、つまり地金の値上がり分を上に乗せて新しい告示価格としたということを言われた。したがって、今後この高価格がずっと続いた場合、そのずっとの判断は何カ月か申し上げておりませんが、なるほどそうすると、実勢価格調査をやられた場合の卸や小売りのマージンの率とは違ったもので続いておるな、こういう御判断をなすった場合には、緊急が持続するわけでございますから、この材料価格基準というものは、業界のいままでの三月一日以前の実勢価格調査のときに把握しておられるような、そういうような状態に変えられますかと聞いておるわけです。すぐに二〇とか一五とかと保証せい、そんなことは絶対言うておりません。緊急でやられた場合には、なるほど地金が上がってきたからほかのことを顧慮する柱間的余裕もない、とりあえず地金部分の保証をしなければ物が動かない、こういう御判断で三月一日の告示をされたと思う。この状態がずっと続くか、まだ三月が一カ月たったところでございますから、いまどうせい、そんなことは言っておりませんが、これがしばらくずっと続いていく場合、そういう判断をする御用意はありますかということを聞いているわけです。
○石野政府委員 先ほど申しましたように、告示価格の方はそういう調査結果をもとにいたしましてやるわけでございます。恐らくおっしゃる意味は、そういう調査を早目にやってそして適正な価格を決めろ、こういう御趣旨であるとするならば、当然そういう調査というものを毎年やっておりますけれども、これをできるだけ早い機会に実施をするということも一つの方法だと思います。
○永末委員 厚生大臣、これは政治的判断ですが、薬価基準をつくられる場合にも同じ配慮があると思うのですが、薬価基準の場合にはそんな灯機によってむちゃくちゃに上がったりあるいはほかの理由によってむちゃくちゃに上がるというような原材料はないわけですね。ほかのものにはございませんが、まさに金についてあるわけです。金についてありますと銀もつられて起こるということになる。そうしますと、材料基準の考え方というのは、いま局長が申しましたように、実勢調査をもう少し頻繁にやって、狂っていなければ何 もやる必要はございませんが、変動が激しいなというときにはやって、そして基準を変えるということだけの対応なのか、それとも、いろいろ材料基準もございますが、金、銀というようなきわめて人為的に動くようなものについては別の考えをしなくちゃならぬとお考えなのか、どうなんでしょう。その辺、ひとつ伺っておきたいと思います。
○石野政府委員 やはり先生のおっしゃった前者の方法で、常に適正な価格が基準に反映されるということが一番大切だと思うわけでございます。そういう意味で、調査の方は年一回と申しておりますけれども、それはそれといたしまして、地金の方が相当大幅な変動があれば緊急是正という形でやってまいりますし、同時にまた、これが下落してまいりますればそれは修正をしなくちゃならない。しかし全体のマージンの維持というような問題もございますので、その点については調査の結果で告示をいたしたい、こういうことでございます。
○永末委員 材料基準のあれはわかりましたか、いつから設定されたか。
○石野政府委員 設定は四十二年の十二月でございます。
○永末委員 その辺は金価格はまことに安定しておりますわ、大体において。だから、材料基準を設定されたときには金価格というものは動かないのだという前提のもとにお考えになっておる。いま動き出しておるということですから、ひとつやり方を実情に即してやっていただけるように行政をお運び願いたい。大臣、よろしゅうございますね。お答え願います。
○野呂国務大臣 今回の金、銀の大幅な高騰によりまして、緊急処置として原材料による価格の改定をやったわけでございます。したがいまして、これの見通しをさらに見きわめながら今後適正なものに改定を進めていくということが必要であろうと考えております。
○永末委員 金、銀の話はその程度にいたしまして、年金福祉事業団の方が来ておられると思いますが、昭和四十九年以来、大規模年金保養基地をつくるのだという方針に基づいて、全国で十三カ所ばかり大きな土地を購入をされて、大規模年金保養地をつくろうとされてきたわけでございます。そのうちで、三カ所は第一期の工事を施工しておられるようでございます。ところが、その他のものについては基本計画を策定したり、あるいは検討中であったり、何もしなかったりというようなことでございますが、一体これはどういうことですか。
○出原参考人 お尋ねの大規模年金保養基地の現状につきましては、昭和四十八年度に本事業を開始いたしまして以来、用地の取得、基本計画の策定、設計等の作業を順次進めてまいったところでございますが、このうち用地取得につきましては、昭和五十一年度末をもちまして十一基地全基地について完了をいたした次第でございます。 基本計画の策定につきましては、十一基地のうち八基地についてすでに厚生大臣の承認を得ております。一基地につきましては原案の作成を終えまして、現在、厚生大臣の承認を得るための準備をいたしておるところでございます。さらに一基地につきましては原案作成中でございます。 御指摘のように、基地の建設につきましては、兵庫県の三木につきまして五十三年一月、さらに五十三年九月に北海道の大沼基地の建設に着手したところでございます。また、昨年の八月に新潟県の津南基地について基盤整備工事に着手したところでございます。当初の計画から大幅におくれておりますのは、昭和五十年の石油ショックあるいは最近における経済情勢等を踏まえまして、急速に整備をするということがなかなかむずかしいということ等のために現在のような状況になっておるわけでございます。
○永末委員 最初は四十八年から八年間でやろうと考えたと伝えられておりますが、一体何年に完了するつもりなのですか。
○出原参考人 三木基地と大沼基地の当初手をつけました分につきましては今年の夏に開業の運びにいたしたいと考えておりますが、全般につきましては、これらすでに取得をいたしました十一基地につきまして今後どのように建設を進めていくかということは、基地をつくりました場合の経営なり、需要の動向等も見きわめて再検討する必要があるというように考えておりまして、その点につきまして監督官庁の指導を得ながら、事業団としての意見も早急に固める必要があると考えておりますが、まだ完全な結論を得るに至っておりません。
○永末委員 事業をする人が土地を買う場合には、土地はただで入るのじゃなくて、金を出して、金がなければ金を借りて買う。土地は買うたが、それからどうするかわからぬと言う。大臣、この国会は行政改革をやろうというわけですな。年金事業団ですから、年金でございますので、原資を出している人々は自分が年とった老後のことを思いながら積み立てております。これがいま何に使われているか、ストレートには税金のように関心を持つ対象ではございません。しかし、全体として見れば国の金でございまして、しかもその大部分は資金運用部から借りてやっておる。元の部分だけについてここから償還するというのですが、利息については政府の交付金、これは税金であります。いままで何ぼ利息を払うたですか。
○出原参考人 昭和五十四年の十二月末現在で、基地関係で総額四百八十七億の資金運用部の資金を借り入れておりまして、これまで利息として払った部分は百三十二億でございます。
○永末委員 大臣、いま答弁をお聞きになっておって、私も聞きましたが、これはどうなりますかね。二つはこの夏に開業する、あとはどうなるかわからない、こういう話で、利息は確実に取られますね。大臣、どうしますか。
○野呂国務大臣 私もこれは実は大変心配をしておるわけでございまして、この間も事業団の理事長あるいは年金局長を含めまして、非公式ではございますけれども、将来どういう展望の中でこの開発を進めていくのかということについて意見を聞いたわけでございます。御指摘のように、名前のとおり大規模年金保養基地でございます。施設の規模、内容等から考えましても他に例がないものでございます。最初この計画を持った当時と大きな社会、経済上の変化が今日起きておるわけでございまして、各基地の需要の見込みも必ずしも予想されたようなことにはならない、非常に楽観は許されないという見通しであると私は思います。したがいまして、この基地の建設は、先ほどお尋ねになりましたように、利息も払っていかなければならぬ。しかも原資は、年金給付の原資でございます年金の資金を使っていくということでございますから、これからどういうように的確な見通しを立てるかという大事なときであろうと利は思うのでございます。そういう意味で、立地条件というものも検討しなければならない。あるいはその基地における需要の状況はどうなるであろうか、あるいは開発がどういうふうに進められていくのか、その開発の今後の見通しも考えていかたければならないというのでございまして、これはなかなか頭の痛いことでございますが、慎重に今後の建設をどう進めていくかということについて私どもは十分検討をして、迷惑をかけないように、しかも年金の原資を使うわけでございますから、十分国民のお役に立つようなそういう開発になるように努力をしていきたい、かように考えております。
○永末委員 これをつくろうというときは、厚生年金保険、船員保険、国民年金の受給権者が生きがいのある有意義な老後生活を送るための場を提供、これはいいことですよ。ところが政府のやっておる似たようなものを見ますと、環境庁は国民保養センターというのをつくったり、国民宿舎、まあお金を使う相手ですが、国民休養地、国民保養温泉地というのがございますし、国土庁はまたわが税金を使いまして新山村建設モデル事業、文部省は青年の家、少年自然の家というのがござ一まずし、農林省は自然休養村というのに金を出します。自然休養林もございます。運輸省は青少年旅行村、ユースホステル、勤労者いこいの村。労働省もいろいろありますね。野外趣味活動施設にも金を出すし、勤労総合福祉センターというのに金を出そう、勤労青少年フレンドシップセンター、いろいろございます。建設省は公園を何とかしよう、自治省までレクリエーションエリア。日本人はそんなかたかなはわかりませんから、かたかなで書くと何かいいように思う。かたかなで書いたって何で書いたって同じことでございます。 そこでわが厚生省も、もともと国民の厚生施設というのはおれの方が専業だというので、同じやるならでっかいことなされというので、大規模に土地だけ買うて何もやらぬで、これは大変なことですね。これは総理大臣がおれば聞きたいのでございますが、各省が勝手にあちこち無関係にやっておるようなことをもう一遍考え直して、税金は有効に使ってもらいませんことには困ると思う。ことに厚生年金は、先ほど申し上げましたように、税金とは違って、払っている者がストレートに使い方について目をぎらぎらさせているんだ、まあそれとは筋が違いますけれども、大きく言うならば、それで土地を買って利息だけ払っているなんてことやられたら、厚生年金を払っている者は困りますね。だから、慎重にじゃなくて急速に結論を出して、その前には他の省庁がやっている似たようなことも内閣で、わが国民のために一体どういうようなレクリエーションの施設が必要なのか、もっと総合的に地域的にもアンバランスなく——いまお話を聞いていると、とんでもないへんぴな土地を買うたような気がしますね、私は行ったことありませんけれども。そこへ来る道もない、道はだれがつくるか、地方の自治体だ、自治体は金がないからやらない、道がなければ家もつくれないなんというような話になっているのじゃないかと思うわけでございます。どうしてそんな土地を買うたのか、土地はだれが売ったか、だれが仲介したか、こうなると倫理委員会か何か国会でつくらなければならぬかとも思うぐらいでございます。 厚生大臣、慎重よりも急速に国民に対してお答え願いたい。大問題になっているかどうか知りませんけれども、私はこれを聞きまして、一体何をしておるかという感じですね。行政改革をやるためには国民の出している金を国民のために有効に使うのだということが一番根本でございます。大規模なんて、大きいことがいい時代は過ぎたのでございまして、小さくつつましやかに効率よくやっていただきたい。大臣お答え願います。
○野呂国務大臣 この大規模保養基地につきましては、その趣旨、目的は私は大変意義のあることだと実は思うわけでございます。しかし、大きな社会、経済情勢の変化に対応するために、今後この運用をどうしていくのか、開発をどう進めていくのか、こういった問題については十分検討をしなければならぬということでございます。いろいろ専門機関でいま調査を進めておるということでございます。決して時期を待てばいいという安易なものではないと考えております。将来これをどうしていくかということに対して厳しく対応したいというので、いま一生懸命で検討いたしている、こういうことでございます。
○永末委員 この質問の当初に申しましたように、経済の状態、それに伴って社会の状態はどんどん移り変わっていくのである。行政というものは法律や予算でやりますから、一遍決まるとなかなかのっぴきならぬように型にはまって動かざるを得ない。その間はやはりぴしっと調整をとって、動いている社会の方に合わすのが政治の役割りだと思います。したがって野呂厚生大臣はその辺はぴしゃっとやってほしいと強く民社党は期待しておりますから、やってください。 質問終わり。
○井上(一)委員長代理 楢崎弥之助君。
○楢崎委員 最初に、環衛中央会へ補助金を出しておられますが、五十三、五十四、五十五の予算額を、数字だけで結構ですから、御報告いただきたい。
○榊政府委員 中央会に対する補助金でございますが、五十三年度が五千六百二十六万三千円、五十四年度が六千二百三十万四千円、五十五年度予算案でございますが七千六百七十四万三千円。この五十五年度につきましては、財団法人全国環境衛生指導センターに対する補助でございます。
○楢崎委員 中央会の方から事業計画を出される、それについてどのように実際には支出されるかというのを、指導監督の立場にある厚生省は見られるわけでしょう。この補助金の主たる目的は経営指導及び組織強化事業になっていますね。私は、この組織強化事業というものについて疑問があるのです。それは中小企業ですから、共同化する、弱い者が団結をする、その点は私はむしろそうあるべきだと思うのです。ただ、その実態の中に、この組織強化が私がいま言ったような意味であればいいのですけれども、全部とは言いませんけれども、実は政治組織強化という面が含まれておる。これを私は問題にしたいのです。そこを間違えないように。本来の意味の組織強化なら私は賛成であるが、その組織強化の中に政治組織強化という面が含まれていやせぬかという点です。 と言うことは、たとえば全美環連、全国美容業環境衛生協同組合連合会に例をとりますと、一昨年の自民党の総裁選挙を目指して自由国民会議、つまり自民党の党友、それに加入することを強制的に行っていますね。その要請文もここにある。それは個人でもいいし組織の支部単位でもいい。金も個人が出してもいいし組織の支部が出してもいい。そうすると、こういう組織活動というものが実はそういった政治組織の強化につながっておる面がある。しかも、組織強化の中に、全美環連の場合を例にとるのですけれども、ほかにも私はあると思いますが、いわゆる環衛議員というものに対する後援会の組織強化、それも含まれておるのですね。ですからこういう点について、補助金をもらっているそういう団体は姿勢を正さなくてはいけない。 そういう観点から私は去年の十二月二十一日に質問して、最後に伊東官房長官から、いや、実は組織自体じゃなしに政治連盟からなんだ、そうお答えになった。ところが中身は全然同じです。そこで質問時間が切れまして、それから先は論争できなかった。その点、私はきょうは若干明らかにしたい。 それで、大臣はなかなか勉強されて筋を通される方だということは、よく私は聞いています。こういう点については、よく実態を調べていただきたい。そして、補助金を受けている団体ですから、その運用に間違いないようにしていただきたい。大臣の御見解を聞いておきます。
○野呂国務大臣 全美環連を例として、全国環境衛生同業組合中央会に対して、環境衛生施設の維持及び改善向上並びに経営の健全化を図るための指導調査事業に対する補助金を交付しておることは事実でございます。しかし、その交付額の決定とかいうものにつきましても内容について十分チェックをいたしておりますし、また公益法人としての同中央会に対する指導監督も毎年度所定の報告などをさせて処置を講じておるわけでございますが、もしそういうふうに別途政治連盟といった、同じ事務所で、同じような役員構成の中で、それが政治の組織強化につながるような行為があるということは、政治の上においても十分検討しなければならない問題だと思いますが、しかし、補助金それ自体が直接そういう政治の組織強化につながっておるものとは私どもは考えていないわけでございます。御注意の点につきましては、そういう疑いとか、あるいは国民に疑惑を持たれかいように十分適正な指導監督を行ってまいりたい、かように思います。
○楢崎委員 ぜひそういう点で目を配っていたがきたいと思います。 それで、伊東長官が政治連盟とその組織とは違うのだとおっしゃるが、違わないという例を二、三挙げてみましょうか。たとえば昨年の三月の「週刊美容」という機関紙ですけれども、この中にこう書いてありますね。全美環連理事会終了後、それをそのまま政治連盟の会議に切りかえ——これまでは全美環連の会議ですよ、いまから先は政治連盟の会議に切りかえます。——何にも変わってないのです。だから、それがもし官房長官の言うとおりなら全くすりかえであって、ごまかしというか、それではいけないと思うのですね。それから、先ほどの自由国民会議加入者への取りまとめ依頼方という文書にしても政治連盟からじゃないのです。組合から組合へやっているのですね。この文書もそうなんですね。同じです。それから、これはきょう参考人が見えておりますから聞きますけれども、たとえば法案を通すために千円カンパをやっている。その千円カンパの決定も政治連盟で決定したのではなしに、組合の方で決めているのですね。全美環連の方で決めている。だからこれは全く同じなので、きょう伊東官房長官はおられませんけれども、私はその点反論しておきたいと思います。 参考人はきょうは急にお願いいたしましてありがとうございます。それで、御存じの点は答えていただきたいが、御存じにならない点、わからない点は結構ですから、答えられなかった分については後日文書ででも出していただければ結構であります。五十三年初頭に集められたいわゆる政治活動資金、実際は法案を通すための政治資金、千円カンパは最終的には額としてどのくらい集まったのでしょうね。
○泉参考人 最終的に政治資金カンパにお金が幾ら集まったかというふうな御質問でございますが、一応五十三年度末で約八千七百万円だと記憶いたしております。
○楢崎委員 それで、この種のものを進めるために政策事業推進対策本部というものが設けられたと聞いております。これは組織的には全美環連の 一部門でございますか。
○泉参考人 先生先ほどお話がありました私の方の理事会で、当初この問題が端を発しましたときは、政策事業推進対策本部を設置するのについて資金を集めよう、こういうふうなテーマで発足したわけでございます。理事会は一応それで結審を得たのでありますが、よくよく考えてみますとやはり政治資金規正法に抵触するおそれが多分にございますので、この点は明確にしておかないと後々禍根を残すのではないかというふうなことで、いまさっき御指摘ありましたように、理事会で決めておきながら政治連盟へ流れているというのは、本部設置のためにつくったのですが、抵触する部分があって後々問題になったら困るというので、その集めた金は政治資金規正法に基づく会計に入れまして政治資金規正法に基づいた政策の方へ使っていこうというふうなことで政治連盟へ投入したという経過になっております。
○楢崎委員 参考人は五十二年十二月二十三日の第百六十六回理事会に出席されておりましたか。
○泉参考人 はい。
○楢崎委員 それじゃよろしゅうございます。確認をしておきますが、この資金カンパの目的は「国会対策時期等の兼ね合いもあるので、一応のメドとして、昭和五十三年二月十五日迄」としてあります。これは議事録ですけれども、間違いありませんね。もう一つ、この活動資金の使途について理事から質問が行われたときに、副理事長の答弁として、「代議士へお願いする場合の前提として、有力代議士への支援活動が急務を要し、大半の資金が、これに回ることになる。」という答弁になっています。これは議事録ですけれども、確認されますか。
○泉参考人 御答弁申し上げます。二月何日ですか、日にちは覚えておりませんが、たしか二月十三日じゃなかったかと思うのですが、それをめどにして集めていただきたいというふうなことは事実でございます。 なお、第二点目の、有力代議士先生に対する支援、協力をしなければいけないというふうなことでございますが、事実かねがねお世話になっておる先生がございますので、私たち、駄弁ではございましょうが、御存じのようにきわめて零細な業者が集まっておる業界でございまして、われわれの業界を認識していただいて、われわれの業界のために活躍していただく先生には何かにつけて御支援をいただくと同時に、また御支援をもってお返ししなければいけないという、そういうふうな政治意欲というのですか、政治意識というものをどうしても組合員に植えつけなければいけないという趣旨で政策とか政治というようなむずかしい言葉を使っておるのです。でありますから、集めた金で何か巷間言われておりますように、やれ法律改正に流れたとかいうふうな新聞もございますが、決してそういうふうなことではございませんで、純粋に、お世話になった先生に御支援いたしたい、こういうことで集めた金でございまして、議事録はその点、若干何か先走ったような発言をして……
○楢崎委員 私が聞いたことに答えてください。おたくがつくられた議事録の内容をここで確認しているのです、本来ならおたくの議事録ですから確認する必要はないのですけれども。そういう答弁になっているのですね。 それからもう一つ確認しておきますが、昨年の理事会でやはりこの資金カンパの使途について質問があったときに、井伊理事長がこう答弁されておる。どの先生に幾ら渡したかなどは公にできない、執行部に任せよう、というような答弁をなさっていらっしゃいますが、御記憶ございますか、そのときもし同席されておったら。
○泉参考人 いつの理事会で井伊理事長がそういう発言をしたか記憶がございませんが、理事会などでは、一般ジャーナルなんかも傍聴いたしておりまして、非常に間違って伝えられることがございますので、理事会等ではなるべく個人の名前等は発表するのは差し控えるということを一応慣習でやっております。
○楢崎委員 時間が参りましたから一問にします。 五十四年度の政治連盟の自治省への届け出はもう出されたと思うのです、もう四月になりましたから。それで、大体おたくの理事会でも発表されておるようですが、その中に、政治活動費が六千三百五十万円、主な内訳は、政治団体への寄付に三千万円、後援会活動、これはいわゆる議員でしょう、そのほかのいろいろな組織活動費に二千万円、等々とあるわけです。それから、選挙応援、陣中見舞いが七百万円、こういう内訳が届け出されているはずですので、この中身についてより正確な御報告をいただきたい、これをお願いをいたしておきます。
○泉参考人 ただいま先生からおっしゃられました数字は、これは五十四年度当初の予算の額でございまして、届け出とか、そういうふうな数字では全然ございません。一応、当時あった金を配分すればこういうふうになるんだということで予算を出しまして、収支差し引きだしかゼロになっていると思っております。現実に、五十四年度の収支は全然予算とは変わった数字があらわれております。御指摘のように、三月三十一日までに届け出するようになっておりますので、届け出も完了いたしました。 なお、その数字の内容でございますが、届け出た以後まだ幹部会の方にも報告もいたしておりませんので、別に先生たち国会を軽視するわけではございませんが、一応いまの私の立場といたしまして、その内容をここで御発表することにつきましては、私の立場も御理解いただまして、ひとつ御容赦をいただきたいと思う次第でございますが、よろしくお願いいたします。
○楢崎委員 いまここへ出してくれと言っているのではないのです、後刻でよろしゅうございますから。それで、この政治活動費として六千三百五十万円、これは使ったといって報告があっているはずです。私が言ったとおりの報告があっているのです。当初の予算どおりいったということでしょう。それで、その詳細について後日御報告をいただきたい。よろしゅうございますか。
○泉参考人 いま五千幾らというのが、私はどうも数字がぴんとこないのですが……。(楢崎委員「報告してください」と呼ぶ)五千幾らですか。
○楢崎委員 いや、自治省に報告なさっていらっしゃるのでしょう、それを出してください、できればその内容をさらに詳しくお願いします、こう言っているのです。
○泉参考人 どうでしょうか先生、こういうことを申し上げるのはどうかと思うのですが、一応先生におかれまして、先生の方で御調査をされるということになれば、選管の方からでもすぐ数字が取り寄せられるのではないかと思いますので、先生の方でやっていただいた方がより正確なものが……
○楢崎委員 誤解があるといけませんから。 それはそうなんです。しかし、たとえば政治活動費として六千三百五十万とぽんと載っておったってわからないのですよ。その中身について詳細なあれをお願いしたい、こう言っておるのです。
○泉参考人 中身は、御存じのように選管へ届けてあるものは、小さく分類いたしまして、一万円以上のものについては領収証も添付いたしまして非常に詳しいものが出ておりますので、それをお取り寄せいただけますれば一番正確な数字が御理解いただけるのではないかと思うような次第でございます。よろしくお取り計らい願いたいと思います。
○楢崎委員 いまの御答弁は、私の要請ではなしに私が調べろという意味ですか。そうではなしに、おたくから出してくださいと言っているのです。
○泉参考人 先ほども申しましたように、その数字を公表するということについて、私、帰りまして、先生からこういうふうなお申し出があった、御用命があったということを一応会議に諮りまして、またその結果については、先生の方ですか、よろしければ御答弁に上がりたいと思いますので、さよう御了承いただきたいと思います。
○楢崎委員 それでは、これで終わります。
○井上(一)委員長代理 次回は、来る九日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時六分散会