科学技術振興対策特別委員会 第10号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1980/04/17
会議録
○瀬野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案及び石野久男君外四名提出、日本原子力船開発事業団法及び日本原子力研究所法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 まず、政府及び提出者より順次趣旨の説明を聴取いたします。長田国務大臣。
○長田国務大臣 日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。 わが国における原子力船開発につきましては、昭和三十八年、日本原子力船開発事業団を設立し、原子力第一船「むつ」の開発を進めてまいりましたが、昭和四十九年九月の放射線漏れの発生等の事情により、その開発計画は大幅に遅延しております。このため、わが国の原子力船に関する技術は、すでに原子力船の建造、運航の経験を有する米国、西ドイツ等の先進諸外国に比して、かなりおくれた段階にあると考えられます。 政府は、このような情勢にかんがみ、わが国における今後の原子力船に関する研究開発の進め方について、改めて検討を加えた結果、エネルギー資源に乏しく、かつ、世界有数の造船、海運国であるわが国としては、海運の分野におけるエネルギー供給の多様化及び安定化を図る見地から、長期的な観点に立って原子力船に関する技術を着実に蓄積していくことが必要であるとの結論に達しました。すなわち「むつ」については、所要の修理、点検を完了した上で実験航海等を実施し、実験船として最大限の活用を図ることとし、さらに「むつ」開発の成果を踏まえつつ、将来における原子力船の経済性、信頼性の向上を目指した研究開発を推進する必要があると判断した次第であります。 このためには、現在の日本原子力船開発事業団に所要の研究開発機能を付与し、「むつ」の開発を引き続き進めるとともに、原子力船の開発に必要な研究を行う機関に改組することが適当であると考えております。現行の日本原子力船開発事業団法は、昭和五十五年十一月三十日までに廃止するものとされておりますが、これは同事業団法改正の政府原案が、昭和五十二年の第八十二回国会において一部修正の上議決されたものであります。その修正の趣旨は、日本原子力船開発事業団が原子力船についての研究開発機関に移行するための必要な措置として、同事業団法の廃止するものとされる期限を前述の期日まで延長するというものであり、今回の日本原子力船開発事業団の改組は、その修正の趣旨にも沿うものであると考えております。 本法律案は、以上のような判断から、現在の日本原子力船開発事業団を改組し、従来の「むつ」開発業務に加えて、原子力船の開発に必要な研究事務を行う日本原子力船研究開発事業団とするものであります。 なお、本法律案におきましては、現行の日本原子力船開発事業団法の廃止に関する規定を改正し、政府の行政改革計画に沿って、昭和六十年三月三十一日までに日本原子力船研究開発事業団を他の原子力関係機関と統合するものとし、このために必要な措置を講ずるものとする旨定めることとしております。 以上、本法律案の提案理由及びその要旨を御説明申し上げました。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。(拍手)
○瀬野委員長 次に、石野久男君。
○石野議員 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました日本原子力船開発事業団法及び日本原子力研究所法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 そもそも、原子力船「むつ」の原子炉は、蒸気発生器のチューブが大量に減肉し、破損し、燃料棒も破損して、使用に耐えない美浜原子力発電所一号炉と同じメーカーが、ほとんどときを同じくして製作したものであります。欠陥は遮蔽装置だけにあるのではなく、原子炉本体や燃料棒や蒸気発生器や配管などに、重大な欠陥のあることも懸念されるところであります。 このような欠陥原子力装置に対して、臭いものにはふたをすればよいと言わんばかりに、遮蔽装置を厚くするだけでは、何の解決にもならないばかりか、こうした糊塗策によって試運転や運航を強行すれば、取り返しのつかない大事故を招くおそれがあります。悲劇的な事故を未然に防止するためには、日本の原子力技術はまだ研究室、実験室を一歩も外に出てはならない段階なのであります。 一昨年十月十六日、佐世保市民や長崎県民及び多くの国民の反対を押し切って佐世保に入港した「むつ」は、一年半の間、修理契約すらできずに、無為の日々を送ってまいりました。佐世保における修理の協定期間は三年であり、あと一年半しか残されておりません。あの困難な改造工事をたった一年半の短期間で、突貫工事のごとき無理な工程で強行するようなことになれば、遮蔽装置自体も再び欠陥を持つことは目に見えております。 しかも、新しい定係港はというと、いまだに決定されないありさまであります。このような欠陥原子炉を持った「むつ」の定係港を、引き受けてよいと考えるところは永久にないでありましょう。 今後、本格的な試運転や運転が実施され、核分裂生成物が蓄蔵されてからでは、どんなに大きな欠陥が明らかになっても、原子炉等を船体から切り離し、回収することはほとんど不可能となります。いまのうちであれば、原子炉等と船体との切り離しは、困難ではありません。 以上を総合的に考察すれば、遮蔽装置の改造計画は中止して、原子炉等を船体から切り離し、日本原子力研究所に移して、陸上において、舶用原子炉の基礎的研究を開始することが最善でありましよう。 船体、建物等の財産は、日本原子力船開発事業団の解散とともに、法律の定めるところにより、国及び関係事業者の間で速やかに清算措置されるべきでありましょう。 なお、日本原子力船開発事業団の職員については、出向社員は原則としてもとの企業に戻り、事業団によって新たに雇用された者は、国と関係事業者(企業)と日本原子力研究所と自治体との責任において、本人の意思を尊重する場で継続雇用するものとせねばなりません。 社会党は、このような意味において、この法律案を提案する次第であります。 次にこの法律案の内容について御説明申し上げます。 第一は、日本原子力船開発事業団法の改正であります。 この法律は、一九八〇年十一月三十日限り、その効力を失うものといたしました。事業団はそのときにおいて解散するものといたしました。ただし、この法律は、そのときまでにした行為に対する罰則の適用と、事業団の解散及び清算に関しては、そのとき以後も、その効力を有するものといたしております。 第二は、日本原子力研究所法の改正であります。 第二十二条(業務の範囲)の第一項第三号「原子炉の設計、建設及び操作を行うこと」の中で、「原子炉」の下に「(舶用炉を含む。)」を加えることにより、舶用原子炉の研究は、日本原子力研究所において、長年月をかけた陸上での基礎的研究から実施することができるものといたしております。 以上、この法律案の提案理由及びその内容につきまして御説明申し上げました。御審議の上、速やかに御可決されんことを切望いたします。(拍手)
○瀬野委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 次回は、来たる二十三日水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十六分散会 ————◇—————