決算委員会 第4号
- 発言数
- 270 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/02/13
会議録
○高田委員長 これより会議を開きます。 昭和五十二年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、会計検査院所管について審査を行います。 この際、お諮りいたします。 本件審査のため、本日、参考人として日本住宅公団理事有賀虎之進君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高田委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。 —————————————
○高田委員長 まず、会計検査院長から概要の説明を求めます。知野会計検査院長。
○知野会計検査院長 昭和五十二年度会計検査院主管一般会計歳入決算並びに会計検査院所管一般会計歳出決算につきまして、その大要を説明申し上げます。 会計検査院主管の歳入につきましては、予算額九百四十七万余円に対しまして、収納済歳入額は、千九十四万余円であり、差し引き百四十六万余円の増加となっております。 収納済歳入額の主なものは、公務員宿舎貸付料等の国有財産貸付収入九百六十三万余円であります。 次に、会計検査院所管の歳出につきましては、当初予算額六十七億三百五十九万余円に補正予算額一億七百九十七万余円及び予備費五千七百四十一万余円を加えた予算現額六十八億六千八百九十八万余円に対しまして、支出済歳出額は、六十八億六千六百九十九万余円で、その差額百九十八万余円を不用額といたしました。 支出済歳出額のうち主なものは、人件費六十一億一千九百十八万余円、検査旅費四億三千二百九十四万余円、施設整備費五千八百十四万余円となっております。 以上、はなはだ簡単でございますが、昭和五十二年度における会計検査院関係の決算の説明を終わります。 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○高田委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。岩井会計検査院第一局長。
○岩井会計検査院説明員 昭和五十二年度会計検査院の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○高田委員長 これにて説明の聴取を終わります。 —————————————
○高田委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。津島雄二君。
○津島委員 会計検査院は、例年千人ちょっとという限られた陣容で膨大な行政機構の会計検査をしておられる。憲法上の機関とはいえ、権限等においても限られたものがあるということで、大変御苦労さまだと思います。冒頭検査院の皆様方の日ごろの御努力に対してまず敬意を表してから質問に入りたいと思います。 まずきょうは、私は、会計検査というものが本当に効果を持つようにするにはどうしたらいいかという観点から、検査のあり方についていろいろ御質問したいと思うのであります。 その前に、会計検査院の決算報告が毎年出ますと、マスコミあるいは報道機関でいろいろな角度から取り上げられるわけでございます。その中には、検査によって本来期待したような取り上げ方と、それから場合によってはきわめて三面記事的な取り上げ方とが、これは私の目から見てあり得るわけでございます。きょうの審議の対象にはなっておりませんけれども、最近昭和五十三年度決算報告が出たわけでございますが、昨年度の決算報告について、特にいわゆるやみ給与的なものがあるではないかとか、あるいはいわゆる空出張的なものがあるのではないかというような話が盛んに伝えられておるようでございます。実態については検査報告でも幾つか御指摘になっておるようでございますし、また新聞報道等にもございますけれども、まず私が一つ指摘しておきたいのは、いわゆるやみ給与と言われるものの中で、超過勤務手当を一律に払っているのではないかということが言われているのでありますけれども、その点についてかなりの誤解があるのではないか。 私自身かつては中央官庁に勤めておりましたけれども、二十年足らずの中央官庁勤務時代に、ならしてみますと、超過勤務手当は恐らく私が実際超過勤務をしたものの半分ももらっていないのであります。ここに並んでおられる皆様方、恐らくきょうの私どもの質問に関係して夜は夜なべをされたと思うのでありますが、皆さん方の超過勤務のあれが本当に払われているかどうか。私はかつての経験から言うと、まず超過勤務手当をもらわずに働いてばかりいた、またそれがあたりまえだと思っていた。そういういまの中央官庁の執務体制自体に問題はありますけれども、よかれあしかれ皆さん方、国のためかあるいは上司のためかは知らないけれども、手当をもらおうがもらうまいがとにかく夜遅くまでよくお働きになる。そうやって働くけれども、超過勤務をするけれども、予算上は超過勤務手当がついていないということで、そういう場合に、次善の策として、それではみんなに悪平等にならないようにするにはどうしたらいいかということになると、現実に超過勤務をした時間にかかわらず、できるだけ皆さんに平等に、実際は毎日三時間も四時間もやっているんだけれども、それでは毎日一時間やったということでやりましょう、こういう実態が多いと私は承知しているのであります。そういう場合には税金上の処理も、ちゃんと課税処理ができていると思うのでありますが、そういう点から見て、最近のいわゆるやみ給与、超過勤務手当を一律に払ったからどうこうという言い方については、現実に行政部内でまじめに働いている方々にとってはいささか酷であり、また真実に合わない報道であるという認識を私は持っているわけであります。 そこで、冒頭でありますから簡単にお伺いしたいのでありますけれども、いわゆるやみ給与それから空出張についてもそれぞれ事情はある、そういうことについて、私は、物事の実態を本当に理解した上での検査と評価をしていただきたいと思うのでありますけれども、そういう配慮を十分やっていただいているのかどうか。それからまた、五十三年度決算報告で指摘されている問題についてのてんまつについて簡単に御説明いただきたいと思います。
○知野会計検査院長 お答えを申し上げます。 まず超過勤務手当の問題でございますが、いま先生が御指摘になられましたように、私どもは、超過勤務全体をすべてどうであるということを推測をもって申し上げることはなかなかできませんけれども、私どもの経験から見ましても、実は超過勤務手当の予算というのはどこの役所も非常に少ないのが実態でございまして、恐らく実態をもってやれば、超過勤務というのは非常に勤務の方がオーバーになっておって、手当の方が過小になっておるという場合がかなりあろうかと思っておるわけでございます。そういう意味で私どもは、超過勤務手当の支給が一般的にけしからぬというふうな指摘は一度もいたしたことは実はないのでございます。現実に指摘をいたしましたものは、鉄建公団の給与の問題につきまして、その一部に超過勤務手当五十数時間を勤務の実態に関係なく一律に給与的に支給したものにつきまして会計検査院法三十四条で改善をすべきものの一つとして取り上げてはおりますが、超過勤務手当がすべて実態なくして支払われておるという感覚で指摘したものはございません。 それから架空経理の問題でございますが、これは官庁の会計といたしまして、事情はいろいろありましょうけれども、事実に基づかない架空の経理をいたしたということは経理を根本的に乱すという意味で不当ということで指摘をいたしたものでございます。 なお、指摘をいたしましたものの後始末はどうかというお話でございますが、会計検査院が五十三年度決算検査報告におきまして架空経理等の問題で指摘をいたしましたものがたしか六件、それから給与の問題で指摘をいたしたものが一件ございますが、これに対しましてどう対処するかということは、それぞれの省庁におきまして対処されるべき問題でございまして、現在それぞれの所管省庁におきまして検討中であると承っております。
○津島委員 ただいまの御答弁で、かなり実態は正確に把握した上で指摘すべき点だけ指摘したのだということでございますので、そういうことなら結構なわけでございます。問題は、話に尾ひれがつく心配がございますから、その点を十分検査院としてもあらかじめよく御理解をいただきたいと思うのであります。 いまの旅費あるいは超過勤務等の問題のほかに、五十三年度の指摘事項の中にいわゆるむだ遣い、つまり高価な物品を購入させられたというような問題も出ているわけでありますけれども、大切な国民の税金を使うわけでありますから、いやしくもそういうことがあってはならないのでありますけれども、一つ一つのケースについて、やはりどういうところからそういう問題が出てきたのか、よく理解をして、そしてその後始末につきましても、一部の新聞報道によりますと担当者に弁済要求をなすったというような話も出ております。私は正式にそういうことを検査院の方からまだ言われたことはないと承知しておりますけれども、この問題をあわせまして、いわゆるたてまえと実態とがしばしば食い違うというところに日本のいろいろな制度のいいところと悪いところとあるわけでありますが、その食い違いが場合によっては一つのある程度の合理性を持っている、あるいは社会的に納得できるような背景のもとにされているというようなたてまえからの乖離というものについては、そのような認識と評価を場合によってはしていただきたい。つまり検査院が検査院の立場から、いま規則はこうなっておる、だからそれに少しでも食い違った取り扱いをしていれば食い違っていること自体を不当であると指摘をするようなことは、場合によっては避けていただいた方がいいのじゃないか。規則なりたてまえとの乖離を発見した場合にその正しい評価をつけ加えて処理をしていただきたいということを特にお願いを申し上げておきます。なぜこれを特に申し上げたかといいますと、これからの私の議論とつながっていくわけでございます。 そこで、いま私が申し上げたような会計規則あるいは法規に照らして毎年検査をされるわけでありますけれども、私の見方では会計検査が、検査官があるいは職員の方が苦労して、ある省庁のこれこれの経済行為について問題があると指摘をされて、ああそうですか、申しわけありません、直しますということで終わってしまうなら何も意味ないんですね。意味がないと言うことは言い過ぎかもしれないけれども、十分に目的を達することができない。なぜならば、毎年同じようにたくさんの検査院指摘事項というのが挙げられているわけでありますから、何としても検査院の検査の結果というものが、実際に検査を受けた、また指摘を受けた機関に限らず横に影響を与える、つまり類似なケースがあれば行政機関は十分に気をつけてもらうというようなこと、あるいは将来に向けて類似なケースがあれば気をつけるというような効果を期待していただいて初めて検査の意味が十二分に理解されることだと思うのであります。 いま実地調査が実際一〇%にも達しない、八%程度であるということでございますから、検査自体で終わってしまったのでは本当に本来の目的を達することはできないということをまず強く申し上げたいわけであります。 これから例として二、三挙げて御議論したいと思うのでありますけれども、このような点について、院長は日ごろどういうお考えで検査をしておられるかお伺いしたいのであります。
○知野会計検査院長 会計検査院の検査が検査だけで終わったのではその効果が本当に発揮できないのではないかという御指摘でございます。五十三年度の決算の検査報告を例にとってみますと、会計検査院が指摘しました不当事項といいますか、これは補助金まで含めまして大小百六十四件、それから会計検査院法三十四条によりまして改善の処置の要求をいたしましたものが十四件、それから、会計検査院の指摘に基づきまして、それぞれの省庁におきまして改善の処置を講ぜられましたものが十五件ございます。 私どもは、そういう指摘をいたしました場合に、各省庁が自分の省庁の指摘以外に類似のものがあります場合には、その検査報告を参考にして同じようなことを起こさないように配慮していただくことがやはり非常に大事なことであろう、これは御指摘のとおりだと思っております。 そういう点で、三十四条による改善の要求でございますとか、あるいは処置済みとして掲記しておりますものの中には、よく検査報告を参考にしていただきますならば全体の効果の上で参考になるものがたくさんあるのではないかと実は考えておるわけでございまして、ぜひ検査報告に掲記しておりますものをそういう意味で参考にしていただければ、検査院の検査報告も生きてまいりますし、私どもの仕事も大いに励みが出てくるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○津島委員 院長もそのような検査の効果が広く広がっていくことを期待しておられるようで結構なことでありますけれども、またこの検査報告、大変皆様方の労作でありますから、よく読んでみるといいことがたくさん書いてあるわけでありますが、私は、毎年報告を出して読んでもらうことを期待するだけでは不十分な気がしてしようがないのであります。この検査報告、これは憲法上の要請で出されているにもかかわらず、これをまともに読んでいるのは国会議員でも決算委員会の理事ぐらいじゃないかと思うのですね。 そこで一つの例を挙げてみましょう。大蔵省、不当事項と申しまして、これは五十二年で見ますと、「上記の百九十八税務署において納税義務者等五百五十五人から租税を徴収するに当たって、調査が十分でなかったため、徴収額が不足していたものが五百二十一事項」約十一億云々、こういうことが書かれておりまして、「(説明)」で「源泉所得税に関するもの」「配当(四十九事項)、給与等(三十二事項)」と、こうありまして、「源泉徴収義務者は配当、給与等の支払の際、また、未払の配当及び利益処分の役員賞与については支払の確定した日から一年を経過した日においてその支払があったものとみなして、源泉所得税を徴収し、原則として徴収の日の属する月の翌月十日までに国に納付することとなっている。」ところが調べてみたら納税の告知をしてないじゃないか。 さて院長。この同じ事項、同じ文章ですよ、これが一体何年間この上に、ここに載っているか御存じですか。まあ御存じだろうと思うのです。毎年毎年出ている。これは私自身、昔法人税課長をやっておりましたから、その当時はもっとこれはすごかったんだ。もう一件十万くらいのやつから税務署ごとにみんな掲記されまして、何か鬼の首をとったように、やったやったと、こういう御指摘があった。そのときに私ども強く検査院の御理解を求めたのは、検査院も千人足らずの職員で非常に苦労しておられるように、国税当局も限られた五万人有余の職員で所期の目的を達成しなければならぬ。そうすると、税務職員が最も効果を発揮するようにこれを活用したいということは、結局外部事務に調査に出すことなのですね。しかも、こういう大きな日本経済の規模に発展をしてきたわけでありますから、その大きな経済規模の中でできるだけ大口、悪質な事案について集中的に職員を投入して摘発をする。野党の皆さん方と同じように、私も税務行政の立場からいえば大企業を中心として大口、悪質をたたかなければいかぬという信念を当時持っていた、いまでも持っておるわけでありますけれども。そうしますと、一件五万、十万の配当、給与の課税漏れを一々ここに掲記されるということを気にして内部事務に人を割けばその分だけ大口、悪質の事案の摘発がおくれるということを再々御指摘申し上げて、五十二年、五十三年の最近のこの御指摘を見ますと、昔よりもずいぶん簡素な形で不当事項として報告をされているので、行間に検査院の姿勢があらわれているということで私は評価をいたしたいのであります。 そこで、税務行政を進めていくには、できるだけ大口、悪質重点主義で職員を活用していくには、何といっても実地調査にできるだけ出てもらう、そして簡単な調査ではなかなか非違事項が発見できないような巧妙でしかも大がかりなもの、あるいは対外取引を悪用しておるようなものに重点的に職員を投入しなければいけないわけであります。そういう税務行政をやっていきますと、なかなか出張した、調査に出た効果がすぐにその年には出てこないのです。これは非常に丹念な、しかもしんぼう強い資料の収集をやって初めて目的を達することができるわけであります。ところが、かつては、それ検査に行った、毎年の決算書を持ってこさせる、これは出てないじゃないかというようなこと、あるいは非常に細かい決議書の誤りとか、そういうものを御指摘いただくのは大変ありがたいわけでありますけれども、人間のやる仕事だから、これは税務職員でも間違いがないとはいえない。そういう点にばかり重点を置いていかれますと、本当にやるべきところに職員の注意あるいは精力を向けられないということがありますから、私の経験からも特に検査院の御理解をお願い申し上げておきたいのです。 それでは、いま私がここで読んだような、支払い配当が確定をして一年たっているのに告知書を送っていないようなケースをどう扱ったらいいかという問題があります。これは中小企業で、御承知のとおり配当は確定はしているけれどもなかなか支払いをしないというようなケースもあって、これは中小企業、ことに同族会社の場合にはたくさんの事案が出てくる可能性があるわけであります。 そこで税務署はどういうやり方をするかといいますと、一年に何回か内部事務をやる期間を設けて集中的に処理をする。だから、その期間に当たらないときに検査においでになると、たくさん机の上に積んであるわけでありますね。たくさん机の上に積んであるものをやってないではないかと言われると、これは非違事項、不当事項になりかねない。だからそういうことよりも、むしろ毎年ここに出てくるような問題を能率的に処理するにはどうしたらいいかという観点から、検査院と国税当局で協力をされる可能性があるのじゃないか。たとえば国税庁で源泉徴収関係の配当、給与等についての書類をずっと調べて、集中的に処理をしてしまう期間を設けて能率的な処理をやっていく。検査院の方は、できればそういう能率的な処理がうまく機能しているかどうかということをサンプルをとって検査においでになる。そうすることによって税務当局の方もそういう能率的な処理をやる、また処理をするときにはできるだけ適確にやるという方向に向かっていく、だろうと思うのでございます。一例として、一件一件の非違事項、たとえば二万、三万の非違事項あるいは決議書の中で特別償却の扱いが五万、六万欠けていたということ、これも大事ですけれども、それよりも税務行政全体としてより効率的になっていくような方向に検査権限を行使していただいた方がいいのではないか。また、その行使の仕方も、税務当局も協力をして、効率的な税務行政の運営ができるような検査をお考えになってはいかがであろうか、御提案を申し上げる次第であります。 きょうは源泉徴収の内部事務の処理について集中管理、集中処理をさせて、その上に立った検査をされたらいかがかという御提案を一つ申し上げたわけでありますが、検査院の方の御感触をお伺いしたいと思います。
○岩井会計検査院説明員 豊富な御体験に基づきますありがたい御提案でございまして、まことにごもっともでございます。 ただいまの源泉所得税に関します御提案につきましてでございますが、私どもといたしましても、かねがねそのような方法もないかということでは検討はいたしておるところでございますが、ただいまの御提案につきましては、早急に国税当局とも打ち合わせの上検討いたしてみたいと存じております。
○津島委員 それでは二番目の事例として、五十二年度の検査報告の中で、日本専売公社について「特に掲記を要すると認めた事項」ということで指摘している「葉たばこの生産及び調達について」という問題に触れてみたいと思います。 これも私自身かなりの経験を実際持っておる問題でございます。また、これは検査院の検査報告について「特に掲記を要すると認めた事項」というのが、やはり一番いい問題点を毎年御指摘になっているということで私は高く評価をいたしたいのでありますが、ここで、国内の葉たばこ生産の結果専売公社が葉たばこを買う。その葉たばこは大体二年以上寝かせて、熟成したところで製造たばこになっていくわけでありますけれども、在庫が非常に過剰になっているという問題を御指摘になっていることは時宜を得ているわけでありますが、この最後の指摘事項の文書を読みますと、「過剰在庫の解消、なかでも下位等級に偏った状況の是正は容易でなく、今後この傾向がなお継続することが予測される。したがって、このような状況のまま推移すれば、今後過剰在庫による資金の固定化、諸経費の負担は継続することになる。」これで終わっておるわけですね。どうも改善の見込みは見当たらない、困ったものだというような書き方になっているのであります。ことに問題なのは、私どもも問題にしたいのは下位等級、つまり専売公社が製造たばこの原料に使う場合に最も使いにくいところだけ残ってしまう、そういうものが積み重なって過剰在庫になっている、そういう御指摘はまさに正しいのでありますけれども、そうであるという御指摘だけでは問題は先に進まないわけなんですね。この点について、この指摘事項について一体どういう点を期待しておられるのか、検査院の方からお伺いをしたいと思います。
○小野会計検査院説明員 お答えいたします。 私どもの方では、積極的にどういう施策を講ずべきだということまで検査報告では触れなかったのでございますが、いろいろ専売公社の方とお話し申し上げて、私どもも意見を申し上げていることにつきましては、たとえば生産面では減反を行う必要がある、それからまた等級間の価額格差というのを拡大して、いい品質のものをつくらせるように努力する必要があるんじゃないか、それからまた、今度は耕作者に対しては積極的に耕作指導を行って、いわゆる異常葉、悪い葉っぱをつくらせないような技術の進歩、確保、そういう面に力を向けるべきではないだろうかというような点について考えているわけでございます。
○津島委員 いま伺った、方向としては当然この指摘の中から考えられる点であろうと思いますが、問題は、専売公社の方がその気になっておやりになるかであります。耕作者に向けてただやみくもに減反を要求するだけでは耕作者はついてこない。それから、いい葉たばこをつくってほしいというのは結構だけれども、指導方針が誤るとかえって悪い葉たばこができてしまう。ことしの例のようなもので、収納結果に愕然としておられるんじゃないですか、専売公社。まあ公社の方でその気になって正しい対策をおとりにならなければだめだと思うのですね。公社の方おいでになっているようですから、公社の方のお考えを伺いたいと思います。
○竹山説明員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘のございました点でございますけれども、やはり基本的にいい品質のものをつくった方に収納代金が有利に働くように、価格の面で上級品にウエートを置きながら、五十二年以降今日までいろいろと努めてきているわけでございます。何と申しましても、たばこの耕作は北は青森から南は鹿児島まででございまして、つくっておる品種も違いますし、いろいろその地方地方の習慣があるわけでございますけれども、生産者の皆様方も、いい葉たばこのものをつくるということの必要性につきましては次第に認識を高めてきていただいております。そういうことで、五十二年度、検査院の方からいろいろ御指摘を受けたわけでございますけれども、五十三年、五十四年とそれなりに私どもも生産者に働きかけを強めておりますし、生産者の方もそれにこたえていろいろ苦労されながらたばこをつくっておられるという点が現状でございます。
○津島委員 まあ努力はしておられるのでしょうけれども、なかなかそのとおりいってないというのが私の認識なんでありますが、ひとつここで御提案申し上げたいのですけれども、ここで、下位等級のものが偏った、つまり余り質のよくないものが過剰在庫としてたまっているということを本当に正面から受けとめられて、生産者の方も、等級が悪くて売っても余り大した収納代金にならないというようなものについては——本来、たばこ専売法で葉たばこは全量収納というたてまえになっておりますけれども、無理に全量買うということをせずにこれを土地に返す、その分だけいいものを、中葉とか本葉の等級の高いものを中心に収納をしていくという体制を思い切っておつくりになったらどうでしょうか。そういう指導をしていると言われるのですけれども、実際歩いてみますと、必ずしも徹底した指導になっていないし、公社の方針もはっきり打ち出されていないわけでありますけれども、その点について、いかがでしょうか。
○竹山説明員 お答えいたします。 ただいま先生の御意見は、全量を買い入れることをやめて、使い勝手の悪い下級品は思い切って制度に踏み込んで考えてみたらどうだというふうな御意見であろうかと思うわけでございます。私ども、原料を調達し使用する立場から見ますと、使い勝手のいいもの、必要な品質のいいもののみを購入するということは大変それなりに結構なことであるわけでございますけれども、一方、葉たばこの耕作農家の面から見ますと、全量を買い入れて、その全量を生産するのに必要とする生産費並びに適正な収益を保証されるという、長い一つの歴史の制度になじんでいる点がございます。したがって、制度を変えるところまで踏み込みますことは相当な混乱が起きてくるというふうに考えるわけでございます。しかしながら、確かに先生の御指摘の点もあるわけでございまして、いまや国産葉は、在庫問題、品質問題、価格問題、いずれも深刻な問題を抱えているわけでございまして、ただいまの御意見のような制度そのものとのかかわり合いの問題も、今後総合的に慎重に検討を進めてまいりたいと思っている次第でございます。
○津島委員 関連するいろいろな問題を含めて、よく検討してみてください。 そこで最後に、五十一年度の同じ検査報告の中で特記を要すると認めた事項として指摘をされている問題で、住宅公団の空き家の問題がございます。これは新聞でも何度も取り上げられましたように、せっかく国民の税金あるいは財政投融資の原資である郵便貯金などを集中的に投入して住宅を建てたのだけれども、それが皆入居者がいずに、遠高狭ということで空き家になっていると言われております。そのようなことについて改善がないとしたら非常にゆゆしいことだと思うのでありますが、この点、五十一年度の指摘があって以降どういうことになっているか。まず、検査院の方から、この指摘以後どのような改善を促すような措置をおとりになったかお伺いしたいし、それから、公団の方から、その後の実態について御説明をお伺いしたい。
○肥後会計検査院説明員 われわれとしましては、その後検査のたびに公団のとった処置を聴取いたしまして、その努力を促しているところでございます。
○有賀参考人 ただいま先生御指摘ございましたように、昭和五十一年度におきまして私どもが募集したものあるいは未募集のものを含めまして約三万二千戸ぐらいの空き家があるという指摘がございました。私どもこのような会計検査院の御指摘はもちろんでございますけれども、当然のことながら私ども公団の本来の業務といたしましてもこの改善に努力すべきものと思っておる次第でございまして、実は五十二年の夏以来、公団の中に経営改善推進本部を置きまして、たとえば住宅の需要に見合った魅力ある住宅にするということで、狭い二DKなどは二戸を一戸にいたしまして分譲にするとか、あるいは家賃とか分譲代金の改善をするとか、いろいろな施策をしてまいったところでございます。 それで、ただいま御指摘になりました五十一年度に会計検査院の御指摘になった三万二千戸の分について見ますと、その後、日時を追いまして私どものそういった努力も多少実りまして、逐次空き家の解消になっていっておりまして、昭和五十四年、昨年の暮れの数字で申し上げますと、この三万二千戸分について見れば、いまだ入居になっていないのは七千六百戸ということで、七五、六%がすでに解消されているという状況でございます。
○津島委員 時間がなくなりましたが締めくくりの御質問を一問許していただきたいのでありますが、いまの公団の方の数字は、若干私は疑問があります。改善されていることは改善されているようでありますけれども、もうちょっと多いという報告を受けております。 そこで、私、東京から千葉の方へ新しくできた高速道路で走ってみたりしますと、たくさんつくりかけになったやつが残っておるわけです。いろいろな理由で空き家になっているのだろうと思うのですけれども、これをこのままにしておいたのでは、建設するために要した金利がどんどん家賃に加算されていくわけでありますから、勤労者が買うべき住宅がますます高くなって手が届きにくくなることになるわけであります。 ここで御提案申し上げたいのは、本来住宅公団の住宅は住宅に困った勤労者に住宅を提供するためにあるわけでありますけれども、いまもうすでに住宅の数は世帯数を超えている。そこで、一定の線を引いて、一定のものについてはコマーシャルベースで、買う人にはどんどん買ってもらう。買って寝かしてもいいじゃないか。そういうような考え方から、ここにございます住宅公団の入居基準それから購入基準というものを多少とも緩めていくことを本格的に検討されたらどうでしょう。独身者でもいいとかあるいは法人、会社にも売ってやる。それから一世帯二月という前提も場合によっては緩めてもいい。その分だけ資金を回収して次の仕事に投入していくというような柔軟な姿勢が必要なのではなかろうか。その点を締めくくりにお伺いしたいと思います。
○有賀参考人 先ほどの数字につきまして多少補足させていただきますが、先生おっしゃられたのは、その後も公団の全体の空き家としてはもうちょっとあるのではないかという御趣旨だと思っております。先生の先ほどのお話の中にありましたとおり、住宅の事情は、絶対的な不足の状況をもう脱却しまして質の改善のような状況、選択の時代に入っております。そういう時代でありますし、その後竣工になってくるものも相当ございまして、その後のもの全部含めますとこの十二月で二万九千戸くらいございます。しかし、その中は、日時を要しますけれども順次改善されておりまして、五十一年度の三万二千戸につきましては先ほど申し上げたとおりである、こういうように御説明した次第であります。 それから、ただいま先生の御提案の入居の基準等についていろいろと考えたらどうかというお話でございますが、その点につきましては、実は先ほど幾つかの種類の努力をいたしましてと申し上げた中で、私どもも入居基準の改善、緩和を考えてまいりました。その中で、先生の御指摘になりました点で、たとえばそういった空き家になっているものにつきましては単身者にも現在も開放してやっております。それから法人への賃貸、法人への分譲等もすでにやっておりまして、それなりの効果を上げている次第でございますので、この点につきましてはなお一層検討して推進してまいりたい、こう思っておる次第でございます。
○津島委員 もっと積極的にやってください。 私の御質問の趣旨は、検査報告大変りっぱなものをおつくりになっているわけでありますから、また職員が大変御努力になっておるわけですから、検査の効果ができるだけ広く後に及ぶようなことをこれからお考えいただきたいということであります。そのことをお願い申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○高田委員長 井上一成君。
○井上(一)委員 戦後の財政、会計制度がもう三十年以上も経過したわけであります。その中でいろいろな欠陥なりあるいは制度面での不十分さがあらわれつつあるわけです。そういう時点で、とりわけ重要な役割りあるいは大きなかなめでもあると言って過言でないと思うのですけれども、会計検査院の機能の質的な充実、拡大を私は心から願うものであります。 そこで冒頭に、最近における各官庁の慢性的な乱費とでも言えるでしょうか、ともあれ国民のひんしゅくを買う予算の執行、これらのことに対して検査院の見解を尋ねておきたいと思います。
○知野会計検査院長 昨年指摘をいたしました一連の不正事件につきまして、やはりこういう問題は公金を扱いまする官庁といたしましては基本的な問題でございまして、事情はどうであれ会計経理の適正といいますか厳正を期していくことが大事であろうと考えております。
○井上(一)委員 適正に予算を執行していく、そのためにも私は、制度面の充足あるいは現行の中での是正を必要とする部門——検査院は、この辺はもっと充足を願いたい、充足すべきであるというような具体的なお考えを持っていらっしゃるでしょうか。
○知野会計検査院長 検査院の機能の充実につきましていろいろ御配慮をいただきますこと、大変ありがたいことでございますが、検査院の機能を充実するということで国会の御決議もたびたびあるわけでございますが、具体的にはいろいろな問題があるわけでございまして、たとえば人員をもう少しふやしたらどうかという問題も一つございます。これは、現在、一般職員の定員の抑制あるいは削減ということが非常に厳しく打ち出されております折ではございますけれども、国会の御決議もあり、財政当局の御理解もいただきまして、検査院につきましては、若干ではございますけれども、必要な人員を増してもらっておるわけでございます。まだ私どもの方から見ますと、財政規模が拡大しておりまするし、あるいは検査の対象というものもふえてまいります。それから、やはり技術的、専門的な知識も必要になってくる、こういう点で私どもは限られた人員で最大の検査効率を果たしていかなければならないとは考えておりますけれども、必要最小限度検査院が職務を果たしていきます上で必要な人員につきましては、その都度御理解をいただいて確保してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 それから権限の問題、これはいろいろな問題がありますので、一言では申しにくうございますが、さきの国会の御決議を体しまして、現在一つの案をつくっておりまして、これは現在内閣において検討中のものでございます。
○井上(一)委員 取り組む人的な問題として増員がある、私はこのことについては全く同感であります。ただ、財政的な面だとか、あるいは世上言われるように、行政改革の中に会計検査院を包括してしまうということはむしろ検査の適確をみずから放棄するものであるというふうに私は考えるわけなんです。行革を進める前段で予算の適正な執行、そして適正に検査ができるような体制というものが必要でありますから、必要人員については当然求めるべきであるし、そのような体制の中で検査機能を強化していくべきである、こういうふうに私は思うのです。 それからもう一つは、検査院の方で内閣に、いますでに機能の強化を求めての案が示されておるわけでありますけれども、たとえば具体的に検査に当たって当然必要であるという検査院の判断の中から書類の提出を求めた、しかし提出を拒むあるいは虚偽の書類を提出をしていく、そういうことを防止するためにも何らかの形で、もしそういうような虚偽の申告をしたり必要書類の提出を拒んだりする場合には、片面における無責任さをただしていかなければいけない。そういう意味で、あえて好まないのですけれども、やはり罰則を設けていくということも必要ではないだろうか。現行では、会計検査院法の二十六条の規定がありますけれども、これには罰則もありませんし、そういう意味では今後の問題としてこれもひとつ考えていかなければいけない、あるいは現在、強制権というものについて十分な保障がなされていないわけでありますけれども、このこともまた必要ではないだろうか、こういうふうに私は思うのです。ただ、乱用を云々する一つの反論的論理も展開されるかもわかりません。しかし、国民から取り上げた税金を適正にかつ有効にむだ遣いのないように検査をしていく、このことでありますから、決して国民の権利侵害にもならないだろうし、あるいは国民の合意を得られないというような状態ではないと思うのです。だから、そういう意味で私は、二つの方法論というのでしょうか、罰則規定あるいは強制権の問題、こういうことを具体的に指摘したわけです。そのことが検査機能の強化に通ずるのではないだろうか。いかがでしょうか、こういう点についても当局の方の見解を少しここで聞いておきたいと思います。
○知野会計検査院長 一つは、書類等の提出を拒んだり検査に協力しなかった場合の罰則の問題でございます。もともと会計検査院は、憲法の規定に基づきましていろいろの検査をいたします。受検庁の方もこの検査を受ける義務があるわけでございまするし、また当該会計担当の方々は会計検査院に対しましてみずからの会計経理が正しいということを証明する立場にあるわけでございますから、書類の提出、そういう協力を進んでなさるのがたてまえでございます。諸外国におきましても、検査のために罰則を設けているというのは、私どもも余り見ないのでございまして、現在、私どもが検査に当たりまして特に検査を拒否するとか非協力であるというふうな具体的な事例もないものでございまするから、検査の手法としまして罰則をもって臨むという考えはいまのところ持っておりません。 もう一つは、強制権の問題でございます。これは、国税犯則取締法等によりまして国税庁が犯則事件を調査するに当たりまして強制権を持っておる事例がありますことは御指摘のとおりでございます。ただ会計検査は、個々の会計経理の適正を期するということが何と申しましても主眼でございまして、犯罪を摘発するというのが本来の目的ではございません。やはり会計検査は、会計経理の事実確認というものを一つ一つじみちに積み上げていくということから実際の検査というものもまたできるわけでございまして、犯則を前提といたしました強制権、国税犯則取締法にありますような臨検、捜索、差し押さえ、領置というふうな手法を現在の会計検査の手法として取り入れるということにつきましては、現在その必要はないのではないかと考えております。
○井上(一)委員 いまお答えになられたことは、非常に望まれる一つの形だと思うのですよ。私も、望むことならばそういうパターンの中で検査業務をスムーズに遂行していくということを望むわけなんです。しかし、過去の、あるいはごく最近の一連の事件を見ても、やはりそこに何か罰則なり強制権なりがない限り、さらに一歩進んで問題の解明に取り組んでいくということができ得ないわけですね。御答弁については、非常に理想的で、私は当然そうあってほしいと、だれよりも願いたいわけですが、現実はそうでないということなんですよ。そこのむずかしさは、やはり検査機能の強化という抽象的な表現だけでは問題の解決にならないというのが私の考えなんです。このことについては、院長も十分私の質問を理解していると思うのですよ。しかし、最高責任者でもあるし、そうたやすくこうしますということも言えないでしょう。本当はそうあってほしくないという面も私は一面持ち合わせるわけなんだけれども。 そこで、それではもう少し具体的に、現在、政府系金融機関の検査に実際従事している検査院当局の人数は何人ぐらいなんですか。
○小野会計検査院説明員 お答え申し上げます。 五局について申し上げますと、調査官補以上二十七名でございます。
○井上(一)委員 検査院長、二十七名で政府関係の金融機関の検査が十分全うできるとお考えでしょうか。
○知野会計検査院長 ただいま五局長が答えましたのは五局の関係ということでございまして、それ以外にも、住宅金融公庫でございますとか他の局にまたがってそちらの方の仕事をしておる者もございます。しかし、いずれにせよそれだけで全部できるかということになりますと、千二百名で膨大な国の予算を全部やれるかということにも通ずることでございまして、私どもは、与えられた人員をもってできるだけのことをするということでございませんと、これだけの人数でもって全部やれるかと言われますれば、それは十分でない面もあろうかと思います。
○井上(一)委員 十分でないのですよ。十分でないから、深く検査が入り込めるかというと疑問だと思うのです。外的から何らかの問題が提起されて初めて検査院がそれに取り組んでもらっている、こういう過去の事例があるわけなんですね。たとえば航空機の購入に絡む不正事実。こんなのだって本来は検査院の方が国税の検査の中から事情を聞き、そしてそれに入り込んで事実関係を指摘していく。何も司法でもありませんから、犯罪の構成、事実関係を明らかにしていくということの分野ではないけれども、国家予算があるいは国民の税金がいかに的確に使われているかということ、あるいは税として、歳入として当然国に納付されるべきものを納付せずに不正に脱税をしておるということ、こんなこともあわせれば、財政元年だとかいろいろなことを言われておるけれども、私はそういう意味では、検査院の機能強化というのはまさにことしは正念場であると思うし、こんな折だから特に強く強調し、心からその機能の強化を願うわけであります。ひとつ十分に事実関係を明確にすると同時に、会計検査院の取り組みの姿勢を今後明らかにしていっていただきたいと思うのです。 具体的な問題に入ります。 まず第一点に、いまも少し触れましたけれども、いわゆる脱税を含めた、あるいは政界を巻き込んだ不正事件が随所に見られる。あるいは特定の省ですけれども受検庁の不正事件も皆さんは指摘をされてきたわけでありますから、国内の問題からは少し離れるのですが、国税がわが国の大手商社の海外プロジェクトに対する調査をしておりますね。その国税の調査に対して、今度は検査院が国税を検査いたしております。そういう意味で、具体的には日商岩井、住友商事、三井物産、三菱商事、その他たくさんの大手商社がありますが、これらの商社の海外プロジェクトに対する国税の調査に対して、検査院の検査経過をひとつここで聞かせていただきたい、こういうふうに思うのです。
○岩井会計検査院説明員 商社の関係でございますが、たとえば御指摘のようなケースで使途不明金というようなものがございました場合、これについてどうなっているかというようなものでございますが、私ども、国会の御論議なり新聞紙上で取り上げられました、そういった具体的なケースにつきまして、国税当局の検査の際に確認をいたしておりますが、そういったものはすべて課税済みになっております。今後とも、そういった面につきましては最大限の注意を払って検査をいたしてまいる所存でございます。
○井上(一)委員 国税からの報告あるいは新聞等で報道されたものについて、課税済みである、このようにお答えになられたと思うのです。私は、まだ新聞報道には載ってない、あるいは国税が検査院に真実を、すべてを報告したかどうか、これだっていまのお答えではまだ疑問なんですよ。だから、さっきの強制権だとかあるいは罰則だとかいうことにもかかわってくるわけなんです。院長、そういうことなんですよ。私は、すべてを明らかにしておれば検査院のいまの岩井局長の、そんな答えにならないと思うのです。 これは、きょうは余り時間もありませんが、私から、イランにおける海外プロジェクト、なかんずく大手商社、特に四社の名前をここにあえて挙げました。それらのプロジェクトに対する資金の流れを含めての実態あるいは国税の調査の実態を検査院はもう一度深く検査をする必要があると思うのです、いまの答えのみであれば。ここに大きな疑惑がある。私はきょう、このことはただ単なる推測で言うのではない。疑惑がある、不正がありますよ。あえて不正という言葉を使う。不正がありますよ、だから検査院の皆さんにしっかりとその中に入り込んでほしい、こういうことなんです。これは取り組むか取り組まないか。私は強く取り組みなさい、取り組んでくださいということをこの点については要望しておきましょう。 それから次に、中央競馬会に対しての検査の経過、状況について触れてください。
○小野会計検査院説明員 お答えいたします。 中央競馬会の検査につきましては、二月の末ごろから中央競馬会の本部に入りまして、引き続いて各競馬場等について検査をする予定で現在準備を進めている次第でございます。
○井上(一)委員 念のために尋ねておきたいのですが、私は、当委員会で前回指摘をしました馬券売り場、いわゆる協力金関係あるいは賃貸料の問題も含めて、このことについても検査の対象に、お答えは前回いただいておりますけれども、ここでもう一度確認をしておきたいのですが、そのことも含めて検査の対象にしていただけるということですね。
○小野会計検査院説明員 お答えいたします。 先般の決算委員会におきまして、先生から細かい内容についていろいろ承りまして非常に参考になりました。私ども、やはり建設協力金のあり方、それからこれと賃借料の価額の問題、これは非常に重大な問題だと考えますので、十分注意して今後検査に当たっていきたいと覚悟しておる次第でございます。
○井上(一)委員 続いて、中小企業振興事業団の融資の問題について尋ねておきます。 中小企業振興事業団が融資をしている中小企業高度化資金五十二年度末の貸付金残高が四千九百六億円余りに上っているわけなんですけれども、この資金についての検査状況をここで聞かしていただきたいと思います。
○小野会計検査院説明員 お答えいたします。 この中小企業振興事業団の高度化資金につきましては、私ども五十三年中に重点的にこの検査を行いました。そしてその結果、処置を要求する必要があるということで、中小企業高度化資金の貸し付けの適正化について処置を要求いたしました。これは、五十三年中に北海道ほか十八府県下の中小企業者に直接または間接的に貸し付けたもののうち、三百七十八件、五百五億余万円について調査いたしましたところ、北海道ほか十二府県において適切でないと認められる事例が四十七件、三十六億余万円ございましたので、この貸し付けの方法について、今後適正を期す必要があるということで処置の要求を行った次第でございます。
○井上(一)委員 この中には資金の適格を欠いたり、あるいは焦げつきの状態になっているというような事例があると思うのです。それもひとつここで具体的に一、二の事例で結構ですから、どういう事例が焦げつきになり、あるいはもちろんそのことは資金の適格を欠いたからだと思いますけれども、それらの点についてはどのように対応していらっしゃるのか、今後の見通しもあわせて聞かしていただきたいと思います。
○小野会計検査院説明員 お答え申し上げます。 ただいまの処置要求におきましては、資金の焦げつきについては触れなかったわけでございます。 具体的な内容について、実はちょっといま手元に資料を持ち合わせませんので明確にお答えできませんが、相当焦げつきのあることは事実でございます。したがいまして、私ども検査に当たりましては、その焦げつきの状況について十分注意を払っていきたいと思いますし、また、今後もそういう検査をやってまいりたいと考えておる次第でございます。
○井上(一)委員 この貸付資金の対象事業団体が、たとえば焦げつきを生じたということだけでなく、汚職を引き起こす、いわゆる不正以前の問題として、倫理的な、そういう面からも非常に問題を多くはらんでいると思うのです。そういう汚職を生んだ対象にもこの貸付資金が融資されておったと私の方では把握しているのですけれども、そういう事実関係はありますか。
○小野会計検査院説明員 お答えいたします。 この資金が非常に低利で、しかも長期にわたりますので、非常に有利な資金でございますので、その貸し付けに当たっての審査等について、非常に汚職的なものが生ずる可能性が多いと思いますので、私ども厳重に検査をしている次第でございます。 その事例といたしましては、処置要求の中で指摘したものにつきまして、五十四年の七月ごろになりまして大阪市の高度化事業の問題について職員の収賄があったということを新聞で私ども知っている次第でございます。
○井上(一)委員 繰り上げ償還を指示した、そういう事例は何件ぐらいあるでしょうか。
○小野会計検査院説明員 まことに申しわけございませんが、いま資料がございませんので直ちにお答えできませんが、すぐ調べまして御返答いたします。
○井上(一)委員 全く角度が変わるわけですけれども、高度化資金の中で同和事業にかかわる貸付対象は、件数だけでもおわかりでしょうか。
○小野会計検査院説明員 お答え申し上げます。 同和関係につきましては指摘したものが四件でございます。
○井上(一)委員 指摘事項についてお答えをいただけるでしょうか。
○小野会計検査院説明員 お答え申し上げます。 私どもの方の指摘は、貸付金によって取得された施設等は効率的に使用しなければならないと認められるのに、施設が遊休しているものということで指摘したものでございます。 これは、一つは山口観光協同組合という貸し付けでございます。それから一つは山口県惣菜企業組合でございます。それからもう一つは山口商業企業組合でございます。それから大阪市浪速地区購買施設事業協同組合の問題がございまして、この四件について処置要求で指摘したわけでございます。
○井上(一)委員 前三件は関連の事業でしょうか。
○小野会計検査院説明員 別個の事業だと私ども確認しております。
○井上(一)委員 貸付総額はおわかりですか。
○小野会計検査院説明員 この表の中でその四件、集計しなければいけないのでございますが、約十億でございます。
○井上(一)委員 私は、検査院が指摘をされた、当然そのことについては当を得た指摘だと思いますし、そういう事態はあってはならないことなんですが、同和事業を推進し、促進を図る上において、それらの事例が今後の問題として障害になるのではないか。そういうことはあってはいけないことでありますし、そういう障害になるものはむしろ法の趣旨に反していると思うのです。そういう意味では、当該省庁に対して厳しい指摘をしていくべきだと私は思うのです。 私冒頭にも申し上げたように、本当に検査院の機能強化は即国民の税金を正しく生きたものとして国民に還元をしていくのだ、そういう趣旨からでありますし、その趣旨に立つならば、まだまだもっと深い分野にあるいは広い分野に皆さんの仕事の分野があるわけでありますから、一層の御精進を願いたい。 院長に最後にもう一つ。そういう意味で検査院の機能強化をわれわれ党を挙げて提唱しているわけなのです。そういうことも踏まえて、今後の取り組む御決意を再度伺わせていただいて、私の質問を終えます。
○知野会計検査院長 ただいま御指摘のように、国の財政規模が非常に拡大をしておりますし、また行政も非常に複雑になっております。こういう時期におきまして私どもに課せられた責務も非常に重大ではないかと考えておりまして、この責務を果たしていきます上におきまして、機能の充実あるいはみずからの研さんに努めまして、最大限われわれの職責を果たしてまいりたいと考えております。
○小野会計検査院説明員 先ほど答弁を保留させていただきました繰り上げ償還の額でございますが、五件で千五百四十万円でございます。
○高田委員長 この際、関連質疑の申し出がありますので、これを許します。小川国彦君。
○小川(国)委員 ただいま井上一成議員が指摘しております中央競馬会に対する会計検査院の今後の検査の取り組み、その問題に関連して一、二お尋ねをさせていただきたいと思います。 最初に、会計検査院におかれましては、先般来、中央競馬会関連の日本発馬機に関する不祥事件の経過にかんがみまして、会計検査院法第二十三条一項五号の指定に基づきましていわゆる二十三条の任意的検査事項、「会計検査院は、必要と認めるとき又は内閣の請求があるときは、左に掲げる会計経理の検査をすることができる。」「国又は公社が資本金を出資したものが更に出資しているものの会計」ということで中央競馬会に対して任意的検査事項を適用される、そして検査に取り組む、こういうことを承っているわけでございますが、この取り組みの決定はいつなされまして、いつから具体的な検査にお入りになるか、その点をまずお伺いさせていただきます。
○知野会計検査院長 中央競馬会が出資をいたしております日本発馬機ほか二つの会社がございまして、これは中央競馬会がそれぞれ五〇%あるいは一〇〇%の出資をいたしておる会社でございます。これにつきまして先日、正確な日にちは忘れましたが、ことしになりましてから検査官会議の決定をもちまして検査指定をいたしました。今後、競馬会の検査とあわせましてこの関連の出資会社につきましても検査を進めていくつもりでございます。
○小川(国)委員 日本発馬機ほか二つの会社というのはどこの会社になりますか。
○知野会計検査院長 一つは日本馬匹輸送自動車株式会社、もう一つは日本トータリゼータという会社でございます。
○小川(国)委員 実は会計検査院から二名の方が中央競馬会の顧問として天下っているわけです。これは皆さんの方から、御存じでしたらどういう二名の方が天下っていっていらっしゃるか、その点をお伺いしたいと思います。
○松尾会計検査院説明員 現在、中央競馬会には御指摘のとおり二名在籍しております。一名は四十二年の五月に監事となってまいりました斉藤信雄という方が、監事を五十一年の九月にやめまして、五十一年の九月から顧問となっております。それから、村尾審議官でございますが、五十三年の十月に検査院をやめまして、常任顧問ということで五十三年の十月からその職についております。
○小川(国)委員 これから皆さんが中央競馬会なりその関連三会社を検査するというに当たって、こういう会計検査院の枢要な地位にあられた方が現職で二名も中央競馬会の顧問としておいでになる。これはどういう経過で中央競馬会に天下っていかれたのでございましょうか。
○知野会計検査院長 天下るといいますとちょっと語弊があるのじゃないかと思うのでございますけれども。中央競馬会というのはやはり内部の監査をかなりしっかりしなければならないところだと私どもも思っております。そういうところで会計検査院のそれぞれの地位におりました人を内部監査のために活用したいからぜひ欲しいというふうなことで参っておるわけでございまして、ほかのところにもそういうのはございます。特に監督権というふうなことがあるわけではございませんが、検査をいたします団体ではございますけれども、そういうことで内部監査を充実したいというふうな趣旨で向こうに採用されておる、そういうふうに考えております。
○小川(国)委員 これは、会計検査院の方にそういう要請が中央競馬会からあって、そうして皆さんの方でOBなり退職者をお世話する、こういうことをやっておられるわけですか。
○松尾会計検査院説明員 競馬会の方からそういうお話がございまして、こちらも協力したというかっこうになっております。
○小川(国)委員 会計検査院に検査官のOBがおいでになるならまだしも、こういう特殊法人、外郭団体にいわゆるOBが行っている、こういうことは会計検査上好ましくないのではないか。いま院長の答弁では、内部的な対策のために、内部的な監査指導のためにということでおっしゃられているのですが、むしろ私どもは、対外的な対会計検査院対策のためにこういうOBを抱え込んでいるのではないかというふうに疑わざるを得ないのですね。それは、斉藤信雄さんという方は、先ほど御答弁にありましたように、会計検査院のたしか局長までなすった方というふうに伺っておりますが、その方が退職をされて、そして中央競馬会の監事として五十一年就任された、それは御答弁のとおりです。そして月額五十五万五千円の給料を受け取っておられて三年一カ月勤務した後に、九百二十余万円の退職金をもらって一遍退職をしているわけです。ところが、この人が依然として顧問として中央競馬会に残っている。こういう形は、皆さんがそういう要請があってお世話したにしても、現実にもう監事を退職された人を顧問として残している。それから村尾賢治さんですね。やはり元審議官をなすった方、この人はいま御答弁のように、現実に常任顧問として月額三十五万円の顧問料を受け取り、賞与も四・九カ月受け取っておられる。こういう形で会計検査院の有力なOBがいずれも顧問という形で中央競馬会に君臨している。そういたしますと、皆さん方が今度国会でこういう指摘があったから任意的検査事項に基づいて検査に臨みますということを言われるわけなんですが、少なくとも一兆円の予算支出をしている中央競馬会、これは毎年検査を行っても行い過ぎるということはないくらい、今度の不祥事件は中央競馬会の非常にずさんな乱脈な経営の一面をのぞかせているわけです。それだけ厳しい検査が望まれるところに皆さんの方がOBを二人も送り込んでおきながらこういう不祥事件を引き起こしているということは、内部的な監査が徹底するんじゃなくて、むしろ会計検査院の検査を避けさせるためにこういう方々が顧問として置いておかれるのではないか。現に村尾賢治さんは常任顧問で給料をもらっているのです。ところが斉藤信雄さんは中央競馬会から給料出てませんと言うのです。ところが私どもが調べてまいりますと、この方はなるほど中央競馬会からは出てないけれども、いま検査院長がおっしゃられた日本トータリゼータ株式会社の方に今度は行っておられて、そちらから給料をもらっておられるわけなんですよ。そういたしますと、中央競馬会を退職しながらも今度はその外郭団体の会社の役員になって、そこからたしか十五万円給料が出ていると思いました。そういう給料をもらいながら、なおかつまた顧問ということで中央競馬会にも残っている。こういうことになりますと、皆さんが任意的な検査事項と言いながら、では一体この十年間に、この中央競馬会の検査は毎年行われてしかるべきなのに、この十年間に何回検査をなさったのか。 それからもう一つは、こういうOBを抱えている会社というものにはとかく検査院の検査が遠慮しがちになるのではないか、こういうふうに思わざるを得ないのですね。皆さんが検査に行かれてもOBが出てきて立ち会われたのでは、皆さんがやろうといったってなかなか思い切った検査ができないという現象があるのです。これは現職の検査院長が検査院の検査官が、OBをこういうところへ送り込んでいて、本当に徹底した検査ができるかどうか。この辺の検査院の姿勢というものも現職の皆さんが正していかないと、こういうようなずさんな事件が起こってから検査院が出動するという事態になってしまうのじゃないか。この点について、ひとつ検査院長の見解を聞かせていただきたいと思います。
○知野会計検査院長 先ほどの、監事をやめた後で今度は日本トータリゼータの顧問になりました経緯は私も詳しくは存じませんが、中央競馬会につきましては会計検査院は毎年検査をいたしておりまして、検査報告にもそれぞれ指摘すべきものは指摘をいたしております。そういうことで、内部監査のために中央競馬会に就職している人がありましても、外部検査として会計検査院が検査に臨みます場合には、そういうことは一切考慮をいたしておりません。これは昨年の検査におきまして、鉄建公団につきましても同様なことがございましたけれども、検査そのものは非常に厳正にやっておりますので、その点は御理解を賜りたいと思います。
○小川(国)委員 十年間の指摘事項は何件ございましたか。
○小野会計検査院説明員 過去不当事項として二件指摘してございます。 それから昨年五十三年度の決算検査報告には、本院の指摘に基づき当局が処置を講じた事項ということで、是正済みの事案一件検査報告に掲記してございます。
○小川(国)委員 十年間に三件でございますか。
○小野会計検査院説明員 さようでございます。
○小川(国)委員 まあ全く申しわけにやったというのが、検査指摘事項を見ての私の感じなんです。何か不必要な電光盤をつけたというのが千六百四十万、不経済ではなかったかという五十年の一件の指摘。それから五十二年の一件は、電力料金の改定の手続をすれば六百七十万円節約ができたのじゃないかという是正が一件。いま五十三年の内容については伺いませんが、いずれにしても、もうきわめて軽微な不当事項の指摘か是正事項の指摘ですね。こういうことで今度のような五年間も行われた日本発馬機の長期にわたる不祥事件、これは農林省も中央競馬会もそれぞれ関係役職員に対して訓告なり減給なりの措置をしているのですが、これを十年間も見てきた会計検査院がこの三件の指摘事項しかなかった。 それから、この関連会社については任意的検査をおやりになったことはあるのでございますか。
○知野会計検査院長 出資会社につきましては今回の指定でやることになったものでございます。
○小川(国)委員 取り組みとしては、私は会計検査院の対応がきわめて手ぬるかったというふうに思わざるを得ないのです。 私はもう一遍繰り返しますが、会計検査院の検査官OBが二人も顧問でいるという特殊法人はほかにもあるのでありますか。退職してまで顧問という形で名を連ね、外郭団体から給与や手当をもらいながら顧問という形で、常任顧問が一人、それから他の外郭団体から給与を受けておる顧問が一人、二人会計検査院のOBがいらっしゃるのですね。これもあなたがおっしゃるように内部監査のために置かれるなら、役員として監事として置かれている例は私も知っております。住宅公団、鉄建公団、その他監事として会計検査院の方を迎えているのはわかるのですが、退職されたOBをまた顧問として置かれている、こういう特殊法人、外郭団体はほかにもおありになるのでございましょうか。
○知野会計検査院長 そういう例は余り聞いておりません。
○小川(国)委員 こういう事例を好ましいとお考えになりますか。
○知野会計検査院長 顧問として採用になりました経緯は、私も先ほど申しましたように詳しくは存じませんが、好ましいかと言われますと、大変むずかしい問題でございますけれども、検査に当たりましてはそういうことを配慮することなく、厳重に検査をやってまいりたいということで御了承を賜りたいと思います。
○小川(国)委員 まあこれは当事者の良識の問題もありますが、会計検査院も少なくとも退職者、OBをお世話なさるにしても——こういうような形で監事や理事を経て退職金をもらってやめた人までも顧問として抱えて、名を連ねて、何か現職の会計検査院に威嚇を示すために、こういうふうに名簿にもちゃんと載っているのですよ。日本中央競馬会の名簿に、最初の八ぺ−ジ、役員の理事長、副理事長の並びのところに、顧問として堂々とお二方名を連ねていらっしゃるのですよね。こういう出し方というものは、私は会計検査院のOBが何か逆用されているような感を深くしますので、この点は今後の会計検査院の指導のあり方として、OBをお世話なさるのも結構でございますけれども、こうした会計検査院向けのOBの配置のようなものは避けられる指導を願いたいと思いますが、この点はいかがでしょう。
○知野会計検査院長 OBの再就職のことにつきましては、十分慎重に考えてまいります。
○小川(国)委員 次に、先ほど来、井上一成議員から指摘をしてきております協力金、賃貸料の問題について会計検査院も検査にお取り組みになるということで、私どもも意を強くしているわけでございますが、この関係会社は相当な数に上っておりますが、これについては会計検査院としては協力金、賃貸料含めての検査、これは全体的にお取り組みになるというお考えをお持ちでございましょうか。
○小野会計検査院説明員 本件の建設協力金につきましては、各場外馬券売り場にそれぞれございます。したがいまして、これは総工事費の四〇%から五〇%というものが出てございます。それから、前に井上先生から指摘がございましたように、この協力金の支出というものが当然賃借料に関連してしかるべきだと思うのでございますが、その賃借料も一般のものより非常に高い、こういう御指摘もございました。そこで私ども、建設協力金と賃借料の関係、ここら辺を含めて一応主な場外馬券売り場については検査してみるという決意でおる次第でございます。
○小川(国)委員 二十四カ所ございますが、主なというふうにおっしゃいますと、どういうふうにこれをお取り組みになる考えでございますか。
○小野会計検査院説明員 一応この問題につきましては、金額の多いものから取り上げていきたいと思っているのでございます。それから、御指摘のございましたような疑問のある点、こういうことについてやっていきたいと思っております。そして、これだけの個所全部できるかどうかは必ずしも確約はできないのでございますけれども、やはり中に大きなものをやってみて、そこに問題が介在しているということになりますと、場合によっては悉皆検査をしなければいけない、こういろ考え方でおるわけでございます。
○小川(国)委員 これの経過につきましては国今の方も重大な関心を持って注目しておりますが、この検査内容については経過を追って当委員会なりに御報告される、こういうお考えはお持ち願えますでしょうか。
○小野会計検査院説明員 お答え申し上げます。 私どもの検査の結果については、従来その年度の中間において個々に検査経過を御報告するということは、いままで行っていないのでございます。やはり問題がございましたときには検査報告によって報告する、あるいは昨年鉄道建設公団のような特殊な場合には、これは検査官会議の議を経まして、そして中間的に報告させていただいておる、こういう特殊な事例がございますが、一般的な原則としては中間的な御報告は申し上げないというのが私どものいままでのたてまえでございます。
○小川(国)委員 結構です。
○高田委員長 この際、午後一時まで休憩いたします。 午後零時六分休憩 ————◇————— 午後一時四分開議
○高田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。新村勝雄君。
○新村(勝)委員 最近の日本の政界あるいは経済界を巻き込む多くの不正あるいは疑惑事件が相次いで起こったわけでありますけれども、これらの状況の中で会計検査院の果たす役割りはきわめて重いと思いますし、会計検査院の活躍、十分な機能の発揮、これを求めるのは国民の世論になっていると思うわけです。 こういう中で、五十二年以来国会の内外、特に国会の中でも、会計検査院法の改正を実現をして、その権限の強化あるいはまた検査の対象の拡大を図るべきである、こういう論議が交わされ、そして検査院においてもそういう方向で検討されておるということを伺っておりますけれども、その後の院法改正の経過について、まず院長からお伺いをいたしたいと思います。
○知野会計検査院長 会計検査院法改正案の経緯につきましては、昨年当委員会におきましてかなり詳しく申し上げたのでございますけれども、かいつまんでお答えを申し上げます。 国会におきましても両三度にわたりまして検査院の検査権限及び検査範囲の拡大についての御決議がございました。私どもは、会計検査院の憲法上の性格との調整も考えながら一つの案をまとめたわけでございます。その内容は、公庫、銀行等政府関係融資機関の融資の検査に当たりまして、その融資が適正であるかどうかということを判断するのに必要な最小限度の調査権を融資先にまで及ぼすということを主な内容としたものでございます。しかしながら、この点につきましては、私企業に対する公権力の過剰な介入になるのではないかという心配と申しますか、御意見がございます。また一方におきまして、融資先にまで調査が及ぶということになりますと政策融資を実行する上で支障があるのではないかという慎重な意見もございました。私どもといたしましては、これは大きな立法上の問題もございますので、より高い見地から御判断をいただかなければならない問題もあろうということで、内閣の方に、より高い見地に立って御調整、御判断をお願いしたいということを申し上げまして、現在内閣におきまして慎重にこの問題は御検討をくださっておるというふうに承っておるわけでございます。 簡単な経緯を申し上げますと、そういうことでございます。
○新村(勝)委員 この問題については、五十二年と五十四年に衆議院におきましてその趣旨が議決されておるわけであります。そして会計検査院の権限の拡大、定員増加、給与など職員処遇の改善、検査活動の経費の増額、特に権限の拡大、いま院長のおっしゃったような趣旨を中心とする権限の拡大をすべきであるという議決が行われております。 それからさらに、本決算委員会におきましても、再三にわたってこの趣旨が締めくくりの総括審議の議決としてされておるわけであります。そしていまおっしゃったように、確かに私企業に対する介入という点はあろうかと思いますけれども、現在の日本の経済体制は、もちろん資本主義、自由競争ではありますけれども、過去の資本主義、自由放任に基づく前の時代の資本主義とは違っておるわけでありまして、経済と政治との関係もきわめて深い。ある面から言うといわゆる国家独占資本主義というように規定されておりますし、同時にまた管理された資本主義であることには疑いを入れないわけでありまして、いろいろの政策で直接、間接経済活動が助長されあるいは規制をされあるいは援助をされ管理をされているわけであります。そういう点から言いますと、私企業といえども公的な、経済的な関係を持つ。補助金を受ける、あるいは融資を受けるというような場合には、公権力の介入と言うと言葉が適当ではないかもしれませんけれども、関係を持つことは当然であるし、それがなければかえって社会の均衡を保持する上から言っても疑問があると思うわけであります。そういう点からして、再三にわたって国会におきましては委員会、本会議とも会計検査院の権限の強化を国会の意思として表明されておるわけであります。 そういう背景のもとに検査院でも検査官会議の結果一定の成案を得られたわけだというふうに伺っております。その意思を内閣に送付をして検討願っておる、こういうお話でありますけれども、官房副長官にお伺いしますが、そういう状況の中で検査院からの検討の要請があった、それを受けてどういうふうにこれを処理されたか、その経過について伺いたいと思います。
○加藤(紘)政府委員 お答えいたします。 会計検査院の方から権限強化を含めた成案が出されまして、私たちの方に検討方依頼あったことは先生御指摘のとおりでございます。 また、昨年十二月初旬の国会におきまして官房長官が、検討してみたいとお答え申し上げたことも事実でございます。その後一月に入りまして内閣官房で種々検討いたしまして、その成案も検討させていただきましたし、また、政府の内部の関係省庁の意見をも聴取いたしてその調整に当たってまいりましたけれども、この会計検査院の権限強化につきましては検査院側と政府部内の関係省庁との意見がかなり対立いたしておりまして、今国会に提出できるという状況に至っていないという現状でございます。
○新村(勝)委員 この問題については長い間の議論あるいは経過があるわけでありまして、たとえば五十四年六月四日の衆議院決算委員会、当委員会におきまして、わが党の委員の質問に対して院長は、この趣旨に基づいて院としての成案を得て努力をしたいというふうにおっしゃっておるわけであります。そして、五十三年六月七日に、当時の福田総理はこの院法の改正についてはっきりと積極的な前向きの答弁をしておるわけであります。この福田総理の改正に取り組みたいという前向きの答弁を受けて検査院でも検討をされたというふうに聞いておりますけれども、それに間違いございませんか。
○知野会計検査院長 ただいま御指摘のとおり、国会における決議は内閣に対する決議という形をとっておられたわけでございますが、当時福田総理が、会計検査院において成案ができました暁にはこれを検討したいという経緯がございまして、会計検査院におきましてはこの改正案に取り組んでまいったわけでございますが、その成案をもとにいたしまして、先ほど申しましたように、検査院の意見は意見として、より高い見地からの御判断をお願いをしておる、こういうことでございます。
○新村(勝)委員 福田総理は、検査院の立場というものがあるからその権限強化については独立機関である検査院の立場を考えて必要ならば検査院自体で早く検討して出してください、こう言っておられるわけですね。そしてそれに対して検査院が対応されたということでありますから、検査院としては状況を的確に判断をされ事態の本質を把握をされて、早速この結論を出して、内閣に送付といいますか、その意見を伝えた、検討をお願いしたということでありますから、検査院としてはこれはまさに適切な処理をその点ではされていると思うのですけれども、これに対する政府の対応がきわめて遅いといいますか、国会の意思表示あるいは世論に対する対応がきわめて緩慢であると思うのですけれども、官房副長官、その点についてどうお考えですか。
○加藤(紘)政府委員 政府が検討をしてまいりましたことは事実でございますし、それで、それによって単に政府の方がこの問題に対して消極的であるのではございません。一生懸命検討いたしましたけれども、その際に幾つかの問題点がございまして、その点について十分な解決、また意見の調整がついてないということでございます。それは具体的に申しますと、院法の改正により、権限強化によりまして、借入者、特に中小企業の人たちの心理的な負担というのがかなり強くなるということが関係政府機関及び具体的にそれを借りている関係中小企業の人たちからも指摘がございまして、その点をどう考えるのか、特に余りそういう心理的負担が強くなりますと、それによりまして、政策金融を遂行しようとする政府系金融の所期の目的も十分にその遂行の目的が達せられないのではないかというような意見も非常に根強くございます。したがって、私たちとしては、何とかこの政策遂行目的と相反しない形で会計検査院の権限強化の問題が達成できないものかどうか、その点について現在も引き続き検討中ということでございます。
○新村(勝)委員 五十四年四月十二日、院としては一応基本的方針を決められたということですね。検査官会議の議を経て基本方針を決定をして、内閣にこれを送られたということでありますが、この検査官会議の状況、それから院としてのこの問題に取り組んで結論を出されるまでの経過等について、できましたらひとつ伺いたいと思います。
○知野会計検査院長 この問題は、昨年、その前の福田総理の御発言もございまして、ずいぶん長い時間をかけまして、実は内部におきましていろいろ検討を重ねたわけでございまして、そういういろいろな問題があることも私どももわかっておりますので、検査院でまとめました改正案の要綱には非常に慎重な歯どめもたくさんかけておるわけでございます。内閣に現在お願いをしておる段階でございますから、余りここでどうこうということを申し上げるのもいかがかと思いますけれども、中小企業者等に対しまして、現在でも中小企業金融公庫でございますとか、環衛公庫でございますとか、あるいは農林漁業金融公庫でございますとか、そういう政府関係の融資機関から融資が行われております。これに対しましては、実は肩越し検査という形でずっと検査を——検査といいますか、調査をやってきておるわけでございまして、私どもは改正案を検討します場合でも、この改正案が通りましても肩越し検査でできますものはできるだけ従来の形をとっていこう、どうしてもやむを得ない場合に限りまして調査権が及び得ることがあるというふうに、運営上もいろいろとそういう問題点も考慮しまして考えてまいったわけでございまして、検査官会議で決定をするまでにはいろいろな問題を検討した上で一応検査院としての見解はまとめたわけでございます。しかし、検査院の考えだけが最高であるかどうか、そういう点につきましては、やはり内閣なり国会なりにおきましてより高い判断が必要であろうということは私どもも理解しておるのでございます。
○新村(勝)委員 検査院でまとめられた要綱、これは伺うところによりますと、融資だけではなくて補助金、奨励金、助成金、その他を交付しておるところ、それからまた、公社等が工事を請け負わせた場合の物品の納入先、あるいは請負人、または物品の納入に当たって契約の実態云々とありますけれども、融資だけではなくてかなり広範に政府と関連を持つ、あるいはいわゆる政府出資法人、二分の一以上出資している法人が関係を持つ相手方を検査することができるというかなり広範な権限を意味しておるわけでありますけれども、少なくともこの程度の権限がなければ、いま問題になっております一連の問題を解明するあるいは防止をするには全く不十分だと思うのです。これだけではまだまだ足りないと思うくらいであります。しかも、これに対して検査院としては十分歯どめもかけ、私企業に対する立場も守ると言っておるわけでありますから、私企業に対する不当な圧迫にはならないと思いますが、政府部内で行われた議論、それにはどういうものがあったのか、どういう反対論があるのか、もう少しひとつ副長官の方から詳しく説明を願いたいと思うのです。
○加藤(紘)政府委員 かなり詳細に、また細かなところまで議論が行われましたので、一つ一つここで御披露するほどのものでない点も含まれておりますけれども、大ざっぱに言いまして、できるだけ権限を強化したいという会計検査院側の意見と、それから先ほど言いましたように、日本におきましては私企業と公的権力の関係のバランスをいかにとったらいいかについての観点から、より慎重な意見とが対立したということでございます。 特に、中小企業、それから農業の場合には、ともすればお役所という感じの検査というものにかなりアプリオリな反発みたいなものがございまして、そして特にこんなに厳しい検査を受けるような検査であるならば帳簿もしっかりしなければならぬだろう、特に農家のような場合にはそこまでしっかりとした帳簿を、完璧なものを取りそろえろということ自体非現実的なものにもなり得ますので、そういう点から政策金融を受けようとする意欲がかなり減退するのではなかろうか、そうした場合に、政策的な誘導の方途として前向きに考えられております政策金融というものがかえって阻害される結果になるのではないだろうか、その辺の議論が多かったように聞いております。
○新村(勝)委員 これは政策金融ですから、きわめて大口の大規模のものもあるし、または個々の農家という場合もあるでしょうけれども、個々の農家に対してそれほど厳しい一々の監査が必要であるかどうか。これはおのずから、厳しいというか精密な検査を要する対象は分かれてくると思うのですね。ですから、これを実施し実現をしたことによって政策目的が、その効果が薄れるということは余り心配がないのではないか。どんな政策でも一〇〇%プラスの面だけの政策というのはなかなかないわけでありまして、一つの政策を実施しても、百のうち十や二十はマイナスの要因も含むというのが政策でありますけれども、現在の状況あるいは世論、これからしましても、この程度の検査院法の改正は国民の世論であり必要な対策ではないかと思いますが、政府部内には賛成もあるし反対もあるというお話であります。それならば、どういう賛成があるのか、どこの省庁が反対をされておるのか、これをもう少し伺いたいと思うのです。 いま、そういうことは大したことでないというように言われましたけれども、これは実は国民としては最も知りたいところでもありますし、われわれもそういう点を十分知った上でこの問題に対応していきたいと思うのですけれども、論議の焦点になったのは何であるか、それからどういう方面に反対があるのか、これをもう少し、はっきり伺いたいと思います。
○加藤(紘)政府委員 政府部内で積極的にこの問題に強い賛成の意思を表明しているところは、正直のところ余りございません。院法の方の改正を通じて権限強化をしようとする会計検査院と、具体的に政策融資を担当しております各省庁との間の意見のすり合わせがまだ十分できていないということでございます。 先生はいま、いわゆる心理的負担なんかはそんなに感じないだろうとおっしゃいましたけれども、その点については私たちと見解を異にいたします。やはり中小企業の方たちの場合にはかなり、お金を借りるのはいいけれども、次から次へと検査が多いような感じでは何となく重苦しいなという気持ちがあるのは事実でございます。また大企業の場合には、かなりしっかりとした会計帳簿等が取りそろえられてございますし、それは会計検査院の知野院長もおっしゃいましたように、肩越し検査等で、かなりの部分でその検査は実質的に行われているものだと考えております。
○新村(勝)委員 副長官としても大変消極的なお考えのようでありますけれども、日本の現在の行政に対する監査、検査の体制というのは、アメリカあたりに比べると、聞くところでは大変に立ちおくれているのではないか。いままでの大事件、たとえばロッキードあるいはグラマンというような問題にしても、国内でわからないで外国からいつもわかるという、これはまさに国辱的な事態だと思うのですね。日本のそういった体制が全く時代おくれになっている。 この検査院法を見ましても、二十二年に院法の全面改正が行われておりますけれども、その後はその組織、機能等についての根本的な改正はほとんどない。三十年の八月に「公社が行う財政援助の相手方に対する検査根拠等に関して」とありますけれども、これも権限の強化ということではないわけですね。そうしますと、戦後一貫して現行の法でやってきたということであります。ところが、二十二年から現在ではもう三十年以上もたっております。経済活動も、また経済と政治とのかかわり合いも本質的に違っておる。こういう中で次々と不祥事が、しかも外国の方から暴露されたということは、日本の行政に対するチェック機能が、みずからこれを、いわゆる自律的に解決していこうという体制において非常に欠けると言わざるを得ないわけであります。これはマクロというか、大観してそういうことが言えるわけですね。こういう中で、官房副長官、内閣の中枢の地位にある方がこの問題に消極的であるというのは非常に残念なわけでありますけれども、前官房長官も、そこら辺の浮き彫りになった点はますますメスを入れてみること、そして早く結論を出すこと、これが必要であるというようなことをはっきり言っておるわけですよ、これは五十四年六月ですけれども。こういうふうに前官房長官も明言しておられるし、前首相もこの問題には前向きで取り組む、こう言っておられるわけです。そういう中で副長官が消極的であるのは大変残念でありますけれども、もう少しひとつお考えを改めるお考えございませんか。
○加藤(紘)政府委員 この問題は、私たちも何らか会計検査院の権限強化の実が上がる方法がないかと積極的に検討したことは事実でございます。したがって、一月の十六、十七日でございますか、官房長官が内閣官房の責任者としてみずから会計検査院の院長にもおいでいただき、また各関係省庁の担当局長さん等にもお集まりいただきまして、かなり長い時間をかけて事情の聴取をいたしました。これは、もちろん国会等でできる限り成案を早く得たいという積極的な言明をそれぞれの政府関係者が行っておりますことにもかんがみまして、重要なことだと思って時間をかけて慎重に検討した次第でございます。しかし最終的には、先ほど言いましたように、権限強化の問題と政策運用に支障を与えるというバランスの問題になりまして、そして各借入者等の心情についてのかなり強い意見もございまして、現在までのところ成案を得ていないという状況でございます。この問題の重要性につきまして、私たちがそれをいいかげんに取り扱っているということはございませんし、今後とも何とかその両方の接点を得られるところがないものかと引き続き積極的に検討しておる状況でございます。
○新村(勝)委員 そうしますと、その検討の中心になっておる要綱については検査院の方から伺っておりますが、その要綱に基づいて、法律案としてはどういうものができているかということは資料としてお出しいただけますか。
○加藤(紘)政府委員 ちょっと質問の意味がわかりかねたのですが、失礼ですが、もう一度お願いいたします。
○新村(勝)委員 検査院の方からかくあるべしという改正の要綱は出されておりますね。それに基づいて法案の案文は作成されるわけでしょう。それに基づいて検討されると思いますね。内閣の方では一応の改正法としての成案はできていると思いますね。それについてお伺いできるかどうかということです。
○加藤(紘)政府委員 言うならば、会計検査院の方の案を見せていただきまして、それにつきまして政府関係部局の意見を聴取して、なかなか意見がまとまらないという段階でございますので、政府側として、また内閣官房として、法案以前のある種のたたき台をまとめているという段階までは至っておりません。
○新村(勝)委員 そうしますと、問題点を最終的に煮詰めるとどういうことになりますか。問題点のこれとこれが現在問題で、これについてはどういう議論があるという、その最終的な現在の論議の中での問題点ですね、これをもう少しはっきりひとつ伺いたいと思うのです。
○加藤(紘)政府委員 繰り返しになりますので失礼かと存じますけれども、権限強化の問題と、それから私的経済と公的権力の関係、そしてそれが被融資者にいかなる心理的影響を与えて金融にどの程度の支障を来すか、その点の問題に煮詰められると存じております。
○新村(勝)委員 そうしますと、今後の見通しとそれから政府のこの問題についての基本的な姿勢ですね、前向きに取り組むのか、あるいは何とかごまかしてこれを握りつぶしてしまおうとするのか、そこの基本的な姿勢がやっぱり問題だと思うのですね。この問題については大平総理はこう言っておりますね。「せっかく会計検査院がお出しになった案でございますし、みずからのとうとい経験から割り出された御見解でございますから、十分それは承り、真剣な検討をしなければならぬと思っておりますが、それはそんなに遠くない、」これは結論を出すに遠くないという意味だと思います。「最近承ったことと承知いたしておりますので、十分検討を遂げる時間的な余裕はいままでなかったと思います。」いままではなかったということを、これは六月におっしゃっているわけですね。「官房の方では、仰せのような検討の手順は今後踏んでいくものと期待しますし、おくれるようでございますれば私から注意します。」とこういうことをおっしゃっているわけです。これが六月ですけれども、それから今日までじんぜん日を送っておると言っては失礼でありますけれども、依然としてどっちへ行くんだかわからないということでは非常に困るわけです。もうそろそろ最終的な結論が出る段階ではないか。最終的な結論というのは、これはぜひとも成案を国会にお出しをいただきたいという希望を申し上げるわけですけれども、そういった点について、いつまでもこの点が問題だ、この点が問題だということで日を送っていたのでは困ると思うのです。これは世論であるし、何回も繰り返しますけれども事態が刻々進んでいるわけですから、こういう事態の中でまた不祥事が起こった、またこっちでもまずいことが起こったということでは大変困るし、国民もその点を心配しておるわけです。その点どうでしょう。
○加藤(紘)政府委員 先生に繰り返して申し上げて失礼でございますけれども、われわれいたずらに日を過ごしているわけではございません。かなりの時間を割きまして検討しまして、先ほどから申し上げております問題点に行き当たっておるわけでございます。したがって、政策金融に大きな支障を与えないような中で会計検査院の権限強化の実を上げられる道がないか、今後とも会計検査院と政府の関係部局での検討を進めていくつもりでございます。そして、その間またいろいろな事件が起こる可能性があるではないかという御指摘でございますけれども、かなりの部分につきましては、先ほど院長が申し上げましたとおり、肩越し検査等を通じて積極的にその検査に御協力申し上げるという政府の態度には変わりはございません。
○新村(勝)委員 それでは、最後に端的に伺いますけれども、今国会に提案をされる見通しはございますか。
○加藤(紘)政府委員 現在までのところ、そういう問題点に行き当たっておりまして、まだそこまでの結論が出せる自信がございませんので、現在内閣官房の方から提出しております今国会提出予定法案の中には入れてございません。
○新村(勝)委員 この問題については五十二年以来の懸案でありますし、これはある意味では日本の政治の上における最大の懸案だと思うのですね。そういうきわめて重要な意味を持っておりますので、官房長官あるいはまた総理にもお伝えを願って、できる限りこの検討を進めて、早期に会計検査院の要望どおりの改正案を国会に提案を願うようにひとつお伝えをいただきたいと思いますし、あなたも最大の尽力を願いたい、そう要望申し上げて、終わります。
○高田委員長 林孝矩君。
○林(孝)委員 院法改正に関してただいまの議論を伺っておりまして、議論の内容が全然前進していない、そういう印象を強くしたわけでございます。 続いて私もこの院法改正を冒頭にお伺いするわけですが、まず、政策金融の遂行目的が達成されるかどうかということだとか、あるいは中小企業に対する心理的影響というものに対する心配、こういうことはいま初めて心配されておるわけでもなければ、もうすでに昨年の六月の時点で同じ理由が述べられておった。したがって、それ以降の問題として考えた場合は、その間に何らかの検討の結果が出て当然であるのにかかわらず、今日においてまだそうした理由が語られて、そして全く見通しについては明確でない。こういうことに対しての行政能力、本気になってこの院法改正に取り組んできたかどうかということに対しては大きな疑問を感ぜざるを得ないわけであります。 たとえば昨年六月の本委員会におきまして、院法改生について総理が、内閣で受けとめて前向きに対処する、こういう言明をいたしました。昨年の十二月七日の本委員会においても官房長官が、昨年の六月十二日以降政府部内で検討の会合を持っていないということを認めておる事実。長官としてそのときに言ったことは、「新しい角度でこの問題とも取り組んでみようというふうに思っております」、こういう答弁もしておるわけですね。みずからこの政府部内での検討を行っていない。そのときの経緯は、会計検査院から内閣に対して、こういう案でいきたいという要望をしたわけです。その件を受け取った内閣が、それを内閣で検討しますと言っておいてそのまま何もしていなかった、この事実が明らかになったわけですね。そういうことからさらに進んで、ことしに入って、ことしの二月四日の予算委員会で総理がどのように言っておりますかというと、総理は、今国会中には見当をつけて報告したい、こういう答弁をしておるわけです。したがって、昨年の六月十二日以降今日に至るまで、この院法改正に関して、昨年の十二月までは政府部内で検討していなかったという、約半年間にわたっては検討していなかったという官房長官の答弁があるわけですから、それ以降で結構ですが、昨年の十二月以降今日に至るまで、この院法改正に対して関係省庁との検討会議というものを内閣として持ったのかどうか。もし持ったとしたならば、先ほど積極的に賛成する省庁が少ないというような発言があったわけですけれども、これは言葉の言いかえでありまして、こういうことに対して積極的に賛成する省庁というのはあろうはずがないわけで、なるべく検査されないという方がいいのですよ。ですから、今日までいろいろな問題がここでも議論されております。空出張の問題にしてもやみ賞与の問題にしても、こうした実態に対しても、またKDDの会計検査の問題にしても議論されてきた過程で、この会計検査院の権限等の及ぶ範囲ということが大きな問題になってきたわけです。総理は二月の予算委員会において、今国会に見当をつけて報告したい、そういう答弁をしている。ところが先ほどの官房副長官の答弁は、今国会に提出の状況は整っていない、こういう見通しを立てておる。総理の意向、決意、反省、そうした発言、答弁というものと、現在当委員会においての官房副長官の発言というものには大きな差がある。これは一体どういうことなのか、まずお伺いしたい。
○加藤(紘)政府委員 昨年六月以来政府内部で全然検討していないという御指摘でございましたけれども、先ほど新村先生にもお答え申し上げましたように、政府部内で各レベルでいろいろやっておりますし、内閣官房の責任者であります官房長官が一月十六、十七の段階で会計検査院長もおいでいただいていろいろ長時間にわたって検討したことも事実でございます。 そこで、内閣から提出します法案の予定表というものはかなり権威が強く受け取られるところがございまして、ちょっとでも出す予定を狂わせますと議運の方でかなりおしかりを受けるのも先生御存じのとおりでございます。したがって、かなり確実なものをリストに載せておるわけですけれども、検討いたしておりますけれどもその確実なものの段階にまで至っていないということはお許し願いたい、こう考えております。それから、先ほど、各省庁の中で自分が検査されるのだから賛成するところあるわけないだろうという先生の御指摘でございますが、そこは若干誤解があるように思いまして、政府自体は会計検査院のすべての検査の対象になっておりますことは現行法規でもそのとおりになっております。したがって問題は、実質上政府の金融を受ける個々の民間の人がどう思うかということについての政策担当の部局の方が、なかなかそれはいろいろな心理的影響があるのじゃないだろうかという意味で反対を申すところが多いということを述べている状況でございまして、われわれはいたずらに日を費して何もしないでこの重大な問題を放置しておって今日まで来たということではございません。
○林(孝)委員 問題の指摘を行いますけれども、まず今日までの経緯の中で、事実何にもしていなかった時期があったのです。そのときあなたはここに同席して議論を聞いておられないから記憶にないと思いますけれども、これは議事録をよく読んでください。会計検査院がげたを預けた時期があったのです。これを内閣で検討しますと言って検討してなかった、こういう時期があった。それがあったからまたここで問題にしたわけです。そうしたらその事実を認めた。それで検討するということになった。それから今度は官房副長官のおっしゃるのは、それから後において検討しておる事実を言われたわけであって、その点ちょっと交通整理をしないと、一生懸命やっている時期とやっていなかった時期があるわけですから。 しかし、今度は一生懸命やっている時期の問題として話しますけれども、先ほどの私が指摘した問題、いわゆる今国会に提出するということに関して総理が予算委員会でした答弁、それと官房副長官がその見通しとして今国会提出のことに関して整っていないということで否定的な答弁をされた、総理の答弁と官房副長官の答弁にはやはり差がある。どちらが内閣として本意なのか。たてまえの議論は別にして、本意はどこにあるのか、この点ははっきりしてもらいたいと思うのです。
○加藤(紘)政府委員 先ほど検討している、まあサボっていた時期と簡単に俗に言えばいいのでしょうか、それと現在検討している時期の問題について若干行き違いがあったことは先生の御指摘のとおりかと思います。 さて、われわれはできるだけ合意に達しようということで、先ほど新村先生にも言いましたように、政策金融に支障を与えないでこの実を上げることの妥協点がないかと思って、積極的に前向きに検討していることは事実でございます。ただ、例の内閣官房から出します本国会提出予定法案の中に入れたら、これは少なくとも内閣の出した文書でございますので、必ず出せるぐらいの自信がないとあれになかなか載せにくいものでございます。そこまでの段階まではまだ詰まっていないということでありまして、今後とも積極的に検討を続けていくことは変わりございません。
○林(孝)委員 ここに総理がいると一番いいのですけれどもおられないですからね。ただ、いまの副長官の答弁にしても、よくわかるのです。現場で詰めていくと、もうすでに今国会提出法案というのはこれとこれとこれだ、しかし、新しいこういうことに関して、それに間に合うか合わないかという問題があるのです。しかしそこから先、いままでの例から言ったって、会期末に法案が出てくるようなときだってあるわけですからね。そういう前例があるわけですから、当然のこととして——総理はどういう意味でおっしゃったのかしらないけれども、とにかく今国会中に報告したい、こういうことなんです。今国会中は総理の言うようなことが官房として全くできないのかどうか、この点を明確にしてもらいたい。
○加藤(紘)政府委員 できるだけ妥協点に達したいということで努力しておるということは事実でございます。しかし、それがどのような結果になることになりますか。問題が、先ほど申しましたように、実際に金融を受ける人たちの心理的な状況というのはそう軽く考えてもいかぬと思っておりますし、具体的にどの時点でどういう合意に達し得るか、ここで明確に述べるほど自信はございません。
○林(孝)委員 それでは総理とよく相談されて、今国会提出の可能性について御返答いただきたいと思うのです。よろしいでしょうか。
○加藤(紘)政府委員 先生のお申し出は官房の方で十分検討させていただきたいと思いますが、そういう気持ちで鋭意努力しているということだけはおわかりいただきたいと思います。
○林(孝)委員 総理と相談の上返答していただくことは了解していただけましたですね。 それから、先ほど省庁との打ち合わせ、検討ということですけれども、一番反対の強いところから順番にいくと、どういう省庁が最も反対が強いか、この点はいかがですか。
○加藤(紘)政府委員 どの省庁がどの程度と順番をつけられるような性格のものではないと思っております。
○林(孝)委員 具体的に言いますと、今日まででは、いまは官房副長官はどういうふうに受けとめられているかしりませんが、一番強かったのは大蔵省、その次が通産省だった。事実反対が強い。そういうことは御存じですか。
○加藤(紘)政府委員 政策金融担当省庁として各種懸念を持っているということは、それを具体的に担当しているのは大蔵でもあり、通産でもあり、それから農林でもあり、そういうのはいっぱいございますから、それぞれ懸念を持っているということは承知いたしております。
○林(孝)委員 それから会計検査院の案に対して、これはやむを得ない、消極的合意といいますかそういう省庁がすでに昨年の段階であった。それはどういう省庁か御存じですか。
○加藤(紘)政府委員 各省庁細かな意向について全部つまびらかに私いま記憶しているわけではございません。
○林(孝)委員 それでは早速それも把握されて——やはりこの内容についてどの省庁はオーケーだ、どの省庁だけがこれはまだこういう問題点があるからだめだ、そのことについてどうするかということで、その具体的な詰めの段階に入ってずっと来ておるわけですからね。国会で何回も決議されて、また議論をされて、検討する検討すると言いながら、そんなにずるずる延ばせるようなことではないと私は思うのです。そうであったら、全く国会を、俗な言葉で言えば、愚弄したそういう政府になってしまいます。ですから、その点をよく把握していただいて、そして近い時期にまたこうした問題に対して議論することがあると思いますので、積極的にそのときは答弁ができるように体制を整えていただきたい。これを強く要望する次第でございます。 院法改正についてはあと一点だけ、今度は会計検査院の意向を聞いておきたいと思うのですけれども、いま私は内閣に対して質問をしたわけですが、現状認識として会計検査院の立場でどのような認識に立たれておるか伺っておきたいと思います。
○知野会計検査院長 私は、内閣におきまして現在この問題につきまして真剣に慎重に検討をしていただいていると思っております。
○林(孝)委員 それでは、次の問題に入ります。 任意的検査対象の範囲について、KDDの検査と関連して質問するわけですが、KDDが院法二十三条一項五号との関連で検査対象となるか否かの問題について検査院は、二十三条一項五号はKDDの場合に該当しないとの見解をすでに表明しているわけでございます。その理由とするところは、電電公社がKDDに対して積極的にある事業を推進するための原資を供給するという意味で株式を保有しているわけではないという点にあり、こうあるのですね。したがって、KDDを検査できない、こういう見解に立っておるわけです。ということは、電電公社がKDDの一〇%の株式を、事実持っているわけですが、持っていることについて、その出資そのものに関心を持ってはならないと法律が命じていると検査院は解釈していると思われるわけですが、公社が出資している株式の価値の成り行き、これは出資先の法人の業容、経営内容、こういうものを検査して分析しないとわからないのではないか。そのようなことまでも法律が院法二十三条において禁止していると会計検査院は考えられておるのかどうか。この点は非常に基本的なことで重要でありますので、明快に答弁をしていただきたいと思います。
○松尾会計検査院説明員 結論から申し上げますと、出資そのものに関心を持っていないというのではなくて、電電公社がKDDの株を持っている所有の経緯を見まして、これは検査の実益がないという考えでいるわけでございます。ですから、電電公社がKDDの株を持っている保有の仕方、経緯について見ると、そこまで検査院等で検査の対象にするということにはならぬのじゃないかという解釈をとっているわけでございます。株式を保有している場合はすべて院法で出資の法人ということになるとしますと、たとえば物納の株を国が持っているという場合にもやはり検査の対象にし得るということになりまして、非常に不合理な点が出てくるわけでございます。私どもは、先ほどの先生のお話のとおり、出資の目的を追及する実益があるかどうかというところで院法二十三条を適用していきたいと考えているわけでございます。
○林(孝)委員 この会計検査院法の中には、広く解釈すれば、KDDの会計検査はこの文言どおり見ますと十分できるじゃないか、これはもうだれが読んでも院法を読みますとそういうふうに感ずる。ところが、解釈においていま言われたような解釈に検査院は立たれておる、こういう形なんです。院法二十三条一項五号はいわゆる孫出資法人、これを検査できるということを規定している。これに対してKDDなどについて検査院の言うような沿革的な事情を勘案して適用範囲を狭めることができるということであるならば、その根拠は一体どこにあるのかと思うわけですね。また、その対象法人の沿革的な事情を有権的に勘案して解釈、適用する権限そのものが検査院にあるものと解釈しておるのかどうか。 いわゆる会計検査院法をそのまま読めばKDDの検査だってできるじゃないか。ところが会計検査院はそれはできませんと。その法解釈というものに対して会計検査院に権限がある、こういう解釈に立たれておるのかどうかというのが二番目の質問です。
○知野会計検査院長 ただいま御指摘になりました院法二十三条の規定でございますが、この規定は、国または公社が出資しておるものがまたさらに出資をしているというふうな書き方でございまして、電電公社がKDDの株を一〇%持っているということをこの中で言ういわゆる出資と見るかどうかという問題なのでございます。私どもがここで検査院の検査の対象としておりまする出資というのは、やはり国または公社が出資をしましたその出資の目的を果たしておるかどうか、その出資が効果的に行われておるかどうか、そういうことが検査院のたてまえでございますので、たまたま株を持っておればすべてここで言う出資に当たるのかという点につきましては必ずしもそのように考えておらないわけでございます。 株を持っておるということだけで言いますと、これは多少極端な例になるかもしれませんけれども、財産税で株式を物納するという場合がございます。その場合には一時的にしろ国が株式を保有することになります。そういう場合も、さっきもちょっと触れましたけれども、やるということになりますと、これは大変おかしなといいますか不合理なことになるわけでございまして、私どもは、こういう問題につきまして今日まで、こういう形のものはいわゆるここで規定しておりまする出資というものには当たらないという解釈をとってまいりましたし、いまもそう考えておるわけでございまして、たまたまKDDにつきまして現在いろいろ問題が起きておりますときに急にこの規定を適用して検査に入るということは、これはいたしがたいところでございまして、やはりそういうところははっきりして、もしそういう必要があると国会でお考えでありますならば、ちょうどNHKにつきまして放送法で特別に公共性のゆえをもって会計検査院の検査に付するということが規定されておりますが、そういうふうなことが望ましいのでありまして、そういう結論が出ますれば私どもは積極的にその職責を果たさなければならぬと考えておりまするが、現在の院法二十三条からはそのKDDの検査をすることはできないというのが私どもの考え方なのでございます。
○林(孝)委員 そのKDDに関して、現在の院法二十三条では「国又は公社が資本金を出資したものが更に出資している」、これにちょうど当たるのが電電公社がKDDの株を一〇%持っているということ、これがどういう意味の出資であるか、一〇%持っていることは事実だけれども、その内容において検査院が検査する、しないという判断がある、こういうことで、検査院としてはそこまで手が及ばない、こういうことですね。 私はそういうことでないという立場で議論しているわけですけれども、会計検査院はそれはできないんだ、根拠が非常に、解釈法の問題でありまして、会計検査院はそういうふうに解釈しているけれども、そういう解釈でない、当然できるんだという解釈も片方にあるわけでして、これはあくまでも解釈の問題なんです。ですから、この院法二十三条の解釈については立場が違うといろいろ解釈の違いがある。しかし会計検査院がそういう立場に立って、どうしても二十三条が適用できないと言われるのであれば、今日のようなKDDの問題が起こっておるときに公益性、これはもう国際電電という公益性がありますね。さらに電電公社が一〇%の株を持っておる、こういう事実もある。そして事件として大きな社会問題を起こしておる。国民の関心は、なぜこういうことが起こっておるのか、またこういうことをなくするにはどうしたらいいのか、今日こうなるまでにどうしてそうした実態にメスが入らなかったのか、こういうふうに関心が大きくなってきているわけですね。さらに自殺者等が出て、その関心は一段と高まっておる。そういう事情というものを背景にして考えた場合に、会計検査院として現在の院法の中で対処できるかどうか、あるいはこの院法を会計検査院としてはこういう形にしてもらいたい、そうすればこうした問題にメスを入れることはできるんだ、いろいろなことを今日まで検討されてきたと思いますが、その点に関してこの際明確にしていただきたいと思います。
○知野会計検査院長 国際電信電話法というものが国会におきまして制定をせられましたとき、あるいはその後の改正の経過等を踏まえまして、KDDというのはこれは民営を原則とする、それから電電公社が一〇%の株を持つときの改正におきましても、やはり国会の論議の中で電電公社はKDDを支配することがあってはならないというふうな論議もなされておるわけであります。私どもはそういう経緯から見まして、やはり電電公社が本来自分のやる業務を別会社をつくって支配するといいますか、そういうことのために出資をしたものではないわけでございますので、そういう点から見まして、いわゆる出資ということをとらえて検査院が二十三条を適用することはむずかしいと考えておるわけでございます。 なお、KDDの問題が現在非常に問題になっておるわけでございますけれども、これは検査院がKDDをぜひ検査できるようにしてほしいというふうなことは、ちょっと、私どもの方が申し上げることであろうか。と申しますのは、KDD法というのは、本来民営をたてまえとするということでああいう法律ができました。したがいまして、今日的な状況のもとで、KDDの公共性ということに着目をしまして検査院の検査に付すべきかどうかということは、立法府が御判断をなさってやられることではないでしょうかと考えておる次第でございます。したがいまして、そういう結論が出まして法律改正が行われますならば、会計検査院は与えられた権限を積極的に果たしてまいります。
○林(孝)委員 積極的に意見を言ってもらっても結構なのですよ。考えることが立法府でなければならない、会計検査院は考えてはならない、意見を言ってはいけないということではないと思います。現に院法改正は、そういう形で、十分会計検査院の意向というものが会計検査院の案の中に含まれておるわけですからね。 それはそれとして、ここでお伺いしますが、国または公社が資本金を出資しているものがさらに出資している法人、いわゆる孫出資法人は現在幾つぐらいありますか。
○知野会計検査院長 私、いまちょっとどのぐらいの数があるかわかりませんが、事務当局から答弁をいたします。
○松尾会計検査院説明員 ちょっといま資料の持ち合わせがございませんが、幾つあるか直ちに調査して報告したいと思います。
○林(孝)委員 この問題に関しての議論のときには、当然こうした資料は整えてもらわなければ困る。といいますのは、いまKDDで議論したから、KDDの場合はこれは対象にならない、そうしたら、同じ形態で対象になる法人は幾つくらいあるのか。これはならない、これはなるということが明確になっていなければ、KDDだけ特別扱いするということになるわけですよ。わかったですか。
○松尾会計検査院説明員 失礼いたしました。 孫出資法人は、全体数が四百二十四ございます。そのうち検査指定をしている孫出資法人は二十一でございます。
○林(孝)委員 それでは、その二十一の孫出資法人に対して、この十年間で検査を実施した実例は何法人ですか。
○松尾会計検査院説明員 ことし指定いたしました競馬会の孫出資、先ほど話に出ました三つございますが、それを除きまして十八法人については全部検査しております。
○林(孝)委員 その場合、いまおっしゃったように、二十一のうち十八についてすべて検査しておる、この検査している方——先ほど同じ孫出資法人であってもKDDは検査できない、こっちは全部している、している方の根拠はどういう根拠でやっておりますか。
○松尾会計検査院説明員 これらの法人はすべてその親会社と申しますか、出資法人の仕事の一部を事実上やっているとか、仕事の出資をもってその会社を親会社が支配するというような関係にある法人ばかりでございます。
○林(孝)委員 それでは私、ここで資料を要求いたしますが、その二十一の孫出資法人、これに対して今日まで毎年検査を実施してきた、こういうことでございますから、その検査はどういう項目に分かれておって、そして検査の結果どういう判断を下したか、その点について資料を提出していただきたいと思いますが、いかがですか。
○松尾会計検査院説明員 ただいまちょっと私の説明が足らなかったかもしれませんが、この指定は一年限りのものでございまして、四十五年以降毎年ずっとこの法人全部やっているというわけでございません。指定した年度にやったというのもございます。 その資料につきましては、後刻提出したいと思います。
○林(孝)委員 毎年やっておって、たとえばそれじゃ昨年度幾つの法人を検査したですか。
○松尾会計検査院説明員 昨年検査いたしました孫出資法人は、帝都高速度交通営団と石油資源開発株式会社でございます。
○林(孝)委員 二十一あって、それで二法人だけですか。それじゃ昨年度指定した法人の数はどれくらいですか。
○松尾会計検査院説明員 昨年孫出資法人として指定したのがその二つでございまして、検査したのも二つでございます。
○林(孝)委員 では、あとはどういう理由で指定されなかったのですか。
○松尾会計検査院説明員 たとえば日本国有鉄道の孫出資法人としまして日本オイルターミナル株式会社というのがございまして、これは四十五年の三月に指定いたしましたが、検査は一年限りで終わっておりますので、四十四年度の検査をやっておるという関係になっております。昨年は、先ほど申しました二つの法人だけが孫出資法人として検査の必要があるというわけで指定いたしまして、検査したわけでございます。
○林(孝)委員 それはちょっとおかしいと思うのですよ。同じ孫出資法人が二十一あって、昨年はこの二つ指定する。何で毎年度毎年度きちっと会計検査しないか、非常にその辺あいまいです。私はちょっと納得できませんが、それについての資料をいただくことでありますから、その上でまた議論したいと思います。いずれにしてもこれは会計検査の権限強化、また検査の充実というものを前提にしての議論ですから、院長もその前提で受けとめていただきたいと思います。 それからその次に、先日の本委員会で問題にいたしました接待行政、またそれに対する告発、そしてその結果として返還、こうした一連のことに関しまして質問いたしますが、先日、厚生省の大蔵省に対する接待、この事実を私はこの委員会で取り上げました。一月二十四日の委員会でございます。この内容に関して、支払いを翌年の六月とその年と二回に分けて支払っているという問題に対して、検査院は不適切なものという見解をこの委員会で表明されたわけでありますが、わかりやすく言えば、来年度の予算を先にのんでしまったわけですね。この経理の処理について、五十四年度の予算からの支出を行っているこの決算をそのまま五十四年度決算として認められるのかどうか、まずこの点はいかがですか。
○岡峯会計検査院説明員 お答え申し上げます。 事実関係から先に入りますが、実際の会計経理は負担行為も支出もいずれも五十四年度に実施されております。したがって、会議の持たれたのは五十三年の九月でございますが、実際の会計処理は五十四年度でございます。その点をお含みいただきたいと存じます。 そこで、私から申すまでもなく、当該年度に要します経費は原則として当該年度の予算をもって充てるというのが原則でございます。こういった点から見まして、今回の厚生省のとられました会計処理というものは、支払い時期が大幅におくれまして翌年度に行われたわけでございますから、これはただいま申しました原則から大幅に逸脱している事態と考えております。そういうことでございます。
○林(孝)委員 そうしますと、この大蔵省に対する厚生省の接待は予算の年度を二年にわたって、単年度で処理できなかった、金額が大き過ぎて翌年度に支払った、こういう事実。決算上いま言われたように単年度で決算すべきであるということから考えればこれは不当ですね、この決算処理の仕方は。いかがですか。
○岡峯会計検査院説明員 二年にわたって処理をしたということではございませんで、あくまで会計処理としましては五十四年度中に二回にわたってなされたわけでございます。ただ、五十三年に当然負担行為をすべき事態を翌年度において処置したということはいけないというふうに申し上げておるわけでございまして、先生おっしゃるように、これは非常に遺憾な事態だと判断いたしております。ただ、これを私どもで取り上げております不当事項として今後どうするかという問題につきましては、今後とも慎重に対処したい、このように考えております。
○林(孝)委員 不正経理は犯罪であると私は思うわけですが、検査院は鉄建公団などの調査の過程で犯罪事実を発見した。もうすでに議論されたことでございますけれども、いわゆる鉄建公団の空出張問題に関して不正な事実を発見した。この不正な犯罪事実を発見しながら告発をしていない。検査院としては、刑事訴訟法の二百三十九条二項及び検査院法三十三条の規定を一体どのように考えておるのかと私は疑問を持つわけです。刑訴法の二百三十九条二項には「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」このようになっているわけですね。会計検査院が検査をしている過程でその職務に犯罪があると、会計検査院がそう考えた場合は告発をしなければならない。また、会計検査院法にも、三十三条を見ますと、「会計検査院は、検査の結果国又は公社の会計事務を処理する職員に職務上の犯罪があると認めたときは、その事件を検察庁に通告しなければならない。」このようにあります。院法にも刑訴法にもあるわけでありますが、会計検査院は、この鉄建公団の調査の過程で犯罪事実を発見しながら、それを通告もしなかったし告発もしなかった。 ところで、検査院は二月四日の予算委員会で、将来こうした同じような事件が発生し、犯罪があると認識した場合通告することもあり得る旨の答弁をされております。当然、犯罪事実を発見し次第早急に検察庁に通告する意味だと私は思いますが、この場合に何か条件をかぶせるようなことを考えておられますか。それともそうした条件なしに、今後同種事件が発生した場合に、これが犯罪であると認識した場合は当然のこととして通告すると、そのように明快に解釈していいものなのかどうか。何かそれに尾ひれがつくのかどうか、お伺いしたいと思います。
○知野会計検査院長 お答え申し上げます。 ただいま御指摘になりましたように、会計検査院法三十三条には、検査の結果国または公社の会計職員に職務上の犯罪がありますときには検察庁に通告しなければならないという規定がございます。これは、検察庁に対しまして犯罪があるということを知らせて捜査の端緒を与えるという趣旨で規定されたものでございます。そういう点からまいりまして、犯罪があると思ったらすぐ告発するのか、あるいはどういう事態の場合に通告をするのか、こういう御趣旨かと思いますけれども、たとえば、検察庁がすでにそういう犯罪につきまして自分でもわかっておって捜査を始めておるという場合もございます。したがいまして、何でもわかればすぐに通告をするかと言われますと、これはやはりケース・バイ・ケースではないかと考えておるわけでございまして、さきに鉄建公団その他につきまして会計検査院が通告または告発をしなかった理由といたしまして、すでに検査報告におきましてそのような事柄を明らかにしておる、しかも検察庁においてもそれを知り得る状況にあるということで通告をいたしませんでしたということを申し上げました。したがいまして、将来のことを考えますと、検査をやっているうちに犯罪と認められるに相当な資料を私どもがはっきりとつかんだというふうな場合に、捜査当局がこれを知らないで、やはり通告をして捜査の端緒を与える必要があると思う場合、それから検査報告の時期と重なりまして、検査報告で明らかにすることができる場合は必ずしもその必要はないのではないか、そういう点がありますので、個々の場合に判断をしていかなければならぬかと思いますけれども、検査報告にもまだ暇がある、しかも犯罪があるということがはっきりと確認をされた、検察当局においてもわからないだろうという場合には、私どもは院法の規定によりまして通告をするというふうなことを考えておるわけでございます。
○林(孝)委員 検査報告は会計検査院法で規定されておるわけですけれども、だれにする報告ですか。
○知野会計検査院長 検査報告は内閣に提出をいたしまして内閣が決算とともに国会に報告をするということになっております。
○林(孝)委員 内閣に提出して内閣が国会に報告する。当然検察庁も知るであろうという期待をそこに検査院は持つわけですか。
○知野会計検査院長 そういう意味でございます。
○林(孝)委員 検査院は検察庁が知るだろうと思っているけれども、一人相撲です。検察庁が知らなかった場合は、検査院は検察庁に知っておりますかあるいは御存じありませんかというような問い合わせをするのですか。
○知野会計検査院長 先般も私申し上げましたが、検査報告に掲記をするということと検査院法三十三条によりまして通告をするということとは法律的には全く別のことでございます。これは先生のおっしゃるとおり。ただ、検査報告を出します段階で、そのときの状況によりまして検察当局がすでにそういう事柄を知っているだろうと思われる場合もございます。そういうふうな場合には特に通告をしなくてもいいのではないかという意味でございます。
○林(孝)委員 知っているであろうというのは知っていることとは違うということを私は言っているわけです。捜査の秘密ということがありまして、知っておっても知っていると言わない。これは検察当局の職務上の問題としてあるわけですね。ですから、捜査当局というのは何でもこういうことを知っていますということを言わない側にある。会計検査院は、検査の過程で犯罪事実をつかんだ、これは犯罪だという認識に立った、しかし、通告する義務は検査院法に定められているけれども、ちょうど検査報告の時期に来ているから検査報告にしておけば検察庁は知るであろう。こういうところにぴたっとこないものがあるわけですね。ですから、犯罪事実を会計検査の過程で知った、そうしたら、検察庁がそれを知っているであろうとかあるいは知ってなくても、それのいかんにかかわらず院法上通告しなければならないわけですから通告したらどうかというのが私の提案なんです。そのように積極的に犯罪事実を検察庁に通告するということがなければ、知っているであろうということでもしいった場合に、検察庁が全然知らなくてその犯罪事実が表面に出ない場合だってあり得る。公務員の犯罪事実が表面に出ない場合がある。出さないでおこうと思えば出さないでおくことができるということが逆に言えるわけです。そうすると今日の鉄建公団の問題であるとか電電公社の問題、やみ賞与あるいは空出張、やみ給与、いろいろなことが言われているそうした事実に対して明らかにすることができない。何か臭いものにふたをしてしまうようなことを行っている片棒を担いでしまうようなことに会計検査院はならないか、こういうことを憂えるわけなんです。ですから、将来において同種犯罪の事実がある場合に、これは将来の問題として、積極的にそうした面に取り組む姿勢を会計検査院に示していただきたいというのが私の意見でございます。
○知野会計検査院長 これは検査の途中におきまして犯罪事実の確認との関連も出るかと思いますけれども、私どもが検査の途中で明らかにこれは犯罪であるという認識を持つほどの資料が入ります場合におきまして、院法三十三条によって通告をしたり、ときには刑事訴訟法の一般規定によりまして告発することのあり得ることは当然でございます。
○林(孝)委員 これはきょうのニュースにあったわけでありますけれども、国鉄が空出張で裏経理をつくって飲み食いをしておったということはもうすでに指摘されておるわけであります。その不正経理が千七百万円あった。ところが、その千七百万円のうち二百九十万円だけを十五人から返済させたということでありますけれども、この報告を検査院は受けておりますか。
○小野会計検査院説明員 お答えいたします。 公式に書面では受けておりませんが、口頭では受けております。
○林(孝)委員 不正経理を行って飲み食いに使ったお金が妥当な予算の執行と思われるかどうか、これは基本的なことです。それから千七百万の額の不正経理があったという事実、これも不正であると考えられるわけですけれども、この二点はいかがですか。
○小野会計検査院説明員 お答えいたします。 本件については不正だと考えてございます。
○林(孝)委員 そうしますと、今日の報道によりますと国鉄が空出張千七百万円、ところがそのうち二百九十万円だけ返済した、それで不正経理のつじつまといいますか幕を引こうというわけですけれども、その後はどういうことになっておるかといいますと、この二百九十万円というのは国鉄の内部規程に違反するいわゆるバーとかそういうところ、あるいは二次会費、そういうものに使ったお金であった、だからこの二百九十万円は返還したのだ、ところがあとの約千四百万については、使い道がそういうものに使ったのではなしに、用途が違っただけであって飲み食いではない、だから立て分けている、こういう言い方ですね。業務上必要であったということで、これに使うべきお金をこっちへ流用しておったのだ。これもまた私は不正経理と思うわけですけれども、会計検査院はどのようにお考えですか。
○小野会計検査院説明員 お答えいたします。 使途の確認につきまして、これがあるいは適正なものであったといたしましても、これはもともと旅費という名目で架空の請求をして、架空の出張命令によって捻出した金でこれを支払っているわけでございますから、やはり不正経理と言わざるを得ないわけでございます。
○林(孝)委員 まことに明快な答弁でありました。実はいまの検査院の答弁によって明確にされたのです。いわゆる不正経理というものは、国鉄のこの空出張千七百万円すべて不正経理であって、そのうちの飲み食いだけが不正経理だというものではない、これは明確になりました。 私の質問はそれだけです。終わります。
○高田委員長 庄司幸助君。
○庄司委員 先ほど来の議論を聞いておりまして、院法改正問題でありますが、官房副長官の御答弁だと、法案提出には至らないが検討中だ、こういうふうに御答弁があったのですが、検査院長として、本当に内閣で検討中であるとお考えでございますか。
○知野会計検査院長 私は、現在内閣におきましてこの問題について慎重に検討されておると思っております。
○庄司委員 これは、官房副長官がおいでになったら副長官に御質問しようと思っているのですが、ことしの二月八日現在の、内閣官房で出した「内閣提出予定法律案・条約要旨調」という書類があるのです。これに「検討中の法律案・条約件名」という項目がございますけれども、これには院法改正は一言も触れられていないのですね。そういう点はどうお思いになるのですか。
○知野会計検査院長 この点は、私がお答えしていいことかどうかわかりませんが、国会に対しまして内閣が予定法案として出されるのにはいろいろな基準があるようでございます。過去の例も、すべて知っているわけではございませんけれども、予定法案の中になかった法律案でも会期末に至りまして追加されて出た例もあるのではなかったかと考えております。
○庄司委員 この論議は官房副長官がおいでになられないと発展しないので、ちょっと保留しておきます。中途半端になるわけですが、先に進めます。 実は、会計検査院長、ことしで会計検査院は百周年を迎えられる。いままで職員の皆さんも大変御苦労があったと思います。その点で、私も会計検査院の歴史を若干かじらせていただきましたが、あの太平洋戦争中の臨時軍事費の問題をめぐっての御苦労や、その後の終戦処理の問題をめぐっての御苦労、いろいろ歴史的にあったと思うのです。そういう点を踏まえて、現在の続発する不正経理あるいは政官財界の癒着の問題、そういう点を百年の歴史に照らしてみても、いまこそ会計検査院が国民の血税を適正に支出させていくという点での職責は非常に大事な時期に差しかかっているのじゃないかと思うのですよ。そういう点で会計検査院長に、いま国民が一番望んでいる問題の一つとして、この不正経理と不正、腐敗の摘発、これは厳正に執行していくという期待があるのだと思うのです。そういう点で会計検査院長の百年の歴史を踏まえての御所感をまず冒頭に伺っておきたいと思うのです。
○知野会計検査院長 確かに、ただいま御指摘のように、現在の状況におきまして会計検査院の職責というのは非常に重要な時期であると考えております。特に不正経理というふうな問題は、公金を扱いまする役所にあってはならないことだと私は考えておるわけでございまして、こういう問題につきましては会計経理の基本の問題として、そういう不当な会計経理が行われておる場合には厳しく指摘していかなければならないと考えております。
○庄司委員 官房副長官がお見えになったようですから伺いたいのですが、先ほどの同僚委員の御質問に対して、院法改正の問題については今後とも積極的に検討を続けていくことに間違いございません、こういう御答弁をなさっていらっしゃいます。これは念のためお伺いしますが、御検討中であり、今後とも検討を続けていくということには間違いございませんか。
○加藤(紘)政府委員 累次お答え申し上げておりますように幾つかの問題点がございます。そこで、その問題点を何とか解決するような形で会計検査院の権限をより強化する、実を上げる方途はないものかなということで、今後とも検討を続けていくということには間違いございません。
○庄司委員 私は院法改正の法案の検討のことを申し上げているわけです。それで私は、会計検査院が出された改正の要綱、これは全面的に御賛同申し上げるにしてはまだちょっと問題があると思っているのです。その点は前提としておきますが、御検討を続けていくとおっしゃっていながら、内閣官房が二月八日現在で出された「内閣提出予定法律案・条約要旨調」をちょうだいしましたが、この最後の「検討中の法律案・条約件名」を見ましたら、会計検査院の院法改正は載ってないのです。しかも、同じように調整が必要な——相当困難な調整もあるだろうと思いますが、公職選挙法の一部を改正する法律案とか、あるいは政治資金規正法の一部を改正する法律案とか、こういうものはちゃんと載っております。院法改正は、あなた、検討を続けますと言いながら、なぜ載らないのか。これは、さっきの御答弁とあなたの方で国会に出されたこの官房の報告とは大分違う感じを受けるのですが、その食い違いはどうなんですか。
○加藤(紘)政府委員 法案提出予定調べというのは、かなり安全を見て出しておりますものでございまして、提出予定のものというのは、もうほぼ確実に出すという準備が整ったものでございます。それから検討中と申しますのも、まあ半分ぐらいは出るかなというそれぐらいの確度のものなんですけれども、検査院法の改正というものは、検討はいたしておりますけれども、そこまでまだ準備が整わない、問題が深刻であるということで、そこには落ちておるものでございます。
○庄司委員 これは私は、やはり内閣が国会の決議を尊重していない一つのあらわれだと思うのです。しかも、大平総理が二回にわたって答弁なさって、私から見ればまだ不十分な改正案ではありますが、それすらも検討中の課題にもしないこういう報告を出しておられる、これは私はきわめてけしからぬ話だと思うのです。その点で、副長官ですからこれは長官から答弁を求めるしかありませんし、また、大平総理の態度を聞かなくちゃなりませんから、この点できょうの委員会で大分論議されていますから、やはり総理と官房長官を呼んで突き合わせる必要があるのではないか。委員長、その点を後刻あるいは後日でもいいですから、ひとつ理事会で検討をお願いしたいと思います。
○高田委員長 理事会で検討いたしましょう。
○庄司委員 それでは、いまから会計検査院長にお伺いするわけです。 私は体制の強化の問題と権限の問題で時間の許す限り御質問申し上げますが、第一番目には体制の強化の問題です。これは国会の決議の中でも指摘され、佐藤前院長が御答弁なさって、会計検査院の人員の増から何から含めてもっと強化する、こういう御答弁もありました。そこで私は、体制強化一般論じゃなくて、会計検査院の人員、定員の問題も含めて御質問申し上げたいと思うのです。 これは五十三年度の検査報告で大変恐れ入りますけれども、公団、事業団など政府出資法人に関する指摘が非常に増加しているのが特徴であります。内容からいっても、鉄建公団の二億七千万円余の不正経理の問題やら、あるいは三億二千百万円ぐらいの本四架橋公団の巨額の積算ミスの問題、あるいは水資源公団に見られたように、二重の誤りから適正価格の三百十八倍も積算をした、こういう乱脈、ずさんなものが目立っているわけであります。そのほか、まだ指摘にはなっておりませんが、中央競馬会や発馬機やトータリゼータの問題、KDDの問題があります。 〔委員長退席、井上(一)委員長代理着席〕 そういう点で、各省庁や政府機関はもちろんでありますが、特に公団、事業団等の政府出資法人に対する監督を強化することが求められているわけであります。 ところが、五十三年度を見ますと、公団、事業団等の実地検査の施行率、これは十年前の四十六年度以来次第に下がってきておりますね。私どもの調べですと、五十三年度では過去十年間で最低の二九・三%に下がっております。それから要検査個所甲、これに限ってみても四十九年度に次いで下から二番目になっている。四十六年度に比べますと、甲の場合五四・五%から四〇・四%と約一四%下がっております。これに対して要検査個所の甲は過去十年で約千七百カ所増加しております。おたくの資料に基づいて調べたのですが。特に公団、事業団、これは約五〇%増であります。それから、十五年前と比べるとこれは九〇%ふえております。 ところが、これに対して検査院の定員は過去十年間で十人ふえただけであります。これは〇.八%ふえただけですね。この過去十年間は千二百十二名をずっと維持した経緯があります。一二一二というのは私ども小学校で仏教伝来の年だ、こういうふうに教わりましたが、この一二一二が十年も続いてきている。しかもその後、私ども御指摘も申し上げましたが、若干ふえることになりまして、十人しかふえてない。これでは十分な検査ができないんじゃないか。特に、いま会計検査院が非常に国民の注目を集めているわけです。あなた方が指摘なされた鉄建公団の不正経理や相次ぐいろいろな御指摘、これについては心ある国民は全部快哉を叫んでいるわけですね。わが意を得たりという気持ちを持っております。だからこそ、定員がこれで十分だとお考えになったのでは間違いだ、国民の期待にこたえるためにやっぱり定員の増ですね、これは図らなければならない課題だと私は思うのですが、検査院長の御決意をひとつお願いします。
○知野会計検査院長 この点につきましては午前中もちょっと御答弁を申し上げました。先生も御承知のとおり、現在一般事務職員の定員の削減とか抑制ということが非常に厳しく言われている時期でもございます。しかし、検査院につきましては長い間同じ定員でやってきましたけれども、ここ四、五年の間に十名の純増を認めてもらっておりまして、来年度におきましてもさらにまた二名の定員の増が予定されておるわけでございます。 私どもは、現在のように財政規模が非常に増大をしておる、それから検査対象もふえておるという時期におきまして、検査院が職責を果たしていきます上で最小限度の人員の確保がどうしても必要であるということは考えております。それと同時に、検査院も職員の研修でございますとかそういうことを徹底いたしまして、限られた人間で最大の効率を発揮しなければならぬということも自覚しておるわけでございまして、今後も皆様の御理解をいただきながら、必要な人員の確保ということにつきましては特段に努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○庄司委員 確かにいま行政改革が叫ばれて、安上がりの政府の論議が行われております。しかし、やはり私は、必要な人員は必要なところには確保するというのが大事な点だと思うのです。そういう点で一つ調査官の問題で私ちょっと心配なんですよ。 その点少し申し上げてみたいと思うのですが、調査官の定員の伸びも、検定室や審議室を除きますと、過去十年間で六百十人から六百八十五人にふえている。これは一四%ほどふえておりますが、しかし、要検査個所甲の伸び、これは二五%以上伸びていますから、予算の伸びは確かに百倍近くなったといったって、それでは人員も百倍と正比例するものではないと思いますが、ただ、要検査個所がふえるということは、これは物質的に言っても人員が伴わないと追いつけないという問題があるだろうと思うんですね。そういう点で、検査個所の伸びと比べても調査官の人員の伸びは少ない。この間の検査人日数、人掛ける日にち、検査人日数は三万八千人目から四万九千人目になっております。約二九%ふえております。これは、私は調査官の皆さんにとっては非常に労働強化になっているのではないかと思うんですよ。 それから、若干経験の少ないと申し上げますと失礼になりますけれども、事務官の出張増、こういうもので補っているのではないか。そこで、出張日数、これをおたくから資料をちょうだいして調べてみましたら、去年の一月から九月までで、九月を過ぎますとおたくの方は報告作成に入りますから、調べてみますと、百日以上出張なすっている方が百二十二人いらっしゃいます。これは一三・五%です。最高の人は百二十九日も出張を続けておられますね。これは、一月から九月までは二百七十三日あります。そのうち、お正月の三日の休みと日曜祝祭日を除きますと二百二十五日ですね。このうち百二十九日も出張なすっている方がある。しかも、百日以上が百二十二人もいらっしゃる。これでは検査も手薄になる心配があるのです。それから、あわせて、とにかく職員の方の半分以上出張に追いまくられている。御家庭の問題もあるだろうし、あるいはまた体の疲労の問題やら病気になる問題やら、いろいろ出てくるだろうと思うんですよ。やはり細く長く使っていかないと、私は、会計検査院はだんだんじり貧になるのではないかと心配しているのです。 その点で調査官の必要人員、これはどのぐらいに見ていらっしゃるのか、それから出張日数の適正な数字、これはどのぐらいに見ていらっしゃるのか、それから、それに対する対策をどうお考えになっているのか、ひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
○知野会計検査院長 ただいま御指摘のように、千二百名の定員の中で調査官の定員だけがふえておるという御指摘でございます。これは確かにそのとおりでございまして、検査院としましては、限られた人間ではありますけれども、その中でできるだけ調査官の数をふやして、実際の検査に当たる人間を確保して最大の検査能率を発揮したいという意図から今日までやってきたものでございます。しかし、調査官になりますのには相当の訓練も必要とします。また、検査院は御承知のとおり昭和二十二年に三、四百名ぐらいの人間でございましたのが急速にふくれ上がった役所でございまして、当時採用になりました人たちもようやく五十、六十に近くなってまいりまして、そういう人たちが退職をしていくということを考えますと、御指摘のとおり調査官の確保というのは検査院にとりましては非常に大きい問題でございまして、その点につきましても、先ほど申しましたように必要最小限度の定員の確保とともに特段にこれは考えていかなければ、将来の体制に重大な影響があると考えておるものでございます。 それから出張日数の問題でございますけれども、これも非常にふえておりまして、多い人が一年のうちに百日以上の出張をする。実はこれは職員といいますか、調査官にとりましては大変な問題でございまして、百日以上出張するということになりますと、日曜日を除きますと勤務体制としましてはようやく限界でございまして、これ以上の出張日数を付加することは私どもとしましてもなかなかむずかしい問題でございまして、そのことから派生するいろいろな問題も考えなければなりませんし、そういう意味ではやはり人数の制約の問題が出てまいります。それぞれを考えまして、先ほど申しましたように、私どもの研さんで補えるものも限界というものがおのずからあろうと思いますので、必要な人員の確保、体制の整備ということにつきましては、財政当局その他大方の御理解を得まして今後も検査院の機能の低下を招かないように努力をしていきたいと考えておるわけでございます。
○庄司委員 その点で一般的な姿勢はいまお聞かせ願いましたけれども、具体的に、たとえば調査官だったら何名必要なのか、それから旅費の問題で大蔵から予算がつきますね、これは余してしまうと、後で来年つかなくなるなんという心配をして、結局旅費の確保のために一生懸命出張のしりたたきをやるような事態が起きないように私はお願いしているのですよ。だから検査院長、やはり独立性の問題がありますから、いまの時代の要請にこたえる立場で毅然として大蔵省と折衝をしていただきたい、こういうことを申し上げたいわけなんです。 私は、もう一つ特に心配しているのは、調査官の実人員がいわゆる定員に追いついていない。こんなことを申し上げると、あるいは大蔵あたりから、あるいは行管もどうかわかりませんけれども、追いついていないのだったらその分減らせなんという横やりが入る心配を私は持っているのです。そんなことは私は絶対承服できない問題ですが、その点でちょっと伺いますけれども、去年の七月一日現在ですが、調査官定員と実員の差は非常にふえてきている。これは四十年代の後半に急速にふえていますね。最近では三十五名から四十名近くに差が開いた。ことしの一月一日で見ますと四十五人不足しているようであります。これはなぜこうなっているのかという問題をひとつ簡単にお聞かせ願いたいと思うのです。簡単でいいです。
○松尾会計検査院説明員 この原因としましては、検査院の総定員がそれほど増加しないのに比べまして、調査官定数が比較的急激に増加しているということがございまして、調査官を埋める下の層がそれほど、調査官になるのには先ほど申しましたように六年から八年かかるわけでございますが、その供給が追いつかないというようなことになっております。
○庄司委員 その点、非常に問題のある部分だと私は思うのですよ。会計検査院の今後十年二十年の将来を考えた場合の大問題だと思うのです。いま松尾さんからお話があったように、中級の採用者で、調査官補になるまで約五年、調査官までさらに大体三年かかるわけですね。そういう点で、調査官の定員だけ増加してみても総定員がふえないと年々新たに調査官になれる人がなくなってくる、これはおっしゃったとおりです。だから、やはりどうしても総定員の問題ですね。これをやはり断固としてふやしてもらうように院長はがんばる必要があると私は思うのですよ。これは結局跡継ぎの問題です。会計検査院の将来の問題なのです。まあ、現在も足りませんけれどもね。 五十四年度末の調査官の定員と実員の差は約五十人前後、こう見られているわけでありますが、この調査官補のうち一年以内に調査官になれる人は一体何人ぐらいおありですか。
○松尾会計検査院説明員 五十四年の実績で申しますと大体三十名でございます。
○庄司委員 まさにそのとおりであろうと思うのです。その点からまいりますと、私は、年度当初でも二十人ぐらいの不足になるのじゃないかと思います。くどいようですが、いまの質問の意味は決して調査官の定数を減らせということじゃございません。五十五年度定員としてどうしても七百人、六百九十九人ぐらいは必要なものだと私思いますけれども、検査院として、調査官実員を定員に見合うようにしていくため、見通しをどのように持っておられるのか、これをひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
○松尾会計検査院説明員 実はまだそれほどはっきりした見通しというのは持っておりませんで、与えられた定員、定数に従っていま運営しておるわけでございますので、これからその点についても研究したいと考えております。
○庄司委員 院長、これは大事な問題ですから、院長からも一言お答え願いたいと思うのですよ。
○知野会計検査院長 調査官の定員及び実員を確保していくというのは、私どもにとりましては御指摘のとおり非常に重大な問題でございます。調査官になる前の人間がいなければ調査官というものは採れないわけでございまして、そういう意味では、まず現在の定員と実員の差を解消していかなければなりません。やはり元がありませんと調査官に上っていく人間が育っていかないわけでございますから、その点につきましては、御指摘の趣旨に従いまして特別に努力をしてまいりたいと思います。
○庄司委員 実は私は、定員と実員の乖離、これはもっと開くのじゃないかと心配しているのですよ。といいますのは、一つは昭和二十二年組の退職増が控えているわけですね。それから、ここ数年来の傾向を見てみますと、調査官と副長クラスの三十代、将来の調査官ですね、これは少しずつふえております。ところが、四十代の前半、四十歳から四十五歳、これらの方々が減少している。これが心配なんですよ。それから五十代の後半と六十代に入った方、六十代の方はもう間もなく退職を迎えられますが、こういう方もふえておる。こうして見ますと、ここ数年のうちに退職者がふえて、調査官不足と、今度は調査官の経験が不足な方もふえてくる。経験年数が低下してくるのじゃないか。いま政府が考えている六十歳定年というような問題が出てきますと、さらに深刻になるだろうと私は思うのですね。そういう点で全体を見て、やはりいまどうしても必要なのは会計検査院の総定員を急速にふやす努力なんじゃないか、これが現在の会計検査院の急務じゃないかと私は思うのですよ。この総定員をふやす問題についての検査院長の姿勢と申すと失礼ですが、決意のほどを、院の独立性の問題としても、私は、やはりここで日本国民の期待にこたえてひとつ決意を御披瀝願いたいと思うのです。
○知野会計検査院長 総定員をふやしました場合におきましても、経過的に、二十二、三年に入りました人たちが定年を迎える、あるいは定年六十歳問題の影響を受ける、この問題はあるわけでございます。そういう点で一時的には調査官が減るという問題が一方にはございます。これは総定員をふやしました場合でも起こり得る問題だと考えております。そういうことに対する対応と、それから、検査のために必要な人員を確保するという問題とはそれぞれ兼ね合いもございますけれども、やはり最小限度検査院が検査の責務を果たす定員を確保するということにつきましては、御指摘のとおり努力をしたいと考えております。
○庄司委員 会計検査院からほかの事業団やなんかに出向なすっている方がいらっしゃいますね。これは調べてみたら二十三名の時期もあれば十七名の時期もある。現在は二十名のようであります。これは公団や事業団の乱脈な経理を防ぐ意味においても意味はあるだろうと思うのですよ。しかし、それはやはり政府部内で努力すべき事項であって、そうでなくてさえ足りない会計検査院の人員の貴重な二十名近くをこういう出向の形で派遣されるようなかっこうになっておる。大体二年ぐらいのようでありますが、これはちょっと考えてみる必要があるのじゃないかと思うのですよ。会計検査院においては、理由はそれぞれおありだろうと思いますけれども、この問題は少し検討してみる必要があるのじゃないかと思いますが、いかがでございますか。
○知野会計検査院長 御指摘のとおり、会計検査院から他の官庁その他に出向しておる者もございます。また、いろいろな国際機関の職員として出向しておる者もございます。これらは長い目で見まして、検査院の職員がいろいろなところでいろいろな行政その他の実態を承知しておくこともまた将来の検査のために役立つだろうということでいままで出してきたものでございます。それはそれとして意味があると思うのでございますけれども、過渡的に先ほどのような問題が起こります場合には、現在のような大ぜいの出向者がそのままやっていけるかどうか、これはやはりそのときそのときによって判断をしていかなければなるまいと考えております。
○庄司委員 それでは院法改正の問題で二、三お伺いしたいのですが、私どもは私どもとして院法改正、いまできるだけ早く党の改正案を出したいと努力中でありますが、会計検査院が内閣に出された院法改正について少し伺っておきたいと思うのです。 一つは、院法二十条と二十三条の関連の問題ですが、二十条の第一項で、検査院は、国の決算の検査のほか「法律に定める会計の検査を行う。」こうして、二十二条、二十三条で検査事項を決めているわけです。それから二十条の二項では、「検査院は、常時会計検査を行い、会計経理を監督し、その適正を期し、且つ、是正を図る。」こういうふうに検査の目的を定めております。そして、別の条項で不当事項の表示とか処置を期することになっているわけです。 そこでお伺いしたいのはこの解釈の問題で、二十三条の任意的検査事項、これは検査院が二十条の二項で、「会計経理を監督し、その適正を期し、且つ、是正を図る。」この事項と考えてよいのかどうかです。この検査事項は二十条二項の是正を図るべき事項と考えていいのかどうかですね。二十三条は先ほど来の論議のとおり任意的検査事項でありますが。それから、この任意的検査事項は、不当の指摘であるとか改善を要求する対象と考えていいのか、その辺ひとつお答え願いたいと思います。
○知野会計検査院長 大体いま御指摘のとおりと考えております。
○庄司委員 それで、時間もありませんからあと一問だけお伺いしますけれども、先ほど来、貸付先の検査の問題が論議されておりますが、これは全日空に対する輸銀の融資の問題がありまして、これからリベートが出たという問題があったわけです。 〔井上(一)委員長代理退席、委員長着席〕 それで一つお伺いするわけですが、国などの貸し付けは政策目的に従って有利な条件で行われておる。民間の通常金利との差が、事実上、これは補助的な性格を持っていると私は思うのですよ。普通ならば八%、九%の金利を払うところが六%であるとか、競馬会みたいなのはこれはまた別でしょうが、協力金と称して無利子または二%だ、こういうふうになっておりますが、そういう点で現行法でも、国、公社の貸付先まで任意的な検査対象となっているわけです。 また、この五十三年度の検査報告を見ますと、先ほど論議があったようでありますが、国や公社からの補助金の場合は零細なものまで民間を検査指定して、場合によっては不当事項の指摘をやっております。これは農林省関係なんか大分あります。団体という問題もあるでしょうが。それから中小企業近代化資金、例の高度化資金、これについては業者の個別名は挙げておりませんけれども、しかし建設業者というような名目でやはり不当事項の指摘をやっていらっしゃいますね。その点、あの法案で先ほど来のいわゆる中小企業に対する圧迫を与えるからやめろとか何とかいう論議がありますけれども、しかし実態上は補助金については零細業者まで不当事項の指摘をやっているし、それから近代化資金については、やはり貸し付けの問題で零細業者あるいは中小業者を皆さん、検査なすっていらっしゃるわけです。ところが、輸出入銀行であるとか開発銀行、こういうところからの貸し付けは非常に巨額であります。中小企業とはもうけた違いであります。しかも事実上の補助金的な性格を持っているわけです。そういう点で市中金利との差額は絶対額からいっても、これはもう中小企業とは比べものにならない差があるし、それが補助金的な性格になっている。だから、こういうものについて、貸し付けであるからといって初めから検査対象から除外するのは、私はやはり不つり合いだろうと思うのです。その辺、検査院長としてどのようにお考えを持っておられるのか。これを最後に一言お伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○知野会計検査院長 ただいま御指摘のとおり、現在の会計検査院法のそれぞれの規定の条文との均衡という面から言いますと、このたび私どもが考えております改正案の調査権というのは必ずしも平仄が一致しているわけではございません。そういう意味で理論的に言いますと、現在の検査院法の規定と平仄を合わせたらどうかという意見は当然あろうかと思うのでございます。ただ、私どもがこのたび考えました改正案は、先ほども申し上げましたように、公庫あるいは銀行等の政府関係融資機関が行います融資が適正であるかどうかということを検査をするに当たりまして、必要最小限度やはり融資先というものを見なければ、当該政府関係金融機関の融資が適正であるかどうかという判断がなかなかむずかしい場合があると考えまして調査権ということにしたわけでございまして、判断の基準をそういうところに置いたということでございまして、他の規定との均衡の上で考えたというわけでもございませんので、その点は御理解をいただきたいわけでございます。
○庄司委員 もう一問だけ。 だから、私、この調査権というのと検査権というのが——どうも今度のあなたの方でお出しになった法案では、調査にウエートがかかっているのですね。なぜ検査としないのか。この辺の問題なんです。
○知野会計検査院長 私どもは融資を受けました企業そのものを検査をして、そしてその企業の経理について当、不当という指摘をしようという考えを持っておらないわけでございます。そういう意味におきまして、あくまで私どもが検査の対象とし、また指摘の対象としようといたしますものは、公庫、銀行等の政府関係融資機関そのものの融資業務についてでございます。そういう意味で融資先につきましては、検査といいますかそういう考え方をとらないで調査ということにしたわけでございます。
○庄司委員 終わります。
○高田委員長 永末英一君。
○永末委員 会計検査院はことしで百年の歴史をけみせられた。一世紀続いておるということは、ある意味で折り目節目、めでたいことだと思います。 さて、百年前に会計検査院が出発をいたしました当時は、何人ぐらいの規模でどれぐらいを検査の対象としておられたのでしょうか。
○知野会計検査院長 百年前に何人おってどれだけの検査対象であったか、ちょっといまここで私、即答できかねます。大変申しわけございませんが、調べました上で後刻先生のところに御連絡させていただきます。
○永末委員 百年前に興味があるのではございませんので、百年後の今日に関心を持っておるから伺ったのでございますが、毎年会計検査院の検査の結果が発表されますと、不当事項の摘出数が表明せられて、そしてこれは氷山の一角であると毎年書くわけですね。氷山というのは上の方にちょびっと出て下の方にたくさんある。下の方は一体どうなっているのだろうか、会計検査院は氷山の上ばかりいつもなでておるのか、こういうことになりますと、百年間そういうことをし続けてきたのだろうかどうだろうか。あるいはまた、その氷山が上だけわかっておるのだから下もわかっておるのである、氷山というからには根っこもわかっておらなければ氷山にならぬわけでございますから、全部知っておるのであるということになるのだろうかということに実は関心を持っておるので伺ったわけでございますが、現在、検査の対象とせられておる相手方、これは何件ぐらいございますか。
○知野会計検査院長 現在、会計検査院が検査を要する個所は、個所数にしまして約四万二千カ所ございます。
○永末委員 個所は四万二千カ所で、その中にはいろいろな項目があるわけですね、会計検査などと申しますと。そうすると、その項目についてはどれぐらいあるということになっておるのですか。
○知野会計検査院長 四万二千カ所の検査対象で行われまする会計経理はすべて検査の対象になるわけでございます。
○永末委員 地方自治体だけの数を勘定いたしましても三千三百二カ所あるわけでございまして、だといたしますと、これらは、たとえば補助金だけにしぼりましても、農林関係の補助金やら通産関係の補助金やら、その他もろもろの補助金がある。だから、これだけにしぼりましても、これを毎年全部調べるわけにいかない。決算でお知らせを願っておるものを見ましても、全部自治体を回っておられるわけではない。そういう実情でございますから氷山の一角という言葉が出るのかもしれませんが、四万二千カ所ある。それで、調査官の数は何ぼですか、六百数十名ですか、どういう計画でこの四万二千カ所に当たろうとしておられるのでしょうか。
○知野会計検査院長 四万二千カ所を全部回るということは、千二百名の検査院の職員を総動員いたしましても、これは不可能でございます。現在私どもが実際に検査をいたしまするのは、年間大体三千五百カ所ぐらい、昨年見まして三千五百カ所でございますから、その実地検査の率と申しますのはようやく八・四%、一〇%に満たないというのが実情でございます。
○永末委員 八・四%ぐらいだといたしますと、十二年に一遍回ってくると相手方は考えておりますか。
○知野会計検査院長 八・四%と申しましたのは、全体のパーセントでございまして、たとえば本省あるいは各省庁の主要な地方部局あるいは公団、公社その他主要なそれぞれの地方部局等につきましては重点的に検査を行いますので、そういう主要なものにつきましては三二・八%、約三分の一ぐらいやっておるということでございます。
○永末委員 重点的なものは三分の一でございますと、これは三年に一回、こういうことですか。
○知野会計検査院長 主要なものにつきましては、もちろん毎定やるわけでございますけれども、地方部局等につきましては、三年に一遍ぐらいのところも出てきます。
○永末委員 毎年検査があるところと、それから何年間に一度しかないところと、きわめて時間が置かれて検査をせられるところといろいろあるわけでございますが、会計検査というものはそういうことでいいのでしょうか。理想的に言うならば、どういう形が望ましいと院長はお考えですか。
○知野会計検査院長 常識的に見まして、できるだけ多く検査に行くのが望ましいのでございますが、毎年全部一斉に見るということになりますと、これは大変な人数を要することでございますので、もともと会計検査というのはある程度重点的に、いまの人数で言えば全部にわたらなくても差し支えがないといいますか、そういうふうに認識されているのではないかと考えているわけでございます。
○永末委員 いまのような御答弁であろうかと思いましたので百年前のことを聞いたのであって、もともと百年前に全部行かぬでもいいや、大体これぐらいの人数で何となくやっておけと言ってつくったんだろうか、それともやはり国民から見ますと、行政官庁というのは税金を取ってそれを使うところだから、別個のそれを検査する機関をつくって厳重に検査すべきだ、こういうことなら悉皆調査をやって全部検査してしまうということを期待したんだろうかという辺がよくわからなかったので伺ったのでございます。 たとえば、いま一つ出しました補助金の不当事項というのは毎年出てくるのですが、ここ五年間どんな傾向ですか。減っておりますか、同じことですか。
○知野会計検査院長 災害関係の補助なんかにつきましては、昔と比べると減っていると思いますが、補助金全体としてはそう増減はないと思います。ただいま数字をもちまして御報告をいたします。
○松尾会計検査院説明員 ここにありますのは、公共補助関係、農林、運輸、建設でございますが、五年間の合計件数を申し上げますと、検査報告掲記事項でございますが、四十九年が三十四件、それから五十年が二十八件、五十一年が二十八件、五十二年が三十件、五十三年が三十五件というようなかっこうになっております。
○永末委員 この数字に関するだけで申しますと、別段増加の傾向も減少の傾向もない、似たようなものである、こういうことであろうかと思いますが、氷山の一角がこれだけ出ておるといたしますと、相当数のものがあるのかもしれません。 本来なら、検査が行われれば相手方はちゃんとやはり自粛自戒せねばならぬ、こういうことで意を尽くして、そういう不当支出にならぬようにするはずだと思いますが、減っておらぬというのはどういうところに原因があると思いますか。
○松尾会計検査院説明員 補助金の問題につきましては、過去は非常に多かったのでございますが、現在はいま申し上げたような数字になっておりまして、横ばい状態であるということは、まあ大体この程度は幾ら努力しても出るのじゃないかという考えもあろうかと考えております。
○永末委員 先ほど委員長は、全部を検査する必要はないという意味のことを言われたようでございますが、それとこれとあわせますと、現在、不当支出だということがわかりました場合には、不当であるということが判定された部分を直せばそれでおしまい、こういう仕掛けになっておると思うのですね。世の中には不法であり、不当でありございますけれども、不当というのは当を得ておらぬわけでございますので、当を得ておらぬことをやった者に対しては制裁を加えるということであって、原状に復帰すれば終わりではなくて、もう一つプラス制裁というものが加わるというのが社会的な一つの、日本人社会が生み出した慣習ではなかろうか。ばれてもともというのはちょっと、やはりつかまえられたら頭を下げて謝らねばならぬ。犯罪にまで至らなくても不当部分だけ直せばよろしいというのではなくて、そういうことをやったら、たとえ知らずしてやった者もおるかもしれませんが、たくらんでやったとおぼしき者にはやはり制裁の意味のこもった措置がとられるべきだと思いますが、いかがでしょう。
○知野会計検査院長 会計検査院では会計経理の不当を指摘をするわけでございますが、指摘をされましたそれぞれの部署におきましては、これに対しまして、ときによって補助金の返還を命ずること、その他のことが行われておるわけでございます。
○永末委員 つまり全部を悉皆調査で検査しているわけではない、全部わかっているわけではない。ということになりますと、言葉は悪いのですが、たまたまひっかかることがあるとあっちは思っておるのかもしれません。その中で不当だと指摘された場所は、要するに不当な部分だけ取り去ればよろしい、こういうことだとあとは残るわけでございますから、その点はばれたらそれでもともとだ、こういう気持ちで会計検査院の検査を見ておるとしますと、まさにそれはゆゆしき重大問題ではなかろうか。そんなことをやったら、大体補助金を求めておる姿勢そのものが悪い、国民の税金を何と心得るか、国民の側からしますと、おまえのところ一部分だけ戻したらいいのじゃなくて、全部戻せというぐあいに考えるでしょう、もともと金を出しておる方からすれば。そういう気持ちはどう思われますか。
○知野会計検査院長 会計検査院の指摘というのは、確かに全体から見れば検査に行った場所について指摘をしているわけでございますから、全部ではないことは事実でございましょう。ただ、検査を受けるところにつきましては、やはり会計検査院の検査があるということで、こういうことをすれば検査院の検査が通らぬのじゃないかというのが一つの自制になっていることはあろうかと思うのでございます。 それから、やはりつかまったところだけが措置をされて、あとは知らぬ顔をしているというふうなことがあってはならないことは当然でございまして、検査院の検査で不当と指摘されましたところだけでなくて、検査院の検査報告というものは、できれば見ていただきまして、他山の石として自制をしていただくのが望ましいと考えております。
○永末委員 他山の石みたいなことはこのごろはやらなくなりまして、やはりストレートにいかぬとわからぬ、そういう時代に変わっておるのじゃなかろうか。麗しい他山の石期待なんというものではそういう不当支出がなくならないのではないかと私は心配しておるのでございまして、その辺をひとつ御検討願いたいと思います。 空超勤ということがございまして、超勤もせぬのに超勤料が払われている。大体予算を組みますときには超勤の予算を組むわけでございまして、その場合には一人当たり何時間か掛けて出すのだろうと思いますけれども、支出は本来ならば超勤をいたした実績に応じて支払われるのが超勤支出の本当の姿だと思います。しかしながら、官庁の実際を見ておりますと、パー打ちにして支払っておるものもあるようでございまして、私も過去調べてみましたところ、まさにそれをやっているところがある。 さて、夜国会が終わりましてその辺、霞が関へおりていきますと、電灯がついているんです。夜になりますと、九時になっても十時になっても霞が関周辺の官庁はごうごうと電灯がついているわけでございまして、もう少し行きますと、民間の会社がございまして、これは九時、十時になりますとみな電灯が消えています。電灯がついているということは超勤をやっておるということになる。超勤をやっておるということになれば超勤手当が支払わられていることになると思いますが、一体検査院は電灯料と超勤との相関関係を調べたことがありますか。
○知野会計検査院長 超勤というのは、実際の超過勤務に対しまして支払わるべきものでございますけれども、一般的に、超過勤務手当の予算というのが、私どもの経験から見ましても、また私どもの役所の実態から見ましても、実は超過勤務よりも少ないのが実際でございまして、超過勤務の方がよけいに行われておって手当の方が少ないというのが実態でございます。そういうふうなところから毎月毎月実際に手当を支払っていったのでは超過勤務の予算がなくなってしまうということから、多少そういうことが行われておるというふうなものもあるかもしれません。しかし、超過勤務手当というものはたてまえはそうでございますので、超過勤務の実態というものと超過勤務手当の支給というものは、支給の時期、方法、その他につきましては、一応検査をしていかなければならぬと私ども考えておるわけでございますが、ただいま申しましたように、官庁の電灯がついている時間と超過勤務、そういうふうなことにつきましては私自身はよく知りませんので、御了承いただきたいと思います。
○永末委員 現在の公務員の給与は職階給与と言っておりますけれども、階級に応じて支払わられておるのであって、職務に応じて支払われている形には厳格にはなっておりません。したがって、超勤も、きつい言い方をして言いますと、庁内に残って執務をしている人には超勤の実績に応じて支払われずに、いなくなった者に支払われておる、それは階級が上であるということも往々にしてあり得ることであります。また、そういうことになれてきますと、超勤は月給の多寡に応じて一律に支払われる割り増し賃金みたいなものだ、こういう感覚になっているとすれば、まさにその点が問題だ。私は何も電灯料と、こう言いませんが、地方の公共団体等におきましては、光熱料はぴしゃっと出てくるので、わりかた早く仕事がなくなれば電灯を消して暗い役所になっている。ところが中央官庁だけは夜ごうごうと不夜城のごとく輝いているというのはどこかおかしいのじゃないかと国民は思うんですね。 だから、電灯料と相関関係ということを申し上げましたのはいまの超勤の方に重点がございますが、官庁の夜間勤務のあり方というのは一体どうなっているのかなと、私は官庁を歩くわけではございませんが、外を通るたびに思いますので、検査院もそういう角度から、よその会社の勤務状況、地方公共団体の勤務状況とは違うわけであって、その辺のところ、親方日の丸の光熱料というわけでもございますまい、御検討願えれば結構です。 さて、先ほどから伺っておりますと、検査院はなるほど一生懸命やっておられますけれども、なかなかもって対象数が多い。しかし、どこの官庁もまた対象の特殊法人等も内部監査をやっているはずですね。内部監査が厳格に行われておるならば、検査院は言うならば多年の経験それから相互の対象間の共通項を見ることができますから、そのつぼに応じたところを見れば大体わかるということになり得るわけです。内部監査というのは、見ていて皆ちゃんとやっていますか。各省庁と特殊法人と分けて答えてください。
○知野会計検査院長 御指摘のとおり、会計経理というのは、会計検査院が行います検査と内部監査というものが両々相まって全きを得るものであると、私どももそのように考えております。 現在の内部監査というものがちゃんと行われておるかどうかという問題は、私も推測をもって申し上げることはなかなかむずかしいのでございますけれども、各省庁におきましては内部監査といいますか、そういう点はしっかりしておられるかもしれませんが、公団、事業団等におきまする監事監査には、やはりいろいろ問題があるのではないかということを感じております。この点につきましては、先般、内閣の官房副長官から各省庁に対しましても、傘下の公団、事業団等に対する内部監査の強化ということについて通達を出されたようでございまして、私どもはその点につきましては非常に結構なことではないかと考えております。
○永末委員 内部監査がはっきりするならばそういうような問題は起こらぬはずでございますが、もともと行政官庁というのは予算制度で動いておる。しかし予算というのは、予算でございますから、いろいろな事象が一年間に起これば、予算の大枠はきちっと定まっておりますけれども、その予算を執行することについては、やはりその行政官庁の責任においてなされねばならぬことがある。だから、言うならば予算は、大枠はちゃんとせねばならぬが、その実行については相当程度の権限の発揮どころがあると私は思います。それだけに決算だけはちゃんとしていなければいけませんね。だから、決算をちゃんとするためには、まず内部監査のシステムが厳格になっておらなければ、これはしり抜けになる。内部監査がいいかげんでございましたら、会計検査院は各官庁の人間の数ぐらい置かなければいかぬということになっては、これはおかしなことであって、会計検査のために行政があるのではございません。その意味合いで、やはり内部監査のやり方というものについて、官房副長官おいででございますから、各省庁ごらんになればいろいろなやり方をやっておると私は思うのですが、予算統制だけではなくて、予算執行に対する各省庁の監査のあり方はひとつ厳格に、通達だけじゃなくて、実態に即してやらなければいかぬと私は思います。お答え願います。
○加藤(紘)政府委員 そのように努力し、また、通達の実施方を努力させるようにいたしたいと思っております。
○永末委員 いわゆるロッキード問題等、政府の金を使って融資をされた相手方が汚職めいたことをやるというので、会計検査院の権能、権限についての問題が国会で論議になり、衆参ともに、そのことについて会計検査院の調査権限を拡大せよという決議をいたしました。当初、会計検査院とされましては、一案をつくっていろいろと各省庁と協議せられたようでございますが、その後どうなったのか行方が不明になりまして三年たってしまったわけでございます。官房長官が預かっているという話がございますが、検査院長、どうなっています。
○知野会計検査院長 過去の国会における決議の趣旨を踏まえまして、会計検査院の憲法上の性格との調整も考えながら会計検査院法の改正案を一応まとめまして、内閣の方に御検討をお願いをしたわけでございます。 この点につきましては、先ほども申し上げたのでございますが、私どもの案は公庫、銀行等政府関係融資機関の融資の適正を期する、その融資が適正であるかどうかを判断するに最小限度必要な調査権を融資先に及ぼすことがあるということを主な内容としたものでございまして、これにつきましては、私企業に対して公権力が過剰に介入することになりはしないかという意見、それからそのことが政策金融に支障を来すのではないかという意見もございまして、会計検査院の意見は会計検査院の意見としまして、やはりもう少し高い見地で御判断をいただくべき問題もあろうかということで内閣に調整検討をお願いしたわけでございまして、その後内閣におかれまして慎重に検討をしていただいていると存じております。
○永末委員 内閣は何をしていますか。
○加藤(紘)政府委員 いま検査院長がおっしゃいましたとおり、政府といたしましては内閣官房を中心にして、会計検査院の方から出されました案に基づき、政府部内の特に政策金融を担当している省庁と協議を重ねてまいりました。一月の十六、十七日でございますか、内閣官房の責任者の官房長官が、会計検査院長にもおいでいただき、また各省にも来てもらって事情の聴取をいたしましたけれども、双方の意見の隔たりはまだ非常に大きく、現在結論を得るまでには至っておりません。 その中心の問題点は、いま知野院長がおっしゃいましたように、借り受け人が受けます心理的な影響がかなり強いというのが政策金融担当省庁の判断でございます。特に中小企業及び農民の皆さん等は、検査院の検査を受けることによって、またその準備をしなければならぬということで、実態上は帳簿も余り細かくつけているような状態でもございませんので、かなり心理的圧迫を受けて、そういろいろめんどうなことになるならば制度金融を借りるのを見合わせようかと忌避するような実情になるおそれが非常に強いのでございます。それで、政策金融の目的が達せられない、大きく支障を来すという危惧の念が非常に強くて、その辺のすり合わせがまだ十分にいかずに、法案を提出するという準備の段階にまで至ってない現状でございます。
○永末委員 政策金融と申しましても、たとえば開銀とか輸銀とかの大企業相手の融資というのは、言うならば銀行金融よりもうんと安い金利で条件をよくして、いわば補助金的感覚を持った金融で、国会で問題になったのは大型のものでございまして、いま官房副長官が申しましたような中小企業とか農民とか、そういう国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工中金の対象に対して何とかせいということを国会は決議をした覚えがないわけでございます。 いまのあなたの話を聞きますと、中小企業の政策金融の方は、普通の金融機関のベースには乗らない、乗らないものだから何とかというので制度金融をやって、普通の条件では乗らないものを乗せて金融の道をつけよう、いわば社会福祉的感覚であって、これは全然違う話です。それを政策金融の方と話がつかないからだめだと言うのだったら、何ぼでも解決しようがあるのであって、中小企業の方はもうやらない、中小企業というのは法律上はっきりしているわけですから、それの対象には別に調査する必要なし、こうやって大型の方だけやればまとまる。大蔵省はどういう感じを持っていますか。
○宮本(保)政府委員 お答え申し上げます。 私どもといたしましても、ただいま検査院長あるいは官房副長官から御指摘ございましたような感じの考え方でいるわけでございまして、一般論といたしまして、やはり民間の企業活動に対しまして国家権力が過剰に介入するようなことになっては困るんじゃないか。それから、いまおっしゃいましたようなことで、やはり借りる方の心理的圧迫というようなこともございますので、政策金融が有効に働かないんじゃないかというふうな点。それから、それは中小企業や農民の方々はそうかもしれぬけれども、大企業はそんなことじゃないんじゃないかというふうな御指摘もございましたけれども、大企業側といたしましてもいろいろと、たとえば開銀等でございますと、開銀自体がさっき御指摘の内部監査というふうなことを厳密にやっております。特に、融資に当たりましては通常の金融審査のほかに契約書とか領収書等につきましてもチェックするなど、資金使途の確認を厳格に行っておるわけでございまして、そういう意味におきまして、私どもといたしましては、あれこれ含めまして、検査院法を改正いたしまして権限を強化するということについては消極的な考え方を持っております。
○永末委員 大蔵省は中小企業についてはいいんですな。
○宮本(保)政府委員 中小企業の場合には借り受け側の心理的圧迫というふうなことが特に強かろうと思いますので、中小企業につきましても消極的に考えておるわけでございます。
○永末委員 日本語はあいまいですが、いいというのは法律をつくらぬでよろしいというわけでしょう。
○宮本(保)政府委員 そのとおりでございます。
○永末委員 通産省……。
○山本説明員 中小企業関係につきましては、先ほど来お話しございますように、実際に政府関係の人が調べに来るということは非常に心理的な圧迫も強うございますし、かたがた特に小さい事業者にとりましては現実の経理的な用意も非常に不十分であるということで、むしろ金融機関がこれに対していろいろ指導しながら貸しておるという実情がございまして、こういう状況に照らしますと、法律上の調査権限ができるということにつきましては、今後の政策金融の展開については非常に問題があるのじゃないかというふうに考えております。
○永末委員 そこで官房副長官、大蔵省と通産省は中小企業者向けの政策金融について会計検査院が調査権を持つのは困るという話で、それはやめたらいいと思うんですね。みそもくそも一緒にしないで、大企業向けのやつの法律をつくるという決心をされたら問題は半減すると思いますね。 大蔵省の話を聞いていると、いや開銀だって自己監査をやっていると言う。しかし、やっていると言ったって、やっているんだったら堂々と検査院の調査を受けたらどうですか。内部監査ならちゃんとやって、検査院が来たらこわいと言う。鬼じゃあるまいし、だれでも出していいものは出して見せたらいい。 それから、国民の金を借りているような大企業が会計検査院がこわいなんて言ったら、それは出している国民の方から何をやっているのかな、財官癒着かなというような、そういう感じになりますね。国会が決議して、やれやれと言って、独立機関である会計検査院がこうこういう程度ならやろう、検査ではない、調査なんだ、こうやっておるのを内閣が握りつぶしているというような形がいいんですかね。
○加藤(紘)政府委員 ただいま大蔵省の方で指摘した問題点がございます。そして、現実に、先ほど来知野院長がおっしゃいましたように、肩越し検査という形で実質的な調査には各政府系金融機関も御協力いたしておりますし、またそれで、その使途目的がしっかりしているか等も含めまして調査の実はかなり上がっているのではないかな、こう考えております。結局、私的な経済活動に対して公的な権力がどこまで介入するかというバランスの問題であろうかと思いますけれども、その点も実際上肩越し検査で協力することでかなりの実を上げられるというふうには思っておりますけれども、その辺のバランスを、今後ともどのようにして実を上げていくか、関係省庁、検査院両方の意見を聞きながら検討を続けていきたいと考えております。
○永末委員 三年前のロッキード事件以来、国会で輸銀に対して質問をする、あるいは会計検査院に質問しても、相手方は私企業でございましてそういうことを調査する権限がないとかなんとか言って確たる答弁が得られなかったのが実情なんです。だから、国会が公的機関であり独立機関である会計検査院に調査権を持たして——肩越し検査で協力してもらえればいいが、痛いところは見せないのが人情でございますから、それを見せないままでいいのかどうかというところの判断は、国会としてはそれは調査権を与えるべきだ、こういうことで決議をしたわけであって、それを受けて事態が進行しているのですから、うまくいっているはずだ、うまくいっているはずなら国会が決議するはずはございませんね。そういう意味合いで、やはり独立機関である会計検査院の意見というものを内閣が重くお取り扱いになるのなら、この問題は大蔵省とならどうやってやるのかという方法論の話に入って、法定を急ぐべき問題である。いまあなたのお話を聞きますと全く意見が違って何ともならぬ。これは何年たっても、大平首相は鋭意検討するという言葉が好きだけれども、何年かかるのか言わぬというわけでございましてね。どうですか。
○加藤(紘)政府委員 繰り返して申し上げますけれども、政策金融に支障を与えないようにしながら、どのようにして会計検査の実を上げるようにやっていけるかということを今後とも検討を続けていきたいと思いますし、現実に会計検査院の方と制度融資担当者の間でその努力は現在続けているところでございます。
○永末委員 先ほどから会計検査院の検査能力、調査能力についていろいろの質疑があったわけです。私も質疑をいたしましたが、どうも見たところ、検査が、検査院当局が納得いけるまで十分にやっている構えになっておらぬと思うのですね、人数も不十分なようだし。ということになりますと、独立機関だから会計検査院はこれだけの予算をもらったらもっとやれるんだという考えがあるかもしれない、遠慮されて言わぬのかもしれませんが、内閣はそういう会計検査院の予算に対する要求があれば、国民はいま行政府、まあわれわれから言えば自民党政府のつくっている行政システムそのものに非常な疑惑の念を抱いている、行政改革は一つの方法です、しかしもう一つ検査院の能力を高めて、そして政府が政府機関の中で十分この国民の期待にこたえて、行政効率が上がり、それがまた正しく行われるようにしていくのだということを見せることも国民に安心感を与えるものだ。その一つとして予算の問題もございます。いま何も予算の陳情をやっているわけではございませんが、そういう気持ちを内閣が持っておれば、いまの検査院法改正の問題ももっと違う角度で取り扱いができる。会計検査院と大蔵省と通産省と同列に置いて考えておったらこれはできない問題である。 その意味合いで、あなたが来られる前に会計検査院百年の歴史を回顧しておったわけでありますが、まあ、みんな百年ですけどね。その意味で、独立機関としての会計検査院の重みというものを内閣は一体どう受けとめておられるか、お答え願いたい。
○加藤(紘)政府委員 その独立行政機関としての会計検査院の任務というものを私たちも十分に重く見ているからこそ、検査院の方からいただきました案について官房長官がみずから鋭意二日にわたって努力の調整をし、また今後も続けていくつもりでございます。 予算の職員定員の問題については、その仕組みを私いまちょっとつまびらかでありませんが、予算期に大蔵主計の方に御要求があるのだと思いますけれども、その段階で検討させていただきたいと思います。
○永末委員 会計検査院も百年の歴史を持ち、そして百年目と言ったら言葉は悪いのですが、いまのような政府の行政機能の拡大とともに、最初考えられておった検査の対象、調査の対象が拡大していくことも、これはやむを得ぬことだと思う。したがって、新しいことをやるためには、古い権限を持っておるところの官庁は抵抗するに決まっておる。それをやはり判断するのは内閣の政治的機能でございますので、あと百年たって、私は生きておりませんけれども、とうとう調査権も持たさなかったなと言わぬようにがんばってください。 終わり。
○高田委員長 次回は、来る二十日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時十一分散会