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91回国会衆議院1980/02/21

外務委員会 第3号

発言数
153
登壇者
13
会派数
5
開催日
1980/02/21

会議録

奥田敬和自由民主党・自由国民会議

○奥田委員長代理 これより会議を開きます。  委員長所用のため少しおくれますので、私が委員長の指名により委員長職務を行います。  国際情勢に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高沢寅男君。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 大臣に、国際情勢の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  その前提として、先週のこの外務委員会において、わが党の土井委員からいまのアフガン問題に関連するいわゆる対ソ報復措置の問題でお尋ねをいたしましたが、その際大臣からは、日本の置かれている立場上この種の問題については慎重に対処していく考えである、こういうお答えがございました。きょう私がこれからお尋ねすることにも関連がありますので、もう一度総論として、この対ソ報復措置に関する基本的な立場として大臣のお考えを最初にお伺いをいたしたいと思います。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 この問題につきまして基本的な考え方は、今国会の総理大臣施政方針演説の中に出ておると存じますけれども、基本的には、アフガンにおけるソ連の軍事介入は、国際法上も国際平和という立場からも許されるべきことではないという意味で、わが国としても厳重に抗議をする、できるだけ速やかな撤兵を求めるという立場をとっておるわけでございまして、この点については国連の緊急総会の投票の結果などでも、これが広い国際世論を代表しておると考えられるわけでございます。  こういう基本的な立場の表明以外に、それでは具体的にどういう対策を講ずるのかという問題になるわけでございますが、これについてはいろいろな考え方があり得るわけでございますけれども、日本としてどういう手段をとるかということについては、やはり情勢を慎重に見ながら対応していく必要があるということでございます。さしあたり総理の施政方針演説の中では、高度の技術商品、サービスの提供についてココムの協議に従うということに触れておるわけでございますが、それ以外の問題としては、オリンピックとかあるいは新たなクレジット供与の問題とかあるいはソ連との間の人の往来の問題とか幾つかの問題があると考えられますけれども、これらについてはまだ具体的にその内容を定める段階ではございません。特にソ連の対応、アフガンの情勢、それから主要西欧諸国の対応、こういうものを見ながら、同時にアメリカの政策というものを考慮しながら、日本としてとるべき措置を決めていくということであろうかと存じます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 いま基本的な立場と具体的な対応の仕方についてのお考えが示されたわけでありますが、私はその関係で、イランの問題、それに対する報復措置の問題というようなことでひとつ私の考えを申し上げて、また大臣のお考えもお聞きしたいと思うのです。  イランのアメリカ大使館の人質問題が起きた、この当初の段階においては、これに対するアメリカの反発も非常に厳しくて、そこでアメリカからこのイランに対する報復措置に日本も協力するように、日本もイランに対する報復措置をやるように、こういうふうな要求あるいは要請があったということはもう天下周知の事実でありますが、しかしそれがいまはどうなったかと申しますと、最近アメリカとイランの間に相当話し合いが進んでいる。そして人質の解放ということも間もなく実現されるのじゃないか、こういうふうな段階へ来ているというようなニュースでありまして、そうなってくると、今度はアメリカとしては対イランの報復措置というふうな問題はもうすっかり撤回されて、いまではもうそういうことは何ら問題にならぬという状態になっている。ここの年末から  一月、二月のごくわずかな期間の間にそういうふうな経過の推移があったわけであります。  こういうふうに考えてみますと、わが国が当初アメリカから、イランに対する報復措置を日本もやれ、こういうふうに言われて、もし何かの報復措置を日本がとっていたとすれば、当然それに対する今度はイランからのはね返しも来るというようなことになってくる。しかし一方、大もとのアメリカの方はすっかりイランと何か話ができてしまって、そういう問題はどこかへ消えてしまうというようなことになってくると、報復措置をもし日本がやったとすれば、これは日本がいわば大変ばかな目をみるというふうなことになったろうと思うのであります。幸いにしてそういうことがなくて今日に至っているということは、結果論ではあるけれども大変よかった、それでよかった、私はこういうふうに考えるわけでありますが、そういうふうに見てみると、この種の何か国際的な事件が起きて、それ報復措置をとれ、それ対応措置をとれというふうなことになってくるときに、それに対してすぐ、それじゃ何かやろうというようなことではなくて、十分に情勢を見きわめるということが大変重要ではないかということが、今度のこのイランの問題をとってみても一つそういう教訓が出てきているのじゃないのか、こういうふうに考えるのです。このことを一つの教訓として見た場合に、大臣にもう一度御所見をお聞きしたい、こう考えるわけであります。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 ただいまの御意見でございますが、現在の時点からイラン問題を振り返ってみました場合に、多少日本の立場というのは歯切れが悪いような批判もございましたけれども、やはり日本自身の国益という立場がございますし、また日本としてはアメリカとイラン、両者との友好関係を維持したいという基本的な考えもございまして、ある段階においてはこれが相当アメリカからきつい反発を招いた時期もございました。一つには、外国の大使館を占領し大使館員を人質にとるというようなことは、これは一般的に申しまして国際的な秩序を乱すものでございますし、この点については日本としても相当はっきりした意思表示をしてよかったんじゃないか。これはある程度イラン側にそういう申し入れをいたしましたり国連の審議においても発言をいたしておりますが、多少この点が明快さが不足しておったのかもしれないという反省はいたすわけでございますけれども、具体的な措置については、わが国といたしましてはイランの国内情勢あるいはヨーロッパの情勢、国連の動き等をにらみながら比較的慎重な態度で対応してまいったわけでございます。  日本の置かれました基本的な立場としては、余り先走ってもいけない、しかし原則的なことは明らかにしていかなければならない、具体的な行動については慎重な態度が必要だというようなことを、イランの問題からの教訓として学んだように考えておるわけでございます

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 イランの問題に関連いたしまして、こういう国際的な事件が起きたときの見方の問題、その認識の仕方という問題で、具体的にだからどうこうということには直接はならないかもしれませんが、私は、その見方、認識というものを政府の責任者の皆さんがどういうふうにとられるかということは大変重要だ、こう思いますので、ひとつそのことでお尋ねしたいのです。  いまのイランの大使館の人を人質にとる、これはもう国際法上やってはならぬことである、ウィーン条約に反するものであるということは明らかだ、こう思うのであります。したがって、そのことを非難するということは当然出てくることではあるけれども、イランのような場合には、物事には要するに原因と結果がある、あるいは作用と反作用がある、こういうことでありますから、そういう人質をとるというふうなことに至ったその以前のイランの経過というものを私たちはどう見るかということも含めて、全体として総合的な判断をするということが非常に重要ではないか、私はこう思います。  イランでは、もう世界周知のことでありますが、かつてのイランの民衆のナショナリズムを代表して石油の国有化などをやったモサデク首相という人がいた。それがアメリカのCIAによって倒された。その後パーレビ国王を連れてきてこれを王位につけて、そして長い間にわたってパーレビ国王のイランの民衆に対する独裁体制をつくらしてきた、その背後にアメリカがいた。あるいはまた、イランの石油を多年にわたって非常な安い価格で買い取って膨大な利益を上げた、それもアメリカであった。あるいはまた、そのイランの石油の収入に対して何百億ドルという金でイランに兵器を売りつけて、そしてイランが中東地区における憲兵の役割りをするようなそういうパーレビ体制の軍隊をつくらせた、これはアメリカであった。あるいはまた、イランを中東地区における最大の戦略基地につくり上げた、それもアメリカであった。あるいはまた、パーレビ国王がいわばイランの民衆の財産である石油収入というものをパーレビの王族のいわば私的財産にかすめ取って、その私的財産というものが、何百億ドルあるか知りませんが、アメリカやスイスやその他国外に隠匿されておる、こういうふうな体制を助けたのはだれであったか、これはアメリカであった。こういうふうな経過がずっとあって、その上にイランで革命が起きて、そして大使館の人質事件ということにもなってきた。こういうふうな長い間の歴史の経過があり、また歴史の作用と反作用がある、こういう関係であるわけです。     〔奥田委員長代理退席、委員長着席〕  したがいまして、人質事件というものが起きたときに、日本政府の態度としてこれは国際法上許されないことであるという態度の表明は、これはこれでもちろん私もいいと思いますが、しかし同時に、そういう経過、そういう結果になる前の原因というものも日本の政府としては十分判断の中に入れて、そして対イランの対応策を出してくる、こういうふうな姿勢が大変必要ではないか、私はこう思います。  今度、人質の解放の前提条件として国際調査委員会の設置、これはもう設置が決まってこれで人質解放は非常に早いんじゃないか、こういう観測がありますが、けさの報道によれば、バニサドル大統領はその国際調査委員会の中で過去のアメリカの対イラン政策の責任を明らかにさせるというようなことも言っております。当然いま私の申し上げた点に国際調査委員会としても触れてくる。そこで何かの結論が出なければ人質の解放まではまだなかなかいかぬというような今後の経過もあるんじゃないか、こう思うのです。イランの側からすれば当然そこは明らかにしなければならぬという立場が出てくると思うのです。  こういう問題について、イラン問題が起きたというときに日本の政府が判断する際には、いまのような原因、結果、全体を総体的にとらえて判断して、そこからその報復措置というふうなものをどうするのかというような具体的な対応措置を出してくるというような考え方が大変重要ではないか、私はこういうふうに思うわけでありますが、この点についての大臣の御所見をお聞きをしたい、こう思うわけです。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 ただいまの高沢先生のお話でございますが、日本といたしましては、日本とイランの関係は今回の政変、革命後におきましても友好関係が維持されてまいったわけでございまして、イランにおける革命、宗教を背景にいたしておりますけれども、いろいろだだいま先生のお話のような背景もあったことは私どもも承知しておりますが、日本の置かれました立場といたしましては、一方におきましてイランとの友好関係をそういう歴史的な背景も踏まえた上で維持していくということ、他方におきまして対米関係、特にある段階におきましては非常に強い感情的要素も出てまいったわけでございますし、その点についても全く配慮をしないというわけにいかないという点がございますから、イランの問題について長期的な展望を失わないようにということは私どもとしてアメリカ側にも申し入れてまいったわけでございますが、御指摘のような背景については十分われわれとしても考慮を払っていく必要があると考えております。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 いまの点は、私の考えとしては、今後のたとえば中東問題の対応の仕方にしても非常に重要な問題じゃないかと実は考えておるわけです。たとえばイランでああいう事件が起きたわけですが、そういう事件が、マスコミのいろいろなそういう面を知っている人の話によれば、たとえばいつサウジアラビアで起きないとも限らないというような話もあるわけであります。ここも同じような王族支配であります。というようなことがまたもし今後仮に起きてきたときに、その事件に対する日本としての対応の仕方というものは、いま言ったような観点を十分持って、そして何かがあったからすぐばっと短絡的な対応ではなくて、十分そこをよく腰を落として対応する、そういう対応が非常に重要だと思いますので、一応私の考え方も含めて申し上げた次第であります。  さてそこで、そういうことに関連いたしまして、いまとりあえずの目の前に来ているのは、今度は対ソ連の報復措置という問題であるわけであります。  この点もすでに先週の外務委員会でもずいぶん議論されていることでありますが、具体的な問題として、これも報道によれば、文化交流の一環として五月の段階に日本から合唱団がソビエトへ行く予定になっておる、あるいはまた日本舞踊のチームがソビエトへ行く予定になっておる。それに対して国際交流基金からの資金の援助をお願いしておる、この援助のオーケーが出るかどうかということがいま保留の状態に置かれているというようなことが報道で伝えられているわけでありますが、これを主管される立場で、外務大臣としてはこの交流をやるべきか、あるいはここでとめた方がいいというふうなお考えか、その辺をひとつお聞きいたしたいと思うわけです。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 ただいまお尋ねの件でございますが、ポニージャックス、それから藤間の舞踊団、この両方につきまして国際交流基金の方へ補助の申請があることを承知しておるわけでございますが、これは双方ともプレオリンピックとしてオリンピックを盛り上げる文化事業としてソ連政府が企画をしておるわけでございまして、その本体であるオリンピックについての情勢が必ずしも明確でない状況、その原因にはソ連のアフガニスタンに対する軍事介入という問題があるわけでございまして、これらの関連を考えざるを得ない。プレオリンピックということでない全然別個のものであれば、特にいまの段階で問題はないかもしれないわけでございますけれども、近日中に交流基金の方で審査会が開かれると承知しておりますので、これはやはり別個の機関でございますから、直接政府が指示をするという性質のものではございませんので、いまのような情勢を踏まえた上で、交流基金の方で審査の委員会が審議をする、当面は決定を差し控えるという形になるのではないかと考えておるわけでございますが。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 何か保留をしたままで結局時間切れになって、ノーという答えは出さないが実際上ノーであるというような結果になりはしないかと大変心配されておる、こういう状況であるわけでありますから、やはり答えは五月なら五月という時間に間に合うように出すべきだ、そして私の考えでは、これは当然イエスの答えを出すべきだ。たとえオリンピックの関連があるといっても文化交流でございますから、イエスの答えを出すべきだ、こういうふうに私は考えるわけでありますが、国際交流基金と外務省、確かに人格としては別でありますが、そうはいっても外務省の実際上の指導力、影響力というものは天下周知のことでありまして、そういう点においてはこれにイエスの答えが出されるようにぜひまた大臣の御指導をお願いしたい、こう私は思うわけであります。  それに関連いたしまして、本体のオリンピックの問題でひとつお尋ねしたいのでありますが、二月一日に政府では伊東官房長官、それに大来外務大臣、谷垣文部大臣が協議されて、そしてこのオリンピック問題についてはソ連のアフガン介入の現状のままでは参加できない、しかし当面、各国の動向を見きわめて事態の推移を見守るというふうなことを申し合わせをされて、具体的にはそれは日本のオリンピック委員会の決定に任せるという形をとられた。しかし、内実としては、これに対して参加しない方向での影響力を行使されておるというようなことが当時伝えられているわけであります。ところが、その後の事態の発展といたしましては、二月十二日に国際オリンピック委員会の会議が開かれて、ここではことしのモスクワオリンピックは予定どおりやろうということが全会一致で決定された、こういうふうな経過になっております。  この経過を踏まえてくれば、今度は日本のオリンピック委員会としても、国際オリンピック委員会の全会一致の決定というものを踏まえた方向での考え方は私は当然出てくるだろうと思います。時間的には五月の段階までにまだ時間はあり、その間諸般の状況を見きわめるということはあろうかと思いますが、この点についても政府の態度としては、国際オリンピック委員会の決定、あるいはまた日本のオリンピック委員会が参加しようというようなことになってくれば、自主性を尊重してそれを認める、こういう方向を、私としてはここではっきり外務大臣のお考えをお伺いいたしたい、こう考えるわけであります。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 このオリンピックを開くか開かないかという問題は、IOC国際オリンピック委員会が決定することでございまして、この間レークプラシッドの総会で開催するということを決めたことはただいまお話しのとおりでございます。  もう一つは、開かれるオリンピックに各国が参加するかどうかということは、NOC、各国のオリンピック委員会が決めることになっておりますので、最終的な決定は五月十九日とも言われ五月二十四日とも言われておりますが、それまでに参加、不参加を決定する必要があるわけでございまして、この間多少の時間がございます。その間にソ連がアフガンから撤退をすれば問題はないわけでございますので、そういう情勢、各国の情勢、それから特にJOC、NOCはそれぞれ政府から独立の機関でございますので、JOC、日本のオリンピック委員会も各国のオリンピック委員会と連絡をとりながらいろいろ判断をしていかれるだろうと考えておるわけでございまして、いまから五月ごろまでの情勢によって、政府が何かさらに重ねて見解を出す必要があるのかないのか、それからNOC独自の判断でそれまでに結論が出るかどうか、もう少し情勢の推移を見てまいりたいというのが、政府の現在の立場でございます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 差しさわりのない大臣のお答えだと思うのですが、私のお聞きしていることは、日本オリンピック委員会が参加しようという態度を最終的に決めたとき、政府としてそれはいかぬという立場をとられるのか、オリンピック委員会が参加しようと言ったら、ではそれでよろしいという態度をとられるのか、大臣の見解をお尋ねしているわけです。それに重ねて申しますと、参議院の審議の中でわが党の寺田熊雄委員がこの問題を質問して、文部大臣のお答えとしては、日本オリンピック委員会が参加しようと決めたときは選手団派遣の補助金の支出は行う、こういうことが文部大臣のお答えとして参議院の審議では出されている、こういうことが伝えられているわけであります。所管は別かもしれませんけれども、国務大臣という立場で大来大臣も、そういう日本オリンピック委員会が参加しようという態度を決めたときは、その自主的な決定を尊重して、そして政府の予算に組んである選手団派遣の補助金は支出をしてやるのだ、こういうふうなお考えをお持ちかどうか。私はそういう考えをひとつ示していただきたい、実はこういう希望を持ってお聞きしているわけですが、お考えをお聞きしたいと思います。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 私も参議院の予算委員会、寺田先生の御質問のときに出席いたしておりまして、そのときの谷垣文部大臣の答弁も拝聴しておりましたが、いまのお話のような形では必ずしもたかったように聞いております。これは先ほど申しましたような国際情勢にもよることでありまして、それから基本的には参加、不参加はNOC、JOCが決定することでございますが、これに関係いたします政府の施策については、もしもJOCが独自に参加を決定された場合に、政府の補助金その他が自動的に支出されることになるということは、いまの段階では申し上げられないのではないかというふうに思っております。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 私は自動的にという意味で聞いているのではなくて、参加するという決定があったときは、政府としてはこれに補助金を支出すべきだ、こういう立場から、したがって、それを決定する権限を持っておる立場の国務大臣としてそういう場合には予算の支出はするんだ、こういうお考えをお聞きしたい、こう言って実はお聞きしているわけです。制度上自動的にどうかというようなことを聞いているわけじゃないので、つまり大臣の判断をお聞きしているわけですが、お答え々いただきたいと思います。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 現状におきましては、その点々明確にいたすことは困難だと思います。これも私一存でまいりませんで、やはり関係閣僚、官房長官等と協議いたさなければ、この問題については正式にお答えできない立場にございます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 そういうふうに言われますと、もうちょっとそれ以上押しようがないのです。ただ、私は、関係閣僚の協議などがある場合には、それは支出すべきだという方向でひとつ大臣には大いにそういう意見を出していただくようにお願いをしたい、こういうふうに考えるわけであります。そこで、もう一つそれに関連しまして、こうした文化関係の交流であるとかあるいはスポーツの交流であるとかいうふうなことで大変むずかしい状況がある中で、時間的に申しますと間もなく日ソのサケ・マスの漁業交渉の時期もやってくるわけであります。そういたしますと、文化交流、これも政治と切り離すことはできない、スポーツも政治と切り離すことはできないというような論理で事が進んでいって、さてサケ・マスという段階になったときに、これは政治とは別だというようなことはなかなか通らぬのじゃないか、こういうことが心配されるわけであります。  こういうことはもうすでにマスコミの報道でも出ておるところでありますが、こういうサケ・マスの交渉を相手のソ連とやらなければいかぬ、こういう問題をどうやって成功させるかということについての大臣のお考えを、ひとつこの際お聞きをしておきたいと思うのであります。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 日本政府といたしましては、すでに三月中旬に日ソのサケ・マス交渉を開始いたしたい、開催いたしたいという申し入れをいたしたわけでございまして、これに対してソ連側からどういう反応があるか、返事があるか、現在これを待っておる事態でございます。  これは、日本政府としてはもちろん従来のサケ・マス漁業が継続して行われることを強く要求することになるだろうと思いますが、ただ、いまの段階でどういうことになるかということをいろいろ予断することはできませんし、また今後の交渉のことでもございますから、そういうことを政府の立場で何か発言するということ自体も国益上問題があるかと存ずるわけでございまして、いまの立場は、ソ連側に会議の開催を申し入れ、日本側のサケ・マスの漁業が従来のように継続して行われることを強く要請する、主張するということかと存ずるわけでございます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 公的な立場としてはいま大臣の言われたとおりだと思うのでありますが、しかし何分にもこの問題は、もう現実に目に見えてこれが日本の国民のあるいは日本の漁業の利益にかかわってくる問題でありますから、したがいまして、最初に私イランの例で申し上げたりいろいろしたわけでありますが、こういうふうな総体としての政府の対処の仕方、対応の仕方が、これが結果として一つ一つの具体的なケースでマイナスを生んでくるのかプラスを生んでくるのかということにかかわってくるわけであります。そういう点を十分考慮の中に入れながら、ひとつ今後の対応をしていっていただきたい。これも最後は私からの要望という形になるわけですが、ぜひそのことを大臣に含んでいただきたいと思うわけであります。  さて、そこで次の問題に移るわけでありますが、実は昨年の年末に行われた外務委員会で、私はリビアの関係についてお尋ねをした経緯があります。リビアの関係というのは、ちょうどこの国会の各党も参加している形で日本リビア友好協会という超党派の会がありまして、その民間の会が昨年年末にリビアを訪問してきた、その際に、リビアの政府要人とも会ってきているわけですが、先方からの強い希望としては、日本との間において政府間の経済協力協定あるいは技術協力協定あるいは文化協力協定、または経済、技術、文化というふうな関係を一本にまとめたような対政府間の協力協定を結びたいという非常に強い希望が先方からわれわれに対して伝えられたわけであります。このことを年末に行われた外務委員会で私は申し上げてそして政府にこれに対して前向きに対応すべきではないかということをお尋ねした。その際千葉局長から、前向きにひとつ検討してまいりたいというようなお答えはあったように記憶しておるのでありますが、私はきょう重ねてこの問題についてもう一歩進んだお答えをぜひいただきたい、こういうふうに実は考えるわけです。  園田特使が訪問に出られてアラブの諸国をずっと回られるわけでありますが、今度訪問をされる国の中にはリビアは入っておりません。しかし、ともかく日本政府の重要な特使がアラブの各国を回るということは、アラブ諸国にとってみれば非常に重要なものとして先方も受けとめていると思います。そうであるとすれば、アラブ国の一つである、そしてまたアラブの国のいわば先陣を切っている国という一種の自負心を持っているリビアとしては、それならば対日本関係で自分たちがかねてから希望しておる政府間の協定はぜひやりたいということは、私は当然一層強まってくると思うのでありますが、これについて大臣あるいは千葉局長から、こうした政府間の協定をどうするお考えであるか、まずお尋ねをいたしたいと思うのです。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 ただいまのリビアとの技術協力協定の話は私も伺っておりますが、原則的に、私どもとしてはこういう要請について前向きに取り組むべきだという姿勢でございます。ただ、手続上にもいろいろ問題がございましたり、内容の点でも問題があるわけでございますので、担当の局長から補足的に答弁させたいと思います。

千葉一夫外務省中近東アフリカ局長

○千葉政府委員 ただいま大臣が御答弁申し上げましたように、われわれこの内容をいろいろ分析いたしておりまして、外務省だけではなかなか結論が出せない面もございます。もちろん外務省の中でもいろいろな関係部局がございまして、あわせて検討しておるわけでございます。  従来からいろいろな国から御同様の申し入れがあったことは先生もよく御存じのとおりでございますが、共通の要素もあればまた独自の要素もございまして、もうちょっと時間をかけて分析いたしませんと、なかなか各省庁との協議も本当のところに入っていけないという状況でございます。われわれとしましては別に後ろ向きではございませんので、その点もうちょっと時間をいただきたいと思っておる次第でございます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 大臣からも局長からも前向きにという言葉を述べられた、その言葉を私は信頼をいたします。ただ問題は、前向きにという言葉の具体的なステップということが必ずしもまだ明らかでない、こう思います。  そこで、私の考えでは、ことにリビアのような民族主義という立場で一種の強い誇りに燃えている国、こういう国の場合は、その協定の具体的な内容がどうこうということもさることながら、それよりもっと大事なことは、日本との間でそういう政府間の取り決めができたというそのことが先方にとっては非常に重要性を持って実は考えられておる。その取り決めが仮に非常に抽象的であるというものであっても、それができたとなれば先方にとっては非常に大きなプラスとして受けとめられるということがあると思うのです。  ですから、そういう意味においては、私は決して政府の立場ではありませんけれども、そういう問題を進めるのにまず総論的な、仮に抽象的なものであっても総論的な一つの協定を結ぶ、その上に立って今度は具体的な各論的なものをさらにまた詰めていく、こういうやり方も私はあろうかと思います。あるいはまた、各論的なものでごく具体的にできることからしでいって、それを後にもっと総論的なものにまとめていくというやり方もあろうかと思います。これはステップ・バイ・ステップのやり方として、相手によって相手との話でAのコースでもいいしBのコースでもいいと思うわけですが、ともかくいまの段階では、その第一歩を日本政府はもう踏み出す用意がある、こういうことが大変重要だ、こう私は思っております。  したがいまして、いま私が申し上げたことについて、大臣あるいは局長のお考えをまたお聞きしたいと思います。

千葉一夫外務省中近東アフリカ局長

○千葉政府委員 先生のおっしゃる点は、私ども全く同様に考えております。何分先方の提案してまいりましたものは相当詳しい内容でございまして、こういうふうな詳しいことになりますと、日本国内の法令でありますとか、いろいろな従来からあるシステムの問題とも絡んでまいります。それでわれわれがいまやっておりますところは、先方の意のあるところをくみまして、何かどうやって生かしていけるかどうか、こういった点を検討しているわけでございます。御存じのとおり、なかなか複雑な政府機構でございますし、各省の権限等もございますので、できる限り生かしていきたいという方向でいまやっておりまして、いずれはわれわれの反対提案と申しましょうかサゼスチョンと申しましょうか、そういう段階に入れていきたいと思っておりますが、もうちょっと時間がかかるかと存じます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 こういう時節柄であり、そして先ほど言いました園田特使がずっとアラブ諸国を回られるという時期でもありますから、こちら側から先方に対して何らかの考えを示される時期をなるべく早めていただくようにお願いをいたしたい、私はこう考える次第であります。  なお、その点については、大変僭越ではありますが、日本リビア友好協会という民間の団体、ここにおられる民社党の渡辺委員もそのメンバーの一人でありますが、そういう民間の団体としても側面的にいろいろ御協力をする、お手伝いをするというような面もあろうかと思います。そういうふうな点についても今後御相談をしてまいりたいと思いますので、ひとつ具体的に対応していただきたい、こういうふうに考える次第であります。  次に、条約局長おいででありますが、極東の範囲ということで先週の外務委員会でも議論がありましたので、ちょっとそれを踏まえながらお尋ねをいたしたいと思います。  まだ速記録ができておりませんので正確ではございませんが、私の記憶によると、たしか先週の外務委員会で公明党の玉城委員が極東の範囲という問題について質問されました。そのときにこういうことを聞かれたわけです。  椎名外務大臣の当時、ベトナム戦争が行われているころ、ベトナムは極東の周辺である、こういう政府の判断があって、その際、ベトナムの側から見れば、極東の周辺ということで日本から発進したアメリカ軍がベトナムを攻撃に来ておる、これは日本が自分たちに対して敵対行動をとっておるということになる、そういうことでベトナムから日本への報復的な攻撃があった場合——現実にはそういうことはもちろんなかったわけですが、あった場合、一体これをどうするか、こういう問題があった。それに対して当時の椎名外務大臣の考え方としては、そういう事態があってもやむを得ないというようなお答えがあった。  そのことを前提にして玉城委員から、極東の範囲というものがペルシャ湾まで広がるかどうかというような議論もなされている現在、今後アジア、極東地域で起きてくるそうしたいろいろの国際紛争との関連で、日本から米軍が出動する、出動された相手の方は今度は日本を敵国とみなす、こういうことについての御質問があった。  それに対して伊達局長は、極東の周辺で紛争があるとき、それに対して日本からアメリカ軍が出動していくという場合のアメリカ軍の出動は、これは国連憲章の自衛権に基づく出動なんであって、紛争を起こした相手国というのは言うなれば侵略行為なのであって、そういうふうな立場でとらえれば、今度はその相手国が日本に対して報復的な攻撃をしてくる場合には、その攻撃は侵略行為を加重するものである、こういうふうな伊達局長のお答えがあったのですが、先週の外務委員会のやりとりはそういうことであったというふうに伊達局長もお考えかどうか、最初にまずそれをお聞きしたいと思います。

伊達宗起外務省条約局長

○伊達政府委員 お答え申し上げます。  ベトナムという具体的なお話もちょっと出たのでございますが、あのときの御答弁では、私はベトナムを特に頭に置いた御答弁はしなかったつもりなんでございます。ただし、先生のいまの御質問の後半でおっしゃったこと、つまり国連憲章に基づく自衛権の行使としてアメリカ軍が何らかの武力行使を行う際は、当然のことながら武力紛争の相手というのは、やはり国連憲章上認められない不法な武力行使を行っているものであろうから、たまたまその米軍が日本の施設、区域を使用していたからということでもって日本を攻撃するというようなことは、これはやはり同じく不法な武力攻撃であろうということで、加重であろうという言葉も使ったわけでございます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 そういたしますと、いまの伊達局長のお考えは、もう済んだことでありますが、ずっとベトナムでアメリカ軍が入って戦争が行われていた、あのベトナム戦争をとらえてみた場合に、そうすると相手側のベトナムの方が国連憲章に認められない不法な軍事行動をやって、日本から出ていったアメリカ軍の行動は国連憲章の自衛権の発動である、こういうふうにお考えになるのかどうか、それをお聞きしたいと思います。

伊達宗起外務省条約局長

○伊達政府委員 具体的にベトナムのことでございますと、先生もよく御承知のように、ベトナム、当時は北ベトナムということでございましたが、あのときの政府の解釈と申しますのは、あれは一つの侵略の行為であって、やはりアメリカが国連憲章に基づく集団的自衛権の行使としてそれに対抗しているものであるという考え方をとっていたものでございます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 その当時日本からの米軍の出動を認めた政府の立場は、あなたが言われたような立場で認められたと思うのでありますが、しかしいまの時点に立ってあのベトナム戦争を振り返ってみたときに、いまでもあなたはそういう理解が通るとお考えでしょうか。  ベトナムの事態は、言うまでもなくジュネーブ協定によって北ベトナムと南ベトナムが一応十七度線で分離される形になった、その南ベトナムの中でのいろいろな解放闘争は、これは国内要因で起きてくる、北ベトナムはそれとは別に社会主義国として進むという事態があった、そのときに、まず米軍は南ベトナムに入ったわけですね。そして、米軍と北ベトナムとの関係で言えば、米軍が北ベトナムに対してある日北爆を開始した、こういうことにいまなっているわけですね。その前に何かトンキン湾で事件があったというふうなことでありますが、このトンキン湾の事件というのは、いまから振り返ってみれば、あれはアメリカが仕組んでつくった事件であって、それを口実にして北爆を開始したという経過は、もういまでは世界でだれも知らぬ人はないでしょう。  そうなってくると、このアメリカの行動が自衛権の発動であったというふうなことは、私は、これはもうどこへ行っても通用する議論ではない。歴史の経過を踏まえたいまとなれば、この点は幾ら日本政府といえども、その事態の正確な認識な持たれるべきではないか、私はこう考えるのでありますが、いかがでしょうか。

伊達宗起外務省条約局長

○伊達政府委員 お答え申し上げます。  やはり私どもはいまになって振り返ってみましても、北ベトナムのジュネーブ協定違反ということが事の発端でありまして、それに対してSEATOという東南アジアの集団安全保障体制がベトナムの、これは南ベトナムでございますが、南ベトナムの要請により行動を起こしたというのが政府の見解でございまして、これは現在に至りましても変わっていないと考えます。  それから、先生がただいまベトナムにつきまして沖繩の施設、区域から米軍が出動したとおっしゃいましたが、いわゆる戦闘作戦行動というものは、当時のベトナムにおきましても、ベトナムは当時極東の周辺と認識はされておりましたけれども、戦闘作戦行動そのものば行われなかったという事実がございます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 いまのやりとりに関連して一つ大日にお尋ねしたいと思うのです。  大臣も昔満鉄にいらっしゃったということでありますが、第二次大戦のきっかけになった満州事変、これを考えていただけばわかると思うのです、あの満州事変はなぜ起きたか。当時中国のことを日本ではシナと呼んでおりましたが、シナ軍が満鉄の軌道を爆破した、こういう理由によって関東軍は戦闘行動を始めたわけです。そうしてそのときは、日本の国民に対する日本政府、軍部の説明は、相手が悪いから自衛の行動としてわれわれはそういう戦闘行動をとらざるを得ないのだということで説明をしていた、それが当時の日本政府の立場です。しかし、いまでは、満州事変のきっかけになったあの鉄道の爆破は、これは関東軍の参謀がやったことであるということはもう歴史的な事実です。これは評価の問題ではなくて歴史的な事実なんです。自分で爆破しておいて、そしてそれを理由に戦争を開始するということを日本の軍部はやったわけでありますが、私は第二次大戦後のアメリカの、まあそこにはいろいろCIAとかそういう働きをするいろいろの組織もそろっておりますので、そのたぐいのことは、トンキン湾の事件にせよ何にせよ、非常に数多くの事態でそういうことが行われている、こう思うわけです。  ベトナムの戦争が終わって五年です。しかし、五年という時間がたてば、そうした歴史的な事件はある程度客観的に評価を確定できるというふうに私は思うのでありますが、大臣の満州事変の経験等も踏まえた上で、いまのベトナム戦争の評価について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 私、実は満州、いまの東北の生まれでございますけれども、満鉄に働いたことはございませんが、北京にしばらく参っていたことがございます。  それで、いまお話しの、前の張作霖でしたですかの事件などもいろいろその後のことで承知しておりますが、確かに歴史の中の一つの場面として、いまの御指摘のようなことがあったと承知しております。  ベトナムをそれと同じように考えていいか、これはいろいろまだ客観的な歴史として論ずるのはむずかしいようにも思います。これはアメリカ国内でも御承知のようにいろいろ議論があったことでございますし、最終的には米国がベトナムから手を引くという形にもなったわけでございますけれども、こういう問題につきましては、最近のアフガニスタンのケースにおきまして、やはりアフガニスタン政府の要請に基づいてソ連軍は軍事介入をしたのだという説明でございますけれども、しかしその政府の責任者が殺されるというふうな問題も起こりまして、こういう点につきまして大国がいろいろな形で説明をするということについては、最終的には御説のように歴史の審判にまたなければならないことでございますけれども、基本的に、集団的な自衛権の発動というのは、その地域におります政府、合法的な政府の正式の要請によって行われるべきものだ、日本の場合には集団的自衛権を持ちませんから、この問題はございませんけれども、アメリカの場合にはその問題があると思いますので、この点は、現在のアメリカ政府は再三いろいろな機会に、そういう場合にのみ自分たちは出動するのだということを宣言しておるわけでございます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 私は、いまの伊達局長のお答えは断じて納得できないという私の考えをまず明らかにしておきたいと思います。出動を要請したその政府の責任者が殺されるということは、これは南ベトナムのゴ・ジン・ジエム大統領で具体的にあらわれておるということもあるわけであって、そういう点においては、いまの点は大変重要な、歴史の問題としてもこれからも少ししつこく追及していきたい、こう思っております。  ただ、問題は、私はいま、過去のことをずっと触れてきたわけですが、これは今後の問題に絡んでくるということで大変重要だと思うのです。アメリカ軍が日本の基地から出動していく。ペルシャ湾が極東の範囲であるかないか、いろいろそういう議論がありましたが、しかし極東の範囲である、あるいはまたない、いずれにせよ、アメリカ軍が日本から出動していくときに、これを国連憲章の自衛権の発動だということで何でもイエスというようなことになっていく、そういうことにつながる危険性があると私は思うわけです。  結局、議論の結果として、最終的にはペルシャ湾は極東の範囲ではない、極東の周辺ではないということになったわけですが、極東の範囲でない、周辺でないとなれば、ペルシャ湾へ沖繩のたとえば米軍が出ていく場合、これは安保条約の事前協議とかなんとか、そういうものの対象に一切ならぬ、日米安保条約とかかわりないということになってくると、ただ単に通過にすぎないということで、アメリカ軍がどういう行動をとっても、これは御自由にということになってしまう。極東の範囲だということになってくると、今度は安保条約に基づいて大手を振って出動していくということになる。  ですから、その点においては、いまの日米の軍事関係というものは、今後起こり得るいろいろな国際紛争が極東の範囲であると規定した場合もあるいはないと規定した場合もいずれも、米軍が日本の基地から戦闘行動に出動していくことには何らの変わりはない。そして日本政府の立場としては、いずれもそれに対して黙認をする、あるいはまた明示のイエスを与えるというようなことになってくるとすると、いまの国際的な軍事情勢の中でこういう問題の危険性ということを一層重大視しなければいけないんじゃないのか、こういうふうに私は考えるわけです。  ここで伊達局長のお答えなり、あるいはまた大来大臣のお答えで、私の期待するようなお答えはどうも出ないようでありますから、もう時間もありませんので、一応私としてはここでこの問題については終わりたいと思うわけですが、ただ私としては、そういうような対アメリカ軍の関係あるいは日米安保条約の理解の仕方というものは、日本の安全にとって大変危険なものであるということを申し上げなければならぬ、こう思うわけです。  局長、何か物を言いたいことがありますか。

伊達宗起外務省条約局長

○伊達政府委員 ただ一点、先生のいまおっしゃったことで私がちょっと補足と申しますか、御説明申し上げたい点がございます。  と申しますのは、極東の周辺でないようなところにアメリカ軍が日本の施設、区域を利用して戦闘作戦行動をとる際には、事前協議にはかかってこないではないか、その場合にはアメリカの自由に使用できるのではないかということをおっしゃったと思うのでございますが、戦闘作戦行動が事前協議にかかると申しますのは、当然のことながら安全保障条約の枠内のことでございまして、つまり極東の中で事態が起こったときはもとよりでございますが、いわゆる極東の周辺というようなところにアメリカ軍が行動を起こす際の戦闘作戦行動というのは、事前協議にかかります。しかし、極東の周辺と認識されないようなところにアメリカが戦闘作戦行動を行うというようなことは、安保条約以前の問題でございまして、これは安保条約上認められないことでございます。その点はここではっきり申し上げておきたいと思うわけでございます。

高沢寅男日本社会党

○高沢委員 そういうふうな御説明をされても、たとえば現に中東地域ヘアメリカのいわゆる機動的対応部隊というのが出ていった。それに沖繩の海兵隊も入っているのじゃないのかというふうなことも言われていますね。このことは、いまのあなたの御説明の枠外の問題であるが、日本の安全に重大な影響があるということを、やはり私としては指摘せざるを得ないと思うのです。  私の持ち時間はあと少しですが、土井委員から一点の関連質問がありますので、それをやりまして終わりたいと思います。  なお、この点は今後ともまた機会を見てやりたいと思っております。

土井たか子日本社会党

○土井委員 先ほど高沢議員の力から、オリンピックについて、ソビエトのアフガン侵攻に対する制裁策の一つとしていま問題にされていることに触れて御質問がございましたが、いま、日本に対してアメリカ側から、オリンピックにかわる代替オリンピックと申しますか世界スポーツ大会と申しますか、そういう会場のために、陸上競技の場を東京に求めるという申し入れが公式か非公式か、いずれかの形においてございますか、どうですか。いかがでございますか。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 公式なアプローチはまだございません。

土井たか子日本社会党

○土井委員 非公式にはいかがですか。非公式な打診というのがございますですか。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 非公式といいますか、新聞報道で承知しておりますが、この問題については、各スポーツ団体、連盟の承認が必要になるかと存じますので、少なくとも政府段階においては公式、非公式にはございません。

土井たか子日本社会党

○土井委員 そうすると、公式にしろ非公式にしろ、一応申し入れがあった場合には、正式にそれを受けて政府としてはそのことに対して種々検討を進めてみたいというお心づもりで、いまのところいらっしゃいますか、いかがですか。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 いまの問題、仮定の問題でございますけれども、こういう競技会が公式の国際競技会として成立するためには、各競技種目についての連盟の承認が必要であるということを聞いております。また、こういう大会の参加につきましては、体協傘下の国内競技団体が決定すべき事項だと聞いておるわけでございますが、詳細は、私どもの方の所管ではございませんで、むしろ文部省でございますけれども、まあ一般的な考え方としましては、これは仮定の問題でございますけれども、いまのところ日本側にそういう意向はないと考えております。これもやはり担当大臣、閣僚の間で相談いたしませんと、私の立場で政府全体の立場を申し上げるということはできないわけでございますが。

土井たか子日本社会党

○土井委員 終わります。

中尾栄一自由民主党・自由国民会議

○中尾委員長 玉城栄一君。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 私は、日米安保条約の運用のあり方の問題につきましてお伺いをいたしたいわけであります。  昨年の予算委員会、それから沖特委並びに本委員会等におきまして、この問題、並びに関連をいたしましてお伺いをしてまいったわけでありますが、外務省のお答えは、日米安保条約の円滑な運用並びに提供施設、区域の安定した運用ということについては、当然やはり関係地域住民の方々の御協力と御理解が得られて初めて可能であるというようなお答えを一貫していただいてきたように承っておるわけでありますが、大臣、そのとおりでよろしゅうございますか。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 そのとおりでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そこで、私は、外務省が一貫して、いま大臣も仰せのとおりのことと実態とは大分かけ離れているということで、私自身外務省のお立場になるわけではありませんけれども、果たしてこういう状態でいいのかなという、ある面では非常に憂慮しておるわけであります。  そこで、非常に具体的な問題に入ってお伺いしてまいりたいわけでありますが、外務省も御存じのとおり、きょう沖繩県の読谷村にあります読谷補助飛行場におきまして、それを使って米海兵隊が夕方の五時から夜の九時にかけて落下傘の降下訓練の夜間演習を行う、そういう通告が来ておるわけであります。  そこで、この件についてちょっと私の立場で御説明をさせていただきたいわけでありますが、この読谷補助飛行場といいますのは、過去何回も事故が続出をしておるわけであります。また、現地の那覇防衛施設局におきましても、もはや現在の時点におきましては、この読谷補助飛行場を取り巻く物理的条件というものは、提供施設としてはふさわしくないという判断もありますし、それをまた表明しておるわけであります。  御存じのとおり、この周辺地域は非常な住宅地域と化しております。また、この提供施設、区域内は農耕地と化してもいるわけであります。また米軍自体も、これは沖繩県の復帰前でありますけれども、読谷村当局に対して、ここはちょっと狭いので別に場所を探しているんだというようなことも、正式に文書で意向を表明しているわけです。そういう中で今晩こういう夜間演習を強行するということで、関係地域住民の方々は大変不安と申しますか、そういう演習に対しては反対を表明しているわけですね。  そういうことを、外務省は御存じであるかどうかわかりませんけれども、あえて機動隊を大量に導入し、あるいは米軍の憲兵隊を動員して、そういう物々しい警戒態勢の中で、しかも、夜間訓練、これは照明弾をぶち上げまして、そしてヘリコプターの爆音と申しますか、輸送機の爆音と申しますか、大変なことなんであります。これは笑い話ではありませんけれども、照明弾がぶち上げられますと、鶏が朝を告げるというぐらい異様な状況が展開されるわけですね。しかも、先ほど申し上げましたけれども、この地域においては事故が続出をしておる。隣の高校の校庭に落下傘がおりてきてみたり、あるいは民家の住宅の庭先に落下傘、そういうものがおりてきてみたり、あるときは、これは前の話でありますけれども、十四歳になる女の子がトレーラーによって圧殺された、そういう悲惨な事故も過去にあるわけですね。  そういう中で、反対が非常に強い。村当局はもちろんでありますけれども、そういう中であえて米軍は夜間演習を強行する。それをさせているということが、果たしておっしゃっているところの関係地域住民の理解と協力のもとに云々ということに当てはまるのかどうか。その点非常に疑問を持ちますし、そういうことで果たして皆さんのおっしゃる基地行政というものができるかどうか、非常に私自身憂慮しておるわけであります。  いまの点について、大臣の御見解を伺いたいと思います。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 ただいまの演習につきましては、十九、二十日につきましては日本側から申し入れをしてとりあえず中止してもらうことになったと承知しておりましたが、今夜のことについては、私まだ聞いておりませんので、この点については政府委員から答弁させたいと思います。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾(新)政府委員 今夕の演習につきましては、アメリカ側から使用したいという通報がございまして、それに対して、もちろん地元住民の御理解をいただくということでございますが、現在のところ、地元の住民の方はもちろんこれに対して賛成というわけにはいきませんけれども、村長におかれては、今晩の演習については特に反対という意思表示はされてないというふうに私たちは了解しております。  ただ、先ほど来大臣からお答えしておりますように、こういう演習を含めまして、基地の使用については安定的な、かつ、円滑な運用というものはやはり地元の御理解を得なくちゃならないということは、私たちとしても十分理解しております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 いまの局長の御答弁は、村長さんは反対を意思表明していないと言うけれども、それは違います。猛烈に反対していらっしゃいます。  そこで、先ほど大臣のお答えにもありましたけれども、十九、二十日ですか、演習が中止になりましたね。いま大臣がお答えになったわけですが、この件につきまして、これは事務当局の方でお答えいただきたいわけでありますが、演習の通告の内容と、実際に行われた中止の理由と申しますか、その状況等について御報告をいただきたいと思います。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾(新)政府委員 お答えいたします。  先生よく御承知のとおり、読谷村の落下傘部隊の演習につきましては、従来いろいろトラブルがございました。十九、二十日の夜間演習をするという状況でございましたけれども、その前に、地元住民と米軍との間でトラブルがございまして、私たちとしては、このまま特に夜間演習をすれば、もし大きな事故が起きては困るということでございまして、そういう前提に立ちまして、アメリカ側に申し入れ、アメリカ側もその点よく承知いたしまして、十九、二十日の夜間演習は中止ということになったというふうに私は承知しております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 いまおっしゃいましたとおり、これは局長さんにお答えいただきたいのですが、私、先ほど冒頭に申し上げましたとおり、いろいろなトラブルが起きてはいかぬ、そういうようなことで、外務省としても米側に対して申し入れをされて、向こうも了解して中止をしたのだ、こういうことですけれども、さっきも申し上げましたとおり、読谷補助飛行場の提供施設区域というものは、過去にいろいろな事故も起きている。もはや現在においては提供施設として不適当ではないか。特に夜間等においてそういう落下傘の降下訓練が行われるということは非常に危険性があるということで、関係地域住民の方々には非常に不安があるわけです。ですから、そういうことを踏まえて、現在申し上げております読谷補助飛行場地域についての、提供施設としていいのかどうかという検討を外務省としてされたことがあるのかどうか、その点お伺いいたします。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾(新)政府委員 読谷村にある基地の使用につきましては、周りの都市化ということでいろいろ問題があるということを承知しております。  他方、安全保障条約上アメリカ側に提供した施設、区域については、それを使わせるという義務が日本政府にございますので、外務省としては施設庁と十分協議いたしまして、一方における安全保障条約上の要請と、他方における地元からの御希望ということを頭に入れながら、今後とも十分検討していきたいと思います。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 今後検討していきたいということでございますが、一たん十九、二十日は中止をされた。きょうはまたやるのだ、こういう状況にあるわけですね。私も心配になりましたので、現地の方でいろいろ状況を聞きましたら、十九日のときも機動隊が何か二個中隊動員されて、それから米軍側の憲兵隊も動員されて、非常に物々しい警戒態勢であったというようなことですね。  これはなぜそういう状況になってきたかといいますと、これがもはや現時点においては、おっしゃいましたように、周辺がすでに都市化しているとか等々の理由がありまして、米軍側もそういう意向を持っている、これは復帰前でありますけれども、そういう意思表示を村当局にやっておるわけですね。ですから、現地の那覇防衛施設局はその実態もよくわかります。また、地域住民の感情もよく理解していらっしゃいます。非常に困っていらっしゃるわけですね。ですから、現地の那覇防衛施設局としては、この移設を検討したい、いわゆる正式な外交ルートに乗せて、日米合同委員会に代替地の提案をする用意もあるんだということまで表明しておられることは、御存じですか、外務省は。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾(新)政府委員 施設局の意向については承知しておりますけれども、まだ施設局から施設庁を通じて私たちに具体的な要求としては出ておりません。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そこで、私これは冒頭にも大臣に確認をさしていただきましたけれども、日米安保条約の円滑な運用とか、あるいは提供施設の安定した運用だとかということは、あくまでも関係地域住民の協力と理解がなくてはできないのだということは、一貫しておっしゃっておられるわけですね。たとえば今晩にしても、どういうトラブルが起きるかわかりませんし、あるいはどういう事故が起きるかわからない。それをいままでそういうのんきなことでこういう事態に置いてさておいて、おっしゃっていることとやっていることは全然別なんですね、外務省は。ですから、もしも不幸にして何らかの事故が起きた場合に、これは私はあえてここで申し上げておきますけれども、これまでの外務省の怠慢だ。非常に無責任なそういうあり方がそういう事態に追い込んできている。那覇の防衛施設局は現地におりますから、よく実態はわかるのです。それをいま、細かくこれからいろいろ打ち合わせて検討していきたいなんてのんきなことをおっしゃっているから、問題がどんどん拡大をしていくわけですね。そういうことで、これは私は文句を言いたいことはたくさんありますけれども、この辺でやめておきますけれども、この問題は真剣にひとつ検討をしていただきたいと思います。  局長さん、先ほど私が申しました那覇防衛施設局の、いわゆる現時点においては状況の変化があるということについて、真剣に防衛庁、施設庁と話し合いをされ、検討をされるわけですね。その点、確認をしておきたいのですが……。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾(新)政府委員 現地の施設局から施設庁を通じて私たちの方に話がございますれば、もちろん真剣に検討いたします。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そこで、また戻るわけでありますが、先ほど局長さんの御答弁は、今晩の演習については地元の村長あるいは村当局は別に反対の意思を表明していない、こういうことをおっしゃっておりますが、それは、すぐいきなり外務省に、反対ですと、物理的には不可能ですよね。もう反対ということは一貫しておるわけですよ。それは御理解できますね。そこでむちゃくちゃなことを言っているわけじゃないのです。村当局並びに関係住民の方々もそのように、防衛施設局もいわゆる移設を検討したいと言っているので、それができるまでの間は、それは提供施設だから、全部演習をやめろと、そんなむちゃなことを言っているんじゃない。せめて昼間は私たちもがまんしましょう、それはやむを得ないでしょう、しかし夜の夜中、照明弾をぶち上げられて、ヘリコプターを飛ばされて、輸送機を飛ばされて、そういう爆音と申しますか、騒音の中で、また非常に狭いわけですから、風向きによってはどういうふうに落ちてくるかわからない、そういう夜間の演習だけは、せめて、これはもう人道上許されない、もう生活どころの話じゃない、と。農家の方々はたくさんいらっしゃるわけですね。昼は働いて、夜は寝たい。ああいう農村地域に行きますと、夜は九時になればもう休むというのが普通なんですよ。そこで、そういう夜間の訓練か演習かわかりませんけれども、そんなことをやられたら、もうたまったものじゃない。昼はがまんしますと言うんです。夜はやめてもらいたい、このことについて、大臣の率直なお考えを承りたいと思います。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 ただいまの玉城委員の、いろいろな現地の状況についてのお話もございましたので、十分参考にして、早急に防衛庁の方とも連絡をとって検討いたしたいと存じます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 いま申し上げました、特に夜間の演習ということについては、大臣とされても、地域住民の生活にいかに重大な影響を与えているかということを踏まえて、それは防衛庁とも検討されるのは当然でしょうけれども、米軍側に、そういうむちゃな演習は差し控えてもらいたいということは当然おっしゃっていただけるわけですね。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 これは重ねて申しておりますように、安保条約の条項に基づいて米軍が日本に基地を持ち、また、それを使用しておるわけでございますので、いまの具体的な点をここで直ちにお約束することはむずかしいと思いますが、よく防衛庁なり米軍側とも話し合った上で、いまお話しの御趣旨の点にできるだけ沿うように努力する。しかし、現段階では、これはまだ話し合いをし丸ければならない問題でございますから、そういうことになるということは申し上げられないと思います。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 園田前大臣には、昨年の予算委員会でいろいろお伺いして、お答えもいただいたのでありますけれども、やはり少なくとも国民の生命あるいは財産あるいは生活に脅威を与えるということを踏まえた場合には、遠慮なく米軍にも言いたいしということをはっきりおっしゃっておられたわけですね。なぜ大臣は、そこで遠慮しいしい、米側とも安保条約——そういうことはよくわかるわけですよ。しかし、現実に夜間にそういう演習をされるということは、もう一回申し上げましょうか。過去にいろいろな事故が続出した。そういう夜の夜中に照明弾をぶち上げられて、ヘリが飛ばされて、あるいは輸送機が飛ばされて、そういう落下傘の降下訓練というものはむちゃだ、これは常軌を逸している、常識外れである、そういうふうに深刻に訴えているわけですよ。この夜間演習についてはもうがまんならないから、その演習そのものについても反対行動をとりたいというのが地域住民の方々なんですね。  なぜ大臣はそのことについて御理解を示されないのでしょうか。もう一回お答えをいただきたいと思います。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 これは、日米安保条約に基づきまして、日本が攻撃を受けた場合にアメリカが守るという約束になっておりますので、そのアメリカが訓練上必要だということの必要の度合い等にもよる面もありましょうし、安保条約というのは、日米双方の信頼に基づいて運営されるということだと思いますので、いまのお話の趣旨はよくわかりますけれども、ここで一方的にそうするんだということを私から申し上げることはできないという意味で申し上げたわけでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 大変しつこくなりますけれども、そういうことを大臣が突っ張っておられるからますます問題は解決しないわけですよ。ますます問題化していくわけですね。  じゃ申し上げますよ。大臣も確認されましたですね。この日米安保条約の円滑な運用あるいは提供施設の安定した運用ということについては関係地域住民の理解と協力が必要である、それがないとその運用は可能にならない、それは当然だとおっしゃいました。それは外務省としては当然そういう所管責任があるわけですね。私、昨年の十二月十四日のこの委員会でもこの問題は取り上げました。どういう理解と協力を得るために外務省としてはこれまで努力をしてこられたのか、その点をお伺いいたします。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾(新)政府委員 先ほど大臣からも御答弁いたしましたように、一例を引きますと十九、二十日の演習につきましては、私たちの方から直接アメリカ軍に対して申し入れて中止要請をしたわけでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そういうことを聞いているんじゃないのですよ。ですから、中止をせざるを得ないような状況にあるということは、関係者の方々の協力がまだ得られていないということでしょう。だから、そういう関係地域住民の方々に理解と協力を得るためにどういうふうな努力をしてこられたのか、こういうことを聞いているわけですよ。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾(新)政府委員 もちろん、私たちとしてそういう努力をしていくということは、原則的にしていくわけでございますけれども、具体的には現地の事情を最もよく知っております現地の施設局なりあるいは防衛施設庁から現地住民の御理解をいただくというのが筋ではないかというふうに考えております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 外務省は現地の実態は全然わからないわけでしょう。ですから、米軍のパラシュートの降下演習訓練というものが夜間行われることがどんなものであるかということについては、幾らここで私が説明してもわからないわけですね。大臣もおわかりになっていらっしゃらないからさっきああいうお答えをしていたわけですけれども、皆さんは現地に防衛施設局の出先の機関があるからということで済まされる問題であるのか。それで果たして本当のおっしゃるところの安保条約の適切なあるいは安定したあるいは円滑な運用というものを責任を持ってやれるのかどうか、そういう努力も何もしてない。施設局任せになっているわけでしょう。現地の実態は何もわからない。皆さんはただ霞ケ関で座っていて現地の深刻な実態については全くわかっていらっしゃらないでしょう。電話で何かやりとりをやっていらっしゃるかもしれないけれども、そういうことでは済まされないし、そういうことでは関係地域住民の方々の理解と協力も得られない、こういうことなんですよ。どうですか。  これは御提案ですけれども、在日米軍基地の五三%が沖繩県に集中しているわけですから、そこに外務省の出先の連絡事務所なり、あるいは名称はどうでもよろしいですけれども、そういうものを置く、現地の実態、現地の空気というもの、地域住民の感情というもの、そして皆さんのおっしゃる安保条約の安定した円滑な運用とか提供施設の安定した運用、そういうことを遂行するためにも私はこれはぜひ必要であると思いますが、どうでしょう、この点大臣のお考えを……。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 ただいまの点につきましては、日本の役所のそれぞれの仕事の分担がございまして、御趣旨はよくわかりまして十分考慮しなければならないことだと思いますが、筋といたしましては、防衛施設庁と外務省と十分相談をする、また防衛施設庁と現地の施設局の間の関係連絡を密接にしてもらう、そういうたてまえでやってまいるのが筋だろうと考えております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そういうことを私は言っているわけじゃないのですよ。あれだけの基地を抱えていますから対外国軍隊とのいろいろな交渉が出てくるわけですね。あるいは外交ルートに乗せなくちゃならない問題も多々あるわけです。現地の施設局のやれる限界というのはあるわけですよ。これは外国軍隊とのやりとりの問題になってきますしね。ところが、そこに外務省の方一人もおらない。施設局のおっしゃることを皆さんそのままはいとそういうふうにおっしゃるわけでもないでしょう。先ほど私申し上げましたとおり、読谷補助飛行場についての現地の判断、あるいは防衛施設庁長官ですらこれは撤去という流れの段階で検討しているということを、つい二、三日前私に話しておられました。そういう現地の実態を知っていらっしゃる方はよく理解ができるわけですよ。皆さんはそういう実態を知っていないからおわかりにならないからそういうのんきなことをおっしゃっているわけです。施設局が大変現地で苦労していらっしゃる、あの方々も最後は外交ルートで解決しなければならぬというようなこともおっしゃるわけなんですね。どうなんですか、もう一回その点について大臣のお考えは。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 この点につきましては、外務省といたしましてもさらに現地の施設局あるいは防衛施設庁を通じまして御協議を十分にいたしまして対処してまいりたい。  この点で現地に直接外務省の出張所を置くかどうかという問題でございますが、これについてはいろいろ機構上の問題もございますし、御趣旨の点はよくわかるわけでございますけれども、政府内部での検討を続けてまいりたいと思いますので、この点は御了承願いたいと思います。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 しつこく伺いますが、それを検討されるまでの間——先ほどから具体的に伺っておりますが、現地は一触即発の状況にあります。私は現地沖繩県の出身ですからよくわかるんですよ。ですから、恐らく今晩も、機動隊が導入されあるいは米軍側もMPが動員されて、物々しい警戒態勢の中で行われるでしょう。そして地域住民の方方はその周辺に——そういう深刻な状況にありますので、どうなんですか、きょうでもあすでも読谷補助飛行場に外務省から直接どなたかを派遣されて、実態はどうなのか関係者の方々とお話し合いをされるおつもりもありませんか。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 この点は先ほど申し上げましかように、十九日、二十日の延期を申し入れて米軍もそれは承知したわけでございますが、その際にも、アメリカ側も現地の住民とトラブルを起こさないように最大限に気をつけてやりますというととを向こう側も申しておるわけでございまして、この際日米の協力の問題も同時に考えてまいらなければなりませんので、いまさしあたりきょうの問題はその情勢を見守るということでまいるよりほかはないかと考えているわけでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 大臣は、一歩も二歩も、前進どころか後退ばかりの感じのお答えをしていらっしゃるのです。情勢を見守るというのんきなことをおっしゃいますが、さっきも申し上げましたとおり、もし万一何らかの事故が起きトラブルが起きたその責任、これは外務省にありますよ、そういうことをおっしゃるならば。その点確認されますか。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 いまの段階では、米軍側がこの演習を非常に慎重にやる、トラブルを起こさないようにやるからと言っておるわけでございまして、これを信頼してまいるということよりほかにないのではないかと考えておるわけでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 おっしゃるとおりに、日米関係というのは両国民の不断の努力によって築き上げていかなければならない、こんなことはもう当然ですよ。そういう中でも、特に外務省の果たすべき符割りはきわめて重大だと思うのですね。それが、現実に安保条約の運用の問題にしましても、そういう状態で現地ではいろいろなトラブルが起きて、そのまま情勢を見守るとかいう形で本当に責任が果たされるのかどうか、私は非常に疑問に思うわけです。もし仮に住民側と米軍側と直接的にぶつかって、それこそ日米友好と反するようた状況がどんどんでき上がった場合には、これは大変なことなんです。それを憂慮するから、私は口を酸っぱく最初から申し上げているわけです。大臣、日本国民の立場に立った外務大臣でしょう。そういう立場から、もう少し人間味のある答弁をしていただきたい。  特に夜間演習のことにつきましては、現地の村長さんからきのう私のところに電話が来まして、これは伏してお願いします、こういうことを言っているのですよ。夜間演習についてだけは何とかとめてくれ、そうでなかったらわれわれは阻止行動をとらざるを得ませんよ、こういうことを言っているわけですよ。どうなんですか、大臣。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 私の聞いている範囲では、米軍側はどうしても夜間演習をやりたい、そのかわり、やることについて最大限の注意を払う、やり方については最善の努力をするから、どうしてもやらせてもらいたいというようなことがございまして、ただいまの玉城委員のお話よくわかりますし、私どもも十分考えていかなければならない問題だと思いますけれども、いまのような情勢を踏まえまして、今後も検討してまいりたい。しかし、今晩の問題につきましては、こういう状況でございますので、アメリカ側が再三そういう約束をしておることを信頼いたしまして、とりあえず対応をしていくことになるかと思います。  御指摘のように、私どもも現地住民の立場を十分尊重しなければならないということは承知しておりますが、同時に日米関係を基本的に維持していかなければならない、これもまた外務省の立場でございまして、この点で私どもとしてはそういうトラブルが起こらないことを強く期待しておるわけでございます。今後もいろいろ検討させていただきたいと思いますので、決して人間性がないという問題ではございませんで、いろいろな要請の中で、間を考えていかなければならないという状況に置かれておりますので、その点を御了承いただければありがたいと存じます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 私に御了承と言ったって、これは地域住民の方々の問題ですから、最後にその点は強く要望しておきたいのですよ。そうでないと、おっしゃるところの運用そのものに重大な支障を来してくるのではありませんか。ですから、外務省とされても、あらゆる手を尽くして住民の方々の理解を求め協力を求めるという努力はすべきです。  それと同時に、なぜ理解していただけないか、そういう状況も真剣に検討すべきです。果たしてこの地域がそういう夜間演習、落下傘の降下演習をするにふさわしい地域であるのかどうかということも真剣に検討しないと、ただ協力してくれだけではこれはできるものじゃないのです。ですから、先ほども局長さんおっしゃいましたとおり、大臣もその点は十分御検討されるわけですね。最後に大臣の決意の確認をいただいて、終わりたいと思います。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 いまご指摘の点は十分検討いたしたいと思いますし、きょうできるだけ早い時間に、もう一度念のために米軍側に申し入れをして、事故を起こさないように十分な注意を払ってほしい、特に国会でのいろいろな御注意がありましたということを先方に伝えたいと考えます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 時間が参りましたので、これで終わります。

中尾栄一自由民主党・自由国民会議

○中尾委員長 野間友一君。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 当委員会におきまして、前回のときに、私はカーター大統領の演説あるいはブラウン氏の国防報告など、いわゆる力の政策によるアメリカの世界戦略、それを全面的に支持して日本の政府が追随することは日本の安全にとって大変危険であるという観点から、幾つか質問をしたわけでありますけれども、きょうはちょっと角度を変えて、別の観点から質問をしてまいりたいと思います。  あの国防報告の中でも大変オクターブを高く書いております緊急投入部隊、RDFの問題でありますけれども、政府はこれらの緊急投入部隊の基地使用についても、これが移動とか中継を含めて安保条約上は問題がないのだ、こういうふうに予算委員会でも述べておられるわけであります。  そこで、初めにお聞きしたいのは、米軍の日本における基地の使用について制約はあるのかないのか、あるとすればどのような制約があるのか、まずお答え願いたいと思います。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 極東に対する脅威があります場合に、米軍の行動については事前協議ということがございまして、ここに歯どめがかかっておるわけでございます。また、非核三原則という歯どめもございます。そういうことで幾つかの歯どめはあるわけでございますが、同時に基本的に、先ほども申し上げましたけれども、日米安保条約のもとで、日本に他から武力攻撃があったときにはアメリカに守ってもらうということでございまして、アメリカに対する他からの攻撃に対して日本はこれを守る義務がないという安保条約の性質でございます。それと同時に、日本の基地の使用を米軍に認めるという条項があるわけでございまして、これはやはり日米安保の全体の組み立てという面から個々の問題を判断してみる必要があると考えております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 事前協議等についていまお話がありましたけれども、駐留目的による歯どめ、これもあるわけですね。これはいま抜けておりましたけれども、いろいろされておる答弁を見ましたら、どうも大臣は一貫してこの駐留目的による歯どめが、いまの御答弁でも出てこない。それらについての理解が大変不十分ではないかというふうに私は危惧するわけでありますけれども、日本の安全、あるいは極東の平和と安全、これらに制約される。この安保特別委員会で三十五年ごろからずっと、本来は米軍の行動は自由である、しかしそれでは困るのでということでこういう歯どめをかけたのだというのが定説になっておりますけれども、これが抜けておりましたね。これはこのとおりだと思いますけれども、大臣いかがですか。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 アメリカは日本を守る義務があるという意味でのことで含めておったつもりでございますが、言葉が足りなかったと思います。  なお、もう少し正確には条約局長から補足説明をさせたいと思います。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 どうせまた後で聞きますから……。  それでは時間がありませんので質問を続けます。  三十五年の四月十三日の衆議院安保特別委員会の中で岸総理大臣がこういうふうに言っておるわけです。  「米軍の行動というものは、本来これは自由であります。従って、その自由な行動を持っておるところのものを、無制限に行動さすようなものを日本に駐留せしめておくということは、これは適当でないということで、その在日駐留目的を制約しております。さらに、この行動につきましては、事前協議によってさらにこれを制約しようということをとっております。」こういうことで答弁しておるわけでありますけれども、この立場はいまも変わりはないのかどうか、お答え願いたいと思います。

伊達宗起外務省条約局長

○伊達政府委員 変わりはございません。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 次にお伺いしたいのば、一体ペルシャ湾が極東の周辺になるのかならないのかという点について、これも前回の委員会でも答弁がありました。それによりますと、極東の周辺にはたらない、当たらない、こういう答弁がありましたが、これもそのとおり維持されるわけですね。

伊達宗起外務省条約局長

○伊達政府委員 実際問題といたしまして、極東周辺という概念は、安保条約上、用語として決まっておるわけではございませんで、御承知のように三十五年の政府統一見解におきまして極東に武力……(野間委員「長いのはいいです。この前の答弁を確認しておるわけです」と呼ぶ)  それでは前段は省略いたしましてお答え申し上げますと、実際問題としてペルシャ湾における事態というものが極東に脅威を及ぼすというようなことは考えられない、その意味におきまして、ペルシャ湾が極東の周辺と観念されるような事態はないであろうということでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 そこで聞くわけですけれども、すでにいろいろな新聞報道等によりますと、米軍は中東への軍事干渉をやっており、そのために日本の基地が使用されておるというのが実態ではなかろうかと思うのです。きのうの報道でも、ミッドウェーがようやく帰港してきた、市長が歓迎したとかいう話が出ておりましたけれども、またアラビア海に海兵隊の水陸強襲部隊千八百人ですか、これが派遣されたというのも報道されておるわけであります。しかも、この中に在沖米海兵隊が含まれておるということが言われておりますけれども、その事実は政府は認めるわけでしょうか。

丹波実外務省北米局安全保障課長

○丹波説明員 お答えいたします。  先生御指摘のような今回の千八百名のうちの一部が沖繩から移動していったものであるというような報道があったことは承知しております。われわれといたしましては、本件千八百名につきまして国防総省に問い合わせましたところ、沖繩からは出ていってないという回答をもらっておるわけですけれども、御指摘のような報道がございましたので、再び改めて在日米軍に確認いたしましたところ、御指摘の報道にある部隊はかつて沖繩に存在はしておりましたけれどもすでにハワイに移駐している部隊である、したがってこの報道は誤解に基づくものであろうという回答を得ております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 ハワイも沖繩と一体のものであるわけですね、第三師団だと思うのですが。これは「オキナワ・マリーン」というのを週刊紙として米海兵隊が発行しておりますけれども、この二月十五日号には、沖繩にあるヘリ中隊も参加しているということが明確に述べられておりますけれども、この記事は御承知でしょう。

丹波実外務省北米局安全保障課長

○丹波説明員 お答えいたします。  先生のただいま御指摘になりました記事につきましては、私ちょっと記憶にございませんけれども、先ほどの件につきましては、先ほどお答え申し上げたとおりでございます。  なお、一言つけ加えさせていただきますと、たとえ沖繩から移動していったものであるとしても、安保条約上は何ら問題はないということは、かねがね、累次申し上げておるとおりでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 後の答弁よけいですが……。  この「オキナワ・マリーン」によりますと、まだ見ていないというのは非常に不見識だと思いますけれども、「中東派遣部隊に含まれているのは、沖繩の米第三海兵水陸両用部隊の一部になっている第二八五海兵中型ヘリ中隊・混成ヘリ中隊で、同ヘリ中隊はハワイ駐留の第一海兵旅団第三海兵連隊所属の第三海兵大隊上陸チームとともに派遣されています。」はっきりこう書いてあるわけです。先ほど違う答弁をしましたけれども、米海兵隊の発行しておる機関紙の中でもはっきりとこういうものを認めておるわけです。仮にそうだったとしてもという答弁がありましたけれども、これは厳然たる事実なんです。これはいまでも否定しますか。知らないと言うのですか。

丹波実外務省北米局安全保障課長

○丹波説明員 お答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、外務省といたしましては、国防総省及び念のため在日米軍に、つまり米側に対して二度にわたって確認しておるわけで、その結果、その回答は、要するに物理的に沖繩に駐留している海兵隊ば今回移動の中には含まれておらない、こういう回答を得ておるわけでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 だから、そういうようなことで実態の把握も十分にできないようなことじゃ困るわけです。現にそういう部隊の中で発行しておる機関紙に書いてあるわけですからね。いま私が指摘したものを踏まえて再度確認をするべきである。これは事実であります。  こういう点からも明らかなように、本来日本とかあるいは極東の平和と安全に何の関係もなく、中東におけるアメリカの干渉政策に基地が現実に使用されておるということであります。  そこで、仮の話もありましたけれども、いまの答弁で、仮に在沖ヘリ中隊も参加しておるというようなことでも答弁としてはやむを得ないかもわかりません。私は実際に行っておるということが前提でありますけれども、いずれにしても、これは極東の平和と安全に関係のない、中東におけるアメリカの戦略の中で基地が使用されておるということになりますと、これは先ほど触れた岸総理大臣のあの答弁でありますけれども、この駐留目的による制約、これには明らかに違反しておる。こういう移動であれば、基地の使用も自由だというようなことを言われるわけでありますけれども、明らかに安保条約そのものの日本の安全あるいは極東の平和と安全という原点に立ち返ってきた場合に、そのために日本の基地あるいは区域を提供してアメリカに使用させるということなんですね。したがって、そういう点から考えても、一定の駐留目的による歯どめ、あるいは事前協議という歯どめ、これがあるわけでありますけれども、少なくとも駐留目的という点から考えても、岸総理大臣がかつて言われた、いまも変わりないという政府見解、こういう点からしても、明らかにこのような問題で日本の基地が使用されているということは駐留目的の違反になるというふうに私は考えざるを得ないと思うのです。いかがでしょう、大臣。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 一つには、従来政府の解釈といたしましては、移動のために日本の基地を使うことについては、これは軍隊の属性から考えても支障ないという解釈をとっておるわけでございます。ただ、日米の安全保障条約というのは先ほど申しましたように日米の相互の信頼関係に基づいておるわけでございまして、もしも日本の基地の使用が安保条約の枠の外の問題でございましても、日本に重大な影響を与える可能性がある問題については当然協議が行われるものと了解しておるわけでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 事前協議の問題、いま言われましたけれども、駐留目的の違反と、それから駐留目的には違反していないけれども果たして一定の行動が事前協議の対象になるかならぬかということは、別個の問題です。二つの歯どめがあるわけですからね。ですから、そもそも駐留目的に違反して日本の基地を使用するということ自体がこれはもうすでに事前協議の対象になるならぬの以前の問題だというふうに私は思うわけです。  しかも、移動ならいいというようなことになりますと、これはもう大変なことになる。当時のこれまた岸総理の答弁でありますけれども、行動の中には戦闘行動あるいは補給とか移動等が含まれ、いろいろな形態があるということを、三十五年四月一日の安保特別委員会の中で岸総理が答えておるわけです。こういう点からして、行動の中には単に戦闘行動だけではなしに補給とかあるいは部隊の移動も含まれるということ、そしてさらに先ほど引用しました四月十三日の岸総理の答弁の中で、米軍の行動というものは云々、駐留目的を定めて制約しているということで、決してこわが単に戦闘作戦行動ということに限定して答弁をしていないということもこれで明らかなんです。  したがって、こういう点からしても、岸さんが言われるこの駐留目的による制約というのは、先ほど私も引用して、あるいはその後もいろいろお尋ねしておるのですけれども、こういうことになるのではないか。これ、いかがですか。

伊達宗起外務省条約局長

○伊達政府委員 お答え申し上げます。  わが国がアメリカ軍に施設及び区域を提供いたしますその目的といたしましては、先生御指摘のように第六条に「日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため」という提供目的が書いてございます。ただ、先生がただいま御指摘になりました、戦闘作戦行動のほかにも行動というのは移動とか補給とかいうことがあるのではないか、それが極東における国際の平和及び安全と関係なくアメリカ軍が使用するのは目的違反ではないかというお尋ねであると思うのでございますが、私どもの考えに上りますれば、移動と申しますのは単に駐留しておった海兵隊が外へ出ていくという行動にすぎないわけでございまして、海兵隊が日本の施設、区域を利用してそこに駐留しておる、あるいは第十艦隊が日本の施設、区域である港に寄港するということ自体は、それによりまして極東の平和及び安全に抑止力として貢献しておるという実態があるわけでございます。その限りにおきまして部隊が移動していくことそのものは何ら極東の平和及び安全の維持に寄与するという目的に違背するものではない、したがって移動は自由であるという考え方をとっているわけでございます。  補給につきましても、通常の補給というものはあり得ることでございまして、これはやはり、大枠といたしましては当然のことながらこの第六条の提供目的というものがかぶっておりますけれども、多少の補給行動というようなものは軍隊の属性からいたしまして当然のことであると考えているわけでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 私が申し上げておるのは、岸総理がかつて、本来は自由だけれども駐留目的という歯どめ、同時にもう一つは事前協議という歯どめ、この二つをかける、こういうふうに言っておるわけですね。そういう点から考えて、まず一つの歯どめ、駐留目的ですが、この駐留目的は安保条約にちゃんと定められておる日本及び極東の平和と安全という枠があるわけですね。だからその中での移動ならともかく、あるいは日本の基地から本国というかアメリカへ帰るとかそういう場合の移動ならともかく、初めから明らかにこの緊急投入部隊のように日本あるいは極東の平和と安全と関係のないペルシャ湾、中東、こういうところをにらんで行くような性格の米海兵隊、こういうものが日本の基地を使っておるということを考えた場合に、そのことだけでもすでに駐留目的違反、この六条に言う歯どめ、これに違反しておるということは明らかじゃありませんか。どうでしょうか。だから、私が聞いているのは事前協議の対象以前の問題ですよ。

伊達宗起外務省条約局長

○伊達政府委員 緊急投入部隊の中に在沖繩の海兵隊が編入されているいないとは関係がないものだと私は考えるわけでございます。と申しますのは、在沖繩の海兵隊と申しますのは沖繩にいることによりまして極東の平和及び安全に抑止力として効果を発揮している、寄与しているわけでございまして、それが米国軍の編成上緊急投入部隊に編入されているという事実は、極東の平和及び安全に貢献しているという実態には何ら影響がない。また他方、考えてみますれば、アメリカの要請によりまして軍の用兵上の必要からその在沖繩の海兵隊が別の地域に向かうということ自体は、安保条約上何ら差し支えないところでございます。したがいまして、御懸念のような問題は起こらないというのが私どもの考え方でございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 しかし、それはめちゃくちゃですよ、そんなことを言うと。パロー米海兵隊司令官の下院の軍事委員会の証言の中でも、日本あるいはハワイ駐留の第三海兵師団は西太平洋からインド洋、さらに中東、アフリカでの必要な事態に即応するものである、つまり日本におる沖繩軍、こういうものは中東での必要な事態に即応するそういうものであるということをはっきり言っておるわけですね。現に、先ほど申し上げたように、すでに沖繩のしかるべきそういうようなものがペルシャ湾へ進んでおる。このことを、しかしこれは駐留目的でない、駐留目的に違反していないとなぜ言えるのでしょうか。日本を基地として使用しておる、日本やあるいは極東の平和と安全に——極東の周辺でないと言われましたね、関係のないところへどんどん出ていく、それが目的の軍隊が日本の基地を使用しておるということは、明らかに駐留違反じゃありませんか。なぜこれは否定できるのですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾(新)政府委員 先生御承知のように、沖繩の海兵部隊は理論的に緊急展開部隊になり得るということでございますけれども、現在の時点で沖繩の海兵隊がその目的のためだけで駐留しているというふうには私たち考えておりません。やはり沖繩の海兵隊が駐留しているのは、極東の安全と平和のために駐留しているということでございますので、したがって六条に言う駐留目的に合致しているというのがわれわれの認識でございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 それじゃ、私は異論がありますけれども、もし仮定して沖繩にある米海兵隊、そういうものが、カーター戦略の一環、要するに中東とかヨーロッパをにらんでスイング戦略の中で位置づけられてある軍隊だ、これはブラウン国防報告の中にも明らかにあるわけです。ですから一面で、仮に日本の平和と安全ということがあなたの立場から言えたとしても、主たる目的がそういう日本の平和と安全ではなくて、ペルシャ湾とか中東をにらんだそれに即応する軍隊だというふうに考えた場合にはどうでしょうか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾(新)政府委員 理論的な問題でございますけれども、やはり沖繩にいる部隊が極東の安全と平和に全く関係なくて、他地域のために駐留しているということはちょっと考えられないんじゃないかと思います。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 考えられないことが起こっておるから問題にしておるわけですよ。従来の安保の論議というのは、要するに極東の周辺とか極東の問題、あるいは事前協議の問題が国会で論議になっておりますけれども、いまあの力の政策によるカーター戦略の中では新しい事態が生まれておる。つまり日本の基地を利用してどんどんペルシャ湾等々へ出かけていく。ですから、新たな事態に対しては新たに考えなければならぬ。事態はすでに変わっておる。新たな時点で新たな対応を考えなければならぬ、こういう認識を私は持っておるわけですね。そうじゃありませんか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾(新)政府委員 先ほど当委員会で条約局長が御答弁しましたように、仮に沖繩にいる部隊が戦闘作戦行動のためにペルシャ湾に行くということ、われわれは現実の問題として考えておりませんけれども、そういうことになった場合には、これは安保条約が予想しないことである。安保条約が予想しないということは、安保条約以前の問題であって、米軍がそういう行動をとる際には、当然日本側に安保条約とは別個の立場からそういう行動をとるのがいいのかどうかということを聞いてくるというふうにわれわれは考えております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 それじゃ、もしそのように聞いてきた場合にはどう対応されるのですか。これは新たな問題ですよ、念のために。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾(新)政府委員 これは先ほど申し上げましたように、安保条約以前の問題でございますのでそのときの状態に応じて対応するということでございますけれども、現在の時点ではまずかかるようなことは起きないというふうにわれわれは認識しております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 いや、もし起きたらどうするのか、どう対応するのか。これはしかし新たな対応になるわけでしょう。いままでのいろいろな情勢と遣うわけでしょうが。違いますか。そのカーター中とかあるいはブラウン氏の報告など見ましたら、スイング戦略とか緊急投入部隊とかいろいろな、新たな中東やあるいは西欧をにらんだソ連封じ込めの力の政策が出てきておるわけでしょう。そういう事態に対して、日本の基地がアメリカにとって新たな対応を迫られておる、そのことが先ほどからるる申し上げておるようにいろいろな問題を提起しておると思うのです。それらに対してどう対応するのか。仮定のものは答えられぬとか、理論的に考えられないとかいろいろな言い方があると思いますけれども、しかし少なくとも日本の安全という点から、こういう場合にはどう対応するのかということを当然に政府は考える必要があるんじゃないでしょうか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾(新)政府委員 再三御答弁申し上げておりますように、全く理論的な問題でございまして、ここである特定の状況に応じてその場合にどううというふうに申し上げるのは、私としては妥当でないと思います。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 もう時間がありませんので、これは保留して、あとまたいつか質問したいと思いますけれども、沖繩にある緊急投入部隊、これがたとえば作戦行動として中東へ派遣されるというような事態が考えられると思うのですけれども、この点についての認識はいかがですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾(新)政府委員 安保条約上、戦闘作戦行動については、先生よく御承知のとおり日本の施設、区域を利用して直接戦闘に従事するための行動でございます。したがって、現在の時点で、沖縄にいる部隊あるいはその他の部隊がまさにそこで申し上げる戦闘作戦行動のために日本の施設、区域を利用するということは、現実問題として考えられないというふうに私たちは理解しております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 もう時間がなくなりましたけれども、私が聞いておるのは、緊急投入部隊が直接中東に戦闘作戦行動として行くこと自体があり得る、これはいろいろな能力とかそういう面であり得ると私は思っておるのですけれども、その点はいかがですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾(新)政府委員 いまの問題は、一義的にわが国と中東との距離という問題でなくて、その部隊が日本を発進するときの任務とか対応によってそれが戦闘作戦行動かどうかというふうに決定される問題だと思います。ただ、軍事常識上考えた場合に、沖繩から一直線にその部隊が戦闘の現場に戦闘行動のために発進していくということはあり得ず、むしろどこか近くのところへ展開して、そこで戦闘の状況を見ながら態度を決定していくというふうに私たちは考えております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 しかし、やろうと思えば現実にいまの能力ではできるわけでしょう。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾(新)政府委員 これは予算委員会その他でも議論になりましたけれども、やはり理論的に考えても、ただ輸送機だけが戦闘作戦行動のために飛んで行ってそこで落下するということは、まず考えられないというふうに私は考えております。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 直接私の質問に対する答えになっていないのですけれども、沖繩にある米海兵隊司令部当局者は、これは共同通信の報道なんですけれども、「第三海兵師団は命令があれば地球上、どこへでも緊急戦闘作戦行動に派遣される態勢にあり、緊急出動のさい、先遣隊がまず、MACで急派される」、しかも空中給油をすれば無限にどこへでも直接発進できるということをはっきり言うておるわけですね。このことは、そういう能力がないのだという従来の政府の答弁を覆すものだというふうに私は考えるのですけれども、現に空中給油のそういうものもすでに開発されましてやられておるわけでしょう。こういうことをすれば無限にどこへでも飛んで行けるという可能性があることは否定しないでしょう。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾(新)政府委員 私がアメリカ軍当局の言葉を有権的に解釈できませんけれども、そこで言っているのは一般的な戦闘行動であって、安保条約で言う戦闘作戦行動ということではないと思いますし、仮に安保条約上言う戦闘作戦行動であれば、従来から御答弁しておりますように、それは現実問題として考えられないというのが私の考えでございます。

野間友一日本共産党・革新共同

○野間委員 もう時間がなくなりましたのでこれで終わらざるを得ませんけれども、聞くところによりますと、来月、外務大臣は訪米されるという予定があるやに聞いておるのですけれども、前のときに私申し上げたのですけれども、アメリカの力の政策によるこういう戦略に無条件に追随して、何でもかんでもこれをオーケーする、あるいは実際に日本の安全にとって大変な問題について、私がここでいろんな具体的な事実を挙げて聞いても、それにはまともに答えない、そういうような態度では困るわけです。いま申し上げました駐留目的からしても、あるいは直接沖繩の海兵隊が中東に派遣されるという可能性まで現に出ておるというような報道もあるわけです。そういうものを踏まえまして、やはり日本の国益、利益、日本の安全という点から、もし行かれるとするならば、アメリカの言い分に頭をなでられて帰るのではなくて、やはり堂々と物を言うというような姿勢が最も望まれると私は思うのです。この点について注文をつけて、言答弁を求めて、時間がありませんのでもう終わりたいと思います。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 現在のところ、三月二十日前後に訪米いたすことにいたしておりますが、やはり日米関係におきまして、アメリカが日本が攻撃されたときに守るという面と、それからアメリカが日本の基地、施設を利用するという両面がございますので、この両面を踏まえて対処していくべきだと思います。国会でいろいろ御意見をいただいておりますので、この点も踏まえて基本的に日本の国益を守る立場、これは日本にもし外から攻撃があったときに日本だけで守れないということで、アメリカの協力を得るという安保条約の基本的な性格がございますし、同時にいまのような基地利用の問題がございますので、日本の基本的な姿勢は日本の安全を守るということでございますし、同時に不必要に他の世界の問題に巻き込まれない、これはやはり日本自身、日本人自身の意思、日本政府の意思の問題でございます。安保条約の範囲を超える問題は、またそういう基本的な問題については、当然に日米間の相談がある。こういう点につきましては、日本側としても絶えず日本自身の安全、国益という立場から十分に米側と話し合ってまいらなければならぬというふうに考えておりますので、三月に参ります場合もそういうつもりで話し合ってまいりたいと思っております。

中尾栄一自由民主党・自由国民会議

○中尾委員長 渡辺朗君。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 きょうは大きく分けて二つのことをお尋ねしたいと思います。  一つは中東の問題であります。もう一つは日米経済摩擦の問題です。一時から本会議でございますが、十分前には必ず終わりますので、どうぞ外務大臣、腰を落ちつけてひとつ御答弁をいただきたいと思います。  早速ですけれども、外務省では、新聞によりますと、八〇年を中東外交強化の年というふうに位置づけておられるやに聞いております。したがいまして、恐らく確かな情報もたくさん持っていらっしゃるでありましょうし、確固とした方針もお持ちのことでいらっしゃる。そういうところを聞かしていただきたいと思います。  早速ですけれども、二月二十日が過ぎました。ソ連軍がアフガンに進駐しておりますその撤退を求めていたその一つの区切りの山場といいますか、それが一応二十日でございました。きょうの時点においてアフガニスタン情勢の現状というのを、外務大臣、どのように認識していらっしゃいますでしょうか。撤退の可能性というものは出てきているのか。逆に増強になっているのか、あるいは膠着状態なのか、そこら辺まずお聞かせをいただきたいと思います。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 アフガニスタンの情勢につきましてはいろいろな情報もあるわけでございますけれども、現状におきましては、いまだにある程度兵力の増強が行われておって、二月二十日という期限に撤退に向かうという動きは見られないと考えております。一方におきまして、ブレジネフ書記長の記者会見における発言で、アフガニスタンの情勢が安定すればソ連軍は撤退するのだ、そのほかソ連の要人の人たちが同趣旨の発言をいろいろな機会にいたしておりますので、先般の独仏首脳会議のコミュニケの中でも、ソ連側が撤退するのだということを言っておることをわれわれは十分注目しておるのだということを言いまして、またアフガニスタンの軍事介入、この撤退が行われないとデタントに重大な影響があるということも独仏の間で申しておるわけでございますが、現状、短期的な当面の状況としては撤退の動きが見られないというふうに考えております。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 そうすると、膠着状態及び増強の姿もあるというようなお話でございました。そうした中で、新聞によりますと、オーマンの包括的防衛計画、これに対しまして日本、フランス、英国、西ドイツは協力することを同意したというような記事がこの一両日出ておりました。そういうような問題の真偽はいかがでございましょうか。オーマンの防衛計画に対する協力、日本がそれに同意したということでございます。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 いまの新聞記事は私も拝見いたしましたが、これは事実無根だと存じます。  なお、この点につきましては、オーマンからの王室顧問の来日などもありまして、必要ならば政府委員から補足的に説明いたさせます。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 お願いいたします。

千葉一夫外務省中近東アフリカ局長

○千葉政府委員 オーマンの問題につきましては、御承知のとおり去年の秋にオーマンがホルムズ海峡防衛につきまして各国の協力を求める案を出したわけでございます。これは中近東各国、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、日本なんかにも来たわけでございますが、これに対しましては、政府としては何ら回答をいたしておりません。われわれとしましては、軍事協力ということは全く不可能であるということはオーマン側にも伝えてあるわけでございますが、この案についての正式な回答はいたしておりません。検討中というところでございます。  なお、ただいま大臣が答弁いたしましたように、あの新聞記事は全く事実無根でございまして、その点は御安心願いたいと思います。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 二月十九日に欧州共同体、ECの定例外相会議が開かれました。そのときにアフガニスタン問題を論議して、この問題解決のためにアフガンを中立化するという構想が発表されたやに聞いております。この真偽のほどはいかがでございましょうか。そしてまた、これに対しては日本の外務大臣としてどのようにお考えでございますか。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 まず事実について政府委員から答弁させたいと思います。

千葉一夫外務省中近東アフリカ局長

○千葉政府委員 ただいまおっしゃいましたように、確かにEC外相会議でそのような提案がなされたわけでございます。ただし、内容につきましてはまだ十分に詳しくは把握いたしておりません。  一応の概要としましては、基本的なアイデアとしてそういうものがあるというふうに承知いたしておりますが、具体的な肉づけ等についてはまだ情報を持っておりません。もっとも、それほど詳しい提案ではないというふうに承知いたしております。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 まだアイデアの段階というふうにおっしゃいましたけれども、アイデアの段階であったとしても、それでは日本の外務大臣としてはどのようにお考えでございましょう。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 中立化する前提条件はソ連軍の撤退でございまして、そういう状態のもとで中立化が行われるということは、方向としては望ましいことだと考えます。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 そうしますと、外務大臣としては、そのような中立化ということに対しては、もちろんいろいろと精査されるでありましょうけれども、ソ連軍の撤退と交換条件でこれは賛成できるというお立場だと考えてよろしいですね。また、それが外務省の方針としてもそうあり得るというふうに理解してよろしいですね。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 外務省の方針としてということになりますと、さらに内部で十分検討いたして、なおこのECにおける発言の内容などもまだ十分には把握いたしておりませんので、そういうデータ、条件を検討した上で、いまのお尋ねの件については考えをまとめてまいりたいと思います。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 私、冒頭に申し上げました。中東外交強化の年というふうにお考えであるならば、こういう問題についてはどうあるべきかも事前に検討しておられるであろうし、それからECの定例外相会議が開かれるならば、そこで当然にアフガンの問題も出てくる。こういったことに対してタイミングよく速やかに反応することが大事であろうと思うのであります。そういう観点から、幾つかあと聞いてみたいと思います。  中東問題ということになりますと、包括的な平和の実現であるとか、そのかなめであるPLO問題とか、いろいろございましょう。ただ、私が非常に重大だと思うのは、一月二十三日でございましたか、カーター大統領の一般教書演説の中で、中東地域、特にアラビア湾周辺諸国の安全を守るためには集団的な努力が必要だ、こういうことを言っております。それからまた、安全保障機構をつくる用意があるということを言っております。と同時にまた、あちらこちらからのアメリカ世論として出てきているものは、日本のような国がアラビア湾の周辺諸国に一番関係が深いので、当然そういうところにこれに対して協力をしてもらうべきだ、こういうような世論が出てきているやに聞いております。  アメリカから公式、非公式に、このような中東、特にアラビア湾の周辺諸国の包括的な新しい安全保障の枠組みについて日本に協力の要請はございましたでしょうか、どうでしょうか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○淺尾(新)政府委員 いま先生御指摘のように、カーターの一般教書の中に安全保障の枠組みをつくっていきたいというくだりがあるのは事実でございます。ただ、その点について、日本側に対して具体的に要請があったということはございません。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 日本は米国とのパートナーシップということを常日ごろ言ってまいりました。そうしますと、そういう要請があったかなかったかということはさておいて、パートナーシップの一つである日本はその立場からどのような対応をすべきだとお考えでございましょうか。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 この点につきましては、日本としてできることとできないことがございます。日本の憲法のもとで、たとえば集団的安全保障には参加できないという枠もございます。そういう点で、軍事的な面で日本が協力する点は限られておる、事実上はあり得ないと思うのでございますが、経済的な面で中東地域の安定に資するという点では、日本としてもある程度の貢献がなし得るのではないかと思います。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 私は、極東とか中東、そういう地域におきまして、日本としては安全保障の問題に貢献をするべきだと思います。そして同時に、それを踏まえて最大限に、東西間の緊張とかいうような問題に対してはデタントの方向に引っ張っていくというのが、私は日本外交のこれからの姿であるまいかと思うのです。  いまおっしゃいましたように、もちろん軍事的な協力は、これはできないでありましょう。そうした場合に、非軍事的協力というのはもうちょっと掘り下げていただきたいと思うのですが、どういうような具体的な問題を指しておられます弧しょうか。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 一つは経済的な協力でございまして、まだこれは政府内部で検討中でございますが、パキスタンの難民救済あるいはパキスタン経済に対する援助ということも、広い意味では中東、南西アジア地域の安定に資することになるかと思います。  また、中東における包括的和平という問題に対する協力、これは経済だけではありませんで、政治的な面も含まれると思いますが、これは日本のなし得る役割りの一つであろうかと考えております。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 私はぜひぜひお願いをしたいと思うのです。非軍事的協力で一体どこまでできるのか、何ができるのかというような点を、早く国民の側に明らかにしてもらいたい。そうでないと、いまもおっしゃいましたけれども、いろいるな誤報があったり、あるいはまた中東諸国から期待感が表明されたりする。たとえば、サウジアラビアのヤマニ石油大臣は、何か紛争でも起こったら日本が飛んできて助けてくれるであろうなどというような発言もあったやに聞いております。こういったものがきちっと整理をされていかなければ、中東に対する外交強化の年などといっても、これは空文になってしまうのであるまいか。そういう点で、ぜひぜひ早急にそういう対策、方針を打ち出していただきたいと思います。  時間の関係もありますから、二番目に日米経済摩擦、これは中東問題と関連してお聞きをさしていただきたい。  ですが、その前に、現在起こっている経済摩擦というものの認識についてお尋ねをしたいと思います。  これはいままでもたびたび起こってまいりました経済的な摩擦であるとかフリクションというもののシリーズの一つなのか、あるいははたまた、今回の事態というのは日米間の国民感情の爆発なり、あるいは衝突という事態まで包含する危険性を持っているのではないか、どちらの認識に立ったらいいのでしょうか。そこら辺の外務大臣の御認識を私はお伺いしたいと思います。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 私は、日米関係には常に摩擦を生ずる火種は存在しているというふうに考えております。一つには、往復四百億ドルにも上る非常に大きな経済交流が行われておりまして、その間にいろいろ問題が起こるということは考えられることでございますし、また、安全保障の問題についての両者の考え方のずれも多少あると思います。これはアメリカ側に、日本はただ乗りをしているというような意見がしばしば出てまいるわけでございます。また一面においては、高度の技術、工業製品の分野での競争者という関係もあるかと思いますので、これまでもそうでございましたけれども、将来もいろいろな状況のもとでこの摩擦が起こり得る。ただ、両国が、その両国の基本的な関係で友好を維持しなければならないという認識はあると存じますし、同時に、議会制民主主義というような政治的組織について双方が共通の利益を見出しているといいますか、理想を持っておるわけでございまして、こういう大局的な見地からは両者が協力していく条件は十分に存在しているわけでございまして、摩擦のアンダーカレント、底流が表面化することを極力双方で防止するという形で将来の日米関係を維持していく必要がある、そういうふうに考えておるわけでございます。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 外務大臣、私は、今回の経済摩擦というのはいままでのシリーズというようなものを一歩越えまして、何か大変に大きな国民感情の対立みたいなもの、衝突という形に発展する危険性を非常にはらんでいるというふうに思っております。それだけに、今回のアフガニスタン問題に対する日本の対応の姿勢というのは、私は、しっかりした具体的なものも打ち出さなければいけないのではないか、そういう観点から、対米追随ではなくて、日米の国益にも合致する、そして同時にアメリカに対しても大胆に、協力できるものは非軍事的な手段で協力するということを打ち出していくべきであろうと思います。  そういう観点から、非常に注目をいたしましたのは、一月二十五日に出された学者グループの政策構想フォーラムの穀物備蓄の問題であります。あの緊急輸入の提言でございました。参議院でも本会議で民社党の田渕議員がこの問題について触れましたときに、大平総理は、評価する、そういう言葉を使っておられましたが、同時に、その後政府内で検討も続けられているやに聞いております。この点についてはいかがでございましょう。どのように進展をいたしておりますか。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 この問題につきましては、アメリカ側にも非公式な、たとえば先般参りました下院のレスター・ウルフ議員一行が、この余剰農産物について、日本は大きな農産物輸入国であるから、その一部の買い付け等で協力してもらえるといいのではないかというような発言もございましたし、また日本国内でも村上泰亮先生ほか学者のグループの政策フォーラムのグループが、千七百万トンの穀物について日本側が買い取ってこれを備蓄に充てる、その資金としてはたとえば外貨準備の一部を食糧という形で現物で保有するということもあり得るのじゃないかというような提言もございますし、私どもとしては現実可能な方法がないかということで、事務当局、農林省等とも打ち合わせ中でございます。  一方、これに対しまして、食糧の安全保障という意味からいって国内の増産を進めるべきではないかというお考えもあるわけで、これはまたその面もございますが、当面問題になっておりますのは主食よりもむしろ家畜のえさ、トウモロコシが中心でございまして、これは国内の農業政策と必ずしも矛盾するものではない。やはりこういう世界情勢のもとで、石油の備蓄も政府、民間等も極力つくり上げようと努力しておるわけでございますが、ある程度の食糧備蓄を日本がつくり上げることは、日本自体のいわゆる総合的安全保障という趣旨にもかなうものではないかというふうに考えております。  なお、事務的な交渉につきましては政府委員から答弁させたいと思います。

手島れい志外務省経済局長

○手島政府委員 現在までのところ、外務省の内部におきますとともに、大臣からお話のありました農林省のほか大蔵省あたりともいろいろ政府レベルでいかなることができるかということについての検討を進めております。昨日農林省の方からもお話を伺ったところによりますと、民間の業界の方に対しましても、いかなる協力ができるかというようなことで話が進められておるわけでございます。しかしながら、まだきょう現在に至る段階におきましては、一体どのようなかっこうでどの程度の数量のことが考えられるかという点につきましては結論が出ておらない現状でございます。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 そうしますと、二月十九日に農林水産大臣が記者会見されまして、新聞報道によりますと、政府三十万トン、商社七十万トン、計百万トンというのは、これは一つの試案にしかすぎない、こういうふうに理解してよろしいですね。

手島れい志外務省経済局長

○手島政府委員 そのとおりでございまして、まだ政府としてそういったことを決定したということはございません。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 外務大臣、いま大臣がおっしゃいましたように、私は、食糧の備蓄という観点ももちろん大事でございます。また同時に重要視しないといけないのは、いま対ソ禁輸という形をアメリカがとった、それに対して日本側の方は、不快感のいろいろな表明は対ソということで出ておりますけれども、具体的にどういう協力をするのかというようなものが私は大胆に打ち出されるべき時期だと思うのです。その一つとしてこれを取り上げた方がよろしい。そういう観点から、私はこの千七百万トン買い取り案というものを非常に高く評価いたします。いままだ結論も出ていないということでありますならば、ますますタイミングが重要であります。アルゼンチンからの買い付けなどもソ連側の方ではしているようでもございます。それだけによけいにタイミングが重要になってくるという点で、外務大臣、どのようにお考えでございましょう。そしてまた、どのような量を、いつごろまでに日本の国としてはやるべきだというふうにお考えでございましょう。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 いまの渡辺委員の御指摘は私様同様に考えておるわけでございまして、備蓄と同時にやはり対米協力の一つの政策になると考えるわけでございまして、タイミングにつきましては、でき得れば、三月十九日から訪米いたしますので、それまでに日本政府の考え方、民間の協力方法について一応のめどを得たいと考えておるわけでございます。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 もう一つ、私は基本的にどうもおかしいと思うところがございます。  それは、商社に頼んで買い取ってもらうとかいうようなことではやはりいかぬのではないか、むしろ政府が、特に外務省が主導権をとって、やはり広く国際情勢を見ておられるのですから、こういうときには各官庁に対しても積極的に根回しもして引っ張っていく、そして世論形成もやっていく、そういうようなことをやってもらわぬといけない。それからまた数量も、合計して百万トン、民間七十万あるいは政府三十万トンでは、いかにも何かおつき合い、おざなりという感じをぬぐい得ない。私は、その点ではもっともっと量も多く買い付けるということが重要であろうと思います。おっしゃったように、これは決して日本の農民を圧迫する問題ではありません。逆に、畜産業界や何かからは感謝されることになるだろうと思います。かつまた国際的な食糧事情、難民救援、こういった問題からも、緩衝在庫としては非常に大きな役割りを果たすものになる。こういう点がございますから、大臣、いかがでございましょう、腹づもりというところを率直に、個人の御見解で結構であります。そして、ひとつ積極的にそれを進めていただきたいと思いますので、おっしゃっていただきたいと思います。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 ただいまの御発言は大変強力な御支援と考えるわけでございます。いろいろ行政の現実になりますと、手続その他いろいろな問題が出てまいるわけでございますけれども、なお外務省内部も督励いたしまして、できるだけ実現に努力してまいりたいと考えておるわけでございます。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 時間も参りました。お約束の時間でございますからやめますが、最後に。  物事、何でもそうだと思いますけれども、タイミングがあるし、同時に、相手国の国民感情というものを非常に重要視しなければならぬと思います。  この間、私ごとでありますが、「ポーツマスの旗」というドキュメンタリー風な小説を読みました。日露、ポーツマス条約のときに、小村全権がアメリカに行った、そのときのいろいろなことが書いてございました。最初にアメリカについて何をやったかというと、やはり世論対策を非常にやっております。  その意味で、アメリカのみならず、よその国に対してもそうでありますが、当面は日米間の経済摩擦、それのいわば、アンダーカレントという言葉をお使いになりましたが、そのまた大事な流れの一つである国民感情というものを私どもとしては常に配慮しながらの外交を展開していただくよう、要望してやみません。  何か一言ございましたらお聞きをいたしまして、終わりにさしていただきたいと思います。

大来佐武郎外務大臣

○大来国務大臣 ただいまの御意見は貴重な御提言ということで、私どもも極力努力してまいりたいと思います。

渡辺朗民社党・国民連合

○渡辺(朗)委員 ありがとうございました。

中尾栄一自由民主党・自由国民会議

○中尾委員長 次回は、明二十二日金曜日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時五十三分散会

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