沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1980/02/22
会議録
○河村委員長 これより会議を開きます。 沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。 この際、沖繩及び北方問題に関する政府の施策について説明を求めます。大来外務大臣。
○大来国務大臣 外務省の所管事項につきまして、その概略を御説明申し上げます。 まず、北方領土問題について申し述べます。 ソ連との間に、真の相互理解と信頼に基づく正常な関係を発展させることは、わが国外交の重要な課題の一つでありますが、日ソ関係は現在、北方領土におけるソ連の軍備増強、アフガニスタンへの軍事介入、さらには防衛庁機密漏洩事件等の中で厳しい局面を迎えていると申さなければなりません。 近年、日ソ間の実務関係は各種分野で着実に進展してきたにもかかわらず、最大の懸案である北方領土問題がなお未解決のまま残され、平和条約が依然として締結されないままであることはきわめて遺憾であります。 政府は、従来より一貫して、この領土問題を話し合いによって解決し、平和条約を締結することが不可欠であるとの確固たる認識に基づき、粘り強く対ソ折衝の努力を続けてまいりました。 昨年九月、当時の園田外務大臣は、北方領土の現地視察を行い、かかる政府の不動の姿勢と不退転の決意を改めて内外に強く表明しました。また、同九月、ニューヨークにおいて行われた日ソ外相会談の際にも、北方領土問題の解決が一億日本国民の強い願望であり、北方四島の一括返還を実現して平和条約を締結するとの日本政府の立場は、将来にわたっても不変不動である旨、改めてソ連側に強調いたしました。 他方、最近の北方領土におけるソ連の軍備強化の動きに対しては、政府としても、これを重大な事態と受けとめ、昨年二月五日及び十月二日の二度にわたり、ソ連政府に対し、北方領土の速やかなる返還を求めつつ、ソ連のかかる行動は日本国民に対する許されざる非友好的な行為であるとして厳重抗議し、新たな軍事力の配備や施設の構築を速やかに撤回するよう強く要求する旨の申し入れを行った次第であります。 さらに、本年二月八日には、防衛庁機密漏洩事件に関連した抗議申し入れとあわせて、ソ連政府に対し、昨年の二度にわたる日本政府の声明を全面的に再確認し、軍備強化の措置を速やかに撤回するよう改めて強く申し入れた次第であります。遺憾ながら、このような累次の抗議や申し入れにもかかわらず、ソ連側は領土問題は存在せずとのかたくなな姿勢を崩さず、誠意ある態度を示そうとしないのみならず、国会の決議にも象徴される国民の総意、北方領土返還要求があたかも一部の者による反ソのためのキャンペーンであるかのごとく主張しております。 このようなソ連側の態度が、一九五六年の日ソ共同宣言及びそれ以降の日ソ関係の経緯を全く無視した、日本としてとうてい受け入れることのできないものであることは、改めて申すまでもないところであります 一方で善隣友好を説き、他方でそれに全く逆行する行動をとるという態度では、相互信頼関係を育てることにはなりません。政府は、ソ連との関係を重視し、正常な関係の維持に努力するものでありますが、その中にあって、今後とも、北方領土問題については、わが国の立場を絶えず明確に貫き、通すべき筋を通し、毅然たる態度で適切な外交的対応を進めてまいる考えであります。 最近、全国国民各層に、北方領土問題に関する理解と関心が一段と広まり、国論の強固な統一への動きが見られつつあることは、まことに心強い限りであります。私は、このような全国民的な世論の高まりとその支持を背景に、決意を新たに、粘り強く、息長く、対ソ折衝を行ってまいる所存であります。国会におかれても、特に当委員会よりは、従前にも増して活発な御指導と力強い御支援を願う次第であります。 次に、沖繩問題について申し述べます。 政府としては、日米安保条約に基づく米軍の存在は、わが国の安全を含め、極東の平和と安全に寄与していると考えておりますが、特に沖繩県においては、米軍施設区域の密度が高く、米軍の活動に伴って住民の生活にもいろいろと影響が及んでおり、その整理統合を求める声がかねてより強いことは十分承知しております。政府としては、米軍施設区域の安定した、かつ、円滑な運用を図っていくためには、地元住民の理解と協力を得ていくことが不可欠であると考えており、安保条約の目的達成との調整を図りつつ、沖繩県民の声に耳を傾けながら、県民の要望にこたえるよう努力を傾注するとともに、住民生活への影響を最小限に食いとめるよう、米国側との不断の接触を通じ努力している次第であります。 日米間で了承された整理統合計画のうち、今日までに相当程度が実施されてきましたが、今後ともさらに、沖繩県民の民生の安定にも十分配慮しつつ、残余のプロジェクトの早期実現につき鋭意努力してまいる所存であります。 以上、外務省所管事項につき概略御説明いたしました。委員各位の御理解と御支援をお願いいたします。
○河村委員長 次に、小渕国務大臣。
○小渕国務大臣 沖繩及び北方問題について、所信の一端を申し述べたいと存じます。 初めに、沖繩の振興開発について申し上げます。 沖繩が祖国に復帰して間もなく八年が経過しようとしておりますが、この間、政府は、沖繩振興開発計画に基づき、社会資本の整備を初め、各分野における本土との格差是正や、沖繩の自立的発展に必要な基礎条件の整備のための努力を鋭意続けてまいりました。その結果、空港、道路、文教などの公共施設の整備は順調に進展し、その他多くの分野でもそれなりの成果を上げ、本土との格差は次第に縮小されております。 また、最近の沖繩県経済は、比較的明るい兆しを見せつつあります。しかし、一方では、全分野にわたる産業の振興を初め雇用問題など、まだまだ解決を要する問題があり、特に、沖繩振興開発計画の終盤期を迎え、今後一層の努力が必要とされております。 政府といたしましては、このような現状に対処し、沖繩の振興開発をさらに推進していくため、昭和五十五年度予算においては、沖繩開発庁全体で二千百二十七億五百万円、そのうち、振興開発事業費では一千九百六十九億八千九百万円の予算を計上するとともに、沖繩の企業の発展に役立てるため、沖繩振興開発金融公庫の融資及び出資の増額に努めました。 なお、沖繩におきましては、戦後三十年余を経過した今日においても、戦後処理問題が残されております。そのうち、いわゆる対米請求権の漁業関係事案につきましては、昭和五十三年度予算から特別支出金を計上し、措置を講じているところでありますが、さらに、昭和五十五年度において新たに人身被害事案について所要の措置を講ずることにいたしたいと考えております。残る事案につきましては、関係省庁から成る連絡会議において検討を進めているところであります。また、土地の位置境界明確化につきましても、地元と密接な連絡を保ちながら一層の調査の促進を図り、法の定める期限までに調査を終えるよう努力しているところであります。 ところで、沖繩振興開発計画は、昭和五十六年度で計画期間を終了することとなっておりますが、その後の沖繩振興開発のあり方をどうするかにつきましては、計画目標の達成状況、沖繩県の経済的、社会的諸情勢、さらには、沖繩県民の意向等も踏まえながら、十分に検討してまいりたいと考えております。 以上申し述べましたとおり、諸般の施策を鋭意推進しているところでありますが、沖繩の振興開発につきましては、今後とも格段の努力を傾注してまいる所存であります。 次に、北方領土問題について申し上げます。 北方領土問題の解決は、国民共通の久しい願いであり、第二次大戦後に残された未解決の課題の中で最大のものであることは、改めて申すまでもないところであります。政府といたしましては、北方四島の一括返還を実現し、日ソ平和条約を締結するとの一貫した基本方針のもとに、対ソ交渉に努力を重ねてきているところでありますが、北方領土をめぐる情勢はきわめて厳しいものがあります。すなわち、昨年から、ソ連が、わが国固有の領土である国後島、択捉島、色丹島において、新たに軍事力の増強を行っていると推定させる事実が次々に判明してきております。 このようなソ連側の措置は、日本国民の北方領土返還の願いを無視するものであり、また、平和な話し合いにより領土問題の解決を図っていこうという両国の基本的合意に反したきわめて重大なものであります。政府は、数次にわたり、ソ連側に、これらの措置を深く遺憾とし、速やかなる撤回と領土問題の解決を求める申し入れを行っておりますが、ソ連側は、これにこたえるに従来の一方的なかたい態度に終始しております。 政府といたしましては、状況がいかに厳しいものであっても、従来の基本方針をいささかも揺るがすことなく、今後、さらに粘り強く対ソ交渉に努力を重ねてまいる所存でありますが、この交渉を進展させる最も大きな支えは、何といっても国民の一致した力強い支援であります。 幸い、北方領土問題に対する国民世論は、一千五百万人を突破し、二千万人に向けて展開されている返還署名運動、各種の団体が各地で開催している返還要求大会、また、大方の地方議会における返還要求決議等に見られますとおり、最近、着実な盛り上がりを見せてきております。 しかしながら、北方領土問題に対しソ連側が態度を強めている現在、いよいよ世論を結集して新たな返還運動を盛り上げ、この問題の解決に向けて前進を図らねばなりません。 このため政府といたしましては、国民の一人一人に北方領土問題をより身近な問題として理解していただき、より深い知識を持っていただくよう、各般の啓発事業の推進に努めるとともに、地方公共団体、民間諸団体との連携を深め、全国各地域において一様に活発な返還運動が展開されますよう、所要の施策を積極的に推進してまいる方針であります。 また、北方地域からの引き揚げ者に対する援護につきましては、引き続き配慮を重ねてまいるとともに、北方領土問題が解決されないことに伴う諸問題についても、関係省庁において適切な施策が図られるよう緊密な連携をとってまいりたいと存じます。 ここに、沖繩及び北方問題に関する所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いする次第であります。
○河村委員長 次に、沖繩及び北方関係予算について、順次説明を求めます。宮島沖繩開発庁会計課長。
○宮島政府委員 お手元に配付してございます資料に基づきまして、昭和五十五年度沖繩開発庁予算について、その概要を御説明申し上げます。 昭和五十五年度におきましては、きわめて厳しい財政事情下ではありましたが、本年度に引き続きまして、沖繩振興開発計画に基づき、沖繩と本土との格差の是正を目指すとともに、沖繩における現下の社会的、経済的諸情勢にも対処するよう配慮いたしております。 第一に、沖繩開発庁に一括計上されております沖繩振興開発事業費の総額は、一千九百六十九億八千九百万円で、前年度当初予算に対し三十九億三千七百万円、二%の増となっております。 その内訳は、治山治水対策事業費、道路整備事業費、港湾漁港空港整備事業費、農業基盤整備費等を主な内容とする公共事業関係費一千六百九十八億二千三百万円と、公立学校施設整備経費等を内容とする沖繩教育振興事業費二百二十五億八千五百万円、保健衛生施設整備経費等を内容とする沖繩保健衛生等対策諸費十一億九千八百万円、並びに糖業振興経費等を内容とする沖繩農業振興費三十三億八千三百万円であります。 来年度の沖繩振興開発事業費予算は、以上のとおりでありますが、特に、一、水資源の確保、二、道路港湾等交通網の整備、三、第一次産業の基盤整備、四、生活環境の整備等につきまして配意をいたした次第であります。 第二に、これら当庁に一括計上される振興開発事業費以外の一般行政経費について申し上げます。 第一に、沖繩における経済の振興及び社会の開発に必要な資金を融通するために設けられている沖繩振興開発金融公庫に対し、その業務の円滑な運営に資するための補給金として八十一億五千三百万円を計上いたしております。 同公庫の昭和五十五年度における貸付計画は、住宅資金の充実を図るとともに、中小企業の育成にも配慮し、一千三百九十二億円を予定しております。 また、本年度に引き続き地方公共団体、民間企業と協調して産業の誘導を図るための出資金として三億円を予定しております。 第二に、いわゆる沖繩の戦後処理問題の解決を図るために必要な経費として、まず、対米請求権関係でありますが、漁業事案に係る特別支出金の最終年次分十億円に加えまして、新たに人身事案に係る特別支出金一億三千万円を計上しております。次に、沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法の施行に要する経費四億八千万円、また、不発弾等の処理、対馬丸遭難学童遺族給付経費等、合計二十二億六千三百万円を計上しております。 第三に、昭和五十七年三月で期限切れとなります沖繩振興開発計画等の総点検等を行うための調査経費として一億五千万円を新たに計上しております。 このほか、沖繩開発庁所掌の一般行政経費等として五十一億五千万円を計上しております。 以上述べました沖繩開発庁計上経費の総額は、二千百二十七億五百万円となっており、前年度当初予算に対し四十九億二千三百万円、二・四%の増となっております。 以上、簡単でございますが、予算案の概略につきまして御説明を終わらせていただきます。
○河村委員長 次に、小宮山北方対策本部審議官。
○小宮山説明員 昭和五十五年度総理府所管の北方関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。 昭和五十五年度北方関係予算として四億五千二百四十八万四千円を計上いたしておりますが、これは単年度事業であります北方館建設費を除いた前年度当初予算に比較し、一七・七%の増となっております。 この内容を申し上げますと、(1)が北方対策本部に必要な経費であり、この経費は、北方対策本部の人件費と一般事務費で四千四百五十八万四千円を計上いたしております。 (2)の北方領土問題対策に必要な経費は、四億七百九十万円で、その内訳は四項目ございますが、その大部分は4の北方領土問題対策協会の補助に要する経費であり、四億百七十四万九千円を計上しておりますので、これについて御説明申し上げます。 北方領土問題対策協会は、御承知のように昭和四十四年十月、北方領土問題対策協会法に基づいて設立された特殊法人であります。北方領土問題に関する国民世論の啓発及び調査研究等のほか、北方地域旧漁業権者等に対する低利の事業資金あるいは生活資金の貸し付けを含めた援護事業を行っているわけでございます。 この補助金の内容を申し上げますと、事務費八千六百九十三万一千円、事業費三億一千四百七万五千円となっております。 事業費のうち、主なものについて申し上げますと、まず、啓蒙宣伝関係費として一億一千八百万八千円を計上しておりますが、その事業内容は、新聞、週刊誌等の広告、テレビ放送、北方領土展、広告塔、ロードキャンバス、そのほか海外啓発、北方領土を目で見る運動の実施等各種の広報媒体を活用して啓蒙活動を行うことを予定にいたしております。 次に、返還運動関係費でありますが、これについては、住民運動の盛り上がりを図るため、国民大会、県民集会の開催、全国あるいは県内キャラバン隊の派遣に必要な経費として二千八百八十万六千円を計上しております。 さらに、推進委員関係費として二千七百二十八万八千円を計上しておりますが、これは地方における返還運動の推進役として五十一年度以来、各都道府県に一名ずつの推進委員を置きまして、これらの推進委員が県下における各種の団体等に対する啓発活動を行うために必要な経費であります。五十五年度は、特に推進委員の活動を行いやすい体制をつくるために、県下の各団体等を結集した県民会議を設置運営するための事務費を十二県分計上いたしておるわけでございます。 さらに、団体助成関係費として六千七百九十四万五千円を計上しておりますが、その内容の主なものは、全国に大量の啓発資料を配布して、国民に北方領土問題を十分に理解していただくための資料関係助成及び青年婦人の現地研修等の経費並びに現地を訪れる者に対する啓発関係費のほか、北方館展示室等の整備を行うための現地特別啓発費であります。 次に、調査研究関係費として六百四十三万五千円を計上しておりますが、これは北方領土問題に関する正確な資料を収集して、かつ、この問題に対する公正妥当な見解を取りまとめまして、内外の啓発を推進していく、それとともに内外諸情勢の変化に即応する啓発活動のあり方などを調査研究する経費であります。 また、援護関係費としては七百四十五万九千円を計上しておりますが、その内容は、主に北方地域元居住者団体等の活動強化を図ろうとするものであります。 最後に、貸付業務補給費でありますが、この経費は、協会が北方地域の旧漁業権者等に対する融資事業を行うために、金融機関から借り入れた長期借入金の利息と貸付利息との差額に対しまして国が補給するための利子補給費三千七百七十九万六千円、さらに貸付業務の円滑な運営に必要な人件費及び事務費等の管理費について国がその一部を補助するための経費二千三十三万八千円であります。以上の合計五千八百十三万四千円を計上しておりますが、五十五年度は、貸付資金枠を六億円から八億円に拡大するものであります。 以上、簡単ながら御説明を終わります。
○河村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十六分散会