決算委員会 第8号
- 発言数
- 231 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/03/05
会議録
○高田委員長 これより会議を開きます。 昭和五十二年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、内閣所管、総理府所管中総理本府等、沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫について審査を行います。 本件審査のため、本日、参考人として日本中央競馬会理事長武田誠三君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○高田委員長 それでは、内閣官房長官から概要の説明を求めます。伊東内閣官房長官。
○伊東国務大臣 昭和五十二年度における内閣所管の一般会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 内閣主管の歳入につきましては、歳入予算額は千二百七十五万円余でありますが、収納済み歳入額は千二百八十四万円余でありまして、歳入予算額と比較いたしますと、九万円余の増加となっております。 次に、内閣所管の歳出につきまして、歳出予算現額は九十億四千五百六十七万円余でありまして、支出済み歳出額は八十四億三百五万円余であります。 この支出済み歳出額を歳出予算現額に比べますと、六億四千二百六十二万円余の差額を生じますが、これは人件費等を要することが少なかったためでございまして、不用となったものでございます。 以上をもちまして、決算の概要を御説明申し上げます。 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○高田委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。岩井会計検査院第一局長。
○岩井会計検査院説明員 昭和五十二年度内閣の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○高田委員長 次に、小渕国務大臣から、総理本府等、及び沖縄開発庁について概要の説明を求めます。小渕国務大臣。
○小渕国務大臣 昭和五十二年度における総理府所管の一般会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 総理府主管の歳入につきまして、歳入予算額は六百七十億九千五百四十三万円余でありますが、収納済み歳入額は七百二十六億五千九百九十八万円余でありまして、歳入予算額と比較いたしますと、五十五億六千四百五十四万円余の増加となっております。 次に、総理府所管の歳出につきまして、歳出予算現額は三兆六千八百五十七億七千三百十六万円余でありまして、支出済み歳出額は三兆六千四百十二億七千二百四十二万円余であります。 この支出済み歳出額を歳出予算現額に比べますと、四百四十五億七十四万円余の差額を生じます。 この差額のうち翌年度繰越額は三百五億四千六百八十四万円余であり、不用額は百三十九億五千三百八十九万円余であります。 総理府所管の歳出決算のうち、警察庁、行政管理庁、北海道開発庁、防衛庁、経済企画庁、科学技術庁、環境庁、沖縄開発庁及び国土庁につきましては、各担当大臣から御説明申し上げることになっておりますので、これを除く部局、すなわち総理本府、公正取引委員会、公害等調整委員会及び宮内庁関係につきまして申し上げますと、歳出予算現額は一兆一千五十五億二千九百二十九万円余でありまして、支出済み歳出額は一兆九百八十三億一千九百六十万円余であります。 この支出済み歳出額を歳出予算現額に比べますと、七十二億九百六十八万円余の差額を生じます。 この差額のうち翌年度繰越額は五十九億七千五百九十一万円余であり、不用額は十二億三千三百七十六万円余であります。 翌年度繰越額は、恩給費等でありまして、これは旧軍人遺族等恩給の請求の遅延及び軍歴の調査確認に不測の日数を要したこと等のため年度内に支出を終わらなかったものであります。 また、不用額は、人件費等を要することが少なかったため、不用となったものであります。 以上をもちまして、決算の概要説明を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。 次に、昭和五十二年度における沖縄開発庁の歳出決算につきまして、その概要を御説明いたします。 沖縄開発庁の歳出予算現額は七百七十六億四千五百十四万円余でありまして、このうち、支出済み歳出額は七百四十四億一千六百九十一万円余、翌年度へ繰り越した額は三十億四千七百八十九万円余、不用となった額は一億八千三十三万円余であります。 まず、歳出予算現額につきましては、当初予算額一千二百六十八億三千九百九十三万円余、予算補正追加額百十二億五千五十一万円余、予算補正修正減少額一千七百九十四万円余、予算移しかえ増加額百二十五万円余、予算移しかえ減少額六百十二億一千八百二万円、前年度繰越額七億五千八十九万円余、予備費使用額三千八百五十万円余を増減しまして七百七十六億四千五百十四万円余となったものであります。 支出済み歳出額の主なものは、沖縄の振興開発のための財源として、道路整備特別会計、治水特別会計、国有林野事業特別会計、港湾整備特別会計及び空港整備特別会計へ繰り入れた経費六百三十億八千八百六十九万円余であります。 次に翌年度へ繰り越した額三十億四千七百八十九万円余は、道路整備特別会計において、用地の関係、補償処理の困難、計画及び設計に関する諸条件により同特別会計への繰り入れが年度内に完了しなかったこと等によるものであります。 また、不用となった一億八千三十三万円余は、退職手当の必要額が予定を下回ったこと等により生じたものであります。 以上をもちまして昭和五十二年度沖縄開発庁の決算の概要説明を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○高田委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。岩井会計検査院第一局長。
○岩井会計検査院説明員 昭和五十二年度総理府所管の決算のうち、歳入並びに総理本府、公正取引委員会、公害等調整委員会及び宮内庁関係の歳出につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○高田委員長 次に、肥後会計検査院第三局長。
○肥後会計検査院説明員 昭和五十二年度沖縄開発庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○高田委員長 次に、小野会計検査院第五局長。
○小野会計検査院説明員 昭和五十二年度沖縄振興開発金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○高田委員長 次に、沖縄振興開発金融公庫当局から、資金計画、事業計画等について説明を求めます。岩尾沖縄振興開発金融公庫理事長。
○岩尾説明員 沖縄振興開発金融公庫の昭和五十二年度の業務の概況につきまして、御説明申し上げます。 沖縄振興開発金融公庫は、沖縄における産業の開発を促進するため、長期資金を供給して、一般の金融機関が行う金融を補完し、または奨励するとともに、沖縄の国民大衆、住宅を必要とする者、農林漁業者、中小企業者、病院その他の医療施設を開設する者、環境衛生関係の営業者等に対する資金で、一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通し、もって沖縄における経済の振興及び社会の開発に資することを目的として、昭和四十七年五月に発足いたしたものであります。 昭和五十二年度の事業計画は、当初千二百億二千万円を予定しておりましたが、その後、不況対策の一環として三十八億円が追加されましたので、千二百三十八億二千万円に改められました。 この計画に対する貸付決定額は千二億七千万円余となっております。 次に、貸付残高について御説明申し上げます。 昭和五十一年度末の貸付残高は二千九百十二億円余でありましたが、昭和五十二年度中に九百五十一億二千万円余の貸し付けを行い、三百四十一億八千万円余を回収いたしましたので、昭和五十二年度末においては三千五百二十一億三千万円余となっております。 なお、貸付金の延滞状況につきましては、昭和五十二年度末におきまして弁済期限を六カ月以上経過した元金延滞額は百三十一億五千万円余でありまして、このうち一年以上のものは百二十三億二千万円余となっております。 次に、昭和五十二年度の収入、支出の決算について御説明申し上げます。 収入済額は二百三十六億四千万円余でありまして、これを収入予算額二百四十四億四千万円余に比較いたしますと八億円余の減少となっております。この減少いたしました主な理由は、貸付金利息収入が予定より少なかったためであります。 支出済額は二百三十三億五千万円余でありまして、これを支出予算額二百四十五億九千万円余に比較いたしますと十二億四千万円余の減少となっております。これは借入金利息等が予定より少なかったためであります。 最後に、昭和五十二年度における損益計算について御説明申し上げます。貸付金利息等の総利益は二百七十八億九千万円余、借入金利息等の総損失は二百七十八億九千万円余となりました。この結果、利益金は生じなかったので、国庫納付はいたしませんでした。以上が昭和五十一年度における沖縄振興開発金融公庫の業務の概況であります。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○高田委員長 これにて説明の聴取を終わります。 この際、正午まで休憩いたします。 午前十時十四分休憩 ————◇————— 午後零時六分開議
○高田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 これより質疑に入ります。 まず、内閣官房長官に対し質疑を予定いたしておりましたところ、内閣官房長官が急病のため出席ができなくなりましたので、この際、内閣官房副長官に対し、質疑を行うことといたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。
○井上(一)委員 まず、官房長官が高熱で急遽お休みだということで、どうぞお大事にしてください。 まず私は、昨年五月に衆議院、六月に参議院で可決してすでに批准を終えたわけでありますけれども、国際人権規約について、内閣のその後の取り組みについてここでお聞きをしておきたいと思います。
○加藤(紘)政府委員 その問題は質問の通告の中になかったものですから、ちょっと準備いたしてきておりませんので、答弁を控えさせていただければと思います。
○井上(一)委員 通告をしなくても、内閣の姿勢それ自身、常々世界のすべての国からなくすべきは差別と核だ、そしてどんなときにでも守っていかなければいけないのが平和と人権であるという一つの私なりの政治理念を持って、もちろん具体的な国際人権規約の批准に当たっても私なりの努力をしてきたわけです。当時もいろいろと私の見解についてはすでに政府当局に申し上げてきたことでございますし、当時外務大臣でございました園田大臣の取り組みについても私は一定の評価をしているわけなんです。残念なことではありますけれども、留保条件がある、なお国内法の整備の問題がある、あるいはこのことについての国民に対する取り組みがどうなされてきたのか、こういうことなんですよ。 官房副長官、質問の通告がなかったからということですけれども、副長官としてのひとつお考えを冒頭に聞かせてください。
○加藤(紘)政府委員 国際的な平和の維持とそれから人権の擁護というのはもちろん内閣にとっても一つの基本姿勢でございます。 それで、その規約の問題につきましては、国内法の手続の問題等、種々の問題があって、政府部内で検討中のことでございます。 その具体的、詳細な内容についていま私、細かく、責任持って答弁申し上げる準備をしてきておりませんので、この際は控えさせていただきたいと思います。
○井上(一)委員 副長官、やはり委員会に出席をされて、特に国際人権規約についての質疑に答弁ができないなんていうのは、これは非常に不見識だ。何も通告があるとかないとかの問題じゃなく、国際人権規約それ自体は政府が力を入れて取り組まなければいけないし、取り組んできた問題なのですよ。官房副長官が答えられぬというのは非常におかしな話で、政府それ自身の姿勢を私はそのように受けとめたくなるわけなのですよ。いかがなのですか。全くあなたは国際人権規約については知識もないのだ、あるいは取り組みについても十分対応し切れていないからその点については答えられない、そういうふうに理解していいのですか。
○加藤(紘)政府委員 重要な問題であると認識しているからこそ軽々にここで御答弁をすることは差し控えるべきだと考えておる次第でございますので、少しお時間をいただきたいと思います。
○井上(一)委員 それじゃ、時間を与えてあなたが答弁ができるなら私は別にいまお答えをいただかなくてもいいですけれども、この人権問題はやはりきっちりと政府の姿勢というものが内閣官房の中でも統一されて十分な把握ができているというのが正常な形ですから、答弁ができない——重要な問題だからこそ質問をしているのですよ。それに答えられないなんというのは全くもってけしからぬ話なのですよ。それだけ取り組みが、横着をかましているのだ、おくれているのだということなら、それなりに今後一生懸命取り組むということでいいと思うのですよ。答えられぬということで、そんなもの、答弁にならぬですよ。
○加藤(紘)政府委員 繰り返しますけれども、私の答弁は責任を持った答弁をしなければならぬと思っております。私自身内閣の方でこれを細かくフォローしておりませんので、官房長官がおりましたら答弁できたと思いますけれども、その点お許しいただきたいと思います。
○井上(一)委員 これは質問できぬ。そんなことを言うのでは、委員長、質問できません。
○高田委員長 委員長から一言申し上げますが、あなた自身の前置きをして、十分長官とも打ち合わせた上正式の答弁は後刻機会を得てやるとしても、この場合はやむを得ないことですから、あなた自身の、自分の考えを率直にそういう前提で述べてもらうことがいいと思うのです。
○加藤(紘)政府委員 この席で私、個人的な御意見を申し上げてもそれほど意味のあることではないと思っております。副長官というのは内閣としての姿勢を申し上げるべき職務だと心得ておりますので、お時間をいただきたいと思います。
○高田委員長 いや、そういうことじゃなくて、そういう前提をして、前提を置いて答弁する以外にないでしょう、答弁のしようが。全然答弁をしないというのは、質問者に対して非礼であるし、また当委員会に対してもとるべき態度じゃないと思うのですよ。だから、今回はこれは自分の個人の意見で恐縮だけれども打ち合わせてさらに官房長官から後刻適当な機会に御答弁いたしますということで、自分の考えを率直に述べたらいいじゃないですか。それ以外にないですよ。
○加藤(紘)政府委員 井上先生の質問のお時間どの程度ございますか存じませんが、もうちょっと後刻に回していただければ、ほかの問題等について先に進めていただければありがたいと思います。
○井上(一)委員 私は、国際人権に対する政府の取り組みから、わが国の難民問題に対する取り組み、そういう形の中で今回の質問を展開していくということで、難民問題にかかわる人権問題は事務当局には通告をしてあるのです、官房副長官、あなたは官房副長官、当然この席に官房長官が御出席なされて私の質問に答えてくれるという条件であったのが、急遽高熱だということで、それはお気の毒だから、どうぞ副長官で結構ですということで、官房長官のあなたは代理なんです。だから、私の時間ということよりも、あなたが常に持っている一つの人権にかかわる理念というものをここで披瀝することが、私はきょうの委員会の質疑だと思っているのです。事前にレクチュアをしなければいけないという問題でないわけなんですよ。そういう意味で大変私は残念だと思うのです。こういう質問あるいはあなたに対してこんなことを申し上げること自体が非常に残念である。政府の人権に取り組む姿勢がここにあらわれているのではないだろうか。ぼくは、率直に副長官が至らないのだということであれば、今後至るように努力をしてほしいというお願いをしてこの質問というものは終えていくわけなんです、次に展開をされていく。あなたの答えられぬとかあるいは軽々にだとか、それは軽々に答えられるものじゃない、軽々に扱うものじゃないということは、それほど大事だから冒頭に質問をしているのです。私の時間を聞いて、あなた、どうなさるのですか。じゃ、私はよろしい、あなたの、許せる範囲まで質問を留保しましょう。この質問、委員長、留保して、じゃ、委員会やめておきましょう。ここに座っておる。あなたが答えられるまで待とう。
○高田委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○高田委員長 じゃ、速記を始めてください。 加藤官房副長官。
○加藤(紘)政府委員 人権条約は、御承知のように、一部の留保をいたしてわが国としては批准いたしておるわけでございますけれども、その部分を除いて、われわれがその条約の基本を忠実に実行していこうとする方針にはもちろん異存はございませんし、その方針でまいりたいと思っております。
○井上(一)委員 副長官、本当は国際人権規約の趣旨、精神というのをあなたは理解してないのでしょう。素直な気持ちで答えた方がいいのじゃないかと私は思うのです。本当に十分理解をしておりますか。そして取り組んでおりますか。努力しておりますか。そして当委員会にあなたはその努力をするという気概を見せられるのですか。いま後ろでちょっと聞いたぐらいで国際人権規約の精神なんてわかりゃせぬですよ。
○加藤(紘)政府委員 理解しておるかおらないか、個人的なことをお尋ねいただいても困るのでございまして、われわれといたしまして、政府の方針をここで申し上げるというのがこの委員会における審議だと心得ております。
○井上(一)委員 理解をしてたら答えなさいよ、こういう受けとめ方をして、政府はその批准にのっとってこういうことに努力をしておりますとか。答えられませんとか、個人の云々と、あなたはいま副官房長官でこの委員会に出席されているのですよ、政府を代表する立場に立っているのですよ、いまは。何が答えられぬのですか。個人として理解する、理解せぬ、何ということを言っているのですか、あなた。あなた個人にとっても、これは理解しなければいかぬものだよ。十分理解できてなかったら、あなたは副官房長官としては勤まらぬのよ。これはあなたが何を——それは個人の思想、信条についてはこれは自由であるということ。しかし同時に、副官房長官であるという政府の公的立場にある人が、国際人権規約云々を私が理解してますかと言ったら、理解しているしてないは個人の自由だというような受けとめをあなたはしているのですよ。いまここはどんなとこだと思っているのですか。あるいはまた、当然あなたは個人としてでも、公人であるべきあなたが個人としてでも、国際人権規約については当然深い理解を持っている、持たなきゃいけないと私は思っているのですよ。そういう前提に立たなければ委員会で、あるいは政府自体の取り組みはまだまだこんなものでは足らないと思っているのに、取り組みのトもできておらないじゃないですか。 これは委員長、こういう形の中では審議は私はでき得ない。
○高田委員長 ちょっと申し上げますが、委員の質問に対して何か反駁めいた言葉で、個人のことはどうのこうのというようなことは穏当じゃないと思うのです。あなたは理解しているか、してないかと言われたら、理解しておる、あるいはまだ十分その点については勉強しておらぬが重大なことであることはわかっておる、だからこれから一生懸命勉強すると、はっきり答えないと、せっかく質問したものを何か揚げ足をとって突っ返すようなことになったのでは、進まないのですよ。
○加藤(紘)政府委員 国際人権規約につきましては、私たち政府としてもそれに署名し、国会において批准をいただいたものでございます。その条約の一部につきまして日本国政府としては留保いたしましたけれども、その部分を除きわれわれ政府としてきちっと遵守をしていくというのが方針でございます。私個人が理解しているか、してないかとかの問題につきまして、言葉の行き違いで御迷惑かけたかと存じますけれども、政府としては確実な遵守をやっていくという方針に変わりはございません。
○高田委員長 暫時休憩いたします。 午後零時二十四分休憩 ————◇————— 午後零時五十四分開議
○高田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、申し上げます。 内閣所管につきましては、伊東内閣官房長官が急病のため、後日に譲ることとし、午後二時二十分、総理府総務長官の出席を待って再開いたしたいと存じます。 この際、暫時休憩いたします。 午後零時五十五分休憩 ————◇————— 午後二時四十三分開議
○高田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 総理府所管中総理本府及び沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫について質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。
○井上(一)委員 まず私は総理府長官に。わが国が経済的な面では先進国であるけれども、人権問題に関してはまだまだ先進的役割りを十分果たしていないということが言えると思うのです。とりわけ世界の平和を願うわが国の果たすべき政治指針、これはまさに平和と人権を守るという一語に尽きると思うのです。そのことから、昨年の五月、六月と、両院において国際人権規約が批准をされ、ようやく世界の人権を守る立場に立つ仲間入りをしたわけであります。 そこで、批准後、いわゆる一定の留保条件はつけられましたけれども、それはそれなりに御努力をいただいておると思います。国内法の整備あるいはまたそれから派生するところのいろいろな取り組み、そのような取り組みについて具体的に総理府がどのようなアクション、行動を起こしていらっしゃるか、まずその点からお聞きをしたいと思います。
○小渕国務大臣 国際人権規約につきましては、御指摘ありましたように、昨年国会の批准を得て発効いたしておるわけでございます。 総理府といたしましては、その中で平等の関係ということで、いわゆる同和対策にかかわる問題としてこれをとらえて、重要な問題だというふうにこの規約について理解をいたしておるわけであります。 第二は、その中で同盟罷業の問題につきましては、私ども人事局ございまして深い関連性がありますので、この点につきましてもこれは留保条項に相なっておりますので、今後とも労働条件の問題等にかかわる問題でございますので、十分配慮していきたいと思っております。 なお同様、公の休日に関して、これまた留保条項でございまして——大変失礼しました、前段のはそうでなかったかと思いますが、公の休日の問題につきましても大変かかわり合いの深いことでございますので、十分検討いたしてまいりたいと思っております。 なお、婦人問題といたしまして女子の労働条件の問題もこの規約の中で述べられておることでございますので、総理府といたしましては、特にこの三点につきましては十分配慮いたし、検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
○井上(一)委員 長官、留保された部門だとか、あるいは力を入れなければいけないそういう条約の項目ということより、そのこともまた大切なことでありますけれども、きょうはまず国内的な取り組みとして総理府がどういうことをやっているんや、こういうことを私は聞いているわけなんです。具体的にこういうことをやっております、あるいはまだ十分にそういう対応がし切れておりませんということなのか、そういうことについて、もう一度聞かしてください。
○小渕国務大臣 御指摘のようにこの規約の批准が昨年行われたばかりでございまして、その間今日まで具体的かつ効果的な対応をしてきたかと御指摘されますと、十分これに答え得るものを持っておりませんが、先ほど申し上げましたように、総理府としてのかかわり合いのある諸点につきましては十分内部的に検討を進めて、それが実効の上がるように努力をしておるということでございます。
○井上(一)委員 それじゃ、たとえば基本的な条約の精神、これはわが国の憲法にすでに基本的人権の擁護というのは明確にされているわけなんです。それが世界的な立場に立って、国連の中でさらに大きな広い分野で人権を守っていこう、こういうことですね。その人権を守ることがいわゆる世界の平和につながることであるし、また、わが国の率先して果たすべき役割りであるということも、これは間違いありませんね。そういう考え方に立っていらっしゃいますでしょう。そういうことであれば、より周知徹底を国民の中に図っていかなければいけない、こういうことですね、長官。そのことについてはいかがでしょうか。国民に、より深い理解を求めていく、そういうことは当然必要でしょう。
○小渕国務大臣 御質疑の要旨は、総理府広報室がございますので、人権規約が発効いたしまして国連憲章に基づくこの規約が日本国民の中にもさらに深く根づくようにということで周知徹底せよ、こういう御指摘かとも一存じますが、広報室といたしましては、正直いま具体的にこの規約をパンフレットのような形で広く配布するというようなことは実はいたしておりません。いたしておりませんが、御指摘でございますので、何らかの形でこの規約そのものが国民にさらに周知徹底のできるように勉強してみたいと思います。
○井上(一)委員 私はさらに指摘をしたいのですけれども、国民が十分理解をするということは、すべての国民に人権擁護の意識を深めていくということになるわけなんですね。だからそれはパンフを作成することも一つの手段、方法でしょう。あるいはマスコミ、テレビ等でそういう啓蒙を図っていくということもまた一つでしょう。あるいは行政に携わる者が率先して理解をしていくということもこれまた一つの方法でしょう。そういうことを具体的に、もしやっていらっしゃらなければ早急にやるべきだし、そういう認識を持っていらっしゃるかどうかということですね。
○小渕国務大臣 人権の問題につきましては、政府の中では法務省が特に所管をいたしまして、検討いたしておるところでございまして、十分国民の人権を守り抜くようなことに理解を深める人権週間というようなものまで設けておることでございます。 先ほど、広報室としてはちょっと手が抜けておったのではないかということを申し上げたのですが、人権週間に当たりましては十分法務省と協力し合って、その段階ではいろいろな形で国民に周知徹底をする努力はいたしておる次第でございます。
○井上(一)委員 法務省だとか、いやそれは外務省だとか、あるいはそれは厚生省だとか労働省だとか、そういう認識が誤っているわけです。あるいは人権週間には一生懸命やります、人権週間だけ一生懸命やって、あとは何もしなくていいのですか。もう常に人権を守るという立場に立った政治をやっていく、こういうことが大事なんですよ。どうなんですか。
○小渕国務大臣 日本国憲法の目指すところに従って政府は人権を守り抜くためにすべての行政を行っておるわけでございますので、不断の努力をいたしまして人権を守り抜く運動を展開し、かつ、私どもとしては国民の理解を深める努力もまた積み重ねてまいっておると思いますし、今後とも努力をいたしてまいります。
○井上(一)委員 そういうことの具体的な事例として、もちろん、長官からもお答えの中でパンフの作成ということがあったわけですけれども、そういうことに取り組まれますか。
○小渕国務大臣 国際人権規約の周知徹底という具体的なお話でございます。本件については現在いたしておりませんが、これも各省庁とも十分連絡をとりまして、せっかくの国連憲章というものを受けてわが国国会におきましてお認めをいただいておることでもございますし、政府としてもその趣旨を踏まえて実施していくことでございますので、何らかの工夫をして、もっともっと国民に広く周知徹底のできるようにいたしてまいりたいと存じております。
○井上(一)委員 ぜひ早い時期にそういう工夫が具体化するように、また、具体化さすべきだ、こう思うのです。 人権問題については、やはり差別から具体的な人権侵害という問題が起こってくるわけなんですね。それは意識の目覚めというか意識の変革というか、そういうものから始まってこなければいけない。意識をどうして変えさしていくか、正しい認識をどうして持たしていくか、そういうことは一に啓蒙、啓発ということから始まらなければいけないわけなんです。私は、国内的にも国際的にも差別があってはいけないという一つの強い信念を持っているわけなんです。国際人権規約というものはいわば努力目標を成文化したというか、そういう意味では、わが国の憲法の前文にすでに書かれたことを提唱されたことだけれども実らないから、あえてこの批准に力を入れてきたわけです。そういう意味から、もう少し啓発運動に取り組むというめどを、それではここで聞かしてください。いまのお答えで、取り組みますということが表明されたわけです。これは三年先、五年先に取り組んだって何にもならぬわけですから、すぐにでもこれは取り組まなければいけない。そういうことで関係省庁が協議をするなり、あるいは政府の見解として四月からでも具体的にそういうものに取りかかるという決意をお持ちであれば、ここで披瀝しておいていただきたいと思います。
○小渕国務大臣 総理府は広く政府を代表しての広報活動の元締めとしての責任を十分理解いたしておるつもりでございます。しかし、人権問題というのは大変大きな問題でございまして、私どもも一生懸命がんばりますが、それぞれの省庁が懸命の努力を図らなければならぬだろうと思います。私の手元にも、先生十分御承知ですが、国際人権規約というものがありますが、外務省の情報文化局で出したパンフでございます。したがいまして、それぞれの役所が十分努力をしていかなければならぬと思いますので、総理府といたしましては、広報関係の担当官の集まりがございますので、その会議等で、この人権規約等のこれからの周知徹底の問題等につきましても議題といたしまして、そして各省庁のそれぞれの分野も定めながら政府全体としての努力を図っていきたいと思っております。
○井上(一)委員 問題が大きいから、なおかつ私は、そういう啓発運動、啓蒙運動に力を入れるべきだ、こういうことなんです。さっき官房副長官は、国際人権問題については十二分な理解どころか全くもって逆な——逆なというか、人権擁護の立場を忘れたような答弁を少し漏らしたわけですね。内閣として不謹慎きわまりない。私はそう思うのです。正確にはどのような考えを持っているか、機会を改めて私は問いただしていきます。さらに総務長官には、国内的な人権侵害の具体的事例なりあるいはその大きな一つである同和問題に対する取り組みについて質問を続けたいわけでありますけれども、時間の関係で、私は、そのことについては、きょうの委員会の後の分野でもう少し密なる質問を繰り返します。とりあえず冒頭の質問を申し上げて、あとはいま留保して、後で質問をいたします。
○高田委員長 新村勝雄君。
○新村(勝)委員 きょうは会計検査院の百年記念式典が行われたわけでありますが、言うまでもなく、会計検査院の機能の健全な発揮ということは、行政の公正、特に会計経理の厳正な確保、執行に必要なわけでありますが、これについて数年来、会計検査院法の改正が論議をされておるわけであります。五十二年の五月十九日に、衆議院の決算委員会で、会計検査の強化充実を図るべきであるという議決がなされ、続いて衆議院の本会議でもその同じ趣旨の議決がされております。参議院におきましても、五十三年の六月に決算委員会及び本会議でそういう趣旨の議決が行われておるわけでありまして、これを受けて、会計検査院におきましても、院法の改正の基本方針を決定し、内閣にその要旨を送付して検討をお願いいたしたわけです。ところが、その後この改正について一向にはかばかしくない状態でありますけれども、現在この問題が内閣でどうなっておるのか、ひとつお伺いをいたします。
○高田委員長 質問者に申し上げますが、その問題はちょっと担当が違うかと思われるのですが……。
○新村(勝)委員 担当が違っても、これは内閣のいま抱えておる問題では大きな問題だと思いますね。これは当然閣議にもかかっているでありましようし、また、総理府を中心とする内閣の中で当然論議されてしかるべき問題でありまして、その論議がないということは、この問題について大平内閣がどの程度の認識を持っておるか疑わざるを得ないわけでありますけれども、そういう点で長官、担当ではいらっしゃらないかもしれませんけれども、少なくとも、というよりは大平内閣の有力な閣僚でありますから、これを御存じないということはまずないと思いますけれども、どうなんですか。
○小渕国務大臣 院法の改正につきましては、私も政治家の一人として、そうした御要請が会計検査院の中に強く存在いたしておるという事実は承知をいたしておりますが、委員御案内のように、会計検査院は行政の私どものところとまた異にする立場でございますので、法律は、たしか提出をいたしますといたしますれば内閣官房からお願いすることになることではなかろうかと思いますが、私、申しわけないことでございますが、担当いたしておりますことでございませんので、その成り行きあるいは扱い等につきまして明言することをお許しいただきたいと思います。
○新村(勝)委員 大変心もとないことでありまして、長官は、きょうの式典の壇上のトップにお座りになっていたわけですね。しかも会計検査院だけではなくて、いまの政治の浄化、そしてある意味では財政の再建、行政改革、これらの中枢をなす一つの課題だと思います。これについて長官が御存じないというのは大変残念でありますけれども、ひとつ長官の方から総理及び内閣諸公に、こういう非常に緊急な問題をいま内閣としてペンディングのままお抱えになっておるわけでありますから、これについての早急な結論と、ぜひこの国会にこの改正案を御提出願いたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○小渕国務大臣 ただいま新村委員からのお考えにつきましては、内閣官房にお伝えをいたします。
○新村(勝)委員 長官、私はシンムラでございますので、ニイではございませんので、ひとつお見知りおきをいただきたいと思います。 そういうことで、これはきわめて重要な懸案事項でございますし、五十二年、五十三年に衆参両院において議決をされております。衆議院の議決には長官もお加わりになっておるはずです。ですから、そういう点からも長官にも御責任がある。それから閣僚の一人として内閣の中枢に座しておられるわけでありますから、ひとつ責任を持って総理にもお伝えをいただき、早期にこの国会に提案できるように、ひとつ閣内でも御尽力を賜りたいと思います。 次に、人事の問題でお伺いをいたしますが、人事院はおいでいただいていますね。 わが国の国家公務員の人事管理あるいは任用等については、従来、古くは高等文官試験の実施されていた時代から、引き続いて現在の国家公務員各級試験が行われておりますけれども、一貫して日本の国家公務員の人事行政は、任用のとき、すでにその人の一生が決定されるようなそういう方式で行われてきたと思います。いわば一つの身分制的な形の上で人事管理が行われてきたのではないかと思うわけでありますが、高等文官試験あるいは国家公務員上級試験に合格した人は、もう大過なく過ごせば局長、次官ということがほぼ約束をされておる。その反面、その試験に合格をしなかった人たちについては、いかに能力があろうとも、中枢の、いわゆる高級官僚の座にはつけない、こういうような一種の身分制的な考えのもとに進められてきたと思うのです。これではせっかくの貴重な人的な資源と言うとおかしいのですけれども、能力を十分開発をするチャンスもないし、能力開発の道が全くそういう制度の中で閉ざされてきたというのが実態だと思います。これについてもう根本的に再検討する時期ではないかと思いますが、それらについて、それらを中心とした人事行政の構想について、それから今後の考え方についてまず伺いたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 お答えを申し上げたいと存じますが、わが国におきまする公務員の任用制度のあり方の問題についての基本的な考え方についての御議論であるというふうに受けとめておるわけでございますが、昔は高文というものがございましたし、戦後になりまして、その高文制度というものは廃止になりまして、いま御指摘になりましたように、上級公務員試験というものが行われて、今日まできておるわけでございます。わが国の公務員制度の根幹は、先生よく御承知でありますように、公務の公開、平等ということ、要するに能力のある者に対してまんべんなく門戸を開放するということ、それともう一つはメリットシステムと申しますか、成績本位の原則というものを貫いていかなければならぬという、この二つの大きな二本柱の上に立って今日まで運用されてきておるわけでございまして、今日までそれなりの成果は上げてきておるのではないかというふうに私たちは考えております。 ただ、いまお話もございましたように、往々にして何か大変偏った人事が行われがちではないのか、上級試験に通らないことには、普通の試験で入った、あるいは選考で入ったというような方々は能力はどれほどすぐれておってもなかなか昇進の機会が考えられない、そういうことでは困るではないかというような声も往々にしてございますし、私も十分その点は耳に入れて承知をしているつもりでございます。したがいまして、非常にへんぱな偏ったことのないように、昇任その他の点ではいろいろ配慮をいたしておるつもりでございますけれども、先刻申した公開、平等の原則あるいはメリットシステムということの原則を貫きますためには、どうしても試験というものがその前提にならなければいけない。その試験ということになりますと、やはりどうしても客観的な一つの物差しというものがございまして、それでもって能力をテストするということにならざるを得ない。その結果、結果的には大学といたしましてもある一方に偏ったと申しますか、具体的に申せば東京大学その他が非常に数が多くなるといったことがあることは事実でございます。しかし、この点は夙に試験の問題等について一方に偏したことを選択しているわけではございませんので、全般に大変能力のある、また世間的な評価も受けておられる諸先生方にお願いをして、全国の大学の教科というものをまんべんなくよく目を通しまして、その上で客観的に妥当だと思われる問題を出して、その結果がこういうふうになっておるわけでございます。そして、結局そういう門をくぐって入ってまいりました者について、そのまま仕事をしていく段階においてだんだんと評価も決まってくるわけでございまして、そういう者の中からおのずから昇進者もふえてくるという結果になっておるわけでございます。しかし、いまお話しがございましたように、ノンキャリアと申しますか、そういう方々にも能力があれば当然に門戸は開放しなければならないし、率先して優秀な人はそれに適応する処遇を与えなければならぬということは当然でございますので、そういうことの配慮も十分やっておるつもりでございます。 ただ、制度的に申しまして、昇任試験その他がいまのところは制度としては確立いたしておりませんので、こういうことが、ノンキャリアの方々に対して一つの大きな将来に対する見通しと申しますか、意気込みを育てるという面において欠ける面がないとは申し切れません。そういう意味で、私たちといたしましては、現在、昇任制度というようなものにつきましてももっと根本的にやっていきたい、そのための具体的な方策として昇任試験というものもひとつ具体的に日程として取り上げていくべき段階に来ておるのではあるまいかというような観点から鋭意検討いたしておるわけでございまして、方向といたしましては、先生いまおっしゃったような方向は私としても全然同感でございまして、そういう方向に向かって一歩一歩の前進を進めてまいれるように、今後とも制度的にも努力をしてまいる所存でございます。
○新村(勝)委員 いま各省に、旧高文及びその後の上級職試験に合格をしたいわゆるキャリアの方が何名いらっしゃいますか。
○斧政府委員 お答えいたします。 上級職採用者が二万一千五百人くらいでございます。
○新村(勝)委員 これは上級職試験だけですか。旧高文の方も含めているわけですね。その点を一つと、それから、局長以上の方の中で東京大学の出身者は何人ぐらいいらっしゃいますか。
○斧政府委員 お答えいたします。 ただいまの二万一千人の中には高文の方も入っております。 それから、現在、高文を合格しまして課長以上の職についておられる方が二十九名でございます。
○新村(勝)委員 趣旨がおわかりにならなかったかと思いますが、各省の局長以上、局長、次官で総数が何人いらっしゃるか。そのうち東京大学が何人いらっしゃるか、これを伺います。
○斧政府委員 数字が部長以上となっておりますので、部長以上で答えさせていただきますが、東京大学の方が百四十六名でございます。総数が百八十七名でございます。
○新村(勝)委員 いわゆるキャリアの方でも、これは全部が局長、次官というわけにはいかないと思いますね。そうしますと、その昇任の基準はどういう基準で昇任をさせられるのか、あるいは抜てきをされるのか、その点はいかがですか。
○斧政府委員 お答えいたします。 昇任の資格につきましては、給与の方で資格基準表というのが決まっておりまして、そこで上級で入った場合は経験年数何年で何級になれるという最低基準が決まってございます。それ以上の経歴がありまする方につきまして、課長以上になりますと、私どもの任用局で就任の場合に審査をいたしまして、つかれる職務とそれまでの経歴等を審査をいたしまして、適任と認めた場合は昇任できるというシステムになっております。
○新村(勝)委員 結果としてキャリアの方々は優秀な方々でありますし、また東京大学出身者は頭がいいということは事実だと思いますけれども、局長特に次官というような官僚のトップに位する方々はほとんど全部、九十何%が東京大学であるということはこれは事実としてあるわけであります。そこらから国家公務員の人事管理が学閥に左右をされるのではないかというような世評を招くことになるわけであります。そこで、優秀な人を処遇することは当然でありますし、東京大学の方が皆優秀であればそれは高級官僚におなりになることは結構でありますけれども、その半面いわゆるノンキャリアからも昇進の道がなければ、能力開発という点からいっても、せっかくの人材を埋もらしてしまうということにもなるわけでありますから、そういう点について、これから十分配慮していただかなければならないと思います。先ほどそういう配慮があると言われましたけれども、役人の方々は国民の税金で給与をお受けになっていらっしゃるわけでありますから、門戸開放、機会均等、そしてその管理の厳正公平ということは絶対に必要な要件だと思います。戦後一時、在職の人たちにも試験をして、そして昇進をさせるということが行われたことがありますけれども、これがいつの間にかなくなってしまいました。これは、せっかくそういう前向きの制度ができたのにどうして廃止をされたのか、その事情をちょっと伺います。
○藤井(貞)政府委員 戦後一度、在職者、特に課長級以上という者についての試験が一斉に行われた事実がございます。いま御指摘のとおりでございます。これは私、この席上で具体的にいろいろ申し上げることは適当ではないかもしれませんが、当時は占領下というような特殊事情もございまして、そういうことから、要するに占領行政に適当でない者を排除するというような意味合いもございまして、そういう試験が行われたということがございました。これは私、自分のことで恐縮でございますが、私も当時、大体課長級のポストにおりまして、その試験を受けさせられたと申しますか、受けることに相なったことはよく承知をいたしております。それは、いま申し上げましたように、一つの特殊な意図をもって行われた試験であったように承知をいたしておりまして、その後は国家公務員法というものができまして、これに基づいて、要するにメリット主義、試験を全体に平等に公開するという原則にのっとってやってまいっておるのでございまして、それなりの制度としては定着をしておるのではないかというふうに考えております。 先生も御指摘になりましたが、これは、私は先生の御議論に対して反論をするという意味ではございません、そういう意味でお聞き取りいただきたいのですが、大体東大がいまどうも幹部職員には多いということは、これは紛れもない事実でございます。そのとおりでございますが、これはやはりいま率直に先生も申し述べられましたように、東大の学生が大変ほかと比べて抜群に成績がいいとかなんとかということではないと私は思っております。その点やはり大学の向き向きと申しますかそういうものがございまして、昔から東京大学というのは行政官ということに重点が置かれてきたようなことで、学生もそういう意味で入ってくるということがございましたでしょう。 〔委員長退席、井原委員長代理着席〕 その点では私立の大学にいたしましても、たとえば慶応大学というようなことになりますとこれは実業家向き、経済界向きというようなこともございましょうし、また一部の大学では検事、判事向きというところもあるようでございます。そういう一種の伝統なり性格というものがあることもやはり否定はできないのではないかというふうに考えております。 ただ、人事院といたしましても、余り一方に偏ることは好ましいことではございませんので、試験を開始をいたしまする際には、いろいろPRのために各大学にも参りまして、こういう試験でこういう方向でやりますということを宣伝して回っているわけでありますが、その際にも、ひとつぜひとも公務員にふさわしいりっぱな人を各大学まんべんなく来てほしいのがわれわれの本旨であるからして、そのつもりでひとつ、もともとこれは東大が優位だとかなんとかということではないのだからして、ひとつそういう意味では大いにバラエティーをつけるという意味もございますので、率先ひとつふさわしい人は来ていただきたいというようなことも日ごろ心がけておるつもりでございます。 また、先生も御承知でありますように、最近は特に各省におきましても、余り偏ることは好ましくないというようなことから、各大学をできる限り網羅したような形で採用するというような方向の努力をしておるところも大分目立ってふえてきておるのでございまして、そういう点は人事院といたしましても、むしろ率先してお勧めを申し上げておるというようなこともございます。しかし、まだいままでいろいろ伝統その他がございまして、思うようなことに行っておらないことも事実でございますが、今後ともその方向の努力はいたしまするし、また、さらにノンキャリアの方々につきましても、優秀な方々、能力のある方々はそれ相想の昇進の道を開いていく。その道を開くということにつきましては、今後とも人事院といたしましても一できる限りのひとつ努力を払ってまいるということの研究あるいは実際上の指導というものも続けてまいる所存でございます。
○新村(勝)委員 ノンキャリアの方々をどういうふうに登用していかれるのか、できればその具体的な構想なり方法なりをちょっと伺いたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 具体的な方法といたしましては、それぞれ能力のある者はその職場職場でおのずから実力がにじみ出るという形で出てまいるものでございますから、先刻任用局長から申し上げましたように、重要なポストすなわち課長級以上ということになりますと、その具体的な人選筆につきましては人事院の方に伺いを立てていたがいて、それを具体的に審査をいたしまして、その人の経歴やらいままでの実績やらを見て、適当であるかどうか、学閥偏重に陥っていないかどうかというような観点を十分に審査をして昇任をするかしないかということを決めておるということもございます。 もう一つ具体的には、先刻もちょっと申し上げましたように、現在公務員法におきましても昇任試験というものの道が一応開かれておるわけでございますけれども、これがいろいろな事情でいままでは昇任試験というものは実施されておりません。具体的には選考ということでまいっておったわけでございますが、やはりノンキャリアの方々についても、将来についての見通しを明るくするというような意味からいっても、また張り合いを多くするというような意味から申しましても必要なことではないかと考えまして、昇任試験制度というものを考えてみてはどうかということで、いま具体案を各省庁とも連絡をとりながらやっておるわけでございます。この道が開かれますと、はっきりした認証の関係が出てまいるわけでございますので、そういう意味からもノンキャリアの方々についての将来の昇任の道というものも大きく開かれるのではないか、かように考えて期待をし、かつ検討を進めて、できるだけ早い機会に実施をしてみてはどうかということを考えておるわけでございます。
○新村(勝)委員 優秀な人材をそれ相当に処遇すること結構でありますけれども、同時に、いままでのような固定化した人事行政ではなく、ノンキャリアの方々にも十分希望を持って働いてもらえるような、いまおっしゃるような昇任制度を早急に制度としてひとつ確立をしていただくようにお願いしたいと思います。 次に、難民の問題。先ほど人権規約の話が出ましたけれども、それに関連をして難民条約というのがございます。これはまだ批准をされていないようでありますが、その事情、これは近いうちに批准手続をとられるのかどうか、これを伺います。これは長官、お願いします。
○関説明員 お答え申し上げます。 難民条約はなるべく早く批准すべきである、そういう基本的な認識のもとに、現在外務省におきましては関係省庁と事務的な検討を鋭意進めておりまして、もしできますればぜひとも今次通常国会において御審議をお願いしたい、そういう方向で鋭意検討を進めておる段階でございます。
○新村(勝)委員 今国会に提案をされる、そう受け取ってよろしいですか。
○関説明員 現在鋭意関係省庁間で進んでおります検討の結果いかんにもよると思いますけれども、基本的な態度といたしましては今次通常国会において御審議お願いしたい、そういう方向で検討しているわけでございます。
○新村(勝)委員 ぜひそう願いたいと思います。 それから、いま問題になっておりますベトナム難民を中心とする東南アジアの難民でありますが、これの受け入れについて日本はややもすると冷淡である、こういうような批判を受けておるようであります。確かに政府はこの問題について、総費用の半分を超える費用を拠出をいたしておりますし、そういう点では評価をすべきでありますけれども、確かに金は出しておりますけれども、実際に困っておる難民を日本が引き受けて場合によっては定住をさせるという、こういう面での協力あるいは施策がきわめて乏しいということは事実であります。しかも、日本に一時滞在をしておる難民がいま千三、四百いるようでありますが、その人たちも日本には住みたがらない、定住地はほかに求めておるというようなことであります。かつては日本も大東亜共栄圏という言葉を盛んに使いました。この言葉そのものは、そのとおりにいけば決して悪くない言葉だと思います。ところが当時はそれが侵略の具に供されたというか、侵略がその反面行われたという点で残念であったわけでありますけれども、少なくともそういうアジアは一つであるという考え方が一面にはあるわけであります。その反面の戦争ということでこの構想は、失敗をしたわけでありますけれども、少なくともアジアは一つであるという考え方があるし、これからはますますそういう考えでアジアの民族の連帯を強めていかなければいけないし、日本もまたそれを推進する責任があると思うのであります。 ところが実際には、東南アジアの人たち、難民の人たちからは日本はよく思われていない。日本に住む希望者がきわめて少ないということでありますけれども、長官はこの問題についてどういう印象をお持ちであるか。
○村角説明員 お答えいたします。内閣官房インドシナ難民対策連絡調整会議事務局長の村角でございます。 先生御指摘のインドシナ難民に対する対策でございますが、これにつきましては関係省庁——これは難民対策にはいろいろな側面がございまして、たとえば外交的努力あるいは資金的協力あるいはカンボジア難民のための医療チームの派遣等々がございます。そのほかに、御指摘のとおり、日本国内における定住の促進、それから、海上で救助されて日本に到着いたしましたいわゆるボートピープルに対する一時収容施設の提供、いろいろな側面がございます。私どもが事務局をいたしております連絡調整会議におきましては、関係省庁が集まりまして、こういう難民に対する対策を積極的に進めるように鋭意努力をいたしているところでございます。 御指摘の日本に定住を希望する難民の数が少ないということはそのとおりでございまして、実は現在日本に一時滞在しております千三百九十五人の難民の中でも、日本に定住を希望するという人が余りおらず、どちらかというと米国その他に行くことを希望することが多うございます。私自身も難民に何度も会いまして、どうしてかと聞きますと、やはり米国には親戚が多いとか、実は米国は、サイゴン陥落直後にすでに十三万人のベトナム人が参りましたし、その後も大量に引き受けておりますので、相当多くのベトナム人がおりますから、国を離れて他国に住むとなると、いざというときにはだれか頼りになる人が欲しいという心理ではないかと思います。もちろん、これらの難民が日本に定住を希望する場合には、いま定住促進の仕組みがございますので、そこに迎え入れて、日本の社会に円滑に溶け込んで安定した生活が送れるように、できる限りの援助をする用意がございますし、また、その旨をベトナム語、ラオス語等に直してパンフレットをこしらえまして、難民に対してPRを図っており、日本に定住を希望する人にはそういう道が開かれるということを徹底しようと努力いたしているところでございます。
○新村(勝)委員 難民の受け入れの体制についても、一時滞在の難民の収容施設あるいはそのお世話をするという段階にはすべてボランティア活動に依存しておるというのが実態だと思います。食費については国連から来ているようでありますが、その食費の中の半分は日本の金でありましょうけれども、収容施設が一時滞在についてはないわけですね。教会であるとかそういうところに収容しておるというようなことであって、その体制が非常に不備である。また、その後の段階で、定住許可の条件あるいは帰化の条件が先進諸国の例に比べるときわめて厳しい。また、定住した場合についても、日本の国内で生活することが非常にむずかしいというような予想がされるわけです。そういう条件が多々あるために、難民としても将来の不安をそこで覚える、そのために日本には住みたがらない、こういう事情もあるようであります。そういう点で、定住許可の条件なり帰化の条件なり、これは少なくとも先進国並みにその条件を緩和するという必要があろうと思いますし、また難民については、国民以上に優遇することはもちろんできないでありましょうけれども、国民に近い程度の社会保障であるとか、あるいは住むためのいろいろな条件がありますけれども、それらも整備をしてあげるということが、これからの国際社会の中で生きていく日本としては必要ではないかと思うのですけれども、それらについて、いかがでしょうか。
○村角説明員 お答えいたします。 まず第一点の、日本におります千三百九十数名のいわゆるボートピープルの一時収容施設でございますが、これは全国に二十四カ所ございまして、先生御指摘のとおり、これは日本赤十字社と宗教団体が運営いたしております。約半数が日本赤十字社関係でございます。運営は日本赤十字社が運営をしておるわけでございますが、その費用は全額厚生省から補助金が支出されております。ただ、宗教団体の方には、実は憲法八十九条との関連からむずかしいということで、施設の維持管理の経費は日赤のようには出ておりません。食費は御指摘のとおり、国連が預けるのでございますから、国連の方から十六歳以上は一日一人九百円、十六歳未満は五百円の経費が出ております。そのほか医療費は国連の負担でございます。 また、昨年などは、たとえば一時収容施設の難民が非常にふえましたので、私どもそれを収容するために、関係省庁あるいは地方公共団体にまで呼びかけまして、遊休施設の提供を呼びかける、そういうことをいたしておりますし、また、一時収容を直接運用しております担当の方々とは定期的な会合を持って、それが効果的に運営されるようにできる限り努力いたしております。 それから、難民が日本に定住した後の永住許可あるいは国籍の取得等について特に厳しいという点であります。 最初に、定住許可条件が厳しいのではないか、この点でありますが、定住許可条件は実は二つございまして、日本に一時滞在しているインドシナ難民の定住許可条件は実は非常に緩うございまして、健康であって生活を営むに足る職につく者は定住許可が与えられるわけでございます。したがって、実際問題といたしましては、希望さえすればほとんど定住許可が与えられるという状況になっております。東南アジアに一時滞在中の難民につきましては、これはちょっと別な条件でございますので、これにつきましては若干厳し過ぎるのではないかという声もございます。ただし、この条件の中でも現に相当定住申請を出しているところがございますし、また、実は定住促進を委託させておりますアジア孤児福祉教育財団の方で調査団を派遣いたしておりますので、いまのところはかなりの定住希望者が次々と来る仕組みになっていると思います。 最後に、国籍の取得条件あるいは永住許可、それからその後の諸権利というものが特に厳しいのではないかという御指摘でございます。国籍の取得につきまして、実は難民に限らずあらゆる外人に平等に適用される問題でございまして、国籍法の規定に従ってやっていただかなければならない問題でございます。難民の在留資格その他につきましては、これは法務大臣の特に認めたる者という資格が与えられまして、最初は一年の有効期間でございますが、これは自動的に切りかわっていきますし、就労その他については何らの不便はございません。そういう点では、私ども難民に対して繰り返しPRしているところでございます。 それからその他、社会保障、労働、いろいろな便益が与えられるかということにつきましては、実際問題としては日本国民が享受しておるのとほとんど変わらない程度の、あるいは一般的に外国人が享受しておるのと変わらない程度の恩恵が与えられますので、そういうことをいろいろと詳しく説明し、また実際にそういう場所に行って質問に応じて説明して、もし日本に住むということがあったら無用な危惧を抱くことのないように努力をいたしておる次第でございます。
○新村(勝)委員 最後に、難民の問題はいま世界的な問題になっておりますし、われわれの見聞するところによりますと、まだ受け入れの体制、あるいはその後の法的な手続の問題、特に定住、帰化の条件等については先進国よりかなり厳しいということでありますので、国際社会で生きていくこれからの日本としては、少なくとも先進国並みにその問題も考えていかなければいけないと思いますが、そういう点で長官には閣僚の一人として前向きでひとつ御検討いただけるかどうか、お伺いします。
○小渕国務大臣 それぞれの政府委員から御答弁申し上げましたが、政府といたしましてもその趣旨にのっとって努力をいたしておるところでございまして、私といたしましても同様の気持ちで努力を図っていきたいと思います。
○新村(勝)委員 終わります。
○井原委員長代理 林孝矩君。
○林(孝)委員 きょう、私は二点質問をいたします。 最初に、財団法人新生活運動協会の件に関してお伺いをいたします。 新生活運動というのがありまして、この新生活運動というものは、財団法人新生活運動協会という民間の協会が一つの場となって、これに対して国がお金を出し、この財団法人がさらに都道府県に対して助成をしていく、各都道府県がそれを有効に使って新生活運動を行っていく、こういう流れになっておるわけですね。この財団法人の新生活運動協会の頒布物を見ますと、都道府県新生活運動協会一覧というのがありまして、これは北海道から沖縄に至るまで、数えてみますと四十七都道府県、こういう全国にまたがって組織の拠点がつくられておるわけであります。この新生活運動の内容、そして今後の方向について、まず長官にお伺いしたいと思います。
○関(通)政府委員 新生活運動が組織的に、先生おっしゃいました協会をつくりまして運動を始めましたのは、昭和三十年でございます。運動の趣旨は、日常生活におきます、住民の当面しております具体的な問題を住民の手で解決していく努力をしていこうということで、昭和三十年に運動が始められたわけでございますが、その後、社会の要請等に応じまして取り上げてまいりますテーマは変わってきておりますが、現在の時点で申し上げますと、いま新生活運動は二つの柱を中心にして運動をいたしております。一つは省資源、省エネルギーの運動でございまして、もう一つは社会連帯意識を確立する運動、この二つを中心に運動をいたしております。 それで、具体的な運動でございますが、具体的には、地方にあります生活学校と生活会議、この二つが主体になって運動をいたしております。現在、全国で生活学校が約二千ございますが、十万人の主婦がこれに参加いたしておりまして、先ほど申しましたようなテーマを取り上げまして、住民の手でその問題に取り組むという活動をしておるわけでございます。このような運動を推進していきますために、各都道府県に、若干その県によりまして名前は違っておりますが、新生活運動協議会というようなものがございまして、それぞれ生活学校の指導者の養成、アドバイス等を行っている。この運動を全国的に連携をとりまして推進していくために、中央に新生活運動協会というのがあるというのが運動の全貌でございます。 なお、一つつけ加えさせていただきますと、新生活運動協会は省エネルギー運動でかなり中心的な活動をいたしておりまして、現在、政府におきましては、省エネルギー・省資源対策推進会議というのが政府サイドにございまして、省エネルギー運動を推進しているわけでございますが、これに対応いたします民間の組織といたしまして、資源とエネルギーを大切にする国民運動中央連絡会議というのがございます。これは経済団体あるいは消費者団体等の百二十一の各種団体を構成員にして構成されておる会議でございます。この民間の推進の連絡会議の事務局を新生活運動協会が相当いたしておりまして、民間において現在行っています省エネルギーの推進的な役割りを果たしているという面もつけ加えさせていただきたいと存じます。 以上でございます。
○林(孝)委員 鳩山内閣の時代にできまして今日までこの新生活運動が続けられてきた。いろいろ経緯があったと思いますけれども、この協会の、一つは経費の問題、これは設立当初より全額国家資金によって賄われておる。先ほど説明がございましたように、この新生活運動というのは住民の生活課題を住民が自主的に解決していく、こういう国民運動ということでございました。そうしますと、この協会は、いわゆる官製の国民運動を推進する民間団体の性格を持つ、このようになると私は思います。 昭和三十年、戦後十年後に設立されたわけでございますが、当時の事情を考えますと、いわゆる生活改善、向上、こうした運動をする官製の民間団体が非常に必要視された社会的な背景があった、私はそういうところにこの団体の存在する意義が大きかったと思います。だからといって今日この団体の存在の意義がなくなっておるかというと、私はそうとも思えない。 これを私が質問する意味は、中途半端な状態で置いてはならない、新しい生活運動を展開するというならば、これは総理府として積極的に取り組んでいくべきであるが、どうも現在の時点でこれを考えると物足りない、設立当初においての意気込みといいますか、いわゆる国民運動という額面どおり受け取れば、国民全体がその運動に参画できるような、そうした大きな波を起こしていかなければならない、そういう面から考えると、現在のこの新生活運動の規模といいますものは非常に弱体化しておる、このように感ずるわけでございます。 現在では、この点、純然たる民間の側からの推進勢力、生活改善への創意工夫というものがありますし、また、国民の意識というものも非常に複雑であり多様化しておりますから、この生活運動というものが非常にむずかしいということもわかるわけでありますけれども、まだまだ工夫すべき余地があるのではないかということも考えるわけです。また、政府がこれを政策課題として掲げて、そして国民運動の必要性というものを感ずるものであれば、先ほど申し上げましたように、これは総理府という立場もあるでしょう。各省庁でもこれに似通ったことが、たとえば農林省であれば農業団体を核にして農村地域においてこうした新生活運動と類似する運動がなされておりますし、各省庁でもそうした生活改善といいますか、生活環境改善あるいは住民運動、そうしたものに関連して運動が展開されておることも事実であります。 そういうことを考え合わせますと、これは一つの国民運動でありますから、生活関係政策というものを前提にした予算、これをやはり各省庁と調整して検討しなければならないのではないか、この点があるわけです。その役割りを総理府が行う立場にあるのではないか。そして総理府が調整をして、行政の手で直接執行し、あるいは必要な民間団体、あるいは団体でなくてもいいわけですけれども、非常に努力をしておるというところに対しては積極的に助成措置を講じていく、こういう政策展開というものをする、これも総理府の一つの仕事ではないか。 また、この協会に関して言えば、最近コミュニティー形成というものがこの協会の一つの運動の柱になっている。先ほども説明がありました。それから省エネルギー、省資源運動。こうした非常に地域的な生活課題の中で、これが重要だということで着目されたのだと思います。こういう着目に対して、地域全体の運動にそれを高めていく、そうした特別な事業を行っていくということを考えてはどうか。また、そのコミュニティー形成や省エネルギーなどは、たとえば省エネルギーというのは通産省の所管であるとかあるいはコミュニティーということになると自治省の所管であるとかというように、政策担当官庁の政策展開と非常に密接な関係を持ってくる。こういうことから考えても、先ほど申し上げましたように、その密接な関係を持つ担当諸官庁との関係において、総理府がかなめになってそれを調整していくということが必要ではないか、こういうことも考えるわけです。 それから、その内容を見て考えますと、いわゆる官民というものが一体となってやっていく新生活運動もあるでしょうし、官が優先して指導していくものもあるでしょうし、あるいは民が優先して自主的に運動を展開していく、いろいろファクターが考えられるわけですね。そういうことからも、この予算の執行というものは果たして今日の状態のままでいいのかどうかということになりますと、この際最も前提となるのは、この運動をどこまで高めていくかという、そういう総理府としての考え方、との基本が定まらないと、そうしたところの普遍性というものは決まってこないわけでありますけれども、そういう点を長官はどのように考えられておるか。いろいろ申し上げましたけれども、こうしたことを総括して冒頭にお伺いしたいと思います。
○小渕国務大臣 林委員は、この新生活運動の果たしてきた役割りを十分お認めいただいた上で、種々建設的な御意見をちょうだいしたものと理解をいたしておりますが、御指摘にありましたように、この新生活運動協会、これが運動を展開するに当たりましては、まさに、国民運動という立場から言いますると、自主的に費用もみずからつくってやるというのが本来の趣旨という考え方もできるわけでありますが、従来、そうは言っても国としてもそれ相当の誘い水といいますか力添えをしてあげて、この運動が十二分な展開のできるようにという形で、昭和三十一年以来、総理府、文部省共管としての新生活運動協会に援助をしてきたわけであります。 しかし一方では、こうした助成ということに対して、補助金の整理の問題等が巷間いろいろ批判の対象になっているというようなこともありまして、そういった角度からの見直しも実は迫られてきておるというようなことでございます。そこで、昭和五十四年度からは一応項目を助成費から広報委託費に変えてきたわけでございますが、団体といたしましても、すべて国費で援助していただくということについても反省もございまして、自分たちの方でも積極的にその財源も確保しようというような機運になっていることは事実でございますので、そうした意味で、両々相まってこの運動がさらに展開されていくように、われわれは期待もし、また助成もしていきたいというふうに思っております。 御指摘にありました中で、各省庁の中で同様な運動を展開しておるところもあるではないか、そういったところと十分な連絡をとりながら、この運動がより幅広く、また国民に理解をされるようなことになっていかなければならぬという御指摘は、全くそのとおりだろうと思います。したがいまして、先ほど、昨今の最大の問題であります省エネにつきましては、それぞれの官庁とも十分連絡をとりながら国民運動を展開し、その一翼をこの新生活運動も担っておるというようなことで、実態的にはずいぶん連絡協調は密になっておると思っておりますが、せっかくの御指摘でございますので、この運動がより充実していくためにもそれぞれ政策官庁、コミュニティーの問題とか省エネとか御指摘がありましたが、そういうそれぞれの省庁とも連絡をとれるように、協会の方にも十分話し合っていってみたいというふうに思っております。
○林(孝)委員 具体的にお伺いしますけれども、予算は、たとえば五十四年度予算は総理府の予算としては幾らなのか。それから、各省庁と非常に連携が密になっておるということでございますから、たとえば省エネに関して今回、いま予算審議中でありますけれども、その省エネに関するこうした国民運動に対して、政府全体としてはどれだけの総枠予算を組み込まれておるか、そのうち総理府としては、この新生活運動、いわゆる財団法人のこの協会に対しての予算はどうなっておるか、それについては掌握されておりますか。
○小渕国務大臣 予算につきましては、昭和五十四年度におきまして三億九千二百万円でございまして、昭和五十五年度の予算におきましては、現在御審議をちょうだいいたしておりますが、三億五千九百万円の広報委託費を計上させていただいております。 なお、省エネ関係についての政府全体の国民運動のための費用と、こういうことでございますが、大変申しわけありませんが、いま手元にその総合計を持ち合わしておりませんので、早速調べてみたいと思います。
○林(孝)委員 事務当局の人もその辺は御存じないですか。
○関(通)政府委員 省エネ活動全体の政府予算は、ちょっと手元に資料を持ち合わせておりません。
○林(孝)委員 連絡が密だと言うから聞いてみたんですがね。そういう面に関して、話をもとに戻しますけれども、さらに一段と国民全体の運動としての視野に立って考えていかなければならないのではないかと思う思うのです。 それから、いま長官が、五十四年度予算、五十五年度予算の比較をしますと、五十四年度が三億九千万、五十五年度の予算に組まれているのが三億五千万と、これは一段と積極的に取り組むという姿勢とはうらはらに、予算の額が減少しておる、これはどういうことですか。
○小渕国務大臣 これは五十五年度の予算編成の時点で、私どもとしては、積極的にこれを推進するために、概算要求の段階ではかなりのものを要求しておったわけでございますが、先ほどちょっと御答弁申し上げましたが、いわゆる補助金に類するものの整理という問題につきまして、今次予算の大蔵省の査定はまことに厳しいものがございまして、本件につきましても、世評いろいろな御批判もあって、大蔵省としての査定が大変厳しい結果このような数字になったことでございまして、したがいまして、私どもとしては、これも先ほど御答弁申し上げましたが、これは国の経費と同時に、民間においてもその運動を展開するために、ひとつ自主的に財源づくりにも御協力をいただきまして、委員の冒頭の御趣旨から申し上げれば、究極最も理想とする姿は、やはりみずからの力でこうした国民運動を展開するという意味から言いますれば自主財源でやることが最も望ましいという見解もまたできるだろうと思います。私どもは、予算が少なくなったからこの運動自身が少し停滞をするというふうに考えずに、もっと密度の濃い運動を展開しながら国民の理解を求めませんと、正直に申し上げて、マスコミその他でも、この運動につきましてはかなり手厳しい御批判をいろいろちょうだいしていることも承知をいたしております。それには、税金を出していただく方も、やはりりっぱな運動を展開している、だからこれにはもっともっと予算をかけてもいいだろうと言われるようにもわれわれも努力をし、また協会の皆さんにもそうした意味での御奮発を願いたい、こういうことでございますので、確かに予算は前年度に比べますと減額をいたしておりますが、私どもは、そのような気持ちで対処いたしていきたい、このように考えておるわけでございます。
○林(孝)委員 そこで、私はこういう運動の是非については非常に評価をしておったのですけれども、補助金行政、これは大蔵省にも後で伺いますけれども、行政改革の一環として、あるいは財政再建の一環として一つの見方をいたしますと、財団法人新生活運動協会という協会に、先ほど言われたように国が三億九千万、あるいは本年度の予算の内容でいくと三億五千万ですか、こういうものが助成されるわけですね。その団体から都道府県にまたお金が流れていく。どうしてこの団体を通さなければならないのかという問題が一つですね。私は、補助金に対する諸般の批判があるという長官の話を考えますとそう思う。 それから、この年間予算のうちで、実際に事業として使われたもの、人件費として使われたものはどれだけなのか、国民生活運動に直接執行された金額はどれだけなのか、この内訳、決算の内容というものを明確にしていただきたいと思います。
○関(通)政府委員 第一点の地方への経費を中央の新生活運動協会を通して流している点でございますが、先ほど御説明させていただきましたように、中央の新生活運動協会は、この運動を推進しますための中央における推進母体としてつくったものでございまして、現実にこの運動を進めていきます上で、各都道府県の協議会とは常に密接な連絡をとりながら、テーマの選定あるいは指導者の研修等の会合を中央でも開催いたしまして、全国集会、生活学校中央大会あるいは指導者の研修会というような形で連絡をとっておりますし、また印刷物あるいは情報の交換等を中央の協会が行いまして地方の運動を推進している、かように地方の活動と中央の新生活運動協会の活動と一体的な運動をしているのが実態でございます。このようなことを考えますと、直接各都道府県に国が委託費を流しまして各都道府県の行います事業に直接関与するというよりも、全体の運動として見まして、新生活運動協会に委託費を抱かし、そしてそのうちの約二億が地方に流れているわけでございますが、各地域の運動の事業費としてその予算を執行するという方がより適切であるという見地から、現在のような予算の執行をしておるわけでございます。 第二点の経費の内訳でございますが、五十四年度の委託費の場合で申し上げますと、総額が三億九千二百十一万円でございます。このうち新生活運動協会が中央で行います事業費が七千二百七十七万円でございます。それから地方に流しまして、地方で事業費として使用されますのが二億百八十五万円でございます。それから中央の事務費と申しますか、中央の人件費を含めてでございますが、事務諸費が一億一千七百四十九万円でございます。これが五十四年度の予算内訳でございます。 以上でございます。
○林(孝)委員 長官、これは非常に結論を出すのにむずかしい、私自身も苦慮しているわけですけれども、こういう団体、たとえばいまの三億九千二百十一万の五十四年度予算の内訳を見て、この人件費一億一千七百四十九万、これはこの団体が存在することで、運動に対する予算の中で、この人件費として一億一千万というのは消えてしまうわけですね。こうした団体がもしなければ、直接それだけの枠を組んで、そして各地方の協会に直接それが流れていくのではないか。これは非常に単純な考え方かもしれませんけれども、そういう気がする。そうなってくると、こういう財団法人というものを経過していくことは、その是非について検討を加えるべきではないかというような気がするわけであります。 それから、主体性を持った運動なんだから、当然その人たちが負担した運動、これが適切であるという長官の話がございました。もちろん運動というものは自主的であり、主体性がなければいかぬわけですね。それに対してこういう形で助成をしていく。地方の協会と中央と非常に連携をとりながら、テーマの設定であるとかあるいは指導者の研修であるとか、そういうものをやっておる。こうなってくると、これは果たして主体性、自主性という、いわゆるその地域の第一線の運動の核になる人たちのためにこれはどういう働きになっているのかというと、いわゆる政府主導型の運動、こういうことにもなるわけです。そのように非常に運動自体が複雑な様相を呈しておる、こういう印象を受けるわけですね。ですから、私は長官に指摘したいのは、国民生活運動というものをこの際どういうふうに考えればいいかという基本的な考え方から一度ゆっくり考えていただいて、将来的な展望に立って、予算上の問題あるいは全国にあるこの協会の問題の検討をいただきたい。これは一つの点です。 それから、三十年に設立されて以来、政府の補助金としてこの協会が今日まで成り立ってきた。それが五十五年度は委託費ということに変わりました。補助金行政に対しての非常に厳しい世論の批判あるいは国会での議論、そういうものも背景にあったかと思いますけれども、それが広報委託費という形に変わった。この広報委託費という形に変わるとどういう結果になるのかといいますと、補助金という場合は会計検査院の検査対象になる。ところが、広報委託費ということになると、これは例外規定があって権限が及ばない状態が生まれてくる。これは院法改正の一つの大きな必要性とも関連するわけでありますけれども、事実なんです。こうした形で財団法人新生活運動協会というものに対する政府の助成があって、それは会計検査の対象になっておる。今日まで会計検査院が検査をしたかどうかということについても答えていただきたいと思うわけですけれども、検査対象になっておる。ところが補助金という問題が起こってきた。そういう背景のもとに、これが広報委託費という形に変わる。そうなってくると、現行法で広報委託費ということになると、会計検査の権限が及ばないという問題が起こってくる。言葉をかえて言えば、補助金の行政に対する批判が委託費という形になってすりかえられて、そして検査の目をくぐるというこうした形が生まれかねない。 そこで私は、こうした形の広報委託費に対しても会計検査院はこの際検査を行うという立場に立ってもらいたいと思いますし、また、これは大蔵省に伺いますけれども、補助金の改革ということでどれだけの件数が今日五十四年度、あるいは五十五年度において改革され、その結果いわゆる財政再建という観点から見ればどれだけの金額が節約されるか、こういう点、これは大蔵省。それともう一つは、この運動に対して大蔵省当局はどういう問題意識を持って受けとめられておるか、幾つかの質問に分かれましたけれども、お答え願いたいと思います。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。 質問が数多くございましたので、ちょっと整理して申し上げますと、まず補助金整理での件数でございますが、五十年度から申し上げますと五十年度三百九十七件、五十一年度千八十六件、五十二年度九百七十一件、五十三年度千六百八十九件、五十四年度千二百十七件、五十五年度では千九百六件ということになっております。もちろんこの補助金の中には委託費といわゆる補助金等の等ということで、実質的に名前は違いましてもそういうものも含んでおるかと思います。五十五年の金額は千六百六十七億ということになっております。 それから、新生活運動に対する私どもの考え方、先ほど総務長官からも御答弁がございましたが、私ども補助金の整理合理化ということに財政再建という立場から、また世論の声も非常に強いということも考慮いたしまして鋭意取り組んでおる現状でございますが、もちろん個々の補助金につきましては、中には非常に重要な補助金もございますし、この運動のように昭和三十年以来非常に長い歴史を持っていて、いろいろな組織がすでに全国的にできておる。一たん急に補助金を整理した場合、果たして二十五年間の成果というものがあっと言う間にどうなるかというような話もございまして、慎重を期す必要があるものもございます。ただ、私どもといたしましては、とにかく新生活運動協会の仕事をいろいろ、昭和三十年以来変わっておりますが、現時点で見直して新しい意義のある、あるいは現時点で意義のあると思われる事業に重点的にしぼっていただきたい。少なくとも昭和三十年とは情勢が非常に違っておるわけでございます。そういう意味で、省資源あるいは省エネルギーというような問題これが最近では非常に重要な国家的な意味も持ってきております。それで、エネルギーなんか産業用の需要の抑制でございますと、比較的大きな会社あるいはいろいろな組織を通じて呼びかけやすいわけでございますが、家庭用の需要の抑制といいますか節減ということになりますと、なかなか、政府としてもいろいろな手段で広報に努めておりますが、やはりこういう新生活運動協会、すでにでき上がっております全国組織を持ったところを利用するというような方法もつの有効な手段ではないかということで、そういう意味で五十四年度からは特にそういう意味での広報的機能を重視いたしまして、広報委託費の一環としてこの予算に計上するということにしたわけでございます。 なお、この点、現状において私どもも大蔵省の立場から申し上げますと、完全に満足しておるということではございませんで、率直に言いまして、さらに骨格的目的と申しますか、目的、性格をはっきりした上で協会及びこの協会のやっておられます運動を現時点にマッチした、あるいは国民からもなるほどいい運動だと言われるようなものに改善していただくということをさらに総理府の方にお願いしておるわけでございます。今度若干削減しておりますのも、要するに国家的に見て非常に重要だと思われる仕事に限って従来どおり予算を計上させていただきましたけれども、なお整理すべき点は整理していただくということで、若干の削減となっているわけでございます。
○小渕国務大臣 第一の御指摘の人件費比率の問題でございますが、委員も素直にと、こう言われましたが、私も素直に見て低いものではないと思うのです。しかし、長い歴史の中で積み上げられたこの協会としての仕事の分担とか、そのいろいろやっていくのに必要な経費も存在しておったのだろうと思います。しかし実際の運動に必要な方に費用が行くということが望ましいことは事実でございますので、必要な最小限のものがこういう費用になっておるのだろうと思いますけれども、さらに検討できるものはないかということで私自身も勉強してみたいというふうに思います。しかし願わくは、比率の問題でして、できれば運動費をもっともっとお認め願うように、先ほど申し上げましたが、それにふさわしい運動を展開して、やはり全体のお金が出ていくような運動でなければならぬというのも一つの考え方だろうと思うのです。人件費というものはどうしても、どんな小さな運動になりましても、一定のものはやはり必要だということでございますので、この判断はなかなかむずかしいと思いますけれども、御指摘でございますので、勉強します。 それから、二番目の官製の運動の問題ですが、この問題については両面あるかと思うのです。さっきもちょっと申し上げましたが、自主的にすべて国民運動という下からの盛り上がりという形で一切国には頼りませんよという運動、これも望ましいことでございますが、ときには、政府としての一つの基本的な考え方を広く四十七都道府県に、さっと国民の皆さんに御理解を願うというときには、上からというのは大裏誤解をいただくかもしれませんけれども、そういった形で官民協力のよき例もあるのじゃないか、そういった意味で、省エネなんかの問題でいま七%を何とか達成しようという政府の基本的な姿勢が定まりますと、直ちに呼応していただいてこの運動を展開していただけるというようなところは、それぞれローカルな問題だけ扱っていただいて地区地区の問題でございますということでなく、全国民的な課題に対しての運動の展開にはこういった形での面もまた認めらるべきものではないかというふうに思います。 それから三番目の広報委託費の問題でございますが、私どもといたしましては、この広報委託費になりましても、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に伴いまして施行令が出ておりますが、その第二条の二十に「広報委託費のうち社会連帯推進運動委託に係るもの」というものをこの中に含めまして、この補助金等の予算執行に当たっては適正化をしていかなければならぬという法律の網をかぶせられながらこの執行をいたしておりますので、その間にはいささかの問題もなきよう法律の趣旨を踏まえて努力をいたしておるつもりでございますが、これを監査する方の立場での御指摘もありましたから、これは私どもといたしましては、執行する立場では、この法律によって厳正を期していくということで努力をしておるところでございますので、御了解いただきたいと思います。
○岩井会計検査院説明員 お尋ねの検査の件でございますが、当協会には昨年五十三年度まで補助金が出ておりましたので、会計検査院法二十三条に基づきまして指定を行いまして、毎年検査をいたしたところでございます。 なお、ただいま御指摘のように、五十四年度からは社会連帯推進運動委託費という名目の委託費になったわけでございます。一般的に委託費と申しますと、必ずしも私どもの検査の対象になるわけではございませんが、本件委託費につきましては、先ほど大臣からも御答弁ございましたように、補助金等に係る予算の執行の適性化に関する法律の適用もございますし、また交付要綱等を検討いたしました結果、従来の補助金と共通点も多々ございますので、会計検査院法第二十三条一項第三号の財政援助というものに該当するのでないかというふうに、そうも考えられますので、検討いたしましてなるべく検査をするということになろうか、そのように存じております。
○林(孝)委員 この新生活運動に関しましては、私も強い関心を持っておりますので、現場でどのような形で今後運動が展開されていくか、政策展開が行われていくか見守っていきたいと思います。 次に、青年の船事業と言っていいですか、この件に関してお伺いいたします。 本年度十三回青年の船が渡航しておるということを伺っておりますけれども、この事業の目的とするところは何かお伺いします。
○松浦(泰)政府委員 青年の船の事業の目的でございますが、日本の青年を乗船させまして、長期間にわたり研修及び規律ある団体生活を通じてそれを鍛練いたしますとともに、往路または帰路に乗船いたします訪問国の青年との船内における親善交歓を行い、また寄港地等におきまして日本文化を紹介し、現地の青年、一般の訪問国の人たちとの交流も深めます。そうしまして、青年は各地の視察、見学等を行いまして、日本の青年の国際的視野を広め、国際協力の精神を涵養します。それによりまして、新しく外から日本を見直すということも行いまして、次代を担うこれからの世界の連帯を深めていくべき日本の中堅青年の育成を目的といたしております。と同時に、青年は帰国いたしまして、日本の青少年健全育成活動へもあわせて寄与していただきたいという期待をも込めて行っている事業でございます。
○林(孝)委員 今日までこの十三回の渡航、どういう地域に行ったか、その点についてはどうなっていますか。
○松浦(泰)政府委員 この船は、先生お話しございましたように本年度第十三回でございますが、第一回は、昭和四十二年度に明治百年を記念して行われたものでございます。当初は、訪問国といたしまして台湾、タイ、シンガポール、セイロン、インド、マレーシア、フィリピンというような南西、東南アジアの地域を中心に行っております。それから第二回は、同じようにフィリピン、タイ、シンガポール、インド、マレーシアでございます。それから四十四年度の第三回、四十五年度の第四回、四十六年度の第五回、四十七年度の第六回、四十八年度の第七回もほぼ似たような地域でございまして、若干その訪問国に相違がございます。 それから四十九年度になりまして、御存じの東南アジア青年の船という事業がもう一つできました。これはASEAN五カ国と日本との六カ国を、各国から同数の青年が出まして相互に訪問するというような事業でございます。その関係から四十九年度、第八回の青年の船は、パプアニューギニア、オーストラリア、ニュージーランド、フィジーという方面を訪問いたしております。それから五十年度の第九回は、スリランカ、インド、クウェート、パキスタン、シンガポールということで、中近東、南西アジアという方面を訪問いたしております。 それから五十一年度は、アメリカの建国二百年の記念事業に参加するということがございまして、アメリカ合衆国とメキシコを訪問いたしております。 それから五十二年度は第十一回でございますが、オーストラリア、 ニュージーランド、 ニューカレドニア、グアムというようないわゆるオセアニア地方を訪問いたしております。それから五十三年度第十二回は、スリランカ、クウェート、パキスタン、インド、シンガポールという中近東、南西アジア方面。それから五十四年度の第十三回、現在ソロモンを出まして日本に向かっておるのでございますが、今回は、パプアニューギニアとオーストラリア、 ニュージーランド、ソロモン諸島、主としてオセアニア方面を訪問いたすというような状況でございます。
○林(孝)委員 長官、いまの退席中次の質問に入ったのですけれども、青年の船、非常に夢のある話をしておるわけですが、長官も学生時代こういうのに非常に御関心があったと思うのですが、八〇年代におけるこうした青年の船、多くの青年を国際親善あるいは多くの国との友好親善に役立たせよう、また人材を育成していこう、こういう非常に未来性のある事業だと私は認識しておりますが、過去のことはさておいて、八〇年代におけるこの事業に対する長官の取り組み、これはどのようにお考えになっておりますか。
○小渕国務大臣 最近は海外に行くこともたやすくなりましたので、若い人たちもみずからの費用でかなり世界各国に出かけておると思いますが、先ほど御報告を申し上げましたように、この青年の船は、日本の青年とあわせて諸外国の若人とが同じ船の中に乗り組みまして、親善を深めながら、団体生活をしながらいろいろなことを学んでいくということでございまして、そういう意味から考えますと、時代は八〇年になってますますその意義が深まってきておると私は考えておる次第でございます。一部では、もうだれもが勝手に行けるのだから、こういう政府主催の事業はもう結構ではないかという声も聞かないではありませんけれども、しかし私自身は、こうした団体生活をしながら同じ船に乗り合わせていくということは大変意義の深いことだと思いますので、願わくはこれをもっともっと充実したものにしていきたい、このように考えております。
○林(孝)委員 全く同感でございます。青年の船の運航費、予算額を見ますと、五十二年が六億四千六百万、五十三年度七億二千六百万、五十四年度七億五千二百万、このように漸次運航費がふえておるわけでございますが、五十五年度の要求予算額を見ますと七億三千六百万と少なくなっておる。いま長官言われたように、八〇年代にその必要性あるいはその意義に関しては非常に高く評価できる、またそうしていかなければならないという積極的な御発言であったわけでありますが、この事業の予算要求額が減少しているということは、これまたどういうことでございますか。
○小渕国務大臣 これも昭和五十五年度予算編成の時点に当たりまして、その折衝する過程におきまして、まことに残念ながら、私どもの主張に対してこれを全部お認め願えなかったということでございます。申し上げましたように、この青年の船に対する見方につきましてはいろいろな見方もされておりまして、残念ではございますが、予算を減ずる方から言うとそういう立場でこの予算に対しての査定を行ったのではないかと思います。
○林(孝)委員 長官、応援しますから今度はがんばっていただきたいと思います。 それでは、時間の関係で幾つかの質問を並べて申し上げますが、たとえば、今年度三百十二名の団員が参加しておりますけれども、年齢が二十歳から二十七歳まで。二十歳から二十七歳までというと二十歳前、十九歳、十八歳、そうした人たちが参加できないわけですね。それから、募集して選考するという手続、それから、青年の船があるということを周知徹底せしめるPR、こういう点が一体どうなっておるか、それだけまずお伺いします。
○松浦(泰)政府委員 この船の団員でございますが、全国各都道府県とそれから相当規模の団体から推薦を受けまして、その中で選考して決定いたしておる次第でございます。 そのためのPRといたしましては、毎年度、長官の決裁を経まして募集要領、選考要領等を定めまして、これを都道府県に通知しまして、その趣旨に沿った適格な日本青年の代表となるような人を選考いたすよう依頼しておるわけでございます。 また、私どもとしましてそのための一般への周知といたしましては、テレビ、有線放送、ラジオ、それから青少年育成国民会議の「青少年」という雑誌もございますが、そういうものを通じまして、またポスター等を全国に配布しまして、できるだけその理解を探めるようにいたしております。また、都道府県におきましても各種の広報を行っておりますが、その中におきましてもできるだけ一般青年にこれの周知を図ってくれるよう依頼をしまして、努力をいただいておるところでございます。 ただ、残念でございますが、必ずしも全部の青年に徹底していないということもございますので、私ども今後とも、先生のお話のように、できるだけ多くの青年に知っていただきまして、できるだけ多くの希望者が応募してもらえるよう努力してまいりたいと思っております。 また、年齢制限や学生除外等の問題でございますが、これも先生御指摘のとおり、最近は大学への進学率等も増加いたしまして、いろいろな就職等の事情から、やはり二十五歳までということでは必ずしも思うように参加できないという青年もおりますので、その年齢を二歳程度延長してはどうだろうか、二十七歳までというような方向も私ども現在検討いたしております。約四〇%の青年が大学等に進学しておる現状にかんがみまして、ごく一部試験的に学生等も一般団員の対象に加えてみたらどうだろうかということも現在あわせて検討いたしているところでございます。
○林(孝)委員 大いに年齢も二十七歳に上げ、また学生も、試験的にでも結構です、とにかく入れていく。それから周知徹底の問題に対しても、たとえば十五歳から十九歳までの人たちがこれをどれだけ知っているかというと、三〇数%しかこの青年の船があることを知らないということが総理府の調査によっても明らかにされているので、こうした面において、これからの日本をあるいは世界を背負って立つ人たちのためになるということで今日まで行われてきたわけですから、もっともっと積極的にそれを進めてもらいたい。 それから、その対象も、一般から募集することだとか、あるいは青年団の——青年団体といってもいろいろな青年団のグループがあります。百人のグループもあれば千人のグループもあれば五千人のグループもある。それもいろいろな形のつながりで集まっている団体があるわけですから、そうした団体に向かっての周知徹底というものも、もっともっと積極的にやってもらいたい。 それから、学生も入れることと関連しますけれども、二カ月なら二カ月という間職場を離れなければならないわけでありまして、それだけの余裕のある青年でなければ参加できないというところにも一つの問題点があるわけです。こういうところに対してどうするかというようなこと。それから今度は、帰ってきたらもう職場を首になっておったというようなこともあるわけです。行きはよいよい帰りはこわいということになるわけです。だから、そういう問題に対してもどうしたらいいかということを検討してもらいたい。 そういうことで私は、この青年の船の事業がさらに一段と大きな成果を上げるために、長官としていま私が指摘した問題に対して今後どう取り組まれるか、最後にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○松浦(泰)政府委員 長官が答弁される前に、職場復帰の関係についてだけちょっと補足させていただきます。 青年が応募してまいります際に勤務先の所属長の承諾を得てまいるように指導しておる次第でございますが、いま先生御指摘のように、非常に長期の研修になりますので、職場によってはなかなかその辺がむずかしいというような事情もございます。それで、推薦された者から団員が決定いたしましたら、その所属先へ総理府から文書を出しまして、その職場の長の方に、青年の復帰につきましてできるだけ便宜を図っていただくよう文書で依頼しておるということが一つございます。 それからもう一つは、これは五十年で少し古くなりますが、経営団体の方々にも御理解をいただきたいということで総理府から公文書を出しまして、優秀な青年の積極的な参加につきまして協力していただくよう申し入れたようないきさつもございますが、今後ともその辺につきまして、もっと理解を得るよう努力してまいりたいというように考えております。
○小渕国務大臣 大変力強い御激励をいただきまして感謝をいたしております。 財政状態大変厳しい折であることは私も承知をいたしておりますが、事この青年の問題に関しては、可能な限りお金もかけて、そして将来への大きな蓄積にしていかなければならないというふうに考えておる次第でございます。特に青年の船につきましては、御存じのように、諸外国の青年と乗り合わせるというようなことで、とかく日本人は自分たちでかたまりやすいところを、そうしたはだの触れ合いというものもできますし、また、全国各地から日本の青年、募集をいたしますので、全国各地の、今度は日本人の若い者同士の連携も深まるというようなこともありますし、また、船はかなり遠いところまで乗り出してまいりますので、そういったこと、それぞれいろいろな意味でのメリットははかり知れないものがあろうかと思います。したがいまして、五十五年度は若干予算が減少せざるを得なかったことはまことに残念ではございますが、今後とも私ども、ただマンネリになってはいけないことで、中身ももっと工夫をしなければならないと思いますし、それから青年の船、五千人になんなんとする参加者もすでにおるわけでございますから、そういう方々との十分な連絡も保ちながら、将来にわたってこの青年の船がますます大きな足跡を残せるようにがんばってまいりたいと思いますので、よろしく御支援のほどをお願いいたす次第でございます。
○林(孝)委員 終わります。
○井原委員長代理 庄司幸助君。
○庄司委員 総理府にお伺いしますけれども、これは長官でなくても、どなたでもいいですから、いわゆる公営競技の問題ですね。これで公営競技調査会というのがあったわけですが、これの答申が昭和三十六年の七月二十六日に出ております。それから今度、五十四年の六月二十一日になりますと、公営競技問題懇談会の答申ですか、出ておりますが、調査会と懇談会の性格の違いはどういうことなんですか。お伺いします。
○清水政府委員 三十六年の公営競技調査会は、当時、法律によりまして総理府に設置されたものでございます。一年足らずの間に答申をいただきまして、当時の調査会長の名前をとりまして長沼答申というふうに言われておりますが、これがそれから後の各種公営競技のあり方のいわば改善の指針になったものでございます。 それから、後の方でお挙げになりましたのは、昭和五十二年の秋に、これはそのような法律上の手続によりませんで、もう少しその前段階と申しますか、やわらかい形におきまして、いわば実効上の調査会ということでございますが、総理府総務長官の私的な諮問機関ということで発足をいたしました。したがいまして、これは懇談会というような名前で御審議をいただいたということでございます。
○庄司委員 そうしますと、長沼答申は法律的にはまだ生きているということになるわけですね。懇談会のやつは私的諮問機関だから、メーンとして生きているのは長沼答申だ、こう理解していいのですか。
○清水政府委員 昭和三十六年の調査会の方は、限時立法として行われましたので、法律、調査会ともすでに、その答申を得ました直後に消滅しております。 ただ、答申そのものはずっと生きてきたわけでございますが、今回の懇談会におきましては、長沼答申を含めまして、それ以後の経済情勢あるいは公営競技の実態の変化を含めて見直してみるというようなことで取り組んだわけでございますので、生きているという面もございますけれども、しかし長沼答申の中でありましたようなことの一部については、また情勢の変化に応じて見直されているという部分もあるかと思います。そのような関係でございます。
○庄司委員 そのようなことも伺っておいて、ひとつ競馬会の問題を取り上げてみたいと思うのです。 一つは、実は昨年の十二月二十二日の決算委員会におきまして、私が場外馬券場の賃貸料あるいは協力金の問題を御質問申し上げたわけです。この点では札幌、京都、神戸、こういった具体的数字を挙げて、高過ぎるのじゃないか、こういう質問をしたわけです。これに対して、競馬会の理事長の武田さんは、札幌と神戸については私の挙げた数字と違う数字を述べて、高くはない旨御答弁なすったわけです。それから、競馬監督課の方から、畜産局の方から私の方の津川議員を通して資料をちょうだいしたわけですが、これも実は間違った数字を差し上げたと後から訂正に参られたわけです。それから競馬会の方からも、理事長の答弁は間違っていた、数字が間違っている、こういうことを言われたわけです。これは私の方から、間違っているからどうなんだと聞かれるまでもなく、やはりあなた方の方で積極的に、間違っていたと、こうおっしゃってほしかったのですよ。そういう点、間違いに気づいていながら私の方から呼ばれるまで黙って見ていたという点では、余り誠実じゃなかったのじゃないかな、こう思っているのです。いずれにしろ、決算委員会ですね、農林省が間違った数字に基づいて申し上げたから、これは正式に間違いを正さなくちゃならないですね。その辺で、農林省の畜産局の方からこの場でひとつ正式に訂正していただきたい。それから競馬会の方でも、この点ひとつ訂正していただきたい、こう思うのですが、その点からまず。
○犬伏政府委員 御指摘のとおり、畜産局から提出いたしました資料の中で、取りまとめの際に資料整理に手違いがございまして、大変御迷惑をおかけいたしました。まことに申しわけなく存じておる次第でございます。 間違えました点は神戸場外売り場の賃料についてでございますが、年間一億一千七百二十八万円でございまして、一カ月当たりの坪当たりの単価は一万一千九百十四円と相なるわけでございます。謹んで訂正を申させていただきたいと存じます。
○武田参考人 先般の決算委員会におきまして、庄司先生からの札幌場外の賃借料に関しましてのお答えにつきまして、私が資料の見間違いをいたしまして大変に御迷惑をおかけいたしました。 札幌場外の年間の賃借料は七億九千百四十九万円でございまして、これを坪当たり月額にいたしますと一万三千三百七十一円ということでございます。先生に大変御迷惑をおかけいたしましたことを深くおわび申し上げますとともに、私が申し上げました数字をこの際、正式に訂正をいたします。
○庄司委員 会議録を見ますと、武田理事長は、坪当たり札幌では八千七百円だ、こうおっしゃって、特段に高い価格、賃料を払っているんじゃないという御答弁だったわけです。そういう点、私は、今後こういう数字の扱いについてはやはり慎重にお願いしたいと思うわけです。 これでその点は終わりますけれども、私はこの場外馬券場の設置問題についてもこの間御質問申し上げたわけです。指摘申し上げたのは私だけではありませんが、こういう場外馬券場が賃料も相場と比べて非常に高い、それから協力金も高過ぎる、これじゃ利権の対象になるんじゃないかというような趣旨で一つ申し上げたし、それからもう一つは、場外馬券場の設置に当たって、やはり地元の調和を乱さないように、これを私は強調したわけです。ところが、それにもかかわらず、どうも仙台の場外馬券場をめぐって、郊外型の場外馬券場でまたこの強引なやり方が行われている節があるので、この点をきょうはただしたいと思うのです。 そこで、中央競馬会にお尋ねしたいのですが、宮城県名取市の場外馬券場について、いまどのような折衝が行われているのか、これを国会の場で答弁していただきたいと思います。
○武田参考人 お答えをいたします。 先般、名取市の議会におきまして、先生御承知のように、場外馬券売り場の設置につきまして多数の反対の意向が表明されておるわけでございますが、私どもとしては、名取の場外馬券売り場のことにつきましてその後特段の積極的な接触をするとか、あるいはこれにつきまして推進をするというようなことは一切いたしておりません。
○庄司委員 実は、これは地元の新聞に出た報道ですが、これは二月十八日付の河北新報という新聞です。それを見ますと、「名取市での場外馬券売り場誘致運動は、宮城県若柳町川北田中十四、社会福祉法人白珠会理事長の三浦寛治さんが火つけ役」だ。こう書いてあります。「昨年十二月八日、三浦さんは誘致派の一部メンバーと農水省OBで役員を構成する「名取振興ビルデング株式会社」を設立、代表取締役におさまった。」そして「名取市における誘致運動では、三浦さんが中央競馬会とのパイプ役になり、去る六日、余方公民館で開かれた説明会でも、区長らの協力も得て中央競馬会宇井調査役の話を聞いた。」こういう報道がなされております。私は、中央競馬会の方を私の部屋に呼んで説明を受けたわけですが、そういう会社と接触を保っていることはそのとおりだ、この法人登記の登記簿の抄本かなんかも用意してある、こういうお話を承ったわけです。その点で、先ほどの武田理事長の、何らの接触もしてないとか、これは事実と違うのじゃないか、こう思うのですが、その点どうなんですか。
○武田参考人 お答えを申し上げます。 ただいま先生からお話のございました三浦寛治という方が代表取締役をやっております名取振興ビルデング株式会社というものが昨年の十一月の末に設立をされまして、その会社から、場外の誘致をいたしたいという書面等が私どもの方に参っておることは事実でございます。したがいまして、その会社からの取締役の名前とかそういったものにつきましても、私どもとしては情報を得ておるわけでございますが、ただいまお話がございました名取市の余方地区の住民に対してこの会社が開きました説明会のことにつきましてのお尋ねがございましたわけですが、これにつきましては、実は私どもの担当者が青森方面に所用がございまして出張いたしたのでありますが、その際に、この名取地区の場外を設置する候補地について下見と申しますか、一応そこへ立ち寄って調査をしてこようということで、単にその目的で出かけたのでありますが、名取に参りましたところ、たまたまそこで、先ほどもお話がございました名取振興の方での地元住民に対する場外についての説明会が開かれておりまして、そこへたまたまぶつかったというようなかっこうに実はなりまして、やむを得ず、その説明会で説明を求められ、競馬会としての場外についての扱い方についての一般的な説明をして帰ってきた、こういう報告を受けております。これは私どもの方で積極的に名取地区へ働きかけるというような意図のもとで行われたものではございませんので、この点につきましては、ぜひそのように御理解を賜れば幸いだというように存じております。
○庄司委員 符節が合い過ぎているんじゃないですか、これは。青森に出張した、ちょうど説明会と名取にいらっしゃるときが合った。どうも話が合い過ぎているのですね。ですから私は、競馬会が昨年十二月二十二日の本委員会のいろいろな指摘を受けていながらいまだに反省の色がない、こう思わざるを得ないのです。その点、農林省の畜産局はどうお考えなのか、私は、この間の論議を踏まえた上で、これをひとつ御答弁願いたいと思うのです。
○犬伏政府委員 仙台地区に中央競馬会の馬券売り場を設置することにつきましては、昨年六月と七月に中央競馬会から陳情があったことは御承知のとおりでございます。農林水産省といたしましては、場外売り場の設置は御案内のとおり周辺地域にもいろいろの影響を与えることでもございますので、場外売り場を設置するに当たりましては、中央競馬会に対しまして地元の意見調整に努めるなど地域社会との調整を十分行うように指導をしてまいっております。本件につきましては、仙台市においては市長と市議会の意向が食い違っておる。また、名取市の市議会でも反対の決定があったと聞いておりますので、中央競馬会に対しては、十分慎重に対処するよう指導してまいりたいと存じております。
○庄司委員 私がいま質問を申し上げたような事項、慎重に対処しておると思われますか、局長。
○犬伏政府委員 先ほど中央競馬会理事長が答えられたことが、積極的に地元に働きかけるという意図でないというふうに私拝聴いたしておりまして、そういうことであれば、慎重に対処をする競馬会の考え方は変わってないというふうに存じます。しかし、具体的な事案としていろいろ誤解を受けるようなことがあってはいけないということで、慎重な対処を期待をしたいと存じております。
○武田参考人 今回のこの件につきましては、私どもとしても大変に遺憾なことであったと思っております。このような誤解を受けますような行動につきましては、私からも関係職員にも厳重に注意をいたしておいたところでございます。今後、このような誤解を受けますような行動につきましては、そういうことが起こりませんように、私どもとしても十分気をつけてまいりたいというように考えております。
○庄司委員 誤解とおっしゃいますと、何か私が誤解しているような——誤解というのは私が間違って解釈するという意味になりますから。私は間違っていない。 そこで、いまの例の名取振興ビルデング株式会社の問題について、私は私なりに少し調べたのです。これについては、実はこの会社の所在地、登記簿によりますと、宮城県名取市大手町四丁目二十六番の三となっております。この所在地の問題からしてきわめて不明解な会社なんです。というのは、この大手町四丁目二十六番地の三というのは、大友繁さんというお宅なんです。この会社とは関係のないお宅、しかも本人の話を聞きますと、代表取締役の三浦さんに一カ月間の約束で貸しただけだ。家賃も何か不払いになって、しかもその上にこの登記簿に堂々と自分の家の住所を載せられているのははなはだ迷惑だ、こういうことを私どもの市会議員に申したそうであります。 それから三浦さんの御住所です。この方はもともとは若柳町のさっき申し上げた番地が住所なんですが、それが名取市の名取が丘何番地というところに転入したかっこうになっています。これも調べてみたのです。そうしたら、すし屋さんなんですね、そこの場所が。この三浦さん御本人は常時いらっしゃるわけじゃない。だからいうならば、何か場外馬券場の話がある、どっちから持ちかけたか私はわかりませんよ。魚心と水心問題かもしれません。そういう話を聞きつけたかあるいは持ちかけられたかして、こういう住所に会社を登記して、しかも転入というかっこうでいわゆる住居表示だけは御本人なすっている、こういうえたいがわからない面があります。 それからもう一つ、この三浦寛治さん、この人のことを調べてみたら、社会福祉法人白珠会理事長になっております。若柳というと、競馬界では相当名の通った大石武一さんの御住所の場所ですが、こういう社会福祉法人の理事長さんがこういう、私どもから言えば利権に絡んだ、しかもギャンブルの企業に乗り出してくる——企業というと語弊もありますがそういう会社に乗り出してくる。この辺どうも私はわからないのですよ。実は局長も聞いていてもらいたいのです。それから総務長官にも聞いていてもらいたいのですが、うちの方の宮城県でいま社会福祉法人で大騒ぎになっている法人があるのです。つまり、これは不動産に絡んだ問題です。山林を買ってみたり、投機をしてみて、それが開発不能になって社会福祉法人の金を、その土地を今度抵当に入れたりしている。高利貸しからまで金を借りている。一方、隣では医療法人を経営して、これが破産状態になっている。私は、社会福祉法人の理事長がなぜこういう場外馬券場に手を出してくるのか、こういう点はやはり洗ってみる必要があると思うのですよ。社会福祉法人の理事長さんが何か不動産屋さんみたいなことに手を出してくる、この意図は一体どうだろう、この辺洗って話をしてもらわないと、また大阪の道頓堀のような事態につながってくるわけですよ、これは大阪の道頓堀は若干筋は違いますがね。そういう点で私は、もう一つ申し上げておきます。 話の進め方として場所の問題です、場外馬券売り場を設置する場所。これは東北縦貫自動車道の南仙台インターチェンジのすぐそばなんです。トラックターミナルがあります。それから道路公団の用地があります。この道路公団の用地も譲ってもらって、合わせて名取振興ビルデング株式会社が取得をして、そこへ場外馬券をつくる、そういう話で説明会もされて、おたくの宇井さんが出席なすっている。そこで、三浦さんが五十四年の十一月末か十二月の初旬ごろに日本道路公団仙台建設局仙台工事事務所を訪れていらっしゃいます。それで何か話したのでしょう。その話が道路公団の了解も何も得ないままに、今度はあそこが手に入るのだという尾ひれがついて進められている。ところが、これは現地の名取市で係争のあった場所なんです。名取市の土地開発公社が手に入れた、そのとき譲っていただいた地主さんが不動産の譲渡所得税を取られることになって、それなら売るんじゃなかった、返してくれというような係争までやられているんですよ。そこで、この土地開発公社の事務局長さんが道路公団に行ったそうですよ。そうしたら、真偽をただしたところ、公団として大変迷惑である、払い下げなど考えていない、それから現行の農地法、都市計画法その他関連法の制約のもと、だめです、こういう回答を受けてきているわけです。こういうところへなぜおたくの宇井さんが、まあ一歩譲ってたまたまであるにしろ説明会に乗り込んだのか、これは私はきわめて軽率だと思うのですね。その点、理事長さんどうお考えになります。
○武田参考人 前段の三浦寛治さんの会社の表示されている所在地あるいは住所につきまして、先生から御調査の結果を伺わせていただきましたが、実は私どもまだその辺につきましての調査はいたしておりません。この会社を相手にするかどうかというようなことにつきましては、いずれにしても名取のところで場外馬券売り場をつくる環境ができた上でなければこの会社を相手にするかどうかというようなことを決める段階ではないと思っておりますものですから、詳細の、いまお話がありましたようなことにつきまして十分な調査は何もいたしておりません。しかし、いま先生からお話しのようなことが事実であると思いますので、こういうことでありますれば、できるだけ早く三浦氏の今日までの経歴その他につきましても調査をいたさねばなるまいというように考えております。 またいま、この会社で場外を誘致したいという土地のことにつきましてのお話がございましたが、私どもとしては、その土地に下見という形で私どもの調査員が参ったことは先ほど申し上げたように事実でございますが、これにつきまして積極的にそこの土地にするとか、あるいは公団の用地を合わせまして場外の売り場の設置場所にするとかいうようなことにつきましては、いまの段階で積極的にそれを進めるとかどうこうというようなことは全く考えておりません。ことに公団の用地をこのことのために払い下げてくれというようなことを働きかけたこともございませんし、また、お話しの土地につきまして、いろいろな経緯のある土地のようにいま私初めて伺いましたわけですが、そのようなところに、まだ全体として場外を名取に設置できるかどうか全然未知数の状態である中でこれをどうこうするということはまことに不適当なことと思いますし、名取の場外のことにつきましては、先ほど申し上げましたように、ただいま私どもとしては軽率な行動を今後ともとるつもりはございませんということをはっきり申し上げておきたいと存じます。
○庄司委員 余りしつこく追及するつもりはありませんけれども、いま理事長が、宇井調査役がたまたま下見に行ったという話をなさいましたね。この下見というのはだれから話があって下見に行かれたのですか。
○武田参考人 これは、こういう候補地があるという情報は三浦氏の方から得ておったようでございます。
○庄司委員 三浦さんとはいつから接触が始まったのですか。
○武田参考人 五十三年の六月ころからのようでございます。
○庄司委員 五十三年の六月というとおととしですから、もう二年近くですね。二年近く接触をしていながら、その身元や経歴、こういうものをお調べになったことは一遍もなかったのですか。
○武田参考人 五十三年の六月ごろ三浦氏との接触が始まりましたが、この時点におきまして、中央競馬会といたしまして、名取に場外をつくるということにつきましては積極的な意思は持っておりませんで、むしろ仙台に場外馬券売り場をつくりたいということで、名取については問題にしてなかったのでございます。それにつきまして、その後大分たちまして、先生御承知のように、仙台の場外馬券売り場と、自動車で場外へ来るというようなファンの方も大分おられるということでもありますので、郊外型の場外とをセットにしてやったらどうかということになってまいりまして、それならば名取は一つの候補地であるというようなことから、名取についての場外馬券売り場ということが浮上してまいったというようなことでございます。
○庄司委員 そうするとますますおかしいですね。競馬会の方では名取なんというものは念頭になかった時期にこの三浦さんが競馬会にあらわれる。一体どころからそういう情報をつかんだのでしょうね。御存じないですか。
○武田参考人 場外馬券売り場の問題につきましては、どういうところからどういうふうにお考えになり、あるいはお聞き及びになるかわかりませんが、現在でもあちらこちらの都市、中都市、小都市等から、場外馬券売り場どうだろうかというようなお話がときどき出てまいっておるのでございます。したがいまして、名取の場外馬券売り場につきましても、名取の地元の方々が一番初めにどういうふうなとこからどういうふうにお考えになって私どもの方に名乗りを上げられたのか、その点につきましては、いま、つまびらかに私ども承知をいたしておりません。
○庄司委員 時間もありますのでそろそろ結論にしますけれども、実は二月十六日の地元の方の新聞では、中央競馬会は、仙台駅東側に開設を計画している場外馬券売り場を、それとセットでつくる郊外型施設のめどがつき次第着工する意向を固めた、着工時期は遅くとも四月ごろに目標を置いている、あくまでも五十七年十月の開業を目指す考えである、こういうような報道がされております。この報道で地元住民が相当動揺をする。これは中央競馬会としては全然関知しない報道なんですか。それとも何か示唆を与えられたのですか。それから、いずれにせよ、こういうむちゃなごり押しの計画はしないということをここで確認していただけますか。
○武田参考人 いま先生からお読み上げになられました報道につきましては、私どもは一切関知をいたしておりません。また、仙台の場外馬券売り場並びにそれに関連しての郊外型の場外の設置ということにつきましては、ただいまのところ私どもとしては全く静観の状態で、その後の推移で待っておるということでございます。
○庄司委員 それで、最後にひとつその点で、昨年十二月二十二日の当委員会の論議を踏まえて、地元を騒がせないように慎重に対処してもらいたい。それで、競馬監督課の担当の方もそういう点で十分留意をしてもらいたい。 最後に私は総務長官に……。 この間の長沼答申では、「少なくとも現状以上にこれを奨励しないことを基本的態度」にするということを言っておりますし、もう一方で公営競技問題懇談会の答申でも、これは若干変わっていますが、「抑制基調は維持しつつも、多少弾力的に検討することとしてもよいものと考えられる。」ただし次の方向で検討すべきだ。「場外売り場の設置については、ノミ行為の防止にも効果があると思われるので、弾力的に検討してよいが、地域社会との調整を十分に行うこと。」こういう答申です。それからもう一つは弊害の除去についてのくだりですね。これでは「地域社会との融和を図るとともに」というふうに、交通公害の問題をここで触れておりますが、こういう点で、やはり答申をいただいた趣旨を十分生かして、公営競技の場外馬券売り場の設置の問題これについての指導をやっていただきたいと思うのです。 いままで経過をお聞きになっただろうと思いますから、その点を踏まえて、ひとつ競馬会、農林省、総務長官のそれぞれの御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○小渕国務大臣 公営競技問題懇談会の意見によりますれば、委員いまほどお読みのように、場外売り場につきましては、のみ行為の防止にも効果があると思われますので弾力的に検討してよいが、地域社会との調整を十分行うことと述べられておることはそのとおりでございます。したがいまして、このような意見に沿いまして、所管の省庁で適切に対処していただきたい。答申をいただきました総理府としてはそのように願っておるところでございますが、懇談会の意見書を受けまして関係省庁連絡会議というものも設けておりますので、こうした問題の取り扱いについて必要があればそういうところで勉強さしていただきたいと存じます。
○犬伏政府委員 先ほどもお答え申し上げたのでございますが、本件につきましては中央競馬会に対し、十分慎重に対処するよう指導してまいりたいと存じております。
○武田参考人 私どもといたしましても、場外馬券売り場の設置につきましては、地域社会との協調ということが大変に重要なことと考えておりまするし、無理押しをしてこれを設置するとか、そういうようなことは一切考えておりません。できるだけ慎重に、かつまた監督官庁の指導監督も受けながら、もし進めるべき適確なものがございますれば慎重に進めていくようにいたしたいと考えております。
○庄司委員 終わります。
○井原委員長代理 部谷孝之君。
○部谷委員 私は、きょう主として恩給問題、それにもし時間が許しますならば、連絡調整のために総理府の中に置いておられます協議会等についてただしてまいりたいと思います。 最初に、私事を申し上げまして大変恐縮ですが、実は昨年亡くなりました受田新吉先生の後継者といたしまして、このたび新しく選出をされてきたものでございまして、受田先生が三十二年有半にわたり、長い議員生活の中でその大半を内閣委員として大きな足跡を残してこられたわけでございますが、そうした受田先生ときわめて御縁の深い内閣委員会所管事項につきまして決算委員会でこうして質問に立たせていただくこと、非常に私は深い感慨にふけっておるわけでございます。 そこでまず恩給関係についてお尋ねをしたいと思うのであります。 昭和五十二年度の恩給関係の当初予算は一兆一千六百二十億四千二百八十七万円、支出済み歳出額は一兆一千五百七十二億何がしというふうになっております。この中には援護費も含まれておるわけでございますが、恩給費では五十九億四千九十九万円が翌年度へ繰り越されております。援護費では二億二千万円余が不用額として計上されておるのでございますが、こうした繰り越しが出た理由というのは一体どういうところにあるのか、まず御答弁をいただきたいと思います。
○小熊政府委員 お答えいたします。 恩給受給者というのがいま現在約二百四十五万おるわけでございます。先生お尋ねの五十二年当時は二百五十五万ぐらいいたわけでございます。このように、恩給受給者というのは年々減ってまいっているわけでございますが、恩給費というのは年々かなりの伸びでふえております。このふえておるというのは、毎年毎年新しい改善が行われておるということによるわけでございます。 この改善でございますが、改善を受給者のところまで施行するにつきましては、ある者については、職権改定といいまして、恩給局で、すでに受給権を持っておる方々の資料に基づいて改定をいたしていくわけでございますが、また、請求改定といいまして、潜在的に受給権を持っておられる方が恩給局の方へ申請を出されて、そして改定されるというのもあるわけでございます。こういった請求改定につきまして、もちろん周知方をいろいろ図っておるわけでございますが、なかなか周知されない場合もございます。 それで、たとえば五十二年の例で言いますと、新規請求者が恐らく二十万人ぐらい潜在的にあるだろう、こう推定いたしましても、実際に出てまいりますのは、たとえば十七万数千件といったようなことになるわけでございます。ただ、その年に請求しないからあとの二万人、三万人には金を払わぬというわけにはまいりませんで、これはまた翌年度請求があれば払ってあげるということになるわけでございまして、そういった意味での繰り越しがまず当然必要であるということが一つ。 それから、ただいま申し上げました約二百五十万人、この受給者は常に出入りがあるわけでございます。出入りと申しますのは、ある人は失権する、ある人は新たな恩給権を得る、また、普通恩給で失権した人でも、その家族が扶助料としてまた恩給権を受ける、そういったように非常に激しい出入りがございます。これらもなるべく正確に推計いたすつもりではおりますけれども、たとえば、去年失権者がこれだけあったからことしはこうだろうという推定は全くききません。たとえば、傷病恩給なんかも年々新しい請求があるわけでございますが、これも、たとえば五十三年の例で言いますと、約一万人の方が新たに請求してくる、ことしになりますとまたそれが八千件になるといったように、非常にフラクチュエートしておるわけでございます。そういった点を踏まえて、なるべく正確な推定はしたいというふうに考えておるわけですが、その辺が非常にむずかしいというのが一つ。 それから、ただいま先生御指摘の、五十九億円余の繰り越しがあるのではないか、この繰り越しも、全体の額は一兆数百億でございますが、これに比べますと約〇・六%でございます。いま申し上げましたように、二百五十万人で、受給者の出入りあるいは新たな請求、これを推計いたしますのに〇・六%という誤差、これはきわめて少ないのじゃないかというのが私どもの感触でございますし、また、そういった繰り越しを持っておりませんと、仮に、金がなくなったからことしはもう払えませんよというわけにはいかないわけでございまして、そういった意味で、国会でも御承認いただいて、繰越明許費として認めていただいておるわけでございます。
○部谷委員 私は実は四十七年からずっと繰ってみたのでありますが、五十年度の決算を見ますと、恩給費は六十八億六千万円を繰り越しております。それから援護費の方は八億八千万円の繰り越しと同時に二千百三万円、額はわずかですけれども、これを不用額として計上をしております。五十一年度は恩給費は十三億を繰り越し、援護費は三千八百六十九万円の不用を出しております。さらにまた、過去にさかのぼって調べてみましても、大体恩給費においては繰り越しをすることが慣例化されておりまして、また援護費の方は今度は不用額をほとんど毎年計上しておる、こういう状態に決算的にはなっております。 受給者の対象の数なんかもずいぶん違いましょうし、いろいろと過去の生まれてきたいきさつ等も異なるわけでありますから、いろいろそうした措置に相違が出てくることはあるいはやむを得ないかもしれませんけれども、私ども初めてこうやって決算額を拝見させていただきますと、大体恩給の方では繰り越しでやっていく、援護費の方では不用額を計上していくという、その辺の違いは、これは援護費は御所管でございませんのでどういう御答弁がいただけるかわかりませんけれども、その辺、どういうところでそういう相違、差異が出てくるのか、これは大変素朴な私の疑問でございますので、お答えをいただきたいと思います。
○小熊政府委員 先生いまおっしゃいましたように、援護局関係については、ちょっと私どういう事情によるのかわかりませんので、恩給局について申し上げますと、いま先生御指摘のように、五十年においては約六十億の繰り越しがあるわけでございます。これが約一%になるわけでございます。翌年になりますとこれが〇・二%になっております。さらに五十三年が〇・六%というように、いま先生御指摘の数字でございます。それでまたその後〇・二%というように、多くなった翌年はなるべくそれを少な目に推計するというようなことが働いているかと思います。ただ、私どもの実感で申しますと、この〇・二%になりました五十一年、これは実を言いますと薄氷を踏む思いといいますか、金がなくなりはしないかという心配を常に持っておったわけでございます。 そういうような状況でございまして、先ほど申し上げましたように、繰り越すというのは、何も余分に目いっぱい以上にとってそれを余らしておるということではなくて、いま申し上げましたように、請求者がなかなか請求してこない。この請求については、私どもに直接来るようなものであれば何かまた方法もあるかと思いますが、先生御承知のように、都道府県を経て、厚生省を経て私どものところに入ってくるわけでございます。その間に多くの場合、軍歴等の資料が要るわけでございまして、これを都道府県所有の資料の中からつくっていく、こういうことがあるわけでございまして、相当時間もかかるわけでございます。したがって、そういう意味でのタイムラグも考えなければならぬということで、先ほど申し上げましたように繰り越しとして常に認めていただいておる、こういうことでございます。
○部谷委員 それでは決算問題はそれぐらいにいたしまして、旧海軍には、特務士官、准士官、こういう制度がありまして、この特務士官と准士官に対する恩給の格づけにつきまして昨年是正措置がとられたようでございます。 そのとられた措置の概要と、こうした措置がとられた理由につきまして、時間がございませんので、ひとつ簡単にわかりやすく御説明を願いたいと思います。
○小熊政府委員 いまの特務士官、准士官について、昭和五十四年度において格づけの改善を行ったわけでございますが、これは背景、その他が非常に複雑といいますか、時間的にも非常に以前から問題になっておった事案でございますし、簡単に申し上げるのは非常にむずかしいのでございますが、御承知のように、この特務士官、准士官、この方たちの格づけ、これを直してもらいたいという問題はずいぶん古くから出ておりまして、私どもも臨時恩給等調査会とか、これは昭和三十二年に答申が出たわけでございますが、それから恩給審議会とかこういったところでも、これは昭和四十三年に答申が出たわけでございます、こういったところで、すでに議題に上っておるわけでございます。ただ、これらの調査会あるいは審議会におきましては、いずれも否定的な答申が出ておるわけでございます。と申しますのは、先生御承知のように、軍人恩給というのがずっともう戦前から一貫して一階級一仮定俸給、こういう形でまいっておるわけでございまして、これをいまの段階でその秩序をひっくり返すというようなことに対する抵抗があったと思いますが、そういったことで非常に否定的な答申が出ておったわけでございます。 ただ、これも先生御承知と思いますが、海軍というのは艦艇を操り、その中に非常に新しい機械なりあるいは兵器なりを入れて、これを操作しながら戦いの目的を達していくという任務を持っておるわけでございまして、これらの機械あるいは兵器を操作するというのには相当高級な知識あるいは経験、技術、こういったものが必要になってくるわけでございます。そのために、海軍においてそういったことを長年同じ職務につかせるというような傾向にあったかと思いますが、それらを踏まえた上で、いわゆる特務士官、非常に長い期間そういう同じ職務をやっておるものですから、階級は上がらない、ただ実俸給だけは一般の士官なんかよりはどんどん上がっていく、こういう方ができたわけでございます。 これらの実態を踏まえまして、最近になりまして、また関係の方々から非常に強い格差是正という要望が出ておったわけでございますが、何分にも先ほど申し上げましたように、ずっと戦前の恩給制度が始まって以来、一階級一仮定俸給という制度でまいっておるわけでございますので、なかなかこれに手をつけるというのはむずかしかったわけでございますが、恩給局といたしまして、そういった実態を踏まえて、いろいろ過去の経過とかあるいはその背景、こういったものをつぶさに検討したわけでございます。その結果、これは海軍の特殊な事情がある、特に陸軍との比較において特殊性があるのではないか、ただ、答申にありましたような軍人恩給の秩序というものもある、これらの枠内でどの程度、どれだけやれるかということをいろいろ検討いたしまして、それで今回のような改善措置に踏み切ったわけでございます。 この改善措置の内容でございますが、これはまず昭和二十年の十一月三十日、これは海軍省が廃止されたときでございますが、このときにおいて最短恩給年限、これを実際に勤めた准士官あるいは特務士官の方で下士官の経歴を有する一これは御承知のように、昭和十七年にすでに特務士官という制度はなくなっておりますので、これをチェックする意味で、下士官の経歴を有するという条件が入るわけでございますが、こういう方について准士官と少尉については仮定俸給を三号俸上げる、そうしますと、仮に准士官で申しますと、三号俸上がりますと少尉の階級になります。こういったぎりぎりいっぱいの改善を行ったわけでございます。中尉、大尉につきましては二号俸アップする、こういう改善を行ったわけでございます。
○部谷委員 実はこれは私事で恐縮ですが、私自身、昭和十八年に海軍の予備学生で入隊をいたしまして、まる二年間海軍に籍を置いて、いわば特務士官、准士官の方々と苦労をともにしてきた一人なんです。したがいまして、いま御説明がありましたように、准士官、特務士官の方々は、いわゆる一般士官と称する者よりも非常に高給を受けておられて、いわば別個の給与体系にあったわけであります。なぜそのような別個の給与体系をとったかという、その理由につきましては、いま御説明がございましたように、いわゆる進級抑制策がとられる。船対船の非常に巧妙な機械と機械の戦争をやるわけでございますので、そういういわゆる専門家、こういうものをつくらなければならない。そのために一年、二年であちこち変わられたのでは困る、そういうふうな事情の中からこの特務士官制度というものがつくられて、そしてそのことが、最後には戦に敗れましたけれども、いわば全世界に日本海軍の精鋭というものが喧伝された。その辺の基礎をつくったものがやはりこの特務士官、准士官の制度そのものにあるのではないか、私はこういうふうな感じがするわけでございます。 また、陸軍との対比にしましても、これはわれわれ自身が軍籍を置いておったわけでございますから、同じような形で陸軍へ行った人もおりまして、そういう中でのいろいろな陸軍との対比というものもよくわかります。大体九年から十三年、短期受給者のうちで九年以上の方、この人の階級を調べてみますと、大体陸軍ではほとんど中尉ないし大尉になっておられます。海軍ではその大部分が准士官どまりであるわけでございまして、こうした陸海軍の差というものは、先ほど御指摘がありましたように、本人の資質の差による階級差ではなくて、いわゆる制度によるところの差がそういうところに出てきておる。そういう差が出てきておることはもう御理解いただいておるとおりであります。 そういうふうなことでありまして、たとえば徴兵の服役年数、これに例をとってみますと、陸軍は二年でありました。海軍の方は四年間いわゆる服役年数を課せられたわけでありますし、また、兵から下士官に進級いたします最低年限にいたしましても、陸軍では二年で行きますし、海軍では四年となっておるわけであります。また、最初の初年兵も、申し上げるまでもなく陸軍は二等兵から始まり、海軍は四等兵から始まる、こういうふうなことをずっと考えてみますると、海軍のいわゆる特務士官、それに相応するところの陸軍の方々と比べましても、非常に大きな違いがあるということに、いま御説明いただいたとおり、私もそのように思うわけです。 また、いま御説明はなかったのですが、恩給に対する国庫納付金、これが一般士官に比べまして特・准の方々の方が高い納付金を払っておられたと私は思います。そうした在勤中に負担する額も一般士官に比べて高いわけでありますから、したがって、去年行われた改善の措置というものはむしろ遅きに失したのではないか、私はこのように思うわけです。実は、先ほど御指摘のこの臨時恩給等調査会ともう一つの審議会ですか、あの当時、私は実は受田先生の秘書をやっておりましたので、その辺の事情も大体わかっておるのでございますが、やはり特准に対する措置は遅きに失しておる、このように思うわけでございます。 ところで、この五十四年の改善措置によりまして特務士官、准士官の方々に対して実質的にはどのような効果があったのか、これをひとつお示し願いたいと思います。
○小熊政府委員 五十四年度改善、いろいろございますが、特務士官について、先ほど申し上げたような准士官、少尉について三階級上げた、中尉、大尉について二階級上げたということによりまして、これは勤務年限によっても非常に区々でございますので金額的にどうこうというのは非常にむずかしゅうございますが、率で申し上げますと、大体少尉のところが一番高くて約一一%ぐらいのアップになったと思います。それから、その他は大体八%前後ぐらいじゃないかと思います。大体そのぐらいのアップ率でございます。
○部谷委員 実は五十四年にとられた措置によって、いまお示しのように二ないし三%仮定俸給がアップしたわけでございますが、そのことによって実質的な金額の増の効果のあった人は、実は特務大尉が全員効果がありました。それから特務中尉は約二五%の人が受けておる、それから特務少尉に至っては効果を受けた者は五%、そして准士官に至っては実質効果はない、こういう資料を私は手にしておるわけです。それはなぜかといいますと、最低保障額の制度がございますので、いま私が申し上げたパーセンテージ以外の方はその最低保障額の中に埋没してしまっておる、私はそういうふうに思うわけでございまして、果たしていまお示しのような大きな効果があったのかどうか、私は疑問に思います。
○小熊政府委員 先生のいまおっしゃった数字というのもこれは推計かと思いますし、私どももある意味では推計でございますが、五十四年度の改善によりまして、大体特務士官、准士官のこの条件に該当する人が三万人いると推定しておるわけでございます、そのうちの約一万四千数百人、約半分近くは実質的な効果があったというふうに私どもは推定しておるわけでございます。ただ、何分にも先ほど申し上げましたように、これは請求による改定でございますので、現在のところ請求がまだ五千件そこそこしか出ておりませんので、確実なところはいまの段階ではわからぬわけでございますが、私どもの推計では大体そういうような数字になっております。
○部谷委員 そこで、いま五十五年度の予算案が出されておりまして、それを見ますと、恩給の改善措置の案によりますと、大体六十九万五千人を対象といたしまして二百四億円、これが恩給改善措置費として普通恩給等の最低保障額及び寡婦加算の増額所要額として計上されておりますけれども、その二百四億の中で特・准の関係の方はどういうふうな影響を受けるのでございましょうか。
○小熊政府委員 最低保障額と申しますのは、先生御存じのように、普通の計算で普通恩給を計算しまして、それがある一定額、今度の五十五年改正では七十万という額でございますが、そこまで達しない人にはそこまでかさ上げしてあげよう、こういう措置でございます。また、寡婦加算については、ある一定年齢以上の妻あるいは子を持っておる妻、こういった方には寡婦加算として従来年額四万八千円を十二万まで上げましょう、こういう改善でございまして、その中で特・准の人は何人それに該当するか、ちょっとわかりかねるのでございます。
○部谷委員 いまお示しのように、六月から最低保障額が七十万円ということでいま御提案になっておるわけですが、実はいまの仮定俸給の号俸でまいりますと、特務大尉の方だけがいまの最低保障額を少し出るのです。あと中尉から全部埋没してしまうわけでございまして、つまり最低保障額を引き上げられたことによって五十四年度の措置がその大半消滅してしまう、そういう事態が起こるということになると思うのですが、その点いかがでしょうか。
○小熊政府委員 最低保障額でございますが、最低保障額というのは、先ほど申しました恩給が、国家保障といいますか、社会保障とは違うんだと申しましても、やはりある一定の生活の支えになる、あるいはこういう情勢になってきて、他の公的年金等に比較しましてやはり最低保障を上げざるを得ないという情勢になってきておるわけでございまして、四十一年以降この最低保障制度というのを取り入れてまいったわけでございますが、その後年々これが改善されまして、特に最近では、もうベースアップの率よりもずっと高い率で最低保障が改善されておるわけでございます。したがいまして、普通の計算でかつて差のあった人もだんだん差がなくなっていく。いま極端な場合で申しますと、こういう不平が実際に起こってくるわけでございますが、かつておれの部下であった兵隊と少尉であるおれは全くいま同じ恩給じゃないかというような不満も当然出てきておるわけでございます。少尉どころではない、中尉、おっしゃるように大尉でも同じじゃないかというようなことが起こってくるわけでございます。しかし、この最低保障制度につきましては、内閣委員会等の附帯決議におきましても、毎年大幅のアップをすべきであるという御要請もございますし、また、他の公的年金等の並びから考えましてもこれは今後上げていかざるを得ないというように私ども考えております。そうしますと、いま先生のおっしゃたような、ある計算ではここまでしか来ないものについてかさ上げしておるわけでございますから、さらにそれを穴埋めしろと言うと何かそれを取っ払ってしまうのかというような変な感じを受けてしまいますけれども、そういうこともできませんから、どうしても最低保障が上がればだんだん並びが大きくなってくる、こういうことになるかと思います。
○部谷委員 かさ上げの問題について、私もよく理解しておるんです。中尉相当のところまで最低のところを上げようという努力は、もう恩給法が復活したときからの御方針でありますし、国民の意思もそういうところにあったことも私は理解をしております。ただ先ほど申しましたように、特・准の人たちが国庫納付金、つまり当時国庫納付金というのは一般文官におきましては俸給の二%、武官におきましては俸給の一%を払っておったんです。ですから、したがって私は一つ例をここへとりますと、終戦のときに解員された軍人の退職金の支給基準というのを海軍大臣が令達をいたしておりますが、それによりますと、一般士官の大尉が二千九百八十円、中尉が二千二百二十円、少尉が一千八百九十円、候補生、見習尉官が一千四百五十円、特務大尉が三千三百円、特務中尉が三千二十円、特務少尉が二千六百五十円、准士官が二千二百四十円、こういう示達をして、それによって退職金が払われたわけです。ある時期からGHQからとめられたようですが、私は早く復員をいたしましたからこの基準でいただいたわけです。そこで、いま見ますと、この準士官の二千二百四十円と一般士官の中尉二千二百二十円、大体これが相応しておるわけです。ところが、この前の恩給法の一部を改正する法律案、去年の資料を見ましても、そこまでいっていないのです。二号ないし三号のアップというものは、そうした実態からはるかに低い線でとめられておる。そこに私は問題があると思うのでございまして、この仮定俸給を上げてほしい、号俸アップをしてほしいという要望は、私はきわめて自然であり、合理的な要求だと思うのでございます。時間がございませんが、ひとつ端的な御答弁をいただきたいと思います。
○小熊政府委員 いま先生から納付金の話が出ましたけれども、先生御存じのように、納付金というのは、昭和八年までは軍人に関しては納付金はゼロ、全然なかったわけでございます。文官に関しては一%だった。ただ、昭和八年に、恩給亡国論といいますか、非常に財政が逼迫した状態で恩給を優遇しすぎるのではないかという声が出た時点で、軍人についても一%という納付金が課せられるようになったわけでございます。さらに、昭和十六年になりまして、大東亜戦争給与令によりますと、内地における方は納付金がありますが、戦地における方は納付金は要らないというような状態でございまして、納付金そのものが、ただいま共済制度あるいは厚生年金制度等で言う掛金、これとは全く意味の違うものであったのではないかと思います。その納付金をもとにして恩給を支払うという性格のものではなくて、これはまさに国庫に納付する金であるという程度のものであったと思います。その辺から、先生からもう少し仮定俸給を上げるべきではないかという話が出たかと思いますが、先ほど来申し上げますように、軍人恩給というのが、旧来ずっと一階級一仮定俸給、こういう形できておりまして、それを破ってぎりぎりいっぱいのところで改善を行ったというのが私どもの実感でございまして、この点、御了解いただきたいと思います。
○部谷委員 大体持ち時間が終わったようでございますので、結論に入りたいと思いますが、その前に、いまお話がございましたけれども、五十四年の九月に恩給局長名をもって、これはどこに対して通達をされたのか、私はその先がわかりませんけれども、「昭和八年恩給法の一部改正により新設されたいわゆる恩給国庫納付金は、一般士官より高額の俸給に応ずる高額の国庫納付金を徴収されたにも拘らず、同時に規定された階級別仮定俸給においては、一般士官と同一の仮定俸給が適用されることになったため、」という通達をなさっておるようなんです。ということは、つまり国庫納付金のいまの御説明でも私は納得がいかない、それが一つです。 それともう一つは短期の方々、九年以上十三年の方々ですが、そうした海軍と陸軍との間の相違がある、特殊事情があるということをお認めならば、その九年ないし十三年の方々にも同様な措置がなされなければならないのではないか、そう思うのですが、その点についても局長から御答弁をいただきたい。 もう時間がございませんので、局長の御答弁をいただいた後で、最後に長官にお尋ねをしたいと思うのですが、特務士官と准士官の恩給の改善について、私はいろいろな角度からいまるる質疑々重ねてまいったのですが、この特・准の人たちは、窮屈な財政の中で、どちらかというと、昔から自分自身を犠牲にしてでも祖国のためにという習性を持っていらっしゃる、そういう方々だと私は思うのです。だからこそ、今日までこうした大きな不公正がありながら、きわめて控え目な運動の中で成果が上がってこなかったのではないか、こういうふうに私は想像するわけでございます。乏しきを憂えず等しからざるを憂うる、私は政治、行政の一番大事なところはここにあると思うわけでございまして、私は、これはまだまだ不公平が是正されていない、こういう観点でいまお尋ねをしたわけでございますが、ひとつ長官の御見解を求めまして、私の質問を終わりたいと思います。
○小熊政府委員 先ほどの通達は何年でございましょうか。
○部谷委員 五十四年九月です。
○小熊政府委員 全然そういう通達はございませんです。 それから、いまの短期にも適用すべきではないかということでございますが、先ほども申し上げましたように、私どもも陸軍の制度といろいろ比較検討しまして、その結果、短期で特務士官、准士官になって非常に損をしたという方は余りないのでございまして、やはり長期の方が大きく差があるということで、長期の方にしぼっておるわけでございます。その点御了解いただきたいと思います。
○小渕国務大臣 先刻来の部谷委員と私どもの恩給局長との質疑応答を承っておりまして、恩給局長が御答弁申し上げましたように、旧海軍の特・准の処遇の改善につきましては、戦前の一階級一仮定俸給という線上で考えてこられたことでございますし、また幾つかの審議会等の答申もそのようであったわけでありますが、御指摘にありましたように、この改善につきましていろいろのいきさつのあった中で処遇の改善を行ってきたという経緯があるようでございます。なかなかもってむずかしい問題のようでございまして、一ついじりますと、また万波を呼ぶというようなこともあるのでありましょう。しかし、委員御指摘のように、これは全く恩給制度の中の落ちこぼれといいますか、不公平のままに取り残されたもので、改善はしたが、本来さらに公平にしなければならぬという意味での御主張も交えての御質問であったかと思います。なかなかむずかしいと恩給局長から実はよく教わっておるわけでございますけれども、しかし恩給制度全体の中でいかにこれが改善できるか、ひとつ制度全体の見直しの中で勉強してまいりたい、このように御答弁させていただきます。
○部谷委員 終わります。
○井原委員長代理 井上一成君。
○井上(一)委員 大分時間も遅くなりましたし、私の方も大筋での基本的姿勢というんですか、そういうことについてのみ尋ねていきます。 先ほどは国際人権規約について質疑をし、一定の取り組みの構えを答えの中でいただいたわけです。わが国の国内における人権侵害、その大きな一つの社会問題として部落差別があるわけですね。その部落差別を解消しよう、そのために同和対策というものが重要な施策になったわけです。日ごろから、総理府長官はもとより、関係機関の皆さんがそのことに大変御努力をいただいているということについては私は多としたい、こういうふうに思います。しかし、現状は決してその目標に向かって十分だとは言い切れないと思うのです。そういうことの中から、まず、法としては特別措置法があと二年しかないという状態ですね。私は、本来特別措置法を好ましいものだということでは決してないわけなんです。なぜかと言えば、そういう法律が必要でない世の中を私は求めたいわけなんです。しかし残念なことだけれども、差別の実態、差別がこの社会に存在しているんだという現実をとらえると、これはやはり措置法をもってその差別をなくするための一つの施策が必要になる。だから、いわばその措置法をなくするために、差別解消のために、さらに措置法をより強く、手際よく、あるいは効率よくその法律の趣旨を徹底していかなければいけない、こういうふうに思うわけです。そして一人残らず国民のすべてがみずからの人権、そしてすべての人の人権が互いに守り合える社会、差別をしないし、差別をさせない、そういうことが大事なわけであります。前段、少し私の意見、考えも申し上げたわけですけれども、長官として同和問題に対する取り組みの基本的な姿勢をここで伺っておきたいと思います。
○小渕国務大臣 同和問題は、それこそ基本的人権にかかわる重大な問題であるという深い認識をいたしまして、この問題の解決に全力を傾注してまいりたいと存じております。 お話にありました現行特別措置法がございますが、お話しのように、法律がないような実態が存することは全くそのとおりであると思いまして、法は三章でとどまってすべて世の中うまくおさまることが最も望ましい社会かとも存じますが、しかし私どもは、現在国会で定められた法律をもとにしまして、この法律の期間内に諸問題につきまして全力を挙げてその法の趣旨を全ういたしますように努力をいたしますと同時に、究極は、お話にありましたように、法律がなくとも人権問題などということが皆無になるような社会をつくり上げるために努力をしていきたいということは言うまでもないことだと存じております。
○井上(一)委員 総務長官、二年ですべてが解消できるとお考えですか。
○小渕国務大臣 この法律の目指しておるところにつきましては、全力を挙げて残事業の解決その他、取り組んでまいりたいと思っております。しかし、同和問題に対する国民の意識というような問題のすべての解消ということになりますれば、果たしてその法律の期間内ですべて解決できるということをここで申し上げることはなかなかむずかしいと思いますが、法の期待をいたしておることにつきましては全力を挙げてがんばってまいりたいと思っております。
○井上(一)委員 私も簡単に問いますから、簡単に答えてください。 まず、総務長官は、そういう問題を解決するために、その問題の実態、実情というものをとらえなければいけない。いかがですか。
○小渕国務大臣 御指摘のとおりと存じております。
○井上(一)委員 そういうことに対して努力をするということは、たとえば具体的にみずからの足で差別を受けている人たちの生活の実態を確かめる、見きわめる、こういうことが必要ですね。
○小渕国務大臣 身をもって実態の把握をいたすことも務めかと存じます。
○井上(一)委員 そういう機会をあなたはみずから進んでつくる御意思を持っていらっしゃいますか。
○小渕国務大臣 機会を得まして、その機会をつくってまいりたいと思っております。
○井上(一)委員 私は、ぜひ必ず、もちろん国会が終えてから、その実態に触れるべきである、実態を承知すべきであると思うのです。そのことに対しての長官のお考え、そしてそうであるなら、そのことを実行するとここでお答えをしてください。
○小渕国務大臣 総理府の所管としてもきわめて重要な問題でありますので、所管の総務長官として当然いたすべきことと存じます。
○井上(一)委員 それじゃ、その上に立って、さっきの答弁の中で、残事業を二年間で消化していきたい、こういうお話があったのです。残事業をどれということ。そして、その他ということも答えの中で入れられた。残事業を二年間で消化できるのですか。どういうような把握をしているのですか。実態を知らずして残事業がこれこれだと言うことも本当はおかしいわけだけれども、決して揚げ足をとった質問にしたくないのだけれども、二年間ではとうていできませんよ。法律の延長とか強化という問題は別に置いて、部落差別の実態を承知した場合に、あと二年間で全部終えるのです——私は終えてほしいです。終えてほしいけれども、この問題はそんなたやすいものでない。なかなか金もかかるし、時間もかかるし、いろいろな努力も必要だということなんです。二年間で全部解消できますか。
○小渕国務大臣 五十年調査、委員御案内ですが、その調査に基づいての事業は着実に実行し、解消に努めてきたと存じております。しかしその後、法律が改正されまして、その時点におきましていわゆる三項目の附帯決議がなされ、実態の把握に相努めるべきだという院の御意思もちょうだいいたしておるわけでございますので、その線に沿いましてその後の状況につきまして、現在、地方公共団体の御協力も得ながら鋭意その実態把握に努めておるところでございまして、お話のありましたように、法律はあと二年ということに相なっておりますので、可及的速やかに実態をすべて集めまして、そしてこの残された期間の中で消化をできるための基礎的な資料の再編に努めておるところでございますが、実態につきましてさらに詳しくということでございますれば、担当の政府委員から御答弁させます。
○井上(一)委員 二年間で残事業を消化できるなんという、そんな認識に立たれたら大きな間違いですよ。このことについてはまた機会がありますから、もっともっと具体的な事例も申し上げましよう。 私の長官に尋ねたいことは、この部落差別を解消していく、なくしていくということは並み大抵な問題じゃないんだ、二年や三年ではそんなことはとうていできっこないよ、私はそう思うのです。だからこそもっと基本的な問題を整備しておかなければいけない。特別措置法が完璧だとは言い切れませんね。だから特別措置法だけにとらわれて判断をしたら大きな間違い、大きな悔いを残すようなことになってしまうかもわからない。だから二年や三年で差別の解消はできない、こういうことなんです。だから基本的な法律が必要になるなら基本的な法律をつくっていくべきじゃないか、こういう認識を持っておるわけです。このことについて長官は、二年で努力して可及的速やかに解消するんだ——まあ二年もしたら長官も立場が変わっていらっしゃるかもわからない。現在のままの長官でそのまま二年間引き継げるかどうかわからぬ。わからぬけれども、私はそういう考えを持っているのであえてもう一度、二年間で残事業を処理しますということ、あるいはそれを目標にして取っ組みますということをあなたは言い切れますか。
○小渕国務大臣 十カ年のものを三カ年、国会で御決定をいただきまして延長いたしておるわけでございます。政府といたしましては、定められた期間の中で全力を挙げてその解決の方途を求め、処理をしていくという責務を負っておりますので、私といたしましては全力を挙げて取り組んでおる、こういうことでございまして、可能かどうかと問われますと、二年たった後のことでございますので、いろいろ困難性は深く認識をいたしております。そうたやすい問題ではないとは思いますけれども、しかし与えられた任務で、また国会で定められた法律の中で何とか処理をしていきたいという願いのもとに懸命の努力を積み重ねておるところでございます。
○井上(一)委員 努力は多とすると冒頭にぼくは申し上げておるわけです。なおかつ今後も引き続いて努力もしてもらわなければいけない。そして、現地に足を運ぶんだということもその努力の一つのあらわれだ。私の申し上げておるのは、二年間で問題が解決するほどこの部落差別というものは簡単なものでないということ。それが理解できぬようで十分な取り組みはできぬと私は思うのですよ。私の言っていることが十分理解できぬようでは、本当に真剣にあなたは取り組んでいるということには私はよう受けとめぬ。私はそう思うのですよ。二年間で解消できるというようななまやさしいものでない。もっと日時といろいろな努力が必要である、私はこういう理解をしているのです。私の考えと全く同感だというなら、それは今後も論議を進めますけれども、あなたは二年で全部やれるのだというなら、お手並みを拝見しようというか、むしろ責任を持ってそれをやってくれ、こういうふうに私は申し上げたいわけなんです。どうなんですか。
○小渕国務大臣 それこそ長い歴史と背景のあるこの問題を、定められた時計の針の中ですべてを解決できるものという認識を私自身はいたしておりません。 ただ、この法律、国会という国民の代表の皆様方の中で定められた法律の目的とするところについては、その趣旨を踏まえて、政府としては、その法律の志向するところについては、これは二年間で何とか処理をしたいという気持ちを申し述べたわけでございます。
○井上(一)委員 その法律それ自体が私から言えば十分でないという指摘をしたいわけなんです。十年あるいは三年延長、そういう形で、もっと極端なことを言えば、もっと早い時期に点検をし、法律がいかに効率よく機能したかということですね、そしてどんな面でまだ補完をしていかなければいけない分野があるか、完璧でなかった、そういうようなことをやはりチェックしていかなければいけないし、具体的には差別の事例はたくさんありますから、時間があればむしろ私はそういうことを一点一点指摘をして、それに対する取り組みを聞いてもいいのですよ。私はそういうことよりも、やはり基本的な立場をお互いに質疑を通して理解をし合っていきたい、こう思っているので、そういう点ではくどいようだけれども、特別措置法というものをこちらに置いておいて、部落差別というものはいまの特別措置法を有効に生かしても二年間ではちょっと無理ですよということを申し上げているわけです。差別解消というものは非常に無理ですよと。私は長官よりも担当の室長にまずこれを聞きましょう。私の意見に全く同感ならもう多くを語る必要ないですよ、そのとおりだと。それでなく、長官の言っている二年で全部できるのだというのだったら、二年でやりますと。室長からまず聞きましょう。
○小島(弘)政府委員 先生お話しのように、同和問題というものは、長期計画にも触れておりますし答申でも御指摘いただいたように、非常にこれは長くかかる問題であるということは、十分そういう認識のもとに、しかしできるだけ早くこれを解決していかなければならぬ。そのためには特別措置法の中心となる部分は、一つは外的な差別の原因となるような生活環境の劣悪さを早く直せ、それが時限立法の特別措置法の一つの中心課題であったかと思います。したがいまして、長官からも御答弁がありますように、そのような外的要件につきましてはできるだけ早く解決していきたい。それはいわゆる残事業の問題になろうかと思いますが、これについては、やはり法律の趣旨も踏まえて政府としては期限内に大方片づけるということを目途に最大限の努力をする責務があると考えておりますし、それに向かっての努力をしておる……(井上(一)委員「それだけで差別はなくなるか」と呼ぶ)いやいや、だからそれだけではございません。根本的にはやはり意識の問題もありますし、教育、就労の問題もございます。このような問題については非常に時間のかかる問題もあろうかと思いますが、それはさらに附帯決議でも御指摘願っているように、常に政府そのものも政策そのものを見直してきておりますが、さらに広い立場から実態を踏まえた上での見直しを行って、今後必要な施策の展開を図っていくということになろうかと思います。
○井上(一)委員 総務長官、いま室長が具体的に答えましたね。そう簡単に差別の現状をなくしていくということは二年間ぐらいでは無理だ。生活環境の、あるいは差別を受けている人たちの生活の安定の分野についてはできるだけ二年以内にやっていきたい。これだって二年間に完成するかしないかわからぬですよ。むしろ認識をそういう事業面だけにウエートをかける、これは少し方向が間違いますよ。もっと精神的な、いわゆる意識の面でのにらみというのでしょうか、そういうものに対してもっと力を入れなければだめだというのです。 これは具体的にひとつ、じゃ申し上げましょう。教育現場での差別事件あるいは就職、職場での差別事件、たくさん起こっているわけです。これは何も残事業を全部完成したからといって解消しませんよ。わかっていますね、そういうこと。そういうことになると、やはり意識の変革を求めなければいけないし、そういう分野に対してやはりもっともっと差別解消のための政策を講じていかなければいけない、そのことを論じ合おうじゃないか。そういう意味では、私は、やはりそういう基本的な人権を守っていく、人権を擁護するんだという基本的なものが法律として必要になるんじゃないだろうか、こういうことなんです。だから、ここでこういう法律をつくれとかそういうことじゃなく、差別をなくするためには、もっともっと強い、いまの措置法以上に補強した立法というものも必要になってくる。そしてそれはただ単に一つのフィールドだけじゃだめだ。だからすべてに、そして人権週間だけにというようなことじゃないのですよ。毎日毎日、常時そういうことについてはやはりそういう基本的人権を守っていくというその意識がすべてに作用する。部落の人たちだけじゃなく、あるいはいわゆる同和地区の人でない人も同和地区の人も、すべての国民がそういう意識を持たなければいけないというのが私の考えです。そういう意味で、総合的な法の整備を必要とするのではないか。だから、新しい法律というそこまでいかなくても、いまの現状の中でやはりもっともっと法律を整備して、差別をなくするための手段が講じられなければいけないということを私は指摘しているわけなんです。どうなんですか。私のこういう提案に対して、まず室長答えてください。
○小島(弘)政府委員 意識の問題これは本当に人間性に目覚めた国民をすべてつくり上げるということになりますと、根幹はやはり教育問題というような事柄もみんな関連する問題でございますので、今後どのような政策、施策をどのような形で実施すればいいかということになりますと、果たして特別の法律があった方がいいかどうかということも含めまして十分検討してまいることになろうかと思います。
○井上(一)委員 総務長官、同対室長はいまお答えをなさったわけです。あなたからひとつ、改めて総務長官として、さっきの私の質問に対して答えてください。
○小渕国務大臣 ただいまの室長の答弁で尽きておると思います。この法律をもって意識の問題等についての差別の解消というようなものに取り組んでいくべきかどうかということについては、いろんな角度から検討を及ぼさなければならないのではないか、こういうふうに考えます。
○井上(一)委員 このことについては、短い質疑の中で十分私も私なりの見解を申し上げることは不可能なんですけれども、さっきも申し上げたように、差別をなくするためにすべての努力をそこへ結集しようじゃないか、こういうことなんですね。だからこのように、私が皆さんに、こういうこともしなければだめだ、こういう分野にも力を入れなければだめじゃないかというような、こういう質問が生まれてこないような政治、生まれてこないようなそういう世の中にすることが私は政治だと思っているのですよ。おわかりをいただけますか。だから冒頭に、あえて措置法というそういう特別な立法があることを本当は好みはせぬのですよということを言ったわけです。それをなくするために、より強い、基盤の広い何らかの法整備が必要であるということなんです。まず同対室長から、私のいまの意見に対してあなたの所見を答えてください。
○小島(弘)政府委員 先生御指摘のように、さらに完備した法律が必要であるというのは、まだわれわれとしては結論を出しておりません。今後検討の中で、果たして現行法のすべての法体系の中で十分対処できるのか、あるいはさらに特別の措置を講じた方がよりいいのかというようなことを、本当に速やかに差別問題を解決するための政策のあり方の問題として検討の課題だと考えております。
○井上(一)委員 担当の室長は——別に私はすぐにいま法律をつくれとも、あるいはこれがどうだという具体的な物差しを与えたわけじゃないのだけれども、広い差別をなくしていこうという一つの目標に向かうならばそういう法の整備が必要だということを申し上げたのですが、総務長官いかがでしょうか。私のそういう見解に、同対室長はその検討の時期だということを——総務長官の素直な見解を申し上げてください。多くを聞こうと思いません。そういうことが当然検討しなければいけない、こういうことなのかどうか。
○小渕国務大臣 お話にありましたように、委員からこうした問題についての御質疑をちょうだいしないような日本国、社会をつくるということが望ましいことでございますし、私も、厳しいまた鋭い御質疑を受けてここで御答弁を申し上げるというような立場にならないことが一番望ましいことだということで、そのとおりだと私も思うのです。ただ、法律をつくるかどうかという問題につきましては、いま室長が答弁申し上げたとおりでございますし、また、法律よりも何よりも大切な憲法十三条の規定によって人権が守られておりながら、しばしば国会でこうした御論議を受けなければならないというようなことでもございますので、法律で処理のできない問題等もあろうかと思います。いずれにしても、大変深い御理解、御認識を持たれておられる諸先生方からも十分具体的な御指摘をいただき、また、改善策に対して前向きないろいろの御提言をちょうだいしながら、政府としてはぜひ取り組んでいきたい、こういうふうに考えております。
○井上(一)委員 ちょっと待ちなさいよ、あなた。憲法十三条で基本的人権を守られていながらこんな質問を受けなければいけないって、守られているんですか。守られていないから私はこういう質問をしているのですよ。どんな認識をしておるの、どんな認識を。
○小渕国務大臣 ちょっと御理解……
○井上(一)委員 いや、いまの答えの中では、憲法十三条で基本的人権を守られていながらと言ったでしょう。聞いてごらんなさい。あなたは、そういうことを常に持っているのだよ。いま現に差別を受けている人たちの実情、実態がわからぬわけだよ。どこに守られているんだよ。すべてが守られているんですか。
○小渕国務大臣 ちょっと申し上げ方が誤解をいただくようでありましたら改めて申し上げますが、いわゆる国の基本法たる憲法においてすらその条項がありながら、しかしながら先生からこういった質問を受けなければならないという実態についての認識は私はいたしておるのです。ですから、そうしたことがなくなるように、政府としても懸命の努力をいたしますが、しかし、深い長い御経験を有される諸先生方からいろいろ具体的な改善策についても御提言をちょうだいいたしまして、われわれは政府の努力と相まって、ひとつ全面的な解消のために懸命の努力をいたしてまいるという趣旨でございますので、誤解がありましたら、ひとつお解きのほどをお願いいたします。
○井上(一)委員 誤解がありましたらとかそういうことじゃなく、あなた自身の認識が——あなた自身の認識をやっぱり私は問うているわけなんですよ。総務長官自身の意識というものを変えてもらわなければいかぬのと違うか。憲法十三条で全部保障されていると。そんなやったら全然差別の事象は起こらぬわけですから、それなら取り消しなさいよ。差別の実態があるということをはっきり言いなさいよ。だからこそ特別措置法も必要であり、同和行政に力を入れなければいけないのですということを明確にここで言いなさいよ。
○小渕国務大臣 私は、御指摘にありましたように同和問題という長い歴史のある問題、その中でいろいろ差別問題というものが残念ながら……(井上(一)委員「そんなこと聞いておりゃせぬ。取り消すのかどうか、そういう事実があるかどうか、あなたのさっきの答弁に対してだよ。」と呼ぶ)存在いたしておるということは私自身は認識しておるし、本職に相努めておると思っておるのです。そこで申し上げたのは、日本国憲法において、そのような基本法においてすらそういう指摘がされながら、なおかつこういう実態があることははなはだ残念であるということも申し上げておるわけでございまして、しかるがゆえに、法律の問題でございますから、それにつながる法律を、憲法にまず規定されたものに準じて法律をつくることはその解消のために是であるのか、あるいはそれ以外のあらゆる方策を講じながら諸問題の解決をいたすことが望ましいかどうかについては、諸先生方の十分な御意見も拝聴しながら政府としては構えていきたい、こういうことを申し上げておる次第でございます。
○井上(一)委員 あなたがさっきすべて人権が保障されていると言ったのは、そういう気持ちで言ったんじゃないというようないまの答弁だね、そうでしょう。あなたが答えられたことは、憲法十三条で人権が守られているのにということを言っているのですよ。だから、それを取り消さなければ、あなたが何ぼ実態を知っていますとか努力しますと言ったってぼくは理解できぬ。だから、それはやはり言われたことについて、直すことは直してもらわなければいかぬと思う。前に進めませんよ。どうなんですか、そういうことは間違いであった、あるいはそういうことの気持ちで言ったんじゃないんだと……。
○小渕国務大臣 まず、恥ずかしいことですがお取り消しいたしますことは、憲法第十三条でありませんで十四条でございますので、お許しをいただきたいと思います。 そこで、もし私が申し述べたこと、速記録をお調べいただいて、誤りがありますれば、私は変更すること何らちゅうちょいたしませんが、先生御理解いただきたいのは、私は、憲法十四条の規定がありながら、なおかつこうした問題を本院において、こうしてお互いその解消のために議論をし合わなければならないという実態の存することがはなはだ残念なことであるということを申し上げたことで、これがすべてでございますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○井上(一)委員 憲法にうたわれているからすべて完全なのだということはあり得ないのです。だからこそいろいろな法律が制定をされていくわけです。たとえば主権在民であるという一つのあらわれの中から地方自治法というものが生まれてくるわけなんですよ。だから、私が言っているのは、差別をなくしていくのだということのために、たとえば人権基本法だとか、あるいはそういう何かが必要になるんじゃないかという私の提案を含めての質問をしているわけです。憲法だけですべて完全です、条文を間違ったことについてではなくして、憲法ですべてが完備して完全ですなんということの認識は私はちょっとおかしいと思う。どうなんですか、これはあなたの意識の問題だから、どうぞ長官から答えてください。
○小渕国務大臣 憲法が定めておることですべてが解消される、そういう認識を私がしておるという御主張でありますれば、そのことは間違っておると思います。
○井上(一)委員 そういうことで、私はこの機会に特に同和対策室を有する総理府に対して、まず事業面だけで同和対策がすべてではないということ、そう簡単に、二年や三年で部落差別が解消するということはあり得ないと思うから、この際に基本的なそういう取り組みを考えられる必要がある、こういう二点を申し上げたわけです。何か非常に答弁をすることにちゅうちょされているというような受けとめ方を私はするのですよ。だから、それはむしろもっと勉強すれば、あるいは同和問題に対して、部落差別の中に飛び込んでしまえば、もっともっとフランクに、率直にこんな議論はできると思うのですよ。同対室長、私のそういう意見をあなた方自身のものにしてもらわないと部落差別はなくなりませんよ。一年か二年そこにおったらまた次にかわる、それでしまいやということが悪い。どうしても真剣に取り組んでいるんだ、取り組むんだということになかなかならぬ。私は、努力を多としながらも、そういう一縷の物足りなさをきょうは感じた。今後の取り組みの決意を室長からと長官からと答えてください。
○小島(弘)政府委員 各省ともその任にある担当官はそれぞれ精いっぱい努力しているはずでございますし、私も人後に落ちないつもりでございます。ただ、非常に同和問題、ある意味ではだんだんむずかしい面も出てまいっているやにも考えられます。今後やはり率直に関係者とも意見を十分交換して、さらに一層効果的な施策の推進に努めてまいりたいと考えております。
○井上(一)委員 それでは、時間も余りありませんから、きょうは官房長官も急病でお休みになられたので、次回に教育部門での差別事件、あるいは大学、高等学校、いろいろな教育環境がありますけれども、そういうところの認識をしていらっしゃることについてひとつ具体的に答えてください。 さらに総務長官、私はなぜこういうことになるのだろうかと思うと、どうも政府それ自身の機構というものに矛盾点があります。昨年の十二月に内閣が行政簡素化、いわゆる効率化、そういう行政改革を打ち出しましたね。閣議決定がなされましたね。これについては十分真剣に取り組むということで長官も努力をなさっているでしょうね。
○小渕国務大臣 この内閣の大きなテーマが行政改革にあります。したがって、閣議におきましても早々にその方針が定められておるところでございますので、その内閣の意思に従って総務長官としても努力をいたしております。
○井上(一)委員 あなたが主管される総理府の中で、もっともっと機構を整備した方がいいだろう、機構改革をした方がいいだろうとお気づきになられた点はありませんか。
○小渕国務大臣 欲を言えばそれぞれの部局、それぞれの室、もっとスタッフを充実して対応しなければならぬということかと思いますが、今次行政改革は減らすことばかり考えておるわけでございますので、いまのところはどこを減らされないかということで対応しておるのが実は精いっぱいのところでございます。
○井上(一)委員 あなたの部下で兼務辞令をもらっている人は何人いらっしゃいますか。総理府の長官、あなたの所管している国家公務員は何人ですか。概算でいいです。
○小渕国務大臣 三千四百人でございますが、いま御指摘のありました兼務の方、たくさんおるのです。実数に沿って十分正確な数字をいま把握しておりませんので……。
○井上(一)委員 長官、総理府に籍を置き、総理府の仕事を一生懸命やりながら内閣の参事官であったとか、全然内閣のそういう官房の部屋へも一回も行ったことがないというような人にでも兼務辞令があるわけです。機構の中での非常な煩雑さ、複雑さ、これがまさに行政改革が必要だという証拠なんですよ。そういう実態を知らなければ、私は同和問題を冒頭に申し上げたけれども、すべての行政は円滑にいかないし、スムーズな、効率の上がった、効率のよい行政はなかなか望めませんよ、こういうことなんです。これに対してどうなんですか、ひとつよし調査をして、そのことに改革をするというお考えをお持ちですか。
○小渕国務大臣 内閣といわゆる総理府、その長に内閣総理大臣をもっていたす両翼ともなるべきこの二つのところの問題というものは、実は行政改革の長き課題であることは承知をいたしておりまして、たしか昭和三十九年の臨調におきましてもこの問題を取り上げておるかと思います。 私個人としては、自分の自説は実は持っておりますが、現在総務長官という立場でございまして、いま速やかに内閣並びに総理府——いま御指摘ありましたが、総理府にいてこっちへ行ったことないとか、いろいろの具体的な例があるかと思いますが、これを現在の行政機構の中で組織をして、内閣府あるいは大きな意味での総理府というような形で実行していくということについては、なかなか困難だと思いますが、御指摘ありましたので、自分もさらに勉強をいたしてみたいと思います。
○井上(一)委員 困難なことないのですよ。総理府の職員は総理府の職員で仕事をしたらいいわけです。もちろん、総理府の問題に関して重要な問題なら、あなたよりも大平総理大臣が決裁をしなければいかぬということはいまの機構上はありますよ。しかし、二枚の兼務辞令をもらったって仕事は一つしかやれないんだから、内閣の参事官や、いやこちらの何だというようなことじゃなく、もっとわかりやすいきっちりとした機構にやるべきだ、こういうことなんです。これはそういうことを指摘しておきます。次の官房長官の質問のときにも繰り返しますから、きっちりとその方針を打ち出しておいてください。 さらに、時間がありませんので、私は沖縄の問題について続けて質問をいたします。三問あるわけですけれども、私の方でずっと三問続けていたしますので、ひとつ答弁をお願いをしたいと思うのです。 沖縄が祖国に復帰してもう八年になろうとするわけなんですね。そういう中で、沖縄の実態は、復帰前、復帰後どのように変化をしていったか。とりわけ、本土復帰に際して沖縄振興開発計画というものがつくられて、それぞれの公的施設を整備していく、こういう強い計画が推し進められているわけですけれども、現状はどうなっているのかということであります。 それからさらに、振興開発計画の中では、県民の所得が一人当たり全国平均の八〇%とするという目標を明確にされているわけです。現在はその所得目標について、一体どういう実情であるのか。 さらに、いまも申し上げたように、その計画が余すところ二年になるわけですね。しかし、私の把握している中では、まだまだ十分にすべてが進んでいない、そういうふうに把握をいたしております。それで、さらに第二次の振興計画をつくるべきだ、こういうふうに思うわけですけれども、このことについての見解を問います。 三番目に、位置境界の明確化作業の進捗状況がどうなっているのか。さらに、この明確化は五年をめどに進めるとしているわけですけれども、現状の中ではどのような見通しを持っているのか。大きく分けて、この三つの問題について質問をして、私のきょうの質問を終えます。
○美野輪政府委員 お答えいたします。 御質問、三点ございまして、まず沖縄の現況、特に社会資本整備、公共施設等を含む社会資本の整備の状況はどうであるか、こういうお尋ねでございます。 まず現状で申しますと、主として経済の現況でございますが、五十三年の後半から大分経済状況も明るくなってまいっておりまして、特に大幅な公共投資、それからもう一つは観光客が急速に増加をいたしておりまして、これらを一つの支えといたしまして、比較的に好況のうちに現在推移をいたしておるわけでございます。 ただ、経済の現況等から申しまして、やはり種々の問題を含んでございます。たとえば計画の目標といたしました産業構造、一次、二次産業の構成につきましては、やはり予想しましたような形での二次産業の伸びがございませんで、復帰時とほぼ同様の構造になっておる、あるいはまた、最近非常に好転してきておりますけれども、雇用情勢はなお悪いといったような問題がございます。そういった問題の上に立ちまして、私ども復帰以来沖縄の社会資本の整備につきましては、本土との格差を是正するという一つの方針、それからもう一つは、沖縄がさらに自立的に発展していけるような基盤を整備していこうというような方針のもとに公共投資を行っておるわけでございます。それによりまして、これまでに道路、空港、上下水道、公立学校施設、こういったものにつきましては、おおむね本土の水準に達し、あるいは計画期間中に到達し得るのではなかろうか、このように考えております。社会資本の整備につきましては、本土との格差はかなり縮小してきておるものというふうに私ども考えておるところでございます。 それから県民所得の問題でございますが、先生御指摘のとおり、計画におきましては、最終年度に全国の国民所得の八〇%の水準にまで持ち上げたい、このように考えておるところでございます。これらの復帰時の実態を申し上げますと、全国水準の大体五六%という状況にございまして、その後、各方面にわたる施策の結果、また県民みずからの努力等もございまして次第に縮小いたしております。最近、県において公表されました昭和五十三年度の数字におきまして七〇・三%という形になってございます。ただ、今後の見通しといたしましては、日本経済全体の動向とか、あるいは沖縄県の経済体質等の問題もございます。また、今後の公共事業を初めとする振興開発事業の推移等とも密接に関係する問題でございまして、なかなかに予測がむずかしいところでございます。ただ、これまでの実績からいたしまして、当初の目標そのものに到達するということはなかなかに困難なのではなかろうか。私どもとしては、今後残された期間においてできるだけ努力をいたしたい、このように考えておるところでございます。 それから地籍の問題についてお尋ねでございますが、まず私ども、地籍法に基づきまして、私どもと防衛施設庁とでそれぞれ分担しながら明確化を進めてまいっておるわけでございますが、私どもが分担いたしております地籍不明確地域全体で約二十五平方キロメートルございます。これを昭和五十三年度までに、約四三%に相当いたします十一平方キロメートルの境界明確化調査を終えたところでございます。今後に残されております位置境界不明地域、これが約十一平方キロメートルあるわけでございますが、昭和五十五年度におきましては、そのうち約半分に当たります五平方キロメートル、この調査を実施したい、このように考えておるところでございます。残されました十一平方キロメートル、これは比較的市街地化された区域が多うございます。そういったこともございますけれども、私どもといたしましては、県、市町村等の協力を得ましてこの調査の促進を最大限に図りまして、地籍法が目途といたしておりますおおよそ五年内にこの明確化調査を終わりたいということで現在努力をいたしておるところでございます。
○小渕国務大臣 振興計画につきましては、私から御答弁申し上げます。 沖縄振興開発計画を現在実施中でございますので、ここで第二次をやるというお話は正直できかねるわけでございますが、しかし、計画も五十六年度で終了することになっております。したがいまして、現行の沖縄振興開発計画に基づくこの第二次のものをつくるかどうかということにつきましては、基本的に計画目標、現在やっておるものでございますが、その達成状況あるいは沖縄県の経済的、社会的諸情勢、さらにはいままで実施いたしてまいりました施策、事業の効果、問題点などを十分踏まえて判断していく必要があると思っております。したがいまして、そのための調査を現在いたしておりますので、計画の実施とともに、その到達度というものを調査いたしておるということをもって、これはその結果によりましてでありますが、この問題は政府全体の問題でもございますので一概に申し上げられませんが、その結果を踏まえまして、沖縄開発庁といたしましては、県の実情や県民の御意思等も十分拝聴いたしながら次の開発計画というものについて検討いたしてまいりたい、このように考えております。
○井原委員長代理 次回は、来る十九日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時二十四分散会