運輸委員会 第14号
- 発言数
- 179 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1980/04/25
会議録
○古屋委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出でありますので、順次これを許します。久保三郎君。
○久保(三)委員 国鉄経営再建促進特別措置法案を中心に若干の質問をするわけでありますが、本法案に対する質問は今後引き続いて同僚の皆さんからそれぞれ詳しい質疑が交わされる予定になっておりますので、私は大まかな問題幾つかについて質問をします。質問は主として運輸大臣にするわけでありますが、国鉄にも若干いたしますので、大臣がただいまいらっしゃいませんから来るまで、国鉄総裁にお答えをいただきたいと思います。 一つは、国鉄の経営再建ということでありますが、これまで政府並びに国鉄は、国鉄財政再建と称してきました。だから、たびたびの方針を決定される場合も、収支の均衡をいつの時点に置くかということが結論になっておりました。そのための施策については的確に的を射たものもあるけれども、射ないものが大半でありまして、また、問題の指摘はあってもこれを実行する段階に至っていないまま来ているわけでありますから、財政再建は、そういう面からも予定どおりあるいは計画どおりいかなかったのは当然だと思うのであります。 そこで、今回は初めて経営再建と称しているわけであります。経営再建とは、われわれが従来から唱えておりましたとおり、財政再建ではなくて、国鉄の経営をどうやって再建するか、再建する方向としてはどんなものであるか、そのためにはどういう基盤の整備が必要かということを提唱してきたわけであります。今度の法案を提案するに当たって、昨年十二月の閣議了解事項では多少そういう方向というか物の考え方を示したことは一応の評価はできますが、結論はやはり財政再建というか収支の均衡を目当てにしているということだけでありまして、しかも施策のそれぞれは、いままでもたびたび指摘されあるいは言い古されたものでありまして、新規のものはほとんどありません。それだけに、われわれとしてはこの法案を中心にして展開される国鉄経営再建というものには、残念ながら従来どおりどうも余り期待が持てない、こういうふうに考えるわけであります。 そういう前提に立って、しからば経営再建にはどういう点が必要であるかというふうにこれから質問をしていきたいと思うのです。 それからもう一つは、経営再建について、国鉄の経営再建とはいかなるものであるか。いま申し上げたように、財政再建が成れば経営再建が成るのかどうか。そういう見方もありましょう。あるいは昔の国鉄に体制を整える、そういう再建の考え方もあろうかと思うのであります。しかし、もう一つの別な再建の考え方もあるかもしらぬ。いずれの再建の構想、俗な言葉で言うとどんな姿に再建をするのか、もとの姿にしてほしいという歌の文句のように、もとの姿にするのが再建なのか、いずれであるか。国鉄総裁はどんな考えでいま国鉄を再建しようとするのか、それを初めに聞きたい。 それからもう一つ。最近与党筋の中では国鉄の再建のチャンスというのはこれが最後だというふうな話もあるそうでありますが、あなたはそういうふうに思っていらっしゃるのかどうか。
○高木説明員 今回の再建の考え方の基本は、前に弾力化法案を御審議いただきました過程で当委員会においていろいろ御議論がありました。それを受けて昭和五十二年十二月の閣議了解ができました。それに基づきまして五十四年までに再建の考え方を国鉄の方でまとめるという、一連の過程の中でまとめてまいったものでございました。 一つは、私どもが一生懸命がんばることによって立て直しを図り得る部分と、それから私どもが幾らがんばってみましてもどうにもならない部分とを区分をいたしまして、いわゆる構造的欠損につきましてはかなり巨額のものになりますけれども、政府に御援助いただくということを前提として、どこまで私どもが自分らの力でやり得るかということを、従来の案に比べればかなり明確にいたしたつもりでございます。 それから一つは、国鉄は一体どういう仕事をすればいいのか。ここ十年来、道路が整備され飛行場も整備され、またお客様の選択も自動車なり飛行機なりに大変偏るというか、そちらに移動をしておりますので、そういう実態の中で私どもがどういう役割りを果たせばよろしいか。これは都市問あるいは大都市圏の輸送、そして貨物についても定型・大量のものというようなところに重点を置きまして、明治以来続いてまいりました国鉄の役割りとして、全国にネットワークを張って、輸送のサービス機関になるという考え方はもう現在の時代にはふさわしくないのではないか。シェアは減ってまいりましたけれども、やはり国鉄の持ちます役割りというのは公共性といいますか、非常に大きいわけでございますが、それは都市間輸送あるいは大都市圏の輸送というようなところにウエートを置いていくべきではないか。その意味では、お尋ねの昔へ戻すのかということについてはそういう考え方でない、飛行機もあります、自動車もありますということを前提とした中での公共的役割りというものに求めてまいりたいというふうに考えております。
○久保(三)委員 結論的に昔の姿に戻すことではない。輸送の分野については、業務の範囲というか、都市間の輸送、旅客あるいは大都市圏内の通勤、さらには定型・大量の貨物、こういうことに限定された営業範囲でやっていこう、こういうことでありますが、それも一つの見方であり、また総合交通体系を考えれば大筋としてはそういうところになるかもしれませんね。しかし、総合交通体系というのは国民生活の中にあるものでありますから、企業性によってそういう輸送サービスが充足できない部分、たとえばこれから問題になります地方の交通、そういうものについては、言うならば、政策的に展開する。政策的に展開する場合はやはり政府の直接的な関係のある国有鉄道がある部分は従来どおり担当していくということになろうかと思うのでありまして、それはそれとしていいと思うのであります。 ただ問題は、国鉄がこういう実態になってきた背景にはいろいろなものがありますが、この中でも特にいまだに脱却できない面が一つあります。それは、言うならば、日本国有鉄道でありますから当然かもしれませんが、政府の行政機関として位置づけられている。国鉄の輸送というのはいわゆる独占じゃありません。独占時代には全く行政機関としての位置づけそのもので運営ができた場合があると思うのでありますが、いまは競争相手がある時代でありますから、また時々刻々変わる輸送の実態でありますから、従来どおりのそういう位置づけでは残念ながらできない。少なくともいい意味での企業性、いい意味での企業性というのは国民大衆に有効な、しかも良質の輸送サービスを提供する、しかも競争場裏に立ってこれを経営していくという体制だと思うのですね。そうだとすれば、いまいろいろな制度の中に国鉄はあるわけでありますが、その制度を一遍洗い直して出直すことが経営再建のあり方だろうと思うのですね、経営と言っているのですから。これは行政ではありませんからね。だから、そういうものをそのままぶら下げておいて、そのままの衣の中でどうやっていこうかと言ってもこれは限界があるはずであります。予算制度一つとってもそのとおり。そういうことを国鉄総裁はどういうふうに考えられますか。
○高木説明員 先ほど申しましたのはどういうところに重点を置いて仕事をやっていくかということでございますが、ただいまのお尋ねは経営姿勢といいますか、運営姿勢ということであろうかと思います。 率直に申しまして、貨物につきましては昭和四十五年まで、旅客につきましては昭和五十年まで年々荷主さんがふえ、旅客がふえてきたわけでございまして、むしろ増加する輸送需要にどう対応するかということに追われていたということではないかと思います。しかし最近は、貨物もお客さんが減る状態でありますし、旅客さえ昭和五十一年からお客さんが減ってまいりました。そのことを通じて私どもが痛感をいたしますのは、いま御指摘のように、運営姿勢を変えていかなければならないということでございまして、その意味では企業性を高めて、企業性によりウエートを置いた物の考え方にしていかなければならないというふうに考えております。そうした気持ちも反映してか、五十三年から貨物もどうやら、毎年お客さんが減っておりましたのが少しずつ戻りつつあるという現状でございまして、旅客についてももう少し思い切ったそういう運営の切りかえを行うことによって、お客さんが年々少しずつ減る状態から何とかいち早く脱却をいたしたいと考えております。長年のことでございますので私自身もいささか歯がゆいと申しますか、そういうことで思うようにまいりませんけれども、方向としてはどうやってお客さんに乗っていただくか、いわば商売といいますかそういう気持ちでもろもろの運営の焦点を合わせていかなければならないのではないかと心得ております。
○久保(三)委員 先ほどお尋ねしたのは、いまの御答弁の企業性というか経営というか、そういうことを十分にやるのにいまある仕組みの中でうまくいくと思っていらっしゃるかどうかを聞いているのであります。たとえば日本国有鉄道法のあれにはいろいろ監督というか制約要件がたくさんありますね。それから、今度提案されているこの法案の中にも、改善計画をつくって出す、あるいはそれを終わった後の始末、そういうものを見ただけでも、俗な言葉で言うと、国鉄のやることについてははしの上げおろしにまで政府の監督が行き届いている。その監督が行き届いている理由は何かというと、多額の助成金を出しているから監督せねばならぬという考えがあるわけなのであります。助成金というのはいわゆるお助けの金でありますが、あなたはやはり助成金と考えておりますか、それからもう一つは日鉄法の政府の監督条項についてあなたは痛痒を感じておりませんか。いかがです。
○高木説明員 ただいまの問題、二つの問題があると思います。 本来私どもがやっていかなければならない面についてはともかくとして、どうにも私どもの手の及ばない問題がいろいろありまして、その部分については助成をいただくわけでございますが、助成をいただくと考えるか、いただくのではなくて当然のものとして主張するという考え方であるかの差はあるかもしれませんけれども、いずれにしても一般会計から助成をしていただかなければならないわけでございますから、その間においてどこまでが助成対象になるか、どこまでが私どもの努力の問題であるかという境界の問題がたくさんございますので、相当程度の予算統制その他の管理監督を受けるのはやむを得ないことではないかと私は考えております。 もう一つの問題は、現在は公共企業体として位置づけられておるわけでございますが、公共企業体として位置づけられることでうまくいくかどうか。いろいろの御批判としては、思い切ってもとへ戻って、政府それ自体、鉄道省時代と同じような組織にしてはどうかと言う方もありますれば、あるいは思い切って民営にしてはどうかという意見の方もございます。私は、私に与えられた役割りといたしましては、現在の公共企業体という制度のもとにおける運営をおまえやれということであると観念していたしておるわけでございまして、その監督の程度いかんという問題はいろいろありますけれども、基本の問題になりますと、そういう組織論といいますか、公共企業体であってうまくやれるのかどうかという問題にまで実はさかのぼることになろうかと思いますけれども、私の頭の中では現在は与えられた制度の中でどうやったら一番うまくいくかということでございますので、お尋ねのようなことを感じないと申しましたらあるいはいわば偽りのお答えになるかと思いますけれども、しかし、だからといってうまくいかないということでなくて、現行制度のもとで何とかやっていきたいという気持ちでおります。
○久保(三)委員 総裁はやはり官僚の卒業生でありますから、過去においてはそういう権利権限に基づいて監督の衝に当たられた人でありますからなかなか無理だろうと思うのでありますが、一番大きな問題は私はそこにあると思うのです。たとえば構造的欠損とよく称される部分があります。たとえばローカル線運営についての赤字あるいは公共割引の運賃の負担等々幾つかありますね。そういうものに対して何がしかの助成金を交付してもらう。なるほど政府と国鉄という性格からいけばそういう助成金のルールというのが当然かもしれませんが、国鉄の経営自身からいくならば、これは経営の責任である部分と政府の責任である部分と明確になっているはずでありますから、明確になっている範囲においては当然これは助成金でも何でもなくて、お互いの分担金、そういうようなものと考えていいと思うのです。考え方の土台が少し違っているのじゃないかと思うのです。だから、そういう意味でいまの制度を抜本的に日鉄法そのものから直していくという考えをしなければ、私は永久に国鉄の経営は再建できないだろうと思うのです。どういう国鉄の経営を考えてもできないと思うのです。だから、極端なことを言って恐縮でありますが、よく単年度のそろばんが合えばそれでいい、大蔵省からもおいででありますが、やっとこれでことしの予算ができた、これが国会を通過すればそれでいいというような安易な考えがあるのではないかと思うのであります。だから、政府も国鉄の首脳部も、ことしも借入金は約二兆円近くあります、一兆九千何百億、これを余り苦にしていないのです。苦にしていない。借入金一兆九千億で、元利の返還が約一兆円ぐらいありますね。債務特別勘定を入れまして一兆円ぐらい元利の返還があるわけです。もちろんそういうことを認識されていることは事実だと思うのですが、余り苦にしていない。そういうふうにわれわれはとっておりますが、そうではなくて、苦にしておりますか。そういう借金制度についてどういうふうに考えておられるか。もしも私が考えているようなことならば、そういう枠組みの中にどっぷりつかっちゃっていて、これしかできないのだ、これでいいのだということが基本に政府も国鉄もあると思うのです。だから、そこから出てくる国鉄経営再建というのは、今度の提案に絡んでもおわかりのとおり、昭和六十年度において国鉄再建の基本構想案は収支の均衡を図ろう、しかしそれには大きな除外例がある。言うならば、上越、東北の新幹線の開業に伴う赤字あるいは年金財政の問題等々はたな上げしておいて、六十年にやや収支が均衡することを目当てにしているということを一つ見ても、何か先ほど申し上げたような気分が政府にも国鉄にもあるのじゃないかとわれわれは思うのです。この際本気になって国鉄を再建するというならば、明確に責任の分野をきちんと整理することが先だと思うのですね。構造的欠損であるのかないのか、構造的欠損であるならだれが負担するのか、あとの経営についての責任はだれが責任を負うのか、そういう点が非常に不明確なままでずっときているのですね。そういう点について総裁はどういうふうに考えられますか。 それからもう一つ。先ほど聞き逃しましたが、国鉄再建のチャンスというのは今度が最後のチャンスですか、そういうふうに考えられておるのかどうか。自民党の中では、最後のチャンスで、もしもそういうことができなければ民営に移すという。民営に移した方が国鉄としての機能ができるのかどうか、あわせてお答えをいただきたい。
○高木説明員 先ほども申しましたが、私は公共企業体という性格の中での経営を、何とかしてそういう枠内での努力をいたすしかないと考えておりますけれども、基本的には一体経営として国鉄というものがうまく運営できるかどうかということになりますと、まず第一に商品の値段とでも言うべき運賃につきまして私が決めることができない。予算面の統制と、それから監督大臣の統制があるわけでございまして、収入につきましても、物の値段を決めることも許されておりませんし、経費の大要をなします人件費につきましても、事実問題としては私自身の手で給与水準を決めることはできないということになっております。したがって、公共企業体という現在の性格、組織、システムというもののもとにおいてはなかなか経営が困難である、やりにくいということは事実でございますけれども、いまはとにかくそういうことを前提として仕組まれておりますので、その中で各監督官庁なり政府なりに最大限私どもの気持ちを理解していただいて、おくみ取り願ってやっていくという以外に方法はないのではないかというふうに思います。 それから構造的欠損の問題につきましては、明治以来続いてまいりました鉄道の観念と最近のように競争場裏のもとにさらされております鉄道との間のもろもろのギャップから生まれてきた問題が多いわけでございます。またもう一つは、戦後三十年間の政府から私どもに対処してこられました姿勢の問題から起こってくる問題が多いわけでございまして、これらについては形式は助成であれ、ちょうだいするものであれ、何であれ、そのどこまでがそういう性質の赤字であるかということを十分認識した上で、主張して、いただいてくるという以外にないのではないかと思います。 それから大量の借入金をして、それについての何か責任感といいますか、重さというものを感じていないのではないかということでございますが、率直にいって、それは否定できないところではないかと思います。民間の企業でありましたならばなかなか銀行から金を貸してもらえないのではなかろうかと思われるような現状でございます。しかし、それをお貸しいただいているのは、やはり大きな意味で公共性といいますか、経営そのものがまずいからということでない事情があるからということでお貸しいただいておるのではないかと思います。しかし、これは幾らでも金利が払えるというものではありませんので、何とか少なくとも償却前では赤字を生まないような体質に早くしていかないことには金利負担が非常に大きくなってまいりますので、お金は貸していただけますけれども金利はやはり大変高いわけでございますから、これを解決をしていかなければならないというふうに考えております。 それから、本件の国会提出に先立ちまして自民党からお示しがありましたこれが最後の機会である、あるいはこれがだめであれば民営に移管するしかないのではないかというのは、私自身、一つの見識であるというふうに考えております。そうなってはならぬという前提で一種の激励の意味のお考え、意思表示ということで、民営にならぬでも済むようにいまどこまでがんばっていくかということでいたしたいと思います。私自身はいまのところ、最後は民営しか仕方がないのではないかというふうには考えていないわけでございまして、現在の鉄道の性質、それからいま私ども受け持っております仕事、それらからいいまして、民営にしたらうまくいくかどうかということについては、いまのところ私も確たる考え方を持ち得ないわけでございまして、そういう民営にした方がいいではないかという御意見というよりは、そうならざるを得ないような羽目になりますよという、ある意味での御激励の言葉として受け取っております。
○久保(三)委員 いまのお答えでありますが、やはり借金財政というか、そういうものについては私から申し上げるような考えは否定できない、こういうお話でありますが、否定できないというだけで済まされる問題ではないと思うのですね。しかもそれには何というか、余り痛痒を感じないというか、痛痒と言ったらおかしいが、深刻に受けとめていない理由には幾つかあると思うのですね。たとえば政府が当然負担すべき費用の部分を明確に負担していない、いわゆる構造的欠損の分野で、そういうのが幾つかある。 それからもう一つは、国鉄の設備投資であります。これは工事費だけでも今年度は一兆円以上ですね。そういうものは全額ほとんど借入金なんですね。しかも国の交通体系からいって、あるいは国鉄を維持改良していくためには必要な工事であるというふうに言われている。しかし国鉄のこれまでの投資額は大体第一次五カ年計画以来累計して十三兆円余りあると思うのですね。時価に換算すれば二十兆ぐらいになるかもしれませんね。これはほとんどが借入金でやってきているわけです。そういうものに対して国鉄はこれまで出資を要求したためしはほとんどない。だから恐らくこれまでの政府の出資金というのは五千億足らず、四千五百億ぐらいですね。そうでしょう。そういうところに、やっぱり借金をするのは当然だというふうに考える。 それからローカル線の運営についてもそうなんですね。ローカル線の赤字が計算どおりの赤字であるかどうかは別にして、効率性の低いことは事実でありますから、二千五百億ほどローカル線では欠損である。ところが実際の助成はその半額足らずである。あとの半額は経営の努力によってやれ、こういうのですが、経営の努力にも限界がありまして、いまやこれを手放そうという話になってまいりました。 公共割引についてでありますが、これは手前ども、ただいま提案をいたしております。五十二年の暮れの閣議了解事項でも公共割引については処理をしなさいということになっている。そこで国鉄総裁が関係の大臣並びにそこにおられる鉄監局長にもわざわざ書面をもって公共割引あるいは大蔵省に対しても公共割引についてとことんの配慮をしてほしいという要請をしたんだが、これに対してはいまだにナシのつぶてだ。そういうことがあるから、言うならば借金も当然だし何となく金を助成金の形でもらうのも当然だと思っているわけですね。だから国鉄と政府との関係の中での問題はどんぶり勘定だ。ちっとも明確でない。だからよってもって国鉄の経営の衝に当たる人は経営の責任を痛感しないわけだ。何かと言えば政府の責任であるというふうにもなるし、政府は国鉄の努力が足りない、こう言う。お互いに非難し合うことだけがこれまでの再建論争の焦点というか結論ですね。そういうふうに思うのですが、鉄監局長どう思いますか。
○山地政府委員 いままで先生の御説を承っておりまして、助成金とそれから経営マインドといいますか、そういうものの調和といいますか、そういうことが非常に問題にされているかと思うのです。私も国鉄を監督する立場で国鉄といろいろ議論しております。確かに国鉄の議論の中には、助成金というけれども当然国の持つべきものであるという考え方の議論というのはもちろんありますし、私どもといたしましてもそれを十分念頭に置いて議論はしているわけでございますが、しかしそういうような考え方で国の持つべきものであるという点を力点に置きますと、片や企業マインドといいますか、そういうものについて何となくかげりが出てくるというのも否めない事実でございます。私どもの方として国の大切なお金を、国民の税金を国鉄の方に回すという場合におきましてはやはり効率性といいますか、そういうものを非常に念頭に置かざるを得ない。そこで先生のようにしっかりと割り切ってこれは国の部分、これは企業の部分ということは原則的にそのとおりだと思います。そういう考え方に基づいて今回の国鉄再建の国の助成という考え方は構造的欠損等ということで公共負担その他も含めて考えてきているわけでございますが、片や国鉄の企業性というものを発揮する、そういうものと助成金を出すことによってそういうものがさらに啓発されてくるということが非常に大事なんではないだろうかということで、決して国鉄と責任をなすり合うというのではございませんで、国鉄の企業性をさらに誘発するような形で助成金というものを組んでいきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○久保(三)委員 いまのお話、なるほど常識的にそうかもしれませんね。しかしそれは言葉の上だけでありまして、お互いに金を出しているんだから、税金をくれているんだからその使い道を厳密にやはり点検しなければならないということですね。それは助成金という立場ではそうなんです。たとえば政府が物を買うのに商店が有効に経営をしているかどうか、それは確かめなければならぬというのはないでしょう。そうでしょう。物の考え方が違うのですよ。助成金というから助成してあげますが効率的にやらなければならぬ、怠けてはいけませんよということなんですね、助成金というのは。正当な取引の場合はそういうことではないのですよ。代価として払う。たとえば公共割引なんというものは政策的に実行させるというならばそれは高い安いは別として払うものはやはり払う、いやならそういう政策はやめるということですよ、極端なことを言うならば。そうでしょう。それを混同していらっしゃる。政府から出す金、そういう助成金はみんな、いろいろな団体や会社、それと同じに国鉄に対する構造的欠損を考えていることに私は問題があると思っているんですよ。あなたの答弁を聞くといかにも国民の税金という何か袞竜のそでに隠れて取引をごまかしているんじゃないかというふうに私は思うのです。いかがですか。
○山地政府委員 私の表現がちょっと足りなくてあるいは誤解といいますかそういうふうに受け取られているのかもしれませんが、いまおっしゃること、先ほど申し上げましたとおり理屈上国の当然持つべきものとそれからこれは企業が持つべきものと画然と分けるという理屈はそのとおりだろうと私は思っております。ただ、そういうふうに分けることを実際にやった場合にかなり何といいますか精神的なというとちょっとおかしいのでございますけれども、国鉄の経営の姿勢といいますかそういうものによってかなり左右される面があるんじゃないだろうか。いまおっしゃったようにあるものを買う、たとえば公共負担というものを買うという観念で言えばそれはびた一文も値切るというようなことはできない性質のものだろうと思うのでございます。 ただ、ほかのもろもろの助成金というものを考える場合に、経営的に考えてぎりぎりの線であるというようなことを十分吟味してそれで助成というものになっていかなければいけない。先ほどから先生の御質問の中にある国鉄が助成金を受けるというのはこれは当然の権利かということの御質問がございましたけれども、これは物の考え方として非常に出発点として大事なことだと思うのです。われわれが行政をやっておりまして企業に助成金を出すというとどんな企業でも助成金による荒廃といいますかそういうものが、政府の監督というようなこともございますけれども、やはり企業の独立性というものについてかなり揺らいでくるというのは現実だろうと思うのです。国鉄がそういう意味では、先生のおっしゃるようにこれは国から当然払うべきものであるというふうに観念すれば企業性というものが維持できるかもしれないということはございますけれども、私どもといたしましては、その企業性というものと国の助成というものとをどういうふうにマッチさしていくのかということに努力しておりますし、それから理屈から申しましては先生のおっしゃるように国が当然払うべきものは払うという立場で助成というものを組んでいるというのは事実でございます。
○久保(三)委員 なかなかお役人というのは自分の権限を大事にしますからね、鉄監局長は別かもしれませんけれども。そういうことからいって何か税金を自分の金と思って間違いがあるんですね。だからいろんな法律をつくってその中でひとつやっていこうという考えが支配的だろうというふうに思うのです。私は別にそのことが全部悪いとは言っていないんですよ。国の税金を使う限りはちゃんと目的的にきちんと整理されなければいけませんからね。ただ国鉄のような経営の、いわゆる企業の場合はこれは違うと思うのですね。企業サイドで計算したものについて払わなければ、どう払うかはこれは契約であります。一つの契約ですよ。おまえのやり方は悪いから払わぬというようなことではなくて、こうこうこういう条件のもとにこれだけは払うという契約に基づいて、本来ならば国鉄が構造的欠損についても政府に要求するあるいは政府もそれに対して払うというのが私はたてまえだろうと思うのです。この問題をやっていると時間がなくなってしまいますが、いずれにしても監督とそういうものについてもう一遍見直す必要があると私は思うのです。なるほど権限を緩めることについては余り役人としてはおもしろくないとは思うのですが、本当に国鉄を再建するというのなら、まず一つはそれが大事であろうと思う。 それと同時に、総裁、国鉄も言うならばいままでの制度やしきたりでやむを得ないんだという寄りかかりの姿勢はこの辺でやめてもらわないと困ると思うのですね。先ほどのお話のように、借金体制について余り痛痒を感じていないようでは経営とは言いがたいのでありますから、単年度の予算さえそろばんが合えばいいんだ、帳じりが合えばいいんだということでは経営の再建はできかねると思うのですね。そういう点でひとつ考えを直してもらいたい。この法案の審議はかなり長期にわたると思うので、最終的な結論を出す場合には、そういう問題についての明確な答えを私は欲しいと思います。 それから、大蔵省西垣次長、あなたに意見として伺いたいのですが、国鉄の経営と予算制度の問題であります。御検討はなさっていると思うのでありますが、他の公共企業体と違って、まさにこれは競争場裏におけるところの言うなら機動性を帯びた仕事であります、経営であります。だから、一般の行政機関としての予算制度の中でやることについては大変無理があると思っております。だから、それが一つには国鉄当局の当事者能力を失わせる、当事者能力を失わせるというよりは余り当事者能力を考えないというか、無気力になっている面もあると思うのです。それはどうやってもそういう壁は破れないんだからやむを得ぬということで、そこで立ちどまるという姿勢が、経営を沈滞させ発展させない原因でもあろうし、また責任も、大変言葉は悪いのでありますが、全然無責任だとは考えませんけれども、責任が明確でないのもそういう制度に起因していると思っております。 そこで、一つの提案でありますが、国鉄には大まかに四つの勘定がありますが、大きくは三つですね。特に損益勘定は日常経営の勘定であります。だから、これは言うなら総裁の責任でつくらせて、これはもちろん政府に報告なり届け出をしなければいけません。資本勘定は、国の予算にも大きく関係します。また国鉄経営の大綱も押さえなければなりませんから、これは国会まで出してもらう。それから工事勘定は、これは政府で承認していく。そういう一つの予算の仕組みを変えていくことはどうだろうか。そのかわりこの実績についてはもっと厳しくこれはチェックする制度を改めてとる、内部的にもやっていくというふうにしていくべきではないか。 それから、あわせて次長にお聞きしたいのは、構造的欠損についてであります。国鉄経営の再建の最後のチャンスであるかどうかは別にして、長年の間再建議論をこの国会を中心にやってきているが、ちっとも前進しないばかりか、悪くなってきている。それにはやはり先ほど来申し上げているような、政府と国鉄の間におけるところの責任の分担が明確でない、明確であるにもかかわらず明確にこれを処理していないうらみがあるわけですね。そういうものをこの際は明確にする必要があると思う。 この一つのやり方としては、先ほど申し上げたように、単なる助成金制度でなくて、政府と国鉄の間におけるところの一つの契約というか、条件つきの契約に基づくところの助成というか、分担というか、そういう制度に置きかえていって、それ以上については国鉄の責任にしてもらう。そうでないというと、先ほど申し上げたように、単年度の予算が大蔵省の原案として仕上がれば、もちろん国会を通らなければなりませんけれども、仕上がった途端に、中身はどうであれと言っては語弊があるが、中身はどうであれ、一息ついたという感じを運輸省も国鉄もしている。これであっては私は再建はできないと思うのですね。そういう意味を含めて、いま申し上げた二点についていかがですか。
○西垣政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘になりました国鉄の企業性の尊重という問題につきましては、私どもも、大いに企業性を発揮していただきまして経営の改善に効果を上げていただくということを期待したいと思っております。 それで、そのための手段として予算制度をどうするかということでございますが、これは国の公共企業体でございまして、予算は国会の審議を経なければならない。これは財政民主主義のたてまえで、国会の審議権とかかわる問題でございますので、その枠の中で考えなくちゃならない、こういうふうに思っております。 それで、現在の制度でございますが、私どもの感じといたしましては、企業性を発揮し得るように、現在の制度でもかなり弾力性があるというふうに考えているわけでございます。具体的に申し上げますと、国鉄のような公社等政府関係機関の予算制度につきましては、ある程度国の予算と違いまして、その企業性が十分に発揮できるような弾力性が制度として認められているわけでございます。 具体的に申し上げますと、第一に、予算の形式的金額によりまして企業における正常な事業量の増加が抑制されることのないような収入金支弁というような弾力条項が設けられております。 それから、予算の流用、繰り越しにつきましては、特に予算総則で制限しない限りは、原則的に自由でございます。 それから、給料につきましては、予算総則で総額を定めているのみでございまして、さらに、運輸大臣の認可を受けて、経費の流用、予備費の使用、または弾力条項によりまして増額する道も開かれております。 こういったことでございますので、私といたしましては、国鉄としては弾力的に企業性を発揮し得るような制度がすでにできていると思うのでございますが、国会の予算審議権の枠の中でさらに工夫のできる余地があるならば、それは検討してみたい、かように考えます。 それから、助成のあり方の問題につきましては、私も先ほど鉄監局長が答えられたとおりだと思います。その中で、公共負担の問題につきましては、これは見直しを行う必要があるだろう、こういうふうに考えております。 昨年末の閣議了解におきましても、運賃上の公共負担の軽減対策につきまして、関係省庁において検討を進め、早急に結論を得ることとし、これに基づき所要の措置を講ずる旨の方針を明らかにしておりまして、これから関係省庁の間で検討を進めてまいりたい、かように考えておりますが、ただ、国鉄が負担しております公共負担の問題は、私鉄等が負担しているものもございますので、かなりむずかしい問題ではないか、かように考えております。 それから、国の財政の立場から申し上げますと、国鉄の財政も大変でございますが、国自体の財政も大変な状況でございまして、その中で国としてはできる限りの支援をして国鉄の再建を図っていくということでございますけれども、国鉄自身が相当程度の合理化を上げるということでなければ、なかなかこの苦しい財政の中で国鉄への助成をふやしていくということにつきましての国民のコンセンサスを得るということはむずかしいのではないか。そういった意味で、私どもとしては現在提案しております法案につきまして、できるだけ早く御審議をいただいて結論を出していただきたい、かように考えている次第でございます。
○久保(三)委員 公共割引等をふやしてくれとかなんとか言って話をしているのじゃないのです。助成をふやすということじゃなくて、明確にすべきではないのかという話です。お話の中に、私鉄の問題もありますからと言われる。私鉄も同様なんですね。国鉄であろうが私鉄であろうが、国の政策のようなものに基づいて割引しているものについてはどういうふうにすべきか、これは明確にすべき時期にきているわけです。われわれはそれに対しての提案をいましているわけです。だから、財政に余裕があるとかないとかは二の次でありまして、まず明確にして、その上で財政はどうなのかという問題が出てくるとは思うのでありますが、最初から財政がどうだからというのでは、これは困る。私鉄もありますからというのではちょっと困る。筋道が通らぬと思うのであります。予算制度につきましては、あなたがおっしゃることも一つの理屈でありますが、ただ問題は、お話の中にもありましたように、一々流用する場合にしても運輸大臣の許可をもらう。鉄監局長は、それはやはり判こを押さなければ承知せぬというのかもしれませんが、そういう問題もひとつ考えてみる必要はないのか。それほどまでに国鉄の予算や仕事の上で監督が必要ならば、むしろ民営ではなくて国有、国営にしていった方がいいのではないかというふうにわれわれは考えるわけなんでありまして、そうでなくていまの姿のままで機能させるというのならば、もう少し古い体制や制度はこの際見直す必要がある、こういうふうに思っているのであります。いずれまた、改めてお話をお聞きしたいと思います。 そこで、大臣おいでになったから大臣に。国鉄の再建のあり方についてはもう一応時間が過ぎましたからこの次改めてお尋ねします。 細かい問題で大臣に大変恐縮でありますが、法案の中身について若干お尋ねしたい。特に北海道出身であられる運輸大臣でありますが、地方交通線の処理の問題がこの法案の中には掲げてあります。そこで、国鉄のローカル線を国鉄の経営から分離するということが今度の提案の一つでありますが、分離する基準は政令によって決めるというのでありますが、いままでの閣議了解事項その他によれば、さしあたり乗車密度二千人以下のもの約四千キロを六十年度までに分離しよう、それで地元でもって協議はしてもらうが受けざらについての協議だけであって、分離についての是非ではなくて受けざらだけだということでいろいろな問題を醸しているのでありますが、四千キロのうちで大体半分は北海道なんですね。聞くところによりますと、基準の中にはいろいろな基準があるから北海道は特別な基準を決めるというような話さえ出ているわけです。基準というのは私は一つだと思うのでありますが、こういうことでおやりになるつもりであるのかどうか、基準というのを明確にしてもらいたい。どういう基準で整理をなさるのか。 これは鉄監局長ではなくて、政治問題でありますから運輸大臣からお答えをいただきたい。
○地崎国務大臣 政令で基準を決めまして、現在の鉄道の特性の発揮できないものを代替のバス路線等に切りかえていくという方針で基準を決めるわけでございますから、地域によっての基準の変更というようなことは、現在のところは考えておりません。
○久保(三)委員 基準の中身を明確にしてほしいというのです。というのは、こういう重要な問題を法律案の中で政令に譲ることは断じてまかりならぬと私は思うのです。国民の生活に直接関係あるものを何で役人の手に任せるのか。これは政令事項ではありません。法律事項である。いかがですか。 〔委員長退席、保岡委員長代理着席〕
○山地政府委員 いま御指摘のございましたように、地方交通線の廃止というのは国民の生活に至大の影響を持つものであるということでございまして、一体こういったことについて従来どうであったかということを申し上げますと、従来から営業線の休止、廃止につきましては、日本国有鉄道法で運輸大臣に国鉄から申請をして、運輸大臣が認可をするとそういうことができるということでございましたので、従来の方式でいきますとこういった法律がなくて休止、廃止ということが従来の法律からできたわけでございます。 そこで、私先ほど申し上げました国民生活……
○久保(三)委員 質問にちゃんと答えなさい。そんな歴史を聞いているのじゃない。基準はどうかと聞いている。
○山地政府委員 それではいまの御指摘の基準につきまして申し上げますと、基準が幾つかございます。 一つは、八条の第一項で幹線網を形成するという基準が一つございます。これは政令で定めるわけでございますから、政府の部内で検討するわけでございますけれども、私どもがいま各省にいろいろお話をしているのは、幹線網というのは十万都市を結ぶものというふうに一応考えたらどうだろうかということを考えております。これが幹線網を形成する一つの基準でございます。 それから次に、収支を償うことができないものというのが八条の一項にございますが、これにつきましては中小私鉄との比較におきまして一日一キロ当たり八千人を前後といたしまして収支が悪くなる、支出が収入を上回るということでございますので、八千人という基準を一つの基準にしたらいかがかなというふうに考えております。 それから八条の第二項に特定地方交通線、これはバスに転換することが適当なものとして政令で定める基準でございますが、これはコスト比較をいたしまして四千人を超えますと同じ赤字でございましても鉄道の赤字の方が少ないという意味から、バスの方がより効率的な輸送ができるということで四千人ということを一応の基準に考えております。ただし、そこのバスに転換することが適当であるという意味は、バスに転換ができるということを含んでおりますので、これにつきましては豪雪地帯とかあるいは代替道路がないとか、あるいはラッシュ時に非常に乗客が多いという場合には、バスに転換することが適当であるとは言えないというようなことも一応考えております。 以上が、一応私どものいま考えております基準、政令に定める基準でございます。
○久保(三)委員 大臣、いま鉄監局長がかわって答弁されましたが、いま考えている基準と言うんだな。いま考えている基準というのは、将来変わる可能性もあるということです。しかも、先ほどから申し上げているように、この基準というのは非常に大事な基準でありまして、政令にゆだねる事項ではありません。年々変わっていくものではありませんから、これは法律事項として出すべきである。この法律案を始末するまでに出してもらわなければ、この法律の審議は完結できません。いかがですか。——これは大臣に聞いている、大臣に。 〔保岡委員長代理退席、委員長着席〕
○地崎国務大臣 政令で決めるということに対して、法律という御主張でございますが、この法案の審議の過程において、ただいま鉄監局長が御説明申し上げたような内容において処理していくと いう考え方でおるわけでございますので、その基準については、政令にぜひお任せを願いたいと存じます。
○久保(三)委員 きょうは明確なお答えは出ないでしょうね。しかし、われわれとしては、はっきり言って、こういうものまで政令に委任する意思はありません。やはり、一応の基準は明確に法律の中で決めていくべきだ、こういうふうに思いますので、時間もありませんから、これは後の質問に留保しておきます。 次に、ローカル線に関連して、AB線の建設についてであります。このいま工事中の線は、たしか四十ぐらいありますが、実際に工事しているのは二十五線ぐらいだと思うのですね。そうですね。もっとありますかな、四十ぐらいありますかな。二十五ですね。 そこで、先ほど鉄監局長が言われましたように、乗車密度を基準にしていった場合に、四千人以上というのを見込まれるのは、鹿島線、内山線、二つだろうと思うのです。あとの線路は、大体九〇%完成しているのが七線、五〇%完成しているのが十二線ありますが、先ほどの鉄監局長の基準にははるかに及びません。そういうものの始末はどうされるか。法律案によれば、たしかこれは地方公共団体等の協力があれば工事を続行するような意向のようでありますが、これはそういうふうに扱うのでありますか。 それから、今後の鉄道敷設法別表予定線の問題ですね、これもこの法律案によりますれば、必要があるということで申し出があれば、これは鉄建公団で建設をして、譲渡並びに貸し付けをする、こうなっている。はっきり言うと、明確じゃありません。無償でやるのか有償でやるのか、どんな手続でやるのか、これまた法律に明確に記載すべきであると思う。これについてどういうふうに考えられるか。 それから、時間がないから続いて申し上げます。この地方交通線の処理並びにAB線の建設の今後の方針は、先ほど来申し上げたように明確ではない。明確ではないが、これを発想する起点は、言うなら国鉄の経営から分離するという単純なものである。交通政策上の問題ではない。その線が必要であるのかないのか、あるいはこれはもっと拡充すべきであるのかどうか。地域交通とのかかわり合いはほとんどこれは関係していない。こういう処理の仕方は、国鉄の経営の観点から言うならば、なるほど経営から分離すれば多少なりとも表面的には、国鉄のサイドだけでは経営の負担が軽くなるでしょう。しかし、国民経済的に見れば、何ら変わりはないのです。むしろこれは過重になる。そういうものをあえて強行しようということは、いかなる考えでいるのか。交通政策上からやるのか。国民経済的に見てちっとも利益にならぬものを、何でやるのか。国鉄の帳じり合わせのためにやるのか。これだけ答えてください。 それからもう一つ、整備五線についていかなる扱いをしようとするのか。これまでの政府の方針は、資金の手当てがつけば着工するというのだが、総合交通体系の中で、あるいは国鉄経営の中で整備五線の必要があるかどうかの検討を再びすべきものである。検討せずして、ごまかしでことしも調査費をつけている。何を調査するのか。環境アセスメントは、昨年予算をつけてやったはずだ。もはや調査する事項は何もない。そういうことで国鉄再建をやろうとしても、これはナンセンスではないのか。 またもう一つは、青函トンネルは、御承知のとおり間もなく貫通するかもしらぬ。この利用についてどんな考えでいるのか。これは運輸大臣だな、整備五線と青函は。そういうものを織り込まぬでいて国鉄経営再建を議論することは、はなはだしく不当であると私は思う。いかがですか。——ちょっと待って。委員長、大臣から先に答弁させてください。
○古屋委員長 久保委員に申しますが、大臣への質問は、後の問題じゃございませんか。局長から説明しまして、大臣に……。
○山地政府委員 建設中のAB線の問題と新線の問題でございますけれども、この法律によりまして四千人以下のものは転換を図るということを考えておりますので、建設中のAB線で四千人を切ると思われるものについて、国鉄に経営させるために建設するということは、この法律と矛盾するわけでございますから、そういう考えはございません。つまりこれができたとたんに廃止になるというような線を建設するということはおかしいわけでございますから、そういうことはできないわけでございます。したがって、そういったものについて第三セクターでつくるということのお申し出があった場合には、それは建設をしたらいい。これは在来線につきまして四千人以下のものについてその存続を図るということと同じような意味でございまして、この法律におきましては、当該建設が地域における輸送確保のため特に必要であり、公団が建設を行うことが適当であると認めるときはそれを継続する、こういうことになるわけでございます。それから、鉄道敷設法の別表にあります新線の建設でございますけれども、この鉄道敷設法自体におきまして、一条というのは国鉄につくるという規定でございますけれども、第二条におきましては「予定鉄道線路ニ該当スルモノト雖一地方ノ交通ヲ目的トスルモノニ在リテハ政府ハ地方鉄道トシテ其ノ敷設ヲ免許スルコトヲ得」ということで、鉄道敷設法自体は、原則は国鉄のためにつくる線路でございますけれども、それを一地方の用に供するものについては地方鉄道で建設させるということが予定されているわけでございます。そういったことを踏まえまして、今後ぜひ必要である、これはどういう場合が必要であるかということにつきましてはいまから予見がなかなかできない問題でございますけれども、そういったものがあった場合には、従来のAB線方式というものを行わなければだめだということが認められるものについては、これは新しいものについても地方鉄道として認めていくという道は残しておかないといけないのではないかという意味でAB線の新線というものが入っているわけでございます。 それから、そういったAB線の建設が、効率的な輸送体系あるいは国民経済的に一体そういうものが妥当であるかどうかという御議論であったかと思いますけれども、これもむしろ地方鉄道をつくることがぜひ必要であるということで、第三セクター等をつくってぜひつくりたいということがまず第一に申し出がある、それから第二番目には、地域における輸送の確保のために特に必要であるかどうかということを認定して行うわけでございますから、その問において効率的な輸送に資さないというものについてはつくることがないというふうに私どもとしては理解しておるわけでございます。 それから、若干技術的な話になって申しわけございませんけれども、整備五線につきましては、これは大臣の方から後ほど御説明いたすわけでございますけれども、現在考えております五十億の使途というのは、去年は環境影響評価のために五十億やって、いま御指摘になりましたとおり環境影響評価というものは大部分消化しております。今回つきました五十億というのは工事着工のための調査ということでございまして、工事をどこの線にする、どういうルートになるということはわかっておりませんけれども、軟弱地盤とかあるいは土質であるとかあるいは都市計画との整合性の問題というものを一般的に調査するためにつけたものでございます。 それから、青函の使用方法でございますけれども、これもいま検討されておりますのは、北海道地区並びにこちら側の青森地区の方に従来の線に接続をして、在来線の輸送と新幹線の輸送とをどういうふうに使ったらいいだろうかということで、三線軌条、在来線も通るし新幹線も通るというような軌条について検討しているわけでございますけれども、この青函トンネルというものが国鉄の経営に一体どういうふうな影響を与えるかというのは、端的には借料の問題になろうかと思うわけでございますけれども、そういったものについてもいま関係各省で検討を進めているという段階でございます。
○地崎国務大臣 整備五新幹線の進め方につきましては、五十三年に具体的実施計画が決定しており、五十五年度については工事着工のための所要の調査を行うこととしております。なお、整備新幹線については、採算上の問題が多いので、財源措置等の見通しを得ることが前提となっておるのであります。これについて、当面検討委員会の設置等によって検討を進め、速やかに決定されるように努力しているところであります。なお、財源措置等が具体化された場合には工事に着手できるよう措置してまいるところであります。 また、いま鉄監局長から青函隧道のことについての御説明がございましたが、これのアクセスの問題等については国鉄等の意向等も踏まえて早急に方針を決定したいと考えておるわけでございます。
○久保(三)委員 大事なものが余り明確でないので、いずれまた機会を見て詰めた話を申し上げたいと思うのですが、時間ももうありませんから、最後に国鉄総裁にお尋ねします。 工事費は今年度予算で一兆六百億ほどありますね。閣議了解事項でも、再建についての中で工事費は極力圧縮しているということでありますが、それが一つ。 もう一つは、財源調達については閣議了解事項には何も書いてない、言及してない。従来どおりこういう借金でやっていくのかということになりますね。しかも一兆六百億の工事費それ以外にまだありますね。そういうものは果たして妥当な工事費であるのかどうか。なるほどやらねばならぬ工事もたくさんあります、老朽施設もたくさんありますから取りかえもしなければなりません。ところが、むだな投資がありますね、あるいは不適当な投資、こういうものを散見するというか、たくさんあるわけです。先般来いろいろな問題が各省から出ておりますが、こういうもののばかばかしい投資を何百億もかけて、使わない、あるいは壊していく。一つは、こういうものに対する責任のとり方を決めてもらいたいと思うのです。だれがそういう投資を計画して許可していったか。たとえば、これは後から使うのでしょうが、熊谷の郊外に新幹線が開通したらば使うだろうヤードがあります。これはできてから三年ぐらいになるのじゃないですか、もっとになりますか。これは約百億。さびついているわけですね。大井埠頭の問題はすでに指摘されているとおり。いろいろなところにいろいろな問題があるわけですね。こういうものに対してはだれも責任を負う人がいないのです。今度はそういう責任の追及制度をつくらねばならぬだろうというふうに私は思うのです。 それからもう一つは、小さい話では、中間駅の放送施設に百万円以上の設備をつくるとか——われわれの常識から見れば、ホーム二面ぐらいのところの放送施設は、はっきり言って、われわれが選挙のときに使う放送施設で十分間に合うはずであります。それを倍にしても大体五、六十万で間に合う。そうかと思うと要らない施設をつくっておる。これはワンセットだからつくるんだというのがあれだそうですね。常識では考えられない。こういうむだ、そういうものについて関心をこれまで持っておりますか、あるいは、関心を持っておられるとするならばいかなるチェック制度を考えておるのか、聞きたいと思うのです。 ことしの予算は、運賃値上げ千百六十億を要求した。ところが、結論的に、実際に運賃値上げでやる分は千五億ということになった。私は千五億ぐらいの運賃値上げはやめておいたらいいと思って考えた。そのためには工事費一兆円の一割を圧縮したらどうか。工事の中身をやめろと言うのじゃないのですよ。むだ遣いをやめる、工事の見積もり単価を引き下げる、こういうことが必要だと思うのですね。そういうものについて検討を加えておりますか、いかがです。
○高木説明員 幾つかの問題がございますが、現在一兆六百億円の工事をさせていただいております。大別しますと、三千九百億円が東北新幹線の工事費でございまして、六千七百億円がその他のものでございますが、その六千七百億円の中で取りかえ投資が大体三千億ぐらいでございます。現状では取りかえ投資三千億ではいささか不足しておりまして、結果的には施設、車両の老朽劣化が進んでおります。これに対しては、新幹線工事が間もなく峠を過ぎますので、そちらの金を老朽劣化防止の方により手厚く回すことによって、基本構想でお示ししましたこの六年間大体現在程度の投資規模でやっていく、そして老朽劣化も何とか進まないようにしていくという考え方でおります。 二番目のむだな投資の問題でございますが、むだな投資の中で幾つか御指摘がありましたヤードの問題については、結果としてはかなり過大投資になっておるもの、あるいはいろいろな事情で工事がうまく進捗していないもの等がかなりございます。これは四十五年ぐらいの段階で計画されたものでございまして、かねがねこれの改定といいますか見直しを考えておるのでございますが、まだ結論は出ておりませんけれども、近々のうちにこの貨物関係については計画の見直しを行いたい。同時に、実は現実には最近は貨物関係は計画はありますけれども実施は抑えてきておりますので、過去の投資分の過剰分を除きまして、今後はそうしたことはまずまず起こるまいと思いますけれども、計画を縮小いたしたいと思います。 それから、もろもろの工事単価が高いのではないかという点は私も大変気にいたしております。どうもそういう工事関係で少しぜいたくなものができ過ぎるのではないかという心配をいたしております。これは関係の担当部局にいま見直し作業をやらせております。もう少し何か簡易簡便に済ます方法はないかということは御指摘のとおりの問題点だと思います。 それから、責任問題でございますが、これはいろいろ組織が一応できておりまして、それぞれの機関にかけられております。大口の貨物の問題等につきましても常務会なり何なりに全部付議されておるわけでございまして、その段階で貨物の需要見通し等に誤りがあったということは申しわけないと思いますけれども、何かずさんであったということではなくて見通しを誤ったという点が非常に大きいわけでございますので、これは十分調べてみますけれども、責任問題という形にはちょっとなりにくいのではないか、それよりももう少し別の形で投資の効率化に努めてまいりたいと考えております。 それから、一兆円のうち一割工事を抑えれば千億も運賃を改定しなくてもいいではないかと言われますが、それは多少先生が誤解をしておられるのではないかと思いますが、千億工事費を節約をいたしましても損益に響いてまいりますのは七、八十億でございまして、千億工事費を抑えましても損益には七、八十億しか響かないわけでございます。工事勘定は長年にわたって償却によって損益の方にはね返ってまいります関係で当面はそういう形になります。したがいまして、私どもは一兆六百億という金額が多い少ないという御議論につきましては何とか効率的になるようにいたしたいと思いますが、五十四年度も一兆六百億円でございました。五十五年度も一兆六百億円でございまして、その間物価騰貴等の関係から見ますと、実は大体一割近く五十五年度は工事量が五十四年度よりも減るという形になるわけでございまして、そういう意味では今年度は特に抑制的に運営しておるつもりでございますが、御指摘のような点がいろいろありますので、投資については十分もう一遍別の角度から見直し作業をいろいろやらせてまいりたいと思っております。
○久保(三)委員 これで終わりますが、これから明確にしてもらいたいものが幾つかありますから保留しておきますが、先ほどの鉄監局長の答弁の中でも、AB線の建設中のもので、あなたがおっしゃる基準以下のもので第三セクターがなければそれはどうするのか、これは大変疑問があります。お答えがありませんが、次の機会に答えてもらいましょう。 それから、国鉄総裁に申し上げたいのは、何か私の質問に当を得ないような御答弁が大変多いのであります。われわれ第三者から見ますと、一兆円の工事費をまじめに使っているのか、実際言うとこういうふうな感じがするのですよ。もう少し分相応に考えてもらいたい。そのためには、なるほど常務会にかければ、それならその常務会に責任を負ってもらうのですが、そういうたぐいでというかそういうところで膨大な組織なのにチェックができるかどうか、私は非常に疑問に思っているんです。はっきり言うてむだ遣いはかなりありますよ。だから、そういうものをチェックするシステムを確立すべきだということを言っているのですが、あなたは全然お答えになっておらぬ。国民大衆から見れば、それが工事費勘定であろうが損益勘定の中であろうが、膨大な費用を借金して、しかも用に足りないようなものをつくったり、あるいは全然使いもしないものを買ったり、そういうようなことが一つや二つでないから問題になっているので、それは非常にまじめさを失っている象徴であります。中にはまじめにやっている人もおりましょう。しかし、そういうものに対する責任制度が全然ないのですよ。運転事故をやればその当面の責任者だけが処罰される。そういう大きな経営の責任はだれがとるのですか。だれもとったためしがないのです。これは厳しく考えてもらいたい。この次に答弁をしてもらいましょう。考えてください。 それから最後に、労使の関係の問題で一言注文をつけておきます。労使の関係は余り良好でないようなあるような、はっきりわかりませんけれども、もっと労使ともに国鉄再建というか国鉄の置かれている現状について認識を改めるべきだと私は考えている。しかもこれはもはや甘えは絶対に労使ともに許されません。われわれはそう考えている。そこで、特に労使と言っても現場に行けばお互いに同じ仕事をしているわけですね。そうだとすれば、いまの現場の協議制度なんというものはもう一遍見直す必要があると私は思う。管理者である者が当事者能力を失ってうろうろしているから体制が乱れるのです。これについてもこの次に答弁をいただきましょう。 時間が来ましたから、終わります。ありがとうございました。(拍手)
○古屋委員長 加藤六月君。
○加藤(六)委員 私は、本日は国鉄経営再建法案の背景あるいはまた決意、そういったものについて質問をしていきたいと思います。 冒頭運輸大臣と国鉄総裁にお伺いいたします。 二月十九日に自由民主党の総務会において決議が行われました。それはいろいろな経過を経、いろいろな審議を経ての決議であったわけでございますけれども、「運輸大臣及び国鉄総裁におかれてはこの趣旨に副って強力に所要の施策を進められるよう右申入れする。」ということでございまして、「昭和六十年度までに職員数「三十五万人体制」の確実な実施を図るとともに、その後においてもさらに見直しを行い民営並みに業務能率を向上させるよう最大限の努力をすること。」これが一つ。もう一つは「国鉄の破局的経営状況に鑑み、国鉄労使は今回の再建計画が最後の再建の機会でありこれを達成し得ない場合、残る方策は、民営への全面的移管以外にはあり得ない事を十分認識し、不退転の決意をもつてその完遂を期すること。」この二つが議論の内容としてされたわけであります。 その経過、過程はいろいろあるわけでございますけれども、わが党の、国鉄の重要性、その性格を十分認識していただいておる先生方からいろいろな意見が出たのであります。たとえば国鉄のことしの収支計算書の中身一つを見てもよくわかるではないか。純損失は八千八百九十九億円だ、助成金は六千三百九十九億円だ、合わせると一兆五千二百九十八億円になる。一方、翻って運輸収入を見ると二兆六千七百九十三億円だ、実質はこれよりさらに少なくなると思います。実質赤字として純損失と助成金の合計をすると一兆五千二百九十八億円だ。運輸収入は二兆六千七百九十三億円で、これが実際上はさらに数百億円下回るかもわからぬ。そうすると、赤字そのものは実収入の五七%に当たるのではないか。ここら辺を国鉄の労使の皆さん方は何と考えるのかという大きな背景があったのが一つであります。 それからいま一つは、第一次石油ショック以来財政が非常に厳しくなってきた。高度経済成長時代は終わった。昭和五十五年度の予算をつくる上においても当然増経費を賄い切れない状態であった。その中でやりくり算段して非常に苦しい昭和五十五年度の予算をつくらなければならなかった。そういう観点からいってみて、国民の皆さん方は増税は反対である、国債も赤字公債を発行するのはおかしい、こういう認識に立った場合に、私たちは補助金の削減から始まって、行政機構の改革、効率的で簡便な政府をつくらなければならないという一大命題を持っておる、そういうことをわが党の先生方が考えてきた場合に、いわゆる三K問題というのが起こってきた。三K問題そのものを放置しておいていろいろな議論をするのはおかしい、わが国の教育水準、福祉水準をいままで以上に維持していくためにはどういう方策がいいかというもろもろの問題が議論された過程においてこの決議が行われたことは私が改めて申し上げるまでもないと思うのであります。 私が冒頭質問しておきたいのは、この問題を自民党内の調整として、国会に提出するのを認めるための便宜として決議をしたか、本当の意味で自民党が不退転の決意でやったかということについてどういう認識を持っておられるかということにつきまして運輸大臣と国鉄総裁にまず承っておきたい。
○地崎国務大臣 国鉄の再建の道のりは決して容易なものではございません。 いま御指摘の自民党総務会の決議にもありますように、私は、今回が国鉄再建の最後の機会であるということを十分認識いたしまして、全力を挙げて、不退転の決意を持って国鉄の再建に努力をして指導してまいりたい、かように存じております。
○高木説明員 いまの国鉄の経営が非常に悪くなりました一つの大きな理由としては、やはりオイルショック以後の減量経営がうまく進まなかったということであろうかと思いますが、改めてここにまた大変なコストプッシュの時代が来ております。なかなか容易ではないと思います。しかし国鉄の置かれております競争関係ということを考えますと、過去のようにいたずらに収入の増加を期待することはできないわけでございますので、そういう意味で、まさに経営はむずかしいことになっておると思います。 これを突き抜けますためにはどうしても私ども自身の、労使ともどもの努力による立て直しが必要なわけでありまして、なかなか容易なことではないと思いますけれども、それに全力を傾注してまいりたいと思っておるところでございます。それについては、いたずらに助成金の増加というようなことに頼ることなく、企業努力をまず中心に置いて取り組むべしという御趣旨と承っております。私どもは、現在の国の財政状態等から言いましても、いま加藤委員が御指摘のようなことでありまして、甘えは許されないわけでございますから、まずもって企業自身の努力に全力を集中して、どこまで計画どおり達成できるか、どうしても達成しなければならぬというつもりで取り組みたいと思っております。
○加藤(六)委員 その過程の中におきまして、私はきょうは余り触れませんが、今回のこの法案のいわゆる特定地方交通線四千キロ、ここら辺の地域の皆さん方というのは、ある面で言いますと自由民主党の金城湯池であります。長い間、おじいさんがこの鉄道の建設に献身したあるいは銅像がある、子供や孫の代になってこれを廃止しなければならないのは心情的にも耐えられない、こういう意見がわが党内にも非常にたくさんあった。しかし、今回のこの経営再建促進特別措置法案を出す経過というか自民党の決意というのは、わが党も三Kの一つである国鉄経営再建のために血を流そう、肉を切らそう、そうして国鉄を経営再建して、国民の期待にこたえるような任務を遂行させなくてはならないのだ、この一大決意のもとにやったということを、運輸大臣、国鉄総裁、特に強く肝に銘じておいていただきたい。エゴは許されない時代になったという大前提に立って党内手続を行ってきたわけであります。 その中にはもろもろの議連の悲痛な叫びや反対があった。しかしそれでは三K問題を解決し促進するためにいけないんだ、小を殺して大のために、国民経済的に見て、これからのエネルギー状況を考えて、国鉄の必要性を十分認識した上でこういう手術をやらなくちゃならぬのだというところに最後のわが党のコンセンサスがあったということをゆめにも忘れないでおいていただきたいということを繰り返して申し上げておく次第でございます。 冒頭申し上げましたように、後々いろいろわが党の議員も質問されますので、本日はこの措置法の一条から七条ぐらいの関係についての背景その他をお伺いしていきたいと思うわけであります。 まず一番目にお伺いしたいのは、私たちは昭和五十二年に運賃弾力化をずいぶん議論をして、そして各党の委員の先生方の御意見等をまとめながら昭和五十二年十二月二十八日に当運輸委員会で大きな決議をし、その決議に従って同じ年、昭和五十二年十二月二十九日に国鉄再建の閣議了解というのをつくってもらいました。その間何十時間という与野党の委員の質疑を踏まえてあの決議をつくったわけであります。私もあの決議をまとめる責任者として政府、各党の間を飛び回りまして、最大公約数としてあれをまとめたわけであります。今回の、昨年暮れの、五十四年十二月二十九日の閣議了解の中身等を読んでみますと、昭和五十二年十二月二十九日の閣議了解を踏まえて今回の閣議了解を行うというのが括弧書きの中に入っております。先ほど久保委員からも質問があったわけでありますけれども、前回は当運輸委員会の全体的なコンセンサスにおいて当委員会で決議したものに従って昭和五十二年十二月二十九日に閣議了解を行ってもらった。私はある面で言いますと、当委員会における決議を一字一句も間違わないように昭和五十二年十二月二十九日の閣議了解の中に入れてもらいたいということを強く申し上げておった。今回は、昭和五十二年十二月二十九日の閣議了解を踏まえたとはいうものの、運輸大臣の提案理由の説明を聞きますと、昨年十二月二十九日に閣議了解があったからその線に従って今回の措置法を出した、そういうところを見ると若干継続性はあるように思うのですけれども、今回の、昨年暮れの閣議了解は、五十二年の再建の基本方針の閣議了解と一体どういう問題で関連があるのかないのか、どの程度踏まえたのか、そこら辺の問題について鉄監局長に御答弁をお願いしたい、これが一点です。 それから第二点は、いままで私たちは国鉄の財政再建、こう言っておった。今回は経営再建になった。五十二年十二月の閣議了解と昨年暮れの閣議了解との間において財政再建というのと経営再建、これは中身も考え方も若干違うのですが、その違いがはっきりしてきたのはどこら辺にあるのか、まずこの二点について質問しておきます。
○山地政府委員 いま先生のお話の中にございましたように、五十四年十二月二十九日の閣議了解の一部に五十二年十二月二十九日、前回の再建の基本方針「の趣旨に基づき、国及び国鉄が当面緊急に実施すべき対策を次のとおり定める。」こういうふうに書いてあるわけでございますが、これは五十二年の十二月の二十九日の閣議了解におきましては最後の方になっておりますけれども、「国鉄再建の目標」のところにございますが、「国及び国鉄は、昭和五十三年度及び昭和五十四年度中に所要の対策を確立し、昭和五十五年度以降健全経営を目指すための基盤とする。」こういうふうな閣議了解の内容になっているわけでございます。私どもは、今回の閣議了解をするに当たりまして趣旨にのっとりというふうにいたしましたのは、まさに内容的には前回の閣議了解そのものの実行であるということを頭に置いていたわけでございますけれども、ただ一つだけ非常に基本的なところで今回の閣議了解が前回の閣議了解の趣旨にのっとりといたしました最大の理由は、「国鉄再建の目標」の二番「収支均衡回復の目標」というのが五十二年の、前回の閣議了解、基本方針では「国鉄財政の収支均衡の回復は、昭和五十年代に達成することを目標とする。」ここが私どもとしては前回の閣議了解にのっとりとかあるいは基づきとかいうにしては非常に違いがある。そこで趣旨にのっとりというふうにしたわけでございます。内容的には、前回の閣議の基本方針に基づきまして国鉄自身が国鉄の再建の基本構想というものを自分でつくりまして、かなり各論的に肉づけができた、それに基づきまして今回の閣議了解もかなり各論的に私どもとしては詰めたつもりでございますけれども、前回の閣議了解の基本方針に基づきましてというふうにならなかったのは、目標が違う。六十年度までは経営の基盤の確立にとどまりまして、その以後において収支均衡の回復を可及的速やかに図るというふうに残念ながら具体的といいますか、非常に現実的にはなりましたけれども、言葉としては一歩後退というふうになったのは、まことに申しわけなく思っている次第でございます。
○加藤(六)委員 次の次に質問しようと思っておったところまで早々と御答弁いただいたのですが、ここでもう一つはっきりお聞きしておきたいのは、経営再建と言い、あるいは財政再建と言い、あるいは言葉をかえて言うと、国鉄再建と言いますね。一体再建という言葉はどういう姿を想像して言っておるのか。私は国鉄の職員の若い皆さん方と半日ほどちょっと議論したときにこういうことを言われたのです。 先生、四千キロもレールを外したり切ったり、経営を外して再建と言えるのでしょうか。私たちが国鉄に入ったのは、高度経済成長時代であるから、大きいことはいいことである、その二万数千キロの国鉄のレールというものにあこがれて入った。それを次々切っていくと言う。そこでどうも組合の幹部や上の方の経営者の幹部が言われる再建というのと、私たちが国鉄に入ったときのイメージとして描いておる国鉄を再建するというのでは基本的に違うような気がします。一体再建というのはどういう姿を国鉄が再建が成ったと言うのでしょうか、こういう質問を受けて、私もそれに答えるのに三、四十分かかって、ずいぶんあちこちくねくねしながら納得さすように努力したことがあるのですけれども、きょうはそのことはこっちへ置いて、この法律がねらっておる経営再建というのは、どういう状態になったら経営再建成れり——それは局長の答弁だと、この法律に書いてあるのが全部でき上がったら再建できたと言いますけれども、本当に経営再建成った国鉄の姿というものはどういうものを言うのかということについてお答えいただきたい。
○山地政府委員 再建という言葉と、それから国鉄再建、財政再建あるいは経営再建、私どもが注意してまいりましたのは、特に経営の再建であるという点でございます。先ほどちょっと読み上げましたように、五十二年の閣議の基本方針でも、経営の再建といいますか、経営基盤といいますか、そういう経営という観念はもうすでに出ているわけでございますけれども、今回私どもでその経営という言葉に注意いたしましたのは、先ほど久保先生の御質問でもありましたように、昔の姿に戻るのかということ、これも一つの再建であろうと思うわけでございますけれども、今回の再建は、そういったある種の昔に戻るというよりも、新しい形の経営、「経営の重点化」ということが国鉄の再建の基本構想の中にも入っているわけでございますけれども、そういった国鉄経営を重点化して、まあ言ってみれば活力のある新しい集合体といいますか、経営体というものをひとつ頭に描いて、それで財政の再建もしていきたいということでございます。若干言葉の遊戯的になるわけでございますけれども、私どもとして国鉄経営の基盤の確立ということは、収支の均衡が回復され、それが長期に維持されるとともに業務運営が適正化され安定的に良質の輸送サービスが提供される、こういったような考え方できているわけでございます。したがって、いま申し上げましたとおり、先生もいま御指摘になりましたとおり、国鉄の経営の再建法に書いてございますようなもろもろのこと、あるいは国鉄の再建の基本構想案にあるいろいろなことが実現できるという結果、それで国鉄の経営の基盤が確立されて、それが長期的に良質のサービスを提供できるようになるということをもって健全経営が確保されたというふうに私どもとしては理解しているわけでございます。
○加藤(六)委員 それでは、この第二条の経営の再建の目標、昭和六十年度までに経営の健全性を確保するための基盤を確立する、引き続き速やかにその事業の収支の均衡を回復する、局長はその事業の収支の均衡も相当長期的に続かないといけない、こう言っておられましたが、一体昭和六十年までに健全性を確保するための基盤が確立して、事業の収支の均衡が回復できるまでの期間は何年ぐらい見ておるのか。そして事業収支の均衡が回復したというのは、実際国鉄が昭和五十四年七月二日に出した国鉄再建の基本構想案その他によりますと、民鉄との比較とかあるいは人件費比率とか貨物とか、いろいろなものが全部ありますね。あるのですが、きょう私がここで確認しておきたいのは、経営の健全性を確保する、六十年までに断じてやります、これは非常にあいまいですね。経営の健全性とはどうなんだという議論もしなくちゃならぬわけですけれども、まあアバウト理解したとしても、経営の健全性の基盤を確保して、事業収支の均衡回復との間にはどのぐらいのずれ、年数が必要だとお考えになっておるのですか。
○山地政府委員 あるいは国鉄総裁の方からお答えした方がより現実的かもしれませんけれども、私どもが今回の国鉄の再建を考えていく場合、先ほどちょっと申し上げました国鉄自身がっくりました国鉄再建の基本構想、これは一つの現実性——これはいろいろな条件があります。いろいろな条件があるけれども、それらの条件が成就したらどうなるかということを、言ってみればシミュレーションみたいな形で見るという意味では、非常に有効な絵であったわけでございますけれども、それによると、残念ながら六十年度において収支の均衡ということは望み得べくもない。しかし、ある種のもの、つまり年金と退職金、あるいは東北、上越の収支というようなものを特に除いて考える場合には、収支の均衡といいますか、そういうことはあり得る。これはやはり国鉄が体質的には将来収支均衡になり得るということが確認できるのではないだろうか。それを今回の法律の再建の基盤を確立するということで私どもは表現しているわけでございます。 それから、それではいまの基盤が確立された後で収支の均衡までどうなんだ、これはさらにその後の五年とか、先の話になりますので、前提をいろいろ置く場合にも、非常に不確定要素が入ってくるわけでございますが一それをあえてやってみたらどうかということは、もちろんこれもまたシミュレーションみたいな形でやってみれば、これもいろいろの前提があった場合に、収支の均衡ということはそう先の話でなくて、現実にできるということも気持ちとしては確かめているわけでございます。それじゃそれはどの程度客観性があるのかということにつきましては、これはまたいろいろの考え方があろうかと思いますけれども、これはあり得る、収支の均衡ということができるということに基づいて、この法律で可及的速やかに収支の均衡を図るというふうに述べているわけでございます。
○加藤(六)委員 私たちは、昭和四十四年以来、国鉄再建策というのはこれが決め手だ、これが決め手だというて、数回議論し、それがことごとく短期間に失敗し、ことごとく国民の皆さん方の心からなる理解と納得と応援をいただけなかった。ある面では成功したと思う面もありますけれども、全部失敗してきた。したがって、冒頭私が読んだわが党の総務会の決議なんかの気持ちというのは、いままでのような再建策や再建案ではないよ、またあってはならないよ、完全にこれはやらすのだよという強い決意があるのですが、いま御説明を承りますと、収支均衡ということについては、経営基盤の確立をするのがこの法律の目的なんですか。それとも収支の均衡を回復するのが目標なんですか。それを簡単でいいですからはっきりおっしゃっていただきたい。
○山地政府委員 これは法文に書いてございますように、再建の目標というのは、「経営の健全性を確保するための基盤を確立し、引き続き、速やかにその事業の収支の均衡の回復を図ることに置く」ということに書いてございますように、明確に事業の収支の均衡の回復を図るということが目標であると私は理解しております。
○加藤(六)委員 そうすると、収支の均衡回復を図る年次というものは、はっきりしなくちゃならぬのじゃないですか。そうせぬと、経営再建促進特別措置法と言えないのじゃないですか。健全性を確保するための経営基盤を確立しますという法律ならいいですよ。事業収支の均衡を回復することがこの法律のねらいであるとするならば、いまの局長のおっしゃった六十年までに三十五万人体制以下、四千キロその他のいろいろな問題をやって経営基盤を確立します、これはよく理解できますよ。しかし、この法律のねらいは収支の均衡の回復を図るのだとするならば、いつ収支の均衡の回復はやるのだということをはっきりしないと、この法律の本当のねらいはあやふやになってくるのじゃないのですか。
○山地政府委員 この法律でまず明確にしておりますのは、第二条で、昭和六十年度までにということで、基盤の確立ということを一つの明確な目標に掲げているわけでございますが、その後速やかに事業の収支の均衡を図ると言って、どのぐらいの時間がかかるのだということについては明確に書いてないのは、御指摘のとおりであろうかと思います。 ただ、私どものこれを書きましたときの考え方というのは、基盤の確立をするということは、先ほどちょっと触れましたように、体質的にそういった再建ができるということを確認することにあるわけでございますから、その確認ができれば、まさに言葉のあれになりますけれども、速やかに収支の均衡までいけるのだ、いけないようなものは経営の健全性の確保のための基盤ができたとは言えないという意味で、私どもの従来の計画が、何年までにどうなるのだということのお約束をする余りに現実的でなかったという反省も加えまして、今回のは六十年度までには基盤を確立する、それ以後については、その基盤ができたのだからそれ以後の収支均衡の回復ということは実現できるのだということに、かなり現実的、具体的にその目標を置いているというふうに御理解を賜りたいと思います。
○加藤(六)委員 そこで国鉄総裁にお伺いしますが、今週の火曜日の朝、新聞を見て愕然としたのです。われわれがこれからこの法案の審議をし、国鉄の経営再建のためにあらゆる角度からやっていこう、しかも、私も先ほどちょっと触れましたが、ことしの純損失は八千八百九十九億円で何とか済まさないと、去年よりかことしの方が純損失を少なくするというところにある面では経営基盤の確立あるいは収支均衡回復に向かっておるんじゃないかという気持ちを持っておって、これからそういう問題等も含めて当運輸委員会で議論しなくちゃならないと思っておったところが、八千八百九十九億よりか一千億以上もさらにことしは赤字が出そうでございますということをおっしゃった。五十四年度の決算はまだ出てきませんから私完全によう読み切っておりませんけれども、冒頭申し上げたように、われわれが異常な決意を持ってこの法案に取っ組んでおるときにああいう言葉が新聞に載りまして、国鉄経営再建の意気込みというものに水をぶっかけられたような気持ちになりました。もちろん、総裁がどういう会見でどういう中身を言われたかは私たちも詳しくはわかりませんけれども、少なくとも記事を読んだだけにおいては、やはりだめなのか、そうすると汗水流して運輸委員会で審議するのもむだなんじゃないだろうかというような気持ちがびまんしたんです。 そこで、私は先ほど収支均衡回復問題がねらいということから御質問申し上げておいたんですが、一体総裁は——この中身はわかりますよ。電気代が上がったんですから、油代もどんどん上がるんですから、春闘のベースアップの公労委の裁定はまだ出ぬようでありますけれどもやはりこれも来るでしょう、いろいろな問題が来る。しかし、予算書に盛られておる八千八百九十九億よりかさらにふえる要素があるにしても、必死の努力というものを国鉄労使が一致結束してやっていって、さらに一千億の赤字がふえそうなのは、これを切って切って切っていく努力というものがあって初めて私たちはこの法案を真剣に、先ほども党の決議を申し上げましたが、わが自由民主党も血を流し肉を切らしてでもやっていこう、こう決意をいたしておるわけです。そうするとことしは赤字が一千億ふえますから一兆円になりますよというようなことでは困るんです。労使一体になってふえる赤字分の要素をどうやって克服していくか、このことを徹底的に議論し、やってもらって、その上でやはりやむを得ぬなというんだったら理解できますけれども、そういう議論がどの場でどうやってやられて一千億以上の赤字が出そうでございますと言われたのかということに——私たちの委員の間にあるいは党員の間にこの法案に対して水をぶっかけられたという空気が出てきたわけです。記事だけではいけませんから、この席をかりて総裁の真意をお聞かせおきいただきたい、こう思うわけであります。
○高木説明員 各方面に大変御心配をかけまして、またいま御指摘のように、一体本当に決意ができておるのかという御疑念を寄せられるような結果になりまして、申しわけなく思っております。私が言いたかったのは、千億赤字がふえますということでは決してないわけでございまして、千億経費がふえますということを言ったつもりであったわけでございますが、各記事の受け取り方としては、どうも千億赤字がふえますというところに報道の力点が置かれて、私自身もちょっとそういうつもりではなかったんだがという気持ちを持っております。 私の心境としましては、この前、弾力化法案を経費増加額を限度として運賃の改定をするということで認めていただいたわけでございますが、その後の情勢からいたしましてだんだんと競争力が落ちてきておることがはっきりしてまいりました。そこで、昨年の概算要求以来今回の運賃改定に至りますまで極力運賃の上げ幅を抑えたい、そしてそれによって何とか計算上出てくるものとは違った意味でお客さんに乗っていただいて、運賃改定によらざる増収を図ってまいりたいという気持ちもありまして、ことしは従来とは違って運賃改定幅を低目にいたしたわけでございます。私はぜひともこの一年間にわたりまして、収入がいままでのように見込みましたものよりも数百億も落ちるということでなしに、逆に見込みよりもふえるというようなことにならないかな、またそれを実現しなければいけないということを念願いたしております。 幸い貨物の例を見ましても五十四年度は予算よりも二百数十億円収入が上回ったわけでございまして、やはりいろいろ努力をすれば収入がふえてくるということが少しずつ職員の諸君にもわかってくれるような環境になってまいりましたので、こういうふうに大変経費がふえることでもありますから、職員諸君に大いにがんばってもらって収入を上げていこうではないか、そうしないことには初年度からつまずいたようなことになるという気持ちがあるわけでございまして、先般来内部ではどうしたら収入をふやせるかということをいろいろ工夫いたしております。 この間、営業施策として、四月二十日からいろいろな提案を始めております。それもその一つでありますけれども、これからも重ねていろいろな営業施策を打ち出すことによって収入を上げてまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、それだけ経費がふえましたから右から左に赤字がふえましたということではいけないのでありまして、むしろ予定しました以上にどうやって収入をふやすかということにこの一年間みんなでがんばっていこうではないかという働きかけをこれからやってまいるつもりでございます。大変直に経費がふえました、即赤字がふえるのではないかというふうに伝えられておりますことについて非常にお騒がせをいたしたということで申しわけなく思っております。
○加藤(六)委員 そこで私は次に、いま総裁も御答弁になった中身から考えまして、第四条の経営改善計画にちょっと触れてみたいと思うのです。「経営改善計画は、次の事項について定める」こうあって一から八まであるわけですね。いままでも経営改善計画は運輸大臣に提出してもらっておりましたね。そうすると、現行の経営改善計画とこれとの関係は一体どうなるのか。もちろんこれ一本にしぼって今後経営改善計画そのものはやっていくのかどうなのか、こういうのが一点です。 それから不思議に思うのは、この中にわが党内でもずいぶん議論されたのですが、病院の赤字等がずいぶん議論になりましたね。鉄監局長、御存じでしょう。全体の赤字の中で病院経営関係だけでも四百億以上の赤字があるじゃないか、一体これに対してはどうするんだという問題等もあったし、あるいはまた関連事業や資産処分の問題についてもいろいろ意見がありましたね。これにはそこら辺が触れてないのですが、たとえば貨物とか荷物とか病院というようなものの改善計画はこの中に入れるのか入れないのかということが一つ。それから二の「経営規模」、三の「輸送の近代化」、四の「業務運営の能率化」、それから先ほど総裁がちょっと触れられましたが、五番の「収入の確保」、それから六番の「組織運営の効率化」「経営管理の適正化」、これらの具体的な問題は一体詰めているのか詰めていないのか。四千キロを中心とした手続法ではないはずだ。経営改善計画をする場合には、この中で年次がはっきり出てきているのは、昭和六十年というのがありますが、一体「経営規模」はどの程度になるのか、「輸送の近代化」というのは何をやるのだ、そしてこうやって計画的にやるのだ、「業務の省力化」とか「業務運営の能率化」というのはこういうことをやるのだ、それから総裁がちょっと触れられたが、一体「運賃」は法定限度ぎりぎりまで取るのか、それとも総裁が言われたように、競争力がありません、競争力がありませんから、あるいは物価値上げに配慮して法定限度額までは取りませんという運賃の数字なのかどうか、それから「組織運営の効率化」とか「経営管理の適正化」、これは鉄道管理局や支社あるいは本社の職員その他管理職を一体どういうふうにするようになっているのだ、ここら辺の詰めをやっておるのかやっておらないのか、あるいは運賃改定は毎年やるのかやらぬのか、こういう問題を含めて「経営改善計画」というものの項目を挙げているけれども、中身は私が申し上げたような落ちもあります、あるいは、いやこれは運輸省令で定めるものの中に入れるのだと言われるかもわかりませんが、そこら辺はどうなっているのか。
○山地政府委員 まず第一の、現在の改善計画と今回の改善計画の関係でございますけれども、現在の日本国有鉄道法の第五章の二、五十四条の三に「経営改善計画」というのがあるわけでございますが、こういったことにつきましては、全部新しい法律の「経営改善計画」の方に置きかわるということでございます。
○加藤(六)委員 どこに書いてあるのですか。
○山地政府委員 これは附則の方に書いてございます。法律の附則に、第五章の二の経営改善計画はなくなるようになっておりますので、したがって、その辺の調整はできているわけでございます。 それから、ここに書いてある言葉の羅列というようなお感じかと思うわけでございますけれども、これらにつきましてはどういう内容を頭に置いてこういうことを書いたかということを若干御説明いたしますと、たとえば、「事業量、職員数その他の経営規模に関する事項」ということに関しましては、新幹線、在来線、優等列車あるいは普通列車別の旅客列車の列車キロとか、あるいは貨物のライナーとか車扱い列車とかあるわけですが、そういったものの貨物の列車キロとかバスの走行キロというようなことを事業量として考えております。それから職員数につきましては、まさに言葉のとおり何人ぐらいになるということを現在考えているわけでございます。それから、その他の経営規模に関する事項ということになりますと、国鉄全体の営業キロがどうだとか、駅の数、貨物ヤードの数とか貨物、旅客車がどうだとかというような施設のすべての問題を含んで考えているわけでございます。 それから、御指摘の病院については一体どこで考えるのかというのは、六番の「組織運営の効率化その他の経営管理の適正化に関する事項」で、本社の権限とか本社の機構とか、そういった機構問題すべてをここで考えたらどうだろうかというふうに現在思っておるわけでございます。 それから運賃、料金につきましては、まずここの五番目でいろいろと書いてございますし、それから「その他の収入の確保」というのは、いま御指摘のありましたような構内営業とかそういったような事業による収入、あるいは不要資産といいますか、資産の処分等につきましては、五項で考えるというように、これはそれぞれに国鉄の経営改善の大きなものにつきましては、この中ですべてそれぞれの考え方を述べていくということでございまして、この内容につきましては、この法律の成立を待ってということになるわけでございますけれども、現在この法律の成立を前提といたしまして、国鉄においてこのようなものをどういうふうに具体的に各年度別に考えていくのかということについて詳細検討中であると私は承知しておるわけでございます。
○加藤(六)委員 これも私が次に質問しようと思っておったところを局長からお答えいただいたのですが、これに従っていつ提出させるかということですが、局長はいま非常に含みのある発言をされたので、これ以上言いませんが、現行の経営改善計画は毎年いつまでに出させておるのですか。
○山地政府委員 四月に出しているようでございます。
○加藤(六)委員 この法律の中の国民が期待する一番大きな問題は第四条の中にある。したがって、第四条の「経営改善計画」というものは非常に重要なんです。きょう私は、七条くらいまでしかアバウト質問しませんと申し上げておるので、あとはしませんが、ここら辺の問題が国民の期待のあらわれである。したがって、この一から七までの中身が、具体的にどういう計画を立ててどうやるのだということを、一つずつが国民の皆様方に理解と納得をいただき、三Kだ、三Kだと言われる問題を解明していく骨子になる。いろいろの方々は、あとの四千キロ問題、あるいは鉄建公団関係の問題等、それぞれの立場で御議論されると思いますが、私自身がこの法律案を読んでみますと、そこら辺に相当の難があるのではないかと思いますので特に承っておいたわけでありますが、四月では遅いですよ。もしこの法律が成立した場合、四月に出したのでは、それをもらったのでは、執行してもうスタートしておるときですから、少なくとも半年ぐらい前からこの項目については相当議論し、もう一つはこの経営改善計画そのものを出されたものを、国会あるいは当運輸委員会に運輸大臣がお示しするというぐらいの方法と覚悟が要るのではないか、こうも思っておりますが、これは答弁は要りません。 時間が余りないので、次に移らせていただきたいと思うわけですが、七条までに余り触れていないのですけれども、一つお聞きしておきたいと思うのは、昨年、五十四年七月二日の日本国有鉄道の「国鉄再建の基本構想案」の中に——私もこれをつくるときにはいろいろ勉強させていただいて、皆さん方の意見も聞いたのですが、「公的助成」の(1)で「過去処理対策として、過去債務対策、退職金増加対策、年金負担増加対策」、それから「前向き対策として、地方交通線・地方バス路線欠損対策、通学定期等公共割引対策、工事費負担軽減対策」、国鉄自身がつくったものには前向き対策と後ろ向き対策というものがある。私たちも国鉄の現状その他を見、過去の大東亜戦争中から戦後のいろいろな問題等を見て議論し、四十二万三千人が多い少ないからいろいろやってきた。しかしそういう仮定はいろいろあるにしても、まさにいま国鉄は大量退職者を出す時代になっておる。近々の間だけでも二十万人退職者が出る。そこで退職される人、若い人、中堅の人、いろいろの意見を聞いてみますと、全部年金問題です。年金問題には、国鉄再建問題と同等以上の国鉄職員並びにOBは関心を持っておられる。私は、ある面では、この年金対策というものをはっきりして差し上げないと経営基盤の確立も、あるいは国鉄労使一体となり、OBを含めて国鉄再建のために一生懸命がんばっていただくというのが実現できぬのではないかとさえ思っておる。年金問題というのは、今日国民的課題でもあります。 ところが、この年金問題を調べてみますと、昭和五十三年度において二十七万八千人が受給者である。そうすると、その時点においての国鉄職員四十三万二千人というと、成熟度が六四%ぐらいだ。ところが、大量離職者時代を迎えて昭和六十年にはどうなるんだ。調べてみると一一四%になるという数字がはっきり出てくる。 そこで、後ろ向き対策ではありますが、過去、国会、政府等、それぞれ一生懸命がんばって過去債務対策や退職金の増加対策をやってきた。今回、この年金負担増加対策というものがこの法律のどこにもないのではないだろうか、あるいは助成の中身はどうなっておるのかということ等があるんですが、これは大蔵省の主計官、来ていただいておるようでございますが、会議費はつけてもらった、こう言うんですが、これは運輸省、大蔵省にも、この会議費的なものをどう使って、どういうように持っていこうとしておるのかということをひとつお伺いしておきたいのと、運輸省、国鉄、この年金問題に対してどう考えておるのか、今回のこの法律と関係あるのかないのかというぐらいのことをお答えいただきたい、こう思います。
○野尻説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生からお尋ねのありましたように、昭和五十五年度予算におきまして、共済年金問題の基本的な各項目について研究するための経費、おおむね百七十万円程度でございますが、研究会経費というのが計上されてございます。この経費の使途につきましては、大体十名前後の学識経験者等の方々に、共済年金がいま抱えております各種の基本問題について将来の見通しまで含めてどういうふうに持っていったらいいかということで、いろいろ御研究をお願いをするということにしているわけでございます。その中の一つのテーマといたしましては、やはり国鉄共済年金、非常に危機的な状況にございますこの共済年金を、どういうふうに共済年金全体のグループの中で対策を講じていったらいいのかというようなことも大きなテーマになっているわけでございまして、目下、その委嘱する先生方の人選等を急いでいるというところでございます。
○山地政府委員 国鉄の共済問題が再建の中で特に重要、あるいは並ぶように重要であるという御指摘、まさにそのとおりでございまして、国鉄の再建のために人員の合理化をすると言えばそれが共済の方にすべてはね返ってきて、支払い側の方といいますか、年金を納める方の人は少なくなって、受ける人がふえるという根本的な矛盾があるのは、いまのお話のとおりだろうと思うわけでございます。 そこで、こういったものについてどういうふうに考えるのかということで、五十五年度の予算の際もかなり各方面の御指導を得ながら、これを考えたわけでございますが、そのとき、まず、私どもとしては、国鉄共済が特にほかの共済から見て成熟度が高いから、その平均的な成熟度よりも高い部分について経営を圧迫しているに違いないから、それについて助成といいますか、金利分だけでも助成していただければ経営の圧迫要因にはならないんじゃないだろうかというような考え方も持ったわけでございますけれども、しかし、こういった問題については、そういった各個別の年金制度ごとに対症療法をしていくということがいいのか、あるいは年金制度全体を考えてこれに対処していったらいいのか、これらにつきましては今後検討をさらに進める必要があるだろうということで予算は見送られたわけでございます。 ただ、先ほど来御説明しております五十四年十二月二十九日の閣議了解におきましては、年齢構成のひずみから生ずる年金問題について、これは各省問で検討するということで、五十二年の閣議了解から見れば、かなり政府の各内部で各論的な検討の義務が課せられて、いま大蔵省の方から御答弁のありましたように、大蔵省にもそういった研究会が設けられるということで、これについては具体的にかつ早急に結論を得べく検討をしたい、かように考えているわけでございます。
○加藤(六)委員 もう時間があと数分しかございませんが、私は、国鉄の再建問題を議論し勉強する際に、EC諸国の鉄道に対する助成という問題等も研究していった。そのときに、いま詳しい数字は忘れましたが、たとえばフランスやイギリスなんかは、国鉄に対する助成というのは、われわれが今日やっておるようなこういう助成ではないのです。フランスのごときは助成額の七、八割は年金に対する助成であった。それを見たときに、わが国の日本国有鉄道も、斜陽であるとかいろいろのことを言われておるけれども、いろいろなことはあるけれども、私は、職員諸君が安心して働き、一生懸命働けるその場を、そして老後も心配ないんだという関係を持っていく場合には、それが必要じゃないか。特にことしも去年も特退が非常にたくさん出てきておる。予算に計上してある分よりかたくさん特退手当が要るようになる。どうしてそういう事象が起こるんだろうかと、いろいろ調べてみ、聞いてみますと、年金をもらう資格をいまのうちに確保していかないと、どうなるかわからぬから、やめて、早く年金をもらうんだという空気が非常に強い。したがって、今後われわれが国鉄の経営基盤の確立をし、いろいろやっていく問題はあるにしても、いま行っておる助成を打ち切っても、年金の助成という問題に取っ組まなくてはならぬときが来るんじゃないだろうかとさえ思っておるから、この中にないわけですけれども、あえて御質問申し上げたわけなんです。政府、国鉄当局は、そういう問題についてはよく思いをいたして、これからこの年金対策には取っ組んでもらいたい。 しかし、いま政府が考えておるような案はなかなか実現ができない。まあきょうは詳しく言いませんが、非常にむずかしいものである。やはり国鉄独自に対して、他の専売や電電を巻き込まずに、国鉄独自に対して何らかの線を出すということが肝要なんではないか。電電や専売をどうぞどうぞ、お願いと言って巻き込むんではなかなかはかどらぬのではないだろうか。昭和六十年までに経営再建をやるのなら、そこら辺をはっきりいたしておかなくちゃなりませんということを最後に申しまして、実は最後に運輸大臣、国鉄総裁のこの法律に対する決意をもう一遍承ろうと思っておったのですが、時間が来ましたので、私は、きょうのところはこれで質問を終了さしていただきます。 どうもありがとうございました。(拍手)
○古屋委員長 草野威君。
○草野委員 私は、国鉄経営再建法案につきまして、何点かお伺いをしたいと思います。初めに、運輸大臣並びに国鉄総裁に申し上げたいわけでございますが、 〔委員長退席、保岡委員長代理着席〕 国鉄が赤字に転落してその再建が叫ばれてからすでに十七年を経過したにもかかわらず、現在赤字は増大する一方でございます。その間、国鉄の再建計画は四次にもわたりまして策定されてまいりましたが、ことごとくその初期の段階において目的を達成せず挫折をしてまいりました。その原因は、計画そのものがその場しのぎの対応にしかとどまっていないこと、また、再建計画を実行する責任体制が確立されていないこと、総合的な交通政策に欠けていたことなど、数多くの点が指摘をされてまいりました。その結果国民に残されたものは莫大な赤字と運賃の値上げによる負担増、サービスの低下のみでありました。これでは国民は納得することができません。しかも、昨今明るみに出た国鉄及び鉄建公団などの一連の不正経理事件などは、果たして国鉄が再建に向かって真剣に取り組んでいるのかどうか、国民は憤りの眼すら持って見ているのであります。責任を感じていただきたい。 また、今回の運賃の値上げは、相も変わらず、取れるところから取るという無原則な値上げの方法により、しかも、ただいまも総裁から釈明がございましたけれども、値上げの翌日、赤字が改善されないどころか本年度は一兆円もの赤字を出す見込みである、こういう新聞発表を見るにつけまして、私は、再建の道遠しという感を抱かざるを得なかったわけであります。 しかし、国鉄再生の最後のチャンス、こういうことを言われておりますけれども、このたびの再建案、昭和六十年までに健全経営の基盤を確立するという、しかも収支均衡を目指すという壮大な、私はあえて壮大と言わせてもらいたいと思いますが、壮大な目標に向かって、過去の失敗を再び繰り返さぬように、国鉄関係者の奮闘を期待するものでございます。初めに大臣並びに総裁の御決意のほどを伺いたいと存じます。
○地崎国務大臣 数次にわたる国鉄の再建がつまずいてきたわけでございますが、これはまず日本のモータリゼーションの発達、飛行機輸送等の発展等に対応ができなかったということが非常に大きな原因でなかろうかと思うのであります。したがって、国鉄はいままでただ一つの輸送機関という立場から外れてきたわけでございます。したがって、いまの経済情勢、輸送情勢に対応していかなければならないのがおくれてきたのが大きな原因だと思うわけでございます。また、御指摘のように鉄建公団あるいはその他のいろいろな不祥事を起こしましたことにつきましても、心からおわびをする次第でございます。 このたび御審議をお願いいたしておりますこの再建法案は最後の機会と考え、不退転の決意で国鉄の経費あるいは省力化その他の万全な体制を整えながら徹底した合理化を行って、三十五万人体制等を考え、また地方交通線をバスに転換する等の問題を含めて、昭和六十年度を目指して経営の基盤を確立するという覚悟の上に出した法案でございますので、どうぞよろしく御審議のほどをお願いする次第でございます。
○高木説明員 今回の法律でお願いしております事項は、先ほど加藤委員の御質疑で触れられましたように、五十二年の当委員会における協議事項から始まりまして、五十二年の閣議了解、さらに昨年私どもが提出させていただきました基本構想案というふうに、ずっと時系列的につながってきているわけでございまして、その間いろいろと内部におきまして縦から物を見、横から物を見て、確信を持ってこれでやっていこうではないかという案でございますので、私どもといたしましては、この法案が成立しました直後からこれと取り組んで、この計画どおり六十年までにひとつりっぱなものにいたしたい、取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○草野委員 私は、本日は地方交通線の問題を中心にして何点かお伺いをしたいと思っております。 その前に運輸省に申し上げたいのでございますが、本法案の中に特定地方交通線、この線区名が私どもには知らされておりません。現在は労働組合、マスコミ、そういうところの発表によりまして承知しているだけでございまして、本法案を審議するに当たりまして、ぜひとも特定地方交通線の線区名について、何もわかっていなければ審議をすることもできないわけでございまして、まずお示しをいただきたいと思います。
○山地政府委員 この法案におきまして、政令で基準を定めて、地方交通線、特定地方交通線というものを決めていきたい、こういうことを書いてあるわけでございますが、政令を定めるに当たりましては、国会における審議も十分踏まえまして、各省間で客観的に公正なものをつくっていきたいというふうに思っておるわけでございます。したがいまして、現在の段階では政令についての考え方というのは、私どもの考え方というものを申し述べるわけでございまするけれども、それが固まっていない段階でどういうものがなるか、特定地方交通線に該当するのかということは確定できないということで、その点については政令を決めてから決まるということで、確定をしないとできないというふうに御理解いただきたいと思うわけでございます。
○草野委員 これらの国鉄の営業線は、かつて鉄道敷設法によりまして決まった線ばかりでございます。これが一片の政令によって廃止されるかもしれない。関係住民にとりましては、これは大変大きな問題であると思います。したがって、私はこの線区名すら明らかにされないで、そしてまたその基準すら明らかにされないで本法案を審議せよと言っても、審議しろと言う方が無理ではないかと思うのです。ぜひともこの線名について明らかにしていただきたい。総裁いかがですか。
○山地政府委員 いまの御質問の、なぜ政令で定める基準にしたのかということについて若干御説明をしておきたいと思うわけでございます。 いま、鉄道敷設法で建設する線区というものが法定されているということの御指摘がございました。現在の法律の体制におきましては、建設路線については敷設法で一々書いてございますけれども、それは一体いつ建設するのかということ、それから建設されたものについて一体どうするのかということについては何ら触れていないわけでございます。鉄道敷設法の「敷設」という意味は建設をするということでございまして、それをどういうふうにするのかという判断については法律には定めていない。その建設されたものの処理につきましては、むしろ日本国有鉄道法の五十三条の営業線の廃止ということで、これは国鉄が申請して運輸大臣が認可する。つまり、現在の法律下におきましては、言ってみれば、立法府の手から行政府の手にゆだねられているのが現在であろうかと思うわけでございます。 そこで、それでは今回法律を出したのはどういう意味なんだということになるわけでございますけれども、そこは私どもとして行政府にゆだねられているわけだけれども、今回の特定地方交通線というある種の距離、五千キロにわたるような距離を廃止するに当たってはやはり基準というものを明確にしていくべきであろう。本来行政府に任されている権限であるけれども、その基本的なことを国会の方に御審議いただき、かつ基準については政令で定めるということでいきたい、こういうことで、この法律の第一項におきましては、収支が償わないようなものは地方交通線、それからバスに転換するのが適当なものについては特定地方交通線、こういった基本的なことについては法律に書いてございます。したがって、これについては十分御審議いただいて、また、どういうものを政令の基準で定めるかということについても御審議の過程でいろいろ御意見を賜って、各省問で十分審議の上、客観的に公正な基準をつくっていきたい、かように私どもとしては考えているわけでございまして、決していまおっしゃったような審議ができないということではなくて、基本的なことについては法律に書いてあるということでございます。
○草野委員 いま鉄監局長がいろいろおっしゃいましたけれども、ともかくこの法律が成立すれば政令が出る、そうすれば、いやでもおうでも該当する地方線は全部ぶった切れてしまう。そこに住む住民にとってこれほど重大な問題はないのです。したがって、この国会においてその線区名を明らかにするということは非常に重大なことであると思います。しかも、この選定の基準すら非常にあいまいな点が幾つもございます。これは後でまた申し上げますけれども、ともかくそういう状態の中で審議をしろと言う方が無理じゃないかと思います。 そこで、委員長にお願いしたいのですが、ただいま私が申し上げました線区名につきまして、ぜひ当委員会に提出するように委員長の方にそのお取り計らいをお願いしたいと思います。
○保岡委員長代理 後で理事会で御相談をさせていただきます。
○草野委員 それでは、この問題につきましては質問を留保させていただきたいと思いますが、ともかく次の質問に移りたいと思います。 本法案は、国鉄経営の再建を目的とするものでございまして、国鉄経営の健全化は国鉄自身の経営改善努力が基本であることは当然でございます。したがって、これから六年間かかって、六十年度には国鉄の経営努力の結果がどのようになるか。国鉄の方の資料によりますと、昭和六十年度の試算で一般純損益が五百億円黒字、こういう数字が示されているわけでございます。 そこでお伺いいたします。昭和五十四年十二月二十九日の閣議了解の中にも出ておりますとおり、「昭和六十年度までに国鉄の健全経営の基盤を確立するとともに、可及的速やかに収支均衡の実現を図る。」このように最後のところにうたっておりますが、この六十年度の試算表、これは経営基盤の確立した姿でございますか、それとも収支均衡が実現した、このように受け取ればいいのか、どちらでしょうか。
○高木説明員 五十二年十二月のときの閣議了解、その前提となります当委員会における申し合わせ事項というものによりますと、五十年代に収支が均衡するという考え方であったわけでございます。その後、二年間にわたりましていろいろ作業をしてみたわけでございますが、一般純損益では六十年代にどうにかとんとんになりますということに到達したわけでございますけれども、実はその時点では、特定年金と特定退職金で残念ながら約六千億円の赤が出るということでございます。 そこで、一般純損益というような概念、特定純損失というような概念は、これはある意味では私どもがいわば恣意的に分離して立てているものでございまして、公的にはやはり全体としてどうなんだということになりますから、六十年度では全体としては、六千百億円の特定純損失から一般純損益を差し引いた五千六百億円ぐらいのものが赤になるという見込みでございます。したがいまして、六十年時点では厳格な意味で収支均衡はまだできていないということでございまして、そういう意味で六十年では、そういう特殊のものを除きましたという条件のもとに初めてやっとかっととんとんになる、しかし、それではいわゆる収支均衡とは言えないではないかというふうに認識をいたしております。
○草野委員 そういたしますと、退職金、年金、さらにまた東北・上越新幹線の開業に伴う損益等もこれから出てくるわけでございますけれども、昭和六十年から大体何年後くらいに収支均衡が図られるか、この点をまずお伺いしたいと思います。
○高木説明員 いま申しましたうちの退職金の方は大体六十三年ぐらいからだんだん減ってまいります。そのころまでに大量に退職をいたしますので、六十三、四年ぐらいからは平均的な退職者の数よりも逆に減ってまいりますから、退職金関係についてはいま申しましたような年度でそれが減りますと、その部分の金額についてはいわば特定といった概念から外れてきますので、均衡してくるということが言えるかと思います。 年金の方は、非常に困ったことに年を追うてどんどん際限なくふえていくわけでございまして、六十年代の特定の損失約六千億円のうちの約半分が年金関係、しかもこれは年金全部ということではないのであって、いわゆる異常部分だけを計算したものでそういう金額になります。したがいまして、年金問題を含めて収支均衡ということを考えるためには、先ほど来御議論をいただきましたように、年金問題についての対策を確立をしていただきませんことには、何年度になったら償うかということが言えないわけでございまして、先ほど来御指摘ありましたように、何とか年金問題についての対策を立てていただきまして、その時点で初めていつごろ全体としての均衡がとれるかということが計算上御説明できる事態になるわけでございます。(草野委員「東北新幹線問題」と呼ぶ) 東北・上越新幹線につきましては、いまのところ大体開業年度から十年ぐらい経過した時点で在来線も含めた形でそろばんがとれるという感じでございます。したがいまして、これは償却がどんどん進み、お客さんが多少とも利用がふえてくるということになれば、それ以降はますます黒字になってくるわけでございまして、それは東海道新幹線なり山陽新幹線の経理の経過を見ていただきましてもおわかりいただけることと存じます。したがいまして、これは経理的な処理をどうするかということの問題はありますけれども、いわばある時間的経過において赤字が出るという性質のものでございますから、体質的には健全経営の基盤確立という概念の外の問題ではないという意味で、先ほどの退職金、年金とはいささか性質の違う問題ではないかというふうに考えております。 ただ、もう一つ問題の青函トンネルの問題は、またちょっと性格の違う問題でございまして、これはいまのところ計算外になっております。
○草野委員 ちょっと大臣にお伺いしたいのですが、国鉄のこの資料によりますと、閣議了解で昭和六十年度から可及的速やかに収支均衡を図るのだ、こうなっておりますね。 〔保岡委員長代理退席、委員長着席〕 しかし、いまの国鉄総裁の御答弁にもありましたように、年金の問題、また上越新幹線等の問題を含めますと、いつになったら収支均衡が図れるか全然想像もつかないような、そういうような内容になるわけでございますね。こういう点について、本当に国鉄は収支均衡を図るという意思があるのかどうかと、大変私も疑わしくなる、心配になってくるわけでございますが、こういう点について、大臣はどのようにお考えになっておりますか。
○地崎国務大臣 ただいま総裁が御説明申し上げましたように、増高する退職金あるいは年金、このような問題を所要の措置を図っていかなければならないと考えておるのでございます。年金の問題等についてどのように対処するか、あるいは退職金に対する助成をどうするかという問題をあわせて六十年度までに解決を図っていって、初めて国鉄の再建ができるというふうに判断しておりますので、この辺の対処について早急に決定をしてまいりたい、かように存じておるわけでございます。
○草野委員 こういう重大な問題について、全然いままで内容が示されていないわけですね。それで、ただ収支均衡を図る図る、これじゃまたもや裏切られる、こういう結果にもなりかねないわけでございます。したがって、こういう問題についてはっきりした見通しがつくのは大体いつごろになりますか。
○山地政府委員 いろいろな要素がまだ決まっていない部分もあるわけでございます。私どもは、助成も入れて収支均衡ということを考えなければいけない。頭の中の整理としては、助成というのはどうなるということについては、先ほど来申し上げているとおりに、国の持つべきものは持つということできているわけでございますけれども、公共負担の問題について一体どういうふうに考えたらいいのかということとか、あるいは年金の問題についても、ことしの予算までにできるだけ精力的に詰めるということでまいるわけでございますが、そういった要素を全部頭に置いて、この収支均衡というものをいつまでにできるだろうか。一応先ほど久保先生の御質問だったか加藤先生の御質問だったかで申し上げたとおり、いろいろな前提を置きまして数字をずっと計算していきますと、これぐらいでできるなというようなことはできるわけなんでございますけれども、その中で一体こういうことの数字を入れてどうかなというところは、年金のところ、これは非常に大きな額になるわけでございますから、そういうものについてどう考えるかによって、いわば前提の置き方によって、収支の均衡の時期というものも変わってくるわけなんで、それらにつきましては、年金問題等の詰める方を急ぎながら、できるだけ早く収支の均衡の時期というものについてもわれわれの結論を得たい、かように考えておるわけであります。
○草野委員 鉄監局長のお話を伺っておりまして、このようなあやふやな状態での再建法案、私も本当に残念でございますけれども、これ以上続けておりますとあとができませんので、ほかの問題に移りたいと思います。 昭和五十三年度について見ますと、国鉄二百四十三線区のうち、黒字線区は新幹線、山手線などわずか六線区になっております。一方、民営鉄道の方を見てみますと、国鉄と同じ程度の輸送密度を持つ線区でも、国鉄の場合はほとんどが赤字になっていると思いますけれども、こういう線区で、先ほど総裁から、これからは企業性に重点を置いた経営姿勢に転じていきたい、こういうお話もございましたけれども、民営鉄道並みの経営努力をしていけばかなりの線が望まれるのじゃないかと思いますけれども、そういうような経営ができない理由は何かございますか。
○高木説明員 私どもの見通しといたしましては、一つは、年金問題の対策を政府でとっていただく。それを前提として考えますと、二万一千キロのうちの一万二千キロの部分については全体として収支が均衡していくというふうに考えております。もちろん線区ごとに黒字線が幾つある、赤字線が幾つあるということではなくて、一万二千キロの部分の全体として収支が均衡する。それの前提としては、先ほどの年金について対策をとっていただく、もう一つは、内部努力としてあらゆる努力をいたしまして、三十五万人体制をとりまして経費を減らしていく、収入については、毎年消費者物価上昇程度の改定をお願いするという前提で計算しまして一万二千キロ部分については均衡できる。ということは、私鉄と同じような状態になり得る。その九千キロと一万二千キロの線をどこまで引いたかというと、一日のお客さんの数がキロ当たり八千人ということでございまして、私鉄の場合にも八千人以下のところは均衡していないということでございますので、いわばそこから上は私鉄並みの経営ができますし、それ以下のところは地方交通線についての助成をいただきましたり、特別運賃をいただきましたりしますが、いまのように助成をいただきませんと自力では均衡しない、こういう姿を想定いたしております。
○草野委員 ただいまの総裁のお話によりますと、輸送密度八千人以下を地方線とした、そしてこの八千人以下のところは民鉄の場合でも赤字である、こういうようなお話ですね。しかし民鉄の場合は、大手の私鉄や一部の観光鉄道、こういうものを除きましたいわゆる普通の鉄道でございますけれども、こういう場合は八千人以下でも必ずしも赤字じゃないわけですね。これは民鉄なりにかなりの努力をしているんじゃないかと思うのです。たとえばここに昭和五十二、五十三年の民鉄統計年報という表がございます。これは運輸省で出された表でございますけれども、この表によりますと、昭和五十二年度の場合、輸送密度が八千人以下で黒字になっておるところは、二千人以下で一社、四千人以下で五社、それから八千人以下で三社と九社あるわけですね。赤字になっているところはどのぐらいかというと二十九社ございます。したがって、八千人以下のところは割合からいけば約二四%が黒字になっておるわけです。同じように五十三年度の場合を見ましても、八千人以下で三四%が黒字経営になっている。いま総裁は八千人以下はみんな赤字だ、国鉄も民鉄も赤字だ、こうおっしゃいましたけれども、民鉄の場合は実際に五十三年度で三四%、五十二年度で二四%近くが黒字になっておるわけです。これはどのようにお考えになりますか。
○高木説明員 一つは、運賃水準の問題がございます。私どもも、これから八千人以下の地域については少し高い水準の運賃にさせていただきたいという前提でおりますけれども、しかしあくまで国鉄の場合は公共事業でございますから、高いといってもそう極度に高い水準ということは考えられません。 それから、もう一つは年金負担の問題がございます。先ほど年金負担については政府の方でお考えいただくと申しましたけれども、それは異常年金負担部分でございまして、現在私どもの年金負担は、従業員の方もまた経営者側の方も日本で一番高い負担になっておるわけでございます。私鉄は厚生年金の負担で済んでおるわけでございますし、国鉄はそういうことでなしに非常に高い負担になっております。 三番目には関連事業の問題でございまして、私どももいまは一生懸命関連事業をやっていただくように努力はいたしておりますが、やはりこれまた公共事業ということの関係上相当制限があるわけでございまして、最も典型的には、不動産事業あるいはバス事業を付帯してやるというようなことはいま十分にはできないわけでございまして、そうした経営上の制限の問題もあろうかと思います。 さらに、経費の面におきましてもいろいろ問題があるわけでございまして、私どもは、賃金一つとりましても全国一律賃金でございます。 そうした点を考えますと、八千人以下のところではとうてい黒になり得ない、八千人以上のところでも全線が黒になるわけではないわけでございまして、赤字のところもあり黒字のところもあるけれども新幹線のように非常に収益の高いものもありますから、そこのところはいわゆる相互扶助によって一万二千キロ部分は収支が全体として償うということでございまして、八千人以上お客さんがあるところでも線区ごとにはどうしても赤字が出るということではなかろうかと想定をいたしております。
○草野委員 いろいろな理由の中に総裁はまず運賃が違うんだ、こういうお話をされました。確かに国鉄と民鉄を比較いたしますと、大都会では国鉄の方がかなり高いし、また地方に参りますと民鉄の方が二倍前後しておる、こういうことは私は事実だと思います。しかし、たとえば五十二年度の地方交通線の線区別の収支係数を見ますと、国鉄の場合は収支係数が一〇〇から一五〇のところはゼロでございます。一五〇から二〇〇のところもゼロでございます。そして二〇〇から三〇〇のところが十、三〇〇から五〇〇のところは六十五、五〇〇から一〇〇〇のところは五十八、一〇〇〇以上が三十二、こういうふうになっております。しかし一方、民鉄の方を見てみますと、収支係数はほとんどが一五〇以下になっていますね。本当にたまに一社か二社、例外として一五〇以上のところはございますけれども、ほとんどが一五〇以下になっている。そういたしますと、たとえば民鉄は運賃が二倍としますと、営業係数は三〇〇以下。三〇〇以下の場合ではどうかといいますと、先ほども申し上げましたように、国鉄の場合わずか十線にしかなっていない、こういう結果がこの数字に出ております。そういたしますと、いまの総裁のお話は、少なくとも運賃の面で見る限りはちょっと当たらないのじゃないかと思うのですが、この点はいかがでしょう。
○高木説明員 私、不勉強で十分あれでございますが、私鉄の方はかなり成績のよくないところは住民等とお話し合いの上で撤収する、あるいはバスに切りかえるということがかなり積極的に行われてきているわけでございまして、現存しておる私鉄はまあまあどうにかこうにかというところが残っておるのじゃないかと思われるわけでございます。私どもの方は最近はほとんどやめるということをいたしておりませんものですから、営業係数が非常に悪いところでもそのまま残ってしまっておるわけでございまして、そのほかにもいろいろ事情はございましょう。ございましょうが、そうしたこともあるということを申し上げさしていただきたいと思います。
○草野委員 いろいろお話になりましたけれども、ともかく民鉄は民鉄なりにかなりの努力をしていると思うのですね。だから、いま私が実際に数字でお示ししたような結果が出ていると思うのです。したがって、先ほど総裁の御決意の中にもありましたように、これからは国鉄も一生懸命がんばっていくということでございますので、ひとつこれから大いにがんばってもらいたいと思います。 次に移りたいと思いますが、昭和五十三年度で見ますと、国鉄経営の赤字は約一兆円強になっておりますね。このうち輸送密度が八千人未満の線区、いわゆる今度のローカル線ですね、この八千人未満の線区の赤字はどのくらいになっておりますか。
○加賀山説明員 五十三年度の実績によりまして、地方交通線の赤字は二千五百二十七億になっております。ただ、この区分は、現在の八千人とかいう区分ではございませんので、五十一年に決めました国鉄の幹線、地方交通線の区分に基づくものでございます。
○草野委員 そういたしますと、逆に幹線と言われる線区で生じている赤字は、大ざっぱに言いますと大体七割を超えているわけでございます。このように、現在の国鉄の赤字の大半を占めるいわゆる幹線の赤字対策については、国鉄再建のキーポイントになるのではないかと私は思うのです。このような幹線の赤字対策についてどのようにお考えになっているか。もう一つは、この法案の中にその対策がどこで、どのように生かされているか、お伺いしたいと思います。
○高木説明員 幹線の方につきましては、三十五万人体制ということを主体として経費を切り詰めていくということによって、先ほど申しましたように新幹線その他の線区のように黒字線もありますけれども、総合して幹線の方の赤字は消していけるというふうに考えております。もちろんその場合に前提としては、現在のお示しのありました七千億とかなんとかという数字は、これまた特定年金負担、特定退職金負担も総合しての話でございまして、私どもの考え方としては、特定異常年金部分、異常退職金部分の負担も抱き込んで、幹線で収支均衡に持っていくということは、いまのところとてもできないということで、これを別勘定といいますか、別枠に考えました上で、さらに三十五万人体制をとることによりまして一万二千キロ部分は赤字がなくなる、こういう考え方でございます。それをどこでどういうふうに示すのかということでございますが、これは先ほど加藤委員の御指摘にありましたような経営改善計画の中でそうしたことを全部表明いたしたいというふうに考えております。
○草野委員 確かに先ほどもこの経営改善計画について議論がございました。この点については、なぜこの法案の中でその計画の内容だとかそういうものについてお示しにならないのか。これからでは非常に遅いと私は思います。 総裁に伺いますけれども、この三十五万人体制を実現するプロセスとして、定年退職者、途中退職者または新規補充採用、こういう点についてどのように考えているか。また東北・上越新幹線の開業に伴いまして、要員増を含めて職員三十五万人体制ということでございますけれども、これの年次計画について発表していただきたいと思います。
○高木説明員 五十四年度末現在の職員数が四十二万四千人でございますので、五十五年三月三十一日現在は四十二万四千人でございます。そこで、五十五年の四月一日以降で、七万四千人の人が減るようにしなければならないということでございます。新幹線のための新規要員を含めますと、約八万四千人ほどいまよりも人を減らさなければならぬということでございます。その間の退職者の数が大体十三万人強ということになろうかと思います。仮に二分の一退職者補充ということにしますと、六万五千人ぐらいを採用ということになりますが、それでは八万何ぼには足りないということになりますので、要するに減耗補充率を五割以下に抑えるということにしなければならないわけでございますが、輸送業の場合には製造業の場合と違いましてただ人手を抑えるというわけにはいきませんので、その抑えることができるためには、輸送システムを変更しなければならない、あるいは各駅その他の要員配置のやり方を変えていかなければならないということでございまして、昨年七月に「基本構想案」をお示しいたしましてから、部内におきましては、片方におきましては各鉄道管理局その他の機関ごとに六十年の姿をいまつくりつつございますし、反面、運転はどうするか、保守体制はどうするか、営業体制はどうするか、その他もろもろの機関、病院とか研究所とか講習所とかいうところはどうするかということで、機能によりまして、それをどうやって縮小するかという作業中でございます。 大筋の考え方といたしましては、一つはやはりもろもろの機械化、合理化等によって、人手から機械力というようなものに置きかえていくという考え方が一つでございます。もう一つは、貨物に典型的に見られますように、輸送方を変更する、貨物駅を減らす、あるいは貨物ヤードを減らすことによって、輸送方を変更することによって減らす。三番目の問題は、いろいろな仕事を国鉄の職員がやらないでもいいではないかと思われるものがいろいろございます。現在でも清掃その他は民間に委託をしておるわけでございますが、この民間委託範囲を広げていくというようなことを考えておるわけでございますけれども、何分めんどうなのは安全を確保しなければならぬわけでございまして、職員の場合にはそれぞれ専門専門にかなりはっきり分かれておりますから、安全についてふだん教育も相当しておりますし、そういうことでありますけれども、外部にお願いするという場合には、ちょっとその点いろいろ不安もございますので、いま具体的にどの分野をどういうふうにしていったらいいかということをきわめて精密に職場ごとに積み上げ計算、積み上げ作業をやっておるところでございまして、その意味におきまして、年次別の数字というものをいま持っておりません。ただ、五十六年度には五十五年度よりも一万一千人少ない人で仕事をしていく、その間において新幹線の要員も相当程度生み出しながら、なお一万一千人少ない人間で仕事をしていくという体制を今年じゅうにつくり上げて、来年度予算ではその程度にはまず経費を落とせるようにしていくという作業に取り組み中でございます。
○草野委員 では、次に移ります。 地方交通線の選定基準でございますけれども、政令で定める、このようになっておるわけでございますが、さきの閣議了解の中で、二千人未満というような全国一律の基準になっておりますけれども、これはやはり一つの大きな問題になろうかと思います。各地域によってその受ける影響度合いというものはきわめて大きなアンバランスが生ずるわけです。たとえばもし二千人未満ということにすれば、北海道、福岡、さらに軌道延長に対する人口、面積の比率がきわめて低い高知県等、四国の場合非常に影響が大きくなると思うのです。したがって、私は地方交通線または特定地方交通線の選定基準は絶対に画一的であってはならぬ、地域の国土、風土的な特徴、地域の産業の振興、地域住民の生活等を地方交通対策を推進するに当たって十分に考慮されなければならない、当然であると思います。 そこで、この選定基準の要素となるものはどういうものがあるか、何と何があるか、これについて明らかにしていただきたいと思います。
○山地政府委員 いまの地域の事情といいますか、地域の特性に応じて基準を考えるべきかどうかという御質問が第一にあったかと思うのでございますが、今回の特定地方交通線あるいは地方交通線対策の基本になりましたのは、単に国鉄の財政だけの問題ではございませんで、地域における効率的な輸送体系は何かということがまずあるわけでございます。と申しますのは、四千人という基準が私どもの頭にあるわけでございますが、四千人というのはバスと鉄道との効率比較でございまして、鉄道を走らせるよりもバスを走らせた方が国民経済的にもコスト的には安いという観点からこの地方交通線対策というものを考えているわけでございます。したがって、いかなる土地にありましても、私どもの方のいまの法律の考え方からいけば、特定地方交通線について申し上げれば、バスに転換することが適当であるということにつきましては、地域の特性とは関係ない話というふうに理解しているわけでございまして、ただ、それじゃバスに転換することが適当じゃない条件というのは何かあるのかということになるわけでございますが、そこで雪が多くて道路がない、もっと簡単に言いますと、代替輸送ができないという場合にはバス輸送に転換することが適当とは言えない。したがって、そういうのは雪のないところには適用がないから、地域特性に応じたことなのかといいますと、私どもの考えでは、それは地域特性なんじゃなくて、バスに転換することができないという理由の中で、雪が降って年間に非常に降雪量が多くて、道路が閉鎖されるという場合には、そういったものはバスに転換することが適当な路線とは言えないという考え方から、そういったものについては特定地方交通線じゃないというふうに考えるのがいいんじゃないだろうかということを申し上げているわけでございます。
○草野委員 私は、一つの例として申し上げたいと思いますが、たとえば北海道の場合を取り上げますと、全国の対象路線のうち、約半分が北海道に偏っている。いま鉄監局長は、主に自然条件等を例に挙げてお話しになりましたけれども、この北海道の場合、たとえば三全総や新北海道総合開発、こういう計画では北海道の開発を特にいろいろと重視をしておる、また、これからの発展も非常に大きい、こういうふうに期待されております。そういう中で、冬季の自然条件、それと同時に人口密度が本土と比べてかなり低いという、こういう問題もあると思います。たとえば、北海道には十四の支庁がございます。この支庁所在地という、特有の市だとか町だとかございますね、そういうものに加えて、この北海道のいわゆる鉄道のネットワークが今度のこの法案によって、政令によってもしずたずたに分断されるようなことになってしまったならば、これはやはり自然条件以外のまた一つの大きな特性といいますか、問題になるんじゃないか、このように考えられるわけでございます。 そこで、この問題については大臣に伺いたいわけでございますが、大臣は北海道選出でよく北海道の事情は御存じであると思います。こういうような場合、人口密度だとか、それにあわせて自然条件、こういう場合も何か特性を考慮して、そして選定基準について何か考慮をされるのかどうか、そういうものは選定基準に当たって織り込まれるのかどうか、また、織り込まれないのか、こういう点を伺いたいと思います。
○地崎国務大臣 特定地方交通線あるいは地方交通線の基準につきましては、政令で決められるべきものでございますので、それを決める際にも知事の意見を徴することになっておりますが、決められましてから、国あるいは地方自治体あるいは国鉄等が入りまして地方協議会というものをつくりまして、そして二年間の日にちをかけていろいろ御相談申し上げるということになっているわけでございます。その間の中でいろいろの御意見が出てまいると思いますので、その点で判断をしてまいりたいと存ずるわけでございます。
○草野委員 よくお聞きになっていただきたいのですけれども、その協議会に諮る前のことを聞いているわけですよ。その選定基準として、こういう地域の特性というようなことが盛り込まれるのか盛り込まれないのか。私は、大臣に理解してもらうためにわざわざ北海道を例に挙げて言っておるわけです。どうなんでしょうか。
○山地政府委員 いまの大臣のお答えしたことをちょっと補足して申し上げるわけでございますけれども、いまお答えいただいたのは、特殊事情ということで地域特性というものをいまは考えてはいない。もちろん先ほど来申し上げているとおり、国会の御審議を踏まえて政令をつくるわけでございますから、そういった御意見については私どもとしても十分伺わしていただきたいと思うわけでございますけれども、現在私どもが考えているのは、やはりその地域の交通の効率的なあり方は何かという観点からのアプローチが主で、地域の交通の効率的な体制をつくっていきたいということでございますので、いろいろの地域計画がございます、北海道もございますし、いろいろございますけれども、その中でも探求されているのは、やはり地域の効率的な輸送体系は何か、言ってみれば、地域における総合輸送体系というものをお考えいただくわけでございまして、私どもの、政府の四十六年の総合交通体系についての考え方というのも、やはり過疎地域といいますか、人口密度、輸送密度の低いところにおいてはバスに、道路輸送の方に転換すべきではないだろうかというふうなことが示されておるわけでございまして、いまいろいろ御指摘のございました人口密度の低いところにおける輸送体系としては、やはり鉄道よりもバスがいいというのを基本に据えて考えてまいりたいというふうに考えております。
○草野委員 時間もなくなりましたので、最後の質問にしたいと思います。 いま鉄監局長がお話しになりましたように、地域の効率的な交通を決めなければならない、こういうお話でございますが、この効率的な交通機関を決めるのは、国の行政機関だけではなくて、やはり地元の合意、地元の意見ということも非常に大事であると思います。 そこで伺いたいと思いますが、この法案の第八条第三項、第四項のところを見ますと、バス転換路線の選定結果を知事に通知し、知事は運輸大臣に意見を申し出ることができる、このようになっております。大臣、この意見はどのように反映されますか。また、この意見に即して運輸大臣は国鉄の選定を修正することができるのかどうか、こういう点をひとつまず伺いたいと思います。私は、この点をできれば法律で明らかにすべきである、このように考えております。それが一点です。 それからもう一つは、バス転換を決めた上で、その代替措置について協議が調わない場合には二年後に一方的に国鉄バスに転換する、こういう手続は私は適当でないと思います。なぜこのような強制的な措置が必要なのか、改めてこの点を伺いたいと思います。 最後にもう一点。この法律に基づきまして協議会ができますけれども、この協議会のメンバーから地方公共団体をなぜ外したのか、この理由を伺いたい。五十四年一月の地方交通線問題小委員会の報告には、地方公共団体の代表は入っているわけですね。この協議会ではなぜ外したのか。こういうことで地元の合意を得るとは一体どういうことなのか。以上、三点について伺いたいと思います。
○山地政府委員 一番目の知事からの意見の申し出、選定についての申し出でございますが、これは、国鉄が基準を適用いたしまして選ぶときに、知事の方から、地域の計画上、さらに人口がこういうふうにふえるとか、いろいろと地域の総合的な開発の観点から輸送需要が非常に多いというような御意見があろうかと思うわけでございますが、そういった意見をお申し出いただくわけでございまして、運輸大臣の方にそういう意見の申し出があれば、十分それを伺わさせていただいて、これは運輸大臣が国鉄の選定について承認をするときに申し出が来るわけでございますから、それについて十分伺わせていただいて、承認をするかしないかということについて考えさせていただくわけでございます。 それから、見切り発車の二年で協議会を打ち切るということでございますけれども、これはそもそもが協議会をつくるというのは、地方の御意見を十分伺って今後の交通の転換を図りたいということでございますので、私どもとしては二年の間に十分御意見をまとめていただけるものと期待しているわけでございます。ただ、それから二年たちましてから、国鉄といたしまして、これはとてもこの協議会というものがまとまらないという判断がもう一つ加わるわけでございます。したがって、二年で、単純に二年が来たからもうその議論がまとまるかまとまらないか考えず切ってしまうということでございませんで、まとまるものについては、二年たったときに協議がまとまるという判断があれば、それは二年でなくてまだ二年二カ月でもそれはやれるわけでございます。 それから三番目の協議会のメンバーについてはどうかということでございますが、協議会のところは、第一項で国の機関と国鉄で組織するというところは国の関係だけになっているわけでございますが、第二項で実際の「協議を行うための会議」で協議の結果を議論するわけでございます。会議の中には関係地方公共団体が入っているわけでございます。したがって、転換措置についての会議というのは、その転換措置について話をするのは九条の二項でございます。したがって、その地方公共団体が入っていないというのは協議会の組織でございまして、組織と会議とどこが違うのかということになるわけでございますが、そもそもこれを分けましたのは、国鉄という線は国がつくったものだから、国の方でその始末をする協議体というものをつくる。言ってみれば、非常に平たく言いますと、主宰者としては国であって、地方は、関係地方公共団体というのは主宰者ではない。しかし、決めることに当たっては地方の意見を聞かなければいけないから、来ていただいて会議をする。ですから、この会議に当たっては、国と地方公共団体というのは平等な関係にあるわけでございますね。そういうことで決めるわけです。この会議以外には転換措置については決める場所がないわけでございます。したがって、その協議会の会議に地方公共団体が入っているということで御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○草野委員 質問時間が過ぎたのですけれども、最後にちょっと一問だけつけ加えさせていただきたいと思います。 いまの御答弁にもございましたように、小委員会のときにははっきり出ているわけですね。「地元の意見を反映させるために、原則として、関係都道府県の区域ごとに、国及び国鉄の関係出先機関、関係地方公共団体その他の関係者により構成する協議会を組織し、」云々と書いてありますね。いまの鉄監局長のお話を聞きますと、この九条の第二項のところで会議をするからいいではないか、こういうふうになっておりますけれども、大事なのは協議会の組織のメンバーだと思うのです。そこであらかたのことを全部決定しておいて、そしておまえたち来いということで会議になるわけですね。私はその前段階の協議会における協議がきわめて重要だと思うのです。しかも小委員会でこういうことが決まっておりながら、わざわざこの法案の中では地方自治体の代表を外す、こういうところに私は何か一つの問題が隠されているような気がしてならない。それは先ほども申し上げましたように二年という見切り発車、この条項は非常に問題になってくるわけでございます。したがって、住民との合意という点につきまして十分な配慮をいただきたい。また、知事からそういう通告があった場合には、運輸大臣としては国鉄の選定について修正を加えるということも、ぜひともこの法案の中に明らかにすべきじゃないか。こういうことを最後に要望いたしまして質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○古屋委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時四十六分休憩 ————◇————— 午後二時四十八分開議
○古屋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。三浦久君。
○三浦(久)委員 いよいよきょうから国民の大きな関心のもとで本法案の審議が開始されたわけでありますけれども、私はまずこの法案の内容に立ち入って審議をする前に、この法案自身が大変大きな欠陥を持っているいわゆる欠陥法案、特に致命的な欠陥を持っていることを大臣に申し述べたいと思うのです。 その一つは、まず政令や省令に委任をすることが大変多い。特にこの法案の一番大きな問題、特に国民生活に重要な影響を及ぼす問題は地方交通線の問題です。この地方交通線の問題についても、最も重要な部分が全部政令に委任されているということであります。たとえばまず幹線の定義、これも政令でしょう。そして地方交通線の定義、これも政令委任です。そして特定地方交通線の定義、これも政令委任です。地方交通線というふうに告示されるとどういう効果があるかといえば、そこにはいわゆる線区別運賃という国鉄の歴史にとってもエポックを画すような非常に重大な法的な効果が発生するわけです。また、特定地方交通線に選定されてしまえばこれは廃止の対象になるという、これもまた国鉄の運営にとって歴史的な大きな問題、そういう大きな法律効果というものが発生してくるわけです。こういう重要な問題について一つも法律では決めない、全部政令委任、これは白紙委任であります。こういうことは私は法律上、いわゆる憲法上も許されないというふうに思うわけです。もともとこういう幹線の定義、地方交通線の定義、特定地方交通線の定義、こういうものは法律の所管事項だと私は思うのですけれども、大臣はいかがお考えでございましょうか。
○地崎国務大臣 今回の特定地方交通線の廃止については、その規模が全国的で約五千キロに上るものと考えられます。その円滑かつ適切な実施を期するために、従来のように国鉄のみの判断にゆだねることなく、廃止すべき路線について法律で基本的な考え方を規定し、その具体的な選定基準については国会における審議等を踏まえ、関係省庁と今後協議の上、客観的かつ公正な基準を定めたいと考えているところでありますが、国会の審議に際しては、従来運輸省で検討している内容を十分御説明することとしているので、よろしく御審議のほどをお願いいたしたいと存じます。
○三浦(久)委員 余り詳しくは説明してないのですね。たとえばきょうの同僚議員の質問に対する答弁でも、その政令の内容というのは八千人だとか四千人だとか、当面は乗車密度が二千人以下のを六十年度までに廃止するとかそういうことだけであって、しかしそのほかにもいろいろなことが考えられるでしょう。たとえば政令委任、営業係数の問題はどうするのかという問題もあるわけでしょう。同じ乗車率、乗車密度が四千人である、また二千人だという場合でも、営業係数いわゆる収支係数、これが違う場合だってあるわけです。そういう場合はどうするのだということも全部政令委任。また、例外的なものについても山地鉄監局長が言われましたけれども、きのう私たちが地方交通線対策室の人を呼んで聞いてみました。そうしたら、豪雪の問題とかいろいろ、三つほど山地さんが言われましたけれども、そのほかにたとえば団地等ができる、今後発展の可能性のあるところ、こういうところも地方交通線から外すのだ、こう言うのです。そうしますと、これは非常にあいまいな基準といいますか、そしてまた内容が非常に多岐にわたるわけです。こういうものが全部委任をされてしまう。われわれはその内容をいまつかみようがない。いまは運輸省から若干の政令の骨格みたいなものを聞きましたけれども、それは運輸省独自の考えでしょう。それが政令になるかどうかというのはわからない。省令なら運輸省が独自で決められるけれども、政令というのは運輸省独自で決められないわけですね。内閣が制定するわけですから。ですから、これから各省と折衝して運輸省の考え方がなるべく通るようにいたします、こう言っていますけれども、地方交通線の問題でもいま乗車密度八千人未満ということを考えていると言うけれども、大蔵省と折衝したら一万人以下になるかもわからないでしょう。ですから、そういう基準というものが、全く国会で正式に示されないままにわれわれに審議しろと言ってもそれはどだい無理な話なのです。この際政令というものはどういうものなのかということを大臣よくお考えいただきたいのです。憲法に基づいて政令が制定される場合がありますね。憲法で明文化されているのは、執行命令の場合だけなのですね。憲法または法律、これを執行するために政令を制定することができる。いわゆる委任の政令、これは明文の規定はないのです。しかし憲法の解釈上、政令委任も認められるという解釈にはなっていますよ。しかしそういう政令というものが、それでは無制限になされ得るのかということなんです。大臣、聞いていますか。委任というのはどういうことかということです。委任というのはもともと本来は法律で決めなければならないことです。本来法律で決めなければならないことを、特別にその法律が政令で定めてよろしいと政令に委任をすることなんですね。そういう場合にその政令というのは有効だ、こう言われているのですよ。ですから、いま皆さん方がここでもって明らかにしない政令の内容というのは、もともとが法律でもって決めなければならない問題なのだということなんです。それを政令に委任をするという形にいまなっているわけですね、法律の体裁上。そうすれば、その委任をする範囲というものは、私は白紙ではだめだと思うのですね、これは憲法の本をここに三冊持ってきていますけれども。白紙委任というのは、いわゆる憲法上疑義があるというふうに言われているのです。これは通説です。そうであれば私は、法律の中で、たとえば地方交通線というものはこういうものですという概略の基本的なものを定めておいて、あとその細部的なものを委任するというのであればそれは結構だと思う。われわれもその基準について十分に知り得るからです。そしてまた政令の内容も十分に予測ができるからです。ところが今回のようにすべての問題を全部政令に委任をするというようなことになれば、われわれは一体何を審議するのですか。それはわれわれ議員の審議権というものをも侵害しているというふうに私は言わざるを得ないと思うのです。そういう意味で私は、この法案は即時撤回すべきだというふうに考えておりますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○山地政府委員 いまの先生の御議論の中で、二つあったかと思うのでございます。一つは、こういったことについて政令で定めることが委任されているかどうかということだと思うのでございますが、今度の法律で、私どもの方は幹線網の方の政令につきましては、幹線網を形成するということで一応は基準を示してあるわけでございます。それから二番目の地方交通線の政令につきましては、収支の均衡を図ることが困難である、三番目の特定地方交通線についてはバス輸送に転換することが適当であるということで政令の内容を触れてあるわけでございます。こういった政令で定めるという手続を今回の法律で決めましたのは、先ほど来御説明しておりますとおり、本来廃止というのは日本国有鉄道法上運輸大臣の許可でできるといういまの法律体系を前提にして考えているわけでございまして、それでいまの実施について手続を定めるという観点をこれに持ち込んで、政令で定める基準に従って廃止の申請並びに許可を進めていくということでございますので、いまおっしゃった法律上の欠陥があるということにはならないのではないかと思います。 それからもう一つ、先生のおっしゃった憲法七十三条の点でございますけれども、法律の規定を実施するために政令を制定すること、法律の委任がある場合を除いて政令に罰則を設けることはできない、これはもう非常に明確でございますけれども、いまおっしゃった法律の規定を実施するために政令を制定することということについては、まさにこの法律を実施するという観念で私どもの方は政令を規定し、かつ白紙ではないという先ほどのお話のとおり、内容、その骨格を示してあるというふうに考えておるわけでございます。
○三浦(久)委員 いま一つの例として、八条「収支の均衡を確保することが困難であるものとして」というのが結局政令の骨格なんだからそれでいいんだ、そういうお話ですけれども、こういう委任命令が出せるのかどうかということは学界でもずいぶん争いになっているのですよ。そしてまた制限的に解釈していかなければならぬという立場ですよ。またそういう議論から、政令委任というものが一般的、抽象的であってはならない、そういうことも議論されているのですね。一般的か抽象的か、どの程度具体的かというのは、個々の事例によって程度の差の問題だというふうに私は思いますけれども、しかし少なくとも余り白紙委任に近いような形での抽象的、一般的な政令委任というのは避けるべきだ。 特に国会というものが国権の最高機関なんです。そしてここは立法府なんです。われわれは法律の中身を十分に審議をしなければならないのです。そしてまた、しかるべきものを委任しようというときにはその委任の内容がわからなければ、われわれ国会議員としてもどういう政令ができるのかさっぱりわけがわからぬのに、じゃそれは政令に委任いたしましょうというようなことは、あなたはまだ議員じゃないからわからぬけれども、そのうちになるかどうか知りませんけれども、議員の立場に立ったらあなたも理解できると思うのですよ。政令というのは法律の内容になってしまうわけですから。そうすれば、その中身がわからないで審議をするといったって、なかなかできるものじゃありません。 〔委員長退席、保岡委員長代理着席〕 委員長、そういう意味で私は、また先ほどの同僚議員と同じように、政令の内容、それは何も乗車密度とかそういうことだけじゃなくていわゆる政令の中身ですね、委任をする政令の中身、この問題を全部明らかにするように委員長の方から適切な措置をとっていただくようにお願い申し上げたいと思うのです。
○保岡委員長代理 先ほどお話ししたとおり、理事会に諮って取り扱いを決めたいと思います。
○三浦(久)委員 私は、本当のことを言うと運輸省はその中身は全部わかっていると思うのです。私はある県に行ってみました。そうしますと、もう運輸省から、おたくの県ではこれとこれとこれが対象路線だよということを言われているというのです。それで、それについていろいろな資料を作成しているんだな。私らは調査に行ってそれをもらってきました。どこの県か言うとまた運輸省からのしっぺ返しがあると困るから言いませんけれども、この法律の先取りがもう行われているわけです。ただ、公然と運輸省がこの廃止路線、対象路線について明確にしてしまうと、さあそれには反対だというのでどんどんいろいろな動きが出てくる。そうなると収拾がつかないから、だからいまは伏せておこう、そういう政治的な配慮で政令の中身をこの国会の中でも委員会の中でも言っていないのじゃないか、そういう疑いを非常に強く持っているのです。 しかし、そういうことであれば国民も冒涜するしまた議員の審議権をも冒涜するものだと私は思います。というのは、そういう反対が起きるということは、こういう地方交通線について廃止をするとかまた線区別運賃をとるとかいうことについてはまだまだ国民のコンセンサスが得られていないということを意味しておるわけです。そうであれば、むしろあなたたちの方でいち早く政令の内容をこの委員会の審議を通じて明らかにして、そして国民的な監視のもとに、国民の理解のもとにこの法案審議を進めていかなければならないと私は思うのです。そういう事実があったのかなかったのか、私はお尋ねいたしたいと思います。
○山地政府委員 ある県にそういう情報が流れているかという御質問かと思うのでございますが、地方公共団体六団体ございまして、六団体のいろいろなところの会合で基準の話も、運輸省で考えているのはこういうことを考えたりしていますよ、八千人、四千人とか豪雪とか代替道路があるとかないとか、それからラッシュ時の人間が多いとか、それから今後旅客需要がふえることが明らかなのにそれをむげに切るのですかと言うから、そういうのはやはり開発計画や何かの絡みもあって、あと一年もすれば五千人になるかもしれないところを過去の三千人だったからだめですよとか、そういう常識で考えてもおかしいようなことを入れるわけにはいかないでしょうというようなことで、基準の話をごく一般的な形でお話ししたことは数々あると思います。ただし、あなたのところの線がこれとこれは該当してしまいますよということは、鶏と卵ではございませんが、法律ができなければ政令がなかなかできないということで、政令も確定していない段階で、あるいは政令のつくり方によってはどっちになるかわからないようなものについて、あなたのところはこれは特定地方交通線で転換しますよということは私どもとしては申し上げることはできないので、そういうこともまた申し上げたこともないと私は思います。部下があちこち出張しておりますから、そのときに表現のいかんによってはそういうふうにとられた場合があるかもしれませんけれども、たてまえといたしまして、おたくのこれは特定地方交通線になりますよということは申し上げたことは絶対ないというふうに思います。
○三浦(久)委員 そうおっしゃる以外に答弁はないだろうと私は思うのですけれども、いまのお話の中にも、これから輸送需要がふえるところ、要するに地域がもっとどんどん発展していくようなところ、そういうところは乗車密度は該当しても結局特定地方交通線にはいたしませんよ、そういうようなことは漏れ漏れ言っていることもある、こういうわけでしょう。すると、こういう基準というのは大変あいまいで、これは国鉄が選定するわけです。そうでしょう。それで大臣の認可を受けるわけです。すると、いままでの国鉄というのはずいぶんいろいろな政治家の食い物にされてきたといいますか、たとえば新幹線の駅をどこにするとか、どこかの駅に急行をとめたとか特急をとめたとか、いろいろなことがあっているわけでしょう。それからもうかりもしない線をつくったとか。今度はどこかの駅に急行をとめるとか特急をとめるとかいう話じゃないのですよ。この路線を廃止するかどうかという、そういうきわめて大きな政治問題ですよ。そうするといままでのように、やはり一部の政党の一部の政治家が国鉄にどんどん圧力をかけて、そうして実力者の地盤であるところの特定地方交通線の指定の選定を免れたとか、そういうようなことがどんどん出てくる可能性があると私は思うのです。いままでの例から見て間違いない。特に国鉄がその運営を政府に握られているということですから、弱みがあるわけですね。親方日の丸ですから。ですから、よけいそういう政治的な圧力というものに屈服をする可能性は強いと思うのです。ですから私は、いわゆる政治腐敗、汚職、こういうものに直結するようなこういうやり方というものはやめるべきだ、ですからそういう温床になるこの法案は撤回をすべきだと思うのですけれども、再度撤回の要求を大臣にしたいと思うのですけれども、大臣の答弁をお願いしたいと思うのです。
○地崎国務大臣 日本の三K赤字の一つであります国鉄の再建は、緊急的な課題でございます。この法案は最後の再建の機会であるという決意をもって、国鉄の基礎の固め、財政の再建ということで提出したものでございますので、何とぞ十分御審議をしていただき、御意見を拝聴しながら、この法案の成立をさせていただきたく存ずる次第でございます。
○三浦(久)委員 次に、線区別運賃の問題についてお尋ねをしたいと思うのです。この法案の第十三条ですが、「日本国有鉄道は、地方交通線の運賃については、地方交通線の収支の改善を図るために必要な収入の確保に特に配慮して定めるものとする。」こうなっておりますけれども、これは地方交通線に対していわゆる他の線区と違って別の賃率を設ける、そういう意味なのかどうかお尋ねをしたいと思います。
○山地政府委員 ここに書いてございますのは、「収支の改善を図るために必要な収入の確保」、当然運賃が中心でございますので、そこの地方交通線についてはいわゆる特別運賃を取るということを考えているわけでございます。
○三浦(久)委員 そうすると、やはり賃率が変わってくるわけですね、そうですね。 そうすると、その場合、たとえば幹線から地方交通線に乗りますね。賃率が違うところに乗っていくわけですが、その場合に運賃の取り方としては通算制と併算制というのがありますね。国鉄から私鉄に乗りかえていくという場合には、これは通算制じゃなくて併算制ですね。また遠距離逓減制というものもありませんけれども、この場合いわゆる同じ国鉄ですから、幹線と地方交通線を乗りかえていくような場合、また幹線に乗る、また地方交通線に乗る、そういうような場合には運賃の通算制と遠距離逓減制ですね、これは残すのですか、どうなんですか。
○山地政府委員 特別運賃を取る場合一番問題になりますのは、遠距離逓減制という、いまの遠距離はコストが安いのだからその距離当たりの運賃も安くするという基本的な考え方をどう取り入れていくかということでございます。 そこで、今回のこの特別運賃につきましては、この取り方につきまして別の附則の第四条の第二項で、「賃率を異にする鉄道の営業線を連続して乗車するときの普通旅客運賃の計算方法は、運輸大臣の認可を受けて日本国有鉄道が定める。」というふうに書いてございますのは、そういった遠距離逓減制を加味した運賃を取れるような方法を検討いたしまして、国鉄の方で定めてそれを運輸大臣の承認を得るということがここに書いてあるわけでございます。いろいろな方法があろうかと思いますけれども、それらの中で遠距離逓減制を生かすという方法も十分考えられる方法の一つである、かように理解しております。
○三浦(久)委員 当然遠距離逓減制と言えば通算制が前提になると思うのですが、それは確認してよろしいのですか。
○山地政府委員 通算の場合に遠距離逓減が出てくるということでございます。
○三浦(久)委員 国鉄に伺いますけれども、国鉄はこういう異なる賃率の線区、これを通して乗る場合に、通算制とか遠距離逓減制、こういうものが可能だと考えておられるのですか。
○吉武説明員 地方交通線から幹線に行ったりあるいは幾つかの線区を通過する場合に当然賃率が違うというケースが出てきた場合に、それを通算でやらないと遠距離逓減制が行えないというような結果になるわけですから、そういったことが計算できるように、この計算方法について幾つかの方法があると思いますけれども、その辺の勉強をやりまして運輸大臣の認可を受けて、現在の旅客にも御不便をおかけしないように、また実務上にもたえられるような制度を考えていきたいと思っております。
○三浦(久)委員 運輸省に伺いますけれども、いま附則の四条の第二項に、その計算方法は云々とありますね。この計算方法はどういう計算方法なんですか。——いやいや運輸省に聞いている。国鉄もその次に聞く。一緒に同じことを聞くから答えてください。
○山地政府委員 いま私が御説明いたしましたとおり、この法律の附則の四条の規定は、「普通旅客運賃の計算方法は、運輸大臣の認可を受けて日本国有鉄道が定める。」ということで、国鉄が申請を持ってくる、こういうことでございますが、私どもは現在まだ国鉄がどの程度考えを固めているかは別にいたしまして、いろいろな方法があるだろう、その中から国鉄が選ぶだろう。可能性のある方法というのは、いま御議論のあっていたように、営業線ごとの運賃を併算する方法、これはただ単に足すから遠距離逓減がなくなるわけです。「賃率を異にする鉄道の営業線を連続して乗車するときの普通旅客運賃の計算方法は、」と書いてあるわけです。ですから、その方法として併算制をとる場合もそれは否定はしていない。それから地方交通線の付加賃率を設定する。つまり基本賃率の部分については遠距離逓減制がきいてくるけれども、それに付加されるものを考えるということも一つの方法でございます。それからもう一つは、営業キロと、何らかの方法で計算キロというものをつくりまして、その両方を足していく、それで遠距離逓減制を考える。こんなようなことは、いま考えられる幾つかの方法だろうと思います。
○吉武説明員 ただいま鉄監局長からお話がありましたように幾つかの方法がありまして、これでどういう方法をとれば実務にもたえられるか、あるいはお客様にも現在以上に御不便をおかけしないかというようなことを勘案しながらこれから勉強していきたい、勉強すべきことがあるだろうというふうに考えておるわけです。
○三浦(久)委員 お聞きのとおり、この計算方法もまだわかっていないんですよ。わかっていないから言えないわけでしょう。これは大体が不可能なんじゃないですか。 国鉄に伺いますけれども、いま裁判をやっていますね。新幹線の運賃が取り過ぎだ、それで二百円返せ、不当利得だから返せ、こういう裁判をやっていますね。これはいわゆる同じ新大阪に行くのでも、新幹線で行く場合は距離が短い、しかし在来線で行く場合は距離が長い、それにもかかわらず同じ運賃を取っておる、新幹線に乗った場合に在来線で行った場合と同じ運賃なんだから、高過ぎるから二百円よこせという裁判をやられて、一審で負けたでしょう。それでいま二審でやっていますね。この裁判の中で、あなたたちは一体どういうことを主張し続けてきましたか。異なる賃率でやっちゃったら収拾がつかなくなっちゃうんだ、だから擬制営業キロでやらなければだめなんだ、実際の距離が違っても同じだというふうにして、そして同じ賃率でもって取っていかないと、賃率が違ってしまうとこれは遠距離逓減制も不可能だ、通算制も不可能だと裁判所で何回もあなたたちが言っているじゃないですか。一審のときもそうだ。二審の準備書面がここにありますが、国鉄が五十四年六月四日に高等裁判所に出している。その中でもはっきり言っているのですよ。「営業キロを別建てとし基本賃率を別個に設けるとすれば、運賃通算制度もとりえなくなる。」こう言っているのですよ。そうすると、あなたたちは裁判所にうそを言っておったということですか。こういうあなたたちの主張を立証するために証人をちゃんと出しているでしょう。そうすると、裁判所で偽証をやっているということですか。これは私問題だと思うのです。運輸省はできると言った、いま国鉄もできると言ったけれども、裁判の中ではできないとはっきり言っているのです。あなたがいま言ったことと、裁判所に行ってできませんと言ったこととどっちが本当なんですか、国鉄。
○吉武説明員 現在、裁判で控訴していまの新幹線の営業キロの訴訟が行われておりますが、その際の営業キロが異なる場合というのは、A点対B点というものを違うルートで行って、その結果キロ程が違った場合というようなケースの場合、乗り継ぎの問題であるとかあるいはほかの列車で複数の列車の輸送体系がある、こういう場合に運賃を変えてやるということが技術的になかなかむずかしいということをわれわれは裁判では申し上げたわけで、ここで言っております賃率の異なる場合というのはそれを足していく場合の話でありますから、いまの新幹線の係争になっておりますケースとここで言っておりますケースとはちょっと違うと思います。
○三浦(久)委員 そんなことはないよ。あなた、むしろ新幹線の賃率を違えたときの方が単純じゃないですか。新幹線というのは駅が少ないし、そんなでたらめなことを言ってはいかぬですよ、困難性は同じでしょうが。たとえば通算制ができない、遠距離逓減制ができないとこの中であなたたちは何回も言っているのだよ。それはこういう判決もある。「新幹線と在来線の線区を通算利用する旅客の運賃につき、通算制度でなく併算制度による運賃計算をしなければならなくなり、実務上困難であるのみならず、旅客にとっても遠距離逓減制が適用されなくなる不利益がある。」これはあなたたちが裁判の中ではっきり言っていることなんです。そうすると、新幹線とほかの在来線との間の賃率が違う場合と、幹線と地方交通線の賃率が違う場合と、それを乗り継ぐ場合には同じことじゃありませんか。どこがどう違うのですか。 これは併算制をやる場合でも大変困難な問題がたくさん出てきますよ。たとえば新幹線の賃率と在来線の賃率が違えば、さて東京から私が住んでいる小倉まで行くとします。最初新幹線に乗って名古屋でおりて在来線を使っていく、大阪まで今度は新幹線を使ってそこからは在来線で行くというような組み合わせもあるわけですね。そうすると、同じ小倉に行くとしても、一々窓口でどこまで新幹線に乗ってどこからどこまでは在来線ですかということをみんな聞かなければ切符が出せない、そういう困難性というのがあるのです。それは何も新幹線と在来線の関係だけではなくて、異なる賃率の幹線と地方交通線の場合だって同じことじゃありませんか。同じことですよ。それをあなたたちは通算制ができないと言っている。遠距離逓減制もとれないと言っている。ですから私は、そこはあなたの答弁はごまかしだと思うのですね。裁判所で言ったのとこの委員会で言ったのとどっちが正しいんだかもう一回言ってみてください。
○吉武説明員 いまの新幹線のケースは、新大阪から東京までの新幹線を利用した場合のことを言っておるわけですね。運賃は在来線のキロ程でもってやっておる、しかし新幹線の方が短いではないかというところにあるわけです。そのことが実際のキロ程からいくと何十キロか違うということでありますので、たとえば東京からさっき先生のおっしゃった大阪を通り抜けて広島なりあるいは九州なりへ行くという場合に、新幹線で行った場合と在来線で行った場合とは東京と大阪の間でそれぞれキロ程が違うという結果を生ずるということでありまして、いまのケースの場合、地交線と幹線とを結びます場合には、地交線と幹線とを結ぶということで、同じA点対B点を二通りの距離があるということではありませんので、そこはいまの新幹線のケースと違うと私は思います。
○三浦(久)委員 全然理解していないんだよ、あなたは。裁判の直接的な問題は私もさっき触れたように、A点とB点を行くのに遠い在来線、そしてまた短い新幹線、これで行く場合の話ですよ。しかしあなたたちは、同じA点からB点に行くんだからどうしても同じ料金を取らなければならないんだ、こう言っているわけでしょう。そうでしょう。そうすれば、どうしたって賃率を変えざるを得なくなるのでしょう。新幹線の賃率を変えざるを得なくなるわけでしょう。そういうように新幹線と在来線の賃率を変えてしまうといろいろな支障が出るんだとあなたたちは一生懸命言っておるわけですよ。乗り継ぎの場合には遠距離逓減制ができないんだ、通算制ができないんだとはっきり言っておるでしょう。同じところでも別建てで営業キロを立てれば、そしてまた基本賃率を別個に設ければ運賃通算制度もとり得なくなるとはっきり言っているじゃないですか。これが違うとおっしゃるのですか。 それでは聞きますけれども、この準備書面で言っていることは具体的にはどういうことを言われているのですか。
○吉武説明員 新幹線と在来線の場合は同じ東京と大阪の間でキロ程が違うことになるという意味では、キロ程を変えると運賃が変わることになりますね。そうしますと、大阪を通り越していきますと新幹線で行った場合と在来線で行った場合とでプラスしますとキロ程が違うということになります。そうすると二通りの運賃ができてくるということになりますので、どうしても、たとえば東京から大阪以遠に行く人は同じ運賃にしないと非常に混乱が起こるということがあります。ただ、地方交通線の場合はAからBに行く場合には一通りしかないわけでありますので、いまのように新幹線と在来線とキロ程を変えてやるという二通りのことはできないという意味でそこは違うということを私は申し上げておるわけであります。
○三浦(久)委員 そうすると、あなたたちはこの場合は併算制をとるという意味ですか、どうですか。この法案の場合には通算制はとらないで併算制をとるという意味なんですか。
○吉武説明員 附則の四条の二項において、運輸大臣の認可をとって計算方について決めます場合に幾つかの方法があると思います。さっき鉄監局長からお話のあったように、併算制あるいは付加運賃制とか通算制とかそういったような方法がありますが、どのような方法をとってやるかということについて、通算制をとりますと、いまのお客さんが得ておる利便を失わなくて済みますから、そういうふうな計算方を考えていきたいということでございます。
○三浦(久)委員 もう一回あなたに聞きますけれども、あなたたちが法廷で言っていること、たとえば、営業キロは別建てとして基本賃率を別個に設ければ、運賃通算制度もとり得なくなるということを言っている、この意味をもう一回言ってください。
○吉武説明員 東京から大阪まで行きますと、在来線で行った場合よりも新幹線で行った場合の方が短くなります。しかも、行き方に、在来線で行く方法もありますし、新幹線でいく方法もあります。 その新幹線で大阪に行って、そこから乗り継ぎまして仮に広島なり、九州なりに行きます、大阪から在来線の列車で仮に寝台で行くとします、そうしますと、東京と大阪で二通りのキロ程ができてしまう。つまり、東京から大阪まで新幹線で行った場合が在来線で行った場合よりも実キロが短いわけですから、仮に実キロをその営業キロととって二通りにやりますと、同じ東京から博多なら博多まで行くとしても、新幹線を通ってそれから在来線に乗り継いで行った場合と、東京から寝台列車に乗りまして博多まで行った場合とは、そこに東京と大阪の間で差ができるわけでございます。そうしますと、同じ博多に行きます際に、二通りの計算ができてくるということになります。新幹線で行った場合はキロ程が短いわけですから、そういったことで同じところに行くのに二通りできるということになりますと、運賃の運用上、お客様も非常に困るし、また二通りの運賃があるということ自身が問題でありますので、そこでもしそういうことをやめようと思うと、どちらか一本にするということしかないので、新幹線の場合は在来線とキロ程を合わせまして、そこで東京から博多までを一本にしてやるというやり方をとるのが一番よろしいのじゃないかとわれわれは言っているわけでございます。
○三浦(久)委員 だから同じことでしょうが、うんじゃないよ、あなた。 東京から大阪まで新幹線で行く、あと大阪から広島まで——あなた、広島と言ったり、博多と言ったりするからこんがらかるけれども、広島にしておきましょう。大阪から広島までは在来線で行く、こういう場合にはやはり通算制度がとれないというんでしょう、やりにくいというんでしょう。そうじゃないの。そういうことを言っているんでしょう。どうなんですか、賃率が違うところを乗っていくわけだから。
○吉武説明員 どうも説明が下手でなかなかおわかりいただけないのですけれども、広島としまして、東京から新幹線で大阪に行って、大阪から広島まで在来線で行くとしますと、東京から在来線でずっと通して広島に行った場合と比較しますと、約三十キロばかりですか新幹線の方が短くなるということになると、実キロで計算しますと、そこに二通りの運賃ができることになります。 そこで、それでは営業上も非常に困りますし、お客様の方も困るということで、そういう場合にそれではどういうふうにするかというと、東京から広島までの運賃を別建てというわけにいきません。だからそこを何らかの一本化の方法をとらなければいけない、どっちを通っても別のキロ程で同じ運賃ということは計算上できませんから。ですから、その場合に、どちらを通っても同じ運賃になるような通算制はできないということになると思います。
○三浦(久)委員 全然だめだ。あなたたちのように、A点とB点を距離の違う線で行った場合に同じ運賃を取るということ、そのことがけしからぬというふうに判決で言われているんですよ。だから二百円返せという判決になっているわけでしょう。あなたたちは、勝手に営業キロを擬制営業キロでやってしまうわけだ。距離が違うのに同じ距離だというふうにやっちゃってそういうふうにするから、それはいけませんよということで、そしてこの委員会の中でも論議をされて、七条の二が新設されたわけでしょう。 だから私が言うのは、新幹線で乗って、そしてまた賃率が違うところに乗る、そういう場合は通算制をとれるのですか。たとえば新幹線にちょっと乗りますよ、それから今度在来線に乗りますよ、そしてまた新幹線に乗るよ、それからまた今度地方交通線に行くよ、それからまた幹線に行くよ、それからまた地方ローカル線に行くよ、そういう場合にそれぞれ全部賃率が違ってくるわけだね。地方交通線の賃率は全国一律にやっちゃうのか、線区別に違うのか、これもまだわからないんだけれども、線区別によって違うとすれば、賃率の違うやつをいっぱい乗りかえて行くことになるわけだ。そういう場合でも遠距離逓減制ができるんですか、どうなんですか。
○吉武説明員 同じところを二通りのキロ程がない場合に、賃率が違いましてもシリーズに行けば、それは手数はかかりますけれども、何らかの方法はあり得ると思います。
○三浦(久)委員 そうするとそれは大変手間のかかる仕事でしょう。いま専門家が考えてもなかなか計算ができないというんだね。あなたたちも裁判の中で、これはたくさん金が要る、そしてまた人間もふやさなければならぬと言っている。それは大変なことだと思う。どうやってこれは通算していくんですか。表をいっぱいつくらなければできないでしょう。もしか、あなたたちみたいな遠距離逓減制をとるということになると、行くときと帰るときと値段が違っちゃうんだ。 わかりやすく説明しましょうか。たとえば、ある間、半分半分にしますよ。そうすると、こっちが在来線でこっちが地方交通線だ。こっちが仮に二倍だとします。仮に同じ距離だとする。安い方から乗っていった場合には遠距離逓減になるでしょう、高い方が何%というふうに遠距離逓減される。ところが高い方から乗った場合には、高いところはまるまる払って、安い方が遠距離逓減になるのですね。そうすると、行くときの運賃と帰りの運賃が違っちゃう。そういうばかげたことが出てくるんですよ。だから、あなたたちが裁判でも、賃率が違った場合には通算制ができないんだ、遠距離逓減制ができないんだ、困難なんだと言っているんじゃないかと私は思うのですけれども、その点いかがですか。
○吉武説明員 裁判で私たちが申しておりますのは、さっきから何回も申し上げておるように、同じところに行くのに幾通りかのキロ程があるということは、それは実務上非常に困難であるということからきておるわけでありまして、いま先生のおっしゃいました賃率の違うところを高い方から安い方に行った場合と安い方から高い方に行った場合というのは、これは計算方のつくり方でございますから、そうならないようにつくっていくということは当然可能だと思います。
○三浦(久)委員 しかし私は、大変膨大な作業量が要るし、コンピューターの容量なんかでも大変なことになるのじゃないかと思うのですよね。たとえばここから、小倉から今度は日田彦山線に乗って日田まで行くとします。そういう場合に、ただ距離を見てぱっと掛けられないわけでしょう。そうすると、小倉までなら幹線だから小倉までの距離を出してそれで値段を出す。それから今度向こうの距離を出してそれで出す。それだけ足したのでは併算制になってしまうから、今度はそれを逓減制を何か数式をつくってやらなければいかぬでしょう。これはちょっと大変な仕事でしょうね。窓口がどうなるのだろうかと思って。あなたたちもそういう場合にはとても困難だということも繰り返し裁判で言われている。金もかかる、人もかかる、こう言っておるのですよ。あなたたちはいわゆる線区別運賃を、賃率の違う線区をつくって、そして遠距離逓減制を実施するというような場合、どのぐらい人員が要り、どのぐらいの支出増になるか、そういうことをお考えになっていらっしゃいますか。
○吉武説明員 さっきからの新幹線のケースの複雑さというものとちょっと質が違いますので、もしこれからいろいろ考えていきますとしますと、確かにおっしゃるような点がなるべく少なくなるような方法を考えていかなくてはいかぬわけで、非常に少ない経費でどういう形で取れるかということは、これはもう当然勉強していくわけで、これからそういった方法について考えてみたいと思っております。
○三浦(久)委員 だから私はこれは欠陥法案だというのですよ。計算の方法もまだわからない。法律に、あなたたちが定める、計算方法をつくってやるのだと書いてある。その計算方法もわからないで、あなた、何でこんなものを国会に出してくるのですか。法案の中身なんだよ。その中身のやり方が全然わからないなんて、それで審議してくれといったって、われわれは審議のしようがないじゃないですか。それからまた、これはいわゆる収支の均衡を図るためにやろうというわけでしょう。さあ遠距離逓減制をとった線区別運賃をつくって、そして遠距離逓減制を実施した、そういう場合に幾らよけいに金がかかるかというようなことも、人員が幾らかかるかなんていうことも全然考慮に入れないで、あなた、何で収支の均衡が図れるのですか。何にも計算していないじゃないですか。だから私は最初に、これは致命的な欠陥があると言っているのです。こんなもので国鉄の経営再建なんかできませんよ。 それで次にちょっとお尋ねしますけれども、これもむだ遣いだと私は思うのだが、何でこんな控訴審なんかやっているのか、二百円のことで弁護士を十何人もつけて。(「弁護士をもうけさせるためだよ」と呼ぶ者あり)そのとおりかどうか返答してください。
○吉武説明員 われわれは、一審の判決に対してわれわれの主張が正しいと思って控訴しておるわけで、現在控訴審において審理が専門家の間で公正になされていると思いますから、それにわれわれの方としても、そう大ぜいではないと思いますが、数人の専門家の弁護士をつけまして、そこで法律問題でございますので、これはわれわれの主張を主張として取り上げていただきたいということで現在やっておるわけでございます。
○三浦(久)委員 これは勝ったって何の役にも立たない。たとえばあなたたちが国鉄を運営するために、同じところから同じところに行く、A点からB点に行くのに二つの方法がある、そういう場合に別建ての運賃では困るのだ、だから同じ運賃を取らなければならないのだ、そういう気持ちはわかりますよ。だからあなたたちがそのために擬制営業キロをつくったわけだ。しかし、この裁判に勝ったってまた擬制営業キロを復活させるということはできないでしょう、七条の二ができちゃったんだから。この裁判に勝ってあなたたちの主張が正しいと認められても、法の改正が行われちゃったんだ、あなたたちが負けるだろうと思って。だから擬制営業キロは復活できないのですよ。そうすると、高い金を払って、ただあなたたちのメンツのためにだけやっているわけだ。一審と二審でどのぐらい金を使いましたか。 〔保岡委員長代理退席、委員長着席〕
○吉武説明員 ちょっとそのお金の方は幾らかかったかということは現在調べておりませんけれども、まあ事柄が事柄でございますので、法律問題としてわれわれの主張を認めていただきたいという気持ちでやっておるわけでございます。
○三浦(久)委員 だから、認められれば国民のためになるとか、何か実益があるというならいいですよ。これは何も実益がないでしょう。勝ったからといったって何にも実益がない。高い金を弁護士に払って裁判を続ける価値がないですよ。七条の二というものがなければ、あなたたちから見たらこれをやる価値はあると思うのだ。これは擬制営業キロを復活させるということが可能になってくるわけだから。しかし、それは法律で禁止されちゃって、新幹線だけはちゃんと擬制営業キロでいいというふうになっている。だから何の実益もない。金が幾らかかったかわからないと言う。全くこれだから困るのですよ。それだってみんな運賃にはね返ってきているわけでしょう。そういう経営の姿勢というものは非常に問題だと私は思っております。 次に、いま運輸省や国鉄が考えている再建対策というのは、政府は余り新たに金を出さないですよ。今後収支がほぼ均衡すると言われる六十年度の問題をとってみますと千五百億円ですよ。ところが、労働者の首切りであるとか運賃の値上げであるとかいうものによって経営改善に資する原資というのは七千二百五十億円ですね。そういう意味では、この再建対策というのは主として国民や労働者の大きな犠牲のもとに行われるのだ。そういう反国民的なものだということを申し述べたいと思うのです。きょうはいろいろ数字を計算して持ってきたのですけれども、時間がありませんので、またこの次に質問をさせていただいて、きょうはこれで終わりたいと思います。
○古屋委員長 玉置一弥君。
○玉置委員 わが党の青山理事が質問する予定でございましたけれども、いろいろな都合がありまして、緊急にかわりまして質問をしていきたいと思います。 特に国鉄の再建問題、これは国民の中でも非常に関心を持たれておりまして、相当前、三十九年に赤字に転落して以来、いつからよくなるのかな、そういう気持ちで国民の方々がながめられているというように思います。しかし国民の期待とは逆に、国鉄の中の労使関係の悪化、あるいは悪い言葉で言いますと労使関係のなれ合いというものが極端に進んでまいりまして、その中で特にやはり親方日の丸という意識が従来からありましたけれども、ほかの民間の鉄道あるいはほかの民間産業、そういうものに比べまして合理化をやる、そういう意欲が全く感じられない、そういう気持ちがするわけでございます。 そこで、運輸省そして国鉄の双方にお伺いをいたしたいと思いますけれども、昭和三十九年から赤字に転落して以来、四十四年、四十八年、五十一年と三回にわたりまして再建計画というものをお出しになりましたけれども、これらの再建計画がことごとく失敗されているということでございます。そこでまず失敗の原因は何か、そしてそれらの要因に対して今回までどういうふうな対処をなされてきたか、その辺についてお伺いをいたしたいと思います。
○山地政府委員 いま御指摘になりましたように、数次にわたる国鉄の再建計画はいずれもその途中で放棄して新しいものに乗り移ったわけでございますが、過去の計画のいろいろの数字、長期収支とかその前提になった条件とか、そういったものを現実の姿と比較してみますと、一番大きいのはやはり物価が予測よりも非常に上がった、あるいは人件費が予測では六%ぐらいだったのが二十何%上がったり、そういった国鉄を取り巻く諸条件が非常に大きく変わった。計画でございますから物価が変わったり人件費が変わったりすれば、その計画の中でそれ相応に対応できる部面というのも確かにあるわけでございますが、そういったことがまず、計画自体の中に実現が非常にむずかしいような条件があったということ。それからそれに対応する国鉄の対応策というものがなかなかうまく進まなかった。その陰にはそういった計画の前提が狂ったということ以外に国鉄を取り巻く諸条件、交通情勢が非常に大きく変革したのに国鉄が対応できなかったという、これは数字的にどうというふうなことではないのでございますけれども、国鉄自体の対応策がおくれた。それからもう一つ、やはり運賃改定が適時適切に行われていたならばもっと早いときに企業の活力というものを生み出し得たのかもしれないというようなことは言えるかと思うわけでございます。 今度はそういった国鉄の再建がうまくいかなかったことに対してどう対応したかということになるわけでございますが、一番先に申し上げましたように、四十四年、四十八年、五十一年、そういった計画を次々につくりかえてきて今日に至っておる。過去の四十四年、四十八年というのは十年計画であったのに対して、五十一年の計画は短期決戦といいますか、二年で収支均衡に持っていきたいというようなことを考えたこともございます。今回はまたもとへ戻りまして、かつもっと現実的に計画を二年間にわたって検討するというようなことを五十二年の閣議了解で決めて、今回の閣議了解並びに法案に持ち込んだ。長い時間をかけて現実的な計画をつくってきたというのが現在の姿でございます。
○玉置委員 国鉄の方も込みですか、別々に……。
○加賀山説明員 ただいま山地鉄監局長から御説明申し上げましたように、過去何回かの再建計画を策定してまいりまして、それが意図したようになりませんでした理由といいますものは、まさに鉄監局長の説明したポイントでございます。たとえば非常に大きく狂いましたのは、先ほど局長からも御説明がございましたように、第二次計画のときにおきましては、大体国の計画も全体的に物価の上昇を三%というような見込みをいたしましたのが、オイルショック等のために平均一六%上がったというような形でございましたし、また賃金も平均的に二割近い上がり方をしたというような状態が重なりましたこと、これがやはり一つの原因でございましたし、それから輸送量の伸びが、従来から全体の国の計画との整合性を見ながら大体国鉄のシェアというものはそう大きく落ち込まないという前提で見込みましたのが、輸送構造の変化が非常に急速に進んだということによりまして、特に貨物におきまして大幅な落ち込みがあったというようなこと、またそういった輸送構造の変化の中に国鉄がタイミングよく順応し切れないで、いろいろな国鉄の輸送体質そのものを変えていくことができなかったというようなことが重なった結果であると考えております。また、運賃改定が昭和四十七年から四十九まで二年半にわたりまして延びましたというようなこともその一因になっておるところだろうと思います。そういったことにつきまして、われわれといたしましてもその都度いろいろな対策を考えたわけでございますが、なかなかその効果を発揮いたしませんで、今回新たな計画に取り組んでまいりたいということでお願いをしておるところでございます。
○玉置委員 運輸省にお伺いしますけれども、物価あるいは人件費の高騰、両方とも私鉄関係にも同じように響いてくる、そういうように思うわけでございます。しかし現在、たとえば小田原——東京間、片方は小田原——新宿になりますけれども、そういうように比較した場合に、小田急電鉄と国鉄を見た場合に、小田急の場合約二分の一といいますか、そのぐらいの運賃で運営をしている。ところが国鉄になりますと、二倍に相当する金額で運営され、国鉄でその路線だけで見ますと、大船までは何とか黒字になっていますけれども、それから先になるとだんだん赤字の傾向が大きくなるという状況でございますけれども、同じ条件にありながらなぜこのように大きな差があるのか、そして私鉄を上げろという話ではないですけれども、運賃の査定の場合にどういう判断をされているのか、その辺についてちょっとお伺いしたいのであります。
○山地政府委員 いまの東京——小田原あるいは新宿——八王子で競争路線と国鉄の運賃が非常に違う、二倍以上になっているということは事実でございます。この原因というのは両方の側にございまして、国鉄の方は三百キロまでは一律運賃でございますから、これをある特定のところだけ値下げをするというのは絶対不可能ではないと思うのでございますけれども、下げられないわけです。それに対して小田急にしても、京王帝都にいたしましても、自分の会社の中で、短いところは幾らか高いけれども、遠くへ行きますとその部分については安くする遠距離逓減ということをやっておるわけでございまして、そのために国鉄と私鉄の間の運賃についてはそれだけでも違いが出てくるわけでございます。そのほかに一般的に運賃のレベルが国鉄の方が高くなる。 いまお尋ねになりました運賃の査定をするときにどんな態度で臨んでおるかというお話。私鉄と国鉄両側にあろうかと思うわけでございますが、国鉄の運賃の査定の問題につきましては、予算でつくっていくわけでございますけれども、これをつくる場合に、国鉄の競争力というものを念頭に置きませんと、言ってみれば国鉄の収入の方も上がってこないということでございますから、予算を策定する際の総額というものについては、国鉄の現在持っておる、特に貨物における競争力というようなものも十分考えてつくるわけでございます。それから私鉄につきましては原価主義ということで貫いてきておるわけでございます。 いまの御質問の中からうかがわれるのは、国鉄の再建計画の中で、物価が上がった、人件費が上がったというのも、国鉄も私鉄も同じだろうというお気持ちがあったと思うのでございますけれども、私鉄の方の内容というのは、そういった人件費の高騰に耐え得るようないい営業線に持っていったということ、非常に簡単に言いますと、国鉄と違っていい営業線に持っていって、それを吸収するだけのことができたというふうなことが言えるかと思います。
○玉置委員 結果的にはいい営業路線ということになりますけれども、いろいろな努力をしていると思うのです。線路をつけて自然に人が集まってきて非常に利用度が上がってきたということではなくて、やはりそれなりのいろいろな民間の努力というものがあると思うのです。それと、価格的に是正をしたとしても、地域差も含めて、少なくとも七割以内に私鉄の運賃がおさまっているのではないか、そういうように思うわけです。 そこで、日本全国で国鉄を利用される方が非常に多いわけでございますけれども、国鉄再建として、やはりわれわれとしても従来国鉄を中心にやっておられました再建計画というものを国民的な課題として大きく取り上げていかなければならない、これはわれわれも同感でございます。そのためには、いままで再建計画を出されて失敗をされてきた、その中に、物価あるいは人件費ということだけではなくて、やはり非常に重要な労使関係、その辺の問題、あるいは、いまのお話にもちょっとございましたように、企業努力というか、その辺が非常に間違った方向に行っているのではないか、そういうように思うわけでございます。 特に、国鉄の内部の労使関係につきましては、日ごろからいろいろな批判を浴びるような状態でございますし、われわれから見ても、労使のなれ合いといいますか、変な妥協が多い、そういうふうに思うわけです。普通の一般的な労働組合というものは、やはり主張すべき点は主張して、そして、それぞれの努力目標というものを、合意を得たならば、それを達成するために一生懸命努力するというのが通常でございまして、通常でない方々が非常に多いというふうに感じております。 そういう面で、今後の労使関係についてやはり改めていかなければならないと思いますし、また、労使協調という意味では、なれ合いも協調なのかという気持ちもしますし、そういう面から、今後の労使関係について、運輸省としてはどういう指導をし、国鉄の経営側としてはどういうふうに考えているのか、その辺についてお伺いをいたしたいと思います。
○山地政府委員 労使関係の過去いろいろあったことは御指摘のとおりだと思うわけでございますが、国鉄の労使ともにこの危機的な状況というものを十分認識し、私の見たところでは、組合の方も、いろいろ組合の方が私のところへもお見えになりますけれども、そういう方と話しておりましても、要は、自分たちの職場である、そこが健全な職場になるということについて、やはり一番の関心はそこにあるのだと思うのです。これだけ国鉄の経営が悪化している場合に、自分の職場の将来がどうなるのだろうかという不安と同時に、そこにおける健全な労使関係に基づく明るい職場というとちょっとあれかもしれませんけれども、自分たちが働きがいのある職場であるという環境にありたいということは、非常に私もそう思うのです。国労の若い方々もお見えになるから、そういうときによく話を伺うのでございますけれども、私はやはりそういう意味では、労使が相互にこういう危機の中で新しい関係というものを生み出しつつあると思うわけでございまして、こういった労使が相互に信頼して協力し合って再建に臨むということがやはり再建の一番の基本であろうと私は思っておるわけでございます。
○吉井説明員 国鉄の側といたしましても、ただいま鉄監局長から御答弁がありましたことと全く同じでございます。 私ども、ただいま御審議いただいております法案の中で、昭和六十年までに三十五万体制を確立する、これによって国鉄の再建を図る、こういう至上命令を労使共同でちょだいしたというふうに思っておるわけでございまして、そのためには、従来にも増しまして厳しい合理化に取り組まなければならない。 過去におきましても、昭和三十年代、非常に業務量の増加するときでございましたが、おおむね不増不減という中で業務量をこなすということで、それなりの合理化の努力はしてまいったわけでございます。あるいは御記憶にもあろうかと思いますが、たとえば助士の廃止、運転関係の一人乗務、こういった問題はそれなりの成果には到達したわけでありますが、ただ、その過程におきまして、非常に労使間にぎすぎすした空気が生まれ、非常にたび重なる反対運動のためにもろもろの影響を残したわけでございます。 そういったことを繰り返しておりましては、これから六十年までに現在よりも七万以上の人を合理化していくということは不可能でございます。したがいまして、私ども、こういう厳しい条件の中、厳しさの中で、労使お互いに手を携えてこの目標を達成しよう、そしてお互いに労使で国鉄を再建しよう、こういうことを基準にして今後の労使関係を築いてまいらなければならない。そういった方向で私どももまた、一昨年以来、それぞれの組合との間に、再建労使会議でありますとかあるいは再建懇談会でありますとか、再建についての話し合いということで、決して組合も企業の外にあるのではない、企業のパートナーとしてお互いにこの難局に手を組んでいこうではないか、このような努力をいたしておる次第でございます。
○玉置委員 いまお話を聞いていますと、非常に労使関係がうまくいっていてお互いが協力をしている、そういうふうに思うわけです。 しかし、現在、五十四年度、昨年度は繰越欠損が三兆四千億強、そして、一年間だけで約九千億円という赤字を出している中で、さらに、国鉄側の試算によりますと、約二百億円の賠償請求をするほどの大きなストをやる。そして、それに対して運輸省の方では、その後の措置が、ストの処分凍結というふうにやられているわけでございます。 今国会でも物価対策特別委員会とかその他でいろいろお聞きをしておりますけれども、前回の、たとえば五十四年のスト処分凍結ということにつきましては、一つは、今後の国鉄再建に協力をしてもらいたい、もう一つは、今後ストはやらないということ、それをやられたようなお話を聞いております。しかし、そのときの前提条件がすでにことし破られたわけでございます。 つい先日わが党の中野議員が質問いたしました際に、ただいま検討中でございますというお話があったと思いますけれども、それについて、その後の成り行きと、今後そのスト処分の凍結についてどうするのか、それから、今回出ております五十五年度のストについても、約三十億前後の損害があると聞いておりますし、それについてどうするのか、その辺をお伺いをいたしたいと思います。
○吉井説明員 先生御指摘のように、昨年四月二十五日に行われましたストライキに対しまして、六月にスト処分の凍結ということをいたしたわけであります。この前提といたしましては、ただいま先生の御質問にもありました、やはりこれから六十年の再建に向かって今後労使で協力をしていこうということと、それから、このような違法なストライキを将来もう起こさないということを私ども強く期待をいたしまして、そのような凍結をいたしたわけであります。 残念ながら、今回、四月十五日から十六日にかけまして、再び違法なストライキが行われたわけでございます。したがいまして、この凍結に関しましては、前提の条件といたしまして私ども期待いたしましたことが、少なくとも今後はもうストライキを行わないということが実は実現されなかったわけでございますので、昨年のストライキの凍結してある部分と、それから、もちろん今回のストライキによる部分、これの処分をいたす所存でございまして、処分の内容、時期等々につきましてただいま検討中というお答えを先般申し上げました。これも、やはり実際に参加した人員に対するもろもろの調べもございますので、時間をいま少しかしていただきましてその処分をいたしたいというふうに思うわけでございます。 ただ、ここで先ほどお話がございました再建のために協力をするという前提につきましては、やはりこれであらゆるものが瓦解したというふうに私ども思わないわけでございまして、今回の処分凍結解除ということと並行いたしまして、やはり六十年代に向けましての国鉄の再建、三十五万体制の実現ということにつきましては、今後とも労使で手を携えていく、こういう基本姿勢を堅持しながら今後とも進んでまいりたい、このように思います。 それからいま一つ。今回のストライキによりまして、国鉄に損害を生じたではないか、これについてどうするのかという御質問であったと思いますが、実は私ども、これまでもストライキによるスト権ストのように非常に多くの日数にわたりますものにつきましては、いろいろな計算を用いまして損害額を計算いたしたわけでありますが、今回のように一日未満のストライキでございますと、運輸業の特性といたしまして、たとえば貨物の場合には先に送られる、あるいは旅行を見合わせた方が後刻また国鉄を利用されるということで、実際の損害額の確定は非常に困難でございます。したがいまして、私ども、これまでごく大ざっぱな減収枠ということで申し上げておるわけでありますが、そういったこと並びに現在スト権ストの損害賠償請求事件が十五回の公判を経まして、いまいろいろと訴訟の遂行を行っておるわけでございますが、大変に細かな被告側の反論もございまして、それに対する対応ということで多くの手数がかかる、この遂行方につきまして、いま全力を挙げておるわけでございまして、したがいましてこの際、戦線を広げますよりは、やはりただいま提訴いたしております訴訟に集中をいたしまして、これの解決に進んでまいりたい、このように思っておりますので、現在のところ今回のストライキに対する請求ということは考えておらない実情でございます。
○玉置委員 運輸大臣、どうですか。
○山地政府委員 いま吉井常務からお答えしたとおり、処分の凍結の問題は、国鉄の再建に対する協力というものが前提で凍結したわけでございますから、その前提がなくなった場合には凍結の解除ということを国鉄の方で決めるのは当然のことだろうと思っております。 それから、いわゆるストによる損害賠償の問題というのは、かねがねいろんなところでどういうふうなことでやったらいいかということについて議論がされているわけでございますけれども、事実上そういったものについて判定するのがむずかしいというのも事実だろうかと思っております。
○玉置委員 スト権ストじゃなくて、ストの処分の凍結という権限についてお聞きをしたいと思います。 いま処分の凍結をなさっている。この決定をされた部署はどちらでしょうか。
○吉井説明員 処分につきましては総裁の権限でございますが、対象職員の所属によりまして、処分権を地方管理局長その他所属機関の長に委任をするという形をとっておるわけでございます。
○玉置委員 処分の、要するに該当あるなしという判断基準というのは何でしょう。
○吉井説明員 これはストライキに参加した職員につきましては、当然違法の行為に参加したわけでございますので、これを対象とする、そのほかに、やはり違法な争議行為を決定し、指揮した者、いわゆる組織責任というものがございます。したがって、きわめて大づかみで申し上げますならば、組織責任者と実際のスト参加者ということになろうと思います。
○玉置委員 いまいろいろ聞いていますと、法律そして規則ということに抵触するしないという話になってくると思いますけれども、そこでお伺いしたいのは、総裁みずからが決断を下されるということでございますけれども、法律に対する判断というものが総裁のところで決定される権限があるかないかということが一つ。 それと、現在違法ストのどうのこうのという話がございますけれども、そういう内容は置きまして、労使関係に本当に有効に役立っているかという、その辺の判断をお伺いしたいと思います。
○吉井説明員 ストライキが違法であるということは、現在の法律に照らしてそのような事態に相なるわけでありますが、これに対して処分をする権限というものは、現在の体制下では総裁に任されておるというふうに判断をいたしております。 それからまた、この処分の問題が労使関係に役立つかどうかということでございますが、これも非常に長い歴史のある話でございまして、過去におきましては、ストライキに対する処分、またその処分に反対の闘争、それに対する処分、こういう繰り返しもございました。これらはすべて、そのこと自体よりも、やはりそれを取り巻きます労使の関係の背景というものが大きな要素を占めてまいると思います。したがいまして、私ども先ほど来申し上げておりますように、今後国鉄の再建を進めますためにはやはりその背景としての労使関係を何とか建て直してまいる、もちろんこういう厳しい状況でございます、その厳しい中で労使の問でお互いに信頼の心を通い合わせるということがありますならば、この処分という問題、これもまた労使関係に対して決定的なきずをつくることなしに、法に照らした厳正な措置を行うということは可能であろうというふうに考えております。(発言する者あり)
○玉置委員 ちょっと雑音が多いようですから、しゃべりにくいのですけれども、違法、適法という判断はあくまでも法律に準拠したものでなければならない。また、その判断基準というものはやはり司法において行われるということだろうと思います。まあ権限というよりも、お互いが協力してやっているというふうにわれわれ受け取っていますけれども、しかし、すでに一方的に破られた事態がございますので、いいものはいい、悪いものは悪いという体制をこれから明確にしていただきたい、そういうふうに思うわけでございます。まずこれが一番のいままでの国鉄の中で大きな問題ではないか、そういうふうに考えるわけでございます。 それと、次に企業努力というものの考え方でございまして、先ほどもお話がございましたように、これは運輸省の方でございますけれども、企業努力、線路を敷いたら自然に家が建つ、そしてお客さんが勧誘しなくても乗ってくるということではなくて、やはりそれなりに人を誘いあるいは人を集めるような、そういう魅力をつくっていくということが必要だと思うのです。それと、やはり利用されている方々、そういう方々がお互いに連帯感を持つといいますか、そういうことも必要ではないかと思うのでございます。ところが、先ほど民鉄との比較のときに、民鉄があたかも自然に周りに住宅地ができて、そしていま繁栄されているというふうに、そういうふうに私には聞こえたわけでございますけれども、やはり企業努力そのものをもっと見直していかなければならない、そういうふうに思うわけでございます。 たとえば、昭和四十六年だったと思いますけれども、マル生運動というものがございまして、そのときに生産性の向上ということが初めて国鉄の中で叫ばれました。しかし、労働者側の理解が得られずに、いまどこかへ消えて飛んでしまっているということでございますけれども、当初は労働側に流す流し方が悪かった、またそのときの教科書が悪かったというお話で、二、三カ月の猶予をいただきたいという、たしかそういう話があった、そういうふうに私は読んだことがございますけれども、その辺について確認をいたしたいということと、その後のマル生という、たまたまそういう名前で呼ばれておりましたけれども、生産性の向上に対する活動としてどういうふうにいままでなされてきたのか、その辺についてお伺いをいたしたいと思います。
○吉井説明員 ただいま先生御質問のように、四十五年から四十六年にかけまして、いわゆる生産性教育あるいは生産性向上運動というものを国鉄として行ってまいったわけでございます。この本来の趣旨といたしましては、やはり当時も国鉄の財政を建て直すために、また能率を向上してそれこそ私鉄に匹敵する国鉄の能率を高めるため、こういう目標があったと理解するわけでございますが、この運動を進める過程におきまして、細かくここで申し上げることもなかろうかと思いますが、いろいろなことがございまして、その結果この生産性運動を中止せざるを得ない、こういう状況になったわけでございますし、また、その後におきまして大変に労使間の紛争の多発あるいは職場における不信、荒廃、こういう事態を招いたわけでございます。これにつきまして、そういった事態から立ち直るということがその後国鉄としての最大の課題であったわけでございまして、もろもろの指標から照らしまして、私決して現在国鉄全般として非常に職場の状況は好転したと申し上げる自信はございませんけれども、ただ一般的にもろもろの指標をとります限り、当時に対して少なくとも若干の向上の跡が見られるのではないか、そういった事態の上に、さらに先ほどの御質問にもお答えいたしましたように、これから国鉄の再建計画を実現していかなければならない、つまり三十五万体制で大いに能率を上げて作業を遂行していかなければならない、こういう事態でございます。したがいまして、これは労使を問わず職員一人一人の自覚にまちながら能率を向上する、またそのために組合としてもできる限りの努力、協力をしてもらうということが必要であろうというふうに思うわけでございまして、したがいまして、これは形こそ変られ、また名前をそれとつけませんでも、やはり今後能率の向上のためにいろいろな万般の施策を講じてまいる、これまでも先ほど申しましたようにそういった合理化努力とあわせて能率向上を図ってまいったわけでありますが、今後さらにそれを加速してまいる、このように考えておるわけでございます。
○玉置委員 生産性向上というのは、非常に簡単なようでむずかしいと思います。合理化合理化と当局が言っておられて、某組合が合理化反対ということで、まあわれわれ素人が聞きますと合理化するのになぜ悪いのだという気持ちを持つわけでございます。そこで合理化の定義についてどういうふうにお考えになっておるのか、それと労働生産性を上げるためには何をやればいいのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○吉井説明員 合理化と申しますことは、やはり企業の運営を能率的に行う、このための施策ということであろうと思いますが、そのためには、従来十人でやっておりました仕事を九人でやる、八人でやる、つまり要員をより少ない要員でやってまいる。(「首切りじゃないか、人減らしじゃないか」と呼ぶ者あり)人減らしではございますけれども、減耗の不補充ということでございますので、決して首を切るということではないわけでございますが、とかくそのように人を減らすという観念がつきまといますために、一部の労働組合からは合理化は反対である、こういう声が挙がるわけでございます。しかしながら、この合理化の目指しますものは決して首切りではございませんで、やはり昭和六十年に向かって私鉄に劣らない能率、精度の高い国鉄ということを考えるわけでございますので、決して私どもといたしましては労働組合としても賛成できない筋合いのものではないというふうに考えておるわけでございます。 そしてまた、その合理化を達成する手段いかに、こういう御質問であったかと思いますが、これはいろいろな方法を考えてまいらなければならないというふうに思います。やはり民間でも行われておりますたとえば機械の導入によりまして人手を省いていく、あるいはまた仕事の仕組みにそれぞれの工夫を加えまして従来よりも少ない人手で能率を上げてまいる、こういうことも措置の一つでございますし、あるいはまた、これから非常に大量退職の時代に向かうわけでございますが、そういった高齢者の対策も含めて、従来直営でやっております作業を一部部外の力をかり、あるいはOBの力を活用してやってまいる、これもまた合理化の一つの内容であろうかと思います。
○玉置委員 いまのお話の中で、合理化の進め方について私ちょっと異論があるわけでございます。と申しますのは、現在四十二万余りの職員の方がおられまして、三十五万に減っていくという見込みでやっておられます。しかし、その中でいまお話がありました機械を導入して人を減らしていこうということでなくて、人が減るから機械を入れようということでなければ合理化ができない、そういうふうに思うわけでございます。たとえばいま四十二万おられまして、仕事の見直しをしたら三十万で仕事ができるという見通しが仮にできた場合、ではあとの十二万人をどうするかということになるわけで、その場合三十万でできるという中には当然機械に置きかえていくということもございますし、置きかえるということは新しい投資が必要であるということになるわけでございます。そういうことを考えますと、いま何が必要かということは、まず再建をするということでありますから、累積赤字を含めて返済をいかにやっていくかということと、現在の財政をサービス等を落とさないで維持していくということも考えていかなければならないし、また人的配置その他長期的な見通しというものをつくっていかなければならない。その中でいかに安価に維持をして、将来安定したものにするかというのが合理化の一番の目的ではないか、そういうように考えるわけでございます。単に機械に置きかえまして、そういう設備さえ入れればそれで事が済むということではなくて、また非常に悪い例としまして、たとえば線路の敷設のときの機械なんか非常に買われましてほとんど使われてないという事実もございますし、いままでそうであったからこれから使われるということはまずわれわれも考えられない、そういうように思うわけでございます。そういう意味で、現在人がおられてそれを配置転換できないということであるならば、いかに有効に使っていくかということがまず第一に考えられなければならない、そう思うのでございます。それと生きがい、働きがいということになりますけれども、たとえば一人前の仕事がありまして、それを三人でやっておられる、要するに一人分の仕事を三人でやっておられるのと一人でやっておられるのとどちらが一体働きがいがあるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○吉井説明員 私、機械の導入を申しましたのは合理化の一つの手段の例として挙げたわけでございまして、機械の導入だけが合理化のすべてと申すわけでは決してございません。また過去におきまして合理化のために導入いたしました機械の使用方について不十分な点があるということも、従来しばしば御指摘をいただいております。今後はそのようなことのないように十分に慎重な下調査の上で導入したいというふうに考えるわけでございます。いずれにいたしましても、機械のみが合理化のすべてではないということは御指摘のとおりでございまして、現在私どもも長年の仕事のしきたりということでやっておるわけでございますが、これに対して抜本的な見直しを行っていくということで、一人一人がフルに働く、勤務時間の間は目いっぱい働く、こういう働いた満足感を持って家路につく、こういった形にすることが一つの生きがいであり、またあわせてそれによって能率が向上し、より少ない要員で豊かな仕事ができるということにつながろうと思います。そういった意味で、機械化と申しましたのは一つの手段の例でございまして、いろいろな工夫を十分に私どもなりに考え、また各労働組合の諸君とも話し合いをし、協力を得て進めてまいりたい、そのように感ずるわけでございます。
○玉置委員 時間の配分もございまして、これだけでもう優に一時間を超えてしまうのでございますけれども、非常に答えにくいようでございますからちょっと話題を変えまして、これからの再建計画の内容についてお伺いをいたしたいと思います。 いままで国鉄は公共機関という非常に重大な任務を抱えてやってまいりました。その結果身動きならない事態になった、そういうように思うわけでございます。そして今回地方交通線と言われておりますそういう問題も踏まえ、また過去には政治路線ということで各地でいろいろな路線が問題になりました。こういう内容から見てまいりますと、現在の国鉄の路線のあり方、その辺が非常に国鉄だけでは決められない大きな要因があったのではないか、そういうように思うのでございます。 そこで、これからの再建として、責任分担を明確にしていかなければならないと思うのでございます。大都市間の輸送でありますとかあるいは大量・定型、そういうものについては重点的にやっていきたい、あるいは減量化対策をやっていくというお話がございますけれども、実際のところどこまでが国鉄の責任分担で、どこからが国あるいは運輸省が責任を持って見ていかなければならないゾーンか、その辺についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○山地政府委員 公共輸送機関として国鉄に何を期待するか、そういったことかと思うわけでございますが、国鉄の現在の姿を考えてみますと、先ほど御指摘になりましたように九千億の赤字も出しているし、何回も再建計画を立ててそれが崩れていった。しかし、やはり国鉄というものが基幹的な輸送機関であるということは、これは間違いがないところであるわけでございます。 そこで国鉄の公共輸送機関として果たすべき分野というのは何だろうかということが一番問題になってくるわけでございまして、そこで公共性と企業性というような問題が絡んでくるわけなのでございます。国鉄の現在の輸送状況を見ておりますと、いま御指摘になりましたように、大都市間とか大都市圏輸送あるいは大量・定型貨物輸送というようなところが国鉄の今後目指すべき分野であろう。これはなぜそうなるのかということでございますけれども、都市間輸送は、調べてみますと、都市間輸送の中で国鉄の占めているシェアというのは五〇%に達しているわけでございます。貨物になりますと、いま全国で一〇%を切るか切らないかというほど下がってきて、国鉄が持っている公共輸送の、言ってみれば公共性ということから見ますと若干下がってきているわけでございますけれども、やはり都市間ということになると全国のネットワークということで、国鉄の基幹的輸送機関としての責務は非常に大きいということが言えるかと思うわけでございます。 それに対比いたしまして地方の輸送、地域輸送、地域内輸送ということで申し上げたらいいかと思いますが、これの中における国鉄のシェアというのは年々低下しておりまして、八%とかそういった程度にまで下がってきておるわけです。この理由というのは、もちろんモータリゼーションの発達ということで、地域内輸送に占める国鉄のシェア、ひいて言えば公共性というものは低下しつつある。そこで、そこの地域輸送というものについては、より効率的な輸送を考えた方が国民経済的にも大切なことではないだろうかということが今回の法案の基礎に入っているわけでございまして、国鉄としては国鉄の期待されている基幹的輸送機関部分について経営を重点化していき、そこで要員の合理化等も含めて体質を固めていくということで国鉄の再建を考えていく。他方、より効率的な輸送機関というものが期待できる地域内輸送については、地方交通線の分野というものは新しい経営主体の方にあるいは経営形態といいますか輸送機関の方にお譲りして、そちらの方で国民の足の確保に努めていく、こういうふうに分担をしていったらいかがなものであろうかというふうに考えておるわけでございます。
○玉置委員 国鉄側の意見は……。
○高木説明員 私どもの役割りは最近非常に変わってきていると思います。従来は全国のネットワークについて基本的輸送機関としての役割りがあったと思っておりますが、最近は事情が変わってきておりまして、ただいまの御質問でお触れになりました、あるいはまた鉄道監督局長の御答弁にありましたようなフィールドの仕事が私どもの仕事ではないかと思っております。そのフィールドの中で仕事をしますにつきましても、いろいろな関係から必ずしも経営的にうまくいっていないわけでございますので、与えられたフィールドにおいていまの体質を直していって、効率的な運営にするのが当面私どもに与えられた責務であると考えております。
○玉置委員 私の聞いたのはちょっと違ったのですけれども、時間がないのでまた繰り返して聞くというのではなくて、一つは、こういう考え方なんです。たとえば、新線を引きます、それについては国が持ちましょう、運営については国鉄が責任を持つ、そういうふうな形ができないかどうか。線路を引くというのは政治の力も非常に左右するというようなことがいままでの例にございますし、また、住民の要望という意味から考えても引かなければ、採算が合わなくても必要なところもあるというふうに感じられます。そういう内容から見て、やはり分担を明確にしていく。また、いままで国鉄の赤字が累積された中には投資に対する利息が非常に大きかったということもかなり大きな要素になっております。そういう面から考えて、今回の計画みたいに、地方路線を分断していいところだけは国鉄だ、残りは知らないというのは、再建計画にはならないのではないか、これから先非常に難航するのではないか、そういうふうに思うわけでございます。ですから、それ以外の対応もぜひ考えていただきたいと思いますし、また、いいところだけではなくて、運営については責任を持つのだ、そのほかについては全部国に預ける、そのぐらいの腹構えでぜひお願いをしたいと思うわけでございます。そういう観点からお聞きをしたわけでございまして、ちょっと違った答えが返ってきましたが、結構でございます。 それから、今回の再建計画の中で、いまおられるのが四十二万四千人ですか、それが三十五万人になるということでございますけれども、これはあくまでも国鉄職員ということでございまして、関係会社を入れますと非常に大きな枠があるのではないかと思うわけでございます。人を減らすのは簡単なんですね。たとえばいま四十二万で三十五万にする、七万数千人を減らすわけでございますけれども、表面上減らそうと思えば、関係会社に全部移せば中には入らないわけですから、そういうことを考えると、国鉄のいわゆる圏内、先ほど来られた方に圏内というのはどういうものかというお話を申し上げたのですけれども、委員会の席ではちょっと言いにくいことでございますが、そういうものがあります。あるはずなんです。たとえば、国鉄はどういうもので成り立っているか。本社がありまして、そして線路を引くためにどういう作業をするのか、あるいは車両をつくるためにはどういうふうにするのか、そういうものもありますし、あるいは鉄道弘済会というものがございます。要するに仕事でつながっている関係、資本でつながっている関係、取引でつながっている関係、いろいろあるわけでございます。そういう中で、国鉄の中で合理化をされたといって人が外へ出られても外の人がふえてしまえば全体として結局負担は変わらないということでございます。今回、特に内部の話しか出ておりませんけれども、これから国鉄関連会社あるいは資本系列でも結構です、比較的身近なところから一緒に合理化活動あるいは再建計画を立てていかなければならない、そういうように感じるわけでございます。国鉄独自で利益を生むことが非常にむずかしい。ですから今回以降なるべく支出を抑えよということでございますけれども、そのほかでかせげるというのも変ですけれども、要するに利益を生み出す部分があればそこを拡大していくのも再建の一つの手ではないかと考えるのでございます。そういうことを今後ぜひ検討願いたいと思いますけれども、これについて国鉄そして運輸省の考え方をお聞きしたいと思います。
○高木説明員 国鉄は大変大きな企業でございまして仕事の種類もまことに複雑多岐でございますので、国鉄関係の仕事をしている会社の数またその従業員の数は大変大きいわけでございます。そして、つながりの密度も単に仕事を通じて関係のあるところもございますし、多少とも私どもが資本関係を持っているところもございますし、人的構成も多岐多様になっております。ただ、最近の現象として言えますことは、国鉄自体の仕事全体がいささか減りぎみでございますので、関係業界等もいずれも経営に経営者はいろいろ腐心をしておるところでございます。私どもも御指摘のようにこれからいろいろ心配りをしてまいりますけれども、そこまでいきませんでも、それぞれの関連企業の方々はいま相当経営に苦慮しておられるところでございまして、確かにそういう全体としての能率化は考えなければいけませんからそれなりの手を打ってまいりますけれども、現在でもすでに各経営者は相当苦慮し、配慮し、いろいろ努力をしておるところでございます。私どももそれを見守りながら足らざる点は若干ながらアドバイスをするなりして補ってまいりたいと考えております。
○山地政府委員 関連企業は非常にたくさんあって問題は幾つかあろうかと思うのですが、一つは、国鉄の関連事業収入をふやしていくためにある程度国鉄が出資して関連事業も育成強化していかなければならない。その場合には、国鉄の収支に必ずいい影響を与えていく、国鉄の収支上メリットがあるということが非常に大事だろうと思うわけでございます。御批判の中には、言ってみれば国鉄の周りに食らいついて国鉄から甘い汁を吸っていく、国鉄のしりぬぐいをそっちの方へ持っていくというのじゃなくて、逆に周りの企業の方にもうけさせて国鉄が赤字を生むというようなこともよく御指摘があるわけでございます。関連事業については、それらのことについて十分注意をいたしながら、国鉄の収支に好影響を与え、かつ国鉄の雇用の機会の増進ということも非常に大事なことでございますので、これらのことを念頭に置いて十分指導してまいりたいと思っております。
○玉置委員 時間が参りましたので、地崎運輸大臣と高木総裁に一言ずつお聞きをして終わりたいと思います。 最後の確認といたしまして、五十四年度のストの処分について、もし高木総裁の方から解除をしたいという相談がありましたらば地崎運輸大臣はどういうふうにお答えになりますか。 高木総裁に対しましては、いままで経営面での努力をいろいろなさってきたと思いますけれども、最終的にはこういう結果になったということでございます。それについて経営側としての責任の態度を最後に一言お願いいたしておきます。
○地崎国務大臣 凍結解除の問題につきまして総裁から了承を求めてまいりましたときは、承知をするつもりでございます。
○高木説明員 今日では何としても再建を計画どおり実現することが必要でございまして、その再建の中心となるものは労使の理解を深めつつ目的を達成することにある、いろいろ政府にもお願いすることもございますし、あるいは利用者の方々に御迷惑をかけることもございますけれども、要は国鉄自身の問題である、それをどうやって労使でやっていくかということだと思います。そこに最大の焦点を置いていろいろな仕事と取り組んでまいりたいと思っております。
○玉置委員 時間が参りましたので終わりたいと思いますけれども、かなり綿密な計画で進めていかなければいけないということと、それから従来のようななれ合いの労使関係というものを思い切って断ち切らなければ絶対進まないと思っておりますので、運輸省、そして国鉄の皆さん方にそういう点をぜひこれから御理解いただいてお進めをいただきますようにお願いをしておきたいと思います。 ではこれで終わります。
○古屋委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十一分散会