外務委員会 第4号
- 発言数
- 32 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1980/02/22
会議録
○中尾委員長 これより会議を開きます。 関税及び貿易に関する一般協定の譲許表の変更に関する第四確認書の締結について承認を求めるの件等ガット東京ラウンド関係諸協定十件を一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。奥田敬和君。
○奥田委員 きょう、東京ラウンド関係の諸協定の審議入りのスタートでございます。 全般的な問題からお伺いしたいわけでございますけれども、この東京ラウンドは六年越しの長い交渉でもございました。ある新聞論調によると、マラソン交渉という適切な表現をしておりますが、大変な時間をかけられ、私たちの手元に届いた関係資料だけでも英文で三千ページに及ぶ。したがって、私のごときは、本当にきょうの質問で適切な質疑ができるかどうかということを、自分自身もつけ焼き刃の勉強で危倶しておるわけでございますけれども、交渉に当たられた当事者の皆さんからできるだけ適切な御答弁をいただきたいと思います。 この六年間、どちらかというと、こういった各経済摩擦が最近特に顕著でございます。保護主義と申しますか、こういった傾向にあることも大変懸念をいたしております。 そこで、まず第一に、大臣にわざわざ御出席いただいておりますからお伺いしたいわけでございますが、今度の東京ラウンドの成果、こういった保護貿易主義に対する防遇の役割りを果たしたと自信を持って考えられるかどうか、わが国の国益を踏まえて交渉に当たった当事者として、東京ラウンド成果の総体的な評価についてまずお伺いしたい。具体的に大体何点くらいがんばったつもりだという形でお答え願えれば大変ありがたいと思います。
○大来国務大臣 ただいま御指摘ございましたように、この六年間の長い交渉の末まとまったわけでございますけれども、その間、石油危機その他いろいろ問題もございまして、一方、先進国の一部にも保護主義的な考えが強まるような傾向もございましたが、それにもかかわらずこの東京ラウンドの諸合意に到達したということは、各国が、保護主義にいかないで開放的な経済をお互いに維持拡大していこうという考え方を再確認をいたしたという意味で、非常に東京ラウンドは意味があるように存じます。 関税の相互引き下げということで、全体として三三%の引き下げ、これは前のケネディ・ラウンドと同じ率でございますけれども、ケネディラウンドで相当低くなった上に、さらに三三%引き下げたということでございますので、相互の関税引き下げに大きな前進が見られたということ、それから、非関税障壁が今回は大きく取り上げられまして、関税以外の面での貿易障害要因をできるだけ減らしていくという合意に到達したということ、こういうことについての、保護主義に向かわないで開放に向かうのだという各国の姿勢が示される、それが合意されたということが重要な意義だと思うわけでございます。 ことに日本の場合は、貿易立国という点もございまして、いわゆるガット体制の中で、日本の経済の拡大、日本国民の生活水準の引き上げに大きな成果があったと思われるわけでございまして、ことに日本のように資源のない国、製品の輸出によって食糧やエネルギーその他の必要なものの輸入を賄わなければならない国にとりまして、世界の貿易が開放体制をとるということは、日本の経済の将来あるいは国民生活の将来にとっても重要な意味を持つと思いますので、そういう意味で、大きな日本自身の国益から見てもプラスの面があるように思います。 いま奥田先生から全体、点をつけろということでございますが、なかなか何点ということを申し上げにくいのですが、及第点プラスアルファというようなことではなかろうかと考えております。
○奥田委員 ただいま外務大臣から全体的評価について、及第点というと六十点プラスアルファ、謙虚な御答弁なのか自信のある答弁なのかちょっと迷うわけですが、それでは、この六年間のマラソン交渉で大変な努力をされた関係各省はそれぞれいかに評価するか。採点するとすれば、またいまのような形でお答えしていただきたいと思います。また、成果に減点があるというか、マイナス面があったとすれば、その点について簡単に説明を加えていただきたいと思います。 まず大蔵省には、関税引き下げのそういった成果について、その及ぼすところの影響を簡単にお答え願いたい。 〔委員長退席、佐野委員長代理着席〕 次に、通産省、国内産業への配慮という面も踏まえて、最近とかく相殺関税なりいろいろな面で、経済の面が日米間においてもぎくしゃくしておりますし、こういったセーフガードと申しますか、等々について大変苦労なさったようですから、その点について採点とともに通産省の意見をお伺いいたします。 また、農水産関係については非常に厳しい批判もあるわけでございますが、こういった農水産物交渉あるいは量的な面で御苦労なさった農水省の担当者の意見、自己評価も踏まえてお聞きしたいと思います。 まず大蔵省から……。
○野崎説明員 御答弁申し上げます。 ただいまの御質問に関しまして、関税政策を預かります大蔵省といたしましては、基本的には自由貿易を推進するというわが国の立場に立ちまして、対外的には全般的な相互主義という観点から、また対内的には各省間のバランスを図り、また国内産業への影響という観点から総合的な調整を図るということで対処してまいったわけでございますが、先生御承知のとおり、今回の交渉によりまして約三分の一関税率が引き下げられるわけでございますか、主要交渉国でございます日米、ECを見ますと、全品目につきまして、日本につきましてはベースレートが五・八%でございましたのか三%前後に引き下がりますし、アメリカにつきましては六%から四%強、それからECにつきましては五%弱ということになっております。御承知のように、前回のケネディ・ラウンドにおきましても、約三分の一程度の関税引き下げが行われたわけでございまして、その結果、日本を含めまして世界じゅうの貿易が順調に拡大したということでございます。 そういう観点から考えますと、今後とも貿易に依存する度合いの強い日本といたしましては、今回の関税引き下げによりまして、貿易のさらに一層の拡大を通じまして、東京宣言の目的にもございますように、日本を含めて諸国民の所得の向上ということに役立つものというふうに評価いたしております。
○内村説明員 通産省は貿易政策及び産業政策を所管しておりますが、東京ラウンドにおきましては、わが国産業が外国へ輸出する場合にいろいろ保護主義的な動きがございますけれども、国際的なルールを確立することによりましてそういった動きをなくするということが一つのねらいでございました。 また、もう一つは、わが国産業は一般的に競争力が非常に強いわけでございますが、中には中小企業のように非常に構造的に競争力の弱い産業もございます。これを今度の東京ラウンドを通じます関税引き下げやその他の措置によって過度の影響を受けないようにいかに配慮するか、こういう二点を配慮したわけでございます。 まず、わが国の対外的な面について申し上げますと、東京ラウンドにおきまして各国の関税がかなり引き下げられました。主要国を平均いたしますと、鉱工業品については大体三分の一程度の引き下げになっております。これによりまして関税障壁が大幅に軽減されたことは、わが国産業の輸出のために非常に大きなメリットであろうと思います。 また、各種のコードによりまして国際的な貿易ルールが確立したわけでございますが、相殺関税につきましては、アメリカではよく相殺関税調査をいたしますけれども、従来は相殺関税を課す場合に、その国内の産業に損害がなくても相殺関税を課すというルールがあり、アメリカではそういうルールであったわけでございますが、このたびの国際東京ラウンドによりまして、アメリカも損害がない場合には相殺関税を課さないというふうな制度に変わりました。これはすでに一月から実施されておりますけれども、わが国の従来問題になって調査中でありましたケースのうち一、二、この新制度によりまして白と申しますか問題なしという決定が、すでに出たのがございます。そういうことで、相殺関税制度の改正は非常に大きなメリットであったと考えております。 また、関税評価制度につきましても、ASP制度その他非常に不適当な関税評価制度がアメリカにはございましたか、これも東京ラウンドの結果なくなりました。 さらに、バイアメリカンという制度がございましたが、これも緩和されるということになって分りまして、対米輸出につきましてかなり大きなメリットがあったというふうに考えております。 一方、ちょっと残念でございましたのはいわゆるセーフガードでございますが、セーフガードにつきましては、今度の東京ラウンドで保護主義的な動きを阻止するいろいろな歯どめをつけようということで、わが国は各国と協力いたしまして大いに努力いたしたわけでございますが、残念ながら、このセーフガード協定はいまだ締結するに至っておりません。ただ、今後とも検討を続けるということになっておりますので、大いに今後ともセーフガードシステムの確立に努めていく必要があろうかと存じます。 国内問題について申し上げますと、関税の引き下げ等につきましては、中小企業に対する考慮あるいは構造的に不況な産業に対する考慮は十分いたしております。たとえて申しますと、繊維関係につきましてはほとんど現在の実行税率そのままをオファーいたしておりまして、実際上引き下げにならないことになっております。また、雑貨の一部その他につきましては完全に交渉の例外といたしております。そういうことで、困難な産業に対する配慮は十分いたしました。 一方、競争力の強い産業につきましては、通常のルールによるカットよりもさらに大きくカットいたしまして、非常に競争力の強いわが国の輸出産業のようなものにつきましては大幅なカットをやっております。それによりましてバランスをとりまして各国の了承を得ておるわけでございます。 以上のとおりでございます。 点数の点は、私どもちょっと申し上げるのはなにでございますけれども、八十点以上は行ったのではないかという感じを私どもは持っておるところでございます。
○山崎説明員 私ども農林水産省といたしましては、この関税交渉の成果の評価というものにつきましては、国内の農業保護という観点からすることになろうかと思います。 そういう観点からいたしますと、交渉の過程におきましては輸出国側からかなり強い要求があったわけでございますが、わが国の困難な農業事情というものにつきまして粘り強く説明をするということで交渉に当たりまして、その結果といたしまして、わが国の農業生産や農家経済に悪影響を与えることのないような結果で収束を見た。他方、主要交渉相手国につきましてはわが国の農業事情について十分な理解が得られたというふうに私ども考えております。そういう意味では、率直に申し上げまして、交渉の過程ではかなりわが方としても出血をするような事態もあるかと懸念したわけでございますが、そういうことは全くなく収束いたしまして、ある意味では期待以上の成果であったということが言えるかと思います。 他方、残念でございましたのは、わが国が輸出農産物につきまして十八品目ほどリクエストをいたしたわけでございますが、これにつきましてはわずか五品目しか譲許が得られなかったという点でございます。 このようなことを総合的に勘案いたしますと、点数ということにつきましてはいろいろ主観がございますが、少なくとも私ども交渉に当たりました当事者といたしましては、満点とは言、えないまでもかなり高い点数がつけられるのではないかというふうに自負しております。
○奥田委員 東京ラウンドの評価については いま実務を担当した皆さんから大変自信のある、ベストに近い自己採点でございました。 個々の問題点に触れていきたいと思うのですけれども、国内にもいろいろな批判、意見もございます。わが国としては大変受諾を急いでおられます。これは外務大臣が三月訪米日程もあるということでもございましょう、あるいは一月一日からもうすでにECあるいはアメリカが実施に踏み切っている、貿易立国日本はもっと早くやれというような各国要望も強いと思います、等々の理由で急がれるのだと思いますけれども、大臣からまずそのことをお伺いしたい。 というのは、いま最近の一部論調という形で挙げましたけれども、具体的に言うと、私の手元には赤旗あたりが——権威のある政党機関紙てございますけれども、手元にあるもので十二月十九日、二十日、主張並びに東京ラウンドに関するいろいろな解説記事の中で、非常に厳しい批判を含んでおります。特に、いま通産省あるいは農林省から自信のあるお答えがございましたけれども、この中小企業、農業への影響が大きいという形だけじゃなくて、表現をかりれば、今度の「関税引き下げが輸入激増に道を開く」、たとえばこれによって「果樹農業に壊滅的打撃」という表現まで使っておられるわけです。また、ここに例を挙げて「中小零細企業に重大な打撃となる」、特に具体的に「家具や合板、工具、菓子、各種化学品など」例を挙げられております。むしろこの論調から言うと、早期批准は国益に反するともとれる厳しい内容を含んでおります。 したがって、まず大臣から、いま当面指摘した柑橘類関係の業者が壊滅的打撃を受けるのか、それともいま言われたように受けないのかという農水担当、そしてまた合板メーカー、零細家具、菓子業者等々、中小企業、零細企業に対する諸施策を担当している通産当局の意見も踏まえて、この批准を急ぐ理由についてお伺いしたいと思います。
○大来国務大臣 第一には、これは国際的な申し合わせで、できるだけ各国パッケージとして東京ラウンドの合意事項を速やかに実行に移す、できるだけ今年の一月一日から実行に移すという各国間の了解がございまして、それぞれ国内手続の完了を急いできておるわけでございます。ただいま奥田先生からも御指摘のように、アメリカ、EC等はすでに完了しておりますし、そのほかスイスとかスウェーデン、そういう主要先進国の手続も終わっておりまして、世界の大貿易国でございます日本がこの手続を終了することを諸外国が非常に大きな関心を持って注目しておる事態でございまして、万一これかおくれるようなことになりますと、日本は、これはお互いに譲り合うわけでございますから、もらう方だけで自分の方は国内手続が終了しないということで出さないというようなことになりますと、これは重大な国際的な信義に反する結果になる、あるいはそのことを口実にして日本に対する貿易上のいろいろな制限というようなことも起こってこないとも言えないわけでございまして、こういう点から申しますと、日本自身としてもできるだけ、一日も早くこの国内手続を終了する必要があると考えるわけでございます。 そういう点で、ただいま御質問ございました農業あるいは中小企業等への影響という点については、それぞれ担当の各省から御答弁をいただいた方がいいと思いますが、先ほどの各省からの発言にもございましたように、農業及び中小企業に対する直接の打撃はできるだけ軽減するというたてまえでいかれたと思いますし、他方におきまして、私もこの赤旗の記事ないし主張を拝見いたしましたが、こういう農業、中小企業の部面につきましては、いわゆる世界の貧しい国、開発途上国から先進国市場開放の要求が非常に強いわけでございまして、この点はある程度世界の貧しい国の立場を考えていかなければならないという、ある意味ではジレンマがございますけれども、今回は、その間国内への影響をできるだけ少なくしながらそういう開発途上国等の要求にもこたえるという形になっておるのではないかと考えるわけでございます。
○内村説明員 お答えいたします。 中小企業その他構造的に困難を抱えている産業につきましては、関税引き下げその他につきまして十分配慮いたしたことは先ほど御説明したとおりでございます。たとえば繊維製品、それから花火とか、かさ、それから安全かみそりの刃とか歯ブラシ、こういったものにつきましては、関税の引き下げを事実上行わないということにしております。 先ほど御指摘のございました工具及び家具でございますけれども 工具につきましてはこの東京ラウンドにおきましても十分実態を調査いたしまして、特段の配慮をしたわけでございます。御承知のとおり、この業界は昭和三十八年から昭和四十九年まで中小企業近代化促進法の適用を受けまして、設備の近代化、省力化、それから製品の品質向上等を図ったわけでございます。また、昨年十二月には、さらに再度中小企業近代化促進法の指定業種にこの業種を指定いたしまして、近代化に努めておるわけでございます。その成果がかなり上がりまして、現在かなり高級品ができるようになりまして、対外競争力も強まってきております。もちろん関税につきましても、具体的に申し上げますと、現在実行税率が六%でございますけれども、これを八年間にわたって少しずつ下げていって三・六まで下げるということにしておるわけでございまして、八年間徐々に下げていくと同時にこの産業の近代化も進めていくということで十分対処していけるということは、われわれ、業界とも共通の認識に立っておるわけでございます。 また、家具につきましては、家具は御承知のとおり非常に耐久消費財でございまして、品質の点が非常に重視されるわけでございまして、価格の問題というのはそれほどの問題はないかと考えております。これは一般的にそういうことでございます。また、わが国の家具は輸出も相当しておりまして、輸出と輸入がほぼバランスしております。そういった点から考えますと、輸出促進という点も大いに考えていく必要があるというふうに考えております。家具につきましては、特に関税の引き下げ率はきわめて小さいものでございます。たとえて申し上げますと、いろいろございますけれども、いすなどについて申し上げますと、革張りのものが八%が五・四に下がるということでございますが、これも八年間に少しずつ下げていくということでございます。またトウ製のものにつきましては、六%のものが五・七ということでわずか〇・三%でございますが、これを八年間にわたって下げるということにしておるわけでございます。 例といたしまして二つ申し上げましたが、いずれにいたしましても、各業種ごとにきめ細かく検討した結果、こういう関税率の引き下げを各国にオファーしたということでございます。
○山崎説明員 私ども農産物交渉に関しましては、わが国の農業は経営規模が零細であり、かつ自然条件等にも恵まれないというようなことで、国際競争力を欠いているというような事情を十分に配慮いたしまして交渉に対処してきたわけでございます。幸いにいたしまして、農業につきましては、各国ともそれぞれ固有の農業問題というものを有しておりますために、工業品とは異なる関税交渉方式がとられております。先生御承知かと思いますが、工業品につきましては一定の公式によりまして原則として関税引き下げを行うという方式でございますが、農業につきましてはリクエストオファー方式と申しまして、輸出関心国の方からこれこれこういうものの関税を引き下げてほしいという要望があり、それを受けまして輸入国の方がそのうちできるものについてできる範囲でオファーをするという方式でございました。そういう交渉方式がとられましたので、私どもはオファーに当たりましては、国内的に問題のあります産品につきましてはオファーを行わない、あるいは据え置きのオファーにとどめるとか、さらに仮に引き下げを行う場合につきましても、国内に影響がない範囲で非常に小幅な引き下げを行うというようなことで対応をしたわけでございます。したがいまして、今回の交渉の結果というものは、先ほども申し上げましたように、わが国の農業生産並びに関連産業、あるいは農家経済に悪影響を与えることがなかったというふうに私どもは考えております。 先生から具体的に御指摘のございました、たとえば柑橘につきましては、交渉の過程におきましてアメリカからオレンジの自由化というような強い要求がされたわけでございますが、私どもそういうことはとても受け入れられないということで交渉いたしました結果、結果的にはミカンのシーズンオフでございます六月−八月を中心にオレンジの輸入枠の増大を行うというようなことで収束を見たわけでございます。これは国内の柑橘産業への影響というものは全くないとは言えないかもしれませんが、まず懸念するような影響はないというふうに私どもは考えております。 それから食肉につきましては、これも米、豪州等から要求がございまして、一九八二年度に十三万五千トンの輸入が行われるという需要見通しのもとに双方が努力するということになっております。ただ、十三万五千トンと申しますのは、たとえばことしの輸入割当量が十三万二千トンでございまして、今後の国内の需要増というものを見ますと、国内生産の伸びを勘案いたしましても十分に吸収し得る量であるというふうに私どもは考えております。 それから、たとえば農林関連の中小企業、菓子につきましては、これもECあたりから強い要求があったわけでございますが、国内の産業に影響がない範囲で、きわめて小幅な引き下げにとどめるということで対処したわけでございます。 さらに合板につきましては、これは現在近代化を図っている過程にあるということがございますので、特に関税の引き下げ開始時期を八四年度からにずらすというような配慮をいたしておりまして、かようなことを総合的に申し上げますと、先ほど申し上げましたように、懸念されるような悪影響はないというふうに私どもは考えております。
○奥田委員 お聞きしますと、懸念したような形が少し薄らいだわけですけれども、中小零細企業に対する配慮、農林関係者に対する影響等々を十分配慮して交渉に当たったようでございます。 ところで、東京ラウンドの総括的な質問の締めくくりになりますけれども、ガット体制そのものの問題にも関連するわけですから、最近のアメリカとの経済問題、特に自動車が大きな問題点となって指摘されているわけですが、こういった東京ラウンドの諸成果とは別に、最近はアメリカ、ECとの間で繊維の問題、特に化学合繊だと思いますが、この問題をめぐっていろいろ厳しいEC側の態度に悩まされておる。一方アメリカは、報復的に今度は鉄鋼でお返しをしようとしているというような、日、ECや、アメリカ、EC間にもきわめて深刻な問題があるように聞いております。 ところで、この自動車問題ですが、私はニクソンがかつて繊維で非常に——私たちは繊維ショックということで、私の選挙区の石川も対米輸出の大変大きなシェアを持っていたものですから、私はアメリカにすっ飛んでいって、いま大使になって来られているマンスフィールドさんやいろいろな皆さんにこういった実情説明に参ったことがございます。また、カーターさんのときはテレビの問題でした。私はちょうど外務政務次官をやっておりまして、テレビの洪水輸出の問題でアメリカへ行ったことが記憶に生々しいわけでございますが、どうもアメリカの大統領選挙の年は大変日本にとっては危険な年である。パールハーバーになぞらえてテレビや繊維がやられたように、今度は自動車に対して非常に感情的になってきておるという感じがしてならないのです。大統領選挙のいけにえに自動車を持ってくるというような、上、下院選挙年でもございますし、どうしても冷静な、いわばフェアなルールで話し合いでいくというガット精神から、逆に何かそういった多分に感情的な面もまじったような経済紛争が勃発するような気がしてならないわけでございます。 先般、全米自動車労組会長ですか、フレーザーさんがお見えになっておられましたけれども、大体総体的にヒステリックな発言が多いと私は思います。しかし、日本車は相当量輸出がふえておる。これはまあ、こういった省エネルギー時代に燃費効率の高い日本車、大型車から中、小型車へというアメリカの市民の需要、ニーズにこたえておるわけで、アメリカのメーカーも小型車に対する対応を自分が怠けておくれておったのを、まるで日本を悪者にしておるような形ですが、それでフレーザーさんなんかが言うようにOMAですか、あるいは自主規制を求めるという動きも伝えられてきておるわけです。けさの新聞にも、日本輸入車をやり玉にして市場秩序協定、OMAを提唱しているようなそういった動きもあるわけです。 そこで大臣にお伺いするのは、これは無理なのかな、通産省かな、やはりこういうときには相手はもうとてもヒステリックに出てきているんで、論理的にセーフガードとか、こういったOMAはとてもできないと思うのです。損害立証をするのにも理論的には非常に薄弱だと思います。かといって、わが国の対応としてはことさら柔軟にやはり対応していく姿勢が必要だと思います。何といったってアメリカは大切なマーケットです。まあ年間輸出車の中の四割近い形がこうしてアメリカにラッシュして輸出しているわけですから、消費者のニーズにこたえているとはいうものの、やはりこれは大変大切なマーケットでございますし、この日本のメーカーも部品調達をできるだけアメリカで現地でやろうとか、あるいは一部工場進出を検討しておるとか、結構なことだと思います。ダンピング批判、こういうことはないわけですから、むしろ値上げでもうけ過ぎじゃないかということもあるようで、私たちの目から見るとそういった動きも、これもまた一つの対応策であろうと思います。 そこで、これは通産当局かもしれませんけれども、こういった緩和策あるいは柔軟な対応策というものを検討されておると思いますが、業界との懇談も重ねられておるようでございますけれども、どうなんでしょう。何か具体的な解決に当たって発言していただけますか。
○大来国務大臣 自動車問題につきましては通産の方から御回答願いますが、一般的に申しまして、私も先般来日しましたフレーザー氏とも会談をいたしましたが、基本的には日本から対米投資をしてほしいということでございまして、一体投資と輸入制限とどっちに優先があるのかということも率直に聞いてみましたが、それは投資だという返答でございました。それからワシントン方面からの情報でも、いまのところ政府筋はこの輸入制限あるいはOMAについても要求は出ておらないようでございます。これはガット、東京ラウンドの精神から申しましても、政府筋としてはできるだけ自由貿易、開放経済の線をとらなければならない国際的な義務があるという点もあるかと思うのでございますが、ただ反面、労働組合、業界あるいは議会筋、ジャーナリズム、あっちこっちにいろいろ声が上がっておることもございますので、全般の情勢を見ながら対応を考えていく。基本的に日米関係に余り大きなヒッチを起こさないという考慮は、これは外交上からも重要な点でございますので、そういう点も含めて考慮の必要があると思いますが、あと具体的な点につきましては、通産の方からお答え願いたいと思います。
○横山説明員 お答えいたします。 日米自動車問題につきましては、私ども基本的には、ただいま外務大臣から御答弁がございましたように、アメリカにおきます各方面の意見を慎重に見きわめまして、先生がただいま御質問の中にも御指摘のありましたように、投資等応じ得るものは積極的にその声に応じていく、あるいはわが方が主張すべきものは積極的にこれを主張していくという態度で臨みたいと考えております。 正直申しまして、どうも伝えられます声が輸入制限等貿易を制限するような方向の声がややもすれば大きいわけでございますが、アメリカの中にも最近は有力な新聞がこれに反対する社説を掲げる等、各種の意見がございますものですから、私ども、ただいま申しましたような態度で対処をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○奥田委員 確かに大人同士の話し合いになっていっていただきたいと思います。いまも通産当局からお話がちょっとございましたけれども、確かにアメリカのロサンゼルス・タイムズにしろニューヨーク・タイムズにしろ、まあ一流紙と言われている日刊紙、これがやはり自動車問題についてのいろいろな論調を掲げておりますけれども、大変クールな見方をしているので私たちも喜んでおります。輸入規制を打ち出すようなことは、保護主義で米国製品に対する報復を招くだけで意味がない、究極的には日米両国がこのために大変大きなマイナスをすることになるのだという見地で述べておられます。特に、アメリカで日本車が多く売れるのは、アメリカ車の同程度のものと比べて安いからではなく、日本車の燃費効率がよく、品質がしっかりしている、選択の自由は当然消費者側にあるという形で、単なる自動車メーカーの非難、輸入数量の規制等々で抑え込むべきじゃないという形を述べております。ですから、こういったクールな論調も確かにあるわけですけれども、私が先ほど言いましたように、大人同士の話し合いに持っていってほしい、そしてこういったクールな、日本車の急増に対する好意的な論調も見られますけれども、これだけに甘えてはいけない、大事な日米関係に誤りなきように柔軟な対応で臨んでほしいということを心から要望いたしておきます。 そこで少し時間がありますから、これから協定各論に移りたいと思いますが、先ほど農水産物や中小零細企業に対する影響についての御答弁をいただきましたけれども、やはり一部の反対の論調の中には、発展途上国問題について東京ラウンド全般は十分な配慮をしてないんじゃないかというような形もあるわけですけれども、これを最後にちょっとお聞きしておきたいと思います。
○手島政府委員 お答え申し上げます。 一時、発展途上国が東京ラウンドの結果に満足していないのではないかということが言われまして、また事実そういうことを発展途上国側でも述べていた経緯がございますけれども、いまここで取りまとめまして、現在発展途上国がどういうふうに考えて行動したか、そして今後どういう方向で動こうとしているかということについて御報告をさせていただきたいと思います。 まず第一に、発展途上国が東京ラウンド交渉の結果に背中を向けているということはございません。これは、昨年の十一月にガットの総会が開かれまして、今度の東京ラウンドの結果を総会にかけたわけでございます。この総会におきましては、発展途上国を含みますガットの全加盟国が満場一致でこの成果を了承をしておるわけでございます。さらに、ことしの二月現在で、発展途上国のうち二十二の国がこの交渉の成果にみずから署名をし、あるいは参加の意思を明らかにしておりまして、たとえばアルゼンチン、ブラジル、インド、インドネシア、香港、エジプト等というような、常にガットの活動に積極的に参加している国はこの二十二のうちにすべて含まれておるわけでございます。 東京ラウンドの始まりますときに、東京宣言というものを採択をしたわけでございますけれども、この東京宣言の中で、発展途上国の貿易にとっての追加的の利益ですとか、あるいは相互主義を期待しないとか、そのほかいろいろな発展途上国の立場を考えた交渉方針というのが決められておったわけでございます。 その成果の中にもまた現実にそれが反映をされておりますので、その幾つかを御紹介させていただきますと、まず最初に、熱帯産品の関税の引き下げというのがございます。これは、熱帯産品は交渉の中におきまして優先的にしかも早期に実施をすべき分野だということになりまして、一九七七年からもうすでに、ほかの関税についてはまだ交渉がまとまらないうちに、熱帯産品についてはその引き下げの実施をいたしまして、日本、EC、カナダ、北欧等九カ国全部で九百四十品目の熱帯産品の関税の引き下げを実施しております。日本についても、その七七年の四月一日にバナナとかカシューナット、紅茶等八十品目について、関税の引き下げをすでに実施したわけでございます。 そのほか、熱帯産品以外ということでの交渉の中におきましても、できるだけ多くの関心品目というものを含むように努力をいたしまして、たとえば日本について申しますと、エビ、コーヒー、紅茶、ヤシ油、パーム油、ヒマシ油、パイナップルかん詰め等について関税のオファーをしております。 また、そのほかコードがたくさんできておりますけれども、この中にも発展途上国に特別に配慮するという条項が各所に入っておりますが、その詳細は省略させていただきます。 そのほかに、これからの発展途上国の取り扱いについてのガットとしての方向づけというものを決める決定が昨年の十一月の総会で出て採択をされたわけでございますが、この中では、たとえば発展途上国に従来から与えております関税上の特恵というものがございますが、この関税上の特恵がガットのMFN、最恵国待遇からの逸脱であるという仕組みになっておりましたのを、今後は途上国に対しては一般特恵制度に基づく特恵待遇というものを与えてよろしいという、いままではその例外として特に承認をしておったのを、今度は積極的にそれを認めるようなことを定める等の措置をとっておるわけでございます。 こういうふうなことですが、発展途上国の方がどういうふうに動いてきたかということを見ておりますと、どうも昨年の五月のUNCTADを境にして彼らの態度が少しずつ変わってきたような印象を持っております。UNCTADの総会前にアルーシャで発展途上国が集まりまして東京ラウンド交渉に対する注文を彼ら同士で決めたときには、たとえば繊維とか皮革とかゴムとか、そういったような発展途上国の産品の関税を下げ、さらに、輸入を制限している場合にはこれを取り除けというような主張ですとか、あるいはコード類の中に決められている義務を発展途上国については免除しろとか、あるいは発展途上国が完全に満足しない限りMTNの交渉は終結すべきでないというようなことを言っておりましたけれども、UNCTADの場においては調整がつきませんで、その後UNCTADの下にあります貿易開発理事会の方で交渉の成果を検討しろということで終わったわけでございます。その後秋にかけまして、先進国側としても途上国の説得に努めましたし、またある程度は途上国の要求を取り入れるという方向で努力をいたしました結果、最初に申し上げましたように、昨年十一月のガット総会では満場一致で東京ラウンドの結果を了承をしておるわけでございます。 今後しからばどういうことを考えておるかと申しますと、これも同じくその総会のときに決められたことでございますけれども、早期にこの東京ラウンドの結果を実施をして途上国にも利益を与えるということ、それから、発展途上国の利益と申しますか、先方の希望に留意しながら今後のガットの活動を行っていくというようなことが合意をされておるわけでございます。 ただ、最後に一言申し上げておかなければなりませんのは、では発展途上国として一〇〇%今度の成果に満足しているかと申しますと、それはそうではなくて、さらに発展途上国の関心の品目についての先進国側の貿易障害の軽減、撤廃ということの希望は残っているのだろうと思います。先ほど日本もこれだけ努力をしてきているということを申し上げた次第でございますけれども、やはり発展途上国の関心のある産品は国内の農業とかあるいは中小企業とかに関連のあるものもありまして、発展途上国との関係から見た場合に、では百点の努力をしたかと言われますと、そうではなかったと申し上げざるを得ないというふうに思います。 以上でございます。
○奥田委員 局長えらいたくさん話してくれましたけれども、開発途上国に関する措置として、それではいまもう一点だけ各論に入ります。 立ったついでと言ったらおかしいですけれども、引き続き答えてほしいのですが、世界貿易を規律するための枠組みの中で、いわゆる授権条項及び卒業条項というような言葉が使われておりますけれども、これはどのようなことなのか、簡単にぼくらにわかるような説明をしてください。
○手島政府委員 授権条項ということで言っておりますことの内容は、先ほどもちょっと触れましたガットの第一条に決められております最恵国無差別待遇、こういう大原則があるわけでございますけれども、これの例外といたしまして従来から関税上の特恵を発展途上国に与えておったわけでございます。ただ、ガットの規定との関係で申しますと、これはあくまで第一条の規定の例外ということで、一々ガットとしての了承をとるたてまえになっておったわけでございますけれども、今後はそういうことをやめまして、一般特恵制度に基づく特恵関税待遇は先進国として許与してよろしい。それから先ほどもちょっと触れましたが、東京ラウンドのいろいろなコード、協定の中で発展途上国に対する特別待遇というのがございます。あるときにはこれが義務の免除でありましたりあるいは適用の除外を認めるというようなことが入っておりますけれども、こういった特別待遇も与えてよろしいとか、あるいは発展途上国間でのいろいろな地域的な取り決めというものも、もちろん条件はございますけれども与えてよろしい。特に発展途上国の中でも後発の発展途上国というものに対してはさらに特別の待遇を与えてもよろしい、そういったようなことが決定されたわけで、これを私ども授権条項というふうに呼んでおります。 それから、卒業条項だったと思いますけれども、発展途上国もその発展の段階に応じましてだんだんと先進国と同じような行動をしてもらう、同じような権利と義務を守ってもらうように発展途上国の方としても努めると申しますか、そういうふうにいたしますというような条項がございまして、これが発展途上国からの卒業と申しますか、英語でグラジュエーションクローズと言っておるのですが、次第にほかの一人並みの権利義務関係を受諾していくというようなことでございまして、これを卒業条項というふうに呼んでおります。
○奥田委員 それでは各論で簡単に質問していきます。 わが国産品に対して従来アメリカが相殺関税を賦課するという事例が大変多発しておったわけでございますけれども、今度の補助金・相殺関税の協定でどのようなメリットが具体的にありますか。時間がないのだから答弁は簡単にやってください。
○松本(十)政府委員 今度の補助金・相殺措置協定によってわが国が享受するメリットを四つほど挙げてみますと、一つは、恣意的な賦課の防止。二番目は、各国の相殺措置制度の基本部分について整合性が得られる。三番目は、正常な競争条件への悪影響を除去するための国際ルール、もちろんこれは公正な国際競争、機会増大というのがねらいであって、内国補助金交付の権利は認めております。その上で正常な競争条件への悪影響除去のための国際ルールができる。四番目は、紛争解決の手続の整備、この四つだと思います。
○奥田委員 今度大幅に関税が引き下げられますけれども、わが国の関税水準は具体的にECあるいはアメリカと比べて平均水準としては一番低くなったということでございます。他国並みであればいいのであって、一番低くなったという形で説明を受けたわけですが、譲り過ぎの傾向じゃないの、関税当局。
○野崎説明員 お答え申し上げます。 先ほどちょっと申し上げましたように、鉱工業品の関税水準は、今回の東京ラウンドの結果、日本の場合は三%ぐらいになります。それからアメリカは四%、ECは五%ぐらいということを申し上げたわけでございますが、このようにわが国の引き下げ後の関税水準は米、ECよりも若干低くなっているのは御指摘のとおりでございます。これは主としましてわが国の輸入構造、すなわち原材料の輸入シェアが高くなっておりまして、かつこれらの品目には無税ないしは低関税が設定されているものが多いわけでございまして、そのような貿易構造を反映したものでございます。 ちなみに、総輸入額の中におきましてわが国の無税品のシェアは約五〇%近くなっておりますのに対しまして、アメリカの場合には二五、六%、ECの場合は三〇%台ということでございまして、こういう日本にとって必要な原材料等の低関税のものが全体の水準を引き下げているということでございまして、有税品で比べますと必ずしも大きな違いはないという状況になっております。 それからなお、関税引き下げの幅でございますけれども、日本の場合は五〇%の引き下げになっておりますのに対しまして、アメリカは三〇%、ECは二五%ということで、これも譲り過ぎではないかという御指摘かと思いますが、実行税率というのが別途日本の場合には設定してございまして、協定税率よりは大分低くなっている現状にございますので、実行税率からの引き下げで見ますと約二〇%程度の引き下げということになっておりますので、全体として主要国間ではバランスがとれているというふうに理解しております。
○奥田委員 スタンダード協定の項についてちょっとお伺いしますが、これは人命とか自然とかにかかわる形は、特例で各国独自の形でやっていい、独自基準というものでやっていいということになっておるようでございますけれども、たとえばこの協定締結をしても、自動車の場合を例にとりますと、排気ガス問題について、日本は世界でも一番規制が厳しいわけでございますが、こういった日本の国情に合った独自政策基準というものはこの協定にかかわらず守れるわけですね。
○松本(十)政府委員 協定は、各国が定める規格の内容や基準値それ自体を画一的に縛るということを目的としておりません。したがって、わが国の国情から必要な保安基準とか環境行政のあり方は、わが国の判断で独自に取り進めることができる。御質問の自動車の排ガス規制等につきましても、環境保全あるいは国民の生命の保護、健康の保持というようなことから言えるわけでありますので、縛られることはありません。そういうことで、今後の進め方としても、わが国の実情を十分説明しながら、わが国独自の行き方でやれますし、やっていこう、こういう考え方であります。
○奥田委員 関連しますけれども、外国の輸入車ですね、お互いのインバランスを解消するために輸入車に便宜を図るということもあるのでしょうが、何か日本の基準が厳しかったために対応措置がおくれて一年間延期してしまったというようなことがございましたね。いまでもそういった特例はやっているのですか。通産省、わからないですか。あれは何か輸入車で規制基準の延期措置をとったのかな。
○内村説明員 私は専門でございませんので詳しくわからないのでございますけれども、一度延期したことは事実でございます。ちょっと失礼でございますが、その期限がもう来たのかどうかはっきりしないわけでございますけれども、アメリカ側の要求で若干の猶予期間を与えたということは事実でございます。
○奥田委員 次に、民間航空機協定ですが、これは非常にアメリカに有利だという見方もあるわけです。わが国を例に引くと、こういった総合技術産業はこれから日本が追いかける立場ですから、今後のこういった新しい技術開拓の分野にはやはり政府の助成も必要なわけです。これらについて日本側が不当に手を縛られるというようなことはないと思いますが、これについてまずお聞きしたい。 アメリカだって、今日までの航空機産業で世界のチャンピオンになるまでには、NASAとか軍用機の製造とか、いろいろな面で国自体が大変な助成措置をやってきておったわけですからね。これについてどうなんですか。日本はこの航空機協定によって不当に手を縛られるということがあるかないか。
○畠山説明員 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、米国等に比べまして、わが国の航空機工業は非常に脆弱でございます。しかしながら、将来の日本の産業構造の中核を担う一つの産業でございますので、私どもとしてその助成に努めておるところでございます。航空機は、御存じのとおり、開発をしまして、それから生産があって、販売がある、こういうことになっておりますが、その開発段階における助成というふうに私どもはその助成をしぼっております。と申しますのは、開発段階ではリスクがございますので、そのリスクをカバーしてやろう、こういう考え方でございます。 しかるところ、この航空機協定では、御懸念の部分でございますが、政府助成が貿易に悪影響を与えることがないようにということが書いてございます。この意味でございますが、これは輸出補助金を出すとか、先ほど申し上げました生産段階なり販売段階で補助を行うとか、そういうことをやりますと非常に貿易に影響するから、そういうことをやめようという趣旨でございます。開発段階につきましては、前文のところに、たとえば世界的規模における航空機工業の技術的発展を奨励するということをうたっておりますし、助成一般につきまして、民間航空機工業分野では、いま御指摘のように世界各国で政府助成が広範に行われているという事実を認めている条項もございますし、また、政府助成それ自体は貿易をゆがめるものではないということもうたっておりますものですから、開発段階の助成につきましては肯定的な評価をしておると考えられますので、政府の将来のあるいは現在行っております助成がこれによって縛られることはないというふうに考えております。
○奥田委員 関税評価協定についてお伺いしたがったのですが、先ほど大蔵側から、ちょっと懸念しておった恣意的な関税評価制度という形で、私たちも非常に不愉快に思っておったアメリカのASP制度、アメリカン・セリング・プライスというのですか、このASP制度は廃止されたということを聞いて、このことについては私の懸念はなくなりましたので、ここの質問は省略させていただきます。 そこで、もう時間も参りましたので最後に、先ほど来、反省を込めた形で大変残念だったという各省評価の中に、セーフガード、そしでまた穀物協定について、今回の交渉では、努力されたけれども成立に至らなかったということでございますが、これに関して、問題点があるとすれば一体どこが成立に至らなかった原因なのか、またわが国として、今後このセーフガードのコードに関してどういう基本姿勢で対処していくのか、こういつたことについて質問したいと思います。
○手島政府委員 関税その他の貿易の障壁を減らしていきますと、それによって場合によりましては国内産業に被害が出るということも予想されると申しますか、あるいは逆に、国内産業に被害が出るから関税障壁を下げるべきでないというように、相互に密接な関係があるわけでございます。そこで、できるだけ関税その他の障壁を下げるというときの条件といたしまして、セーフガードについて、この発動をどういう場合にどういう条件で行うかということの交渉が同時に行われてきたわけでございます。セーフガードの条項自体はもうすでにガットの中に含まれておることは御承知のとおりでございますけれども、これは従来とも乱用の防止には役立ってきておりましたが、今回の交渉におきましては、主要な問題点といたしましては、セーフガードを選択的に発動できるかどうかという点であったわけでございます。従来ガットの慣行では、セーフガード条項を発動いたしますときには、グローバルと申しますか、外から入ってくるすべての輸入品について同様にかけなければならないということであったわけでございますけれども、この選択適用の必要性を一部の国が主張いたしまして、これに対する反対の意見も非常に強く、結局主としてその点をめぐりまして合意に到達することができなかったわけでございます。 したがって、次にガットとして今後どうするかということになるわけでございますが、この点につきましては、昨年の十一月のガットの総会におきましてセーフガード委員会というのを設けて、ことしの六月を目標にさらに話し合いを続けろということになっております。日本は、乱用されるようなセーフガードシステムは困る、すなわち、各国が納得のいかないまま強引に合意を成立させることは妥当でないという判断で臨んでまいりましたし、今後とも輸出国、輸入国双方の利益がバランスを図られるようなかっこうで国際的なルールができ、かつそれが運営可能な制度として実現されるということを目標にして各国と協調しながら対処していくつもりでおります。
○奥田委員 これで質問をやめますけれども、確かにセーフガードを乱用する、保護傾向が強まる、やがてはこれが経済戦争に発展するということになればガット体制の崩壊につながっていくわけですから、特にセーフガードのコードをつくるためには日本は今後とも率先して努力していただきたいと思います。もちろん不公正貿易と申しますか取引に関するアンチダンピングとか、あるいはこういった相殺関税等々の措置に関しても、また次回の質疑の時間に特にこういった諸点についても質問を留保させていただきたいと思います。 本当にきょうは質疑入りスタートで、私もまだ不勉強でございますけれども、ひとつ外務当局も、これからも各委員の先生方、うんちくを傾けた形で熱心に討議されると思いますから、よろしく準備してください。 これで終わります。
○佐野委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十三分散会