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91回国会衆議院1980/05/07

運輸委員会 第15号

発言数
82
登壇者
7
会派数
1
開催日
1980/05/07

会議録

古屋亨自由民主党

○古屋委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。相沢英之君。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 国鉄の再建対策について御質問を申し上げたいと思うのでありますが、申し上げるまでもなく、国鉄のその地域における経済的なまた社会的な役割りというものは非常に大きいものがあるわけでありまして、国鉄の財政再建というものが、昔からいわゆる三K問題の一環として非常にむずかしい問題を抱えておりますと同時に、その財政再建のやり方によっては、国鉄がその地域において果たす経済的なまた社会的な役割りに大きな影響を及ぼすおそれがあるわけであります。特に今回の財政再建法の中におきましては、地方交通線あるいは特定地方交通線ということで地方の住民の生活に密接な関係がありながら、国鉄の財政再建の上から言うと、赤字が問題になっている路線がいわば切り捨てられようとしている。トカゲのしっぽ切りのような形になるのではないかという危惧を持っている者が非常に多いわけであります。私の選挙区のことを申し上げて恐縮でありますけれども、今後、特定地方交通線がどのような定義になるかはどうも明確でない点がありますのでよくわかりませんが、新聞その他によって伝えられるところによりますと、若桜線及び倉吉線の二線がこれに該当するということで、地元の市町村、住民が一斉に反対運動にすでにかかっております。過日、野党の議員先生方が来られまして、地元の市町村を集めて、そして反対運動の気勢を上げる、こういうような状況でありまして、非常に大きな社会的な問題にもなっているわけであります。  そこで、きょうは国鉄の財政再建についての基本的な考え方について御質問をいたしますと同時に、特にこの問題につきましては、先般加藤六月議員から御質問がございましたので、私はある程度この点は簡単にとどめまして、今回の法律の第八条以下、地方交通線の問題について重点を置いて御質問を申し上げたいと思うのでございます。  そこで、順番としまして、国鉄の財政再建につきましての基本的な問題でありますが、この問題を考えますに際しては、わが国の交通体系の中における国鉄の位置づけと申しますか、交通体系としては、申し上げるまでもなく空もあれば海もある。陸上におきましても道路、バス、トラックによる交通というものがあるわけでありますが、それらの交通体系の中において国鉄をどういうような位置づけで考えていくか、特に国鉄の財政再建との関連におきまして、国鉄にどういう役割りを今後期待をしていくべきかにつきまして、運輸大臣並びに国鉄総裁のお考えを承りたいと思うのであります。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 国鉄の今後の交通体系における位置づけというお話かと思うわけでございますが、国鉄の過去において持っておりました独占的な地位というのは年々、いま先生の御指摘のありましたような航空とかあるいはトラックとかあるいは道路というようなものに取ってかわる部面というのが非常に多くなってきているわけでございます。私どもの五十二年の十二月の国鉄再建の基本方針という閣議了解の中では、国鉄の分野といたしまして都市間輸送、大都市圏輸送及び大量・定型の貨物輸送というものを国鉄の今後持つべき分野というふうなことを考えており、今回の五十四年の十二月の閣議了解におきましても国鉄の事業の重点化ということを考え、同じように都市間輸送、それから大都市圏輸送並びに大量・定型貨物輸送に重点的に業務を指向するということを申し述べている一わけでございます。これは過去において国鉄が、たとえば貨物におきましても四〇%ぐらい輸送していたものがいまや一〇%に下がっておる、あるいは地方の地域輸送におきましては一〇%を切っているというような事情、全体で旅客輸送が二十何%になり、貨物が下がっておるというような事情から考えて、やはり国鉄の持っている公共性というものがだんだん低下している。しかし低下しているだけではなくて、それにとってかわる代替輸送が今後はあり得るという認識に立って、都市間並びに大都市圏並びに大量・定型輸送というものに重点的にいって、国鉄の公共的な使命を果たしていくべきではないだろうか。今回の法律では基幹的輸送機関ということで国鉄の使命を今後とも十分果たしていかせるというふうに考えているわけでございます。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 ただいまの鉄道監督局長の御答弁ですべて尽きておるわけでございますが、私どもの日常の仕事を遂行しております実感から申しまして、戦前戦後を通じて、国鉄は北海道から九州までネットワークを持っておるというところに非常に重点が置かれた経営がなされてきたと思いますが、最近はたとえば東京−北海道間におきましても、また大阪−九州間におきましても、旅客については飛行機を利用される方が非常に多くなりました。また貨物につきましても、長距離のものについては海上を利用することが非常に多くなってまいったわけでございます。そういう実態から言いますと、大分国鉄の役割りは変わってきた。  今後なすべきものが何かと申しますと、いま挙げられましたように、大都市周辺における通勤通学といったものを中心とした——かえって道路の混雑が高まってきて渋滞が起こってきて、大都市においてはもう一度鉄道ということが言われるようになってまいりました。また、主要都市間の交通も、ネットワークということではなくて、地域ごとにおきます都市と都市との結びというのが、今後ともお客さんに利用していただけるフィールドであると考えておりますし、貨物につきましても、道路によることができない、あるいはまた船によることができないフィールドがいろいろあります。それを大量に、定型的に運ぶ。もちろん従来からそういう性格を持っておりましたけれども、石炭とか木材とかいうものの輸送のウエートが下がってまいりました。最近では石油とかセメントとか石灰石とか、なかなか道路を使いにくいボリュームの大きいものを定型的に運ぶウエートが高まっておりますので、そうしたものは鉄道にふさわしいものだということで、私どももお客様の選択に即応しながら、お客様から喜んでいただけるような仕事に重点を置いてやってまいりたいと考えておるわけでございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 お話はわかりましたが、私が常々こういうことを問題にしているのは、同じ交通体系の一環でありますけれども、国鉄だけではない、鉄道と言えば私鉄、それから航空もありますし、バス、トラックの陸運もある、海運もある。それらの交通手段は同時に運輸省の行政の管轄になっているわけであります。  そこで、たとえばこういうことを言われるのであります。航空については飛行場の建設を国あるいは地方公共団体、差別はありますけれども、いずれにしても航空会社ではない、公のところがこれを整備をする。当然着陸料等は払うわけであります。それからバス、トラックにしましても、もちろん有料道路というものもありますけれども、大部分の道路は国や地方公共団体がこれを整備する。それを利用してバス、トラックが走る。言うなれば飛行機やバス、トラックを持っていって走らせればそれでもう交通が成り立つようになっている、輸送が成り立つようになっている。ところが国鉄の場合には線路から駅舎から全部をつくって、いわば飛行場やら道路に相当するような施設までもつくってこれを運行しなければならない。そこで非常にハンディキャップがあるのじゃないか。だから、もし運輸省が国鉄による輸送を交通体系の中において非常に重点を置いて考えるというならば、それらの各交通体系間におけるところの財政上のあるいは公的な支援体制の差をどういうふうに考えていくのか、これは私非常に大きな問題じゃないかと思っておるのです。現在国鉄に対しては、社会的な経済的な使命の大きさからして、赤字ではあるけれどもこれを維持していかなければならないという観点から相当大きな財政負担を行うようになってきておりますけれども、これはこれで理由があると私は思っています。ただ、今日に至るまで、また今後においても私が申し上げましたような問題は依然としてあるんじゃないかというふうに思っているわけです。この点についてお考えを承りたいと思うのであります。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 いまの御質問の点は、過去において私どもがイコールフッティング論ということで、鉄道と自動車、特にイコールフッティング論の場合には競争関係というのが主でございますので、高速道路と鉄道並びに航空と鉄道というような観点から議論されてきたものでございます。それからもう一ついまの御質問の中で感じますのは、競争ではなくて、もう一つ公共的な面で国が投資するというような場合、この二つがあるかと思うわけでございます。  競争関係のことにつきましては、いま先生が御指摘になりましたように、たとえば高速道路というのは利用者がほとんど税金で負担しているというような議論が片やあり、また航空の場合においても空港の資金について結局最終的には航空会社を通じて利用者が払っている部面が非常に多いということで、必ずしも鉄道が競争上非常に不利であるというようなことは、過去いろいろな議論がございましたけれども立証できないで今日に来ているように私は思っているわけでございます。  それからもう一つ。道路で一般道というような形で国費が使われていることに対して、つまり競争関係でないものについていかに公共投資をするかというのは、いろいろな御議論があろうと思いますけれども、AB線の投資あるいはさらに国鉄の負担を超えて、とてもできないようなものについては今後国の金をどうやって使っていくかということで、前向きな御議論も片やあるわけでございますが、これはいわばイコールフッティングの外の話かと思うわけでございますが、イコールフッティングの話としましては、やはりいまの御質問の前におっしゃったような運賃政策というようなものとか、いろいろなものの絡みでこれの最適な交通体系というのをどうやって持っていくかということが私ども運輸省に課せられている使命であるわけでございますけれども、やはり運賃というような経済メカニズムを通じながら、投資というものも加味して最適なものをつくっていかなければいけない、一般的に申し上げればそういうふうに言わざるを得ないと考えております。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 鉄監局長としては当然そういうような御答弁になると思います。私が言いたかったのは、陸上、海上、航空、それぞれの輸送交通体系に対しまして運輸省として一貫した行政の方針というものは果たしてあったんだろうかということを常々疑問に思っているからお聞きしたわけなんです。もし本当に国鉄の財政再建あるいは国鉄の役割りというものを考えた場合に、それじゃ航空路についても、申請があるからあるいは飛行場のスペースがあるからということで認めるということではなくて、これを国鉄の輸送あるいは、バス、トラックの輸送との関連において考える、また同時にたとえば長距離のバス、トラックについても、国鉄の輸送との関係においてその許認可を考えるというような配慮が果たして十分にあったかどうか、この辺のところを非常に疑問に思っているのでお聞きをしているわけであります。  鉄監局長にこれ以上この問題についてお聞きしても大変恐縮だと思いますから、これはやめておきます。やめておきますが、そういう点について運輸省としてもっと検討が行われてしかるべきじゃないかということを申し上げておきたいと思うのであります。  それから、財政再建の問題でありますけれども、国鉄の財政再建は冒頭に申し上げましたように、これは古くからの問題でありまして、第一次、第二次等々、財政再建の計画が立てられ、またこれに必要な法制というものもつくられてきたわけでありますけれども、どうも財政再建については十分な結果を得ていない。まずその財政再建についての基本的な考え方を承り、同時に、過去における財政再建政策、特に前回の財政再建政策がどういう点でうまくいかなかったか、その原因について承りたいと思うのであります。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 現在の国鉄再建対策の考え方といいますか、これはいま御指摘になりましたように、過去数次にわたる財政再建計画が破綻をしたということを十分考慮の中に入れて今回の再建計画をつくったつもりでございます。過去の再建が何で失敗したか、いろいろな原因がございます。たとえば物価の上昇で非常に計画が狂ったとか、あるいはそれに伴う人件費の高騰が非常にあったとか、再建計画と現実との間にかなりの乖離というものが生じたわけでございますが、やはり計画自体が、言ってみるともう少し地についていなかったんではないだろうか、見通しが甘かったということになるのかもしれません。  そこで、今回の再建計画では、御承知のとおり五十二年の十二月に、五十三、五十四でその対策を立てるようにという、言ってみれば十分な検討期間というのを置いて、かつ国鉄が昨年の七月に自分の考えとして国鉄再建の基本構想案というものを出し、その中に、過去においてはそういうことはなかなか国鉄としては明確に打ち出せなかったような三十五万人体制というものを出してきて、それを基本にいたしまして重点化というものを主張して、それを受けて国鉄再建の今度の閣議了解というのができた。つまり、私どもとしては、国鉄がかなり自由にといいますか、自主的にかつ現実的な案というものを出してきている、その背景にはやはり六兆円に上る累積の赤字がある、毎年一兆円に近くなるような赤字が出てくる、そういったことに対する世論の厳しさ、あるいは国鉄職員の中の自己反省、そういうものがこういうことで出てきたのだというふうに考えているわけでございまして、国からの財政援助というものが七千億にも上り、それでなおかつ九千億の赤字を出す、これをどうやって克服していくか、一国鉄だけでできる問題ではございませんけれども一、やはり国鉄の中からそういうも一のが出てきているというふうに考えているわけでございます。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 ただいま御説明ございましたように、今回の計画は、五十二年十二月の段階で私どもに政府の方から、五十三年、五十四年、二年かけて計画を立てなさいというお指図をいただきました。それに基づいて昨年の七月に私どもの案ということで基本構想案というものをお示しをいたし、それの線に沿った形で今回計画を立てていただいたわけでございます。  昨年の七月の段階でお示ししました基本構想案の中の従来の計画との差異という点でございますけれども、それは、私どもの努力によって収支の均衡を図り得る分野と、私どもがいかにがんばりましても手の届かない分野との境目を明らかにしたつもりでございます。私どもの手の届かない分野としては、典型的には地方交通線の問題が一つある。それから、人員構成のひずみからくるところの年金の異常負担問題、それから、退職金の臨時的な、経過的なものでございますけれども、たまたま現時点から六十二、三年までの間に非常に多額の退職金支払いが起こるという問題、これらについてはいかに努力をいたしましても手の届かない分野であるということで、大変恐縮でございますけれども政府からの御援助をお願いする、それをやっていただけるならばあとは何とかわれわれの努力で単年度で収支がそれぞれ均衡していくようにいたしたい、そのためには現在の四十二万という大ぜいの人でやっております仕事を三十五万人という数でやることによりましてコストを下げていく、上がらないようにするという努力を中心にして取り組んでまいりたいというふうに考えているわけでございます。  なお、その前提として、従来の諸計画とやや前提を変えておりますのは、最近のように競争力が落ちてきたことに起因しておりますけれども、運賃水準をいままでの各回に比べればそう将来高く上げていくということを前提とはしておらないわけでございまして、まあ消費者物価上昇の程度までで運賃の改定を抑える。それから経費の増加につきましても、いまの人の数、職員の数を縮小するということ以外には、現実的な物価上昇見通しを前提として立てておりますので、従来、計画を立てましたけれども結果においてはそのとおりいかなかったという原因は、主として前提の置き方に少し甘い点があったわけでございまして、それを外して考えておるということでございます。それで、ある意味におきましては、実はこれだけ助成をいただいておりますのに加えてさらに政府の援助をお願いするということになっておるわけでございまして、そういう意味では必ずしも私ども自身だけで再建ができるということではなくて、政府サイドでのいろいろな意味での御援助を明確にお願いをするという形をとっておる、これらの点がいままでのものとは違ったものだというふうに御理解をいただきたいと思います。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 過去にいろいろと財政再建対策がつくられたわけでありますけれども、長期的な計画としては第一次計画及び第二次計画があったと思うのであります。そしてその第二次計画は、昭和四十八年から五十七年度までの十カ年間についての財政再建対策でありまして、昭和四十八年にこれは閣議了解をされております。この財政再建対策においては、三方一両損というような言葉が当時使われたことを記憶いたしておりますけれども、料金の値上げによるところの利用者の負担、それから財政負担、それから国鉄の十一万人定員削減を含むところの整理合理化と経費の節減、こういうような三つの項目が柱として考えられたのであります。ところが、財政負担だけは予定どおりに行われて、運賃の値上げ及び人員削減を含むところの国鉄の合理化というものがどうも十分に行われていないような感じを持っているわけであります。この計画自体はその後廃止されているわけでありますが、この第二次の長期計画について、当時予定されたところが現在どの程度実現されているかということを見るのも、今後財政再建計画を考える場合に非常に参考になると私は思いますので、当時の計画がどの程度実現されているかについて承りたいと思うのであります。

加賀山朝雄日本国有鉄道常務理事

○加賀山説明員 四十八年に立てました第二次再建計画でございますが、当時は四十八年から五十七年度までという形で十年で見込んだわけでございます。それで、条件といたしましてはいろいろな想定をいたしたわけでございますが、一つは旅客、貨物の輸送量の見込み、これは当時、経済社会発展計画が国の方で立てられておりまして、それに基づきました想定をいたしました。それで、当時新幹線の建設整備法ができまして、五十七年までには工事三線並びに現在話題になっております整備五線も完成するというような想定を織り込んでおります。また貨物につきましては、非常に物流が多くなりまして、当時に比べますと倍ぐらいの貨物輸送量があるであろうというような想定を一つ立てております。さらに運賃改定につきましては、大体三年置きに一五%程度の運賃改定をするという計画をいたしました。また工事につきましては、この期間に約十兆円の投資をいたしまして、そのうち約一五%については政府出資をする、さらに三・五%を上回る分についての利子補給をするというような計画をいたしました。人件費等につきましては、当然当時の経済社会発展計画に伴いまして、一二%ないし一〇%程度のベースアップ、さらに物件費については三%というような物価上昇率を見込みまして、合理化といたしましては、十一万人の合理化という計画を立てたわけでございます。  それで、その後三年間で計画を打ち切ったわけでございますが、その三年間におきまして、旅客の輸送量はほぼ計画どおり推移いたしましたが、貨物が一五%ほどむしろ計画を下回った。さらにこの間運賃改定が、四十七年の計画が四十九年までおくらされたというような経過がございまして、収入において約四千億以上の計画との狂いが生じました。また人件費につきましても、この間いわゆるオイルショックを受けまして、先ほど申し上げましたのに比べまして、平均いたしまして二〇%前後、それから物件費にいたしまして一六%前後というような非常に大幅な上昇がございました。この二つ合わせまして、この期間にかなり大きな狂いが生じたわけでございます。その後そのような情勢が引き続き今日まで続いておりまして、運賃並びに収入の見込みあるいは経費の増加という形で、計画といたしましては一兆近い狂いが生じております。また、この間十一万人の合理化計画を立てましたが、実質的に四十七万人から現在四十二万人弱という数字になっておりまして、大体半分程度の合理化が実施できたという段階にとどまっているという状況でございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 当時、経済社会発展計画において見込まれましたところの経済の成長が行われなかった、これはいろいろ理由があるわけでありますし、また人件費について、オイルショックによるところの物価の上昇等を反映して非常に大幅なベースアップが行われたことによって上昇した、これは国鉄ないし運輸行政の直接の責任ではないわけでありますけれども、ただ私が疑問に思うのは、たとえば貨物においては、経済成長率が落ちたために一五%も輸送量が減った。旅客のことはお話がなかったのでありますけれども、恐らく計画には達しなかったのではないか。ですから業務量としては当初の見込みにもいかなかった、当時予定されたところに達しなかった。しかし人員は、十一万人減らすという予定が半分も減らなかった。この辺に一つ大きな問題があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

加賀山朝雄日本国有鉄道常務理事

○加賀山説明員 当時十一万人の合理化の計画を立てましたが、一つの努力目標として立てたわけでございまして、その具体的な合理化の中身等につきましては必ずしも十分詰め切ったものではなかったわけでございます。その後、いろいろな形で鋭意合理化の努力をしてまいったわけでございますけれども、一方におきまして新幹線の開業等もございますし、あるいはこの間に時間短縮というような要素もございまして、当初想定いたさなかったような事態も一生じまして、われわれの努力の不足という問題も反省はいたしておりますが、計画どおり進まなかったという状態でございまして、改めて今回の計画の中で見直しまして、三十五万人体制という形におきましてそのおくれを取り戻したいということを考えておるところでございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 新幹線の開業云々と言われたけれども、これは当時から予定されておったことであって、むしろ当時の予定よりはおくれているわけですから、それを理由にして人員が減らなかったというのは説明にならないと思うのです。  それで、私が申し上げたのは、要するに業務量と職員の数とは大体見合わねばならない、こう思いますので、当時つくられた当初の長期計画よりも業務量が落ちたのだから、十一万人の削減というものが合理的であるならば、十一万人以上になることはあっても、それが半分以下になるというのはどうも理屈に合わないじゃないか、こういうことでお聞きしているわけなんです。いかがですか。

加賀山朝雄日本国有鉄道常務理事

○加賀山説明員 確かに先生の御指摘のとおり、当時の計画に対しまして、いろいろ実効が上がらなかったということは御指摘のとおりでございます。特に、これは非常に内部的な問題になりますが、労働問題等につきましても、非常に複雑な経緯がその間にございまして、その辺につきましての具体的な実施というものがおくれてまいりましたということは御指摘のとおりでございまして、その点につきましては、われわれは鋭意それを回復したいという努力をいたしておるところでございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 今後ともその点は運輸省並びに国鉄当局の御努力をお願いしたい。と申し上げますのは、今回策定されました計画においても、いわゆる三十五万人体制というものが非常に大きな柱になっているわけであります。その柱が崩れるようなことがあっては、この今回の計画もとうてい達成することができないということが心配されるから、特に申し上げるわけであります。  そこで、今回の財政再建計画におきましては、長期の昭和六十年度までの収支の試算がここにあるわけでありますが、この試算によりますと、昭和六十年度においては損失は五千六百億余りでありますが、いわゆる特定純損失を除いた一般純損失では四百九十二億円というものが黒になっております。まあ純損失が黒になるというのはおかしいわけでありますが、特定純損失を除いたところでは黒字になる、こういう計画になっているわけでありますが、この昭和六十年度までの計画が果たしてこのとおりに行われるかどうか、これが問題であります。この計画において、いま運輸省あるいは国鉄の御当局がどういう点に一番問題があるとお考えなのか。これは財政再建の可能性につながる点でありますので、お聞きしたいと思うのであります。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 前回のいわゆる第二次計画が挫折をしたその理由がどこにあったかといいますと、いろいろな点がありますけれども、いまお触れになりましたように、職員の十一万人削減というプランがやや絵にかいたもちのような性格を内包しておったということが一つ。それから、ちょうど諸情勢が悪かったことがありまして、いわゆる労使間が一番ぐあいの悪い状態になってしまった。この二つが大きな原因であると思います。したがって、そのことに対する反省の上に立ってこれからの計画を立てていき、実行に移していかなければならないというふうに考えております。  そこで、三十五万人体制というものが現実になし得るかどうかということが、この今回の再建が達成できるかどうかという中心課題であろうかと思っております。それがまた絵にかいたものにならないかどうか、大丈夫なのかということがお尋ねの焦点であろうかと思いますが、今回の計画におきましては、どういうフィールドで、どういうふうにして少ない人でいままでと同じだけの仕事をやっていくか。たとえば乗務員あるいは駅の職員あるいは保線関係といったような、それぞれのフィールドごとにどういう計画を立てて少ない人でやっていくかということの内容の積み上げ作業をある程度やってまいりましたし、またこれからもさらにその細目を詰めるという作業を、現在本社と地方管理局との間でやりとりをしながら積み上げを行っております。  まだそれらにつきまして、労使間で公式に話し合いをするというところまではいっておりません。これをいつ、どういう段取りでいたすべきやということにつきましては、むしろ職員自体にもう少しわれわれの経営上の危機感というものが、一人一人の職員の心の中に正しく理解をされなければいけないわけでございまして、いかにしても職員一人一人に現在の経営の現状というものの認識を深めるような環境をつくりまして、いわば働く人たちの間に意識を高めるということを通じて、三十五万人、よしひとつそれでやりましょうという零囲気を盛り上げていかなければならないというふうに考えております。  このことが、御指摘のように再建計画ができるかできないか、完全実施し得るかどうかということの一番の焦点でございまして、どうしてもそのことは労働条件に影響があるわけでございますから、そうすんなりといくとは思っておりません。相当いろいろのむずかしい問題が出てくると思います。しかし一時に比べますと、現在私どもの職員が、われわれの職場が将来どうなるかということについてのある意味での不安感をだんだんと深めております。そして、やはり企業の中の組合、企業の中の一人ということで考える零囲気がだんだん高まってきております。公式には、こうした問題について労使間がいわば正規にテーブルに着いて話をするというところまではいっておりませんけれども、事実問題としていろいろなそういう現状の説明をし、職員諸君の奮起を求める呼びかけをいまいたしておるところでございまして、おっしゃるようにそこのところが、この六十年度までの五年間でスムーズに移行できるかどうかということが問題でございます。  ただ、私どもは五十三年の十月の段階で貨物を中心とするかなり大規模ないわゆる合理化計画を実行いたしましたし、それから本年の十月を契機としてさらに貨物についてのいわゆる合理化計画を実行に移すべく、いま労使間で精力的に話をしているところでありまして、その経過からいたしましたならば、過去におきますいわゆる十一万人削減といったような案ができましたころよりは、きわめて物事が現実的に進みつつある状況でございます。また、この十年間に二十万人もの人が退職年齢に達するということでございますので、この時期におきましてはいわば生首が飛ぶというようなことがなくても、いわゆる後補充の抑制ということを通じて移行が可能でございますので、そういう意味におきましてはこの機会しかないということも言えますし、また過去の場合よりはたまたまそういう退職者が多いという時期でございますので、いわばやりやすい時期であるということが言えると思います。  いずれにいたしましても、この少ない人間でどうにかしていまの仕事をやっていくという体制の切りかえができるかできないかが、今回の計画の成否を決するものであるというふうに考えて、私ども強い決意で事に当たることにいたしておるわけでございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 いま総裁から御答弁ございましたように、国鉄の財政再建にとって非常に大きな柱が人員問題であります。その定員の削減について、いま総裁から今後の見通しと御決意のほどを承りましたので、この点についてはこれ以上申し上げませんが、私が今回の財政再建計画が果たしてうまくいくだろうかということを質問いたしましたのは、たとえば昭和五十五年においては、運賃改定による増収額が千三百七十八億というふうに見込まれております。先回行われました運賃改定による増収額はどれぐらいになっておりますか。

加賀山朝雄日本国有鉄道常務理事

○加賀山説明員 今回の運賃改定によります増収見込み額は、先般の運輸大臣から御認可をいただきましたあれで、千五億でございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 そうしますと、五十五年度の増収予定額の千三百七十八億が千五億、ですから、三百七十三億減った、こういうふうに理解してよろしいですか。

加賀山朝雄日本国有鉄道常務理事

○加賀山説明員 三十三億減った形でございます。増収予定額千三十八億が千五億になったわけでございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 そうすると、この千三百七十八億という手元に持っておりますのには、運賃改定による増収額のほかに何か含んでいますか。

加賀山朝雄日本国有鉄道常務理事

○加賀山説明員 昨年の七月に想定いたしました基本構想案のときが千三百七十八億でございました。予算で概算要求を出しました段階で千百六十億という形にいたしております。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 ただいま相沢委員から御指摘ありました千三百七十八という数字はどういう数字かと申しますと、昨年の七月の段階で、六十年までに特別損失を除いて収支均衡をするという計画を立てましたときに、平均的に物価の上昇率程度毎年運賃を改定をする、たしか五%強であったと思いますが、運賃を改定するという前提で、きわめて機械的にはじきました数字が千三百億強でございます。その後、私どもは、五十五年度の運賃改定をどの程度にいたすべきやということを、現実的に具体的な五十五年度問題としていろいろ議論してみましたときに、どうも非常に客離れが多いといいますか、競争力が落ちているということがありまして、そこで、その計画とはやや低い数字になりますけれども、千二百億円、五%弱の運賃改定を具体的な案として、五十五年度予算の要求数字として出したわけでございます。その間に若干の差があり、さらにその予算の千二百億円、これを実施期日を四月二十日といたしました場合の期間のずれから千百六十億円ということで予算が決まったわけでございますが、昨年の暮れからことしの申請時期までにいろいろ議論しました結果、どうもこの際、余り運賃について強気な姿勢をとるのはいかがかということで具体案をつくりましたものが、たしか千三十八億であったと思います。そういう経過を経まして、御指摘を受けました昨年の七月の段階での計画を立てました数字とは三百億強差が出ております。しかし、その昨年の七月の数字というのは、六年間に平均的に消費者物価上昇程度の運賃上昇を見込むということでありまして、すべて収入、経費の点について一定の予測のもとに立てた数字でございます。  これは今後どういうふうに取り組んでいくかという問題は、計画の上では、そういう年率五%程度の消費者物価上昇程度ということで計算をいたしまして、六十年度までずっと計画値を置いておるわけでございますけれども、現実に運賃を決めますのにつきましては、やはり何とかお客さんに乗っていただかなきゃならぬということを前提として考えます場合には、その年その年の事情によって、その平均的な五%よりも若干強目の年もあってよいかと思いますし、また弱目の年もあってもよいかと思うわけでございまして、最近の現状からいたしますと、現時点では、五十五年度につきましてはまあやや弱目な見方をしたわけでございますが、今後もその五%程度を基準にして、あるときにはそれよりやや強目に上げさしていただくこともありましょうし、あるいはまた、今回のように多少弱目に見ることもありましょうかと思います。世の中の物価の動き程度であれば、そしていろいろサービスをよくしていけば、何とかお客さんが減らずにいくのではないか。と申しますのは、その収入見込みの前提としてのお客さんの乗りにつきましては、ほとんど増も減も織り込んでいないわけでございまして、お客さんがふえもしない、減りもしないというくらいの前提でこれから旅客の仕事をやっていくという前提で計画ができておりますので、それを基準に置きながら、毎年大体消費者物価上昇程度ということを頭に置きながら、多少はそれよりも多い年もありましょうし、少ない年もあるということで考えておるわけでございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 これは計画でありますから、まして長期計画だから弾力的に考えていく、運賃の引き上げについても、年によって、状況に応じて、計画に対して差が出てくることは当然考えられることでありますが、この収支試算というものをつくられてからそうたっていない、その最初の五十五年から三百億も違うということは、ベースにおいて三百億違うということは、これから先、取り戻せばいいということですけれども、それをそのままになると、六年間では約二千億円ぐらい違っちゃうのですね。五%程度上昇を見込んで、やっとこ六十年において一般純損失がなくなる、こういう計画になっておりますから、それは計画だと言えばそれまでですけれども、どうも最初からそういうふうに狂うんじゃ、この計画も怪しいものじゃないかという気がしないでもない。  さっき総裁は、十一万人の削減というのは絵にかいたもちのようなところが内包されておったというお話がありましたが、当時この計画を立てられた磯崎総裁は、それじゃ絵でもちをかいたということになるわけでありますし、運輸省の当時の幹部としても、そういう答弁が総裁からあったことを聞いたら、大変残念に思うのじゃないかと思うのであります。当時はそれを何とか実現しようという意気込みがあったわけなんです。なかった——なかったとすれば、その計画を立てたということは問題でありますが、そこで私が、今回の計画についても、絵にかいたもちにならないように、ぜひしっかりとこの計画の線に沿っての再建計画の実行をお願いしたいと申し上げているところなんでございます。  国鉄の財政再建の一環として、今度の総裁になられてから特に、いわゆる運輸、輸送事業のほかに、サイドワークと言っては失礼でありますけれども、いろいろなことをされて増収対策を考えておられる。私も大変結構なことだと思う。ただ、その増収対策が、私どもの心配は、いわゆる士族の商法ということになって、やったはいいけれどもそこでまた赤字をつくるということになっては大変だと思うわけでありますし、そういうような点で、特に増収対策として行われておりますところの事業について、これはいろいろあると思うのでありますけれども、どういうような状況になっておるか、簡単に伺いたいと思うのであります。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 ちょっと数字をいま持ち合わせておりませんけれども、私どもも、ぜひレール以外の収入増加を図らなければならない、これはよくいろいろな方から寄せられる御批判でございますので、それを受けて、そこを直していかなければならぬと考えております。しかし同時に、いまの御指摘のように武士の商法ということであってはならない。そこで、現在やっておりますレール外の増収対策の主なものは、要するに遊休施設を活用して、たとえば昔貨物を扱っておりました駅の跡地があるというようなものがそのまま残っておるとか、それから駅の周辺にかなり古くなった木造の宿舎群というようなものがあります。これは土地利用としては非常に非能率に、幅広いところに平家の建物がたくさん建っておるというような現象が起こっております。そこで、そういう土地を活用いたしまして、これをお貸しをしまして、そして場合によりましたならば、そういうものを活用するもろもろの、たとえば駅ビル会社といったようなものに出資をいたしまして、そこで土地の貸付料収入を図るというようなところまでを考えているわけでございまして、国鉄自身が自分でホテルを経営するとかデパートを経営するということはまだ、ごく例外を除きましては極力避けております。つまり、いろいろやっておりますが、まだ決して積極的にレール以外の仕事をどんどんやっていくということではなくて、遊休施設をうまく使って、何も収入を上げていない状態から収入を上げる状態に持っていくというところまででございまして、そこのところはかなり慎重に、憶病に取り組んでおるわけでございます。  なお、私鉄との関係で申しますと、私鉄の場合には不動産業をかなり活発におやりになるとか、あるいはデパートなりホテルなりをどんどんおやりになるとかいうことを通じて、何といいますか、相当思い切ってレール以外の仕事に力を入れておられるわけでございますが、現在のところ、国民の皆様が持っておられます国鉄に対するイメージという点から言いますと、現在の私鉄の皆さんがやっていらっしゃるほどにはいまのところはまだとうてい手を広げられないという現状でございます。  現在のところではレール外の収入が、ざっとした感じで五百億円ぐらいでございます。たとえば、広告料とかあるいは構内の一部をお貸ししている構内営業料といったようなものの総計が五百億ぐらいのベースでございます。これを六十年度までに千億まで持っていきたい。現状の倍まで持っていきたいということは、年率百億ぐらいの割合でその種の収入をふやしていくという計画で六十年度計画を立てております。でありますから、それまでの期間におきましては、いまやり始めておりますような、遊休施設が多少とも収入につながるような程度で関連事業を進めていくということでございまして、六十年度までの間において、その姿勢をさらに改めてといいますか、より活発化して、いま私鉄さんがやっていらっしゃるほどまでに持っていくということは、いまの計画では織込りんでおりません。そういう意味で、六十年度まではいままでのペースで、とにかくあちこちで休んでおります土地を動かして、そしてまた、その施設を御利用いただく方また買い物客であるとかあるいはレジャー施設を利用される方であるとかに鉄道に乗っていただくということも期待しながら、主として駅周辺でそういう仕事をやっていきたいというふうに考えております。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 遊休資産の活用ということはまことに結構なことでありますから、ひとつ損をしないようにせいぜい活用していただきたいと思いますす。  もう一つ。増収対策として、この間新幹線の、特に「こだま」について、通勤客の利用をふやすために新幹線の回数券を発行されたということを聞きましたが、これがどの程度の利用状況なのか。  それから、私は、新幹線について、新幹線じゃなくても在来線についても、急行あるいは特急、その通勤通学、通学ということはないと思いますけれども、通勤についてなぜ定期券を発行しないんだろうかということを前から疑問に思っているのです。一回ごとに急行券を買って乗れる、回数券でも急行に乗れるように、つまり普通運賃部分は通勤通学のパスでやれるようにして、急行料金、それも大分安くしているようでありますけれども、それを払えば乗れるようにという制度をつくられたようでありますが、いっそのこと、通勤通学の便を考えれば急行券、特急券のバスというものも発行したらいいんじゃないか。これは思いつきでありますけれども、そうすれば料金的には相当助かるし、どうせがらがらで走っていれば空気を運んでいるだけでむだでありますし、人が少し乗ってもそうエネルギーには差はないようでありますから、これはよけい乗ってもらうにこしたことはない。そういう点、もし新幹線や特急の通勤パスというようなものを考えれば、東京近郊でいえば小田原ぐらいまでは十分通勤圏として活用できる、利用できる状態になるんじゃないかと思うのですけれども、この点どうでしょうか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 おっしゃるとおりでございます。たしかおととしだったと思いますけれども、おととしから博多と小倉の間におきまして、通勤定期をお持ちのお客さんが随時お乗りになった場合に新幹線料金をお支払いいただければ御利用いただけるということを始めたわけでございます。その結果、そう多くの数の方ではございませんけれども、かなり御利用いただけるということで、今回、四月二十日から、東京と小田原までであったと思いますが、百キロ区間につきまして通常の定期をお持ちのお客さんが随時新幹線料金をお支払いいただければ新幹線を御利用いただけるようなシステムにしたわけでございます。いまの御指摘は、むしろ新幹線での通勤というシステムをつくってはどうかということでございますが、どうもお客さんの御要請としては、ある日は在来線に乗って通勤する、ある日は新幹線に乗る、あるいは時間帯によって、朝お出かけのときは新幹線を利用するけれども、帰りは、時間が一定していないというか、そういう関係もあって在来線を使うというようなことで、どうも新幹線だけで通勤するという御計画の方よりは、新幹線と在来線を随時両方使えるようにという方の方が多いようでございますので、現在のところではおっしゃるもっぱら新幹線だけでの通勤ということを前提とした営業のやり方はしていないわけでございまして、ただいまのところは普通定期を使って、そして特別料金だけを随時お支払いいただいた場合の利用方についてそういう道を開いたわけでございます。  そうしたことが従来余り行われませんでした主な事情は、いまの新幹線システムは予約ということを前提にしております。一月前あるいは一週間前から予約で座席を指定をする。そこで、お客さんはそのことが頭にしみついておりますから、予約で乗れば必ずいすに座れるということになっているわけでございまして、その例外は自由席だけであるわけでございます。そこで、随時通勤のお客さんがお乗りになった場合に、それよりはやや長距離のお客さんとの関係がいろいろありまして、いまの制度をさらに拡大をしていきますためには自由席と予約席との席数の組み合わせといったような問題もいろいろ考えていかなければならぬという問題がございますので、基本的な姿勢としては通勤のお客さんにも新幹線に乗っていただけるような仕組みにしていきたいと思っておるわけでございますけれども、それを一挙にやることについてはいろいろな不安といいますか心配がありますために、徐々に徐々にということで広げつつあるわけでございまして、いずれはもう少し自由席と指定席との割り振りというようなことも頭に置きながらだんだんとそういう方面の拡大をいたしてまいりたいというふうに考えております。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 現状において毎日新幹線に往復とも乗るという希望のお客さんが余りないようだということであれば仕方がないのでありますが、それはそうじゃないので、一回一回急行券を買って乗る、その金額が必ずしも安くない、だからやはり急ぐときには乗るけれども急がないときには乗らぬ、こういうことになるのじゃないかと思うのであります。したがいまして、往復とも乗れる、しかも定期で、パスで乗れるということになればかなり利用する者もあるのじゃないか、通勤圏を広げることにもなって住宅対策にもなるのじゃないかというふうに思っております。ひとつこの点はぜひ前向きに御検討をお願したいと思うのでございます。これは要望にとどめておきます。  地方交通線の問題に移りますが、地方交通線は特に今回は整理対象ということで取り上げられておりますけれども、地方交通線が特に地方において果たしている経済的また社会的な役割りというものは非常に大きいものが現在においてもあるわけであります。この地方交通線対策についての基本的な考え方についてひとつ大臣に伺いたいと思うのであります。大臣の地元の北海道も今度特にこの地方交通線また特定地方交通線に該当する線が多いというふうに承っておりますので、そういう点もあわせて承りたいと思うのであります。

地崎宇三郎自由民主党運輸大臣

○地崎国務大臣 地方交通線はモータリゼーションの発達、道路の整備、マイカーの増加、こういうことで鉄道の特性の発揮のできないところを対象として考えていかなければならないわけであります。現在の地方交通線を維持することが赤字の累増につながっていく、こういうことでありますから、地元住民の方々の御理解を得ながら、バスにかえられるものはかえていくという、代替輸送を確保していく、こういう考え方で国鉄の赤字の累増をできるだけ抑えていく、これが地方交通線対策の根本的な考え方であるわけでございます。しかしながら、いま申し上げましたように、必ずそれの代替の足の確保だけは努めるということで進めてまいりたい、かように存じておるわけでございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 地方交通線の問題を考える場合には、当然国鉄の財政再建との関連においてその赤字ということが問題になる、その観点からこれをどうするかということを考えることも当然かと思いますけれども、同時にこれは住民の足を奪うことになることも明らかであります。代替的なバスその他の輸送手段というものが十分に確保されない限りそういう住民の足を奪うことになることは確実でありますし、また特に定住圏構想というような地域開発計画が各地でつくられておりますが、そういうような計画との矛盾をここに生ずるのではないかという心配もあるわけであります。そういう点について重ねてお考えを承りたいと思うのであります。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 いま大臣から御答弁申し上げましたとおり、地方交通線対策の基本といいますのは、一つは、いま先生からも御指摘ございましたけれども、国鉄の財政再建の見地でございますが、もう一つは地域における効率的な輸送体系は何かということでございまして、地方交通線の問題が起きてきましたのはその根本に産業構造の変化とかモータリゼーションの進展とかいうことがあるわけで、この言葉が示しておりますように、地域における輸送のほかの交通手段というものがすでに存在している、これがやはり国鉄の財政的な見地と並んで私どもが今回地方交通線対策を推進したいとお願いしているわけでございまして、定住圏構想あるいは地方の時代と言うときに私どもの頭にありますのは、やはり地域におけるどういう交通体系がいいのかということでございまして、数字的に国鉄の地域輸送のパーセントが一〇%を切っているということが示しておりますように、すでにほかの輸送機関というものが地域において存在し、かつ広がりつつあるわけでございます。それらの点並びに今後の省エネルギーというものも考えた場合に、やはり過疎地におけるといいますか、鉄道特性の発揮できないような地域におきましては、省エネルギーの点からもほかの輸送機関というものが適しているということでございまして、私どもとしましては定住圏構想あるいは地方の時代というものを迎えるにあたりましても鉄道にかわるものというものが有効に作用し得る、かように考えているわけでございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 そこで、その地方交通線というものはどういうものかということになるわけであります。  今度の法律の第八条に「地方交通線の選定等」ということで規定をしてありますが、「鉄道の営業線のうち、その運営の改善のための適切な措置を講じたとしてもなお収支の均衡を確保することが困難であるものとして政令で定める基準に該当する営業線を選定し、運輸大臣の承認を受けなければならない。」こう書いてありますが、この「政令」は法律が成立をしてからの話でありますけれども、「政令で定める基準」としてどういうものを現在お考えになっておりますか、的確にお答えを願いたいと思うのであります。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 いまお読みいただきました「運営の改善のための適切な措置を講じたとしてもなお収支の均衡を確保することが困難」、これはかねがね私どもの方でいろいろ勉強いたしました際に、運営の改善のため適切な措置を講ずるという場合の限界といいますか一つのかがみといいますか、そういうものは中小私鉄の経営に範を求めているわけでございまして、中小私鉄の場合八千人を限度といたしまして黒字、赤字というものが非常に顕著にあらわれておりますし、それから先生も御承知のとおり、中小私鉄に対する補助制度も八千人を一つのめどとしておりますので、それらの点を考えまして運輸省としては、八条のいまお読みになった点に関しましては、政令の基準には一日一キロ当たり八千人というものを考えているわけでございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 一日八千人ということはわかりましたが、一日八千人未満というものがすべて地方交通線になるわけですか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 八千人未満ということともう一つ、収支の均衡を確保するという観点から言いますと、貨物営業ということが考えられるかと思います。  貨物営業の場合、これもいろいろの試算をしているわけでございますが、大体一日一キロ当たり四千トンを境といたしましてこれが国鉄の固有経費を賄うかどうかという点がございます。固有経費を賄うという意味は、旅客営業をやっている前提で貨物を考えれば、旅客の収支に悪影響を与えない、限界費用という考え方から出発しているわけでございますので、貨物も、合わせて四千トン以上あれば今度は収益部分に貢献するという考え方もできようかと思いますので、それらの点については今後われわれとしても少し検討していかなければならないかなというふうに考えております。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 地方交通線の中で現在特に問題になるのが特定地方交通線でございます。  そこで、特定地方交通線については第八条の第二項に、地方交通線のうち「鉄道による輸送に代えて一般乗合旅客自動車運送事業による輸送を行うことが適当であるものとして政令で定める基準に該当する営業線を選定し、」云々、これまた運輸大臣の承認にかかっているわけでございますが、この線を第八条の第六項で「「特定地方交通線」という。」というふうになっております。この特定地方交通線の基準は政令で定める。この政令はどのような内容を予定されておりますか、

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 バスに転換することが適当であるということを書いてございますのは、コスト比較をいたしまして、バスと鉄道がどのような関係になっているか、私どもの方でいろいろ試算いたしますと、一日一キロ当たり四千人以上になりますと、鉄道の方がコストが安くなってまいるわけでございます。赤字は赤字なんでございます。八千人を切りますと赤字になるわけでございますけれども、四千人以上ありますと、国民経済的にも鉄道の方が有利、四千人未満になりますと、バスの方が国民経済的にもコストが安いということでございますので、運輸省では、一応輸送密度として一日一キロ当たり四千人未満の路線についてバスにかえていったらどうだろうかというふうに考えているわけでございます。  ただ、ここに書いてございますように、バスによる輸送を行うことが適当であるという考え方は、先ほど来地方交通線の基本に考えております、ほかの代替輸送機関がある、ほかの言葉で言いますと、ほかの代替輸送機関で輸送ができるということでございますので、そういったことを具体的に考えてみますと、雪が非常に降って道路が閉鎖になってしまうというような豪雪地帯についてはやはり鉄道でなければ輸送できないという場合があるのが一つ。それからもう一つは、そもそも代替輸送道路がないようなところ、いまはほとんどのところは代替輸送道路というのがあるわけでございますが、ない場合もあろうかと思いますが、そういった場合もバスに転換することが適当とは言えないのではないか。それからもう一つ。物理的に最混雑時の輸送量が非常に多い、通勤通学のラッシュ時に一時間当たりの輸送量が非常に多い場合には、バスに転換したところでだんごになって輸送ができないというような場合もあろうかと思います。そういったような最混雑時に一定量を超えるような輸送量がある場合、これもバスに転換することが適当とは言えないのじゃないだろうか、かようなことを考えております。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 輸送密度が四千人未満の路線であって、いまお話しのような最混雑時の輸送量が一定量以上である路線、豪雪のため並行道路が一定期間以上途絶する路線、それから並行道路が未整備等の事由によりバス転換が不適当な路線、こういうものを外したところが特定地方交通線になる、こういうふうにお聞きしております。  そこで、具体的に適用するに当たっては、なお、この「輸送密度四千人」というのは一体いつの間の輸送密度をとらえているのか、それからまた除外例として「最混雑時の輸送量が一定量以上である路線」とありますが、この「一定量」とはどの程度か、それから「豪雪のため並行道路が一定期間以上途絶する路線」とありますが、この「一定期間」とはどの程度か、以上の三点について承りたいと思います。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 輸送密度をどういうふうなものを基準にして考えるかということでございますが、私どもいろいろ考えております中では、一年というのでは非常にばらつきがあるかもしれない。そこで、過去何年かの分を集めて平均をとることがいいのではないだろうか。平均をとる場合、余り長いとこれも傾向をあらわさないということで、三年ぐらいの平均をとったらいかがかというふうに考えております。  それから、いま申し上げましたラッシュ時の一時間当たりの一定量ということにつきましては、普通のバスの定員からいって、千人を超しますとどうもやはり三分ヘッドぐらいになってしまうのではないだろうか。ほかの交通量等のことも考えますと、あるいはバスが停留所にとまっていくということも考えますと、やはり千人ぐらいが限度ではなかろうかと考えております。  それから豪雪地帯といいますか、雪のために道路が閉鎖されるということにつきましては、これも運輸省の考えでございますけれども、十日ぐらいというふうなことを現在考えておるわけでございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 そこで、輸送密度の四千人未満というのは三年平均だということですけれども、その三年平均というのはどの三年をとるのですか。たとえば、現在決める場合は当然五十四年度の実績はまだ把握していないでしょうから、あるいは把握しているかもしれませんが、そうなると五十二、五十三、五十四、こうくるわけですね。そうすると今後それは動いていくわけですか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 法律の施行された直近の決算といいますか、明らかにされた年度からさかのぼって三年、現在で申し上げますと五十三年からさかのぼって三年ということになるわけでございます。法律の施行がいつになるかということに関係いたしますが、今年度施行されれば五十三年からとってまいりたい、かように考えております。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 というのは、廃止されたら大変だからぜひひとつ国鉄に乗ろうじゃないかという運動が現にあるのですよ。これから公用出張の場合その他はできるだけバスをやめて鉄道に乗ってくれ、そうしたら基準に達するかもしらぬ、こういうようなことが現に言われているのですね。そこでお聞きしているわけなのですが、法律を施行する、これはいつになるか知りませんが、その時期までの三年間というお考えですね、それば。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 一般的に申し上げますと、何も人が乗る路線を私どもの方の数え方で意地悪をしようという考えはございません。四千人乗っていただけるなら非常に結構な話なので、ただそれが永続的に乗っていただけるということが非常に大事かと思うわけです。  そこで、四千人とか八千人とかいろいろ私どもで考える場合に、もうちょっと計画的な問題がございまして、たとえばいまのデータですとお客が少ないけれども、産業立地で大きな工場がいっぱいできるとか学校ができるとか、今後の計画というものを考えなければ国鉄といたしましても損をしてしまうというようなことが起こるわけなので、したがってそういったものをどうやって加味していくかというのは、私どもの非常にかたい頭以外のことといたしましてはいろいろ配慮しなければいけないことが多々あろうかと思うわけでございますが、いま先生の御指摘になりました乗ろう運動というのが今後とも非常に永続的に続くということでありますれば、それを考えないのは損をするということになろうかと思います。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 そうすると、一応基準はわかったわけでありますが、特定地方交通線はこの基準でいくと大体何線になりますか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 いま私が申し上げた基準でというのはいろいろな基準があろうかと思うわけでございますが、私の申し上げたものでいきますと八十何線だと思います。八十何線ぐらいの規模になろうかと思います。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 八十何線というようなことじゃなくて、八十三とか八とかいろいろ言われていますが、大体わかっているのじゃないですか、新聞にも書いてありましたし。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 私どもの方で決めているわけではございませんで、新聞報道等でいろいろ数字が出ているのが八十何線ということでございまして、これは何線というようなことを非常にアバウトに言うと八十線前後というのが私どもの言い得る限度かと思います。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 その点をなぜお聞きするかというと、私の選挙区でもさっき申し上げたように二線これに該当するといって大分前から寄り寄り協議もし、反対運動もあるわけなのです。それは該当すると言われているから騒ぐので、これはまだこれからだということになれば別問題なのですね。だけれども、大体決まってしまったようなことを言われているから、それは大変だということでいろいろやっているわけでありますが、この点はこれから政令の決めようだとおっしゃるなら、これは仕方がないでありましょう。ただ、この特定地方交通線、地方交通線というものが俎上に上げられたのは財政的な見地でありますが、その財政的な見地から言うと、地方交通線によるところの赤字は一体どの程度の金額になっておりますか。

加賀山朝雄日本国有鉄道常務理事

○加賀山説明員 現在まだ新しい基準によります区分けをいたしておりませんので、新しい基準が決まりまして幾らかということになりますとちょっとお答えをいたしかねます。  従来私どもが幹線と地方交通線の区分経理をやってきておりまして、現在やっておりますのは、五十一年に諮問委員会の答申に基づきます区分でやっておりまして、約九千二百キロが地方交通線と言われております。これの赤字が五十三年度におきまして助成前におきまして約二千九百億になっております。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 それは地方交通線ですね。じゃ、特定地方交通線はどの程度ですか。

加賀山朝雄日本国有鉄道常務理事

○加賀山説明員 特定地方交通線につきましても、ただいま鉄監局長からお答え申し上げましたとおり、具体的な線名の確定がいたしておりません。大体五十三年度の数字で四千人以下の数字ではじきますと約八百三十億ぐらいになっております。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 そうすると、五十三年度の国鉄の赤字総額に対してどの程度の割合になりますか。

加賀山朝雄日本国有鉄道常務理事

○加賀山説明員 五十三年度の赤字が約九千億弱でございますので一割弱という赤字でございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 そうすると、一日二千人未満の路線、つまり、これは昭和六十年度までにバス転換を要するとされているわけでありますが、数でこれについて言いますとどのくらいになりますか。

加賀山朝雄日本国有鉄道常務理事

○加賀山説明員 ちょっと先ほどのお答えが間違えまして、八百億余りと申し上げましたのは二千人以下の数字でございまして、四千人以下になりますと約千二百億になっております。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 五十三年度の営業実績で言うと、大体この基準に該当するものが八十八線で、収支で言うと、収入が百六十七億、経費が千五十億、損益で八百八十三億円の損失、こういうふうにお聞きしております。国鉄の全体の赤字の約一割程度にしかならない。  そこで、私どもの疑問は、国鉄の財政再建という観点から考えれば、その赤字のわずか一割にも達しない地方交通路線を何でまずやり玉に上げるという考え方に相なるのかということなんです。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○高木説明員 私どもは今回の再建の計画の基本を、経費を節することによって立て直してまいりたいと思っておるわけでございますが、その場合に、三十五万人の体制にするということによって収支が償い得る限界はどこまでかということを考えていろいろ計算してみますと、約一万二千キロ、いわゆる幹線部分については、各幹線が全部収支償うようになるというわけではないのでありますけれども、新幹線を初めとして黒字線もございます。経営の合理化を図れば、黒字線も現在のような六線とか五線とかいうことよりはさらに広がっていくわけでございます。そして一万二千キロあたりまでのところをプールをして計算してみますと、そこまではどうにか収支が均衡するということになろうかと思います。しかし、幾ら努力をいたしましても約九千キロの部分は黒字にはなかなかなり得ないわけでございまして、あるいはまた黒字の部分で赤字の部分を順番に埋めていきましても、それが一万二千キロぐらいのところまでしかやれない。現在、地方交通線につきましては、これまでもいろいろ努力をしてまいりまして、お客様には御迷惑をかけておりますけれども、無人駅にするとか、あるいは委託駅にするとかいうことで、いろいろ人手を減らしてきておりますので、人手を減らしてきてなおかつ赤字であるわけでございますので、どうもその部分については、これから手をつけましてもなかなか黒字にはならない、したがって、その部分については残念ながら政府から御援助をいただかないと経営がやっていかれないということでございます。  いまお示しのように、その赤字額が全体の中で小さいではないかということは御指摘のとおりでございますけれども、しかし、幹線の方はわれわれの努力を積み重ねることによって何とか収支償うところまで持っていける可能性を持っておるわけでございますけれども、いまの地方交通線部分につきましては、いかにもお客さんの数が少ないということのために、その可能性を持っていない。現に先ほど鉄道監督局長から御答弁ありましたように、中小私鉄の場合でも、相当われわれに比べていろいろな工夫をして経営をしておられますけれども、なおかつどうしても赤字になるという実態でございます。そういう意味で、赤字の額はなるほど小さいかもしれませんけれども、それを消す手だてがない、なかなか見つからないということから、地方交通線については収支をとる手だてがつかないということが一つでございます。  それから同時に、私どもそういうことを申し上げますのは大変生意気な発言になるかと思いますけれども、国全体としての資源活用という点から見ましても、すでに相当道路が整備されてきておる。そこで、自動車と鉄道とがコストをかけて両方でどっちもなかなか採算がとれない、こういう事態になっておるわけでございますので、交通政策という見地から見ますと、やはりそれを総合的に見て処理をしていく方がそういう場合はよろしいのではないかという考えから、これは私どもが考えるよりも運輸省でお考えいただくことでございますけれども、そういう分野についてのむだを排除していくということはやはり必要なことではないかということで、赤字の大きさだけから物事を判断するのではないこともまた必要なのではないかというふうに考えておるわけでございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 地方交通線の問題で特に地元が騒ぐのは、今度の再建法は見切り発車法案じゃないか、つまり特定地方交通線に決められたらば、この対策協議会というものが開かれるが、会議を開始して二年を経過しても結論が出ないということになったらこれは廃止なんだ。廃止した場合にはどうしてくれるんだ。特に地方交通線の場合に、問題は朝晩の通勤通学輸送であります。そういうところが多いのであります。相当数の乗客は、バスに切りかえた場合に、果たしてそれだけのバスが確保できるのだろうか。定期は、鉄道の場合よりも三倍、四倍に高くなるところがかなりある。その負担がどうなるのだろうか。要するに地方交通線の廃止について、あるいはその後における対策について、十分明確になっていない点が多いわけです。  私ども、一キロ当たり大体三千万円地元に出してくれるのだというところまでは聞いておりますが、一体その三千万円というのはどういう金なのか、だれにそれが交付されるのか、どういう用途にこれが使われるのか、たとえばバスの定期と汽車による定期との差額は一体どういうふうになるのか等々、非常にはっきりしない面が多いわけであります。  時間が大分詰まってまいりましたものですからはしょって質問をいたしますが、以上の諸点について、ごく簡潔にお答えを願いたいと思うのであります。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 転換交付金は一キロ当たり三千万円を考えております。これは五十三年度までは三百万円を予算に計上していたわけでございますが、今回の対策に合わせまして、三千万円ということを考えております。  三千万円の使途でございますけれども、これは国鉄を通じて最終的な被補償者の方にいくわけでございますが、三つの分野を考えております。  一つは通勤通学の場合の代替輸送機関に移った場合の定期の差額補助でございます。これは通学の場合には在校者が卒業するまでの期間を考えたらいかがかというふうに考えております。  それからもう一つは、ほかの輸送機関に移る場合、あるいは第三セクターなりバスに移る場合に、新しく施設を購入することが必要でございます。その施設の購入のための費用に充てるということがございます。  それからもう一つは、今度はそういった輸送機関を新しくつくるための停留所の新設とか、そういった道路の整備というようなことに関連いたします、言ってみれば環境整備費といいますか、環境整備費というと余り広くなり過ぎてはいけないわけでございますが、そういった代替輸送機関確保のための環境整備費というものに充てるようにしたらどうかということで、三千万円というものを考えておるわけでございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 一キロ三千万円というと十キロ三億ということでありますけれども、その三千万円の用途にいろいろなものを挙げられましたね。これは、その対象はみんな考え方としては競合しますね。そうすると、いま言ったバスの定期の差額補助というようなものは、通学の場合には在校生について卒業まで。そうすると、仮に小学校なら、小学校というのは余りないかもしれませんけれども、六年生まで、中学なら三年まで、高等学校なら三年まで、こうなるのですか。それじゃ翌年入った者はもらえない。  それでは通勤の人はどうなるのですか。何年間見てもらえるのですか。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 通勤の場合は一年を考えております。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 その辺が問題なんで、たまたまことし入った者は見てもらえるけれども、来年からはもう見てもらえぬとか、通勤は一年とか、それは一年だけ見てあげますからもうそれはいいじゃないですかといっても、なかなかそうはいかないと思うのです。その辺のところがやはり、まあ実際に昼間がらがらで走っている国鉄の状況を見れば、これは大変だということはだれもわかるのですけれども、やっぱり朝夕の通勤通学輸送というものが従来どおりに確保されないというような点について、また、先ほど十日も雪の降ったようなところは除くとあるのですけれども、過去において雪の降らなかったところがまた降ることがあるわけでしてね。だから、その辺がいろいろ問題があるのです。だから、もう少しそういうようなところを明確にして、こういうことをするのだからということがないと、当然いままであるものはやめてもらっては困るということになるわけですよ。ですから、そういう点をひとつぜひ明確にさしてもらいたい、こういうふうに思うのであります。  それからもう一つ。AB線との関連なんです。私の方にも一つあるのは、現在倉吉線は倉吉から山守まで行っておりますが、山守から勝山までは南勝線ということで、これは工事線に入っていますが現在工事は行われておりません。ただ、地元は毎年のように、南勝線の工事をやってくれという陳情を運輸省にも国鉄にも繰り返していると思うのですね。そこで倉吉線が廃止になってしまえば、山守から先の線はこれからつくると言ったってしようがないでしょう。だから考える場合には当然、倉吉線と今後建設予定になっている、工事線になっている山守−勝山、南勝線を一体に考えなくちゃならぬわけですけれども、その場合に例の特定地方交通線の基準との関係でこれはどういうふうに考えられるか。つまり、いままでは中途半端だから輸送量も少ないけれども、それが勝山までつながれば相当輸送量も出るんだ、お客もふえるんだ、そういった場合にそれを考えないでやってしまうというのもおかしな話でありまして、基準を考える場合に当然そのことも考慮に入るんだろうと思うのですが、いかがなんですか。これはほかにもあると思うのです。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 まずAB線をつくるかつくらないかということでございますけれども、今回の法案ではAB線につきましては、四千人を切るものにつきまして第三セクター等でつくるという申し出があればそれは必要があればつくるということになっているわけでございますが、まずその四千人を切るかどうかということの判断が一つあろうかと思うわけでございます。これは法律には明確に書いてないかもしれませんけれども、AB線をつくって四千人以下になればすぐ翌日この法律によって廃止しなければならないというようなことは起こり得ないという意味でそこは明確に書いてないわけでございます。したがって、いまのお話の四千人を超えるかどうかというそのことについての予測の中に新しい線路を入れるかどうかという問題が一つあるわけでございますが、四千人じゃなくてたとえば二千人前後のところに五百人ふえるかどうかという話は、これは第三セクターをつくっていくことがどの程度必要かという判断の中に入ってこようかと思うわけでございます。  それで、AB線と言ってもいろいろあるわけでございまして、一直線にAというところからAB線があってBとつながっているときに、AもBも廃止になるというところにAB線だけが建設されるということはあり得ないので、その場合にはA、AB、Bというようなものが全体として第三セクターとして運営されるかどうかということが判断の基準になってくるわけでございます。その場合の輸送密度の予測は、AとBというのがつながっていないAとBの輸送量とABによってつながったときの輸送量というのは当然違ってこようかと思いますけれども、そういったことは、今後の予想の輸送密度等が幾らになるかということを考える場合に、いまのA、Bと言うところのAB線が実現できるのかどうかにかかってくる問題かと思います。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 何だかよくわかりませんけれども、要するにAB線につながる線についてはAB線ができた場合における輸送量というものも考慮に入る、こう考えていいですね。簡単にひとつお願いします。

山地進運輸省鉄道監督局長

○山地政府委員 入るというふうに御理解いただきます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 そこで、時間がなくなりましたからもう一つはしょって申し上げますが、第九条の特定地方交通線対策協議会についてであります。  これは法制局に伺いたいのですが、特定地方交通線対策協議会というもののメンバーは「国の関係行政機関及び日本国有鉄道」、こうなっております。ところが第二項において、この会議には関係行政機関のほか、「関係地方公共団体の長又はその指名する職員及び関係都道府県公安委員会の指名する当該都道府県警察の職員をもって構成する。」と、こうあるんです。一体この協議会のメンバーというのはどっちなんですか。第一項で言えば地方が入っていない。第二項は入っている。会議と言うからには議論をして結論を出す。ときに表決もあると思いますけれども、その場合に、一体第二項に書いてある関係地方公共団体の職員というのは入るんですか、入らないのですか。

工藤敦夫内閣法制局第四部長

○工藤政府委員 お答えを申し上げます。  いま先生御指摘の九条の一項でございますが、ここに書いてございます「国の関係行政機関及び日本国有鉄道」、これが協議会の組織体になるわけでございます。具体的な協議を行うための会議、これにつきましては二項にございますように、具体的な個々人をもって構成するということでございますので、ここの法律で会議と申しますときにはこの構成メンバー個々人のこれを指しているとお考えいただくのが適当ではなかろうかと思います。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 協議会の結論と言えば協議会のメンバーの意見になるわけであります。協議会のメンバーは国と国鉄になっている。ところがそのメンバーでないのが第二項の会議に入ってくる。協議会としての結論を出すときにメンバーじゃない人が入って結論を出すのですか。私はこれはおかしいと思うのですね。

工藤敦夫内閣法制局第四部長

○工藤政府委員 ただいまの先生の御指摘の協議会あるいは会議というところにつきましては、たとえば八条の六項において「会議の開始を希望する日」あるいは十条におきましても「会議開始希望日が到来したとき」こういうふうなことでございますが、これは具体的な九条の二項で書いております個々人をもって、職員をもって構成する会議、こういうものが現実の会議として存在する、こういうふうにお考えいただければと思います。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 つまり地方公共団体の長とかあるいは警察等もあるわけですけれども、そういう人たちについて、特に地方交通線の問題についてはいろいろ異論があるわけですよ。そうすると、第十条第二項において「協議が調ったときは、」云々、こうなっているわけですが、「協議が調ったとき」のこの協議が調う中にはいま言った地方公共団体の長とか職員というものの意見というのは入るのですか、入らないのですか。

工藤敦夫内閣法制局第四部長

○工藤政府委員 確かに先生のおっしゃいますように協議会というのは国の行政機関あるいは国鉄から組織されるわけでございますが、当然のこととしまして地方公共団体は地方住民の福祉あるいは安全といったものに対して重大な関心を持ち、また当然発言するという見地でございます。そういう意味で会議を構成する者として入ってまいります。したがって、そういう代表して意見を述べ、あるいはその意見を施策、措置等に反映させるという観点から、この二項で構成員ということになっているわけでございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 住民の意見を反映させるということは結構なんですよ。それだから会議に入っているんでしょう。ただ、これは協議会のメンバーではないから、仮に地元地方公共団体の長が反対をしたところで、協議が調うときには除外して調っちゃうことになるんじゃないですか。

工藤敦夫内閣法制局第四部長

○工藤政府委員 失礼しました。十条二項でございますが、「会議において」「協議が調ったとき」と言います場合の「協議が調ったとき」あるいは協議が調わないとき、こういう場合には「会議において」でございますから、当然知事といいますか都道府県あるいはその職員が入りました九条二項の会議でございますので、先生おっしゃいますように入らないで協議が調うというふうなことではございません。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 そうすると、当然地元の公共団体が反対をすれば協議が調わない、こうなるわけですね。そうだとすると、どうして第九条の第一項にこの地方公共団体の長とかその他を組織に入れないのですか。

工藤敦夫内閣法制局第四部長

○工藤政府委員 九条の一項におきまして地方公共団体等が入っておりませんのは、実はこの特定地方交通線を廃止する場合に必要となる輸送、いわゆる代替輸送の確保に関して必要な協議ということで、一応現在の国鉄の一部の路線を廃止するかどうか、あるいはその場合の代替輸送の確保ということでございます。輸送に関しまして責任を持っておりますといいますか、そういう関係者がまず組織体となる。それに対して二項でさらに、具体的な措置を協議するための構成員としてはさらにふくれる。それからさらに三項におきまして、その協議を行うために必要があるときには学識経験者に意見を聞く。こういうふうなことで構成しているわけでございます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 第九条三項の参考人のことはいいのですよ、これは当然聞かれるのですから。そうじやなくて、いまおっしゃるように、第九条の「輸送の確保に関し必要な協議を行うため」に必要なのは、直接関係のあるのは国の関係行政機関とか国鉄なのだから、これはそのとおりなのです。そのとおりですけれども、会議に地方公共団体の長を加えるという趣旨は、この「輸送の確保に関し必要な協議」に無縁ではないのですね。当然有縁で、大事なメンバーだから会議に加えたわけでしょう。会議に加えて、その会議においても地方公共団体の長の意見も十分参酌して協議というものが考えられるのだ、地方公共団体が反対すれば協議にならないのだ、こういうことならば、なぜ第九条の第一項で組織の中にこれを入れないのか、これは法律としておかしいのじゃないかと思うのです。

工藤敦夫内閣法制局第四部長

○工藤政府委員 お答え申し上げます。  いま先生のおっしゃるのも確かに一つの組織論でございます。ただ、それとは別に、いまの国の関係行政機関、国鉄、これで構成させまして、その上は密接な関係を有し、かつ意見が調うかどうかというときに、非常に関係のあります知事も含める、こういうことでございますので、これもまた一つの組織論ではなかろうか、かように考えます。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 もう時間が過ぎましたからこの程度にしますけれども、どうも私は納得ができません。地方交通線の問題については、これは国鉄の財政再建のために必要だということについてはよくわかるわけでありますけれども、その地域における社会的な、また経済的な役割りを果たしている現状から見ると、その対策については、法制上も、また財政上も十分な考慮が払われなければならないということは明らかだと思うのであります。  以上の諸点について私の意見を申し上げましたけれども、最後に運輸大臣の地方交通線に対する御意見をもう一遍お聞きいたしまして、終わりたいと思います。

地崎宇三郎自由民主党運輸大臣

○地崎国務大臣 再三申し上げておりますように、危機的財政であります国鉄を再建するためには、何と申しましても地方交通線対策が大きな課題になってきておるわけでございます。いずれにしましても国家的な見地からいっても、現在の地方交通線をより効果的な輸送の体制をとるということが国家の要請だとも考えておりますので、地方交通線対策に、いろいろ問題点はございましょうが、積極的に取り組み、またいろいろ御意見を承りながら進めてまいりたい、かように存じております。

相沢英之自由民主党

○相沢委員 ありがとうございました。終わります。

古屋亨自由民主党

○古屋委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後零時五分散会

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