決算委員会 第6号
- 発言数
- 301 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/02/22
会議録
○高田委員長 これより会議を開きます。 昭和五十二年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、労働省所管について審査を行います。 この際、お諮りいたします。 本件審査のため、本日、参考人として雇用促進事業団理事中野光秋君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○高田委員長 まず、労働大臣から概要の説明を求めます。藤波労働大臣。
○藤波国務大臣 労働省所管の昭和五十二年度決算について、その概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計の歳出決算について申し上げます。 歳出予算現額は、三千八百四十六億一千九百十一万円でありまして、その内訳は、歳出予算額三千七百六十九億三千六百三十二万円余、予備費使用額七十六億八千二百七十八万円余となっております。 この歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額三千七百九十九億六十四万円余、不用額四十七億一千八百四十六万円余で決算を結了いたしました。 支出済み歳出額の主なものについて申し上げますと、雇用保険国庫負担金及び失業対策事業費等であります。 これらの経費は、雇用保険法に基づく求職者給付等に要する費用の一部負担及び緊急失業対策法に基づき実施した失業対策事業に要したもの等でありますが、このうち、失業対策事業の主な実績は、事業主体数六百四十七カ所、事業数二千五百八十五、失業者の吸収人員一日平均八万九千人余となっております。 なお、不用額の主なものは、職業転換対策事業費等であります。 次に、特別会計の決算について申し上げます。 まず、労働保険特別会計について申し上げます。 この会計は、労働保険特別会計法に基づいて昭和四十七年度に設置されたものであり、労災勘定、雇用勘定及び徴収勘定に区分されております。 初めに労災勘定について申し上げます。 歳入につきましては、歳入予算額九千八百四十二億八千六百三十八万円余に対しまして、収納済み歳入額八千六百二十五億四千四百五十九万円余でありまして、差し引き一千二百十七億四千百七十八万円余の減となっております。これは、徴収勘定からの受け入れが予定より少なかったこと等によるものであります。 次に、歳出につきましては、歳出予算現額九千八百七十八億二千三百八十六万円余でありまして、その内訳は、歳出予算額九千八百四十二億八千六百二十八万円余、前年度繰越額三十五億三千七百四十八万円余であります。 この歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額五千六百七十二億九千七百四十五万円余、翌年度繰越額四十三億五千三百二十八万円余、不用額四千百六十一億七千三百十二万円余で決算を結了いたしました。 支出済み歳出額の主なものは、労働者災害補償保険法に基づく保険給付に必要な経費及び労働福祉事業に必要な経費等であります。 この事業の実績の概要について申し上げます。 保険給付の支払い件数は四百八十二万九千件余、支払い金額は四千百二億七千百十四万円余となっております。 なお、不用額の主なものは、支払い備金等に充てるものであります。 次に、雇用勘定について申し上げます。 まず、歳入につきましては、歳入予算額一兆一千三百二十四億六千七百七十八万円に対しまして、収納済み歳入額九千六百八十二億五千百四十一万円余でありまして、差し引き一千六百四十二億一千六百三十六万円余の減となっております。これは、失業給付金等に不用額を生じたこと等により、積立金からの受け入れを必要としなかったこと等によるものであります。 次に、歳出につきましては、歳出予算現額一兆一千三百三十二億八千三百八十八万円余でありまして、その内訳は、歳出予算額一兆一千三百二十四億六千七百七十八万円、前年度繰越額八億一千六百十万円余であります。 この歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額九千百五十八億三千六百六十七万円余、翌年度繰越額五億六千八百五十六万円余、不用額二千百六十八億七千八百六十五万円余で決算を結了いたしました。 支出済み歳出額の主なものは、雇用保険法に基づく失業給付に必要な経費及び雇用安定事業等四事業に必要な経費等であります。 この事業の実績の概要について申し上げます。 失業給付のうち、一般求職者給付及び日雇い労働求職者給付の月平均受給者実人員は、一般求職者給付六十五万五千人余、日雇い労働求職者給付十二万八千人余、また、短期雇用特例求職者給付及び就職促進給付の受給者数は、短期雇用特例求職者給付六十九万二千人余、就職促進給付三万七千人余でありまして、支給金額は、一般求職者給付六千二百三十四億四千八百九十四万円余、日雇い労働求職者給付百九十六億四千二百四十二万円余、短期雇用特例求職者給付一千九十七億五千八百二十五万円余、就職促進給付三十六億八百九十四万円余となっております。 また、雇用安定事業等四事業に係る支出実績は、支出済み歳出額一千二百十一億八千五百九十二万円余となっております。 なお、不用額の主なものは、予備費等であります。 次に、徴収勘定について申し上げます。 まず、歳入につきましては、歳入予算額一兆四千三百六十九億七千四百七十四万円に対しまして、収納済み歳入額一兆二千八百五十四億二千四百二十三万円余でありまして、差し引き一千五百十五億五千五十万円余の減となっております。これは、賃金の上昇率が予定より低かったこと等により、保険料収入が予定を下回ったこと等によるものであります。 次に、歳出につきましては、歳出予算現額及び歳出予算額とも一兆四千三百六十九億七千四百七十四万円であります。 この歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額一兆二千七百七十四億一千六百九十万円余、不用額一千五百九十五億五千七百八十三万円余で決算を結了いたしました。 支出済み歳出額の主なものは、労災勘定及び雇用勘定への繰り入れに必要な経費であります。 この事業の実績の概要について申し上げますと、労災保険適用事業場数百五十八万五千余、労災保険適用労働者数二千九百三十五万七千人余、雇用保険適用事業場数百十万四千余、一般雇用保険適用労働者数二千三百五十五万七千人余、日雇雇用保険適用労働者数十八万七千人余となっております。 なお、不用額の主なものは、他勘定へ繰り入れに必要な経費であります。 最後に、石炭及び石油対策特別会計のうち、労働省所掌分の炭鉱離職者援護対策費及び産炭地域開発雇用対策費の歳出決算について申し上げます。 歳出予算現額百五十八億六千百三十二万円余でありまして、この歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額百五十億三千百五十一万円余、不用額八億二千九百八十万円余で決算を結了いたしました。 支出済み歳出額の主なものについて申し上げますと、炭鉱離職者緊急就労対策事業に必要な経費及び産炭地域開発就労事業に必要な経費であります。 これらの事業の実績の概要について申し上げます。 まず、炭鉱離職者緊急就労対策事業につきましては、事業主体数四十四カ所、事業数二百三十八、就労人員延べ七十一万六千人余となっております。 次に、産炭地域開発就労事業につきましては、事業主体数四十七カ所、事業数百七十、就労人員延べ七十三万人余となっております。 なお、不用額の主なものは、炭鉱離職者援護対策費であります。 以上が労働省所管に属する昭和五十二年度一般会計及び特別会計の決算の概要であります。 なお、昭和五十二年度の決算検査報告において掲記されております事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりでありまして、まことに遺憾に存じております。 これらの指摘事項につきましては、鋭意改善に努め、今後このような御指摘を受けることのないよう一層努力をいたしたいと存じます。 以上をもちまして、労働省所管に属する一般会計及び特別会計の決算の説明を終わります。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○高田委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。肥後会計検査院第三局長。
○肥後会計検査院説明員 昭和五十二年度労働省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項三件及び意見を表示しまたは処置を要求した事項一件であります。 まず、不当事項について説明いたします。 検査報告番号六一号は、雇用保険の失業給付金の支給が適正でなかったもので、雇用保険事業における失業給付金の受給者が再就職しているのに、引き続き失業給付金のうちの基本手当を支給しており給付の適正を欠いているというものであります。 また、検査報告番号六二号は、雇用保険の雇用調整給付金の支給が適正でなかったもので、雇用保険事業における雇用調整給付金の給付に当たり、実質的に休業日に該当しない日を支給対象の休業日としていたなど給付の適正を欠いているというものであります。 また、検査報告番号六三号は、職員の不正行為による損害を生じたもので、大田労働基準監督署の職員が、労働者災害補償保険の障害補償一時金等の支払いに係る国庫金振込明細書の作成事務に従事中、正規の振込明細書を偽造したものとすりかえて日本銀行代理店に交付し、自己が開設した架空名義の預金口座に振り込ませて領得したものであります。 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について説明いたします。 これは、失業給付金の不正受給金債権に係る延滞金債権の取り扱いに関するものであります。 労働省で所管する雇用保険の失業給付金を、偽りその他不正な手段により受給したものの額は、毎年多額に上っており、五十二年度では二十三億余円、また、この返納金に係る延滞金は四千二百五十三万余円に上っておりますが、この不正受給金返納金債権の延滞金は、公共職業安定所の事務量を考慮して、納入告知の翌日を起算日として計算する取り扱いとしておりました。しかし、この不正受給は民法に定める不当利得に当たり、不当利得の日の翌日から遅延利息を付すべきものであり、この取り扱いを定めた三十二年当時とは公共職業安定所の事務処理方法も異なってきているから、不正受給の日の翌日から延滞金を付することとする本来の取り扱いをするよう改めることを求めたものであります。 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
○高田委員長 これにて説明の聴取を終わります。 —————————————
○高田委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。
○井上(一)委員 労働省所管の決算審議に当たり、私から若干の質問を労働省にいたしたいと思います。 もう報道等で御承知のように、エネルギー問題を中心に世界情勢は非常に厳しい状態である。とりわけ国内的には、今後八〇年代、どうしても避けて通ることのできない幾つかの問題があるわけでありますけれども、なかんずく私は、老齢化社会に対する対応、また、もう望むことのできない高度成長、いわゆる低成長期における八〇年代の取り組むべき労働省の姿勢というものをまず冒頭に聞いておきたいと思います。
○藤波国務大臣 先生御指摘のように、ことしから八〇年代が始まっているわけであります。政府としては、七カ年計画で経済の運営を進めていく。さらに雇用の面でいきますと、第四次の雇用対策の基本計画に基づきまして雇用対策を講じていくということに大前提としてはなっているわけでございます。しかし、先生御指摘のように、石油問題を初めとして国際的にも非常に不安定な要因が多く、どのようにしてこの八〇年代の特に経済の運営を進めていくかというのは、非常にむずかしい課題であろうと思うのであります。 そのような中で、第一次の石油ショック以降、非常につらい、暗いトンネルの中をくぐり抜けてまいりまして、徐々に景気を回復をさせてきております中で、比較的順調に雇用の安定を見て今日に至ってきている、こういうふうに考えておりますが、今後の経済の運営につきましては、特に雇用の確保といった点に最大の配慮をしていくように、経済企画庁等とも労働省は密接に連携を保ちながら、政府全体として雇用に対して最善の配慮をしていくように努力をしてきておるところでございます。こういった面を、今後の経済の成長率をどの辺に持っていくかというようなこと等とも十分考え合わせならがあらゆる努力をしていきたい、このように考えておる次第でございます。 特に、わけても、これまた先生御指摘のように、八〇年代の最も大きな課題は、日本の社会全体が高齢化社会に入っていく中で中年から高齢者にかけてどのように中高年齢者の雇用を確保していくかということが最も大きな課題である、このように考えておる次第でございます。それぞれ年代層によって講ずべき対策をいろいろきめ細かく打ち出しまして、たとえば定年の六十歳への延長の一般化でありますとか、あるいは六十歳台前半層の新しい雇用を創出していく考え方でありますとかといったようなことをできる限りきめ細かく講じていくことによりまして、適正な経済運営の中で十分に雇用が確保されていくようにあらゆる手を打っていくようにいたしたい、このように考えておる次第でございます。
○井上(一)委員 中高齢者の雇用問題について、いま労働省の見解が答えられたわけであります。私はもちろん中高齢者の雇用の問題も後刻問いただしていきますが、雇用問題が非常に国内的に論議されつつあるその中で、すでにもう二年前からですか、身体に障害を持つ人たちの雇用についても格段の努力をしようという決意のほどが示されたわけなんですね。身体障害者雇用促進法、この精神が十分に生かされているかということを私は問いたいわけなんです。努力をしようという意気込みについては私は評価をしたいのですけれども、結果的に実っているのか実りつつあるのか、あるいは努力したけれども何かがネックになって結ばれなかったということなのか。しょせんその言葉だけのことに終えてしまったというか形式的に流れてしまったというのか、その辺についてはいかがなんでございましょうか。
○関(英)政府委員 お答え申し上げます。 五十二年から身体障害者雇用促進法の抜本的な改正によりまして、身体障害者の雇用というものの義務づけが行われまして、法定の雇用率が定められ、雇用率まで雇用していない事業主は納付金を納めるというような制度が発足したわけでございます。先生御指摘のとおりでございます。 ちょうどそのころからオイルショック後の非常に長期の深刻な日本経済の不況に直面いたしましたこともございまして、法律ができた、あるいは画期的な対策がとられたわりには、その後の身体障害者の雇用の促進というのは余り促進していないじゃないかという御批判があろうかと思いますが、そういった制度の趣旨も最近ようやく徹底してまいりまして、たとえば学卒の身体障害者に対する大企業の雇用なんというものも非常に熱心になってまいりまして、これからその法律の趣旨が生かされていくものというふうに考えております。
○井上(一)委員 これから生かされていくということですけれども、私はすでに五十三年の予算委員会でもこの問題については指摘をしているわけなんです。そして、労働省が今後努力をするということを期待して実は今日までその経緯を私なりに見守ってきたわけなんですけれども、結論から言うと、決してその努力の成果が実っていないというふうに私は受けとめているのですが、どうでしょうか。
○関(英)政府委員 身体障害者の雇用率の調査状況等を見ますと、五十三年の六月一日現在と五十四年六月一日現在を比較してもほとんど横ばい、多少の改善程度でございまして、十分な雇用促進が行われているとは確かに言いがたい状況にありますことは、先生御指摘のとおりだと思います。 ただ、私先ほど申し上げましたのは、労働省としてもいろいろな助成措置の改善、拡充を図りまして、そういった措置と、景気の本格的な回復が昨年以降ようやく雇用面に及んでまいりましたので、そういった助成制度の活用と相まって、これから身体障害者の雇用の促進も進んでいくのではないか、こういう意味で申し上げたわけでございます。
○井上(一)委員 それでは私は、十分実っていないということを申し上げるために具体的な事例を質問いたします。 まず、政府機関並びに関係政府機関がこの法律をすべて遵守しているということが言い切れますか。
○関(英)政府委員 官公庁につきましての身体障害者の雇用率の達成状況でございますが、非現業機関は法定雇用率が一・九%ということになっておりますが、これは昨年の六月一日現在で一・八三%ということで、まだ法定雇用率に達していないという状況にございます。現業的機関につきましては、法定雇用率が一・八%でございますが、これは実際の雇用率が一・八五%に昨年六月一日達しておりまして、法定雇用率を達成しているというふうに申し上げられると思います。 非現業機関を少し細かく機関の区分別に見ますと、国の機関は二・〇一%ということで法定雇用率を達成しているわけでございますし、市町村の機関も二・〇一ということでございますが、都道府県の機関が一・五三ということで、まだ法定雇用率を大きく達成しておりません。これも内容で見てみますと、知事部局は達成しておるわけでございますが、教育関係のところでまだ達成状況が非常に悪いということになっております。こういうわけで、非現業機関のうち、特に都道府県の機関で十分雇用が進んでいるとは言えない状態にございます。
○井上(一)委員 いま言われたように、当然守るべき行政機関がこれを遵守していない。私の調査では、これは昨年の六月一日現在なんです。労働省の方も十分それは把握していると思うのですけれども、たとえば建設省だとか国土庁だとか、そういうところはこれを達成してないわけです。あるいはその他にも、その率からいくとまあ何とか辛うじて一・九一だとかあるいは一・八一だとか、そういう形で償っているのですけれども、このことにおける取り組みが非常に消極的であると言わざるを得ないわけです。今後十分な取り組みをするためにも、きょうのこの審議を通して身障者の雇用というものについて、その義務はもちろんついて回るわけですから達成しなければいけないわけですけれども、さらにより幅広い雇用の場を提供していくという考えをひとつ持ってほしいと思うのであります。 そこで一点、このことについて、今後政府機関及び関係行政機関等については何らかの指導をいたされますか。
○藤波国務大臣 いま局長から御答弁申し上げましたように、国、地方公共団体等の法定雇用率は非現業機関につきましては一・九%と定められておりまして、民間企業よりも高い雇用率が定められておるわけでありますが、それは、公の機関で率先して障害者の雇用を促進していくべきである、こういう考え方の上に立って雇用率も定められておるものでございます。したがいまして、この法定の雇用率が達成されますように、各省庁によりまして率がいろいろとございますけれども、なぜまだ雇用率が達成されていないのか、具体的に細かくそのあたりの事情も調査をいたしまして、法定の雇用率が達成されるように強力に指導してまいりたい、早急に指導してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○井上(一)委員 大臣、これは指導——もちろん義務を履行するように、あるいはその線をさらに広げていくようにという指導であって、ただ単に数字的な、パーセントの数字を合わせていくということではありませんので、その点は格段の努力を期待したいと思います。 さらに私は、民間企業、とりわけ大企業の取り組みについてはどういう状態なのか、ここで聞いておきたいと思います。
○関(英)政府委員 民間企業の雇用率達成状況につきましては、全体的に見ますと、昨年の六月一日現在で法定雇用率一・五%に対しまして一・一二%ということになっておりますが、その内容を見ますと大企業ほど実際の雇用率が低く、未達成の企業が多い、こういう状態になっております。確かに先生御指摘のとおりでございまして、そういう意味で大企業がまず身障者雇用率を達成していくように、私どもとしては指導を強めておるところでございます。具体的には、大企業で雇用率の達成状況の非常に悪いところに、雇用率達成のための計画の作成を命令いたしまして、達成計画というものを出していただいております。いまその内容を点検して、不適切なものであれば是正を勧告するというようなところに入っているところでございます。
○井上(一)委員 何がそういう機会を狭くしていくというのでしょうか、そのような身体障害者の雇用に対する義務感を阻害しているか。これは、未達成の企業については納付金をとるのだということになっていますね。現行制度では、企業側は、身体障害者を雇用することよりも納付金を納めさえすれば問題はないのだという認識が底流にあるのではないか。いわゆる経済的な負担さえすれば身体障害者雇用促進法の精神はどうでもいいのだというような認識を企業が持っているのじゃないか。そういう認識はまことにもってけしからぬと私は思うのです。そういう意味で、それじゃ具体的に、労働省は、いわゆる身体障害者の雇用を図らなければいけないという必要性、身障者の雇い入れを必要とする必要度の高い企業に対して、その計画の作成を命令されたと思うのです。その件数が何件であり、そしていま私が指摘した雇用納付金というものがどれほど企業から支払われているのかということについてお答えをしてください。
○関(英)政府委員 雇用率未達成で、しかも大きな企業に対しまして身体障害者の雇い入れの計画を出させました企業の数でございますが、五十二年度に命令いたしまして五十三年一月一日からの計画を作成いたしました企業が六百五十二企業ございます。 納付金の状況でございますが、納められた納付金の金額は、五十二年度で九十六億円、五十三年度で百八十八億円、こういうふうになっております。 五十二年度は法律が年度途中から施行になりましたのでいわば半分の年でございまして、五十三年度になりまして平年度ということになったわけでございますが、そういった金額の納付金が徴収されておるわけでございます。
○井上(一)委員 いま納付金を支払った、その積立額が五十二年度で九十六億円、五十三年度百八十八億円、五十二年度はこれは半年分ですから、五十二年度も五十三年度も大して変わらないわけですね一これだけの金さえ支払えばいいのだという形の中で法の精神が遵守されておらないということを指摘しましたけれども、それじゃ、この納付された金がその目的に十分生かされているのかどうかということについて聞いておきたいと思います。
○関(英)政府委員 確かに先生御指摘のように、身体障害者雇用促進法の趣旨とするところは、雇用率未達成の企業は納付金さえ納めればそれでいいのだということではございませんで、雇用率に達していないところにつきましては、先ほど申し上げましたように、計画の作成を命令する等行政指導を強めて雇用率達成を図っていかなければならないことは言うまでもございませんし、そういう意味で身体障害者雇用促進法の精神を誤解することのないように、私ども行政指導に努めているところでございます。 次に、納付金の使われ方の御質問でございますが、五十二年度は二十四億円を支出いたしております。これは身体障害者をたくさん雇用した事業所に対する雇用調整金あるいは同じような中小企業に対する報奨金として十億強のものを支払っております。それから身体障害者を雇用するための助成金として七億円余を支払っております。合計五十二年度の支出は二十四億円となっております。それから五十三年度は、雇用調整金が十六億円余、報奨金が六億円余、助成金が二十九億弱でございまして、合計約六十二億円を支出しております。先ほどの、徴収額から見ますと支出額が非常に少ないではないか、こういう御指摘でございますが、この雇用調整金なり報奨金といいますものは、これから先、身体障害者をたくさん雇用した事業所に支出していって経済的負担の少ない未達成企業との間の経済的負担の調整を図ろうとするものでございまして、今後ずっとこの支給が少しずつ上がってまいりますことから、単年度ごとに使い切ってしまうというわけにはまいりませんが、ただそれにしても、昨年もいろいろ御指摘ございましたように、助成制度が必ずしも十分活用されていないということがございますので、助成制度につきまして要件の緩和とか新しい助成事業を新設する等、そういうことで五十四年度はこの助成制度の活用ということに努力しているところでございます。
○井上(一)委員 いま答弁の中でも明確になったことは、納付金が十分生かされていないということが一つ。それから、企業の認識というものがまことに不十分である、誤った認識を持っているという断定をせざるを得ないような状態である。さらに、この納付金が生かされるように改善しようとする努力が労働省側に見られない。たとえば、雇用されてからの適応訓練等についてはその納付金が使えますけれども、雇用をされる以前に何らかの技術を習得するためのそういう形に対しての補助あるいは奨励、そういう意味での適用がなされていない、非常にまあ別建ての予算で、そういうことは職業訓練を拡大していくというそういう別建ての予算で組んでいるんだという答弁があるかもわかりませんけれども、むしろそれはそれとし、そしてこの納付金が法の本来の趣旨に沿って十分生かされるように、私は、努力をすべきだ、ただ納付金が余ったから雇用状態がよくなっているんだと一概には——一概にというよりそういうことは言い切れないと思うのですね、大臣。そういう意味ではまだまだ努力が足りぬのじゃないか、労働省として。いろんなことがあるんです。たとえば十六条に、労働大臣は勧告に従わない事業主を公表することができるというようなこともちゃんと法律に載っておるわけなんです。いままでそんなことをなされたのかどうか、あるいはそういう企業が全くなかったのかどうか。さっきも答弁の中で、勧告をした企業が両年度にまたがって千以上あるということであれば、労働省のこの取り組みに対しては、非常に手ぬるい、こういう断定をせざるを得ない、今日的私の判断でございますけれども。そういうことについてもっと真剣に、より強く、労働省の第一線機関である職安の窓口だとかあるいは今後どのような機会にでも常に門戸を開放していくとか、あるいは優先位に位置づけるとか、あるいは先ほども指摘したように、職業技術習得を十分保障していくとか、採用後のもちろん労働条件も十分に保障しなければいけないわけですけれども、まず雇用の機会を身体障害者に対して十分保障していくんだという強い決意が必要であると私は思うのです。このことについて大臣からひとつ、いま指摘をした点も含めて見解を聞かしていただきたいと思います。
○藤波国務大臣 身体障害者の問題は、政治のあらゆる場面でみんなで真剣に考えなければならない現代社会の最も大きな課題である、こういうふうに考えますが、特に、身体障害者の方々が自分の個性や能力を発揮をして社会にも参加をしていく、そして働く中で生きがいを持ち幸せな生活を築いていくというためにあらゆる努力を労働行政の中で展開をしていかなければならぬということにつきましては、先生御指摘のとおりだと思います。それぞれ企業に対して、身体障害者の雇用率の達成等を中心にいたしましてあらゆる努力をしてきておるところでございますけれども、いまの御報告を申し上げましたような数字等から、まだまだ労働者の努力が足らないという御指摘につきましては、十分私ども反省をいたしまして今後の努力をしていくようにいたしたいと思います。 しかし、先生さっき御指摘がありましたように、これは単に数字の問題ではなくて、それぞれの働く現場でどのように気持ちよく働いていくことができるかということについては、よほど企業も真剣に考えてもらって、そのための配慮、工夫、努力などが重ねられていかなければならぬ、こういうふうに思うわけでありまして、ただ数字を満たすというだけではなくて、そういった面でももっともっと行き届いた行政指導を企業側にも勧めていくようにいたしたい、このように考えておる次第でございます。 なお、全国の職業安定所の窓口のあり方につきましても、先生御理解をいただいておりますように、幾つかのモデルの職業安定所をつくりまして、従来のように非常に縦型のといいますか役所を中心とした考え方のような形の職安の窓口を、御利用をいただく方に迅速にかつ親切に対応するというような構えの窓口にしていかなければいかぬということを、鋭意ここ二、三年検討を重ねてきておりまして、特に五十五年度から全国の職安の職務体制を、もっとやはり一人一人の職安を御利用いただく方々に対応する構えをつくろう、そしてその中で身体障害者の担当官なども非常に大事にして、大きな看板をぶら下げて前に座って、お越しになりましたら、その役所の中で話をしているんじゃなしに、それぞれ御相談申し上げながら企業にも出かけていって、そしてその身体障害者の方と一緒に企業の中でその方の働いてもらうことができるようないろいろな努力やあるいは工夫もしてもらうというような行政指導もどんどん展開をしていく。いままでのように守りの労働省から攻めの労働省で積極的に雇用を開発していく、そしてその努力の中で企業も雇用率を達成をするし、働いていただく方にもその方に見合った職場が確保されて気持ちよく働いていただくことができる、こういうふうな構えをつくっていこう、こういうことを全国の職安にも指示をいたしておりまして、五十五年度からはひとつ積極的に——五十五年度というよりもこの年明けて早速にそういった体制を整えて進めていくようにいたしておりますので、労働省といたしましても、御指摘の身体障害者の雇用に関しましては、今後ともいろいろな施策の中で最も重要な課題である、こういうふうに取り組んで努力を重ねていきたい、このように考えておる次第でございます。
○井上(一)委員 この問題については、またこれからの取り組みを見守りつつ、そしてまた私たちも協力をしつつ前進を図っていきたい、一層の努力を期待いたします。 さらに、冒頭にも申し上げました中高齢者の雇用対策について、具体的に労働省はどのようなことをその施策の柱になさってきたか、あるいは今後なさろうとしているか、このことについて伺っておきます。
○関(英)政府委員 中高年齢者の雇用対策として、まず当面緊急に必要なことは、オイルショック以降非常に長期深刻の不況の中で中高年齢者の再就職が非常にむずかしいという状況でございました。そこで昨年予算編成に当たりまして、緊急雇用対策ということで、特に中高年齢者に対しまして手厚い雇用促進のための助成制度、中小企業に対しましては支払う賃金の五分の四を一年間助成する、その後半年も率は下がりますが助成するというような形の中高年雇用開発給付金制度をつくりまして、これで中高年の雇用を促進していくということが、まず当面の緊急課題として取り組んでいる課題でございます。 それから、今後の高齢化社会という問題に対応しての対策といたしましては、わが国の終身雇用というような雇用慣行から考えまして、従来の職場にずっと働き続けることがその人の知識、経験、能力を一番生かす道である。こういうことからいたしましても、施策の第一は定年の延長でございます。そこで、昨年の新経済社会発展七カ年計画あるいは雇用対策基本計画におきまして、昭和六十年には六十歳定年制を一般化するという方針を決めまして、その方針のもとに業種別の事業主の集まり等におきまして定年延長問題を論議していただく、どこに阻害要因があるかというようなことを論議していただいたりして、定年延長への機運の醸成を図る。あるいはまた、定年延長奨励金、そういったものを五十四年度も大幅に拡充いたしまして、そういった助成制度を活用して定年の延長に努めていきたいと思っております。 また、六十歳前半層につきましては、できるならば定年延長がもちろん望ましいわけですし、ただ、定年延長がむずかしいところにつきましては、再雇用なり勤務延長という形で雇用を継続してもらいたいということで、継続雇用奨励金制度というものも本年度の予算で大幅に拡充いたしております。それからまた、来年度におきましては、大臣から先ほどお話のありましたような六十歳代前半層が地域の仕事に役立ちたいというようなものをあっせんする、そういう団体に補助金を出すというような施策も考えているところでございます。 いろいろな施策を合わせて、とにかく雇用対策の最重点として私ども取り組んでいきたいと思っております。
○井上(一)委員 厚生省の方にここで聞いておきたいのですが、厚生省は、いわゆる高齢者対策として雇用の問題に関係する施策、そのようなことについても取り組みをしていらっしゃいますか。
○大西説明員 お答えいたします。 厚生省におきましては、いわゆる生きがいを助長ずる、こういう福祉的な観点からでございますが、一般労働市場になじみにくい、おおむね六十五歳以上の方に対しまして、その希望あるいは能力に応じました適切な仕事をあっせんするという観点で、従来から高齢者無料職業紹介所というものの整備を図っておりまして、これまでに百三十九カ所が設置されております。また、五十五年度にはこれをさらに五カ所増設することを考えております。また、これに併設する形のものといたしまして、五十三年度から、いわば高齢者に適した非常に短期的な仕事をあっせんしたり、あるいはさらに老人にふさわしい仕事を開発していくというような観点から、単に福祉関係者だけではありませんで、地域の商工関係の方々という仕事を提供する方も入っていただきまして、能力活用推進協議会というものを併設して、これでさらに短期的な仕事の方も充実するということで取り組んでおります。これもこれまでに五十六カ所できておりますが、これをさらに八十五カ所まで五十五年度ふやしていきたい、かように考えております。 それから、いわゆる就労ということでは直接ございませんけれども、お年寄りの方々が何らかのものをつくったり生産するという、生産活動に従事することによって生きがいを助長する、そういう観点から、高齢者も過去の経験なり知識を生かして、そういう生産活動に従事しつつ生きがいを高めるという観点で、生きがいと創造の事業というものを五十四年度から開始いたしておりまして、現在五十六カ所設置されたところでありますが、これも来年度さらに二十九カ所増設を考えておるところでございます。
○井上(一)委員 労働省に伺いますが、厚生省は厚生省なりの取り組みをなさっていらっしゃるわけです。これは非常に結構だと思います。常に厚生省とも連携をとりながら労働省はこの中高年齢者対策と取り組んでいらっしゃると思いますが、間違いございませんね。
○関(英)政府委員 特に労働省と厚生省の施策というものは密接な連携のもとに行われなければならない分野が多いと思いますが、中高年齢者、特に高齢者になってまいりますと、労働市場から次第に引退しますので、そういう意味で非常に密接なところでございますので、従来から打ち合わせを密に行っているところでございます。
○井上(一)委員 私はあえてここで、私の知っている範囲あるいは見た目ではどうもばらばら的なにおいがあるからいま申し上げたわけなんです。 ごく最近報道されている、あるいは五十五年度の目玉政策として、労働省がシルバー人材センターを提起されているわけなんです。これは、物の考え方について、基本的なことを私はここで大臣に聞いておきたいと思うのですが、その対象となるそういう老人が、その居住をする行政の人口比によって差別を受けていいと思われますか。
○藤波国務大臣 御質問に対して、簡潔にお答えをしたいと思います。 特に六十歳代前半層を中心にいたしまして、これも別に年齢で区別するわけでも何でもないのですが、いま局長からお話し申し上げましたように、地域的にいろんな仕事の需要がある、それに対応していく。そしてなお、健康で気持ちよく働いていこう、しかも六十歳を超えて、そう毎日月給もらって働きに出るというのではなくて、自分の持っている能力や個性を長い間の生涯で生かしてきたのをさらに生かして、短期的な仕事でがんばっていけたら、こういうふうな方々のために努力をしておられる団体に助成をしていこう、こういうことでございまして、年齢的にも六十歳以前であってもいいし、七十代の方であってもいいと私は思いますが、当面はやはり六十歳代前半層のところにねらいを置いてまず仕事を進めていくようにしよう。そして地域的にも、そういった希望の需要と、それから供給という言葉はちょっとおかしいかたい感じになりますが、そういったお年寄りの方がお見えになるところについては、人口何万などという制約でなくてその機会に恵まれるようにしていくことを考えていかなければいかぬ、こういうふうに思いますが、まず五十五年度から出発をいたしますので、当面やはりそういった仕事の需要もあり、そういった方が少し数をそろえてかたまることができるようなことを考えると、人口二十万以上の都市ぐらいをまず出発点にして五十五年度進めていって、そしてまたその様子を見ながらさらにそれを広げていくようにしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○井上(一)委員 私は二十万だからとか、あるいは三十万だから十万だからという、そういう取り決め自身の発想がおかしいと言っているのですよ。すでに十万であろうが十五万であろうが、そういう取り組みをしている自治体もあるじゃないか。そういうことを労働省は承知しているのか。そういうところに対してはどういう対応をしようとするのか。何も人口二十万の都市に住んでいる老人あるいは中齢者を対象にするというのは、私はこれはちょっと発想がずれていると思うのです。だから、もちろん雇用の機会が都市化の中ではより大であろうというその考え方はいいとしても、人口二十万以下は対象にしないのだというような発想は私はおかしいと思う。その人たちがたとえば十人でも二十人でも、現実にそのことに参加をして、あるいはそのことに携わっている人たちを当然対象にすべきではないか。そして、小さくとも大きくともそういう人たちが運営をしている団体に対しては、私は額の大小じゃないと言うんですよ。額の大小じゃなくして対象にする、そういう位置づけを明確にしなければいけない。何が二十万ですか。そんなことで労働行政が十分だと思っておるんですか。大臣、いかがなんですか。
○藤波国務大臣 考え方は先生のおっしゃるとおりだと思います。そこで、五十五年度から初めて出発をする仕組みにいたしましたので、国の補助金を出していくということでもございますので、まずそういった団体が構えられるところを考える、あるいはいままでそういうふうな団体がどういうふうに活動してこられておるかというようなこともよく検討しながら進んでいかなければいかぬ、こういうふうに思います。ひとまずは人口二十万くらいのところで、各県で二つないし三つの補助対象ということから五十五年度出発をして、そしてそれをさらに一般化していくようにしようということでございますが、別に二十万以下はだめだとこだわっておるわけでもありません。まず初年度でございますので、いま各県のそういったことについて熱心に取り組んでおります担当者に集まってもらいまして、各県の従来そういった方向でいろいろ進められてきておる施策の実態などもよく調整をしながら、まず五十五年度を手をつけていくようにいたしたい、このように考えております。考え方といたしましては、人口何十万でなければこの団体はないとか、あるいはそれ以外の高齢者はこの恩恵から除外されるんだというようなことを考えておるわけではございまんので、少し時間をかけて進んでまいりますことをどうか御理解いただきたいと思います。
○井上(一)委員 大臣、二十万というのは取るべきだ、そういうことにこだわってはいけない。それから、もうすでにそういうことについて施策として取り組んでいる自治体があるわけなんです。そういうことを承知していないということ自身も労働省はおかしい。厚生省と連携をとっておりますと言いながら、片側でそんなことはわからぬ、これから呼ぶんだ、そんなことじゃおかしいと思うのですよ。国の政策がここへ来るまでに、こういうものにすでに先進的に取り組んでいる自治体が随所にあるわけなんですね。そういうことを考えれば、人口二十万というものにこだわらないという明確な大臣からの答弁をいただかなければ、これは政府の統一した見解を要求いたしますよ。大臣、いかがですか。二十万で切るということは、まさに老人に対してあるいは中高齢者に対して差別的意識がそこに存在する、あるいは自治体に対する一つの差別でもあると思うのですよ。
○藤波国務大臣 いろいろと実態を考えて、そして五十五年度予算案の編成のときにも大蔵省にもいろいろな相談をいたしまして、あるいは説明をいたしまして、まず初年度であるので百団体を出発させよう、この補助の対象にしようということで五十五年度を構えました。それでは基準をどうするかというようなことについていろいろ相談をしてまいりまして、各県でまずやっている中で大きな団体から出発をしていくことができればこの仕組みがうまくレールに乗っていくのではないかというふうに考えて、ひとまず基準を二十万以上という形にいたしておりますけれども、別にこれは法律で決めておるものでもありませんし、特に二十万以上でなければと通達を出しておる筋の話でもありません。各県の担当官といま、その県その県で進められておる実態等もいろいろこちらも受けとめながら話を進めるようにいたしておりますので、どうか先生、二十万ということに余りこだわらないで、ひとつとにかく五十五年度出発をさせていく、そしてできるだけこの仕組みが普遍化されていくように、今後行政の中であらゆる努力を地方自治体等とも協力しながら進めていくようにいたしたいと思いますし、厚生省とも連携しながら進めていきたいというふうに考えております。ここで二十万ということは取り消しますと言っても、そんなにかたく二十万でなければとこちらも言っておるわけではありませんので、一つの基準として二十万以上ということを打ち出しておりますけれども、どうか各県とよく相談をしていくというふうに御理解をいただきまして、実態をぜひお見守りをいただきたいというふうに考えるのでございます。
○井上(一)委員 何も私から二十万にこだわったわけじゃなく、労働省が二十万ということを基準に置くから、そういう基準のとり方は間違いだということを私は言っているわけなんです。大都市に住んでいることに対して一つの基準をつくっていくというのは間違いだ。たとえ中小都市であろうとも、あるいはどんな形であろうとも、もうすでに発足をし、そういうことが動いている団体がありますね。この動いている団体は優先して、逆にその組織がより拡大をされるように、団体の運営が強化されるように国がお願いをしなければいかぬと思うのです。大臣、いかがですか。
○藤波国務大臣 御指摘のとおりでございまして、実際にこの仕組みを展開していきます中で、先生のお考えになっておられるところを消化をしてまいりたいと思います。
○井上(一)委員 そういう意味では実態を重視しなさい、こういうことなんです。さらに私は、運営をなされているそういう組織に対して一つの補助をしていく、あるいはそこで雇用の機会を持った人たちに対しての、たとえば頭割りなら頭割りとか、あるいは機会の度合いだとか、そういうことでそれをまた補助対象にしていくとか、その基準にしていく、やはりそういう基準のとり方でないとこれはおかしいと思うのですよ。でないと、十万の都市に住んでいる中高齢者は、仮にそのような機会を自治体が持ったとしても、政府はそれを対象にしないというのでは、これはもう非常に極論を申し上げるようですけれども、差別行政だと思う。これはけしからぬと思う。なぜそういうばらばらな行政になったかということは、これはいつも指摘をするのですけれども、一元化されておらない。もっと総合的に、たとえば高齢者対策を考えるならば、年金問題も含めた中で一元化を図らなければいけないと思うのです。だから、各省庁間の緊密な連携の中からこのような問題もよりスムーズに運営をされていく、そういう意味でいままでの労働省の考え方は、私の受けとめ方では、どうも縦割りの思いつき的な考えだ。実際に黙々と一生懸命にやっている、そういうところにもつと目を向けなさい、さらに厚生省なり総理府なりいろいろ関係省庁とも十分な連携をとりながらこの中高齢者対策がより充実をするように私は強く、要望するわけなんです。大臣、いかがですか。
○藤波国務大臣 全くお説のとおりだと思います。行政というものは役所のためにあるのではなくて、国民のためにある。これはもうイロハのイでありますけれども、高齢者対策を考えてまいります場合には特にそういった配慮がなされていかなければいけない、こういうふうに考えます。 先般も閣議で私から高齢者対策のための閣僚懇談会を出発させていくように提案をいたしまして、いまその作業を進めておりますが、厚生省あるいは老人対策をやっております総理府、あるいはいろいろと高齢者問題を抱えて苦労をいただいております都道府県あるいは市町村、こういった方々と連携をとるために自治省、さらに教育の面では文部省、こういうふうに各省庁が省庁の壁を乗り越えて高齢者対策と総合的に取り組んでいくことが非常に大事なことである、このように理解をいたしておりますので、そういった方向でさらに労働省が努力をいたしまして、政府全体で取り組んでいくように努力を重ねていきたいと思います。
○井上(一)委員 このことは、大臣、過去の予算の執行を見ても——ただ、今回人材センターについては五十五年度の目玉政策として予算が計上される。予算を計上しても、あるいはいいことを言っても、それが消化されなければだめだし、それが生かされなければ予算に盛ったということの意味がなくなるわけです。さっきも、労働省がどういう対策を立てて取り組んでいるのかというときに四点ほど言われたわけなのですね。開発給付金だとか、雇用安定対策としての定年延長、継続雇用奨励金、あるいはいま指摘をした人材センターなり、やろうとして予算化をしたということまではいろいろな意味で理解するのですけれども、では、それがどれだけ実績となってあらわれたか。このことは、その決算の審議の中で不用額がいかに多く出ておるかということを見れば、一目瞭然にわかるのです。のうのうとあのような答えをされることは恥ずかしいと思いませんか。その予算の消化額が一割前後だ。定年延長奨励金などというものは、五十一年度は一割にも満たないじゃありませんか。この数字を並べてとやかくここで論議をするだけの時間がありません。ありませんが、ともあれ雇用改善事業の定年延長奨励金、この予算額が五十一年度、五十二年度、両年度とも一割にも満たない。九割に及ぶ不用額を出している。あるいは雇用調整給付金、これだって予算執行額が二割にも満たないわけです。三百八十九億。それに対して予算執行額が五十四億円。こんな手荒い決算をやっていて、いや、これもやっています、こういうこともやっていますと労働省は本当に胸を張って言い切れるのですか。全くもって不十分であります。消化が完全でありません。こんなことじゃ、人間の体で言えば栄養失調になって倒れてしまいますよ。労働行政が十分だとは言えないと思う。ぼくは、やはり強い反省をここで求めておきたいのであります。このことについて大臣の所見を承っておきます。
○藤波国務大臣 御指摘のように、予算額に対比いたしまして執行した額が非常に低いということにつきましては、十分反省をいたしますし、また、責任も痛感をするわけでございます。ただ、労働行政の非常にむずかしいところは、ぜひこういう方向に持っていきたいというふうに考えまして企業等に積極的にPRをしてまいりましても、なかなかそれが簡単に受け入れてもらえない。これについては時間をかけて努力を重ねなければいけないというような一面があることでありますとか、予算を立てて行政を進めてまいりましても、そのときそのときの経済の状況や、あるいは産業や地域によって経済の状況がいろいろ変わってくるというようなことになりまして、当初、予算を立てていたときよりも事情は変化する。労働行政が生きたものでありますだけに、そういった一面もあるわけでございます。しかし、それらの中で見込みを立てた予算を執行してまいりますために、もっと努力をしていかなければいけないということにつきましては、先生の御指摘のとおりでございまして、今後十分そういった点に配意をいたしまして努力を重ねてまいりたいと思います。
○井上(一)委員 このことは、ただ単に行政だけの問額ではなく、受け皿となるべき企業側の認識の問題もあるわけですね。だから、企業側に対して十分なコミュニケーションを持ちながら理解を深め、かつ、その受け皿を広げていくということなのですよ。私はさらに、大企業の現在の高齢者雇用率が非常に低いということもここで申し上げておきます。もう数字を申し上げませんけれども、非常に低い。特に千人以上の企業規模になりますと、それが端的にあらわれている、こういうことであります。これは労働省でつかんでいらっしゃる数字ですので、そのようなことも十分踏まえた中で、今後労働行政を進めていかなければいけないのではないか、こういうことを強く指摘しておきます。 なお、余り時間がありませんので、もう一、二点、今日的な問題になっているわけですけれども、日米の自動車問題について、通産省は委員会等で一定の見解を表明しているわけなんですが、私は、ひとつきょうは労働大臣から、労働省としてのこの問題に対するとらえ方、見解をここで尋ねておきたいと思います。
○藤波国務大臣 先般フレーザー会長が日本に参りました際には、総理、外務大臣、通産大臣などと並んで、私にも面会が求められてまいりまして、いろいろと話をいたしました。そういった中で、フレーザー会長からは、アメリカにおける自動車産業の実態でありますとか、あるいは失業の状態でございますとかいったような説明があり、またアメリカの労働界、日本の労働界とが今後ともいろいろな話し合いをしていかなければならぬが、労働省としても日本の労働界といろいろな話をさらに進めていくようにしてもらいたい、こういうふうな要請もございました。私は、いろいろな国とのいろいろな経済の利害調整を進めながら、結果としては日本の経済が順調に運営されていくことができるように、いろいろと長い目で長期にわたって見ていくという考え方も大事であるというふうに思うのでございます。そういう意味では、日米間の経済摩擦が起こってまいりましたら、これに適切に対応していくというふうに、大きな摩擦になっていかないように、長期的に見て、そのことが非常なこじれになっていかないように見ていくことは、日本の経済にとって非常に大事なことであるというふうに思います。しかし、日本の企業がどんどんと外国に進出をしていくということになりますと、これは企業御自身がお決めになることではありますけれども、その企業が国内におります場合には、たくさんの労働力を抱え、さらに関連のいろいろな企業、下請企業等を抱えて、一つの企業が成り立っているというわけでありますから、その企業が海外に進出していくことになりますと、国内の労働力の雇用の確保がどうなっていくのだろうかということについては、非常に深い懸念を持っておるわけでございます。しかし、これは労働省一省で申し上げることではありませんので、その長期的な展望と、短期的にいまその利害をどう調整していったらいいのかということにつきましては、企業企業がそれぞれ御検討いただきますと同時に、外務省や通産省などとも十分連絡をとり合いまして、最も適切に対処していく道を探っていかなければいけない、このように考えておる次第でございます。 そういった意味で、従来よりももっともっと各省との連携を密にして、この深い懸念が現実のものにならないように、長期的にも短期的にもうまくいくように、ひとつ検討を重ねてまいりたい、こう考えておるところでございます。
○井上(一)委員 通産省は通産省の立場、外務省は外務省の立場があり、もちろん省内を統一しなければいけないのですけれども、私は、労働省は労働省の見解というものをもうちょっとはっきりすべきではないか、進出する企業の選択ということだけでは済まされない、そのことがアメリカ側からすればアメリカの失業問題に絡むであろうけれども、わが国の立場に立つなら、わが国の労働者の雇用にかかわる問題ですね。むしろわが国の車がその需要を拡大していくというのは、やはり省エネの問題に絡んでくるわけなんです。早晩アメリカも小型車の増産に取り組んできますよ。そのときにわが国の進出企業はどういう状態に置かれるのか、あるいはその企業進出からもたらされるところの労働行政、いわゆるわが国の失業にかかわる問題を、とりわけ、大企業それ自体はさほど痛くないかもわからぬけれども、その下を請け負っておる中小零細下請企業はまさに大きなピンチなんですよ。このときに労働省が、最終的な判断は企業の判断にゆだねるとしても、労働者を守り、労働者の立場を擁護するその所管の大臣が何を言っているのかわからぬというようなことではなくて、やはり最終的には中小零細企業の雇用の安定のためにも、本来ならば好ましくないとか、それは企業がお決めになることだけれども、もう少し大臣としてのすかっとした答弁がない限り、労働大臣、お粗末ですよ。大変失敬な質問になりますけれども、やはり中小企業、そういう企業をかばうんだ、守っていくんだ、大企業はほっといても力があるから何とか生きるでしょうけれども、そういう意味でひとつ中小企業を守る立場に立ってくれるかどうか、その一点だけ。立つか立たないか。
○藤波国務大臣 少し答弁がぼけたかもわかりませんけれども、当然国内の労働行政を担当しておる者といたしまして、海外に企業が進出していくことによって国内の雇用の確保という面が薄れるということに一番心配をいたしておりまして、そこに重点を置いて外務省や通産省ともよく相談をしていくようにいたしたい、こう考えておるところでございます。
○井上(一)委員 最後に私から、婦人の労働問題について一点だけお聞きをしておきます。 もうすでに詳しく申し上げる時間がありませんけれども、従前からわが党が主張しておりますILOの四条約批准、このことについて国内法の改正も踏まえた中で労働省はどのような見解を持っていらっしゃるか、この一点をお聞きして私の質問を終えます。
○高橋(久)政府委員 婦人労働法制に関しましては、先生も御承知のとおり、一昨年労働基準法研究会から、男女平等法の制定が必要であるということ、それから、このためには女子に対する保護措置には合理的理由がなければならないということ、それから妊娠、出産にかかる母性保護については充実を図っていくべきである、そういうことを内容にいたしました報告が出されておりまして、労働省といたしましては、この問題につきまして関係審議会の審議を十分踏まえて対処する、このようにいたしております。したがいまして、その過程におきましてILO条約の批准についても十分に検討してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○井上(一)委員 昭和五十年の十二月の外務委員会で、この問題については、「時期は明示できませんけれども、できるだけ早急に御審議をいただき」という政府委員の答弁があるわけなんです。そういう意味で、この男女平等、母性保護にかかわる四つのILO条約は、私は速やかに批准をされるべきだ、こう思うのです。強くそれを要望しておきます。
○高田委員長 新村勝雄君。
○新村(勝)委員 私は最初に、大臣から、労働行政についての基本的な考え方、特に日本の経済構造がいま転換期にあるわけでありまして、高度成長から低成長へと、そしてまた、したがって貿易構造の変化というようなこともあるわけであります。それに伴って労働事情あるいは労働市場における変化が、これは当然あるわけであります。さらにまた、低成長下における一次産業、二次産業、三次産業と国内における産業部門間の労働市場の変化ということも当然あるわけでありますが、こういう変化に対してどういうふうにこれから対処をしていかれるのであるか、その基本的な方針をまず伺いたいと思います。
○藤波国務大臣 御指摘のように、これから八〇年代が動いてまいります中で、日本の経済構造、そしてさらに労働市場の面から見ましてもいろいろな変化が起こってきております。一つは、先ほど来も一いろいろと御質疑がございましたように、高齢化社会になっていくということが一つの非常に大きな特徴であろうと思います。したがいまして労働省といたしましても、中年から特に高齢者対策を重視いたしまして取り組んできておるところでございます。 もう一つは、やはり産業構造が変化をしてくるということでございまして、いまのところの見込みとしましては、第一次産業がやはり従来の傾向と同じようにさらに少し比率は低下をしていくだろう、第二次産業が大体いままでの横ばいのような形で動いていくだろう、それと比較をいたしまして、第三次産業の面でさらに発展をいたしますといいますか、広がっていくだろう、そういうような産業構造が変化をしていくのに対応する労働行政をきめ細かくやっていかなければいけない、このように一つ考えておるわけでございます。 もう一つは、これから婦人労働といった面が非常に大きく浮かび上がってこなければいけない。それはもう実際に婦人の労働者が非常にふえてまいりまして、しかも、従来と今後の見込みとを比較をいたしますと、未婚の婦人の労働者が婦人労働の中で非常にウエートを占めていたのが、だんだんと既婚者の方々の、まあ形はいろいろでございますけれども、パートだとかそんなのも全部ひっくるめますと、婦人の労働力、しかも既婚婦人の職場進出というのが非常に目立ってくるということが言われておるわけでございまして、そういった面でも、従来よりもさらに婦人対策なども重視して進んでいくようにしなければいけない。 いずれにいたしましても、予測のつけがたい八〇年代だと言われておりますけれども、その中でできる限り将来の見通しを立てて、それにきめ細かく適切に対応していくような労働行政を展開してまいりたい、このように考えておる次第でございまして、今後とも先生方の御指導もちょうだいをしながら真剣に取り組んでいきたいと考えておるところでございます。
○新村(勝)委員 経済情勢の変化が労働事情に直接影響があるわけでありますが、その中で特に急速なのが貿易の構造変化、これによって急速に企業に影響を与える。その場合に、影響を受けるのはもちろん企業でありますけれども、直接その被害を受けるのは労働者でありまして、企業の方は経営の方針を変える等によっていわゆる影響を避ける方法があるわけですけれども、直撃をされるのは労働者であります。そして労働者が真っ先に解雇されるというようなことがあるわけでありまして、一、二の例を申し上げるわけですが、特に貿易の自由化、いま非自由化の部分はきわめて狭いわけですけれども、貿易の自由化の圧力によって非常に無理な部門についても自由化をせざるを得ないというような事情があろうかと思います。そういう場合に、もちろんこれは閣議で決定されるわけでありましょうけれども、たとえば通産省と労働省とはどういうふうに協議をされ、この品目を自由化した場合にはどれだけの失業が出るだろう、あるいはそれに対する対策はこうすべきではないかというような検討がなされると思いますけれども、それらの連携ないし対策について基本的にはどうなっているか、伺いたいと思います。
○関(英)政府委員 貿易自由化問題に関連しまして、現在まだ自由化されてないものを自由化いたします場合には、関係の担当の省から私どもにも相談がございます。そういう場合に、労働面への影響、そういうものも私ども十分配慮いたしまして相談、検討をするということを従来もやってまいりましたし、もう残り少ないわけでございますけれども、今後ともそういうことについては十分注意していきたい。どうしても自由化せねばならないという場合には、できる限り労働者に直接的に失業というような形での影響が及ばないように事業転換等を助成する等いろいろな施策を講じて、労働者への影響をできる限り少ないようにしていくということを考えなければならないと思っております。
○新村(勝)委員 一つの具体的な事例として、皮革の自由化問題のいままでの経過と現状、それから将来の見通しについてまず伺いたいと思います。
○関(英)政府委員 皮革産業につきましては、先生もう御案内のとおり、非常に零細な企業が多くて、非常に脆弱な産業といいますか基盤が非常に弱いものでございまして、そういう意味で直ちに自由化することは困難でございますが、今後国際的な自由化の動きが一段と強まってくることも考えられますので、むしろ現在から国際化に対応して皮革産業自体の体質強化といいますか、そういうことに取り組んでいくことが必要だろう、こういうふうに思うわけでございます。 私どもとしては通産省と協力しながら業界の努力を促すとともに、必要があれば労働省の雇用安定資金制度等の活用、こういうものを進めていきたいというふうに考えております。
○新村(勝)委員 これは通産に伺いたいのですが、皮革の品目別の自由化率の現状をまず伺います。
○水野説明員 御説明申し上げます。 貿易の自由化に関しましては、工業製品の自由化、これは実は一九六三年ごろは八十七品目の非自由化品目といいますか残存制限品目がございました。それが一九七九年、一九八〇年の現在では五品目になっております。この五品目の工業製品のうちで四品目が皮革製品でございます。具体的に申し上げますと、牛馬革、羊革、ヤギ革、それに革ぐつ、こういった品目が輸入制限品目でございまして、皮革製品のうちのたとえばかばん製品とか、そういったものはすでに貿易自由化になっております。そういう意味で、非常に限られた工業製品の非自由化品目がございますが、いまの四品目が皮革製品に係る非自由化品目、こういうことでございます。
○新村(勝)委員 皮革のうちで特に問題になるのはくつ産業ですね、くつに関することだと思いますが、いまの御説明とは別の観点から、原皮、それから革が完成する途中のいわゆるウエットブルーというのがありますね、それから、くつの半製品、くつの完成品、この四つに分けた場合にはその自由化率がどうなっているか、そういう観点からひとつ伺います。
○水野説明員 御説明申し上げます。 原皮についてはすでに自由化されております。それから、ウエットブルーと、それからレザーといいますか、なめしたものについては自由化されておりません。それから、くつにつきましては、先ほど御説明しましたように、自由化されておりません。非自由化でございます。 以上でございます。
○新村(勝)委員 くつの完成品は非ですか。
○水野説明員 完成品は非自由化品目でございます。自由化しておりません。
○新村(勝)委員 こういうことで、皮革の自由化がある程度実現をしておるわけですね。そして、現在の非自由化品目についても自由化が近いんじゃないかという業界の心配があるわけです。そういう状況の中で、経営者のサイドにおいても、自由化後の体制に順応するために、この経営の内容を変えようとする動きがあるわけです。その動きが労働者にも大きな影響を与えているというのが実態でありますが、現在残されておる非自由化品目については、少なくとも相当長期にわたって業界を守っていく必要があるのではないかと思うのですが、この問題についての将来の見通し、考え方を伺います。
○水野説明員 御説明申し上げます。 先生も御存じのように、わが国の皮革産業、これは先ほど申し上げましたように、なめし業であり、あるいは革ぐつ製造業等でございますが、これはいずれも同和地区における最も重要な産業の一つでございます。しかしながら、一方、その産業の実態をつぶさに見ますと、企業規模はきわめて零細でございますし、それから従業員規模等も非常に小さく、企業といいますよりはいわば生業的な体質を持っております。こういった企業としての脆弱性、さらには歴史的、社会的理由によって従業員等が就職の変更をする困難さ、いろいろな要素がございます。こういったことから現在輸入制限措置を講じておるわけでございますが、以上のような観点に立ちますと、直ちに輸入自由化といったことを行うことはきわめて困難だと私どもも考えております。 しかしながら、先生も十分御理解いただけますように、今後あるいはすでに諸外国から非常に大きな自由化のための圧力が一方においてございます。そういう状況でございますので、私どもといたしましてもこういった状況を踏まえまして、中長期的な観点に立ちながら、皮革産業の産業体質の強化あるいは国際化への対応といったことを図っていかなければいけないのではないか、こういうふうに考えております。
○新村(勝)委員 実はこの自由化の流れに関連をして若干の問題を引き起こしておるわけです。これはこの業界が零細企業が多いということ、それからまた同和地区を守っていかなければいけないということがあるわけですが、同時にまた、この部門に働いている広範な労働者を守っていかなければいけないと思うのですけれども、この自由化の傾向を警戒して、これは比較的大手のメーカーですけれども、直ちに自由化をされた場合には製造部門は大きな脅威を受けるわけですね。そこで、製造部門を切り捨てて、その企業として商社の方向をとっていこう、そういう傾向がすでに出ておるわけです。そうして、大手メーカー、たとえばスタンダード靴というような大手メーカーにおいても、製造部門を圧縮をして商社化をしていこう、こういう傾向のために多数の首切りがすでに行われておるわけです。そして、一つの例ですけれども、このスタンダード靴の下請であるパラマウントという中小企業がございますが、その企業においては、商社化の方向をとるという社の方針によって、生産活動を一方的に停止をされたわけですね。そのために、そこで働いておる労働者が大量の人員整理をされるという危機に立ち至ったわけですけれども、労働組合がその方針に対決をして、労働組合自身が生産をずっと二年以上にわたって継続をしておる、こういう一つの事例もあるわけです。 そういうように、自由化によって企業の体質が変わっていく。企業の経営者としては、商社に変わっていく、商社化をすることによってその影響を避けることができるわけですけれども、そこに働いている労働者は、その影響を避けることができない、真っ先に被害を受けるわけであります。こういう事態が皮革産業の中に起こっておりますが、これは皮革産業に限らず、貿易構造が変わるという過程の中でこういうことがしばしば起こるわけです。こうした事態を労働省はどう把握をされておるのか、そしてまた、それに対する対策をどうされるのか、これを伺いたいと思います。これは一次産業、二次産業、三次産業、そういう部門の間の労働力の移動とは違って、急速に来るわけですね。こういう事態についての把握、それから対策について伺いたいと思います。
○関(英)政府委員 昨年なめし皮製造業を事業転換等雇用調整事業の対象として労働省として指定いたしておりますし、また、牛の皮、豚の皮の製造業も、景気変動等雇用調整事業として指定いたしております。従業員に貿易関係等で急速な影響を及ぼす場合には、担当省と密接に連絡の上、こういった指定等も機動的に行ってまいりまして対処したいと思っております。したがいまして、こういった産業の事業転換等で訓練を受けたり、あるいは休業をやむなくされた場合の助成を、こういった事業を発動してやっていく。やむを得ずどうしても離職するような場合につきましては、まずは雇用保険の給付ということになるわけでございますが、指定事業からの離職者については、通常の所定の給付日数を超えて個別延長等の保険給付の延長措置もございますし、訓練その他積極的な職業紹介によって対処していきたいと思います。いずれにいたしましても、こういったことにつきましては担当所管省と密接に早期の連絡を図ることが非常に重要だろうというふうに思っております。
○新村(勝)委員 こういう事態は、将来の経済情勢を分析すれば十分予見されるはずですね。ですから、そういうことが起こってしまってからというよりは、むしろ一つの施策を発動する場合には、その施策によってどういう経済的な影響があるのか、あるいは労働市場にどういう影響があるのかということを、できる限り前もって先見して、これに対する施策を十分立てながら、どうしてもやらなければならない場合にはやっていくという配慮が必要だと思いますけれども、大臣、そのお考え、いかがでしょう。
○藤波国務大臣 いろいろな産業あるいはいろんな業態の動向を絶えず把握をいたしまして、特に国際的な動きの中でどのように変動を余儀なくされるかということにつきましては、そこでお働きをいただいておる方々の雇用を守るというような立場を中心にいたしまして、常に先見的に見通しを立てて、関係省庁と折衝を重ねるということは、先生御指摘のように非常に大事なことであると思います。日本の国あるいは日本の経済がますます国際化してまいります中で、そのことの重要性を十分認識をいたしまして、今後の行政の中で展開をしていくようにいたしたい、このように考える次第でございます。
○新村(勝)委員 これからもそういうケースがしばしばあると思いますので、大いに先見性を発揮されて努力を願いたいわけであります。 通産に確かめておきたいのですが、工業製品のうちで最後に残った非自由品目ということでありますけれども、最後に残っただけに、やはりそれだけの深い、あるいは非常に深刻な理由があるはずであります。そこで、皮革のうち、自由化になっている部分もかなりあるわけですけれども、現在非自由化の部分については、これは当分の間自由化をしない、自由化を断固阻止をしていくという決意を、ひとつぜひ固めていただきたいわけですが、その点について伺います。
○水野説明員 通産省で貿易自由化問題全体をやりますところは、実は貿易局というところが別途ございます。私は実は皮革関係の担当課長でございますので、皮革関係だけについて御説明申し上げますと、先ほど申し上げましたように、この皮革問題の国内における企業の脆弱性等にかんがみまして、現時点においては、自由化を行うことはなかなか困難だろうというふうに認識しております。しかしながら、一方、諸外国からの、この日本の自由化を求める声が非常に強うございますので、私ども、それに向かってといいますか、そういう動きと関連いたしまして、産業体質の強化ということで万全の努力を尽くしたい、こう思っております。
○新村(勝)委員 世界経済の上から言えば自由貿易が望ましいわけでありましょうけれども、現在の世界情勢全体を考えてみても、完全な自由貿易ではないわけですね。いわゆる管理された自由貿易というのが現状だと思います。そういう点からいって、国内の特殊な事情は国際的にも了解されるはずでありますし、現在残っておる非自由化品目、特に皮革については、当分の間政策的に守っていかなければならない分野でありますので、これは大臣に直接お願いするべきところでありますけれども、ひとつ大臣に十分お伝えをいただきたいと思います。 次に、職業訓練の問題について伺います。 現在労働省では、雇用促進事業団と、それから各都道府県に、これは委託というのですか、都道府県が実際に職業訓練をやっておりますが、この運営の面で実は若干の不十分な点が私はあると思うのです。 先般、私の県の県立の技術専門校というところへ行ってみたんですけれども、その設備あるいは教育の内容等が、新しい時代に全く即応していない、依然として大変古い形で行われているということを痛感をしたわけであります。この、国が直接といいますか、雇用促進事業団がやっておる職業訓練と、それから都道府県に委託をしておる訓練専門校、この訓練の概要についてまず伺いたいと思います。
○岩田政府委員 雇用促進事業団が設置しております訓練につきましては、主としてより高度な多能工の養成を主眼としておりますし、県立の訓練校におきましては、主として中卒を対象といたしまして、基礎的な単能工の養成が中心になっているということが、雇用促進事業団で行っておりますいわゆる総訓と、都道府県で行っておりますいわゆる県立の訓練校との基本的な違いだろうと思います。
○新村(勝)委員 県でやっております技術専門校の教科内容は、千葉県でやっておるのは自動車整備、機械それから製図、この三つでありますけれども、この三教科では、これから第三次産業の労働者がますますふえようとする趨勢にはとてもマッチしていけないのではないか。それから、指導員の体制も非常に少ないというような中で、抜本的な運営の改正が必要ではないかと思いますけれども、その点についてまず大臣はどうお考えですか。
○藤波国務大臣 職業訓練ということの性格から考えまして、日本の経済の動向なり、わけても、各都道府県の大変な御努力もいただいておるわけでありますが、地域に応じて、どのようにニーズに対応していくかということを絶えず見定めながら進んでいくことが非常に大事であるというふうに思います。従来よりも、職業訓練の重要性が日本の社会全体で非常に深まっていることは非常にありがたいことだと思いますし、教育の場などでも、職業訓練に対する考え方を従来よりももっと重視して、一人一人にいろいろな話し合いが進められているということを労働省としては大変ありがたく思っております。 しかし、職業訓練の実態については、絶えず検討し、絶えず改革し、絶えず整備していくことが非常に大事だと思いますので、それぞれの地域の実情なりあるいは地域の抱えている経済社会、雇用の需要というようなものを十分頭に置きながら、絶えずそういう意味での検討を進めていきたい、このように考えておる次第でございます。 職業訓練の事業そのものは従来よりも重要性が深まっている、こういう認識に立って、労働行政の中の非常に大事な重点施策の一つとして強化していきたい、このように考えておる次第でございます。
○新村(勝)委員 産業間の労働力の移動、それから、これからは学卒だけではなくて、中年あるいは場合によっては高年の方々の訓練が必要になるだろうと思います。その点については、労働省も最近そういう構想を発表されたようでありますけれども、それには何といっても職業訓練の体制を固めなければ、いかにそういうことをおっしゃっても絵にかいたもちでありますので、そういう観点からの具体的な施策、特に職業訓練を進める上においての具体的な施策をひとつ担当の局長から伺いたい。
○岩田政府委員 いま先生御指摘のように、産業構造の転換とか、それから職業技術の高度化とか、そういった問題におきまして、最近の社会経済情勢を勘案いたしまして、特にいま先生が御指摘のように中高年の問題等々出てきてまいっておりますので、こういったものにつきまして、基本的にはこの間の、五十三年の職業訓練法の改正によりまして事業団立の総訓校を訓練短期大学校と能力開発センター、こういう方向に整備していく、そしてその中で在職労働者の職業能力を向上するための向上訓練と、特に離転職をする人たちを中心にいたしましての能力再開発訓練、これに重点を指向するように考えてきております。 こういうふうな方向に対処いたしまして、中高年齢、特に高年齢者向けの職種の増大、こういつたものを中心に機動的に対処していくように考えてきております。
○新村(勝)委員 就労を保障するというのは国政のうちの非常に重要な部分だと思いますね。労働権を尊重するという観点からしても、これは大変重要な部門だと思います。その中で、職業訓練それから転職者に対する職業補導、訓練というのは重要な部門であると思います。それが現在は雇用促進事業団あるいは都道府県ということで、国がみずからおやりになっていないわけですけれども、そういう体制についてどうお考えでしょうか。
○岩田政府委員 現在のところ、県立の訓練校それから事業団立の総訓校等におきましては、自分のところでいろいろ訓練をいたしまして、訓練中あるいは訓練の終了間際におきましては職業安定所の方とも十分密接な連絡をとりながら、その就職あっせん、職業指導、こういったものにつきましては対処していきたいと思っておりますし、今後ともそういった関係を重視して雇用の場の確保のために努力をしていきたいと思っております。
○新村(勝)委員 私が直接見たのは県立の施設でありますけれども、県立の職業技術専門校なるものの施設、内容が非常に貧弱だと思うのですね。訓練の授業を受ける建物がぽつんと一つしかない、運動場もなければ、もちろん体育館もなければプールもない、こういうところで一年ないし二年の訓練を受けるわけでありまして、内容はほとんど学校と変わりないわけであります。ところが他の学校と比較をして、全く比較を絶するほど設備が貧弱でございます。こういうところではとても誇りある産業人は養成できないのではないかというふうに心配になったわけであります。 まず設備の改善、そして学校に準ずる体育施設であるとか、そういった施設が絶対必要ではないかと思いますけれども、そういった点についていかがですか。
○岩田政府委員 職業訓練校に対しましては、国の方といたしまして、ただいまのところ、施設整備費、運営費等につきましては経費の二分の一を補助しているところでございますが、いま先生御指摘のように、施設の増設、施設の中身の整備を十分図るためにいろいろな単価の改善、それから人件費等につきましてもそれ相応の単価アップというふうなことで基本的に対処しているわけでございますが、御指摘の体育館とか寄宿舎、たとえばそういったふうなものにつきましては順次整備を重ねてきているところでございまして、体育館につきましては四十八年度からこれを整備するようにやってきておるわけでございます。逐次その体育館につきましても補助対象面積とか、一校当たりの体育館の建設単価とか、そういったふうなものを上げまして、単価のアップ等を通じまして体育館の整備を図ってきているところでございますけれども、今後とも先生御指摘のように、そういった重要な大切な技能労働者を今後育成する場におきましてそういった整備の拡充に従事してまいりたいと思っております。
○新村(勝)委員 少なくとも運動場、そんなに広くなくてもいいから訓練生がキャッチボールできる程度の運動場あるいは体育館くらい、これは最低でありますけれども、その程度のものがないととても教育ができないということを、現場の校長が言っておるわけですよ。ですから、少なくとも最低の施設、広場、体育館、そしてまたプール程度はぜひひとつ訓練専門校にも基準として補助対象を拡大していただきたいですね。それを一つお約束をいただけますか。
○岩田政府委員 現在までのところでは、体育館、寄宿舎等の施設の整備でやってきておりまして、これも運動するのに非常に不便な積雪寒冷地といいますか、そういったところにある訓練校の体育館の整備というふうなことで手がけてきておりますので、グラウンドそのものにつきましては現在のところ補助対象にはなっておりませんけれども、順次そういった方面への需要も高まってきているように思われますので、今後とも十分そういった状況を勘案しながら補助対象の拡大には努力してまいりたいと思っております。
○新村(勝)委員 積雪寒冷地、もちろん結構でありますけれども、都市近郊の、ややもすると見落とされがちな地域があるわけですね。都市近郊なるがゆえにかえって見落とされるという事態がありますので、ひとつ十分その点の配慮をいただきたいと思います。 それから、この職業訓練校の運営に関して一つ問題があるのは、ここにおいてもやはり入試が行われておるということです。そして、あらかじめ決められた定員数をオーバーした場合には落とされるという事態があるわけですね。しかし、これは学校教育法に言う学校ではございませんし、学校とは目的が違うわけであります。職を求めて新しい技能を習得をしたいということでありますから、希望者については全員入学をさせるということが絶対の要件ではないかと思いますね。これからますます転職をしてどうしても新しい技能が必要だ、こういう人たちがふえるわけでありますから、そういう人たちに対して入校試験、試験を課するということはどういうことか、これは非常に疑問だと思いますが、大臣いかがでしょうか。
○藤波国務大臣 職業訓練校という学校の性格から考えまして、先生御指摘のとおりだと思います。定員を決めるのも、大体その地域で設定をされておりますコースについてどれくらいの受講生への申し出があるかということを十分念頭に置いて定員を決めておるものであると思いますし、また、それが大幅に希望者が上回るのであるならば定員の改善についても努力をしていくべき筋のものである、こういうふうに思います。 ただ、お入りをいただいて訓練を受けていただきます方が、身体的な条件であるとかあるいは職業の適性でありますとか、それから、そのコースをこなし得るだけのごく基礎的なものだと思いますけれども、基礎の学力の面でありますとかそういったことにつきましては、落とすための試験というのではなくて、そのコースをこなし得るかどうかということについて、受講生も一緒に相談をするような気持ちで試験の仕組みがあるというふうに考えるべきものだと思うのでございますが、なお、せっかく希望して行ったのに定員が少ないからといって入れないというような事情がもしあるとするならば、そこは十分そのニーズに対応できるように改善をしていかなければいけない、このように考えまして、今後努力をしていきたいと思います。
○新村(勝)委員 これは学校と違うわけでありますので、少なくともそのコースを希望して技能を習得しよう、こういう意志と意欲のある者については、これは落とすということは大変矛盾した考えであると思うのです。そして試験をして入学を許可をしても、やはりその中には何名かは落後する者がいるでしょう。しかし全員入学を——算数の成績が悪いからといって落とされた希望者の中には、算数の成績は悪いけれども自動車整備は十分できる、あるいはそういう手先についてはかえって器用だ、こういう人もいるわけでありますから、いま大臣が言われたような方針で全員入学、これは絶対に確保していただきたいわけであります。現在すでに高校についてはほぼ全員入学に近いわけでありますけれども、それ以上にこの全員入学というのは職業訓練校にとっては絶対の要件だと思いますから、その地域の希望者の将来についても十分予測をし、先見性をそこへも発揮をしていただいて、不足であれば仮の校舎でも仮の教室でも一時はやむを得ませんから、とにかく希望者については全員入学をさせるという方針をおとりをいただきたいわけであります。 次にお伺いしたいのは、失対事業いわゆる失業対策事業についてでありますが、その現状とそれに対する政策の基本的な方針をひとつまず伺いたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 失業対策事業につきましては、就労者は五十四年の九月末現在で約十万人でございます。平均年齢が六三・六歳になっておりまして、六十五歳以上の方が四八%、こんな状況になっております。また、女性の方が六七%、こういうような状況でございます。さらに、失対就労者になられましてからの期間、これが平均いたしまして二十年と六カ月、こんなような状況になっております。 また、五十五年度予算案におきます賃金は、平均一日当たり三千三百八十八円、前年に比較いたしまして七・八%のアップを予定をいたしております。また、この失対事業の運営のため五十五年度予算案では六百九十九億円というものを予定をいたしておりまして、事業主体でございます都道府県あるいは市町村の負担額と合計いたしますと、年間約一千億を超える事業になってきております。 失対事業につきましては、いま申し上げました数字でもございますように、就労者の高齢化が大変に一つ問題になってきておる、あるいはまた体力、能力がこういう高齢化に伴いまして低下しておるという事情がございまして、五十年度におきまして失対制度の検討が行われまして、事業の内容を、比較的軽易な仕事をいたします甲と、それから従来のような仕事の乙というような区分をいたしましたり、あるいは就労時間につきましても、従来八時間でございましたものを、軽易な仕事の甲につきましては六時間、乙につきましては七時間、こういう区分をいたしましてその改善を図ってきたところでございます。 さらに、近年こういう就労者の高齢化が進んでおりまして、一般的に労働能力の面でも徐々に低下の問題が出てきておりまして、こういう失対事業につきましての現在の問題点といたしまして、経済効果のある事業を実施することがなかなか困難になりつつあるという問題、あるいはこういう就労者の方々にうまく適合するような作業現場がだんだん枯渇をしてきておるという問題、あるいはまた、高齢化が進んでおりますために、どうしてもちょっとしたことでけがをなさる、あるいは通勤災害がある、こういうこと等の問題が出てきておるわけでございます。 今後の問題といたしまして、この五十年度の制度検討に続きまして、五年以内にこれを再検討することになっておるわけでございまして、五十五年度におきまして、失対事業につきまして今後これをどう改善していくかということでの制度検討が行われることが予定をされております。そういう中で、制度検討の結果を見まして今後失対事業の改善を図っていく、こういう考え方でおるところでございます。
○新村(勝)委員 失対に従事しておられた人たちは、ピーク時には三十五万を超えておったわけですね。それが漸減して現在は十万ということでありますが、この制度というか扱い方というか、政府の発想には最初から問題があったと思うのです。それはこの待遇にも端的にあらわれているように、賃金が非常に低い、それから保険についても別扱い、退職金はなし、そして仕事そのものも土木の単純作業だけ、また、就労している方々に対する技能訓練等についても配慮が全くなかったということであって、いわば棄民政策ではないかと思われる経過をたどっておるわけですね。そして、そこにおる方々は老後の保障もなし、退職金もないわけでありますから、やめるにもやめられないという状況の中で今日を迎えたと思うのです。しかし、その反面、三十五万にも一時達する多数の方々が、非常に日の当たらない社会の一隅で日本の再建に努力をしたということも事実だと思うのです。しかし、現在その制度そのものが多くの問題をはらんでおるということも事実。この際、政府としては、この失対事業に対して対処してきたこの態度について反省すべきではないかと私は思うのですけれども、大臣いかがでしょうか。こういう仕事をしてきた人たちに対して、退職金もなければ保険も別扱いだ、それから賃金も極端に低い、そして教育もしないというこの政府の態度、これをいま問題にしなければいけないと私は思うのですが、いかがでしょうか。
○加藤(孝)政府委員 大臣がお答えいたします前に、ちょっと事務的に御説明させていただきたいのでございますが、失対事業の性格から言いまして、どうしても就職ができないという方について失対事業で働いていただく、こういう仕組みでございまして、万一そういう就職ができない、その場合に失対事業に入っていただく、こういうような仕組みで出発をしているわけでございます。そういう中で、日雇い、こういう形が原則でございまして、保険につきましても日雇い保険、こういうような形でやっております。 また、日雇いということでございますので、日雇い一般の賃金事情から言いまして退職金というものがない、こういうことでございますが、失対の賃金につきましては、同種の労働者の賃金事情を考慮いたしまして失対賃金審議会の意見を聞いて定める、こういう形で対処してきておるわけでございます。 また、退職金はございませんが、失対事業から自立をしていかれる、こういう場合につきましては自立奨励金あるいは雇用奨励金という形で六万円の支給をしておるということでございます。 また、この制度につきましていろいろ政府としても五年ごとの制度検討、こういう中で、先ほども申し上げましたように、五十年の制度検討におきましては、そういう就労者の体力、高齢化等の事情に合わせまして、事業そのものも軽易な仕事の分野でございます甲事業というものをつくる、あるいはまた労働時間につきましても実情に合わせて六時間に軽減するというような配慮あるいは努力はしてきておるわけでございます。
○藤波国務大臣 法律に基づきまして失業対策事業が進められてまいりまして、先生が御指摘になりましたように、戦後のわが国の復興発展のためにこの事業が果たしてきた役割りは非常に大きなものがあるのではないか、こういう御指摘につきましては、事業を興してそれぞれその仕事に携わってこられて、今日まで事業が一つ一つ達成をされてきたわけでありますから、そのことにつきましては十分その事業の目的を達成しつつ今日に至った、こういう認識に立っておるものでございます。しかし、いま失対部長からお話し申し上げましたように、そのときそのときの情勢に応じて政府としてはできる限りの努力をしてきた、こういうこともまたぜひ御理解をいただきたい、こう考える次第でございます。
○新村(勝)委員 現実に失対の人たちに対して行っていらっしゃる処遇、それからその経過を見た場合に、何といってもやはり政府みずからが反省をしなければならない点がたくさんあると思うのです。それは、日雇いである、日雇いであるから保険を別にするんだ、あるいは日雇いであるから退職金も少ないんだというのは、これは、政府がそういう機構をつくるから、そういう制度をつくるからそうなるのであって、失対に働いている人たちの責任ではないわけですよ。そして、何もできないから単純労働だと言いますけれども、何もできない人に対しては差別をしていいのかということになってまいりますと、それは全くの背理だと思いますね、何もできないというのであれば職業訓練をしなければいけないわけですから。職業訓練の努力を政府はなさっておらない。そして日雇いという制度をつくって、保険も別だ、奨励金も六万、こういう状況の中では、これは高齢化が進み滞留していくという事態が起こるのは、その制度から起こるのであって、そこに働いていらっしゃる方々の責任では全くないわけですよ。これは全く政府の責任であるわけです。そして今日を迎えていろいろの問題がある。検討はしたと言いますけれども、検討の跡がほとんどない。そうして、何十年働いても支度金は六万。そうしますと、実際にこういう人たちに接しておる市町村は、いままで市町村のために道路を直してもらったり、あるいは水道工事のみぞ掘りをやってもらった、長い間仕事をしてもらったこういう人たちが六万円しかもらえない、では六万円でやめてくれというわけにはいかないわけですね。そこで、必然的に県なり市町村は、そこへ何がしかの手当をプラスして、これは純然たる超過負担です。国がこういうことについて財政措置をしてくれませんから、自治体がそういう超過負担をしてこういう人たちを守ってきたというか、その労に報いてきたわけですよ。ところが、国の施策、処遇はきわめて冷たいものであったということは事実だと思うのです。こういう点について、大臣はどうお考えでしょうか。国の施策についてその足りない分——足りない分というのは、客観的に足りない分ですよ。そんなこと言わなければいいとは、まさかおっしゃれないでしょう。こういうことを市町村はやってきたわけですけれども、これは国の配慮が足りないため、あるいは施策が不十分なためにそういうことになるわけです。ひとつ国は、こういう事態を猛省していただきたいと思うのですけれども、大臣、いかがでしょう。
○藤波国務大臣 他の制度なり、あるいは他の労働者との比較等につきましては、もし必要があれば担当者からお答えいたしますが、いま申し上げましたように、そのときそのとき、市町村も大変な御努力をしてきていただいたことを私ども高く評価し、敬意を表しているわけでございますけれども、政府としてもできるだけのことをして今日に至った、こういうふうに考えておる次第でございます。
○新村(勝)委員 時間がないそうでございますので。 この失対問題はもう転機に際会しておると思います。この際、政府としても、いままでの経過を十分踏まえながらこの問題に対して対処をしていただきたい、特にこれを要望して終わります。
○高田委員長 春田重昭君。
○春田委員 私は最初に、高齢者対策の一環として政府が考えておりますシルバー人材センターの構想、趣旨、その事業の内容について、まずお尋ねしてまいりたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 シルバー人材センターを来年度におきまして構想いたしました趣旨について申し上げますと、御存じのように、近年高齢化社会の進展いたします中で、定年退職後などにおきましても、常用雇用でなくとも何らかの仕事につきたい、そして自分の労働能力を生かしたい、こういうようなことによりまして生きがいの充実、あるいは社会参加を希望する、そういう高齢者が増加しつつあるわけでございます。他方、大都市等におきましては、核家族化が進む、あるいはまた共かせぎがふえる、こういうようなことで、地域住民の日常生活に関連いたしますいろいろな補助的あるいは短期的な仕事の需要が増加をしてきている、こういうような事情にあるわけでございます。 〔委員長退席、新村(勝)委員長代理着席〕 こういうことを踏まえまして、今般こういうような地域社会の仕事を組織的に把握いたしまして、これを高齢者の方々に提供する、こういうことを目的といたしまするシルバー人材センターの育成援助をしょう、こういうことで全国の主要都市におきまして百団体に助成を行おう、こういうことで構想したものでございます。補助金の額にいたしまして、一団体当たり初年度六百万円、平年度七百万円、こんなことで考えておるわけでございまして、総額にいたしまして来年度百団体ということで六億円を考えております。おおむね人口二十万以上の都市−二十万にこだわっておるわけではございませんが、その程度のところにおいて、ある程度一つの団体がそういう活動をするのについて、そういう労働需要などの集積があるのではないか。まずそういうところからモデル的にやろう、こういうことで、先ほど井上先生からいろいろ問題の御指摘をいただいたわけでございますが、構想としてはそういうことで考えたわけでございます。 補助の内容といたしましては、その団体におきます補助対象を、事務職員の人件費あるいは事務所の借り上げ料というようなもの、あるいは備品費などを考えておるところでございまして、補助率を国が二分の一、地方自治体が二分の一、こういうことで考えておるところでございます。 このセンターで主として予定をしております仕事としては、これは東京あるいはさっき井上先生からも御指摘のありました摂津等でもいろいろ行われておるわけでございますが、そういうようなところの仕事の例を見ますと、書類の校正であるとか、タイプであるとか、あるいは庭園の整備であるとか、書類のあて名書きであるとか、伝票整理であるとか、あるいは店番、配達、あるいは清掃、除草、それから病弱者の付き添い、あるいは子守、あるいは留守番、こんなようなサービス関係の業務、あるいは学校の警備、公園管理、自転車置き場の整理、こんなような仕事、あるいは公民館や図書館あるいは青少年団の活動等の補佐もいたしますようなそういう社会教育活動の仕事、あるいはまた成人教室あるいは学習塾のようなものでございますが、学習教室等の教育指導の業務、こういったような仕事が一応考えられておる、こういう現状でございます。
○春田委員 すでに各地方団体では四十九年十二月、東京を皮切りに〇〇市、また東京都においては〇〇区ですか、高齢者事業団という形で発足しておるわけでございますけれども、すでに全国でどれくらいの数になっておるのか、それと今回のシルバー人材センターとの関連ですね、どう位置づけていけばいいのか、この辺のところを御説明いただきたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 私ども今回この構想を練り上げる過程で、全国各地の高齢者事業団というようなものにつきまして、いろいろ調べられるだけ調べてみました。約百団体程度ございますが、内容的には全く生きがい的なものから、生活の保障というところまで限る、あるいはまた会員を、市民であればだれでも入れるようなものから、特定の人だけに限定をするというようなものであるとか、あるいはまた、主として民間の仕事を引き受けてやるというものから、自治体の仕事を主体にやるというようなものまで、いろいろ千差万別ございまして、いま構想しておりますのは、主として東京都がやっておりますようなものを大体モデルにしながら、これを全国的にも、大体全都道府県二ないし三程度の団体でまずモデル的にやろう、こんなことで取り組んでおるところでございます。
○春田委員 すでに発足している地方の高齢者事業団に対する補助でございますけれども、これは種々雑多だといういまの御答弁でございますけれども、このシルバー人材センターの構想と若干やはり違うところがあると思うのですね。そこに対しては補助するのかどうか、また既成のいわゆるそういう団体に対しては合致すれば補助をするのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○加藤(孝)政府委員 なるべくこのシルバー人材センターにつきましては各地域の高齢者のそういう団体の自主的な活動の中でやられることを期待し、当然運用の面でもいろいろ自主的にその辺をお考えいただく、そういったものをできるだけ尊重していく、こういう基本的な考え方でいきたいと思っておりますが、何せ労働省として初めて取り組むものでございます。そういう意味で基礎的な問題として、ひとつ会員はだれでも入れる、特定の人に限定しないで、おおむね六十歳から六十五歳を主体としながら、もちろん六十五歳を越えられる人でも健康で体力があれば会員にされるということは結構でございますけれども、一応六十から六十五歳をひとつ主体にしていく。それから、会員の方々について就労保障的なことあるいは収入保障といいますか、そういったことはしない。要するにそういうような基本的な点だけは補助条件につけていきたいと思いますが、そういう補助条件に合致しており、かつ、その都道府県におきまして、これは県の担当者とよく相談していくことでございますが、二ないし三団体を選択いたしましてまずモデル的にそれを育成していく、こういうことでございますので、全部が補助する、こういうことには必ずしもならぬと思いますが、そういう既存の活動をしておるものも十分検討の対象にはさせていただくことを考えております。
○春田委員 条件の一つに人口二十万以上というのが大きなウエートを占めているわけですね。人口二十万以上の都市というのは大体全国でどのくらい数があるのか。
○加藤(孝)政府委員 東京都の場合特別区でございますので、これをカウントいたしますと、二十万以上という自治体が百十七ございます。
○春田委員 新年度は、七月から発足するみたいでございますけれども、要するに百団体、六百万、六億円の予算が組まれているわけですね。したがって、全国で百十七団体でしょう。その百十七団体が全部やって初めてこの予算が消化できるわけですよね。ところが、要するに、すでに百団体あると聞いておりますけれども、この中では二十万以下の都市もかなりあるわけですよ。井上先生の摂津市もそうでございますし、私の住んでいる大阪の守口、これは十八万、こういうところもあるわけですね。そういう点で、予算を消化しようと思ったら、二十万というのは非常にやはり一つの基準になりますから、いまおおむねという話でありますから若干それを下回ってもいいようなニュアンスに聞こえましたけれども、やはり全国で百十七団体しかない、そこへ持ってきて百団体つけるとなれば、私から言わせれば人口二十万という点はもうちょっと下げるべきじゃないか。当然これは五年計画でやっていくわけですから年度ごとにふえていくと思うのですよね。初年度において二十万をつけたということは、百団体本当に補助できるかどうかというのは心配だと思うのですよ。全部消化できるかどうか心配だと思うのですね。そういう点で、先ほど質問もあったみたいでございますけれども、この二十万という考え方ですね。既存の団体で二十万以下の都市については、もうすでに市の持ち出しでやっているわけですよ。そういう点はやはり考える必要があるのではなかろうか、こう思いますけれども、どうでしょうか。
○加藤(孝)政府委員 おおむね二十万、こういうことで構想いたしておりますが、その考え方は、最初、とにかく初めてやるものでございますので、できるだけひとついいものをモデル的につくって、逐次その実績を見ながらほかの都市にもいろいろ拡大していく、こういうような前提で考えたわけでございます。この点につきましては、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、そういうおおむね二十万ということではございますけれども、いろいろ御指摘の趣旨を踏まえまして、その考え方を消化するようにひとつ私どもも実務の面でそれぞれの都道府県担当者ともよく相談をしながら対応していきたい、こう考えております。
○春田委員 確認の意味で大臣にお聞きしたいのですが、すでに発足している地方のいわゆる事業団に対しては、たとえ二十万を下回っても、もうつけてあげる。これはもう国に先駆けてやったわけでございますから。これから新発足するところは二十万以上という線を設けてもいいですけれども。いままでやっているところはかなり市で持ち出しでやっているわけですよ。私の守口でも大体一千万ぐらい毎年出しているわけですよ、そういう点で、いわゆる既存の特権という形でこれは認めてあげる、こういう提案をするわけでございますけれども、どうでございましょうか。
○藤波国務大臣 先ほどもお答えをいたしましたが、国としては五十五年度が初年度でございますので、すでに活発な活動をしていらっしゃるところにそのまま補助をしていくという都道府県ないし団体もありましょうし、あるいはもっとこういうふうに改善したらどうだというような団体もありましょうし、あるいはこういった機運の上に乗っかって、あちらこちらからいろいろなお問い合わせもすでに出てきておりますが、市町村としてもぜひ高齢者対策をやりたいんだ、何かいい仕組みはないかと思ってずいぶん苦労していたけれども、こういうふうな仕組みがあるならぜひやりたい、こんなふうなお問い合わせもあります。したがいまして、やはり初年度は、無原則にいままでやってきたところには補助をしますというのは、国の補助を出します以上なかなか言いにくいことではございますけれども、できる限り柔軟に構えまして、その中でできる限り各都道府県のモデルの団体を中心にして、これからぜひやっていきたいというような市町村を誘導していくような構えをつくることができたらというのが私どもの願いでございますので、決して二十万以下はだめですとかなんとか言う気持ちはありませんで、国が企画をつくってこういうふうにしてやってくださいと言うよりも、現実に需要と、また働きたいという方のニーズがあって動いていくところを中心にして進めていくのでなければ、こんな仕組みというのはなかなかうまくいくものではないと思いますので、十分ひとつ柔軟に構えて五十五年度出発をさせていくようにいたしたいと思います。また、ぜひひとつその辺について、こういう非常にいい団体があるとか、こんなようなところは少し、言っていることとちょっと企画に合わぬようなところもあるように思うけれどもどうだとかいうようなところがあったら、ぜひこれは先生方やまた各都道府県知事さんなどの御助言もいただいて、よりすぐれたものに仕組みを育てていきたいと思っておりますので、どうぞ御指導いただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
○春田委員 それから、先ほどの答弁の中で、大体一府県で三カ所ぐらいというお答えがございましたけれども、これはたとえば東京や大阪という大都市と、たとえば北の方の農村地帯の府県とは違うと思うのですよ。だから、画一的に一府県で三カ所というのじゃなくして、要するにこの条件に合いさえすれば、たとえば一都道府県では、大阪や東京なんかは何十カ所も出るでしょうし、農村地帯へいったら全くないということも考えられると思うのですよ。その点どうですか。
○加藤(孝)政府委員 先ほどお答えいたしましたのも、平均いたしまして一府県二ないし三という程度のことで申し上げたわけでございまして、御指摘のような事情もいろいろございますので、全国の状況をよく見ながら、百団体をどう配分するのが妥当であるか、それぞれの県ともよく御相談しながら対応してまいりたい、こう考えております。
○春田委員 次に、労働省から出ているこのシルバー人材センターの構想の中に、年齢の面で、会員は主として六十歳以上、六十五歳未満となっていますね。先ほどの答弁では、六十五歳以上でも健康な人であればいいとなっておりますけれども、そちらから出ている書類には六十五歳未満となっているわけですね。私から言わせれば、六十歳から六十五歳に限定しないで、六十五歳以上でも、健康で、また技術があって、意欲がある人は、当然会員として認めて、この事業団の会員とするべきだ、こういう考え方を持っているわけでございますけれども、その点どうですか。
○加藤(孝)政府委員 この点につきましては、先ほど局長からも申し上げましたように、一応六十歳代前半層の対策として仕組みましたので、その点についておおむね六十歳から六十五歳、こういう言い方をしておりますが、要するにそこを中心にして、こういうことでございまして、申し上げましたように、それを超えておられましても、健康であり、ぜひそういうものに入りたいという方を拒む趣旨ではございませんので、御理解を賜りたいと思います。
○春田委員 それから、補助期間が五年となっております。これはレクの段階で、新規事業の補助は五年間が最高限度である、こういうことで五年となりましたという答えをいただいたわけでございますけれども、この高齢者事業団というのは非常に好評を得ているわけですね。私の市でも、当初、請負契約が大体年間一千万ぐらいの予定をしておったわけです。ところが、もうすでに三千万、計画の三倍ぐらい来ているわけですね。そういう点で、非常に好評を得ておりますので、当然年度ごとでずっと上がっていくと思うのです。そういう点では、五年と切らないで、これをいわゆる運営補助としてずっと続けていただきたい、こう私は要望するわけでございますけれども、どうでございましょう。
○関(英)政府委員 先生のお話にございましたように、補助金について見直しをせねばならない財政状態でございまして、新規補助金につきましてはすべて五年という限定が付せられる、こういうたてまえになっております。ただ、この事業につきましては、先生おっしゃいましたような事情にあるわけでございますので、五年という期限が来た際に、改めてそこでこの事業の継続の必要性というようなことも十分私ども考えまして、対処していきたい、こういうふうに考えております。
○春田委員 続きまして、このたび新聞でもかなり報道されましたけれども、日本建設雇用管理協会、こういう公益法人がございますけれども、この協会に絡む詐欺事件というのが勃発したわけでございます。御存じのとおりだと思います。その事件の経過並びにそれに対応する労働省のいわゆる御見解をお聞かせいただきたいと思うのです。
○関(英)政府委員 御指摘の協会の理事長が詐欺事件で逮捕されるという事態になったわけでございます。この協会の設立許可及び設立許可後、そういう協会の動き、いろいろな営利的な事業をやろうとする動き等がございまして、私ども指導を重ねたわけでございますが、いまから考えますと、その指導がまことに十分徹底していなかったといいますか、不十分でございまして、こういうような事態になったことを非常に遺憾に思っております。
○春田委員 労働省から雇用促進事業団に交付金という形でいっている。それから、雇用促進事業団からいわゆる助成金という形でこの協会にお金が渡っているわけですね。助成金、補助金がいっているわけです。この補助金の支給状況を数字をもってお示しいただきたいと思うのです。
○関(英)政府委員 建設雇用管理協会が取り扱ってきた助成金を分けますと、一つは、建設事業主の団体として構成員である建設事業主あるいはその雇用する建設労働者を対象として雇用管理協会がみずから実施したりあるいは指定された教習機関に委託して実施した場合に支給される雇用管理研修助成金、技能実習助成金、職長研修助成金、こういったものと、もう一つは指定団体として構成員である建設事業主が個別に実施した雇用改善活動の経費につきまして事業主の委託を受けて請求の代行をして受領するといいますか、そういう関係の代理受領した経費、健康診断助成金、講習等派遣助成金、こう大きく二種類に分けられると思います。 支給実績は、五十三年度で五百十一件、一億二千万円余でございます。五十四年度は、十二月末現在でございます、そういう意味で一年経過しておりませんが、三百十八件、五千七百六十一万円余になっております。
○春田委員 ところで今回の詐欺事件でございますけれども、これは理事長なる川渕だけの単独犯なのか、それとも協会の役員の一部が加担していたのかどうか、どうでございましょう。
○関(英)政府委員 理事長が逮捕されるまで、理事長及び副理事長から私どもいろいろ事情を聴取してまいりました。たとえば手形が不渡りになったというような事件がその逮捕事件の前にもちろんあったわけでございます。そういう段階でいろいろ聴取してまいりましたけれども、その限りにおいては、詐欺事件は私は理事長個人の問題ではなかろうかと思いますが、必ずしも事案が明確でございませんで、役員の中にも、自分の名前が勝手に使われたというので理事長に対して告訴するとかいうようなことを言っている者もおりますし、理事長が逆のことを言う場合もありまして、詐欺事件そのものは理事長個人の問題ではなかろうかと思いますが、いろいろこの法人である協会と別会社であるところの事業との関係でなかなか不分明な点がございまして、必ずしも私ども、まだ全貌を確信を持ってつかみ切れておりません。
○春田委員 いま警察に逮捕されているのは川渕だけなんですか。
○関(英)政府委員 そのとおりだと思っております。
○春田委員 これは毎日新聞の二月十六日の夕刊でございますけれども、この中には、長野県の建設会社社長をだまして約三千六百万のお金を得たとなっておるわけですね。この中で、この管理協会の種々の運営について川渕とともにいわゆるAなる同協会の幹部、参事となっておりますけれども、新聞ではAという形で固有名詞が出ておりませんけれども、これが理事長の横におってるる説明した。その話にこの建設会社の社長が納得して要するにお金を出したという形になっておるわけですね。だから、この協会の幹部もこの詐欺事件では関連しているように報道されておりますけれども、その点はつかんでおられますか。
○関(英)政府委員 その協会の担当者のことを新聞の記事は指しているんだろうと思いますが、先ほどのお尋ねの、どこまで本当に事件に関与しておるのかどうか、私どもまだ確信を持ってつかんでおるところではございませんので、十分な御説明ができないのはまことに申しわけないと思います。
○春田委員 この協会には参事というのはおるのですか。その方を労働省としては呼んで事情を聴取したのかどうか。わからない、わからないでは事件に対する責任というのは一向に解明されないのじゃないですか。労働省としては呼んで事情を聴取したのですか。
○関(英)政府委員 この協会で参事という肩書きの者が制度上おるというふうには私ども考えておりませんが、協会の中の者が長野県の事件の場合に一緒に行って説明したということでございますので、そういった者の話も聞いております。
○春田委員 聞いておるけれども、要するにこの詐欺事件に関しては川渕の、理事長だけの単独犯である、このように認識なさっているのですか。
○関(英)政府委員 最初にお答えいたしましたように、現在、詐欺罪ということで長野県の事件に関連して警察に逮捕されておる者が理事長一人というふうに私ども認識しておりますので、そういう意味で理事長個人の事件ということではないかというふうに申し上げましたけれども、それ以外に詐欺事件で同時に逮捕されるような者が出るかどうか、こういう意味で私ども確信を持ってお答えできる状況にないということを申し上げたつもりでございます。
○春田委員 いまの局長の答弁を聞いたら、まだ非常にあいまいなのですね。Aなる人が告訴すると言っているのですから、本人を呼んで労働省としてはきちっといわゆる前後の事情等を聞くべきじゃないですか。そういうあいまいな形で済ましてしまったら、これは大変なことになるのじゃないですか。
○野見山説明員 お答えいたします。 ただいま局長から御説明申し上げましたように、会計関係に実質的な責任を持っておりました理事長が逮捕されておりますので、会計関係について実際的な業務を持っていた者から事情を聴取いたしておりますけれども、警察の方の調べにつきましてまだ十分判明していないところがございますので、なお実質的な会計責任者が、その処置について明らかになった段階でないと、私どもとしては実態として個人の責任なのかあるいは協会も絡んでいるのか、明確に申し上げられない状態でございます。
○春田委員 この協会が設立されたのはいつなのですか。
○関(英)政府委員 この協会につきましては、五十三年四月十一日付で許可申請が出され、五十三年四月二十六日に許可されたものでございます。
○春田委員 四月十一日申請して約二週間後の二十六日にはもう公益法人として認可しているわけですね。労働省には公益法人が百数社ありますけれども、公益法人の認可というものは、大体二週間程度で全部認可するのですか。
○関(英)政府委員 認可申請が出される前に事前に話があり、事前審査といいますか、相談をるる重ねて、直すべきところは直して、そして最終的な申請書が出たのが四月十一日であるというふうに思います。 多くの法人につきまして、正式に申請書が出てからそれを直してまた返送して書き直させるということをしないで、事前に、案の段階で都道府県、労働省段階で十分相談をする、煮詰まった段階で申請書を出していただく、その場合に、たとえば特に条件を付す場合には、そういう条件を守りますという誓約書まで含めて申請を出させるということをしておりますので、あとの約二週間は省内の手続の期間でございます。
○春田委員 その事前審査とか事前調査をやられたのは大体いつごろなんですか。
○関(英)政府委員 私、当時は別のところにおりまして、約三、四カ月かかったというふうに聞いております。
○春田委員 また、これも新聞報道によりますと、理事長の川渕は過去にも北海道において、これと似た詐欺事件を起こして二年六カ月間の実刑判決を受けているわけですね。いわゆる前科者なんですよ。この協会の中心である、軸である理事長がこういう詐欺事件を二回も起こしているわけでしょう。そういう理事長の、いわゆる中心たる人の人物調査をやるのは当然じゃないかと思うのです。三カ月も四カ月も前から事前審査、調査をなさっているわけでしょう。人物調査等はやらなかったのですか。
○関(英)政府委員 法人の役員につきまして、たとえば市町村長から身分証明書をとるというような形で私ども一応確認はいたしますけれども、その方法によっては前科というものはわかりませんし、その五十三年の段階でそういう理事長の前歴がわからなかったということがございます。現在のような形での役員の審査の仕方でいいかどうか一応問題はあろうかと思いますが、本人の方から出てくる履歴書と市町村長の身分証明、そういったもので、一応役員については私どもいままでは見てまいりました。
○春田委員 この川渕なる人物は、過去には東建災防協会の中心的人物だったわけでございまして、そのころから労働省とはおつき合いがあったと思うのですね。そういう点では、なれ合いといいますか、そういう面があったのではないかと思うのです。二年六カ月の実刑を受けているという前科犯なんですから、その辺のところは地元に問い合わせれば十分わかることだと思うのです。書類審査だけでやるからこういう結果になったわけでしょう。そういう点では労働省のミスでなかろうかと私は思うわけでございます。 ところでこの川渕は、そのさきの詐欺事件とは別に営利を目的とした会社、この三つをつくったり、またそのおのおのの会社に出資したりしておるわけですね。このことを労働省としては事前に知っていたわけですか。
○関(英)政府委員 協会はその定款において、作業員宿舎その他福利厚生の施設の設置運営ということが書いてございますけれども、関連会社でやっておりました住宅の分譲というようなものは定款上できないようになっております。で、協会の方から住宅分譲をやりたいという相談、したがってそれは定款の改正になりますが、そういう相談が労働省にございました。労働省としてはそのときは、それは営利事業になるから協会がやるのは適当でない、こういう回答をいたしたわけでございます。そういう意味で、協会にそういう意思があったということはその時点でわかったわけでございますが、私どもとしてはそういう指導をしたわけでございます。ところが、労働省に相談に来る前からそういう住宅分譲事業をやるような準備を重ねておったのだろうと、いまになってみると思うのですが、急遽別会社をつくるというような形でその住宅分譲を始めたわけでございます。昨年の十月、協会の監査をしました場合に、その別会社と協会との関係が、役員が兼務されておったりして必ずしもはっきりしない、あるいはその住宅分譲が、別会社ができておっても相変わらず協会がやるかのような広告といいますか宣伝といいますか、そういう面があったりして非常に両者の関係が不明確であるというので、そこを完全に切り離すように指導しておったところでございます。そうしているうちに今度の事件になったわけでございますが、今度の事件になりますについて、私どももまたいろいろ調査をいたしましたところ、その住宅分譲をやる別会社のほかにまた別会社を持っているということが明らかになった、こんな状態でございます。
○春田委員 この住宅分譲をやってはならないというのは、五十三年十月労働省としては行政指導をしている、こうなっているわけですね。ところが、十月二十日には住宅分譲を行う日本建設雇用管理センター、いわゆる協会をセンターにかえただけなんですね、これをつくっているわけですよ。十月には指導したと言うが、十月のいつなんですか。 〔新村(勝)委員長代理退席、井上(一)委 員長代理着席〕
○野見山説明員 お答えいたします。 五十二年十月二十日に指導いたしております。
○春田委員 この住宅分譲を行うセンターをつくったのはいつなんですか。
○野見山説明員 同じく十月二十日に雇用管理センターを設置することになりました。
○春田委員 ちょっとおかしいのじゃないですか。住宅分譲は行ってはならないというのを十月二十日に指導して、その日にもうつくってしまったのですか。いまのところ、おかしいんじゃないですか。
○野見山説明員 失礼いたしました。五十三年八月ごろに指導いたしました。それに従いましてセンターが設立されたのは、十月二十日でございます。訂正させていただきます。
○春田委員 一応指導したと言うけれども、実際は二カ月後には会社をつくっているわけですよね。その職員と役員、また事務所も全く一緒であるという、いま局長の答弁がございましたけれども、そこらは昨年十月に調査してわかったというのですね。ところが、要するに一昨年にこれをつくっているわけでしょう。全然知らなかったのですか。新聞の写真を見たら全く同じ看板が出ているわけでしょう。一つの看板に、上に協会、下にセンターと書いているわけですよ。事務所は全く一緒、職員も一緒、役員も一緒、川淵はこの会社の代表者になっているのでしょう。というのは、指導した指導したと言うけれども、実際つくった。つくったけれども、その後労働省としては中身も全然チェックしてない、こういう落ち度があるわけですね。一昨年つくって、去年の秋にやっと立入検査をやったわけですよ。それではっきりわかったわけでしょう。わかったというか、そのまま見逃したのかわかりませんけれども、この点は労働省の大きなミスと言わざるを得ないと思うのですよ。 さらに、時間がありませんから追っていきますけれども、五十四年の二月に八丈島のホテルフェニックスを買収する、こういう形で川淵が銀行に行った。そして銀行には協会が債務保証をする、したがって信頼してくれ、こういうことで銀行から労働省の方に間違いないかという問い合わせがあったと聞いているんですね。これに対して、要するに実際川淵なる者はホテルフェニックスを買収してしまったのでしょう。その辺の経過をちょっと教えてください。
○野見山説明員 お答えいたします。 川淵理事長は協会の名前でホテルを買収いたしまして、リゾートマンションとして協会の会員に売却いたしたわけでございますが、昨年の末になりまして、このホテルをまた別な人間に売り渡したという事実が判明いたしたわけでございます。
○春田委員 さらに六月には診療所の設置を申請したわけですね。これに対して労働省はどういう手を打ったのですか。
○野見山説明員 協会から診療所の設置の申請がございましたけれども、この業務を協会の業務として行うことは適当でないということで、この申請については拒否したわけでございます。
○春田委員 実際、ではその診療所はどうなったのですか。できたのですか、できなかったのですか。
○野見山説明員 協会と別な形で診療所は設置されたように聞いております。
○春田委員 このように、ことごとく、労働省は一応指導したと言いますけれども、全然その指導どおりやっていないわけですね。それで、営利活動にもせっせと励んでいるわけです。 五十三年十月には住宅分譲を行うためのセンターをつくった。そして翌年の二月にはホテルフェニックスを買収している。これは協会の名を使って銀行から融資を受けている。そして、その六月には診療所をつくっているということで、この一連の流れをずっと見ておったら、何といいますか、川淵が巧妙なのか労働省がなめられておったのか、癒着してしまっているのかわかりませんけれども、全く指導に反した行動をとっているわけですね。これに対して本当に、この詐欺事件が二月十六日わかって、やっと労働省があわてたという形になっているわけですよ。だから、こういう一連の流れを見ておったら、二年前からこの事件が起こるべくして起こったような背景があるわけですよ。したがって、事前にとめることはできておったわけです。それが五十三年には一億二千万の助成金がいっている。また、五十四年度に約六千万の助成金がいっている。平気で出しているのですね。この辺、大臣どう思いますか。
○藤波国務大臣 いま現に取り調べが進んでおるところでございますので、先ほど来お答えをいたしておりますように、その捜査が進行していく中でどういうふうに動いていくのか、どういう実態がさらに浮かび上がってくるのか、非常に心配をいたしておるわけでございますけれども、先生御指摘のように、従来労働省がいろいろ指導したとか、あるいは申し出を拒否したとかというお答えをしておりますけれども、それらの指導がより厳正により的確に行われていたならばこういうことにならなかったのではないかということを考えまして、その指導の対応ぶりにつきましていま反省をいたしておるところでございます。 何回も申し上げますけれども、どういうふうな実態が今後浮かび上がってくるかわかりませんけれども、労働省といたしましても実情をよく調査いたしまして、二度とこのようなことが労働省所管の団体の中から起こってこないように厳しい態度で臨んでいきたい、このように考えておるところでございます。
○春田委員 雇用促進事業団の方がお見えになっておりますけれども、実際はこの雇用促進事業団を通して補助金が出ているわけですね。雇用促進事業団は、政府だけに任せっ放しではなくして、事業団としてそれなりの調査をやったのかどうか、お尋ねしたいと思うのです。
○中野参考人 雇用促進事業団といたしましては、各種講習とか研修につきまして、そのやった個々の分を完全に精算いたしまして、これが完全に実行された結果に基づいて金を支出しているということになっておりますので、研修を受けた事業主の方々その他の人たちには一切迷惑はかかっておらないと私どもは信じておる次第でございます。
○春田委員 そうしたら、お尋ねしますけれども、事業団としては、協会の理事長がいわゆる営利活動をやっていたという事実は御存じなんですか。
○中野参考人 私どもといたしましては、労働省として認可した団体でございますし、建設業の雇用改善という業務そのものについては比較的まじめにやっておりました形跡もございますので、その辺につきましては、雇用改善の面から見ますと目的は達成されていたんじゃなかろうかというふうに思っておるわけでございます。
○春田委員 事業団の中野さんの話によれば、当然協会の仕事は一応やっているということで、まあ助成してもこれはあたりまえである、補助金を出してもあたりまえであるという考え方みたいでございますけれども、しかし、少なくとも協会そのものが別会社をつくって営利をやっている、そして多額の負債を負っている、こういう点から考えたら、協会そのものはそういう建設労働者のいろいろな雇用改善に向かっての講習等をやっているかもしれないけれども、その理事長が別のことをやっているのですから、そういう点は十分吟味して、助成なんかでとめていかなかったら、協会そのものが今回ものすごい借金になっているのでしょう。そういう点、やはり今度は助成のときに、補助のときに考える必要があるんじゃないかと思うのですよ。いわゆる講習会やいろいろな協会そのものの仕事は一応やっているから、うちは助成金を出すのはあたりまえである、他のことは労働省ですというふうに責任を回避していいかどうかという点は私は疑問だと思うのですよ。その点は、いわゆる協会そのものの全体のあり方を考えて助成しなかったらいけない、こう思いますけれども、どうですか。
○中野参考人 協会そのものにも非常に重大な問題がございますので、私どもも今後、労働省の御指導も受けながら、遺憾のないように十分措置をしてまいりたいと思います。
○春田委員 ところで、この協会に対する労働省から、また事業団からの天下りというのはないのですか。
○関(英)政府委員 労働省あるいは雇用促進事業団出身の者がこの協会に行っているという事実はございません。
○春田委員 ところで、今回のいわゆる詐欺事件が勃発して、かなりの全容が浮かび上がってきたわけでございますけれども、それによると、いわゆる宅地分譲に手を出したことによってかなりの負債が出ているみたいでございます。現時点で協会でどれだけの負債があるのか、またセンターと言えどもかなり協会が裏保証をして手形を切っているみたいでございますし、そういう点からいって、このセンターの負債も即協会の方にかかってくるんじゃないかというおそれがあるわけですね。だから、いま協会でどれだけの負債がある、センターとしてどれだけの負債がある、これをお示し願いたいと思います。
○野見山説明員 川渕理事長より逮捕前に聴取いたしましたところでございますが、協会の債務状況は借入金債務あるいは一般債務、支払い手形債務等含めまして合計十一億四千二百万円余でございます。それから雇用管理センターにつきましては、同じく合計で十五億一千百万円のよし聞いております。
○春田委員 この両方合わせて約三十億円あるわけでございますけれども、これに対するいわゆる本省の責任というのはあるのかどうか。
○関(英)政府委員 この負債というものは、いわば民間の取引関係から生じておるわけでございますので、直接的に労働省がその債務を負うというような関係にはなりがたいものと思います。ただ、先ほど来先生御指摘のように、労働省のこの法人に対する監督指導がもう少し行き届いておったらこういう関係にならずに済んだのではなかろうか、少なくとも公益法人という協会の名において負債が発生するようなことはなかったんじゃなかろうか、管理センターの方で負債が出る出ないは、これは別会社でございますからそちらの問題はしばらくおくとしても、公益法人が負債を負うということにはならなかったんじゃなかろうか、この点に関して私ども監督責任を痛感するわけでございます。
○春田委員 いや、このセンターの負債も協会の方から裏保証をやっているわけでしょう。最終的には協会の責任という形になっていくんじゃないですか。まあ政府としては、もう金の問題は商行為としてのあれだから責任はない、いわゆる協会そのものが処理してもらいたいという考えみたいでございますけれども、果たしてこの協会だけで、これだけの膨大な負債を返済できるかという問題がありますね。中には、手形というのはこの種の事件ではいろいろな町の金融や暴力団が入ってくるわけですよ。そうした場合に、これは当然労働省がバックにあるから、労働省の公益法人だ、認可したいわゆる団体であるから、労働省も責任持てという形になってくると思うのですよ。また、本人もそういう形でどんどん銀行なんかに行っているわけですからね。私のバックには労働省がある、こう言っているわけですから。その辺の責任が果たしていま言った局長の答弁で回避できるかどうかという点ですね。全くない、いわゆる行政指導だけであって、金の面は協会だけであるという責任で逃れることができるかという点ですね。どうでございましょう。
○野見山説明員 お答え申し上げます。 協会の負債もございますが、センターの方の住宅分譲等に絡む手形振り出し等の関係で協会のバックボーンがあるというようなこと等が言われたやに聞いておりますけれども、一般の方々が公益法人がバックについていたという信頼を協会の方に寄せられたということにつきましては公益法人としての問題はぬぐえませんけれども、具体的な手形の中身からいきますと、私どもが承知しているところでは住宅分譲等の取引関係に基づくものというふうに聞いておりますので、債務保証等していたかどうかにつきましてはなお責任者である川渕理事長から具体的に聴取しなければ不明でございますのでわかりませんが、協会の債務につきましては、現在協会の責任者に対して、今後の債務の返済方針につきまして早急にまとめるよう指示をしているところでございます。
○春田委員 時間がございませんので先を急ぎますけれども、今回の事件でわかったのは、非常に経理があいまいだということですね。管理協会と管理センンターがごっちゃになっているみたいな感じがする。いわゆる協会の金がかなりセンターの分譲住宅の方に行っている。そういう懸念があるわけですよ。そういう面では、監事が二名いますけれども、この監事は何をやっていたか、こうなっちゃうわけですね。そういう点で経理のあいまいさがあるわけでございますけれども、今後こういう公益法人に対するいわゆる経理の公開といいますか明快といいますか、この点は明らかにする必要があるのじゃないか、こう思います。この点局長どう思いますか。
○関(英)政府委員 一般論といたしまして、公益法人の予算、決算状況、こういうものは担当の官庁に報告せねばならぬようになっておりますが、今回のこの事件に関連しての経理内容、こういうものを私ども明確につかまなければいかぬと思っておりますけれども、先ほど担当課長からもお答えいたしましたとおり、現在現にそういう事件を起こした本人が逮捕されておりまして、非常にそこを解明することがむずかしくなっております。警察の捜査の進展にもよりますが、私ども、理事長事故あるときの後の体制を至急管理協会でつくって、残った者の手で十分な解明措置を早くやれ、こういうことをいま指導しているところでございますが、できるだけ早く全容をつかみたい、このように思っております。
○春田委員 こうした不祥事件を起こしたわけでございますけれども、この協会の存続はどう考えているのですか。
○関(英)政府委員 再三の指導にもかかわらず十分な分離も行わずに、かつ確認はされておりませんが、債務保証もしたと言われておる、こういうこと、あるいはその責任者である理事長が詐欺事件で逮捕される、こういうようなことを考えますと、これをこのまま存続させていいかどうか非常に問題があると思いますが、いま実は大事なことは、できる限り債権者に対して御迷惑をかけない方法で、できるだけ債務の弁済を図っていく。協会の資産もございます。そういうものも含めまして債務の処理方針をまずはっきりさせる。それで債権者の御納得がいただけるなら、その時点で協会の存続について重大な決意を持って労働省としては考えていきたいと思っております。
○春田委員 会計検査院の方がお見えになっていますのでお尋ねをしますけれども、以上、大体の流れを答弁の中である程度御理解いただいたと思うのですけれども、会計検査院としては今回のこうした公益法人の不祥事件に対して、私はやはり立入検査をやるべきじゃないかと思っておりますけれども、どのようにお考えになっておりますか。
○肥後会計検査院説明員 お答え申し上げます。 会計検査院は、当該協会に対しては検査権限がございませんので立入検査はできませんが、今回の事件にかんがみまして、協会の助成事業に対しては特に問題がないとは言えないと思いますので、事業団を通じて十分厳重に検査いたしたいと存じております。
○春田委員 最後になりましたけれども、いずれにいたしましても、労働省のいわゆる対応は非常に後手後手になっていたのは、もう否めない事実でございます。そういう点でいま以上に政府全体、国会全体が——特殊法人というものは非常に目が行き届いておりますけれども、こうしたいわゆる公益法人、認可法人に対しては目がまだ届いてないわけですね。労働省の関係だけでも公益法人が百五十四あると聞いております。そういう点で、この種の事件を契機として、やはりもう一回全認可法人そして公益法人に対して目を通す必要がある。見直す必要がある。私は、この事件を他山の石として、いわゆる労働省所管のそういう公益法人、認可法人に対してもう一回見直す必要があるのじゃないか、こう思いますけれども、局長の御答弁をいただきたいと思うのです。
○関(英)政府委員 弁解めいて恐縮でございますが、いまから考えますと、私どもの五十三年以来の指導が非常に不十分で徹底しなかった、後手後手に回っていたという御指摘、まことにごもっともでございまして、深く反省しております。公益法人につきましてこの種の事件というのは、私ども実はいままで経験ございませんで、そういう意味で認識の甘さがあったということは否めない事実だろうと思います。この事件を契機にいたしまして、労働省所管の公益法人すべてにつきましてもう一遍よく精査して、こういう事故が二度と起こらないように考えていきたいというふうに思っております。
○春田委員 いずれにいたしましても、この協会の存続それから解散、これから債権者を集めていろいろな会議が行われるみたいでございますけれども、そのてんまつにつきましては必ず後日書類でもって報告いただきたい、このように局長の方にお願いするわけでございますけれども、どうでございましょう。
○関(英)政府委員 先ほど申し上げましたように、まず債務の処理、それを早目に総会を開いて決めること、と同時にそれが債権者の納得が得られるものならば、その時点で協会の存続問題について総会の意思を決めてもらいたいと思っておりますが、そういう経緯につきましては、そういった総会が開かれた折等、時々の時点で御報告を申し上げたいと思います。
○春田委員 終わります。
○井上(一)委員長代理 この際、午後二時二十分まで休憩いたします。 午後一時二十五分休憩 ————◇————— 午後二時二十二分開議
○高田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。岩佐恵美君。
○岩佐委員 来年は国際障害者年でございます。これは一九七六年の第三十一回国連総会で全会一致で決議されたものでございます。障害者が人間らしく生きるために社会が援助すべきである、こういうことを明確にうたい、また雇用についても適切な仕事の確保のための援助を決めています。労働大臣から、この国際障害者年に向けての具体的な行動を含めた決意のほどをまず冒頭にお伺いをしたいと思います。
○藤波国務大臣 心身障害者の方々のために、いま先生が御指摘になりましたようにみんなが手伝う、そして心身障害者の方々の個性と能力に応じて社会にも御参加をいただき、生きがいを持って生涯を送ることができるようにみんなで努力をし合っていかなければいけない、これはもう日本のというよりも人類の大きな課題であるというふうに考えます。 御指摘のように、来年国際障害者年でありますが、障害者年であろうとなかろうとあらゆる努力をしていかなければいかぬ、こういうふうに思いますけれども、特に来年はそういった意義深い年にも当たりますので、従来取り組んでまいりました心身障害者の特に雇用対策といった面を労働行政の中で大きく取り上げてさらに前進をさせていくようにいたしたい、こう考えておるところでございます。 具体的には担当官からお答えをいたします。
○関(英)政府委員 お答えいたします。 国際障害者年を迎えて一番重要なことは、身体障害者の雇用をできる限り促進することであり、そのことは、法律に基づく雇用率の達成指導を強力に進めることがまず基本的には第一だろうと私どもは思います。しかし、せっかくの障害者年でございますので、いろいろな啓蒙活動もそういう年に当たりまして積極的に行って社会一般の理解をもっと深めていく、こういうことにも努力したいと思います。また、国際的な障害者の技能競技大会を日本で開催する、そういうことによりまして、障害者といえどこんなにすぐれた技能を持っているんだということを世間によく認識してもらう、そんな準備も進めたいということで、国際的にも呼びかけているところでございます。
○岩佐委員 いま労働大臣からも積極的な態度が表明されたわけでございますけれども、私が労働省の範囲の中で幾つか気がついたごとがございます。これについて具体的に御提案を申し上げ、それにつきまして、できることであれば積極的にそのことに取り組んでいただきたい、こういうようなことからきょうの質問を進めさせていただきたいと思います。 三月を迎えまして卒業シーズンでございます。新しい希望に胸をふくらませて卒業生が社会に巣立っていくわけでございますけれども、障害者も、働くということが子供らの間で大変大きな関心事になっているわけです。社会に出て働くということに対して大変一つのあこがれみたいなものを持っていて、子供たちも、働く場ができた子供に対してまだ決まっていない子供たちは、よかったな、いいなということで、お互いそういうような会話がずいぶんあるというふうに聞いているわけでございますけれども、障害を持つ子供たちの卒業後の実態につきまして労働省として調査をされておられるのか、把握されておられるのか、その点についてまずお伺いしたいと思います。
○関(英)政府委員 身体障害者である学校卒業者の職業紹介につきましては、学校、養護学校、いろいろな施設等と連携をとりまして、公共職業安定所でできる限り就職のお世話をする、そのための専門の担当官、こういったものも配置して努めているわけでございます。 また、特に大企業で身体障害者の雇用が進んでおりませんが、最近、雇用率の達成指導を通じまして、大企業も身障者の雇用には非常に熱心になってまいりました。特に、学卒の雇用には求人が殺到しております。そういう意味で、たとえばことし東京で学卒者と企業との集団面接というような企画もいたしましたところ、多数の求人が参りまし七、むしろ応募学生数を相当上回る求人が集まったというような状況にございますので、私ども、今後こういったものを全国的に広げてやっていきたいというふうに考えておりますが、学校卒業者のうち具体的に就職者が何名で未就職者が何名でという調査はいま手元にございません。
○岩佐委員 いま大変求職者が殺到している、そういうような話がありましたけれども、実際には調査をやっておられない、これは大変大きな問題だと私は思うわけです。ぜひ労働省として新卒者の卒業後どうなっているのかというような調査はすべきであるというふうに思うわけでございますけれども、その点いかがでしょうか。
○関(英)政府委員 学校卒業者のうち雇用になじむといいますか雇用に適する方とそうでない方、いろいろございますので、全貌の把握を私どもの方でどこまでできるか非常に問題がございますけれども、文部省等とも連携をとりながら、そういった問題について十分調査していきたいと思います。
○岩佐委員 その点はぜひ検討していただきたいと思います。 私、一つの資料を御紹介をしたいと思います。それは東京都の障害児学校教職員組合が調べました資料でございます。これは「四十九年度から五十三年度までの年度別の進路推移」というグラフというか、こういうふうにして非常に見やすいような統計が出されているわけでございますけれども、これから見ても五十三年度の新卒者のうち、これは高等学校と専門学校だということでございますが、四一・八%の人しか就職できない、そういうような状況がこの数字によって明らかにされているわけです。とりわけ問題だなと思うのは在宅者が一二・八%、どこに行くこともできないということで放置されている、こういうような状況があります。子供たちの将来は全く不安な状況に置かれているわけです。 これは三鷹市で、何人かの方がチームになって三鷹の保健所と市役所が協力をいたしまして「心身障害児の保健福祉活動の評価と今後のあり方」、三鷹市に限ってのこんな調査もしているわけですけれども、多くのお母さんたちに、卒業後一体子供たちがどうなるんだ、あるいは自分たちが死んでしまった後どうなるんだ、子供たちに適切な仕事を与えられたら本当にどんなにいいだろうというような声が多いということが記されておりますけれども、こういうような状況にあるわけです。 先ほどの答弁の中で、雇用率の達成について、五十三年度の納付金が百八十八億円であるということでございましたが、一人当たり三万円の納付金で割りますと、六十三万人分に相当するというふうに考えられるわけでございますが、現在、求職者数は労働省として一体どれだけあるとつかんでおられますか。
○関(英)政府委員 心身障害者の求職登録状況についてお答えしたいと思います。 安定所に求職して登録をした件数でございます。五十四年度で登録者全数が二十四万七千ございますが、これは就職後もアフターケアというために有効で残しておりまして、そのうち現在、求職活動をしている有効求職者は三万二千九百十七になっております。就業中の者が二十万というようなもの、あるいは現在、健康状態等が思わしくないというので保留、その他となっておりますが、そういう状況にございます。
○岩佐委員 この三万二千人、仕事をしたいということで求められておられる方は、企業がサボっている六十三万人の五%にしかすぎない。ですから、そういう点から言えば、本当に企業にやらせていかなければならないし、やる気になればできる数字なんだというふうに考えられるし、また逆に言えば、罰金さえ払えばそれで事が済むから、だから六十三万人分も雇わないで放置された状態があるんだということになると思うわけです。特に、こうした雇用をサボっている企業の中でも、とりわけ千人以上の大企業の雇用率が悪いというふうに私たちは承知をしておるわけですけれども、この点いかがでしょうか。
○関(英)政府委員 お答え申し上げます。 その前に一つ、現在、身体障害者雇用促進法によりまして雇用率未達成企業は納付金を納めていただいておりますが、その納めていただいている企業が雇用率を達成したならば雇われるであろう身障者の数は、先ほどの先生の御指摘もございますが、月ごとに十二カ月で計算いたしますので、約六十三万の十二分の一が現実に雇用率が達成したならば雇われるであろう数になりますので、ちょっとお断り申し上げたいと思います。 それから、現在、雇用率の達成状況が規模別にどうかというお話でございます。確かに御指摘のとおりに規模が大きくなるほど雇用率は低くなってまいりまして、たとえば六十七人——六十七人といいますのはちょっと半ばな数でございますが、雇用率の関係で、六十七人から雇用率で一人以上ということになりますので、六十七人から九十九人までのところですと雇用率は一・六六というぐあいで、法定雇用率一・五%を上回っておりますが、千人以上では〇・八六という形で、規模が大きくなるほど雇用率も低くなっておりますし、また未達成企業の割合は大企業になるほど大きくなってまいりまして、千人以上では七九・四%の企業がまだ未達成である、こういう状況でございます。
○岩佐委員 先ほどの答弁の中で、雇用率未達成のもののうち大企業から計画を出させたものが六百五十二企業あるというふうな回答がありましたけれども、これは企業名を全部出すことはできるのでしょうか。公表することはできますか。
○関(英)政府委員 身体障害者雇用促進法の趣旨といたしましては、雇用率未達成企業に対しまして必要があれば公共職業安定所長が雇い入れ計画の作成を命令する、それが適正でなければ是正勧告をする、ゆえなく勧告に応じないような場合にはその企業名を公表していく、こういうような段階で法律の制度ができております。 現在、雇用率の作成計画を命令いたしまして、いまその出された計画の内容を十分吟味いたしまして、不適正なものがあれば是正勧告を出そうという段階でございます。そういった是正勧告に従わない場合に公表問題になってまいりますので、いま直ちに未達成企業の名前を公表することには促進法のたてまえ上問題がある、こういうふうに考えております。
○岩佐委員 雇用が未達成のうちでもとりわけ悪いのは金融、保険だというふうに聞いているし、また実際にも数字を見てもそうなっているわけでございますけれども、この六百五十二、どうなんですか、業種別くらいは大体わかるというか公表できるのじゃないでしょうか。
○関(英)政府委員 計画命令を出しましたところの業種別の統計は私どもまだやっておりませんので、業種別にちょっと申し上げかねるのでございますが、御指摘のとおりに、金融、保険、不動産業それから卸、小売業、その辺が最も雇用率が低く、未達成企業の割合が高いということは御指摘のとおりでございますので、私ども、大企業で達成の悪いところに計画を命令いたしましたので、企業規模にもよりますが、そういったところが非常に多く含まれていることは確実であろうと思われます。
○岩佐委員 できれば業種別に出していただきたいと思います。 それから、不正経理などで問題の多い特殊法人について、KDDの場合には、わかっているだけでも年間二十二億円の交際費があるというようなずいぶんでたらめぶりな特殊法人の実態があるわけでございますけれども、この特殊法人の雇用達成、大変まだまだ不十分だというふうに思いますけれども、これはいかがでしょうか。
○関(英)政府委員 ちょっと先ほどの答弁で私、言い足りなかった点がございますので、補足させていただきたいのでございます。業種別というところまでは集計いたしておりませんが、もう少し大まかなくくりの産業別までのくくりはございますので、必要があれば御報告いたしたいと思います。ちょっと大まかなくくりでございまして、業種別までおりておりませんので、先ほどそこまでいっておりませんと申し上げましたが、必要があれば後ほど御報告したいと思います。 なお、お尋ねの特殊法人の雇用率でございますが、これは法律上、一般民間の企業よりも高く一・八%の雇用義務が課されておりますが、現在の実雇用率は一・二八%でございまして、まだ達成状況が非常に悪い、こういう状態にございます。
○岩佐委員 私がいま指摘をいたしました大企業や特殊法人、こうしたところに対して雇用率を高めるために具体的にどういう対策を現在とっておられるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○関(英)政府委員 先ほど来お答えいたしております達成計画の作成命令は、民間一般企業につきましては大企業で雇用率の達成率が非常に低いところ、こういうことにいたしておりますけれども、特殊法人についてはすべて雇い入れ計画をつくるように命令をいたしまして、今後その雇い入れ計画の内容を十分精査し、是正すべきものは勧告をして是正させ、そしてその計画に沿って実際に身体障害者の雇用が行われますように行政指導を強めていきたいと思っております。行政指導に当たりましては、とかく企業におきましては新規学卒者の採用には熱心でございますけれども、現に安定所で有効求職者として残っておりますのは、多くは重度の、しかも中高年の身障者が多いわけでございます。その辺に、企業が理解を示してきたとはいえ、まだまだ現実となかなかかみ合わない一面が残されております。私どもとしては、できる限り重度の中高年の身障者を、職場を工夫して雇っていただくということの指導を強めていかなければならない、こんなふうに考えておりまして、具体的に安定所に専門の事業主の指導官を配置して、人を職場に合わせるのじゃなくて、むしろ人に職場を合わせていくような形で、現に安定所で登録しておりますような身障者の雇用促進に努めてまいりたい、この辺を特に重点に指導をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○岩佐委員 今後の問題もあるでしょうけれども、いままでの対策で十分に効果が上がっていないということが、依然として五十三年度、五十四年度の数字から明らかであると思うのですね。やはりこういう状態を本当に直していくために、達成率の悪い企業名は毎年公表をちゃんとしていくということをすべきだと私は思います。同時に、納付金の額をせめて初任給の平均賃金まで上げるということも一つの方策かと思いますけれども、この点いかがでしょう。
○関(英)政府委員 企業名の公表問題は、国会でも種々論議が行われましたけれども、昭和五十一年に国会で御審議いただきました身体障害者雇用促進法の改正におきまして、雇用率の義務化あるいは納付金制度、こういったものをとります場合に、その問題につきましては、公表を直ちにするのではなく、計画とその是正勧告あるいはそれに従わなかった場合の公表というような形で現在の身障法上の制度ができておりますので、私どもとしてはそれに沿って運用をしていきたい、こんなふうに考えております。 それから、納付金の額の問題でございますが、先ほど先生からも御指摘がございましたように、納付金は納めればいいというものではなくて、身体障害者雇用促進法の精神は、あくまで雇用率を達成していただくというところにございまして、それゆえにこそ、未達成のところの達成計画あるいは是正勧告、公表といった筋道が定められているわけでございます。そういう意味で、納付金の額を上げるということが適当かどうか、非常に問題があろうかと思います。 納付金の額自体は、何で納付金を納めていただくかと言えば、現実に雇用してない企業はそれだけ経済的負担が少ない、身体障害者をたくさん雇用している企業はそれだけ経済的負担が多い、したがって雇用率まで達成していないところから納めていただいて、雇用率を達成したところに報奨金として差し上げる、こういうことで経済的負担の公平を図ろうという趣旨でできているものでございます。現に、実は午前中も御指摘いただいているところでございますが、その納付金を基礎とする会計が非常にたまっておって、消化が十分でない。雇用が進んでないから十分でないという面があるわけでございますが、こういう状態で積立金がふえている現状において、この納付金の額を直ちに上げるというようなことは問題があろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○岩佐委員 そういう話を聞いていると、どうも納付金は余っているから納付金をこれ以上上げてもしようがない。それは別の議論でして、納付金は納付金についてもっと使い方を考えていけばいいわけですね。それから、現実的にやはり納付金を払った方が障害者を雇うよりも簡単だから、だからそういうことで済まされている。そういう実態があるから雇用率が高まらないということなのではないかというように思うわけですね。ですから、二つの提案を申し上げたわけでございますが、ここのところで余り議論をしていても、先の問題もありますので、これはまた引き続きここの議論は続けてまいりたいというふうに思います。 次に、職域拡大についてでございますけれども、いま十分な措置がされていないというふうな声が障害者の中から上がっているわけです。特に電話交換手について、この業種は大変期待が持たれているし、それから希望者も多いわけです。ですけれども、実際には電話交換手のための訓練施設、訓練所がないというような実態で、障害者の方が困っておられる。こういう点についてどうお考えになるか、お答えいただきたいと思います。
○関(英)政府委員 身体障害者の職域拡大を図ることは非常に重要なことでございまして、労働省としても職業研究所を中心に研究をやっていただいたりいたしまして、職域拡大に資するように努めておるところでございます。 ただいま御提案の電話交換手、恐らく視覚障害者の職域拡大の非常に有望な職場としての御提案だろうと思いますし、現に民間の法人でその辺に非常に成果を上げていらっしゃるところもありまして、私どもとしても、その辺に力を入れていかなければならないだろうというふうに考えております。最近、昨年開設いたしました所沢の総合リハビリテーションセンターの中に、厚生省と一緒になりまして私どもの方も職業訓練の施設をつくって、一体的な運営を行うことにいたしておりますが、その中でも新しく電話交換の関係の訓練というものを取り入れて、できる限りそういう近代的な職業に障害者の方についていただくように努力していきたいと考えております。
○岩佐委員 この所沢に電話交換手の科目を入れるのはいつからかということと、それから、自動設備があるところだったら、その電話交換の訓練をすることができるというふうに言われているわけですけれども、この点についても労働省の方の努力があれば実現できるのではないか、そういうような提案があるわけですが、あわせてお答えをいただきたいと思います。
○岩田政府委員 電話交換手の訓練につきましては、先ほど安定局長からお話がございましたが、国公立の訓練所におきましては一、二カ所ございまして、一つは、所沢の国立リハビリテーションセンターに定員十名でございます。これは科目としてございますが、現に入ってはいないようでございますが、現に定員十名の枠でオープンはしているわけでございます。もう一つは、神奈川の身体障害者の訓練所におきまして、これは定員の枠としては五人でございますが、電話交換手の訓練科目は設定しておるところでございます。
○岩佐委員 自動設備は。
○若林説明員 お答え申し上げます。 確かに、先生御指摘のように、自動化いたしますとそういう職場はなくなるわけでございますけれども、現在におきまして、特に地方都市などにおきます金融機関などにおきましても、積極的に電話交換業務に対しまして障害者、特に視覚障害者を入れるというような動きがございまして、まだまだ視覚障害者のための職場として有望だろうというふうに私ども考えております。
○岩佐委員 次に、職業訓練校の問題ですけれども、国立の訓練校というのは十二校しかないわけで、あと県立が五カ所。これは全体として数が大変少ないということが一つと、それからもう一つは、精薄を対象にしていない。県立のもので、愛知が精薄だけ。あともう一カ所ですか、精薄もいいというふうになっているわけですけれども、この点で、利用者の方としては大変問題だというふうに意見が出ているわけですけれども、この点いかがでしょうか。
○岩田政府委員 精薄につきましては、現在、県立の身体障害者訓練校におきましてやっているわけでございますが、先生御指摘のように、全員が精薄であるというのは愛知の県立身体障害者訓練校だけでございます。ただ京都の場合、京都の府立の職業訓練校がございますが、その中では、定員十名で紙器製造科についてやっておりますし、ことしの四月からオープンされる予定の静岡県の県立身体障害者訓練校におきましては、これも定員約十名で機械の関係につきまして精薄についての訓練をやる予定になっております。
○岩佐委員 いま私が申し上げたことを繰り返されたような答弁なのですが、国立の方にないということが問題なので、この点をどう考えられるかということを伺っているわけです。
○岩田政府委員 国立の訓練校におきましては、現在ないわけでございますが、今後、重度障害者についてはちょっと無理かと思いますけれども、軽度の者につきまして、普通の健常者と同様に、一緒になってできるようなものにつきましては、できるだけそういった面で配慮してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○岩佐委員 今後配慮していかれるということで、いままでそういう例はあるのですか、ないのですか。
○岩田政府委員 従来とも余り重度な者につきましては、健常者となかなか一緒にやっていけないという面があったのでございますが、軽度の者につきましては従来とも配慮してきておりますが、今後さらに十分配慮していきたいという趣旨でございます。
○岩佐委員 その点はぜひ努力をしていただきたいと思います。軽度、重度あるいは中程度といっても、どこが区別ができるかというのはなかなかむずかしい問題であるわけですね。中程度でも、精薄の場合十分一緒にやっていけるというような条件の人が多いと思いますので、その点も配慮をされて努力をしていただきたいと思います。 次に、障害者のための職業訓練あるいは職域拡大、そして雇用率の達成、これはもうどうしても必要なのでいままでお願いをしてきているわけですけれども、現時点で、こういう雇用になかなかすぐに結びつかないような人たちを何とかしなくちゃいけないというようなことで、親たちが努力をして、そして共同作業所が全国にいまつくられてきているわけです。この共同作業所の実態、数、全国的にどれだけあるのかということについて、つかんでおられますか。
○関(英)政府委員 共同作業所は労働省の関係で担当いたしておりませんので、いま資料を持っておりません。そういう意味で、もし数がいまわかりましたら、後ほど御答弁させていただきたいと思います。
○岩佐委員 作業所につきましては、私どもで聞いている限りでは、全国で四百カ所近くあって、そのうちの百五十が認可である。ほとんどが無認可である状態ですね。それから東京の場合には百五十数カ所、そのうち七十一カ所が公立あるいは法人です。東京の場合には、都だとか区が大変がんばっているという点もあって、半分ぐらいが無認可というような状況になっているわけです。 私は共同作業所の実態というのを数カ所見てきたわけでございますけれども、十分働ける人たちががんばっていて、やはり仕事をみんながしているときは生き生きとしている。だけれども、仕事の確保というのがコンスタントにできるわけじゃないわけですね。仕事がないときが一週間も続くと、本当にその共同作業所の中がどうしていいかわからないような状態、やはり何とはなしにみんなが目標を失ってしまう。そういうことが起こるので、職員たちは職の確保のために走り回っている、そういう状態があるわけです。それから、せっかくあった仕事でも、職員たちが一生懸命働いても一日千円にしかならない非常に低い労賃の仕事しかまた同時に回ってこない。こういう中で大きな悩みを抱えながら、それでも職員やあるいは父兄たちはがんばっているわけです。 こういう中で、私が一番この共同作業所で問題だなと思ったのは、仕事の確保と、そしてまた、せっかくミシンや何かを使ったりあるいは機械を使ったりして、機械があれば仕事が確保できるのに、その機械を買うお金がないためになかなかコンスタントな仕事が得られないというような点で大変苦労をしているわけです。法人化されたところ、あるいは無認可のところでも大変努力をして、ある法人化されたところでは、子供たちが五万から八万くらいの給料を取っている、そういうところもあるわけです。 障害者は、雇用される、あるいは訓練されるということで助成されているわけですけれども、この共同作業所は通常の職業に、就職に結びつけていくということで大きな役割りがありますし、また共同作業所の中で、先ほど申し上げましたように、月五万とか八万とか給料を取って、そこでだったら十分能力を発揮しながら働いていけるんだ、そういうようなことで、現時点で社会に雇用という関係では出ていかれないけれども、厳然として障害者の働く場としての存在というのを否定することができないというふうに思うわけです。この点、先ほどからもずいぶん話題になっている、ずいぶん余っている納付金の有効な利用ということで、ぜひ共同作業所に何らかの形で労働省として援助をしていってほしいということをお願いをしたいと思うわけです。
○関(英)政府委員 共同作業所につきましては、認可したところ、無認可のところというお話がございました。恐らく厚生省の助成のあるところが認可になったところということのお話だろうと思いますが、一般的にいって、大体雇用関係がどうもそこではないということになりますと、先ほど来申し上げておりますように、身体障害者雇用促進法上、納付金を納めていただくのは身体障害者を雇用しないだけ経済的負担が少ない、たくさん雇用しているところに納付金を出していこう、こういうたてまえでできているものですから、法律上、雇用関係の存在が前提になっております。 ただ、国会でも共同作業所のそういう実態から見て、できる限り助成をすべきではないかというお話は前にもございまして、私ども、共同作業所であるかないかにこだわらず、共同作業所という名前でありましても、雇用関係ができていると認められるところについては、すでに幾つか助成金の対象にもいたしております。ただ、雇用関係がはっきりしてないところに現行法の上で助成金を出すということには無理がある、こういうことでございます。
○岩佐委員 福祉工場のことだと思いますけれども、福祉工場にしたいと思っても、なかなか設備が整わない。設備が整わないために雇用関係ができない、そういうような悩みを抱えている共同作業所も幾つかあるわけでございます。ぜひとも、こういう努力をしているところに対して労働省として、モデル的にでも幾つかでもいいですから援助を具体的にぜひやっていっていただきたいというふうに思うわけですが、その点いかがでしょうか。
○関(英)政府委員 現行法の枠内で、できる限り実情に沿って弾力的に考えて、できる限りの助成措置が講ぜられるように検討していきたいと思います。
○岩佐委員 大臣にここでお願いでございますけれども、いままでの論議を踏まえて、形式的に言うと共同作業所への援助というのがいろいろ制約があるわけでございますけれども、国際障害者年を迎えている時期でもございますし、大臣としても政治家として、ここのところはよしやるぞということでやっていただけるよう、御決意をぜひ聞かせていただきたいと思います。
○藤波国務大臣 局長からお答えをいたしておりますように、いろいろ実態をつかみ、かつ、こういうふうにしたらこの仕組みに乗りますよというような、やはり親切な指導も進められながら今日に至っておるのだと思いますが、なかなか乗り越えられない法律上のいろいろな壁もあるわけでございます。しかし御指摘のように、現にそこで身体障害者の方々が働いておられる、しかも、その働く場所を大事にして、毎日毎日を生きがいを感じて働いておられるというそのお姿は、非常に貴重なものに思うわけでございます。乗り越えられない壁であってもなるべくひとつ乗り越えるようにいたしまして、厚生省ともよく連絡をとって実態もつかみ、しかも一つ一つにどのように対応したらいいかということについて、できる限りきめ細かく対応するような姿勢で前向きに取り組ませていただきたいと思います。
○岩佐委員 次に、先ほどから出ております職安の機能の問題についてお伺いをさせていただきたいと思いますが、障害者のための特別の担当官を置かれるというようなことがたびたび指摘をされているわけですが、全国的に大変職安の職員が減っている中で、そういう特別体制をとって増員しながらそういうことをやっていかれるという趣旨なんでしょうか。
○関(英)政府委員 定員につきましては、最近のこういった情勢の中で、労働省全体あるいは職業安定行政全体としては減でございますけれども、来年度におきましても減でございますが、その中で私ども、第一線の公共職業安定所は五十四年より増にしたい。本省あるいは地方庁、そういうところでできる限り減を吸収し、むしろ減の中で第一線は増にいたしたいと思っております。 その中で、特に第一線で身体障害者の方の求職の相談、職業相談、就職あっせんに直接当たります就職促進指導宮、そういうものも来年度ふやすようにいたしておりますし、それからまた事業主に対しまして、これは身障者だけでございませんで、中高年齢者等の雇用の促進を図ります事業主指導をやります担当官、この辺もふやしてまいりたい。あるいは精薄者に対する相談員、こういうものも増を図ってまいりたいということで、全体の減の中で第一線に重点を置いて私ども考えているつもりでございます。
○岩佐委員 たとえば東京に当てはめた場合は、いまの担当官の増はどのくらいの数になるのですか。
○若林説明員 担当の課長でございますけれども、ちょっと数字を持っておりませんので、後ほどお知らせ申し上げます。
○岩佐委員 東京都は都独自の事業といたしまして、飯田橋職安を中心に、高齢者とかあるいは障害者の雇用促進のために八名くらいの、何か職安OBだそうですけれども、そういうチームをつくって大企業の雇用促進を図るということに当たって、それなりの成果を上げているというような報告を受けているわけでございますけれども、こうした方向を国も、そういうふやしていく中で目指すということなんでしょうか。
○関(英)政府委員 先ほどお答えいたしましたように、全体として減の中で、身体障害者の求職相談に当たります就職促進指導官、これも来年度、ことしよりも三十名くらいふやすようにいたしておりますし、それから相談員、これは主に安定所の行政を卒業した者あるいは学校の先生だった人、そういった方にお願いをしておりますが、精薄の相談員も三十名増にする、あるいは手話協力員、そういった者も来年度四十名ふやすというようなことで、財政なりあるいは公務員全体の効率化ということをしなければならぬ中で、できる限り第一線のそういった方面は充実するように考えているつもりでございます。
○岩佐委員 手話通訳の問題ですが、都では年に一回、初歩的な手話の研修というのを業務の中で位置づけてやっているようです。それで五十四年度は、職員で四十五名、事業所で七十八名、百二十三名が参加してやっているそうですけれども、こういうことについて、東京都だけではなくて全国的に普及するということを御提案申し上げたいと思います。 それから、ちょっと時間がありませんので最後に、心身障害者の職業センター、これは現在二十九カ所動いていて、そして五十四年度建設中が九カ所、それから五十五年度予算で九カ所だというふうに伺っているわけですが、東京の上野にありますセンターは一番早い方の時期、四十六年にできているもので、東京はこれだけの大都市でございますので、上野の端っこにあるからといって全体が便利というわけではありません。特に、三多摩にひとつどうしてもつくってほしいという声があります。この点ぜひ積極的なお取り組みをお願いしたい、こういうふうに思うわけです。
○関(英)政府委員 心身障害者の職業センターにつきましては、御指摘のとおりに、東京上野を初めとして次第に設置を進めてまいりまして、来年度で全県に設置を終わるわけでございます。その後どうしていくかということでございます。いま三多摩の方にというお話もございますが、東京は、たとえば所沢には国立リハという形で厚生省の施設だけでなく、私どもの訓練から職業相談の施設まで全部一緒になって入っておりまして、ある意味では恵まれている面も地方から見るとあるかもしれません。私どもは、全県に設置が終わった五十五年度以降どういうことにしたらいいのか、あるいはもう少し、現在職業センターでやっているよりももっと突っ込んだことをしないとなかなか就職に結びつかない。職業センターで能力の判定まではできます。判定された能力に従って職業紹介までやっているわけでございますが、所沢はもう一歩進んだ形で、実際に機械を動かしてもらって、もっと突っ込んだ能力判定、適職判定をやっておりますので、そういった所沢の成果もあるいは全国に広げていく必要があるのか、いろんな観点から、ただいま先生の御指摘の点も含めて五十六年度以降検討してまいりたいと思います。 手話協力員につきましては、先ほど協力員のことを申し上げましたが、安定所の職員自体も全国的に手話の講習を受けて、それを私ども奨励いたしておりまして、東京都でやっておりますように、全国的規模でそういうことをいたしております。
○高田委員長 小渕正義君。
○小渕(正)委員 まず最初に、これは数字的なものですが、雇用保険法による国家支出の五十三年度の分の総額、できればこれは五十一年ごろから傾向的な状況を知りたいので、その状況をひとつお願いしたいと思います。 あわせて、雇用保険法の中で事業主負担分がありますが、これが総額年間幾らで、しかもこの場合にはいろいろの形に配分されていると思いますが、その配分の状況等についてひとつお知らせいただきたい、かように思います。
○関(英)政府委員 最初の問題でございますが、雇用保険法に基づく国庫の負担が五十一年度から総額どのくらいになっておるかという御質問だと思いますが、国庫負担金の推移を申し上げますと、五十一年度一千七百四十八億円、五十二年度一千九百九十二億円、五十三年度二千二百八十四億円、五十四年度は予算額でございますが、二千六百四十九億円を国庫から労働保険特別会計の中の雇用保険の部分に負担しております。
○守屋説明員 事業主保険料の内訳につきましては、いま数字を手元に持ってきておるので出そうとしておりますので、いましばらくお待ちいただけました後で御連絡いたします。
○小渕(正)委員 それでは、その総額、それぞれ配分された中において全体の何割の比率を占めているか、それもでき得ればあわせてお願いしたいと思います。 それが出されるまで次の質問に移りたいと思いますが、実は、雇用対策法または雇用保険法等でいろいろな施策が講ぜられているのは御承知のとおりであります。しかしながら、その実態を私、労働省発行の五十三年度の資料をいただいて拝見させていただいた次第でありますが、それぞれ非常にたくさんの項目がありますが、五十三年度に限って見ました場合に、それらの計上された予算額と、実際に利用されたといいますか消化されたといいますか、そういうふうな状況とにかなりずれがあるわけであります。 少し数字的なもので申し上げてみますと、雇用対策法等に基づく職業転換給付金等について見ますと、これは五十四億に対しまして四十五億実は消化されております。したがって、全体的に見ますとこれは八三%程度消化されておると思いますが、特定不況業種離職者に係る各種給付金、この中身を見てみますと、二十六億六千万の予算に対しまして実績は四億九千九百万円程度であります。したがって、これを消化といいますか利用率といいますか、そういうもので見ますと一八・七五%しか利用されていない、こういう数字になるのではないかと思うのであります。しかもはなはだしいのは、職業転換訓練費の補助金等については、二億五千八百万円に対してゼロの状況にあります。また、雇用保険法に基づく四事業で、雇用安定事業各種給付金等を総括的に見ますと、六百三十五億の予算に対しまして百十八億程度しか消化されていない。ということは利用されていないということになると思いますが、これも比率的に見ますならば一八・五六%であります。そして、そういう中で離職者雇用促進助成金等を見ますと、これは十億に対しましてたった五万八千円しか実際には利用されていない。その他雇用改善事業各種給付金について見ましても、二百四十三億に対しまして百十六億で、これは四七・八%程度、能力開発事業及び雇用福祉事業給付金等については、四十三億五千四百万に対しまして十八億程度、これも四一・五%程度の消化といいますか、利用されているわけでありまして、この項目の中にはいろいろありますが、その中で、ゼロで実際使われなかったという項目が四つも五つもあるわけであります。いま私が申し上げましたのは、昭和五十三年度の状況でございます。 昭和五十三年度といいますと、雇用情勢は、有効求人倍率が〇・六三、五十二年度に次ぐ厳しい雇用情勢にあったわけでありますし、しかも完全失業者の推移から見ましても百二十四万で、五十年度以降最悪の状況にあったのが五十三年度であります。そういう状況の中で、いまも私がいろいろ申し上げましたように、労働省としていろいろな施策をとられたのが、こういう数字が示す中においては大きなずれが出ている。この要因は一体何なのか、少なくとも労働省としてはこれをどういうふうに見られているのか、そういった点についての労働省のお考え方をひとつお聞きしたいと思います。
○関(英)政府委員 御指摘のように、各種の給付金制度の予算と実績との間に大きな差異を生じているということでございますが、一つには、たとえば一時休業等の場合に、できるだけ失業を予防するために休業中の賃金を補てんしようという形の雇用調整の関係の事業は、ある時期には非常にそれが活用されまして失業の予防に役立った。予算額の何倍という形で支出を迫られたようなときもございましたが、逆に五十三年ごろになりますと、企業の減量経営というものが一段落して、私ども昔の利用状況から見てもう少し利用されるのじゃないかと思って計上した予算が余り利用されなかったとか、あるいは雇用促進のためのいろいろな助成のための給付金制度は、まだまだ企業を取り巻く経済情勢が十分回復してこなかったということのために、私ども意欲を込めていろいろ助成制度をつくってみたものの活用されなかったとか、あるいは定年延長奨励金等につきましても、私ども高齢化社会を迎えてどうしても必要だということで助成制度を考えましたけれども、企業としてはまだまだ五十三年当時の経済情勢ではそこまで踏み切れなかったとか、あるいは私どもの施策が非常に数多くきめ細かく積み上げられてまいりました。そのときどきのいろいろな情勢に応じて次々と新しい制度が積み重ねられてきましたけれども、余りに数が多く膨大になりまして、かつ、個々に要件が非常に細かく規定されていて全体的にわかりにくい、私どもの周知も不十分で余り知られない、給付金の数とその要件を見るだけで、とても数多くて膨大でめんどうくさくて読む気も起こらぬというような形で、十分徹底することができなかった。いろいろなことが挙げられますが、その年の経済情勢、そういうものを十分よく考えまして、またこういったいろいろな給付金制度もできるだけ整理統合し、簡素合理化を図って、本当に活用されるものを適正な予算額として計上して、予算と実績が余り大きく開くというようなことのないようにできる限り努めていきたいと考えております。
○小渕(正)委員 いろいろと複雑な要素が絡み合っているとは思います。しかしながら、私もこれをいろいろ見まして、確かに余りにも項目が多過ぎて複雑化して、利用しようとしても、よほど職業安定所の方たちが全精力を挙げて奉仕活動でもやらないことには、こういったものが周知徹底されて本当にこういういい制度があるということが、実際は単なる空文に終わってしまっているという要因が非常にあるのではないかと私はそれなりに思うわけです。しかし、それにいたしましても利用率ゼロ、また一部においての費目をいろいろ見ますと、わずか二〇%もいかない、こういうことは、いろいろ情勢の動きがあったにいたしましても、ちょっとひどいのではないかと私は思います。そういう点で労働省が非常に意欲的に取り組まれることについては、これを多といたしますけれども、そういういろいろな費目の予算計上の場合に、一体何を根拠にしてこういうものがつくり出されたのだろうか、率直に言ってどうしてもそういう疑問なしとしないわけです。したがいまして、そういう点では希望的数字で、当時の財政状態、五十三年度はまだまだことしと違って余り財政再建についての呼び声もなかった状況でありますから、かなり労働省としては大蔵省の方にいろいろと希望的に物を出していって、それがいれられてこういう形になったのかどうか知りませんが、私は余りにもずさん過ぎるところがあるのじゃないか、こういう気がしてならないわけであります。したがって、そこらあたりについてもう一度、それぞれの項目別に言うと詳細になりますから、あえて申し上げませんが、そういうゼロだとか、少なくとも二〇%も利用されてないとか、こういう点については、計画における見通しの誤りと言えばそれまでですけれども、われわれから考えた場合に余りにも甘いといいますか、ずさんというような気がしてならないわけでありますが、そこらあたりについてはいかがですか。
○関(英)政府委員 確かに、給付金の種類によりましては、その年度実績ゼロというものもございます。そういったものについて十分見直すべきだという御指摘はごもっともでございますが、その制度が生まれましたときにはそれぞれにそれなりの要請がございまして、そういった制度をつくった以上簡単に廃止していいものかどうか、私どもとしても思い切って廃止ということになかなか踏み切れないような事情もございまして、ゼロというものが相変わらず残っているという点も御指摘のとおりでございます。そういう御指摘がありまして、いままでも給付金の整理統合を図ったり、あるいはその要件の緩和をいたしたり、できる限り努めてまいりましたし、来年度の予算におきましても、そういう整理統合は現行法のもとでやれる限りをやって、できるだけ簡素合理化しよう、こういうことに努めておりますが、やはり時代が変わってまいりましたので、この辺で抜本的にもう一度見直す必要があろうかということで、いま私ども、内々そういったことでプロジェクトチームをつくりまして検討いたしておるところでございまして、これからの八〇年代の経済の実態に即した新しい給付金制度というものを抜本的に考えていこう、こういうふうに考えておるところでございます。
○小渕(正)委員 余りにもこういう多岐多様な複雑化した制度をもう少し整理したいということについては理解いたします。しかし、まだ現行すぐそういう形にならないと思います。要は、これをいろいろ見てみますと、離職者個人を対象にしたものについてはかなりの利用はされているわけでありますが、事業所その他そういった対象になった場合に、かなり利用がされてないというのが大体傾向的に言えるのじゃないかと思うのであります。したがって、私も長崎の中小企業のいろいろな人たちとお会いしてお話を聞きますが、この制度の中身というものが本当に知られてないという面が多々あります。だからいまの数限られた安定所の方たちの範囲の中では能力的にも無理かと思いますが、せっかくこれだけのいい制度があるわけでありますから、現行また整理されるまでの間の期間についても、もっともっと労働省としては全力を挙げて、せっかくのこういういい措置が十分活用されるような努力をひとつお願いしておきたいと思うのであります。 次に、これは少し御意見的なことになると思いますが、実は、労災保険関係の労働福祉事業費についての概況をまずお尋ねしたいわけであります。 労災保険関係の中で労働福祉事業費にいろいろのお金が回されていると思います。その労働福祉事業費の中で四つの項目の中にそれぞれ配分されておると思います。大体五十三年度でも結構ですから、それらの概要といいますか、それぞれ各四つの項目に対する費目の総額と、あわせて、特にその中で賃金立てかえ払い等が行われているのがあるわけでありますが、これらの実績状況は一体どうなのか、ここらあたりについて、ひとつお示しいただきたいと思います。
○吉本(実)政府委員 五十三年度におきます労働保険特別会計の労災勘定の労災福祉事業費の支出済み総額は千二百一億八千九百二十五万一千円でございます。そのうち、ただいまお話しになりました未払い賃金の立てかえ払いに要した額は三十三億八千八百二十七万五千円でございますし、それから、財産形成制度の助成に要した経費は三億七千二百八十二万九千円、こういうことになっております。
○小渕(正)委員 この未払い賃金の立てかえ払い、これは五十三年度の数字が三十三億ということですね。そうしますと、ほかに社会復帰事業とか、被災労働者等の看護事業とか、労働安全衛生事業とか、労働条件の確保事業とか、四つのこういう項目に分かれてそれぞれ案分されておると思いますが、この三十三億というお金は、これらの四つのそれぞれの項目との関係でどの程度に位置づけしておるか、比率になっているか、ちょっとそれを知りたいわけでありますが、そういう意味で先ほどから、四つの項目のそれぞれについて配分された総額をお尋ねしたわけです。
○吉本(実)政府委員 ただいま未払い賃金の立てかえ払いに要した額、それから財産形成の助成に要した経費を申し上げましたが、あとは先ほど申しました四つのところに全部含まれておるわけでございまして、未払い賃金の立てかえ払いに要した三十三億は千二百一億の内訳でございます。
○小渕(正)委員 五十三年度が三十三億の未払い立てかえ払いということでありますが、これらの回収率といいますか、そういうものは過去の傾向として大体どの程度になっておるか、その点ちょっとお尋ねしたいのですが……。
○吉本(実)政府委員 現在までで、承知しておるのは三億円程度でございます。
○小渕(正)委員 この五十三年度の分で、三十三億について三億円回収したということですか。
○吉本(実)政府委員 未払い賃金の立てかえ払い制度ができてからの数字でございます。
○小渕(正)委員 未払い賃金立てかえ払い制度ができてから三億程度回収したということであれば、ではいままでの累計はどのくらいの数字になるのか、ひとつお知らせいただきたいと思います。
○吉本(実)政府委員 いま数字を整理しておりますので……。
○小渕(正)委員 それでは、その数字が明らかにされるまで次の質問をしたいと思いますが、労働省の中での一つの労働行政の中で、中労委、公労委、こういった関係の仕事があるわけでありますが、これらに対する諸経費は大体年間幾らぐらい労働省としては支出されているのか、これは一般の労働省における行政費の中で大体どの程度の割合を示しているのか、そういうものをちょっとお聞きしたいのであります。以上です。
○細野政府委員 お尋ねがございました中労委の総経費でございますが、五十五年度予算で申し上げますと六億五千万でございます。——主な事項は必要でございますか。
○小渕(正)委員 ちょっと教えてください。
○細野政府委員 主なものを申し上げますと、人件費等がそのうち五億四千万、それから事業費関係が約一億一千万でございます。 それで、その事業費の主なものを項目だけ申し上げますと、調停あっせんのための費用、それから不当労働行為の審査の費用、それから不当労働行為関係の行政仲裁訴訟のための費用、それから労働委員会館の維持費その他が主なものでございます。 それから、公労委について申し上げます。 公労委の方は五十四年度予算でございますが、五十四年度で申し上げますと総額七億五千万でございます。それで主なものを申し上げますと、人件費等が六億五千万、事務費が九千九百万、約一億でございます。 その事務費の主なものを申し上げますと、一つは、公共企業体等基本問題調査会の会議の御意見に基づいて賃金調査をきちんとやれという御指摘がございまして、その関係の調査費、それから一般運営費、合同庁舎の管理維持費、それから調整事件の処理費、不当労働行為の審査費、それから人当の経費等が主な内容でございます。 それから、お尋ねの労働省の総予算に対する比率でございますが、一般会計だけで申し上げますと、五十四年度で、中労委が一・三%、公労委が一・五%というふうになっております。
○小渕(正)委員 数字をお聞きいたしましたが、大体労働省としては現状この程度の金額でまあまあふぐあいない、こういうふうにお考えかどうかということです。
○細野政府委員 中労委も公労委も、いずれも案件等がふえてきておるわけでございまして、そういう意味で十分ということはとても言えないかと思いますが、現在までそれぞれ、先ほど申しました公労委で見ますと、賃金調査のための費用を増加させるとか、あるいは中労委で申し上げますと、審査関係が非常に繁忙になっておりますので、その関係の経費を増加する等の努力を続けておりまして、そういう意味で各労働委員会とも御苦労なさりながらも何とか円滑にやっていただいておる、こういうふうに考えておるわけでございます。
○小渕(正)委員 ただいまの経費の増加の主な内容は何ですか、その点お尋ねします。
○細野政府委員 先ほど申し上げましたのは、公労委で申し上げますと、御存じのように三公社五現業の賃金と、それから民間の賃金との比較をいたすのが基本的な重要な事項でございますので、その関係のための賃金調査を充実させるための経費というものをここ二年ほどかなり増加をさせております。 それから、中労委で申し上げますと、不当労働行為の審査案件が非常にふえておりますものですから、そのための速記料その他の庁費関係を充実させているというふうな状況でございます。
○小渕(正)委員 それではまた別の機会のところで申し上げたいと思いますが、いずれにいたしましても、中労委を例にとりましても、かなりたくさんの案件を抱えて非常に迅速な処理ができていないというのが現状じゃないかと思います。そういう点で先ほどから経費の増加になる要因の主なものを聞いたわけでありますが、余りそういった事務費的なことだけでは、現在の山積したああいった案件の処理には、大きく根本的解決にならないのではないかと私は思うのでありますが、この点はまた別の機会で御意見を申し上げたいと思いますので、一応ここでは省きます。 次に、労災保険法の事業主負担の保険料率の見直しのあり方といいますか、これは労働行政の中で、要するにこういう事例を一つちょっと御紹介申し上げます。 実は、長崎におけるある中小手の事業所でございますが、本社は神戸にあるわけでありますけれども、突如として昨年基準局から、いままでの事業主負担の保険料率が誤りであった、したがって訂正をする、しかもこれはさかのぼって訂正をする。要するに現状では千分の九の保険料率であったわけでありますが、これを千分の十六に訂正せざるを得ない、しかもこれを二年前にさかのぼってやる、そういう一方的通告で、しかも早速これに同意書としてすぐ判を押せ、こういうことが起こったわけでありまして、そういうことから私も相談を受けたわけであります。結果的には、けさ電話がありまして、最終的には現状どおりということになったようでありますが、その間、それを受けた事業所は、皆さん御承知のように、いまやっと景気が上向きかどうかわかりませんが、かなり減量経営の中で非常に厳しい操業をやっている中で、しかもそういうものを一方的に押しつけてくる、そういう中で、びっくりして同業の業界の中で話し合って、何とか対策を立てなければいかぬということで労働省にも一日参されたと思います。そういうやりくりの結果、最終的にはけさの電話では、一応原状に復すということで、現状どおりでいいからということになったようでありますが、要するにこういった問題、第一線にある労働基準局が、確かに労働基準局というのは監督の立場ですから、どうしても肩ひじ張ってそういうお役人風になるのかもしれませんけれども、まさに今回のそういう例は、昔の代官が年貢を納めろというやり方に等しいようなやり方ではないかと思います。少なくともこういうのが労働行政の中で行われるということは、本当に皆さんから親しまれねばいかぬ労働省として非常に遺憾なことだと思うのであります。したがいまして、これは問題は解決いたしましたので、あえてそのことは申し上げませんけれども、ただ、そういうことが末端の——末端という言葉は悪いですけれども、第一線のそういうところではこういう事例が行われておるということを、ひとつ労働省の幹部の皆さん方に十分頭に入れていただきたい。 先ほど私は、雇用関係のいろいろな給付状況とその実際の利用状況とのずれを申し上げましたが、私はこういうことが少なくともそういう要因とは思いません。しかし、やはり全国的な視野で見た場合に、これに類するようなことがあるのではないか。もちろん安定所と基準局とは、やはりこれは仕事の性格がちょっと違いますから、そういう意味では皆さん方に接している態度から言って、内容から言っても万々そういうことはないかと思いますけれども、私は、こういう事例があったということを申し上げて、ぜひこれから十分皆さん方の参考にしていただいて、もっともっと本当にそういう事業主やそれぞれ個々の利用する人たちから親しまれる、愛される労働省になっていただきたい、そういうことでこの事例だけを申し上げておきたいと思います。 先ほどからの数字、わかりましたか。
○吉本(実)政府委員 未払い賃金の立てかえ払いの実施状況でございますが、五十一年から制度が発足いたしまして五十四年三月、つまり五十三年度までで七十九億二百九十四万円でございます。
○小渕(正)委員 七十九億二百九十四万相当の累計の未払い立てかえがやられておるわけでありまして、先ほどの質問の結果は約三億しか回収されてない、こういう状況だと思うわけでありますが、これらの金額についての回収のめどというか方法、そういうものについてどのような措置を講ぜられながらやられておるのか、そこらあたりについて、ひとつ御説明いただきたいと思います。
○吉本(実)政府委員 会計的にこういった関係につきましては当然徴収すべきことでございます。また、そのようにしていかなければならぬと思いますが、何分その制度並びにその背景が困難な事情もございまして、私どもできるだけそういった後の始末をするようにしておりますが、なかなかむずかしい点もございまして、それぞれ私ども努力しておるということでございます。
○小渕(正)委員 努力は、それはお仕事ですからしなければいかぬと思います。ただ、私ども現実問題として、非常に零細、中小企業の方たちが倒産した場合の従業員の人にこういう未払い賃金が発生する、そういうことで私たちは私たちなりに、まあ私、労働組合の仕事をしておりました関係から、救済のいろいろな手だても考えるわけでありますが、こういう制度を悪用されて、結果的に国からこういうことは立てかえ払いするんだからということで、意図的に未払いされていく可能性なしとしないというのが私は第一線における実態だと思うわけでありますから、そういう本当にどうにもならないというようなものと、まさに何とか努力次第でできるようなものと違いがあるわけでありますから、悪徳という言葉は適切でないかもしれませんけれども、やはりこれらの制度を悪用されるということがあってはいけませんし、そういう意味でも、やはりそういった回収については徹底的に——現在のところ利用された方に対する回収ということだろうと思いますけれども、それよりも、倒産して未払いを発生さしたそういうところに対する何らかの回収的な、債権取り立て的な方法も必要じゃないかと思う。そうしないことには、私は、これらはただそのまま回収不可能の金額になってしまうのではないかと思いますので、非常にむずかしいとは思いますけれども、そういう制度が悪用されないということも頭に入れながら、ひとつこの点にこれからの対処策をお願いしておきたい、かように思うのであります。 時間もありませんので、あと一つだけ最後にお尋ねいたしますが、SSKの争議が全国民的な注視の中で一応何とか収拾されたのはこれは御承知だと思うわけであります。このSSKの争議に対しましては、二年ほど前、労働省も御存じと思いますが、民間産業にしては異例と思われるほど政府が大きな肩入れをして、SSKの再建は一応スタートしたわけでありますし、そういう意味では、政府としては再建の経過を考えるならば、ただ労使それぞれの自主的な争議行為だということで関係なしと言われない面が過去の再建のときの状況からいってあったんじゃないかと私は思うわけであります。そういう点で、労働行政の側から見て、この問題にどのような対処をしたのか、あわせて、この争議の要因は何にあったというふうに労働省では分析されておるのか、その点についての御見解を承りたいと思います。
○細野政府委員 お尋ねのございましたSSKの争議でございますが、この問題は、会社の再建の問題と、それから従業員の労働条件や生活の問題とが絡みました、非常にむずかしい複雑な問題であったわけでございます。 労働省としましても、先ほど先生の御指摘ございましたように、いろいろな影響がある問題でございますので、そこを十分考慮しまして、労使双方から事情を伺う、あるいは長崎県と密接に連絡をとりまして、この問題が円滑に解決するための環境つくりをやる等の努力をしてきたわけでございますが、幸いにも二月二十日に仮調印が行われたということでございまして、私ども大変喜んでいる次第でございます。 それで、何に原因があったかというお尋ねでございますが、基本的にはやはり労使相互の不信感というものが今回の争議を非常に長引かせ、かつ、これを複雑にさしたという一番基本的な問題であったのじゃなかろうか。そのほかに、先ほど先生が御指摘ありましたようないろいろな問題の影響があって、それが絡み合ってこういうことになったのじゃなかったかというふうに考えている次第でございます。
○小渕(正)委員 労使双方の不信感が争議の大きな要因でなかったかという点では、そういうことは言われると思います。問題は、こういった労使の不信感がなぜに発生したかということであります。御承知のように、あの再建の中できわめて厳しい再建のための合理化三項目も受け入れて、労働組合は再建にスタートをしようとしたわけでありましたから、そういう意味で不信感の発生する要因はおのずからはっきりしておると思います。そういう点で私は、問題は坪内経営と言われているあの坪内社長の経営方針に大きな誤りがあり、これがせっかく政府まで肩入れした再建が途中でああいった争議に発展してしまったのじゃないか、かように思うわけであります。 そういう点で労働大臣にお尋ねいたしますが、実は、わが国の受刑者の制度の中に開放処遇といって、受刑者の中で模範囚の人たちを民間企業の事業所の中で一緒に仕事をさせて、社会に出たときの更生のあれをしていく、そういう制度があるそうでありますが、労働大臣はこの点について御存じですか。
○藤波国務大臣 詳しく存じませんので、局長から先にお答えさせまして、その後また私から意見を申し上げます。
○吉本(実)政府委員 法務省におきましてそういうような制度をいろいろやっておるということを承知しております。
○小渕(正)委員 実は、この争議を契機にして大きくクローズアップしてきたわけでありましたが、そういった模範囚の受刑者を一般事業所の中に開放処遇という形の中で、日本では四カ所のところでそれをやられておるそうでありますが、その一番大きいというか、人員的には現在七十名程度でありますが、坪内社長が経営する来島どっくと言われている大井造船所であります。これが昭和三十何年からかスタートされて、そういった受刑者の更生施設的な面から見るならば、まさにすばらしい一つの制度だろうと思うわけでありますが、時たまたまこれが経営者が坪内社長であるところに、必ずしもそのことがすばらしいことかとうかということで、労働行政上、ただ黙って見ていていいのかどうかという問題提起を私はしたいわけであります。というのは、実はこの大井造船所の来島どっくというところは、下請や臨時工に対するきわめて劣悪な労働条件を強いているところでありますし、しかも災害は多発する職場でありまして、全国の中小造船所で四十三位という悪い状況でありますし、下請に至りましては一番キリの四十七位にあるわけであります。これは最近の災害発生状況からいってそういう統計が出ておるわけであります。要するに、そういう少なくとも余り芳しからざる職場環境の中において、こういう開放処遇という形の中で受刑者も一緒になって仕事をやられておるわけであります。したがって、確かに社会更生の面から言っていい制度だろうと思いますが、これは一歩間違うと非常に問題になるあり方じゃないかと私は思うのでございます。したがって、そういう意味で坪内経営というのは御承知のように労働組合を否認する、そうして労使関係というものを一切否認する中にあの争議の発生要因があったわけでありますし、そういう経営をされておる職場の中でこういうシステムが採用されているところに、労働行政上問題なしとしないのかということを私は思うわけであります。したがって、これはそういう意味で、ただ法務省的な感覚からいくならばいい制度だろうと思うわけでありますが、要はこういうものはそれぞれの事業所の中で、どのような形の職場の雰囲気の中でその会社が運営されているかということが一番大事だろうと私は思うわけであります。まさにそういう意味では、働く人、人間関係を大切にするような職場であって初めてこういう制度がやられることは非常に好ましいと私は思うわけでありますが、必ずしも実態はそういう職場じゃないということを私は申し上げるわけでありますので、そういった点で、いままでそういうのが行われているということを知らなかったのは、労働行政上非常に——何も私はこれを廃止せよとは申し上げませんが、ひとつこれからも労働行政上ぜひ十分な関心を持ちながらこの問題は見ておっていただきたい。こういうことだけを意見として申し上げまして、私の質問を終わります。
○高田委員長 楢崎弥之助君。
○楢崎委員 私は、原発下請労働者の被曝問題について、それにしぼって質問をしたいと思いますが、この原発従事者の被曝の許容限度と関連をいたしまして、計画被曝線量というのが最近言われてきた。これはいつからこういうことが言われてきたのですか。また、どこから言われてきたのですか。
○児玉(勝)政府委員 お答えいたします。 三カ月三レムというのが法で定められました許容被曝線量でございますけれども、その三カ月三レムの法定値以内にいかにそれを管理するかという方法がいろいろとられているわけでございまして、通常の作業におきましては一日百ミリレムということで一応の基準を設けまして、それ以内におさまるように通常作業が行われておりますが、それから出た場合には、その作業の方法がどうであるか、それからまた、それによっての診断、それからフィルムバッジの現像をいたしましてその状況を把握するということをしております。しかしながら、それだけで間に合わないような作業におきましては、計画被曝線量、ただいま先生がおっしゃいますような、計画的にその被曝の線量を決めましてそれ以内におさめるようにするということをしたわけでございます。それは、私どもが知っておりますのは五十二年の二月ごろからでございます。
○楢崎委員 あなた、何という人ですか。
○高田委員長 児玉審議官。
○楢崎委員 あなた、昨年十二月の参議院科技特で、そんなことは聞いたことも、そういう考えもないと答弁しておるじゃないですか。五十二年からそれを知っておって、何でそういう答弁をしたのですか。
○児玉(勝)政府委員 昨年の十二月七日の参議院科技特委員会におきましての私の答弁は、一日の目安線量というものが百ミリレムであるということを御説明いたしまして、そのときの計画被曝線量ということに私、実は思いつきませんでしたので、そういう御説明をしなかったわけでございます。私の手落ちでございます。
○楢崎委員 こんな重要な問題を、あなた、五十二年から言い出しておるのでしょう、原発側は。そして質問もこうでしょう。それを緩められるあれがあるのじゃないかと執拗に聞かれているのだ。それに対して、あなたは、一日の被曝線量をふやすというような計画は聞いたことも、われわれは考えたこともございませんと言っている。こういうことがミスで済みますか。安全管理の中枢におる人が、簡単にこういうことを見過ごしてもらっては困るのですよ。それまでは百ミリだったのでしょうが、許容限度は。 そして、いいですか、おたくから出た資料を見ますと、日本原発東海第二、これが千ミリ、十倍に上がっている。それから東京電力福島第一、これも千ミリ、十倍になっておる。それからPの方では美浜原発が八百、八倍。高浜原発が五百、五倍。そしてあとはおおむね三百。これは工事別になっておるけれども、それまでは百ミリだったのですよ、あれがあっても。 労働大臣、この下請労働者の被曝が一日千ミリレムとか、八百ミリレムとか、五百ミリレムですね。どう思いますか。
○藤波国務大臣 少し担当官から具体的に説明させまして、私からまたお答え申し上げます。
○津澤政府委員 労働安全衛生法に基づきます放射線障害防止規則の中におきましては、これはもともと国際放射線防護委員会の勧告などを基礎といたしまして、わが国の放射線審議会で御審議をいただいた答申に基づいて定めたものでございますが、一年につき五レム、三カ月につき三レムの基準を設けております。これを守ることが重要でございますが、それを守りますために毎日毎日の管理をするという意味で、できるだけ少なくするという意味でそうした作業上の目標を定めておるものと私どもは承知いたしております。
○楢崎委員 私は労働大臣に感じを聞いておるのですよ。いまあなた、横から出てきて何を言ったのです。何ですか、それは。いいですか、三カ月に三レム、一年間に五レムなんということはわかり切った話ですよ。そんなことを聞くわけないですよ。それをなるたけ少なくする、あたりまえの話ですよ。労働省との関係でこれをどう思うかと聞いておるのですよ。この一日の被曝量が、いいですか、千ミリとか八百ミリとか五百ミリレム、こんなに上がっているものをどう思いますかと言っているのですよ、労働省の立場から。それを聞いている。時間が短いのですからね、見当違いの答弁しないでください。
○津澤政府委員 ただいま申し上げましたように、確かに被曝線量は少なければ少ないほどいいわけでございますが、法令で決められました範囲内に被曝線量が守られるように管理をしていくということ自体は重要なことでございまして、先ほど申し上げました基準を超えない範囲内で、かつまた、できるだけ少なくということであれば、しかもまた、その管理が正確に行われておれば……
○楢崎委員 そんな答弁はいいのですよ。基準を超えないようにしてもらいたい、あたりまえの話でしょう。労働基準局長、どうですか。
○吉本(実)政府委員 大分部長からも言っておりますが、そのような被曝になるということについては重大な関心を持っておりますし、私どもとしても十分そういった問題について対処していかねばならぬだろうというふうに思っております。
○楢崎委員 そのくらいの認識ですか、基準局長、あなたは。あなたかどうか知らぬが、昭和五十一年十月八日 労働省労働基準局長 各都道府県労働基準局長殿、通達を出している。題名は「電離放射線に係る疾病の業務上外の認定基準について」、出しておるでしょう。この中の白血病の場合どういう基準になっていますか。
○吉本(実)政府委員 白血病の場合の認定でございますが、国際放射線防護委員会の勧告を十分踏まえまして、わが国のいろいろな一流の専門会議の先生方で検討した結果、白血病については閾値がないとされておりますが、医学経験則に基づきまして自然被曝や医療被曝等も考慮の上、〇・五レム掛ける放射線業務従事年数というようなことで考えて対処しておるはずでございます。
○楢崎委員 やっとわかりましたね。〇・五レムとは幾らですか。五百ミリレムじゃないですか。それを私は労働大臣に認識をしてもらいたいから聞いたんだ。五百ミリレム以上ですよ。以上になって、もし白血病になったら、これは労災の認定になるのですよ。それなのに公然と千ミリとか、八百ミリとか、五百ミリとか許容限度を上げておる。この通達の関係でどう思いますか、労働大臣。
○藤波国務大臣 どうも詳しいことがわかりませんで、先ほどから大変失礼をいたしておりますが、いま先生の御指摘によって、労働省が出しております通達の量と先ほど通産省の方からお答えしました量の間に差があるということについて、認識を新たにいたしたところでございます。さらにこの実態をよく調査いたしまして、両省のいま御指摘のところの差をさらによく検討いたしまして、改めてお答えをするようにいたしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○楢崎委員 いいです。ぜひやってもらいたい。 それで、通産省資源エネルギー庁ですか、これはおたくからもらった各原発の許容限度の数値ですが、これはだれが妥当であると判断したのですか。いままでの目安の百ミリレムをこんなに五倍とか八倍とか十倍にしているのだが、だれがこれを妥当だと判定したのですか。
○児玉(勝)政府委員 各電力会社におきます放射線下の作業におきましては、保安規程によりましてその管理を十分しなければならないと決まっておりますが、それに先ほど申し上げました一日百ミリレムということと、それを超える作業をする場合には計画被曝線量というのを定めて十分な監視のもとに作業をさせなければならないということになっております。それで通産省といたしましては、その三カ月三レムの法定基準を守られているかどうかという問題につきまして四半期報を報告させまして、その中での問題を監視しておりますのが一つ。 もう一つは、大きな作業、たとえば工事計画認可を必要とするような工事におきましては、それの作業によってどれくらいの被曝線量になるかということを聴取しております。そこで、先ほど申し上げました計画被曝線量がどれくらいにならざるを得ないか。被曝するには三つの要件があるかと思います。一つは、その作業に十分な設備的なことをやっているかどうかということを審査いたします……
○楢崎委員 だれがこれを妥当と判定したかと聞いているのですから、そんな答弁は要らないのですよ。
○児玉(勝)政府委員 電力会社の担当の者が判断する場合と、それから通産省が聴取した場合には通産省が妥当と認めております。
○楢崎委員 そうすると、通産省が黙っておるということは、通産省が妥当と認めたのですか。
○児玉(勝)政府委員 工事計画認可の付属書類として出てまいりました被曝線量評価の問題につきましては、通産省はそれを見ておりますし、また判断もしておりますので、妥当と認めております。
○楢崎委員 では、労働省の通達との関係をあなたどう思いますか。労災認定の場合、つまり因果関係が証明できなくても、五百ミリレム以上で白血病になったら、因果関係ありとして労災の判定になるのです。これとの関係をあなたはどう考えたのですか。
○児玉(勝)政府委員 私どもとしては、電離放射線障害防止規則の方から考えまして、また原子力規制法に基づきまして、限界線量というのを考えておりますので、ただいまお話がありました労災の方の問題については私たちは考えておりませんでした。
○楢崎委員 お聞きのとおりです。まるでばらばらなんですね。私は、五十二年度に質問したときにそれを指摘しているはずだ、通産省、エネルギー庁、労働省、厚生省ばらばらです。だから一元化しなさいという要求をしておって、そのように一部はなったでしょう。いまのとおりですよ、労働大臣。だからこれは、政府の中でこんなばらばらな通達をしておって、何で原発の下請労働者の安全が保てますか。これはぜひ統一して見解を出してくださいよ。そうして、こういうことをいいなどと認めている通産省は、これは重大な責任がある。いいですか。これだと、極端に言えば一日三レムでもいいんだ。一日三レム受けたら、後ずっと休んでおったら三カ月三レムでしょう。そういう論理になるのですよ、これを認めたら。これがすでに目安の線量なんだ、計画線量などと言っておるけれども。計画線量などというのは何です。だめですよ。こういうことを許しておっては。私はこれは明確にしてもらいたい。お願いをしておきます。 それで私は二年前、考えてみればちょうど二年前ですよ、五十三年の二月二十二日、きょう二月二十二日でしょう、ちょうど二年前のきょう、外務委員会で質問をしているのだ。そして、百ミリレムを三百ミリレムに上げているのじゃないかという質問をした。エネルギー庁は答弁しなかったでしょう。五十二年からあなた方は知っておったなら、何でそのときに答弁しなかったのだ。そのときにもごまかしているのです。昨年の十二月にあなたはミスで思いつかなかったなどと言っているけれども、二年前にも私は同じ質問をしているのだ。つまりあなたはごまかそうとしているのだ。二年前のこのときは、あなたではない。中戸何がしですよ。科学技術庁の原子力安全局の安全課長ですか。このとき私はどういう質問をしたかというと、福島と敦賀にGEの労働者、外国人の労働者が入った。GEの許容限度は一日八百ミリレムだ、それで日本の場合百ミリレム。日本に外国の労働者が入っていったら、日本の法律に従う、あるいは基準に従う。それで困るものだから、まずひそかに三百ミリレムに上げたのだ、その外人労働者に合わせるために。そしていまや三百ミリレムが千ミリまでになっているのですよ。こういう経過があるのだ。とにかくあなた方は、ごまかそうごまかそうとしているのですよ。私はその点を指摘をしておきたいと思います。 もう一つ、社員と下請労働者と何で許容限度が違うのですか。これを説明してください。
○児玉(勝)政府委員 社員と下請労働者の計画被曝線量のことだと思いますけれども、それが違うのは、作業の内容によりまして、おのおのその作業の仕方、遮蔽の仕方等々を考えまして、そういうことで決めております。
○楢崎委員 何のためにそういうことを決める必要があるのですか。
○児玉(勝)政府委員 高放射線下の作業というのは、面積が非常に限られておりましたり、それから熟練労働者でないとなかなか仕事ができないとかいうことがございますので、そういうところで作業は限られた人間がどうしてもしなければなりませんので、そういう意味で、その作業に従事する熟練者の人数とか、そういうものを決めなければいけません。 そういうことからいきましても、その作業の日数なり作業のやり方なりということから、どうしても全体の被曝を少なくするためには、一人当たりの被曝線量を高くしなければならない、しかし、それは高くするかわりに時間監視員とか放射線の監視員を増強させるということで、個人の被曝線量が上がらないように監視しながら計画的に作業をさせる、こういう意味で計画被曝線量というのがあるわけでございまして、なるべく一人当たりの作業の被曝線量を小さくするように努力はしておるわけでございます。
○楢崎委員 それでは差をつけた理由になりませんね。 つまりこういうことなんですよ。そういう放射線の放出の多いところには社員は行かないのです。そして全部下請労働者です。下請労働者は被曝要員なんです。同じ人間でありながら。これも私どもは納得がいかないのですよ。 最後に、時間が来たようですから、一問だけお伺いしておきます。 再処理工場は、つまりいまは廃棄物を処理しようがないのでしょう。私も美浜に入った。そうしたらどうなっているか。廃棄物は全部ドラムかんに詰めているのです。しかも、コンクリートか何かで中を遮蔽しているのじゃないのです。コンクリートと混ぜている。だから、遮蔽しておるものはドラムかんの薄い何ミリかの鉄板しかないのです。それを持っていくところがないから、工場に倉庫を建ててそこに入れておるのでしょう。そして、その倉庫がドラムかんでいっぱいになったら、またもう一つ倉庫を建てるのですよ。どんどんどんどん建てるでしょう。知っているでしょう。一体これをどうするのです。これを将来どうする、これが一つ。 それから、再処理工場は、昨年末かことしの初めに動燃と、それから三月にできるかもしれませんがサービス会社、それとたしか西ドイツかフランスの再処理関係の人たちが来て、会議を持ったでしょう。まず、持った事実があるかどうか。そのときに西表島が話題になったのじゃないですか。どこまでこの再処理工場の予定地は詰められておりますか。それを最後にお伺いして終わりたいと思います。
○児玉(勝)政府委員 最初に低レベル廃棄物の保管でございますけれども、先生おっしゃいますように、年々低レベル廃棄物がどんどん増加しているのは事実でございまして、われわれも非常に重大な関心を持って考えております。それでいま考えておりますのは、海洋投棄ということで、科学技術庁の方におきまして、その試験投棄の準備を進めていただいておりますが、それが本格化いたしましたときには、現在倉庫にあります廃棄物を海洋に投棄するというふうに考えております。また、海洋投棄というのがなかなか進まない場合におきましても、陸上投棄ということでどういうような投棄の仕方をすべきかということについても検討を進めておりますので、先生御心配のように、どんどん廃棄物の建物が原子力発電所の中に充満するということのないようにしたいと考えております。 それからもう一つ、再処理工場の立地候補地でございますか、それの話でございます。それは、第二再処理工場をつくります会社、原燃サービス株式会社と申しますが、この会社は三月一日に発足することになりまして、その会社が立地を決めるということに相なります。いまのところ立地先は全く定まっておらない状況でございます。
○楢崎委員 ちょっと済みません。さっき質問した中の、昨年末かことしの初めに三者が会議をしているのじゃないですかという点はどうですか。
○児玉(勝)政府委員 ちょっと私、その三者で会議をしたという点についてば存じておりません。
○楢崎委員 これでやめますが、先ほどの労働大臣からのお約束と——いまの点は知らないのでしょう、これは秘密会議だから。それを調べてください。それを一緒に適当な機会に答弁をしていただきますようにお願いしておきます。西表島が候補地の一つとしてそのとき論議された。調べておいてください。 それでは、これで終わります。
○高田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時十九分散会