科学技術振興対策特別委員会 第13号
- 発言数
- 470 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1980/05/07
会議録
○瀬野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、日本原子力船開発事業団法の一部々改正する法律案、及び石野久男君外四名提出、日本原子力船開発事業団法及び日本原子力研究所法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。日野市朗君。
○日野委員 事業団法の一部改正の法律案について若干の質問をさせていただきます。 どうも非常になつかしい思いがいたしますね、「むつ」と言いますと。ぼくもずいぶん長い間これをやってきたような感じがするのですが、またこの事業団法が出て、ふっとなつかしいなという感じが実はするのです。そんなに老成したことを言うつもりはありませんけれども、しばらく前に、これをずいぶんああでもない、こうでもないと扱ってきまして、いままで来ました。そしていま、ここでまた事業団法の改正案が出るということになりますと、これはもう当然出ることは予定されていたものの、非常になつかしいなあというような感じがするのです。単にこれは私だけじゃないのじゃないでしょうか。国民だれしもが「むつ」と言うと、ああなつかしいなあという一種郷愁めいた気持ちを持つのじゃないのかなというような感じがするのですが、これは私、どうしてそんなふうなことを感じたのかなと思いながらじっと振り返ってみたのですが、結局原子力船の問題、「むつ」の問題というのは、これはある程度日本の時の流れの中でもうすでに過去のものになってしまったような感じが実は国民の間にもしているのじゃなかろうかな、そんなことではなかろうかというふうにも思うのです。厳然としていま「むつ」はあるわけですが、何といっても、すでにその機能を忘れて佐世保にさびしくつながれているというのが現状ではなかろうかというふうに思うのです。 それで私、この日本における不幸な生まれを持った「むつ」について、いろいろそういう回顧もしてみると同時に、世界各国においても原子力船というものをずっと見てみますと、どうも一ころわあっと原子力船で沸き立ったような世界的な動きというものは現在はもうない。原子力船に対する関心も世界的にはもう薄らいでいるのではなかろうかというような感じすら実はいたします。一ころ脚光を浴びましたサバソナ号であるとかオット・ハーン号であるとか、それから、これは商船としてはサバンナなんかがずっと原子力船として世界の海を経めぐったあたり、かなり脚光も浴びて、原子力船の開発ということが各国の関心事であった。しかし、そのサバンナももうすでに航行を終えて、航行した後に残った膨大な赤字、これをどうするのかということがやや論議をされ、それもその後下火になっている。それからオット・ハーンも最近は全然動かないでいるわけですね。そして世界的にもどこでも原子力船をさらにつくっていこうという動きというものはちょっと見られないような感じがいたします。ソ連あたりでは原子力船をつくっていますけれども、これは分野が非常に限られていて砕氷船でございますね。レーニン号であるとかアルクチカ号ですか、そういうようなのが動いているのだという話を聞きますが、これは全部砕氷船でありまして、特にソ連という国柄から言って、採算なんかはある程度度外視して動かす必要性がある、そういう船が若干動いているだけ、そんなふうな感じもするわけであります。 それで、「むつ」のことについては後からずっと聞いてまいりたいと思いますが、われわれ何しろ情報不足の点がございますので、世界的に原子力船の開発の状況はどんなふうになっているという認識を政府の側でお持ちなのか、お聞かせをいただきたいと思うのです。この場合軍艦は除きましょう、軍艦は除きますが、ひとつお願いします。
○石渡政府委員 お答え申し上げます。 最近の世界の原子力船の開発状況でございますが、先生すでに御指摘のように、ソ連が昭和三十四年に世界最初の原子力砕氷船を完成いたしまして、その運航によりまして、砕氷船としての有用性を実証いたしました。引き続きまして、昭和四十九年にアルクチカ号、昭和五十二年にシベリア号をそれぞれ就航させまして、砕氷船として現在活用しているところでございます。 米国及び西ドイツにおきましては、それぞれ先生御指摘の米国の貨客船サバンナ号、これは昭和三十七年に完成いたしまして、四十五年まで運航し、その後係留されているわけでございます。すでに十年でございます。 西ドイツの鉱石運搬船のオット・ハーン号は、四十三年に完成し、五十四年、昨年まで運航したということでございます。それぞれ技術的な可能性を確認したという状況でございます。 それからフランスでございますが、これは除くというお話でございますけれども、軍艦の運航経験を踏まえて、舶用炉の設計を固めたという状況にあるようでございます。 以上のように、先生すでに御指摘のように、最近では諸外国におきまする原子力船の研究開発において大きな進展が見られたという情報は伝わってきておりません。 この辺につきまして、昨年原子力委員会に原子力船の研究開発専門部会を設けまして、いろいろ検討していただいたわけでございますが、その報告によりますと、ただいま申し上げましたような先進諸国におきましては、すでに商船としての原子力船の実用化に必要な技術的な見通しを持ったという状況にありまして、あと実用化の時期を待っているという状況にあるというふうに判断しているわけでございます。 それで、その実用化のめどでございますが、一にかかって経済性によっているというふうに考えているわけでございます。西ドイツが昨年まで運航したわけでございますが、運航を打ち切りまして、経済性が出てくるのを待つ、この経済性には二つの面があるかと存じます。一つは、より効率的な、経済性の高い舶用炉を開発していくという面と、それから一方は、これはきわめて他動的な話でございますが、現在の油の状況がどうなっていくかという、この二つの状況によって決まってくることかと考えているわけでございます。 以上が、わが国を除きました世界の原子力船、原子力商船の開発の状況でございます。
○日野委員 わが国も原子力船をつくるとしても、これは軍艦はあり得ませんな。どうですか。
○石渡政府委員 わが国の原子力の研究、開発、利用は平和目的に限っておりますので、軍艦ということは考えられません。
○日野委員 わが国では軍艦には使えない、しかし軍艦に使えるような船、これはそういう言い方をしますとかなり範囲が広くなってしまう。一国の軍事力なんというのは、かなりすそ野の広いものでございまして、いわば総合力と言ってもおかしくはないわけでありますが、いやしくも舶用炉を積み込んだ船が軍事目的に用いられるというようなことは、わが国においては絶対あり得ないことである、現在政府としても、また開発の衝に当たるものすべてがそのような方向で検討は進めていない、このことは御確約いただけますね。
○石渡政府委員 ただいまも申し上げましたように、原子力基本法第二条のもとにおきまして平和の目的に限っているわけでございます。したがいまして、船舶の推進力として原子力の利用が一般化するという時代まではそういうことは考えないということでございます。この問題につきましては、すでに政府といたしまして、昭和四十年四月の政府の統一見解におきまして、原子力を殺傷力あるいは破壊力として用いるいわゆる核兵器の保有は認められないということでございます。同じ意味におきまして、自衛艦の推進力として使用することについても、船舶の推進力としての原子力利用の一般化しない現状においては認められないという見解でございます。そういう意味におきまして、自衛軍艦への利用ということは考えないという見解は現在も変わっておりません。
○日野委員 そういたしますと、日本の原子力の開発というのは、あくまでも経済目的ということに目的を制限していくことになるわけでありますが、そうすると、何と言っても経済性の問題というのは非常に大きな要因とならざるを得ないわけでございます。現在、本当に経済的な目的のもとに建造されて運航されたオット・ハーン号とサバンナ号があるわけですが、いずれもかなり大きな赤字を残したわけでございますね。経済的には非常に効率が悪いということを、この二隻の船は実証したというふうに思うのですが、そこいらについて政府の側としてどのような考え方を持ち、どのような情報を得ておられるか、お聞かせいただきたいと思います。
○石渡政府委員 ただいま御指摘のサバンナ号及びオット・ハーン号がそれぞれ運航停止時点におきまして経済的には赤字であったということは御指摘のとおりと理解しております。そもそもこの二つの船の目的は、やはり研究、実験的な目的であったということで私ども理解しておりまして、あの当時すでに経済性を持ち得ると判断しておったかどうか、結果として赤字であったわけでございますが、その辺はむしろ技術蓄積が大きな目的であったと考えるわけでございます。そういう意味から申しますと、むしろ技術的には、原子力商船に必要な所要のデータの蓄積及びそれに関連いたします必要な研究開発を行い得たという意味での目的は達し得ているというふうに理解しているところでございます。
○日野委員 これはアメリカにしても西ドイツにしても、かなり大規模な軍備を持っている国でございますから、そういった軍事目的を抜きにしては船の運航ということも考えられなかったのではなかろうかなということを、私も実は推測をいたすところであります。この点については、私も、とてもそこらの情報まで迫ることはできませんので、ある程度推測で物を言わざるを得ないのですが、少なくともこれは経済的には合わないということがはっきりしたわけでございまして、そのことが現在アメリカにおいても西ドイツにおいても、その後の第二船の建造を計画されていないということの証左ではなかろうかというふうにも思うのです。 いま進んでいるプロジェクトといたしましては、カナダで船をつくろうとしているようでありますが、これも砕氷船のようなものをコーストガードがつくろうということを考えているわけで、経済性というのが大きなネックになっているのだというふうに考えざるを得ないというふうに思うわけでございます。 そうすれば日本の原子力船においても、同じように障害になる要因というものは十分に考えなければならないのであって、いまここで、言うならば死に体になっている「むつ」にまた膨大な金をつぎ込んで、これの開発を進めるという方向で仕事をなされるのはどういうものか、そこいらについて私は非常に疑問を持たざるを得ないのでございますが、いま日本の原子力船について経済性ということを考え得るのかどうかについてのお答えをいただきたいというふうに思うのです。 最初はオット・ハーンもサバンナも、十分に実用化できるのだ、経済的にも引き合うのだということがうたい文句で就航したことだけは間違いのない事実だと思うのですが、ここらについての見解はいかがなものでございましょうか。
○石渡政府委員 まずオット・ハーン及びサバンナの当時の経済性に対する見解がどうであったかというお尋ねでございますが、私の理解では、当時もすでに経済性については疑いを持っていたはずだというふうに理解しております。サバンナについてはちょっと理解が乏しいわけでございますが、オット・ハーンの場合にはすでにその時点で原子力船の経済性ということについて非常に疑問視する議論があったということは、私自身も直接情報を得ているわけでございます。そういう意味で、やはり研究開発が主眼であったはずだというふうに理解しているわけでございます。 それから次に、わが国においてどう考えるべきかということでございますが、経済性という問題から現在非常に気になっておりますのは油の動向でございまして、先ほど引用させていただきました原子力船専門部会の分析におきましても、現状のような油の価格の上昇が続くという仮定を置きますと、少なくとも先進諸外国では、二十一世紀に入るころには相当の原子力船が実用化されているのではないかという見通しでございます。わが国の立場は、そのいま比較いたしました欧米先進国よりもむしろ油に対する危険度、依存度が高く、また、その入手の確実性に乏しいという事情にございますので、より強い関心を払うべきではないかというふうに考えている次第でございます。
○日野委員 このごろの政府は、原子力と言うとすぐエネルギー危機、こう結びつけて、油不足、油価格の高騰、こうおっしゃる。確かに、いま局長が御指摘になった「原子力船研究開発専門部会報告書」を見ましても、そこのところは非常に強調しているようですね。燃油の実質価格が現在の一・五倍程度にまで上昇すれば七万馬力程度以上、それから三倍程度にまで上昇すれば三万馬力程度以上の出力の領域で経済的に有利になる可能性が強いのだ、こういうようなすぐ短絡した議論をされるわけですね。この議論は、油の危機が強まれば即原子力という非常に短絡した、私に言わせれば非常に危険な議論になってくるのじゃないかと思うのです。ウラン燃料だって現在はもうすでにメジャーの方がしっかりと押さえていて、しかも、もうすでにメジャーの方で出し惜しみするという方向で動いているわけでしょう。日本にはもういままでかなりストックがあるのだから安心だという議論にはならないのです。安い時代に買っておいたから大丈夫という議論にはならないのです。ほかの形の、油を使うにしても、非常に効率のいい船を考えるなり、別のエネルギー源、たとえば第二次エネルギーの水素を使って動かす方法とか、そういう方法にも十分な研究開発を進めなければいけないのですが、そういう方向についても考えるべきではないかと私は思うのです。そういう方向についての努力をなさっておりますか。これはひとつ大臣にも伺いたいところです。
○石渡政府委員 油の動向の不安イコール原子力というふうに私どもも見ているわけではございません。たとえばまた昔に戻って石炭だきの船もあり得ると思います。また御指摘のように、第二次エネルギーの活用、あるいは油であっても少し質の悪い油をより効率よく燃やすことも考えられないかということもあわせまして、原子力を一つの選択として私ども位置づけておる次第でございます。原子力以外の開発の状況につきましては、私どもつまびらかにいたしておりませんが、担当省においてそれなりの努力が払われておるというふうに理解をしておるところでございます。
○日野委員 船に原子力以外の石油代替エネルギーを用いるという方向での研究を積極的に進めるべきだという私の考えについて、大臣、どのようにお考えになっておられるか。
○長田国務大臣 石油以外のエネルギーの開発ということにつきましては、特に昭和四十九年以来、政府も相当積極的に取り組んでおるところでございます。 ただいま御指摘の水素なども、相当重要に考えていくべきだというように私は考えておりますけれども、いままでのところ、水素の発生あるいは水素の利用ということについて十分な展開を見せ切っておりません。何か外国では、水素を推進力に用いた飛行機などもできているようですし、日本などでも宇宙開発のロケットとして液体水素とかいうようなものなども考えられておりますけれども、いま申し上げましたように、まだその生産及び利用についての技術等も十分展開されておらないところでございます。そして石油につきましては、もう御承知のように、長期的に見ましても、あるいは短期的に見ましても、その量の確保あるいは価格の高騰ということで、目に見えて情勢が厳しくなってきているところでございますので、現在すぐに実用化するかどうかは別としましても、世界の有数の海運国である日本の立場、海外からの物資の搬入あるいは搬出ということを除いて日本の経済が成り立たないという実情などを考えますと、舶用炉についてのエネルギーの多様化、現在、世界各国ではすでにその開発を終了していると見られております原子力を用いました舶用炉、そういうものの開発につきましても、早急にめどをつけておきたい、そのように考えているところでございます。
○日野委員 先ほどから問題になっている報告書ですね、「原子力船研究開発専門部会報告書」、これからこの報告書を引用するときには、単に報告書と言ったらこれだと思ってください。この報告書で指摘しているのは、原子力商船の開発の隘路となっているのは、経済性の問題が一つあるのです。それから造船、海運業の世界的不況、それにエトセトラがつくわけですが、そのエトセトラの中に、私は、非常に大きな要因としてこっちで読み取らなければならない問題、それはやはり原子炉の安全性の確認についての可能かどうかという大きな問題が、その根底にあるだろうと思いますし、これを読む者は、そういう読み方をしなければならないはずだというふうに私は思うのです。 それで、考えてみますと、日本の「むつ」に積んだ舶用炉ですが、これは私の認識では、たしか陸上のテストが行われていないというふうに思うのですか、いかがでしょうか。
○石渡政府委員 そのものにつきましての陸上のテストは行われておりません。
○日野委員 そのものについては行われていない、いろいろなモデルや何かでやった、こうおっしゃるのかもしれませんけれども、陸上に定置をされた、安定した形で置かれた軽水炉についても、トラブルの頻発ということは、報道機関なんかにもしょっちゅう報じられている。常にどこかが事故を起こす、故障を起こす、こういうような状態で、私たちは、陸上でもう固定していて、修理なども非常にしやすい、調査もしやすい炉についてさえも、これはまだ非常に危険だなという感想を、率直に言ってぬぐい切れないのです。これが十分な陸上でのテストというようなものなしに、移動して歩く船、しかもローリングだとかピッチングだとかいろいろ揺れ動く船で、すぐにこれを運転したような状況で海上に放置してある、放置すると言うと言葉は悪いのですが、海の上を走らせるということについて、率直に言って非常に危険だなというふうに思わざるを得ないのです。もし海の上を走行していて事故が起こったらどうするのだということなのですが、それらに対する対処の仕方というのは、十分に検討し尽くされていなければならないはずだというふうに思うのです。走らせながら検討するというのでは、それまで予想し得なかったような事故が起こった場合どうするのだというような不安を私は強く感ぜざるを得ないのです。そういう点についてはどうなのでしょう。現実に、想像されないような中性子漏れが「むつ」の炉から出ているわけですが、そういう事態が、船の上で現に走りながら、しかも日本の近海なんというものじゃなくて、ずっと沖合いの方の、救助に行くまで何日もかかるような海域で起こったような場合はどうするかという検討なんかやられているのですか。
○石渡政府委員 きわめて考えられないような事態があり得るではないかという御指摘でございますが、まず原子力船の設計の理念といたしまして、そういう安全性を十二分にとるということで、たとえ性能を落としてでも十分安全裕度をとるというのが設計の理念になっておりますので、まず第一の前提としてそういうことがないようにということで対処しているというのが第一の姿勢でございます。
○日野委員 現実に、「むつ」ではあり得ないようなことが起きてこうなってしまっているのでしょう。しかも遮蔽に問題があって中性子がすき間から漏れ出したなんという説明になっていますけれども、この炉の基本的な原理といいますか、それは陸上でそっちでもこっちでもしょっちゅう事故を起こしている軽水炉でありまして、予想できないような事態の起きるのが十分予想できるような原子炉だと思うのですが、いかがなものでしょう。 これについては、恐らくその当時の原子力委員会の、これの設置を許可して十分だった、許可の要件を十分備えていたから許可したのだ、大丈夫だという理屈は、もういまになってはちょっと通りにくくなっております。しかも、大山委員会あたりの指摘によりますと、どうも事業団のやっていることは安心できないよ――大山委員会でしたかな、それとも別の委員会だったかちょっと忘れましたが、そんなことも指摘されているわけですね。何かやるときはまずこっちに言ってよこせ、もしこっちでそれでいいというオーケーを与えたらやってもいいぞというような、技術のレベルについてもかなり疑問を呈されたような事業団が設計して建造した、そして大問題を起こしながら海に出てみたら、途端に中性子漏れを起こしちゃった、こういう状態でしょう。これにさらに開発に圧力をかけていく、開発をさらに促進していくという方向が望ましいものかというと、いやそうではなかろうと私は考えざるを得ない。いかがでしょうか。
○石渡政府委員 まず、現在の「むつ」についての御批判でございますが、遮蔽に欠陥があったというのは確かに厳然たる事実でございます。それについて現在改修を進めつつあるという状況でございますし、また、大山委員会のリポートに指摘されましたように、その他の部分、すなわち原子炉についても総点検を念のためにしてみるようにという御指摘がございましたので、それに従いまして総点検を行うという計画を進めている次第でございます。 それから、ただいま事業団の業務についてチェックする機関といいますものは、通称安藤委員会と言われている委員会でございまして、その後、事業団の体制も大分立て直してまいってきておりますので、そのような御心配はなくなっているというふうに御理解をちょうだいしたいと存じます。
○日野委員 報告書に基づいて一応みんなで作業しているのだとおっしゃっているようですが、報告書は「むつ」の必要性ということを述べていますね。「むつ」は必要なんだ、こう言っているのです。こうこうこういう理由で必要なんだという理由をいっぱい言っています。しかし、それと同時に「原子力商船実用化の見通し」という十四ページ以下に書いてあるところを見てみますと、いろいろな側面から実用化の見通しということも書いているわけであります。技術的な側面から基礎的な研究ももっとしっかりやらなくちゃいかぬよ、こういうことの指摘がずいぶん字数を費やして書いてあるわけでございますね。 私は、この二つの書き方を見て、どうもこの間に矛盾があるように思えてならないのです。すなわち、現在の「むつ」も推進は必要だと言いながら、もっと幾つかの段階に分けてそれぞれ実験をし、研究をし、そしてみんなに見てもらえと言っているわけですね。私は、この二つの間に大きな矛盾があると思うのです。基礎的な研究をし、実験をしていくという一つの必要性、それが非常に必要だということを、こういうプロジェクトを組むことが非常に大事なんだよということを言っています。二十三ページから二十四ページあたりになっていますか、改良舶用炉のプラント等に関する研究開発を推進すべきだ、こういうふうに基礎的な研究開発の推進、このことを言っている。これは「むつ」の炉とは別の問題について言っているわけです。そして、その研究の成果を「むつ」に反映させなさい、こういうようなことを言っているようにも読めるわけですが、私は、この二つの言い方の間に大きな矛盾があるのだと思うのです。 この読み方はどのように考えておられますか。つまり私は、この報告書を読んで、じっくりその言われている事柄を頭の中で整理して考えてみますと、「むつ」の炉というのは、そういう基礎的なところにおいてまだまだ不十分さがあったのだ、それらの研究開発をきちんとやる方がむしろ先だと、こうむしろこの報告書を書かれた方々のかなり多くの部分の方々は考えておられたのじゃなかろうかなというようなことを感ずるわけですね。ここらの読み方をどのように読んだらいいのか、どのように整理をして矛盾のないように読んだらいいのか、お聞かせいただきたいのです。
○石渡政府委員 まず、報告書の記述についてでございますが、私の理解では、二十四ページあたりから二十五ページにかけて、基礎的な研究もあわせてということを非常に強調しておりますのは、次の改良舶用炉プラントについての研究プロジェクトにつきましては、現在の「むつ」を離れてより経済性を強く追求する目的での改良舶用炉プラントを考えているわけでございまして、そういう意味では現在の「むつ」のきわめて保守的と言われております炉から離れまして、この記述によりますれば「我が国にとっては未経験の新しい技術を取り入れたものとなる可能性が強い」、すなわち現在の「むつ」の炉の知見から相当離れたレベルの技術を新しく取り入れていかなければ、そういう経済性を追求する次の改良舶用炉プラントは考えられないという観点に立ちまして、そういう状態ではいろいろ基礎的な研究もあわせて信頼性の実証、あるいは安全性の確立を図っていかなければならないというふうに記述されているわけでございまして、現在の「むつ」の炉は、それはそれなりに相当のレベルに達しているという一つの判断を基礎にいたしまして、そこから得られる知見を十分活用しながら、次のステップの改良された舶用炉の開発に進んでいきなさい、その次の時代の、次の世代の舶用炉については、また新しい技術的な挑戦があるわけでございますから、基礎的な研究もあわせて十分配慮しながら進めていかなければならないというふうに記述されているものと理解しているわけでございます。
○日野委員 私も、大山委員会あたりが、「むつ」はある程度の水準に達しているのだということを言わざるを得なかったような事情というのはわかるような感じがいたします。何しろ政府、事業団が、原子力船開発を、もう十数年にわたって鳴り物入りで膨大な投資を行ってやった、そういう一つの成果としてできた「むつ」が、こいつはもういかぬわというようにはなかなか言えないであろうということについては、それはそれなりの理解はするわけでありますが、しかし、その「むつ」について、きちんとそれを理解している人たちの目から見るならば、どうもそういう報告書や、いま局長が言われたある程度の水準までは達している船なんだというその言い方を果たしてがえんじているかというと、私は、むしろ逆ではないかというような感じがしてならないのです。 こういうのは民間や何かの業者とか何かには意外と敏感に響くものでございまして、「むつ」の現在の成果に対応するような原子力船で、じゃ、ひとつやってみようかというような民間の動きでも現在ございますか。ほかの省庁でどっか何かそれに見合うような仕事をしているところがございますか。
○石渡政府委員 民間の直接の活動につきましては、二、三の社が外国との技術提携等によりまして世界の動向の把握に努めているということと、やはり「むつ」の開発の成り行きを見守っているというのが実情であるかと存じます。現在のところ世界的に、先ほど申し上げましたように、原子力船の開発が一時停滞しているという状況にございますので、そういう面におきましては、日本の業界も同じような態度をとっているということかと存じております。しかしながら、将来の大きな可能性の一つとして、船舶のエネルギー源の多様化という観点から非常に注目をしているというのは事実であろうかと考えております。先生も御指摘になりましたように、現在の海運あるいは造船の不況等の状況、経済的な状況も大きく影響を及ぼしているかと存じます。
○日野委員 運輸省の船舶技研、ここで基礎的な研究を進めているというようなことを報告書なんかで指摘をしているようですが、どうも私が小耳にはさんだところでは、これが直接原子力船と結びついたような研究かなと思うような、そういった具体性をもった研究というのはできていないように思いますし、また、社団法人日本造船研究協会、ここで一体型舶用炉の概念設計をやっているというようなことも言われているのですが、ちょっと具体的に、船舶技研でどのような仕事をやっているのか、社団法人日本造船研究協会で一体どのような仕事をやっているのか教えてください。
○佐伯説明員 お答えいたします。 船研におきまして過去に実施しました原子力船関係の主な研究項目について御説明いたしまして、後、現在進めております研究項目について御報告いたします。 いままでに行いました主な研究といたしまして、原子力船の遮蔽及び環境安全に関する研究、あるいは原子力機関動揺及び振動に関する研究、原子炉プラントの安全対策に関する研究、こういった研究項目につきまして昭和三十二年から実施しております。
○日野委員 余り時間がないものですから、ひとつ簡潔にお願いしたいし、それから現在時点で進んでいるものにしぼってお答えいただけますか。
○佐伯説明員 それでは、現在進めております研究テーマを申し上げますと、一体型舶用炉機器の性能、一次遮蔽に関する研究、舶用炉における繰り返し振動の燃料破損に及ぼす影響の研究、原子力船の事故解析、こういった研究を進めております。
○石渡政府委員 日本造船研究協会におきましては、原子力の平和利用研究委託費によりまして、昭和四十九年度には、一体型舶用炉と分離型舶用炉の技術的な比較評価、昭和五十年度には、一体型舶用炉の主要系統に関する信頼性解析、昭和五十二年度には、原子力船開発の技術予測に関する研究等を行っているところでございまして、現在、五十三年度から三年計画で原子力船の耐衝突構造の評価に関する研究を行っているという状況でございます。
○日野委員 それでは伺いましょう。この法律の改正案を見ますと、改正部分というのは非常に少ないわけですな。基本法というのはそんなものだよと言われれば、そうなのかもしれませんけれども、研究と開発が今度は並んだわけですな。法案の名称からして「日本原子力船研究開発事業団法」となって、その目的では、いままでは「開発」だったのが「開発及びこれに必要な研究を行い」、こういう言葉になってくるわけです。開発と研究、どっちに重点があるのでしょう。それとも全く同じ比重でしょうか。何か文言を読んでみますと「開発及びこれに必要な研究を行い」ということになってしまって、日本原子力船開発事業団法というのは、非常にこじつけた解釈が行われてきたという沿革を持っているものですから、こっちもかなり根性が悪くなりまして、「むつ」の開発に必要な研究というふうにも読めば読めるなんというふうな解釈がまかり通りやしないかなという危惧を持つのですが、いかがでしょう。
○石渡政府委員 「むつ」の開発も含めまして原子力船全般の開発及びこれに必要な研究というふうに御理解賜りたいと存じます。
○日野委員 そうすると、ここの読み方として確認させていただきますが、「原子力船の開発及びこれに必要な研究」という「研究」の範囲は、「むつ」の開発に必要な研究ではない、もっと意味は広いのだ、このように伺ってよろしいですね。
○石渡政府委員 そのとおりでございまして、原子力船全般という趣旨でございます。
○日野委員 今度は原子力船研究開発事業団ができた場合の研究部門、これはどんな部門になりますか。
○石渡政府委員 組織の点のお尋ねと存じますが、とりあえず現在の技術部の一部にこれを併設と申しますか、担当させまして、順次それを拡充していくということを考えております。
○日野委員 まず当面、現在の原子力船開発事業団の組織と大きく変わるものはないというふうに言わざるを得ないでしょうね。
○石渡政府委員 直ちに大きく変わるということではございませんで、順次拡充していきたいというふうに考えている次第でございます。
○日野委員 順次拡大をしていくという言い方が私にはよくわからぬのですね。まずこの事業団の特に研究部門というものは、ある程度活発な研究活動をやってきておりますね。現在でも大分いろいろな研究活動を、この日本原子力船開発事業団年報を拝見いたしますと、やっているようであります。中には、大分民間に委託をせざるを得ない、余り手足はありませんから、民間に委託をしてやってきているようでありますが、この基本的な形は将来においても変わらないのでしょう。つまり事業団の内部で積極的に研究を進めるというような形ではなくて、やはり研究は民間に委託をすることが主になって、または共同研究をやるというようなことが主になって、それを統括していく研究所だ、こういうことになるのじゃないですか。
○石渡政府委員 先生ただいま御指摘の現在でも研究をやっているではないかということでございますが、そのとおりでございまして、「むつ」の開発に関する研究は行っているわけでございます。 私、先ほど順次拡大と申し上げましたのは、いわゆる「むつ」にかかわらない――「むつ」も観念的には含むかもしれませんが、原子力船全般に関する研究開発の部門を付与して、それを順次大きくしていきたいということを申し上げたわけでございます。 第二点の研究開発事業団自身が研究開発活動を行うのかということでございますが、基本的には民間あるいは他の機関に任せた、あるいはお願いした方がいいということにつきましては、重複するつもりはございませんが、そういう外にも頼んでの研究活動の統括ということと、必要に応じて団自身が行う研究も強化してまいりたいものだというふうに考えているわけでございます。
○日野委員 本当は、この辺でもっともっと時間をとって聞きたいのですが、ちょっと時間がなくなってしまいました。私は、この法律案の審議には四時間ぐらい欲しいところです。昔から「むつ」や事業団となじみが深いぼくなんかは、一つ一つの改修計画についてもいろいろな問題点があると思うのですが、時間がありませんから、泣く泣くその辺は切るとして、もし委員会で時間がいただければもっともっとちょうだいをしたいところなんです。 それで今度は、事業団の組織そのものについて、また、それに関連した問題について伺いたいと思うのですが、いまはずいぶん改善されたのだろうと思います、しかし、昔の事業団というのは、「むつ」の事故が起きてから、そっちからもこっちからもいろいろたたかれて、ぼくなんかは浪花節な方ですから、何もここまでたたかなくてもいいじゃないかと思うくらい、そっちこっちからずいぶんたたかれて、本当にお気の毒だったと思うのですが、私、今度事業団そのものを見直してみて、果たしてこれがこれからの開発研究ということを担っていくに十分な組織であろうかということについては、疑問視せざるを得ない点が残念ながら多々あります。 それで、一つ大きく指摘をされたのは、よそからの出向が多過ぎて、どうもそこで骨を埋めてやっていこうという気魄が、全体的に見てなかったのではなかろうかということなんですが、現在どうなっておりますか。
○野村参考人 事業団の技術陣につきまして、その後先生等からいろいろと御指摘をいただきまして、私どもも、できるだけその方向でやってまいったつもりでございますが、現在も時限立法であるという大きな制約もございまして、出向職員がかなり多いということは御指摘のとおりでございます。四十九年と現在と比較をしてみますと、人数においてはほとんど変わっておりませんで、放射線の漏洩当時は出向者全部で九十五人でございましたが、現在は九十三人というところで、大体同じくらいの人数の者が出向いたしております。ただ、その出向職員の中の管理職につきましては、放射線漏洩当時三十五人ありましたのが現在は四十五人ということで、上級の職員は十名ほどふえておる、そういうことで内容的にはかなり充実されておるのではないかというふうに思いますし、出向者の在職期間も、わずかではございますけれども、当時よりも延びておるということでございます。
○日野委員 これはこの際、出向という形からもっと定着度を強めるといいますか深めるといいますか、そういう方向に思い切って抜本的な改変を加えていかないと、技術面でも、それから運営上の面でも、余りにも問題が多過ぎることになりはしないかと思うのですが、どんなふうにお考えになっておられますか。
○野村参考人 基本的な考えといたしましては、先生の御指摘のとおりでございます。こういう非常に高度の専門的な技術者は、そこへじっくりと腰を落ちつけて生涯の仕事としてやるということが、私は、団のためにも、また当人のためにもなると思います。しかし現実には、なかなかそうはまいりませんものですから、今後少しでもそういう傾向を強めていくようにしたいと思いますし、それから、これはまた一面お願いでございますけれども、いまの暫定機関であるということが、そういう定着を不可能ならしめているという大きな原因でございますので、その辺もひとつ御理解をいただきたいと思います。
○日野委員 「むつ」が事故を起こしてからいろいろな問題が山積し過ぎて、非常に気の毒だったとも思いますし、私は、同情しながら聞くのだということを忘れないでお答えいただきたいのですが、これは財務諸表をつくることになりますね、そうすると、予算とか決算というのは、やはりきちんとしておかなくてはいかぬのだろうと思うのです。前の委員会のときにも、佐世保重工の岸壁に対する係船の契約がどうも後追いになってしまったということが指摘されておったわけでありますが、しかし本当は、そういうことがあってはいけないと思うのです。石渡局長さんは、それはほめたことではないと思いますというようなお答えをこの間しておられましたが、その係船の契約はどうして事前にでき得なかったのか、これは納得のいく説明がやはり必要だと思うのです。ひとつお聞かせください。
○野村参考人 「むつ」が佐世保港に回航されましてから、いわゆる係船等の契約を極力急ぐべくいろいろとやったわけでございますが、基本的には、私どもの考え方と申しますか、事業団といたしましては、造船所の岸壁に、相当長期間でございますけれども、船を係留して、そこで警備体制を整えて、また、そのための施設も要る、それから「むつ」の改修のための建屋等も要る、そういうことをもとにいたしまして、私どもとしての立場から一つの計算をして向こうと折衝をしたわけでございます。しかしSSKとされましては、その当時の考えが私どもと基本的に違いますし、その間に折衝が非常に難航をした。それからそれ以外に、その後に至りまして佐世保重工から、「むつ」の修理の主契約者を辞退したいという申し出もございまして、また昨年の暮れには、労務の問題等が起こったということで難航いたしたわけでございますが、私どもとしては、できるだけ早く係船等の契約を結びたいということで努力いたしましたけれども、基本的には、そういう価格の算定に対する双方の考え方が違っておったということが一つの大きな原因であろうかと思います。
○日野委員 あの当時は、かなりどたばたといろいろな動きがありまして、何とかこの「むつ」を一日も早く回航したいという気持ちの方が先立ってしまったというのはわからないことではないのです。しかし何があっても、まず先に係船契約をやっておかなければ、これは予算と決算との関係で大きな食い違いが出てきたらまずいことですから、その努力をどのようにやったのかですね。別にそのときの苦労話を聞かしてくれという意味ではなくて、その辺に気魄に欠けたものがあったのではないかというふうに私は思うのですが、いかがでしょうか。
○野村参考人 五十三年の十月に「むつ」を係船したわけでございますが、これは先般も私、申し上げたことでございますが、係船に先立ちまして、地元の県、市及び長崎県の漁協との間に、国、私ども事業団といわゆる五者協定をいたしまして、佐世保に回航して、そこで修理を行うということの合意が整ったわけでございます。また一方、SSKとの間では前の社長の時代から、また科学技術庁及び運輸省もそれぞれの当時の大臣の時代からいろいろと折衝をいたしておりましたし、私どもとしても、佐世保の事務所もつくり、向こうのSSKの方にも、部内に「むつ」の改修に専門的に当たるプロジェクトチームをつくっていただいて職員の派遣をしていただくということでいろいろと事実上の合意を重ねてまいったわけです。 確かに先生のおっしゃるように、係船契約ということを事前にやっておけば、それが一番基本的な姿であるということは御指摘のとおりでございますが、前にも申し上げましたように、私どもは、いろいろ努力をしたわけでございますけれども、残念ながらいわゆる文書による合意を得ないで佐世保に回航したということは、これは非常に残念なことでございますけれども、係船契約が事前にできなかったというのは、いまも申し上げましたように、双方の金額等に関する基本的な考え方が違ったというようなこと、それからSSKが主契約者をその後に辞退をしたということであろうかと思います。
○日野委員 ここらに事業団の甘い姿勢といいますか、そういったものがあらわれてきているような私は気がしてならないのです。それで係船料が全く予想外の高いものになっちゃったわけですね。けたが違う。こういうような係船料になっちゃって、予算から大きくはみ出してしまったわけですが、これは一体どのように処理されたのですか。
○野村参考人 係船料は、五十三年と五十四年度につきましては月間四千万円ということで契約を結んで妥結をして、これは時期的にはいまの五十五年度より少しおくれたわけでございます。 ただ、どういう相違かということでございますが、私どもいわゆる係船料ということの中には、単に岸壁に係留するという料金だけではございませんで、岸壁に係留してその岸壁を使用するということと、それから、そのために相当の警備の施設が要る、特殊のフェンスを張りまして、そして安全のためとそれから警備のための施設をしなければなりません。それから所要のガードマン等を陸上にもそれから船上にも配置をする、それから私どもの事業団のために建屋をつくるというようなことがございまして、私どもとしては、極力そういう金額を抑えて折衝したわけでございますが、三年間にわたって事実上あの甲岸壁を占用使用するということでもありますので、特に私どもとSSKとの考え方が非常に違っておりましたので、長崎県知事等にも地元の立場からいろいろあっせんをいただきまして、そして経理的には監督官庁の御承認をいただきまして、二つの予算の中で流用をして、そして新たな流用の認可をいただいて、これをもって執行した、こういうことでございます。
○日野委員 結局は流用、流用になっちゃって、余り係船料の額が大き過ぎて、本当だったら新たに予算を組み替えるようなことだったのじゃないでしょうか。どうでしょう。これは監督官庁の方にも責任があるような感じがしますがね。
○石渡政府委員 ただいま事業団の理事長からも御説明申し上げましたのですが、係船料という言葉の概念から食い違いが生じておりまして、いわゆる岸壁使用料のほかに警備費あるいは甲岸地区の建屋の使用料あるいは甲岸の施設の維持管理等まで含んだものとしてSSK側から金額の提示があったわけでございます。 そういうことでございましたのですが、現実の問題として契約の成立が本年度に入っておりましたので、そういうことであれば、むしろ事の最初から同じ金額で契約した方がより処理しやすいのではないかということで、月額四千万円に相当する契約を認めたわけでございます。当初いわゆる予算でわれわれの考えておりました係船料といたしましては、月額一千百万円を考えておりまして、その後、いろいろあっせんの労を賜った経緯等も考慮いたしまして、またSSK側が係船料として考えている概念が広いということも考慮いたしまして、予算的には二千五百万円まで五十三、五十四年度につきましては考えておりました。契約が本年度にずれ込んだということ、すなわち五十五年度の予算も使えるようになったということも考慮いたしまして、一方、事業団側の努力、ほかの支出を減らしてでもここに流用、転用するという努力も期待いたしまして、二年間にわたって月四千万円の契約をすることにいたした、こういう次第でございます。
○日野委員 私、いまの事業団側の答弁それから科技庁側の答弁を聞いて、そんなこと本当はどこか会社でもあったら通らぬぞと実は思っているのです。ほかのところを努力によって減らしてそっちの方に金を使うなんということは、ほかの部門が手薄になるということなんでして、これは全体の政策から見たらどういうものかというふうに思わざるを得ない。そういう財務諸表及び決算に対する甘い見方というのは、事業団は全体的に伝統的に持っていた、また科技庁側の甘い姿勢というものが伝統的にあったのじゃないかと私は思うのです。これが証拠になるかどうかというと、ちょっと問題があるかもしれませんが、ずいぶんルーズだなというふうに私は思います。 私の手元に昭和五十年からの事業年度の財務諸表及び決算報告に関する監事の意見というものがございます。非常に簡単なものです。この監事は、事業団法によれば、会計だけではなくて業務監査も同時にやることになっている、その監事の意見がただのこれだけ。文章から言うと 五十三事業年度財務諸表および決算報告書について監査した結果、適法かつ妥当であることを認めます。 昭和五十四年六月十五日 監事 佐伯義郎 となって判こが押してある。しかも、これはどうも印刷してあるような感じですな。不動文字で印刷した一枚の紙っぺらのような感じがいたしますね。しかも佐伯さんの前の監事は麻生さん。この麻生さんの監事の印というのが五十三年に押してあるが、その前は麻生という三文判にちょっと毛の生えたような判こが押してある。ところが、五十一年六月二十九日付のこの監事の意見書には、何と判こが押してない。 こういうような状態で科技庁さん、そのまま監事の意見が通ってきたのでしょうか。御希望ならお目にかけてもよろしいですよ。判こが押してない。監査やったのですか。どうです。これは五十一年六月二十九日付で、少し古い時代のものになりますがね。
○石渡政府委員 ただいまの御指摘、ちょっと事実を把握しておりませんので、至急調べまして御報告申し上げたいと存じます。
○日野委員 お許しがあれば、いまのこれは原本からのコピーでありますが、原本もこのようなものであるということを、ひとつ確認する意味で示したいと思いますが、いかがでしょうか。
○瀬野委員長 はい、示してください。 〔日野委員、文書を示す〕
○日野委員 原本の写しであることはお認めになりますな。
○石渡政府委員 原本には判こが押してあると思いますけれども、いま確認中でございます。
○日野委員 少なくとも五十二年六月のものに押してある麻生という判こは、これは監事の印ではないように見受けられますね。これがこのままいままで通ってきたとすれば、事業団法によってきちんと義務づけられた財務諸表及び決算に関する規定があるわけですし、これについては科技庁も十分監視をすべき事柄であるにもかかわらず、このまま通ってきたとすれば、事業団というもの、その組織そのものに非常に寒々としたものを私は感ぜざるを得ないのです。これに、さらに新たに研究という業務内容を持たしても、これが果たしてうまく運用できるのかどうかということについては、私は非常に危惧の念を持たざるを得ないのです。私としては、やはり事業団は本当に研究のみに徹するという方向で、これは従来からわれわれが言ってきたことは、科技庁も十分御承知のとおり、事業団も御承知だと思います。大臣も御承知のはずであります。やはりこの「むつ」というものについての開発をさらに進めていくということについては大きな危惧がある、もっと基本的な研究をきちんとやるべきだという考えを私はさらに一層強めざるを得ないのだ、そういう意見を表明いたしまして――本当は私はもっと三時間ぐらい欲しいのです。しかし時間だという紙も回ってきましたから、この辺で終わりたいと思います。きょうの質問の予定の三分の一も終わらなかったことを最後に申し上げて、終わりたいと思います。
○瀬野委員長 中村重光君。
○中村(重)委員 いまの日野委員の質疑に対する答弁を聞いていると、科学技術庁はずいぶん金がだぶついているなと思って驚いているのですが、いまの係船料関係、あなたの方で予想していたことと佐世保重工が考えておったこととは違っていた、しかし、いずれにしても必要な経費は出さなければならぬ。どこかの予算に組んでいるのだろうが、係船料千百万ぐらい月間考えておったのが四千万。ずいぶん奮発したものだが、これは会計検査院は通るの、こういうことで。事前に相談でも)してみましたか。
○石渡政府委員 会計検査院まで御相談したということではございません。
○中村(重)委員 会計検査院からこれは文句がつくというようには考えていないのですか。
○石渡政府委員 先ほども申し上げましたように、内部の努力と申しますか、そういうことで払わせていただいたということでございますので、何とか御了承を得たいものと考えております。
○中村(重)委員 予算の流用をやったと言うのだけれども、予算の流用ができるような、それほどだぶついた予算の組み方をしているのですか。どこにそんな金があるのですか。
○石渡政府委員 先ほども申し上げましたように、一応五十三、五十四年度につきましては、月額二千五百万円で予算の手当てをしたということでございます。そして五十三年度から、五十三年十月から三年間を通じまして月額四千万円ということで最終的に話がつきましたので、五十五年度には五十三年度と五十四年度の二千五百万円と四千万円との差額に相当する分の一部を予算として計上していただいたわけでございます。そういうことも一含めまして、契約が五十五年度に入りましたので五十五年度の分を全額それに充て、そして約一億円ほどの内部努力を期待して、五十三、五十四年度の契約にまず入ったということでございます。
○中村(重)委員 ともかく私企業じゃないんだよね。相手が足元を見透かしてごててきたら、それに応じて契約さえすればよろしい、そんなでたらめな態度というものは許されるものじゃない。これは後で会計検査院でも呼んでいただいてやる。 そこで、すべての手続が終わって本格工事に着工できる準備はできているのですか。そしていつごろから本格工事を始めるつもりですか。
○野村参考人 佐世保重工との係船等の契約ができましたので、四月の九日から工事の準備にかかりまして、現在すでに「むつ」の上甲板のいわゆる格納容器のあります上に仮建屋をつくるための甲板部の一部の切除というようなことをやっておりますし、それからホールド、つまり船倉の中には極低レベルのタンクを三個ほど詰め終わりました。そういうことで現場においては、いわゆるその炉本体の工事にはまだ至っておりませんけれども、先行的にいろいろの準備の作業をすでにやっておるところでございます。
○中村(重)委員 だから、本格的な工事に着工する、それは何月からかかるつもりですか。いまあなたの答弁では準備作業みたいなことになっている。本格工事にいつからかかるのか。
○倉本参考人 現在、工事を請け負ってもらいます三菱重工業及び三菱原子力工業並びに石川島播磨重工業と、その工事につきましていろいろ支援をしてもらいます佐世保重工業との間で、この工事につきましての契約の交渉をいま詰めておるところでございまして、これは近々まとまると考えておるわけでございます。 それから一方、現在準備の工事が始まっておるわけでございますが、この建屋等の準備が大体七月ごろまでかかりますので、その準備が終わり次第、鋭意本格工事にかかるようにしたいというぐあいに考えております。
○中村(重)委員 まことに歯切れの悪い答弁をしているのだけれども、その用意ということだけは声を大きくして答弁している。だから、全くあなた方は自信喪失をしてしまって、そして今度は石川島播磨重工あるいは三菱重工と話をすると、そっちの方もまたうまくいくかどうかわからないといったような印象すら受ける。別にぼくは工事の促進をさせるということで叱吃激励しているわけじゃないのだから誤解しないように……。 そこで、その五者協定では期限内に終了すると、こう言っているのだけれども、期限内に終了できるのですか。
○野村参考人 御指摘のように、入港に際しましての五者協定では、入港後三年間で終了するということになっておりますので、私ども現在、いま申し上げましたように、準備工事を急ぐとともに、工事をできるだけ先行発注をする、あるいは部分契約をするということで、もうできるものから着手をしていくということを、十分安全に配意をしながら努めておりますので、期限内に終われると確信いたしております。
○中村(重)委員 期限内に終了する、延長することはない、そのとおりですか。
○野村参考人 その線で最大限の努力をいたしております。
○中村(重)委員 最大限の努力というのは――あなたはさっき確信と言ったんだよ。努力ということは、努力したけれどもできなかった、こういうこともあり得るのだからね。だから、延長することはあり得ない、期間内に完了するということは確信を持って言えますか。
○野村参考人 約三年ということでございますので、それ以内に終了するものと信じております。
○中村(重)委員 その「約」というのは何です。
○野村参考人 五者協定でそういうことになっております。
○中村(重)委員 だから、五者協定に「約」ということが書いてあるといういわゆるその「約」というのは、どういうことを意味しますか。期間的に言えばどういうことですか。
○野村参考人 五十三年の十月十六日に入港いたしましたので、それから約三年という解釈は、私としては厳格に解釈すべきものだと思います。ただ「約」ということでございますので、一日でも違ったら外れたというほどのものではないので、そこには一つの常識的な、約三年というきわめて限られた範囲の、何といいますか、前後の多少の余裕はあるのではないかというふうに考えております。
○中村(重)委員 「約」ということについてやりとりをしているはずだから、一日でも外れたらということは、そういうものじゃないということは私もわかる、しかし、常識的に考えて、いままでもこれはやりとりをしている、先ほども言ったように、やりとりをしているようだから、だから「約」というのは、期間的には、いわゆる期限的には、どの程度だということになっているのですか。
○野村参考人 これは五者間に「約」という期間の統一の解釈はございません。ですから、私どもは、常識的に考えて「約」という期間というものは、きわめて短期的な間であろうと思っております。
○中村(重)委員 佐世保市長の淺さんが、この間上ってきて、あなた方と会ったんだね、そのときに期間の延長といったような話をしたのじゃありませんか。
○野村参考人 そうではございませんで、桟市長の話は、期間を守ってもらいたいということと、それから佐世保の市議会において、正式な議会ではございませんけれども、工事の内容を説明してほしいという御要請の二点でございました。
○中村(重)委員 桟さんが帰ってきて記者会見をしているんだよ。「修理期間の延長も佐世保市長示唆」、こう書いてあります。だから、こういうことを話し合ったのだろう。話し合ったから、淺さん、帰ってきて、あの人非常にまじめな人だから、自分の主観みたいなことでは物を言う人ではないんだよ、それがいろいろと話をして、期間の延長といったようなことについて話をしたから、桟さん、帰ってきて記者会見でこう言っているんだよ。正直に言いなさいよ。
○野村参考人 延長の問題は一切話しておりません。
○中村(重)委員 それから、いわゆる「約」の期間のやりとり、これも知事とは三カ月以内程度だということで話したのでしょう。
○野村参考人 知事さんとは、四月の二日にいろいろとSSKとの間をおまとめいただくその前後にお会いしまして、それ以後お会いしておりませんが、そういう問題についての話はいたしておりません。
○中村(重)委員 話し合いをしないで、あの知事は自分の主観で物を言う知事であるから、知事の主観で言ったのかもしらぬけれども、「約」ということは三カ月以内を考えるということが、はっきりこの新聞に書いてあるんだよ。だから、知事がそういうことを記者会見等で言っているのだから、主観で物を言う人ではあるけれども、事「むつ」に関してだけは、ずいぶん苦労をしているから、余り主観では、ぼくは知事にしても市長にしても物を言わぬと思う。科学技術庁なり事業団に行っていろいろと話し合いをして、そういう談話になっているのだろうと思うのだけれども、三カ月以上なんということは考えられませんね。「約」ということは、常識的に考えて、あなた一日ということを言ったぐらいだからね、どうですか。
○野村参考人 知事のお話、その新聞にどういう記事が載っておるか私、存じませんが、知事とそういう話をしたことはございませんので、何を根拠に知事がお話になったか、これは私にはわかりません。
○中村(重)委員 それを言っているのではなくて、知事はこういうことを言っているけれども、あなたは「約」ということについては、一日でも延びることはということで、一日だなんというきわめて限定したことを言ったぐらいだから、知事が言っている三カ月ということ以上延ばされないということは、あなたが考えてみても、それは当然だ、「約」ということは、何ぼ延ばしても二カ月、三カ月以上だなんということは考えられないというようにあなたも考えましょうねと、こう聞いているんだからね。
○野村参考人 私どもは、期限を守るべく最大限の努力をするつもりでございますので、いまここで期限を切って「約」というのは三カ月だとかなんとかと言うのは、ちょっとお答えいたしかねるわけです。
○中村(重)委員 あなたの方は非常にあいまいだから困るんだよ。期限内に完了する、できるかと言ったら、確信がありますとあなたは答えたんだよ。その次の質問については、最善の努力をいたします、こう来たわけだ。努力ということは、努力したけれども、できなかったということだってあり得るのだからね。だから、そういうような、市長は期間の延長もあり得るということを記者会見で言ったし、それから知事の記者会見の中では、「約」ということは三カ月以上はあり得ないのだ、三カ月以内ぐらいだ、こう言っているのだから、それらのこと等も判断をし、あなたの「約」ということについての常識的判断、その点からしても、三カ月以上になるなんというようなことは、これはもう考えられることではない、こう私は言っているのだから、あなたもそれについては同意されるでしょうな、こう聞いているわけで、だから、それを答えてもらえばよろしいのだ。
○野村参考人 先生の御質問、一般論と具体論が一緒になって私としては非常にお答えしにくいのですけれども、私は、先ほども申し上げましたように、知事さんのお話の根拠というものは存じませんので、一般論といいますか私の立場からお答えいたしますれば、私どもは、期限をお守りするということでございますので、「約」は三カ月かどうかという一般的な問題を、この具体的な問題に絡めて御答弁するのは、ひとつ勘弁していただきたいと存じます。
○中村(重)委員 ともかく「むつ」の問題については、もううそとごまかしに終始してきたのだ。それだから私は、こんなにしつこくあなたに聞いているわけだ。努力をいたしますと言ってみたり確信があると言ってみたり、いろいろ言葉が違うのだから。それはぼくもいろいろざっくばらんに聞いているので、答弁のしにくいようなところもあるのだろうけれども、しかし、どういうような形容詞を使おうとも、私が何を質問しているということはわかっているのだから、それに対して、答えにくいじゃなくて、答えればよろしいわけだからね。 改めて聞きますが、入港後三年以内に完了し得る確信あり、期間の延長はあり得ない、こうあなたに改めて私は尋ねますから、改めて答えてください。
○野村参考人 三年以内に修理を完了するつもりでございます。
○中村(重)委員 そうすると、完了すると言ったのだから、また私、今度は次を質問するとどう答弁するか知らぬが、一応してみるからね。 完了できなければどうするのです。
○野村参考人 完了するつもりでいまいろいろやっておるわけでございますから、できなければということをいま私どもは考えるべきでございませんし、その期間内に修理をするということでいま最大限の努力を払っているところでございますから、ひとつ……。
○中村(重)委員 あなた方の言ったことはすべて外れてきたのだからね。そうでしょう。大湊の事故を起こしたときも、どうも不安がある、もう一度ひとつ検査をしてくださいと、泣くように漁民は頼んだ。素人は黙れ、表現は違うけれどね、専門家がやったのだから安心しろ、こう言ったのだろう。そして沖に出て出力上昇をやったところが故障を起こした、事故を起こした。それで今度でも、強引にああいうことで入港した。予想だにしなかったようなことだろうとは思うけれども、もたもたもたもたして、そしてもうすでに一年半、まだ完全にその準備もできない状態、本格工事にもいつからかかりますと言って確信を持って答弁し切らないような状態、それから先ほどのその係船料の問題等々、全く信頼できないわけなんだよ。 だから、三年以内に完了するということだから、できなければどうするかということについては、いま答えろと言われても答えることができません、こう言っているけれども、うそとごまかしで今日まで大きな混乱の犠牲になった者にとっては耐えられないだろう。佐世保市民の動向だってぐっと変わった。宝船と歓迎した佐世保市民が、いまはもう全く冷ややかになってきた。当てになりませんと、こう言っているんだよ。だから、そういうような人たちに対してこたえるというくらいの気持ちであなたには答えてもらわなければいけない。だから、努力をする、しかし完了し得ないことだってあり得る、そうしたら、そういう場合はどうするのだろうかということをみんな心配していると思うのです。それに対しては、母港なら母港に行って残工事はいたしますならいたします、必ず佐世保を三年以内に出ていきますということを答弁をしてもらわなければ困る。私が三年以内に完了するかということのもう一つの意味は、三年以内に、三年がたったならば佐世保から出ていくでしょうなということを意味して質問しているのだから、そういうことも含めて答えてもらわなければ困る。三年以内に出ていきますね。
○野村参考人 三年以内に工事を終えて、それまでに母港を決めまして、そして母港に出ていくというのが私どもの現在の、現在といいますか、そういうスケジュールでございます。
○中村(重)委員 スケジュールはもうわかっているのだ。スケジュールを聞いているのじゃないんですよ。出ていきますね、こう言っているのです。 私は、大臣に尋ねたいのだけれども、大臣はぐらぐら変わるから、前の大臣と約束したことが次の大臣になったらぱっと百八十度変わる。このことに関する限りまあ一年半くらい大臣もそのままおられるかもしれないけれども、前任者の言うたことを後の大臣が責任持って引き受けないのだから話にならない。しかし、非常にまじめな責任感の強い大臣であるというように私は伺っているからお尋ねするのだけれども、三年以内に佐世保から出ていくでしょうね。
○長田国務大臣 「むつ」の問題につきましては、先ほど御指摘のようにいろいろな事情から今日まで延びております。ただ、ごまかしとかということじゃなしに、担当者はそれぞれ相当努力をしながら、いろいろな情勢のためにやむなくそういう事情に立ち至っておると私は思うわけでございますが、幸いに、このたびその問題が軌道に乗りまして、あといっその遮蔽修理を完了するかという問題でございます。私、庁内の関係者あるいは事業団の方々等に対しまして、三年以内に遮蔽修理を完了するように、そのためにあらゆる知恵を働かせ、努力をしてほしい、そのようなことを強く要望しているところでございます。
○中村(重)委員 完了するとかしないとかということについては、もう時間もないから尋ねないが、修理が完了しようともしまいとも三年以内に佐世保を出ていく、この約束だけは守る、そのことをはっきり答えてください。
○長田国務大臣 あの申し合わせば約三年ということであるそうですが、その「約」が一体何日かということにつきましては、これはもう、むしろ私どもはそういうことを念頭に置かずに三年ということでやってまいりたいというふうに思っておるところでございます。三年以内に遮蔽修理を完了して、それまでに新母港を設定してそちらの方に移す、そういうのが私どものただいまの方針でございます。
○中村(重)委員 そういうお役人的な答弁はしないでください。私は、先ほどごまかしという言葉を使った。ごまかされたのだ。大臣と私との約束もあった。その大臣と、歴代の大臣の中で、私は特別委員長をしておった関係もあり、地元でもあるので、何十回と実は大臣にも会ったし、事務当局とも折衝してきたのです。約束を破られたのだ。約束したことを全く裏切った。ごまかされた。だから、こう申し上げているのです。ごまかしなんという言葉は、どうも穏当な言葉ではないかもしれぬけれども、事実は事実として言わざるを得ないんですね。だから、そういう何か不安を残すような答弁をされないで、三年以内に出ていくという、「約」という言葉は入っているけれども、「約」というのは、先ほどやりとりしたことでもはっきりしているのだから、出ていくというそのことをひとつはっきり答えてください、もう修理のことは尋ねないから。私は、三年以内に修理ができるとは考えていない。常識的に言ってもできないでしょう。しかし、佐世保にいなければ修理ができないのじゃないのだから、どこかに持っていったって修理はできるのだから、だから三年以内に出ていくというその約束をはっきり守らなければいけない。だから、そのことをはっきり答えてもらいたいということ。 それからもう一つは、五者協定の中に速やかに新母港を決めるということも約束があるんですよ。一年有半、今日に至るまで新母港の決定がないじゃありませんか。それもうそを言っているじゃありませんか。その上に最善の努力を尽くしますとかなんとかいろいろ言われてみても、だれも信用しないでしょう。 だからここで大臣から、はっきり三年以内に出ていきますということを答えてもらうこと、それからなぜに今日に至るまで新定係港というものは、新母港と同じことなんだけれども、決まらないのか、なぜに五者協定で決めたことを実行しないのか、そのこともはっきり答えてください。
○長田国務大臣 出港の問題につきましては、先ほど申し上げましたような事情で、三年以内に出港するような方針で進む強い決意をもって、そのように関係者にもよく指示をし、全力を挙げるように、私はそれを強く要請しているところでございます。 新定係港の問題につきましては、いま全国的ないろいろな机上調査を終了し、実地の調査をだんだんやりかけているところでございまして、選定の作業がほぼ最終的な段階にあると申せるわけでございます。速やかにということではないではないかという御指摘につきましては、私も、その御所論を肯定せざるを得ないと存じますが、一方で遮蔽修理の問題も暗礁に乗り上げたまま新定係港に具体的に働きかけていくということにつきましては、私ども実際問題として一層困難さが加わっている、遮蔽修理の見通しにつきまして相当明るい見通しを得た上で、それと並行して新定係港を探していく方がよりベターだというような判断から、いままで必ずしも速やかに決めるという作業が順調に進んでおらなかった、予定どおりにいっておらなかった、しかし、そのような努力というものはしなければならないというつもりで関係者それぞれやっておりましたことを御了察願いたいと存じます。
○中村(重)委員 野村理事長、あなたにお尋ねするのだけれども、くどいけれども、三年以内に出ていくということをはっきりここで答弁してもらいたいということ。 それから新定係港の交渉は、十カ所くらいの港を挙げていろいろと折衝等もやっているのでしょうが、新定係港に対して十カ所なら十カ所くらい候補地を挙げて調査をしているのでしょう、航空撮影とかいろいろなことをしているのでしょう。そこで、一体いつ申し入れをすることになりますか。
○野村参考人 佐世保を出ていく問題につきましては、大臣からお答えしたとおりでありまして……(中村(重)委員「大臣の答弁で満足できないからあなたに尋ねているのだ」と呼ぶ)別の表現で申し上げますと、佐世保に居座るつもりはないということははっきり申し上げられると思います。 それから、定係港の問題でございますが、これは私どもだけでできることでございませんので、国と密接な連絡をとりながら調査をいたしておりまして、大体いろいろ地理的な条件、それから自然的な条件、その他背後地の問題、それから地元の協力度というような問題につきまして、調査をして、いわば一つの中間報告とも言うべきものをお役所の方に御報告申し上げておるわけですけれども、これは何遍も申しますように、四者協定の絡みとか五者協定とか、そういういろいろな問題もあります。そういうことで、私どもだけでできることでございませんので、いつどういう形でそれをまとめるかということは、政府の御判断によって私どもが動くということでございます。
○中村(重)委員 新定係港の申し入れば、大体参議院選挙が終わったころに申し入れをするという考え方の上に立ってはいるのでしょうな。
○野村参考人 私も、実はきょうその新聞を見てびっくりしたのですけれども、淺市長がこの前見えましたときにお話をしましたが、そういう問題を私は一切話しておらないのです。どういうことでそういう問題が出たのか、参議院選後申し入れをするとかしないとかということはおろか、具体的な名前も確認しておらないのに、何でそういうことになったのか、私にはわかりません。
○中村(重)委員 新聞のことを言う前に、あなたが新聞のことを言ったのだけれども、それは構わない、これも淺さんの帰任談だよ。だから、あなた方はいろいろなことを話してあるんだよ。新聞はいいから、新聞にこだわらぬで答えてくださいよ。参議院選挙が終わるまでは、恐らく申し入れをすることはないのでしょうが、大体時期的には、五者協定のこともあり、速やかに決めるということになっているのだから、そのころには申し入れをするという準備は整うのでしょうね。
○野村参考人 参議院選が終わった時期とかいう政治的な判断は、私どもできませんので、これは政府の御方針によってやるわけでございます。私どもは、政府に事務的にまとめた自分の意見を申し上げて、最終的には政府の御決定によってやるわけでございますので、そういう政治的判断は私どもできません。
○中村(重)委員 別に政治的判断を尋ねているのじゃない。五者協定を守るという点から私は言っているのだけれども、大臣、大体ここ数カ月、一カ月あるいは二カ月、その後くらいにはもう申し入れをする準備はできているのでしょうね。
○長田国務大臣 できるだけ早い機会に申し入れをするつもりでおります。先ほど申し上げましたように、佐世保での工事の見通しなど、早く軌道に乗せまして、そうしてたとえば受け入れの側がどういう状況で受け入れることができるかというようなことなどにつきましてのある程度の見通しも、大ざっぱではございましょうけれども、私どもも、そこらについての見通しも得まして、あるいはだからといって、それが余り遅くなってもいけないわけでございますので、できるだけ早く大ざっぱな見通しもつけ、その時点から申し入れを開始したい、そのように思っております。
○中村(重)委員 大体これはなお否定するのだろうけれども、大湊というのが頭の中にあるのでしょう。交渉もしているのでしょう。だから、ここ数カ月くらいしたら申し入れという形になるのじゃありませんか。それと理事長、大湊は母港としての廃止手続はきちっとしているのだろうと思うのだけれども、その点どうですか。
○野村参考人 先生のお尋ねの母港という意味ですけれども、現在私どもの職員が十人ほどおりまして、当時つくられた施設があるわけでございます。ただ、この施設の中で、いわゆる使用済み燃料処理のプールは、土のうを入れて、事実上使用不可能にしております。それから法律的にも、その部分は法律の適用対象外にしてございますので、そういう物理的な施設は一部ございますけれども、全く機能を停止したまま、いわば維持管理のための職員がおる、こういう状態でございます。
○中村(重)委員 四者協定によれば、その施設も撤去するということになっているのでしょう。それをしないでいるのはどういうことですか。
○野村参考人 その問題は、ちょっと私ども四者協定の当事者でございませんので、当時の熊谷大臣にお供しまして私が参りましたときには、適当な時期に四者協定の廃止といいますか、履行といいますか、その問題については四者で話をしようというお話になりまして、そのとき私も・当時の大臣に随行したわけでございますが、その後現在に及んでいるということで、これはやはり政府ベースでいろいろと話し合いがなされることと思います。
○石渡政府委員 四者協定の問題でございますが、ただいまの理事長の御説明を若干補足いたしますと、五十三年の八月に、当時の熊谷科学技術庁長官が青森県下をお訪ねになりまして、地元側の三者、すなわち県知事、むつ市長及び青森県漁連会長と会談いたしまして、「むつ」の出港後の適当な時期に四者で、四者協定の撤去問題について検討するということで意見が一致をしているわけでございます。そして四者協定によりますると、「むつ」の入港後二年六カ月以内に定係港の撤去を完了することを目途としている、こういうことでございまして、撤去をどう解釈するかということについて相談をしたい、こういうことになっているわけでございます。
○中村(重)委員 そうすると、その施設の撤去について話し合いをすることになっていると言うが、その母港の廃止手続は終わっている、終わっていない、その点どうですか。
○石渡政府委員 法律的には現在の定係港は大湊、むつでございます。
○中村(重)委員 そうすると、「むつ」の船籍はどこにあるのですか。
○石渡政府委員 むつにございます。
○中村(重)委員 そうすると、船籍はむつにある、そして佐世保は修理港であるにすぎない、こういうことですね。
○石渡政府委員 そのとおりでございます。
○中村(重)委員 そうすると、母港ということにすると、別にそのことについては手続的なものは要らない、相手がまた四者協定の話し合いをし直さなければならぬでしょうが、そういう話し合いが調えば、別にいろんな法的手続は必要はない、こういうことになりますな。
○石渡政府委員 私ども、四者協定につきましての理解は、むしろ法律上の問題以前に、四者協定によりまして、定係港の撤去という問題が残っているという立場にございますので、ただいまの先生の御指摘に直にお答えする立場にないというふうに考えております。
○中村(重)委員 まあ微妙なんで、答弁もしにくい点もあるのでしょう。そこのところは、どこまでも追い込むということはいたしません。いたしませんが、理事長、佐世保に居座るつもりはございませんと、これだけは声を大きくお答えになったのだ。それは定係港という形で居座るつもりはございませんという意味でお答えになったのでしょうね。――でしょうねじゃない、そういう定係港という形で居座る気持ちはないということでお答えになったのか、あるいは三年以内に出港するというような約束を守らなければならない、こういう点から居座るつもりなしとお答えになったのか、その点はいかがですか。
○野村参考人 居座るという表現が余り適当でなかったかと思いますが、そのままずるずると佐世保港におるつもりはないということで、三年間で修理を終えて、それまでには新母港を決めていただいて、そこに回航する、こういうつもりでございます。
○中村(重)委員 時間がないので、歯切れの悪い答弁をとらえていろいろやっておっても切りがありませんので、具体的な問題に入ります。 炉はもう旧型だ、そういう旧型の炉を遮蔽改修ということになるわけなんだけれども、そういうようなものを修理しても同じだ、ぼくは役に立たないと実は考えているわけなんですけれども、その点についての考え方はどうかということ。 それから、もう一つ念を押してお尋ねしておかなければならないのは、五十六年十月で佐世保重工との契約は期限が切れるわけですね。そのときに佐世保重工からドックをあけろ、出ていけ、こういう要求を受けることはあり得るわけだから、そういう場合にはどう対応することになるのかということ。これをなぜに私がお尋ねをするかというと、坪内流というものがあって、実にごてることが得意な人なんだから、また期限は来た、出ていけ、いやちょっと待ってください、それじゃひとつ金出せということだってあり得るでしょう、そういうことになることだって予想されないでもないでしょう。そういった場合の対応の仕方もございましょうから、それに対する考え方をひとつお示ししてください。
○石渡政府委員 まず炉が旧式であるのではないかという御指摘でございますけれども、たびたび引用させていただいておりますが、大山委員会では「むつ」は全体としてかなりの水準に達しているのだということでございまして、製作後時間はたっておりますが、この遮蔽を修理し、また全体を総点検することによりまして、十分研究開発の用に役立ち得る炉であると私ども考えている次第でございます。 それから、第二の点につきましては、少なくとも五音協定には当時のSSKが参加しておりませんので、五十六年十月という期限とSSKとの関係は、ちょっと私、事実関係としてどういう関係になるのかはっきりいたしませんが……。
○中村(重)委員 しかし、佐世保重工のドックを使用するわけだろう、係船料もそのために払うのでしょう。二年間月額四千万というのはあなたが言われたのだ。それらについての約束があるわけだ。ところが、それで修理が終わっていなかった、しかし、約束があるのだから出ていきなさい、こう言う、あなたの方は待ってくださいということになる。そうなってくると、またいわゆる得意の坪内流の要求などというものも出てこないという保証はないでしょう。そのときにどう対応するのかということをお尋ねしているのだ。
○野村参考人 SSKとの関係でございますけれども、いわゆる月額四千万円の係船料等の費用を払ってやりました契約は、五十三年度、五十四年度でございます。五十五年度については、現在話を進めておるわけでございます。そのすでに締結しました契約の中に、今後も引き続いて佐世保の甲岸壁で修理をする、ただ金額については四千万円をベースにするけれども、また協議をするということになっておりまして、五十五年度と五十六年度は単年度ごとの今後の話し合いによって決まるわけでございます。 ただ、期間につきましては、約三年の間岸壁を使用するということは、これはまだ文書にしたものはございませんけれども、佐世保との間に了解はついておりますので、この間の久保知事のあっせんでできました基本的な合意によって約三年の間、あそこの甲岸壁を使うということになっているわけでございます。
○中村(重)委員 どうも相手がああいう相手であるのに、ぴしっとした約束の文書を取り交わすというようなやり方をやらないで、あいまいにしてやるから足元を見透かされるということになる。あなた方は国民の税金で仕事をしているわけだ。もう少し責任を持っておやりにならなければ、相手が相手ならば、人を見て法を説けと言うように、その相手を十分考えて仕事をしていくということでないといけないじゃありませんか。どうしてそういうあいまいなやり方で事を進めていこうとしているのです。そういうことでは話になりませんよ。 大臣、どうお考えになりますか。どうもあなたのさっきからの答弁を聞いていると、事務当局以上にお役所的答弁で、実際私は期待外れだ。政治家だから、もう少し責任を果たすということ、佐世保市民が非常な迷惑をこうむり混乱をしているのだから、そっちを向いて物を言っているという気持ちで答えてもらわなければ、あなた、ただ私の質問に対して適当にのらりくらりとかわしさえすればよろしい、そういうような態度じゃ困りますよ。
○長田国務大臣 佐世保重工との来年の契約、期間についての契約をどうするかということは、事業団の方で今後固めていく話でございます。その期間を超過して追い出しを食った際にどうするかというお尋ねでございますが、まず私どもは、本当にそういう事態にならないような手順といいますか修理等の実施、これが最も重要なことだと考えている次第でございます。 なお、佐世保重工の最高責任者の物事の処理の仕方についてのお話なども、いまお聞かせ願ったわけでございますが、この間まで軌道に乗せるのにあんなに時間がかかったりいたしましたのは、一つは、先ほどお話のございました約一千万円の係船料についての問題もありましたし、それ以外のいろいろな要素もありましたわけで、私は、企業経営者という立場からのいろいろな考えが出てきたのだと思っておりまして、今後いろいろな場面で、たとえば期間内に万一出港できないような場合というような、そういうことをなくすことが、ただいまお答えしたように第一でございますけれども、そういう場合の問題等につきましてまで、そのときにいわゆるその流儀が露骨な形で出てということは、ただいまそういうことはないのではないかという感じを持っているところでございます。これは一つの物の判断になりまして、いろいろなお考えがあろうかと思いますが、大局的な観点を絶えずこの「むつ」問題について関係者が持っていただいている、私はそのように考えているわけでございます。
○中村(重)委員 私は気がやさしいものだから。どうも野村理事長に余り厳しく矛先を向けるのも、あなたの前任者の時代のことだから気の毒だなと思いながら質問しているのだけれども、局長は前からのつながりが実はあるわけだ。なぜにこの主契約を当初から石川島播磨とそれから三菱重工にしなかったのですか。なぜに佐世保重工にするようにして変更することにしたのですか。
○石渡政府委員 その点については、私も直接承知をしておりませんが、佐世保重工で工事をお願いする、そして実際SSKでできるだけ工事を多くやっていただく方が、全体として効率的であろうという判断があったと記憶しております。その際、これは表には出ておりませんでしたが、技術的には、遮蔽部分について石川島播磨重工の技術的な援助があれば、そういうことが可能ではないかという判断であったと記憶しております。
○倉本参考人 佐世保に回航をいたします時点、またその後も引き続きまして、佐世保重工業の方は、むしろ積極的に「むつ」の改修工事に参画したい、また主契約者と申しますか、工事全体も引き受けたいというような御希望がございまして、「むつ」の改修に関連をいたしまして、佐世保重工業さんの原子力船に対する熱意と申しますか、原子力についての勉強会を会社の中で持たれ、また「むつ」についてもいろいろ勉強もしたいということで、私どもの方の技術者等も、これに御協力を申し上げたような状況でございまして、また「むつ」の佐世保への回航が決まりました時点におきましては、佐世保重工業さんの中に「むつ」改修工事室というような組織もつくっていただいて、そこで三菱さん、石播さんとの技術的な勉強もしていただいておったわけでございます。 ただ、勉強が進みましてから、格納容器の中の原子炉部分については三菱重工業さんに工事をやっていただきたいというお申し出がございました。しかし、格納容器の外側については自分たちの方でやりたいということでございました。そこで、その線に沿って私どもも遮蔽改修工事を進めるということで、改修についての設置変更などの申請をお出しいたしたわけでございますが、その後、社内でいろいろ御事情がおありになられたようで、昨年の二月の初めでございましたか、会社の方から、自分たちの方は、責任を持ってこの工事をやることについてどうも若干じくじたるものがあるので、主契約者となることを辞退したい、こういうお話がございました。
○中村(重)委員 大体、初めから原子炉を修理できる一人の専門家、技術者もいなかった、そういうところに契約をしようとしたということ自体が間違いであったのでしょう。反省していますか。そして予想だにしなかったようなトラブルばかり起こってきた。 局長、いかがですか。まずかったといま反省していますか。初めから技術者はいなかったのだから無理だったのでしょう。
○石渡政府委員 お答えいたします。 当時、原子炉に関する技術を持っていなかったということは事実でございましたが、その後SSK自身も、意欲を持って勉強されたし、少なくとも遮蔽を主体としての工事であれば、適当な技術の提供者があれば、その工事は可能であったかというふうに考えていた次第でございます。
○中村(重)委員 そこで、修理をするに当たって、制御棒の駆動試験というものをおやりにならないといけないのだろうし、修理が終わったならば、また制御棒の駆動試験をやる必要があるのだろうと私は思うのですが、これはどうなさるのです。簡単に質問に対してだけ答えてください。
○倉本参考人 制御棒の駆動試験でございますが、今回の工事で制御棒の駆動機構等も動かしますので、この工事が終わりました時点で制御棒の駆動試験を実施したい、かように考えております。
○中村(重)委員 制御棒の駆動試験をするのに、久保知事に預けているキーが必要になるのでしょう。
○倉本参考人 はい、さようでございます。
○中村(重)委員 久保知事は、キーを預かるときに、これを預かった目的は、あれは圧力ぶたというのですか、これをあけることは危険であるから、そこで自分がこれを封印するのだということで漁民を説得し、そしてまた原子炉というものに対して不安を持っていた地域住民も、封印をするのだから大丈夫だということで、これに応ずることになってきたわけです。そうすると、知事からキーを借りて――それはふたはそのままだとおっしゃるのだろうけれども、その駆動試験をするためにはキーが必要になる。だから、その試験をすること自体に問題が起こってくることは避けられないと私は思うんですよ。それは約束が違うじゃありませんか。知事はキーを貸すのですか。
○野村参考人 制御棒の駆動試験を行うためには、当然知事の同意が要るわけでございます。したがって私どもは、知事の同意を得て制御棒の駆動試験をやりたいということでございます。
○中村(重)委員 工事が完了するまでこのキーは渡さないということを、知事は漁民にも約束しているし、住民にも約束している。県議会でもそういう答弁をしている。そうすると知事はキーを貸しますか。
○野村参考人 修理が終わった段階で、その修理がうまく終わったかどうかということを確認する一つの性能試験ですから、そういう意味で、終わった段階で御相談をしてかぎをお借りするわけでございます。
○中村(重)委員 私は、修理にかかる前に駆動試験をやってみなければいけないでしょう、それから終わってからもと、こう二つ例を挙げてお尋ねをしたのだから、そして、それに対する答弁であったわけだからね。大体、修理をする前に駆動試験をしてみるということは常識でしょう。あれを製作してから、あるいは取りつけてからもう何年になりますか。そういう機械類というものは、使わなければ使い物にならなくなってしまう。これは人間の頭脳と同じことなんだよ。どういう故障が起こっているかもわからない。遮蔽だけを修理して、そしてキーを借りて駆動試験をやってみた、どうも調子が悪い、また改めてやり直さなければならぬということだって起こるでしょう。当然、修理の前に駆動試験をやってみる、それから修理にかかるということが常識じゃありませんか。あなた方は目的と手段ということを履き違えては困りますよ。必要なものは必要なとおりにしていかなければならない。順序を間違わないように、大湊でやったような失敗を再び繰り返さないようにしていかなければならない。このためにはこういうことが必要だというなら、そのとおりに大臣にも報告をし、そして、それに対応する措置をしていくということがあたりまえじゃありませんか。どうですか。
○倉本参考人 制御棒の駆動試験でございますが、これは制御棒を動かします駆動のモーターがついておるわけですが、今度の遮蔽改修の時点でそれを一応外しますので、これをもとへ戻した時点で、これがきちんとそこにおさまったかどうかということについての試験をやることを考えております。
○中村(重)委員 いずれにしても、その修理をする前に制御棒の駆動試験をする必要があるということだけは考えているのでしょう。やりたいなあ、やらなければいけないなあということだけは考えているのでしょう。いかがですか。
○倉本参考人 制御棒の駆動試験、それについては、もちろんやれるにこしたことはございませんのですけれども、今回その遮蔽の改修をいたしますのに、この駆動のモーター部分を一応取り外しますので、それがもとへきちんと戻ったかどうかということについての試験をやりたい、こういうことでございます。
○中村(重)委員 私は、初めからこの問題に関係しているのだから、だから先ほどのあなたの答弁の中にも、でたらめな答弁をしていると私は思ったけれども、時間の関係があるから言わなかった。佐世保にぼくは委員長として出ていって、あそこで関係者に集まっていただいて、いろいろ意見を聞いているんだからね。だから、あなたの言っていることは事実に反することを言っていると思ったけれども、あえてとがめなかったのだけれども、制御棒の駆動試験の問題についても、科学技術庁の幹部が、駆動試験はしなければなりません、その場合は知事はキーを貸してくれる、そういうことになっております、と私に答えているのです。いいですか。常識ですよ、それは。修理の前にまずやってみることは。でなければ必ずまた問題が起こりますよ。だから、必要なら必要だとはっきりおっしゃったらどうなんです。好ましいとは言われたが、技術者が好ましいということは、やはりやらなければいけない、そのままでやったらちょっと不安があるという、そういうことだろう、そう受け取るのは常識だと思うのです。それならば、そういうようなことを大臣にも話をする、そして、それに対応するところの措置をとっていくということは、国民に対しても、また漁民に対しても、地域住民に対してもの責任じゃありませんか。なぜに避けて通れないものを避けて通ろうとするのですか。
○倉本参考人 制御棒の駆動試験は、一応遮蔽改修が終わりました時点でぜひやらなければならないということは、私どももそう思っております。したがいまして、この制御棒の駆動試験は、工事がきちんと終わった時点で私どもといたしましては、知事にお話をして、試験方法等が安全に行われるということを確認していただいた上で、そのかぎをお借りして試験をしたい、かように考えております。
○中村(重)委員 終わった時点でということは、やはり制御棒の駆動試験というものはしなければならないということは、いまの答えの中でもはっきりしているわけです。だから、終わった時点で制御棒の駆動試験をするのだったならば、修理をする前になぜに制御棒の駆動試験をしようとしないのですか、やらないのですか。
○倉本参考人 今回の遮蔽の改修に当たりましては、現在ございます制御棒の駆動部分を一応取り外しますので、取り外して現在の設置の方法と若干取りつけ場所が変わりますので、現在のものを外す前にこれの試験を行うということは――この改修が終わった時点と状態が全く変わってまいりますので、この改修が終わった時点で試験をやればいい、かように考えております。
○中村(重)委員 私は、素人だからわからないのだけれども、いま取り外すということはどういうことかなと思った。その場合はキーは要らないのですか。
○倉本参考人 現在は、この制御棒を動かしますモーターがございますが、そのモーターが鉄の板の上に載っておるわけでございます。これを外しませんと、下の遮蔽材が取れないわけでございます。ですから、これは制御棒自身とそこにギアでカップルしている、そこで外しまして、このモーターのついておるところを取り外す、それで今度は遮蔽の板の上にモーターをつけかえまして、これをおさめるということになりますので、その前、現在あります状態とそのモーターの場所が変わってくるわけでございます。そうしますと、そのモーターがきちんと計画どおりについておるかどうかという時点でこれをやります。ですから、モーターを動かすための電源のかぎを知事にお預けしてあるということでございます。
○中村(重)委員 だから、モーターを動かすための点検のかぎというものが必要になってくる、やっぱりかぎを借りなければいけない、こういうことになるんですね。
○倉本参考人 取り外しますにはそのモーターのかぎは要りませんで、モーターを動かす場合にこの電源の方のかぎが要るわけでございます。
○中村(重)委員 だから、モーターを動かすのにはかぎが必要だから、そのかぎを借りなければ進められない、こういうことになるのでしょう。
○倉本参考人 したがいまして、そのモーターをもとへ戻して設置をして、そのモーターがきちんとついたかどうかということをテストするためには、このモーターを動かすための電源及びそれのスイッチのかぎが要るわけでありまして、その時点でこの試験をしますのに知事からかぎをお借りするわけであります。
○中村(重)委員 いずれにしても、そういうためのかぎは借りなければいけない、こういうことになる。そうすると、知事が果たしてそのときかぎを貸すのかどうかという問題が起こる、そこでまたトラブルが起こるおそれなしとしない、こういう形に実はなると思う。 出力上昇試験はどうするのですか。どこでやるのですか。
○野村参考人 出力上昇試験は定係港の港において行います。
○中村(重)委員 定係港の港において行う、そうすると、そこでまた故障があったという場合はどこで修理をするのですか。
○野村参考人 定係港について政府でお決めいただいて、地元と折衝をされることになるわけですが、そのときには当然、定係港というところでは出力上昇試験をやりますということを、地元の関係者によく御説明をしてやるわけでございます。したがって、定係港としてお引き受けいただく場合には、そこで出力上昇試験があるという御理解のもとにやるわけでございますので、その点は格別のトラブルは起こらないと思います。
○中村(重)委員 じゃそこでやる、こういうことになるんですね。 それから、もう大分時間がたっておりますから、次にお尋ねしますが、先ほど申し上げたように、佐世保に対しては宝船ということでこれは歓迎をしたのだけれども、いまは冷ややかになっておる。佐世保にどのくらいの金が落ちるのですか。
○石渡政府委員 工事全体は約五十三億円という予定でございますが、佐世保地区にどれだけ落ちるのかということについては、ちょっと試算をしてございません。
○中村(重)委員 試算してはおらないと言うのだけれども、佐世保重工がやる仕事というものは何だということは決まっているのだから、それに対しては佐世保重工に払うのだから佐世保に金が落ちるのでしょう、その金をどこに持っていくかは別として。その他いろいろ関連の仕事というものもあるのだろうし、それから、いわゆる人件費だとか、いろいろなことで佐世保に対してたくさんの人が行く。全体の予算が決まっているのだから、どこからも金が来るわけではないのだから、やはり事業団の方から金は出るわけだから、そういう金が今度は石川島播磨に払う金が幾ら、三菱重工に払う金が幾ら、申し上げたように佐世保重工に幾ら、それから関連した費用というものはどうだということになれば、佐世保に落ちる金は幾らだということは、これは当然、算術計算すればわかることじゃないですか。
○野村参考人 佐世保に落ちるお金という意味でございますが、いま先生のおっしゃった意味はわかりました。ただ、もちろん予算で、遮蔽改修と安全性総点検の予算は決めていただいておりますから、全体はわかりますが、現在その中で三菱重工と石川島播磨、それから佐世保重工が現実にどれだけの工事をやるかという基本的な話し合いを精力的に詰めております。また、それについての各社の見積もりも、何遍か来て折衝しておりますが、それぞれの会社にどれだけの金が行くかということは、まだ最終的に決まっておりませんので、したがって、佐世保に、SSKにどれだけの金が行くかということはまだ決まっておりません。
○中村(重)委員 まことにあいまいだ。 漁業団体とはどういう約束になっているのですか。
○石渡政府委員 漁業対策といたしましては、二つの予算を計上しておりまして、一つは魚価安定特別基金造成事業ということでございまして、原子力船「むつ」に関して風評による魚価の低落があった場合の買い支え等に支弁する費用といたしまして二十億円、それから魚価安定基盤整備事業といたしまして、やはり風評による魚価の低落に備えまして冷蔵設備等の整備を行う事業といたしまして五億円、合計二十五億円の魚価安定対策事業を行っているところでございます。
○中村(重)委員 魚価の低落というのは、不確定要素ということになるんですね。この金は、そういう事態が起こったとき渡すのですか、あらかじめ渡しておくのですか。
○石渡政府委員 二十億円につきましては、たしか長崎の漁信連と言っておりましたが、県がこの基金を運用いたしまして、この果実を生じました場合には、何もない場合にはその果実は基金に繰り入れていくということでございます。何か不測の事態が起こりましたときには、ここから支出をいたしまして、その対策を講ずるということでございます。
○中村(重)委員 漁信連にこれは預託をしているということは私も聞いている。 そこで、不測の事態が起こらなかった場合はどうなるのですか。
○石渡政府委員 すべての工事が済みまして、その間幸いにして何も起こらなかったという場合につきましては、その残余の生じた場合には、当該残余につきまして国庫補助金に相当する額は返還されるということでございます。
○中村(重)委員 そういうことになっているのだけれども、漁業団体はそうは考えていない。当然、それがいろいろな名目をもって交付された、俗な言葉で言えばもうもらった、だから、漁民に配分するものと、それから保管をしておいて、いまあなたが言われたような形でその支払いをしていく場合とにこれは区別されていく、しかし、いずれにしても、もうそれは国には返さない、こういう理解の上に立っているのでしょう。
○石渡政府委員 その辺につきましては、私は承知をしておりません。
○中村(重)委員 承知しておりませんというのは無責任じゃないかな。そんなばかな……。
○石渡政府委員 そういう御希望があるということを承っているということでございます。
○中村(重)委員 どういうことですか。ますますわからなくなる。そういう御希望があるということはどういうことですか。金を返さないでくださいという希望があるということ、希望があるけれども、先ほどお答えになったように、金は返させるということですか。
○石渡政府委員 御希望があるということを承知しておりますが、これは農林水産事務次官の通達でございますが、補助金交付要綱によりまして、国庫補助金に相当する部分はその時点で返還されることになるというふうに承知をいたしております。
○中村(重)委員 それはあいまいにしないでくださいよ。混乱を起こさせないでくださいよ。いまいろいろな名目はつけているけれども、もう金は渡した。魚価低落の資金であるとか漁業振興資金とかいう形で金は渡した。その金は国に返還するなんというようなことは毛頭考えていないのですよ。また、そういうあいまいなことでは漁民は聞きませんよ。なぜに問題をそういう――国会ですよ、ここは。答弁をしたことに責任があるんですよ。わかるんですよ、ごまかそうとしたって。実際は返還させないのでしょうが。まじめに答えてください。
○石渡政府委員 まじめにお答えしているつもりでございまして、魚価低落のおそれがなくなったと認められる時点で基金に残余が生じた場合には、当該残余のうち国庫補助金に相当する額は返還されることとなるということで決まっていると承知しております。
○中村(重)委員 それじゃ、県もそういうことで了解をしているのですか。漁業団体もそのとおりで了解をしているのですか。
○石渡政府委員 先ほど申し上げました二十五億円のうち五億円は、すでに基盤事業として設備に使われるわけでございますから、これはいわゆる返還の対象ではございません。二十億円につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。
○中村(重)委員 だから、私が質問したことに答えてください。五億はわかりました。 しかし、二十億は魚価低落の場合に対して払う損失補償なんだから、そういうような魚価低落という不測の事態が起こらなかったという場合は、国庫補助金相当分は返還さるべきものである、こう答弁されたのだから、そのとおりに県も、それから漁業団体も了解をしているのですかと尋ねているのです。
○石渡政府委員 私どもは、かく理解しておるということでございますが、先ほど先生のおっしゃいましたような希望を、なお県あるいは県漁連がお持ちになっているということのようでございます。
○中村(重)委員 きわめてあいまいだ。私は、漁業団体とも話をしているのです。あなたがいまお答えになったようには理解をしておりません。返還をしなければならないなんというようなことは考えていないのです。いやな「むつ」を押しつけられて、泣く泣くその金は受け取った、これが漁民並びに団体の方々の理解というのか確信というのか、そういうことなんですよ。だから、そういったような点については、長い間の折衝の中ではっきりしているのでしょうから、だから、それに対しては後で問題にされないように、ひとつはっきりしなければ、また漁民にそれを返還させるなんというようなことは、私はあってはならないと思う。何も私は、国費を乱費しろというようなことで言っておるのではない。いやがる漁民に対して、そういうことで無理やりに押しつけたのだから、そうしておいて後で金を返しなさい、こういうことになっているのですから、法律のたてまえは、そういうことを言うことは許されない、こう言っているのだから、あなたは、単なる希望ということではなくて、そういう希望があり、それに応じて金が渡されているのだから、それならそれのようにここで後で問題になるようなお答えをなさらないようにしないといけない、こう言っている。 それから、魚価が低落をしたかどうかというところの調査は、どういう方法でやるのか。それからその場合は、直接漁民だけではなくて、魚屋さんであるとかあるいは関連の中小零細企業の方々にも大きな影響をもたらすだろうから、そういう場合にはどうしようとお考えになっていらっしゃるのか。調査の方法、それからその関連の場合の損失について……。
○石渡政府委員 魚価低落の判定あるいは仲介の商業者の方々に対する損害等につきましては、県が委員会をつくられまして、各方面の意見を聞いて判定をされるというふうに承知をいたしております。
○中村(重)委員 それでは、お尋ねをしたいことがまだいろいろありますけれども、もう時間が迫ってまいりましたから、結論的な形で数点お尋ねをいたしておきます。 なぜにこれほど問題になる欠陥船「むつ」を不完全なやり方で――封印なんというのは不完全なやり方だから、なぜそういう不完全なやり方で修理をして実験船として使わなければならないのか。 それから、先ほど日野委員の質疑に対して「むつ」の研究をすると言う。何をこれから研究をしようとしておるのか、どういう成果を期待していらっしゃるのか。 私どもは、この研究所法案ということに改めるということについては、あなたも御承知のとおりですが、単なる名称の変更を要求したのじゃないのです。やるべきことをやらないで、手抜きをして、そして放射線漏れを起こした。それはいわゆる舶用炉の陸上における実験をやらなかったからだ。だから、まともなことをやりなさい、一から出直しなさい、本当に研究開発をしようとなさるならば、そういう考え方の上に立って私どもは研究所法案という形にこれを改める必要があるということを主張してきたのです。そういうような法律案が提案されるであろうことを私どもは期待しました。ところが、これは単なる名称の変更をしておるのにすぎない。これでは何を研究し、どういう成果を期待しようとしておるのかということがわからない。事故を起こしたという反省の上に立っていらっしゃらない。そのようなことに対してはどうお考えになっていらっしゃるのですか。
○石渡政府委員 ああいうトラブルを起こしたしいうことについては、私どもも十分反省をいたしまして、いろいろ考えたわけでございますが、やはり将来の原子力船の研究開発を考えていきます場合に、あの船も大山委員会の御判定のように、十分修理をすれば役に立つのだという判断に立ちまして、それの研究用としての活用を考えていきたいというのが第一点でございます。 しかしながら、将来の原子力船を考えます場合に、やはり研究の主体は改良された舶用炉の開発という方向に向いていこうかと考えておりますので、今後の研究につきましては、原子力船全般につきまして研究対象といたしますけれども、主として改良舶用炉の研究に重点を置いて試行してまいりたいということでございます。 そういう考え方に立っておりますので、先生のせっかくの御指摘でございますが、「むつ」の炉につきましては、船に載っかった状態での実験材料として考えさせていただきたいというのが、今回提案申し上げております法案の趣旨でございまして、そのような方向で考えているという点につきまして、ぜひとも御理解を賜りたいと存じます。
○中村(重)委員 オット・ハーン号やサバンナ号の舶用炉の研究開発は、どういう手だてでもって進められたと調査をしていらっしゃいますか。
○石渡政府委員 まずサバンナ号につきましては、アメリカにおいて特有なことでございますが、豊富な潜水艦の経験をバックにしてサバンナ号の炉の設計、製造を行ったというふうに理解をしております。またオット・ハーンに見られますように、オット・ハーンの場合も、いわゆる同型炉を陸上に建設して研究したということはやっていないようでございます。当時、そのような状況を勘案して「むつ」の研究計画が立てられたものと理解しております。
○中村(重)委員 私どもが主張しておるように、舶用炉というものは、やはり陸上で十分実験をして、それから船にそれを据えつけるといったような、そういうことでなければならないという主張をしているのです。私どもが調査をした限りでは、サバンナ号の場合にもオット・ハーン号の場合にも、そういうようなことが行われたと聞いているのですが、あなたの方の調査ではどうなっているのですか、もう少し詳しくお答えください。
○石渡政府委員 いわゆる同型炉を陸上に建設して試験をしたということは、ただいまのサバンナ号及びオット・ハーン号の場合、両方ともやっていないというふうに了解をしております。
○中村(重)委員 私どもの調査とは違うが、これはやりとりをしてみてもしようがない。ひとつ一緒に調査でも改めてやってみることにしようじゃありませんか。 そこで、いまあなたは、改良の舶用炉の研究開発の問題についてお答えになりましたが、私が申し上げたようなことと同じような考え方の上に立っているのだなという印象を私は受けたのだけれども、これからの改良舶用炉の開発については、やはり問題が起こらないように十分陸上において実験等をやっていくというようなことでなければならぬという考え方の上に立っておりますか。
○石渡政府委員 今後の舶用炉の開発につきましては、現在の「むつ」から相当レベルの高い経済性を追求した舶用炉を考えていかなければならないということでございまして、技術的に相当の飛躍があるであろうという報告もなされているところでございますので、きわめて慎重な研究開発の進め方を考えていかなければならないと存じます。先生の御指摘のような進め方も十分配慮し、できるだけそういう方向で進めていくという考え方が必要であろうと考えます。
○中村(重)委員 「むつ」の失敗から得た教訓としては何がありますか。
○石渡政府委員 たくさんの教訓があるわけでございますけれども、やはり研究開発というものは、その計画の段階から一歩一歩よく確かめ、また振り返りつつ進めていかなければならない、また、そのための体制等も十分考えていかなければならないというのが基本的な教訓であったと理解しております。
○中村(重)委員 そういう基本的な抽象的なお答えではなくて、一、二点で結構でございますから、「むつ」の事故から得た教訓、このようなことを再び繰り返してはならない、こういうところに問題があったから今後はこうしていかなければならない、先ほど申し上げたいわゆる舶用炉の陸上におけるところの実験も、私はその最たるものであるという考え方の上に立ちますが、その他科学技術庁として得られた教訓としては何か。
○石渡政府委員 基本的には、やはり研究開発というものは、人材が基本でありますし、その人材を活用するという意味での体制と申しますか組織と申しますか、そういうこと、それから「むつ」開発で一番の欠陥としてあらわれましたのは、やはり技術と人材の定着化と申しますか、一貫性を欠いたという点にあったと思っているわけであります。そういう点も踏まえまして、「むつ」の遮蔽改修、総点検につきましては、十分実験さらには検討を加えまして作業を進めてまいりたい、かように現在反省している次第でございます。
○中村(重)委員 時間が参りましたから終わらなければなりませんが、私は、この「むつ」の無理な修理をして、そしてこれを再び航海実験等をやって事故を起こすというようなことは避けなければならないという点が一点。いわゆる一から出直すべきであるということ。それから、いま一つは、オット・ハーンにしてもサバンナにしても、もう航海実験が終わった、任務終了。そこをあなた方はやりたいのかもしれないが、しかし、研究のための研究、実験のための実験であってはならない、やはりそれは目的がなければならぬと思う。いわゆる原子力商船時代というものが期待されるだろうか、私は期待されないのではないかと思う。オット・ハーンの場合においてもサバンナの場合においても、もう終了してから五年、七年とつなぎっ放し、実用船の建造の動きはありません。しかし、いただいておる資料を見ますと、あるやに書いてある。五年前から、あなた方はこのとおりおっしゃってこられた。五年たった今日でも動きは変わっていない。ならば、私どもが指摘をしたとおりというのが事実であろうと考える。だから、何か趣味みたいなことでおやりになることはおやめなさい、急がば回れということわざもある。だから、このことにこだわらないでこの問題に対処するということを要求したいというように思います。これに対するお答えもいただきましょう。 それから、原子力船の開発推進は国が研究の主導権を持つとありますが、「むつ」の場合は、この実験が終わったら民間に払い下げるということを言っていたわけですが、それらの点、この私が申し上げた目的、これに書いてありますこのことの意味するものは何なのかということについてもお答えをいただきます。
○石渡政府委員 御指摘のように、現在オット・ハーン並びにサバンナは係留されているわけでございますが、これらの動きは、主としてやはり原子力商船の経済性の問題にあろうかと思っております。したがいまして、それではいつ経済性が出てくる時点があるのかという点につきましては、先生御指摘のとおり、今回の私どもの検討の結果では、その実用化の時期が先に延びていることは御指摘のとおりでございます。すでにお読みいただきましたように、二十一世紀に入るころには、欧米先進諸国で原子力商船が相当出回っているであろうと判断しているわけでございまして、従来一九八〇年半ばごろにはと言っておりました見通しよりは先になっているということは事実でございます。 それから「むつ」の失敗を繰り返すなという点につきましては、十分私ども一も一肝に銘じまして、その御指摘をちょうだいしたいと存ずる次第でございます。 実用化の見通しにつきましては、先ほど申し上げたとおりでございますけれども、欧米先進諸国に先駆けて、エネルギー事情等に非常につらい立場にありますわが国としては、やはり原子力商船にも十分な注目を払い、その対応のための施策をとっていくべきであろう、かように考えておるわけでございます。 それから、最後の国が責任を持てということでございますが、従来申し上げておりましたように、「むつ」の開発がある段階に達したならばどこかの機関に移管するというような考え方、あるいは第二船以降は民間でというような考え方は現在とっておりません。「むつ」のあの船につきましては、船の一生を通じて研究の対象とすべきであるというふうに判断しているわけでございます。 以上、お答え申し上げます。
○中村(重)委員 これで終わりますが、最後に大臣から、いわゆる五者協定というものを責任を持って実行するという意思をお持ちでしたら、確信を持って新たな決意をひとつ明らかにしてもらいたい。
○長田国務大臣 五音協定の趣旨は、もうかたく守ってまいる所存でございます。その決意でおります。
○中村(重)委員 終わります。
○瀬野委員長 午後二時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後一時十八分休憩 ――――◇――――― 午後二時一分開議
○瀬野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。木内良明君。
○木内委員 私は、前回約一時間にわたって当委員会で本原子力船開発事業団法の改正案についての質疑を行ったわけでございます。その後私は、いろいろと具体的に疑問を感ずる点がございまして、一作昨日の四日、佐世保の現地に行ってまいりました。「むつ」の大沢船長あるいは現場の工事事務所の所長とかなり長時間にわたって突っ込んだ議論をしてまいりました。そうした現場で私が見聞した内容等を踏まえて、きょうは長官もお見えでございますし、何点かにわたっての質問を行っていきたい、このように思っております。 まず、前回の私の質問を振り返ってみて、私自身評価すべき点があったというふうに思いますのは、この「むつ」は今後研究開発課題等が山積しておりまして、こうした諸問題が解決され得ない限り、当初予定であった特殊貨物の輸送等の実用には供さないという方向、すなわち実験研究船としてこれを考えていくという大臣の答弁もあったわけでございまして、私は、これは一定の評価をしていきたい、こういうふうに思っているわけでございます。 きょうは、まず初めにお聞きするわけでありますけれども、この附則の第二条関係、統合の問題であります。「政府は、昭和六十年三月三十一日までに日本原子力船研究開発事業団を他の原子力関係機関と統合するものとし、このために必要な措置を講ずるものとすること」、こういう内容になっております。 そこで、まずどういう背景でこうした内容になったのか、御答弁を願いたいと思います。
○石渡政府委員 お答え申し上げます。 これまでの、今日現在もそうでございますが、事業団法は、「むつ」開発業務が終了時期を予定いたしまして、廃止するものとされる期限を付されて立法してきたわけでございます。私どもその経験を踏まえまして、一番困難を感じましたのは人材の定着化ということでございまして、やはりいついつなくなるのだという事業団に対して、まさか新規卒業者を採用するわけにもまいりません、したがいまして、関連の深い企業等から人材を派遣してもらうということでございまして、そうしますと、やはり二年ごと等でどんどん変わっていく、事業団といたしましては、なるべく長く派遣してくださるようにということでお願いもしておったようでございますが、出向されていきます御本人のことも考えますと、なかなかむずかしいというような事情がありまして、やはり人材の定着化、したがって技術の継続性、定着性に難点があったというのが最大の難点でございましたので、これに対しまして、今回の考え方といたしましては、改組後の研究開発事業団につきましては、六十年の三月三十一日までに他の恒久的な原子力関係機関に統合するという方法によりまして、その業務を長期的に一貫して継続することができるというふうに考えたわけでございます。こういうことによりまして、人材の定着化、さらに技術の継承等の問題を解決したいというふうに考えたわけでございます。 なお踏み込んで申し上げれば、もちろん恒久機関であれば、その問題は解決されるではないかということでございますが、いろいろ昨年末の行政機関の統廃合等の事情もございまして、こういう案で御審議をお願いすることにいたした次第でございます。
○木内委員 現地での私の感触を率直に申し上げれば、原子力船「むつ」に乗り組んでおられる船長あるいは機関長に直接お会いしましたけれども、非常な誇りに燃えておられる、また大変まじめに御努力をされておられる、こういう印象でございました。ところがそれ以外の、いわば地上で周辺の事情を整備したり調整をされる皆さんの熱意というものが、私には余り感じられなかったということが実は率直な実感でございました。 そこで、お聞きするわけでありますけれども、いま確かに、局長に御答弁いただきましたように、人材の定着そのほかのいろいろなメリットも考えられるわけであります。実はこの六十年の三月三十一日までに他の原子力関係機関と統合するものとするということになっておりまして、しさいにこれを検討いたしますと、科学技術庁所管のというふうには明文化されておらない。聞くところによれば、恐らくこの「むつ」のいわゆる稼入り先ですかについては、いろいろなところが検討の対象とされたというふうに仄聞しておるわけであります。 そこで最終的には、いましぼって考えれば幾つかのところがあろうかと思いますけれども、まずその問題は除外しまして、運輸省所管の船舶技術研究所、これも当初この統合対象として若干の議論、検討の対象になったということも聞いておりますけれども、後ほど私が触れますところの責任体制でございますとか、あるいはまた研究内容の性格がこの「むつ」になじまないというようなことから、統合の対象とは最後にはなり得なかった)いうふうなことも仄聞しているわけでありますけれども、この点についてはどうでしょう。
○野口説明員 先生御指摘のとおり、この事業団の統合先として船舶技術研究所というのも私どもで一応検討はいたしました。ただ、船舶技術研究所と申しますのは、御承知のとおり、造船技術に関する基礎的な研究をしておるところでございまして、一方この研究開発事業団というところは、御承知のように「むつ」の開発をし、さらにこの「むつ」を使って実験研究を続ける、あるいは改良舶用炉の研究をするというふうな、特定な開発目的を持った研究をするというような、若干性格の違いがございます。いろいろ検討いたしましたけれども、ただいま先生がおっしゃいましたように、やはりいまの船舶技術研究所では、こういう船員の管理とかあるいは船舶の運航というような、そういう事業的性格の業務をするのには少しなじみがたいのではないかということで、統合先としては不適当であろうというふうに私どもは考えた次第でございます。
○木内委員 いまの船研のほかに国立の海洋センター、これもやはり検討の対象になったというふうに聞いておりますが、これは局長一どうでしょうか。
○石渡政府委員 確かに、海洋センターという業務からいたしまして、船があってもいいのではないかという発想もございました。けれども、原子力船の研究開発でございますと、やはり主体は原子炉と申しますか、原子力及び舶用炉に研究開発の主体がどうしてもいかざるを得ない。そうしますと、従来原子力部門に手をつけていなかったところがお預かりするというのは、やはりいかがなものかという点で、検討の対象から外れたという経緯がございます。
○木内委員 そうしますと、この法案には入っておりませんけれども、統合対象はあくまでも科学技術庁所管ということに限定して受けとめてよろしいのかどうか、その点大臣の方からお答えを願いたい。 と申しますのは、これは何も職務権限でございますとか、あるいはテリトリーの問題ではなくて、「むつ」が、私は、ある意味では、いま現場を見て、大変かわいそうになってきておるんですよ。結局、定係港にも一定期間かなりいやがられた形跡がある。加えてまた時限の後、いろいろなところへ統合しようとしても、みんないやがって受けつけない。また事故があったときの責任体制がどうなるのだということで、これ以上研究開発の環境というものを損なうようなことがあっては、再度――前回は一〇〇%に対してわずか一・四%の出力上昇試験のときに事故が起こってしまった。これをさらにパーセントを上げていったときにあるいは事故が起こるかもしれません。当然私どもの立場としては、そうならないことを願っておるわけでございますけれども、そうなったときに、これはまた国会で問題になる。あるいはまた、それこそ国民のコンセンサスも得られないような状態になってくる。ますますこの研究開発というものが先細りになっていくのではないかということで、あくまでも今後のこの責任体制というものはさらに明らかにしておく必要があるのではないかということで、あるいは細かな問題かもしれませんけれども、その点も踏まえて今後の機関統合の対象限定は科学技術庁所管ということでいいのかどうか、まず大臣にお答えいただきたい。
○長田国務大臣 この法案は、一面では「むつ」の開発あるいは舶用炉の研究、推進という面が当然ございますが、他方、現内閣が非常に重点を入れておりました行政改革の一環という面もあるわけでございまして、その面から申しますと、昨年の十二月二十八日の閣議決定におきましての「特殊法人の整理合理化」、その一の「公団、事業団等特殊法人の統廃合等」という中におきまして「日本原子力船開発事業団については、昭和五十五年度において研究開発機関に改組のうえ、昭和五十九年度末まで存続させることとし、当該時点において、科学技術庁主管の原子力関係機関と統合する。」、こういうことになっておりますので、法文には出ておりませんが、政府の内部としましては、そのような統一した意識のもとにこの問題に対処しておるわけでございます。
○木内委員 次に進みたいと思いますけれども、その前に、いまの御説明でも十分わかった点もございますが、科学技術庁所管という字句をここに入れなかった理由は何かあるのですか、局長。
○石渡政府委員 気持ちはそういうことで、法制局等にいろいろ御説明したわけでございますが、法文整理上入っていないということでございまして、考えは全く同じでございます。
○木内委員 いずれにしても、科学技術庁の所管の限定範囲で行うこと、そういうふうに受けとめていきたいと思います。 さらに統合の理由として、先ほどの行政改革という点からのメリット、さらにまた恒久的な人材の確保と二点挙げられたわけでありますが、確かにこの事業団から見た場合のメリットはある。しかしながら、今後、他の研究機関と統合された場合、統合先の機関にとって、この統合というものが、あるいはデメリットを生じさせるのではないかという点も心配しているわけでありますけれども、この点の見通しはどうでしょう。
○石渡政府委員 「むつ」をまず実験船として十分運航し、データをとるということができるようになるような状態までは統合ということを考えないわけでございます。したがいまして、現状でいろいろ絡まっております問題が解決された後で統合ということが考えられるという点が第一点でございます。 第二点では、船の運航をしながらデータをとるというようなことが、いま考えられております統合先に何かデメリットをもたらすのではないかという御指摘でございますが、そういう正常な状態で研究活動が行われる状態であれば、さしてデメリットは考えられないというのが私どもの当面の判断でございますが、統合を受ける研究所、原船研究開発事業団に統合される立場の研究機関も、それぞれの特色なり、やり方があるわけでございますので、そういうことも勘案しながら、また今後の「むつ」の開発あるいは改良舶用炉の研究開発の進みぐあいもながめまして、慎重に、まず統合先、それから統合のやり方を考えなければならないというふうに考えているわけでございます。統合と申しましても、いろいろなやり方もあるわけでございますので、御心配の点につきましては、行政的にも相当対応ができるのではないかというふうに考えております。
○木内委員 いまの答弁の中で、統合に向けての環境が十分整備されないうちは、条件が整わないうちは、統合はしないというお話がございましたが、統合するに足る整った条件とは具体的に何でしょう。
○石渡政府委員 いろいろ現在の状況が解決されないまま残っているという状況があるわけでございます。たとえば四者協定の問題であるとか、また定係港の問題など、一口で申しますれば、地元問題等も含めまして問題が残っております。こういう状態が解決された後、そして正常な状態で実験研究活動が行われる状態というのが、統合に支障がなくなった状態というふうに考えている次第でございます。
○木内委員 条件をいま二つ挙げられましたが、二点だけでいいですか。
○石渡政府委員 少し次元が違うかと存じますが、そのほかには、この現在お願いしております法案の内容によりますれば、今後五年間に、たとえば人材の構成等もできるだけ変えていきたいというふうに思っております。そういうことによりまして、先ほど先生が御指摘になりましたような、そういうことがないと私ども思いたいわけでございますが、研究者はもちろん船員あるいは職員の士気も十分高揚しているという状況が必要かと考えます。
○木内委員 そうしますと、諸条件が整った段階で統合のアクションを起こす、具体的な進捗のスタートラインにつく、こういう判断をしてよろしいでしょうか。
○石渡政府委員 むしろ昭和五十九年度末を目指しまして、そういう状態に持っていくという私どもの努力も、大変責任があるかと思っております。
○木内委員 と申しますのは、地元の問題を初めとして人材の点等、今後解決すべき問題は山積しているわけでございまして、この諸問題の解決と並行しながら、統合の準備を進めるというニュアンスのようには、私はいま受け取れなかったのです。すなわち、そうした諸問題がすべてパーフェクトに解決をされて、それから統合のアクションを起こすのであれば、これは相当日程的、時期的にどん詰まりになって始めるために、この期限には間に合わなくなる。そうすると、また、まさに暗礁に乗り上げてしまう。そうした具体的措置が後手後手に回るのではないかという懸念を持っておるわけでございまして、何も今回のケースだけについて申し上げるのではない。いままでのこうした修理の問題、定係港の問題等、当初の見通しとはいろいろ食い違った、ずれの出ているのが現実の姿でございまして、したがって私は、あらかじめその点を心配する上からお聞きするわけであります。
○石渡政府委員 私がただいまの御答弁の最後に申し上げましたように、そういうことをある時点を目標にいたしまして、あらゆる努力をそこに集中していって、問題を解決し、少なくともデメリットが出ない状態で統合ができ得る状態に持っていくという努力が非常に大切だということを特に申し上げたいと存じます。
○長田国務大臣 実は行政改革の面から見ますと、統合をなるべく早くやるように、そういう要請があるわけでございますが、ただいま原子力局長がお答え申し上げましたように、いますぐに統合するということになりますと、これを受ける方にとりまして思わぬ難問をしょい込む、本来の機能を十分発揮するという面から見て、首脳部のエネルギーが非常に分散される、そういうようなことなども考えまして、ここに相当の期間を置いて、その間実験航海の実なども上げる、あるいは定係港その他の問題なども処理しまして、すっきりした姿で統合をさせる、そういうようなことなどもあわせ考えまして、昭和六十年三月三十一日、そういうようなものをめどにいたした次第でございます。
○木内委員 何度も申し上げるように、私は、この研究開発を進めるべきであるという観点から申し上げているわけでありまして、決して揚げ足をとっているのではないわけであります。実際問題として統合に向けての具体的努力がすでに始まっているのかどうか、あるいはいま大臣の答弁でも、時期が若干ぼけておりましたけれども、いつごろからそれが始められるのか、もっと言えば、いつごろには大体めどがつくのか。いきなり五十九年、六十年の時期になって突発的にこれが出てくるということでは、またいろいろな問題が派生してくると私は思う。お答えしにくい面も確かにあると思います。私も十分わきまえてお聞きしているわけですけれども、ただ時期的なめどぐらいは、いつごろにはこういう形をとって、一つの輪郭だけは浮き彫りにするのだ、そういう見通しはお持ちになって当然だと思うのです。
○石渡政府委員 まだ内部で十分煮詰めたわけではございませんけれども、私は、来年度からはまず人材の点は早速手をつけるべきだと思っております。たとえば新規卒業者あるいは若干の研究の経験を持っている方で、一生この機関で働いてもらうという気持ちのもとに採用してまいりたいというふうに思っているわけでございます。 それから、現在いろいろ問題になっております諸点につきましては、これは気持ちといたしましては、一日も早く解決に持っていくべきである、かように考えておりまして、やはり現実の統合を計画するには一年ではだめで、最低二年前から計画的に進めなければうまくいかないだろうということを現在考えております。
○木内委員 最低二年前からというお話をいただきまして、私も、一定の前進があったというように思いますが、二年前というのは、具体的に何年になりますか。
○石渡政府委員 ちょうどいまから三年後ということでございますので、五十八年の春ということになります。
○木内委員 五十八年の春に具体的になる、あるいは具体的な準備が進むということですけれども、その時期に何がどういう形で具体的にあらわれてきますか、それだけお聞きしたい。
○石渡政府委員 先ほど行政的に対応ということをちょっと申し上げたわけでございますが、統合の形態と申しますか、スタートをどうするかということが統合という時点での当面の問題になると思うわけでございます。 それで、一番やりやすいと申しますのは、いまある形のまま形式的に一本化する、それで時間をかけて内部的に融和を図っていくということが、一番無難と申しますか、やりやすい方法かなというふうに考えてはおりますが、それでは逆に統合ということが名前だけになります。それで、最低二年前と申しましたのは、受ける方についても、その受けざらをつくっていく、そして統合した時点で研究開発活動が一体となってスムーズにすぐ進行できるような状態に持っていくということが必要かと思っておりまして、二年ほど前にといいますのは、受ける方に組織的にも受けざらを考えて、実際に機構を若干いじるとか、あるいは研究テーマを用意する、そういうことを始めるというのが現実的な仕事になるか、このように考えております。
○木内委員 いま研究テーマの前にもう一つ何かおっしゃいましたね。よく聞こえなかったのですけれども……。
○石渡政府委員 大きなことではないでしょうが、内部的に組織を少しいじるということでございます。
○木内委員 研究テーマ等については、いま、今日までの研究成果を踏まえた上での基本計画というようなものも、それに近いものがすでにできているわけでありますが、との設定等、具体的なものになるのが五十八年であろうというふうに受けとめたいと思います。じゃ、いまから相当具体論にまで論及しますと、またいろいろな影響も出てくるというわけで、そういろいろはお聞きしません。 ただ、ここでお聞きしたいのは、それでは統合対象として満たすべき条件といいますか、どういったファクターが必要であるとお考えなのか、簡単に答えてください。
○石渡政府委員 やはり原子力についての十分のポテンシャルがあるということ、そして研究所一体となっていろいろな研究を支えていくわけでございますが、今後の舶用炉の研究を中心といたしまして、それをサポートするような機能がすでにあることということが必要かと思っております。そういう意味で、統合先の機関といたしましては、原子力全般に関する知識経験また研究の実績があり、また長期にわたって一貫した体制で原子力船の研究開発を受けとめていける、そういうことができる機関であるということが、言葉で言えば最低の条件になる、かよう考えるわけでございます。
○木内委員 いま舶用炉の研究のサポートをできる機能を持った機関というふうにおっしゃったと思いますが、そういう機関は、具体的に名前はいまお聞きしませんけれども、科学技術庁所管の中ですでにあるのでしょうか。
○石渡政府委員 もちろん舶用炉そのものの研究開発の中心になるのは、いま御提案申し上げております原子力船研究開発事業団そのものでございますが、それをサポートする機能というものは、やはり原子力全般につきましての研究開発機能を持っている機関ということでございまして、そういう機関は当庁が所有しているというふうに考えております。
○木内委員 いずれにしても、条件がいろいろあろうかと思います。実は、私が準備してまいりましたこの資料の中に、具体的な研究機関名も入っているわけでございますが、これはあえて申し上げません。 ただ、私が心配しておりますのは、いままでの議論の中で統合対象たるべき機関はそう多くはないように思える、しぼられてきているわけです。 大臣、いまの事業団を統合するに当たって、先方の感触ですけれども、喜んで受け入れようとしているのか、逆にいやがっているのか、率直なところどうでしょう。
○長田国務大臣 先ほどもちょっとお答え申しましたが、現在のままでしたら真っ平というようなことではないかと思います。早く、研究機能というものが十分に発揮されるような体制、そういうものをこちらの事業団の方も整えましたところでの統合ということにぜひ持っていかなければと、そういうふうに思っている次第でございます。
○木内委員 私は、いま大臣の言われたのは、率直な意見だと思いますよ。いまのようにずたずたの状態では、とてもじゃないけれども、引き受けられませんよということだと思うのです。じゃ、ずたずたでない状態とは何かと言えば、これから解決されるべき問題なのであって、いまの状態ですぐに見通しは立てられないもの、いろいろあると思うのです。それはしかし、今後それこそ特段の配慮で取り組んでいただかなければならない。 もっといろいろ細かくお聞きしたいのですが、さっき答弁いただきました、五十八年までに何とかめどを立てる、これははっきりした一つの方針が出たわけですから、逆算していって、解決、克服すべき問題をいつまでにきれいに、パーフェクトな状態にするかと言えば、はっきり言って余り時間がないわけですね。相手が喜んでとは言わないまでも、そのぐらいになったのなら受け入れましょうと言うまでに持っていかなきゃいけないということだと思うのです。お聞きいただいてわかるように、この問題については、相当議論すればいろいろなほころびがあるのですが、あえて申し上げません。しかし、実際にこれは特段の配慮で臨んでいただきたい。大臣、私の言うことがわかりますね。一言おっしゃってください。
○長田国務大臣 先ほどの真っ平という言葉は、若干不穏当のきらいがございますが、首脳部が当面の問題に奔命に疲れるというような事態というものは、日本の原子力関係の研究開発という面からも望ましくない。そういうようなことは、このたびの改正法を通過させていただきまして、早くそういうような体制を整えました上で、すっきりした形でのことを念願し、そのために全力を挙げてまいる所存でございます。
○木内委員 簡単におっしゃいますけれども、これはなかなかむずかしいですよ。私は本当にそう思います。よほどの真剣な取り組みがないことには、いま局長や大臣がおっしゃったようなプロセスどおりにはいかないと思います。 それで、この統合の問題で最後にお聞きするわけでありますけれども、今日まで見られたような事故が今後絶対に起こらないとは言えないわけであります、これは機械でありますから。統合された後の問題として、仮に「むつ」が新たに事故を引き起こしたような場合の責任体制でありますけれども、いま想定され得る幾つかの統合先があるわけですけれども、そこの理事長なり総裁という立場の人がその責任をとるというふうに判断すべきでしょうか。あるいは原子力船開発事業団がそのまますぽっと向こうへセットで組み込まれて、いわば研究開発本部みたいなものができて、ここの本部長が責任をとるのか、その辺をいまからはっきりしておきませんと、統合の話し合いのときに、責任はとりません、身柄だけ引き受けましょうということになるのか、きわめて不明確な点が多いわけでありまして、その点まずはっきりした政府の方針というものをここで聞いておきたいと思う。
○石渡政府委員 非常にいろいろのケースを、お聞きしているとお考えいただいて、私も全く同じことを考えていたわけでございますが、統合という実が上がるためには、完全に融合してしまうというのが最後の理想でございますけれども、先ほども私、中途半端に申し上げましたけれども、当面、これは統合という名前だけではないかと御非難をいただくかもしれませんが、ある期間は現在の機関のままそっくりすぽんとくっつくという形態を考えざるを得ないのではないか。すなわち、その当時の時点で人事的にはどうなっているかわかりませんが、その時点まで開発の責任を負っていた者が引き続きある期間その責任をとるという体制を考えざるを得ないのではないかというのが現在の私の考え方でございます。
○木内委員 そうすると、いまの責任者がそのまま責任者になるということですか。
○石渡政府委員 そのような考え方でございます。
○木内委員 そうしますと、統合はした、住んでいる家の、昔の言葉で言えば家長ですかね、世帯主が責任をとらないで、要するに統合先の責任者じゃない人が責任をとるわけですね。ちょっと私は、これはどうなのかなという感じがしております。これは恐らくいまの段階でここまでの議論はあるいは尚早かもしれない、しれないとは思うけれども、少なくとも国会の場で審議する法案に上がってきておるのです。中身があるのです。その中身も定かに吟味しないで、賛成か反対かというわけにはいかない。この法案が出された根拠には、必ず何らかの見通しなり方針があってしかるべきである、こういうふうに思いますが、大臣どうですか。
○長田国務大臣 第一には、そういう事故を起こさないということが一番大事でございますけれども、まあ仮にということでのお話でございますが、私は、この責任者の実質的な関与の仕方ということが第一だというふうに思っております。その場合、新しい機関の責任者も何らかの形での関与はあり得るというふうに思っておりますが、正しいといいますか私どもが望ましいことは、それは実質的な関与の度合い等によりましてのことだと思います。ただ日本の場合には、形式的責任というものもやはりないわけではございませんので、その場合の事故の態様、関与の仕方、仮に責任をとらせるとすれば、そういういろいろな観点からの判断の上に立ちましてのことになろうかと思うわけでございます。なかなか申しにくうございます。
○木内委員 大臣いまいろいろ時間をかけておしゃべりになりましたが、分析してみたら何もないですよ、いまのは。要するに実質的な関与と形式的な責任とおっしゃいましたでしょう。具体的に何なのかということは、突っ込んでお聞きしませんけれども、あいまいですよ、大臣それでは。実質的な関与というと、統合先の責任者が研究開発に実質的に関与しながらの責任はとらないということなのか、日本人的な形式的な責任というのは、じゃ具体的に何になるのかという疑問を私はいま持っております。 いま確認できたことは、少なくとも統合先全体のヘッドは責任をとらない、責任体制のトップにはない、いま考えられているのは、セットで送り込まれた、何といいますか、機関といいますか、どういう名称になるかわかりませんけれども、そこのトップが責任をとるのだというお考えなのでしょうか。
○石渡政府委員 先ほど来申し上げておりますように、いろいろ考えているということでございまして、私の現在の考え方は、それが一番現実的ではないかと考えているということで御答弁申し上げました。
○木内委員 この問題、きょうは幾らでも議論できます。しかし、余り時間もないからやめるのではなくて、いろいろ御準備もあるでしょうから、私もよくわかっておりますから……。 そこで、先ほどからの局長や大臣の答弁を聞きながら、事業団の方が一生懸命首をひねっておられるんですね。だから、何か御意見があるのではなかろうかというふうに思いますが、いまの責任体制の問題についていかがですか。
○野村参考人 私が考えておりますのは、これはごく一般論でございますけれども、一つの法人格の責任というのは、法人格のトップの者が最終的な責任をとるべきだ、それは一般論として当然だと思います。したがいまして、その原則はこれは変えられないのではないか、そういう私の個人の意見でございます。
○木内委員 いま私は、この法案について審議しているわけで、一般論じゃなくて、この場合のケースについてのあなたのお考えはどうかと聞いているのです。
○野村参考人 ですから、この場合も例外ではないと思います。
○木内委員 それじゃ法人は統合先の研究機関ですね。
○野村参考人 統合されるということは、AのものとBのものが一本になってAといいますか、名前は別として、なるわけですね。そうすると、その法人格のトップという者がその組織体の運用について全責任を負うものですから、それがどういう――統合されてしまえば一体になるわけです。ですから部内で、便宜的な内部の組織としては半独立であろうが独立であろうが、結局統合するもののトップが全責任を負うというのはこの場合も当然であります。
○木内委員 私がさっき申し上げたように、いろいろな準備もあろうから、これ以上お聞きしないと言ったところが、またこれは触れなければいけなくなった。科学技術庁がお答えになったのと事業団の理事長がお答えになったのと中身が違う。こういう食い違い、いま現実にこの事業団を抱えて、あるいは監督指導するお立場にある政府側と食い違いがあるということは正しい姿でしょうか、大臣。
○長田国務大臣 私ども関係者は、ただいま御指摘になったようなそういう事故を絶対に起こすまいという覚悟でおりますので、それが起こったときのことにつきましての用意が十分でないという点は、率直に私も認めざるを得ないと存じます。 しかし、ただいま理事長が申しましたことと私がお答えしましたことは、そんなに大きく食い違いがあるとは思っておりません。私は、実質的なと申しましたが、単に当務者、そこに当たっていた第一線のそういう当務者の責任をということを特に申しているわけではないのでございまして、いろいろ判断をして、こうやるべしと最終的な決定をした実質的な責任者というものに責任があるのが一般の例だと思っております。同時に、日本の、あるいはまた最終的な最高責任者というものは、その気になればいろいろと調査をしたり、あるいは改正をしたり、いろいろな力もあるわけでございますので、そういう者の、そのケースだけについて見れば、形の上だけの責任というふうに見える場合にも、やはり責任を問われ得る場合も十分あるというような意味合いで、野村理事長のお答えと私のお答えがそんなに大きく矛盾しておるとは思っておりませんが、いずれにしろ、総体として余り十分用意された答えではありませんので、その点はひとつ御了察を願いたいと思います。
○木内委員 率直な感想を述べさせていただけば、おっしゃっていることは明らかに違います。これはもう局長御自分でもおっしゃって、理事長もおっしゃって、私は、その責任体制に対する考え方には歴然たる差があると思います。ただ、いま大臣もいみじくもおっしゃっていただきましたように、準備不足であるということでございますので、ひとつこの点は詰めていただきたい。しかしながら、これは国会の答弁でございます。したがって今後、これがベースになって議論を呼ぶことは当然であります。 いずれにしても、私は、細かいことにこだわるわけではなくて、この重要な意味を持った「むつ」の研究開発をそごなく行っていくために、いまからそうしたいろいろなケースを想定しての一定の考え方なり具体的な見通しを持っていかなくてはならないということになるわけです。ですから、それを申し上げているわけであります。 実際私も、これはもっと突っ込んだ議論をしたいのですけれども、本日のところは、この統合責任体制については以上にいたします。しかし、政府のお考えとしては、先ほどの局長の答弁を私は踏襲していきたい、一言簡単にどうでしょう。
○石渡政府委員 食い違った答弁が出まして、大変申しわけなく存じております。 私の考えを何も突っ張るつもりはございませんけれども、たとえば会社で言えば事業部制のようなものが考えられるのではないかということを申し上げたわけでございまして、理屈で言えば云々ということがあるかもしれませんが、むしろ現実に即した問題として今後十分討議をいたしまして、この点につきましての明快な方針を定めてまいりたいと存じます。
○木内委員 以上、私の申し上げたいことは、いま全部申し上げましたから、これは十分詰めてください。これはきわめて不明確でございます。 次に、係船料の問題についてお聞きします。 当初、事業団は一月当たり一千百万円の算定をされてSSKに提示をしております。SSK側から六千万円という要求が出た。地元の県知事が入って二千五百万円の提示額が出た。いろいろないきさつがあった。最終的に月四千万円の係船料ということで落ちついて、ことしの三月以前ですね、支払いを行っているわけでありますが、この点についてはどうでしょう。間違いありませんね。
○野村参考人 昭和五十三年度と昭和五十四年度につきまして、月間四千万円ということで契約をいたしまして、支払いをいたしました。
○木内委員 理事長、その間のいきさつは、ほぼ私が申し上げたことで間違いございませんか。
○野村参考人 細かい点については、いろいろございますけれども、当初一千百万円という私どもの主張、向こうは六千万円以上もありましたけれども、まあ六千万円ということが出だしで、ただ、その間に内容についての議論はいろいろいたしましたが、しかし、大筋はただいま先生がおっしゃったとおりでございます。
○木内委員 まず事業団が提示された一千百万円は、それなりに算定の基礎があって、だれが見ても納得し得る内容の協議の結果この金額の提示になったと私は考えたいが、この一千百万円の算定の基礎となったものは何でしょう。
○野村参考人 一千百万円の基礎につきましては、岸壁使用料があります、それから、そのほかにガードマンの人件費及びあそこの、先生ごらんになって御案内のとおりのフェンスとかその他の機器を警備のために設けておりますが、そういうものの両方を合わせまして一千百万円ということで予算的に措置をして、私どもそれを根拠に向こうに交渉した、こういうことでございます。
○木内委員 SSKの六千万円の算定基礎は、内容はどういうふうになっているとお考えですか、当事者ではないので御存じない点もあるかもしれませんが。
○野村参考人 項目についての細部の積算基礎は、私どもも十分聞いておりませんし、また納得しておりませんが、その内容は、要するに基本的には、三年間にわたって甲岸壁というSSKの一番主要な岸壁を事実上占用使用する、そして、そこに先生ごらんになったようなフェンスを設けまして、建屋もつくる、そういうような「むつ」のために、一般的には要らない、かなりの一時的な設備をしなければならない、そういうことで私どもが考えていた以外に、何といいますか背後地の占用使用料的な要素、それから、これは非常に俗な言葉でございますけれども、いわば迷惑料とでも言いましょうか、また、そういうものも含めて三年間の占用使用料ということを考えて、しかも、そのフェンスとかそういう「むつ」だけのために必要なものを三年間で償却するということを考えれば、六千万円でもまだ少ないのだというのが向こうの当初の主張でありました。
○木内委員 後背地とか建屋の問題が出ましたけれども、そうした項目について一千百万円の中に当初盛り込んだものだったのですか、事業団。
○野村参考人 私どもとしては、それはいわゆる係船契約と言われている現在の契約の中には当初は考えていなかったわけです。
○木内委員 そうしますと、もともと同じ土俵の上で議論できない数字と数字のぶつかり合いだったわけですね。
○野村参考人 その点については、基本的な考え方が違っておったわけです。
○木内委員 当初の六千万について妥当だと思われましたか、理事長。
○野村参考人 六千万については、立場の相違ということはありましても、これは非常に高額でございますし、一般の、世間のそういう場合の常識から考えて、これと全く同じような先例等なかなかありませんのであれですけれども、かなり高額なものだということで私どもは考えておりました。
○木内委員 いま理事長いみじくも一おっしゃったように、立場の相違のギャップを埋めるための主観的な判断材料を除去して、客観的にこのデータを出すことも私は可能だと思うのです。そして最終的に四千万になった、この四千万については、妥当だというふうにいまお考えですか。
○野村参考人 これは四千万円で契約をしたわけでございますので、私どもとしては、一応それはそれなりに妥当と考えたわけでございますけれども、いま申し上げました特殊の設備を三年間で償却をするということを考えれば、これはある程度やむを得ない価額かなということも考えたわけであります。
○木内委員 新しい建屋は建っていませんね、あそこには。
○野村参考人 先生ごらんになりましたあの入り口の右に、何といいますか、占用のために従来の古い建物を改造して、新しく内部等の改造もこれからもするのですけれども、あの建屋がございます。あの改造と、それから特殊なフェンスとかいろいろ臨時的な固定設備があるわけですが、そういうものを考えています。
○木内委員 先ほど御答弁で新しい建屋を建築されると言いましたけれども、あれは新しくありません。改造しているのです、赤れんがづくりの中を。違いますか、理事長。
○倉本参考人 四千万の中では新しい建屋をつくるということではございませんで、先生おっしゃいましたように、甲岸の現在あります建屋を工事のために内部の整備を行って、その建屋をお借りするというための、甲岸の建屋の使用料という形でこれは払っております。
○木内委員 そうしますと、当初SSKの提示した六千万から二千万を引いた額が四千万になっているわけで、この二千万が建屋の建築費であって、新しいものをつくらないからその分だけ減ったのだと考えていいのでしょうか。
○倉本参考人 当初から、新しい建屋を建てることにつきましては、これは岸壁使用と別個の問題として、工事用の別の建屋は考えるということでございまして、先方の申しますこの六千万自身につきましては、現在の甲岸地区の占用の使用料と、それから甲岸にあります建屋の使用料、その他警備関係ということでございます。
○木内委員 いまのお話を聞いていますと、具体的に先方の提示した要求額の細部にわたる分析が行われていないというふうに感ぜざるを得ません。きわめて不明確であります。 それからもう一点は、何でこんな細かいことをお聞きするかと言えば、一月四千万の係船料であって、年間四億八千万、さらにさかのぼって支払う期間のトータルを見ますと、これは膨大なものになるわけでありますよ。考えてみれば、これは全部税金なんです。したがって、細かな算定が必要であろうと思うわけであります。 そうして私は、この問題を調べるのに、あらかじめ科学技術庁の方に聞きました。これだけ高い係船料を払うという意味は、一つは、特殊な原子力船だということの加味された算定分が上乗せされているのかどうか、恐らくそうだろうと思って聞いたら、そうじゃない、それは一切ない、後背地だとか警備員だとか、そうしたものに使われてしまうのだ、だから、高くなるのだという意味のお話をされたように私は聞いたわけです。そうしまして、実は私、現地で聞いたのですが、大変まじめな所長さんもいらっしゃいました。船長もまじめな方でした。個人的には本当にいい方でした。では、いまの四千万の中で実際にどういう使われ方をしていますかと言ったら、これはきわめてしどろもどろなんだな。警備員の方がいまして、警備員の方一人にお給料を幾ら払っていますか、これは全部係船料から払われるわけですが、月に一人百万円払っていると言うんですよ。私が一人百万払って人件費は月に幾らになるのですかと聞いたら、一千万になると一言う。四千万の係船料のうち一千万を人件費に使っていると言うんですよ。私は、警備員の人件費に一人百万というのは、どう考えてもおかしいのじゃないですかと言ったら、御本人は一生懸命計算されていました。たしか四、五十万じゃないかと思いますと言うのです。間違っていたと言うわけです。現場の責任者たる方が――私はその方個人のことを申し上げるのじゃない。四千万という、年にして四億八千万という金がどのように使われているかということを国民の代表として知りたかった。そこで、あらかじめ科技庁の方に申し上げた。係船料と乗務員の乗務環境の問題について、この二点にしぼってお聞きすると言った。現地へ行って、そのことのわかる方をぜひお願いしたい、その方がおっしゃるにはそうなんです。四千万のうち一千万が人件費、そうおっしゃっていましたよ。これじゃ当初あなた方が主張した係船料の一千百万ですか、この一千百万のうちの一千万がすでに人件費に使われるような算定であったわけでしょう。これは甘いも何もないです。私には、その一千万の人件費が正しいかどうかはわからない。この明細について聞きますが、いまの四千万の明細はどうなっているのですか。
○倉本参考人 四千万は大きく分けまして、まず岸壁使用料、警備関係の費用、甲岸の使用料、甲岸の建屋の使用料、甲岸施設の維持管理費、そういうぐあいに大きく分けて、五つの項目に分かれております。
○木内委員 いま私が申し上げた現場の具体的に御発言なさった方の責任ではないと思います。恐らくお忙しいかお体が疲れておられたのでしょう、発足以来ずっと現地でがんばっておられるわけですから。ですから、私は、その点についてお責めいただきたくないわけだ。 いま事業団から言われた岸壁使用料は幾らになっておりますか。
○倉本参考人 岸壁使用料は月額約三百五十万円です。
○木内委員 この三百五十万は正当な評価をされますか。
○倉本参考人 これは甲岸自身へ係船される船の大きさについての一般のタリフに基づいての計算値でございます。
○木内委員 「むつ」は八千二百トンです。東京、横浜、神戸、大阪の主要公共港の係船料のレベルをいま申し上げますが、GT二十四時間八円、五月一日から八・五円になっています。私の計算では八千二百トンの船というのは月約二百九万、これはあくまでも公共港での話であります。これは民間の佐世保です。約九円から十円です。このトータルは言わなくてもわかると思う。これがいまやあなたが言われた三百五十万になっている。どうですか。これは原子力船だという特殊性を加味して加算したのかと言ったら、この係船料はそうでもないと一言われた。にもかかわらず、一般のものよりか高くなっている。確かに、これはSSKのタリフだと言ってしまえば、それまでかもしれない。しかしながら、少なくとも国家予算を使って係船するにあたっては、その辺の詰めをもっと行ってもいいのじゃないか。 私が当初感じた率直な疑問といいますのは、係船料とばっと言われて四千万払っている。まともに考えれば、八千二百トンの船をつなぐのは月額二百万余りでいいわけだ。ところが、警備員のいろいろなものがあった、これについては私は資料もあります、けれども、まずこの係船料の扱いですね、岸壁の使用料についてはどうお考えですか。むしろ原子力船だし、たとえば心配料もあるのだ、あるいはいろいろな従来の基準に基づいたこの係船料以外に上積みする必要があるのだということなら明らかにわかるんですよ。ところが、世間相場よりも高い係船料を払って、なおかつ、これはあくまでも原子力船だということの特殊性を反映したものではないというのであれば一体何なのか、これを聞きたい。
○倉本参考人 これは現在、ああして「むつ」があそこに係船しておる間は、その岸壁自身も「むつ」で占用するという形をとっておりまして、これは「むつ」がいない場合には、あそこの甲岸壁を使って修繕がいろいろできるということで、この係船料といいますか岸壁使用料をはじきました根拠としましては、佐世保重工が五十二年度において甲岸で修理を行った実績というものをベースにいたしまして、五十一年度にあの岸壁に着いた船の大きさ等をベースに算出をした金額でございます。
○木内委員 そういうことをおっしゃるから、ますますわからなくなるんですよ。いいですか。四千万の中に後背地の使用料、そのほかあの甲岸壁に「むつ」が居座っているために受けるいろいろな補償料というものが含まれているのだ、では、その明細を教えてほしいと言ったら、岸壁料云々と言われた。では、岸壁料幾らだと聞いたら、三百五十万とおっしゃった。では、これはあくまでも岸壁料ですか。岸壁の使用料に限られるとあなたはおっしゃったわけだ。ところが、いまのお話だと、またこの中に全体の要素というものが入ってきてしまっている。これは矛盾しているんですよ。残念ながら私の時間は三時一分までしかない。 いずれにしても、これは局長、大臣も聞いてください。この係船料というのは、不明確な点が多過ぎます。しかしながら、すでにさかのぼって一定期間については支払いが終わっている分でありまずので、今後のこうした問題に対する考え方には、やはり国民の税金を使って開発をし、研究をし、また岸壁を使うのだ、そのためにだれがどう見てもおかしくはない積算のあり方というものが要求されると私は思う。 さっき言ったように、警備員の皆さんの給料は百万が正しいのか、五十万が正しいのか、四十万が正しいか、それはわかりません。八時間三交代でそういうお給料ということが果たして正しいのかどうか、これについてはいまあえて聞きません。少なくとも支払いの終わった期間については、そういう扱いをしておりました。 それでは、時間がありませんので次の問題ですが、今後の係船料はどういう扱いになりますか。私が現地で聞いた話では、この四千万を上回ることはあっても、下回ることはないと言っておりました。フェンスはすでにつくってあります。すでにつくってあったり、あるいは建屋を改修したりする費用が、今後ある期間はかからないわけだ。にもかかわらず、四千万を上回ることばあっても、下回ることはないと言っている。これはどういうわけですか。
○倉本参考人 この四千万自身につきましては、警備関係のフェンス並びに機器については、警備会社からリースを受けておるわけでございます。それからまた、先ほどの建屋の問題につきましても、建屋を整備いたしました金、これら全部、こういった経費につきましては、「むつ」があそこに三年、三十六カ月おるということをベースにいたしまして、一応三十六分の一というものを毎月の中で見ておるということでございます。
○木内委員 わけのわからない御答弁をいただきました。聞いていることと話している答弁の内容が全然違うのだ。私は納得できませんが、私の持ち時間が来ました。 そこで大臣、いまのやりとりの中で私の言わんとするところはわかると思うのですが、これはぜひひとつ、今後はこういう場で問題にされないような係船料の扱いというものを考えていただきたいということを要望しておきます。 時間が来ていますので、最後に一つお聞きして、私の質問を終わります。 それは四月十四日の読売新聞に出ているのですが、これは大きなミス、あるいは記事が間違いかということだけお聞きしたいと思うのです。「新定係港について、岸本弘平理事は(科学技術庁が)一か所に絞り、近く地元に申し入れることになろうと語った。ここでは青森県むつ市の大湊港とみられる。」、こういうふうな新聞記事がある。こういう事実があるのかどうか、あるいはこれが誤った報道であったのかどうかをお聞きします。 最後に、要望であります。前回の質問のときにもお聞きしましたけれども、「むつ」の乗組員の皆さんが事故当時から全部かわってしまっている。船長も四人かわっている。乗組員の養成、訓練ということが当初の開発研究の主要テーマの一つでありました。私が船長に聞いた話でありますけれども、今後、先達の情報ですとか、経験の豊かな実績というものがあるわけで、これらを収歛して後進の乗組員に伝えていったり、あるいは親睦的な意味から、「むつ」に乗っておられる方は、大変にパイオニア精神を持ってきておられるわけで、そうした発想というものを大事にされたいというお気持ちを持っております。いま私的な会合として、乗組員のOB会があるそうでありますけれども、これはひとつ大事にお育てをいただきたいということを理事長にお願いをしておきます。 それからさらに、今後、そうしたいわゆる横の乗組員の組織ではなくて、縦のある種の会合とか機関というものが考えられないかどうか、これをひとつお答えいただきたい。この三点について御答弁を大臣、理事長からいただいて、時間オーバーでございますので、終わらせていただきます。
○野村参考人 四月十四日の新聞記事のことで御指摘がありましたが、これは私どもの役員が、別の目的を持って工事の内容の、県の主催する会合に行って、その後いろいろと新聞社の人と話をしたことがございますけれども、定係港について彼が、積極的にといいますか、そういうはっきりした話をした事実はございません、私、本人に聞きましたので。それが第一点でございます。 それから、OBの問題でございますが、やはり組織を運用するものは人でございますので、乗組員も陸上の技術者も、私どもは、すでにやめていった人とも積極的に連絡をとって、協力、連絡を密にしたいと思っております。船員につきましては、先生御指摘のようにOB会がございまして、これも連絡はよく行われております。船員以外の技術者等につきましても、私どもが毎年行います年次報告会等には、案内を出して、かなりの者が来ておりますし、年報も送っております。そのほか随時来まして、いろいろと助言をしてくれたり、そういうこともございますので、この人たちとのつながりを今後一層密にして、技術的な蓄積、人的な蓄積というようなことを図りたいと思いますので、その点、よろしくお願いいたします。
○木内委員 以上で終わります。
○瀬野委員長 村山喜一君。
○村山(喜)委員 私は、この委員会で、数年前に、遮蔽工事の問題をめぐりまして質問をしたことがありますが、この原子力船「むつ」が五十三年の十月十六日に佐世保港へ回航された、それから今日まで、いろいろな経緯を経ながら推移をしているわけでございますが、初め「むつ」のいわゆる放射線漏れの改修についてはSSKに修理を頼む、こういう考え方があったと思うのであります。ところがSSKの方では、なかなかそれを引き受けるというところまでに至らなかった。ようやくことしに入りましてから、自民党のあっせんで、長崎県の久保知事も立ち会いの上でようやく引き受けた、こういうふうに聞いているのですが、一体SSKが遮蔽工事について修理をするということを容易に引き受けなかった背景には何があったのですか。いわゆる係船料の問題であったのか、あるいは技術的に自分のところではとうてい責任が持てない、こういうような、いわゆる社内のスタッフの体制というものがなかったために、引き受けるという返事を渋ったのか。まず、そこから出発をしたいと思うのですが、その点を明らかに願いたい。
○野村参考人 先生御案内のように、回航当時におきましては、あるいはそれ以前からでございますけれども、佐世保で修理をするということが決まりました当時から、SSKが本件の遮蔽改修につきまして非常に積極的な考えを持っておったわけでございます。船体部分も原子炉の部分も、最初は自分のところで修理をしたいということでございましたが、そのうちに、原子炉の部分はいろいろと特殊の技術もあるしということで、船体の部分は自分たちの方で修理をしたいということを依然として思っておったわけでございます。それを、SSKの経理内容が――経理内容は、先生御案内のように、非常に悪くなりまして、社長の交代が行われ、また増資が行われたわけでございます。 その後、それと並行して、私どもは、現地に事務所を設けて、所要の職員を派遣し、またSSKも「むつ」の工事担当のプロジェクトチームをつくりまして、人もそこに集めまして、私どもと折衝してまいったということで、修理の受け入れ体制を整えておったわけでございます。しかしその後、私どもとSSKといろいろと折衝をいたしました過程におきまして、ちょうど昨年のいまごろでございましたか、SSK及び原子炉を担当する三菱に対しまして、工事の見積もりの提出を依頼いたしました。そのときにSSKからは、自分たちの方では工事の主契約者と申しますか、これは辞退をするのでということが内示されました。そして三菱からは第一次の見積書が出てきたわけでございます。そこで私どもは、本来この船舶の船体部をつくりました石川島播磨と折衝しました結果、石川島播磨とSSKが入れかわりまして、石川島播磨の方が船体部の主契約者になるという意思表示をしてまいりましたので、昨年の秋ごろでございますか、九月ごろだったと思いますが、そのころ正式に船体部の主契約者がSSKから石川島播磨にかわった、こういうことでございます。
○村山(喜)委員 そうすると、SSKは係船料については契約が整ったわけですね、ですから、さっき四千万円という話が出ましたが、ドックについては、どこのドックを使うのですか。
○野村参考人 先ほどちょっとお答えを漏らしましたが、そういう話と遮蔽改修の話とずっと並行して、係船料とドック入りの話を進めておったわけでございます。係船料は、先ほどお答えいたしましたように、月額四千万円ということで五十三年、五十四年度について契約は成立いたしましたが、ドックは、同じくSSKのドックを昨年の七月、約三週間前後使用いたしまして、これも係船料と同じ時期に契約が成立いたしまして、これは一回の入渠工事料として九千万円を支払いました。
○村山(喜)委員 そこで、メーンコントラクターの契約についてはだめだと言うので、石川島播磨重工が主契約者になったわけですね。その石川島播磨は、原子炉部分については、自分のところじゃぐあいが悪いので、これは三菱重工と再契約というのですか、契約を取り交わしてやっていくという方式をとるのですか。
○野村参考人 その点少し違いまして、結局、主契約の相手方は、船体部分については石川島播磨、原子炉部分については三菱重工、それと私どもが契約をするわけでございます。それからSSKは、石川島播磨が主になりますが、これに協力をして、現場で機材の提供とかあるいは人員の提供とかをやって、それからユーティリティーと申しますか、水、電気その他のものは当然SSKのものを使用するという形でございますので、主契約者は、原子炉部分と船体部分と並行して、それぞれ三菱、石播というふうに分かれるわけでございます。
○村山(喜)委員 そうなると、遮蔽の改修工事は三菱重工がやるわけですか。
○野村参考人 遮蔽に二つございまして、いわゆる圧力容器、いわゆる原子炉そのものの第一次遮蔽は三菱重工がやるわけです。それから、それを入れております格納容器の遮蔽部分、二次遮蔽と言っておりますが、それは船体をやる石川島播磨がやるということで、石川島播磨と三菱とが一次遮蔽、二次遮蔽を分けて分担をするということでございます。
○村山(喜)委員 わかりました。 それで、これは四月二十五日の新聞ですが、佐世保発ということになっているのですが、佐世保重工、SSKが「原子炉しゃへい改修に先立つ準備工事を始めた。二-三か月かげて準備し、本格的な改修工事に備える。準備工事はSSKが担当する。」、そして、その中身も書いてあるのです。そうすると、準備工事の方はSSKの方がやるわけですか。そして一次遮蔽の方は、いま話を聞きますと、三菱重工、それから二次遮蔽の方は、船体に属するから石川島播磨がやる。その契約は済んだのですか。済んでおるならば、その中身はどうなっていますか。
○野村参考人 準備工事と申しますのは、現在、船体部に出ておりますいわゆる格納容器をカバーしておりますハッチがございまして、そのハッチを壊して、ハッチ及びその周辺のデッキの部分を取り壊しまして、そこに仮建屋をつくるという作業と、それからごく低レベルタンクを船倉の中に三個ほど、これはもう入れ終わったのですが、そういうものをやる仕事が、いわゆるそこで言う準備の工事でございます。これはSSKがやります。 それで、これにつきましては、石川島播磨及び三菱重工との間の工事、いま申し上げました分担するそれぞれ工事の内容につきましては、向こうから見積もりが出まして、そして価格の折衝その他をいま鋭意詰めておるところでございますが、まだそれについては最終的な合意は得ておりませんけれども、そういう大筋の分担が決まりましたし、大体の詰めは最終に来まして、今度は価格の点をぎりぎりといま詰めるという作業をやっております。当然SSKとの間にも、そういう準備工事のための契約を結ぶわけでございますが、これも実質的な合意は得ておりますが、それを文章化したものはまだ結んでおりません。
○村山(喜)委員 契約は今月中に締結をされるというような見通しでございますか。
○野村参考人 三菱重工及び石川島播磨との契約につきましては、これは一本の契約で最終までやるということをやりますと、まだかなりの時間がかかりますので、できるものから先行発注をして・部分的な契約をしていくということでございまして、そういう分割契約、先行発注の契約をそれぞれ分けて、工事の全期間を一本じゃなくて、当面の部分についての契約をやるということでございますので、その契約はいま鋭意詰めておりますが、これもなるべく早い期間にまとめてやりたいと思っています。
○村山(喜)委員 そうすると、いずれにしても、三者が契約の当事者になるわけですから、部分契約であろうが全体の契約であろうが、一応の見通しを立てながら進めていらっしゃるわけでしょうから、契約は近いうちにということになれば、大体今月中あるいは遅くとも来月。本格的な仕事は、そうなるといつごろから始まるのですか。
○倉本参考人 現在、原子炉部分の工事に着手するための準備工事といたしまして、デッキの上の上屋を取りつける等の工事をやっておるわけでございますが、これらの工事が大体七月には終了する予定でございますので、終了次第本工事の方へかかりたい、こういうぐあいに考えております。
○村山(喜)委員 そればわかりますが、佐世保に原子力船「むつ」が回航をされましてからずいぶん時間がたってきたわけですが、ようやく仕事が始まる、そういうことのようでありますが、その改修遮蔽工事と原子炉の部分については、全般的に技術的な再検討をする必要があるのじゃないかという指摘を大山委員会がしておりますね。それは再検討をする、そして、その結果によりましては、同時に改善をするという考え方があるのでしょうか。というのは、遮蔽工事が済んだその段階から、全般的ないわゆる舶用炉についての見直しをやって、そして技術的な再検討をした結果、問題点があれば、検討に基づいて原子炉の総合的な改修計画というものをその後にやられるわけでしょう。そこら辺の段取りはどうなんでしょうか。
○倉本参考人 遮蔽以外の部分の総点検につきましては、安藤委員会等の御指摘等もございまして、現在大きく分けまして、三項目の点検をやっておるわけでございますが、まず第一に、現存ございます原子炉プラント機器につきましての、健全であるかどうかという健全性についての点検と、それから原子炉プラント自身の設計の再検討、それからさらに、原子炉プラントについての事故解析といった三項目について進めておるわけでございます。 このプラント機器の点検と申しますか、現在の炉の点検につきましては、その一部でございますけれども、昨年の一月から現在まで佐世保で各機器の機能確認試験等を実施をいたしておりますが、一部は終了をいたしまして、すでにこれらの機能が健全であるということの確認をいたしております。 それから、設計の再検討でございますが、これにつきましては、「むつ」の設計が終わりましてから「むつ」の現在の炉ができた以降、発電炉等につきましてのいろいろな基準あるいは発電炉の運転経験というようなものをベースにいたしましての設計の再検討を行ってまいっております。これにつきましては、五十年度からいろいろ検討を進めておりまして、現在、その最終的な取りまとめの段階に入っております。 また、事故解析でございますけれども、これも原子力発電所等の事故例等をベースにいたしまして、事故解析を現在進めておるような状況でございます。またさらに、これらに関連をいたしまして、幾つかの実験も行ってまいっておるわけでございます。 この検討が一応終わりますと、この中でやはり一部改善をした方がいいというような点が出てまいりますと、それらにつきましては、遮蔽改修工事と並行して、この工事期間内にこの総点検関係の工事も一応行うという予定にいたしております。
○村山(喜)委員 そこで、「むつ」総点検・改修技術検討委員会がレポートを出しておりますね、このレポートを見てまいりますと、五十年十一月二十五日に第一次報告を出しております。それから五十二年七月二十九日に「原子力船「むつ」の燃料体の取扱いの安全性に関する検討」、それから五十三年五月八日に「圧力容器上蓋を撤去しないで総点検・改修を行うことの検討」、いま技術検討委員会は、この三つを出しておると思いますが、事業団の方では、これをもとにしながら、第一次報告の中に掲げてあるスケジュールに基づいてやっておるのだろうと思うのですが、先ほどの説明では、現在の炉の健全性については一部は終了しました、それから設計についての再検討は最終的なまとめの段階にございますと言われても、中身はわからぬわけですね。 そこで、これとの関係はどういうようになるのですか、これについての相関性を説明願いたい。
○倉本参考人 この安藤委員会の第一次報告書に基づきまして点検を現在まで進めてきておるわけでございます。このうち、まず最初にハードと申しますか、「原子炉プラント機器の点検」でございますけれども、これらにつきましては、主要系統及び関連機器の機能確認試験というのがございますが、これらのうち現在までに一応七項目を終了いたしております。 その主なものは、最初の「補機及び弁関連回路作動試験」、それから「自動制御系設備作動試験」、「核計装糸動作確認試験」、「放射線監視盤作動試験」というようなものを一応終了いたしております。 それから「原子炉プラントの設計の再検討」につきましては、ここに挙げました項目についての検討を一応進めてきております。これらにつきましても、ほとんど終わりまして、現在、最終段階の取りまとめを行っておるという状況でございます。 「原子炉プラントの事故解析」につきましても、ほとんどいま終わっておりますが、現在TMI事故後の解析等がいろいろ出ておりますので、これらについて現在検討を進めておるという段階でございます。 それから、(4)の「関連実験研究」の二項目につきましては、一応終わっておるわけでございます。
○村山(喜)委員 事業団としては、鋭意一次報告に基づいてやっているのであって、遊んでいるわけじゃないというような中身の話でございました。 そこで私は、次々に尋ねてまいりますが、過去の出来事を振り返りながら、ちょっと質問してみたいと思うのです。 四十七年の七月に原子炉の据えつけを含む艤装工事が完成をして、そして、その場合に低出力の原子炉運転を係留試験として、あるいは湾内試運転をやるということが不可能な状態に当時なりましたね。そこで、四十九年の八月二十五日に洋上で原子炉の試運転をやった。出力は一・四%の段階で、最初の出力試験で放射線漏れが出た。そこで政府もあわてて、五者協定か何か知りませんが、運転を停止する、定係港は移転をする、設備の撤去まで約束をしてしまいましたね。 そこで、大山義年委員会が放射線漏れの問題調査報告書を出したのを見てまいりますと、これは中性子が二次遮蔽体の構造物に吸収されて、二次的にガンマ線が出て、それが上甲板に設置されたエリアモニターに検出されて警報が鳴ったものだということから、その追跡、安全確認の点検をずっとやったわけでありますが、その結果、いろいろな問題点が当時指摘をされ、それに対応してこういうようにすべきだという提言もなされております。 そこで、その場合にちょっと、いま技術検討委員会の第一次報告にあるその線に従って検討を進めておりますというお話でございましたから、それとの関連でお伺いをしてまいりたいと思うのでありますが、臨界試験に至るまでの間、艤装完了から各種の装置の初起動前の機能テストというものをやって、そしてゼロの出力原子炉の特性試験から出力上昇試験、そして海上航海の試験をやるのだということでございますが、これは「原子力船工学」というのを読んでみると、そう書いてあるんですね。 そこで当時は、そういうようないわゆる臨界試験なり起動前機能テストというようなもの、たとえば制御棒の駆動落下挿入機能テストというようなものを重点的にやっているのだという話でございましたから、お聞きするのですが、その起動前の機能テストというのを、模擬燃料を炉心に入れて「むつ」の定係港の当時はやられたわけですか。やられたものを、今度また、技術検討委員会の第一次報告の中でこういうことをやりなさいということで、総点検についての中身の指示が出されていますね、そこで、これについてやられているのだ、たとえば制御棒駆動機構試験というようなものについては(a)と(d)と(e)あるいは(g)ですか、こういうようなものを主としてやってまいりましたという報告をいまされたから、お伺いをしているわけですが、当時は、やはりそのようなテストをやりながら、しかしながら、私が先ほど申し上げましたように、当時の実情から言いますと、いきなり洋上での原子炉の試運転をやらざるを得なかった、これは当時は低出力の原子炉の運転とかあるいはこれを係留試験でやる、湾内試運転をやるということはできなかったわけでしょう、そうなると、いまやっているのは、いわゆる機能的な、そういうようなものがどのようになっているかという原子炉プラントの機器の点検をやられている、とするならば、前にやられたのであれば、前と現在との比較ができますね、その結果はどういうふうになっておるのですか。前ももちろんやられたのだろうと思うのだけれども、そこら辺の、もうずいぶん長い、何年かたっているわけですから、その間の変化というものがどういうふうに読み取れるようになっているのか、これについてちょっと説明願いたい。
○瀬野委員長 倉本参考人に申し上げます。 参考人の声が低くて聞こえませんから、まことに恐縮でございますが、もう少し大きな声で発言をしてください。 倉本参考人。
○倉本参考人 四十九年の「むつ」の出力上昇試験に先立ちましては、これは普通の原子炉、一般の原子炉の起動前と申しますか臨界前試験で行いますと同様な各種の試験を実施いたしております。いわゆる核と申しますか、原子力によっての出力上昇試験というものに備えまして、いわゆる非核と申しますか、核でなしに、いわゆる温度だけを上げまして、温度、圧力は原子力運転状態と同じような条件のもとで各機器の性能、機能試験と申しますか、こういうことをやっておるわけでございます。 この起動前の機能テストと申しますのは、たとえば原子炉の冷却材の循環流動テストでございますとか制御棒の駆動落下挿入機能テストとか中性子検出計数機能テストとか非常に数多くあるわけでございますけれども、これらにつきましては、四十九年の、と申しますよりは、むしろ原子炉が実際に建設が終わりの段階、ちょうど三菱原子力からむつで原子炉の積み込みを終わって、いよいよプラントの試験に入るというような時点から、いわゆる冷態機能試験と申しますか、温度を上げない状態での機能試験、これは水だけを回すとか、そういうようなことをやり、さらに引き続いて昭和四十七年になりましてから、原子炉の温度、これはポンプとかそういうようなものを使って、温態機能試験、温度、圧力を上げた状態での機能試験を一応終わりまして、臨界と申しますか、いわゆる原子力で運転をする各種の試験を除いての各試験を一応完了いたしておるわけでございます。 それで、これらの機能試験とそれから今回の総点検でございますが、今回の総点検は、さらにこれらの臨界前に行いましたような系統立った機能試験という形のものではございませんで、それぞれの各系統についてのむしろプラントの健全性というものについての試験を一応やっておるわけでございます。 もちろん、最終工事が終わりまして、再び臨界から出力上昇試験を行うという段階につきましては、またこの試験前の機能試験というものを当然やらなければいけないと私どもは考えておるわけでございます。 この総点検の中で、先ほどもお話が出ておりましたが、地元との御了解を得て行う制御棒駆動機構試験でございますとか、また遮蔽改修の段階で遮蔽改修工事と関連を持ちまして行わなければならないような試験等につきましては、まだ幾つか残っておりますので、これらにつきましては、遮蔽改修工事の過程におきまして行う予定にいたしております。
○村山(喜)委員 前回、陸奥湾の洋上で、太平洋上で実験をした場合には、あれは臨界状態に達したわけですから、その臨界状態の確認後に原子炉の特性を確認をする試験というものがありますね、これをやっている最中にあれが出たのですか、ガンマ線が出た、こういうことですか。
○倉本参考人 一応臨界試験が全部無事終わりまして、いよいよ第二段階の低出力の上昇試験に入ろうという段階で、出力を上げてまいりましたところ、警報が鳴りましたので、その時点でとめたわけです。
○村山(喜)委員 はい、わかりました。 そこで今度は、その提言の中で、事業団に尋ねるわけではなくて、これはやはり科学技術庁に尋ねなければならないわけですが、いろいろ指摘されております大山委員会の報告書の中で、事業団のいわゆる技術職員の初めから終わりまで責任を持つ体制というものが確立をされていない、それから時限立法であるがために優秀な人材がいなかったり、あるいは出向社員が多かったり、出向職員が多かったりというようなことで管理体制が非常に問題があるというようなことの指摘がありました。 そこで、技術職員というものがどのように増強されて、そして、その後どういうような機能を発揮することができるようになってきたのであろうかということが、これは今後、遮蔽工事を進めるにしても、あるいは全体の原子炉の総合的な再検討等、それからいずれ改修を考えていらっしゃるのでしょうから、そういうようなものに対応していくだけの体制がない中で、どうにかなるだろうという事務的な処理をしてきたところに失敗があったという指摘がされているわけですね。 特に原子炉部というものも途中で原子炉課になり、その原子炉課もなくなっていたというような指摘がありますが、どのような事業団の責任体制、特に技術陣営の強化というものをその後おやりになり、そして、どういうようないま配置になっているのか、この際説明を願いたいと思うのです。
○石渡政府委員 大山委員会の御指摘、いろいろ御指摘がございまして、先生おっしゃったとおりでございます。特に技術陣の継続性と申しますか、人材の定着及び技術の継続という点に非常に問題があったのではないかという厳しい御指摘でございました。あの放射線漏れ以降、まず全理事者が入れかわりまして、特に技術担当の理事につきましては、新しく着任をいたしましたので、今後、その新しい理事を中心に技術の蓄積を図っていくということにしたわけでございます。また技術部長あるいは技術一課長、二課長といった技術陣の中枢になる人材も交代をいたしました。 まず、技術部門の再編成ということでございますが、技術部に次長を新設する、あるいは技術管理課ということでむしろ技術の蓄積を中心とするような課の設置をするというようなことを行いまして、まず技術部門の再編成を行ったわけでございます。 それから次に、五十三年の一月には、定員を十九名増加いたしまして、二十二名から四十一名に約倍増したということで技術陣の増加を図ったということが大きななされたことでございます。 次に、御指摘の出向の体制でございますが、できるだけ優秀な方に来ていただき、また、できるだけ長くいていただくということで、むしろこれは各出向者を派遣しておられます会社にお願いをいたしたわけでございますが、主要なポストにつきましては、相当、特に遮蔽改修を担当する課長等については、相当の年限を在職してもらいまして、技術の定着を図ってきているわけでございます。ただ、全体といたしますと、まだやはり時限立法という性格上、なかなか全体が長くいてもらうという点については、必ずしも十分な成果が上がってきておりません。この点今後とも、技術陣営を中心とした強化と、それから技術の定着ということについて改善を図っていかなければならないと考えているところでございます。
○村山(喜)委員 いま技術部長というのはおるわけですか。原子炉部長というのはおるのですか、おりませんか。
○倉本参考人 現在、技術関係の組織といたしましては、技術部それから工事関係では佐世保事務所というものだけでございます。
○村山(喜)委員 前指摘をされましたときに、原子炉部長、技術部長も民間、官庁からの出向者で二、三年で交代をしておる、責任者、担当技術者はしばしば交代しているという指摘がされておりましたね。ところが、今度は技術部を設置して、そして三課をつくったという話でございます。一課と二課でそれぞれ分担をされているという話でございますが、十九名ふやした、これは事業団プロパーの人員と出向者との割合はどうなんですか。
○倉本参考人 技術部関係の職員四十名のうち事業団プロパーの職員と申しますのは、現在七名でございます。
○村山(喜)委員 長官、四十名のうち七名ですよ。どうでしょう、あとは出向者ですね。まあ努力はされているのでしょうが、それは大臣、結局技術の継続性というものを要求されて、そして定着化を要求されておるのですが、今度の改正法案は五年後には見直しをするのでしょう。どこかに統合するわけでしょう。そして科学技術庁所管の他の原子力機関に統合するという法案が出されている、そういう状況の中で、大山義年委員会の指摘をされたような対応の仕方が、事実問題としてむずかしいのじゃないですか。
○石渡政府委員 御指摘の点でございますが、私ども統合ということを考えておりますのは、少なくとも技術部門につきましては、もうそのままの形で引き継ぎたいということを考えておりまして、そういうことによりまして、人材の定着と技術の一貫性をぜひ保ちたいと考えておるわけでございまして、統合という趣旨は、いま現在の体制をばらばらにしてということではなくて、そのままの形で受け継ぐような形態を考えたい、こういうことでございますので、さよう御了承いただきたいと思います。
○村山(喜)委員 それはそうでしょうよ。ばらばらにして統合というそれは吸収合併でしょうからね。そうじゃなくて、それは日本原子力研究所たりあるいは動燃事業団の方に、まあ合併、一緒になる、原子力船の研究部門は技術としては一つの系列として残すのだ、それはそうでしょうが、現実において、先ほど事業団の方の専務の方からの説明では、四十名のうちプロパーの者はたった七名しかおりませんという話になってきたから、だから、それはなかなか人を得られないのはそういうところにあるのじゃありませんかということを私は指摘をしたのです。――それはやはりあなたが答えるのじゃなくて、長官が答えなければ……。
○長田国務大臣 ただいま事業団の方からお答えしましたような事態は、やはり時限立法で間もなく廃止されるというたてまえも相当影響しておったのではなかろうかと思うわけでございます。今度の法案の内容は、先ほど原子力局長がお答え申しましたように、新たなところと統合するということでございまして、研究機能もそれから研究のスタッフも続き得るという構えでございますので、事態は大分改善されることと思っております。
○村山(喜)委員 ところが、この名前を、法案を変えましても「研究」が入って事業団ができた、しかし、それでも五年後にはなくなってしまう。だから、それは前と同じことであって、余り中身は改善されておりませんね、そういう意味において、大臣が期待しておられるようには。やはり出向者で埋めなければならないような状況になっているじゃありませんか。四十名にふやしても、プロパーの人間がふえるのじゃなくて出向者がふえた、こういうことじゃございませんか。
○長田国務大臣 一応時限立法で廃止ということになりますと、解散という事態も、あるいは実質それと同じような事態も予想されるわけでございますから、かなり違ってくるというふうに思われる次第でございます。
○村山(喜)委員 そこで、今度法律案が出てまいりましたが、法の二十三条の一号に「開発のために必要な研究及び調査」、旧法でも調査研究という項目はありましたよね、それで、三号が一号になっただけじゃなかろうかというふうにしか読み取れないのです、この改正法案ですよ。前は「調査及び研究」、調査研究という項目も字句もちゃんと残っておったんですよ。だけれども、今度の新しい法案は、三号を一号に振りかえただけ。重点の置き方が違いますと言えば、それまででしょうが、どこがどういうふうに改善されたのですか。一つも中身がないじゃないですか。
○石渡政府委員 確かに形の上では、三号が一号になったということでございますが、これまでの事業団は「むつ」開発に関する研究を行ってきたとい、うのが実態でございます。なぜならば、やはり「むつ」の開発が終了するであろう時点に「廃止するものとする。」という考え方でございますので、実態的に研究活動も、その「むつ」の開発に関する研究に限られていたというのが実態でございました。しかし今後は、六十年三月三十一日までに他の原子力関係機関と統合するということで、研究開発の継続性を保つということを前提として考えておりますので、現在御審議をお願いしております法案におきます「研究」は、原子力船開発全体に対する研究ということを考えているわけでございまして、内容といたしましては、大分実質的な変更があるというふうに御理解を賜りたいと存じます。
○村山(喜)委員 いままでは「むつ」の開発に関する調査研究というようなことであった、今度は原子力船の開発に必要な研究と調査だ、では、原子力船「むつ」の次にはまた原子力船をつくるのですか。長田長官、そういう計画があるのですか。
○長田国務大臣 そのような計画は持っておりません。研究開発ということで実験船の第二船をつくる計画はございません。
○村山(喜)委員 そういたしますと、いまの石渡さんの話とちょっとニュアンスが違った解釈になる。まあ後世に学術研究として残すのだ、こういうことにしかなりませんわね。
○石渡政府委員 ここで特に考えております研究の内容は、改良舶用炉の研究開発ということを主眼に考えておりまして、その研究開発の先の話といたしまして次の原子力船が浮かび上がってくるわけでございますが、そこに至りますまでの過程におきましてどういう状態になってくるか、原子力船に対する必要性の実現度といったものとにらみ合わせまして、次の実際の船の建造開発といったものが浮かび上がってくるわけでございます。しかしながら、当面は改良舶用炉の研究開発ということに焦点がしぼられていくというふうに考えている次第でございます。
○村山(喜)委員 もう時間がありませんからあれですが、結局、出力を上げていった場合に問題が出てくるのじゃないだろうかと懸念されるから「改修後の適当な時期に、圧力容器壁における高速中性子の線量を実測してみることが望ましい。」という指摘がされていますね、大山義年委員会で。これは報告書の中に出ているのです。だから、その実測線量というものが十分でなかった、机上のプランはあったけれども、実測線量の点検等がない中で、このような現象が出たのだということが言われているわけです。 そこで、先ほど中村重光君も言っておりましたが、一体何を研究するのですか。これから遮蔽工事はやりますね、それから原子炉の総点検をやりますわね、その間にもちろん技術の集積はできるでしょう、蓄積もできる、それで、その上に何を今度は研究するのですか。その研究は、今度の重点になります舶用炉の研究ですね、その舶用炉のどの部分についてどのような研究をするのですか、その中身を教えていただきたい。
○石渡政府委員 やはり今後の原子力船研究開発の主眼は、先ほども申し上げましたが、原子力船の経済性、信頼性の向上を目指した研究開発ということが中心になるかと考えております。このために、小型化あるいは軽量化を図らなければならない、また経済性、信頼性にすぐれた舶用炉の開発が中心になる、こういうことが長期的な考え方でございます。 その前に、舶用炉に要求されます性能といたしまして、やはり船に積んだ場合にどういう挙動が示されるのかということが非常に重要なファクターであるかと考えます。このことは「むつ」の改造あるいは総点検を通じての研究成果もさることながら、これを運航いたしました状態でのいろいろなデータ、経験をもあわせまして、そして将来の改良された舶用炉の開発に結びつけていきたい、そういう形で将来は、今後は次の舶用炉の研究開発にだんだん重点が移っていくのだ、こういうことを申し上げた次第でございます。
○村山(喜)委員 時間がありませんから、これで終わりますけれども、サバンナ号にいたしましても、オット・ハーン号にいたしましても、経済性がないから係船をされているのだと先ほどお話がありました。日本の「むつ」の問題にいたしましても、大変な意気込みで出発したわけですよ。そうしたら、こういうようなトラブルが次から次に出てきて、まだ定係港が決まらぬじゃありませんか。だから、運転開始をしようにも、改修はできたが、どこで船をつないでおいて試験をやるかということも、定係港ができなければできないわけですから、結局、運転は停止させられ、定係港は移転をさせられ、そして使用済み燃料のプールなども、これはもう砂で埋め立てられて、そして設備の撤去まで約束を政府はさせられたわけでしょう。そうして定係港はまだ依然として雲をつかむような話。それであるならば、いっそのこと、もう事業団をやめて、そして研究をもう一回基本的に最初から始め直して、そしてやるという方が早さばけじゃないだろうかとわれわれは考える。だから今度は、そういうような意味で廃止のための法案を社会党は出しているわけでございますが、大臣のそれに対する所見をお伺いいたしまして、私の時間はなくなりましたので終わりたと思いますが、大臣、あなたの任期中に定係港を見つける自信がおありですか、それもあわせてお答えください。
○長田国務大臣 「むつ」の開発が大変おくれましたことは、もう御指摘のとおりでございまして、いろいろと御心配をおかけしておるわけでございますが、大変おくれましたけれども、ちょうど遮蔽改修の工事のめどもつきまして、関係者一同全力を挙げて早期開発ということに取り組んでいる最中でございますので、ひとつどうぞ温かいお心でお見守りを願いたい、御激励を賜りたい、そのようにお願いいたします。 定係港につきましては、もう事業団の方ではいろいろな調査を重ねておりますし、私どもも、できるだけ早い機会にその折衝なども始めたい、そのように考えているところでございます。
○瀬野委員長 中林佳子君。
○中林委員 原子力船「むつ」が五十二年十月に佐世保港に回航されて以来一年六カ月たって、やつと係船契約ができたという事態になっているわけですが、この事態が象徴するように、「むつ」問題はこじれにこじれているわけです。 その原因は、「むつ」そのものの安全性に重大な欠陥があること、そして政府の原子力行政が国民から全く信頼されていないことにあるわけです。また「むつ」について政府関係者がずいぶんいままで国民をばかにしてきたのではないか、このように私には思えるわけです。 たとえば、森山元科学技術庁長官が、「むつ」の安全性に疑いを持つ者は世界の科学に挑戦するものだ、こういうことを言ったわけですね。また原船事業団の元理事でありました西堀氏は、原子の火を恐れる者は火を恐れる野獣と同じだ、こういうことを言っていらっしゃるわけです。 この発言からすでに何年もたったわけですが、しかし政府の認識が、この水準にもしもとどまっているならば、「むつ」問題は解決の糸口すらつかめない、このように思うわけですが、森山元長官の発言あるいは西堀元理事のこの発言について、長田長官の御見解をまず伺いたいと思います。
○長田国務大臣 私、当時の方々の発言、正確には記憶しておりませんが、原子力行政のその後の推移をごらんくださいますとおわかりのように、安全問題等につきましての行政組織、その組織の変更だとか、あらゆる面で政府の原子力行政に取り組む、安全をきわめて重視しているとか、あるいは事の取り運びに地元住民の御意向も十分尊重しながら事を進めるとか、いろいろな面にただいまの政府の方針あるいは事を行うについての心構え等はあらわれていると存じますので、御了察を願いたいと思います。
○中林委員 昭和五十三年七月二十一日に締結されました長崎の五者協定の第一項に、科技庁と事業団は「むつ」の新定係港を早期に決定するものとし、「むつ」の佐世保港入港を待たずに新定係港の選定の努力をする、こういう文章があるわけですが、佐世保入港後すでに一年半も過ぎていれば、この早期決定に違反するのではないか、このように心配するわけですが、もう新定係港、決定はされていないと思うわけですが、いまどういう状況になっているか、お伺いします。
○石渡政府委員 新定係港の選定につきましては、まだその決定に至っておらないわけでございまして、大変申しわけなく存じております。 経過でございますけれども、五十三年の八月、すなわち原子力船「むつ」の佐世保に対します回航を前にいたしまして、原船事業団におきまして、その新定係港の選定方針を取りまとめまして、全国的な机上調査をいたし、これを終了した段階で、さらに実地の調査を実施してきたところでございまして、選定作業は最終的な段階にある、このように御理解を賜りたいと存じます。 できるだけ早い機会にこれらの調査を踏まえまして定係港の決定に至りたい、かように考えている次第でございます。
○中林委員 原船事業団が昭和五十三年十二月五日に発表した「原子力船「むつ」の定係港について」と題する文書によりますと、「定係港の適地として考えられる場所及び地元から誘致の申し出がある場所について現地調査を行うこと」、こういうふうになっているわけですが、適地として考えられる場所と地元から誘致の申し出がある場所はそれぞれ何カ所ずつあったのか、そして現地調査をしたのはそれぞれ何カ所ずつあったのか、その数をお答え願います。
○野村参考人 定係港として適当なその選定の基準と申しますか、そういうものは、私どもとしていろいろ研究をいたしておりますが、まず一つは自然の条件ということでございます。つまり気象とか海象とかというものの状況が、港として特に原子力船の港として適当であるかどうかという判断、それから、その次は地理的な問題でございまして、港湾の状態、水深とか海流の流れ、そういうような問題、その次は、その港を利用する場合のいろいろ地理的な後背地との交通、その他の利便の問題、それから、これが実は基本的なことでございますけれども、地元の地域住民の方の原子力船というものについての理解度、そういう点を総合的に判定いたしまして、定係港として適当な港をいろいろ机上調査をしたわけでございます。この机上調査といいますのは、地方の市とか町村の発行するいろいろな統計資料とか地図、いろいろな産業の案内、それから交通事情というようなものを勘案しまして、机上調査の資料を取りまとめたわけでございますが、これについて、私どもとしては、かなり多くの数のものを選びまして、その間、中間的に何遍も科学技術庁の方にも経過報告をいたしまして、そして、だんだんとそれをまとめ上げていったわけでございます。地元からの陳情といいますか申し込みといいますか、これはいずれも正式なものとは必ずしも言えないものでございまして、その土地の有力者の方が自分の御意見として持ってこられたというところが数カ所ございますし、そういうようなところも踏まえまして、一つの中間報告的な案をまとめて、それを科学技術庁の方に御報告しておる、その後もいろいろ科学技術庁の方から問い合わせもありますので、それに対しても、また私どもそれぞれの段階でお答えをしておるというところで、数はもう現在そう多くございませんので、何カ所と申しますか、かなり少ない数の中から選んでいただくような判断をお願いする、こういう状況でございます。
○中林委員 数を明確にしていただけないわけでしょうか。机上調査にしても、いろいろ適地を選ばれて調べ上げられたのですから、数とすればはっきり出てくるはずだというふうに思いますし、それから地元からの誘致の要請がある、有力者にしても、それが数カ所というような幅を持たせるのではなくて、数を明確にしていただきたいと思いますし、それから現実に調査をなさったということになりますと、数はさらに明確になるというふうに思うわけですね。ですから、書類の上で大体どのくらい、現実に現地調査をしたのは何カ所、これをお答え願います。
○野村参考人 先ほど先生五十三年の十二月にある新聞に載ったとおっしゃいましたが、実は……(中林委員「そんなこと言ってないですよ」と呼ぶ)一番最初、何か事業団が発表したとおっしゃいましたが、発表をいたしておりませんので、まずその点、誤解を解いていただきたいと思います。そういうことを発表したことはございません。そのときは、まだ研究調査中でございましたので、それがどういう手違いか知りませんが、そういう記事が出て私ども実は困ったわけですが……(中林委員「発表する、しないにかかわらず、そういうことをやった数をお聞きしたのです」と呼ぶ)それで、数でございますが、これはたとえば第一次調査は何カ所でどことどこを調べたとか、第二次調査はどことどこを調べたというふうな段階的なものでございませんで、私どもがいろいろな資料を得て、まとまり次第、それぞれ中間的な御報告を科学技術庁の方にして、そこでまた、いろいろ調整をしたということでございまして、一番多いときは十幾つという数がございました。だんだんそういうものをしぼっていって、現在は数カ所というふうに御理解いただきたいのでございます。 それから、陳情といいますか申し出というものは、先ほども申し上げましたように、たとえば市長さんとか町長さんとかそういう方がお見えになって、その自治体のはっきりした意思としてお話しくださったというようなものではございませんので、必ずしもこれは正式な申し出というふうに言えるかどうかわかりませんが、そういうものが、それも二、三カ所といいますか数カ所あったというところでございます。
○中林委員 二、三カ所と五、六カ所というようなことになると倍から数が違うわけでして、その辺がかなり不明確だというふうに受け取られるわけなんです。 五音協定の第二項に「約三年間の修理が終了した後、「むつ」を新定係港に回航するものとする。」、こういうふうにあるわけです。この約三年間の期限は昭和五十六年七月前後になるわけですが、この約束を履行するめどは本当にあるわけですか。修理の方は五十六年半ばまで、当初の三年間の予定を一年半に短縮するスケジュールで何とかつじつまを合わせようということは見受けられるわけなんですけれども、本当に三年間、要するに五十六年七月前後までにはちゃんとその約束が履行できる、こういうふうにおっしゃれるわけで、すか。
○野村参考人 佐世保入港後約三年ということでございますので、私ども関係者は、それは五十六年の十月ということを考えておるわけでございます。約三年というのは、そういう意味でございます。 それから、現在あと一年半程度しかないではないかという御指摘でございますが、私ども先ほどからその問題につきまして、いろいろ先生方から御質問がございましたが、現在といたしましては、やっと佐世保重工との懸案の事項も解決いたしましたので、目下、三菱重工及び石播、それから佐世保重工も含めまして、安全を第一としながらも、できるだけ精力的に工事を詰めてスピードアップしていくということで、鋭意その準備に取りかかっておりますので、この五十六年の十月と申しますか、この五者協定の期限内にぜひとも終了をしたいし、またやれるものと考えております。
○中林委員 一応いまのお言葉ではめどがあるというふうにおっしゃっているわけですが、青森の四者協定について、新定係港決定の約束期限を統一地方選挙を理由にして守らなかったという経緯があるわけですね。今度もそういう選挙というのは、これからいろいろな形で行われるわけです。国政選挙一つとってみましても、ことしの参議院選挙、それから三年後、五十八年の参議院選挙、それから衆議院選挙も任期満了として五十八年になるわけですし、その前に解散、総選挙があるとすれば五十六年か五十七年、そうして統一地方選挙がまた五十八年にある、こういうことになるわけですね。ですから今度は、こういう選挙などを理由に約束を守らない、そういうことはないわけですね。
○長田国務大臣 新定係港の選定につきまして、私は、去年の十一月九日からこれに携わっておるわけでございますが、当時すぐにでもやらなければならない仕事だと思いながら、他面、佐世保での遮蔽修理、そういうものがほとんど進展の見込みが――ほとんどと言ったのは、これはちょっと取り消しますが、見込みが十分立っておらない、そういう事態でございまして、私どもは、新定係港の話し合いといいますか、そちらの面を進めるにつきましても、佐世保での遮蔽修理の面がある程度軌道に乗ったというような事態の上に話を進めていくのが一番進めやすいのではないか、そのようなことを考えておったわけでございます。 御承知のように、佐世保の面が事態の改善を見ておりますし、事業団の方の調査結果等を踏まえまして、できるだけ早く――五十八年の選挙のことなども御指摘がございましたが、そういうことはさらさら考えておりません。早急に片づけたい、そう思っております。
○中林委員 岸壁を含めた新定係港の基本設計には約一年、安全審査には約半年、建設に一年半、新定係港決定後完成までには約三年かかる、これは昭和五十三年五月二十五日のこの委員会で、当時の山野原子力局長が瀬崎議員の質問に答弁なさっているわけなんです。つまり、今日決定してすぐに基本設計に取りかかってみても、完成は五十七年度末か五十八年度の初めということになるわけですね。これでどうしてその約束が守られるというふうにおっしゃることができるわけですか。本当に約束を守られるのならば、その具体的なスケジュールを示して、これこれこういう段取りでやるから間違いないのだ、こういう説明があって初めて国民の信頼は得られるのではないかというふうに思うわけですが、いかがですか。
○石渡政府委員 新定係港の建設に要する期間につきましては、前局長の御答弁もございましたが、基本的には、地理的条件に左右されるということでございますので、その候補地を前提に算定されるべきものかと存じます。 それから、約三年ということでございますが、地理的条件さえよければもう少し縮め得ることができるのではないかと私考えますけれども、その間、基本設計あるいは安全審査の期間といったものは、予測がなかなかできないことでもございますので、三年以内にというのが現在の考え方でございます。 いずれにしましても、候補地がはっきりしていない状態でございますので、これ以上明確なことを申し上げられない状態でございますので、御了承をお願いいたしたいと存じます。
○中林委員 ですから、新定係港そのものが決定されてないということが、いまのいろいろなむずかしい状況を反映しているというふうに思うわけです。そういうことがあるにもかかわらず、その五者協定は守るのだということをおっしゃるわけなんですね。いまの局長の話にもありましたように、いろいろな地理的条件があるということは私もわかりますよ、ですけれども、いま位置しているところが、おおむね三年かかると言われているのがあと一年半しかない、半分にしてそれが果たして間に合うかどうかということは、疑問が非常に残るわけなんですね。この点、もう一度お願いします。
○石渡政府委員 修理が済みましても、定係港が機能しないという事態が起こり得るではないかという御指摘かと拝聴いたしたわけでございますが、私どもといたしましては、気持ちとしては、そういうことがないようにとは思っておりますけれども、万一そこに空隙ができたらどうするかということもあわせて考えておかなければならない、そういう事態になりそうな状況であれば、そういうことも考えなければならないというふうに思っている次第でございます。
○中林委員 約束は守ると言明されても、なお不安が残るということをみずからがおっしゃっているわけなんですよ。その点、ちゃんと肝に銘じていていただきたいと思うのです。 科技庁の説明では、五十七年半ばから行う予定の出力上昇試験、こういうふうな説明がされているわけですが、もし新定係港建設が間に合わなければ、一体出力上昇試験というのはどこでおやりになるのか、その点伺いたいわけです。 といいますのも、前田元長官がこの委員会で、入港してから出港するまでの間出力試験をしない、こういうことで佐世保の方には御迷惑をかけないようにする、これは昭和五十一年十月二十七日の御答弁ですが、こういうふうにお約束をされているわけなんです。 ですから、もし間に合わなかったら、その間またSSKのドックにつながれたままむだ金を使っていくのかどうか、その点についてお伺いします。
○石渡政府委員 万々一そういう事態になりました場合には、恐らく新しい定係港に回航いたしまして、出力上昇試験が行える状態になるのを待つという状況があろうかと思いますが、基本的には、そういうことがないようにやっていきたいというのが基本的な姿勢でございます。
○中林委員 基本的には、そういうことがないようにと言われても、現実にまだ新定係港は決まっていない、それから約束の期限までは一年半しかない、新定係港の建設にはおおむね三年かかる、算術的に考えてみても、どうしても合わないわけなんですよ。ですから、当然またむだ金を、何にもしないで使うという結果になりかねないというふうに私は考えざるを得ないと思うのです。 さらに「むつ」の改修以後のスケジュールは、安全性総点検及び改修は五十六年度半ばまで、つまり約一年半、次いで機能試験が五十六年度半ばから五十七年度半ばまで約一年間となって、機能試験なるものが新たにつけ加えられているわけですが、この機能試験とは一体何なのかということを調べてみますと、ワーキンググループ報告書によりますと、「遮蔽改修及び安全性総点検関係工事終了後、原子炉プラント全体の機能について、冷態停止及び温態停止状態における総合機能試験を実施し、出力上昇試験以降に備える。」、こういうふうに説明してあるわけです。原子炉規制法の設置変更許可の手続を要する温態停止状態の総合機能試験は佐世保で行われるつもりなのかどうか。そうしますと、現在の計画の段階ですでに五者協定の約束を守らない、こういうことを公言されているのに等しいのではないかと思うわけですが、いかがでしょうか。
○石渡政府委員 ワーキンググループの記述にございます機能試験のうち温態停止の機能試験というものは、佐世保ではできないと考えております。
○中林委員 そうしますと、いよいよもって新定係港を、出力上昇試験を始める五十七年度半ばよりももっと早く、あるいは機能試験を始める五十六年度半ばよりも早く完成する必要がある、こういうふうに、数字的に見ても、そういう理屈が成り立つと思うのですけれども、いかがですか。
○石渡政府委員 そのとおりでございます。
○中林委員 そうしますと、先ほどから新定係港のいろいろな調査などで、数カ所にしぼられた、こういうふうに予定地の話が出ているわけですが、数カ所というのは何カ所なのか、数字的にはっきりしていただけませんか。
○野村参考人 先ほど申し上げましたように、私どもとしましては、いろいろと調査をいたしまして、その調査は、六区切りごとに私どもの意見を添えて政府に報告をして、政府の決定を待っておりますので、これが何カ所という数字は、いま私どもからはちょっと申し上げられないわけであります。
○中林委員 そうしますと、政府は、原子力船事業団の方からそういう御報告を受けられて、五十六年半ばまでには決めなければならない、こういう事態が生まれているわけですね。そうしますと、事業団の方から報告は受けて、決定するのは政府だとおっしゃっているわけですから、政府の方は、一体どの程度に的をしぼってこられているのか、その点をお伺いします。
○石渡政府委員 そのつど報告といいますか、相談をしているわけでございますが、先ほど来先生御指摘の時間的なスケジュールの問題もございますので、できるだけ早く新定係港の決定を行い、その建設に取りかかりたい、かよう考えてはおりますけれども、それぞれ相手のあることでございますし、また一方、慎重にという要請もございます。現在そういうことで最終的な詰めを行っているところでございます。
○中林委員 実際にはもういろいろと当たってはいらっしゃるわけですね、そうしないとしぼるにしぼれないわけですから。 それでは、最終段階になっているとおっしゃっているわけですが、どういうサゼスチョンといいますか、それを予定地にされているのか、その辺もう少し具体的にお話しいただけないでしょうか。どういう点で意向を確かめたりなさっていらっしゃるのか。
○石渡政府委員 いろいろな形態と申しますか方法でそれぞれ相談を申し上げているわけでございますが、今日の段階で、こうこう、こういうことでということを御報告申し上げる段階にはまだなっていない次第でございます。
○中林委員 五者協定も守らなければならない、かといって新定係港はまだ決まっていない、国民としては納得のいかない政府のやり方だというふうに思わざるを得ないんですよ。何か裏でやってはいらっしゃるようだけれども、それが全然前にあらわれない、こういうことでは本当に私どもは納得がいかないということを申し上げておきたいと思うのです。さらに私たちが推測するならば、五者協定を守って約三年をめどに出ていかなければならないということを手っ取り早くするために、政府は、四者協定を完全に破棄して、再度青森の大湊港に持っていくことを考えているのではないか、こういうふうに考えざるを得ないわけなんです。期限を厳守しようと思えば、ここしか考えられないわけですが、その点いかがでしょうか。
○石渡政府委員 青森におきます四者協定の問題の御指摘でございますが、現在、四者協定に従いまして、現定係港の撤去問題が当面の、また長年の課題になっているわけでございまして、本件につきましては、昭和五十三年八月に当時の熊谷科学技術庁長官が、青森県下におきまして、青森県知事、むつ市長及び青森県漁連の三者と会談をいたしまして、「むつ」の出港後の適当な時期に、現定係港の撤去問題について四者で検討する、そういうのが現在の私どもの四者協定に対するポジション、立場でございまして、私どもといたしましては、この意見の一致を踏まえまして、今後、地元の三者の方々と御相談して、四者協定におきます現定係港の撤去問題の解決に取り組んでいくというのが現在の立場でございます。
○中林委員 もう一度大湊港に帰る、こういうことはないと言い切れるわけですか。
○石渡政府委員 私どもは、四者協定におきます母港撤去をどう処理するのかということを相談申し上げるというのが現在の立場でございまして、それ以上のことを申し上げられる立場にないわけでございます。
○中林委員 もしも下心にも大湊港という考えがおありならば、これはもう重大な問題だと言わなければならないわけです。 それで、四者協定は守るとこれまで何回も政府高官が言明していらっしゃるのを数えられたことがあるでしょうか。そこまでお答え願うというわけにはいかないわけですが、「むつ」の事故当時を含めまして、科技庁長官のポストがいろいろかわってきたわけです。ですから、あの事故以来、科学技術庁長官のポストがかわった方の名前をお答え願います。
○石渡政府委員 記憶が定かでない点もございますが、あの四十九年九月一日の時点では森山長官でございました。その後、短期間でございましたが、足立長官が着任され、それから佐々木現通産大臣が着任されました。その後、やはり短期間でございましたが、前田正男長官の時代がございました。前任長官の後が宇野長官、それから熊谷長官、金子長官、それから現長官でございます。
○中林委員 四十九年当時から現在まで五年八カ月間で、現在の長田長官を含めて八人目、こういう状況なんですね。国民をごまかしながら、これだけくるくるかわってこられた。在任期間に長短はありますけれども、単純平均で八カ月なんですよね。短命長官だから、そのときどきに都合のいいことを言って、あとは知らないという無責任ぶりが目につくわけなんですが、特に四者協定については、それがひどいわけです。 ここで、引用が少し長くなりますけれども、これまでの「むつ」の重要な時期の答弁を例に挙げてみたいと思うのです。 まず、四者協定締結時に森山長官にかわって中村政務次官が答弁されているわけですが、「合意書の事項は必ずこれを厳守してまいらねば、今後の原子力の開発推進は私は不可能だと思う。絶対この合意書のとおりに守っていかなければならない。」、こういう発言をされております。 それから、新定係港決定期間、六カ月以内に決定するという合意がありますね。その五十年四月十四日の少し前ですが、五十年三月二十六日に佐々木長官が「第二定係港を選択するための作業を煮詰めているところでございます。お約束の四月の中旬までに決めるということでございますので、それまでにぜひとも決めたいと思いまして、ただいま努力中でございます。」、こういうふうに御答弁になっております。 それから、その四月十四日が過ぎまして五十年五月二十二日に佐々木長官が、三月二十七日に片山政務次官が現地に行き、四者に集まっていただいて「四月十四日に中央としては決めます。しかし、これは中央で決まったからいいという問題ではないので、現地に交渉に入りますが、その交渉に入るのは統一地方選挙後にしてください。」、理由はこれこれですというお話をして、「それはそのとおりである。」、それから「二年後には約束どおり「むつ」は青森から移しますよ、この点だけは変えません、こういうことを現地に行ってお話を申し上げてきたわけでございます。」、こういう発言がありまして、五十一年五月十二日に佐々木長官が「青森の約束はああいう約束だったけれども、修理、点検をしっかりして健全な船体にして、母港に受け取ってもらいたいということであれば、受ける方も、それではということになりはせぬだろうか。その修理、点検を先にして、そして約束どおりおおむね二年半ぐらいまでには新しいところへ移してもらいたい、こういうお話でございましたので、青森側にもよく御了解を得た上でこういう処置をとっておるのであります。」、こういう答弁をされまして、定係港撤去期限の二年半がたったとき、これは昭和五十二年四月十四日前後になるわけですが、五十二年三月五日、その当時は宇野長官ですが、「青森の三者の方に、若干おくれるかもしれません、しかしながら、極力その期間も短縮するように、政府といたしまして努力いたします。そして「むつ」は長崎県に受け入れていただくようにいたしたい、同時に「むつ」が出港いたしました後においては、定係港は当然撤去して、おくればせではありますが、四者協定は守っていきたい。」、こういうように、ちょうどその撤去期限の四月十四日に同じく長官が御答弁なさっているわけです。「私は、内閣の継続性と申しましょうか、そうした立場で四者協定を今後も極力四月十四日に近い線でやはり私としてはまだ守っていきたい。」、こういう御答弁をされて、最も最近の例では、五十三年八月十日熊谷長官が「四者協定をわれわれはもちろん履行するつもりでおります。」、こういうぐあいにいずれも四者協定を守る、こう言っておきながら、定係港撤去期限を三年過ぎてなお一部機能停止しただけで、具体的な形では存在しているわけなんですね。これほどむつ市民、青森県民あるいは国民を長期にわたってだまし続けた話はない、こういうふうに私は思うわけです。そして、いまでは撤去する、その話をしているというお話でしたけれども、私どもには、先ほどからのつじつまの合わない期限の問題を考えただけでも、青森にもう一度「むつ」を持っていこうという下心がありありと見えるわけなんです。大臣、ぜひとも政治家としてこの四者協定どうするのかということを御答弁願いたいと思います。
○長田国務大臣 四者協定の撤去の問題につきまして、それを中心としてそう遠くないうちにお話し合いをしなければならない、そのように考えておるところでございます。
○中林委員 守るのかどうか、その点について明確な御答弁を願います。
○長田国務大臣 私どもは、あの精神は十分尊重してまいります。扱い等につきまして、関係者の方々と十分の意見交換などをしてまいるつもりでございます。
○中林委員 扱い等を十分協議したいとか精神を守るとか、こういうことじゃないのです。四者協定というのはちゃんと項目別になっているわけでして、それを長田長官までこれまでの七人の長官の方が一応守る、そのあとのことはいろいろでたらめなことが多過ぎるわけですが、おっしゃっているわけなんですね。ですから長田長官も、この四者協定を守るのかどうか、その点だけについてお答えください。
○長田国務大臣 御承知のように、昭和五十二年の八月初め当時の熊谷科学技術庁長官が青森県下をお訪ねし、地元側三者と会談した際に「むつ」出港後の適当な時期に四者で検討するということで意見が一致しているところでございますが、政府といたしましては、この意見の一致を踏まえ、今後、地元三者と御相談の上、四者協定の現定係港撤去問題の解決に取り組んでいく考えでございます。十分この四者協定は尊重していく立場にいささかの変更もございません。
○中林委員 四者協定は守る、こういうふうに受け取って間違いございませんね。
○長田国務大臣 尊重してまいります。
○中林委員 尊重するなどということは、物すごく大きく解釈できるんですよ、精神を尊重したとかなんとかということで。だからこそ項目を設けて協定ということになっているわけでしょう。ですから、それを守るとおっしゃるわけにいかないわけですか。
○長田国務大臣 その四者協定の精神を十分守る、四者協定を尊重してまいる、そういうつもりでございます。
○中林委員 定係港問題では、政府及び事業団がこれまで隠密作戦をとるということは常套手段だったわけです。当初予定していた横浜が望み薄になったとき、どういう手を使ったかということを考えてみていただきたいと思うのです。事業団職員が普通ならば常磐線か東北線を利用してむつ市に行くところを、密偵まがいにわざと遠回りの信越線に乗って、だれにも会わないようにして下北半島の釜臥山に登って大湊港を調査した、こういう事実は当時の山野原子力局長も認めざるを得なかったわけですね。 この点について宇野長官が、過去にもし問題な点があれば、その点も反省をして、われわれとしては、密室主義を排し、密室で隠々滅々たるはかりごとをめぐらさない、ガラス張りにする旨の答弁をされているわけなんです。ところが政府も事業団も、相変わらず隠密作戦をとるようでは、内閣の継承性を重んじるというかつての長官の発言もあったわけですけれども、その場限りの答弁で逃れてもらっては困ると思うわけなんです。 ですから、非常に新定係港問題をしぼってきたとかいろいろなことをおっしゃっても、あるいは四者協定の精神を尊重するなどということをおっしゃっても、やはりその場限りの逃げの答弁でしかない、私は、こういうふうに思うわけですけれども、こういう隠密作戦などはしない、こう言明できるわけですか、大臣。
○長田国務大臣 隠密作戦と言うのかどう言うのか、私も、余り具体的に今度の場合にわかりませんけれども、国益を踏まえて、適当な最も正しい穏当な手段で物事を取り運びたい、そのように考えております。
○中林委員 隠密作戦がどういうものかわからないとおっしゃっても、一つの例を挙げまして当時の方も認めていらっしゃるわけなんですよ。 さらにもう一つ、こういうことがあったわけですね。これはわが党の瀬崎議員が五十二年の四月二十日のこの委員会で明らかにしていることですが、「定係港設置が受け入れやすいことを見込んで、むつ市の埋め立て地を候補地として極秘のうちに打診する。このため、青森県知事(必要あればむつ市長)、関係国会議員等に接触し、地元から誘致の声が出るように要請する。」、こういうことが書かれている昭和四十二年七月二十二日付の極秘文書の有無を確められたときに、山野原子力局長が、正式文書ではないとしながらも、「多分メモか何かのようなものではなかったか」、こういうことで存在を認められたわけなんですね。ですから、こういうものを使って長崎のあの対馬あるいは佐世保の修理港のときも、同じようなことをやってこられたわけなんですよ。これが隠密作戦なんです。 ですから、地元からの誘致の声が出るだとかそういうことを期待するようないろいろな作戦をやってこられていることが、現在の青森の大湊にもう一度そういうことがやられてないということを断言できるわけですか、長官。
○長田国務大臣 青森とか大湊にどういうことがなされているかということにつきまして、私は、具体的によく承知しておる立場でもございませんけれども、まだ正式な話し合いなどはもちろんしておらないところでございます。 先ほど申し上げましたように、私は、この「むつ」の問題は、非常に大事な問題と思いますし、また将来の日本の船舶、海運等に大きなかかわりのあるものでございますから、国益を踏まえ、正しく妥当な方法で話を取り進めてまいる所存でございます。
○中林委員 もう一点ですが、先ほど少し触れたわけですが、これまでの計画で安全性総点検及び修理に三年かかるということだったわけですが、八十二国会の五十二年十月末採決した「五十五年十一月三十日までに廃止するものとする。」という実質延長三年の修正案について、当時の宇野長官は「三年間私たちは十二分に修繕に励みたいと思います。」、こういう答えをなさっているわけなんです。ところが今回は、総点検及び改修は五十六年度半ばまで、わずか一年半に半減しているわけなんですね。これで本当に十分な安全確保ができるのか、こういう疑問が非常に私たち浮かぶわけなんですが、この半減することについて、一体本当にそういうことで改修、そういうものができるのかどうか、この点について一点伺います。
○倉本参考人 当初三年ということでございますが、それは工事そのものについて三年かかるということでございませんで、審査等、手続等も含めて三年ということであったわけでございます。 それからまた、現在あと残された一年半でこの工事ができるかということにつきましては、現在メーカーと具体的な折衝もいたしておりますが、おかげさまで佐世保重工との話もつきまして、現在精力的に、この工事の進捗また工事の計画について打ち合わせを行っておりますが、現在の時点で私ども、残された期間で予定の工事を完了できるというぐあいに考えておるわけでございます。
○中林委員 いろんな期間を含めて三年だとおっしゃるわけですが、宇野元長官の発言は、修繕に三年間十二分に励みたい、こういうことをおっしゃっているんですよ。ですから、いまおっしゃったこととは矛盾するというふうに思います。 あわせて、事前にそのお話を伺ったところによりますと、一年半になっても残業などしてやるのだ、こういうような御説明があったんですよ。ですけれども、幾ら考えても、三年を一年半にするわけでしょう、半分にするわけですから、幾ら残業に残業を重ねたとしても、それは私、非常に安全性が確保できるような改修にはならない、こういうふうに思わざるを得ないのです。 それについてお伺いしてみたところで、十分でございますという回答しか得られないことはわかりますから、質問を繰り返しませんけれども、そういう懸念が非常に濃く残るということです。 さらに質問を続けるわけですが、八十二国会で当初提案されていた十一年延長案から四年八カ月間延長、これは先ほども言いましたように、実質三年延長になったわけですが、このように修正提案してきたときの理由として、原子力船についての研究開発機関に移行するための必要な措置として四年八カ月延長する、こういうことだったわけです。 今回の改正案では、確かに研究開発もできるようにすることになっているわけですが、五十九年度末までにほかの原子力機関と統合するという付録がついてきたわけなんです。統合するという限りにおいては、先方とはすでに何らかの相談がついていなきゃおかしいと思うのですが、その点いかがでしょうか。
○石渡政府委員 まだ統合の相手が決定しておりませんので、事前の相談と申しますか、打ち合わせといったことはなされておりません。
○中林委員 そういう点でも非常に無責任な法案が出てきたと言わざるを得ないと思うわけなんです。今後の計画を考えてみれば、事業団が行うことは安全性総点検及び改修、それから機能試験と出力上昇試験、そして実験航海(その一)まで、それ以後の第二次炉心の交換のための改装及び出力上昇試験、実験航海(その二)は統合機関が行うことになっているわけですが、統合機関と言えば、いまのところ原研や動燃事業団、これしか考えられないわけで、こういったものがこの原研や動燃事業団になじむものなんでしょうか。そもそも原船事業団を別途につくったのは、出力上昇試験、実験航海、乗組員の養成、訓練など、原研や動燃ではなじまないという理由でつくられたわけではなかったのでしょうか。 その点をお伺いしたいわけですが、そういう疑いがある証拠として一つの例を挙げるわけですが、事業団発足当時の国会答弁ですが、島村原子力局長が「実際の運航であるとかいうような、たとえば従来の原子力研究所という性格のワクを越えるものが相当にございまして、原子力研究所と別個に、そのことを直接の目的とする事業団を設立することの方が望ましいという結論に達した」、こういうふうに述べているわけなんですが、いかがですか。
○石渡政府委員 まず、統合の問題でございますが、「むつ」の開発業務の進展状況を十分見きわめまして、その時点において、先生ただいまおっしゃいましたなじみと申しますか、そういう点もあわせまして慎重に検討して進めなければならないことかと存じております。 それから、ただいま御引用になりました島村元原子力局長の発言でございますが、当時、原子力研究所のみが存在していた時代でありまして、まさに相当基礎的な原子力の研究を担当していた時代での判断かと思っております。その後、いわゆるプロジェクト開発を、別の機関ではございますが、進めてきているという経験も積んできておりますので、その辺の受け入れる側の、俗な言葉で申し上げればふところと申しますか、その辺は大分広くなってきているのではないかという感じはいたしますが、いずれにしろ、確かに融和といったことは非常に重要な問題でございますので、慎重に対処してまいりたいと考えている次第でございます。
○中林委員 相手側の意向も確かめていない、そういうことの中で受け入れるように時代の変化とともになっているのじゃないかという感触だけで統合する、こういう非常に無謀な法案を出していらっしゃるというふうに私は思わざるを得ないわけです。ですから、「むつ」に関しては、徹底した場当たり主義があるというふうに思わざるを得ません。 原船事業団は、現在内閣総理大臣と運輸大臣の共管になっているわけですね。原研や動燃にもし統合したとすれば、内閣総理大臣あるいは科技庁長官の専管になるわけですか。
○石渡政府委員 その点、役所間の権限と申しますとおかしな話ですが、所管の問題でございまして、十分話し合ってそういう点は整理できるものと考えております。その時点におきまして、状況を踏まえて、慎重に検討するというのが、今日現在でのお答えになるかと存じます。
○中林委員 こういう法案を出しておきながら、その一番肝心なところがあいまいになっている、所管の存在すらその場になってみなければわからない、こういうような状況でこうした法案が出されるということは、本当に納得がいかないわけです。 先月二十四日に、原研の労働組合の井坂委員長が私どものところに来られまして要請をされたわけですが、その要請で組合の見解はこういうことになっているわけです。「今回の原子力船開発事業団の改組、統合問題に関して、当労組としては、当然のこととして過去十七年にわたる原子力船開発事業団の歴史の中でその果たしてきた役割り、成果と問題点はもとより、原子力開発と行政のあり方などについても、詳細な検討がなされ、その反省の上に立って、同事業団の改組なり統合なりが行われるべきであると考えます。このことなくして単に結論を急ぐことは、原子力船の問題をめぐっていままで指摘されてきた原子力開発と行政のあり方についての問題に「フタ」をするものであり、典型的な場当たり主義のやり方を他の原子力機関にまで広げるものと言わざるを得ません。」、こういうぐあいに批判的なんですね。また、この組合の方々は、統合問題について政府や当局から何の説明も受けていない、こういうふうにおっしゃっているわけなんです。 事前の話し合いもなくして、労働組合の協力を得ようとする努力もないままに、押しつけ統合で本当にうまくいくのかどうか、その点についてお伺いをいたします。
○長田国務大臣 先ほど島村元原子力局長の答弁等も引用されまして、今度の事業団が新しい機関に統合される問題についての御批判がございましたが、御承知のように、この原子力船事業団法の改正、いままでのたびたびの御審議の経過などを踏まえまして、研究機能を強く付与するように、そういうことでございまして、今度の法案の内容も、そういう面がいままでと格段に変わってくるということでございます。 なお、実験運転というものも、相当回を重ねてまいりますと、実験運転の度数あるいは期間等の必要性というものも逐次逓減してまいるということも考えられるわけでございまして、私は、いままでの姿よりも、島村さんがお答えした当時よりも、はるかになじみやすい状態になっている、皆さんの国会の御審議の過程でも、そのような方向に動いているというふうに考える次第でございます。 なお、原研の労働組合の意見をという御指摘でございましたが、これはまだどこにするかということも決まっておりません。 それから、先ほどの運輸省あるいは総理大臣、所管をどうするのかという問題でございますが、これも各省のなわ張りとかなんとかということとは別に、その時点で最も適切な決め方をすれば足りる問題ではないか、そのように考えている次第でございます。
○中林委員 長官は、なじみやすくなっているというふうにおっしゃっているわけですが、いまの状況では統合することをきらっているだろうというような前の方の御答弁があったように私、感じたわけですが、どっちかにまだ決めてないというふうにおっしゃるわけですね、せめてあらかじめの何らかのプッシュはしなければ、こういった法案は出せないというのが常識的なやり方だというふうに思わざるを得ないわけです。 さらに、原子力商船の実用化時期についてですが、原船専門部会や原子力委員会は、二十一世紀という見通しを持っているわけですが、もしそれが事実とすれば、造船国日本の造船業界がこの二十年間で原子力船建造の特に小型軽量の舶用炉の技術基盤を整備しておかなければならない、そうしなければ世界の大勢に取り残されるのではないかという心配があるわけですが、政府は、そのためにどのような施策を講じているのか。
○石渡政府委員 二十一世紀に入るころに始まるというのではなくて、そのころ相当出回っているのではないかという見通しもできるというのが報告書の趣旨であるかと理解しております。 それで、そういう意味も含めまして、さらに経済性を相当重視した改良型舶用炉の研究開発にこれから取りかかっていこうということでございまして、当面、相当の期間、この舶用炉の研究開発は、国が中心となって進めていくということで考えております。 恐らく世界的に原子力船の出現が近づいてくるという時期には、造船業界等関連業界もその関心を深め、急速にみずからによる研究あるいは開発にも関心を持ち出すというふうには考えられますけれども、今日時点では、必ずしもそういう意欲が十分とは思われませんが、やはり将来の必要性を考えまして、国が中心となってこの研究開発を進めていこうというのが、私どもの現在御審議をお願いしている法案の基本的な考え方でございます。
○中林委員 造船業界はそんなに乗り気でないということは、一応御存じのような御発言だったわけです。いまのような政府の取り組み状況では、本当に民間会社は、世界的な造船不況の中で、技術基盤の整備どころではないというのが実際の感じだと思うのです。 原子力船「むつ」とかかわり合いを持つ石川島播磨重工、三菱重工の二社以外の重立った造船会社に、実用化の見通しや原子力商船に対する取り組み姿勢を聞いてみたのです。これは以前にも聞かれたのですが、今日時点でどういうことになっているかということを聞いたのです。 まず、三井造船ですけれども、重機プラント部原子力事業室という組織を持っているわけですが、これまで原船事業団や船舶技研に人を送ったりして原子力船の研究テーマを追っかけてきたが、世界的スローダウン及び「むつ」の見直しも悪くなっており、現在の不況もあって、のんびりと研究をやっている雰囲気ではない、こういうことで、目先の陸上炉の方へ開拓する努力をする、こういう状況になっているわけですね。 次に、川崎重工ですが、原子力商船のニーズはない、政府に第二船以降の案もない、そもそも原子力船という言葉が業界ではタブーになっている、こうまでおっしゃっているわけです。そして原子力船担当セクションはずいぶん前に閉鎖したままで、独自の研究はやっていない、こういう状況です。 さらに、日本鋼管はといえば、特殊の船を担当する第二船舶部に原子力開発室という組織をつくっているわけですが、情報を収集するだけで、ここも独自の研究はやっておりません。 いま述べました三社には、アメリカのB&W社、あのTMIの事故を起こした会社ですが、以前は原子力船の技術を売り込むため盛んなアプローチがあったわけですが、いまは全くないということをおっしゃっていたわけです。 次に、日立造船ですが、この会社はオット・ハーンをつくった西ドイツのインターアトム社と技術提携をしている関係もあって、現在も細々と研究はしているようです。それでも一時は西ドイツに技術者を派遣していたが、世界的な研究開発スローダウンから、技術者を引き揚げて、意見交換の回数も少なくなり、社内的にもスローダウンで、現在は陸上の仕事をしている、こういうことなわけです。 このように造船業界というのは、本当に冷厳な客観的情勢があるわけなんですね。一方で政府は、原子力船の技術開発が大切だ大切だ、こういうふうに叫ばれても、業界の方はわれ関せずということになっているわけですね。 さらに重要なことは、民間は「むつ」を中心とする国産技術に希望を持っていないということなんです。石川島播磨は、過去のいきさつもあって、「むつ」改修を余儀なくされているわけですが、別途フランスのCEAと技術提携をして「むつ」とはタイプの違う半一体型炉の技術情報の蓄積を図っており、それから日立造船も、先ほど述べたように、西ドイツのインターアトム社と技術提携をして、一体型炉の技術導入で実用化時代に対処しようとしている。川崎、三井、日本鋼管の三社も、いざとなればB&W社から一体型炉の技術導入をすればよい、こういう気持ちもあるように聞いたわけなんです。 政府が本当に原子力船を開発するというならば、よほどの決意と、よほどの体制と、練り上げられた計画が必要であるにもかかわらず、相も変わらず場当たり的にやってこられているわけです。きょうの質問の中でも、非常にその矛盾が明らかになって、これは絶対に成功しないというふうに思わざるを得ないわけです。しかも国民の信頼も得られないというふうに思うわけです。 最後に、長田長官に見解を伺うわけですが、政府は、今度の提案を一応撤回されまして、抜本的な再検討、これをしていくつもりはないのかどうか、その点についてお伺いして、私の質問を終わらしていただきます。
○長田国務大臣 原子力船の実用化の段階がまだ来ていないという点については、私も大体同感でございます。ただし、御承知のように、原子力軍艦などの面も通じて相当原子力船の技術を修得している国あるいは西ドイツのように軍艦とは無関係に相当の技術を修得済みの国もあるわけでございます。いま目の前は別として、少い長い目で見ますと、たとえば長期エネルギー需給暫定見通しなどを考えてみますと、あと五年先には石炭を外国から一億トン輸入する、十年先には一億四千万トンも輸入する、そういうようなことなども考えますと、船の需要、どういう船が適しているかということなどについても、石油価格の高騰などとも関連しまして、情勢が相当変わってくることも十分予想されるわけでございまして、実用化の情勢がもし開けた場合、それに対応する姿勢というものが日本の国内に整っているということも、やはり非常に必要だと思うわけでございますので、原子力の「むつ」の開発を完了し、また、兼ねて原子力を使っての舶用炉の開発ということも推し進めることは、私、当面非常に必要だと思いますので、この法案につきまして何とぞ御賛成をいただきたい、そのようにお願いいたす次第でございます。
○中林委員 終わります。
○瀬野委員長 小渕正義君。
○小渕(正)委員 わが国はエネルギーの資源小国であることは、いまさら論をまたないと思いますが、そういう中で現在国を挙げて石油代替エネルギーの開発のために取り組んでいると思います。 そういう中において政府としては、これからのこれらの石油代替エネルギーの開発に関してどのような考え方を持って対処されようとしておるのか、特に科学技術庁の関係からそういった基本的な考え方についてお尋ねしたいと思います。
○長田国務大臣 御指摘のように、資源が、特にエネルギー資源に乏しいわが国が、これから国際社会に処しまして国民生活の安定的発展を続けてまいりますためには、従来の過度の石油依存体質を改めて、エネルギー供給源の多様化を図ることによってエネルギーの安定供給を確保することが必要不可欠だと思うわけでございます。このために各種の石油代替エネルギーの開発が緊急の課題となっておりまして、政府としましては、長期的なエネルギー需給の展望を踏まえまして、原子力、石炭、LNG等の化石エネルギー、太陽エネルギー、地熱、風力等の自然エネルギー、あるいは省エネルギー等のエネルギー有利効用等につきまして、エネルギー研究開発基本計画に沿いまして、計画的に幅広く研究開発を推進しているところであります。 特に、石油代替エネルギーとして中核的役割りを果たす原子力につきましては、すでに原子力発電が電力供給の重要な柱となっておりますし、また研究開発の面におきましても、原子力研究開発利用長期計画に沿いまして、核燃料サイクルの確立、高速増殖炉等新型動力炉の開発、さらには人類究極のエネルギー源と言われます核融合の研究開発等が精力的に進められておりまして、着実な成果が逐次得られつつある情勢でございます。 今後は、このような原子力の開発利用の進展をも踏まえまして、原子力発電の定着化と拡大化を図り、中核的代替エネルギーの供給源としての原子力に対する国民の御期待にこたえていくための施策を推進してまいりたい、そのように考えております。
○小渕(正)委員 いまのそういった基本姿勢は理解いたしますが、特にわが国は、いまさら申し上げるまでもなく、海外の貿易に大きく、すべてが依存しているというのは論をまたないことでありまして、そういう意味では、安定した海上輸送力の確保ということが、当然、必要な、緊急な課題であります。 そういう場合にわが国は、海運の分野においても、石油需給の逼迫化に対応して石油代替エネルギーの導入を図るべきだと思います。特にわが国の現在の石油総使用量のうちの約一〇%、二千数百万キロリットルを、この海運によって使用されているという現実の中で、現在とりあえず、海運界の中でも、省エネルギーの一つとして、舶用タービンから舶用ディーゼルへの換装、切りかえとか、そういうことも一部とり行われておりますが、やはりそういった石油代替エネルギーとしての導入も、わが国は海運に依存する以上、非常に重要な状況ではないかと思うわけでありますが、そういった角度からの開発状況並びに見通し等についてどのようにお考えなのか、この点お尋ねいたします。
○野口説明員 先生御承知のように、船舶の推進エネルギーとしましては、ほとんど石油が使われておるわけでございますけれども、この石油の供給が非常に不安定化してきたということと価格が非常に高騰してきたということのために、一つは、使っている石油エネルギーを有効に利用しなければいかぬ、そのための研究開発をする必要があるということと、もう一つは、やはりエネルギー源を多様化する必要があるということが、いま重要な課題になっているわけでございます。 ただいま先生御指摘のように、最初の有効利用の面に関しましては、燃料費を節約するような低燃費エンジンの開発とか、あるいは省エネルギー型の船艇の開発というようなところでかなりの成果を上げているというのが実情でございます。 それから、第二番目の点の新しいエネルギー源の利用でございますが、この点に関しましては、当面利用可能だと考えられるものには、石炭とかLNGとかLPGあるいは原子力というようなものが考えられるわけでございますが、そういう意味におきましても、この原子力船の建造、運航といったものをぜひ進めていただいて、そういう建造、運航に関する基礎的な知識経験というのを積ませていただけるようにできれば、こういう多様化に非常に貢献することができるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○小渕(正)委員 そういう意味で、海運界におけるエネルギーの有効活用またエネルギーの多様化、そういったことが、これからは推進されるべきだと思いますが、そういう海運の分野における石油代替エネルギーとしての原子力船の位置づけというものは、一体どういうふうな形で位置づけを考えられておるのか、エネルギー多様化の中においてこういう原子力船というものをどのような位置づけで考えられるのか、そういった認識についてのお考えをひとつ御説明いただきたいと思います。
○野口説明員 原子力の利用に関しましては、一つの利点として長い間燃料を補給しないで済むという点があるかと思います。その反面、在来船に比べまして遮蔽とか原子炉とかというのが大変重いという不利な点もあるわけでございます。したがいまして、一つは、石油価格の問題、それからもう一つは、いま申し上げましたような余分な負担を軽減できるというような、そういう点が在来型のものと経済的に競争できるという分かれ目ではないかというふうに考えられるわけでございます。 原子力船研究開発専門部会の報告書にもございますように、そういう点を考えてみますと、やはり小型、軽量、高出力化というような原子炉が最も競争できるタイプではないかということで、こういうものを搭載するということになりますと、やはり大型のコンテナ船とか大型のタンカー、そういう分野が一番有効なのではないかというふうに考えております。
○小渕(正)委員 世界における原子力船の研究開発の動向でありますが、ソ連のレーニン号から米国のサバンナ号とか西ドイツのオット・ハーン号とか、いろいろそういう話を聞いておるわけでありますが、現在までのそういった世界的な、もちろん軍事は別でありますが、原子力船の研究開発の動向、特に建造、運航されているものの実態、実用化されて就航されているものは一体どの程度あるのか、そこらあたりの実態をひとつ御説明いただきたい、かように思います。
○石渡政府委員 御説明申し上げます。 まず、諸外国における原子力船の研究開発の動向でございますが、若干古い話になりますけれども、ソ連が昭和三十四年に世界最初の平和目的の原子力船を建造いたしました。それは砕氷船でございまして、非常に有効であるということを実証したわけでございます。したがいまして、ソ連はこれに引き続きまして、昭和四十九年及び昭和五十二年にそれぞれ原子力砕氷船を建造いたし、現在も北極海で活躍中というふうに承知している次第でございます。 また、米国におきましては、先生すでに御高承のとおり、原子力貨客船といたしましてサバンナ号を昭和三十七年に完成いたしまして、八年間の運航をし、昭和四十五年まで運航いたしまして、現在係船中ということでございます。 また、西ドイツにおきましては、原子力の鉱石運搬船といたしましてオット・ハーン号を昭和四十三年に建造いたしまして、昭和五十四年まで運航したという実績でございます。 米国及び西独におきましては、それぞれ約十年間にわたって一実験船という位置づけではございますが、原子力商船を運航いたしまして、技術的な可能性を確認し、また、それをベースにいたしまして、次の舶用炉の設計を固めているというのが現状であるというふうに情報を得ている次第でございます。 一方、現実には商船は建造いたしませんが、フランスにおきましても、これはむしろ原子力軍艦の運航経験をベースにいたしまして、商船用の舶用炉の開発を進めているということのようでございまして、現在、これも次につくるならばというための舶用炉の設計をほぼ固めた段階にあるという情報を得ている次第でございます。 以上、御報告申し上げます。
○小渕(正)委員 去る四月十一日ですか、原子力委員会が原子力船の実用化の時期の見通しを二十一世紀以降とするような内容の決定をした、こういうような新聞報道がされたわけでありますが、これはどのような実態、状況なのか。新聞報道で聞きますと、ひどく遠のいたような感じを記事から判断したわけでありますが、そこらあたりの実情について、いま少し詳細に御説明いただきたいと思います。
○石渡政府委員 四月十一日に、先生御指摘のように、そのような報道が一部なされたわけでございます。その報道によりますと、原子力委員会が原子力船の実用化時期の見通しを二十一世紀以降であるとしたというふうに報道されたという事実がございます。私どもは、この報道は正確なものでないと理解している次第でございます。原子力委員会といたしましては、原子力船の本格的実用化時期が、これまでの見通しと比べておくれるということは申し述べているわけでございます。いままで原子力委員会が考えておりました実用化時期というのは、一九八〇年代の半ばには原子力商船が出現するであろうということで、いつごろそれが非常に大きく行き渡るかということについては、述べておりませんでしたが、少なくとも八〇年代の半ばには出現するのではないかということでございました。今回の原子力委員会の原子力船研究開発専門部会におきましては、二十一世紀に入るころには欧米先進諸国において原子力船の導入が相当進んでいる可能性があるということでございまして、二十一世紀に入るころには相当進んでいるのだということでございますので、先ほど御報告申し上げました八〇年代半ばに出現し始めるということととらえている時点が違うわけでございますが、その間にそれなりの若干のおくれがあるということは認めているものの、二十一世紀から始まるという予想をしているわけでは決してないわけでございます。 ただいま申し上げましたこの専門部会の報告では、二十一世紀に入るころ欧米先進諸国において相当進んでいる可能性があるということを言っているわけでございまして、わが国の立場を考えてみました場合に、先ほど来るる申し上げておりますように、エネルギーの供給面といったことにより強く鋭敏に反応しなければならないわが国の立場から考えますと、原子力船の研究関発に取り組む姿勢というものは、やはり従来と変わらずに進めていくべきではないかというふうに考えているわけでございます。
○小渕(正)委員 二十一世紀に入るころには相当数の原子力船の実用化が進んでいるだろうというような判断だということのようですが、では、しからば現在までそういった諸外国における原子力船がそれぞれ実験段階、実用化段階、それからいま言うようなもう二十一世紀ごろはかなり相当実現しているだろうということからいきますと、今日までのそういう原子力船の舶用原子炉の中身でありますが、普通常識的には、これは陸上の原子炉発電の関係で加圧水型と沸騰水型というふうに聞いておるわけでありますが、これら一般的な世界的動向としては、この舶用原子炉は一体どっちの型を主に採用されておるのか。 それと、現在「むつ」がいろいろ問題になっておりますが、「むつ」は一体このどちらの型に大体類型的に入るのか、ここらあたりについての実態を御報告いただきたいと思います。
○倉本参考人 現在の時点、また、いままでに存在しております原子力船の使用しております原子炉は加圧水型炉のものでございます。この加圧水型炉の方が船に使われるという点につきましては、比較的ほかのものよりは小型でもありますし、軽量でもあるというような点があるわけでございます。 ただ、この型につきましては、サバンナ、オット・ハーン、それから先ほど御説明のありましたフランスの型等、分離型、一体型、半一体型等がございますが、これもすべて加圧水型に属しておるものでございます。
○小渕(正)委員 そうすると、「むつ」はその加圧水型の中の一体型か分離型か、大体どういう型なんですか。
○倉本参考人 「むつ」は分離型の加圧水炉でございます。
○小渕(正)委員 それから、先ほど一応二十一世紀に入るころはかなり実用化されているだろうという見通しの話がありましたが、一面、諸外国では原子力船の研究開発が一時に比べると若干停滞ぎみじゃないか、そういうような話もまたわれわれとして耳にするわけでありますが、そこらあたりは、どのように監督官庁といいますか関係省としてはお考えになっておられるのか、そういう傾向の理由は一体何なのか、そこらあたりについて御説明いただきたいと思います。
○石渡政府委員 先生御指摘のように、最近諸外国において原子力船の研究開発に大きな進展があったというニュースは伝わってきていないわけでございます。この辺につきましては関係者も非常に疑問を感じまして、先ほど来引用させていただいております原子力委員会の原子力船研究開発専門部会においても検討したわけでございます。実はこの検討につきまして、私どもも、各国にニュースを求めまして、各国の情報をとってみたわけでございますが、これらをまとめてみますと、先進諸国ではすでにいま原子力船の実用化に必要な技術の蓄積あるいはその基盤が確立されているというふうにそれぞれ判断しているようでございますが、主として経済性の面から原子力船の実用化の時期が当初考えられていた時期、すなわち先ほども御報告申し上げた次第でございますが、その時期よりもずれそうだということのために、現在の時点では研究開発を次の段階に進める時期ではない、それで、実用化の見通しがもう少し具体的に明らかになる時期を待っている状態であるというのが、今日時点での世界的にやや停滞しているという現象を解析すると、こういうことになるというのがその結論であった次第でございます。
○小渕(正)委員 そうすると、大体今日まで世界の原子力船としてそれぞれ実用船または実験船としてやられたものは、あらゆる必要なものは一応確立されておる、問題は、経済性の問題が一つのポイントとして若干停滞しているのではないかという見方ですね。ということになりますと、原子力船が果たして経済的にペイするのかどうかという問題は、これからの石油価格がどのように推移していくかということ等との関係もありましょうし、そういう意味では、わが国における現在の実用化という点では、かなりの部分まだまだおくれているというふうに見ていいと思いますが、その点いかがですか。
○石渡政府委員 原子力委員会で検討したところによりますと、わが国の原子力船開発のレベルと申しますか、進みぐあい、これを定量的に把握するのはむずかしいわけでございますけれども、大体十年ぐらいおくれているのではないかというのが識者の一致した意見でございます。
○小渕(正)委員 十年ぐらいおくれているということですが、「むつ」がいろいろ若干のトラブルが起きて、こういう政治的な問題になってしまっておるわけでありますが、当初の計画からいくならば、大体どのあたりまで進んでおったということになりますか。一応当時の計画の状況等ひとつ改めてお聞きしたいと思います。
○石渡政府委員 そもそも昭和三十八年の事業団法制定当時の計画でございますと、実は昭和四十六年ぐらいには実験航海を終わっている、そして恐らくこの船が民間あるいは他の組織に引き継がれて現在まで運航しているか、あるいはもう係船になっているかという状況であったというふうに当時の計画はなっております。その後、昭和四十六年に団法を四年間延長いたしまして、五十一年の三月三十一日まで延長されたわけでございますが、この間に出力上昇試験の段階で放射線漏れが発生したということでございまして、それ以来、その開発のテンポが極度にスローダウンしたという状況でございます。
○小渕(正)委員 そうしますと、実際には、この計画から見ると大体四十六年ごろ、一応の当初の計画どおりのスケジュールでいくということになると十年ぐらいおくれているということが言えると思いますが、いまのお話からいきますと、それ以上におくれた中で、海上運転ですかああいう中で一つの事故が発生したから現在のようになっているわけであります。そういう意味では、実態はもっとおくれているというように見てもいいのじゃないかとわれわれ素人は思うのですが、そのあたりは、技術的問題がまだ全然やられていない中でこんなことになっておるということを見ますと、もっとおくれておるのじゃないかという気もしますが、その点いかがですか。
○石渡政府委員 数字的には御指摘のとおりかと存じますが、私ども陸上炉でまた相当の経験を積んでいるということがございますので、この辺も加味いたしますと十年ぐらいか、十年というのもつかみの話でございますけれども、まだ「むつ」を実験船として活用していくならば、何とかそのギャップが今世紀中には埋められるのではないかという意見に結びついているということでございます。
○小渕(正)委員 確かに、わが国の陸上での原子力発電は、かなりの状態に現在きていますから、そういうものを総合しての判断だということでありますが、そういうことを考えますと、先ほど申し上げましたように、エネルギー資源に非常に乏しいわが国が、しかも世界有数の海運国であり、すべてがそういった海運業によって成り立っている、そういうことを考えますならば、わが国のそういう特殊事情を十分勘案して、やはり原子力船の研究開発というものは、早急にもっともっと進める必要があるというふうな判断もわれわれとしてはするわけでありますが、そこらあたりについての決意といいますか考え方、そういうものがあればお聞かせいただきたいと思います。
○長田国務大臣 政府といたしましては、今後の原子力船研究開発は、まず「むつ」の修理点検を終えました後、実験船として活用を図ることとし、将来の原子力船研究開発に「むつ」の成果を効果的に結びつけていくということ、それから次に「むつ」から得られましたデータ及び経験を十二分に活用しながら、将来の原子力船の経済性、信頼性のより一層の向上を図るために、改良舶用炉等に関する研究を着実に進めるという方針で臨むことといたしまして、このための体制につきましては、現在の日本原子力船開発事業団を、御提案いたしましたように、日本原子力船研究開発事業団に改組し、従来の「むつ」開発業務に加えまして、原子力船の開発に必要な研究業務をも行わせることにしたいと思っているところでございます。
○小渕(正)委員 そういう意味では、特にわが国の自主技術の確立という意味からも、当然そういう形でやっていかなければいかぬと思いますが、これから具体的に大体どのような項目を重点にしてそういった問題に取り組んでいくのか、そこらあたりあれば、また御説明いただきたいと思います。
○石渡政府委員 私どもは、将来に備えてということを申し上げておりますので、重点は経済性の高い、すなわち軽量であり、小型であり、そして出力の高い舶用原子炉の開発を進めていくべきだと考えているわけでございます。そういう目的のために、私どもは「むつ」の経験を十分踏まえ、そして今後、事業団に研究機能を付与いたしまして、改良された舶用炉の研究を進めていく、この二つの成果をかみ合わせながら、先ほど申し上げました経済性のある、国際競争力のあるであろう舶用炉の開発を目指し、さらには、その成果を踏まえまして、商業用の原子力船の開発に進んでいくというのが長期的な考え方でございます。 項目という御指摘でございますので、改良舶用炉の開発と、その舶用炉を前提といたしました船体あるいは陸上支援施設の試設計にまずとりあえず取りかかってまいりたい、また引き続き「むつ」の遮蔽改修、総点検を進めまして、実験船として洋上におきます炉の変動に対する挙動等のデータをとりまして、こういうものを十分反映させながら改良舶用炉の研究開発を進めてまいりたい、かように考えている次第でございます。
○小渕(正)委員 いまお伺いしますと、かなり経済性を追求しながら、しかも軽量で小型化を図っていくという、まだまだかなり重要な問題だと思いますが、これは相当な精力をつぎ込んでやらないことには、私は、非常にむずかしい問題じゃないかと思うわけであります。 そういう点で、これからの質問に移りますが、その前に、原子力船に関する国際条約として一九六〇年、海上の人命の安全に関する条約や原子力船運航者の責任に関する条約、要するにブラッセル条約ですが、こういうものがありますが、現在、国連の専門機関の政府間海事協議機構としてのIMCOですか、ここで原子力船建造、運航等に対する具体的な国際的統一安全基準というものを設定しようということで作業が進められている、こういうふうに実は聞いておるわけでありますが、その作業の進捗状況、見通し等について、把握されているものがあれば御説明をいただきたいと思います。
○野口説明員 先生ただいま御指摘のとおり、IMCOという政府間海事協議機構という、これは国連の機関ではございませんけれども、国際的な海事協議の機構がございまして、ここで海上における人命の安全のための条約というのを制定しておるわけでございます。現在、一九六〇年に締結しました条約が有効でございますが、今月の二十五日から一九七四年に締結されました条約が発効することになっております。この条約の中に、原子力商船の設計とか建造、運航等に関します国際的な安全上のガイドラインという形で一章が設けられてございます。同時に、一九六〇年のこの条約会議の際に、その条約の中身を補足するという意味でやや細かい点まで述べました勧告というのを採用しておるわけでございますが、一九七六年からこの勧告の改定作業を進めておるわけでございます。現在第五次案までできておる段階でございますが、なお各国専門家が寄り集まって検討中という状況でございます。
○小渕(正)委員 そうすると、一応のめどというのはいまのところまだまだ判断しかねる、こういうことですか。作業の終了といいますか……。
○野口説明員 何しろ技術的な事項の討議でございますし、各国いろいろ意見があるようでございますので、現在の段階では、いつになったらこの勧告の案が完成するというめどは、まだはっきりしていないようでございます。
○小渕(正)委員 このIMCOの会議には、わが国の政府機関としてはどこが参加してやっているのですか。
○野口説明員 私ども運輸省と科学技術庁とが協力しながら、さらに原子力船開発事業団とも協力しながら、専門家を派遣して討議に参加しているという状況でございます。
○小渕(正)委員 次に、今回の法案の内容について質問を移したいと思います。 今回の改正法案を提出するに至った経緯といいますか、日本原子力船開発事業団を日本原子力船研究開発事業団に改組する経緯と理由について、この提案説明の文章は読みましたけれども、少しポイントのところだけを、大事なところでございますので御説明いただきたい、かように思います。
○石渡政府委員 御説明申し上げます。 現行の日本原子力船開発事業団法は、ちょうど三年前の昭和五十二年の第八十二国会におきまして、同事業団法改正のために政府提案が出されておりましたが、一部修正されまして、同法を昭和五十五年十一月三十日までに廃止するものとするとして議決されたものでございます。 この一部修正された趣旨でございますが、その趣旨は、日本原子力船開発事業団が原子力船についての研究開発機関に移行する、そういう目的を達成するための必要な措置として、同事業団法を廃止するものとする期限を、前述の本年十一月三十日まで延長するということであったわけでございます。 政府といたしましては、以上のような国会における同事業団法の改正法案の修正の趣旨を踏まえまして、また最近におきます原子力船研究開発を取り巻く世界的な諸情勢を勘案しながら、わが国における今後の原子力船に関する研究開発の進め方について改めて検討を進めてまいりました。また原子力委員会といたしましても、昨年の二月に原子力船研究開発専門部会を設置いたしまして、やはり今後のわが国における原子力船の研究開発についてどう進めるべきであるかということを検討いたした次第でございます。そして、その専門部会の報告書が昨年の十二月に出てまいったという次第でございます。私どもは、これらの検討の結果を踏まえまして、現在の日本原子力船開発事業団を改組いたしまして、従来の「むつ」開発業務に加えまして原子力船の開発に必要な研究業務を行わせることが適当である、このように判断した次第でございます。 そうしたところが昨年末、全く別の動きといたしまして、政府におきまして行政改革の計画が進められたわけでございます。その一環といたしまして、この日本原子力船開発事業団につきましては、昭和五十五年度に研究開発機関に改組するのはよろしいが、昭和五十九年度末に他の原子力関係機関と統合するという方針が決定されまして、閣議決定が行われたわけでございます。 以上のような経過を踏まえまして、また私どもの考え方をベースに、現在の日本原子力船開発事業団を研究開発事業団に改組するということを内容といたします法案を今国会に提出させていただきまして、現在御審議をお願い申し上げているというのが今日までの経過でございます。
○小渕(正)委員 われわれ素人から判断いたしますと、原子力船開発事業団を原子力船研究開発事業団と、ただ「研究」という言葉をつけただけなんですね。開発するということは、研究の延長が開発でしょうから、そういう意味で改めて「研究」という言葉をつける意味がどこにあるのか。いまの説明を聞いてみますと同じことじゃないかと思うのですが、あえてその「研究」という名前をつけた意味、われわれからすると、開発というのは当然研究作業の延長の中で行われているわけでありますから、あえてそれに「研究」をつけることの意味が理解できないわけです。あえてこういうふうな言葉をここにつけなければいかぬというのは一体どういうことなのか、私、ちょっと判断しかねますが、その点いかがですか。
○石渡政府委員 今日までの事業団法は時限法であったわけでございます。したがいまして「むつ」の開発がいつごろ終わるであろうから、そのころまでに、その時点には事業団を廃止するものとするという決め方をしてあったわけでございます。したがいまして、いま御指摘のように研究もできたではないかということかと存じますが、いついつまでになくなるということを前提に行われる研究というものは、現実の問題として「むつ」の開発に必要な研究に限られておったというのが実態でございます。 繰り返してくどく申し上げますが、いついつまでになくなるという性格のものが、相当、半永久的と申しますか、長期的な研究というものは実態としてできないというのが実態であったという点は御理解を願えると思うわけでございます。 したがいまして、今回御審議をお願いしております法案におきましては、五十九年末度には他の恒久的な原子力機関に統合はする、しかし、継続性を保ちながら統合するということでございますので、この改正案を御承認願いますと、今度は恒久的な原子力船の研究が可能になる、こういうことを申し上げているわけでございます。
○小渕(正)委員 わかりました。 要するに、開発事業団ということでは「むつ」だけに限定される、したがって、研究開発事業団ということにすることによって、原子力船全体の研究にこれからも取り組んでいかれる、そういうことですね。ただ、言葉だけではなかなか理解できなかったものですから……。 そういう行政改革計画の中で科学技術庁が統廃合の対象に七つの特殊法人のうちから何で原船事業団だけを選んだのかということになるわけですけれども、そこらあたりを特に――いままでの政府の説明をお伺いいたしました内容からいきますと、それだけ重要視されて、これからひとつ取り組んでいこうとする気構えからいきますと、これをそういう形に結びつけるのは、私は、原子力船開発に対する政府の熱意が一体どうなんだろうかと疑われるのじゃないかという気がするのでありますけれども、この点についていかがでしょうか。
○石渡政府委員 私の立場からははなはだ御説明申し上げにくいことでございますが、御指摘のように、科学技術庁には特殊法人が原船事業団等七法人現在あるわけでございます。そして、それぞれ違う分野の研究開発あるいはそれに関連する事項を担当しております。七つのうち三つが原子力関係でございます。一つが宇宙の関係、残る三つが科学技術情報であるとかあるいは理化学研究所といった研究機関あるいは新技術開発事業団といった研究開発の助成を行う機関ということで、それぞれの特色と独特の任務を持った機関でございます。一方、科学技術庁七法人のうち一つ減らせというのが至上命令でございました。そうしますと、比較的基盤の似ている三つの法人を二つに整理するということが一番可能性が高いのではないかというふうに議論が動いていったわけでございまして、そういう意味で、当事業団が一応統合の対象に残念ながら選ばれたということが実態でございます。 そのような御説明で御了解を賜りたいと存じます。
○小渕(正)委員 事業団の必要性と行政改革の板ばさみで何らかの結論を出さなければいかぬということから、そういうことになったのでしょうけれども、一面から見ると、これだけは断固守ってほしいというような見方もあるのですけれども、それはあえて触れません。 この法案の中で「六十年三月三十一日」という期日を設定しておりますけれども、それはどういう理由でここに期限を置いたのか、その理由について御説明いただきたいと思います。
○石渡政府委員 原子力船「むつ」の開発の現状でございますが、ただいま現在では遮蔽改修あるいは安全性の総点検、また非常に急ぎます話といたしまして新定係港の選定等、多くの問題があるわけでございます。したがいまして、研究開発それ自体以外に問題が非常に重なっておるというのが実態でございます。統合ということを考えますと、もっと落ちついた形で研究開発が遂行されているという状態で統合されることが望ましい、また、そういう形で将来とも継続して原子力商船の実験船として研究開発が進められ、必要な諸データの蓄積が可能となるというのが望ましいわけでございますので、そういう状態になりますまで、すなわち当面の懸案事項が片づく時期までは現状で進むのがよろしいのではないかと判断した次第でございます。したがいまして、その辺のめどがつくであろう時期といたしまして昭和六十年の三月三十一日という日にちを設定したということでございます。 一方、原子力船の研究開発専門部会で、全くこの問題と離れまして将来の原子力船研究開発についてのスケジュールをおつくりになっておりますが、その辺との整合性も考えてみたということもあわせて御報告させていただきます。
○小渕(正)委員 次に、それでは「他の原子力関係機関」とは、具体的には一体どういうものを指しておるのか、この点御説明いただきたいと思います。
○石渡政府委員 統合先の機関についてのお尋ねでございますが、基本的には、今後の「むつ」の開発の進展の状況、その時点でどのように進み、どういうふうにおさまっていくかということを十分見きわめまして、慎重な検討をした上で考えたい、こういうことでございまして、現在の時点でどこということは申し上げられない状況でございますけれども、昨年末の閣議決定では、統合の相手としては科学技術庁所管の原子力関係機関ということになっておりますので、これは先ほど三つのものを二つにすると申し上げたわけでございますが、残る二つは原子力研究所と動力炉・核燃料開発事業団ということになりますので、このいずれかが候補になるということかと考えております。
○小渕(正)委員 次に「むつ」の問題でお尋ねしますが、現在「むつ」は、要するに多額な国費を投入して開発を進めてきたわが国のただ一つの貴重な原子力船であるわけでありますが、これが現在、今後の原子力船開発に活用するということで、これからも修理しようとされておると思いますが、私も、原子力船「むつ」の事故と盛んに宣伝された実態を聞いて、まことにわれわれとしても情けなく思ったわけでありましたが、まず放射線漏れと放射能漏れが混同されて大きく宣伝された。じゃ、放射線がどれだけ漏れたのか、人体に与える影響はどうだったかという具体的なもの、そういうものが何ら国民の前に明らかにされなかった。これが単なる人間の普通の健康診断のレントゲン撮影の何分の一にも満たないような、人体に与える影響がないような放射線漏れであったわけでありますが、そういうものがほとんで国民の前に知らされてなかった、そういうことを私は率直に申し上げていいと思います。 われわれもそういった資料を入手し、そういった話を聞き、これを原子力船の話があるときに話しますと、皆さんびっくりして、そんなものであったのかと言うわけでありますが、そういう意味では、政府というか、科学技術庁というか、原子力船事業団の、あの「むつ」の事故、事故と言われるそれが発生した当時からの取り組み、やはり私は、今日これだけ大きな政治問題化した要因の一端は、そういうところで責めを負うべきじゃないかと私は思います。 そういう点で、先ほどから申しますように、わが国が海運国である以上は、どうしても時代の趨勢として、好むと好まざるとにかかわらず、原子力ということは避けて通れないと思いますから、そういう意味では、早急にこの原子力船「むつ」の修理、復旧をやって、いろいろな基礎データを整理していくということは、私は非常に必要なことだと思います。これは国家的見地だと思います。一部廃船論その他もありますけれども、そういうことから今回の法案提出になったのだと私は理解するわけでありますが、そこらあたりに対しての政府の決意をひとつお聞かせいただきたい、かように思います。
○石渡政府委員 先生御指摘のように「むつ」は昭和三十八年以来今日まで二百数十億の資金を投入して開発してまいりましたわが国唯一の原子力船でございます。それから炉の設計も大体国産技術と言える船でございますので、私どもも、何とかこの研究開発を進めさせていただきまして、そして将来のための必要な研究材料として十分活用いたしたいと願っている次第でございます。 先ほど来先生の御叱正をいただきましたが、放射線漏れに対しまして私ども対応が不十分であった、また必要以上にいろいろ御心配をかけたという点については、深く反省をしている次第でございます。何分、一面申し上げましたような過去の研究者、技術者の蓄積の成果でございますので、何とぞこれを最後まで完遂させていただきたい、かようにお願い申し上げる次第でございます。
○小渕(正)委員 ひとつ後世から見てきわめて大事な仕事ですから、もっときちっとするところはして、しゃんとしてやってもらいたいという気持ちもあるわけでありますが、今回の新聞等報道で見ていますと「むつ」の改修工事の具体的な内容、恐らく石播と三菱原子力、そこがそれぞれ担当してやられることになると思いますが、そういう工事認可を受けて初めてやるという形の新聞報道がこの前されておったのですが、これだけ初めからどことどこをやらなければならぬという修理個所がわかっておるわけでありますのに、それをいまごろからそういう工事認可の申請を受けて、科学技術庁か原子力事業団ですか、そこが認可をしてから初めて取りかかる、いまごろそんなことをやっているのか、これは事実問題としてわれわれは率直にそういう感じがいたします。 そういった点について、佐世保に入港されて以来かなりの期間があるわけですから、もっとそこらあたりの手続的なそういう事務的な、またやるべき作業等については、もう少し関係者だけでの話し合いとして進んでおっていいじゃないかという気がするのですが、それがどうしていまごろやっとそういう工事申請が出され、それを認可してからやるというようなことになるのですかね。ちょっとわれわれから見ると、奇異な感じさえしますけれども、そこらあたりについての御説明をいただきます。
○牧村政府委員 遮蔽改修に関します設置変更の許可並びにそれに伴います工事の認可につきまして御説明申し上げます。 先生御存じのように「むつ」問題を契機にいたしまして、行政の一貫化が行われた次第でございます。研究開発の段階のこの原子力船「むつ」につきましては、従来の所管をかえまして、科学技術庁が設置許可から工事完了までの規制を一手に行うことになったわけでございます。したがいまして、放射線漏れを起こしました段階での設置の許認可は、従来は運輸省が行っておったわけでございますが、それを科学技術庁が行うという変化があったわけでございます。 一方、放射線漏れを起こしましてから、どのような遮蔽改修工事をやるかという問題につきまして事業団が鋭意検討をしてきたわけでございますが、その変更の方針が固まりまして、私ども、五十四年の一月に設置の変更の申請を受けたわけでございます。そこで、必要な安全審査を進めてきたわけでございますが、この間、先ほどからも問題になっております施工業者がSSKから石播にかわるというような変更等も踏まえまして、所要の審査をいたしてまいりまして、五十四年の十一月に変更の許可が出たわけでございます。この変更の許可の条件に従いまして、事業団は、その後鋭意、詳細設計を行って、工事の段取りをつけてきておるわけでございます。その工事のやり方につきまして、原子炉等規制法の法律の規定に従いまして、現在、設計並びに工事方法の認可の申請が出てきておるわけでございます。私ども、五十五年三月に設工認の申請が出てまいりまして、いま鋭意その検討をしておるところでございます。近く工事の設工認の認可をする段階に来ておる状況にあるわけでございます。
○小渕(正)委員 原子力関係だから慎重ないろいろな要素もあったと思いますが、しかし、本当に率直に言いまして、何年もある間に工事の具体的な計画、設計、その変更をどうするかということぐらいは、もちろん現実にあけてみないと、どうもならぬということ等もまた一面若干あるかもしれませんけれども、いままで、じゃ何をしておったのだろうかという、本当にこれは率直な素人なりの素朴な質問なんですよ。そういうふうにみんな感じておるんですよ。だからそういう意味で、いろいろいま御説明ありましたが、そういう中で私もちょっと奇異に感じるのは、確かにSSKが施工責任者ですか、工事施工の対象に最初されていたのを石播にかわったということがありますけれども、しかしこれはあれでしょう、「むつ」の修理関係は、SSKが場所は提供するにしても、初めから石播が船体をつくり、原子炉は三菱原子力がつくっておったわけですから、SSKがなれるはずがないのじゃないですか。それを何で工事施工の総括責任者にSSKをしようとしたか、そういうこと自体が、初めからわれわれから見ても間違っていると言ったら言葉が悪いですけれども、間違っているのじゃないかという気がするのですけれども、そういうところに対するやはり取り組みが何か甘いのじゃないかという気がするのですが、そういうのをいま聞きまして、やはりおくれる要因かなと思うのですけれども、大体SSKとしては、確かに場所やいろいろなものを貸すにしても、実際の工事の対象になり得ないのでしょう、いままでやられていないわけですから。それが当時、SSKがああいう形の中で引き受けた。倒産劇その他の関係でずれたという面があったにしても、初めからSSKというのは対象になり得ない性格、資格を持っていた、資格というかそういうものじゃなかったかと思うのですが、その点いかがですか。
○野村参考人 SSKは、もう数年前から、つまり佐世保港に「むつ」を回航するというときから、実は自分の方で積極的に修理をやりたいということでございました。初めの意気込みは、炉をも含めて全般的な修理をやりたいということでございました。そのうちに、まず原子炉の方は当初の三菱にやっていただいて、お手伝いをするということでございましたが、船体については、やはり自分の方として船体部分の改修はやりたい、それはそれだけの技術もあるし、経営力もあるという御判断であって、私どもも、そういうふうに考えておったわけです。その後、御案内のような経営の危機が来まして、経営者の交代があり、増資が行われたりいろいろなことで経営体制の立て直しが行われましたが、その後五十四年の五月ごろ、ちょうど一年ぐらい前でございますが、私どもが設計見積もりを依頼をいたしましたときに、三菱は当然、炉の部分の第一次の見積もりを持ってまいりましたが、そのときにSSKは、主契約者になってやることを辞退したい、いま先生おっしゃったように、ほかの事業者がやる場合にはそれに協力をする、下請的に協力をすると申しますか、そういうことでございましたので、その段階でSSKから石播に船体部分の主契約者がかわったということでございまして、そういう事情があって、そのためにも多少工事契約等がおくれ、工事の着工がおくれるという事態になったことは、まことに残念であったと存じます。
○小渕(正)委員 契約がおくれた要因は、それもありましょうし、あと一つあると私、思うんですね。経営主体がかわったですね、そのために若干足踏みしたと思いますけれども、しかし、われわれ新聞報道その他での知っている範囲では、坪内社長は、自分は一度も「むつ」をやりましょうとか引き受けるとか一言も言ってないのだ、政府からも頼まれておらぬのだ、それがまず基本になって、係船料の問題その他でかなり長期間要したわけでしょう。そういうふうにわれわれ新聞報道からだけですけれども、思っているわけです。だから、やはりそこらあたりの解決が、まず担当行政庁として、もちろんSSKという会社の名前は変わっていませんでしたから、経営主体がかわっただけだったから、前が積極的に受け入れていこうということだったからということを、科学技術庁としては、それをそのまま真に受けてずっとおったのかどうか知りませんけれども、明らかにあのときにかわってからは、もう全然そういうふうなことを、経営主体がかわって坪内社長自身が、自分は何も政府から頼まれもせぬし、やると言うた覚えもない、まだそういうことを話ししたこともないというようなことを公言しておるわけですね、ということは、これがこれまでおくれた要因の一つは、やはり科学技術庁ですか担当官庁が、そういう問題に対するアタックといいますかそういうものがなかった、欠けておったから、これだけ大きな、せっかく佐世保に入港さしてから一年以上もむだな空白期間を過ごしたということの要因の最たるものじゃないかという気が私はするのですが、そこらあたりに対する御見解があればお伺いしたいと思います。
○野村参考人 私ども当事者といたしまして、確かに先生のおっしゃるように、佐世保港に回航するときに文書による合意がなかったということは、現在から考えると、私どもの非常な手落ちであったかと率直に反省をいたしております。 ただ、事実問題といたしまして、私どもとSSKとの間は、経営者の交代がありましたけれども、依然としてその職員が「むつ」の改修問題について相互にホットな議論をやっておりましたし、また現場の協力体制ということもございましたし、それから係船その他についての警備の体制や建屋の改修というようなことも行われて、着々と受け入れ体制が進んでおりましたので、そういうことで私どもは、合意文書がなくして回航したという手落ちがあったわけでございますけれども、そういう意味で私どもは、SSKは修理はするという意思は十分持っていたと判断されるわけでございますけれども、私も、何回も坪内社長と会って、その点は話し合ったわけでございますけれども、いかんせん合意文書というものがなかったということであれば、きちっと向こうが引き受けたということの確証がないものですから、そういう事態になってきたわけでございます。しかし、事実上の合意はあったというふうに私どもは考えております。
○小渕(正)委員 やっと係船料その他の岸壁使用料というのですかそういう問題が解決して、前向きにこの問題がようやく動き出したわけなんですけれども、先ほどもちょっとほかの委員の方からも係船料の問題で質問が出ておりましたけれども、私は、もちろん坪内社長がごね得というかごねを押したような印象を与えたのが、結果的に世論の反発を買ったと思いますけれども、科学技術庁の一応当初出した金額、数字と余りにもかけ離れていたわけですね。 それで、どちらかというと、何か「むつ」を人質にして非常にごねて、そういう係船料をつり上げたという形に受け取られるような感じに結果的にはなっているんですよ。ところが私は、やはり商業ベースで見るならば、最初の科学技術庁が出した係船料自体が、非常に甘いというか、非常に早りなかったのではないか、もっと民間のそういう岸壁使用料、修繕等を中心として主張されておる場合におけるベースが大体どの程度なのか、そういうものに対する分析、もっと突っ込んだ検討が足らなかったから、ああいう金額のずれが大きく出たのではないかと思うのです。 もちろん「むつ」のかわりにほかの修理船を持ってきて、それをずっと常時稼働させるならどれぐらいの利益があるとか、そういう逸失利益その他ももちろんいろいろ加味された金額でしょうけれども、いずれにしましても、公共のそういう埠頭やブイの使用料と民間のああいう岸壁の使用料は違うのですから、そういうことを考えると、私は、造船のそれぞれの大手の岸壁の使用料が大体――これはもう企業秘密になるかどうかわかりませんけれども、ある程度そこらあたりをもう少し慎重に構えておけば、そんな開きがなかったのじゃないか。もちろん先ほど言った逸失利益か何かの判断をどうするかは別ですけれども、そういう意味で、やはり科学技術庁としては、少し安易に最初の数字を出してしまったのが、一つのこじれる原因にもなったのではないか、かようにも思うわけですね。 そういう意味で、結果的にはSSKというのがそういう目で見ると、何かごねて、係船料が月に四千万なんてふてえ金じゃないかという形になったと思いますけれども、実際私はそうでもないと思います。やはりそういう点では、科学技術庁の取り組みの甘さが、世間にそういう逆にSSKをごねさせたという印象を与えるような形になったのではないか。 そういう意味では、これはもう済んだことですけれども、もっとこういう問題については本当に慎重に取り組んでいただかないことには――これからのこういった民間との関係で政府がいろいろ仕事される場合の、ここらあたりは若干苦言にはなりましたけれども、御意見として申し上げておきたいと私は思います。 それから、地元の五音協定の期限内でこれが果たして修理可能かどうか。かなり期間の空白が続いたわけですけれども、それに対しての見通しはいかがですか。
○野村参考人 「むつ」の遮蔽改修におきましては、入港のときから約三年以内にこれを終えるということを地元とお約束をしていることは、御指摘のとおりでございます。その間、非常に着工がおくれまして、かなり工期が迫ってきた、そこで私どもといたしましては、先般、基本的な合意が得られましたので、いま鋭意関係者と折衝を急いでおります。 そこで、いま考えておりますのは、先ほど安全局長が答弁されました設計、工認、工事方法のいわゆる設工認といわれておりますあの許可を要しない部分について、つまり甲板上の撤去とか切り取りとか仮建屋をつくるとか、そういう作業はもうすでに現場においてやっております。それから遮蔽改修本体の工事につきましても、全部の話がまとまって、一本の契約で用意ドンで進むのではなくて、先行発注とかそういうことをやりまして、ここ数カ月の当分の見通しを立てて、そして、それをまず着工するということでやり、またその後、残業等をやりまして、鋭意工期を短縮するということをやって、期限内に修理を終えるべく最大限の努力をいたしておるところでございます。
○小渕(正)委員 期限内にやはり何とか協定を守ってやろうということはわかりますし、十分尊重していただきたいと思いますけれども、そのために作業者の安全を軽視するようなことがあっては大変です。したがって、くれぐれもそういった余りに工期を重視したための無理な作業が行われないことを、われわれは特にお願いをしたいわけです。 「むつ」は、いま問題の焦点ですから、ともかく「むつ」で何かあれば、それが大きくマスコミに宣伝されて、何も知らない人から見れば、また大変な何かが起こったようにしかとられないんですよ。 そういうことで、少しでも作業者に災害が発生した場合には、これは直接的な原子力とは無関係なことであっても、そういうものに結びつけられて宣伝される可能性のあるようなこの船ですから、期限を守るということは非常に大事ですが、そのために安全が軽視されないように、くれぐれも安全管理には十分過ぎるほど対策を立てながら作業をやって進めていただきたいと思います。 そこらあたりに対しての取り組み方はいかがですか。
○野村参考人 先生の御指摘まことにごもっともでございまして、私どもとしては、修理を急ぐために安全を軽視するというようなことは毫も許されないことでございますので、安全第一にやっていきたいと思います。 その安全の面につきましては、いわゆる原子力災害はもちろんのこと、一般の労働災害につきましても、これを起こさないようにということで、地元の労働基準局とか労働基準監督署からも何遍も現場を見ていただきまして、また、いろいろとこちらの方も説明をして、そして安全問題の責任者を決めまして、また私どもと施工業者との間にも、それぞれ安全の責任者をはっきり決めまして、そういう安全管理につきましても万全を期していく、そして安全第一としながら工事を迅速に進めていきたいということで、せっかく努力すべくやっておりますので、よろしく御指導をお願いしたいと思います。
○小渕(正)委員 先ほども言いましたように、一般の労働災害であっても、「むつ」である場合に限ってこれがニュースになるわけですから、そこらあたり十分ひとつ留意していただきたい。 特に最近、またあそこも労使話し合いついて、一緒になって仕事をやろうという雰囲気になっておりますけれども、新しい経営体制になってから災害多発、そういう危険な面が若干あったわけですから、最近労使一緒になってやっていこうということの中で、安全管理体制に会社の経営の方でもかなり力を入れるようになったと思いますけれども、そういう要因もいろいろありますから、これは特にくれぐれもお願いしておきたいと思います。 次に、新定係港の選定を急がなければいかぬということは、当然のことでありますけれども、これについてどのようにお考えになっておるか。あわせて、いろいろわれわれの耳にするところでは、現在、大湊港等が一つの大きな候補地として考えられているような話も仄聞するところであるわけでありますが、そこらあたりについての状況を御説明いただければお願いしたいと思います。
○石渡政府委員 新定係港の選定を急ぐ必要があることは、先生御指摘のとおりでございまして、私どもも、従来いろいろ作業を進めてまいりましたが、できるだけ早く調査を終了いたしましてその選定に入りたい、さように考えているわけでございます。 ただいま大湊港のお話が出たわけでございますけれども、大湊港については、従来のいきさつがございまして、いわゆる四者協定によって、むしろ定係港を撤去するという立場になっております。この定係港の撤去の考え方につきまして、従来四者の御意見が必ずしも明確でなかったわけでございますが、私どもといたしましては、すでに「むつ」が大湊を離れたことでもありますし、定係港機能が停止しているという実態はあるというふうに考えているわけでございますが、少なくともこの撤去の考え方、進め方につきまして、昭和五十三年八月に、当時の熊谷長官と青森県側の三者、すなわち県知事さん、むつ市長、青森の県漁連の御三者が相談されまして、適当な時期に四者で検討をしようということで意見が一致しているという事実がございます。この意見の一致を踏まえまして、なるべく早い機会に四者で話し、御相談をお願いしたい、そして現定係港の撤去問題の解決を図りたいというのが、現在の私どものポジションでございまして、政府といたしましては、現定係港の撤去問題の解決が先決問題であるということでございますので、いわゆる新定係港云々ということを申し上げる立場にないわけでございます。
○小渕(正)委員 「むつ」を引き続き中心にして原子力船開発を進めていこうとするならば、これは当然除外しては考えられない問題ですから、ひとつ早急に、佐世保の皆さん方はそのままこれが居座ってしまうのじゃないかという不安が若干あるようですから、修理するところは修理するところ、定係港とするところは定係港、そういうことは二段構えでも結構ですから、大変努力が要ることでしょうけれども、そういう点でも早目にもう少し精力的な努力をやっていただきたいと思います。 最後に、この原子力船開発に続いて、原子の火というものがいかに人類と共存するかというのが、私は科学の所掌だと思うのです。 それで、いたずらに危険視しておってもいけない、われわれ人類がこれから生きていくについては、原子の火との共存の中で初めてわれわれ人類もずっと生き延びられていくのだというように思うわけです。そういう点では、この原子力船開発は、特に日本は、海運国という立場から見ても、ゆるがせにできない将来的に大きな課題だと私は思います。 そういう点で事の重要性が非常にありますが、それだけにまた、政府も本当に腰を入れて、言うべきところはぴしっと言う、皆さんの意見を聞きながら尊重するところは尊重する。ただおろおろしているということだけでは、いたずらに誤解を招いていくということになりかねないと思いますので、そういう意味で、これからの原子力船開発に取り組む科学技術庁長官としての決意をひとつお伺いしたいと思うのです。
○長田国務大臣 海運と造船は、ただいま御指摘のように、人類全体にとりましても非常に重要な部門でございますし、特に日本にとりましては格別重要なファクターだと思っております。その海運の面につきまして、昨今そのエネルギーのほとんど全部を占めております石油につきまして、量の確保、値段、両面から非常に厳しい情勢が展開されてきているわけでございますし、また資源の乏しい日本として固有の資源エネルギーを確保する、エネルギーを多面化する、そういうようなことが大変重要でございますので、私どもは、原子力を用いました船舶のエンジンの開発ということは、非常に重要だと考えております。 実用化の時期につきましては、まだ現在その段階に立ち至っておりませんけれども、いろいろと変転しております情勢を考えますと、いっその時期が来るかわからない。少なくとも原子力委員会等におきましても、二十一世紀に入るころには各国で相当実用化が進められているというような見方をしているところでございます。もうちょっと早くなるかもわからないということをも込めまして、かなりおくれております日本の原子力船の開発というものにつきましては、その能力だけは早く身につけて、いつ参るかわからない必要な時期に備えていきたい、そのように考えている次第でございます。
○小渕(正)委員 じゃ、これで終わります。
○瀬野委員長 次回は、明八日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二十五分散会